山口市議会 2016-03-02
平成28年第1回定例会(4日目) 本文 開催日:2016年03月02日
2016年03月02日:平成28年第1回定例会(4日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 午前10時00分開議
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◯ 議長(原 真也議長) おはようございます。これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
本日の
会議録署名議員は、11番、
泉裕樹議員及び22番、
田中勇議員を指名いたします。
日程第2、一般質問並びに質疑を行います。
議案第1号から議案第75号まで及び諮問第1号から諮問第7号までを一括議題といたします。
順次発言を許します。1番、
山本貴広議員。
〔1番
山本貴広議員登壇〕
◯ 1番
山本貴広議員 おはようございます。
県央創造清風会の山本貴広でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。市長初め、関係参与の皆さんの明快なる御答弁をお願いいたします。
最初に、不登校の子の
居場所支援について質問します。
文部科学省が、一昨年の
教育再生実行会議の第5次提言を受け、将来に有識者等で構成する
フリースクール等に関する検討会議と不登校に関する
調査研究協力者会議の
検討チームを昨年1月に設置しました。この諮問機関において、これまで検討会議を7回、
調査研究協力者会議を12回開催し、さまざまな角度から
フリースクールのあり方を審議してきております。今月までとされる両会議において、現行の義務教育を特定の
小・中学校にとどめることなく、多様な学びも受け入れようと、その
体制づくりなど協議され、昨年8月に一人一人の多様な課題に対応した切れ目のない組織的な支援の推進として、不
登校児童生徒への支援に関する中間報告が発表されました。この動きを受けて、私は昨年、3月定例議会で
フリースクールについて一般質問をさせていただきました。あれから1年経過し、国はこれをまさに法制化しようとしておりますので、この動きも注視しつつ、再び不登校の子の居場所について質問させていただくことにしました。昨年、教育長から本市の
教育相談員で構成する
適応指導教室運営協議会で本件について検討するとの答弁をいただきましたので、その協議内容も明らかにしていただきたいと思います。さて、今も全国に12万人いるとされる不登校の
小・中学校児童生徒たち、ここ20年近く10万人を超え続けている次世代を担う子供たちの教育機会を確保するため、国や地方自治体が支援を行うことを規定した法律を、
超党派フリースクール等議員連盟が2月12日、会合を開き、3月中旬に国会に提出し、今国会での成立を目指していることにつきましては、御承知のとおりだろうと思います。ここで改めてこの不登校について確認をしますと、不登校とは病気や経済的な理由以外で何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは
社会的要因により学校を年間30日以上登校しない、あるいは登校したくても登校できない状況にある児童生徒を言いまして、本市には平成25年度は181名、平成26年度は140名、そして平成27年度は2学期末の段階で174名いるとうかがっております。私は、このたびの学校以外での学びを支援する議員立法の骨子を見まして、
フリースクールなど、多様な学習活動にその重要性を認め、支援することこそが、まさに教育なら山口のキャッチフレーズを高めるものだと考えております。提案内容に
フリースクールなどでの学びを義務教育の制度内に位置づけられなかったことを大変残念に思うのですが、
フリースクールは不登校の子供たちの大きな受け皿になっております。
文部科学省が認定する
フリースクールは、全国に474カ所あり、昨年8月5日に初めてその実態調査の結果を発表しました。運営主体は、
NPO法人が約半分、2割が任意団体、1割が個人、あとはさまざまな他の法人だったそうです。活動内容は、相談、
カウンセリングや個別の学習、芸術活動などを上げた施設が多く、小・中学生約4,200人が通い、授業料は平均月3万3,000円、入会金は平均5万3,000円となっております。施設の
平均児童生徒は、13.2人と小規模な施設が多く、1週間当たりの開所日数は平均4.6日、スタッフは約2,900人、週5日以上勤務していたのは1施設平均2.8人だったようで、9割近くが個別の学習が行われている一方、一斉に学習する授業形式による学習は4割、いずれにしても、保護者の負担の大きさや施設の経営が困難であることが浮かび上がりました。また、地域の
小・中学校などに在籍しながら
フリースクールなどに通っている児童生徒の出席扱いは、在籍する校長の判断に任されていますが、調査では出席扱いとなったのは小学校が52.9%、中学校が58.1%です。そこで最初にお尋ねします。市内にある
フリースクールの活動状況について、
教育委員会はどこまで認知され、活動実態などを把握されておられるのかを最初にお伺いします。
馳浩文部科学大臣は、昨年11月のマスコミのインタビューに応じ、
教育委員会などが不登校の子供の指導のために設置する
教育支援センターについて、財政面で支援する考えを明らかにしております。また、この中で学校以外の教育機会を義務教育と認める議員立法の成立をお願いしたいとも答えています。本市においては、早くに
あすなろ学級を2カ所に設置して、この
教育支援センターを運営しているものの、
フリースクールなどの施設との連携などはまだ見られないと思います。ここでお尋ねをします。国の、超党派で、これまで議論してきた理念立法である義務教育の段階に相当する普通教育の機会に関する法律の案件を受けて、本市の今後の取り組みについてお伺いします。ことし1月25日に
文部科学大臣決定とされる次世代の学校・
地域創生プランでは、一億総活躍社会の実現と地方創生の推進のため、学校と地域とが一体となって地域創生に取り組めるよう平成27年12月に取りまとめられた
中央教育審議会の3つの答申内容の具体化を強力に推進するとしております。3つの答申とは、新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働のあり方と今後の推進方策について、チームとしての学校のあり方と今後の改善方法について、最後にこれからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について──学び合い、高め合う
教員養成コミュニティーの構築に向けて──です。このプランでは、
地域学校協働活動及び
コミュニティスクールを一体的、効果的に推進するため、
文部科学省内に事務体制として
学校地域連携協働推進プロジェクトチームを設置するとの記載がありますが、本市では既にこれらのことを先駆的に取り組んでいまして、市内全ての学校を
コミュニティスクールに指定し、21地域に
地域協育ネットの仕組みを取り入れ、
地域ぐるみで支援するための取り組みをしてこられたことについては、高く評価をしております。さらに、平成28年度から新たに
地域連携推進室を設置されようとしています。その
中央教育審議会では、昨年12月10日、専門性に基づく
チーム体制の構築で、教員が多様な専門性や経験を持った人材として協力して子供に指導できるようにするとともに、福祉の専門家──
スクールソーシャルワーカーを学校に必要な職業として法令に明記し、全
公立小・中学校への配置を目指しています。さらに、2001年度に国の補助金が始まった
スクールカウンセラーも、1校に1人設置する基準をつくろうとしております。本市も子供の
笑顔づくり支援事業として予算措置がなされており、
専門指導員である
スクールカウンセラーや
スクールソーシャルワーカーの充実を図る取り組みをされていますが、
フリースクールに通わなくても済むような未然防止のためにも、全ての学校にこのような
専門指導員の配置をすることが求められていると思います。ここでお尋ねします。
スクールソーシャルワーカーの多くは、何らかの問題が起きてから派遣される形態をとっておられると思いますが、不登校の児童生徒をつくらない方策として、日常的に児童生徒に寄り添い、いち早く子供のSOSに対応することができる
スクールカウンセラーや
スクールソーシャルワーカーの全
小・中学校配置についての御所見をお伺いします。
次に大項目のイ、自治会・町内会のあり方についてお尋ねします。自治会、町内会とは、ある区域に住む人たちが親睦や住民自治のためにつくる団体です。つくる、つくらないは住民の自由で、加入するのも強制ではありません。自治会、町内会のほかに区、区会、部落会などの呼び方があり、構成単位はマンション1棟から小学校区よりも広いものまでさまざまです。総務省によると、団体数は全国に約30万自治会が存在するそうです。ちなみに本市は、772の自治会、町内会が存在します。自治会の起源は地域ごとに異なりますが、1940年に国が戦争遂行のため末端組織として整備し、1947年、GHQが解散命令を出しましたが、1952年に
サンフランシスコ講和条約が発効すると、各地で再結成されました。昨年9月に朝日新聞社がこの自治会、町内会についてアンケートをとり、1,800人から回答をもらった結果を5回に分けて公表しております。中高年の男性を中心に多くの意見が集まり、交流や防災に期待する一方、行政とのかかわりや人間関係に悩む声もあり、PTAと同じような問題を抱えているとの指摘をされた方もいるようです。また、自治会、町内会は、
コミュニケーションツールがない時代に行政とのパイプ役として情報伝達の役割を担ったが、SNSの普及が進み、災害時などは伝言ゲームが意味をなさない。行政側の発想転換が求められる。行政、
自治会双方に自治会は、行政の下請機関という意識がある。だから活動は、清掃や交流といった無難なものになってしまう。自治会が今の政治、行政制度を維持する
選挙票機関となっている面もあるのに、わずかでも社会への疑問という政治性が入ってくると、たちまち排除される。町会と
連合自治会と行政のパイプは必要。一体にならないと
まちづくりはできません。
町内会組織を行政の最末端組織と計画に位置づけ、財政的または人的な支援を行うことが双方の活性化になると思う。例えば、行政職や教育関係の職員全員を出身地の
町内会業務に毎週半日程度勤務させるなど、意見は多岐にわたっております。そこでお尋ねします。合併して10年、特に平成28年度の
予算編成方針には、
定住実現都市とされています。これを実現するためには、日常生活を営む自治会、町内会をより充実したものにすべきだと考えます。住民自治の最小単位である自治会、町内会の実態──まだできていない地域が存在するなどや──活動状況、そして今後の課題についてお伺いします。長野県小諸市では、
自治基本条例で、本市に住む人は──中ほどを略しまして──区へ加入しなければなりませんと定めました。ここで言う区とは自治会のことですが、加入については任意のはずなのにとの疑問に、市側は理念を決意としてあらわしたもの、義務というわけではありませんと説明されたようです。2010年に施行された条例は、前文で市民一人一人が自治の主体だとうたっています。素案段階の
パブリックコメントには、区への強制加入は憲法違反との声もあったようですが、指摘には当たらない。個人の思想の自由には踏み込めない、加入していただきたいが強制はしないとし、未加入に対する罰則規定は設けていないようです。市内のある区長さんは、入らない人は隣近所に挨拶しない人、ごみも区民感情を考えると集積所を使わないでもらいたいと、一方未加入者は、一度も広報紙は届きません。
買い物ついでに市役所で取ります。市の健康診断を区が取りまとめていることも疑問に感じます。同じ住民税を払っている市民に平等に情報を流すのが市の義務ではないですかと話されています。行政側は、全員加入の理想と現実には乖離がある。未加入者が不自由しないように保障しないといけないとコメントしているそうです。長野県では、塩尻市も条例で、市民は居住する地域の自治会に加入するものとし、加入に努めるといった条文を設けている自治体もあり、同県では駒ケ根市や高森町、他県でも埼玉の八潮市や所沢市、草加市、神奈川県の湯河原町、島根の出雲市などが条例で住民に加入を促しております。条例をつくろうとしても、住民の反対で頓挫した自治体もあります。東京都世田谷区は、みずから暮らす地域社会に関心を持ち、町会、自治会に加入するなど、地域活動に主体的に参加するよう努めると位置づけた素案が、理念だけでは意味がないと白紙に。長野県茅野市も同じように断念したようです。兵庫県三田市は、市内182区自治会を束ねる連合会の役割について、市が進めようとする事業などの説明を住民の代表として聞き、意見する。また、各自治会に共通している問題を考えたり、各自治会の声を集め、市に要望したりしている。各自治会からの会費1,000円と市の補助金100万円で運営し、事務局を
市コミュニティ課が担い、年1回の総会資料を作成するそうです。東京都調布市在住者からの意見として、200世帯が14班に分かれて加入した
杉森自治会が解散した。直接の理由として、役員のなり手不足でくじ引きで決めたときに、当たった人が泣き出す始末、議論の末、ぎすぎすした関係に陥るのはばかばかしいという結論に達し、反対者もなく自治会は消滅。ところが、なくなって不都合が徐々に生じてきたそうです。市や消防署からのお知らせが届かない。赤い羽根や歳末助け合いなどの募金ができないなど。そこで再結成の話が持ち上がり、ルールとして会長は置かず、仕事は1年交代で全世帯が担当する。自治会費は取らない。募金や寄附金は一律で集める。年1回総会を開き、お金を徴収し、引き継ぎをするなどを決めて、風通しよく接することができるようになったそうです。ここでお尋ねします。これまで話してきた内容は、本市に存在する772のどの自治会にも当てはまる課題だと思いますが、本市は平成20年に協働の
まちづくり条例を制定し、
自治会等自治振興交付金事業を展開していますが、その予算の目的や内訳について改めてお伺いします。また、あわせて孤立無援の社会をつくらないための自治会、町内会のあり方や、その責務についての御所見と対策についてお伺いします。次に、相談窓口についてお伺いします。合併して10年、旧阿知須町では区制度が長く続き、区長は町長名で委嘱状を出し、各区は行政の最先端のお手伝いをする機関として位置づけられていました。合併して自治会となり、49あった区も現在では32に統廃合し、また今までにはなかった
自治会連合会も組織されてはいるものの、苦労しながら運営されています。構成する世帯数もわずか3世帯から400世帯までと
自治会消滅地域から人口がふえて、幅広く
自治会活動をする必要がある地域も出ております。自治会に関心のない人もふえているのも事実だろうと認識しております。まちなかは空洞化し、高齢化も進む中、自治会長の役もままならない状況にもあります。30世帯を切る自治会が、隣の自治会に合併の働きかけをしても、なかなか乗ってもらえなかったり、ことし11月は全国一斉に民生委員・児童委員の改選の時期がやってきますが、旧町時代は70世帯から推薦が出せていましたが、市になり、170世帯からの推薦となると、どうしても複数の自治会からの推薦となり、なかなかその推薦も困難になっているなど、多くの悩みを抱えておられます。こうした自治会、町内会をお世話されている方々の相談に対処してくれる窓口を開設することについての御所見をお伺いします。
最後に大項目のウ、自殺対策についてお尋ねします。
自殺対策基本法施行から10年が経過しました。議員立法で成立したこの法律の目的は、我が国の自殺者数が高い水準で推移していることに鑑み、自殺対策に関しての基本理念を定め、国や
地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、自殺対策に基本となる事項を定めることにより、自殺対策を総合的に推進し、自殺防止や自殺者の親族などに対する支援の充実を図ることで、国民が健康で生きがいをもって暮らすことができる社会の実現に寄与するとしています。その実態としまして、2011年まで14年連続3万人を超えた自殺者数も、2015年は2万4,025人、18年ぶりに2万5,000人を下回ったそうです。それでも毎日65人が自殺で尊い命をなくしている計算になります。そこで最初にお尋ねしたいのが、本市の自殺者数の現状についてです。年齢層や男女別もわかれば明らかにしていただきたいと思います。あわせて課題などにつきましても、お伺いします。現行法では、自治体の取り組みは自主性に委ねられていましたが、今回、超党派の議員連盟、自殺対策を推進する議員の会が改正案をまとめ、年度内に成立させ、4月からの施行を目指しています。今回の改正は、自殺の兆候を見落とさないようにする気づきの窓口を細かく張りめぐらせる狙いがあるようです。改正案では、全ての都道府県と市町村に自殺者の年代や性別、職業などの傾向の分析を踏まえた
計画づくりを義務化するものです。例えば、無職の中高年の場合、仕事や家庭など悩みが多岐にわたる可能性があるため、悩みの内容に応じて、自治体が支援先につなぐ
仕組みづくりを想定しているようです。
自殺対策白書によると、2013年の15歳から35歳の死因は自殺がトップだそうです。20歳代前半では死因の5割を超え、若者の自殺は依然深刻だとしております。子供の自殺対策では、学校に心の健康の保持に関する教育啓発に努めてもらう規定も盛り込み、子供がいじめなどの悩みを1人で抱え込まないように、学校は保護者や地域住民と連携し、児童生徒へのSOSの出し方を教えることなどを想定し、政府はこうした取り組みに交付金を出して支援するとしております。内閣府によると、人口10万人当たりの自殺者数である自殺率は2014年で20人、米国では2010年で11人と2倍近く、また英国では2010年で6人と3倍以上となっており、その実態は先進7カ国で最悪の水準だとしております。人と人とのつながりが薄れた今、生活の困窮は孤立無援の社会を生み、貧しくてもお互いが支え合うことができる、また日々の生活は苦しくとも、何とかやっていける地域をつくるためにも、自殺対策や引きこもり、いじめや不登校、住民自治のあり方を総合的に考えていかなければいけません。そこでお尋ねします。本自殺対策の
計画づくりでは、自治体ごとに自殺率の改善目標も定めることとしておりますが、本市の
自殺対策計画づくりにつきまして、法改正を鑑みての御所見をお伺いします。
以上で1回目の質問を終わります。
◯ 議長(原 真也議長)
岩城教育長。
〔教育長 岩城精二君登壇〕
◯ 教育長(岩城精二君) おはようございます。山本議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、不登校の子の
居場所支援について数点の御質問にお答えいたします。御案内のとおり本市の
小・中学校における不登校の
児童生徒数につきましては、今年度2学期末の段階で、議員からも御紹介がありました174名と増加傾向にあり、
教育委員会といたしましては、不登校問題を大きな課題として捉えております。本市では、不登校の児童生徒が安心して生活できる居場所として、
名田島地域にあすなろ第1教室、白石地域にあすなろ第2教室と、2カ所の
教育支援センターを設置いたしております。今年度は27名の児童生徒が、学習活動や体験活動を行っております。また、不登校の中学生を対象とした新たな学びの場として、
白石中学校分教室を昨年4月から開設しており、14名の生徒が高校進学に向けて学習に取り組んでおります。こうした中で、本市の
フリースクールの把握についてでございますが、本市には
NPO法人の
フリースクールAUC、
クラーク記念国際高等学校ネムハイスクール新
山口キャンパス内の
小・中学生部門、
山口福音協会内の
山口インターナショナルクリスチャンスクールの3つの
フリースクールがあり、今年度は市内の
小・中学校から6名の児童生徒が
フリースクールに通っております。また、
フリースクールでは、学習活動だけでなく、文化祭などの行事も実施をされていると聞いておりまして、
フリースクールに通っている児童生徒の出席の扱いにつきましては、学校長の判断にはなりますが、
フリースクールに通っている児童生徒の出席状況や活動状況などを積極的に情報共有することができる場合につきましては、出席日数に含める取り扱いといたしております。次に、
フリースクールとの連携についてでございますが、現在、
フリースクールに通っている児童生徒の在籍する学校におきましては、教材を
フリースクールに送付したり、担任が
フリースクールへの訪問や電話連絡で情報共有をしたりと、連携に努めております。また、電車やバスを利用して
フリースクールに通う児童生徒には、学校から
通学証明書を発行し、学割が適用できるようにするなどの対応をしている状況でございます。次に、不登校の児童生徒をつくらない対策についてでございます。国におきましては、
臨床心理士の
スクールカウンセラーや
社会福祉士や
精神保健福祉士の
スクールソーシャルワーカーを全ての学校に配置することについて議論がなされておりますが、本市では現在、
スクールカウンセラーを県の予算で市内の全ての中学校と16校の小学校に配置をいたしております。配置をしていない小学校には、中学校の
スクールカウンセラーが連携をして支援をしている状況でございます。また、こうした中で、緊急に支援が必要な場合におきましては、本市が独自に確保している
スクールカウンセラーを追加派遣するといった体制をとっております。
スクールソーシャルワーカーにつきましては、平成26年度は3名の
スクールソーシャルワーカーが市内の
小・中学校51校のさまざまな問題に対応しておりましたが、各学校からの派遣要請もふえてきましたことから、また不登校対策を拡充するため、今年度から
スクールソーシャルワーカーを6名に増員し、さまざまな問題を抱える多くの児童生徒や家庭を支援しているところでございます。また、
教育委員会では、このほかにも不登校対策として、不登校に悩む保護者や児童生徒を対象とした
臨床心理士による
カウンセリングや子育てに悩む親同士の
情報交換会の開催、さらには不登校の児童生徒の家庭へ直接訪問する
学習支援員の派遣も行っているところでございます。今年度
教育委員会では、
教育支援センター運営協議会を2回開催しておりますが、この協議会においては、
あすなろ教室に通う児童生徒を含め、不登校の児童生徒の保護者への支援のあり方について協議をしております。その協議の中で、不登校対策については、
スクールソーシャルワーカーによるきめ細やかな対応が重要であり、対象となる児童生徒やその家庭に対する支援をさらに充実させる必要があるといった御意見などをいただいておりまして、
教育委員会といたしましても、平成28年度において、
スクールソーシャルワーカーの活動にかかわる予算を拡充しているところでございます。今後も
スクールカウンセラーや
スクールソーシャルワーカーなどの専門的知識を生かしながら、関係機関とも連携をし、不登校対策を推進してまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと思います。
◯ 議長(原 真也議長)
大田地域振興部長。
〔
地域振興部長 大田正之君登壇〕
