田辺市議会 2022-12-08
令和 4年第7回定例会(第2号12月 8日)
4番 加 藤 喜 則 君
5番 尾 﨑 博 文 君
6番 谷 貞 見 君
7番 柳 瀬 理 孝 君
8番 浅 山 誠 一 君
9番 宮 井 章 君
10番 福 榮 浩 義 君
12番 北 田 健 治 君
13番 橘 智 史 君
14番 尾 花 功 君
15番 市 橋 宗 行 君
16番 安 達 幸 治 君
17番 安 達 克 典 君
20番 佐 井 昭 子 君
――
―――――――――――――――――
〇欠席議員
19番 塚 寿 雄 君
――
―――――――――――――――――
〇説明のため出席したもの
職 名 氏 名
市長 真 砂 充 敏 君
副市長 林 誠 一 君
副市長 木 村 晃 和 君
教育長 佐 武 正 章 君
企画部長 山 﨑 和 典 君
企画広報課長 竹 本 昌 人 君
自治振興課参事 虎 伏 佳寿子 君
人権推進課長 堀 口 泰 令 君
男女共同参画推進室長
平 谷 晃 代 君
総務部長 西 貴 弘 君
総務課長 狩 谷 賢 一 君
危機管理局長 茨 善 行 君
市民環境部長 中 村 誠 君
環境課長 狼 谷 慎 一 君
保健福祉部長 虎 伏 務 君
福祉課長 山 田 友 昭 君
健康増進課長 谷 本 あけみ 君
商工観光部長 丸 山 勝 司 君
商工振興課長 大 西 弘 芳 君
農林水産部長 木 村 博 充 君
森林局長 榎 本 安 幸 君
建設部長 衣 田 克 君
管理課長 前 溝 浩 志 君
大塔行政局長 黒 田 真 照 君
消防長 戎 嶋 健 君
警防課参事 横 矢 悟 君
教育次長 前 川 光 弘 君
学校教育課長 瀬 田 公 寛 君
会計課長 櫨 畑 淳 子 君
水道部長 廣 畑 賢 一 君
業務課長 田 中 義 和 君
工務課長 合 川 弘 君
――
―――――――――――――――――
〇
出席事務局職員
議会事務局長 松 本 清 子
議会事務局次長 坂 本 明 人
議会事務局主任 古久保 修 平
議会事務局主査 藤 田 祐 輔
開 議
○議長(
北田健治君) 皆様、おはようございます。
定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、令和4年第7回
田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
――
―――――――――――――――――
◎報告
○議長(
北田健治君) 19番 塚 寿雄君から欠席の届出があります。
◎諸般の報告
○議長(
北田健治君) この場合、
事務局長をして諸般の報告をいたさせます。
議会事務局長、
松本清子君。
(
議会事務局長 松本清子君 登壇)
○
議会事務局長(
松本清子君) 報告申し上げます。
本日付、田総第224号の2をもって、市長から本定例会の追加議案として、7定議案第38号 令和4年度田辺市
一般会計補正予算(第11号)の送付がありました。
お手元に配付いたしております。
以上でございます。
(
議会事務局長 松本清子君 降壇)
○議長(
北田健治君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1
会議録署名議員の指名
○議長(
北田健治君) 日程第1
会議録署名議員の指名を行います。
11月29日の本会議において、本定例会の
会議録署名議員として、19番 塚 寿雄君を指名しましたが、本日と明日、欠席でありますので、予備議員の中から、本日と明日の
会議録署名議員として、1番 松上京子君を追加指名いたします。
◎日程第2
一般質問
○議長(
北田健治君) 続いて、日程第2
一般質問を行います。
なお、
一般質問の通告は11月30日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。
それでは、質問順に従って発言を許可いたします。
6番、谷 貞見君の登壇を許可いたします。
(6番 谷 貞見君 登壇)
○6番(谷 貞見君) 皆様、おはようございます。
6番、くまのクラブの谷です。
通告により質問させていただきます。
それでは、
民生委員・
児童委員の現状や今後について質問させていただきます。
高齢者を見守ったり、困り事を抱えた住民の相談を受けたりして、主に福祉の分野において支援を必要とする住民と
関係行政機関等とのつなぎ役として地域を支えていただいているのが
民生委員であり、
児童福祉法に基づき
児童委員を兼ねることから、育児に関する不安や悩みの相談を受け、支援を必要とする子供や
子育て家庭に対し、
関係行政機関との連携の下に支援活動を行っていただいており、このような地域での活動に敬意を表しますとともに、今後も市として可能な限りの支援をしていただきたいとの思いから質問をさせていただきます。
近年、
少子高齢化や核家族化の進展により、地域社会での個々の人のつながりが希薄となる中、
単身高齢者や
独り親世帯など、相談支援を必要とされる方や老老介護や育児と介護を同時に行う
ダブルケアなど、住民の抱える課題が複雑化、多様化し、
民生委員・
児童委員に寄せられる相談内容も困難度が高くなっているのではないでしょうか。
支援ニーズが多様になり、その役割の重要性が増す一方、活動の負担増大といった理由で新たな担い手の確保が難しくなっていると聞きます。
民生委員・
児童委員の改選は3年に1度、全国一斉改選で今年が改選年となり、今月から新たな任期がスタートとなります。
3年前の2019年12月時点の
厚生労働省の研究事業の調査によると、充足率は95.2%で、2016年の96.3%よりも低下しております。本市においても第4次田辺市
地域福祉計画では、令和3年12月現在、
民生委員・
児童委員定数268人に対し、地区を担当する
民生委員・
児童委員235人、
児童委員活動を専門に行う
主任児童委員24人の合計259人とあり、9人の欠員となっております。充足率が低下すると地域の見守り活動が行き届かなくなる上、
民生委員・
児童委員一人一人の業務の負担が大きくなるといった影響が想定されます。
そこで、今年12月1日に改選となりましたが、委員の充足状況についてお伺いします。
(6番 谷 貞見君 降壇)
○議長(
北田健治君) 6番、谷 貞見君の質問に対する当局の答弁を求めます。
保健福祉部長、虎伏 務君。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
民生委員・
児童委員とは、
民生委員法に基づき
厚生労働大臣から委嘱される
民生委員と、
児童福祉法に基づき
民生委員が兼務するとされている
児童委員の二つの職務を併せた呼称でありますが、本年12月1日をもって全国一斉に
民生委員・
児童委員の改選が実施され、新たな3年の任期が始まりました。
今回の一斉改選では、本市における定数268名に対し、12月1日付で再任の方が179名、新任の方が65名、合計244名の委員が
厚生労働大臣から委嘱されましたが24名の欠員となっており、充足率は91%であります。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
北田健治君) 谷 貞見君。
(6番 谷 貞見君 登壇)
○6番(谷 貞見君) 24名の欠員が生じているとのことでしたが、欠員地域を補うためには別の地域に住む
民生委員・
児童委員がカバーするといった負担が生じていると考えられます。
次に、年齢構成についてお答え願います。また、
年齢要件は、国から自治体への通知は75歳未満とされているようですが、本市では弾力的な運用を行っているのでしょうか。よろしくお願いします。
(6番 谷 貞見君 降壇)
○議長(
北田健治君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
議員御指摘のとおり、
厚生労働省が示す
民生委員・
児童委員選任要領において、
民生委員・
児童委員の
年齢要件として75歳未満の者を選任するよう努めることとなっていますが、地域の実情を踏まえた弾力的な運用が可能とされていることから、本市においては弾力的な運用を行っています。
現在の本市における状況は、39歳以下が1名、40歳代が7名、50歳代が33名、60歳代が117名、70歳から74歳が55名で、
年齢要件となる75歳以上の方は31名で、最年少の方は39歳、最高齢の方は83歳で、
平均年齢は66.2歳でございます。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
北田健治君) 谷 貞見君。
(6番 谷 貞見君 登壇)
○6番(谷 貞見君) 答弁ありがとうございます。
平均年齢が66.2歳とのことで、年齢層については、60歳以上が203名と約83%を占めている結果となり、うち75歳以上の方も31名おられるとのことで、
現役世代での両立は難しいものと推測されます。
民生委員・
児童委員の活動は多岐にわたっており、本来の任務だけではなく、他の団体での活動をされている方も多いのではないかと考えられます。コロナ禍により
委員活動にも影響があったと考えますが、委員一人当たりの
平均活動日数についてお答え願います。
(6番 谷 貞見君 降壇)
○議長(
北田健治君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
活動記録の集計による本
市民生委員・
児童委員一人当たりの
年間活動日数は、平成30年度が98日、令和元年度が95日、令和2年度が72日、令和3年度が80日となっており、令和2年以降はコロナ禍による活動への影響が表れたものと考えられます。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
北田健治君) 谷 貞見君。
(6番 谷 貞見君 登壇)
○6番(谷 貞見君) 答弁ありがとうございました。
平均活動日数から推測する限り、年齢構成でも見られるように、
現役世代にもお願いすることは難しいものかと感じました。
今後の改選ではさらに欠員が多くなることも予測されますが、本市において、
民生委員・
児童委員の候補者の選出についての方法はどのようにされているのかお答え願います。
(6番 谷 貞見君 降壇)
○議長(
北田健治君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
民生委員・
児童委員には、何よりも地域の実情に明るいことが求められます。このため、候補者の選任に当たっては、従来から
自治会等に候補者の推薦をお願いしているところでございますが、しかしながら、一斉改選においては、回を重ねるごとに候補者の推薦が円滑に進んでいない状況となっています。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
北田健治君) 谷 貞見君。
(6番 谷 貞見君 登壇)
○6番(谷 貞見君) 区域を管轄する
自治会等で選出されているとのことですが、候補者を推薦する上で
地域活動に携わる住民の中から適任者を見いだす場合が多いと思いますが、高齢化率が高い地区や高齢者の就労率が高くなり適任者を探しにくいこと、町内会への加入率が低く、地域の実情を知る人が少なくなってきているなどといったことが成り手不足の要因の一つと考えられます。
本日、お手元に配付させていただきました資料を御覧いただければと思います。
3年前の2019年12月改選に関する市区町村の回答、
厚生労働省の
研究事業調査の中で、
民生委員を推薦する上での課題と考えることの質問の中で、業務量が多く負担では、非常に大きな課題、どちらかといえば課題を併せて約7割が負担との結果が出ています。また、役割、業務内容が負担では、非常に大きな課題、どちらかといえば課題を併せて8割近くが負担との結果が出ております。これらの結果を踏まえ、委員の
負担軽減や活動のしやすさを整えることに取り組むことが重要だと思います。
民生委員の活動費について、委員は、
民生委員法第10条において給与を支給しないものと定められており、原則無報酬となっております。本市においては、令和3年度決算で、
民生児童委員会協議会へ2,455万3,648円の補助金が支払われておりますが、
委員活動に係る移動に要する
ガソリン代や電話代などの通信費、文具代などの
事務経費についてはどのように支給されているのか、答弁願います。
(6番 谷 貞見君 降壇)
○議長(
北田健治君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
令和3年度決算における
民生児童委員協議会補助金2,455万3,648円のうち、委員の活動に充てられる活動費は1,708万2,400円で、委員1名当たり1年間の活動費は6万5,200円であります。
活動費は、12地区の
単位民生児童委員協議会を通じ、所属する各委員に交付されていますが、この活動費は
民生委員・
児童委員としての日常の活動に係る実費弁償としての性格を持っておりますので、活動に要する
ガソリン代や電話代などに充てられています。
なお、その他の補助金は、
単位民生児童委員協議会に対する活動費や、
県民生委員児童委員協議会及び
全国民生委員児童委員連合会等への負担金のほか、事務局の
運営経費等でございます。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
北田健治君) 谷 貞見君。
(6番 谷 貞見君 登壇)
○6番(谷 貞見君)
ガソリン代や電話代などは私生活分も含めた中で算出することは難しいことかもしれませんが、委員の方の職務内容や無給のボランティアで活動するという制度を踏まえれば、活動に伴う必要経費は市がしっかりと支援すべきと考えますので、今後の支援につなげていただきたいと思います。
地域で重要な役割を担っていただいている委員数の不足や高齢化が進む中で、取り返しのつかない事態になる危険性があると思います。先ほども申し上げましたが、委員の
負担軽減や活動のしやすさを整えることに取り組むことが重要だと思います。
同志社大学の上
野谷加代子名誉教授は、
民生委員は、
定年退職者の仕事という考え方を変えるべきだとし、会議や研修を夜間、休日に開催するなど、会社勤めでも委員を引き受けやすくする必要がある、業務を取捨選択し、委員の負担を軽減するのも一案と提唱されております。
また、広島市では、広島
市民生委員・
児童委員に関する懇談会が広島市における
民生委員・
児童委員の担い手の確保、活動しやすい
環境づくり等に向けた提案をされております。内容については、時間の関係上割愛させていただきますが、インターネットで検索可能ですので、御覧いただければと思います。
本市においても、市に提出する書類で、
民生委員・
児童委員の証明が必要な申請書類があると思います。例えば、
保育所入園申請に添付する就労証明で、業種によっては
民生委員・
児童委員の証明が必要とされております。
しかし、全く面識のない方からの依頼の場合、実態調査にかなりの手間がかかる場合もあると思いますし、申請者にしても面識のない
民生委員・
児童委員との連絡調整にも手間がかかると思いますので、見直しできるものは見直していくべきだと思います。
最後の質問にしたいと思いますが、
負担軽減も含め、成り手不足の解消についての当局の現状における認識を答弁願います。
(6番 谷 貞見君 降壇)
○議長(
北田健治君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
民生委員制度は、1917年に岡山県で誕生した
済世顧問制度が原点となり、1936年に
方面委員制度が全国に整備され、1948年の
民生委員法の制定により、法律に基づき制度化され、100年以上の長きにわたり受け継がれてきた制度です。
今日、
新型コロナウイルスの感染拡大より、生活様式が大きく変わってきた中であって、人と人のつながりの希薄化に拍車がかからないよう、地域に根差した
民生委員・
児童委員活動は、
地域福祉を推進する上で欠かすことのできない大切な役割であると認識しております。
議員の御指摘にあります
担い手不足を直ちに解消することは難しいと考えますが、市といたしましては、
民生委員・
児童委員候補者の円滑な推薦につながるよう自治会や
単位民生児童委員協議会と連携を深めてまいりますとともに、
民生委員・
児童委員の
負担軽減につきましては、
田辺市民生児童委員協議会役員とも協議をしながら研究してまいりたいと考えます。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
北田健治君) 谷議員、所定の時間が迫っておりますので、発言は簡潔に願います。
谷 貞見君。
(6番 谷 貞見君 登壇)
○6番(谷 貞見君) 御答弁ありがとうございました。本市に限らず委員の成り手不足が全国的に懸念されていることを踏まえれば、社会の変化に応じた制度自体の見直しも検討する時期に来ていると感じますが、市としましても
活動負担を軽減することで成り手不足の解消に努めていただき、第4次田辺市
地域福祉計画のテーマにもある誰一人取り残されない
地域共生社会の実現を目指していただきたいと思います。
今回の質問のキーワードは成り手不足であり、
民生委員・
児童委員だけではなく、町内会の役員や学校、幼稚園や保育所、子供会などでの
保護者役員、消防団員、伝統文化の継承など、数多くの身近な組織でも成り手不足が加速し、深刻な問題となっております。
子供と
