山口市議会 2015-12-07
平成27年第5回定例会(2日目) 本文 開催日:2015年12月07日
2015年12月07日:平成27年第5回定例会(2日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 午前10時00分開議
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◯ 議長(原 真也議長) おはようございます。これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
本日の会議録署名議員は、10番、瀧川勉議員及び23番、坂井芳浩議員を指名いたします。
日程第2、一般質問並びに質疑を行います。
議案第1号から議案第74号までを一括議題といたします。
順次発言を許します。20番、小林訓二議員。
〔20番 小林訓二議員登壇〕
◯ 20番 小林訓二議員 おはようございます。県央創造清風会の小林訓二と申します。会派を代表いたしまして、通告に従って順次質問をいたします。市長を初め、関係参与の皆さん方には明快な答弁をよろしくお願いいたします。私の後に7名の方が待機をしておられますので、早速ではございますけれども、質問を始めます。
まず最初に、平成28年度予算編成方針について質問いたします。先般示されました平成28年度予算編成の基本的な考え方において、山口市総合計画に掲げる、未来活気「二つの創造」としての
広域県央中核都市づくりと協働によるまちづくり、そして市民生活「四つの安心」としての市民の暮らしにおける安心を実現する取り組みにより、引き続き
定住実現都市づくりを進めるとされておられます。また、本年10月策定の山口市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略で示された100のプロジェクトもあわせて推進するとされておられます。基本的な考え方で市長が述べられているように、まさに地方創生に近道はないことから、総合計画や総合戦略の積み重ねを着実に、かつひたむきに継続していくことが予算編成方針の基本となるという市長のお考えに大いに共感するところでございます。その上で、平成28年度予算について、本市出身の詩人、中原中也の詩の一節を引用され、「これが私の故里だ 定住実現都市」と位置づけられ、本市の個性を際立たせ、定住や交流・対流を創出していく三つの創生を重点的に推進するとされたところでございます。これら三つの創生のうち、第一の創生では、教育・アート・観光・スポーツ等の分野で本市の個性を際立たせ、まちへの共感や誇りとしてのシビックプライドを育むやまグッち創生でございます。第二には、本市の未来を担う多様な人材・才能と、多彩な働きの場を大切に育む取り組みとして、多様な才能を有する人材の積極的な誘致と、地域雇用創出の取り組みを強化する人材・雇用創出の推進でございます。第三には、定住と交流を促進する高次都市機能の集積と日常生活機能の確立、都市と農山漁村が共生する都市・生活空間創生を展開するとあります。この取り組みは、地方創生という国家レベルの施策の中で、国や県ともしっかりと連携しながら、山口市としてこれからの人口減少社会に立ち向かい、次なる10年に向けた取り組みの大きな一歩になる予算にしたいとの思いの感じられる方針であるものと高く評価をいたしているところでございます。そこでお尋ねいたしますが、地方創生の取り組みを推進される平成28年度の予算編成方針における基本的な考え方について、とりわけこの三つの創生を重点領域とされたことについて、市長の御所見をお示しください。また、推進体制についても、現時点での市長のお考えをお伺いしたいと思います。
続きまして、観光・交流のまちづくりについてでありますが、まず観光地域づくりについてお伺いいたします。やまぐち地方創生100プロジェクトにおいて、山口市の観光地域づくりの推進ということで、山口市版DMO機能の導入が位置づけられております。このDMOとは、デスティネーションのD、マネジメントのM、オーガニゼーションのOという頭文字を用いた略ですが、平成28年度予算編成方針においても、このDMOを初めとした、さまざまな関係団体が連携した観光地域づくりを総合的に推進する体制づくりを進められることとされておられます。一方、国は、国内外からの観光客の流れを戦略的に創出し、観光による地方創生を進めることとしております。それは、観光地域づくりの代表事例となり得る特定の地方都市において、さきに申し上げたDMOが中心となって行う地域の観光コンテンツの磨き上げや受け入れ環境整備、あるいはまた情報発信などの取り組みに対し、関係する省庁の施策を集中投入して支援するとされております。また、本年11月には、
日本版DMO候補法人登録制度の枠組みも示されたところでございます。これまで、せとうち海の道、デスティネーションキャンペーン、明治維新150年など、本市が関連するさまざまな広域観光連携の取り組みはあります。しかし、これらの本市の取り組みは、情報発信やPRという要素に観光施策の重点が置かれているように感じております。今後、本市観光施策の主要目標である宿泊客の増に向けて、DMOなどの地方創生の枠組みを本市における観光地域づくりの手段としてしっかりと活用し、真に人を呼び込むことができる魅力的な観光資源の磨き上げ、観光地づくりを進めていく必要があると考えております。そこでお尋ねいたします。地方創生のもとで、本市の観光地域づくりの新たな方向性や、現時点で想定しておられる取り組みについてお尋ねいたします。次に、明治150年記念事業についてお尋ねいたします。観光コンテンツの一つとして、平成30年──明治150年を契機とする記念事業の実施も大きな柱となってくると考えております。今月13日で終了する大河ドラマ花燃ゆも、全国に明治維新における山口県や明治維新策源地としての山口市の役割を大いに発信し、明治150年に向けた機運の醸成に大いに寄与したものと感じているところでございます。先月、平成28年度予算の県知事要望を実施された中で、市長は、国や県を挙げての明治150年記念事業の実施を要望され、市もともに取り組みを進めることとされておられます。とりわけ、県立山口博物館及び明治150年記念施設について、現在の山口博物館周辺における整備を要望されたところでございます。山口市における明治維新関係の博物館については、山口市にとっても非常に重要な都市機能の一つであると考えますし、時宣を得た提案であるものと高く評価をいたすものでございます。今後も積極的に山口県とも協議をしていただき、実現に向けた取り組みをお願いしたいところでございます。そこでお尋ねいたします。明治150年記念事業について、現時点における市長のお考え、想定される取り組みについてのお考えをお聞かせください。また、要望の中で山口宇部空港における国際定期便就航の実現に向けた取り組みについても要望されたところでございますが、こうした取り組みに対する市長の思いをお聞かせください。
続きまして最後の質問になりますが、本庁舎と総合支所庁舎の整備についてお尋ねいたします。先月11月に山口市本庁舎の整備に関する検討委員会が開催され、44名の委員に対して、本庁舎の整備の方向性に関することを諮問されたところでございます。議会としても、今後の検討、答申の内容について注視していきたいと考えております。第1回目の会合の資料におきましては、これまでの経緯や議会での議論、行政機能の配置や山口市のまちづくりについて、本庁舎の現状や課題について説明され、丁寧にこの本庁舎の整備について議論を進めていこうとする市当局の姿勢を感じているところでございます。そこでお尋ねいたします。まず、第1回の検討委員会の審議の状況、今後の検討委員会の予定について改めて御説明いただきたいと思います。また、3月に開催される第2回の検討委員会においては、本庁と総合支所機能の審議が予定をされております。総合支所機能の審議も踏まえて、今後、必要に応じた各総合支所の改修等を実施されるものと思いますが、合併特例債の期限を鑑みると、必要な改築工事や改修工事は並行して進めておくべきではないかと思います。そこでお尋ねいたしますが、現時点における総合支所庁舎の整備や改修について、市長のお考えをお伺いし、私の1回目の質問を終わります。
よろしくお願いいたします。
◯ 議長(原 真也議長) 渡辺市長。
〔市長 渡辺純忠君登壇〕
◯ 市長(渡辺純忠君) おはようございます。それでは、小林議員の御質問にお答えをいたします。
まず、平成28年度予算編成方針についてでございます。御案内のとおり、本市は新市誕生10年という節目を迎えました。平成28年度予算編成におきましては、新市発足以来10年間のまちづくりの積み重ねの上に、山口市総合計画のもとで、未来活気「二つの創造」としての
広域県央中核都市づくりと協働によるまちづくりの取り組みと同時に、市民生活「四つの安心」としての雇用・産業振興、子育て・教育、防災、健康長寿などの市民の皆様の暮らしにおける安心を実現する取り組みを通じまして、
定住実現都市づくりを推進してまいります。また、本年10月に策定をいたしました山口市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略では、定住促進と少子化対策という地域社会の最重要課題への対応を進めるため、100の重点推進項目を位置づけたところでございます。この総合計画と総合戦略に基づくまちづくりの取り組みをひたむきに積み重ね、継続してまいりますことが、平成28年度予算編成における基本的な考え方でございます。さらにその上で、平成28年度予算を「これが私の故里だ 定住実現都市」予算と位置づけまして、本市の個性を際立たせ、定住や交流・対流を創出していく三つの創生を重点的に推進していくことが可能となるような予算編成をしてまいりたいと考えております。三つの創生のうち、第一の創生、やまグッち創生は、教育・アート・観光・スポーツ等の各分野を中心に、本市の個性を際立たせ、「山口はグッドだね」と言っていただけるように、山口のファンをふやしていく取り組みでございます。まず、教育なら山口の取り組みでは、学園都市としての特徴を生かしながら、教育を受けるなら山口市と思っていただけるような教育環境づくり、人材育成の場づくりを推進してまいります。また、アートによる創造都市の取り組みにつきましては、
山口情報芸術センター──YCAMを中心に、世界で高い評価を受ける本市の創造的な文化芸術活動、未来を担う人材の豊かな感性と創造性を育む教育普及活動などの展開を通じて、広域的な知的交流や対流を創出できる都市づくりを推進してまいりたいと存じます。さらに、観光地域づくりの推進につきましては、広域的な観光連携のもとで、本市の豊かな歴史、文化、自然、食などを生かし、観光地としての需要創造やコンテンツの付加価値化への支援など、観光産業を振興してまいります。とりわけ、本市全体における年間宿泊客数95万人、湯田温泉宿泊客数65万人以上を目指して重点的な取り組みを展開する必要があると考えているところでございます。また、我がまちスポーツの推進につきましては、地域におけるスポーツ人口の拡大の取り組みに加えて、
大型スポーツイベントや
東京五輪キャンプ地などの誘致活動、レノファ山口を中心とした市民の一体感の醸成など、スポーツを通じたにぎわいや交流の創出に向けた取り組みを強化いたしてまいります。さらに、市民総参加のシティセールスといたしまして、多くの方に本市の魅力を感じていただけるよう、ふるさと納税倍増の取り組みや
企業版ふるさと納税の取り組みを通じた情報発信の強化、ふるさと産品やふるさと産業の売り込みにつながるような営業体制の強化を図ってまいります。次に、第二の創生であります人材雇用創生は、未来を担う多様な人材や才能を本市に誘致すると同時に、企業誘致を初めとした地域雇用の創出を強化する取り組みでございます。とりわけ、大学卒業後の20代の若者、住居購入時期に当たる30代のファミリー層、そして退職後の60代の夫婦、この3つの世代をターゲットとして、人生の節目において本市を定住の場としていただけるような展開を図ってまいりたいと存じます。まず、オール山口での人材誘致といたしまして、大学等と連携した人材還流の推進、地域おこし協力隊を初め地域づくりの担い手の移住者倍増の取り組み、山口市生涯活躍のまち構想、いわゆるCCRCの基本計画の策定など、さまざまな分野で外部人材や才能等を誘致してまいりたいと考えております。また、地域雇用の創出といたしまして、都市型産業の誘致による第3次産業の集積を初めとした企業誘致の新たな受け皿づくり、中小企業者による
UJIターン採用支援、若者の地元就職促進などを展開してまいりたいと存じます。さらに、雇用拡大につながる地域の中核的企業の育成や中心商店街への出店促進など、中小企業が事業活動しやすい環境づくりを推進してまいります。同時に、農林水産業における積極的な
人材受け入れプログラムの実施、介護や子育て分野における人材確保支援など、地域に根差した産業における人材活躍の環境づくりを図ってまいります。次に、第三の創生といたしましては、定住と交流を促進する都市機能の集積と生活機能の確立、都市と農山漁村が共生する都市生活空間創生の展開でございます。まず、高次都市機能が集積する
広域県央中核都市づくりでは、山口都市核、小郡都市核の両都市核づくりを中心に、人口減少時代にあっても、将来にわたって高次都市機能を確保し、雇用の多くを占めるサービス業の創出や若者の流出を防ぐため、一定規模以上の人口を維持できる都市圏の形成を図ってまいります。山口都市核づくりでは、長い歴史の中で積み重ねてきた行政、文化、教育、商業、観光などの都市の特性をより高め、対流や交流を生み出し、人口を増加させる施策を推進してまいります。まず、中心市街地の活性化につきましては、第2期
中心市街地活性化基本計画に基づく取り組みとして、密集市街地の改善、市街地再開発事業の推進、空き店舗への入店促進などを進めてまいります。また、大内文化ゾーンの歴史空間の再生につきましては、平成30年の明治150年に向けて、ゾーン全体をいわば明治150年記念公園のようなコンセプトで捉えながら、十朋亭とその周辺の一体的な整備、創造的歴史公園としての菜香亭周辺広場の整備を引き続き推進いたし、山口都市核を一望することができる亀山公園山頂広場の再生に着手するなど、歴史観光資源の整備を推進してまいります。さらに、
湯田温泉おもてなしのまちづくりでは、山口県全体の宿泊・保養拠点である湯田温泉を訪れても、住んでも、心地よい空間として整備するために、道路美装化などの景観整備や、さらなる回遊性向上の取り組みを進めるなど、湯田温泉の機能強化に取り組んでまいります。次に、小郡都市核づくりにつきましては、山口県の玄関としての小郡都市核の機能をより高め、交流やビジネスの拠点としての市街地形成を図ってまいります。新山口駅における
ターミナルパーク整備につきましては、御案内のとおり、本年10月に南北自由通路の供用を開始いたしましたことに続き、北口駅前広場整備を明治150年に間に合う形で、平成29年度の完成を目指して進めてまいります。同時に南口駅前広場整備は、混雑の解消された利便性の高い広場整備といたしまして、平成31年度の完成を目指してまいります。また、新山口駅北地区重点エリア整備につきましては、拠点施設の整備に向けた基本設計等やエリア内道路の整備、県と一体となった北口駅前のアクセス道路の整備などを促進してまいります。そして、
広域ネットワーク機能の強化につきましては、中国縦貫自動車道の
湯田パーキングエリアにおける
スマートインターチェンジの整備など、広域的な経済活動や交流を支える幹線道路網の整備促進と同時に、連携中枢都市圏の形成など、県中部エリアにおける近隣自治体との広域連携を推進してまいります。次に、日常生活圏を形成する協働によるまちづくりにつきましては、市内21のどの地域においても、将来にわたって持続可能な形で暮らしを守れる日常生活圏の形成に取り組んでまいります。地域の状況や要請をうかがいながら、それぞれの地域核を中心に、地域の利便性を向上させる機能集約と地域を結ぶネットワークを構築してまいります。地域が主体的に使い道を決定できる地域づくり交付金を継続し、効果的な活用を図ってまいりますと同時に、地域活動や防災の拠点となります地域交流センターにつきましても、建てかえ整備や改修を順次進めてまいります。こうした取り組みの中で、日常生活機能のワンストップ化なども検討してまいりたいと存じます。また、徳地地域、阿東地域の過疎地域における
地域交流センター分館エリアにおいて、
地域づくり活動支援の拡充や新たに図書館の配送サービスを検討するなど、周辺集落の日常生活を支える機能やネットワーク機能の強化を進めてまいりますほか、廃校を活用した屋内スポーツの場づくりなど、都市部の需要の受け皿づくりを進め、都市と農山漁村の交流を促進してまいります。以上のような方針のもとで現在予算編成を進めておりますが、御案内のとおり国においては、本年8月に次なる10年の国土形成計画が閣議決定され、本年度中には
中国圏広域地方計画も策定される予定でございます。新たな国土形成計画では、各地域が個性を磨き上げることで、ヒト、モノ、カネ、情報が活発に対流し、イノベーションの創出が促される、対流促進型国土の形成を図ることを国土の基本構想とされたところでございます。都市や地域としての個性を際立たせ、対流を生み出すことが地域の活力の源泉となるという、こうした国土形成計画の考え方は、本市のまちづくりの方向性、あるいは次期総合計画においても目指すべきまちの姿の一つになると考えているところでもございます。とりわけ、教育、アート、観光、スポーツは、若者層やファミリー層を初めとした幅広い世代が「これが私の故里だ」として、山口に住んでみたい、住み続けたいと共感していただける、本市のまちの個性として磨き続けていく必要があると考えているところでございます。議員お尋ねの三つの創生を重点領域とした考え方につきましては、こうした国土形成の方向性を含め、平成30年度から計画期間とする本市の次期総合計画において想定される目指すべきまちの姿や考え方を平成28年度予算編成において一部前倒しして反映させ、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略と連動する形で次なる10年の挑戦にいち早く着手してまいりたい、こうした思いから予算編成方針に位置づけているところでございます。また、お尋ねの新年度の組織体制につきましても、ただいま申し上げました三つの創生を初めとした予算編成の取り組みを円滑に推進していくための横断的部局体制、そしてまち・ひと・し
ごと創生総合戦略を積極的に着実に進めていくための組織体制づくりにつきまして、大胆な検討を進めるよう担当部局に指示もいたしているところでございます。以上のような方向性で、地方創生の全力の取り組みが可能となるよう、平成28年度に向けた予算編成及び組織体制の整備を進めてまいる所存でございます。
次に、観光・交流のまちづくりについての御質問のうち、まず観光地域づくりについてお答えをいたします。地方創生に向け、本年10月に策定いたしました山口市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略においては、本市の強みを生かした仕事や人の好循環と、人々を引きつけるまちの創生を基本的な考え方としているところでございます。こうした地方戦略の基本方向のもとに、観光・交流のまちづくりにつきましては、政策目標の一つである、若い人たちをターゲットに山口に仕事をつくることといたしており、この目標実現に向けた施策として、観光地域づくりや国際観光の推進などに取り組むことといたしております。御案内のとおり、観光産業は宿泊施設を初めとする宿泊業、交通業界、飲食業界、物産業界、農林水産業界など、さまざまな関連業界への波及が期待される総合産業でございまして、こうした総合産業であります観光産業の活性化には、とりわけ県内最大の宿泊拠点であります湯田温泉を初めとした宿泊業界の活性化が重要であると考えております。本市が宿泊客でにぎわうこと、つまり宿泊客数が増加することにより、宿泊施設を初め、先ほど申し上げました関連業界の売り上げが伸び、また新たな雇用が生み出され、さらには定住促進等、地域への波及も期待されるところでございます。地方創生に向け、これからは地域の稼ぐ力を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する、観光地経営の視点に立った観光地域づくりを進めていくことが必要であると考えるものでございます。本市には明治維新や大内文化、日本のクリスマス発祥の地としてのブランド、YCAM、SLやまぐち号、さらにはJ2昇格を果たされましたレノファ山口など、歴史、文化、スポーツなどにおける、山口ならではの特色ある資源が数多くございます。また、阿東地域のリンゴや南部エリアの豊かな田園、徳地地域の森林セラピーなど、多様な自然資源にも恵まれており、こうした資源を生かした体験メニューなども観光資源としての大きな可能性を有していると認識をいたしております。観光・交流のまちづくりに向けましては、こうした多くの資源のうち、本市の強みを観光地域づくりの視点で見きわめ、磨きをかけることで人々を引きつける魅力ある資源として発展させ、そうすることで本市への来訪機会や滞在時間の増加を促し、湯田温泉を初めとする宿泊につなげていく必要がございます。そのためには、専門的見地からのマーケティングと戦略的なプロモーションやマネジメント、いわゆるDMO機能が求められているところでございます。現在、本市には、
山口観光コンベンション協会、山口商工会議所、
湯田温泉旅館協同組合を初め、交通業界、旅行業界、地域づくり協議会など、民間と行政が一体となり、本市の観光振興に取り組む山口市
観光産業活性化委員会がございます。本委員会そのものがDMOとなるものではございませんが、この組織の設置目的や役割を踏まえ、まずは各業界や関係機関、そして地域など、それぞれの担い手や組織と理念の共有や合意形成を図りまして、その上で、DMOの核となるべき人材や体制づくりについての検討を進めてまいる考えでございます。また、より広域的な連携につきましては、現在山口県におかれましてDMOの構築を検討されており、その動向にも注視しながら、その中での本市の役割や取り組みについて研究、検討をいたしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、観光地域づくりに向けた取り組みにより、湯田温泉を初めとする本市の宿泊客増加による効果が、関連業界だけでなく、全体の利益として地域の隅々まで波及し、地域経済が潤い、雇用の創出といった好循環につながるように取り組んでまいる所存でございます。次に、明治150年記念事業についてでございます。御案内のとおり、山口市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略におきまして、明治維新150年を契機とした観光需要の拡大に向けた取り組みを広域連携のもと進めることといたしております。また、県におかれましては、本年6月及び11月に、明治150年記念事業について、国を挙げた取り組みを実施されるよう政府要望されたところでございます。その中でも、国立の明治150年記念施設の整備について強く要望され、加えて、県立山口博物館のあり方も含めた検討をすることとされております。こうした中、本市におきましては、先月11月に県知事に対しまして──私みずからお伺いいたしたわけでございますが──明治150年を契機とする記念事業の実施について要望をいたしたところでございます。現在の県立山口博物館周辺には、藩庁門、山口県文書館、山口市歴史民俗資料館など、明治維新に関連のある施設や資料が多くございますことから、県立山口博物館の建てかえと明治150年記念施設の整備につきましては、現山口博物館周辺において検討していただき、国へ働きかけていただくよう要望をいたしたところでございます。本市といたしましては、明治維新の策源地として、多くの史跡を残す大内文化ゾーンを、例えば都市の中における明治150年記念公園のようなコンセプトにつながるように、エリア内の関連施設整備を進めていくべきではないか、こうした思いのもとで要望いたしたところでございます。また、議員お尋ねの想定される取り組みといたしましては、このコンセプトのもと、現在、十朋亭周辺整備や菜香亭周辺の創造的歴史公園の整備を進めておりますほか、平成28年度からはエリア一帯のシンボルとなるような亀山公園山頂広場の整備に着手する予定でございまして、整備後は山口都市核を一望できる魅力的な空間として、多くの方に訪れていただきたいと考えております。加えて、平成30年に明治150年の取り組みの一環として県が開催されます全国レベルのイベントであり、シティセールスの効果も高い──仮称ではございますが、全国都市緑化やまぐちフェアにつきましても、本市も共催させていただくことで協力体制の支援や事業費負担を検討いたしたいと考えております。こうした取り組みを通じまして、大内文化ゾーンにおける国内外に向けた情報発信や観光回遊を促すような空間を形成し、また国や県の取り組み、方向性との連携や整合性をしっかりと図りながらまちづくりを進めてまいります。明治150年を契機とした記念事業が国を挙げたプロジェクトとして実施され、記念施設の整備が本市において推進されますよう、本市といたしましても機運を盛り上げてまいりたいと思っております。また、明治150年記念事業の要望にあわせて、さらなる訪日外国人誘客を促進するために、山口宇部空港における国際定期便就航の実現に向けた取り組みにつきましても県に要望いたしたところでございます。ぜひ、国際定期便化が実現されることを願っておりますし、実現後に継続的な路線として定着するために、山口を訪れる外国人観光客にも広く親しまれるような湯田温泉の再生整備や、国宝瑠璃光寺五重塔を初めとした歴史資源を生かした大内文化ゾーンの街並みの修景整備、山口のまちの魅力を積極的に情報発信するなどの取り組みを進めてまいります。一方で、こうしたインバウンドの促進のみならず、山口から海外を訪れる方、いわゆるアウトバウンドを増加させるなど、就航便の搭乗率を高める取り組みが必要であると考えております。本市といたしましても、市民の皆様が姉妹都市を初めとした海外都市に興味を持ち、訪れてみたいと思っていただけるような情報発信を行うなど、就航便の利用促進につながる取り組みを進めてまいりたいと考えております。あわせまして、山口県や宇部市など近隣市町とも連携、協力しながら、県の空の玄関であります山口宇部空港の利便性の向上や利用促進が図られるように、継続して取り組んでまいりたいと存じます。
次に、本庁舎と総合支所庁舎の整備についてでございます。御案内のとおり、本庁舎につきましては、その整備の方向性を御審議いただくため、市民の皆様、経済界や福祉分野を初めとする団体等の関係者及び学識経験者など、44人で構成する山口市本庁舎の整備に関する検討委員会を設置いたしまして、先月11月5日に第1回目の検討委員会を開催いたしたところでございます。第1回検討委員会では、本庁舎の整備の方向性に関すること、及びその他本庁舎の整備に必要な事項に関することについて諮問をいたし、引き続いての議事におきましては、事務局から、今年度から来年度にわたる会議日程や1市4町合併時から現在に至るまでの経緯、本市の行政機能の配置やまちづくりについて、さらには老朽化した本庁舎の現状や課題などについて説明をさせていただいたところでございます。こうした説明に対しまして、委員の皆様からは、審議項目のうち、本庁舎の候補地についてと本庁舎に求められる役割や機能・規模についての審議の順序に関する御意見や、本庁に必要な機能を明確にするべきではないかという御意見、本庁舎の整備に関しては、次期総合計画に位置づける必要があるのではといった御意見などをいただいたところでございます。また、各総合支所の規模や本庁舎及び総合支所勤務職員数、本庁舎建てかえに関する他の自治体の状況などの資料提供の御要望もいただいたところでございます。第2回目以降の検討委員会におきましては、こうした御意見や御要望を踏まえながら、円滑に審議が進みますよう取り組んでまいりたいと考えております。また、本委員会につきましては、今年度から来年度にかけまして、合計6回程度会議を開催する予定といたしておりまして、来年3月の第2回目の検討委員会では、本庁舎の現状の課題を踏まえた本庁舎整備の必要性や本庁及び総合支所の機能について御審議をいただくことといたしております。さらに、新年度に入りまして、第3回及び第4回では、本庁舎の候補地、本庁舎に必要な役割、機能及び規模などにつきまして御審議をいただき、第5回でこれまでの審議内容の総括を、第6回で答申案の検討を行っていただき、平成29年1月に検討委員会としての答申をいただく予定といたしております。本市といたしましては、検討委員会からの答申を踏まえまして、さらに市議会や市民の皆様の御意見を伺うなどいたしまして、平成29年度に本庁舎の整備に関する基本方針を決定してまいりたいと考えております。あわせて、平成30年度から予定いたしております次期総合計画におきまして、本庁舎の整備に関して位置づけをしてまいる考えでございます。次に、総合支所庁舎の整備についてでございます。総合支所庁舎につきましては、身近な行政窓口として市民の皆様に安全に御利用いただけますよう、これまで適切に維持管理を行ってきたところでございますが、徳地総合支所庁舎は建築後50年以上、阿知須総合支所庁舎は建築後40年以上を経過いたすなど、各総合支所とも施設や設備の老朽化が進んでおりますことから、この建てかえや長寿命化、改修など、必要な整備に関する検討を進めてまいらなければならないと考えております。その検討に当たりましては、地域の状況なども踏まえながら、総合支所の機能や行政サービスのあり方、日常生活機能のワンストップ化に向けた地域交流センター等、近接する他の施設との複合化や機能の集約化などについて、本庁舎の整備に関する検討と並行いたしながら、現総合計画期間中において総合的に検討してまいる考えでございます。そして、平成29年度中にはその方向性を定めまして、平成30年度から始まる次期総合計画におきまして整備に関して位置づけますとともに、合併特例債の活用を視野に入れながら、準備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 以上で、小林訓二議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
23番、坂井芳浩議員。
〔23番 坂井芳浩議員登壇〕
◯ 23番 坂井芳浩議員 県央創造維新会の坂井芳浩でございます。会派を代表いたしまして、本日は大項目3つについてお伺いいたしますので、これが私の故里だと確信と展望が持てるような御答弁を期待したいと思います。
まず最初に、アの連携中枢都市圏の形成についてでございます。今議会初日の市政概況報告において、やまぐち地方創生100プロジェクトを盛り込んだ山口市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略を10月末に成案として国へ提出し、受理されたとの市長からの御報告を受けたところであります。さらに、この総合戦略が少子化や人口減少問題に正面から向き合い、積極果敢に取り組んでいくための指針やアクションプランとなるものであるとの市長からの力強い御説明を受け、本市もいよいよ本格的な地方創生が始まるんだなと、議会人としても身が引き締まる思いでいるところであります。加えて、新たな人の流れをつくる視点から、戦略推進会議の専門委員会として、山口市生涯活躍のまち構想検討専門委員会を去る11月27日に設置され、東京圏等のアクティブシニアの移住を促進するとともに、健康で生涯活躍できるシニアライフの環境整備に向けた構想策定に着手され、定住実現都市の推進に向けた大きな一歩を踏み出されたものだと認識をいたしております。このような中、これらの戦略や構想をより現実的なものとしていくためにも、国の財政的支援や志を同じくする広域な都市間の連携が、多大なる影響力を持ってくるものと考えております。そこで、平成27年第2回定例会、いわゆる6月議会の議場において私が質問させていただいた、連携中枢都市圏の形成のその後の状況について数点のお尋ねをいたします。ことし1月に総務省が示した中心市要件の緩和措置として、三大都市圏以外で人口20万人以上、昼夜間人口比1以上に準じた自治体、あるいは人口20万人以下の地方都市でも、中心市と複数の自治体が連携協定を結んだ、おおむね30万人の圏域内に拠点を置く複数連担型の都市も候補地として検討するとの話もありました。あわせて、6月には県から国に緩和措置の要望をされたとおうかがいしたところでありますが、まずもって、その後の状況についてお尋ねをいたします。次に、都市間の競争が激化する流れの中で、近隣都市との連携中枢都市圏の構想に関して、県東部エリアにおいては広島市を中心とした岩国市、柳井市、上関町の越県による連携が模索されており、県西部エリアにおいては、下関市は単独で推進していくとの御意向が示されたところであります。また、6月議会においては、県中部エリアにおける都市間連携の協議や具体的な取り組み内容を急いで調整しなければと認識しているとの市長からの御答弁をいただいたところであります。そこでお尋ねをいたします。県中部エリアにおける広域的な都市間連携のあり方についてどのようにお考えか、御所見をお聞かせください。さらには、この連携中枢都市圏構想は、今後ますます進むと予測される近隣自治体との都市機能の役割分担、共有、連携のもと、県中部エリアの拠点都市として、高次な経済活動を支えることができ、広域経済・交流圏の形成を目指す
広域県央中核都市づくりの推進力に間違いなくなるものと確信をいたしております。そこで、財政支援を含めた連携中枢都市圏形成のメリットについて御所見をお伺いいたします。