◯ 地域振興部長(大田正之君) 私からは、自治会・町内会のあり方についての御質問にお答えをいたします。まず、現状と課題についてでございます。御案内いただきましたとおり自治会、町内会は、現在市内に772団体ございまして、地域住民の皆様にとりまして、一番身近な地域コミュニティー組織として、防犯灯の設置、維持や地域内の道路、水路の清掃活動、ごみステーションの管理のほか、子供やお年寄りの見守り活動あるいは防災活動などの安心・安全な地域づくりに取り組まれておりまして、住民同士の支え合いによる豊かな地域社会の構築、本市における協働による
まちづくりの推進に大変重要な役割を担っておられるところでございます。しかしながら、近年、市全体の加入率がわずかながら減少傾向にございますとともに、地域によりましては、人口減少や高齢化による担い手の不足のために自治会、町内会の活動が停滞するといった課題もうかがっておりまして、対応次第によりましては、こうした傾向は今後ともさらに進むのではないかと考えているところでございます。そのため、これまでも行ってきております転入者に対する自治会加入に向けた情報発信のほか、周辺の自治会、町内会同士による連携や、自治会の連合組織による協力体制の構築等の方策について、有識者の御意見もうかがいながら、各地域の
自治会連合会や地域づくり協議会と引き続き協議を行っていくことといたしているところでございます。次に、協働の
まちづくり条例での意義についてでございます。山口市協働の
まちづくり条例におきましては、自治会、町内会は市民生活に最も身近な地域コミュニティーとして地域住民同士のつながりを強くするとともに、地域の課題の解決に向けて取り組み、安心・安全な地域づくりに努めることと規定いたしているところでございます。そして、地域コミュニティーを構成する市民は、地域コミュニティー活動への理解を深め、その活動に自主的に参加、協力するよう努めることといたしているところでございます。お尋ねの自治会等自治振興交付金につきましては、条例に規定いたしております自治会、町内会における市民の皆様の自主的なコミュニティー活動を促進するための経済的支援策として実施いたしているものでございまして、1世帯当たり5,000円を限度として交付いたしておりまして、新年度予算におきましては、防犯灯の維持管理にかかわる交付金を含め、総額で1億1,693万円を計上いたしているところでございます。各自治会、町内会におかれましては、この交付金を活用されまして、ごみステーションの管理を初め、道路や水路の清掃活動、地域のお祭りなどの親睦行事の開催等さまざまな地域活動のために御活用いただいているところでございます。こうした活動を通じまして、住民同士の交流の輪が広がり、住民の皆様のお互いのつながりの中で地域のきずなが強まり、例えば日常生活における見守りや災害時の支え合いなど、安心・安全で快適な地域生活の構築につなげていただけることが、まさに自治会、町内会に求められる役割であると考えているところでございます。次に、相談窓口についてでございます。自治会、町内会が抱えておられる課題やお悩みに関する御相談につきましては、その自治会、町内会の歴史や経緯といったものをしっかり踏まえて対応することが重要でございますので、地域に身近な窓口でございます地域交流センターあるいは総合支所において対応いたしているところでございます。御案内のとおり今後、自治会、町内会におけるさまざまな課題やお悩みが寄せられることが想定されますことから、地域交流センターと総合支所はもとより、協働推進課、地域づくり支援センターも積極的にバックアップをいたしまして、本庁関係課との連携を密にしながら、より一層適切にかつ状況に応じて、きめ細やかに御相談に対応し、自治会、町内会の皆様の支援に今後とも努めてまいる所存でございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 有田健康福祉部社会福祉・健康づくり担当理事。
〔健康福祉部社会福祉・健康づくり担当理事 有田稔子君登壇〕
◯ 健康福祉部社会福祉・健康づくり担当理事(有田稔子君) 私からは、自殺対策についてお答えいたします。我が国の自殺者数は、平成10年以降14年連続で3万人を超える状態が続いておりましたが、平成24年に15年ぶりに3万人を下回り、平成27年は2万4,025人と18年ぶりに2万5,000人を下回ったところでございます。このように全体数は減少傾向にございますが、若年層の自殺者数の減少幅は、他の年齢層に比べて小さいものにとどまっております上、職業別を見てみましても、総数が減少傾向にある中で、学生・生徒等においてはおおむね横ばいでありますことなど、議員御指摘のとおり依然として若い世代の自殺は深刻な状況にございます。本市の自殺の状況についてでございますが、平成26年の自殺者数は36人でございまして、平成22年の50人をピークに年々減少いたしております。年齢別に見ますと20歳未満はゼロ人、20歳から39歳までの若年層が7人、40歳から59歳までが19人、60歳以上が10人となっております。特に若年層におきましては、平成24年15人、平成25年12人、平成26年7人と減少傾向にあるものの、その件数にかかわらず深刻な問題であると認識いたしているところでございます。また、男女別に見ますと男性が27人、女性が9人と、男性が女性を上回っているところでございます。職業別では無職者が12人、勤め人が10人、失業者や年金等生活者がいずれも4人となっております。また、原因別に見ますと、健康問題が24人、家庭問題が8人、経済・生活問題が7人、勤務問題が6人となっておりまして、健康問題が多い状況でございます。これらの自殺の現状から、本市の課題といたしましては、自殺された方の多くは仕事や家庭などの悩みが多岐にわたっていると考えられますことから、生活、福祉、健康など総合的に相談を受けることのできる
体制づくりが重要であると考えております。続きまして、自殺対策基本法についてでございますが、本基本法は平成18年10月、年間3万人を超える方が自殺で亡くなられる現状を深刻に受けとめ、その背景にあるさまざまな
社会的要因を踏まえまして、自殺の防止及び自殺者の親族等への支援の充実を図るなど、自殺対策の総合的な推進を図っていくために施行されたものでございます。しかしながら、議員御案内のとおり、施行から10年が経過しておりますことから、現在、自治体の実態に合ったきめ細やかな自殺対策が行われるよう地方自治体における自殺対策計画の策定の義務化を柱とした改正案が検討されているところでございます。本市の自殺対策といたしましては、鬱病などの健康問題から自殺へつながることも少なくないことから、大学教授などの専門家による心の健康づくりや講演会、地域の高齢者や団体、グループなどへの健康教育など、心の健康づくりに向けた取り組みを進めているところでございます。また、鬱病などの健康問題は日常生活におけるストレスが原因となりますことから、特に本人や周りの人が心の不調に気づき、早目に専門家に相談できることが大切であるとの観点から、平成26年10月に心の健康情報サイトを開設いたしたところでございます。本サイトにつきましては、パソコンのほか、携帯電話からも利用できる仕様となっており、簡単な質問に答えるだけでストレス度や落ち込み度をチェックできるシステムのほか、ストレス対処法や相談窓口などのさまざまな情報を掲載しているところでございます。本サイトのアクセス数につきましては、開設いたしました平成26年10月から平成27年9月までの1年間で9万1,658件となっており、多くの市民の皆様に活用していただいているところでございます。今後におきましても、本サイトにつきまして、職域や地域を初め、各種イベント等で広く周知いたし、市民の皆様に御利用いただき、自殺予防につなげてまいりたいと考えているところでございます。議員御質問の
計画づくりの方向性についてでございますが、今後、国から計画策定に関する指針が示されるものと考えておりまして、示された指針に基づくとともに、県の計画の方向性を踏まえまして、本市の実態に合った自殺対策をさらに推進できるよう、計画策定に向け取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 以上で、
山本貴広議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
4番、中野光昭議員。
〔4番 中野光昭議員登壇〕
◯ 4番 中野光昭議員 県央創造維新会の中野光昭です。通告に従いまして一般質問をいたします。市長並びに関係参与の皆様の気概と誇りの感じられる熱意あふれる御答弁を期待いたします。
まず、質問項目の一つ目、市民のシビックプライドを育む取り組みについてお尋ねいたします。あらかじめお断りしておきますが、このたび私、6回ぐらいシビックプライドという言葉を使います。言葉の響きがいいから使うわけではなくて、それだけ思いがあふれているというふうに御理解いただければと思います。今議会において、まちへの共感と誇りとしてのシビックプライドの醸成、山口市の未来を担う人材の育成と定着、定住と交流を促進する都市空間形成という政策テーマを三つの創生と銘打って柱とした平成28年度予算案が議論されております。地方創生のうねりの中で、全国の自治体がよーいドンで出生・子育て、雇用・産業振興、ネットワーク・交通・福祉の充実などの目玉政策を展開する中、都市機能を維持し、あわよくば都市間競争で抜きん出るためには、暮らしやすさ、育ちやすさ、働きやすさ、生きやすさなどのまちの機能を充実させ、人口や産業を守り、発展させていくことは、行政機能としてごくごく当たり前に取り組まなくてはならないことだと思います。人々の心の琴線に触れる突き抜けた要素は、この山口の自然や景観、産業、文化、歴史などの地域資源からまちの魅力を再発見して磨くこと、その魅力を地域や市民一人一人が共感し、誇りに思い、みずからの手で内外に発信し、ともに仲間をふやそうと思うこと、すなわちシビックプライドの醸成と定住・移住の機運醸成をともに図ることに活路があるのではないかと思います。昨年12月に山口大学に山口学研究センターが発足いたしました。山口ならではの産業遺産や自然、歴史などの事象を文系、理系の分野を問わず、多角的な視点で調査、研究を行い、山口の価値を解き明かし、研究成果を地域の活性化に直接つなげていくという、全国でも珍しい文理融合型の地域貢献プロジェクトです。山口大学の研究者が、能動的に横断的に地域研究を行い、地域社会と連動して研究及び成果のフィードバックを行い、地域活性という形で学術研究の足跡を残していくこのプロジェクトは、地域の方々が地域の誇りを再発見し、検証したり保存したり、あるいは新たな地域資源として観光や郷土教育に活用する、または学生や研究者が地域にフィールドワーク等で入り込むことにより、若い視点や新たな視点が入り、愛着やUJIターンを呼び込む要素やアイデアを生んでくれるといった、まさに山口市が目指す
定住実現都市の実現に向けて重要な布石になり得るものとして、私は注目しております。そこで一つ目のお尋ねですが、この山口学研究センターのプロジェクトについて、自然や歴史、産業遺産等が数多く存在するこの山口市において、どのように連携し、どのように活用していくのか、またまちおこしに生かすふるさとの歴史教育や愛郷心を育むといった、地域や教育分野との役割分担や連携をどのように進めていくのか、今後の展開についてお尋ねいたします。もう一つ関連して伺います。平成28年度当初予算案において、新規事業として、鋳銭司・陶地区文化財総合調査事業が予算計上されております。山口学研究センターを初めとした関係者と連携し、鋳銭司・陶地区に点在する周防鋳銭司跡、陶窯跡など国指定史跡や文化財を改めて総合調査し、地域づくりや交流、観光につなげることを目的としたこの事業ですが、今から1,200年以上前、鋳銭司、陶が当時日本最大といっていい貨幣鋳造、製陶の拠点、今で言う大工業地帯であったと聞かされ、出自を誇りに生きている私にとっても、山口の郷土の歴史を次世代につなぎ、愛郷心を育て、シビックプライドを高めていく大いなる可能性をもって、今後の展開に注目しております。いま一度、大内文化よりも古い天平年間、平安年間の大工業地帯を山口の宝として発掘し、保存し、検証することは、教育機関との連携、地域の巻き込み方など、方法や趣旨の浸透次第では、歴史資源、観光資源としての活用はもちろんですが、マインドとして、子々孫々の誇りとして、その後の地域定着に資するのではないでしょうか。そこでお尋ねいたします。鋳銭司・陶地区文化財総合調査事業の今後の展開や目標について、地域や教育の分野との連携、期待する効果についてのお考えをお聞かせください。
次に、伝統的工芸品産業の発展に資する取り組みについてお尋ねいたします。地域の魅力を磨き、内外にアピールする手段はさまざまありますが、歴史、観光、産業、雇用、移住・定住などの地方創生のテーマ全てにつながり、リンクして市民の皆様が誇りに感じるシビックプライドのシンボリックなツールとして伝統的工芸品があると私は思います。伝統的工芸品とは、伝統工芸、民芸品の産業振興を目的とした、国の伝統的工芸品産業の振興に関する法律──通称伝産法に基づき、経済産業大臣が指定した工芸品のことで、現在も日常生活で使用され、原材料、技術技法が100年以上の歴史を持ち、地域産業として継続していることなどが指定要件となっております。現在の伝統的工芸品産業の国内状況を説明すると、指定品目は法施行時から順調に増加傾向にあるものの、反比例して生産額と従事者の数は減少の一途をたどり、生産額はピーク時の4分の1、従事者数は3分の1に減少し、産業存続の危機を迎えています。安価な大量生産品の流入や市民のライフスタイルの変貌、職人による手づくり、芸術性へのこだわりや小規模な企業活動により、売上増や販路拡大に注力できず、後継者を受け入れる体制が整わず、技術者の高齢化が深刻化している現状が、どの伝統的工芸品産業にも重く課題としてのしかかっております。さて、我が山口市を代表する伝統的工芸品産業と言えば、大内塗産業です。ここで一つ資料をお見せしたいと思います。こちらはOuchi夫婦といいます──アルファベットでOuchiで大内夫婦です。先日配布されました市報の表紙で、その作成風景が紹介され、3月1日の山口新聞の記事でも紹介されておりますので、御存じの方も多いと思いますが、こちらは若い方々にも伝統工芸を知ってもらい、ライフスタイルに取り入れてほしい。そして、次世代に伝統産業をつないでいきたいという思いが結実したオーダーメイド型の似顔絵風大内人形です。パステル調の現代風な色合いやさまざまな表情パターンが選べ、家紋やイニシャルもオーダーできる。世界で一つのものが手にできる新しい形の大内人形です。私も本年アニバーサリーを迎えますので、早速注文したいなと思ってはおります。予算の都合がありますので、家族の許しが得られればですけれども。ことしの1月29日から2月3日まで、東京の伝統工芸青山スクエアで行われました特別展、山口の工芸品大内塗の愛と美において発表された折に、在京の親戚や友人が参加したのですが、感想として、山口市と大内塗漆器振興組合の皆さんなどが商品開発や大内塗産業の可能性を積極的に模索されていると強く感じたとのことでした。小物入れや食器、ストラップ等を作成してはどうかなどのアイデアも参加者の方々から聞こえてまいりました。とはいえ、大内塗産業の従事者、技術伝承者は減少の一途をたどっており、産業構成も現在は5軒にまで減ってしまっております。山口市のシビックプライドのシンボルの一つが将来的に消えていくのではないかという不安はぬぐえません。そこでお尋ねですが、大内塗産業の現状把握をどのように行い、必要とされるそれぞれの産業連携をどのように支えていくのか、お考えをお伺いします。担い手育成や職業教育、大内塗製品を使用したライフスタイルの提案などの普及啓発、ブランドコンセプトと市場動向をすり合わせての商品開発や、クールジャパン戦略に代表されるような日本文化のよさを全面に押し出した販路拡大などなど、大内塗産業と関連事業の今後の展望を含めて、希望の持てるお答えをいただきたいと思います。さらにもう1点お尋ねいたします。複雑な作業工程や根気や集中力の要求される伝統的工芸品の作成技術の継承は、非常に難しい課題となっており、後継者不足などから思い切った発想の転換による市場開拓や製品開発がなされず、負のスパイラルに陥っている企業が全国的にふえています。そうであるならば、伝統的工芸品の担い手育成、技術継承にも思い切った発想の転換が必要かと思われます。岩手県盛岡市に古くからある伝統的織物技法で、裂き織りというものがあります。木綿の着物が貴重だった時代から、農閑期に古くなった着物を裂きほぐして一つ一つ手作業で織り直していくという、古くは家々に伝わる伝承技術だったそうです。生活文化ということもあり、近年、継承者が激減していたところ、その特徴的な風合いと歴史性と製品開発の多様性から、盛岡を盛り上げるブランドの一つにしようと地場の企業さんが就労継続支援A型事業所を立ち上げられ、伝統工芸技術者5名と障がい者スタッフ15名を雇用されているとのことでした。盛岡市も伝統工芸裂き織りの技術継承と障がい者雇用事業というコラボレーションに着目し、立ち上げから3カ年、生涯現役、全員参加、世代継承型雇用創出事業の対象として事業委託を行い、バックアップをしておられるとのことです。現在も作業の材料となるはぎれなどの企業残反を得るため、アパレルなどの服飾メーカーと結びつけたり、お土産品としての価値を高めるために観光産業との結びつけを行ったり、担い手としてのほかの福祉事業所への作業提案、波及を行うため、ワークシェアリングの提案を行ったりと、行政としてまさに部局横断的とはこういうことを言うのだなと思うような関与をしているとのことでした。伝統的工芸品の技術継承と障がい者雇用が結びつくなんてと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、障害特性を生かした作業工程の分解や指導方法にちょっとした専門性の関与や合理的配慮がなされることで、技術継承に必要な根気強さ、継続性、集中力などに長じた障がい者当事者の社会参加と自尊心の向上に、伝統的工芸品産業は実はフィットしているのではないかと、私は経験上からも、そう思います。実は先般、商工振興課が主催されたビジネスマッチングセミナーの参加者の中に、伝統工芸の担い手と商品開発に障がい者雇用をマッチングさせたいと言われた方がおられました。その方は今や4軒、しかも伝承者がはっきりしているのは2軒しかないという、山口県の誇る伝統的工芸品赤間硯の技術継承と普及に着目し、障がい者福祉事業所の仕事や作業を通して取り組もうと、既に技術者の伝承者の了解を得て、工房での職業体験と原材料を使ったアクセサリーやストラップなどの商品開発と作成を福祉事業所に任せてもらうなどのコラボレーションを目指しているとのお話でした。大げさかもしれませんが、山口の観光振興コンテンツとして、芸術性を高め、また愛郷心を育むツールとして、やまぐち魅力創生の鍵の一つとして、大内塗産業があるのだとしたら、産業振興にインクルーシブな視点を取り入れて刷新を図るのも一つの方策ではないでしょうか。そこでお尋ねいたします。山口市において、伝統工芸大内塗産業の担い手育成の一つとして、障がい者の特性を生かした担い手育成を検討されてはいかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
◯ 議長(原 真也議長)
岩城教育長。
〔教育長 岩城精二君登壇〕
◯ 教育長(岩城精二君) 中野議員の御質問にお答えいたします。
私からは、市民のシビックプライドを育む取り組みについてのうち、鋳銭司・陶地区文化財総合調査事業と今後のビジョンに関する御質問にお答えいたします。御案内のとおり鋳銭司、陶地区は、古代の遺跡に地名のルーツを持つ歴史ある地域でございます。また、背後に黒河内山地を控え、前面には瀬戸内海が広がる南に開けた地形を有している場所でもございます。こうした中で、積水ハウス山口工場の周辺に広がります当時の名称で申し上げますところの周防鋳銭司跡及びその関連遺跡は、全国に置かれた鋳銭所の中でも最も長期にわたり貨幣の鋳造が行われたところで、平安時代には全国で唯一の官営の貨幣の鋳造所でございました。その設営期間は、和銅元年に始まるいわゆる皇朝十二銭と呼ばれます古代の貨幣生産の歴史約300年間のうち、約200年という長さを誇っておりまして、当時全国で流通しておりました国産貨幣のうち3分の2に当たります8種類の貨幣の鋳造を行っていたところでございます。11世紀初頭に周防鋳銭司がその役割を終えた後、約600年後の江戸時代の寛永通宝まで、国家による貨幣の鋳造がなされなかったことを考えますと、その歴史的価値は非常に大きいものであり、我が国の貨幣史を研究する上においては、極めて重要な地位を占める遺跡であると考えております。また、陶地区の黒河内山地の西南麓には、東西2キロメートルにわたって分布しております須恵器の窯跡群がございます。須恵器とは、奈良時代から平安時代にかけてつくられた灰色の固い焼き物の器で、国の役所などで使われたものでございます。この地域には、現在30基の窯跡が確認をされております。未発見のものを含めますと、50基を超える山口県下で最大規模の窯跡群であると考えております。この地域にこれほどの窯跡群がありますのは、須恵器の材料となる良質な粘土が産出されることに加えまして、燃料のまきが豊富にあったこと、また消費地への輸送に便利な地であったことなどが背景としてあり、山地を背後に控え、瀬戸内海に面する地形的な特徴、さらに都と太宰府とをつなぐ古代山陽道が通る地理的な特徴など、陸運、海運に通じたこの地の特徴に根差した史跡であると考えるものでございます。このように考えますと、鋳銭司、陶地区につきましては、大内氏による中世都市山口とは別の貨幣鋳造や製陶により栄えた古代都市山口という、もう一つの山口のルーツが見えてくるわけでもございます。こうした中で、このたび山口大学と連携して鋳銭司・陶地区文化財総合調査事業が実施できますことは、大変意義深いものであると考えております。今後、山口大学の持つ専門性を生かして、文系、理系の多面的な分野から実施いたします実証的な調査では、地域の歴史を総合的に明らかにすることや、学生などの新しい発想が加わることによりまして、地域資源や観光資源としての活用のアイデアが生まれるなどといった多様な効果が期待できるものと考えております。また、発掘調査の期間内に行っております市民の皆様に向けた成果の説明会や講座などの中におきまして、特に地域の小・中学生には発掘体験教室などを開催したいと考えております。実際に地面を掘る感触や1,000年以上前の実物に触れる感触は、子供たちの鮮烈な体験となり、将来にわたって深く記憶に残るものと思われます。あわせまして、出前授業などにより、その背景となる歴史や地理についての理解を深めますことや、土器などの出土品につきましても、学校への展示など、将来にわたって活用することも考えております。鋳銭司、陶地区は、新山口駅や山口南インターチェンジに近く、国道2号線に面する好位置でありますことから、観光交流においても重要な位置を占めており、本地区の歴史資源の整備や鋳銭司郷土館の情報発信は重要なテーマであると考えております。こうした中で、この調査事業に取り組みますことは、この地域の皆様にとりましても、改めて郷土の歴史に誇りを抱き、ふるさとに愛着を持って暮らし続けるための機運の醸成にもつながるものと考えております。この調査事業の完了までには、長期間を要することになりますが、
