田辺市議会 2023-12-12
令和 5年第5回定例会(第3号12月12日)
○議長(尾花 功君) 日程第1
一般質問を行います。
3番、
久保浩二君の登壇を許可いたします。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) おはようございます。
3番、
日本共産党の
久保浩二です。
通告に従いまして
一般質問を行います。
今回は、一つ目が
会計年度任用職員の
待遇改善について、二つ目が
介護保険制度について質問をします。
まず、1番目の
会計年度任用職員の
待遇改善について。
日本の非
正規雇用者は、この20年で約1.5倍、650万人も増加し、2,100万人に達しています。賃金は
正規雇用者の67%にとどまる上、ボーナスや各種手当の不支給などの格差もあり、年収200万円以下の
ワーキングプア(働く貧困層)を形成しています。非
正規雇用の増加が低賃金構造を拡大し、日本を賃金の上がらない国にし、経済の長期停滞の大きな原因になっています。
また、非
正規雇用の7割が女性であり、
男女賃金格差の大きな要因になっており、ジェンダー平等を阻害しています。
EU(欧州連合)でも非
正規雇用は増加しましたが、同一価値労働、同一賃金、また、均等待遇などの
労働者保護を進め、
待遇改善と格差の是正を図ってきました。韓国でも非
正規雇用の問題は長い間、後回しにされてきましたが、2000年代に入り、政治主導で
待遇改善を進め、非正規から正規への転換も推進しています。
ところが、
自民党政治は、財界の求めに応じて非
正規雇用を野放図に拡大しておきながら、
労働者保護はなおざりにしてきました。その結果、日本では正規と非正規の格差が拡大し、非
正規雇用者は無権利状態に置かれたままで、雇い止めも横行しています。日本の非
正規雇用者は先進国の中でも劣悪な労働環境に置かれていると言わなければなりません。
女性が非
正規雇用の7割を占め、男性より賃金が低い理由は、
性別役割分業を前提とした雇用慣行にあります。戦前、戦後を通じて、男性が働いて妻子を養い、女性は家事・育児を担うことが当然視されてきました。
パートタイム労働やケア労働も女性が就労する家計補助的な働き方と位置づけられ、賃金をはじめ様々な格差が容認されてきました。
そこで、参考資料1と2を御覧いただきたいと思いますが、この参考資料1は既婚者の世帯収入になっています。ここでは女性のところでも、黄色の部分、500万円から600万円台というのもあるのですが、参考資料2を御覧いただきますと、既婚者の個人年収、20代から60代の方の多くがゼロから100万円未満、または100万円から149万円、150万円から200万円台。女性の20代で約6割が200万円台以下。30代、40代、50代、60代となりますと、50代、60代で見ますと約8割が低い収入の水準になっています。これが今お話したように、女性が就労する家計補助的な働き方ということが表れているというふうに思います。
そして、コロナ禍でも休業などの影響が大きかった飲食・宿泊業界では、働き手の6割を占める非正規の女性が解雇、雇い止めの対象にされました。家事・育児の負担が女性に偏る下で一斉休校が実施されたため、特に非正規の女性が失職や休職を余儀なくされました。
これらは、非正規という
雇用形態を通じた女性差別にほかなりません。非
正規雇用の拡大がジェンダー平等を阻害してきたのです。非
正規雇用の
待遇改善は、
性別役割分業による女性差別をなくし、ジェンダー平等を実現する上でも重要な課題です。
そして、新自由主義が台頭する下で公共の役割と責任が縮小、放棄され、業務の民間委託と公務員の大幅削減が進められました。
しかし、行政に対する国民や住民のニーズが減少したわけではなく、
正規公務員を削減する代わりに非
正規公務員の増員が行われてきました。その結果、現在公務員全体の約3割が非
正規公務員となっています。中には、半数以上が非正規という自治体も現れています。
しかし、非
正規公務員は、
無期転換ルールや雇い止め法理の適用もなく、非正規で5年連続勤めますと正規に雇用しなければならないという法律もあるのですが、それの適用も受けていないということです。多くの人が
官製ワーキングプアと言われる低賃金で働いており、しかもその大半は女性です。国や
自治体自身が
ワーキングプアと
雇用形態を通じた女性差別を拡大してきたのです。このことを深く反省し、国・自治体が率先して非
正規雇用の
待遇改善を進めるべきです。
そこで、1番の田辺市職員の人員構成、正職員数(男女比)と
会計年度任用職員数についてお伺いします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君) 3番、
久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
総務部長、西 貴弘君。
(
総務部長 西 貴弘君 登壇)
○
総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
本年10月1日現在、
常勤職員数は913人。このうち男性は637人で69.8%、女性は276人で30.2%となっております。
会計年度任用職員数は、
社会保険加入対象となる週20時間以上勤務する者が、本年11月現在で521人となっております。
(
総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 次に、
会計年度任用職員の勤務年数と男女比、給与などの待遇についてお伺いします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
総務部長。
(
総務部長 西 貴弘君 登壇)
○
総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
まず、
会計年度任用職員の制度は、
地方公務員法において、一
会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職とされており、同じ所属課において同一内容の業務に従事するとしても、あくまでも新たな職に改めて任用されたものであるという考え方が国から示されております。
そうした中、同じ方が次の年度において再度任用されるという場合もあるため、勤務した年数が接続して複数の年度にわたる者もおります。
また、
会計年度任用職員制度は、令和2年度から施行されておりますが、それ以前に
臨時的任用職員、その他の
非常勤職員として勤務し、その後、接続して
会計年度任用職員として勤めている者もおります。
本市における
会計年度任用職員の合算した勤務年数は、制度施行前も含めた場合、10年未満の人が353人、10年以上20年未満が128人、20年以上30年未満が29人、30年以上が11人となっております。
男女の内訳としては、男性職員が162人で31.1%、女性職員が359人で68.9%となっております。
(
総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 今、
正規職員と
会計年度任用職員のことについてお聞きしましたが、私が最初に述べたように、やはり非正規の7割が女性、正規の7割が男性というふうな形で、やはりこれを如実に表しているものと言わなければならないと思います。
次に、
会計年度任用職員制度の適正な運用等について、「適正な給与決定」という項目で、職責の内容や責任、職務遂行上必要となる知識、技術及び
職務経験等を考慮するとなっています。田辺市には10年以上の経験のある
会計年度任用職員が168人もいます。そして、30年以上が11人もいます。給与、待遇は適切かお伺いします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
総務部長。
(
総務部長 西 貴弘君 登壇)
○
総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
会計年度任用職員の給与については、議員御指摘のとおり、職務内容や責任、職務上必要となる知識、技術及び職務経験を考慮することとなっております。また、職務給や均衡の原則にのっとり、類似する職に従事する
常勤職員に属する職務の級の初号級の給料月額を基礎とすることや、地域の実情等を踏まえて適切に決定する必要があるとされています。
当市におきましてもこれにのっとり、
常勤職員の給料表の1級を適用し、職務の専門性に応じた昇給制度を設けることで、その方の経験年数に応じた給与の待遇としております。
(
総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 田辺市の
会計年度任用職員の事務職の方は、一番最初1級の1号から始まって、最高で1級の5号で頭打ちになっています。この状態は適切ではないというふうに思います。
次に、「適切な勤務時間の設定」という項では、
フルタイム勤務とすべき標準的な業務の量がある職について、
パートタイム会計年度任用職員として位置づけること自体を目的として、勤務時間を
フルタイムより僅かに短く設定することは適切でないことと書かれています。財政上の制約を理由として行うことは改正法の趣旨に沿わない、相当の理由があるかを改めて検証の上、慎重に判断する必要があることに十分留意することとあります。
田辺市は、
パートタイムの6時間45分の時間を、もし
フルタイムの7時間45分にすれば、
会計年度任用職員の年収が30万円以上増えることになります。なぜ田辺市は6時間45分になっているのでしょうか。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
総務部長。
(
総務部長 西 貴弘君 登壇)
○
総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
会計年度任用職員については、職種や職場によって勤務時間が異なりますが、これらは制度導入時に、その職種や
業務内容等に応じて必要となる勤務時間数を設定したものであり、実情に即したものであると考えております。
(
総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 制度ができたときに、そういうふうに1時間短くすると決めたということなのですが、よそのところでは
フルタイムのところもありますし、7時間、7時間半いろいろあって、田辺市のように6時間45分というのはそんなに多くないように思います。そして、ほかのところではもう少し待遇もよいというふうになっています。
次に、
会計年度任用職員の人勧適用、
期末手当・勤勉手当についてお伺いします。
公務員の
給与改定に関する取扱いについて、令和5年10月20日の閣議決定、
常勤職員の
給与改定が行われた場合における
会計年度任用職員の給与に係る取扱いについて、令和5年5月2日付、
総務省自治行政局公務員部給与能率推進室長通知を踏まえ、
常勤職員の
給与改定が行われた場合における
会計年度任用職員の給与については、改定の実施時期を含め、
常勤職員の
給与改定に係る取扱いに準じて改定することを基本とされていることに留意されたい。
今回、人事院は、
会計年度任用職員についても、常勤に準じて4月に遡及、遡ってするよう勧告しています。また、総務省も今回初めて
会計年度任用職員も常勤に準じて4月に遡及して行うよう今年度5月から準備するよう求め、国の予算で補正まで組んで予算を用意する、さらに遡及をこれからも促していくというふうに言っていますが、田辺市は今回も特例として
会計年度任用職員の給料を適用外にし、今年度遡及して支払わないことになっています。その理由についてお伺いします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
総務部長。
(
総務部長 西 貴弘君 登壇)
○
総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
本市は、
会計年度任用職員の給与について、年度当初に提示した給与条件を保障するという観点から、
人事院勧告によって増減いずれの改定がある場合も、
当該年度途中は据え置き、次年度から適用するという運用を行っております。また、これを
会計年度任用職員にも周知をしております。
令和3年度の
人事院勧告は、
期末手当の支給割合を0.15月分引き下げる内容でありましたが、同年度に引下げを行った職員とは異なり、
会計年度任用職員については、
当該年度中の支給割合を据え置き、翌年度から引下げを適用しました。
また、令和4年度の
人事院勧告は、勤勉手当を0.1月分引き上げる内容であり、
会計年度任用職員については、この
引上げ相当分を
期末手当において翌年度から引き上げることとしました。
このような経過もありますので、本市としては、本年度中の遡り適用を考えておりませんが、今後の
会計年度任用職員の
給与制度等の在り方については、本年度の国からの通知内容も踏まえながら、職員団体との協議、検討を行っているところでございます。
(
総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 和歌山県の自治労連という組合の調査の結果資料をいただいてあるのですが、和歌山市、橋本市、高野町、九度山町、かつらぎ町、海南市、紀美野町、有田市、湯浅町、広川町、日高町、日高川町、それにみなべ町と新宮市も遡って払うというふうになっております。
先ほど言いましたように、国からの準じるようにという、かなり強い通達があって、それのお金も用意していますと国のほうで言われているのにされないというのは、やはり田辺市としたら、
会計年度任用職員の
待遇改善に少し後ろ向きではないかなというふうに感じました。
次に、
会計年度任用職員の年収についてお伺いします。
職種ごとの時間給、年収、そして最低と最高の等級についてお聞かせください。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
総務部長。
(
総務部長 西 貴弘君 登壇)
○
総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
週5日勤務の
事務補助職であって、事務職の前歴のない方の初年度につきましては、時給956円、年収は約189万6,000円。最高額につきましては、時給985円、年収は約195万2,000円となっております。
一方で、資格等を有する専門職にあっては、例えば、保健師などで経験年数により最も高くなった場合は、時給1,562円、年収は約309万5,000円となっております。
なお、これらの年収額については、基本報酬と
期末手当の合算であり、通勤に係る
費用弁償等は含んでおりません。
(
総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 事務職は最低賃金に少しだけというふうな形なので、やはりもう少し待遇をよくしていくということが必要だというふうに思います。
ほかの自治体のところを見ますと、事務職で一番高いところは、美浜町の2級の125号、時給で1,869円、年収で438万円、印南町も同じです。そして、日高川町も1級の93号、1,521円、357万円というふうな形で、保育士のところも田辺市はそんなに高くないというふうに思います。やはり
待遇改善を、市で働いていただいている方を
官製ワーキングプアにならないということで対応をしていくべきではないかというふうに思います。
そして、
待遇改善では、職員の平均年収は614万円。
会計年度任用職員が大体200万円ほどです。事務職をはじめ、専門職含め、最高限度の引き上げ、同一価値、同一賃金、この考え方、そして、勤務時間の延長も選択できるように通知していく。そして、
官製ワーキングプアの解消に努めるべきだと考えますが、当局の認識をお伺いします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
総務部長。
(
総務部長 西 貴弘君 登壇)
○
総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
会計年度任用職員の処遇につきましては、
人事院勧告を基本としつつ職員団体と協議を行い、処遇改善に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
(
総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 田辺市は、職員が
正規職員913名、非正規で週20時間以上の人が521人で、週20時間以下の人が大体200人ぐらいおられるということで、
会計年度の職員が700人余りで仕事を回しているというふうになっていると思います。やはり今後、韓国のように政府が主導して、非正規を正規に変えていくとかというふうなこと、そしてヨーロッパのように、やはり同じ仕事をしていたら同じ賃金にしていく、そういう考え方の上に立って
待遇改善をしていってほしいというふうに思います。
そして、田辺市の職員の採用のここ10年の資料をいただきました。受験者の数を見ますと、やはり男性が多くてというふうな形なのですが、最近、ここ数年は男女変わらない数字になってきて、少しは改善されているかなというふうに思います。今年の秋採用の方も10人採用されて、そのうち8人が女性だということで、そういう意味で、少し改善の方向できてあるのかなというふうに思うのですが、市民の方から見たら
会計年度任用職員の方も市職員なのです。3倍も開きのある、そういう働き方をそのまま放っておくということは、やはり市民の皆様から見ても、もう少し改善をというふうに思われると思いますし、一番最初に述べましたように、日本の国がこの30年間停滞してきたというのは、やっぱり働き方で非正規を増やしてきて賃金を上げていかない。そのことを変えていかない限り、この地方の経済も、個人消費を増やしていく、そういうことにもつながらないというふうに思いますので、今後とも
待遇改善、職員の男女比のことも含めて改善をしていただけたらと思います。
次に、
介護保険制度についてお伺いします。
田辺市の介護保険料は6,958円。和歌山県は全国で4番目に高い。その中で田辺市は県内で5番目に高いということで、第8期のときに6,958円という金額が決められました。
その中で準備基金という基金があるのですが、それをこの3年間で積み増しして、今6億円を超えている状況にあります。この6,958円という保険料が高過ぎたのではないかというふうに私は考えますが、当局の見解を求めます。
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長、古久保宏幸君。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