大項目2点目でございます。
ターミナルパーク整備についてお伺いをいたします。御案内のとおり、現在の新山口駅は、1900年の開業以来、小郡駅として親しまれていましたが、2005年の平成大合併に先立って、2003年に現在の名称に改称されたのは皆様の御記憶に新しいことでしょう。この新山口駅は島根県の津和野駅まで運行しているSLやまぐち号の始発・終着駅であるだけでなく、2005年には合併協定書において新市役所庁舎は「新山口駅周辺が適地であるという意見を踏まえながら」と明記されるに至った事実を踏まえても、まさしく本市において核となる、かなめのプラットホームと言えるのではないでしょうか。現在、本市において交流人口の増加、地域産業の振興等を通じた地域経済の活性化をコンセプトとして、この
ターミナルパーク整備は鋭意進められており、大いに期待しているリーディングプロジェクトであります。この基本整備に位置づけられ、先行的に取り組まれてきた新山口駅
ターミナルパーク整備は、コンビニエンスストア等を内包した橋上駅舎や、垂直庭園の駅空間を備えた南北自由通路が10月に全面供用開始されたばかりであり、小郡都市核づくりは着実に歩みを進めているところであります。ここでは、ことし7月に実施計画が策定され、いよいよ本格始動したと認識しております新山口駅北地区重点エリア整備について、数点のお伺いをいたします。平成27年度中には事業候補者を募集、選定する計画とされておりますが、先日の執行部説明会において、事業者との対話を進めるとともに、募集要項の作成に着手された段階と御説明を受けたところであります。そこで、まだ内容については言えないとは存じますが、プレ事業提案に伴う民間事業者とのヒアリングを通して、民間施設整備に向けた進出意欲について、どのような感触を持たれているのか、まずはその御所見についてお伺いをいたします。次に、今後、募集要項の中身について、具体的な吟味や整理が始まるとのことでありますが、事業提案の募集を進めるに当たって、事業期間や事業手法など基本事項に係る現時点での検討状況をお伺いいたします。あわせて、民間事業者に設計、建設、維持管理、運営等を一括して委ねるという基本的な考え方の中で、市内事業者の活用についてどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。率直に申し上げて、当初の実施計画に示されている事業スケジュールからはおくれが生じているものと懸念しているところではありますが、最終的な事業提案募集の開始時期はいつごろになるのか、その見通しについてお示しをお願いいたします。さて、本事業に取り込まれておりますPFI的手法によってコストダウン、民間のノウハウやスキルネットワーク等の最大限の活用、民間投資の誘因等、新たな創造性には大きな可能性が秘められていると考えますし、その手法や考え方には賛同するところでありますが、一方で、民間事業者との連携には、公共サイドにおける覚悟やリスクマネジメントも不可欠と考えます。そこで、今後、応募された事業者の中から選ばれた事業者が、提案内容を確実に遂行できるように推し進めていくために、募集要項の中ではどのような方法でその実行性を担保されようとしているのか、お尋ねをいたします。また、行政施設の運営や民間施設の借地関係など、事業期間が長期にわたっていくことになるものと予測されますが、例えば経営状況の悪化などによる民間事業者の撤退リスクについてどのようにお考えなのか、御所見をお伺いいたします。
大項目3点目でございます。新地方公会計についてであります。先日、公会計財務書類の確かな活用に向けた地方議会の役割と題した、日本公認会計士協会中国会主催の研修会に会派数名で参加いたしました。公認会計士の川口雅也先生からるる御教授、御示唆をいただいたところでございますが、特に印象に残ったことは、地方消滅というセンセーショナルな言葉とともに、人口減少問題への関心度は再度高まっているが、人口減少が経済停滞の全ての原因という論に安易にくみしてはならないと、改めて地方自治法第2条第15項の規模の適正化、意思決定の判断材料に公会計の財務書類を活用していく必要性を冒頭に強調された点であります。さらには、従前のつくる会計から賢く使う会計へ転換するための好機であり、新公会計は、経済再生と財政の健全化の好循環と説明責任に資するものであるとの御認識を示されたところであります。さて、御案内のとおり平成18年5月に総務省から新地方公会計制度研究会報告書が公表されて9年が経過し、それを基本的な考え方として、ことし1月には統一的な基準による地方公会計マニュアルが公表され、ようやく公会計が動き出した大事な足跡であると言えます。総務大臣から、統一的な基準による財務書類等を原則として、平成27年度から平成29年度までの3年間で全ての地方公共団体において作成し、予算編成等に積極的に活用されるよう特段の御配慮をお願いしますとの通知があり、標準的なソフトウエアの無償提供、固定資産台帳の整理等に要する一定経費の特別交付税措置も今年度から実施されることになりました。このような流れの中で、本市に関して数点のお尋ねをいたします。東京都町田市──このたびレノファ山口がJ2昇格を果たすまでに激闘、死闘を交えたFC町田ゼルビアの本拠地でありますが──当該市においては、2012年4月に全国で初めて、複式簿記・発生主義の考え方を加えた、企業会計に近い新公会計の導入に踏み切り、2014年度の決算から、事業別・施設別財務諸表──別名、事業別行政評価シートを公表されており、減価償却費等を含んだ事業別フルコストや事業別受益者負担割合、さらに成果と見合った人員等、赤裸々に市民に対して財務状況を明らかにされているところであります。これを本市に置きかえますと、例えばメディアアートに係る年間入館者1人当たりのコスト、あるいは歴史的遺品やそれを納める建物の資産価値の比較等、コストパフォーマンスが見える化され、事業コストと受益者の負担は適正なものか、あるいは市の財産としてどの程度価値があるのか、市民に対する説明責任もより明確に果たすことが可能となり、今後の有効活用に大いに期待を寄せている一人であります。そこで、本市の現段階の新公会計の導入に向けた取り組み状況をまずお示ししていただければと思います。あわせて、地方公共団体の経営責任と説明責任の観点から、また情報ツールとして他団体との比較の観点から、新公会計の導入意義を本市としてどのようにお考えか、御所見をお尋ねいたします。最後に、新公会計の意義を市民の皆様や行政の利益として全庁を挙げて理解していけるように、また全行政職員が賢く使うためにも、新公会計の導入に合わせて、今後研修制度の導入の必要性も強く感じるところでありますが、そのお考えをお聞きし、第1回目の質問とさせていただきます。
◯ 議長(原 真也議長) 渡辺市長。
〔市長 渡辺純忠君登壇〕
◯ 市長(渡辺純忠君) 坂井議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、連携中枢都市圏の形成についてお答えをいたします。まず、中心市要件緩和の見通しについてでございます。御案内のとおり、国のまち・ひと・し
ごと創生総合戦略におきまして、現在国においては、連携中枢都市の要件に該当している全国61都市以外の都市について調査、検討し、本年度中に連携中枢都市の対象都市の条件を確定することとされております。こうしたことから、本市は山口県中部エリアが連携中枢都市圏の対象となるように、近隣自治体と連携しながら、国、県等への要望や関係者への働きかけを行っているところでございます。また、県におかれましても、本年6月及び11月に、連携中枢都市圏構想における中心市要件の緩和を政府要望されたところでございます。こうした要望活動を通じて、多くの関係者の御理解と御協力をいただいております中で、本年10月に開催されました第31次地方制度調査会におきまして、山口市と宇部市の広域連携が具体的な事例として取り上げられ、圏域内に昼夜間人口比率が1以上の2つの中心的な市が隣接し、2つの市が連携して核となり、人口20万人以上の人口要件を満たす場合は、連携中枢都市圏の対象とすべきではないかとの審議がなされたところでございます。議員御質問の要件緩和の見通しにつきましては、地方制度調査会という地方制度に関する重要事項を調査、審議する場において、山口県中部エリアにおける広域連携が具体的に議論されたという点から大いに期待をいたしているところでございます。私も引き続き関係者への働きかけに努めているところでございます。いずれにいたしましても、こうした国が進める国土政策である連携中枢都市圏構想と、本市が現在の総合計画のもと進めております
広域県央中核都市づくりとしての高次都市機能の集積と広域経済・交流圏の形成の考え方は、その方向性を同じくしておりますことから、県中部エリアにおける広域連携の取り組みを、国の動向も注視しながら、引き続きしっかりと進めてまいりたいと思っております。次に、都市間連携のあり方についてでございます。御案内のとおり、現在、県東部エリアでは、広島市を中心に岩国市、柳井市、和木町等で構成される連携中枢都市圏の形成が進み、県西部エリアでは下関市が1市単独型での連携中枢都市圏の形成を目指しておられるところでございます。こうした中で、県中部エリアにおきましても、人口減少時代にあって、将来にわたり成長や発展を続ける高次都市サービスが確立できる都市圏を戦略的に形成するために、圏域全体の発展につながる都市間連携を急ぐ必要があると認識いたしているところでございます。議員お尋ねの広域的な都市間連携のあり方、進め方につきましては、現在、県中部エリアにおける近隣都市との都市間連携の協議や調整を進めておりまして、今後、近隣都市との間において、役割分担を初めとした連携の枠組みや組織体制を構築してまいりたいと存じます。また、広域連携を進めていく隣接都市においては、各自治体のトップ同士がリーダーシップを発揮しながら都市間連携を進めていく必要がございますことから、トップ同士による意見交換や丁寧な調整が可能となる協議会を設置することも検討してまいりたいと考えております。さらに、連携の内容につきましては、観光やアートによる交流人口創出、創業起業支援、企業誘致、大学等と連携した人材育成など、まずは圏域全体の経済成長が牽引されるような分野を中心に、具体的な連携項目や事業内容を協議してまいりたいと存じます。次に、財政支援等のメリットについてでございます。連携中枢都市圏構想の推進に向けた財政措置につきましては、連携中枢都市となる中心市が圏域全体のために取り組む経済成長の牽引及び高次都市機能の集積強化に対しまして、普通交付税が措置されることとされております。財政措置の規模につきましては、圏域人口や取り組み内容によって異なるところではございますが、圏域人口が、例えば75万人であれば約2億円の普通交付税が措置されることを、総務省がこれは例示しているところでございます。また、連携中枢都市が取り組む生活関連機能サービスの向上や圏域内の市町の取り組みに対しましては、特別交付税が措置されることになっております。さらに、先行的なモデル事業に対する支援、各省庁における補助事業採択における優先配慮を初めとした各種支援も検討されているところでございます。人口減少時代にあって、活力ある社会経済を維持することができる連携中枢都市圏を形成する取り組みは、すなわち高次な経済活動等を支えることができる広域経済・交流圏の形成につながる
広域県央中核都市づくりを進めていく取り組みでもございますことから、活用可能な財政支援や財政措置の情報収集等を図りながら、都市間連携を進めてまいりたいと存じます。
他は担当参与から御答弁を申し上げます。
◯ 議長(原 真也議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 私からは、新地方公会計についての御質問にお答えいたします。まず、導入の状況と意義についてでございます。御案内のとおり、新地方公会計につきましては、発生主義方式により、従来の現金主義方式では見えにくい減価償却費や引当金等を含めたコスト情報やこれまで整備してきた資産、その財源となった負債の状況といったストック情報を把握し、現金主義会計を補完することを目的として、各自治体においてその整備促進が要請されているところでございます。本市におきましては、平成20年度決算から総務省方式改訂モデルにおいて財務諸表を作成し、市報や市ウエブサイトにおいて公表を行うなど、財政運営の透明性の確保や説明責任の履行の一助として活用してきたところでございます。しかしながら、この総務省方式改訂モデルでは、固定資産台帳の整備を前提とせず、既存の決算統計データを活用する簡易な方式であること、また東京都等の独自方式が混在し、自治体間での比較可能性が担保されていないことから、国においては本年1月に、固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提とした統一的な基準を示すとともに、平成29年度までに全自治体において導入を行うよう要請がなされたところでございます。本市におきましては、平成29年度中に、平成28年度決算について統一的な基準による財務諸表の作成を行う予定といたしておりまして、現在その準備を進めているところでございます。まず、固定資産台帳の整備につきましては、本年6月から資産の洗い出しや関係書類の調査を進めており、今後、簿価額の確定等を経て、平成28年度中の完成を予定しているところでございます。また、複式簿記の導入につきましては、統一的な基準に基づく公会計ソフトウエアの導入が必要であり、平成28年度中の導入を予定しているところでございますが、導入・運用費用だけでなく、その後の活用に向けた分析機能等の観点も踏まえ、民間事業者による公会計ソフトウエアの導入という選択肢も視野に入れながら、情報収集を進めているところでございます。このように統一的な基準による地方公会計につきましては、複式簿記、固定資産台帳を前提としていることから、より精緻な財政状況の把握や事業別・施設別のセグメント分析が可能となり、現金支出を伴わない費用を含めた総コストの把握による適正な受益者負担の研究や、民間委託とのコスト比較などへの活用のほか、固定資産台帳に基づいた年度別・区分別の資産更新必要額が算出可能となることから、中長期的な財政運営の一助にもなるものと考えております。また、類似団体等との比較におきましても、こうした附属的な資料が公表されれば、これまでとは異なる視点からの比較も可能となりますことから、その導入の意義は高いものと考えております。いずれにいたしましても、新地方公会計制度を導入する目的は、作成ではなく活用でございますことから、財政運営における有効な活用や市民の皆様へのわかりやすい説明に向けて、どのような分析、活用方法が可能であるのか、先進事例も含めて研究してまいりたいと考えております。次に、人材育成支援についてでございます。議員御指摘のとおり、この新地方公会計を効果的に活用していくためには、その意義への理解に加え、それぞれの事業や施設等の財務諸表がどのような状況をあらわしているのかを理解し、説明することができるよう、複式簿記を含む公会計に対する知識が必要となってくると認識いたしております。このたびの固定資産台帳整備に当たりましては、財政部門だけではない、全庁的な取り組みと位置づけ、全所属に対して説明会を実施する中で、新地方公会計制度の意義や固定資産台帳の効果等について説明を行ったところでございまして、今後も統一的な基準による公会計制度の導入を契機として、全庁的な理解の促進に努めるとともに、複式簿記を含む公会計に関する研修なども行いながら、将来的には全職員が一定程度の知識を習得し、政策立案や市民の皆様への説明において有効な活用が図られるようにしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 中谷
ターミナルパーク整備部重点エリア整備戦略担当理事。
〔
ターミナルパーク整備部重点エリア整備戦略担当理事 中谷尚夫君登壇〕
◯
ターミナルパーク整備部重点エリア整備戦略担当理事(中谷尚夫君) 私からは、
ターミナルパーク整備についての御質問にお答えいたします。まず、拠点施設の進捗状況についてでございます。御案内のとおり、新山口駅北地区拠点施設の整備につきましては、官民の連携により、公共施設と民間施設をあわせて整備する計画としておりまして、実施事業者の募集及び選定に当たりましては、広く民間事業者の意向を把握した上で募集条件を設定する必要がございます。こうしたことから、本年9月に本事業に関心のある民間事業者との対話の機会を設けることを目的といたしまして、拠点施設整備に関心があり、かつ、設計から建設、維持管理、運営までの一連の業務を一体的に担うことのできる事業者を対象に、拠点施設整備に対する基本的考え方や想定される民間施設の概要、事業方式等を簡単にまとめてお示しいただくプレ事業提案の募集を行ったところでございます。この結果、9つの企業及び企業グループから御提案があり、現在はそれらの事業者と直接お会いして、整備に関する市の考え方をお伝えしながら、民間事業者がみずから整備する民間施設の内容や公共施設の規模、運営のアイデア等について御意見をうかがう、対話のプロセスを実施しているところでございます。提案や対話の具体的な内容につきましては、民間事業者のアイデアにかかわる部分でございますので、公表は控えさせていただいておりますが、民間施設に関する全体的な傾向といたしましては、みずから施設整備を行うことについての意欲は余り高いとは言えないものの、内容といたしましては住居の御提案が多く、中には小規模な商業、サービス業の御提案もあるといった状況でございます。また、これとは別に業務オフィスにつきましては、さまざまな事業者から拠点施設内へテナントとして入居したいという声もお聞きしているところでございます。このたびの御提案につきましては、現時点ではまだアイデア段階と言えるものでございますが、今後、市との対話を通じて、より具体的な検討が進められるものと受けとめております。また、事業提案募集に向けた事業期間や事業手法などの基本的事項についての御検討の状況でございますが、現在、アドバイザーの支援のもとで募集に向けた条件を整理し、募集要項や要求水準書といった募集資料の作成作業を進めているところでございます。まず、事業期間につきましては、安定的な事業運営を確保すると同時に、民間事業者の参画意欲を引き出す観点から、一定程度長期の期間設定が望ましいと考えておりまして、15年間や20年間といったPFI等の事例や、大規模修繕の時期との兼ね合い等を考慮いたしまして、設定してまいりたいと考えております。また、事業手法につきましては、施設整備費に合併特例債の活用を見込んでおりますことから、その活用が可能となる手法といたしまして、市から民間事業者に建物の建設を発注する手法と民間事業者が建てた建物を市が買い取る手法の、大きくは2つの選択肢があるものと考えております。今後、民間事業者の意向も確認しながら、適切な事業手法を選択してまいりたいと考えております。議員お尋ねの市内事業者の活用につきましても、こうした一連の条件整理の中で検討してまいることとなりますが、地域産業の振興を図る上で重要な観点と認識しておりますことから、募集時の参加資格等において条件を付す方法や、提案を審査する際の審査基準において加点要素の一つとする方法など、市内事業者の参入が促進される効果的な条件について検討してまいりたいと考えております。次に、最終的な事業提案募集の開始時期についてでございますが、プレ事業提案に多数の応募がございましたことから、それぞれの民間事業者との対話に予想よりも時間を要している状況でございます。また、並行して、地元関係機関等と公共施設部分の運営やソフト展開について連携を図るための協議も進めているところでございます。これらの募集条件や運営体制の見込みが整い次第、できるだけ早期に事業者の募集を開始したいと考えておりまして、現時点での予定といたしましては、当初のスケジュールから若干ずれ込む形とはなりますが、今年度中に募集要項等の作成を終えまして、募集手続へと進んでまいりたいと考えております。次に、募集要項における官民のリスク分担についてお答えいたします。拠点施設は、設計から建設、維持管理、運営までの一連の業務を一括して委ねるPFI的手法による整備を想定しておりまして、事業者の選定に当たりましては、民間事業者のノウハウやアイデアが最大限活用できますよう、一定の幅のある募集条件で提案を募る事業提案方式を予定しているところでございます。このため、選定時に期待した事業効果を発現させるためには、選定時点において提案内容の実現性を可能な限り審査いたしますとともに、事業の実施段階におきましても、提案内容が確実に実行されるための方策を募集要項等に盛り込む必要があるものと認識いたしております。例えば、公共施設部分につきましては、業務の要求水準について具体的な指標を設け、適切な公共サービスが提供されているか定期的に確認するモニタリングの仕組みを導入し、一定のサービス水準に達していなければ、市から支払う運営費等の対価に反映することも含めて検討してまいりたいと考えております。また、民間事業者の独立採算事業となる民間施設につきましても、提案内容が実施されない場合には違約金等のペナルティーを課すことも検討する必要があると考えておりますが、一方では、余り条件を厳しくいたしますと、民間事業者の参画意欲が低下し、事業提案に対する応募が見込めないといった事態も考えられますことから、民間事業者との対話の中で得られた感触や他の事業の例などを参考にしながら、現実的な条件を設定してまいりたいと考えております。また、長期間にわたる事業期間中においては、経済環境の変化等による民間事業者の倒産や撤退といった不測の事態が発生することも考えられます。こうしたリスクにつきましては、完全に回避する手立てはございませんが、少なくとも公共施設部分につきましては、安定的に適切なサービスが提供される運営体制が必要になってまいると考えております。例えば、拠点施設の整備、運営に係る会計を個々の事業者の会計と分離するための特別目的会社の設立を義務づけ、個々の事業者の経営状況から受ける影響を排除するといった方法もございますことから、このようなリスクを最小限に抑えるための方策について検討いたしまして、募集要項等に盛り込んでまいりたいと考えております。
◯ 議長(原 真也議長) 以上で、坂井芳浩議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
15番、村上満典議員。
〔15番 村上満典議員登壇〕
◯ 15番 村上満典議員 公明党の村上満典でございます。通告に従いまして、大項目で2点質問をさせていただきます。市長並びに関係参与の皆様方の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
大項目の1点目は、平成28年度予算編成方針についてでございます。この来年度の予算編成方針については、会派でその内容を分担いたしまして、取り上げさせていただきます。私からは、同方針に掲げる三つの創生、すなわちやまグッち創生、人材・雇用創生、都市・生活空間創生について、1点ずつ取り上げさせていただきます。まず1点目は、やまグッち創生の中から、教育なら山口に関する取り組みについてでございます。同方針にある、多文化共生や外国語に触れる機会の提供、子どもの育ちや学びを地域全体で支える組織づくり、次世代の地域を担う若者の学びを通じた集いの場づくりなどの記述について、現時点でどのような取り組みを考えておられるのか、できるだけ詳しい御説明をお願いいたします。私は、山口市の特性を生かした、文化を根づかせる取り組み、世代を超えた地域の方々の集いの場を創生するような仕掛け、新たな取り組みがあるのではないかと期待を寄せております。御所見をお伺いいたします。次に、人材・雇用創生において記述のある、地域雇用の創出についてお伺いいたします。具体的には、農業分野における取り組みでございます。予算編成方針には、農林水産業における経営基盤の強化と担い手育成など、農山漁村における積極的な人材受け入れの促進との記述もあるところですが、前議会において述べさせていただきましたとおり、私は花卉産業の振興について、山口市が県に先んじて事業に取り組むことによって、山口市の農業の牽引役、エンジンとなり得るのではないかと考えます。前議会でも指摘し、御答弁でもありましたとおり、現時点で県が花卉振興に対する計画策定をしているさなか、平成28年度の山口市の花卉産業に対する取り組みが重要であると考えます。平成28年度事業としてどのような方針で取り組まれるのか、御所見をいただきたいと思います。次に、三つの創生のうち、都市・生活空間創生について、生活圏域を形成する協働のまちづくりに関連してお伺いいたします。予算編成方針には、地域づくり支援センターによる総合的な支援を推進する旨の記述があるわけですが、この内容について詳しい御説明をお願いします。あくまで予算編成方針の内容としての記述ですので、単にマンパワーで解決、推進できる内容ではなく、予算という面で何らかの取り組みがあるのではないかと考えます。現在、21地域に配置されている地域づくり支援センター職員の方々は、地域交流センターの地域担当職員としての立場を兼務されておられるのですが、地域づくり支援センター職員が地域交流センターに配置されていることを御存じですかと問われると、地域におけるその認知度は低いと言わざるを得ません。担当職員の方々は一生懸命仕事をされておりますが、強化が目的であった地域づくり支援センター職員としての役割はどうだったのか、単に名前が変わったというふうになっていないか、という疑問がわいてくるわけであります。やはり予算という面で拡充され、プラスアルファの部分での活躍があれば、地域においてその認知度もかなり上がるのではないかと感じます。それはそのまま地域の活性化にもつながっていくものと考えます。私は総合的な支援として、センター職員とともに地域一体となった取り組みを支援できるような、特別枠の地域づくり交付金の創設も一つの手法であると考えます。御所見をお伺いいたします。さて、実はここまでの質問には来年度、市内小・中学校に花を飾れる環境が整うのか、という隠しテーマがあります。どこそこの部署で予算をつけましたが、結果として学校に花が飾られることはありませんでしたというのでは何にもなりません。どのような形で事業化することが、子供たちにお花の文化を体感してもらう早道となるのか、御検討いただいているものと考えますので、一歩踏み込んだ前向きの御答弁を期待いたします。さて、平成28年度予算編成方針には、山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の着実な実行も掲げられております。そこで、総合戦略に掲げられております4つの柱のうち、若い世代の結婚、出産、子育ての希望に応える環境整備について2点お伺いいたします。1つ目は、出産に対する支援であります。子供を望んでも、さまざまな事情からその希望がかなえられない御夫婦に対し、どのような支援ができるのかということであります。これまで妊婦健診の負担軽減策や不妊治療費の助成制度の創設などの取り組みを展開されてきたところですが、一旦妊娠をしても流産を繰り返してしまう、いわゆる不育症への助成は各自治体取り組みがまちまちであり、県内に限りましても、一部自治体で不育症治療費の助成を開始しておりますが、残念ながら山口市においては不育症に対する支援は行われておりません。そこで、来年度、不育症に対する何らかの支援策を講ずることについての見解をいただきたいと思います。若者世代支援についてもう1点、若い世代の御夫婦には、公営住宅に入りたいけれども、なかなか入れないとの思いの方も少なくありません。若い世代の方々に限らず、負担の少ない公営住宅にと考える市民は多く、若い世代に限っての公営住宅整備などはなかなか難しいかもしれません。しかし、市の進める政策に沿った形での家賃補助、政策誘導の側面を持つ公営住宅並みの家賃補助は可能ではないかと考えます。例えば、以前議会でも御提案させていただきましたが、山口市内には区域内の人口減少から、思うように児童数を確保できない小・中学校を抱える地域があります。多少の児童数減少は、先生1人当たりの児童数が減る場合もあり、一概に悪い面ばかりではないかもしれません。しかし、複数の学年が同じ教室で授業を受ける複式学級になることに対しては、不安を抱く保護者の方々は多いことでしょう。このような地域に無理やり子供を転居させる、あるいは世帯ごと引っ越しをさせることは当然できません。しかし、複式学級解消の効果や解消への取り組みに対する費用などを十分検討の上、行政からの何らかの措置が可能なら、新しい取り組みとして事業化されてはいかがでしょうか。例えば、児童数の減少からぎりぎり複式学級にせざるを得ないような小学校が出てきそうな場合、数カ月前からそのような状態にあることは予測可能なわけで、そんな小学校に通学する子供がいることを条件に、校区外からの移住者に対し家賃補助をしていく等の取り組みであります。このような政策誘導の側面を持つ、若者世代を対象とした家賃補助などの支援策について御所見をお伺いいたします。
次に、大項目の2つ目、公共施設について2点お伺いいたします。その1点目は、施設整備時におけるバリアフリー化の方針についてであります。かつて、公共施設における体の不自由な方などの優先駐車スペースについて、雨天時にも雨にぬれないように屋根をつけることはできないかと会派として御提案をさせていただきましたが、現在の駐車スペースが限られていること等により、屋根の設置は困難であるとの御答弁を当時の総務部長からいただいております。山口総合支所のように駐車スペースが限られている場合、いわば後づけで屋根をつくったりすることはさまざまな問題もあり、困難な場合もあることでしょう。しかし、新築の場合はどうでしょうか。私は、新しく建設をされる公共施設においては、体の不自由な方が本当に利用しやすい位置に、雨にぬれないような形での優先駐車スペースを確保されるべきものと考えます。いわゆる標準装備であります。しかし、残念ながらそうなっていない事例もあるようでございます。体の不自由な方も御利用いただける多目的トイレも同様であります。これも以前、一般質問で取り上げさせていただきましたが、多目的トイレがあっても、トイレへの動線や手すりなどの設備の違いから、利用できない方が出てくる場合もあります。全国的には、そのような問題点を的確に把握をされている施設では、1階の多目的トイレに2階には左右対称のトイレがありますという張り紙があるなど、可能な限りの取り組みがなされています。残念ながら山口市の施設においては、多目的トイレが画一的に整備されているがゆえに、この建物内にあるトイレは全て利用できないとなってしまう場合がありはしないかと危惧するものであります。このような問題点は、既存の施設を改修、改善することが難しい場合もあることでしょう。しかし、新築の場合はどうでしょうか。現在山口市が進めている各種公共施設にこのような整備方針は共有されているのでしょうか。一部施設では、地元関係者で構成される建設委員会のようなものに丸投げをして、一々指摘しないと改善されない、そんな事例はないでしょうか。もしそうであるとするなら、その原因はどこにあるとお考えでしょうか。施設整備時におけるバリアフリー化の方針の共有について、関係部局にどのように徹底されておられるのか、またどのように改善されていかれるのか、お伺いいたします。最後に、環境への配慮についてお伺いいたします。これについても以前より取り上げさせていただいておりますが、環境に優しい、環境に配慮などといううたい文句で取り組まれている市の各種施策が本当に環境に優しいものとなっているのか、疑問を持ってしまう場合があるのではないかと考えます。必要のない電気はこまめに切りましょうなどという、環境に配慮云々ではなく、いわゆる節約に関することは大いに奨励されるべきで、私も大賛成であります。しかし、地球温暖化防止のためにとか、二酸化炭素排出削減のためにとなると、ちょっと疑問符がつく場合があります。本当にそれらの目的に合致しているのかということであります。そもそも化石燃料の使用に伴う二酸化炭素の排出量を削減したいのなら、石油、石炭、天然ガスなどの輸入総量を削減すれば、その後、日本国内でどう使おうが、化石燃料の消費は削減されているわけですから、地方自治体や事業所に削減目標を課すこともしなくていいわけで、化石燃料の消費総量をふやしておきながら、二酸化炭素排出量削減も何もないのではないかと思えてしまいます。このことは山口市という単位で見ても言えるわけで、ごみの分別を進めて可燃ごみの総量を減らしても、つまり市として焼却するごみの量を減らしても、分別されたものが市外あるいは事業者によって燃やされたり、燃やすための燃料をつくる材料にされたり──つまり燃やすということです。また、分別されたものを加工するために、いわゆるリサイクルするために通常より多くの化石燃料を使用しているようでは、何のための分別なのかわからなくなってしまいます。また、違った視点で見るなら、二酸化炭素排出量削減や行政改革の名のもとに出先機関の統廃合を行ってきた山口県の取り組みについても、果たしてその効果はどうなのか、疑問を持ってしまいます。市内神田町にありました山口土木建築事務所は、防府土木建築事務所と統合されました。では、神田町に何もないのかというとそうではなく、多くの職員は防府へ移りましたが、一部の職員の方々が防府土木建築事務所山口支所という形で残っています。防府の事務所に通う職員の方々の相当数は山口市在住であり、場合によっては、山口市の自宅から車で二酸化炭素をまき散らしながら防府市の職場へ通勤し、山口市内の現場へ二酸化炭素をまき散らしながら出向いた後、防府市の事務所に二酸化炭素をまき散らしながら戻っていく、仕事が終われば、二酸化炭素をまき散らしながら山口市の自宅に帰っていく、そんなことが起きていないとも限りません。事業量から見ても、県庁所在都市である山口市内に土木建築事務所があることは当然のように感じますし、二酸化炭素排出量削減を宿志・宿願とする山口市としては、環境に配慮した出先機関配置への要望をしていくことも必要と考えます。山口市の公共施設における環境への配慮について、これまでの指標に対する評価を含め、そのお考えをお聞きし、1回目の質問といたします。
