板橋区議会 2022-11-28
令和4年第4回定例会-11月28日-01号
令和4年第4回定例会-11月28日-01号令和4年第4回定例会
令和4年第4回東京都板橋区議会定例会本会議第1日議事日程
令和4年11月28日(月曜日)
日程第 1 議案第 83号 東京都板橋区
個人情報保護法施行条例
〃 第 2 〃 第 84号 東京都板橋区個人番号及び
特定個人情報等の取扱いに関する条例の一部を改正する条例
〃 第 3 〃 第 85号 東京都板橋区情報公開条例の一部を改正する条例
〃 第 4 〃 第 86号 東京都板橋区情報公開及び
個人情報保護審議会条例の一部を改正する条例
〃 第 5 〃 第 87号 東京都板橋区情報公開及び
個人情報保護審査会条例の一部を改正する条例
〃 第 6 〃 第 88号 東京都板橋区手数料条例の一部を改正する条例
〃 第 7 〃 第 89号 舟渡四丁目
南地区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例
〃 第 8 〃 第 90号 東京都板橋区廃棄物の発生抑制、再利用の促進及び適正な処理に関する条例の一部を改正する条例
〃 第 9 〃 第 91号 東京都板橋区議会議員及び東京都板橋区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
〃 第10 〃 第 92号 東京都
板橋区立文化会館及び東京都
板橋区立グリーンホールの指定管理者の指定について
〃 第11 〃 第 93号
板橋区営自転車駐車場の指定管理者の指定について
〃 第12 〃 第 94号 東京都
板橋区立図書館及び東京都
板橋区立アートギャラリーの指定管理者の指定について
〃 第13 〃 第 95号 東京都
板橋区営住宅条例の一部を改正する条例
〃 第14 〃 第 96号 権利の放棄及び和解について
〃 第15 〃 第 97号 東京都板橋区
ケアラー支援条例
〃 第16 〃 第 98号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
〃 第17 〃 第 99号 東京都板橋区長及び副区長の給料等に関する条例及び東京都板橋区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
〃 第18 〃 第100号
会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
〃 第19 〃 第101号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
〃 第20 〃 第102号
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
午前10時00分開会
出席議員 45名
1番 小野田 み か議員 2番
内田けんいちろう議員
3番 高 山 しんご議員 7番 しいな ひろみ議員
8番 石 川 すみえ議員 9番 山 田 ひでき議員
10番 山 田 貴 之議員 11番 中 村とらあき議員
12番 間 中りんぺい議員 13番 しのだ つよし議員
15番 こんどう秀 人議員 16番 山 内 え り議員
17番 吉 田 豊 明議員 18番 田中しゅんすけ議員
19番 安 井 一 郎議員 20番 寺 田 ひろし議員
21番 さかまき常 行議員 22番 長 瀬 達 也議員
23番 南 雲 由 子議員 24番 荒 川 な お議員
25番 いわい 桐 子議員 26番 坂 本あずまお議員
27番 田
中やすのり議員 28番 いしだ 圭一郎議員
29番 成 島 ゆかり議員 31番 五十嵐 やす子議員
32番 竹 内 愛議員 33番 小 林 おとみ議員
34番 元 山 芳 行議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 39番 井 上 温 子議員
41番 かなざき文 子議員 43番 杉 田 ひろし議員
44番 茂 野 善 之議員 45番 田 中 いさお議員
46番 かいべ とも子議員 47番 渡 辺よしてる議員
48番 おばた 健太郎議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 なんば 英 一議員
54番 大 田 ひろし議員 55番 高 沢 一 基議員
56番 中 妻じょうた議員
欠席議員 1名
35番 大 野 治 彦議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 五十嵐 登
区議会事務局次長 森 康 琢
〃 議事係長 龍 野 慎 治 〃 調査係長 鑓 水 貴 博
〃 書記 飯 野 義 隆 〃 書記 高 橋 佳 太
〃 書記 岩 渕 真理絵 〃 書記 高 瀬 渉
〃 書記 安 部 詩 織 〃 書記 鈴 木 琢 真
〃 書記 細 田 夏 樹 〃 書記 小 林 隆 志
〃 書記 横 山 愛
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健 副区長 橋 本 正 彦
教育長 中 川 修 一 代表・
常勤監査委員菊 地 裕 之
政策経営部長 有 馬 潤 総務部長 尾 科 善 彦
法務専門監 辻 崇 成 危機管理部長 三 浦 康 之
区民文化部長 林 栄 喜 産業経済部長 平 岩 俊 二
健康生きがい部長 篠 田 聡 保健所長 鈴 木 眞 美
福祉部長 久保田 義 幸
子ども家庭部長 田 中 光 輝
子ども家庭総合支援センター所長 資源環境部長 岩 田 雅 彦
佐々木 三 良
都市整備部長 内 池 政 人
まちづくり推進室長田 島 健
土木部長 糸 久 英 則 会計管理者 椹 木 恭 子
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長湯 本 隆
水 野 博 史
政策企画課長 吉 田 有 財政課長 杉 山 達 史
総務課長 荒 井 和 子
△開会と開議の宣告
◎事務局長(五十嵐登) ただいまの出席議員数は45名でございます。
○議長(坂本あずまお議員) ただいまから令和4年第4回東京都板橋区議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(坂本あずまお議員) 本日の
会議録署名議員をご指名申し上げます。
五十嵐 やす子 議員
かなざき文 子 議員
以上、お2人の方にお願いいたします。
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△会期の決定
○議長(坂本あずまお議員) 初めに、会期についてお諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から12月14日までの17日間といたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(坂本あずまお議員) ご異議がないものと認めます。
よって、今期定例会の会期は、17日間と決定いたしました。
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△諸報告
○議長(坂本あずまお議員) 次に、諸般の報告でありますが、事務局長より朗読いたします。
〔事務局長朗読〕
4板総総第423号
令和4年11月17日
板橋区議会議長
坂 本 あずまお 様
板橋区長 坂 本 健
区議会定例会の招集について
令和4年11月17日付け東京都板橋区告示第497号をもって、令和4年第4回東京都板橋区議会定例会を下記により招集したので、通知します。
記
1 招集月日
11月28日
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4板総総第424号
令和4年11月17日
板橋区議会議長
坂 本 あずまお 様
板橋区長 坂 本 健
議案の送付について
令和4年第4回東京都板橋区議会定例会に提出する下記の議案を送付します。
記
議 案
1 東京都板橋区
個人情報保護法施行条例
2 東京都板橋区個人番号及び
特定個人情報等の取扱いに関する条例の一部を改正する条例
3 東京都板橋区情報公開条例の一部を改正する条例
4 東京都板橋区情報公開及び
個人情報保護審議会条例の一部を改正する条例
5 東京都板橋区情報公開及び
個人情報保護審査会条例の一部を改正する条例
6 東京都板橋区手数料条例の一部を改正する条例
7 舟渡四丁目
南地区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例
8 東京都板橋区廃棄物の発生抑制、再利用の促進及び適正な処理に関する条例の一部を改正する条例
9 東京都板橋区議会議員及び東京都板橋区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
10 東京都
板橋区立文化会館及び東京都
板橋区立グリーンホールの指定管理者の指定について
11
板橋区営自転車駐車場の指定管理者の指定について
12 東京都
板橋区立図書館及び東京都
板橋区立アートギャラリーの指定管理者の指定について
13 東京都
板橋区営住宅条例の一部を改正する条例
14 権利の放棄及び和解について
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4板総総第424号の2
令和4年11月25日
板橋区議会議長
坂 本 あずまお 様
板橋区長 坂 本 健
議案の送付について
令和4年第4回東京都板橋区議会定例会に追加提出する下記の議案を送付します。
記
議 案
1 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
2 東京都板橋区長及び副区長の給料等に関する条例及び東京都板橋区議会議員の議員報酬及
び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
3
会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
4 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
5
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
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議案提出書
条例を制定する必要があるため、東京都板橋区議会会議規則第12条第1項の規定により下記の議案を提出する。
記
東京都板橋区
ケアラー支援条例
令和4年11月16日
提出者 板橋区議会議員
石 川 すみえ
山 田 ひでき
山 内 え り
吉 田 豊 明
南 雲 由 子
荒 川 な お
いわい 桐 子
五十嵐 やす子
竹 内 愛
小 林 おとみ
井 上 温 子
かなざき文 子
板橋区議会議長 坂 本 あずまお 様
──────────────────────────────────────────
△専決処分の報告について、農業委員会の事務執行状況、特別区競馬組合議会の会議結果、特別区人事・
厚生事務組合議会の活動状況及び東京二十三区清掃一部事務組合議会の会議結果
○議長(坂本あずまお議員) 続いて、専決処分の報告について、農業委員会の事務執行状況、特別区競馬組合議会の会議結果、特別区人事・
厚生事務組合議会の活動状況及び東京二十三区清掃一部事務組合議会の会議結果につきましては、既に配付いたしました文書のとおり報告いたします。
〔参 照〕
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△区政一般質問
○議長(坂本あずまお議員) これより区政に関する一般質問に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
今期の質問順序は、民主クラブからであります。
初めに、おばた健太郎議員。
◆おばた健太郎 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) おばた健太郎議員。
〔おばた
健太郎議員登壇〕(拍手する人あり)
◆おばた健太郎 議員 民主クラブのおばた健太郎です。通告に従いまして、一般質問を行います。
自転車交通について伺います。
令和4年7月に板橋区
自転車活用推進計画が策定されました。昨今、健康志向による自転車利用の増大に加えて、保険の義務化、
交通ルール違反の厳罰化など、自転車を取り巻く環境は大きく変化しており、計画によって区のモビリティが一層進むことを期待しております。区内在住者による
Webアンケート調査では、自転車が利用しやすい道路環境の整備には7割近い方が力を入れるべきであると回答し、また、国土交通省の
自転車活用推進に向けた有識者会議では、「歩行者と分離した
自転車通行空間の整備をさらに進めるべき」に多くの回答が集まりました。つまり、自転車の安全な通行空間の整備が求められております。自転車は、道路交通法上軽車両に位置づけられており、車道の左側を通行することが原則です。歩道の通行は例外であり、歩行者を優先し、徐行しなければなりません。しかし、現状ではそのルールが遵守し難い状況です。車からの視点では、車道を走る自転車は接触の危険があります。特に母親が子どもを乗せて走る自転車、いわゆるママチャリや高齢者が運転する自転車が車道を走ることは危険性が高いと考えられます。一方、自転車側の視点としても、車道では車との接触が、歩道では歩行者との接触の危険性があります。また、歩行者にとっても自転車が歩道を走っているのは危険です。これらの観点から、現状では車も自転車も歩行者も危険が伴う状態であり、この問題を解消するためには、3者がきちんと分かれて走ることができるように整備することが最善です。自転車大国として知られるオランダのアムステルダムでは、自動車、自転車、歩行者用の道路が完全に分けられており、安全に走行できる環境となっております。自転車が安全に走行するためには、
自転車専用道路の整備を目指すべきであると考えますが、見解を伺います。
特に重要なポイントは、国道と都道の整備と連携です。
自転車活用推進計画では、
自転車ネットワーク路線として、区道に自転車道、
自転車専用通行帯、矢羽根型表示の3つの整備形態を行うとしております。道幅の大小により整備形態を変えて、区全体として2030年までに整備を進める方針が示されており、大変意義のある計画でありますが、区道の大半は幅員が狭く、
矢羽根型表示対応です。また、肝心の国道、都道を含む主要幹線道路の整備が含まれておりません。例えば、国道17号では、歩道が広いため、ほとんどの自転車は歩道を走っています。車道と歩道のバランスを見直し、
自転車専用道路を整備する必要があるのではないでしょうか。国道、都道については、
自転車ネットワーク路線を検討していくとの表現にとどまっておりますが、
交通事故統計情報オープンデータによると、2019年、2020年に起きた死亡事故は幹線道路で発生しており、早急な対策が必要であると考えます。国道、都道の整備については、積極的に整備するべきであると考えますが、見解を伺います。また、国や都への働きかけを強く推進していただきたいと考えますが、見解を伺います。
それらの道路整備とともに、自転車運転者のマナー、交通ルールの徹底についても対策が必要です。整備計画の中では大人への
自転車安全利用啓発の促進を挙げておりますが、区内事業者に対しての研修や情報提供、区職員への
交通安全講習会を実施検討となっており、一般区民への活動が盛り込まれておりません。東京都のホームページには
自転車安全利用研修動画が公開されておりますが、実は自転車の交通ルールは非常に複雑です。パンフレットを配るだけでルールの周知徹底は簡単なことではありません。防災フェアや町会イベント、総合防災訓練、小中学校PTAや保育園の父母会など、様々な機会を通じて自転車の交通安全に関する活動を実施すべきではないでしょうか。一般の区民に対する
自転車安全利用啓発をさらに推進すべきであると考えますが、見解を伺います。
次に、持続可能な消費喚起制度について伺います。
令和4年10月からいたばしPayがスタートいたしました。11月12日現在、909店舗が登録、その活用が広がっており、私も大変期待しております。地域通貨は、地域、目的、期間が限定されていることが特徴であり、地域活性化につながるとされております。しかし、つくっただけでは成功とは言えず、利用者の減少から廃止となった事例も数多く存在していることからも、長く愛用していただけるような地域通貨となるよう期待しております。いたばしPayについて、現状の認識をお聞かせください。
次に、持続可能な制度設計について伺います。現在のところ、事業者に対して売上げの8%
キャッシュバックが行われておりますが、それは今年度限りとなっています。また、消費者には30%のプレミアムがついており、大変お得にはなっておりますが、こういった消費喚起策が終わった後でも長く使っていただける仕組みづくりが必要だと考えます。ここで参考になるのが他地域の事例です。岐阜県高山市、飛騨市や白川村が実施しているさるぼぼコインでは、ポイントで購入できる限定商品や名店の裏メニュー、さるぼぼコインでしか買えない特別な体験などの特典があります。また、この事業の主体である飛騨信用組合が使用したキャッシュに応じてポイントを付与しています。それ以外の一例では、千葉県木更津市で運用されているアクアコインは、
ボランティア活動などに対し、市から行政ポイントが付与されています。板橋区の特徴として、地域のイベントや
ボランティア活動などが活発で、地域力が高いということがよく言われていることから、こういった特徴を生かして、イベントやボランティアに対してポイントを付与する制度はいかがでしょうか。いたばしPayを今後持続可能な制度としていくための方策について、見解を伺います。
次に、児童養護施設への援助について伺います。
令和4年4月から板橋区
子ども家庭総合支援センターの運用が開始され、7月からは
児童相談所機能がスタートいたしました。これまで東京都が担っていた児童に対する措置や措置解除といった対応についても板橋区の権限で実施していくわけですので、これまで以上に児童養護施設との連携が重要になります。児童養護施設との連携について、現状の認識をお聞かせください。
児童養護施設や施設利用者へのサポートが求められております。区は、
児童養護施設卒園者住まい応援プロジェクトを実施し、
養護施設卒園者に対して家賃補助を行う制度を実施しております。これまで約1,200万円もの寄付が集まり、区民の関心の高さがうかがえます。現在、
住まい応援プロジェクトでは、卒業者の中で進学する人に対して一定の家賃補助をする制度です。しかし、実際は進学する人の割合は少なく、令和3年度は7名の支援にとどまっています。卒園者の約6割は就職しており、制度を使えない方が多くいるのが現状です。現在の
児童養護施設卒園者住まい応援プロジェクトについて、支援対象を拡大することを求めますが、見解を伺います。
先日、
児童養護施設卒園者のためのシェアハウスを運営しているNPOを視察いたしました。卒園者の大半は、頼る人もいなく、お金の使い方も知らない、包丁の使い方も分からない、洗濯の仕方も分からない状態です。そういう子どもたちに必要なのは、安心して暮らせ、いつでも帰ってこられる居場所です。お金の支援だけではなく、精神的な支えが重要になってきます。
児童養護施設卒園者住まい応援プロジェクトでは、
自立支援コーディネーターによる支援がありますが、年に数回、電話による安否確認にとどまっていると聞いております。家賃補助や相談支援も必要なサポートであり、継続していただきたいと思いますが、今、卒園者にとって本当に必要なのは、シェアハウスや共同住宅であっても、子どもたちの成長を一緒に見守れるような体制づくりです。行政による支援や、NPOや民間企業への支援拡充が必要ではないでしょうか。卒園した子どもたちへの精神的な支援や居住支援についての見解を伺います。
区では、高齢者、障がい者などが民間賃貸住宅に入居を希望する際に直面する様々な制約や課題を解決する目的で板橋区
居住支援協議会が設立されており、民間事業者やNPO、行政が連携して住宅確保要配慮者に対しての情報提供や環境整備を行っております。児童養護施設退所者も支援対象として挙げられておりますが、残念ながら実際に支援された実例はほとんどないと聞いております。こういった支援制度についての積極的な周知が必要だと考えます。
児童養護施設卒園者への居住に対する支援について、さらなる周知と連携をするべきであると思いますが、見解を伺います。
最後に、教員のスキルアップ及び支援体制について伺います。
私は、令和元年6月の一般質問で、1クラス2担任制度を提言させていただきました。1クラスに2人の担任を配置することで、教員の指導力向上が見込まれると考えております。教員の定数は、東京都の学校職員の定数に関する条例で定められており、難しいとのご回答でしたが、現在でも解決できていない問題が数多く見受けられます。コミュニティ・スクール委員やPTAなど、様々な機会を通じて小中学校の授業を拝見することがありますが、残念ながら指導方法について問題を感じる場面が散見されます。指導力といってもその意味するところは様々ですが、今回取り上げたいのは声がけの部分です。各科目の内容を理解し、適切に伝えるのはもちろんですが、生徒たちが理解をしているかどうかの確認だけでなく、仮に問題行動があった場合や気になる行動があった場合で、どのような声がけをするかも重要な指導力であると考えます。例えば、授業中に大きな声を出してしまう児童がいた際に、「うるさい」や「何度言えば分かるの」「静かにしなさい」と叱ることだけが唯一の解決方法とされていないでしょうか。児童・生徒がそのとき何を考えているのかを想像できていないのではないかと危惧しております。ほんの一例ですが、小学1年生に対して汚い言葉で注意する、話し合いのルールを説明していないのにもかかわらず、司会進行役が適切に進行できていないことを指摘する、声がけの部分以外では、1人ができなかったからと何度も全員で一斉に立ったり座ったりする練習をやらせるとか、時間的に実施不可能な事柄の対応を強いるなど、違和感のある指導が散見されます。教員の指導力、特に児童・生徒にしっかり寄り添っているかについて、現状の認識を伺います。また、どのような対策を取っているのか伺います。
ペアレントトレーニングという手法があります。ペアレントトレーニングは、子どもの行動を状況に応じた適応行動に導く手法です。ティーチャーズトレーニングとも呼ばれ、1970年頃からアメリカで実施され、有効性が科学的に証明されているトレーニングです。基本的な考え方は、子どもの行動に焦点を当て、肯定的な注目を増やす、つまり、子どもの行動を具体的に褒めることで、好ましい行動を増やし、定着させていくということです。状況に応じた適切な行動を増やし、好ましくない行動を減らすための効果的な褒め方や観察の方法、さらには、好ましくない行動の原因を考え、環境を整えたり、周囲の大人の関わり方を変えたりするための方法を学びます。子どもの行動自体を直すというよりは、好ましい行動がしやすい環境をつくるという考え方です。研修などでこのトレーニング方法を学ぶ機会はあると思いますが、現場ではどの程度知られ、活用されているのでしょうか。一部には、自閉症スペクトラムの子どもへの手法であると考えられているようですが、一般的な子育てにも使える汎用性がある手法です。子どもの発達というものは、本来項目によって個人差が存在するものです。もちろん年齢に応じてクリアしていく発達課題の目安はありますが、同じ速度で進むものではありません。1年生だからできるとか、6年生だからこれくらいできて当たり前など、一律のイメージの押しつけで子どもと接していないでしょうか。例えば、同じ小学2年生でも、先生の指示をすぐに理解できる子もいれば、そうでない子もいます。また、環境によって、あるいは伝え方によって状況は変化します。一人ひとりの成長度合いは異なるという大前提を教員側が今一度しっかりと認識し、一人ひとりの発達に応じた声がけができれば、クラス全体に対する声がけも変化し、さらには、学校生活に適応しにくかった子どもへの支援にもつながることが期待できます。ぜひとも、専門家による勉強会やセミナーの受講だけでなく、具体的な事例研究、指導専門官の授業などを題材に、どういった声がけがよいのか、どういった声がけは改善すべきなのかといった研究会を行ってはいかがでしょうか。ペアレントトレーニングなどの声がけの手法を取り入れるべきであると考えますが、見解を伺います。
以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) 皆様、おはようございます。早速、おばた健太郎議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、
自転車専用道路の整備についてのご質問であります。
自転車専用道路は、自転車のみの走行に着目した場合においては、快適かつ安全な走行空間となります。一方、本区のような市街地におきましては、限られた道路区域の中で、右左折する車両や歩行者が交錯し、自転車が独占的に走行できる空間の整備は、現実としては難しい状況にあると考えます。こうした条件を踏まえて、区内の
自転車走行空間を安全性や利便性、実現性などの観点から検討した結果、自転車レーンが最も望ましいとの結論を得て、今後の整備方針としたところでございます。
次は、国・都への働きかけについてのご質問であります。
自転車活用推進計画の策定には、国や東京都の道路管理者、交通管理者も参加し、合意形成の上で事業や施策を計画化しております。この計画の進行管理や評価、社会状況の変化に応じた見直しを行うための会議体を今年度発足させますけれども、そこにも国や東京都、交通管理者の参加を求める予定であります。この中で、区道と国道や都道の役割や、規模・性格の違いなど、それぞれの特性や事情を踏まえながら、共通の目標に向けて連携・協力体制を醸成していきたいと考えております。
次は、安全利用啓発についてのご質問であります。自転車の安全利用は、自転車運転者のみならず、事故の原因となり得る自動車運転者や歩行者なども含めて、おのおのが高い安全意識を持ちながらそれを実践することが必要と考えます。交通安全啓発の実施主体につきましても、警察はもとより、交通事業者や教育機関、地域団体など、様々な主体が一丸となり取り組む必要があると考えます。区では、現在、区内36団体から成る交通安全協議会を設置し、連携した交通安全対策を推進しておりまして、今後ともそのリーダーシップを発揮していきたいと考えています。
次は、いたばしPayの現状認識についてのご質問であります。プレミアム付いたばしPayの第1次の申込みにおいては、15万セットの販売に対しまして約13万5,000セットの応募がございました。残額分の販売である第2次の申込みにおいては、販売予定数を超える応募がございまして、まずは好評価を得ているところであります。既に10月25日からいたばしPayの加盟店舗でご利用いただいておりまして、区内店舗での消費喚起、事業者支援に寄与しているものと認識しています。
次は、持続可能な制度設計についてのご質問であります。今年度は30%のプレミアムを付与することによりまして制度の普及を図ってまいりましたが、来年度につきましても、お買上げ金額に応じましてポイントを付与するなどの普及・啓発策を検討しております。また、区が実施いたしますいたばし環境アクションポイントなどの行政ポイントをいたばしPayのポイントに対応させるよう準備を進めております。さらに、商店街におけるポイントラリーや店舗広告の掲載なども想定しておりまして、区民生活に密着したデジタル地域通貨として長く使えるよう、今後も支援していきたいと考えています。
次は、児童養護施設の連携についてのご質問であります。児童相談所では、様々な理由によりまして、家庭で生活できない子どもを児童養護施設等に措置しておりまして、子どもを支援する上で連携は必要不可欠であると認識しています。特に区内に3施設ございます児童養護施設とは、相互に職員の体験研修を実施するほか、定期的に連絡会を開催するなど、今まで以上に連携を深めているところでございます。
次は、
児童養護施設卒園者住まい応援プロジェクトの支援対象の拡大についてのご質問であります。
児童養護施設卒園者住まい応援プロジェクトでは、区内に3施設あります児童養護施設の卒園者のうち、進学者を対象としております。一方、区は令和4年7月から児童相談所業務を開始し、区が措置した児童について、措置が解除された後の自立を支援していく役割を担うべきと考えています。ご提案いただきました就職者への支援も含めて、対象者の拡大を検討していきたいと考えています。
次は、卒園者の精神的支援及び居住支援についてのご質問であります。児童養護施設や里親等で養育され、その措置が解除された者、いわゆるケアリーバーの自立には、精神的支援や居住支援などが重要であると認識しています。令和6年4月に施行される改正児童福祉法においても、ケアリーバーを通所や訪問により支援する拠点を設置する事業が創設されたところでございます。ケアリーバーの自立支援に向けまして、居住支援を含めた経済的支援の拡大や居場所・相談などの精神的支援について、国の動向も踏まえながら検討していきたいと考えています。
最後の質問でございます。卒園者への居住に対する支援の周知についてのご質問であります。住宅セーフティネット法に基づく
居住支援協議会は、不動産団体等と行政の協働によりまして、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を目的に設置されているものであります。板橋区
居住支援協議会におきましても、
児童養護施設卒園者は、既に住宅確保要配慮者の対象となっておりまして、引き続き、居住支援に関し、関連団体への理解促進を図り、協働・連携し、取り組んでいきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) 皆様、おはようございます。それでは、おばた健太郎議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、教員の指導力の現状認識、その対策についてのご質問ですが、学校生活の中で、授業のみならず全ての教育活動において、児童・生徒に寄り添って対応することは重要であると認識しております。教員は、日々子どもへの共感的な理解を深めることに努めておりますが、子どもたちに寄り添った指導をする力が不足している教員がいることも認識しているところです。各学校では自校の児童・生徒の実態を正確に把握し、発達の段階に応じた指導ができるよう、校内研修等で共通理解を図っているところであります。
次に、声がけの手法の取り入れについてのご質問ですが、教員がペアレントトレーニングなどの声がけの手法を活用することは、児童・生徒への個別最適な指導となり、子どもたちの適切な行動につながると言われております。そのため、教科等指導専門官の公開授業や校内研究で、児童・生徒への効果的な声がけを視点の1つとし、教員のスキルアップを図ることも考えられます。今後は、声がけは、教員と児童・生徒のよりよい関係を築くための重要な方法の1つにもなることについて、研修などの機会を捉えて周知してまいります。
頂きました教育に関する質問の答弁は、以上でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 次に、高沢一基議員。
◆高沢一基 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) 高沢一基議員。
〔高沢一基議員登壇〕(拍手する人あり)
◆高沢一基 議員 それでは、おばた議員に引き続き、区政に関する一般質問を行います。
私は、平成19年の初当選以来、批判より提案、批判より政策実現という政治姿勢で議会活動に取り組んできました。今回の一般質問では、今までに提案した諸課題の中から、道半ばの懸案について取り上げます。まず初めに、安心して楽しくお買い物ができるように、カスタマーハラスメント・悪質クレーム対策について質問します。
お客様や取引先より、罵声を浴びせられたり、土下座を強要されるなどの悪質クレームについて、少しずつではありますが、国においても議論が進んでいます。本年6月には、私が所属する国民民主党と自民党・公明党の3党で、カスタマーハラスメント対策に関する協議が合意されました。また、令和元年6月には労働施策総合推進法等が改正され、職場におけるパワーハラスメントの防止が事業主の義務となり、令和2年1月にはその指針にカスタマーハラスメントが盛り込まれました。これを受けて、厚生労働省は、本年2月にカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを作成し、対策の推進を呼びかけております。そこで、まずお聞きします。本マニュアルの板橋区での活用状況と今後の活用方針についてお聞かせください。
