田辺市議会 2018-09-10
平成30年 9月定例会(第3号 9月10日)
平成30年 9月定例会(第3号 9月10日) 田辺市議会9月定例会会議録
平成30年9月10日(月曜日)
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平成30年9月10日(月)午前10時開会
第 1 一般質問
第 2 3定報告第 1号 専決処分事項について
第 3 3定議案第 1号 工業標準化法の一部改正に伴う関係条例の整理に関する条
例の制定について
第 4 3定議案第 2号 田辺市地方活力向上地域における固定資産税の特別措置に
関する条例の一部改正について
第 5 3定議案第 3号 田辺市営住宅条例の一部改正について
第 6 3定議案第 4号 業務委託契約の締結について
第 7 3定議案第 5号 工事請負契約の締結について
第 8 3定議案第 6号 物品購入契約の締結について
第 9 3定議案第 7号 田辺市
本宮渡瀬温泉センターの指定管理者の指定について
第10 3定議案第 8号 田辺市本宮渡瀬緑の広場の指定管理者の指定について
第11 3定議案第 9号 平成30年度田辺市
一般会計補正予算(第3号)
第12 3定議案第10号 平成30年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(
第1号)
管理課長 道 畑 佳 憲 君
本宮行政局長 安 井 健 太 君
消防長 安 田 浩 二 君
消防総務課長 戎 嶋 健 君
教育次長 弓 場 和 夫 君
教育総務課長 宮 崎 和 人 君
学校教育課長 野 田 泰 輔 君
水道部長 岩 本 章 君
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〇出席事務局職員
議会事務局長 千 品 繁 俊
議会事務局次長 前 田 敦 司
議会事務局主任 松 本 誠 啓
議会事務局企画員 岡 本 友 子
開 議
○議長(小川浩樹君) おはようございます。
それでは、定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成30年第3回田辺市議会定例会3日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
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◎報告
○議長(小川浩樹君) 1番、松上京子君から欠席の届け出があります。
それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(小川浩樹君) 日程第1 一般質問を行います。
4番、前田佳世君の登壇を許可いたします。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 皆様おはようございます。4番、日本共産党の前田佳世です。
初めに、台風20号、21号、そして北海道地震でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に心からのお見舞いを申し上げます。
今回は、大項目1、(仮称)
文里湾横断道路整備計画における防災の位置づけについて。大項目2、小・中学校におけるエアコン整備計画の見直しについて質問いたします。
では、大項目1から入らせていただきます。
(仮称)文里湾横断道路の整備計画の始まりは、議事録を確認しましたところ1978年にさかのぼるようです。そして、計画の理由は、その時代や経済状況の変化に伴ってさまざまに変わってきております。最初は、バブル期に県による新庄地域のリゾート開発構想の一つとして計画され、その中で出てきた新庄の交通停滞の解消のためでした。しかし、バブルが崩壊し、市の財政状況では厳しかったことから実現できず、その後、高速道路が整備されたことで交通停滞の解消の必要性が弱まり、計画は頓挫していたようです。しかし、事業化を望み続けておられた団体からの要望に応える形で2014年に再び計画が持ち上がりました。そのときの理由は、救急搬送と中心市街地の発展のためでした。同年、市が行った調査では、そうした理由は期待する効果として記されていますが、効果を示す具体的な数値があらわされているわけではありませんでした。建設が計画されている地元住民は、あれば便利だから反対はしないという消極的賛成の意見が多かったと伺っております。そして、2016年に突如命を救う道として、防災対策として避難路、避難場所とするためという理由がつけ足されました。理由が二転三転することに橋をかけることが目的化してしまっているようにも感じます。
防災対策と位置づけをすることの必要性について伺ってまいりたいと思います。まず、どういう必要性から防災対策が盛り込まれたのでしょうか。特に、なぜ海の上に新たに橋をつくり、そこを避難路、避難場所とする必要があるのでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 4番、前田佳世君の質問に対する当局の答弁を求めます。
危機管理局長、宮脇寛和君。
(危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の海上における避難路整備の必要性についてお答えいたします。
津波からの避難は揺れがおさまると可能な限り速やかに避難行動を開始することです。津波からの避難については、まず一つは、最も安全と思われる方法として、浸水想定区域から逃げる方法で、いわゆる水平避難と言われるものです。そして、もう一つは、さまざまな理由で水平避難が困難な場合には、浸水地域内で津波避難ビルや津波避難タワーなどの堅牢な高い建物に一時的に避難する方法で、いわゆる垂直避難と言われております。
文里地区やその周辺の住民の皆様は、文里1丁目公園裏高台や文里2丁目高台、田辺高等学校などが浸水区域外の水平避難場所になり、その中で田辺高等学校は
指定緊急避難場所に指定しております。また、時間に余裕がない場合には、垂直避難場所として津波避難ビルである県営文里団地2号棟、新たに整備する予定の津波避難タワーを一時的な避難場所として活用していただくことになります。
そうした中で、文里地区のような避難困難地域においては、不測の事態に備え、より多くの避難場所を設置し、避難場所の選択肢をふやすことが有効な手段であると考えており、(仮称)文里湾横断道路につきましても、避難路、避難場所として位置づけて整備する必要があると考えております。
以上でございます。
(危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) ありがとうございます。
次にお伺いいたします。全国において、市の計画のように新たに橋をつくり、そこを避難路、避難場所にするという例はあるのでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 危機管理局長。
(危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の他府県における海上に避難路を新規整備した事例はあるのかについてお答えいたします。
津波浸水区域内に新しく橋を整備する事例は多くあるかと思われますが、その橋を避難路として位置づけて整備しているかどうかは把握できておりません。
以上でございます。
(危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 把握できておられないということですが、全国にはこのような事例はございません。
次にお伺いいたします。前例がなく、検討に必要な実証データもないのであれば、文里の立地条件をきちんと提示して、地震、津波や建築の専門家に意見を乞うべきだと思いますが、それはなさっておられるのでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長、栗山卓也君。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員の質問ですけど、現在予備設計の段階なので詳細設計までまだ行っておりません。今後、そういう状況に応じて検討すると思います。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 次に、橋梁の高さはどれぐらいにする方針なのか、またその方針の根拠をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の橋梁の高さについてお答えします。
文里湾に出入りしている船舶について聞き取りを行い、高さの最大のものは田辺海上保安部の巡視船で21メーターでございます。海上面から最高点までの高さ、潮の干満、波浪による船体の上下方向の傾き、波高、心理的影響、橋梁の
維持管理スペースを考慮し25メーターとしてます。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 現在、文里湾には、御答弁にもありましたとおり海上保安部の巡視船が3隻係留しています。
全国事例についてここでもお伺いしたいと思います。港に停泊している海上保安部の大型巡視船が湾外へ出る航路の上に新たに橋をかけたという事例はありますか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の港湾に停泊している大型巡視船が湾外に出るルートとなる海上に新規に橋をかけたという事例はあるかについてお答えします。
田辺海上保安部に確認をとったところ、現状では把握してないとの答えがございました。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 先ほどから御答弁いただきましたことは、また後ほどまとめてお話させていただきたいと思います。
次に、海上保安部との協議についてお伺いいたします。
先ほどの質問に関連しまして、ただいま県と市は横断道路の整備計画について、海上保安部と協議されているとのことですが、そのことについてお伺いします。
平成29年9月とことし4月に市が提出した橋梁の高さについての申請書についてどのような議論がなされているのかお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員の御質問の海上保安部との議論についてお答えいたします。
文里港を横断する(仮称)文里湾横断道路について、概略設計中で、ルートや橋脚の位置が決まっていない中、高さについて意見を伺っており、田辺海上保安部からは、利用ユーザーの立場から、巡視船みなべが安全に航行できる高さ25メーターは妥当性があり合意できる。今後は橋梁設計に当たって、橋脚の位置や施工中の
航路確保等安全対策を含めた協議を行う必要があると回答がございました。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 一番懸念されます巡視船みなべについてですが、高さについておおよその合意ができているということでありますが、これは口頭であるというふうに確認しております。口頭が何の証拠にもならないとは思いますので、これが文書で出されない限り合意に至っているとは言えないのではないでしょうか。
次にお伺いいたします。満潮時の海面より25メーターの高さに橋をかけるとのことですが、
南海トラフ巨大地震が発生した場合、巡視船は問題なく橋をくぐれると想定されておられますか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の満潮時の海面より25メーターの高さに橋をかけるとのことですが、
南海トラフ巨大地震が発生した場合、巡視船は問題なく橋をくぐれるのかということについてお答えします。
田辺海上保安部に確認をとったところ、津波発生中には出港させないということでございます。また、津波発生前であってもそのときの状況を踏まえて、巡視船が出港させるかを総合的に船長が判断するとの回答がございました。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 現在、田辺海上保安部が文里湾に停泊させている3隻の巡視船のうち大型なのはみなべでありまして、高さが最大で21メートルということです。国交省のシミュレーションによれば、地震、津波発生から15分から19分で文里湾に津波が到達し、最高水位は7メーター、最大で9.7メーターになると分析されています。
先ほど、御答弁には、海上保安部の巡視船は津波が来襲したときには出動しないということでありましたが、私も確認させていただきましたところ、海上保安部では、まず職員が職員自身の身の安全を確保した後、庁舎から200メートルほど離れた船舶の係留所まで行き、巡視船とともに避難するということを伺っております。この間、液状化などにより、万が一港が損壊していれば隊員はスムーズに船までたどり着けません。また、大型巡視船は出航の際、エンジンの暖気が通常30分必要なところ、津波発生時にはさまざまな条件を考慮して船を避難させるという非常に緊迫した状況になるそうです。万が一巡視船の避難が難航しているうちに水位が高まれば、橋は避難の妨げになる可能性は否定できません。また、将来的に現在の船舶より大きなものにかえる必要が出たとしてもそれが無理になるか、あるいは係留場所の変更を余儀なくされるかもしれません。私は、ここに申請から1年以上たっても海上保安部からの同意が得られない理由があるのではないかと思っております。しかも前例がないということですから、なかなか同意が得られないのも当然のことのように感じております。
そして、このことを以前担当課に伺ったとき、地震、津波のことは、橋の高さのことに関しては考慮していないと伺いました。災害発生時に避難が必要な船舶の航路の上に橋をかけようと考えている。しかもその橋は避難路、命を救う道になると考えながら、予備設計前とはいえ、肝心の災害発生時のことを考慮していないというのは、防災対策を考える前提で既につじつまが合わないのではないでしょうか。
次に、地震、津波の避難原則との整合性についてお伺いしたいと思います。
和歌山県の津波から逃げ切る
支援対策プログラムによれば、
南海トラフ巨大地震による田辺の最大津波高は12メーターとなっています。それに対してみなべは14メーター、印南では15メーター、御坊では16メーターというふうに最大津波高は田辺市より数値が高くなっています。この数値結果をどのように捉えておられるでしょうか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 危機管理局長。
(危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の
南海トラフ巨大地震による田辺の最大津波は12メートルとなっているが、その数値結果をどのように捉えているのかについてお答えいたします。
平成23年3月に発生した東日本大震災では、国内で過去最大規模の地震によるそれまでの想定をはるかに超えた大津波によって、沿岸部を中心に多くのとうとい命が犠牲となり、甚大な被害が発生しました。そうしたことを受け、平成24年8月に国が公表した
南海トラフ巨大地震による津波浸水想定をもとに、県においては、平成25年3月に、より詳細なデータを用いた新しい想定を公表しており、これが現時点で想定される最大規模とされており、この想定を基本に考えております。
以上でございます。
(危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) あくまでも想定は想定であって、現在採用されている田辺市の津波ハザードマップも一つのケースにすぎないと思います。
南海トラフに限らず、現在日本の国土において、断層の場所や向きなど全容が明らかでない今日では、想定はあくまでも計算上のものです。そのことは当局もよく認知しておられると思います。
また、東海・東南海・南海3連動地震のマグニチュード8.7という想定は15年も前のものです。
南海トラフ巨大地震のマグニチュード9.1という新しい想定は5年前のものです。当時の想定設定以降も地震や津波などの研究が進む中で、いずれも情報としてはもう古くなってきています。県も市もそういう情報をもとに橋の計画を立てているということをいま一度しっかりと認識していただきたいと思います。
次に、津波による橋脚の周りの海底の洗掘、そして海や砂地を埋め立てた場所であるなら液状化による道路の損壊など予測不可能な被害が出るおそれがあります。
お伺いいたします。このようなことを考えると、橋は住民の命を守る道となり得ると考えているのでしょうか。また、どういった人が橋に避難すると想定しているのでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の本当に橋脚が津波に耐えられるのかの御質問にお答えします。
津波の影響に対する道路橋指示書での考え方としては、耐震設計に当たっては、地形、地質、地盤条件、立地条件、津波に関する地域の防災計画等を考慮した上で行動を計画するとともに、橋を構成する各部材及び橋全体形が必要な耐震性を有するように配慮しなければならないと記述されています。橋脚に関しましては、構造的な工夫及び配慮を行いながら詳細設計を行いたいと考えております。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 危機管理局長。
(危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問のどういった人が橋に避難すると想定しているのかについてお答えいたします。
文里地区やその周辺地区の住民、会社などにお勤めをされている方々や、学生を初め近くにある要配慮者施設や多目的グラウンド等を利用されている方々などを想定しております。そうした方々は、文里1丁目公園裏高台や文里2丁目高台、田辺高等学校など避難場所を目指すのか、(仮称)文里湾横断道路を活用して避難するかなど、より多くの避難路や避難場所を選択できるようにしておくことで状況に応じた避難ができるものと考えております。(仮称)文里湾横断道路につきましても避難路、避難場所の選択肢の一つとして位置づけしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 文里湾周辺の住民の皆様、そして会社員の方々、高校生の方々という答弁でした。またそのことについては、後ほどこちらのほうからお話させていただきたいと思います。
橋の設計を耐震を備えた非常に強いものに設計するというのは当然のことですけれども、港の最前線に橋をつくって、しかも避難路とするという前例がないわけでありますから、頑丈なものをつくりますと言われても市民感覚としては、そこに逃げていくというのは大変勇気が要ることだと思います。
それでは次に、避難には、先ほど危機管理局長の御答弁にもありましたが、避難には水平避難と垂直避難がありますが、水平避難とは、災害が発生している場所から離れるということを意味しています。それなのに、災害が発生している、つまり津波が襲来しているほうに向かって逃げるということは常識的に考えてもおかしいと思います。もしかすれば、中には助かる人がおられるかもしれませんが、最終的な判断はその人自身が決めることと大抵の行政の避難指針でも書かれてありますし、当局もそのように発言しておられたのを以前の聞き取りでお伺いしております。