◯ 議長(原 真也議長) 岩城教育長。
〔教育長 岩城精二君登壇〕
◯ 教育長(岩城精二君) 私からは、村上議員の御質問のうち、平成28年度予算編成方針についてのお尋ねの中の教育環境の整備についてお答えをいたします。本市では、山口で生まれ育つ子供たちが、未来への道筋をしっかりと歩んでいくことができるようにするため、協働によるまちづくりの視点を教育分野にも取り入れ、学校、家庭、地域を初め、民間団体や事業者など、地域の教育力を結集して、子供たちを山口のまちで育てるさまざまな活動に取り組んでいるところでございます。こうした中で、平成28年度予算編成に当たりましては、確かな学力の定着に向け、特別な支援が必要な子供たちへの対応や、理解度や進捗に応じたきめ細やかな指導を充実させるために、本年度100名以上配置をいたしております補助教員によります学習指導環境をさらに充実させてまいりたいと考えております。また、情報化社会に主体的に対応できる情報活用能力の育成に向けて、教師用のタブレット端末や電子黒板などの整備を拡充するなど、ICT機器を積極的に活用し、わかりやすく教える授業を推進することといたしております。さらには、子供たちの豊かな成長を支える学校づくりを目指して、市内全小・中学校で設置をしているコミュニティスクールや市内21地域で取り組んでいる地域協育ネットの取り組みをより充実させ、子供も大人も生き生きとする地域に優しい学校づくり、地域、家庭、学校が一緒になって子供たちを温かく育み、見守る仕組みづくりを推進することといたしております。また、英語指導助手の活用や市立図書館などとの連携を図りながら、高度情報化やグローバル化などの社会環境の変化に対し、柔軟に対応できる子供たちの育成にも取り組みまして、多くの皆様に教育を受けるなら山口市で受けたいと思っていただけるような教育環境づくりを進めることといたしております。
◯ 議長(原 真也議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 私からは、平成28年度予算編成方針についてのうち、若年世代支援の家賃補助の拡充に関する御質問にお答えいたします。御案内のとおり、平成28年度予算編成方針で、平成28年度予算を「これが私の故里だ 定住実現都市」予算と位置づけまして、本市の個性を際立たせ、定住や交流・対流を創出していく三つの創生を重点的に推進することで、若年層やファミリー層を初めとした幅広い世代の定住を促進していくことといたしております。議員御指摘のとおり、農山村エリアなど人口減少が進む地域におきましては、地域活動の担い手不足や小学校における児童の減少を初めとしたさまざまな地域課題を抱えているところでございます。こうした地域課題への対応を進めるため、平成28年度におきましては、地域おこし協力隊など、地域の担い手となる移住者倍増の取り組み、若者UJIターン就職希望者の雇用促進、後継者不足に悩む農業法人へのお試し就農プログラムの提供など、外部人材の受け入れを積極的に推進できる新年度予算となるように、現在予算編成作業を進めているところでございます。同時に、移住者に対する住まいの確保につきましても、空き家改修や家財撤去への助成の拡充、空き家バンク制度のエリア拡大、地域と移住者をつなぐ定住サポーターやコンシェルジュ制度の充実、定住プロモーションによる積極的な情報発信の強化につきまして、検討を進めているところでございます。議員御提案の家賃補助制度の拡充につきましても、農山漁村地域等における若者世帯の移住促進の取り組みとして有効な施策の一つと考えているところでございまして、今年度から新設いたしました、林業・漁業分野における住宅手当補助に続き、新年度は、農山村における基幹産業である農業分野における住宅手当補助制度の新設につきまして、関係部局と協議し、前向きに検討をさせていただきたいと考えております。あわせて、農業分野以外における若者世帯、──特に子育て世帯ということになるかと思いますけれども、移住促進の取り組みにつきましても、効果的な手法について総合的に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 大田地域振興部長。
〔地域振興部長 大田正之君登壇〕
◯ 地域振興部長(大田正之君) 私からは、平成28年度予算編成方針についての御質問のうち、協働のまちづくりについてお答えをいたします。本市におきましては、平成25年4月に地域づくり支援センターを設置いたしまして、地域づくりの担い手育成や活動の指針となります地域づくり計画の策定など、地域交流センターとともに、地域づくり協議会を初めといたしました地域活動団体の支援に積極的に取り組んでいるところでございます。それぞれの地域におかれましては、地域づくり協議会を中心として、地域の特性を生かされた活動に取り組まれておりますが、人口減少に伴う担い手不足やライフスタイルの変容による生活課題の複雑化などが顕著になっておりまして、これらの課題解決には、地域の皆様のみならず、民間事業者や市民活動団体などのさまざまな主体の御協力が不可欠になってきていると強く感じているところでございます。例えば、地域の中で子供たちに学びや交流の場を設ける際には、子育て支援に取り組まれておられる市民活動団体と連携したり、買い物支援など地域単独で課題解決が難しい案件につきましては、関係所属とともに民間事業者の御協力をいただきまして、あるいは地域間連携を促したりするなど、地域とさまざまな主体をつなぐコーディネート機能が求められておりまして、今後ともそのような連携支援を特に強化する必要があるものと考えているところでございます。そして、何よりも、協働によるまちづくりを着実に推進してまいるためには、全ての職員が協働という理念を理解し、みずからの業務の中で地域に一層寄り添い、しっかりと役割を果たしていくことが重要でございますことから、職員に対する啓発、研修にもさらに力を注いでまいりたいと考えているところでございます。そのために、現在、地域の皆様や有識者の方々から御意見をいただきながら、21地域それぞれに対応いたしました地域特性を生かしたよりよい支援のあり方について、協議、検討を進めているところでございまして、来年度に向けましては、全ての職員が主体的に支援に当たる体制の実現を主眼に置くことといたしまして、あわせて地域づくり交付金につきましても、地域の皆様の御意見をいただきながら、より活用しやすい交付金となりますよう、現在新年度の予算編成作業を進めているところでございます。今後とも市民の皆様がいつまでも安心して住み続けたいと感じていただけるような地域づくりが展開されますよう、鋭意取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 山田環境部長。
〔環境部長 山田隆司君登壇〕
◯ 環境部長(山田隆司君) 私からは、公共施設についての御質問のうち、環境への配慮についてお答えいたします。御案内のとおり、現在、地球規模で加速している地球温暖化は、もはや疑う余地がないとされているところでありまして、その原因とされております二酸化炭素を初めとする温室効果ガス排出削減は、あらゆる方面にわたり積極的に取り組む必要のある、人類共通の課題であると言えます。本市におきましても、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、地球温暖化対策実行計画を策定いたし、市域の温室効果ガス削減の取り組みを進めているところでございまして、その成果指標の一つといたしまして、事業所としての市役所の温室効果ガス削減率をホームページ等で公表いたしているところでございます。また、市全体の温室効果ガス排出量につきましても、環境基本計画や環境概要等で公表をいたしているところでございます。市全体の数値につきましては、県等の各種統計数値を本市の該当する数値で案分するなど、一定のルールのもとに算出しておりますことから、個別的な、あるいは具体的な取り組みの即時的な反映が難しい面があることは十分認識いたしております。しかしながら、こうした数値目標への到達度合いや動きを市民の皆様や事業者の皆様とのコミュニケーションツールとして用いることは、みんなが一体となって温室効果ガス削減に向けた取り組みを積極的に進めていく上で、一定の効果があるものと捉えているところでございます。本年3月に環境基本計画の改定を行った際、環境審議会からの答申におきましても、成果が見える化できる指標や目標、進行管理や公表の研究と準備を行うよう御指摘をいただいておりまして、次の計画作成においての大きな課題の一つと考えているところでございます。議員御指摘の公共施設の整備時の二酸化炭素排出削減に係る配慮につきましては、現在指標としては用いておりませんが、公共施設への職員の出勤時、及び市民の方々が来訪される際の自動車等から排出される二酸化炭素は、市域全体で考えますと大きなものとなり、総排出量にも少なからず影響を与えているものと推察されます。今後、公共施設の整備におきましては、他の要素のバランスもございますが、環境側面も一つの視点であると考えているところでございます。いずれにいたしましても、温室効果ガスの排出削減は、人類全体で取り組むべき重要な課題でありますことから、市民の皆様、事業者の皆様への適切な情報提供や関係団体との連携による普及啓発活動の推進、再生可能エネルギーの積極的な導入など、多方面からのアプローチで推進してまいりたいと考えております。
◯ 議長(原 真也議長) 江藤健康福祉部長。
〔健康福祉部長 江藤寛二君登壇〕
◯ 健康福祉部長(江藤寛二君) 私からは、公共施設についてのお尋ねのうち、整備方針の共有についてお答えいたします。公共施設における障がい者優先駐車場及び多目的トイレに関しまして、障害の特性に応じた整備を行いますことは、議員御指摘のとおり、大変重要なことと認識いたしているところでございます。これまでは施設整備を行います各部局におきまして、バリアフリー関係法令等を踏まえまして、可能な限り配慮を行っているところではございますが、全庁的な認識の共有につきましては、必ずしも十分とは言えない状況でございます。本市では現在、障害者差別解消法の平成28年4月施行に向けた準備といたしまして、差別的取り扱いの禁止や合理的配慮の不提供の禁止といった事項について、市職員が適切な対応をするための対応要領の策定を進めているところでございます。対応要領の策定に当たりましては、障がいのある方で組織される当事者団体から、生活のしづらさや差別と感じられた事例、合理的配慮のための条件整備に必要と思われる事例につきまして、ヒアリング等を通じました集約を行いますほか、関係団体等で組織される会議を通じて、御意見を伺いながら作業を進めているところでございます。こうした中で、施設整備に関する御意見もいただいておりまして、障がいのある利用者の意見を設計段階から反映されることが求められているところでございます。施設を整備する上で重要なことは、障害のあるなしにかかわらず、利便性の高いものとすることが施設の価値を高めていくことにつながるものと認識いたしております。また、建物の整備につきましては、敷地面積や財政的な制約が伴ってまいりますが、可能な限り障害の特性に配慮していくことで、障害者差別解消法やバリアフリー関係法令の趣旨を具現化することにもつながってまいるものと考えております。本市といたしましては、今後、対応要領の策定を進めていく中で、施設整備を行う過程において、何らかの形で障がいのある当事者の御意見を反映させることができる仕組みの導入について検討してまいりたいと考えております。また、これとあわせまして、障害者差別解消法の趣旨と対応要領策定の意義につきましても、研修などを通しまして職員への周知に鋭意努めてまいりたいと考えております。
◯ 議長(原 真也議長) 有田健康福祉部社会福祉・健康づくり担当理事。
〔健康福祉部社会福祉・健康づくり担当理事 有田稔子君登壇〕
◯ 健康福祉部社会福祉・健康づくり担当理事(有田稔子君) 私からは、平成28年度予算編成方針についてのお尋ねのうち、若年世代支援についてお答えいたします。御案内のとおり、本年10月に策定いたしました山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましては、若い世代の結婚、出産、子育ての希望に応える環境整備を4つの政策の柱の一つに掲げまして、若い世代の希望に応え、安心・安全に暮らせるような環境整備に取り組むことといたしているところでございます。こうした中、妊娠、出産に関しまして、現在本市では、不妊に悩まれている御夫婦に対しまして、医療保険適用の不妊治療費を1年度当たり3万円を限度に助成いたします一般不妊治療費助成制度を設けているところでございまして、昨年度は251件、約643万円を助成いたしたところでございます。また、不妊治療のうち、医療保険の適用とならない人工授精費の助成や体外受精や顕微授精の特定不妊治療費の助成につきましては、山口県の制度により行っているところでございまして、本市の担当窓口におきましても、相談や申請を一元的にお受けする体制を整えまして、申請される皆様の利便性の向上を図っているところでございます。議員お尋ねの不育症についてでございますが、不育症は、子供を欲しいと思いながらも、流産や早産、死産、生後1週間以内の新生児死亡を繰り返すケースのことでございまして、本市におきましては、現在、不育症に対する公的な支援を行っていない状況でございます。現状におきましては、近年不育症で悩まれている方からの御相談は市に寄せられておらず、主に産婦人科等の医療機関や山口県立総合医療センターの女性の悩み相談室内に設置されております不妊専門相談センターに寄せられているものと考えております。このうち、不妊専門相談センターでの不育症の相談件数は、年間10件から20件程度であるとのことでございますので、本市におきましても不育症に悩まれている方が一定程度おられるものと認識いたしているところでございます。このようなことから、次年度の不育症への取り組みといたしましては、産科医療機関等とのきめ細やかな情報交換や、来年度開設を予定いたしております子育て世代包括支援センターでさまざまな相談をお受けしてまいります中で、不育症の状況把握や専門的な相談や治療につながりますよう情報提供等に努めてまいりたいと考えております。不育症に関しましては、病体が多様で治療方針が確立していないこともあり、検査や治療に医療保険適用外のものもございまして、経済的負担が大きい状況にございますことから、少子化対策や若年世代の希望に応える環境整備を行う上で、支援の必要性を感じているところでございます。このような中、本年6月の全国市長会の地方創生の推進に関する重点提言の中におきましては、不育症について、治療方法確立のための研究体制等の充実を図るとともに、治療費等に対する必要な支援措置を講じることを掲げておるところでございまして、本市といたしましても、こうした国への要望を継続的に行ってまいりますとともに、国等の動向を注視しながら、不育症への費用助成につきましても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 有田経済産業部農林水産担当理事。
〔経済産業部農林水産担当理事 有田 剛君登壇〕
◯ 経済産業部農林水産担当理事(有田 剛君) 私からは、平成28年度予算編成方針についてのお尋ねのうち、地域雇用の創出についてお答えをいたします。平成28年度の農業関連予算につきましては、山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の政策目標でございます「若い人たちをターゲットに、山口にしごとをつくる」を踏まえ、平成28年度予算編成方針に掲げられております三つの創生のうち、人材・雇用創生といたしまして、農林水産業における経営基盤強化と担い手育成など、重点的に取り組むことで地域雇用の創出を図ることといたしております。議員お尋ねの花卉振興につきましても、国の農政改革やTPP等の動向を踏まえまして、本市の農業の持つ潜在力を高め、農業経営の安定・強化を図ることで生産量の拡大や雇用の創出につなげてまいりたいと考えているところでございます。花卉振興に係る県との協同につきましても、県において来年3月に策定予定の花きの振興計画の内容も踏まえ、十分検討してまいりたいと考えております。また、県が現在取り組んでおられます、花き農協を核とした連携体制づくりや県産花きの商品力の強化、県産花きのマーケットの拡大などの事業につきましても連携を深めてまいりたいと考えております。議員から御提言をいただきました、学校における児童生徒が花に親しむ仕組みづくりの支援につきましても、花きの振興に関する法律におきまして、花卉文化に対する施策として、公共施設における花卉の活用の推進、花育の推進が掲げられているところでございます。子供たちが花や緑に親しみ、育てる機会を持つ花育につきましては、情操教育や花文化に親しむ面から非常に重要なことと認識しており、学校現場に対する支援につきましても、花卉振興の観点から、基本施策である農業がもたらす多彩な恵みを生かしたまちの取り組みとして推進してまいりたいと考えているところでございます。支援内容といたしましては、山口県花卉振興協議会が行っておられます花育への支援や、各地域の花いっぱい運動組織への支援が行われておりますが、市内の希望される学校に対する花卉活用の支援につきましては、新年度予算編成の中で教育委員会とも協議をいたしながら、実施に向けて調整をしてまいりたいと考えているところでございます。花卉産業は、農地や農業の担い手の確保を図る上で重要な位置を占めており、また、花卉に関する伝統と文化は国民の生活に深く浸透し、国民の心豊かな生活の実現に重要な役割を担っていると考えております。こうしたことから、本市といたしましても、花に囲まれた、潤いと触れ合いに満ちた環境づくりを目的に、地域における子ども会活動や町内美化活動、学校の情操教育の一環による活動などに引き続きまして取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 村上満典議員。
〔15番 村上満典議員登壇〕
◯ 15番 村上満典議員 それでは、アの平成28年度予算編成方針についての4)、若年世代支援の内容で不育症の支援について、2回目の質問をさせていただきます。相談体制の充実等の御答弁をいただきました。実際に不育症で悩んでいらっしゃる御夫婦に対して、金銭的な補助──補助金というものを出していくに当たって、障害となっているものは何なのだろうかということが市民にとって一番のわかりやすい話になると思います。こういう理由でなかなか今は難しいという事例がありましたら、この点明らかにしていただきたいと思うわけですが、例えば事業化しようと思うと事業費がかなり莫大になるので、現時点でその予算を確保することはできないという場合もあるかもしれません。補助自体は国がすべき、あるいは県がすべきもので、単一の自治体でやるべきものではないというお考えかもしれません。いずれにしても、市民にわかりやすい形での公的助成ができないハードルというものが何なのかをお示しいただきたいと思います。
◯ 議長(原 真也議長) 有田健康福祉部社会福祉・健康づくり担当理事。
〔健康福祉部社会福祉・健康づくり担当理事 有田稔子君登壇〕
◯ 健康福祉部社会福祉・健康づくり担当理事(有田稔子君) 村上議員の若年世代支援の不育症に関する支援ということで、障害になっているものが何かというお尋ねだったと思いますが、これに関しまして1つは、不育症の原因というものが、不育症を起こすリスク要因、これが多々ございまして、この要因に対して、各治療方針、検査等がまだまだ研究段階であるということで、検査、治療等の確立ができておりません。したがいまして、安全で有効的な治療、検査等を市民の方に提供するまでにはまだ研究等が必要であるということが1点ございます。また、この不育症の約6割の方が特段の理由、原因がなくて、2回目以降、その次以降の妊娠継続が可能だといった特徴もございまして、検査、治療等に対して助成を行うことによって、必要のない方にまで過剰な検査、治療等を提供するような可能性も生じるのではないかと考えております。以上、大きく言えばこの2点のことが障害になっておりまして、今後、国のほうへ、治療の確立、そして助成制度の構築、創設等については引き続き要望してまいりたいと思っております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 村上満典議員。
〔15番 村上満典議員登壇〕
◯ 15番 村上満典議員 では、ただいまの項目で3回目の質問をさせていただきたいと思います。不育症に対して、公的助成をすることに対しての問題点について明らかにしていただいたところではありますが、市長にちょっとお伺いしたいんですけれども、山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略の中に掲げられている柱──先ほども申しましたが、若い世代の結婚、出産、子育ての希望に応える環境整備という大きな柱と、現在提案させていただいている不育症に対する助成制度の確立というものは、その方向性が合致しないものなのでしょうか。できるできないという話ではなくて、方向性としてどうお考えなのか、この点、御答弁いただきたいと思います。
◯ 議長(原 真也議長) 渡辺市長。
〔市長 渡辺純忠君登壇〕
◯ 市長(渡辺純忠君) 不育症に対して再々度の御質問でございます。今担当参与のほうから御答弁申しましたけれども、いわゆる治療法確立、こうした検討をまだまだ進めていかなければいけない、こういう課題もございます。そしてまた、それに対応してくれるということになると、どういった治療費について支援措置が講じられるかと、この辺につきまして、今先ほども担当参与のほうから御答弁申し上げましたけれども、市長会でも議論となっておりまして、市長会の席の中でも、まずは治療法確立、こうした形を国に求めようと、そして、そういうことがきちんとなっていく中で、ではどういう支援策ができるのかと、国ができるのか、地方ができるのか、そういったことについて検討を深めてもらいたい、こういう市長会を通じての政府要望をいたしております。そして、それに連動してでございますけれども、特に市長会からそのような要望をしておるということにつきましても、少子化の問題、これに対して、いわゆる子育て環境をいかに整備していくか、国、地方一体となってやるべきではないかという視点の中にそういった要望をさせていただいているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、これからもそうした子育て環境、また出産から子育てまで一体となってできる支援体制、こうしたものについての必要性は十分認識しておりますので、そうしたことの検討を深めながら、後退するという形ではなくして、どうした形でできるのかという視点でもって検討を深めてまいりたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。
◯ 議長(原 真也議長) 村上満典議員。
〔15番 村上満典議員登壇〕
◯ 15番 村上満典議員 不育症の助成制度については、県内でも既に踏み込んで助成をしている自治体もあります。その事例なども参考にされながら予算編成において、次の議会において前向きな御提案があることを期待しつつ、イの公共施設についてのうち、1)番の整備方針の共有について2回目の質問をいたします。
整備方針の共有と書きましたが、質問でも言いましたとおりバリアフリー化の概念、合理的配慮というものをどこまで追及していくのかという視点であります。1点確認させていただきたいのですが、合理的配慮をどこまで反映させるのかという視点で、実は全国の事例を見ていきますと、学校現場における対応がなかなか進んでいない場合があります。障がいを抱えるお子さんがどれほど入学してくるのかということを考えると、余りこういう言い方はしたくありませんが、費用対効果という面で二の足を踏んでいる場合もあるのかなと思うわけですけれども、いざ障がいを持たれている方が普通の学校に行きたいと望んだときに、トイレが対応できませんとか、段差がいっぱいあり過ぎて、この学校では対応できませんなどというハードの理由でお断りするようなことがあってはならないと私は考えるわけですけれども、この合理的配慮をどの範囲で徹底されていかれるのか、特に学校現場に対してどの程度の御認識をお持ちなのか、御答弁をいただきたいと思います。
◯ 議長(原 真也議長) 江藤健康福祉部長。
〔健康福祉部長 江藤寛二君登壇〕
◯ 健康福祉部長(江藤寛二君) 村上議員の公共施設についてのお尋ねのうち、整備方針の共有についての2回目の御質問にお答えをいたします。先ほど御答弁申し上げましたように、障害者差別解消法において、地方公共団体に合理的配慮の不提供の禁止、そういったものが義務づけられているところでございまして、その具体的な取り組みに関しましては、現在進めております対応要領の中で検討することになろうかと思っております。その中では、関係部局全てにおいて施設整備が関連してまいりますので、その中でどこまで踏み込めるのかということを議論として深めたいとは思っておりますが、やはり合理的配慮の不提供につきましても無制限ということにはなりませんので、できる限りという制約もついてまいりますが、やはり法の趣旨を踏まえまして、関係部局ともより突っ込んだ議論をしてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 以上で、村上満典議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
午後1時20分まで休憩いたします。
午後0時17分休憩
────────────・────・────────────
午後1時20分再開
◯ 議長(氏永東光副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。
34番、右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 自民クラブの右田芳雄です。通告に従いまして、一般質問をいたします。
最初に観光行政についてお尋ねをいたします。山口市の観光客数は資料によりますと、ここ数年430万人前後で推移しております。ことしは、世界スカウトジャンボリー、ねんりんピックなどの大型行事に加え、NHK大河ドラマ花燃ゆの放映もあり、市内の観光地、湯田温泉を初めとする宿泊施設なども観光客増につながったと思うわけですが、これらの行事も一過性であり、観光客をふやすためには市独自の取り組みが必要と思うわけです。例えば、最近では外国人旅行者が増加する中、主要駅、宿泊施設、観光地への案内板の多国語の表記などの取り組み等は必然ではないかと思うわけです。また、山口市はクリスマス発祥の地とされており、市役所玄関にも、12月山口市はクリスマス市になると表示されておりますが、どのような行事を予定されているのか、市も積極的な取り組みをされ、通年の行事にされてはどうでしょうか。今後の山口市における観光客誘致の取り組みについてお尋ねをいたします。次に、明治維新150年に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。平成30年の明治維新150年を3年後に控え、市内でも井上公園の整備、何遠亭再現、十朋亭の整備等、各種の整備が行われておりますが、明治維新150年に向け、観光事業の拡大、記念事業の実施など、今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
次に、中原中也記念館についてお尋ねをいたします。中原中也記念館は、平成6年に開館以来、ことしで21年目を迎えたわけですが、この記念館の運営、また議会に上程されております中原中也関係資料購入について、具体的にお尋ねをいたします。最初に、設立の目的と役割についてお尋ねをいたします。中原中也記念館も開館後21年が経過し、当初どのような設立目的で会館がつくられたのか、また記念館が果たしてきた役割についてお尋ねをいたします。次に、記念館の運営費についてお尋ねをいたします。平成27年度の中原中也記念館運営費として、記念館管理運営費4,716万9,000円、企画運営費4,371万1,000円、資料整備事業費393万円、中原中也賞運営費1,021万1,000円、関係資料収集費97万3,000円、合計で1億599万4,000円の予算が組まれておりますが、これらの運営費の内訳についてお尋ねをいたします。次に、中原中也賞についてお尋ねをいたします。中原中也賞は、山口市と中原中也運営委員会が主催し、青土社と角川書店が後援をする現代詩を対象にした文学賞とされております。ことしで既に20回を迎え、受賞者には、中原中也のブロンズ像と副賞に100万円が贈られる文学賞と記されております。先ほど申しましたように、中原中也賞に対して1,021万1,000円、年間経費がかかっておりますが、その内容についてお尋ねをいたします。次に、記念館の指定管理者についてのお尋ねです。この施設は、指定管理者制度で運用されており、非公募により平成17年度から4期目を迎えた現在でも山口市文化振興財団が管理運営を行っております。このような非公募での管理運営が続きますと、依頼者と受託者のなれ合いが生じ、運営面においても支障が生じるのではないかと思うわけです。例えば、記念館の入場者は、平成6年には入館者5万7,384人、平成26年は2万304人であります。入館者は多いときの半分以下となっております。入館収入についても同様ではないかと思います。この状況においても、指定管理者は何の責任も負うことなく、継続できるわけです。競争がないから、費用対効果など気にせずに続けることができるわけです。公募にしたら大幅に費用の削減効果が期待されると思うわけですが、市の見解をお尋ねいたします。次に、関係資料購入についてお尋ねをいたします。12月議会に中原中也関係資料収集費として2,000万円の補正予算が上程されております。この件についてお尋ねをいたします。11月4日の新聞紙上に中也書簡や遺稿寄贈との記事を目にしました。それによりますと、中原中也と親交があった故安原喜弘氏が所有していた中也ゆかりの書簡など127点が安原氏の長男──喜秀氏──から山口市に寄贈されたとありました。今どき奇特な方がおられるなと思っていたところ、水面下では寄贈者から寄贈とは別に、関係資料購入の話があったようですが、その経緯について、また今回、補正予算を計上してまで購入する必要があるのかお尋ねをいたします。次に、資料の鑑定評価についてお尋ねをいたします。今回購入予定資料は、原稿3点、書簡2点、遺品1点、書籍5点、計11点であります。11点で2,000万円と査定した根拠についてお尋ねをいたします。
次の項目に移ります。LED化の推進についてお尋ねをいたします。最近、夜のまちを散策しておりますと、防犯灯の多くが従来の蛍光灯からLED照明に変わって、夜道も明るくなったと感じております。このことは、山口市が平成23年度予算から明るいまちづくり推進事業の一環として、各地域の防犯対策、交通安全対策としてLEDの防犯灯設置を進め、地域自治会に対して設置補助、電気料金補助を行ってきており、着実にLED防犯灯の切りかえが進み、その成果が出てきたと思うわけです。市では年間約3,000万円の予算を組んで、防犯灯のLED化の推進に取り組んできておられますが、市における現在のLED防犯灯の普及率と今後の取り組みについてお伺いをいたします。もう一点お伺いします。現在、市からの防犯灯補助金は、地域自治会に対しての補助金交付であり、補助金にしても設置費用のうち3分の2、電気料金など防犯灯1灯につき年間1,000円であり、残り部分については各自治会負担となっておりますことから、どうしても自治会住民の利用頻度の高い場所の設置になってしまいがちです。そのため、通行人は多いが、防犯灯がなく、暗い夜道を歩かなくてはならない状況もあるのも事実でございます。一例を申し上げますと、新山口駅北口から旧NTTに通ずる約500メートルの市道であります。この市道は、新山口駅を利用する通行人、また鴻城高校の生徒の通学路でもあり、かなりの人が利用している市道であります。しかしながら、自治会住民の利用頻度が少ないためか、防犯灯の設置は皆無であります。市内にもこれと似たようなところがほかにも幾つかあると思いますが、このような場所については、行政の主導が不可欠と思うわけです。市の考えをお尋ねいたします。次に、公共施設のLED化の取り組みについてお尋ねをいたします。LED照明の特徴としては、従来の電灯に比べ消費電力が少なく、コスト面では電気料金の削減にもなり、放熱量も少ないため、CO2の削減による地球温暖化防止につながるとされております。また、従来の電灯に比べ寿命が長いことがメリットとされております。そのため、最近の新築建物はほとんどがLED照明となっておるようです。市は、市庁舎を初め、学校、体育施設、公園など、多くの施設を所有しておりますが、これらの公共施設に対しては、LED化を積極的に導入していく必要があると考えます。市のLED化の取り組みの現状についてお尋ねをいたします。
これで1回目の質問を終わります。
