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12月04日-02号

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  1. 和歌山市議会 2013-12-04
    12月04日-02号


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    平成25年 12月 定例会                平成25年          和歌山市議会12月定例会会議録 第2号            平成25年12月4日(水曜日)     -----------------------------議事日程第2号平成25年12月4日(水)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員指名日程第2 一般質問(北野 均君、松井紀博君、姫田高宏君)     -----------------------------出席議員(38名)  1番  姫田高宏君  2番  松坂美知子君  3番  永野裕久君  4番  西風章世君  5番  園内浩樹君  6番  中塚 隆君  7番  浦平美博君  8番  小川孝夫君  9番  上田康二君 10番  島 幸一君 11番  丹羽直子君 12番  吉本昌純君 13番  井上直樹君 14番  芝本和己君 15番  渡辺忠広君 16番  山本忠相君 17番  薮 浩昭君 18番  奥山昭博君 19番  中尾友紀君 20番  戸田正人君 21番  松井紀博君 22番  野嶋広子君 23番  中村協二君 24番  古川祐典君 25番  尾崎方哉君 26番  山本宏一君 27番  南畑幸代君 28番  森下佐知子君 29番  岩井弘次君 30番  松本哲郎君 31番  寒川 篤君 32番  北野 均君 33番  遠藤富士雄君 34番  山田好雄君 35番  宇治田清治君 36番  貴志啓一君 37番  佐伯誠章君 38番  和田秀教君   ---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         大橋建一君 副市長        松見 弘君 副市長        河瀬芳邦君 理事         森井 均君 総務公室長      坂本安廣君 危機管理局長     池永俊二君 財政局長       東 宣行君 市民環境局長     山田 丘君 健康局長       永井尚子君 福祉局長       小松孝雄君 まちづくり局長    豊田勝彦君 建設局長       川端正展君 会計管理者      前北幸夫君 教育委員会委員長   中村 裕君 教育長        原 一起君 教育局長       阿形博司君 消防局長       林 正義君 公営企業管理者    藤原庸記君 水道局長       辻 正義君 選挙管理委員会委員長 射場道雄君 代表監査委員     伊藤隆通君 人事委員会委員長   水野八朗君   ---------------出席事務局職員 事務局長       尾崎順一 事務局副局長     中野光進 議事調査課長     佐伯正季 議事調査課副課長   中西 太 議事班長       池澤昌俊 調査班長       和田孝司 企画員        藤井一成 企画員        小野田 靖 事務主査       村井敏晃 事務主査       佐川恭士 事務副主査      北野統紀 事務副主任      松林 出   ---------------          午前10時00分開議 ○議長(山田好雄君) ただいまから本日の会議を開きます。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(山田好雄君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   北野 均君   芝本和己君   岩井弘次君 以上3人の諸君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(山田好雄君) 次に、日程第2、一般質問を行います。順次質問を許します。 北野均君。--32番。 〔32番北野 均君登壇〕(拍手) ◆32番(北野均君) おはようございます。トップに質問させていただく光栄をいただきましたが、いささか緊張いたしております。 私の質問は、今、市民が一番疑問に思っている市長の不出馬についての、なぜということであります。 通常なら平成26年2月、当初議会で登壇し、代表質問をさせていただくつもりにしておりましたが、予期せぬ大橋市長の来期不出馬発言和歌山市政を取り巻く環境が通常の事態とは言えなくなったように思われますので、議長のお許しを得て、市長の政治姿勢について質問をいたします。 大橋市長は、残すところ9カ月間の任期とする3期目の市政運営に当たられており、平成27年に予定されている紀の国和歌山国体に向け大いなる熱情を傾け、また、来年8月に予定される和歌山市長選挙に向け精力的な活動を繰り広げてこられ、引き続いて和歌山市政の運営に当たるべく強い意欲を示されてまいりました。このことは、多くの市民、また市議会でも認識するところでありますし、当の大橋市長御自身が一番強く意識されてきたはずであると承知をしております。 申し上げるまでもなく、この今の時期というのは、12月定例議会を目前にし、議会、当局ともにその準備のために忙しくしているところで、何よりも来年の和歌山市政を方向づける予算編成の真っ最中という局面で、市役所の各部局が市民からの苦情や要望を実現するための事務事業に要する費用の獲得のために知恵を絞り、財政局が、市長の思いを酌み上げられるように配慮し、各部局の要求と歳入の予測を見比べながら、現実を見据えてバランスのとれた予算にするために神経をとがらせて査定するという、いわば限られた資金の分配攻防が繰り広げられており、この場面での市長の発言は絶対的な重さで、ある意味、市長の存在感が一番発揮される場所を占める極めて重要な時期であります。 がしかし、まさにこのとき、去る11月16日、大橋市長は御自身の後援者集会において、来年8月に予定される市長選挙には立候補されないと表明されました。集会に出た方々から「市長もうやめるんやて」「えっ、何てよ、大橋市長が退陣するってほんまかい」と、会場は何とも言えない雰囲気に包まれたとのことであり、私のもとにも「大橋市長が来年の選挙には出ないと言うたで」という連絡を何人もの方からいただきました。 大橋市長を支持してこられた各界や多くの市民の驚き、落胆は容易に想像できるところですが、二元代表制地方政治に携わり、時には市長の市政運営を批判し、市政の足らずについて補完を提案してきた議員の一人としても、その一言には驚かされました。 それだけにとどまらず、和歌山市政にとって重要なこの時期での今回の発言は、議会は言うに及ばず、和歌山市当局者にとっては寝耳に水で、現実に市政にかかわる者たちを極めて慌てふためかせ、私を含め、多くの者たちをなぜ今とろうばいさせているところであります。 もとより、大橋市長が4期目の市政運営を担うことについては、議会においても、また市中においてもさまざまな意見が取り沙汰されているところではあります。来年8月の市長選挙に向けて立候補の準備を進めている同僚議員を初め、その意思を固めている方々が複数いるやに伝わっている今日、大橋市長の発言により和歌山市政の周りは混乱をきわめているというのが現実で、市長の御発言がいかに大きい影響力を持つものなのか、今さらながら思いをいたします。 こういう状況の中、大橋市長によって12月議会が招集されました。私は、大橋市長に対して、今申し上げたことを背景にして、どうしてもお伺いしなければならない義務があると思っております。 何よりも先にお伺いすることは、和歌山市政運営のトップに立つ大橋市長が、先ほど来申し上げた、この重要な時期であることの意味をまるで解さないがごとく、なぜ今、出馬取りやめを発表されたのか、加えて、多くの市民からは、唐突な不出馬発言について、「出馬を取りやめることになったのは、何か辞退しないといけない理由があるんかい」「市長の周辺で何かのっぴきならんことが起きたんかい」と疑問の声が上がっております。 市民からの疑問の声、行政的重要時期の方向から、なぜ今の時期に次期市長選への不出馬を宣言されたのかお伺いをいたします。 また、来年8月までの任期を全うしたいという強い意思をお持ちだとも伺いましたが、和歌山市政の運営について、その強大な権力と重い責務を有する市長としての座を8月まで占め続けたいという理由は何ですか。 政治家の矜持は、退任時期を決めた以上は、次期政権を担う者に市政運営を委ねるのが筋で、そのために配慮することが当然であります。 そうした政治家としての矜持を持つ市長であれば、新年度における事務事業提案内容は自治体の義務遂行に限られるところであり、例外的に、国の予算配分と密接に関連する事業や、議会の提案を受け、既に事業化が決定されていながら未実施の事業が含まれるとしても、新たな政策提案ははばかられるものであります。 12月議会を招集された市長の挨拶では、なお積み残した事業があり、それをやり続けたいと言われましたが、積み残した事業とは市長が考える政策事業にほかならず、政治家としての矜持をお持ちなら、そういう発言にはならないと思います。 仮に、大橋市長の強い意思で8月の市長任期まで務めたとして、その間には最重要と考えられる2月当初議会、6月議会と2回の議会が予定されます。その際には政策とは関係しない何らかの議案が上程されることとなりますが、政策提案がはばかられる市長から出される議案であっても、議会は議決または否決しなければなりません。二元代表制といわれる地方政治にあって、そのような事態は議会の存在を軽視するという以上に、市民福祉の向上を目指すべき市政の遂行を遅延させることにつながると考えます。 和歌山市政の運営などは、風が吹くまま、流されるままで、和歌山市は船頭がいない舟のように漂うことにならないか大変危惧されますが、市長はいかがお考えでしょうか。 報道によれば、市長の多選はよくないとお考えになっておるようで、そのような応答をされております。そうなら、なぜ3選出馬の際、または3選された後、比較的に落ちついた時期にそのお考えを表明されず、4選出馬に向け精力的に活動され、しかもその活動の最たる後援者集会で4選出馬しない旨発言されたのか、全くわけがわかりません。いかがお考えですか。 不出馬表明がなされた明くる日の報道は市長のコメントであふれていましたが、読んでいると、和歌山市をどのように思われていたのか不思議な疑問にとらわれるぐらい失礼な言葉が躍り、見識を疑いたくなるような思いを抱きました。4期目の市長選には立候補しないとお決めになったのなら、後の市政運営次期市長に任せたいとなぜ潔く発言されなかったのですか。 そして、後継指名はしないとも言われていますが、返す刀で、50歳代以下の若い方にバトンタッチしたいと述べられています。これは、60歳代以上の者は和歌山市長にはふさわしくないというふうにも受け取れますが、大橋市長には、お考えのように、50歳代以下の若い方で和歌山市長にふさわしい方の目星がおありなのですか。 ちなみに、大橋市長和歌山市長に就任された時点で56歳であったように記憶していますが、この3期12年弱にわたり、市長としてふさわしくないと思いながら、あるいは市長としてふさわしい仕事ができなかったと考えながら和歌山市政の運営に当たられてきたのですか。 いずれにせよ、後継指名はしないと言われた言葉と矛盾しますが、その発言の趣旨はどういうことですか。 3期12年弱にわたり、大橋市長と我々議会は、提案された議案について厳しい議論を交わしながら、またいろいろな局面に向き合いながら、それでも和歌山市政運営に遅延を生じさせないように折り合いをつけ、議会側が議決という答えを出して今日を迎えたと思っております。大橋市長は、こういう議会とのおつき合いについてどのように考えておられたのですか。 仁坂和歌山県知事が、来年度の3カ月くらいの間はどうするのか、無意思決定状態になってはいけない。市民として心配だ。レームダックに余り早くならないほうがよい。市政がまずいのではないか。自分だったらしないとコメントされていますが、大橋市長はこの知事発言をどう受けとめておられますか。 以上をお伺いして第1問といたします。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(山田好雄君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) おはようございます。32番北野議員一般質問にお答えします。 政治姿勢について、10点ございます。 まず、第1点と第2点。市民からの疑問の声、行政的重要時期の方向から、なぜ今の時期に次期市長選への不出馬を宣言したのか、その宣言しながら8月まで市長としての座を占め続けたいという理由は何かであります。 私は、今まで4選出馬すると申し上げたことはありませんし、4選出馬する予定であったものを今回取りやめたということでもありません。 来年8月24日で3度目の任期満了を迎えるため、支持者の皆さんの前で次の市長選挙には出ないということを申し上げたまででありまして、任期途中で市政を投げ出すようなことは全く考えておりません。 