ということは、行政としては、避難路にしました、避難場所にしました、逃げていただけることも可能ですが、万が一何かあっても責任は持ちませんよということになるのではないでしょうか。そういうことであれば最初から橋を避難路や避難場所にするということを決める必要がないと思います。あるいは決めるべきではないと思っております。
しかも、計画の橋の場所は、波の高さも流れの速さも増すような湾の最前線です。つまり津波の力が湾に集まって、最大限に高まった状態で橋や道路にぶつかるということです。このような前例のない、専門家にも意見を伺っていない、そういう状況で行政が橋は避難路として活用してもらいますなどと言えるものなのでしょうか。
次に、先月文里での住民説明会で、先ほど局長からの御答弁もありましたとおり、神島高校の生徒にも橋に逃げてもらえると説明されたそうですが、これはその説明前に、事前に学校のほうに確認をしたのでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の文里での住民説明会で神島高校生徒にも逃げてもらえるという説明をされたそうですが、説明前に学校に確認したのですかについてお答えします。
文里地区の住民説明会の前には、学校には確認は行っておりませんが、平成28年6月に文里地区企業有志の会より出された要望書の中で、将来に夢多き若人870人の神島高校及び文里、神子浜の住民、企業を合わせた約8,000人の命を守ってくださいと要望されています。その後、神島高校に確認したところ、生徒には田辺高校に逃げるよう指導しています。ただし、どうしても逃げる時間がない場合、選択肢の一つとして(仮称)文里湾横断道路に逃げるということで伺っております。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(傍聴席で私語あり)
○議長(小川浩樹君) ちょっと待ってください。
傍聴の皆様に申し上げますが、私語とそれから拍手することも、傍聴の皆様、規則として禁止されておりますので、静粛にしていただきたいと思います。
前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 事前に確認はしておられなかったということです。私もその後、神島高校のほうに確認させていただきました。神島高校では、避難場所は現在田辺高校としており、年に2回の避難訓練と1回の学習を行っているそうです。訓練の際、学校は町内会にも連絡をして、住民の皆様に道行く生徒たちを見守り、励ましてもらっているということです。でも、いざ災害時には、逃げろと声を出しながら走る彼らは、逃げることに戸惑う住民をも引っ張る率先避難者となり得るのではないでしょうか。
神島高校の生徒にも逃げてもらえる一つの選択肢であるという市の説明は、学校と地域の連携による自主的な防災方針を市の計画によって変えてしまうことになりかねず、地域の自主性を損なう上に避難原則からも外させてしまうのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問の神島高校の避難は文里の住民にとって率先避難者となり得るが、市の説明趣旨ではこれを阻害するものだと思われるとのことですが、これに対する市の考え方についてお答えします。
神島高校での指導は、田辺高校に逃げるということが原則でございます。ただし、どうしても逃げる時間がない場合、選択肢の一つとして(仮称)文里湾横断道路に逃げるということでありますので、阻害するものではありません。
以上でございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 確かに一つの選択肢としてありかもしれませんが、非常に混乱を来してしまうと思います。
次にまいります。津波避難困難地域解消計画と要配慮者の避難についてお伺いしたいと思います。
平成28年9月の和歌山県議会で仁坂知事がこのように発言しております。県が対策を進める3連動地震や
南海トラフ巨大地震への備えとして、県民の命を守り、津波から逃げ切る方法を考えていく中で、橋の存在が考えられる避難の方法と矛盾していれば困るという問題も出てきました。したがって、文里湾架橋が周辺住民を含め、県民の命を救うために必要であるという整理を田辺市が中心になってやっていただけるのであれば文里湾横断道路の計画に取り組んでいくというような結論にしておりましたという答弁でした。そして、市が中心になって整理したというのが、この平成28年3月に策定された田辺市津波避難困難地域解消計画です。
お手元の参考資料をごらんください。この資料は、その計画書に示された文里地区のページです。抜粋して1ページに掲載させていただいております。
お伺いいたします。この用紙の右側の四角で囲った欄に、上から5段目、対象人口68人と記載されております。この人数の割り出し方法について御説明ください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 危機管理局長。
(危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の津波避難困難地域の対象人数はどのように積算しているかということについてお答えいたします。
平成26年10月に県から公表された津波から逃げ切る
支援対策プログラムで、
南海トラフ巨大地震における津波避難困難地域が抽出されており、同時に対象人口も求められています。津波避難困難地域の対象者は、その抽出結果の数値で文里地区の津波避難困難者は68人となっております。対象人口の選定については、実際の住民基本台帳人口ではなく、平成22年度に実施された国勢調査結果による50メートル四方のメッシュの人口密度を10メートル四方のメッシュに面積案分して津波避難困難地域の対象者を算定しております。
以上でございます。
(危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 実際の住民台帳に基づいたものではないということです。50メーター掛ける50メーターの四角をこの左のページのピンク色の区域、ここに当てはめて割り出したということです。つまり、このピンクよりもはみ出した部分の地域にお住まいの方の人数もその68人の中に入っているということです。
しかし、このピンクの線で囲まれた区域が避難困難地域なのですが、実際、住民台帳と照らし合わせるとこの枠内には民家が2件しかありません。あとは事業所や工場で、対象人数の中には含まれていません。そのことをまず申し上げておきたいと思います。先ほど約800人でしたか、命を守っていただきたいという要望があったということですが、その方の要望の人数というのは、この68人というのを単純に見て計算にも入れておられると思います。
それでは、神島高校はなぜ避難ビルと指定されていないのでしょうか。またその検討はこれまでされておられますでしょうか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 危機管理局長。
(危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の神島高校が津波避難ビルになっていないのはどうしてかについてお答えいたします。
地震、津波はどのようなときに発生するか予想ができません。こうしたことから、津波避難ビルは24時間常に避難できるものでなければなりません。神島高校については、こうした状況にありませんので指定はしておりません。
引き続きまして、神島高校を津波避難ビルに指定することを検討したことはないのかについてお答えします。
神島高校については、現在、検討はしておりませんが、今後津波避難ビルとしての指定の可能性がある施設については管理者である和歌山県とも協議してまいりたいと思っております。
以上でございます。
(危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 現在は神島高校が24時間使用できるものではないので避難ビルとしていないという御答弁でありました。私は文里の自主防災組織に長く携わっておられた方にお伺いいたしました。そうすると、当時、市の担当の方と一緒に避難路を考えていったそうです。その際、神島高校へ逃げるということは海へ逃げるという避難行動規範から外れるために考えてもいなかったということです。
それから次にお伺いいたします。既に文里には二つの高台の避難場所があります。さらに県営住宅にも外階段がつけられました。そして、現在の津波避難タワーの隣にももう一段階高い避難タワーが設置される予定でありますが、それでもなお避難路となる橋が必要な理由は何でしょうか、お聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 危機管理局長。
(危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の文里地区の津波避難困難地域の解消対策事業として新たに津波避難タワーを整備する計画にもかかわらず、(仮称)文里湾横断道路を整備する必要はあるのかについてお答えいたします。
文里地区の津波避難困難地域につきましては、新たに予定している津波避難タワーの整備によって解消されますが、(仮称)文里湾横断道路につきましては、津波避難困難地域も含めた文里地区とその周辺地域の住民の方々にとってもより多くの避難場所を選択できるように整備する必要があるものと考えております。
以上でございます。
(危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) より多くの選択肢となり得るということでした。先ほどから計画の段階で当局はこのように考えておられるのですが、事前にそのような必要性があるのかということをこの避難困難地区の方々に伺ったのでしょうか。
私は、このことを取り上げるに際しまして、その周辺の民家の方たちであったり、事業所であったり、工場であったり、そういう方たちのところに出向いてお話を伺いました。それぞれ皆様、橋とは違う場所に逃げるということを考えておられました。そして、橋に逃げることができるという説明についてどう思われますかと問いましたところ、まだできてもいないことに対して何も言えないと、そういう答弁でした。ということは、こういう困ったことがあるからぜひ避難路となる橋をつけてほしいというニーズがあったわけではないのです。
次に、文里湾地区における要配慮者への対応についてお伺いいたします。
もう一度参考資料をごらんいただきたいのですが、右下の4行ぐらいの文章、第6節というところです。第6節、(仮称)
文里湾横断道路整備計画の推進、市が県に対して整備要望を行っている(仮称)文里湾横断道路については、文里地区の津波避難困難地域のみならず周辺に存在する要配慮者施設利用者等の避難路、避難場所として必要であることから、今後とも計画実現に向けて積極的に取り組んでいくと記載されています。
お伺いいたします。この文里地区における避難行動要支援者は何人おられますか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 危機管理局長。
(危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の文里地区の津波避難困難地域における避難行動要支援者は何人いるかについてお答えいたします。
文里地区の津波避難困難地域において、田辺市避難行動要支援者として届け出いただいている方はございません。
以上でございます。
(危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 避難行動要支援者は一人もおられないということです。居住者としては、避難に支援を要する人はいないということです。先ほどの計画書にも書かれておりました当地区内の配慮を要する人たちというのは、この地域の福祉事業所を利用してる方たちのことだと思います。私は、事業所を尋ねて、避難のことを伺ってきました。事業所の利用者の方は、ほとんどが支援の必要度が高い、知的・精神の障害を持つ方たちです。避難場所は、あゆみ保育園がある高台としておりまして、年に一度避難訓練をしているそうです。しかし、利用者の方々の多くは、まず危険を認知することがそもそも難しく、訓練だよと告げたことによってさえ既にパニックに陥るというので、散歩に出かけようと声をかけて高台までの道を行くことを習慣づけようと努力されておられます。それでも自力で目的地までたどり着けるのは利用者42名のうち10名ほどしかいないということでした。このように、避難すること自体が非常に困難であることから、事業所の方は、私たちとしては逃げるという発想から離れたい、高台に移転することが緊急的課題だと強く訴えられておられました。市民団体の要望には、こういう方たちがおられるから避難路をつけてほしいという要望でしたが、当事者の方々はそうではないんだと、避難するということがそもそも難しいから高台に移転したいんだと、全くニーズがかけ離れているのではないでしょうか。
本気で避難困難を解消するのであれば、この地区の人たちの命を救うというのであれば、橋をかけることを考える前に、まず事業所の移転要望を実現させるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 保健福祉部長、木村晃和君。
(保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えさせていただきます。
要配慮者施設等の高台移転に関しましては、各施設設置法人からの要望に応じてその都度協議、対応をいたしております。
議員御指摘のとおり、当該法人さんの中には、設置者の社会福祉法人において、津波被害の影響の及ばない場所への移転を検討されており、移転先用地の選定を進めていることは承知をしているところでございます。こうした社会福祉施設の整備に当たっては、田辺市社会福祉施設等の整備に関する助成要項に基づき、建築費については国庫補助基準に基づく事業主負担額の2分の1を、また整備に伴い福祉医療機構から融資を受けた場合は利子に対する助成を行うことといたしております。
(保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 予算の用途が違うかもしれませんが、橋に多大な税金をかけるのであれば、施設利用者の方たちの高台移転に係る費用は1億円もあればできるというふうに事業所の方はおっしゃっていました。ぜひとも実現させていただきたいと思います。もしこれが実現すれば、津波避難困難地域解消計画のこの第6節、こちらの資料にありますこの第6節の要配慮者施設利用者等の避難路、避難場所として必要であることからというこのくだりの文言ですが、これが必要なくなる、この記載が不要になるのではないかと思います。
これは、平成27年3月に設立された南海トラフ地震津波対策検討協議会の議事録です。こちらがその議事録です。この中に、南海トラフ特別措置法に基づき、国費を活用する事業については、計画を策定すれば補助率が上がるので市が実施する国費事業を登載した計画となると書かれてありました。整備計画が普通の橋では財政的に難しいから補助率のよい予算を使うために防災を理由づけしたのではないかと思われても仕方がないのではないでしょうか。
今回は、文里湾横断道路を避難路、避難施設として整備する必要性について伺う中で四つのことが明らかになりました。一つ目、海の上に新たに避難路をつくるという前例がない上に専門家にも意見を聞いていない。二つ目、橋は津波から避難路にするというのに橋の高さを考える上では地震津波のことを考えていない。三つ目、避難行動原則からも外れている。四つ目、避難が困難な当事者からの強い要望があったというわけではないこと。以上のことから、文里湾横断道路の整備計画に防災対策を位置づけることについては、その必要性が不十分であり、避難路を避難場所として位置づけるべきではないと考えます。これによって救われる命もあるとは思いますが、本気で命を救おうという目的があるのであれば、莫大な予算をかけて橋をつくるより高台移転やブロック塀の撤去、改修への補助率をアップする、高台に向かう避難路の整備をする、より効果の高い防災対策をとるべきだということを申し上げて、この項目の質問を終わります。
次に、大項目二つ目。小・中学校におけるエアコン整備計画の見直しについて質問いたします。
地球温暖化に伴い、子供たちの学習環境は大きく変化しています。ニュースでも、毎年、毎年観測史上最高という言葉をよく耳にするようになり、ことしの暑さはいつにも増して大変厳しいものでありました。
消防庁の速報によれば、平成30年7月9日から15日までの間に熱中症で救急搬送された人数は9,956人でした。統計によれば平成29年度の同時期には7,414人であったことから、ことしの同時期の暑さは非常に厳しかったということがわかります。
気象庁としては、これを一つの災害と認識していると記者発表しており、7月17日には、愛知県豊田市の小学1年生の男児が学校外の学習後に熱中症で亡くなる事故が起きてしまいました。
今回、夏休み期間中、幾つかの学校を訪ねてお話を伺ってきました。教室の温度は時間帯や校舎の向きによってさまざまですが、午後になると2階、3階の室温は34度から36度になるということで、38度になったという教室もあったと伺いました。各学校とも生徒には水筒を持参させ、授業中であっても小まめに水分をとらせたり、廊下側の教室の窓を取っ払って少しでも風通しをよくしたり、よしずをかけたり、課外授業であれば日陰に入る時間を設けたり、考えられる限りの熱中症対策を行っていたことを伺いました。その中で、自然環境が悪化していくのに学校環境は変わらないままで、どうぞきょう一日子供たちが無事であるようにと祈るような気持ちですという言葉が強く印象に残りました。
記録的な猛暑が続いたことを受けて、文科省は来年度の予算について、防災機能、それから安全対策への推進のために、昨年度より1,750億円増の2,432億円の概算請求をしたということです。さらに政府は、ことし全国の公立小・中学校にエアコンを整備するため、秋の臨時国会には追加的な対策費を盛り込んだ補正予算を提出する方針を固めたとのことです。
私が伺った保護者からのお声は、3カ年計画で設置してもらえるのは大変うれしいことですが、一日も早い設置が求められる声を伺いました。
そこでお伺いいたします。国が学校環境改善交付金の増額などを決定した場合、計画の前倒しをすることが求められますが、いかがでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の小・中学校におけるエアコン整備計画の見直し、計画の前倒しについてお答えいたします。