第8期における第1号被保険者の保険料基準額につきましては、保険者である市町村が、計画期間における介護サービス量の増加や介護報酬改定などの影響を見込み定めることとされており、田辺市では、高齢者福祉計画策定委員会において議論を重ね、議会に上程し、御承認をいただいた上で6,958円と定めております。
第8期の介護保険料基準額の全国平均は6,014円。和歌山県平均は6,541円となっておりますが、令和3年1月時点における高齢化率の全国平均が28.5%であるのに対し、和歌山県は33.2%と高齢化が進んでおり、介護サービスに対する需要が高い傾向にあると考えられます。
和歌山県内におきましても、田辺市の要支援・要介護認定率は、令和2年3月時点で23.9%と、県平均の21.8%を上回っており、被保険者に占める介護サービスを必要とする方の割合が高いことや、第8期計画期間内の和歌山県地域医療構想において、田辺圏域における一部の医療病床が介護医療院に転換する可能性があったため、また、その利用者の大多数が田辺市の被保険者であることから、計画期間内において大幅に増加することが見込まれる介護サービス量に対応することができるよう、基準額を定めた次第でございます。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 保険給付が大幅に増えることを予測してということで6,958円を設定した。そして、第8期のときの準備基金が3億円ほど。それが令和4年度決算なので2年間で6億円になったということなので、今言われたところは、予想したけれども、そこまでお金がかからなかったということだと思うので、また後で述べますが、この準備基金の使い道は、今度の9期でしっかり出していただいて、保険料を調整するということに使っていただけたらというふうに思います。
次に、来年2024年から
介護保険制度が第9期ということになりまして、今度の3年間、2024年、2025年、2026年の3年間の保険料を決めるということで、この12月、今の時点で厚生労働省なんかでどういうふうにするかということをいろいろ審議されていると思うのですが、今の見込みでは、9段階の保険料を設定しているところが、12から13というふうに段階を引き上げるという計画になっていますが、そうなったときに、上がる部分については、320万円以上の収入のある方の段階を増やして、そこで最高で2.7ぐらいまで引き上げるというふうになっていると思うのですが、その中で、現在の計算で見た場合に保険料収入は増えるのか、減るのか、どういうふうな予想をされているのかお伺いします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
第9期の計画期間において必要となる総保険料収入につきましては、現在推計作業を進めているところですが、
介護保険制度の持続性を確保するため、負担能力に応じた保険料を負担していただくことが必要であると考えております。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 今現在で段階が増えるのか、減るのか、どういうふうになるのかということがまだ計算していないということなのですが、いろいろ言われている予想の中では、今ある第9段階、320万円以上というのが天だったのですけれども、これが10、11、12、13、410万円以上、500万円以上、590万円以上、680万円以上という形で、10段階の方になると1.8倍から基準の1.9倍、11段階が1.9倍から2.1倍、12段階、590万円以上の方は2.0から2.3倍というふうにすることが大体もう今現在、方向性が出てあるというふうに思います。今までの
介護保険制度の段階というのが7段階から9段階というふうな形で、だんだん所得の多い人のところに保険料を払っていただくという形をつくってきたのですが、今後第9期では、それを具体的にしていくことになってくると思います。
そして、第9期の保険料の基準額、今の段階ではまだきちんとした数字が出ないかも分からないですが、大体の予想というのが出てあったらお伺いします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
第9期の計画期間における介護保険料基準額につきましても、現在推計作業を進めているところです。
これまでの経過としましては、令和5年8月2日に第1回目の高齢者福祉計画策定委員会を開催したところで、令和6年1月29日に開催予定の第2回目の委員会において計画素案をお示しし、検討を重ねます。その後、令和6年2月28日に開催予定の第3回目の委員会において介護保険料基準額の最終案を含む計画案をお示しする予定となっております。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 基準額もまだ未定ということなのですが、そしたら高所得者の保険料、先ほど説明しましたように、所得320万円以上の方が3から4段階引き上げられ、最大で基準額の2倍以上になるというふうにして、田辺で見ますと16万円から20万円ぐらいということが予想されるのですが、そのようになると理解してよろしいでしょうか。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
高所得者の第1号被保険者保険料の多段階化につきましては、現在、国において議論がされており、令和5年中には審議結果が公表される予定ですので、国が示す制度改正に対応をしてまいりたいと考えておりますが、
介護保険制度の持続性を確保するため、負担能力に応じた保険料を負担していただくことが必要であると考えております。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) まだ国のほうで決まっていないということで、先ほどの保険料について、基準額について、今の高所得者の保険料について、きちんとした答えが出ないということなのですが、次に、先ほど言いましたように、介護給付費準備基金というのが令和4年度末で6億円余りに増えています。この基金の使い方というのは、3年間の保険料を調整するということで、この基金が使われるとなっています。6億円あるということは、十分保険料を据え置くか、下げることが可能というふうに考えます。
田辺市の第8期の介護保険料の収入は、令和3年度決算で17億1,600万円、令和4年度決算17億1,200万円、令和5年度予算で17億500万円となっています。このうちの、もし保険料が少し上がったとしても、6億円あれば毎年10%以上の補填ができる計算になるのですが、そういうふうな活用をする、第9期でこの6億円の基金を活用して保険料を据え置くか、引き下げるかということは検討されるべきだと思いますが、考え方をお聞きします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
介護保険料は、計画期間の3年ごとに設定するため、決算において一定の余剰が生じた年度においては、介護給付費準備基金として積み立てて、次年度以降に備えることができるとされております。
第8期計画期間における本市の介護保険財政の状況につきましては、田辺圏域における一部の医療病床の介護医療院への転換時期が、当初の令和4年度の予定から令和5年7月に延期されたことや、令和3年度介護報酬改定において算定要件が厳格化された訪問看護サービス、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた通所介護サービス等の実績値が計画値より低い水準となったため、令和4年度までは準備基金を取り崩す状況には至っておりません。
第9期の計画期間において必要となる第1号被保険者保険料の水準につきましては、現在推計作業を進めているところですが、本市におきましても、今後、高齢者の高齢化が一層進むほか、国において、令和6年度に高齢化等に伴う事業者の収益増を処遇改善につなげるための報酬改定や所得状況に応じた利用者負担割合の見直し、第1号被保険者保険料の高所得者所得段階の細分化が検討されているところでございます。
第9期計画期間における保険料設定につきましては、今後、国の動向等を注視しながら、介護給付費に対する負担が過度に被保険者の皆様に転嫁されることがないよう、これまで積み立ててきた準備基金の一部を保険料上昇の抑制のために活用したいと考えております。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 保険料の引上げとかそういうふうなところに、もし過剰に引き上がるようなことがあったらそれを使いたいみたいなお話なのですが、いろいろ資料を見ますと、実際に8期のときに基金を大幅に取り崩して、海南市は100%基金を取り崩して保険料基準額の伸び率をマイナス6.3%、そして、みなべ町でも69%の基金を取り崩してマイナス9.4%というふうな形で、基金をしっかり使って伸び率を抑える、逆にマイナスにしていくというふうなことがやられてあるので、それを参考にしていただけたらと思います。
次に、今、国で介護保険の利用料負担の引き上げが議論になっています。今、2割負担の方というのが、1人で年収280万円以上の方が利用料の2割負担となっていますが、国はこれを引き下げて、220万円以上か190万円以上あれば2割負担にするという計画が言われていますが、もしこうなったら田辺市にも大きな影響が出ると思うのですが、その見通しについてお聞かせください。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
所得状況に応じた利用者負担割合の見直しにつきましては、現在、国において議論がなされており、令和5年中には審議結果が公表される予定ですので、国が示す制度改正に対応してまいりたいと考えております。
利用者負担の見直しにつきましては、保険料の上昇を可能な限り抑えながら、現役世代に過度な負担を求めず、高齢者世代内において負担の公平化を図る一つの手法であると考えております。
なお、月々の介護サービス費の自己負担額が高額となり、上限額を超えた場合は、利用者は超過分を高額介護サービス費として払戻しを受けることができます。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 介護保険も、もともと制度が始まったときには1割負担、利用料は所得に関係なく1割負担というのがあって、2割に一部の人がなって、収入が多い方は3割というふうなことになって、これは医療のほうでも、もともとは1割というのが、今75歳以上の後期高齢も2割というふうな話になってきて、とにかく自己負担を増やすのが国の考え方。本当に今の年金だけの高齢者にとったら、どんどん限度額を引き下げられて、払うものがどんどん増えていくというのは、生活していくのが大変な状況になってきてありますので、国に対して、市のほうからもその辺をしっかり意見を出していただけたらと思います。
次に、介護サービスの現状と将来の見通しについてお伺いします。
現在、必要なサービス提供ができているのかということで、私の体験をお話させていただきたいと思います。
介護認定の申請を断られたということで相談を受けた件です。この方は、かなり病気が進行していて状態が思わしくないということで病院で診察を受けて、がんもあるということで、その後すぐに重篤化することが予想されると医師から告げられて、本人がその帰りに介護申請に来たということでした。しかし、そのときは、様子が要介護状態と職員のほうが受け取らなかったため申請ができず、そのまま帰宅。その後すぐに病状が悪化し、ベッドで寝たきりの状態になったそうです。そして数か月後、もう本当に大変な状態になってから、私に
介護保険制度を利用したいという相談がありました。そして、すぐにケアマネジャーさんと一緒に本人に会いまして、そのときの様子は、本人はもう目を開けることもできない様子で、介護申請をするのですが、その前に病院でとにかく体をもう少し状態をよくするようにということで、診察と入院を勧めました。そして、入院をしましたが、相談を受けた5日後に亡くなったという連絡がありました。本人は一度断られたために、重篤な状態でも介護申請をためらったというふうに言われます。介護をしていただいたパートナーの方がそのように言っていました。こういう状況もあります。
また、年金が2000年のときから比べて、17万円から平均14万円に3万円も下がっているという現実があります。年金が下がりますと、必要な介護サービスを制限するという方も増えています。このような状況で、現在、介護が必要な方が必要なサービスを全て受けられているということでしょうか。その認識についてお伺いします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
介護認定の申請窓口では、来庁された方に
介護保険制度の説明を行うとともに、その時点での心身の状況を聞き取ります。
要介護の認定は、介護の必要度、どれぐらい介護サービスを行う必要があるかを判断するもので、病気の重さと要介護度は必ずしも一致しない場合もあり、自身で日常生活ができる方については非該当の判定が出る場合もあります。
個別ケースについてはお答えしかねますが、来庁された方の申請の意思に対して窓口でお断りをするといった対応はいたしておりません。しかしながら、申請者が想定する介護度と審査結果が異なる場合もあることから、介護の必要が低い場合は、申請をいただいても、審査の結果、非該当になる場合もあるということを事前に説明しており、結果として申請を断られたといった印象をお持ちになられたのではないかと思われます。
窓口相談に来られた方から、身体の状態を全てお聞きすることや、その後の状態変化等について予見することは大変難しい状況にありますが、今後におきましても、より丁寧な説明を行うよう努めてまいりたいと考えております。
次に、年金額が下がり上限額までサービス利用ができない状況があるということですが、要介護認定・要支援認定を受けた方は、介護支援専門員が利用者の同意を得て、介護サービス計画(ケアプラン)を作成し、サービスの実施状況を把握するなど、継続的な管理を行っております。
1か月の支給限度額については、要介護状態区分に応じて利用できる、あくまでも支給限度額を示したものです。中には、費用面から介護サービス量を調整している方もいらっしゃると思われますが、介護支援専門員が利用者それぞれの状態に応じて、自立や日常生活の支援を効果的に行えるようプランを作成し、サービス利用をしていただいているところです。
また、先ほどの答弁のとおり、1か月に支払った利用者負担が支給限度額の範囲で一定の上限を超えた場合は、超えた分が高額介護サービス費として払戻しを受けることができ、利用者負担の軽減がなされております。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君)
久保浩二君。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 窓口に介護認定の申請に来るというのは、基本的に本人というのを多分想定されてないと思うのですよ。家族の方や、そういう方が相談に行ってというのが、私の知る限りでは普通で、本人が窓口へ行って申請するというのは、そんなにあることではないということで、本人が来たということは、歩ける、車で来た、そういう状況を見たら、「今の状態だったら申請は多分しても認められませんね」みたいな感じの対応をされたのではないかなと私は思うのです。ですから本人にしたら、そのことが後々、本当に介護が必要な状態になったときに、断られたということがトラウマになって申請しなかったということなのですよ。ですからいろいろなことを想定して、窓口で今後対応していただきたいというふうに思うのです。
そして、年金で必要なサービスを引き下げてというふうなことを認めていただいたので、私も今まで介護の問題についていろいろと質問させてもらったときに、いろいろな事業所をお聞きして回ったときに、皆様共通して、なかなか目一杯のサービスを受けている方というのはそうありませんよというふうなことも言われています。
次に、今後必要なサービス提供ができるかについてお伺いします。
先ほど言いましたように、利用料が2割負担に拡大、それから年金も下がっている。要介護1・2を、
介護保険制度から市町村が今要支援の方々に行っている総合事業への移行を検討というふうなこと。もしこれがされますと、利用控えが起こって、要介護1・2というのは多分ほとんどの方が認知症、かなり重い方が要介護2で、軽度の認知の方が要介護1というふうな形でサービスを受けられていると思います。そこで、サービスが引き下げられますと生活が立ち行かなくなる。前回の9月議会の
一般質問で高齢者の実態をお話したときに、独居の方が7,500人ほどいる、高齢者だけの方が4,000世帯以上ある、そういう方々に本当に必要なサービス、介護サービスが必要な方にこういう国の切り下げのことが行われたら、本当に自宅での生活が成り立たなくなる、そういう現実が出てきます。
そして、従業員の不足、ヘルパーさんなど訪問介護のほうの人が、今現在、求人倍率が15.5倍で、どれだけ求人をかけても人が集まってこないということが言われています。これは今に始まったことではなくて、もうずっと人員不足が続いていて、ますますひどい状態になっています。
そして、4町村のところでお話を聞いてきましたが、本宮では訪問介護事業が町内に2か所、上富田から1か所来ていただいてということなのですが、デイサービス事業者が撤退、ケアマネジャーも撤退。本宮は田辺市街から遠く、新宮も遠い、そして、新宮はほかの自治体ということで、同じ保険料を払っているにもかかわらずサービスの格差が現在でも生まれている。そして、マンパワー不足。そして、訪問介護のヘルパーさんはほとんどの方が65歳以上。龍神でも、今現在はどうにかそういうサービスを提供しているが、やはり同じようにマンパワー不足。近い将来、本当に制度を維持していくのは困難というふうに言われていますが、その状態をどういうふうに認識されているのかお伺いします。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
議員御質問のとおり、現在、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会では、利用者負担の2割負担者拡大等について議論がされております。
これは、今後、介護給付費の増加が見込まれる一方、現役世代が急減する状況を踏まえて、介護保険の2割負担の対象者を現行の年金収入280万円以上から引き下げて2割負担者を拡大するもので、審議会の中では、負担割合の引上げは日常生活への影響が大きいといった反対意見や、低所得者に配慮しつつ原則2割負担対象者を拡大していく見直しが必要といった賛成意見が出されております。
国においては、議論を深め、年末までに結論が出されるということで、市としては、引き続き審議内容を注視してまいりたいと考えております。