私といたしましては、本格的な予算編成や新年度の施政方針を表明する前に私の意思を皆さんに知っていただくことによって、行政の停滞を招くことなく、次の市長がある程度のフリーハンドを持てるような予算編成を行うことが可能となると考え、そのためには今が次期市長選に出馬しないと発表する最善のタイミングであるとの思いで、熟慮の末、決断したものであります。 3年4カ月前にいただいた市民の皆様の信託に応え、残された任期の満了まで粛々と市政運営を行い、市民福祉の向上と安心・安全なまちづくりに向けて、課題解決に努める所存であります。 3番目は、政策提案がはばかられる市長から議案が提出されるということは、議会の存在を軽視するという以上に、市政の遂行を遅延させることにつながり、船頭なき舟にならないか危惧されるという御意見でありますが、私は、市長に就任してから、議員の皆様を初め多くの方々の御理解、御支援をいただくことで、健全で持続可能な財務体質への転換や、よりよい和歌山市の実現に向けて大きく前進できたと考えています。 しかしながら、本市はまだまだ多くの課題を抱えております。残された任期での市政のかじ取りをしっかり行い、懸案事項の解決に努めるとともに、平成27年度以降の着手となる中長期的事業につきましても、課題整理基礎的調査など、次の市長が適切な判断を下せるための下地づくりはしっかりと行うことで、市政を遅延させることのないよう日々全力で取り組んでいく所存であります。 4番目は、多選はよくないと市長は考えているようだが、なぜ3選出馬の際、または3選した後の落ちついた時期にそれを表明しなかったのか、また、4選出馬に向けて精力的に活動しているように見えたけども、なぜその後援者の集会で出馬しないと発言したのかということであります。 多選につきましては、一般的に政策の継続性、安定性が確保される一方で、政治の独走化を招くことやマンネリズム化などの弊害があると言われており、私といたしましては、デメリットも大きいことから、4年前の3選出馬を表明する際に多選というものはよくないのではないかということを申し上げたことがあります。 とはいえ、市民の皆様の信任を得て3期目の当選を果たさせていただき、支持者の皆様から、国体までは頑張ってもらわんとといった励ましの言葉を頂戴いたしますと、私も人間でございますので、少し心が揺れます。市長として国体開催まで務めを果たすべきか、3期で次の方にバトンタッチすべきか、職務に励みつつも、ずっと迷っていたところであり、今般、熟慮の末、出馬しないことを決断したものであります。 5番目は、4期目の市長選に立候補しないと決めたのなら、後の市政運営次期市長に任せたいとなぜ発言しないのかということであります。 私が平成22年8月に3期目の当選を果たし、その後の4年間の市政運営について市民の信託を受けたわけであります。私は、一貫して信頼される市政を心がけてきたところであり、私に託された期待や責任を全うし、市民の皆さんが未来に希望が持てる和歌山市の実現に向け、残された任期を全力で取り組むことが市民の信託に応えることになると考えているためであります。 6番目、7番目、8番目は、要するに50歳代以下の若い方でと私が発言し、一方で、後継者指名はしないと言ったことは矛盾しているんではないかということでありますので、まとめてお答えいたします。 私は、60歳を超えたら市長にふさわしい仕事ができないなどと言ったことはございません。市長職につかれる方は、やはり2期から3期はやっていただかないと市政の継続性が保てず、職員も安心して仕事ができないと思いますので、退職時に70歳を超えていないほうが望ましいという思いで50歳代以下の方が望ましいと一般論を述べたものでありまして、後継者指名をしないということと何ら矛盾はないと考えています。 9番目は、議会とのつき合いについての市長の考えということであります。 議会と市長との関係につきましては、健全な緊張と均衡が必要であり、さらに調和を図ることで円滑な自治が運営されていくものと考えております。 これまで、議員の皆様方には、さまざまな御提言や叱咤激励をいただくとともに、私の市政運営に御理解、御協力をいただいてきましたことについて、心から感謝しているところであります。 残された任期につきましても、行政の停滞を招かず、継続性を保てるよう、これまでどおり必要なことは議会に提案してまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。 10番目は、知事発言をどう受けとめているのかということであります。 知事の発言については直接伺っておりませんが、表明の時期については、政治家個人の考えや価値観によってそれぞれ異なるものと考えており、言及は差し控えさせていただきます。 私は、当初予算を編成してから不出馬を表明するほうが、よほど市政を混乱させ、市民への責任を果たせないと思っていますし、この時期の不出馬表明で市政が漂流するとは考えていません。 私は、和歌山市長としての責任、市民の信託、支持者の信頼、そして何よりも市政の停滞を招かず、継続性を保つ観点から、今が最善の時期と考えたものであります。 以上です。 ○議長(山田好雄君) 32番。 〔32番北野 均君登壇〕(拍手) ◆32番(北野均君) 再質問をいたします。 市長のお話を伺っていると、12月議会招集の挨拶で述べられた内容を繰り返されているだけで、その内容たるや、今まで大橋市長が活動されてきたことと言っていることの整合がつかないことばかりか、論理性においても単に市長の思い込みにすぎないことばかりであり、市長の政治に対する矜持は一体何なのか、怒りを通り越して、不思議な感覚に陥っています。 まずは、4選出馬すると言った覚えや、出馬する予定を今回取りやめたということでもないとの答弁でありますが、あの発言がなされるまでは、市長は4選を目指して活発に活動されていたのではないですか。いろいろと活動の様子を挙げるまでもなく、あの発言があった大橋市長後援者集会で配布された封筒には、後援会への入会申込書まで入れていたのではないですか。たとえ大橋市長が4選出馬すると言葉で発しなくても、市長の活動を真に受けた市民は、次も出るものだと考えるのが道理だとは思われませんか。 さらに、次の市長選挙に出ないと言ったまでだとさらりと答弁されましたが、そう言われたからこそ、第1問で詳しく説明したように、和歌山市政を取り巻く環境が通常ではない事態に陥っているのではありませんか。こうした騒動を起こしているのは、大橋市長御自身の発言によるとはお感じにならないのですか。 残された任期の満了まで粛々と市政運営を行うと述べられましたが、本格予算でもない平成26年度の和歌山市政を8月までどういうふうにして粛々と市政運営するというのですか。 3選で与えられた信託は、市長がおっしゃるように、市民福祉の向上と安心・安全なまちづくりの仕事に邁進してほしいということを託されたのであって、市長の任期を保証するための信託ではありませんが、その辺を誤解されていませんか。 さらに、3年4カ月前に寄せられた信託はとっくの昔になくなっているからこそ、次期市長選に名乗りを上げる方々が出てきているのではありませんか。 本市はまだまだ多くの課題を抱えているということについては、私も同じ認識ですが、そうだからこそ、一刻も早くトップリーダーを決め、市行政が万全の体制で取り組むべきが筋で、残った任期で和歌山市のかじ取りなどはしていただきたくはないというのが現在の多くの市民の声ですが、大橋市長の耳には届いておりませんでしょうか。日々刻々と生まれる行政の課題を解決するために取り組むことそのものが市長の義務ではないのですか。次の市長が適切な判断を下すための下地づくりをするなどということは、僭越に過ぎるのではありませんか。 4選に出馬すべきか迷ったと述べられましたが、先ほど申し上げたことをお聞きになっておられなかったのか、来年度予算の編成期という押し詰まったときに発表するのではなく、3期目の落ちついているときにおっしゃるべきだと申し上げたので、単に決心がつかなかっただけなのか、先ほどの質問には答えておられない出馬辞退しなければならない理由があったのかよくわかりません。お答えください。 後継指名の問題ですが、退職時に70歳を超えていない方が望ましいという思いで一般論を述べたということでありますが、不出馬を発表する記者会見の席で、そのような一般論を述べるということが適当だと思われているのですか。 また、70歳を超えて立派な政治活動を展開されている政治家はたくさんおられ、市長に至っては全国812市中、70歳以上の市長は111市、80歳以上が3市あります。その114市、そしてその市長に対してどんな思いをお持ちになるのですか。 議会とのおつき合いについて伺いましたが、二元代表制のもとでは、市長と議会が緊張関係にあるのは当然であります。任期までの間、これまでどおり議会との関係を維持すると述べられていますが、議会がそれを望んでいると思われているのですか。 知事のコメントに対して、表明時期について、政治家個人の考えや価値観で異なると言われましたが、知事が心配されたのは、和歌山市が無意思決定状態になることが市民として心配であるということで、平成26年度が始まる4月から6月、7月にかけて、市民の声や新たに発生する行政需要に対して市長としてどのような政治的判断ができるのか、本予算を組めないまま、いたずらに8月の選挙まで時間を浪費するのか心配であるということを意味しているのだと思います。そういう思いについて市長はお答えになっていませんが、いかがですか。 また、市長は、骨格予算を組むとは発言したことがないとも言われておりますが、そうなら、本格予算を編成されるおつもりですか。そうではないのなら、市長の言われる予算編成そのものが、妙に中途半端で、理解に苦しむところであります。 そもそも骨格予算という言葉は、法令にうたわれる用語ではありません。通常、骨格予算が編成されるのは、市長選挙が行われる年度では、次の市長に就任される方がわからないため、就任される市長がどのような考えで、どのような政策を打ち出すのかわからないという状態では政策的な判断ができにくいためでありますが、骨格予算とて、義務的経費、毎年の行政運営に必要不可欠な経費、継続的に行う必要がある事業費、年度当初から事業を行わないと支障を来すものは計上されるところであり、先般、幹事長会議会運営委員会で副市長立ち会いのもと、財政局長から説明を受けた平成26年度予算の対応についてでは、まさに今申し上げた内容そのものの説明であり、そうして編成された予算を通常は骨格予算と呼ぶのであります。 仮に骨格予算でないのなら、次の市長がある程度のフリーハンドを持てるような予算とはならないのではありませんか。ちなみに、和歌山市財政の経常収支比率は98%であり、ほとんどが義務的経費、ないしはそれに近い事務事業費で占められているのが現状ですから、もともとフリーハンドの幅は極めて限定されているところで、そういう意味からは、市長の答弁はつじつまが合わないのではないですか。 財政問題でもう一つ伺います。 平成26年度予算への対応についてと題された説明書では、計上されない事業の中に、ほうらい荘事業が含まれております。この事業は廃止の方向で進んでいたところですが、多数の議員の質問や私の代表質問を受け、当局が事業の必要性に理解を示し、既に事業着手されながら今に至っているところであります。 つまり、この事業は、もはや市長の政策判断を有するものではなく、議会側の提案により着手された事業であり、担当する福祉局も事業の重要性を深く認識されているため、ほうらい荘設置条例は現在でも生きているところであります。 したがって、平成26年度予算の対応では、計上される事業に分類され、速やかに事業着手されるよう計らうべきだと考えておりますが、市長のお考えを伺います。 終わりに、るる質問という形で市長のお考えを伺いました。すぐれた頭としたたかさをあわせ持ち、いこじな性格の大橋市長には、独特の論理を駆使して答弁されると思いますが、任期を9カ月残しながら退任されることを発表された時点でレームダックになってしまったことにお気づきではないようです。当然のことながら、和歌山市民は、レームダックとなった大橋市長のおっしゃることなどは聞く耳を持たないですよ。 加えて、和歌山市政を進める原動力である市職員のことをお考えになったことがありますか。レームダックとなった市長を頭に抱えて、どのように行政に取り組めというのでしょうか。 これ以上、和歌山市政の混乱を深めないために、そして和歌山市政の停滞を避けるために、大橋市長は直ちに退陣されるべきだと存じますが、いかがでしょうか。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(山田好雄君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 32番北野議員の再質問にお答えします。 17点ございます。 まず、1点目と2点目、4選出馬と言葉で言わなくても、市長の活動を見てたら出ると思うのが当たり前じゃないかと、それに突然やめると言うから混乱するんであって、市長の発言がこういう状態を招いたんだとは思わないのかと、そういう趣旨であります。 市政運営は待ったなしであり、日々精力的に活動してまいったこともありまして、そのことが4期目への活動と映った方もいらっしゃったかもわかりません。 