教育委員会といたしましては、今後もしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◯ 議長(原 真也議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 私からは、市民のシビックプライドを育む取り組みについてのうち、山口学研究センターとの積極的な連携についてお答えをいたします。御案内のとおり山口大学におかれましては、昨今の大学改革や地方創生の流れの中で、さまざまな分野で活躍できる人材育成を地域と連携して進めておられるとともに、産業振興やイノベーションの創出にも取り組まれ、地元への人材定着促進を図られるなど、地域と連携し、貢献するさまざまな事業に取り組んでおられます。こうした中、山口大学はさらに地域の知の拠点としての機能強化を図るため、山口県の歴史、文化、自然、観光、産業などさまざまな地域の特性について、文理融合の視点からの調査により、学問的裏づけに基づく独自の山口学を構築し、地域に根づいた研究を深め、その成果を市民や行政や企業、学校など地域社会に還元していくという目的のもと、昨年12月に山口学研究センターを立ち上げられたところでございます。このたび、山口学研究センターの第1号プロジェクトとして、周防鋳銭司関連遺跡の発掘調査を主とした鋳銭司・陶地区文化財総合調査事業の共同実施の御提案をいただきました。このたびの御提案は、山口大学が提唱される下関市の長門鋳銭所跡、美祢市の長登銅山跡、そして本市の周防鋳銭司跡を核に構成される古代日本を代表する大工業地帯、いわゆる古代テクノポリス山口の実態を学問的に解明するという新たな視点から歴史的資源の付加価値を高める意義深い調査でありますことから、共同実施することといたしたところでございまして、これまで培ってまいりました本市と山口大学の連携の実績をより拡大していけるものと考えております。具体的な事業内容等につきましては、先ほど教育長から御答弁申し上げたとおりでございますが、山口学研究センターの取り組みにより、過疎化や高齢化などさまざまな課題を抱えている地域に大学の若い人材が入り、専門的で高度な知識に基づいた活動を実践していただくことにより、地域への理解を深め、地域で活躍する人材の育成につながるとともに、地域の皆様による課題解決や地域活性化につながるよう期待しているところでございます。今後とも山口学研究センターはもちろんのこと、大学、専門学校等多くの高等教育機関が立地する本市の特性を十分に生かし、地域の活性化や次世代を担う人材育成等に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 東産業経済部長。
〔産業経済部長 東 洋光君登壇〕
◯ 経済産業部長(東 洋光君) 私からは、伝統的工芸品産業の発展に資する取り組みについてお答えをいたします。まず、担い手・職人の育成、販路拡大についてでございますが、我が国の伝統的工芸品産業は、ライフスタイルの変化や海外からの大量生産方式による安価な生活用品の普及などにより、需要が低迷し、生産額は減少傾向にあり、事業者数、従業者数が全国的に減少するなど、いずれの産地も厳しい状況が続いているところでございます。本市の伝統的工芸品である大内塗産業も例外ではなく、消費者の漆器離れによる売上減少や従業者の高齢化に伴う廃業により、平成元年の大内塗漆器振興協同組合の設立当初と比較し、事業所数は当初11あったものが、現在では6事業所──うち1事業所は現在休業をしておられますが──半減しているところでございます。また、後継者がおられる事業所は2事業所のみであり、漆工技術の伝承が重要な課題と認識しているところでございます。このような中、今後10年の取り組みは大内塗産業の存続にかかわる重要な期間と捉え、販路拡大支援のほか、2年間にわたり各事業所のヒアリングや組合との協議を重ね、現状把握に努め、課題を共有してまいったところでございます。こうしたことから、市としても組合が大内塗産業の課題解決に向けた今後5年間の計画である伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づく振興計画を策定されるに当たり、その支援に取り組んでまいってきたところでございます。また、担い手、職人の育成には、事業者の経営基盤の強化が最優先との認識のもと、今年度は中国経済産業局と連携して、大内人形の夫婦愛のストーリーを生かした現代のライフスタイルに合う新商品──先ほど議員からも御紹介をいただきましたが──Ouchi夫婦の開発を支援し、本年1月末に全国の伝統工芸品が集まる東京の伝統工芸青山スクエアで発表したところでございます。商品は、オーダーメイド方式を採用し、自分たちや贈りたい人の顔に似せた世界に一つの夫婦人形を製作するもので、日経MJ新聞や全国版の雑誌などにも取り上げていただき、結婚情報誌ゼクシィにも順次掲載が予定されるなど、これまで大内塗を知らない若い世代に向けた夫婦の記念日の贈答品としての知名度と大内人形への愛着が向上することで、売り上げの向上につながり、事業者の経営基盤が強化されることが期待されているところでございます。今後につきましても、同組合が国の認定を受けた振興計画に基づき、需要開拓事業や技術、技法の継承事業など、中長期的に事業に取り組まれることとされており、来年度においては、国の補助金を活用した展示会出展や、いい夫婦の日である11月22日に合わせ、第3回目となります大内人形まつりを山口ふるさと伝承総合センターで開催されることとしておられ、ふるさとの伝統産業としての愛着を育む取り組みの中で、将来の担い手候補者の製作体験なども実施されることとなっております。さらに、このような取り組みのほか、これまでも山口県の伝統的工芸品である萩焼、赤間硯、大内塗の3つの産地の連携事業や、市主催の山口ビジネスマッチングセミナーにおいての他企業とのマッチングや連携を通じて、各地域間、企業間の強みを生かした現代のライフスタイルに合う商品開発を促進してきたところでございます。また、日本のものづくりが注目をされ、現在クールジャパン政策のもと、伝統的工芸品産業振興協会においても、国内外においてさまざまな事業が展開されているところでございまして、大内塗に関しましても、市や同協会と連携し、ミラノ国際博覧会の期間に合わせ、期間限定でミラノに開設された伝統的工芸品ポップアップショップでの商品展示や、伝統工芸青山スクエアを通じた販路拡大など、果敢にチャレンジをされているところでございます。いずれにいたしましても、大内塗産業は、本市の重要な伝統産業でございますことから、引き続き国や県とも連携して、事業者の経営基盤を強化し、担い手、職人の育成につながるよう市と組合が一体となって計画を進め、技術や伝統を未来へ引き継いでまいりたいと考えております。次に、生涯現役・障がい者雇用とのコラボレーションについての御質問にお答えをいたします。議員御案内のとおり岩手県盛岡市では、伝統工芸裂き織りの技術継承と障がい者雇用事業を実施されているところでございまして、障がいのある方を積極的に雇用され、商品の製作や販路拡大に向けた営業活動を展開されているところでございます。雇用が創出され、技術が次世代へつながるこの取り組みは、先進事例の一つと考えております。大内塗産業の担い手、後継者不足が課題である本市におきましては、担い手や後継者育成について、これまでも大内塗漆器振興協同組合との協議を重ねてきたところでございます。しかしながら、漆器の需要が低迷し、生産額が減少する中で、各事業所におかれましては、まずは、現状を維持していくことが最優先課題であり、新規就業者の受け入れについては、余力がないという状況がございました。このような状況を打開するために、まずは大内人形の夫婦愛のストーリーを生かした新商品であるOuchi夫婦の開発をきっかけにした販路拡大を通じて、各事業所の経営基盤を強化し、新規就業者の受け入れ態勢を整えているところでございます。議員の御提案につきましては、担い手、後継者の育成がなかなか進まない状況において、一つの有効な手段であると感じております。大内塗の技術に関しましては、個々の事業所で下地からまき絵まで多岐にわたる複雑な工程を一貫して行うことに特徴があり、分業による技術の伝承については難しいものがあるとうかがってはおりますが、先進事例を参考にさせていただきながら、今後組合と協議を行い、根気強さ、継続性、集中力など障がいがある方の特性を生かした伝統産業の担い手育成に向けた可能性を探ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 以上で、中野光昭議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
8番、尾上頼子議員。
〔8番 尾上頼子議員登壇〕
◯ 8番 尾上頼子議員 日本共産党の尾上頼子です。通告に従って質問いたします。
まず最初に、大項目アの地方創生についてでございます。人口減少の中で日本の国際競争力を維持し、高めるためにどんな国土をつくるのか、地域、地方をどうつくっていくのか、それが地方創生だというふうに思うんです。スーパー・メガリージョン──国際経済戦略都市、国はこれを目指しております。3大都市圏をリニアでつなぎ、世界最大の都市圏を形成する。その3大都市圏は、グローバル化の中で日本発祥の多国籍企業に限らず、外国資本の多国籍企業も縦横無尽に経済活動を地球規模で行う。そのために政府は、集中投資をしようとしているのではないでしょうか。さらに、多国籍企業の利潤を追求するために、不安定な地域に地球規模で自衛隊も出かけていけるようにしたのではないでしょうか。政府は、外交、軍事、グローバル経済、メガ大規模開発に専念し、その他のことは地方に任せたいということです。地方自治という団体自治も沖縄問題のようにややこしいことも起きるので、県の役割も希薄にし、いっそのこと道州制にして基礎的自治体は300程度でいいのではないかと、こうした流れの中で、平成の大合併をやり、目標の300にはまだ追いつかないので、さらに合併を進めたいけれども、平成の大合併は失敗だったと言わざるを得ないほど合併自治体からは評判が悪く、これ以上の合併は進められない。さらに人口減少の中、3大都市圏をスーパー・メガリージョンとして発展させると、人口がここに集中し、地方が弱体化してしまう。地方には外交、軍事、大規模開発、経済のこと以外はきちんとやってもらわなければならない。それぐらいの体力は保持してもらわないと困るということです。こうしたことから、人口減少に対応した地方の再編成が必要ということになって、連携中枢都市圏やコンパクトシティということも出現してくるのだと思います。そこで、1)の質問です。人口ビジョンについてですが、政府の長期見通しは現在の出生率1.42、2030年には1.8、これは希望出生率を実現しようという数字です。2040年には2.07、人口の維持ができる数字でございます。2060年には1億人を維持しということになっております。この間、いろいろな文章を見ましたけれども、少子化、東京一極集中の原因の分析もせず、長期ビジョンと総合戦略として持ち出しているのは大問題だと思います。くしくも安倍内閣が3本の矢の評価もせず、新3本の矢を持ち出したのと同じなのではないかと思います。そこで1)の質問ですが、人口減の原因と打開策において、国がやるべきことと、地方自治体がやるべきことをどう認識しておられるか伺います。山口市の人口ビジョンも国が示した地方人口ビジョンの手引きによって策定されており、意味がないとまでは言いませんが、実態をしっかり把握し、直視する必要があると思います。2)の地方創生の矛盾という点です。地方創生は矛盾だらけと評価せざるを得ません。その根拠は冒頭で述べた点と、一つは自治体間競争です。勝ち組と負け組が生まれます。少子化の根本原因に国が本気で取りかからなければ、その施策は地方が負うことになります。そうすると、おのずと財政力が豊かなところが有利です。数値目標も達成できるのは、財政力が豊かなところとなってしまいます。人口の流動においても、流入は歓迎、流出は食いとめる、全ての自治体でそういう目標です。これも矛盾です。2点目は、グローバル化と地方の振興という点ですが、国は経済のグローバル化に関心を寄せ、投資をする考えです。地方で企業誘致をしても、グローバル化が進んで、拠点は海外にということも起こり得ます。優遇して誘致した企業を地域におしとどめる、こうしたことは、グローバル化に反しますから、あえて言うならTPP路線にも反しますから、日本にはそういう法律もありません。数年前でしたか、ルネサスの撤退を見て、理不尽だなと多くの人が思ったと思います。インバウンド誘客もしかりでございます。一面いいことではありますが、為替や政治の状況で左右されたりもします。グローバル化の中で、生き残りをかけて地方都市が対抗する、そんなことできるのでしょうか。勝ち組になろうと投資をして、周辺地域は置き去り、そういうことになりかねません、これも矛盾です。3点目は、交付金による誘導が大問題です。計画や目標達成は地方自治体に責任を負わせ、交付金の増減がある一方で、国は目標達成の責任はとらないのかと思います。東京一極集中是正のための施策が達成できなくても、国はおりてくるお金が減るわけでもなく、本社機能移転などの誘致に失敗したのは、地方の責任ということになるのでしょうか。交付金対象事業ということで、国の施策、思惑に沿った事業には交付決定をするというやり方で施策誘導をしています。国は、個性を発揮しろ、隘路を見出せと地方自治体をせき立て、戦略をつくらせます。どの自治体もこうしたやり方におかしいなと思いながら、とりあえずは財源を取りにいこうということで、怪しげなかぎ括弧つきの地方創生につき合っているとも言えると思います。私は、こうした矛盾から地方創生は長くは続かない、実現しない、成功しない、こういう評価をせざるを得ません。そこで質問ですが、こうした問題をはらんだ地方創生をどう見ておられるのか、市長の御見解をお聞きしたいと思います。3)の21地域ごとの計画の積み上げという点です。国がどうであれ、私たちの抱えている問題は、地に足をつけて解決しなくてはなりません。そのためにも地方創生の矛盾を克服する、このことが大事であります。本格的に地方創生が始まるので、新年度予算にもそれらが反映されていますが、率直な印象は、国が提案していることをそつなく網羅していると感じました。CCRC、DMO、COCプラス、連携中枢都市圏、立地適正化計画など、交付金を取ってくるのは大事なことではありますが、それによって政策誘導されているのではないでしょうか。これらは本当に山口市にとって必要なものなのでしょうか。こうした施策は手間と知恵がかかり、優秀な職員の貴重な労働時間もそれらに費やされていきます。本当に山口市にとって必要か、誇りを持ってやりたい仕事なのか、踏みとどまって見つめてほしいと思います。そこで私の提案ですが、21地域の人口ビジョンをつくるという答弁は以前ありましたが、国の手引きに沿ったものではなく、その際には市域外への転入転出と地域内の転出転入の分析も行い、さらに経済の流れや社会資本なども分析対象とされると、なおいいと思います。地域課題と将来予測を科学的に分析し、市民に公表し、市民ぐるみで、
地域ぐるみで行政と住民が一体となって計画をつくり、地域再生に取り組んでいただきたいと思います。総合戦略はもう出しているので、それはそれとして、総合計画策定の道筋で、こうした流れが必要ではないでしょうか。
大項目イの選択と集中についてです。1)の選択から外れるものというところです。COCプラスの会議を傍聴いたしまして、その中で経済産業部長は稼ぐを意識すると言われました。総合政策部長は、選択と集中の予算を組んだともおっしゃいまして、私は違和感を覚えました。確かにこの間、安倍政権では稼ぐ力、選択と集中という言葉がテーゼのように使われていますが、行政でこの言葉をもてはやすことには警鐘を鳴らしたいという思いがあり、質問に至るわけでございます。そこで、選択と集中において、選択から外れるものは何でしょうか。その際、地方自治体の本旨──福祉の増進との関係をどう見ているのか見解を伺います。2)の広域県央中核都市と連携中枢都市圏についてです。連携中枢都市圏、当初は地方中枢拠点都市圏と言っておりました。人口のダム機能を有し、大都市への人口流出をとめる。20万人以上だとか、昼夜間人口だとか、産学官連携、官民一体の経済戦略策定が可能などなど、そういうふうになっていました。いつの間にかこれは名前が変わっており、今は要件緩和し、連携中枢都市圏ということになっています。名前を変えるというのは、何か不都合なことでもあったのでありましょうか。私はこの場合、周辺自治体が中心に吸収されてしまうのではないかとの地方自治体の受けとめから、うまく進んでいなかったというふうに思います。ですから、名前を変えて再出発ということであります。そもそもこの発想は、行政効率化と選択と集中による投資が発想で、合併がなかなか進められないから持ち出されてきたものであります。しかし、名前が変わっても全国的には進んでいません。それは、中心市と周辺市町村の温度差が生じるからです。中心市は、周辺を巻き込んで活性化を進めたい。周辺市町村は、とりあえずかかわりながら様子を見る。ですから、山口市のように連携内容は産業政策、観光、ブランド化ということになっているようです。高次都市機能の集積強化などはなかなか難しいでしょう。交付金がもらえるわけですから、連携の枠組みはそれとして、こうした連携において、注意をしたいのは、対等な関係だということだと思います。こうしたことからも、本質的にはうまくいかない矛盾した政策だと考えています。広域県央中核都市と二つの都市核に高次都市機能集積強化というのは、山口市の中での連携中枢都市圏というふうに言えると思います。市長も過日の答弁の中で、県央中核都市構想と連携中枢都市圏の方向性は一致しているというふうに認められております。このような矛盾が、山口市でも進んでいるのではないでしょうか。こういう
まちづくりが正しい方向だと言えるのか、国の方向性には沿っているかもしれないけれども、周辺部の振興なしに、山口市は立ちいかなくなります。人口減少対策も意味がなくなりはしないか、心配です。さらに人口減少の中で、大型開発で維持費がかかるものを将来負担できるのか、疑問でもあります。選択と集中は、集中投資と行政効率化を求めています。そうではなくて、開発ではなく、住民福祉の増進による効果をもっと評価すべきだと思いますが、見解を伺います。3)の立地適正化計画でございます。立地適正化計画が予定されており、予算書では2,000万円の債務負担行為として計上されています。コンパクトシティ、これは山口市に必要なのでしょうか。立地適正化計画の方向性をどのように考えているのか、御見解を伺います。
大項目ウの学校施設整備方針についてでございます。私が在任してからも、何度かこの問題が議会で取り上げられました。その答弁を聞きながら、何か腑に落ちませんでした。この問題での過去の答弁を見ておりましたら、耐震化の次はエアコンという説明から、耐震化の次は老朽化対策、つり天井といつの間にか変わっています。校舎は経年で古くなるのが当たり前でございます。老朽化対策は当然取り組むべきこと、そして時代の要請に応えた施設整備は、次元の違う問題でございます。
小・中学校の普通教室へのエアコン設置は、全国で約3割の普通教室に設置されているそうです。いつになったらエアコン設置が実施計画に上がってくるのか、なぜ子供だからと我慢を強いなければならないのか、御説明をお願いして1回目の質問といたします。
◯ 議長(原 真也議長) 午後1時まで休憩いたします。
午前11時43分休憩
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午後1時00分再開
◯ 議長(氏永東光副議長) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
渡辺市長。
〔市長 渡辺純忠君登壇〕
◯ 市長(渡辺純忠君) 尾上議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、選択と集中についての御質問のうち、広域県央中核都市と連携中枢都市圏についてでございます。本議会で申し上げておりますとおり、これまで連携中枢都市圏の形成につきまして、山口県中部エリアにおいて連携中枢都市圏の形成が可能となるような要件緩和を国に対して要望してきたところでございます。多くの関係者の御理解と御協力をいただいた結果、昨年12月に、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂版が閣議決定され、隣接する2つの市を中心とした都市圏、いわゆる2市型の連携中枢都市につきましても、新たに連携中枢都市圏の要件として追加され、これによって山口市、宇部市が2市型の連携中枢都市として要件に該当することとなったところでございます。議員御指摘の行政サービス、行政機能の広域的な集約化についてでありますが、そもそも連携中枢都市圏構想の目的は、地域において相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し、コンパクト化とネットワーク化により、経済成長の牽引、高次都市機能の集積・強化、生活関連機能サービスの向上を行うことにより、人口減少・少子高齢社会においても、一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための都市圏を形成することを主眼といたしております。こうしたことから、将来にわたる行政機能の一体化や行政サービスの提供のあり方につきましては、連携中枢都市圏の形成にかかわらず、地域の実情に応じて地方自治体がみずから判断し、地方自治法等に基づいて対応するものであると考えているところでございます。また、連携中枢都市圏の形成のメリットといたしましては、中心都市と近隣市町村がそれぞれ持つ機能やサービスを圏域全体で享受できることによりまして、地域住民が快適で安心して暮らしていくための基盤が維持できるということがございます。加えて、連携中枢都市圏の形成の取り組みに対する総務省の重点的な支援措置といたしまして、連携中枢都市となる中心都市が圏域全体のために取り組む経済成長の牽引役及び高次都市機能の集積・強化の取り組みに対しましては、普通交付税が措置され、生活関連機能サービスの向上の取り組みに対しましては、特別交付税が措置されることとされております。また、圏域内の連携市町村の取り組みに対しましても、特別交付税が措置されることとされておりますなど、中心市だけでなく、圏域を構成する全ての自治体に対する支援が想定されているところでございます。連携の取り組みのうち、経済成長の牽引につきましては、圏域全体の地域経済の活性化が図られるような取り組みについて、まずは交流人口創出の取り組みを中心に、具体的な連携項目や事業内容を協議してまいりたいと考えているところでございます。また、議員御指摘の観光分野における交流人口創出の連携にとどまることなく、創業・起業支援、大学等と連携した人材育成、地域資源を活用した6次産業化の取り組みなどの連携を進め、地域経済の裾野を拡大してまいりたいと思っております。次に、高次都市機能の集積・強化につきましては、本市には、行政機関、高等教育機関、文化芸術施設、観光・交流機能、新山口駅などがございますし、宇部市には、何といいましても工業の集積、第三次救急医療、動物園、山口宇部空港や宇部港などの高次都市機能がございます。こうしたそれぞれの都市の特徴に応じた機能の役割分担、共有、連携のもとで、高次都市機能の集積を図ることにより、2市型の中枢都市圏において高次な都市サービスが享受でき、都市型産業から工業まで、多様な職種で構成される雇用の場を創出いたし、若者を初めとした地方定住の促進や、東京圏からの地方への人の流れや機能の受け皿づくりを圏域全体として形成してまいりたいと考えております。こうした2市型ではありますが、連携中枢都市圏の形成は、まさに本市の広域県央中核都市づくりを通じた広域経済・交流圏の考え方と方向性を同じくするものでございますことから、本市の総合計画における主要な政策の柱として取り組みを進めているところでございます。また、議員御指摘の住民福祉の増進につきましては、国が目的とする連携中枢都市圏構想の主眼の一つとして生活関連機能サービスの向上を位置づけておりまして、本市の後期
