田辺市議会 2010-06-25
平成22年 6月定例会(第2号 6月25日)
平成22年 6
月定例会(第2号 6月25日)
田辺市議会6月
定例会会議録
平成22年6月25日(金曜日)
──────────────────
平成22年6月25日(金)午前10時開会
第 1
一般質問
──────────────────
〇会議に付した事件
日程第1
──────────────────
〇
議員定数 26名
〇欠 員 0名
──────────────────
〇
出席議員
議席番号 氏 名
1番 川 﨑 五 一 君
2番 真 砂 みよ子 君
3番 久 保 浩 二 君
4番 市 橋 宗 行 君
5番 安 達 幸 治 君
6番 安 達 克 典 君
7番 谷 口 和 樹 君
8番 鈴 木 太 雄 君
9番 小 川 浩 樹 君
10番 塚 寿 雄 君
11番 山 本 紳 次 君
12番 松 下 泰 子 君
13番 佐 井 昭 子 君
14番 中 本 賢 治 君
15番 棒 引 昭 治 君
16番 出 水 豊 数 君
17番 宮 本 正 信 君
18番 高 垣 幸 司 君
19番 陸 平 輝 昭 君
20番 山 口 進 君
21番 宮 田 政 敏 君
22番 吉 田 克 己 君
23番 久 保 隆 一 君
24番 天 野 正 一 君
25番 森 哲 男 君
26番 吉 本 忠 義 君
──────────────────
〇
欠席議員 なし
──────────────────
〇説明のため出席したもの
職 名 氏 名
市長 真 砂 充 敏 君
副市長 福 田 安 雄 君
副市長 庄 堂 琢 磨 君
教育長 中 村 久仁生 君
企画部長 山 崎 清 弘 君
人権推進課長 渡 邉 匡 通 君
総務部長 岡 本 美 彦 君
総務課長 小 川 鏡 君
総務課参事 千 品 繁 俊 君
納税推進室長 塩 見 好 彦 君
市民環境部長 池 田 正 弘 君
保険課長 木 村 晃 和 君
保健福祉部長 田 中 敦 君
健康増進課長 廣 井 崇 史 君
健康増進課参事 露 詰 公 子 君
産業部長 福 井 量 規 君
産業部理事 室 井 利 之 君
観光振興課長 敷 地 弘 規 君
森林局長 原 﨑 喜 一 君
建設部長 長 嶝 義 雄 君
本宮行政局長 山 本 幾 生 君
龍神行政局住民福祉課長
松 本 淳 君
消防長 岩 本 徳 三 君
教育次長 濵 田 和 男 君
教育委員会理事 松 原 淳 君
図書館次長 太 田 雄 司 君
中辺路教育事務所長 切 本 満 君
水道部長 中 村 全 文 君
──────────────────
〇
出席事務局職員
議会事務局長 中 瀬 政 男
議会事務局次長 岩 本 さち代
議会事務局主任 前 溝 浩 志
議会事務局主査 松 本 誠 啓
議会事務局主査 坂 本 明 人
開 議
○議長(
宮田政敏君) 定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成22年第2回
田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。
(午前10時01分)
◎報告
○議長(
宮田政敏君) 16番、出水豊数君から遅刻の届け出があります。
それでは、日程に入ります。
◎日程第1
一般質問
○議長(
宮田政敏君) 日程第1
一般質問を行います。
なお、
一般質問の通告は6月17日午後4時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。
それでは、
質問順位に従って
一般質問を許可いたします。
12番、
松下泰子君の登壇を許可いたします。
(12番
松下泰子君 登壇)
○12番(
松下泰子君) 皆さん、おはようございます。12番議員、
松下泰子です。よろしくお願いいたします。けさは寝不足の方もおられることと思いますが、喜びの朝を迎えていることと思いますので、私もいい答弁を期待いたしまして、質問をさせていただきます。
3項目にわたる
一般質問の初めは、
複合文化施設の充実についてです。
田辺市における大事業の一つ、
複合文化施設の建設がいよいよ来月7月末に着工されることになりました。紆余曲折がありましたが、
中心市街地活性化のための大きな役割も担っています。私だけでなく多くの方々がこの財政難の時期に12億円もかけて建設するのですから、
田辺市内のみならず全国から訪問者が絶えない魅力ある
文化施設になることを願っています。全国にはすばらしい図書館を探して、そこに移り住む人がいるぐらいです。図書館は、決して収益を生み出さないものではなく、やり方次第で文化力を向上させるのみならず、活性化の拠点となるものでもあります。
つまり、開館してからが本番なのです。質の高い内容や集客力のある企画をいかに継続的に行うことができるかが最大の課題ではないでしょうか。その行方を左右するのが図書館と
歴史民俗資料館を統合した
複合文化施設の館長の存在です。
市長の三つの公約のうちの一つでもある文化力の向上のかなめであり、教育長の実績の結集となる、この施設のトップをどのようにお考えでしょうか。
私は今回、一つの提案をしたいと思います。このことについて、私は新図書館を考える会で議論したり、何人かの
図書関係者に全国の館長の選定方法を伺ったりしてきましたが、一番田辺に合っているのは名誉館長を置く方法ではないかと考えます。この館長は、全国に名だたる看板的な存在になる方です。具体的には、この田辺市が全国的に注目されている
南方熊楠賞を今までに受賞されたような方であれば、ゆかりもあって、田辺市に関心を持っていただいていることと思います。
5月8日に第20回
南方熊楠賞の授賞式が行われました。受賞された
国際日本文化研究センターの
山折哲雄先生の講演を私も聞かせていただきましたが、
知的好奇心をくすぐる
日本文化の一流どころの講演に感激いたしました。
このような方が、もし館長になっていただけるものなら、田辺市の知名度はぐっと上がるのではないでしょうか。また、その方の人脈で多くの著名な人が講演にも来てくれることになるでしょう。そして、さまざまなアドバイスもいただけることと思いますが、非常勤となると思いますので、図書館、資料館それぞれの現場のトップは今までどおり必要になってくると思います。
そこでもう一つ、重要となってくるのが
企画委員会の設置であると考えます。
図書館と資料館を2つあわせた具体的な機知に富んだ企画を生み出すために、全国的な視野に立った
学識経験者数名と田辺のよさをよく知った、いわゆる地元の文化人が一体となって協議できる場が必要であると思います。
このような新体制のもと、全国に誇れるような
文化施設の充実に努めていただきたいと切に願います。
平成24年2月の
オープンに向けて、来年度には
職員体制を整えなければならないと思います。
複合文化施設の建設を前に、教育長にこの施設にかける思いと
体制づくりについてお伺いいたします。
二つ目です。
扇ヶ浜ビーチの
環境美化についてお伺いします。
平成17年に
オープンした
扇ヶ浜ビーチは、年々家族客などが増加し、昨年は2カ月で11万人を超えるまでになりました。ことしも7月1日の
オープンを前に準備が進んでいることと思います。そこで、今後ますます多くの
海水浴客が来られるようになると、ビーチでのマナーが必要になってきます。また、
受け入れ側もビーチを気持ちよく使ってもらえるように、
環境美化に努めなければなりません。このことについては、お隣の観光では先進地である白浜町の状況を調べてみました。
白浜町では、平成20年3月に白浜町
白良浜等喫煙及びごみ等の
ポイ捨て禁止条例を策定しています。この条例では、区域の指定を砂浜と隣接する
護岸地域遊歩道と
児童公園を含む白良浜と、その
周辺地域のうちこの条例の適用を受ける区域としています。
また、利用者の責務として、白良浜においてみずから生じたごみ等については、持ち帰るか、町が設置したごみ箱に捨てるかにより処分しなければならない等々が書かれています。また、罰則規定はないものの命令として、規定に違反したものに対し、その行為の禁止を命令することができる。命令に正当な理由なく従わないものに対し、違反した場所付近の清掃を命ずることができる。また、前項に規定する命令を受けたものが、正当な理由なくその命令に従わない場合は、
白良浜等からの退去を命じることができるとしています。
このように、多くの人が集まるようになれば、いろいろな方がおられますので、その対策を市としても考えておかなければならないと思います。今急速な
健康増進法における
受動喫煙防止法の浸透により、室内はもとよりこれに準ずる環境として、
海水浴場の禁煙も進んでいます。特に、
扇ヶ浜ビーチは、家族客が多いためイメージアップのためにも
禁煙ビーチとして規制を勧めるべきであると考えます。このようなことから、当局は
扇ヶ浜ビーチでの喫煙やごみの
ポイ捨てについて、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。
二つ目に、犬の
散歩禁止についてですが、
扇ヶ浜ビーチが2005年に
オープンした当初から、犬の
ふん尿防止のため、散歩を禁止しています。
禁止区域は
海水浴場、更衣室とトイレがある
ビーチハウスの敷地内としています。
その入り口には、犬の
散歩禁止の看板を設置して呼びかけています。
そして、6年目になることしですが、完全に犬を散歩させる人がなくなったわけではないようです。禁止されているのに、それを守らない人は今後も注意されてもなかなかやめない人ではないでしょうか。白浜町では先ほどの条例とは別にすべての公園において、
都市公園条例で犬の立ち入りを禁止しています。私は1番の喫煙、ごみの
ポイ捨て、そしてこの犬の散歩の禁止を含めた扇ヶ浜の
管理条例が必要でないかと考えます。
今のところ、余りトラブルもなく来ているようですが、先ほども言いましたように、今後観光客を受け入れるビーチとしていくためには、条例による
管理体制を整えていかなければならない時期に来ているのではないでしょうか。
このことについてどうお考えなのか、質問いたします。
3番目、