要介護1・2の方を市町村の総合事業へ移行する制度改正につきましては、社会保障審議会介護保険部会で慎重な御意見が多かったことから、令和6年からの第9期計画での改正は見送られることになりました。
介護従事者不足や待遇、環境などの改善につきましては、介護保険部会で、第1号保険料標準段階の多段階化について、高所得者層の保険料引上げで得られる財源を低所得者の負担軽減に回す一方、現在、軽減に充てている別枠公費の一部を介護職員の処遇改善などに活用することが検討されております。
市においても、介護人材の不足等については喫緊の課題であると認識しているところであり、県と連携しながら、介護職場への参入促進、定着促進、人材育成等の介護人材確保対策について効果的な施策を検討の上、取り組んでまいりたいと考えております。
国庫負担の引上げについては、毎年、全国市長会を通じ、国に対して要望を行っており、今後も機会あるごとに行ってまいりたいと考えております。
議員御質問のとおり、介護保険について、第9期計画に向けて各種の制度改正の検討が進められているところであり、引き続き審議内容を注視しながら、必要なサービスができるよう努めてまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君) 久保議員、所定の時間が迫っておりますので質問は簡潔にお願いします。
(3番
久保浩二君 登壇)
○3番(
久保浩二君) 今あったように、本当に地方では
介護保険制度が崩壊状態に近い将来陥るということで、これはやはり、今現在、国が25%しか負担していないのを以前のように50%に負担を求めていく、そのことができない限りは
介護保険制度は続かないというふうに思います。
消費税が導入されてちょうど35年になります。この間、消費税がどんどん膨れ上がって、1989年から2018年までに日本人が払った消費税は累計で371兆円余り、その間、法人税は、国・地方合わせて毎年29.8兆円あったものが減って、比較すると290兆円も減ったことになって、消費税の78.1%が法人税減税の穴埋めになったということです。
そして、政府は今でも消費税は社会保障に使われていると言っていますが、社会保障に使っているのであれば、こんなにどんどん制度が改悪されて、高齢者にとって大変な状況になるということは防げるはずです。消費税は社会保障に使われているということの妄想に惑わされてはならないし、また、社会保障を充実させて安心して暮らせる社会にする、そしてまた、非
正規雇用の大幅な
待遇改善を求めて終わります。ありがとうございました。
(3番
久保浩二君 降壇)
○議長(尾花 功君) 以上で、3番、
久保浩二君の
一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(尾花 功君) この場合、午前11時15分まで休憩いたします。
(午前11時02分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(尾花 功君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時15分)
○議長(尾花 功君) 続いて、16番、安達幸治君の登壇を許可いたします。
(16番 安達幸治君 登壇)
○16番(安達幸治君) 16番、くまのクラブの安達幸治です。
通告に従いまして
一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
今日は地域交通についてと10年後を見据えた有害鳥獣駆除、二つについて絞って
一般質問をさせていただきます。最後までよろしくお願いいたします。
まず、地域交通についてです。
市内各地域を回っておりますといろいろな要望を受けますが、中でも特に多いのが交通弱者と言われる人たちの声です。お年寄りや免許を返納された方、障害のある方や、また、路線バスや公共交通の停留所から遠い人など様々です。地域交通の不便さについては、これまでも議会で取り上げられましたが、いまだ思わしい結果には至っておりません。
先日もある女性団体からも要望いただきました。この団体の意見やアンケートは過去にも議会で取り上げられ、乗合タクシーとしては否決されましたが、多くの市民の意見を反映させており、私なりには心に残るものがございました。これがそのときのアンケートです。
市においては、2020年4月に田辺市地域公共交通網形成計画を発行しました。なかなか出来栄えのよいものと感じておりますが、しかしここに来て、改めて地域交通計画のアンケートを取るということが地元紙に掲載されておりました。果たして、この3年間でどのような変化があったのでしょうか。
市においては、これらの諸課題について十分に認識し、懸命に取り組んでこられたと思いますが、改めて現在まで、これらの課題に対してどのように取り組んでこられたのかお聞かせください。
また、龍神村においては、これまでにもNPO団体ええとこネット龍神村が乗合タクシーに取り組まれており、既に十数名の運転手さんが名乗りを上げてくれているとのことで、これも地元紙に大きく掲載されました。彼らの活動においては、何らかの事情により現在動きが止まっており、その後は市に委ねているとも聞き及んでおります。現在の状況についてもお聞かせください。
以上、よろしくお願いいたします。
(16番 安達幸治君 降壇)
○議長(尾花 功君) 16番、安達幸治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、山﨑和典君。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
市では、令和2年に地域公共交通の現状、問題点、課題の整理を踏まえて、公共交通ネットワーク全体を一体的に形づくり、持続させることを目的に、田辺市地域公共交通網形成計画を策定し、地域別意見交換会や評価検証を行いつつ、交通事業者と連携し、地域公共交通の改善・向上に向けた取組を行ってきたところです。
具体例を申し上げますと、大塔地域では、地域の方々の意見を伺い、住民バスの受託事業者と相談して、利用者ニーズに合わせて車椅子での乗車が可能な車両の導入を図るとともに、1日3便3路線を1日4便2路線に変更しました。これにより、車椅子の方も乗車がしやすくなるとともに、路線数は減りましたが、1日の便数は増えましたので利便性が向上したものと考えております。
なお、幾つかの地域では、バス停まで移動するのが大変なのでバス停までの移動支援が必要と感じられるなどの意見もあることから、利用者のニーズに合った住民バスの運行形態の導入の準備を進めているところでございます。
加えまして、網計画では、地域住民・交通事業者・行政の連携と適切な役割分担による持続可能な地域公共交通の実現が基本方針の一つに掲げられている中、交通事業者において、路線バスの効率的な運行と利便性の向上を目指し、紀伊田辺駅を中心とした路線の再編を実施するとともに、100円の特別初乗り運賃が導入されました。
また、地域別意見交換会、まちづくり学びあい講座、田辺市自治会連合会三役会での説明をさせていただくことにより、地域公共交通についての理解を深めていただくことができたものと認識しております。
続きまして、龍神地域における特定非営利法人ええとこねっと龍神村が実施を検討しております自家用有償旅客運送事業についてでございますが、この事業の実施に当たっては、あらかじめ地域公共交通会議において、住民・交通事業者等の合意が必要となります。
これまでの主な経過を申し上げますと、平成30年度から研究が始まり、令和3年10月、11月に龍神地域の各種団体と意見交換を実施し、令和3年12月、令和4年1月に、ええとこねっと龍神村、交通事業者、市の3者で協議を行いましたが、サービスの提供区域や運行時間、路線バス事業に与える影響なども含めて、地域公共交通会議で合意を得られる内容でなかったことから、市が龍神地域の公共交通全体を考えた方策を検討することといたしました。
そのような中、市においては、龍神行政局で実施したアンケート結果の分析、路線バス・住民バスの乗降データの整理、龍神地区の社会福祉協議会、診療所、集落支援員等への聞き取り調査、他自治体における先進地事例の調査や視察を行い、路線バスや住民バスに与える影響の分析と解決策の検討を行ってきましたが、ええとこねっと龍神村が実施可能で交通事業者も合意できる具体的な方策を提示するに至っておりません。
しかしながら、時間も経過する中で、できるだけ早く話合いの場を持ち、両者が補完し合い、龍神地域に適した交通体系を構築できるよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(尾花 功君) 安達幸治君。
(16番 安達幸治君 登壇)
○16番(安達幸治君) 御答弁いただきましてありがとうございます。
利用者のニーズに合った住民バスの運行形態の導入を準備しているとの答弁がありました。答えはまさにそこにあります。
2020年、令和2年ですが、作成された田辺市地域公共交通網形成計画の中でも、路線バスの利用促進を図り運行維持に努めるとともに、交通空白地域では運行する住民バスのさらなる利便性の向上に努めますとあります。恐らくこの基本的な考え方を基に住民バスの運行プランを考えられていると思います。
ただ、旧田辺市、龍神村、大塔、そして中辺路、本宮においては、それぞれ地域の状態がかなり違います。これらの運行表を作成するには大変苦労されたことだと思いますが、例えば本宮町、このようにかなり苦労された形跡が見られるような運行表なのですが、月曜日から金曜日にかけて日替わりメニューで、なかなか同じところを常に毎日回るような状況になっておりません。ましてや、私もいつも回るのですけれども、伏拝の状況なんか見てたら、どこからどんなに曲がっていくのか、どのようにしているのがよいのか、なかなか歩く人でも分かりにくいような本宮の状況なので、そういうところを見ておりますと、これ谷々もありますから大変だろうと思います。
また、一番奈良県に近いところなのですけど、土河屋においては、なかなか学生の休みのときには行ってもらえないということになっておりますし、大変不便なところもございます。
それでまた、私の育った龍神村なのですけれども、一部を紹介しますと、西からヤマセミ温泉まで直行便があるのですが、それも行っていただいているのはありがたいのですが、全部停留所が県道の端。しかし、龍神村は御存じのとおり、ヤマセミ温泉の奥には加庄口とか菅野とかいった、もうへんぴで何キロも奥に行かなければいけないところもあったり、丹生ノ川の小森とか、また、殿原に来ても小森とか長沢とか、いっぱい山の上のところがあったりしますので、そこら辺のところを回っていただけないので、大変皆様も、龍神全体の方も苦労されております。これは龍神だけではございませんで、中辺路町におきましてもなかなか苦労されているような状態でございます。
ただ、大塔地域が一番これから何とか組みやすいって言ったら失礼なのですけれども、五味から朝5時半頃からなっているのですが、早くから出ていただいて、それで熊野のほうも回られたりして、ありがたいのは、竹ノ平や保平のほうの山奥まで、山のてっぺんまで回れていると。こういう状況が一番望ましいのですけれども、田辺市全体としたらなかなかこの大塔のような状況にまだなっていないというのが現状だと思います。
龍神の今の西の線だったら30分ぐらいでヤマセミ温泉に行けるのですけれど、大塔地域だったら1時間40分ぐらいかかるという大変なところです。
中辺路町においても、石船・大内川線とか西谷線、峰線、それで水上線、高原線これが予約制で、小松原・温川・内井川線もありますし、栗栖川・近露線、それで近野線と、これもまたいろいろな路線がございます。こちらも大変きめ細かい運行になっておりますけれども、また、旧田辺市におきましても、昨日、前田議員がおっしゃったように、明洋団地のほうは下だけ通ってなかなか上に行けない状態というような苦労もございますし、伏菟野や上野、長尾といったところは山の頂上ですので、これからももう大変なところだと思いますので、これらのことも考えまして、今後、やっぱり一度になかなか予算のこともあるしできないと思うのですよ。そしてまた、難しいところもあると思うのですけれども、そこら辺のところを重点的というか、やりやすいところから先にやっていただいて、一番よいのは田辺市のモデル地区を一番先にどこにつくるかというものを仕上げていただいたら、徐々に色つけしていただいたら順々に行くのではないかと思います。
新しくアンケートを取られるということで、今まで交通網計画の中では、かなりしっかりとした、前回も作っていただいてるのですけれども、さらに磨きをかけたものを作っていただきますように心からお願い申し上げます。
ともかく交通弱者と言われる方が1人でもなくなるように、ぜひ一生懸命頑張って、この運行表に臨んでいただきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いしておきます。
続いて、乗合タクシーについてでございますけれども、路線バスや住民バスに与える影響の分析と解決策の検討を行ってきたが、ええとこねっと龍神村が実施可能で、交通事業者も合意できる具体的な方策を提出するには至っていないということで、恐らく交通事業者というところが一番ネックというのか、主になってくると思うのですが、やはりこの交通網計画の中にも、やっぱり地元の事業者は荒らさない、このことが基本になっております。昨日もタクシーのことがありましたけれども、ただ、タクシーや路線バスを荒らさないというのは分かりますけれども、やはり年金受給者にとっては、5,000円、1万円のタクシー代というたらめちゃくちゃ生活に響くものですから、やはりそういうところも顧みて、やはり旧市内であってもいろいろなことを考えて、できるだけ市民のために役立つような方策を取っていただきたい、このことをお願いしておきます。
いずれにいたしましても、一日も早く交通弱者と言われる人がなくなることが私たちの最大の願いです。これは党派関係なしに、議員であれば共通の願いだと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いしておきます。
この項についての質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
続きまして、10年後を見据えた有害鳥獣対策について質問をさせていただきます。
現在の狩猟においては、わな猟が銃猟を追い抜き、このままで行けば銃の所持者は、10年後には今の半分以下になることが予想されます。
全国の銃の所持者の統計を見ますと、参考資料のように、平成3年が26万520人、平成13年が19万3,007人。令和3年が8万7,973人となっており、僅か20年で17万2,547人減っており、1年で平均8,627人減っている勘定になります。
また、平成30年の年代別狩猟免許保有数を見ますと、60歳以上がなんと60%近くもあり、これは和歌山県猟友会西牟婁支部、また田辺分会においても同じことが言えます。このことからも、10年先の狩猟については大方の予想がつきます。
イノシシや鹿などは、わな猟では駆除が可能ですが、猿やカラスなどは、やはり銃に頼らざるを得ません。
また、実施隊による巻狩りについても多くが高齢で、動きとして、今は1人の猟師の手に委ねており、この方もある程度の高齢で目も弱くなってきて、今後10年どころか5年先も危ぶまれております。今のままでは、後継者もできておらず、今後10年先には完全に実施隊活動もストップとなります。
田辺市としては、この状況を振り返ったとき、今後10年先を見据えた有害鳥獣対策をどのように考えておられるのかお聞かせください。どうぞよろしくお願いいたします。
(16番 安達幸治君 降壇)
○議長(尾花 功君)
農林水産部長、木村博充君。
(
農林水産部長 木村博充君 登壇)
○
農林水産部長(木村博充君) 議員の御質問にお答えいたします。
市では、鳥獣による農作物被害を軽減し、農家の皆様が安心して営農できるよう、市内猟友会の皆様の協力をいただきながら、有害鳥獣捕獲事業や主に猿の追い払いを行う鳥獣被害対策実施隊活動を実施するなど、被害対策を講じております。
イノシシ、鹿、猿などの捕獲頭数は、10年前の3,200頭に対し、令和4年度では4,362頭と年々増加しており、その結果、農作物の被害状況につきましては、10年前の被害額が約3,900万円であったのに対し、令和4年度は3,100万円と、僅かではありますが減少しております。
また、狩猟者数の動向を見てみますと、平成24年度の狩猟者登録件数は、銃が232件、わなが214件の446件でありましたが、令和4年度では銃が164件、わなが306件の470件となっており、全体の登録件数は微増でありますが、わなが増加したものの銃が減り、わなが銃を上回っております。これは、農家の自衛意識の高まりや、県・市により積極的に免許取得を推進したことによるものと考えておりますが、一方で、銃については、高齢化等による減少に加え、新規に取得する場合においては、銃刀法に基づく諸条件や猟銃の管理などの様々な厳しいルールがあること、さらには猟銃の取得や維持管理にも多額の経費が必要であることなどから、銃免許の新規取得者はわなに比べて大幅に少なくなっております。
議員のお話にもございましたが、捕獲現場においては、猿やカラスなどの鳥類の捕獲は銃に頼る部分が大きく、また、大型獣であるイノシシや鹿の止め刺しは銃猟者に頼らざるを得ない場合も多いことから、銃猟者の減少は今後の有害捕獲に少なからず影響するものと考えており、この問題は猟友会だけではなく、有害捕獲を依頼している市といたしましても深刻な問題であると受け止めています。
こうしたことから、市では、狩猟者の確保を図るため、県とともに狩猟免許取得に係る費用の一部を補助する狩猟免許取得支援事業により免許取得を促進しており、また、令和元年度には老朽化が進んでいた県内唯一の田辺射撃場の存続のため、紀南地域の市町村と連携し、大規模改修を支援してまいりました。さらには、県との連携の下、狩猟の魅力を広く伝え、狩猟体験や研修を通じた銃猟者の掘り起こしを図るため、田辺農林水産業まつりでの銃猟の疑似体験ブースの設置や先日開催した猟友会主催の巻狩りへの県内の研修生の受入れなど、銃猟者の確保に向けた啓発活動を行っているところです。
市といたしましては、有害鳥獣対策として抜本的な解決策がない中、今後も防護柵の設置と捕獲事業を柱として推進していくためには、狩猟者の確保、とりわけ銃猟者の確保・育成は重要な課題であることは認識しており、国による施策や先進事例を注視しながら、県や猟友会との連携の下、銃猟者の確保につながる施策を調査・研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(
農林水産部長 木村博充君 降壇)
○議長(尾花 功君) 安達幸治君。
(16番 安達幸治君 登壇)
○16番(安達幸治君) 御答弁いただきましてありがとうございます。
