さて、12月のきょうを含め8日足らずで66年前、昭和21年、あの
南海地震津波の日を迎えるわけであります。当地方に甚大な被害をもたらした日であります。当時、私は3歳3カ月、三つ子の魂百までと申しますが、子供心に、あの恐ろしい恐怖の時間、3歳のときの記憶がよみがえる。木製の大きなたらいに、薄い布団にくるまれ、竹やぶの中にいたことが、それだけがただ浮かび上がります。その出来事をあの津波で経験したということが物わかりがよくなって理解できたわけであります。バラック小屋の中で手づくりのかまどで御飯を炊き、雨露をしのいだのであります。壁の板の間からのぼる月と星空をながめ、夜中に家の中に入る月の光。それをながめながら生活を送ったことが今となってはなつかしく思い浮かばれるわけでございます。
時は、津波とともに過ぎ去り、16歳のときにはまた地球の裏側からあのチリ津波が襲うわけですが、幸い新庄町は余り被害もなく、私の田んぼも既に田植えが終わった後でしたが、田植えの苗が床土とともに流れ去った程度で、内の浦の村の家も田んぼも何もなかったかのように
静寂そのものでありました。
当時私は、1度目の高等学校を退学し、2度目の和歌山の今の
農業短期大学の前身である農業講習所にいたわけでありますが、いかんせん余り勉強が嫌いで、その被害の少ないのをわかりながら、家が被災したからということで学校をさぼって家へ戻ってきて、本当に何もなかったように、田んぼだけが被害を受けたというような状況でございました。その被害を救ったのは、私の土地の隣の水門と防潮堤であります。海抜ゼロメートル、その防潮堤に突き当たった海水が、あのくじらの入ってきた湾をぐるっと回って、私の田んぼへ飛び込んだのであります。以前、盲導犬の訓練所があったところでございます。
南海地震にしても、被害は甚大であり、枚挙に暇もないほどの大きな被害、しかし私の村では、物の被害は甚大でも、私の祖母のいとこがあの戦争で私の家に疎開しており、その戦争が済んで、2年3カ月暮らしており、本人は第一波で逃げていたものの大事な荷物を取りに行くと言って、振り切ってそのまま流されてしまいました。まことに残念で、いまだにどこへ流されていったのかわかりません。この
南海地震津波による田辺市の犠牲者は69名であり、その内訳としましては、文里地区が37名、芳養地区が7名、栄町が2名、そして私の新庄地区では23名でありました。
ここで少し他の自治体の取り組みを紹介したいと思います。本市においても文里地区に
津波避難タワーがありますが、三重県の中南部に位置する大紀町には、錦タワーというのが整備されています。このタワーがある地区は、津波災害に対する意識が強い地域で、住民の協力で高台に至る避難経路が整備され、集落には避難場所を示す案内標識や誘導灯、情報表示版を設置することで、円滑な避難ができるように工夫されているようです。津波対策において最も重要なのは、自分自身の命を守るということであります。そのためには、まず常日ごろから津波から逃げ切る高台への避難を心がけることであります。そういった観点から、避難場所と避難路は至るところに設置すべきであり、犠牲者ゼロを目指すためにも、最低でも高さ12メートルの避難場所の確保が必要だと考えます。
本市におきましても、各町内会の協力を得ながら津波避難路の整備等を積極的に進められているところでありますが、近い将来発生するとされている南海トラフを震源とする地震・津波対策にかかわって、
津波避難場所の確保と避難路の整備状況についてどのような対策を講じられているかお聞かせいただきたいと思います。
次に、(2)の津波対策としてのソフト面の強化、(3)の災害時の要援護者対策についてであります。振り返りますと、24年前に襲った
北海道南西沖地震による津波は瞬時に大量の犠牲者をもたらしたものであるだけに、そこには沿岸自治体や住民自身の的確な判断と迅速な対応が生死を分けることとなります。災害は自然現象と人間社会の接点で発生すると言われます。地震・
津波そのものの発生を食いとめることはできないまでも、それによる災害については人間の力によって軽減することができると言われます。地震による災害には、建築物や土木構造物の倒壊や破損、ライフラインの断絶や交通網の寸断、地盤の液状化、さらには大規模な斜面崩壊、二次的な火災の発生、津波の襲来など、さまざまな要素があり、大地震になればなるほどそれらが複雑に絡み合って、規模の大きな複合災害となるわけであります。
1995年、今から17年前の兵庫県南部地震による
阪神淡路大震災は、その典型的なもので、この震災では津波を除くあらゆるタイプの災害が現出したわけであり、都市の複合災害である災害は進化するという言葉があるが、近年は自然の中での人間の住まい方が変化したため、思いもよらない新しい災害に見舞われることも少なくありません。いわば、人間の手による環境改変が災害の規模を拡大したり、また新しいタイプの災害を招き寄せているとも指摘されています。
1964年、今から48年前の新潟地震では、信濃川の旧河道、すなわち川の中でございますが、開発して都市化を進めてきたところに液状化災害が集中。また大津波で100人の死者を出した29年前の
日本海中部地震の際には、秋田市や能代市の新興住宅地で液状化の災害が生じ、沼や湿地を埋め立てて住宅団地を形成したところが被害を受けたのであります。
また、34年前の宮城県沖地震では、流通団地、また丘陵地における宅地化でも斜面崩壊が発生して大きな被害を受けています。
このように、昔から人が住まなかった環境に人間の社会が拡大し、新たな災害に直面する現実がある中、大切なことはそれぞれの人々が生活を送っている地区について、その地域の歴史や伝承等を踏まえた環境認識をふだんからいかに心にとどめて対策を講じるか。
私の今住んでいる団地もそうであり、大地震が発生したとき、どんなタイプの災害に遭いやすいか、地区ごとの環境によって異なる過密都市の中心部か、沿岸地域か、あるいは急傾斜地の周辺か、大きな河川の下流域の埋立地、それぞれ地震によってどんな災害が最も発生しやすいか、その災害環境を把握しておくことが第一歩ではないかと考えます。
早ければ2030年代にも発生するのではないかと危惧されている南海地震、前回の南海地震は66年前に発生し、ちょうどこの12月21日の午前4時。そのときの地震災害や津波災害の記憶を風化させることなく、次世代に伝承していくことが大事であろうと。また務めではないかと思うわけであります。
防災の基本は、自分の身は自分で守る。自分たちの町は自分たちで守るという意識に徹する。しかし、自分の身は自分で守るといっても自分では守れない社会的弱者と言われる方も少なくありません。
現在、高齢化が進み、いわば災害弱者の数は増す一方であります。そのような人々に対しては、地域ぐるみで守るんだという結束、地域の団結力を整えることが重要であろうかと思うわけであります。とかく日本人は、防災点検や安全の確保というのは行政がしてくれるものだと思い込んでいる傾向が強いが、行政としての防災対策には、おのずと限界もあります。大地震や大津波ともなれば、行政の限界もはるかに超えた災害へと拡大してしまう。したがって、行政のなし得る範囲を超えた部分については、市民の自主的な防災への取り組みを後押しすること。行政として市民の自主的な取り組みの後方支援を行い、市民のやる気を引き起こすことが何より必要であろうかと思うわけであります。
そのためにも、行政と市民が常に情報を共有して、互いの役割分担を進めていくべきである。またそれが望ましい姿ではないかと思うのであります。
以上の観点から、(2)の津波対策としてのソフト面の強化について、(3)の高齢者や障害者の人々と、また幼い子供たちなど、災害時の要援護対策について当局の見解をお尋ねいたします。
これで第1問目の防災についての質問を終わります。
それでは、2の補助金、委託金についてでございます。
きょうはこれを出す前に大変悩んだわけでありますが、しかし常日ごろから市に対してこのあり方について、常々申し上げていたものの、公式の場で一度言っておきたいということで、
社会福祉法人、田辺市
社会福祉協議会の補助金についての質問をいたしたいと思います。
私の師匠である市橋坊さんが、諸行無常、本物は移り変わり、常なるものはない。いろんな物事も人の心も身体も全て事象は移り変わるということでございます。そこで、2番目の補助金、委託金についてであります。この項では、2点の質問を通告しておりましたが、議長のお許しを得まして、2の田辺市