子宮頸がん予防ワクチン接種についてお伺いいたします。一般的に言う
子宮がんは、子宮の入り口にできる
子宮頸がんと子宮の奥のほうの
子宮体部にできる
子宮体がんの2種類があります。日本では、毎年約8,000人の女性が
子宮頸がんと診断されており、このうち約2,400人の命が失われているという報告があります。和歌山県医師会の発表によりますと、県下の
子宮頸がんの発見率は全国平均の2倍以上であり、1万人に12人から16人となっています。また、死亡率も最近5年間に全国のワースト5に3回も入っています。
子宮頸がんの原因は、ほぼ100%がヒトパピローマ
ウイルス、HPVという
ウイルスによるもので、予防できるがんと言われています。このHPVは性行為によってだれもが感染する可能性があり、女性の80%が一生に一度は感染しているとされています。
通常は、インフルエンザのように、HPVに感染しても、自然に治り、
ウイルスも消滅します。感染のうち約1割が前
がん状態になり、さらにそのうち4割が
子宮頸がんまで進むそうです。
特に、前
がん状態のがんは、20から30代に急増しています。そして、この時期に
子宮がん検査を受けていれば、初期の段階で発見することができ、ほぼ100%の治癒が期待できるそうです。
しかし日本の
子宮がん検診の受診率は平均15%ぐらいであり、
早期がんでは症状がないため、出血などの症状が出てからでは治癒しても、完治することは難しくなっています。昨年10月に
予防ワクチンが国内で初めて承認され、12月から
任意接種を受けられるようになりました。この
ワクチンは、性行為を持つ前の10代前半の接種が有効であり、半年間に3回の接種が必要です。費用は4万5,000円から6万円ほどかかります。既に世界では100カ国以上の国が
子宮がん検診と
ワクチンで予防に努めていることからおくればせながら、日本も話題になってきました。そして、国内でも既に今年度から40カ所ほどの自治体で
公費助成を行い、
予防ワクチン接種に取り組んでいます。
和歌山県下では、御坊市だけですが、今年度から小学6年生の女児に任意での実施が決まっていて、第1回目の接種が7月から開始されます。このようなことから、
子宮頸がんは
予防制圧の時代になっていると言えます。
そこで田辺市の現状として、
子宮頸がんの検診の状況、また検診の啓発はどのように行われているのでしょうか。
二つ目に、20代、30代の受診率はどれぐらいになっているのでしょうか。
3番目に、先ほども申し上げましたが、HPVは性行為によって感染する感染症であることは私も初めて今回知りました。女性ばかりが防御しても感染源である男性にその知識や認識がなければ、その感染は拡大します。つまりHIVと同様に性教育によって、
感染拡大を防止しなければなりません。
最近の20代、30代における
子宮頸がんの発症の急激な増加は、HPVの適切な知識がない上に、性行為の活発化や低年齢化が影響していると考えられています。これらの
性感染症の予防には、知識の普及・啓発、
予防対策、
早期検査と
早期治療が必要です。このように、女性と子供の健康を守る教育が大変重要であると考えます。
そこで、
学校教育における性教育では、
性感染症であるHPVや
子宮頸がんについて、どのような認識を持っておられるのでしょうか。
適切に教えられているのでしょうか、お伺いいたします。
4番目に、
予防ワクチンの接種についてですが、第1段階として、今まで申し上げた性教育と検診の受診率を上げることが最優先であると考えますが、
ワクチン接種が解禁となった現在、最も有効的で効果的であるということは言うまでもありません。しかし、5万円も6万円もかけて将来のため、
医療機関に連れていく親はどれぐらいいるのでしょうか。検診率より低いことは確かであると思います。
それを
公費助成することで、毎年どれくらい多くの女性の命が救われることになるのでしょうか。私も母を
子宮頸がんで亡くしましたので、その苦しみはよくわかります。
子宮頸がんの進行が進み、2期目では生存率が70%で、子宮を摘出しなければならなくなります。手術費は300万円ほどかかり自己負担が90万円にもなります。3期目40%、4期目11%と生存率は下がり、
放射線治療をしてもほとんど治ることはありません。ですから、
予防ワクチン接種に
公費助成をすることによって、死亡率を抑制させ、将来的に医療費の軽減を図れます。それに自費での
予防接種となると貧富の差によって、病気の発症に差が出てくることにもなります。
このようなことから、
ワクチンの普及は、
少子化対策の一助になるとも言われています。国の補助は今のところ予定がないようですので、田辺市では
予防ワクチン接種を
公費助成することはできないものでしょうか。もし、田辺市において無料で接種するとしたら、どれぐらい費用がかかるものでしょうか。質問いたします。
以上で、1回目の質問を終わります。
(12番
松下泰子君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 12番、
松下泰子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、
真砂充敏君。
(市長
真砂充敏君 登壇)
○市長(
真砂充敏君)
松下議員から3点にわたる御質問をいただきました。3点目の
子宮頸がん予防ワクチン接種についての1番、2番、4番は私から、後は教育長と
担当部長からお答えいたします。
厚生労働省の
人口動態統計によりますと、我が国は2人に1人ががんにかかり、3.3人に1人ががんで亡くなっている状況にあります。しかし、近年の
医療技術の進歩により、がんは不治の病ではなく、半数近くが治ると言われており、早期に発見すれば、完治の可能性もより高くなります。
このような理由から、田辺市では、がんの
早期発見、
早期治療のため、
各種がん検診を実施し、がんに対する正しい知識と
健康意識の
普及啓発を図り、健康の保持、増進に努めているところであります。
各種がん検診等は、
健康増進法に基づく事業として位置づけられ、
がん予防、
重点教育及び
がん検診実施のための指針により、
子宮がん、胃がん、
大腸がん、肺がん、
乳がん検診を実施しており、平成20年度から
医療保険者に義務づけられた
特定健康診査や
肝炎ウイルス検査も同時に受診できるようにしております。
議員御質問の1点目、
子宮頸がん検診の現状、啓発はについてでありますが、
市民総合センターや各
行政局内で実施する
集団検診が年間20回と
婦人科等の
医療機関11カ所で実施しており、
検診項目は国の指針に基づき、問診、視診、
子宮頸部の細胞診、内診の4項目で、
ウイルス感染の有無を調べる
HPV検査は現在、全国的に実施している市町村は少なく、田辺市でも実施しておりません。しかし、今後国の動向を見ながら、検討していきたいと考えております。
昨年度から、女性特有の
がん検診推進事業の中で、特定の年齢に達した女性に対して、
子宮頸がん及び乳がんに関する
検診手帳と
検診費用が無料になる
クーポン券を送付し、
受診促進と正しい
健康意識の普及を図っているところです。
また、妊婦健診への
公費助成が2回から14回へと拡充され、
検診項目の中には
子宮頸がん検診も追加されています。
次に、
受診率向上と
健康意識の啓発についてでありますが、
子宮がん検診は、2年に1回の受診となっていますので、前年度未受診の方には受診券を発行するなど受診しやすい
環境づくりや
受診啓発に取り組むとともに、
子宮頸がんは20代から30代の若年女性に多く発生することから、成人式や
乳幼児検診の機会をとらえて、
啓発チラシを配付するとともに、田辺市まちづくり学びあい講座で
受診啓発の講座を実施して啓発に取り組んでおります。
議員御質問の2点目、特に20代、30代の受診率でございますが、平成21年度市全体の受診率は24.8%で、そのうち20代、36.1%、30代、55.2%であり、平成20年度に比べると受診率は向上しており、啓発と
無料クーポン券を使用しての受診、妊婦健診での受診等の効果であると考えております。
次に、
子宮頸がんの罹患率についてでございますが、県・市の状況につきましては、把握できておりませんが、国の推計値によりますと、平成17年度では人口10万人に対し13.0人で、他のがんに比べ20代から30代の罹患率が高くなっております。また、人口10万人に対する平成20年度の
死亡者数は、田辺市は4.7人、和歌山県6.4人、国は8.8人で、県・国と比べ低くなっております。
議員御指摘のとおり
子宮頸がんは、原因とがん化の過程がほぼ解明されているため、予防が可能であるところがほかのがんとは異なります。また、定期的な検診で前
がん病変やごく初期のがんを見つけることができ、子宮を失わずに治療することが可能です。
次に御質問の4点目、
予防ワクチン接種の
公費助成をについてでございますが、
子宮頸がん予防ワクチンは、より効果的な接種時期として11歳から14歳の女子に一定の期間を置いて、計3回接種する必要があり、費用は合計で5万円程度が必要であることから、田辺市の1学年の女子約400名について接種率100%で全額助成した場合を試算してみますと、2,000万円程度の支出が見込まれます。
ワクチンには法律に沿って公費により実施している定期の
予防接種がありますが、そのほかに議員御質問の
子宮がん予防ワクチンやヒブ
ワクチン、
肺炎球菌ワクチンなど任意で接種する
ワクチンが数種類あり、それぞれ
公費助成と
定期接種化への要望を把握しております。
子宮頸がん予防ワクチン接種の
公費助成につきましては、国において
厚生科学審議会予防接種部会が設置されておりますので、市といたしましては、その動向を注視しながら、
子宮頸がん予防ワクチンを初め、ほかの
任意接種ワクチンの
法定接種への移行を国に対して要望してまいります。
また、
子宮頸がん早期発見・
早期治療のため、より一層
検診受診率の向上に努め、がんに対する正しい知識と
健康意識の
普及啓発を図り、健康の維持・増進に努めてまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(市長
