令和 2年 第4回定例会1 日時 令和2年12月1日 午後1時1 場所 練馬区議会議事堂1 出席議員 50名 1番 きみがき圭子議員 26番
吉田ゆりこ議員 2番 富田けんじ議員 27番 宮原よしひこ議員 3番 高口ようこ議員 28番 小林みつぐ議員 4番
はしぐち奈保議員 29番
藤井たかし議員 5番 佐藤 力議員 30番 関口和雄議員 6番 松田 亘議員 31番 しもだ 玲議員 7番 土屋としひろ議員 32番 池尻成二議員 8番
沢村信太郎議員 33番
小松あゆみ議員 9番
岩瀬たけし議員 34番
鈴木たかし議員 10番 小川こうじ議員 35番 つじ誠心議員 11番 かしままさお議員 36番 かわすみ雅彦議員 12番 野沢なな議員 37番
田中よしゆき議員 13番
坂尻まさゆき議員 38番
上野ひろみ議員 14番
石黒たつお議員 39番
白石けい子議員 15番
かとうぎ桜子議員 40番 のむら 説議員 16番
西野こういち議員 41番 星野あつし議員 17番
たかはし慎吾議員 42番
平野まさひろ議員 18番
柴田さちこ議員 43番 福沢 剛議員 19番 島田 拓議員 44番 かしわざき 強議員 20番 倉田れいか議員 45番
小川けいこ議員 21番 酒井妙子議員 46番 小泉純二議員 22番 うすい民男議員 47番 やない克子議員 23番 田中ひでかつ議員 48番
井上勇一郎議員 24番
笠原こうぞう議員 49番 宮崎はるお議員 25番 有馬 豊議員 50番
柳沢よしみ議員1 欠席議員 なし1 出席理事者 前川燿男 区長 吉岡直子
高齢施策担当部長 小西將雄 副区長 佐古田充宏 健康部長 山内隆夫 副区長 高木明子 練馬区保健所長 河口 浩 教育長 健康部長兼務
地域医療担当部長 宮下泰昌 技監 市村 保 環境部長 毛塚 久 区長室長 技監事務取扱 都市整備部長 森田泰子 企画部長 平林 明 土木部長
企画部長事務取扱 区政改革担当部長 木村勝巳
教育委員会事務局 生方宏昌 危機管理室長 教育振興部長 堀 和夫 総務部長 小暮文夫
教育委員会事務局 関口和幸 産業経済部長
こども家庭部長 産業経済部長兼務 都市農業担当部長 大窪達也 総務課長 中田 淳 福祉部長1
出席事務局職員 臼井 弘 事務局長 中西正作
議事担当係長 齋藤新一 事務局次長 石原慎太郎
議事担当係長 清水 聡
議事担当係長1 傍聴者数 3名1 議事日程 日程第1 一般質問 以上
◎事務局長 ただいまの出席議員数50名でございます。 午後1時0分開議
○小泉純二議長 ただいまから本日の会議を開きます。 この際、議席の変更についてお諮りいたします。 会議規則第4条第3項の規定により、お手元に配付いたしました議席変更表〔別掲〕のとおり、議席をそれぞれ変更したいと思いますが、これにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小泉純二議長 ご異議なしと認めます。よって、議席変更表のとおり、それぞれ議席を変更することに決定いたしました。 これより日程に入ります。 日程第1・一般質問を行います。 順次発言を許可いたします。 25番・有馬豊議員 〔25番有馬 豊議員登壇〕
◆有馬豊議員 私は、
日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。 はじめに、区長の基本姿勢として、核兵器廃絶についてです。 歴史上、初めて核兵器の開発から使用、威嚇などを禁止する
核兵器禁止条約が来年1月に発効が決まりました。禁止条約の発効が決まったことは、核兵器のない世界を求める各国政府と市民社会が大国の妨害を乗り越えて達成した画期的な成果であり、発効から1年以内に締約国会合が開かれ、核軍縮のための更なる措置が検討されることになります。 日本政府は、核保有国と非核保有国との橋渡しを強調し、禁止条約に背を向け続けてきましたが、今、
北大西洋条約機構に加盟し、アメリカの核の傘の下にある国々でも禁止条約への参加を探る動きが生まれています。ノルウェーでは議会が政府に
核兵器禁止条約に参加する可能性について調査を要請し、ベルギーでは禁止条約が核軍縮へ及ぼす影響を探求することが政権合意に明記されました。 日本では、世論調査で7割が禁止条約への参加を支持し、署名・批准を求める意見書が全国約500の地方議会で可決されています。 非核都市練馬区宣言では、「われわれは、世界最初の被爆国民として、平和憲法の精神に沿って、核兵器の全面禁止に他の自治体とも協力し、核兵器の廃絶と軍縮に向けて努力する」と宣言しています。 区は、国に対して、一日も早く禁止条約の署名・批准を行うこと、それまではオブザーバーとして締約国会議および検討会議に参加することを求めるべきです。お答えください。 次に、
新型コロナ対策についてお聞きします。 第1は、
PCR等検査体制の強化についてです。 新型コロナは、各地の医療機関や介護施設、学校などで集団感染が相次ぎ、過去最高の感染者数を日々更新され、第3波が始まりました。都内で対応できる医療機関のベッド数は埋まり、保健所などは断続的に襲ってくる感染の波の中で長時間勤務が強いられ、休日もクラスターが起これば呼び出される状況が続き、出口が見えず疲弊が広がる状況です。 感染を収束させる鍵はPCR等検査の抜本的拡充ですが、日本の検査数は人口比で世界152位と立ち後れ、1日7万件の検査能力に対し、最大でも3万件程度といまだ低い水準です。 こうした中、東京都は検査目標を6万5,000人に引き上げ、高齢者施設などの利用者と職員15万人を対象に検査への支援を独自に行うことを決めました。都の支援も活用し、練馬区でも感染震源地となるリスクのある地域、業種、施設に社会的検査を行うことを求めます。 また、検査にかかる費用は全て国庫負担とする仕組みをつくるため、23区区長会とも連携し、強力に要請することを求めます。同時に、感染拡大を踏まえて感染経路を探るトレーサーを配置するなど、保健所体制の更なる強化を求めます。3点お聞きします。 第2に、医療機関への支援についてです。 新型コロナへ対応するため医療体制の強化が必要なときに、病院のコロナ危機と医療従事者の賃金引下げを引き起こした国の責任は重大です。 政府は、10兆円の予備費のうち1.2兆円を医療提供体制の確保に充てるとしていますが、これは今後発生するコロナ患者を治療する医療機関に診療報酬や病床確保料を上乗せするもので、既に経営危機に陥っている医療機関への支援にはなりません。 区は、補正で6億円超の減収補填をしたことは重要ですが、区内で減収補填を受けた病院でも、11億円の借入れをしたが、患者数がコロナ前の水準に戻っておらず、返せる見通しが立たないと訴えています。国に対して減収補填はしないという姿勢を改めるよう強く意見を上げるとともに、区として更なる補助を求めます。 また、区は、区内で検査できる診療所を増やしてきましたが、現場からは「院内感染を完全に防ぐのは難しい」、「万一、院内感染を起こすと経営が成り立たなくなる」などの声が上がっています。そのため、駐車場でのテント設置など、院内感染防止のための十分な助成と、診療所の経営の更なる財政支援を求めます。3点お答えください。 第3に、地域経済対策についてです。 コロナによる暮らしと経済への打撃は深刻さを増し、4月から6月期のGDPは年率28.1%減と戦後最悪の落ち込みとなり、7月の家計消費は前年同月比7.6%減と大幅な減少、8月の労働力調査では完全失業者が前月比で9万人も増え205万人になるなど、家計、雇用、中小企業は深刻な危機に直面しています。年末にかけて倒産・廃業が急増するおそれがあり、事業が持続できる最大限の支援が求められています。 国の第2次補正予算は、成立から4か月が過ぎても支援が現場に行き届いていません。休業支援金は予算の3%しか執行されておらず、家賃支援金も3割に満たない状況です。これは対象要件が狭い上に申請方法が複雑などの理由があります。国に対して、対象となる事業者、労働者への周知徹底、手続の簡素化、事前審査から事後チェックへの転換など、速やかに支給される体制となるよう、区も実態をつかみ意見を上げるべきです。 また、コロナ禍が長期化する下で苦境に立っている事業者への継続的な支援が必要です。 区は、緊急融資や相談体制を強化しての特別貸付などを行っていますが、他自治体では、ネットを使うなどの販路開拓、コロナ禍での商品開発、従業員への賃金助成をはじめ、工夫し、直接支援を行っています。 区として更に研究し、取組を強化するとともに、その取組が実施できるよう国に財政支援を規模も対象も大きく広げて行うよう求めるべきです。併せて、持続化給付金は第2弾を実施するよう、意見を上げることを求めます。2点お答えください。 次に、介護保険について伺います。 第1に、
介護保険制度の維持についてです。 介護保険は21年目に入り、その役割を果たしてきた一方で、持続可能の名の下、給付削減と負担増が繰り返されてきました。連続した介護報酬のマイナス改定は、事業所の経営難と深刻な人手不足を招いています。 区では、10年後に要介護認定者が3万8,000人を超えると見込んでいますが、今後、現行のままで
介護保険制度を維持し、人材不足を解消し、介護難民を防ぐことができると考えているのか、率直な考えをお聞かせください。 第2に、コロナ対策についてです。 新型コロナは介護現場にも深刻な影響を与えました。従事者は感染の不安の下、介護に当たり、利用控えで通所介護などが7割前後に減少するなど、事業所は
経営的ダメージを負っています。 こうした中、国は6月から、実際に行ったサービスより2段階上の算定を認める介護報酬の臨時的扱いを始めました。これは、利用者にも実際使った以上の利用料を強いることになり、一月の利用限度額にも影響するものです。利用者に負担させる理不尽な方法はやめ、国の責任で事業者を救済するよう求めるとともに、区として介護事業者へ更なる財政支援を行うべきです。お答えください。 第3に、来年度からの制度改悪と負担増についてです。 要介護1と2の総合事業への正式な移行は見送られましたが、省令改正を利用して要介護者も総合事業の対象にしようとしています。本人の希望を尊重するとしていますが、これは要介護者の保険給付外しの突破口だと言わざるを得ません。 その背景には、介護の本質を理解せず、家事の延長程度にしか考えていない間違った認識があります。総合事業には基準を緩和したサービスがありますが、担い手が確保できず、結局事業所による従来型のサービスが多いのが実態です。 区は、省令改正で
総合事業対象者の拡大に踏み込むべきではありません。また、保険給付に一本化するよう国に求めるべきです。2点答弁を求めます。 また、食費・居住費を助成する補足給付も改悪されました。 年金収入120万円超の人は食費が月2万2,000円も増え、更に資産要件は預貯金が500万円以下となり対象外になる人が増えています。加えてショートステイの食費も引き上げられるなど、低年金者を狙い撃ちにしており、許せるものではありません。 コロナ感染が広がり、状況が大きく変わっており、負担増計画は中止するよう国に求めるとともに、区は現行の補足給付を継続すべきです。答弁を求めます。 第4は、来年度からの保険料についてです。 制度開始当初は基準額3万7,200円だった保険料が、期を重ねるたびに上がり、第7期では7万7,640円と倍以上になっています。
高齢者基礎調査では、保険料を負担と感じる人が3割程度となっており、「値上げは年金生活者にとって致命的」、「生活が行き詰まらないようにしてほしい」との声が寄せられています。 この間、利用料に2割、3割負担の導入など負担は増えるばかりです。区民の声に応え、保険料の値上げは控えるべきです。答弁を求めます。 第5に、
加齢性難聴者への対応についてです。
高齢者基礎調査では、状態がよくないのに補聴器を使っていない人は高齢者一般で24%、補聴器を持たない理由として高額だからが29%です。この結果を受け、介護運協の答申では、「
加齢性難聴対策の実施について検討されたい」との文言が入りました。 認知症の約8割は、難聴の放置が背景にあると言われており、最も大きな危険因子です。認知症になれば、本人や家族に負担となるだけでなく、介護・医療財政が膨らむことにつながります。目先のことより、長い目で見通した効果的な予算の使い方を、コロナ禍では特に考える必要があります。 第8期高齢者・介護計画に
加齢性難聴者への支援を加え、早期に
補聴器購入補助を実施するよう求めます。また、都知事は都議会で聞こえの支援を推進すると答弁しています。都に包括補助の枠組みだけでなく、独自に
補聴器購入補助へ財政支援を求めていただきたい。2点答弁願います。 次に、性暴力への対応についてお聞きします。 内閣府は、今年4月から9月の全国の性犯罪・
性暴力被害者ワンストップ支援センターへの相談件数が前年同期比15.5%増の2万3,050件と発表しました。増加の背景に、
新型コロナ感染拡大が影響していると見られています。 SNSなどの広がりに伴い、
性暴力被害者の低年齢化が進んでおり、全国の
ワンストップ支援センターへの調査では、面談をした被害者のうち19歳以下は約4割、中学生以下は約2割と、若年層の割合が高いことが明らかになりました。性犯罪や性暴力は、被害者の心と体に重大な悪影響を及ぼし、特に子どもは被害に遭っていることに気づかず、深刻化しやすいとされています。 現代の子どもたちは、性の情報を友人やインターネットなどを介して、不正確で危険な情報にさらされています。情報が氾濫する一方、身体や妊娠の仕組みの十分な知識もなく、望まない妊娠や性感染症に苦しむ若者もいます。 政府は、2022年度までの3年間を性犯罪・性暴力対策の集中強化期間と定め、手薄だった教育に力を入れることになりましたが、3年と区切るのではなく、恒常的に位置づけるべきです。 これを受け、都教委では各学校における人権教育や道徳教育の充実を図るとしていますが、区教委での検討状況をお示しください。 政府の方針、生命の安全教育は、水着で隠れる部分については人に見せない、触らせないなど、年齢や発達段階に応じて学ぶべき大切な内容を示していますが、妊娠の経過は扱わないとする学習指導要領の歯止め規定があり、性的な知識まで踏み込んでいません。人権と性は不可分なものであり、性交についての適切な学習は、性の安全教育が人権と結びついたものとして深い理解となります。 こうした学びの障害となっている歯止め規定を撤廃し、人権やジェンダー平等、多様性、相互尊重を前提に構成される包括的性教育が必要です。区の見解を伺います。 練馬区では、性教育の取組として、産科医や助産師など外部講師を招き授業を行っていますが、昨年度は中学校1校だけです。中学校長らは、性教育には外部講師の活用が効果的と必要性を感じているにもかかわらず、実施しない学校もあります。 区として外部講師を活用した性教育を位置づけるべきです。予算を拡充し、外部講師への報酬額を改善するなど、今後は多くの学校で専門家による性教育を広げるべきです。ご答弁ください。 2019年3月、性暴力をめぐる無罪判決が相次いだことへの抗議をきっかけに、性暴力に抗議するフラワーデモが国外を含め日本全国で広がりました。 2017年に110年ぶりに
刑法性犯罪規定が改正されましたが、被害者が抵抗できなかったことを立証できなければ加害者を罪に問えない、性交同意年齢が13歳のままなど、多くの課題があります。ただし、法改正時、3年をめどに実態に即して見直す附則が盛り込まれ、今年、
刑法見直し実現に向けて運動や議論が高まっています。 世界では、「NO MEANS NO」あるいは「YES MEANS YES」という意に反する性行為が広く処罰される法律がスタンダートとなっています。
当事者団体代表の山本潤さんは、「同意の問題が重要です。被害者たちは無力化させられる。これが性暴力の本質です。同意がない性交は心身を大きく損ない、被害者は生涯にわたって影響を受ける。そのことを全ての人が認識してほしい」と語っています。 こうした立場で法改正に対する区の意見を上げる必要があるのではないでしょうか。答弁を求めます。 初期の性被害者への総合的支援を行う場所としてSARC東京がありますが、都内に1か所だけで、とても十分とは言えません。SARC東京では、病院や警察など、複数の場所でトラウマとなるような事件の全容を何度も本人が話さなくてよいよう付添い支援を行っているため、支援員の確保も課題です。 東京都にセンターの複数設置を求めるとともに、区としてもSARC東京と連携し、できる支援をすべきではないでしょうか。2点ご答弁ください。 また、区は被害者支援を周知するリーフを作成していますが、豊島区では、
区ホームページで性暴力の被害に遭われた方へというメッセージから始まり、被害に遭って間もないとき、時間が経過しているときなど、状況に応じた相談先を掲載しています。練馬区でも被害者を早期に適切な支援へつなげる取組を検討すべきです。答弁を求めます。 性犯罪、性暴力をなくすため、被害者にも加害者にも傍観者にもならない環境をつくっていくために、新たな取組の検討を求めます。 次に、としまえん跡地活用についてお聞きします。 第1は、避難場所についてです。
練馬城址公園は、住民約6万3,000人が避難する場所として都が位置づけていますが、西武鉄道が米企業に30年間にわたって貸し出す敷地は22ヘクタール中9ヘクタールと半分近くを占め、立体駐車場を含む
