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令和 5年第4回定例会(第2号 9月15日)

  • "まちづくり等特別委員会"(1/2)
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  1. 田辺市議会 2023-09-15
    令和 5年第4回定例会(第2号 9月15日)


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    令和 5年第4回定例会(第2号 9月15日)              第4回田辺市議会定例会会議録              令和5年9月15日(金曜日)           ―――――――――――――――――――    令和5年9月15日(金)午前10時開会  第 1 一般質問  第 2 4定議案第24号 令和5年度田辺市一般会計補正予算(第6号)  第 3 4定議案第25号 令和4年度田辺市一般会計歳入歳出決算について  第 4 4定議案第26号 令和4年度田辺市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算               について  第 5 4定議案第27号 令和4年度田辺市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算に               ついて  第 6 4定議案第28号 令和4年度田辺市介護保険特別会計歳入歳出決算について  第 7 4定議案第29号 令和4年度田辺市分譲宅地造成事業特別会計歳入歳出決算               について  第 8 4定議案第30号 令和4年度田辺市農業集落排水事業特別会計歳入歳出決算               について  第 9 4定議案第31号 令和4年度田辺市林業集落排水事業特別会計歳入歳出決算               について  第10 4定議案第32号 令和4年度田辺市漁業集落排水事業特別会計歳入歳出決算
                  について  第11 4定議案第33号 令和4年度田辺市戸別排水処理事業特別会計歳入歳出決算               について  第12 4定議案第34号 令和4年度田辺市診療所事業特別会計歳入歳出決算につい               て  第13 4定議案第35号 令和4年度田辺市駐車場事業特別会計歳入歳出決算につい               て  第14 4定議案第36号 令和4年度田辺市木材加工事業特別会計歳入歳出決算につ               いて  第15 4定議案第37号 令和4年度田辺市四村川財産区特別会計歳入歳出決算につ               いて  第16 4定議案第38号 令和4年度田辺市水道事業会計利益の処分及び決算につい               て  第17 4定議案第39号 令和4年度田辺市特定環境保全公共下水道事業会計利益の               処分及び決算について           ――――――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1から日程第17まで            ―――――――――――――――――― 〇議員定数 20名 〇欠  員  3名           ――――――――――――――――――― 〇出席議員              議席番号   氏   名               1番  松 上 京 子 君               2番  前 田 か よ 君               3番  久 保 浩 二 君               4番  加 藤 喜 則 君               5番  尾 﨑 博 文 君               6番  谷   貞 見 君               7番  柳 瀬 理 孝 君               8番  浅 山 誠 一 君               9番  宮 井   章 君              10番  福 榮 浩 義 君              12番  北 田 健 治 君              13番  橘   智 史 君              14番  尾 花   功 君              15番  市 橋 宗 行 君              16番  安 達 幸 治 君              17番  安 達 克 典 君              20番  佐 井 昭 子 君           ――――――――――――――――――― 〇欠席議員  なし           ――――――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市長        真 砂 充 敏 君             副市長       林   誠 一 君             副市長       木 村 晃 和 君             教育長       佐 武 正 章 君             企画部長      山 﨑 和 典 君             企画広報課長    竹 本 昌 人 君             自治振興課参事   虎 伏 佳寿子 君             人権推進課長    堀 口 泰 令 君             西部センター館長  大 西 光 則 君             総務部長      西   貴 弘 君             危機管理局長    茨   善 行 君             市民環境部長    中 村   誠 君             環境課長      狼 谷 慎 一 君             保健福祉部長    古久保 宏 幸 君             子育て推進課長   平 谷 伸 弘 君             やすらぎ対策課長  馬場崎   栄 君             健康増進課長    谷 本 あけみ 君             商工観光部長    丸 山 勝 司 君             商工振興課長    大 西 弘 芳 君             観光振興課長    中 野 哲 二 君             農林水産部長    木 村 博 充 君             森林局長      榎 本 安 幸 君             建設部長      衣 田   克 君             大塔行政局長    岡 野 哲 士 君             消防長       戎 嶋   健 君             教育次長      前 川 光 弘 君             学校教育課長    太 田 真 次 君             生涯学習課長    那 須 豊 久 君             水道部長      合 川   弘 君             業務課参事     山 本 良 明 君           ―――――――――――――――――――出席事務局職員             議会事務局長    前 溝 浩 志             議会事務局次長   坂 本 明 人             議会事務局主任   松 本 早也香             議会事務局主事   山根木 大 輝  開 議 ○議長(尾花 功君)    おはようございます。  定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、令和5年第4回田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。               (午前10時00分)          ――――――――――――――――――― ◎諸般の報告 ○議長(尾花 功君)    この場合、事務局長をして諸般の報告をいたさせます。  議会事務局長、前溝浩志君。           (議会事務局長 前溝浩志君 登壇) ○議会事務局長(前溝浩志君)    報告申し上げます。  本日付、田総第133号の2をもって、市長から本定例会の追加議案として、4定議案第24号 令和5年度田辺市一般会計補正予算(第6号)など、議案17件の送付がありました。  いずれもお手元に配付いたしております。  以上でございます。           (議会事務局長 前溝浩志君 降壇)
    ○議長(尾花 功君)    それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(尾花 功君)    日程第1 一般質問を行います。  なお、一般質問の通告は9月7日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。  それでは、質問順に従って発言を許可いたします。  12番、北田健治君の登壇を許可いたします。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    皆様、おはようございます。  早速ですが、議長のお許しをいただきましたので、大項目3点について一問一答方式で質問を行います。  まずは、田辺ONE未来デザインについてであります。  本件については、議会内においても、新庁舎整備及びまちづくり等特別委員会で議論されておりますが、私自身、これまで度々、現庁舎跡地の利活用扇ヶ浜エリアの活用について一般質問を行ってきた経緯から、あえてこの場で質問をいたします。  本市では令和4年度より田辺ONE未来デザインと銘打って、田辺湾岸エリアにある資源の一体的な価値向上と、それを最大限に活用したまちづくりを進めており、現在、構想の策定に取り組んでいるところであります。その一つの区切りとして、さきの5月1日、新庁舎整備及びまちづくり等特別委員会において、田辺ONE未来デザインにおける構想策定中間報告書が提出されました。  そこには、これまでの検討経過や地域資源・課題等の現状認識、ゾーニングと各ゾーンにおける課題及び事業アイデアなどが記されていますが、私自身、その内容を見て、何をもって構想なのかという様々な思いをめぐらせています。  中間報告書の提出から4か月が経過しましたが、まずは小項目1として、構想策定の進捗状況についてお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    12番、北田健治君の質問に対する当局の答弁を求めます。  企画部長、山﨑和典君。            (企画部長 山﨑和典君 登壇) ○企画部長(山﨑和典君)    議員の御質問にお答えします。  田辺ONE未来デザインにつきましては、令和4年度において構想として取りまとめ、その構想に基づいて、令和5年度には事業化検討に移行していくというスケジュールを考えておりました。  そうした中、令和4年度においては、地域資源の現状と利活用に向けた課題の整理、庁舎跡地の利活用の分野と方向性を踏まえた田辺湾岸エリア全体のビジョンの取りまとめ、田辺湾岸エリアをゾーニングし、各ゾーンの機能や役割分担についての整理、各ゾーンにおいて想定される実施事業の全体像や事業スキーム案の取りまとめなどの業務を委託し、構想の検討を進めてまいりました。  しかしながら、事業主体、規模、法規制、関係者との調整など、事業化に向けて細部にわたる検討を行い、構想として取りまとめるべきではないかとの考えから、令和4年度の検討をもって構想策定とするのではなく、中間報告としてまとめさせていただきました。  現在、事業アイデアの精緻化、地域内外の民間事業者に対しての意向調査、事業参画の障壁となる課題の洗い出しとその対応策など、官民連携による事業化に向けた検討を行っているところであり、今後、こうした検討を踏まえまして構想を取りまとめてまいりたいと考えております。            (企画部長 山﨑和典君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    中間報告書は、構想策定チーム関係者ヒアリングや懇話会での意見を踏まえ、議論した結果を主としてまとめたものであると認識しております。市民の皆様の御意見を伺うことは大切なことでありますが、私は、中間報告にとどまった要因の一つは、市が主体性を持って考えを示してこなかったからであると考えております。  田辺ONE未来デザインを、将来の田辺市のありようを方向づける重要なものに位置づけたからには、田辺湾岸地域のあるべき姿を描き、その実現に何が必要か、市当局なりの、もっと言えば、これまで数ある取組の中でノウハウを蓄積してきた市当局ならではの考えや企画を今からでも示すべきであります。  庁内では令和4年に田辺ONE未来デザイン推進本部が組織され、これまで議論を重ねてこられた上に、中間報告書についても検討されたことと思います。  そこで小項目2として、市が描く田辺湾岸地域のあるべき姿について、その実現に向けて必要な事業は何か、本プロジェクトの核となる現庁舎跡地及び扇ヶ浜エリアを中心に当局の考えをお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    企画部長。            (企画部長 山﨑和典君 登壇) ○企画部長(山﨑和典君)    議員の御質問にお答えします。  まず、現本庁舎跡地の利活用については、令和4年3月策定の第2次田辺市総合計画後期基本計画において、広域的な視点や扇ヶ浜エリアも一体として考えること、中心市街地の資源や機能との連携、まちのにぎわい創出や経済の活性化といった方向性を示すとともに、令和4年度に取りまとめました田辺ONE未来デザインにおける構想策定中間報告においては、現本庁舎跡地・扇ヶ浜エリアを含む湾岸地域のまちづくりの理念を地域の自律的好循環と新たな価値の創出とし、持続的に発展していく魅力ある地域の形成を目指すことといたしました。  その中で、田辺湾岸エリアを地域資源と立地条件に応じて、交流促進ゾーン、観光振興・ブルーツーリズムゾーン、自然共生ゾーンとして設定するとともに、田辺ONE未来デザインの中核をなす交流促進ゾーンに当たる現本庁舎跡地・扇ヶ浜から紀伊田辺駅周辺については、ゾーン内の役割や特性に違いがあるため、エリアをさらに細分化し、各ゾーン、エリアの方向性等を整理しております。  その上で、令和5年度において、中間報告書に基づき、事業化検討チームの組成や事業化に向けた地域内外の民間事業者に対する意識調査の進め方などについて、田辺商工会議所や金融機関などと意見交換を行ったところ、事業化に向け具体案を示してほしい、市が主体性を持って進めてほしいといった御意見をいただいたところでございます。  市といたしましては、議員からの御指摘はもちろん、こうした意見も踏まえまして、これまでの検討経過や中間報告書の方向性に基づき、本年度後半に市が主体となって具体的な提案ができるよう取組を進めてまいりたいと考えております。            (企画部長 山﨑和典君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    本来の未来構想とは、夢のある将来像を描き、やれる事業ではなく、やるべき事業を示すものであったと考えます。  これまで価値創造プロジェクト中心市街地活性化などに取り組んできた市当局が令和4年に推進本部を立ち上げ、中間報告書の提出から4か月が経過したこの段階においても、核となる現庁舎跡地の利活用や扇ヶ浜における事業を示せない現状に、私自身、大きな期待をかけていた分、寂しさを感じております。  答弁から、商工会議所や金融機関の御意見を伺った上でも、市が具体的な案を示さない限り前に進まない状況であると認識しました。これから市が主体となって、具体的な提案ができるように取組を進めるということですので、早急な検討をお願いいたします。  次の質問に移ります。  令和4年第2回定例会において、田辺ONE未来デザイン策定業務の委託料が計上されました。総務企画委員会での審議過程で、当局から、構想は専門的な知識を持ったコンサルティング会社に入ってもらう中で策定していきたいとの説明がありました。本件のみならず、構想や計画の策定業務を委託する際には、コンサルティング会社ならではの提案や知識をいただき、構想及び計画に反映させるとともに、それをインプットすることが重要であります。  そこで、小項目3として、構想策定に当たり受託業者からどのような提案があったのか、またそれをどう生かしていくのかお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    企画部長。            (企画部長 山﨑和典君 登壇) ○企画部長(山﨑和典君)    議員の御質問にお答えします。  全国各地で地方創生の取組が進められている中で、地域の主体性を育みながらまちづくりを進めていく取組が広がってきており、国においても、そうした地域の主体性を尊重する伴走型の事業も出てきています。  今回の受託事業者は、こうした国の伴走型支援事業の受託実績も有しており、その知見やノウハウが本市の構想の検討経過においても生かされているものと認識しております。  具体的に申し上げますと、まず、令和4年度の構想検討については、幅広い世代・分野から丁寧に意見・提案等を集め、若い世代が中心となって検討を行うことを基本とし、市内外の若手で構想策定チームを組織しました。  そして、この構想策定チームにおける検討に向け、日本全体の社会構造の変化を踏まえた地域資源利活用に向けた課題の整理、人口減少下で多種多様な需要に応えながらサービス水準を維持するためのポイントの整理、観光動態データの分析に基づく人流の見える化、本市の課題を踏まえた他地域におけるまちづくりの成功事例の調査、まちづくりの理念や考え方の提案、さらには人材・ビジネス・環境の三つを循環させることにより、経済活性化はもちろん、地域内の自律性が高まるといったシナリオの提案など、委託事業者において議論に必要な情報の整理を行っていただきました。  