社会福祉事業団への委託については削除させていただきます。なお、補助金につきましては、田辺市
社会福祉協議会への補助金とあわせて、関連性もありますので、若干、市全般にわたってのお考えについてお聞きしたいと思います。
まず、日光の三猿に逆行してあえて問う。見ざる、言わざる、聞かざる。これは自分自身の災いを免れるための教えと師匠に意味を教わったのですが、政治の世界からはこれはそのままにしておると、見ないで、言わないで、聞かないでというようなことは大変無責任になるということで、今回、ここで問うと決意いたしました。
社会福祉協議会、これは大変古いことで、行政関与によって、戦前から戦中に設立された
民間慈善団体の中央組織・連合会、すなわち
中央慈善協会、
恩賜財団同胞援護会、
全日本民生委員同盟、
日本社会事業協会など、及び都道府県組織を資源とする組織で、地域福祉の推進を図ることを目的とする民間団体で、略して社協と称されるわけでございます。
戦後、アメリカから導入された
コミュニティワーク、すなわち地域福祉とその技術の普及推進と
民間福祉事業や
ボランティア活動の推進、支援を目的としている。法的には社会福祉法で規定されており、全国、都道府県、特別区、
政令指定都市、市町村単位で組織されて、基本的には
社会福祉法人格を持つこととなっている。民間団体ではあるが、法律に定められ、
行政区分ごとに組織された団体であり、運営資金の多くが行政機関の予算措置によるものであるため、半官半民で運営されており、民間と公的機関・組織の両面のメリットを生かした事業を展開しているわけでございますが、例えば、
民間福祉事業者と住民と行政機関との橋渡し、また福祉施設や団体の連合会とその事務局、各福祉事業者間の利害調整、住民参加による地域福祉の推進、福祉専門職の職員養成、福祉人材の確保、
福祉サービスの第三者評価などがあげられる。
共同募金事業も県社協、市町村社協においては、別法人の共同募金会の事務局を兼務する形態で行っているところもございます。
社会福祉法第109条、区域内における
社会福祉事業、または
更生保護事業を経営する者の過半数が参加するものとする。社会福祉を目的とする事業の企画及び実施。社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助。社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及び助成。前3号に掲げる事業のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業。これだけ申し上げれば、市に申し入れていたことが理解していただけるものと確信するものであります。
私は、常日ごろ、社協はこの宇宙では太陽であると社協の大会でも申し上げましたが、宇宙の中心であり、あの暖かい日差しにより生きていけるのであります。社協でなければできないものを補う。これが社協であり、これだけの
社会福祉資源がある中、平田課長にも田辺市にはどれだけの
社会福祉事業所があるのかと聞けば、ちょっときょうは忘れてきたのですが、膨大な社会福祉の事業所がございます。
田辺には、こんなに福祉施設があるのか。こんなに福祉資源があるのかとびっくりするぐらい、恐らく私は県下一ではないかと思うぐらい多い。たしか278カ所かなにかと定かではないが、こんなに多い施設を束ねる大将が田辺市
社会福祉協議会であり、他の事業者と張り合って独占、これは目的からして間違っていると思うのであります。
ホームヘルパー事業、デイサービス、訪問入浴、介護保険で事業を展開する以上、補助金は少し考えることが当然と思うが、ある田舎で社協が撤退すると福祉が落ちます。この一言をとっても、社協の思い上がり。最初に社協の概要をまず説明をいたしましたが、何も知識のないものが恥ずかしくて言えることではない。
それに対して、億近い補助運営をすること自体おかしいのではないか。
介護保険事業収入をもって運営することで普通である。当たり前であり、
天才バカボンのコミックにある、「これでいいのだ」というような市民の血税を使うべきではない。当局はどのような見解か、お伺いいたします。
負担金補助ではありませんが、公平・公正とすぐ申します。官には甘いことが、公正・公平でないと思うわけですが、私は
児童養護施設の負担金。社会の責任として、名前は言えませんが、ある新宮の学園、これも公が公に負担して、民間の
児童養護施設にしても、同じ痛みを持って、同じようにしてあげることが公平・公正の原則であるはずと、おかしいじゃないかと4年、5年前から申し上げてきたわけでございます。また
紀南地方老人福祉施設組合にも負担金が当時3,800万円ほどあったと思うのですが、
御坊日高老人福祉施設事務組合にも900万円、何で出すのか、同じ規模で民間が負担してくれと言えば出すのかと。出す必要がない。民間で行政には無理に支援を申し入れてはならない。社会福祉法にうたわれています。そのかわり行政は関与してはなりませんと、自主独立がうたわれているのであります。
もう少し事業者も経営感覚を磨く。公だから予算は何ぼでもと甘いことを言わないで、市民の税金であると肝に銘じて執行してもらいたい。どのような考えでいるのか、お聞きしたいと思います。
以上で、第1回目の質問といたします。
(25番 森 哲男君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 25番、森 哲男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 森議員から2点にわたる御質問をいただきました。1点目の防災については私から、あとは担当部長からお答えいたします。
まず議員御質問の1番目。
津波避難場所の確保と避難路の整備状況についてでありますが、これまで本市では近い将来発生すると言われている南海トラフを震源とする地震・津波対策につきましては、その切迫性から喫緊の最重要課題と位置づけ、
津波避難広場の建設や津波避難路を整備するなどの対策を講じてまいりました。
そうした中、昨年発生した
東日本大震災では、これまでの想定をはるかに超える巨大地震や津波が発生し、一度の災害で戦後最大の人命が失われるなど、これまでに想定していたレベルとは大きくかけ離れた災害となりました。その教訓を踏まえて、国では南海トラフ沿いで発生する大規模地震をあらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波とし、特に津波につきましては、発生頻度は極めて低いものの、ひとたび発生すれば甚大な被害をもたらす津波の検討を行ってきました。
そうした中、国の中央防災会議から、最新の科学的知見に基づいて発生し得る最大クラスの地震・津波の推計が公表されましたが、こうしたことを踏まえ、市では昨年より国や県の新たな防災対策の指針等が示されるまでの間、あらゆる津波被害の可能性を考慮しつつ、将来の津波対策をより強化し、継続することを基本といたしました。
その取り組みの一つには、従来の津波ハザードマップにとらわれず、広い範囲の地域の皆さんと連携することを目的とした意見交換会を行い、それぞれの地域が抱える津波に対する課題等を抽出するとともに、その課題解消に向け、津波発生時の避難路の確保や一時避難場所の確認、耐震基準など国の指針に合致した10施設を津波避難ビルとして指定するとともに、建てかえが予定されていた田辺第二小学校を津波避難ビルとしての機能を有する計画に変更いたしました。
また、今年度の事業として、停電時における夜間の避難のために、97基設置していた避難誘導灯を47基増設するとともに、334カ所表示していた海抜表示板を200カ所追加し、安全に避難するための基盤整備など、可能なことから対策に取り組んでまいりました。
こうした津波避難対策の中でも、津波避難路につきましては、これまでも地域からの要望を反映させ、順次整備してまいりましたが、市の直轄事業として、昨年9月の補正予算、今年度の当初予算で計13カ所の避難路整備に係る予算措置を行い、現在整備中の避難路を合わせますと、33カ所の津波避難路が完成することとなります。
こうして整備された避難路の中には、自主防災会が市の津波避難路整備事業補助金を活用し、地域みずからの力で整備してきた箇所も多くありますことから、これまで継続してきた津波避難対策は自主防災会を中心とした地域の大きな力と住民の皆さんの多大な御理解と御協力により推進することができたものであると考えております。