スタジオツアーの建屋は約3.8ヘクタールで高さ15メートルにも及びます。 住民の多くが不安に感じている一つは、
スタジオツアー建設によって避難場所の機能が損なわれるのではないかという点です。区は、園内の
オープンスペースが避難場所になる、避難場所としての機能は当然維持されると言いますが、どこが避難有効面積に当たるかなど、都は開示していません。 2023年春までの工事期間を含め、敷地内のどこが避難場所なのか、開業以降も建屋や敷地が災害時にどう活用されるのかなど、都に説明責任を果たさせ、住民の不安解消に努めるべきではないでしょうか。 加えて、都市整備局によれば、避難場所が「工事中は、完了まで利用不可能な区域として扱い、避難有効面積から除くこととする」と記載があります。そうであれば、避難場所が3年間にわたって放棄され、目減りするのではないでしょうか。2点区の見解を求めます。 また、区長が
スタジオツアー計画に歓迎を表明する一方で、住民がこれほど混乱している理由は、民活部分だけが先行し、防災が後回しにされる中、行政として説明会を開催せず、住民が置き去りにされてきたことにあります。東日本大震災を受け、
練馬城址公園が
都市計画公園優先整備区域に指定されて以来、9年が経過しましたが、区としては防災公園の整備をどのように東京都に促してきたのか。また、公園の「形容が変わっていく中で、避難場所についても関係者と逐次検討していく」と答弁していますが、その中身を区民に説明し、具体的な見通しを示すべきです。区の見解をお聞きします。 第2に、構内通路についてです。 区は、「石神井川北側に沿って整備される構内通路は、
スタジオツアー施設の敷地に含まれていない」と答弁し、9月初旬の事業者の住民説明会で示された資料では、構内通路は
スタジオツアーの敷地内に位置づけられており、不整合があります。構内通路が事業敷地から外されるのであれば、
まちづくり条例の事業計画の変更に照らして、再度住民説明会が求められる可能性もあります。 加えて、区に提出されている
樹木樹林伐採届出書についても、構内通路が届出の範囲に含まれており、変更手続が求められます。しかも区は、「構内通路が将来的な公園や河川施設の一部として整備される」との見解を示していますが、そうであれば都に対して公園の将来像をまず公表させるべきです。2点お答えください。 将来像もなく、東京都公園審議会の答申さえまだ出ていない状況で、民活部分だけの先行を黙認するのであれば、練馬区も参加する覚書の基本目標からも逸脱します。広範な住民が抱く不安を解消し、住民合意の下で、より望ましい防災公園のあり方を議論するために、事業計画は一旦立ち止まるべきです。見解を伺います。 次に、外環道についてお聞きします。 今年10月18日、調布市の
外環道本線シールドトンネル工事現場付近において陥没が発生しました。更に、NEXCOはその後、陥没現場の周辺で長さ30メートルと27メートルに上る空洞があることを公表し、住民の中に不安が広がっています。 陥没の原因について専門家が指摘する可能性の一つは、
シールドマシンが掘削土砂を取り込み過ぎたこと。いま一つは、掘削による振動が地盤の弱い部分に隙間・空間を作り、地下水や雨水等により拡大したことです。いずれもシールド工事によるトンネル掘削に起因するものとしています。 これまで
大泉ジャンクション周辺の工事ヤード内で
本線シールド工事は行われてきましたが、このまま工事を続ければ同様の事象が練馬区でも起こる可能性があります。これから掘削する計画線上には河川や鉄道が幾つも交差しており、陥没等で線路がずれるなどが起きれば大事故につながりかねません。 外環道は大深度地下法を用いて進められてきましたが、この法律では、地下40メートル以深は地上部に影響を与えないとして地権者の同意も補償も必要ないとされています。もし今回の陥没が外環道工事に起因するとなれば、法律で規定されていない事態であり、整備計画の抜本的な見直しが求められます。 問題はそれだけではありません。事業費は、政府が認めているだけでも約7,600億円も増え、2兆3,575億円と1.8倍に膨れ上がりました。道路整備などの費用と得られる効果の比率である費用便益比B/Cも事業全体では1.01となり、当初の2.9から大幅に下がっています。この金額には、
青梅街道インターチェンジでの地中拡幅部の工事変更に伴う増加分が含まれておらず、今後更に費用が増大することが予想されています。このままではB/Cが1以下となり、公共事業としての妥当性も失われることになります。 当初の予想を大きく超えた莫大な税金を投入せざるを得ない事業を、しかもコロナ禍で続ける合理性はありません。 ここまで問題点が明らかになった以上、計画自体の中止を国に強く求めるべきです。少なくとも原因究明と再発防止策が講じられない限り、工事は再開しないよう求めるべきです。また、買収が進んでおらず、多額の予算がかかる
青梅街道インターチェンジはこの機会に断念するよう国に働きかけるべきです。答弁を求めます。 以上で、
日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問といたします。(拍手) 〔
前川燿男区長登壇〕
◎前川燿男区長 お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症対策についてです。 わが国の感染者は、全国各地で1日の新規感染者が最多数を更新し、国内合計が連続して過去最多となるなど、憂慮すべき状況となっています。 区では、これまで4次にわたる補正予算を編成し、対策を進めてきました。 保健所の体制強化や医師会と協力したPCR検査体制の構築、患者受入れ病院の経営支援、特別養護老人ホームなどに対する検査の拡充やひとり親家庭への援助、事業所への緊急対策等に取り組んできました。 これから冬を迎え、一層の感染拡大やインフルエンザとの同時流行が懸念されています。感染症との闘いの中で、基礎的自治体の強みは、常に現場にあって区民の声に向き合っているところにあります。 引き続き、国や都と連携しながら、介護施設等のクラスター対策の強化や年末年始の医療体制の確保など、実態に合わせた対策を重点的、機動的に実施してまいります。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、技監および関係部長から答弁いたします。 〔宮下泰昌技監登壇〕
◎技監 私から、東京外かく環状道路についてお答えします。 先般、調布市の外環工事現場付近で地表面陥没が発生し、地中の空洞が確認されました。外環工事上部での事象であることから、区は、発生後速やかに国等の事業者に対し、十分な調査を行い早急に原因を究明すること、区民および区に丁寧な周知や説明を行うことなどを要請しました。 今回の事象について、御指摘のような原因によるものとは明らかにされておらず、外環工事との因果関係は現在不明です。 事業者は、シールドトンネルの掘進を一時中止し、現在、原因究明のための調査に鋭意取り組んでいます。工事の再開については、東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会による陥没、空洞の発生の原因および今後の進め方に関する見解を踏まえ、適切に対応されるものと認識しています。 外環は、首都圏全体のネットワークを形成するとともに、都心部における渋滞や環状八号線などの混雑緩和、移動時間の短縮などに資する重要な道路です。
青梅街道インターチェンジは、大泉インターチェンジ付近の混雑緩和や生活道路への車両の流入を抑制するなど、区内の交通問題の解決に資するものであり、その設置が必要と考えています。 区は、事業者に対し、今回の事象に関する検証も踏まえ、工事の安全・安心に万全を期した上で、外環事業に取り組むよう求めてまいります。 私からは以上です。 〔森田泰子企画部長登壇〕
◎企画部長 私から、
練馬城址公園等についてお答えします。 東京都が西武鉄道と協議し、としまえん跡地は引き続き避難場所として使用できることを確認しています。都は、工事中の避難区域は、特別な事情がある場合、個別に判断するとしています。
スタジオツアー施設の敷地については、工事中も危険な場所を除き開放し、避難エリアを明確にするなどの対応を東京都も含め関係者間で協議しているところです。今後も公園整備の段階ごとに関係者間で協議し、適切に対応してまいります。避難場所が3年間にわたり放棄されるとの御指摘は当たりません。
スタジオツアー施設の建設に際しては、
まちづくり条例の規定に基づき、石神井川北側の西武鉄道が所有する区域全てが開発区域となります。9月の説明会では、事業者が開発区域全体と建築計画の概要について説明し、構内通路についても公園整備の一環として整備する旨説明しており、
まちづくり条例に基づく手続に不整合はありません。 樹木・樹林の伐採届については、開発事業の実施の有無や計画敷地等の変更により、新たな届出が必要となるものではありません。 東京都が平成23年に
練馬城址公園を事業化する意向を明らかにして以来、区は都に対し、防災機能を含めた公園の具体的な整備内容やスケジュールを明らかにするよう繰り返し求めてきました。7月に提出した要請書や8月に行った意見交換においても重ねて求めており、10月には区長から都知事に直接要請しています。 としまえん跡地の一部での新たな事業展開は、土地所有者の西武鉄道が、都の公園事業化の意向を受けて判断したものです。関係者間で締結した覚書では、事業者に対し、
スタジオツアー施設が
練馬城址公園の機能実現の一翼を担うことや周辺住民への丁寧な説明を求めています。区として事業停止を求める考えはありません。 私からは以上です。 〔堀 和夫総務部長登壇〕
◎総務部長 私から、核兵器の廃絶と性暴力への対応についてお答えします。 はじめに、核兵器の廃絶についてです。
核兵器禁止条約については、本年10月に批准した国が発効の要件となる50か国に達し、令和3年1月に発効することになったことは承知しています。 核兵器のない世界をどういうプロセスで成し遂げるかについては、核兵器の深刻な脅威を踏まえた国際情勢についての十分な情報と周到な分析に基づく高度な政治判断が必要であり、区は意見を申し上げる立場にありません。 区では、核兵器の廃絶を目指して非核都市練馬区宣言を行いました。
区ホームページなどでの周知、非核都市宣言パネルの区立施設への設置、核実験に対する区長の抗議声明、区議会の決議などを行っています。本年7月には平和祈念パネル展を実施し、平和祈念コンサートや戦時体験の講話についても、現時点では来年3月に延期して開催する予定であり、コロナ禍にあっても平和推進事業を実施する方向で準備を進めています。 引き続き、平和に向けた努力を行ってまいります。 次に、性暴力への対応についてです。 区では、本年3月に策定した第5次男女共同参画計画において、女性への暴力やハラスメントの防止を施策に掲げ、区民への啓発や被害者への支援を行っています。 性暴力等の被害者には、被害直後の迅速な対応が重要です。 東京都は、特定非営利活動法人性暴力救援センター・東京、いわゆるSARC東京と性犯罪・
性暴力被害者ワンストップ支援センターを設置し、24時間体制で被害者支援を実施しています。支援センターでは、医療機関、警察、民間支援団体、区等が連携して、被害者の状況や相談内容に応じて、迅速かつ的確な対応を行っています。 区では、ホームページや各種リーフレット等において、支援センターが安心して相談できる機関であることを広く周知しています。 国では、性犯罪・性暴力対策の強化方針を本年6月に策定し、刑事法やその運用のあり方、
ワンストップ支援センターの増設などの検討が進められています。現時点では、国や東京都に法改正等を働きかける考えはありません。 今後も、第5次計画に基づき、支援機関等に関する情報提供や、状況に応じて医療機関、警察等への同行支援など、被害者に寄り添った対応を行ってまいります。 私からは以上です。 〔関口和幸産業経済部長登壇〕
◎産業経済部長 私から、地域経済対策についてお答えいたします。 国は、持続化給付金について、当初の給付対象者を改め、今年1月から3月までの創業者を給付対象に加えるとともに、休業支援金については対象期間と申請期限を延長し、オンライン申請による受付を開始しています。国は、随時、対象者の拡大や手続の簡素化などに努めていると認識しています。 持続化給付金については、既に追加の予算措置がなされていることから、第2弾の実施を国に求めることは考えておりません。引き続き、国の支援策を注視してまいります。 区では、国の地方創生臨時交付金を活用して特別貸付の実施やプレミアム付商品券事業の支援を行っています。更に、練馬ビジネスサポートセンターでのウィズコロナサポート事業など、様々な事業者支援策を行っております。こうした事業に対する国の更なる財政支援については、既に特別区長会を通じて求めています。 私からは以上です。 〔吉岡直子
高齢施策担当部長登壇〕
◎
高齢施策担当部長 私から、介護保険についてお答えいたします。 要介護者の数が増えていく中で、自立支援・重度化防止の取組と介護給付の適正化を着実に進め、介護給付費の伸びや介護保険料を抑制し、介護の現場を支える総合的な人材対策を推進することで、
介護保険制度の持続可能性を確保してまいります。 次に、コロナ対策についてです。 国は、利用者から事前の同意が得られた場合に、提供したサービス時間の区分の2区分上位の報酬区分の算定を可能とする臨時的な取扱いを認めています。これは事業所の新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応に配慮したものです。 利用者負担の増を伴う応急的な措置については、全額、国の公費負担で行うよう国に求めているところです。区として財政支援を行うことは考えておりません。 次に、介護予防・日常生活支援
総合事業対象者の弾力化についてです。 今回の制度改正は、全国一律で実施されるものです。総合事業のサービスのうち、区市町村の補助により実施されるサービスを受けていた要介護被保険者に限定して、これまで受けていた総合事業のサービスを引き続き利用できるものです。要介護者が受ける給付の内容に影響を与えるものではありません。総合事業を保険給付に一本化するよう国に求める考えはありません。 次に、補足給付の見直しについてです。 今回の改正は、在宅で介護を受ける方や軽減対象とならない施設入所者との公平性の観点から、能力に応じた負担となるよう国が制度を見直すものです。改正内容の詳細が明らかにされておらず、現段階で国に中止を求める考えはありません。 次に、介護保険料の改定についてです。 介護サービス利用料の推計や今後示される介護報酬改定内容を踏まえ、制度の持続可能性を確保しつつ、適正な保険料となるよう算定を行っていきます。 今後、令和3年第一回定例会に提出予定の介護保険条例改正案で保険料をお示ししていきます。 次に、加齢性難聴への対応についてです。
高齢者基礎調査では、補聴器を持っていない理由として、高額であることだけではなく、補聴器の効果への疑問や使用することの煩わしさなどを挙げています。補聴器を持っている方の約3割は使用しておらず、補聴器の正しい使い方や選び方の理解が不足していると考えられます。
加齢性難聴対策として、耳の聞こえの問題に関する普及啓発と補聴器購入費用の助成について、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に位置づけます。現段階で個別の事業について新たに都に財政支援を求める考えはありません。 私からは以上です。 〔佐古田充宏
地域医療担当部長登壇〕
◎
地域医療担当部長 私から、
新型コロナウイルス感染症対策についてお答えします。 社会福祉施設等への検査については、区で新規入所者を対象とした検査費用の助成を実施しています。また、施設職員の検査を含めた感染対策については、東京都による助成制度が設けられています。 施設等において感染者が発生した場合には、濃厚接触者だけでなく、利用者や職員に対して広く検査を実施し、感染者の早期発見に努めています。国に対しては、既に特別区長会を通じて十分な財政措置を求めています。 また、保健所体制については、職員を従来の約3倍に増員して対応しているところです。更なる体制の強化については、今後の状況に応じて検討してまいります。 次に、医療機関への支援についてです。 感染患者の入院受入れや、帰国者・接触者外来の設置により経営が悪化している病院に対する支援が国や都の措置では不足していることから、区独自の支援を行っています。患者が大幅に減少した4月から6月分については減収相当額の補助を行い、7月以降は患者受入れ実績に応じて支援をしています。 区内診療所に対しては、コールセンター等の紹介を受けて実施する、PCR検査の実績に応じた運営支援を行っています。診療所内の感染拡大防止対策や診療体制の確保に要する経費については、東京都が補助を行っています。 引き続き、病院・診療所の経営状況を注視し、必要に応じて国や都へ更なる支援策を要望してまいります。 私からは以上です。 〔木村勝巳教育振興部長登壇〕