まちづくり計画のもとでの市民生活「四つの安心」の考え方とも方向性を同じくするものでございます。なお、これまで、雇用・産業振興あるいは子育て・教育、防災、健康長寿などの本市の市民の皆様の暮らしにおける安心を実現するための「四つの安心」の取り組みを進めてまいりました中で、隣接市等の住民の皆様にも広く利用していただけるような生活機能の確保が図られている取り組みもございます。例えば、図書館の相互利用を可能とする運営体制の構築、また地域救急医療、二次救急医療体制や、産科・産婦人科医師等の確保に対する助成、さらには病児保育所整備や運営支援の実施などがございます。こうした取り組みを通じて提供される本市の生活関連機能サービスを、現在、県中部エリアの住民の皆様も相互利用されているところでもございます。今後、連携中枢都市圏の形成において、圏域全体の生活関連機能サービスの向上が図られるような連携につきましても、隣接市等と協議、検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。こうした考え、また連携の方向性のもとで、本市といたしましても連携中枢都市圏の形成に取り組んでまいりたいと考えておりますし、また平成28年度の早い時期に総務省が連携中枢都市圏構想推進要綱を改正され、具体的な手続が示される予定でございますことから、新年度におきまして隣接市等と具体的な協議を進めてまいる考えでございます。御理解を賜りたいと思います。
他は担当参与から御答弁を申し上げます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 私からは、地方創生についてお答えをいたします。まず、人口ビジョンについてでございます。本市では、昨年10月に山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略における山口市人口長期ビジョンを策定し、本市の人口の現状と将来展望をお示しし、やまぐち地方創生100プロジェクトとして、本市の実情を踏まえて自主的に取り組むべき施策推進の基本的な方向性を定めた戦略でございます。また、多くの地方自治体におかれましても、まち・ひと・しごと創生法に基づき、地域の人口規模、文化・歴史、産業構造などに根差した総合戦略を策定されているところでございます。地方創生の実現に向けましては、国と地方自治体がそれぞれの役割を果たしていく必要がございます中で、国の役割といたしましては、昨年12月に連携中枢都市圏の要件緩和をされましたように、引き続き地方の実態を踏まえ、地方公共団体と一体となって地方創生の取り組みを深めていただきたいと考えております。また、出産や子育てに関する医療、教育面における経済的負担の軽減については、ナショナルミニマムとしての国の役割であろうと考えておりますし、生涯活躍のまち・日本版CCRC構想の実現に向けては、地方に対する確実な財政措置を実施されるなどの役割を果たしていただくことで、地方における地方創生の実現を支援していただきたいと考えております。こうした国の役割や取り組みと連携いたしながら、地方自治体は、地域の実情、将来見通し、諸課題を市民の皆様と共有いたしながら、地方創生に向けた諸施策を確実に実施する役割、責務があるとの認識をいたしております。次に、地方創生の矛盾についてでございます。人口減少対策につきましては、地域によって、人口規模、自然動態、社会動態などの状況やその原因が異なることから、各地方自治体がみずからの分析に基づき目指すべき人口の将来展望を描き、その取り組みを進めているところでございます。本市におきましても、30代のファミリー層や退職後の世代が転入超過にあり、また20代の若者が大幅な転出超過にあるなどの人口動態の特徴を踏まえた将来展望を描き、若者の雇用創出、アクティブシニアの受け入れ、地域おこし協力隊の受け入れ拡大を初めとした取り組むべきプロジェクトを位置づけたところでございます。また、議員御指摘の自治体間で人を奪い合うのではないかとの御懸念につきましては、地方創生の基本的な視点である東京一極集中を是正するという考え方のもとで、国も、本市におきましても施策の方向性を位置づけ、地方創生の取り組みを進めているところでございます。こうしたことから、県中部エリアにおける圏域全体として人口の流出に歯どめをかけるため、連携中枢都市圏の形成を初めとした取り組みを進めているところでございます。さらに、企業誘致につきまして、新市誕生から現在まで本市におきましては、41社の誘致を進め、約1,800人の雇用が創出されたところでございまして、こうした取り組みは、本市や県中部エリア全体の地方定住につながっている取り組みであると認識をいたしております。同時に、地域経済の活性化において大きな役割を担う地場産業に対する諸施策も進めているところでございまして、安心して働ける産業力の豊かな
まちづくりにおける消費喚起、中小企業の振興、農林水産業の経営基盤の強化の支援をいたすなど、内需拡大や域内経済循環による内発的な自立発展の促進を図っているところでございます。また、平成27年度3月補正におきまして、国の地方創生加速化交付金を活用した観光振興や産業人材育成の取り組みを平成28年度当初予算と一体的な13カ月予算の取り組みとして予算計上いたしております。国の地方創生の政策原則でございます地方の自立性や地域性を尊重する考え方のもとで、本市におきまして、国の財源措置や取り組みの支援をいただきながら、
定住実現都市づくりを目指した諸事業を平成28年度に前倒しして集中的な取り組みが可能となりますことは、評価をいたしている点でございまして、本市の個性を際立たせ、定住や交流・対流を創出していく三つの創生を平成28年度において重点的に推進してまいりたいと考えております。次に、21地域ごとの計画の積み上げについてでございます。平成30年度から平成39年度を計画期間とする第二次山口市総合計画の策定に当たりましては、県外や市外への転出入、市内移動の現状、市内21地域ごとの将来人口の推計等を分析し、地域ごとに異なる将来の姿をきめ細やかに捉え、課題を整理していく必要性を認識いたしておりまして、総合計画策定における基礎資料として作成することといたしております。現在の作成状況を申し上げますと、平成27年国勢調査の詳細な結果が公表されておりませんことから、直近の住民基本台帳のデータをもとに市内21地域の人口移動を仮に試算しているところでございます。新年度からの次期総合計画の策定過程におきまして、こうした分析結果を順次公表してまいりますと同時に、新年度に設置を予定しております山口市総合計画策定協議会での議論や、車座トークを初めとする地域の皆様のお声、そして各地域の地域づくり計画の内容も踏まえながら、これまでの総合計画と同様に、市内各地域の地域づくりの課題や方向性をしっかりと新しい総合計画に反映させてまいりたいと考えております。
次に、選択と集中についての御質問のうち、選択から外れるものについてお答えをいたします。御案内のとおり、本年1月に山口市「しごと」「ひと」好循環づくり専門委員会を開催いたしたところでございます。この委員会の中で、本市の観光、農業、林業、水産業、商工業、企業誘致などの各分野において地域経済を活性化していく必要がございますことから、地域の事業者の方にしっかりと稼いでいただける仕組みをつくっていく必要があると申し上げたものでございます。山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましては、毎年150人の若者の雇用を創出するという目標を掲げておりまして、その実現に向けた具体的な検討を行うことを目的として本委員会を設置いたしたところでございます。委員会の委員は、介護サービス提供事業者、保育協会、商工会議所、起業家──業を起こすほうの起業家さんです──農業協同組合、森林組合、大学、金融機関の各団体等から御就任いただいております。今後、この委員会がさまざまな業種の連携による事業展開のプラットホームとなり、そのネットワークにより地域の事業者が稼ぐ力を向上させ、雇用を生み出せるような体制を構築してまいりたいと考えているところでございます。また、同じく委員会において、雇用を創出するためのプロジェクトの展開に当たりましては、選択と集中が求められているのではないかとの発言もいたしたところでございます。今後の厳しい財政見通しの中で、より多くの雇用を創出していただける企業や団体などに対しまして集中的な投資を行っていくという考え方が地方創生の取り組みを進めるに当たって重要になってくる、との考えを申し上げたところでございます。これまでも企業誘致では、重点立地促進分野に対する優遇制度を拡充するなど、選択と集中による取り組みを実施してまいりましたし、観光分野におきましては、地域の特定の観光資源に対して重点的な周辺環境整備や情報発信などの取り組みを展開してきたところでございます。加えて本委員会では、本市の産業構造の特徴でございますサービス産業の活性化や高度化を重点的に推進する取り組みにつきましても、検討を進めてまいりたいと考えております。今回の一連の議論につきましては、山口市「しごと」「ひと」好循環づくり専門委員会における経済施策としての稼ぐ力と、選択と集中の議論をいたしているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。なお、議員御指摘の住民福祉の増進につきましては、本議会で申し上げておりますとおり、本市の総合計画のもとでの雇用・産業振興、子育て・教育、防災、健康長寿などの市民の暮らしにおける安心を実現するための「四つの安心」の取り組みと、将来に向けた積極的な都市基盤の整備を進める取り組みとのバランスを図りながら、諸施策を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 徳永都市整備部長。
〔都市整備部長 徳永雅典君登壇〕
◯ 都市整備部長(徳永雅典君) 私からは、選択と集中についての御質問のうち、立地適正化計画についてお答えをいたします。立地適正化計画は、平成26年8月に施行されました改正都市再生特別措置法に基づく計画でございまして、都市全体の観点から、居住機能や医療・福祉・商業等の都市機能の立地、公共交通の充実に関する包括的なマスタープランとなるものでございます。制度創設の背景でございますが、今後、急激な人口減少と高齢化が見込まれる中、地方都市においては拡散した市街地での居住の低密度化が進み、病院や商業施設等の生活サービス機能の維持が困難になることが懸念され、高齢者や子育て世代にとって安心できる健康で快適な生活環境を実現すること、また財政面及び経済面において持続可能な都市経営を可能とすることが都市づくりの大きな課題となってまいります。こうしたことから、医療・福祉施設、商業施設や住居等がまとまって立地し、高齢者を初めとする住民が公共交通によりこれらの都市利便施設等にアクセスできるなど、福祉や交通なども含めて都市全体の構造を見直し、コンパクトシティ・プラス・ネットワークの考えで都市づくりを進めていくために、立地適正化計画の制度が創設されたところでございます。本市といたしましても、人口減少下にあっても広域的に求心力を発揮する活力ある都市の構築や、広大な市域全体の活力の維持・向上、多様な歴史・文化資源や自然環境の保全と活用、効率的な投資による都市基盤や交通体系の整備、自然災害等に強い暮らしやすい都市の構築など、都市づくりに関する多くの課題を抱えておりますことから、平成24年3月に策定いたしました都市計画マスタープランにおきましても、地域や拠点の特性に応じた機能の強化、集積、連携、補完を図る重層的集約型都市構造を将来都市構造として掲げているところでございまして、この将来都市構造の具現化を図るために、現在、立地適正化計画の策定に取り組んでいるところでございます。計画の策定に当たりましては、本市は都市部から農山漁村部まで広大で多様性を持つ市域を有しておりますことから、本市の地域特性を計画にどのように考慮していくかが課題となると考えております。例えば、市町村合併の経緯や市街地形成の歴史的背景を踏まえることを初め、農業等に従事される方はこれまでどおりの地域に住み続けられることも当然でございましょうことから、こうしたさまざまな状況を考慮した地域全体への目配りが重要であると考えておりまして、立地適正化計画のみならず、小さな拠点の形成などの日常生活圏の維持を目指す手法とあわせて総合的に検討してまいる必要があると考えているところでございます。したがいまして、本市の多様性を踏まえつつ、都市全体の観点に立ちながら計画の策定に当たるため、学識経験者や医療・福祉、交通、商工などの関係者を交えた(仮称)山口市都市再生協議会を設置いたしまして、計画策定に当たっての協議や計画実施に係る連携、調整を図る予定といたしておりますとともに、市内部におきましても、都市部局だけでなく、医療・福祉、商工、農業、公共交通、防災等の関係部局と連携しながら、計画の内容等について協議、検討してまいることといたしております。特に、立地適正化計画の概念がコンパクトシティ・プラス・ネットワークと掲げられておりますとおり、公共交通との連携は最も重要な要素となりますことから、今後策定予定の地域公共交通網形成計画との連携、整合性を図りながら進めてまいることといたしております。また、計画は平成30年度の策定を目指しておりまして、今年度は人口動態や各種都市機能の立地状況等の基礎データの収集・分析から課題整理、次年度以降はデータに基づきまして、長期を展望しつつ持続可能な都市としてどのような姿を目指すのかを分析・検討した上で、業務、商業等機能が集積した都市機能誘導区域、またその区域に近接した利便性の高い居住誘導区域の設定等に取り組んでまいることといたしております。今後、計画の案が固まり次第、市民の皆様に客観的なデータを用いながら、できるだけわかりやすく計画の考え方や内容等を説明してまいりたいと考えております。本市の次なる10年に向け、立地適正化計画を推進することによって、本市が10年後、20年後、さらにその後にあっても活力ある都市として、また誰もが安心・安全で豊かに暮らせる都市としてあり続けるよう、魅力ある都市づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
◯ 議長(氏永東光副議長) 山根教育部長。
〔教育部長 山根由彦君登壇〕
◯ 教育部長(山根由彦君) 私からは、学校施設整備方針について、施設の長寿命化とエアコンに関する御質問にお答えいたします。御案内のとおり、本市における夏の暑さ対策といたしましては、平成16年度から5カ年かけまして教室の天井に扇風機を設置してまいったところでございます。扇風機は、室内の空気を循環させ、体感温度を下げることで涼しさを感じさせる効果があるほか、空調設備と比べ環境にかかる負荷も少なく、設置や維持に要する費用の面においても、すぐれております。こうした中で、空調設備、いわゆるエアコンにつきましては、現在、個別の状況を勘案しながら、コンピューター室や図書室、音楽室などの特別教室への設置を進めており、あわせて、聞き取りや温度調整が難しいことなどから、窓を閉め切って指導する必要のある児童生徒が在籍する特別支援学級などへ必要に応じた設置を進めているところでございます。現時点での本市の
小・中学校におけるエアコンの設置の状況を申し上げますと、特別支援教室を含めた普通教室では670室中50室に設置しており、その率は約7.5%、特別教室では569室中155室で、約27.2%でございまして、全ての教室における設置率は約16.5%となっており、昨年度の13.4%から3.1ポイント上昇しております。普通教室への今後のエアコンの設置計画につきましては、扇風機の設置を開始した平成16年度当時と比較しまして、真夏日、猛暑日の日数が大幅にふえるなど、自然環境あるいは夏休みを短縮して授業時間を確保するなどの学習環境など、児童生徒を取り巻く環境が将来的に大きく変わってきた場合には、その状況を検証し、必要に応じた取り組みを進めてまいることといたしております。御案内のとおり、これまで学校施設の耐震化を最優先にして事業を進めてまいりましたので、本年度末には耐震化率は100%になる見込みでございますが、一方で老朽化対策を初めとした施設の機能保全の取り組みが全ての学校に対して十分行き渡っていなかった部分もございます。子供たちが一日の大半を過ごす学校施設は、安全で豊かな学習、生活の場として確保すべきでありますことから、今後につきましては、まずは老朽化が著しい建物につきましては、建設時の機能回復をさせるとともに、求められる機能を付加していく長寿命化改修を実施することが重要であり、そうすることによって本市の教育環境全体の充実、向上、底上げを図っていくことが、現在早急に取り組むべき課題であると認識いたしているところでございます。したがいまして、今後は学校運営面にも配慮した学習環境の整備、充実を図るため、屋内運動場のつり天井の撤去やプールの改修による安全性の確保を初め、教育のICT化に向けたLAN整備による多様な学習環境の確保や、トイレの洋式化、乾式化等による快適性の向上、電灯のLED化等による環境負荷の低減など、現場の要望に細かく応えていきながら、バランスに配慮した施設整備を実施してまいりたいと考えております。
◯ 議長(氏永東光副議長) 尾上頼子議員。
〔8番 尾上頼子議員登壇〕
◯ 8番 尾上頼子議員 それでは、大項目イの1)選択から外れるものというところで再質問いたします。私がこの質問をいたしましたのは、選択と集中ということが不公平にならないかなという思いもありまして質問したわけですけれども、部長が御紹介された会議の中でも、多少の不公平はあっても進めていくという趣旨の発言があったんです。私は、いろいろな住民から要望のある福祉施策とか、いろいろな要望をこの場でも訴えてきたりもしましたけれども、その中で公平・公正ということが理由になって、なかなか施策が前に進まないということも場面ではありました。そういう選択から外れるものは、ほかで補完するからという御説明だったとは思うんですけれども、しかし予算には限りがあるわけで、それが選択と集中──選択から外れると予算がやっぱり削られていくということにつながりかねないなという不安があって質問したわけですが、多少の不公平はあっても進めていくという発言の中身について御説明願いたいと思います。
◯ 議長(氏永東光副議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 選択と集中についてに係る二度目の御質問でございます。山口市「しごと」「ひと」好循環づくりの会議の中で不公平という言葉を確かに私は使いました。その不公平の中身というのは、今までは行政というのはとにかく公平であることがまず第一であるという中で、これからは集中する、雇用とか、それから海外進出をする企業とか、要するに雇用を今から生んでいく、そういった、その1社だけに集中することもあり得ると。だから、今までの見方からすると、少し不公平に見えるかもしれない。けれども、それは今から地方創生を進めていく上では重要な視点であると。そういう思いの中で、不公平という言葉を使ったつもりであります。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 尾上頼子議員。
〔8番 尾上頼子議員登壇〕
◯ 8番 尾上頼子議員 答弁ありがとうございました。トリクルダウンは破綻していると、大田議員もそういう一般質問をしましたけれども、進めていた竹中平蔵氏自身がもうトリクルダウンはないんだというふうに言っているんですね。今のお話は、稼ぐ力をつける、トリクルダウンがある、そういう形かなというふうな印象を持ちました。これはまた今後議論していきたいというふうに思います。
再質問はアの3)なんですが、おととしでしたか、若手職員の研究発表会が行われたことがありました。私はあれをとても高く評価いたしました。去年でしたかね。地方創生に追われて、その研究会は今年度はなかったかなというふうに思っているんですけれども、やりたい仕事ができなくなっているんじゃないかと思うんです。私は、市民と行政が一体となって、そういう意欲のある職員の知恵もかりながら、国の方向を向く、ヒラメ行政と言ったら余り言葉がよくないかもしれないけれども、そうじゃなくて、住民とともに政策をつくっていくという、そういうやりがいのある仕事をしてほしいというふうに思っているわけですが、御見解をいただきたいと思います。
◯ 議長(氏永東光副議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 21地域ごとの計画の積み上げの二度目の御質問でございます。市民の意見を聞きながら計画をつくっていったらどうかという趣旨かと思います。先ほども申し上げましたように、今から、平成30年度から平成39年度までの第二次山口市総合計画の策定をするに当たりましては、当然、今まで市民の皆様からいただいた御意見あるいは車座トークを初めといたします、そういった皆様のお声とか、各地域の地域づくり計画といったもの、それから今度設置いたします山口市総合計画策定協議会──この中で、どういった方に委員になっていただくかということも含めて──そういった多くの皆様方の御意見等を聞きながら、これは当然進めていくことになります。いわゆる計画そのものというのは、これから10年間の憲法のようなものになりますので、当然そういったことを視点に置きながら進めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 尾上頼子議員。
〔8番 尾上頼子議員登壇〕
◯ 8番 尾上頼子議員 イの3)の立地適正化計画は、再質問はしませんが、これまでのところに住み続けられるようにという言葉もありましたので、少し安心をいたしました。
それで、再質問はウですけれども、学校のエアコンの問題です。自然環境などが大きく変化すれば取り組むというふうに言われているんですけれども、今、実際に学校の環境がどうかということを諮っているでしょうか。過去の議会の市長答弁で、今後建設する学校については、空調設備設置が可能な建築構造としてまいる必要があるというふうに2006年の6月に市長は答えられています。そういう変化があったときにすぐ対応できるという体制が、温度も、そういう環境を諮らないといけないということと、新しく建築されている学校には、そういう準備を備えているということになっているのでしょうか。その点について伺います。