ようやく、今年度末には国の想定をもとに、県が地域の実情を踏まえた津波浸水想定を設定し、より詳細な浸水範囲を公表する予定となっておりますが、新たな津波ハザードマップにつきましても、あくまでも想定の一つであることを忘れず、さらに大きな津波が起こり得る可能性を念頭に置き、引き続き地域の皆さんと連携し、津波避難対策を講じてまいりたいと考えております。
また、2番目の津波対策としてのソフト面の強化についてですが、
東日本大震災が発生しました昨年3月11日には、当地方にも大津波警報が発表されましたが、市の指定する避難施設において確認できた避難者は最大で764人でありました。このほかにも付近の高台や地域の集会所などに避難された方々がいるものと考えますが、やはり全体的には少なかったことは否めません。その要因につきましては、当地域で大きな地震の揺れが発生しなかったことから大きな津波は来ないであろうと考え、避難までは必要がないと自己判断した方が多かったのではないかと考えておりますが、市といたしましては、市民の皆さんは揺れが伴わない地震であっても、大津波警報や津波警報が発表されたときは、直ちに高いところへ避難するという津波に対する危機意識をより一層高めていただく防災啓発が非常に重要であると認識しているところでございます。
そのようなことから、まず家族という小さなコミュニティの中で、防災について話し合っていただくために、9月の第1日曜日を家族で考える防災の日に設定し、その啓発に努めるとともに、子供たちへの防災教育の一環として、市内の小・中学生を対象に我が家の防災対策をテーマとした作文を募集するなど、一人一人が自分の命に主体性を持つという意識をはぐくみ、災害に対する自助の対応力を高める取り組みを行ってまいりました。
また、本年7月に中部ブロック全体で取り組んだ津波避難訓練では、事前の準備として地域の方々が参加した3度のワークショップを開催し、地域内の危険箇所や津波からの避難時に障害を来す箇所などについて意見交換を行い、その結果をもとに地震により家屋やブロック塀等の倒壊のおそれがある危険な箇所については、訓練では通行どめとするなど、実践に即した訓練を実施いたしました。この訓練では、地域内の幼稚園や保育所、小・中学校が参加し、訓練スタッフに小学生を配置したほか、園児の避難支援を中学生が行うなど、地域全体で訓練に取り組み、行政主導ではなく、地域が主体となった訓練を実践できたことは津波対策への想像力不足を補い、日ごろから津波にどう向き合うかを考える機会となり、このことが地域の防災力の向上に発展するものと考えております。
さきの
東日本大震災においても、中学生が小学生の避難を助け、また幼児、生徒の率先した避難行動がきっかけとなり、周囲の住民が避難を行い、津波による被害を最小限に抑えた事例が報告されておりますことから、こうした事例を教訓とした地震や津波に対する防災教育とともに東北地方でのつらい経験と厳しい教訓を災害に強いまちづくりへの知恵として、永遠に引き継がなければならないものであります。
そのためには、本市におきましても防災意識を次の世代に引き継いでいく取り組みとして、児童・生徒を含めた地域における実践的な訓練や防災教育を重点的に推進し、家庭から地域へと長期的に防災効果を浸透させる仕組みづくりを行ってまいりたいと考えております。
次に、3点目、災害時要援護者対策についてお答えいたします。
県では、平成19年度に津波から逃げ切る支援対策プロジェクトを策定し、住民の避難支援対策を沿岸の8市町と共同で実施してまいりました。このプロジェクトは、津波による死者ゼロを目標に掲げ、安全な場所まで避難する歩行速度を高齢者などの災害時要援護者を考慮した条件に設定するなど、要援護者の避難支援とともに、津波避難困難地域の対策を進めてまいりました。今後、さらにより詳細な津波浸水範囲が公表されることにより、新たな避難困難地域への対策の必要性が生じるものと考えますが、地域の課題解消に向け、新たな津波避難ビルの指定や
津波避難タワーの整備等も含め、総合的な対策を検討してまいりたいと考えております。
また、災害時要援護者の避難支援を具体化した田辺市災害時要援護者避難支援プラン全体計画をもとに、地域防災計画にも要援護者支援班を新たに設置し、災害時の避難所等における要援護者の支援対策を位置づけたところでありますが、災害による被害を最小限に抑えるためには、地域社会がお互いに協力して災害から地域を守るという意識を醸成していくことが重要であり、家具転倒防止対策などのきめ細かな支援対策についても引き続き取り組みを進めるなど、より一層市民の皆さんとの信頼関係を深めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、地震や津波などの自然災害は常に想定を超える可能性があることを市民一人一人が認識し、災害の種別を問わず、自分の命は自分で守る、地域の安全は地域で守るという意識をあらゆる機会を通じて啓発し、安心・安全のためのまちづくりを推進するため、総合的な防災対策を
再構築してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(高垣幸司君)
保健福祉部長、田中 敦君。
(
保健福祉部長 田中 敦君 登壇)
○
保健福祉部長(田中 敦君) 森議員2点目の補助金、委託金についてのうち、まず
社会福祉法人田辺市
社会福祉協議会への補助金についてお答えいたします。
初めに、市町村
社会福祉協議会は、社会福祉法第109条において、1または同一都道府県の2以上の市町村の区域内において、社会福祉を目的とする事業の企画及び実施、社会福祉に関する活動への住民参加のための援助、社会福祉を目的とする事業に関する調査・普及・宣伝・連絡・調整及び助成等の事業を実施することにより、地域福祉の推進を図ることを目的とする団体であって、その区域内における社会福祉を目的とする事業を経営するもの及び社会福祉に関する活動を行うものが参加し、かつ指定都市以外の市町村にあっては、その区域内における
社会福祉事業または厚生保護事業を経営するものの過半数が参加するものとすると規定されており、地域における福祉の拠点としての役割を担っております。
都道府県
社会福祉協議会については、市町村社協が行う事業で、広域的な見地から行うことが適切なもの、社会福祉を目的とする事業に従事するものの養成及び研修、社会福祉を目的とする事業の経営に関する指導及び助言等の事業を行うものと規定され、より広域的、専門的な対応が求められております。
田辺市社協の具体的な活動内容としましては、あんしん見守り運動、ふれあいいきいきサロン活動や地区福祉委員会活動などのあんしんネットワーク推進事業、ふれあい文化祭や市民福祉映画会などの地域交流事業、学校や地域における
ボランティア活動育成事業、
福祉サービス利用援助事業や生活福祉資金貸付事業、障害者相談支援事業など、要援護者の暮らしを支える取り組み、紀南福祉人材バンクにおける職業紹介事業を基盤とした人材確保、就労定着支援、田辺市共同募金委員会事務局など地域福祉を推進していく上で、中心となる事業を展開しており、このような民間福祉活動の中心的役割は、地域福祉を推進する責務を担う市福祉行政の目的と一致しており、市は
社会福祉協議会の活動への支援を通じて、地域福祉の推進を図っていると考えております。
また、昨年は
東日本大震災関係では、被災地社協の支援も兼ねての職員派遣や近隣社協と協力してボランティアバスの運行を実施いたしました。また、9月の台風12号の被災に伴い、田辺市社協として初めて災害ボランティアセンターを運営し、地域に貢献できたものと考えております。
次に、介護保険事業につきましては、今日では、多くの民間事業者による事業展開が図られていますが、介護保険制度施行当初は新たな制度による採算面の不安からか、積極的な民間のサービス事業者の参入も見込めず、要介護者に対する必要なサービスの提供が懸念されました。このため、市が指定事業者となり田辺市社協へ事業を委託して、通所介護、訪問介護、及び訪問入浴介護のサービスを行う、いわゆる公設民営の方式により利用者にサービス提供を行うなど、田辺市社協は市内サービス事業者の主力として介護保険制度の一翼を担ってまいりました。