◎教育振興部長 私から、性教育などに関するご質問にお答えします。 はじめに、人権教育や道徳教育の充実についてです。 各学校では、従来から教育活動全体を通じて人権教育や道徳教育に取り組んでおり、その中で、特に相手の人権を大切にすることや、男女が互いに尊重し合うことについて指導を行っています。性教育についても、重要な教育課題として、小学校や中学校の保健分野の学習を中心に、正しい知識を身につけさせ、適切な意思決定や行動選択ができるよう、発達段階に応じた指導を行っています。3年間だけに期間を区切ることなく、引き続き充実を図ってまいります。 性教育を実施する上で、性行為や避妊などの学習指導要領に示されていない内容を扱う場合は、児童・生徒の身体的・精神的発達や、それぞれが持っている性に関する知識の個人差に十分配慮すべきで、全ての学校に対して一律に実施を求める考えはありません。 校長の判断により実施する学校には、平成31年3月に東京都教育委員会が配布した「性教育の手引き」に基づき、児童・生徒の実態を十分踏まえ、保護者に丁寧な説明をした上で、理解・了承を得て実施するなどの慎重な対応を促しています。 次に、外部講師による性教育についてです。 教育委員会では、既に産科医、助産師およびNPO等を外部講師として活用するよう各学校に働きかけています。実施した学校の成果を情報発信するなど、引き続き取り組んでまいります。 外部講師の報償費は、区の報償費積算基準を踏まえて決定しております。 私からは以上です。
○小泉純二議長 次に、11番・かしままさお議員 〔11番かしままさお議員登壇〕
◆かしままさお議員 自由民主党を代表して一般質問を行います。区長ならびに関係理事者の皆様の誠意ある前向きなご答弁をお願い申し上げます。 元号が令和に改められ迎えた初の新年となった本年も、間もなく終わろうとしています。オリンピック・パラリンピック東京大会をはじめとした各種イベントの開催、また、それらを起爆剤とした経済成長など、輝かしい未来が描かれていたはずの2020年、新型コロナウイルスの出現によりその様相は一変しました。国内の感染者数は15万名に迫り、命を落とされた方は2,000名以上に上ります。景気の回復は依然厳しく、多くの方が経済的な苦しみを抱えていらっしゃいます。 そのような中にあっても、医師や看護師をはじめとする医療従事者の皆様、保育や介護など福祉関係者の皆様、交通機関やライフライン、清掃や流通に携わる皆様など、実に多くの方々の日々の懸命なご尽力により社会経済活動が成り立っています。改めて全てのエッセンシャルワーカーの皆様に心からの感謝を申し上げたいと思います。 この間、緊急事態宣言の発令や外出自粛の長期化など、議員としてこれまでと同じように活動することが難しい日々が続いていました。そうした中、先が見通せず、経済的な課題を抱える区民の方や商店主の方、ご自身も感染リスクと向き合いながら懸命に職務を全うされる医療関係者や福祉関係者の方、子どもにこれまでどおりの学校生活を送らせることができない保護者の方など、議員になって以来、かつてないほどのご相談を頂き、こうした緊急時こそ、われわれ議員の果たすべき役割が大きくなることを痛感しました。そうした声に真摯に向き合い、一つひとつの課題を前に進めていく。引き続き、真っすぐに誠実に政策の実現に取り組んでいくことをお誓いし、質問に入ります。 はじめに、都区制度に関して伺います。 先月1日、政令市である大阪市を廃止して4つの特別区に再編する、いわゆる大阪都構想の賛否を問う住民投票が実施されました。270万人という巨大な人口を細分化し、より身近な行政サービスを目指すのは一定理解できる部分もあるものの、財源の自由度を手放すことは基礎的自治体として大きなデメリットであり、大阪市民がどのような判断を下すのか注目をしていました。賛成が49.3%に対し反対が50.6%と賛否が激しく拮抗したものの、最終的には反対が僅かに上回り、大阪市は政令指定都市として存続することが決定しました。都構想自体に対する是非はさておき、長い間、当たり前とされてきた統治機構のあり方に課題を見出し、変革していこうとする姿勢に関しては見習うべき点も多くあると感じます。 本年2月の一般質問で、今後、地方自治はこれまで以上に重要な役割を担っていくということを取り上げさせていただきました。前川区長からは、東京の統治機構の変遷に触れながら、区民の生活圏を考えると東京市の復活が望ましいとしながらも、巨大化した人口を鑑み、行政の専門的、広域的機能を都が担い、住民との協働や一人ひとりに寄り添った支援を区が担う、これしかほかに道はなく、基礎的自治体である区の役割の重要性について答弁を頂きました。 今回の住民投票をきっかけとして都区制度が注目される場面もありましたが、現行の制度が抱える課題は多いものの、現状と照らし合わせてベターな制度であることを改めて感じました。そういった意味で、これしかほかに道はないというのは、都と区の双方で行政に携わられた経験から導き出された現場目線の結論であったと推察します。 現行の都区制度は、まちづくり分野における権限移譲や特別区共通の人事体系など様々な課題が挙げられますが、一番の課題は財政制度であることは論を待ちません。平成12年の都区制度改革から20年の月日が経過しました。この間、一定の動きはあったものの、大枠での前進はほとんど見受けられません。都区のあり方検討会等で議論されてきた様々な課題が取り残されており、その中には児童相談所の問題など、区の方向性と異なったり時代の流れに合わなくなっているものも見受けられます。 また、財調協議もそうですが、人口規模や特性がそれぞれ異なる23の特別区が一体となって交渉に臨んでいくことの限界も感じます。統治機構のあり方をめぐる議論の機運が高まっているこうしたタイミングで、各区が真に責任ある行政を担える仕組みとするにはどうすべきか、従来のやり方にとらわれず、競い合ってアイデアを出していくべきと考えます。 そういった意味で、都と区の双方で実務を担われてきた前川区長こそ、そうした議論をリードしていく責務を感じていらっしゃるのではないでしょうか。現行の都区制度に対する課題認識と、それらを解決していくには現実的にどういった取組が有効とお考えでしょうか。特別区が自主的に、そして責任を持って区民のために、より力を発揮していける自治体となるよう議論の加速を期待いたしますが、区長のお考えをお聞かせください。 次に、公園について伺います。 はじめに、
練馬城址公園についてです。 94年の長きにわたり、この練馬の地で多くの方に愛されたとしまえんが、その歴史に幕を下ろしました。私個人としても、小さな頃から家族や友人と幾度となく訪れ、ここ数年は子どもを連れて毎月必ず遊びに行っていたこともあり、大切な思い出がたくさん詰まった場所が閉園となってしまったことに対しては、深い悲しみと大きな喪失感でいっぱいです。だからこそ、その跡地に整備される
練馬城址公園がとしまえんと同様、多くの方に愛される空間となってほしいと切に願います。 本年1月、都が区と西武鉄道に対し
練馬城址公園の事業化に着手する意向を示し、同時に地権者である西武鉄道から
スタジオツアーを基軸とした新たな事業展開を検討したいという考えが示され、これを受け、6月に関係者間で覚書が取り交わされたというのが、この間の経緯であると認識しています。 私個人的には、ハリー・ポッターという作品に特に思い入れはありませんが、長年としまえんの運営を担ってきてくださった西武さんが目指す、新たな事業展開を素直に応援したいと思いますし、鉄道の高架化や各駅周辺のまちづくりといった面では、区のまちづくりの最大のパートナーである西武鉄道と良好な関係を維持していくことは、区民にとっても大きな意義があると感じています。
練馬城址公園に関しては、さきの第3回定例会の中でも様々な議論が展開されていました。中でも防災に関する部分は区民の方の関心の高いテーマです。 この間の経過の中で気になった点が一つあります。それは、避難場所や避難拠点、一時避難場所など、避難という言葉がつく用語が複数存在していて、その役割やフローが正しく認識されていないのではないかという課題です。練馬区地域防災計画では、震災等で避難が必要となった際、まずは近くの公園や広場など広くて安全な場所へ避難していただくこと、その場所も危険となった場合は、避難拠点である最寄りの小中学校へ避難していただくこと、その上で、避難拠点にも延焼火災の危険が迫った場合は、原則として職員等の引率・誘導により都が指定する避難場所へ移動することが示されています。 一方、区民向けに発行している「防災の手引き」では、こうした流れの基本的な部分は掲載されているものの、全体像がしっかりと認識されるまでには至っていないと考えます。震災等が発生した際の避難の流れについて、区報やSNSといった区民の目に触れやすい媒体で、定期的に全区に向けた発信をしていくことが必要と考えますが、ご所見をお聞かせください。 都は、避難場所の指定権者として、工事期間中も含めてとしまえんが避難場所としての機能を確保しており、引き続き、避難場所として使用していく旨を示しています。これに対し、万が一避難することになった場合の安全性や避難面積の有効性を疑問視する声も存在します。 区は、実際に避難場所を使用することになった際の運用を担う立場として、これまで地権者である西武鉄道とどのような連携を深めてきたのでしょうか。また、実際の避難有効面積を示してほしいという区民の声が存在することを、指定権者である都にしっかりと伝えていただきたいと思います。 そうした取組と併せて、地区内の防災性を向上させていくためには、延焼遮断帯となる都市計画道路補助133号線の整備が欠かせません。区議会としても、早期に事業化に着手するよう全会一致で都に意見書を提出しており、公園整備と合わせ事業化を進めていくべきと考えます。併せて、地区計画などを活用し、沿道の地域を火災に強い地区へと変えていくことも必要であると考えます。 区民の安全・安心に向けて、以上4点お答えください。 防災に関連して、避難所のプライベート空間の確保に関して伺います。 本年9月、わが会派が提案した避難所用屋内テント約2,000個が区に配備されました。提案から実現までスピーディーにご対応いただいたことを評価します。 今後、備蓄数を増やしていくことや事業者と連携して防災協定を結ぶなど、必要な際に一つでも多く確保できる仕組みを整えていただくことを要望します。
練馬城址公園に関しては、防災面だけでなく、水とみどり、にぎわいの拠点となるよう区議会としても声を上げてきました。平成29年の都市公園法の改正により、民間活力の導入によるにぎわいの創出が可能となりました。こうした手法を用いた公園整備は、横浜動物の森公園や新宿中央公園、最近では渋谷区のミヤシタパークなど、徐々に広がりを見せ、注目を集めています。また、愛知県にある安城産業文化公園デンパークでは、としまえん内にも遊戯施設を運営していたボーネルンド社を活用した子どもたちの遊び場が人気を博しています。 これまで多くの方に親しまれたとしまえんのように、子どもたちの笑い声や人々の笑顔が集う公園に生まれ変わってほしいというのが多くの区民の願いです。他自治体の先進事例を参考に、民間活力を最大限に活用したにぎわいの創出を東京都に働きかけていただきたいと思います。 都は現在、公園審議会に諮問をし、来年中にその答申が提出される予定であるとのことです。整備計画の策定に向けて、区民への丁寧な説明と意見聴取を行うよう引き続き都に働きかけていただくこと、併せて、整備計画案のパブリックコメントが実施される際は、区も区報等を活用し、広く区民に周知していただくことを要望します。以上、3点お答えください。 次に、大泉井頭公園について伺います。 大泉井頭公園は、昭和40年の開園以来、地域の憩いの場として多くの方に親しまれてきました。私も子どもを連れてよく遊びに行きますが、平日、週末に関わらず多くの親子連れでにぎわっており、野鳥などが多く飛来する自然豊かな環境も大きな魅力の一つです。 現在開園している公園は、昭和32年に都市計画決定された4.25ヘクタールの一部であり、区は水辺空間の創出をテーマに井頭公園を拡張整備していく方針を、みどりの総合計画の長期プロジェクトとして掲げています。 本年7月に改定された都市計画公園・緑地の整備方針の中では、重点化を図るべき公園として大泉井頭公園が挙げられているものの、区の基本計画の策定が遅れている等の理由から優先整備区域の設定は行われませんでした。 まずはじめに、昨年度予定されていた基本計画素案の策定はいつ頃を予定していますでしょうか。併せて、長期プロジェクトとの扱いですが、整備着手までの期間や完成までの期間はどの程度を見込んでいますでしょうか。2点お答えください。 これまで全体の4.25ヘクタールのうち、生産緑地の区域は優先整備区域に指定されていましたが、それ以外の部分については、住宅が建ち並び、日常の区民の生活が営まれており、住宅地図等で確認するだけでも150近い建物が確認できます。地域全体からしてみれば、防災性の向上やみどりの拠点の創出等の観点から歓迎できる公園整備ですが、そこで暮らしを営む方々にとっては、そういうわけにはいきません。仮に、こうした部分についても何らかの方針が示される場合は、これまで優先整備区域に指定されていなかったこともあり、唐突感は拭えず、困惑を感じる区民の方も少なくないことでしょう。 都市計画決定から既に60年以上が経過しているため代替わり等が進み、計画自体を認識していない方も多いかもしれません。区として地域に対して丁寧な説明を心がけ、時間をかけて計画への賛同を広めていくことに粘り強く取り組んでいく必要があると思いますが、区のご所見をお聞かせください。 大泉地域全体という広い視点で見れば、都市計画通りに公園が整備されることは、防災性や地域の魅力向上につながる意義のあるプロジェクトと考えます。昨年1月に行った一般質問においても、富山県の富岩運河環水公園を例に挙げ、水辺のレストランやオープンカフェのほか、リバーサイドシネマや水辺の音楽会など、民間事業者と連携した魅力あふれる公園づくりを提案いたしました。 最近では、隅田川のほとりの隅田公園においても民間活力の導入が進められ、キッチンカーでの飲食を楽しみながら、水辺の芝生で寝転んだり映画を楽しめる空間として、にぎわいを呼んでいるそうです。 先ほど例に挙げたボーネルンド社との連携なども含め、積極的に民間活力を導入し、他自治体の魅力あふれる公園整備も参考にしつつ、大泉地域の魅力を更に高める公園となるような基本計画を示していただくことを要望します。区のお考えをお聞きし、次の質問に移ります。 次に、子育て・教育施策について伺います。 はじめに、子育てスタート応援券に関してです。 当事業は、われわれの会派の提案を具現化する形で平成21年からスタートしていただき、この間、メニューの拡充や有効期限の延長など、支援内容の充実を図ってきました。平成29年からは、それまで把握できていなかった利用率を取得するシステムを導入し、実際の利用状況の把握に努めていただきました。支援の充実を一つひとつ着実に図ってきていただいたことは一人の親としても感謝したいと思いますが、事業としてはまだまだ改善する余地があるというのが正直な感想です。 昨年度の実績を確認すると、応援券を期限内に1枚でも利用したことがある方の割合、いわゆる利用者率は42.1%、また配付された8枚のうち何枚が利用されたかの割合、いわゆる利用率は27.4%で、いずれも利用状況の把握を始めた平成29年から徐々に微増傾向にあるものの、十分に活用いただいているとは言い難い状況です。 まずはじめに、区は現在の利用実績の数値をどのように捉えていますでしょうか。また、実績が振るわない要因をどのように分析しているか、2点お答えください。 私もこれまで度々取り上げてきましたが、応援券を使わない理由として、「利用するまでの手続が面倒」、「利用したいメニューが少ない」といった声が上げられています。応援券自体は出生届提出後、約1週間ほどで自宅に郵送されるので特段の手続は不要ですが、実際のサービスを利用する際は、利用するまでに幾つかの手続が必要となります。例えば、ファミリーサポート事業に関しては、まずはじめに、登録申請書の郵送、その後、利用したい日時の連絡、更に援助会員との事前の顔合わせといったように、3つのステップをクリアしてようやく利用することが可能となります。乳幼児一時預かり事業に関しても、利用登録をするための親子面談の予約、その後、登録申請書を記載の上、面談という2つのステップが必要です。 どちらも大切なお子さんを預かる事業なので、事前に顔合わせや面談等を実施し、お子さんの状態の把握や不安点の解消を図っておくことは、預ける側、預かる側双方にとって必要である点は理解できます。一方で、事前の登録書の郵送や面談の予約といったステップは、もっと簡素化できるのではないかと考えます。 産後は、ただでさえ肉体的にも精神的にも大きな負荷がかかっています。食事や睡眠等、満足にすることができない中で、書類の記載、切手の購入や郵送、面談予約の電話など、幾つものステップを乗り越えることは容易ではありません。また、ファミリーサポートと乳幼児一時預かり、それぞれ別々に書類を提出しなくてはいけない点も利用者目線に立っているとは言えません。 例えば、オンラインで登録ができる仕組みとなっていれば、授乳中であってもスマホ片手に登録を行うことができます。また、一時預かりとファミサポ共通のフォーマットとし、その場で面談や顔合わせの希望日を申請できるようにすれば、利用までのハードルを格段に下げることができると思います。ぜひこうした仕組みの導入を進めていただくことを要望します。