平成23年 6月 定例会 平成23年 和歌山市議会6月
定例会会議録 第2号 平成23年6月23日(木曜日
) -----------------------------議事日程第2号平成23年6月23日(木)午前10時開議第1
会議録署名議員の指名第2 一般質問
-----------------------------会議に付した事件日程第1
会議録署名議員の指名日程第2 一般質問(園内浩樹君、丹羽直子君、永野裕久君)
-----------------------------出席議員(37名) 1番 姫田高宏君 2番 松坂美知子君 3番 永野裕久君 4番 西風章世君 5番 園内浩樹君 6番 中塚 隆君 7番 浦平美博君 8番 小川孝夫君 9番 上田康二君 10番 島 幸一君 11番 丹羽直子君 12番 吉本昌純君 13番 井上直樹君 14番 芝本和己君 16番 山本忠相君 17番 薮 浩昭君 18番 奥山昭博君 19番 中尾友紀君 20番 戸田正人君 21番 松井紀博君 22番 野嶋広子君 23番 中村協二君 24番 古川祐典君 25番 尾崎方哉君 26番 山本宏一君 27番 南畑幸代君 28番 森下佐知子君 29番 岩井弘次君 30番 松本哲郎君 31番 寒川 篤君 32番 北野 均君 33番 遠藤富士雄君 34番 山田好雄君 35番 宇治田清治君 36番 貴志啓一君 37番 佐伯誠章君 38番 和田秀教君欠席議員(1名) 15番 渡辺忠広君
-----------------------------説明のため出席した者の職氏名 市長 大橋建一君 副市長 松見 弘君 副市長 畠山貴晃君 市長公室長 森井 均君 総務局長 坂本安廣君 財政局長 山口研悟君
市民環境局長 上島 勲君
健康福祉局長 永井尚子君
まちづくり局長 東 重宏君 建設局長 内原久夫君 会計管理者 川端正展君 危機管理監 池永俊二君
教育委員会委員長 中村 裕君 教育長 大江嘉幸君 教育局長 原 一起君 消防局長 林 正義君
公営企業管理者 奥野久直君 水道局長 眞野 廣君
選挙管理委員会委員長 岩城 茂君
代表監査委員 伊藤隆通君
人事委員会委員長 水野八朗君
-----------------------------出席事務局職員 事務局長 岡崎広治 事務局副局長 尾崎順一 議事調査課長 幸前隆宏 議事調査課副課長 佐伯正季 議事班長 中西 太 調査班長 石本典生 事務主査 尾崎公彦 事務主査 村井敏晃 事務主査 増田浩至 事務主査 小野田 靖 事務副主査 佐川恭士 事務主任
北野統紀 ----------------------------- 午前10時01分開議
○議長(和田秀教君) ただいまから本日の会議を開きます。
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△議長報告
○議長(和田秀教君) この際、報告します。 6月21日に開会された各特別委員会において、正副委員長互選の結果、
地震対策特別委員会委員長に宇治田清治君、同副委員長に浦平美博君、
環境保全対策特別委員会委員長に薮浩昭君、同副委員長に上田康二君、以上のとおり互選された旨、報告がありました。
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△日程第1
会議録署名議員の指名
○議長(和田秀教君) 日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。 本日の
会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において 尾崎方哉君 北野 均君 松本哲郎君 以上3人の諸君を指名します。
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△日程第2 一般質問
○議長(和田秀教君) 次に、日程第2、一般質問を行います。順次質問を許します。 園内浩樹君。--5番。 〔5番園内浩樹君登壇〕(拍手)
◆5番(園内浩樹君) 皆様、おはようございます。去る4月24日に行われた
統一地方選挙で当選させていただいた公明党の園内浩樹と申します。どうかよろしくお願いいたします。 皆様も御承知のとおり、和歌山市は市制発足から本年で122年が経過しております。この歴史と伝統ある議場において一般質問させていただく機会を与えてくださいました市民の皆様方に心から感謝申し上げるとともに、先輩同僚議員の皆様方におかれましては、今後とも御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 また、この議会は3月11日に発生しました