さらに、田辺らしさとは何か、事業が生まれる・地域がもうかる・そして自走するにはどのような機能が必要かなどについて、市の職員も入り、議論する中で論点整理をしながら、各メンバーの意見を引き出すとともに、出された様々な意見を俯瞰的な視点で捉え、それらを分かりやすく言語化、またはイメージ化するなど、構想策定チームの検討を円滑に進める役割を担ってもらいました。  以上のことから、令和4年度は、構想の中間報告とさせていただきましたが、地域資源の現状と利活用に向けた課題の整理、庁舎跡地の利活用分野とその方向性を踏まえた田辺湾岸エリア全体のビジョンの取りまとめ、田辺湾岸をゾーニングし、各ゾーンの機能や役割分担についての整理、各ゾーンにおいて想定される実施事業の全体像や実施スキーム案の取りまとめなどの業務については、適正に執行されたと認識しております。  また、市の職員が、受託事業者の情報収集や論点整理などのノウハウに触れ、市内外の民間の方々と一緒になって地域の主体性を育みながらまちづくりを進めていくことを議論した経験は、今後の行政課題の解決や各種事業の推進に十分役立てていけるものと考えております。            (企画部長 山﨑和典君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    委託した業務内容は、課題の整理、ビジョンの取りまとめ、役割分担についての整理、全体像や実施スキーム案の取りまとめであって、私が主としてお聞きしたかったコンサルティング会社ならではの、例えば田辺湾岸に必要なことであるとか、その実現に向けた手法といった提案は、どうやら委託業務の範疇ではなかったというようなことであります。  その上で、答弁にありましたように、構想策定に向け、委託した業務は適正に執行されたことと思いますが、結果として市が示したのは中間報告書であります。  ここで、これまでの答弁を振り返りますと、市はその中間報告書の方向性に基づき、主体となって、本年度後半に具体的な提案を出し、田辺ONE未来デザイン事業化推進事業での検討も踏まえ構想を策定するということであります。  つまり、予算ベースですが、令和4年度に1,060万円を計上した田辺湾未来構想策定事業、令和5年度に2,150万円を計上した田辺ONE未来デザイン事業化推進事業、これは事業化を検討するに当たり要する費用であるものの、構想は二つの事業成果を反映したより質の高いものでなければなりません。構想はどこまで具現化した内容で市民の皆様にお示しするのか、再質問いたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    企画部長。            (企画部長 山﨑和典君 登壇) ○企画部長(山﨑和典君)    議員の御質問にお答えします。  先ほども答弁申し上げましたが、現在、事業主体、事業規模、法規制、関係者との調整など、事業化に向けた細部の検討ができていないことから中間報告といたしました。  構想の取りまとめにおいては、事業実現の可能性を含めどういった事業を実施するのか、いつするのか、誰がするのかといった、より具体的な内容も含め、可能な限り盛り込みたいと考えております。            (企画部長 山﨑和典君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    次に、構想策定後の事業展開でありますが、令和4年第2回定例会の総務企画委員会で次のように答弁されています。現本庁舎の跡地活用については、構想の取りまとめ後、令和5年度から官民対話のサウンディングに入り、令和7年度以降に事業を実施する。扇ヶ浜の価値向上プランは、構想の取りまとめ後、令和5年度からプランの詳細を検討し、令和6年度以降に実行するとのことでした。  また、中間報告書には既に取組が始まっているものもある一方で、新たに取り組むものもあり、事業期間や完了時期にも違いがあると記されております。  構想策定後の事業実施となっている現本庁舎の跡地活用及び扇ヶ浜エリアについては、田辺ONE未来デザインの中核となるものです。遅れを懸念するとともに、その中核を含む構想がない中で取組が始まっている事業は、それぞれの担当課が個々に事業を進めているだけではないかとの印象も抱いております。  そこで、小項目4として、田辺ONE未来デザインの今後の事業展開について、各事業の一体性の在り方も含め、お伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    企画部長。            (企画部長 山﨑和典君 登壇) ○企画部長(山﨑和典君)    議員の御質問にお答えします。  田辺湾岸地域においては、これまで、自然資源の保全をはじめ中心市街地や水産業の活性化、扇ヶ浜の整備など様々な取組を進めてきました。  それらに加えて、文里湾横断道路都市計画道路目良線の完成により、田辺湾岸地域に所在する扇ヶ浜をはじめ、武道館、紀南文化会館といったスポーツ・文化施設、神島や鳥の巣、天神崎といった自然資源など、ベイエリアの美しい景観や田辺ならではの特徴的な資源が結ばれることになります。  田辺ONE未来デザインにおいては、これまでの取組を踏まえながら、現本庁舎跡地及び扇ヶ浜を核として、ブルーツーリズムの推進や紀南文化会館の大規模改修などの事業にも取り組むこととしております。  そうした中、現本庁舎跡地の利活用はもちろん、扇ヶ浜の活性化や価値向上については、民間活力の導入も含め、まちのにぎわい創出や経済の活性化に向け、機を逸することなく重点的に取り組むこととしております。  また、その他の事業につきましても、既に着手しているものもあれば、これから取りかかるものもあり、事業期間や完成時期にも違いがありますが、庁内における進捗状況の共有はもちろん、田辺ONE未来デザインとして一体的に捉え、連携と機能分担も意識しながら、構想のいち早い取りまとめと関係事業を着実に進めてまいる所存でございますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。            (企画部長 山﨑和典君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    田辺ONE未来デザインは、閉塞感に包まれたコロナ禍の中で大々的に打ち上げられた事業であります。それだけに市民の大きな期待と注目が集まっています。将来に夢や希望があふれる事業となるよう庁内が一体となり、総力を挙げて取り組んでいただきたい、このことを強く要望して、次の質問に移ります。  大阪・関西万博についてであります。  メディア等で準備・建設遅れが指摘されておりますが、国が延期しない方針を強調しておりますので、予定どおり行われることを想定し、質問いたします。  我が国では、20年ぶり3回目となる大阪・関西万博が2025年4月13日から10月13日までの184日間にわたり開催されます。現在、153の国・地域が参加を表明しており、期間中の来場者は、インバウンド350万人を含めた2,820万人、経済効果は約2兆円が見込まれています。「いのち」をキーワードに様々な観点から展示や演出をすることに加え、来場者が2025年にふさわしい先端技術の実装や未来を感じる技術の実証などを体験し、いのち輝く未来社会を感じられる万博を目指すとのことであります。  本市にとっては、田辺ONE未来デザインに着手し、世界遺産登録20周年、新田辺市発足20周年及び世界農業遺産認定10周年と大きな節目を迎える中で大阪・関西万博が開催されることになります。  市長は2月定例記者会見において、大きな節目が連続する3年間を本市の将来を展望する上でまたとない絶好の機会であり、このチャンスを決して逃すことなく、必ずや本市の発展、飛躍につなげてまいりたいと述べられています。  そこで、まずは小項目1として、大阪・関西万博は、本市にとってどのような意義があるのか御見解をお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇)
    ○議長(尾花 功君)    市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員の御質問にお答えします。  2025年大阪・関西万博開催まで2年を切り、街なかでは公式キャラクターのミャクミャクのポスターを見かけるようになり、また先日、入場料が発表されるなど、万博の準備が着々と進み、開幕が近づいてきていると実感しております。  さて、2025年大阪・関西万博につきましては、議員の御質問にもありましたように、メインテーマをいのち輝く未来社会のデザインに、SDGsの世界的な課題解決に向け、IoT、AI、空飛ぶクルマなど、先端技術の世界の英知を集め、未来社会を創造することを目指しており、期間中は約2,820万人の来場者が想定され、経済効果が約2兆円にもなる日本経済の底上げにつながる一大イベントであると認識しております。  このようなことから、2025年大阪・関西万博の開催効果を本市にも波及させ、地域活性化につなげるべく、本市が有する世界遺産の熊野古道をはじめ、海、山、川、温泉などの豊かな地域資源やよみがえりの地熊野が受け継いできた文化を万博のメインテーマとともに関連させ、これらのさらなる露出拡大に努めることで、本市の認知度の向上を図り、より多くの観光誘客につなげていきたいと考えております。  市といたしましては、2025年大阪・関西万博を、本市が令和5年度から3年間取り組んでいる周年事業の総仕上げ、そして地域経済が浮上する絶好のチャンスと捉え、和歌山県や2025年国際博覧会和歌山推進協議会等と連携を図りながら、効果的な情報発信に鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    市長の答弁を踏まえて次の質問に移ります。  大阪・関西万博に向けた県内の動向でありますが、知事、県商工会議所連合会長を代表に、産業界、金融機関、行政、教育機関等の方々で構成された2025年国際博覧会和歌山推進協議会が立ち上がっております。協議会の目的は、機運の醸成を図るとともに、県内へ万博の効果を最大限に波及させるよう、誘客促進や企業等への情報発信をすることにあり、メルマガや説明会等を通じてその推進に取り組まれています。  8月8日には、当地域においても、企業の参加を促すため、2025年大阪・関西万博企業参加・機運醸成セミナーが開催されております。  県においては、6月に関西パビリオンにおける和歌山ゾーンの出展基本計画を公表しました。また、空飛ぶクルマの県内での将来的な実用化に向けて、大阪・関西万博の期間中、会場と県内を結ぶ実証飛行を考えられているとのことです。  去る2月、和歌山県市議会議長会は、日本国際博覧会協会の方々を招き、大阪・関西万博の開催について説明会を実施しました。その中で、万博の概要や機運醸成に向けた取組、マーケティング戦略についての説明を受けるとともに、会場内の催事施設を活用した文化・芸術の発信、展示商談会等、万博にふさわしい催事の開催を検討してほしい旨のお話もあったと記憶しております。  そこで、小項目2として、本市におけるこれまでの取組と本市や企業が参加可能な催事・メニューについて、そのスケジュールも併せお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    商工観光部長、丸山勝司君。           (商工観光部長 丸山勝司君 登壇) ○商工観光部長(丸山勝司君)    議員の御質問にお答えします。  本市では、国や県、2025年国際博覧会和歌山推進協議会等から2025年大阪・関西万博に係る様々な情報の提供を受けるとともに、複数回のセミナー等へ参加するなど各種情報収集に努めてまいりました。  そのような中、令和5年5月に関西広域連合から2025年日本国際博覧会関西パビリオン出展基本計画が公表され、令和5年7月に和歌山県から2025年大阪・関西万博に向けた和歌山県のアクションプランが示されたことを受け、本市といたしましては、令和5年7月14日に、担当者レベルではありますが、和歌山県商工観光労働部万博推進課を訪問し、様々な意見交換を行いました。その後、令和5年8月8日には、2025年国際博覧会和歌山推進協議会が主催する2025年大阪・関西万博企業参加・機運醸成セミナーが、令和5年8月28日には、和歌山県商工観光労働部万博推進課が主催の2025年大阪・関西万博に向けた第1回市町村連絡会議が開催され、和歌山県のアクションプランの概要と催事が可能な万博会場の説明がありました。  参加可能な催事・メニューにつきましては、関西広域連合が設置する関西パビリオン内に約250平方メートルの和歌山ゾーン、関西パビリオン隣接の約100人収容の多目的エリア、座席数約2,000席の劇場型ホールの大催事場、展示面積約4,000平方メートルのメッセにおいて催事等の開催が可能でありますが、その条件等詳細は未定であります。  なお、和歌山ゾーンでは、中央ステージでのパフォーマンス、関西パビリオンの多目的エリアでは、地域の魅力を発信する場として活用することができます。また、大催事場やメッセでは、県において、和歌山DAY(仮称)や和歌山WEEK(仮称)の催事を計画中で、いずれの催しにつきましても、県内各市町村がどの場所で具体的にどのようなことをするのかを検討し、提案することとなっています。  また、企業向けの催事についてですが、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会において、万博会場内の催事施設を活用した文化・芸術の発信、商談会等の催事の公募が9月中旬から行われる予定であり、営業参加できる飲食施設や物販施設の公募についても秋頃から開始される予定とのことであります。  なお、催事のスケジュールにつきましては、現在のところ詳細はまだ決まっておらず、今後市といたしましては、実施したい催事や提供したい映像やパフォーマンス等の魅力あるコンテンツを企画案に取りまとめ、関係市町村と調整し、県と相談しながら準備を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。           (商工観光部長 丸山勝司君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    次に、今後の取組について伺ってまいります。  先ほども申し上げましたように、県は、和歌山ゾーンの出展基本計画を公表しております。ブース内のイメージができるよう空間構成案を参考資料として配付しております。  和歌山ゾーンが設けられる関西パビリオンには、本県のほかにも8府県が出展を予定しており、和歌山ゾーンはその中で最も大きな251平方メートルの面積を確保し、「和歌山百景-霊性の大地-」をテーマに30万人の集客を目標としております。ブース内には、熊野や高野山など和歌山の聖地に立ち並ぶ巨木を彷彿とさせる映像タワー「トーテム」が環状に並べられ、そこに熊野三山や温泉、南紀熊野ジオパークなど、自然風景や神話、歴史にちなんだシーンを映像で流し、中央にあるステージでは、それと連携して、伝統芸能や産業などのパフォーマンスを披露する予定となっています。  加えて、和歌山の上質な食文化を楽しんでいただくためにカウンターバーも設置されるなど、非日常的でアーティスティックな空間の中で、本県の持つ様々な表情を美しく表現し、現地に行ってみたいという気持ちをかき立てる構成にしているとのことです。  本市は、テーマにうってつけの聖地「熊野」や豊かな自然、文化等の多彩な資源を有することから、あらゆる企画を提案できるといった強みがあります。  また、先ほど参加可能な催事・メニューについてお答えいただきましたが、田辺デー、あるいは周辺自治体と連携して南紀デーなどと銘打ち、当地域の魅力を大々的にPRする催事参加も必要であると考えます。  そこで、小項目3のアとして、和歌山ブースでの取組や、それ以外の大阪・関西万博への参加について当局の御見解をお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    商工観光部長。           (商工観光部長 丸山勝司君 登壇) ○商工観光部長(丸山勝司君)    議員の御質問にお答えいたします。  和歌山ゾーンについては、議員の御質問のとおり、テーマを「和歌山百景-霊性の大地-」として、神話の時代から続く和歌山の精神文化から生まれた自然や人、産業、食、文化などの多彩な魅力を和歌山百景として表現される計画で、映像タワー「トーテム」や中央ステージを活用したパフォーマンスや展示が行われ、また、飲食が可能なカウンターバーでは、味覚と視覚で楽しんでもらえるような演出が検討されています。  本市においては、和歌山ゾーンのテーマとなっている「霊性の大地」に非常に親和性の高い多彩で神秘的な資源を数多く有しております。今回の万博は、それら本市が有する魅力的な資源を国内外に向けてPRすることができる絶好の機会であると考えております。  催事につきましては、実施内容や実施時期を含めて具体的な内容はまだ決まっておらず、これから関西広域連合や和歌山県において検討を進めていく段階でありますが、市といたしましては、催事の機会を積極的に活用し、万博のテーマにも通じるサステナブルな視点等も意識しながら、本市の多彩な資源の露出拡大に努めるとともに、周辺自治体とも連携しながら効果的な情報発信に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。           (商工観光部長 丸山勝司君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    次に移ります。  本年3月、自治体や経済団体などで構成する関西観光本部は、万博開催の効果を関西一円に波及させるため、万博プラス関西観光推進事業に取り組むEXPO2025関西観光推進協議会を設立しました。この万博プラス関西観光推進事業とは、海外からの万博来場者350万人を関西一円に送り出し、関西の国際認知度を高め、世界の観光デスティネーションになることを目的としたものであります。  