区のご所見をお聞かせください。 メニューの拡充に関しては、これまで私立保育園等が実施する一時預かりの追加を要望してきました。各園により条件が異なるといった課題があるとのことでしたが、利用券1枚の金額設定を行うことにより解決することが可能と考えます。併せて、そうした仕組みを導入することにより、私立幼稚園が行うプレスクールや、医療機関が実施するインフルエンザの予防接種の支払いに活用するといった可能性も広がります。ぜひこうした視点からのメニューの拡充を提案いたしますが、区のお考えをお聞かせください。 子育てスタート応援券が、経済的な負担も含めて子育てに関わるあらゆる負担を軽減させ、真にスムーズな育児の導入を応援できる制度となるよう、更なる充実を期待します。 次に、ひとり親家庭の支援について伺います。 区では、これまでひとり親家庭自立応援プロジェクトを立ち上げ、ひとり親家庭の生活、就労、子育ての3点を軸に総合的な支援に力を入れてきました。また、離婚手続や養育費の確保などについて弁護士の方と相談をできる体制整備や、コロナ禍で経済的な課題を抱えるひとり親世帯に対し、国に先駆け給付金支給を実施するなど、支援の拡充に努めてきたことを評価します。 ひとり親家庭の抱える課題の中で大きなウエイトを占めるものの一つが養育費です。区が実施した調査でも養育費を受け取っている割合は全体の約2割にとどまり、実際に取り決めがあっても半分以上の家庭が養育費を受け取れていないことが明らかとなりました。養育費は子どもの権利であり、大人の事情で左右されることがあってはなりません。また、養育費の未払いが子どもと保護者の接する時間を奪っているという現状もあります。 そうした中、本年5月、実業家の前澤友作氏が養育費を安心して受け取れる新事業の展開を発表しました。一定の保証料を納めることにより定期的な養育費の受け取りを約束する同サービスは、養育費の未払いに苦しむひとり親世帯にとっては大きな存在です。同様のサービスを提供する民間企業も複数登場しており、ひとり親家庭の経済的課題を解決する一つの柱になると考えます。 しかしながら、その保証料がネックとなり、こうしたサービスを利用できない家庭も少なくないと推察します。区として、こうした保証料に対する助成を実施することにより、養育費未払いに苦しむ子どもや親を一人でも多く救っていくことが可能になると考えます。ぜひ取組を進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。 次に、学校の改築について伺います。 区立施設全体の延べ床面積に占める学校の割合は54%に上り、そのうちの半数は築50年を超えています。学校の改築は1校当たり約40億円の費用が必要とされ、財政的な負担も大きいことから、改築を適切に計画し、進捗を管理していくことが必要です。 学校施設管理実施計画では、改築の基本的な考え方として、長寿命化に適さない施設は築60年を目途とし、建築年数や児童・生徒数の動向、避難拠点としての役割など、様々な要素を総合的に考慮した上で改築校を選定し、おおむね年2校ずつ改築を進めるとされています。 新型コロナウイルスの影響で、今後リーマンショック時を上回る減収が予想される中、区はアクションプランや公共施設等総合管理計画の見直しに着手することを表明しています。学校改築に係る財政負担の大きさを鑑みると、今後改築計画に対して何らかの見直しを進めていくことは致し方ない面もあることは理解できます。一方で、コロナ禍の経済委縮に苦しむ区内産業を下支えするためにも、基金や起債の積極的な活用を図り、将来に課題を先送りしないことも大切であると考えます。 そういった意味で、今回の見直しは必要最低限にとどめ、今後税収の回復が期待される段階になった折には、今回の見直し分も上乗せして進捗を管理していくことが必要であると考えます。併せて、全体として計画が遅れる場合には、学校として最も基本的な教育機能に課題を抱える学校の優先性を高めていくべきではないでしょうか。 これまでも、大泉第二小学校や中村小学校など、生徒数の増加から教室確保に課題のある学校の早期改築を繰り返し求めてきました。そのたびに総合的に判断していくとの答弁でありましたが、生徒数の自然減を待つのではなく、課題に対する積極的な姿勢と大胆な決断を教育委員会に期待します。以上2点お答えください。 最後に、南大泉地域の諸課題について伺います。 初当選以来、大泉学園駅から保谷駅区間の鉄道立体化の推進を毎回の一般質問で取り上げてきました。はじめに、本区間の鉄道立体化の必要性を区としてどのように捉えているか、改めてお聞かせください。 区は現在、西武新宿線の立体化実現に向けて取り組んでいますが、この事業が着手を開始し、円滑に進められる段階になった時点で、次の事業実施区間として大泉学園から保谷区間を働きかけていくことを本年2月の第一回定例会で明言いただきました。この答弁自体は歓迎すべきものと考えますが、現実的なスケジュールを考えれば、本区間の立体化には少なくとも10年以上の歳月を要することは容易に想像できます。その間にも地域では日々開かずの踏切による交通渋滞や、それらに起因する事故の危険性などに頭を悩まされることとなります。 抜本的な解決に時間がかかるのであれば、踏切の遮断時間を短くする対策を鉄道事業者に働きかけることや、踏切周辺の障害物等の除去、主要区道64号線の局所対策など、できることを一つひとつ前に進めていくことが不可欠です。また、将来的な立体化に向けては、駅周辺のまちづくりを着実に進めていくこと、都市計画道路補助230号線の富士街道以北を、次の優先整備路線としていくこと等が求められます。 以上3点について、区の方針をお聞かせください。 みどりバスの保谷駅接着も地域の切実な課題です。駅接着に向けては駅南側区道の拡幅が不可欠となりますが、これまでの取組で何件用地取得ができ、更に何件の用地取得が必要なのでしょうか。駅接着に向けた今後のスケジュールの見込みも併せてお答えください。 先日、南大泉3、4丁目地区が農の風景育成地区に指定されてから初めてのイベントとなる、南大泉の謎スタンプラリーが開催されました。地域の農業者と体験農園利用者などから組織される実行委員会が中心となり行われた当イベントは、2,000名を超える方に御参加いただき、農の魅力を発信する取組として成功を収めました。こうした取組を継続していくことは大切ですが、それらも農地が存在して初めて成り立つものです。 都は、新たに基金を設け、農の風景育成地区内等の生産緑地の買取り費用を補助する事業を始めています。こうした制度も活用し、高松地区と同様に地区の拠点となる農地の買取り等の検討を始めるべきと考えます。区のご所見を伺い、私の一般質問を終わります。 ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 〔
前川燿男区長登壇〕
◎前川燿男区長 お答えいたします。 都区制度についてです。 私は、区長に就任して、都政に従事していた頃とは違った大きな感銘を受けました。一人ひとりの区民の皆さんの顔が見え、区民の皆さんの声が聞こえるのであります。住民自治とはこういうものかと改めて実感しました。そこで、政策の錬磨に加えて、住民参加と協働を私の区政のテーマとしてきました。 特別区は、住民の生活圏と行政区域が一致せず、区民は区の領域を越えて行動し、生活しています。大都市として一体的な対応が求められる広域行政、専門行政と、住民に寄り添って生活を支える身近な行政との境界が曖昧であり、行政権限が混乱していることが課題となっています。 加えて、都区財政調整により財源が保障され、個々の区が財政責任を負わない制度設計になっています。良質なサービスを目指す競争が、最悪の場合、ばらまきに転化される結果となり、国による都区の財源の吸い上げやふるさと納税の促進を招いているのです。 新型コロナウイルス対策では、保健所業務をはじめとして、都区の役割分担の問題点が浮き彫りとなり、また特別区間の過度のサービス競争を目の当たりにしました。特別区制度の再検討が必要な時期に来ているのではないかという従来からの考えをより強くしています。 先月、小池都知事との意見交換の場でこの問題を提起したところ、都区制度には様々な課題があり、問題意識を共有しながら議論を進めたいという考えが示されました。 長い間、都区双方で行政に従事してきた私にとって残念なのは、現在、都は目の前の個々の課題への対応に追われて全体の制度設計の問題意識が薄くなり、区は行財政権限の拡充一方になっていて、都区制度全体の合理性確保という視点が弱いことです。 昭和50年の区長公選制導入以来、現行の都区制度には長い歴史があり、容易に解決できる問題ではありませんが、大阪都構想が議論された今こそ原点に返って、大都市行政のあり方を根本から見直す好機であると思います。私も微力ながら、生涯の仕事として取り組んでいきたいと考えています。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、副区長、教育長、技監および関係部長から答弁いたします。 〔山内隆夫副区長登壇〕
◎山内隆夫副区長 私から、農地の保全についてお答えいたします。 先月、南大泉地区で、南大泉の謎スタンプラリーが開催されました。このイベントは、南大泉地区内の農業者等が中心となり、農の風景育成地区補助制度を活用して取り組まれたものです。参加者からは、「スタンプラリーを通して、今まで知らなかった地元の歴史や都市農業について知ることができて楽しかった」との声が届いています。 区のみどりは約4分の3が民有地であり、農地が大きな割合を占めています。これまで区では、農の風景育成地区における農地や、憩いの森、みどりの拠点となる大規模な公園用地を取得してきました。今後も、都の補助制度など財源の確保を図りながら、時期を逃さず重要なみどりの確保に努めてまいります。 私からは以上です。 〔河口 浩教育長登壇〕
◎河口浩教育長 私から、教育と子育てに関するご質問にお答えいたします。 まず、子育てスタート応援券についてです。 子育てスタート応援券は、出産直後の不安や負担を軽減し、育児を円滑に進めることを目的とした事業です。応援券を1枚でも利用している方の割合は増加傾向にあるものの、令和元年度時点では42.1%にとどまっています。利用者アンケート調査からは、利用したいメニューが少ないことが主な要因と捉えています。 支援メニューについては、ファミリーサポート事業と育児支援ヘルパー事業の2事業から順次拡大しており、今年度は利用者アンケート調査で希望の多かった産後ヨガ等の子育て支援講座を新たに加え、6事業となっています。今後、事業目的や区民ニーズを踏まえ、サービス提供事業者と協議を進め、支援メニューの充実を図ってまいります。 ファミリーサポート事業や乳幼児一時預かり事業の利用にあたっては、お子さんを安全に保育できるよう、疾患や障害、アレルギーなどを確認する必要があることから、対面による面談を行っています。登録手続の簡素化や共通化については、事業者等の意見を踏まえ、課題の洗い出しを行い検討してまいります。 次に、学校施設の改築についてです。 新型コロナウイルスの影響により、かつて経験したことのないような厳しい財政状況が見込まれます。持続可能な財政運営を堅持するためにも、学校施設の改築について現計画の見直しは避けられないものと考えています。一方、老朽化等、必要な改築は行わなければなりません。既に工事や設計に着手している学校については、区債等の活用により事業を継続します。 今後は、景気や歳入の動向を適切に見極めながら、中長期的な視点に立って必要な改築を行っていく考えです。改築実施校の選定につきましては、ご指摘の点も含め、総合的に判断してまいります。 私からは以上であります。 〔宮下泰昌技監登壇〕
◎技監 私から、南大泉地域のまちづくりについてお答えします。 南大泉地域の踏切による課題を抜本的に解決するには鉄道の立体化が必要であり、最も有効な手段です。保谷駅周辺は、東京都により鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられています。 区では現在、西武新宿線の立体化の実現に向けて積極的に取り組んでいます。西武新宿線の立体化が事業着手され、円滑に進められる段階になった際には、次の事業実施区間として保谷駅周辺等の立体化について東京都に働きかけていきます。 鉄道の立体化を進めるには沿線のまちづくりが不可欠です。保谷駅北側では補助156号線の沿道周辺地区で協議会を立ち上げ、駅南側では都道233号線の沿道の皆様とともにまちづくりに取り組んでいます。 鉄道の立体化が実現するまでの期間においても、可能な安全対策を実施していくことが必要です。現在、主要区道64号線踏切の誘導柵について西武鉄道と協議を進めており、年内に移設工事が実施されると聞いております。更に、踏切周辺の沿道の土地利用や地権者の意向を踏まえ、歩行者空間の整備についても検討していきます。 保谷駅南側区道の拡幅整備については、5区画の用地取得が必要です。1区画は既に用地取得を行い、現在は1区画で物件調査を行い、3区画で関係権利者との協議を進めています。早期に道路整備が完了できるよう、今後も精力的に取り組んでいきます。 また、道路整備完了後、速やかにみどりバスの南大泉ルートが駅南口に乗り入れできるよう、引き続き関係機関との協議を進めていきます。 次に、補助230号線の富士街道以北についてです。 第4次事業化計画では、優先整備路線として選定されませんでした。優先整備路線は、自動車交通の円滑化や地域の安全性向上など、6つの選定項目を設定し選定しました。こうした点を勘案し、補助230号線を含め、次期の優先整備路線を検討、選定してまいります。 私からは以上です。 〔森田泰子企画部長登壇〕
◎企画部長 私から、
練馬城址公園についてお答えします。 区は、これまで公園整備計画に水とみどりやにぎわい、防災の拠点としての機能が反映されるよう都に求めてきました。都からは公園審議会の資料について説明を受けています。農業などを生かした地域連携、民間との連携によるカフェやマルシェ等の交流空間の整備など、民間活力導入によるにぎわいの場の創出の考え方が示されています。 都は、来年1月、審議会における整備計画の中間まとめについてパブリックコメントを行う予定です。改めて区民への丁寧な説明を都に求めるとともに、区報等により周知します。併せて、区民、区議会のご意見を伺い、区の求める機能を取りまとめ、都と協議してまいります。 私からは以上です。 〔生方宏昌危機管理室長登壇〕
◎危機管理室長 私から、防災についてお答えいたします。 はじめに、震災時の避難行動についてです。 避難拠点や避難場所などは、震災の状況に応じてそれぞれの役割を担っています。区民の皆さんにこの役割を知っていただくことが重要です。これまで区は、全戸配布した「防災の手引き」などで周知してまいりました。今後も区報やホームページ、SNSなどで周知を図り、適切な避難行動につなげてまいります。 次に、閉園後のとしまえんについてです。 東京都が西武鉄道と協議し、引き続き避難場所として使用できることを確認しています。区は、10月に鍵の貸与を受けました。発災時には区職員が開錠するなど、避難に支障がないよう体制を整えています。 次に、補助133号線の整備および沿道地域のまちづくりについてです。 補助133号線は、
練馬城址公園の防災拠点機能を発揮するため、また地域の防災性向上のためにも整備を進めることが不可欠です。目白通りから補助172号線までの区間は優先整備路線に位置づけられており、都は現在、事業化に向け概略設計を進めています。引き続き、都に対し、公園整備と合わせた補助133号線の早期事業化を働きかけていきます。 また、本区間は、都の防災都市づくり推進計画において延焼遮断帯として位置づけられています。道路整備の進捗に合わせて、沿道の建物の不燃化、沿道地域の良好な住環境の形成を目指し、地域の皆さんからご意見を頂き、まちづくりに取り組みます。 次に、避難者用テント等についてです。 区では、妊産婦や障害のある方など、特に配慮を要する方のプライベート空間を確保するため、避難者用テントを各避難拠点に配備したところです。また、災害協定に基づき複数の事業者から段ボール間仕切りなどを調達します。今後も、新たな事業者との協定の締結を検討するなど、プライベート空間の確保に努めます。 私からは以上です。 〔中田 淳福祉部長登壇〕
◎福祉部長 私から、ひとり親家庭への支援についてお答えします。 区は平成29年度から、ひとり親家庭自立応援プロジェクトを開始し、自立支援プログラム事業や訪問型学習支援事業など、23区で最も多くの事業を実施しています。 養育費については、支払い額や不払いの場合の対応など、ひとり親だけでは解決が困難な場合もあります。国は、本年6月に養育費不払い解消に向けた検討会を設置し、9月に中間取りまとめを行い、法テラスに専用の相談ダイヤルを設けるなど、速やかに取り組むべき方策をまとめました。 区はこれまで、養育費取決めのパンフレットを作成するほか、昨年度から離婚前後の課題解決のための弁護士による相談を開始し、160件の利用がありました。 今年度は、養育費確保支援を実施している自治体の事業内容や利用実績などを調査しました。その結果、養育費保証契約の保証料助成などの支援にニーズがあることが分かりました。今後、先行自治体の取り決めを参考に検討をしてまいります。 以上であります。 〔平林 明土木部長登壇〕