◯ 議長(氏永東光副議長) 吉田副市長。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 私からは、中原中也記念館についての御質問にお答えいたします。まず、設立の目的と役割につきましては、御案内のとおり、中原中也記念館は日本の近代詩史に偉大な足跡を残した本市出身の詩人中原中也の功績を顕彰するとともに、広く市民の教養を高め、文化の向上と地域の振興に寄与するため、平成6年2月に開館いたしております。開館以来、中原中也にかかわりのある文学資料の保存、研究や展示を進め、さまざまな角度から光を当てることで、中也の詩とその世界を広く発信するなど、中原中也を通じた本市の情報発信や交流、また中也研究の活動拠点としての役割を担ってきたところでございます。平成26年には開館20周年を迎え、さまざまな企画展示や記念事業を展開し、改めて中原中也の魅力を感じていただくとともに、市外や県外からも多くの皆様に訪れていただいているところでございます。今後も中原中也の生誕地に位置し、中也を顕彰する唯一の文学館として、運営を通じて本市のブランド力にさらなる磨きをかけてまいりたいと考えているところでございます。次に、中也記念館関連の運営費とその内訳でございます。本年度当初予算で申しますと、まず施設管理に関する経費が約4,720万円でございます。この内訳といたしましては、指定管理者への委託料が2,360万円、市が直接行う補修工事費などが約2,360万円でございます。次に、企画事業に関する経費でございます。指定管理者が実施する企画展示等の経費が約4,370万円、記念館で所蔵する資料の劣化防止やデータ整備に要する経費が約390万円、このほか書籍や資料等を収集する経費が約90万円となっております。なお、施設管理に関する経費及び企画事業に関する経費の総額は9,570万円でございまして、うち約4,240万円が市派遣職員2名、学芸員3名、臨時職員3名の計8名の人件費に当たっているところでございます。次に、中原中也賞についてでございます。本年度の当初予算額は約1,020万円でございます。内訳といたしましては、推薦及び選考に係る委員の謝礼が約420万円、中原中也賞正賞のブロンズ像や副賞など賞にかかる経費が約200万円、贈呈式の運営にかかる経費が約220万円、そのほか広告・宣伝などにかかる経費が約180万円でございます。次に、指定管理者に関するお尋ねでございます。中原中也記念館の指定管理者は、これまで非公募といたしているところでございます。御指摘の運営努力の点につきましては、現在の指定管理者であります公益財団法人山口市文化振興財団は、本市の文化の振興を図るため、専門的な人材の確保に加え、事業実施のための十分かつ適切な組織体制づくりに努めているところでございます。施設の運営におきましては、常に経費節減の努力をされているほか、事業面におきましても、豊富な中也研究の成果に基づいた、一般には実施が難しい専門性とともに、親しみやすさを兼ね備えた展示等が行われているところであり、若年層への普及促進のために、学校とも連携した取り組みを推進するなど、積極的な事業展開が図られております。こうしたことから、指定管理者における運営努力は十分に果たされていると認識をいたしておりまして、現状においては、当該財団を指定することが最適であると考えているところでございます。次に、中原中也関係資料の購入に関するお尋ねでございます。御案内のとおり、本年11月4日に、中也が最も親交を厚くしていた安原喜弘氏の御遺族から、中也直筆の資料など127点の寄贈を受けたところでございます。これらは、購入を予定しております11点と合わせまして、安原氏の御遺族からかねてより市に寄託されていたものでございます。市といたしましては、これら138点の資料について寄贈をお願いしてきたところでございますが、このたび、具体的な協議が整いましたことから、所蔵資料のうち127点を寄託契約の更新にあわせて寄贈いただくこととなったものでございます。残る11点につきましては、お手元に残されたいと強く要望されておられましたが、本市の姿勢を酌み取っていただく中、今年度中に手続きがなされることを条件として、売買による譲渡の御決断を得られましたので、本議会に関連補正予算の議案を提出いたしたものでございます。日本の近代文学史上極めて貴重な資料を、市民共通の財産として保存し、今後さらに展示企画等において活用いたしながら、後世に伝えることが重要であると考え、購入の判断に至ったものでございますので、御理解を賜わりたいと存じます。次に、購入予定資料の鑑定評価額でございます。資料の査定を依頼いたしましたのは、中也関連資料の購入で何度か本市と取り引き実績がある古書店でございまして、直筆原稿3点、書簡2点、遺品1点、検定署名入りの書籍5点の合計11点について、それぞれ査定をいただいております。具体的な額を申し上げますと、中也の詩集「山羊の歌」におさめられている詩「羊の歌」の原稿が800万円、詩集出版祝いの返礼として中也が送った詩「薔薇」の原稿が300万円、平成23年に新たに発見された詩「秋の日曜」の原稿が400万円、当時、限定200部で発行され、中也の署名が入った詩集「山羊の歌」が150万円、そのほか、書簡や中也が使用していたパイプなどが合わせて350万円の査定でございまして、総額が2,000万円になるものでございます。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 伊藤総務部長。
〔総務部長 伊藤和貴君登壇〕
◯ 総務部長(伊藤和貴君) 私からは、LED化の推進についてのお尋ねのうち、公共施設における取り組みについてお答えをいたします。議員御案内のとおり、LED化を進めることによりまして、照明設備の長寿命化による取りかえ等のメンテナンス費用の削減、省電力化による電気代の節減などコストカットが図られますとともに、省電力、長寿命化によるCO2排出量の削減等により、地球温暖化の防止にも貢献できるなど、幅広い効果が期待されるものと認識をいたしております。本市におきましても、新規建設や改修等を行う際にはLED化に努めることといたしておりまして、ことし8月に策定をいたしました山口市公共施設等総合管理計画におきましても、ライフサイクルコストの縮減に向けまして、施設の建設や大規模改修等を行う際には、省エネルギー化の推進等により光熱費の節約を行うよう定めたところでございます。最近の取り組みを若干申し上げますと、昨年度は消防本部庁舎の耐震工事とあわせまして、執務室へのLED照明の導入を行い、今年度は山口ふるさと伝承総合センターへのLED照明の導入、本庁舎における誘導灯のLED化を進めますとともに、10月2日に開通いたしました新山口駅南北自由通路におきましても、照明施設にLEDを採用いたしたところでございます。いずれにいたしましても、LED化にはさまざまなメリットがございますことから、今後とも施設の建設、改修等にあわせた積極的なLED化の推進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 岡本市民安全部長。
〔市民安全部長 岡本 充君登壇〕
◯ 市民安全部長(岡本 充君) 私からは、LED化の推進のうち、防犯灯についてお答えいたします。まず、LED防犯灯の普及状況でございますが、各自治会の皆様の御理解もありまして、先月末時点では、昨年度末より7.2%増加いたしており、各自治会等が管理されている全防犯灯の80.6%がLED防犯灯となっている状況でございます。このように、防犯灯のLED化が進み、蛍光灯などの防犯灯が少なくなっておりますので、取りかえの申請件数は徐々に減少いたしております。したがいまして、明るいまちづくりをさらに推進するためには、今後はLED防犯灯の普及後を見据えた事業を展開する必要がございます。このため、今後は設置のみならず、更新も含めた助成制度とするなど、平成29年度に向けた制度の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。なお、本年4月から各地域の連合自治会長の皆様を通じて、平成29年度からの制度見直しにつきまして、事前にお知らせをいたしており、年内にも各単位自治会代表者の皆様に改めて文書でお知らせすることといたしております。いずれにいたしましても、平成28年度──来年度中は現在の助成制度を継続いたしますので、防犯灯のLED化につきまして、引き続き補助金を御活用いただきますよう周知してまいりたいと考えております。次に、議員お尋ねの自治会等の境界などに対します防犯灯の設置についてでございますが、連合自治会やPTAなどによりまして、地域全体として防犯灯を設置し、維持管理されている事例もございます。このような地域の実情に応じて、単位自治会を超えた場合での設置につきましても、明るいまちづくり推進事業の助成対象となっておりますので、まずは御相談をいただきたいと考えております。
◯ 議長(氏永東光副議長) 東経済産業部長。
〔経済産業部長 東 洋光君登壇〕
◯ 経済産業部長(東 洋光君) 私からは、観光行政についてお答えをいたします。まず、観光客誘致の取り組みについてでございますが、現在本市では、平成30年を目標年次とする山口市総合計画後期まちづくり計画におきまして、地域の特性、資源を生かした観光のまちづくりを主要な施策の柱として、観光客数年間500万人を目標に取り組んでいるところでございます。議員御案内のとおり、本市の観光客数につきましては、平成23年度ごろから約430万人前後で推移いたしており、宿泊客数とも横ばいの状況となっております。観光産業は、宿泊施設を初め、交通、飲食など、さまざまな業界への波及効果が期待される、裾野が広い総合産業であり、県内最大の宿泊拠点であります湯田温泉を有する本市におきましては、宿泊客が増加することにより、大いに経済効果等が期待できると考えております。お尋ねの観光客の増加策についてでございますが、観光客の増加を図っていくことにつきましては、これからは特に宿泊客の増加につながる取り組みを進めていく必要が大変重要であり、意識した取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。宿泊客を増加させる取り組みといたしましては、宿泊施設の比較的稼働率が低いとされる平日の宿泊を増加させることが必要であり、対象といたしましては、シニア層や外国人旅行者の誘客が有効であると考えているところでございます。議員御案内のとおり、外国人旅行者につきましては、近年増加傾向にあり、平成26年の外国人宿泊者数は、前年比15%増の1万1,466人と過去5年間で最も多く、本年につきましても今月から運行されております韓国仁川空港から山口宇部空港へのチャーター便は昨年よりも増便となり、来年は定期便も検討されているなど、外国人旅行者については今後も増加が期待できるところでございます。議員御指摘の案内板を初めとしたおもてなし環境の充実は必要不可欠と認識いたしており、案内板やパンフレットの多言語化に加えまして、無線LAN環境整備、ICTを活用した海外に向けた情報発信力の高い広報媒体との連携、GPSを活用したオフラインでも活用できる観光アプリによる情報提供など、複合的な取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。また、議員御案内のとおり今月から、12月、山口市はクリスマス市になるとして、さまざまなイベントが市内各所で行われており、その一つといたしましてクリスマス市を象徴するライトアップが、一の坂川交通交流広場とその周辺や、雪舟庭等でも実施されます。こうした夜のイベントも宿泊客の増加に大きく期待できますことから、ことしも春には一の坂川沿いの桜のライトアップやホタルの鑑賞に合わせたバスツアーの造成など、年間を通し、宿泊客の増加につながる夜の灯りを生かした取り組みを進めてまいりたいと考えております。次に、明治維新150年に向けた取り組みについてでございますが、維新キャラバン隊による情報の発信、のぼり旗の設置やシンポジウム等の開催による機運の醸成、手ぶら観光などによる受け入れ体制やおもてなしの充実など、現在行っております各取り組みにつきましては、充実しながら継続いたしますとともに、十朋亭周辺等の関連施設の環境整備や充実、薩長同盟150年を契機とした県内外他市との連携強化等の取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。また、平成29年度にはJR6社と自治体、観光事業者の3者が一体となって実施する広域的な観光キャンペーン──デスティネーションキャンペーンが本県を対象に実施されることが決定しておりますことから、このデスティネーションキャンペーンも活用しながら、明治維新150年に向けた各種取り組みを推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 各答弁、ありがとうございました。それでは、再質問をしたいと思います。最初に観光行政についてお尋ねをいたします。市内各所には、幕末から明治にかけて活躍した偉人の足跡を記した資料、史跡が多く残されております。それをわかりやすく解説した山口幕末維新史跡ガイドブックがことし3月に出版されております。──皆さん、これでございます。──初版は関係先に500部、販売に1,000部、計1,500部印刷されているそうです。販売については1冊700円ということでございますが、販売所は市内市役所等関係先10カ所余りの販売と聞いております。市内の本屋等にも販売を拡大していったら、もっともっと観光客誘致につながるのではないかというふうに思っておりますが、市の見解をお尋ねいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) ガイドブックの販売方法についての御質問でございます。今、議員から御紹介ありました。各所で販売をいたしておりますけれども、今でも販売が結構好調な売れ行きを示しておりますので、またそういった大きい要望がありましたら、そういったことも考えてみることもあり得るかなと。ただ、現状では、今の販売方法で、割と売れ行きが好調ですので、要望がありましたら、あるいはそういった声がまた上がってまいりましたら、そういう検討をしてまいりたいと思います。
◯ 議長(氏永東光副議長) 右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 次に、中原中也記念館についてお尋ねいたします。記念館の運営費についてお尋ねをいたします。先日、連休に私は嘉村礒多の生家──帰郷庵に行ってきました。この管理運営も指定管理者制度により地域の方が運営をされているようです。年間事業費はといいますと約400万円で運営をされておるようです。同じ郷土出身、同じ時代に生きてきた文学者としては雲泥の差があります。中原中也だけが余りにも優遇されているとは思われませんか。年間1億円以上の運営費がかかるということは、21年間で21億円の税金が投入されているわけです。平成26年度の年間入館者2万人のうち有料入館者が1万3,000人、約7,000人は減免者、招待者であります。入館者1人当たり5,000円の経費がかかっている状況であります。また、入館料収入は年間約410万円であり、余りにも収支の差があり過ぎると思いますが、この状況での継続では市民の理解が得られないと思いますが、今後もこの状況を続けていかれるのかお尋ねをいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 吉田副市長。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 運営費についての再度の御質問にお答えいたします。中原中也記念館は、中原中也に関する資料の収集、保存、その活用として企画展示などを通して、広く市民の教養を高め、文化の向上を図り、あわせて地域の振興に寄与することを目的に設置いたしている施設でございまして、本市の文化の向上、本市の個性を生み出していくという役割を担っております。このため、平成6年2月の開館以来、文学館として必要な専門職員を配置し、館内の展示室においては常設展示は年1回、企画展示は年3回、屋外展示は年2回の展示がえを行うほか、特別展示、空の下の朗読会などの各種イベント、機関誌中原中也研究の発行など、本市の文化の向上に資するとともに、本市の都市ブランド形成とその発信のため、さまざまな事業を展開しているところでございまして、人件費を含めまして、必要かつ適切な事業費を投入していると考えているところでございます。また、入館者と入館料収入に関するお尋ねでございますが、平成25年度から平成26年度にかけての開館20周年記念事業の実施、本年3月、記念館の前に湯田温泉観光回遊拠点施設の開館もあり、平成26年度の入館者は5年ぶりに2万人台となったところでございます。入館者は、わかりやすい一つの成果指標でございますが、数字としてはあらわれない都市イメージも重要であると捉えております。若い世代にもっと親しんでもらうきっかけとなるよう、本年4月からは19歳未満の方を無料とする取り組みも行っているところでございまして、今後とも入館者数の増とともに、全国への発信に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 それでは、運営費について3回目の質問をいたします。先日、金子みすゞ記念館が150万人達成との報道がありました。平成15年オープンとありますから、12年目で達成となったわけです。中原中也記念館は開館以来、入館者は約62万3,000人であります。金子みすゞと何が違うのか、また開館時に比べ、入館者が半分以下になったのは何が原因と思われますか、お尋ねをいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 吉田副市長。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 運営費に関しまして、金子みすゞ記念館との違いについてのお尋ねでございますが、議員から御案内がありましたように、平成15年4月の開館から12年8カ月で150万人に達成したときの先月の新聞報道を私も目にいたしております。中也記念館と金子みすゞ記念館については、一概に比較できるものではありませんが、金子みすゞ記念館においては、生家の金子文英堂書店といったエンターテインメント性といいますか、その時代や生活を追体験できるような施設と一体整備されているほか、どちらかといいますと、長門市の観光を前面に押し出した取り組みをされているものと捉えているところでございます。文学館としての文化性を前面に出した中原中也記念館と少し性格が異なると認識をしているところでございます。また、入館者の減少につきましては、開館当初とそれ以降では、ある程度開きが出ることはやむを得ないと考えておりまして、湯田温泉にあるという立地特性から、湯田温泉の宿泊数にもある程度影響を受けると捉えているところでございますが、観光面における貢献も求められるところであり、引き続き入館者がふえるよう、さまざまな努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 今、吉田副市長がおっしゃいましたが、半分以下になった理由についてお尋ねしたところ、ある程度と言われたんですけれども、半分以下なんです。これがある程度に該当するかどうかということです。答弁は要りませんけれども。
次に、中原中也賞について2回目の質問をいたします。中原中也賞は、山口市と中原中也運営委員会が主催となっておりますが、費用は全額市の負担ではないでしょうか。選考委員は、先ほど約六百数十万円ということを言われましたけれども、この選考委員という方にその600万円からの費用をかけて選考しなければいけないのか、もう少し選考の仕方もあるのではないかというふうに思っていますが、例えば有名な芥川賞、直木賞、そのほかいっぱい文学賞がありますけれども、それだけの金をかけて、ほかのところもやっている状況なのでしょうか。副賞が100万円です。100万円とブロンズ像を渡すのに600万円からの選考費を払うということについては、ちょっと問題があるのではないかというふうに思いますが、市の見解をお尋ねいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 吉田副市長。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 中原中也賞についての2回目のお尋ねでございます。中原中也賞は、本市が主催する平成7年に創設された文学賞でございまして、中也賞の創設目的の達成や円滑な運営を図るために、実施要綱に基づき運営委員会を設置しているところでございます。この運営委員会は、委員10名以内で組織するものでございまして、市長の委嘱または任命により決定された文学賞担当部や中原中也に関する識見者や研究者、関係職員によって構成されており、中也賞の応募、審査基準などや賞の決定及び贈呈式など、運営に関する事項を審議する組織でございまして、平成27年度は委員10名となっております。また、最終候補詩集を決定する推薦会員は3名で年間報酬60万円、選考委員は5名で年間報酬30万円としているところでございます。また、全国の文学賞には、小説、エッセー、詩、短歌、俳句など、多岐にわたるジャンルがございまして、新聞社や出版社以外にも、行政が主催する文学賞も多く、詩集の賞として前橋市の萩原朔太郎賞、豊橋市の丸山薫賞、大阪市の三好達治賞──いずれも副賞100万円──などもございます。本市の中原中也賞は、選考委員として詩壇や文学の世界で知名度の高い詩人や作家等を委嘱しているところでございまして、賞が持つ重みから、毎年、受賞発表時には多くの報道機関に取り上げていただいているほか、歴代受賞者の多方面にわたる活躍もあるなど、本市の一つのブランドとして価値形成とその発信につながっており、予算投入の効果は極めて高いと認識をいたしているところでございます。また、第1回から第10回までの正賞は、英訳詩集の発行──経費が約400万円──でございました。これは、経費削減の観点から第11回以降は、中原中也ブロンズ像──経費約70万円──に変更するとともに、毎年、予算編成や執行段階においても、精査に努めているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 中原中也記念館の指定管理者について2回目の質問をさせていただきます。広い知識と専門性を有するということで、市内にはほかに指定管理者とすべき団体がいないというようなことは言われておりますけれども、専門の職員、確かに文学にたけて精通しておられる方もいらっしゃるかもわかりませんけれども、営業です。営業に対しては、入場者数が、当初の5万人の数字が半分になっているわけです。これは、民間を活用して、営業努力をすべきと思うのです。市はどちらをとっておられるのか。文学の研究をとっておられるのか、それとも人員、入場者なんかを大幅にふやす努力というのは、やはり今の山口市文化振興財団では難しいのではないかというふうに思っております。それと、中原中也は30歳で亡くなっているわけです。文学者としての活動は10年そこそこではないかというふうに思っておりますが、20年間研究をされてきております。もう中也の研究も尽くされたのではないかというふうに、私は思うわけですが、市の見解をお尋ねいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 吉田副市長。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 指定管理者に関する2回目のお尋ねでございます。記念館におきます中原中也研究につきましては、学芸員3名を配置し──これは財団職員でございますが、進めているところでございます。一口に研究と申しておりますが、中也の研究活動拠点としての学術的な研究に加え、資料の展示や企画事業に関することが記念館の運営上重要な取り組みでございます。中也の詩自体の解読に加え、他の詩人や近代文学との関係性はどうであったか、中也がどこで過ごし、誰とかかわり、何を考え、それが自身の詩作へどのような影響を及ぼしていったのか、このような多面的な研究の進展の先には、中也を通じた本市の魅力創出とアピールといった展望がございます。今後は、若年層への浸透にも力を注いでまいりたいと考えておりますが、こうしたことも記念館の研究活動が基盤になっていくものと認識をいたしております。この意味で、記念館による研究は、引き続き取り組んでまいる必要性があるものと考えております。それと同時に、入館者増に向けた展開も図っていかなければならないと考えております。
◯ 議長(氏永東光副議長) 右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 指定管理者について3回目の質問をいたします。中也の研究は、今からまだ進めていくというようなお考えでありますが、では、山口市で活躍した嘉村礒多、これなんかは全然、研究の対象にもなっていないというふうに思っています。なぜ中也だけを突出して研究しなければならないのか、もう少し詳しく説明をお願いしたいと思いますし、先ほど副市長が言われておりましたが、学芸員を3名置いているということでありますけれども、学芸員の仕事としては、私ちょっと調べてみました。博物館法の第4条第3項に定めてあり、博物館に専門的職員として学芸員を置くとされております。ただ、この文学の関係で学芸員を置く必要もないし、どうして学芸員の専門的な知識がいるのか、この辺がちょっと不思議でならないわけです。学芸員となる資格ですけれども、これはやっぱり博物館関係なんです。そして、どういうところへ就職するかといいますと、美術分野、歴史分野、自然科学、科学分野、動物園等ということでありまして、文学館に学芸員は果たして必要なのかどうか。山口市歴史民俗資料館、これなんかは学芸員がおられるそうですけれども、中原中也記念館に学芸員を置いて、専門的に文学を研究しているということについては、ちょっと疑問に思うわけですが、嘉村礒多と山頭火、学芸員について、再度お尋ねをいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 吉田副市長。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 指定管理者に関する3回目のお尋ねでございますが、まず最初に嘉村礒多と中原中也の違いについて聞かれたんですが、これは非常に中也記念館をつくる当時は、湯田温泉もかなり活性化していかなければならないということもございまして、それと中也の遺稿が中原家にそれほどまであったというのが、ちょうど平成2年ごろわかってまいりまして、そういったことで、いろいろな郷土史家──内田伸さんなど、いろいろな方と相談した結果、本当に中原家にあるということがわかってきたわけです。それで、湯田の生誕地に中也記念館をつくろうではないかということが起こりまして、平成3年度予算に組み込みまして──繰り越したのですが、平成4年度から着工したということでございます。それと、学芸員が必要かどうかということですが、やはり中也の詩と近代文学との関係性とかいろいろ調べるには、当然学芸員がいなければできません。そういったことで、今、中原館長をあえてお迎えして、館長をやってもらっているのですが、やはりこれは専門性を研究した人でないと、ここまでの研究はできてこなかったのではないかと思っております。その点では、これからも必要性を説きます。それから、嘉村礒多とのことをちょっと聞かれましたが、これはもう少し私も研究してみてから、後日お答えいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 関係資料購入について2回目の質問をいたします。これについては、市が購入されたのか、それとも相手方からの購入依頼なのか。事前に部長より説明がありました。これによりますと、寄贈資料127点を除いた残る資料11点について、市による購入を打診してきた結果、査定額に基づく本年度中の購入を条件に、市へ売却する意思を固められたことから、所要の手続を踏むというふうに言っておられますけれど、市による購入を打診してきた結果ということですが、どちらからなんでしょうか。相手方の安原家から市に購入の打診があったのか、市が積極的に購入をしたいから、この予算をつけられたのか、もう一度よろしくお願いします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 吉田副市長。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 中原中也関係資料購入に関する2回目のお尋ねでございます。1回目でも御答弁いたしましたが、市として138点の御寄贈をお願いしておりましたが、購入を予定している11点につきましては、安原家にとって特に思い入れが深く、手元に置かれたいとされてきたものでございます。これは、無償、有償にかかわらず、いわゆる家の宝として伝えるものであり、外に出すべきものではないという考えを持っておられました。私も2回上京いたしまして、安原さんと直接折衝もしたのですが、市といたしましては、このような安原家の考えを踏まえた上で、なお138点の安原家資料の全てを合わせて後世に伝えるべきとの考えから、売買購入という形で市が説得し、それを安原家が御決断いただいたというのが実情でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 家の宝を市が積極的に購入依頼したということでありますが、家の宝を積極的に購入しなければ、なぜいけなかったのか、私にはわかりません。
資料の鑑定評価額について2回目のお尋ねをいたします。これが最後の質問になろうと思いますので、あと時間の足らないところは総務委員会の審査がありますので、しっかり総務委員会で審査をしていただきたいというふうに思っております。市は、11点の査定を有限会社西秋書店に依頼した価格で購入するとされておりますが、西秋書店は古本屋であり、書籍の鑑定士に鑑定を依頼すべきではないでしょうか。また、西秋書店への査定報酬は幾らであったのかお尋ねをいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 吉田副市長。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 資料の鑑定評価額に関する2回目のお尋ねでございます。市といたしましては、このような資料には、当然定まった定価はございませんことから、購入価格の算定に当たりましては、実際に取引された場合の想定、いわゆる相場に基づく適正価格を求めたものでございます。こうしたことから、資料の販売に精通している古書店に査定を依頼したものでございます。こうした手さぐりの場合には、実績と信頼関係が最優先となるものでございまして、この点において、これまでの中也関係資料の購入等を通じて信頼を置いております西秋書店に査定を依頼して、重ねてこの業界の客観的な視点として東京都古書籍商業協同組合の認定を受け、本査定額の担保を得ているところでございます。また、本件査定に関しましては、西秋書店、古書籍商業協同組合に対しては、報酬、手数料などは一切支払いしておりません。
◯ 議長(氏永東光副議長) 右田芳雄議員。
〔34番 右田芳雄議員登壇〕
◯ 34番 右田芳雄議員 最後にしようと思いましたが、今の件について、3回目の質問をさせていただきます。西秋書店に鑑定の報酬代金を払っていないということでありますが、やはり労力を得てもらって鑑定をされたということでありますので、無償ということになりますと、この鑑定がいいかげんな鑑定ではないかと。やはりきちっとした鑑定をすれば、当然報酬も出てくる。当然、その責任もあるわけです。鑑定報酬を払わないということになりますと、この鑑定評価額──鑑定評価した2,000万円が、例えば1,000万円、500万円になっても、その西秋書店には責任をとれないということになります。当然、無償で鑑定をするということはあり得ないのではないかというふうに思いますが、もう一度副市長の見解をお願いいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 吉田副市長。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 古書店である西秋書店が無償で鑑定をやったということに対する質問でございますが、この有限会社西秋書店とは、これまで山口市は5回の取引実績がございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 発言時間を超過いたしましたが、答弁のため5分間延長いたします。
〔副市長 吉田正治君登壇〕
◯ 副市長(吉田正治君) 具体的に申しますと、平成7年度に書簡3点の検定署名入りの書籍、それから平成13年度にも原稿、「わが喫煙」1点を購入しております。それから平成13年度に「春」という原稿を購入しております。それから平成17年、平成18年と、過去5回、この有限会社西秋書店とは取引がございます。そういった関係で、このたびは無償で鑑定をいたしましょうということになりまして、無償で鑑定を出してもらったところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 以上で、右田芳雄議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
17番、西村芳和議員。
〔17番 西村芳和議員登壇〕
