田辺市議会 > 2008-03-12 >
平成20年 3月定例会(第4号 3月12日)

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  1. 田辺市議会 2008-03-12
    平成20年 3月定例会(第4号 3月12日)


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    平成20年 3月定例会(第4号 3月12日)              田辺市議会3月定例会会議録             平成20年3月12日(水曜日)            ──────────────────    平成20年3月12日(水)午前10時開会  第 1 一般質問  第 2 1定議案第54号 田辺市立小学校及び中学校条例の一部改正について  第 3 1定議案第55号 工事請負変更契約の締結について  第 4 1定議案第56号 訴えの提起について  第 5 1定議案第57号 訴えの提起について  第 6 1定議案第58号 市道路線の認定について            ────────────────── 〇会議に付した事件  日程第1から日程第6            ────────────────── 〇議員定数 30名 〇欠  員  0名            ────────────────── 〇出席議員              議席番号   氏   名
                 1番  川 﨑 五 一 君              2番  真 砂 みよ子 君              3番  久 保 浩 二 君              4番  小 川 浩 樹 君              5番  佐 井 昭 子 君              6番  出 水 豊 数 君              7番  安 達 克 典 君              8番  谷 口 和 樹 君              9番  鈴 木 太 雄 君             10番  塚   寿 雄 君             11番  山 本 紳 次 君             12番  松 下 泰 子 君             13番  中 本 賢 治 君             14番  棒 引 昭 治 君             15番  大 倉 勝 行 君             16番  宮 本 正 信 君             17番  高 垣 幸 司 君             18番  陸 平 輝 昭 君             19番  山 口   進 君             20番  宮 田 政 敏 君             21番  吉 田 克 己 君             22番  久 保 隆 一 君             23番  松 本 平 男 君             24番  天 野 正 一 君             25番  森   哲 男 君             26番  山 本 勝 一 君             27番  吉 本 忠 義 君             28番  白 川 公 一 君             29番  岡 﨑 宏 道 君             30番  田 中 康 雅 君            ────────────────── 〇欠席議員  なし            ────────────────── 〇説明のため出席したもの             職  名       氏     名            市    長     真 砂 充 敏 君            副市長        森   章 二 君            収入役        福 田 安 雄 君            教育長        中 村 久仁生 君            水道事業管理者    大 江 潔 史 君            政策調整部長     山 崎 清 弘 君            企画部長       庄 堂 琢 磨 君            総務部長       岡 本 美 彦 君            総務課長       小 川   鏡 君            市民部長       中 瀬 政 男 君            市民課長       瀬 嶋 善 一 君            保健福祉部長     田 中   敦 君            環境部長       池 田 正 弘 君            環境課長       宮 脇 寛 和 君            商工観光部長     松 本 純 一 君            農林水産部長     溝 口 博 一 君            農政課長       古久保 敏 雄 君            森林局長       原 﨑 喜 一 君            山村林業振興課長   宮 田 耕 造 君            建設部長       橘   長 弘 君            会計課長       関   隆 生 君            龍神行政局長     重 根 誠 治 君            簡易水道課長     前 川 敏 弘 君            消防長        山 本 久 雄 君            教育総務部長     濱 田 和 男 君            生涯学習部長     藤 畑 静 代 君            生涯学習課長     藤 若 隆 司 君            図書館次長      太 田 雄 司 君            ────────────────── 〇出席事務局職員             議会事務局長    福 井 量 規             議会事務局次長   梅 田 敏 文             議会事務局主任   中 田 信 男             議会事務局主査   坂 本 明 人             議会事務局主査   山 下 幸 恵  開 議 ○議長(鈴木太雄君)    定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成20年第1回田辺市議会定例会4日目の会議を開きます。              (午前10時00分)           ────────────────── ◎諸般の報告 ○議長(鈴木太雄君)    この場合、事務局長をして諸般の報告をいたさせます。  議会事務局長福井量規君。           (議会事務局長 福井量規君 登壇) ○議会事務局長福井量規君)    報告申し上げます。  本日付、田総第434号の2をもって市長から本定例会の追加議案として、1定議案第54号 田辺市立小学校及び中学校条例の一部改正についてなど、議案5件、並びに議案参考資料の送付がありました。いずれもお手元に配付しております。  以上であります。           (議会事務局長 福井量規君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(鈴木太雄君)    日程第1 一般質問を行います。  20番、宮田政敏君の登壇を許可いたします。            (20番 宮田政敏君 登壇) ○20番(宮田政敏君)    20番議員、宮田でございます。少し準備不足の感があるのですけれども、通告のとおり一生懸命させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。最近余り元気がありませんで、自民党が参議院選挙で敗北してからこちらは、世の中真っ暗やみでございます。そういう中でも頑張ってやらなければいけないと思いながら、老骨にムチを打っているわけでございます。  しかし、いろいろな本を読んでみますと、日本の力、底力というものがだんだんと出てきているのでないかという感じがするわけでございます。新興開発途上国、中国とかインドとかブラジルとか、いろいろ言っているわけですけれども、そういう中でもやはり日本の力というのはすごいなというふうに感じております。日本の力はすごいというものの中に、我々の南高梅を中心とした梅干もありますし、いろいろな農林水産物の商品の安全、そして高品質、日本人ならではの品質の向上の努力というものの成果が農産物の中にも出てきているのではないかと思うわけです。少々高くても、かなり売れるのではないか。そういう観点で農林水産業の振興ということについて申し上げたいと思います。  産物の商標登録ということは、これは僕は専門家ではないのでわかりませんけれども、例えば、トマト、印南に桃太郎か、ハウスで小さなトマトの甘いやつがありますけれども、ああいうものを商標登録、イチゴでも何でもいいのですけれども、登録をして、そしてその商品名を使わないようにというふうにしていく。ブランドづくりということをしていかなければいけないのではないか。  水産物では田辺のまき網の一船団が紀サバという商標登録をしました。これは僕も初めからかかわっておりまして、発明協会へどうしていったらいいのかと、和歌山のここに発明協会があるから、用紙もらってこようと言ったり、弁理士さんを連れてきて、大阪から来てもらって、弁理士さんにいろいろ地域ブランドとかいろんな説明、講習会を若い人に受けてもらって、若い漁師さんに休みのときに来てもらってやってもらったり、いろいろなことをして、紀サバがよかったかな。弁慶サバがよかったかなと、いまだに悩んでいるんですけど。紀州の紀サバがいいだろうと最終的に大きなサバを紀サバとして売り出している。東京の築地市場へ持っていくんですけど、そのブランドはほかの同じまき網の田辺の漁師さんの商品とは雲泥の差ができている。しかも、その船団のほかの魚まで高く売れる。歴然と値段が違っているわけです。これは3~4年か、4~5年ぐらい前になる話ですけれども。  それは、個人の力なんですね。一業者といいますか、一漁師さんの力。飛びぬけた漁師さんがおるから、それができるわけであって、一般の漁師では無理なんですね。同じ農業も林業も一緒だと思います。例えば、本宮とか、三川の方にもお茶があります。そういうお茶でもきちっとしたブランドをつくって、それで日本に売り出す。そして世界に売り出す。そういうことはお茶をつくっている一農家がすばらしい人が出てきたらそれは可能なんですが、なかなかそういうふうにはならない。行政の力、そういう税金を使って、給料を払って農政課というものがあるわけですから、そういう行政の力で、そういうブランドをつくって、そしてこのお茶は物すごくおいしくて、物すごく安全で、日本人が好んで飲んでいるお茶だということをシンガポールでもバンコクでもホーチミンでも、ボンベイで何とかと名前があったですね。ヨーロッパでもそうですけど、そういうところへ売り出していくというのが必要なのではないか。  ミカンでも、私がこのミカンをどのぐらい買っているのかわかりませんけれども、私がいろいろお世話になった東京とか大阪とか、いろんなところの友人、知人にミカン1箱送ると、必ずというと言い過ぎですけど、もうなくなったからもう1箱送ってくれとなるわけですね。年末11月末から12月にかけて、あのおいしいミカンを。これはヨーロッパでも東南アジアでもブラジルでもアメリカでも、1箱1万円でいいのです。田辺で買ったら2,500円か3,000円か、5,000円もしませんけど、1万円でも1万5,000円でもいいから、そういう値段でこの日本のおいしい安全で、すばらしい洗練された味を世界へ組織的に行政が取り組んでいくべきではないかと思います。  2番目の産地保護及び特産品の開発。産地保護というのは、江戸時代でありますと関所があって、武器とか女性とかそういうのを取り締まっておったのですけれども、同じように産物もその特産品は必ず守っておったわけです。南高梅というのが世界じゅうに行ったわけですけれども、中国へ行きますと日本の兵隊さんが持ってきてくれたんだと、無錫あたりの太湖のほとり、太湖という大きな湖があって、その中に島があって、その小さな島といっても大きな島ですけれども、その島は全部梅の畑だったです。これはどこから来たのですかと言ったら、日本の兵隊さんが持ってきてくれました。戦前の話かどうか知りませんけど。  そういうふうに苗とか、そういうものを本当に守っていくということをきちっと組織的にしなかったら、できないわけであります。さっきのトマトでもミカンでも。やはりきちっと守っていく。
     日本人が中国でうどん屋しようと思って、「さぬきうどん」と看板かけたら、もう登録されているので「さぬきうどん」というのは使えないです。そういうことが現実にあるわけであります。こういうことをきちっと産地保護、日本のブランドの価値観を海外に取られないように、きちっとそれを守っていって、かえって仮に中国人がさぬきうどんとつくっておったら、はい、あなた3%ちょうだいよと。ミカンでも紀州ミカンとやっておったら、はい、5%くださいよと。そういうシステムをつくっていって、紀州ミカンというふうにやったら、よく売れるから5%は払っても、私のところはもうけるからいいですよというようなやり方が大事なのではないか。  特産品の開発については、僕は国華園の宣伝文句につられて、何年か前にイチジクの苗を4,500円だったか、高いイチジクを2本買ったのですけれども、水あめのように甘いイチジク、サルタンという銘柄だったんですね。それを今植えているのですけど、そういうイチジク、確かに甘いんです。僕は自分の畑で適当にやっているだけなんですけど、日本の果物でも、農林水産業、林業、龍神の木も何でもいいのですけれども、この洗練された、本当においしいものというものを田辺の地区なら地区の農家、4~5軒で結構ですので、そこでつくってもらって、一つのブランドにしていく。ブランドを養成していくということをして、そのブランドの行く先を日本だけでなく、例えば、バンコクへ行って、ヤオハンというデパートに行ったのです。地球上で一番うまいという、どろどろっとしたドリアンの大きいやつを買って食べたんです。高かったですよ。物すごくおいしかったんです。その前にバリ島へ行って、そのロンボク島へ行って1週間ほどうろうろしておったんですけど、そこでドリアン食べたら全然おいしくない。果物いっぱい、山ほど、道を歩いたら果物の山です。おいしくないです。ヤオハンへ行って、ドリアン食べたらうまいと、これは持ってかえらないといけないと思って、それはだめなんですけど。  そういうもので、今、世界じゅうに日本人がやっているデパートがあるわけです。そこへ日本人に売らないといけない。僕の後輩、中国貿易をやっているのがおって、おまえ、ちょっと魚売ってくれ、中国で売ってくれと話をしても、彼は動かないんです。何でか言いますと、魚の箱の中に虫一つあったら、中国人はうるさい。全品返品とかやけなことを言いまくる。こんなこと言ったらまた怒られるかな。そういうことが20年も30年も貿易していたら、皆、わかっているので。直接はやらない方がいい。僕もそう思いますし、議会の意見もそうなんですけど、売り先は日本人の高級デパートで売るというやり方をすれば、危険率も少なくてそういうブランドができるのではないか。そういう特産品の開発についても、どういう状況であるのかなと思います。  それから、3番目、地球温暖化を見据えた新産物の開発状況。開発しているのかなと思うのですが、同じような話ですけれども、要は温暖化になってくると、高知とか鹿児島とか、沖縄とか、台湾でもいいんですけれども、そういうところの物が田辺でつくれるようになる。ビニールハウスをやってもいいですけども。その商品を日本人の特有の開発力で現地よりももっとおいしいものに仕上げて完成させる。そしてブランド化して、世界へ売り出すというふうにそろそろ取り組む必要があるのではないか。田辺市の市長さんはそういうことを考えて、産業部ということをこの4月から組織がえしていただけるそうなんです。頑張っていただきたい。  ただ、僕は市会議員20年ほどさせていただいて感じるのですけども、公務員体質というか、この上にもマスコミさんがいますけども、マスコミさんが攻撃をする。一番格好の目標が行政、市長さんでありまして、そのマスコミの攻撃、市民の攻撃を恐れる余り、職員の皆さんが萎縮してしまって、もう安全弁、冒険をしない。全く新種の稀少、新しいものを取り入れる。そういうことが非常にこの20年見ておったら薄れているなと思うのです。合併してから特にそのような感じがするんです。これも行政マンといいますか、公務員の体質でいたし方ないのかなと思うのですが、そういう体質ですと、今申し上げたようなことはやっぱり無理だなという感じがするんです。  ですから、部長さんとか課長さんとかいう肩書をもらった人は、市長さんも副市長さんもそうですけど、若い子はかなり優秀なんです。自分より、部長さん方よりずっと優秀なんです。優秀であるということは、優秀な友達がいっぱいおるのです。日本じゅうに、あるいは世界じゅうに散らばっているのです。その同級生とか、友達と連携して情報をもらうという努力をしなかったら、この本当の井の中の蛙で、せっかく難しい試験を通って、公務員になってもその能力が全然生かされない。  だから、管理職というものは、本当に若い人のそういうエネルギーを育ててもらうように、そういう発想でなければ、今申し上げたようなこと、田辺市の発展というか、田辺の市民の活力ある生活といいますか、そういうことは期待できないのではないかと思うわけでございます。  そして、次に、教育基本法の改正後の教育についてということで、伝統の文化を教えることについて、熊野地方特有の歴史文化を取りまとめて、基礎知識とすべきではないか。教育基本法が改正されまして、伝統文化という新しい法律の前文にも、伝統を継承しという文言が入りました。第2条の教育の目標についても、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、という文言も入りました。この伝統を知るということ、そして大事にするということは、物すごく大事なことであります。今言った日本人の力、これは日本国の伝統文化に基づいて、リンゴもおいしくなり、ミカンもおいしくなっている。あるいは、自動車も完璧なものをつくる。飛行機は、日本では戦闘機ぐらいしかつくっていませんけれども、あのボーイング何とかという、あれの中の主な機械部分、精密機械、ほとんど日本製と聞いています。  原子力発電所、このノウハウなんかもほとんど日本です。あらゆる分野で世界をリードしている。あるいは世界を席巻している。それが日本の力、私は伝統文化だと思います。子供に一つの伝統文化をきちっと教えていくと。日本人の日本人たるゆえんをきちっと教えていくということが、あらゆる方向についても一番大事。  何から話をしようかな。参考資料、古事記、日本書紀、万葉集というふうに挙げさせていただいたのですが、この古事記、日本書紀、万葉集の中で、我々、熊野地方、和歌山県、田辺、それぞれ皆さんが住んでいるところに載っている舞台となった、そういうことぐらいは小学校、中学校のときに基礎基本として子供たちに教えていっていただいたらどうかと思うわけです。  なぜかといいますと、私の家の100メートルもないところに、出立王子という王子さんがありまして、毎日通っているわけです。そうすると出立王子さんというのは、万葉集の中の1674、ちょうど資料の真ん中の右ぐらいに「わが背子が使来むかと出立のこの松原を今日か過ぎなむ」、こういう歌があるというのは薄々知っておったんですが、この言葉の意味がどういうことかといって、僕らは習ったこともなければ何も知らないです。  