しかしながら、最終的な判断は私自身で下すべきものであり、今回、熟考の上発表させていただいたものであります。 次に、不出馬を表明したことで議会の皆様方に御心配をおかけしていることにつきましては、まことに申しわけないと思っておりますが、私としては、どの時点で表明したとしてもリスクがあると考えており、市政の混乱を避け、リスクを最小限に抑える最善の時期と判断して表明させていただいたものですので、御理解賜りたいと思います。 次は、予算と、どうやって粛々と市政運営をするのかということであります。 残された任期で課題解決に誠心誠意取り組む決意でありますし、市民生活や地域経済に影響を及ぼすようなことを先送りするつもりもございません。 したがって、これに必要な予算措置は行ってまいりますし、任期満了まで日々全力で市政運営に当たっていく所存でございます。 3選で与えられた信託が市長の任期を保証するものと誤解しているという御質問でありますが、それは全く誤解ではないと私は思っています。選挙で得られた信託は、4年間の任期いっぱい、市政運営を私に任せていただいたものと考えており、残された任期を全うすることが市民の信託に応えることになると確信しております。 やめると言った人が残った任期で和歌山市政かじ取りをしてほしくないという多くの市民の声が市長の耳には届いていないのかということでありますが、これまで出処進退につきましては、市民の皆様を初め議員の皆様からいろいろと御意見を頂戴しております。私としては、先ほどから何度も申し上げたとおり、任期途中で市政を投げ出すことなく、残された任期の満了まで市政のかじ取りに全力を傾注してまいります。 次の市長が適切な判断を下す下地づくりをするというのは僭越ではないかと、ありのままの課題に向けて取り組むことが市長の義務ではないのかと、6番目と7番目でありますが、私は、中長期的な事業で、平成27年度以降に開始となるようなテーマについては、次の市長が最終的に判断すべきと考えています。判断するに当たっての材料となる現状分析や課題整理といったことは必ず行う必要があります。そういったことを今から進めていくことは、次の市長のスムーズな市政運営につながり、ひいては市政の遅延を防ぐことになると考えています。 次に、出馬辞退について、1問で、3期目の落ちついているときに言うべきで、そのときに言わなかったのは単に決心がつかなかったのではないのか、また、出馬辞退しなければならない何かの理由があったのかという御質問でありますが、御指摘のようなことは全くありません。 次、9番目と10番目です。出馬する人が退職時に70歳を超えていない人と言っているが、一般論を記者会見の場で述べるのは適当なのか、70歳を超えて立派な政治活動をしている方がたくさんいるが、その方々に対して失礼ではないか、どんな思いだということであります。 記者会見の場で一般論を述べることが不適切とは私は思いません。70歳を超えて立派な政治活動をされている方がたくさんいることも承知しております。決して70歳を超えると市長にはふさわしくないと言っているのではございませんし、その市長を信頼し、市政を任せている市民に対して、否定的に申し上げたつもりもございません。 議会とのつき合いについて、これまでどおりのつき合いを議会が望んでいると思っているのかと、こういう御質問、11点目であります。 私は、市議会と市長の間には適度の緊張関係は必要であると考えており、市政運営に対する御理解、御協力を賜るとともに、場合によっては厳しい御意見をいただくことが市政発展と市民の福祉増進という共通目的の達成につながると思っています。そうした関係を構築できるよう努めてまいります。 それから、12番目、知事のコメントについての新年度が始まってからの市民の声や新たに発生する行政需要に対して市長としてどのような政治判断ができるのか、そのことについて知事が心配しているんだと思うがどうか。また、本格予算を組めないまま8月の選挙まで時間を浪費するのか心配だということを言っているんではないかと思うがどうか。それから、13番目、骨格予算を組むと発言したことがないと言っているが、それでは本格予算を組むつもりか。14番目、仮に骨格予算でないのなら、次の市長がある程度フリーハンドを持てるような予算とはならないのではないのか。15番目、和歌山市の財政状況を考えればフリーハンドの幅は極めて限定されているので、答弁とつじつまが合わないのではないかという4点については一括してお答えいたします。 もし私が任期満了前に早期にやめたといたしますと、現在、国で予定されている大型の補正予算に乗れないだけでなく、市長不在の期間が存在することが不可避となり、中核市市長会や国への緊急要望など高度な意思決定ができなくなるなど、それこそ市の地域経済や住民福祉に悪影響が及ぶと考えております。 だからこそ、市政の空白期間をつくらず、任期満了まで市長の職を務め、その時々の課題に市長として適時適切に対処することこそが和歌山市のためになると思っています。今辞任することのほうが和歌山市の未来を考えていないのではないかと思っています。 ただ、任期いっぱいまで務めることで、知事のコメントに代表されるような継続性に係る懸念や、次の市長のフリーハンドに関する懸念も聞こえてきているところではあります。だからこそ、先ほど答弁いたしましたとおり、市政の継続性の維持と次の市長のフリーハンドが保てる予算編成をしていきたいと考えているわけであります。 骨格予算についてのお尋ねですが、議員も御指摘のように、骨格予算というのは法律用語でなく、一般に首長の交代期等に編成される予算について使われる用語であります。 本市の平成26年度予算は、継続費や債務負担行為に基づく経費、国、県制度による経費、扶助費などの義務的経費、施設管理経費などの経常的経費は年間所要額を予算計上することはもちろん、今の時期に予算計上しないと国の補助制度などで不利を生じ、住民生活や地域経済などに悪影響を及ぼすおそれのある事業などは、新規事業であっても個別に判断し、予算計上を行います。 また、平成27年度以降の着手が予定されて、次の市長が最終判断すべき中長期的事業や事業のスムーズな進行のために必要な準備的経費についても予算措置を行うなど、よりよい形で引き継ぐことができるようにすることが、市政運営の停滞を防ぎ、空白といわれる期間を生じさせず、次の市長がある程度のフリーハンドを持てるようなものとしていくことにつながると考えています。 また、次の市長にフリーハンドがあるかどうか、ないんではないかと、経常収支比率との関係でそのような御指摘ですが、私の市長就任時に、本市の財政状況は極めて厳しい状況にありながら、私は財政の立て直しと並行して、防災対策、教育環境の改善、都市基盤整備など必要な事業に取り組んで成果を出したと考えております。また、予算上のフリーハンド以外にも条例を初めとする制度設計上のフリーハンドもあり、財政状況が厳しいからといって、次の市長のフリーハンドが極めて少ないということには当たらないと考えます。 16番目、ほうらい荘の事業については、計上される事業に分類して、速やかに事業着手すべきと考えるがどうかということであります。 ほうらい荘につきましては、これまでも議会で表明させていただきましたとおり、その機能はこれからも提供していかなければならないと考えております。提供方法にはさまざまな方法が考えられるものの、もとより継続していくべき事業だと考えております。 ほうらい荘の機能をどのような方法で引き継いでいくべきか、平成26年度予算にどのような形で盛り込んでいくのかについて、議会からの御提案を踏まえまして前向きに検討し、私の責任においてしっかりと結論を出してまいります。 最後17番目は、直ちにやめたほうがええんと違うかと、こういう御質問であります。 私は、全身全霊を注いで市長の職務に邁進することを市民に誓って選出されたわけでありますから、任期途中で職務を放棄することは、それこそ無責任であり、任期を全うすることこそが市民の信託に応える方法であると確信しております。任期満了の日まで全力で積み残した課題の解決に取り組んでまいります。 以上でございます。 〔発言する者あり〕 ○議長(山田好雄君) 当局、答弁漏れありませんか。市長、ありませんか。--答弁漏れありという議場の話があるんですが。--32番。 〔32番北野 均君登壇〕 ◆32番(北野均君) 答弁漏れということで指摘をいたします。 次期市長選に名乗りを上げる方が出てきているのではありませんかと質問をさせていただいております。 それから、もう一つは議会との関係でありますが、継続して議会とのおつき合いを図っていかれたいという御答弁でありますが、議会はそれを望んでいるのかとお尋ねをいたしました。それについてお答えがありません。お答えを再度お願いします。 ○議長(山田好雄君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 答弁漏れがあるという御指摘がありましたので、その2点につきまして述べさせていただきます。 次期市長選に名乗りを上げている人が出ているではないかというのは、これは次期市長選のことでありまして、任期の途中にやめると言って次期市長選に名乗りを上げているわけではないというふうに判断しております。 議会とのつき合いを議会が望んでいると思っているのかということでありますが、それはよろしくお願いしたいと思っておりまして、皆様方でも多くの方は望んでいらっしゃるというふうに理解しております。 ○議長(山田好雄君) 次に、松井紀博君。--21番。 〔21番松井紀博君登壇〕(拍手) ◆21番(松井紀博君) 皆さん、改めましておはようございます。 ただいま議長の御了解を賜りましたので、通告に従いまして一般質問をいたします。 まず初めに、海外交流事業について。 このたび、日台友好和歌山市議会議員連盟によります台湾友好訪問団として、去る11月11日から同13日まで2泊3日の日程で、古川副議長を団長に、日台友好和歌山市議会議員連盟会長の私、松井、副会長の寒川議員、吉本議員、幹事長の戸田議員、事務局長の井上議員、また、委員として中村議員、野嶋議員、島議員、小川議員、上田議員、加えて市議会事務局職員2名、内外交流課職員から2名が同行し、計15名で訪問してまいりました。 台湾との友好、親善、文化交流を通じ、お互いの交流を深め、日台間における真の友好関係を構築することを目的に、平成22年6月24日に議員連盟を設立して以来、昨年に続き二度目の台湾訪問となりました。 11日午前10時に関西国際空港からチャイナエアラインにて、現地時間午後の12時20分、予定どおり台北桃園空港に到着いたしました。 空港に到着後、訪問団一行は貸し切りバスにおきまして1日目の訪問、宿泊先でもあります宜蘭(ギラン)県にあります礁渓(ショウケイ)温泉に向かいました。この温泉は、本年6月14日に和歌山県白浜町の白浜温泉と温泉姉妹都市提携した温泉であります。 礁渓温泉は、台湾北部の宜蘭県礁渓郷(ショウケイゴウ)--人口約3万6,000人--にあります温泉で、台北市からは車でおよそ1時間のところであります。以前は山道で2時間以上かかっていたのが、2006年6月の雪山トンネル開通によりまして、およそ半分以下の時間に短縮されました。長さは12.6キロメートルで、高速道路のトンネルとしてはアジアで2番目、世界でも5番目の長さだそうです。 その夜、白浜温泉国際観光交流協議会と提携を結んだ礁渓湯仔城(シュウケイトウシジョウ)温泉産業及び観光発展協会、シャウ・シーシン理事長との意見交換会が我々の宿泊するホテルで開催されました。 簫理事長から、本年10月14日に白浜町を訪れた際、和歌山の皆様方には大変お世話になりました。今後もこのような日台間の交流活動をさらに発展させたいとお話がありました。 また、当日来賓として意見交換会に御臨席いただきました礁渓郷公所--これは町役場という感じですか--林錫忠(リン・シャクチュウ)郷長--町長さんですが--から、去る10月に白浜温泉を訪問させていただいた際、今後、両温泉が互いに誘客を促す取り組みを進めるとともに、スポーツ分野や文化交流でも活発な交流を進めたいと考えています。また、白浜温泉の規模、温泉の質、サービスとも一流で、礁渓温泉にとって学ぶことが数多くあり、実りのある和歌山訪問となりましたとの御挨拶がございました。 歓迎の御挨拶を受けた後、訪問団の団長であります古川副議長から訪問団を代表して、一昨年の3月11日に発生した東日本大震災に際しての御支援に対する御礼と、宜蘭と和歌山が今後ますます深いきずなで結ばれ、今回の訪問により、より一層の友好、親善、文化、経済交流を発展させていきたいとの挨拶を申し上げたところであります。 その後、参加者の紹介がございまして、記念品の交換では、古川副議長から林郷長及び簫理事長にそれぞれ贈呈し、意見交換会は和やかな雰囲気の懇談の中、相互の友好関係を深めることができ、寒川副会長の閉会の挨拶をもって終了いたしました。 翌2日目は台北市に移動し、市内にある文化施設、紀州庵-文学森林-を訪れました。この施設は、城南文学公園の中にありまして、2011年、台北市政府文化局の関連施設として台北市初の文学主題の芸文空間となるよう計画され、現在、同敷地内には紀州庵新館が建てられており、施設内にて文学芸術に関する討論会や講演、展覧が定期的に行われており、また、1階では文学茶館や文学書籍や文創商品を販売するショップが併設された施設となっております。 