現役世代が減少し、高齢者が増え続けることにより、自治体の現場は多くの課題に直面しております。本市では、田辺らしい自治の在り方の研究事業に取り組まれております。成り手不足の問題においても検討材料に入れていただければとお願いし、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(6番 谷 貞見君 降壇)
○議長(
北田健治君) 以上で、6番、谷 貞見君の
一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(
北田健治君) この場合、午前10時30分まで休憩いたします。
(午前10時21分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(
北田健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前10時30分)
○議長(
北田健治君) 続いて、2番、
前田かよ君の登壇を許可いたします。
(2番
前田かよ君 登壇)
○2番(
前田かよ君) おはようございます。
2番、
日本共産党、
前田かよです。
通告に従いまして
一般質問を行います。
今回は、大項目を二つ、SDGsから考える生理の貧困とジェンダー平等について、二つ目は、子供の
新型コロナウイルス感染症対策についてです。
では、大項目1点目からです。
昨年の6月議会で女性の生理に関する理解と環境整備について一度質問させていただきました。その際、一定の御理解をいただき、できるところからということで言いますと、まず本市庁内の生理休暇の申請書式の改良と、本市の
災害備蓄品に
生理用品を加えていただきました。また、様々な事情で
生理用品の入手に困難を来している生理の貧困については、寄附を受けて備蓄していた
生理用品を学校に配布していただきました。
公共施設トイレに
生理用品を設置することについては検討されるということでした。今回は、SDGsの観点から、改めて学校や
公共施設トイレに
生理用品を設置することを提案するものです。
2015年国連総会で採択されたSDGs、2030年までに達成すべき17の維持可能な開発目標の中には、生理に関する諸課題について、目標1の貧困をなくそうや目標5のジェンダー平等を実現しようの項目があります。これに沿って質問をしてまいります。
目標1、貧困をなくそうには、四つ目の項目に、2030年までに、貧しい人たちや特に弱い立場にいる人たちをはじめとした全ての人が平等に生活に欠かせない
基礎的サービスを使えるようにするというのがあります。生活に欠かせない
基礎的サービスというところに着眼しますと、昨年6月議会で当局からは
生理用品は生活必需品であるとの御答弁をいただきました。
今、エネルギー・物価高騰の影響で多くの食料や物品が値上げされていますが、
生理用品でいいますと、今年3月以降、約15%も値上がっています。
貧困問題は多岐にわたりますが、本日の質問テーマである生理の貧困にあえて言及すれば、この問題が明るみになった昨年春と比べて、状況はさらに厳しくなっているのではないでしょうか。
そこで、小項目一つ目、SDGs目標1、貧困をなくそうに向けた生理の貧困への対策について、まずその必要性の御認識を伺います。
生理の貧困はコロナ禍で顕著化した社会的課題の一つです。生活に欠かせない
生理用品が入手困難な人に対し、目標1、貧困をなくそうに向けた取組として、コロナ禍の緊急一時的な困窮対策でなく継続的に対策することが必要と考えますが、御認識をお聞かせください。
(2番
前田かよ君 降壇)
○議長(
北田健治君) 2番、
前田かよ君の質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、山﨑和典君。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
生理の貧困問題については、近年のコロナ禍により、雇用面や生活面で女性への深刻な影響が懸念されている中、経済的な理由等で
生理用品を購入できない方がいるということが顕在化したものです。
国におきましては、男女共同参画についての政府全体の重点方針を定めた女性版骨太の方針2022の中で生理の貧困への支援が明記されており、女性の健康や尊厳に関わる重要な課題とされています。
市といたしましては、現在のところ、相談支援の中で
生理用品の購入に困っているといった内容のものはありませんでしたが、そういった相談があった場合には、自身の収入が少ないなどの経済的な理由に加え、自分のために使えるお金が少ない、配偶者等が生活費を渡さないなど複合的な理由が隠れていることがあることも想定しながら、置かれている背景や状況に丁寧に向き合い、寄り添った支援を行うことが重要だと考えております。
今後とも国の方針を踏まえ、生理の貧困問題は社会全体の課題であるという認識を広く理解してもらえるよう啓発を進めるとともに、引き続き寄り添った支援を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(
北田健治君) 教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えします。
今回調査をしましたところ、現在、学校において保護者や児童生徒から生活困窮のために
生理用品が準備できないなどの相談を受けているという報告はございません。しかし、委員御指摘のとおり、
生理用品が準備できない児童生徒がいる場合は、配慮をすることが必要であると考えております。
さらに、今後は物価高騰による家庭の生活状況の変化にも注視し、支援をしてまいりたいと考えております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(
北田健治君)
前田かよ君。
(2番
前田かよ君 登壇)
○2番(
前田かよ君) 当局におきましては、相談活動の中で今後も寄り添った支援を行いたいということでした。学校のほうもアンケートを取っていただいて、特に、前回の御答弁もそうでしたが、生理に関する困り事の相談というのは具体的にはないとのことですが、配慮をいただけるということです。どちらにしましても貧困をなくそうという、生理の貧困に関しては何かしらの対策は続けていかなければいけないという御認識であることは確認できました。
内閣府男女共同参画局の調査によりますと、
生理用品を無料配布するなどの取組を行った自治体は、第1回目、2021年5月19日の時点で255団体でした。第2回目は、2021年7月20日時点で581団体、第3回目、2022年7月1日時点では751団体と、第1回目調査時よりこの取組は3倍に広がっております。
この
生理用品の調達元は、昨年の第1回、2回の調査時点では、多い順に、災害備蓄、予算措置、企業や住民からの寄附でしたが、今年の第3回目の調査時点では、予算措置が最も多く、次いで防災備蓄、企業や住民からの寄附ということです。
このSDGs1の中に1のbという項目があります。これは、目標達成に向けて何が必要かということが書かれているのですけれども、SDGsの目標を達成するために必要なことというのが上げられております。その内容は、それぞれの国や世界で、貧しい人たちのことや男女の違いなどをよく考えて政策をつくり、貧しさをなくすための取組にもっと資金などを増やして取り組めるようにするというものです。
そこで、予算措置について伺います。この予算措置については、単に困窮対策のための予算という所管を保健福祉の分野に限定する意味合いではなく、この後お話しいたしますが、貧困、人権、ジェンダーといった広い意味で市としての御認識を伺うものです。
生理用品の配布を中学校のみならず小学校にも、さらには市民にまで対象を広げる必要があると思いますが、それには、前回対応いただいた
災害備蓄品の活用だけでは現状、数量が足りないと思います。
本市においても、
災害備蓄品のローリングストックも活用しつつ、より積極的な取組として予算措置をして公共施設や学校に
生理用品を配置することを求めます。御答弁をお願いいたします。
(2番
前田かよ君 降壇)
○議長(
北田健治君) 総務部長、西 貴弘君。
(総務部長 西 貴弘君 登壇)
○総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
生理用品を市の公共施設及び学校のトイレに配置することにつきましては、ローリングストックにおける入れ替えのタイミングが到来していない状況もありますが、衛生管理上の課題、市としての取組の方針が確定していないこともあり、引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。
また、ローリングストックとは別に、公共施設や学校のトイレに
生理用品を配置する予算措置については、同様に衛生管理上の課題、市の方針が確定した後、改めて検討していく必要があると考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(
北田健治君)
前田かよ君。
(2番
前田かよ君 登壇)
○2番(
前田かよ君) こういう生理の貧困のための
生理用品の設置に限らず、何か提案をさせていただくと必ず課題というのが出てきます。でもそれは当然で、それをもし必要とならば、それをするためにどのような課題解消ができるのかということも併せて考えていくことが必要かと思います。
生理用ナプキンは1枚が15円くらいです。神奈川県大和市が小・中学校のトイレ用に2万4,000個を用意しましたが、その予算額はたったの37万円です。金額で悩むことはないと思います。管理が難しいということですが、またそれはこの後、最新の事例なども御紹介させていただきますので、ぜひ御参考いただきたいと思います。
次に、小項目二つ目、SDGs目標5、ジェンダー平等を実現しようと
生理用品の設置について伺います。
そもそも生理の貧困は、生理のある人とない人、ジェンダー不平等から生まれています。
生理用品の購入が難しい経済状況の根底には、日本では男女の賃金格差が極めて大きいという問題があります。女性の賃金は、正社員で男性の7割台、非正規雇用を含む年間平均給与は約240万円の男女差があります。40年勤続するとして試算すると、生涯賃金は1億円近い差です。その上、女性が
生理用品に支出するお金は生涯で50万円以上と言われています。前回の質問でも月経前症候群のことを少しお話しましたが、そういう方々が医療機関にかかるともっとお金はかかります。
男女関わらず、生理は女性だけが責任を負うもの、恥ずかしいものという長らくの呪縛から解かれ、人間が命をつなぐ営みの中で起こる当たり前のことであり大切なこと、
生理用品の入手が困難な問題には、ジェンダー不平等が根底にあり、この格差を社会全体で解消していくべきだという考えが広がる必要があります。
SDGsが提唱されるようになって、セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツという言葉を耳にされている方もおられると思います。日本語では、性と生殖に関する健康と権利と訳され、基本的人権の一つです。1994年にカイロで開かれた国際人口開発会議、ICPDで初めて提唱され、現在はSDGsの目標3、全ての人に健康と福祉を、目標5、ジェンダー平等を実現しようでも、このリプロダクティブ・ヘルス・ライツに関する目標が含まれています。
目標5、このジェンダー平等を実現しようには二つの項目があります。一つ目は、あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。5の6、国際的な会議、これは先ほど言いました国際人口開発会議のことですが、ここで決まったことに従って、世界中誰もが同じように、性に関することや子供を産むことに関する健康と権利が守られるようにするという項目があります。これに照らし合わせて、公共施設や学校のトイレに
生理用品を設置することについて改めて伺ってまいります。
まず、学校における
生理用品の活用についてですが、2学期以降、市の防災備蓄品であった
生理用品が1,120枚配布され、生理の貧困に対応することが必要との御認識の下、中学校で活用されました。
生理用品の配置場所や配布の仕方など、取組状況をお聞かせください。
(2番
前田かよ君 降壇)
○議長(
北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の市の防災備蓄品の活用をはじめ、学校に配置した
生理用品の活用についてお答えいたします。
まず、配置場所につきましては、トイレに設置している学校が2校、それ以外の学校は保健室で準備しております。また、保健室だけでなく、職員室にも配置している学校もあります。
配布の仕方につきましては、トイレに設置している学校では、かごの中に入れ、子供たちが自由に使えるようにしているところもあります。また、保健室では、手渡す際に封筒に入れるなど、周りの目を気にせず渡せる工夫をしています。さらに、何回も保健室に取りに来なくてもよいように複数枚を渡すようにしている学校もあります。
ほかにも、子供たちが安心して相談できるよう、トイレのサニタリーボックス近くや更衣室に、困ったときは保健室へ来てくださいという貼り紙をしている学校や、初経指導のときに配布し、もしものときのために常にランドセルに入れておくよう伝えている学校もあります。
トイレに設置した学校では、児童生徒の利用が見られ、1日の
生理用品の使用頻度が増えたという児童生徒が数人いるとの報告がありました。また、保健室や職員室に置いている学校では、養護教諭だけでなく女性職員に相談してよいこと、友達に取りに来てもらってもよいことなどの声かけをしています。
いずれにしましても、生理のときには、児童生徒が安心できるよう、学校や児童生徒の実情や実態に応じた工夫や取組を行ってきております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(
北田健治君)
前田かよ君。
(2番
前田かよ君 登壇)
○2番(
前田かよ君) 御答弁ありがとうございます。養護教員の先生方を中心に様々に生徒さんが安心して学校生活を送られるようにという配慮の下、工夫をしていただいている状況をお聞かせいただきました。
伺った中では、保健室に取りに来た生徒さんに対して、
生理用品の返却を求めている学校もあるというふうに伺っております。前回の
一般質問の御答弁のときには、39校中6校が返却を求めているということで、現在は2校ということで、そこは大変評価される点かなというふうに思います。
しかし、まだ返却を求めている学校もあるということですが、借りたら返すマナーと、次は忘れることのないようにとのお考えがあるということですが、そういう指導は、何も
生理用品に限らなくても可能なことではないでしょうか。
生理用品の入手が困難な要因は、経済的に難しいということだけではなく、保護者のネグレクトや虐待、父子家庭で
生理用品が用意されず、必要だとも言い出せない環境など、見えにくい問題が背景にあります。しかし、子供にもかわいそうな子だと思われたくないという自尊心がありますから、家庭の状況を悟られまいと、忘れちゃいましたとごまかしたりすることもあるようです。そして、返却する際にみじめな思いをするようです。
また、助けを求めてもよいような状態であっても、多くの場合、自分の置かれている状況が社会的な問題であるということに気づいていないだけに、自分一人で問題を抱え込むことが子供にも大人にもあります。
ですからまずは支援する側が、これは社会全体で解決していくこと、
生理用品は誰にわびることなく使ってよいものだ、そういう姿勢を完全に提供することで示すことが必要ではないでしょうか。そして、児童生徒には生理の貧困は社会全体で解消すべき課題であるということが伝われば、困っていること、悩んでいることが打ち明けやすくなるのではないでしょうか。
これは、先ほど当局が相談をされている中で、特段生理に関する特定した困った内容というのは聞いておられないと。学校のほうでもそういう困り事は聞いておられないということですが、やはり言えないという、なかなか言い出せないものがあるという、そこを十分御理解いただきまして、まずは、これは社会全体で解決していくことなのだという姿勢を具体的な形で表すことによって、やっと相談に、お話をしてくれる、そういうことなのだと私は思っております。
そこでお伺いします。SDGsの考えに沿って、ジェンダー不平等から来る生理の貧困を解消するなら、返却を求めず提供し、生徒には生理の仕組みだけでなく、生理にまつわる様々な課題を授業や保健室便りなどで伝えることも重要ではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。
(2番
前田かよ君 降壇)
○議長(
北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えします。
現在、
生理用品を提供した場合に返却を求めている学校は39校中2校、5%でございます。昨年度、令和3年度の6月議会で議員から御質問があったときには39校中6校、15%であったのに対して、今年度、返却を求めない学校数が増えました。これは、市の校長会で生理の貧困や
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによる女性が様々な困難や課題を抱えていることを周知したこと、養護教諭の研修会で議題として話し合ったことなども返却を求めない学校が増えた要因であると考えております。