その前の1673の歌「風なしの濱の白波いたづらにここに寄せくる見る人無しに」、これは風なしの浜、綱不知というところが田辺湾にありますけども、風なしの浜というのは綱不知と。万葉集の先生を出立の王子さんにお連れして、そこから先生がずっと白浜の方を眺めて、ああよくわかった。この風なしの浜と出立の松原というのは一つの対らしいです。  そういうこととか、「わが背子が使来むかと出立のこの松原を今日か過ぎなむ」というのはどういうことを言っているかというと、有間皇子がこの出立の松原を歩いて、あるいはくくられて行ったんだなということが、「この松原を今日か過ぎなむ」というところに含まれている。ということを京都大学の澤潟先生がおっしゃったということ。  有間皇子はどういうことかといいますと、日本書紀の第26、斉明4年というところですが、これは有名なところなんですけど、時間があったら読ませていただいたらいいのですけれども、中大兄皇子がいとこになるのですか、天皇の後継者争い有間皇子を天皇の名において、藤白の坂で首をくくって殺した。その謀略のことを書いているわけです。  この日本書紀の左の方に挽歌とあります。「有間皇子、自ら傷みて松が枝を結ぶ歌二首」、「磐代の濱松が枝を引き結び真幸くあらばまた還り見む」、「家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る」と。これは、南部の岩代の浜の松の葉っぱを結んで、もし幸運であるならばもう一回ここへ帰ってきたいという歌です。蘇我赤兄に唆されて謀反の罪を着せられて、そして大和から牟婁の湯、白浜の温泉へ、その当時、中大兄皇子と当時の皇命は温泉で白浜に泊まっておった。そこへ連れてこられて尋問を受けた。「何の故か、謀反けむとする」と皇太子、つまり中大兄皇子が言うと、有間皇子は答えて、「天と赤兄と知らむ。我もはら解らず」、天知る、地知る、赤兄知るという言葉がありますけれども、わしは知らんけれども赤兄に聞けということ、蘇我赤兄ですけれども。そういうことでその当時、有間皇子に世の中の同情、かわいそうだということがずっとこの万葉集にいろいろなところで出立の王子さんに歌の額がありますけれども、この王子さんの歌にも有間皇子の悲しい物語があるということで、ここの万葉集13首ありますけども、これは全部和歌山県の歌です。白崎海岸、南部の浦、1670は由良の崎、1671は由良の崎、1672は黒牛潟、「黒牛潟潮干の浦を紅の玉裳裾ひき行くは誰が妻」と。これは海南、黒江のあたり。風莫の濱、綱不知、出立、藤白、全部紀の国のものです。  それから最後の方の長歌です。3302、「紀の国の 室の江の邊に 千年に 障ることなく 萬世に かくしあらむと 大船の 思ひたのみて 出で立ちの 清き渚に 朝凪ぎに来寄る深海松 夕凪ぎに 来寄る縄苔 深海松の 深めし子らを 縄苔の 引けば絶ゆとや 里人の 行きの集いに 泣くこなす 靫取りさぐり 梓弓 弓腹振り起し 志乃岐羽を 二つ手挟み 放ちけむ 人しくち惜し 恋ふらく思へば」と。  これは女に振られた歌です。「来寄る深海松」、「来寄る縄苔 深海松の」と。これはちょうど私の家のあるあたりがなぎさだったわけです。海苔が渚にお互いに絡み合って、その渚を見ながら、今までこの海苔のように愛し合った我が妻なのに今はどうこうという歌です。こういう歌があることさえも知らないし、この歌が物すごく有名である。紀の国の室の江、伊勢、そして石見の国、柿本人麻呂が歌った三つの深海松、来寄る深海松、来寄る縄苔、深海松のというすばらしいことを全く我々は、ここに多分どなたも御存じないのではないかと思います。  こういうことを一般的教養として子供たちに教えていただきたい。1回教えておいたら思い出すんです。教育長は校長先生時代に頑張って小倉百人一首を全部子供たちに暗唱させたり、いろいろなことをしていただいて非常に僕らは尊敬しておったわけであります。こういうことを校長さん、ちょっと勉強していただいて、教えていただけたらと。だけどこれをぱっと教えても、表面だけ教えてもだめなんです。古事記と日本書紀と万葉集というのは、僕は全然知らないのですけれども、物すごく密接につながっているということらしいんです。賀茂真淵、江戸時代の方ですけれども、古事記伝をあらわした古事記の第一人者です。賀茂真淵が本居宣長に言った言葉だけ申し上げます。賀茂真淵が67歳、本居宣長34歳のときである。そのとき真淵は言った。「自分ももとから古事記を読み解こうという志はあったが、そのためにはまず古の心を体得しなければならないし、古の心を得るためには古言を得た上でなくてはならない。それにはまず、万葉集を明らかにしなければならないと思い、もっぱらそのことに努めているうちに老年になってしまい、残りの年月で到底古事記を読み解くことはできない。あなたは今、壮年で行き先が長いから今から怠ることなく学んだら、その志を遂げることもできよう。」、これは有名な話らしいのですけども、そういう万葉集、古事記、日本書紀を…。もう時間だそうですので、この辺でとどめたいと思います。  これで第1回目の質問を終わりますので、よろしくご答弁のほどお願いします。            (20番 宮田政敏君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    20番、宮田政敏君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。            (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    宮田議員から2点のご質問をいただきました。1点目の農林水産業については、私の方から2点目は教育長からお答えいたします。  産地の商標登録制度について、産地保護及び特産品の開発について、また地球温暖化を見据えた新作物の開発状況はどうかという内容のご質問でございますが、近年、特色ある地域づくりの一環として地域の特産品等をほかの地域のものと差別化を図り、地域ブランドの育成に資するため、平成18年4月商標法の改正により地域団体商標制度が新設されたところであります。県内でも制度スタート時から地場産業を支える看板商品を守ろうという動きが活発であり、ことし2月で10件が登録査定されている状況であります。全国では、外国産品を含め2月末現在で353件にのぼっているようでございます。  特に、県内の登録産品のうち、田辺市において生産されているものとしては、和歌山県木炭協同組合の紀州備長炭、紀州田辺梅干協同組合と紀州みなべ梅干協同組合による紀州梅干のほか、和歌山県農業協同組合連合会の紀州うすいなどが上げられ、紀州備長炭につきましては、ウバメガシを原木に使用し、かつ県内で製炭することを条件として、安価な外国産との違いを強くアピールするとともに、商標化によって先人が守ってきた製炭技術の継承にも一役買ってくれているものと期待しております。  この紀州備長炭につきましては、市といたしましても、紀州備長炭記念公園を整備し、紀州備長炭の歴史を後世に伝えるとともに、製炭技術継承のための新規製炭者の育成支援などのほか、原木であるウバメガシの安定的確保のための萌芽更新調査を行うなど、紀州備長炭の振興への積極的な取り組みを行っているところでございます。  また、海外でのブランドという点では、紀州備長炭記念公園における海外観光客の入り込み状況によりますと、旅行業者等の情報をもとに、海外観光客の統計を取り始めました平成16年度では、有料入場者2万7,647人に対し、57%の1万5,785人、平成17年度では60%の1万4,992人、平成18年度では67%の1万7,777人と海外観光客の割合は年々増加する傾向にあるとともに、その多くは台湾、香港からの観光客によるものと思われます。現在のところ、炭は国際線航空機には持ち込めないことから、おみやげ品としての売り上げにはつながらないといった課題があり、国内線と同様、機内への持ち込みができるよう取り組んでいく必要があります。  また、スギ、ヒノキといった木材品につきましては、地域団体商標などの登録には至っておりませんが、和歌山県では紀州材としての、そのブランドを発信しているほか、市内でも特に龍神材などは高く評価されており、今後とも適切な森林整備を支援しながら、このブランドを守っていきたいと考えております。  また、水産物におきましても、本県南部地方の特産品であるヒロメの商標登録に向けた取り組みを展開しておりまして、先日、県主導により、ヒロメ生産者組合の第1回の会合を開催して、和歌山南漁協、新庄漁協、串本漁協、須恵漁協、大島漁協、古座漁協の6漁協と2企業、関係自治体が結集し、商標登録を初め、販路開拓、商品加工等、ヒロメの生産・販売体制の強化に取り組むことが決定されました。  さらには、市といたしましては、地場産業である漁業の振興を図るため、合併漁協である和歌山南漁協が事業主体となり、当地域の水産資源を活用して行う新商品の開発、市場調査、販路開拓等の事業に対しまして、その経費の一部を市が助成する、地域水産物加工商品開発事業を平成20年度から実施する予定でありまして、これは当地域にはアジ、サバ、イサキ、タチウオ、シラス、ヒロメ等、豊富な魚種があることから、開発等の経費の2分の1以内を補助するものであり、新たな特産品やブランドの開発を図りたいと考えております。  こうした取り組みにつきましては、平成18年11月に、農林水産部、商工観光部が組織の枠を超えた田辺市地域ブランド統括推進チームを発足させ、地域産品の販売促進、観光客の誘致促進、地域情報の発信と地域ブランドの推進といった活動を軸に進めてきたところでございますが、今後は産業部としてさらに活動を充実させ、国内外に通用する特産品の開発に努めてまいる所存でございます。  また、特産品という商品そのものの掘り起こしや開発もさることながら、インターネット販売や直販等にみられる近年の流通形態の変化、海外での日本食ブームや安全で高品質な日本製への志向の高まり、近隣諸国の所得水準の向上等による海外マーケット進出への期待など、販売環境の変化への対応も求められていることから、商品の開発と同時に商標登録制度を初めとする販売、流通に係る各種法律や制度の調査、研究も状況に応じて取り組む必要があると考えております。  和歌山県におきましても、こうした販売環境の変化に対応した販売促進や商品開発等の施策展開を重要課題とし取り組むため、昨年4月に食品流通課を設置するとともに、流通、輸出、水産物販路開拓といった分野で専門アドバイザーを設置し、県産品の販売戦略や流通経路の開拓、海外でのマーケティング情報の収集や輸出ルートの支援など、輸出促進活動に取り組んでいることから、今後とも県と連携を図りながら産物の商標登録や保護、特産品開発等に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、地球温暖化を見据えた新作物の開発状況はどうかということでございますが、環境省のパンフレットによりますと、地球の平均気温は、20世紀の100年間で0.6度上昇し、1998年には観測史上最高を記録しています。その後も衰える気配は見せておらず、2100年には1.4度から5.8度の間で上昇が予測されるとなっております。  気象庁の資料によりますと、和歌山県南部の年平均気温が17度、沖縄県那覇市が22.7度ということでありますから、議員のご質問にもございましたように、将来的には沖縄等で栽培されている作物が、当地域においても栽培される可能性も十分あると考えられます。  先日、新聞記事にもございましたが、串本町におきまして、ドラゴンフルーツやマンゴーなどの南国果実の栽培が、まちづくりグループによって始められたと聞いております。輸入に時間のかかる海外産と違い、完熟で収穫できることにより甘みがあり、マンゴーなどの南国果実のブームもあることから、将来に希望が持てるとの話でありました。  田辺市におきましては、これまで梅やミカンを基幹作物とした農業振興を推進してきたところでありまして、その結果、果樹の一大産地を築き上げてまいりました。しかしながら、昨今の梅の販売価格の低迷等やミカンの産地間競争の激化もあり、当地域の将来の農業のあり方を考える中で、県、JAや行政により西牟婁農業プロジェクト協議会を組織し、栽培技術の向上や優良品種への転換などの調査、研究を行っているところでありまして、この協議会の活動でも温暖化により糖度が高まる晩柑類の奨励や、イチジク、マンゴー、レモン等の試験栽培、ゆずの加工品の開発など、新規作物の導入に向けて調査、研究に取り組んでいるところであります。  農林水産業に限らず、このような新規作物の研究開発や新たな地元産物のブランド化につきましては、それぞれの産業にかかわる方々や関係団体の皆様方も知恵を絞って取り組んでおられるものと思いますが、議員の質問にもございましたように、これからの行政に求められる役割といたしまして、こういった方々を支援することはもとより、積極的な姿勢が求められているのではないかと考えております。  この4月に実施いたします機構改革により、産業部を一つにすることというのも、こうした考えから来たものでありまして、農林水産業、商工業や観光など、それぞれの強化もさることながら、横断的、一体的にとらえながら全体を強化し、活力を生み出すことが必要であると考えております。  いずれにいたしましても、地域の活性化は第一次産業に活力がないとなし得ないというふうに認識しておりまして、今後も関係機関や各団体と協力、連携を図り、各分野にわたる特産物の開発やブランド化に積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。            (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    教育長、中村久仁生君。           (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    宮田議員ご質問の教育基本法改正後の教育、伝統文化を教えることについてお答えいたします。  教育基本法第2条、教育の目標の第5号には、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことと規定されてございます。また、今年1月17日に中央教育審議会から出された学習指導要領の改善についての答申の中でも、伝統や文化の理解についても発達の段階を踏まえ、各教科等で積極的に指導がなされるよう充実することが必要であると示されてございます。  そこで、まず、ふるさとの伝統文化子供たちに教えることについてでありますが、教育委員会といたしましても、議員ご指摘のとおり国際化が急速に進展し、変化の激しい現代社会を行き抜く子供にとって、自分の生まれ育った郷土にまつわる伝統文化や歴史に対する理解を深め、郷土を愛する心を育成することは極めて重要であるとの認識を持っており、我が国、郷土の多彩な伝統や文化、歴史を知ることは、国や郷土に対する自信や誇りを持つことにつながる大変意義深いことであると考えております。  現在、市内の小中学校では、国語、社会、音楽など教科、道徳や総合的な学習の時間の中で郷土の伝統文化や歴史に対する関心や理解を深め、それらを尊重する態度の育成に取り組んでおります。特に、本年度は、郷土が生んだ偉人植芝盛平翁が創始した合気道に触れるため、旧田辺、大塔、中辺路、龍神、本宮の各地域で体験会を開催、実施したり、伝統芸能の継承、発信を研究のテーマの一つに上げ、総合的な学習の時間を中心に地元の方を講師に迎え、郷土に伝わる伝統芸能の指導を受け、運動会などさまざまな機会を通じて披露したりしている学校もございます。  さらには、小学生が地域の方に指導を受けながら、熊野古道の子供語り部として、他地域から訪れる方々をおもてなしするという活動も行われているところでございます。  次に、万葉集や古事記、日本書紀等におさめられた当地方にゆかりのある和歌や長歌等から、近代あたりまでの歴史的事象を取りまとめた資料集のようなものを作成することについてお答えいたします。  議員のご指摘にもございますように、当地方には上の山の出立王子、秋津野で詠まれた和歌等を初め、有間皇子がみなべ町の岩代で詠んだ歌が万葉集に編さんされております。源平合戦にゆかりのある闘鶏神社など、当地方に関係の深い数多くの歴史が存在してございます。しかしながら、当地方で生活する人々の中に、当地方ゆかりの歴史や文化を十分に御存じない方も多いのではないかと推察しているところでございます。  したがいまして、小中学校の教育が終了した時点で、郷土の伝統的な文化や地域にまつわる歴史については一通りは理解しているという生徒の育成を図るためにも、議員からご提言いただきました資料集を作成することは大変意義が深いことであり、今後、教育委員会内では、前向きに取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。  以上でございます。           (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    20番、宮田政敏君。            (20番 宮田政敏君 登壇) ○20番(宮田政敏君)    教育長さん、市長さんにはすばらしいご答弁をいただきましてありがとうございました。  市長さんのご答弁の中で、非常にありがたかったのですけれども、一つだけ気になることがありまして、きのうの久保浩二議員の質問の中にも水産業のこともありましたけれども、日本の国でも組合単位で、行政は組合を通じて事業者にということが、今までずっと60年間の基本だったんです。今はそれでは機能しないということで、例えば近代化資金でも、信漁連という信用漁業協同組合を通じなかったらできない。その信漁連は担保も出せ何やかんやと使うことができない、漁業者にとっては。現実がそういう現実なので、組合もそうなんです。組合もすべてのことはできない。だからやる気のある事業者、農家、グループ、地域と行政、あるいはもう田辺市も抜いて県とか国とか、そういう躍動性のある実質的に動けるシステムをつくっていかなければ、今の現代社会においては、今のシステムはもうだめだと。だめにもかかわらず、いつまででも行政は組合の顔色を見ている。組合を通じてなければいけない。どこからか文句言われたらかなわないからと。ただ、先ほど申し上げたような状態だと思います。  そういうことですので、もう1件、教育の関係ですけど、和歌山県は大いに誇りを持ってやっていただきたいと思うんです。なぜかと言いますと、日本書紀の中に、系図がありまして、イザナギ(伊邪那岐)、イザナミ(伊邪那美)、アマテラスオオミカミ(天照大神)、スサノオ(須佐能乎)とかいろいろありまして、一番最初につくった国は日本の中に二つあるんです。具体的になぜ徳川家康が日本の国を統一したときに、徳川御三家、尾張と紀伊に持ってきたか。御三家というのは徳川将軍家と尾張徳川家と紀伊徳川家、これで日本を治めることができる。大阪ではないのです。京都でもない。そういうことで、尾張の国と熊野の国が日本書紀の中に日本を治めるときに一番最初に出てきた二つの国である。それに基づいて徳川家康は日本の国を治めようとした。そして200年間続いたということであります。ですので、名古屋はトヨタが頑張っていますけども、和歌山県も自信と誇りを持って頑張っていただきたいということをお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。  