現在、田辺市教育委員会では、普通教室へのエアコン整備事業を本年度から平成32年度までの3カ年計画により進めております。そのうち本年度は、普通教室にエアコンが設置されていない全ての小・中学校を対象にエアコン設置工事設計業務を発注しており、現在設計中であります。
今後、平成31年度には中学校13校、95室及び中学校と併設している近野小学校6室を対象に、また平成32年度には残り全ての小学校16校、132室を対象にエアコン設置工事を実施する予定としております。
学校施設へのエアコン整備につきましては、本年7月に愛知県豊田市で熱中症により小学生が死亡した事件を受けて、国においては設置を促進するための補正予算の動きがある中、教育委員会では、国の補正予算が成立した場合を想定し、平成31年度に実施を予定している中学校及び近野小学校へのエアコン設置工事について、少しでも早く実施できるよう準備を行っているところでございます。
また、現在発注している小・中学校エアコン設置工事設計業務につきましても、国の補正予算が成立し、補助事業が採択された場合、速やかに工事発注ができるよう設計業務の完了を急いでいるところでございます。
さらに、平成32年度に予定している小学校の工事につきましても、国の補助事業や補正予算の動向を見ながら県や関係部局と連携を図り、事業期間を短縮してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) うれしい御答弁ありがとうございます。ぜひともそのような形で進めていただければ、保護者の方々も生徒さん自身も喜ばれると思います。
次に、特別教室への対応についてお伺いいたしたいと思います。
ヒアリングで伺った中では、学校現場からも特別教室への早急の対応が望まれていました。特に音楽教室は、音の問題で暑い中でも窓を閉めて授業を行うことが多く、早急の改善が必要かと思われます。普通教室への整備完了以降、キュービクル設置費用が不要になるため、特別教室に係る費用も軽くなるはずです。普通教室設置完了後、間髪入れずに整備に取りかかっていただきたいと考えますが、当局のお考えはいかがでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育次長。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問の小・中学校におけるエアコン整備計画の見直し、特別教室への対応についてお答えいたします。
現在着手をしているエアコン整備計画につきましては、普通教室への設置を優先したもので、特別教室への設置は含まれておりませんが、音楽室や図書室などの特別教室へのエアコン設置の必要性も認識しております。
数多くのエアコンを設置する場合、学校全体の電気容量が不足し、受変電設備の増設、または新設等が必要となるため、今回実施する普通教室へのエアコン整備事業に際しては、将来特別教室へのエアコン設置を前提に、必要な電気容量を見込んだ受変電設備を整備することとしております。
特別教室へのエアコン整備につきましては、現時点では具体的な計画は決まってはおりませんが、近年の異常な気温の上昇を考えますとその必要性は認識しており、今後関係部局と協議検討を進めてまいりたいと、このように考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) まだ計画の段階ではないということですが、ぜひともお願いしたいと思います。
1教室単価が、大変大まかな考えではありますが、200万円から250万円だとすれば、残っている特別教室240教室全て行って、費用は5億円から6億円といったところでしょうか。
松戸市や春日部市では、整備期間や財政負担等の縮減と事業の効率のために民間活力手法であるPFI事業を採用したそうです。ぜひとも、このようなことも研究していただいて、早急の対応をお願いいたしまして、今回の質問を終了いたします。ありがとうございました。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、4番、前田佳世君の一般質問は終了いたしました。
この場合、午前11時10分まで休憩いたします。
(午前10時57分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時10分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、6番、久保浩二君の登壇を許可いたします。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) こんにちは。6番、日本共産党の久保浩二です。
通告に従いまして質問を始めます。
今回は、求められる庁舎整備について質問をしていきます。
皆様のお手元にあります市庁舎の立地コンセプトという参考資料を出させてもらってますが、その1番に、市民の安全・安心を支える拠点。万が一の大災害時には、市庁舎は災害対策の拠点となることから、市庁舎及びその周辺が災害に対して安全であることというふうに書かれてあります。東山は予定候補地として浸水域外になっていますが、候補地周辺というその概念をどの範囲と考えているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 6番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、田辺市庁舎整備方針調査報告書についてでありますが、これは、平成28年1月に設置した諮問機関である庁舎整備方針検討委員会において耐震改修、現地建てかえ、新築移転の三つの庁舎整備方針を検討するための基礎資料として作成したものでございます。
御質問の市庁舎及びその周辺が災害に対して安全であることにつきましては、庁舎に通じる全てのアクセス道路が津波浸水被害を受けると公用車が出動できなくなるなど、災害対応拠点としての機能が失われたり、市庁舎に取り残された来庁者や職員などが孤立し、救助が必要な被災者となったりするおそれがあるため、そういうことがない場所という基本的な考え方をお示ししたものでございまして、具体的な範囲を念頭に置いたものではございません。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 周辺をどう見るかということで、基本的な考え方として、具体的な範囲は考えてないということですが、答弁の最初に言われたように、全てのアクセス道路が安全でなかったらというふうなことも言われたと思うのです。そしたら、東山の周り3方向が浸水想定域になっていると思うのですが、その辺の事実はどのように考えられているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
以前もお答え申し上げましたように、東山の候補地へあけぼの方面から入ってくるルートにつきましては、
南海トラフ巨大地震を想定した場合、津波浸水想定域外でございますので浸水の恐れはございません。
また、このルート以外にも朝日ヶ丘方面から宝来町を経由して国道424号に至るルートなど複数のルートが確保できるものと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) この質問は、3方向が浸水想定域というふうにあるということで、それをどう考えているかということです。今の答弁はあけぼのや朝日ヶ丘を通ってということですが、その三方をどういうふうに市として考えているのかをお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答え申し上げます。
先ほども申し上げましたように、幾つかのルートが迂回路を介して考えられますし、また被害の状況にもよりますけれども、そうした形の中で周辺、先ほど基本的な考え方をお示ししたものでございますという御答弁を申し上げましたけれども、そうしたことで対応できるものと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 3方向が浸水想定というのは、ハザードマップでも出てますので、そのことを考えていないというふうな答弁だったと思います。
次に、中心市街地から近い場所ということが言われているのですが、まちの移り変わり、変遷というのは時代によって変化していきます。
田辺市は、昭和7年に紀伊田辺駅ができてまちが大きく変わりました。田辺駅ができたとき、駅周辺は何もなく、駅から扇ヶ浜や神子浜、文里まで見渡せたというふうに聞いています。それまで町は栄町や本町など田辺祭りのお笠を出しているまちが中心でありました。また、国道42号バイパスが元町から礫坂へ開通し、車の流れが変わり、商業地もバイパス沿線にかわり、また、新しく稲成から新庄への新国道42号バイパスが開通し、車の流れも、人の流れも万呂地区に変わりました。人口重心、人口の中心となるところは現在下万呂地区になっています。時代により街のにぎわいも変わります。今後50年、100年後の田辺市がどのように変わるのか、変えないのか庁舎の移転問題で真剣に市民を巻き込んで考えるべきだと思います。しかし、今回の庁舎移転で市の進め方はそのことを考えているとは到底思えません。
市庁舎の立地コンセプト、先ほどお示ししたこの3番で、市の発展、活性化、まちづくりを支援する拠点、市庁舎は、来客誘発効果などの波及効果が高いため、市の発展・活性化への寄与を高めるとともに、観光客誘発効果が高い拠点施設となることというふうに書かれてあります。そして、答申では、中心市街地の近くに持ってくることを、駅、商店街、銀行などの都市機能が集まる中心市街地にあり、そこから遠く移転することで、中心市街地の機能の低下が懸念されることから、庁舎としての立地の適正さ、都市機能の集積度を考慮し、中心市街地の近くに整備することが適切と書かれていました。
私は、この答申が、どうも後ろ向きで前向きな発想ではないというふうに感じます。中心市街地エリアは、シャッターが閉まっている商店、商店街が多く、高齢化や空洞化が進行しています。中心市街地と東山を中心にどのようなまちづくりをしていくのか、50年、100年先の田辺市の姿、夢を語ることができるのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、中心市街地に関してでございますけれども、新庁舎整備基本計画の第3章に記載しておりますとおり、本市の中心市街地は紀南の商業拠点として発展を遂げてきた歴史があり、現在のまちの玄関口であるJR紀伊田辺駅を初め、市庁舎等の行政機能、また商業施設、飲食店、金融機関などさまざまな都市機能が集積する市の中心地でございます。
第2次田辺市総合計画のまちの構成におきましても、市街地について、まちが形成された歴史的経過を尊重しつつ、防災にも十分留意しながら都市機能を高め、紀南地方の中核都市にふさわしい土地利用を図ることとしております。
こうした経過や考え方を踏まえる中、都市機能の一翼を担う市庁舎は、他の都市機能やまちづくりの拠点施設との連携性が高い場所にあることで、紀南の中核都市にふさわしい都市機能の維持向上に大きく寄与するものであるというふうに考えてございます。
また、市におきましては、先ほども申し上げました第2次田辺市総合計画によりまして、一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくりを基本理念として、まちの将来像、人と地域が輝き、未来へつながるまち田辺の実現に向けたまちづくりを進めております。
本市が目指すまちづくりは、一人一人が豊かな自然や歴史、文化、そしてその中で育まれてきた田辺らしさを大切にしつつ、一人一人の活動を地域の高まりにつなげ、世界と価値を共有し、未来へとつながる持続可能なまちづくりでございます。
こうした市のまちづくりの方向性に基づき、事務事業を行っていく拠点が市庁舎でございまして、時代の変化にも対応することができ、また市民の心のよりどころとなり、市民が集い、親しまれる庁舎とするため、人と地域を大切にする、未来につなぐみんなの庁舎を基本理念とする新庁舎整備基本計画を策定したところでございます。
以上でございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 50年、100年先の田辺、駅は動く予定はないのでそうだと思うのですが、先ほども言いましたように、田辺のまちというのは時代によってどんどん変わってきて、今も言われましたように紀南の商業の中心というふうなことはそうだったと思うのです。しかし、今は商業の拠点の中心というふうなところから大きく変わって、今田辺市が進めているのは、とにかく観光に力を入れるということで、商業のほうが、ふだん抜け落ちてきてあるのに、今の時点で商業の中心だというふうに言われても、それはなかなか納得できるものではありません。
そして、やはり市民の皆様を巻き込んでと言ったように、あそこの場所に行くことで、田辺市がどういうふうに変わっていくのか、そういう夢を語る、そういうものでなかったらあかんと思うのですが、今市は一生懸命東山にするということだけで、市民の皆様にその辺の場所を決めるときに、どんなまちをつくるということが言われてないというふうに私は感じてます。やはりそこのところが一番抜けているのではないかということです。
それで、都市機能ということであれば、駅前を今再開発しようとしてます。観光のために施設を建てるというか、買い取ってそこにつくるということですが、そこに行政機能のあるワンストップの窓口をつくったらよいではないですか。そしたら市民の皆様も駅を中心に人が来る、そういう方々も便利で、一人一人に寄り添う形で行政サービスができるというふうに思います。
大阪の東大阪では、若江岩田駅前というところでそういうものをつくっています。そうだから、つくろうと思ったら、今再開発しているそこに観光の拠点をつくっても行政の拠点をつくろうという頭ないでしょう。やっぱりそこが、今回の庁舎移転のところで抜けていることだと思うのです。
次に、両庁舎の機能の統合というところで、また市庁舎の立地コンセプトの②市民が利用しやすい行政拠点で、市域の全てのエリアから、自家用車、公共交通、自転車や徒歩により市民が市庁舎を利用しやすい位置であること。また市民に対してより利用利便性を高めるために公共施設ネットワークが形成されていることというふうに書かれてあって、今のこの庁舎と市民総合センターを一緒にするというふうには書かれていないと思うのです。庁舎機能の統合とあると思うので、やっぱりワンストップできるものが必要だというふうに私たちは主張してるのです。統合することで市民が利用しやすい行政拠点となるということですが、統合しなければ市民が利用しやすい行政拠点は実現できないのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
市民総合センターにおきまして、福祉や教育の業務を行うようになって20年以上になりますが、今もなお本庁舎の各課や玄関案内におきまして市民総合センターを御案内することがあり、市民の皆様に御不便をおかけしているものと認識しております。
また、先日の川﨑議員の御質問にもお答えいたしましたが、転入時における本庁と市民総合センターにまたがる手続などもございます。加えまして、本庁舎と市民総合センターに分かれていることで職員の日常業務が非効率となっている面も多分にございます。
両庁舎の機能を合わせた新庁舎に移転をすることで、市民の皆様におかけしている御不便や職員の日常業務の非効率が解消できるものと考えており、市民の皆様はもとより職員にとりましても利用しやすい庁舎になると考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 今の市民総合センターに福祉、教育があって、本庁に窓口業務があるという、そういうふうに分かれてあって、二度手間になる、市民の皆様の利用に不便があるということで、機能の統合ですから、二つを一緒にしないということではなくて、機能の統合ということはそのものを別につくったら、そういう不便が解消できるのではないですか。そういう考え方はないのでしょうか。
私たちが示したように、7カ所ほど行政局というか、旧市内につくったら、そういう窓口、福祉や教育や市民の窓口、いろんな手続、書類の手続なんかをできるものをつくったら、それは解決できるのではないでしょうか、お答えください。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えさせていただきます。
先日、拝見させていただきました御提案につきましては、この新庁舎の整備に直接的に関連はなく、体制や業務内容に関するものであるとの印象を受けました。
先ほども申し上げましたとおり、市庁舎につきましては、市のまちづくりの方向性に基づき、事務事業を行っていく拠点でございまして、現状の本庁舎、そして行政局、そしてまた公民館、そしてまた連絡所等におきまして連携を図りながらそのサービスの向上とかいったことにつきまして努めていく必要があると考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 私たちの提案で不便はなくなるということは理解していただけているというふうに今の答弁でも思うのですが、事務事業を進めるということだったら、別にほかに庁舎整備をするときに、私たちが提案するようなものをつくってするというのは別に問題ないということでよいというふうに私は理解したのですが、デメリットについて、職員の問題、そして効率の問題、お金の問題、金曜日にも言われたのですが、川﨑議員からも提案あったように、本庁舎機能をコンパクトにして、建物の建設費を大幅に削減することができたら、お金の問題は解決すると思います。そして、先ほど部長の答弁で一人一人が大切にされるということですが、市民の皆様も、もし東山1カ所になったら、やはり高齢化が進んで役所へ行きたくてもなかなか行けない多くの方が出てくると思うのです。しかし、そういうことを改善するため、解決するためにも、やはり私たちの主張する提案するものが必要ではないかというふうに思います。そして、住民にとってもメリットが大変ふえるというふうに考えています。
そして、いろんな費用がふえるということでありますので、やはり公民館などの既存施設を使うことで、庁舎機能を大きくつくるということは必要ではないというふうに思いますので、その面でも改善されていくというふうに思います。
次に、答申の候補地選定をする場合に、想定浸水域外で庁舎を整備する面積が確保できることというふうにあったと思います。東山の候補地は、現在の駐車場に店舗と立体駐車場の建設を計画しています。この9月議会にもその案が出ていますが、店舗部分に敷地を大きくとられ、立体駐車場は建設費も莫大な額になります。平面の駐車場に比べて立体駐車場は転落事故や運転にふなれな方にとって安心して駐車がしにくく危険が多く存在するものとなります。このことを考えれば、東山の候補地は庁舎整備に十分な建築敷地面積を有していないというふうに思います。