◯ 議長(氏永東光副議長) 山根教育部長。
〔教育部長 山根由彦君登壇〕
◯ 教育部長(山根由彦君) 学校施設整備方針についての中のエアコンについての二度目の質問でございます。まず環境の状況ですけれども、御案内のとおり、最近の温暖化によって真夏日あるいは猛暑日が過去に比べてふえているのは承知しております。学校のほうからその暑さ云々についていろいろ御要望がございますので、温度の確認については担当課のほうでその都度その都度行っております。新たな建物については──平成26年の質問だったと思いますけれども──当然、これからの社会というのは子供たちもエアコンの中で生活するとか、社会全体がそういう形になっていますので、当然、必要なものであれば、それはつけていくということで、まだ新築の分がございませんので、ここで申し上げることはできませんけれども、当然、そこは視野に入れて、次につぎ足すときにはまた別経費がかかりますので、その中で考えていかなければならないことだと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 尾上頼子議員。
〔8番 尾上頼子議員登壇〕
◯ 8番 尾上頼子議員 学校のエアコンの問題について3回目の質問をいたします。長寿命化とか老朽化対策というのは、これだけたくさん学校があれば、ローリングでやっていれば、いつまでたっても終わらないわけですね。今、時代に求められている空調設備という課題はいつになったら俎上に上ってくるのか、このことについてお答え願いたいと思います。
◯ 議長(氏永東光副議長) 山根教育部長。
〔教育部長 山根由彦君登壇〕
◯ 教育部長(山根由彦君) 学校施設整備方針についての中のエアコンについての3回目の質問でございます。エアコンがいつ計画の俎上にのってくるかということでございますけれども、できれば、こういう時期でございますので、早くいろいろ整備できるものはしていきたいとは考えております。ただ、以前、教育長のほうからも御答弁申し上げましたけれども、今、
小・中学校の普通教室に設置するだけで18億円、学校施設関連全てで28億円の予算が必要となってくるところでございます。これを一括で設置することは物理的にも無理でございますので、必要な部分から補助金等の予算等を勘案しながら検討する。
◯ 議長(氏永東光副議長) 発言時間を超過しましたが、答弁のため5分間延長いたします。
◯ 教育部長(山根由彦君) 特に暑い場所とか、風通りの悪い場所とか、どういう目的で使うとか、そういうことを勘案しながら、また既にそういうことを研究しております。決して先延ばしという考えはないんですけれども、そういう予算の面を考えながら今研究しているところでございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 以上で、尾上頼子議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
21番、入江幸江議員。
〔21番 入江幸江議員登壇〕
◯ 21番 入江幸江議員
県央創造清風会の入江幸江です。通告に従いまして質問させていただきます。日本遺産について、電子自治体の構築による市民サービスの向上について、特別支援教育の充実についてを質問いたします。
それでは、まず1項目めの日本遺産についてお伺いいたします。歴史文化基本構想の策定についてでございますが、御存じのように文化庁は、これまでは保護の対象であった有形、無形の文化財を観光資源として積極的に活用し、まちおこしにつなげる歴史を生かしてまちおこしを推進しています。指定・未指定にかかわらず幅広く捉え、的確に把握し、その周辺環境まで含めて、総合的に保存・活用するための構想として、各地方公共団体に歴史文化基本構想の策定を提唱し、各種の支援策を講じることとしています。この動きの中で広い市域を有する山口市には、固有の文化、歴史が各地域に多くあります。歴史文化基本構想の策定があれば、地域住民、ひいては市民の誇りや愛着がさらに高まる契機となることが期待できるとともに、今後の観光交流なども含めた広がりとして日本遺産への申請を視野に入れると、早急に着手されるべきと考えますが、構想策定のお考えをお伺いいたします。昨年の6月議会において同僚議員が質問いたしました日本遺産について、市長は、本市といたしましても、この日本遺産についてのストーリーの構築について研究してまいりますとの心強い答弁でございました。私は、昨年から日本遺産についてのストーリーを構築され、研究の成果を大変楽しみにしておりました。しかしながら、本市は今年度の応募を見送られました。先月、2月12日に第2段の申請状況が発表されました。陶磁器産地などを含む70件から80件の応募があったと新聞報道がありました。その中から20件が4月には認定されるようです。2020年の東京オリンピックまでに100件程度までふやされるということなので、さらなるストーリーの構築に向け、どのような内容で取り組まれるのか、第3段の募集に挑戦すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
2項目めの電子自治体の構築による市民サービスの向上についてお伺いいたします。オープンマップ@山口市の利活用についてでございますが、平成26年12月に公開型地図情報システム──オープンマップ@山口市の運用が開始され、山口市内の施設情報、医療機関情報、ハザードマップ、道路情報、都市計画情報、AED設置箇所を地図上で確認することができ、また地図情報の一部をオープンデータとして公開され、市民が利用できるようになりました。このように市民へのさまざまな地図情報の提供や共有を進められるとともに、山口市内各地域を対象に、地図を使って快適な地域生活を送ろうというコンセプトのもと、オープンマップの利活用を推進していくとのことです。見る、検索する、つくるという機能を備えるオープンマップをどのように市民生活や地域づくり活動に生かし、市民サービスの向上につなげていかれるのか、お伺いいたします。さらに、地図情報の利活用に向けた県内外での活動についてお伺いいたします。山口市では、地図情報を初め、さまざまなデータをまちの力にするために、他の自治体や関係機関と一緒に活動されており、中でも、やまぐちGISひろばやアーバンデータチャレンジとの連携は、地図情報の利活用を進める上で大変効果的であると思います。やまぐちGISひろばは、山口県内の地図情報に関係する団体らにおいて組織され、県民・市民の声、教育機関の声、地元民間企業を中心とした産業の声を反映しながら、GIS──地図情報システムを地域創生の一翼を担うツールとして活用することを推進されておられます。また、アーバンデータチャレンジは、2013年から東京大学と社会基盤情報流通推進協議会主催のもと、地図情報を初め、さまざまなデータの流通を促進することで、地域課題の解決や地域の魅力創出を進めていくことを目的とされており、毎年、全国的なイベントを開催されておられます。このような先進的な団体と連携した活動は、これからの日本全体のイノベーションに夢を与え、分野的にも将来の発展が大いに期待されるものであると考えますが、今後どのように連携され、地図情報の利活用を推進していかれるのか、お伺いいたします。
3項目めの特別支援教育の充実についてお伺いいたします。山口市教育振興基本計画の第4章の(2)に特別支援教育の充実が上げられています。特別な支援や配慮が必要な子どもが増加傾向にある中で、一人ひとりの教育的ニーズに応じたきめ細やかな教育を一貫して受けることができるよう、教職員の研修や特別支援学級、通級指導教室の補助教員の配置、教材・設備の充実を行いますとあります。そこで、今回は障害者差別解消法がこの4月から施行されることも念頭に置き、次の質問をいたします。障害者差別解消法がこの4月から施行されます。このたび、特別支援教育に関する調査や研究をする中、合理的配慮が学校を変えるということを知りました。山口市には、合理的配慮協力員が白石小学校・中学校兼務でお一人おられます。日本教育新聞によると、熊本県山鹿市では、市内7校の全中学校に合理的配慮協力員を配置されました。山鹿市の協力員の役割は、合理的配慮にかかわる学校内外、関係機関との連絡・調整、特別支援教育コーディネーターへの指導、教職員への研修にかかわる助言、保護者からの教育相談にかかわる支援などを明示しておられます。学校においての合理的配慮を
文部科学省のサイトで見ると、たくさんの事例があります。中でもタブレットなどデジタル機器を通常学級で活用する際の参考資料として、
文部科学省が筑波大学に委託してつくられた「発達障害のある子供たちのためのICT活用ハンドブック 通常の学級編」があるようです。ぜひ参考にされ、子供たち一人一人の個性を認め合える学級づくりを目指していただきたいと思います。そこで、お伺いいたしますが、障害者差別解消法の施行に伴い、どのように学校の意識、専門性向上へ指導、助言をされているのでしょうか。タブレットの活用についてもお伺いいたします。特別支援教育を充実させる中において、どれだけすぐれた制度を導入しても、学校長の特別支援教育への意識や理解が低ければ、教職員まで広まらないと思っております。教育長は、学校長にも学ぶ姿勢を求め、学校の意識に力を注いでおられるのでしょうか。特別支援教育においても、教育なら山口と言える取り組みに期待し、通級指導教室の現状と対策についてもお伺いいたします。通級指導教室の現状と対策についてでございますが、特別支援を必要とする、現在、市内の小学校では34校のうち8校に通級指導教室があり、約320名の小学生が利用しています。また、中学校は17校あり、現在、小郡中学校、鴻南中学校、白石中学校の3校に通級指導教室が設置されており、その3校で約35人がニーズに合わせた教育を受けています。小学校では通級指導教室に通っていたが、中学校には通級指導教室がないため、通級をあきらめたりするケースが多くあると聞きます。現在、3校ある通級指導教室に通うには行き来に時間がかかり、保護者の送迎が基本なので、通いたくてもあきらめるケースがある。通級指導教室の開設を望む声が保護者からも生徒からも多数あると聞いています。各学校に対象者がおられるならば、通級指導教室が各学校にあるのが望ましい姿と考えます。本市の今年度の予算では、学習支援──中学校に4,297万円の特別支援教育補助教員の増員が事業費として計上されていますが、増員数と補助教員の役割についてお伺いいたします。また、先ほどから申しております各中学校に通級指導教室があれば通いたいという保護者や生徒の願いをどのように対処されるのか、要望書を踏まえ本市の取り組みをお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
◯ 議長(氏永東光副議長)
岩城教育長。
〔教育長 岩城精二君登壇〕
◯ 教育長(岩城精二君) 入江議員の御質問にお答えいたします。
私からは、日本遺産についての御質問の歴史文化基本構想の策定について及び特別支援教育の充実についてお答えをいたします。まず最初に、歴史文化基本構想の策定についてお答えいたします。御案内のとおり歴史文化基本構想は、地域に存在する文化財を、指定・未指定にかかわらず幅広く捉えて、的確に把握し、文化財をその周辺環境まで含めて、総合的に保存、活用するための構想でございます。これは社会環境や価値観の多様化を受け、長い歴史の中で伝えられてきた文化財を次世代に継承していくことが困難になっている一方で、国民の間では文化財や伝統的な文化の価値が見直されつつあり、歴史文化を生かした地域づくりの機運が高まっているということを背景に、平成19年10月の文化審議会文化財分科会企画調査会報告書において提唱されたものでございます。こうした中で、本構想につきましては、まず地域の歴史的背景、自然環境の把握や、文化財の周辺環境の現状把握など、文化財に関する情報の整理や文化財保護施策の現状把握を行った上で、文化財の総合的把握の方針を定め、調査を行った後に、文化財の個別、テーマ別における保存・活用の基本方針、また文化財の保存・活用を推進するための体制整備の方針などを定めることとされております。このように本構想を策定するためには、調査が多岐にわたることなどから、文化庁におきましても策定には3年程度の期間を要すると言われております。本市は、合併により面積が1,000平方キロメートル余りと広くなり、各地にさまざまな歴史遺産や文化遺産が存在しておりますことから、これらを適切に継承、活用していく上で、マスタープランとなる本構想の策定の必要性は認識しているところでございます。また、御案内のとおり本構想策定により、地域住民の皆様が郷土を再認識し、誇りを持っていただくことにもつながりますことから、策定に向けて検討を進めているところでございます。こうした中で、現在は広い市域の中で多くの文化財を幅広く捉えて現状把握をしているところでございまして、策定着手までにはもうしばらく時間が必要な状況にございます。本構想につきましては、今年度から創設されました日本遺産の要件の一つとしても関心が高まってきておりますことから、職員を講習に派遣するなど情報収集を行っているところでもございます。今後も策定に向けて、調査対象や策定体制等について関係部局とも調整を図りながら検討してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
次に、特別支援教育の充実について、通級指導教室の現状と対策に関する御質問にお答えいたします。まず、障害者差別解消法の施行に伴う学校への指導、助言についてでございますが、御案内のとおり平成28年4月から施行されます同法は、障がいのある人への差別をなくすことで、障がいのある人も、ない人も、ともに生きる社会をつくることを目指して策定されたもので、法に定められております不当な差別的な扱いの禁止と合理的配慮の提供につきまして、全ての教職員がしっかりと理解し、適切な対応をしていく必要があると認識いたしております。こうした中で、
教育委員会ではこれまでも障害者差別解消法及び合理的配慮について、校長会、特別支援教育担当者を中心とした研修を行いながら教職員への理解を図っておりまして、来年度も引き続き研修の充実に向けて取り組みまして、このたび策定をいたしました山口市公立学校における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領及びその留意事項の周知を進めることといたしております。御案内の合理的配慮の一つであるタブレット端末の活用についてでございますが、本市では平成26年度から白石小学校と二島中学校の2校をタブレット端末活用モデル校に指定し、3年間のICT教育実証研究をスタートしており、今年度は小学校、来年度は中学校に教員用タブレット端末の整備を進めているところでございます。今後はモデル校によるタブレット端末活用の成果を検証し、各学校で直接、児童生徒がタブレット端末を活用できるような環境整備につなげてまいりたいと考えております。そうした中で、特に特別支援教育におきましても、個別のきめ細やかな支援の必要性や合理的配慮の観点から、タブレット端末の活用は効果的であると認識しておりますので、各学校におきましてタブレット端末を有効に活用されますよう、
教育委員会としてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。次に、中学校の特別支援教育についてでございますが、本市の特別支援教育補助教員は、学級担任のもとで学習や生活指導の補助を行っております。集中力の続かない生徒や落ちつかない生徒への個別の支援にとどまらず、学級全体の授業の円滑な進行にも大きな役割を果たしております。本年度は、中学校に17名を配置し、来年度はさらに6名の増員を予定しております。また、御案内の通級指導教室につきましては、障害による学習または生活上の困難の改善・克服を目的とした個別指導を行うものでございます。本市といたしましては、通級指導教室の役割は十分に認識しており、新設に向けて毎年、県に強く要望しているところでございまして、平成20年度には小学校4校、中学校1校の合わせて5校の設置でありましたものが、本年度は小学校8校、中学校3校の合わせて11校に設置できている状況でございます。通級指導教室を希望されている保護者の皆さんや生徒に対しましては、通級指導教室の保護者の会である、ことばを育てる親の会との話し合いに私自身も参加して、教室の新設や教員の増員、施設整備の改善などの課題を直接うかがっておりますし、また担当が直接話を聞く機会を設けており、
教育委員会全体で保護者の皆様の御要望をしっかりと受けとめるよう努めているところでございます。
教育委員会といたしましては、今後とも、支援を必要とする
児童生徒数の状況や、保護者の皆様の送迎時間、また市内における設置校の地理的なバランスなどを考慮しながら、通級指導教室の新設につきまして県に強く要望し続けるとともに、特別支援教育補助教員につきましても必要な体制を図りながら特別支援教育の充実に取り組んでまいりますので、御理解を賜りたいと思います。
◯ 議長(氏永東光副議長) 伊藤総務部長。
〔総務部長 伊藤和貴君登壇〕
◯ 総務部長(伊藤和貴君) 私からは、オープンマップ@山口市の利活用について御質問にお答えいたします。議員御案内のとおり本市におきましては、平成26年12月に市民公開型の地図情報システム──オープンマップ@山口市の運用を始めておりまして、現在、市民の皆様や地域づくり協議会において御利用いただいているところでございます。議員から御紹介いただきました6種類の地図情報に加えまして、現在、市内各地域のウオーキングマップを作成中でございまして、近日、公開する予定といたしております。このほか、市民の皆様にとって利便性の高い地図情報の提供につきましても検討を行い、利用いただける地図情報を一層充実させてまいりたいと考えております。また、このオープンマップは、地域づくりへの活用も導入の大きな目的といたしておりまして、昨年夏に21地域全ての地域づくり協議会を対象に巡回研修を行いまして、システムの利活用方法の説明や地域課題の掘り起こし等を行ってきたところでございます。この結果を地域づくりに生かしていくため、地図を使った便利で快適な地域づくりをテーマとして、2月と3月、2回にわたって地域フォローアップセミナーをワークショップ形式で開催し、オープンマップを使った地域の避難場所、避難ルートの検証や防災無線の聞こえ方マップの作成方法について、活発な御意見や御提案をいただいているところでございます。今後もこのシステムをきめ細やかな地域づくりをサポートするツールとして利用されることで、協働による
まちづくりを一層推進していただければと考えているところでございます。また、学校教育の現場において、例えば最新の航空写真と施設情報などの組み合わせを利用した地域の調べ学習や学校区内の危険箇所マップの作成など、児童生徒の学習意欲の向上や教育環境の整備にも役立つ利活用の方法があるものと認識をいたしております。先般、学校事務関係者の研修会におきましてシステムを紹介いたしましたところ、学校運営や教育現場での利活用について関心が多く寄せられたところでございまして、今後、関係機関と調整の上、システムの操作方法や学校教育での地図の扱い方などについて提案をしてまいりたいと考えているところでございます。次に、先進的な団体との連携についてのお尋ねでございますが、地図情報の利活用推進に向けた活動は、本市の枠組みを超えて他自治体や関係機関等と連携して行うことで活動内容が一層充実し、また広範な効果も期待できますことから、現在、議員御案内のアーバンデータチャレンジ並びにやまぐちGISひろばと共同した取り組みを進めているところでございます。アーバンデータチャレンジでは、各地域が抱える課題を地図情報などのさまざまな公共データを利活用して解決していくことを目的に、平成25年から全国各地域のイベント開催を支援されておりまして、平成27年度におきましては、全国の地域拠点を10カ所から20カ所に拡充されるということで、本市も昨年6月に山口ブロックの地域拠点として手を挙げ参加したところでございます。具体的な活動といたしましては、先ほど申し上げましたオープンマップの地域巡回研修や地域フォローアップセミナーを開催し、ことしの夏には地域イベントとして地図情報の活用アイデアを競うコンテストを開催する予定ともいたしております。イベントの開催に当たり、山口県内の産学官で組織される、やまぐちGISひろばと連携することで、個々の活動内容にGISに関する専門的な知識や見識を加味し、地域の課題解決に役立つよう企画するとともに、山口ブロックとして市域を超えた広域的なつながりの中で、地図情報の利活用の裾野が着実に広がっていくよう努めてまいりたいというふうに考えております。これら山口ブロックの活動成果は、毎年東京で行われますアーバンデータチャレンジのシンポジウムで発表いたしまして、全国に向けて情報発信することといたしております。いずれにいたしましても、市民の皆様や地域づくりに携わっておられる方々を初め、幅広くこのオープンマップを利活用していくために、アーバンデータチャレンジなどの関係団体と連携を図りながら、地図情報に関するイベント開催などの取り組みを進め、魅力ある地域づくりの推進とともに便利で快適な市民生活の実現に努めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 私からは、日本遺産への申請に関する御質問にお答えいたします。御案内のとおり日本遺産は、地域に点在する魅力ある有形・無形の文化財について、歴史的経緯や世代を超えて受け継がれている伝承、風習などを踏まえたストーリーのもと、人材育成や教育普及など効果的な活用を進め、国内外へ戦略的に発信することで地域の活性化を図ることを目的に、文化庁が平成27年度から認定を始めた制度でございます。本年度は、全国83件の申請の中から18件が認定され、次年度の第2段におきましても、まだ公表されておりませんが──先ほど議員さんから御紹介ありましたように──新聞報道では70件から80件の申請に対し約20件程度が4月に認定される見込みとなっております。また、日本遺産として申請するストーリーには、単独の市町村で完結する地域型のほか、複数の市町村にまたがって展開するシリアル型の2種類がございまして、前者の地域型においては、長期的視点に立った文化財保護のマスタープランである歴史文化基本構想を策定済みであることが一つの要件となっているところでございます。したがいまして、先ほど教育長から答弁がありました策定に関する状況並びに平成32年開催の東京オリンピック・パラリンピックまでというタイムリミットを踏まえますと、現時点では地域型による本市単独申請は難しく、都市間連携によるシリアル型として共同申請することが現実的な形態であると認識いたしているところでございます。これまでにも関係部局間において、既に認定されている都市の申請内容や申請に当たっての課題等について情報共有を図ってきたところではございますが、一定のテーマに基づく本市を象徴する歴史文化がストーリーの中で十分に展開できるよう、今後、構成都市というフレームも含めて検討をさらに深め、次のステップに向け必要な調整を図っていく必要があると考えております。いずれにいたしましても、日本遺産は、本市への愛着や誇りといったアイデンティティーの再確認とともに、本市のブランド化に貢献するなど、地方創生に寄与するところが大きいと捉えております。このため、昨年10月に策定いたしました山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましても、新たな価値を創造し、都市の魅力を高め、山口に新たな人の流れをつくる、やまぐち地方創生100プロジェクトの取り組みとして位置づけているところでございまして、引き続き日本遺産への挑戦に向けて関係部局とともに取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 入江幸江議員。