ご清聴ありがとうございました。            (20番 宮田政敏君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    以上で、20番、宮田政敏君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(鈴木太雄君)    この場合、11時10分まで休憩します。               (午前11時05分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(鈴木太雄君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午前11時10分) ○議長(鈴木太雄君)    続いて、2番、真砂みよ子君の登壇を許可いたします。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    2番、日本共産党の真砂みよ子です。今回2項目について質問をさせていただきます。  まず最初に、最終処分場についてからお聞きいたします。  今月1日、串本町長が紀南環境整備公社の理事長である田辺真砂市長に、現地調査の受け入れ拒否の態度を転換して、受け入れを申し出ました。このことが新聞でも大きく報道され、これで停滞していた最終処分場の問題が一歩前進したかのようにも見えます。しかし、地元串本高富地区の住民が現地調査の受け入れを表明したわけではなく、まだまだ問題は山積しています。なぜこのような2年間近くもの停滞が起こってしまったのでしょうか。  私は、絡んだ糸をもとにほぐすときは、原点に返ることだと思い、経過に立ち返ってみたいと思います。皆さんに参考資料をお配りしていますのでごらんください。  2002年11月、紀南地域の廃棄物適正処理を目指して、県と紀南地域の市町村、また産業界が一体となり紀南地域廃棄物処理促進協議会が設立されました。翌年、4月廃棄物の適正処理についての諮問機関として紀南地域廃棄物適正処理検討委員会が設立されました。その翌年2004年3月ですが、この検討委員会が紀南地域の廃棄物に係る適正処理方針を答申し、六つの具体的な取り組みを提言しています。  2005年3月には検討委員会が紀南にふさわしい最終処分場の用地選定についての答申をし、候補地の52カ所を公表しました。同じく3月に、御坊・日高地域が大阪湾フェニックス計画の対象となり事業区域を32カ所に変更いたしました。7月、ここで財団法人紀南環境整備公社が設立されて、これまでの協議会は解散しています。同年11月、串本沿岸海域、串本の高富地区がラムサール条約に指定されました。  2006年2月に第2回アドバイザー会議が開かれ、ラムサール条約に指定された高富地区について論議がなされています。同じく2月に、31カ所のうち8カ所が埋め立て容量の確保ができないという理由のために除外されて、23カ所に選定されました。同年4月、最終処分場の候補地5カ所を公表しています。同時期に、候補地周辺住民への説明会も開始されました。6月、ラムサールの海を守る会より、串本町高富地区最終処分場設置計画の撤回要望署名書の提出をしています。また、同じ6月に、串本町議会において、廃棄物最終処分場の最終候補地としての高富地区の撤回を求める意見書が可決されました。  翌年2007年7月に、串本町議会に対し、廃棄物最終処分場の最終候補地としての高富地区の撤回を求める意見書に対する回答書を紀南環境整備公社が提出しました。同年9月、串本町長が反対を表明しています。  2008年2月には、串本町議5人が、調査を受けるべきだというチラシを配布し、3月の串本町長が調査を受け入れるという表明につながってきています。  これが今回の主な経過であります。今回、この経過を整理する中で、私自身が誤解していたことが一つありました。私は紀南環境整備公社が5カ所を選定し、発表した後に高富がラムサール条約に指定されたと思っていました。それならば、ラムサールの海が考慮されなくても仕方がない。今後1カ所に絞る選定の中で考慮されるだろうと思っていました。ところが、経過を振り返ってみる中で、5カ所を発表する半年前にラムサール条約に指定されていることがわかりました。こんな誤解が私だけならいいのだけれどと思っています。  1点目は、この経過に間違いはないか。また補足があれば追加説明していただきたいと思います。  2点目は、今回のこのような混乱はなぜ起こったのかという点です。問題を解決するとき、その原因分析が間違っていれば、真の問題解決にはならないからです。最終処分場の候補地が52カ所から31カ所になり、その後23カ所に絞られ、今5カ所にまで絞られています。そして最終的には1カ所に絞られるわけですが、その選定作業に問題がなかったのかどうかが重要なポイントです。運用主体は、紀南環境整備公社ですが、市長は公社の理事長であり、公社に参画する自治体として、今回の混乱の原因をどのように認識しているのかをお聞きします。  3点目は、今後問題解決に向けてどのように取り組んでいくのかです。事業の予算は主に加盟する市町村の分担金によるものです。事業がおくれればおくれるだけ、それだけ負担も多くなります。今後どのように問題解決のために取り組む予定なのかをお聞きします。  次に、2番目、生涯スポーツの振興で人をはぐくむまちづくりについてお聞きします。  私はまちづくりをしていく上で、田辺市を言いあらわすワンフレーズの言葉があればよいと以前から考えています。そのような社会がいいか悪いかは別にして、現在の日本人の心をつかむからです。その思いから、昨年の3月議会でワンフレーズの言葉に、「よみがえりのまち田辺」はどうかと提言しました。熊野古道や温泉など観光産業の柱にし、もう一つの産業の柱に梅があり、梅は大変健康にいいからです。  スポーツの振興でも、日置と言えばテニスとイメージするように、田辺市でも町を代表し、イメージできるスポーツがあればいいのではないかとの思いから、今回この質問をします。こういうものがあれば、市民は自分のまちを誇りに思い、対外的には田辺市をアピールすることができます。  7年後の2015年には、第70回の国民体育大会が和歌山で開催されることが内定しています。1971年の黒潮国体では、田辺市は弓道と軟式野球の会場になり、龍神と本宮では山岳協議が行われたそうですが、次回は国体競技37種目のうち、田辺市で一つでも多くの競技が行われるように取り組んでほしいと願っています。  市長は、2008年度の施策と予算の大綱の中で、生涯スポーツの振興につきましては、ニュースポーツの普及や総合型スポーツクラブの育成に努めるとともに、体育連盟やスポーツ少年団等と連携して、競技スポーツの振興に取り組むほか、体育施設の整備充実とスポーツ環境の整備に努めてまいりますと所信表明されました。この方針をより深める立場で質問したいと思います。  田辺市は、合気道の創始者、植芝盛平翁の生誕地です。本年は没後40周年記念事業として第10回国際合気道大会が本宮で開かれる予定です。龍神では、実業団駅伝が1992年より開かれ、観光振興にもつながっています。また、ソフトバレーが大変人気で競技人口もチーム数も多く広まっています。高校生の特色あるクラブには、弓道やカヌー、ボートなどがあり、インターハイでも活躍しています。これらが田辺市のスポーツの特徴です。しかし、どれも田辺市を代表する。田辺市をイメージするスポーツまでにはなっていないというのが現実です。  一方、スポーツで町のイメージアップにつながっている例があります。東京マラソンです。昨年2007年から始まった東京マラソンは、ことしの2月17日に第2回が行われました。主催は東京都と日本陸上競技連盟です。ランナーは昨年が3万人、ことしは3万2,000人だと報道されていました。これに運営のボランティアと沿道の応援を含めると一体何万人になったのでしょうか。また、テレビ等でも報道され、東京を代表する大イベントになっています。東京とは規模や条件が全く違い、比べることはできませんが、スポーツがまちづくりに一役買っている例です。  また全国にはスポーツでまちおこしに取り組んでいるところがあります。長野県湯沢温泉村は日本屈指の村民手づくりのスキー場があり、スキーでまちおこしをしています。大分県久住町は、日本一のマラソン練習コースがあり、駅伝のまちを目指しています。茨城県鹿島市は、サッカーJリーグの鹿島アントラーズが発足し、活躍していて、切符切りや座席誘導など市民ボランティアが協力し、まちおこしに一役買っています。また、ホッケーコート2面がとれるスタジアムや強豪チームや指導者がそろう岐阜県各務原市は、ホッケーのまちを目指しています。このような先進地に学び、田辺市でも生涯スポーツの振興でまちづくりにつなげてほしいと思いますが、いかがでしょうか。  以上、1回目の質問といたします。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    2番、真砂みよ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。            (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員から2点にわたるご質問をいただきました。  1点目の最終処分場については私から、あとは担当部長からお答えいたします。  現在までの廃棄物最終処分場の取り組みとその経過でございますが、事業主体である紀南環境整備公社は平成17年7月に財団法人として設立いたしましたが、当初はこの公社の前身であります、紀南地域廃棄物処理促進協議会が紀南地域の廃棄物の適正処理を目的に、県、本地域の市町村及び産業界が参画する中で、平成14年11月に協議会を設立し、今日まで至っているものでございます。
     最終処分場整備の取り組みは、当時の協議会の諮問機関である紀南地域廃棄物適正処理検討委員会から、平成16年3月に答申がなされた紀南地域の廃棄物処理に係る適正処理方針により、最終処分場は全国的にも逼迫した状況のもと、現在のように県外に依存するには限界があり、今後も安定的に処分が可能かどうか、不透明な状況であるため、紀南地域に最終処分場を確保すべきであるとの答申、さらに平成17年3月には紀南にふさわしい最終処分場の用地選定についての答申により、紀南地域内で第1段階として候補地52カ所を選定し、その公表を行いました。  この52カ所の候補地の選定に当たっては、本地域における国や県の法律や条例といったもので開発規制がされている区域を候補地から除く第1次スクリーニング作業をもとに、防災面、自然環境、水環境の保全、文化財保護といった紀南地域の特性を考慮し、これらの地域を除く2次スクリーニング作業を行い、地域全体から選定を行いました。その後、御坊・日高地域が大阪湾フェニックス計画対象地域となったことや、処分場として必要容量が確保できない箇所を除き、23カ所の候補地を選定いたしました。  平成17年7月には協議会が公社となり同年8月に地質や動植物等の専門家による技術アドバイザー会議を設置する中で、この23カ所の地形図、地質図、航空写真、植生図などの文献資料等により自然条件、社会条件、環境条件の項目別に評価し、評価項目の重みをつけて行い、総合評価により現在の候補地5カ所を選定して、平成18年4月19日の理事会、評議員合同会議の場において、田辺市稲成地区1カ所、秋津川地区2カ所及び串本町高富地区2カ所の候補地を公表いたしました。  しかしながら、5カ所の候補地の決定後、串本町の異議により約1年半程度停滞してるのが経過でございます。今後どのように取り組んでいくのかの点につきましては、新聞等でも御存じかと思いますが、去る3月1日に串本町長から町としては現地調査を受け入れていくといったお答えがあり、これを受け、3月8日の公社理事会及び評議委員会の場において、最終処分場については、当初のとおり候補地の皆様方のご理解、ご協力をいただく中で、5カ所の現地調査を同時に行っていくことを確認、承認を得たところでございます。  今後は、本市の最終処分場の現状や産業廃棄物の状況を踏まえましても、猶予がない段階でございますので、理事会等での決定を踏まえ、紀南環境整備公社と一体となって事業を推進してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。            (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    生涯学習部長、藤畑静代君。          (生涯学習部長 藤畑静代君 登壇) ○生涯学習部長(藤畑静代君)    議員ご質問の2点目、「生涯スポーツの振興で、人をはぐくむまちづくりを」につきまして、私の方からお答えさせていただきます。  本市における生涯スポーツの振興につきましては、市民だれもが気軽にスポーツに親しみ、健康で豊かな生活が送れるよう、それぞれの体力や年齢に応じて自主的、継続的にスポーツに親しむことのできる生涯スポーツ社会の実現を目指しております。そして、各種スポーツ関係団体との連携のもと、競技スポーツの振興や地域におけるスポーツ指導者の育成、ニュースポーツの普及、推進に努めているところでございます。  議員、ご質問の田辺市といえば、何々のスポーツのまちと言えるものを意識したスポーツ振興をしてはどうかということでございますが、本市におきましては、広く一般市民の方々を対象とした全市的な事業といたしまして、春には市民体育祭、これは陸上競技、武道、球技等の29種目からなる競技スポーツの祭典でございます。秋には、グラウンドゴルフやソフトバレー、ファミリーバドミントン等の14種目からなる市民スポーツレクリエーション祭がございます。これらの開催を通じまして、競技スポーツと生涯スポーツの振興に努めているところでございます。  また、冬のスポーツ事業では、市民駅伝競走大会、子供クラブ駅伝競走大会を開催いたしまして、ジュニア、小学生の体力の向上や子供から大人まで参加者同士の交流の場の提供に努めております。本大会につきましては、旧田辺市当時より開催してきておりますが、合併後、さらに市内各地域から多くの市民の皆様のご参加をいただきまして、会を重ねるごとにより全市的な駅伝大会として盛り上がりを見せているところでございます。  さらに、各地域ごとに開催しております主な事業といたしましては、龍神村の関西実業団対抗駅伝競走大会、中辺路町の熊野古道近野山間マラソン大会、本宮町の秘湯めぐり駅伝競走大会などがございますが、これらの大会につきましては、それぞれ地域の観光資源、特色を生かした中で開催をいたしておりまして、田辺市外からも大勢の皆さんのご参加をいただいているところでございます。  特に、当市での開催が16年目を迎えます関西実業団対抗駅伝競走大会につきましては、関西地方の陸上競技のトップレベルの大会が、本市で確実に定着してきておりまして、地域での競技スポーツの振興だけではなく、観光事業としての経済効果も生み出してきております。  また、田辺市体育連盟、田辺市体育指導員協議会等の市内スポーツ関係団体の皆さんのご協力のもと、連携をとりながら新春田辺長距離走大会、市民なわとび大会、ニュースポーツ教室などを開催いたしております。  中でも、ニュースポーツの振興につきましては、従来のソフトボールをご年配の方でも気軽に親しめて、楽しめるようなルールに改定をされまして、東京を中心とする関東圏、大阪を中心とする関西圏で普及している生涯スポーツ競技「スローピッチソフトボール」がございます。このスローピッチソフトボールは、現在和歌山県内では、唯一田辺市がその普及活動に取り組んでいるところでございます。  そして、既に御存じのように、本市が生誕の地である開祖植芝盛平翁が生み出して、今や世界90カ国に広がりを見せております合気道につきましても、議員先ほど申されておりましたように、本年10月に本市で国際大会の開催を予定しております。また、植芝盛平翁顕彰会を中心として市内小中学校の総合学習等の授業の中で、翁の生涯についての学習、合気道の体験学習等も行っているところでございます。  いずれにいたしましても、本市におきましては、年間を通じて、これらさまざまなスポーツ活動の普及、振興に鋭意取り組んできているところであり、こうした連綿とした活動を継続、発展させていくことにより、あえて申し上げれば、生涯スポーツのまち田辺というものを目指した取り組みを行ってまいりたいと考えてございますので、どうかご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。  以上でございます。          (生涯学習部長 藤畑静代君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    2番、真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    それでは、最終処分場についてから再質問させていただきます。  5カ所に絞る選考基準は、答弁からもありましたように、自然条件、社会条件、環境条件で点数をつけています。自然条件というのは、地形や地質で地すべりなど、また動植物の植生や洪水、土砂の流出についてであります。  社会条件は、利水や地下水で農地や漁業権について、また施設や施設への搬入道路と隣接する住宅等の分布についてです。環境条件というのは、文化的景観や搬入路への走行車両の環境影響についてとなっています。それらの点数が高い順に5カ所が候補地として発表されました。今回までの選考はすべて机上調査のみです。私はその机上調査のみの結果で、最終候補地を5カ所まで絞り込んだことに問題があったと考えています。  2006年2月の第2回アドバイザー会議で、玉井済夫委員がこのような発言をされています。「仮に44-1(これは高富のことです。)に処分場ができて、その排水は基準をクリアしなければならない。それは当たり前のことなんですが、それが果たしてできるのかどうかということが少し気になっています。技術的に不安な感じがあるので、ここで関係ない、評価に入れないということでいいのかなと思っています。今後、絞り込みを進める際には、この条約の海域の近くに候補地があるということも頭に入れた上で検討を進めてもらいたいという意見です。」と玉井委員は発言されています。  このように、玉井委員はラムサール条約に指定された海から数百メートルしか離れていない高富が、5カ所の選考に残ることに疑問を投げかけています。しかし、玉井委員の発言は選定の中には考慮されず、無視された形になっています。なぜなら、机上の数値のみで選定されたからです。  また、この会議で別の委員からは、高富は観光資源となるであろう指定海域ですから、そこから見ることができるという景観の観点から、考慮してはと思いますというような発言がありました。この発言は景観のみが視点であり、生態系への影響についての配慮は全くありません。  最終処分場の形態には3種類あります。有害廃棄物を封じるために安定化に長期間が必要な遮断型処分場、もう一つは陶器などの安定した無害なものを埋め立てる安定型処分場、そして三つ目は、焼却灰も埋め立てる管理型処分場で、今回の当地方が計画している最終処分場は、管理型処分場です。管理型の最終処分場には、遮断シートを敷き、雨水が地中に浸透しないように排水を水処理施設に集め、浄化して排水をします。