田辺市がこの3カ所、愛宕山、宝来、東山の三つ決めたときに、敷地面積、開発面積で見ますと、愛宕山が3万平米、宝来が2万5,000平米、東山が1万5,000平米となってました。そして、建築敷地面積で計画では、愛宕山が1万4,900平米、宝来が1万5,500平米、東山が1万540平米というふうになって、本当に十分な面積がここの東山で確保できてたのかどうかというのが疑問になるのですが、その面積はちゃんとあるというふうに考えられているのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
新庁舎整備基本計画の土地利用の項目でお示しをしてございますように、確保できているものと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 確保できているということですが、一番最初の計画では、店舗をつくるという計画はなかったというふうに思います。それを駐車場のところにつくるとなったら、建築では変わらないと思うのですけど、敷地全体のところからの利用を考えたときに、やはり狭くなっているというふうに思います。
そして、立体駐車場ということですが、やはり市民の皆様から言ったら、平面の駐車場が一番安全だというふうに思います。私たちの案では、各公民館を行政局として整備するということになりますので、多数の住民が本庁舎に集中して来庁するということはほとんどまれというふうに考えています。
そして、ここも重要な問題ですが、東山周辺には空き地が少なく、職員がもし400人、500人、あそこに通うとしたら、今現在この中屋敷中心に皆さんが車をとめている駐車場の確保が東山周辺では難しいというふうに思いますが、その辺は検討されたのでしょうか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
職員の駐車場につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 今後検討ということで、その辺も考えてなかったということだというふうに思います。
庁舎をつくる場合に、バリアフリーの対応ということで、いろいろ計画されているのですが、私たちの計画で、各公民館、行政局を改築などによってバリアフリーにすることで、避難所に利便性が向上するというふうに考えます。そして、本庁舎をつくる場合に、やはり障害者用のスペース、幾つかつくられるというふうに思うのですが、やはり雨とかそういうときに安心してできるようにしていただくことが、高齢者や障害者にとって安心できる、そういうこともやっぱり平面の駐車場が多くあることが大事だというふうに思います。
次に、財政負担の問題で質問いたします。経費は最大限抑制する必要があるということですが、平成29年3月の候補地選定調査報告書で東山への移転を要する費用ということで、115億円と出ていました。ことし6月末に出された庁舎整備基本計画素案、今は素案がとれてますが、122億円というふうになっています。このままではもっと増加することも懸念されますが、田辺市は500億円を超える借金があります。庁舎移転整備に当たり、費用を抑制するということを考えられたのか、検討されたのかお聞きします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
新庁舎の整備事業につきましては、田辺市総合計画に基づく実施計画や予算編成におきまして、将来的な財政状況を見通しながら計画的に取り組みを進めているところでございます。
そしてまた、事業費につきましてもできる限り抑制をしていくということは当然のことでありますし、またその財源につきましては、平成24年度から計画的に積み立ててきました庁舎整備基金を活用するとともに、緊急防災・減災事業債や合併特例債といった交付税算入率が高い有利な起債の活用を予定しておりますことから、将来にわたる行財政運営の健全性、持続性は引き続き確保できるものと考えてございます。
また、これは概算に基づくあくまでも試算でございますが、主な財政指標である実質公債費比率、そしてまた経常収支比率についてでございますけれども、今申し上げました起債の償還、ピーク時においてもほぼ影響はないというふうな見通しを立てているところでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 償還のとき、ピーク時でも影響が出ないというふうなことを言われたのですけど、田辺市はほかの自治体、類似団体と比べて予算規模がかなり大きいと言われていると思うのです。その中で、今まではその状態でやってこれたと思うのですけれども、これからはそう簡単にそういうことができないということで、やはりどういうふうにお金を始末するのか、どういうふうにお金を回していくのかということを、やはり一番最初に考えなければいけないことだと思うのです。
次に、(2)の経済の側面から庁舎整備を考えるということで、今120億円を超える支出となっていますが、それは必要不可欠、不可避だというふうに考えているのかお伺いしたいのですが、この概算事業費の中の122億円の中に東山以外でやれば、解体撤去費8億4,000万円、立体駐車場、店舗棟建設14億円は要らなかったと思うのですが、120億円を超える支出は本当に必要不可欠なものだったのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) まず初めに、候補地選定調査における三つの候補地につきまして、費用面も含めまして総合的な評価により東山を建設候補地としたところでございます。
また、新庁舎でございますけれども、整備基本計画の第8章に記載しておりますが、新庁舎棟建設費につきましては、過度な設備と過剰な装飾等を見込まない機能的かつシンプルな新庁舎を想定し、免震構造で延べ床面積が1万平方メートル以上の他市の庁舎の事例等から算定をしておりますが、今後設計により新庁舎の建設費を積算する予定にしてございます。
そうした中で、できる限り事業費を縮減するため、新庁舎整備基本計画の第7章のコスト縮減の項目におきまして、建設を初め、光熱水費、改修、修繕、維持管理等の建物に係る生涯費用の縮減を考慮した設計とすることとしてございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 縮減を考えるのは当然のことだと思うのです。120億円を超える支出は必要不可欠だったのかということを聞いたのですけど、そこに対してはなかなか答えてもらっていないのですが、そしたら、この庁舎移転整備することで、最終的な上限の金額を設定したのか、また低コスト、低くするという答申があるのですが、その条件を満たすほかの手法を考えたのか、その辺についてはいかがですか。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
事業費の上限ということを設定しているのかということについてでございますけれども、先ほども申し上げましたように、今後設計により新庁舎の建設費を積算する予定にしてございます。
そしてまた、低コストということでございますけれども、これも先ほど申し上げましたように、候補地選定調査におきまして、候補地について費用も含めて総合的に評価した結果、現在の計画地におきまして新庁舎整備を進めることとしたものでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 今後設計というのは、何度も答弁されているのですけれども、市としてここまでにするなど普通考えてすると思うのです。やっぱり最高ここまでに抑える、そういう形で庁舎整備を考えているというふうなお話が聞けると思ったのですけれども、今後設計でというふうな話ですが、参考資料の田辺市の身の丈に合っているかということで、資料に出てくるいろんなところを調べてみたのですけれども、滋賀県の長浜市55億円、人口12万人、甲賀市65億円、9万人、兵庫県豊岡市36億円、8.5万人、新潟県燕市8万人で45億円、つくば市22万人で60億円というふうな形です。時期が少し違うので、その辺の金額差はあるかもわかりませんが、単純に計算しましたら、平米当たり高いところで40万円超すところもあるのですが、大体30万円前後という金額になるのです。オリンピックの関係とかで今高くなってるというふうなこともあるのですけれども、北海道旭川市の資料を調べましたら、人口約36万人で庁舎を2棟つくるらしいのですが、1期棟工事で2万3,000平米で98億9,000万円、人口34万人の旭川市です。これは1平米当たり40万円で田辺市の48万円から比べたらかなり少ない形になっています。
先ほどの部長の答弁にもありましたが、庁舎移転の概算で今現在基金が20億円やと思います。そして、起債が70億円、一般財源30億円ということで、一般財源は大体6年で毎年5億円ずつというふうにお聞きしました。起債が70億円で15年で返済という計算しますと、元利合計で毎年5億円、交付税算入あったとしても1億5,000万円から2億円ぐらい。そやから初めの6年間は大体7億円ぐらい毎年負担がふえるということですが、先ほど部長は財政は圧迫しないとか、ピーク時でも十分やっていけるいうことです。本当に市の財政を圧迫しないのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、議員から御紹介をいただきました他市の事例でございますけれども、田辺市の場合は今現在新庁舎棟で48万4,000円となっておりますが、これにつきましては、時代背景といいますか、建設物価の動向、そしてまた構造形式等々によりまして一概に比較できるものではないと考えております。
そうした中で市の財政ということでございますけれども、これはもう先ほども御答弁を申し上げましたが、財政見通しは立てておりますが、新庁舎の整備を進めるに当たりましては、今後とも事業費の縮減に努めるとともに、庁舎整備基金、そしてまた有利な起債を最大限活用してまいりたいと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 7億円というお金を出さなあかんということで、ほかの事業に影響するのではないかなというふうに思うのですが、金曜日の二葉議員の質問で、田辺市は公共施設やインフラの維持管理に多額の費用を今後要するというふうに言われていました。公共施設や市道、橋梁、トンネルなどの維持管理が、年間どれぐらいの金額になるのか。平成29年度の決算、先日いただいたもので土木費関係をざっと、改修や新規の分も含めて計算しますと大体11億円出ていました。
そやからね、簡単に7億円というお金というのは、田辺市の中でもかなり大きなことで、この庁舎整備でそれだけ分を捻出していかなければならないというふうになったら、ほかのどこかを削るということをしないと、財政だけが大きくなるということでは進めていくというのは難しいと思うのです。
私が議員になってからずっと子ども医療費を要求して、最終的に去年の10月無料化したのですけれども、ずっと言われたのは財政的にお金がない、お金がないという形で、市単独の事業になるのでお金がないというふうに言われたのですが、それで平成29年度で子ども医療費見ますと1億5,400万円ということです。このお金が、なかなかないんや、ないんやって言うていたのが、簡単に起債で15年から20年、1億5,000万円から2億円払わなあかん、それで、一般会計から5億円というふうなことを考えたときに、やはり大きく影響してくる形になると思うのです。
そして、先ほどの前田議員の質問で、エアコンの教室への設置、前倒しできないかということで、3カ年の計画で大体13億円というふうに聞きました。3分の1が国からの補助で、3分の2が田辺市の支出になるとお聞きしたのですが、そういうことでも、やはり影響が出てくるというふうに思うのです。何でもかんでもどんどんどんどんお金を湯水のごとく使うという財政はできないはずなので、ほかに影響が出てくるというふうに思います。
そして、先ほどの前田議員のことにもつながってくるのですけれども、文里湾横断道路、これはまだはっきりした形にはなってないということですが、串本と大島を結ぶ大橋に120億円ほどかかったということなので、もし文里湾横断道路を都市計画道路にしてつくるとしたら、県からもいろいろとお金は入るという計算はしているということですが、大体100億円とか200億円とか物すごい大きなお金を必要とするということで、田辺市の持ち分がどういうふうになるかもわかりませんけれども、これも起債になると思います。
そやから、庁舎整備だからといってお金をどんどんどんどん上限も決めずに、設計だけでどうにかなるということではなくて、きちんと田辺市としての考え方を持って、対応してほしいと思います。
次に、大手ゼネコンに発注した場合と、直接地元企業が受注した場合の経済効果、どのように分析されているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
公共工事が地域経済に与える効果につきましては、これまで実施した大規模事業におきまして試算したことはございませんが、公共工事が地域経済に果たす役割につきましては十分認識をしているところでございます。
そうした中で、新庁舎の整備につきましても、施工段階におきまして、地域経済の振興といった観点を考慮することとしてございまして、これまで同様そうした効果を試算する予定はございません。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) 今までの特別委員会のやりとりを聞いていますと、自治法第2条14項で庁舎建設は最少の費用で最大の効果にしなければならないというふうなこと言われて、ゼネコンだったら100億円でも200億円でもしたことあるので安心なんやというふうなお話も出てました。しかし、それだけのお金を出してしたとしても、ゼネコンが受注して田辺市の経済にお金が回らなかったら、地域のいろんなことをよくしていこうということにはつながらないというふうに思うのです。それで、地元でもしお金が回ったら、それだけ分経済効果があって、税金もふえて、それでいろんな雇用とか、そういうふうなことが広がっていくというふうに思うので、ただ効率だけで判断するということのないように、やはり考えていただきたいと思います。
そして、田辺市の建設業者が入札に参加できる基準についてどのように考えているのかお伺いします。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
発注に際しては、学識経験者等で組織する検討委員会を設置する中で、公正で合理的な入札方法を検討することとしておりますが、市といたしましても地域経済の振興といった観点も考慮しながら、関係法令に沿って、競争性をしっかりと確保した上で、どのような手法が望ましいのか、今後調査研究をしてまいりたいと考えております。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) なかなか今の時点で参加できる基準については難しいということだと思うのですが、8,000万円以上だったら、その資格を持っている業者で、それが市の出す条件次第で入札できたり、できなかったりというふうなことで、ある業者の方に聞きますと、今田辺市が計画してある解体、建設、施工の一体で一番最初言われていた90億円のそういう経験があるというふうにもし出されたとしたら、田辺の業者は入札できないと。そやから、なかなかね、具体的にどういうふうにしてくださいということではなくて、競争性もあるのですけれども、やはり一緒に、田辺の業者もそういうふうなものに参加してということだと思うのです。
そして、聞き取りの中とかいろんな場で、今計画してある本庁舎の建物というのは、紀の川市など今最近できたところを見ても物すごくシンプルで、もう本当に難しいものではないということで、普通のオフィスビルのような形で、フロアがあってざっと広くなっていて、細かく仕切ってあるということではないというふうに私も思います。そして、川﨑議員が言ったように、今総務省が進めている働き方の中では、そういう難しいつくりが必要ではないということだと思うので、技術的にも田辺の業者さんは自信を持っておられるので、そういう最初から入札に参加できないというふうなことがないよう考えていただきたいと思います。
3番の項については、先日、川﨑議員が私たちの提案を具体的にさせていただきましたので、ここは省かせていただいて次の建設費を減らしてというところに移っていくのですが、今朝、私質問準備のためにちょっと朝早目に出てきまして、ちょうど礫坂のあたりを8時過ぎに通ったのです。そしたら、ちょうどきょうは雨ということで、車の数も多くて、新万、あけぼののほうからおりてきましたら、ちょうど南新万の入り口に入る3差路があるのですが、そこからもう渋滞になっていまして、それで礫坂大橋のところまで、やはり何回か信号にかかるということで、そこから真っすぐ、二ツ池の橋を越えて、市内向けにおりたときでも、あの信号でオークワの店のほうまで車がつながるということがあったので、やはりここの場所は道路事情考えた場合、ちょっと難しいということは感じましたので、そのことをちょっと報告しておきたいと思います。
そして、建設費を減らして市民の暮らし優先にということで、先日金曜日の塚議員の質問、災害のことの質問だったのですけど、市長は市民の生活を最優先にするというふうな形で答弁されました。
今、子供の貧困問題が社会問題化し、非正規雇用や派遣社員、雇用環境は厳しく、子育て世代の暮らしも厳しい状況にあります。また国保税の負担、介護保険料の大幅値上げ、年金の引き下げ、高齢者の暮らしは年々厳しくなっています。少子高齢化の振興、市民が安心して暮らす環境が整えられていないのが現状だと思います。
そういう状況の中で、やはり建設費を圧縮したりするということが必要やと思うのですが、そういう市民の暮らしを考えたときに、本当に大型の公共事業になって、大きな負担になってするということを、やはり考え直して、見直して、市民の暮らしに回していくということが求められているというふうに思うのですが、その辺についての考え方をお聞かせください。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
新庁舎の整備を進めるに当たりましては、先ほども申し上げましたように、事業費の縮減、これはもうもちろんのことですけれども、将来的にも行財政運営の健全性、持続性を確保するため、庁舎整備基金を初め有利な起債、これを最大限活用してまいりたいと考えております。
そしてまた、先ほどの議員の御質問の中で7億円の負担ということがございましたけれども、これは例えば償還期間ずっとということではなしに、必要となる一般財源の頭金的なところだというふうに考えております。またその辺につきましても、また交付税算入はないわけでございますけれども、そうした部分に対しましては、またほかの財源、例えばほかの起債であるとか、そうしたことも活用しまして、行財政運営の健全性、持続性を保ってまいりたいと考えております。
