• "改正条項"(/)
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  1. 渋谷区議会 2013-03-01
    03月06日-01号


    取得元: 渋谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-23
    平成25年  3月 定例会(第1回)        平成二十五年 渋谷区議会会議録 第一号 三月六日(水)出席議員(三十四名)  一番  斎藤竜一      二番  佐藤真理  三番  下嶋倫朗      四番  久永 薫  五番  沢島英隆      六番  治田 学  七番  佐々木弘明     八番  伊藤毅志  九番  薬丸義人      十番  長谷部 健 十一番  笹本由紀子    十二番  堀切稔仁 十三番  前田和茂     十四番  松岡定俊 十五番  栗谷順彦     十六番  古川斗記男 十七番  須田 賢     十八番  小林崇央 十九番  岡田麻理     二十番  浜田浩樹二十一番  田中正也    二十二番  牛尾真己二十三番  新保久美子   二十四番  五十嵐千代子二十五番  丸山高司    二十六番  木村正義二十七番  染谷賢治    二十八番  広瀬 誠二十九番  植野 修     三十番  吉田佳代子三十一番  鈴木建邦    三十二番  芦沢一明三十三番  苫 孝二    三十四番  菅野 茂欠席議員(なし)-----------------------------------出席説明員    区長            桑原敏武    副区長           古川満久    副区長           水村信行    企画部長          浅川和憲    文化・都市交流担当部長   植竹ゆかり    総務部長          千葉博康    施設整備担当部長      秋葉英敏    庁舎耐震問題担当部長    秋葉英敏    危機管理対策部長      遠藤 正    区民部長          柴田春喜    福祉部長          佐藤賢哉    子ども家庭部長       伊藤 宏    健康推進 部長       倉橋俊至    都市整備 部長       大澤一雅    土木清掃部長        日置康正    清掃担当部長        黒柳貴史    教育委員会委員長      山本正旺    教育委員会教育長      池山世津子    教育委員会事務局次長    児玉史郎    選挙管理委員会委員長    山下彰俊    選挙管理委員会事務局長   吉田恭子    代表監査委員        竹田 穰    監査委員事務局長      中島豊六-----------------------------------事務局職員事務局長  久保田幸雄   次長    可部暢宏議事係長  松嶋博之    議事主査  山田義明議事主査  根岸正宏    議事主査  真下 弘議事主査  菊池 茂    議事主査  高木利樹-----------------------------------      平成二十五年第一回渋谷区議会定例会議事日程                平成二十五年三月六日(水)午後一時開議日程第一         会期決定の件日程第二 議案第二十四号 渋谷区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例日程第三 議案第二十五号 渋谷区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例日程第四 議案第二十六号 渋谷区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例日程第五 議案第二十七号 渋谷区教育委員会教育長の給与、旅費及び勤務条件に関する条例の一部を改正する条例日程第六 議案第二号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例日程第七 議案第三号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例日程第八 議案第一号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例日程第九 議案第四号 渋谷区震災対策総合条例の一部を改正する条例日程第十 議案第五号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例日程第十一 議案第十一号 渋谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例日程第十二 議案第十二号 渋谷区が管理する道路における道路構造の技術的基準に関する条例日程第十三 議案第十三号 渋谷区道路標識の寸法を定める条例日程第十四 議案第十四号 渋谷区移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める条例日程第十五 議案第十五号 渋谷区移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例日程第十六 議案第十六号 渋谷区自転車等の放置防止等に関する条例の一部を改正する条例日程第十七 議案第十七号 渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例日程第十八 議案第十号 渋谷区子ども・子育て会議条例日程第十九 議案第六号 渋谷区指定地域密着型サービス事業等の運営に関する基準等を定める条例日程第二十 議案第七号 渋谷区営住宅条例の一部を改正する条例日程第二十一 議案第八号 渋谷区区民住宅条例の一部を改正する条例日程第二十二 議案第九号 渋谷区障害程度区分判定等審査会の委員の定数等を定める条例等の一部を改正する条例日程第二十三 議員提出議案第一号 渋谷区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例日程第二十四 議員提出議案第二号 渋谷区公契約条例の一部を改正する条例日程第二十五 議員提出議案第三号 渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例日程第二十六 議員提出議案第四号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例日程第二十七 議員提出議案第五号 渋谷区立保育園条例の一部を改正する条例日程第二十八 議員提出議案第六号 渋谷区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例日程第二十九 議員提出議案第七号 渋谷区子育て支援センター条例の一部を改正する条例日程第三十 議員提出議案第八号 渋谷区立幼稚園条例の一部を改正する条例日程第三十一 議員提出議案第九号 渋谷区幼保一元化施設条例の一部を改正する条例日程第三十二 議員提出議案第十号 渋谷区重度要介護高齢者福祉手当条例日程第三十三 議員提出議案第十一号 渋谷区ひがし健康プラザ条例の一部を改正する条例日程第三十四 議員提出議案第十二号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例日程第三十五 議員提出議案第十三号 渋谷区特定疾病患者福祉手当条例の一部を改正する条例日程第三十六 議員提出議案第十四号 渋谷区高齢者の医療費の助成に関する条例日程第三十七 議案第十八号 平成二十四年度渋谷区一般会計補正予算(第六号)日程第三十八 議案第十九号 平成二十五年度渋谷区一般会計予算日程第三十九 議案第二十号 平成二十五年度渋谷区国民健康保険事業会計予算日程第四十 議案第二十一号 平成二十五年度渋谷区介護保険事業会計予算日程第四十一 議案第二十二号 平成二十五年度渋谷区後期高齢者医療事業会計予算日程第四十二 議案第二十三号 専決処分の承認について日程第四十三 報告第一号 専決処分の報告について-----------------------------------   開会・開議 午後一時----------------------------------- ○議長(前田和茂) ただいまから平成二十五年第一回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、十番長谷部健議員、二十五番丸山高司議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。   〔久保田事務局長報告〕----------------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。----------------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。 桑原区長、古川副区長、水村副区長、浅川企画部長、植竹文化・都市交流担当部長、千葉総務部長、秋葉施設整備担当部長庁舎耐震問題担当部長遠藤危機管理対策部長、柴田区民部長、佐藤福祉部長、伊藤子ども家庭部長倉橋健康推進部長、大澤都市整備部長、日置土木清掃部長、黒柳清掃担当部長山本教育委員会委員長池山教育委員会教育長児玉教育委員会事務局次長山下選挙管理委員会委員長吉田選挙管理委員会事務局長竹田代表監査委員中島監査委員事務局長----------------------------------- 監査委員から、平成二十四年十一月末日及び平成二十四年十二月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。----------------------------------- ○議長(前田和茂) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 本日ここに、平成二十五年第一回渋谷区議会定例会を招集し、平成二十五年度予算案を初め、多くの議案について御審議をお願いすることとなりました。 第一回定例会の開催に当たり、当面する区政の課題について私の所信の一端を申し述べ、区議会及び区民の皆様方の御理解と御協力を賜りたいと思います。 初めに、平成二十年の東京メトロ副都心線の開業以降、渋谷‐代官山間において進められてきた東急東横線地下化工事は、平成十七年の本格事業開始以来、足かけ九年の歳月を経て、この三月十六日に東横線と副都心線との相互直通運転開始を迎えます。このことにより、五社六路線が一本化し、横浜から渋谷・池袋のターミナルを経て、埼玉県飯能を結ぶ広域的な鉄道ネットワークが構築され、渋谷駅周辺のまちづくりにとって重要な再編整備に向けた歩みが本格的に始まり、今後は、渋谷の都市としての重要性が一層高まり、さらなる発展につながるものと考えております。 また、来月、四月七日には、東急本店から山手通りをつなぐ都市計画道路補助六十号線が全面開通いたします。補助六十号線の整備は、従来の一方通行が相互通行となる地元待望の道路拡幅整備であり、平成五年十月着工以来、二十年かけて完成に至りました。これまで大変御迷惑をかけてまいりました近隣の商店会・町会を初め、地域住民の皆様に心より感謝を申し上げたいと存じます。 この補助六十号線の完成は、広域な歩行者ネットワークとして渋谷駅周辺の魅力あるまちづくりの進捗に貢献すると同時に、都市の防災機能の強化に寄与します。 さらに、最近、中国からの大気汚染物質である微小粒子状物質(PM2・5)が、マスコミ等の報道から国民の不安を招いております。今後、偏西風による黄砂とともに飛来することから、国においては「PM2・5の暫定指針」が示されました。この指針を踏まえて、本区としては、「ダイオキシン問題等審議会」にも意見を聞き、他方、教育委員会などとも情報を共有するとともに、庁舎屋上の「PM2・5測定器」の測定数値を、ホームページを通して、区民向けに周知するなど、多様な方策を適切に講じてまいります。 初めに、震災対策についてであります。 本区は、東日本大震災の教訓と反省の上に立ち、近い将来、発生が想定される首都直下型地震や巨大地震に対し、「想定外」を「想定内」とし、様々な発災の可能性に対して柔軟に対応しなければなりません。そのため、多くの課題の中、これを一つ一つ見直し、一つずつ選択的に優先度の高い事業から対処してまいります。 その一点目として、地域住民の避難と混乱を生じないよう、帰宅困難者対策の強化です。 渋谷は、都内有数のターミナル駅であり、発災時には大変多くの帰宅困難者の発生が想定されます。そのため、国立代々木競技場、国連大学本部、恵比寿ガーデンプレイスなどの帰宅困難者受け入れ施設との密接な連携のもと、これらの施設数の拡大を図り、かつ当該施設の前にその受け入れ施設を明示し、あわせて主要幹線道路沿いに看板を設置し、誘導を図るようにしています。 現在二十八施設を決定し、十万人以上の帰宅困難者に対処できる体制を構築しておりますが、さらに今後は、開発事業者の協力を得るほか、外国人等の利用する特定箇所に通訳を置くことなど、課題としてまいります。 二つ目は、今回、想定震度が六弱から六強に見直されたことに伴い、想定される避難生活者の増加に対応した備蓄品の拡充であります。災害発災初期には、国等の支援は期待し得ず、そのため、本区は、それまでの間、支障のないように避難者のレベルを四万二千五百人と想定し、かつ食料の備蓄を「二日分」から「三日分」に、また飲料水についても一人一日「五百ミリリットル」から「二リットル」を三日分、備蓄することといたします。 三つ目は、通信手段の確保であります。 発災後、少なくとも六時間は、インターネットの利用は難しいと想定されます。したがって、インターネット等の通信ができない間は、本区固定系無線及び適切に配備した移動系無線を活用し、避難所や出張所等あるいは医療・ライフライン等と的確に結び、確実に連携・連絡のできるようにします。また、可能な限りエリアメール・ツイッター・安否確認システムなどの活用に努めてまいります。 四つ目は、登録ボランティア制度の拡充をします。 想定外の状況に対応するため、専門的な知識や技術を持ち、例えば消防団に所属され消防技能経験を持たれた方や事業所の方、医師や看護師経験者、語学が堪能な方等、災害時にその専門性を生かして活躍することが、期待できる方を登録し、御協力いただき、防災力を高めます。 五つ目は、地域防災マニュアルの全世帯配布についてであります。 本区は、震災対策を共有し、区民一人一人が、自らのものとすることができるよう、昨年、「防災地域説明会」を十九回にわたって開催してまいりました。その後の防災対策の充実を含め、防災知識、帰宅困難者マップや地域の危険度マップなどを織り込んだ「地域防災マニュアル」を作成し、区内全世帯(十三万世帯)に配布してまいります。配布内容は、見やすく、わかりやすく、読みやすい工夫をしてまいります。 六つ目は、総合庁舎の耐震化であります。 本区庁舎は、耐震診断の結果、保有すべき耐震強度を保有しておらず、極めて危険な状況にあり、その耐震化は緊急の課題であります。区民、職員の安全を確保し、災害時の情報の受発信のためにも、さらには区の事業活動の継続、確保をする上で避けて通れない課題であります。そのため、一方では既存庁舎の「耐震補強案」と、開発事業者の協力を得て、建設経費を最小限にした「建替え案」を比較して、最善の手法をとりたいと考えております。区議会とも協議し、年内に方針を決定してまいります。 次に、子育て支援についてであります。 子育てにつきましては、この数年、連続して思い切った財源投入を行い、待機児ゼロを目指してまいりました。平成二十一年度から四年間で五百二十一人の定員拡大を、さらに本年は一気に五百六十四人の定員拡大を行う予定であります。 具体的には、旧代々木小学校跡地百十八人……   〔「代々木高校」の声あり〕 ◎区長(桑原敏武) 失礼しました。 旧代々木高校跡地(百十八人)、代々木五丁目(百三十五人)、神宮前五丁目(百二十九人)、本町三丁目に百二十九人規模の「認定こども園」を四カ所開設します。さらには、恵比寿保育園の建て替えにより、ゼロ歳児を含め、二十八人の定員拡大を実施するとともに、恵比寿保育園の仮設園舎跡地に定員四十六人の区立保育室を開設するなど、ゼロ歳から三歳までの低年齢児に重点を置いた五百六十四人の定員拡大を図ります。 このことにより、区民の願いに応えることができるものと考えております。 先進各国では、一九九〇年代から、「良質な保育、幼児教育」こそが成長期に置ける最重要課題であるという共通認識を踏まえ、本区は、この世界の潮流に乗り遅れることのないよう環境整備を行うほか、また本区独自の「幼児教育プログラム」を作成し、区立・私立を問わず、小学校とも連携し、研究・実践を進めてまいりました。今後とも、質の高い保育・教育を提供するため、現場での実践と検証を重ね、改善してまいります。 さて、国の進める「子ども・子育て制度改革」は、昨年八月、子ども・子育て関連三法案の可決・成立を受け、平成二十七年度の本格施行に向けて、新年度から具体的な準備段階に入ります。この関連三法は、基礎自治体が主体となって、「質の高い保育・教育の総合的な提供」「待機児解消に向けて保育サービスの量的拡大・確保」「地域の子ども・子育て支援の充実」を進めるもので、認定こども園の拡充や恒久財源の確保などが柱になっております。 本区は、これらを踏まえて、子ども・子育て支援事業計画の調査・審議を行うための合議体、「渋谷区子ども・子育て会議」を設置することとし、条例案を本定例会に提出しております。 また、新たに「こども・親子いきいき支援事業」の開始を予定しております。この新たな事業を通して、子どもの感性と創造力を育み、心豊かな成長を促すとともに、お母さん方の子育てを支援するため、旧代々木学童館を活用し、実施したいと考えております。 次に、高齢者福祉施策についてであります。 今日、高齢者単身世帯や認知症高齢者の増加など、高齢者を取り巻く環境は大きく変化しております。人としての尊厳を維持し、その人らしい人生を送ることができるよう、協働・支え合いのネットワークの地域包括ケアに取り組むことが必要であり、地域における予防・介護、在宅医療、日常生活支援などについて、総合的かつ継続的に対応できる仕組みを整備することが求められております。 そのため、現在、行っております「元気アップサロン事業」などを新たに「健康はつらつ事業」として、区内十一地区それぞれ二事業を身近な地域で実施してまいります。このことを通して、生きがいづくり、介護予防を推進し、また仲間づくりを進めてまいりたいと考えております。あわせて、「高齢者健康トレーニング教室」についても実施場所の拡充に努めております。 他方、厚生労働省の今年度推計では、認知症患者数は三百万人を超えたとされており、本区でも数千人が認知症であると推計されています。