厚生労働省を中心とするカスタマーハラスメント対策の動きは、安心して働ける環境づくりに主眼が置かれていますが、カスタマーハラスメントは、働く人だけではなくお客様のための対策でもあります。怒号が聞こえたり、土下座を目撃するような売場で買い物をしても、何も楽しくありません。安心して笑顔で楽しくお買い物ができる社会を守るためにも、カスタマーハラスメント対策は重要であると考えます。私は、カスタマーハラスメント・悪質クレーム対策を平成30年第2回定例会の一般質問で取り上げ、その後、令和2年の予算総括質問、令和3年の代表質問などで、区としての対策推進を提案してきました。板橋区は、平成30年11月から消費生活講座で悪質クレームに関する啓発資料の配付・説明を行ったり、令和2年・3年には、広報いたばし・区ホームページで、買い物エチケット等に関する啓蒙記事を掲載しています。これらの消費者に対する啓発活動は、カスタマーハラスメント対策を進めるに当たって重要なことであり、板橋区のご対応に感謝申し上げます。カスタマーハラスメントをなくしていくためには、法整備等も必要だと考えますが、国民の多くがこの問題に関心を寄せることが大切です。セクハラやパワハラもかつては平気で横行していた時代もありました。しかし、近年は、セクハラやパワハラはやってはいけないことであるとの社会通念が確立し、少なくなってきています。カスタマーハラスメントについても、お客様だからといって、何を言っても、何をやってもよいというわけではないとの認識が広まれば、かなりの部分が抑制されると考えます。去る11月20日には、中央図書館で消費生活展が開催され、様々な消費者問題の啓発が行われました。中央図書館での開催は2回目とのことですが、多くの人が集まる日曜日の中央図書館で開催したことを評価します。しかし、今回の消費生活展には、残念ながらカスタマーハラスメントに関する展示がありませんでした。そこで、啓発活動をさらに推し進めるため、今後の消費生活展等で、カスタマーハラスメント問題の展示を行うことを求めます。ご見解をお聞かせください。
次に、休日に働く人々の負担を減らすための休日保育について質問します。
私は、平成27年から休日保育の実施を求めて、代表質問・一般質問・予算決算討論・同総括質問で9回取り上げてきました。しかし、この間、区立保育園や私立認可保育園での実現ができず、今日を迎えています。板橋区内では、認証保育園1園で休日保育を担ってくださっていましたが、令和3年度末には閉園してしまいました。休日保育の議論をすると、需要はあるのか、現在も休日営業できているので問題はないなどとの指摘を受けることがあります。需要については、板橋区でも平成30年のニーズ調査、令和2年・3年の入園説明会でのアンケート調査を実施して、令和3年の代表質問に対して、坂本区長は「休日保育に対するニーズが一定数あることは認識をしております」と答弁しており、需要があることは確認されています。流通・サービス産業等が休日に営業できているのだから、休日保育は不要との意見もありますが、休日に働く現場では、子どもを預けられる従業員などの並々ならぬ努力で支えられているのが実情です。おばあちゃんなどに預けられる従業員ばかりに休日勤務が偏重し、子どもと休日を一緒に過ごすことができないなど、一部の人々に負担が偏っています。また、多忙な休日に出勤を求められるため、正社員になるのを諦めるパートやアルバイトの方々もいます。流通・サービス産業は、我が国を支える重要な産業であります。そこで働く人々や我が国経済を守り成長させていくためには、休日保育の実施が不可欠であると考えます。人材確保など、多くの課題があることは理解しています。しかし、そうした困難があるからこそ区立保育園や私立認可保育園で実施する必要があります。我が区のお隣、豊島区では認可園4園で総定員数50名の休日保育が実施されています。同じくお隣の北区では区立園3園と認可園2園で100名以上の定員です。練馬区では区立園7園で180名の定員が確保されています。板橋区の北側に目を転じると、埼玉県戸田市が認可園1園で15名、和光市は市立園1園で10名を受け入れています。板橋区の周辺自治体の全てで休日保育を実施しており、板橋区だけが未実施なのです。そこで、重ねて求めます。休日に働く子育て世帯や流通・サービス産業など、休日に働く全ての方々の負担を軽減させるために、区立保育園や私立認可保育園の一部で休日保育の実施を求めますが、ご見解と今後の方針をお聞かせください。
次に、子どもたちが気軽に楽しめるように、校庭開放のキャッチボール時間の拡充についてお伺いします。
板橋区では、学校施設開放事業として、区立小学校の校庭を子どもの遊び場として開放しています。令和元年の決算総括質問で、私はこの子ども遊び場でのキャッチボール許可を求めました。当時は、軟式ボールでのキャッチボールが禁止されていましたが、指導員も配置されていることから、指導員の管理の下にキャッチボールを許可することを求めました。答弁は検討するとのことでしたが、その後、令和2年10月から5校で試験実施をし、令和3年12月から20校となり、令和4年度から48校で実施されています。実施できていない3校は、環境面から難しい学校であり、実質的に全校でのキャッチボール解禁が実現しました。そこでお聞きします。令和2年からの試験実施について、板橋区はどのような評価をしていますでしょうか、ご見解をお聞かせください。
また、現在は、開放日の午後1時から午後2時までの1時間がキャッチボールとサッカーの時間とされていますが、この時間はその他の遊びでも利用することができます。子どもたちが気軽にキャッチボールやサッカーを行えるよう、許可時間を拡充しても、他の利用者に大きな影響はないと考えます。許可時間の延長や、全ての開放時間でキャッチボールとサッカーを認めるよう求めます。ご見解と今後の方針をお示しください。
続いては、とまらない東上線、遅れない東上線を実現するため、ホームドア設置の促進についてお聞きします。
現在、板橋区内東上線の駅には、1駅もホームドアが設置されていません。転落や接触の事故から命を守り、電車の遅延を減少させるために、私はかねてから東上線立体化の特別委員会等で議論を行い、東武鉄道本社にも赴いて要望をしてきました。令和2年の予算総括質問では、ホームドア設置促進のために、区独自の補助制度を創設すること、坂本区長と東武鉄道社長とのトップ会談を実施することを提案しました。その後、本年度に入り、東武鉄道は、東武練馬駅・下赤塚駅・成増駅へのホームドア設置へ向けて調査・設計を着手しました。遅々として進まなかった区内東上線各駅へのホームドア設置がやっと一歩を踏み出しました。また、東武鉄道は、令和3年10月に国が創設した鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、来年3月頃から乗車料金を10円値上げすることにより、令和7年度までに東武練馬駅・下赤塚駅・成増駅にホームドアを整備、令和17年度までには、区内全駅にホームドアを設置するとしています。そこでお聞きします、東上線区内駅へのホームドア設置が動き出したことに対する板橋区の現状認識をお示しいただくとともに、区内全駅への設置を促進し、早期に実現させるため、区長のご決意をお聞かせください。
最後に、拉致問題を他人ごとにしないため、啓発活動の充実を求めてお聞きします。
本年9月の第3回定例会一般質問で、民主クラブの渡辺議員が拉致被害者の啓発強化を求めて質問しました。板橋区においては、去る11月21日から25日まで、区役所本庁舎1階でアウェアネスリボンキャンペーンを実施し、私も日頃から着用しています拉致被害者救出のブルーリボンを紹介しています。また、人権週間中の広報いたばし11月26日号でも拉致問題を紹介したところです。板橋区が拉致問題を取り上げていることには感謝しますが、残念ながらこれらの啓発活動は、他の諸課題とともに挙げられているだけで、拉致問題に特化したものではありません。そのような中、本年8月30日付けで文部科学省は、「北朝鮮当局による拉致問題に関する図書等の充実に係る御協力等について」という事務連絡文書を出しました。その中には、北朝鮮人権侵害問題啓発週間に向けて、図書館・学校図書館において、拉致問題に関する図書等の充実を図るとともに、拉致問題に関するテーマ展示を行うなど、児童・生徒や住民が手に取りやすい環境の整備について述べられています。この事務連絡については、初めての依頼内容であり、日本図書館協会が図書館の自由に関する懸念を表明しています。しかし、北朝鮮による我が国民の拉致事件については、内閣に拉致問題対策本部が設置され、拉致問題担当大臣も任命されており、また、与野党を問わず各政党も対策本部を設置するなどして、北朝鮮を強く非難しています。拉致被害者の帰国は、国家・国民の悲願であり、広範な支持を得ています。図書館や学校図書館で拉致問題啓発に取り組むことは、国民的課題の情報を提供することであり、図書館としての役目であると考えます。本事務連絡に対する中川教育長のご見解をお示しいただくとともに、板橋区教育委員会では、この事務連絡を受けて、どのような対応を行ったかお聞かせください。
さらに、拉致問題への理解促進についても坂本区長にお聞きします。拉致問題の解決には、政府の積極的な行動が求められますが、そのためにも国民全般での問題共有が必要と考えます。上皇后陛下は、皇后陛下でいらっしゃった平成14年、拉致問題について、「なぜ私たち皆が、自分たち共同社会の出来事として、この人々の不在をもっと強く意識し続けることができなかったかとの思いを消すことができません」とおっしゃられたことを私は忘れられません。拉致問題は他人ごとではなく自分ごとであると認識する人々を増やすことが被害者救出につながると考えます。板橋区は、来る12月10日から16日までの北朝鮮人権侵害問題啓発週間において、本庁舎内に拉致問題のポスターを掲示するとのことですが、パネル展示や関連映画の上映、講演会など、啓発活動を充実・強化することを求めます。坂本区長の拉致問題に対するご見解とともに、啓発活動強化についてお考えをお聞かせください。
以上をもちまして、私の区政に関する一般質問を終わります。坂本区長及び中川教育長の前向きなご答弁に期待するとともに、議員各位のご清聴に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、高沢一基議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルの活用状況と活用方針についてのご質問であります。厚生労働省作成のマニュアルにつきましては、同省のホームページからダウンロードが可能でありまして、併せてリーフレットやポスターも印刷できるため、企業においても幅広く活用できる環境となっております。区内企業の皆様にも、本マニュアルを活用し、対策を講じていただきたいと考えておりまして、機会を捉えて周知を図っていきたいと考えています。
次は、消費者に対する啓発活動についてのご質問であります。区では、これまでカスタマーハラスメントとならないような上手な意見の伝え方について、広報いたばしや区のホームページにおいて、消費者に対して啓発を行ってまいりました。今後は、消費生活展のように、多くの消費者が集まる場所におきまして、カスタマーハラスメント問題のパネルを展示するなど、さらなる啓発活動を行っていきたいと考えています。
次は、休日に働く人々の負担を減らすために、休日保育の実施をとのご質問であります。現在、区内の認可保育所では休日保育を実施していないところでありますが、認可外保育施設において実施をしている例がございます。区立保育園での実施に向けましては、体制の整備や経費など、様々な課題を解決する必要があるものの、休日保育に対する一定のニーズがあることは理解しております。そのため、課題解決に向けた検討を進めるとともに、具体的な地域需要や利用頻度を把握するための調査を行っていきたいと考えています。
次は、とまらない東上線実現のために、ホームドア設置促進をとのご質問であります。ホームドアの設置・維持・更新には、多額の経費を要するところでありますが、その資金計画と整備の時期が示されたことによりまして、ホームドア設置の実現に近づいたと認識しています。区としまして、東武鉄道が示す区内全駅でのホームドア設置の進捗に注視しつつ、早期に実現するように要望を続けながら協議・調整を進めていきたいと考えています。
最後のご質問です。拉致問題に対する見解と啓発活動の強化についてのご質問であります。拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命・安全に関する重大な問題であり、何より基本的人権への侵害行為であると認識しています。区では、平成14年の日朝首脳会談から20年が経過して、なお抜本的な解決に至っていない中、被害者救出の声が風化しないよう意識啓発に努めることが責務であると考えています。来月の北朝鮮人権侵害問題啓発週間においては、区民の関心を高め、認識を深める一助となるよう、区役所1階で啓発動画の放映とパネル展示を行う予定であります。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、高沢一基議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、子どもたちが気軽に楽しめるように、校庭開放キャッチボール時間の拡充に関しまして、試験実施の評価についてのご質問ですが、午後1時から午後2時までのキャッチボールとサッカーの時間の試験実施では、多くの子どもたちの利用があり、ボールで遊べる場として認知されたものと認識しています。また、キャッチボール等の時間以外でも利用者が集中して混乱することなく安全が担保され、それぞれの時間ですみ分けた利用が行われ、適正であると評価をしております。
次に、許可時間の拡充についてのご質問ですが、子どもの遊び場では、試験実施を経て、本年度から48校で午後1時から午後2時までキャッチボール等の時間を導入し、大きく前進を図ったところであります。当遊び場には、幼児を連れた親子連れ等の利用も大変多く、様々な利用者の安全な利用を確保するため、今後もすみ分けによる利用を図ってまいりたいと考えております。
次に、拉致問題に関する事務連絡文書に対する教育長の見解についてのご質問ですが、拉致問題は我が国の主権及び国民の生命・安全に関する重大な問題であると認識しております。この問題を風化させることなく少しでも早く解決に導くためには、本件事務連絡文書にあるように、図書館や学校図書館において若い世代に対するさらなる理解促進を図ることが重要であると考えております。
次に、学校図書館に関する対応についてのご質問ですが、教育委員会では、本事務連絡を受け、北朝鮮人権侵害問題啓発週間において、家族の大切さや基本的人権等の指導に併せて、拉致問題にも触れるよう全校長へ伝えたところです。学校図書館におきましても、児童・生徒が拉致問題について考える契機とするため、ポスターやリーフレット等を活用したテーマ展示を行うよう区立学校へ働きかけてまいります。
最後に、区立図書館に関する対応についてのご質問ですが、区立図書館では、区の取組を発信するスペースにおいて、蔵書などを活用したテーマ展示を検討しているところです。区立図書館におきましても、拉致問題に関する図書資料の充実や展示を行うなど、児童・生徒や区民が資料を手に取りやすい環境の整備に努め、関心を高めてまいりたいと思います。
頂きました教育に関する質問の答弁は、以上でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 以上で、おばた健太郎議員、高沢一基議員の一般質問を終了いたします。
次は、自民党が行います。
初めに、
内田けんいちろう議員。
◆内田けんいちろう 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員)
内田けんいちろう議員。
〔
内田けんいちろう議員登壇〕(拍手する人あり)
◆内田けんいちろう 議員 自由民主党の内田けんいちろうです。通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
初めに、屋外における喫煙ルールについてです。
現在、板橋区では、地域の環境美化活動の一層の推進を図り、もって区民の良好な生活環境を確保することを目的として、エコポリス板橋クリーン条例を定めており、この条例では、飲食料容器やたばこの吸い殻等を投げ捨てること、路上禁煙地区において、道路上で喫煙することなどを禁止行為として定めています。また、路上禁煙地区として8地区が指定されていますが、その多くが人通りの多い駅前などが定められており、住宅街においてはそのようなルールがなく、分煙を求める住民からの相談が寄せられています。これは、近年、在宅ワークの普及、働き方の変化により、自宅に滞在する時間が増えていることも1つの要因なのだと考えます。これまでも議会において、喫煙所の整備や分煙マナーについては様々な議論がなされていますし、時間や費用がかかることですが、環境整備に向けて区として取り組んでいただけることには感謝しております。ただ一方で、吸う人も吸わない人も気持ちよく過ごせる環境のためには、一定のルールが必要で、そのルールは社会情勢によっても見直す必要があり、時代に合ったマナーの徹底や条例による呼びかけが大切だと考えます。また、朝の通勤時間帯は、子どもたちの通学時間帯と重なります。住宅街から駅までの道のりで歩きたばこをされている方、駅に向かう途中のコンビニエンスストア前で一服される方、子どもたちは、原則決められた通学路以外を選ぶことができない状況ですから、たばこの煙が子どもたちの健康に与える影響が心配です。当然私有地で喫煙されることは認められるべきものだと考えておりますが、現状のルールでは子どもたちの受動喫煙を防げていません。お尋ねします。エコポリス板橋クリーン条例では、喫煙ルールについて、当時どのような状況を想定して設定されたのでしょうか。また、通学路の通学時間帯においては禁煙にするなど、エコポリス板橋クリーン条例に、子どもたちの受動喫煙を避けるため配慮する旨、示すべきではないでしょうか。ルールは、社会情勢によっても見直す必要があり、時代に合ったマナーの徹底や条例による呼びかけが大切だと考えますが、区の見解をお示しください。
現在、歩きたばこ防止、ポイ捨て防止の対策として、路面へのペイント塗装を実施していただいていますが、残念ながらそれが何を表しているのか分かりづらい。歩きたばこ防止のペイントは、人が犬の散歩をしているように見えるとの声があります。伝わるデザインの再検討をしてはいかがでしょうか。また、ペイント塗装ではなく、より分かりやすく、また、滑り止め効果なども得られる路面シートがあります。路面シートは剥がれることもあり、その後の管理に手間がかかるため難しいとも聞いておりますが、一定期間経過して補修が必要になるのはペイントでも同様ですし、何より剥がれる可能性があることを踏まえても、より訴求効果が高いものがあるのであれば、路面シートの導入を検討すべきではないでしょうか、見解をお伺いします。
続いて、通学路の環境についてです。
現状、板橋区内には信号機のない横断歩道を渡る道を通学路としているケースがあります。信号機つきの横断歩道を渡る場合と比べ、信号機がない横断歩道では、当然交通事故のリスクが高まります。また、横断歩道近くの歩道には、樹木が生い茂って子どもの背丈を超えてしまい、見通しが悪く危険な箇所もあります。板橋区では、毎年区立小学校通学路安全点検を行っていただいていますが、検討したものの対応が難しい部分があるとも聞いています。各小学校から挙げられた危険箇所を安全合同点検した結果、対策が実行されるのはどの程度の割合なのでしょうか。また、対策の実行とならなかった危険箇所は、再度検討されることはないのでしょうか。改善できないのであれば通学路を変えるしかないと思いますが、一方で、通学路は学校で決めてそれ以外は通らないように指導していると聞いております。様々な理由により危険箇所を変えられないことはあるかと思いますが、危険と分かっていたところで事故が起こっていたとしたら、悔やんでも悔やみ切れません。通学路の安全点検に当たっては、各小学校でPTAや保護者などの学校関係者と通学路の安全点検を行い、それぞれの立場からご意見をお寄せいただいていると聞いております。通学路の安全点検に当たっては、こうしたご家庭の意見を大切にしていただくとともに、ご家庭で通学路の環境をより考えることができるような機会を設けてはいかがでしょうか。
続いて、小中学校におけるプログラミング教育についてです。
令和4年8月に行われた世界最大級の競技会、ファーストレゴリーグブラジル大会では、成増ヶ丘小学校の卒業生チームがイノベーション・プロジェクト・アワードという部門賞第2位に入賞しました。調査、分析、課題解決といった能力が世界で評価されたすばらしい成果だと思います。一方で、一人一台端末が配られ、授業で使用されていますが、学校によって活用内容に差が生じており、プログラミング教育にほとんど取り組めていない状況もあると聞いています。先日、私は、板橋区内の中学校を卒業した大学生と話をしました。彼は、約10年前、板橋区の中学校の技術家庭科の授業の中で、ブロックプログラミングのScratchとマイクロコンピューターを使った授業を受けていたと話してくれました。プログラミング教育をするためには、教えられる教師の人材不足と言われる中で、いち早く板橋区内でこういった授業を行っている先生がいることに私は驚き、当時授業を受けていたという技術科の先生とお会いし、お話を聞かせていただきました。先生は、技術家庭科の授業は、ものづくりを通じて課題解決を学ぶことで、ソフトを使って自己実現を図るものとおっしゃっていました。中学生の頃にScratchに触れるメリットはもちろんありますが、プログラミング的思考を身につけた上で、どうしたら課題解決できるかを考え、試し、さらに改善し、自らの手でPDCAサイクルを回していくことを中学生の頃に身につけてほしいという思いで授業をされていたということが分かりました。学習指導要領総則においても、情報活用能力を言語能力と同様に学習の基盤となる資質・能力と位置づけ、学校のICT環境整備とICTを活用した学習活動の充実に配慮することが明記されています。小学校においては、文字入力など基本的な操作を習得、新たにプログラミング的思考を育成し、中学校においては、技術科においてプログラミング、情報セキュリティに関する内容を学ぶと定められています。主に、プログラミング教育が進められない理由としては、教職員の人員不足と環境整備と言われています。教職員からすれば、新たに取り組まなければならないプログラミングという項目が増えたわけで、仕事が増えることがあっても減ることはないのが現状なのだと思います。区として全ての先生に向けたサポート体制を講じなければ、プログラミング教育を進めていくことは難しいのだと思います。現状のタブレット端末を使用した学習内容はどのようなもので、プログラミング教育はどの程度取り組むことができているのでしょうか。また、学校によって差がある現状への対策はどのように行われるのでしょうか。また、環境整備をしていく上でも、現場の生の声を聞いた上で整備することが必要なのだと思います。教職員からの話では、「学校のパソコンの使用は厳しく規制・制限されており、ソフトを活用する段階でも障害がある」「プログラムを作るという行為はパソコンへの悪影響を恐れてか、さらに規制や制限がかけられているので、授業づくりがやりづらくなっている」との声がありました。タブレットやChromebookは、遠隔授業などができてもコードづくりには不向きですし、パソコン室にあったSKYMENUなど、双方向に画面共有できるシステムがなくなったとも聞いています。これらの状況に鑑みると、教育現場で感じている課題が、管理者や教育行政において実態把握できていないのではないでしょうか。教職員の人員不足と環境整備について、区が調査を行い、現状把握を行い、必要な策を講じるべきだと考えますがいかがでしょうか。
続いて、ウィズコロナにおける区内の経済喚起策についてです。
先日、板橋のいっぴんがリニューアルされ、板橋のいっぴん64品が決まりました。区内から多くのいっぴんへの応募と投票があり、区民の皆さんの関心も非常に高いものであったと思います。一方で、募集の段階から審査基準が明確に示されておらず、投票や審査会があると示されていましたが、例えば、投票がどのように評価され、認定につながったのかは示されていませんでした。板橋のいっぴんですから、板橋のブランドをつくっていくものです。審査基準を明確にすることで、このたび応募された方や投票した方への信頼はもちろんのこと、これから先、板橋のいっぴんブランドに対する信頼が高まることは、板橋のいっぴんというブランドに触れる全ての方及び本事業そのものにとってもメリットが高まると考えます。お尋ねします。板橋のいっぴんはどのような基準で認定及び落選するのか、事前に示すべきではないでしょうか。板橋のいっぴん事業の今後の展望と併せてお示しください。
令和4年10月3日、いたばしPayの第1次募集が始まりました。しかし、募集上限に達しなかったことから令和4年10月31日より追加募集が行われました。私の下に、第1次募集の際に一度申し込んでしまったが、セット数を修正し、増やして申し込みたいと申し出たところ、事務局よりお断りの連絡を受けたという相談がありました。また、このたびのいたばしPayの仕様では、当選後チャージ期間が定められており、チャージしなければ自動的にキャンセルになる仕様でした。セット数を誤って多く申し込んだ場合にも、チャージ期間終了後まで実数が確定しません。スマホ一つで申請ができることは大変便利でしたが、誤って申込みをしてしまった場合にその場で修正できないのは不便であったと考えます。例えば、ご自身で入力ができずサポートを受けながら申し込んだ方からすれば、2次募集にもう一度申し込むことにはハードルがありますし、せっかく申込みの意思があった方も修正ができなかったことで、本事業に対する満足度が低下してしまったと推察されます。もし、システム上セット数の修正ができないとするのであれば、申込者からのキャンセル処理ができるような仕様にすべきであったと考えます。また、このたび第1弾で募集上限に達しなかったことの要因の一つは期間の短さにあると考えます。1次募集の申込み期間は令和4年10月3日から10月20日の18日間。チャージ期間は令和4年10月25日から11月6日の13日間でした。補助金や年度の都合で締切りが短くなっているのであれば、事前告知をより丁寧にすべきだったのではないでしょうか。板橋区はこの夏、東京都よりいたばしPayを活用したキャッシュレス決済の推進及び事業者支援が評価され、Tokyo区市町村DX賞のアイデア部門で第1位として選ばれました。いたばしPayは非常に将来性の高い事業なのだと考えております。このたびのいたばしPay事業の仕様についてと運用について、現段階での見解をお示しください。
以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、
内田けんいちろう議員の一般質問にお答えいたします。
最初に、喫煙ルールの想定についてのご質問であります。エコポリス板橋クリーン条例は平成10年に制定し、平成16年7月の改正から路上禁煙地区の指定を始めたところでございます。条例の制定に際しましては、環境美化活動の推進によりまして、区民の良好な生活環境の確保等を目的としております。また、路上禁煙地区の指定に際しましては、駅周辺の特に人が密集する場所における歩行中や自転車乗車中の迷惑喫煙の防止を主眼として実施をしているところでございます。
次は、通学路の通学時間帯における禁煙についてのご質問であります。通学路の範囲は大変広く、その周知が難しいことに加えまして、これを対象に条例の強化を行うためには、併せて指導員の配置や喫煙所の整備が必要と考えられることから、現段階においては困難なものと考えています。改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例、東京都子どもを受動喫煙から守る条例におきましては、受動喫煙が生じないよう周囲への配慮義務等が規定されておりまして、エコポリス板橋クリーン条例におきましても、公共の場所での歩行中や自転車乗車中は喫煙をしないよう、努力義務としているところであります。こうした条例等の周知をはじめ、喫煙ルールやマナーの徹底に引き続き取り組んでいきたいと考えています。
次は、喫煙者のルールやマナーの徹底についてのご質問であります。令和2年の改正健康増進法の施行以降、喫煙ルールやマナーに関する区民の意識の変化は十分認識をしております。区では、エコポリス板橋クリーン条例における路上禁煙地区に関しましては、最初の設定後、三度にわたり改正を行っておりまして、引き続き検討が必要と考えています。また喫煙ルールやマナーにつきましては、指導員の配置、駅頭キャンペーンの実施、路上ペイントや広報車両の巡回等により周知を図っておりますが、今後もより効果的な手法等を検討し周知徹底に取り組んでいきたいと考えます。
次は、路面ペイントのデザイン変更についてのご質問であります。路面ペイントにつきましては、業者委託により施工しておりますカラー版と区職員が施工する簡易的な白色版の2種類がございます。ご指摘の簡易的な白色版につきましては、デザインが単純化されていることから、分かりにくいという区民の意見も踏まえて、より分かりやすく防止効果の高いものとなるように検討していきたいと考えています。
次は、路面シートの導入についてのご質問であります。ご指摘のカラー版路面ペイントは、かつてはシート式でありましたが、経年劣化によりまして、滑る、または浮き上がってつまずく原因となることから除却する必要が生じたため、業者委託により施工するペイント式に変更したものであります。現在は、シート式につきましても、技術的な進歩により様々な商品が開発をされておりまして、区におきましても雨水桝専用のポイ捨て防止シートを今年度から導入したところでございます。啓発効果の向上を図り、選択肢の1つとして引き続き検討していきたいと考えています。
次は、板橋のいっぴんの認定基準と今後の展望についてのご質問であります。板橋のいっぴんは、区民投票の結果を参考数値としまして、審査会において、味や見た目、商品へのこだわりや独自性、地域への関わりや貢献度など、これらを総合的に評価し、商品を認定したところでございます。認定基準につきましては、募集要項に掲載をして、お申込みをいただく際には、確認した旨をチェックする仕組みとしておりましたが、若干分かりにくかったものと認識しています。今後は、無印良品板橋南町22におけるプロモーションや区施設での企画展示・即売会など、ブランドの向上と区内外における販路拡大の強化を目指していきたいと考えています。
最後のご質問です。いたばしPay事業の仕様と運用についてのご質問です。商店街振興組合連合会からは、いたばしPayには申込者がシステム上で申込み内容を修正できる機能はなかったものと聞いております。修正ができない旨は、事前にアプリ内の申込みフォームに記載をしておりましたが、結果的に追加需要に応えることができず、販売チャンスを一部逃したこととなりました。システムの修正には相応の負担が必要になるものと思われますが、今後の事業展開における課題の1つであると認識をしているところであります。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、
内田けんいちろう議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、通学路の安全点検の改善についてのご質問ですが、令和3年度の通学路安全点検結果では、合同点検実施箇所163か所のうち、対策の実施に至らなかったものは、検討中のものを含めて58か所であり、対策が実施された割合は約65%であります。対策の実施に至らなかった箇所につきましては、検討中のものを除き、対策の内容を見直し、再度合同点検を行うものも可能であります。
次に、通学路の環境を考える機会についてのご質問ですが、通学路の合同点検結果につきましては、これまで点検結果の一覧を作成し、区のホームページで公開してまいりました。教育委員会では本年度、点検箇所や点検結果を落とし込んだマップを作成・公開し、通学路の環境を知る情報を提供していきたいと考えております。併せて、今後もPTAや保護者の意見を汲み取りながら、通学路の安全点検を進めてまいりたいと考えております。
次に、プログラミング教育の現状及び学校格差への対策についてのご質問ですが、教育委員会では、学習指導要領で令和2年度より小学校で必修化されたプログラミング教育に対応するため、基本となる指導計画を作成し、指導に当たっているところです。授業では算数や理科、技術等の授業において、発達段階に合わせて一人一台端末を活用し、スクラッチ等のアプリを活用したプログラミング教育を実施しております。ご指摘のとおり、取組状況は学校ごとに異なりますが、指導事例の公開や実践研修の充実を図りつつ、必要に応じてキャラバン研修等を実施し、教員の指導力向上を図っていきたいと思います。
最後に、教職員の人材不足と環境整備についてのご質問ですが、ご指摘のとおり、学校の人員不足やICTをはじめとする環境整備は、児童・生徒への効果的な教育活動を実現するために、解決すべき大きな課題と認識しております。教育委員会では、これまでも教職員の勤務実態やICT機器活用状況をはじめとする調査を通じ、人材不足やICT環境等に関するさまざまな課題の把握に努めてまいりました。今後もこうした調査を適宜実施することで、現場の生の声を大切にしながら、正確に実態を把握し、課題解決に資する具体的な取組につなげてまいりたいと思います。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 次に、小野田みか議員。