この水は排水処理をしているので、安全だという前提があり、だから上流に水源があってもサンゴの海が近くにあっても大丈夫だという立場で選考されています。  しかし、本当に大丈夫だと言えるでしょうか。残念ながら私たち人間の仕事に、100%という完璧はありません。その実例が新潟の刈羽崎原発に断層があることを見逃して、中越沖地震で大きな被害を出したという例です。遮断シートが地震などがあっても、未来永劫破れないという保障はありません。  だからこそ万が一のことがあっても被害が少ないようにとリスクの少ない地を探しているのではないでしょうか。候補地が52カ所から31カ所になり、その後23カ所に絞り込んでいった作業はもちろん机上のみでいいと思います。しかし、机上論のみで5カ所にまで絞り込むには余りにも無謀だと私は考えます。5カ所を机上論のみで選んだことがそもそもの間違いであったと私は考えます。  今回の混乱の原因は、選考基準や選考方法に問題があったと思いますが、公社に参加しているまちとしてどのように把握されるのかを再質問とします。  次に、2番目、生涯スポーツについてです。田辺市には、杜の都仙台というようなワンフレーズのイメージが市民の中からまだまだ醸成されていませんが、田辺市を代表する駅弁づくりに取り組まれ、好評のうちにできつつあることを大変うれしく大いに期待するものです。  1回目の質問で、7年後の国体会場に一つでも多くの種目が選ばれるように努めてほしいと言いましたが、だからといって、新たに運動場や体育館施設をつくることを望んではいません。  こんなおもしろいニュースがありました。8日に東京、牛込仲之小学校が117人118脚を成功させ、ギネスに申請するというもので、これなら体育館も必要なく、工夫一つで世界にもアピールできるものだと大変興味深くこのニュースを読みました。  このように、新たに施設をつくるのではなく、現在ある体育施設を活用しながら、スポーツの振興でまちづくりはできないか。私は縄跳びははどうかと提案したいと思います。田辺市の市民縄跳び大会は、毎年盛会に行われ、ことしも先日の9日の日曜日に第32回の大会が開かれました。私も見学させていただき、特にだれを応援、知人を応援しているわけではありませんが、大変おもしろく観戦しました。この大会には、500人近い参加がありました。  この市民縄跳び大会の競技には、2回跳び、3回跳び、ペア跳び、長縄連続跳び、ダブルダッチという種目があり、ダブルダッチというのは2本の縄でこういうふうに回して跳んでいくという種目で、熱戦が繰り広げられました。しかし、参加者の多くは小学生で、大人の参加というのは本当に少しでした。この縄跳びをもっと市民に広められないでしょうか。縄跳びは少しのスペースで1人でもできます。すべてのスポーツの基礎体力づくりになりますし、市民の健康づくりにもなります。また、私はダブルダッチが大変おもしろいと思い、長縄跳びもチームの競技として有効だと思います。  歴史ある市民縄跳び大会を若者の層にもっと呼びかけて、田辺市民だけでなく、全国大会として全国に呼びかけてはどうでしょうか。子供から大人まで縄跳びで健康づくりに努めている縄跳びのまち田辺はどうかと私は思います。  これは、私の提言としてこの項での質問は終わります。以上、2回目の質問です。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    2番、真砂みよ子君の再質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。            (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員の再質問、候補地の選定に問題はなかったかについてお答えを申し上げます。  候補地の選定に当たりましては、先ほども申し上げましたが、平成16年3月の紀南地域の廃棄物処理に係る適正処理方針の答申と平成17年3月の紀南にふさわしい最終処分場の用地選定についての答申による52カ所の選定、その後の技術アドバイザー会議によります総合評価による5カ所への絞り込みにつきましても、紀南環境整備公社は当初から一貫して公開の会議を開催し、積極的な情報公開を行い、住民の皆さんへの情報開示に努めてまいったところでございます。  また、候補地選定のための抽出基準等につきましても、学識者、公募委員15人からなる紀南地域廃棄物適正処理検討委員会の委員の皆さんや地質・動植物等の専門家等による技術アドバイザー会議でも検討がなされ、さらに広く意見も求めて公開を基本に今日まで適正に進めてまいったところでございまして、この点問題はなかったものと考えております。  なお、今後におきましても、関係者の皆様方のご理解、ご協力を賜りたいと思いますので、よろしくお願いします。            (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    2番、真砂みよ子君。            (2番 真砂みよ子君 登壇) ○2番(真砂みよ子君)    最後に、今回最終処分場の質問を行った私の思いを申し上げて、質問の最後にしたいと思います。  ごみの問題は地球環境を考える上で、真剣に取り組まなければならない問題です。私は大量生産、大量消費、大量焼却から脱却し、ごみを出さないシステムを生産段階からつくっていかなければならないと考えています。  ごみゼロエミッションという考えです。その基本的な考え方は、企業の連携によって廃棄物を出さない企業活動を築くことにありますが、さらに、ごみをできるだけ出さないようにしたり、これをリデュースと言います。今までごみとして捨てていたものは、再使用するリユース、また再生利用、リサイクルしたりしてごみとして処分するものをできるだけ少なくすることにあります。  このような環境型社会を目指すべきだと思いますが、そうなっていない現在、必要最小限の最終処分場は必要だと私も思っています。このときに大切なのは、人間がつくるものに100%の安全はないのだから、最大限慎重でなければならないということです。その立場から、私は串本町の見方をするつもりは全くありませんが、今回の混乱の原因は、串本高富地区の皆さんが反対したからではなく、5カ所の最終候補地の選考基準や選考方法、またその進め方に問題があったからだと思います。  紀南環境整備公社は、昨年3月24日に19年度の公社事業計画を出しており、その中にはこのように書かれています。現地調査の受け入れが、そのまま建設に直結する、また建設用地選定について不公正な方法で実施するのではないかというような地元住民の不安を払拭するためにも、以下の2点について建設用地選定の基本姿勢とする。  1.現地調査及び結果に基づく建設用地の検討については、客観的な見地で行うことを前提とし、その際には公社、自治体、住民及び学識経験者が参加すること。  2.以上の調査結果により建設時に決定したとしても、インフォームドコンセント、説明と同意を原則とし、決して強制執行はしないことという方針を出しています。  インフォームドコンセントという言葉は余りまだなじみのない言葉なので、意味を調べてみますと、正しい情報を得た、また伝えられた上での合意と書いてありました。候補地の5カ所のうち、3カ所は田辺市であり、田辺市の候補地の中には水源への影響が心配される候補地もあります。あくまでも、この方針の精神にのっとり、住民合意を基本に事業を進めていただきたいと申し上げて、今回の私の質問は終わります。ありがとうございました。            (2番 真砂みよ子君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    以上で、2番、真砂みよ子君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(鈴木太雄君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。               (午前11時54分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(鈴木太雄君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時00分) ○議長(鈴木太雄君)    続いて、6番、出水豊数君の登壇を許可いたします。            (6番 出水豊数君 登壇) ○6番(出水豊数君)    公明党の出水です。よろしくお願いします。早速一般質問を始めます。  今回の一般質問は、議会冒頭、市長の予算大綱の中から少しお聞きします。我が田辺市が世代の子供たちに恥ずかしくない田辺市を築くために、私はもう一度原点に戻って考え直さなければならない時期に来ているのではないかという思いの中、市長からの予算大綱、健全に行財政を運営するまちづくりとして、田辺市行財政改革第1次実施計画、田辺市財政健全化計画及び田辺市定員適正化計画からなる集中改革プランを着実に実行するとともに、前例にとらわれることなく、事務事業の見直し、行財政のより一層の効率的な運営に取り組むとあります。そういったことから、今回の質問は、予算大綱の中から抜粋して質問させていただきます。  それでは、1点目の行政運営についてから順次質問させていただきます。まず、庁舎内各部署の連携についてお聞きします。例えば、各部署の連携、また各部署の各担当課同士の連携、もう少し横の連携を密にすれば、仕事が短縮し、住民福祉等々状況確認をすることができ、人件費のむだも省け、そういったことの中から内容によっては、住民の皆さんがいつもご苦労されている問題、各担当課を振り回されずに済むのではないのでしょうか。  事務事業において、効率的でむだな時間も省けると思いますが、そういったことからでも住民サービスが向上させることができるのではないでしょうか。こういった点の取り組みについてご見解をお聞きします。  次に、財政運営についてお聞きします。市長は、予算大綱の中で、国の財政は税収は増加しているものの大幅な財政赤字が生じるという状況であり、今後、ますます少子高齢化が進展することから、将来への負担の先送りとならないように、財政健全化と安定した経済成長を目指しているところであり、国と地方の基礎的経済収支を黒字化させるため、歳入歳出一体の改革をさらに進めることとしている。  地方財政においても、地方税収や地方交付税の原資となる国税収入の伸びが鈍化する反面、社会保障、関係経費の自然増や公債費が高い水準で維持するものと予測され、大幅な財源不足が生じることから、国の歳出予算と歩調を合わせて歳出を見直し、給与関係費や地方単独事業の抑制に努めるとされている。  一方、地方と都市の共生の考え方のもと、等々、本市におきましても普通交付税の増加は見込まれるものの長引く地域経済の低迷や地場産業の不振等により、税収入の増加は望めず、公債費や扶助費等の義務的経費の増加とともに、一層財政の硬直化が進み、今後の財政運営はますます厳しくなると思われるとあります。  こうした状況を踏まえて、今後とも行財政改革等を定めた集中改革プランに基づき、人件費の抑制や事務事業の見直しなどを積極的に進め、また公債費の負担軽減のため、市債の繰上償還を行うなど、徹底した行財政の改革に取り組み、効率的で効果的な運営に努めてまいりますとあります。今後の田辺市にとっては、財政事情から住民サービスを低下させないためにも、重要な課題に取り組まなければならない時期に来ているのだと認識しています。  ここでお伺いします。  どう抑制されるのか。またどう見直されるのか。また徹底した行財政改革の取り組み、効率的で効果的な運営等々、この中身をもう少し具体的にどうされるかお聞きします。  次に、2点目の農林水産業の活性化についてお聞きします。市有林の撫育、紀の国森づくり基金、ふれあい森づくり基金、森と人とのふれあい事業を推進しますとあります。  現在、田辺市が持っている森林はどのような状況であるのか。私は合併第1回定例議会で項目の中で、森林に触れて質問させていただきました。1,000平方キロに及ぶ広大な面積のうち、90%が森林である。そのほとんどが針葉樹林、またしかも間伐が行き届かなく、荒れ放題、このまま放っておいていいのか。また取り組みによれば、行く末は田辺市の原動力、また莫大な財産になるのだ等々の質問をさせていただきました。  近隣の国は余りにも急激な木材の伐採により、森林環境が侵され、伐採が抑制されています。そのことから今まで考えられなかった海外への木材の輸出が少しずつでありますが、始まっております。今後は、この日本の木材が見直される時期に来ているのではないかと思います。  そういったことから、一つ目の市有林の状況についてお聞きします。現況の田辺市の持つ森林状況はどうなっているのか。田辺市の持つ森林はどれだけの面積があり、どれだけの価値があるのか。また、水源涵養林として機能を持つ山はどれぐらいあるのか。植林されている山はどれぐらいあるのかをお聞きします。  また、二つ目の間伐の推進目標について、今後の間伐推進への取り組みはどのような考えでいるのか。  三つ目の水保全のための取り組み状況をお聞きします。間伐はもちろんのこと、水源涵養としての水の堰堤としての取り組みはされてきたのか。  四つ目、一次、二次、三次産業が連携した振興策についてお聞きします。各産業分野を横断的に一体的にとらえ、全体として産業力を強化する視点から取り組んでまいります。特に、当地域の基幹産業である梅を初めとする農林水産分野の紀南の中核として商工業をさらに世界遺産に代表される観光を総合的にとらえ、生産から加工、販売にわたる連携した体制づくりや、また当地域の魅力ある資源を効果的に活用しながら、対外評価を高め、付加価値の向上を図る取り組みを進めるということで、地域経済の活性化を目指すとあります。具体的にどのようなものを考えているのかをお聞きします。  また、ヒノキの小径間伐材の加工や集製材の生産販売を通して、国産材の流通を促進し、林業の振興を図ってまいりますとありますが、田辺市の持つ木材加工場、三次産業まで考えてはと思いますが、田辺市の木材活性化、間伐推進、雇用拡大になるのではと思いますが、含めてお聞きします。  五つ目、自給率の向上に向けての取り組みについてをお聞きします。  一次産業の農家は、有害鳥獣による被害で生産意欲が衰えています。こうした中、予算大綱の中では、農産物に被害をもたらす有害鳥獣の対策につきまして、猟友会や農協と連携しながら有害鳥獣保護事業を実施して、個体数を減らすとともに、農産物鳥獣害防止対策事業により有害鳥獣の農地への侵入を防ぐ防護策設置を推進してまいります。さらに、急傾斜地域等での耕作している集落に対しましては、引き続き中山間地域等直接支払交付金より生産支援を行ってまいります等と言われております。  言われることは大事なことで、支援を行う、これは大変必要なことだと思います。しかし、自分たちで進められない高齢者を相手に、どこが、だれがこうした施策の方向に引っ張っていくのか。この分野についてお聞きします。  もし、そういったことで生産性が高めることが実現可能なら、現在、田辺市では給食センターが開始しています。地産地消の意味からも、絶好のチャンスと思いますが、また高齢者の生産意欲及び健康の観点からも、自分のところの食卓は我が畑から、田辺市でつくるものは田辺市で、いわゆる自給自足、自給率を高めていく大チャンスだと思いますが、ご見解をお聞きします。  3点目に、市が発行する郵便物及び公用車の活用についてお聞きします。1点目の現状の郵便物の活用についてを最初に聞きます。  現在の田辺市の発行している郵便物、何かしらかたい雰囲気、もう少しソフトにならないか。梅の絵を描くなり、世界遺産、熊野古道を使うもよし、また子育て支援課なら、親御さんとお子さんの絵を描くのもよし、各部署のデザインがあってもいいのではないでしょうか。  そういったことをもとに、田辺市をもっとPRできるようにしてはと思います。また、公用車、もちろん封筒も同じなんですが、各事業所の宣伝に使っていただき、収入源の確保にしては。もちろん同じように田辺市のPRに使うのもよし。いろんな角度で郵便物、公用車を使ってみてはと思いますが、当局のご見解をお聞きします。  最初の質問、終わります。            (6番 出水豊数君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    6番、出水豊数君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。            (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    出水議員から大きく3点にわたるご質問をいただきました。2点目の農林水産業の活性化についてのうち、市有林の状況、間伐の推進目標、水保全のための取り組み状況、それから第一次、二次、三次産業が連携した振興策については私から、あとは担当部長からお答えいたします。