今回、ここを訪れたのは、この文化施設と同一敷地内に、日本統治時代の1917年に日本料理店として建てられた紀州庵という日本建築家屋が現存しており、台北市政府による手厚い保存、修復計画がされている現状を知り得たことにより、現地視察並びに訪問に至ったのが目的でございます。 視察当日、紀州庵新館内にある会議室にて、台北市文化局主任秘書、李麗珠(リ・レイジュ)氏から当時の紀州庵の状況や施設の歴史的経緯、今後の計画等について説明を受けたところでございます。 日本統治時代、この文化施設が建っていた場所には日本建築家屋の日本料理店が建てられており、その経営者は和歌山市出身の平松徳松氏という人物であり、1897年に初代台湾総督、樺山資紀の随行員として義父と一緒に台湾に行かれ、そして後に事業として当地で開業した日本料理店の名称が紀州庵で、当時の写真などの説明では栄華をきわめ、大層繁盛されていたとのことでしたが、その後、太平洋戦争が勃発したことにより、紀州庵も戦争期間のため営業を停止せざるを得ない状況となり、その後、日本の敗戦に伴い、平松家一族が台湾を離れることとなり、紀州庵も人々の記憶から消されていきました。 この平松家一族というのは、もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、後に和歌山で広くスーパーマーケットを経営されていましたあの平松さんであります。この平松家は、聞くところによりますと、当時の総督府の中の食堂の経営もなさっていたということでございます。 その後、紀州庵が所在しております川端町は国民党政府に受け継がれ、官公庁街、台北大学と師範大学に挟まれた官舎や宿舎が集中している区域となっていきました。当時、国民党政府は総督府から受け継がれた全部の財産を新たに分配を行った結果、紀州庵も省政府の協力団体職員第一宿舎となりました。 この紀州庵が文学の拠点施設となった背景には、台湾でも有名な作家、王文興がこの第一宿舎で8歳から24歳までを過ごし、後に小説家となり、この紀州庵は王文興が書かれた小説「家変」--家に変ですね--の舞台になっていました。また、この紀州庵の付近に2社の出版社があることから、徐々に作家や文学者たちがともに過ごす空間となりました。 そんな折、紀州庵が小説の舞台になったことがきっかけで、人々から忘れられかけた紀州庵も新たな顔を人々に見せることとなってまいりました。 その後、荒廃してきた建物跡地一帯に生息していた古木を保護していこうといった地元住民による森林保護の動きの中で、同敷地内にあった紀州庵が王さんの小説の舞台となったこともあり、文化的価値が高いということから台北市指定文化財に指定され、文化を加え、文化森林として整備することを決定し、紀州庵の保存計画が始まりました。 この紀州庵は、現在、改修工事を行っておりまして、来年の1月に工事が完了するとのことであります。また、先ほどの李台北市文化局主任秘書から、来年1月の紀州庵改修工事完成に伴い、5月ごろにオープニングイベントを開催する計画を立てており、ぜひともその際には台湾にお越しいただきたいとの強い要望がございました。 その日の午後、次の訪問先であります台中市議会への表敬訪問を行うため、台湾新幹線に乗り、一路台中市に向かいました。この台中市議会への表敬訪問は、戸田議員の御友人で台中市で貿易会社を営んでおられます周思源(シュウ・シゲン)氏の計らいで実現いたしました。 台中駅到着後、台中市議会議長の秘書である蘇玄和(ソ・ゲンワ)氏と、先ほどの周思源氏が台中市議会のバスでお出迎えに来ていただいておりました。 台中市議会へ行く途中、旧台中駅を見学。聞くところによりますと、この駅は、日本統治時代にヨーロッパ様式で建築されたもので、東京駅を設計した建築家、辰野金吾に影響を受けた日本の建築家が設計し、その外観は辰野式建築様式が用いられ、建物の歴史的価値から博物館として後世に残していこうという動きがあるとのことでした。 その後、台中市民の憩いの場であります台中公園を経由し、台中市議会へと足を運びました。 我々一行が台中市議会へ到着すると、議会棟入り口にて、黄仁(コウ・ジン)議員--国民党--、林榮進(リン・エイシン)議員--これも国民党ですが--が出迎えていただきました。 訪問時、台中市議会は本会議の開会中でありまして、その日は一般質問を行っておりました。我々は、黄議員、林議員の計らいで、傍聴席から議会側と当局側の激しい質疑応答を見学させていただくなど、貴重な経験をさせていただいたわけであります。 和歌山市議会との違いは、質問議員のみが出席して質問をする形式でございます。質問のない議員は議場には入っていないことに驚かされました。また、開会中にもかかわらず、議場におられる胡志強(コ・シキョウ)台中市長のほうから、我々が表敬訪問に来ている旨の紹介があり、我々も議場に向け一礼し、手を振って紹介に応えました。 その後、国民党を訪問させていただき、国民党議員団を代表して洪嘉鴻(コウ・カコウ)議員から歓迎の挨拶が述べられました。 次に民進党を訪問させていただき、民進党議員団を代表して曽朝榮(ソウ・チョウエイ)議員から、最初は5人の来訪とお聞きしておりましたが、2日前、何と15人までふえて、より多くの先生方が台中市にいらっしゃったことを大変うれしく思っています。今回の周社長の紹介を機に、和歌山市と何らかの分野で交流できればと期待しております。あすは姉妹提携先の神戸市議会の皆様がお見えになります。歓迎会では皆様方と友好を図りながら心行くまで飲みますが、和歌山市議会の皆様も次回台中市にいらっしゃるときには時間をゆっくりとっていただき、市内を視察していただくなど、そのときは両市友好交流のため乾杯しましょうとの歓迎の挨拶を述べられました。 その後、古川副議長から両党それぞれで今回の表敬訪問による御歓待のお礼の挨拶と記念品の贈呈を行い、和やかな雰囲気の中、会談を行い、再訪を約束して台中市議会を後にし、台北市への帰路につきました。 その日の夕方、台北市に到着後、市内にあるレストランにて、今回の台湾訪問の際に関係機関との連絡調整等、御配慮いただきました中華民国外交部亜東関係協会主催の歓迎会が開催されました。協会側からは秘書長の羅坤燦(ラ・コンサン)氏、秘書回部弁事の顧鉄誠(コ・キンセイ)氏、秘書組組長の陳志任(チン・シニン)氏、薦任科員の莊文一(ソウ・ブンイチ)氏、薦任科員の林雍凱(リン・ヨウガイ)氏の5名の方が出席されました。 歓迎の挨拶で、羅坤燦秘書長から日本勤務時代に何度か和歌山に行ったことがあり、新鮮な海の幸、温泉、世界遺産などに本当に心が癒される場所だと思いました。実は和歌山という名が台湾では有名であります。なぜなら、昔、和歌山リトルリーグの少年野球がとても強く、世界大会では台湾のチームがいつも負けていたことで台湾の人たちにとっては深く印象が残っています。また、経済では台湾と日本との間で貿易赤字の問題がありますが、日本のものを台湾を経由して中国へ輸出するなど、産業、経済で今後も協力していきましょうとの歓迎の挨拶があり、その後、私のほうから御礼の挨拶を行いました。 古川副議長の乾杯の御発声で歓迎会が始まり、盛大に、かつ和やかな雰囲気の中、進んでいきました。歓談半ばで私から、友好と書かれた記念の盾を羅秘書長に手渡し、また、古川副議長から同秘書長に記念品を贈呈いたしました。中締めの挨拶が寒川副会長からあり、歓迎会は終了いたしました。 3日目は、午前中、台湾総統府を視察、亜東関係協会の御配慮で、現地解説員の林宗澤(リン・ソウタク)氏が日本の統治時代から現在に至るまでの総統府--以前は総督府でございます--の歴史を丁寧な説明で御案内していただきました。 その後、再び紀州庵を訪れ、施設で働く現地スタッフと懇親を深め、紀州庵が完成した暁には再度訪問することを約束し、一行は台北桃園空港へ向かい、帰国の途につきました。 昨年に引き続き、2泊3日の旅程ながら、欲張りなメニューを詰め込んだため、時間の余裕がない台湾訪問となり、参加者の方々には申しわけない思いでおりますが、誰一人体調不良を訴えることなく、無事にことしの訪台が終了したことを感謝申し上げます。 さて、先ほども申し上げたとおり、紀州庵における視察は非常に有益なものとなりました。参加者は異口同音にこの施設の今後の可能性を語り、まずは修復成った紀州庵のオープニングセレモニーに際し、平松氏を初めとする民間の方々に周知を図るとともに、今後の交流事業の中心的な位置づけとなるよう、さまざまなアイデアを提供していければと考えた次第であります。 また、今回は市当局内外交流課の職員も参加しておりましたので、この帰朝報告において、今後の台湾との交流事業を市としてどのように進めていくのか大いに議論をすべきであるとも考えておりました。 しかし、残念なことに、市長の不出馬表明と来年度予算編成の方針を聞かされた現状においては、それもむなしい議論になりかねません。 したがいまして、市長には今後の当局の方針について、あえてただしません。今の帰朝報告に感想なりがおありならどうぞお答えください。特になければ答弁は結構でございます。 引き続き、市長の政治姿勢についてお尋ねいたします。 過日、市長は、みずからの後援会が主催する女性の会の挨拶において、多選による弊害を避けるため4期目の出馬を行わず、今期限りで市長の職を辞する旨、表明されました。また、本定例会の招集挨拶においても同様の表明をされましたので、既に市民周知の事実であります。まず、この潔い御決断には敬意を表するものであります。 さて、市長の不出馬表明を受けてから、このところは時間がありますと、ついつい大橋市政の3期を振り返り、さまざまな事柄を思い出しております。 思えば平成14年の夏、当時、毎日新聞社の東京本社で勤務されていた市長は、自民党県連を中心とする多くの人々から出馬要請を受け、急遽和歌山に戻られました。当時、市議会議員ではなかったものの、保守新党の一員であった私も、大橋市長誕生のため、大いに汗をかいたものでありました。 後に大橋建一後援会の会長につかれることとなります月山和男先生の、いわばつき人兼運転手を仰せつかり、さまざまな方面への挨拶回りに同行したり、個人演説会での司会を務めたりと、本当に嵐のような日々を過ごしたものでした。 候補者であった市長御自身は、次から次に目の前に登場する人物の名前はおろか、顔も覚えられない状況であったと推察いたしますが、後に、ああ、あの中に松井もいたんだなという程度には認識していただけているものと思います。 あれは紀伊小学校で開かれた個人演説会だったと思いますが、大橋候補者がなれない演説を終え、その後の自分が会場でどのような所作をすればよいのかわからず、うろうろとしてしまい、会場に詰めかけた大勢の市民から笑いが起こりました。司会の私はこう言いました。「皆さん、ごらんのように大橋候補は全く場なれしておりませんし、不器用です。しかし、その不器用さこそが彼の真面目さの証明であります。そしてその真面目さが、私たち市民が長らく和歌山市政に求めてきた形ではないでしょうか」。これを聞いた会場の市民からは万雷の拍手が巻き起こり、私はそれを見て、大橋新市長誕生への市民の期待を大いに実感したものでありました。 そんな経緯もあり、私も大勢存在する大橋市政の生みの親の一人であると自認しておりますし、議員となり新風クラブを設立した際にも、大橋市長を支えていくと表明したものであります。 その後、非常に辛口の批評家でありつつも、常に大橋市政が未来の和歌山市への礎となるべく務めてきたつもりでもあります。市長も、小じゅうと並みにうるさいと思いつつも、ある程度は信頼感を持って愚見に耳を傾けてくれたと思っております。 さて、そんな激戦を勝ち抜いた大橋市長は、市民の期待を裏切ることなく、真面目にこつこつと財政健全化に取り組まれ、その成果については広く市民の知るところであります。 3期に及ぶ大橋市政の中で私が最も印象に残っているのは、旧丸正ビルの再生です。さまざまな経営者が検討したものの、ビジネスモデルとして見通しが立たず、投資再生の話が浮かんでは消え、市民共通の課題でありながらも、具体策が見出せない閉塞状態が続いておりました。 そんな折、市長は国の制度補助を極めて有効に取り入れ、その補助金をインセンティブとし、民間の投資意欲を高めるとともに、当時の島商工会議所会頭やその奥様との個人的に醸成した信頼関係を大切にされ、フォルテワジマ誘致を成功させました。 当時は、選挙公約に旧丸正ビルの再生をうたっていたため、民間業者への利益供与など、あらぬ批判を受けつつも、ぶれることなく事業を完遂した粘り強さは、まさに賞賛に値するものでしょう。もちろん、最も賞賛されるべき島夫妻は、思いも寄らぬ世間の批判にも耐え、ビジネスモデルとしては非常に困難なこの事業に郷土愛という計り知れぬ要素を加えてくださり、決断と遂行をなしていただいたもので、改めて感謝を申し上げたいところでございます。 その後も、全国の地方都市においては、まちづくりの事業の優等生との評価が高い市街地再開発事業や優良建築物等整備事業を、けやき大通りと駅前JAビルで導入に成功されました。これらの事業も、和歌山においては民間企業に補助金を出すのは便宜供与だなどという前時代的な概念が蔓延しており、それによる批判を嫌う歴代市長が積極的に推進してこなかったもので、市民が大橋市長の清潔な人柄を信頼しておればこそなし遂げられた事業だと考えております。 世論が真っ二つに分かれて激しい議論がなされたボートピア設置問題も印象深い出来事でした。直川用地の賃貸対応への目的変更による流通団地誘致も大きな功績でしょう。 