そうした中で、市の各種施策の推進につきましては、時代に即した行政サービスの提供といった観点から、この新庁舎の整備も含めまして、事業や施策の必要性、緊急性等を適切に見きわめながら、それらの実施に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君) きのうの日曜日、万呂の敬老会がありまして、私も毎年参加させていただいてるのですが、敬老会の事業に参加されている方といったら健康な方で、それでそれなりに暮らしをされている方が多いのではないかなというふうに思うのですが、今の高齢者の現状を見ますと、本当に厳しいという意見というか、いろんな相談受けるのですけれども、その中で、年金を普通の人よりもらっている人でもやはり介護保険の保険料が高くなったというのがかなり大きな負担やというふうにきのうもいろいろお話聞かせてもらったのです。ですから、本当に市民の暮らしを一番にというふうな形を考えてやっていただくことが必要だと思います。
今現在、田辺市が進めている事業、この庁舎整備、武道館の建設、そして計画中の文里湾横断道路など、大型の公共事業に私のほうに声を寄せていただく方の意見というのは、誰のための、何のための庁舎移転なのかというふうに言われます。金曜日に川﨑議員も声を紹介してましたが、やはりそういうかなり辛辣な形の意見も寄せてくれる方もおられます。そして、武道館建設については、市役所が津波被害を想定して高台に移転するのに、今の市役所の場所より海に近いところへつくるというのは、考え方が異常やというふうに私に直接、かなりのけんまくで言ってこられた方もあります。
また、文里湾横断道路で、先ほどの前田議員が論破したように、本当に避難困難者の、要配慮者のための避難対策という名目で建設しようとしているのはやはり間違いだというふうに思います。それは、バイパスもでき、紀勢道も白浜、江住まで伸びて、新庄地域の交通渋滞は以前に比べかなり改善されたということです。100億円とか200億円とか幾らかかるかわからない道路、橋をかける必要があるのかどうか、財政的に本当に大丈夫なのかが話されています。
私たち共産党市議団の提案で、先日金曜日に皆様にお示ししました、市民に寄り添い、費用も節約できる庁舎整備の提案というのを出させていただきましたが、それを真摯に受けとめて、東山の移転は一旦凍結して、本当に市民の皆様に意見を聞いて、どんな田辺市にしたいのかを再度どんどん議論を深めていくこと。そして、庁舎をまちづくりの拠点とした整備をすることを再検討することを求めるものです。
無駄なことにお金をかけずに、市民に寄り添い、市民の暮らしを守るために市政運営をするべきだということを提起して質問を終わります。どうもありがとうございました。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、6番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午後 0時08分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 市橋宗行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 市橋宗行君) 続いて、15番、安達幸治君の登壇を許可いたします。
(15番 安達幸治君 登壇)
○15番(安達幸治君) 皆様こんにちは。15番、くまのクラブの安達幸治です。
市の職員さんにおかれましては、台風20号、21号の災害で大変お疲れとは思いますが、どうぞ答弁のほうよろしくお願い申し上げます。
それでは、質問に入らせていただきます。
まず、第1項目から順に質問させていただきます。台風20号による災害復旧及び復興支援について、小項目1として、本宮町の温泉街への対応についてお聞きいたします。
去る8月23日から24日にかけての台風20号の襲来により、我が田辺市全域も大きな被害を受けました。上芳養や上秋津、本宮の上切原などでは家屋の被害もありましたが、幸いにしてけがにも至らず安心しているところです。
そんな中、今までにない大きな打撃を受けたのが本宮町の川湯温泉です。大幅な大塔川の増水により、全ての旅館の部屋の中を泥水が貫きました。水が引いた後の温泉街は、ほとんどもとの体をなしていませんでした。市長自身も24日の朝から現地に入られ、その後すぐに市の職員さんに素早い対応をされました。おかげで25日、26日の両日には多くの職員さんとボランティアの方々が現地に入られ、泥まみれになりながら懸命に災害復旧に取り組んでおられました。ある旅館のおかみさんは、涙ながらに市長さんや市の職員さん、そしてボランティアの方々に本当に感謝をされておられました。
しかしながら、これは復興への第一歩にしかすぎません。川湯温泉がもとの姿に立ち返り、再び観光客が戻り、温泉街の人々に笑顔がよみがえるまで、国や県の支援を受けながらも全力で取り組んでいく必要があります。
ただ、今できることは何と言っても温泉街の人々に夢を諦めさせないことです。住民は、私たちの力だけではどうにもできんと嘆いています。今後、田辺市としてどのように取り組んでいかれるのか。温泉街の人々に勇気を与えるお言葉で示していただければと思いますが、御見解はいかがでしょうか。
小項目2として、孤立する曲川地区への対応についてお聞きいたします。
平成23年9月の12号台風により崩落し、改めて整備し直された市道串峠平治川線の現場が今回の台風20号により、以前にも増して大きく崩落しました。このことにより、曲川地区が再び孤立し、住民は不便な生活を強いられています。恐らく復旧にはかなりの月日が必要だと感じますが、気になるのは住民の生活です。
そこでお伺いいたします。住民は、現在何人残られているのか、他の人はどうされているのか、残られている人のライフラインは大丈夫か、出られた人の住居はどうするのか、残られている人が病気になった場合どう対処されるのか、また、今後の市の対応についてもお聞かせください。
小項目3、林道の新設についてお伺いいたします。
市道串峠平治川線の崩落により曲川地区は再び孤立状態になりましたが、復旧されたとしてもあの地形や土質を見ればいつ崩落しても不思議ではありません。私自身も不思議には思っておりましたが、なぜ曲川地区には迂回路がないのでしょうか。檜葉方面、あるいは皆地方面から早く林道をつけておれば孤立することはなかったでしょう。以前、林道の話もあったようですが、地主さんの反対により進まなかったということも聞き及んでおりますが、やはりここは忍耐強く頑張っていただきたかったと思います。
曲川の奥には平治川という歴史、文化を育んできた大切な場所もありますし、また、林道と林道を結ぶことにより林業にも好影響を与えます。ぜひ新たな林道整備が必要だと考えますが、御見解をお聞かせください。
以上3点、どうぞよろしくお願いいたします。
(15番 安達幸治君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 15番、安達幸治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の台風20号による災害復旧及び復興支援についての1点目、本宮町の温泉街の対応については私から、その他については担当部長から答弁いたします。
議員のお話にもありましたとおり、このたびの台風20号の猛烈な大雨と強風により、市内各所で土砂崩れ、冠水等の被害が発生し、その中でも本宮町川湯地区においては大塔川の増水により甚大な浸水被害がもたらされました。市においては、発災直後から職員が一丸となり、住民の健康や生活環境の保全及び公衆衛生上の観点からの迅速な災害廃棄物の回収と災害対応、復旧作業に取り組んでいるところです。
今後、市といたしましては、地域商工会等と連携しながら被災された事業所の状況把握に努め、復旧への設備投資や再開後の安定的運転に向けた資金繰りに対し、経済面での支援や市税、水道料金等の減免措置を行ってまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても復旧までにはもう少し時間を要する状況であります。
特に、本宮町川湯地区につきましては、本市を代表する観光地の一つであり、世界遺産熊野古道を歩かれる方、熊野本宮大社に参拝される方が多く宿泊される温泉街であることから、今回の被害が本市の観光振興にも多大なる影響を与えるものと認識しております。
このようなことからも、今回の被害を市全体のものと受けとめ、一日も早く以前のように国内外から多くの来訪者をお迎えできるよう国や県の御支援をいただきながら、また関係団体との連携を図り、早期復旧に向けた支援を行うとともに、復旧への道筋が見通せた際には、田辺市熊野ツーリズムビューローや観光協会とも連携し、観光復興キャンペーン等による効果的な観光客誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
今回被災された地域の皆様におかれましては、いましばらく困難な状況が続きますが、市としまして、関係機関、関係団体等の御協力を得ながら全力で支援を行ってまいります。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 本宮行政局長、安井健太君。
(本宮行政局長 安井健太君 登壇)
○本宮行政局長(安井健太君) 議員御質問の孤立する曲川地区への対応につきましてお答えさせていただきます。
8月23日から24日にかけまして、この地を襲いました台風20号の影響により、市道串峠平治川線本宮町下湯川地内で延長約140メートルに及び大規模な崩落が発生し、現在通行ができなくなっております。曲川地区へは迂回路によって徒歩でのみ通行が可能となっています。今回の崩落箇所は、平成23年台風12号災害の際にも崩落しており、そのときも曲川地区は孤立集落となりました。今回の発災時、曲川地区には7世帯、12人の方がおられ、現在は地区外の親類宅等へ移転した方を除き、6世帯、8人の方がいらっしゃいます。ライフラインにつきましては、飲料水や電気は復旧しておりますが、固定電話が不通であり、携帯電話につきましては1社のみ通話が可能です。
市といたしましては、今回の崩落箇所は、以前より崩落の可能性が高まっていたことから、発災前より地区住民への状況説明を行い、各家庭での食料の備蓄をお願いするとともに、曲川集会所にアルファ米50食、クラッカー50食を配備しております。また、衛星携帯電話も曲川集会所に設置し、地区との通信手段を確保するとともに、あわせて迂回路の調査も実施いたしました。
発災後においても職員が徒歩で食料や、発災時は停電をしていたため発電機等の物資を搬送するとともに、地区住民の健康調査も行っています。また、架線による物資搬送も可能となるよう整備を進めています。
こうした中で心配されるのが体調の急変等による救急の対応ですが、こうした場合は防災ヘリでの救急搬送を行うこととしており、8月30日には1名を防災ヘリによる搬送を行っております。
今後につきましては、地区外に転居を希望される方へは住宅のあっせんなどの支援を行うとともに、地区内にとどまられる方に対しましても、できるだけ不便を感じない生活をできるよう支援を行ってまいります。
以上でございます。
(本宮行政局長 安井健太君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 森林局長、清水健次君。
(森林局長 清水健次君 登壇)
○森林局長(清水健次君) 議員御質問の曲川地区への林道の新設についてお答えします。
曲川地区へ通じる道路は1路線のみであるため、平成9年、旧本宮町当時、桧葉地区の国道311号から一部町道を経由し、曲川地区へ通じる林道約1,300メートルを計画いたしましたが、用地等の関係で断念した経緯があります。その後、平成23年の台風12号により当該市道が被災し、1年余り曲川地区が孤立したことは議員御承知のとおりです。市道の復旧が進む中、迂回路や非常時の代替道路として再度林道の新設を検討しましたが、事業の採択要件等の変更があり補助対象に合致しなくなったため具体的な計画には至りませんでした。
今回の台風20号により、市道の同一箇所において大規模な崩壊が発生し、曲川地区はもとより、その上流部の旧平治川地区への進入路が閉ざされてしまいました。旧平治川地区には林道が2路線あり、沿川には広大な森林を有し、その施業が行われております。さらにその上流部には、平成23年の台風12号で深層崩壊を起こした山腹復旧のため林野庁において民有林直轄治山事業が行われております。
議員お話の平治川地区出身者の方が文化伝統の継承のため頻繁に当地を訪れていることも承知しております。
こういったことから、市道復旧が最優先ではありますが、代替道路の必要性は一定理解をしておりますので、その手法等、今後に向け調査研究をしてまいりたいと考えています。
以上です。
(森林局長 清水健次君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 安達幸治君。
(15番 安達幸治君 登壇)
○15番(安達幸治君) 心のこもった御答弁いただきまして本当にありがとうございます。特に市長さんの言葉というのは、本当に地元の人たちにとっては勇気がつくことだと思いますのでよろしくお願いします。
私たちが観光、観光と大きな声で発せられるのも本宮町が合併に加わっていただいたおかげだと思っております。聖地熊野、その象徴であります本宮大社、それに通ずる世界遺産の熊野古道、そして多くの観光客を優しくもてなしてくれる温泉街、その代表ともいえる川湯温泉の被災は田辺市の観光にとっても大きな痛手でございます。どうぞ今後におきましても、復旧はもとより資金面の支援も含めて1軒の旅館も廃業することのないよう全力での御支援をいただけますようよろしくお願いいたします。
続きまして、孤立する曲川地区への対応について。
曲川地区におきましては、特に地元に残られておられます方々に対しまして、どうぞ今後とも温かい御支援をいただきますようよろしくお願いいたします。
また、他の地域におきましても一番やはり心配しているのは孤立地域でございまして、病気の方はもちろん、特に透析をされている方が一番心配でございます。この方は1日おくれたら命にかかわりますので、行政局の皆様も含めてどうぞ注意を払っていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いしておきます。
続きまして、林道の新設について。林道の新設につきましても事業の採択要件等の変更という、また一つ新しい敵があらわれました。林道はただ林業のためだけにあるのでなく、地域と地域を結ぶ大切な生活道路です。決して費用対効果だけであらわせるものではありません。私たちは、これからも孤立地域を防ぐためにも決して諦めることなく国や県に訴えていく必要があります。どうぞ粘り強く頑張っていただきますようよろしくお願いいたします。
続きまして、大項目2番といたしまして、上秋津川中口の崩落による土砂災害についてお聞きさせていただきます。
上秋津川中口の崩落については、土砂ダムの危険性ということで以前にも一度質問をさせていただきました。その後、関係職員さんには雨が降るたびに見回っていただきました。その現場がことしに入って3回続けて崩落しました。ただいま懸命な努力をいただいて、それでまた早急な措置がとられているところでございますが、全体を見ておりますと、今後も大きな崩落が起きることは容易に判断できます。
この崩落現場についての説明は、5月30日に上秋津農村センターにて上秋津住民に説明され、土砂ダムについても避難説明がなされたところですが、その後下流の下秋津地区には何の説明もありません。土砂ダムが崩壊すれば、上秋津どころか下流にも影響を及ぼすのは確実です。全く危機意識が薄いとしか言いようがありません。なぜ下流地域に説明をしないのかお答えいただいた上で、今度どのように対応されるのかお聞かせください。どうぞよろしくお願いいたします。
(15番 安達幸治君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 危機管理局長、宮脇寛和君。
(危機管理局長 宮脇寛和君 登壇)
○危機管理局長(宮脇寛和君) 議員御質問の上秋津川中口の崩落による土砂災害につきましては、当該箇所は、現在林野庁による民有林直轄地3事業により崩落を防ぐ工事が行われているところですが、ことし2月5日に一部が崩落し、6月20日及び7月7日にも発生しております。2月5日に発生した崩落を受けて、効果的な復旧計画の作成に関する技術的な検討及び非常時における臨機の措置を改めて定めるなど連絡調整を図ることを目的に、国、県、市などによる上秋津地内山地災害復旧連絡会議を開催し、定期的に情報共有などを図っているところでございます。
住民の避難につきましては、民有林直轄治山事業の保全対象範囲に含まれる上秋津の杉ノ原、千鉢、河原、園原、平野、岩内の約680世帯、約1,800人を対象に活発な地すべりの動きが確認され、避難の必要があると判断したときは避難勧告を、また山腹崩壊が発生し、河道閉塞や土石流が発生したときには避難指示を発令することとしており、さらに下流域の他の地区にも防災行政無線で注意喚起を行ってまいります。
山腹崩壊等が発生した場合、その直後においては、災害の規模の把握が困難なため、先ほど申し上げました避難対象となる6地区を対象に避難指示を発令しますが、規模が判明次第、対象範囲を拡大、もしくは縮小することとなります。
住民向けの説明会につきましては、避難対象となる地域の方に避難情報が発令される状況等について説明する必要があることから、5月30日に避難対象となる6地区の方を対象に説明会を開催いたしました。また、秋津川地区においては町内会からの要望により6月15日に町内会の役員等を対象に開催しています。
上秋津川中口地区の状況についての住民周知につきましては、まずは避難対象となる地域の周知が必要と考えておりますが、他の地域におきましても町内会等からの要望や治山事業の状況等を踏まえ、関係機関と協議の上、説明や注意喚起の方法等を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
以上でございます。
(危機管理局長 宮脇寛和君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 安達幸治君。
(15番 安達幸治君 登壇)
○15番(安達幸治君) 土砂ダムについてのお答えいただきました。以前、1回質問させていただいたときには、本当に大雨の降る中、当時、宮脇さんには随分と現地に行っていただいたことを覚えております。その後、本当に被害もなくこれまで来たのですが、ことしの春から3回にわたって崩落しました。以前から私は、それ以後も注意はしているのですけれども、やはりそれがあって初めて上秋津の皆様に報告されたということですけれども、ちょっとやっぱりそれからの意識というのがちょっと低過ぎたのじゃないかと私は思います。やはり私が言ったときに、あの後で上秋津地域の人たち、あるいは下流地域の人たちももっと真剣に報告されるべきだったと思います。