〔21番 入江幸江議員登壇〕
◯ 21番 入江幸江議員 歴史文化基本構想の策定について再度質問させていただきます。教育長が、合併して市域が広くなったので、とても調査に時間がかかるという答弁をされました。合併して10年たちました。そして、合併前の各市町においては、それぞれ文化財の歴史をまとめたものがあろうかと思います。その辺を網羅すれば、私としては、そんなに最初から調査をしなくても済むのではないかと考えますが、この基本構想を早急に着手するように文科省は──平成19年からですが、平成23年から各自治体の指導を始めておられます。そういうことも含めると、もう何年もたっていて、今から検討するでは遅いのではないですか。もう即始めるという御所見をお伺いしたいと思います。
◯ 議長(氏永東光副議長)
岩城教育長。
〔教育長 岩城精二君登壇〕
◯ 教育長(岩城精二君) 歴史文化基本構想の策定についての再質問にお答えいたします。答弁の中でも申し上げたように、今、職員を研修等にも行かせておりますし、1市5町全体の中の文化財等の取りまとめ、またはこれの策定に向かっての準備というものはやっております。文科省のほうと打ち合わせする際に、やはり申請をして、大体年度末に採択されるわけですけれども、それからしても、やっぱり調整をし、中を添削しながら指導を受けるということになると、二、三年はかかりますよということを実際的には言われておるわけでありまして、こちらも少しでも早くできますように、体制の整備もありますことから、それを踏まえて努力してまいりたいというふうに思っております。
◯ 議長(氏永東光副議長) 以上で、入江幸江議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
10番、瀧川勉議員。
〔10番 瀧川 勉議員登壇〕
◯ 10番 瀧川 勉議員 こんにちは。
県央創造清風会の瀧川でございます。元気よく、さわやかに質問をしてまいりますので、市長並びに関係参与の皆様の明快で前向きな答弁を期待しております。
大項目の1番目は太陽光発電施設についてです。再生可能エネルギーの一つとして全国的にも広まっている太陽光発電ですが、太陽光発電そのものは決して悪いものではないことは十分に理解しております。個人住宅や共同住宅、工場や公共施設等の屋根を利用して設置してあるのが大半でありました。そこで、中項目の1つ目の設置場所の周辺環境への影響でありますが、近年は遊休地や、耕作放棄地を農地転用した土地、山林を切り開いての太陽光発電施設の整備と、規模を問わずに施設が急増しております。山口市も例外ではなく、太陽光発電施設があちらこちらで見られるようになりました。そうした状況の中でさまざまな話を耳にするようになってきたのが、急に工事が始まって太陽光発電設備が設置されたが、土地の所有者が誰になったのかわからない。どなたが太陽光発電を設置しているのかわからない。誰が管理をしているのかわからないといった話です。住宅が建ったり、倉庫などができたりすれば、表札があったり、トラック等の出入りがあったり、または地域の自治会に加入したり、挨拶に来られたりして、相手が見えてくるのですが、太陽光パネルが設置され、フェンスなどで囲われ、日ごろは無人の状態で何もわからない。太陽光発電施設のつくり方もさまざまで、コンクリートの頑丈な基礎に太陽光パネルが設置されているものから、鋼管ぐいが打ち込まれて、それに太陽光パネルが設置されているものなど千差万別で、施設の敷地内も、雑草ができるだけ生えないように防草シートで全体を被覆したものから、砕石等を全体に敷き詰めて草を生えにくくしたもの、雨水の排水にしても水路をきちんと設置して大型の集水ますなどで濁水の抑制をしたりしてあるところや、従来と同じように劇的に雨水が流れ出ないように地下浸透をさせているだろうと思われる施設など、さまざまな太陽光発電施設があります。そこで、周囲の方々が不安視されているのが、雑草が多く生えていてそのままになっているが、全く除草作業など行われた形跡がなく、冬になったら枯れて、春になったらまた草が茂ってくるといった状況にある施設や昔、水田だったころには周辺の河川堤体も除草作業をして管理されていたのに、今後は誰が管理するのだろうかとか、台風が来て飛散したら責任をとってもらえるのだろうかなど、不安の声を多く聞くようになりましたが、今後もさらにふえてきそうな太陽光発電施設に対して、山口市としての対応はどのようになっているのでしょうか。さらには、大規模造成をして太陽光発電施設をつくられたところで、雨水排水が汚泥水となって、そのまま地域の農業用水路に放流され、汚泥水の抑制をするような調整池もなく、ひどい話では水利組合にも何も話がなかったといった事例も聞いております。現状における山口市の対応と、今後における山口市としての対策をお聞かせください。中項目の2番目は産業団地への設置です。渡辺市長がトップセールスマンとなって山口市へ多くの企業を誘致し、産業団地などへ進出させておられることは高く評価したいと思います。今日では、山口市が保有する産業団地の区画も少なくなり、次の産業団地も視野に入れてきておられるようにもお聞きしておりますが、産業団地に工場や流通拠点となる倉庫などができることにより、雇用の創出や地元での物流などいいことではありますし、そういった企業が工場や倉庫の屋根または敷地の一部に太陽光発電のパネルを設置されても決して悪いことではないと思いますが、佐山テクノパークの中には敷地全体に太陽光発電施設を設置されているところがありますが、これは一体どういうことなのでしょうか。太陽光発電施設でどれだけの雇用があるのでしょうか。山口市が掲げている人材雇用の創出にはつながらないと思いますが、見解をお聞かせください。
大項目2つ目の質問は、山口市社会福祉協議会についてです。インターネットでの検索ですが、社会福祉協議会は、民間の社会福祉活動を推進することを目的とした営利を目的としない民間組織で、昭和26年に制定された社会福祉事業法に基づき設置されています。社会福祉協議会は、それぞれの都道府県、市区町村で、地域に暮らす皆様のほか、民生委員・児童委員、社会福祉施設・社会福祉法人等の社会福祉関係者、保健・医療・教育などの関係機関の参加・協力のもと、地域の人々が住みなれたまちで安心して生活することのできる福祉の
まちづくりの実現を目指したさまざまな活動を行っていますと書いてありました。地域福祉や高齢者福祉、障がい者福祉や地域での子供の育成など、なくてはならないことだと十分に理解はしております。山口市が1市4町での合併をして10年、旧阿東町との合併をして5年が経過しましたが、一昨年より話があったように記憶をするのですが、社会福祉協議会の合併による一体感の醸成と会費の統一といった話です。山口市は合併時に負担は低く、サービスは高くを掲げ、どうしてもといった必要に迫られてから負担の増をされてこられました。社会福祉協議会の合併における会費の統一は、徳地、秋穂、阿知須では減額に、小郡、阿東では変わらず、山口においては1.67倍の増額になるといった話でした。会費アップの背景は、高齢化による福祉対象者増と人口減に対応した財政基盤を確立、強化するためと記され、理由としては、高齢化に対応する高齢者福祉施策──1、ふれあい・いきいきサロン、2、外出支援事業、3、地域福祉権利擁護事業、4、法人成年後見事業と子育て支援を強化するため、また孤独死・孤立死の早期発見、予防のための福祉員活動を拡充するため、そして地区社協の支援と基盤強化を進めるためと、山口市社会福祉協議会が出した住民説明の資料に書かれていました。本来、社会福祉協議会への加入は個々で判断するものではあるのですが、私の聞いた話では、旧山口市においては、住民自治会費と一緒に全世帯から活動費を徴収して、地域福祉の向上を全世帯で支えていくために1世帯当たりの会費を300円と設定したと聞いておりますが、全世帯に対しては今回の値上げについては社協だよりで周知し、各地域へは出向いていって、しっかりと納得していただけるように説明してまいりますと言いながら、私が住んでおります大内地区などは、さんざん呼びつけて2年間で2回の説明にとどまっているにもかかわらず、平成28年4月から──この4月ですね、社協会費は500円ですと聞かされています。山口市社会福祉協議会の説明では、社協が合併したら値上げをしないとやっていけない、基金を取り崩さないといけなくなるとか、事業の充実をしていきたいので御理解くださいとか、何の事業をどのように充実していくのか問いただせば、答えられないのが現実でした。各地域にある地区社協の方々は、ほぼボランティアで地域の福祉に携わっていらっしゃるし、山口市社会福祉協議会の方々も一生懸命地域福祉のために頑張っておられる方がいらっしゃるとは思いますが、市社協の活動そのものは見えてこないのが現実でもあります。そうした中で、市社協の平成25年度の運営補助金は人件費で1億9,738万2,438円、光熱水費、機械警備費、消防空調点検料、清掃業務委託費などの事務所管理費で688万1,000円、財務会計システム運用経費で129万3,000円、合計で2億555万6,438円。平成26年度においても、人件費1億9,338万9,095円、事務所管理費664万7,244円、会計システム補助金として129万2,256円、合計で2億132万8,595円。平成27年度はまだ見ておりませんが、平成28年度の予算書においても、市社協の運営費補助金は2億2,746万8,000円が計上されています。また、それ以外に平成27年度の当初予算ベースの話ではありますが、しらさぎ会館運営費助成事業費として2,228万9,000円、指定管理業務委託として山口児童館管理運営業務、アカシア工房管理運営業務、阿知須健康福祉センター管理運営業務、老人福祉館管理運営業務など、13施設で1億1,411万9,000円、事業の業務委託として、山口市民生委員児童委員協議会事務局委託、地域福祉にかかわる業務委託、ふれあい型給食サービス事業、友愛訪問活動促進事業、包括的支援事業、地域住民グループ支援事業など、38事業で2億4,678万4,000円。それ以外にもあるとのことですが、今回そこまでしか調べられていないのですが、今お話したものを合計すると、山口市から市社協に対して年間6億円弱の税金が助成されているわけで、それがどのように地区社協や地域住民にフィードバックされているのかは不透明で、平成28年度から市社協が言っている会費を計算すると、山口支部4万9,355口、小郡支部7,153口、秋穂支部2,331口、阿知須支部2,588口、徳地支部2,413口、阿東支部2,418口、合計で6万6,258口で、会費500円で計算すると3,312万9,000円で、地区社協への活動費、事務費の配分は1,987万7,400円で、差額の1,325万1,600円が市社協に残るわけです。山口市から人件費がほぼ100%補填され、地区社協が行っている事業のほとんどが山口市が事業委託をして費用を補助していて──聞いた話では──市社協の自主事業はほとんどないとなると、何のための会費の値上げなのでしょうか。おまけに、6地区の社協の合併によって、何のための基金かは知りませんが、基金残高が数億円から10億円近くあるともお聞きしました。今、お話したことからすれば、山口市社会福祉協議会の運営費のほとんどを山口市の税金で運営しているようなわけですから、会費の値上げとか市社協の運営や人員配置など、全てのことに山口市が目を光らせて、真の地域福祉サービス向上に意見をしていくべきではないのでしょうか。事業にしても、実際に地区社協が行っているのであれば、市社協はただのトンネル会社に過ぎないのではないでしょうか。山口市としての見解をお聞かせください。
以上で、1回目の質問を終わります。
◯ 議長(氏永東光副議長) 山田環境部長。
〔環境部長 山田隆司君登壇〕
◯ 環境部長(山田隆司君) 瀧川議員の御質問にお答えいたします。
私からは、太陽光発電施設についての御質問のうち、設置場所の周辺環境への影響についてお答えいたします。御案内のとおり再生可能エネルギーにつきましては、平成24年7月から、固定価格買取制度、いわゆるFITが開始され、特に太陽光発電につきましては、安定的な収益確保が見込まれること及び短期間で事業化が可能であることなどにより、急速に普及が進んだところでございます。議員御指摘のとおり太陽光発電設備は、大規模遊休地以外の市街地や小規模な農地・林地などへの設置も増加しているところでございます。こうした事例の中には、光や反射熱による健康被害への補償や流出した土砂の被害などから、設置の是非をめぐる訴訟に発展するケースも少なくないものと認識いたしているところでございます。太陽光発電設備の導入、設置につきましては、国からの通知により、建築基準法上の建築物等に該当しないと判断した際には、建築確認申請や都市計画法上の開発許可が不要であるため、地元自治体が事業実施状況全てを把握いたすことが難しい状況にございます。こうした中、本市におきましては、これは太陽光発電設備だけに限りませんが、山口市の生活環境の保全に関する条例により、市内全域を対象に1,000平米以上の他の法令による許認可を除く開発行為につきましては、届け出を義務づけるとともに、椹野川水系等の清流の保全に関する条例では、椹野川水系等の500平米以上の土砂の埋め立てにつきまして届け出及び事前協議を求め、審査及び指導、助言を行っているところでございます。また、山口市景観条例では、市内全域を見ましても太陽光パネルの面積は1,000平米以上のものを対象として届け出及び事前協議を行うよう、景観上の審査をいたしております。しかしながら、これらの要件に該当しない小さい規模の設備につきましては、届け出に係る法的な根拠がなく、設置者に対して義務や制限を課すことが難しい状況にございますことから、現状では設置者等のモラルによらざるを得ない部分もございます。市といたしましては、トラブルの未然防止に向け、設置者または土地所有者などに対しまして、窓口での確認や指導及び市報やホームページ等を通じた広報の機会を捉えて、理解、協力を求めるなど、きめ細かい対応を関係部署と連携いたしながら進めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、設置者に地域と調和した事業の実施を働きかけ、地域住民の方々が安心して生活していただける環境保全に努めることは、市の重要な役割であると認識いたしておりますことから、今後、当該案件に係る国やほかの自治体の動向等を注視いたしながら、太陽光発電設備の設置に係るルールづくりについて研究してまいるとともに、周辺環境などに配慮した再生可能エネルギーの普及促進を図ってまいりたいと考えております。
◯ 議長(氏永東光副議長) 江藤健康福祉部長。
〔健康福祉部長 江藤寛二君登壇〕
◯ 健康福祉部長(江藤寛二君) 私からは、山口市社会福祉協議会についての御質問にお答えをいたします。社会福祉協議会の設置目的や活動内容につきましては、ただいま議員から御案内があったとおりでございますが、そうした中で、山口市社会福祉協議会におかれましては、将来の地域状況や事業運営を見越した組織体制、財政計画等を整備する中で、平成25年4月に市社会福祉協議会の活動基盤を強化することを目的とする山口市社会福祉協議会活動基盤強化計画を策定され、地域福祉の充実に取り組まれておられるところでございます。その中で、基本目標の一つといたしまして、組織改編による効果的で一体感のある社協づくりを掲げられ、その活動方針として社協会費の統一に取り組むこととされているところでございます。会費の取り扱いにつきましては、合併後すぐの統一が困難との御判断から経過措置が講じられておりまして、合併以前の旧1市5町の会費額を引き継ぎ、全市的に住民会費の単価が統一できる状況になった場合に調整されることとなっていたところでございます。そうした中で、各地域において、地区社会福祉協議会や支部運営協議会で提案、協議され、特に会費が増額となります旧山口市域では、自治会長集会や地区社会福祉協議会の理事会等で、平成25年度には13地区で18回、平成26年度には16地区で39回、平成27年度には6地区で6回の説明会を開催されまして、地域の皆様の御理解を求めてこられたところでございます。本市といたしましても、少子高齢化社会においてますます多様化しております住民の福祉ニーズに対応するため、組織及び事業の一元化や財政の基盤強化を図る上で、会費額の改定の必要性につきましては十分理解するところではございます。しかしながら、会費は、市民の皆様から地域福祉の推進に資する目的で会員となり、支え合いを実現する手法として納めていただくものでございますので、会費額の改定につきましては、あくまでも市民の皆様の御理解のもとに進められるものであると考えているところでございます。市社会福祉協議会は、一つの独立した社会福祉法人でございますので、会費につきましては市社会福祉協議会の中で決定されるべきものでございますが、市といたしましては、社会福祉法に基づきます運営全般に関する指導、監督を行います中で、市民の皆様の御意見を尊重した運営となりますよう、必要に応じて指導、助言を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 東経済産業部長。
〔経済産業部長 東 洋光君登壇〕
◯ 経済産業部長(東 洋光君) 私からは、太陽光発電施設についてのうち、産業団地への設置についてお答えをいたします。議員御指摘の山口テクノパーク内の区画に太陽光発電施設が設置されていることにつきましては、転売された事業用地を取得された企業が、太陽光発電施設を設置されたものでございます。市といたしましては、山口テクノパークの良好な操業環境を維持し、産業団地の目的である高い経済波及効果や雇用創出を図っていく観点からも、未操業や廃業により企業が転売を検討している場合には、まずは所有する企業に本市における操業の開始をお願いいたしますとともに、転売となる場合には、産業団地の目的に沿った製造業などの誘致対象業種に該当する企業に売却いただくようお願いをしているところでございます。しかしながら、最終的には企業の経営判断により決定されますので、市の希望に沿った転売がなされないケースもございます。太陽光発電につきましては、山口市地域新エネルギービジョンにおきまして、新エネルギーを通じた地域資源の循環により、低炭素社会を目指すまちという基本理念のもと、積極的に導入を推進いたしているところでございますが、先ほど申し上げましたとおり産業団地は、本市にとりまして雇用の創出を図り、経済波及効果を生み出す貴重な経営資源でございます。今後とも、産業団地の目的に沿った製造業などの誘致対象業種の立地を促進してまいりたいと考えておりまして、平成28年度当初予算におきまして、企業誘致の受け皿不足への対応と、企業が所有する未利用地への誘致対象業種である企業の確実な立地を図る観点から、そうした用地の取得に要する経費を計上いたしているところでございます。いずれにいたしましても、一社でも多くの企業誘致が実現できますよう、本市のセールスポイントをしっかりとアピールいたしながら、積極的かつきめ細やかな誘致活動を展開し、産業団地の有効活用に取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 瀧川勉議員。
〔10番 瀧川 勉議員登壇〕
◯ 10番 瀧川 勉議員 それでは、太陽光発電施設についての1)の設置場所の周辺環境への影響ということで、2回目の質問をさせていただきます。先ほど来、埋め立てとか、そういった太陽光パネルは1,000平米以上でないと届け出の義務がないし、どうにもできないということは、十分承知しております。ただ、近年、ちょっとお見かけするのが、田んぼをそのまま田んぼのままで太陽光パネルを──農地転用だけは当然かけられていますけれども──そのまま設置される、埋め立てもしない。田んぼのままの形で設置されるので、1カ所あたりの土地の番地からすれば、わずかな量、それが集中しているように見えるけれども、場所、場所ですから個別なんです。ということは、パネルが1,000平米以上に満たない──全部一個一個ですから──そういうやり方もされているみたいです。まあ、法の盲点といいますか、そういったことだろうと思いますけれども、でも実際にそういうことがどんどん今から起きてくると、どうしても農業振興地域の田んぼはなかなかできないものですけれども、そうではない田んぼというのは、農地転用もかけられますし、そうしたら住宅地の中に残っている田んぼがいつの間にか太陽光パネルだらけになったという話になってくるわけです。そうなったときに、近隣の方からどんどん苦情が出だして、市が、じゃあどうしましょうかと対策を考えたのでは遅いんじゃないかなということから、今後、市として、どのような対策を考えられるかということも1回目に質問したと思います。その辺について、しっかりとした対策のお考えをお聞かせください。
◯ 議長(氏永東光副議長) 山田環境部長。
〔環境部長 山田隆司君登壇〕
◯ 環境部長(山田隆司君) 瀧川議員の2回目の御質問にお答えします。先ほどの答弁でも申し上げましたが、条例等の要件に該当しない小規模な太陽光発電設備について、また田んぼ等で農地転用の許可もとっているけれども、そのままの状況についてどう対応するかという御質問にお答えしたいと思います。一応、明確なということで、当該施設で問題がいろいろ発生しておりますことは、市のほうにもいろいろ情報は来ておりますので、それは理解しております。その対応策といたしましては、農地転用を出された書類を閲覧できますので、閲覧をして、誰がどうしたかという実態の把握はできるということで、市民の皆様にもやはり安心・安全かつ快適に生活していただけるような、農地転用等の書類を通じまして関係事業者への指導を行うなど、必要な対応をとってまいりたいと思います。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 瀧川勉議員。
〔10番 瀧川 勉議員登壇〕
◯ 10番 瀧川 勉議員 3回目です。先ほど1回目の質問の中で、大規模な造成をして太陽光発電をつくられたところで、大雨じゃない状態での──通常の雨、そのくらいのときにも濁流水が周辺河川に流れている。それは、水路はつくってあるけれども、調整池のようなものは一切設置されていないので、結局、そういった水が、そのまま流れて出るという状況があります。──実際に、阿知須のほうではありますが。そういったものに対して、それだけの、多分結構広い面積ですから、市も御存じじゃないかなとは思うのですが、何らその辺に対しての対応、対策の話が地域にも伝わっていないみたいなんです。そこで、先ほど大規模造成で濁水、汚泥水がという話をさせていただいたんですが、その辺についてはどのような見解を──もしくは、それは知らないけれども、言ってこられたら対応しますという話なのか、ちょっとその辺についての見解をお聞かせください。
◯ 議長(氏永東光副議長) 山田環境部長。