また、返却を求めている場合も、提供する際に、今後忘れることのないようにということや、マナーとして返却するよう心がけてほしいという思いからであり、声かけはするものの強制などはしておりません。先ほどの議員のお話にもありましたけれども、子供たちやその家庭の中にはいろいろな背景があるということも今後十分に考えていきたいというふうに思っております。
生理にまつわる様々な課題につきましては、学習指導要領や児童生徒の発達段階を踏まえながら、どのような内容をどこまでどう伝えるのか、小・中学校で伝えることの必要性を考えなければなりません。今後の社会の動向や全国の先進事例にも注視してまいりたいと考えております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(
北田健治君)
前田かよ君。
(2番
前田かよ君 登壇)
○2番(
前田かよ君) ありがとうございました。ぜひとも返却を求めず使えるという学校を目指していただきたいと思います。
生理についてなぜジェンダー平等が言われるのか、公衆トイレには排泄という当たり前の現象に必要なものとしてトイレットペーパーが備わっているのに、なぜ同じ排泄である生理には
生理用品が備わっていないのか、考えてみれば本当に深い問題です。それは、古くから男性中心社会の中で、生理は汚れで隠すものとタブー視され、女性の尊厳が重んじられることなく無理解が多かったからです。そして、そのことにより女性は社会進出の機会を失うこともありました。それは現在においても多少ならずともあります。公共施設や学校のトイレに
生理用品を設置することは、この深い問題を市民全体で考え、解消する入り口になるのではないでしょうか。
前回質問したときは、
災害備蓄品で緊急的な困窮者対策として保健福祉課の窓口などで配布した自治体が多かったのですが、ここ1年余りで予算措置をして取り組む自治体が増えたのは、この社会問題を市民と共有し、ジェンダー平等社会を推進すべく、トイレに
生理用品を設置するようになったからです。
この意識に立って取り組んでいる自治体は数多くあります。簡易な箱やかごに入れてトイレの共用スペースや個室に設置するというのはよくあるパターンですが、衛生面を考慮した、進んだ事例を御紹介したいと思います。
先月、文教厚生委員会で行政視察した枚方市では、市長公室の人権政策室の取組がありました。生理に伴う負担を軽減し、身体的な性差への理解を深めてもらおうと、市役所の女性トイレと多目的トイレに
生理用品を設置する実証実験が2度行われております。1度目は、生理の
負担軽減とジェンダー平等社会の実現を目指す企業との連携によるもので、トイレの個室でナプキンを常備し無償提供するサービスです。
参考資料1を御覧ください。
これは、デジタルサイネージ広告の機能を備えたディスペンサーにスマホからダウンロードしたアプリを起動させて近づけると、生理用ナプキンが1枚自動的に出てくるという仕組みで、ディスペンサーに触れることなく受け取ることができます。デジタルサイネージ広告とは、屋外や店頭などでディスプレイを使ってデジタルで広告配信する仕組みのことです。生理用ナプキンとディスペンサーの費用は広告収入で賄われるため、設置者の費用負担は設置工事代と電気代のみです。枚方市の所管の人権政策室は、今回の取組を通して、女性の生理や身体的な性差について多くの人に考えてもらうきっかけになってほしい。将来的にはトイレットペーパーと同じように、必要なときに
生理用品を受け取れる仕組みを目指したいとコメントされています。
2度目は、トイレの共用手洗い場に生理用ディスペンサーを設置し、必要な人が取り出せるという仕組みです。
ディスペンサーについては参考資料2を御覧ください。
この横向きに画像が二つ並んでいるところから御覧ください。
これは、大阪大学大学院人間科学研究科の杉田映理准教授が、SDGsへの貢献と女性が抱える生理の経済的負担や悩みを減らし、ジェンダー平等を推進するというコンセプトの下、企業と共同開発した段ボール製の組み立て式のものです。ただいま特許出願中だそうです。資料の写真右側は、これは枚方市のお手洗いで、私が撮ったものですけれども、トイレの個室内で貼られた
生理用品の案内です。QRコードをつけてアンケートも行われております。写真左側とこの参考資料の裏面がディスペンサーについての詳しい説明です。これは、タマパック株式会社という大学と連携して生産を担当した会社の広報紙です。
段ボール製の組み立て式とすることで災害時にも運搬、保管しやすく、破棄する際は資源ごみとなり環境にも配慮されています。また、電気も使わないので停電したときにも困ることはありません。
使用した枚方市の人権政策室に伺ってみましたところ、強度もありながら非常に軽いので、台の上に置く、壁に貼る、つり下げるなど多様な設置方法が可能だということでした。現在、これはもう一般販売されておりまして、大学のほうではプロジェクトの一環で購入希望調査が来年2月3日まで行われているそうです。参考までに、ディスペンサーの価格なのですけれども、3種類の
生理用品を備えつけられるような3点セットで外箱もつけて4,850円、1種類ずつのディスペンサー、単品にすると1,650円、3種類も要らない、2種類でよいのだという場合は、外箱もつけて単価が4,500円ということです。非常に経費的には負担のかからない設置方法だと思います。そして、ほこりをかぶったりするような、衛生面でも一定解決できるのではないでしょうか。ぜひとも御参考にしていただきたいと思います。
ちょっと話は戻りますが、デジタルサイネージを使った
生理用品ディスペンサーを扱う企業は、私の知る限りでは2社ありまして、一つは枚方市が取り入れたものでネクイノという大阪市の会社のトレルナというサービスです。現在は実証実験中で、来年度以降、本格始動を目指しているそうです。もう一つは、社名、サービス名ともにオイテルと言いまして、参考資料1のほうです。これは、全国で173か所、約2,300台設置されています。本市近辺では、泉大津市が市庁舎のほか図書館、美術館などにも置いています。
次に、学校での取組を紹介しますと、東京都では昨年9月から都立学校のトイレに
生理用品を設置しており、そのうち港区では今年6月、区立学校に通う小学校5年生から中学校3年生までの全ての女子児童生徒2,400人余りを対象にアンケートを実施したところ、学校生活で
生理用品がなくて困ったことがあると答えた生徒は17%で、予想以上に多かったそうです。また、持っていなかった理由では、忘れたが95%、家庭の事情で買えなかったが5%でした。
生理用品を置いてほしい場所については、トイレと答えたのが87%、保健室が1%、どちらでもよいが7%ということでした。以上、事例を御紹介しました。
前回の
一般質問では、トイレへの設置については検討されると、先ほどの御答弁でも方針がまだ確定しておられないということでしたが、あれからもう1年以上たっておりますし、本当でしたらもっと検討が進んでいてほしかったです。
改めてお伺いします。トイレにトイレットペーパーがあるように、
生理用品が備えつけられていることは、ジェンダー平等実現の道であり、男女共同参画社会の推進に向けても必要な考えではないでしょうか。実施についての御見解をそれぞれ当局と教育委員会のほうからお聞かせください。
(2番
前田かよ君 降壇)
○議長(
北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えします。
学校のトイレに日常的に
生理用品を備えつけることにつきましては、今後も様々な視点から研究していく必要があると考えております。
先ほども申し上げましたように、現在、2校がトイレに
生理用品を設置しております。トイレに設置することでよかった点もありますが、湿気が多いところに置くことや、多くの児童生徒が手に取ることでの衛生面の問題、管理の問題など、課題となる点もございます。
また、小学校の場合、児童が初経指導を受ける前に学校で初経が起こり、初めて
生理用品を使用する状況になる可能性もあるため、発達段階に応じた指導も必要となります。
学校では、生理による腹痛や貧血など、子供の体調不良を見逃さないためにも、また、生理の貧困も含め、保健室でのやり取りを通しながら児童生徒の把握を行ってきております。
養護教諭を中心に日頃からの児童生徒への声かけや信頼関係の構築に努め、児童生徒が示す小さな変化を見逃さないよう、アンテナを高く保つことで、生理を含め、心や体に不安を抱えた児童生徒の体調管理や心のケアに心がけてきております。そして、児童生徒がためらうことなく保健室へ尋ねられる場にするように努めています。さらには、養護教諭だけでなく、女性職員に相談してよいことも日頃から児童生徒に伝えております。
今後も、各学校の状況を共有しながら、学校として日常的に
生理用品をトイレに備えつけることが適切か、義務教育期の子供たちの発達段階に応じた教育的な配慮も含めて様々な視点から研究を進めてまいりたいと思いますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(
北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
市の公共施設及び学校のトイレにトイレットペーパーと同じように
生理用品を設置することにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、衛生管理上の課題等もあり、現在のところ市としての方針をまとめられておりません。
ただ、ローリングストックの活用、また、先ほど議員に御紹介いただきました先進自治体の取組なども含めまして、引き続き検討してまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、女性の生理につきましては、全ての人の知識や理解が進むこと、生理を取り巻く環境がよりよいものになることは、生理時の不安や困難の軽減につながり、女性の健康支援、女性活躍の推進といった観点からも男女共同参画社会の実現及びジェンダー平等に向け重要なことだと考えております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(
北田健治君)
前田かよ君。
(2番
前田かよ君 登壇)
○2番(
前田かよ君) まず、学校におけるトイレに
生理用品を設置することの課題は、湿気ということが一番あるそうで、これはトイレに置かれている学校の先生もそんなふうにおっしゃってました。一番気を使っていると。本当に、ではその湿気対策をどうするかというふうに考えていく中で御紹介させていただきました段ボール製ディスペンサーもありますし、そこまでしなくても、かごなりケースに入れるのであれば除湿剤を使うですとか、そういうふうにして、まずは生理の貧困をなくす、ジェンダー平等に関する問題だという生徒さんたちへの投げかけも含めて
生理用品を置くということがまずジェンダー平等実現への入り口になる、その辺りも養護教諭の先生方にたくさん御研究いただきたいと思います。
市の方針についてはまだまとめられていないということですが、先ほど御紹介しました事例に沿ってまた検討いただけるとのことです。
トイレに設置している自治体が考えておられるのは、ほとんどがこれを行うことによって市民の皆様と一緒に考えていく、そのツールにしたいというふうな視点で立っておられます。対策についても不可能なことでもない、課題については湿気対策などは解消できる問題でもありますし、予算については、全然悩むほどの予算でもないと思いますので、ぜひとも前向きな御検討をお願いしたいと思います。
いきなり始めるというのは非常によく分からないことなので、なかなかとっつきにくいと思うのですけれども、枚方市さんのように実証実験を行うということは非常に重要なことかと思います。ぜひとも実証実験をまず行っていただけたら大変うれしいと思います。
まとめになりましたが、今回取り上げたSDGsの目標、貧困をなくそう、ジェンダー平等を実現しようの達成に向けた取組は、さらに目標3の全ての人に健康と福祉を、目標6、安全な水とトイレを世界中にといった目標に貢献することにもつながります。さらに、
生理用品が生活必需品であることを生理のある人ない人、ともに理解することで生きやすい世の中になり、SDGsのスローガンである、誰も置き去りにしない、また本市の基本理念、「一人ひとりが大切にされ幸せを実感できるまちづくり」にもつながると思います。ぜひとも前向きな取組を期待いたしまして本項目の質問を終わります。
次に、大項目二つ目、子供の
新型コロナウイルス感染症対策についてです。
新型コロナウルイス感染拡大の出口が見通せない中、和歌山県内においても新規感染者数は増加傾向で、第8波とインフルエンザの同時流行も懸念されます。ウイルスの毒性が弱くなっているとはいえ亡くなっている方もいますし、年末年始にかけ社会や経済活動への影響も深刻です。
今年10月以降の県内における感染者状況を見ますと、子供の感染拡大がその後の大人に広がっているように見受けます。田辺市内の正確な実態というのは、県が公表するデータではなかなか分かりませんが、客観的に読み取れるデータもありますので、それに沿って必要な対策について質問してまいります。
子供の感染状況と発熱外来の状況について伺ってまいります。
まず、10月以降の子供の感染者状況について御報告を願います。
(2番
前田かよ君 降壇)
○議長(
北田健治君)
保健福祉部長、虎伏 務君。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
県内における子供の新規感染者数につきましては、県が発表しています新規感染者年代別のゼロ歳から19歳までの感染者数を月曜日から日曜日の1週間で集計しますと、10月3日の週で606人、10日の週で734人、17日の週で821人、24日の週で901人、31日の週で1,123人、11月7日の週で1,054人、13日の週で1,100人、21日の週で1,407人となります。週を追うごとに増加していることから、増加傾向にあると思われます。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
北田健治君)
前田かよ君。
(2番
前田かよ君 登壇)
○2番(
前田かよ君) 子供の感染者状況についてお伺いしました。
では、私のほうから年代別について御報告します。10月1日発表の感染者報告数は、5歳から9歳で38人、10歳から19歳で31人。8日は29人、それぞれ5歳から9歳が29人、10歳から19歳が47人。15日は30人、68人。22日は23人、76人。29日は35人、83人。11月8日は32人、77人。11月15日は19人、71人。22日は62人、105人。29日は36人、85人。12月7日は97人、197人です。5歳から19歳の感染拡大というのは、全体の感染者数の割合の中で一番多い割合になります。そして、12月に入ってから本当に急速に増えております。
そして、もう一つ、これは田辺市内の感染者状況、あくまで参考ですが、保育所、幼稚園、小・中学校の陽性者数を見れば子供の感染が拡大していることも伺えます。子育て推進課と学校教育課により御提供いただいた感染者状況は、保護者から報告があった件でいいますと、10月第1週は、保育園、幼稚園、小学校、中学校で合計45人。第2週は43人。第3週は16人。第4週は26人。第5週は63人。11月第1週は81人。第2週は57人。第3週は83人。第4週は35人。この第4週は28日。29日の2日間しかないのでここ人数が減っております。それを保護者に当たります40代、50代の感染拡大も見ていきますと、ちょうど10代の感染状況と同じように増減しております。ここに私はちょっと問題点を感じたので今回質問として取り上げることになりました。
10月終わり頃からやはり子供の感染が多くなってきておりまして、12歳以下の子供が発熱したら小児科にかかるのが基本となっていますが、県が公表している診療・検査医療機関によれば、田辺市内の小児科でかかりつけ患者以外も対応をしているのは、個人クリニック2か所と紀南病院、かかりつけ患者のみの対応が1か所です。現在、市内の小児科は非常に逼迫しておりまして、最も混んでいるところで3日先まで予約が埋まっています。
新型コロナウイルスの感染疑いがあっても、今どこの診療所も当日の診療が受けられないという状況です。これから季節性インフルエンザと同時流行の可能性もあるため、小児科はさらに逼迫することが危惧されます。
発熱したその日のうちに検査を受けられれば、その後の同居家族の行動も変わります。1人が陽性だと分かれば、同居家族も自宅待機となりますが、この結果を得るのが遅くなれば、ほかの家族は無症状であれば学校や仕事にそれぞれ出かけます。
新型コロナウイルスは発症2日前から他者へうつす可能性が高いと言われておりますが、ここに感染拡大の危険性があるのではないでしょうか。
また、学校や園では症状があれば登園登校を控え、陽性の検査結果が出れば速やかに園や学校に連絡するようになっています。しかし、クラスに陽性者が出れば、ほかに陽性者や有症で欠席の子がないかなど状況に応じてクラス閉鎖の措置が取られますが、その判断が、検査結果が受けられないという事情によって遅れることがあれば、クラスでの感染拡大にもつながりかねません。
現在、県内在住または滞在する年齢が15歳から65歳未満の方が濃厚接触者、もしくは軽症者であった場合、陽性者登録センターに申請すれば抗原検査キットを送付してもらえますが14歳以下の子供は対象外です。