◆小野田みか 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) 小野田みか議員。
〔小野田みか議員登壇〕(拍手する人あり)
◆小野田みか 議員 通告に従い、自由民主党議員団を代表して、私の一般質問を始めます。
女性活躍について質問させていただきます。
「元始、女性は太陽であった」、女性解放運動の先駆者として知られる明治時代の作家、平塚らいてうが、雑誌「青鞜」の出版に当たって、創刊号に寄せた発刊の辞の題名です。平塚らいてうさんは、私が通った日本女子大学の大先輩でもあり、明治時代、欧米でも男女の不平等が当たり前だった当初から、当時の社会通念である旧弊な性的役割分担を改善すべく、さまざまな活動を通じて時代を切り開いた方です。この文章は次のように続きます。「元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。今、女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く、病人のような蒼白い顔の月である」。明治、大正、昭和、平成と100年以上も経った今でも、いまだに女性の社会進出や仕事と家庭の両立が難しい現在の日本において、女性が本当に心身ともに自立をして生きるためには、当事者の女性自身がしっかりと自覚をすることをはじめとして、女性がリーダーシップや独創性を発揮できる環境づくりと周りの理解や根本的な意識改革が必要と考えております。板橋区にゆかりのある人物として、渋沢栄一さんがいらっしゃいます。女性が外に出ることが珍しい時代に、女性の教養の向上、子どもの学力向上、経済による国力向上を社会に浸透させ、日本の成長に大きな役割を担った方です。明治時代から先人の方々が骨身を削ってエネルギーを注いでこられた女性活躍について、令和の時代に大きく前進することを願って、この質問をさせていただきます。
まずは、ジェンダー平等についてお伺いさせていただきます。私が思うジェンダー平等の社会とは、性別に左右されることなく、自分の人生をデザインできることだと考えております。女性だから、男性だからという制約に縛られることなく、また、周りの圧力を気にせずに、一人ひとりがやりたいことを選んで自由に自分の人生を選択できることです。SDGs5番の目標である「ジェンダー平等を実現しよう」では、全ての女性や女の子が能力を最大限に発揮できる社会をつくる、全ての人が性別に関わらず平等に機会が与えられる社会をつくるという目標が掲げられています。そこで質問させていただきます。区内の女性の人口は、令和4年10月1日時点で29万628人と、全人口の半分以上を占めています。板橋区男女平等参画基本条例や、いたばしアクティブプラン2025の中でジェンダー平等の定義について記載されておりますが、この計画が絵に描いた餅にならないように、板橋区として区民の生活に根づいた計画である必要があると思っております。まず、条例の基本理念にある「男女が平等にさまざまな活動の方針決定の過程に参画する機会が確保されること」について、庁内の女性管理職の割合をいつまでに何%まで増やす予定ですか、お答えください。
たくさんの課題がある中で、板橋区内を含めて、社会全体でジェンダー平等がなかなか広がらない理由について、板橋区としてはどのようにお考えでしょうか。区として一番喫緊の課題だとお考えになられていることと、そのために現在どのような施策を行っているのか、お聞かせください。
今まで板橋区で行ってきたジェンダー平等の施策の中で、何が効果的だったと認識されていますか。区内で女性が活躍しやすい取組として、区民に貢献できたと思う事業について、具体的な事例があれば、数字も含めてお聞かせください。できるだけ具体的に分かりやすいご答弁をお願いいたします。
次に、アンコンシャス・バイアスについて質問させていただきます。アンコンシャス・バイアスとは無意識のうちに持っている偏見のことで、2000年頃から研究され始めました。これは誰もが持っているものであり、育った環境や文化の影響で無意識のうちに脳に刻まれています。バイアスの対象は、男女、人種、貧富などさまざまであり、個人によって異なります。社会心理学、認知・行動神経科学の研究から、潜在的バイアスが男女共同参画を推進する上で大きな妨げとなっていることが証明されているようです。よく引用される例としては、オーケストラの楽団員を採用する際、応募者と審査員の間に幕を張って応募者の性別が分からないようにしただけで、女性の採用率が大幅に高まったという研究結果があります。アンコンシャス・バイアスは完全に取り除くことはできませんが、バイアスを自覚することで、その影響を最小限にすることは可能なようです。ジェンダー平等には、さまざまな角度からの検討とアプローチが必要であり、目に見えない変化を求める部分であったり感じ方に個人差もあるため、大変結果が見えにくい事業だと思っております。板橋区では重点事業として、令和4年3月に作成された多様性の視点を踏まえた広報物作成ガイドラインがあり、ジェンダー平等について、区民が潜在的に持っていると思われるアンコンシャス・バイアスを払拭するための取組をされております。アンコンシャス・バイアスへアプローチする取組については、ジェンダー平等を考える上で大切な一歩を踏み出すためのすばらしい視点だと思いますので、この事業を高く評価いたします。そこで質問させていただきます。アンコンシャス・バイアスについて、将来的に段階を踏んでさらなる周知の拡大をしていただきたいと思いますが、今後の計画についてお聞かせください。
外資系の企業などでは、多様性を尊重した職場環境を整えるために、ディスカッションやロールプレイを通じて、それぞれが自分の持っているアンコンシャス・バイアスと向き合うためのセミナーや研修を取り入れたりしているそうです。板橋区でも、東京ヴェルディ・ベレーザ開幕戦会場における女性活躍推進イベントをはじめとして、さまざまな啓発セミナーを行われていることを認識しておりますが、さらに踏み込んだお取組を行っていただきたいと思っております。専門家や講師を呼んでディスカッションやロールプレイをするなど、アンコンシャス・バイアスについての気づきを得るために、新しい取組をしてみてはいかがでしょうか。お答えください。また、このようなセミナーについては、さらに多くの方々に向けて提案をすることも考えていただきたいと思っております。例えば区が主催となり、区内の企業や団体向け、併せて区の職員の皆様に呼びかけて、定期的にセミナーを開催することなどは、ジェンダー平等への意識が広がりを持ち、いずれは社会の変化につながるきっかけづくりになるであろうと思います。このようなお取組について、区はどのようにお考えでしょうか。お答えください。
アクティブプラン2025の重点事業の中で、幼稚園、小学校、中学校での意識啓発としてツールを作成しており、完成したら区内の学校と連携をして配付することを考えていると伺っております。ジェンダーに敏感な視点を定着させるために、教育・学習の果たす役割は大きいと思います。現在は啓発ツールの作成中と伺っておりますが、ツールができたら、配付をするだけではなく、例えば道徳の授業を利用するなど、ぜひ学校教育の中でも取り扱っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。アンコンシャス・バイアスへの取組は、性別のみならず、年齢、職業、人種などそれぞれの違いを肯定的に受け入れ、尊重し合える文化の醸成に大きな役割を担うと思いますので、今後はさらに力を入れていっていただきたいと思います。
次に、ハラスメント対策について質問させていただきます。女性が活躍しやすい世の中にするためには、国の最新のハラスメントに関する情報を区民に分かりやすく共有し、男女問わず安心して就労するための区民サービスを提供することが求められていると思います。先日、以前勤めていた会社の同僚から、パワハラ、セクハラ、そしてモラハラの相談を受けたため、現在の国のハラスメント対策について調べてみましたところ、私が会社で働いていた十数年前と比べて、以前よりも社会的に大きく問題視をされており、同時にハラスメント防止に関する法律の整備も迅速に進められていることが分かりました。ハラスメントを受けている人の中で、約75%が相談できないで悩んでいるというデータがあります。男女に関わらず、理不尽なことを言われたり、されたりしても、反抗すると解雇をされ職を失うかもしれない、弁護士に相談するには多額の費用がかかるかもしれないなどという心配や恐れから、何も行動せずに泣き寝入りをしてしまう方がたくさんいらっしゃる現状があるのではないかと思っております。これだけ国の支援が広がっても、周知の徹底が追いつかず、今でも一人で悩んでいる方がたくさんいるであろうことはとても残念なことであります。板橋区でもスピード感を持って国の制度の要約をして、分かりやすい説明や丁寧な相談を行うべきだと強く思っています。そこで質問をさせていただきます。まずは、現状から確認させていただきます。区民が勤務先などでハラスメントを受けて悩んでいるときに、区には相談窓口がございますか。現在区として相談を受けたときに、どのような対応をされていますか。お答えください。
厚生労働省が今年の4月に定めた個別労働関係紛争解決促進法では、中小企業も対象にパワハラ防止策が義務化され、令和2年6月に施行された労働施策総合推進法では、紛争解決・援助及び調停を無料で行っていただけるなど、労働者の気持ちに寄り添った法律ができています。しかし、国や都のホームページを検索したところ、なかなか一括で分かりやすい情報がなく、結果、私の場合は、厚生労働省に直接問い合わせて、やっと必要な情報を入手することができました。被害者が相談をする際に、一歩踏みとどまる理由となりそうな上司との関係や不当解雇の心配、名前の公表、弁護士の費用、ハラスメントの改善策として具体的に何をしてくれるのかなど、調べた結果、国ではさまざまな状況への対応が大変充実していることが分かりました。国の支援が充実してきているにもかかわらず、周知の徹底や新しい情報の更新が追いつかなかったりすることは、とても残念なことだと思いました。この情報を知ることで救われる方がたくさんいらっしゃると思います。そこで質問させていただきます。職場におけるハラスメントは、パワハラ、セクハラ、モラハラ、マタハラなど、多岐にわたる内容が複合的に生じることが想定されているため、これらについて一元的な相談窓口や情報があることで、働く女性を含めた多くの方の安心につながると思います。潜在的に相談できない方がたくさんいるという情報からも、ハラスメントについて相談しやすい体制を、区民に一番身近な自治体である区で取り組むことが親切なサービスであると考えております。ぜひ既存の国のサービスの内容をチラシやホームページ、区の窓口などで分かりやすく紹介していただきたいと思いますがいかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
教育の充実を図る中で、人権侵害についてや、さまざまなハラスメント対策を推進することも必要だと思います。そこで質問させていただきます。10代の子どもたちや若い世代に対して、教育の一環としてハラスメントについて説明をすることも大切だと思います。何がハラスメントに当たるのか、ハラスメントが起こった場合はどこに相談すればいいか、また、行政はどのような支援をしてくれるかということを早いうちから知識として知っておくことが、これからの人生の中で役立つのではないでしょうか。もしかしたら、アルバイトや家族間での問題に対しても、知識を持っていることで役に立つかもしれません。若い世代のハラスメント対策として、学校の授業やチラシ、パンフレット、またはタブレットの中に情報として入れるお取組をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。働き世代をはじめとした多くの区民の皆様が、心身ともに健康で日々の生活を心穏やかに楽しく暮らせるように、ぜひハラスメント対策について、もう少し力を入れていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、女性の健康について質問させていただきます。女性と男性では体の悩みが異なります。男女が互いに心地よく生活するためには、女性や男性特有の悩みを正しく知ることが大切です。女性の体は、生涯を通じて女性ホルモンの影響を受けて大きく変化するため、ライフステージによって、かかりやすい病気や症状が違ってきます。女性が社会で健康に活躍するためには、職場全体で女性の体に関する理解・支援が欠かせません。女性特有の健康課題を認識していただき、希望するときに休暇や時短勤務などが取りやすい環境の整備をしたり、子宮頸がん検診や乳がん検診の受診をしやすくするなど、制度やサポート体制を整えていくことも必要とされています。他自治体でこのような取組を行った結果、今まで周囲に話しづらかったホルモンからくる体の不調について理解をしていただくことで、気持ちが楽になったという感想もあるようです。施策を通じて、職場で一緒に仕事をする男性に、女性従業員の健康への理解を深めていただきたいと思います。そこで質問させていただきます。私の周りの女性の話を聞いていると、生理だけではなく、生理前のPMSで悩まされている方がたくさんいらっしゃいます。ひどいときには、数日頭痛と吐き気で動けなくなることもあります。現在板橋区では、生理休暇の取得が可能になっていると思いますが、それだけではなくPMSの休暇も取得できるようにしてみてはいかがでしょうか。また、不妊治療についての休暇も、女性だけではなく、男女ともに取得できるようにしてはいかがでしょうか。お答えください。
板橋区では、不妊治療の休暇について、出生サポート休暇という名称をつけています。他自治体の例として、名称から来るストレスを軽減し、取得申請をしやすくするため、不妊治療のための休暇についてはライフサポート休暇などの名称をつけているところもあるようです。もし板橋区でも、PMSや、そのほか配慮が必要な休暇の取得が可能となった場合には、例えば職員の方から募集をするなどして、休暇の名称について工夫をすることを検討してみてはいかがでしょうか。お答えください。
家族やパートナーに女性の健康について理解をしてもらうために、例えば、区で生理痛や更年期障がいのセルフチェックを作ってみたり、体調が優れないときには、男性にゆっくり話を聞いてもらったり、いつもよりも積極的に家事を行っていただくことが大事だということを伝えるために、女性の体に関する男性の理解を深めるためのパンフレットを作成してみてはいかがでしょうか。お答えください。
2月の予算総括で質問させていただきました人権、ジェンダー平等、人間関係などの視点に基づいて作られた包括的性教育について、早速11月のICityで取り上げていただき、ありがとうございます。今後はセミナーなども開催する予定と伺っておりますが、ぜひ小中学校での性教育にも取り入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。ぜひこのような施策を通じて、女性の健康への理解を深めていただきたいと思っております。
次に、女性のデジタル人材についての質問をさせていただきます。内閣府男女共同参画局では、女性のデジタル人材育成プランをつくり、今年、令和4年4月26日に会議決定いたしました。比較的報酬の高いデジタル分野では女性の就労者が少なく、今後さらなる需要が見込めるこの分野において、コロナ禍で明るみに出た厳しい状況にある非正規雇用の女性の就業獲得や所得向上に向けて、就労に直結するデジタルスキルを身につけることで経済的自立を促す試みです。経済産業省は、2030年にはデジタル人材が最大79万人不足すると試算をしていることなどがあり、このプランで、育児・介護などでフルタイムの仕事ができない女性も柔軟な働き方でデジタル就労ができる環境が整備されようとしています。例えば、長野県塩尻市では、女性がデジタル技術を身につけてから、公社が仕事を分割して、テレワーカーと呼ばれる登録者へ委託をするスタイルをとっています。OJT、On the Job Trainingで働きながら指導を受け、スキルを身につけることができることも魅力の一つで、後に地域企業の就職につながるというメリットがあります。そのほか、兵庫県豊岡市では、子育て中の女性など潜在的労働力の掘り起こしのため、コロナ禍で高まりつつあるデジタルマーケティングに対応して、基礎から実践までを習得できるセミナーを実施し、就職、起業、販路拡大などの出口戦略にもつながるという結果を得ています。そこで質問させていただきます。国ではこのような事業を開始しており、官民連携の取組として、全国各地域の自治体や企業などに対して周知啓発を積極的に行っているようです。板橋区でもぜひこの流れに乗って、区内の就労意欲のある女性が無理なくデジタル技術を身につけて、自分のペースで生き生きと仕事ができる仕組みづくりをしていただきたいと思っております。既に区では、企業活性化センターでオンラインによるさまざまなセミナーの開催やPC教室、産業振興公社でITパスポートなどのお取組をされており、リモートで開催することで女性の参加者が増えたことなどについては時流に乗ったお取組であり、大変評価するところでございます。しかし、女性のライフスタイルや需要に配慮した仕組み、所得の向上、就労につなげることを目的とした事業にするためには、あともう一歩、女性の視点に特化をした展開をご検討いただきたいと思っております。民間企業やほかの自治体のノウハウを参考にして、板橋区でも女性のデジタル人材育成を進めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
国はスタートアップを推奨しており、板橋でも板橋区創業支援などの事業を通じて、女性がデジタルスキルを身につけることで、起業しやすいシステムをつくっていくことも必要なのではないかと思っております。例えば、デジタルマーケティングスキル研修を受けた人材が、DXを使って区内の中小企業のインフラ整備をしたり、製品をインターネット上で販売できる販路を広げるお手伝いをしたり、行政が仲介をして、区内の産業活性化にも役立てることが可能と思います。既存の取組をうまく使いながら、女性が起業しやすくなるような仕組みをつくってみてはいかがでしょうか。ぜひ積極的に考えていただきたいと思います。区の見解をお聞かせください。
最後に、若い女性のデジタル人材育成について質問させていただきます。女子学生がプログラミングに興味を持つ機会を提供したり、インターンを通してITに興味を持つためのきっかけづくりとして、女子学生向けコーディングコース、アプリ開発、企業と連携をしたコンペなどを開催することも考えられます。ITスキルをつけることで、さまざまなライフイベントに合わせた柔軟な人生設計を可能にし、これからの若い世代の女性が将来自立をして生活する助けになるかもしれません。女子学生がスキルを身につけられるプログラムや研修の実施も、ぜひご検討いただきたいと思います。これについて、区ではどのようなことができますでしょうか。お答えください。
次に、男性の家事・育児について質問をさせていただきます。国では、男性にとっての男女共同参画を効果的に推進するための方策を検討するために、男性自身が持っている固定的な性別役割分担意識について調査をするためのアンケートを行いました。このアンケート結果からは、特に既婚男性が、男女の関係性において重要事項を決めるのは男性であるという性別的役割志向が強いことが分かりました。また、この結果は夫の収入が高いと強まり、妻の収入が高いと弱まる傾向が見られることも分かりました。性別的役割分担には、収入との関連が強く見られます。また、家事は主に妻にしてほしいというような役割の期待を男性の5割が抱いているとのことです。そのほかに、男性は悩み相談や弱音などプライベートな感情を見せない傾向が年齢が高くなるほど強く、低くなるほど弱くなるといった結果が出ていました。男性の自殺者の主な理由の一つとして、家計を支えなければいけないというプレッシャーがあることを考えると、男女共同参画推進が進むほど、男性にとっても生きやすい社会の実現が近づくのではないかと思っております。板橋区でも、児童館で年に2回「パパと一緒にあそぼう!」という企画を実施されております。男性の育児参加を促進する事業として評価いたします。他自治体の事例としては、静岡県で「オトコのしゃべり場 心和みカフェ」と名づけて、悩んだり迷ったりしたときに相談できずにストレスを溜めてしまいがちな男性が、お茶を飲みながら男同士で語り合える機会を定期的に持つためのセミナーを開催しています。セミナー参加後には、日頃の心の重りを軽くできたという結果が出て、この事業は、男はかくあるべきという固定化された考え方を切り替えるために効果的な取組として評価を得ているようです。そこで質問させていただきます。ふだんあまり人に相談をしたりする習慣のない男性が、誰にも話せないような悩みや相談ができ、精神的に安らげる機会をつくることも大切だと思います。ふだん女性の悩み相談などはさまざまな自治体で行っていますが、男性が気軽に相談できるようなきっかけづくりとしてのこういった取組もぜひ実践していただきたいと思いますが、区ではどのようにお考えでしょうか。区の見解をお聞かせください。
そのほか、北海道の芽室町では、子育て中の父親を対象として、めむろ「パパ・スイッチ事業」を展開しています。もともと芽室町は子育てに優しいまちづくりをまちづくりの柱に挙げてきましたが、子育ての主な担い手が母親であるという実態に変わりはなく、父親の支援がなかなか得られないという母親の声が絶えなかったようです。そこで、子育てに父親を巻き込むために、仕掛けとしてこの事業を行ったとのことです。内容としては、父親交流サイトを開設・運営し、交流会、例会やオフ会の開催、講演会やフォーラムの開催などを通じて、同じ立場の父親同士がコミュニケーションする機会をつくるというものです。そこで質問させていただきます。芽室町の事例を参考に、男性の育児を進める新しい取組として、父親同士が子育てが楽しい、父親であることことを楽しもうという発想を得られるように、育児について定期的に話せる機会をつくる取組をしてみてはいかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
次に、アライシップについて質問させていただきます。今後、本当の意味で男女平等参画社会を推進し、実現するために、板橋区での男女平等に向けた考え方や方向性、SDGsのジェンダー平等を含めて、具体的な支援の形などについてお伺いをしたいと思います。アライシップとは、例えばピラミッド型組織の中で、管理職など力のある方が部下と会話をし、話を聞き、理解して関わり続けることで、自分の力、影響力などを使って、影響力の弱い人たちにも声を上げるチャンスをつくり、支援し、寄り添うこと、今までトップダウンだった社会から、よりフラットな状態に向かうための技術・方法だと私は認識しております。これによって、ジェンダーやダイバーシティ&インクルージョンについての変化を生み出し、アライシップが女性活躍を含めたインクルーシブな社会を後押しするきっかけになると考えております。例えば渋谷区では、既に庁内のジェンダー平等に向けた取組の中で、ちがいをちからに変える人材活躍支援アクションプランを策定し、庁内の職員一人ひとりがアライとして、全員参加の地域社会づくりを目指していると明記しています。そこで質問させていただきます。アライシップにより、女性を含めたインクルーシブな社会に向けた取組がさらに推進されると思っております。板橋区でもアライシップの考え方を積極的に取り入れていただき、まずは庁内でこのような取組をすることも有効だと思いますがいかがでしょうか。また、区としてアライシップをどのように捉えるのか、定義を整理してから、アライについての考え方を次期計画に取り入れていただくこともご検討いただきたいと思っておりますがいかがでしょうか。お答えください。
現在、会社員の過半数がミレニアム世代か、それよりも若い世代となってきており、働き手の価値観の変化に伴い、求められているリーダーシップも変わってきていると思います。昭和の日本は男性がリードをしてつくってきた傾向が強いですが、これから求められるリーダーや環境はよりフラットになり、性別に関係なく、適材適所で能力のある人が組織を引っ張っていくことになるであろうと想定しています。そこで質問させていただきます。今後、さらにダイバーシティ&インクルージョンを推進し、女性が活躍しやすい社会をつくるには、一体どのようにアライシップを実践できるかを検討することも必要です。例えば、次期計画をつくるに当たって、まずは区でアライシップの定義づけをする必要があります。そのためには、専門家やLGBTの方、働いている女性や学生など、さまざまな立場の方々に議論していただき、その中での意見を取り入れたり、どういったことが実践できるかについて話し合う場を設けたりすることも、現状に合わせた取組につながると思っております。さまざまな立場の方を巻き込むことで、多角的な意見や視点を取り込めるので、ぜひアライシップについて話し合う場についてご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。アライシップの実践については、アライの定義をしっかりと話し合った上で、事業として具体的にどのように落とし込んでいくのかについて考えていくことが必要だと思います。
現在三、四割の女性が会議で発言中に話を遮られたり、私語を始められたり、意見を即座に却下されたり、無視されるなどの経験をしたことがあるというデータがございます。女性がさまざまなシチュエーションにおいて発言しやすい環境づくりに向けた取組として、例えばリスペクトのない態度による被害を受けた女性の気持ちを理解・サポートし、どうすればこういった状況を改善できるかをみんなで話し合い、その上でルールやマナーをつくることも効果的にアライシップを実践することにつながると思います。インクルージョンの視点から、誰もが気持ちよく仕事をしたり会議に出席できるようにするために、区内の企業や団体、庁内でこのような形でのマナーやルールづくりに協力をしていただくことも考えられます。一見とても基本的なことに見えますが、単なるビジネスマナーにとどまらない視点で、区ができることについてお聞かせください。組織の在り方が変われば、求められるリーダーシップも変わります。現状では管理職の多くが男性ですので、リーダーとなる男性がアライとして積極的に女性を支援し、職場にダイバーシティと平等をもたらしていただきたいと思っております。また、自分には無関係だという考え方を改め、影響力のある立場にいる方々が積極的に自分自身の意識を変えていくことで、周りにいい影響を及ぼしていただきたいと思っております。
次に、ウェルビーイングについて質問させていただきます。今までの日本の社会は、経済指標中心の政策が原理原則でありましたが、コロナの影響もあり、これからの時代に必要なものは、人間が幸せになるためにはという視点で、物やお金よりも人や個人に焦点が当たるようになってきているのではないかと思います。今までの体制が少しずつ変化し、誰もがなりたいものになったり、やりたいことが自由にできる社会に向けた制度や基盤づくりをすることは政治の役目だと思っております。女性のウェルビーイングについて焦点を当てた取組も、区政に新しい風を取り入れるきっかけになるかもしれません。取組といっても、まだあまり進んでいない分野ですので、まずは区民の協力を得てどのように始められるかを検討することから開始してみてはいかがでしょうか。そこで質問させていただきます。民間企業では学生のアイデアを募集して、若い視点を取り込んだ新しい事業を展開しています。これに発想を得て、板橋区でも区内の学生の皆様と一緒に、女性のウェルビーイングについて、今板橋でできることなどのテーマでアイデアを募集してみることも考えられると思います。事業をすること自体が啓発につながると思いますが、このような取組についてはどのようにお考えでしょうか。区の見解をお聞かせください。
女性のライフステージにおけるさまざまな課題に配慮し、解決できる製品やサービスを提供するマーケットであるフェムテックが近頃、脚光を浴びております。フェムテックとは、FemaleとTechnologyを合わせた造語です。ジェンダー平等の視点からも大変注目をされている分野で、今後大きな市場になるとも言われております。そこで質問させていただきます。フェムテックは新しい業界なのでスタートアップ企業も多く、女性が起業しやすい業界です。板橋区では起業家への家賃助成の事業を行っておりますが、例えば女性のウェルビーイングに関する事業内容で起業を志す人のために、創業支援事業をするなどご検討をされてみてはいかがでしょうか。女性の起業家の増加や女性のウェルビーイングの推進など相乗効果もあると思います。区の見解をお聞かせください。
荒川区では、誰もが幸福を実感できる地域社会を目指して、グロスアラカワハッピネスというシステムを取り入れています。基本構想における区の将来像を幸福実感都市として区民の幸福度を測る指標の調査研究も行っているようです。板橋区でも、区民一人ひとりが真に幸福を実感できるまちを目指して、誰もが幸福を実感できる板橋、例えば、IGH、イタバシグロスハッピネスなど、誰もがその人らしく幸せを感じられるまちづくりへの取組についてぜひ今後審議をした上で、区の将来像に据えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
これで私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、小野田みか議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、庁内の女性管理職の割合についてのご質問であります。区における女性管理職の比率向上は、第4期板橋区特定事業主行動計画における指標の一つであり、令和6年度までに24%とすることを目標値としております。
次に、ジェンダー平等社会が実現しにくい理由と現在の取組についてのご質問であります。ジェンダー平等社会の実現が道半ばなのは、組織の方針決定に参画できる女性の人数の割合が増えても、女性の意見を無意識に排除したり、固定的な性別役割分担の意識が根強く残っていることにあると考えています。喫緊の課題は社会全体において方針決定に参画する女性の数をもう一段増やすこともございますが、ライフステージに応じた意識啓発の強化を図ることが最も必要であると認識しています。そのため、幼少期や学齢期の児童・生徒へのアプローチと成人期やシニア層を対象に、ジェンダー平等をテーマにしたセミナーや講座の実施に重きを置いて展開をしたいと考えております。
次は、ジェンダー平等に効果的であった施策についてのご質問であります。即効性は期待できないまでも、着実に歩を進める取組としましては、いたばしgood balance推進企業の表彰や、保育士、教職員への研修の充実、中学生の子育て体験授業などが挙げられます。こうした取組を含めたいたばしアクティブプランに掲げる施策の成果として、職場で男女の地位は平等になっていると考える区民の割合が着実に増加しているとともに、男は仕事、女は家庭という役割分担の考え方について、そう思わない区立中学生の割合が77%に達しているところであります。
次は、アンコンシャス・バイアスの周知拡大についてのご質問であります。ご紹介いただきました多様性の視点を踏まえた広報物作成ガイドラインは、職員報により全職員へ周知を図るとともに、新任職員や管理職研修などにおいて活用しているところでございます。また、ホームページの掲載や、毎年6月の男女共同参画週間における啓発展示により、固定的な性別役割分担の意識解消に取り組んでいるところであります。今後も人々の理解度に応じて、セミナーや講座の内容や実施手法に工夫を凝らしながら、アンコンシャス・バイアスの認知度や理解の向上に努め、意識改革と行動変容につなげていきたいと考えています。
次は、区民への新たな啓発についてのご質問であります。ジェンダー平等や排除せず受け入れるというインクルージョン文化の定着には、区民一人ひとりが自身の持つ無意識の偏見や固定概念に気づき、向き合い、考え方や行動を見直していくことが必要であると考えます。区ではこれまで、アンコンシャス・バイアスに関するセミナーの開催や、多様性の視点を踏まえた広報物作成ガイドラインの活用や周知などにより、啓発を行ってまいりました。アンコンシャス・バイアスは、ジェンダー平等に対する障壁の一つと言われていることから、今後さらに踏み込んだ取組としまして、議員ご提案の手法などを盛り込んだセミナー開催について検討していきたいと考えています。
次は、区内企業や区職員への啓発についてのご質問であります。働く人それぞれが自らの抱える無意識の偏見に気づき、考え方や行動を見直していくことは、気持ちよく働ける職場づくりにつながり、ひいては生産性の向上などのダイバーシティ経営の実践に近づくものと認識しています。議論や役割演技などを盛り込んだ参加体験型セミナーの開催の際には、事業所や団体向けのカリキュラムにつきましても検討していきたいと思います。また、セミナーには、管理職をはじめ区職員にも広く参加を呼びかけるとともに、職員研修としても取り入れられないか検討を進めていきたいと考えています。