真砂充敏君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 教育長、
中村久仁生君。
(教育長
中村久仁生君 登壇)
○教育長(
中村久仁生君) 議員御質問の3番目、
子宮頸がん予防ワクチン接種についての(3)性教育の重要性の認識についてお答えいたします。
まず、田辺市の小・中学校において、
性教育等の分野で
子宮頸がんの予防について学習していく必要性についてでありますが、現在、各学校では、性教育を各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間の
教育課程に位置づけて取り組んでおります。
教育委員会では、平成17年6月に
田辺市立小中学校性教育指導方針を作成いたしました。こういうものであります。田辺市の学校における性教育の進め方として、次の3点について指導してまいりました。
1点目は、
学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階に応じた適切な
指導内容、方法で進めること。2点目は、学校として系統立った
指導計画に基づいて進めること。3点目は、保護者の理解を得て、家庭との連携のもとに進めることであります。
議員御質問の
子宮頸がんに関する指導につきましては、性教育指導指針を踏まえ、中学校保健体育の
性感染症の予防の単元で、
学習指導要領の内容に基づいて対応してまいりたいと考えております。
また、若い世代の親たちへの啓発活動についてでありますが、健康増進課の皆さんと連携を図りながら、PTAの懇談会等で外部講師を招聘するなどして、保護者への理解を進めていくことが大切であると考えておりますので、御理解賜りますようお願いします。
(教育長
中村久仁生君 降壇)
○議長(
宮田政敏君)
教育次長、濵田和男君。
(
教育次長 濵田和男君 登壇)
○
教育次長(濵田和男君) 議員御質問の
複合文化施設の充実としての新館長の選定と
企画委員会の設置についてお答え申し上げます。
新たな
複合文化施設については、平成24年2月を開館の目途に、日々取り組んでいるところであります。今回の議員御質問の新館長の選考についてでございますが、この
複合文化施設におきましては、図書館の機能と
歴史民俗資料館の機能をあわせ持っております。現状は、図書館については、図書館長のもとに管理運営をし、
歴史民俗資料館については、文化振興課長が管理運営をする組織体制となっております。
田辺市の図書館の歴史を紐解きますと、明治33年に私設の図書館として開設し、100年余りの歴史をくぐり、現在の図書館へと受け継がれております。新しくできる図書館におきましては、だれもが学び、憩い、情報を活用でき、暮らしの中の図書館を基本理念に置き、市民の多様なニーズに速やかに対応できるように、単に読書活動の支援だけでなく、地域を支える情報拠点として生涯学習活動や調査・研究などの支援施設として、多くの人々が集い、楽しみながら情報交換できる場として位置づけています。
その中では、既に展開していますインターネットのさらなる活用や、利用者の調査相談に迅速、かつ的確に対応するレファレンス業務などの図書館サービスのより一層の充実に取り組み、市民のさまざまな知的活動や文化活動の拠点となる図書館を目指しています。
さらに子供たちの健やかな成長のために、田辺市子供読書活動推進計画にのっとり、乳幼児に対するブックスタートや図書館を初め、小中学校へ出向いての読み聞かせやブックトーク等のさまざまな活動に取り組みます。このように、新しい図書館では、貸し出しを初めとする図書や資料の豊富さはもとより、生涯学習活動支援のための情報提供の各種催し物の開催など、利用者にとって利用しやすい図書館を計画しています。
そして、この施設の特徴でもあります
歴史民俗資料館との併設も踏まえ、郷土に関する資料については、この
複合文化施設の重要なポイントと考えております。このようなことからも、この施設の館長は、図書に精通していることは言うまでもなく、地域の歴史的なことについても精通していることが必要条件だと考えております。
また、新しい施設は、施設の利用を通して、人が育ち、その成長した人がよりよい社会を創造し、後世にわたって知的創造物や財産を継承していくという悠久のまちづくりにも寄与できるよう、市民生活との深いかかわりの中で成長し、発展し続けるものでなければなりません。このことは、周辺環境、施設整備の機能性や資料の充実、そこで働く職員の資質、これらの要素が十分に調和されてこそ達成されるものであります。館長以下、職員一人一人が情熱と使命感を持ち、その職務を全うしなければなりません。その点も十分に考慮し、新館長の選考については組織体制も含め、施設開館に向けて考えていきたいと考えております。
次に、2点目の新しい
文化施設での各種事業の企画・立案をするための委員会の設置でございますが、現在、図書館としましても、いろいろな事業を企画し、図書館協議会に諮りながら開催をしております。
例えば、子供たちに対する読み聞かせやシネマランドを初め、写真や絵画などの利用者によるいろいろな作品の展示、紀南文化財研究会との連携による郷土史講座などの企画を行っております。
今後は、新しく立ち上げを予定しています
田辺市内のおはなし会のネットワークや地元地域の有識者、学校等と連携を図りながら、新たな企画を考えていきたいと思っております。
また、
歴史民俗資料館では、例えば勾玉づくりや発掘されている土器を使いながら、子供たちにわかりやすい講座をするなどの企画を考えているところでございます。さらに、
歴史民俗資料館運営委員会とも協議をしながら、さまざまな企画展示を行いたいと考えております。
いずれにいたしましても、市民の皆様からこの図書館へ行って本に親しみたい。この
歴史民俗資料館で、田辺の歴史を調べたいなどの言葉をいただけるような信頼される
複合文化施設を目指していく必要があると思っておりますので、先ほどの
複合文化施設の組織体制と同様、今後十分協議をしていきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(
教育次長 濵田和男君 降壇)
○議長(
宮田政敏君)
産業部長、福井量規君。
(
産業部長 福井量規君 登壇)
○
産業部長(福井量規君) 議員御質問の2点目、
扇ヶ浜ビーチの
環境美化についてお答えいたします。
平成17年に
オープンいたしました扇ヶ浜
海水浴場は田辺市で唯一の
海水浴場であり、数少ない海の観光資源でもございまして、田辺駅から徒歩約10分、阪和自動車道南紀田辺インターからも車で約10分と交通の便はもちろん大型駐車場を完備し、更衣室やシャワー・コインロッカー等の施設も無料で利用いただけるなど、設備面も充実しております。
そして、その利便性も相まって、
オープン当初の平成17年に約4万3,000人であった来場者が、昨年、平成21年には11万4,000人を数えるまでとなり、多くの皆様に御好評をいただいております。
また、こうして多くの皆様に御利用いただけるのは、利便性とあわせて地元観光協会を初め、南紀みらい株式会社などが中心となり、扇ヶ浜の夕べ、イルカふれあい事業、レンタサイクル事業など、さまざまなイベントを計画実施していただいていることと、地元町内会を初め、地域の皆様方のボランティアによる清掃活動で、きれいな砂浜と施設が維持できているからであると感謝いたしております。
さて議員から御質問の扇ヶ浜
海水浴場での喫煙やごみの
ポイ捨て禁止についてお答えいたします。
市では、ごみの
ポイ捨てにつきましては、
海水浴場に限らず地域全体として生活
環境美化の促進を図るため、平成17年5月に田辺市
環境美化条例を制定し、空き缶、たばこの吸い殻等、ごみの投げ捨て禁止を掲げ、清潔で美しいまちづくりの推進に努めているところでございます。
また、
海水浴場敷地内での喫煙につきましては、平成17年の
オープン移行、
ビーチハウス前に喫煙スペースを設け、喫煙者にも分煙の協力をお願いしてまいりました。そして、本年平成22年からは来場者の皆様がより快適に海水浴を楽しんでいただけるよう、
海水浴場開設期間中は砂浜部分を終日禁煙にするとともに、
ビーチハウス等の周辺施設につきましても、完全分煙を図ってまいります。
また、観光協会が運営する海の家につきましても、
海水浴場・会場時間内の分煙に御協力いただくこととなっております。
次に、犬の
散歩禁止を含めた
管理条例の制定についてでございますが、市といたしましても、扇ヶ浜
海水浴場の
環境美化は観光・環境の両面において、重要な施策の一つであると考え、
オープン当初から
海水浴場、
ビーチハウス敷地内への犬の立ち入りを禁止し、看板等での注意喚起を行っているところでございます。
議員から、ごみの
ポイ捨てとともに、喫煙・犬の立ち入り禁止を条例化してはどうかとの御質問をいただきましたが、扇ヶ浜
海水浴場は和歌山県が管理する区域であり、
海水浴場開設期間中のみ、市が県から占用許可を取って利用しているという状況の中で、県管理の施設・区域に対して市が条例を制定することは難しいと考えております。
海水浴場へお越しの皆様方が快適に、そして安心して施設を御利用いただくためには、
海水浴場内の
環境美化推進が不可欠であり、喫煙やごみの
ポイ捨て、犬の立ち入り禁止につきましては、今後とも利用者のモラルに呼びかけることを基本として、各関係機関とも連携を図り、啓発活動に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
(
産業部長 福井量規君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 12番、
松下泰子君。
(12番
松下泰子君 登壇)
○12番(
松下泰子君) 御答弁ありがとうございました。
1番の
複合文化施設につきましては、
教育次長のほうから御答弁いただきました。全体に今までのとおりの体制でいくような感じで、名誉館長については全く考えていないような御答弁でした。いろいろと今後、これからについては検討していくということですので、ぜひ私の提案も今後、積極的に考えていただけますように、要望しておきたいと思います。