制度の普及とともに、サービス提供基盤の整備も徐々に進んだ結果、平成16年4月には、まず訪問介護サービスにおいて、翌17年には通所介護及び訪問入浴介護サービスについても、それまでの公設民営を廃止し、田辺市社協として単独で介護保険事業所としての指定を受け、事業を展開している状況であります。
今後、
社会福祉協議会に求められる役割としましては、山間部などの遠隔地や処遇困難なケースなど、採算性や効率性の点で民間事業者の参入が見込まれにくい状況下においても、安定、公平なサービスを提供していくというところにあります。また、事業を実施する中で、見出された課題を
社会福祉協議会の地域福祉活動に反映させていくということも
社会福祉協議会の公共的使命を果たす重要な役割であります。
そのほかにも、市は介護予防事業、外出支援事業、配食サービス事業、高齢者生活支援ハウスや老人憩いの家の管理運営など、さまざまな
福祉サービス事業を
社会福祉協議会への委託により市民サービスの提供を行っております。
議員御質問のとおり、市は田辺市社協に対して、平成23年度決算額で9,000万円余りの補助金を支出しております。補助金算定の根拠としましては、介護保険事業などの事業部門を除く本部職員10人及び4地区社協職員2人ずつの合計18人分について、一人当たり500万円の定額補助とし、派遣職員1人分の人件費相当額となっております。金額につきましては、これまでにも、対象職員数の見直しや事務費、役員報酬の廃止により削減に努めてきたところでありますが、さらに補助対象となっている職員18人について、地域福祉への関与度を検証した上で、本年度から段階的に補助金を減額することとなっております。
高齢者、障害者及び児童等の福祉制度やその取り巻く環境が時代とともに大きな変化を遂げる中、
社会福祉協議会の果たすべき役割についても、今後ますますその必要性、重要性が高まってくるものと認識しております。議員御指摘の点につきましては、行政が担うべき役割、市町村
社会福祉協議会等が担うべき役割等について適切に判断し、協議・提言してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。
次に、
紀南地方老人福祉施設組合、
御坊日高老人福祉施設事務組合、紀南学園事務組合への負担金についてでありますが、これら合併前から旧町村で加入しております一部事務組合等に対する負担金については、その必要性を判断し、運営費、建設費償還金を構成市町村として、あるいは脱退時の協定に基づき支出しているところであります。
しかしながら、現在、それぞれの施設を取り巻く状況は、設立当時とでは大きく変化をしてきていることも十分認識しているところであり、田辺市といたしましては、構成市として、施設運営の是正、あるいは措置費や介護給付費だけの運営、また、建設費償還金の負担軽減につき、主張を重ねてきているところであります。
紀南地方老人福祉施設組合は、昭和45年に設立され、現在、白浜町、上富田町、すさみ町、串本町と田辺市の1市4町で構成している一部事務組合で、特別養護老人ホーム百々千園、養護老人ホーム椿園を運営しております。
設立当時から旧中辺路町・大塔村が組合へ加入しており、平成17年の市町村合併後も引き続き加入し、施設の運営に携わっているところでありますが、合併後の担当課長会議におきまして、繰り返し施設運営の効率化、経費削減についての要請を行うとともに、組合を主管する白浜町とも現在の環境下における民間と公共の役割のあり方等につき、議論を進める中で負担金の軽減を図ってきているところであります。合併後の負担金の状況を申し上げますと、平成17年度では、組合運営に係る経常費に対し、203万円でありましたが、平成23年度では178万円となっております。
また、
御坊日高老人福祉施設事務組合は、昭和25年に設立された一部事務組合であり、特別養護老人ホームときわ寮、特別養護老人ホームときわ寮梅の里、特別養護老人ホームときわ寮川辺園、養護老人ホームときわ寮の4施設を運営しております。
市町村合併を機に、旧龍神村が一部事務組合を脱退し、現在は御坊市、美浜町、日高町、由良町、日高川町、印南町、みなべ町の1市6町で構成されております。田辺市としましては、脱退後から平成26年度までの10年間で建設費償還金を負担する旨の協定書に基づき、負担金をお支払いしているという状況でありますが、これにつきましても、平成17年度、818万円に対し、平成23年度は516万円となっており、平成27年度以降の負担はないものとなっております。
また、紀南学園事務組合は、昭和26年に設立された
児童養護施設を運営する一部事務組合で、現在は、田辺市、新宮市、東牟婁郡の5町村で運営しております。市町村合併後も行政としての支援の必要性があると判断し、旧本宮町に引き続き一部事務組合に加入したところであります。
しかしながら、現在では、
社会福祉法人などにおいて同様の施設が運営されているのがほとんどであることから、組合議会において行政関与の必要性についてを議題として提案するとともに、組合を主管する新宮市を初め、構成市町村の担当部課長と施設の運営や経費の削減等について協議を重ねてきており、負担金につきましては、平成17年度336万円に対し、平成23年度では172万円となっております。
今後におきましても、これら一部事務組合への負担金につきましては、引き続き経費削減、運営改善等について、各組合議会や担当課長会議等を通じ、取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上です。
(
保健福祉部長 田中 敦君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 森 哲男君。
(25番 森 哲男君 登壇)
○25番(森 哲男君) 時間も残り少なくなったわけでございますが、けさも国道を走りながら、電信柱に海抜何メートルと、それを見ながら、もう寸前に事故を起こすような、ここに確かあったはずだけれどもと。またキリンの前で電柱の側に大きな木が生えておって、そこが見えにくくて、そこが2.7メートルだったか、また文里の避難タワーを見ながら、このタワーは今の想定ではここに逃げろと言うわけにもいかないし、それは大変だろうなと思いながら、これはどうするのかなと。常々市長さんには、あなたの仕事はこれから起こるであろう防災対策には大変力を入れてもらわないと、市長、命は自分で守るんだということを、また行政も手助けするということで、避難路の整備については真剣にやってもらいたいと。幸い、相当避難路もできて、まだまだ安全を守るには江川にしてもどうかとか、いろんなことを思っておりますが、ぜひとも防災について自分の意識改革と住民の意識改革と行政の手助けをしていただければありがたい。
また、この
社会福祉法人の本来の田辺市
社会福祉協議会のたてりについては、昭和56年か57年だったか、山下磐先輩が
社会福祉協議会を設立した当時には、床ずれマットがあるよとか、ホームヘルパーとか、そういうもので出発して、その当時は
社会福祉資源が一つもなかった。そのために先ほど部長が言ったように、そこからこつこつとやってきた歴史の中、現在は、先ほども平田課長に
社会福祉資源がどれぐらいあるんだというように田辺市には相当な発展した
社会福祉事業がある。そこの中心に社協がならないといけないものを自分だけを守るのではなしに、この職員の派遣にしても、すぐ社協のほうへというように誘導する、そういうものの不公平感、職員がどれだけ自覚できるかということの教育も大変大事であろうと思うので、そういうことの中で、やはりそこに張りつく、それぞれの市町村にある職員に対しては、それだけの自覚を持たさないと。社会福祉というのは福祉ということは、欠けたるものを補う、それが本来の足らないものを補っていくのが
社会福祉事業であって、左官さんでいえば、壁の穴のあいたところを詰めにいったりとか、そういう本当に事業者があそこはいけないというような本当にいけないところに光を持っていく。それが
社会福祉協議会のたてりだろうと、私は確信して、一貫して申し上げてきたわけでございます。来年の当初予算の
編成期でもある関係上、今言っておかないと、やはりそれぞれの変革の中で理解と勉強してもらわないと困るということで申し上げたわけでございますので、ぜひとも本当に県下でも、これだけの
社会福祉資源がある中で太陽になっていただきたいということをよく山下先生のときにも僕は大会でも言っておったのですが、本来の