そして、最も大きな功績は、和歌山市長という政治的地位、我が町のトップに対する市民の信頼を取り戻してくれたことでしょう。まことに残念なことではありますが、歴代市政にはさまざまな影がつきまとい、市長が関係する事件が続いておりました。そんな中にあって、清廉潔白な政治姿勢を打ち出され、任期中のさまざまなあつれきにも屈することなく貫き通され、政治に対する信頼を取り戻してくれた大橋市長には、政治家の末席におる者として改めて感謝を申し上げたいと思います。 そして、その評価が形となってあらわれたのは、2期目、3期目の選挙でしょう。2期目は圧勝、3期目はなかなか対抗馬が出ないという、この強さこそが市民の市長への高い評価の証明であり、大橋市長に何もしないと批判する人こそ、何も知らないだけなのであります。 いつも辛口の松井がこのような言葉を並べると、市長は逆に不安に感じるかもしれませんが、御安心ください。ちゃんと歯にきぬ着せぬ意見もあわせて申し述べたいと思います。 前述のとおり、市長は11月半ばに4期目への不出馬を表明されました。多選批判を避け、後援者の動向をも配慮した上での態度表明であり、政治家の出処進退はかくあるべしというものであります。もちろん、熟慮の上での決断であると推察いたします。 政治家が出処進退を明らかにするとき、特に市長職のように唯一の存在の場合、その時期や理由は殊さらに世間の耳目を集め、人々によりさまざまな評論がなされます。中には傾聴に値するものもあれば、何の根拠もない誹謗中傷もありますが、そのどれもが世論を構成する要素であり、いわゆる民意であります。 政治家の出処進退は本当に難しいものです。市長は不出馬表明をされた上で、任期の8月まで市長を務めるとも表明されました。大橋市長にすれば、市民に負託された4年という任期を全うすることは非常に重要であり、その期間をもって12年の総括を行うべく職務に当たろうとすることは、一つの正義であり、これを頭から批判することはできません。 しかし、市長の不出馬表明の後に私の耳に入る言葉には、せっかく潔さを見せた大橋市長任期満了に執着すると、市長の椅子にしがみついていると感じてしまうといった内容が多く見られます。非常に残念なことでありますが、市長に近しい人々はなかなかこのような厳しい意見を市長の耳に入れないのではないかと思い、あえてここで申し上げるものであります。 政治家の終わり方。市長のみならず、私も含めて、全ての政治家の大きな課題であります。 最も人々から惜しまれるのは、死去によるものでしょう。近代国家が誕生した明治の時代から昭和に至るまで、数多くの政治家が凶弾あるいは凶刀に倒れてきました。また、その過密な職務が知らず知らずに体をむしばみ、病気による急逝も決して珍しくありません。 我が和歌山市議会の諸先輩方にも、任期途中に病に倒れた方も少なくはございません。一昨年の石谷保和先生の急逝に衝撃を受けたことは記憶に新しいものであります。 大橋市長の御尊父である大橋正雄元和歌山県知事も任期途中で急逝され、その早過ぎる逝去を多くの県民が悼み、その存在を惜しみ、涙を流したと伝え聞いております。 死去という政治生命の終え方以外には、全く批判を受けないやめ方はないとも言えるでしょう。 それに次いで、本人や家族の病気、けがにより惜しまれながら引退するなど、批判を受けづらい、受けにくいやめ方もございます。 そう考えてみますと、今回の市長のように、多選批判が起こる前に速やかに引退を表明する。本当に英断だと思います。 しかし、市長、辞職を表明して9カ月以上の残任期は余りにも長きに過ぎます。法的には、予算の編成権も提案権も種々の施政方針に関する判断も、またその事業を実施する権利も全て任期中はございます。市民から付与された権限であることは言うまでもございません。 しかし、これまでの政治の慣習により、辞任を表明した首長は、政治的不文律により本格予算の編成をせず、政治的決断を後任者に委ねるのです。言いかえれば、不出馬表明をした後においては、市長職の任期は残っていても、政治家の任期は満了してしまうのです。 さきにも述べましたとおり、政治家大橋建一氏の与党のつもりでこの11年余りを過ごしてきた私としては、残りの任期である9カ月、大橋市長がまさにレームダックと化し、本定例会も含め3度の議会において将来を見据えた議論に参加せず、そのことから市政が停滞していると市民から非難され、結果として市長の椅子にしがみついていると、まことに不本意な批判を受け続ける、任期が近づいたころには心身ともにぼろ雑巾のようになる、そんな姿は絶対に見たくありませんし、その晩節の行動一つ一つで3期12年の評価を帳消しにしてしまうことは看過できないのです。 大橋市長には、名知事とうたわれた御尊父と同様に、ともに和歌山を支えた為政者として、名市長としてぜひとも歴史にその名を刻み、親子二代で県民、市民の尊敬を集めていただきたいと心から望んでおります。 大橋市長、私は、尊敬と親愛をもって謹んで市長の辞職を御進言申し上げます。あなたは、本定例会をもってその職を辞し、速やかに後進に道を譲ることにより、市政の停滞を招くことなく、和歌山市政に貢献した名市長として賞賛される道を選択すべきです。 私のような若輩が市長に対して辞職を勧告することは、僭越などという生易しいものではなく、礼を失していると市民から非難を受けることになるでしょう。しかし、私は、その思うところが和歌山市民の福利に結びつくとの信念を持って申し上げたつもりです。 大橋市長、まことに不遜な一般質問ではありますが、ただいまの私からの辞職勧告をどのようにお考えでしょうか。市民皆さんにお答えするつもりで、その内心を披瀝していただきたい。真情を吐露していただきたい。 大橋建一和歌山市長の名誉と未来の和歌山市民のために、ぜひ私の愚見に首肯していただき、この場において辞職を表明されることを期待して第1問といたします。(拍手) ○議長(山田好雄君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕
    ◎市長(大橋建一君) 21番松井議員の一般質問にお答えします。 まず、台湾の視察報告についての市長の感想をということであります。 今回の台湾視察で台北文化局が和歌山市とゆかりのある紀州庵を文化財として保存し、後世に伝えていただけるという報告を受けました。 このように、台湾の方々が日本の文化を大切にし、継承していただいていることについては、私も大変うれしく思います。 私も3年前に私的に台湾を訪問させていただき、台湾がいかにすばらしいところであるかということは認識しております。 和歌山市日台友好議員連盟の皆様におかれましては、発足当時から、台湾と熱心に交流していただいていると伺っています。 姉妹都市、友好都市に限らず、親日といわれている国や地域の都市との交流を深めていくことは双方にとって意義のあるものだと考えています。 次に、市長の政治姿勢ということで、まことに心温まる辞職勧告をいただきました。 3期にわたる市政について高い評価をいただいていることに対し、大変うれしく感じますし、議会の皆様方の御協力、御理解があって信頼できる市政を取り戻せたものと考えます。 ただ、答弁といたしましては、北野議員にもお答えしたとおり、私は平成22年8月に市民の信託を受け、以後4年間の市政のかじ取り役を任されました。私は、常に課せられた責任を自覚し、一貫して信頼される市政を心がけてきたところであり、任期半ばで職を辞することは、市民の信託を裏切る行為で、それこそ無責任のそしりを受けることになると考えています。 出処進退につきましては、いろいろと御意見を頂戴していますが、私としては、慎始敬終--始めを慎み、終わりをつつしむ、いわゆる物事を最初から最後まで気を抜かず、手抜きもせずにやり通す覚悟であります。 残された任期を誠心誠意、日々全力で取り組んでまいります。また、こうすることこそが市政の停滞を招かず、継続性を保つことにつながると確信しております。 以上です。 ○議長(山田好雄君) 21番。 〔21番松井紀博君登壇〕(拍手) ◆21番(松井紀博君) 答弁をいただきましたが、率直に申し上げて非常に残念であります。 そこには何の反省もなく、市長はそのみずからの判断のみが唯一正しくて、そしてその結果を貫いても問題点が生じるどころか、むしろ高い効果を得られる、そのような答弁でありました。残念です。大橋市長はいつからそのような傲慢な人になってしまったのでしょうか。本当に残念でなりません。 思えば、公立幼稚園の統廃合問題で、市長は子供たちを思う心から答弁途中に涙を流されました。また、同和対策事業についての答弁では、いわれなき差別を受けた方々を思い、言葉を詰まらせました。 政治家たるもの、発言中に感きわまり、涙を流すことは余り褒められたことではありませんが、しかし、私は、大橋市長のそんな姿を見て、本当に心の優しい人で、その優しさこそが大橋市長の魅力なんだなとさえ思っておりました。しかし、先ほどの答弁には、残念ながら他者に対するあなたの優しさは影を潜め、謙虚さのかけらも見えないものでした。本当に残念でなりません。 マスコミの報道によりますと、市長は、今回の不出馬表明を行うに際し、誰にも相談をせず、事前には奥様にのみ話していたとのことです。そのことにつきましては、各人各様の物の考え方がございますので非難はいたしませんし、事前に相談することにより生じる弊害も考慮した結果であると推察しております。 しかし、誰にも相談せずに出した答えは、さまざまな結果を想定しづらく、偏った考えに陥りやすいのは、何も大橋市長、あなただけに限った話ではありません。市長がたった一人で考え導き出した結論が、結果としてさまざまな方面で波紋を呼び、現実として当初予算への新規事業提案を抑制させざるを得なくなり、市民にとって少なからずマイナスの影響が出ているのではないですか。 にもかかわりませず、市民に対して一切のおわびの言葉も反省もない市長のその態度に、多くの市民は落胆しているのではないでしょうか。みずからの判断を下すときにベストだと思っていても、結果ベストでなく、予想しなかった影響が生じた場合、これこれこういうふうな思いで決断したが、結果としてこういう御迷惑もおかけしているとへりくだる程度の謙虚さを持ち合わせてこそ、市民から選ばれた市長としてのあるべき姿ではないでしょうか。 市長は、今回のみずからの決断により生じた混乱を見た今、全く反省すべき点はないとお考えですか。お気持ちをお聞かせください。 大橋市長は、さきの不出馬表明の際、翌日、私と話す機会をいただきました。その中で、不出馬表明をしてしまった以上、来年度の当初予算をどのように編成するつもりかと私が問うと、市長は、財政局長がしっかりと組んでくれますと答えられましたね。私は、政治家であるはずの市長が発するその言葉に愕然といたしました。 不出馬を表明をした後は、予算編成の際に政治的判断を下さず、市民生活に必要最低限の予算を編成する、俗に言います骨格予算を編成する。そこには、市長ではなく事務的手続を行う財政局長が手腕を発揮する。そういう意味での発言だと思いますが、それで市民に迷惑をかけていないと考えることが私には不思議で仕方がないのです。 今の混乱をあなたが事前に想定していたか否かは別として、不出馬表明の事前には誰にも相談しなかったとしても、事後において、市幹部職員を招集して、今後の市政運営に関する対策会議は持たれましたか。今の混乱に対する対策会議は持たれましたか。その会議を催していたとすれば、それはいつ、誰と誰が参加したものですか、お答えください。 若い職員が来年度の予算に反映させるべく一生懸命に議論をし、予算要求をした事業は全て凍結、新規事業は実質的に却下となります。事業の内容が悪いのなら、考えた若い職員も諦めがつくでしょう。しかし、そんな議論さえなされず、市長の不出馬表明という理由で若い職員の頑張りは無にされ、そこから提供される市民サービスを市民は享受できなくなります。明らかに市民にとって不利益が生じているのではないでしょうか。これこそ市民の信託を裏切る行為ではないですか。 本定例会において、我が会派では、通告した3名の議員ではない別の3名が一般質問の準備をしておりました。その中において未来志向の政策提言も含めた議論を展開すべく、各議員は準備をしておりました。しかし、残念ながら、市長の不出馬表明を受けた以上は不毛な議論になりかねないとの判断から登壇を諦め、かわって私どもが質問に立っているという事実だけでも、市長のこの時期の不出馬表明から生じた結果、混乱の一つではないですか。(「そのとおり」と呼ぶ者あり) 市民のためと考えた新規事業を無条件に却下された職員。市民のために未来志向の政策提言を諦めた議員。それらの成果を享受する機会を奪われた多くの和歌山市民。この現実をどのような言葉をもって釈明されるおつもりですか、ぜひお聞かせください。 大橋市長、今、市役所の職員の仕事に対する意欲が悲惨なほどに低下していることを御存じでしょうか。お感じになってますでしょうか。そして、本当に言いづらいことを言いますが、多くの職員の口から、やめるならさっさとやめてほしいという発言を容易に聞くことができる事実を御存じですか。よしんば、ある職員はあなたに少し遠慮して、積極的な発言は控えつつも、早期辞任を否定する職員はほとんど見かけられず、どの職員に聞いても大きくうなずくばかりではありませんか。 大橋市長、どうか現実から目をそらさないでください。トップがレームダックになるということは、すなわち、その組織全体がレームダックになってしまうということなのです。