◯ 17番 西村芳和議員 日本共産党を代表して質問いたします。来年度の予算編成を見据えましたときに、やはり県央中核都市づくりを軸とされ、2つの都市核づくりに特化をした予算が推察されることから、それぞれの各地域における組織づくりの提案を初めとして、資源、人材を活用した中山間地域の活性化や各地域振興のためにバランスのとれた予算編成となるように、日本共産党会派として質問をしていきたいというふうに思います。早速、通告をいたしました項目について、順次質問をいたします。
中山間地域の定住についてということで、1番目に地域運営の組織づくりについてお尋ねをいたします。中山間地域の少子高齢化によります人口減少や定住問題、地域のあり方については全国的な問題であり、市長としても力を入れるとされておられます。このことにつきましては、私も何回か取り上げまして、9月議会では山口市人口長期ビジョンについて質問をいたしました。2060年の定住人口約17万人を死守するためには、市全体を押しなべたものではなく、各地域の人口ビジョン、つまり各地域が目指す目標値が必要だとただしたのに対する答弁は、人口減少の進む中山間地域において、人口の推移を分析し、どのような施策を講じる必要があるのか、課題を整理して対策を講じる必要がある。今年度中には次期総合計画の基礎資料として、地域別の将来人口推計などを示したいとされたわけであります。この答弁から、人口ビジョンや施策達成のためには、受け皿としての地域組織は今のままでいいのかどうなのか、このことについて考えあぐねているとき、既に御案内と思いますけれども、全国知事会が平成26年度自主調査研究委託事業ということで、島根県立大学連携大学院教授で島根県中山間地域研究センターの研究統括監でもあります藤山浩先生に、全国知事会から人口減少対策における農山漁村のあり方についてというこの調査研究委託がなされておりまして、今年3月に報告書が提出されております。この報告書を見ますと、はじめにとされて、直面する人口減少は長年のさまざまな社会経済的要因が絡んで起こっている現象である。このことから、小手先、拙速な対策ではかなわないことから、議論が必要であり、県職員を出発点として、国民や市町村職員を巻き込んだ議論が広がることを期待していると。そして、地方の自立と主体性に基づく地域人口ビジョンや地方版総合戦略が求められる局面にあって、ぜひ活用いただきたいとされておるところであります。この評価は別にいたしましても、今まさに山口市での地域人口ビジョンや総合戦略に沿った本格始動が始まるこの時期において、市の幹部を初めとする職員にとっての見方や考え方、さらには施策を立てる上での一定の参考になるものと考えることから、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思うわけであります。私は、この報告書を読み進む過程で、悩んでいた問題解決の糸口を記述の中から幾つか見つけることができました。全てを御紹介ということにはなりませんけれども、地域運営の組織化という問題であります。報告書の記述には、地域づくりで定住を受けとめるコミュニティーの仕組みとはどのようなもので、どう組織すればいいのかが示されておりました。今ある従来型の地域運営、つまり地元のコミュニティーの中が集落やグループごとにばらばらで運営されていたのでは、定住に向けて地域の力を結集できない。地域ぐるみで合意形成と行動展開ができるように、地域自治組織を立ち上げ、事業組織、さらには行政組織とも分野横断体制づくりを行い、これを柔軟につなぎ、調整を行う、この中心にありますところの地域マネジャーのような人材を配置するなど、定住に向けて地域全体を最適にマネジメントするような体制整備について、本市においても検討が求められますよということが書いてありました。今、地方創生実施に踏み出そうとしている時期であり、地域自治を考える上でも大切だと考えます。市としてぜひ検討すべきと考えますが、どのような認識なのかお伺いをいたします。2)として定住シミュレーション応用と効果ということでお尋ねをいたします。定住増加シミュレーションの応用と効果としただけでは何のことだかわかりにくいというふうに思います。この報告書の記述では、中山間地域研究センターが、小地域でも簡単に活用できるワンシート人口分析と予測プログラムというのを開発されて、必要とするデータは、現在と5年前の男女5歳刻みの人口を入力すれば、年齢構成や年齢層別の変化率が自動でグラフ化され、将来の人口や高齢化率、小・中学生の数などの予測ができるとしたものであります。このように、具体的に今後何組の定住をふやせばよいのかを知ることで、地域住民を元気づける大きな効果が期待できます。このことから、例えば具体的な定住目標を掲げることで、地域を守り、継続に向けた取り組みの展開、あるいは住宅や仕事など、新規の定住を迎える上で必要な条件整備について、計画的に進めることができる。さらには、人口減少が進む中、学校を初めとする施設統合が行われておりますけれども、例えば地域の小学校を守るためには、具体的に何組の子育て世代の移住者や若いカップルが必要となるのか、本市においても定住シミュレーションを応用することで、効果を引き出すことができるのではないかと考えるわけであります。この定住シミュレーションの応用と効果ということで、このことについてお尋ねをいたします。3つ目に、多彩なロングテールを生かす成長戦略ということでございます。このロングテール理論というのは、私も読んだときにはさっぱりわかりませんでしたけれども、インターネットを用いた物品販売の手法、あるいは販売機会の少ない商品でも、アイテムという、品目を幅広く取りそろえること、または対象となる顧客の総数をふやすということで、総体としての売り上げを大きくするものであるというふうにされております。これまでの全国に向けた販売には、量や規模的に適さなかった小さな拠点から、地域内の少量多品種の農産物や加工品について、ネット上で核となる店舗を構築し、商品を集約することで、広域的な販路拡大につなげていくロングテールを生かす成長戦略が必要だとされております。販売品目は、考え出してみれば意外にあるのかもしれませんけれども、またこれが売れれば品数や元気も出てくるというものであります。本市においても中山間地にロングテールを生かしたネットワークを構築し、一元的な情報発信をする仕組みの構築はできないものか、このことについてお伺いをいたします。
次に、農業問題についてでございます。1つ目のTPP大筋合意の影響と対策ということでお尋ねをいたします。私は6月議会で市民生活に多大な影響を及ぼしかねないとする観点から、このTPPの情報開示は必要であり、国に対しての情報開示を求めるべきだとただしました。この質問に対しては、市長会を通じて要望しているとの答弁でございました。しかし、政府の十分な開示ということは、報道もないわけでありますけれども、今度は11月25日に、この農業対策を含む総合的なTPP関連政策大綱を決めたのだと報じられました。この大綱につきましても国民や国会に大筋合意の内容や説明、またこれから来る影響試算も出さないままでは、ごまかし対策と言われても仕方のないところだと思うわけであります。国民への必要な法案は、TPPの承認案とあわせて、早ければ来年1月4日招集の通常国会に提出されるとの報道がなされております。TPPの合意を受け入れれば、カロリー自給率が39%、6割以上を海外に依存している日本でありまして、米の受け入れを初めとする重要5項目だけでも、打撃額では1兆円を超えるというふうにされております。これ以外の農林水産物は98%が関税撤廃であります。このように、国民に与える影響というのははかり知れません。5項目以外にも、例えば遺伝子組みかえ農産物の輸入という問題や、ポストハーベストを添加物として認めての輸入、あるいはヨーロッパでは輸入禁止の輸入肉に対する成長ホルモン剤使用問題など、こうした国民の不安に応えなければならないと思うわけであります。政府は、国会の審議も始まらないのに、既にTPPに入ることを前提にしてのTPP総合対策本部を立ち上げて、法改正の準備や農業対策策定を急いでおります。随分気が早く、何と手回しのいいことかと思うわけであります。それは、手をつけないとした5項目に打撃があるからにほかなりません。しかし、TPPは日米が批准しなければ発効はしませんし、このアメリカの次期大統領候補とされているヒラリー・クリントン氏は、不支持を表明しております。このように、大筋合意がなされたとされていますけれども、今後、さらなる再交渉、あるいは追加交渉があるとされておるわけであります。米価の暴落は地域の疲弊の主たる要因となっている中で、国の施策の大きな流れは、法人化や農地集積、まさに大規模化に向っておりまして、国土保全や地域の維持に貢献をしておりますところのこの小規模農家に向けられたものとは、今の施策は言いがたい状況となっております。こうした中で、このたび国においてTPP合意がなされたところでありますけれども、この今回の大筋合意に至るまでの流れ、大筋合意がこれまで市長会を通じて行ってきた国への要望に沿ったものになっているのかどうなのか、あるいはまた今後のTPP批准などに対する市の認識や考え方、TPPの影響と今後の対策について伺うものであります。次に、農業問題の中の2番目、あとう和牛の後継者対策ということであります。前議会でも増頭対策を聞き、地域内一貫体制の確立のための支援施策を持って、増頭並びに優良牛の留保を図っているというふうにされておるところでもございます。阿東地域における飼養頭数1,018頭とされます。飼養農家数は51戸、昨年から2戸減少と言われました。本市の平成29年度目標を3,400頭と定められておりまして、とりわけ若者の就業など、畜産業の後継者の確保、育成が喫緊の課題との認識を示されたところであります。農業新聞におきましても、11月の主要家畜市場の和牛子牛取引で1頭平均価格が初めて70万円台に達し、前年同期と比べて2割高、ここ2年間では5割以上の上昇となったとの報道であります。今後、TPPの影響が懸念されるなど、阿東地域でも繁殖農家は高齢化で減少が心配をされます。そこで、肥育事業も展開をされております一般社団法人ふるさと振興公社で、繁殖から肥育までの一貫体制を導入されて、そして将来の担い手の確保の一翼を担っていただきたいというふうに考えますが、このことについてお伺いをいたします。次に、3番目の捕獲獣の食肉利用ということでお尋ねをいたします。鳥獣被害はふえますが、狩猟者は高齢化で減り続けている現状から、鳥獣保護法が改正され、新たに認定鳥獣捕獲等事業者の仕組みもできまして、そして門戸が広がりました。全くの異業種の参入で、環境省の説明会には食肉加工業者からの参加もありまして、担当者はジビエへの関心の高まりも背景にあるとしております。自民党の鳥獣食肉利用活用推進議員連盟は、長野県諏訪市の解体処理施設を視察されたと報道されておりまして、地元現場からは、捕獲に応じて奨励金を出す国の現行制度に対して、食肉処理施設に持ち込んだら、この奨励金を出す仕組みのほうが効果的ですよという意見も出たと。それから、隣の島根県美郷町は、鳥獣被害対策優良活動で農林水産大臣賞を受賞されておられます。鳥獣害対策を地域活性化に結びつけて、おおち山くじらとしてブランド化がされておるそうです。販売とともに食肉加工品や皮製品を開発販売、今度は全国チェーンのカレーハウス──CoCo壱番屋ではないかと思いますが、おおち山くじらミートボールカレーというのを出しまして、県内限定で販売、おおち山くじら生産者組合と出雲市のマリヤフーズとの共同開発だというふうにも書いてありました。町の振興課は、視察に来る自治体の問題点は共通していると見透かしております。猟友会中心の捕獲体制と、それから行政が主導しているためにマーケットができていないと指摘しているのです。現在、市内で捕獲した獣については、猟師が食べるか、埋設処理がされているというふうに思うのですけれども、このような地域の特産として開発や販売ができないかお伺いをいたします。
最後になりますが、教育なら山口について、中・高校生対象の公設塾開講のお願いであります。鳥取県江府町は、来春、地元中学生を対象にした公設塾を開くと。ここでは、米子市内の学習塾に通わせている保護者の負担軽減と子育て環境整備、運営は町採用の地域おこし協力隊を母体としたNPO法人が行いまして、町が講師といった人件費等々の必要経費を拠出をしていると。そして、北海道の十勝管内、足寄町というところでは、北海道足寄高校の生徒を対象に設置した公設民営塾──足寄町学習塾、これは進学を目指す生徒を支援するもので、町長は、塾設置は足寄高校を存続させる最後の手段だと考えているとも言われております。また、徳島県つるぎ町でも中学生を対象にした無料のつるぎ町未来塾、徳島県においては上勝町に次いで2番目だとも言われておるわけです。北海道のほうはまだあるようでありますけれども、この私がおりますところの阿東地域には、山口高校徳佐分校、徳地には佐波分校もあるんですが、再編整備の対象となっておりまして、9月の私に対しての議会答弁でもありましたように、多様な学びの場の確保は重要だと認識しているというふうに明らかにされておるところでございます。阿東地域唯一の高校であり、これがなくなることは過疎に拍車をかけ、地域の活気はさらに失われてしまいます。何とか存続をさせたい。そのためには、塾が多くあるこの市内中心部と同じようにとはいかないまでも、1つでもこういった教育環境整備という方向でのこの公設塾、こういったものが求められるというふうに思うわけであります。最初にも紹介しましたように、全国各地域で高校生や中学生対象の公設塾の開設や外部講師の派遣等によりまして、学習の地域間格差や学習環境を保障する取り組みがなされておるわけでございます。教育なら山口とされるこの御旗のもと、特色ある高校づくりを進められないのかとの思いであります。市として取り組むとともに、県に対しても働きかけをお願いするものです。また、中学生に対しても、中心部と同じような教育環境とするための公設塾の設置をすることによる学習環境の保障と学力向上にぜひ努めていただきたいと思いますが、お伺いをいたします。
◯ 議長(氏永東光副議長) 岩城教育長。
〔教育長 岩城精二君登壇〕
◯ 教育長(岩城精二君) 西村議員の御質問にお答えいたします。
私からは、教育なら山口についての御質問のうち、中学生を対象にした公設塾の開講についてお答えをいたします。本市では、地域の教育力を結集して、子供を育むことを推進戦略とし、教育を受けるなら山口と思っていただけるような教育環境を地域の総力を挙げてつくり上げているところでございます。学校におきましては、市内全小・中学校51校をコミュニティスクールに指定し、地域の意見や知恵を取り入れた特色ある学校づくり、地域に開かれた学校づくりに取り組んでおります。また、地域におきましては、中学校区を1つのまとまりとし、学校関係者や保護者、地域住民がネットワークを形成する地域協育ネット協議会を設置し、地域ぐるみで子供を育成していく仕組みづくりを進めているところでございます。そして、こうした中で、各学校におきましては、学習環境を保障し、学力向上に向けたさまざまな取り組みをしているところでございます。阿東地域におきましては、阿東中学校で夏期休業中に教職員による数日間の補充学習を実施したり、定期テスト前に放課後1時間程度のテスト勉強ができる場を設けたりしております。また、阿東東中学校におきましても、阿東中学校と同じような取り組みを行うとともに、金曜日の6校時には地域の方々と小・中学校教職員が連携して、全生徒の学習支援を行ったり、スクールバスの待ち時間に教科担任に自由に質問しながら学習できる場を提供したりしております。こうしたコミュニティスクールや地域協育ネットを中心として、学校、地域の人材を活用する取り組みが、現在本市全体に広がりつつあるところでございます。こうした取り組みを通じまして、山口で育てるという地域の皆様の意気込みも伝わってきているところでございます。議員御案内の公設塾につきましては、全国的には開設しているところもございますが、教育委員会といたしましては、中学校区における地域の皆様を初め、保護者、教職員が一体となった生徒への支援は、学習意欲や学力を高めるとともに、地域を大切に思う心、人への感謝の気持ちを育むことにもつながり、地域で生活していこうとする前向きな気持ちを生み出すものと考えております。したがいまして、今後も本市独自の人材活用の仕組みであります山口教育支援ネットワークやまぐち路傍塾の登録者を初め、地域のあらゆる教育力を結集して、子供たちを育むさまざまな活動をしっかりと支援してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜わりたいと思います。
◯ 議長(氏永東光副議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 私からは、教育なら山口についての中・高校生対象の公設塾開講のうち、高校生の学習環境についてお答えいたします。御案内のとおり、山口高校徳佐分校は、本年10月に策定されました県立高校再編整備計画におきまして、将来的に入学者が定員の2分の1を満たすことが見込まれない場合、募集停止を検討する対象となっているところでございます。また、再編整備計画においては、選択幅の広い教育や活力ある教育活動の展開、生徒同士が切磋琢磨できる環境など、高校教育の質の確保、向上を図るためには一定の学校規模が確保される必要があるとされているところでございます。現在、徳佐分校の全生徒数61名のうち、地元の阿東地域から通学される生徒は約3割を占めている状況でございます。阿東地域の中学生の生徒数を鑑みますと、定員確保に向けては、阿東地域はもとより、より広域的なエリアからの生徒受け入れも進める必要があると認識いたしているところでございます。こうしたことから、遠距離通学を伴う生徒への通学費の補助制度の創設について、これまで市長会を通じて県教育委員会に要望してまいりましたほか、公共交通機関の本数の確保など、JRを初めとした交通事業者にお願いするなど、通学の負担を軽減できる教育環境の整備に向けた働きかけをいたしてまいりました。引き続き関係者への働きかけを行ってまいりたいと考えております。議員御提案の特色ある高校づくりにつきましても、再編整備計画の中で基本的な考え方と推進が示されておりますことから、県教育委員会に対する動向を注視してまいりたいと考えております。また、お尋ねの高校生に対する公設塾の開設を初めとした取り組みなどにつきましては、県、市、民間事業者、高校生の保護者、それぞれの役割分担のあり方、さらにはスマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、オンライン学習塾の利用者が増加し続けている状況などを鑑みますと、もう少し総合的に検討していくことが必要ではないかと感じております。いずれにいたしましても、引き続き県の再編整備の動向を踏まえながら必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 大田地域振興部長。
〔地域振興部長 大田正之君登壇〕
◯ 地域振興部長(大田正之君) 私からは、中山間地域の定住についての御質問のうち、地域運営の組織づくり及び定住シミュレーション応用と効果についてのお尋ねにお答えをいたします。まず、地域運営の組織づくりについてでございますが、御案内いただきました平成26年度全国知事会自主調査研究委託事業によります人口減少対策における農山漁村地域のあり方についての調査研究報告書によりますと、地域コミュニティの中で従来のように集落やグループごとにそれぞれが縦割りで運営されていては、定住に向けての地域の力が結集できないとの御指摘がなされているところでございます。そこで、この報告書による新しい地域運営の仕組みといたしましては、自治会や集落などの連携、子育てや福祉など、分野ごとに連携を行いまして、合意形成と活動展開を地域ぐるみで行う地域自治組織を核とした形に進化させていくべきであり、農業や商工業者などの産業部門の横つなぎ型法人と、行政部門における農林業、商工、福祉などの分野横断の体制づくりとを連動させることで、地域ぐるみの取り組みが可能となるとされているところでございます。その上で、事業組織や行政と幅広い調整を行いまして、定住に向けて地域としての全体を最適にマネジメントする地域マネジャーのような人材配置が大変重要であるとも報告されているところでございます。本市におきましては、地域ぐるみで合意形成と行動展開ができる仕組みづくりといたしまして、協働によるまちづくりを重点的に推進いたしているところでございます。市内各地域におきましては、地域づくりの中心となられる地域づくり協議会が組織され、地域づくり交付金を御活用いただきながら、魅力ある地域づくりを推進されておられまして、またNPOやボランティア団体といった市民団体や福祉関係、商工団体といった事業者や企業、小・中・高等学校や大学などの学校教育機関等との連携が図られるなど、着実な成果があらわれているところでございます。さらには、21地域それぞれの地域交流センターに地域担当職員を配置いたしまして、地域づくり支援センターと連携いたしまして、地域の課題解決に向けた専門的かつ具体的なアドバイスを行い、行政手続が必要となる場合には関係機関との調整を図るなど、行政の縦割りを排した役割を担っているところでございます。この報告書によります地域マネジャーにつきましては、本市におきましては、地域づくり協議会や地域交流センターの職員が当たるものと考えているところでございまして、地域をマネジメントできる組織、職員を今後とも育成してまいる所存でございます。また、具体的な中山間地域における地域、行政、産業の分野横断的な定住の取り組みといたしましては、移住希望者のサポートを行っていただいております定住サポーターの会議におきまして、地域づくり協議会や連合自治会、商工会の皆様に御出席をいただくとともに、総合支所や地域交流センターの職員も出席をいたしまして、それぞれの立場での意見交換を行いますことで、定住の促進に向けました貴重な機会といたしているところでございます。先般、11月25日に阿東地域で開催いたしました会議の中におきましても、地域の情報を移住希望者に発信するとともに、移住者の住居、職業などを総合的に支援する体制づくりのため、観光団体でございますNPOあとうやJAなどの経済・商工関係団体にも連携の輪を広げていくべきだとの御意見もいただいたところでございまして、地域の皆様のさまざまな分野の団体の連携に向けての協議を進めることといたしております。さらに、阿東地域づくり協議会のまちづくり部会におかれましては、移住希望者向けに阿東地域の魅力を伝えるための移住体験ツアーなどの実施につきまして、NPOあとうとの連携を視野に、平成28年度の実施に向けて御検討をいただいておりまして、定住支援室や地域交流センター職員もその協議に加わっているところでございます。お尋ねの地域全体を最適にマネジメントする体制整備につきましては、協働によるまちづくりを進めている本市におきましては、地域づくり協議会を中心とした体制づくりができつつあるものと認識をいたしておりますが、中心となられる人材の育成や分野の横断的連携など、一定の課題もございますことから、今後とも報告書を参考にさせていただきまして、本市に適した、よりよい運営体制の整備にさらに努めてまいる所存でございます。次に、定住シミュレーション応用と効果の御質問にお答えをいたします。調査研究報告書におきましては、将来人口の推計方法といたしまして、専門性の高い方法と小地域に適した方法の2つが示されているところでございます。専門性の高い方法は国立社会保障人口問題研究所といった専門機関が市町村等の長期的な人口予測を行う際に使用いたしておりまして、また本市におきまして、本年10月に策定いたしました山口市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略にございます山口市人口長期ビジョンにおきましても、この方法で推計された人口予測を活用いたしたものでございます。小地域に適した方法で推計された人口予測では、専門性の高い方法にはない5つの条件を満たすことで、未来に向けて地域住民を元気づける大きな効果があると報告書の中でされているところでございます。この5つの条件につきましては、まず1つ目といたしまして、住民にもわかりやすいもので、住民の皆様にとってわかりやすい簡易なものであり、このままでいくと人口減少がどこまで進むのか、また改善するにはどのくらい人口をふやさなければいけないのか、具体的な数字で示すことができるものでございます。2つ目は、小規模な地域にも対応できるもので、定住を受けとめる基礎的な単位でございます小規模の地域それぞれにおいて現状が分析され、具体的な対策を示すことができるものでございます。3つ目は、最新データにより更新可能なもので、毎年のように変わる状況を正確に捉え、素早く課題解決に反映させることができるものでございます。4つ目は、処方箋が出せるもので、誰もが目標として理解でき、単純明快にどうすればよいのかを与えてくれるものでございます。最後に、地域の課題、可能性に応じて改良できるもので、地域の課題や可能性は地域によってそれぞれ異なるもので、柔軟に改良できるものでございます。御案内のとおり、このような全ての条件が整った地域ごとの人口シミュレーションを作成いたしまして、地域にお示しいたしますことで、地域住民の皆様が主体となられまして、地域の課題解決に応用、活用していただくことが可能になるものと考えているところでございます。また、本市といたしましても、地域単位の人口の推移を分析し、どのような施策を講じる必要があるか、課題整理をして対策を講ずることも可能でございますことから、さらに県を通じて入手いたしております、この報告書にもございますシミュレーションソフトを活用いたしまして、地域単位の将来人口の推計を作成いたしまして、お示しいたしたいと考えておりまして、その後、地域の皆様と一緒になりまして、これからの定住推進施策などに生かせますよう、活用方法を研究してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 有田経済産業部農林水産担当理事。
〔経済産業部農林水産担当理事 有田 剛君登壇〕
◯ 経済産業部農林水産担当理事(有田 剛君) 私からは、まず中山間地域の定住についての御質問のうち、多彩なロングテールを生かす成長戦略についてお答えをいたします。御案内のとおり、全国知事会が平成26年度に取りまとめられた人口減少対策における農山漁村のあり方という調査報告書につきましては、現在直面している人口減少問題について、分野を横断した多面的な議論や解決の方向性について示唆をされたものでございまして、今日的な課題でございます人口減少対策の参考となるものでございます。議員御提案の産業分野において、一般的には少量生産で全国規模での販売には適さない地域の農産物や加工品について、IT技術の活用によりインターネット上に核となる店舗を構築し、商品の集約化やネットワーク化を図ることで情報発信力を強化し、広域的な販路拡大につなげていくロングテールの取り組みにつきましては、市場経済のさまざまな場面で新たなビジネスモデルとして注目をされているところでございます。本市といたしましても、現在県におきまして6次産業化、農商工連携にかかわっておられます団体、機関等が広域的ネットワークにより連携し、一体的に取り組むために設置されました山口地域6次産業化・農商工連携推進協議会の取り組みなどを参考にいたしながら、新たな収益を生み出すビジネスモデルとなりますよう、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。具体的には、地域内の少量多品目の農産物などを集約し、インターネットなどで多様な事業者や農業者団体をネットワークでつなぐ広域的な流通を可能とする仕組みを構築することで、地域内の農林水産物を生かした魅力ある新商品の開発、販売の促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。今後も、農山漁村の多様な地域資源を特産品として開発するなど、多角的な視点から調査、研究を行いまして、中山間地域の活性化につながるよう、農林水産業や商工業の活性化を推進してまいる所存でございます。
次に、農業問題についての数点のお尋ねのうち、まずTPP大筋合意の影響と対策についてお答えをいたします。御案内のとおり、TPPにつきましては、平成25年7月に我が国が交渉に参加して以来、幅広い分野での新たな通商ルールの構築に向けまして、参加各国と議論を重ねられ、本年10月5日に大筋合意に至ったところでございます。この大筋合意を受けまして、11月25日にはTPPに関する国内対策でございます総合的なTPP関連政策大綱が決定をされ、農林水産分野におけるTPP対策の方針が示されたところでございます。TPPにつきましては、世界のGDPの約4割というかつてない規模の経済連携であり、我が国の産業の成長戦略を実行に移す上で重要な位置を占めていると認識をしておりますが、一方では、国民生活に与える影響も多岐にわたることが予想されておりますことから、これまでも市長会を通じまして、国益を守り、我が国の反映につなげる観点から、交渉内容の十分な情報開示と懇切丁寧な説明、農産物の重要5品目を関税撤廃から除外すること、農林水産業の競争力強化に向けた着実な取り組みの実行などを国に対して求めてきたところでございます。また、今回の大筋合意を受けまして、本市の基幹産業であります農林水産業への影響が懸念されますことから、影響の具体的な内容と関税削減等に伴う農林漁業者への所得減少とならないよう、支援措置等の対策を講じるよう、重ねて要望を行っているところでございます。このたび示されました大筋合意の内容や国のTPP関連政策大綱につきましては、現時点では影響額や対策の詳細が明らかとなっていないことから、今後も引き続き国が十分に説明責任を果たされますよう、TPP批准に向けた国会審議などの国民的な議論の動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。こうした状況を踏まえまして、本市におきましては、山口市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略と平成28年度予算編成方針に位置づけておりますように、農林水産業の持つ潜在力を高め、農林水産業を競争力の高い産業へと転換していくため、経営基盤の強化と担い手の育成に重点的に取り組んでいくことといたしております。また、中山間地域を多く抱える本市におきましては、地理的、地勢的に大規模な農業経営が難しい地域がある中で、小規模農家の方々が農業生産や多面的機能の維持のみならず、地域の存続にも重要な役割を果たしておられることを十分認識しているところでございまして、付加価値の高い農産物の生産や6次産業化の推進、海外輸出を含めた多様な販路の拡大、経営感覚にすぐれた担い手の育成に取り組むことで、地域の特性に応じた農業経営の向上を図ってまいりたいと考えているところでございます。次に、あとう和牛の後継者対策についてお答えをいたします。御案内のとおり、本市の畜産業を取り巻く現状は、子牛価格の高騰、担い手の高齢化、TPPの影響が懸念されるなど、依然として厳しい状況に置かれているところでございます。阿東地域における平成27年2月1日現在の黒毛和種の飼養農家数は51戸で、肥育農家が1戸、繁殖農家が44戸、肥育と繁殖を行う一貫農家が6戸となっております。10年前の平成17年と比較いたしますと、全体で34戸減少しており、肥育農家が1戸、繁殖農家が32戸、一貫農家が1戸と、それぞれ減少しておりまして、特に繁殖農家が減少しているところでございます。また、飼養頭数は1,018頭で、この内訳といたしましては、肥育牛が399頭、繁殖牛が403頭、子牛が216頭となっております。平成17年と比較いたしますと、全体で261頭減少しており、肥育牛が230頭、繁殖牛が8頭、子牛が23頭と、それぞれ減少しておりまして、特に肥育牛の減少が顕著となっているところでございます。一方で、1戸当たりの飼養頭数につきましては、平成17年の15頭から平成27年は20頭と、一部ではございますが、経営規模の拡大も見受けられるところでございます。議員御提案の阿東地域における畜産業の重要な担い手であり、肥育事業も展開されておられます一般社団法人ふるさと振興公社における繁殖を含めた一貫経営の導入による新たな担い手確保や育成につきましては、公社のさらなる経営基盤の安定のみならず、高齢化等により減少傾向にある繁殖事業の受け皿としての役割や、肥育事業の安定・拡大につながる相乗効果も期待できますことから、方策の一つであると認識をしているところでございます。公社におかれましては、平成23年6月に肥育事業を開始されて以来、現在5年目を迎えられたところでございまして、常時飼養頭数200頭を目標に、平成23年度末に55頭、平成24年度末に122頭、平成25年度末に151頭、平成26年度末に181頭となるなど、公社の経営努力や関係機関の協力等により、順調に飼養頭数の増加と収益性の向上が図られているところでございます。加えて、公社における畜産経営のさらなる安定化を図るため、将来的には一貫経営を含めた事業形態への移行に向けた検討も行っておられるとうかがっているところでございます。本市といたしましても、一貫経営による規模拡大や合理化を促進することで、収益性の向上や安定的かつ恒常的な後継者の確保、育成を図っていくことにつきましては、今後本市の畜産振興を進める上で、公社を含む関係事業者はもとより、県、JA、あとう和牛改良組合などの関係機関を含めた全市的かつ総合的な議論を深めていく必要があるものと考えているところでございまして、今後のTPPの動向も注視しながら、畜産業を将来にわたり持続可能なものとするため、鋭意取り組んでまいる所存でございます。次に、捕獲獣の食肉利用についてお答えをいたします。近年、野生鳥獣による農林水産業等への被害が深刻化する中で、平成26年5月に鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律が改正され、適切な個体数管理のため、農林水産業被害の軽減につながる効果的な捕獲を重点的に行うこととされたところでございます。これに伴い、野生鳥獣の捕獲数が増加し、捕獲した獣を利活用する動きが、議員からも御案内がございましたが、全国的に盛んになっているところでございます。県内におきましては、下関市で食肉加工施設が整備され、捕獲されたイノシシや鹿をジビエとして特産品販売所や道の駅などで販売されているところでございます。ジビエの取り組みにつきましては、捕獲者による捕獲獣の処理への負担軽減を図れるとともに、販売に伴う新たな収入が見込まれますことから、捕獲意欲の向上や有害鳥獣対策の強化への相乗効果が期待されるものと考えております。一方で、厳格な衛生管理と食肉の安全確保が必要となるだけではなく、持続可能な条件として、収益性を見込むための安定供給が必要となります。本市におきましては、野生鳥獣による農産物等への被害の軽減を図るため、猟友会など捕獲団体を支援し、積極的な捕獲活動に努めていただいているところでございます。ジビエの対象となる野生鳥獣のイノシシの捕獲数は、平成26年度で1,581頭でありますが、捕獲状態によっては食肉に適さないものがあることや、運搬コスト等を考慮いたしますと、採算性において厳しい条件にあると考えているところでございます。また、季節によっては品質が落ちたり、消費者側に食べ方や調理方法に関する正しい知識が必要なことや、下関市の食肉加工施設の視察などにより、解体処理施設の整備に対する地域の皆様方の御理解が大変欠かせないことなど、さまざまな課題があると認識をしているところでございます。今後、こうした課題を解決するために、ジビエを積極活用している全国の先進的な事例を収集するなど、民間事業者の参入を含め、ジビエの有効利用の可能性について研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 西村芳和議員。