加えまして、ことし平成22年は国民読書年です。平成20年6月の国民読書年に関する決議におきまして、読書のまちづくりの広がりやさまざまな読書に関する市民活動の活性化など、読書への国民の意識を高めるため、政官民が協力し、国を挙げてあらゆる努力を重ねることが宣言されています。
今、読書離れが危惧されていますが、ある学校の学校だよりに次のように書かれていました。「読書は人間力の基盤であり、学力の基軸です。毎日の食事が私たちの体をつくっていくように、読書は心の栄養源であり、豊かな心を養っていく滋養分として読書は欠かすことができません」とありました。
このような気持ちを持つ先生が田辺には多くおられまして、田辺市の誇れる
複合文化施設になることを願っています。どうか、その期待を裏切らない内容の充実した立派な施設となることを願って、1番の質問は終わります。
二つ目の
扇ヶ浜ビーチについてですが、条例はつくるつもりはないような消極的な御答弁でした。
扇ヶ浜ビーチは田辺漁港として県の管理地域であり、夏の2カ月間だけの管理を受けているということで、市条例はつくれないということですが、白浜町も同じ県管理であるにもかかわらず、条例をつくっています。
また、答弁では県管理であるので市条例は有効にならないと言っておきながら、
ポイ捨て禁止は市の
環境美化条例があるので、それで十分であるというようなお答えということは、矛盾しているということではないのでしょうか。県管理で委託を受けている状態では条例はつくれないのかどうか、県の担当課に確かめてみましたところ、田辺市主体で条例をつくることは何ら問題がないということでした。条例をつくることのメリットは私が申し上げましたが、デメリットはどういうものなのでしょうか。罰則規定まで入れる必要はないと思いますが、今後のトラブルに備える必要はあると思います。
県さえ了承してくれればつくるつもりはあるのでしょうか。田辺市として条例をつくることに対して、やる気があるかどうかの問題ではないかと私には思われます。ですから、もう一度質問いたしますが、条例をつくることのデメリットと田辺市主体で条例をつくることに問題はないと県は言っているのに、何が問題なのかをお伺いいたしたいと思います。
3番目の
子宮頸がんワクチンについては、国の動向を見ながら、市としては積極的にやっていくつもりはなさそうです。今質問の中でも私も100%
予防ワクチン接種がリスクがないとは言い切れず、集団接種になじまないものであると考えます。それにこの
ワクチンが
子宮頸がんから多く見つかるHPVのうち、60%を占める16型と18型に有効ではあるが、あと40%がほかの種類のHPVであるそうです。このようなことからHPVが消えたかどうかの検査である
HPV検査を現在行われている細胞検査と併用で行うことが有効であるということも知りました。これは
子宮がん対策で、全国的に最も進んでいる島根県で研究発表しています。
このようなところも研究していただいて、今後につなげていただきたいと思います。
そこでもう一つ質問したいことは性教育についてですが、
学習指導要領をもとに、田辺市の性教育指導指針、それでやっているということですが、
子宮頸がんやHPVについては、今現在教えられているのかいないのか、よくわからなかったんです。多分教えられていないと思います。こういうことがわかってきたんですから、性感染によることが拡大の原因であることがわかってきた今後は、いち早く子供たちにこのことについて伝えるべきではないかと思います。
性教育というのは、年に数回しか行われていないと思いますので、機会を逃すと子供たちの将来の健康被害につながることにもなると思います。市からの保健師を学校に派遣するとかいうことは考えておられるということでしたので、ぜひそういうことでやっていくという取り組みでもう一度性教育について、どのように行われていて今後はどういうふうに市として取り組んでいくつもりであるのかというところをわかる範囲でお答えいただきたいと思います。
以上、2項目について再質問をいたします。
(12番
松下泰子君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 12番、
松下泰子君の再質問に対する当局の答弁を求めます。
○議長(
宮田政敏君)
産業部長、福井量規君。
(
産業部長 福井量規君 登壇)
○
産業部長(福井量規君) 議員さんから条例化に当たってのデメリット等の御質問をいただきました。
いわゆるデメリットということについては、私どもも特に意識したものではございません。先ほどの答弁でもお答えいたしましたが、いわゆる2カ月間のみの県からの専用許可ということを受けて、
海水浴場を開設している立場のものといたしまして、残りの10カ月の問題もございますし、その他市の公園等の公の施設との兼ね合いもございます。そういったこともございますので、広く市民の皆様方の声を聞く必要もございます。そういったことから、総合的に研究してまいりたいと思います。
(
産業部長 福井量規君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 教育長、
中村久仁生君。
(教育長
中村久仁生君 登壇)
○教育長(
中村久仁生君)
松下議員の性教育の重要性についての再質問にお答えさせていただきたいと思います。
先ほど申し上げました性教育の指導指針というのがあるわけでありますが、その目標は三つございます。一つは人間尊重、男女の平等の精神に基づく豊かな人間関係を築くことができるようにする。
二つ目が、自己の性に対する確かな認識が持てるようにする。
三つ目が、家庭やさまざまな社会集団の一員として、直面する性の諸問題を適切に判断し、対処する能力や資質を育てるという三つの目標がこの指針にはございます。そして、その性教育のところでございますけれども、これは中学校の保健体育
学習指導要領の中に健康な生活と疾病の予防というところがございます。その中の4番目に、感染症は病原体が主な要因となって発生すること。また感染症の多くは発生源をなくすこと。感染経路を遮断すること、主体の抵抗力を高めることによって予防できるというねらいがあるわけであります。
そして、それが具体的にどういうことになってくるかであります。これは中学校の保健体育の教科書のコピーであります。これは目次でございます。その健康な生活と病気の予防という中にいろいろあるわけでありますが、感染症とその予防、それから
性感染症の予防、エイズというのがございます。そこでどういうところまで教えるかということになるわけでありますけれども、
性感染症とは性的接触によって感染する病気のことであります。引き起こす病原体は感染者や精液や膣分泌液、血液などの体液や性器や口などの粘膜やその周辺の皮膚に存在するので云々と、そういうところまで指導があります。
そして、一度の性的接触でも感染症にかかる可能性があるということも教えることになっています。
それからその予防であります。予防するためには、感染の危険のある性的接触をしないこと。それから、直接の接触を避けること。コンドームという表現もここには載ってございます。そういうところで予防手段、有効な予防手段であるというところまでの指導があるわけでありますが、
予防接種のところまで踏み込んだ指導は現在行われていない状況にございますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
以上であります。
(教育長
中村久仁生君 登壇)
○議長(
宮田政敏君) 12番、
松下泰子君。
(12番
松下泰子君 登壇)
○12番(
松下泰子君) 御答弁ありがとうございました。
扇ヶ浜ビーチでの
管理条例につきましては、デメリットはないということで、通年でなく2カ月だけの管理委託なのでできないということですが、それは通年でまた管理委託をするとか、そこらのところは県はそこの詰めというのはしていっていただかないといけないかとは思うのですが、できるということ、市条例としては問題ないと言っているのですから、どこに問題があるのかというところをもう少し詰めていただいて、積極的にそこら辺を進めていく方法というのを探っていくとか、協議を進めていっていただいたらどうかと思います。ですから、全くできない話ではないと思いますので、そこのところは今後の取り組みとしてよろしくお願いしたいと思いますので、お願いします。
それから、
予防ワクチン接種について、性教育についてということで、
予防ワクチン接種までは書いていないということですが、それはそうだと思うんですが、ではなくて、性教育のところで感染症としてHPVの存在ということ自体では今まで教えていないと思うんです。ですから、同じようにHIVのところと同様にHIVであると
性感染症であっても日本ではそれほどここら辺ではもちろん表面に出てきていないのでわからないという部分があるのかと思いますが、
子宮頸がんに関しては、本当に身近な病気であるということですので、そこのところではもっとしっかり教えていったほうがいいのではないかと思いますので、保健師さんを派遣するとか、そういう形では積極的に本当に取り組んでいただきたいと思います。
今後
予防接種については、市民的な動きも出てくるかと思いますし、
公費助成への検討はまた時間をかけながら進めていっていただくよう要望しておきます。
以上で、私の質問は終わります。ありがとうございます。
(12番
松下泰子君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 以上で、12番、
松下泰子君の
一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(
宮田政敏君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前10時58分)
―――――――――――――――――――
再 開
○議長(
宮田政敏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(