こうした状況から、小項目2の子供の有症状者の検査体制について伺います。家庭内の感染がさらに地域全般への感染拡大につながることが懸念されますが、これに対して市として感染防止対策の強化が必要でないでしょうか、お聞かせください。
(2番
前田かよ君 降壇)
○議長(
北田健治君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
県内の検査体制につきましては、地域において発熱等の症状のある人が適切に診療・検査を受けられるように県が体制を整備しております。15歳未満の子供の有症状者は、抗原定性検査キットの配布対象にはなっておらず、重症化リスクの高い65歳以上の方や基礎疾患のある方、妊婦などと同じように医療機関を受診することとなっています。
ただし、市内で子供の検査ができる医療機関は、先ほども議員から御紹介がありましたように限られているため、子供の
新型コロナウイルス感染者を増加させない対策が必要であると考えます。
そのため、市としましては、子供たちの集まる学校、保育所、幼稚園においては、ウイルス自体を持ち込まないようにするために、手洗いなどの基本的な感染予防対策の徹底、日々の体調管理や熱や風邪症状がある場合などは登校、登園をせず速やかに医療機関を受診するよう保護者に呼びかけるとともに、校内、園内で感染が広がらないようにするために、室内の換気の徹底、施設や物品の消毒の徹底など、
新型コロナウイルスの感染予防対策を行っております。このような毎日の基本的な感染予防対策が最も重要であると考えておりますので、引き続き徹底して取り組んでまいります。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
北田健治君)
前田かよ君。
(2番
前田かよ君 登壇)
○2番(
前田かよ君) 施設内に菌、ウイルスを持ち込ませない、感染が広がらないように手洗い、うがい、換気など、基本的な予防対策であることは確かですが、私が申し上げたいのは検査体制についてです。県の検査体制の現状を補完するという意味で、
新型コロナウイルス感染対策の臨時交付金を使って、市単独で抗原検査キットを子供に配ることもできるはずです。
大阪府では、小児科の逼迫が懸念されることから、子供の発熱の症状が現れた際に、家庭で
新型コロナウイルス感染症のセルフ検査が行えるよう、抗原検査キットを1人につき2キット無料配布しています。やり方は、個人で申し込んだ場合は個人宅に郵送され、園や学校など施設で申し込んだ場合は、施設から保護者に渡す形で、いずれも申込みはウェブでの対応です。
小児科の逼迫状況を先ほど報告しましたが、中学生以下の子供に抗原検査キットを無料配布することはできないでしょうか、御答弁願います。
(2番
前田かよ君 降壇)
○議長(
北田健治君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
さきの御質問でもお答えしましたが、地域において発熱等の症状のある人が適切に診療・検査を受けられるように県が検査体制を整備しております。15歳未満の子供の有症状者は、抗原定性検査キットの配布対象にはなっておらず、重症化リスクの高い65歳以上の方や基礎疾患のある方、妊婦などと同じように、医療機関を受診することとなっています。
そのようなことから、市では、中学生以下の子供に抗原定性検査キットを配布した場合、県の検査体制との整合性が取れないため、市での実施は困難と考えておりますが、市民が安心して
新型コロナウイルス検査が実施できるよう、有症状者への抗原定性検査キット配布の対象年齢拡大を県に要望してまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
北田健治君)
前田かよ君。
(2番
前田かよ君 登壇)
○2番(
前田かよ君) 検査体制の県との整合性が合わないということですが、県がしないなら市単独でもするという姿勢は大事かなというふうに思います。それも難しいというのであれば、先ほど御答弁にありましたように、ぜひとも県に対しては抗原検査キット無料配布の対象年齢を引き下げ、これは他府県でも行われておりますので、ぜひ意見を上げていっていただきたいと思います。
しかし、
新型コロナウイルスの感染症対策の臨時交付金の活用は、これまで本市では地域経済の落ち込みに対し支援するというのが多かったというふうに感じております。それももちろん大事なのですが、この感染、事態の根本である感染拡大の予防と抑え込むということについて、市としてできることは迅速に対応されることを求めまして、私の本日の質問を終わります。ありがとうございました。
(2番
前田かよ君 降壇)
○議長(
北田健治君) 以上で、2番、
前田かよ君の
一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(
北田健治君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時24分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 尾花 功君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 尾花 功君) 続いて、7番、柳瀬理孝君の登壇を許可いたします。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 皆様、こんにちは。
それでは、通告に従いまして、ただいまより
一般質問を行います。
本日は大項目にして2点、1点目では、
新型コロナウイルス発生以降の本市の取組についての振り返りを、また、2点目では水道事業の経営について取り上げさせていただきます。
それではまず大項目の1、
新型コロナウイルス対策関連事業及び物価高騰対策関連事業の効果についてです。
中国武漢で
新型コロナウイルスが発生してからはや3年がたとうとしております。このパンデミックが世界に与えた影響は歴史上類を見ないものでした。その影響は日本も例外ではなく、飲食店をはじめとした事業体への影響は大きく、営業すらままならない状態が長く続きました。また、市民生活においても生活様式の変化を余儀なくされ、その影響は今なお色濃く残っております。
とはいえ、先日12月2日の記者会見で
厚生労働大臣が
新型コロナウイルス感染症の分類を結核などと同じ2類相当から季節性インフルエンザなどと同じ5類相当へ変更することを本格的に議論すると発言するなど、
新型コロナウイルスに怯える段階は脱しつつあります。
ここに至るまで、国や県はもちろん、本市においても様々な
新型コロナウイルス関連事業が行われました。緊急事態ということもあり、国から複数回にわたり自由度の高い財源である臨時交付金も配分され、自治体ごとに特色のある取組がなされてきました。
また、
新型コロナウイルスの流行と並行してロシアのウクライナ侵攻を起因とする物価高騰や急激な円安といった非日常的な事態が重なり、事業者や市民生活へのさらなる支援策が求められ、これに対しても臨時交付金の配分があり、本市においても複数の事業が実施されました。
情勢が一定落ち着きつつある現時点で、一つの区切りとして、それらの事業の振り返りを行い、その効果についてお聞きしたいと思います。
まずは事業者向けの施策についてお聞きします。先ほども申しましたが、コロナ禍においては飲食業や宿泊業は大打撃を受けました。また、それに伴いその仕入れ先の業者も打撃を受けるなど、人の動きの停滞はあらゆる事業体に影響を及ぼしました。そのような中、本市において、取り組まれた事業者向けの施策について、その内容と効果についてお教えください。全事業を扱うと時間内には終わりませんので、とりわけ効果の大きかったもの、また効果の小さかったものや予算の執行額の少なかったものがもしあればお教えください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 7番、柳瀬理孝君の質問に対する当局の答弁を求めます。
商工観光部長、丸山勝司君。
(
商工観光部長 丸山勝司君 登壇)
○
商工観光部長(丸山勝司君) 議員の御質問にお答えします。
まず、事業者向け施策につきましては、
新型コロナウイルス感染症が拡大し、令和2年4月16日に全国に緊急事態宣言が発令され、市内においても経済活動の自粛等の影響により、幅広い業種において事業活動に支障が生じていた中、令和2年5月から田辺市小規模事業者事業継続支援給付金を早急に実施し、2,132事業者に対し、2億1,320万円を交付することで、売上げが減少し苦慮されている市内事業者の事業継続を下支えしてまいりました。
その後におきましても、長期化する
新型コロナウイルス感染症の影響による売上げ減少に対する支援給付金事業を4事業、延べ5,886事業者、計5億9,948万1,000円を交付するとともに、現在、ロシアのウクライナ侵攻や急激な円安等の影響による原油価格・物価高騰に対応するための支援事業を実施しているところであります。こうした支援給付金事業を切れ目なく実施することで、市内事業者から感謝のお言葉をいただいており、事業継続に係るモチベーションを保っていただくことに対し、大きな効果があったものと認識しております。
また、国の
新型コロナウイルス感染症に対する経済対策のうち、雇用対策や資金繰り対策などが実施される中、市におきましても、国の制度を補完するため、国の雇用調整助成金を活用した事業者を対象に、労働者に支払った休業手当の自己負担分の一部を市が支援する田辺市雇用維持支援補助金や、日本政策金融公庫による
新型コロナウイルス感染症特別貸付の融資制度を活用した事業者に対し、支払い利息の一部を市が利子補給する制度などを創設いたしました。
これら市の制度につきましては、後に国において、
新型コロナウイルス感染症の影響が著しい場合は補助率10分の10、また、実質ゼロ金利等の制度の拡充がなされ、事業者の自己負担が軽減されたことから、市における支援件数、支援額ともに当初予想を大きく下回る状況となっておりますが、国の制度変更に伴い支援内容を見直すなど、市内事業者の事業継続のためできる限りの支援に取り組んでまいりました。
そのほかにも、感染拡大防止に対する奨励金や、商工会議所、商工会等の経済団体が行う感染拡大防止及び経済活動の両立を図るための取組に対する補助金、並びにプレミアム付商品券事業などの施策を講じてまいりましたが、いずれの事業にいたしましても、事業者の収益が悪化する中、事業継続を下支えすることを目的に、その効果を少しでも上げられるよう議会の御協力と御理解を賜り、時期を逸することなく取り組んでまいったところであります。
以上です。
(
商工観光部長 丸山勝司君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 確かに本市の事業者支援策は、おっしゃるように多岐にわたりましたし、限られた予算の中でできるだけ効果を高めようという姿勢であったと思います。加えて、雇用調整の補助事業や利子補給については、一部国の事業に先んじた部分についてありましたけれども、執行額が想定を下回ったとのことですが、これは市の動きが早かったということですので、むしろよかった部分かなというふうに思います。
では、次に小項目の2番、全市民向けの事業についてです。
冒頭も述べましたように、市民生活へも大きな影響を与えた
新型コロナウイルスの渦中において、全市民向けの事業として行われたものについて、さきの質問同様、その内容と効果についてお答えください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 総務部長、西 貴弘君。
(総務部長 西 貴弘君 登壇)
○総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします
新型コロナウイルス対策関連事業として、全市民を対象に行った施策といたしましては、令和2年度に実施しました国の特別定額給付金事業、令和2年度及び本年度において実施しております市民生活応援商品券事業がございます。
特別定額給付金事業の実績につきましては、対象3万5,216世帯に対し7万2,328人分、給付総額は72億3,280万円を給付し、市民生活応援商品券事業につきましては、令和2年度の実績として、7万1,796人に対し、総額3億5,898万円分を配布、本年度につきましては、現在、対象者7万198人に対し配布を実施しているところでございます。
その中で、特別定額給付金事業につきましては、国において、特別定額給付金の効果のみを抽出することは技術的な困難を伴うとしながらも、統計調査において、一定の効果があった可能性も示唆されるとされております。市としましても、相当程度、貯蓄に回ることがありましても、1人当たりの給付額が大きいことから、市民生活や市内経済に一定の好影響を与えたものと考えております。
一方、市民生活応援商品券事業につきましては、それよりも1人当たりの配布額が小さくありますが、確実に市内において消費されることから、市内経済に与える効果についても一定得られたものと考えております。
(総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) ありがとうございます。
次に、小項目の3番、直接的な生活支援策についてです。
直接的な生活支援と言っても伝わりづらいかもしれませんが、簡単に言うと、先ほどからの答弁にもあったように現金や商品券等の直接的な支給を行った事業のことです。まず、本市において、全市民向けに商品券を配布した時期、金額についてお教えください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 総務部長。
(総務部長 西 貴弘君 登壇)
○総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
市民生活応援商品券事業においては、令和2年度事業については、令和2年10月1日時点において本市に住民票を置いている方を対象に同年11月から、本年度事業につきましては、令和4年8月1日時点において本市に住民票を置いている方を対象に、10月初旬から、それぞれ1人当たり5,000円分の商品券を配布しております。
(総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 次に、この商品券配布事業について、見直すべき部分といいますか、もし今後、同じような事業を行うことがあれば、考慮していただきたい留意点についてです。
まず前提として、
新型コロナウイルス関連事業は、その時期に応じた柔軟かつ、迅速な対応が求められていたため、市においてもその場その場でベターな判断をしてこられたと思います。しかしながら、一段落した時点で振り返ると見えてくるものもあります。この商品券配布事業のような現金に類するものを支給する事業は、こういった言い方をすると語弊があるかもしれませんが、全国の自治体が競うように配布額を公表したり、それを選挙公約にして首長選挙に出馬する人がいたりと話題に事欠かなかったことを覚えております。
そうした中、本市においても商品券配布事業は
新型コロナウイルス及び物価高騰に係る生活支援で、先ほどおっしゃっていたように5,000円掛ける2回、計1万円が支給されました。
他方、本市周辺自治体の配布額を見てみると、令和2年度から令和4年度までの3年弱で、上富田町で5回に分けて計2万6,000円分、白浜町で4回に分けて計2万5,000円分、すさみ町で6回に分けて5万円分、加えてマイナンバーカードを作成した町民にはプラス1万円分の計6万円分の支給を行っています。
この事業を行うに当たり、市長をはじめ市当局の皆様にも、田辺市は商品券の配布額が少ないといった声は少なからず届いているのではないでしょうか。この事業のよしあしに関わらず周辺市町村でこれだけ配布額が異なると、市民感情としては不公平感を感じるのは理解できます。
そこで、今後こうした事業を行うことがあれば周辺市町村で話し合い、配布額や配布時期について完全一致は難しいにせよ、一定の調整をしたほうがよいのではないかと考えますが当局の見解をお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 総務部長。
(総務部長 西 貴弘君 登壇)
○総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付限度額は自治体ごとに異なります。特に、大きい自治体よりも小さい自治体のほうが1人当たりの交付額が大きいというような傾向にございます。
自治体ごとに地域の実情に応じた必要な支援策についても異なるため、各自治体において、庁内での十分な議論を重ねながら実施すべき支援策について総合的な検討を行い、機を逸することのないよう、迅速な事業実施に努めているところでございます。
本市においては、周辺自治体と比べ事業者数が多いことから、地域経済を下支えする消費喚起策として市民を対象としたプレミアム付商品券販売事業及び事業継続や雇用維持のための支援金事業等、市民に寄り添ったできる限りの総合的な支援に取り組んでいるところでございます。