◎土木部長 私から、大泉井頭公園についてお答えします。 区は、平成30年6月に策定したグランドデザイン構想において、みどりあふれる中で多彩な活動が展開できるまちを、練馬区が目指す将来像の一つとして掲げました。 この構想の実現に向けて策定した第2次みどりの風吹くまちビジョンにおいて、みどりのネットワークの拠点となる魅力あふれる公園として大泉井頭公園の拡張整備を長期的プロジェクトの一つに位置づけています。 基本計画素案の検討については、関係機関との調整に時間を要したことに加え、コロナ禍の影響による第2次ビジョン・アクションプランの見直しに伴い、策定スケジュールを調整しているところです。 大泉井頭公園は、かつての自然豊かな白子川源流部を再生できる唯一の公園です。基本計画の策定にあたっては、広く区民のご意見を伺ってまいります。また、地権者をはじめ地域の皆様には、オープンハウスなどにより丁寧にご説明し、公園整備の趣旨についてご理解を頂けるよう取り組んでまいります。 本公園の整備には多くの用地取得を要することから、段階的に進めていく考えです。 本年7月に都区市町共同で改定した都市計画公園・緑地の整備方針では、民間ならではの新しい視点を取り入れ、公園・緑地の多面的な活用を推進することとしています。大泉井頭公園の整備にあたっても、こうした視点も踏まえ、魅力的な水辺空間の公園となるよう検討してまいります。 私からは以上です。
○小泉純二議長 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。 午後2時31分休憩-----------------------------------
◎事務局長 ただいまの出席議員数49名でございます。 午後3時5分再開
○小泉純二議長 ただいまから本会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。 20番・倉田れいか議員 〔20番倉田れいか議員登壇〕
◆倉田れいか議員 練馬区議会未来会議を代表して、一般質問を行います。 区長ならびに関係理事者の誠意ある答弁を求めます。 中国武漢を発生源とした新型コロナウイルスとの闘いも約1年が経過いたしましたが、現在もウイルスとの闘いは終わることなく続いております。 質問に入る前に、感染によりお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、今なお治療や後遺症で苦しんでおられる方の一日も早い回復と医療関係者の方々を中心とした全てのエッセンシャルワーカーの皆様に改めて敬意を表し、質問に入らせていただきます。 はじめに、新型コロナウイルスについてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症は、今なお世界中で猛威を振るっている現状にあります。わが国としては、これまでに様々な対策を講じており、国内の死亡者数、重症化率については他国と比べ、低い推移となっていますが、昨日の国内重症者数は過去最高の472人となっており、依然として感染が拡大している状況が続いています。 経済・雇用対策については、課題が山積しており、4月から6月期の国内GDPについては、年率27.8%減と戦後最悪の落ち込みとなっています。 雇用状況については、経済の悪化により完全失業者数が200万人を超えており、感染拡大防止と経済回復を両輪とした対策の強化が求められています。国内の感染者数は累計で14万人を超え、都内でも先月、感染警戒レベルを最高に引き上げました。練馬区でも同様に感染者数が増加傾向にあり、感染拡大は第3波に入ったものと考えられます。 区としても、これまでの約1年間の新型コロナウイルス感染症への対応や対策により、得た知識や経験などを生かし、インフルエンザ流行期と重なる第3波に向けた体制も万全となるよう準備しているものと考えますが、いかがでしょうか。 また、区長は所信表明で今回の新型コロナウイルス対策で浮き彫りとなった保健所業務をはじめとした特別区制度の課題について、どのような認識をお持ちで、今後どのように取り組んでいくのか、併せてご所見をお伺いします。 次に、経済対策についてお伺いいたします。 11月16日に内閣府が発表した7月から9月期の国内GDPの数値については、戦後最悪の落ち込みとなった前期比5%、年率では21.4%と比べ上昇したものの、回復までの道のりは長く、雇用状況についても完全失業率は9%、完全失業者数としては210万人と、前年同月に比べ42万人増と8か月連続の増加となっています。 就労先や事業者の都合による離職が多くを占めており、今後生活保護をはじめとした義務的経費の増加が予想されます。また、全国の自殺者数は10月には2,153人と前年同期に比べ39.9%増加しており、7月以降3か月間増加しています。 新型コロナウイルスの直接的な要因ではないものの、経済活動や家計の悪化により、間接的に自らの命を落としてしまうようなことがあるとすれば、区として対策を講じていくことは必要不可欠であると考えます。しかし、支援策を講じて経済活動を活性化させれば人が動き、感染拡大を誘発させてしまうリスクがあり、経済の立て直しと感染拡大防止の両立の難しさが大きな課題であると考えます。 区としては、この両立の課題に対し、どのような認識をお持ちでいるのか、ご所見をお伺いします。 特に、経済的ダメージが大きい業種の一つとして飲食業が挙げられます。東京都では、11月28日から約3週間、カラオケ店や酒類の提供を行う飲食店に短縮営業の要請や、GoToEatの一時停止などの対応により、飲食店の来客数は減っている状況にあると考えます。 本来であれば、年末年始に向け忘年会や新年会等でにぎわう時期でもありますが、来店控えの状況は続き、経営が成り立たないという声は各地で聞こえてまいります。 また、飲食業に関連する食材や飲料品を提供している生産者や酒屋、スーパーや物流関係者、電車やバス、タクシーなどの公共交通機関などへも経営悪化が波及していくことが懸念されます。 これまで、国の給付金や東京都の協力金、区や社会福祉協議会では貸付金などで対応しておりましたが、将来的に返済が必要な貸付金を膨らませていくことにも事業者として限界が来ています。 飲食店として万全な感染防止対策を徹底していますが、感染リスクの意識から生じる区民の来店控えに対する対策は個々の事業者の判断に委ねられている部分が大きく、経営状況の悪化は日々深刻になっているものと考えます。 このような状況に対し、区として感染状況の推移を確認しつつ、区内産業団体と連携し、飲食業界に対する支援策をスピード感を持って対応していくことが必要であると考えますが、ご所見をお伺いします。 この項の最後に、次年度予算編成についてお伺いいたします。 区長の所信表明にもあったように、新型コロナウイルスの影響により次年度以降の予算編成は相当の厳しさになることが予想されており、景気の悪化、義務的経費の増加、新しい生活様式に合わせた企業や人口動態から生じる税収にも大きな影響が長期間によって及ぼすことが予測されます。 この状況を見据えて、区長はいち早く聖域ない事業の見直しに取り組み、各事業のあり方、給付的事業や補助金のあり方に対し、積極的に取り組んでいくことをわが会派として高く評価いたします。 事業の見直しについては、削減していくという視点だけではなく、厳しい財政状況の中でも取り組むべき事業はしっかりと進めていかなければならず、その考えや根拠を区民と共有していくことが必要であると考えます。 将来にわたり持続可能な財政を維持し、次世代へ安心して引き継げるよう、この危機を乗り越えていくための事業の見直しを行い、どのように区民と課題を共有していくお考えかご所見をお伺いします。 次に、子育て施策についてお伺いいたします。 練馬区の出生数については年間6,000人程度で推移しておりましたが、平成27年の6,154人をピークに、その後は減少傾向にあり、平成30年には5,703人となっています。国内出生数については、統計開始以来、平成28年に初めて100万人を割り、新型コロナウイルス感染症の影響により雇用情勢や出産環境の悪化などを理由に妊娠を控え、来年の出生数は統計開始以降過去最少を更新し、70万人台となる可能性もあると言われており、出産・子育てしやすい環境の抜本的な対策が求められています。 そこでまず、新型コロナウイルス感染症による影響は計り知れない中で、今後の子育て施策をどう充実させていくお考えか、ご所見をお伺いします。 次に、コロナ禍における妊娠・子育て家庭への対応についてです。 3世代同居が珍しくなかった時代から、高度経済成長期以降、女性の社会進出や核家族化、地域コミュニティの希薄化等により、子育てに不安や負担を感じたり孤立感を抱く「孤育て」が増加傾向にあります。 区の子ども・子育て支援事業計画の策定に向けたニーズ調査では、子育てに関して孤立感を感じることはありますかとの問いに、ある、またはときどきあると回答した保護者は合わせて33%でした。 新型コロナウイルスの影響により、外出を控え、家庭内での子育ての機会が増え、孤独感を感じた方も多く、区として孤立した「孤育て」対策を講ずるべきと考えます。 各保健所で実施している母親学級、両親学級では、妊娠期の過ごし方や産後の生活や沐浴指導など、妊娠期から産後の育児についての知識を得たり、相談ができる場ではありますが、今年は感染拡大防止・予防の観点から一時中止となっておりました。8月から再開されたとのことですが、中止の期間に参加できなかったことで、不安を抱えたまま出産となった方に対しどのようにフォローされたのか、お伺いいたします。 感染予防として乳児を連れての外出を控える家庭が増え、家庭内で孤立した環境での育児はストレスが高まる懸念がある中で、子育て相談をオンラインで行う自治体が増えています。 練馬区では、「おうちで練馬こどもカフェ」を実施し、オンラインで離乳食の進め方や育児相談を行い、大変好評であったとのことです。このようなオンラインを活用した子育て支援の新しい取組は重要であると考えます。 今後、子育て相談の新しい選択肢の一つとなるよう、オンラインを活用した事業の拡充を要望いたしますが、ご所見をお伺いいたします。 次に、多胎児家庭への支援について伺います。 人口動態統計によると、2019年に生まれた多胎児は1万7,402人。出生数に占める割合は1980年の1.2%に対し、近年では全出生数の2%前後で推移しており、練馬区においても同程度の推移となっております。 この背景には、不妊治療で排卵誘発剤の使用や、体外受精で一度に複数の受精卵を子宮に戻した場合に多胎妊娠につながる可能性があるとされ、不妊治療の普及が影響とも言われています。 多胎児の育児は、産後に体力の回復が十分でないまま同時に2人以上の乳児を抱える育児や、子ども同士の発達の違い、経済的な負担の大きさなど、多胎育児特有の悩みがあります。 日本多胎支援協会の調査によると、多胎育児家庭の虐待死は単胎家庭の2.5倍から4倍とも指摘されており、多胎児の育児は体と心への負担は大きく、産後鬱に悩む保護者も少なくないことから、支援の充実が必要であると考えます。 育児支援団体が実施した調査では、多胎育児中に辛いと感じることの第1位は外出・移動が困難なこととなっており、移動支援が必要とされています。厚労省は2020年度から産前・産後サポート事業の中に、乳幼児健診などに同行する外出時のサポーター派遣などのサポーター派遣事業や、自治体独自の支援として健診会場でのサポートやタクシー利用料の補助などについて予算化しました。 練馬区では現在、令和3年3月31日までに生まれた新生児のいるご家庭に、タクシーなどで使用できる、こども商品券を配布する事業を行っていますが、特に多胎児家庭においては事業の継続を要望します。また、多胎妊娠はハイリスク妊婦とされていることから、妊娠期も含め検討されるよう要望いたしますが、ご所見をお伺いいたします。 区で実施している育児支援ヘルパー事業では、多胎児を出産された方は育児に対する負担が大きいことから、利用限度時間の引上げや利用料金の減免を行っていますが、対象期間については妊娠中から子どもが2歳に達した月末までとなっています。2歳児頃になると子どもたちの活動は活発となり、移動中はもちろん、例えば公園では子どもたちには特段の注意が必要で、大人が2人いないと不安であるとのことです。 対象期間の延長と併せて、健診以外にも同行できるよう柔軟な対応を要望いたしますが、ご所見をお伺いいたします。 多胎育児の相談体制や情報収集の体制として、妊娠期から多胎育児経験者などとの交流の場の充実が求められています。 現在、保健所では多胎児の会を実施しています。多胎育児の経験者が少ない中で、経験者の方の話や相談、情報収集などを得られる貴重な場であり、このような区民の自主的な活動を支え、更に広げていただきたいと考えますが、これまで区は地域で活動しているグループに対し、活動場所の提供や活動内容の周知など、支援の充実に努めていくとされていましたが、その後の対応についてお伺いいたします。 次に、訪問支援についてです。 区では、産後の家庭に対し、保健師が自宅を訪問する、こんにちは赤ちゃん事業を実施していますが、多胎児家庭のニーズとして、多胎育児に関する相談ができる場所が少ないことから不安を抱えている方も多くいます。産後間もない時期にこそ不安を解消できるよう、こんにちは赤ちゃん訪問の際、多胎育児経験者とともに訪問することで安心感が得られると考えますが、いかがでしょうか。ご所見をお伺いいたします。 乳幼児健診については、発達状態などや健康状態を定期的に確認し、相談する大切な機会となっており、各保健所では集団方式で実施していますが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、4か月児健診については、保健所での集合方式から今年度に限り、医療機関で個別に受診していただく方法に変更しました。 必ずしも集合方式でなくても実施できることから、多胎児家庭の希望者については、引き続き身近な医療機関で個別に乳幼児健診が受診できる体制となれば、移動負担の軽減が図られると考えますが、いかがでしょうか。また、往診型、巡回型での対応についても検討していただきたいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。 次に、経済支援についてです。 現在、妊婦健診費用の14回程度分を補助しておりますが、多胎妊婦はリスクが高く、健診回数が多くなるケースもあり、静岡県浜松市などでは更に5回分の健診費用を補助しており、経済的負担の軽減がなされています。 先行自治体を例に、練馬区でも多胎妊婦の健診費用の補助の拡充を要望いたしますが、ご所見をお伺いします。 区で実施している育児支援ヘルパーについては、多胎児家庭に対し利用料を減免していますが、乳幼児一時預かりやファミリーサポートの利用料については、児童1人当たりの料金となっているため、減免するよう要望いたします。ご所見をお伺いいたします。 区では、改定する健康づくりサポートプランの中で、多胎児家庭の育児負担の軽減を図るため、育児等のサポート体制の充実について検討するとしています。多胎児家庭の現状の課題を捉え、今後の施策に反映されるよう要望し、この項を終わります。 次に、まちづくりについてお伺いいたします。 わが国は深刻な人口減少社会に突入しておりますが、毎年約80万戸の建物が新築されており、人口に対し住宅供給過多となっており、今後空き家は更に増加すると考えられます。 区では、区民の良好な生活環境を確保することを目指すため、空き家の発生予防、有効活用、老朽空き家等に関する対応および不良居住建築物、いわゆるごみ屋敷に関する対応を示した、練馬区空き家等対策計画を平成29年に策定しました。平成27年度に空き家等の実態調査を行った結果、区内の空き家は1,507棟あり、そのうち重度老朽である老朽度Aについては211棟ありましたが、昨年度までに188棟が解決、指導中が23棟となっています。また、不良居住建築物等については37棟あり、解決は2棟、対応中が21棟とのことですが、これらの対応の進捗状況をどう捉えていますでしょうか。また、いまだ指導中や対応中である物件において、課題があるようでしたらお示しください。 現在、区では、空き家を活用し、地域の集いや交流の場など、コミュニティの活性化につながる地域資源となるよう、所有者と活用希望団体等とのマッチング事業に取り組んでおりますが、これまでの成立件数は4件ということです。 マッチング事業への登録数については、活用希望団体等が30件なのに対し、空き家所有者登録が2件となっています。現段階でのマッチング事業の評価と空き家所有者の登録が増えない要因や、ミスマッチをどう分析されているのかお伺いいたします。 空き家となる理由は様々ですが、中でも再建築不可物件においては、築年数が古く、耐震基準を満たしていないものや、老朽化が進み、居住に耐えられないものなどが多く、危険建物になる可能性は非常に高いと考えますが、現在、区内の空き家のうち、再建築不可物件、土地として把握している件数をお示しください。 建築基準法では、建物の敷地は原則として、建築基準法上の道路、幅員4メートル以上の道路に幅2メートル以上接していないと建築はできないことになっており、再建築不可物件は建築基準法上の定める接道義務を満たしていない場合が多い状況にあります。 練馬区では、対策として平成30年度に位置