やる気の低下した市役所職員に8カ月以上も事業効果の低い仕事を任せておけるほど、和歌山市民の生活にゆとりはありません。どうか市長、気づいてください。ここで裸の王様になってはなりません。 このことを事実と信じるか否かは市長次第ですが、私が指摘するように、少なからぬ職員が早期辞任を求めるこの現実を聞かされて、どのようにお考えになりますか、お聞かせください。 市長は、不出馬表明の記者会見に関する報道によりますと、これ以上決断がおくれれば後援会の方々に御迷惑をおかけすることになるとの理由をおっしゃり、この時期に不出馬表明をする大きな要素であると説明されましたが、あなたを市長に選んだのはあなたの後援会だけではありません。もちろん、選挙において大橋市長、あなたに投票した人だけでもありません。公正な選挙の結果、和歌山市の有権者全てから選出された市長ではありませんか。 なぜにその場において、後援会の方に迷惑をかけないことを優先すれば、逆に多くの市民に、有権者に迷惑になるとお考えにならなかったのですか。なぜに、有権者はもとより、大橋市長にふるさとの未来を託した全ての市民のことを第一に考えられないのですか。あくまで御自身を支えたのが後援会だから、ほかの市民に迷惑が生じても、後援会への迷惑を最小限にとどめたかったと聞こえてしまうのですが、市長の真意をお聞かせください。 先ほどの答弁に、慎始敬終という聞きなれない言葉を使われました。恥ずかしながら浅学の身であり、このような言葉は存じませんでした。私は、普遍的に通じることわざをいま一度申し上げたいと思います。 大橋市長、晩節を汚すなかれと。清廉で清潔な政治を実現した大橋建一さん、あなただからこそ、潔い辞任をもって市民に賞賛を受けるべきなのです。 市長、傲慢にならないでください。どうか客観的に御自身を見てください。どうか思い直してください。 このことについていま一度お伺いいたしまして、私の再質問といたします。(拍手) ○議長(山田好雄君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 21番松井議員の再質問にお答えします。 市政を混乱させているという現実が市長には見えていないのかと、市民に対して迷惑をかけたという意識はないのかということがまず第1点でありました。 御指摘のように、市民に御迷惑をかけたとすれば、それは反省しなければならないというふうに思っております。 不出馬の表明をしたことで議会の皆様方に御心配をおかけしていることにつきましては、まことに申しわけないと思いますが、私としては、どの時点で表明したとしても同じことがやっぱりあると考えておりまして、市政の混乱を避け、リスクを最小限に抑えるために、今が最善の時期と判断したわけであります。 最初にも申しましたけども、それでかえって市民に混乱を招いているということだという御指摘でありますので、それは重く受けとめたいと思います。 このことについて、市の職員に対して会議を開いたかという御質問でありました。 16日に表明いたしましたので、18日の月曜日の朝、緊急の幹部連絡会議を招集いたしまして、そこで予算の編成方針などについて御説明して、両副市長、局長、それから公営企業管理者が出席して会議を開催しております。 それから、予算編成に向けて職員が非常に不安に思っていると、特に新規事業を企画、立案してきた職員は徒労感に襲われているということを見聞きし、職員が早くやめろと思っているということについてどう思うかということであります。 今議会冒頭の御挨拶でも申し上げましたけども、新規事業であっても時期を失してはならない事業につきましては予算化する考えでありまして、市長査定時に適切に判断してまいります。 また、各部局の予算要求につきましては、当然、例年どおり新規事業等が企画、立案されてきておりますので、内容を十分見きわめて実施する覚悟ですので、職員には不安を抱かせるようなことはないというふうに考えています。 議員のところには職員がもう早くやめろと思っているというお話を聞きました。これは、私は確認できていませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。 それから、後援会に迷惑をかけるということを私が記者会見の中で言ったということにつきましては、時期を判断する上で、幾つかの要素のうちの一つとしてそのことを申し上げただけでありまして、それ以外の要素についてもそのときに御説明をしているつもりであります。 以上です。 ○議長(山田好雄君) 21番。 〔21番松井紀博君登壇〕(拍手) ◆21番(松井紀博君) 最後の質問を行います。恐らく大橋市長に対します私の最後の一般質問になることだと思います。 今、答弁をいただきましたが、答弁の中身に関しまして、いささか答弁漏れかと思われる部分と、内容をさらに確認したい部分がございますので第3問を行います。 反省すべきという答弁に関しては、何か反省すべきなのかどうなのか、反省しているのか、謝っているのか、さっぱりわからないというのが私の正直なところであります。 それはさておいて、不出馬表明の直後に、18日朝、幹部を招集して、その報告をしたことについては私も伺っております。しかし、その後、議員や市民、職員、さまざまな方面の方々からさまざまな意見が寄せられ、中には厳しいものもあれ、応援するものもあれ、情報が次から次へと市長の耳に入っているはずであります。そして議会においては、先ほどの北野議員を代表するように、私もそうですが、あなたに対して早期辞職、辞任すべきだという声も聞こえているはずです。 そういう現状において、今後あなたが標榜する8月までの任期全うのために、市職員はどのように対応していくのかを講じられる気がないというのは、本当に不思議で仕方がないんです。漫然とその立場に座っておれば時間が過ぎると考えているならば、余りにもナンセンスであります。 これについては、開催するしないはあなたの自由ですが、普通ならば、市民の皆さん、議員の皆さん、市役所の職員の皆さんの声があなたの不出馬表明によってどのように変化し、どのような声が大きくなっているのか、しっかりと見据えた上で、市幹部を招集して、今後のあるべき対策を講じるべきではありませんか。そのことを強く指摘したいと思います。 さらに、1点加えて質問したいと思います。 大変無礼なことを聞きますが、今、あなたがやめるのと、8月まで任期を満了されるのと、その間に得られる予定の給与は幾らですか。賞与は幾らですか。それに関して、割り増しされる退職金は幾らですか。それぞれお答えください。 先ほどの質問で、市民のためにと考えた新規事業を却下された職員はかわいそうじゃないかということを申し上げました。市長は、必要と定めた新規予算は盛りつけますよと普通に答えられました。 先ほど我が絆クラブの北野幹事長が確認しました先般の財政局長予算編成の方針に、余りそのようなニュアンスが含まれていなかったと思うのですが、私の聞き違いでしょうか。それならば、あなたは骨格予算だ、骨格予算的な等々、そういう言葉を繰り返さずに、自分が任期中であるので本格予算を組むんです、そのように宣すればいいんじゃありませんか。余りにもその言葉のぶれに、私はついていけません。 最後に、辞職勧告について、いま一度お伺いしたい、このことについてというふうに最後に申し上げましたが、あえてその最後の質問に対しては市長は御答弁をされませんでした。そして、後援会の方々を優先したわけではなく、それが一つの要素であり、言葉がそれだけ拾い上げられたんだということでありましたが、今、第1問、第2問の答弁を通じて、あなたは市民の方々に真摯に謝罪をされておりません。私の求める辞職勧告を受けることができないんであれば、せめてこの場で、この混乱、不安を招いたことに対しまして和歌山市民の方々に陳謝されたい。このことを強く望みまして、私の一般質問といたします。 長らくの御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(山田好雄君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 21番松井議員の再々質問にお答えいたします。 まず、1月から8月までの給与は幾らになるかという御質問でありました。 期末手当を含めまして、およそ1,008万円であります。退職金につきましては、12月に仮に退職したとすれば2,364万円で、8月に任期満了で退職した場合は2,768万円で、差額は404万円となります。 予算編成方針についての説明がぶれているんではないかというふうに御指摘がありました。そのことが市職員に対して不安を与えているということです。 確かに説明が一部、例えば、ほうらい荘の問題なんかはどう考えるかということについて、最初に申し上げたこととちょっと違っているようなところもないわけではありません。これは議員の皆さんからの御指摘もいただいて、私として判断しつつ、要するに、既存の事業であるか、平成27年以後の新規事業については、とにかく次の市長が考えるべきことであるということを申し上げておりまして、今回の予算について、骨格であるか本格であるかということは、中身の問題であります。これから十分に精査して、その辺の仕分けをしていくということになります。 最後に、職員の皆さんに対しても議会に対しても、それから市民の皆さん、もちろん最大は市民の皆さんであります。もし私の突然の表明で混乱を招いたとすれば、それはおわびする次第でありますが、任期いっぱい務めることが私の務めであると信じております。 以上です。 ○議長(山田好雄君) しばらく休憩します。          午前11時49分休憩   ---------------          午後1時10分再開 ○副議長(古川祐典君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 姫田高宏君。--1番。 〔1番姫田高宏君登壇〕(拍手) ◆1番(姫田高宏君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。 まず、市長の政治姿勢についてお尋ねします。市長の退任表明と予算編成の責任をどのように考えているかということです。 私が初めて議員になったときに、当時の共産党市議団の事務局長から、市政の目的は民生の安定にありという言葉と名誉の赤字、不名誉の黒字という言葉を教えてもらいました。市民生活の安定が市政の中心課題だということです。そして、市民のために仕事をして出した赤字はたたえるべきだと、逆に市民のために仕事をしないで黒字を出すのは不名誉だということです。私は、市民の暮らしをよくするかどうかという目盛りの水準器にこの2つの言葉を張りつけて、その時々の市政をチェックし、改善を求めてきました。当時からの市長にも大橋市長にも、同じ目盛りの水準器を当ててきたつもりです。 2002年の6月議会で公立大学建設計画関連の予算案などが否決されたことを理由に旅田市長が辞職し、行われた市長選挙大橋市長が誕生しました。日本共産党は、この選挙において、異常ともいえる市政の私物化、汚れ切った市政を、よりましな市政に転換させることを目指し、大橋市長を擁立した和歌山市をよくする会と、1、市政運営の独断、専行を改め、民主的運営を進める、2、市民に犠牲を押しつける市政は行わない、3、大学建設計画は白紙とする、4、石泉閣事業の見直しなど乱脈な行政運営を改めるという4点を確認し、日本共産党として候補者を立てないということで選挙協力を行いました。 選挙後に開かれた9月臨時議会において、大橋市長は、この確認事項について、大艸議員の緊急質問に対して、日本共産党と私の支援団体である和歌山市をよくする会が確認した4項目は、私が選挙の公約で訴えてきたもので、尊重するのは当然。今後の対応としても誠実に取り組んでいくと答弁しました。 大橋市長によって大学建設と石泉閣事業は廃止され、乱脈な行政運営は改められ、私たちは市政の転換ができたことを喜びました。それまでの市政では、大型の公共事業が計画されても、将来の財政への影響については、将来の税収が予測できないことを理由に、ほとんど考慮されませんでした。大橋市長のもとで財政健全化計画が出されたことは大変よかったと思います。 しかし、職員3,000人体制というのは、旅田市長も提唱していたことでした。これを達成して財政健全化を図ったと大橋市長は鼻高々ですが、市施設を民間の指定管理者に任せ、支所、連絡所のサービス業務を数少ないサービスセンターに移行し、保育所や学校給食の調理の民営化を進めたことには多くの市民から反対が起こりました。 教育のパワーアップは掲げたほどのパワーアップがされたのか。まず城より始めよと実施した数々のイベントは、その場限りではなかったのか。3.11以降の防災の取り組みでも、決して素早い対応とは言えない現状にあります。また、ギャンブル施設設置の許可条件や紛争予防条例の規制緩和など、市民生活を守るために市が設けたハードルを設置業者のために引き下げました。大橋市長は、耳に痛いことも聞くと言っていた時期もありますが、両手で耳を塞いで聞かないばかりか、聞こえているのに聞こえないふりをしていることもあったように思います。 開会日の招集挨拶で、市長は退任について、3期にわたる市長職により初志はほぼ実現できたと、3期12年という節目が未来への橋渡しの時期だと考えて、任期満了で退任を決断したと言い、次の市長がある程度のフリーハンドが持てるような当初予算編成をするには今しか表明の時期はないと、熟慮した末の判断であり、最善の時期と考えていると言いました。 