認知症患者の増加は国際的な課題であり、またひとり暮らしの高齢者が増える中、認知症への不安を抱く方も少なくありません。 本区は、これまでも見守りサポートによる支援や区民啓発に力を入れてまいりましたが、今後は、発症初期の段階で相談できる体制を含めた集中的な支援が必要であり、厚生労働省も、昨年九月に公表した認知症施策推進五カ年計画「オレンジプラン」でも、その方向が示されています。 そこで、本区では、医師会等の医療機関や介護事業者等による「認知症予防・相談支援推進検討会」を新たに設置するとともに、医療従事者や見守りサポート協力員などから編成される初期集中支援チームを発足させ、家庭訪問等を総合的、効果的に実施してまいります。 また、四十歳から六十四歳までの方で、初老期における認知症と診断され、介護認定を受けられた若年性認知症の方を対象としたデイサービスも、「けやきの苑・西原」において新たに実施してまいります。 高齢者の方が、住みなれた地域で安心して過ごすことができるように、包括的かつ継続的に支援を担う「地域包括支援センター」については、三地区(新橋・上原・千駄ヶ谷地区)を新たに拡充し、現在の八カ所から十一カ所全てに設置いたします。このことにより、より身近な場所で高齢者の実態把握を行い、相談等についてもきめ細やかな対応を行ってまいります。 施設介護について、本区は、これまでも特別養護老人ホーム及びショートステイの整備に力を入れ、待機者やその家族のニーズに応えてまいりました。本年四月には、旧代々木高校跡地に八十床の特別養護老人ホーム「杜の風・上原」が開設される予定であり、六十五歳以上の高齢者人口千人当たりのベッド数は、二十三区中でもトップの水準となります。さらに、新たに「総合ケアコミュニティ・せせらぎ」の施設の一部を活用し、現在のショートステイから地域密着型特別養護老人ホームに変更し、特養二十五床を新たに整備し、待機者の解消に努めてまいります。 次に、障害者福祉施策についてであります。 介護者の高齢化が進む中、障害者が、住みなれた地域で自立した生活を送れるようにするため、グループホームの整備が障害者福祉において喫緊の課題であります。本区といたしましては、社会福祉法人を初めとする民間事業者による設置を整備の基本としながらも、平成二十五年度からは、一定の補助をすることで設置に協力し、事業者の参入を促し、整備を進めてまいります。 また、本区は、障害のある人にもない人にも優しいまちづくりを目指し、また地域からの要望が寄せられておりました京王電鉄初台駅のエレベーター設置につきましては、この事業に助成し、地域で安心して暮らすための基盤整備を進めてまいります。 次に、区民の健康増進についてであります。 本区は、これまで、保健行政として、栄養講座や医科健診あるいは歯科健診、がん検診を実施してまいりましたが、これらを総合化して、保健施策を医療・教育・福祉、そして家庭や地域が横断的に協力し、ライフステージに対応した健康課題を解決し、「健康日本一」のメッセージを区民に発信したいと考えております。そのため、「健康づくり検討委員会」を設置し、医師会や歯科医師会、教育・地域スポーツ等の専門家による検討の場を設け、区民の健康づくりに関する意識や健康状態を調査し、施策の方向づけを行ってまいります。 一方、乳幼児の感染症予防対策として、新たにB型肝炎ワクチンについて接種費用の一部助成を開始したいと考えております。これに加えまして、子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌、高齢者肺炎球菌、子どもインフルエンザの予防接種費用の全額助成のほか、ロタウイルス、水ぼうそう、おたふく風邪の予防接種費用の一部助成など、現行制度を平成二十五年度においても継続し、先進諸国に比べても遜色のない世界標準の予防接種制度の実現に努めたいと考えております。 B型肝炎ウイルスは、幼児期以降に感染した場合、一%以下の確率で持続感染に移行しますが、一歳未満の乳児の場合には、九〇%が持続感染に移行すると言われております。一方、乳児にB型肝炎ワクチンを接種すると、九五%以上で抗体が獲得され、感染防止効果は二十年以上続き、安全性も高いことが確認されていることから、世界保健機構(WHO)は全ての小児へのB型肝炎ワクチン接種を勧告しております。 このように、B型肝炎ワクチンの乳児への接種は、将来の肝硬変や肝がんを予防する極めて重要な健康施策であるため、接種費用の助成を開始するものであります。 次に、教育についてであります。 未来を担う子どもたちが、社会変化に対応し、国際社会を生き抜いていくためには、主体的に生きる子どもを育てなくてはなりません。確かな学力を身につけるとともに、豊かな感性を磨き、体力の向上を図ることが大切であります。 学力の低下が叫ばれている中、本区では、小中学生に基礎基本の学力を定着させるため、土曜・放課後学習クラブ、通称「まなびー」を全校で実施してまいりました。今後は、さらにその教育効果を高めるため、内容の見直しを行い、小学校低学年では、放課後クラブの中で、学習習慣の定着に重点を置いた指導を行い、学習内容が難しくなるおおむね小学校三年生ごろから中学生については、「まなびー」において、国語や算数、数学・英語を中心とした学習に取り組み、さらには発展的な内容にも挑戦することによって、本区児童・生徒の学力の向上を図ってまいりたいと考えております。 また、子どもたちの感性を磨くものの一つに本との出会いがあります。感動し、本に親しみ、読書習慣を身につけるための環境づくりとして、学校図書館への司書の配置を拡大してまいります。さらに、子どもたちへの国際的な感性と視野を広めるために、フィンランド共和国への児童派遣につきましても、今年度に引き続き来年度も実施いたします。 一方、体力の向上については、「クラブ活動等推進事業」を継続するとともに、新島村との親睦交流として、夏休みに、新島青少年センターを活用し、渋谷の子どもたちと地元青少年との野球やサッカーのスポーツ交流会を新たな取り組みとして実施してまいります。 他方では、未来を担う子どもたちが心身ともに健やかに成長していくためには、教師の力だけでなく地域の力が不可欠であります。地域が、学校運営と教育活動の両面から学校を支援する、コミュニティスクールを拡充し、地域のすぐれた人材力を生かして、教育活動の充実を図り、地域や文化に愛着を持って、将来社会に貢献できる子どもたちの育成を目指してまいります。 芸術・文化の拠点として都内外に知られている松濤美術館は、既に三十二年を経過しています。建築家、白井晟一氏のデザイン・意匠を生かしながら、設備更新を主とする総合改修工事を行います。 次に、まちづくりについてであります。 渋谷駅周辺のまちづくりについては、昨年十月に公表した「渋谷駅中心地区基盤整備方針」に基づき、広場や道路などを都市施設として定めるほか、民間提案による「都市再生特別地区」と連携し、広場空間や東西自由通路などを地区計画として定め、関連条例を改正するなど、都市計画法に基づく手続を進め、駅周辺に広域な歩行者ネットワークを構築してまいります。 今後は、東西自由通路の確保のほか、補助十八号線の都市計画道路としての整備、猿楽橋の改修や旧大山街道歩道空間拡幅整備など、都市基盤として整備が必要であります。 こうした都市基盤整備の取り組みが、一方では都市の防災機能の強化につながり、他方、クリエイティブコンテンツが高密度に集積する安全で魅力あるまちとして、国際競争力を高め、にぎわいのあるまち、また国際観光文化都市となるため、本区としても渋谷駅周辺整備事業に取り組んでまいらなければならないと考えております。 次に、土地利用の新たな規制についてであります。 渋谷区のまちづくりにおいては、これまでも、まちづくり条例、中高層の建築の紛争に関する条例、ワンルームマンション条例、景観条例などにより、より良好な地域環境の確保に向けての取り組みを進めてまいりました。 昨今、良好な住宅地における相続時の宅地細分化による環境悪化、大規模開発による緑地の減少、隣地境界との紛争の増加、自転車利用の拡大による駐輪施設の不足など、良好な地域環境を守る上で、新たな諸課題が生じています。今後こういった状況をどのように改善を図るかについて、改めて、地域、区民、学識経験者等の意見を聞きながら、「(仮称)土地利用調整条例」の制定を目指し、土地利用の新たな規制に向けて具体的な検討を始め、平成二十五年度中の条例制定を目指してまいりたいと考えております。 最後に、財政規模について申し上げます。 平成二十五年度一般会計歳出予算額は七百六十四億一千万円であり、前年度に対して四・九%の減となっております。これまで申し上げたとおり、総合予算として、震災対策を初め少子高齢化への対応等、区民福祉に係る施策推進を着実に図っております。 これに国民健康保険事業会計等の三特別会計、四百十億二千八百四十三万二千円を加えました各会計の合計額千百七十四億三千八百四十三万二千円で、前年度に対して二・一%の減となっております。 本定例会には、ただいま申し上げました予算等を含め、条例案二十一件、平成二十四年度補正予算案一件、平成二十五年度当初予算案四件、その他議決事項一件、報告案件一件を御提案しております。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 以上をもって私の所信表明といたします。 ありがとうございました。----------------------------------- ○議長(前田和茂) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 二十五番丸山高司議員。 ◆二十五番(丸山高司) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、大きくは七点、区長並びに教育長に質問いたします。 質問の前に、一言申し上げたいと存じます。 東京都教育庁は、二月二十一日、「東京都教育ビジョン(第三次)」の案を公表いたしました。策定は五年ぶりで、平成二十五年度から平成二十九年度までの教育行政の方向性と主要施策を定めるもので、重点課題として防災・安全教育とともにキャリア教育が盛り込まれたのは御案内のとおりでございます。 翻って、本区のホームページで拝見いたしましたが、二月十九日、渋谷区教育委員会が、文部科学省より、キャリア教育の充実・発展に尽力し、顕著な功績が認められた教育委員会として、全国自治体の中で、たった、たったですが、八教育委員会の一つとして文部科学大臣表彰の栄に浴されたことは、大変な快挙であり、他自治体の先駆けとしてキャリア教育に対し不断の努力を重ねられた渋谷区教育委員会に、心より祝意を申し上げますとともに、敬意を表する次第であります。 また、このキャリア教育環境充実のために、桑原区長を先頭に、保育園や特別養護老人ホームなど各行政セクション並びにこの議場にも関係の議員がおられますが、商店街や各事業所の皆さんが、五日間にわたり快く生徒を受け入れる体制を構築していただいたからこその表彰と考えるもので、その意味では、区民皆様、そして事業者と行政が協働するオール渋谷としてなし得たものと言えるのではないでしょうか。今後も、この顕彰を糧として、本区の将来を担う子どもたちが、社会常識、礼儀、マナーなどを身につけ、将来の社会的、職業的自立に向けて必要な能力や素養を育成していただきますようお願い申し上げ、質問に入ります。 最初に、「渋谷区実施計画二〇一三」について質問いたします。 本区は、災害対策や子育て支援に関し、全国自治体の中で第一位の評価を得ており、また高齢者福祉においてもトップクラスの水準を誇るという行政水準の高い自治体であります。定住人口につきましては、日本全体で人口減少社会を迎えている今日にあっても着実に伸長しており、昨年、二十年ぶりに二十万人を超え、さらなる増加が見込まれております。このことは、社会・経済情勢の激変が続き、取り巻く環境が厳しさを増す中で、本区は目覚ましい発展を続けていると言えるのではないでしょうか。 その要因として挙げられるのが、平成八年三月に策定された渋谷区基本構想に基づき、三年間をスパンとしてローリングする「渋谷区実施計画」だと確信するものであります。 本区は、桑原区長の強いリーダーシップのもと、誰もが安心して住み続けられるまちを目指し、実施計画に基づく基礎自治体としての取り組みを堅実に積み重ね、結果として、全国自治体から注目される「生活文化都市」としての渋谷区が確立されつつあるものと認識いたすものであります。 今般、安全で魅力と活力にあふれたまちとして、より一層の発展を目指し、「渋谷区実施計画二〇一三」が策定されました。本計画におきましても、これまでと同様、高齢者福祉や障害者福祉、健康、子育て支援、青少年の健全育成、さらには防災対策、まちづくり等、区民生活に切実にかかわり、安全・安心のまちづくりの推進に不可欠な施策が多岐にわたって打ち出されております。 本区が区民に最も身近な基礎自治体として広範に及ぶ課題に積極的に取り組み、加速する少子高齢化という社会構造の変化にも対応しつつ、所期の目標に向かって区民サービスの充実を図ろうとする強い姿勢が新実施計画にあらわれていると思うものであります。 区政各般の課題に、迅速、的確に対応するためには、新実施計画に示されているように、多種多様な施策展開が不可欠であるとの認識の一方で、忘れてはならないのが施策実施の財政的裏づけであります。世界経済の動向等から、我が国経済の先行きは依然として不透明であり、本区の歳入の大宗をなす特別区税収入への影響も、また予測することが難しくなっております。本区が持続可能な行財政運営を強く求められるゆえんであります。 そこで、質問いたします。 今回、示された「渋谷区実施計画二〇一三」において、区長が、目指そうとする区政の方向や計画の特徴、特色、あわせて新実施計画を遂行する上での財政的裏づけとなる財政計画につきまして、御所見を伺います。 次に、庁舎の建て替えについて質問いたします。 昨年十一月二十日の全員協議会において、区庁舎の平成二十四年度耐震診断の結果が報告されました。その結果は、区庁舎の各階の構造耐震指標(Is値)は、震災時の活動拠点として求められる水準〇・七五に対し、それをはるかに下回り、しかもその最小値は〇・二三と非常に低い値となっていることが判明いたしました。この数値は、「大規模地震の際、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、または崩壊する危険性が高い」との判定となります。 同時に、耐震補強を実施する方法についても報告があり、枠づき鉄骨ブレースによる補強、プレキャストブロック増設壁による補強、制震ブレースによる補強、地下一階に免震装置を設置する免震補強、それぞれの説明もありました。しかしながら、庁舎の安全性が求められる水準を確保できていないことは理解したものの、説明を受けた補強案は、いずれも、工期の長さ、かかる経費、耐震補強壁等により勤務スペースが減少し、かつ動線に大きな制限が生じ、使用上相当の制約を受けることなどから、直ちには賛同しかねるものであります。区長も思いは同じであったものと存じます。 耐震補強を選択した場合、業務に大きな支障が生じることが予想されるほか、多額の経費を要するにもかかわらず、庁舎が、新築並みの延命化が図られるものではなく、いずれそう遠くない将来、耐用年数を迎えることとなり、建て替えが必要となります。付随して、設備の老朽化や省エネなどに対する対応や、アスベスト除去に対する対応などの大規模な改修工事も必要となり、その改修工事費も大きな財政負担となります。 他方、建て替えを選択した場合、庁舎建て替えにおける財政負担や建て替え期間中の区民サービスの影響、事務事業の継続などを考えると、すぐに踏み出すことができないと考えるものであります。仮に、建て替えを選択した場合、定期借地権の設定等による民間活用を行い、それによって得られた対価を建て替え費用に充てることにより、財政負担を最小限にすると承知しております。財政負担を最小限に抑えた建て替え案が補強案と比較してすぐれていれば、建て替え案も現実味を帯びてくると存じます。 こうした状況を踏まえて、昨年十二月二十七日、議会に、補強案と建て替え案を比較・検討に供するため、民間からの建て替えの提案を募集するとの報告を受け、また同日に、ホームページへの掲載があり、提案募集が開始されました。 その提案は二月末が締め切りと承知しておりますので、提案は出そろったものと存じます。締め切られて間がありませんが、議会としてもその責任において補強か建て替えかを慎重に検討しなければならない問題と考えますので、十分な内容点検の後に議会へ報告されるよう求めるものであります。 そこで、質問いたします。 一部、新聞報道で、建て替える旨の報道がありましたが、区長は「議会の考えを踏まえながら決定していく」と発言されております。この方針に変更はないか、お尋ねいたします。 また、行政執行の責任者として、建て替えを選択した場合、仮庁舎に移らなければならないと存じますが、仮庁舎であってもできる限り区民サービスの低下を来さないこと、財政計画を明確にする必要、さらに区民に対しての説明責任をどう果たしていこうとされるのか、御見解を伺います。 次に、渋谷駅周辺整備と今後の渋谷が目指すまちづくりについて伺います。 昨年は、「渋谷ヒカリエ」が、東京の新名所、ランドマークとなり、渋谷のまちに明るい話題が提供されました。年末の総選挙において、いまだに野党のままの会派もございますけれども、自由民主党政権が誕生して以来、アベノミクスに象徴される経済対策を歓迎するムードから、日本全国で景気回復の期待感が高まるとともに、今年に入ってからも、新年会に伺うと、まちや区民皆様の表情に幾らか活気が戻りつつあると感じるのは、私だけではないと存じます。 そんな期待感の中、本年は、「渋谷ヒカリエ」に続き三月十六日に東横線の副都心線との相互直通運転開始を控え、渋谷駅周辺の都市再生緊急整備地域の各事業が具体化する節目の年となります。渋谷駅周辺の約百三十九ヘクタールは、平成十七年に都市再生緊急整備地域の指定を受け、「駅施設の機能更新と再編を契機に、開発の連鎖による総合的なまちづくり」を地域整備の目標として掲げ、取り組みを進めてきたものと認識しております。 この取り組みの成果として、直近では、学識経験者や関係機関、住民との協働により「渋谷駅中心地区まちづくり指針二〇一〇」が策定され、これに基づき「渋谷駅中心地区基盤整備方針」が公表されたことは記憶に新しいところであります。道玄坂一丁目や渋谷三丁目などの各地域においては、こうした指針、方針を地域、皆様に示しながら地区計画作成を目標にした「まちづくりの意見交換会」を同時期に、きめ細かく実施してこられた区長のまちづくりにかける思いと積極性に敬意を表するものであります。 他方、民間事業に目を向けますと、リーディングプロジェクトとしての「渋谷ヒカリエ」の開業に続けと、昨年十一月には、「渋谷駅街区」「道玄坂街区」「渋谷駅南街区」の民間開発の地元説明会があったと承知しており、これらの開発は、二つの特区の都市計画案として本年一月に東京都が受理したとのことであります。 