指定道路の規準の見直しを図り、また測量費についても助成をするなどの対策をされていますが、この取組による効果をどのように受け止めているのかお伺いいたします。 再建築不可物件は、土地の評価額が再建築可能な物件に比べて安くなり、不動産としての資産価値も低くなるため、固定資産税も通常より安くなるのは一般的ですが、再建築不可物件を取り壊してしまった場合、固定資産税の特例措置の適用がなくなり、4倍程度になることもあります。 現行の建築基準法では、更地にした後、建物は建てられないため、所有者としては活用法を見出してから更地にすることが望ましいと考えます。再建築不可物件を活用する方法として、隣接地所有者との協議により接道義務を満たすことで再建築が可能となりますが、課題が山積し、進まない状況にあると感じます。 課題解決の取組として、文京区では区と所有者が土地使用賃借契約を締結し、原則10年間、区が無償で借り上げ、防災空地やベンチなどを置いて、地域の方々の憩いの場にするといった取組をしています。また、新宿区では、接道幅員が1.5メートル以上2メートル未満でも、避難通路が確保されていれば建築が可能となるケースもあるとし、無接道敷地の安全性を確保しながら、建て替えによる耐震化および不燃化を促進していく取組をしています。 解決には法整備が必須ではありますが、他の自治体の取組も参考に、柔軟な対応をすべきと考えますが、いかがでしょうか。ご所見をお伺いいたします。 次に、情報マナーの取組についてお伺いいたします。 インターネットを通じ様々な情報を得ることができるようになり、特に近年ではその利活用が目覚ましく進展し、現在では私たちの生活や仕事などの、様々な場面で使われる不可欠な社会基盤となっています。 しかし、インターネットの情報に対しての考え方が大きく変わりつつあり、今まで情報の受け手であった個人が、SNSなどの活用により、マスコミなどと同様に情報を匿名で発信することが容易にできるようになり、時にうそやデマの温床となったり、プライバシーの侵害や誹謗中傷などのトラブルに発展することも多くあります。 本年5月には、女子プロレスラーの木村花さんがお亡くなりになりました。死因は公表されていないものの、死の直前には、SNSで自身が誹謗中傷を受けていたことを示唆する内容が投稿されました。 心理学の研究では、対面コミュニケーションでは相手の顔が分かるため、表情で気持ちを察することができる一方、非対面では感覚が薄れ、更に匿名になることで攻撃的になるという研究結果も出ております。嫌ならSNSを見るなとも言われますが、昔のインターネット掲示板に書き込む方式とは違い、今は個人のSNSに直接攻撃してくる時代であり、不可能です。 これらの問題を取り上げると、表現の自由についての議論が起こりますが、表現の自由は何でも守られる聖域ではなく、他人への誹謗中傷や人権侵害といった場合には制約を受けます。憲法で保障されている第21条、表現の自由と同じく、憲法第13条の名誉は、時には衝突する権利でありますが、一定の誹謗中傷や名誉毀損、プライバシー侵害等の表現や脅迫、業務妨害に当たるものについては、削除請求や発信者の開示請求が認められています。つまり、他者に対する名誉を毀損する表現について、表現の自由は保障されないということです。 そこでまず、人権を守る観点から、区の表現の自由と名誉についての考え方をお伺いします。 インターネットでのトラブルの際、区として巻き込まれてしまった被害者に寄り添う姿勢が必要であると考えます。区民がインターネットを起因としたトラブルに巻き込まれたと相談があった際、区ではどのように対応しているのか、また相談者にどのように寄り添い、ケアをしていくのかお伺いいたします。 また、教育の観点からもお伺いしますが、今年度末までに全小学校に1人1台のタブレットを導入予定ですが、子どもたちがSNSなどの被害に遭わないために、セキュリティやフィルタリングの管理をどのように考えているのか。また、インターネットで得られる正しい情報や知識など、ネットリテラシー教育について、どのように考えているのかお伺いします。 情報マナーの被害は区民に限ったことではありません。時には区職員や区自体がフェイクニュースやデマの被害に遭うことも想定できます。 実際の例として、以前、としまえん跡地に東京ドーム級の施設が建設されるという情報が他会派議員からSNS発信されましたが、19メートルの建設物と56メートルの東京ドーム、面積も倍近く違う施設の、どこが東京ドーム級なのか。議員が誤った情報を発信したことにより、区民は事実と異なる情報を得ることになり、その誤った情報を基に、区民からの問合せに対し、区は訂正のために対応しなければなりません。 区民からの問合せに対し、区は誠意を持って答えることは必要ではありますが、これまでの
練馬城址公園計画の経過の中で、このたびの議員が誤った情報を発信したことにより、所管にはどのような声が届いているのかお聞かせください。 議員として、区政の情報をつまびらかにしていくことは当然ですが、それは正しい情報を区民に届けることであり、誤った情報や情報を過大にさせ、区民を翻弄させることではありません。 例に挙げたように、議員が事実と異なる情報をSNS発信したことにより、区民が誤った情報にもかかわらず受け止めてしまうことはあってはならないと考えます。 正しい情報で正しい議論ができることを願いまして、練馬区議会未来会議の一般質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) 〔
前川燿男区長登壇〕
◎前川燿男区長 お答えいたします。 予算編成についてです。 今回のコロナ禍により、区の歳入はリーマンショックをはるかに上回る減収となることが見込まれています。一方、歳出は扶助費をはじめとする義務的経費が歳出の5割以上を占め、硬直化が進んでおり、区財政の自由度は極めて低いものとなっています。まことに容易ならざる状況であると考えています。 その背景には、大きな歴史的変動があります。日本は世界の先頭を切って少子高齢化、人口減少が進み、経済全体の趨勢が低落傾向に入っています。加えて、赤字国債はGDPの2倍を超え、先進諸国で最悪の水準にあります。こうした中、新型コロナウイルスの直撃を受けたのです。 今回のような危機にあっては、われわれ行政に携わる者一人ひとりが根拠のない楽観論に陥ることなく、強い覚悟を持って臨まなければなりません。予算編成を進めるにあたっては、区民の命と健康を守る事業の推進を最優先とし、区民生活を支える上で必要な施策は、時期を逸することなく確実に実行する一方で、聖域なく事業を見直します。区民の皆様には、データを用いて区財政を取り巻く状況や見直しの考え方を分かりやすくお示ししたいと考えています。 この難局を乗り越え、持続可能な財政運営を堅持するため、区議会の皆様、区民の皆様とともに全力を尽くしていきたい。ご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、副区長、教育長、技監および関係部長から答弁いたします。 〔山内隆夫副区長登壇〕
◎山内隆夫副区長 私から、経済対策等についてお答えいたします。 今回の新型コロナウイルス感染症への対応については、感染対策と経済対策を両立させることが重要であると考えています。基礎的自治体である区は、国・都と連携してきめ細かな支援を実施してきました。 感染状況は極めて深刻な状況になることが懸念される中、政府の分科会は、社会全体が共通の危機感を共有して一丸となって対処するよう提言しています。都は、再び飲食店等への営業時間短縮要請を行い、感染拡大防止協力金を支給することとしています。GoToEat事業についても食事券の販売等が一時停止されています。 区としては、こうした情報を十分周知するとともに、特別貸付やウィズコロナサポート事業など、飲食店を含む区内事業者への支援に取り組んでまいります。 引き続き、感染状況や国・都の動向を注視するとともに、区内の関係機関や経済団体、産業団体等と連携し、区内事業者の支援に取り組んでまいります。 次に、特別区制度についてです。 特別区は、住民の生活圏と行政区域が一致せず、区民は区の領域を越えて行動し、生活しています。大都市として一体的な対応が求められる広域行政、高度な専門行政と、住民に寄り添って生活を支える身近な行政との境界が曖昧であり、行政権限が混乱していることが課題となっています。 加えて、都区財政調整により財源が保障され、個々の区が財政責任を負わない制度設計になっています。良質なサービスを目指す競争が、最悪の場合、ばらまきに転化される結果となり、国による都区の財源の吸い上げやふるさと納税の促進を招いています。 新型コロナウイルス対策では、保健所業務をはじめとする、都区の役割分担や特別区間のサービス競争の問題点が浮き彫りとなりました。 10月の小池都知事との意見交換の場で区長がこの問題を提起したところ、都区制度には様々な課題があり、問題意識を共有しながら議論を進めたいという考えが示されました。 昭和50年の区長公選制導入以来、現行の都区制度には長い歴史があり、容易に解決できる問題ではありませんが、都区、大阪都構想が議論された今こそ原点に返って、大都市行政のあり方を根本から見直す好機であると認識しています。 私からは以上です。 〔河口 浩教育長登壇〕
◎河口浩教育長 私から、教育と子育てに関するご質問にお答えいたします。 まず、子育て施策についてです。 区は、これまでも子ども・子育て支援施策を、みどりの風吹くまちビジョンの柱のトップに掲げ、様々な取組を実施してきました。コロナ禍にあっても、LINEを活用した保活支援サービスや保育施設等の運営指針となるガイドラインの策定などに取り組んでいます。 また、子育てのひろばを57回、練馬こどもカフェを3回、オンラインで実施しました。参加者からは、自宅にいながら気軽に相談ができると好評です。妊娠・子育て応援メールで広く子育て世代に周知を始めたことにより、これまでひろば等を利用したことがない方々にも参加していただき、相談や交流の機会となっています。引き続き、オンラインでの相談支援も充実してまいります。 今後も、社会情勢の変化に的確に対応しながら、乳幼児を抱える保護者が身近なところで気軽に相談などができる環境を整備し、妊娠期から子育て期まで、切れ目のない支援を充実してまいります。 次に、多胎児家庭への支援についてです。 現在、区では家事支援等を行う育児支援ヘルパー事業において、多胎児家庭の負担軽減に取り組んでいます。更に、区では第2期子ども・子育て支援事業計画等に多胎児支援の充実を位置づけ、支援策の検討を進めています。本年8月に実施したアンケート調査では、一時預かり等の育児支援、家事支援、タクシー等の移動支援を望む声が多く寄せられました。引き続き、調査結果を踏まえ、更なる支援策について検討してまいります。 次に、ネットリテラシー教育についてです。 今年度中に全児童・生徒に配備するタブレットパソコンは、インターネットによるトラブルを防止する観点から、SNSや情報共有サイトなどへの書き込みや閲覧ができないよう設定します。 タブレットの配備により、インターネット利用がこれまで以上に身近になることを踏まえ、教育委員会では児童・生徒および家庭向けのガイドラインを作成し配布するとともに、改めてインターネットリテラシーに関する指導を各校で実施してまいります。 私からは以上であります。 〔宮下泰昌技監登壇〕
◎技監 私から、空き家の建て替えについてお答えします。 平成27年度に区内全域の住宅を対象に、目視による空き家の実態調査を行いました。その結果、区内には空き家が1,507棟ありました。 空き家の建て替えを行う際には、その敷地が原則として建築基準法上の道路に幅2メートル以上接道していることが必要ですが、この接道義務を満たしていない空き家が約1割ありました。 老朽化した空き家の除却を促進するためには、除却後の土地の有効活用を行えるようにすることが必要です。区では、こうした課題の解消にも資する独自の柔軟な建築基準法の運用を行っています。 建築基準法上の道路となっていない通路に接する敷地については、既存の通路の幅員や延長、沿線地権者の通路拡幅への承諾など、条件を満たす場合には、建築基準法第43条の規定を柔軟に運用し、建築許可を行っています。 また、平成30年度から通路を建築基準法による位置
指定道路とする際に課題となっていた、指定の申請時における道路築造の要件を緩和し、測量等に要する経費の助成を始めました。これにより、位置
指定道路の申請数が増えています。今後、建築許可の手続を要することなく建築確認を受けられる敷地が増え、建て替えが促進されるものと考えます。 引き続き、空き家を含め、既存の建物の建て替えが、安全性などの住環境を確保しつつ、円滑に行えるよう取り組んでまいります。 私からは以上です。 〔森田泰子企画部長登壇〕
◎企画部長 私から、事業の見直しと
練馬城址公園についてお答えいたします。 はじめに、事業の見直しについてです。 新型コロナウイルス感染症により、区財政はリーマンショックを上回る減収と影響の長期化が懸念されています。この危機的状況にあっても区民の安全・安心を守り、持続可能な財政運営を堅持するため、全ての事業の見直しを行っています。 アクションプラン、公共施設等総合管理計画事業は事業費、事業規模、スケジュールを精査します。給付的事業や補助金等の見直しを進めるとともに、各種イベントも感染拡大防止とコスト削減の両面から精査します。 来年度予算編成に合わせて具体的な取組内容を取りまとめ、区議会、区民の皆様にお示しする考えです。 次に、
練馬城址公園についてです。 公園等の整備に関連して、様々な方により、としまえんの閉園により避難場所がなくなる、東京ドーム級の建物が建設される、都市計画道路補助133号線が整備されるまでは石神井川南側の部分の公園整備はできないなど、誤った情報がSNS上などで発信され、影響を受けた方からのご意見やご要望が区に寄せられています。 匿名のものも多く、対応に苦慮していますが、連絡先の分かる方には丁寧に正しい情報をお伝えしています。 私からは以上です。 〔堀 和夫総務部長登壇〕
◎総務部長 私から、情報マナーの取組についてお答えします。 区では、本年3月に策定した第5次男女共同参画計画において、メディアリテラシーと情報モラルを身につけるための講座や啓発を実施することとしています。 SNS等の利用における表現の自由は、基本的人権、肖像権、プライバシー権などを侵害する場合は制約を受けるものであり、事実に基づく正確な内容でなければならないと認識しています。 区は、この考え方に基づき、発信する情報においてもソーシャルメディアの活用に関わるガイドラインを定め、運用しています。 インターネットに起因する区民からの相談は相手の状況を丁寧に伺い、訴えの内容に応じて東京都の、インターネットにおける人権侵害に関する法律相談や、警視庁の、犯罪被害者ホットラインなどの専門機関につないでいます。 今後も、相談相手の状況に寄り添った対応と区民への啓発に取り組んでまいります。 私からは以上です。 〔佐古田充宏健康部長登壇〕
◎健康部長 私から、
新型コロナウイルス感染症対策、妊産婦、多胎児家庭への支援についてお答えします。 区では、これまで四次にわたる補正予算を編成し、保健所の体制強化や医師会と協力したPCR検査体制の構築、患者受入れ病院の経営支援、特別養護老人ホームなどに対する検査の拡充、高齢者インフルエンザ予防接種の無料化などに取り組んできました。 一層の感染拡大やインフルエンザとの同時流行が懸念される中で、引き続き国や都と連携しながら、介護施設等のクラスター対策の強化や、年末年始の医療体制の確保など、状況に応じた対策を重点的、機動的に実施してまいります。 次に、コロナ禍における妊産婦への支援についてです。 保健相談所では、新型コロナウイルスの感染防止のため、緊急事態宣言前後のいわゆる第1波の期間中、母親学級等の事業を中止しました。その間、受講の問合せを頂いた妊婦の方に対しては、必要に応じて個別に相談・指導を行ってきました。受講がかなわないまま出産をされた方からの相談についても、同様に対応しています。 母親学級は8月に再開しましたが、感染予防のため人数を制限しています。そこで、9月にはオンライン開催を試行しました。今後も対面とオンラインの併用により、一人でも多くの方に参加いただけるよう工夫を重ねてまいります。 次に、多胎児家庭への支援についてです。 多胎児を抱える家庭では、育児に追われ、寝る間もない状況や経済的負担、情報不足などから産後鬱になる危険が高いと言われています。このため、3月に策定した健康づくりサポートプランにおいて、多胎児家庭へのサポートを新規事業に位置づけました。 多胎児家庭の交流や情報提供については、保健相談所で実施している多胎児の会の参加を呼びかけるとともに、地域で活動しているグループの周知を行っています。多胎育児を経験した方の話を聞いたり相談に乗ってもらうことは、これから多胎育児を始める保護者にとって大きな支えとなります。現在、新型コロナウイルス感染症の影響により活動を縮小していますが、オンラインの活用も含め、支援の充実に努めてまいります。 赤ちゃん訪問の際に多胎育児経験者を同伴することは、リアルな話を聞ける反面、第三者が同席することで区の保健師、助産師に相談しにくくなるなどの可能性もあるため、現時点では難しいと考えています。 4か月児健診や3歳児健診については、保健相談所において集団方式で実施することとしています。 医師だけでなく、保健師、栄養士、歯科衛生士、臨床心理士など、多職種がお子さんの成長を多様な視点で確認するとともに、保護者の不安や疑問に適切に答えるためです。多胎児家庭が健診に来所しやすくなるよう支援を検討してまいります。 区が8月に実施した多胎児家庭へのアンケートにおいて、単胎児と比べ妊婦健診の頻度が高く、経済的負担が大きかったとの回答が多く見受けられました。国は来年度、多胎妊婦に対する健診費用助成の拡充を行う方針と聞いています。その動向を注視してまいります。 私からは以上であります。 〔市村 保環境部長登壇〕