社会福祉協議会は、この地域の資源の太陽であるように、そういうふうになっていただければありがたい。それを要望して、
再質問はもう時間もないのでやれませんが、あくまでもお金は税金である。だからこれでいいのだというような、ああいうふうな物の使い方をしているだろうというのはまことに失礼なのですが、大事に大事に使って、またあの三重県にある1億2,000万円ほどで
津波避難タワーができた。それが1億2,400万円だったか。それでまた御坊市では、1億4,000万円ほどで水の力によって浮上するというような、そういうものも今開発されて、御坊市役所とともに写っているパンフレットも見たわけでございますが、ぜひとも8万市民を守る。またもう一つは災害としての、私は大雨のときにも、あの通れない道を合併のときに本宮町を久保隆一君をはじめ、熊野古道を一つの観光名所にしようといって、引き入れたといったらおかしいのですが、一緒に田辺市でやっていこうということできた中で、あの大水害が中岸おさむという「ど根性土方半生記」という本の中に、雨のたびに夜逃げというのか、避難したという地下足袋一本で逃げたんだというようなことを聞いて、本当に熊野川の砂利採取にしてもこれは絶対にしないといけない。また新宮の市会議員ともこれは新宮市でやれとか、いろいろなことを言いながら話し合ってきたのですが、幸い田辺市の災害に対する迅速な行動に対して感謝いたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
(25番 森 哲男君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 以上で、25番、森 哲男君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(高垣幸司君) この場合、11時10分まで休憩いたします。
再開時には、議案書を御持参願います。
(午前11時01分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(高垣幸司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時12分)
○議長(高垣幸司君) 続いて、22番、吉田克己君の登壇を許可いたします。
(22番 吉田克己君 登壇)
○22番(吉田克己君) おはようございます。どうやら大先輩の森先生に露払いをしていただいたようです。そして、図らずも本年最後の一般質問のとりを努めさせていただくことになりました。よろしくお願いしたいと思います。22番、清新会の吉田克己です。今回の私の一般質問の持ち時間は60分、私の質問が半分、市長さんの御答弁半分というふうにうまく割り振りができればいいなと思っているところであります。
今回、通告させていただきました質問項目は、市長2期目の実績と3期目に向けた決意についてであります。今回の一般質問につきましては、この1点に絞り、質問させていただきたいと思います。
実は、当初は市長さんの2期8年の実績についてと考えていましたが、さて質問書をつくる段階で、余りにもボリュームがあり過ぎて、とても持ち時間60分では時間が足りません。したがいまして、今回は2期目、4年間における実績について振り返ってみたいと思います。市長さん、1期目の後半のちょうどこの時期に一般質問の答弁の中で、市長さんは「百里の道は九十九里をもって半ばとす」という格言をもって2期目に向けての思いを話されました。さらにその後、市長さんは最後の一里が最も大切であり、残りの任期最後まで気を抜かず、誠心誠意市政の運営に努めてまいりたいと存じます。
その上で、引き続き市政運営の責任者として認めていただけるか否か、その適否について市民の皆さんの判断を仰いでまいりたいとも話されております。市長さん、覚えておられますでしょうか。そんなことを市長さんと一緒に振り返りながら、思い出しながら、大変生意気なことを申し上げるかとは思いますが、市長さん2期目、4年間の当初予算
編成時に当たっての各年度における市長さんの考え方について少し振り返ってみたいと思います。
まず、平成21年度です。この年度は4月に市長選挙を控えてのいわゆる骨格予算であります。市長はこの平成21年度予算においては、総合計画に定めたまちづくりの施策の推進はもちろんのこと、昨年度に引き続き産業力の強化、地域再生、少子化対策に重点的に取り組むといい、経常的な経費等を中心に各部に予算額を配分して、部みずからが予算を
編成する枠配分予算による予算
編成手法を導入したといいました。そして、市民の皆さんからの圧倒的な信任を受け、6月に改めて補正予算を
編成しました。本年度の当初予算は、選挙の関係で骨格予算としておりましたが、市民の皆様方を初め、各方面の方々からの温かい御支持、御支援をいただき、2期目の市政を担当させていただくことになりましたので、選挙を通じて私が約束してきたこと等について予算措置を行うものであります。
さらに、これまでの1期4年間は、市町村建設計画と第1次田辺市総合計画に基づき、合併前からのそれぞれの地域の課題解消に向けた諸施策を実施し、一体感の醸成、合併効果の具現化、地域産業の振興に取り組んでまいりました。
2期目につきましては、1期4年間の基礎づくりの上に立って、市町村建設計画をおおむね達成するなど、田辺市の全体像をつくり上げたいと考えておりますと話されています。
次に、平成22年度であります。市長さんは本年度は合併特例期間10年間の折り返し地点であることから、5年間を振り返る点検の年、向こう5年間を展望する創造の年と位置づけ、現在実施中の事業及び市町村建設計画にある各種事業について、厳しい財政状況の中、今後の優先順位やその必要性、効果を見きわめる点検を行っていく。さらにこれからの5年間は、市町村建設計画の早期の実施による田辺市の潜在力、さらに地域特産品や観光資源などの価値をより一層高める価値の創造に努めてまいりたいと話されております。
次に、平成23年度の当初予算につきましては、今まで取り組んできた産業力の強化、文化力の向上、地域力の充実を基本としながらも、ことしはそれらの取り組みを基礎として、それぞれの施策の推進と連携を図りながら、人口流出の抑制、交流人口の増加、ひいては定住人口をふやし、地域の活力を生み出すため、田辺市に住む人、今住んでいる人、これから住む人、そして田辺市を訪れる人にとっての価値を創造する。さらに田辺市が持っている価値を高め、生かす、新たな価値の創造に取り組む価値創造元年として、また将来の本市の価値を高めるための積極予算として
編成を行っていますと話されています。
そして、2期目最後の平成24年度の当初予算についてでありますが、前年の3.11に発生した
東日本大震災、当市においては9月4日から5日にかけての台風12号による甚大な被害の発生により、自然の猛威を改めて痛感いたしました。本年度は復旧、復興に取り組み、災害対策の
再構築を
再優先課題に位置づけ、今後の防災対策についてもあらゆる方向性を探り、犠牲者を出さないために最善を尽くしたいと考え、最優先で市民の命と財産を守る防災対策の強化に取り組みますと話されております。
さて、これまで各年度の当初予算における市長の考え方を紹介しましたが、その市長の考え方が具体的にどういった事業として裏打ちされているかどうか。この点についても少し点検をしてみたいと思います。
これにつきましても、ボリュームがありますので、ここでは主な事業のごく一部を取り上げてみたいと思います。まず、総務費では、津波避難道路、津波避難誘導灯の整備、携帯電話の不感地域を解消するため、本宮、龍神、大塔地区に移動通信用鉄塔の整備をしました。民生費では、保育所の整備や四村川高齢者福祉施設の整備等、衛生費を見ましても、川湯や請川地区等における簡易水道施設の整備事業、農林水産業費では上芳養日向地区における圃場整備。市内の山村集落対策を推進するため、高齢化比率がおおむね50%以上の集落を対象に支援活動を実施するため、計12名の集落支援員を配置。林道改良事業につきましても、相当な予算額を投じて事業を実施しています。
漁業関係におきましても、和歌山南漁業協同組合が実施する製氷施設整備事業に対する支援を行い、商工費では、田辺市・十津川村間における観光圏を形成し、誘客と促進を図るための各種事業を実施しています。