事業内容は、万博のサブテーマである、いのちを救う、いのちに力を与える、いのちをつなぐを題材にした新しい旅行商品・コンテンツの造成やプロモーション及び様々なチャンネルでの販売促進などであります。  また、県においては、誘客促進策として、国ごとに万博と和歌山周遊プランの作成、チャーター便、クルーズ船の誘致、国内誘客に向けた商品造成と誘客プロモーションの実施などに取り組むとしております。  このように、関西観光本部や県は、誘客促進に向けた企画・方針を打ち出しており、本市においては、それに即した企画を造成し、提案していく必要があるのではないでしょうか。  そこで小項目3のイとして、関西観光本部や県の誘客促進策に市はどのように絡んでいくのか、また、独自の誘客促進策があればお答えいただきたいと思います。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    商工観光部長。           (商工観光部長 丸山勝司君 登壇) ○商工観光部長(丸山勝司君)    議員の御質問にお答えいたします。  EXPO2025関西観光推進協議会では、大阪・関西万博において関西広域を世界の観光デスティネーションにすることを目指し、また、和歌山県では、来年の世界遺産登録20周年や、令和7年の2025年大阪・関西万博の開催を見据え、旅行会社や個人旅行者に向けた情報発信に活用するため、観光素材を集約した素材集の作成に取り組まれているところであり、来年夏以降で観光キャンペーンの実施も予定されております。  関西観光本部や和歌山県の誘客促進策に関連する本市の取組につきましては、国内観光客もそうですが、特に外国人観光客に向けては、点ではなく面、広域による情報発信が大変重要であると考えております。  そうしたことから、市といたしましては、和歌山県をはじめ周辺自治体等との広域連携による一体的な誘客活動に取り組みながら、その中で本市の特色ある資源を効果的に情報発信していくことで、本市へのさらなる誘客につなげていきたいと考えております。  また、本市独自の誘客促進施策としましては、本市と観光交流協定を締結しているサンティアゴ・デ・コンポステーラ市など、交流が深いスペイン関係や、世界約140か国に広がる合気道の愛好者など、ターゲットを絞った誘客促進策を検討してまいりますので御理解賜りますようお願いいたします。           (商工観光部長 丸山勝司君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    大阪・関西万博は令和7年の開催であるものの、開幕は4月の予定であることから、令和7年度の当初予算を組んでからの取組では間に合わず、もっと言えば、情報発信や誘客に向けた準備は早くから進めなければなりません。  開幕が近づくほど、各地域、各団体等の万博を生かそうとする取組はおのずと加速化します。万博協会や関西観光本部、県等と密にコンタクトを取り、万博を生かした情報発信や誘客促進策に積極的に取り組んでいただきますようお願いいたします。  次に移ります。  万博は世界中の英知が集まり、SDGsや世界の文化、最先端の技術などについて学び、体験する絶好の機会でもあります。会場では、世界各国のパビリオンをはじめ地球規模の様々な課題解決に向けた空飛ぶクルマや次世代太陽電池などの技術や商品が披露される予定となっております。  政府は、教育旅行で全国の小・中・高校生120万人を万博に誘致する方針を示し、教育旅行などでの活用を促す通知を出しております。子供にとって大阪・関西万博での体験は、将来の社会や自分を考える契機になるとともに、大人になってからも忘れ得ぬかけがえのない思い出となります。  本市においては、教育旅行での活用も選択肢の一つでありますが、万博を目的地とした社会見学や遠足など、多くの児童生徒が万博を体験できる機会を創出し、加えて庁内を挙げてSDGsの推進に取り組んでいる中で、市職員の知見を広げる機会にすることも重要であると考えますが、小項目3のウとして御見解をお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    教育長、佐武正章君。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員の御質問にお答えします。  世界各国が参加する万国博覧会は、人類が築き上げてきたその時代の科学技術や芸術の最先端、将来への展望が世界に向けて発信され、また、来場者にとっては、それを直接実感できる機会でもあります。  大阪・関西万博におきましても、いのち輝く未来社会のデザインをテーマとし、未来社会の実験場のコンセプトの下、開催されることとなっております。  公益社団法人2025日本国際博覧会協会からは、全国の学校へ、子供たちの五感を刺激する大阪・関西万博は探究学習に最適であると、教育旅行について提案されました。また、国際博覧会推進本部では、本年6月30日に修学旅行と校外学習を合わせて120万人の子供たちの来場を目標とすると表明されました。さらに、8月15日には文部科学省より入場料の学校団体割引が適用されることの通知がありました。  そうした中、市教育委員会としましては、大阪・関西万博は、次代を担う子供たちにとって、和歌山ブースで、郷土である和歌山県や田辺市が世界にどのように紹介されるのか、また、大阪・関西万博は、社会が直面する課題解決に向けた最先端の知見や世界の考えに触れ、将来の社会や自分を考える契機になることのできる学びの多い場であると考えられることから、学習の貴重な機会と考えております。  一方、各種報道によりますと、開催の詳細が不確定な部分もあることから、大阪・関西万博の教育旅行等での活用については、今後、大阪・関西万博の開催に向けた準備状況や動向等を十分に注視及び把握しながら検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(尾花 功君)    総務部長、西 貴弘君。            (総務部長 西 貴弘君 登壇) ○総務部長(西 貴弘君)    議員の御質問にお答えします。  先ほど教育長からも答弁がございました、大阪・関西万博のテーマであるいのち輝く未来社会のデザインは、市が将来像として掲げている「人と地域が輝き、未来へつながるまち田辺」と合致したものであると考えております。  また、未来社会の実験場のコンセプトの下、人類共通の課題解決に向け、先端技術などの英知を集め、新たなアイデアを創造・発信する場となることが期待されており、SDGsの理念をより一層推進するために参考となるアイデアや脱炭素のための最先端技術等に直接接する機会でもあります。  これらのことから、議員御指摘のとおり、大阪・関西万博を職員一人一人の知見を広げる機会と捉え、より多くの職員が大阪・関西万博の会場を訪れるよう周知してまいりたいと考えております。            (総務部長 西 貴弘君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    次の質問に移ります。  まずは、建設業における労働力の確保についてであります。  建設業は、様々な社会資本を整備し、特に産業の少ない地方では、地方の自立及び活性化の一翼を担うとともに、防災対策や災害復旧という面においても必要不可欠な存在であります。  その建設業が人手不足により厳しい局面を迎えております。建設業就業者数は平成9年の685万人をピークに減少が続いて、令和4年には479万人となり、僅か25年で200万人以上の労働力が失われました。また、年齢構成を見ても令和4年には55歳以上が約36%、29歳以下が約12%となり高齢化が著しく進んでおります。  建設業においてもほかの産業と同様にICT化が推進されておりますが、施工には熟練した技術を要することから人への依存度が高く、次世代への技術継承という観点からも大きな問題となっています。  働き方改革関連法の猶予期間後の2024年には、この問題がより一層深刻化するのは明らかであり、もはや企業努力だけでは何ともし難い状況になりつつあります。  国は技術者、職人をはじめとした労働力の不足を国家的な危機と捉え、厚生労働省と国土交通省が、若年者や女性の入職・定着の促進を重点に、事業者が労働条件や職場環境の整備を図れる等の施策を推進していますが、打開をするには至っていない印象です。  市においてもインフラ整備や災害復興などを見据えた中で、いずれ対策を迫られることになると思いますが、小項目1として、建設業における労働力の確保について当局の見解をお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    商工観光部長。           (商工観光部長 丸山勝司君 登壇) ○商工観光部長(丸山勝司君)    議員の御質問にお答えします。
     昨今の雇用状況につきましては、全国的に幅広い業種において人手不足と言われており、とりわけ、建設業では国がこの7月に実施した建設労働需給調査において、全国で建設技能労働者が1.6%不足、近畿圏内では2.6%不足するなど、10年以上にわたって全国的に慢性的な人手不足という結果になっております。  さらに、国によると、少子高齢化の進展に伴い、建設業就業者の35.5%が55歳以上と、全産業就業者の31.2%に比べても高齢化が進んでおり、将来の建設業界を担う29歳以下の建設業就業者についても12%と、全産業就業者の16.6%を下回っている状況であり、担い手不足が顕著となっております。  こうした中、建設業界におきましては、平成31年4月1日に施行された働き方改革関連法による時間外労働の上限規制が令和6年4月に適用され、また令和5年4月より、時間外労働に関連する割増賃金引上げが適用されていることから、国では賃金水準の向上による担い手の処遇改善、適切な工期の設定や休日拡大等による働き方改革の推進、建設生産プロセスでのICT等を活用した生産性の向上、建設キャリアアップシステム等の推進による若年労働者の確保・育成等、労働力不足を解消するための様々な施策に取り組まれており、加えて、労働者の確保に取り組む事業者を支援するための働き方改革推進支援助成金や人材確保等支援助成金等の各種支援制度も創設されております。  市といたしましても、建設業は社会の安全・安心の担い手として必要不可欠であると認識しており、今後も国や県等が講じる各種施策や支援制度について、ハローワーク田辺や商工会議所、商工会等の関係機関・団体と連携しながら、あらゆる機会を通じて市内事業者への周知に取り組み、建設業の課題である労働力不足の解消並びに経営の安定に寄与してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いします。           (商工観光部長 丸山勝司君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    本市の基幹産業であります農業におきましても労働力の確保が喫緊の課題となっております。農業は、労働需要の季節的変動が大きい産業であることから、農繁期における労働力は、地縁、血縁関係に基づく助け合いや地域内外からのパート労働者の雇用等によって確保されてきました。人口減少や社会構造の変化により労働力の確保が困難となり、別の対応が求められるようになっております。  本市においては、新規就農者への支援など、担い手確保の対策を講じているところですが、農繁期における労働力についても流動的な労働力を確保できる仕組みづくりが必要であると感じているところであります。  そこで、小項目2として、本市や関係団体が実施してきた労働力確保の取組とその成果、今後の取組について当局の御見解をお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    農林水産部長、木村博充君。           (農林水産部長 木村博充君 登壇) ○農林水産部長(木村博充君)    議員の御質問にお答えいたします。  御承知のとおり、本市の農業は、梅、ミカンをはじめとした果樹栽培を中心とする農業経営が行われており、そのほとんどが家族経営となっております。  特に梅栽培においては、極めて短期間に収穫作業が集中することから、農家においては、短期の臨時雇用として親類や知人等を頼りに労働力を確保してきましたが、そうした方々も高齢化等により農作業に従事することが厳しくなりつつあります。  このような状況が進行すれば、今後、農業経営を維持できない農家が増え、当地域の特産物である梅、ミカンなどの生産量に影響を与え、産地としてのブランド力が低下し、ひいては地域経済の低迷につながりかねない大きな問題であると捉えております。  こうしたことから、市におきましては、農業者の減少に歯止めをかけるため、JA等と連携を図りながら、農業士などを中心とした協力農家で構成する紀州田辺新規就農者育成協議会を平成30年度に立ち上げ、新規就農者の掘り起こしや担い手の確保に取り組んでおり、就農希望者に対して円滑な就農をサポートしているところであります。  また、JA紀南におきましては、令和元年11月から無料職業紹介所という求人者・求職者のマッチングサイトを開設し、農業における雇用労働力不足の解消に向けて取り組んでおり、求人者と求職者の間を取り持ち、面談等を重ねて雇用の確保につなげております。このマッチングサイトについては、市では、紀州田辺うめ振興協議会のホームページで紹介しておりますが、コロナ禍においては、営業の自粛を余儀なくされた各種事業者に対して情報提供を行うなど普及啓発に努めてまいりました。さらに令和2年度には、JAとの共同で行った労働力確保に関するアンケート調査の結果を踏まえ、受入れ環境の整備として、農村地域への農業用トイレ施設整備事業を実施し、労働環境の改善に努めてきたところであります。  無料職業紹介所のこれまでの実績は、令和2年度は12件、令和3年度は24件、令和4年度は54件と年々増加しており、本年度は4月から6月までの3か月で46件となっております。また、2回目以降は紹介所を通さず直接農家と契約する場合も多いことから、マッチング成立件数以上に働き手を得られていると伺っております。このように、無料職業紹介事業は年々浸透してきており、今後も利用者の増加が見込めることから、労働力の確保につながるものと期待しているところであります。  いずれにいたしましても、本市の農業を守っていくためには、労働力の確保は重要な課題であると認識しており、今後におきましても、国による様々な施策や先進事例を注視しながら、県やJAなど関係機関との連携の下、本市の農業の実情に即した対策を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。           (農林水産部長 木村博充君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    次に、福祉分野とありますが、介護人材についてであります。  本市の65歳以上の老年人口割合は30%を超えました。1985年は14%であったことから、急速に高齢化が進んでいることは明らかであり、介護サービスの需要はますます高まるものと思われます。  団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、介護人材が38万人も不足するとされる中で、若年者の就職促進に加え、介護環境の改善策としてロボット技術導入の推進や働く意欲のある外国人の積極的な受入れなど、あらゆる手段を講じて安定した労働力を確保することが必要であると考えますが、小項目3として、当局の御見解をお伺いいたします。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    保健福祉部長、古久保宏幸君。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の御質問にお答えいたします。  市の高齢化率は、令和5年3月31日現在で34.2%となり、令和7年には団塊の世代の方々が75歳以上になるなど、高齢者の中でも高齢化が進み、今後、介護が必要な高齢者数が増加するものと考えております。  全国的に介護人材が不足していると言われておりますが、各事業所においては、比較的高い年齢層の職員の方が多く、若手職員が少ないのが現状です。こうした中で、介護者の負担を軽減するため、国は介護ロボットの開発及び導入に向けた支援や、在留資格「特定技能」を創設し、即戦力となる外国人労働者の受入れについて対策が講じられております。  県の地域医療介護総合確保事業施設等整備費補助金の中に、介護ロボット・ICTの導入に必要な経費支援についての補助がありますが、令和5年度終了の予定となっております。この補助に関して、現在、田辺市管内では、1介護事業所からの要望が寄せられているところでございます。外国人労働者の受入れにつきましては、既に導入している事業所もありますが、短期間で帰国または離職することもあり、長期の定着が難しい面もあると聞き及んでおります。  市におきましては、市外から転入し、本市の指定地域に定住し、その地域において介護サービス等の業務に従事する方に対し、研修費用や生活費を助成する福祉定住促進事業を実施し、人材確保に取り組んでおりますが、現在まで介護部門で3名にとどまっております。また、要支援認定を受けた方に対し、買い物や掃除などの生活支援サービスを行うボランティアの養成講座を修了した市民の皆様にシルバー人材センターへの登録をいただき、サービスを提供していただいております。  市といたしましては、高齢者の方々が介護が必要になった場合でも安心して生活を送ることができるよう、介護サービスを充実させるためには、介護サービスの担い手の確保が必要不可欠であると認識しており、今後も国や県等が講じる各種施策や支援制度について、あらゆる機会を通じて市内事業者へ周知するとともに、介護人材の確保に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(尾花 功君)    北田健治君。             (12番 北田健治君 登壇) ○12番(北田健治君)    御答弁いただきました。労働力の確保は企業・事業者の努力が大前提であるというのは重々承知の上ですが、社会情勢が変化し、生産年齢人口も大きく減少する中で、特に3業種については、それだけでは打開策を見出せないという声が多くなってきたことから今回質問させていただきました。今後この対策がより求められると感じておりますし、市としても地域の経済、安全・安心を守るという観点から必要な施策になろうかと考えております。  全国的に人口減少が進む中での課題でありますので、一朝一夕で解決することは困難でありますが、我がこととして対策の必要性を感じ、関係課が連携して前進する取組をお願いしまして、今回の私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。             (12番 北田健治君 降壇) ○議長(尾花 功君)    以上で、12番、北田健治君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(尾花 功君)    この場合、午前11時10分まで休憩いたします。               (午前10時58分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(尾花 功君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午前11時10分) ○議長(尾花 功君)    続いて、5番、尾﨑博文君の登壇を許可いたします。             (5番 尾﨑博文君 登壇) ○5番(尾﨑博文君)    皆様、こんにちは。  議長の許可をいただきましたので、本日は大項目1点、味光路を中心とした本市の飲食業界の活性化についてを一問一答方式で質問させていただきます。どうぞよろしくお願いします。  それでは質問に入らせていただきます。  当市の繁華街、味光路は、ここで申し上げるまでもなく、県内でもトップクラスの飲食店街であります。  県外から本市に訪れた方々が、約200メートル掛ける150メートルの狭いエリアに200軒以上ものお店が軒先を並べている光景に驚き、魚などを中心にその料理など本当においしい、また、安心・ハイコスパな居酒屋やスナックが多いなどの声をよく耳にしますし、SNS上でも目にする機会も多いです。  そういった本市の観光の核である味光路も、新型コロナが2020年1月に国内で初めて確認されてから、味光路も徐々にその影響を受け、ここ数年はやはりその影響で客足が遠のき、厳しい経営環境が続いておりました。閉店を余儀なくされた居酒屋やスナックなども多いと聞いております。そのような現状を目の当たりにし、本市におきましても、事業の下支えを目的に、令和4年に田辺市地域経済持続化支援金の交付を行うなど、様々な対策を講じていただいております。  また、本市などが出資する第3セクター南紀みらいにおきましても、インターネット上で紹介するデジタルマップを制作し、苦境に立たされているお店など、探しやすいマップで応援しようと企画、実施されたことは周知の事実です。  令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症の位置づけは5類感染症になり、法律に基づき、行政が様々な要請、関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の皆様の自主的な取組をベースとした対応に変わりました。  その結果、全国的にコロナ前に戻る傾向にあり、味光路におきましても徐々に客足が戻り、最近ではコロナ禍前に戻ったかのようににぎわう日もあると聞いています。しかし、私見となりますが、まだまだ閉店したまま灯りの戻らないお店も見かけますし、まだまだ活気が完全に戻ったと感じないのが事実です。  そこで、小項目1、味光路を中心とした本市の飲食店の現状についてお伺いします。             (5番 尾﨑博文君 降壇) ○議長(尾花 功君)    5番、尾﨑博文君の質問に対する当局の答弁を求めます。  商工観光部長、丸山勝司君。           (商工観光部長 丸山勝司君 登壇) ○商工観光部長(丸山勝司君)   議員の御質問にお答えします。  味光路を中心とした本市の飲食店の現状につきましては、これまで新型コロナウイルス感染症の感染拡大の波により、国や県において幾度となく緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、そのたびに市内の社会経済活動及び人流が抑制される状況でありました。特に飲食業においては、コロナ感染防止対策として、大人数での会食の制限や自粛ムードにより売上げが減少するなど、多大な影響を受けました。  そうしたことから、本市では、新型コロナウイルス感染症の影響により売上げが減少した事業者に対し、事業継続を支援するための給付金を複数回交付するとともに、落ち込んだ市内の消費喚起を図るため食事券やプレミアム付商品券を発行するなど、飲食業をはじめ、市内事業者の事業支援及び地域経済の活性化に時期を逸することなく取り組んでまいりました。  また、飲食業の皆様方におかれましては、3密防止の徹底を図るための空気清浄機やパーティションの設置等の感染防止対策に取り組まれており、加えて事業者の中にはデリバリーやテイクアウトへの業態転換を図るなど、事業継続に努められていましたが、長引くコロナ禍では、ちょっとでも感染者数が増えれば自粛する、大人数での会食を控える、2軒目、3軒目のはしご酒をしないなど、新しい生活様式が定着する中で、味光路周辺の飲食店については大変厳しい状況でありました。  このような状況の中、本年5月から新型コロナウイルス感染症の感染症法の取扱いが2類相当から5類に移行されたことにより、最近の味光路を中心とした飲食店の状況といたしましては、大人数での会食の自粛もなくなり、空いた店舗に新しくオープンする飲食店も見受けられ、また、飲食店の中には、なかなか予約が取れないといったお声もお聞きするようになりました。  しかし一方で、スナックやバーといった2軒目、3軒目に行くようなお店については、はしご酒をしないといった新しい生活様式に慣れてしまっているようで、まだまだお客さんは戻ってきていないというお声も多々伺っており、味光路を中心とした飲食業界全体としては、まだまだ厳しい状況が続いているのではないかと認識しています。           (商工観光部長 丸山勝司君 降壇) ○議長(尾花 功君)    尾﨑博文君。             (5番 尾﨑博文君 登壇) ○5番(尾﨑博文君)    御答弁いただきました。ありがとうございました。やはり5類に移行されたことにより、大人数での会食の自粛もなくなり、予約が取れないお店が増えるなど、私のお聞きしている状況と同じ回答、認識であることで、徐々に戻りつつある状況を確認できて少しは安心しました。  一方で、先ほどの答弁にもありましたように、はしご酒をしないといった生活様式がある一定数根づき、スナックやバーなど味光路のもう一つの魅力である店舗形態の厳しい状況も確認できました。  ただ、厳しい状況が続いているスナックやバーでも、中には繁盛しているお店もあり、当然各店舗の経営者の方々の経営努力や企画力などで、コロナにかかわらず客足に差が生じるのは当然だとは思います。それは致し方ないところではあります。  しかし、かつてのにぎわいを取り戻すには行政の力も必要であると考えます。例えば、都会から味光路に飲食に訪れた方々や友人、知人からよく耳にするのが、カードが使えないお店が多いなどの理由でお店を避けることも多いとお聞きします。キャッシュレス化が進む中、現金を持ち歩かない方々が増えている現在、そういった要因も客足が伸びない要因の一つではないかと思います。  一つ、私も大好きで、家族や友人たちとたまに訪れます当市、鮎川にあるそうめんとアユ釣りのお店、赤木渓水郷でも、都会から訪れるお客さんが現金を持っていなく大変困ったということで、キャッシュレス化を導入した結果、非常に喜ばれたというお話を聞いたこともあります。中には、こんな山の中でもキャッシュレスなのに、駅前はなぜというような声もお聞きします。  そこで、アプリ決済、クレジットカード決済、電子マネー決済など、当市を挙げて推奨するなど、ゼロキャッシュ時代をリードする飲食店街を推し進めることで、今まで取り込めなかったお客様の集客につなげる可能性が大いにあると思います。  また、少し話は変わりますが、和式トイレを敬遠するお客様も多いと聞きますが、そこにかけるお金がないと困っているお店などもあると聞きます。事細かな対応で、もっと充実した店舗が増え、集客増加につながることも考えられると思いますので、そういったものに対しては密な情報交換をしていただき、問題点を把握し、補助的なものを提案するなど、たくさんのアンテナを持っている行政が主導となって、お客様のニーズや要望をお店側に伝えることも非常に大事だと考えます。当局におかれましては、積極的なお力添えをいただくことをお願いして、次の質問に入らせていただきます。  本市には、世界に誇る世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」があり、多くの観光客が本市を訪れています。観光業におかれましても、やはりコロナの影響を受け、ここ数年は厳しい状況が続いたと承知しておりますが、本年の4月の産経新聞に、「熊野古道インバウンド急増、コロナ前を上回る」といううれしい記事が載り、一般社団法人田辺市熊野ツーリズムビューローでツアー客などの申込み件数が急激に伸びているとお聞きしています。実際に当市でも欧米人の姿などが多く見受けられるようになりました。特に熊野古道に向かう外国人の多さに、これだけ復活してきたのかとうれしく思う場面も多いです。  しかし、味光路におきましては、旅行客の数に対して、飲食をする観光客がまだまだ少ないように感じます。もっともっとうまくアピールすれば、インバウンドで訪れる方々が本市で飲食される機会が増えるのではないかと考えますし、一度味光路の魅力を知っていただくことで、多くの方々がリピーターになってくれると私は思っています。  そこで、小項目2、インバウンドで訪れる外国人観光客への集客対策についてお伺いします。             (5番 尾﨑博文君 降壇) ○議長(尾花 功君)    商工観光部長。           (商工観光部長 丸山勝司君 登壇) ○商工観光部長(丸山勝司君)   議員の御質問にお答えします。  コロナ前には年間5万人を超えていた本市の外国人宿泊者数は、コロナ禍にあった令和2年では3,317人、令和3年は369人、令和4年は3,007人と激減しましたが、昨年10月に外国人観光客が入国する際の国の水際対策が大幅に緩和されて以降、JR紀伊田辺駅周辺でもリュックサックを背負った外国人の姿を見かけることが多くなり、特にトレッキングシーズンとなる3月以降では、コロナ前のように熊野古道方面へ向かうバス停に大勢の外国人が並ぶ風景が戻ってきました。  また、議員の御質問にもありましたが、田辺市熊野ツーリズムビューローが取り扱う旅行業につきましても、入国制限緩和後から予約が急増している状況であり、令和5年度は、過去最高の売上高であった令和元年度を上回るペースとのことで、インバウンドの回復傾向が顕著になっております。  しかしながら、議員の御質問にもありましたように、熊野古道に来られる外国人観光客については、JR紀伊田辺駅に到着してから市街地エリアには滞在せず、そのまま熊野古道に行くケースが多いということは、引き続き課題であると認識しております。外国人観光客を市街地エリアに滞在してもらうようにするためには、まず受入れ体制のさらなる充実が重要であると考えております。  これまでの取組といたしましては、外国人観光客おもてなし力向上事業といたしまして、外国人アドバイザーが希望する各店舗を訪問し、英語メニューや案内ツールの作成支援を行う事業を平成28年度から実施しており、コロナ前まで毎年ほぼ上限の20事業者の皆様に活用をいただいております。  また、観光案内所等で配布する市街地周辺エリアマップにつきましては、日本語と英語を併記しており、英語メニューがある飲食店等の情報も掲載しております。ほかにも、コロナ禍の間に田辺市熊野ツーリズムビューローが7か国語対応のウェブサイトをリニューアルするなど、これまでも受入れ体制の充実、強化を図ってまいりました。  市といたしましては、今後、受入れ体制のさらなる充実と併せて、味光路エリア、鬪鶏神社、扇ヶ浜や塩垢離場など市街地エリアの観光スポット等の情報発信の強化や、例えば味光路エリアへの誘客につながるよう、午後や夕方からの体験プランを造成するなど、田辺市熊野ツーリズムビューローをはじめ、商工会議所、商店街等の関係機関・団体等と引き続き連携を図りながら、市街地そのものを目的地にできるような仕掛けづくりにも取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。           (商工観光部長 丸山勝司君 降壇) ○議長(尾花 功君)    尾﨑博文君。             (5番 尾﨑博文君 登壇) ○5番(尾﨑博文君)    御答弁いただきました。ありがとうございました。コロナ禍の影響でインバウンドの観光客が激減したことは致し方ないことであります。アフターコロナになり、これからの仕掛けづくりの取組や仕組みづくりが非常に重要になってくるとの答弁もいただきました。  国の水際対策が大幅に緩和されたことにより、ここ最近では復活の兆しが見え、外国人の姿を私も多く見かけることをうれしく思います。当局におかれましても、外国人おもてなし力向上事業や、また、田辺市熊野ツーリズムビューローの取組などをお聞きして、その取組に対して心強く思うとともに、だからこそ、そういった努力の結果、予約の急増やリピートにつながってきているのだと思っています。
     ただ、やはり残念なのは、御答弁にもありましたように、JR紀伊田辺駅から市街地エリアに滞在せずに、そのまま熊野古道へ行くケースが多いということです。受入れ体制のさらなる充実など、様々なプランを練っていただいているとのことですので、大いに期待したいところです。  外国人の方々は、日本の狭い路地裏などを好んだり、都会などでは、狭いお店で外国人の方々が飲食する姿を大変よく見かけます。きれいな案内所もいいのですが、地元ならではの案内所を設けるなどして、いま一度、味光路の魅力を発信していただき、目的が紀伊田辺駅周辺の味光路エリアであったり、市街地エリアであったり、少し視点を変えて発信することで、また違った観光客の集客にもつながるかもしれません。駅前周辺に立派なホテルもでき、周辺で宿泊するお客様が増えることが期待できるようになった中、引き続き魅力あるプランを創造していただき、インバウンド客の方々が紀伊田辺駅周辺の魅力に気づいていただき、にぎわいであふれかえることを期待しています。  続きまして、次の質問に移らせていただきます。  本市以外の近隣のまちを訪れる観光客は、隣町の白浜町を中心として多くの日本人客が訪れています。白浜町におきましては、空港もあることもあって、年間約60万人から70万人の方々が訪れるとも聞いています。  味光路のお店の店主などから、白浜を訪れる観光客が田辺に流れてきたらもっと活気が出るのではないかなどという御意見もお聞きします。  紀南地方は、やはり魚を中心としたおいしい料理を提供するお店が本当に多いのですが、特に当市では、味光路を中心に全国に誇れるおいしい食材や料理を提供するお店が多いことと、近隣のまちなどと比べても比較的安価で飲食できるお店も多いですし、食材を工夫した料理を提供するなど、今で言いますとSNSなどで映えるという面や、店舗の多さや昔ならではの路地裏の通りや街並みも含めて、食を目的にした旅行先として売り出せば、紀伊田辺駅エリア周辺にも多くの観光客を呼び込める可能性があると考えます。そういう観点から、一度足を運んでいただくとリピーターも増え、当市のファンの増加も期待できると考えます。  そこで、小項目3、近隣町を訪れる日本人の観光客への集客対策についてお伺いします。             (5番 尾﨑博文君 降壇) ○議長(尾花 功君)    商工観光部長。           (商工観光部長 丸山勝司君 登壇) ○商工観光部長(丸山勝司君)   議員の御質問にお答えします。  コロナ禍の自粛ムードも明けて、各地の観光地では、コロナ前のにぎわいを取り戻しつつあります。旅行大手のJTBが7月にまとめた今年の夏休みの旅行動向についての調査レポートでも、夏休みの国内旅行者数は7,250万人で、コロナ禍前と同水準まで回復したと発表されています。  議員の御質問にもありましたように、味光路エリアは、夕捕れのカツオなど新鮮でおいしい地元食材を手頃な値段で味わうことができる、観光客にとっても大変魅力的な場所であると思います。  食は旅行の目的地になり得るコンテンツであり、宿泊予約をされる前に味光路エリアの魅力や店舗情報を提供することができれば、近隣観光地に宿泊される場合でも、味光路エリアで食事をするということが選択肢に入ってくる可能性が十分あるのではないかと考えております。  そのようなことからも、市といたしましても、今後、「食といえば田辺」と言われるようなブランディングにも取り組んでいくとともに、事前の情報発信を強化していき、また各地域の特色ある資源を広域エリアで一体的に情報発信することで、観光客にとっても選択肢が増え、周遊観光の促進にもつながるものと考えております。  今後も引き続き周辺自治体等との広域的な連携を強化し、誘客促進に取り組んでまいりたいと考えておりますので御理解賜りますようお願い申し上げます。           (商工観光部長 丸山勝司君 降壇) ○議長(尾花 功君)    尾﨑博文君。             (5番 尾﨑博文君 登壇) ○5番(尾﨑博文君)    御答弁いただきました。ありがとうございました。  県外の友人知人に和歌山県のどこに住んでいるのかを聞かれ、田辺市と答えると、どの辺などと聞かれることが非常に多いです。南紀白浜のちょっと上などと答えるのですが、知名度でいうとやはり白浜町には正直かなわない、そこは私も大いに感じるところではあります。