宮田政敏君) 続いて、2番、真砂みよ子君の登壇を許可いたします。
(2番 真砂みよ子君 登壇)
○2番(真砂みよ子君) 2番、日本共産党の真砂みよ子です。今回は2項目について質問させていただきます。
まず1番の住民サービスの向上からお聞きします。
市長初め、職員の皆さんが市民の暮らしを守り、市民の福祉の向上のために、日々努力されていることに敬意を表しています。しかし、少しのミスでその努力が台なしになってしまいます。また、近年の不況により市民の暮らしや経営は厳しく、公務員に対して厳しい目で見ているというのが現実です。そのことを十分認識して、してやっているというような上から目線やお役所仕事と言われることのないように、十分注意して、日ごろの皆さんの努力が報われてほしいとの思いで、今回この質問をします。
1点目は、口座振替と集金体制についてです。社会生活の変化とともに、集金人が訪問して集金することが少なくなり、銀行での口座振替が主流になりました。田辺市でも口座振替が推奨されていると思っています。仕事を持っている方は、口座引き落としのほうが大変便利です。大いに推奨していってほしいと思います。
一方、高齢者など一部の方の中には、集金人が直接家に集金に来てくれることを願っている人たちもいます。集金人が集金に来てくれるメリットは、一つ、その集金人と話ができて、それ以外のことでも何でも聞ける。二つ目、支払いの融通、もう少し待ってほしいというふうな、それがいいか悪いかは別として、そういった支払いの融通がきく。三つ目はとにかく来てくれて、直接お金を渡すことに安心ができるなどです。1人の集金人が1日に集金できる件数は限りがあり、集金人を雇用する費用と市民から徴収する税金との費用対効果を考えると、口座振替を推奨するのは当然かもしれません。
しかし、それだけでは判断できないものがあるのではないでしょうか。ことし4月にある高齢の方から相談を受けました。税金の滞納があり、分割で毎月集金に来てもらっているが、口座振替を求められているというものでした。この方は集金人を大変頼りにしていました。市の業務やそれ以外についても相談をしていたからです。しかし願いは届かず、やむなく指導に従い、口座振替にしました。確かに滞納した税金の集金に費用がかかるのは効率が悪いものです。しかし、福祉の立場で考えると、集金人に相談することにより、この高齢者の方は支えられて社会生活をできているわけで、そのおかげで介護保険を使わず自立できているともいえるのです。
口座振替が広まったとはいえ、集金を強く望む方たちがいます。そんな皆さんに効果や効率だけではなく、福祉の立場で柔軟な対応ができないものかお聞きをします。
次に2点目、市からのお知らせなどの文書についてです。ことし4月27日付で保険課収納係から私のところに封書が来ました。私事ですが、夫がことし3月末に定年退職したため、国保に加入しました。今まで国保の加入は私一人で、私の銀行口座から引き落としをしていました。ところが、納税義務者が私から夫に変わったため、振替納付が引き継がれないという案内のものでした。
私は、面倒だなと正直思いました。しかしやむを得ないとも思いました。田辺市は、口座振替を推奨しているので、御面倒でも引き続き口座振替の手続を行ってくださいと文章が続いていると思いました。ところが、市から来た文書は、振替納付を御利用されたい場合は、納税義務者が同封の依頼書により、直接金融機関の窓口へお申し込みくださいと書いてありました。この文書を読むと、市は口座振替を推奨していないが、市民が望むなら手続しなさいと言っているように、私は思いました。
いかにも上から目線で、田辺市は口座振替を推奨していないかと思いました。この文書は職員がつくり、課長や部長の承認のもとに郵送されたものでしょう。私の手元に来る前に、何人もの目に触れたはずですが、だれも疑問に思わなかったのです。
私は大変疑問に思ったのですが、いかがでしょうか。また、ほかにはこのような文書はないでしょうか。この文書に大きな問題があるわけではなく、ささいなことですが、仕事をやっている。仕事をしてやっているというような上から目線がないかどうかを問うものです。
3点目は、国保税や固定資産税、市県民税などの税金の支払いの納付回数をふやして、払いやすくしてほしいというものです。市民の皆さんから、暮らしや経営が厳しくて大変だ、税金が納期までに納めるのがしんどいという相談や御意見を多く受けます。
納期がおくれると、督促手数料が加算され、その後延滞金が加算されます。国保は、9期、固定資産税と市県民税は4期です。これを12期に分け、1回の負担額を低くしてほしいとの切実な要望があります。前年度所得が確定するまでの間は、手続ができず、そのため現行のように7月以降になるため、納付回数が少なくなるわけです。これを改め、回数をふやせば新たなトラブルが発生することも予測はできます。そこで前もって、希望者を募り、その方にはきちんと説明して条件つきで承諾した希望者にのみ納付回数をふやすというやり方はできないものでしょうか。払いたくても払えないという方に少しでも払いやすい方法として、ぜひ検討していただきたいと思います。
次に、4点目は、個人情報の保護についてです。
個人情報保護法が2003年5月に制定されて7年になり、市民の間に広く認識され、自分の情報は市であっても本人の承諾なしに調べることができないと思っておられる方が多くいます。個人情報は守られなければならないものです。しかし、税務課など、市の業務を遂行する上で、個人情報を取得することができる部署があります。それは法的に認められたものです。
一方、市民は過剰に反応します。ときには悪質な未納者に強く迫ることも必要ですが、一般の人はそのことで傷つくことがあります。先日、そんな事例がありました。業務上知り得る権限があったとしても、十分注意して対応してほしいとの思いです。
次に、5点目は、業務ミスについてです。ことし2月に新型インフルエンザ
予防接種の助成券を対象ではない1,229人に間違って発送するというミスがありました。4月には排水処理施設の使用料金を5年間にわたって420万円も多く徴収していたというミスが続いてありました。私の知人にもインフルエンザ
予防接種の助成券が間違って送られてきました。そのことを知人に聞いたとき、この人は所得があるはずなのに、所得税が非課税なのかなと疑問に思いました。しかし所得に関する個人的なものなので、私は聞くのが失礼だと思い聞けませんでした。
ミスの発覚後、知人に聞くと予防注射を受けたことがなかったが、無料なら受けようと病院で予約し、その後ミスであると連絡が来て、助成券を返還したので、余分な出費になったと言っていました。
予防接種はいいことなので、無駄にはなっていませんが、だから許せるというものではありません。このミスはコンピューターの入力ミスで今後はチェック体制を強化していくとの報告でした。
4月の排水処理施設の料金は値下げなので、本来なら市民の皆さんに喜んでもらえるはずでした。ところがミスをしたことにより、市が謝ることになってしまったのです。また、なぜこのようなミスが起こったのか、市の報告は担当職員が人事異動に伴う事務引き継ぎを適正に行わなかったことが原因だとしています。しかし私は今でもこの原因について理解に苦しんでいます。
なぜなら、この料金改定は、一つ、合併協議会で決めたことであったこと、二つ目、そのため条例改正がされたこと。三つ目、5年間も発覚しなかったということ、四つ目、単に事務引き継ぎのミスという理由だけでは理解しがたいこと。なぜ事務引き継ぎのミスが起きたのか。根本原因が明らかになっていないことです。問題の重大性から厳しい処分も出ました。しかし、これで再発防止になるのでしょうか。原因分析が間違っていれば、対策も間違います。決してミスをした個人を責めているのではありません。市の体制に問題はなかったのか。その点を問うものです。二度とミスをしないための対策は十分でしょうか。お聞きをします。
次に、2項目、医療の充実についてです。ここでの質問は、紀南病院についての質問です。紀南病院には病院議会があり、病院議会で取り上げるのが本来ですが、病院管理者が市長でもあり、田辺市としての対応をお聞きします。
1点目は、紀南こころの医療センターについてです。精神科の医師が不足で、入院患者に退院や転院を勧めているという新聞報道を読み、大変驚きました。現在、医師は8人いらっしゃいますが、今月末に1人がやめられ、9月末には2人がやめられて、10月からは5人体制になります。現在、入院患者は190人で、到底5人の医師では回っていかないというものです。私たち共産党市議団は、生活相談
所を開設しています。多くの相談を受けるのですが、その中で多いのが精神的なもの、うつや被害妄想や、アルコール依存症、また節食障害という相談も受けたことがあります。
私自身もこのような方ともかかわっています。一つ相談を受けるとエンドレスで解決することはほとんどありません。ストレスを抱えた現代社会の象徴のようなもので、今後ますますふえてくるのではないかと危惧をしています。
そのため、精神科のニーズはますます高まるでしょう。それなのに縮小されるのは大変困ったものです。入院患者の御家族からも相談を受けています。何十年も入院していた家族を家庭で介護することは無理だと言われています。とても深刻に悩んでおられます。
精神科の救急医療システムは、和歌山県をABCの三つのブロックに分けており、みなべから新宮までがCブロックで、同じ医療圏になっています。そのCブロックの中心的役割を担っているのが、紀南心の医療センターで、他ブロックに比べて人口は少ないのですが、大変広い面積の地域を網羅し、大きな役割を担っています。
そこで、この重要な病院、何としても残すために、対策として2点について提案したいと思います。先日、共産党市議団はこの心の医療センターの院長と懇談を持ち、実態を聞かせていただきました。院長は何としても病院を存続させたいと医師の確保に奔走されています。また、市長とも懇談した、医師会も心配してくれている、障害者団体のやおきやふたばとも意見交換をしているとのお話でした。しかし、心配してくれている皆さんとの横のつながりがありません。