また、本市の玄関口である紀伊田辺駅前の観光ビジターセンター整備事業の実施。土木費を見ますと、改めて申し上げるまでもございませんが、平成27年の紀の国わかやま国体を控え、三四六総合運動公園並びに目良公園の整備事業が現在急ピッチで進められているところであります。
消防費では、震災など大規模災害時における防災拠点としての機能を有する新消防庁舎の建設、さらに教育費におきましては、複合文化施設「田辺市文化交流センターたなべる」の整備を初め、田辺第二小学校、会津小学校、中芳養小学校の校舎や体育館の建設など、ここではごく一部の事業でありますが、冒頭に少し触れましたように、実施中の事業や完成した事業を取り上げれば枚挙にいとまがありません。
そして、ぜひ忘れてならないのは、災害への対応でありますが、災害という不測の事態におきましても、市長は的確に対応されています。3.11の
東日本大震災への支援であります。震災発生直後に友好都市の笠間市、一関市への飲料水や毛布類の支援物資を職員派遣により配送。さらに、本市と災害応援協定を結ぶ高萩市へは、飲料水の配送や、一関市への追加支援も行いました。
また、人的支援としては、大船渡市、陸前高田市へ職員を派遣し、給水活動を支援、山田町では、避難所運営支援。また一関市では家屋災害調査を支援するほか、宮古市へは保健師を派遣するなど、支援活動を行いました。
一方、消防本部からは震災翌日より9日間、緊急消防援助隊を派遣し、石巻市及び女川町において指揮隊、救助隊及び後方支援隊の3隊の
編成により要救助者の捜索や遺体捜索活動、緊急対応、物資搬送など活動を行いました。
次に、平成23年の台風12号災害への対応につきましては、お手元に配付しております資料1をごらんいただきたいと思います。
資料1、平成23年台風12号災害への対応について。上と下、災害復旧事業と復旧復興支援、資料をごらんになっていただいたらわかりますけれども、災害復旧事業では62億2,288万5,000円、復旧復興支援では、11億1,849万3,000円、合計しますと平成23年度の決算、平成24年度の予算額合わせて73億4,137万8,000円の復旧復興費を支出しております。
このほかの台風の被害も含めますと、恐らく100億にはなると思います。市長さん、こういった各年度における予算
編成に際しての基本的な考え方、さらに御紹介させていただいた2期8年にわたる市長さんの考え方に裏打ちされた各種事業への取り組み、このことをもってしても、私は市長さんの実績につきましては、大いに評価をさせていただきたいと思います。それより何より、私が評価するに当たって、最も感じたことは、市長さんは徹頭徹尾、まず、施策の根底にある自然や歴史、文化、そして人権に対する感度の鋭さがありありと感じ取れるわけであります。その上に立って、さらに評価すべき点は、これも徹頭徹尾、第一田辺市総合計画、合併前の各地域における課題についての協議のもとで策定された市町村建設計画の実施に全くぶれることなく、取り組んでおられるということであります。これも私は大いに評価したいと思います。
市長就任以来、どこでもここでも市長さんはこう話をされております。自然や文化や人権を大切にしながら、この町に住んでよかった。この町に住んで幸せだ。合併してよかったというまちづくりをしていきたい。何度も申し上げますが、そんなことが今まで私が申し上げてきたことで、間違いなく実現に向かっていることは誰も疑う余地はないと強く確信します。
市長さん、皆さん方のお手元にお配りしている市町村建設計画の進捗状況、ちょっとこの資料を見ていただきたいと思います。色づけをしております。資料を見ていただきながら、白い筋がまだ手をつけていないところ、肌色のところが予定ということです。この資料を見ていただきながら、説明をしたいと思います。
旧1市2町2村の共通した、田辺市全体の共通事業。実施中、または完了している事業10件、旧田辺市、これも実施中、または完了しているものも合わせて30件、龍神村はこれも合わせて11件、中辺路町では同様に12件、特に中辺路町は13件のうち12件が完了、または実施中となっています。大塔村も同様に7件、最後に本宮町においては、実施または完了の事業14件、改めてちょっとまとめてみます。市町村建設計画登載の事業、共通事業10件、田辺30件、龍神11件、中辺路12件、大塔7件、本宮14件の全体で84件、実にバランスのとれた事業選択をしていると思います。その進捗率73.7%、平成24年度の予算ベース、76.8%、ほぼ80%に達しています。
冒頭に市長さんに申し上げた「百里の道は九十九里をもって半ばとす」、まさに市町村建設計画全体事業数114件、完了及び実施中の事業84件、進捗率にして76.3%は、それこそ市長さんのおっしゃる大切な残り1里ではないでしょうか。私は確信を持ってそのように強く思います。最後に実績は大いに評価させていただくこととあわせて、市長さん、あなたは副市長を初め、自分の部下を大切にされますね。部下が少し困難な事案に対処しているときにあっても、市長さんは常にその部下の側に立って、部下が対応していることに心を一つにして取り組んでいる。このことも私は強く感じております。
おこがましいようですけれども、市長さん、あなたは5年か、6年前にある選挙の応援演説の際に言われた言葉があります。こう言っています。「鳥の目を持つ政治家」、高い山の木の上にしっかりと立ち、大所高所からまちづくりを考える。また、「虫の目を持つ政治家」、常に市民の皆さんの目線に立ち、なお市民の皆さんの足元をしっかりと見つめながらまちづくりを考える。常に市民の皆さんの目線に立って、なおさらに市民の皆さんの足元をはいながら、しっかりとまちづくりを考える。そんな演説をしたことを覚えていますか。鳥の目を持つ政治家、虫の目を持つ政治家、その政治家こそ市長さん、私はまさにあなたではないかとそう思います。どうか、私が今まで申し上げてきた市長さんの政治に対する基本的な考え方、それを施策として裏打ちしてきた実績、そのことに自信を持たれて3期目の田辺市の市政運営に取り組んでいただきたいと強く強く思います。
市長、その力強い決意のほどをお聞かせ願いたい。
これで私の1回目の一般質問を終わります。
(22番 吉田克己君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 22番、吉田克己君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 吉田議員の御質問にお答えします。
初めに、議員から私に対する過分な評価をいただきましたことに心からお礼を申し上げます。さて、市町村合併後の市政をお預かりして、はや8年近くになろうとしています。これまでの間、私は合併協議に携わった者の一人として、市町村合併という大きな変化を理解し、受け入れていただいた市民の皆さんに合併してよかったと思っていただけるようお答えしていくことが責務であることを肝に銘じ、議会や市民の皆様方の御理解と御協力を賜りながら、新市のまちづくりの方向性を示した市町村建設計画の実現に努めてまいりました。
この市町村建設計画につきましては、議員からも御紹介いただきましたように、現時点の進捗率が8割近くになるなど、当計画に位置づけられた各種の基盤整備は着実に具現化できており、まちの骨格は確立できたものと考えております。
こうした中で、2期目の4年につきましては、合併効果を生かした1期目の基礎づくりに続き、産業力の強化、文化力の向上、地域力の充実を政策の柱に掲げ、これからの田辺市の価値を高め、また新たな価値を創造するための施策を展開しているところであります。産業力の強化では、産業間の連携などにおいて、その根幹となる第一次産業について、梅干し消費拡大緊急対策事業を初め、ヒロメ、イサギの販売市場拡大事業等を実施するとともに、大都市圏への情報発信やプロモーション活動といった新たな展開を図るなど、地域資源の価値、そして田辺市の価値を高める取り組みを進めております。
また、文化力の向上におきましては、田辺第二小学校の建築や学校耐震化などにより教育環境の向上に取り組むほか、文化交流センターたなべるを建設しました。このたなべるにつきましては、ことし2月のオープン以来、多くの方々に御利用いただいているところですが、今後はここを拠点として市民の皆さんの学習活動だけでなく、歴史的、文化的な活動がさらに展開されるものと期待しております。そして、時あたかも紀の国わかやま国体が平成27年に開催されます。私はスポーツも文化の一つであると考えており、現在、急ピッチで開催会場となる三四六総合運動公園や目良公園の整備を進めております。