◎環境部長 私から、空き家等対策についてお答えします。 平成29年に対策計画を策定し、予防、活用、法的措置を柱に取組を進めてきました。老朽度が高く、危険な空き家211棟については、指導等を強化した結果、約9割で除却・改修がなされました。一方で、相続手続が円滑に進まない等の理由により、解決困難な空き家が残されています。 また、不良居住建築物については、居住者の生活改善を図りながら不良状態の解消を進めていく必要があります。法律や保健・福祉等の専門家のアドバイスを受けながら、引き続き当事者との話合いを重ね、解決につなげてまいります。 マッチング事業については、これまで年間1件程度にとどまっています。空き家を活用したい団体側のニーズは相当数ありますが、空き家所有者の登録件数が少ないのが現状です。これは、活用に適した、状態のよい空き家の多くが不動産市場で流通するためと分析しています。 これまでの取組を検証し、現在、対策計画の見直しを進めています。より効果的な対策を講じ、空き家問題の解決に努めてまいります。 以上です。
○小泉純二議長 次に、8番・
沢村信太郎議員 〔8番
沢村信太郎議員登壇〕
◆
沢村信太郎議員 私は、練馬区議会立憲民主党を代表して一般質問を行います。 まずはじめに、コロナ禍での区財政見通しと事業見直しについてお伺いいたします。 昨年11月、世界で初めて確認され、パンデミックを引き起こしている新型コロナウイルス感染症の国内感染者は、本年1月の国内陽性者の確認を皮切りに、日々増減を繰り返しながら、11月に入り再度急激に増加し、東京都においても新規陽性者数は過去最高を更新。重症者も再度増加傾向にあり、人々の生活や経済活動に大きな影響を与え続けております。 そこでまずお伺いをいたしますが、次年度予算における歳入面での見通しについて、練馬区の歳入の多くを占める区民税収、都区財政調整交付金、都および国の支出金にどの程度の影響が出るとの見通しであるのか。特に歳入が落ち込んだリーマンショック時との比較を含め、お答えください。 また、歳出面について、コロナ禍における感染拡大防止策、生活支援策、経済対策などの支出の推移と、今後、区財政のどの程度の割合を占める見込みであるのかお答えください。 更に、区長は聖域なき事業の見直しを掲げておられますが、具体的にどのような考えの下、どのような手順、スキームで見直しを図っているのかお答えください。また、区民生活を支える上で必要な施策は時期を逸することなく確実に実行するとしておりますが、どのような事業がそれに該当するのか、具体的な事業とその考え方についてお示しください。 現在、ワクチン開発についても様々取り沙汰されておりますが、仮に有用なワクチンができたとしても、新型コロナウイルスの撲滅は難しいと考えます。行政は、新型コロナの影響が今だけでなく、今後長く続くという視点に立ち、備えなくてはなりません。特に
新型コロナ対策の財源の確保には、行政の垣根を超えて取り組まれることを望むと同時に、今までの経験や前例に基づく演繹的思考ではなく、新たな環境下で起こっている事実や事例を収集・分析し、課題解決に取り組む帰納的思考に基づいて事業の見直しを行っていただくことを求めまして、次の項に移ります。 次に、区行政のデジタル化推進についてお伺いをいたします。 以前から先進他国に比べ、わが国の行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れについては長年指摘をされてきたところでありますが、新型コロナの出現により、新政府はデジタル化を進め、ウィズコロナ、ポストコロナの新しい社会をつくることを掲げました。 そのため、まず各中央省庁や自治体行政のデジタル化を進め、今後5年で自治体のシステムの統一・標準化を行うため、その司令塔となるデジタル庁の設立を、民間の力を大いに取り入れながら早急に進めようとしております。 そこで伺います。国は基幹システムの統一・標準化を目指しているとのことですが、区としてどのような体制で臨むお考えなのかお答えください。 更に、国の求めに応じて基幹システムの統一・標準化を進めると同時に、区独自のシステムのあり方やAI、RPAなどの新技術の導入を考える上で、区民の利便性向上や事務効率化とともに、全体最適化も当然考慮しなければなりません。そのためには、全庁的観点から俯瞰することができる人材、組織が必要であると考えます。 そこで伺いますが、まず練馬区の行政デジタル化を専門的な視点から俯瞰し、より効率的に推進するためのCIO、いわゆる最高情報責任者の外部からの登用や、国のデジタル庁設置に合わせ、役割を明確化し、権限を強化した部署の設置など、体制強化が必要と考えますが、区の考えをお聞かせください。 また、加えて現場においては、エンジニアなど専門性の高い職員の確保・配置が必要であると考えますが、区の現状と考えをお聞かせください。 また、人材面での対応においては、追加的な処理のための費用が低廉であるデジタル化の特性や、官民を通じてICT人材が不足する状況を踏まえ、地域や組織の枠を超えた連携を様々な形で推進することが必要ではないかと考えますが、区のご所見をお答えください。 デジタル化そのものは国民福祉向上のための一手段であり、最終的に最も重要なのは、人であることは言うまでもありません。しかし、新型コロナが蔓延し、人と人との接触が制限される現状や、わが国の最大の課題である少子高齢化に正面から向き合うための有用な手段であることは間違いありません。 この大きな転換点に滞りなく万全の体制で臨むことを要望し、次の項に移ります。 次に、区がん検診における検査結果の誤通知について伺います。 区は、去る本年10月22日に、令和元年7月に区が実施した胃がん検診において、事業を委託している練馬区医師会が受診者4名に対し、検査結果を誤って伝えていたと公表いたしました。 今回の誤通知は、医師による受診者画像の比較読影により発覚したとのことです。誤通知した4名の方には経緯についてご説明と謝罪を行ったとのことですが、問題は、うち1名について本来、要精密検査と通知すべきところを、異常なしと通知していたことです。これは区民の命に関わる大変な問題です。 幸い、再検査ではがんは発見されなかったとの報告を受けてはおりますが、結果によっては責任問題に発展しかねない事案でもあります。 また、区は、練馬区医師会に対し、過去に同様の事例がなかったかを調査させた結果、平成27年度2名、平成30年度2名の誤通知が判明したとのことです。 今後は、このようなミスを起こさないよう、練馬区医師会とともにレントゲン撮影終了後の確認作業を複数職員で実施することを徹底するなど、3つの再発防止策を講じることとしておりますが、そもそもいずれの策も「徹底する」との表現は、本来行うべきことを怠っていたとも読み取れます。区が事業を委託していても、当然一義的には区にも責任があると考えます。 そこでお伺いをいたしますが、区は検診事業の事務処理スキームについて、医師会とどのようなチェック体制をしき、またモニタリングをしていたのかお答えください。 また関連して、近年、委託事業を含めた区の事務ミスが相次いでおります。再発防止のため、より一層の全庁的な体制強化が必要と考えます。会派から提案をしている内部統制制度の確立も含め、区はどのように考え、策を講じるつもりなのかお答えください。 区民の信頼回復のため、区の真摯な姿勢と対応を求めまして、次の項に移ります。 次に、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の改定について伺います。 わが国では急速に高齢化が進行しており、令和元年10月には総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、世界で最も高い28.4%となりました。練馬区においても高齢者人口は増加を続けており、令和2年1月には約16万人、高齢化率は21.7%に達しております。高齢者を支える15歳から64歳の生産年齢人口との比率では、30年前には9人で1人の高齢者を支えていましたが、令和2年には3人で1人を支えるようになり、20年後の令和22年には2.5人で1人を支えることになると見込まれております。 加えて、高齢者に占める後期高齢者の割合の上昇、ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者の増加が見込まれており、介護サービスに対する需要もますます増加していくことが予測されております。 また、老老介護やダブルケア、8050問題など、高齢者の生活上の課題は複合化・複雑化しており、地域共生社会の推進に向けて、医療・介護・障害福祉といった制度の枠を超え、個人や世帯が抱える問題に包括的に対応する支援体制の構築が求められております。 一方、新型コロナウイルスの発生により、区が現在取り組んでいる第7期の計画期間中に、多くの区民、事業者等の日常生活に影響が出ました。この間、国の緊急事態宣言や東京都の外出自粛要請等により、孤立状態にある高齢者や介護を必要とする高齢者の増加、家族介護の負担増など、地域における高齢者等の生活状況は深刻化しております。 また、感染防止のために休業を余儀なくされた介護サービス事業所は、本年4月時点で全国で900か所以上、区内では最大計28か所に上り、事業所運営にあたって様々な対策、対応に迫られております。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を正確に把握し、高齢者や介護サービス事業所等が直面する課題について、住民や介護サービス事業者、医療機関、区といった関係者がそれぞれの役割を確認し、協働して取り組む必要があります。 そこで伺います。このような高齢者を取り巻く状況を十分に踏まえた上で、第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に取り組む必要があると考えますが、対応策を含めた区の考えをお聞かせください。また、サービス需要の見込みと保険料設定に関する区の現在の考え方についてお答えください。 次に、障害者計画、障害福祉計画、障害児福祉計画の改定について伺います。 区では現在、練馬区障害者計画、第五期障害福祉計画、第一期障害児福祉計画の計画期間が今年度で終了するため、来年度から始まる次期計画の策定を進めております。 練馬区では、平成30年度末時点において、人口の約4.4%に相当する3万2,316人の障害を抱えている方々がおられますが、身体・知的・精神の3障害全てが増加傾向にあり、障害者の相談件数も平成26年度から平成30年度まで12.8%伸びております。また、障害児向けサービスの利用者も48.4%増加している一方で、練馬区内の事業者の約6割が職員不足という状況にあります。 そのような状況下でも、練馬区内の障害者の重度化、高齢化を踏まえ、ライフステージに応じた保健・医療・教育・福祉等の切れ目ない支援、当事者の視点からの社会参加や生きがい、学習機会の保障、重度障害児者の支援とともに、ひきこもりや発達障害者等、グレーゾーンの人々への支援を行っていく必要があると考えます。 また、国連の障害者権利条約が採択されたことを踏まえ、障害の有無にかかわらず、地域の中で自立して暮らし続けられる共生社会が実現できるよう、地域生活支援拠点等による親亡き後を踏まえた住まいや相談支援の確保、また社会福祉法の改正による地域福祉計画との関係、練馬区の特徴である農福連携も重要であると考えます。更に、これらに加え、コロナ禍でのサービスのあり方も問われているところであります。 そこで伺いますが、このような状況を踏まえ、次期計画策定の視点や施策の方向性をお答えください。 また、障害のある人は年齢も生きづらさも多様であり、障害者計画やいわゆる障害者施策ではカバーし切れないニーズも存在しております。それらに漏れなく対応するためには、地域におけるセーフティーネットが重要と考えます。そのために、障害者計画だけでなく、関連する行政計画や地域福祉計画などにおいて行政施策に横串を通し、地域で暮らす障害のある人のニーズが網の目からこぼれ落ちないようにしていく必要があると考えますが、区の考えをお聞かせください。 次に、練馬区教育・子育て大綱の改定についてお聞きします。 現行の練馬区教育・子育て大綱は、平成27年度に5年間を対象期間として策定し、今年度はその5年目に当たります。この5年間で子どもを取り巻く環境が大きく変化し、教育・子育ての現場では、コロナをはじめとした様々な問題、課題が発生しております。 改定作業が進められている大綱において、その問題や課題にどのような姿勢で取り組もうとしているのか、以下何点かお伺いいたします。 まず、教育に関連して伺います。 最初に、学校教育そのものについてであります。現在、区では学校での感染予防策として、子どもたちにマスクの着用、手洗いを励行するとともに、密にならないように様々な工夫をして教育活動を行っております。 一方で、集団教育が基本の学校教育は、コロナ禍によりその根底が揺るがされている状況であります。保護者の中には学校のコロナ対策が不十分であるなどを理由に、子どもを学校に通わせたくないと考えている方もいるとお聞きしております。一方、現場の教員からは、いわゆる3密を完全に回避しての授業は現状では大変困難であること。また、部活動や集団での移動・宿泊を伴う移動教室などの校外学習は感染リスクが常に付きまとうという声がある反面、こうした課外活動は子どもたちの成長に必要不可欠であるとの考えもあり、両者の葛藤に苦しんでいるという状況があるとも伺っております。 このような現状から、集団を前提とした従来の学校教育の見直しが必要ではないかと考えます。区としては、このような状況にどのように取り組もうとしているのか、考えを伺います。 次に、登下校の見守りについてであります。 この間、新潟市や川崎市などで登下校中に児童・生徒が巻き込まれる事件が起こっております。 区においても、地域での登下校中の見守りを求める声がある一方で、共働きが増え、協力が難しいといった保護者の方の声もあり、地域や保護者の方の協力が得にくいという状況があると伺っております。 政府が進めている女性の就業率を上げる施策により、共働きは今後も増える状況が続くと思われますが、区としてこの現状にどのように取り組もうとしているのか、考えをお伺いいたします。 次に、いじめ、不登校への対応についてであります。 いじめについては、被害、加害児童・生徒の双方が弁護士を立てて裁判で争うなど、学校での対応が困難なケースが発生していると伺っております。また、不登校については、保護者の方の過干渉、過保護、ネグレクトなど、要因が家庭に起因するケースが多く、保護者の方との接触や話合いが困難な場合があるとともに、新たな傾向として無理に学校に行かせる必要がないと考える保護者が増えてきている状況もあるようです。これは、家庭状況や保護者の方の考えの多様化に起因しているとも考えられますが、これらの状況に区としてどのように対応する方針なのかお答えください。 この項の最後に、外国籍児童・生徒、保護者への対応についてお聞きします。 外国籍児童・生徒は増加傾向にありますが、外国籍児童・生徒への対応もさることながら、生活習慣の違いなどに起因する保護者の方への対応に苦慮している現状があると伺っております。 このような事態も多様化ゆえのものであると考えますが、区としてこの状況にいかに対応してゆくのかお聞かせください。 次に、子育てに関連して伺います。 まず第一に、新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、ウェブ会議システムを利用した子育てひろばを実施し、好評の声が上がっている一方で、対面と違い一斉に話したり、特定の人との会話が難しい、予約なしに気軽に立ち寄っての相談が行えないなどの声があると伺っております。 このことから、家庭で子育て相談を受けられる環境の整備をより進めるべきと考えますが、区のご所見を伺います。 次に、孤立化する保護者の増加についてであります。 子育て期の女性の就業率向上により、在宅子育て世帯の減少や晩婚化等による子育て世帯の年齢の幅が広がり、長時間労働によりパートナーの育児参加が不十分であることなどに起因し、子育てに悩みを持つ、孤立化し、またしつつある保護者が増加傾向にあると伺っております。 子育て相談環境を更に充実し、孤立化する保護者を相談の場につなげていく必要があると考えますが、区のご所見を伺います。 次に、虐待についてであります。 泣き声通告等の軽微な事案に児童相談所が相談支援を行う場合、保護者に、児童相談所に子どもを連れ去られると警戒され支援を拒否されたり、保護者を精神的に追い詰めてしまう事例が発生しているとのことです。