次は、会社におけるハラスメントに係る相談窓口及び対応についてのご質問であります。区民が会社におけるハラスメントを受けた際には、区に直接的な相談を受ける窓口は設けていないところでございます。ご相談があった際には、解決の一助となるように東京都労働相談情報センター池袋事務所のほか、厚生労働省東京労働局、区民相談室の法律相談など、これらをご紹介しております。
次は、ハラスメント相談窓口の周知についてのご質問であります。職場におけるハラスメントの相談窓口としましては、各都道府県の労働局や労働基準監督署に総合労働相談コーナーが設置されております。総合労働相談コーナーでは、ハラスメントを含めたさまざまな労働問題に関しまして、面談や電話での相談を受け付けているところであります。厚生労働省においては、「あかるい職場応援団」というホームページやSNSにより周知を行っておりますが、区におきましても分かりやすいように周知を図っていきたいと考えています。
次は、月経前症候群、PMS休暇についてのご質問であります。女性職員が安心して職務に専念できるよう、女性特有の健康課題を解決していくことは、区全体の区民サービスの向上にもつながるものと考えています。PMSによる就業困難な職員の休暇を検討する場合において、現行の生理休暇の対象拡大が考えられますが、現時点におきましては喫緊の課題として対応する予定はないところであります。一方で、PMSによりまして健康状態が阻害されている職員も想定されることから、国や近隣自治体等の状況や社会情勢に注視し、今後の対応を検討していきたいと考えています。なお、不妊治療のための休暇は、男性・女性を問わず取得が可能となっております。
次は、休暇の名称への配慮についてのご質問であります。令和4年4月1日に、不妊治療に係る休暇として出生サポート休暇を創設いたしましたが、休暇取得の際の精神的なストレスに配慮いたしまして、不妊治療という単語は使わない名称といたしました。今後も新たな休暇制度を創設する際には、名称を理由に休暇取得をちゅうちょすることがないように、当事者や有識者の意見を踏まえて検討していきたいと考えています。
次は、男性に対する啓発についてのご質問です。区では、女性の健康への正しい知識を普及させるため、今年度より区公式Twitterを活用した情報発信に着手をしております。また、区内に所在する大学の学園祭で実施いたしました女性の健康に関するパネル展においては、男子学生から感想や意見を伺う機会となるなど、理解促進に役立ったものと考えています。女性の健康に関する普及啓発につきましては、資料の研究・見直しに努めながら、イベントやがん検診の周知の場を活用して、男性の理解を深めていきたいと考えています。
次は、女性のデジタル人材の育成についてのご質問であります。区では、企業活性化センターにおけるセミナーや産業振興公社によるITパスポート資格取得講座に加えまして、今年度は、公益財団法人東京しごと財団との共催による女性再就職サポートプログラムを実施しております。女性再就職サポートプログラムにおいては、5日間の日程の中に基礎的なパソコン講座を含めるなど、デジタル人材を育成するプログラムとなっております。東京都におきましても、女性向けのデジタル・ビジネススキル習得訓練やテレワーク普及事業などを実施しておりまして、各方面から女性の活躍をサポートしているところでございます。
次は、女性の起業支援についてのご質問です。現在、起業や創業を目指す方に対しましては、起業のための基礎知識等を習得するための実践型創業マスタースクールや、中小企業診断士による創業相談をはじめ、女性のための起業家入門講座などを実施しております。企業活性化センターの創業支援ネットワークにおいては、産学公に加え金融、専門家による支援が得られ、産業振興公社においては、企業サポートコーディネーターによるマッチングを行っております。起業や創業を目指す女性にも、これらの制度を積極的に活用していただきたいと考えております。
次は、女子学生のデジタルスキルの習得についてのご質問であります。毎年、小学生を対象とした子どもIT起業塾を開催しておりまして、今年の夏休みにも、会場となりました中央図書館において、多くの子どもたちがプログラミングを体験いたしました。本年4月に包括連携協定を締結いたしましたクラーク記念国際高等学校、CLARK NEXT Tokyoにおいては、区立中学生を対象としたeスポーツ大会を12月に開催する予定でありまして、デジタル環境に触れるよい機会であると考えています。既に小学校ではプログラミング教育が必修となっておりまして、これまで以上に女子学生がSEやプログラマーなどの技術職に興味を持っていただけることを期待しているところでございます。
次は、男性同士で悩み等を語り合えるセミナーの実施についてのご質問であります。区では毎年7月から月1回のペースで、誰もが気軽に集まって自由な会話や悩みの相談、情報交換などをしながら、ほっこりとした時間を過ごしてもらうIサロンを実施しております。男性に特化した悩みの相談、語り合いの場の創出は、現在実施しております男女平等参画社会に関する講座など、既存の取組の活用も視野に、その方法について検討していきたいと考えています。なお、夫婦や親子などの家族関係への悩みや相談につきましては、引き続き専門相談員を配置した男女平等推進センターの総合相談で対応していきたいと考えています。
次は、男性の育児参加を促進する事業についてのご質問です。男性の育児参加を促進するため、育児に関する知識や実践的なスキルを学び、育児に関わるきっかけを提供するさまざまな取組を展開しております。その一つに、児童館で実施する「パパと一緒にあそぼう!」がありまして、親子遊びの楽しさや大切さを学ぶとともに、座談会を開催し、父親同士が語り合い、共感できる機会を設けているところでございます。最近は男性の育児休業の取得が増えてきまして、父親同士の交流を求めて児童館を訪れる男性が増加しておりまして、男性の育児参加を促進する新たな取組を検討していきたいと考えています。
次は、アライシップの概念の整備と次期計画への反映についてのご質問であります。アクティブプラン2025では、ジェンダー平等による共生社会、暴力のない安心・安全社会に加えて、多様性を生かし合う成長社会を掲げておりまして、女性活躍とそれを受け入れるインクルージョンを大きな柱立てとしております。その実現には意識改革と行動変容が必要であり、インクルージョンを阻害する無意識の偏見を解消するアライシップの考え方は、当然、現計画にも取り入れておりまして、庁内向けの情報発信や研修でも取り上げているところでございます。次期計画においてはアライシップの概念と位置づけを明文化し、インクルージョンの職場への一層の浸透に努めていきたいと考えています。
次は、話し合いの場の設定についてのご質問であります。いたばしアクティブプランを策定する際には、区民の意識・実態調査やパブリックコメントの実施、男女平等参画審議会での審議など、多様な区民の意見を反映しております。アライシップの考え方については現計画にも取り入れているところではありますが、当然のこととして、あえて明文化はしなかったところでありましたが、今後の社会情勢や女性活躍の状況なども加味しながら、次期計画には詳しい説明を記載したいと考えています。また、実践の訓練としましては、男女平等参画の講座だけではなく、会議の進め方や効率的な仕事など、業務スキル向上に関するセミナーや研修でも取り上げるべきものと考えておりまして、ご提案いただきました内容については参考にさせていただきたいと考えています。
次は、誰もが気持ちよく仕事をするためのマナーやルールの設定と公表についてのご質問であります。みんなが気持ちよく仕事に取り組み、また発言ができるなど、誰もが能力を発揮できる組織づくりは、組織の活性化や成長、ひいては女性活躍社会に向けた出発点であると認識しています。アライシップを理解し、他者の話を遮らないといったルールやマナーは、区民一人ひとりや各組織が自ら考えて取り組んでいくことが肝要であると考えます。区は、より多くの方の理解促進や意識改革、行動変容につながるように、考えや行動例などについて積極的に情報発信を図っていきたいと考えています。
次は、ウェルビーイングに関連いたしまして、アイデアコンテストの実施についてのご質問であります。ウェルビーイングとは、身体、精神、社会の全ての面において健康で幸福な状態を表す概念でありまして、その実現には多岐にわたる領域でのさまざまな取組が必要となると認識しています。区では現在、アンコンシャス・バイアスの解消や女性の再就職支援、家庭生活と社会参画の両立に向けた環境整備など、ジェンダー平等に向けた取組を進め、女性を含む全ての人が自分の望む選択ができ、活躍できる社会を目指しているところでございます。ご提案のアイデア募集につきましては、区が新たなアイデアを得る機会となり、区民の啓発、意識向上にもつながる取組であるため、今後の研究課題とさせていただきたいと考えています。
次は、女性のウェルビーイングに取り組む起業家への支援についてのご質問であります。ご指摘のとおり、創業間もない事業者に対して賃料の一部を助成するベンチャー企業・起業家支援賃料補助金事業を実施しておりまして、女性のウェルビーイングに関する企業も条件が整えば、補助対象となるものと考えています。区では創業に関するセミナーや創業相談も行っておりまして、女性のウェルビーイングに関しまして、創業を目指す事業者も積極的にそれらの制度を利用していただきたいと考えています。
最後になります。幸福を実感できるまちと区の将来像についてのご質問です。ウェルビーイングにつきましては、国において、満足度・生活の質に関する調査が実施され、関係省庁の連絡会議が設置されるなど、検討が進んでいると認識しています。国の動向に注視しながら、次の基本構想・基本計画の策定に向けまして、区の施策効果を反映し、広く区民が幸福を実感できる適切な指標の設定について検討していきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、小野田みか議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
アンコンシャス・バイアスに関しまして、啓発ツールの活用についてのご質問ですが、アンコンシャス・バイアスは環境や経験を通してつくられるもののため、幼少期の早い時期から、ジェンダーに対する偏った見方をしないよう啓発することは大切であると認識しております。本区の道徳科の教科書では、アンコンシャス・バイアスを扱う内容はありませんが、学校では機会を捉えて、性別による固定的な思い込みを行わないよう児童・生徒に指導しているところです。今後は教職員の意識啓発とともに、啓発ツールを道徳科等の中で発達段階に応じて活用し、誰に対しても公平に接することのできる児童・生徒の育成を図ってまいります。
次に、ハラスメントに対する知識や対応についてのご質問ですが、板橋区立学校におきまして、さまざまなハラスメント等をなくし、他者とよりよい関係を築いていくためには、学校全体で人権教育を推進していくことが重要であると考えております。各学校では、道徳科や特別活動を中心として人権教育に取り組むとともに、困った事態が起きたときには、周囲に相談することの大切さについて、機会を捉え、指導しております。今後、関係機関等から配付されるパンフレットや一人一台端末を活用し、授業の中でハラスメントに対する正しい知識やその対応方法についても周知してまいります。
最後に、包括的性教育についてのご質問ですが、性教育は、児童・生徒の人格の完成を目指す人間教育の一環であり、豊かな人間形成を目的に、生命の尊重、人権の尊重など、人間尊重の精神の根底を貫くものであると認識しています。包括的性教育に示されているジェンダー平等やよりよい人間関係の形成については、自分も人も大切にするという人権教育の一つであると捉えております。包括的性教育の視点を含む人権教育につきましては、学校教育全体を通じて指導しており、今後もその充実を図ってまいります。
頂きました教育に関する質問の答弁は以上でございます。
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△休憩の宣告
○議長(坂本あずまお議員) 一般質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩いたします。
なお、再開時刻は午後1時10分といたします。
午後零時09分休憩
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午後1時09分再開
出席議員 45名
1番 小野田 み か議員 2番
内田けんいちろう議員
3番 高 山 しんご議員 7番 しいな ひろみ議員
8番 石 川 すみえ議員 9番 山 田 ひでき議員
10番 山 田 貴 之議員 11番 中 村とらあき議員
12番 間 中りんぺい議員 13番 しのだ つよし議員
15番 こんどう秀 人議員 16番 山 内 え り議員
17番 吉 田 豊 明議員 18番 田中しゅんすけ議員
19番 安 井 一 郎議員 20番 寺 田 ひろし議員
21番 さかまき常 行議員 22番 長 瀬 達 也議員
23番 南 雲 由 子議員 24番 荒 川 な お議員
25番 いわい 桐 子議員 26番 坂 本あずまお議員
27番 田
中やすのり議員 28番 いしだ 圭一郎議員
29番 成 島 ゆかり議員 31番 五十嵐 やす子議員
32番 竹 内 愛議員 33番 小 林 おとみ議員
34番 元 山 芳 行議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 39番 井 上 温 子議員
41番 かなざき文 子議員 43番 杉 田 ひろし議員
44番 茂 野 善 之議員 45番 田 中 いさお議員
46番 かいべ とも子議員 47番 渡 辺よしてる議員
48番 おばた 健太郎議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 なんば 英 一議員
54番 大 田 ひろし議員 55番 高 沢 一 基議員
56番 中 妻じょうた議員
欠席議員 1名
35番 大 野 治 彦議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 五十嵐 登
区議会事務局次長 森 康 琢
〃 議事係長 龍 野 慎 治 〃 調査係長 鑓 水 貴 博
〃 書記 飯 野 義 隆 〃 書記 高 橋 佳 太
〃 書記 岩 渕 真理絵 〃 書記 高 瀬 渉
〃 書記 安 部 詩 織 〃 書記 鈴 木 琢 真
〃 書記 細 田 夏 樹 〃 書記 小 林 隆 志
〃 書記 横 山 愛
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健 副区長 橋 本 正 彦
教育長 中 川 修 一 代表・
常勤監査委員菊 地 裕 之
政策経営部長 有 馬 潤 総務部長 尾 科 善 彦
法務専門監 辻 崇 成 危機管理部長 三 浦 康 之
区民文化部長 林 栄 喜 産業経済部長 平 岩 俊 二
健康生きがい部長 篠 田 聡 保健所長 鈴 木 眞 美
福祉部長 久保田 義 幸
子ども家庭部長 田 中 光 輝
子ども家庭総合支援センター所長 資源環境部長 岩 田 雅 彦
佐々木 三 良
都市整備部長 内 池 政 人
まちづくり推進室長田 島 健
土木部長 糸 久 英 則 会計管理者 椹 木 恭 子
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長湯 本 隆
水 野 博 史
政策企画課長 吉 田 有 財政課長 杉 山 達 史
総務課長 荒 井 和 子
△再開の宣告
◎事務局長(五十嵐登) ただいまの出席議員数は45名でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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△区政一般質問(続き)
○議長(坂本あずまお議員) 一般質問を続けます。
次に、しのだつよし議員。
◆しのだつよし 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) しのだつよし議員。
〔しのだつよし議員登壇〕(拍手する人あり)
◆しのだつよし 議員 ただいまから自由民主党議員団の3番手として、区政に関する一般質問を行います。
初めに、Jアラート、命を守る行動の周知について質問いたします。
北朝鮮がミサイル発射を異例の頻度で繰り返しています。10月4日早朝に発射した中距離弾道ミサイルは、青森県の上空を通過し、日本の東の太平洋上に落下しました。このミサイル発射による人的・物的被害はありませんでしたが、Jアラートが東京都の島しょ部に誤発信されるというトラブルが発生しました。大島町の多くの人は、Jアラートが出ても避難行動ができなかったようでして、命を守る行動の周知に課題が見受けられました。57万の区民の命を守る立場として、その課題を他山の石として、幾つか伺います。まずは、Jアラートは国から住民に伝達するシステムであると認識していますが、その概要についてお示しください。
次に、東京都は都内3,755か所を緊急一時避難施設に指定していますが、区内の施設の指定状況についてお伺いいたします。第3に、弾道ミサイルの発射時、区民の皆様は、どう避難すればよいか知らない人も多いのではないでしょうか。命を守る行動とはどのようなものか、改めてお示しください。そして、第4に、その周知です。板橋区は、昨年10月に、いち早くホームページ等で公開しています。ですが、弾道ミサイル発射時の避難行動は地震のそれとは違うんだということを区民の皆様に浸透させるのは難しいところです。特に、高齢者、障がい者、外国人は、情報伝達の援護が必要です。どのように周知すべきかをお示しください。このような不測の事態への備えというのは、たとえ取り越し苦労に終わったとしても命に関わることについては無駄骨にはならないと思います。区民の皆様のためにも、緊張感を持って徹底することが重要なことであります。
次に、スポーツによるまちづくりについて質問いたします。
2016年、第2次安倍内閣の戦略プロジェクトの中に、スポーツの成長産業化という項目が掲げられました。政府主導の国家戦略にスポーツ産業が組み込まれたのは初めてのことでありました。また、スポーツ市場規模を2025年までの10年間で5.5兆円から15兆円に拡大するという目標も掲げられました。スポーツ市場に数値目標が導入されたことも大変画期的でした。スポーツというジャンルが産業として位置づけられて、さらに日本経済の活性化に関わることになったわけであります。それでは、まず、大学・医療機関とスポーツの連携について伺います。板橋区は大学と医療機関に恵まれています。しかしながら、これまでスポーツの先端技術や先進医療が十分に生かしきれているとは言えません。大学・医療とスポーツが掛け合わせることによって、新たな価値が生まれるのではないでしょうか。例えば、アスリートの技術的支援、幼児期の神経回路の発達や障がい者の機能回復の支援、スポーツウェアや道具の開発等々、スポーツの価値を高め、地域や経済の活性化の起爆剤となり得ます。医療費の抑制にもつながります。板橋区の恵まれた地域資源である大学・医療機関と、これまで以上に具体的にスポーツの連携を進めることはできないものでしょうか。区長からの見解をお伺いいたします。
次に、障がいのある人が気兼ねなくスポーツができる環境整備について伺います。ユニバーサルデザインを取り入れた、誰もが安心してスポーツを楽しむことができるというコンセプトを基につくられたのが、令和3年12月にグランドオープンした植村記念加賀スポーツセンターです。いまだ障がい者のスポーツ実施率が伸びていませんので、私としては、名実ともに誰もが利用したいと思うような施設であってほしいという思いがありました。そこで、車いすユーザーに実際に施設見学をしてもらい、率直な意見を伺うことにしました。何だか、あら探しのようで恐縮だったのですが、施設を巡ったところ、やはり我々には気づかない、改善すべきところが見つかりました。そこでお伺いいたします。今後、スポーツ施設等の改築・改修をする際には、今回の改善点を生かすとともに、障がいを持つ方の意見を取り入れて設計していただきたい。いかがでしょうか。
次に、施設スタッフの育成について伺います。ハード面でのバリアフリーは、ある程度、行き届いていた一方で、施設スタッフの応対といったソフト面での課題も見つかりました。細やかな気配りや災害など緊急時の対応は研修等で身につかせることが必要です。施設の管理運営をする指定管理者を選ぶ際の評価項目に、このスタッフのソフト面の研修を重視するよう改善を求めます。
次に、ユニバーサルスポーツの推進について伺います。板橋区ではレクリエーションスポーツ教室としてボッチャなどのパラスポーツを行っていますが、一部の種目のみにとどまっています。それゆえスポーツ実施率を高めるには至っていません。やはり小さい子や高齢者、障がい者が、これなら私にもできるといった選択肢を広げることがスポーツ実施率の向上につながると思います。そこで伺います。これから少しずつ教室の種目を増やしていき、行く行くは各種スポーツを一堂に集めたユニバーサルスポーツ大会を板橋区で開催してはいかがでしょうか。誰もがスポーツに参加し、楽しさを知ることができる環境の実現は推進ビジョンの目的にも合致しています。いかがでしょうか。
次に、ゆるスポーツと区内高校生との関わりについて伺います。先日開催されたいたばし産業見本市には、北豊島工業高校、中央・城北職業能力開発センター板橋校、CLARK NEXT Tokyoの3校が出展していました。若い学生が板橋区のイベントに参加する姿は、とても新鮮に感じました。これを契機に、区内の高校とスポーツを通じた結びつきを深めてはいかがでしょうか。その糸口となるのが、ゆるスポーツと呼ばれる新しいジャンルのスポーツです。名前のとおり、緩くて激しくないスポーツでして、一般社団法人世界ゆるスポーツ協会という団体が運営しています。事業内容は、誰でも楽しめる新しいスポーツや用具の開発です。そこでお伺いいたします。高校生たちに楽しくなるようなスポーツ種目を考えてもらって、それをイベントとして、学生たちと共催という形で行ってはいかがでしょうか。彼らが得意とするeスポーツのジャンルは高齢者の認知症予防や健康づくりにも役立ちます。ゆるスポーツで若い力を板橋に結びつけることを提案します。ご見解をお伺いいたします。
次に、シェアリングエコノミーについて伺います。スポーツ庁は、スポーツ指導者のスキルなどをシェアする実証実験を行いました。シェアリングエコノミーといって、「得意を売り買い」がキャッチフレーズのココナラをイメージしていただければと思います。スポーツ庁は、このシェアリングエコノミーというサービスをスポーツの世界で応用しました。スポーツ指導者が活躍すれば、スポーツ指導ビジネス産業が発展します。スポーツ指導ビジネス産業が発展すれば国民がスポーツをする機会が増えます。つまり、国民にたくさんスポーツをしてもらうためには、スポーツ指導者が指導者として生活できる基盤をつくることが必要です。自分の好きなスポーツで生活ができるというのはすばらしいことです。野球が好きな人が子どもたちに野球を教えることで生活ができる、そんな夢が叶えられる社会にしたいと思うのは私1人だけではないはずです。熱意ある人は、仕事をやりくりして、時間調整して教えに行きます。しかし、あくまでボランティアですと、勤務先が不況でリストラにでもなれば、自分の生活が精一杯で、教えることもできず、その野球チームは、あえなく解散となってしまいます。野球に限らず、サッカー、バスケ、卓球、柔道、剣道、その先生や指導員の情熱と責任感に支えられて、子どもたちは教わることができました。しかし、その熱意に頼るだけでは限界があります。スポーツ指導者は、その雇用環境や収入面などにおいて課題も多いとされています。その一つの要因として、指導したくても、その機会・場所に恵まれないケースが見受けられます。そこで、スポーツ庁がシェアリングエコノミーを応用して実証実験をしてきました。板橋区においても、広く区民に資することを目的とするシェアリングエコノミーは検討できないでしょうか。見解をお伺いします。
次に、学校体育施設の有効活用について伺います。学校体育施設は日本全国の体育・スポーツ施設の約6割を占めています。スポーツ庁はこれに着目し、官民連携などの手法を用いて、その学校に通う子どもたちだけでなく、地域に住む人々のために、学校の校庭や体育館を身近なスポーツ活動の拠点として利用できるようにしています。学校の働き方改革を踏まえた部活動改革は、令和5年度から段階的に地域のスポーツ活動に移行が図られていきます。そのためには、地域のスポーツ活動を行う環境の整備を着実に行っていく必要があります。安定的・継続的な活動を促進するためには、学校部活動指導員の受皿にもなり得る学校体育施設を有効に活用すべきであります。その管理において、PPP・PFIといった官民連携などの事業手法の導入について検討してはいかがでしょうか。見解をお伺いします。
次に、デフスポーツ選手の発掘とスポーツ事業について伺います。ろう者のオリンピックと言われるデフリンピックは、まだまだ日本では認知度は低く、理解は進んでいません。パラリンピックは、東京開催が決まった2013年以降、パラスポーツへの関心が高まりました。同様に、2025年のデフリンピックが東京での開催が決定し、これからデフスポーツに関心を持つ人が増えることを期待しています。そして、聴覚障がいの選手を取り巻く環境がよくなっていくことを願っています。聴覚障がいは、外見上は障がいがあるかどうか分からないため、私たちの分からない困り事が多くあります。聴覚障がい者がスポーツ大使となれば、区民と接する機会も増えて、障がいへの理解も深まります。デフリンピアンのスポーツ大使が活躍する場をつくることは大切です。来るべきデフリンピック2025大会で、板橋からもデフリンピアンが誕生するかもしれません。板橋区として聴覚障がい選手を積極的に発掘し、聴覚障がいについてのスポーツ事業をぜひ進めてください。見解をお伺いいたします。
次に、子育てしやすいまちについて質問いたします。
令和3年9月に板橋区は区民意識意向調査を実施しました。それによると、子育て世帯のニーズは、子どもが安心して遊べる場があることでした。また、若い世代の定住化で重要なのは、子育てしやすい公園・環境の充実でした。このような結果を基にした住環境の充実が求められます。今後、板橋を子育てしやすいまちにするために、どのように取り組んでいくでしょうか。見解をお伺いいたします。
次に、公園をはじめとする公共空間の活用について伺います。現在工事が進められている大山駅西地区周辺では、高層マンションの建設により総戸数1,300を超える世帯が入居することになり、子育て世帯の増加が見込まれます。しかしながら、商店街周辺には公園がありません。公園は若い子育て世帯の魅力を高めるためにまちづくりの大きなポイントになっています。公園をはじめとする公共空間の活用について、区はどのように考えているでしょうか。見解をお伺いいたします。
次に、板橋公園のヒアリングについて伺います。板橋公園は交通公園として親しまれていますが、施設が老朽化するなどにより、新しい公園として再整備されることとなりました。近隣にお住まいの子育て世帯の方々の関心は強く、様々ご意見・ご要望を伺っているところです。今後、板橋公園の整備に向けたワークショップの実施の際は、近隣の子育て世帯からもヒアリングをしてください。見解をお伺いいたします。
次に、すくすくカード事業について伺います。妊娠中から出産後の乳幼児を抱える子育て世帯を支援するため、すくすくカードを配付しています。ところが利用が伸びていません。そこで、るるお伺いいたします。できればもう少し、カード自体の認知度を高める工夫をしてみてください。ニーズの把握も必要です。子育て世帯の皆さんに集まっていただいて声を聞いたところ、様々なご要望がありました。ぜひ、区民の皆さんからご意見を頂いたり、ニーズに合った事業者を募ったりして、そのような方々の支援となるメニューを揃えてください。また、カード自体がペーパーであることも利用率が伸びない原因のようです。使いたくなったときにカードを持っていなくて使えなかったということのないように、電子化を求めます。いかがでしょうか。
次に、障がいのある方への支援について伺います。
板橋キャンパス跡地には、板橋区の要望を踏まえ、障がい者・障がい児向け福祉サービス事業所を整備し、2022年度末には各施設の開設を予定していました。しかし、コロナ禍による建設資材の高騰等のあおりを受けて建設工事の入札が不調となり、事業の見直しをせざるを得なくなってしまいました。日頃、福祉園に通われている方は、共同生活援助や短期入所を心待ちにしていただけに、先の見えない状況を不安に思っています。特に、強度行動障がいなど重度知的障がいの方は、その思いが強いと感じます。先日の新聞に強度行動障がいに関する記事が目に止まりました。それによると、強度行動障がいの人は、ささいな環境の変化で自傷行為や暴力行為を繰り返し、時に周囲の気を引くために異物を飲み込んだりしてしまうとのことでした。そのため、家族や施設の職員さんの負担は大きく、慣れない施設では、身体拘束、身体を縛るなど虐待につながる危険性もあると書かれていました。身につまされる思いであります。厚生労働省は、昨年度、初めて全国的な強度行動障がいの実態調査を行いました。それで明らかになったことは、障害支援区分認定を受けた約26万人のうち15%に当たる約4万人が強度行動障がいで、その4万人のうち、施設をたらい回しにされてしまった方は、全国で少なくとも1,095人に上るということでした。先ほども申し上げましたが、強度行動障がいの方とそのご家族は日々苦しい思いをされていまして、福祉園に通うことができなければ、生きるか死ぬかの毎日を過ごさなくてはならないとおっしゃっていました。そういう悲痛な叫びを私は知る必要がありました。ご本人やご家族がいかに板橋キャンパス跡地の事業所開設を心待ちにしていたか、うかがい知ることができます。区長におかれましては、親亡き後や強度行動障がいのある方を含めた重度知的・肢体の重複障がいの皆様が心待ちにしている板橋キャンパス跡地の事業所開設の早期実現を後押ししていただきたく、強く願っています。区長の前向きな答弁をお願いします。
次に、大山駅周辺のまちづくりについて伺います。
大山駅クロスポイント周辺地区市街地再開発では、昨年9月から建築工事に着手、これまで杭基礎や地下躯体の工事を実施してきました。その工事は、いわゆる白壁の中で行われており、工事中の様子を外から確認することができませんでした。しかしながら、9月下旬にD街区において、10月中旬にはA街区においてタワークレーンの設置がなされ、地上部の建物工事も本格化していく予定と聞いています。このような中、周囲に目を向けてみますと、三菱地所レジデンスほかが建設を進めるマンションの大山大楠の杜においては、工事用の仮設足場の囲いが取れて、建物の全容が見えるようになりました。発表によれば、既に全戸が完売されたそうです。また、大山から少し離れた南町のハタスポーツプラザ跡地では、スーパーマルエツが9月8日に、さらに、無印良品が11月17日にオープンするなど、まちの状況に大きな変化が見られます。そこで改めてお伺いいたします。大山駅周辺のまちづくりでは、市街地再開発をどのようなビジョンで考えておりますでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。
次に、高架下空間の活用について伺います。いわゆる開かずの踏切は、大山駅を中心に1.6キロの区間が高架化されることになりました。これまで高架下は駐輪場や倉庫ほどにしか使われていませんでしたが、近年は駅直結であったり天候に左右されないところであったりして、東武伊勢崎線の東京ミズマチ、京王井の頭線のミカン下北など、高架下を有効活用するようになりました。大山の商店街や住民の方々からも高架下空間の活用に注目が集まっています。高架下が活用できる面積のうち、無償で活用できる部分は15%だけですので、活用が限定的となってしまいます。これでは他地区のような若者を呼ぶ切り札には程遠いものになってしまいます。高架下有償部分の85%も含めて、可能な限りの活用を望んでいます。高架下の活用が大山地域の価値を上げる計画となることに期待をしています。そこで伺います。高架下の活用について、区としてどのように進めていく考えでいるでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。
次に、大山駅周辺の官民連携まちづくりについて伺います。大山駅周辺では、補助第26号線の用地取得や大山町クロスポイント周辺地区再開発事業の施設建築物工事が進んでいます。また、大山町ピッコロ・スクエア周辺地区市街地再開発事業では、昨年度末の都市計画決定に続き、今年度末の再開発組合の設立に向けて事務作業が進められています。国からは、官民連携のまちづくりについて制度活用の手引が示されているところですが、まちづくりが進められる中、補助第26号線沿線も含めて、区としてどのように、にぎわいの取組を進めていくでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。
最後に、人づくりの教育についてお伺いいたします。