さらに、渋谷駅東口を中心に、既に「渋谷駅街区土地区画整理事業」が施工されている中、道玄坂のほか桜丘においても、街区の再編による都市機能の更新と都市再生を目指して、都市基盤を強化する「市街地再開発事業」が計画されていると仄聞しております。 地域と進めている渋谷駅中心地区の複数の「地区計画」と民間提案のあった複数の「特区」が今年中に都市計画決定されるとすれば、平成二十五年は、まさに渋谷のまちづくりの命運を左右するとともに、渋谷駅周辺の「都市再生事業」が具体化するターニングポイントとなる年と言えるのではないでしょうか。 そこで、区長に質問いたします。 こうした動きを踏まえ、今後の渋谷駅周辺のまちづくりに向けての見通しについて、御所見を伺います。 次に、都市間競争に勝ち抜くために渋谷が目指すまちづくりについて伺います。 鉄道事業については、平成二十年度に、地下鉄副都心線が開業し、東横線の地下化工事も進捗し、この両線の相互直通運転が開始されます。西は「みなとみらい線」北は、「東武東上線」「西武池袋線」へも直通運転され、ライバルとして、新宿、池袋のみならず今後は、元町、中華街、川越、所沢など、複数都市との都市間競争の激化が予想されるものであります。 今現在も、渋谷のまちには他都市に負けない魅力があり、日々進化していることは承知しておりますが、他の都市も様々な戦略を持って臨んでくるものと考えます。いっときでも気を抜けば、渋谷駅は通過駅となり、他都市へのストロー現象を生じる危機感を抱くものであります。 アジアヘッドクォーターとして、日本国内のみならず国際的な都市間競争を見据えている桑原区長が、常々、口にしておられるIT、ファッションなどのクリエイティブコンテンツ、質の高い生活文化、さらには伝統文化の発信、結いの心、つながり合う文化などが、他の都市にはない渋谷独自の魅力として、また資源として生かすべきと考えますが、渋谷が目指すまちのビジョンはどのようなものなのか、区長の御所見をお尋ねいたします。 この項の最後に、渋谷駅周辺のまちづくりにおいて、区が担うべき都市基盤整備の財政計画について伺います。 「渋谷区実施計画二〇一三」の中にも示されましたが、まちづくりに関する計画は、今後、より大きな比重を占めていくと思われます。そのことにより、民間企業の利益を誘導するために、多大な区財政を投入するのではないかと、開発利益を金銭的価値にしか置くことができない貧困な発想から、まちづくりにブレーキをかけようとする悪宣伝する勢力がおります。しかし、前述したとおり、渋谷駅周辺のまちづくりを進めない限り、渋谷は、やがて衰退し、活力を喪失してしまうことは自明の理と考えるものであります。 そこで、区長に質問いたします。 区が担うべき都市基盤整備の財政計画をどのような方針で編成していくおつもりか、その意図するところをお聞かせください。 次に、震災対策について伺います。 桑原区長は、前定例会の区長発言において、「複雑な震災対策は、区民一人一人のものになって初めて減災へと機能する。その視点より、より実践的なものとするための対策を講じる」と発言されました。そして、今定例会所信表明では、本区の震災対策について、帰宅困難者対策の強化や備蓄品の拡充、通信手段の確保や、さらには登録ボランティア制度の拡充及び防災地域説明会の成果を反映させた地域防災マニュアルの全世帯配布と、これだけの対策の強化を短期間で、それぞれ具体的かつ実践的な対策としてお示しになりましたことは、震災対策にかける区長の並々ならぬ御決意を感じる次第であります。とともに、そのスピード感と実行力に瞠目するものであります。 そして、これらの対策を確かなものとするため、震災対策総合条例についても改正を提案されております。とりわけ、前文において、東日本大震災の教訓、首都直下地震の切迫性に触れた上で、「「想定外」を「想定内」にし、地域防災力の強化及び震災に強いまちづくりを区、区民、事業者、関係機関が一体となって総合的な震災対策を推進していく」としております。 そこで、質問いたします。 改正条例案において、基本的な考え方がどのように持たれ、その方針が具体的な改正条項にどう反映されているのか、お尋ねいたします。 二番目として、帰宅困難者対策についてお尋ねいたします。 区長は、日ごろより、帰宅困難者対策の強化こそ第一に取り組まなければならない優先課題と位置づけ、先ほどの区長所信表明でも具体策を示されました。このことは、東日本大震災の当日、混乱の中、他のどの自治体でも、住民の避難所であるべき公立小中学校を開放し、帰宅困難者への対応を図っていましたが、区長は、帰宅困難者は、大学や大規模施設など民間による受け入れを前提とした適切な対応を行いました。結果として区民に大きな安心感を与えたとともに、公立小中学校を開放した他の自治体では、この対応の見直しをする動きがあることなど、区長の先見性を評価するものであります。 他方、本年四月一日には東京都の帰宅困難者対策条例が施行されます。この条例では、事業所に対し、従業員が最大三日間とどまること、そのための飲料水、食料、毛布などの備蓄、一時滞在施設の確保などについて規定しております。 そこで、質問いたします。 本来、帰宅困難者対策は、広域自治体の責務であり、都あるいは国が第一義的にその役割を担うものと考えますが、この都の対策と区の対策との連携、整合性をどう図るおつもりか、御所見を伺います。 三番目として、今回「渋谷区実施計画二〇一三」に示された地域防災力の向上において、さらに充実・強化する観点より質問いたします。 一番目は、地域防災のかなめとなるのは日ごろよりの訓練であります。しかし、今回の実施計画では、この訓練に関する項目がありません。東日本大震災では、ふだんからの防災教育の有効性が確認されております。 他方、典型的な防災教育と言えば、学校での避難訓練が挙げられます。自分の教室から校庭への避難を繰り返し訓練してまいりました。しかし、地震災害は時と場所を選びません。そのときとるべき行動は、当然、状況によって異なるのであります。大切なことは、自分が置かれた状況でどう行動すれば安全を確保できるかであり、これこそ区長が言われる区民一人一人のものになる訓練ではないでしょうか。 この状況適応力を高めるための訓練で注目されているのが、「シェイクアウト」と呼ばれる新方式の防災訓練があります。二〇〇八年、カリフォルニアで考案された方法で、決められているのは日時だけ、訓練場所を定めず、参加者は、それぞれの場所で姿勢を低く、体、頭を守る、揺れがおさまるまでじっとする、約一分間、確実にこの三点を実行するというシンプルなものですが、負担をかけずに参加しやすいこと、自分の置かれた環境においてとり得る行動を実践することで、防御した行動を納得し、体得すること、また忘れない効果が期待されるものであります。さらには、自分の置かれた環境でどのような危険が存在するかを知り、安全行動以外の助け合いの大切さも実感できるとのことであります。 状況適応力向上より、まずは学校での防災教育の一助と考えられないでしょうか、区長の御見解をお聞きします。 二番目として、自主防災組織活動支援より、スタンドパイプセットを順次拡充することは承知しておりますが、これを初期消火以外に応急給水としての活用を来年度、東京都において水道局が資機材を調達し、希望する自治体に貸与することを決定したとのことであります。当然、区長も御存じかと思いますが、避難所運営機能を高めるため、是非応急給水セットの貸与を受け、訓練メニューに加えたらいかがでしょうか、お尋ねいたします。 次に、子育て支援に関して質問いたします。 区長は、これまで待機児解消を子育て支援の最重要課題として取り組んで来られました。平成二十一年度から二十四年度の四カ年で五百二十一名の定員拡大を図られ、さらに本年度は、その集大成の年とするため、認定こども園四園の開設などによって一気に五百六十四名の定員拡大を図りました。 しかしながら、本年四月の入園申し込み数は、昨年比の三割増、計画想定を上回る状況ではないかと危惧するものであります。本年四月に、短期間でも待機児数がゼロに近づけるように、最大限の努力をお願いいたします。 今般の近隣区における保護者の動向を見ますと、本区の保育需要はますます高まるものと予想され、今後も、継続的に厳しい財政環境のもとで、歳出をできる限り抑え、歳入を確保して、待機児解消に取り組む必要があると考えます。 例えば施設整備の手法としては、区に対して、多様な取り組みへの支援として東京都が打ち出した小規模保育整備促進事業を活用して、家庭的保育を行う小規模保育施設の整備や、共産党が主張する方策ではなくですね、遊休保育園跡地に対して民間活力を導入する手法や、運営事業者に対する補助などを行い、参入しやすい環境づくりなど、さらなる創意工夫が求められるのではないかと存じます。 国の進める子ども・子育て支援新制度は、昨年八月の子ども・子育て支援関連三法の可決・成立を受け、平成二十七年度の本格施行に向けて具体的な準備段階となっており、本区でも、子ども・子育て支援事業計画を調査・審議する合議体、「渋谷区版子ども・子育て会議」を設置する条例が本定例会に提出されております。 そこで、区長に質問いたします。 この「子ども・子育て会議」の設置を踏まえ、今後の待機児解消の見通しと施設の整備方針についてどのように考えておられるか、区長の御見解を伺います。 二番目として、児童福祉センターの整備に関連して質問いたします。 児童福祉センターの建て替え工事については、新年度、契約議案として議会の議決を経て、解体工事に着手するものと承知しております。さきの定例会において我が会派の代表質問に対し、区長は、「これまでこの施設を利用されてきた方には、小学校の放課後クラブ、子育て支援センター、図書館など近隣の区施設の御利用を案内する」と答弁しておりますが、文教委員会の報告では、建て替え計画の地元説明会において、地元住民より建て替え期間中の児童に対する代替施設の要望がありました。また、私が青少年対策本町地区委員会事業の一つとして渋谷本町学園の放課後クラブを視察しましたところ、利用する児童のほぼ全てが小学校低学年の利用でした。担当者の説明によれば、「高学年になると、放課後クラブを利用せず、地域の中で友達と遊ぶ」とのことで、そうであってみれば、高学年の児童に対する居場所の確保が必要と考えるところであります。 代替施設確保から考えられるのが、渋谷本町学園第二グラウンドであります。当然、優先すべきは、学園の児童・生徒の皆さんが、授業や部活で使用することが第一義と考えますが、放課後、ある程度の時間や土日など、体育館でしたら使用できないでしょうか。また、整備計画を拝見いたしますと、体育館一階は多目的室が設置されると承知しております。 そこで、区長に質問いたします。 二階の大体育室と一階の多目的室を児童福祉センター建設中に限り代替施設として利用に供する考えはないか、もし可能であれば、管理・監督する指導員の確保についてもあわせてお考えをお尋ねいたします。 次に、福祉について質問いたします。 最初に、高齢者福祉について伺います。 「渋谷区実施計画二〇一三」にもあるように、高齢者単身世帯や認知症高齢者の増加が確実視される状況下、家族や親族だけでこれを支援することは、今以上に困難になることが予想されます。尊厳を持って、その方らしい人生を送ることができるよう、協働、支え合いのネットワークを生かした地域ケアに取り組み、高齢者の地域での自立生活を総合的かつ継続的に支援するとともに、中長期的な視点に立ち、安心して暮らせる基盤整備の構築を積極的に取り組む必要があると考えるものです。 地域ケアにおいては、とりわけ老老世帯やひとり暮らし高齢者、認知症高齢者の在宅生活を支えることが大切であり、見守りサポート協力員、民生委員、町会など地域の方々とも連携し、支援が必要な高齢者を支える体制の整備をより一層図るべきと考えるものであります。その観点からすれば、地域ケアに対する取り組みの中核となる地域包括支援センターを現在の八カ所から十一カ所に増設し、きめ細かな対応をしていくことは区長の英断と考えるものであります。 他方、地域包括支援センターが新しく設置されるということは、担当地域の変更も予想され、多くの高齢者がその影響を受けることとなります。今までの担当者が替わるなど、高齢者が不安にならないように、丁寧に配慮しながら準備することが重要であります。 また、平成二十五年度予算案を見ますと、施設の新設経費は計上されていないことから、既存施設を活用するものと存じます。 そこで、質問いたします。 開設に向けての準備の際に、高齢者の方の不安を解消するためにどのように進めていかれるのか、その具体的な場所や時期を含めて、区長の御所見をお尋ねいたします。 次に、認知症に対する支援にも力を入れていくことが所信表明でも示されました。国においても、厚生労働省は九月に認知症施策推進五カ年計画「オレンジプラン」を公表いたしました。同計画では、これまでの病院あるいは施設を中心とした認知症ケア施策を、できる限り住みなれた地域で暮らし続けられる在宅中心の認知症施策へシフトすることを目指し、地域で、医療や介護、見守りなどの日常生活支援サービスを包括的に提供する体制づくりを目指し、具体的な方策がまとめられております。 さらに、東京都においても、認知症対策の総合的な推進に係る経費として、新年度、約三十一億円が計上されております。国や都の方向性を見きわめることはもちろん重要ですが、本区には本区ならではの課題があるものと存じます。その課題を踏まえて、基礎自治体としての役割をしっかり果たしていくことが求められます。 「渋谷区実施計画二〇一三」の中では、認知症高齢者の発症初期からの支援について示されておりますが、認知症高齢者の在宅生活を支える支援策、すなわち認知症になっても住み続けられる渋谷のために新年度以降どのようなことを考えているか、区長のお考えを伺います。 次に、「総合ケアコミュニティ・せせらぎ」内に、定員二十九人以下の地域密着型特別養護老人ホームを整備することとなりました。最新の待機者は、今月一日の基準となりますから、まだ把握できませんが、直近の待機者は、平成二十四年九月一日基準で六百八十二名の方がおられます。もちろん、再三申し上げておりますが、この中には、今後に備えて、とりあえず手を挙げる方がおられることは承知するものですが、御家族の負担が大きい真に必要な方が希望されても、速やかな入所ができない事例もございます。そのような方々の負担を少しでも軽減するために、区民の方のみが利用でき、地域の実情に合ったサービスが提供できる地域密着型サービスとして、特別養護老人ホームを整備していくことは、スピード感を持って課題解決に当たる桑原区長の行政手腕と評価いたすものであります。 今後、旧本町東小学校跡地施設の整備については、平成二十七年度、設計に入ることが実施計画の中で示されております。この施設が完成するまでの間、「原宿の丘」の整備に対する考え方を含め、高齢者施設の整備方針について区長の御所見を伺います。 次に、区民の健康増進について区長にお尋ねいたします。 区民の健康増進の総合的な推進についてであります。 先ほど所信表明でも触れておられましたが、これまで保健行政として実施してきたことを保健、医療、教育、福祉、そして家庭や地域が横断的に協力して取り組んでいくとのことであります。区民の健康を第一に考え、健康づくり施策を総合化して、ライフステージに対応した健康課題を解消していくという区長の姿勢を評価するものであります。 国においては「二十一世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の計画策定にあわせ、「国民の健康の増進を図るための基本的な方針」が新たに示されております。新基本方針では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を最終的な目標と位置づけ、その実現のために生活習慣病の発症予防と重症化予防を徹底し、また健康を支え、守るための社会環境の整備を進めることがうたわれております。つまり、がん、循環器疾患、糖尿病等の生活習慣病に対処するため、一次予防に重点を置いた対策を推進するとともに、合併症の発症等の重症化予防に努めること、また国民が主体的に行う健康づくりの取り組みを総合的に支援するほか、地域や社会のきずな、職場の支援等が機能することにより、社会全体が相互に支え合いながら、国民の健康を守る環境を整備するとされております。 この国の基本方針と本区が区民の健康づくりを推進するに当たっての方向性は、その考え方を一にするものであると了知するところでありますが、所信表明にある「健康づくり検討委員会」や「渋谷区実施計画二〇一三」にあるレシピコンテストなど、具体的な手法や施策も検討されていると承知しております。 そこで、区長に質問いたします。 この事業推進をどのように図っていくおつもりか、新年度におけるスケジュール等について、現時点でのお考えをお聞かせください。 最後に、教育について教育長に質問いたします。 近年の学校現場において、児童・生徒を取り巻く諸問題は、過酷な状況に直面していると言わざるを得ません。一つには、いじめ、暴力の認知件数の増加であり、一方では、あっけないほど簡単に自らの命を絶ってしまう自殺であります。 本区においては、幸いいずれも重大な事案に発展したケースはなく、また、いじめへの対応としては、昨年の大津市の事件を発端に、国を初め東京都並びに本区でも実態調査やその積極的な対応とケアに尽力していることは承知しておりますし、自殺防止の対応でも、日ごろより命のとうとさ、人は、必ず誰かの役に立ち、孤独ではないことなどを理解させる道徳教育や、人権教育に力を注いでいることも承知しております。 そうした現状を踏まえますと、今後、求められることは、発生する前段階のケア、すなわち予防する観点が極めて重要と考えるものであります。 最近、注目されている二つの取り組みがあります。その一つはアンガーマネジメントであります。学校現場において、怒り、すなわちアンガーを自らの意思で適切にコントロールできるように、生徒に対して予防的アプローチとして用いられるものであります。怒りの感情が沸き上がったとき、適切な対処法を考えることができるように、四つのポイント、感情の客観視、怒りの特徴、怒りの静め方、適切な自己表現に焦点を当てた授業を実践することにより、自分と他人への感情理解や感情の言語化、対処法に顕著な効果を生むとのことで、実際に、松濤中学校において実践したところ、一定の成果があったと承知しております。 そうですよね、同窓会長。   〔「そのとおりです」の声あり〕 ◆二十五番(丸山高司) つけ加えれば、先日の松濤中学校の公開授業で行われ、多くの地域、保護者の皆様も体験し、反響があったことは御案内のとおりでございます。 いま一つ注目されている取り組みは、いじめの早期発見や予防することに効果がある心理検査、「Q-Uテスト」アルファベットのQ、ハイフン、アルファベットUですね。テストであります。