全市民を対象とする商品券配布事業につきましては、その制度設計の検討に当たりましては、周辺自治体を含め県内市町へのヒアリングを行い、その取組状況を確認するなど、情報収集に努めているところであり、人口や商圏の規模等、それぞれの地域の実情によりますが、今後、より一層市民の皆様に御理解いただける制度の構築に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 周辺自治体も関係することですので、今やるとも、やらないともなかなか言いにくいとは思いますけれども、検討のほどよろしくお願いいたします。
それと、予算額の違いについては当然分かっていますので、その中で配布額をすり合わせるために周辺自治体と調整を図っていただきたいと思います。
誤解なきように申し上げますが、私は田辺市ももっと商品券を配布すればよかったと思っているわけではありません。どちらかというと、田辺市の取組は事業者支援に力を傾けた政策的な事業が多かったと感じております。行政の機能としてはそちらのほうが正しいと考えております。
しかしながら、政策というのは、先ほど答弁の中にもありましたように、市民の理解を得ながら進めなければなりません。余計な負の感情を生まないためにも、もし次にこのような事業を行う際は、周辺自治体との調整を行い、バランスを取りながら事業を実施していただきたいと思います。
それでは、次に小項目3の2、特別定額給付金及び臨時特別給付金についてです。
こちらは国の事業になるので簡潔にお聞きします。先ほどの商品券配布事業は市の事業でしたけれども、国においても現金の支給が複数回行われています。皆様の記憶に最も残っているのは、全国民に10万円ずつ配った特別定額給付金だと思いますが、それに類する事業も複数回行われました。生活支援として現金の支給があった事業について、その対象、金額、時期等を簡単に説明ください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 総務部長。
(総務部長 西 貴弘君 登壇)
○総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
まず、特別定額給付金につきましては、令和2年4月27日時点において本市に住民票を置いている方1人当たり10万円を世帯主に支給をするもので、同年5月12日からオンラインで、5月20日からは郵送での受付を開始し、8月30日に事業を終了しています。
生活困窮者向けの支援制度として、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金につきましては、令和3年度または令和4年度分の市町村民税均等割が非課税である世帯と、
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、世帯全員が住民税非課税である世帯と同様の事情にあると認められる家計急変世帯に、1世帯当たり10万円支給するもので、令和4年2月から10月にかけて給付を行っています。
電気・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金につきましては、令和4年度分の市町村民税均等割が非課税である世帯と、予期せず家計が急変し、世帯全員が住民税非課税である世帯と同様の事情にあると認められる家計急変世帯に、1世帯当たり5万円を支給するもので、令和4年11月から給付を行っております。
(総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 今、御紹介いただいたほかにも子育て世帯向けの支援金や
独り親世帯への支援金等があったと記憶しておりますけれども、何を言いたいのかと申しますと、こうして現金や商品券の配布が行われるごとに、市民の皆様の間にはコロナ後の増税の話題が上るようになってきました。そして、改めて考えると、増税後の仕組みは消費税への反映にせよ、復興特別税と同様の所得税、住民税への反映にせよ、負担者は全国民あるいは非課税者以外の全国民になります。この特別給付金等が不満を生みやすいのは、税の所得の再分配機能を考慮してもなお、支給対象者と税負担者の不均衡が生じるからです。本市における商品券事業についても同じような構造がいえます。増税後の税金は同じ額を払わなければならないにもかかわらず、住んでいる自治体が違うだけでもらえる金額が違うという不満を生みやすいのです。そうした点からも国の事業の補完をすることは難しくとも、周辺自治体との調整は行っていただければと思います。
では次に、小項目の4、他市町村の事例についてであります。
これまで述べたような理由から、政策は国の動きや周辺自治体の動きに左右される部分があります。そうした中で今になって振り返ると、本市の事業者支援策に注力した姿勢は尊重しつつも、周辺自治体の動きにより、本市においても全市民向けの施策でもう少しできることがあったのではないかという思いもあります。
そのような中、お隣の白浜町では、物価高騰対策の臨時交付金を活用して水道料金の基本料金を4か月分免除する施策を行っています。この事業は全町民向けの施策としては、比較的簡単に行える上に生活に直結する事業ですので、参考になる施策かなというふうに思っております。
また、画一的に商品券を配布するだけではないという点で新鮮味もあり、少ない投資で大きな効果を得やすい事業ではないかとも思います。
本市においてもこうした事業を行うことは可能なのでしょうか。また、少し発展的に考えたときに、情勢が落ち着いた折りの増税を見越して、臨時交付金等を基金に積み、増税分の市県民税に反映させるといったことは可能なのでしょうか。将来の可能性の話ですので、答えられる範囲で結構ですので、よろしくお願いいたします。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 企画部長、山﨑和典君。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします
本市における
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した施策につきましては、国や県における支援施策に注視し、本市の現状把握や情報収集に努め、庁内での十分な議論を重ねながら、市が独自に実施すべき支援策の精査を行いながら取りまとめてまいりました。
支援策を検討する際には、他市町村で実施している施策に関する情報収集等も行っており、水道料金の軽減につきましても、本市において実施すべきかどうかの検討を行いましたが、給水区域外では地域住民が水道組合を組織して飲料水供給施設等の管理運営を行っているところもあるため一律の
負担軽減ができないことや、田辺市民でなくても水道料金が軽減されてしまうこと、一般家庭と事業所を区別することが困難なことなど、全市民向けの施策として実施するには幾つかの課題があり、総合的に判断して実施を見送ったという経緯があります。
また、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、
新型コロナウイルス感染症への対応として必要な支援策を機を逸することのないよう速やかに実施するために活用する財源であることから、単に交付金を留保し、後年度に事業実施するために基金に積み立てを行うということは認められておりません。
今後、もし増税が行われた場合であっても、その時の社会情勢等を勘案し、また、国や県の施策の状況を把握した上で、これまでと同様、生活者への支援、雇用維持や事業継続等に関する事業者支援など、市独自の必要な施策について検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 水道のほうは1回検討されたということですけれども、今商工のほうで電気、ガスの支援事業があることを考えると、課題はあるけどできなくはないといったところでしょうか。臨時交付金の基金や積立てのほうは直接的にはできないということだと思います。いずれにせよ広い視野でもって全体向けの政策、また対象を絞った政策を組み立てていただきたいと思います。
では、次に小項目の5、効果の検証についてです。
今回はとりわけ、市民生活への影響が大きかった直接的な事業に焦点を当ててお聞きしましたが、コロナ以後、物価高騰対策も含めて国からは30億円を超える臨時交付金が来ており、本市で行った施策も多岐にわたります。そのほとんどが今まで経験したことのない事態への対応として臨機応変に使われてきたと思いますが、ここから学び、教訓として残しておくために、一定落ち着いたタイミングで各事業の詳細な効果の検証を行っていただきたく思いますが、当局の見解をお聞きいたします。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して実施した事業につきましては、事業終了後に各地方公共団体において、実施した事業の実施状況及び効果を公表するよう国からも求められております。
市といたしましても、それぞれの事業の効果につきましては、各担当部局において検証を行う必要があると考えておりますが、現状は
新型コロナウイルス対策関連事業及び物価高騰対策関連事業等を実施しているところであり、全ての事業についての効果検証が行えているわけではありません。
しかしながら、事業者への支援金事業に関しましては、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まった令和2年5月から切れ目なくスピード感を持って支援金を交付してきたことにより、市内事業者の事業継続に一定寄与しており、令和2年度に実施しました配布・販売・観光キャンペーンの全ての商品券事業におきましては、12億5,540万円の商品券が市内の店舗で利用され、利用者アンケートから推測される新規の消費喚起額を含めると約17億4,240万円の経済波及効果を市中にもたらしていると考えられることから、事業の効果は十分にあったものと認識しております。
今後におきましては、終了した事業から順次、効果の検証を実施してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) ぜひとも今後の教訓として残すために丁寧な検証作業を行っていただきたいと思います。
それでは次に移ります。大項目の2、水道事業経営についてお聞きいたします。
まず皆様も御承知のとおり、水道事業は基本的に市の一般会計とは切り離されており、公営企業会計で運用されています。簡単に言うと水道料金で得た収入で水道事業を運営する一つの企業と同じです。
そこで、水道事業を一つの企業として考えてみると、率直に言ってその将来に不安を覚えます。といいますのも水道事業は人口の減少をまともに反映します。人口が減れば水道の使用量は必然的に減りますし、当然水道料金の収入も下がります。一方、費用面で見れば、人口が減少しても給水エリアはそれほど変わりませんし、給水設備などの老朽化による更新や耐震化工事等も増えてくることにより、費用も増加していくことが見込まれます。そこでまず水道事業経営について、現状と将来の見通しについて当局の見解をお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 水道部長、廣畑賢一君。
(水道部長 廣畑賢一君 登壇)
○水道部長(廣畑賢一君) 議員の御質問にお答えします。
本市水道事業におきましては、昭和14年4月に給水を開始し、水需要の増加に対応するための4度にわたる拡張事業の実施、平成30年4月の簡易水道事業との統合などを経て、現在に至っております。
令和3年度決算における水道事業の収支状況につきましては、収益的収支の収入において、水道料金収入である給水収益等約19億8,500万円を計上し、支出においては、営業費用等約16億4,700万円を計上しており、差引き約3億3,800万円の当年度純利益を計上しております。資本的収支においては、企業債を活用するなど一定の収入を確保しながら、建設改良事業等の実施による支出を執行しております。
全国的に人口減少による水需要の減少に伴う経営環境の悪化が課題となっていますが、本市の現在の水道事業の経営状況につきましても、人口減少等による給水収益の減少傾向が続いており、各施設の更新等による支出は増加傾向にあるものの、以前から継続的に当年度純利益を確保できていることから、一定の安定的な経営はできているものと認識しております。
今後の見通しについてでございますが、収入面においては、先ほども申し上げましたとおり、給水人口の減少等による水需要低下の影響から減少傾向にあり、支出面においては、小泉浄水場浸水対策事業及び新東部配水池整備事業などの大規模事業に加え、管路の耐震化や老朽施設の更新も予定しており、増加することが見込まれます。
いずれにいたしましても、すぐに経営が悪化する状況にはないと認識しているものの、年々厳しい経営環境となってくることから、将来的には、水道を御利用いただいている皆様にも御負担をお願いする時期が到来すると考えていますが、各種経費の節減や企業債の活用等による各年度の負担の平準化など、より一層の経営努力を講じながら計画的かつ効率的な水道事業の運営に努めてまいりたいと考えております。
(水道部長 廣畑賢一君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 確かに水道のこれまでの経営というのは、その時世と、また水道部の努力もあって比較的安定していたと思います。ですが、将来を考えたときには負担の平準化に努めることはできるでしょうが、事業の安定的な継続という面ではやはり不安が残ります。
参考までに水道の収益的収入のうち水道料金の収入にあたる給水収益の推移を見てみると、遡ることができた平成10年で約16億円、そこから3度の小規模簡水の統合を経て平成29年には12.9億円まで落ちており、平成30年に簡水の大規模統合を経て、令和3年度が約13.9億円となっております。基本的には平成10年から令和3年までの23年の間で簡易水道の統合を行った年以外は、ほとんど全ての年で前年比減となっております。
また、水道事業は、確かに年間3億円前後の利益を上げていますが、その収益の中身には長期前受金戻し入れ額が含まれております。これは過去に受けた補助金を割り戻している部分ですので、補助金を受けた設備の減価償却が終われば、新たな補助金を受けない限りなくなると考えられます。設備の更新や投資をこれまでと同じペースで行う前提で大雑把に計算すると、今年度の長期前受金戻し入れ額が4億7,000万円余りとなっております。事前に伺ったところ、以前利用した補助メニューで残っているのは半分程度とのことだったので、減価償却後には半分がなくなると考えれば最終的には2億円余りの利益が減ることになりかねません。そう考えると給水収益の減少ペースと併せてそれほど猶予は長くないのかなとも思います。
次に、小項目の2番、大規模設備投資による水道事業への影響についてです。
本市水道事業において、現在、小泉浄水場の耐震化及び浸水対策事業と、新東部配水池整備事業という二つの大型設備事業に取りかかかろうとしています。これらの事業の必要性は理解しておりますが、これらの事業は二つ合わせると総額100億円を超える事業となってまいります。この事業が本市水道事業経営に与える影響について当局の見解をお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 水道部長。
(水道部長 廣畑賢一君 登壇)
○水道部長(廣畑賢一君) 議員の御質問にお答えします。
現在取り組んでいます大規模事業といたしましては、小泉浄水場浸水対策事業及び新東部配水池整備事業があります。
このうち、小泉浄水場浸水対策事業につきましては、小泉浄水場が老朽化していることに加え、南海トラフ巨大地震の想定浸水域となることから、浸水対策等を含め施設の更新を行うものです。また、新東部配水池整備事業につきましては、重要給水拠点として位置づけられている東部配水池の老朽化が進みつつあることから、安定的な給水の確保、また施設の強靭化を図るため更新を行うものです。
なお、水道施設に係る建設改良費につきましては、田辺市新水道ビジョンにも掲載していますとおり、令和39年度までの期間において、年間11億円程度を目安に実施していく予定としております。
さきに申し上げましたような大規模事業が控えており、年度においては、事業費が11億円以上の大きな金額になることも考えられますが、事業費が大きくなる年度では企業債の活用等により対応し、大規模事業が完了した後は、年間の建設改良費を抑制するなど各年度の負担を平準化していくことを考えております。
以上のような対応により、大規模設備投資による中長期的な水道事業への影響につきましては、最小限に抑えるよう努力してまいります。
(水道部長 廣畑賢一君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 年間11億円といった、ある程度上限を決めて負担を平準化するといった趣旨だと思いますけれども、本事業のために他の場所に支障を来すことがないようによろしくお願いいたします。
それでは次に、小項目の3、水道事業に対する国の動きについてです。
国においても、地方自治体の水道事業の持続性に対する危惧があるようで、2018年に水道法が改正されました。中身については概要版をお配りしておりますので参考資料を御参照ください。これに沿って質問を進めます。
水道法改正でポイントとして上げられているのは、1番、関係者の責務の明確化。2番、広域連携の推進。3番、適切な資産管理の推進。4番、官民連携の推進。5番、指定給水装置工事業者制度の改善の5点です。ここではとりわけ影響の大きそうな2番、3番、4番についてお聞きいたします。