今もおっしゃったように、なかなか市も今まで対策というのは十分考えてくれたと思いますし、国や県も、また私たち猟友会も狩猟に関しては、特に銃に関してはいろいろと啓発を行ったり、若い人たちにお願いするのですけれども、なかなか実施に至っていない。今、原因をおっしゃっていただきました、まさにそのとおりでございまして、銃の管理だとか、またいろいろと審査がうるさくて、こんなに面倒くさいのだったらもうやめてしまおうという方が圧倒的で、またそれに対して、新しい方にも銃の所持に対しても大変警察が厳しいということで、なかなかこれから狩猟の方々、特に銃が増えてくるというのが大変難しい状況にあります。
私が
一般質問の通告を申し上げた後に、追いかけとして、ありがたいことに地元の新聞のほうで、「わな免許取得者が増加」ということで、「銃は減少傾向」、「県、狩猟者確保」ということで、こういうような見出しで載せていただきました。確かに県のほうも、このようにかなり厳しいことだと考えてくれていていると思うのですけれども、なかなかこういう予想というのは、県も市も私たちも、そしてまた農業の皆様も、予測はされておりましたけれども、いま一つ対策ができません。ですから今、このことはこのことで狩猟の銃の所持許可を増やすという方策はしていかなければなりませんけれども、私が今気づいているのは、もうそれではなかなか追いつかない。今、私たちが山の中に入って、畑の中に入って、農家の方々が四角い柵を、メッシュをされているのですけれど、皆様個人個人でやるものですからメッシュの数がもう何十、何百の数なのですよ。ところがメッシュの数がそのまま管理されていればよいのですけど、管理されていないものですから、全部ぶち破られている。ですから入り放題。それで、ほかの人たちもこうやっているから、かいくぐって芳養小学校に入るは、稲成小学校にもこないだから来て、何とか猟友会で駆除して6匹までは、明洋と稲成小学校に入るやつは、芳養団地に入るやつは駆除したのですが、今また、稲成小学校に入りよったやつと格闘はしているのですけれども、なかなか入られるところの破れたところ、私も針金やって、全部木をやって、修理しながら何とか農家の方々の手助けになればということでやっているのですが、なかなか追いつけません。
実は、今までの狩猟ということに関しては、令和2年までは、狩猟というのは遊びだというような形でずっと国のほうも決めてきたんですけれども、この狩猟読本の中でも、それまでは狩猟と有害鳥獣駆除というのは分けられていたのですけれども、令和2年から狩猟と有害鳥獣駆除は一緒ですよと、狩猟者も遊びだけではなくて農家を守るんだよと、そういう必要性に駆られてれているということで、狩猟読本の内容も変わってきました。ですから、私たち猟友会も遊びではなしに、何とか1頭でも多くイノシシも鹿も猿も、いろいろなものを捕っていきたいと思うのですけれども、なかなか追いつきません。猿に関しては、特にカラスに関しては、上から来ますのでネットでも追いつけない。やはり銃でなければいけない。しかし、銃でやるにしても、夏場の暑いときになかなか犬を入れられないので、犬を入れたらすぐに病気で死んでしまうので、その犬の補償もないわけですよ。だからそういうことを踏まえて、やっぱり改革が必要だと感じております。
今後、一番お願いしたいのは、稲成小学校であれば、稲成小学校が一番先にあるやろう、そしてこの間は全部県道なのです。ここだけ、200メートルか250メートルぐらいの半分まではメッシュができて、半分の個人の土地ができていないので、できれば、今までこの個人がこの中に四角でいろいろ囲むのであれば、ここの一番中側に大きな強いネットを協力してやって、ここに張って、中のイノシシを猟友会が捕ってしまうと。二度と入れないようにすると。そういう状況にしていかなければ、なかなか今、捕っても捕ってもメッシュが破られたらイタチごっこなので、そこのところをぜひ、猟友会も協力しますので、農協、そしてまた個人の方、そしてまたもちろん猟友会、そして行政、県含めて、これからともかく中の物を全部捕ってしまう、捕獲してしまう、そういう方法に行かないと、猟友会がこれだけ人少なくなってきたときに猟友会に任されていっても、なかなか農家の方の苦労が絶えないので、これから抜本的な計画としたら、先にあるやつをともかく蓋をする。これには金をかける。だから、例えば50メートルの四角の農家のメッシュをしても、50メートルが四つだったら200メートルになる。これを縦に一つにしたら200メートル使える。1キロだったら、4軒協力すれば、1キロがこんなに塞げるので、こんなところでやるよりも、こういうような形で協力してやるほうが結局は得になってくるので、これからそのほうにもちょっと予算を出していただきたい。
そしてまた、地域の人々とも一度会合を持ちたいと思うのですが、また来年になってどうですか。農協とか県、市、猟友会、その方たちと一遍会議を持つ場を設けていただけるかどうかの御返答だけください。よろしくお願いします。
(16番 安達幸治君 降壇)
○議長(尾花 功君)
農林水産部長。
(
農林水産部長 木村博充君 登壇)
○
農林水産部長(木村博充君) ただいまの質問にお答えさせていただきます。
JA等と農家の皆様と、防護柵の囲い方の協議をしていただきたいということなのですけれど、有害鳥獣に効果があるようでしたら、そういったことはいつでも検討してまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
(
農林水産部長 木村博充君 降壇)
○議長(尾花 功君) 安達幸治君。
(16番 安達幸治君 登壇)
○16番(安達幸治君) 旧田辺市内の山であれば、ほとんど畑等を回っておりますので、恐らく集まってくれても私からの説明が届くと思いますので、ぜひそのことを実行していただきますように心からお願い申し上げまして、本日の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。御清聴ありがとうございます。
(16番 安達幸治君 降壇)
○議長(尾花 功君) 以上で、16番、安達幸治君の
一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(尾花 功君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時43分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 橘 智史君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 橘 智史君) 続いて、8番、浅山誠一君の登壇を許可いたします。
(8番 浅山誠一君 登壇)
○8番(浅山誠一君) 皆様こんにちは。
8番、大志会の浅山です。
本日は大項目2点について質問させていただきます。
まず初めに、大項目1の公園の維持管理についてです。
令和4年6月議会では、松上議員が公園の整備という切り口で
一般質問にて取り上げました。そのときの内容を交えながら、本日は公園の日々の維持管理という切り口で2点質問させていただきます。
まず初めに、現状についてお伺いします。田辺市には、現在都市公園が23か所、それ以外の公園が98か所の合計121の公園があります。公園は子供たちの安全な遊び場であるほか、市民活動の場や地域の憩いの場を形成する大切な役割を担っておりますが、その多くは高度経済成長期から平成の前半に造られたもので、老朽化が目立つようになってきています。
また、いわゆる小公園と呼ばれる地域に点在する規模の小さな公園の維持管理では、その中心を担ってきた子どもクラブの会員数が減少していることや、町内会への加入率の低下などにより、これまでは地域や住民の御協力により成り立っていた維持管理ができなくなり、市職員のマンパワーでカバーしている部分もあるとお見受けします。
実際、私も子供を連れて公園を利用させていただくのですが、草の伸び方や遊具の老朽化が気になることがありますし、市民の方からも草が伸びている等の声をいただくこともあります。
日々の維持管理には多くの御苦労があろうかと思いますが、乳幼児から高齢者まで幅広い年代の方に気持ちよく安心して利用いただくためには、日々の維持管理が大切なのは言うまでもありません。
そこで、まず1点目の質問として、公園の維持管理における現状についてお聞かせください。
(8番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 8番、浅山誠一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
建設部長、衣田 克君。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問についてお答えいたします。
現在、当市における公園につきましては、議員がおっしゃったとおり、都市公園とその他の公園を合わせて121か所ございます。これらの公園の維持管理につきましては、公園の種類や規模によりその方法が異なります。
まず、都市公園では、その公園の状況に応じてシルバー人材センターや福祉団体等に草刈りや植栽の手入れ、日常の清掃などを委託しているところですが、都市公園の中でも比較的規模の大きな新庄総合公園や内之浦干潟親水公園、扇ヶ浜公園については、公園管理人として
会計年度任用職員7名により総合的な公園管理を行っております。さらに新庄総合公園では、植栽等の管理業務を田辺市造園業協同組合に、一部の花壇の管理をNPO団体に委託しています。
次に、都市公園以外の比較的規模の小さい公園、いわゆる小公園について、98ある公園のうち15か所の公園は地元町内会や地域団体などに、また48か所の公園は教育委員会生涯学習課が事務局を担当しております子どもクラブ育成協議会を通じて、地域の子どもクラブに草刈りなどを含んだ公園管理をお願いしています。
その他の公園では、シルバー人材センターや福祉団体に清掃や草刈り、植栽の管理などの業務を委託していますが、地域の方がボランティアで常に清掃してくださっている公園もございます。
一方、遊具などの公園設備の点検につきましては、日本公園施設業協会が認定する公園施設製品安全管理士を有する事業者に業務を委託し、定期的に点検を実施していますが、軽微な点検につきましては、管理業務を行っている子どもクラブや町内会等にお願いするとともに、管理課公園担当職員が日常業務の中で都度点検を行うように努めております。
しかしながら、全国的な傾向でもございますが、昨今の生活様式の多様化や少子高齢化に伴い、本市におきましても、町内会への加入率の低下や、老人会、子どもクラブの解散などにより、地域で管理を担っていただくことができなくなった公園が増加しています。そうした公園につきましては、公園担当職員と
会計年度任用職員が草刈りなどの手入れを行っており、その数は、平成26年以降年々増加傾向にあり、現在は19か所となっています。
そのような状況にあって、特に雑草が繁茂する春から秋にかけては、日常的な業務を割いて草刈りを行っておりますが、市民の方から草が伸びているので刈ってほしいといった要望をいただくことも多くなっているのが実情です。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 浅山誠一君。
(8番 浅山誠一君 登壇)
○8番(浅山誠一君) 地域での管理を担うことができなくなった公園が増加、また平成26年以降は年々増加傾向で、現在は19か所もあるとのことでした。日常的な業務を割いてでも御尽力いただいていることには本当に頭が下がります。
お話にございました小公園の維持管理の中心を担ってきた子どもクラブですが、その加入率は、合併時の平成17年度の78.7%から、令和3年度は52.3%と年々減少傾向にあります。その結果、加入者1人当たりの負担が増加したことや、会としてできることの選択肢の減少といった負のスパイラルに陥っており、出生数の推移や周りの御父兄の話を聞いても、残念ながら今後より一層厳しさが増すのではないかと感じております。
また、過去の質問でも幾度となく話をしてきましたが、複雑多様化する市民ニーズに応えつつ、定員適正化計画に基づいて職員数を減らしてきた当市において、職員さんのマンパワーで公園の維持管理をカバーしてきたこれまでのやり方では難しい局面となってきているのではないでしょうか。公園の維持管理を市職員自ら行うという姿勢はもちろん大事だと思います。ただ、その結果、本来業務に支障が生じるのはよいことではありません。今後は、公園の維持管理において、シルバー人材センター等へのさらなる外注を進めていくことや機械化を進めなくてはならないのではないでしょうか。
また、市も公園の適正配置という面において、過去の答弁では、利用需要の実情に即していない地域があることも認識しているということですので、将来的な利用頻度を見越した上での公園の用途廃止も含めてしっかり議論をしなければなりません。
現在は、新庄総合公園と三四六総合運動公園の長寿命化に向けた個別施設計画の策定が進められていますが、他の公園では個別計画は進める予定はないとお聞きしております。私としては、今後の社会を見越して、全ての公園において、用途廃止も含めた中長期的な維持管理における計画や方針を田辺市として持つべきだと考えますが、見解をお聞かせください。
(8番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問にお答えします。
議員御指摘のように、小公園においては、少子高齢化の中、子供たちの利用が少なくなっている公園が増加するとともに、その維持管理も難しくなっているものと認識しております。
とりわけ除草作業につきましては、大きな労力が必要となる中、抜本的な軽減策を見出せないのが現状です。
こうした状況にあって、草刈り作業の省力化に向け様々な方法を試しているところで、今年度中には何か所かの公園で試験的に温水除草機の使用を計画しており、その特性や除草効果、職員の負担軽減、導入費用等について検証を行うとともに、新しい技術や機器などについても情報収集を行ってまいります。
一方、利用の少ない公園の用途廃止につきましては、小公園98か所のうち70か所もの公園が宅地開発に伴い設置された公園で、これらの公園は、都市計画法により住宅用地を目的とした3,000平方メートル以上の開発を行う場合、開発面積の3%以上の公園用地を設置することが義務づけられているため用途廃止が難しい状況です。また、その他の公園でも国から用地を借りているといった理由などにより用途に制約がある公園もございます。
このように、公園の設置に係る経費や目的がそれぞれ異なることから、現状では用途廃止することが難しい公園が多い状況ではありますが、議員御指摘のとおり、将来的な利用頻度や地域の人口動態に伴う適正配置等、地域の実情や課題も十分勘案しながら、多面的な視点から維持管理に係る今後の方向性について検討し、他市の事例等も参考にしながら取り組んでいく必要があると考えております。
いずれにいたしましても、公園は子供たちの安全な遊び場であるほか、市民活動や地域の憩いの場となる大切な役割を担っていることからも、市民の皆様が安心して御利用いただけるよう、民間事業者や地域の方々と協力しながら、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 浅山誠一君。
(8番 浅山誠一君 登壇)
○8番(浅山誠一君) 市としても公園の維持管理に関して強い危機感をお持ちであることが伝わる御答弁でした。ぜひその危機感を市民の皆様にも伝えていただき、住民の力をお借りする方策も引き続き考えていただければと思います。
また、御答弁の中にありました、宅地開発に伴い設置された公園について最後に提言をさせていただきます。
都市計画法施行令において、住宅用地を目的とした3,000平方メートル以上の開発を行う場合は、開発面積の3%以上の公園用地を設置することが義務づけられており、田辺市も同様のルールを条例にて定めています。
しかし、この条例ですが、平成28年12月に都市計画法施行令の一部を改正する政令によって、公園等の設置が義務づけられている開発区域の面積規模の最低限度について、地方公共団体が条例により現行の3,000平方メートルから1万平方メートルを超えない範囲で緩和することが可能となっています。これは、地域における公園整備が一定程度進捗していること、小規模な公園等の管理についての地方公共団体の負担が増加しているとの意見が地方公共団体から相次いだことが背景にあり、改正に至りました。実際に開発区域内で狭小、不整形な公園が多く、遊具もないことで利用頻度が低く、維持管理に苦慮していることから、良好な住宅環境と持続可能な公園管理を実現するために開発区域の面積を変更する自治体が増加しています。ぜひ田辺市でも条例改正についても御検討いただければと思います。
さらに、先ほどの御答弁では、田辺市ではこの都市計画法にのっとり造られた70の小公園について、公園用地を設置することが義務づけられているため用途廃止が難しいとの見解がございましたが、調べた中では、用途廃止についてその法的根拠が見つかりませんでした。そのため、管轄する国土交通省都市局都市計画課に問合せをしたところ、あくまでも住宅用地の開発上の縛りはあるものの、その後の運営上の縛りは特になく、用途廃止については、開発権者、ここでいうと田辺市の考え方次第で決めていけるそうです。そのため、他の地域では自治会の了解を得て、利用頻度の少ない公園について用途廃止をしているところがあるとのことでした。もちろん利用頻度が少ないから、「はい、来月から廃止」とは行きませんが、小公園についても、用途廃止が無理という前提条件に立つのではなく、フラットに今後の公園の維持管理の在り方について、地域も巻き込んで議論、検討していただくことをお願いして、この項の質問を終わります。
続いて、大項目2点目の官民連携・官民共創のまちづくりについてです。
人口減少・少子高齢化という社会構造の変化によって顕在化した地域コミュニティ、後継者、地域経済、医療・介護、保育・子育て、公共交通等々の諸問題、南海トラフ巨大地震や激甚化する豪雨災害への防災・減災対策、感染症対策や低炭素・循環型社会や高度情報化社会への取組、急速に広がりを見せるインバウンド等のグローバル経済への対応、老朽化が進む公共施設の維持管理と行政課題は年々複雑多様化しています。
一方で、これまでは社会課題に直接的な主体者としてアプローチをしていた行政ですが、自治体が抱える人的リソースは限られてきており、逼迫する財政状況も相まって行政主導では対応することが困難な事例が多くなってきています。それらの積み重なる課題への解決手段として、経済を担う主体者である民間と行政との連携は必要不可欠であり、当市でも取組が進められているところです。
そこで、1点目の質問として、田辺市のこれまでの民間企業等との連携協定や官民連携・官民共創の取組についてお聞かせください。