百三十の自治体で既に実施され、特に島根県では、来年度、公立の小学一年生から高校二年生までの全児童・生徒に対して導入予定とのことで、「仲のいい友達はいるか」「学校に行きたくないことはあるか」など十五項目の質問と自由記述に答えると、学校生活やクラスに対する個人の満足度のほか、クラス全体の状況が把握でき、この心理検査の活用で、その子が抱える困難や問題を解決することで、いじめや不登校、さらには学級崩壊の未然防止に効果を発揮すると言われております。実際に、今年度、本区においては渋谷本町学園と原宿外苑中学校で実施されたと承知しております。 この二つの取り組みは、本区において一部の学校で実施されている現状から、教育委員会においても、当然、実施状況を把握されていることと存じます。 そこで、教育長に質問いたします。 いじめ、暴力、さらには不登校など、児童・生徒の問題行動を予防する視点から、この取り組みの効果と今後の施策展開について御所見を伺います。 次に、子どもたちと常に向き合う現場の教師に対するサポートについて伺います。 前述したような児童・生徒の問題行動においては、教師は積極的にかかわらなくてはなりません。一たびクラス経営においてこうした状況に直面した教師の御苦労は並大抵ではないものと存じますが、他方、最近では、教師による暴力行為、体罰も表面化している中で、教師の力量に懐疑的な声があることは事実であります。 さらに、近年では、モンスターペアレンツに象徴されるような一方的価値観を押しつける保護者も散見され、教師は、単に授業を遂行するだけではなく、質の高いクラス経営もあわせてすることが求められております。 さらに、付言すれば、最近、東京都下の小学校において、給食に提供された食材で食物アレルギーのショックによって児童が死亡した事案においても、適切な対応がとられていれば、防止できたのではないかと思うものであります。そうであってみれば、個々の教師の力量を上げること、とりわけ現場対応力の向上は喫緊の課題であります。 本区において、優秀な校長経験者を指導教授として、学校を訪問して、指導や助言をされていることは承知しておりますが、より専門性の高い例えば前述した医療に関すること、法律に関することなどに対して適切な助言するサポート体制を構築する必要があると存じます。 幸い、本区の教育委員の構成を拝見いたしますと、法律分野、医療分野、経営分野、教育分野で御活躍されておられる多士済々の皆様がおられますので、何らかの御助言をいただけるのではないでしょうか。教師の現場対応力向上を図るサポート体制について、教育長に伺います。 さらに、学校経営において、また教師のスキルアップを図る上で、地域、保護者の支援も欠かすことはできません。地域や保護者の有為な人材が資源としてあるならば、これを生かし切らなくては、今後、厳しい環境下にある学校経営は成立しないのではないでしょうか。現状を勘案すれば、渋谷型コミュニティスクール、学校支援本部方式にシフトすべきと考えるものであります。 そこで、教育長に質問いたします。 今年度、長谷戸小学校、猿楽小学校、試行として鉢山中学校で始められた渋谷型コミュニティスクールは、まさに地域や保護者が学校運営と教育活動の両面から学校を支援するもので、来年度、鉢山中学校、松濤中学校と拡充いたします。実施計画では、二十六年度以降、具体的な校名が記載されておりませんが、早い段階での全校展開を求めるものであります。御所見を伺います。 次に、特色ある学校づくりの推進について、教育長に質問いたします。 本区では、子どもたちの個性や能力を伸ばすため、国際性豊かな渋谷区の地域特性を生かした学校づくりを進めております。現在、五校で実施され、来年度、代々木中学校においてスポーツ等部活動強化校として実施する予定と承知しておりますが、強化校として外部指導員体制や自校教職員のスポーツ・文化活動に対する指導体制等の充実が求められるものと存じます。 そこで、教育長に質問いたします。 執行体制についてどうお考えか、また優秀な指導員の確保等についてのお考えをお聞かせください。 また、国際性豊かな地域特性を考えたとき、英語能力の定着をさらに推進する必要があると存じます。特に、企業の社会貢献を活用した小学生フィンランドの海外派遣事業などの実効性をさらに上げるため、コミュニケーション能力や言語能力向上をどう推進していかれるのか、御所見をお聞かせください。 最後に、平成十八年に改正された教育基本法の第一章、教育の目標、第二条第五項に規定された「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」と新たに追加された条文の精神は、前述したように、本区の地域特性、すなわち国際性豊かで伝統と文化を大事にし、高度な生活文化都市・渋谷づくりに合致するものと確信いたします。この条文の精神を醸成することにより、我がまち渋谷を愛する心を修養できるのではないでしょうか。是非この条文に規定されている精神を各校の特色ある学校づくりにおいて率先垂範して薫陶し、発人深省すべきと考えますが、これに取り組まれる御決意をお聞かせください。 ○議長(前田和茂) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団、丸山高司議員の代表質問に順次お答えをしたいと思っております。 初めに、私の災害対策あるいは子育て支援あるいは高齢者福祉施策など、高い行政水準を維持しているということで、お褒めの言葉をいただきました。厚くお礼を申し上げたいと思いますと同時に、またこれを励みとして、さらに努力をしてまいりますので、よろしくお願い申し上げる次第でございます。 最初に、私に、この「渋谷区実施計画二〇一三」の特徴、特色及びその財政的裏づけについてのお尋ねでございました。 議員のお考えは、本区の発展の基本は、基本構想に基づく渋谷区実施計画のそのあり方に一番基本があるんだと、そのような点からの御質問でございました。 本区は、今、都市再生緊急整備地区、さらには昨年四月、ヒカリエ開業を契機といたしまして、再開発の機運が急速に高まっているところでございます。生まれ変わっていく本区が、商業、交通の重要拠点として、あるいは文化・教育施設の充実した都市として、国内外からこれまで以上に注目を集めていくことは必至でございます。 今回の計画は、渋谷のまちづくりの一大転換期にございまして、区政各般の課題への対応指針、財政計画を、議会や区民の皆様方を初めとする関係各方面の方々に、お示しするものであり、より意義深いものであると考えております。実施計画の目指す方向は、社会・経済情勢が激変する中であっても、誰もが安心して住み続けられるまちの実現でございます。 新計画の特徴、特色でございますが、まずは基礎的自治体としての取り組むべき区民生活にかかわります少子化、高齢化等の課題を踏まえつつも、それ以前の取り組むべき課題として、いつ発生してもおかしくない震災対策を重視したことでございます。発災時の様々な事態が想定外とならないよう、公共施設の見直しや区の防災施策を区民と共有していくことであります。このため、まず東日本大震災の教訓や被害想定の見直し等を踏まえまして、帰宅困難者対策の強化や備蓄食の拡充等に取り組み、災害に強いまちづくりに備えることとしております。 次に、少子化への対応でございます。デフレが長引き、厳しい社会・経済環境が続く中、共働き世帯の増加等に伴う子育て支援充実の声に応えていくためにも、本区は、良質の保育、良質の教育を重視し、思い切って子育て支援の整備・運営の拡充に取り組むとともに、児童福祉センターの建て替えにも着手してまいりたいと考えております。 これからも、生み育て、預けやすく働きやすいまちの実現のため、多様化する子育てニーズに応えてまいります。 次に、高齢化への対応でございますけども、高齢単身世帯の増加等を踏まえまして、地域包括支援センターの拡充や介護予防のための健康はつらつ事業の充実、認知症高齢者等を地域で支える仕組みづくり、特養等の施設の拡充を図る等、高齢者が安心して住み続けられるまちを目指しまして多角的に取り組むこととしております。 次に、区民の健康についてでございますが、がん対策や感染症予防等の個別施策に偏ることなく、「健康日本一」を目指し、医療、教育、地域、家庭が一体となって、健康増進を目指し、生活習慣病の予防に努めてまいりたいと存じます。 これらの施策に加えまして、今後、本格的に取り組みが求められるのがまちづくりでございます。二十一世紀は都市の世紀であると、このように言われ、諸外国は、都市の競争力を高めることに、力を注いでいます。他方、我が国も、少子高齢化等、社会構造上の課題を抱えており、これらの課題に向き合っていくためには、まずまちづくりを考え、社会が継続・持続可能性を失うことのないようにやっていかなくてはなりません。 東京都は、このことを踏まえまして、一昨年九月、国際戦略総合特区アジアヘッドクォーターの申請を国に対して行いましたが、本区といたしましても、渋谷駅周辺の再開発に対し、都市基盤の整備に努めていかなくてはならないと考えております。 各種施策の財政的裏づけとなる本区の歳入につきましては、特別区税収入の回復の兆しがあるものの、税収の増は、他方で都区財政調整交付金の減にもつながっていくことでございますから、歳出抑制の努力は、欠かすことはできない、このように考えております。他方、起債や基金の活用を最小限に抑えながら、将来の財政需要の変化に柔軟に対応し得る創意工夫を凝らしてまいりたいと、このように考えております。 あわせて、行財政改革のさらなる推進により、将来にわたって財政の健全性を維持し、各種施策を実施してまいりたいと考えております。 次に、庁舎の建て替えについてお尋ねがございました。 最初に、一部、新聞報道に区長が、建て替える旨の報道があったけれども、議会の考え方を踏まえながら決定していく方針に変更はないかということでございました。 私、このことにつきましては、昨年十月十七日の幹事長会以降、現総合庁舎の耐震診断の判定結果の御報告をし、また、庁舎を補強して使い続けるという選択肢に加えて、庁舎を建て替えるという選択肢も含めて検討し、これについて民間事業者から提案を受けることとしたい旨、御報告をしたところでございます。プレスの報告は正確を欠いていると考えております。 昨年十二月二十七日の総務区民委員会では、総務部庁舎耐震問題担当課より新総合庁舎等の整備に係る提案募集について御報告をさせていただき、選択肢の一つとして、建て替えの提案募集要項をホームページに掲載し、募集をしております。 この提案募集は、新総合庁舎等の整備に当たっては、工期が短く、区の財政負担を最小限にするという区の考え方を示し、総合庁舎等の施設機能、構造等についての整備に当たっては、耐震性能の確保、省エネルギーの徹底、自然エネルギーの活用等、環境負荷の低減を図ること、経済性、効率性の高い構造、設備、配置により維持管理費の縮減と長寿命化を図ること、非常時の事業継続性機能の確保を図ること等を条件としたところでございます。 本年二月二十八日、建て替えの提案募集の締め切りに際しましては、五つの事業者によるグループから提案を受けているところでございます。そこで、本区としては、建て替えを選択した場合、計画や財政等について、区長として、区民の理解を得られるよう、努力したいと考えております。また、仮庁舎とする場合にも、区民サービスの低下のないように努力をしてまいりたいと思っております。 財政計画につきましては、この庁舎の耐震化であっても、あるいは建て替えであっても、どちらを選ぶことになっても、対応できるような配慮をしているところでございます。 いずれにいたしましても、このことについては、決定次第、またそのことについては議会の御理解をいただくことはもちろんのこと、場合によっては区民の理解を得る努力をも当然のことながらやってまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。 次に、渋谷駅周辺整備と今後の渋谷のまちづくりについてのお尋ねでございます。 最初に、今後の渋谷駅周辺のまちづくりに向けての見通しについてのお尋ねがございました。 昨年の渋谷ヒカリエのオープンに続き、この三月十六日には東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転が開始されます。前日の三月十五日の終電から三月十六日の始発までのわずか数時間の間に、約千二百人の作業員の手によりまして代官山付近において最後の線路切り替えの地下化工事が行われます。このことにより、広域的な鉄道ネットワークが構築され、渋谷駅の再編整備に向けた歩みがさらに加速するところでございます。 そのため、地元町会、商店街などの意見を反映しつつ、事業者、国、都との調整を図り、具体的な都市計画の手続を進めてまいりますが、その計画対象は、渋谷駅地区、道玄坂一丁目地区、渋谷三丁目地区、渋谷駅東地区の四つの地区計画都市、六月中の都市計画決定をめどとしております。 他方、本年一月には、民間事業者から提案された渋谷駅街区、道玄坂街区及び渋谷駅南街区につきましては、都市再生特別地区として、東京都において都市計画案として示されたところであり、これも六月中の都市計画決定を目指しております。 さらに、道玄坂一丁目駅前地区市街地再開発事業におきましては、地区計画とあわせまして、広場機能を強化するため、民間敷地を活用したバスターミナルなどが計画され、これも六月中の都市計画決定を目指しております。 このほか、渋谷駅、桜丘地区についても、補助十八号線の整備を含めた市街地再開発事業が計画されており、関連する地区計画の検討も進んでいるところでございます。 これらが順調に推移すれば、渋谷駅街区の東棟と道玄坂街区、渋谷駅南街区については、おおむね平成三十一年度までに完成するものと想定されますが、他方、本区においては、こうした民間事業者と連携し、鉄道や国道二四六号線で分断された東西南北の各地区の接続を自由通路整備の確保や都市計画道路の整備や大山街道の整備など、各方面への歩行者を誘導、回遊する広域な歩行者ネットワークを形成してまいります。 工事は長期にわたりますが、まちそのものが新陳代謝しながら生まれ変わっていく一つの現象として、区民の皆様方が楽しくかかわって、それ自体が渋谷の文化なんだというようにありたいと思っているところでございます。 次に、渋谷駅が目指すまちづくりのビジョンについてということで、この渋谷が目指していくビジョンは何かと、こういうお尋ねでございました。 アジアヘッドクォーターは、国における国際戦略総合特区として、欧米、アジアのグローバル企業のアジア本社、研究開発拠点を誘致し、民間開発を誘発し、かつ中小企業とのコラボレーションを促進し、東京をアジアヘッドクォーターに進化させようとするものでございます。本区はその特区のエリアとして指定されたものの、具体的内容はまだ決まっていないところでございます。 いずれにしても、渋谷が生き残っていくためには、買いたいもの、見たいものが、あり続けることがこれまで以上に求められていると思います。物を売るだけでは、まちの魅力とはなり得ない、抽象的ですが、人との出会いをどうプロデュースできるかが重要でございます。これまでは、渋谷はファッションに代表されるまちでありましたが、これからは、映画も音楽もライブも、あるいはベンチャービジネスもこの中に取り込む幅の広い、懐の広いまちを目指していくべきである、このように思っております。 そのため、国内外のクリエイティブコンテンツ産業やIT関連産業の誘致が必要であるほか、若い人が、学び、交流し、情報発信できる仕組みを兼ね備えた場の整備により、人が成長し、地域とのしっかりした結びつきを築きながら、渋谷で起業できる環境づくりが大切である、このように考えております。 他方、これまで以上にまちの回遊性を高めるためには、広域な歩行者ネットワークの拡充とあわせて、まちの周辺部にあっても魅力的な文化拠点が必要であることから、今後の民間の事業展開に注目をしております。 渋谷には、能楽堂や浮世絵美術館、明治神宮などがあり、日本の伝統文化に触れることができるほか、渋谷、原宿、神宮前、代官山などのファッション文化にも触れることのできる立地に恵まれております。こうした地域の特色、文化を活用し、他の都市のまねのできない、渋谷は渋谷のよさを最大限、これを引き出す、そういうまちになっていかなくてはならない、このように考えております。施設の新しさや規模の競争など、横並びの競争意識は実りのないものであり、文化の力こそ渋谷のまちづくりに最も重要だと考えております。 渋谷の魅力や日本の伝統文化を渋谷から発信し続け、世界中の人々が訪れたいと思うまちになるよう、今後もまちづくりを進めたいと思っております。 次に、この区が担う都市基盤整備の財政計画について、どのような方針で臨むのかということでございました。 渋谷駅周辺地区の開発整備は、グローバル化が急速に進展する中、渋谷の国際競争力を高めていくだけではなく、まちの防災機能を強化し、世界に開かれた安全・安心なまちの実現に向け必要不可欠な取り組みと考えております。民間の利益誘導といった狭い視点に基づくものであってはならない、このように考えております。 所信の中でも申し上げました補助十八号線の都市計画道路としての整備や猿楽橋の改修等、都市基盤整備のうち、区が、責任を持って、担うべきものを推進していかなくてはならない。そのためには、区財政の投入も必要であります。まちづくりを進めるに当たっては、国庫支出金や都支出金の活用をさらに積極的に進めるとともに、各年度の歳出負担が、偏り、また過大にならないよう、的確な試算のもと計画を進めてまいりたいと思っております。 次に、防災についてのお尋ねでございました。 条例の改正趣旨あるいは帰宅困難者対策あるいは地域防災力の向上ということでございましたが、その基本的な事項については所信表明の中で申し上げたところでございます。したがいまして、御質問の各般事項につきましては、危機管理対策部長から御答弁申し上げますので、よろしくお願いをしたいと存じます。 次に、子育て支援につきまして、今後の待機児解消の見通しと施設整備の方針についてのお尋ねでございます。 本区は、本年四月の待機児ゼロの実現を最大目標として、過去八年間で、認可保育園や認定こども園、区立保育室の開設、既存保育園の定員の弾力化など、あらゆる方法を駆使して、児童定員の拡大を図り、またさらには良質な保育、教育を保障するため、ゆとりある子育て環境の整備及び幼児教育プログラムの作成など、幼保一元化を進めてまいりました。本年四月には、認定こども園四カ所の開設などで、一気に五百六十四人の定員拡大を図りますが、これは入園希望者の増加も想定に入れた計画でございます。 既に、認可保育園の第一次選考の結果、入園が、内定された方がいらっしゃいますが、今後、繰り上げ選考や第二次選考、区立保育室四カ所、総定員百六十人の入園募集を行い、さらに認証保育所などの入園を確保するなど、鋭意区民の願いに応えたいと考えております。 なお、都の言う小規模保育室につきましては、二年間の臨時的な対症療法であり、良質の保育、教育を目標とする本区にはそぐわないと考えております。 