     まず初めに、市有林の状況についてでありますが、現在、田辺市が市有林として保有しております山林は、全体で2,593ヘクタールございます。この市有林の保有及び育成形態による内訳は、市が直接育成している山林は1,793ヘクタールで、所有権のあるものが954ヘクタール、地上権による分収林が839ヘクタール、地上権により地域住民等に貸し付けているものが800ヘクタールとなっております。市が育成している山林の状況は、スギ・ヒノキの人工林が全体の約82%の1,465ヘクタールとなっておりますが、そのうち約70%が保育の必要な11年生から45年生の立木であります。  市有林の価値といたしましては、現在の林齢が低く、木材価格の状況から収入につながる財産価値は低い状況にありますが、森林国営保険の基準となる立木価格によりますと約10億5,000万円程度が見込まれます。また、水源涵養林としての機能を持つ山林についてでありますが、特にその機能が高いとされる天然林などの広葉樹林が全体の約15%の267ヘクタールあり、このうち48ヘクタールが植栽を行ったものとなっています。  市有林につきましては、森林施業計画に基づき標準的な保育方法により間伐などの施業を適切に進めておりますが、広い森林面積を有する市有林としまして、今後も森林の公益的機能の維持増進並びに財産造成につながる優良材の育成のため必要な施業を適切に進めてまいりたいと考えております。  次に、間伐の推進目標についてでありますが、林業の不採算性や山村の活力低下などに伴う森林の公益的機能の低下が懸念される状況の中、国におきましては、地球温暖化防止森林吸収源対策とあわせて、間伐の推進について積極的な取り組みが展開されております。これまでの田辺市の区域での間伐実施状況は平成17年度から平成19年度を計画期間とする和歌山県の間伐推進3カ年対策に係る推進計画による田辺市の計画面積約7,400ヘクタールに対して、実績は約8,400ヘクタール程度が見込まれます。今後の間伐推進目標は平成20年度において策定されるようであり、これまでの目標数値に対して、大幅に増加すると聞いております。  市では、森林所有者の負担を軽減し、間伐の推進が図られるよう国・県の造林補助事業の活用による施業に対して、補助対象事業費の15%の上乗せ補助を行っているところでありますが、新たな推進目標に当たりましても、森林の機能維持増進を図るため、積極的に支援してまいりたいと考えております。  次に、水保全のための取り組み状況についてでありますが、水資源は住民生活、産業活動に必要不可欠であり、その質的、量的な確保のために森林の持つ水源涵養機能を高めることは重要であります。公的な役割としましては、水源林確保についても検討しなければならない課題であると考えますが、この森林を守り育てるためには、行政みずからの努力はもちろん、これからは民間企業や住民の参加を積極的に生かす官民協働が重要であると考えております。  こうした中で、多様な森林整備を行う観点から、広葉樹林の整備についても関心が高まりつつあり、富田川治水組合が中辺路町内で購入した約80ヘクタールの山林に広葉樹林を造成しているのを初め、県が進めている企業の森事業においては、市内で15カ所、約93ヘクタールで広葉樹を中心とした森林整備を行っておりまして、市も必要な支援、協力を行っています。また、市では、市民参加による森林整備活動や森と人とのふれあいを推進し、森林の持つ重要性の認識を高めるため、平成18年度にふれあいの森基金を設置して本年度からその原資を活用して、関係事業を実施しており、さらに県事業の紀の国森づくり基金活用事業により水源涵養を含めた森林保全整備といたしまして、龍神及び中辺路地域の市有林での植栽や間伐事業を行っているところであり、今後におきましてもなお一層このような取り組みを進めていかなければならないと考えております。  次に、第一次、二次、三次産業が連携した振興策についてでありますが、市におきましては、こうした取り組みの一つとして、農林水産部と商工観光部の連携による田辺市地域ブランド統括推進チームを発足させ、地場産品の販売促進、観光客の誘致促進、地域情報の発信と地域ブランドの推進といった活動に取り組んできたところでございますが、今後はこうした連携をさらに強化するため、機構改革を実施して、産業部を設置し、農業、林業、水産業、加工業、商業、観光業、サービス業といった産業の連携を促進することにより、地域経済の活性化を目指す総合的な取り組みを進めてまいりたいと考えています。  具体的には、官民協働の体制をより強化して、都市部における地域物産フェアの開催を積極的に進め、同時に本市において、量販店等の商談会を実施するなど、地域物産の流通促進をより一層強化してまいります。  さらに、国や県との連携により農商工連携を目指した地域資源活用促進法に基づく民間事業の支援に取り組み、新たな事業の創出を推進してまいります。  一方、各種の行事に伴う自治体同士の地域間交流や観光関連の団体、あるいは企業の森活動に伴う企業との交流をさらに推進し、これらの機会を有効に生かしながら、地域産品や観光などの情報発信を行い、対外評価の向上と地域ブランド化の推進に努めてまいりたいと考えています。  また、市の木材加工場を第三次産業まで考えてはどうかとのお尋ねでありますが、市が運営しております木材加工場は、森林の保護育成と林業の振興を図り、国産材の流通を促進することを目的に設置し、ヒノキの小径間伐材を加工し、集成材の板材等の生産及び販売を行っております。  また、平成19年度におきまして、新たな床材加工用機械を整備することにより、木材の流通販売活動を強化し、平成20年度から新たな販路拡大を見通した販売目標を立てて事業展開を始めるところであります。  今後も消費の動向を見きわめつつも、付加価値を高める取り組みなど、木材の需要拡大に努めたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。            (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    続いて、農林水産部長、溝口博一君。          (農林水産部長 溝口博一君 登壇) ○農林水産部長(溝口博一君)    5点目の自給率向上に向けての取り組みについてお答えいたします。  議員のご質問にございましたように、高齢化や担い手不足、さらに有害鳥獣による被害等によりまして、農家の皆様も大変にご苦労されていること、また山間部の方では生産意欲も衰え、耕作放棄に至る方もいらっしゃるかと思っております。  市といたしましても、有害鳥獣の捕獲や防止対策、急傾斜地等の条件不利地域への支援となる中山間地域等直接支払交付金も引き続き実施していく予定でございますが、高齢化の進む各集落においては、この生産意欲の衰えというものが、これらの施策の実施に当たり、障害の一つとなっていることも事実であります。現在もさまざまな機会をとらえ、農林水産部と行政局が連携を図りながら、各種事業の実施に向けて啓発、周知に努めておりますが、今後は産業部の設置や森林局の大塔行政局への移転・充実により、地域が元気になるような取り組みについても着手してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。  そういった中、自給率の向上については、今後重要な課題と受けとめているところでございます。御存じのとおり、我が国の食料自給率につきましては、昭和40年度にはカロリーベースで73%でありましたが、昭和18年度に39%と初めて40%を割って過去最低となり、また主要先進国の中でも最低水準となっております。ちなみに、価格をもとに計算する生産額ベースでは、68%となっております。  また、和歌山県の自給率は、カロリーベースで約29%となっており、全国で32番目でありますが、生産額ベースでは111%と国の数値を大きく上回り、全国で21番目となっております。これは和歌山県においては、米やいも等に比べ、カロリーの低いミカン、梅、柿、桃等の果樹栽培が中心の農業であることから、このような結果となっており、田辺市を見てみますと、カロリーベースで約29%で県全体とほぼ同じ状況であります。  このように食料自給率が低いということは、言いかえれば、国の食料の大半を海外に依存しているということでありまして、昨今のバイオ燃料用の穀物需要の増加や発展途上国の人口増、異常気象の増加等、先行き不透明な世界の食糧事情を考えますと、国・県はもとより当地域におきましても人事ではなく、さらには、ライフスタイルの多様化に伴う外食や中食の増加、家庭での米の消費量の低下等を考えますと、住民一人一人が食についての理解や関心を深めるとともに、食料供給産業となる農林水産業の振興が今後ますます重要なものになると考えております。  そのような中、昨年9月に開始いたしました城山台学校給食センターでは、その食材調達については可能な限り、地元食材を使用するという方針のもと、農家の方々が生産者組織を結成し、子供たちに地元農産物をできるだけ食べてもらおうと取り組んでおりまして、今後はこの生産者の皆様と子供たちとの交流等も含め、食育や地産地消を推進してまいりたいと考えております。さらに農業という面から考えますと、当地域は気候や地形といった要素と農業経営面から、梅、ミカン等の果樹栽培を中心に進行してまいりましたが、自給率を向上するということで、地産地消を推進することによりまして、新たな野菜栽培等を中心に先ほど申し上げました高齢者の生産意欲の向上や担い手不足、耕作放棄地の解消など、農業の課題の解決にもつながるのではないかと考えます。  いずれにいたしましても、自給率の向上につきましては当地域にとりましても重要な課題と認識しておりまして、農業を初めとする産業の振興につながり、消費する側にとりましても、食生活の見直しや栄養バランスの改善など、健康づくりに効果があることから、今後も食育や地産地消を積極的に推進してまいる所存でありますので、ご理解を賜りたいと存じます。          (農林水産部長 溝口博一君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    総務部長、岡本美彦君。           (総務部長 岡本美彦君 登壇) ○総務部長(岡本美彦君)    私からは議員ご質問の1番目、行政運営についてと3番目の有料広告の活用についてお答えいたします。  まず、行政運営についての1点目、庁内各部署間の連携をどのようにしていくのかということでありますけれども、本市では本年4月に部・課の統合、再編により組織のスリム化、簡素化を実現しつつ、第1次田辺市総合計画に基づく各種施策の着実な推進を図り、行政需要に対し横断的な組織をもって対応できるよう大幅な組織機構改革を実施いたします。  例えば、部レベルでは、これまで商工観光部と農林水産部がそれぞれの部署において施策を実施しておりましたが、これを産業部として一元化することにより農林水産業や商工業、観光業といった産業の垣根を越えた事業を展開し、さらに産業部内には、産業政策課を新設し、地域産品の都市部への流通販売促進や企業誘致を推進するとともに、産業施策を横断的、戦略的に展開するなど、産業力の一層の強化を図ってまいりたいと考えております。  また、市民生活に関わる行政サービスを一元化する観点から、市民部と環境部を市民環境部に再編するとともに、教育委員会では学校教育分野と生涯学習分野の一体的な推進を図るため、教育総務部と生涯学習部を統合し、組織の効率化とともにスリム化を図ってまいります。  このように、組織をスリム化する一方、積極的に施策の推進が必要な部門においては、新たな部署を設置するなどめり張りの組織を構築いたしております。しかしながら、組織機構の改革を行うだけでは、多様化、高度化する行政需要に対応するには十分とは言えず、さらなる業務の効率化や迅速化を図るためには、これまで以上に部、課を越えて必要な情報を共有し、連携を図っていくということが大変重要であると考えております。  そのようなことから、職員一人一人が今回の組織機構改革の趣旨を十分理解するとともに、関係部署との連携を常に意識しながら、効率的かつ迅速な施策の推進、住民サービスの提供に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、財政運営についてでありますけれども、まず本市の財政状況についてでありますが、ご承知のように歳入面では、財源の確保が大変厳しい状況となっておりまして、普通交付税につきましては、平成18年度は合併補正などにより前年度よりは増加いたしましたが、平成16年度以降、大幅に減少してきている状況でございます。  また、市税収入につきましても地場産業の不振などから伸び悩んでおりまして、平成19年度には所得税から住民税へ税源移譲が行われたものの、大きな増収は見込めない状況で、平成18年度まで暫定措置として交付されておりました所得譲与税等の減少分と比較いたしますと、逆に減収になるものと見込まれます。  また、歳出面では、公債費や扶助費などの義務的経費が高水準で推移しているとともに、特に平成18年度からは紀南病院の建設に伴う起債の償還に対する負担金が多額となっており、さらに厳しい財政状況となっております。  こうしたことから、市では行政改革第1次実施計画、定員適正化計画及び財政健全化計画に基づき合併効果を生かしながら人件費の抑制、事務事業の見直し、経費の節減、合理化に努めておりまして、一定の成果を上げているところでありますけれども、それでも平成18年度決算におきましては、経常収支比率が98.7%、また実質公債費比率は21.9%と前年度より数値が上昇し、より一層財政の硬直化が進んでいる状況にあります。  こうした中、人口の減少、少子・高齢化の進展、経費回復のおくれなど、さまざまな問題が山積しており、こうした問題への対策や多様化する住民ニーズ、また合併時における諸課題を解決するための施策など、数多くの行政需要への対応が求められます。  このため、市におきましては、経常経費のさらなる削減に取り組むとともに、各種事業につきましても第1次田辺市総合計画に基づき、費用対効果、緊急性等の観点から優先度合いを見きわめるなど選択と集中による効果的、効率的な事業の実施に努めているところであります。  具体的な取り組みについて申し上げますと、行政改革第1次実施計画では、平成17年度から21年度の5年間で民間委託等の推進、定員管理の適正化、事務事業の見直し、経費の節減合理化など11の重点項目の中で、ごみの定期収集や給食センター等の民間委託、負担金、補助金の見直し、光熱水費や電子計算機等の保守委託料の削減など、89の取り組み項目を掲げ、その推進を図っているところでありますが、平成19年3月末現在では、目標到達数は39項目、一部実施も含めますと61項目で取り組みが具体化しており、項目数の進捗率は68.5%となっております。  次に、この中で人件費について申し上げますと、定員適正化計画に基づき、平成17年度から21年度の5年間で職員数を993人から928人へ65人の削減を目標に進めているところでありますが、平成20年、本年4月1日現在の予定では、53人削減の940人と計画職員数962人に対して22人上回っており、抑制が進んでいる状況であります。  こうした取り組みにあわせ、平成19年度予算におきましては、経常経費における一律5%の削減のほか、施設の維持管理経費などさまざまな経費の見直しを行いましたが、執行に当たりましてもコスト意識を強く持ち、経費の節減に取り組んでおります。  このほか、今回の補正予算に計上いたしましたが、公債費負担の軽減を図るため、市債の繰上償還を実施することとしております。  また、投資的事業の実施に当たりましては、合併特例債など、交付税算入率の高い有利な起債を活用することにより、できる限り市の負担が大きくならないよう努めているところであります。  こうした取り組みにより、財政の健全化等に努めているところですが、平成20年度におきましても、地方再生対策費の創設などにより、普通交付税の増加は見込まれるものの、市税収入につきましては、減収が予測されるとともに、公債費等の義務的経費の増加などにより、引き続き厳しい財政状況が予測されます。  こうした状況を踏まえ、平成20年度の予算編成におきましては、人件費の削減、経常経費の5%の削減に加え、投資単独事業につきましても、10%の削減に取り組むほか、事務事業の見直しで約4,400万円の削減を図ったところであります。  いずれにいたしましても、今後ともさらに厳しい財政状況が予測される中、引き続き行政改革、第1次実施計画等に基づきまして、人件費の抑制、事務事業の見直し等、経費削減を図り、できる限り現状の住民サービスを維持・向上できるよう努めるとともに、効果的・効率的な財政運営を行ってまいりますので、ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。  次に、ご質問の3番目、有料広告の活用についてお答えいたします。  まず、1点目の郵便物の活用についてでありますけれども、市で使用している封筒は各課が共通に使用している封筒と各課独自で使用している封筒とがございます。各課共通の封筒はA4サイズの文書がそのまま入る大きさのものと、普通郵便定型内サイズのものがございます。各課が独自で使用している封筒の主なものといたしましては、市税や保険料の納付通知に係る封筒があり、これらは発送件数が多いことから、郵送事務の簡素化を図るため、窓あき封筒を使用しています。  議員からは、市役所から発送する文書の封筒について、市のPRになるようなデザインを入れることができないか。そして受け取る人にとってソフトな雰囲気の封筒にならないか。また、有料広告についても検討できないかというご質問をいただきましたが、合併前に新市の封筒のデザインにつきまして、新市の誕生を全国にPRするため、特色のあるデザインが必要ではないかといった議論を行った経過がございます。  その中で、旧4町村の住民の方々にとって、田辺市と書かれた封筒が自宅に届いた場合、戸惑いがあるのではないかといった心配や旧4町村の役場が行政局になったことを十分お知らせする必要があるのではないかといったこともあり、新市発足後の封筒につきましては、市民の方々の利便性を優先し、本庁と行政局の住所、電話番号等を記載した封筒として作成したところであります。  一部、保険課の封筒では、イラストや封筒の裏面を用いて健康や医療についてわかりやすく表示しているものもございますが、合併して約3年経過して、当初の目的はほぼ達成できたのではないかと考えられますので、各課が共通して使用している封筒を手始めとして、デザイン、レイアウトを見直し、議員のご指摘にもございました市のPRにつながり、温かみが持てるソフトな雰囲気の封筒となるよう努めてまいりたいと考えております。  また、市役所では、郵便切手を張らずに、郵便料金を後納とする方法で郵便物を多数発送しております。この料金後納郵便を示すスタンプの下半分のスペースについては、差出人の業務を示す広告等を掲載できることとなっておりますことから、現在、このスペースを利用して、市のPRを行う方向で検討しておりますので、これにつきましてもあわせて取り組んでまいりたいと考えております。  なお、封筒への有料広告の掲載につきましては、封筒の大きさやレイアウト上の制約、さらには文書の発送先と発送部数に関係する広告の有効性の問題等もございますので、先行して実施しております広報たなべや市ホームページにおける有料広告の実施状況や他市の現状を参考にしながら、その有効性も含めて検討してまいりたいと考えております。  次に、公用車を宣伝に利用できないかというご質問でございますけれども、今後とも大変厳しい財政運営が見込まれる中、自主財源を確保することは事務事業の見直しや歳出の効率的な執行と合わせまして、大変重要であると認識しております。PRや広告につきましても、検討に入っているところであります。  現在、田辺市には350台の公用車を保有しておりますが、消防車両等の特殊車両を多数保有するなど、用途や車種もさまざまであります。  そうしたことから、公用車の広告を実施する場合においては、まず対象車両が広告掲載をすることに支障がないかどうかの判断が必要となります。さらに金額や期間、広告スペースや方法等についても決定しなければなりません。また、広告を優先するのか、田辺市のPRを優先するのかも判断しなければなりません。仮にPRを優先するなら、その意匠、つまり図柄や文字も決めなければなりません。  次に、市場の動向や意向も考慮しなければなりません。例えば、公用車でも人目に触れる機会が多い車もあれば、体育施設や公園の維持管理など特定の業務にしか使用しない車もございます。すべてを同一に扱うことはできないと考えております。有料広告となりますと、当然のことながら広範囲に人目に触れる機会が多い車両ほど効果が発揮できメリットが生じることとなり、広告媒体としての価値も向上いたします。  そうしたことを考慮いたしますと、給食運搬車、スクールバス、コミュニティバスといった定期的な走行が決まっている車両が広告には適しているのではないかと考えます。  また、田辺市のイメージをPRするための活用方法であれば、田辺市内より市外、県外へのPRを行う方がより効果が期待でき、例えば、友好提携都市の市町村間でお互いのPRをしていくことも一つの方法であり、さらにそこに地元企業も広告を掲載するなど、参画をしていただければ、収入の確保にもつながるものと考えております。  このように公用車を宣伝の媒体として活用し、広告収入として自主財源を確保することは、自主財源の少ない当市にとっては大変重要なことでございますので、既に公用車の広告を取り入れている先進事例等を参考にしながら、取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、ご了承賜りたいと思います。  以上でございます。           (総務部長 岡本美彦君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    6番、出水豊数君。            (6番 出水豊数君 登壇) ○6番(出水豊数君)    ご答弁ありがとうございました。今回の質問は、今後の田辺市には欠かせない世代に負の遺産を残さない。また住民サービスは向上させるという意味からも、今回の市長の予算大綱だと思います。職員、議員、田辺市民が一つになって取り組まなければならない課題だと考えます。一つ一つの施策、課題に思い切った取り組みが必要であり、認識が必要と考えます。今回は、あえて質問させていただきました。  行政運営について、農林水産業活性化について、田辺市行財政全体は非常に厳しい中、一つ一つ施策が自給率を高める施策であってほしい。市職員の方で、ことし退職される方も多くおられます。本当に長い間ご苦労さまでした。ああやれやれと思わずに、地域に帰り、リーダーとなってこの田辺市の力になっていただきたいと思います。いまや高齢化が進み、地域には先頭に立つリーダーがいない現状、皆様方のようないろんなことに詳しい知識のある人が、地域には必要だと思います。  また、ここ何年か、退職される方が多くおられます。翌年から順次退職される職員の皆さん、退職するまでは何事もなく穏便にと思わずに、今、一番大事な時期との思いで、豊富な知識を発揮していただき、残る田辺市を安心できる状況づくりに努力していただきたいということを節にお願いいたします。  市が発行する郵便物及び公用車の活用について。郵便物においては、田辺市行政を少しでも身近に感じ、住民意識を向上させることができ、また公用車においては、市をPRしながら少しでも財政プラスになればという思いで質問させていただきました。各項目に答弁をいただいたように、今後の田辺市が未来に希望ある田辺市に向け努力していただきたい。頑張っていただけますようお願い申し上げ、私の一般質問をこれで終わります。ありがとうございました。            (6番 出水豊数君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    以上で、6番、出水豊数君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(鈴木太雄君)    この場合、午後2時まで休憩いたします。               (午後 1時50分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(副議長 天野正一君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 2時01分) ○議長(副議長 天野正一君)    続いて、12番、松下泰子君の登壇を許可いたします。            (12番 松下泰子君 登壇) ○12番(松下泰子君)    12番議員、松下泰子です。どうぞよろしくお願いします。通告に従いまして、大きく三つの質問をいたします。  一つ目、連絡所のあり方についてから質問いたします。  この3月議会の開会に当たり、市長の20年度予算案における所信として、新しい田辺市が発足し、間もなく4年目を迎えようとしており、新市としての一体感の醸成と合併効果の具現化を目指し邁進してきたこと、今後も行政改革を定めた集中改革プランに基づき、人件費の抑制や事務事業の見直しなど、積極的に進め、徹底した行財政改革に取り組み、効率的で効果的な運営に取り組んでいくことを表明されました。ただいまの出水議員の質問に対する総務部長の答弁からもその決意が伺えます。  そこで、今回、この合併を考えるとき、昭和29年に行われた新庄村との合併、39年に行われた牟婁町との合併のときのまま残されているのが連絡所です。旧牟婁町との不公平感が顕著に出ていた学校給食問題は、給食センターの建設により東陽中学校での開始を20年度に向かえ、ようやく解消されようとしています。そして、最後に連絡所の問題が残りました。平成の合併から4年を迎えようとしている今、旧田辺市内での不公平感を感じている人は少なくありません。また、旧牟婁町の人でさえ、あるからもったいないので利用しているが、本庁へ行くのにそれほど時間がかかるわけでもないし、この財政難におかしいと思うという声があります。  そういう声に押されて今回、質問するわけですが、参考資料をごらんください。連絡所手数料集計を表にしていますが、旧田辺市内に8カ所の連絡所があり、18年度の有件数と免件数、免件数というのは、公用の書類として手数料が無料となっているものです。それらの合計、そしてそれを月平均と1日の平均に計算してみました。おわかりのように、1日に1件から多くて12件です。そこにそれぞれ1名の嘱託員が配置され、年間約2,400万円余りの予算が費やされています。これでは費用対効果を見出すことはできないのではないでしょうか。  もちろん、本庁まで来れない方にとって必要なサービスであると思いますし、連絡所が地域の拠点となっていることも理解できます。しかし、現在の利便性や行政局でどんどん人員が削減されていることを考えてみますと、嘱託員を8カ所に配置しておくだけの業務量はあるように思えません。このようなことから、統廃合することや業務を地域の郵便局やJAに委託することなどを考えてみてはいかがでしょうか。  旧市内の連絡所のあり方をどのように考え、今後見直しの意思があるのかどうか、お伺いいたします。  次に、旧町村の連絡所についてですが、旧大塔村の三川連絡所と富里連絡所に正職員それぞれ1名が配置され、加えて1名の臨時職員が両連絡所を隔日に勤務しています。また、旧中辺路町の近野連絡所には、1名の正職員が配置されています。業務的には、1日1~2件ですが、三川と富里連絡所では、戸籍や住民基本台帳や印鑑に関する証明書等の交付以外に国民年金や粗大ごみ、地域活動に関することなどが業務として上げられていますことから、必要があっての配置であると考えますが、正職員としての仕事量があるとは思えません。旧市内での連絡所の見直しが行われるとすれば、同様に旧町村の連絡所も見直す必要があるのではないかと思います。  そこで、地域の事情や利便性から考えますと、なくすわけにはいかないと思いますので、少なくとも職員体制の見直しの必要があると思います。つまり、正職員から嘱託職員にすることについて、どのようにお考えなのか、お聞かせください。  2点目の野良猫対策についてお伺いいたします。  近年、少子高齢化などを背景として、寂しさやストレスをいやし、安らぎと潤いを与えてくれるパートナーとして動物を飼う方が大変多くなっています。動物愛護の基本は、人においてその命が大切なように、動物の命についても、その尊厳を守るということです。人はほかの生物を利用し、その生命を犠牲にしなければ生きていけない存在であるため、動物の利用や殺処分を疎んずるのではなく、自然の摂理や社会の条理として直視し、厳粛に受けとめることが必要です。命ある動物に対して、優しいまなざしを向けることができる態度なくして、社会における生命尊重、友愛や平和の情操の涵養を図ることは困難であるという理念に基づいています。  平成18年度において、全国の自治体で11万8,000匹の犬と23万5,000匹の猫が殺処分されていることから、今後10年間で犬猫の殺処分を半減するという目標を国では立てました。自治体の施設に収容された犬猫に新しい飼い主が見つかった場合、国は予防ワクチン代を負担することと、すぐに殺処分されないように3日分のえさ代を出すことが閣議決定されました。その費用負担は地方交付税法を改正して、3億5,000万円を確保し、新年度から実施されることになりました。  また、ことし4月にはペットフードについても一定の安全基準を設けようと有害物質を含む製品の製造、輸入、販売などを禁じる愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法案を提出し、今国会での成立を目指しており、来春にも導入される見通しのようです。  しかし、一方では、一度飼っていた動物が安易に捨てられたり、適正な飼養、飼い養うことがなされていない例も多くあります。また、捨てられた子犬や子猫の鳴き声や汚物の問題、飼い犬のふんを拾って持ち帰らない人もいまだにおります。  国においては、平成17年に動物の愛護及び管理に関する法律を改正し、都道府県に動物愛護管理推進計画の策定を義務づけました。和歌山県では、平成12年に和歌山県動物の保護及び管理に関する条例を制定し、動物取扱業者の届け出制を始めました。そして、今年度推進計画を策定し、平成20年から29年までの10年間を計画の期間として、人と動物が共生する潤いのある社会づくりを目指しています。  この和歌山県動物愛護管理推進計画の素案の中から、参考資料として挙げさせてもらいました。参考資料の2枚目をごらんください。県全体の犬と猫に係る苦情、相談と依頼の件数及び処分数をあらわしています。犬に関する苦情、相談のうち、放し飼いによる苦情と野良犬保護の依頼が平成11年に比べて半減していることと、迷い犬の問い合わせがふえていることから、飼い主のモラル向上が伺えます。  しかし、鳴き声やふん尿などの苦情については、横ばいであることから、まだ飼い主が適正に飼養していない現状であることが伺えます。また、猫に係る苦情、相談については、平成11年度に比べ3倍に増加していますが、これは飼い主の不明な猫の苦情が増加しているためです。  西牟婁管内におきましては、平成18年度で依頼されて捕獲する犬の保護が196匹、保健所に持ち込まれる引き取りが174匹です。猫は引き取りが510匹で、犬猫ともほとんど殺処分されています。引き取りは子猫が生まれて飼えなくなるケースが多くあることから、不妊・去勢手術をすることが飼い主に求められているところです。  ここ数年、新万、あけぼの、朝日ヶ丘地区や新庄総合公園などで問題になっている野良猫問題は、なかなか解決できないでいたちごっこの様相を呈しています。
     今回、新万の県営住宅や市営住宅内に住み着いた野良猫による被害が大きな問題になったため、西牟婁振興局建設部や市の建築住宅課が中心となり、いろいろな取り組みがなされました。私も数年前、朝日ヶ丘町内会館周辺で、野良猫被害に悩まされていた方から相談を受けて、NPO法人ワンニャン会さんに捕獲と不妊手術をお願いしたことがあります。ワンニャン会では、犬猫の不妊手術の啓発推進活動や命の大切さを動物を通じて子供たちに体感してもらったり、ふれあい活動や行き場のない犬猫の里親探しの仲介などを行っています。会では、平成17年度と18年度に田辺市の「みんなでまちづくり補助金」の半額助成を使って希望のあった地区で猫を捕獲してもらい、年間80匹以上の不妊手術を行いました。  今回の問題があった、新万地区でも、今週ワンニャン会の協力を得て捕獲の上、不妊手術を行うことになっているそうです。野良猫をふやさないためには、今回注意を呼びかけるビラや看板が立てられたように、猫を捨てないこと、猫にえさを与えないこと、猫に不妊去勢手術をすることが最も大事なことです。このように対処方法はわかってきたものの、今回新万の野良猫騒動で、市として動いたのは建築住宅課でした。以前、新庄総合公園での犬のふん尿問題や、野良猫問題があったときは管理課でした。また、環境課が相談を受けて対応するときもあります。予防注射や捕獲に関しては、保健所と連携していることから、健康増進課が担当しています。このように、同じ問題でも発生した場所等によって、異なった課が対応しているようでは一貫した取り組みにならず、住民もどこに相談していいのかわかりません。やはり窓口を一本化し、どこの所管であるかを明確にする必要があります。  また、国の法律があり、県の条例があっても、このような状況が続いているのですから、より主体的、かつ住民に最も身近な市での対応が求められるところです。国や県の条例では犬猫を初めとした従来の愛玩動物に加え、ウサギやハムスターなどの哺乳類、爬虫類、鳥類等多くの種類が対象となっています。  今回、私が田辺市として条例の制定を求めているのは、特に犬と猫の苦情が絶えない最も身近な問題に対して、市として主体的に取り組む必要があると感じたからです。そうすれば、飼い主に対して責任を明確にし、適正な飼育を求めたり、野良猫にえさをやらないような啓発も市全体で積極的に行うことができます。  全国的には、飼い犬ふん害防止条例や犬及び猫に関する条例等を設けている市町村があります。田辺市においても、積極的にこの問題に取り組む姿勢として「(仮称)犬や猫に関する愛護及び管理条例」の制定が必要であると考えますが、いかがでしょうか。  次、3番目に、地球温暖化対策について質問いたします。  近年の異常気象による異常現象など地球環境の危機的な状況がマスメディア等に大きく報道されるようになってきました。そして、環境問題に関する関心が高まり、地球全体の大きな課題として認識をだれもが持つようになってまいりました。  昨年、12月インドネシア、バリで開かれた気候変動枠組み条約締約国会議、COP13では、2013年以降の温暖化対策の次期枠組みをつくるまでの行程表「バリ・ロードマップ」を議長案として示し、先進国は温室効果ガスの排出を2020年までに90年比で25%から40%削減する必要があることを言及しました。また、世界全体で2050年までに半減するという長期目標も盛り込まれました。  しかし、我が国においては、京都議定書で2013年までに90年度比のマイナス6%の目標を達成できるどころか、増加している現状の中でポスト京都として国別の二酸化炭素排出総量削減数値目標もなかなか設定できないでいます。  そして、北海道洞爺湖サミットに向けて、国内排出量取引制度と環境税の検討がなされているところです。このように待ったなしの状況に追い込まれている環境問題について、田辺市としても積極的に取り組まなければなりません。  私は、温室効果ガス排出抑制等田辺市実行計画について、毎年質問をしてまいりました。昨年の3月には、合併後の新たな計画と削減目標値がまだできていないことから、どのように考えているのか質問しました。  その答弁は、19年度に給食センター等の大型施設の供給開始となるため、19年度を基準年として20年度において削減目標を設定したいということでした。それでは、その20年度を迎え、削減目標を設定するに当たって、どのような削減策を考えておられるのでしょうか。旧田辺市の実行計画では、5%の削減目標が結果として4.2%の増加となってしまいました。達成できる見込みがないと目標値も絵にかいたもちになってしまいます。やはり計画的な方針に基づいた抜本的な削減策がなければならないと思いますが、どのように考えられているのか、お伺いいたします。  二つ目に、抜本的な二酸化炭素削減策について提言したいと思います。  紀州紀の国和歌山県、そして私たちの田辺市は合併により約90%の森林を有する市となりました。ですから、その森林資源を活用した温暖化防止策が最も友好であると考えます。今回、提案しております木質チップやペレットは木質バイオマス燃料として、今、全国的に大変注目されています。木質ペレットというのは、こういうものですが、木材を細かく砕いて、高温高圧で直径6ミリから8ミリ、長さ20ミリ程度の小円筒形に固めた木質バイオマス燃料です。  木質ペレットには、原木ペレットとバークペレットとホワイトペレットの3種類があります。原木ペレットはグレーペレットともいいますが、木の幹の部分と少量の樹皮をまぜ合わせたものです。バークペレットとは樹皮だけのもので、最も安価ですが、2%から7%の灰が出ます。ホワイトペレットはおがくずなどの幹の部分だけを原料として、灰も出にくく、すすも出ません。燃焼後の灰は、土壌改良剤として農地に還元することができます。  なぜ、この木質ペレットが注目されているかといえば、四つの理由があります。まず、第1に、木質ペレットはカーボンニュートラルであることから、二酸化炭素の排出量として換算されません。カーボンニュートラルというのは、木材を燃やすと石油と同程度の一酸化炭素が出ます。しかし、排出される二酸化炭素自体は、もともと大気中にあった二酸化炭素をその樹木が数十年かけて吸収したものですから、大気中の二酸化炭素はふやさせずに済むことをいいます。  2番目に、石油の代替燃料となりますので、高騰を続ける石油にかわって、燃料費を削減できるとともに、限りある資源の石油消費量を減らすことができます。  3つ目に、排気ガスは有害物質もなく、環境への影響も少なく、環境に優しい燃料です。また、灰は田畑や山に散布すると地力の回復につながります。  4つ目に、森林の育成を通して、他産業とのネットワークを構築し、地域の活性化が図れます。それでは、参考資料の1ページの下の部分をごらんください。この絵のとおり、田辺市内にはチップやペレットの原料となる廃材が山ほどあります。また、いろいろな取り組みから間伐材の利用が叫ばれているところです。ネックであった山から道までの間伐材を運んでくる費用にも、条件を満たせば補助金もあるようです。また、河川等での流木も問題になっておりますので、解決にもつながります。工務店や建具店などからの廃材は有料で処理をしているところです。また、この地域独特の梅などの果樹の剪定枝もよい原料になるのです。これらをチップ・ペレット製造工場へ持ち込み製品化します。  そして、石油からチップやペレットに燃料を切りかえることによって、初めに設備投資は要るものの石油より安価で供給できますので、数年後にはもとがとれることになります。このことは、龍神村の季楽里で実証済みであることは皆さんもよく御存じだと思います。  この木質バイオマス燃料の流通が進めば、公共施設の熱供給設備や農家のハウス用温風暖房機、また大衆浴場や病院、老健や特養施設、ホテルなどの民間事業所の熱供給設備で利用できます。また、見た目にも暖かくいやしの効果があるとして、今大変人気が高まっている家庭用ペレットストーブに使えます。  この代替エネルギーの活用体制の指南役として市が、熱供給設備を公共施設で整備してみてはどうかというのが私の提言です。市内でも寒冷地の保育所、小中学校ではストーブを設置していますが、一度には無理であっても、耐久年が来た買いかえ時には必ずペレットストーブに順次切りかえていくことや、新築の公共施設ではチップやペレットの給湯や熱供給設備を考えていただきたいと考えています。  そして、私の今回の質問のきっかけとなったのは、先日、御坊市の県暖地園芸センターで行われた木質ペレット温風暖房機現地検討会のことを聞き、早速県に問い合わせてみました。昨日、久保浩二議員の質問に市長が答弁していた中にもありましたように、18年度から原油価格の高騰に対応した設備園芸省エネ栽培支援事業の一環として、木質バイオマス等の石油代替エネルギーの農業利用について研究調査を行ったものでした。そして、農業支援事業として、紀南農協が事業主体となり、3戸以上の農家が循環送風機を導入した場合、県が3分の1の補助を行うというものです。しかし、この温風暖房機はまだ改良途中にあるため、この夏の暑さに耐えられるかなどの実験を行った上で、県下でも実用化を図っていきたいということのようです。ですから、現在この補助金は実績としてはゼロだそうです。しかし、ここには大きな市場があり、農家の経営を圧迫している石油価格高騰の救済策であるだけでなく、輸入に頼る石油燃料ではなく、地産地消の燃料として推し進めていく必要があると思います。  ここで問題になるコストの面ですが、この実験では、カロリー計算上、重油1リットル当たり90円で、ペレットは輸送量を含んで1キロ42円でした。しかし、発熱量はペレットが2倍必要となってきますので、重油90円に対してペレット84円となります。