私が一番に違和感を感じたのは、次の市長がある程度フリーハンドが持てるような当初予算編成というくだりです。大橋市長は、旅田市長が重点課題としていた大学建設と石泉閣事業を廃止したわけです。前の市長が重点あるいは最重点課題だと位置づけても、新しい市長にはそれを白紙にする権限があることをみずから実行したにもかかわらず、もちろんそれは市長の考えだけではできません。議会の同意も必要です。当時も石泉閣については、賃貸をやめて買収すべきだと主張する会派もありました。 市政方針の転換には、何よりも市民の合意が必要です。大橋市長が高齢者への福祉サービス、ジョイフル愛のサービスを廃止しようとしたときには、多くの市民とともに議会も存続を訴え、市長はそれに応え、対象年齢の引き上げと利用者の一部負担で、元気70パスとして制度の手直しを図りました。退任を決めた市長が行うべきことは、次の市長がやりやすいようにと考えることではなく、市長が誰になろうとも、引き続き本市に住み続ける市民にとってどのような市政をするべきかを明確に打ち出した予算編成を行うことではないでしょうか。 年齢や体力の問題もあり、市長が退任を決意されたことについて、とめる立場ではありません。しかし、退任表明の時期としては、私には短慮の結果としか思えません。相撲用語には死に体という言葉があります。バランスが崩れて、自力で回復できない状態のことです。体が死んでいるともいいます。市長の退任表明で、もう死に体だ、早く土俵からおりろと言っている方もいるようです。 しかし、私はまだ死に体だとは思いません。足を滑らせてというか、口を滑らせて、バランスは大きく崩れています。今のままで土俵に残っていれば無気力相撲と言われます。どういうつもりで言ったかはともかく、市長の発言が市民や市職員や議会に及ぼす影響というものを考えた形跡が見えません。市長はこの点を反省して、もう一度腰を落として、全身全霊で市政に立ち向かってほしいと思います。チャンスは残っているし、その力を出し切ってから市政という土俵をおりてほしいと思います。 そういう立場から、市長にお尋ねします。 1、市長は先日、任期満了で退任すると表明しましたが、任期満了までにはこの12月、2月、6月の定例市議会もあり、退任表明が余りにも早いのではないかと思いますが、その真意はどのようなものでしょうか。 2、退任表明を理由に、新年度予算編成は原則として新規事業をしないなど、退任後の予算について、次の市長に丸投げするかのような態度は市長として問題があると思いますが、どうでしょうか。 3、新年度予算に予算を計上しない例として、児童女性会館跡地事業やほうらい荘事業を挙げていますが、2つの施設とも必要がなくなったというものではなく、市民の利用が多かったものの、建設の老朽化や耐震の関係でもとの施設が使えなくなったということであることから、施設の再配置までは大橋市長の責任で行うべきだと思いますが、どうでしょうか。それぞれお答えください。 次に、事業の進め方について、プロポーザル方式によるつつじが丘テニスコートの指定管理者選定とほうらい荘跡地利用の事業者選定についてお尋ねします。 プロポーザル方式は、主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、複数の者に目的物に対する企画を提案してもらい、その中からすぐれた提案を行った者を選定することで、プロポーザルとは企画、提案という意味で、コンペ方式が設計書を選定するのに対し、プロポーザル方式は設計者を選定するという違いがあるとのことです。 本市は11月に、つつじが丘テニスコートの指定管理者選定と、ほうらい荘跡地利用の事業者をプロポーザル方式で募集しました。この2つの募集要項を読み比べると、とても不思議な気持ちになりました。2つの施設とも市民が利用するための施設ですが、その取り組み姿勢が月とスッポンです。2つのものの間に非常に差のあることの例えとして、丸いところは同じだが、全くかけ離れているというところから月とスッポンというわけですが、これをつつじが丘テニスコートとほうらい荘と言いかえて、広辞苑の和歌山版に載せてもいいと思うほどです。 そこでお尋ねします。 1、プロポーザル方式によるつつじが丘テニスコートの指定管理者選定についての基本的な考えはどのようなものでしょうか。 2、プロポーザル方式によるほうらい荘跡地利用の事業者選定についての基本的な考えはどのようなものでしょうか。 3、市が同時期に行ったつつじが丘テニスコートとほうらい荘のプロポーザル方式による事業者の選定について、テニスコートは施設の全てについて市の負担で建設し、管理委託だということで土地の使用料も施設の使用料も取らず、利用者からの利用料は業者に入り、その上に管理委託料を2014年--平成26年度は7,296万円、以降は6,456万円と光熱水費は同様に1,660万円と1,350万円支払い、ほうらい荘のほうは、更地にした土地を年間61万6,759円で応募業者に賃貸し、そこに業者の負担で浴場と貸し館機能を持った建物を建てて市民に有料で利用させることを条件にしており、委託料を出すような考えはないとのことです。市民が利用する施設について、これほど扱いが違うのはなぜでしょうか。この2つのやり方は誰が発案し、誰が決めたのでしょうか。 4、こういうやり方で、ほうらい荘の機能が維持できると考える根拠は何でしょうか。実際に応募はあったのでしょうか。応募がなかった理由をどのように考えているのでしょうか。それぞれお答えください。 最後に、元気70パスについて、バスカードの再発行についてお尋ねします。 バスカードを紛失した方から再発行をしてほしいとの要望があります。置き忘れたり、落としたり、また災害などでなくすこともあると思うので、再発行する仕組みを考えるべきだと思いますが、どうでしょうか。また、カードに油性ペンなどで名前を書くようにすればどうでしょうか、お答えください。 以上で第1問とします。(拍手) ○副議長(古川祐典君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 1番姫田議員の一般質問にお答えいたします。 市長の政治姿勢について3点。 まず、任期満了まで3回の定例市議会があることを考えると、退任表明が余りにも早いのではないかと思うが、真意はどのようなものかであります。 先ほどから何度もお答えしているわけでありますが、退任表明の時期につきましては、平成26年度の本格的な予算編成や新年度の施政方針の表明をする前に私の意思を皆さんに知っていただくことによって、市政運営の停滞を招くことなく、継続性を保ちつつ、次の市長に橋渡しできるような予算編成を行うことが可能になると考え、そのためには、今が4期目の市長選に出馬しないと表明する最善のタイミングであると熟慮した末に決断したものであります。 次に、新年度の予算編成は原則として新規事業をしないなど、退任後の予算について、次の市長に丸投げをするかのような態度は問題があると思うがどうかということであります。 平成26年度の予算編成では、市民生活や地域経済などに影響を及ぼすような事業を先送りにするようなことはあってはなりませんので、そういう事業は、新規事業を含め個別に判断し、きちんと予算化してまいります。 また、平成27年度以降の着手となる中長期的な事業につきましても、課題整理や基礎的な調査など、次の市長が適切な判断が下せる下地づくりはしっかり行い、決して丸投げするようなことは考えておりません。 3番目は、新年度予算に予算を計上しない例として、児童女性会館跡地事業やほうらい荘事業を挙げているが、施設の再配置までは現市長の責任で行うべきと思うがどうかということであります。 児童女性会館につきましては、会館の持つ機能を今後どうしていくのか、あるいは跡地をどのように活用していくのかなど、これら多くの政策的判断を要する課題の解決に取り組みつつ、行政の継続性を維持する観点から、次の市長にしっかり引き継げるよう、予算措置も含めた必要な措置のあり方について、私の責任において結論を出してまいります。 また、ほうらい荘事業につきましては、先ほど答弁させていただきましたとおり、その機能をこれからも維持していくべきだと考えており、ほうらい荘の機能をどのような方法で引き継いでいくべきか、平成26年度予算にどのような形で盛り込んでいくかについて、議会からの御提案も踏まえて前向きに検討し、私の責任において結論を出してまいります。 以上です。 ○副議長(古川祐典君) 阿形教育局長。 〔教育局長阿形博司君登壇〕 ◎教育局長(阿形博司君) 1番姫田議員の一般質問にお答えします。 事業の進め方について、2点ございます。 1点目は、プロポーザル方式によるつつじが丘テニスコートの指定管理者選定についての基本的な考えはどのようなものかとの御質問です。 つつじが丘テニスコートにつきましては、新規の施設で、20面のコート数を有している大規模な施設であり、これまでもお答えしてきたところですが、大規模な大会の誘致や、国体終了後は県内外を問わず、学生、社会人などのテニスの合宿地としての誘致活動も積極的に行うと同時に、テニス教室の開催など、最大限、市民の皆様に活用していただくことで稼働率を上げるよう努めていくことが重要と考えています。そのためにも、利用者のニーズに合った方策や指定管理者の持つノウハウを生かすことが重要であると考え、公募により複数の事業者から提案を受け、その中から実績、能力、意欲等を総合的に評価し、選定するものです。 次に、2点目ですが、テニスコートは施設の全てについて市の負担で建設し、土地の使用料も施設の使用料も取らず、利用者からの利用料は業者に入り、その上に管理委託料を支払うといったこのようなやり方は誰が発案し、誰が決めたのかとの御質問でございます。 新規施設であるつつじが丘テニスコートの指定管理につきましては、和歌山市指定管理者制度運用の手引きに基づき、担当課で他都市の同規模施設を調査し、精査した上で、利用料金制の採用も含め、教育委員会での審議を経て和歌山市政策調整会議に諮り決定したものであり、平成25年9月議会に条例案を上程し、可決されたところです。 以上でございます。 ○副議長(古川祐典君) 小松福祉局長。 〔福祉局長小松孝雄君登壇〕 ◎福祉局長(小松孝雄君) 1番姫田議員の御質問にお答えします。 最初に、事業の進め方について3点ございます。 1点目として、プロポーザル方式によるほうらい荘跡地利用の事業者選定についての基本的な考え方はどのようなものか。2点目として、ほうらい荘のプロポーザル方式のやり方は誰が発案し、誰が決めたのかとの御質問です。 今回の事業者選定については、基本的に、当市の財政状況を鑑み、市民憩いの家ほうらい荘としての機能を最低限確保する目的で、PFI方式を広義に含むPPP方式による事業者募集を行い、民間活力の積極的な利用を図ったところです。 当募集方式で行うことに至った経緯については、平成25年3月の常任委員会での市長答弁に沿って、福祉局を中心に関連する部局で検討を行い、決定したものです。 最後に、3点目として、今回のプロポーザル方式による募集で、ほうらい荘の機能が維持できると考える根拠は何か、実際に応募はあったのか、応募がなかったならば、その理由をどのように考えているのかとの御質問です。 ほうらい荘の機能は、高齢者を初めとする市民が心身ともに憩える場の提供にあります。今回の市民憩いの家ほうらい荘跡地整備事業プロポーザルは、ほうらい荘の機能を盛り込んだ公共スペース、具体的には浴場機能と会議室等の貸し館機能を必置事業として募集を行ったところです。 本募集に関して、問い合わせは5件あり、質問も12件寄せられましたが、結果的には参加資格確認申請応募締め切り日である11月15日までに応募がなく、残念な結果に終わりました。 応募がなかった理由としては、当該事業用地が狭小で急峻地であるという地形的な問題や各種法令上の制約があり、民間事業者の採算ベースに達しなかったことが主な要因ではないかと考えています。 次に、元気70パスについて。 バスカードを紛失した方に再発行する仕組みを考えるべきだと思うがどうか。また、カードに油性ペンなどで名前を書くようにすればどうかとの御質問です。 元気70パス事業のバスカードにつきましては、災害等でなくした場合に限り再発行が可能となっていますが、置き忘れたり落とされたりという場合は、この事業の協定を結んでいるバス事業者の運送約款の規定により、再発行を行っていないのが現状です。このため、バスカードにも紛失等による再発行はいたしませんと表記し、配布時に口頭でも申し上げておりますが、実際には紛失されて再発行を要望される方もございます。 担当部局としましては、これまでもバス事業者に対し何度か再発行できるよう申し入れを行っておりますが、引き続き協議を重ねてまいりたいと思います。 また、カードに油性ペンなどで名前を記載することにつきましても、バス事業者に確認したところ、現在のバスに設置しているカードの読み取り機では、インクの粉などによって誤作動を起こすおそれがあるため、実施するのは難しいと聞いております。 以上でございます。 ○副議長(古川祐典君) 1番。 〔1番姫田高宏君登壇〕(拍手) ◆1番(姫田高宏君) それぞれお答えいただきましたので、第2問をさせていただきます。 まず、市長の政治姿勢について、市長の退任表明と予算編成の責任についてです。 