まず、副籍交流について伺います。都立特別支援学校の小中学部に在籍する児童・生徒が、住まいのエリアにある小中学校にも副次的な籍を持つことを副籍といいます。ふだんは特別支援学校に通いながら、住まいのエリアにある学校の行事に参加したり、学級便りを交換したりして、お互いの顔が見える交流を深めることを副籍交流といいます。この交流によって相互理解が深まり、障がいの有無にかかわらず、一人ひとりを大切にする気持ちが育つことが期待されています。学校の行事に参加するといった直接的な交流をすると、初めは怖がっていた子どもも最後は笑顔で一緒に過ごすことができます。日本では、障がいのある子どもとない子どもを分けて教育していたので、この副籍交流は障がいへの理解が深まる貴重な機会となります。共生社会実現のためにも、副籍交流について、引き続き一層、充実・推進してほしいと思いますが、いかがでしょうか。見解をお伺いします。ちなみに、副籍交流は負担が大きいので行わない人もたくさんいます。そこで、板橋安心ネットという連絡会が「ふくし かみしばい」という活動に取り組んでいます。区内の保育園、幼稚園に通う5歳児の児童を対象に出張して、幼い子どもに理解できるように、紙芝居を通して説いているそうです。このような活動をすることで障がいへの理解が広がり、副籍交流もしやすくなるということでした。区立図書館でも読み聞かせをしていただいていると聞きます。ありがたいことです。引き続きよろしくお願いいたします。これはお答え要りません。
この項の最後に、人づくりの心の教育について伺います。政治家とスポーツ選手と全く異なるお2人が、ある共通の話題のお話をされていました。私は、教育の原点はここにあると改めて感じました。それは数字や偏差値や順位で自分や人の価値を決めつけないというお話でした。10月25日の衆院本会議で行われた安倍晋三元首相に対する野田佳彦元首相の追悼演説は、多くの国民の心を打ち、政治的立場の違いを超えて、称賛の声が相次ぎました。その野田元首相が最も鮮烈な印象を残すと語った平成24年11月の党首討論、その中で語られた自らの幼少の頃のエピソードが野田元首相の人柄が偲ばれるものと心に残りました。ご存じの方も多いと思いますが、その部分を読ませていただきます。「私は小学校のときに家に通知表を持って帰ったときに、とても成績が下がっていたんで、おやじに怒られると思いました。でも、おやじはなぜか頭をなでてくれた。5や4や3、そんなに気にしなくて、生活態度を書いた講評のところに『野田君は正直の上にばかがつく』と書いてありました。それを見て、おやじは喜んでくれました。私の教育論はそこから始まるんです。偏差値や100点や5段階やじゃなくて、数字に表せない大切なものがあるんだということを、おやじは教えてくれました」おやじから教わった人間教育、おやじの教えが今の野田元首相に宿っていました。幼少の頃からの人間教育の大事さが伝わってきました。
政治とは打って変わって、同じく10月の22日、全日本距離別選手権の女子500メートルに出場し大会8連覇を果たしたスピードスケートの小平奈緒選手が、同月27日、引退会見を開き、今後の活動について、報道陣の質問に答えていました。この中で小平選手は、記者から、「これから子どもたち、または学生たちにどんなメッセージを持って接していきたいのか教えてください」という質問に、このように答えていました。「私がスケートというスポーツで磨いてきた人間性というのは、やはり一緒に競い合う仲間をリスペクトすること。違いというのが、やはり外国の方と接していたり、違う文化だったり、違う言語だったり、違う志向の持ち方だったり、いろんな人と接する中で、違いを分かろうとするということ」そう答えた後、さらに次の言葉を続けました。「あとは数字とか順位とかで自分や人の価値を決めつけないでほしいという思いはたくさんの子どもたちに伝えていけたらいいなというふうに思っています」小平さんは、実直にそのように答えていました。人間味というのは人間らしい温かみをいいます。野田元首相しかり、小平選手しかり、偏差値とか数字で表せないものに重きを置くという共通点、ここに教育の原点があると思えてなりません。人づくりは国づくり、国家100年の計は教育にありといいますが、板橋区の教育において、人づくりの視点での教育は重要であると考えます。そこで、板橋区の学校における心の教育については、どのような取組を行っているでしょうか。教育長の見解をお伺いいたします。
我が国の未来、それは子どもたちであることは夢寐にも忘れてはなりません。私の一般質問は、これをもって終わりといたします。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、しのだつよし議員の一般質問にお答えいたします。
最初に、Jアラートの概要についてのご質問であります。全国瞬時警報システム、通称Jアラートは、有事の際に住民が適切な避難を速やかに行うための情報を迅速に伝達することを目的に、消防庁が地方公共団体と連携をして整備しているものであります。Jアラートは弾道ミサイル攻撃に関する情報や緊急地震速報、津波警報、気象警報などの緊急情報を区市町村等に送信し、防災行政無線等により瞬時に住民等に伝達するシステムであります。
次は、区内の緊急一時避難施設についてのご質問であります。令和4年9月末現在、指定された緊急一時避難施設については全体で115か所ございまして、そのうち区立施設については、区立小中学校や区役所、一部の地域センター等の99か所であります。そのほか都立施設として、都税事務所や都立高等学校等の9か所、地下鉄の駅舎として、都営三田線の5か所の駅、副都心線と有楽町線の各1駅で、計7か所でございます。また、東京都から区内にある地下施設の調査がありまして、営業時間中に誰もが出入り可能と思われる民間の地下駐車場やスーパーマーケットの地下施設7か所を候補として回答したところでありましたが、現時点においては指定がされてない状況であります。
次は、Jアラート発出時の避難行動についてのご質問であります。国では弾道ミサイル落下時の行動について国民向けのチラシを作成し、Jアラートによる情報伝達の内容や弾道ミサイル落下時の行動について周知を図っているところでございます。避難行動として、屋外にいる場合は近くの建物の中か地下に避難、建物がない場合は物陰に身を隠すか地面に身を伏せて頭部を守る、屋内にいる場合は、窓から離れるか、窓のない部屋に移動することを例示しております。
次は、避難行動を浸透させる周知方法についてのご質問であります。区民に対する周知は、これまでもホームページにおいて、「弾道ミサイルが落下する可能性がある場合にとるべき行動について」と題しまして、情報提供に努めてきたところでございます。今後も、迅速・的確な避難行動に結びつくよう、地域で行われる防災訓練等の機会も活用し、屋内や屋外、近くに建物がない場合などの対処法について、分かりやすく伝えていきたいと考えています。また、防災行政無線による情報伝達とは別に、国から携帯電話会社に配信したJアラート情報を個々の携帯電話に緊急速報メール等で伝えるルートも整備されておりますが、要配慮者を考慮した多様な情報伝達手段を研究していきたいと考えています。
次は、医療・大学とのスポーツ連携についてのご質問であります。区では、板橋4大イベントであります板橋Cityマラソンにおいて、安心・安全に実施できるよう、医療関係者や帝京大学と連携して、医療体制を整えております。また、大学生ボランティアや理学療法士協会の協力を得ながら、誰もがスポーツに親しめるように、板橋ウォーキング大会などの各種イベントを実施しております。今後も医療関係団体や各大学などと協力をし、スポーツによる健康増進や地域の活性化が図られるように取組を進めていきたいと考えています。
次は、障がい者スポーツの振興についてのご質問であります。植村記念加賀スポーツセンターは、ユニバーサルデザインガイドラインに基づきまして、誰もが利用しやすい施設となるように改修を行いました。車いすのままプールに入水できるスロープの設置や、分かりやすいピクトグラムによる案内表示などをはじめ、誰もがスポーツを気軽に楽しめるよう、様々な工夫をしているところでございます。今後の体育施設の改修に当たりましては、今回の経験を生かすとともに、利用者の意見を踏まえながら、よりよい施設となるように、ユニバーサルデザインを推進していきたいと考えています。
次は、施設スタッフの研修についてのご質問であります。誰もが利用しやすい施設とするためには、施設改修などのハード面だけではなく、スタッフによるソフト面の充実も重要と考えます。これまでも体育施設の運営に当たりましては、基本的な応対をはじめ、それぞれの施設に応じました非常時における利用者の避難対応などについて研修を行ってまいりました。指定管理者の選定に当たりましては、職員に対して適切な研修を実施するよう求めておりまして、今後の選定におきましても重視すべきものと考えています。
次は、ユニバーサルスポーツの開催についてのご質問であります。ユニバーサルスポーツの普及を通じまして、誰もがスポーツに参加し、楽しみながら健康増進を図ることは重要と考えております。板橋区民まつりやオリンピックデーラン板橋大会の会場において実施をいたしましたパラスポーツ体験においては、年齢や障がいの有無にかかわらず、多くの方がボッチャなどを体験していただきました。今後も様々な機会を捉えまして、多様な人々が一緒にスポーツを取り組むことができるよう、ユニバーサルスポーツを体験できるイベントについて、積極的に開催していきたいと考えています。
次は、ゆるスポーツについてのご質問です。スポーツの分野においては、eスポーツをはじめとして、新しい種目が生み出されておりまして、競技性を求めるものから気軽に参加できるものまで多様化していると感じています。年齢などにかかわらず、多くの人が楽しめる新たなスポーツは、スポーツ実施率の向上や健康増進に役立つものと認識しています。ご提案をいただきました、ゆるスポーツを含め、誰もが気軽に参加し、楽しめるスポーツについて、区内の高校などからもアイデアを頂戴しながら研究を進めていきたいと考えています。
次は、スポーツシェアリングエコノミーについてのご質問です。シェアリングエコノミーは個人や組織などが持つ資源を利用者と共有する経済モデルでありまして、資源の有効活用や利便性の向上などのメリットがあるとされております。スポーツの分野におきましても、利用率の低い施設の有効活用や指導者と利用者のマッチングなど、スポーツ実施率の向上に寄与することが期待されております。スポーツ庁のスポーツ産業成長促進事業として実証実験や調査が行われておりまして、区としましても、スポーツの振興を図る取組の1つとして研究を進めていきたいと考えています。
次は、デフリンピックのスポーツ大使についてのご質問です。今年9月に、2025年夏季デフリンピック大会の東京開催が決定されましたが、オリンピックやパラリンピックに比べると認知度が低い状況にあると感じています。デフリンピックの認知度を高めることは、ろう者への理解を促進するとともに、誰もがスポーツに親しむ環境づくりの推進につながるものと考えています。区にゆかりのデフリンピック出場経験のある選手と協力して、スポーツ大使制度の活用も視野に入れながら、デフリンピックの周知を図っていきたいと考えています。
次は、子育てしやすいまちについてのご質問であります。区では、若い世代が住み続けたくなるまち、住みたくなるまちの実現に向け、いたばし子ども未来応援宣言2025 実施計画2025を令和4年2月に策定いたしました。計画策定に当たりましては、区民意識意向調査等のデータに基づきまして、区民ニーズや社会環境の変化を踏まえた施策体系を構築いたしました。「あなたのそばには、いつも私たちがいます」という応援宣言の下に、誰一人取り残すことなく、切れ目のない支援を実行していきたいと考えています。
次は、公園をはじめとする公共空間の活用についてのご質問であります。大山駅西地区においては、再開発事業によって、施設建築物には、住宅や店舗等が配置されるとともに、公園や広場などのオープンスペースが整備される予定であります。再開発事業において、若い世代や子育て世代を含む居住者や来訪者が増え、オープンスペースを活用した様々な活動によりまして、にぎわいが創出されていくものと考えています。区としましては、若い世代や子育て世代にとって魅力のあるまちづくりに向け、公共空間の活用について、地域のニーズを踏まえ、今後とも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
次は、板橋公園の整備についてのご質問であります。板橋公園の再整備に当たりましては、区のブランドとなる広域的な魅力づくりと併せまして、地域の方々が利用する身近な公園としての使い勝手を両立する必要があると考えます。このうち身近な公園としての使い勝手につきましては、様々な公園利用者の要望等の調整を行うに当たりまして、より適切な手法であるワークショップを実施することとしております。近隣の子育て世代に限らず、多様な世代・立場からのヒアリングについては、ワークショップを補完するものとして、必要に応じて実施を検討していきたいと考えています。
次は、すくすくカードに関連いたしまして、認知度を高める工夫についてのご質問であります。すくすくカード事業については、妊娠中や3歳未満の乳幼児を子育てする保護者にサービス利用券を配付し、様々な子育て支援メニューを提供する事業であります。これまで保護者の育児不安や負担を軽減し、子育てしやすい環境づくりを推進するために、メニューの追加や対象年齢の拡大など、事業の拡充を図ってまいりました。より多くの子育て家庭に、すくすくカード事業が認知され、利用されるように、いたばし子育て応援アプリの活用や、児童館等において積極的な周知を重ねてまいりたいと考えています。
次は、ニーズに合ったメニューについてのご質問であります。現在、育児支援ヘルパーなどの直接的支援のほか、産後プログラム、赤ちゃんカフェなど、リフレッシュ機会の確保や外出機会の促進を目的としました18項目の子育て支援サービスを用意しております。一方で、利用者アンケートでは、利用可能な場所やサービスの種類を増やしてほしいとの意見も寄せられております。来年度に実施を予定しております利用者アンケートの結果を踏まえて、子育て世代のニーズに合ったメニューの追加を検討していきたいと考えています。
次は、利用券の電子化についてのご質問であります。アプリ等による利用券の電子化については、メニューを提供する事業者側の受付方法や費用対効果など、課題が多いものとも認識しています。利用者からはチケット形式の利用券ではなく、利便性の高いウェブやアプリの導入を望む声も寄せられておりまして、今後、DX推進の可能性について研究していきたいと考えています。
次は、障がいのある方への支援についてのご質問です。強度行動障がいや重度重複障がいの方々が安心して地域で生活していくためには、共同生活援助や短期入所などの障がい福祉サービスが必要であることを強く認識しています。板橋キャンパス跡地において予定しておりました障がい福祉サービス4事業については、個別の展開も含め、早期の実現に向けた検討及び調整を図っていきたいと考えています。
次は、大山駅周辺の再開発のビジョンについてのご質問であります。大山駅周辺においては、現在、クロスポイント周辺地区とピッコロ・スクエア周辺地区の2つの再開発事業が進められております。これらの再開発においては、地域の防災性の向上やにぎわいを創出することによって、大山駅周辺に多くの人が訪れ交流する、活気あるまちづくりの実現を目指しているところでございます。区としましては、誰もが暮らしやすく、にぎわいに満ちた安心・安全なまちを実現するため、引き続き大山駅周辺のまちづくりに着実に取り組んでいきたいと考えています。
次は、高架下空間の活用についてのご質問であります。大山駅付近の鉄道立体化によりまして生み出される高架下空間につきましては、大山地域のブランド価値が上がるように、にぎわいの創出が必要であると認識しています。そこで高架下空間の活用に際しまして、施設の用途や配置等の全体的な方針を定める考えであります。今後の事業の進捗を踏まえ沿線の関係者の方々からご意見を頂くとともに、東京都や東武鉄道に対しましても積極的に働きかけをしていきたいと考えています。
次は、官民連携のまちづくりについてのご質問であります。都市基盤整備が進む中において、官民のオープンスペースを活用したにぎわい創出に向け、地元町会や商店街、学校関係者などを構成員とする空間活用計画部会が立ち上がりました。部会においては、交流をテーマに、にぎわい創出の実証実験として、春のフォトコンテスト、夏祭りの縁日などを実施いたしまして、いずれも好評でございました。実証実験で得られました知見や、他の地域の取組を参考にしながら、地元の方々と意見交換を重ねながら、補助第26号線沿道も含めたにぎわい創出について、引き続き検討していきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、しのだつよし議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、学校体育施設の活用についてのご質問ですが、現在、学校体育施設は教育委員会が管理運営しており、民間による管理運営は行っていない状況です。今月、スポーツ庁と文化庁は、学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン案を示し、業務委託の導入をはじめ、学校体育施設の管理運営の在り方について言及しているところであります。教育委員会では、今後、ガイドライン等を参考に、学校体育施設の管理運営について研究してまいりたいと思います。
次に、副籍交流のより一層の推進についてのご質問ですが、副籍交流については、通常学級の児童・生徒が障がいのある児童・生徒と関わることで、相手への思いやりが醸成されるなど、教育的意義が高いと認識しております。各学校において副籍交流を教育課程に位置づけ、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を取りながら、直接または間接的な交流を計画し、状況を見ながら実施しているところです。今後も各学校の取組を基に、副籍交流のよさや効果的な実施方法等を周知して、交流内容を充実し、より一層の推進を図ってまいります。
最後に、心の教育についてのご質問ですが、変化の激しい社会の中で自分の道を切り開いていけるバランスの取れた知・徳・体である生きる力を子どもたちに育むことは大変重要であると認識しております。各学校園では道徳科の学習を中心に、各教科等での学習、学校行事、地域との連携等、教育活動全体を通じて心の教育を行い、豊かな人間性を育んでいるところです。さらに、全ての学校園におきまして自分の大切さや他の人の大切さを認め合うといった人権教育の目標を教育活動の根底に位置づけ、児童・生徒の自己有用感や相手を思いやる心を醸成してまいりたいと思います。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 次に、間中りんぺい議員。
◆間中りんぺい 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) 間中りんぺい議員。
〔間中りんぺい議員登壇〕(拍手する人あり)
◆間中りんぺい 議員 引き続き、自由民主党の一般質問を続けます。
子ども若者支援について伺います。
7月から区独自の児童相談所の運営が始まりました。これまでは埋もれていた対応が必要な子どもたちにもリーチできるよう、より身近な行政だからこそ把握し対応できる範囲を広げていただきたいと願い、質問をいたします。ただでさえ行政はプル型、あるいは申請主義だと言われます。対象者が行政の窓口に出向いて書類を用意し、申請をしないといけません。いわゆる弱者に対して、区役所の側では救済のシステムとメニューをつくり、人員を揃えて待ち構えていますが、本当に必要な人は来てくれないという現状もあると感じます。そもそも制度が多すぎて、メニューの多すぎる料理店のように、どれが自分に一番いいのか判断するのは難しく、また役所に申請を行うためには、基本的には平日の昼間に区役所の窓口まで行かなければならず、夜間働いている方などは行きづらい状況もあります。そして、行政文書の日本語が難しすぎます。書類が複雑で、どこに何を書いていいのか分からない。不備があるとやり直しで、書類を揃えるのは結構な手間で大変です。分散している窓口を手続で回る区役所スタンプラリーをスムーズにコンプリートできるような方は、ふだんからそれほど困らないような方かもしれません。だからこそ待ち構えていて来たら対応しますということではなくて、こちらから押し出していくという姿勢が必要になってきます。
子どもへのアウトリーチで有名な自治体の一つが大阪府箕面市です。ケアが必要な子どもたちをどうやったら漏れなくチェックすることができるのか。箕面市では行政データと学校データを合わせて検討しています。行政は、それぞれの世帯の収入状況や福祉受給状況、児童手当、生活保護の状況などを把握しているので、その家庭がもしかしたら急速に困窮しつつあるのではないかということが推測可能です。他方、学校と教育委員会は児童の成績データや身体検査のデータを持っています。例えば、身長や体重など、通常の成長データを逸脱して、がくんと体重が落ちた、あるいは成績が急に下がったとすると家庭内のトラブルや体調の急変、虐待など、何か背景があるのではないかと推測できます。この行政の情報と学校の情報を掛け合わせてみたところ、重点的に支援の必要がある、一番重篤なランクの状態にあると判定された児童が477人いたそうです。この477人のうち266人については、既に学校で見守り対象として認識されていましたが、残りの44%、211人については、初めて浮かび上がってきたノーチェックの児童だったそうです。そこで伺います。本区においても、行政のほうから対応が必要な子どもたちに向かっていくような支援の展開が必要です。取組の現状と見解を伺います。
箕面市の取組で課題として挙げられていたのが、他自治体との連携の限界でした。例えば、児童相談所に目をつけられた家庭は引っ越すことがあります。自治体間で大まかな情報共有はできても、自治体のデータの取り方やシステムの違いから詳細な共有はできず、背景まで含めた情報連携が難しいという課題があるそうです。本区において、課題のある家庭の自治体をまたいだ連携はどのように取られているのでしょうか。情報共有の現状についてお聞かせください。
続いて、子どもアドボケイトについて伺います。一時保護所の開設に当たり、子どもアドボケイトを導入いただいたことに感謝しています。また、一時保護所で渡される子どもの権利ノートにアドボケイトの連絡先を記載していただいた点については、私の知る限りですが、全国でも本区と大分県のみのかなり先進的な取組です。数年前、里親家庭での虐待死亡事件が起きてしまったある区では、里親家庭にもこのアドボケイトを入れる計画があると聞いています。里親養育はもちろん重要ですが、外からは実態が見えにくく、子どもはヘルプを出しにくい傾向があります。里親家庭は安心のできる温かい場所とは言い切れない前提を持つことが現実的には必要です。里親家庭における子どもの声を聞くために、里親の下でも子どもアドボケイトが接点を持てるよう、今後、検討いただきたいと思いますがいかがでしょうか。重ねて、一時保護所では、現状どのように子どもの声を集めているのか、そして、その声はどのように扱われているのか、また、アドボケイトが課題を把握した場合の区への内容報告はどのように行われ、対応されているのかもお聞かせください。
続いて、社会になじめない若者支援について伺います。先日、ひきこもり支援に関する委員会でのやり取りの中で、区側の担当者から、親御さんは困って相談に来るのに、本人はなかなか出てこないという説明がありました。この認識はまずいなと私は思います。きっと、親御さんよりも本人のほうが困っているし、出てこないのではなくて、出てこれるような窓口をつくっていないのが現実です。多くのひきこもり当事者は、区役所の窓口を怖いと思っていて、相談しに区役所に行こうとは思えない状況です。ひきこもりに関する専用窓口は、当事者の視点を考慮して設置いただきたいと思います。現段階での区のお考えをお聞かせください。
ひきこもりの支援については、家族会だけではなく、当事者会や自助会との連携を区に積極的に進めていただきたいと思います。自助会には家族の知り得ないリアルな状況がありますし、そもそも保護者の壁を1枚通すことで、当事者への距離は遠くなってしまいます。私が自助会の運営でお世話になった、奈良・大阪で活動する関係者の間では有名なひきこもり自助会ブレイクという団体がありますが、そのブレイクさんは、以前からZoomを用いて、オンラインの活用は当然行っていましたけれども、今年の4月からはツールをDiscordに切り替えています。言うまでもなく、ひきこもり当事者の現状に合わせて、当事者の使いやすいツールに対応を切り替えたものですが、区行政と家族会とで話をしていても、Discordって何ですか、Apexって何ですかという状況になるのではないかと思います。区として、現状と当事者理解を深めるためにも、区内で活動する当事者会・自助会との連携も積極的に進め、必要な支援を行っていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
社会になじめない若者支援に関わっていて感じる課題の1つが就労する場所の少なさです。社会に出たいけれども、まだそこまでの意欲が持てない、一般的な就労の一歩手前にいる若者が、週に数日だけ、数時間だけ働くことができる場所が足りません。自分の名前や住所を明かすことが怖くてできない若者も多くいます。そうすると、登録が必要な若者サポートステーションなどの行政的なサポートはほぼ使えません。ボランティアなら少し枠が広がりますが、現場で求められているのは、名前や住所をまだ明かせないような状態の若者も含めて、働くことで少しでも賃金を受け取り、コミュニケーションに慣れ、少しずつ就労への意欲を高めていける仕組みです。板橋区でも、働く意欲が持てる一歩手前の若者への就労支援をメニューとして整備することが必要だと感じます。区の見解を伺います。
2項目め、教育課題について伺います。
先日、寝屋川市の広瀬市長に、いじめ対策の取組についてお話を伺う機会がありました。寝屋川市では、教育カウンセラーの派遣など、教育的アプローチの補強では、いじめ問題の解決につながらないと考え、教育的アプローチに加えて、行政的アプローチ、法的アプローチという3段階の措置を用意しています。これまでの教育的アプローチでは、いじめの予防・見守りに注力し、2つ目の行政的アプローチでは、被害児童、加害児童という概念を導入して、児童・生徒を1人の市民として、人権問題として扱う対応を取っています。3番目の法的アプローチでは、警察への告訴、民事での訴訟を行うルートを確保し、行政的アプローチの実効性を担保する役割を果たしています。3つの全く違うアプローチが相関関係を持ち、補完し合うことで、これまでは把握できていなかったいじめ、例えば、下校・登校中のいじめなどを発見するに至っています。また、教職員が児童・生徒宅を夜間・休日に訪問するなどの大きな負担の解消にもつながっているそうです。特に、警察との連携は現場の教師からも望む声が多いと聞きます。昨年、名古屋大学の内田教授らのグループが行った、小中学校の教員など2,000人を対象とした調査では、いじめを警察と連携して解決すべきと回答した中学校教員は73%に及びます。地域の保護者と話す中でも、多くの保護者が警察との連携は必要だと考えているというのが私の実感です。特に、暴行や傷害など、犯罪に相当する事案を検知した場合には、区でもこれまで以上に警察との連携を図る必要があるのではないでしょうか。区のいじめ対策における警察連携の必要性の認識と現状をお聞かせください。
現状でも、いじめ加害者の登校を制限する出席停止処分制度は既にありますが、保護者らから意見聴取をする必要がある上、権限が教育委員会にあり、手続も煩雑で機能していません。実際、いじめ加害を理由とした出席停止件数は全国で毎年ほぼ0件か1件で、どれだけ被害者が苦しむいじめや悲しい事件があったとしても、出席停止制度は基本的に使われません。先に挙げた名古屋大学の調査では、半数近い約46%の中学校教員が加害者を出席停止にすべきと回答しています。板橋区アーティストバンク登録者であり、ベストセラーにもなった「こども六法」の著者である山崎聡一郎さんが、「こども六法」を書くに至った理由もいじめだと伺いました。いじめに遭い、しかし、教員や学校、行政は守ってくれずに学校を転校するしかなく、法律という武器を持たない状態では逃げることしかできなかったのが悔しかったそうです。本区では、そこまでのいじめはないものと願いますが、今後のためにも、加害者は学校に通い続け、被害者が学校を離れていくという状況は避けるべきです。本区におけるいじめの加害者対応について、区の考え方をお示しください。
続けて、デュアルスクール導入の検討を求めて伺います。デュアルスクールは徳島県などが進める、地方と都市の2つの学校の行き来を容易にし、双方で教育を受けることができる新しい学校の形です。現行の学校教育制度では、2つの学校に籍を置くことは認められていませんが、デュアルスクールは、区域外就学制度を活用することによって、板橋区に住民票を置いたまま徳島県の学校に学籍を異動し、1回に2週間滞在するなど、1年間に複数回の行き来も可能としています。学籍を異動させているので、受入学校での就学期間も、板橋区の在籍校では欠席とならず、出席日数として認められます。実績としては、既に連携している主に東京からの利用者が多く、利用者の話を聞くと非常に魅力的で、本区の保護者にも関心を持ってもらっています。本区でもデュアルスクールの導入を検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、3項目め、地域課題について2点伺います。
初めに喫煙所の整備についてです。これまで、数年にわたり成増駅の受動喫煙防止のための喫煙所整備について質問と要望を重ねてきました。地元の田中やすのり区議や、安井一郎区議も議会で具体的な提案と質疑をされていますが、目に見える成果がありません。いつまでも同じ状態が続いています。分煙を進め、たばこを吸う方にも吸わない方にもストレスのない環境が一日でも早くつくれるよう、喫煙所整備に向けた民間との連携や、現在区では実施のないランニングコストの助成を検討するなど、幅を広げて取り組んでいただきたいと思います。区の認識を改めて伺います。
最後の項目、野良猫対策について伺います。区の登録猫ボランティア制度が始まりました。野良猫のふん尿や鳴き声などの問題の解決、これ以上不幸な猫を増やさないようにするための去勢・不妊手術、新たな飼い主を探して引き取ってもらう譲渡活動を推進していく制度です。以下、現在活動を行う猫ボランティアさんたちと話し合う中で見えてきた課題について3点、伺います。現在は保護猫への支援が比較的手厚くなっています。野良猫保護や譲渡は進むかもしれませんが、最終的な目的は、地域から野良猫をゼロにすることです。来年度以降は、去勢・不妊手術であるTNRの推進により重点を置いた運営が必要だと考えますがいかがでしょうか。手続について、申請書など幾つかの書類は紙ベースになっていて、1頭ごとに書類をコピーして提出している状況があります。書類をデータ化して、より簡便に手続を進められるようにしてはいかがでしょうか。地域猫活動に関心のある方と話していると、自分自身が猫ボランティアにはなれないけれども、その制度は様々な形で支援したいという方が多くいることが分かりました。せっかくそういう区民の声がありますから、申出の受皿となるような仕組みも今後検討されてはいかがでしょうか。
以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、間中りんぺい議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、子ども若者支援に関連いたしまして、プッシュ型支援についてのご質問であります。
子ども家庭総合支援センターにおいては、学校や保育園等の関係機関へ訪問するアウトリーチを実施いたしまして、支援している児童の直近の状況等を聞き取っているところでございます。訪問した際には何らかの心配のある児童の情報収集を行いまして、緊急性がある場合は通告として受理し関係機関で対応可能と判断した場合においては、対応について助言をしているところでございます。アウトリーチを重ねることによりまして、関係機関との連携を深め、通告や相談を待つだけではなく積極的に支援を必要とする子どもや家庭を把握し、迅速な対応につなげているところでございます。
次は、自治体間の連携やデータ共有についてのご質問であります。自治体や児童相談所に係属している家庭が他自治体へ転出入した際には、国の指針に基づきまして転出元から転出先の自治体や児童相談所へ情報提供、またはケース移管をしております。データ共有につきましては、全国の自治体が接続できる情報共有システムを国が構築しておりまして、区でも利用に向けて準備を進めているところでございます。
次は、里親家庭へのアドボケイトについてのご質問であります。児童相談所開設を契機にスタートいたしましたアドボケイト事業においては、里親に委託した児童も対象者としておりまして、申出があった際には意見を聴取することとなっております。児童からの電話や権利ノートに同封されたはがきによる申出のほか、児童福祉司や里親との連携により、アドボケイトによる意見聴取につなげていく考えであります。今後も児童との信頼関係を築きながら、意見表明の支援に取り組んでいきたいと考えています。