また、県下にこのペレット工場がないため、現在輸送量がかかっていますが、通常はペレット1キロ当たり25円から40円となっています。  このようなことから、市は公共施設の木質バイオマス燃料の使用を方針として打ち出すことによって、民間のチップペレット工場の建設を促すことにつながると思います。このことはとりもなおさず、温室効果ガス抑制策の目玉として、また、産業の活性化につながるものと考えます。市は主体的に、この木質バイオマス燃料の推進に努めていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。  以上、1回目の質問を終わります。            (12番 松下泰子君 降壇) ○議長(副議長 天野正一君)    12番、松下泰子君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。            (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    議員から3点にわたるご質問をいただきました。3点目の地球温暖化対策についての1番目に係るご質問については私から、あとは担当部長からお答えいたします。  地球温暖化対策の第1番目の温室効果ガス排出抑制についてでございますが、ご承知のように、本市におきましては、平成10年10月に公布された地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、平成19年3月に温室効果ガス排出抑制等田辺市実行計画を策定し、市有施設及び車両等から排出される二酸化炭素の排出抑制に取り組んでいるところでございます。  本市の温室効果ガスの排出状況を申し上げますと、合併後、平成17年5月から翌年3月までの二酸化炭素排出量は約8,581トン、これに対しまして、平成18年の同時期には約8,628トンと約0.6%の増加となっています。平成19年度につきましては、現在集計中でございますが、平成18年4月から11月までの8カ月における二酸化炭素排出量は約6,295トン、これに対しまして、平成19年の同時期は約6,085トンと約3.3%の削減となっており、今後数字の精査と削減した要因について分析し、今後の削減目標数値につなげてまいりたいと考えております。  市役所内部の取り組みといたしましては、クール・ビスやウォーム・ビズ、節電やグリーン購入等に積極的に取り組んでおり、昨年11月には各行政局を含め、延べ8回にわたり、市職員が環境に関する知識を深め、環境保全の意識向上を図ることにより、ごみ問題や地球温暖化問題に対する取り組みを地域においても実践することを目的として、全職員を対象とした環境研修会を開催いたしました。  また、住民の皆さんへの取り組みといたしましては、田辺市環境美化連絡協議会と協働し、自治会、町内会の協力のもと、平成18年10月から全市域で環境学習会を開催し、本年度からは田辺市まちづくり学びあい講座としても取り組んでおり、ごみ減量、水質浄化及び地球温暖化防止をテーマとした環境について考えてみませんかのスライドを用いて啓発をしているところでございまして、現在まで延べ40会場、1,164人を対象に実施いたしました。  これらの取り組みと平行して、私もかねてより担当部局に対しまして、大変厳しい財政状況下ではあるものの、導入時のコストはかかったとしても、トータル的に見た場合、意義のあるものであれば積極的に導入せよと指示を出しているところでございます。  そうした中、現在、本庁舎等施設の省エネ型空調設備及び照明機器の導入による排出抑制を推進するとともに、他市等における温室効果ガス排出状況、及び取り組み状況等を把握するため、人口が同規模の全国約160の市に対しまして、アンケート調査を実施しておりまして、現在集計中でございますが、その結果を参考に取り入れ、可能な取り組みや施策につきましては、その導入を推進してまいりたいと考えております。  地球温暖化問題は、地球規模で考え、足元から行動するという観点に立ち行動することが重要であると考えます。市といたしましても、企業や住民の皆様との協働によりさまざまな方向から排出抑制に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いします。            (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(副議長 天野正一君)    続いて、森林局長、原﨑喜一君。           (森林局長 原﨑喜一君 登壇) ○森林局長(原﨑喜一君)    松下議員2番目、木質ペレットによる代替エネルギーの活用を図っていくべきではないかというご質問については、私からお答えいたします。  まず、昨今の地球温暖化対策や原油価格の高騰を背景に、木質バイオマスエネルギー利用への期待はますます高まってきております。しかしながら、膨大な利用可能量にもかかわらず、導入や普及が十分に進んでいないのが全国的な実情でございます。その理由としては、市場コストとの乖離が大きいのと同時に、バイオマスエネルギーの転換技術や原料となる素材の収集、運搬から変換エネルギー利用技術までの総合的なシステムが十分に確立されていないことなどが原因であるとも言われております。  こうしたことから、地域ごとの特性に適合した総合的なシステムを確立するためのプロジェクト事業が独立行政法人、新エネルギー産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOなどを中心に取り組まれている状況でございます。  国においても、新たに間伐による木質バイオマス原料確保のための支援事業なども出てきているほか、和歌山県におきましても、木質バイオマス活用研究会が中心となり、農業用ハウスの加温用燃料として木質ペレットの導入活用についての研究を行っております。  県では、こうした石油代替エネルギー暖房装置の導入に対しての支援策を講じておりますが、県内には木質ペレットの製造工場がないことから、価格面からも木質ペレットの供給体制を確立することがまず必要となってまいります。  このように、木質バイオマスエネルギーの利用に関しては、さまざまな取り組み、実情や課題があるわけでございますが、市といたしましても、この地域には豊富な木材資源を有しており、放置されたままの間伐材や森林伐採に伴って、林内に発生する未利用材を有効に活用する一つの方策として、木質バイオマスエネルギーへの利用の検討を進めることは、単に林業、木材産業の活性化にとどまらず、地域の資源を生かすことによって、農業や製造業、観光などさまざまな産業間で資源の循環を図っていけるものと考えており、市でもこの地域における木質バイオマスエネルギー利用について、これまでも検討を進めてまいりましたが、その状況としましては、松下議員も話されておりましたが、木質ペレットが燃料として石油にかわるには、1キログラム当たり45円程度の価格で購入できることが必要であります。  現在、製造元では、1キログラム当たり25円程度と言われておりますが、県内への輸送コストを考えますと、大量に輸送し、またこれを保管するための施設を設けるなど、価格を安く抑える必要がございます。  一方で、それに見合うペレットの需要があるかどうかということ、また地域内でペレットの製造を行うとしても、設備投資に見合う需要がどの程度あるのか。あるいは製造コストはどうなのかといった課題がございます。こうした課題を解決するためには、田辺市だけでなく、和歌山県内や紀南地域全体の中で、木質バイオマスエネルギー利用の総合的なシステムづくりを研究していく必要があるものと考えますが、まずは市の公共施設への木質バイオマスエネルギーの導入活用について、木質ペレットだけでなく、木質チップなども含め、引き続き検討を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。           (森林局長 原﨑喜一君 降壇) ○議長(副議長 天野正一君)    市民部長、中瀬政男君。           (市民部長 中瀬政男君 登壇) ○市民部長(中瀬政男君)    議員ご質問の連絡所のあり方についてお答えさせていただきます。  まず、「旧田辺市内の連絡所のあり方について見直しを」についてでありますが、旧田辺市内には8カ所の連絡所を設置し、戸籍謄本や住民票などの発行、税務課関係の各種証明書の発行、保険課関係の高額療養費の支給申請などの受付、生活保護者の医療給付券の発行などの業務を行っております。これらの業務のほかにも、問い合わせがあった場合、担当課で確認し、市民の方へ連絡をさせていただくことや本庁等へ届ける書類をお預かりするなど、地域に根差した住民サービスに努めているところです。  また、連絡所は、公民館との併設になっておりますので、住民の方からの行事等の問い合わせにつきましても対応させていただいております。  このように、多様な業務内容を受け持っているところですが、事務量につきましては、それぞれ地域によってばらつきがございます。連絡所につきましては、それぞれの地域の実情等を考え、窓口サービス等の住民の利便性を損なうことがないように設置された経過もありますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。  次に、2点目の旧町村の連絡所の職員体制の見直しについてお答えします。合併した旧町村の連絡所につきましては、合併前と同じ窓口サービスを受けられるように、それぞれ合併前の配置のまま残してきたところであります。  旧大塔村では、富里連絡所と三川連絡所、旧中辺路町では近野連絡所にそれぞれ一人の職員が常勤し、住民票に関する事務、戸籍事務関係事務などの受付業務のほか、地域行事の手伝い等を中心に業務を行っております。  また、富里連絡所と三川連絡所では、臨時職員一人が2カ所の連絡所で隔日に業務を行っております。近野連絡所については、熊野古道なかへち美術館と併設されておりますので、お互い助け合って業務を遂行しているところです。  3カ所とも人口に占める高齢化率がそれぞれ40%を超えており、地域の維持を懸念する声が多くあることも承知しているところであり、自治会や公民館の役員の皆さんとも十分連携を図りながら、住民の皆さんが、安全で安心して住み続けられる地域づくりを目指してまいりたいと考えており、連絡所の役割や人員体制につきましては、行政局及び教育事務所を含めた中で検討していかなければならない課題であると考えておりますので、ご理解賜りますようお願いします。  以上です。           (市民部長 中瀬政男君 降壇) ○議長(副議長 天野正一君)    環境部長、池田正弘君。           (環境部長 池田正弘君 登壇) ○環境部長(池田正弘君)    松下議員の二つ目のご質問、野良猫対策についてお答えいたします。  近年、生活のパートナーとして愛情を持って動物を飼養されている方がおられる一方、飼養できなくなった犬や猫が遺棄されることで、その鳴き声や汚物が地域で問題になる事例が発生しており、市に対してもたびたび苦情が寄せられ、その対応には苦慮しているところでございます。  ご質問の趣旨は、このような状況の中、市としての窓口や条例設置をとのことであったかと存じます。国におきましては、動物の虐待の防止、動物の適正な取り扱い、その他動物の愛護及び管理に関する事項を定めて、国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物による人の生命、財産に対する侵害を防止することを目的として、動物の愛護及び管理に関する法律が定めれております。  この法律を受け、和歌山県では、和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例が定められ、この中で動物の適正な飼養についても規定をされているところでございます。  また、先ほど議員ご案内のとおり、現在、県においては平成20年度から29年度までの10年間を計画期間として、和歌山県動物愛護管理推進計画を策定中であり、その中で動物の愛護及び適正飼養の普及啓発、動物管理の適正化についても施策を推進していくこととされております。  現状では、田辺市ではいわゆる猫の被害に関しては、それぞれ所管する施設にて事案が発生すれば、所管する担当課が対応しておりますが、市民の皆様には基本的には、まず自己防衛をお願いするとともに、状況によって田辺保健所との連携の中で生活環境に影響を及ぼしているという観点から、市環境課におきまして、例えば野良猫にえさを与えている人にやめるよう指導と申しますか、要請を行ったり、犬を放し飼いにしている人に注意や指導を行ったり、職員がやっているわけですけれども、実際のところ、これもなかなか見解の相違、考え方の違い、その辺で聞き入れていただけるケースというのはそんなに多くないということもありまして、そういう対応を環境課の方では、日常業務の中で行ってきております。  さらに、飼い猫等のペットに対して責任を放棄する心ない人々に対しても、そのモラルの向上に向け、広報紙上等での啓発を行ってきたところでございます。  また、犬のふんの放置で困っていた市内のある地区では、町内会が中心となりまして、保健所及び市の作成したチラシの配布や回覧での注意喚起、立て札の設置など、市民と行政の協働により取り組みを進めているところであります。  また、条例につきましては、全国的に見ましても、野良猫へのえさやりや、犬のふんの放置をめぐって、トラブルが相次いでおりまして、そのため実効性を求めてえさやり禁止条例を検討したものの、動物愛護をめぐるさまざまな考え方の違いから、断念した例もございまして、その設置につきましては、現実的には考え方や意見の調整等の課題が多く問題もあり、研究課題であると考えてございます。  いずれにいたしましても、できるだけ実効ある施策の展開について、県と一層の連携を図るとともに、各関係部署とも協議しながら取り組んでまいりたいと考えてございますので、ご理解賜りますようお願いします。  以上でございます。           (環境部長 池田正弘君 降壇) ○議長(副議長 天野正一君)    12番、松下泰子君。            (12番 松下泰子君 登壇) ○12番(松下泰子君)    ご答弁ありがとうございました。  1番の連絡所につきましては、市民部長からお答えをいただきました。今回、この連絡所について質問することは、正直大変勇気が要りました。市民の立場から発言する議員として、高齢化が進む過疎地域の拠点となっている連絡所を縮小、統廃合してはどうかという提案は大変苦しいものです。しかし、あえて私は悪役になったとしても言わざるを得ない状況に来ていると思いました。財政状況が逼迫した中で、新たな課題が山積しています。費用対効果のみを言うことは私も好きではありませんが、公平性をうたう行政にとって、その地域住民への理解を求める努力が必要なときもあるのではないかと思います。  そして、その地域に真に必要なものは何なのか。単なる事務事業でなく、高齢者の介護予防に関するものが必要なのか。地域活動の拠点となる機能が必要なのかなどを洗い直し、真に必要なサービスビスのために連絡所の場所を活用できるようにすることがいいのではないかと思います。ぜひ来年度の課題として取り組んでいただきたいと思います。  2番目に、野良猫対策についての条例づくりにつきましては、部長の方から研究課題であると消極的なお答えをいただきました。まずは犬や猫の苦情に対応する窓口を環境課に一本化していただき、事情をよく御存じのワンニャン会などの動物愛護関係者や獣医師などとともに条例づくりに積極的に取り組んでいただきたいと思います。  そのことが今後の動物愛護や適正な飼養の普及啓発につながると思います。また、もう一つの問題としてワンニャン会では、自分たちでバザーをしたり、寄附によって野良猫の不妊手術費に充てています。市のみんなでまちづくり補助金も3年以上は継続できませんので、今後、ますます財政的に難しくなってきています。全国の少なくない市や区で、飼い主のいない犬、猫、また市によっては飼い犬、猫にまで不妊、去勢手術の助成金交付制度があります。このようなことから、今後野良猫の不妊手術費の助成制度についても検討していただきたいと思います。  今回は、まず条例づくりから前向きに考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  3番目の地球温暖化対策については、市長と森林局長の方からお答えをいただきましたが、このことにつきましては、再質問をしたいと思います。温室効果ガス排出抑制における抜本的な削減策は特にないようで、今までどおりの小さなことからこつこつと消費電力を減らしていくということのようです。もちろんそれは基本的で、大事なことであることには違いありませんが、それでは到底削減目標値を上げることはできないのではないでしょうか。  もっと積極的に展開が必要であることは明白です。そこで、この木質バイオマス燃料が救世主となり得ると思います。今回の質問に至るまでに設計士である友人がペレットストーブを普及させたいと数年前から奔走しておりました。しかし、この常春の国和歌山において、ペレットストーブの普及は難しいと私も感じておりました。  しかし、ここに来て状況は変わった。石油の代替燃料として十分やっていけると感じました。市長も木質ペレットによる代替エネルギーとしての有効性は認めていただいたことと思います。しかし、肝心のペレット工場が県下になくては進む話ではありません。実は、この質問の通告をする時点では知らなかったのですが、近い将来、この近くでペレット工場をつくろうと思っている人がいないか、情報収集をしておりましたところ、吉本議員さんの紹介により、龍神村内で計画している人がいることがわかりました。早速その方にお話を伺いましたところ、この夏にもかなり大きな規模でチップ、ペレット工場を建設する予定で、先進地である岡山県へ何度か出向き、既に導入する機械も決めているようでした。そうなれば、一挙にこの木質バイオマスによるエネルギー構想は大きく前進します。  平成19年3月調べでは、全国でペレット工場は33カ所ありますが、黒字経営は2カ所しかないと聞いております。やはりこれはその消費量がどれだけ見込めるかにかかっています。そこで、もう一度お尋ねいたしますが、田辺市として木質バイオマス構想に取り組むつもりはあるのかどうか市長にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。            (12番 松下泰子君 降壇) ○議長(副議長 天野正一君)    12番、松下泰子君の再質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。            (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    再質問にお答えしたいと思います。  ただいまお話にございましたように、龍神村で民間企業が木質ペレット製造工場の建設を計画されているということにつきましては、情報として承知しているところでございます。国内では木質ペレットの製造につきましては、間伐材を初め山林や製材所で生じる利用されない木材の消費拡大のために、これまでにも何度か普及が試みられており、岩手県や北海道など寒冷地での普及が顕著になっておりますが、木質ペレットなどバイオ燃料の生産については、諸外国に比べ日本ではまだまだ十分ではない現状にございます。このような中で、当地域におきまして民間での木質バイオマスエネルギー利用に関する取り組みへの動きは大変喜ばしいことであり、市といたしましても、当地域に有する木質未利用資源の有効活用という観点から、また地球温暖化防止対策として、こうした取り組みに対しまして、引き続き情報を収集するとともに、県とも連携をとりながら取り組んでまいりたいと考えますので、ご理解賜りますようよろしくお願いします。            (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(副議長 天野正一君)    12番、松下泰子君。            (12番 松下泰子君 登壇) ○12番(松下泰子君)    ご答弁ありがとうございました。市長も取り組んでいっていただけるという意思は十分おありのようなので、今後期待するところです。本当にこのことに関しましては、課題は確かにまだまだあることと思いますが、それを推し進めるか否かというのは市長の英断にかかっているところもあると思いますので、どうぞよろしくお願いします。私は、この木質バイオマス構想に大きな期待を抱いておりますので、それにこたえていただけるような今後の取り組みをよろしくお願いいたします。  以上で、私の質問は終わります。ありがとうございました。