今回いろいろと対応していただいておりますけれども、私いつでも対面のお宮さんの上から上がった一番見えるところから全体がよく見えるものですから、よくあそこから雨が降るたびに見させていただいているのです。今でも地元で土木関係の方が水を抜いていただいておりますけれども、あのままでは恐らく地震が来ても、また雨が降っても崩落するのは本当に予想されることですので、今後やっぱり、国がどうこう言ったんじゃなしに、やはり我々田辺市から危機管理意識として十分持っていただかないと、国が判断したからってなかなかわからない。上からのものですから、やっぱり現地におる者が判断していただかないと、それとやっぱりもう一遍、やはりどんな高さで来るのか、最大限のことを考えていただかないと、やっぱりシミュレーションしていただかないと上秋津だけなのか、秋津だけなのか、それはわからないと思います。そしてまた、土砂ダムができた場合に、例えば熊野地区でありましたら、分水嶺のところから今熊野地区の崩れたところが距離が少ないので、恐らく水の量は少なかったと思いますけれども、今後の崩壊に、例えば高くなってきたときには、秋津川の奥から、あるいは谷川、あるいは深瀬谷、いろんなところからの谷から増水してまいりますと、とても熊野のような水の状態じゃなしに大きな土砂ダムになります。そのときになりますと下秋津も危ないと思いますし、またあの時分紀菜柑の前には橋が幾つもありまして、その橋の中には本当に橋げたが三つも四つもあるところが二、三カ所ありますので、あそこに流れてきた木がひっかかりますと、恐らくあそこで水がたまってダムになり、また秋津の青木やあるいは紀菜柑方面が水浸しになる危険性がありますので、もう一度やっぱりシミュレーションをやり直していただきたいと思います。
それでまた、下流地域におきましては、要望があればということですけれども、やはりそれも危機意識が少ない。やっぱり要望がなくても危機管理意識を持った中で、下秋津の人たちはなぜ上秋津が危ないのに下秋津が危なくないのかという疑問も持っておられる方も多いので、ぜひ市のほうから進んで私は説明責任を果たしていただきたい、そのように思いますので、どうぞよろしくお願いしておきます。
続きまして、3項目め、スズメバチの駆除についてお聞きいたします。
市議会議員にならせていただいてから9年余りになりますが、市民の皆様からはいろいろな宿題をいただきました。その中で、スズメバチの駆除については4回程度依頼され、そのたびに駆除を行ってまいりました。本年7月の初めごろでしたが、ある行政局内の市民から依頼され、家の入り口に巣をしているので大変危ないということで駆除に伺い、日が暮れてから巣を取り除きました。しかし、その後1カ月余りしてから再び本人からお電話があり、また同じ場所に巣をしているのだが、安達さんばかりに頼んではおられないので行政局に電話をしたら、市の施設ではないので対処できない。何だったら業者を紹介しますと言われたそうです。市はいつも困ったことがあったら何でも相談に来るようにと言うくせに、いざとなったら見にも来てくれない。業者に頼んだら2万円も3万円も要る。年金生活にはこたえると嘆いておられました。そのときには再び私自身が駆除に向かい、巣を取り除きました。今度は女王蜂も退治できたらしく、その後巣はつくられておりません。
私が思うに、まず職員さんは現場を見てあげてほしかった。その上で、小さいものであれば職員としての仕事が終わった後、せめて1人の市民として対応いただけなかったのか、本当に残念でなりません。
スズメバチの駆除に当たっては、本庁や他の行政局にもこのような話があったかどうかわかりませんが、このような話が持ち込まれたときどのように対処されるのか。また、どのように対処されているのかお聞かせください。どうぞよろしくお願いいたします。
(15番 安達幸治君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 市民環境部長、松場 聡君。
(市民環境部長 松場 聡君 登壇)
○市民環境部長(松場 聡君) 議員御質問のスズメバチの駆除についてお答えいたします。
本市に寄せられましたスズメバチに関する過去3年の件数につきましては、平成27年度が4件、28年度が12件、29年度が7件受け付けておりまして、その対応につきましては、直ちにスズメバチの発生状況及び巣の存在の確認を行い、土地所有者の調査を実施し、土地所有者に対しましてスズメバチの駆除を管理者責任においてお願いをするという手順で対応しているところです。
また、自分の管理地で営巣しているので駆除してほしいとの相談を受けた場合は、市において駆除は行っていないことを説明し、市内の専門業者の連絡先を伝えて、みずから対処していただけるようお願いをしております。
また、同様に道路等の公共地に営巣している場合におきましても、所管する官公署に依頼し、対応いただいているところです。
田辺市といたしましては、このようにそれぞれの管理者責任においてスズメバチの駆除のお願いをしているところです。こうした対応につきましては、県内の市、近隣自治体におきましても田辺市の対応と同じく、スズメバチの巣の駆除につきましては管理者責任において駆除のお願いをしているところでありますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
(市民環境部長 松場 聡君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 安達幸治君。
(15番 安達幸治君 登壇)
○15番(安達幸治君) 管理者責任ということでお伺いいたしました。その管理者責任については何も追及する気持ちはありませんが、やはり先ほども申したとおり、やはりまず現場を見ていただいて、まず現場に来なかったということが一つの問題でありました。それでまた、その中でやはり一般の市民であれば、やはりボランティアを含めて頼まれれば、小さなものであれば簡単にとれますので、市の職員として対応できないのであれば、やはりそれだけの勉強をしていただいたら、私でもとれるのですから、それでもとれるのに、20センチぐらいの小さいものまでやっぱり対応できないとなったら、それは市民のためにはならないと思うので、そこら辺市の職員として対応できないのであれば広くこれからまた市の職員のボランティアとしてやっぱりどんだけ対処できるのか個々に考えていただきたいと思います。
今回の市長さんの本宮の対応も本当にありがたかったのですが、しかしこれからは、やはり仕事がある場合は仕方がないのですが、仕事が休みの土曜日、日曜日の場合に、例えば今度、いろんなところで災害が起こりましたら、市長さんがみずから指示されるのではなく、皆様個人個人が、本当に大変なときに、やはりボランティアで臨む、そういう姿勢で臨んでいただきますように心からお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。
(15番 安達幸治君 降壇)
○議長(副議長 市橋宗行君) 以上で、15番、安達幸治君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 市橋宗行君) この場合、午後1時40分まで休憩いたします。
(午後 1時30分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時40分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、9番、髙田盛行君の登壇を許可いたします。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 皆様こんにちは。9番、篤志会、髙田盛行です。
通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
大項目は、新教育委員会制度についてお尋ねします。
まず初めに、7月6日の6月定例議会におきまして、3期12年間の長きにわたって教育長を務められました中村久仁生教育長が任期満了により勇退され、新教育長として佐武正章氏が真砂市長より任命提案がなされ、当議会において全会一致で任命同意し、佐武氏の就任挨拶がありました。
私自身、現職時代は佐武新教育長とは学校教育での同僚としてともに活動させていただいた経験があり、佐武氏の人となりは私なりに認識をしておりましたので、中村前教育長の後継者はこの人だと以前から勝手に思い込んでいました。
しかし、1年早い教員退職であり、学校教育を含む広い分野の教育界、また、田辺市の教育行政を牽引する教育長という大役を受けるかどうか大いに悩まれたことと思います。よくぞ教育長就任の決断をされたことに対し敬意を表します。
しかし、従前は、お互いに一学校の一教員、また一校長での勤務でありました。これからは、田辺市の教育長としての、今までの学校教育分野だけではなく広範囲にわたる分野を統括するという大変な職務であります。しかも、平成27年4月から施行されています新教育委員会制度は、日本の教育界において大きな改革であるとも言われ、その新教育委員会制度での田辺市における最初の教育長として就任されました。
そこで、7月6日の就任挨拶、また新聞紙上でも所信の一端を述べられていましたが、今後の田辺市の教育行政に対する所信をいま一度お伺いします。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 9番、髙田盛行君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の私の所信についてお答え申し上げたいと存じます。
本年7月6日の市議会定例会において新教育長として議員の皆様方の御同意をいただき、その後、7月20日に真砂市長から任命の辞令をいただいてから早ひと月余りとなります。また、本9月定例市議会は、私にとって就任後最初の議会ということで、今改めて責任の重さに身の引き締まる思いをいたしているところでございます。
6月定例議会最終日にも私なりの思い、これからの教育に対する考えの一端を申し上げましたが、改めて私の所信を申し上げます。
教育は未来への投資と言われますが、現在教育に対する考えや思いはさまざまであります。私は教育長として第2次田辺市総合計画において、まちづくりの理念に掲げられている一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくりを柱に、人と地域が輝き、未来につながるまち田辺の実現に向けて教育という立場から人権擁護、文化振興、世界遺産、生涯学習、スポーツ振興、学校教育、そして青少年の健全育成などさまざまな施策の具現化を図りつつ、また直面する課題に対しては、その一つ一つを丁寧に、根気よくひもときながら、田辺市の教育行政をよりよいものへと進化、発展させるべく誠心誠意全力を傾注しながら取り組んでまいりたいと考えております。
なお、この当市の理念と目標につきましては、8月1日に開催されました夏季校長、教頭、園長研修会の場で田辺市の幼稚園、小・中学校を経営する管理職としてそのことをしっかりと押さえて教育する旨を伝えたところであります。
近年社会情勢が大きく変化する中で、子供たちを取り巻く環境も、少子化、情報化、グローバル化など加速度的に進展しています。このように今までの常識が通用しない、変化の激しい時代において単に知識を詰め込むだけではなく、対峙する課題をみずからの力で乗り越え、時代の変化に柔軟に対応できる心身ともにたくましい人材、社会の中でしっかりと自立し、活躍できる人材を育てていくことが重要であります。
そして、こうした人材を育てるには、これまで学校・家庭・地域が一緒になり積み上げてきた学力や体力の向上、家庭や地域での教育力の充実はもちろんのこと、新たに教科となる道徳を中心とした豊かな心の教育、小・中学校での英語教育の推進、さらには幼稚園、小・中学校が保護者や地域社会と連携、協力していく学社融合推進協議会の取り組みなどを通して、一人一人の子供たちが大切にされ、学ぶ幸せを実感し、豊かな人生を実現していく、そのようなたくましい力を学校・家庭・地域が一体となって育ててまいりたいと考えております。
また、大きな社会問題となっている不登校やいじめ、SNS等の情報端末機器への依存、防災教育を初めとする諸課題につきましては、
総合教育会議やいじめ問題専門委員会などの場を通じて、市長を初め、関係の皆様方と十分に議論を尽くしながら、迅速かつ適正な対応と問題解決に努めてまいりたいと考えております。
これからの世の中は、単に知識を学べばそれでよしという時代から、物事を深く考え、判断し、未来を切り開く力を育て、鍛えていく時代に移ってきています。教育とは、まさしく人をつくることだと考えます。議員の皆様はもとより、保護者の皆様、地域の皆様の御理解とお力をお借りしながら、当地域の教育振興に微力ではございますが邁進していく所存でございますので、改めて御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして私の所信とさせていただきます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) ありがとうございます。第2次田辺市総合計画をベースにしながら教育委員会で従来から進められきた学社融合をさらに推し進めていきたい。また、さまざまな施策の具現化、直面する課題には一つ一つ丁寧に、根気強く取り組む決意を改めて聞かせていただきました。
現在、教育界におきましては、さまざまな課題がありますが、教育長は、大局的な物の見方ができる人であり、持ち前の誠実さ、包容力のある人間性をお持ちの方だと私は思っています。これからの田辺市の教育行政発展のために力強く取り組んでいただくことを期待しています。
それでは、1点目の質問をさせていただきます。
平成27年4月1日から施行されています新教育委員会制度は、2011年10月に滋賀県大津市の中学校で発生しました大津いじめ自殺事件で、学校、教育委員会の不適切な対応によって、生徒や保護者だけでなく地域住民の信頼を失う結果となり、最終的には市長が問題解決に乗り出し、教育委員会から切り離された第三者調査委員会が真相究明に当たりました。この事件後、いじめ防止対策推進法が議員立法によって成立しますが、教育委員会制度のあり方についても議論されるようになりました。
このような経緯から、教育再生実行会議において議論が進められ、2013年4月に第2次提言として、教育委員会制度等のあり方についてが取りまとめられました。
その趣旨は、一つ、地方教育行政の権限と責任を明確にし、全国どこでも責任ある体制を築く。二つ、責任ある教育が行われるよう、国、都道府県、市町村の役割を明確にし、権限の見直しを行う。三つ、地方教育行政や学校運営に対し、地域住民の意向を適切に反映するとあり、この第2次提言の方向性に沿って教育委員会制度の改革が検討され、平成27年度の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正に至りました。
田辺市では、中村前教育長の任期がありましたので、旧制度と新制度が並行して今日まで運営され、今回、佐武新教育長就任によって全面的な新制度のスタートとなりました。その新制度のポイントは皆様に配付しています資料を御参照いただければと思います。一つは、従来の教育委員長と教育長を一本化した新教育長の設置であり、二つ目には、全ての地方自治体に
総合教育会議を設置するとあります。
そこで、1点目の質問は、
総合教育会議についてであります。
総合教育会議は、一つ、首長が招集し、会議は原則公開。二つ、構成員は、首長と教育委員会、必要に応じ意見聴取の者の出席を要請。三つ、協議・調整事項は、1に、教育行政の大綱の制定、二つ、教育の条件整備等、重点的に講ずべき施策。3、児童生徒等の生命、身体の保護等緊急の場合に講ずべき処置とされています。
田辺市のホームページを見ますと、平成27年7月1日に市庁舎別館において田辺市
総合教育会議が開催されています。田辺市においては、この会議の執行事務は首長部局、教育委員会、どちらが担当されているのでしょうか。また、開催頻度、協議内容等はいかがでしょうか。そして、この会議を通して、首長部局と教育委員会が連携することによって、効果と成果はいかがでしょうか、お伺いします。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の
総合教育会議についてお答えいたします。
平成27年4月1日に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が施行され、いわゆる新教育委員会制度により地方公共団体に首長と教育委員会が協議、調整する場として
総合教育会議の設置が義務づけられました。
議員のお話にもございましたが、この
総合教育会議では、地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策について、その目標や方針を定める教育大綱の策定に関する協議のほか、1点目に、教育を行うための諸条件の整備や地域の実情に応じた教育、学術及び文化の振興を図るための重点施策。2点目に、児童生徒等の生命または身体に現に被害が生じ、またはまさに被害が生ずる恐れがあると見込まれる場合等の緊急の場合に講ずべき措置について協議・調整を行うこととされています。
この
総合教育会議の事務執行、いわゆる事務局は市長部局、教育委員会のどちらが担当しているのかとの御質問ですが、この会議は首長が設け、招集することとなっておりますので、事務執行につきましては、教育委員会事務局と協力しながら、市長部局の総務課が担当しております。
次に、これまでの開催頻度と協議内容等についてでございますが、平成27年7月1日に第1回の会議を開催して以降、これまで4回の会議を開催しております。また、その会議での協議事項は、教育大綱の策定及び見直しに関する協議のほか、毎回複数の協議テーマを定めて、それこそ私と教育委員が膝を交えて自由に意見交換を行い、お互いの情報共有に努めているところです。
これまで取り上げてきたテーマといたしましては、学力向上の取り組み、いじめ問題に関する取り組み、学社融合の取り組み、学校施設整備の状況と計画、教職員の働き方改革、学習指導要領の改訂などがあります。
また、会議を通して、お互いに連携することの効果、成果はどうかという御質問ですが、そもそも本市では、私と教育委員会とは常日ごろから連携を密にしながらさまざまな事柄に対処しているところですが、私と教育委員会の皆様が互いに膝を交えてさまざまな事柄について意見交換を行うことにより、お互いの考えを認識したり、物事に対する共通理解をはかったりするという効果や、特に緊急を要する事態に直面した場合に迅速かつ的確な判断を下すことができる等の効果が期待できるものと考えております。
今後もこうした機会を定期的に持つことにより、相互の連携や情報共有をより一層進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 御答弁ありがとうございます。過去に4回の
総合教育会議が開催されてきたということですが、この会議は首長が招集し、教育委員会と協議調整等がなされるわけで、首長の教育に対する発言等が従来よりも大きく、それに伴う責任も重くなるかと思います。幸い、常日ごろからの連携を密にとられているということでありますので、今後とも両者のよりよい関係を築かれまして、田辺市の教育行政を進めていただくことをお願いいたします。