〔17番 西村芳和議員登壇〕
◯ 17番 西村芳和議員 時間もございませんことから、イの1)TPP大筋合意の影響と対策について、2回目の質問をさせていただきます。TPPは、いずれ米なんかが入ってくると、全体の米価を押し下げるということは、もう明らかに新聞報道なんかでも言っておるわけでございまして、我々の阿東地域では、それでなくても米だけで食べていくということには、当然なるような状況ではございませんし、しかも法人を含めて、その法人に田んぼを預ける、とにかく大型化という方向が国の方向です。それで、そこへ幾らTPPに対して地域を守るということで法人化をして大型化をしていっても、これは当然米の値が下がれば、今の法人化した中でもやっていけないのに、これはもう当然地域がつぶれてしまう。今の進める方向では地域にいることができません。ですから、それなら兼業農家だとか、小規模農家が生き残れる方策があるのかどうなのか。1つには、先ほど言いましたように、ありとあらゆるものを見つけて、コンピューターで、とにかくこういうものがありますからということについては、それは何とかしてあるものを売っていこうという方向ですが、この大きな流れの中で、何も知らされない中で大筋合意に至ったという、その無責任さといいますか、私どもとすれば、地域農業を守るという立場から、TPP協定の批准、調印を許さないという立場に立つべきだというふうに思いますが、その辺のところの考えを最後にお聞かせいただきたいというふうに思います。
◯ 議長(氏永東光副議長) 有田経済産業部農林水産担当理事。
〔経済産業部農林水産担当理事 有田 剛君登壇〕
◯ 経済産業部農林水産担当理事(有田 剛君) それでは、TPP大筋合意の影響と対策の2回目の御質問でございます。今、議員からも御提案がございましたけれども、農村、とりわけ中山間地域におきましては、高齢化、人口減少というのが、都市部に比べましてかなり先駆的に進行しております。また、一方ではTPPが開始をされるということで、国はTPPで打撃を受ける農業への対策といたしましては、強い農業への転換を目指す体質強化対策を図って、大規模化や生産性の付加価値の向上で、輸入農産物の補填など、セーフティネットだけではなく、担い手の育成確保、農地の集積、それから6次産業化等を図っていかれるようにしておられます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 発言時間が超過しましたが、答弁のため5分間延長いたします。
〔経済産業部農林水産担当理事 有田 剛君登壇〕
◯ 経済産業部農林水産担当理事(有田 剛君) 今、大規模化という話ではなくて、例えば家族経営のそういった農家、それからそれぞれの高齢化が進んだ農業生産法人とか、そういった各階層が広くわたり、また年齢や性別にかかわりなく幅広く参画をして、それぞれがお持ちのそういった能力を最大限発揮されまして、協働して対策を検討していくことが重要だと考えております。こうした観点から、地域農業・農村が果たす役割の重要性にも配慮をいたしながら、農地等の地域資源の維持・継承や住みやすい生活環境の実現、また農村における雇用の確保と所得の向上、都市と農村の交流や都市住民の移住・定住の促進等の取り組みにつきまして、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略等を踏まえまして、国、県、農協、各事業者と、また地域と連携をいたしながら、総合的に一緒になって考えていきたいと考えております。ただし、まずは国が責任を持って、そういった農業施策を推進していただきたいと、そのように考えておりまして、去る本年11月におきましても、県市長会において、農林水産業の振興対策について、関税削減等に伴う農林水産業等の所得減少にならないように、国による支援措置等の対策が講じられるようにと決議をされております。このように国が責任を持って対策を講じられるよう願っております。
以上でございます。
◯ 議長(氏永東光副議長) 以上で、西村芳和議員の一般質問並びに質疑が終わりました。15分間休憩いたします。
午後3時25分休憩
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午後3時40分再開
◯ 議長(原 真也議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。
27番、小田村克彦議員。
〔27番 小田村克彦議員登壇〕
◯ 27番 小田村克彦議員 市民クラブの小田村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。まず、冒頭ですけれども、私たち市民クラブ、これまで長年支えてくださっておりました須子藤吉朗議員が大変残念ながら11月16日に御逝去されました。私は、議員としては5年間ですけれども、同じ会派の一人として須子議員からさまざまな御指導や議会としての対応の仕方など含め、本当に多くのことを御指導いただきました。改めて感謝を申し上げ、謹んで御冥福をお祈り申し上げたいと思います。私たち市民クラブは、生活者あるいは納税者、働く者、そして、それら多くの国民、市民を取り巻くさまざまな課題の中で平和あるいは平等、公平・公正といったものを基本に、山口を支えている多くのそういった方々の声を政治につないでいくということを、またしっかり、須子議員の意思を含め、引き継いでまいりたいというふうに思っております。また、いつも気にしておられました中山間地域あるいは農林業の課題などについても、今後、引き継いで取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
では、質問の項目に沿って進めさせていただきます。まず、一番最初にはアとして、平成28年度予算編成方針についてということでございます。その中で、若者層あるいはファミリー層を初めとした幅広い世代の定住実現につなげることというふうにされております。この基本的な考え方として、今の定住実現都市に向けた予算ということになっておりますけれども、この若者層、若年層といいますか、このファミリー層へのセーフティーネットに関する本市の基本的な姿勢についてお尋ねをしたいと思います。現在、山口市総合計画と山口市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略、この着実な推進と実践を進めているということでありまして、地域雇用の創出あるいは結婚・出産・子育てへの切れ目のない支援を初めとした少子化対策、そして防災・減災等の取り組み、着実に進めていくということがこの平成28年度予算の方針だろうというふうに思っております。しかしながら、山口市を含めた──全国規模でもそうでありますけれども、派遣労働者あるいはシングルマザーといった貧困問題など含めて格差社会が非常に進んでおります。国際競争の激化やリストラが繰り返されて過度な規制緩和による非正規労働者の急増がこの格差拡大の大きな要因となっていると思っておりますけれども、この相対的貧困率というのがあります。これは、国民の所得を順番に並べて真ん中の順位、要は、真ん中──中位の数ということになりますけれども、この中位の方の半分以下しか所得がないという方、これが貧困層と呼ばれているという基準になっているようでございます。つまり、中位の人の年収が500万円あったとすると、250万円以下の所得層がどれだけいるかというのが、この相対的貧困率ということになるわけでありますけれども、今や先進諸国の中ではアメリカに次ぐ格差社会と日本が言われております。少し前までは1億総中流社会と言われ、多くの人が自分は中間層だというふうにイメージをしていたと思いますけれども、今では大きく乖離をしております。非正規労働者は労働者全体の約40%を超えておりまして、統計上ではありますけれども、男性が今初めてついた就職が非正規雇用という割合が約30%になるということなど、雇用の安定、経済的安定にはほど遠い状況となっております。非正規労働者の結婚率といいますと、正規労働者の約半分以下にとどまっておりますし、生涯未婚者の割合が、今、男性で5人に1人ということになっていますけれども、20年後には3人に1人になると見込まれております。また、離婚などの原因でひとりで子育てを担うということになったひとり親家庭の約半分が貧困状態にあるというふうに言われております。そして、この親の非正規労働の増加、離婚などによるひとり親家庭の増加など、就学援助を受ける子供たちは全国では150万人を超えると、そして生活保護受給世帯のお子さんたちの4人に1人は、その方が成人した後にも本人が生活保護を受けているという──貧困の固定化と言われていますけれども、その傾向も明らかとなってきています。これらは、私たちだけは、自分だけは関係ないのではないかというふうに思われるかもしれませんが、これは誰でも陥る可能性があるわけでして、例えばこの安定生活から何らかの事故あるいは何かによって、病気、障害、失業や離婚、子育てや親の介護によっての離職とか、経済的な困難に直面すること、あるいは社会的に弱い立場に立たされる可能性というのは誰にもあるというふうに思っております。特に、厳しい状況でありますのが、警察庁が統計を出しておりますけれども、平成26年度、我が国における自殺の概要及び自殺対策の実施状況というのがございます。その中で若年層の自殺をめぐる状況を特集していますけれども、若年層というのがここでは40歳未満ということになっておりますが、自殺者数は6,581人、全自殺者数が2万5,218人ということですから、約26%ということにはなっているのですけれども、この全ての自殺者数が減少していく中で、若年層のこの減少幅がほかの年齢層に比べて非常に小さいものにとどまっているということになっておりまして、依然として深刻な問題であり、喫緊の対応が求められているというふうにしております。また、近年では、女性において20歳代後半をピークに40歳代未満での年齢層において自殺未遂歴がある者の割合が非常に高くなっていると言われております。実は、少し前にNHKがこの問題の特集を組んでおりまして、原因の多くは非正規雇用や離職などによる経済的困窮、いわゆる貧困や孤立といった、社会的問題を抱える女性たちが救命救急センターに運び込まれるケースというのが急増し、社会で孤立、SOSを発することもできずに、命さえ危ぶまれる段階になってようやく医療とつながる、そういった女性たちの姿を、さまざまなセーフティーネットからこぼれ落ちた女性たちをどう支えればいいのかということを考える特集番組でございました。見られた方もおられるのではないかと思います。厚生労働省が約5年置きに実施をします全国母子世帯等調査──2011年度版ということになりますけれども、それによりますと、母子世帯、父子世帯をあわせたひとり親世帯は約146万世帯、8割以上が母子世帯で、母子世帯の就労率は8割ですけれども、正社員として働く人はその中でも半分の約4割にとどまっている、就労収入は平均181万円と大変低い状況が報告されています。また、消費税が8%になりましたけれども、これまでの医療・介護・年金に加えて、子育て支援が新たな社会保障政策に組み込まれるということとなりました。それにより、今の子ども・子育ての新しい制度がスタートをし、若年層にも社会保障支援が行われることになってきたわけですけれども、なかなかそれだけでは充実しているとは言いがたい状況だと思っております。国や県、市など各行政機関により、子ども手当の給付あるいは高等学校の授業料の無償化、乳幼児・こども医療費助成、多子世帯への経済支援あるいはひとり親家庭への自立支援など、さまざまな形でこの財政的な支援も行っております、また拡充もされてきているわけですけれども、これも自治体としては入る収入は決まっておりますし、その中で地方自治体として取り組む数々のほかの施策もあるわけでありまして、一概にこの部分のみを大幅に引き上げるというわけにもなかなかいかないということも理解をしているつもりであります。平成26年の国民生活基礎調査によりますと、15歳から19歳まででは5割が、女性では7割以上が実は非正規労働者ということになっています。対前年度比では男性が同年齢で11%の増加、女性では総体的に増加をしていますけれども、特に40歳から44歳が少し上昇しているという状況です。賃金面で見ますと、これは非正規の賃金は、正規より男性で6割ぐらい、女性では7割、平均すると200万円前後というふうに言われておりまして、雇用形態別平均賃金の推移でいけば、20代前半では正規が205万円に対して、非正規は176万円ということですけれども、一番差の大きい50代前半ということになりますと、正規でいけば435万円、非正規でいけば234万円ということで、差が大変大きくなっています。非正規で一番高いという賃金のところは50代前半でございまして、これが約238万円と、これがもうピークとなっています。大きな格差となっているところです。女性では、同じく20代前半で正規は198万円、非正規では164万円ということですけれども、50代前半では正規291万円に対して非正規177万円、非正規の中で一番高いと言われるのが男性は50代でしたけれども、女性は30代ということになりますが、188万円ぐらいがピークということになっています。このような状況が言われている中ですけれども、この平成28年度予算編成方針には、重点的な取り組み三つの創生として、若い層、ファミリー層を初めとした幅広い世代の定住実現につなげたいというふうにされております。労働政策につきましては、主には、国の施策というふうに思いますが、昨今の格差拡大がどんどん進んでいる状況の中では、非常に難しい課題だというふうに認識をしています。今、本市の若年層やファミリー層が全て正規職員ということでの雇用で、安定した暮らしができるというような状況ならよいわけですけれども、やはりワーキングプアと言われる方々やシングルマザー、シングルファザーなど、ひとり親家庭の支えなどをしていかなければならない、共生社会の実現に向けて、これからの地方都市山口市としてのセーフティーネット──セーフティーネットと言いますと何かわかりにくいんですけれども、要は、個人や企業が経済的なリスクが発生したときに最悪の事態から保護をする仕組みということであります。どうも、もともとサーカスの綱渡りか何かで、万一落下したときに安全を確保するために下に網が張られていますけれども、そういったことを意味する言葉ということで、安全網あるいは社会的安全網とも訳されております。そういったセーフティーネットのあり方と財政の負担についても、少し市民を直接支える山口市としての基本的な考え方について、まず一つお尋ねをしたいと思います。
それから次のイということになります。いじめの防止対策についてであります。新聞等の報道によりますと、全国の国公私立の小学校が2014年度に把握をしたいじめは、前年度から3,973件ふえ、12万2,721件で過去最多だったということが10月27日、文部科学省から発表されました2014年度の問題行動調査でわかりました。小・中・高校など全体では2,254件増の18万8,057件というふうになっております。山口県教育委員会も県内の公立校でいじめを認知した件数が2,170件とされ、前年度の871件から約2.5倍にふえたと公表されております。これは、7月に岩手県の中学2年生がいじめを苦に自殺をしたと見られる問題を受けて、1年生のときに再三いじめを訴えていたわけですけれども、学校は人間関係上のトラブルということで判断をし、学校側や教育委員会がいじめと認知をしていなかったということなどから、文部科学省が改めて各都道府県に再調査を求めた結果、このような数値が挙げられ、報道されたと理解をしています。県教委によりますと、小学校1,374件、971件の増、そして中学校では711件、299件の増ということがされておりまして、公立学校だけで見ますと、先ほどの例でもあるとおり、中学1年生が350件という最多であります。冷やかしやからかい、悪口、脅し文句などが小・中学校の合計で1,375件と最も多かったとされております。いじめ防止対策推進法12条の規定及び国のいじめ防止等のための基本的な方針に基づき、未然防止、早期発見・早期対応、重大事態への対応の視点から、いじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するために、山口市いじめ防止基本方針を策定されております。山口では、AFPY──アフピィーというふうに言われていますけれども、要は山口県において行われてきた自然体験活動及び野外活動の伝統と実績を踏まえて考案された独自の体験学習法、安心・安全あるいは課題設定、そしてルール、それからコミュニケーション、それと一つ、達成感というこの5つの視点から、それに基づき、事業づくりの推進など、山口方式として独自の体験学習もされております。今回の問題行動調査の結果について、本市での再調査の内容や市としての報告、またこの調査の結果として、いじめに結びつく可能性のある初期段階での把握が進んできたというふうに理解をしておりますけれども、この調査結果を受けての市の教育委員会の今後の未然防止策や御所見をお伺いしたいと思います。また、あわせてこのいじめの問題につきましては、個人情報として内容や対応等、これまでも外には余り出ていないというふうに思っておりますけれども、一定、プライバシーや子供の成長に悪影響を与えるものは別といたしましても、何がしか公にすることで逆に抑止力ということになる事例もあるのではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
その次のウでありますが、火災予防対策についてお伺いいたします。まず最初には、防火対象物の防火管理ということでございます。ここ最近、急に寒くなってきましたと言いながら、きょうはえらくあったかい日になっておりますけれども、ストーブなど暖房器具が朝晩など必要な時期になってまいりました。この時期になるとやはり心配になってくるのが火災ということになります。10月4日には、隣県の広島で雑居ビル火災があり、3人の方が命を落とされました。きょう、お昼も火事があって、お二人、亡くなられたというような報道もされておりましたけれども、この広島の件でいけば、ごみ置き場から出火した火は瞬く間に燃え広がり、煙が充満したと報道されております。火災が発生しやすい時期を迎えるに当たり、火災予防思想の一層の普及を図ることで火災の発生を防止し、高齢者等を中心とする死者の発生を減少させるとともに、財産の損失を防ぐことを目的として、この平成27年秋季全国火災予防運動が、この平成27年11月9日から11月15日に行われました。1つには、住宅防火対策の推進、2つ目には、放火火災防止対策の推進、3つ目に、特定防火対象物等における防火安全対策の徹底、4つに、製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進、5つに、多数の者が集合する催しに対する火災予防指導等の徹底ということが、この重点目標として取り組まれたと思います。今回は、この中で特定防火対象物等における防火安全対策の徹底ということでお尋ねをしたいと思っています。一定の面積と収容人数などによりまして、消防法施行令別表にあるわけですけれども、該当する者については、防火管理者の選任などを行うということになるわけですけれども、小規模ビルや事業所では、消防訓練の実施は、実は管理権原者──権原、原は原っぱの原を書きます。よくと権ばら者言いますけれども、一定の法律行為または事実行為をすることを正当化する法律上の原因があるということで、管理権原者です──これは義務ということになっておりまして、防火管理者の責務として消防法あるいは消防法施行令の中で消防計画を作成し、定期的に各訓練を実施しなければならないとされています。そこでお尋ねをいたしますけれども、まず一つには、この消火・避難訓練ということであります。この消防計画を策定し、定期的に訓練を実施しなければならないということになっておりますけれども、中には、再三指導もしていくんですが、なかなか実施をされていないものもあるのではないかというふうに危惧をしています。まずは、この防火対象物関係者への指導など、内容についてお尋ねをいたします。2つ目には、同じくこれも消防用設備等の維持管理ということですけれども、この防火対象物の管理者につきましては、防火対象物の規模にもよると思いますけれども、消防設備等、例えば消火器あるいはスプリンクラー、防火扉、警報装置など、さまざまな維持管理義務があると思いますけれども、市内の防火対象物への指導状況についてもあわせてお尋ねをいたします。2)ということになりますけれども、公立学校での整備・保安状況です。これも、今の消防用設備の維持管理ということと重なってくるわけですけれども、10月27日の報道によりますと、これも会計検査院の調査におきまして、公立小・中学校の消防点検の状況調査を行った結果、20府県約3,000戸余りで消火設備の劣化や自動火災報知機が動かないなどの問題があったにもかかわらず、修繕、交換をしていないというケースがあったと報道をされております。山口市の公立幼稚園、小・中学校での状況をお尋ねしたいと思います。そして3番目でありますけれども、住宅用火災警報器の設置状況と効果ということであります。先ほどの話は人がたくさん集まる場所ということでありますけれども、一定の広い建築物ということになると思いますが、この質問につきましては、家庭用の警報器の状況をお尋ねいたします。この住宅用火災警報器の設置につきましては、犠牲者の大半が65歳を超える高齢者となっており、就寝中に火災に遭遇することで発見がおくれ、逃げおくれるということが原因で犠牲者が発生するケースが非常に増加をしていたということから進められてきているものと理解をしております。これから火災発生の可能性が大きくなってくる時期に入るわけですけれども、家庭に設置をされたこの火災警報器の設置率といいますか、普及率、そして、これまでに設置をしていたことによって、そういった防災効果を発揮した事例、そういったものなど、少しお伺いしたいと思います。
以上で、1回目の質問とさせていただきます。
◯ 議長(原 真也議長) 渡辺市長。
〔市長 渡辺純忠君登壇〕
◯ 市長(渡辺純忠君) 小田村議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、平成28年度予算編成方針のうち、定住実現都市についてでございます。御案内のとおり、経済のグローバル化の進展や各種労働法制の見直し等により、我が国における産業、雇用構造、雇用形態が大きく変化していく中で、本市におきましても、ここ数年、非正規職員の比率が大きくなってきているところでございます。それに伴い、若い人たちを中心に生活の基盤となる就労所得の伸び悩みを初め、新規採用者の早期離職の増加や中長期的な視点に立ったスキルアップや職業訓練等が十分に受けられていない状況にあると、市内の経営者の方からもそういった声をうかがっているところでございます。本市といたしましては、こうした社会経済環境の変化に対応すべく、国・県の施策と連携して社会保障制度を軸とした経済的な支援等のセーフティーネットを確立することはもちろんのこと、経済団体、教育機関、金融機関等と連携して、若い人たちが生きがいを持って働ける就業の場の確保を図ってまいりますとともに、生産年齢人口が減少していく中で、若い人たちを職業人としてしっかり育てていかなければならないと考えているところでございます。こうした取り組みは、定住実現都市に向けて、この10月末に策定をいたしました、本市のまち・ひと・し
ごと創生総合戦略の大きな柱の一つになってまいります。この中で、市民生活に密接にかかわる基礎自治体といたしましては、経済面だけでなく、若い人たちの暮らし全般を包摂する環境整備を図るなど、従来よりもセーフティーネットを広い概念を持って拡大させていくことが求められておりまして、そのことが、誰もが安心して暮らせる地域社会につながっていくとの認識もいたしているところでございます。私といたしましては、これまで以上に若い人たちをターゲットにした施策への資源配分に厚みを増して、人口減少対策、そして本市への定住促進を力強く進めてまいりたいと考えております。このたびの予算編成方針でもお示しをいたしておりますように、雇用の拡大につながる都市型産業の誘致や地域の中核的企業の育成、事業拡大を計画する市内企業の人材確保、育成支援、若い人たちの中心商店街、湯田温泉への出店支援、さらには保育士の処遇改善など、新たな働く場の創出を図ってまいりますとともに、首都圏への地元産品の売り込みなど、生きがいマーケットの拡大や多様なイベントを通じたビジネスチャンスの拡大など、所得向上に向けた取り組みを予算編成の中で検討してまいりたいと考えております。こうした取り組みとあわせまして、私といたしましては、引き続き経済界や地元企業の経営者の皆様に正規職員としての採用をふやしていただけるようお願いもしてまいりたいと考えております。また、若い夫婦が共働きで経済的な自立ができ、安心して子育てができるように、保育所等の整備、多子世帯の保育料の軽減、こども医療費助成制度の充実等を引き続き図ってまいりたいと考えておりまして、新年度におきましても、国・県等の制度活用も図りながら、セーフティーネット形成のための施策財源をしっかり確保していく所存でございます。さらに、共助の視点から、若年層やファミリー層と地域との関係性を強める社会教育活動や子供たちの見守り活動の充実など、協働によるまちづくりの推進や教育現場等における相談、サポート機能の強化など、温かみのある人的ネットワークを張りめぐらせていくことは、本市の特徴を生かしたセーフティーネットになると認識もいたしているところでございます。いずれにいたしましても、定住実現都市に向けて若年層やファミリー層が経済的にも気持ち的、精神的にも安心して生活ができる、そして若い人たちが新たな取り組みにチャレンジできるような環境整備、セーフティーネットを構築してまいりたいと考えております。
他は担当参与から御答弁を申し上げます。
◯ 議長(原 真也議長) 岩城教育長。
〔教育長 岩城精二君登壇〕
◯ 教育長(岩城精二君) 私からは、いじめ防止対策についてお答えをいたします。御案内のとおり、ことし7月に岩手県矢巾町で、いじめを苦に中学2年生が自殺をするという痛ましい事案が起こっております。学校がいじめではなく、人間関係トラブルと捉えて対応していなかったということが明らかになる中で、全国的にもこの事案と同様、いじめとして認知されず、対応がなされていない事案があるのではないかとの懸念から、文部科学省により、平成26年度のいじめ調査の再調査が実施をされました。この再調査の結果、本市では、再調査前の101件のいじめの認知件数を616件に訂正したところでございます。今回、新たに報告した事案は、冷やかしやからかいなど、その場の指導ですぐに解決した事案であり、多くの件数がございましたが、これは各小・中学校において、日ごろから多くの教員や補助教員が児童生徒にしっかりとかかわり、さまざまなことを把握していた結果であると受けとめております。本市では、昨年5月に山口市いじめ防止基本方針を策定し、市全体で子どもの健全育成を図り、いじめのない子ども社会の実現を目指しております。その中のいじめの未然防止に向けた本市の特色ある取り組みといたしましては、AFPYの5つの視点に基づく事業づくりの推進がございます。AFPYとは、協力、思いやり、仲間意識による安心・安全な学習環境、そして活動の目的を明確にし、挑戦する意欲を起こさせる課題設定、授業規律で子どもを守るルールの設定、グループ分けによる積極的なコミュニケーション、わかる喜びである達成感の5つ視点をもとに、個人と集団とのよりよい人間関係を構築していく山口県独自の体験学習でございます。このAFPYの5つの視点を生かした授業改善は、平成24年度から市内の全小・中学校で取り組んでおりますが、集団の中で一人一人を大切にする気持ちを育むことや温かい集団が形成される雰囲気づくりに大変効果があるものでございます。また、学校では、週1回の生活アンケートや教育相談、学校いじめ対策委員会などで情報を共有しております。この取り組みが児童生徒同士の人間関係づくりやいじめの未然防止、早期発見にも役立つものと認識をしております。このほかにも、本市では学力アシスト、学級支援、特別支援教育の補助教員を市内の小・中学校に100名以上配置しており、授業だけではなく、学校生活のさまざまな場面で児童生徒を指導したり、見守ったりしております。この補助教員につきましては、今後も充実させてまいりたいと考えており、多くの目で子供たちを見守りながら、いじめの未然防止、早期発見に努めているところでございます。また、毎年10月のいじめ防止・根絶強調月間にあわせて、各学校では、いじめを減らすためにできることを主体的に考え、いじめ防止の意識を高めるための取り組みを行っております。例えば、児童生徒一人一人がいじめ撲滅宣言を策定したり、児童生徒が互いに認め合える関係を築くために、友達のよさを見つけ、記入したカードを校内に掲示したりするなど、いじめ防止に向けてさまざまな取り組みを実践いたしております。また、いじめの未然防止に向けたこうした取り組みを進める中で、学校がいじめを認知した際には、山口市独自の取り組みであります、いじめ速報カードにより、即座に教育委員会へ報告することとしておりまして、学校と教育委員会とでいじめ事案についての情報の共有化を図って対応することとしております。議員御案内のいじめ事案を公にすることについてでございますが、学校においては、道徳や特別活動の中で、いじめや命の大切さを学ぶ時間を取り入れるとともに、全ての教育活動の中において、一人一人の人権を大切にする指導を行っております。こうした中で、いじめに関することにつきましては、その内容に個人情報も含まれておりますことから、該当する児童生徒だけでなく全ての児童生徒に対しても、細心の配慮をしながら指導に取り入れております。校内で起きた事案だけでなく、過去の事案や他校の事案も含めて、児童生徒の発達状況に応じて個別指導や学級指導はもちろん、学年全体を集めた学年集会や全校を集めた全校集会で指導することで、一人一人を大切にする心を育て、いじめ防止に努めているところでございます。教育委員会といたしましては、今後も社会情勢やネット環境の変化に対応しながら、学校・家庭・地域、そして関係機関とが連携を図りながら、社会総がかりでいじめ防止に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解のほど賜りたいと思います。
◯ 議長(原 真也議長) 山田消防長。
〔消防長 山田喜一郎君登壇〕