(8番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 企画部長、山﨑和典君。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
本市におきましては、地域の活性化及び市民サービスのより一層の向上を図るため、民間企業等と連携し、地域が抱えている様々な課題に対して自治体と民間企業等が双方の強みを生かし、課題解決に向けた取組を推進するため、民間企業等との連携協定を締結しています。
このような中、現在、3社と包括連携協定を締結するとともに、180を超える個別の連携協定も締結しているところです。
包括連携協定につきましては、まず、郵便局とは、地域の様々な課題解決とともに市民サービスの向上、地域のより一層の活性化を図ることを目的として、また、大塚製薬株式会社とは、双方の資源を活用して、市民の健康づくり、熱中症対策等の幅広い分野の取組を行うことで、市民サービスの向上、地域の活性化及びSDGsの推進に寄与することを目的として、さらに、朝日放送グループホールディングス株式会社とは、双方の保有する資源を有効に活用することにより、地域の活性化及び市民サービスの向上を図り、地域創生に資することを目的として締結しております。
また、個別の連携協定では、防災に関するもの、企業の森に関するもの、高齢者等の見守りや健康増進に関するもの、その他経営者育成に関するものなどについて締結しております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 浅山誠一君。
(8番 浅山誠一君 登壇)
○8番(浅山誠一君) 3社の包括連携協定、180を超える個別の連携協定を結んでいるとのことで、急速に広がりを見せているという印象を受けました。行政と民間が行政主導の下、公共サービスを提供するこれまでの官民連携の時代から民間主導で公共サービスを提供する公民連携、そして、民間企業と行政で社会課題を共有しながら新規に事業を開発していく官民共創へと、それぞれの得意分野を協力しながら課題解決していく時代にあって、今後のさらなる展開を期待したいと思います。
一方で、これだけ多くの連携協定を抱える中で心配されるのが、目的に対してしっかりと実効性を持たせることができているのかという点です。御答弁にもありましたように田辺市では3社と包括連携協定を結んでいます。例えば、田辺市内の郵便局との包括連携協定の中には、配達員が道路の損傷や不法投棄に気づいた場合、市に報告を上げるという地域における協力に関する協定があります。皆様も車等の運転をしていると道の損傷等に気づくことはあると思います。しかし、一昨年まで私が所属していた産業建設委員会でのやり取りの中で、平成31年2月の締結以降、一度も道路損傷等の報告が上がっていないとのことで、現場の方々にもその目的、狙いが行き渡るように市からの働きかけを要望したこともございました。
どれだけ連携協定を結んでも、結んで終わりでは意味がありません。官民連携はあくまでも手段であり、組むことが目的ではありません。その連携事業を通じて地域の課題をどのようにクリアできるようになるのか、課題解決に向けてのアクションがしっかり取れているのかという点で定期的な検証、振り返りすることが必要だと考えますが、田辺市では現在どのような形で連携協定の検証に取り組んでいるのかお聞かせください。
(8番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
郵便局との協定では、安全で安心な暮らしに関すること、田辺市の情報発信に関すること、高齢者・障害者の支援に関すること、子供の育成に関すること、環境美化に関すること、その他、市民サービスの向上及び地域の活性化に関することなどに取り組むこととしておりますが、議員の御質問にもございました道路の維持管理だけでなく、他の取組も含めて具体的な取組状況の把握ができておりませんでした。
今後は、庁内連携を図りながら、取組状況の把握に努めるとともに、郵便局とも定期的な協議の場を持ち、取組状況の共有や検証を行ってまいりたいと考えております。
一方、大塚製薬株式会社との協定では、健康づくりに関すること、熱中症対策に関すること、災害対策に関すること、スポーツ振興に関すること、観光振興に関することなどに取り組むこととしており、本年8月には健康課題解決に向けて議論し、実現可能な事業につなげていくことを目的とした「たなべ元気プラス健康会議」を設置いたしました。今後は、この会議の中で検証等も行ってまいりたいと考えております。
また、朝日放送グループホールディングス株式会社との協定では、産業振興及び観光振興に関すること、地域の情報発信に関すること、地域課題の解決に関すること、地域創生の推進に関すること、その他イベント等、市民サービスの向上に関することに取り組むこととしており、その第1弾である梅酒ツーリズム事業においては、地元関係者とともに実行委員会を組織し企画・運営を行っていますが、次年度に向けた検証も行ってまいります。しかし、これらの協定項目の中には検討段階のものもあり、今後は、検証等も意識しながら具体化を図ってまいりたいと考えております。
次に、個別の連携協定について申し上げますと、防災に関する協定では、災害時の連携がスムーズにできるよう協定先と定期的に連絡を取っておりますが、その他の協定については、そういったことがなされていないものが多数存在しており、今後、担当課と相手方との間で現状把握や検証の方法について協議していくことが課題であると考えております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 浅山誠一君。
(8番 浅山誠一君 登壇)
○8番(浅山誠一君) 協定先との接触頻度や検証について濃淡がはっきりしている点については課題認識をお持ちでした。一般論として、行政はやりっ放しになることがしばしばあると言われますので、田辺市はそうならないようにしっかりと検証、振り返りをし、課題に対して新たな打ち手を取れるような関係性を連携先と構築していただきたいと思います。
続いて、最後の質問です。
近年は企業側もSDGsやESG投資、CSR、CSVといった文脈で事業性と公益性の両方がより強く求められていることから、自治体との連携を希望するケースが全国的に増加しているようです。実際に田辺市にも多くの相談が持ち込まれており、その対応に悩むこともあるとお聞きしております。他の自治体でも、民間から多くの売り込みがあるものの、どういったことができるできるのかが把握しづらく、受付対応に困っているという声もあるようです。
そういったことから、宮崎市では、民間からの提案を24時間365日受け付ける公民連携総合窓口、通称「みやPORT」を創設し、窓口を一元化し、民間と各部局と伴走する人材を配置し、その対応に当たっています。具体的には、民間から提案を受けたら、次に提案に対する意見交換を行い事業化検討を判断。事業化を目指すことが決まれば実施主体を行政が担うのか、民間が担うのかを決め、市の負担の有無によって委託事業、補助事業、連携協定等に振り分けていく仕組みが取られており、令和4年5月の窓口創設から、私が視察に出向いた令和5年8月までの1年強で80件の民間提案のうち19件が事業化されたそうです。窓口の効果としては、民間の専門性やノウハウを活用した事業の創設、オープンな窓口による公平性・透明性の確保、窓口の一元化による提案環境の向上、市役所内外の公民連携の意識の醸成、民間側からすると、どの窓口、何課に相談すればよいか分からず諦めるといった機会損失を防ぐことができるということを挙げられておりました。
このような窓口の一元化は、近年の官民双方からのニーズ拡大に伴い全国的に広がりを見せており、田辺市でも同様に官民連携共創窓口を設置すべきだと考えますが、市の見解をお聞かせください。
(8番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。
本市における官民連携は既に行政の各分野において行われておりますが、現在も多くの企業から連携のお話をいただいております。
このことは、本市の魅力ある地域資源やまちづくりの取組が連携相手として高い評価をいただいていると受け止めており、大変ありがたいことだと感じております。
そうした中、官民連携をさらに推し進めるべく、内閣府地方創生人材支援制度を活用し、地方創生担当参与を配置して、民間の知識、経験及びネットワークを生かし、民間企業との橋渡しの役割を担っていただいております。
官民連携・官民共創は、どちらも行政と民間企業が協力して公共サービスを提供することを目的としており、官民連携は行政と民間が連携して事業等を行うことに主眼が置かれてきましたが、最近の官民連携の中には、行政と企業が、誰の、どんな困り事を解決するのか、その社会課題と事業の先に生まれる未来を共有し、両者がそれぞれの強みを発揮しながら公共サービスを担っていくという官民共創の色合いが濃くなってきていると認識しています。
議員御質問の専任の官民連携・共創窓口を設置するという考えもあるとは思いますが、先ほど申し上げましたとおり、官民連携や官民共創は、既に行政の各分野で進んでいる状況にあり、今後は職員一人一人がより連携・共創を意識しながら、特定の職員に偏ることなく組織的に対応してまいります。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 浅山誠一君。
(8番 浅山誠一君 登壇)
○8番(浅山誠一君) 現状の行政の各分野で取り組みながら共創の意識醸成と組織的な対応を取っていく方針とのことでした。確かに現時点で包括連携協定が三つ、個別の連携協定が180を超えるということで、各分野での取組が進んでいるのだと思います。正直なところ、質問をするまで個別の連携協定の実数を把握していなかったのですが、既に180を超えているというのは、私の予想をはるかに超える数字でした。
その一方で、先ほどの御答弁にもありましたように、連携協定を結んだものの目的達成に向けた取組が弱いもの、定期的に連絡すら取れていないものも多数存在していることは事実です。
今回の質問をするに当たり、参考資料として包括連携協定と連携協定の一覧表を提供いただこうと思っておりました。しかし、個別の連携協定は、あくまでも担当課ベースでの管理であり、担当課レベルでは、田辺市が結んでいる全ての連携協定を一元管理できていないということも分かりました。窓口は各分野でも構いませんが、今後ますます民間との連携が増えていく中で、市としてどのように進捗を把握し、全体管理をしていくのかという点については、議論の余地があるということを申し伝えさせていただきます。
さらに、財政が硬直化している田辺市において、今後は自主財源の確保に向けた連携協定や新しい形での契約手法も検討が必要です。例えば、庁舎移転後の残った什器や備品を再利用し、換金化するためにも、メルカリグループとの連携協定を進めてみてはどうでしょうか。メルカリ社では、リユース推進やごみ減量の取組など、循環型社会推進に向けて、12月1日現在、粗大ごみ販売で9自治体、備品販売で20の自治体が連携協定を結んでおり、多種多様な不用品がメルカリショップに出品されています。
また、官民共創の次の取組として、PFS(成果連動型民間委託契約方式)や、その中に含まれるソーシャル・インパクト・ボンドといった新しい契約方式も田辺市で取り組めないか調査研究を積極的に進めていただきたいと思います。
ちなみにPFSとは、ペイ・フォー・サクセスの略で、自治体が民間事業者に事業を委託する際に、事業で解決すべき行政課題についての成果指標を設定し、支払い額を成果指標の実現度合いに連動させる契約方式であり、医療・健康、介護、再犯防止の分野で既に実績も出ており、効果的、効率的な事業手法として広がりを見せています。田辺市でも導入できる分野も多数あります。
いずれにせよ、ただ待って提案を受けるのではなく、積極的に今の田辺市には何が足りないのか、何が課題なのかを認識し、その課題解決のために民間との共創も選択肢の一つであるというアンテナを全職員が常に高く持つことが大切だと思います。
行政は失敗を恐れがちですが、前例のない課題が山積する現代社会においては、例えば2年間の期間を定めて、スモールスタートの上でまずはやってみるというスタンスも必要です。そして、やってみることで課題やニーズの検証ができるだけでなく、新たな仲間が現れることがあるのが官民共創の時代です。地域に何が最適・最善か、あるべき施策の実現に向けて前向きにより一層取り組んでいただくことをお願いして、
一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。
(8番 浅山誠一君 降壇)
○議長(副議長 橘 智史君) 以上で、8番、浅山誠一君の
一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 橘 智史君) この場合、午後1時40分まで休憩いたします。
(午後 1時31分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(尾花 功君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時40分)
○議長(尾花 功君) 続いて、4番、加藤喜則君の登壇を許可いたします。
(4番 加藤喜則君 登壇)
○4番(加藤喜則君) 皆様、こんにちは。
4番、公明党の加藤喜則です。
通告に従いまして、大項目1点、持続可能な循環型社会の形成について質問させていただきます。
循環型社会については、令和4年9月議会において、一般廃棄物の一つであるし尿処理施設から出る脱水汚泥の資源化をテーマにしましたが、今回は、主にごみ処理場の将来をテーマに質問させていただきます。
おさらいになりますが、循環型社会とは、有限な資源を効率的に利用し、リサイクルなどで循環させながら持続可能な社会を目指すことを表します。この考え方は、単に環境問題の側面のみで捉えるのではなく、環境に優しい経済、つまり環境保全と経済成長の両立を図っていかないと持続可能な循環型社会は生み出せません。
この考え方の背景を申しますと、18世紀の産業革命以降、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を燃やし、たくさんのエネルギーを獲得することにより、電気やガスの消費、物の生産や運搬、公衆衛生上の廃棄物処理など、先進国を中心に文明が発展、私たちの生活の利便性は一気に向上しました。
その一方で、二酸化炭素、つまりCO2をはじめとする有害ガスや温室効果ガスを発生させてきた結果、地球的規模において気候変動に大きな影響を与えております。
国連の気候変動に関する政府間パネルによれば、世界の平均気温は産業革命前と比べて約1.1度上昇しており、今世紀末には最大3.4度に達する見込みであると報告されております。
よって、このまま温暖化が続けば、海面上昇をはじめ、豪雨や洪水、高潮による被害、干ばつや病害虫の増加による食糧不足、生態系の破壊など、将来世代にわたり影響が広がり続けます。
廃棄物処理の歴史をたどりますと、1900年初めから戦後にかけては、一部の野焼きを除いて、ごみの河川及び海洋投棄や野積みが主流で、結果、ハエや蚊の大量発生、伝染病の拡大により、公衆衛生対策として清掃法などの法令制定後は、ごみ焼却場の建設によりごみの焼却処分が主流になっていきます。1970年代の高度成長期には、人口増加とともに、大量生産、大量消費型の経済構造が進展し、ごみはさらに急速に増加、多様化してまいります。例として、建築廃材による大量の産業廃棄物の発生、プラスチック製品の普及により焼却ごみ増加による大気汚染をはじめ、不燃ごみの増加による埋立地周辺の環境汚染など公害問題に発展。その後の廃棄物処理法の制定により、ごみの分別化が始まりましたが、当時は、ごみの埋立て量、いわゆる最終処分量を抑制するものでした。特に、産業廃棄物の不法投棄による土壌汚染は深刻になっており、ダイオキシン問題に発展しました。1990年代の改正廃棄物処理法において、ようやく廃棄物の排出抑制と分別、再資源化が取り入れられ、2000年代の循環型社会形成推進基本法により、大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムからの脱却、3Rの実施と廃棄物の適正処分が主流の現代へとつながります。
20世紀は、大量消費社会により、資源の消費拡大、大量廃棄と焼却で環境負荷を増大させてきたのに対し、21世紀は、社会システムや生活スタイルの変革により、天然資源の消費低減、3Rの推進と廃棄物の適正処分で環境負荷を低減させ、循環型社会の形成が廃棄物の処理の主流となっております。
ともかく、この環境問題に関わる廃棄物処理を先送りすることなく、本市として将来に向かって実効性のある方向性を示していかなければなりません。
特に、本市においては、人口減少・少子高齢化に象徴される若年人口及び生産年齢人口の減少が進むことによる労働力不足や、地域における廃棄物処理の非効率化が今後予想されております。また、施設自体も老朽化するなど、十数年後には更新を含む廃棄物処理システムの見直しが必要になると考えます。
このことからも、将来にわたって廃棄物の持続可能な適正処理を確保するためには、ごみの排出抑制や細分化、再使用、リサイクルの推進に加えて、安定かつ効率的な廃棄物処理体制の構築、廃棄物エネルギーの回収、災害時の安定的運用の確立、環境教育や環境学習の推進、廃棄物処理施設の広域化・集約化で施設整備や維持管理の効率化を図るなど、本市が地域に新たな価値を創出する廃棄物処理システムを構築することが持続可能な循環型社会の形成につながるのではないでしょうか。
そこで、本市のごみ処理の現況について4点お伺いしてまいります。
まず、ごみの総処理量と直接焼却量について、それぞれ過去と直近までの実績に伴う推移を
お尋ねいたします。
(4番 加藤喜則君 降壇)
○議長(尾花 功君) 4番、加藤喜則君の質問に対する当局の答弁を求めます。
環境部長、中村 誠君。
(環境部長 中村 誠君 登壇)
○環境部長(中村 誠君) 議員の御質問にお答えいたします。
初めに、本市のごみ処理場について概要を申し上げますと、平成8年度に供用を開始し、供用開始から27年が経過しています。中間処理施設のうち、焼却施設は、供用開始から18年が経過した平成26年度から平成28年度までの3年間にわたり、基幹的設備改良工事を実施して現在に至っております。平成30年度からはみなべ町、令和3年度からは上富田町の可燃ごみを受託処理しています。
このほか、プラスチックごみに含まれるプラスチック製容器包装やペットボトルを選別処理する容器包装プラスチックリサイクル施設、ごみの選別・一時保管を行うストックヤード施設、焼却残渣や埋立てごみを処理する最終処分場を備えています。