続いて、2点目の質問です。新制度のポイントの四つ目には、教育に対する大綱を首長が策定するとあります。教育大綱は、一つ、教育の目標や施策の根本的な方針である大綱を地方自治体で定める。二つ、
総合教育会議において首長と教育委員会が協議や調整を尽くし、首長が大綱を策定する。三つ、首長及び教育委員会は、策定した大綱のもとにそれぞれの所管する事務を執行するとされています。
ただ、地方自治体によっては、既存の計画、教育振興計画、自治体の総合計画等をもって大綱のかわりとすることもできるとなっています。
平成28年度新教育委員会制度への移行に関する調査では、全国の1,578の市町村で、既存の計画等をもって充てたが36.1%、新規に策定したが63.9%となっていたようですが、田辺市ではどのようになされてきたのでしょうか。お伺いします。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 市長。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の教育大綱についてお答えいたします。
さきに答弁いたしました
総合教育会議の設置と同様に、新教育委員会制度により地方自治体の長は、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定める教育大綱を策定することとなっており、また、教育大綱を策定または変更するときは
総合教育会議において協議することとなっています。
一方、この教育大綱については、地方公共団体において教育振興基本計画や総合計画など他の計画を定めている場合には、その中の目標や施策の根本となる方針の部分が大綱に該当すると位置づけられることから、
総合教育会議において教育委員会と協議・調整し、当該計画をもって大綱にかえると判断した場合には、新たに大綱を策定する必要はないとされています。
こうしたことを踏まえ、平成27年7月1日に開催した第1回の
総合教育会議において協議を行い、新たに教育大綱を策定するのではなく、田辺市における最上位計画であり、また、まちづくりの目標や施策の方針を示した第1次田辺市総合計画をもって教育大綱とすることといたしました。
その後、平成29年7月には、平成29年度から平成38年度までの10年間を計画期間とする第2次田辺市総合計画を策定しましたが、この計画においては、第1次田辺市総合計画の理念である一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくりを継承し、これまでの取り組みをもとに、未来につながる持続可能なまちづくりを目指していくことを記しています。この第2次田辺市総合計画の策定を受けて、本年2月に開催された
総合教育会議において、改めて教育大綱についての協議を行い、まちづくりの継続性、教育の継続性等の観点から、従来と同様、第2次田辺市総合計画をもって新たな教育大綱とすることとしたところでございますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 御答弁ありがとうございます。先ほどの佐武教育長も最上位計画の第2次田辺市総合計画をベースとし、学社融合を推し進めるという趣旨の所信を述べられました。また、今の市長の御答弁で、第2次田辺市総合計画をもって新たな教育大綱とすると明確に述べられました。
全国のある市の市長は、教育大綱を組む、未来を担う全ての子供を主人公にのワンフレーズで表現した市長もおられます。また、別の市長は、公募、市民ワークショップ等の会議の議論も大綱に反映させ、市民が大綱策定の過程に大きく関与しているところもあるように聞いております。
田辺市では、第2次田辺市総合計画を充てるということですが、確かに新教育委員会制度がスタートしたからといって、新しい標語であったりスローガン的な文言が幾つも並べたり、乱立しても何がメーンなのかわからないということもあります。これだという、そういうものをみんなが共通理解して、組織全体として取り組むことが大切かと思います。ぜひ組織全体としての取り組みを今後とも進めていただくことを期待しております。
続いて、3点目の質問です。
田辺市においては、新教育委員会制度が全面的にスタートしたわけですが、平成32年度からは小学校で、平成33年度からは中学校で新学習指導要領が移行期間を経て全面実施となります。
教育内容の主な改善事項では、言語能力の確実な育成、理数教育の充実、伝統や文化に関する教育の充実、道徳教育の充実、体験活動の充実、外国語教育の充実などが上げられていますが、今回の改訂の基本的な考え方の中で、これからの教育課程の理念としては、よりよい学校教育を通じてよりよい社会をつくるという目標を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において必要な教育内容をどのように学び、どのような資質、能力を身につけられるようにするかを明確にしながら、社会との連携・協働により、その実現を図っていくと記述され、社会に開かれた教育課程が強調されています。
6月の定例議会におきまして、私は、コミュニティスクールについて質問しましたが、田辺市においては、従来から学社融合の実践が各学校で熱心に取り組まれています。
来る新学習指導要領の全面実施を控えて、教育委員会として、この社会に開かれた教育課程をどのように認識され、実践されようとお考えなのかをお聞かせください。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の新学習指導要領実施に当たってについてお答えいたします。
新しい学習指導要領につきましては、議員御指摘のとおり、小学校は平成32年度から、中学校では平成33年度から完全実施されます。歴史を振り返ってみますと、初めての学習指導要領が示されたのが昭和22年でありましたが、現在に至るまでそれぞれの学習指導要領に基づいた日本の教育は、我が国の成長と発展を支える多くの人材を輩出し、成果を上げてきました。
しかし、現代のような変化の激しい社会の中で、これからの学校には一人一人の児童生徒が自分のよさや可能性を認識するとともに、多様な人々と協働しながらさまざまな社会変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の担い手となることができるようにすることが求められております。
このような背景の中で、新しい学習指導要領では、どのような資質、能力を身につけられるようにするのかを明確にしながら、学校と社会が連携、協働すること、いわゆる社会に開かれた教育課程の実現が重要であるとされております。
社会に開かれた教育課程とは、つまり、各学校が社会とのつながりを踏まえて学校教育目標を策定し、その教育課程も含めて社会と共有するということ、自校の子供が社会で生きていくために必要な資質、能力を明らかにして育むということ、そして、その目指すところを地域と共有、連携しながら、地域資源を活用することの3点といえます。
田辺市においては、全国に先駆けて、平成19年度から、学校教育方針の二本柱の一つとして学社融合を掲げ、学校・家庭・地域が一体となった学校経営体制づくりを目指してきました。
そのような中で、地域の方々に教えていただきながら取り組んでいる地域語り部活動や、生涯学習フェスティバルにおけるパネル展示、学校だよりの地域への配布など、地域資源を活用した教育課程づくり、そして、学校教育目標の地域との共有が各校で進んでまいりました。
このような取り組みは、まさに社会に開かれた教育課程づくりにつながるものであり、田辺市が進めてきた教育活動の成果でもあると言えます。
今後につきましても、今まで田辺市が取り組んできた学社融合の基盤を生かしながら、また、今年度より新たにスタートした学社融合推進協議会での活動を生かしながら、新学習指導要領の理念の実現に向け、より一層、取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 御答弁ありがとうございます。今までの教育長の答弁の中には、学校・家庭・地域という言葉が再三述べられています。学社融合推進の強い思い入れが伝わってきます。
私自身、現職時代に職場のある先輩から、我々教師の最終目標は、子供たちが立派な大人となり、社会人となり、納税者となってくれることやと聞かされたことがありました。今日、子供たちを立派な大人に、社会人に、納税者として育てていくためには、学校だけで、家庭だけで、地域だけでは難しい時代です。
今回の新学習指導要領の理念の実現に向けて、今後も学校、社会が一体となった教育を強く推進していただくことを期待しまして、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、9番、髙田盛行君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(小川浩樹君) この場合、午後2時25分まで休憩いたします。
再開の際は議案書及び決算書を御持参ください。
(午後 2時14分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(小川浩樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 2時25分)
○議長(小川浩樹君) 続いて、3番、浅山誠一君の登壇を許可いたします。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 皆様こんにちは。3番、篤志会、浅山です。
まず初めに、この夏全国各地で立て続けに発生した自然災害において被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。地震、豪雨、台風、そして酷暑とまさに異常気象と呼べる自然の脅威を感じる夏でした。そんな異常気象への対応をテーマに今回大項目2点について質問させていただきます。
まず、1点目のテーマは、小・中学校における熱中症対策についてです。ことしの夏は本当に暑かった、皆様もそう感じられたのではないでしょうか。気象庁が9月3日に発表したことしの夏、6月から8月の天候まとめによると、東日本の平均気温は平年を1.7度上回り、1946年の統計開始以来、最も高い数字だったようです。また、西日本も平年より1.1度高く、これは2013年に次ぐ暑さでした。さらに、7月23日には、埼玉県熊谷市において、国内観測史上最高気温を更新する41.1度が記録されました。田辺市内に目を向けてみますと、栗栖川では熊谷市と同じく7月23日に観測史上5位となる37.1度、同日の龍神では何と観測史上最高気温を更新する36.7度を記録しました。これらの数字は、気象庁の過去の気象データから引用しているものですが、龍神での観測がスタートした1994年から日別の最高気温を見てみますと、上位5位までに先ほど紹介した7月23日の36.7度の1位に続いて2位に8月4日の36.3度、4位に7月24日の36.1度が記録されています。過去25年間の最高気温トップ10まで広げてみても、この2018年7月、8月のたった2カ月の間で5日間がランクインされており、過去最も暑い夏だったと言っても過言ではない状況です。
これほど暑いとなるとやはりふえるのは熱中症による救急搬送です。消防庁の発表では、7月の1カ月間、全国で熱中症による救急搬送者が5万2,819人と過去最多となり、そのうちの7.2%に当たる3,881人が教育機関からの救急搬送でした。その中には、愛知県豊田市の小学校で小学1年生の男児が熱中症で死亡するという大変悲しく、痛ましい事故も含まれています。
和歌山県でも、7月の熱中症による救急搬送者が計458名となり、そのうちの30人が教育機関からの搬送でした。そこでまず現状の確認をしたいのですが、今年度、田辺市の小・中学校において熱中症による救急搬送者数を昨年度と比べてどのような状況となっているのかお教えください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 3番、浅山誠一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の小・中学校での熱中症による救急搬送についてお答えします。
平成29年度、熱中症による医療機関への搬送は5件で、そのうち救急車を要請したのは2件でした。平成30年度は、9月3日現在で熱中症による医療機関への搬送は4件で、救急車を要請した学校はございませんが、現在、運動会や体育大会に向けた練習が始まっていることから、昨年を上回る搬送数になる可能性もございます。
続いて、学校現場における熱中症対策についてお答えいたします。
まず、教育委員会としましては、熱中症事故の防止についてという通知文を本年5月から7月の間に計4回配布して、暑さ指数による環境条件の把握、スポーツや作業時の風通しのよい服装、水分と塩分の補給、細心の健康観察と休憩の必要性、熱中症の疑いがある場合の対応方法などについて市内全ての小・中学校に周知いたしました。
また、6月には、熱中症の仕組みや対策が記載されている熱中症環境保健マニュアル、緊急のけがや病気のための応急手当講習テキストを各校に配布して、積極的な活用を促しております。それ以外には、定例校長会や教頭会、また養護教諭研究会等において熱中症に対する注意喚起を行っているところであります。
また、各学校現場においては、日常の健康観察や児童生徒への注意喚起に加え、運動会の練習に向け、日陰確保のためのテント設営や増設、スポーツドリンクの推奨、首に巻くクールタオルの着用、ミストシャワーの設置、体育館への大型扇風機の設置、暑さ指数計測器の運動場や体育館への設置、学校独自の熱中症予防マニュアルの作成など、それぞれの学校で状況に応じた対応を行っております。
また、中学校の部活動におきましては、早朝への練習時間の移動や短縮、給水時間の設定、長時間のランニングの禁止、塩あめの配布、氷水や経口補水液の準備等、管理職を中心に学校全体で取り組んできております。
気象庁の予報では、9月の気温はほぼ平年並みと発表されておりますが、運動会や体育大会の練習のため、運動場や体育館での活動が多くなる時期でもありますので、児童生徒が健康、安全に過ごせるよう今後も引き続き細心の注意を払いつつ対応してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 2学期が始まった時点で熱中症による医療機関への搬送は4件、運動会や体育大会に向けた練習が始まっていることから昨年を上回る搬送数になる可能性があるとのことでした。また、あわせて熱中症対策についてですが、多くの関係者の皆様が知恵を出し合い、柔軟に取り組まれていることがわかりました。スポーツドリンクの推奨であったり、体育館への大型扇風機の設置、暑さ指数計測器の運動場や体育館への設置、長時間のランニングの禁止等々、私が小学生だった約20年前では考えられなかった取り組みも積極的に導入されております。
2学期がスタートし、市内の各校では、9月中旬の体育大会、後半の運動会に向けて各校一斉に急ピッチで練習が続けられていると聞いております。中には自分でみずからの体調の変化を訴えられない児童生徒もいると思います。ぜひ児童生徒が健康、安全に過ごせるよう引き続き御留意いただければと思います。
続いて、(2)のエアコンの設置時期についてお伺いします。
午前中、前田議員の質問もございましたが、改めて質問させていただければと思います。
夏場における教室内の環境を考えますとエアコンの設置は不可欠であり、田辺市でも今年度からの3カ年計画にてエアコン整備事業が進められています。議会でも長年取り上げられていたテーマで、事業の導入に関しては大変喜ばしいことだと私も認識しております。
今、このエアコン設置についてですが、皆様も御存じのとおり、猛暑や熱中症の増加といった背景から全国的なトレンドとなっております。愛知県豊田市での小学1年男児の熱中症による死亡事故でも教室にエアコンが設置されておらず、事故が起こった後にエアコン設置を希望する自治体がふえたこともあり、文部科学省は、2019年度予算の概算要求において、全てに対応できるように整備費を確保したとの報道も出ております。
さらに、事故のあった豊田市だけではなく、岡山市、所沢市、唐津市、藤沢市など全国各地でこの夏エアコン設置について当初計画から前倒しする方針が示されております。当市でもエアコン整備事業の見直し、エアコン設置工事の前倒しを行わないのか、改めてお考えをお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育次長、弓場和夫君。
(教育次長 弓場和夫君 登壇)
○教育次長(弓場和夫君) 議員御質問のエアコンの設置時期についてお答えいたします。
前田議員への答弁でもお答えいたしましたが、小・中学校普通教室へのエアコン整備事業につきましては、本年度から平成32年度までの3カ年計画により事業を進めております。そのうち本年度は、普通教室にエアコンが設置されていない全ての小・中学校を対象に、エアコン設置工事設計業務を発注しており、現在設計中であります。そして、平成31年度には中学校13校95室及び中学校と併設している近野小学校6室を対象に、平成32年度には残りの全ての小学校16校132室を対象にエアコン設置工事を実施する予定としております。
また、今回の整備事業は、普通教室を対象としたものであり、音楽室や図書室などの特別教室への設置は予定しておりませんが、将来的には特別教室への設置を前提に、今回の事業により必要な電力を確保するための受変電設備を整備する予定としております。
学校施設へのエアコンの整備につきましては、近年夏場の気温が上昇傾向にあり、室内においても熱中症の危険が高まってきているなどの状況から全国的に整備が進んできております。
国においても、本年7月に愛知県豊田市で熱中症により小学生が死亡する、こうした事件を受けて、学校施設へのエアコン設置を促進するための補正予算の動きがある中で、教育委員会としましても国の補正予算が成立した場合を想定して平成31年度に実施を予定している設置工事について、少しでも早く工事に着手し、快適な学習環境を確保すべく準備を行っているところでございます。
また、現在実施している設計業務につきましても国の補正予算が成立し、補助事業が採択された場合、速やかに工事発注ができるよう、設計業務の完了を急いでいるところでございます。
夏場における教室内の環境を考えますと、エアコンの整備は不可欠であると認識しており、今後も国の補助事業や補正予算の動向を見ながら、県や関係部局と連携を図り事業期間を短縮してまいりたい、このように考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(教育次長 弓場和夫君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 国の補助事業や補正予算の動向を見ながら、県や関係部局と連携を図り、事業期間を短縮したいとのことでした。ぜひお願いできればと思います。