東日本大震災後初めての定例会でもありますので、この場をおかりしまして、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。また、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げる次第でございます。 それでは、議長からお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。まだまだ勉強不足で準備も不十分ではあると思いますが、御容赦いただきますようよろしくお願い申し上げます。 最初に、防災行政についてお伺いいたします。 去る3月11日午後2時46分に、岩手県、宮城県、福島県を中心にした
東日本大震災の被害は想像を絶する規模で、その後の大津波による
東京電力福島第一
原子力発電所の津波被害は世界規模に発展し、6月14日現在での警察庁の発表では、死者1万5,429人、行方不明者7,781人、また、避難者は8万3,951人、避難所にあっては約2,500カ所にも上る史上まれに見る未曾有の大災害であります。 さらに、大津波の影響で
東京電力福島第一
原子力発電所の二次被害により、地元を追われた方々のニュースが連日新聞及びテレビ等で放送され、被害の深刻さをより鮮明にしております。 以上のことから、第1点は、和歌山市長として今回の
東日本大震災をどのように受けとめ、今後どのように防災、減災対策を考え行っていくのか、一人の犠牲者も出さないとの強い決意を込めて、和歌山市民が安心できる御答弁をお願いいたします。 第2点は、防災無線についてであります。 今回の
統一地方選挙中に知人宅にごあいさつに伺うと、あちらこちらで、防災無線が聞こえない、聞こえづらいという声を耳にしました。後から電話で無線内容を確認できるということも聞いておりますが、家の中では掃除機や
音楽スピーカー、工事、交通騒音等で全く聞こえない場合も考えられます。市民の間に不公平感が生まれないように、和歌山市内のあらゆる場所で聞くことができるような対策が急務だと考えます。今後の対応についてはどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。 第3点は、避難場所についてであります。 行政として各地区、各地域ごとの避難場所を指定し、また、整備を行う必要があると考えます。3月17日付の産経新聞には、和歌山県の
津波震災予想図、いわゆる
ハザードマップの作成にかかわった和歌山高専の
小池信昭准教授の談話が掲載されておりました。同教授は、「東北と同規模の地震は南海でも起こり得る」と指摘、すなわち
マグニチュード9.0が起これば、津波の高さは単純計算で、串本町で6分後に16メートル、和歌山市で52分後に9メートルを超え、さらに紀伊水道の地形により波が反響し、「第1波より高い波が来る可能性もある」と指摘されております。建物の3階部分にまで波が達してしまい、避難にはそれ以上の場所が必要になってきます。このことは、東京大学の古村孝志教授も講演で指摘されております。 このようなことから、地震の沈静後、速やかに高所の避難場所に逃げることが重要であり、その逃げ場所が指定、整備されていなければ重大な結果を招いてしまうことになります。今後は、和歌山市内各地区ごとの避難場所を指定、整備し、地域住民が安心して逃げられる場所を確保できるかが大変重要な部分であると考えますが、いかがでしょうか。 第4点は、原子力発電についてであります。 今回の二次災害とも言うべき
原子力発電所の冷却装置の被害から拡大した放射能被害は甚大で、いまだ完全に終局してはおりません。政府並びに東京電力の発表では、ことしの9月ごろをめどにと工程表なるものを作成し、発表いたしました。市長の原子力発電に対する基本的な考え方をお伺いします。 また、和歌山市の近隣の大阪府熊取町には
京都大学原子炉実験所があります。和歌山から直線距離で約30キロメートルとの話であります。確認いたしますと、世界で一番小さい
研究用原子炉だそうですが、幾ら世界で一番小さいといっても、原子炉は原子炉であります。現在、ウラン235の核燃料を22本使用し、研究実験を行っているそうであります。もし、この実験所が冬場に地震等で被害に遭った場合、北風に乗り、放射性物質が本市にも飛散するおそれがあるとのことですが、どのようにお考えでしょうか、お伺いします。 第5点は、防災教育についてであります。 今、防災で一番大切なことは、一人一人の防災意識の高揚と啓発ではないでしょうか。今回の震災の一つの教訓として、想定外の大きさの地震、津波が来るということであろうと思います。あの岩手県宮古市田老町にあった高さ10メートル、幅3メートル、総延長約2.5キロメートルの全国最大規模の津波防潮堤を倍ほどの高さで超えてきた大津波が発生するということは、もはや津波に対するハード面の対策には限界があり、日ごろからの防災教育、防災訓練の重要性が浮き彫りになりました。 そして、同県釜石市では、市内の小中学生約3,000人のうち99.8%が難を逃れ、釜石の奇跡と呼ばれているのは、まさにその重要性を物語る出来事であります。今後は防災意識の高揚と啓発、避難訓練等を積極的に行い、いかに早く安全な場所に逃げるかということに重点を置くべきであろうと考えます。 そこで、本市の幼稚園、保育所及び小中学校における防災教育の現状と対策はどのようになっているのかをお伺いいたします。 次に、保健行政の関係で、胃がん対策についてお伺いいたします。 1994年、