〔環境部長 山田隆司君登壇〕
◯ 環境部長(山田隆司君) 瀧川議員の3回目の御質問にお答えいたします。今、大規模造成であれば、市のほうへ必ず開発許可の絡みが出てまいりますので、それであればきちんと指導してまいりたいと思います。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 瀧川勉議員。
〔10番 瀧川 勉議員登壇〕
◯ 10番 瀧川 勉議員 また御相談には行きます。
続きまして、イの山口市社会福祉協議会についての2回目の質問でございます。実際、確かに社会福祉協議会は別の組織でございますので、どこまで市がという話も当然あるでしょうが、やはり一般市民の目から見ると、別の組織といいながら市がそこまで費用補助していれば、もう市がやっているのと同じぐらいの感覚だし、市社協自体の上のほうの方々というのは、どっちかというと私自体が受ける感覚はもう公務員の感覚なんですよね。そういった組織で、先ほど来言われましたけれども、市のほうからそんなに口は出せないみたいな話もされましたけれども、そこまできちっとした助成をして、地域の福祉のためにやってくださいねとやっている組織であれば、やはりもうちょっと市としての見解をきちっと入れていくべき話かなと。先ほど、平成25年4月から活動基盤強化何とか──私も資料で知ってはおりますが、活動基盤を強化するといいながら、市からしっかり自分たちの活動のための費用も、地区社協に振っていく事業の費用ももらいながら、なおかつ市民の皆さんから会費ももらいながら、そこで財政的な活動基盤の強化でしょうけれども、意味がわからないですよね。両方からたくさんもらっているんですから。ちゃんと自分たちの給料が出るように、人件費も全部もらっているわけです。地区社協に振る予算も事業費として全部もらっているわけです。それで、なおかつ会費を上げていかないと自分たちの基盤の強化が図れないということ自体が──私の頭が悪いのか──理解できないんです。それで300円を500円にと、ちゃんと市民に何回も説明して理解をされたと言いながら、多分多くの市民の皆さんは値上がりすることを知らないと思います。なぜなら、山口市の会費の徴収の仕方は自治会費の中で同時に捉えていく、そういうパターンが多いから、自治会費の値上げをしないところはわからないのです。ただ、その自治会費の話はいいとしても、やはり市社協自体の運営がほぼ市のお金でやっているのであれば、市社協のやっていることに対して、もうちょっとメスを入れた、切り込んだようなことをきちっと言えないのかというのが私の端的な感想なんですが、いま一度御答弁をお願いします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 江藤健康福祉部長。
〔健康福祉部長 江藤寛二君登壇〕
◯ 健康福祉部長(江藤寛二君) 瀧川議員の山口市社会福祉協議会についての2回目の御質問にお答えをいたします。先ほど瀧川議員の御質問の中に、市からの助成額が6億円弱というお話がござましたけれども、その中で、指定管理施設の管理委託や各種の福祉サービスに関する業務委託につきましては、市社会福祉協議会だけでなく、他の社会福祉法人への委託と同様のものでございまして、やはり運営費補助とは分けて考える必要があるというふうに考えております。そうした中で、他の社会福祉法人と違う部分として、市が運営費補助約2億円を行っておりますけれども、これが適正なのかどうなのかということについてでございます。本来、社会福祉協議会は民間団体でございますから、自主財源をもって法人運営を行うことが原則でございます。しかしながら、社会福祉協議会の自主財源としては、会員からの会費、共同募金の配分金、介護保険事業の収入や本市からの受託事業というものが主なものとなっておりまして、自主財源だけでは人件費の全てを賄うことができないという状況でございます。そうした中で、社会福祉法において、地方公共団体は必要があると認めるときは、条例で定める手続に従い、社会福祉法人に対し補助金を支出することができるという規定がございます。本市では、山口市社会福祉法人に対する助成に関する条例というのがございます。また、山口市社会福祉協議会助成金交付要綱というのもございます。こういったことに基づきまして、市社協に対する人件費等の助成を行っているというところでございます。こうした法人の運営に係る人件費の助成につきましては、県内他市と比較いたしまして大きな差異はないものというふうに考えております。そうした中で、市社協に対する指導監督についてどう考えるかということでございますけれども、社会福祉法において、社会福祉法人に対する一般的監督というのが第56条に規定されておりまして、法令等に基づいて業務が執行されているかどうかを確認するため、その状況を報告させ、または検査することができるという規定がございます。この一般的監督につきましては、健康福祉部にございます指導監査室の中で一般的な指導監査を行う中で、適正な運営になっているかどうかという確認をいたしておりまして、指摘事項については、報告によりますと、そう大きな改善命令を伴うような報告は項目としては挙がっていないところでございます。また、同じく社会福祉法の第58条の中で、いわゆる市が補助金の助成を行った社会福祉法人に対する監督権限というのが規定をされておりまして、助成の目的が有効に達せられることを確保するために、事業または会計の状況に関して報告させること、また予算について必要に応じて変更すべき旨を勧告することなどの権限がございます。こうしたことに関しましては、毎年社協のほうから人件費の運営費補助の精算をする中で、市社会課のほうでチェックをさせていただいております。社会福祉協議会につきましては、地域福祉を推進する中核となる法人でございますことから、市といたしましても、市民の求める公共サービスの提供に向けたものとなりますよう、またその運営が広く市民に理解されるものとなりますよう、市の有する権限の範囲内において必要な指導監督を行ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 瀧川勉議員。
〔10番 瀧川 勉議員登壇〕
◯ 10番 瀧川 勉議員 3回目でございますが、るる説明、事業と運営費とは別に考えてほしいということで、それは理解をしましょう。ただその中で、運営費の補助──これ人件費等がほとんどですがそれは致し方ないというところもわかりますが、県内他市においては、運営費補助も100%でなくて70%とか、またそれを切るぐらいのところもあるとはお聞きしております。あとは自主事業──自分たちで頑張って、やはり自分たちの事業──でというのも聞いております。それからすると、言い方は悪いですがぬるま湯じゃないかなと。ほぼ100%出されてというのはどうなのかなと。なぜそれを言うかというと、先ほど1回目の質問の中でも言いましたけれども、どういうふうにためられた基金かは知りません。どういう形でためられたかも知りません。営利を目的としないという社会福祉法人に基金が何億円もあるというのもどうなのかというところで、だから反対にいえば、そういうふうに100%ぬるま湯とは申しませんけれども、人件費とかそういったものを全て、事業も全て市が抱えて、どうぞという形で広げてやって、最後にこういうものに使いましたよという精査をどういうふうにされているのかもわかりませんけれども──細かいところまではわかりませんけれども、そういう事態になっている。その中で、市民の理解が本当に得られたかどうかもわからないような会費の値上げを強行する。そういった社会福祉協議会に対して何も言えない山口市というのがどうなのかという、半分怒りを覚えています。幾ら説明して歩いても、市民の理解は余り得られていないんです。平成28年4月まで引っ張られましたけれども、最初は平成27年の4月に上げるという話でしたから、その1年間でどれだけ、市民の理解が本当に得られたのか。ほとんど得られていない。だから、もう少しきちっとした監督責任を果たして、社会福祉協議会が要らないと言ってるわけじゃないんです、必要だと思っています。だけど、そのやり方云々に対して、ちょっと市民とずれが生じているのも事実かなと。その中で、そこに一番口を挟んで言えるのが山口市じゃないかなと思うからこそ、ここで質問して、見解を聞いているんです。その辺で何かあれば、どなたが答弁されてもいいですけれどもよろしくお願いします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 江藤健康福祉部長。
〔健康福祉部長 江藤寛二君登壇〕
◯ 健康福祉部長(江藤寛二君) 瀧川議員の社会福祉協議会に関する3回目の御質問にお答えをいたします。通常の社会福祉協議会の活動状況等の評価について少し申し上げますと、社会福祉協議会の活動状況の評価というのは、毎年、公募委員2人を含む13人の外部委員によります評価委員会において評価をいただいているところでございまして、その中でも、社会福祉協議会本体に関しまして、地域の支援団体として十分機能しているのかどうなのかといった御意見や、あるいは地区社協にどういう指導をしているのか、どういう動きをしているのかよく見えないといったような御意見もいただいているところでございます。そういった御意見を踏まえまして、市としても、議員おっしゃいますように、運営費補助金等も出しておりますので、また社協の理事として私も参画しておりますので、そういった立場からも、市民にわかりやすい運営ということに関しまして、十分意見を申していきたいと思っております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 以上で、瀧川勉議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
15分間休憩いたします。
午後3時08分休憩
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午後3時25分再開
◯ 議長(原 真也議長) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
14番、村田力議員。
〔14番 村田 力議員登壇〕
◯ 14番 村田 力議員 こんにちは、村田力です。先輩議員と質問の内容が重複するところもありますが、通告に基づき質問いたします。よろしくお願いします。
初めに、平成28年度当初予算について伺います。平成28年度当初予算は、前年度の当初予算と比較いたしますと、一般会計ベースで25億3,000万円減ではありますが、824億円と、昨年度に引き続き積極型予算とされています。11月に発表されました
予算編成方針では、一般会計・一般財源の収支は、歳入合計500億円に対し、歳出合計が519億円を試算され、19億円の財源不足とありましたが、この財源不足にどのような対策をとられたのかお聞かせください。次に、将来負担比率について伺います。歳入のうち、款22市債、項1市債、目11の臨時財政対策債27億9,000万円を含む市債の総額が、119億5,930万円の起債となっております。一方、歳出のうち款12では、市債償還に充てる公債費が94億956万円となっており、この結果、プライマリーバランスは約25億円の赤字となります。プライマリーバランスとは、基礎的財政収支とも呼ばれるもので、これが赤字となる場合には、借り入れの返済のために、また新たな借り入れをすることとなるため、単年度の収支で見て問題であるというものです。過去の一般質問で、プライマリーバランスについて、市長さんは、国においては極めて重要な財政指標ですが、基本的に建設事業の実施に伴う借り入れを主体とする地方財政にとりましては、留意しておくべき財政指標の一つとは思っておりますが、市債に関して言えば、市債残高や将来負担比率に注視しなければならないと答弁されています。そこで、山口市の将来負担比率に関するグラフです。青色と赤色を合わせた棒の高さが市債残高などの将来負担額で、平成28年度末に見込まれるものは1,544億円です。青色は充当可能財源等で1,368億円、赤色が実質的な将来負担となるもので176億円です。この比率は46.9%と、1ポイントではありますが、将来負担比率の悪化を見込まれています。また、交付税算入率が高い市債の残高が減少し、今後はこの将来負担比率が悪化することが懸念されます。これから山口市の将来負担比率はどのように推移すると見込まれるのか、御見解をお聞かせください。次に、一般会計から他会計への繰り出しについて伺います。歳出のうち、節19負担金補助金及び交付金、節24投資及び出資金、節28繰出金など、一般会計から他会計へ繰り出されるものがあります。独立採算を基本としている公営企業会計では、当該年度の事業収入で事業に必要な経費を賄うことが原則でありますが、行政上、公益性の観点から、例外的に一般会計から公営企業会計の経費を支出する必要に迫られる場合、例えば消火栓の修繕工事に要する上水道会計の経費や、雨水処理に要する下水道会計の経費等があり、このような一般会計から公営企業会計へ支出する経費を繰出金や繰り出しといいます。この繰り出しのうち、いわゆる基準外繰り出しに当たるものについて質問します。ここでいう基準とは、総務副大臣通知──地方公営企業繰出金についてに定める基準のことで、通常、基準内繰り出しや基準外繰り出しといわれます。この基準内繰り出しは、本来、公営企業に繰り出されるべきものです。しかし、基準外繰り出しは、総務省が示した繰り出し基準に合致しない経費となります。何が問題であるかというと、仮に公共下水道事業会計にこの基準外の繰り出しをした場合、公共下水道を利用していない市民の方にとっては、納めた税金のうち、自分の利用していない公共下水道事業会計に余分に支出されることとなるわけです。そこで、一般会計から公営企業等への繰り出しのうち、基準外繰り出しと見込まれる支出があれば、その繰出先会計と繰出額をお示しください。基準外繰り出しがある場合は、総務省繰り出し基準に合致しない経費について、市はどのように考えておられるのかお聞かせください。
大項目2つ目、平成27年度一般会計補正予算についての財政調整基金積立金について伺います。財政調整基金とは、当該年度で余剰金が生じた際に、年度間の財源調整を目的に積み立てられる地方財政法に規定された基金です。平成27年度末財政調整基金積立残高は、48億500万円であり、目標額の38億円を10億円以上も上回る積立額です。新たに作成された山口市財政運営健全化計画では、平成29年度末目標は55億円とされています。今年度の積立額は、当初予算456万円、補正予算(第1号)で2億6,821万1,000円を積み立てられています。この補正予算の際は、款19繰入金、項3特別会計繰入金、目1小郡駅前第三土地区画整理事業特別会計繰入金と款20繰越金、項1繰越金、目1一般会計繰越金を財源とされていました。このたびの山口市一般会計補正予算(第5号)では、財政調整基金積立金9,822万9,000円が追加で計上されています。新たな目標、計画に沿って積み立てをすることは大切なことだと理解できますし、財政調整基金積立額がふくらむことは歓迎です。しかし、このたびの補正予算では、臨時財政対策の起債をされています。この財政調整基金積み立て分9,822万9,000円を積み立てず、臨時財政対策の起債を抑制することはできなかったのか、市債残高が累積する要因でもある臨時財政対策の起債を抑え、債務負担を軽くすべきではないかと考えますが、市の見解をお聞かせください。
大項目3つ目、議員報酬及び特別職、一般職員の給与について、初めに、給与等引き上げ改定の考え方及び補正予算への影響について伺います。議案第34号から議案第36号は、一般職員の給料月額を平成27年4月に遡及して引き上げるとともに、議員及び特別職の期末手当と一般職員及び再任用職員の勤勉手当をそれぞれ引き上げるものです。これは、人事院の勧告により、一般職の職員、国家公務員の給与に関する法律等の一部を改正する法律が施行されたことを踏まえ、県のモデルに準じて条例の一部を改正する条例です。しかし、山口市一般行政職のラスパイレス指数は、平成27年が100.4であり、給料が国家公務員より0.4高いことになっています。また、新しい給料表と国家公務員の給料表を比較すると、1カ月当たり3,300円から8,600円、山口市職員の給料のほうが高くなります。将来、財源不足が試算される中、これまで人件費の抑制にも取り組んでこられました。一方、このたびは、議員の報酬、特別職と一般職員の給与を引き上げるための条例が提出され、一般会計等への影響を懸念する方もいらっしゃいます。新たな山口市の給料表は、国家公務員の給料表を上回る水準であるため、もう少し丁寧で市民の皆様に納得していただけるような説明が必要だと考えます。今回の報酬、給与引き上げ改定の考え方をお聞かせください。また、これらの条例が可決された場合の補正予算への影響をお示しください。次に、給料減額措置における当初予算への効果について伺います。議案第37号山口市職員の給与の特例に関する条例は、総人件費の抑制及び給与水準の適正化を図るための条例ですが、これは総務副大臣からの通知を受けてのものと理解しています。この通知は、地方公務員の給与改定については、地方公務員法の主旨に沿って適切に対応するとともに、厳しい財政状況及び各地方公共団体の給与事情等を十分検討の上、既に地域における国家公務員または民間の給与水準を上回っている地方公共団体にあっては、その適正化を図るため、必要な措置を講ずるよう要請するという内容のものです。そこで、山口市において、適正化を図るための必要な措置である議案第37号によって抑制される人件費とはどのぐらいになるのか、当初予算への効果をお聞かせください。
大項目4つ目、東京オリンピック・パラリンピックについて、初めに、キャンプ地誘致について伺います。歳出のうち、款2総務費、項1総務管理費、目19スポーツ振興費では、2,350万円の我がまちスポーツ推進事業費や県への負担金である山口県東京オリンピック合宿誘致実行委員会負担金30万円が計上されています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、出場国の大会関係者が山口市でキャンプを実施してくれたらと思うと、とても夢のあることを事業化されたこと、感謝申し上げます。そこで、今後山口市へのキャンプ地誘致の際、どのような国や地域の方、また競技種目を検討されているのか、そのプランをお聞かせください。次に、ホストタウン構想について伺います。先日の新聞に、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、事前合宿などを受け入れて参加国と交流を進めるホストタウンとして、全国44地域を決めた。今回は、第1次の決定で、69地域から応募があり、交流計画などをもとに選定し、今後、数回に分けて追加すると報道されていました。東京オリンピック・パラリンピックに向けて、国内外の選手と住民が交流する機会を設ける都道府県、市町村をホストタウンに認定し、政府が財政措置する制度で、活動経費の50%を交付税で政府が負担するほか、施設の改修に当たっても、地方債によって後押しするものです。特別交付税措置される対象経費には、選手との交流に要する経費で、ボランティア養成、警備、宿泊、輸送等に要する経費も含まれます。財政面での補助もある、このホストタウンに山口市は応募されたのか、また今後応募することを検討されているのか伺います。オリンピアン・パラリンピアンと子供たちや地域の方との交流が実現するようにしていただきたいが、御見解をお聞かせください。
大項目5つ目、山口市猫の適正飼養等ガイドラインについて伺います。歳出のうち、款4衛生費、項1保健衛生費、目7環境衛生費では、猫不妊去勢手術費助成事業補助金450万円が計上されています。また、人と猫とが快適に共生できるまちを目指してというキャッチフレーズのもと、山口市猫の適正飼養等ガイドラインが策定される予定です。背景には、近年、ペット、特に飼い猫の不適正な飼養や捨て猫等さまざまな問題が深刻化してきており、市民の皆様から多くの苦情や相談が寄せられたことがあったようです。猫の適正飼養については、動物の愛護及び管理に関する法律や山口市の生活環境の保全に関する条例に沿って、対応、活動してこられました。しかし、飼い猫や野良猫によるふん尿被害、庭木、農産物の被害、鳴き声等でトラブルに発展するケースが多い現状で、特に飼い主が明らかでない場合や野良猫等の特定の飼い主がいない場合は、法令等で規制することにも限界があったことなども背景になり、猫による環境被害の軽減と飼い主のいない猫の増加の抑制、引き取り数の削減を図るため、平成28年7月より、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費助成金制度を始められます。この制度は、飼い主のいない猫の問題に悩む市民にとっては大きな前進であり、評価できる制度になると思われます。そこで、この制度について伺います。飼い主のいない猫の手術のため、猫を捕獲する際、人がけがをしてしまった場合、市としてどのような対応をされるのか。また、動物愛護の解釈には幅がありますが、飼い主のいない猫にとっては、交通事故や感染症の恐れ、冬季の低温や夏季の猛暑など、劣悪な環境下、野外で生活していくことはベターなものではないと考える市民の方もいらっしゃいます。このことに対して御所見をお聞かせください。
大項目6つ目、中期財政計画について、初めに、普通建設事業計画について伺います。山口市財政運営健全化計画では、中期財政計画と計画期間後の財政見通しを公表されています。中期財政計画は、平成29年度までの期間の普通会計で策定され、計画期間後の財政見通しでは、平成35年度までの6年間の財政見通しを作成されています。資料では、平成31年度より、歳入合計から歳出合計を差し引いた財政収支がマイナスとなることが示され、今後の財政運営は厳しいことが予測されます。性質別歳出では、平成29年度から平成31年度までの間、普通建設事業費が大きくなっています。普通建設事業費の過去最大額は、平成27年度の179億円ですが、平成29年度187億円、平成30年度190億円、平成31年度190億円の3年間合計が約567億円で、この3カ年の事業費の大きさが御理解いただけると思います。一方、歳入では、普通建設事業費が膨らんでいる3カ年の市債の発行額が大きくなっています。歳入と歳出を総合すると、平成29年度から平成31年度までの間、大きな金額の普通建設事業を実施、その財源として、国庫支出金などの補助はあるものの、大きな額の市債を発行する計画であると考えられます。この3カ年の起債のうち、臨時財政対策債を除く市債の発行額は357億円です。交付税算入率の高い合併特例事業債は、平成29年度からの発行額が約62億円であり、この計画にある普通建設事業費の多くは、やや交付税算入率が低い市債を起債し、これに充てなければなりません。確かに耐震化や老朽化、環境改善に伴う大規模な修繕、また建てかえなどによる普通建設事業は自治体として必要なことです。しかし、この普通建設事業を実施した結果、市債残高が累積し、将来の負担が大きくなります。財政見通しが厳しい中にあって、将来に負担を残すこととなる普通建設事業について、公表されているものも含め、今後の主な建設事業計画とその事業費、事業期間をお聞かせください。最後に、財政運営健全化に向けた取り組みについて伺います。先ほどもふれましたが、山口市の財政見通しは、平成31年度に財政収支が9億4,000万円の不足に陥り、以降もマイナスが続きます。新聞によると市長は、財政の健全化に向けた大きな課題、市債残高も抑えていかなければならないと危機感を強めると報道されています。その市債残高は、今後4カ年で約254億円増加し、平成31年度末には、市債残高が約1,260億円となります。議案第34号から議案第36号が可決すると、人件費への影響もあります。また、社会保障制度の充実や社会情勢等から、児童、高齢者、障がい者、生活困窮者などへの支援である扶助費は、平成28年度の164億円が、平成35年度には192億円と増大する見通しです。さらに公債費は、平成28年度が94億円、平成35年度には110億円の見通しとなっており、今後、公債費も高水準で推移すると見込まれます。この結果、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費が歳出合計に占める割合は、平成28年度の47.6%が平成35年度には55.1%と、財政の硬直化が進みます。歳入面については、現在は市債償還のための基準財政需要額の個別算定経費──公債費がふえていますが、交付税算入率の高い市債が涸渇すれば、一本算定による普通交付税額は大きく減少することが予測されます。市長は、次なる10年に向けた挑戦と計画的な市政運営の歩みを進めてまいりますと