また、本定例会で御審議をお願いしております「渋谷区子ども・子育て会議」でありますが、この会議におきましても、さらに様々な子育て支援の環境や形態について検討を重ね、ゆとりある子育て環境の中で待機児ゼロを目指してまいります。 なお、今後の保育需要についても、さらに分析、検討するとともに、児童福祉センターの建て替え等も含め、待機児解消のためにこれからも引き続き努力をしてまいりたいと考えております。 次に、児童福祉センター建設中の代替施設についてのお尋ねでございます。 議員御指摘のとおり、この建て替え期間中につきましては、高学年の児童の居場所を確保することが、さらに検討するべき余地があるのではないかというお尋ねでございました。 そこで、現在、旧本町小学校の校庭及び体育館について、現在、整備を進められておりますが、この工事終了後に、これを一時転用し、体育館階下を、多目的室を利用して、図書や読書のためのテーブル、椅子を置くなど、御要請に応えてまいりたいと存じます。多目的室の利用については、平日の午後及び土曜、日曜日の午後を予定してまいりたいと存じます。 二階の大体育室につきましては、学校の使用や地域団体の利用状況等も見た上で検討させていただきたいと存じます。 施設管理のために、体育館に管理人を配置しますが、さらに見守り等の人員を配置してまいります。 次に、福祉についてのお尋ねでございます。 最初に、地域包括支援センターの増設に伴う様々な課題についてのお尋ねでございました。 議員御指摘のとおり、地域包括支援センターの担当地域は、居住場所で指定させていただいており、多くの高齢者の担当地域が変更になります。地域包括センターを増設した場合、担当地域が変更となる高齢者は、三分の一程度、約一万四千人になると試算をしております。なれ親しんだ包括から新しい包括への移行となりますが、きめ細かく対応をしてまいりたいと存じます。 そのためには、まず運営事業者の決定を速やかに行う必要がありますが、中立性を確保するため、渋谷区社会福祉事業団に運営を委託することを考えております。 また、事業団は、現在八カ所中四カ所の地域包括支援センターを運営していることから、引き継ぎに当たっても円滑に行うことができるものと認識をしております。 さらに、他の事業者からの引き継ぎにつきましては、趣旨を説明し、十分理解をしていただく努力もしたいと考えております。 担当地域につきましては、出張所の地域割を基本として考えております。地域ごとの高齢者人口にアンバランスを生じるので、これらを考慮し、職員の配置にも反映をさせたいと考えております。 開設をする予定の場所につきましては、新橋地区は恵比寿保健相談所、上原地区は現在のみらい保育室の移転跡地を、千駄ヶ谷地区は千駄ヶ谷北参道地域内施設の見守りサポート室の活用を第一候補として検討しております。 開設予定時期につきましては、運営事業者の雇用確保にも配慮しながら、十一月から十二月を目途にしたいと存じます。 次に、認知症に対する支援についてでございます。 国の「オレンジプラン」等々に触れながら、この渋谷の認知症に対する支援のあり方についてのお尋ねでございます。 認知症対策にとって何よりも大切なのは、早期発見、早期治療でありますが、この認知症というのは、本当に物忘れなのか認知症の始まりなのか、なかなか判断がつかないところでございます。しかし、早期に診断を行えば、認知症の進行を遅らせることができる治療薬も開発され、また適切な処遇もできますので、早期に相談し、医療的なケアが大切でございます。その観点からすれば、渋谷区医師会が設置している物忘れ外来で認知症高齢者等の治療や診断を行っておりますが、さらに都立松沢病院が、今年度、開設された認知症疾患医療センターとなっておりますが、これらとの連携も必要であろうと考えております。 また、そのために、新年度は、渋谷区医師会の協力をお願いし、医師やケアマネジャーなどを委員とした「認知症予防・相談支援推進検討会」を立ち上げ、効果的な支援方法を検討してまいりたいと存じます。それらの議論を踏まえて、医師、看護師、作業療法士など、医療関係者を中心とするチームを編成し、高齢者宅への家庭訪問等を含め、実践的な支援を行いたいと考えております。いずれにいたしましても、御家族や見守りサポートなど、地域などの過大な負担とならないように、今後、考えてまいりたいと思っております。 また、けやきの苑・西原で若年性認知症の方に対するデイサービスを毎週日曜日に定員六名で開始したいと考えております。若年性認知症の方に対するサービスのあり方としては、生きがいを持ち、満足感や充実感を持てるような、そのような対応策を考えたいと思っているところでございます。 次に、高齢者施設の整備方針についてということで、総合ケアコミュニティ・せせらぎ内に地域密着型特別養護老人ホームを整備することについて、これらの今後の高齢者施設の整備方針についてのお尋ねでございます。 特別養護老人ホームの整備に関しましては、区長に着任以来、美竹の丘を初め、平成二十三年にはあやめの苑・代々木を増床し、今年度は日本赤十字社レクロス広尾、さらに来月には旧代々木高校跡地施設「杜の風・上原」が開設いたします。このことにより、施設整備水準は二十三区内でもトップ水準に相なります。 議員御指摘のとおり、六百八十二名の待機者全てが、即入居が必要な対象者ではなく、今後に備えての手挙げも大勢ございます。他方、御家族の負担が大きく、速やかな入所を必要とされる方もいらっしゃることは事実でございます。したがいまして、旧本町東小学校跡地施設の整備に至るまで、既存施設のさらなる有効活用を検討しなくてはならないと考えております。 既存施設の活用による定員二十九名以下の地域密着型特別養護老人ホームを本格的に検討する経緯としては、地域主権として国において定められた地域密着型サービスの事業者の指定並びに事業における人員、設備及び運営に関する基準につきまして、区の条例に委ねられたことでございます。今回、整備を予定している「総合ケアコミュニティ・せせらぎ」では、現在も宿泊できるショートステイを提供していることから、設備としても運営としても、地域密着型特別養護老人ホームを設置することにはスムーズに移行できると存じます。 一方、「ケアコミュニティ・原宿の丘」は、現在、デイサービスのみの提供であることから、特別養護老人ホームを設置する場合、せせらぎに比べると、耐震診断や居室、浴槽の整備などの課題もございますが、順次検討を進めてまいります。 他方、高齢者認知グループホームについては、「実施計画二〇一〇」の策定時において二カ所であったものが、現在、民間三カ所に加え五カ所となっております。このグループホームについては、民間事業者を誘致することを前提として、整備を進めたいと考えております。 いずれにいたしましても、本区だけでなく民間の活力を活用しながら、区内の高齢者施設の整備に努めてまいりたいと存じます。 次に、区民の健康増進についてでございます。 このことについては、所信表明で意のあるところを申し述べたとおりでございますけども、御質問の件につきましては、専門性も高く、健康推進部の部長から御答弁を申し上げさせていただきたいと存じます。 以上、私の答弁といたします。 ○議長(前田和茂) 遠藤危機管理対策部長。 ◎危機管理対策部長(遠藤正) 防災についてお尋ねでございます。 最初に、震災対策総合条例の改正案について、基本的な考え方、またそれが具体的な改正条項にどう反映されているのかについてのお尋ねであります。 今回の条例改正案の基本的な考え方は、東日本大震災の教訓、首都直下地震の切迫性を前提に、国や都の被害想定が強化されたことに伴い、帰宅困難者、避難者の増大や備蓄の強化、通信手段のあり方等を検討し、ボランティア制度についても制度化し、安全・安心のまちをより強固にしようとするものであります。区はもちろんのこと、事業者の協力も得て、その上で新たな課題への対策や体制を検討してきた成果を条例に反映するとともに、今後、対策として取り組むべき事項を明確にすることにあります。 具体的に、どのように反映されているかでありますが、前文では、「想定外」と言われた東日本大震災等、震災対策を取り巻く近年の状況を前提に、被害想定を高め、地域防災力の強化、震災に強いまちづくりを推進するなどについて、区の意思を明確にしています。帰宅困難者では、これを強化し、従前の事業所に加え新規施設など受け入れ施設の確保や案内板の表示など、東日本大震災以降の本区の取り組みを反映するとともに、一斉帰宅の抑制、デパート等の大規模集客施設における利用者保護を規定いたしました。 医療体制では、医療救護所の拠点化、拠点病院の拡充など、区民健康センター桜丘を中心に、医師会等と連携した現実的な医療救護体制とすることを踏まえ、拠点病院の指定、医療救護本部と医療救護所の設置について明確化しました。 避難所運営では、自主防災組織と学校、出張所等が連携した避難所運営を推進するため、避難所運営委員会の設置について明確化いたしました。今後は、避難所運営マニュアルも改定し、情報連絡体制など、新たな課題にも対応を図ります。さらに、避難者の増大への対応や備蓄も明確にしてまいります。 区内の人材活用では、防災ボランティア登録制度として、自主防災組織等の地域防災活動を支援する制度を拡充いたします。救護、医療、通訳、応急危険度判定など、活動分野を具体的に例示するとともに、平常時にも活動することといたしました。今後、改正条例を踏まえ、震災対策の強化を進めてまいります。 次に、帰宅困難者対策についてのお尋ねであります。 帰宅困難者対策は、議員御指摘のとおり、広域の対策であり、都や国が責任を持って対応すべき課題であります。しかし、東京都の条例だけでは、事業者も従業員もそれに従うとは限りません。受け入れ施設を明示し、かつ備蓄も明確にしなければ、混乱を起こし、結果は区民にも影響が及ぶこととなります。 そこで、本区では、避難所で区民の被災者を確実に受け入れるため、帰宅困難者を切り分け、帰宅困難者受け入れ施設の拡充を図り、表示や看板による誘導を行うなどの対策に取り組んでまいりました。他方、帰宅困難者が、本区のように都内有数のターミナル駅であってみれば、想定を超える帰宅困難者が発生し、区民の避難所が、混乱することが想定されます。そのため、本区では、デパート等の集客施設における利用者等を保護する責務を明確化するとともに、表示や案内板などによって帰宅困難者受け入れ施設を明確化し、これの周知と啓発についても条例改正案に盛り込み、実効性を高める工夫をしております。 また、渋谷駅周辺帰宅困難者対策協議会と区とが合同で訓練を実施するなど、連携体制の拡充を図ってまいりました。本年二月にも訓練を予定しておりましたが、降雪のため延期とし、五月中を目途に実施してまいりたいと考えております。今後、事業者への啓発と支援、交通や被災の情報連絡、帰宅困難者への情報提供、一斉帰宅の抑制など、都と国のそれぞれの役割を踏まえ、整合を図りながら相互に連携して取り組むとともに、本区の避難所が帰宅困難者で混乱することのないよう、具体的で実践的な対策を進めてまいります。 次に、地震発生時の安全行動を一斉に行うシェイクアウト訓練を行い、学校での防災教育の一助としてはどうかとのお尋ねでありました。 地域防災力を確かなものにするためには、繰り返し基本となるべき訓練を重ねていくことが重要であります。議員御提言のシェイクアウト訓練は、訓練実施時間にそれぞれの参加者の居場所で、一斉に地震の揺れに対する安全な行動を行い、一カ所に集まることなく、一分間で訓練を終えることから、大勢が手軽に参加可能であり、啓発効果も期待できるものであるとのことで、日本においても徐々に広がりつつあると聞いているところでございます。まずは、本区の災害対策の基本を身につけることが大切で、シェイクアウト訓練はその応用編と考えているところでございます。したがいまして、議員の御提言につきましては、学校での実施を含め、総合的な訓練体系の中で検討させていただきたいと存じます。 次に、都が配備予定の応急給水セットの貸与を受け、訓練メニューに加えてはいかがかとのお尋ねであります。 来年度予算の中で、自主防災組織に対し初期消火用スタンドパイプ七十八本の配備を予定しております。スタンドパイプは、水道管の水圧を利用して、放水や給水を行うときに、消火栓に楽な姿勢で延長ホースの取りつけが可能となり、簡易に操作できることから、災害時の初期消火の資器材として地域においても要望が多くありました。 他方、東京都においても、初期消火用スタンドパイプセットと、断水に備え、消火栓から簡易に応急給水が可能なよう、延長ホースや蛇口等の資器材を都全体で五百組配備する計画があるとのことであります。しかし、都全体で、五百組で希望自治体に対応できるのか、疑問でございます。 現在、応急給水については、代々木公園、景丘公園、都立第一商業高校の三カ所に施設があり、地域により距離が遠いなど、運用上の課題がありますが、他方、本区では、飲料水については、避難所に二リットル三日分のペットボトルを備蓄するための予算を計上しております。 都の計画では、運用主体は誰なのか、運用方法など、具体的なことは決まっておりません。したがって、都からの対応を待って、その時点で検討をいたします。 以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(前田和茂) 倉橋健康推進部長。 ◎健康推進部長(倉橋俊至) それでは、私からは、区民の健康増進に関する質問にお答えいたします。 本区におきましては、誰もが希望や生きがいを持ち、ライフステージに応じて、健やかで心豊かに幸せな人生を歩めるような環境づくりを推進してまいる所存でございます。そのため、幸せな人生を実現するための手段となる健康を中心に、保健、医療、福祉、教育、そして家庭や地域が横断的に協力し、ライフステージごとの健康課題を解決していきたいと考えております。 本区における主な健康課題は、メタボリック症候群や生活習慣病、ロコモティブ症候群、認知症、がん等でございますが、これからの超高齢化社会においては、早期発見、早期治療に努めるだけでなく、病気になる前からの取り組み、すなわち生活習慣を改善して、健康増進を図り、生活習慣病の発症を予防する一次予防に重点を置いた対策を推進することがさらに重要になってくるものと考えております。 議員御発言のとおり、国におきましても、国民の健康の増進を図るための基本的な指針において、一次予防に重点を置くこと、また社会全体が相互に支え合いながら、健康を守る環境を整備することが示されており、これは本区の健康づくりの方向性と一致するものであります。 本区の三大死因は、がん、心臓病、脳卒中ですが、そのうち心臓病と脳卒中は動脈硬化が要因となる病気です。メタボリック症候群とは、内臓脂肪型肥満をベースに、高血糖、高血圧、脂質異常が複数重なった状態のことですが、内臓脂肪は、過剰に蓄えられると、様々なホルモンを分泌し、インシュリンの効き目を弱めたり、動脈硬化を進行させるため、心臓病や脳卒中といった命にかかわる病気の危険性が急速に高まります。このため、一次予防である食生活の改善や運動習慣の定着等によりメタボリック症候群を予防、改善することが、健康寿命の延伸を実現するために極めて重要です。 本区におきましては、新年度に健康づくり検討委員会を設置し、健康課題とその解決策について検討してまいります。新年度の早い時期に委員会を開催し、年度後半以降の具体的な施策の方向づけを行ってまいります。 また、新規事業では、生活習慣病予防と食育の一環として、例えば野菜たっぷりメニューといった栄養バランスを考えてもらえるテーマを設定し、小中学生とその御家族を対象としたレシピコンテストを実施いたします。子どもたちが夏休み中に取り組めるよう、六月の募集開始を目指して、教育委員会と連携しながら準備に着手してまいります。御家族が一緒にメニューを作成する過程で、料理の楽しさを知ると同時に、食に関する知識を習得し、食生活の改善を図ることで、生活習慣病予防につながるような事業に発展させてまいりたいと考えております。 私からは以上です。 ○議長(前田和茂) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 私には、教育について六点の御質問でございます。 質問にお答えする前に、ただいま丸山議員から、本区のキャリア教育、中学二年生の連続五日間職場体験事業に高い御評価をいただきまして、ありがとうございます。多くの方々の御協力をもちまして、大きな賞をいただくことができました。これを励みに、今後も本事業の充実に努めてまいります。この場をおかりいたしまして、多くの皆様に、御支援、御協力をお願いしたいと思います。 それでは、初めにいじめを予防する視点から、アンガーマネジメント、Q-Uテストに関してのお尋ねでございます。 近年、学校現場が、いじめ、不登校、児童虐待など、様々な問題に直面していることは議員の御指摘のとおりでございます。これらの課題に対応するため、教育委員会では、これまでにも各学校と連携し、教師の日々のかかわりや個人面接、アンケート調査等を通じて、個々の子どもの状況を把握し、それらの問題の未然防止や早期発見及び早期対応に努めてまいりました。今年度は、これらの取り組みに加えて、御質問にございましたアンガーマネジメントやQ-Uテストなどを課題発生の予防策として、一部の学校において試行しております。 初めに、アンガーマネジメントについてでございます。 アンガーマネジメントとは、議員の御質問にもございましたように、人間の怒り、アンガーの裏側に潜んでいる不安、悲しみ、悔しさ、劣等感、嫉妬などを理解し、その感情と上手につき合うための心理教育の一つで、松濤中学校が、早稲田大学の本田教授の指導を受け、今年度から取り組んでおります。怒りの感情は、自然な感情であり、それを抑え込むのではなく、怒りは表現してよい感情である、しかしながらその表現方法を身につけ、友達とのよりよい関係を築いていくというプログラムでございます。 松濤中学では、このアンガーマネジメントのプログラムを導入する以前に、三年前より、生徒同士で、よりよい人間関係をつくるための心理教育として、ピアサポートという取り組みを行っております。今回の取り組みは、そのピアサポートの成果を踏まえ、昨年の一月からアンガーマネジメントを各学年で年間八回程度実施したものです。その成果を検証いたしますと、生徒からは、「自分を見詰めたり、スキルを学んだことを、家庭や友達との間で活用する実践力を身につけた」あるいは「相手のことを考えた話し合いや行動に結びつけることができるようになった」などの感想が聞かれ、大きな成果があったとの報告を学校から受けております。 次年度は、この松濤中学での成果を踏まえ、教育センターの心理職との連携を図りながら、順次全校に広げてまいりたいと考えております。 もう一つは、Q-Uテストです。このQ-Uテストは、よりよい学校生活と友達づくりのためのアンケートのことでございます。アンケートの内容は、御質問にもございましたが、「人と仲よくしたり友達関係をよくしたりする方法を知っているか」とか「自分はクラスの中で存在感があると思うか」あるいは「学校内で自分を認めてくれる先生がいると思うか」など、ふだん子どもたちがどのような学校生活を過ごしているか、一人一人の子どもに対しアンケートをいたします。