WHO--世界保健機関の
IARC--国際がん研究機関が、ピロリ菌は慢性胃炎や消化器潰瘍の主な病原因子であり、また、胃がんとの関連性において間違いのない発がん因子と認定をしました。これにより、胃がんは生活習慣病ではなく、
ヘリコバクター・ピロリ菌により発症する、いわゆる感染症であることが明白になり、このピロリ菌を除菌しない限り胃がんはなくならない、撲滅できないとの結論であります。 本市におきましては、本年度事業において40歳以上から自己負担を伴う問診及びバリウム検診を実施していますが、この検診では発症後のがんしか見つけることができません。そこで、第1次予防としてピロリ菌の有無を調べる検査を無料で行えないかをお尋ねいたします。 最後に、財政問題についてお伺いいたします。 公会計制度についてであります。この件については、以前、先輩の山本宏一議員も質問をされておりますが、重ねて質問させていただきます。 現在、東京都は2006年度に実施した公会計制度改革において、1兆円の隠れ借金を解消するとともに、2010年度及び2011年度それぞれで約200億円ずつの財源を確保するなど、大きな成果を上げております。それは、今の単年度ごとの単式簿記、現金主義で帳じりを合わせる会計から、複式簿記、発生主義の会社の経営感覚を持ち、予算執行後の剰余金を生み出し、積み立てる感覚を持つ会計制度に変えることであります。この制度を導入するメリットは、我が和歌山市においては、否、全自治体においては大変大きな成果となり得ることは間違いないと確信します。 この会計制度は、事業別の決算を行い、個別の費用対効果を算出して、個々の成果を数字であらわす制度であります。現在、本市も総務省方式での簡便法の手法を導入しているとのことですが、これでは正確性に欠けるだけでなく、先ほど申した事業別の費用対効果が算出できないなどの課題があります。また、今さら制度を変えると二度手間になるとの指摘もありますが、東京都はこの会計システムを組む際に、従来の収支計算書をベースにつくっておりますので、二度手間にはなりませんし、職員の方の作業負担もふえないとのことであります。 やることは2つだけで、具体的には、収支計算書を
行政サービス活動と投資活動、財務活動の3つに区分することが1つ目で、投資活動とは
社会資本整備等で、財務活動とは公債などの元本収入償還です。2つ目は、それに減価償却や金利などの発生主義のデータを加味すること、この2つだけです。これにより
行政サービス活動は
行政コスト計算書になり、投資活動と財務活動がいわゆるバランスシートになります。また、収支計算書を
行政サービス活動、投資活動、財務活動に区分した段階でキャッシュ・フロー計算書になります。
行政コスト計算書ができれば、一つ一つの事業の費用対効果が客観的な数字で明らかになります。企業的な経営感覚が導入され、知恵が生まれ、個別事業の見直しも進めやすくなるわけです。客観的な数字で一つ一つの事業の費用対効果を明らかにしない限り、無駄は削減できません。 現在、東京都はこの開発した会計ソフトを無料で自治体に提供しており、スタッフまで派遣するとしております。東京都の
会計管理局長は自治体支援について、人的支援を含め、実情に応じたきめ細かな支援を行うと
予算特別委員会で答弁しております。この東京都の取り組みをぜひ本市においても導入していただき、より合理的で無駄のない市民のための会計制度で、和歌山市の財政をさらに立て直し、剰余金を新規事業や市債の返済に充てるべきであると考えます。 この制度は、間もなく東京都内では町田市、関西では大阪府が導入する予定であると聞いておりますし、国際的にも主要諸国が取り入れている制度であります。市長におかれましては、本市の
最高経営責任者--CEOとしての指導力を存分に発揮していただき、ぜひともこの制度の導入を決定していただきたいと思いますが、市長の御意見をお伺いいたします。 以上で第1問とさせていただきます。(拍手)
○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕
◎市長(大橋建一君) おはようございます。 5番園内議員の一般質問にお答えいたします。 まず、防災行政について、
東日本大震災をどのように受けとめ、本市の防災、減災対策をどう進めていくのかということであります。
東日本大震災が発生した3月11日のことは忘れようとしても忘れられません。あの日、この市役所でも大きな揺れを観測し、
東北地方太平洋沖で大規模な津波を伴うおそれのある地震が発生したことを知りました。最初は
マグニチュード7.9と発表されていましたが、紀伊半島にも大津波警報が出て、
災害対策本部を設置いたしました。 このところの津波警報は大半が空振りで、その時点ではあんな巨大な津波が来るとは思いもしませんでしたが、対策本部でテレビに映し出された映像は信じられないものでありました。私は即座に平成16年末に起きた
スマトラ沖地震の際のインド洋大津波を思い出しました。インド洋大津波のとき、私は東南海・南海地震で和歌山が大津波に襲われることを覚悟して、その対策を強化しなければならないと決意しましたが、それでも正直な話、内心ではまさかあんな大津波は来ないだろうという思いがありました。 人間というのは不思議なもので、どんな悲惨な災害を目の当たりにしても、自分が同じような被害には遭わないと楽観しているところがあります。市民の方一人一人がそういう楽観的な気持ちでおられると、実際に災害が起きたときに助かる命も救うことができません。まずは、市民の皆様の防災意識を高めることが防災、減災対策の基本であります。 津波警報が出たら、とにかく逃げる、そのために平素から家庭では非
常用持ち出し袋を用意し、家族でどこに避難するかを確認しておくことが大事だということをあらゆる機会を通じて徹底させていかねばならないと思っています。 本市が現在作成している
地域防災計画では、
マグニチュード8.6規模の東南海・南海地震と東海地震の連動型地震が発生し、発生から52分後の和歌山下津港の満潮時に大津波が本市を襲うというもので、それでも従来の想定では
マリーナシティの津波の高さが市内では最高で4.69メートルという予測となっています。これに基づいて地震、津波対策を講じているわけですが、今回の災害を踏まえて、国の
中央防災会議で示される災害規模の想定などをもとに計画を見直す必要があると考えています。 しかし、これにはかなりの時間がかかると考えておりまして、当面実施できる対策として、避難所の点検や
津波避難ビルの追加等を反映した防災マップの更新と、市内全域に可能な限りその地点の標高を示す表示を行うことを早急に行ってまいりたいと考えております。 次に、原子力発電についての基本的な考え方はどうかということであります。 原子力発電に関しましては、
東京電力福島第一
原子力発電所の事故により、我が国のみならず、世界各国で電力供給のあり方や原子力発電の安全性が今まで以上に議論されるようになりました。市民の生命と財産を守り、安全で安心して暮らせる町を築いていかなければならない私といたしましては、これ以上
原子力発電所がふえることは望みませんし、例えば、本市に
原子力発電所を誘致するというような考えもありません。 しかし、市民生活を支え、産業活動に必要な電力を安定して供給することの大切さは十分に認識しております。そのためにも
自然エネルギーに着目し、
メガソーラー発電所の誘致等に積極的に取り組むとともに、将来の電力需要にこたえるためにも、本市議会において平成9年6月に
LNG火力発電所建設促進に関する決議をいただいた
和歌山発電所の早期着工を
関西電力株式会社に強く働きかけてまいりたいと考えています。 最後に、公会計制度についての御質問であります。 本市では、平成20年度決算から財務諸表の作成を行ってまいりました。これを通じ、特別会計の負債や土地開発公社の未利用地が多いこと、長期延滞債権が多いことなどの課題が改めて浮き彫りとなりました。このため、市全体の負債の縮減、未
利用地の利活用、債権管理条例の制定など、経営感覚を重視し、市全体の資産、負債の健全化に取り組んできました。また、財務諸表を他都市と比較することにより明らかとなった施設の老朽化対策に取り組んでおります。 現在、国では国際公会計基準などを踏まえた地方公会計のあり方の議論が始まったところであります。今後もこうした国の動きや東京都などの先進団体の会計制度を参考にしながら、事業ごとの分析など改善を続け、経営感覚を持って新しい課題に対応可能な行財政運営を行ってまいります。 以上であります。
○議長(和田秀教君)
池永危機管理監。 〔
危機管理監池永俊二君登壇〕
◎危機管理監(池永俊二君) 5番園内議員の御質問にお答えいたします。 防災行政について3点ございます。 まず1点目、防災無線の聞こえにくい地域の対策についてどのように考えているのかとの御質問です。