次は、意見や要望への対応についてのご質問であります。アドボケイトは、月2回程度一時保護所に訪問し、児童と日課活動や食事を共にする中において意見や要望を聴取するほか、希望に応じて面談を実施しております。また、一時保護所の意見箱に投函されました児童からの意見は、施設職員の目を通すことなく権利擁護担当の元に届きまして、その対応を協議することとしております。アドボケイトが訪問した際に、感じたことや児童から聴取した意見・要望について定期的に意見交換を行っておりまして、子どもの意見の尊重に努めているところでございます。
次は、ひきこもり支援に関連いたしまして、窓口の設置についてのご質問であります。ひきこもりに関する相談先として、区では、健康福祉センター、発達障がい者支援センターあいポート、いたばし生活仕事サポートセンター等で受付をしております。今後ひきこもり相談の窓口を一本化する予定でありまして、その際は利用者に寄り添った相談しやすい環境を整備していきたいと考えています。
次は、自助会への支援についてのご質問であります。ひきこもりの支援は、行政だけではなく、関係機関や支援団体と連携することが必要であります。本年9月には、板橋区でも、ひきこもりの地域家族会が結成されまして、連携を図っているところでございます。ご指摘の当事者会や自助会につきましても、関係を構築し、協働するなど、支援の多様性を図っていきたいと考えています。
次は、就労支援についてのご質問です。ひきこもりの支援ニーズは様々でありまして、アセスメントを行いまして、本人の特性に合わせた支援を行う必要があると考えます。若者の社会参加から就労準備、就労までの一連の支援は、いたばし若者サポートステーションのほかに、板橋ジョブトレーニングセンターで行っております。今後ひきこもり当事者の方への緩やかな短時間の就労の場の開拓など、よりきめの細かい就労支援の在り方について研究してまいりたいと考えています。
次は、喫煙所整備についてのご質問であります。区では、屋外コンテナ型の公衆喫煙所の整備を基本的な方針としておりますが、適切な用地の確保が困難なことから、残念ながら高島平地区を除き、実現に至っていないところでございます。ご指摘の民間助成制度の活用による公衆喫煙所の整備につきましては、民間事業者と協議しながら、必要に応じて、例えば一定期間のランニングコストを対象にするなど柔軟に対応することも検討しながら、整備の実現に向けまして取り組んでいきたいと考えています。
次は、野良猫対策に関連いたしまして、ボランティアとのやり取りについてのご質問です。登録ボランティアの申請や研修につきましては、電子化し、対応しております。事業実施に伴う登録ボランティアとの情報共有につきましては、メーリングリストを活用するなど、取組を進める予定であります。
続いて、TNR推進についてのご質問です。飼い主のいない猫は、様々な要因によりまして発生しているため、TNR活動を中心とする地域猫活動と保護猫活動を複合的に行うことによりまして成果が現れるものと考えます。今年度開始いたしました登録ボランティア制度事業の進捗も確認しながら、実施施策のバランスをとっていきたいと考えています。
続いて、区民の好意の受皿づくりについてのご質問であります。今年度より飼い主のいない猫対策に関心の高い区民・団体の活動を支援する登録ボランティア制度を開始いたしました。登録ボランティアの支援者を増やすことは、本事業を進める上において効果的であるため、登録ボランティアの活動内容を随時ホームページ等でお知らせしていく考えであります。
残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、間中りんぺい議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、区のいじめ対策における警察との連携の必要性の認識と状況についてのご質問ですが、児童・生徒の問題行動等の中には、学校だけでは対応しきれないケースが増えており、いじめ対策についても警察等との関係機関との連携が大変重要であると認識しております。そのためいじめの早期対応への方策として、板橋区いじめ防止対策基本方針に基づき、警察と連携した学校サポートチームの活用を推進しているところです。これまでも警察への相談や児童・生徒への指導に協力を依頼するなど、連携して対応したケースもあり、今後も連携強化に努めてまいります。
次に、いじめの加害者対応についての区の考え方についてのご質問ですが、いじめが発生した際には、各学校に常設されている学校いじめ対策委員会において、加害の子どもへの指導方針等について協議し、対応しております。いじめ行為の重大性や継続性等を踏まえ、ケースによりましては、加害の子どもの保護者へ連絡した上で、別室でオンライン授業を受けさせるなどの対応も行っております。いじめの対応につきましては、被害及び加害の子どもに寄り添い、学校生活における安心・安全の確保と子どもたちの将来を考えた対応が重要であると捉えております。
最後に、デュアルスクールについてのご質問ですが、住民票を異動させることなく保護者の短期居住などに合わせて、地方の公立学校に就学可能なデュアルスクールという制度があることは承知しているところです。地方と都市の双方の視点を持つことができるなど、学びの場の1つの選択肢として考えられますが、学習内容や進捗状況の違いなどの課題があると認識しております。今後区民より申出等があった場合、適切に対応できるよう制度の研究を進めてまいりたいと思います。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 次に、山田貴之議員。
◆山田貴之 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) 山田貴之議員。
〔山田貴之議員登壇〕(拍手する人あり)
◆山田貴之 議員 自民党の一般質問、最後になります。山田貴之です。通告に従いまして、一般質問を始めます。
まず、教育についてです。
休日を主にした部活動の地域移行が来年度から3年間を移行期間として始まります。国の方針では、令和5年からの3年間を目標時期と定めて、段階的に地域移行を行うと方針が示されておりますが、板橋区としても検討するべき課題が山積しております。令和4年6月には運動部活動の地域移行に関する検討会議提言がスポーツ庁長官へ提出されました。また11月以降、所管庁にまたがる運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインと文化部活動に関する総合的なガイドラインは統合・改定され、総合的なガイドラインを策定する見通しです。長年の課題であった部活動を取り巻く環境はいよいよ変化が迫られています。提言で指摘をされている内容を中心に板橋区の方針を確認してまいりたいと思います。土日の部活動について、総合型地域スポーツクラブ、体育協会等のスポーツ団体と協議をし、業務として委託する手段は有力視されていますが、部活動の地域移行に関しての教育委員会のスケジュールが見えないことで、地域のスポーツ団体から不安や心配の声が上がっています。土日の部活指導は令和5年度、来年度から実施となっていますが、板橋区の状況とスケジュールについて伺います。地域移行の議論を進めながらも、併せて現状の部活動の在り方を考える必要性があります。合同部活動や近隣拠点校での部活動も統合していくことや、そうした合同チームや地域チームが参加できるように大会の見直しを進めていくことは、少子化でチームの出場数やチームの人数が減少していく中で避けることはできません。その旗振り役をしていくのは板橋区の役割ではないかと思いますが、方針を伺います。既に一部中学校では、部員の減少等の理由で合同部活動を実施しているところもあります。また、今後も区内中学校での生徒数の減少や偏在を考えると、拠点となる学校に生徒が移動して部活動に参加する方法もあります。学校部活動、地域部活動、従来型、合同型、拠点型といった部活動の在り方の整理を行いながら、地域移行期においては、地域や現場の事情を踏まえて展開するものと思っております。
また、多様な部活動の在り方として、板橋区では、平成30年9月より板橋区立中学校部活動の在り方に関する方針を踏まえて部活動の実施をしています。そのうち、部活動運営の適正化における留意点の項目があり、(5)生徒のニーズを踏まえた運動部の設置が示されています。内容は、「校長は、生徒の1週間の総運動時間が男女共に二極化の状況にあり、特に中学生女子の約2割が60分未満であること、また、生徒の運動・スポーツに関するニーズは、競技力の向上以外にも、友達と楽しめる、適度な頻度で行える等多様である中で、現在の運動部活動が、女子や障がいのある生徒等も含めて生徒の潜在的なスポーツニーズに必ずしも応えていないことを踏まえ、生徒の多様なニーズに応じた活動を行うことができる運動部を設置する。具体的な例としては、より多くの生徒の運動機会の創出が図られるよう、季節ごとに異なるスポーツを行う活動、競技志向ではなくレクリエーション志向で行う活動、体力つくりを目的とした活動等、生徒が楽しく体を動かす習慣の形成に向けた動議付けとなるものが考えられる」以上の方針に期待をしておりますが、現在、区内中学校では、生徒のニーズに合った部活動は進められているか、さらに推進を求めますが、区の考えを伺います。フリースポーツ部、基礎部活といった部を設けている学校もあります。勝利至上主義から、多様でウェルビーイングな部活動の体制を推進していくべきと考えています。
部活動指導は、生徒へ直接指導を行うという点において、教員に代わり指導を行う者は、指導者適格性が必要になります。運動部活動の地域移行に関する検討会議提言によると、スポーツ指導者は指導者資格の取得や研修の実施の促進が示されております。板橋区としては指導者の確保と質の担保について、どのように進めていくか方針を伺います。指導者の育成には一定時間が必要なことも考慮して無理のない地域移行をする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
指導に対する対価とその経済的な負担をどう解消していくかは課題であります。また、外部に委託することになれば、新たな対価が発生します。これまで指導者の熱意やボランティア精神に支えられてきた部活動の矛盾を地域に丸投げしないような報酬に関する検討が欠かせません。スポーツ庁の委託調査によると、外部委託になった場合の追加費用の見通しは年間平均1万7,000円の追加費用が発生すると試算されています。家庭の経済的な格差が部活動選択に影響を与えないようにすることは重要でありますが、区の所見を伺います。
部活動の指導の地域移行は、教員の働き方改革の1つであるとして進められていると認識をしています。一方で教員自身が部活動の指導を希望する場合は、これまで同様に指導ができるような制度が必要であり、兼業を認めていく方向性も国によって示されています。休日の部活指導を希望する教員についてはどのような検討が進められているか、区の検討状況を伺います。さらに他自治体の先進事例の研究はされているか、教育委員会の検討しているモデルがあれば示していただきたい。
学校と地域をつなぐ板橋コミュニティ・スクールが板橋区では既に全中学校22校で設置されています。地域移行を検討実施していく中で、iCSの関わりはどのように考えているのか、区の見解を伺います。また、提言書やガイドラインには地域移行と繰り返し、明示されていますが、板橋区が考える地域移行とは、学校単位で部活動を移行しようとしているのか伺います。
文化系部活動については、文化庁が所管をして検討をしていましたが、先日、スポーツ庁と文化庁が総合的なガイドライン(指針)の改定案をまとめ、別々に定めていた指針が一本化される動きがあります。地域移行に関しての議論は、運動部が先行する傾向がありますが、文化系部活動の地域移行についての方針を伺います。
次に、一人一台パソコンについて保護者から指摘される意見を踏まえた3点について質問させていただきます。コロナ禍で、学校へ登校できない間も学びを止めないための有力な手段として、オンライン授業は実施されたと理解しています。現状は、休校となる学級も減り、対面授業が通常どおり行われています。小学生のうちの子どもたちも、家からのリモートでの授業機会は現在ありません。せっかく児童・生徒に一人一台パソコンを貸与し、毎日持ち帰っていますので、オンラインの授業の日を設けるなど、教室の外から参加をする等、オンライン授業を積極的に行う機会を設けるべきと考えます。例えば土曜授業プランの日に親子で授業にリモート参加する等、工夫の余地が十分にあります。対面とオンライン双方の利点を生かしつつ、定期的にオンライン授業の機会を設けることについて、教育委員会の考えを伺います。オンライン授業の日は、不登校の児童・生徒も参加をしやすく、授業の様子を感じることができるのではないかと期待しています。
2つ目は、パソコン利用のルールについてです。一部の児童・生徒は、様々な知恵を働かせて休み時間に一人一台パソコンでゲームをしています。校内で決められた使用方法を守るルールの徹底を行うべきと考えますが、教育委員会の考えを伺います。
最後に、ミライシードのドリルパークの出題内容や答えがおかしいという声を保護者から伺います。例えば、ミライシードの社会の地図記号、神社のマークに対しての解答が平仮名や漢字によって正答が変わる。平仮名入力や漢字入力の指示は記載されてはいないため、小6が漢字で答えると不正解になってしまう。小6算数は計算式を工夫して記入する箇所について、暗算の仕方によって解答は合っていても途中式で不正解になる。回答を見てからでないと最適な答えが分からない状態である。小1の場合はタブレットに指先入力がうまくいかず、何度も漢字の入力をしなければならない。細かなことではありますが、個別最適化の学習環境にとっては大切な指摘と捉えております。正答率の悪いところに起こる傾向があるのではないかと考えるので、特定し改善することは可能と考えます。出題内容や解答の正当の判断が適正であるのかを教育委員会としても検証し、開発事業者へ改善を促していくべきと考えますが、見解を伺います。
教育現場での新型コロナウイルス感染症の対応については、注意を払いながら、次第にコロナ前に近づく努力をされているように感じます。社会科見学や遠足や修学旅行等、注意を払いながら実施している学校が大半を占めるようになりました。一方で、電車での移動や体育科発表会や音楽会の保護者や来賓の観覧など、極端とも見える判断をする学校もあり、学校間で考えに差が出ており、課題があると感じます。そこで行事の実施状況を教育委員会としても把握するように努め、判断に大きな差が生まれないように学校間での共有を図ってほしいと考えますが、区の考えを伺います。
2項目めに保育についてです。
小規模保育園は平成27年度以降、待機児童解消の重要施策として拡充を進めてきましたが、施設の充足と少子化や利用者の偏在によって定員割れの施設が目立つような状況となっています。また、新型コロナの感染症不安などによる利用控えも定員割れの一因となっております。定員割れであっても職員配置は定員数に合わせて行うために人件費や施設費の固定費は変わらないので、収支が悪化し、小規模保育園の経営への大きなダメージとなります。板橋区小規模保育園協会によると、園によっては小規模保育の欠員が、年度も6か月を過ぎても約2割強あるとの状況です。現に閉園となる小規模保育園もある中で、ある日突然に預け先がなくなる保護者や子どもたちの不安感やリスクについて手だてが必要と思いますので伺います。まず、自治体が主導して、小規模保育園での卒園児を連携園へ優先入園できる仕組みがあれば、3歳児になる前に新たに預け先が見つけられるかという不安を軽減することができ、園児誘導の一定の効果があると考えますが、区の見解を伺います。既に取組があることは承知しておりますが、多くの要望を受けますので改めて伺いたいと思います。
定員未充足に対しての新たな経営支援として、一時預かり事業は保護者にとってもメリットがある事業であると考えます。厚生労働省では、昨年12月の検討会の提言を受けて、来年度から定員に空きがある施設について、未就園児を一時的に預かるモデル事業も行う計画です。一時預かり事業は、他区においては補助金支給をしている実績もあります。板橋区でも一時預かり事業の実施と補助金の新設をするべきと考えますが、区の考えと検討状況を伺います。
さらにこうした支援策や対策は、スピード感を持って取り組んでいかなければ、時期を逸します。突然の閉園は、保活もやり直さなければならない等、保護者にとっても大きな負担を強いることになります。利用者の混乱を招く前に状況を変えていかなければなりません。地域の園の経営を安定化させるためならば、閉園の仕方も検討する必要があります。例えば計画的に公立保育園を閉園させる計画を1年前から保護者に説明をし、代替えの新しい園につなぐ自治体もあります。板橋区では、民営化について、5年前に計画をし、3年前に利用者に説明をしていくと伺いました。港区では、10年以内に10園の認可外の保育園を閉園する計画を示しています。区は、今後の保育需要をどのように見通し、政策誘導を図っていくのか、方針を伺います。
文化振興、絵本のまちについてです。
先日の決算総括質問では、ふるさと納税を活用した返礼品に絵本のまちを活用してはどうかと提案をし、前向きな返答を頂きました。持ち時間の関係で割愛してしまった提案を今回させていただきたいと思います。クリエイティブ・シティを目指す上では、人材の育成が大切であります。絵本という完成品を享受するだけにととまらず、作家とともに歩みを進めていく施策が必要と考えますので、以下2点を提案させていただきます。若いイラストレーター・絵本作家を支援するような区独自のコンクールを創設し、中央図書館で表彰と展示を行う等、絵本を中心に据えた文化事業の推進に期待したいと思いますが、いかがでしょうか。絵本のまちをさらに深めていくために、区内のイラストレーター・絵本作家に関して支援策を拡充していくべきと考えます。デザインや挿絵の仕事の積極的な切り出し依頼を通じて行ってはどうでしょうか。以上、区の考えを伺います。
今月2日、月間絵本「こどものとも」を創刊し、編集者でも知られる松居直さんがご逝去されました。「ぐりとぐら」や「だるまちゃんとてんぐちゃん」などの世代を超えて親しまれたシリーズを世に送り出した方でもあり、私も手がけられた絵本を多く読んで育ちました。絵本はできるまでにも様々な過程があり、多くの方が関わる創作物であると感じるところです。今後もボローニャ国際絵本原画展は、大切にされるべき美術館の企画展であります。現在、美術館では、「三浦太郎展絵本とタブロー」が開催中であります。11月17日にオープンした板橋区南町の無印良品では、三浦太郎さんの絵本をモチーフにしたディスプレイや壁画、絵本のコーナーも造作されており、民間事業者の力を借りた積極的なブランド戦略の展開を見ることができ、希望を持ちました。絵本のまちのブランド戦略は始まったばかりであり、ほかの市区町村よりも常に質の高い取組を意識し、戦略に磨きをかける意識が必要と考えております。私も多少しつこく具体的な質問をさせていただきます。絵本のまちの推進を図るために、絵本にまつわる美術館と連携した展示機会を、中央図書館やギャラリーモールでも実施していくことを求めますが、いかがでしょうか。今後も柱であるブランド戦略に全庁的に取り組み、区民へのPRや働きかけをしていくことが重要であると考えますので、期待をして注視してまいります。
4項目め、まちづくりについてです。
まずは板橋駅板橋口地区第一種市街地開発事業についてです。インターフォーラム構想については、区は、JR東日本と共同で平成30年に企画提案を公募した結果、野村不動産を事業者として選定しましたが、令和2年に基本設計の見直しが必要になったことによって、事業が約2年半遅れ、現在に至っています。当初の計画から相当の期間が経過した今、新たなブランド戦略が示されたり、ICT技術が進んだり、区民の置かれている環境に大きな変化がありました。構想の更新改定が必要ではないかと思われます。そこで何点か伺います。11月8日に開催された閉会中の企画総務委員会において、インターフォーラム構想の実現に向け、プロポーザル方式で採用した野村不動産の提案を基に共同で検討していく、と区から報告がありました。コロナ前の状況を前提とした野村不動産の提案内容にも相当な影響があるのではないかと思います。野村不動産とどのような協議を行っているか、これまでの経緯と現状を伺います。また、公益エリアの整備にかかる今後のスケジュールについても併せて伺います。
さらに板橋区内の芸術に触れる機会について考えてみると、美術館、中央図書館が新たに改修・改築がなされ、魅力的な施設となる一方で文化会館はあるものの、気軽に音楽に触れる区立施設がないように思います。そこで予算をかけても音響の整った小規模のコンサートが可能な設備、音響機材をインターフォーラム構想で実現してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。100メートルも離れていない徒歩圏内のハイライフプラザとの施設用途、特にセミナーやイベントといった会場利用について用途が重複し、近隣に同様な施設を設置することの意義について議会からも問われてきました。現在この点についてどのようにエリアマネジメントを行っていく予定であるのか、区の考えを伺います。
続いて、本庁舎周辺の公共施設の整備についてです。現在、旧保健所跡地は、解体工事が完了し、PPPの手法を導入し、施設整備を進め、令和5年から行政機能の適正配置を具体的に進めていく方針と理解しています。当初示されていたとおりに計画が実行されているか、特に民間施設による地代収入を得ることと必要な執務スペースが予定どおり確保され得るのか伺います。また、令和6年から民間事業者への貸付けを予定している情報処理センターは、令和5年度の工事を行う予定となっています。IT推進課、くらしと観光課、産業振興課等、本庁舎周辺に分散配置されていた行政機能は、おおむね旧保健所に移転となりますが、産業振興公社、シルバー人材センター、社会福祉協議会の移転先については、今後、検討とされてきました。検討状況を伺います。北館の長寿命化工事について伺います。北館の長寿命化工事は、居ながら工事を基本とし、一部情報処理センターに執務スペースを確保しながら行うと理解をしていますが、現在想定している工事の規模については、長寿命化のみを行うのか、あるいは全面的な改装も行うのか、改めて区の方針を伺います。また北館は本会議場や委員会室や控室を含む代替えの利かない議会機能が含まれ、居ながらの工事・改修に無理があるように思いますが、区の方針を伺います。
5項目め、志村小・志村四中小中一貫型学校についてに移りますが、志村第四中学校は、横側から校舎を見ると英数字の4の形に見えると言われるように、当時からユニークな校舎の形をしています。3階部分の2教室が真下に支えがなく中空に飛び出したデザインになっているため、解体工事を難しくしないかと懸念しています。また、現在の志四中体育館は半地下にあることで埋めるには大量の土砂が必要となることや、さらに屋上プールでは重さ300トンの水が建物屋上階にあるために強固なつくりにしなければならない点を考えても、先日、企画総務委員会や令和3年の総括質問の際にもご指摘したZEB化によるコスト高に加えて、解体から本体工事のトータルコストを引き上げる要因となり、コスト管理を厳しく行っていく必要があります。そこで伺いますが、ただいまご指摘したような懸念がどの程度あるか、また、入札形式の工夫等、具体的な対応が必要と考えますが、区の考えを伺います。また近年の板橋区立の小学校・中学校は、おのおの約40億円と約50億円が通常、建築費としてかかることを考えてみるとき、小中一貫型学校での建築費は、合築によって合計よりも高くなるのか、低くなるのか、同じぐらいなのか、区の見通しを伺います。
立派な校舎ができると確信しておりますが、そうであれば、施設の有効活用や地域貢献の観点からも、地域へできる限り開放していくことも検討を進めていくべきです。セキュリティを切り分ける等の配慮をして、学校に求められている地域への貢献や役割を果たす施設整備となることを願っております。避難所や備蓄倉庫のような防災拠点としての機能と、地域集会室や図書室や体育館といった地域コミュニティーへの貢献をどちらも実現すべきと考えますが、区の方針を伺います。
都営地下鉄三田線側に校庭を配置する計画です。もともと志四中の敷地だった場所の一部が現在は駐輪場となっています。駅から約100メートル手前で確かに利用価値のある駐輪場ですが、少しでも校庭を広くとるために、この駐輪場を校庭として整備することが望ましいと考えます。検討委員会からも意見が出ていましたが、いかがでしょうか。また、都営三田線の高架から校庭と校舎が一望できます。区の先進的な小中一貫型校舎として学校名称が車両内の窓からも分かるように、意匠の配慮を求めますが、いかがでしょうか。志村小の移転を残念に思っている方々の思いに応えるためにも、また志村小・志村四中生徒・児童のためにも、誇れる学校となるように整備されることを引き続き期待しております。
最後の項目として、日頃より地域から頂いている要望事項や課題について伺います。
発達障がい児や発達グレーゾーンの子ども、発達に課題があるために不登校となっている子どもの進路について悩みや不安を抱えている保護者の方々からお話を伺う機会があります。人と育ちや特性が異なる我が子のために、より自分らしく、より生き生きと過ごせる場所を保護者として探す努力をされていますが、周囲に理解してもらえる機会がなく、孤立して悩みを抱えています。子ども発達支援センター等の相談窓口を板橋区も設けておりますが、相談希望者が多く、適時の相談を受けることは難しいと聞いております。特にお子さんの進路については、相談内容も個別具体的な支援が求められるため、ご家庭で情報を収集するしかないと諦めるご家庭も多くいます。教育委員会内に特別支援相談係が設けられており、一定のニーズは満たすとは思いますが、保護者として、子の特性を考えて、区内外の進路先についての情報を得たいという切実なニーズに対しては十分に満たしていないと感じます。現状の課題についての対応を伺います。本来は、個別相談が適時行えることが理想ではありますが、教育委員会の特別支援相談係の資料として、また中央・地域図書館の資料としても、発達障がい者等の配慮が必要となる児童・生徒を受け入れる進路先の紹介パンフレットや関連書籍のコーナーを設け、地域の図書館で閲覧が可能であることをホームページや子どもの発達支援ガイドブックで発信して、進路選択をサポートしていくことはできないでしょうか。区の考えを伺います。
先日、区内3か所ある日本語学級の1か所を視察してきました。生徒と児童のマンツーマンの指導を基本とし、日本語におけるコミュニケーション能力が未熟な児童に寄り添った指導がなされていました。丁寧であるがゆえに、定員枠が狭く、待機児童が出ています。学力や母国の文化や教育水準に差があり、マンツーマン指導がふさわしいことは理解しましたが、1名への指導は、1名が欠席をすれば授業自体がなくなってしまう等、教員不足と言われている中でもったいないと思いました。そこで少なくともまずは定員枠1名から定員枠2名にする目標設定や、スケジュール調整や移動時間をなくすために遠隔授業も柔軟に取り入れる等、定員を増やす取組を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
ふれあい館で実施されている高齢者の体操プログラムについては、地域高齢者のフレイル予防にとって大切な機会となっています。利用者にお話を伺うと、人気のある講座は、抽選となっており、定員から漏れた方は、諦めるしかありません。本来は、継続的にフレイル予防に取り組んでいただくことが望ましいと思います。落選者の人数が減るように、人気の体操講座の枠や定員枠を増やしていくことを検討してください。地域が離れた方も参加申込みをしており、参加をされています。ふれあい館に近い地域に住む利用者からすると、遠い地域から来る来館者の枠の上限枠を設けてほしいのです。利用者によっては遠くのふれあい館には行けない人もいます。また、遠くの利用者のデメリットとして、天候の悪い日に人数が少なくなることがあります。施設に近い高齢者が気軽にプログラム参加できる工夫をしていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。
平成27年、2015年から、全国でマイナンバーカードの交付が始まって7年が経過しております。宮城県都城市では、今年、令和4年10月末時点、全国で最も交付率が高く、85%を超えたそうです。人口は15万人いますので、注目すべき交付率であります。ちなみに全国の交付率の平均は51.1%、板橋区は52.9%であります。政府の掲げるカード発行枚数を目標に、板橋区も交付に力を入れていますが、マイナンバーカードに書き込まれた電子証明書に関しては、発行から5回目の誕生日までに更新が必要となっております。有効期限の通知は来るものの、うっかり期限を切らしてしまう方もいるようです。コンビニでの証明書交付や電子申請の手続や保険証等とのオールインワン化を推進するに当たり、期限が切れてしまうということは非常に不効率であります。今後も更新時期を迎える区民は、マイナンバーカード発行枚数に比例して増加していきます。交付の際に5年で電子証明書の更新期限が来ることを積極的に周知する等していただいていますが、更新の期限がかなり先であるために期待する効果が上がっていないように思います。さらに対策が必要と思われますが、区の見解をお示しください。
以上をもちまして、私の一般質問を終了します。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
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△休憩の宣告
○議長(坂本あずまお議員) 山田貴之議員の一般質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩いたします。
なお、再開時刻は午後3時25分といたします。
午後2時51分休憩
午後3時23分再開
出席議員 45名
1番 小野田 み か議員 2番
内田けんいちろう議員
3番 高 山 しんご議員 7番 しいな ひろみ議員
8番 石 川 すみえ議員 9番 山 田 ひでき議員
10番 山 田 貴 之議員 11番 中 村とらあき議員
12番 間 中りんぺい議員 13番 しのだ つよし議員
15番 こんどう秀 人議員 16番 山 内 え り議員
17番 吉 田 豊 明議員 18番 田中しゅんすけ議員
19番 安 井 一 郎議員 20番 寺 田 ひろし議員
21番 さかまき常 行議員 22番 長 瀬 達 也議員
23番 南 雲 由 子議員 24番 荒 川 な お議員
25番 いわい 桐 子議員 26番 坂 本あずまお議員
27番 田
中やすのり議員 28番 いしだ 圭一郎議員
29番 成 島 ゆかり議員 31番 五十嵐 やす子議員
32番 竹 内 愛議員 33番 小 林 おとみ議員
34番 元 山 芳 行議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 39番 井 上 温 子議員
41番 かなざき文 子議員 43番 杉 田 ひろし議員
44番 茂 野 善 之議員 45番 田 中 いさお議員
46番 かいべ とも子議員 47番 渡 辺よしてる議員
48番 おばた 健太郎議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 なんば 英 一議員
54番 大 田 ひろし議員 55番 高 沢 一 基議員
56番 中 妻じょうた議員
欠席議員 1名
35番 大 野 治 彦議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 五十嵐 登
区議会事務局次長 森 康 琢
〃 議事係長 龍 野 慎 治 〃 調査係長 鑓 水 貴 博
〃 書記 飯 野 義 隆 〃 書記 高 橋 佳 太
〃 書記 岩 渕 真理絵 〃 書記 高 瀬 渉
〃 書記 安 部 詩 織 〃 書記 鈴 木 琢 真
〃 書記 細 田 夏 樹 〃 書記 小 林 隆 志
〃 書記 横 山 愛
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健 副区長 橋 本 正 彦
教育長 中 川 修 一 代表・
常勤監査委員菊 地 裕 之
政策経営部長 有 馬 潤 総務部長 尾 科 善 彦
法務専門監 辻 崇 成 危機管理部長 三 浦 康 之
区民文化部長 林 栄 喜 産業経済部長 平 岩 俊 二
健康生きがい部長 篠 田 聡 保健所長 鈴 木 眞 美
福祉部長 久保田 義 幸
子ども家庭部長 田 中 光 輝
子ども家庭総合支援センター所長 資源環境部長 岩 田 雅 彦
佐々木 三 良
都市整備部長 内 池 政 人
まちづくり推進室長田 島 健
土木部長 糸 久 英 則 会計管理者 椹 木 恭 子
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長湯 本 隆