その結果を分析したデータは、子どもの状況や学級全体の状態を把握することに有効であり、いじめや不登校の早期発見や学級崩壊の予防に活用できるとされております。 今年度、渋谷区では初めて原宿外苑中学校と本町学園中学校が行いました。それぞれの学校からは、教師の声かけや指導方法の改善、学級目標の修正、学級のルールづくりの確認等に効果があり、学級が活性化したという報告を受けております。これらの報告から、Q-Uテストが、教師の指導方法や学級運営の改善に一定の成果が見られますが、生徒が、よりよい学校生活を過ごすということに、つながっているかということを判断するためには、もう少し時間をかけた検証が必要と思われます。 このため、来年度、引き続き両校においてQ-Uテストを実施し、その効果の検証を行った後、全校への導入について検討してまいります。 続いて、教師の現場対応力向上のサポート体制についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、今の時代、教師には、学習指導力、生活・進路指導力、外部との連携と折衝力、学校運営力と組織貢献力に加え、保護者への対応など、様々な資質や力量が求められております。教育委員会では、教師が、これらの力を身につけることができるよう、様々な研修の機会を設定し、毎年、内容を工夫しながら実施しております。昨年度は、学校問題解決サポート研修を実施し、学校現場における様々な事例に対する対応について、講師を招き、研修を行ったところでございます。 また、御案内のとおり、渋谷区では、退職校長を教育指導教授として学校へ派遣し、校長の学校経営のアドバイスや教員の指導力向上等、多岐にわたって、指導、助言することを通して、現場で実践的に対応することができるよう工夫しております。 加えて、御質問にありましたとおり、渋谷区の教育委員は、法律、医療、経営、教育などの分野で活躍されており、高い専門性を持っております。このため、定例の教育委員会開催時のみならず、適宜それぞれの立場から具体的な助言を受けることができ、各学校への支援につなげております。 しかしながら、若手教員や渋谷区での経験が浅い教員などが増えている現状においては、現場対応力を向上させていくことが急務であります。このため、次年度は、若手教員や育児休業明けの教員、他区から異動してきた教員等に対するフォローアップ研修を行うことといたしました。引き続き、個々の教職員に、学習指導力や生活指導力、外部折衝力などの様々な力を身につけ、現場で対応できる能力や資質の向上を図ることができるよう支援してまいります。 次に、コミュニティスクールについてのお尋ねです。 昨年度の試行を受け、今年度から長谷戸小学校と猿楽小学校で開始した渋谷型コミュニティスクールは、子どもたちが、学習やスポーツ、遊びに、生き生き、伸び伸びと取り組むことができるよう、保護者や地域の人々が、学校の応援団となり、学校運営と教育活動の両面から校長を支え、協力、参加していく組織として学校支援本部を設置するものでございます。 長谷戸小学校では、「遊ぶ力を育てる」「体力を伸ばす」「環境を整える」「地域とつながる」の四つを柱にいたしまして、地域とより強い協力体制をつくりました。また、猿楽小学校では、こども科学センター・ハチラボや地元企業などの地域資源を生かし、「遊ぶ力」「スポーツ・文化」「環境」「地域とのかかわり」を具体的な支援内容として、活動を開始いたしました。この二校は、渋谷型コミュニティスクール、学校支援本部を設置し、近隣の鉢山中学と連携することによって、徐々にではありますが、地域の有為な人材の組織化が進み、教育活動の充実につながっております。 一方、平成二十五年度に指定いたします松濤中学校は、文部科学省が提唱する学校運営協議会制度に基づくコミュニティスクールとなります。学校運営協議会は、学識経験者、保護者、地域住民や教職員から構成され、教育委員会規則によって設置されるものですが、その主な役割といたしましては、一つ、校長の作成する学校運営の基本方針を承認すること、二つ、学校運営に関する意見を教育委員会または校長に述べられることなどがございます。 さらに、学校運営協議会を設置する大きなメリットといたしまして、教員の公募制度がございます。これは、対象となる学校の教育方針に関心や意欲のある教員を都内の公立小中学校に勤務する教員の中から公募することができるという制度です。この制度を活用することで、校長の学校経営に理解があり、強い使命感と責任感を持つ教員を確保することができ、これまで以上に教育活動の充実を図ることができると考えております。 平成二十六年度以降の展開につきましては、先行する学校の成果や課題、また各地域の実情などを十分踏まえ、その導入について検討してまいりたいと思いますので、御理解のほど、よろしくお願いいたします。 続いて、特色ある学校づくりについて三点のお尋ねです。 初めに、スポーツ等部活動強化校となる代々木中学校の指導体制についてです。 代々木中学校は、これまでも施設整備や外部指導員の充実により部活動の強化を図ってまいりました。特に今年度は、区制八十周年記念事業の一環として、こども夢チャレンジ事業において、バレーボール、バスケットボール、硬式テニス、陸上競技の各部活動でトップアスリートやプロのコーチによる指導を受けました。その指導は、技術的なことだけでなく、精神面においても実績に基づいた説得力のある言葉で生徒の心を動かし、生徒のスポーツに対しての興味、関心が高まるだけでなく、自ら目標を設定して、部活動に取り組む生徒が増加したとの報告を受けております。 その成果が、陸上部が夏の全国大会に出場したことや、九月に国立競技場で実施した中学校陸上競技大会では、二十九個のメダルを獲得し、三つの大会新記録を出したことにあらわれております。 次年度は、スポーツ等部活強化校として、各種体育連盟や競技団体等と連携を図り、優秀な指導者を確保し、積極的に活用したいと考えております。 また、代々木中学校は、スポーツのみならず、文化系の部活につきましても、強化を図りたいとの強い決意を校長から聞いております。私は、かねがねこの文科系の部活動につきまして、渋谷区の社会教育資源を学校教育に取り入れ、子どもたちの能力を伸ばす専門的な指導力として活用したいと考えておりました。松濤美術館や白根郷土博物館、文学館の学芸員や渋谷区青少年吹奏楽団の指導者、こども科学センター・ハチラボや図書館の専門員などの力を代々木中学校だけではなく全校で活用し、部活の指導体制の構築と教員の指導力向上を図ってまいりたいと考えております。 続いて、英語能力の向上についてでございます。 御指摘のように、渋谷区という国際性豊かな地域特性を考慮いたしますと、特に英語によるコミュニケーション能力、言語能力は渋谷区で学ぶ全ての子どもたちに確実に身につけさせたい力でございます。 私は、今年度、区内小学校十九校の全校から代表児童が参加したフィンランドへの海外派遣事業に引率いたしました。子どもたちは、フィンランドの大自然に親しんだり、現地の子どもたちと楽しく交流をいたしました。今回の派遣事業は、将来、国際社会の中で生き抜く子どもたちにとって大変貴重な経験になったと思われます。 私が今回の派遣事業を通して感じたことは、子どもたちのコミュニケーション能力の違いについてです。フィンランドの子どもたちは、英語は公用語ではありませんが、それでも英語でコミュニケーションを図ろうとしていたのに対し、渋谷の子どもたちは、どこか自信なさげに後ずさりをしていました。このことから、渋谷区の英語教育、特に英語によるコミュニケーション力の充実が重要かつ研究課題であると感じました。 渋谷区教育委員会では、平成十八年度より、区内全小学校一年生からALTを活用した外国語活動、主に英語でございますが、これを実施してまいりました。渋谷区立小学校における外国語活動では、英語の発声や基本的な表現になれ親しませたり、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図ったり、外国の言語や文化について、体験的に理解を深めたりすることを目標としております。しかしながら、今度のフィンランドの派遣研修から、現在、小学校で行っている英語活動の授業には、もっともっと英語によるコミュニケーションを取り入れた学習が必要であると感じました。 今後は、実際に活用できる英語の習得に力を入れ、国際社会で生き抜くための語学力が身につくよう、学習方法の改善に努めてまいります。 最後に、教育基本法の条文の精神のもと、我がまち渋谷を愛する心を修養するべきとのお尋ねでございます。 現在、内閣は、二十一世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を実行に移していくため、教育再生実行会議を開催しております。先日、教育再生実行会議の「いじめ問題等への対応について(第一次提言)」がなされました。その内容を見ますと、第一に、心と体の調和のとれた人間の育成に社会全体で取り組み、道徳を領域から教科へと移行し、人間性に深く迫る教育を行うと示されております。すなわち、現在の教育においても、最も重視すべきことの一つとして道徳教育が挙げられているものと、私は捉えております。 今年度、渋谷区においては、加計塚小学校、臨川小学校が、道徳教育の全国大会、東京都大会の会場校となり、私自身も、授業を拝見する機会を得ました。全国大会、東京大会、どちらの大会においても、自らが友達と豊かなかかわりを求め、生き生きとした活動ができる子どもの育成をテーマとし、そのための授業の進め方や教材研究について、都内はもとより、全国から多くの教師が参加し、大変熱心に研究が行われました。改めて、道徳教育の重要性と全ての教科での必要性を感じたところでございます。 また、ふるさとを愛する心を醸成するものとして、区制施行八十周年記念渋谷区道徳読み物資料「伝えたいしぶやの心」を教育委員会では発刊いたします。   (資料提示) ◎教育長(池山世津子) これが見本で、まだ校正の段階でございますが、塙保己一と「春の小川」の石碑とハチ公を表紙にしております。内容は、「ハチ公」や「ねずみ塚」「夕やけこやけ」など、ふるさと渋谷を題材とした郷土愛につながる読み物資料集となっております。来年度は、全小中学校各学年で、この資料を活用した道徳教育の授業を実施し、子どもたちに渋谷を愛する心を培うよう努めてまいります。 さらに、郷土を愛する心のみならず、教育基本法の条文にある「他国を尊重し」という言葉が、示す相手を敬う心についても、学校教育の中で育てていかなくてはいけないと感じております。本来は、家庭の中で、他人を尊重する心の芽を子どもたちの中に育んでほしいと思うところでございますが、ともすると親からの一方的な愛情のみが注がれ、人を敬う、尊敬する心が育てられていないなと感じることもございます。学校教育の中で、高齢者とのかかわりや地域の方を先生にお迎えしての授業等、様々な場面で、相手を敬う心を育て、国際社会を生き抜く力を育てていくよう努めてまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(前田和茂) 二十五番丸山議員。 ◆二十五番(丸山高司) ただいま区長並びに教育長より、それぞれ意のあるところをお酌み取りいただき、前向きな御答弁をいただきますとともに、新しい趣向として、大局的なお話をされて、それぞれ所管部長に細かいお話をいただいたということは、本当によかったなと率直に思っております。ありがとうございました。 少し所感を述べさせていただきたいと存じますが、庁舎の建て替え問題については、新聞報道は正確さを欠いていたとの御答弁いただきましたので、議会の責任において建て替えか補強かをしっかり見きわめていきたいと存じます。 また、防災のところで、ファールチップといいますかね、つれない部長の答弁だったんですけどね、スタンドパイプの応急給水の活用なんですけども、再質問はしませんけど、私の調査では、平成二十五年度五百セットなんですけども、同二十六年度は千セット、同二十七年度千百セット、向こう三年間でですね、二千六百セットの貸与計画と承知しております。是非、都に対してですね、待っているだけではなくて、調整三税で多大な貢献をしている本区としてですね、その活用を都に強く申し入れていただきますように、部長、よろしくお願いしますね。 ということで、また子育て支援では、都の施策である小規模保育施設整備については、良質の保育、教育を目標とする本区には、そぐわないと桑原区長は明言されました。あくまで質の高い保育環境と教育環境を希求される区長らしい御答弁と拝聴させていただきました。このポリシーのもと、さらなる子育て環境整備に御尽力いただきたいと思います。 また、児童福祉センター建て替え期間中における代替施設の確保には、早速御決断いただきましたことに感謝申し上げる次第であります。 また、教育長にはですね、発刊物を御提示いただいて、何か議長には断っていなかったみたいですけども、道徳教育にかける御決意をお聞かせいただきました。 ということで、さて、ここで教育長に、突然ですけども、読売新聞に掲載された記事からの引用なんですけども、今、申し上げる歌詞が何の歌の歌詞か御存じでしょうか。「市民らよ、武器をとれ、隊列を組め、進め、進め、敵の汚れた血で我らの畑を満たすまで」、わかりますか。このおどろおどろしい歌詞は、実はフランス国歌であります。そのほか引用させていただきますが、中国国歌の一節は「我らが血肉で築こう長城を」、イタリア国歌の一節は「さあ、隊列を組め、我らは死をも恐れない」、最後にアメリカ国歌の一節ですけども、「砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中、我らの旗は夜通し翻っていた」、このようにですね、世界の国歌の成り立ちが、独立運動や戦争などで、国民を鼓舞するため、あるいは勝利を記念してつくられたものですが、翻って日本の「君が代」の歌詞を皆様、是非思い起こしていただきたいと思います。我が国歌「君が代」は、十世紀、「古今和歌集」のお祝いの歌がその原型と言われ、十一世紀の「和漢朗詠集」でほぼ現在の歌詞になったと言われております。世界の国歌がその国の成り立ちと深くかかわっているのに対し、「君が代」は和歌という日本文化の奥深さに根差しているのであります。 今日、「君が代」を歌わない大人が多数おります。この議場の中にも、平気で歌わない議員がおります。なぜ歌わないか。歌わない自由があるとかですね、天皇制を肯定するものとか言い立てますが、全く牽強付会な理屈であります。実に嘆かわしい限りであります。平安時代の「君」、「君が代」の「君」ですよ。「君」とは大切な人や高貴な人を指す総称で、したがって「君が代」はそうした人の長寿への願いを込めた歌と解するのが正しい解釈であります。 また、国歌に歌わない自由が、あろうはずがないのであります。自身によって立つこの国の国歌ではありませんか。世界では、国歌斉唱時、胸に手を当てて、忠誠を誓う国民ばかりではありませんか。ならぬものはならぬものであります。 さらに、付言すれば、先日、新成人を祝う会が挙行されました。その際、プロの歌手が歌いましたので、肖像権と理解いたしますが、写真撮影を行わないようにとの場内放送がありました。新成人の方々は皆守ったにもかかわらず、この議場にいるある議員は平気で写真を撮っておりました。恥を知るべきであります。我が国の資本主義の父と言われた渋沢栄一が残した言葉に、「人生の行路は様々で-中略-長い間の善悪の差別は確然とつくものである。悪いことの習慣を多く持つものは悪人となり、よいことの習慣を多くつけている人は善人となる」、この言葉を自身の戒めとするべきであります。 現に、この議場にもいるわけですから、自由の意味を取り違えたり、社会ルールを守ることができない多数の大人が、いることを認識しなければなりません。その者たちに教育し直しても、今からでは遅いのであります。是非、郷土である渋谷と日本を愛する心や、相手を敬う心を、また最低限守らなくてはならない社会のマナーやルールを、キャリア教育や御答弁された道徳教育の中で、今の子どもたちを正しく発人深省していただきたいと存じます。結果は、十年、十五年先となりますが、よき社会人として、長幼の序を具備し、日本を愛し、国歌、そして国旗を敬う大人で世の中が満たされますよう心より願うものであります。 今後も、私ども渋谷区議会自由民主党議員団は、良識と実行力を発揮して、当面する区政諸課題に対して、桑原区長とともに全力投球してまいりますことをお誓い申し上げ、質問を終了いたします。 御清聴、ありがとうございました。 ○議長(前田和茂) 議事進行上、暫時休憩をいたします。-----------------------------------   休憩 午後三時十四分   再開 午後三時三十分-----------------------------------