◯ 消防長(山田喜一郎君) 私からは、火災予防対策についての数点の御質問にお答えをいたします。まず、防火対象物の防火管理でございます。火災が発生した場合の被害を最小限にとどめるため、百貨店や旅館など多くの方が利用する一定規模以上の建物に防火管理者を置き、消防用設備等が正常に機能するよう維持管理を行うとともに、消防訓練を実施することが防火管理者に義務づけられているところでございます。議員お尋ねの訓練の指導内容についてでございますが、消防訓練は防火管理者が作成いたします消防計画に基づきまして、定期的に実施しなければならないこととなっております。しかしながら、一部に消防訓練を実施していない建物がございますことから、こういった建物に対しまして、消防職員が出向きまして、訓練用消火器を使った初期消火訓練や的確な119番通報ができるよう口頭指導を行いますとともに、火災発生時の避難誘導の検証を実施するなどの指導をいたしているところでございます。次に、消防用設備等の維持管理でございます。消防法の規定によりまして、消火器や自動火災報知設備などの消防用設備等が義務づけられている場合におきましては、6カ月ごとに点検を行い、その結果を建物の種別によりまして、1年に1回あるいは3年に1回消防署に報告することとされております。本市におきましては、毎年約4,000件の消防用設備等の点検結果の報告を受けておりますが、故障などの不備、例えば誘導灯の非常電源容量が不足するといったような軽微なものにつきましては、その場で速やかに改修するよう指導いたしております。また、万が一、火災が発生し、建物の利用者の生命に危険が及ぶような重大な不備、例えば、スプリンクラーが作動しないというようなケースでございますが、こういった場合には立ち入り検査を行いまして、早急に改善するよう指導しているところでございます。いずれにいたしましても、防火管理者が重要な役割を担っておりますことから、防火管理講習や立ち入り検査の機会を捉えまして、防火の意識と技術の向上に鋭意取り組んでいくことといたしております。次に、住宅用火災警報器の設置状況と効果でございます。住宅用火災警報器につきましては、全国で住宅火災による死者が平成15年に1,000人を超え、その半数が逃げおくれであったことから、平成18年からは新築住宅に、また平成23年からは、既存の住宅を含めた全ての住宅に寝室及び寝室がある階の階段上部への設置が義務づけられたところでございます。本市の住宅火災と住宅用火災警報器の設置状況でございますが、平成27年1月から11月末までの間に14件の住宅火災が発生し、1名の方が亡くなられております。この14件のうち、10件に住宅用火災警報器が設置されておりましたことで、9件が部分焼やぼやでとどまっており、死者の発生もなかったところでございます。また、先ほど議員から御指摘がございました、65歳ということで申し上げますと、10件のうち6件が65歳以上の方の建物でございまして、逃げおくれに対して効果があったのではないかと推測をいたしているところでございます。住宅用火災警報器の効果があらわれた具体例、いわゆる奏功事例でございますが、就寝中に住宅用火災警報器が作動したことにより早期に火災を発見することができ、初期消火に成功し被害の軽減につながったという事例がございます。しかしながら、平成27年6月時点のサンプル調査によります本市の設置率は、全ての場所に設置されている全部設置が70%、一部に設置されているものでも84%でございまして、目標の100%には至っていない状況でございます。こうしたことから、設置率のさらなる向上に向けまして、イベントでの広報や地域情報誌への掲載に加えまして、昨年度からは各地域の消防団による、特に高齢者世帯を中心とした戸別訪問を実施しておりまして、設置のお願いを行っているところでございます。また、新築住宅への設置の義務化から来年で10年が経過いたしますことから、定期的な作動確認や機器本体の更新等の維持管理につきましても、しっかりと周知してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 山根教育部長。
〔教育部長 山根由彦君登壇〕
◯ 教育部長(山根由彦君) 私からは、火災予防対策についての御質問のうち、公立学校での整備・保安状況についてお答えいたします。本市の幼稚園、小・中学校における消防設備の維持管理につきましては、全ての施設において、年度当初から保守点検業務を事業者に委託しており、日常の保守管理を行うとともに、消防法令に定められた内容と頻度で夏期休業期間中に総点検を、また冬期には機器点検をそれぞれ実施いたしているところでございます。点検の結果、ふぐあいの報告を受ける主なものといたしましては、自動火災報知設備の感知器等の動作不良や誘導灯のバッテリー不足、屋内消火栓ホースの経年劣化、消火器表示板の破損などがございます。本年度は、幼稚園が3つの施設で3件、小学校が19の施設で41件、中学校が11の施設で17件、合計33の施設で61件のふぐあいが見つかっております。これらにつきましては、逐次改善を実施いたしており、年度末までには完了するよう取り組んでいるところでございまして、全ての改善費用におおむね300万円程度見込んでいるところでございます。また、これは、ふぐあいには当たりませんが、学校施設等に設置しております消火器につきましては、平成23年の消防法令の改正に伴い、設置から10年を経過したものについては、3年置きに耐圧性能試験を実施することが義務づけられております。今年度は、幼稚園や小・中学校等のうち、36施設について試験対象となる消火器を有しているところでございます。教育委員会といたしましては、毎年度の点検において判明したふぐあいのほか、消防による立ち入り検査に伴う指摘事項につきましても、早急に改善を実施いたしております。御案内のとおり、学校施設はそのほとんどが地域の避難場所となっていることに加えまして、子供たちが1日の大半を過ごす生活の場でございます。今後も、子供たちが安心して学校生活を送れるよう、引き続き、安心・安全な施設の維持に取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 小田村克彦議員。
〔27番 小田村克彦議員登壇〕
◯ 27番 小田村克彦議員 ありがとうございました。安心できる回答をたくさんいただきましたので、少しほっとしておりますが、1)の定住実現都市の若年層やファミリー層へのセーフティーネットに関する本市の基本姿勢ということで、もう一つ、重ねて聞かさせていただきたいと思います。しっかり財源も確保していくんだと、それから、そういったところのターゲットに厚みを増していくと、非常に心強い答弁をいただいたというふうに思っていますが、先ほど市長からありましたように、この本市の特徴的な、協働のまちづくりの中で、財源的には本当に限られた中で、今みたいな財源確保あるいはターゲットに厚みを増すような助成をしていくということもあるわけですが、できるだけその財源の負担をふやさないようにしてセーフティーネットを広げるというと、やっぱり地域あるいは人のつながりというのが重要だろうと思うんです。そういった中でいけば、よく市民の皆さんからお話を聞くのは、高齢化社会で仕事をリタイヤされた後の方が、まだまだ元気な方がたくさんおられると──市のほうでは路傍塾等も、いろいろありますけれども──そういったものを少し、その地域でさまざまなセーフティーネットに使っていく、いや、御活躍をいただくということです。共生社会に向けてということですから、そういう仕組みづくりというんですか、そういったものができると、まだまだ今の子育て世代あるいは逆に、高齢化の中でのまた支えとか、こういう若年層、ファミリー層への、子供も含めたセーフティーネットというのは、もう少し厚くなるのではないかというふうに思いもしていますけれども、そういったことについてのお考えを聞かせていただければと思います。
◯ 議長(原 真也議長) 渡辺市長。
〔市長 渡辺純忠君登壇〕
◯ 市長(渡辺純忠君) 定住実現都市についての御質問で、いわゆる協働のまちづくりに関しての御質問でございますけれども、やはりセーフティーネットをきちんとして有効的にセットしていくということになりますと、いわゆるきめ細かい部分ということになりますと、どうしても地域でセットしていくようになります。そうしたことから、私ども協働のまちづくりの視点については、非常に重要な視点であるというふうに考えておりまして、これに関連してでございますけれども、CCRC──生涯活躍のまち構想、こうしたものにつきましても、アクティブエイジングシティといいますか、活躍される世代から、山口市に住みついていただいて、そして、いろいろと持っておる知識、そうした経験、こうしたものをまた地域に還元していただく、そうしたようなことをしていただくというのがCCRCの目的でもございます。そのためには、ただCCRCを導入するからということだけでなくして、基盤として、そういうふうに高齢社会に対応するような地域があって、その地域の経験といいますか、そうした実態がCCRC構想と一緒になっていく、そうしたことを願っておりますし、実現していこうというふうに思っております。そうしたことにおきまして、地域づくりの中において、高齢者の方々の経験、またよく地域を知っておられる、こうしたことの活用については、これからも進めていきたいと思います。そうしたことが、御指摘にもありましたように、財源を有効に活用するといいますか、民間、地域と一緒になってやることにおいて、少ないといいますか、そういった財源の中でも大きな効果が発揮できる、こうした視点も大事にしてまいりたいと思います。そうしたことで、協働のまちづくりもあわせてセーフティーネットの中で検討して、いい形になっていくようにしてまいりたいと思いますので、また御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
◯ 議長(原 真也議長) 以上で、小田村克彦議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
26番、有田敦議員。
〔26番 有田 敦議員登壇〕
◯ 26番 有田 敦議員 自民クラブの総務委員会担当の、中也担当の有田でございます。通告に従いまして、順次質問をしてまいりますので、簡潔に、わかりやすい答弁をお願いいたします。私からの質問は、全般的に山口市の成長という視点で通告しておりますので、少しそういったところも踏まえてお聞きいただけたらなと思っております。
最初に、
広域県央中核都市づくりについてということでありまして、高次都市機能についてであります。平成28年度予算編成方針、いただきました。「これが私の故里だ 定住実現都市」予算ということで、やまグッち創生、これには第一の創生、第二の創生と第三の創生が示されておりますけれども、今回、本来ならばいろいろと細々、突き詰めてまいりたいところでもあるんですが、1時間と限られておりますので、私からはその中の第三の創生の中に位置づけられております高次都市機能が集積する
広域県央中核都市づくりについて、簡潔に質問をさせていただきたいと思います。私の私見ではありますけれども、都市・生活空間創生が第三の創生と位置づけられているところでございますけれども、これこそ第一の創生、第一、第二、第三に序列はないのかもしれませんけれども、都市のイメージがしっかりと描かれるよう期待をしております。さて、高次都市機能、予算編成方針の中には、──少し読まさせていただきますけれども「山口都市核及び小郡都市核の両都市核づくりを中心に、高次な都市機能が集積する「
広域県央中核都市づくり」を通じて、県央部エリアにおける都市が連携し、人口減少時代にあっても、将来に渡って高次都市機能を確保し、地方の雇用の多くを占めるサービス業の創出や若者流出を防ぐため、一定規模の人口を維持できる都市圏の形成を目指します。」というふうにあるわけですが、ここ最近、高次都市機能という言葉を使って、まあ、いろいろやるんだということだと思いますが、高次都市機能というのは、委員会でもいろいろお伺いしているんですが、現山口市において、具体的にどういうことを指しているのか、そしてこの両都市核の中で高次都市機能、今、何が足りなくて、あと何をすればいいのか、市民にわかりやすくお示しを願います。次に、両都市核の中の山口都市核づくりであります。同じく予算編成方針には「長い歴史の中で積み重ねてきた行政・文化・教育・商業・観光などの特性をより高め、対流・交流を生み出します。商業や観光の個人消費の場として、また人口減少時代にあっても、白石・大殿・湯田地域を中心として、人口を増加させていくエリアとしての空間形成を進めます。」とあって、中心市街地の活性化であるとか、大内文化ゾーンの歴史空間の再生、
湯田温泉おもてなしの街づくり云々ということでありますけれども、これは、これまでの中心市街地活性化計画の延長といいますか、継続を単にあらわしたようにも思うのでありますけれども、この中の、白石・大殿・湯田地域を中心として人口を増加させていくということであります。コンパクトシティの推進、周辺が寂れても中心だけは。周辺住民にはちょっとどうかと。まあ、戦後から中心ありきの山口町政、山口市政、厳しくなったら合併で人口要件を満たしながら、やっぱり中心主義の繰り返しで、30年後の山口県政もおのずとわかってくるなあなんて思ったりもいたしますが、この人口増加対策、このエリアで具体的にどのように人口増加を考えているのか、お示しを願います。
次の項に移ります。予算要求基準について。予算編成方針の8ページから、補助金・交付金について示されております。細々と伺いたいのですが、今回はまず、この補助金・交付金ということで、渡辺市政の税出動の基本的な考え方がここに集約されているなと思っておりますので、今回の一般質問の、私が一番聞いておきたいのはここであると、あらかじめ申し上げておきたいと思います。さて、補助金・交付金、この冊子の中には「補助金の見直し基準(平成23年11月改正)により精査することとし、平成27年度予算編成時までに見直しを行っていない場合には、必ず見直しを行うこと。地域づくり交付金については、制度の一層の確立を進めること。」と簡単に書いてあります。渡辺市政になって、合併して10年、最初の見直しを行ったのが各自治体に差があったこの補助金でした。各種団体の運営資金や祭りの花火代、特定団体の恒常的人件費、一旦引き締めて、よくも悪くも見直しました。
各種団体等からもクレームや意見、要望もありました。山口市協働のまちづくり条例などもつくりながら、まちづくりのあり方、公と私の領域を見直し、公益事業のあり方、またまちづくり交付金も今や1%を超えて地域の要望に応え、膨らませてまいりました。渡辺市長は優しいものですから、結果として予算のある限り、賄える範囲で補助金・交付金・負担金など積極的に支援をしてきましたけれども、それは合併前の山口市のそれらよりも悪い制度となっていないか、合併後のまちづくりに悪い影響を与えていないかという私からの指摘でございます。それは、多くの団体等の補助金は前年どおりの予算を確保され、安定的に運営されており、一見よいことであるように思いますが、団体の努力や成長にはつながらず、結果として、山口市全体の成長や活気につながっていないように感じる次第であります。昔、さぽらんての事業について議論をしていたら──今ではですが──最後には直営事業になりました。恒常的支援事業と、こうなったわけでございます。中心市街地の活性化、雇用の創出、いろいろな考え方からそうなったと思いますが、最近はそんなのばっかりで何だかなあと、公益事業を市民が考えて、補助金を恒常的に確保するそれら事業は、獲得してしまえば永久事業、永久雇用となっておりまして、その向こうにある活力にはほど遠い感がするのは、私だけでありましょうか。昔は、旧山口は、3年サンセット、1回切りの補助を受けるために膨大な資料をつくらせられたりと、面倒ではありますが、集中と活気があったようにも思っております。また、補助金というものについてもう少し申し上げますと、本来なら本当に困っている団体や事業に交付されるべきものであると思っておりますが、これまでも申し上げているとおり、小さな自治会、資金力に困っている自治会等と中心部の自治会等への支援が同じでよいのか、またこれまでの農地転用やインフラ整備の順番やそれらの影響で周辺地域が生活基盤整備におくれが生じ、人口減少、世帯数の減少、高齢化が進んでいるのは、まさに、先ほども申し上げましたように、中心部ありきの政策の弊害にもかかわらず、周辺地域は切り捨て、最後は補助金までカットという始末であります。さらに、補助金、例えば事業主に資金が十分にあるにもかかわらず、設備補助を行うことがあります。10億円で建つ施設に3億円の補助があるので7億円の資金で施設を建てるのではなく、13億円で施設を建てる、結果として、その施設の維持のために負担を強いられるのは受益者やそれらの施設での労働者であったりと、これまた何だかなあと。ついでに言いますと、本庁の建てかえの議論もされているようでございますが、いたずらに施設を大規模化するということは市民負担の増大にもなりますので、しっかりと研究していただきたいと思っております。るる申し上げましたけれども、補助金、きょう、今言って、来年度予算からすぐ見直すことはできないかもしれませんけれども、少し戦略的にされたらどうかと思っておりますが、現時点でのお考えをお示し願います。2)の委託料であります。冊子には「民間化の推進の観点から、行政と民間との役割分担を明確にするとともに、委託したほうが直営よりコスト削減になる等、委託することのメリットを十分に検証し、民間委託を推進すること。また、既に民間委託している事業・業務については、業務プロセスを再度点検し、事務改善等により委託料が節減できないか検討するとともに、当該事業・業務の遂行に、最も効果的・効率的な委託の発注単位を検討すること。」と示されております。今議会にも多くの指定管理者の指定の議案や指定管理の廃止の議案が上程されておりますけれど、まさに公務を民間に代行させるという委託事業については、毎回しっかりと研究・検証をしていただきたいと思っております。指定管理者を採用することは、公務員削減によるコスト削減と民間ノウハウの活用、サービスの拡充という柱で進めてきたように思っておりますが、委託の仕様を見直すことによって、十分に成長事業に転換することも可能と思っております。例えば、足湯館の指定管理にしても──例えばですよ──委託料4,000万円ありきの委託であれば、随契ですから、ずっとそういう管理をしていくでしょうし、多分、山口市が示す仕様書もそんな仕様書となっているのだと思います。湯田温泉の活性化は必要だと思います。税金ありきの活性化、おもてなしは、それなりの活性化となるでしょう。もう一歩、活性化を促すためにも4,000万円ありきではなく、4,000万円が減っていくという中で、どういうサービスで観光客を喜ばせることができるのか、またそれが山口市の成長へつながっていくのかなど、考えていただきたいなと思っております。一つの考えではありますが、こうした私の考えをお示ししたところでございますので、まずは委託料、来年度に向けての基本的な考え方をお示し願います。
ウの定員適正化計画についてであります。ここからは、先般行われました平成26年度の決算審査の中からの質問でございますので、よろしくお願いいたします。職員定数、職員数についての質問でありますけれども、1市4町の合併以降、大きく膨らんだ職員数も退職不補充などを行い、財政規模等に合わせた職員の定数管理が行われていると思っております。民間企業のそれは不採算部門のリストラなど、資金計画から人員配置を決定するものではありますが、行政のそれは予算の最大限の活用という部分もあるでしょうが、我々の感覚以上の人員が配置されているようにも感じられるところもあります。そこでお尋ねいたしますが、山口市の定員管理計画の目標は達しているという決算審査の中での報告がありましたが、そもそも現在の職員数は何が基準で適正ということなのか、余計な業務まで公務と称して拡大し人員が必要となっていないのか、またその逆もあると思いますが、いずれにしても基本となる考え方についてお示しを願います。
エの文化行政についてであります。決算審査の中でも結論的に申し上げましたけれども、我々の会派の先輩もいろいろ申し上げましたが、当初予算、執行部が提案した予算に対し、市民や議会がいろいろ言いますけれども、予算の範囲内でそれなりに事業が円滑に進められれば文句のつけどころがないわけであります。本市も、地方交付税をいただく団体ではありますが、ふんだんに文化振興費を予算化する、予算に余裕を感じる団体だなあと感心しております。が、そろそろ考え直さないかなあということであります。決算審査の議論の中でも執行部側から稼ぐ、文化で稼ぐという意思の表明がありましたように、少し頑張ってもらいたいと思っております。例えば、現在の99.9%補助──まあ、直営ですから補助という言葉は適切じゃないかもしれませんが、そうした事業は大きく見直して事業費の30%ぐらいは自主財源で行う、賄う。YCAMや中也にしても決まった財源で、ストレスなしで、何かやるんじゃなくて、30%の自主財源を確保するために努力する姿勢が必要だと思いますし、そのことが、市民も理解するのだろうと思いますし、文化にも通ずると思っております。いろいろ申し上げたいのですが、現時点での文化行政についての執行部の姿勢、考えを伺います。
オです。ふるさと産業振興条例について。これも決算審査の中からでございますが、建設工事に関して入札結果の資料を提出していただきました。決算審査の冒頭でも審議させていただいたわけなんですが、その数字を拝見したところ、非常に高い数字で市内業者への発注が行われていることがわかりました。これは、ふるさと産業振興条例や山口市建設工事における元請・下請適正化指導要綱、または契約管理課から各課への通達が徹底しているからこそと思っております。そういう中で、ちょっと例を出すんですけれども、例えば道路にアスファルト舗装を行う入札をしたとして、A社が落札したと。B社が落札したら舗装がうまいんだけれども、A社じゃなあと。これはB社を地域が選ぶことができない、地域は入札金額よりも仕上がりを気にするわけです。──これ例ですけれども──また、公共施設の保守点検等についてもA社だと間違いなく仕様どおりに業務を行ってくれて、安いんだけれども機械が傷みやすい。B社だと仕様以上に点検を行ってくれるので機械がいつもよい状態、でもちょっと高い。いずれもですね──今、例を2つ出しましたけれども、当たり外れ──当たり外れが正しいかわかりませんが──があると言えばおしまいなのですが、市民にとっては、できるだけ高いレベルの、ぶれの少ないサービスを望まれるということであります。そこでお尋ねですけれども、ふるさと産業振興条例ですから、地元優先はいいんですけれども、この地元企業のレベルアップについては、各課いろいろあると思うのですが、どのようなことをされているのか、またどのようなことができるのか、現時点でお示しを願います。
最後に、カのふるさと納税についてであります。平成26年度決算では、6,000万円の寄附をいただいているということでございまして、自主財源の確保、またお礼の品としての地域産品の活用は、年を追うごとに成果を発揮しているとの状況でございます。こうした好成績の状況下、平成27年度はお礼の品を大きく拡充したところで、さらに勢いを増しているやに聞いております。そこで、平成28年度の取り組みはどうするのかというものでございますが、さらにこのお礼の品を拡充するとか、お礼の品の成績に応じて商品の入れかえやお得感の見直し、さらには、団体や事業目的別の寄附の項目をふやすなど、市民、国民の期待に応える対策、対応が必要と考えます。現時点でのお考えをお伺いし、私からの1回目の質問といたします。
◯ 議長(原 真也議長) あらかじめ会議時間を延長いたします。
渡辺市長。
〔市長 渡辺純忠君登壇〕
◯ 市長(渡辺純忠君) 有田議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、
広域県央中核都市づくりについての御質問のうち、まず、高次都市機能についてでございます。御案内のとおり、本市総合計画におきましては、高次都市機能を行政・教育・文化・情報・商業・交通・レジャーなど、住民生活や企業の経済活動に対して各種のサービスを提供する都市自体が持つところの高いレベルの機能で、都市圏を超え、広域的に影響のある機能と定義いたしておりまして、山口県中部エリアにおける人口60万人から70万人の都市圏、この広域経済・交流圏を形成する近隣自治体との都市機能の役割分担、共有、連携のもと、
広域県央中核都市づくりとしての高次都市機能の集積を図っていくところでございます。そこで、議員御質問の高次都市機能とは具体的に何を指し示すのかという点につきましてでございますが、国の国土形成計画におきましては、20万人から50万人の人口規模であれば、サービス提供が可能な都市機能といたしまして、百貨店、映画館、博物館、美術館、大学、救命救急センター、先進医療を実施する病院、介護療養型医療施設、公認会計士事務所などが例示をされているところでございます。また、本市に存在する高次都市機能といたしましては、国・県などの行政機関、研究機関、産業支援機関、山口大学や山口県立大学を初めとした高等教育機関、県立美術館・博物館・
山口情報芸術センターなどの文化芸術施設、湯田温泉や大内文化ゾーンなどの観光機能、中心商店街を初めとした商業機能、マスメディアやIT等の情報通信業の集積、新山口駅等の広域交通拠点、維新百年記念公園などのスポーツ施設などが挙げられるのではないかと認識をいたしているところでございます。一方で、本市に不足している高次都市機能といたしましては、空港や港湾機能、化学や機械などの工業の集積、理工系大学、金融・貿易関連の本社機能、第3次救急医療、映画館、動物園などがございますが、こうした機能は、宇部市を初めとした県中部エリアにおける近隣都市に立地しているものもございます。本県のような分散型都市構造における高次都市機能の集積の考え方といたしましては、単独の都市ではフルセットの高次都市機能を整備していくのではなく、近隣都市との機能の役割分担、共有、連携のもと、対流や交流により、圏域全体としての発展が図られるような形で高次都市機能を集積し、さらには連携中枢都市圏を初めとしたさまざまな支援制度が活用できますよう要望等いたしながら、近隣自治体との広域連携のもとに高次な都市サービスが享受できるような都市圏整備を、スピード感を持って進めてまいる必要があると考えております。次に、山口都市核の人口増加についてでございます。新市発足以来のまちづくりの積み重ねの結果、平成22年国勢調査以降、山口都市核──大殿・白石・湯田の人口は増加に転じており、都心回帰の動きが始まっているところでございます。山口都市核づくりにおける中心市街地の活性化につきましては、平成19年から計画期間といたします第1期の
中心市街地活性化基本計画に基づきまして、一の坂川周辺地区の整備などの魅力的な市街地の整備改善、借上型市営住宅整備などの住宅供給、どうもんパークやマルシェ中市の整備、あるいは空き店舗への入店促進などの商業活性化の取り組みを進めてまいりました。引き続き、第2期
中心市街地活性化基本計画に基づく取り組みといたしまして、密集市街地の改善、市街地再開発事業の推進、空き店舗への入店促進などを進めてまいりたいと考えております。また、大内文化ゾーンにおきましては、十朋亭とその周辺整備、菜香亭周辺の創造的歴史公園の整備に加えて、亀山公園山頂広場の整備に着手するなど、都市部における心地よい歴史生活空間としての再生整備に取り組んでまいりたいと考えております。さらに、湯田温泉におきましては、道路の美装化、井上公園を初めとした広場整備などの景観整備、さらなる回遊性向上の取り組みを進めるなど、訪れる人も住む人も心地よさを実感できる都市生活空間としての市街地再生に取り組んでまいります。加えて、山口市生涯活躍のまち構想におきましては、白石・大殿・湯田地域の文化性、コンパクト化や雇用機能等の地域資源や特徴を生かした取り組みの可能性についても、現在検討を進めているところでございますし、今後、策定を予定しております立地適正化計画に基づく取り組みも含めて、次なる10年の挑戦としての新たな人口対策も検討してまいりたいと考えているところでございます。こうした展開を通じまして、長い歴史の中で積み重ねてきた行政・文化・教育・商業・観光などの都市の特性をより高め、交流や対流を生み出し、人口を増加させる山口都市核づくりを進めてまいりたいと考えております。御指摘もございましたけれども、こうした都市核の人口対策についてはもちろん、周辺地域、地域核を中心とした周辺地域の発展とつながっていかなければ意味はございません。また、周辺の地域核の発展のもとに、また都市核の人口対策が生じていくものと考えております。
他は担当参与から御答弁を申し上げます。
◯ 議長(原 真也議長) 伊藤総務部長。
〔総務部長 伊藤和貴君登壇〕
◯ 総務部長(伊藤和貴君) 私からはまず、山口市定員適正化計画の目標職員数についてお答えを申し上げます。今日までの定員適正化の流れを簡単に申し上げますと、1市4町の合併協議時に策定いたしました財政シミュレーション、これを基本としながら、総務省が行政分野別に全国の地方公共団体の部門別職員数などを取りまとめた類似団体との比較結果等を勘案し、平成18年9月に山口市定員適正化計画を策定し、5年間で118人を削減する計画といたしたところでございます。特に、部門別職員数につきましては、福祉部門や教育部門などのように、国の法令等により配置基準が定められている部門と自治体が主体的に職員配置数を決める余地が比較的大きい総務・企画・税務・農林水産部門等がございまして、それぞれの部門ごとに人口及び産業構造等を踏まえた、本市としての定員管理のあり方をお示ししたところでございます。その後、平成19年3月策定の山口市行政改革推進大綱におきまして、平成18年度からの10年間で210人以上の職員数の削減を目標に掲げたところでございます。その後、さらに阿東町との合併を経まして、これまでの目標に阿東町合併による効果を加えながら、それとともに、新たな行政ニーズへの対応、職員の年齢構成の偏在化への対応、広大な行政区域面積における行政サービスの確保等を考慮し、平成23年3月策定の行政改革推進大綱〈改訂版〉及び山口市定員管理計画におきまして、1,700人以下の職員数を新たな目標として掲げたものでございます。この計画期間中には、職員純減を進めながら、協働によるまちづくりの実践を初め、国民文化祭やまぐち、山口国体・山口大会、ねんりんピックなどの大規模イベント、さらには国や県からの権限移譲などに対しましても迅速に対応してまいったところであり、新たな行政需要と職員削減のバランスを図りながら行政運営を行ってきたところでございます。また、多様な地域形態を有する本市におきましては、きめ細やかな行政サービスを維持、提供するために一定数の職員が必要となりますことから、類似団体等との比較、面積当たりの職員数等も総合的に判断いたしまして、現下の業務量に対する職員数はおおむね適正な水準にあるのではないかというふうに受けとめているところでございます。地方創生の取り組みが本格化し、地方が主体的に考え、行動していくことがこれから要請される中で、地域課題や行政需要に対応する職員の定員管理のあり方は、これまで以上に重要になるものと考えており、行政改革推進大綱に掲げる組織体制の整備、事務改善や業務見直しなどに取り組みながら、引き続き、安定的な行財政運営に努めてまいりたいと考えております。
次に、ふるさと産業振興条例についてお答えをいたします。御案内のとおり、本市では、山口市ふるさと産業振興条例の基本理念に基づき、市内の事業者の受注機会の確保を図るとともに、市内産品等の活用を図る取り組みを推進しているところでございます。その中でも、公共工事につきましては、平成26年度中に契約した件数のうち、98.7%を市内に本店または支店を置く事業者に発注しておりまして、市内事業者への優先発注を徹底いたしているところでございます。また、公共工事や社会経済活動の基盤となる良質な社会資本を整備することによりまして、現在、そして将来にわたって個性豊かな地域社会の形成に寄与いたしますとともに、豊かな市民生活の実現を図るという大変重要な役割を担っておりますことから、議員御指摘のとおり、適正な施工管理や品質の確保が極めて重要であるとの認識をいたしているところでございます。このようなことから、契約の適正な履行の確保、給付の完了の確認に加えまして、受注者の適正な選定の確保を図るため、国におきまして、公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針、これが定められているところでございます。この指針に基づきまして、本市におきましても工事が完成した段階で工事ごとの施工体制、施工状況、出来形、品質、できばえなどの工事成績を評定いたしまして、その結果を受注者に通知いたしておるところでございます。さらに、本市独自の取り組みといたしまして、工事成績評定の結果等により、本市が発注した建設工事を優秀な成績をもって施工した受注者を表彰いたしますとともに、市長が指定する指名競争入札におきまして、優良業者を優先的に選定することができる優良業者優先指名制度を実施いたしているところでもございます。これらの取り組みを通じまして、事業者の皆様の技術力や日々の努力、それに自己研さんに基づく実績が適切に評価される仕組みづくりに取り組んでいるところでございます。あわせまして、これらの取り組みを継続的に推進してまいりますためには、発注する職員、監督する職員、検査する職員のより一層の資質の向上が重要でございますことから、今後とも引き続き、職員研修体制の充実強化等を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 私からは、まず予算要求基準について、補助金・交付金、委託料の基本的な考え方についてお答えいたします。まず、補助金についてでございますが、1市4町の合併後、市全域の補助金の一元化調整を図るとともに、適正な補助金のあり方を示した補助金の見直し基準を作成いたし、その中で、補助金は公益上の必要があり、果たしている役割や効果が高く、その公平性について市民の皆様の理解が得られるものでなければならないという基本方針を示しております。補助金には、その性質によって公益的な活動を行う団体に対する経済的支援である団体運営補助、事業を奨励、支援するための事業費補助等がございますが、予算要求基準では、この見直し基準に基づき、団体運営補助は補助対象を限定して事業費補助に移行することや、事業費補助は補助の目的をある程度達成したものは、終期の設定をして段階的に縮減すること、また当初のもくろみどおりの効果が今後期待できない場合は廃止すること等、個々の状況に応じた見直しを行うように各課に指示をいたしております。そうした中、毎年見直しをする中で、結果的に継続して支出している補助金もございますが、これにつきましては、経営基盤が脆弱な団体や公共性が強い事業に対する補助等でございまして、補助金を廃止することにより公益的な活動が行えないなど、個々の事情を総合的に勘案して交付しているものもございます。今後は、こういった補助も含めまして、これまで以上に団体の自立への助言や指導を行うことにより、基準に沿った見直しを着実に実施してまいりたいと考えております。また、交付金につきましては、一定の目的のために団体等に交付するものであり、主なものといたしましては、地域づくり交付金や自治振興交付金などがございますが、これらについては地域に使いやすいものとするために毎年度工夫しながら、必要額の精査をした上で交付いたしているものでございます。次に、委託料につきましては、事業を実施するに当たり、必要に応じて業務を民間等へ委託するものでございまして、予算要求基準におきまして行政と民間における役割分担の明確化、委託と直営によるコスト比較の徹底、民間委託の推進など、その基本的な考えを示しているところでございます。加えて、予算編成の段階では、既に民間に委託をしている事業について業務プロセスを再度点検するとともに、事務改善等により委託料が節減できないかなどの検証を行いながらも、最も効果的効率的な委託の発注に努めているところでございます。いずれにいたしましても、限りある予算の中で実施するものでございますので、今後も補助金・交付金については、議員御指摘のとおり、その補助目的の公益性、市の施策との整合性がとれるものであり、補助の効果が期待できるものに対する交付を原則とし、また委託料についても効果の状況や直営とのコスト比較を検証し、市が期待する水準のサービスの確保ができるものという考えに立ち、予算編成を行ってまいりたいと考えております。