               (12番 松下泰子君 降壇) ○議長(副議長 天野正一君)    以上で、12番、松下泰子君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(副議長 天野正一君)    この場合、午後3時10分まで休憩いたします。               (午後 2時58分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(鈴木太雄君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 3時10分) ○議長(鈴木太雄君)    続いて、5番、佐井昭子君の登壇を許可いたします。            (5番 佐井昭子君 登壇) ○5番(佐井昭子君)    皆さん、こんにちは。5番、公明党の佐井昭子です。今回は1項目、複合施設の充実についてのみを質問します。  20年度当初予算として上げられている項目ですので、事前審査にならないよう気をつけて質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  待ち望まれていました中央図書館の建設が、ようやく現実のものになろうとしています。私だけではないと思いますが、この図書館及び歴史民俗資料館の機能を併せ持つ文化施設と市民広場が大勢の市民の皆様にご利用していただきたい。生涯学習の拠点として、心豊かにし、人生や仕事の飛躍をお手伝いできる場として、また市民の皆様の憩いの場として気軽に立ち寄っていただける場所であってほしいと願う気持ちでいっぱいでございます。  今回、私はこの館の充実のため、私なりに温めてまいりました子供のための施設、屋内遊技場の併設を提案させていただきたいと思います。  うれしいことに田辺市は、子育てに対するさまざまな支援が充実してきております。いま一つ望まれているのは、屋内での遊び場ではないかと思います。雨の日に遊べる場所が欲しいという子育て中のお母さんたちからの声があります。この複合施設が最適の場所ではないでしょうか。子供と本、図書館と子供施設、この相乗効果は大変なものがあると思っております。  さて、子供の施設といっても、皆様にはイメージしにくいかもしれません。先日、訪れた施設のお話を少しさせていただきます。大阪のキッズプラザ大阪、群馬県前橋市、前橋プラザ元気21の子育て広場プレイルームと親子元気ルーム、前橋子供図書館、愛知県長久手町、青少年児童センターの様子をご紹介します。  キッズプラザ大阪は、訪れた日が日曜日で、大変な人でした。ここは入場料が幼児300円、小中学生600円、大人1,200円という有料の施設です。遊んで学べる子供のための博物館というふれ込みで、1階は「どんなもん階」、3階は「つくろう階」、4階は生活体験をしながら遊べる「あそぼう階」、5階、科学や文化を遊びながら学べる「やってみる階」という大規模な施設であります。ここで発行されているキッズプラザ通信というのがございまして、見てみるととても楽しそうなイベントがたくさん開催されていました。キッズダンスファクトリーでありますとか、ハンガリーからの人形劇、お話の世界、遊び小屋とか、料理教室、ペーパークラフト、今月の中ごろには春の子供まつりというのも開催されるようです。  次に、群馬県前橋市に行ってまいりました。まちづくり交付金を適用した施設で中心市街地活性化事業の目玉となる施設でした。この施設はもともと百貨店であった建物を百貨店が撤退した後、市が買い取り、前橋プラザ元気21として、昨年12月リニューアルオープンしたものです。7階建てのビルで地下1階、2階が食料品スーパーマーケットとマーケット専用の駐車場、1階には市民交流プラザ、コーヒーショップ、2階は子供交流プラザ、3階から5階は地域交流プラザ、6階、7階専門学校がある複合施設です。  2階が子供のフロアになっており、子育て広場、プレイルーム、親子元気ルーム、子供図書館があります。子供図書館の広さは1,563平方メートル、これはワンフロアで日本一の広さだそうです。蔵書6万冊、これもすごい数です。  そして子育て広場ですが、二つの部屋があります。子供たちが安心して、楽しく自由に遊べるプレイルーム、ここは広さが505平方メートル、地域子育て支援事業を行う親子元気ルーム、こちらの広さは101平方メートル、小学生以下の子供と保護者が一緒に楽しめる施設になっています。  この二つの部屋には、子育て支援スペース、集いの広場、社会性を学ぶ町、マーケットのコーナー、経験の海、アクティブのコーナーがあります。シンボルの海賊船、おとぎのお城、エアートランポリン、ボールプールなど、赤、青、黄、緑と色鮮やかな子供たちが喜ぶ遊具がたくさんあります。当然、子供用のトイレ、授乳室、おむつかえ台が備えられています。このプレールームは大変な人気のようです。定員180人ですが、土、日は非常に大勢の親子連れが来場するため、入場整理券が発行されているそうです。1回50分、オープン記念で入場料は現在無料だそうです。  この建物には、市のにぎわい観光課が入っており、担当の方が子供交流プラザの入場者、利用者数は全く想定外であったと説明されたのが大変に印象的でした。  次に訪れたのは、愛・地球博が開催された愛知県長久手町。名古屋市に隣接する人口4万人強のベッドタウンです。この町は、小学校区に一つ児童館があるという非常に進んだ地域でした。私たちが訪れたのは、ことし1月にオープンしたばかりの基幹施設となる青少年児童センターでした。延べ床面積1,067平方メートル、2階建ての建物で、1階は自由に遊べる吹き抜けの「内の広場」、放課後児童クラブの部屋、卓球台のある軽運動室、乳幼児と保護者のプレイルーム、2階には学習室、創作活動室、多目的室、図書室があります。外には遊具が備えつけられたちびっ子広場、外の広場には、バスケットコートがあります。  私たちは、平日の4時前にお邪魔をさせていただきました。玄関前は自転車がいっぱいでした。吹き抜けの広場は1階、2階のたくさんの大きな窓から入る午後の暖かい日差しで明るく、ぽかぽかしていました。ここには大型遊具はありません。体を動かせる遊具などちょっとしたおもしろい遊具がありました。暖房を入れていない広場の木の床をはだしの子供たちが元気いっぱい遊具で遊んだり、ボールで遊んだりしていました。何人かの男女の中学生もちょうどテストが終わった日ということで来ていました。午後、夕方近い時間でしたので、乳幼児や保護者の方はほとんどいらっしゃらず、小学生がほとんどでした。  職員の方のお話によれば、お母さんたちは子供を連れてきてお母さん同士で話をしている。土曜日には、お父さん連れも多く、お父さんたちは子供と一緒に遊んでいるそうです。ほほ笑ましい、いい光景じゃないでしょうか。  少しハード面でつけ加えさせていただきますと、このことは特にお話をお伺いしたわけではないので、資料を見ただけの話なんですけれども、この建物はいろいろなエコシステムが採用されています。吹き抜けを利用した換気と熱回収、大屋根を断熱層として利用、暖気の床下吹き出し、冬季の熱循環、深夜電力を利用した床暖房、夏季の通風、落葉樹による植生で、豊かな緑やそよ風を取り入れる等々、当たり前だと思いますけれども、環境への取り組み、配慮に感心させられました。  この視察を終えて、田辺にも子供のための施設が必要だと強く確信しました。建設を予定されている複合施設にぜひ、子供のための施設、屋内遊技場を併設していただきたいということを提案させていただきますが、いかがでしょうか。  1回目の質問を終わります。            (5番 佐井昭子君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    5番、佐井昭子君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。            (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    佐井議員ご質問の複合文化施設の市民広場の充実についてお答えいたします。  紀南病院跡地に建設を計画しております図書館及び歴史民俗資料館の機能をあわせ持つ文化施設と市民広場につきましては、市民の皆様の読書活動を支援し、日常生活や学習・研究を行う上で必要となる多種多様な資料、情報を提供する図書館、地域の貴重な歴史、民俗資料を収集保存し、先人が築いてきた歴史と文化を学ぶ場を提供する歴史民俗資料館、さらに市民のだれもが集い、交流し、憩える市民広場という三つの機能をあわせ持つ地域の生涯学習の拠点、市民交流の場となる文化複合施設の構想でございます。  乳幼児から高齢者まであらゆる年齢層の市民の皆様に生涯にわたり活用していただける文化施設としてだれもが利用しやすい設備を備えることはもちろんのこと、皆様に満足いただけるサービスを提供できるよう活動内容の充実を図ってまいりたいと考えております。  図書館におきましては、平成13年12月に制定された「子どもの読書活動の推進に関する法律」の基本理念にうたわれておりますとおり、子供たちがより深く生きる力を身につけていく上で、欠くことのできない読書活動を支援する拠点として、地域や学校と連携をとりながら、乳幼児、児童、青少年に対する読書支援サービスを行う重要な責務を担っております。生涯にわたる読書習慣を身につける上で、乳児のころから保護者とともに図書館施設に親しむ習慣づくりは、大切なことであります。現在も、図書館利用者の方から幼い子供を連れていっても、ほかの利用者に気兼ねなく過ごせる場が欲しい。ほかの親子連れの人たちと交流できる場が欲しいなどのご意見が寄せられております。  そのためにも、新しい施設の中に、子育て世代が安心して集える場、子供たちが伸び伸びと過ごせる場を確保できるよう検討してまいりたいと考えております。  新しい複合文化施設が図書館、歴史民俗資料館、市民広場、それぞれの利点を生かして多くの市民の皆様に学習の場として情報収集の場として、さらには自由に集い、憩える市民交流の場として活用していただけますよう努めてまいりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。            (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    5番、佐井昭子君。            (5番 佐井昭子君 登壇) ○5番(佐井昭子君)    非常にシンプルなご答弁ありがとうございました。  幾つかの子育て支援の視察で一番印象に残ったのは、遊ぶ子供たちの姿、表情でした。子供たちが思う存分楽しんでいる様子を見て、私もとても楽しい気分になりました。感動いたしました。ぜひ子供のための施設に前向きなご検討をよろしくお願いしたいと思います。  そして、担当部署の皆様におかれましては、さらなる研究、工夫でこの施設を大いに盛り上げていただきたいと思います。町中にできる予定の新しい複合施設です。柔軟な発想で町のランドマークとして、多くの人に利用され、愛され、喜ばれる施設と成長していきますよう心から願っております。  これで私の一般質問を終わります。ありがとうございました。            (5番 佐井昭子君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    以上で、5番、佐井昭子君の一般質問は終了いたしました。 ◎日程第2 1定議案第54号 田辺市立小学校及び中学校条例の一部改正についてから  日程第6 1定議案第58号 市道路線の認定についてまで一括上程 ○議長(鈴木太雄君)    続いて、日程第2 1定議案第54号 田辺市立小学校及び中学校条例の一部改正についてから、日程第6 1定議案第58号 市道路線の認定についてまで、以上5件を一括上程いたします。  ただいま上程いたしました議案は、本日市長から提出のあったものであります。  提出者の説明を求めます。  市長、真砂充敏君。            (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    ただいま上程されました議案5件につきましては、条例に関するもの1件、その他4件でございまして、その概要についてご説明申し上げます。  まず、議案第54号 田辺市立小学校及び中学校条例の一部改正については、小学校の統合により龍神村東528番地に上山路小学校を設置するため、所要の改正を行うものであります。議案第55号 工事請負変更契約の締結については、CATV等施設整備工事請負変更契約の締結について、議案第56号及び議案第57号 訴えの提起については市営住宅の滞納家賃の支払いを求める訴えを提起するため、議案第58号 市道路線の認定については、道路法の規定によりそれぞれ議決をお願いするものです。  以上、提案いたしました議案についてご説明申し上げましたが、詳細につきましては、関係部課長から説明いたさせますので、よろしくご審議の上、ご賛同賜りますようお願いいたします。            (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    続いて、補足説明を求めます。  総務部長、岡本美彦君。           (総務部長 岡本美彦君 登壇) ○総務部長(岡本美彦君)    それでは、議案書に基づきまして、補足説明をさせていただきます。  1ページをお願いします。  1定議案第54号 田辺市立小学校及び中学校条例の一部改正について、地方自治法第96条第1項第1号の規定により議会の議決をお願いするものです。  本件につきましては、平成21年4月1日をもって、宮代小学校、東小学校及び殿原小学校を統合し、龍神村東528番地に上山路小学校を設置するため、所要の改正を行うものです。  次に、3ページをお願いします。  1定議案第55号 工事請負変更契約の締結について、CATV等施設整備工事請負変更契約の締結について、田辺市議会の議決に付さなければならない契約及び財産の取得、または処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決をお願いするものです。  工事名は、CATV等施設整備工事。原契約金額10億4,370万円、変更後の契約金額は11億3,099万7,000円で、8,729万7,000円の増額です。請負人は、富士通株式会社関西営業本部、本部長、下島文明氏です。  変更理由といたしましては、光ファイバーケーブルの敷設や各家への引き込み工事の距離が増加することに伴い、契約金額の変更を行うものです。  次に、4ページ及び5ページをお願いします。  1定議案第56号及び議案第57号の訴えの提起について、地方自治法第96条第1項第12号の規定により議会の議決をお願いするものです。  これら2件の議案につきましては、市営住宅の家賃を滞納し、再三にわたる督促及び催告にも一切応じず、また本人の呼び出し及び職員の訪問による納付指導を行うも支払う意思が全くない2名に対して、平成20年2月26日、市営住宅の滞納家賃の支払いを求める支払い督促の申し立てを堺簡易裁判所に行いましたが、民事訴訟法第395条の規定に基づき、当該申し立てに対して適法な監督異議の申し立てがあった場合、支払い督促の申し立て時に訴えの提起があったものとみなされ、通常の訴訟へと移行するため、あらかじめ議会の議決をお願いするものです。  まず、1件目、4ページをお願いします。  1定議案第56号につきましては、相手方は、Aさんで、入居していた住宅名は、新万6団地です。なお、あわせて別紙参考資料の上段をご参照願います。  次に、2件目、5ページをお願いします。  1定議案第57号につきましては、相手方は、Bさんで、入居していた住宅名は、新万8団地です。なお、あわせて別紙参考資料の下段をご参照願います。  次に、6ページをお願いします。  1定議案第58号 市道路線の認定について、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものですが、認定いたします路線は、三栖91号線で、位置図につきましては7ページをご参照願います。  以上をもちまして、補足説明を終わらせていただきます。よろしくご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。           (総務部長 岡本美彦君 降壇) ○議長(鈴木太雄君)    以上をもって、提出者の説明が終了いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議題となっております議案5件については、既に提出されている他の議案と同様に後日審議願うことにいたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(鈴木太雄君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明3月13日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(鈴木太雄君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  延 会 ○議長(鈴木太雄君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。               (午後 3時35分)
     地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   平成20年3月12日                    議  長  鈴 木 太 雄                    副議長   天 野 正 一                    議  員  松 下 泰 子                    議  員  中 本 賢 治                    議  員  棒 引 昭 治...