防災行政無線の拡声子局は、沿岸部にアナログ式71基及び各小学校にデジタル式52基の合計123基を設置していますが、天候等の影響により聞こえにくい場合があることは認識しております。 こうした事態への対応として、気象、地震、津波情報、避難情報などの
防災行政無線の放送内容が電話をかけると自動的に再生される
防災情報電話案内サービス--通称テレドームでございますが--これを7月1日より開始いたします。 また、県でもNTTドコモと連携し、登録しなくても適応機種の携帯電話をお持ちの方に緊急地震速報や災害、避難情報を発信するエリアメールの7月からの導入を目指しております。 災害情報の伝達につきましては、こうした対策に加えて、携帯電話で利用できる防災わかやま
メール配信サービスへの登録を引き続き啓発し、市民へのより確実な情報伝達手段の構築に努めてまいります。 次に、2点目、避難場所については各地区ごとの避難場所を指定し、住民が安心して逃げられる場所を確保することが重要と思うがどうかとの御質問です。 津波発生時には少しでも高い場所へ避難することが肝要ですが、市内には周辺に高台の少ない地域もあり、また、高台への避難が困難な方もおられます。津波に対するより安全な場所への避難方法としては、例えば、避難所内においても建物のより上の階に逃げていただくことをお示しし、また、津波浸水区域内にある堅固な5階以上の建物などを
津波避難ビル、
津波避難場所として28カ所、関係者の御理解をいただき指定しているところですが、こうした避難施設についてはさらに調査を進めて、ふやしていきたいと考えておりますし、その避難場所の整備が必要な場合などは、行政としても積極的に取り組んでまいります。 さらに、より安全な避難を実施していただくため、地域特性を最もよく知る地元の皆様に、みずからの地域に最も適した避難の方法と場所を検討していただくことが重要であることを防災出前講座や地域での
自主防災訓練等を通じ、啓発してまいりたいと考えております。 最後に、原子力発電についてでございます。 熊取町にある
京都大学原子炉実験所についての対策はいかがかとの御質問です。
京都大学原子炉実験所によれば、熊取町の
研究用原子炉に装荷されているウランの量は、
発電用原子炉の2,500分の1程度でございます。また、福島の原子炉が摂氏280度、70気圧程度で運転されているのに対し、この
研究用原子炉は摂氏40ないし50度、大気圧で運転されており、電源が供給されない状態でも燃料が水につかっていれば炉心の冷却が保たれる極めて安全な原子炉であるとのことです。 また、万一炉心の全燃料が破損した場合においても、原子炉炉室の主排気系統は遮断され、炉室から放出される空気はフィルターでヨウ素等を除去した後に排気されるため、半径200メートル以上離れたところでは避難の必要はないとされており、熊取町のホームページでも同様の情報が
京都大学原子炉実験所と連名で掲載されております。 なお、市民の皆様の安心・安全という観点から、本市の日常的な放射線量につきましては、県の
環境衛生研究センターで毎日測定しており、今後も県と連携し、注意を払ってまいります。 以上でございます。
○議長(和田秀教君)
永井健康福祉局長。 〔
健康福祉局長永井尚子君登壇〕
◎
健康福祉局長(永井尚子君) 5番園内議員の御質問にお答えいたします。 まず、防災行政について、保育所の防災教育の状況と対策についての御質問です。 保育所では、防災教育として新入児が入所してくる年度当初に、災害関連の紙芝居等で子供たちに意識づけを行うとともに、毎月の火災、地震、不審者等に備えた避難訓練を保育士が中心になって行い、同時に、子供たちには避難方法等のお話の中で繰り返し意識づけを行っております。 また、津波等の避難場所といたしましては、3月11日の
東日本大震災の後、保護者会と協議し、新たに避難場所を設定したところです。 次に、保健行政について、胃がん対策について、第1次予防としてピロリ菌の有無を調べる検査を無料で行えないかとの御質問です。 現在、厚生労働省による
胃がん検診ガイドラインでは、対策型検診として
胃エックス線検査のみが適当とされています。また、
がん対策基本法においても、
がん検診受診率の向上が提示されています。しかし、受診率の低下や受診者の固定化などの問題点も指摘されているところです。 本市におきましても、
胃がん検診受診率は低迷しており、各がん検診の中で最も低い現状です。一方、平成21年の和歌山市のがん死亡者数のうち、胃がんは肺がんによる死亡者数に次いで2位であり、早期発見すれば完治する胃がんの克服策として、がん検診は大変重要な対策と考えています。 最近では、