そこで1点目は、例えば医師確保対策委員会のような組織をつくり、病院、市、保健所(県)、医師会、障害者団体、患者会などが同じテーブルで力をあわせて話し合うことが大事ではないでしょうか。そのコーディネーター役を市が行うことを提案するものです。病院を残したい、その思いは一つです。病院任せにせず、みんなで力をあわせて取り組めば、いい知恵が出るのではないでしょうか。
2点目の提案は、既に田辺市でやっているように、診療
所を公費でつくり、医師を招くという方法で、精神科の開業医を田辺に招くことができないかというものです。
勤務医は、負担が重くなかなか来てはくれません。特に紀南こころの医療センターは、神経科応急指定病院と救急基幹病院で24時間体制です。そのため、措置入院のときに診察する資格のある医師は、今現在お二人だそうで、交互の宿直や待機で大変負担が重いそうです。県下の精神科の病院に比べて、紀南心の医療センターは外来患者の診察が多く、他の病院の外来患者の平均は1日110人ぐらいですが、紀南心の医療センターは175人だそうです。
また、外来が多いので、初診も多く、診察に時間がかかり、そのことも医師の負担を重くしています。小児科や産婦人科、麻酔科のように、精神科の医師が絶対数として不足しているのではなく、都市部に集中しているそうで、そこでは経営も厳しいようです。本来は紀南病院の勤務医に来てほしいのですが、それが難しいのが現実で、それならせめてこの地方で開業してもらえないかというものです。その開業を進めるために、施設を用意するのです。精神科の開業医がいれば、外来患者が少なくなり、医師の負担は軽くなります。10月から医師が5人になります。これ以上、やめることのないような支援策を真剣に考える必要がありますが、以上2点の支援策について、市として取り組めないか、お聞きします。
2点目は、紀南病院の経営についてです。自民党政権時に、社会保険庁の改革で、2008年10月から社会保険病院はRFOと呼ばれる機構に保有権が移され、ことし2010年10月までにRFOから売却される予定でした。しかし、昨年夏に政権交代が起こり、社会保険病院は今までどおり、公的病院として経営される方針が出されました。ところが、紀南病院は地方自治体の経営で他の社会保険病院とは経営形態が違い、このままでの存続が危ぶまれていました。
そこで超党派で修正案が出され、5月28日の衆議院厚生労働委員会で、法案、この法案は独立行政法人、地域医療機能推進機構法というのですが、この法案が紀南病院も含むようにと修正され、可決されました。ほっと胸をなでおろしたものです。
ところが国会が閉会したため、この法案は参議院で審議される間がなく、廃案になってしまいました。一から振り出しに戻されました。参議院選挙後の臨時国会で再度上程されることとは思いますが、政権が不安定なため、この法案も絶対に可決するという、そのような保障はありません。気を許すことなく、紀南病院は地域にとって欠くことのできない大切な病院だと地域を挙げて声を大にする必要があるのではないでしょうか。
もう大丈夫というような安心論に陥らないようにとの思いでの質問です。市はどのように認識しているのかをお聞きします。
以上、2項目について1回目の質問とします。
(2番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 2番、真砂みよ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、
真砂充敏君。
(市長
真砂充敏君 登壇)
○市長(
真砂充敏君) 真砂議員から2点にわたる御質問をいただきました。2点目の医療の充実については私から、後は
担当部長からお答えいたします。
1点目の紀南こころの医療センターの存続のために、についてでありますが、紀南こころの医療センターにつきましては、現在8名の常勤医師が今後3名退職し、10月には5名となる予定であり、病院存続のためには5名の医師で対応できる患者数に削減せざるを得ず、比較的病状の安定している方の転院・退院により入院患者数約190人について、平成23年3月末までに120ないし、130人ぐらいに削減する方針であり、また急性期患者の受け入れを確保した上で、五つの病棟の一部閉鎖も含めた病棟再編も検討していると報告を受けております。
医療センターにおきましては、常勤医師の確保に努めているところでありますが、県内のほかの公立病院の精神科では、1日平均外来患者数が110人に対し、紀南こころの医療センターは170人と多いことなどが要因となって、思うように医師の確保ができない状況が続いており、医師の負担軽減策として紀南病院神経科への医師派遣の取りやめ等にも取り組んできましたが、今回の事態となっております。
このことについての患者や家族の皆様への説明と協力依頼につきましては、今月3月末に1年以上の長期入院患者のうち、病状の安定している125人の御家族へ転院か退院について文書でのお願い、4月25日には128人を対象に転院・退院の協力依頼に係る患者説明会、5月25日には87人に再度の転院について、文書でお願いを行ってきており、6月21日現在の入院患者数は165人となっています。
紀南こころの医療センターは、昭和31年5月に開設され、これまで紀南地域の唯一の公的精神病院として、地域の精神科医療の中核として自覚を持ち、日々医療の提供に努めてまいりました。
市といたしましては、これからも地域医療を守る上で、大変重要な存在意義を有する医療センターが、地域の中核の精神科病院として存続ができるように取り組んでまいりたいと考えております。
具体的には、地方における医師の確保は非常に厳しい状況でありますが、医師の減少が進めば、病院閉鎖も起き得る危機的な状況であるとの現実を重大に受けとめ、今後も紀南病院組合の構成町とともに連携を図りながら、県への要望を初めあらゆる機会を通じて、医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
また、保健福祉部が中心となり、田辺保健所と連携し、現在入院している患者さんの中で、高齢者や障害者の施設、グループホーム等の利用が可能な方、少しの支援があれば在宅での生活が可能な方について、医療センターから情報の提供をいただき、福祉法人等と連携を図りながら、それらの方々の退院後の受け入れについて、取り組んでまいりたい旨の考えを医療センターに伝えております。
また、障害福祉関係の法人とは、そうした方々の受け入れについての協議も行っているところです。今後は、医療センター及び施設等関係者の協力をいただきながら、退院が可能な患者さんの地域移行について、本人、家族の意思の確認を行うとともに、地域の課題として広く共有し、関係機関とともに取り組んでまいりたいと考えております。
なお、もう一点、御質問のございました診療
所を公費で開設するため、開業を進めるための公設の病院の開設、診療
所の開設という御提案がございましたが、現在、今も申し上げましたように、まずは医師の確保、また勤務医の勤務条件を少しでも緩和をしていく。それからただいまも言いました各福祉団体と連携をしながら、市がコーディネーター役となり、ただいまの現状の転院・退院、また自宅療養可能な方々への支援、この辺にまずは力点を置いて取り組んでいきたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。
次に、議員御質問の2点目、紀南病院の今後の運営についてでございますが、全国の社会保険病院や厚生年金病院につきまして、現在は病院を運営するRFO、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構ですが、これが本年9月末に解散することになっておりまして、その運営を存続するため、第174回通常国会において、紀南病院など全国で四つある自治体や地元法人運営の社会保険病院が現状の運営形態で継続される内容の独立行政法人地域医療機能推進機構法案、修正案が提案され、衆議院で可決、参議院厚生労働委員会で審議が行われていましたが、今月16日の国会の閉会に伴い、廃案となりました。
同日付で、長妻厚生労働大臣より、臨時国会に法案を再度提出し、その速やかな成立を図り、地域住民の皆様に御安心いただけるよう、また医療の現場に不安や混乱が生じないよう、最大限の努力をするとの内容の文書が全国の社会保険病院、厚生年金病院の院長あてに送付されております。
市といたしましても、地域の医療拠点として、大変重要な役割を担っていることから、地域の安全・安心のため、紀南病院の運営形態が継続できるよう、公立紀南病院組合とともに、県・国に早急な対応を要望してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
以上です。
(市長
真砂充敏君 降壇)
○議長(
宮田政敏君)
総務部長、岡本美彦君。
(
総務部長 岡本美彦君 登壇)
○
総務部長(岡本美彦君) 議員御質問の1番目、住民サービスの向上についてお答えいたします。
まず1点目の口座振替と集金体制についてでございますけれども、市では、納税の利便性の向上と収納事務の効率化や税収の確保を目的として、かねてから口座振替を推進しており、今後ともその推進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
一方、議員から御指摘のありました口座振替を望まない高齢者の方々に対する集金業務につきましては、本来税金が自主納付であることや、経費の負担等を考え合わせますと、特段の事情がない限り、集金業務を行うことは難しいものと考えております。
なお、集金業務が市民の方、特に高齢者の方にとっては、相談をしたいという形の中で、市の住民サービスとして付加価値を持っているとの御指摘につきましては、少子・高齢化が進む現在、ひとり暮らしのお年寄りの家庭などに対して、社会全体がサポートする