水 野 博 史
政策企画課長 吉 田 有 財政課長 杉 山 達 史
総務課長 荒 井 和 子
△再開の宣告
◎事務局長(五十嵐登) ただいまの出席議員数は45名でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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△区政一般質問(続き)
○議長(坂本あずまお議員) 山田貴之議員の一般質問に対する答弁を求めます。
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、山田貴之議員の一般質問にお答えいたします。
最初は小規模保育園の連携園についてのご質問であります。一部の小規模保育園におきましては連携施設を設定し、卒園後の進級先を保障しております。また、小規模保育園を卒園する際には、4月の入所選考におきまして、一般の申込者より先に利用調整を行うことによりまして、預け先の確保を行っております。小規模保育園を安心して選択できるように、少人数保育のメリットや先行利用調整の対象となることも含めて、丁寧に案内をしていきたいと考えています。
次は、一時預かり事業と補助金の新設についてのご質問であります。小規模保育園の定員が充足していない場合において、定員枠の範囲内で実施する一時預かり事業につきまして、事業者と協議を行っているところであります。一時預かり事業を実施する場合には、利用実績に応じました補助が必要であると認識しています。
次は、今後の保育量の検討についてのご質問であります。区では、令和4年4月に待機児童ゼロを達成したことや未就学児の減少傾向を踏まえて、令和5年度は、新たな保育所の整備は行わないことといたしました。今後は、大規模集合住宅の建設等により、局地的に急激な保育需要が見込まれる場合を除きまして、保育所の新規開設は慎重に検討する必要があると認識しています。出生数の推移や人口の社会的増減を注視しながら、区立保育園の統合や閉園の可能性も含め、区の保育施設の方向性を検討していきたいと考えています。
次は、文化振興に関連いたしまして、コンクールの実施についてのご質問であります。イラストレーターを対象とした事業として、美術館では夏のアトリエをはじめボローニャ国際絵本原画展等に関連いたしました各種講演会、ワークショップを実施しております。また、中央図書館におきましては、絵本のまち板橋の拠点として、今年度から翻訳家や絵本作家、イラストレーターの創作活動にも参考となる各種講演会を開催しています。これら絵本を活用した文化事業の推進に、絵本のまち板橋ならではの独自性を加味することは必要不可欠と考えておりまして、区独自のコンクールを含めて様々な展開を検討していきたいと考えています。
次は、イラストの発注についてのご質問であります。絵本のまち板橋の推進に当たりましては、当面の事業展開としまして、創作者の集積と育成を掲げておりまして、クリエイター支援を行うこととしております。今年度の区民まつりの一部につきまして、区内クリエイターへのデザイン発注を行っておりまして、今後こうした取組の拡充について検討を進めていきたいと考えています。
次は、絵本の展示機会についてのご質問であります。いたばしボローニャ絵本館においては、ボローニャ児童図書展事務局から寄贈されたものを含めて、美術館とも関連の深い国内外の多くの絵本を所蔵しております。これらの蔵書は、日常的な開架のほかに、機会を捉えた特設コーナーとしての展示や本庁舎1階での絵本のまち板橋を紹介する際の出張展示等、様々な展示機会を設けております。引き続き、絵本のまち板橋の発信に当たりましては、美術館、ボローニャ絵本館、本庁舎1階展示など、区が有する資源を連動させた一体的な展開として実施していきたいと考えています。
次は、板橋駅板橋口地区第一種市街地再開発事業に関連いたしまして、施行者との協議についてのご質問であります。板橋駅板橋口の区有地を活用した再開発事業につきましては、令和2年5月、施行者から、基本設計の見直しによってスケジュールが3年ほど遅延すると報告を受けました。区から工期短縮等を要望してきた結果、本年3月に施行者から受けた報告によりますと、当初計画より2年半ほど遅れまして、令和9年度中に開業予定となりました。設計が完了したことから、今後はインターフォーラム構想の具体化に向けまして、施行者とともに、ポストコロナなど社会環境の変化を見据えながら検討を深めていきたいと考えています。
次は、公益エリアの整備スケジュールについてのご質問であります。公益エリアの整備スケジュールにつきましては、令和5年度から6年度にかけまして野村不動産と共同で基本構想・基本計画の策定を進めていく考えであります。令和7年度に設計、8年度から工事に着手し、9年度の半ばに開設を目指していきたいと考えています。この進捗状況につきましては、適宜区議会へ報告の後、住民説明会を開催するなど、広く区民の意見を伺いながら検討を進めていきたいと考えています。
次は、音響機能についてのご質問であります。インターフォーラム構想においては、展示コンベンションや文化芸術の表現など、多用途に利用できる交流スタジオの設置を掲げております。野村不動産からは、レセプション、展示会、セミナーのほか、小規模な音楽・文化イベントなどに適した多機能ホールの提案を受けているところでございます。今後、公益エリアの基本構想・基本計画を策定していく中において、交流スタジオの用途等についてさらに検討を深めながら、それに適した音響設備・機材の整備を盛り込んでいきたいと考えています。
次は、類似施設との区別化についてのご質問です。交流スタジオのホール機能につきましては、ハイライフプラザと用途が類似する可能性はあるものの、区民プラザ機能と併せ、情報発信及び交流拠点としての区別化を図っていきたいと考えています。また、民間の力を最大限に活用しながら、まちの共用部としての機能についても、エリアマネジメントの手法を検討し、魅力ある公益エリアを整備していきたいと考えています。
次は、旧保健所跡地の活用計画についてのご質問です。旧保健所跡地の活用につきましては、令和元年9月に本庁舎周辺公共施設再編方針をまとめたところでございましたが、その後、№1プラン2025を策定し、この方針を見直すことといたしました。令和5年度以降に改めて方針を決定する予定でありまして、ポストコロナを見据えた本庁機能の配置やスペースを見直しながら、財源の確保につきましても検討していきたいと考えています。
次は、産業振興公社等の移転先についてのご質問です。旧保健所跡地の活用方針につきましては、一旦立ち止まって見直すこととしたため、本庁舎周辺に分散配置されている行政機能も改めて再配置を検討していきたいと考えています。産業振興公社やシルバー人材センター、社会福祉協議会などにつきましても同様に、令和5年度以降に改めて示す方針の中において検討していきたいと考えています。
次は、本庁舎北館の長寿命化工事についてのご質問です。北館につきましては、令和2年に策定いたしました改修整備方針に基づきまして、外壁や設備機器など施設の老朽箇所の更新を中心とした長寿命化工事を実施する計画であります。なお、当初、令和9年度の工事着手を目指しておりましたが、№1プラン2025の策定のときに整備スケジュールの見直しを行いまして、時期については先送りをしたところでございます。
次は、本会議場や委員会室などの居ながら改修についてのご質問であります。議会機能の強化に向けた改修内容につきましては、本会議場の天井や照明など、必ず実施すべき整備を除きまして、現段階では検討中であります。今後、具体的な改修内容の検討に併せまして、議会運営を継続しながら居ながら改修とするか、代替場所を調査すべきかにつきまして、議会とも相談をしながら判断をしていきたいと考えています。
次は、志村小・志村四中小中一貫型学校に関連いたしまして、コスト削減と具体的な対応についてのご質問であります。既存校舎の解体工事や施設一体型小中一貫型学校の改築工事に伴うコスト管理につきましては、増加要因も多く、厳格に管理していく必要があると認識しています。入札方式につきましては、区内事業者の育成を踏まえ、分離発注を基本としながらも、難易度が高く、高度な技術が必要な工事につきましては、様々な発注方式についても検討してまいりたいと考えています。また、屋上プールの配置の工夫、シンプルな構造形式の採用や仕様の標準化によりまして、イニシャルコストの低減に努め、併せて、ランニングコストを考慮した施設計画としていきたいと考えています。
次は、駐輪場の校庭への活用についてのご質問であります。志村第四中学校に隣接する区営志村三丁目駅第4自転車駐車場は、収容台数100台の当日利用専用駐車場でありまして、通常8割程度の利用率となっております。志村三丁目駅周辺は、民営の駐輪施設も少ないため、廃止することはサービス低下や路上駐輪を増加させるなどの問題があると考えます。このため、学校用地としての必要性と駐輪場の代替地の確保など、土地活用の総合的な視点からの課題解決を考えていきたいと考えています。
次は、ふれあい館の体操プログラムについてのご質問であります。ふれあい館においては、利用者の方々からのご意見やご要望に沿って、文化、スポーツ、教養など、多様な講座を開催しております。コロナ禍における生活様式の変化を踏まえ、今後のサービス向上につなげるため、今年度中に利用者ニーズ調査の実施を予定しております。この調査を通じまして、様々なご意見を頂戴した上で、講座の抽選方法も含めて、より多くの方が気軽に参加できる仕組みづくりを進めていきたいと考えています。
最後でございます。マイナンバーカードの電子証明書の有効期限についてのご質問であります。マイナンバーカード本体の有効期間は、発行日から10回目の誕生日まで、またカードに書き込まれた電子証明書の有効期間は、発行日から5回目の誕生日までとされております。有効期限の二、三か月前をめどに、国から有効期限通知書が送付され、また国や東京都及び区がホームページやリーフレット等、様々な媒体を活用し、周知に努めているところでございます。一方で、制度開始から7年が経過し、更新期限を失念される方も見受けられるため、期限の到来について、より分かりやすくホームページやリーフレットの見直しをしていきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、山田貴之議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、部活動の地域移行についてのご質問ですが、スポーツ庁及び文化庁は、部活動の地域移行に関する提言に続き、学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン案をこの11月に公表しました。本ガイドライン案では、休日における部活動の地域移行をおおむね達成する時期につきまして、令和5年度から7年度とした上で、改革集中期間と位置づけております。区としては、これらを踏まえ、来年度中に、区立中学校の部活動の地域移行に関する推進計画を策定し、令和6年度以降の段階的な実施を行いたいと考えております。なお、計画の策定に当たりましては、児童・生徒や保護者、学校、スポーツ・文化関係者、地域等に適宜適切に説明を行い、理解と協力を求めてまいりたいと思います。
次に、部活動の現状の在り方についてのご質問ですが、部活動を学校教育から、地域の力を借りて社会教育分野での活動に移行させていくという試みは、中学校の部活動にとっては大変大きな変化であると認識しています。部活動の地域移行を達成するには一定の時間が必要であるため、この大きな改革を進める間におきましても、同時並行で、現行の部活動の改善を図り続ける必要があると考えます。そこで、区における取組におきましては、部活動の地域移行を行うことと、移行が完了するまでの間、併存する現行部活動の改善を図ることを2本の柱に据えて取り組んでまいります。なお、大会運営の在り方につきましては、公益財団法人日本中学校体育連盟等の大会主催者に、国から改革の要請が行われていると聞いており、これらの動きを注視してまいりたいと思います。
次に、多様な部活動の在り方についてのご質問ですが、現在の区立中学校の部活動では、競技志向からレクリエーション志向に至るまで、様々な活動が行われています。しかし、部活動は学校単位で設置されているため、生徒は自身の志向にかかわらず、自分の学校に設置されている部活動に入部することしかできず、選択が限られてしまう状況にあります。一方、部活動の地域移行は、学校単位での活動からの脱却を目指しており、この点で、生徒にとってより選択肢が広がるものとなると考えています。区における部活動の地域移行は、生徒自身の志向に合ったスポーツ活動や文化活動を通じた成長機会に恵まれるようにすることを第一とした改革にしてまいりたいと思います。
次に、人材確保と質の担保についてのご質問ですが、区立中学校の令和3年度部活動実施状況調査によりますと、部活動数322部、顧問数547名、部活動指導員数3名、外部指導者数184名となっております。この規模は、23区においても大きい部類に入るものと思われ、部活動の地域移行を進める際の大きな課題の一つとなっていると考えられます。一方、板橋区はスポーツが盛んな土地柄でもあり、荒川河川敷を抱え、活動場所に恵まれるなど、地域移行の受皿となる指導人材が質・量とも期待できる土壌があるとも考えられます。地域移行におけるスポーツ指導者の確保と資質につきましては、このような地の利を生かしつつ、先行する自治体の事例を参考に、指導の適格性を担保する仕組みを検討してまいりたいと思います。
次に、指導に対する対価と経済的負担についてのご質問ですが、国の提言では、部活動の地域移行を進めていくと、生徒は地域のスポーツ活動や文化活動に、そのメンバーとして参加することになるため、一定の費用負担が想定されております。さらに、地域移行の受皿となる団体に対して、企業からの支援等による収入の確保や、自治体が学校や体育施設の低廉な利用を認めるなどして、費用の削減を図ることが求められております。区としては、部活動の地域移行後の費用負担について、推進計画の策定過程で様々な視点から検討し、経済的に困窮する家庭への国による支援の動きについても注視してまいります。
次に、教員の働き方改革についてのご質問ですが、地域移行後の活動に休日を利用して従事することを希望する教員に対しては、報酬を得て参加できるよう、兼職兼業の許可を与える制度の整備を検討しているところです。その場合、本来業務へ影響が生じないように、また、心身に過重な負担とならないよう、十分配慮することが必要と考えております。兼職兼業の許可に関し、モデルとなるような取組を見出すことは現在のところできておりませんが、これに限らず、地域移行の取組全般について、先進自治体の研究や視察は適宜行ってまいりたいと思います。
次に、地域展開におけるiCSの関わりについてのご質問ですが、部活動の地域移行は、少子化社会におきましても、教員の働き方改革の視点におきましても、中学校の部活動を持続可能なものとするための改革であると認識しております。生徒たちが将来にわたりスポーツや文化活動に継続して親しむことができる機会を確保するためには、学校単位での活動にこだわることなく、生徒がニーズに応じて活動できる、最も適した形を検討する必要があると考えております。そのため、iCSの方々には、区としての方向性を検討する推進計画の策定や、地域移行までの間の部活動の改善に、何らかの形で携わっていただければと考えているところです。
次に、文化系部活についてのご質問ですが、区立中学校の部活動の地域移行を検討するに当たりましては、文化系の部活動についても、運動部活動と同様、一体的に検討してまいる所存です。
次に、一人一台パソコンに関しまして、定期的なオンライン授業の機会についてのご質問ですが、一人一台端末は、緊急時に子どもたちの学びを保障するために有効であり、現在は、不登校対応やケガ等での欠席の際にもオンライン授業の配信を行っております。現状の制度では全校児童・生徒を登校させずに、オンラインで授業をすることは課題が多いと考えますが、端末の新たな活用方法については、研究してまいりたいと思います。
次に、パソコンの利用に向けたルールについてのご質問ですが、板橋区では一人一台端末を使うときのルールをICT未来活用宣言において示し、端末の壁紙としていつも児童・生徒が意識できるようにしております。今後も、授業において、端末を使用する前などに、学びのために使うことを必ず指導するなど、ルールの徹底を図ってまいりたいと思います。また、学級活動等で、子どもたちが主体的に端末活用のルールを話し合って決め、自主的にルールを守ることができるよう、校長会等で周知してまいります。
次に、ドリル学習ソフトの改善についてのご質問ですが、ご指摘のとおり、ドリル学習ソフトの社会や算数において、出題や回答の内容に関して改善の余地があるケースが発生していることは把握しているところです。ドリル学習ソフトは、児童・生徒個別の学習進度に合わせた取組や、予習・復習等に活用するためのものであり、出題や回答は当然に適正でなければならないと考えております。教育委員会は、学校から寄せられる学習ソフトやアプリケーションの利用に関する課題を把握・集約し、改善するよう事業者に働きかけてまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症への対応方針についてのご質問ですが、感染症予防に関する教育活動上の対応ガイドラインでは、校外学習等の学校行事について、感染症対策を徹底し、児童・生徒の安全を確保した上で実施することを求めております。学校行事の実施につきましては、ガイドラインに則って、各学校で、学校規模や学校ごとの感染症の状況により判断しております。今後も教育委員会として、各学校の実施状況を把握して助言するなどし、児童・生徒の学びの機会を保障していくよう努めてまいりたいと思います。
次に、志村小・志村四中施設一体型小中一貫型学校の改築経費についてのご質問ですが、施設一体型小中一貫型学校の改築経費は、一般的には2校を改築する経費よりも安価であると言われております。今回の改築では、地下体育館の解体や、ZEB化の導入及び原材料費・人件費の高騰など、今までの改築にはなかった経費を押し上げる要素が多くあり、工事費が高くなる可能性があります。今後、改築経費につきましては、設計の中で、プールや受変電設備等の集約や、管理諸室の兼用・共用使いによる延べ床面積の縮小を検討し、経費削減の努力を引き続き行ってまいります。
次に、学校施設の地域コミュニティーへの貢献についてのご質問ですが、避難所、スポーツ施設として利用する体育館は、ハザードマップを基に、防災備蓄倉庫とともに2階に整備し、さらに4階にも体育館を整備する計画であります。また、体育館以外の多目的室や図書室などの地域開放も検討しており、地域コミュニティーの活性化に貢献していきたいと考えているところです。防災拠点と地域貢献の役割を果たすため、施設使用時のアクセスと学校区画とのセキュリティのゾーニングについて検討を行っているところです。
次に、三田線車両から視認できる学校名称の意匠的配慮についてのご質問ですが、施設一体型小中一貫型学校の校舎につきましては、敷地の中央付近に配置することを計画しているため、現在の校舎より都営三田線から離れることになります。車両から視認できる学校名称の設置につきましては、距離が離れるため、位置や文字の色、大きさ及び壁面の色とのコントラスト等を考え、設置に向けて検討を行ってまいります。
次に、発達障がい児等への進路に関する情報提供についてのご質問ですが、発達障がいや子どもの特性を踏まえ、発達段階に合わせた、より具体的な進路選択をするための情報提供や相談対応は、大変重要であると認識しています。教育支援センターでは、就学・転学相談、心理相談で進路の相談にも個別対応しているものの、それ以外に広く情報を得られる機会が少ないことは課題と認識しております。今後は、教育支援センターが例年行っている進路相談会の充実を図るなど、発達に課題を抱える子どもの保護者等のニーズにも一層応えることができるよう、検討を重ねてまいりたいと思います。
次に、発達障がい児等の進路に関する資料提供の方法についてのご質問ですが、配慮が必要な生徒に対するものも含め、区立中学校には多くの進路に関する資料が集積しており、進路指導担当教員が中心となって、資料の整理や提供を行っているところです。一方で、就学前の子どもや小学生、保護者等に対する進路の情報提供は、個別相談等の場に限られることが多く、必ずしも情報を得やすい環境にはないと認識しております。どのような事情がありましても、子どもや保護者が進路選択に必要な情報を得られるよう、関係機関と連携し、資料の配置場所等、情報発信の方法については工夫を重ねてまいります。
最後に、日本語学級の定員についてのご質問ですが、日本語学級は小学校で3校、中学校で2校の合計5校で8学級が設置されており、100名以上の外国籍の児童・生徒が現在学んでいます。一方、設置校以外の学校から入級を希望した場合は、移動時間が発生するため、授業時間の確保が難しいなど課題があります。既に一部の学級では定員枠を2名にする取組を行っており、今後、一人一台端末を活用した遠隔授業など、取組の拡大を検討してまいりたいと思います。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 以上で、
内田けんいちろう議員、小野田みか議員、しのだつよし議員、間中りんぺい議員、山田貴之議員の一般質問を終了いたします。
次は、公明党が行います。
初めに、成島ゆかり議員。
◆成島ゆかり 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) 成島ゆかり議員。
〔成島ゆかり議員登壇〕(拍手する人あり)
◆成島ゆかり 議員 通告に従いまして、公明党の一般質問を行います。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、さらに原油価格や物価高騰等に直面し、区民の生活に様々な影響を与えています。今後、区におかれましては、区民の皆様に寄り添う生活支援が待たれます。
初めに、物価高騰対策について伺います。
区は、令和4年度補正予算第3号で、光熱費や物価高騰の影響を受けている介護施設、入所型77、通所型186、障がい者施設、入所型50、通所型128、保育施設261、合計702施設に対して支援金を計上しました。コロナ禍、日々ご尽力くださっている福祉施設・事業所に対するこの支援金を高く評価いたしております。介護現場からも喜びの声を頂いております。保育施設については、既に申請が始まっていると聞いております。介護施設については、11月中に要綱を策定し、周知されると認識しています。この事業を対象施設702施設が漏れることなく、確実に申請、支援金の交付までサポートすることが重要と考えます。期間までに申請がなかった施設には再度申請勧奨を行い、確実に必要な施設にこの交付金が支給されるよう、体制の強化を要望いたします。区長の答弁を求めます。
次に、高齢者・介護施策について伺います。
初めに、認知症の人と家族の一体的支援事業について伺います。板橋区は、令和2年度厚生労働省老人保健健康増進等事業にて行われた認知症ケアパスコンテストにて、177自治体が参加する中、優秀賞を受賞しました。認知症施策が評価され、大変に誇らしく思っております。2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症になるとされており、認知症者数・有病率ともに高まりつつある中、これまで別々で行われてきた、認知症本人、家族介護者への支援を、家族を1つの単位とした一体的支援が重要視されています。これまで、板橋区としても認知症カフェ等、様々な認知症対策を実施してきていますが、さらなる認知症対策の強化が必要と考えます。国は、当事者とその家族がよりよい関係性で在宅生活を送れるよう、今年度から認知症の人と家族への一体的支援事業を地域支援事業に位置づけ、自治体での取組を推進しており、認知症地域支援専門員の業務内容に認知症の人と家族への一体的支援事業が追加されました。この事業は、認知症の人と家族に焦点を絞った支援プログラムで、認知症の人とその家族を支援対象とし、本人と家族が希望する活動を一緒に行っていくことで、お互いの気づき・理解を深めることを目的としています。公共スペースや既存施設を活用して一連のプログラムに取り組むことで、本人の意欲向上や家族の介護負担感の軽減、さらに家族関係の再構築を図れるとされています。2020年から、全国10自治体でモデル事業と検証が重ねられ、2022年より地域支援事業として正式に事業化されました。都内では、品川区がミーティングセンターとして実施しています。板橋区においても、ニーズ・重要性が高まっていくことが考えられ、家族の関係にアプローチする新しいプログラム、認知症の人と家族の一体的プログラムを地域支援事業としてスタートするよう要望いたしますが、いかがでしょうか。
第2に、高齢者の保健事業と介護予防の一体的事業についてです。令和4年予算総括質問において、この事業の早期実施を要望いたしました。区は、令和元年10月に関係各課によるプロジェクトチームを立ち上げ、検討を続け、また、令和4年度には医療介護連携担当係長を新設し、体制を強化していると認識しております。現時点での検討状況をお示しください。特に、ハイリスクアプローチについては、国保データベースシステムを後期高齢者の保健事業でも使用できるようになったことにより、抽出条件の設定により、正確にピンポイントでハイリスク者を絞り込むことができ、早期発見、必要なサービスにつなげることができます。令和3年度より実施している練馬区は、国保データベースシステムを活用し、糖尿病重症化予防、低栄養防止、健康状態不明者対策対象者を抽出しハイリスクアプローチを実施し、アセスメント結果に応じて、医療機関受診、栄養指導、検診受診、通いの場、その他必要なサービスにつなげています。高齢者の方々の健康寿命延伸に向けて、板橋区においても国保データベースシステムを活用し、板橋区の多様な資源を生かした先駆的な高齢者の保健事業と介護予防の一体的事業の実施を求めますが、区長の見解を伺います。
第3に、一人暮らし高齢者の支援についてです。一人暮らし高齢者支援については、ひとりぐらし高齢者見守りネットワークをはじめ、高齢者電話相談など様々な事業が実施されているところですが、コロナ禍において、多くの一人暮らし高齢者の方から相談を頂戴しています。多くは、身寄りがなく自分が亡くなった後の死後の様々な手続等に関する不安のご相談です。豊島区は、令和3年2月に23区初となる終活総合相談窓口として、豊島区終活あんしんセンターを開設しました。その中で、相談者のうち単身世帯が約半数を占め、相談内容では死後事務や遺言・相続等の死後の手続に関する相談が多くあり、このことから単身世帯をはじめとする高齢者のために、安心した終末期を実現できる具体的な仕組みの構築が必要と考え、本年4月から終活情報の登録制度を導入しています。身寄りのない一人暮らし高齢者は、今後増加する傾向にあると考えます。登録者の意思を的確に伝達し、希望に沿った終末期の医療や円滑な死後事務等の実現につなげ、本人の尊厳を守るとともに、今後の人生を不安なくより豊かで安心して過ごしていただくために、板橋区でも終活情報の登録制度の導入など、一人暮らし高齢者の不安に寄り添う施策が必要ではないでしょうか。区長の見解をお伺いします。
次に、健康施策について伺います。
第1に、セット検診の拡充についてです。1点目に、セット検診のオプトアウト方式の導入についてです。現在、板橋区の健康診査において、大腸がん、肝炎ウイルス、前立腺がん、胃がんリスク検診がセット検診として健康診査と同時に受診できます。コロナ禍で検診控えが懸念されていた中、昨年度、検診対象者で未受診の方は今年度でも受診可能としており、評価いたしております。板橋区のセット検診は、同時に受診できるという大きなメリットがあるものの、対象者が希望することで受診ができるという環境になっています。しかし、オプトアウト方式は、本人が断らない限りは特定健診と同時にがん検診をセットで受診することになります。中央区では、既に肺がん、大腸がん、前立腺がん、眼圧、骨粗鬆症、肝炎検査は特定健診からのオプトアウト方式を導入しており、受診率も特定健診とほぼ同等の数値となっているようです。区民の皆様の健康、疾病の早期発見に資する検診を、オプトアウト方式の導入でさらなる検診率の向上を要望いたします。また、肺がん検診、眼圧、骨粗鬆症検診についてもセット検診とし、同時受診ができるよう要望いたします。
2点目に、新たな更年期障がい検診の導入についてです。閉経前後の女性の更年期障がいは知られていますが、男性の更年期障がいが注目されています。通常、男性ホルモンは20歳頃にピークになり、40代以降から緩やかに低下します。しかし、加齢に加えてストレス、疲労、睡眠不足などが影響して男性ホルモンが極端に低下すると、個人差はありますが、男性更年期障がいを起こすことがあるとされており、最近では男性有名芸能人が、更年期障がいで治療を受けており、体の不調の原因が分かり、適切な治療を受けられたことにより回復に向かっているとし、更年期障がいの早期発見と適切な治療の重要性を訴えていました。男性更年期の自覚症状として、多汗、倦怠感、筋肉や関節の痛み、筋力低下、頭痛、目まい、耳鳴りなどの体の不調と、不眠、無気力、いらいら、集中力や記憶力の低下などの精神の不調を来すと言われており、うつ状態と同様の症状が多く、自覚症状だけでうつ病などの精神疾患と鑑別することは難しく、精神科を受診し、抗精神薬などを処方されるケースがあると聞いております。男性更年期は男性ホルモンの低下によるものなので、血液検査による男性ホルモン値の測定が必要不可欠です。しかしながら、働き盛りの年齢であり、男性更年期の認知度も低いため受診につながらず、体の不調を抱えたまま経過している方が多いと考えられます。板橋区では、セット検診に前立腺がん検診が含まれています。前立腺がん検診の血液検査で行われるPSA測定は、泌尿器科で更年期障がいを疑う場合には同時に検査されていることが多く、区で実施されている前立腺がん検診にプラスして男性ホルモン値の検査が可能ではないでしょうか。男性更年期障がいの早期発見・治療に結びつけるため、セット検診の前立腺がん検診に、40歳以上の希望する方には男性ホルモン値も同時に検診できるよう要望いたします。以上2点について区長の答弁を求めます。
第2に、AED設置場所への三角巾の配備についてです。旭化成ゾールメディカルが行った一次救命処置およびAED使用に関する意識調査によると、女性に対する救命処置への抵抗感を示す傾向が高いことが分かり、心理的な抵抗感や法的責任を問われるのではという不安が、女性に対する救命処置への主な阻害要因となっていることが分かりました。AEDは、電源を入れて2枚のパッドを素肌に貼りますが、傷病者が女性の場合、使用をためらう人も多いことが課題となっています。しかし、服を全て脱がせる必要はなく、下着をずらして貼ることで対応でき、また、パッドを貼った後、その上から服などをかけて肌を隠すようにしても、AEDの機能に影響はないとされています。しかし、このような女性に配慮したAEDの使用方法が十分に浸透していないのではないでしょうか。電気ショックが1分遅れるごとに、救命率は10%ずつ低下すると言われています。ちゅうちょせず救命処置を行っていただけるよう、また、傷病者のプライバシー保護のため、応急処置にも活用できる三角巾を配備する自治体が増えています。越谷市では、AEDシートを使用する際のプライバシー保護の手段を検討した結果、プライバシー保護のほか、応急手当てにも活用できる三角巾を用いることにしたといいます。加えて、プライバシー保護の方法や、三角巾の使い方などを分かりやすく説明しているA4サイズのカードを配置し、市民の皆様への理解促進に努めています。板橋区内に設置されている全AEDに、三角巾のほか、プライバシーに配慮した使い方のパンフレットの配備を要望いたしますが、区長の答弁を求めます。
第3に、HPVワクチンについてです。子宮頸がんの発症予防を目的としたHPVワクチンについて、本年4月より定期接種対象者への積極的勧奨が約9年ぶりに再開されました。また、積極的勧奨差し控えの期間に定期接種年齢を過ぎてしまった女性に対しても、再度、接種機会を設けるキャッチアップ制度も開始され、全国的にHPVワクチンに関する接種や関心が高まっております。板橋区は、コロナ禍の様々な対応で大変忙しい中、勧奨再開に当たり、速やかに全対象者に郵送通知を実施していただき、迅速な対応に感謝いたします。前年度に比べると接種される方が増えているのは、間違いなく勧奨再開とそれに伴う個別通知の郵送と評価いたします。現在、定期接種やキャッチアップ制度で使用できるHPVワクチンは、2価ワクチンと4価ワクチンとなっています。これらのワクチンよりも高い感染予防効果があるとされる9価HPVワクチンについて、厚労省は11月8日開催の厚生科学審議会において、令和5年4月1日から定期接種とする方針を決めました。また、キャッチアップ接種にも9価ワクチンを接種できるようにすることも決定いたしました。定期接種として、より高い感染予防効果のある新しいワクチンも使えるようになることは、対象者にとって接種を検討するための大変に重要な情報であり、安全性・有効性など正確な情報提供を実施することが必要と考えます。そこで、お伺いいたしますが、9価HPVワクチンの効果や安全性についてお示しください。