次に、文化行政についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、本市文化行政といたしまして、現在、山口市民文化祭、山口市美術展覧会、中原中也賞など、多くの事業を実施しているほか、山口市民会館、
山口情報芸術センターなど6施設を所管し、指定管理者による文化施設の維持管理事業並びに企画運営事業を展開いたしております。こうした事業については、いわゆる市直営によるもののほか、指定管理や文化団体に対し、委託や補助という形態により実施されているものもあり、とりわけ施設の維持管理事業では、使用料収入や入館料収入、企画運営事業では、チケット収入や物販収入、国の補助金や民間の助成金など、さまざまな自主財源を見込んだ上で各種事業を実施いたしておるところでございます。こうした中、市や指定管理者等を含め、コスト削減や限られた予算で最大限の事業効果が発揮できるよう努力することが求められ、自主財源は事業を実施する上で一般財源の縮減を図ることができますとともに、事業をより充実させるために充当できる貴重な財源となります。このため、市や指定管理者等においても、積極的に自主財源を確保していく姿勢が肝要であることはもちろんのこと、新たな自主財源の可能性などについて検討していく姿勢も必要であると認識しているところでございます。これまでにも申し上げてまいりましたとおり、本市文化行政といたしましては、指定管理者等とも連携を図りながら、今後とも自主財源の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
次に、ふるさと納税についてのお尋ねにお答えいたします。ふるさと納税は、生まれ故郷や応援したい自治体などへ寄附制度として平成20年度に制度化されたものでございまして、本市におきましても、制度創設当初から多くの方々に本市の魅力を知っていただき、応援していただけるよう取り組んでいるところでございます。本制度につきましては、今年度の税制改正に伴い、確定申告手続の簡素化や控除限度額の引き上げなど、制度内容が拡充されたところでございます。本市では、この好機を生かし、本年4月に寄附金額の区分をふやしますとともに、お礼の品につきまして、昨年度の11品目から本市の地酒や湯田温泉宿泊券などを新たに加え、96品目に拡大したところでございます。さらに、J2昇格が決定いたしましたレノファ山口を応援し、スポーツを通じて山口市をさらに盛り上げていくため、お礼の品にユニフォームや観戦チケットなど、レノファ山口応援グッズを9品目追加いたしたところでございます。こうした取り組みによる効果もございまして、今年度は11月末時点で約6,300件、金額で1億700万円の御寄附をいただいており、昨年度の同時期と比較いたしまして、件数で約600件、金額で約7,000万円増加いたしているところでございます。来年度に向けた取り組みといたしまして、現在のお礼の品について本市の魅力をより全国の皆様に感じていただけるよう、内容の変更や見直し等を行いますとともに、市内事業者から新たなお礼の品の募集を行う予定といたしております。加えて、寄附金の使い道や活用方法につきまして寄附者が選択できる仕組みなど、本市を応援してくださる皆様のお気持ちを反映できるような取り組みも進めてまいりたいと考えております。また、現在、平成28年度税制改正における
企業版ふるさと納税の導入が検討されているところでございます。本制度につきまして、詳細な制度設計が明らかになりましたら、速やかに対応できますよう、情報収集や準備を進めているところでございます。ふるさと納税制度は、まちづくりの貴重な財源確保はもとより、ふるさと産業の振興にもつながるなど、地方創生において重要な役割を果たすものと捉えておりますことから、引き続き、本市の魅力発信や地域活性化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上です。
◯ 議長(原 真也議長) 有田敦議員。
〔26番 有田 敦議員登壇〕
◯ 26番 有田 敦議員 2回目の質問をさせていただきます。いっぱいあるんですが、全部総務委員会なので総務委員会でやりますけれども、一つだけここでやらせてもらいたいのですが、補助金・交付金、今答弁いただきました中身については、これまでどおりの──当たり前ですけれども──答弁だったなと思っております。補助金は──私もそうなんですが、市にくださいといろいろ言いに行くこともあるわけなんですけれども、市が行っている補助金というのは、公益性があるから補助金を出しているというものもあれば、中には戦略的に出しているものもあると思います。さらに言えば、文化振興はできるけれども、道路の草刈り代は出ないような自治体ですけれども、そもそも道路の草刈りというのは市の代行業務ですから、補助金じゃなくてこれは委託金みたいな感覚と、私は思っておりますけれども、なぜ我々が市役所に行って補助金くださいと言わないといけないのかよくわからないところもあるのですが、そういう市の姿勢というものが、何かくれてやる感みたいな立場に立っていて、市民と一緒に協働して市を成長させていくというものにつながっていないなと、非常に思うのは私だけなんでしょうか。先ほど申し上げましたように、来年は無理だとしても、補助金であるとかまちづくり交付金というものを──大切な税金ですけれども──祭りとか花火に使うなとはあえて言いませんけれども、もうちょっと市が成長していく方向で、地域と一緒に考えながら、もって経済の発展を見込むとか、そういう、もっと戦略的に使っていけないかなあということも踏まえて、戦略的にその補助金であるとか、交付金であるものを一定財源として常に何かもう持っているみたいな既得団体もいるんですけれども、そういうものも全部見直して、大変生意気ではありますけれども、現在のではなくて、とにかく未来志向のまちづくりを進めていくために補助金というものを使っていけないか。また、弱い地域があります。弱い地域に、まあ、基準も設けますけれども、助けると意味合いでの補助金というのは確かに大事だと思いますし、何か、とにかく今の制度というものは、非常に将来にわたっての変化が見込めないと思っているわけなんですが、2回目の質問の趣旨として、少し軸足を変えて、戦略的に使えないか、もう少し各課にあるいろいろな考え方、福祉であるとか、経済であるとか、いろいろ考え方は違うんだろうと思いますけれども、もう少しこう戦略的に──もっと言えば、人口がふえるふえると言いますが、さっきの答弁を聞いてもふえるとは思わないですけれども──時間をかけて研究して、補助金というものを、大切な交付金を使ってもらえないかなと思うわけなんですが、総合政策部長、どうですか。よろしくお願いします。
◯ 議長(原 真也議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 有田議員の補助金・交付金等に関する2回目の御質問でございます。先ほど例に出されました市道の草刈りとか、ああいったものですけれども、今の補助金の考え方というのは、基本的には協働のまちづくりの中から発したことだろうというふうに思っています。というのは──今、市道のことに関しましてそうですけれども──何もかも皆、市のお金を使って、例えば直営でやっていくといったら幾らお金があっても足らない、そういう状況の中で、住民の皆さんでできることは、この部分だけはできればお願いしますねという協働のまちづくりという考え方があって、そこでその補助金が出ていると。委託料に近いという御指摘もありましたけれども、そういった中で、今の制度が成り立っていると思います。これからは戦略的にという話ですけれども、今までも協働のまちづくりと、ある程度の公平性とか、そういったものはかなり重視されてきたという側面はあるかと思います。人口増に向けてということですが、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略の中の100プロジェクトがあります。これから具体的に、人口増につながる、あるいは雇用増につながる、そういったことのためにはどうしたらいいのかということで、また具体的な政策というものをこれから考えていくことになると思いますので、そういった中で、今までの公平性ということから少し一歩踏み出して、例えば集中とか──極端な場合、ちょっと偏ることもあるかもしれませんけれども──そういった物事に対して戦略的にお金を支出していくという方向が少し必要になってくるというふうに私どもも思っています。そういったことで、今の予算編成というものを市一丸となってやっていきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 有田敦議員。
〔26番 有田 敦議員登壇〕
◯ 26番 有田 敦議員 今の分の3回目の質問をさせていただきます。今答弁で、草刈りの話しをされましたが、これは例の話ですから。地域づくり交付金の話とかおっしゃいましたけれども、そもそもお金がないから、地域づくり交付金で、いわゆるその地域の公の部分をもう担ってくださいよみたいに1%補助金でぼーんと出されても、我々、担わされてる感が実際はあるわけですよ。ところが、中を割ってみたら、いろいろな使い方を、各地域でやっているので、──余りしゃべると僕も怒られるんですけれども──これが本当に公益なのかなと、将来の地域づくりになるのかなというのは、立場上言えないところもあるわけなんですが、公平に見てほしいところもあったり、いろいろあるわけです。例えば、今言った、補助金なんかもそうなんですけれども、まず、何を守っていくべきなのか、例えば、東日本大震災ではありませんが──小鯖地域の災害を受けて泣いていた市長もいますけれども──そのときそのときは安心・安全だと火がつくけれども、──喉元過ぎたら何ぞやという話じゃないですけれども──じゃあ、各地域の安心・安全に特化して補助金が使われているかと言えば、そうではない。何となく従前とした使い方をしている、それをあえてこの場で申し上げるわけなんですが、もっと戦略的に軸足を少しずらしながらも考えていかないと、さっきトータルでも言いましたけれども、中心ありきで周辺は置いていかれるなと。補助金を使って中心で草刈り機を持って、かついでやっている人はいないと思いますが、周辺はみんなかついでやっているわけです。まあ、それがいけないとは言いません。お金がないから賄えないと言いますけれども──文化政策では思いっ切り振ってますけれども──そうした部分を市民というのは非常に敏感に見ているわけなんですよ。だけれども、将来、この山口市に若い者が定住して、選択して定住していくということを我々今ここで考えているわけなんですけれども、そのために戦略的に補助金であるとか、交付金というものをもう少し使っていく。考え方といいますか、山口市が成長していくというか、市長は嫌いかもしれませんが、市役所の職員に数字のノルマを課すとかということは非常に大事なことだと思うんですね。だから、そういう思想を補助金であるとか、交付金であるとか、委託料であるとか、そういう考え方を2年後なり、3年後なりに入れ込むことはできないのかという質問なんですけれども、3回目としていたします。
◯ 議長(原 真也議長) 渡辺市長。
〔市長 渡辺純忠君登壇〕
◯ 市長(渡辺純忠君) 補助金・交付金について再々度の御質問でございますけれども、担当参与等から御説明いたしましたように、補助金にはいろいろな性質がございます。大きく分けると、今まで議論がありましたように、いわゆる公共性、行政サービスを間接的に実施していく、そうした性質のものと、もう一つは、いわゆるモデル、奨励的なもの、この中で一番大きいものとしましては企業誘致に対する補助金とか、これはまさしくモデル、奨励、そうしたことで、間接的に大きな雇用を生み出していく、こういうふうなもの、この2つが大きい流れだろうというふうに思っております。そうした中で、今議論になっております協働のまちづくり等に関連してでございますけれども、ここの中の補助金の考え方というのは、やはり基本に返って、まず公助があり、自助があり、共助がある、その中で公助という形は、行政サービスを間接的に実施していく、公平的にどこの地域においても、これだけは守っていかなければいけない、こうした形の補助制度、考え方でいかなければいけないと思います。そして、自助に関するものについては、自助をさらに促進していきたい、自助に対する助成、補助ということについては、むしろ先ほどから議論になっておりますように、さらに磨きをかけて、それで成長していくような形にしていく、こういうふうな形が自助に対する助成、措置として求められていると思います。そして、共助につきましては、今の協働のまちづくりでやっております地域づくり交付金のように、いわゆる自助・共助・公助、全体的に地域として総括的にまちづくりを行っていく、こうした形がいわゆる共助に基づく助成制度であると。そうした中で、地域づくり交付金の例も出ましたけれども、私ども地域づくり交付金につきましては、最終的にはそこの地域が、地域おこしといった形で成長していく地域になってほしい、こうした形を支援していく、こうしたものを地域づくり交付金の中に、一つの要素として入れております。もちろん、先ほど言いました、共助・公助の部分、こうしたことに関連するものもありますけれども、一つの大きな性質の中には地域づくり、まちおこしというふうな形で成長していく地域づくり交付金、こうしたことの性質も入れております。こうしたことについては、これからいろいろな形の中で地域づくり協議会として、そちらの方向性についてもまた検討し、支援をしていきたいと思います。
◯ 議長(原 真也議長) 発言時間を超過いたしましたが、答弁のため5分間延長いたします。
◯ 市長(渡辺純忠君) そしてまた、弱い地域に関するものもございます。確かにそうした弱い地域につきましては、弱い地域だから継続的にずっと、補助、支援をしていくというところから、さらに一歩前進して、弱い地域がどうしたら強い地域になるか、やはり戦略を持ちながら、補助金というものを強い地域へ転換できるような、そういうふうな補助金戦略というものを入れていく必要があると思います。こうした、今申しましたことを、いろいろな形の中で、公助に関するもの、自助・共助に関するもの、そしてモデル、奨励に関するもの、そして弱い地域に関してはさらに強くなっていただくような、いわゆる助成制度となるようなものについて総合的に検討してまいりたいと思います。これにつきましては、ケース・バイ・ケース、そういう事象をいろいろ検討しながら進めてまいりますので、一括一挙というわけにはいきませんけれども、そういった事例検証を積み重ねながら、いわゆる成長する補助金といいますか、そういうふうな形で検討してまいりますので、御理解を賜りたいと思います。
◯ 議長(原 真也議長) 以上で、有田敦議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
14番、村田力議員。
〔14番 村田 力議員登壇〕
◯ 14番 村田 力議員 こんにちは、村田力です。通告に従い、大項目で平成28年度予算編成方針と臨時財政対策債について2つ質問します。よろしくお願いいたします。
大項目ア、平成28年度予算編成方針について、幾つか質問いたします。先月9日に発表されました新年度予算編成方針では「これが私の故里だ 定住実現都市」予算と位置づけ、山口市の個性を際立たせ、定住や交流・対流を創造していく三つの創生を重点的に推進し、山口に住んでみたい、住み続けたいと市内外の多くの方が共感していただけるまちづくりにつなげますとされ、それに向けた予算が示されています。収支の試算では──資料のほうをお願いします──一般会計・一般財源ベースは市税による歳入256億円、普通交付税と特別交付税を合わせた地方交付税167億円、臨時財政対策の起債が29億円、その他48億円の歳入合計が500億円。一方、人件費122億円、公債費83億円、その他140億円を合わせた義務的経費が345億円、政策的経費は維持・固定経費99億円及び一般経費33億円を合わせ132億円、プロジェクト経費34億円、一時的・期限付経費8億円、これらを合わせた歳出の合計519億円を試算されておりました。そこで伺います。市税は256億円と試算されていますが、これは平成27年度当初予算と比べて2億円の減少です。2億円の減収と見込まれる算出根拠をお聞かせください。2つ目、地方交付税について質問します。地方交付税は普通交付税150億5,000万円、特別交付税16億9,000万円を合わせ167億円と試算されています。山口市は平成17年の山口市、小郡町、阿知須町、秋穂町及び徳地町の1市4町の合併により新市が誕生して10年、阿東町との合併から5年が経過、合併支援措置の期間が段階的に終了し、平成27年度よりこれまでの合併算定による普通交付税の算定から、一本算定への激変緩和措置の時期に入りました。普通交付税を比較すると、平成26年度の決算額は147億6,012万円、平成27年度の現時点での交付決定額は、144億7,068万7,000円と、阿東町との合併分が逓減し始めたこともあり、2億8,943万3,000円の減額となっています。一般財源の30%以上を占める普通交付税も、来年度さらに減少するのではないかと危惧される方もいらっしゃいます。市税が2億円減少すれば、その分基準財政収入額が少なくなり、結果として普通交付税が増額されますが、昨年度に比べ6億円もの増加で普通交付税額150億5,000万円の試算には驚きます。総務省からの地方交付税算定に関する正式な通達はこれからで、正確なものを出すことは難しい中で試算されておられ恐縮ですが、その算出根拠をお聞かせください。3つ目、平成28年度一般会計・一般財源ベースの収支では、歳入合計500億円に対し歳出合計519億円と試算され、19億円の財源不足とありました。毎年11月に示される予算編成方針では、3年前の平成25年度予算編成方針は10億円の財源不足、一昨年の平成26年度予算編成方針では11億円の財源不足、昨年の平成27年度予算編成方針は17億円の財源不足、そしてこのたびの発表では、平成28年度は19億円の財源不足が示されています。このように、毎年11月の予算編成方針では財源不足が示され、そこから2月の当初予算の発表までの間に事務事業の縮小、廃止、民間化、業務の精査を推進されるなど、厳しい予算設計がなされています。今後も大幅な歳入増加は見込まれず、この状態は続いていくことが見込まれます。歳入規模に見合った歳出を設計すべきで、山口市の財政をこれからどのように運営していこうとされるのか、健全化に向けたお考えをお聞かせください。
大項目2つ目、イ、臨時財政対策債について伺います。臨時財政対策債に関する質問は、山口市議会でもこれまで何度となく議論されてきましたが、私は、その償還、つまり元金と利息の返済と今後の起債について質問いたします。まず、地方債の一種で略称は臨財債と呼ばれる臨時財政対策債とはどのようなものか、総務省のホームページには、臨時財政対策債は地方財政収支の不足額を補填するため、各地方公共団体が特例として起こす地方債で、その元利償還金相当額については、全額を後年度、地方交付税の基準財政需要額に算入することとされ、各地方公共団体の財政運営に支障が生ずることがないよう措置されていますとあります。歳入歳出決算書、主要な施策の成果報告書によると、平成26年度山口市の臨時財政対策として、起債額37億6,501万6,000円、元金償還額18億2,784万6,000円、利息償還額2億8,963万1,000円でした。また、地方交付税算定台帳によると、臨時財政対策債の償還に相当する地方交付税額は19億3,028万3,000円であり、国からの交付額よりも、実際に山口市が償還した金額は上回っています。しかし、この5年、山口市が阿東町と合併した平成22年度から平成26年度までの間、地方交付税に算入された臨時財政対策債償還費は76億8,986万円です。これに対し、実際の償還額は76億440万円となっており、その乖離は8,500万円以上あります。元金償還額の100%が地方交付税に算入される制度であるにもかかわらず、なぜこのような乖離が生じるのか、御教授いただきますようお願いいたします。また、臨時財政対策債の元利償還額は後年度、後の普通交付税に全額算入されますが、地方債であることには変わりはなく、地方債残高が累積する要因でもあります。臨時財政対策債を起債しない、つまり借りなくて済むのであれば借りないほうがよいと考えますが、今後の財政見通しも厳しい中、将来に負担を残すことについて、市はどのように考えておられるのかお聞かせください。
以上を、私の1回目の質問とさせていただきます。
◯ 議長(原 真也議長) 松冨総合政策部長。
〔総合政策部長 松冨博之君登壇〕
◯ 総合政策部長(松冨博之君) 村田議員の平成28年度予算編成方針についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、先月9日に発表いたしました予算編成方針におきましては、平成28年度の予算編成における基本的な考え方や取り組みの方向性とともに、一般財源ベースでの収支試算につきましてもお示しをしているところでございます。この収支試算におきまして、歳入につきましては、編成方針時点での税収の見込みやことし8月に総務省から発表されました地方財政収支の仮試算に基づきまして、総額で500億円を見込んでおります。一方で、歳出につきましては、本市が採用しております施策別包括的予算制度に基づきまして義務的経費345億円、政策的経費132億円をそれぞれの施策に枠配分しておりますほか、枠配分対象外経費として23億円を確保いたしております。この枠配分対象外経費の要望額が編成方針時点では42億円に上がっておりますことから、収支試算は19億円の財源不足という形でお示しをしているところでございます。このうち、歳入におきまして、市税が平成27年度当初予算と比較して2億円減収と試算している根拠についてでございますが、これは今年度の税収の状況を踏まえ、来年度の税収の見込みを立てているものでございます。具体的に申し上げますと、個人住民税、固定資産税につきましては、それぞれ5,000万円程度、合計で1億円程度の伸びを見込んでおりますが、法人市民税につきましては、今年度におきましても当初予算に達しない見込みでありますことから、来年度につきましては、当初比較で4億円減少すると見込んでおり、市税全体では今年度当初予算と比較して2億円程度減少すると見込んでいるところでございます。次に、地方交付税のうち普通交付税を150億5,000万円と試算している根拠についてでございます。地方財政の収支の仮試算におきましては、地方交付税は2.0%減、地方税収は3.6%増と見込まれております。先ほど申し上げましたとおり、本市の税収は国の想定とは異なり、減収となる見込みでありますことから、この差を基準財政収入額に反映いたしますとともに、基準財政需要額として公債費、扶助費の伸びを勘案し、試算をいたしているものでございます。次に、現時点での財源不足額を今後どのように解消していくのかという点についてでございますが、現在行っております予算編成作業の過程におきまして、事業の実施内容や金額、充当財源の精査を行いまして、収支の整合を図っているところでございます。次に、今後の厳しい財政状況を見据えた取り組みについてでございますが、議員御指摘のとおり、合併算定がえによる地方交付税の支援措置が平成27年度から逓減し、平成32年度を持って終了するほか、社会経済情勢の先行きが不透明な中で、市税の大幅な伸びを確実に見通すことも難しいことなどから、歳入の確保が一層厳しくなると考えております。一方で、少子高齢化の進展等による社会保障関係費や市債残高の増加に伴う公債費の増加も見込まれますことから、中期財政見通しにおきましては、平成32年度以降は再び財政収支がマイナスとなる見込みでございます。こうしたことから、平成23年3月に策定いたしました財政運営健全化計画に基づきまして、内部管理事務経費等の抑制や徴収率向上のための諸施策など、歳入歳出の両面から不断の行財政改革を一層進めますとともに、合併特例事業債や過疎対策事業債など、交付税措置率の高い有利な市債の活用や決算剰余金の積み立てによる財政調整基金の増加や減債基金、合併特例基金などの特定目的基金への計画的な積み立て等、将来的な財源不足への対応にも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、臨時財政対策債についてのお尋ねでございます。まず、地方交付税に算入された元利償還額と実際の元利償還額の乖離についてでございますが、地方債の元利償還額を地方交付税に算入する方式といたしましては、実額算入方式と理論算入方式がございます。このうち、実額算入方式につきましては、合併特例事業債や過疎対策事業債等が該当いたしまして、これらの地方債の当該年度の元利償還額に算入率を乗じたものが地方交付税に算入されるものでございます。もう一つの理論算入方式は、起債額に対する平均的な償還額を基礎として、国が算入額を設定しているものでございまして、臨時財政対策債はこれに該当いたすものでございます。よって、償還期間や利率あるいは利息の据置期間──元金を返さない据置期間というのがあるのですが──そういった個別の借入条件とは無関係に算入額が決まりますことから、実際の償還額とは乖離が生じるものでございます。次に、臨時財政対策債に対する考え方についてでございますが、臨時財政対策債につきましては、地方の財源不足への対応といたしまして、国と地方の責任のさらなる明確化と国と地方に通じる財政の一層の透明化を図るため、当初、平成13年度から平成15年度までの間において、国と地方が折半して補填することとし、このうち地方負担分については、地方財政法第5条の特例となる地方債、いわゆる臨時財政対策債でございますが、この発行により補填措置を講じる地方交付税の振替措置として実施され、以降、この制度が今日まで延長されているところでございます。また、議員御指摘のとおり、臨時財政対策債の元利償還金相当額につきましては、その全額を後年度の地方交付税の基準財政需要額に算入することとし、地方団体の財政運営に支障が生ずることのないように措置することとされております。しかしながら、将来にわたって交付税措置がなされることが確約されているとはいえ、将来に負担を残す方法は本来の姿ではないものと考えておりまして、実際に、本市の平成26年度末の臨時財政対策債の残高は314億円余りと、普通会計における市債残高の約33%を占めるに至っている状況でございます。地方の財源不足につきましては、地方交付税法の趣旨に立ち返り、継続的に臨時財政対策債で措置するのではなく、本来、地方交付税の原資となります国税5税の法定率の引き上げによって対応するべきであると認識をいたしておりまして、これまでも県市長会等を通じて国に要望してまいったところでございます。しかしながら、地方交付税の代替財源として地方財政対策に位置づけられていることや予算編成方針の御質問の段でもお答えいたしましたとおり、本市の財政状況も厳しい状況でありますことから、そういったことを勘案しますと、現制度が継続されている間は基本的には全額を借り入れ、当該年度の一般財源として有効に活用していく必要があると考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 村田力議員。
〔14番 村田 力議員登壇〕
◯ 14番 村田 力議員 大項目ア、平成28年度予算編成方針について3)財源不足に対する取り組みについて再質問いたします。来年度は平成27年度に比べ、市税による歳入では地価の下落により固定資産税が減少している、その他の理由によって歳入が、市税が減少するということでした。つまり、山口市民の資産が減少しているわけです。そこで、通常は削減・縮小の対象とならない、余りしない義務的経費の人件費についても、聖域とせずに見直しの対象とすべきではないでしょうか。毎年のように財源不足が試算される状態を改善し、持続可能で健全な財政を目指すべきではないかと考えます。12月1日の市報6ページから7ページでは、平成26年度人事行政の運営等の状況報告で一般行政職のラスパイレス指数は100.6となっています。ラスパイレス指数は、国家公務員の給与水準を100とした場合の給与水準で、山口市の一般行政職の給与は国家公務員よりも0.6高いことになっています。また、昨年、第6回定例会では、追加議案として議会中に補正予算が組まれ、山口市議会の議員の議員報酬及び非常勤の職員の報酬並びに費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例案、山口市特別職等の給与に関する条例の一部を改正する条例案及び山口市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案が提出され、結果として、議員報酬や職員給与などがアップしました。その財源の一部は臨時財政対策の市債を起債し、これに充てています。今後も厳しい財政見通しとなっていますが、財源不足であっても、市民の皆様への住民サービスが低下することがないように努めるべきで、その具体的な方法の一つとして人件費、つまり、議員報酬や職員給与等の見直しも改めて行う必要があると考えますが、市としての見解をお聞かせください。
◯ 議長(原 真也議長) 伊藤総務部長。
〔総務部長 伊藤和貴君登壇〕
◯ 総務部長(伊藤和貴君) 財源不足に対する取り組みについて再度の御質問でございます。先ほども御答弁申し上げましたように、本市におきましては定員適正化計画等に基づく職員定数の削減、これを初め、給料抑制による給与水準の適正化、それから職員手当の見直しなどによりまして、人件費の削減、抑制に計画的に取り組んできたところでございます。議員御指摘のとおり、類似団体と比較いたしましても、若干、職員数は比較的上位に位置しているといったような状況もございますし、ラスパイレス指数につきましても、国家公務員の100とする指数に対して100.6という若干高い数値を示しているところでございます。しかしながら、ラスパイレス指数につきましても、基本的には山口県の水準を一つの目安としながら、給与抑制措置をこれまで実施し、給与水準の適正化にも努めてきたところでございます。ちなみに、100.6というラスパイレス指数の県内の順位でございますが、県内13市のうち、上位から5番目の位置にあるというのが現状でございます。このような中、年金受給年齢が60歳から65歳に引き上げられることによる雇用と年金の接続といった問題が新たに加わりまして、希望する職員を原則として再任用として雇用することとなったために、今後、再任用職員の増加に伴う人件費のあり方も新たな課題となっているところでございます。このような中、本市といたしましては、引き続き、給与水準の適正化を図ることを念頭におきまして、内部管理業務の集約化や業務の民間委託に取り組む等、より効率的、効果的な業務執行体制の構築を図りますとともに、適正な定員管理に中長期的に取り組み、人件費の抑制による持続可能な行財政基盤の確立に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(原 真也議長) 以上で、村田力議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
本日の一般質問並びに質疑は、これをもって終了いたします。
以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。再開は明8日午前10時であります。
午後5時58分散会
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地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。
議 長 原 真 也
副 議 長 氏 永 東 光
会議録署名議員 瀧 川 勉
会議録署名議員 坂 井 芳 浩
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