    ○副議長(栗谷順彦) 休憩前に引き続き会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 二十九番植野 修議員。 ◆二十九番(植野修) 先ほどの自由民主党渋谷区議団の丸山幹事長の格調高いその後ですので、公明党の植野 修、一生懸命頑張ってまいりたいと思います。 昨年四月、公明新聞発刊五十年を迎え、九月には公明党の原点である「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との永遠の指針が確立されて五十年、いよいよ来年十一月十七日には公明党結党五十年を迎えます。渋谷区議会公明党を代表して、夢と希望あふれる明るい渋谷区を展望しつつ示された、新年度一般会計予算案、新実施計画を中心に、大事な点、もう少し伺ってみたい点に絞って、大きく五点、十六項目について区長並びに教育長に質問いたします。 まず、第一点、平成二十五年度一般会計予算についてです。 「健康日本一」について、具体的にはレシピコンテストや実態調査を実施するようですが、どのような手順で実施されるのか今から楽しみであります。 B型肝炎ワクチン接種費用の助成など、ワクチンで防げる病気を確実に予防し、元気で健やかな生活を、まさに健康日本一を目指す意気込みが感じられます。 特に、我が国のがん罹患率や死亡率はともに上昇を続けています。一九八一年以降、死亡原因の第一位であり、今や死因の三割にも及びます。 公明党は、こうした状況に歯どめをかけるため、がん対策の推進に力を尽くし、二〇〇六年六月、「がん対策基本法」を成立させ、実効性のあるがん対策を前進させてきました。検診率アップに寄与している乳がん、子宮頸がん、大腸がんの検診無料クーポン券事業の恒久化、検診種目の拡大、子宮頸がん検診にHPV検査を導入、乳がん検診にエコー検査を導入するよう推進しております。胃がん検診にヘリコバクター・ピロリ菌検査を導入するため、まずは胃潰瘍、十二指腸潰瘍に加え慢性胃炎の保険適用を図るなど、着々と進んでおります。 女性が、生涯を通じて、健康で明るく自立して過ごすことを支援するため、二〇〇七年、「女性の健康週間」ただいま実施中ですが、三月一日から八日までの設定で創設されました。今年の健康週間では、「女性の健康が社会の元気につながります」をテーマに実施しています。 今、がんの撲滅に立ち上がった公明党に、期待の声が日々高まっています。 渋谷区のがん対策について、区長の所信表明にもあったとおり、区はこれまでもがん対策として検診や啓発に取り組んでまいりました。その上で、新年度は、肝がんの予防策として、都内で初めてB型肝炎ワクチンの予防接種の費用助成を行うとのことであります。 そこで、がん対策、待機児ゼロ、防災対策の三点について伺いたいと思います。 まず、がん対策をさらに強化するため、がん検診の受診率向上や予防接種率向上に向け、今後の方策について御所見を伺います。 二つ目、区長の所信表明にもあったとおり、この数年、待機児ゼロを目指して取り組んでまいりました。大変評価されておりますが、ありがたい悲鳴ともいいますか、子育て世代の世帯が増えてまいりました。今後の方向について、認定こども園、幼保一元化施設など、定員増の見通しについて御所見を伺います。 三つ目、防災対策について、帰宅困難者支援受け入れ施設の拡充、三日分の備蓄、防災関連のマニュアル全戸配布は、さすが、地域防災力ナンバーワンの自治体と評価を得た渋谷区にふさわしい事業と感謝いたします。現状と、今後の課題について御所見を伺います。 次に、実施計画について五点伺いたいと思います。 渋谷駅周辺地域再開発については、当初より区長自ら先頭に立って御尽力されてまいりました。おかげさまで、順調な開発が目に見えてまいりましたが、進捗状況と今後の見通しについて若干触れていただきたいと思います。 次に、笹塚駅周辺についての再開発につきましては、現状と次なる予定もあるやに聞いておりますが、お答えできる範囲で御所見を伺います。 三つ目に、オリンピック招致について、特にパラリンピック種目の支援ができないか、伺いたいと思います。具体的には、例えば車椅子バスケットや車椅子ラグビー、卓球などの練習会場を提供できないかと思っております。何としても二〇二〇年に東京でオリンピックが開催されるよう応援していただきたいものであります。区長の御所見を伺います。 次に、遊び場、公園整備、花壇等の維持・管理ボランティアについて、それぞれ共助が確立されてきてはおりますが、自助、共助、公助の「共助」は確立されておりますが、無理があっては長続きしません。継続実施していくための施策として、協議会の設置などによって意見交換の場が考えられると思いますが、今後について区長の御所見をお伺いいたします。 五点目、自転車対策について。 違反を繰り返す悪質な運転者に対して、講習を義務づけ、未受講者には罰則を適用する道路交通法の改正案が警察庁から示されました。交通事故全体の件数が減少傾向にある中、自転車が関係する事故は、全体の約二割を占めるまでに増加しています。特に、自転車と歩行者の事故は、二〇〇一年の千八百十七件から二〇一一年には二千八百六件と、この十年間で一・五倍にまで増えています。モラルが大事であることは間違いありませんが、安全面での啓発についてどう取り組もうとされているのか、区長の御所見を伺います。 大きな三つ目、公共施設等について。 政権交代し、早速、国の補正予算が成立しました。国は、平成二十四年度補正予算及び平成二十五年度当初予算に防災・安全交付金が新たに計上されました。この交付金は、社会インフラの総点検、維持・補修等に使えるほか、通学路の安全対策にも使えることになっております。 通学路に関しては、昨年、文部科学省、国土交通省、警察庁合同で、各自治体に通学路の緊急点検を要請、今年の一月二十五日には約七万四千カ所で対策が必要との結果が公表されました。昨年末の段階で、対策箇所等を記した図面を公表した自治体が七百八十二区市町村となっております。今回の交付金は、この図表を公表した自治体が申請して初めて交付されることになっております。 子どもの事故の特徴として、道路の横断中が多く、小学生の交通事故は登下校時が三分の一を占めております。場所は、事故の半分が、交差点付近に集中しているのが特徴と言えます。 防災・減災総点検の早期実施と公共施設等の修繕、改修の速やかな実施が求められております。 昨年十二月二日、中央自動車道の笹子トンネルで起きた天井崩落事故は、痛ましいことに、国内の高速道路事故としては過去最大の死亡者を出しました。同時に、この事故で、トンネルに限らず高度成長期につくられた多くの構造物が、一斉に老朽化対策を必要としていることが明白になりました。その後、高速道路会社が点検したトンネルで三十八件中八件が、国が点検して九件中三件が、都道府県で十二件中五件が不具合を確認しました。国の防災・安全交付金を活用して、首都直下型地震にも備えるため、避難所や区施設、病院などへの通路など、総点検し、その結果を踏まえ、修繕、改修の速やかな実施が急務でありましょう。事後保全よりも、傷みが小さいうちに対処する予防保全を進めることで、費用は大幅に節約できるからであります。 関東大震災から九十年、阪神・淡路大震災から十八年、東日本大震災から二年になろうとしております。関東大震災では火災、阪神・淡路大震災では家屋の倒壊、東日本大震災では、津波、原発事故による被害が甚大でした。今後は、想定される地震の種類に着目し、対策を打つ必要があると考えられます。 千人以上も亡くなった地震、津波の被害は、明治時代から今日まで百二十年間で十二回も起きております。十年に一度の頻度です。防災・減災対策に時間の余裕はありません。 私どもが視察に行った宮城県塩竈市の例を引きます。 二〇一一年三月、塩竈市庁舎は、耐震補強工事が完成し、引き渡しが終わった直後に、東日本大震災、そして津波に襲われました。庁舎の被害は少なく、被害者の救援、支援に陣頭指揮をとることができました。残念ながら、近くの保健所は被害に遭って使用できなくなってしまいました。避難所、ライフラインの施設はもちろん、避難、支援通路の点検整備は待ったなしです。 塩竈市では、この三月、東日本大震災の記憶を後世に、継承するモニュメントを塩釜湾に面した千賀の浦緑地に建立するとのことであります。公募された碑文には、「自然の力を 心に刻み 未来を見つめ 塩竈に生きる」と刻まれます。「大自然の前には、人の力は弱いかもしれない。だからこそ、人と人が力を合わせて立ち上がるときだと思います」と碑文の最優秀作品に選ばれた方が語っております。 そこで、二点、細かいことをお伺いいたします。 千駄ヶ谷、神宮前、代々木地域において、この数年間、地元住民にとって交流を図る施設の老朽化及び施設の充実を求める声が多くあります。例えば、原宿署跡地、出張所、区民会館など、期待が大きかっただけに、不安が交錯しております。これからの見通しについて区長の御所見を伺いたいと思います。 二つ目、学童館跡地利用、児童福祉施設、子ども・子育て支援事業について。 代々木学童館跡地が、こども・親子いきいき支援事業として生まれ変わることは朗報であります。期待の大きい子育て支援事業の拡充は、時宜を得ていて、大変すばらしい。さらなる子育て支援策について、意のあるところを伺います。 大きな四点目に移ります。請願等について二点伺います。 一つ目は、幼稚園の存続を求める請願について、採択をされて久しく、今ある区立幼稚園を有効活用して幼保一元化施設にしたらどうか。幼保一元化施設による効果は既に実証済みであります。特に、幼稚園型の一元化施設を今は推進すべきと考えますが、区長の御所見を伺います。 二つ目、情報公開制度について、手数料、コピー代の見直しは必要だとの請願が採択されました。どう考えるか、区長の御所見を伺いたいと思います。 最近、議員の質が問われております。ある議会では、候補者として住所要件を満たしていない者もおりました。当選してから、住所要件を問われて、辞職した議員もおります。現職として、住所はあるが、居住実態がないのではと疑われる者もおります。 それ以前に、恥ずかしい議員が渋谷区議会におりました。先ほども丸山議員がおっしゃったとおりでありますけれども、一月十四日、一生に一度の成人式、雪の積もったその日、議会の恥をさらしてしまいました。その日、講演に立ったのは「NPO法人おやじ日本」の竹花 豊理事長であります。講演の中で、人の話をきちんと聞く姿勢が強調されました。その後です。成人を祝う会の一部が終わり、二部に入り、ゲストのタレント事務所からの要望を受け、録音、撮影禁止の注意が主催者から告げられたにもかかわらず、一人の議員があろうことかカメラを向けました。このことは、後日、参加者の区長へのメールで発覚しましたが、一生の思い出となる日に何と恥ずかしい行為ではありませんか。議長から、議会を代表して区長並びに所管する子ども家庭部に謝罪はされましたが、本人からはいまだに謝罪の言葉もありません、ひきょう者。 最後に、教育について教育長に伺いたいと思います。 山谷小学校の建て替えに伴って、休校とし、代々木小学校へ転校することについて、速やかな対応、保護者、地域の理解を得られるよう、短期間で結論を導き出したことは教育委員会の御努力のたまものであります。子どもたちのため、最高の教育環境、希望あふれる学校であるため、教育委員会の努力に感謝する声が日増しに多く聞かれるようになりました。さらなる努力をお願いしつつ、当面の課題として、教育長に、以下、四点について伺います。あと、四つで終わります。 昨年十二月に公表された文部科学省の調査結果によると、発達障害児が、今後、増加すると見込まれておりますが、区としての対応について御所見を伺います。 二番目に移ります。 国際教育、言語能力向上推進等の研究事業について伺います。 私の母校、神宮前小学校では、日本人や外国人の心を身近な人、国際交流学級の友達から学び取ることができる体験学習を通じ、日本人としての誇りを持って、世界の人たちとかかわっていくことが期待されております。特に運動会は、二カ国語のアナウンスを初め、トルコの子どもたちを中心とした子どもたちにとっては、まさに異文化体験そのものです。国際交流学級との出会いから六年目、ふだんの学校生活の場がコミュニケーション能力育成の場になっております。「運動会、遠足、授業等で国際交流学級と交流できる」と保護者からも圧倒的に支持されております。 神宮前小学校は、この六年で児童数が増え続けています。これまでの成果を踏まえ、今後の課題と方策について御所見を伺います。 学校施設の耐震化、長寿命化の促進は、災害時の防災拠点として重要な役割を担うことが、東日本大震災を通じて再認識されました。学校の耐震化の促進については、構造体のみならず、天井や外壁材、照明などの建築非構造部材の安全性を確保することも緊急課題です。非構造部材の地震被害については、建物本体の被害に比べ損傷は小さいものの、剥離、脱落すると、人命に影響を及ぼすことや、避難の妨げにもなります。公明党は、非構造部材の耐震化も一〇〇%達成できるよう推進しております。 防災教育について、「釜石の奇跡」と言われた、釜石では、「釜石の実績」と言ってほしいと、このように言っております。と、それと反して石巻市の大川小の悲劇、いまだ癒えぬ悲劇を教訓として、学ぶべきことは余りにも多いと思います。東京都帰宅困難者対策条例が四月より施行されます。その中では、家族との話し合い、待機場所や避難場所などを決めておくことの大切さが盛り込まれております。 「百回逃げて、百回来なくても、百一回目も必ず逃げて!」、昨年七月、岩手県釜石市唐丹町に建てられた当時中学二年生の女子の碑文です。このほか、九十四人の小中学生の言葉が刻まれております。 防災に限らず、家庭、学校、地域の連携は今後もますます重要となっていきますが、具体的に学校教育の中でどのような内容を検討しているのか、教えていただきたいと思います。 最後になります。 シニアクラブの作品展や小中学校の展覧会をよく楽しみに出かける機会が多くあります。絵や書などの平面展示の全区的な披露はよく見かけるところでありますが、工作などの立体展示披露は全区的にはありません。自分の作品を友達に説明したり、友達の作品のアイデアに驚いたり、せっかくの力作が、通っている学校だけの披露ではもったいないと思います。同世代の作品を是非とも、大きな会場で全校の立体展示を披露できないか、教育長の御所見を伺いたいと思います。 以上、御答弁、よろしくお願いいたします。 ○副議長(栗谷順彦) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党、植野 修議員の代表質問に順次お答えをしていきたいと存じます。 これまでがん対策の推進を進められてきた政党として、その一環の課題として、がん対策の強化についてお尋ねがございました。 がんの予防は、第一次予防として、たばこ、食生活、運動などの生活習慣の見直し、二次予防として、定期的ながん検診による早期発見、早期治療の徹底など、区民一人一人が、正しい情報を得て行うことが大事でございます。 近年、子宮頸がんとヒトパピローマウイルス、肝がんと肝炎ウイルス、胃がんとヘリコバクターピロリ菌など、ウイルスや細菌が引き起こすがんもあり、ワクチン接種など、感染予防や除菌が大切と考えられています。 子宮頸がんは、二十代、三十代の女性を中心に増えており、ワクチン接種と検診で予防できるがんでございます。本区では、子宮頸がん予防ワクチン接種については、平成二十二年度に費用助成を開始し、二十三年度の中学一年生女子の接種率は八〇%と、全国と比較して高い接種率となっております。平成二十五年度からは、法に基づく定期接種となりますが、これまでどおり、中学一年生女子への接種票の個別送付を継続してまいります。このお知らせに、子宮頸がん検診の大切さや「二十歳になったら検診を受けるように」とわかりやすく案内を同封することとし、さらに子宮頸がん予防の普及啓発に努めてまいります。 次に、新年度には、B型肝炎ワクチン予防接種については、都内で初めてゼロ歳児に、三回、一回当たり五千円の費用助成を開始し、接種票も個別送付いたします。今後、B型肝炎ワクチン接種を、将来の肝硬変や肝がんを予防する極めて重要な健康施策と位置づけてまいります。 本区では、今後も、医師会と協力して、がん予防の普及啓発に努め、これらワクチンの接種率の向上と、がん検診受診率の向上に努めてまいります。 次に、今後の待機児解消の方向と定員増の見通しについてでございます。 さきの渋谷区議会自由民主党議員団の丸山高司区議会議員の御質問にもお答えをいたしましたとおり、本年は、平成二十一年度から四年間、五百二十一人の定員拡大、さらに本年四月には一気に五百六十四名の定員拡大を図っております。これによって、区民の願いに応えることができるものと考えております。 待機児を出さないことは、乳幼児の成長の上でも重要なことと考えており、さらに状況分析の上、今後の対応を考えると同時に、一方、児童福祉センターにつきましても、建設のみならず保育定数の拡大にも検討をしてまいりたいと考えております。 次に、防災対策についてでございますけども、恐縮でございますが、このことについては、所管の部長から答弁をさせていただきますので、よろしくお願いをします。 次に、渋谷駅周辺再開発についての進捗状況と今後の見通しについてのお尋ねでございます。 渋谷駅地区、道玄坂一丁目地区、渋谷三丁目地区、渋谷駅東地区の四つの地区計画については、六月中の都市計画決定に向けて手続を進めております。民間事業者提案による渋谷駅街区・道玄坂街区及び渋谷駅南街区の二つの都市再生特別地区につきましても、六月中の都市計画決定を目指しております。さらに、道玄坂一丁目駅前地区市街地再開発事業についても、地区計画とあわせ、六月中の都市計画決定を目指しているところでございます。このほか、渋谷駅桜丘口においても、補助十八号の整備を含む市街地再開発事業が関連する地区計画とともに検討されております。 これらの開発のうち、渋谷駅街区東と道玄坂街区、渋谷駅南街区の民間開発については、おおむね平成三十一年度ごろまでに完成すると期待をしております。 笹塚駅周辺開発について、現状と次なる予定についてのお尋ねでございます。 笹塚地区のまちづくりは、地元町会、商店街の強い要望を受けて開催された勉強会から始まり、協働型のまちづくりによって笹塚地区のまちづくり指針の策定を経て、平成二十三年には笹塚駅南口地区地区計画を都市計画決定いたしました。この地区計画には、整備計画地区とされた約〇・五ヘクタールには、地域が期待している大型商業施設の建設工事が進められており、平成二十七年の春には完成の予定でございます。 この再開発における地域貢献の内容として、南東側に祭礼やイベントに使用できる広場が設置され、南側の区道幅員は八メートルに拡幅されるとともに、一時避難場所の設置、歩道状空地の設置などが盛り込まれており、建物内には約八百平米を超える地域貢献施設が提供される予定でございます。この地域貢献施設につきましては、地域からの要望を踏まえ、内容を検討してまいりたいと考えております。 また、この地区計画地区の南側に広がる住宅地域につきましては、現在、地元町会、商店会及び住民の皆さん方がまちづくり検討会を重ねておられ、今後も協働型のまちづくりによる防災に強いまちづくりを進めていく予定でございます。 次に、オリンピック招致について、とりわけパラリンピックの開催に当たって区としての支援についてのお尋ねでございました。 現在、本区では、区を挙げて、本年秋に開催される第六十八回区民体育大会と第十三回全国障害者スポーツ大会の開催に向け準備を進めているところでございます。特に全国障害者スポーツ大会につきましては、障害者スポーツのメーン種目である車椅子バスケットボールやバレーボールが、東京体育館、国立代々木競技場で開催されることから、中学生の運営ボランティアの配置や区立小中学校の学校観戦を計画するなど、万全の準備を行っております。障害のある方が、それを乗り越え、スポーツに取り組む姿は人々に、感動を与え、青少年に生きるすばらしさを教える機会になるものと考えております。 この障害者スポーツ大会への取り組みにつきましては、オリンピック、パラリンピックの招致の機運醸成にもつながると確信しております。東京でのオリンピック、パラリンピックの開催については、現在、招致活動を行っており、区としてもその実現に向けて協力を行っているところでございます。招致が実現した暁には、日本オリンピック委員会や国、東京都と一体となり、最大限の対応を図ってまいりたいと存じます。 次に、公園整備、花壇等の維持・管理ボランティアについて、維持、継続を促すための施策として、協議会を設立してはどうかと、こういう御質問でございますが、これを所管します土木清掃部長から答弁させます。 次に、自転車対策についてでございます。 安全面での啓発について、区としてどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございました。 