HPVワクチンについては、現状の接種率を見ても、まだ接種を決めかねている方がかなりいらっしゃると思います。そうした方々にとっても、新しいワクチンが定期接種で使用可能となること、その有効性や安全性などの情報は、重要な接種検討材料です。事前の情報提供は大変に重要です。広報やホームページでの周知では気づけない人が多いと考えます。定期接種の期間は、小学6年生から高校1年生相当と幅がありますが、標準接種年齢は中学1年生相当であり、適正年齢で接種することが非常に重要なワクチンです。十分な情報が届かなかったために希望者が接種機会を逃すといったことがないよう、9価ワクチンの接種が可能となる方たち全員への個別郵送通知の実施を要望いたしますが、いかがでしょうか。
第4に、多胎妊婦の健診費用助成についてです。多胎妊娠は、単体妊娠に比べて妊娠高血圧症候群や早産等の妊娠中のリスクが高く、母体や胎児のリスクを回避するためにも妊娠中の定期健診は大変に重要であり、基準の14回を超える妊婦健診の回数、20回が必要とされております。しかし、14回を超える受診は自費となり、身体的・精神的負担に加えて、経済的負担が大きくなります。令和3年度の予算総括において、多胎妊娠の14回の基準を超える妊婦健診費用の助成を要望させていただきました。区からは「東京都地域保健事業連絡協議会、五者協で協議事項として上げていく予定であります」とのご答弁がありましたが、五者協での協議の状況をお示しください。
区は、23区内での医療機関の相互乗り入れができる体制の構築の必要性から、五者協での協議に上げるとのことでしたが、現状、23区内で足立、荒川、葛飾、新宿、江戸川区をはじめ、既に10区が助成を実施しています。板橋区においても、五者協の検討を待たず早急に助成事業を開始すべきと考えますが、区長の見解を求めます。
次に、子ども施策について伺います。
全ての子どもの権利が守られ、幸せに成長できる社会の実現に向けて、子ども施策に基本理念や自治体の責務などを定めたこども基本法、こども家庭庁設置法が成立し、来年4月から施行され、本格的な運用が始まります。子どもに関する問題が深刻化・多様化している中、子どもの権利の尊重を柱とする基本法の制定は、様々な子ども施策を強化・加速し実効性を高める上で大きな意義があると考えます。板橋区においても、子どもの権利を尊重した子ども施策の推進・強化が求められます。以下、誰一人置き去りにしない子ども施策の充実を求めて質問いたします。第1に、ヤングケアラー支援についてです。ヤングケアラー支援体制の構築に向けて、我が会派から様々な提案をさせていただいてきております。ヤングケアラーへの支援は、行政内や関係する機関同士の縦割りをなくし、横串を刺すことへの突破口になると考えます。国は、3年間を集中期間としており、区においても具体的な支援体制の構築に向けた検討がなされていると認識しております。初めに、ヤングケアラー支援体制について、主たる施策はどこが所管していくのかも含め、進捗状況をお示しください。
2点目に、多様な視点からのヤングケアラーの把握についてです。ヤングケアラーの特徴からヤングケアラーを掌握するには、より多くの気づきの目が重要です。現状は、学校が可能性に気づきやすい場所ではありますが、家族への介入が不可欠な福祉事務所、おとしより相談センター、障がい者福祉センターや介護事業所など、多様な視点からの把握も重要と考えます。福祉事務所など、組織内については既に連携体制が構築されていますが、介護事業所など民間事業所からの情報提供のスキームの作成が必要と考えます。多様な現場からヤングケアラーを把握するためのスキームの作成と誰一人取り残さないネットワークの構築を要望します。
3点目に、アセスメントシートの導入についてです。ヤングケアラー支援は、子どもの権利を守る視点からも、子ども自身と問題やニーズを共有し、どうしていくかを一緒に考え、解決していくことが重要であります。ヤングケアラーをニーズに合った支援につなげるためには、情報を集約し、包括的に支援していくアセスメントが重要であり、支援計画を立てるには必要不可欠なツールです。個々の状況や意向に合わせた必要な支援に確実につなげるために、アセスメントシートの導入を要望しますが、いかがでしょうか。
4点目に、訪問介護事業についてです。子どもの状況や意向に応じた支援をするには、様々な支援内容が必要となります。その一つが訪問ヘルパー派遣事業です。高崎市は、9月からヤングケアラーSOS事業で、ヘルパーを無料で派遣する事業を開始しています。しかし、家庭に入る難しさをはじめ、デリケートな問題のため時間をかけて周知や準備を行っており、板橋区においても必要な支援と考えます。また、現状は、介護保険の訪問介護事業による支援が可能な場合があります。しかし、ヤングケアラーを同居家族とみなし、生活支援が行われていない実態があり、厚労省は、9月に「ヤングケアラーの支援に向けた取組への御協力について」の事務連絡を出しています。この通知で「利用者に同居家族(ヤングケアラーも含む)がいることをもって、一律に本人への生活援助が位置づけられないというものではない」と明記し、ヤングケアラーの同居家族がいるからという理由だけで一律にサービスの提供を見送ってしまう機械的な対応はせず、個々の状況に応じて柔軟に支援していくよう、ヤングケアラーへの十分な配慮を要請しています。板橋区において、このような事例がないよう、おとしより相談センターをはじめ、ケアマネジャーが配置されている介護事業所に再度徹底していただくよう要望します。以上4点について区長の答弁を求めます。
第2に、小中学校健康診断時のプライバシー配慮についてです。令和3年3月に文科省より、「児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点について」との事務連絡が出されました。この通知では、児童・生徒等のプライバシーの保護や、男女差等への配慮を行い、児童・生徒等の心情も考慮して実施することが大切としています。令和元年に我が会派の総括質問にて、集団健診が上半身裸で実施されている現状について改善を求めました。今回の通知が出されたことは、配慮に欠けた実態があるからではないかと推測いたします。小中学校の健診についても、LGBTQへの配慮も含め、より一層の健診時の配慮が必要と考えます。板橋区全小中学校においての健康診断時のプライバシー配慮の実態を把握し、健診環境の整備を求めますが、見解をお聞きします。
第3に、保育の定員未充足についてです。1点目に、定員未充足に対する補助金についてです。区では今年度、0歳児の未充足対策費補助の決断をしたことに評価いたしておりますが、他の年齢区分においても補助金が必要と考えます。認可保育園の多くは、保育所を運営するための経費のうち、7から8割程度が人件費に充てられています。一方、給付金やその他の補助金のほとんどは、入所している1人当たりの単価が乗ぜられる仕組みとなっているため、どの年齢区分においても定員の未充足は直接的に経営を圧迫しています。令和3年5月、厚労省発表の「保育を取り巻く状況について」によると、保育所の利用児童数の今後の見込みは、令和7年にピークとなる見込みであり、女性就業率も増加傾向をたどるとされています。保育行政全体として、今後の保育に対するニーズを把握し、適切な保育施設の配置が望まれます。しかし、これまで保育行政を支えてくださった区内事業所が、事業基盤の不安定な中で保育に携わっていることは問題ではないでしょうか。在園児の減少は、保育士のモチベーション低下や離職の要因にもつながり、保育の質の低下につながるのではないかと危惧いたします。区として、全年齢区分に対する未充足対策費の補助を要望いたしますが、区長の答弁を求めます。
2点目に、零歳児保育特別対策事業の再構築についてです。板橋区保育所事業実施要綱において、零歳児保育特別対策事業は0歳児認可定員が9名以上、区長が特に認める場合は6人以上が条件として示され、看護師の雇い上げ費用と離乳食を作るための調理員の増配置費用、健康管理上必要な嘱託医との契約費用の一部が助成されています。このコロナ禍で、保育園における感染対策において看護師の役割の重要性が増しています。感染症対策・対応を一つ取っても、0歳児保育だけでなく、全年齢に業務として対応するのが現実です。調理員のアレルギー食への対応も同様です。保護者、園児、保育士ともに、いざというときに看護師がいることでの安心感、また、嘱託医との連携においても必要不可欠との現場の声を頂戴しています。零歳児保育特別対策事業は、大変に評価する事業ではありますが、時代に合った更新が必要ではないでしょうか。年齢、許可定員の条件を緩和し、保育園に対する助成事業となるよう再構築を求めますが、ご答弁願います。
この項の最後に、新たな子育て支援策についてです。政府は、総合経済対策の新たな子育て支援策として、支援が手薄な0から2歳児に焦点を当てて、妊娠期から出産・子育て期までに、身近な伴走型の相談支援と経済的な支援を合わせたパッケージを継続的に実施するとしています。伴走型相談支援の充実については、主な実施主体は市区町村の子育て世代包括支援センターが担うことが想定されており、自治体の裁量に委ねられています。いたばし版ネウボラの充実に取り組んできた板橋区として、未就園児家庭への支援の拡充を含めた、板橋区らしい伴走型相談支援体制の構築を求めます。区長の見解をお聞かせください。
次に、防災・災害対策について伺います。
第1に、個別避難計画の策定についてです。個別避難計画の作成については、全国的に進んでいないことが課題となっています。内閣府は、令和3年度から自治体における個別避難計画の効果的・効率的な作成方法を構築し、優良事例を全国的に展開するためのモデル事業を実施し、報告書を公表しています。モデル事業に参加した江戸川区は、最初のプロセスとして、福祉避難所の位置づけの変更を実施しています。福祉避難所への直接避難を可能とし、福祉避難所に丁寧な説明会・意向調査を実施し指定をします。そして、福祉避難所へひもづけした要支援者を対象に福祉専門職の事業所と委託契約し、個別避難計画が作成されており、確実に作成が進んでいます。1点目に、福祉避難所について伺います。福祉避難所への直接避難については、我が会派から、以前より再三にわたり要望してきているところです。作成が進まない課題の1つが避難先の確保です。福祉避難所に直接避難することができれば、要支援対象者にとって、実効性のある安心な避難計画の作成が可能となります。また、あらかじめ福祉避難所が指定されていることは、受入れ側にとっても大きなメリットではないでしょうか。国も、福祉避難所の確保・運営ガイドラインを令和3年5月に改訂し、福祉避難所等への直接避難を促していくことが適当であることを示しています。板橋区においても、福祉避難所への直接避難を可能にすることを要望いたします。
2点目に、福祉専門職等との協働作成の強化についてです。以前より、個別避難計画作成には福祉専門職の協力を求めるよう要望してまいりました。区は今年度から福祉専門職らと連携し、作成に取り組んでいると認識しています。介護・障がいの福祉専門職は、サービス利用計画作成時にはアセスメントが実施されており、計画の対象者をよく知る福祉専門職は避難計画作成には必要不可欠です。また、ご家族がいる場合も、既にコミュニティーがあり、スムーズな作成につながると考えます。委託することも含め、さらに福祉専門職と協働して確実に作成を強化していただくよう要望いたしますが、いかがでしょうか。
第2に、介護施設向け板橋区版簡易型BCPモデル策定支援事業についてです。令和3年1月25日の省令改正により、介護事業所に新型コロナウイルス感染症を含めた感染症及び自然災害に係るBCPの策定が義務づけられました。区は、令和3年度補正予算第2号で、区独自に介護事業所の負担軽減及び早期策定支援のため、板橋区版簡易型BCPモデルの作成支援を開始しました。令和3年度は、モデルとなる先行事例として20事業所を目標のところ14事業所、今年度は事業2年目ということで90の事業所、最終年の令和5年度には、50の事業所でBCP策定を支援する予定と認識しています。策定支援は、目標達成に向けて順調に進んでいますでしょうか。現時点での策定状況をお示しください。区は、集団指導開催時等に十分に周知するとされていましたが、集団指導に参加できない事業所も多いと聞いています。策定できない状況を調査し、全事業所が確実に策定できるよう、寄り添った策定支援を実施していただくよう要望いたします。
第3に、路面下空洞調査についてです。令和元年第3回定例会及び令和3年度予算総括質問にて、平成27年度で止まってしまっている空洞調査の実施と継続を要望いたしました。地震や大雨の影響で様々なところで事故が発生している中、平成27年度の調査以降、幸いにも区内での陥没事故は起きていませんが、これまでの大雨や地震の影響で、路面下空洞の状況は悪化していると推測されます。空洞調査も健康診断同様に早期発見・早期対応が大変に重要と考えます。区長は、費用負担の適正な分担の中、国庫補助を活用しての実施を目指していきたいとのご答弁がありました。改めて、路面下空洞調査の実施と継続を要望いたします。答弁を求めます。
最後に、SDGsに関連して質問させていただきます。
初めに、デフリンピック開催の機運の醸成についてです。本年9月、聴覚障がい者の国際スポーツ大会、デフリンピック2025年夏季大会が東京で開催されることが決定しました。公明党は国、都議会と連携し、東京への招致活動を推進してきており、10月には2025年東京デフリンピック大会推進本部を立ち上げ、大会の成功に向けて全力で取り組んでいます。デフリンピックの招致に向けて活動されてきた聴覚障がい者団体の方からも喜びの声を頂戴しています。東京大会では、70を超える国や地域から5,000人以上の選手らが参加する予定となっています。しかし、日本では、デフリンピックの存在自体があまり知られておらず、日本財団が2021年に実施した調査では、パラリンピックの認知度が97.9%に上る一方、デフリンピックは16.3%と、認知度向上が大きな課題となっています。デフリンピックでは、スタートの合図を音ではなくランプや旗を使って伝え、大会期間中は選手全員が国際手話を使用します。また、選手に送る拍手は、手をたたくのではなく、両手をひらひらと動かし声援を送ります。こうした経験が聴覚障がいへの理解を深める一助となるのではないでしょうか。昨年の東京パラリンピックに続き、障がいの有無にかかわらず、誰もが活躍できる共生社会の実現に向け、取組を加速させる契機になると期待されており、板橋区においても機運醸成へまずは認知度向上のための取組を推進していただくよう要望いたします。区長の見解をお聞かせください。
第2に、食品ロス削減の取組についてです。1点目に、各地域センターでのフードドライブについてです。令和2年度より、全地域センターでフードドライブが実施されています。先日、地元の地域センターに伺ったところ、以前は入口にフードドライブ開催中ののぼり旗を設置し啓発されていましたが、設置されていませんでした。ほかの地域センターの状況が気になり、近隣地域センター5か所に調査に伺いましたが、のぼり旗または室内の掲示などで啓発しているセンターは1か所のみでした。我が会派から要望しているフードパントリー設置について、区はフードドライブでの食材の収集量が不安定なことが課題としています。また、令和3年第4回板橋区モニターアンケート、食品ロスについての結果によると、食品ロスの言葉と意味を知っていると回答した人98.8%に対して、地域センターでのフードドライブの活動を知らないと回答した人が88.1%で、周知が進んでいません。フードドライブ事業に対する各地域センターでの取組の違いは、大変に残念でなりません。早急に、各地域センターへの意識啓発と改善を求めます。
2点目に、食品マッチングサービスについてです。食品ロスを減らすため、消費期限が迫ったり売れ残ったりした食品を、販売したい事業者と購入を希望する消費者に橋渡しするマッチングサービスを導入する自治体が全国で広がっています。環境省によると、食品ロスの量は2020年度に国内で522万トン、このうち外食や流通などの事業者に関わるロスは半分以上を占めています。コロナ禍も食品ロスが生じる要因となっており、来客者数を予測できない、残った食べ物を販売につなげられないという現場の声が聞かれています。マッチングサービスは、あらかじめ登録した区内の飲食店や小売店が、販売したい食品を写真や価格、受取期限とともに掲載。購入希望者はサイトで予約し、店を訪れて購入します。購入できるのは区民に限らず、販売価格は通常よりも安くなり、消費者にとってもお得感があり、食品ロス削減に大変に有効的な事業と考えます。この食品マッチングサービスの導入半年で、食品ロスを4トン減らした自治体もあります。板橋区として、さらなる食品ロス削減の取組として、食品マッチングサービスの導入を要望いたします。板橋区はSDGs先進度調査で全国9位の評価を得ており、評価された主な施策の1つが、食品ロス削減のための取組です。区長の前向きな答弁を求めまして、私の一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
〔議長交代、副議長(かいべとも子議員)議長席に着く〕
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○副議長(かいべとも子議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、成島ゆかり議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、物価高騰対策についてのご質問であります。今般の急激な物価高騰を踏まえ、緊急の対策として、介護施設、障がい者施設、保育施設を対象とした支援事業について予算措置を行ってまいりました。対象となる施設が速やかに受け取れるように、それぞれの所管部署において、順次、執行に向けた作業を進めているところでございます。制度の周知徹底を図り、漏れのないように配慮してまいりたいと考えています。
次は、認知症の人と家族の一体的事業についてのご質問であります。区では、認知症の方とミーティングをする際、家族も参加可能とするほか、当事者や家族等の勉強会や相談会の拠点である認知症フレンドリーカフェに取り組んでおります。今年度は、認知症カフェ対象の講演会を実施し、一体的プログラムについて、フレンドリーカフェの運営者や協力者、地域包括の職員との情報共有を図ったところでございます。引き続き、今ある資源を活用しながら、他自治体の動向も注視しながら、地域での支援体制づくりに努めていきたいと考えております。
次は、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業についてのご質問であります。この事業は、KDBシステムから得られる医療、健診、介護情報により、地域の健康課題を見極め、健康寿命の延伸、医療費の適正化を目指すものであります。現在、企画調整と周知啓発などのポピュレーションアプローチはおとしより保健福祉センターが、KDBを活用したハイリスクアプローチについてを国保年金課が中心に準備を進めております。引き続き、令和5年度のモデル事業立ち上げに向けまして、先進自治体の例も参考にしながら取り組んでいく考えであります。
次は、一人暮らしの高齢者支援についてのご質問であります。豊島区が、区民が安心した終末期が過ごせるよう、本年4月に終活情報の登録制度を導入したことは認識をしております。区としましては、導入のメリットやその効果などについて、今後情報収集に努めるとともに、本区での実現性について研究を行っていきたいと考えています。
次は、オプトアウト方式の導入についてのご質問です。区では、セット検診として特定健診の受診券と一緒に4種類の検診、大腸がん、肝炎ウイルス、前立腺がん、胃がんリスク検診の受診券を送付しております。同時受診を促すため、一体型シートタイプの受診券とするなど、これまでも工夫に努めてまいりました。セット検診拡大のさらなる検討につきましては、受託先である複数の医師会等との協議となることから、丁寧に進める必要があるところでありますけれども、受診率向上のために努力をしていきたいと考えています。
次は、肺がん検診等の追加についてのご質問であります。セット検診は、受診者の利便性が高く、受診率向上につながることは認識をしております。眼圧検査、骨粗鬆症検診は、精度管理や検査内容等の観点から、対応できる医療機関が限られているため、セット検診に含めるのは難しいと考えます。肺がん検診は、特に精度管理が重要であることから、区では集団検診を中心に実施をしておりますが、受診できる医療機関を増やす方向で検討中であります。
次は、男性の更年期障がい検診の導入についてのご質問であります。区では、健康増進法に基づきまして、自治体が行うべき検診事業を実施しております。更年期障がいの発見を目的とする検診は対象とされていないため、検診という形での支援は難しいと考えます。区内5か所の健康福祉センターにおきましては、区民健康なんでも相談を実施しておりまして、男性の更年期障がいを含む幅広い心身の不調への相談に応じているので、それを活用していただきたいと考えております。
次は、AED設置場所への三角巾の配備についてのご質問であります。区では、教育施設や児童施設、保健・福祉・高齢者施設などに合計248台のAEDを設置しております。区が設置しておりますAEDには、応急手当に活用可能な用具一式をまとめたレスキューキットを配備し、その中にタオルや蘇生用のマウスピースなどを常設しております。傷病者が女性の場合でもちゅうちょせず救命処置が行われますように、レスキューセット内のタオルなどの活用、プライバシーに配慮した救命方法を区のホームページ等で周知をしていきたいと考えています。
次は、9価ワクチンの効果と安全性についてのご質問であります。9価HPVワクチンは、従来のワクチンより多くのハイリスク遺伝子型に対しましても有効であることが国内外の臨床試験を通じて示されております。また、4価と比較をし、接種部位の症状の発現は多いところでありますが、全身症状は同程度であることから、専門家による評価においては、安全性は一定程度明らかになっていると考えています。今後、新たな知見が示された際には、速やかに区民に向けまして周知をしていきたいと考えております。
次は、個別通知の発送についてのご質問です。9価ワクチンを定期接種に位置づける関係法令の改正がなされ次第、区としましては対象者に速やかに情報提供を行う予定であります。確実に情報を届けるために、個別通知も含め検討を行っているところでございます。
次は、多胎妊婦の健診費用助成に関連いたしまして、協議状況についてのご質問であります。新型コロナウイルス感染症対応の影響を受け、23区の協議に遅れが生じているものの、調整は継続をしております。東京都地域保健事業連絡協議会、いわゆる五者協に向けた協議の方向性は、今年度中にまとまる予定であります。
続いて、区単独での実施についてのご質問です。既に単独事業として実施をしております他区の実績については、年間数件程度と利用する方は少ない状況にございます。本格導入には、システム改修も必要となるなど課題はございますが、多胎妊婦支援のために柔軟に対応を検討していきたいと思います。
次は、ヤングケアラー支援体制についてのご質問です。ヤングケアラーを発見し適切に支援していくためには、各所管部署や関係機関の横断的な連携が不可欠であります。横断的な支援体制の構築に向けて、子ども家庭部を中心に、健康、高齢、障がい、教育など、既に個別に支援を行っている様々な部署が連携しながら検討しているところでございます。
続いて、把握する仕組みについてのご質問です。国が作成した多機関・多職種連携によるヤングケアラー支援マニュアルにおいても、ヤングケアラーを発見するきっかけとして、様々な場所が例示されております。区では現在、区職員や教職員、地域の関係者を対象にオンライン研修を実施しておりまして、ヤングケアラーへの理解促進に努めているところでございます。ヤングケアラーを発見した場合に区が情報提供を受ける手法も含め、誰一人取り残さないためのヤングケアラー支援体制を検討していきたいと考えています。
次は、アセスメントシートについてのご質問です。ヤングケアラーを発見した場合、緊急性や家族の状況等に応じた適切な支援内容を判断するために、リスクアセスメントが必要であると認識しています。現在、東京都におきまして、ヤングケアラー支援マニュアルの策定が進められておりまして、令和4年度中に示される予定となっております。東京都のマニュアルを活用しながら、アセスメントシートの導入も含めて、区における支援の在り方を検討していきたいと考えています。
次は、訪問介護事業への対応についてのご質問であります。国はかねてより、一律機械的に同居家族の有無のみで介護保険の給付可否の判断を行わないよう、サービス事業者等に周知するよう求めております。ご指摘のとおり、本年9月にも同様の趣旨の連絡が改めて国の方からございました。区も、ケアマネジャーに対する集団指導の場や連絡、情報交換の場など、あらゆる場面において周知徹底を図っていく考えであります。
次は、保育の定員未充足に対する補助金についてのご質問であります。0歳児は他の歳児に比べ年度途中の入所需要が多いため、入所枠を確保する必要がある上に、児童数に対する必要保育士数が多く設定されております。これによりまして、空きが集中した保育施設では、空き定員分の運営費が支給されず、保育士の人件費が経営の負担となる状況が生じております。年度途中に0歳児の待機児を発生させないため、空き定員枠の確保に必要となる職員の配置に対する運営費支援を開始しましたが、他の歳児は入所実態に応じた定員の変更によりまして対応していただくことを想定しております。
次は、零歳児保育特別対策事業についてのご質問です。私立保育所を対象とする零歳児保育特別対策事業につきましては、特別な配慮を要する0歳児の保育に関する経費を助成することによって、安心・安全な保育環境を整備するものであります。現在、区内保育所では0歳児の欠員が増加傾向にございまして、私立保育所が実態に応じて0歳児の定員を減じた場合においても助成が継続できるように、定員数の条件緩和を検討しているところでございます。
次は、新たな子育て支援策についてのご質問であります。区では、子育て世代包括支援センター母子保健型の健康福祉センターを中心に、妊婦・出産ナビゲーション事業におきまして、妊娠期から始まる子育て支援に努めているところでございます。今年度は、
子ども家庭総合支援センターの開設、出産直後から利用いただける産後ケア事業の拡充など、区内の子育て資源がさらに充実をいたしました。今後も、一人ひとりの状況に合わせたニーズの把握に努め、必要な支援が行き渡るように、寄り添い、伴走する支援を充実させていきたいと考えています。
次は、福祉避難所についてのご質問です。改訂されました福祉避難所の確保・運営ガイドラインにおいては、個別避難計画等の作成プロセスを通じまして、直接避難を促進するものとされました。直接避難につきましては、避難をしたものの、施設側の受入体制が整っていないケースや、避難者の殺到によりまして当該施設の特性に適応した要配慮者が避難できない事態を回避するため、事前の調整が大変重要と考えます。事前に避難する福祉避難所を決めておくことは、要配慮者の負担を軽減するためにも有効な手段でございまして、今後、個別避難計画の作成を進めていく中におきまして、直接避難につきましても調整を進めていきたいと考えています。
続いて、福祉専門職等との協働作成の強化についてのご質問であります。実効性のある個別避難計画を作成する上で、要介護者のケアプランや障がい者のサービス等利用計画の作成に携わる福祉専門職の協力は必要不可欠であると認識しています。実際に、今年度から進めております個別避難計画の作成に当たりまして、本人の状況を把握している福祉専門職と委託契約を締結し、計画作成を進めているところでございます。今後も、福祉専門職と連携を図り、協働による計画作成を進めていきたいと考えています。
次は、介護施設向けBCPについてのご質問です。板橋区版簡易型BCPにつきましては、昨年度から継続的に策定支援に取り組んでおりまして、現在、約110施設への策定支援がなされておりまして、ほぼ目標どおりの進捗であります。事業の中間年である本年度は、策定状況の確認も進めながら、対象となる全ての事業所が策定済みとなるように、引き続き支援を継続したいと考えております。
次は、路面下空洞調査についてのご質問です。区の路面下空洞調査は、国庫補助の要件として必要な調査費や復旧費に対する水道事業者等の原因者負担割合が定まらないため、平成27年度から見合せをしているところでございます。一方、区内の道路陥没の発生は落ち着いてはいるものの、事故の予防保全の観点から、早期実施が望まれる状況に変わりはないところでありまして、再開に向けて条件整理を進めたいと考えています。また、レーダーによる方法以外の調査方法につきましても、技術の進歩によりまして開発が進んでいることから、こうした技術の活用による経費の縮減にも取り組んでまいりたいと考えています。
次は、デフリンピック開催の機運醸成についてのご質問であります。100周年を迎える記念すべき2025年のデフリンピック大会が東京で開催されることは、ろう者やろう文化への理解を深め、障がい者スポーツの一層の振興に寄与すると考えます。区はこれまで、区にゆかりのある選手の紹介や東京での開催決定などの機会を捉えまして、デフリンピックについてホームページにて周知を図ってまいりました。今後も、東京都や関係団体の動向を把握しながら、デフリンピックの認知度向上に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
次は、地域センターでのフードドライブについてのご質問であります。区では、食品ロス対策の一環としてフードドライブを実施しておりまして、令和2年度から全ての地域センターを常設の窓口として食品提供の受付を行っております。区民の皆さんのご協力によって、令和3年度には、食品提供者の延べ人数は前年度比69%増、食品の総重量は80%増となっております。ご指摘を頂きました地域センターの改善点をはじめ、区民の方々への周知方法の工夫や民間事業者への窓口設置の増設などによりまして、今後ともフードドライブの拡充に努めていきたいと考えております。
最後になります。食品マッチングサービスについてのご質問であります。フードロス対策の一環として、食品マッチングサービスは有効な方法の1つと考えております。現在、行政と連携した食品マッチングサービスの事例においては、登録事業者に対しまして料金を課す方式や行政側の事業に登録の必要がある方式などが見られております。こうした他の自治体の事例等も参考にしながら、引き続き検討を進めていきたいと考えております。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
〔議長交代、議長(坂本あずまお議員)議長席に着く〕
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、成島ゆかり議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
小中学校健康診断時のプライバシー配慮についてのご質問ですが、健康診断時の脱衣につきましては、各学校で児童・生徒のプライバシーに十分配慮しながら健診を実施しているところです。文部科学省事務連絡である「児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点について」は、教育委員会から各学校及び板橋区医師会へ周知し、より一層の配慮を依頼しているところです。健診の実施方法につきまして課題が生じた場合は、板橋区医師会、学校代表、教育委員会等で構成される健診検討会において内容を把握し、改善策を協議し、実施しております。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 以上で、成島ゆかり議員の一般質問を終了いたします。
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△延会の決定と次回日程の報告
○議長(坂本あずまお議員) 会議の途中でありますが、この際、お諮りいたします。
一般質問の通告をされた方が7名残っておりますが、議事運営の都合により、本日の会議をこの程度にとどめ、明11月29日に会議を延会し、一般質問を引き続き行うことにいたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(坂本あずまお議員) ご異議がないものと認めます。
よって本日の会議はこれをもって終了し、11月29日に会議を延会することに決定いたしました。
次の会議は、11月29日、午前10時に開会いたします。
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△延会の宣告
○議長(坂本あずまお議員) 本日は、これをもって延会いたします。
午後4時50分延会
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以上相違なきを認めここに署名する
会 議 録 署 名 議 員
議 長 坂 本あずまお
31番 五十嵐 やす子
41番 かなざき文 子...