日本を代表する観光地でもあり、もちろんすばらしいまちではあるのですが、田辺市の住民としては非常に寂しいものがあります。県外から私のところに仕事や遊びで来られた方には、できるだけ味光路で一緒に飲食をしていただくように心がけておりますが、お連れしますと、田辺市ってこんな大きな飲食店街があったんですかとか、ここは料理が非常においしいですねとか、楽しいまちですねという意見が非常に多いのです。大変喜ばれています。こんなにすばらしい施設が整ってるのになぜ思った以上に知られていないのかと不思議に思うことがあるのです。「食といえば田辺」と言われるようなブランディングに取り組んでいくという答弁がありましたが、私はすばらしい取組だと思います。  私たちがふだん口にする魚介類やかんきつ類、もちろん梅干しやジビエなど、相当クオリティーの高いもので十分観光資源の一助になると考えてます。そういったおいしい食材が当たり前のように出てくる飲食店や、その後楽しめるスナックやバーが比較的安価で数多くある味光路を中心に、紀伊田辺駅周辺も誘客促進に取り組んでいただきますようお願いしまして、最後の質問に入らせていただきます。  紀伊田辺駅周辺には、植芝盛平記念館、南方熊楠顕彰館・南方熊楠邸、鬪鶏神社、弁慶像などのすばらしい観光スポットがあります。  地元の方々より欧米人や都会の方々のほうが圧倒的によく歩くように私個人は思いますので、そういった意味でも、周辺には歩いて観光できる魅力的なスポットが集中し、大変充実しているように思います。  紀南地方では、隣町の白良浜などが有名ですが、扇ヶ浜も都会から訪れると、すごくきれいなビーチだと思っております。JR紀伊田辺駅から徒歩約10分、15分。ビーチハウスにはトイレ、更衣室、シャワー、無料ロッカーも完備し、楽しく飲食ができる海の家やイベントも盛りだくさんで、こんなに充実した海水浴場もなかなかほかにはないのではないでしょうか。  夏の海水浴シーズンはもちろん、すばらしい施設だと思いますし、南紀白浜インターチェンジから車で約10分とアクセスもよく、すぐ近くには400台収容の比較的安価な有料駐車場もあり、季節を問わず散歩やウオーキング、ジョギングなど、太平洋を目の前にしたすばらしい観光スポットであるとも思います。そんなすばらしい観光地であるにもかかわらず、周辺を歩いている方が非常に少なく、ときには疲弊したイメージさえ感じるときもあります。  味光路の魅力である、おいしく、楽しく、また比較的リーズナブルなお店を中心に、もっと歩くことや狭いエリアでの魅力を発信すれば、駅前周辺エリアはもっともっと活気あふれるものになると考えます。  そこで、小項目4、味光路を中心とした駅前周辺の今後の展開についてお伺いします。             (5番 尾﨑博文君 降壇) ○議長(尾花 功君)    市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員の質問にお答えします。  味光路を中心としたJR紀伊田辺駅周辺の今後の展開につきましては、長引くコロナ禍からようやく抜け出し、本市を訪れる外国人観光客数も増加に転じ、徐々にコロナ前の状況に戻りつつある中で、地域活性化に寄与する新たな動きも出てきております。  まず、本年1月に味光路及び周辺エリアで飲食業を営んでいる若手経営者をはじめ、関連事業者及び市民有志が実行委員会を立ち上げ、食べ歩き・飲み歩きイベント、田辺駅前★味光路バルが実施されました。その実行委員会メンバーが、今後も継続的に味光路及び周辺エリアを盛り上げ、地域経済の活性化を図ることを目的に、この夏に、味光路+盛り上げ隊を結成し、バルイベントの定期的な開催やその他、味光路及び周辺エリアを盛り上げる取組を計画しております。  本市においては、本年度から3年間で実施する梅酒ツーリズムプロジェクトにおいて、7月から9月までの期間、田辺扇ヶ浜海水浴場に梅酒テラスを設置し、田辺ならではの景観と梅酒を味わう場を提供しているところであります。また、現在は市内の飲食店の協力の下、自家製梅酒や梅酒を使ったカクテル等の開発を行い、飲み比べなどを楽しめる環境づくりとともに、本年11月には、味光路やJR紀伊田辺駅前を会場に、仮称ですが梅酒フェスティバルというイベントの開催を計画しています。  さらに、南紀みらいによるSHIOGORIプロジェクトにおいては、SHIOGORI CAMPやSHIOGORI TRAVELなどを実施し、田辺の海やまちを起点とした様々なコンテンツを提供するとともに、田辺観光協会による田辺の三偉人ゆかりの地を巡る街歩きイベントの実施のほか、街なか歴史散策コースの紹介など、街なかに人を周遊させ、扇ヶ浜を含めた街なかの価値を高め、ひいては地域活性化につなげるべく取り組んでいるところであります。  市としましては、紀南随一の飲食店街である味光路を中心としたJR紀伊田辺駅周辺については、来訪客にとっても大変魅力ある観光資源であるとともに、市民にとっても楽しい交流の場であると認識をしており、今後においても、飲食店をはじめとする事業者や商工会議所、商店街、田辺観光協会等と協力しながら、既存の取組に併せて、梅酒ツーリズムプロジェクト等の新たな取組も連携し、エリア内の滞在時間の増大によるにぎわいの創出を図ることで、味光路を中心としたJR紀伊田辺駅周辺の活性化につなげてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(尾花 功君)    尾﨑博文君。             (5番 尾﨑博文君 登壇) ○5番(尾﨑博文君)    御答弁いただきました。ありがとうございました。  長引くコロナ禍からようやく抜け出し、市民の皆様におかれましても、当局におかれましても、ようやく先が見えてきたと感じ、安堵の表情を浮かべている方も多くいると思います。  この数年間のコロナの影響で厳しい状況が続いた方は大変多いと思いますし、継続して厳しい状況に置かれている方もまだまだたくさんいるのが現状です。  しかし、明るい兆しが見え始めたのは確かです。ようやくコロナから抜け出しましたが、ただ生活形態が変わったこともあり、完全にコロナ禍前に戻すというのは大変難しいと思います。つらく厳しいコロナ禍が続いたことで得た経験や知恵は、前向きに捉えますと、今後の生活において、新しい生き方や取り組み方を教えてくれた部分もあるのではないかと思います。  御答弁にもありましたように、地域活性化に寄与する動きが出ていることを大変うれしく思います。若手経営者をはじめ、市民有志の方々が実行委員会を立ち上げ開催された田辺駅前★味光路バルや梅酒ツーリズムプロジェクトの梅酒テラス、南紀みらいによるSHIOGORIプロジェクトなどは、私の耳には入ってますが、市民の皆様にとっては大変ありがたく、うれしく、また、活気を取り戻すきっかけになっている事業だと思っています。今後も様々なプロジェクトに取り組んでいただくとのお答えをいただき、大いに期待したいところです。  冒頭からも申し上げてきましたように、田辺市には世界遺産熊野古道はもちろん、紀伊田辺駅周辺にもたくさんの魅力ある観光資源や味光路という飲食の大きな観光資源もあります。コロナ禍があって、いろいろ経験してきたことで見えたこともあると考え、抜け出した今を絶好のチャンスだと捉え、本市の発展のために当局、行政が中心となり、市民の皆様を牽引していただき、すばらしいまちになっていくことを期待しまして、私の一般質問を終了させていただきます。最後まで御清聴ありがとうございました。             (5番 尾﨑博文君 降壇) ○議長(尾花 功君)    以上で、5番、尾﨑博文君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(尾花 功君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。               (午前11時46分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(副議長 橘 智史君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時00分) ○議長(副議長 橘 智史君)    続いて、15番、市橋宗行君の登壇を許可いたします。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    皆様、こんにちは。  紀新会の市橋宗行です。  議長のお許しをいただきまして、質問させていただきます。  今回は、ある事象をもとに大項目1点について御答弁よろしくお願いいたします。  今回の質問につきましては、市民の福祉や子供たちの将来のためにも、この場で公表すべき事象であると思い、私にとっても苦渋の思いでの質問だということを申し上げておきます。一問一答での質問ですので、途中で再質問することもありますので、御了解ください。  昨今の現状としまして、子供・子育ての現況は、皆様も御存じのとおり、少子化が進み核家族化した環境で、共働きによる育児が多いため、保育所の入所についてや、また、子供が病気のときに祖母や祖父のフォローを受けにくい環境、そして、両親の育児能力の低さなども見受けられます。  今回はその中でも大項目として、乳幼児健診についてスポットを当てて質問してまいります。  まずは確認として、乳幼児健診の目的と内容について具体例などあれば、分かりやすく御説明願います。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    15番、市橋宗行君の質問に対する当局の答弁を求めます。  保健福祉部長、古久保宏幸君。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の御質問にお答えします。  乳幼児健診は母子保健法に基づき実施しており、4か月児健診、1歳6か月児健診、3歳6か月児健診、及び市独自に7か月児健診、11か月児相談、2歳児相談を実施しております。  乳幼児健診では、乳幼児の発育、発達の評価と疾病の早期発見、健康の保持増進を目的に実施しております。  内容としましては、問診、身体計測、医師の診察、栄養相談、育児相談、予防接種の接種状況の確認、1歳6か月児健診、3歳6か月児健診は歯科医師の診察、1歳6か月児健診のみ歯科衛生士による歯科衛生指導を実施しております。  また、7か月児健診では音の反応の確認をオージオメーターを使用し実施しており、3歳6か月児健診では、近視、遠視、乱視等の屈折異常や斜視などを発見できるスポットビジョンスクリーナーを使用した検査も実施しております。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    ただいまの御答弁のとおり、医療面や栄養面でも指導体制が取られ、乳幼児の状態を専門的な観点からも確認することができる内容となっています。また、市独自で3回追加の健診を実施していただいているということで、発育面はもちろんのこと、視力や聴力にも気をつけていただいている実態だと理解できました。  その中で、育児相談という項目がありますが、この育児相談においては、どのような頻度でどんな内容が多いか、特に虐待事案についての相談はどの程度あるのかお示しください。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の質問にお答えします。  育児相談は、対象児の発達の確認と健診の結果をお伝えするために全員に受けていただいております。相談の内容としましては、乳児期では、母乳やミルク、離乳食、便秘、皮膚トラブル、夜泣き、睡眠に関することが多くなっております。幼児期では、言葉や発達に関すること、子供との接し方に関する悩み、食べ物の好き嫌いに関する相談が多くなっております。また、お母さんなどから、育児に関する悩みやメンタルの相談を受けることがあります。  議員御質問の虐待事案についてでありますが、既に不適切な養育と言われておりますネグレクトなどの情報を得ている場合では、見守りや訪問などの対応をしております。健診での育児相談におきましては、新たに虐待と疑われ、子育て推進課等へ相談するなど連携を図ったケースは過去5年ございませんでした。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    ただいまお答えいただいた内容によると、乳幼児健診の育児相談においては、育児に関して様々な相談が多く寄せられている実態と、それから少なくとも過去5年間、虐待関連の相談はなかったということで理解いたしました。  それでは3番目です。  次に、統計について確認していきたいと思います。  お手元に配付させていただいている資料ですが、こちらは和歌山県の子ども未来課から発表されている資料になります。お手元には令和3年度と令和4年度の統計を裏表に印刷しておりますので、参考に御覧いただきたいと思います。  この資料の上段には児童相談所の虐待相談件数が、下段には県内市町村の相談件数が示されています。これを見る限り、それ以外に和歌山県独自に相談窓口を持っているようにも見えますが、この統計の説明と過去5年間の傾向、また、児童相談所と市町村との相談件数の違いから、相談案件の重複がどれぐらいあるのかをお示しください。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の御質問にお答えします。  県が公表しております児童虐待の相談件数は、県内2か所の児童相談所で対応した相談件数の合計となり、過去5年間では、平成30年度1,328件、令和元年度1,691件、令和2年度1,726件、令和3年度1,792件、令和4年度2,066件であります。  このうち、みなべ町以南の地域を所管する紀南児童相談所が対応した件数は、平成30年度221件、令和元年度321件、令和2年度339件、令和3年度336件、令和4年度327件であります。  次に、県が集計を取りまとめた県内市町村における相談件数の合計は、平成30年度1,551件、令和元年度1,660件、令和2年度1,567件、令和3年度1,875件、令和4年度2,042件であります。
     このうち、田辺市としては、要保護児童等の問題に対し、地域の関係機関における連携及び連絡を密にし、適切な対応を図るため設置しております田辺市児童問題対策地域協議会への新規受付件数を報告しており、その件数は、平成30年度56件、令和元年度88件、令和2年度64件、令和3年度43件、令和4年度30件であります。  なお、児童相談所の相談件数のうち、市の相談件数にも含まれている同一案件の重複件数につきましては、調査することが困難であり把握できておりません。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    御答弁のとおり、県への相談件数は児童相談所へ集約されているようなので、資料のとおりの数字となることを理解いたしました。  県内市町村全体の相談件数は前年比を上回っております。それから、児童相談所の虐待相談件数は、印南町以北の相談件数は前年比を上回り続けているのに対し、紀南児童相談所の数字は過去4年横ばいから下落しているという傾向であることが分かりました。  そして、田辺市独自の相談件数は田辺市児童問題対策地域協議会へ集約されているようですが、近年の相談件数は下落傾向にあるということです。これを念頭に考えると、県内全域の児童相談は伸び続け、具体的な数字でいうと、10年前の2013年の児童相談所への虐待相談件数は793件であったので、昨今の少子化にもかかわらず倍以上の膨大な相談件数が寄せられているのに、紀南地方や、特に田辺市では、令和元年のピーク時の88件から30件まで、不思議なことにほぼ3分の1まで減り続けているという実態があります。  そのほか、虐待者の傾向としては、虐待者の半数以上が母親であること、言葉による脅しなどの心理的虐待も半数以上で、中でも、夫婦げんかなどにより子供の前でどなったり暴力を振るったりする面前DVというのが多いというデータが出ています。厚生労働省の全国的な統計を見てもこの結果はほぼ同じ傾向にあります。  次にお聞きするのは、その面前DVに関連する事柄として質問いたします。  もう一つの統計として確認しておきたいのは、独り親家庭がどれぐらいあるのか、児童扶養手当の推移とその傾向を見ておきたいと思います。  独り親になる理由は様々考えられますが、大半は離婚に伴うものと推測いたします。田辺市においてはどのような推移をしているのか、受給者数と人口当たりの割合を過去10年分お示しください。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市民環境部長、中村 誠君。           (市民環境部長 中村 誠君 登壇) ○市民環境部長(中村 誠君)    議員の御質問にお答えいたします。  ここでお答えいたします受給者数とは、独り親家庭など児童扶養手当の受給資格があり、かつ所得制限の範囲内であって、手当を受給している方をいいます。  過去10年の推移につきましては、平成24年度末の受給者数は1,122人、田辺市の人口から見た受給者の割合は1.40%です。平成27年度末は1,005人、割合は1.30%、平成30年度末は902人、割合は1.22%、令和4年度末は757人、割合は1.09%です。           (市民環境部長 中村 誠君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    所得制限などが絡みますので、あくまでこれは目安として把握するものと考えております。傾向としては、総数がやはり減ってきている。そして、それに伴って人口当たりの割合も減ってきているという数字が見受けられます。  その中で離婚に伴うものはどれぐらいあるのか、先ほどの質問と同じように受給者数と人口当たりの割合をお答えください。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市民環境部長。           (市民環境部長 中村 誠君 登壇) ○市民環境部長(中村 誠君)    議員の御質問にお答えいたします。  離婚のケースにおける過去10年の推移につきましては、平成24年度末は985人、田辺市人口に占めるその割合は1.23%で、平成27年度末は880人、割合は1.14%、平成30年度末は782人、割合は1.06%、令和4年度末は658人、割合は0.95%です。           (市民環境部長 中村 誠君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    やはり総数からする中での離婚に伴うという数字は高いものがあるということが把握できます。子供の少子化も伴っておりますので、下落傾向というのは納得できるところかなというふうに感じております。  次に4番目質問いたします。  次に、事案に対する各機関との連携と対応について、どのように行われているのかをお伺いいたします。  乳幼児健診では、先ほどの答弁にもあったように、様々な相談の中に問題事案も含まれてきます。そういった場合には、どのような動きによって情報共有をして問題に対峙していくのか、まずは庁内にあります子育て推進課との連携と対応をお答えください。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の御質問にお答えします。  乳幼児健診では、虐待と思われるケース、養育力が低い家庭や母親がメンタルなどの疾患のあるケース、子供の発達の遅れなどで就園などに悩みを抱えているケースなどが見受けられた場合には、子育て推進課と連携し、具体策を協議し、必要な支援につながるよう対応することとしております。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    次に、相談内容の中でも、虐待事案については児童相談所との連携は不可欠と考えますが、その連携と対応をお答えください。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の御質問にお答えします。  児童相談所はゼロ歳から18歳までの児童に対するあらゆる相談に応じ、相談・援助専門職の児童福祉司と心理専門職の児童心理司のほか、医師等の専門職で構成されるチームで支援を行う機関です。  児童相談所との連携につきましては、健康増進課に相談があった場合は、子育て推進課と情報を共有し、子育て推進課において、子供の安全を確認した上で、県が作成したマニュアルに基づき児童虐待リスクの評価を行い、リスクが高いと判断したものについて児童相談所へ通告するよう連携、対応を図ることとしております。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    ただいま御答弁いただいたとおり、子育て推進課への一元的な情報集約が見られております。その際は、リスクの評価をしっかりしていただき、それによって必要に応じて児童相談所という流れであることが分かりました。  次に、そのほか、幼児年齢時の問題に対して連携する機関について、子育て推進課や児童相談所以外にどういった機関と連携し、対応しているのかお聞かせください。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の御質問にお答えします。  本市における児童虐待に係る各種機関との連携につきましては、田辺市児童問題対策地域協議会により対応を図っております。  この協議会は、本市のほか児童相談所、保育所、児童養護施設などの児童福祉機関、医師会、保健所などの保健医療機関、幼稚園、小・中学校、高校などの教育機関、警察署や家庭裁判所などの警察司法機関等で支援体制を構築し、子育て推進課が調整役となり、支援対象者と直接関係のある機関が連携を図り、個別のケースの情報及び問題の共有や家庭支援を含めた支援方法の検討を行い、適切な対応に努めております。  こうした支援体制の下、幼児の虐待案件の場合は、個別ケースによって違いがありますが、主に保育所、幼稚園、医療機関等と連携を図っております。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    お答えをいただいたとおり、各機関との連携と支援体制がしっかりと組まれているという御答弁でした。幼児期にあっては、主に保育所、幼稚園、医療機関等というところが連携の主なところとなっていることも理解できました。さらに個人情報に関しましても、守秘義務による保護に努めていただいているということが理解できました。  ここまでの答弁のとおり、乳幼児健診における過去5年間の虐待相談内容はありませんでした。また、児童相談所による児童全体の虐待事案の統計と傾向、それに伴う行政側の連携と対応についてお聞かせいただき、虐待に限らず、あらゆる問題に対してもしっかりと連携し対応していただいているという内容をお答えいただきました。  しかしながら、ここで申し上げる事象については、2年前、私自身が直接、乳幼児健診の育児相談の現場において、対象者の隣で相談員である保健師さんと向き合ったときの話になります。  私自身、基本意識として、育児に対しても問題点があればしっかりと向き合い、対応しなければというふうに考えておりますし、もちろん当局の職員さんも同様であると思っております。それゆえに、現場での相談などの話については、常に注視しながら自分の記憶にとどめ、ほとんどの場合メモに残すことなども心がけております。  今回の質問の根本となる事象を申し上げると、当時、明確に記憶にあるのは、まずその相談員さんが名札も身分証もつけていなかったので、田辺市の内部職員でないということは理解できました。そして、そのときの育児相談の現場において、対象者は、その相談員さんからの育児についてほかに悩みなどはありますかという質問に対し、子供をたたいたり、大声でどなりつけたりすることがあるとの発言があり、そのことを初めて聞いて私も非常に驚いたので、すぐ補足としての発言をいたしました。他の相談の内容からも分かるように、子供がぐずるとか、食事を食べてくれないだとか、夜泣きするなどの相談内容と比べても、私自身の受け止めとしても非常に重大な発言であると思ったので、このことは見過ごされることなく、必ず相談員さんが記録に残しているものと考えておりました。しかし、後に情報開示によって提示された黒塗りのない書類を確認させていただいたところ、そのことは一言も触れられておらず、不記載でした。  以上のとおり、重大な案件と受け止められる事象ですが、市としてはそれほど重視する内容でないために不記載であったのかをお聞きいたします。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の御質問にお答えします。  市といたしましては、乳幼児健診の育児相談の場で、虐待や虐待のおそれがあると思われる相談を受けた場合は必ず記録に残すこととしております。  また、個別の案件につきましては、答弁を差し控えさせていただきます。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    個別の案件ということでお答えいただけないのは残念ですが、そういった虐待を疑うような案件を含め、重大な問題事案が記録されなかったことによる幼児の現況から、その子の将来においてはどのような影響があると認識しておられるのか。市の取組姿勢をお答えください。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の御質問にお答えします。  乳幼児健診の育児相談の場において、子供をたたいてしまう、感情的に怒った等の相談がある保護者については、こちらにSOSを発してくれており、育児不安や悩みを持つ保護者の状況や気持ちを聴く機会であると考えております。  そうしたニーズに応えるためには、必要に応じて場所を移すなど、話しやすい環境も整備し、しっかりと向き合い、保護者の思いに心を寄せ、共感しながら話に耳を傾けることから始めるようにしております。  また、定期的な面談や訪問、連絡をすることや、不適切な行為をしたくなったときに思いとどまれるよう、つらい気持ちの軽減を図るため、保健師の連絡先などを伝え、助けを求めてよいことなどを具体的に伝え、その場で終わらないよう継続して支援できるようつなげていくこととしております。  虐待は子供に対する最も重大な権利侵害です。虐待の影響は、虐待を受けていた期間、態様、子供の年齢や性格等により様々ですが、身体的、心理的、知的発達面に影響があると言われていることから、保護者からの相談は記録として残し、乳幼児健診後、育児相談に従事した保健師全員でカンファレンスを行い、今後の対応について検討することとしております。  その後、継続的に支援をしている中で、必要に応じて、子育て推進課等関係機関と連携し、支援の幅を広げるようにしていくこととしております。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    近年のように出生率が下がっている中、核家族化する環境での子育てのストレスをしっかり把握し、行政が寄り添うことで、子育ての様々な問題への対処ができると考えております。  特に乳幼児健診は、初めて子育てに携わる者にとっても、いろんな相談をしながら専門家のアドバイスをもらえるありがたい健診です。思いどおりにならない子育てに戸惑いながらも、親としてよい子を育てたいと思うのは、どの親も当然であり、それらの思いを抱えている親御さんたちの一番初めの乳幼児健診は、虐待などの問題点を発見し得る重要なタイミングの一つであります。その権利侵害がいかに子供にとって重大な影響になるかを考え、今後において健診に従事する内部職員はもちろんのこと、嘱託職員へも実地検証と指導を徹底していただきたいと思いますが、当局の総括をお聞かせください。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    保健福祉部長。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 登壇) ○保健福祉部長(古久保宏幸君)    議員の質問にお答えします。  乳幼児健診の育児相談の場は、子育ての不安や悩みを持つ保護者の状況や気持ちをお聞きすることができる大切なきっかけの場です。
     全ての親子に必要な支援を届けるには、まず、保護者の困り事に着眼し、寄り添うことが大切であると考えております。  先ほども申し上げましたとおり、定期的な面談や訪問、連絡等で継続的に支援を行い、不適切な行為をしたくなったときに思いとどまれるように、助けを求めてよいことなどを具体的に伝え、保護者の気持ちに寄り添いながら、必要な支援を実施することとしております。  また、支援の視点は、支援者が気になる状況を気にすることから始まりますので、乳幼児健診の従事者全員が親子の多様な状況にも配慮しながら、健やかな親子関係の確立に向けた支援ができるよう今後も努めてまいります。           (保健福祉部長 古久保宏幸君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    市橋宗行君。             (15番 市橋宗行君 登壇) ○15番(市橋宗行君)    今回の質問では、行政内部でも把握できていないのであればと思い、見過ごされていたことをあえて掘り起こした形にさせていただきました。  これまでの答弁にもありましたとおり、必ずそういうことがあれば記録に残すというお話もありました。前提条件はそうなっていると思います。ただ、今回私が申し上げているのは、その前提条件が覆っているというケースがあるということを申し上げております。  いろんな方が、親御さんが子供に対しての心配事、そして問題事、SOSを発してくれたら、そのときはこれだけ手厚い、これだけの支援、これだけの連携を取ってやっていくんだ、そういう意気込みは確かに伝わってまいりますが、現実問題そうなっていないところがあるということを申し上げさせていただきました。  今回御答弁いただいた市の虐待相談統計全体を見ても、把握件数は近年急降下しています。全国では、ゼロ歳から3歳までの虐待相談件数の割合は全体の19.7%、約20%を占めているのですが、田辺市の乳幼児健診では、過去5年間においてはゼロ件です。この数字を見るだけでも現状の世の中に逆行しています。逆行していることをおかしいと思わないことがおかしいという警鐘を今回具体事例を示し、現場にいた当事者としてお伝えさせていただきました。  このことは、私は田辺市の中の氷山の一角だと思っています。ないと思っている意識の問題もあるようですが、外部の保健師によっての指導体制は必ずしも一貫していません。そういった体制において、今回の答弁は、大変失礼ながら、私には絵空事にしか聞こえないのです。幾ら内部がしっかり連携を取っていても、相談の門戸は閉じられているのであれば、その後何も機能することはありません。今後は通報が無駄にされているかもしれないという意識を持って、必ず内部で検証と指導の徹底をお願いしたいと思います。  子供や幼児は自分から訴えることはできませんし、親が手を上げたり、どなったりした子は、自分から発する暴力に抵抗感がなくなることがあります。その影響はなかったことにはならないし、そのことが親子の関係を左右し、また、子供の生涯までも狂わせることにつながる可能性も否めません。  今回の事象は、私が把握しなければ、記録の欠如には誰にも気づかれず埋もれておりました。今後においては、特に乳幼児を含む児童虐待の統計や関連する児童扶養手当の受給動向にも注視をいただいて、養育力の低い親御さんへの対応として、行政は最後のとりでとなれるよう重ねてお願いを申し上げて質問を終わりたいと思います。時間早いですが、終わらせていただきます。皆様、御清聴ありがとうございました。             (15番 市橋宗行君 降壇) ○議長(副議長 橘 智史君)    以上で、15番、市橋宗行君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(副議長 橘 智史君)    この場合、午後1時45分まで休憩いたします。  再開の際は、議案書(2)及び決算書を御持参ください。               (午後 1時33分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(尾花 功君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時45分) ○議長(尾花 功君)    続いて、2番、前田かよ君の登壇を許可いたします。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    こんにちは。  2番、日本共産党、前田かよです。  通告に従いまして一般質問を行います。  本日は、大項目1点、ジェンダーの視点から考える学校制服についてです。  今回の質問に際して、当方が学校制服についてを問うアンケートを地方紙等に折り込む市議団ニュースで公募し、また、直接保護者や学校関係者の方々にも依頼して調査をさせていただきましたところ105名の方から御回答をいただきました。御協力くださった方々には、この場をお借りいたしましてお礼申し上げます。そのアンケートの結果の抜粋ではありますが、本日、参考資料として提出させていただいております。  ジェンダーという言葉は、既に私たちの日常や社会生活ではよく聞き、よく使われる言葉となってきています。でも、ジェンダーとは何かと改めて問われたら、はて、どういうことだろうと考えてしまう方もおられるかと思います。  まず、性差を表す言葉には、セックスとジェンダーがあります。セックスとは、生物学的な性差、つまり人間が持って生まれた繁殖能力などの違いからくる性差で、ジェンダーとは、生物学的な性差に加え、社会的、文化的性差のことをいいます。具体的には、男性だから、女性だからという前提をつけて、こうあるべき姿として、それぞれが所属する社会や文化から当てはめられ、表現され、体現されます。それは、服装や髪型などのファッションから、言葉遣い、職業選択、家庭や職場での役割や責任の分担にも及び、さらに人々の心の在り方や意識、考え方、コミュニケーションの仕方にまで反映されます。  ジェンダーは、国や文化、時代において、人々の意識が変化していきますが、社会が期待する男性らしさ、女性らしさと仮に自分が当てはまらなくても、自分自身が男性ではない、女性ではないということにはならず、自分らしくいられることが重要です。そのポイントは、自分自身が自分のジェンダーをどう理解するかということで、これをジェンダーアイデンティティ、性自認といいます。このとき生まれたときのセックスとジェンダーは一致することもあればしないこともあり、一致する場合をシスジェンダー、しない場合をトランスジェンダーといいます。いずれにせよ、自分らしさとは違う社会が期待するあるべき姿を求められたとき、そのギャップに苦しみ、自分という存在を否定されたような経験をした方は少なからずおられるのではないでしょうか。  今日は、人間が自分らしく生きるという、誰もが生まれながらにして持つ権利を社会が保障していく必要があるのではないかとの考えから、学校制服に絞って質問をしてまいります。  一般に制服とは、会社、学校、あるいは軍隊、警察など、ある一定の集団や組織の所属者が着用することを目的に制定された服のことです。学校制服の歴史をたどりますと、その起源は軍服にあります。明治の富国強兵の時代に、幕末の各藩兵を新政府軍として編成し、統一する中で、欧米の洋服を取り入れた軍服として採用されていきました。これをベースに、軍国主義時代の官僚を育成する大学で、いわゆる学ランとして詰め襟の制服が用いられ、やがてそれがエリートの象徴となっていきました。また、男性社会を支える良妻賢母を養成する女学校で、洋服の流行の中でセーラー服が用いられるようになりました。このように、制服には、天皇を中心とする富国強兵という当時の社会情勢から、男女の役割が学校制服にも反映されていったという歴史があります。そして戦後も規律・規範を重んじる教育現場において、その名残をとどめて現在も存在しています。  