まずその前に1番の関係者の責務の明確化について確認しておきます。
ここでは、国・県・水道事業者の責務を記載しており、本市に関わる部分でいうと、水道事業者については事業基盤を強化することが責務であるとされています。
では、2番の広域連携の推進についてです。
水道法改正時の資料では、広域連携について、水道事業は主に市町村が経営しており、小規模で経営基盤が脆弱な事業者が多いことから、施設の経営や効率化・基盤強化を図る広域連携が重要である。料金収入の安定化やサービス水準等の格差是正、人材・資金・施設の経営資源の効率的な活用、災害・事故等の緊急時対応力等の大きな効果が期待されると記載されております。
参考までに、香川県では、香川県広域水道企業団として、8市8町と県で構成される一部事務組合を設置し、県下全域での水道事業の広域化を実施しております。事業全体を一体化する方法や経営のみ一体化する方法、水道施設を共同利用する方法等、様々な形態で広域化が行われているようですが、本市においてもそういった検討はなされているのでしょうか。現在の状況をお教えください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 水道部長。
(水道部長 廣畑賢一君 登壇)
○水道部長(廣畑賢一君) 議員の御質問にお答えします。
令和元年10月1日に施行された改正水道法では、人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の水道の直面する課題に対応し、水道の基盤の強化を図るための改正がなされました。
この改正により、国においては、水道基盤を強化するための基本的な事項、施設の計画的な更新、健全な経営の確保、人材確保・育成、広域連携の推進等、基本方針を定めることとなっており、水道の基盤を強化するための基本的な方針が令和元年9月30日に告示されております。
また、都道府県においては、水道事業者等の広域的な連携を推進するよう努めなければならないこととなっており、さらに、広域化の推進方針及びこれに基づく当面の具体的取組の内容やスケジュール等を記載した水道広域化推進プランを令和4年度末までに策定するよう求められております。
これを受けまして、和歌山県においても、和歌山県水道ビジョンに示されている五つの圏域を基本とした水道広域化推進プランが、県内各市町村長や各市町村水道事業担当者との協議を経て、令和4年度末までに公表される予定となっております。
議員御質問の広域連携の推進についてでございますが、市といたしましては、この水道広域化推進プランも参考にしながら、地域の実情に応じた広域連携の在り方などを十分検討した上で対応してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(水道部長 廣畑賢一君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 今年度中に県の方針が決まってくるということですので、注目していきたいと思います。
では、次にポイントの3点目、適切な資産管理の推進です。
参考資料では、1番として、水道事業者は水道施設を良好に保つように維持及び修繕をしなければならない。2番、水道施設を適切に管理するために水道施設台帳を作成し、保管しなければならない。3番、長期的な観点から、水道施設の計画的な更新に努めなければならない。4番、水道施設の更新に関する費用を含むその事業に係る収支の見通しを作成し、公表するよう努めなければならないの4点が書かれております。1番は当然としまして、2番の水道施設台帳の整備期限は令和4年9月となっておりますが、本市の整備状況はどうなっているでしょうか、お聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 水道部長。
(水道部長 廣畑賢一君 登壇)
○水道部長(廣畑賢一君) 議員の御質問にお答えします。
本市水道事業におきましては、水道法の改正に伴い、令和元年10月より水道施設台帳の作成に着手し、令和4年9月に完了。現在、適切な保管・運用を行っております。
水道施設台帳は、修繕履歴などの資産データを蓄積していくことにより、水道施設の維持管理及び計画的な施設更新ができることから、水道施設が良好な状態に保たれます。
このようなことから、今後も引き続き適切な資産管理の推進に努め、水道を御利用いただている皆様に、安全で安心な水道水の供給ができるよう取り組んでまいります
(水道部長 廣畑賢一君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 水道施設台帳については整備済みということですので、おそらく次は水道施設における資産管理、国のほうではこれを水道のアセットマネジメントと呼んでいるようですが、その資産管理を実施し、どうすれば水道施設を効率的に長持ちさせることができるかということを検討しなければならないと思います。また、さらに次の段階では、水道資産に関する収支見通しを立てていくことになると思いますのでよろしくお願いします。
では、次に改正のポイントの4点目、官民連携についてです。
改正法では水道事業の基盤強化の手段として、水道事業の官民連携が上げられており、とりわけコンセッション方式という水道施設は市が保有したまま、事業運営を民間事業者に委ねる方式について触れられています。とはいえ、あくまで推進はするものの、実際に導入するかどうかは市町村の判断という部分が太字で強調されるなど、慎重な姿勢もかいま見えます。本市においてこのような水道事業の官民連携は行われるのでしょうか、お聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 水道部長。
(水道部長 廣畑賢一君 登壇)
○水道部長(廣畑賢一君) 議員の御質問にお答えします。
官民連携の推進につきましては、
厚生労働省において定められた水道の基盤を強化するための基本的な方針において、水道施設の適切な維持管理及び計画的な更新やサービス水準等の向上はもとより、水道事業等の運営に必要な人材の確保、ひいては官民における技術水準の向上に資するものであり、水道の基盤の強化を図る上での有効な選択肢の一つであるとされております。
議員御承知のとおり、官民連携の手法としては、一般的な業務委託、公共施設の設計、建設、維持管理、修繕等の業務全般を一体的に行うものを対象とし、民間事業者の資金とノウハウを活用して包括的に実施する方式であるPFI方式、令和元年10月1日に施行された改正水道法で新たに導入された、水道施設の所有権を水道事業者が有したまま民間事業者に当該施設の運営を委ねる方式である公共施設等運営権方式、コンセッション方式などの手法が考えられます。
本市におきましても、官民連携の一つとして、漏水等初期対応業務や水道使用開始のための開栓業務などを行う給配水管等総合管理業務委託、検定満了に伴う量水器の取替え業務委託、量水器の検針業務委託などの個別委託を実施しております。公共施設等運営権方式、コンセッション方式につきましては、制度導入から数年しか経過しておらず、導入事例も少数であり、検討していくべき多くの課題があることから、現時点では導入を考えておりませんが、それ以外の手法についても、本市水道事業の実情や費用対効果を十分考慮した上で、最も適切な形態の官民連携を考えてまいりたいと思いますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(水道部長 廣畑賢一君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) コンセッション方式と官民連携について、一部実施されているということですけれども、どちらかというと本格的な部分については慎重な姿勢だと感じました。ぜひとも最善の形を検討していただきたいのですが、今、おっしゃったように、コンセッション方式を導入した諸外国では、官民連携をして失敗した事例が多数見られます。水道料金が物すごく上がったとか、またサービスが低下したとか、そういった事例も多数見られますので、もし検討をなされる時期が来るのであれば、くれぐれも慎重な態度で臨んでいただきたいというふうに思います。
それでは、次に小項目の4番目、水道事業における新たな収入源の模索についてです。
大項目2の冒頭でも述べたように、水道事業の経営は将来的には先細ることが明らかです。そして、その最も根本的な理由は、当然のことですが水道事業の収入源が水道料金しかないからです。現在の構造のまま水道事業経営を改善していこうとした場合、水道の利用量を増やすか、水道料金の値上げを行うかの2択しかありません。そこで、水道事業において他の収入源を見つけることはできないかという視点で質問いたします。
水道事業という特性を生かすのであれば、その大量の水の移動を利用して小水力発電を行ったりすることはできないでしょうか。またその他の方法でも構いませんが、水道事業において新たな収入源を模索することについての当局の見解をお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 水道部長。
(水道部長 廣畑賢一君 登壇)
○水道部長(廣畑賢一君) 議員の御質問にお答えします。
本市水道事業における収入のうち大部分を占めるのが料金収入となりますが、料金収入のほかに新たな収入源といたしましては、他の市町村などの先進事例を参考に申し上げますと、再生可能エネルギー分野での小出力発電設備による方法が上げられます。
まず、小出力発電設備の一つであります水力発電設備は、水道施設である配水池から各家庭に水を供給する際の高低差を利用してタービンを回すことにより発電する方法であります。
次に、太陽電池発電設備では、水道施設の空きスペースや施設の屋根などに太陽電池発電設備を備える方法となりますが、これらの方法につきましては、施設の規模や効率性、さらには費用対効果など課題もあります。
本市水道事業におきましては、平成27年度に配水池から口径700ミリメートルの送水管より受水槽に流入する際の流量を生かし、水力発電設備の可能性について検討を行った経過がございます。この計画では、毎秒0.12立方メートルの送水を高低差18.35メートルから流れる想定で検討いたしましたが、想定設備容量が15.1キロワットの発電能力に留まり、また、一日を通して送水量が一定でないため、安定的な発電ができない状況でありました。さらに、ライフサイクルコストについては、初期投資費用や維持管理費用に対して、発電による収入が低く、費用対効果が合わない結果となりました。
しかしながら、近年では小出力発電設備の技術向上や発電効率の上昇に伴い、他の自治体で運用を行っている事例などもあり、さらには、SDGsやカーボンニュートラルを推進することからも研究が必要と考えます。
いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、人口減少に伴い料金収入も減少し、水道事業経営は今後一層厳しくなると想定されることから、新たな収入源の模索や維持管理費の節減などとともに、再生可能エネルギーなど先進事例や民間企業の技術力を活用するなど、情報収集に努め、調査・研究を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(水道部長 廣畑賢一君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 一度検討はされたことがあるとの話でしたが、今、答弁の中にもありましたし、当然御理解いただいているように、発電設備の価格はここ数年でかなり安価になってきております。7年、8年前に検討された内容とは変わってきていると思いますので改めて検討してみてください。
最後に一つ事例を紹介いたしますと、大阪の富田林市では2020年に大手空調メーカーのダイキンと連携し小水力発電を行っています。ここでは水道事業者である市が小水力発電を行うのではなく、ダイキン工業の子会社で水道に関する発電を専門とする企業のDK-Powerという会社が発電事業を行います。そして、市はその場所を提供するだけで、そこから得た利益を市と企業が分け合うという仕組みのようで、やり方としては非常に効率的で興味深いと思います。これはあくまで一例にすぎませんが、こういった民間企業の活用は可能性を広げます。水道事業の将来のためにも広い視野を持って調査検討を行っていただきたいと思います。
それではこれで
一般質問を終わります。ありがとうございました。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 以上で、7番、柳瀬理孝君の
一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 尾花 功君) この場合、午後2時まで休憩いたします。
再開の際は議案書2を御持参ください。
(午後 1時51分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(
北田健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 2時00分)
○議長(
北田健治君) 続いて、9番、宮井 章君の登壇を許可いたします。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 皆様、こんにちは。
紀新会の宮井でございます。
議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして
一般質問をさせていただきたいと思います。
今回の
一般質問は、田辺市管内に繁茂する雑草の除草作業について。そして、急速に技術的進化と普及が進むドローンの新たな活用についてということで、この2点につきまして、確認や要望、そして見解や展望など、いろいろとお聞きしていきたいと思います。
今回のテーマであります除草については、市民の皆様からたくさんの要望や御意見が多い中、12月議会で、冬の
一般質問であるということから、時期的にタイミング的にどうなのかと思いましましたが、これまでの除草期間の成果や効果を振り返り、そして、次年度からの新たな取組に期待するということから考えれば、ある意味タイムリーなのかと思いながら、質問のテーマに取り上げることにしました。
そして、こと道路維持管理につきましては、本年も担当課の皆様方には、市道のみならず様々な場面で、幾度となく除草処理の要請についてお願いしましたところ、速やかに対応していただきまして誠にありがとうございました。
さて、話は少し農業分野からの視点となりますが、そもそも歴史的に人類を苦しめてきたカテゴリーの中に五つの生物害というものがあります。それは、1番目に虫害、虫の害です。2番目、病害、細菌やウイルスの害、鳥害と獣害、そして、最後に来るのがこの雑草害というものでございます。ほかの四つの害がある程度、克服に向けた対策が講じられているのに対し、雑草害だけは何ともこの根絶が難しく、いまだに多くの場所で苦しめられているところだと思います。しかしながら、日本では、この雑草を生物害と捉える認識が薄いと言われております。
さて、その生物害の一つであります雑草害に対抗するための除草作業ですが、対象施設については、市道、県道、国道、そして農道、林道、歩道、水源地、河川、公園施設、住宅施設等々、このように多岐にわたり、広範囲でございます。そして、それぞれを多様な主体が管理されている状況でございます。
その中から、今回の
一般質問では市の施設に限定せずに、県道や国道、道路維持管理を主体として通学歩道や公園施設、公営住宅周辺等までイメージしておりますが、分かる範囲でお答えいただければと考えております。
市内の各所において、春から秋にかけて例年繰り返されている作業の一つに除草作業があります。近年では地球温暖化の影響からか、雑草の生育も非常に早く、刈り払い除草をしても、植生の種類にもよるのですけれども、大体が数日で萌芽し始めて元の状態に繁茂し、戻ってしまいます。
また、植生の上部を刈り払ったとしても、地中にある根や茎は生きておりますので日々成長しております。大きく太くなるばかりか、養分の吸い上げ能力は維持されておりますので、雑草の上部が萌芽再生するスピードとその量は年々増していきます。
ちなみに、多年草の地下部の生長量は上層部を上回っておりまして、スギナの場合は、重量比でございますけれども約5倍、そしてヨモギで約3倍、セイタカアワダチソウやカヤで約2倍という調査結果が出ております。さらに、山間部では降雨も多くて、また山林からの養分も大変流れ込むために雑草が一層繁茂しております。景観上は言うに及ばず、交通安全上、防犯上、防災上、環境上あるいは健康上と、様々な支障となっているのが現状でございます。
特に道路維持管理の観点から見ますと、繁茂した雑草の処理は、視距確保や道路交通の安全確保、そして、通行車両からの視認性の確保等、安全で円滑な交通を確保するために極めて重要な事業であり、適切な管理が求められておるところでございます。
しかしながら、除草が必要とされる対象施設やその範囲は非常に多くて広く、そして、予算も限られているために施工回数を簡単に増やすわけにもいかず、何とも悩ましいところであると思います。
そこで、ゾーニングといいますか、囲い込みといいますか、特に持続的な効果が要求される場所、特定の場所や生育が著しく発生する場所については、このゾーニング、囲い込みを使いまして雑草のコントロールについていろいろと考えてみてはどうかと思います。