これらの施設は国体開催競技に対応するだけでなく、国体終了後においても紀南地方のスポーツ拠点として、周辺市町も含めた住民全ての文化、教育、スポーツなどの活動の場となる上、さらには県内外からの合宿や各種スポーツ大会の誘致などを通して、本市のみならず、紀南地方の経済の活性化に寄与するものと考えております。
さらに、地域力の充実では、JRStationName紀伊田辺紀伊田辺駅前の整備やビジターセンターの建設などにより中心市街地の魅力や利便性を向上させるとともに、山村地域においては、元気かい!集落応援プログラムの拡充を含め、地域ごとの特色を生かし、施策を展開する中でそれぞれの地域の価値を高めるほか、幹線道路を初め、生活道路や簡易水道施設についても計画的に整備してまいりました。加えて、近い将来南海トラフを震源とする地震、津波の発生が懸念されていることから、本市ではこれまでも地震や津波災害に重点を置いた防災対策を進めてまいりましたが、
東日本大震災の発生を受けて、津波対策の見直しや強化を図る中で、地域の状況に即した津波避難路の整備や津波避難ビルの指定を初め、実践に即した住民参加型の避難訓練などを進めております。
また、本市に甚大な被害をもたらした台風12号災害についてでありますが、被災後において国や県と連携を図りながら、早期の復旧を進める中、完全とまではいかないものの、経済活動や市民生活に大きな支障を来さない段階に至っております。
一方、まちづくりにあっては、公益的な分野への市民の皆さんの参加が不可欠であります。このため、私は市民の皆さんとの対話による情報共有を積極的に進めるとともに、地域の課題解決に向けて、ともに考え、そして市は支援や協力をしながら、民間主体で実行していく取り組みも進めてまいりました。
もちろんすぐに実現ができないことや実現を断念したこともありましたが、成果としてあらわれたものも多くあります。地域づくりからコミュニティビジネスへと進化している秋津野塾や世界的にもその活動が評価された田辺市熊野ツーリズムビューローは代表的な例でありますが、これら以外にもまちづくり会社、南紀みらいによる市街地の活性化、龍神はーとの特産品販売や三川元気村プロジェクトなど、地域の特色を生かした取り組みが展開されてきています。
また、社会経済情勢の変化等に対して、行政のあり方を変える行政改革はいつの時代も必要です。この行政改革につきましては、行政コストを見直すことはもちろん必要でありますが、私は行政のあり方を変えるという観点から、行政改革の根本は職員の意識改革であるという考えのもとに、職員に対しては常にこのことを働きかけてまいりました。
こうした中で、平成21年には若手職員の発案により、田辺市職員レンジャー隊が結成組織され、現在も過疎地域における獣害ネットの設置を初め、さまざまなイベントの支援や各種公共施設の清掃などの活動を展開しています。さらに平成22年度からは若手職員による事務事業検証作業を、平成23年度からは職員の斬新な発想を政策形成や行政運営に生かすため、職員提案制度を開始しましたが、多くの職員がこれらのことを真摯にとらえており、意識がまさに変わってきたと感じているところであります。
そして、近年の社会経済情勢の変動が今後も想定される中、安定した行政運営を継続していくためには、財政基盤の強化は極めて重要であります。田辺市の財政状況については、ここ数年、国の地方財政計画において、地方の一般財源総額が担保されている側面はあるものの、2期目においても職員の定員適正化を初め、事務事業の見直しや繰り上げ償還による公債費負担軽減などを進めたことにより、平成23年度決算において経常収支比率が88.1%、実質公債費比率が14.2%となるなど、財政の健全化を図ることができました。加えて、財政調整基金や減災基金につきましても、平成17年度末残高は、両基金合わせて49億円でしたが、これまでの間、各地域における基盤面の課題解消を初め、社会保障費の増加や台風12号災害に伴う復旧復興などに対応しながらも、28億円を上積みしたことにより、平成23年度残高は77億円となっており、今後の財政需要に対して、弾力的に対応できる財源を確保することができております。
以上、2期目の取り組みについて、順次申し述べさせていただきましたが、申し上げるまでもなく、こうした評価は本来みずからするものではなく、あくまでも市民の皆さんに委ねるべきものであります。先ほど議員から御紹介をいただきました予算
編成方針に込めた、私の所信にはその年々に変遷はあるものの、総合計画に掲げた基本理念、一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちづくり、この田辺市のまちづくりの理念について、私なりに申し上げれば、一人一人が大切にされるとは、一人一人の人権が真に尊重され、お互いに認め合いそれぞれの個性が生かされて、自分らしく生きることができる社会のことで、幸せを実感できるとは物の豊かさのみならず、心の豊かさも求められ、前段、自分らしい生き方がひいては田辺らしいまちづくりにつながっていることが実感できることを意味すると考えております。このことを念頭に置き、自分なりではございますが、ぶれずにやってこれたと考えているところでございます。
しかしながら、本市におきましては、昨年の
東日本大震災や台風12号災害を踏まえた、あらゆる自然災害に対する総合的な防災対策の
再構築を初め、人口減少や少子・高齢化への対応、さらには地域経済の活性化や雇用創出など、課題が山積しております。また議員から先ほど強い御期待をいただきましたが、市町村建設計画の総仕上げもあります。こうした中で、私はまだ残っている2期目における市政運営も含め、2期8年の私の仕事を市民の皆さんに評価していただき、引き続き、市政運営の任をお任せいただけるならば、徳川幕府の中興の祖と言われた八代将軍徳川吉宗公が江戸城への入城後、自戒の念と民への思いを込めて詠んだ歌「受け継ぎし 国の司の甲斐もなく 恵まぬ民に 恵まるる身は」、このことを胸に刻み、いま一度謙虚な心と市民への思いを持ってこれまでに築いた町の骨格を市民の皆さんが誇りに思える町の確立につなげてまいりたいと考えております。
以上です。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 吉田克己君。
(22番 吉田克己君 登壇)
○22番(吉田克己君) 今回、この質問項目で質問をさせていただいてよかった。実は、最後の文章に一番先の1行、市長さんの力強いお言葉をお聞かせいただきましたと、こう結んでいこうと思っておったんですけど、今市長さんの決意表明の根底にやっぱり真砂市長は人の命を、人権を基本に置いたそういう政治姿勢、理念、スタンスを持って一言加えさせていただきたい。市長さんの力強いお言葉とあわせて、市長さんの本音を聞かせていただいて、やっぱり3期目、この市長に託して間違いないと私は思いました。本市の懸案事項でもある、ごめんなさい、涙まで出してしまって。紀南広域廃棄物最終処分場建設事業も地元の皆さんの御理解や御協力をいただきながら、ようやく緒についたところであります。
また、現在、急ピッチで工事が進められています三四六総合運動公園等の整備については、平成27年に本県で開催される、第70回紀の国わかやま国体の前年に当たる平成26年には、何としても完成させねばなりません。市長さんには、またその責任があると思います。
真砂市長、この上はどうかお体に気をつけていただき、3期目の市政運営に向けて頑張っていただきますことを心よりお願いを申し上げて、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。
(22番 吉田克己君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 以上で、22番、吉田克己君の一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして、一般質問を終結いたします。
◎日程第2 5定報告第1号
専決処分事項について上程
○議長(高垣幸司君) 続いて、日程第2 5定報告第1号
専決処分事項についてを上程いたします。
この場合、お諮りいたします。