また、説明にもありましたが、当市の計画では、来年度が主に中学校、再来年度は小学校という順番になっています。もちろんさまざまな理由があり、中学校からの工事を進めることとなったことは理解しますが、熱中症という切り口では小学校を優先させるべきだと私は考えております。なぜかといいますと、思春期より前の子供は、熱を体の外に逃がす体温調整機能が発達していないことや、身長が低いため、地面からの照り返しの影響を強く受けることなどから暑さに弱いと言われているからであります。特に小学校低学年の児童の安全のためにも計画の前倒しをお願いできればと思います。
また、加えてになりますが、エアコンが導入されるまでの時限的な取り組みも検討する必要があると考えます。例えば、埼玉県加須市教育委員会では、この2学期から思い切った取り組みがなされています。ことしの夏の暑さは気象庁が災害級の危険な暑さと表現したほどの酷暑であり、その暑さを受け、文部科学省から8月7日に酷暑への対応として、夏休みの延長や臨時休業の設定を検討するよう求める通知が出されました。その通知を受けた埼玉県加須市教育委員会では、この9月以降、最高気温が35度以上、かつ最低気温が28度以上と予報された場合、市内の公立小・中学校と幼稚園を臨時休業にすることを決められたそうです。当市でも加須市に倣って臨時休業の導入をとまでは言いませんが、エアコンが導入されるまでの時限的なものでも構いませんので、前例にとらわれず、児童生徒等の健康を最優先に考慮した上で柔軟な対応を検討いただければと思います。
また、私からも熱中症対策として、登下校時の荷物を軽減させるということについて提案させてください。
一般社団法人教科書協会によると、いわゆるゆとり教育期の2005年に比べ、脱ゆとり教育転換後の2012年の教科書の総ページ数の各社平均は、小学校で34.2%の増。同様に中学校でも学習指導要領の変更前後では34%増となったそうです。加えて2002年発行の教科書からは、大きさ、ページ数、カラーの分量などが完全に自由となっていたことから、より大きく、見やすくの流れが一気に加速し、紙質も変わったため、教科書は今、ページの増加と大型化により過去に比べ重量が増しています。実際、業界最大手の東京書籍によると、約40年前に使われていた小学3年生の国語、算数、理科、社会の教科書の重さは約990グラムだったのに対し、現行版では約2,150グラムと2倍以上の重さになっているそうです。
私も近所に住む小学3年生の児童のランドセルの重さをはからせてもらったところ、4.3キログラムあり、水筒や体操服を入れると6.0キログラムになりました。荷物が重くて登下校がつらいという話もされていました。
また、大正大学の白土教授によると、小学1年生から3年生の児童20人のランドセルの重さをはかったところ、最高で9.7キログラム、最も軽くても5.7キログラムであり、平均は約7.7キログラムだったそうです。
文部科学省の学校保健統計調査における平成29年度のデータでは、小学3年生男子の平均体重は27.2キログラム、女子は26.4キログラムですから、体重の約二、三割の重さを背負っていることになります。児童が背負う荷物の重さは海外でも問題になっており、アメリカカイロプラクティック協会では、体への影響を考慮し、体重の10%以下を推奨しているそうです。
また、児童の登下校を見守るシニアパトロールの方に話を伺うと、特に低学年の体の小さな児童はランドセルに引っ張られ、ひっくり返ってしまうのではないかと心配になる。歩く足取りも重く、休み休み歩いている児童もいて、体力面だけでなく、事故防止といった安全面でも危険を感じると話されていました。また、特に夏場はふだんの持ち物に加え、大型の水筒を持参する児童もふえることで、加えて暑さもございますので、体力の消耗がより大きくなっているように見受けられるそうです。
田辺市において、この学校に教科書を置いて帰る、いわゆる置き勉については各学校や担任の判断であるようですが、副教材等の一部を除いて基本的には置き勉はしない方針の学校が多いと伺いました。もちろん、管理面の配慮が必要ではありますが、特に夏場での登下校時の荷物を軽減させることは熱中症対策につながると考えます。そこで、学校や担任の個々の判断ではなく、教育委員会が旗振り役となって田辺市全体の取り組みとして置き勉を進めてみるのはいかがでしょうか、当局のお考えをお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の熱中症対策としての登下校時の荷物の負担軽減についてお答えいたします。
議員御指摘のように、ことしのように高温の日が続いた場合、登下校時の荷物の重さが児童生徒の負担になることが考えられます。教科書を含めた登下校時の荷物につきましては、学校や学年、また曜日等による違いも大きいと考えられるため、教育委員会としての統一した規則等は設けず、各学校や担任の判断とこれまでしてきました。
しかしながら、初夏より高温の日が続き、全国で熱中症による救急搬送が増加していること、また以前と比べて教科書の重量化が進んでいること、さらに文部科学省からも、今後近いうちに宿題で使わない教科書などは学校に置いて帰ることを認める内容の通知が出されるという報道もされております。
田辺市教育委員会としましても、登下校時の荷物の軽減については、今後前向きに検討してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 前向きに検討するという力強い回答をいただきました。回答にもありましたように、私が今回、この件について質問通知を行った後に、文部科学省からも学校に教科書を置いて帰るいわゆる置き勉を認める方向であるという報道が出ております。
今回は熱中症という切り口でしたが、登下校時の荷物を軽減させることで防犯面や安全面でも効果があると考えています。ぜひ早期の実現に向けて、取り組みを進めていただければと思います。
続いて大項目の2、治水対策についてお伺いします。
冒頭に異常気象という言葉を使わせていただきましたが、ことし7月、西日本から東海地方の広い範囲に大きな被害をもたらした平成30年7月豪雨や当地に多大なる被害をもたらした台風20号、21号を初め、ここ数年、日本各地を襲った大雨は激甚化しています。全国的にも時間降水量50ミリメートルの非常に激しい雨は、ここ30年で約1.3倍に増加、時間降水量80ミリメートル以上の猛烈な雨もここ30年で約1.7倍に増加しており、当地においても2011年の紀伊半島大水害初め、ことしに入ってからも6月20日の大雨や台風20号の大雨などで被害が出ており、さらなる治水対策が必要となっています。
台風20号では、私も消防団の一員として出動していたのですが、万呂地域では至るところで道路が冠水。町内の巡回では、これ以上車を進めるのは危険だと判断するほどの道路冠水で、車からは道路と用水路との境目がわからず強い恐怖を覚えました。
この万呂地域ですが、1950年の万呂村の時代には水田農業が盛んで1,162人だった人口が、今は約5倍となる5,119人が暮らす都市化が進んだ地域であります。また、都市化を進める中で水田やため池、森林といった雨水を一時的に貯留する土地が減少し、アスファルト道路が増加したことや、雨水排水や生活排水についても農業用水路を利用していることから、大雨のたびに内水氾濫を起こし道路が冠水。またひどいときには浸水被害も出ている状況です。議会でも過去にたびたび取り上げられているテーマではありますが、万呂エリアの浸水対策における現状と今後について改めてお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 農林水産部長、那須久男君。
(農林水産部長 那須久男君 登壇)
○農林水産部長(那須久男君) 議員御質問の万呂エリアの浸水対策における現状と今後についてお答えいたします。
万呂地域につきましては、かつては水田農業が盛んな地域でありましたが、近年、宅地の需要や農業経営の変化に伴い、市内でも急激に都市化が進んできた地域であります。もともと水田地帯であったこの地域においては、雨水排水や生活排水についても既存の農業用水路を利用しており、農業用水路としては十分な水路断面を確保しているものの、地域の排水を賄うには、特に大雨の際などには大変厳しい状況にあります。このことから、万呂コミュニティセンター付近では、台風や豪雨によっては内水氾濫により宅地や道路が冠水している状況であります。
最近では、平成28年7月9日の梅雨前線豪雨で、市内全域で24時間雨量が軒並み100ミリを超え、多いところでは3時間で200ミリを超えるといった局所的な大雨がありましたが、このときは須佐神社裏において床下浸水で10棟が被災し、大谷橋上流付近では床下浸水までは達しておりませんが、用排水路があふれ、宅地や道路が冠水しました。
また、直近の台風20号豪雨で住宅浸水被害はなかったものの、用排水路があふれ、道路が冠水しております。
万呂地域における浸水対策につきましては、これまでにもたびたび議会で取り上げられておりますが、市ではその実情を踏まえ、第2次総合計画の実施計画に位置づけ、現在、万呂地域における雨水流出解析調査業務を実施しているところであります。
調査内容につきましては、左会津川左岸に位置する中万呂を中心とした万呂地域約73ヘクタールの区域において既存水路の現状調査及び実降雨に対するモニタリング調査として水路内に流量計を設置し、さらに河川との関連のために水位計も設置しております。こうした調査結果に基づき、雨水流出解析を行うものであります。
今後につきましては、その解析調査結果をもとに市内の他の浸水問題を抱える地区を含め、市としての方針を検討していくとともに、引き続いて放流先の左会津川の管理者である県に対しまして早期の河床整備を要望してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
(農林水産部長 那須久男君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 今後について2点の方針をお示しいただきました。まず1点目は、雨水流出解析調査結果をもとに市としての方針を検討していくとのことでした。過去の答弁には、農業用水路の改良については農地への取水等の問題があるため難しく、地域排水対策としての雨水排水路の新設についても用地等の問題があり、大変難しい状況にある。残された対策としては、強制排水施設の設置しかないといった回答もございましたが、当時に比べ、地域住民も全国各地での豪雨被害を見て危機意識が高まっていることや、農業を営む人の数も減り、耕作放棄地や休耕田もふえている状況です。そのため、例えば農業用ため池の整備や耕作放棄地等の畦畔のかさ上げを行うことで田んぼの貯水機能を強化する等、ゼロベースで対策について考えていただければと思います。
また、身近な内水氾濫への対策として側溝などの清掃が挙げられます。町内会でも年に一度、一斉に掃除を行っていますが、参加者の高齢化が進み、溝ぶたを持ち上げるのがつらいといった声や、年々参加者が減り、負担がふえているといった声も聞かれます。側溝の掃除については基本的に住民が行うことではありますが、市民の皆様にその重要性を知っていただくこと、またどうすれば参加者がふえるのかといった点についても合わせて御検討いただけばと思います。
2点目の方針として放流先である左会津川の管理者である県に対して、引き続き早期の河川整備を要望するともお答えいただきました。私が子供のころ、会津川で水遊びができました。しかし、今は土砂が堆積し、その上に草やひどいところでは木が生い茂り、とても水遊びができるような状況ではありません。そのせいで外水氾濫の危険性も高まっていると感じておりますので、引き続き、県に対して強い要望を出していただければと思います。
続いて、(2)の洪水ハザードマップの活用についてお伺いします。
平成30年7月豪雨で甚大な被害の出た岡山県倉敷市真備町。バックウオーター現象が一因となり複数箇所で氾濫が発生し、町の4分の1が冠水する事態となりました。危険を知らせる洪水ハザードマップは、実際の浸水域とほぼ同じ浸水域を想定していたものの、多数の犠牲者を出す結果となってしまい、ハザードマップを一度も見たことがなかったという市民の声や繰り返し確認を促すべきだったという市の防災担当者の声が報道されました。また、自分は大丈夫だろう、まだ大丈夫と思い込んで避難がおくれた正常性バイアスも問題となりました。
平成15年に和歌山県が策定した左会津川水系河川整備計画の中にも流域住民の水害に対する認識は余り高くはなく、多くの住民が自分の住んでいるところは安全だと考えていると書かれています。このことから、万が一、左会津川流域で大規模水害が発生した際、正常性バイアスによって避難がおくれ、被害が拡大する可能性がございます。また、国も施設の能力には限界があり、施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生することを前提に社会全体でこれに備える水防災意識社会の再構築を提唱し、緊急行動計画として平成33年度までの取り組みを進めています。
そんな中、今年度、田辺市では洪水ハザードマップを更新し、全戸配布を行う予定となっています。災害時における正常性バイアスの対策として、防災教育が重要とされており、市民の水害への関心が高まっている今、ただ配布して終わりではなく、洪水ハザードマップの活用が大変重要になってくると考えますが、田辺市としてはどのような活用を考えているのかお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。
田辺市洪水ハザードマップは、左会津川、熊野川、芳養川及び大塔川の市内4河川流域の浸水想定の区域の調査結果に基づき、シミュレーションを行い、対象地域の市民の皆様に浸水に対する意識を高めていただくとともに、想定される浸水範囲及び指定避難場所等をわかりやすく認識していただくため平成19年度に作成したものです。
その後、平成23年の台風12号豪雨を初め、各地で水害が発生し、浸水範囲及び浸水の深さ等が変化してきたことから、和歌山県が熊野川及び左会津川を調査した最新データに基づき、本年度内に新たなハザードマップを策定することになっております。
災害を最小限に抑えるためには、市民の皆様一人一人の自助努力や地域の連携した助け合いが必要不可欠であります。こうしたことから、市民の皆様と行政との協働が重要であると考え、完成したハザードマップを市内全世帯に配布するとともに、広報紙及び公民館報などで周知するなど、防災意識の向上及び洪水時の避難等の啓発活動に努めてまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 市民の皆様と行政が力を合わせることが一番大切。私もそう思います。当市においては特に津波への防災意識において市民の皆様と行政が力を合わせて啓蒙活動に取り組まれていることで広く浸透していると感じています。
ただ、特に旧田辺市内においては、大規模な避難訓練は津波を想定したものが多く、今後、豪雨での避難を想定した防災訓練にも取り組んでいかなければならないと考えております。ぜひ市のほうでも検討いただければと思います。
今回の質問では、異常気象への対応をテーマに2点取り上げさせていただきました。1点目の熱中症対策について、今回は小・中学校の区切りで質問させていただきました。
ただ、熱中症で救急搬送される約半数は高齢者の方となります。2015年の国勢調査では、田辺市の一般世帯数3万2,062件のうち16.4%となる5,243件が高齢者の単独世帯でした。これは全国平均よりも5.3%も高い数字となっており、頻繁な見回りも難しい状況にあると伺っています。田辺市では単独高齢者世帯向けの熱中症対策も急がなくてはならないということについても最後につけ加えさせていただきます。
また2点目の治水対策についてですが、今定例会の冒頭、市長の挨拶の中に、防災、減災に向けてハード、ソフトの両面から取り組み、災害に強いまちづくりを進めるという言葉がありました。広大な市域かつ厳しい財政の中で進めることは容易なことではありませんが、ぜひ強力に推し進めていただくことをお願いして私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(小川浩樹君) 以上で、3番、浅山誠一君の一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして一般質問を終結いたします。
◎日程第2 3定報告第1号 専決処分事項について上程
○議長(小川浩樹君) 続いて、日程第2 3定報告第1号 専決処分事項についてを上程をいたします。
この場合お諮りいたします。
本件については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略し、後日審議願うことにいたします。これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 異議なしと認めます。
よって、3定報告第1号については、委員会付託を省略し、後日審議願うことに決しました。
◎日程第 3 3定議案第 1号 工業標準化法の一部改正に伴う関係条例の整理に関す
る条例の制定についてから
日程第34 3定議案第32号 平成29年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算についてまで一括上程
○議長(小川浩樹君) 続いて、日程第3 3定議案第1号 工業標準化法の一部改正に伴う関係条例の整理に関する条例の制定についてから、日程第34 3定議案第32号 平成29年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算についてまで、以上32件を一括上程をいたします。
ただいま上程いたしました32件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「質疑なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 質疑なしと認めます。
それでは、ただいま議題となっております32件については、会議規則第37条第1項の規定によりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
各常任委員会の付託事件は、配付いたしております議案付託表のとおりであります。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ散会し、あす11日から19日までの9日間は休会とし、9月20日、午後1時より再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(小川浩樹君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(小川浩樹君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 3時02分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成30年9月10日
議 長 小 川 浩 樹
副議長 市 橋 宗 行
議 員 出 水 豊 数
議 員 陸 平 輝 昭
議 員 柳 瀬 理 孝...