この最終処分場については、令和3年度に埋立てを終了し、現在のところ、浸出水処理施設において最終処分場からの浸出水の処理のみを行っており、焼却残渣や埋立てごみにつきましては、令和3年度に供用開始となりました紀南環境広域施設組合が運営する紀南広域廃棄物最終処分場で最終処分を行っています。
本市のごみの総処理量について、令和4年度の実績量は、家庭ごみの定期収集や自己搬入ごみ、一般廃棄物収集運搬許可業者が収集した事業系一般廃棄物などのほか、地域における古紙等の集団回収による収集量も含めますと3万726トンとなっており、受託自治体のみなべ町、上富田町からの可燃ごみの処理量5,448トンを差し引きしますと、本市分の処理実績量は2万5,278トンとなります。
この処理実績量を5年前、10年前と比較しますと、5年前の平成29年度については2万7,395トン、10年前の平成24年度については2万9,899トンとなっております。比較いたしますと、平成29年度からはマイナス2,117トンで7.7%の減少、平成24年度からはマイナス4,621トンで15.5%の減少となっております。
この要因としましては、人口減少によるごみ発生量の自然減が最も大きいと考えられます。また、市民1人1日当たりのごみの排出量を表す排出原単位につきましても、平成24年では1,017グラム、平成29年では994グラム、令和4年度では989グラムと推移しており、穏やかな減少傾向を示している状況です。
次に、ごみの直接焼却量については、受託処理量を除きますと、処理実績量はそれぞれ令和4年度では1万7,912トン、平成29年度では1万9,561トン、平成24年度では2万657トンとなっており、比較いたしますと、平成29年度からはマイナス1,649トンで8.4%の減少、平成24年度からはマイナス2,745トンで13.3%の減少となっております。
(環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(尾花 功君) 加藤喜則君。
(4番 加藤喜則君 登壇)
○4番(加藤喜則君) 御答弁をいただきました。
今の実績値をお聞きしていますと、総処理量に関しましては減少傾向であると。これは人口減に伴うということですので、参考までに平成24年の人口というのは3月末の年度末で8万475名から、令和4年にかけますと10年間で、令和4年が7万414人なのでマイナス1万人ほど人口が減っていると。そもそも人口減によるごみ総処理量が減っているというお答えでございました。
それから、市民1人当たりの比率でいきますと、令和4年の実績におきますと989グラムというお答えでありました。
ちなみに環境省が出しております令和3年度の直近のデータからいきますと、1日1人当たりのごみ排出量の平均というのは890グラムということでございますので、少し田辺市のほうが高いのかなということでございました。
焼却量についても直接焼却ということでございます。ごみの総処理量から割り算しますと、令和4年は大体70.9%となっております。ちなみに平成29年では71.4%、平成24年度だと69.1%と、大体焼却率というのが総処理用に対して7割焼却されているということでございます。そういうことで、次に行きたいと思うのですが、その次に、ごみの総資源化量の推移とその取組についてお伺いします。
ごみの資源化量について、同じく過去と直近までの実績に伴う推移と、その主な取組について
お尋ねいたします。
(4番 加藤喜則君 降壇)
○議長(尾花 功君) 環境部長。
(環境部長 中村 誠君 登壇)
○環境部長(中村 誠君) 議員の御質問にお答えいたします。
ごみの資源化量の推移について、本市が家庭ごみの定期収集や資源類拠点回収事業等により収集したもののほか、集団回収により回収した古紙類等も含めますと、資源化された量は令和4年度で5,256トンとなります。
この資源化量を5年前、10年前と比較いたしますと、5年前の平成29年度については5,437トン、10年前の平成24年度については6,443トンとなっており、令和4年度と比較して、平成29年度からはマイナス181トンで3.3%の減少、平成24年からは1,187トンで18.4%の減少となっております。
本市が収集したごみの総排出量に占める資源化量を表す資源化率については、平成4年度では20.8%、平成29年度では19.8%、平成24年度では21.5%となっており、近年では20%前後で推移している状況となっております。
本市における市民の皆様に対する資源化の取組として、主なものといたしましては、市内の公共施設や店舗等63か所で古紙類やペットボトル、空き缶、空き瓶類の回収を実施している資源類拠点回収事業や地域の子どもクラブ、町内会、女性会、老人クラブなどの団体による資源類の集団回収に対する奨励補助制度がございます。
このほか、市広報紙等により、さらなるごみの分別徹底やごみの減量、リサイクルの推進について、適時啓発を行っております。
(環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(尾花 功君) 加藤喜則君。
(4番 加藤喜則君 登壇)
○4番(加藤喜則君) 答弁をいただきました。
資源化率についても20%から21%で推移しているということでございました。資源化に伴う取組としては、やっぱり市民の皆様の協力であったり、各種団体の協力があってこそ資源化率に反映されるのかなということと、もう一つは、やっぱり受け入れた処理場内での分別というのも、かなり御苦労されているなということでございまして、こちらの部分についてもより多くの市民の皆様に対して、やっぱりこれからも啓発、また、いろいろな部分で分別の協力というのを進めていただき、資源化率につなげていただきたいなというふうに思うわけでございます。
焼却量、また資源化率というのが出まして、埋立て率というのは、先ほど冒頭申したとおり、環境の負荷がかかるということで、もうほとんどごく僅かということでございますけれども、こちらにつきましてもごみ焼却処分のメリットという部分で今7割以上占められておりますけれども、これは埋立て処分に比べてはるかにコストが低く、焼却することで約85%の減容化であったり減量化ができると。また、ごみそのもの、廃棄物そのものを安全化、いわゆる無害化にできるというメリットがある一方、冒頭申しましたが、これによって二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質やガスが発生するために地球環境に悪影響を及ぼしてしまうというデメリットもあります。当然処理施設内にはバグフィルター等の抑制装置はありますけれども、かなりこれにより相当なエネルギー使用量になっているのかなということで、次に行くわけでございますけれども、3点目でございます。
ごみ処理に関わる地球温暖化対策、いわゆるCO2排出量削減についての取組について現況を
お尋ねいたします。
(4番 加藤喜則君 降壇)
○議長(尾花 功君) 環境部長。
(環境部長 中村 誠君 登壇)
○環境部長(中村 誠君) 議員の御質問にお答えいたします。
ごみ処理施設では、多様な設備を稼働させて処理を行うことから大量のエネルギーを必要とします。
このため、ごみ処理場のCO2排出量は、令和4年度では、本市が所管する施設全体の排出量の13.3%を占めており、その主なものは、焼却施設の動力源や最終処分場の浸出水処理施設の動力源で使用している電力、焼却施設の助燃剤として使用している灯油、ごみの場内運搬や搬出に使用している車両のガソリン・軽油などの燃料です。
このうち電力については、平成26年度から平成28年度にかけての焼却施設基幹的設備改良工事に伴う効率化を主な要因として使用量が削減されており、改良工事着手前の平成25年度と令和4年度を比較しますと12.9%の削減となっておりますが、助燃剤として使用する灯油、車両燃料の使用量はおおむね横ばいの状況となっております。
施設運営では、エネルギーの利用について平素から使用量の抑制を心がけておりますが、現状では大幅に使用量を削減することは難しい状況です。
浸出水処理施設の処理水については、焼却施設で発生した排出ガスの温度を低下させるための冷却水として一部利用し、上水道の使用量を抑制する取組を行っており、おおむね6割から7割の上水道の使用量が抑制されております。
(環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(尾花 功君) 加藤喜則君。
(4番 加藤喜則君 登壇)
○4番(加藤喜則君) 答弁をいただきました。
排出量については、令和4年は13.3%であるということでございまして、環境課が出している平成30年3月策定の第3次温室効果ガス排出抑制田辺市実行計画というのがございますけれども、この中に、部課別二酸化炭素排出量というのが市役所内の全庁の各課別で数字として出されております。もう一つが、燃料別の二酸化炭素排出量というのもデータで出されておりますが、まず、部課別二酸化炭素排出量につきましては、これ各課とも経年ごとに二酸化炭素の排出量というのは減らしているということでございまして、全庁的に減少傾向なので、そもそも廃棄物処理課、先ほど令和4年は13.3%でありますけれども、平成26年から平成28年の基幹的設備改良工事後は、二酸化炭素の排出量は確かに割合として減っているのですが、平成30年から11.5%、これは廃棄物処理課の話です。令和1年は11.9%、令和2年が12.8%、令和3年が13.2%、令和4年が先ほどの答弁であったとおり13.3%と、ほかの各課が減っておりますので、割合として廃棄物処理課の二酸化炭素の排出量が増えていっている実態でございます。
これは全庁的にも言えるのですが、先ほど申しました次の燃料別二酸化炭素排出量、これは、電気、ガス、灯油、ガソリン、軽油、A重油という分類に分けられ、これは環境課のデータでもあるのですが、この中にも圧倒的に9割が電気の使用量による二酸化炭素の排出量であると。各課とも下がっているのです、排出量は。ただ、電気の使用量に関してはあまり変わっていないということが実態でございます。電気の使用量ということに関しましては、いろいろな経費にもかかっているので、次の話になってくるのかなと思うのですが、次のごみ処理費の推移と経費の主な内容について、過去と直近までの実績に伴う推移と、また、その経費の主な内容について
お尋ねいたします。
(4番 加藤喜則君 降壇)
○議長(尾花 功君) 環境部長。
(環境部長 中村 誠君 登壇)
○環境部長(中村 誠君) 議員の御質問にお答えいたします。
本市の処理経費の主な内容につきましては、ごみの定期収集や資源類拠点回収事業の収集運搬に係る経費、収集後のごみの処理に係る経費として、可燃ごみの焼却、粗大ごみの破砕、プラスチックごみの選別・再商品化や処理に要する経費、資源ごみや埋立てごみの選別・処理に係る経費のほか、施設の機能維持管理に要する経費、他自治体のごみ受託処理に要した経費となっております。
令和4年度のごみ処理に要した経費は、2自治体のごみ処理受託事業収入を除き、令和5年度への繰越明許費を含めますと総額10億6,922万9,617円となります。5年前の平成29年度では11億867万3,861円、10年前の平成24年度では9億89万2,421円となります。市民1人当たりにしますと、令和4年度では1万5,461円、平成29年度では1万4,807円、平成24年度では1万1,245円の年間経費がかかったことになります。
ごみ処理経費の推移について、燃えるごみを一例に挙げて御説明いたします。焼却施設の維持経費や工事請負費などの年度によって大きく差が生じる経費を算入した場合、その推移状況が不明瞭となるため、そうした経費を除いた額で概算いたしますと、市民1人当たりの年間経費は、燃えるごみでは、令和4年度で2,787円、この経費を5年前、10年前と比較いたしますと、5年前の平成29年度では3,808円、10年前の平成24年では3,380円となります。
経費が下がった主な要因としましては、平成30年度からみなべ町の可燃ごみ受入れに伴う収入の増額や、令和2年度をもって上大中清掃施設組合による処理が終了し、令和3年度から中辺路・大塔地域、上富田町の可燃ごみを受け入れたことに伴う処理の集約化の効果や上富田町の可燃ごみ受入れに伴う歳入の増加によるものです。
しかしながら、本市ごみ処理場の運営経費は、昨今の労務単価上昇や原油価格高騰等による物価上昇による影響を受け、全般的に上昇傾向にあります。
なお、
当該年度ごとの焼却炉関係の機能維持に要した修繕費は、それぞれ令和4年では次年度への繰越明許費含め1億4,201万1,705円、平成29年度では3,299万4,417円、平成24年度では8,738万6,279円となっており、こうした経費を先ほどの経費に計上した場合には、市民1人当たりの経費は、令和4年度で4,840円、平成29年度では4,249円、平成24年度では4,471円となります。
各年度により修理費に大きな差が生じている要因としましては、修繕費が安価であった平成29年度については、平成26年度から28年度にかけて実施した焼却施設基幹的設備改良工事による設備更新の直後であったため比較的抑えられており、令和4年度については、設備更新から一定の年数が経過したことによる修繕箇所の増加と、昨今の労務単価上昇や材料価格高騰の影響により費用が増加したと考えています。
(環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(尾花 功君) 加藤喜則君。
(4番 加藤喜則君 登壇)
○4番(加藤喜則君) 答弁をいただきました。
基幹的設備改良工事、先ほども申し上げましたが、この後の物理的な経費というのは抑えられておりますし、他の市町村、いわゆるみなべ町、上富田町から受託開始ということで、これはいわゆる集約化の一つになってくるのかなと思うのですが、経費削減の一定の効果が見られたということは大事な点なのかなということで、そういうことですけれども、ただ、ごみ処理事業経費をざっくり見てもなかなか分からないので、1人当たりにするとどれだけの経費がかかっているのかなということで、市民1人当たりの可燃ごみであったり、それにプラス機能維持費を追加していただいて算出していただいた結果、歴然としているわけですけれども、単体の可燃ごみ処理費というのがある程度抑えられている部分はありますけれども、やっぱり修繕の費用を追加するとぐっと1.74倍に増えているという状況です。これがまた来年度、再来年度どうなっていくのかと考えたとときに、平成29年度は一旦落ち着きましたけれども、そこからの炉の老朽化であったり、施設そのものの老朽化であったり、先ほどの答弁にもありました施設の中の環境の配慮につきましては、もうこれ以上限界であるよというところもあるのかなというところでございまして、以上、現況を聞いていったわけですけれども、では今後どうしていくのか、持続可能な循環型社会の形成について、未来像としてどうしていくのかというところを4点お伺いしていきたいと思います。
まず、地球温暖化対策に係る電力・化石燃料・薬品使用量の削減についてお伺いしてまいります。
ごみ処理において地球温暖化対策、いわゆるCO2排出量削減に関わる電力の使用量、それから化石燃料の使用量、薬品使用量のそれぞれの削減策について、当局の考えを
お尋ねいたします。
(4番 加藤喜則君 降壇)
○議長(尾花 功君) 環境部長。
(環境部長 中村 誠君 登壇)
○環境部長(中村 誠君) 議員の御質問にお答えいたします。
冒頭にも申し上げましたが、本市ごみ処理場については供用開始から27年が経過しております。平成26年度から3年間、焼却施設基幹的設備改良工事を実施して機能の回復・向上を図っておりますが、現有施設では、エネルギー消費量を抑制し、CO2排出量の大幅な削減につなげることは難しい状況です。
また、今後改めて、基幹的設備改良工事を実施し、CO2の排出抑制に取り組むことにつきましても、国が示す焼却処理施設の耐用年数が38年であることから、適切な時期ではないと考えております。
このような状況から、十数年先を見据えた今後の焼却施設の整備に向けた検討をすべき時期に来ていると考えております。
新たな焼却施設の整備に当たっては、費用抑制のため、国の交付金事業の採択を受けた上で進める必要があると考えますが、廃棄物処理関連の施設整備に係る国の循環型社会形成推進交付金等の交付要件としましては、焼却施設を整備する場合、廃棄物を焼却した際の熱エネルギー回収や廃棄物のバイオガス転換などを行い、発電等の余熱利用を行うなどのエネルギー回収型の廃棄物処理施設が対象とされています。
今後の施設整備に際しましては、CO2の排出量を抑制し、地球温暖化対策に取り組むことが求められておりますので、電力使用量の削減はもとより、化石燃料由来の助燃燃料の削減や薬品使用量の低減を含め、より一層、地球環境に配慮したあらゆる方策の研究を行ってまいりたいと考えております。
(環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(尾花 功君) 加藤喜則君。
(4番 加藤喜則君 登壇)
○4番(加藤喜則君) お答えをいただきました。
今お答えにあったとおりですけれども、将来の施設更新に当たって、国の交付金事業の要件である、まずエネルギー回収型の施設運用ということを、しっかり研究していただき、また、先進地の視察などでしっかり研究、また議論を重ねていただき、どうか実現に向かっていただきたいなというふうに思います。
次に、災害時における災害ごみの受入れや施設の安定運用についてお伺いします。
過去、平成23年紀伊半島豪雨において、本市において約7,300トンの災害ごみが発生しており、今後発生が予想される南海トラフ巨大地震では災害ごみの量は約300万トンと試算されております。その受入れ体制は万全を想定しているのかどうか。また、災害時の長時間の停電でも処理施設の安定運用について、当局の見解を
お尋ねいたします。
(4番 加藤喜則君 降壇)
○議長(尾花 功君) 環境部長。
(環境部長 中村 誠君 登壇)
○環境部長(中村 誠君) 議員の御質問にお答えします。
災害を起因として生じた廃棄物、災害廃棄物については、一般廃棄物と定義されており、その処理は各自治体が主体となります。災害発生後においては、初動対応を着実に実施し、廃棄物処理については市民の健康や衛生面等を考慮しながら、早期の復旧・復興に資するよう、可能な限り早急に完了することが重要であります。
本市焼却施設の処理能力は1日150トンで、令和4年度においては、みなべ町、上富田町からの受入れ分を含め、1日平均約88トンのごみを焼却処理しています。
また、収集した可燃ごみを一時貯留するごみピットの容量は、平常時で約3日間分のごみを貯留できる大きさとなっておりますが、災害時は可燃ごみの排出が大幅に増加することが考えられ、災害の規模によっては、和歌山県等に支援要請を行うほか、周辺自治体や民間の処理施設において広域的な処理を要請する必要があります。