例えば、通学路やウオーキングで利用の歩道や公園施設については、地下部分まで除草し、再生しないように一度リセットすることが重要だと考えております。そのための方法については質問の中で示していきたいと思いますが、まず最初に、除草作業の現状と維持管理基準や作業形態についてお聞きしていきたいと思います。
アとしまして、これまでの除草作業に関する要望や苦情の件数、そして、経費の推移ということですけれども、経費については、予算にも限りがあって、予算内での施業であると思いますが、雑草の繁茂する範囲やその量は増えていると私自身認識しておりますので、この辺も含めて当局の見解をお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君) 9番、宮井 章君の質問に対する当局の答弁を求めます。
建設部長、衣田 克君。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問にお答えいたします。
除草作業に係る具体的な要望件数までは把握できておりませんが、除草及び草刈り作業に要する経費につきましては、限られた予算の中で対応しているのが実情でありまして、昨年度の各市道路線における街路樹の管理及び草刈り業務の実績で見ますと72路線、約2,000万円となっております。
議員御指摘のとおり、近年、道路や公園の除草に関する要望は年々増加傾向にあると認識しており、特に雑草の繁茂する4月から10月にかけて最も多くなっています。
また、それ以外の突発的な苦情対応等につきましては、職員で可能な限り速やかな対応に努めているところでございます。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 御答弁ありがとうございました。
次に移ります。イとしまして、市道、県道、国道、公園施設、市有地など、それぞれの除草頻度というのはどのようになっていますでしょうか。
そしてまた、どのような形態で除草作業を実施しているのかお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問にお答えします。
除草、草刈り作業の頻度については、それぞれの施設ごとに多少の差異はありますが、市道については、田辺市造園業協同組合や田辺市シルバー人材センター等に委託し、年1回から2回の頻度で草刈り機による除草作業を行っており、除草剤等は使用していません。
また、紀南河川国道事務所及び西牟婁振興局建設部に確認したところ、国道や県道についても除草剤は使用せず、おおむね市道管理と同様の手法と伺っています。
公園につきましては、新庄総合公園や内之浦干潟親水公園などの大きな都市公園は、田辺市造園業協同組合に委託する部分と会計年度任用職員が行う部分があり、その他の都市公園等につきましては、田辺市シルバー人材センターに委託し、草刈り機を用いて概ね年3回程度の除草作業を行っています。また、比較的規模の小さい公園は、地元の子どもクラブ等に管理をお願いしています。
公園施設における除草剤の使用は極力控えていますが、草刈り機の使えない場所や芝生内に繁茂するクローバーなどの特殊な雑草には、農薬取締法に基づく安全性評価試験が行われた登録農薬の除草剤を使う場合がございます。
なお、市道・公園に共通していることですが、突発的な対応や市民の方からの要望箇所につきましては、優先順位を考慮した上で職員による除草作業を行っています。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 御答弁ありがとうございました。
ウとしまして、国道や県道についても大変市民の皆様から要望があるのですけれども、やっぱり市民の皆様、国道、県道、管理主体がどこかというのはあまり詳しくないので、議員や当局に要望、意見を寄せられることがあると思うのですけれども、この管理者との連携と対応についてお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問にお答えします。
議員御指摘のように、近年、市民の皆様や町内会等からの除草及び道路沿い樹木枝の張り出し部分の剪定等の要望が多く寄せられていますが、それぞれの要望箇所により、施設管理者及び関係機関への連絡調整等、適宜連携を図りながら迅速な対応に努めているところでございます。
また、樹木枝の張り出し等により道路部分に支障を来しているような場合には、道路管理者として当該土地の所有者の方々に対しまして民有地の適正な管理についてその都度啓発を行っているところでございます。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) ありがとうございました。
エとしまして、このまま行きますと、将来的に除草の範囲、植生の成長量、そして作業回数は増加していく一方だと思われます。加えまして作業人口は減少傾向にあるわけですから、その辺も大変懸念材料として残ってきます。
そこで、この除草コストの削減についての考えや取り組んでおられることは何かありますでしょうか。そして、その他ほかの自治体の参考事例などは何か把握されておりますでしょうか。当局の見解、認識をお伺いします。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問にお答えします。
除草につきましては、車が安全に走行するための空間の確保や見通しの確保、歩行空間の確保等の安全対策などのために実施するもので、歩道及び路肩に繁茂する雑草は、歩行者がつまずくことや車両に接触することによる管理瑕疵が懸念されるため、日頃から道路パトロールや市民の皆様からの情報提供等により、安全の確保に努めているところでございます。
道路維持費に係る除草コストの削減という観点から申し上げますと、全国の自治体における共通の大きな課題とされる中で、抜本的なコスト削減についての方策を見いだすのは非常に困難であるというのが実情でございます。
そういった中で、市といたしましては、限られた予算内で可能な限りコスト縮減を図るという観点からも、今後も職員による草刈り、除草作業の実施とともに、先進地事例の調査も継続してまいりたいと考えますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 御答弁ありがとうございました。
これまでの御答弁にもありましたように、市民の皆様からの突発的な要望については、それぞれの部署がそれぞれの要望箇所により、関係機関と連携して対応に当たっているということでございました。そして、場合によっては職員による除草作業を行っていると、コスト削減について速やかな対応に努められているということでございました。このコスト削減については、非常に大きな問題でありますとともに、大変、非常に難しい問題とされております。
一方では、労務対策、労務確保の一面もございますので、その観点から考えてみますと、このコスト削減という文言ですけれども、これを見方を変えて、工法の工夫であるとか、作業の効率化、コストの配分、分配ということに置き換えて考えてみる必要もあるのではないかと考えております。ぜひ今後とも、その辺も含めまして調査研究のほどよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、オということで、それぞれの対象区域の特性や除草効果の在り方、適期などについてですが、施設の維持管理として除草作業が実施されている対象地からその特性について、歩道施設、公園、そして住宅施設、耕作地との隣接する施設などを取り上げてみました。
まず、歩道については、場所によって通学路として、また、健康増進のためのウオーキング等に利用されておりまして、最も除草に関する要望や苦情が多いところでもあります。また、ガードレールの基礎部分やコンクリートやアスファルトの隙間からの雑草の繁茂が著しく、それらは構造物にダメージを与えるばかりでなく、歩行者や自転車、シニアカーにとって危険である上に、特に雨天時や雨上がりなどは非常に不快な環境となっております。
また、幅員が十分でない部分も多々見受けられるために、特に通学路の場合は、毛虫やダニ、蜂などの毒虫による児童への被害が危惧されているところでございます。
次に、公園施設については、妊婦さんや小さなお子さん、あるいはペットなどが集い、憩う場所でもあるために、特に環境意識を持ってこの除草処理に当たりたいのですが、遊具や化粧ブロックやタイルなど特殊な構造物がございますので、いわゆる隙間除草というものが多くなってきます。このことが労力と経費の増大につながっていると感じております。
そして、住宅施設については、これは最近なのですけれども、入居者数の減少と高齢化によりまして、管理能力が低下したことによります除草への相談事ということで、防草処理をしてくれないかという要望があったところでございます。
あと、耕作地に隣接した施設ということで、除草現場におきまして、耕作地への病害虫の発生を軽減するために適期にやってくれということで、消毒日との兼ね合いや、実りや収穫までに処理してほしいなど、こういった除草時期への要望がございました。
そのほか、先ほども言いましたけれども、雑草が著しく大きく繁茂している場所についてもこの特別な場所として限定されるのではないかと思っております。
今述べました特定の場所について、通常行われている草刈り機によります刈り払い処理だけでは、その効果の持続性は少ないと思います。利用者に対する本来の効果は大変薄いと感じておりますので、そこで、除草に関する新たな工法や手法、または機械の使用について、何らかの検討や工夫が必要であると考えますが、当局の見解をお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問にお答えします。
議員御指摘のように、歩道や公園施設など、それぞれの施設の特性を勘案した上で、除草効果といった視点も含めた除草作業が肝要だと考えます。
歩道につきましては、通学路や地域住民のウオーキングコース等でも利用されることもあり、町内会からの要望等も比較的多いのが実情です。特に、通学路の安全対策という観点から、雑草が生い茂って見通しが悪い状況は交通安全対策のみならず防犯上の視点からも対応を優先しているところでございます。
一方、公園につきましては、幅広い年代の方が憩う場所で、様々な構造物もあることから、草刈り機による除草が困難な場所もありますので、人が触れないような場所については、今後、生産農家の方々が使用されている発芽抑制剤の使用も念頭に検討してまいりたいと思います。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 答弁ありがとうございました。施設維持管理の上で除草作業についていろいろ考えていきますと、最終的に行きつくのがこの施設構造物の隙間除草です。工法としてはいろいろ調べる中で、根を引き抜くか、バーナーで処理するか、あるいは除草剤の散布ではなくて塗布するということです。そして、仕上げにシリコンや防草砂でありますとかモルタルや、今でいいますコンクリートスプレーなどを使って目地の埋設が考えられると思います。機械については、後ほど質問にも出てきますが、温水除草機というものが有効的ではないかと思いますし、除草剤についても様々な研究がされておりますので、この健康被害についても克服する時期が来ると思われております。
そして、システムとしましては、関連企業によります除草技術の提案と実証実験でありますとか、兵庫県の土木事務所によりますと、除草技術コンテストというものが行われて、そこでのやり方を採用した例もございました。簡単にいえば、刈って、引き抜いて、そして枯らして、埋めるというこの4点でございます。特に、将来に向けて積極的な調査研究のほどお願いいたします。
次に移ります。カということで、道路維持管理の観点から除草剤の使用についてお聞きします。
全世界で雑草の防除に使われております化学
薬剤の金額は、年間約4兆円でございます。農業資材の中でも最も大きくなっているということです。また、国内におきましても、農業分野で使用される化学
薬剤の金額は、年間で1,500億円を超えているようです。
しかしながら、環境意識の高まりを見せる現在において、特にグリホサートやネオニコチノイド成分を含む
薬剤については、健康被害が懸念されるというような論説があることから、ある部分で敏感になっているように思われます。
そこで、この食物生産の伴わない道路維持管理という観点での使用についてどうなのか。また、既に道路維持管理に使用されている例はあるのか。また、公園施設など児童が接触する施設に使用できるような安全な製品があるのではないか、こういったことについて、当局の認識についてお伺いします。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問にお答えします。
道路管理における除草剤の使用について、道路管理における除草剤使用に関する検討会議を設置している実証実験を行うなど取り組んでいる県もありますが、紀南河川国道事務所管内及び西牟婁振興局管内においては、現在、国道・県道のいずれも道路管理に除草剤は使用していないと伺っています。
議員御提案の道路及び公園の維持管理における除草剤や安全性の高い抑草剤の使用についてどう考えるかでありますが、道路や公園の維持管理を勘案する上で、除草、草刈り作業については全国的な課題となっており、今後においても避けて通れない懸案事項であると認識しております。
そういった中で、全国的な先進事例についても注視しつつ、国・県の動向等を見ながらまた検討してまいります。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) ありがとうございます。なかなか100点満点の課題解決には及ばないのですけれども、道路維持管理や公園施設の管理などに、他県ですけれども、温水除草機というものを使用している例がございましたので御紹介を兼ねて質問に取り上げてみました。
植物は、通常42度以上でたんぱく質が死滅するそうなのですが、この温水除草機は、植物の根本付近に約90度前後の高温水を散布することによりまして、植物の根のたんぱく質を破壊するというものです。この手法は、除草剤に代わる安全かつ効果的な、さらに発芽や萌芽の抑制効果にも期待ができる除草方法だと思います。
これらのことから、環境に配慮が必要な公園施設などに使用できるのではないか。住宅施設もそうです。そういったところに使用できるのではないか。そして、市が購入して自治体に貸し出すか、リース機械のラインナップにあるのならば、委託事業や請負事業の歩がかりにも載せられますので、設計に組み込めるかもしれません。
ただ、コストを考えますと、使用するのは、先ほどのように囲い込み、ゾーニングをして、ここでは使いたいというところを決めて、歩道であるとか、そういうところを決めて、区域の特定が必要であると思います。
各行政局に配備するなどして、安心・安全な除草、防草、萌芽抑制に使用してみてはどうかと思いますが、当局の考えをお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問にお答えします。
先ほども申し上げましたとおり、除草や草刈り作業については、全国的にも大きな課題とされている中で、抜本的な解決策がないのが現状です。
御提案いただきました高温蒸気除草機や温水除草機につきましては、その特性や除草効果、職員の
負担軽減、導入費用等について多面的な視点から積極的な調査研究を行ってまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 御答弁ありがとうございました。使用事例はたくさんあると思いますので、何とぞ積極的な調査研究のほどよろしくお願いいたします。
続いて、(2)としまして、田辺市環境美化条例に関わってということで、過去の会議録を見てみますと、皆様たくさんこの環境美化条例をテーマにした質問されていましたので、質問内容や答弁については重複する部分もあろうかと思いますが、今回は雑草の繁茂ということに、それによる環境の劣化ということで質問させていただきます。
まず、アとしまして、空き地・空き家の環境保全についてということで、市内における空き地・空き家は、そこに増える雑草の繁茂についても苦情というか、相談や要望が大変多いのですが、今後、増加することが予想される空き地・空き家について、管理水準が低下したことにより雑草が繁茂することで、病害虫の発生、景観維持や防災面への悪影響が心配されますが、これらを抑制するに当たって、この田辺市環境美化条例はどのように機能しているのか。そして、そのための活動や啓発についてどうされているのか、当局の見解をお聞きしたいと思います。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君)
市民環境部長、中村 誠君。
(
市民環境部長 中村 誠君 登壇)
○
市民環境部長(中村 誠君) 議員の御質問にお答えします。
田辺市環境美化条例は、自然と環境を保全するため、市、市民の皆様、事業者の皆様、土地所有者の皆様が一体となって生活環境美化の促進を図りながら、みんなで清潔で美しいまちづくりを目指していくことを目的として、合併前の平成13年12月に制定された田辺市環境美化条例を基に新市に引き継いだものです。
本条例では、空き缶等ごみの投げ捨て禁止、自動車等の放置及び自転車の乗り捨て禁止、土地所有者等の皆様にはその土地の適正管理についてなど、生活環境美化に取り組んでいくこととしています。