体制づくりが課題となってきており、市においてもこうした問題の解決に向けて、関係部署を中心に今後とも取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の行政文書のあり方についてでございますけれども、議員から、国民健康保険税の口座振替のお知らせの文書を例に挙げられ、上から目線の文書で配慮が足りないのではないか。という御質問でございましたけれども、御指摘いただきました保険課からの文書につきましては、口座振替を納税者にゆだねた表現となっており、市が口座振替を推進している中、市民の皆様に口座振替による納付の御協力をお願いするという点において、配慮が十分でなかったと考えております。
行政文書は、住民の権利義務に関するもの、または住民の福祉につながるものが多いことから、行政側の意思表示を相手方に正しく理解してもらうため、わかりやすい用字、用語を使用し、正しく簡潔明瞭に書くなど行政文書を受け取る住民の立場に立って作成する必要があると考えております。
このことをいま一度職員に指導徹底し、さらなる行政サービスの向上に努めてまいりたいと存じますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
次に、3点目の税金は、分納回数をふやして払いやすくについてでございますが、国民健康保険税につきましては、納期の回数が年間9期であり、この期数を増加させるとしますと、12期となります。12期にしますと、税額確定前の4月から6月までの間、仮徴収を行うことが必要となり、制度が複雑化し、事務が煩雑となります。その上、仮徴収を行いますと、納税者において前年度より所得が大きく減少している場合は、一時的にではありますが、前年度所得で納付する必要が生じ、市民にとっても大変負担になるケースが生じます。
また、市税におきましては、各税目の納期は、地方税法により定められており、住民税につきましては、納期を6月、8月、10月、1月の4期とし、また固定資産税につきましては、4月、7月、12月、2月の4期としております。国保、市税におきまして、制度改正により納期数を増加させますと、その管理コストの増加が予想されることなどを勘案しますと、納期数を増加させることは現状では難しいと考えております。
また、各納期に納税が困難な方につきましては、それぞれの担当課において積極的に納税相談を受け、分納に応じているところでございます。
次に、4点目の個人情報の取り扱いには十分注意をについてでありますが、情報の調査や強制処分について、民事裁判などで区分される場合と異なり、市税などの地方税法にのっとって進める場合、情報収集に大変強力な権限が付与されております。
例えば、財産についての調査や差し押さえなどの処分については、裁判所の許可を必要とせず、市単独の判断で行うことができるとされております。納税者の方々には、担当部署からこのような説明を積極的に行っているところでありますが、今後ともこれらの調査権、処分権について十分に説明を行い、納税に当たっての御理解をお願いしてまいりたいと考えております。
次に、事務ミスの根絶についてでありますが、集落排水処理施設及び地域排水処理施設の使用料の誤徴収につきましては、平成17年5月1日から使用料を改正していたにもかかわらず、集落排水処理施設38件、及び地域排水処理施設10件について、改正前の旧使用料を徴収していたもので、今回の事務のミスにより関係者の皆様、議員、及び市民の皆様に大変御迷惑をおかけし、市政の信頼を失墜させたことに対しまして、心からおわびを申し上げるものでございます。
今回の事務のミスにつきましては、施設使用料の条例改正を担当していた職員が、人事異動となった際に、後任者への的確な事務引き継ぎや使用料徴収担当職員への減額事務の指示を怠ったことが原因でございます。人事異動の際の事務引き継ぎに当たっては、必ず事務引継書を作成の上、行っているところでございますけれども、今後、再発防止対策としまして、さらに綿密な引き継ぎを行うとともに、重要事項については各所属で情報の共有を図るよう指導徹底を図ったところでございます。
今後とも事務のミスが発生しないよう、職員の資質の向上を図るためあらゆる機会を通じて、指導徹底し、再発防止に取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
(
総務部長 岡本美彦君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 2番、真砂みよ子君。
(2番 真砂みよ子君 登壇)
○2番(真砂みよ子君) それでは、再質問をさせていただきます。
住民サービスの充実についてからです。今回の質問はすべて市民の皆さんからいただいた声であり要望です。その要望は今、8万3,000人の市民の中のほんの少数のものかもしれません。しかし、田辺市の総合計画の基本理念である一人一人が大切にされ、しあわせを実感できるまちづくりを掲げているまちとして、考えてほしいという思いでの質問です。最初の口座引き落とし、集金体制の問題ですが、税金は自主納付が原則だ、もちろんそれはわかり切った上での話です。ただ、口座振替は人と人とのつながりが薄れてしまうようなシステムだなと私自身感じています。それをすべて否定しているわけではありませんが、効率ばかりを追求していくと、失うものがある。特にまちづくりを考える上では、それに変わるものが必要ではないかと私は感じています。
また、集金人を置けば、雇用の場にもなります。現在は、水道料金だとか、国保の啓発指導員など、若干の集金体制があるだけで、ほとんどが口座引き落としになっているわけですが、今後、このような集金体制というものを福祉の立場で希望者には集金に伺えるような、そんな体制が欲しいと望むものですが、今後そういう集金体制、福祉の立場からそういうものを残すという方針がないのかどうか。再質問させていただきます。
市からの文書の問題ですが、配慮が足りなかったというようなお言葉をいただいたわけですが、私自身が30年間NTTで働いてきたわけですが、入社当時は電電公社でした。それからNTTになって、公的な仕事から民間会社に移り変わっていくというさまを自分自身が感じてきました。例えば、電電公社はお客様を加入者と呼んで、電話工事をしてあげている、通話をつないであげているというふうな姿勢であったと思います。
一方NTTになると、お客様で、電話を御利用いただいているというふうに変わってきたわけです。加入者と呼ぶか、お客様と呼ぶか、大きな違いがあります。最初に申し上げましたが、不況な今です。市民の皆さんの公務員への厳しいチェックがあります。だからというわけではありませんが、市民サービスには十分注意してほしいと思います。
また、税金の分納のことですが、確かに前年度の所得が確定しないときに、暫定でお支払いいただくというのはいろんな事務的な煩雑さ、それから管理コストがつくというのもわかった上での質問です。ですから、希望者だけでもせめてそういうふうにしてほしいという、せめてものという言葉があるわけですが、今
保育所の
保育料は、前年度の所得が決まらないうちから、12回の分納にしていると思うのですが、そうしたら
保育料はそうできるのに、どうして国保や固定資産税や住民税ができないのか。どういう形で
保育料はそのようにうまく12期に分けてできているのかを再質問させていただきます。
次に、個人情報の保護については、十分これからも注意してやってほしいと思います。
事務ミスの引き継ぎの問題ですが、インフルエンザの助成券を誤送されて送ってこられた知人が、こんなふうに言うんです。今、皆さん、私のところも来ていますけれども、市県民税の納付書が来ていると思うんですが、それを見ているとまた間違っているのと違うんやろかというふうに思ってしまうと言うんです。市民の信頼を本当に失ってしまって残念やなと思っています。
ぜひ、市民の信頼回復に取り組まなければならないわけですけれども、3年前の19年9月議会で私は同じような質問をしています。そのとき、私は今もそうなんですが、人間の能力には限界があるので、ミスはつきものだというふうに私は思っているんです。人間はミスをするということが出発点です。ですからどうすればミスを防げるのか。それはチェック体制しかないと思うので、そのチェック体制を業務の一つにすることが大事だというふうに私は思っています。
このとき、
総務部長は私の質問に対して、ミスが発生しないよう、職員の資質の向上を図るとともに、日々の業務の中で、常にミスが起こる可能性がないかどうかを検証する意識を持って、二重三重のチェックを行うよう、指導を徹底し、再発防止に努めてまいりたいと考えておりますというふうに3年前に答弁されています。この3年前のミスは、紀の国森づくり税の導入で、新たな課税が始まり、既に納税した方に督促状を送ったもので、コンピューターシステムのプログラムを改修する上でのものですので、ことし2月の新型インフルエンザの
予防接種のミスと同じなわけです。
そこで再質問をします。プログラムの操作ミスという同じミスがどうして出てしまったのでしょうか。また、排水施設の料金ミスは、通常では考えられないようなミスです。引き継ぎミスとか、チェックができていなかったというようなものだけではないように私は感じています。職員が削減され、効果や効率ばかりを求め過ぎてはいないでしょうか。
チェック体制に限度はありますが、チェックをするためのゆとりも必要です。チェック体制はできていたのでしょうか。またチェックをするためのゆとりの時間はあったのでしょうか。この点について再質問をします。
次に、医療の充実のところの紀南こころの医療センターの問題ですが、先日の15日の県議会での質問に、常勤医師の確保は非常に困難だが、必要に応じて県立医大に医師派遣を働きかけたいというふうな当局からの答弁がありました。県も、この紀南こころの医療センターの重要性は認識してくれています。問題解決のために1番は勤務医の確保です。しかしそれは本当に難しいようですので、診療
所を市が用意して開業してもらう、誘致もする、また医師への負担を軽減するために、看護師による訪問看護に力を入れるなど、方法が幾つもあるというふうに思います。