また、災害時において施設を安定的に稼働させるためには、電力などのエネルギーを確保する必要があります。現在の施設の非常用電源装置につきましては、災害が発生し商用電力が遮断した場合、安全に焼却施設を停止するための電力のみが確保されている状況で、大規模災害時などの場合、施設を継続的に安定稼働させることは難しい状況です。
さきにもお答えいたしましたが、今後新たな処理施設を整備する際において、国の交付金制度を活用するためには、エネルギー回収型廃棄物処理施設を整備することが交付要件となっています。
その要件を満たす施設の整備により、ごみの焼却等の際に発生する熱エネルギーを回収し、施設の動力源として利用することで、大規模災害時において商用電力を利用しなくとも自立運転が可能になると考えております。
(環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(尾花 功君) 加藤喜則君。
(4番 加藤喜則君 登壇)
○4番(加藤喜則君) 答弁をいただきました。
災害ごみについても1施設において受け入れられる災害ごみは限界があると思うのですね。こういった部分で大規模災害時における災害廃棄物の処理等に関する協定書というのを田辺市でも設けていると思うのですけれども、県内の各機関と連携して処理に当たることということでございます。その辺も踏まえた上で、災害ごみは初動時が大事ということでございます。特に、腐敗性の高い可燃ごみというところの処分というのが一番大事になってきますし、それから粗大ごみが後からついてくるということでございます。そういった部分でもしっかり連携を取っていただきたいなと思います。
先ほどのアにもございましたが、やっぱりエネルギー回収によって、停電時において、大規模災害時でも安定運用を目指していただけますように、どうかその考えも持ってしっかり議論していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、ウ、ごみの減量と資源化のためのさらなる可燃ごみの細分化についてお伺いします。
生ごみに含まれる水分量は約80%であり、この数値は、し尿処理場で出る脱水汚泥の値と同じであると同時に、資源化できれば有効な有機物となります。
紙おむつについては、未就児用、介護用、ペット用をはじめ、尿取りパッドや生理用品も含まれます。こういった使い捨て紙おむつ類も分別できれば有効な資源となり、直接焼却量が減らせると考えますが、当局の見解を
お尋ねいたします。
(4番 加藤喜則君 降壇)
○議長(尾花 功君) 環境部長。
(環境部長 中村 誠君 登壇)
○環境部長(中村 誠君) 議員の御質問にお答えします。
現在、生ごみや使用済み紙おむつについては、燃えるごみとして収集し焼却処理を行っておりますが、生ごみについては、生ごみ処理機購入費補助制度により各家庭から排出される生ごみの減量と再利用に取り組んでおります。
使用済み紙おむつについては、高齢化社会の進展により、今後排出量が増加すると推計されていることから、国において、それらの再生利用等の促進に係る検討や、今後の取組の方向性が取りまとめられたところであり、再生利用技術の進歩による今後の動向を注視していく必要があります。
生ごみや使用済み紙おむつのリサイクルは、持続可能な資源循環の推進に寄与する取組であると考えておりますが、こうした再生利用等の検討に当たっては、市民の分別協力、収集体制、処理体制やコストなど、様々な面からの検討を行う必要がございますので、今後も国や他の自治体等の動向を注視しながら研究に努めてまいりたいと考えております。
(環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(尾花 功君) 加藤喜則君。
(4番 加藤喜則君 登壇)
○4番(加藤喜則君) お答えをいただきました。
細分化について、これはもちろん市民との協働が不可欠ですし、それに当たって収集システムというのをどうやっていくのかということと処理場のシステム、また、コストの課題というのをクリアしていかないといけないのかなと思います。
先ほども紹介しましたが、これはちょっと質問と外れるかもしれませんが、生ごみについては、し尿処理場に代わる汚泥再生センターが生ごみとし尿及び浄化槽汚泥を資源化するということで、国の交付金事業として推奨されているということでございまして、し尿処理場を設ける各自治体において、こうした汚泥再生センターを設立して、国の交付金事業として活用しているという事例もあります。
ここで、ぜひ紹介させていただきたいのが、民間では高速真空発酵乾燥システムというのがございます。これは、廃棄物を乾燥した有機物・無機物と水に分離し資源化しているという装置でございます。焼却なしで処理室を真空にし、沸騰する温度を約70度に下げるわけです。僅か二、三時間で発酵ができると。通常発酵といいますと約1,000時間かかるのですね。堆肥化するのに1,000時間ですから、日にちに換算すると41日間大体かかって、それがごみの資源化とか堆肥化させるのに大体それを要するのでなかなか難しいなということでしたけれども、この装置を使えば約二、三時間で可能ということでございます。なおかつ乾燥を可能とするシステムでございます。さらに、処理工程で全く臭いが出ないといったことも特徴であると。処理された代価物は、含水率僅か15%の有機物、これは肥料や燃料にできますし、無機物、紙おむつであれば紙として出てくるし、プラスチックが回っておればプラスチックはそのまま出てくるということですね。それと水蒸気として水に分離するということで、あとの付加物は全くないということでございます。こういった処理システムも、白浜町のアドベンチャーワールドにもありますけれども、県内、全国各地にも、また世界的にも今運用されているという実績がございますので、そういったことも勘案しながら、どうかよろしくお願いしたいなというふうに思います。
次に、ごみ処理場の広域化についてお伺いいたします。
人口減少が続く本市において、周辺市町とのごみ処理場の共同運用、いわゆる集約化、そして広域化を考えていかなければならない将来的課題だと思われます。
十数年後には、ごみ処理場の更新を迎えますが、国の補助要件としてこれまで
お尋ねした環境配慮は当然として、ごみの受入れ容量などもクリアしていく必要がありますし、各自治体間の連携も必要かと思います。今後、本市としてごみ処理場の広域化についてどのように考えておられるのか、当局の見解を
お尋ねいたします。
(4番 加藤喜則君 降壇)
○議長(尾花 功君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。
ごみ処理場の広域化について、これまでの経過の概略を申し上げますと、平成11年に県が和歌山県ごみ処理広域化計画を策定し、当地域は田辺ブロックとして、圏域における集約化の基本方針が示されました。
その計画を受け、田辺周辺広域市町村圏組合を軸として、当時の構成市町村でごみ処理施設の広域化に向けた検討を進め、平成28年に田辺広域圏中間処理施設広域化構想が策定されております。その広域化構想では、圏域内における可燃ごみ処理を最終的に一本化して共同処理する方針が示されております。
その後も継続的に検討を重ねており、地球環境に配慮したエネルギー回収型廃棄物処理施設の整備のほか、プラスチック等のリサイクル推進施設等の整備についても共同処理化の研究を進めております。
同組合では、今年度、一般廃棄物処理施設整備基本構想の策定に向けて取組を進めており、基本構想策定の取組の中では、構成市町のごみ処理の現状等を整理し、施設整備の基本方針について議論を進めているところでございます。
今後も、国の施設整備に係る方針を基本的な方向性としながら、持続可能な社会を実現するために、地球温暖化をはじめとした、今、私たちが直面している地球規模の課題について、その解決の一端を担う意識を持ち、ごみ処理の広域化についての議論を構成市町で進めてまいりたいと考えております。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(尾花 功君) 加藤喜則君。
(4番 加藤喜則君 登壇)
○4番(加藤喜則君) 答弁をいただきました。
今後、田辺市にとってごみ処理場について、将来に向かって、エネルギー回収であったり、持続可能な循環型社会の先進地としてどうか取り組んでいただけますように、またしっかり議論、また計画をなされていただきますようにお願いいたしまして、今回の
一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。
(4番 加藤喜則君 降壇)
○議長(尾花 功君) 以上で、4番、加藤喜則君の
一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(尾花 功君) この場合、午後2時40分まで休憩いたします。
再開の際は、議案書及び議案書(2)を御持参ください。
(午後 2時29分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(尾花 功君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 2時40分)
○議長(尾花 功君) 続いて、20番、佐井昭子君の登壇を許可いたします。
(20番 佐井昭子君 登壇)
○20番(佐井昭子君) 皆様、こんにちは。
20番、公明党、佐井昭子です。
12月議会最後の
一般質問になりました。皆様大変にお疲れさまでございます。私も少々疲れておりますけれども、最後まで元気でやっていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従い3項目の質問をさせていただきます。
1項目めの質問、還暦式について質問をさせていただきます。
還暦式を田辺市でしてほしいと、もうすぐ還暦を迎える市民の方から声が寄せられました。
還暦は、60歳を迎える方の長寿のお祝い、元の歴に戻る、60歳を迎えると干支が一巡して、生まれた年の干支に還るため、生まれ直しの年、第二の人生の始まりと考えられてきました。
還暦といえば、赤いちゃんちゃんこを思い浮かべますが、赤は魔除けの色、ちゃんちゃんこは子供の防寒着から来ているそうです。この会場におられる皆様の中にも赤いちゃんちゃんこでお祝いをしていただいた方もおられるのではないでしょうか。最近では、ちゃんちゃんこではなく、赤い何かを贈りお祝いされることも多いようです。
現在の60歳は定年も延長、まだまだ働き盛り。以前の60歳・還暦は、御苦労さま、お疲れさまの意味合いが多かったのではないかと思いますが、今の60歳・還暦は、さあ人生100年の仕切り直し、再スタートの意味が大きくなっているように思いますし、そうあってほしいと願います。
高齢社会にあって、60歳・還暦から、まだまだ長い人生が続きます。その長い人生の再スタート、健康で社会や地域で活躍し、充実した第二の人生を送るために、個人のお祝い事であった還暦を成人式のように社会でお祝いすることは意味があることと考えました。
調べてみますと、自治体単位でも還暦式を開催しているところがあります。例えば、神奈川県寒川町。生涯学習課が担当し、町との関わり合いが少なくなる40歳、60歳を対象に、一人一人が自発的、自主的に生涯にわたって学習に取り組む意欲を養い、地域や人間関係のつながりを復活するためのきっかけとして還暦式の集いを企画、実施されています。名古屋市名東区、こちらは、社会福祉協議会が主催で60歳の門出を祝う会、還暦式が開催されています。60歳を迎える皆様の還暦をお祝いするとともに、第二の人生を地域で生き生きと活躍していただくためのきっかけづくりを目的とした会を催されています。
他の自治体でもいろいろな形で開催されているようです。講演会、活動発表、コンサート、60歳盛年の主張など、趣向を凝らし、よりよいまちづくり、地域社会での生きがいを見出し、協働いただける環境づくり、地域活動、市民力を大いに発揮することができるよう自分を生かす場の紹介や情報提供、人生の節目である還暦を市を挙げてお祝いをしています。
田辺市でもこのように、第二の人生の門出を祝う還暦式を開催してはと提案させていただきますが、いかがでしょうか。
(20番 佐井昭子君 降壇)
○議長(尾花 功君) 20番、佐井昭子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
保健福祉部長、古久保宏幸君。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
還暦とは、元の暦に還るという意味で、十二支と十干の組み合わせから成る干支は、60年を迎えると一巡して生まれた年の干支に還ることから、満年齢60歳、数え年61歳の年が還暦となります。
還暦式とは、還暦を迎える方々に60歳以降の人生を豊かにするための情報や交流の場を提供し、生涯学習の環境を整えて、個人の能力や技能、培ってきた経験等を生かし、地域社会の活性化につなげようと、平成17年、2005年に長崎県壱岐市が開催したのが始まりで、民間団体等でも開催されていると承知しております。
人生や仕事において重ねてきた様々な経験や労をねぎらい、今後の健康や長寿を祈るものとして、家族等により還暦のお祝いが行われてきましたが、最近では平均寿命が延び、60歳はまだ若く、第二の人生を歩み始められる方も多くいらっしゃいます。
こうしたことから、還暦式の開催は、還暦のお祝いとしてそれまでの人生を敬うとともに、新たな人生の門出を祝う機会、第二の成人式というような意味合いで、式典やイベント、発表会などが実施され、同級生との再会を懐かしみながら、今後の新たな人生のスタートを切るよい機会となっているようで、結果として、還暦以降の人生において、地域に貢献できる人材づくりにもつながる可能性があると認識しております。
しかしながら、全国的に見ましても、自治体が還暦式を主催しているケースは少ないようですが、今後におきましては、市民の皆様の機運の高まりを見定めるとともに、還暦式を開催している自治体の事例を参考に研究してまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君) 佐井昭子君。
(20番 佐井昭子君 登壇)
○20番(佐井昭子君) 御答弁ありがとうございました。
新たな人生、第二の成人式、またその意味についてもすごく認識をしていただいていると思います。市民の皆様の機運の高まりということですので、それを期待したいと思います。
高齢社会というのは、生涯学習の社会とも言われます。先ほどの御答弁にもございましたけれども、還暦を迎える皆様がお元気で、さらに地域で御活躍いただけるきっかけとなる情報提供、学びの場の紹介、また、田辺を出られて他府県で御活躍の方にも参加いただき、ふるさとをさらに深く知っていただく機会、Uターンのきっかけ、ふるさと納税の参加へとつながることも期待できるというふうに思います。
御答弁でも御紹介をいただきましたけれども、最初にこの還暦式を開催されたと言われる壱岐市にお伺いしましたら、市内在住の方はもちろん、壱岐市出身で市外にお住まいの方も大勢参加されて、その方たちは、ふるさとに帰られてお土産をたくさん買って帰られるのですよというようなお話もお聞きいたしました。生涯学習のテーマの一つとして、ぜひ開催の御検討をお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
続いて、2項目めの質問、高齢者活躍地域相談センターについてお伺いいたします。
これは、先ほど1項目めの質問の続編のようなものになります。
1項目めの質問で60歳・還暦が第二のスタートと述べさせていただきました。その再スタートに当たり、充実させていただくためのワンストップ窓口のようなところの設置を提案したいと思います。
高齢者の活躍の場は、雇用のほか、シルバー人材センターのような生きがい就労、自治体活動、ボランティアという社会貢献など様々な形態があります。シルバー人材センターは、市民の皆様の中にしっかりと浸透し、お仕事を依頼し、また高齢者の皆様に登録、お仕事をしていただいております。
さらに今の60代、70代は、健康で若々しい方も多く、長年の経験、技術を必要とされ、お仕事をされている現役の方々も大勢おられます。しかし、退職後、実際に何をしたらよいのか分からないという声もあります。
また、退職後にUターンをされた方々、その方から何をしたらよいか分からないというようなお声もいただきました。
定年後のシニアライフの形成、現役時代に培ったスキル、経験を聞き出す棚卸しや相談から活躍につなげるワンストップで対応できるセンター、高齢者と地域ニーズを掌握し、人材バンク、マッチングを行うための体制が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
(20番 佐井昭子君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
平均寿命が延びていること、年金の受給年齢が引き上げられている状況などから、定年退職後もハローワークやシルバー人材センター等で仕事を探すなどして仕事をされている方がいらっしゃいます。
令和4年度の田辺市シルバー人材センターへの登録者数は362人ですが、会員登録の際にどのような業務を希望するかを確認しており、シルバー人材センターに業務依頼があった場合、まずその業務を希望する登録者に声をかけますが、その業務を希望していない登録者にも声かけし、承諾が得られれば業務を受けていただいております。
登録者の85.4%に当たる309人が就業していますが、本市の令和5年3月末の65歳以上の高齢者数は2万3,643人でありますから、高齢者数に対する登録者数は1.53%、就業者数は1.30%にとどまっています。
しかしながら、現在、様々な業種において人手不足が叫ばれており、高齢世代にも活躍していただくことが必要と考えます。退職後、自分が活躍できるところがないか、相談できる窓口や人材バンク的なものがあれば、就業を希望する高齢者に対しても地域に貢献できる道を探すお手伝いができると考えております。
また、高齢者の活躍とは少し意味合いが違いますが、年金受給年齢が引き上げられたことにより、受給までの収入確保のため、少しでも多くの方が職を得られることが重要と考えております。
そのためには、ハローワークやシルバー人材センター、民間企業等との情報共有や連携が必要になってくるものと考えており、議員御提案の高齢者活躍地域相談センターの設置も含めて、高齢者が活躍できる仕組みづくりについて研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君) 佐井昭子君。
(20番 佐井昭子君 登壇)
○20番(佐井昭子君) ありがとうございました。
シルバー人材センターの状況も詳しく御説明をいただきました。ハローワークやシルバー人材センター、民間企業との情報共有、連携が必要だという認識も示していただきました。