退任表明の時期について、市長は熟慮された末に決断されたとのことです。大橋市長は正直なんだなと思います。はったりをかますことも、大風呂敷を広げることもありませんでした。いつから考えたかはわかりませんが、多分熟慮の上に熟慮を重ねたのでしょう。ひょっとしたら眠れない夜を過ごし、昼間にうとうとした日もあったかもしれません。しかし、お気の毒ですが、その結果としては、多くの人が短慮の末の決断に見えてしまうのです。任期満了で退任することを決めたとしても、家族にはともかく、周りに漏らすことなく12月、2月議会を乗り切り、6月議会前後に、熟慮の末に退任を決断したと発表するのが普通だと考えるのですが、どうでしょうか。 新年度予算について、責任を持って予算化すると、丸投げするようなことは考えてないとのことです。大橋市長が次の市長のことを言うと、丸投げするように見えると指摘したのです。児童女性会館もほうらい荘も、大橋市長が責任を持って結論を出していただけるというので楽しみにしています。こういう児童や女性、高齢者のための施設を廃止した市長として歴史に名を残すことは、ぜひ避けていただきたいと思います。 それらを踏まえ、再度市長にお尋ねします。 1、当初予算は本来、当該年度分の全体を計上すべきであり、年度の途中で退任することがはっきりしているとはいえ、その時期は半年近くあることから、通常の予算を計上すべきだと思いますが、どうでしょうか。 2、市長が退任表明のとおり、任期満了まで責任を持って市長職を全うする決意があるならば、退任表明からこの間の態度を改めて、ほうらい荘や児童女性会館の存続を初め、これまで取り組んできた課題についての方向性を示すことや、これまで問題意識を持ちながらも取り組めなかったことについても取り組む努力をするべきだと思いますが、どうでしょうか。それぞれお答えください。 次に、事業の進め方についてです。 スカイタウンつつじが丘のテニスコートのプロポーザル方式による指定管理者選定は、これまでの指定管理者の選定のあり方から見ても、業者が優遇されていると思います。市内に何カ所か民間のテニスコートがあり、テニス教室などが運営されていますが、それらの施設は当然に民間事業者がみずから持ち、自力で運営しているわけです。経営状況がどのようになっているのか全く知りませんが、どんどんふえていくような状況でないことは確かです。 その点、市の施設は、市が広大な土地を買い、ここにこのテニスコート建設の中心目的があるわけですが、屋内4面を含む20面のテニスコートを市民に貸し出しながら、あいた部分は業者が自由に企画し、利益が幾ら出ても市に入れることにはなっていません。他都市には同様の取り組みをしているところもあるそうですが、本市においては、こういう特殊な指定管理をしようとする一方、ほうらい荘は土地代を取って敷地を賃貸し、業者の責任で市民が使用できる浴室と会議室をつくり、あいたスペースで何かの事業をする業者をプロポーザル方式で募集しようとしました。普通に考えたら、応募者がいなくて当然ではないでしょうか。 PFI方式とかPPP方式とか言いましたが、どちらにしても、本来的には市が何かの形で費用負担することが普通です。例えば、本市は東庁舎をPFI方式を採用して業者が建て、市はリース料金を払ってこれを使っています。何年間か使えば建物は市のものになりますが、リース料金は本来、短い期間で建設費用が回収できる料金立てになっているわけです。ですから、今回の全て業者持ちというような方式は、初めから成り立っていないということを指摘したいと思います。全額を市が持たないとしても、例えば、浴場に係る経費は持つなどの費用負担を考えるべきだったと思います。 そういう点を踏まえてお尋ねします。 1、スカイタウンつつじが丘のテニスコート建設に係る市債の償還について、市民からの使用料などを充てるべきだと思いますが、市民からの使用料を指定管理業者が管理運営費として使うことになれば、償還費用はどのように考えているのでしょうか。 2、テニスコート建設に係る市債の償還費用が、ただでさえ少ない教育予算をそれ以上に窮屈にすることは許されないと思いますが、その点についてはどうでしょうか。 3、どういう形であれ、ほうらい荘のような高齢者のための施設は市に必要なものであると思いますが、どうでしょうか。 4、ほうらい荘跡地利用については、市が費用を負担してこれまでの機能を持った施設をつくり、運営すべきだと思いますが、どうでしょうか。それぞれお答えください。 次に、元気70パスについて、バスカードの再発行に関してお尋ねします。 元気70パスによる和歌山バスの利用について、和歌山バスの対応が素早くないのは、何といってもその費用についての和歌山バスの負担が重過ぎるからではないでしょうか。高齢者福祉の費用について、その事業内容から和歌山バスへ協力を求めることを全て非とするものではありませんが、負担割合をより軽減することが必要だと思います。乗車人数の少なさから路線の廃止が打ち出されることが多いわけですが、路線を維持する点からも、この70パス事業を有効に活用すべきだと考えます。市長の考えはどのようなものでしょうか。 以上、お答えをお願いして、第2問とします。(拍手) ○副議長(古川祐典君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 1番姫田議員の再質問にお答えします。 まず、市長の政治姿勢についてということで、当初予算は本来、当該年度分の全体を計上すべきであり、年度の途中に退任することがはっきりしているとはいえ、その時期は半年近くあるんだから、通常の予算を計上するべきだと思うがどうかということであります。 私が市民から信託を受けた任期は平成26年8月24日までであり、その時期が半年近くあるからこそ、その予算編成に当たっては、行政の停滞を招かないよう、継続性を保ちつつ、次の市長がある程度のフリーハンドを持てるような編成を行わなければならないと考えております。 そういった観点から、施設管理経費などの経常的経費、継続費や債務負担行為に基づく経費、国、県制度による経費、扶助費などの義務的経費については年間所要額を計上するのはもちろん、今の時期に予算計上しないと不利を生じ、住民生活や地域経済などに悪影響を及ぼすおそれのある事業、全国の自治体もしくは県内の自治体で一斉、一律に実施する事業など、新規事業であっても個別に判断をするとともに、各事業を精査し、市政の停滞を招かないよう予算計上を行ってまいる所存であります。 次に、任期満了まで責任を全うする決意があるなら、退任表明からこの間の態度を改めて、ほうらい荘や児童女性会館の存続を初め、これまで取り組んできた課題についての方向性を示すことや、問題意識を持ちながらも取り組めなかったことについても取り組む努力をすべきだと思うがどうかということであります。 ほうらい荘や児童女性会館跡地事業を含め、残された任期の満了まで市政運営をしっかりと行い、懸案事項の解決に努めます。また、中長期的事業についても、課題整理基礎的調査など、次の市長が適切な判断を下せるための下地づくりをしっかり行い、よりよい形で引き継ぐことができるようにすることが重要であると考えております。任期満了まで、市政運営を停滞させることのないよう、日々全力で取り組んでまいります。 元気70パスについての御質問であります。 和歌山バスの負担割合を軽減することが必要ではないか、また、路線を維持する点からも70パス事業を有効に活用すべきだと考えるが、市長の考えはどうかということであります。 バス路線の維持は本市にとりましても重要な課題でありますことから、現在、利用啓発、利用促進を積極的に行うとともに、バス事業者に対し補助を行っているところです。 元気70パス事業は、高齢者の外出支援を目的に行っている事業ではありますが、事業の円滑な継続のために、バス利用に伴う事業費の負担割合については、現在まで協議を重ね、バス事業者の負担割合を軽減する改定を行ってまいりました。今後も和歌山バスとの協議は継続してまいります。 以上です。 ○副議長(古川祐典君) 阿形教育局長。 〔教育局長阿形博司君登壇〕 ◎教育局長(阿形博司君) 1番姫田議員の再質問にお答えします。 事業の進め方について、2点ございます。 まず、スカイタウンつつじが丘のテニスコート建設に係る市債の償還について、市民の使用料などを充てるべきだと思うが、使用料が指定管理業者の管理運営費として使うことになれば、償還費用はどのように考えているのかとの御質問です。 償還費用は、使用料で賄わず、市税等で負担していくこととしておりますが、これは市債の償還分を使用料に転嫁をすると、類似施設と比べ高額となり、市民のテニスコートのあり方として問題があると考えたためです。 次に、テニスコート建設に係る市債の償還費用分がただでさえ少ない教育予算をそれ以上に窮屈にすることは許されないと思うが、その点についてはどうかとの御質問です。 スカイタウンつつじが丘のテニスコート建設に伴う市債償還による財政負担は認識していますが、教育予算に影響を及ぼすものではないと考えています。したがいまして、今後とも必要な教育予算については確保に努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(古川祐典君) 小松福祉局長。 〔福祉局長小松孝雄君登壇〕 ◎福祉局長(小松孝雄君) 1番姫田議員の再質問にお答えします。 事業の進め方について、2点ございます。 最初に、ほうらい荘のような高齢者のための施設は、どういう形であれ必要なものであると思うがどうか。2点目として、ほうらい荘跡地利用については、市が費用を負担してこれまでの機能を持った施設をつくり運営すべきだと思うがどうかとの御質問です。 4人に1人以上が高齢者という超高齢社会を迎えている本市において、ほうらい荘のような高齢者のための施設は、さまざまな方法により、その機能を確保していく必要があるものと考えます。 ほうらい荘の機能の継続につきましては、先ほども市長がお答えさせていただいたとおり、前向きに検討し、跡地利用についても結論を出していきたいと考えています。 以上でございます。 〔副議長退席、議長着席〕 ○議長(山田好雄君) 1番。 〔1番姫田高宏君登壇〕(拍手) ◆1番(姫田高宏君) それぞれお答えをいただきましたので、第3問をさせていただきます。 まず、市長の政治姿勢についてです。 新年度予算の編成について、市長は市政の停滞を招かないように予算計上を行っていくということです。ぜひそうしていただきたいのですが、市長が退任表明された現時点で、市政にブレーキがかかったと思います。市長は格別ブレーキをかけたつもりはないとしてもです。市長の退任後のことは次の市長に任せて--任せるしかないわけですから、大橋市長は市長自身の任期いっぱい責任を持って頑張るべきです。 ことし、女子スキージャンプのワールドカップで総合優勝した高梨沙羅選手の活躍を伝えるニュースでスキージャンプの飛型点のことを初めて知ったのですが、ジャンプして着地するときの理想の姿勢は、両手を水平に開き、しゃがんだ状態で膝から下を前後に開く着地ポーズだそうです。これをテレマーク姿勢というそうで、それが得点の対象になるということです。 久しぶりに逮捕されなかった市長として、大橋市長にはこのまま晩節を汚さず、最後のジャンプぐらいは格好よくテレマーク姿勢を決めて着地してほしいと思います。あんまり着地点の先ばかり見ていると着地に失敗して、転べば大きく減点されるので注意してください。 最後に、元気70パスについてです。 私の周りには、このパスを使ってバスを利用している方が多いのですが、問題はバスの路線そのものが減っていくことです。路線バスがなくなればバスに乗れません。高齢者はふえていき、今、自分で車を運転している方でも、いつかは運転できなくなります。通院や買い物など日常的な移動にタクシーを使うのは大変です、お金がかかって。ですから、どうしてもバスに頼ることになります。本市には市営バスがなく、民間の和歌山バスに頼らなければならないわけです。バスに乗る人が少なくなればバス路線は廃止されるわけですから、少しでも乗ったほうがいいだろうと市のほうは思っているようです。 一方、和歌山バスはどうでしょう。元気70パスでバスを利用すれば利用するだけ損をすると考えているのではないでしょうか。元気70パスでバスに乗ると、利用者の負担は100円で、残りのバス料金を市と和歌山バスが折半をしています。バス会社から見れば、本来入ってくる料金をサービスしているということです。この負担感を軽減し、市内の路線バスを安定して継続させてほしいのです。市営バスを走らせることを思えば、そういう費用負担も政策的に持つべきだと思います。こういうことも考えていただくようにお願いして、第3問とします。(拍手) ○議長(山田好雄君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明12月5日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山田好雄君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。          午後1時57分延会   --------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    山田好雄 副議長   古川祐典 議員    北野 均 議員    芝本和己 議員    岩井弘次...