ここで先ほどの質問で、私はそれぞれのところ、例えば、医師会だったり県であったりとか、障害者団体なんかも皆さん本当にいろいろ心配をしていて、いろいろな取り組みをしてくれているのはわかるんです。私が最初に質問したのは、そういった大変だなと思っている方たちが、一つのテーブルに着いて、例えば、名称は何でもいいんですが、医師確保対策委員会というふうな組織をつくって、一つのテーブルに着いてみんなで存続のために取り組んでいくということが大事だというふうに私自身が感じておりまして、そのことを質問したので、そういう対策委員会をつくるための市はリーダーになってほしいという質問に対する答弁はなかったように思いますので、そのことについては再質問をさせていただきます。
紀南病院の経営の問題については、今後、長妻大臣からの通達があったということですが、法案が可決されるまで気を抜くことなく、地域の声をしっかり挙げていく必要があると思いますので、その点、よろしくお願いいたします。
以上を再質問とさせていただきます。
(2番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 2番、真砂みよ子君の再質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、
真砂充敏君。
(市長
真砂充敏君 登壇)
○市長(
真砂充敏君) 紀南こころの医療センターの存続についての再質問にお答えをします。
先ほどの答弁でも申し上げましたように、確かに医師確保対策委員会という名称等はございませんけれども、実際にもう既に市の保健福祉部が中心となって各関係、いわゆる保健所、それから福祉関係、そういうあらゆるところとの連携の会議、対応策を今やっておりまして、確かに何とか委員会という名称ではございませんけれども、今精力的にそうした対応策を取りながら、連携をしております。
以上です。
(市長
真砂充敏君 降壇)
○議長(
宮田政敏君)
総務部長、岡本美彦君。
(
総務部長 岡本美彦君 登壇)
○
総務部長(岡本美彦君) 議員から再質問をいただきました関係4点ほどあると思いますが、お答えいたします。
まず集金につきまして、希望者については集金ができないかということでございますけれども、これについては先ほども申し上げましたけれども、やはり集金という形で希望者がある場合に、集金に行くという形は考えておりません。ただ、いろいろ税から使用料いろいろ始まって、その取り扱いが今現在違う部分もございますけれども、いろいろと分納関係、そういう相談をいただく中で、御相談をさせていただいて、先ほども特段の理由がある場合、例えば高齢でお体が御不自由という形の中で、今も対応している関係もございますけれども、そういう市民の方に御相談させていただいて、対応していきたいと考えております。
それから、
保育所の
保育料につきましては、4月からいけているではないかということだったと思いますけれども、
保育所の
保育料は、算定につきましては、前々年度の所得税と市県民税をもとにやっておりますので、4月からそれに基づいて毎月いけるという形になります。
続いて、事務のミスにつきまして、プログラムミスが続いている。このことについてちゃんとチェックできていたのか。人員削減の関係で職員が減る中で、ゆとりがなかったのではないかという御質問だったと思いますけれども、プログラムミスが生じていることが事実でございまして、それが職員がチェックを二重三重に重ねた中でも起こったのか、それともそこまでできていなかったのか、結局できていないということは、どこかでミスが生じているということでございますので、さらにこの前申し上げましたとおり、二重三重のチェックを徹底していきたいと考えております。それから、人員の関係につきましては、人が多い少ない、そういうことで事務に支障が出るということがあってミスが起こるというのは、理由としては通らないことでございます。現在、人員配置はそれぞれの事務量に合った形で配置しているところでございます。その中で、さらに徹底を図っていきたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
(
総務部長 岡本美彦君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 2番、真砂みよ子君。
(2番 真砂みよ子君 登壇)
○2番(真砂みよ子君) 紀南こころの医療センターの問題につきましては、今市長から保健福祉部が中心になって連携をとっているという答弁をいただきました。名称は何でも結構です。みんなで力を合わせてといいますか、この病院を何としても残していきたい。つぶすわけにはいかないというのが、みんなの思いです。思いは一つです。みんなで知恵を出し合えば解決策がより出てくると思います。
特に、一番の願いは、こころの医療センターの勤務医に来ていただくというのが本当に一番の願いですが、それがすぐにでもそうならないのなら、せめてこの地方に開業医が来てほしいというのが一つの解決策だと思うんです。実際に、有田のほうで開業したいという精神科の先生がいらっしゃるようで、ただ、なかなかそこでうまく開業ができないで、ほかのところでも開業したいという先生がいらっしゃるという情報も得ています。ですので、ぜひみんなで考えていく中で、施設を用意して、田辺で開業してくれないかということも含めて、ぜひこの場で検討していってほしいというふうに思います。
保育料の算定ですが、前々年度の算定なので12回に分けられるという答弁でしたが、前々年度の算定をして、前年度で調整をしているわけですよね。そうしたら、国保もできないというふうな理由ではないと思うんです。その事務が煩雑だとか、難しいというのは十分わかっているんです。わかっているんだけども、だからといって
保育料でできているのに、国保ではできないというのは、できないことの理由を探しているというしか私には思えません。ぜひ、こんな暮らしの厳しい、市民が悲鳴を上げている、こんなときです。こんなときだからこそ、そういう方たちにみんなにそうしてほしいというのではなくて、やっぱり田辺市は市民の皆さんの暮らしが大変だということをわかっているよ、わかっているから相談に来てくれたらこんなふうに応じるよという、その姿勢を示してほしいというふうに思います。
私たち、共産党の生活相談
所だとか、私たち議員個人にも、いろんな相談が本当にふえています。その生活相談というのは、簡単な、このことどうなったるんよというような質問から始まって、そんな相談は本当に気楽でいいんですけれども、経済的な苦しさだったり、精神的な苦しみだったり、本当に深刻な相談がふえているということに、私自身も驚いています。100人いれば100様の生き方があって、悩みがあるわけで、そんな市民の苦しい暮らしを職員の皆さんにも知ってもらいたいというふうに思っています。
少し話が飛躍するかもわかりませんけれども、先日、広島市のマツダの工場で殺人事件が起きました。秋葉原のような無差別殺人をやろうと思ったというふうに供述しています。マツダに恨みがあるとも言っています。この事件はまだ詳しく報じられないので、断言はできませんけれども、今の社会、人が人として大切にされていない社会、競争社会がこのような問題を噴き出しているのではないかと私は感じています。
最初にお話しした、高齢者の口座引き落としじゃなくて、集金に来てほしいというおばあちゃんですけれども、この方は高齢だけども1人で商売をされているんです。訪ねていくと、店をしながら、その店の前を通る人に、高齢者の方が通ったら、久しぶりやのう、元気だったかと声をかけるんです。小学生が来たら、お帰りとか、きょうはクラブあったんかとか、車に気つけよしよと、本当に多くの方に声をかけているんです。それが人と人のつながり、まちづくりの根底だというふうに私は思っているんです。ですから、このおばあちゃんはそういう人と人とのつながりを大事にしているし、自分自身も市とのつながりが欲しかったんだというふうに思うんです。ですから、効率だとか、効果とかいうことだけでは図り切れない、集金に行くということは、小さなことですけども、効率だけでは図れないというものがあるというふうに思っています。
この業務ミスが起こった原因も私はそのような効率ばかりを求め過ぎた結果ではないかと私自身は思っています。少ない人数でたくさんの仕事をこなせば、効率はいいわけですけれども、その結果、今回のようなミスを起こしてしまったら、かえって仕事の量はふえますし、費用も返還金などでかかりますし、その上で最も悪いのは市民との信頼を失ってしまいます。決して、私は効率を土返ししていいと言っているわけではありませんけれども、チェックするゆとり、そんなものも必要だと思うんで、そのバランスだと思います。
行財政改革というのは、市民のためにやるものであって、経費削減のみを求めていくというのは間違いだと思います。そうなれば、1人の高齢者の思いに心を配ることができなくなります。高齢者がそういうことを求めてきたら、私たち職員も少ないので、あなただけには対応できないんですよという言葉が出てくるというふうに思います。まじめに一生懸命生きている方を応援する田辺市であってほしいというふうに申し上げて、今回の私の質問は終わります。ありがとうございました。
(2番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(
宮田政敏君) 以上で、2番、真砂みよ子君の
一般質問は終了いたしました。
お諮りいたします。
本日の会議は、この辺にとどめ延会し、明6月26日及び27日は休会とし、6月28日午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
宮田政敏君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
延 会
○議長(
宮田政敏君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
(午後 1時59分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成22年6月25日
議 長 宮 田 政 敏
議 員 宮 本 正 信
議 員 高 垣 幸 司
議 員 陸 平 輝 昭...