高齢者の方々は決して支えられるばかりではありません。健康で、できる限り人のお役に立ちたいと思っておられる方も少なくありません。社会が急速に変化する中、私たち高齢者が若い方たちから謙虚に学ばせていただきながら、できる仕事、ボランティア等ができる、活躍できる仕組みづくりをぜひ御検討していただきたいと思います。私も引き続いてどのような形がよいのか、じっくりと取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、最後の質問、3項目めの質問に移らせていただきます。
放課後の居場所について質問をいたします。今回は、小学生の放課後ということでお聞きいたします。
第2期田辺市子ども・子育て支援事業計画が令和2年に策定されました。計画の背景と趣旨の中にこう述べられています。
就学児童において、さらなる共働き家庭等の児童の増加が見込まれており、国において、平成30年には、新・放課後子ども総合プランを策定し、次代を担う人材を育成するため、全ての児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことができるよう、放課後等に全ての子供を対象として学習や体験・交流活動を行う事業の計画的な整備を進めていくこととされました。
新・放課後子ども総合プランでは、地域社会の中で、放課後等に子供たちの安全で健やかな居場所づくりを推進するため、各市町村において、教育委員会が主導して福祉部局と連携を図り、原則として全ての小学校区において、文部科学省の放課後子供教室と厚生労働省の放課後児童クラブを一体的あるいは連携して実施する総合的な放課後対策(放課後子どもプラン)を推進するとされています。放課後子どもプラン推進事業として、放課後児童クラブと放課後子供教室があり、その二つが一体的にまたは連携することが推奨されています。田辺市では現在は一体的な運営がなされておりませんので、一つ一つお聞きしたいと思います。
まず1点目、放課後児童クラブ、これは学童保育所のことでありますけれども、についてお伺いいたします。以後、通常使われている学童保育所または学童を使わせていただきます。
学童保育所の来年度の入所申請はこの11月30日で締め切られたと思いますが、申請状況はどんなものでしょうか。
(20番 佐井昭子君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
本市におきましては、現在、13か所の公立学童保育所を運営しており、保護者が就労や疾病等の理由で、昼間家庭にいないことなどが常態となっている小学校低学年の児童に対して、適切な遊びや生活の場を提供し、児童の健全な育成を支援しているところです。
令和6年度の通年利用の申請受付につきましては11月30日で締め切っており、現在、就労要件等の申請内容を精査しているところですが、現時点において4か所の学童保育所で利用定員に達する見込みとなっております。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君) 佐井昭子君。
(20番 佐井昭子君 登壇)
○20番(佐井昭子君) 今年度も定員いっぱい、または定員オーバーの学童がありました。現場ではできる限り保護者の皆様の希望をかなえ、学校の別の部屋を借りるなどの対応をして応えていただいております。来年度も4か所定員に達する見込みとお答えをいただきました。
そこで、定員を超えそうな学童や定員近くまで入所する学童では、長期休業期間も含めてどのような対応を考えておられますでしょうか。
(20番 佐井昭子君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
利用定員に達する見込みの学童保育所の中でも、定員を大幅に上回る見込みとなる学童保育所におきましては、可能な限り受け入れることができるよう、今後、空き教室等の活用や放課後に利用していない図工室等の特別教室の一時的な利用について、小学校と協議を行ってまいりたいと考えております。
なお、夏休みなどの長期休業期間の学童保育所の利用希望に対しましては、定員に空きがある学童保育所でのみ入所申請を受け付けているところですが、長期休業期間の受入れ枠の拡充につきましては、期間限定の指導員を今まで以上に確保することが困難であるため、どのような形で受け入れていけるのか、課題を整理しながら検討してまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君) 佐井昭子君。
(20番 佐井昭子君 登壇)
○20番(佐井昭子君) お答えをいただきました。
次の質問とも関わりがありますので、次の質問に進ませていただきます。
現在、田辺市の学童保育所は3年生まで受け入れておりますが、保護者の方から6年生まで受け入れてほしいとの切実な声が届いています。6年生まで受け入れるには、保育室と指導員の確保が課題だということは十分理解しておりますが、子供が安全に安心して放課後を過ごせるように対応していただきたいと思いますが、今後6年生までの受入れに対してどのように取り組まれるのかお聞かせください。
(20番 佐井昭子君 降壇)
○議長(尾花 功君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇)
○
保健福祉部長(古久保宏幸君) 議員の御質問にお答えします。
小学校高学年までの学童保育所の利用につきましては、一定の需要があるものと認識をしております。現在、当市では、長期休業期間においては6年生までの受入れ対応を実施しているところです。
そうした中、通年利用における受入れ対象年齢の拡大に当たっては、現在、学童保育所ごとに利用動向を分析した上で、定員を上回ると想定される学童保育所においては、空き教室等の有無や放課後に利用していない特別教室等の一時的な利用に関して小学校と協議を行っているところです。
しかしながら高学年を受け入れることによって新たに保育室が必要と想定される場合におきましては、それに伴い、今以上に指導員の確保が必要になることが考えられます。
こうしたことから、受入れ対象年齢の拡大に当たっては、総合的な視点から検討を進めていく必要があると考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(
保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇)
○議長(尾花 功君) 佐井昭子君。
(20番 佐井昭子君 登壇)
○20番(佐井昭子君) 高学年までの学童保育所の利用について一定の需要があるというふうに認識していただいておりますが、アのお答えと同様、部屋と指導員の確保が大変難しい、そのことは十分理解できております。
そこで、部屋の課題についてですけれども、御答弁の中にもございましたが、小学校と協議していただいているということですけれども、改めて教育委員会にお伺いしたいと思います。
今年もなんぶ学童では会議室を時間シェアしていただいております。今後の入所希望者の増加、また、6年生までの受入れ等で部屋が必要になることも想定されますが、どのような御協力を考えていただいておりますでしょうか、お聞かせください。
(20番 佐井昭子君 降壇)
○議長(尾花 功君) 教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えいたします。
学童保育所の拡充に伴う居場所の確保については、これまでも子育て推進課と協議、連携し、各小学校の余裕教室を確認の上、学童保育所として利用できるよう協力、対応しております。
しかしながら、現状では余裕教室が少なく、また、利用が可能な教室などについても、学童保育所との距離的・位置的な課題もあります。
いずれにいたしましても、学校、保護者、地域が連携し子供を育てるという観点から、教育委員会といたしましては、今後も学童保育所の運営について、余裕教室等の状況にもよりますが、可能な限り協力をしていきたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(尾花 功君) 佐井昭子君。
(20番 佐井昭子君 登壇)
○20番(佐井昭子君) ありがとうございました。
これからもしっかりと連携をしていただいて、希望者全員、6年生まで入所できるよう早急に対応をお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
2番目の放課後子ども教室についてお伺いいたします。
これは、文部科学省の推進している事業で、放課後や週末等に公民館や学校の施設を利用し、地域の方々の参画をいただき、希望する全ての児童に様々な学習や体験・交流活動の機会を提供するものです。田辺市でも生涯学習課が担当し、実施されている学校があります。
まず、その目的や実施されている内容、参加状況、効果をお聞かせください。また、課題等があればお願いいたします。
(20番 佐井昭子君 降壇)
○議長(尾花 功君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えします。
放課後子ども教室は、平成19年度から、厚生労働省の放課後児童健全育成事業と連携した放課後子どもプランの一つとして文部科学省が推進している事業であります。放課後や週末等に公民館や学校の余裕教室などを活用し、子供の安全・安心な活動拠点を設け、地域の方々の参画を得て、子供に様々な学習や体験・交流活動の機会を定期的・継続的に提供することを通じて、子供の社会性、自主性、創造性などの豊かな人間性を涵養するとともに、地域社会全体の教育力向上を図り、地域の活性化や子供が安心して暮らせる環境づくりを推進することを目的として実施しているものであります。
本市では、平成16年度から地域子ども教室として開始しており、学童保育所の開設等に伴い廃止となった地域もありますが、現在は稲成、龍神、大塔地域の3か所で放課後子供教室を実施しております。
実施状況について申し上げますと、稲成地域では稲成ふれあいスクールとしまして、放課後や土曜日の午前中に稲成小学校を中心に実施しており、昨年度は年間3回実施し、延べ39名の子供が参加しております。主な内容としましては、野球教室や自然観察教室などとなっております。
龍神地域では、龍神ふれあいスクールとしまして、土曜日の午前中に龍神市民センターで実施しており、昨年度は年間20回実施し、延べ171名の子供が参加しております。主な内容としましては、羊毛フェルト教室や藍染め体験、バードウォッチングなどとなっております。
大塔地域では、鮎川ふれあいスクールとしまして、水曜日の放課後に大塔総合文化会館を中心に実施しており、昨年度は年間25回実施し、延べ260名が参加しております。主な内容としましては、押し花アートやスライムづくり、囲碁ボール、グラウンドゴルフ大会などとなっております。
いずれの地域におきましても、それぞれの地区公民館を事務局とした実行委員会形式で小学校と連携しながら運営しており、子供たちのニーズも踏まえて実施内容を決定し、様々な学習・体験・交流プログラムを中心的に行う協働活動支援員、各種プログラムの実施をサポートし安全管理を行う協働活動サポーターの下、実施しております。
運営上の課題といたしまして、協働活動支援員や協働活動サポーターの新たな要員確保、ニーズに合った学習・体験・交流プログラムの検討、子供たちを飽きさせない工夫といったことがありますが、事務局を担う地区公民館と地域の協働活動支援員、協働活動サポーターの皆様、そして小学校が連携し、より充実した教室運営となるよう取り組んでいるところであります。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(尾花 功君) 佐井昭子君。
(20番 佐井昭子君 登壇)
○20番(佐井昭子君) 実施校の事例を御紹介いただきました。長年にわたり地域の方々の御協力で開催していただいていることを感謝申し上げたいと思います。
子供の社会性、自主性、創造性等の豊かな人間性を涵養するとともに、地域社会全体の教育力の向上を図り、地域の活性化や子供が安心して暮らせる環境づくりを推進するというすばらしい事業だと思います。実行委員会形式で小学校と連携、協働活動支援員さん、協働活動サポーターさんの御協力の下実施されていることをお聞きいたしました。
そこで、次にお伺いいたします。放課後子ども教室を実施されていない小学校において、今後どのように取り組んでいかれますでしょうか、お聞かせください。
(20番 佐井昭子君 降壇)
○議長(尾花 功君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えします。
国が示しております新・放課後子ども総合プランについては承知をしているところであり、教育委員会としましても、放課後子ども教室を引き続き運営してまいりたいと考えております。
そうした中で、放課後子ども教室の新規開設については、それぞれの地域におけるニーズを把握し、実情に応じた運営体制を構築する必要がありますが、中でも、先ほどの現状説明において申し上げました協働活動支援員、協働活動サポーターとして、実際の運営に携わっていただける地域の方々を確保することが一番の課題と認識しております。
また、本市においては、学校・家庭・地域が一体となって運営する学社融合推進協議会を設置し、学校や地域における課題を共有するとともに、地域の特色や実情に応じた取組を検討し、展開しているところであります。
既に、それぞれの学社融合推進協議会において、地域の特色や実情を踏まえる中で、放課後子ども教室以外の子供の居場所づくりや、体験・交流活動などに取り組んでいる地域もあり、芳養小学校学社融合推進協議会では、芳養ふれあい教室として、花アレンジ、キンボール、俳句、書き方、読み聞かせ、将棋といった六つの教室を、それぞれ月に1回もしくは2回、地域の方々の協力を得て実施しているといった事例もあります。
今申し上げましたのは、あくまでも一例でありますが、それぞれの学社融合推進協議会でそうした取組が展開されていることを踏まえる中で、放課後子ども教室の新規開設につきましては、まずは、学社融合推進協議会において、必要性や実現の可能性など検討いただくことが大切であると考えており、教育委員会としましては、放課後子ども教室の新規開設の希望があれば、実施に向けた調整と必要な支援を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(尾花 功君) 佐井昭子君。
(20番 佐井昭子君 登壇)
○20番(佐井昭子君) ありがとうございます。
新規開設については地域のニーズと、さらに運営に関わっていただける地域人材の確保が課題とお答えをいただきました。芳養ふれあい教室のすてきな事業も御紹介いただきました。
田辺市の学社融合の取組の様子を、先日、紀南文化会館展示場で見せていただきました。子供たちが地域の皆様と生き生きと活動されている様子がよく伝わってまいりました。
文部科学省の放課後児童クラブ、放課後子ども教室のイメージとして、学童保育所は小1の壁を打破するため、共働き家庭等の児童にとって安心・安全な居場所で生活の場。子供教室は、学習・体験活動の場。次代を担う人材育成のため、全ての児童が多様な体験、活動を行うことができる環境。放課後子ども教室の拡充、全ての児童を対象とした学習支援、多様なプログラムの充実、大学生、企業OB、民間教育事業者、文化芸術団体等の様々な人材の参画を推進というふうにあります。
新規の開設については、要望があれば応援をしていただくということでございますけれども、子供たちにとって放課後の過ごし方の必要性をどのように考えるのか、学社融合推進協議会でもぜひ取り上げていただきたいというふうに思います。その中で新規開設の働きかけをしていただきたいなというふうに思います。
繰り返しになりますけれども、新・放課後総合子どもプランには、教育委員会が主導してとありますので、田辺市では生涯学習課が担当していただいておりますけれども、今後ぜひ子供の放課後の安全・安心、生活の場である学童保育所、学習・体験の場である子ども教室の新規開設、一体化、連携を進めていただきたいことを要望いたします。
そして、ここで1番目と2番目の質問に戻るのですけれども、還暦式、高齢者活躍地域相談センターの設置を提案させていただきましたけれども、子供たちの育ちを支援する人材の発掘、活躍、参画のためにもぜひ先ほどの提案も実現していただきたいなというふうに強く要望いたしまして今回の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
(20番 佐井昭子君 降壇)
○議長(尾花 功君) 以上で、20番、佐井昭子君の
一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして、
一般質問を終結いたします。
◎日程第 2 5定議案第 1号 田辺市職員の給与に関する条例等の一部改正についてから
日程第27 5定議案第29号 令和5年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第4号)まで一括上程
○議長(尾花 功君) 続いて、日程第2 5定議案第1号 田辺市職員の給与に関する条例等の一部改正についてから、日程第27 5定議案第29号 令和5年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第4号)まで、以上26件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました26件については、過日、既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(尾花 功君) 質疑なしと認めます。
それでは、ただいま議題となっております26件については、会議規則第37条第1項の規定により、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
各常任委員会の付託事件は、配付いたしております議案付託表のとおりであります。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ散会し、明日12月13日から12月20日までの8日間は休会とし、12月21日午後1時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(尾花 功君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(尾花 功君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 3時20分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
令和5年12月12日
議 長 尾 花 功
副議長 橘 智 史
議 員 安 達 幸 治
議 員 安 達 克 典
議 員 佐 井 昭 子...