本件については、会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略し、後日審議願うことにいたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(高垣幸司君) 異議なしと認めます。
よって、5定報告第1号については、委員会の付託を省略し、後日審議願うことに決しました。
◎日程第 3 5定議案第 1号 田辺市長等の給与に関する条例の一部改正についてから
日程第19 5定議案第20号
工事請負契約の締結についてまで一括上程
○議長(高垣幸司君) 続いて、日程第3 5定議案第1号 田辺市長等の給与に関する条例の一部改正についてから、日程第19 5定議案第20号
工事請負契約の締結についてまで、以上17件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました17件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(高垣幸司君) 質疑なしと認めます。
それでは、ただいま議題となっております17件については、会議規則第37条第1項の規定により、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。各常任委員会の付託事件は、配付いたしております議案付託表のとおりであります。
◎日程第20 5定請願第1号
補助金不正問題全容究明のため「百条委員会の設置」を求める請願を上程
○議長(高垣幸司君) 続いて、日程第20 5定請願第1号
補助金不正問題全容究明のため「百条委員会の設置」を求める請願を上程いたします。
紹介議員の説明を求めます。
2番、真砂みよ子君。
(2番 真砂みよ子君 登壇)
○2番(真砂みよ子君) 5定請願第1号
補助金不正問題全容究明のため「百条委員会の設置」を求める請願。請願者は、不正をただす会、請願代表、小谷邦男さんほか2,582名。紹介議員は、私、真砂みよ子と久保浩二議員です。
本文を読ませていただきます。
1、請願要旨。宮田前議員がかかわった県、市の補助金不正問題の全容究明に向け、地方自治法に基づく各
会派が参加する「百条委員会」を設置してください。
2、請願理由。行政をチェックすべき議員が、違法な申請手続で補助金を受け取り、使途について虚偽報告だったとおわび状で認めた補助金不正問題。9月14日に、田辺市調査委員会の中間報告が出されましたが、実態は明らかになっていません。不正な申請で公金が支給され、うその実績報告を受理した行政の対応に問題はなかったのか。県、市民の税金がどのように使われたのか。
こうした疑問に納税者の市民は知る権利があり、有権者の負託を受けた市議会は応える責務があります。補助事業のあり方、再発防止に何が必要か、失われた議会と市政の信頼回復に各
会派が参加する百条委員会を設置し、議会が補助金不正問題の全容究明に責任を果たすことを請願します。
平成24年12月10日。請願者、田辺市議会議長、高垣幸司様。
今回の不正問題は、不正を働いた宮田前市議の責任と、その不正を許した市当局の責任の両方があると私は考えています。今回の市の総括はその一方の当事者の調査報告であり、不十分であると言わざるを得ません。また、もう一方の当事者、宮田前市議も異議を唱えています。議会は第三者の立場で行政をチェックするのが本来の仕事です。ぜひ請願の趣旨に賛同いただけますようよろしくお願いいたします。
以上です。
(2番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 紹介議員の説明が終了いたしました。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております5定請願第1号については、会議規則第142条第1項ただし書きの規定により、委員会の付託を省略したいと思います。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(高垣幸司君) 異議なしと認めます。
よって、5定請願第1号は、委員会の付託を省略することに決しました。
これより、質疑に入ります。
ただいまの紹介議員の説明に対し、質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(高垣幸司君) 質疑なしと認めます。
これより、討論に入ります。
討論はありませんか。
討論があるようですので、この場合、請願に対する反対討論の発言を許可いたします。
19番、陸平輝昭君。
(19番 陸平輝昭君 登壇)
○19番(陸平輝昭君) 請願に対して反対の立場から討論の意見を述べさせていただきます。
ただいま説明がありました請願につきまして、2,583名もの方々の請願、大変多くの方だと思います。私も一議員としてこのことは重く受けとめたいと思います。
しかしながら、今回の事案に関しましては、当局において法的な検証も加えながら議論を重ねた結果として、議会に最終報告がなされ、これを受けて議会では各常任委員会において当局の説明を聴取しながら、慎重に調査を重ね、委員会ごとに結論を出し、さらに先日、田辺市補助金の適正執行に関する決議を可決したところであります。こうした経過を踏まえますと、百条委員会の設置については合理的な側面も含め、その意義が見出せないものと考えます。
このことから、請願採択については反対といたします。
(19番 陸平輝昭君 降壇)
○議長(高垣幸司君) 続いて、請願に対する賛成討論の発言を許可いたします。
賛成討論の発言はありませんか。
3番、久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今回の補助金不正問題の一番の問題点は、宮田前議員が第二のぞみ園に県、市含めて3,000万円を上回る不正な領収書を宮田前議員みずからがつくり、第二のぞみ園に印鑑を押させたという、そのことを見れば、不正をしようとしたことが明らかだと言えます。不正をする気がなければ、正規の領収書を提出したはずです。
今回の問題で、議長はこの問題発生後、市や県の最終報告を待って、真相究明をすると何度も言及されました。にもかかわらず、議長は今回の報告を受けて市民が納得できない状況であるにもかかわらず、真相究明に取り組みをすることを何もしてきませんでした。
そのことが今回の市民からの百条委員会の設置を求める請願署名です。市民も報告に納得をしていませんし、宮田前議員も不正はなかったと開き直っている態度です。金の流れも解明されていませんし、各団体の会計報告もきちんと出されていません。不正な偽装された領収書問題も明らかになっていません。苗木代も他の業者からのものもあり、第二のぞみ園だけのものではないというのであるならば、全てを明らかにしなければなりません。
まだ、真相究明ができていません。議会として調査権限のある特別委員会を設置し、市民が納得する究明をするべきです。
以上、賛成討論といたします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(高垣幸司君) ほかに、反対討論はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(高垣幸司君) それでは、これをもって討論を終結いたします。
それでは、お諮りいたします。
本件については、起立により採決をいたします。
5定請願第1号は、採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
(起立少数)
○議長(高垣幸司君) 起立少数であります。
よって、5定請願第1号は不採択とすることに決しました。
お諮りいたします。
本日の会議は、この辺にとどめ散会し、明12月14日から12月20日までの7日間は休会とし、12月21日午後1時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(高垣幸司君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(高垣幸司君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 0時00分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成24年12月13日
議 長 高 垣 幸 司
議 員 久 保 浩 二
議 員 市 橋 宗 行
議 員 安 達 幸 治...