では、終戦から78年たった現代では、人間一人一人の個を尊重し、様々な価値観を共有する多様性社会、多様性の時代と言われていますが、小項目1の学校制服を設ける目的と役割について、教育委員会の御認識を伺います。  本市においては、小・中学校で制服を設けているか否か、またその形態については各学校により様々ですが、一般的に学校制服を設ける場合の目的と子供たちの学校生活における制服の役割にはどういったものがあると考えておられるか、御見解をお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(尾花 功君)    2番、前田かよ君の質問に対する当局の答弁を求めます。  教育長、佐武正章君。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の学校制服を設ける目的と役割についてお答えいたします。  市教育委員会といたしましては、学校制服を設ける目的と役割は、学校制服を設け、同じ制服を着用することで、統一された身なりとなり、規律を学ぶとともに、愛校心や帰属意識を高めたり、仲間意識や連帯感を醸成したりすることができると考えております。  また、学校制服は、経済性や平等性の観点を基に導入されたものでもあり、各御家庭の経済事情から生じる学校生活における様々な問題を回避することができるものとして導入されたと考えております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(尾花 功君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    ありがとうございます。多様性と個人の尊厳を考えれば、先ほど学校制服があるという前提の下での御答弁をいただいたのですが、学校制服そのものの必要性を考えていくことも大事ではないかと思っております。  今回のアンケートでいただいた御意見の中には、私服と制服を選べることが望ましい。個の抑制につながる制服は必要でない。そもそも制服は機能的でないというような御意見も少なからずありました。  こうした視点からも考えますと、学校制服の実用的機能を考えれば、御答弁でありましたように、統一感があり、また丈夫でもあります。そういったメリットがある一方、温度調節がしにくく、活動しにくく、着用感がよいとは言えません。  心理的・社会的機能で考えれば、連帯感を生み出す、共同する意欲を高める一方で、斉一化されることで服選びに迷わないといった服飾の選択における葛藤が減り、服飾における個性が抑制されます。  当方が保護者や学校関係者の方々にお伺いしたアンケートの中では、制服は「あるほうがよい」との意見が、「ないほうがよい」に比べてやや多かったです。しかし、帝塚山大学人文科学部、西川正之教授の研究調査によれば、学校制服がある学校では、制服はあったほうがよいが多く、制服が自由化された、私服もよいとされた学校では、制服はなくてよいとの意見が多数出るという結果が出ており、これは恐らく、その置かれた状況に適応しようとする意識が働くのであろうと、教授は語っておられます。  気をつけたいのは、仮に制服が設けられていたとしても、子供が自認する性が尊重され、自分らしく生きる権利が保障されているかということです。  そこで、小項目2です。本市小・中学校における学校制服の現状について3点お聞かせください。  一つ目は、学校に制服の着用があるかどうか。2点目は、制服に男子は詰め襟・スラックス、女子はセーラー服・スカートなどとデザインで男女の区別があるか。三つ目は、生徒児童がスカートやスラックスのどちらを着用するかなど選択することができるか。各校の調査に基づき御報告をお願いいたします。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(尾花 功君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の、本市における学校制服の現状についてお答えいたします。  本市の小・中学校におきましては、制服の着用を規定している学校は、小学校25校のうち4校、中学校14校では全校になります。  また、現時点で校則等で男女の区別をしている学校は5校のみになりますが、その5校も含めて、制服着用の18校全ての学校において、児童生徒がスカート及びスラックスのどちらでも選択することが認められております。  また、制服を規定している学校では、入学説明会等でスカート型、スラックス型といった表現とし、男女の区別を明記しないようにした学校もあります。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(尾花 功君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    ありがとうございます。小学校では4校しか制服が設けられておらず、中学校では100%で設けられていると。それから、男女の区別は5校にありますが、男女の区別をどちらでも、女性がスラックスをはいたり、男性もスカートをはきたいという方がいればそれを認めておられるということです。あと男女の区別も明記しないということもされておられるということです。  既にセクシャリティーに関する悩みの相談があったり、そのような子供がいたりする学校では制服の見直しも行われているように伺っております。人権擁護という意識に立った非常に前向きな取組といえると思います。  しかし、学校によってデザインに男女の区別がそもそもあるということに着目したいのですけれども、そこの部分においては、選択制を用いられてるとはいえ温度差があるのではないかというふうにも感じ受けます。  強調したいのは、LGBTQなど性的マイノリティーの問題は、近年では、個人の尊厳に深く関わる人権問題の一つとして取り扱われていくべきだということです。  そこで、小項目の3、LGBTQ、特にトランスジェンダーへの対応、対策について伺ってまいります。  LGBTQとは、御存じのとおり、三つの性的指向、レズビアン、ゲイ、バイセクシャルと性自認・性同一性というトランスジェンダーの頭文字LGBTに加えて、自分の性が分からないというクエスチョニングと性的少数者を表すクィアの頭文字のQを加えたセクシャルマイノリティー全般を表す言葉です。  LGBT総合研究所の2019年に行った調査によれば、日本の人口の約10人に1人の割合で存在すると言われています。本人が気づいていなかったり、カミングアウトしていないこともあるため実際はそれ以上いる可能性もあります。  国内の制服会社が2021年に全国の小・中学校の教員を対象に、LGBTQの生徒児童の把握状況は、小学校は約1割、中学・高校では約3割になり、小学校に比べ中・高で増加しているという報告もあります。  まずここで、本市において、LGBTQの当事者または当事者であろうと考えられる子供たちがいることについて、把握をしておられるかどうかをお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(尾花 功君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問のLGBTQに該当する児童生徒の現状についてお答えいたします。  このことについて、市内小・中学校の管理職への聞き取り調査を行ったところ、小学校、中学校の一部の学校で、ごく少数ではありますが、LGBTQを自認する児童生徒が在籍しています。  その中には、保護者と学校で共通認識して対応しているケース、また、担任や養護教諭に相談はしているが親には相談できていないケースがあります。そのほか、児童生徒の言動や状況から、学校側がLGBTQの可能性があると感じているケースなどもあります。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(尾花 功君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    以前、この把握状況について議会でも取り上げられたときまだ調査はされていなかったのですけれども、今回は聞き取りという形で調査をしていただき、そういう当事者がおられるという前提に立ってお話をいただけるということです。  ここで、LGBTQの子供や若者が困難を経験している実態について少しお話したいと思います。認定NPO法人ReBitが2022年、LGBTQなどの子供、若者から暮らし・就活等の現状について声を集めるアンケート調査をしたところ、10代から30代の約2,700人から回答があったそうです。そこでは、学校の授業などでLGBTQなどについて学び、社会的にもLGBTQの認知度が上がってきたという変化はありますが、依然として当事者たちは自殺、メンタルヘルス、孤独、孤立、困窮などにおけるハイリスク層であることが浮かび上がってきていました。  10代の当事者の48%が自殺を考えたことがあり、14%が過去1年以内に自殺を未遂、38%が自傷行為をしており、10代は特に若者の中でもハイリスクであることが分かってきました。  また、LGBTQなどについて学びの機会は増えていますが、回答者の70%が1年以内に、男女別の整列や名前のさん、君、分けなど、不要に男女分けをされた、生徒がLGBTQに関してネタや笑いものにしていた、生徒や先生が性別を理由に理想的な行動を指示していたなど、学校で困難やハラスメントを経験し、回答者の52%が学校に行きたくないと感じ、さらにその半数が不登校を経験しているそうです。  こういう困難を抱えているにもかかわらず、回答者の90%以上が保護者や教職員に安心して話せていません。先ほども教育長の御答弁には、学校、保護者ともに共有できている場合もあれば、生徒さん自身が親には言えていないという、そういう状況からも伺えると思います。  こういう困難を抱えているにもかかわらず、回答者の90%以上が保護者や教職員に安心して話せていない。この状況から、教職員にLGBTの知識をつけることを意識づけ、保護者にも理解を促し、ハラスメントが起きない環境整備や支援が必要ではないでしょうか。  そこで、本市学校におけるLGBTQ当事者への対応についてですが、特にトランスジェンダーの児童生徒に対して、服装については細心の注意と対応が必要です。現状どのような対応をしておられるか、また、今後どうしていくお考えかをお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(尾花 功君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問のトランスジェンダーの児童生徒への対応についてお答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、制服につきましては、入学前に行われる学校説明会等において、本人が望む制服を選択できることを周知しております。  また、制服以外の服装につきましては、機能的であることや華美にならないことなどの決まりはありますが、性別によって服装を限定することはありません。  なお、現在、市内中学校には、トランスジェンダーかどうかに関わらず、本人が望む制服を着用している生徒が複数名おります。しかし、服装に関して、周りから心ない言動等でつらい思いをしたという報告は、現時点では受けておりません。  今後につきましては、各学校において、いかなる理由でも、いじめや差別を許さない適切な生徒指導、人権教育等を推進してまいります。また、制服に違和感を持って過ごしている児童生徒や、自分の性に違和感を持ち始めている児童生徒がいる可能性を踏まえ、日頃より児童生徒が相談しやすい環境を整えること、そして、LGBTQの児童生徒への支援に関しては、本人や保護者の意向を尊重しつつ、組織的に対応することを周知徹底してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(尾花 功君)    前田かよ君。
                (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    制服では本人が望む選択ができるということと性別による制服の区別というのが一定ないと、そして、そういう当事者への対応というのは組織的にされていくという御答弁をいただきました。組織的にというところでは非常に心強い御答弁かと思います。  あと、デザインとして男女の区別、例えば男性は詰め襟で女性がセーラー服、それがあって、どちらかを選んでくださいという一定の選択制はありますけれども、かといってそれが積極的に選べる状況かといえばそうでないというのが、今回、ジェンダーレス制服を提案する理由でもあります。  次に、教職員におけるLGBTQの理解促進について伺います。  先ほど、本市中学校の制服の現況について御報告いただきましたが、学校の制服のデザインに男女の区別がある学校が5校ということだったのですけれども、そのほかの学校では、自由に選択をできるということなのですが、ここにはデザインが男女兼用どちらでも対応できるようなものであるかというのは、ちょっとまだ具体的な御報告がお聞かせいただけなかったのですけれども、でも見直しを行っている学校もあるとは伺っております。そういう学校というのは、恐らく子供たちからの意見や相談から対応が始まったのだと思います。  しかし、セクシュアルの不安や悩みは、先ほどNPO団体の調査報告でもあったように、なかなか相談できないのがつらいところです。選択制と言われても選択できない状況であるというところもつらいところです。それは回答にもあった、不要に男女分けされた、性別を理由に理想的な行動を指示したなど、教職員の知識や理解不足が要因ともなって、話しても理解してもらえないと思い、それによって自分自身が傷つくのをおそれるためだと思います。  そこで、教職員におけるLGBTQの理解促進はどのようにされているのか、また今後どうしていかれるのかお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(尾花 功君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の教職員におけるLGBTQの理解促進のための具体的な取組についてお答えいたします。  市教育委員会としましては、LGBTQと自認している児童生徒に適切な対応をするためには、教職員一人一人が研修等を通じて正しい知識を身につけることが重要であると認識しております。このことから、毎年、年度当初校長・教頭・園長会及び10月教頭会において、性的少数者への対応、理解について説明を行っており、性的少数者への正しい知識と理解、全ての児童生徒が安心できる環境づくりを指導しています。  また、西牟婁地方の小・中学校の人権教育担当教員を対象とした県教育委員会が主催する令和4年度人権教育担当教員等研修会では、日本LGBT協会の方を講師に招き、性的指向・性自認に関する人権について講演が行われました。この研修の内容につきましては、受講者が所属校にて教職員間で伝達を行っております。一方、各学校内での職員研修につきましては、本年度は市内16校でLGBTQに関する研修を行った、もしくは研修を行う予定であります。このような取組により、学校現場におけるLGBTQに対する理解や意識は向上してきております。  また、令和5年6月23日に公布された性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律において、学校の設置者及び学校は、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する児童生徒等の理解の増進について、家庭及び地域住民、その他の関係者の協力を得つつ、児童生徒等の心身の発達段階に応じた教育または啓発、教育環境の整備、相談の機会の確保等に努めることとされております。  市教育委員会としましては、学校現場においても、時代の変化に合わせた柔軟な対応ができるよう研修の充実に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(尾花 功君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    毎年、研修を学校の代表者を派遣されて行っているということです。それが各校に持ち帰って、特に県主催の研修会では、人権教育担当の先生を派遣されて、その先生が学校に持ち帰って伝達されるというふうに今お答えいただいたのですけれども、その伝達の中身が一体どういう伝達の仕方なのかによって、またそこで温度差が生まれてくるのかなというふうに思います。実際、先生のお声を伺ったときは、そういう派遣はされているけれども、学校で共有されているかと言えばさほど、というようなお声もちょっと伺ったりもしたので、そこは、やっぱり学校の中での意識の向上というのがもっと追いつけば、よりしっかりとした伝達がより教員の中での共有というふうに深まっていくのではないかなというふうに思います。  ですので、なかなか多忙を極める学校現場で、あれもこれも研修というのは言いにくいのですけれども、例えば学校に講師を招いて先生と子供たちが共に学んだり、あるいは、市の人権推進課には貸出しDVDもありまして、性の多様性に関するDVDもあります。ここで借りることもできますので、ぜひそういうふうな活用をして、学んだり、知識をつけるということをより意識的に行っていただきたいと思います。  しかし、この知識や理解不足というのは、何も教育現場に限ったことではありません。田辺市の男女共同参画推進室が今年3月に発表した市民向けの調査結果においても、性的マイノリティの方の人権について何が一番問題かという問いに対し、約6割が理解や認識が不足している、そして、3割強が悩みを公表できる社会になっていないと答えています。学校のみならず社会全体が認識していかなければならない問題であるということを加えて申し上げたいと思います。  次に、小項目4ではジェンダーレス制服の導入を提案いたします。  ジェンダーレス制服とは、御存じのとおり性差を感じない、感じさせない制服で、上着は男女共通、ユニセックスなデザインで、下はスラックスかスカートを選べるというものです。  