具体的には、土地所有者等は、その土地が周辺の生活環境を損なわないように生活環境美化のため必要な措置を講ずること、空き地の土地所有者等は、その空き地に繁茂する雑草、枯れ草または投棄された廃棄物等を除去するとともに、周辺の生活環境を損なわないよう、その空き地の適正管理に努めなければならないと定めています。
空き地の適正管理の啓発につきましては、田辺市ホームページヘの掲載のほか、6月の環境月間に合わせて、広報田辺やラジオ広報により、その啓発に努めています。
さらに、この環境月間には、町内会や公民館、企業等各種団体で構成されている田辺市環境美化連絡協議会と連携した官民協働での街頭啓発をしています。
こういった一連の取組を継続していくこととしており、環境美化条例と啓発活動は、その役割を果たしていると考えております。
(
市民環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) ありがとうございます。
次に、イとしまして、苦情や要望に対する対応についてでございますけれども、空き地などについて、雑草が伸び放題となっているが、何とかしてくれないかとの御意見をたまにいただくのですが、現場を見てみますと、カヤ類は隣接地へのはみ出し、そして、一見タンポポに似てるのですが、オオアレノギクやセイタカアワダチソウなどは花粉や種をまき散らして、周囲への拡大増殖が早いことが問題になっているわけでございます。
このような要望や苦情があった場合の対応について、特に所有者が県外であったり遠方に住まいしている場合、そして、所有者が高齢や病気等で自ら対処できない場合、こういう場合に、市としての対応やサポートについてどうしているのかお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 中村 誠君 登壇)
○
市民環境部長(中村 誠君) 議員御質問にお答えします。
年間の空き地・空き家における雑草等の環境課への苦情件数につきましては、令和元年度は48件、令和2年度は57件、令和3年度は75件となっております。
これら苦情への対応につきましては、まず申出者から聞き取りを行い、苦情発生場所の現場確認により状況を把握し、その後、土地所有者等に面会して、現況の写真を見せるなど状況説明するとともに、環境美化条例の主旨を御理解いただき、土地の適正管理をお願いしています。土地所有者等が不明の場合には調査し、確認した上で、同様にお願いをしています。土地所有者が県外などの遠方にお住いの場合につきましては、適正管理依頼文を位置図、現況写真とともに郵送しております。
しかしながら、遠方であることから土地所有者が対処することができないことも少なからずあるため、この依頼文では参考としてシルバー人材センターを紹介しております。
また、所有者が高齢等のため自身で対処することが困難との申出があった場合も、シルバー人材センターを紹介するなど、土地の適正管理の促進に努めております。
なお、苦情の原因となっている場所が空き家の場合には、空き家等の対策を行っている建築課と連携して対応しております。
(
市民環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) ありがとうございます。これについては少々私の認識不足もあったように思います。今の御答弁を聞いておりますと、やっぱり他市、他県の例と比べましても何ら遜色のない対応をされているということでございました。今後とも引き続きのサポートのほうよろしくお願いいたします。
続きまして、ウということで、太陽光発電施設の管理についてですが、以前、環境省に聞き取りをした際に、担当者からは今後の太陽光発電施設の設置と運用を推進するに当たりましては、重要なことは、地区住民との共生と相互理解を深めることであるとの見解だったように記憶しておりますが、現場を見てみますと、施設に繁茂した雑草、この苦情のあったときはカヤだったのですけれども、民有地や里道に覆いかぶさっているような現場も拝見させていただきました。このように、太陽光発電施設の雑草等が民有地や道路区域に張り出した場合、管理責任の所在はどうなるのか確認したいと思います。
また、民法の第233条が改正されると聞いておりますが、この改正により、これらの問題解決について、何らかの新たな糸口が見出せるのか。市としての対応に変化はあるのか等当局の見解をお聞かせください。加えまして、改正法の施行日はいつになるのか把握しておればお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 中村 誠君 登壇)
○
市民環境部長(中村 誠君) 議員御質問にお答えします。
太陽光発電施設の雑草等が民有地や道路区域に張り出した場合の管理責任の所在につきましては、空き地の場合と同様で太陽光発電施設の土地所有者等になります。
環境省においては、太陽光発電施設の設置に当たり、発電事業者等における自主的な環境配慮の取組を促すために策定しております太陽光発電の環境配慮ガイドラインにおいて、地域住民と適切なコミュニケーションを図ることの重要性と施設設置後の雑草の繁茂等に対して適切な維持管理を行うよう示されております。
また、和歌山県では、50キロワット以上の太陽光発電設備を設置し発電する事業を対象とした和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例において、地域住民に十分配慮した事業計画を作成することを目的とした関係自治会への説明が義務化されております。
また、民法第233条の竹木の枝の切除及び根の切取りの改正でありますが、これは令和5年4月1日に施行されることになっておりまして、これまでは隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、竹木の所有者にその枝を切除させることができる旨を規定するのみでありましたが、今回の改正により、竹木の所有者に切除するよう催告しても、相当期間内にこれに応じないときや、竹木の所有者が不明であるとき、急迫の事情があるときに限り、自ら切除できるようになります。
この改正で隣接する土地所有者等の間で枝や雑草の越境に起因する問題の解決が、これまでより進みやすくなると考えられますが、市としましては、さきのお答えしましたこれまでの取組のとおり、空き地の雑草の苦情として対応してまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(
市民環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) ありがとうございます。
それでは、項目2に移ります。改正航空法の施行によるドローン活用の新たな展望についてということで、田辺市では、ドローンの活用については、人口減少下における限られた人員と予算の中、より有効な行政運営に寄与することを目的としながら、災害対応や施設管理、または観光戦略に活用するため、デジタルツインプロジェクト、デジタルツインの構築に取り組まれているところです。
また、このドローンについてですが、前回の第4回の9月定例会では、安達幸治議員より、観光戦略としてのドローン活用について
一般質問があったところでございます。今回は過疎山間地、物流問題、改正航空法、このあたりからドローンの活用に絡めて、質問といいますか展望をお聞きしたいと思います。
さて、この12月5日に、つい先日ですけれども、改正航空法が施行されたことによりまして、レベル4と呼ばれるより高度な飛行が可能になりました。これまでの飛行は、機体を目視できる範囲、または山沿いや河川の上空など、人がいない場所を飛行することに限定されていましたが、このレベル4が解禁されたことによりまして、人がいる上空で、目視できない範囲をVRゴーグルであったりとかタブレットであったりとか、そういったモニタリングをしながら遠隔監視での飛行が可能になりました。
これに伴いまして、注目されているドローンの新たな活用方法としまして、過疎地域や山間部での物流改革に期待が高まっており、民間ベンチャー企業を中心に動きが活発化しているように思われます。
また、このドローンの物流利用については、国が示す工程表から見てみますと、まずは過疎地や山間部、田舎のほうからまず実現することとしまして、そして、次第に人口密度の高い都会へと波及して、発展させていくような計画になっているようです。
この背景の一つなのですけれども、時間外労働の上限規制によりましてトラック物流の不足が懸念されている物流業界の2024年問題があります。現在の物流の主軸であるトラック輸送に大きな影響があるのはもちろんのことですが、特に懸念されているのが、過疎地や山間部までのラストワンマイルと言われる輸送についての影響でございまです。大まかな問題としましては、宅配業者への配送料金が見合っていないとか、物量の増加であるとか、再配達による業務効率の低迷、労働人口の減少や物流労働環境の問題によりまして担い手が年々減っていることが上げられます。
このようなことから、ラストワンマイル物流サービスの在り方が問われていると考えられる時期に来ていると言われております。
ドローンに詳しい東京大学の土屋教授という方がおられるのですけれども、この教授によりますと、レベル4の飛行が解禁されたとなりますと、我々のふだんの暮らしにドローンが普及、さらに浸透して、空を見上げると日常的にドローンが飛んでいるという、そういった社会が、あと10年もかからないうちに実現するのではないかと、こう考えているということでございました。
その中で、以上、いろいろと申し上げたんですけれども、(1)としまして、このような近い未来を想像しいろいろ考えてみますと、これからの新しい国家戦略に関わる新規事業とか民間ベンチャー企業との連携について、国や県の動向も含めまして、アンテナを高く上げると言いますか、受信感度を上げながら、早くこういう新規事業に手を挙げていく準備や心構えが必要であると思います。
そこで、今般の航空法の改正を受けて、新たなドローン活用への展望と、その背景にある物流業界の2024年問題に対する当局の認識と見解についてお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君)
商工観光部長、丸山勝司君。
(
商工観光部長 丸山勝司君 登壇)
○
商工観光部長(丸山勝司君) 議員の御質問についてお答えします。
御質問のとおり、2022年12月5日に航空法が改正され、国において新たな免許制度が創設されたところであり、有人地帯の第三者上空でも補助者をつけずに目視外飛行が行うことができる、いわゆるレベル4飛行が可能となったところです。
このことにより、操縦者がドローンの機体を目視で確認することなく飛行させることが可能となり、離島や山岳地帯への輸送や災害時の緊急物資輸送、通販商品の配送などの物流のみならず、広範囲の農薬散布や生育状況のモニタリングなどの農業分野、災害発生時の被害状況の把握や行方不明者の捜索、生存者確認、事件事故現場の確認調査などの防災、警備警察分野、また、測量やインフラの点検調査、工事現場の進捗管理などの土木建築分野、その他ドローンの機動力を生かして、様々な分野において課題解決のための手法として期待されているものと考えております。
本市においても、御質問にもございましたが、本年度より取り組んでいるデジタルツインプロジェクトでは、災害現場や橋梁等公共インフラ、公共施設等の調査、管理業務など業務の効率化、省力化、見える化を安全かつ迅速に行えるよう取り組んでいるところでありますが、ドローンをはじめ、今後さらに進むDXやロボティクスなど、最新先端技術の活用についての研究を進めてまいりたいと考えております。
また、物流業界の2024年問題については、ドライバー等の労働環境が改善される一方で、事業者においては一人当たりの走行距離短縮に伴うサービス低下やドライバーの収入減少による離職等が懸念され、これを補うために人材不足の中でのドライバーの確保や荷主負担となる運賃値上げが危惧されていると認識しております。
本市においては、この影響が、御質問にもありましたラストワンマイル輸送サービスの低下、いわゆるエンドユーザーである市民がこれまで受けられていたサービスが受けられなくなるといった問題に発展する可能性があることから、物流業界におけるドローンの導入状況や今後の国の動向を注視し、情報の収集、研究等に努めてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(
商工観光部長 丸山勝司君 降壇)
○議長(
北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 御答弁ありがとうございました。今回の
一般質問は、身近な除草問題と、そして、将来期待されるドローンの活用についてということでございました。除草作業に関しましては、ある新聞記事に、伸びる雑草、もう刈れないという悲痛なテーマが上げられておったことを見ました。このままでは将来、過疎山間地は草まみれになるのではないか。過去には、緑の砂漠であるとか、緑の津波であるとか、こういったやゆされた方もおられましたが、過疎地であっても、町なかであっても、この国土に変わりはないわけでございます。快適な生活空間の基礎となりますこの除草作業への課題については、近い将来無人運転車両が走行する頃までぐらいには解決したいものでございます。
また、ドローン活用については、通信技術やロボティクスの応用と伸びしろがあり、大変夢があるものでございます。過疎地域であったりとか山村地域こそ、このような新しいテクノロジーに展望を抱かざるを得ない現状があると思います。改正航空法が施行されました12月5日の情報誌には、ドローンによる空の道の争奪戦が始まると、企業が食品や薬の配送を探るなどと見出しが乱立しておりました。
また、つい先日のテレビニュースでは、ドローンに赤外線カメラを搭載し、狩猟調査として、山林内に潜む鹿やイノシシの所在をリアルタイムでモニタリングされているような場面も見ました。
こういった未来の話をすれば尽きないわけでございますけれども、いずれにしましても、今後とも積極的な調査研究、そして、課題解決への積極的なアプローチのほどをお願いしまして、私の
一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(
北田健治君) 以上で、9番、宮井 章君の
一般質問は終了いたしました。
◎日程第3 7定議案第38号 令和4年度田辺市
一般会計補正予算(第11号)上程
○議長(
北田健治君) 続いて、日程第3 7定議案第38号 令和4年度田辺市
一般会計補正予算(第11号)を上程いたします。
ただいま上程いたしました議案は、本日、市長から提出のあったものであります。
提出者の説明を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) ただいま上程されました議案は、予算に関するもの1件でありまして、その概要について御説明申し上げます。
議案第38号 令和4年度田辺市
一般会計補正予算(第11号)につきましては、我が国における少子化の流れが危機的な状況の中、全ての妊婦・
子育て家庭が安心して出産・子育てができるよう、出産・子育て応援事業に要する経費を計上するものです。
当該事業につきましては、妊娠から出産・子育てまで一貫して相談に応じる中、ニーズに即した必要な支援へとつなぐ伴走型相談支援の実施とともに、妊娠届け時に5万円、出生届け後に5万円を支給する経済的支援を一体的に行うものであります。
補正予算の総額は8,920万円で、内容につきましては、歳出の7ページに記載のとおり、出産・子育て支援金8,000万円のほか、システム改修費や通信費等920万円を計上するもので、財源としましては、地方交付税、国庫支出金、県支出金をもって充てており、このほか繰越明許費の補正をしております。
以上、提案いたしました議案について御説明申し上げましたが、よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(
北田健治君) 以上をもって、提出者の説明が終了いたしました。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております議案については、既に提出されている他の議案と同様に、後日審議願うことにいたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
北田健治君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明日12月9日、午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
北田健治君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
延 会
○議長(
北田健治君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
お疲れさまでした。
(午後 2時50分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
令和4年12月8日
議 長 北 田 健 治
副議長 尾 花 功
議 員 安 達 克 典
議 員 佐 井 昭 子
議 員 松 上 京 子...