また、令和元年10月より児童相談所からの事案送致が本格実施され、うち85%は心理的虐待である面前DVであり、都・区ともに心理的虐待の増加が著しいとも伺っております。 これらの事象の背景を区はどのように捉え、また課題解決に取り組もうとしているのか、区の考えをお聞かせください。 次に、児童手当特例給付の見直し報道に関連して伺います。 現在、政府は、家庭などにおける生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とし、児童手当制度を実施しております。この児童手当は、一定の所得に満たない世帯に対し、中学卒業までの子ども一人につき3歳未満と第3子以降の小学生までは月1万5,000円、それ以外は月1万円が支払われております。 一方、一定以上の所得のある世帯には、児童1人当たり一律月5,000円の特例給付を支給しておりますが、この特例給付について、政府は2021年度予算案で一定の所得以上の世帯への支給を減額、廃止する方向で調整に入ったとの報道が多くなされております。その内容は、特例給付自体の減額とともに、共働き世帯の場合、所得制限の算定基準を所得の多いほうから、世帯合算に変更し、所得が更に多い世帯は廃止も検討するというものです。 見直し検討の背景には、待機児童対策の財源があるとされております。しかし、政府が女性の就業率の向上を掲げている以上、待機児童はそれに伴い増えるということを考えると、子育て支援策の中で財源をやりくりするパイの奪い合いは、少子化対策を充実する方針にそぐわないと考えます。特に影響を受けるとみられる共働き世帯の反発も強まっており、野党だけではなく与党の一部からも、政府の姿勢を問われる大問題になるとの異論も報じられております。 そこで伺いますが、現在、練馬区においてこの特例給付を受けている世帯数を参考までにお答えください。また、特例給付の減額や廃止が現実化した場合、その影響をつぶさに観察し、場合によっては区独自の策を講じる必要もあると考えますが、区の考えをお答えください。 コロナ禍において、子育て家庭の肉体的・精神的負担は更に増しております。対象者を一くくりに高所得と見ることで、共働きで2人、3人と子どもを育てている家庭へしわ寄せがあってはならず、少子化を食い止めている家庭を追い込むことがあってはならないと考えます。 現状をご認識いただき、子育て家庭等における生活の安定と児童の健やかな成長のため、引き続き区に適切な対応を求め、次の項に移ります。 最後に、東京外かく環状道路工事における安全・安心の確保について伺います。 本年10月18日、調布市内の東京外かく環状道路トンネル工事ルート上において、道路の陥没が発生しました。また、最初の陥没地点の近くにも長さ約30メートル、幅約4メートル、厚さ約3メートルの空洞が確認されたとのことです。 今回、空洞が見つかった場所の地下約47メートルでは、直径16メートルの国内最大の
シールドマシンが通過。地下から断続的な振動や騒音が発生し、周辺の住宅街で亀裂ができたり、外壁タイルが剥がれ落ちたりするなどの被害も出ていたとのことです。 去る11月6日から7日、東日本および中日本高速道路株式会社、国土交通省により、地元で行われた説明会では、今回のこれらの事象とトンネル工事との因果関係については不明であり、調査中であるとの説明がなされ、地域の住民からは大きな心配の声が上がっているとのことであります。 以上を踏まえた上でお聞きいたしますが、練馬区内でも現在、外環のトンネル工事などが進められております。この件に関し、区としてどのような考えをお持ちかお伺いをいたします。 また、因果関係や事前調査のあり方など、詳細が分かるまでは工事の一時中断を関係機関に求める必要があると考えますが、ご所見をお聞きします。 今後、
シールドマシンが住宅地の地下を掘進するにあたり、区として区民の安全・安心を最優先に、慎重かつ安全な工事を事業者に求めることを要望し、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手) 〔
前川燿男区長登壇〕
◎前川燿男区長 お答えいたします。 区財政についてです。 日本は世界の先頭を切って少子高齢化、人口減少が進み、経済全体の趨勢が低落傾向に入っています。加えて、赤字国債はGDPの2倍を超え、先進諸国で最悪の水準にあります。こうした中、新型コロナウイルスの直撃を受けたのです。 区の歳入は、リーマンショックをはるかに上回る減収となることが見込まれています。一方、歳出は扶助費をはじめとする義務的経費が歳出の5割以上を占め、硬直化が進んでおり、区財政の自由度は極めて低いものとなっています。まことに容易ならざる状況であると考えています。 こうした危機にあっては、われわれ行政に携わる者一人ひとりが根拠のない楽観論に陥ることなく、強い覚悟を持って臨まなければなりません。予算編成を進めるにあたっては、区民の命と健康を守る事業の推進を最優先とし、区民生活を支える上で必要な施策は時期を逸することなく確実に実行する一方で、聖域なく事業を見直します。 この難局を乗り越え、持続可能な財政運営を堅持するため、区議会の皆様、区民の皆様とともに全力を尽くしていきたい。ご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。 私からは以上です。 そのほかの質問につきましては、副区長、技監および関係部長から答弁いたします。 〔山内隆夫副区長登壇〕
◎山内隆夫副区長 私から、障害者計画、障害福祉計画、障害児福祉計画の改定についてお答えいたします。 区内の障害者の数は令和元年度に3万3,015人となり、増加傾向にあります。障害者の重度化、高齢化、家族の高齢化が進む中、一人ひとりの生活をどのように支えていくかが大きな課題です。 近年、多くの法制度等の改正が行われています。障害者計画では、住まい、相談、就労、障害福祉サービスなど、ライフステージに応じた支援を充実するため、今後6年間の総合的な施策を定めます。 障害者計画の策定にあたっては、福祉、保健、教育など、庁内22の関係課で構成する計画検討委員会において、地域福祉計画や高齢者保健福祉計画など、関連する行政計画との整合を図っています。 私からは以上です。 〔宮下泰昌技監登壇〕
◎技監 私から、東京外かく環状道路についてお答えします。 先般、調布市の外環工事現場付近で地表面陥没が発生し、陥没箇所周辺の地盤調査により地中の空洞が確認されました。外環工事との因果関係は不明ですが、外環工事上部での事象であることから、区は発生後、速やかに国等の事業者に対し、十分な調査を行い早急に原因を究明すること、区民および区に丁寧な周知や説明を行うことなどを要請しました。 事業者は、原因究明がなされるまでシールドトンネルの掘進を一時中止し、現在、原因究明のための調査に鋭意取り組んでいます。 工事の再開については、東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会による陥没、空洞発生の原因および今後の進め方に関する見解を踏まえ、適切に対応されるものと認識しています。 区は、事業者に対し、今回の事象に関する検証も踏まえ、工事の安全・安心に万全を期した上で、外環事業に取り組むよう求めてまいります。 私からは以上です。 〔森田泰子企画部長登壇〕
◎企画部長 私から、区財政とデジタル化についてお答えいたします。 はじめに、区の歳入についてです。 練馬区では、かつてリーマン・ショックの際に財政調整交付金や区民税等の一般財源が、単年度で100億円以上、5年間で400億円以上減少しましたが、今回はそれを上回る減収となり、期間も長引くことが見込まれています。また、国・都補助金等の特定財源についても、国や都の財政の悪化が進む中、負担割合が法令等で明確に定められているものを除き、従来どおりの財源が確保できるか否か見極めが難しい状況となっています。 次に、歳出についてです。 区は、これまでも4回の補正において感染拡大防止と医療提供体制の充実に約10億円、困窮する区民・事業者への支援に約820億円、区民生活に不可欠な社会インフラの堅持と社会経済活動を支える方々への支援に約24億円など、計約856億円の緊急対策に取り組んできました。来年度予算の編成にあたっても、区民の命と健康を守り、区民生活の安全・安心を支える施策の推進を最優先に取り組んでいます。 具体的な内容は、今後の新型コロナウイルスの感染動向を踏まえ、予算案を取りまとめた段階でお示ししていきます。 次に、事業の見直しについてです。 この危機的状況にあっても、区民の安全・安心を守り、持続可能な財政運営を堅持するため、全ての事業の見直しを行っています。 アクションプラン、公共施設等総合管理計画事業は、事業費、事業規模、スケジュールを精査します。給付的事業や補助金等の見直しを進めるとともに、各種イベントも感染拡大防止とコスト削減の両面から精査します。 次に、デジタル化についてです。 国は、住民記録や税など、自治体の主要な業務システムを令和7年度末までに標準化する方針を示しています。来年の通常国会において法制化し、各自治体に義務づけることとしています。 区においては、福祉や子育て分野なども含め、15の業務システムが標準化の対象となるため、副区長をトップとする庁内検討組織において情報共有を図りながら取り組んでいます。 今後、国はシステム標準化の工程表等を取りまとめた推進計画を策定し、自治体を支援するための手引書も公表するとしています。国の動向を注視し、情報収集に努め、システムの標準化に対応していきます。 次に、人材の確保についてです。 区では、CIO、最高情報責任者を補佐する業務をICTに優れた見識を有する事業者に委託しています。また、ICTの専門人材として情報処理専門技術員を採用し、専門的見地から助言や指導を行い、所管課と情報政策部門との連携を図り、区の情報化推進や職員のスキルアップに取り組んでいます。 専門人材の知見は、今後も活用していきたいと考えています。国や都の動向も踏まえて研究していきます。 次に、地域との連携についてです。 これまで地域団体が区の公開したオープンデータを活用し、避難拠点や給水拠点を確認できる独自の防災アプリなどを開発してきました。今後、地域のICT人材や団体との連携を深めていきます。 私からは以上です。 〔堀 和夫総務部長登壇〕
◎総務部長 私から、事務処理ミスの防止対策についてお答えします。 区では、個人情報に関わる事務処理ミスの発生を防止するため、平成28年4月に事務改善実施方針を策定し、取り組んできました。 事務処理ミスは、平成27年度には27件でありましたが、令和元年度には13件に減少しました。 このたびの会計事務に関わる不適切な事務処理の発生などを踏まえ、事務改善実施方針の改定に向けて、現在取り組んでいます。 地方自治法の改正により、本年4月から基礎的自治体では努力義務となった内部統制制度については、他の自治体の事例なども参考としながら引き続き検討してまいります。 私からは以上です。 〔吉岡直子
高齢施策担当部長登壇〕
◎
高齢施策担当部長 私から、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の改定についてお答えいたします。 はじめに、計画策定の考え方についてです。 計画では、今後3年間の目標を定め、地域共生社会に対応する人材の育成、保険事業と介護予防事業の一体的な推進、認知症の早期発見・早期対応の体制整備などの施策を明らかにします。計画に基づく取組を進め、団塊の世代が後期高齢者となる令和7年までに地域包括ケアシステムの確立を目指します。 次に、介護保険料の算定の考え方についてです。 介護サービス利用量の推計や今後示される介護報酬改定内容を踏まえ、制度の持続可能性を確保しつつ、適切な保険料となるよう算定を行っていきます。 今後、令和3年第一回定例会に提出予定の介護保険条例改正案で保険料はお示ししていきます。 私からは以上です。 〔佐古田充宏健康部長登壇〕
◎健康部長 私から、区がん検診における検査結果の誤通知についてお答えします。 検診事業の委託先である医師会とは毎年度、事業実施に先立ち、打合せを行い、スタッフの配置予定や事務処理の流れなどを確認しています。更に、毎月定例会を開催し、業務の実施状況について確認しています。 今回の事故は、医師会の担当職員がマニュアルに定められたとおりに事務処理を行わなかったことが原因で発生しました。医師会は、複数職員によるチェックや職員の再教育などの再発防止策を取りまとめました。 区は、がん検診に対する信頼を損ないかねない重大なことと認識しており、医師会と連携して再発防止を徹底してまいります。 私からは以上です。 〔木村勝巳教育振興部長登壇〕
◎教育振興部長 私から、教育に関するご質問にお答えします。 子どもたちの豊かな学びや心の発達には、学校での集団教育は欠かせません。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、これまでと同様の教育活動を行うことは難しくなっています。 そこで教育委員会では、感染防止のための環境整備を行い、教育活動にあたってガイドラインを作成して対応しています。また、今年度中にタブレットパソコンを配備し、オンライン学習の充実にも取り組む考えです。 今後も、コロナ後の新しい教育のあり方を念頭に、子どもたちの学びを保障し、一人ひとりに応じたきめ細かな教育を更に進めます。 次に、登校時の見守り等についてです。 広範囲に及ぶ通学路での見守りや増加する不審者対応には、保護者や地域の協力が必要です。特に地域の皆様には現在、通学路の見守りや安全点検、安全・安心ボランティア活動への参加などにご協力いただいています。引き続き、学校、保護者、地域の連携を進めることで、子どもたちの安全を守ってまいります。 次に、いじめや不登校についてです。 近年は、保護者の価値観の多様化などを背景に、対応や解決が困難なケースが増加しています。学校や教育相談室では、子どもや保護者に丁寧な聞き取りを行うほか、スクールソーシャルワーカーが家庭への訪問も行っています。また、家庭の状況に応じて区の子ども家庭支援センターや、都の児童相談センターなどと連携し対応しています。こうした取組を更に充実させ、課題の早期発見と解決を図ります。 次に、外国籍児童・生徒、保護者への支援についてです。 現在、区では、日本語指導講師の学校への派遣、保護者への通訳ボランティアや相談窓口の紹介などの支援を行っています。生活習慣の違いなどから対応が必要なケースも増加しています。児童・生徒が安心して学習できる環境の整備に努めてまいります。 私からは以上であります。 〔小暮文夫
こども家庭部長登壇〕
◎
こども家庭部長 私から、子育てに関するご質問にお答えします。 はじめに、子育て相談についてです。 核家族化や地域コミュニティの希薄化等を背景に、子育てにおいて孤立する保護者が増えており、子育て相談機能の重要性が高まっています。 区は、乳幼児を抱える保護者が身近な場所で気軽に子育てに関する相談ができるよう、子育てのひろばや民設子育てのひろばに加え、外遊びの場、おひさまぴよぴよに相談員を配置しています。児童館で実施する、にこにこにも相談員の配置を進めています。 また、発達に不安のあるお子さんを対象に親子で参加できる、のびのびひろばを5か所の子ども家庭支援センターで原則毎月2回実施しています。 コロナ禍にあって、自宅で過ごすことが多い保護者が子育ての悩みを抱え込まないよう、オンラインによる子育てのひろばを実施しています。これまでひろばを利用したことがない方々にもひろばを知っていただき、相談や交流の機会となっています。 また、個別の相談については、自宅にいながら相談ができるよう、ビデオ通話システムを活用し、引き続き身近で相談できる環境の整備に努めてまいります。 次に、児童虐待への対応についてです。 児童虐待への意識が高まったことなどから、少しでも虐待を疑う状況があれば通告を頂けるようになったことや、警察がDVへの対応を強化したことなどにより、都や区に寄せられる虐待通告件数は増加していますが、多くは比較的軽微な事案です。 本年7月に設置した練馬区虐待対応拠点では、都児童相談所と区子ども家庭支援センターが適切に役割分担して、強みを生かすことにより、子育てに悩む家庭への寄り添い支援から、一時保護などの法的措置を要する事案まで、個々の事案に応じたきめ細かな対応を行っています。引き続き、拠点を活用した都区の連携を着実に進め、児童相談体制の更なる充実を図ってまいります。 次に、児童手当特例給付の見直し報道についてです。 区内で児童手当の特例給付を受給している世帯は、11月1日現在1万2,940世帯、一月当たりの支給額は1億円を超えます。 現在のところ、国から児童手当の見直しに関する通知は届いておりませんが、児童手当は全国一律の制度であることから、見直しがされた場合には国の決定に基づいて対応することとなります。今後とも国の動向を注視してまいります。 私からは以上です。
○小泉純二議長 以上で本日の日程は終了いたしました。 これをもって散会いたします。 午後4時35分散会
△(イメージ)議席変更表 上のフレームにあります「関連文書表示」ボタンまたは「表示」ボタンをクリックすると案内図等が表示されます。...