胃エックス線検査以外の胃がん検診の方法として、内視鏡検査、胃粘膜の萎縮の程度を測定する血清ペプシノーゲン検査、胃がんのリスク因子であるピロリ菌の感染の有無を測定する検査などが注目され、一部の地域で実施されています。 しかし、血清ペプシノーゲン検査やピロリ菌の検査は、胃がんを直接診断する方法ではなく、胃がん発症のリスクを評価する方法であり、現時点ではこれらの検査を胃がん検診として採用することは根拠が不十分であるとの厚生労働省の見解です。 本市といたしましては、現行の胃がん検診のより一層の啓発に努めるとともに、より効率的、効果的な胃がん検診のあり方を検討してまいります。 以上でございます。
○議長(和田秀教君) 大江教育長。 〔教育長大江嘉幸君登壇〕
◎教育長(大江嘉幸君) 5番園内議員の一般質問にお答えします。 防災行政にかかわって、幼稚園及び小中学校の防災教育の現状と対策についての御質問です。 平素、各幼稚園、学校においては発達段階に応じた防災教育を行っています。幼稚園では絵本、紙芝居等で地震や津波について学び、避難訓練を行います。小中学校では、稲村の火等を教材に道徳や国語科、社会科などで繰り返し地震や津波の恐ろしさを学習し、迅速な避難のための訓練と避難場所の確認を行っています。いずれも年間計画の中に位置づけ、緊急時の速やかな避難行動に向けて、学校、保護者、地域と連携し、訓練を行っているところです。 3月11日以降は、特に津波を想定した避難経路、避難場所、避難に要する時間などの詳細について調べ、緊急時には即行動できるよう、学校ごとに具体的な避難計画を立てるよう指示しています。 今後さらに
東日本大震災を教訓に東南海・南海地震等の災害発生を想定し、より早く安全に避難できるよう、関係部局と連携して、避難経路、避難場所等の見直しを行い、幼稚園や学校における防災体制の充実に努めてまいります。 以上であります。
○議長(和田秀教君) 5番。 〔5番園内浩樹君登壇〕(拍手)
◆5番(園内浩樹君) 御答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。 最初に、防災行政についてですが、
地域防災計画も現在見直しをされていると思いますが、地震、津波は最大限の想定ですべての計画を策定していただきたいと思います。想定外という言葉は、今はだれもが一番聞きたくない言葉であろうし、行政としましても絶対にこの言葉を言いわけにしてはいけないと考えます。 今月19日にも国の
中央防災会議の専門調査会で検討されたとおり、「科学的に想定し得る最大の津波にも対処できる防災対策を取るよう、国と自治体に求める中間報告の骨子をまとめた。」とあります。本市におきましても、この方針をもとに、今後、できるだけ早い時期に防災計画を見直していただけるよう要望いたします。 次に、保健行政についての胃がん対策について再質問させていただきます。 北海道大学のがん予防内科学講座の特任教授であり、日本ヘリコバクター学会の理事長でもあられる浅香正博教授によれば、これまでの胃がんの発症には、生活習慣や食塩の摂取が影響していると考えられてきたが、最近の研究で胃がんの原因の95%はピロリ菌であり、感染症であることがわかってきた。そして、胃がん対策をこれまでの生活習慣病としての対策から1次予防としてのピロリ菌除菌、2次予防としての検診へと大きく転換すべきであるとの指摘であります。 私が先ほど述べたWHOの見解と浅香教授の見解を市長はどのようにお考えでしょうか。また、この見解ではピロリ菌検査ががん検査の根拠とならない理由をお伺いします。 今、がんで死亡する人の97%が50代以降で、ふえる傾向にあるそうです。同教授はこれを食いとめるために、今すぐ手を打たなければならない。検査、除菌、検診を行うことで、5年間で15万人の命が救え、年間約3,000億円を要している胃がん治療費を年間約250億円の除菌と検査の費用で抑えることができ、医療費も大幅に削減することが可能であるとの指摘もあります。 本市におきましては、まず第一歩として、水際対策であるピロリ菌検査費用を無料とすることで、御答弁にもありました胃がん検診の受診率低迷化の対策を図り、市民の皆様方一人一人がピロリ菌に感染しているかいないかを知っていただく。そして、検査、除菌から次のステップへ進み、胃がん予防と健康管理の意識をしっかり持っていただくことが重要な施策であると考えますが、いかがお考えでしょうか。 最後に、財政問題についてですが、御答弁にもありましたが、今後は東京都と東京都方式を導入するという大阪府、また、町田市の状況等を研究材料とし、積極的な導入に向けての取り組みを期待し、本市のさらなる財政健全化を目指して努力されることを期待しまして、要望とさせていただきます。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