予算編成方針でも発言されています。住民サービスに支障が出ないように努めながらの財政運営は、大変な御苦労があるとお察ししますが、歳入面が減少し義務的経費の歳出が増大する山口市の財政を、これからどのように運営されるのか、抜本的な対策が求められると考えますが、今後の財政運営健全化に向けた取り組みをお聞かせください。
以上を1回目の質問といたします。
◯ 議長(原 真也議長) 伊藤総務部長。
〔総務部長 伊藤和貴君登壇〕
◯ 総務部長(伊藤和貴君) 村田議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、議員報酬及び特別職、一般職員の給与についての御質問にお答えをいたします。まず、今回の給与決定の考え方についての御質問でございますが、議員御案内のとおり本市の給料表につきましては、山口県人事委員会勧告に基づいたものといたしているところでございます。地方公務員の給与決定につきましては、地方公務員法に定めている職務級の原則、均衡の原則、給与条例主義の三原則に基づいて行われており、そのうちの一つであります均衡の原則におきまして、職員の給与は、生計費や国及び他の地方公共団体の職員、民間事業の従事者の給与、その他事情を考慮しなければならないと定められているところでございます。この均衡の原則の解釈及び運用につきまして、以前は国家公務員の給与に準ずることとされていたところでございますが、平成18年の給与構造改革以降は、給与水準すなわち給料表については、各地域の民間給与をより重視して均衡の原則を適用し、各団体が地域の民間給与水準をより反映させた給料表を定めることができることとされたところでございます。この均衡の原則の観点から、地方公共団体におきましては、人事委員会がそれぞれの地域の公務員と民間給与の比較調査を実施いたしまして、これに基づく人事委員会勧告を毎年行い、この勧告を踏まえ、地方公共団体はその年の給与を決定しているところでございます。また、本市のように人事委員会を設置していない地方公共団体におきましては、都道府県の人事委員会勧告を参考にして給料表を定めることで、間接的に地域の民間給与を反映することができることとされているところでもございます。このような給与決定の考え方に基づきまして、本市におきましては、山口県人事委員会の勧告を踏まえた給料表を定めているところでございます。議員御質問のこのたびの給与改定におきましても、これらの考え方を基本としているところでございまして、給料表につきましては、山口県人事委員会勧告を踏まえた引き上げ改定を実施いたしますとともに、期末手当及び勤勉手当につきましては、国家公務員と同様に、支給月数を引き上げる改定を実施する議案を提出いたしているところでございます。また、ラスパイレス指数につきましては、議員御指摘のとおり平成27年度は100.4で、国より高い水準となっているところでございますが、一方、山口県の平成27年度のラスパイレス指数は100.7でございまして、また県内においても、本市のラスパイレス指数は下関市、光市、山陽小野田市に次ぐ13市中4番目に位置しておりますことからも、本市の給与は妥当な水準にあるものと考えているところでございます。次に、給与改定による補正予算への影響額でございますが、一般会計及び特別会計を合わせまして1億9,149万9,000円を見込んでいるところでございます。また、給与減額措置の効果額につきましては、一般会計及び特別会計を合わせまして3,639万8,000円を見込んでいるところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 私からは、平成28年度当初予算について、数点のお尋ねにお答えをいたします。御案内のとおり平成28年度当初予算におきましては「これが私の故里だ
定住実現都市」と位置づけ、三つの創生を重点的に推進するとともに、市民生活「四つの安心」の取り組みを展開する中で、将来への
まちづくりへの投資を重点的に行うため、投資的経費につきましては約156億3,000万円を確保しており、今年度に引き続き、積極型予算といたしたところでございます。こうした中で、財政健全化への取り組みを引き続き実施し、平成22年度当初予算から7年連続で、財源不足を補うための基金を取り崩さない、歳入規模を基本とした予算としたところでございます。議員お尋ねの財源不足額への対応でございます。昨年11月に発表いたしました平成28年度当初
予算編成方針における財源不足額を、19億円と見込んでいたところでございますが、編成作業の過程の中で事業の実施内容や金額、充当財源の精査を行うとともに、売却可能な資産の洗い出しを行い財産収入を見込むなど、歳入歳出両面での取り組みによりまして、19億円の不足がございましたけれども、収支の整合が図れるように対応したところでございます。次に、将来負担比率についてでございます。御案内のとおり将来負担比率は、自治体が将来負担する必要がある実質的な負債額が、その自治体の財政の大きさである標準財政規模に占める割合を示したもので、将来、財政を圧迫する可能性の度合いを示すものでございます。将来負担比率におきましては、一定の値が早期健全化基準として示されており、政令市以外の市町村は、350%を上回った場合には財政健全化計画を策定し、その内容に沿った取り組みを実施しなければならないこととされております。本市におきましては、平成26年度決算で47.1%と、県内13市の中では3番目に低い比率となっております。議員お尋ねの本市における将来負担比率の推移、見込みについてでございますが、平成27年度は大型建設事業に伴う市債発行額の増加により将来負担額が増加するものの、地方消費税交付金の増額などにより標準財政規模が増加することから比率は相対的に低下し、平成26年度と比較し、1.2ポイント減の45.9%を見込んでいるところでございます。また、平成28年度は市債発行額の増加により、平成27年度と比較して1.0ポイント増の46.9%を見込んでおりまして、いずれも国が示します早期健全化基準350%を大幅に下回っている状況でございます。このことから、健全な財政運営ができているものと認識をいたしているところでございます。今後につきましては、消費税率の引き上げによる標準財政規模の増加は見込まれますものの、大型建設事業に伴う市債の発行額の増加により地方債現在高の増加が見込まれますことから、将来負担比率は緩やかに上昇すると見込んでいるところでございます。今後も、こうした指標を注視しながら、引き続き、財政運営健全化計画に基づきまして、事業の選択と集中により歳入規模に見合った予算の編成に努めますとともに、国において統一的な基準を策定されております新公会計の整備や、昨年8月に策定いたしました公共施設等総合管理計画などを踏まえまして、財政規律と投資のバランスのとれた健全な財政運営を持続してまいる考えでございます。次に、一般会計から他会計への繰り出しについての御質問でございます。一般会計から公営企業会計に対する繰出金には、総務省の示す繰り出し基準に基づくもの以外に経営支援などを目的とした、いわゆる基準外繰出金があり、その内容といたしましては、特別会計に対するものとして、簡易水道事業特別会計へ1億5,818万2,000円、農業集落排水事業特別会計へ2億3,156万1,000円、漁業集落排水事業特別会計へ979万5,000円を計上しているところでございます。また、企業会計に対するものとして、水道事業会計へ6,809万2,000円、公共下水道事業会計へ1億6,231万2,000円を計上いたしているところでございます。この基準外繰出金には、水道事業会計への操り出しである水道の不採算地域への普及や災害復旧に対する繰出金など、単に経営支援を目的としたものではなく、政策的な目的を達成するために行っているものがございます。また、事業の性質上、使用料収入で経費を賄えていない会計に対しましては、経営支援を目的とした繰り出しも行っております。そうした中で、公共下水道事業では、財政健全化や受益者負担の公平性の観点から、基準外繰出金の約5割を削減することを目的として、平成27年10月に使用料改定を行ったところでございます。今後におきましても、特別会計や企業会計は、ライフラインなど市民生活に密接した事業を行っておりますことから、事業の安定した継続を基本として、住民負担も考慮しながら、引き続き繰出金の適正化に努めてまいりたいと考えております。
次に、平成27年度一般会計補正予算についての財政調整基金積立金に関する御質問にお答えをいたします。このたびの一般会計補正予算として計上いたしております財政調整基金積立金9,822万9,000円につきましては、小郡駅前第三土地区画整理事業特別会計における最後の保留地売却収入を一般会計へ繰り入れた上で、財政調整基金に積み立てるものでございます。御案内のとおり、この小郡駅前第三土地区画整理事業特別会計につきましては、借入金をもって区画整理を行い、保留地の売却収入をもって借入金を返済するものでございますが、毎年一定額ずつ売却できるという性質のものではないことから、売却額が定時償還額に達しない場合には、一般会計から繰り入れを行い、借入金の償還を行ってきたところでございます。昨年7月末には、企業会計部分に係る全ての借入金を完済いたしておりますことから、このたびの売却収入につきましては、こうした経緯も踏まえ、将来の財政運営に備えるため、一般会計へ繰り入れた上で財政調整基金に積み立てるものでございます。また、このたびの一般会計補正予算で計上いたしております臨時財政対策債4億3,156万6,000円につきましては、現計予算額と今年度の普通交付税の算定において決定された臨時財政対策債発行可能額との差額を計上しているものでございます。御案内のとおり臨時財政対策債とは、地方財政収支の不足額を国と地方が折半して補填するため、地方側がその補填財源として発行する地方債でございまして、その元利償還金相当額については、全額が後年度の地方交付税の基準財政需要額に算入されるものでございます。元利償還金の全額が交付税措置されることから、実質的な地方負担はないところではございますが、議員御指摘のとおり将来に負担を残す方法は本来の姿ではなく、地方の財源不足につきましては、地方交付税の原資である国税5税の法定率引き上げによって対応すべきであるとの認識をいたしておりますことから、これまでも市長会等を通じて国に要望しているところでございます。しかしながら、この臨時財政対策債は、地方交付税の代替財源として地方財政対策に位置づけられているものでございますことから、現行の制度が継続されている間は、基本的にはその全額を借り入れ、当該年度の一般財源として有効に活用してまいりたいと考えているところでございます。このように、財政調整基金と臨時財政対策債は、それぞれの背景や経緯、役割等が異なりますことから、互いに相殺するのではなく、それぞれの所要額をこのたびの一般会計補正予算に計上いたしているところでございます。
次に、中期財政計画についてのうち普通建設事業計画についてお答えをいたします。まず、中期財政計画の策定に当たりましては、毎年度の予算編成時に社会情勢や諸条件について必要な見直しを行い、歳入歳出を見込みまして財政収支の見通しを立てているものでございます。このたびお示しをいたしました財政収支の見通しにつきましては、議員御指摘のとおり、平成29年度から平成31年度にかけては普通建設事業費が約190億円と高い水準で推移しており、それに伴い、地方債も大きく膨らんでいるものでございます。お尋ねの中期財政計画における普通建設事業費の主な内容について申し上げますと、まず広域県央中核都市づくりのため取り組んでおります、新山口駅ターミナルパーク整備事業の全体の事業費は、平成18年度から平成31年度までの事業期間で約160億円、そのうち平成29年度から平成31年度までの3年間の事業費は約22億円を見込んでおります。同様に、新山口駅北地区重点エリア整備事業の全体事業費につきましては、平成21年度から平成31年度までの事業期間で約120億円、そのうち3年間の事業費は約109億円を見込んでいるところでございます。また、集中豪雨への対応といたしまして、総合浸水対策事業の全体事業費は、平成27年度から平成31年度までの事業期間で30億円、そのうち3年間の事業費は18億円を見込んでいるところでございます。その他、地域交流センターの建設事業につきましては、3年間で約29億円を見込んでいることなど、道路施設の整備や河川改修、公共施設の改修等、毎年度実施いたしている事業に加えて、これらの将来における必要な投資としての大型事業を予定しておりますことから、全体として、この3年間の普通建設事業費が大きくなっているものでございます。次に、財政運営健全化に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。今後の財政見通しにつきましては、合併支援措置である交付税の合併算定替えが今年度から逓減し、平成32年度をもって終了するほか、景気動向や社会経済情勢の先行きが不透明な中で、市税の大幅な伸びも期待できないことなどから、歳入の確保は一層厳しくなる一方で、少子高齢化の進展等による社会保障関係経費や市債残高の増加に伴う公債費の増加も見込まれますことなどから、平成31年度以降は財政収支がマイナスとなる見込みでございます。こうしたことから、財政運営健全化計画において、合併による財政支援措置が終了した後の財政状況をも見据えた財政健全化に取り組んでいるところでございます。具体的には、内部管理経費、事務経費等の抑制、またスクラップアンドビルドによる事務事業の徹底した見直しなどにより、歳出の削減を図るとともに、徴収率向上のための諸施策や市有財産の有効活用などによる歳入の確保に努めているところでございます。さらに、建設事業の財源につきましては、合併特例事業債や過疎対策事業債などの交付税措置率の高い有利な市債を積極的に活用することによりまして、実質的な市債残高の抑制に努めるとともに、償還期間や据え置き期間の圧縮により利子負担の軽減を図っております。このほか、将来の財政需要に備えるため、庁舎建設基金や減債基金など、特定目的基金への積み立てを行っているところでございます。いずれにいたしましても、今後も財政健全化法の指標であります実質公債費比率や将来負担比率など注視しながら、引き続き不断の行財政改革に取り組みまして、財政規律と投資のバランスがとれた健全な財政運営を維持してまいる所存でございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長)
大田地域振興部長。
〔
地域振興部長 大田正之君登壇〕
◯ 地域振興部長(大田正之君) 私からは、東京オリンピック・パラリンピックについてお答えをいたします。まず、キャンプ地誘致についてでございます。御案内のとおり、2020年に開催されます東京オリンピック・パラリンピックにおきましては、日本国内で事前合宿をされる海外チームの誘致に向けた自治体の取り組みが活発化いたしているところでございます。東京オリンピックの開催は、首都圏だけではなく、日本国内全土でスポーツへの関心が高まることが予想されまして、本市のスポーツ推進にも大きな影響を与えるものと考えているところでございます。このようなことから、本市といたしましても、この流れに乗りおくれることなく、東京オリンピック・パラリンピックにおける事前キャンプ地の誘致活動に積極的に取り組んでいるところでございます。これまでのキャンプ地誘致活動といたしましては、姉妹友好都市の一つでございますスペインパンプローナ市がございますことから、スペイン大使館を訪問いたしまして情報交換をさせていただく中で、本市をキャンプ地として御活用いただけるようアピールをさせていただいたところでございます。また、公益財団法人日本オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会がキャンプ候補地をまとめた冊子を作成され、この夏に開催されますリオデジャネイロオリンピックにおいて各国に配布されることとなっております。本市といたしましては、高飛び込みを除く水泳競技でございます、水泳、シンクロナイズドスイミング、水球の競技可能施設として山口きらら博記念公園水泳プール、ゴルフ競技の可能施設として本市に所在いたしております民間のゴルフ施設を、事前キャンプ候補地ガイドに掲載する方向で現在調整をいたしているところでございます。今月末には、関係団体等と本市の推進組織の立ち上げを行うことといたしておりまして、これをスタートといたしまして、さらに積極的に誘致に向けた活動を行ってまいりたいと考えているところでございます。また、平成28年度には、山口県と誘致を表明された県内市町が連携した取り組みを行います、世界大会等キャンプ地誘致活動組織が設立される予定となっておりまして、その予算につきまして新年度予算に計上いたしているところでございます。次に、ホストタウンについてでございます。ホストタウンは、東京オリンピック・パラリンピックの開催により、多くの選手や観客が来訪されることを契機といたしまして、
大会参加国と地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図るとともに、地域の活性化等を推進することを目的といたしまして、平成27年9月30日、内閣官房オリンピック・パラリンピック事務局におきまして、ホストタウン推進要綱が示されまして、東京オリンピック・パラリンピックや国際大会等における事前キャンプ地の実施だけではなく、大会前後を通じた外国人選手等や
大会参加国と継続的な文化・教育の国際交流活動により、スポーツの振興、教育・文化の向上、共生社会の実現を図ることとされたところでございます。ホストタウンへの登録につきましては、大会を契機としたさまざまな交流を通じまして、地域の活性化、観光振興につながるものと大いに期待をいたしているところでございます。現在のところ、昨年12月の第1次の登録におきましては、全国で44団体の自治体が登録をされておられますが、今後、5月中旬に第2次登録、10月末に第3次登録の受け付けがございますことから、本市といたしましても、東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致活動などにあわせまして、御案内いただきましたホストタウンへの登録につきましても取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 山田環境部長。
〔環境部長 山田隆司君登壇〕
◯ 環境部長(山田隆司君) 私からは、山口市猫の適正飼養等ガイドラインについての御質問にお答えいたします。議員御指摘のとおり、飼い猫の不適正な飼養や野良猫の増加などを起因としたさまざまな問題に関しまして、毎年多くの苦情や相談が市に寄せられているところでございます。本市では、こうした問題に対処するため、昨年6月に設置した協議会におきまして、ガイドライン案の作成や野良猫の不妊・去勢手術への支援方法等についての検討を行い、このたびようやく市の対応策をまとめたところでございます。3月下旬には、ガイドライン及び飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費助成制度につきまして公表することといたしております。また、市民の皆様へのお手元へは、ガイドラインの概要版及び助成制度のパンフレットを5月上旬に全戸配布させていただくことといたしております。まず、飼い主のいない猫の捕獲に際してのけがについての御質問でございます。本市の助成制度につきましては、事前に市に登録いただいた地域やボランティアの方々などの自発的な取り組みにより行われる不妊・去勢手術の費用に対する支援でございますことから、捕獲等に伴うけがに関しましては自己責任の範囲となりますので、十分に御留意いただく必要がございます。なお、不妊・去勢手術のための猫の捕獲に関する御相談を事前にいただければ、必要に応じ、専門知識を有する方々から捕獲方法等の助言を行うなどのサポートを考えております。次に、飼い主のいない猫の野外での生活に関する市の所見についての御質問でございます。飼い猫の平均寿命が10年前後と推測されているのに対しまして、野良猫は、議員御指摘のとおり野外で生活するため、交通事故や感染症などにより寿命が短く、3年から5年程度といわれております。飼い猫も含めまして、屋外で生活することに伴うふん尿等の被害や近隣トラブルなど多数生じていることを考え合わせると、野外での生活は決して望ましいものではないと考えているところでございます。また、本市では、毎年400匹から500匹の猫の引き取りがあり、その多くは野良猫で、結果として、ほとんどが殺処分されております。そのほか、市が所管いたします市道等の公の場所におきまして、車にひかれるなどにより命を落とした猫の数も、把握できる範囲で毎年400匹程度でございます。こうしたことから、本市といたしましては、今後、助成制度の活用を促進し、野良猫の増加の抑制を図るとともに、ガイドラインの普及啓発を進め、野良猫の増加の原因解消を図ることで、人と猫とが快適に共生できる
まちづくりを目指してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 以上で、村田力議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
本日の一般質問並びに質疑はこれをもって終了いたします。
以上で、本日の日程は全て終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。再開は明3日、午前10時であります。
午後4時19分散会
────────────・────・────────────
地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。
議 長 原 真 也
副 議 長 氏 永 東 光
会議録署名議員 泉 裕 樹
会議録署名議員 田 中 勇
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