2010年代以降、ジェンダー平等や多様性への配慮が当然に求められるようになりつつあります。そんな中で、ある制服大手企業の調査によりますと、同社の学生服を採用する全国の中学校・高校のうち女子制服にスラックスを導入している学校は、2018年には370校だったが2021年には1,000校を超え、2022年には1,500校を超えたと報告されています。最近では、制服の見直しを検討する学校の9割以上が、学校の要綱事項に多様性に配慮した制服ということで、男女兼用の制服を採用している学校が増えていっています。  これを本日提案する理由は、性同一性障害等の当事者は、学校制服の着用に際しても困難を経験しているからです。仮に問題が表面化していないからといって問題が起こっていないわけではないということは、当事者の多くは、周囲に相談できていないということからも伺えます。  先ほど教育長の御答弁では、そういったことに関わる御相談がないというのもちょっとあったかと思うのですが、ここはやっぱり「相談がない」イコール「問題がない」ということではない、ということを認識したいと思います。  当事者の声としては、自認する性と違う制服を着るということは、自分が男性なんだよ、女性なんだよと押さえつけられ、自分の存在を否定されているような気持ちになるというのがあります。深刻化すれば命にも直結する問題です。  加えて、学校制服は、子供たちが1日や1年単位で最も長く着用するものです。そのような状態を、問題に直面していないからと放置してよいはずがありません。市内小・中学校では、この問題意識に若干温度差があるのではないでしょうか。ぜひ、能動的にジェンダーレス制服の検討も取り組んでいただきたいと思います。  それでは、制服の選定や見直しのプロセスについて伺ってまいります。  平成30年3月の文部科学省の通知には、通学用服の選定などに当たっての留意事項として、学校における通学用服の選定や見直しには、最終的には校長の権限において適切に判断すべき事柄であるが、その選定や見直しを行う場合は、保護者等学校関係者からの意見を聴取した上で決定することが望ましいこと、また、教育委員会は、所管の学校において、通学用服の選定や見直しが適切に行われるよう必要に応じて指導を行うこととあります。  本市では、今年3月議会の松上議員の問いに対し、校則等の見直しのプロセスについて、生徒会などを通じて子供たちが意見表明できる場が設けられているとの御答弁がありました。これは子供の権利を尊重した大変有意義なことであります。  しかし、性自認に関する悩みや不安は、繰り返しになりますが、周囲の理解不足やいじめなどのリスクから、当事者自身が意見表明することは容易ではなく、不登校になるケースもあります。LGBTQ当事者がつらいと感じる部分は、相談できない、言えないというところです。そういう課題について、学校としてどう対応するのが望ましいと考えておられるのかお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(尾花 功君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員の御質問にお答えいたします。  まず、学校制服の選定や見直しについては、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化を鑑み、児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展を踏まえたものになっているかを考慮して、各学校長の権限において適切に判断することとなっております。  議員御指摘のとおり、性自認に関する不安や悩みについては、児童生徒が相談したり、告白したりすることは勇気が必要なことであると考えます。そのため、児童生徒が悩んでいたとしても、周りに相談したり、告白したりすることが難しいものと認識しております。  そのような環境を改善していくためにも、まず、教職員が悩みや不安を抱える児童生徒のよき理解者になるように努めることは当然であり、このような悩みや不安を受け止めることの必要性は、性自認に悩んでいる児童生徒だけでなく、児童生徒全般に共通するものであると考えます。そのような取組を進めたとしても、当事者が相談できず、制服に対しての違和感を感じている児童生徒がいる可能性はあります。  また、議員お話のジェンダーレス制服とは、性の多様性に配慮し、男女別のイメージが少ないブレザータイプまたはスーツタイプの制服であると認識しております。  以前には、機能面からブレザーに変更した学校もありましたが、LGBTQの理解促進の面からも、少数の意見や告白しづらい意見等があるということを認識した上で、学校運営に取り組むことが大切であると考えております。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(尾花 功君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    ありがとうございます。大変心強い御答弁ありがとうございます。シスジェンダーの女子生徒の中にも冬場にスカートだと寒いとか、そういう声は多いと思います。そもそも制服以外でふだんはスカートをはかない、もういつもズボンだという人も多いと思います。着用面から考えて機能的でない。  余談になりますが、先日、私が田辺駅前で朝いたときに、冬場だったのですけれども、制服の下に体操服を着ているという、制服で学校に登校しなければいけないから制服を着ているのだけど、でも寒いからと言って体操服を着ているのですね。子供たちは限られた制約の中で、工夫を凝らしてやっているのですけれども、やっぱりそういうことから考えましても、特に制服のスカートというのは本当に機能的に考える余地があるなというふうには思います。そういうところからも意見として捉えて、見直していくことも可能かというふうに思います。  特に、子供たちが性に不安や疑問を持ち始める思春期を過ごす学校において、性の多様性について取り組み、共に考えていくことで、マイノリティーとなっている生徒を救うこともできると思います。  そこで、包括的な性教育と一体化した問題提起についてお伺いします。  包括的性教育とは、ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重を基盤とした性教育です。自らの健康、幸福、尊厳への気づき、尊厳の上に成り立つ社会的・性的関係の構築、個人の選択が自己や他者に与える影響への気づき、生涯を通して自らの権利を守ることへの理解を具体化できるための知識や態度を身につけさせることを目的として、広範囲な事柄を関連づけて深く理解する学習・教育方法のことです。  来年、2024年度から使われる小学校の教科書で、LGBTQなど性の多様性への言及が大幅に増えます。前回の検定では、保健体育の教科書2点のみでしたが、今回は道徳や社会科を含め10点が性の多様性について触れています。保健体育では、全6社が性の多様性を取り上げ、記述も大幅に増えたようです。教職員を含め、子供たちが知識を得て考えるよい機会ではないかと思います。  本市では、2019年9月議会の川﨑議員の質問に対する御答弁では、性の多様性に特化した学習はまだされておらず、中学校においては、学校によって人権学習の中で性的マイノリティーについて扱われているという状況でしたが、そのことがやはり取組に温度差があるのではないかと私は見受けました。  より多くの学校で包括的に取り組まれ、子供たちの中で性の多様性と人権、そして自分たちの身近な問題として、ふだん着用している制服についても考えられるような問題提起をしていただき、意識調査なども行ってよいのではないかと考えますが、現況と今後の見通しをお聞かせください。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(尾花 功君)    教育長。             (教育長 佐武正章君 登壇) ○教育長(佐武正章君)    議員御質問の包括的な性教育と一体化した問題提起についてお答えいたします。  包括的性教育とは、身体や生殖の仕組みだけでなく、人間関係、性の多様性、ジェンダー平等、幸福などについて学び、学習者のウェルビーイングの実現が目的とされる教育です。包括的性教育の重要事項としても、人権的なアプローチやジェンダー平等を基盤にしていることなどが挙げられております。  議員御指摘のとおり、来年度採択の教科書においても、LGBTQなどの性の多様性について言及されている教科書は増加しております。様々な教科を通して、ジェンダーレス、性的マイノリティーに対しての理解が求められております。  また、教科だけでなく、生徒指導提要では、性的マイノリティーに関する理解と学校における対応として、教職員の正しい理解の促進、日常の教育活動を通じての対応、当事者への支援体制などの取組が重要であるとされています。  現況としましては、先ほど申し上げましたとおり、これまでの取組により、教職員の性的マイノリティーへの正しい理解や意識は向上してきております。さらに今後は、児童生徒等の心身の発達に応じた教育に努めてまいりたいと考えております。  今後も、性の多様性への理解及び教育を継続して取り組み、ジェンダーレス制服について考える機会を取り上げることも、性の多様性について学ぶ一つのテーマであるかと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。             (教育長 佐武正章君 降壇) ○議長(尾花 功君)    前田かよ君。             (2番 前田かよ君 登壇) ○2番(前田かよ君)    包括的な性教育の取組について、まず先生方に理解の促進をさらに促していかれるということ、支援体制の強化、そしてさっきの御答弁にもありましたように、学校において時代や社会の進展に伴っているか、そのことも踏まえて今後取り組んでいかれるということで、一定大変安心ができる御答弁だと思います。ありがとうございます。  学校の教科書での取扱いが増えていくのですが、それを授業の中で実際さらりと通るだけで終わってしまうのか、深く扱って、学校全体でまた学びにしていくのかとかいうのは、やっぱりその先生方のお一人お一人の意識の持ちようにかかってくると思います。ですから、多忙を極める学校現場に理解促進をというのは本当に言いにくいことなのですが、様々な取組を取捨選択しながら、意識的に、そして能動的に取り組んでいっていただきたいと思います。  中には、もう学校の先生の中にも、自分とこの学校の制服ちょっと見直したほうがいいねというような気持ちは表れてきていると思います。校長先生の中にも変えたほうがいいなと思われてる学校もあると思うのです。そこでスタートするかしないのかは、自分とこの学校で問題に直面しているか、していないかだと思うのです。意識の向上があるのですから、もう時代としてはこういう多様性を認め合う、社会が人権を保障していく時代なのだということを踏まえると、本当に能動的に取り組んでいっていただきたいと思います。  今回の質問に対して意識調査を行いまして、私のほうから市内の保護者や学校関係者の方々に行ったアンケートでは、全国では性の多様性への配慮からジェンダーレス制服を導入する学校があることについてどう思うかと問いましたところ、8割が「大変よい」、あるいは「よい」と答えています。  すみません。今言っているのは参考資料の②です。  8割がジェンダーレス制服について大変よいと答えています。その理由としては、多様な性を受け入れ、認め合える社会的な素地をつくることにつながると思うから。また、本人の意思を尊重でき、苦しまないで済むように思われるなどがあり、そのほか、次のページをおめくりいただきますとたくさんの記述をいただきました。またお時間あるときに読んでいただけたらと思います。  また、本市内の小・中学校における制服について、5割が「見直したほうがよい」と考えており、3割が「どちらでもよい」。そして0.1割が「今のままでよい」でした。これは大人の意向ですので、ぜひ学校には、人権週間とかというような機会も活用しながら、学校でのアンケート調査を行うことにより、エビデンスに基づいた取組に発展していかれてはどうかと思います。  ここで、白浜町での制服見直しの取組例を御紹介します。当時、見直し前は男子詰め襟、女子セーラー服という制服だったところ、生徒からの意見がきっかけでアンケートを取り、多様な性に対応するジェンダーレス制服の導入を決めたそうです。デザイン検討当初は、ブレザーにズボンまたはスカートの選択制を考えていたところ、この選択制では周囲の目が気になって、本当に望む制服を選べない生徒もいるという現状がある。そういう理由から、最終的には男女共通のブレザーとスラックスを基本にして、スカートを選択できるというふうにしたそうです。でも、実はこれがジェンダーレス制服を見直す最先端です。全国にはほかにも取組事例がありますのでぜひ御研究いただけたらと思います。  既に本市の小・中学校では男女混合名簿を採用している学校が多数になってきております。また、運動会でも、徒競走などで男女混合で協議しています。やっぱり保護者が、大人がこういう光景を見ることで、ジェンダーや多様性の時代であるということをより認識していくことにもつながっていくと思います。学校の取組が社会をリードしていくことにもつながるのではないでしょうか。  繰り返しになりますが、セクシャリティーの問題に直面していない学校でも、悩んでいる子供はいるという前提で受け止めていただき、個人の尊厳に深く関わる人権問題として、ジェンダーレス制服の導入に向けて、子供たちとともに学び、取り組んでいっていただけることを期待して質問を終わります。ありがとうございました。             (2番 前田かよ君 降壇) ○議長(尾花 功君)    以上で、2番、前田かよ君の一般質問は終了いたしました。 ◎日程第 2 4定議案第24号 令和5年度田辺市一般会計補正予算(第6号)から  日程第17 4定議案第39号 令和4年度田辺市特定環境保全公共下水道事業会計利益の処分及び決算についてまで一括上程 ○議長(尾花 功君)    続いて、日程第2 4定議案第24号 令和5年度田辺市一般会計補正予算(第6号)から、日程第17 4定議案第39号 令和4年度田辺市特定環境保全公共下水道事業会計利益の処分及び決算についてまで、以上16件を一括上程いたします。  ただいま上程いたしました議案16件は、本日市長から提出のあったものであります。  提出者の説明を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    ただいま上程されました議案は、予算に関するもの1件、決算に関するもの15件でありまして、その概要について御説明申し上げます。  まず、議案第24号 令和5年度田辺市一般会計補正予算(第6号)についてでありますが、今回の補正額は7,200万円で、内容につきましては、長野22号線道路災害復旧工事の施工箇所においてのり面崩壊が発生したことから、その対応を図るため、所要の経費を補正するものです。  今回の補正に要する財源としましては、国庫支出金、繰越金及び市債をもって充てることとし、このほか地方債を補正しております。  次に、議案第25号 令和4年度田辺市一般会計歳入歳出決算についてから議案第37号 令和4年度田辺市四村川財産区特別会計歳入歳出決算についてまでの13議案は、いずれも令和4年度各種会計の決算について、地方自治法の規定により議会の認定をお願いするもので、議案第38号 令和4年度田辺市水道事業会計利益の処分及び決算について及び議案第39号 令和4年度田辺市特定環境保全公共下水道事業会計利益の処分及び決算については、いずれも令和4年度の決算に伴う利益を処分することについて、地方公営企業法の規定により議会の議決をお願いするとともに、決算について、同法の規定により議会の認定をお願いするものです。  なお、お手元に、決算書及び監査委員の意見書とともに、主な施策の成果に関する報告書等を提出いたしております。  以上、提案いたしました議案について御説明申し上げましたが、よろしく御審議の上、御承認を賜りますようお願いいたします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(尾花 功君)    以上をもって提出者の説明が終了いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議題となっております16件については、既に提出されている他の議案と同様に後日審議願うことにいたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(尾花 功君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  お諮りいたします。
     本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明日9月16日から18日までの3日間は休会とし、9月19日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(尾花 功君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  延 会 ○議長(尾花 功君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。  お疲れさまでした。               (午後 2時40分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   令和5年9月15日                    議  長  尾 花   功                    副議長   橘   智 史                    議  員  福 榮 浩 義                    議  員  北 田 健 治                    議  員  市 橋 宗 行...