自転車の安全利用につきましては、昨年の第一回定例会で植野 修議員から、また平成二十三年第四回区議会定例会では伊藤毅志区議会議員からそれぞれ御提言をいただき、昨年三月に、道路管理者、警察署、関係団体、区民代表から構成された渋谷区自転車安全利用対策協議会を設置いたしました。その後、本協議会において検討を重ね、去る二月二十八日には渋谷区自転車安全利用指針が取りまとめられたところでございます。 本指針には、自転車の通行環境の整備に関する基本的な方針や計画を示すとともに、議員御指摘の安全面での啓発に関しましても、自転車利用者に対する交通ルールの周知と安全教育の項目を設け、取り組みを示されております。具体的には、自転車利用者に対する自転車安全利用五則等によるルール、マナーの浸透、歩行者、自転車による、自転車は車両であるという意識と交通ルールの徹底などを目標に掲げ、自転車利用に関する様々な周知・啓発活動に取り組むこととしております。 また、ルールを守らなかった場合の刑罰や事故加害者になった場合の損害賠償責任なども周知し、自発的に交通ルールを遵守する意識を高める取り組みも行うこととしております。 さらに、違反行為を繰り返すなど、悪質、危険な交通違反等に対しましては、警察が、交通切符を適用して、検挙措置を講ずることが示されております。区といたしましても、本指針に基づき、警察署や関係機関、区民、事業者と連携・協力をし、各種自転車安全教室や交通ルールを守るイベントを初め、様々な機会を捉え、自転車利用者のルール遵守とマナー向上など、啓発活動をより一層強化し、実施してまいります。 次に、公共施設についてでございます。 千駄ヶ谷、神宮前、代々木地区における公共施設の老朽化改善についてのお尋ねでございますが、これを所管します区民部長から答弁いたしますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。 次に、さらなる子育て支援対策として、旧代々木学童館を活用するこども・親子いきいき支援事業を高く評価し、このことについての御質問をいただきました。本区では、これまでも、子どもを産み育て、預けやすいまちを基本理念として、子育て支援策の拡充に努めてまいりました。その中でも、本区にあっては、待機児解消、幼保一元化、良質な保育、教育、多様な保育サービスの充実、子育てひろばの拡充など、重点課題として取り組み、区民の子育て支援環境の整備に努めてまいりました。 代々木の施設につきましては、これまでの施設から一歩進め、乳幼児の感性、創造性を高めるとともに、親子が一体となった交流の中から、子育てや幼児教育を進めてまいりたいと考えております。 次に、採択された請願についてということで、二件についてのお尋ねでございました。 最初に、今ある幼稚園を有効活用し、幼稚園型の幼保一元化施設を推進すべきであると、このようなお尋ねでございました。この植野議員の御趣旨は、渋谷区の区立幼稚園存続を求める請願を踏まえて、今後は区として幼稚園型の幼保一元施設をという御提言である、このように受けとめております。 今、各区がそれぞれ保育園等の募集をしておりますけども、新聞によりますと、数区は大量の待機児が出現したと報道されております。顧みて、本区は、この十年間、ひたすら子育て環境整備に努め、待機児を上回る受け入れ定員を確保し、他の自治体からも注目されてまいったところでございます。認可保育園、認定こども園、幼保一元化施設、認証保育所など、あらゆる手段を講じてまいったところでございます。それでも、働くために保育園をと、あるいは育児休業から明ける、安心して働きに出られるようにとかいう切実な区民の声が私のところに届いております。その声に、完璧と言えぬまでも一定の回答ができるようになりましたことも、これも良識ある区議会議員・会派の強い御支援があってのことでございます。 私は、急激な社会状況変化の中で子育て環境整備はスピードが必要だと、しかし子育ては、小手先の仕事になってはならない、長期的な視点が必要であり、それは、良質の保育、良質の教育の幼児の人格形成基盤に資するものでなくてはならない、このように考えているところでございます。渋谷区教育委員会と子ども家庭部が幼児教育プログラムを作成し、その実践に努めるのも、さらには小学校が、幼稚園、保育園と積極的に連携し、幼小連携をしていただくのもこういう考え方からだと、このように思っている次第でございます。 他方、幼稚園存続の請願に対し、自由民主党を代表し丸山高司区議会議員は、渋谷区が進めている幼保一元化施設に対し、どの子どもに対してもひとしく質の高い幼児教育と保育を受けられるようにしたい、そのような渋谷区の思いは理解できるとして、幼稚園、保育園の枠にとらわれた環境整備に対し批判の御発言をいただきました。本日の植野修議員の同じ思いからの御提言と存じますけれども、渋谷区は、これから児童福祉センターの建て替えに着手するところでございますけども、その中で、御発言の趣旨をも踏まえながら子育てに努めてまいりたいと思っております。 次に、情報公開制度のコピー代の見直しについてのお尋ねでございます。 本件の請願の趣旨は、一部の人の請求に多くの事務量を費やすのであれば、税金の有効利用のためにも、情報公開のコピー代について、作業時間を考慮した金額にするよう検討してほしいというものでございました。情報公開条例等の規定では、制度運用以来、実費としてコピー代を一枚十円としております。しかし、昨今の制度の運用を見てみますと、対象文書を精査することなく、包括的、広範的な公開請求や営利目的による大量請求など、不適切な事例もあるところでございます。 そこで、現在、請願の趣旨を踏まえ検討中でございますが、情報公開条例運用上、他の課題についてもあわせ精査をしているところでございます。新年度の一定の時期に、個人情報の保護及び情報公開審議会に諮問し、そのことについて一定の結論を出してまいりたい、このように思っております。 以上、答弁といたします。 ○副議長(栗谷順彦) 遠藤危機管理対策部長。 ◎危機管理対策部長(遠藤正) 防災対策の現状と今後の課題についてのお尋ねでございます。 本区では、東日本大震災の教訓に基づき、「想定外」を「想定内」とし、地域防災力の強化及び震災に強いまちづくりを進めるとともに、震災対策を区民一人一人のものにし、地震発生時の対応力を確実なものとするため、今後も震災対策の強化に努めてまいりたいと考えております。さらには、決意を新たに課題に対する、その本区の意思を明確にするため、震災対策総合条例についても改正案を提出いたしました。 現在の取り組みといたしましては、区長が、先ほど所信表明におきまして、多くの課題がある中で、優先的に取り組む事業ということで申し上げましたが、そのほか、医療救護所用資器材の配備等医療救護体制の強化、消火栓用スタンドパイプの配備等初期消火体制の強化などを計画しているところであります。 さらに、備蓄の保管場所や配送のあり方、災害対策本部体制の強化、避難所運営体制の充実、実践的な訓練など、取り組むべき課題は山積しており、職員一人一役をモットーに、取り組みを進めてまいります。 震災対策は、過去の震災の教訓に学び、反省し、科学的な知見に基づいた対策を継続的に進めるとともに、自主防災組織等とも連携をし、常に見直しを図っていくものであります。議会や区民の御意見、御提言を受けとめ、災害対策のさらなる充実に努めてまいります。 私からは以上でございます。 ○副議長(栗谷順彦) 柴田区民部長。 ◎区民部長(柴田春喜) 千駄ヶ谷、神宮前、代々木地域における公共施設の老朽化改善についてのお尋ねでございます。 本区は、これまで教育施設やコミュニティ施設の重要性に鑑みまして、逐次建て替えを行い、そして施設改善を進めてまいりました。実施計画にもお示ししてございますけれども、千駄ヶ谷地区のコミュニティ施設に関しましては、千駄ヶ谷出張所の移転に合わせまして施設整備を検討いたしてまいります。また、神宮前区民施設につきましては、二十五年度中に耐震診断及び施設改修の設計を行い、平成二十六年度中に補強改修工事を実施する予定でございます。 また、代々木の区民施設につきましては、今年、耐震診断の検討を行うこととしておりますけれども、代替施設の確保が課題でございます。また、穏田区民施設及び幡ケ谷社会教育館につきましては、都の対応もございまして、これを待って対応してまいるものでございます。 以上でございます。 ○副議長(栗谷順彦) 日置土木清掃部長。 ◎土木清掃部長(日置康正) 私から、公園整備、花壇等の維持・管理ボランティアについて、維持、継続を促すための施策として、協議会を設立してはどうかとのお尋ねに御答弁申し上げます。 公園等の花壇につきましては、現在、区内二十七公園におきまして三十三団体の町会や地域団体の皆さんが自主的に管理をしております。地域の皆さんが、自主的に公園の維持管理にかかわり、地域の公園を身近なものとして捉え、大切に思っていただくことは大事であり、また公園を地域の皆さんが管理することにより、コミュニティ活動の場ともなり、愛され、親しまれていくものと考えております。 その際、御提言のございました協議会でございますけれども、このことが花壇等の維持・管理に有効か、さらに検討する必要もございますので、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。 以上、答弁とさせていただきます。 ○副議長(栗谷順彦) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 私には、教育について四点のお尋ねでございます。 初めに、特別支援教育についてのお尋ねです。 御質問にもございましたとおり、文部科学省は、昨年十二月五日、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童・生徒に関する調査結果を公表いたしました。今回の調査は、全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童・生徒を母集団とし、標本数約五万三千人を対象に、担任教師が調査票を記入し、副校長が確認するという方法で実施をいたしました。専門チームによる判断や医師による診断によるものではありません。 調査結果を見ますと、「知的発達に遅れはないものの、学習面または行動面で著しい困難を示す」とされた児童・生徒は全体の六・五%となっておりまして、前回、平成十四年度に実施した調査結果の六・三%よりも若干増えております。このことにつきましては、文部科学省は、「調査対象地域や学校、児童・生徒の抽出方法が前回の調査と異なるため、両調査について単純に比較することはできないことに留意する必要がある」と付記しております。したがいまして、今回の調査から発達障害児が増加しているかどうかということを判断することは、少々困難であるというふうに判断しております。 今回、公表されました内容で私が特に注視いたしましたことは、学習面や行動面で著しい困難を示すとされた六・五%の児童・生徒のうち、校内委員会で特別な教育的支援が必要と判断されている児童・生徒は一八・四%で、そのうち、現在、いずれかの支援がなされているのが五五・一%、いずれの支援もなされていない児童・生徒が三八・六%在籍するということでございます。 渋谷区の特別支援教育は、障害の有無にかかわらず、全ての児童・生徒が、持てる能力を十分に発揮して、将来、社会の一員として生きていく基礎的な力の育成を目的として、通常学級に在籍し、学習や行動に困難を抱える児童・生徒に対して支援してまいりました。その児童・生徒が抱える個別の困難に対応するために、まずは困難の原因を探ることが必要です。このため、特別支援教育相談員による行動観察と臨床心理士による発達検査を行い、その結果を踏まえて、専門委員会において詳細なケース診断を行った上で、児童・生徒の困難に対応する個別の学習指導を行ってまいりました。 昨今は、家庭が抱える問題が、児童・生徒の学習に影響しているということが目立ち始めております。この渋谷区のシステムは、来年度以降も継続してまいりますが、何よりも、学校が、支援を必要とされる児童・生徒にとって、適切な学習環境をつくり、その子に合った学習指導を行うことが必要であります。そのためには、学校長をリーダーとし、副校長、コーディネーター、担任を主要メンバーとする校内委員会が中心となって、対象となる児童・生徒の具体的な個別指導計画を作成し、保護者との共通認識のもと、学習や生徒の指導を行うことが最も重要な対応策と考えております。 従来、実施してまいりましたシステムに加え、来年度は、学務課の臨床心理士を増員いたしまして、臨床心理士、教育相談員と指導主事、必要に応じてスクールソーシャルワーカーも加えたチームをつくり、区内を三ブロックに分けて、各学校の校内委員会の支援を強化してまいりたいと考えております。 これからも引き続き、学校と教育委員会が連携を密にし、支援を必要とする児童・生徒に対し、早期にきめ細かい適正な支援ができる体制づくりに努めてまいります。御理解と御支援をお願いいたします。 次に、国語教育、言語能力向上推進等の研究事業に関して、神宮前小学校を挙げてのお尋ねでございます。 神宮前小学校の全校児童数は、百二十から百三十名程度で推移をしてまいりましたが、ここ数年、増加傾向にあり、来年度は二百名を超えると想定しているところでございます。その要因の一つとして、御指摘の国際交流学級との児童交流が大きいと考えられますが、学校評価におきまして保護者や地域の方からは、継続的な研究によって教育活動が充実してきたことを高く評価されているところでございます。 一例を申し上げますと、神宮前小学校では、国際社会を生き抜く子どもたちの育成を目指して、六年間、同じテーマで研究を続けており、真の国際人を目指すためには、日本の文化や伝統を深く理解することが重要であるとの認識のもと、日本の伝統文化活動を推進しております。子どもたちの俳句作品を表彰する神宮前俳句大賞は、既に二十四回を数えておりますし、日本文化クラブでは、茶道、華道、書道、琴などを体験しております。また、埼玉県東秩父村との交流では、そば打ち体験、和紙づくりなどを経験します。校長自ら講師となって行う書道教室も子どもたちに大変好評であると聞いております。 このような学校の教育方針、教育活動が保護者や地域から高く評価されていると考えております。 また、保護者にとっては、かわいらしい標準服も学校選択の一つとなっているようでございます。 今後は、より一層基礎学力の定着を図るとともに、英語等の言語能力の向上を目指し、国際社会を生き抜く児童の育成に努めてまいります。 続いて、防災教育についてのお尋ねでございます。 防災教育につきましては、二年前の東日本大震災の後、その重要性が大きくクローズアップされているところでございます。 御質問にございました「釜石の奇跡」ですが、子どもたちの生存率が九九・八%と奇跡的であったと承知しております。実際に、子どもたちが、「避難を渋る祖父母や、父母を説得し避難させた」「体の不自由な同級生をおぶって逃げた」「低学年の児童や幼稚園児の手を引いて逃げた」など、周囲の人の避難を誘導している様子も随所に見られたと聞いております。 二〇〇六年から釜石市の津波防災教育訓練の指導をしてきた群馬大学大学院教授、片田敏孝氏は、「どれだけハードを整備しても、その想定を超える災害は起き得る。最後に頼れるのは、人一人が持つ災害という不測の事態に、住民がいかに対処するかという社会対応力の強化が必要であり、それは教育によって高めることができる」と述べていらっしゃいます。 また、石巻市の大川小学校につきましては、ふだんからの危機管理の重要性など、悲しい結果から学んだ教訓を十分に生かしていくことが大切と考えております。 このようなことからも、学校等における防災教育は極めて重要であると認識しており、現状においても、幼稚園、小学校、中学校では、毎月、必ず避難訓練とともに安全指導日を設定し、火災や地震などが発生した際、とるべき行動などについて学ぶ機会を設定しております。 中学校においては、全生徒が、普通救急救命の資格を卒業までに取得させるとともに、軽可搬D級ポンプによる放水訓練も体験しております。このことは、災害が起きたときに、中学生が、地域自主防災組織に協力して、地域の人々とともに災害に立ち向かえる人材として育成する上で、とても大切なことであると考えております。 また、中幡小学校では、昨年の十月に、PTAと施設開放運営委員会が協力して、六年生とその兄弟、保護者を対象に、防災お泊まり体験を実施いたしました。また、先日は、三月三日には、本町学園において、町会の防災会が主催し、本町学園内の全ての電気を落として、非常灯のもとで避難訓練を行ったと聞いております。このほかの学校におきましても、三・一一以降、保護者や地域、町会、自主防災組織などと連携して防災訓練が多く行われるようになりました。今後は、防災教育補助教材「三・一一を忘れない」を活用するなど、東日本大震災の教訓から学び、さらに自分の命を守り、身近な人を助け、さらに地域に貢献できる人材を育てるべく、より実践的な防災教育となるよう充実させてまいります。 最後に、展覧会、立体展示披露についてのお尋ねです。 まず、区立小学校の作品展を御高覧いただき、ありがとうございます。ごらんいただきましたとおり、それぞれの学校では、様々な工夫を凝らして、作品を展示しているところでございます。例えば、小学校においては、制作した衣装を着て、ファッションショーをしたり、絵や立体であらわすだけでなく、同じ作品を詩や文章で表現するなど、児童の表現活動の幅が広がっていくような工夫がなされております。また、造形遊びという領域では、扱う素材だけでなく表現する場も重要となってきます。例えば、ある音楽を聞き、そこから受けたイメージを即興的に作品に盛り込んでいき、完成させるといった制作と展示、鑑賞が一体となった表現活動も取り入れているところでございます。 このように、作成した児童・生徒の作品を披露する機会として、今回で三十一回を迎えます松濤美術館主催の小中学校絵画展あるいは小中学校特別支援学級連合展覧会が毎年開催されております。今年も三月の十日まで松濤美術館で行っているところでございます。特に、特別支援学級連合展覧会では、作品の半分近くが立体作品であり、渋谷区の特別支援学級の図画工作、美術を初めとする表現活動の一端をごらんいただけます。 このように、様々な工夫をしながら、展示をしているところでございますが、今後、各学校にすぐれた取り組みを情報提供するなど、各学校の展示方法についてさらなる創意工夫をしていけるよう呼びかけてまいります。 御提案の大きな会場での全校の立体作品展示につきましては、かなり広い場所の確保が必要となるため、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。 以上、答弁といたします。 失礼いたしました。訂正させていただきます。 一番最初にお答えいたしました特別な支援を必要とする子どもたちの母集団でございますが、私、「五万三千」と申しましたが、失礼いたしました、「五千三百人」の間違いでございます。おわびして訂正させていただきます。申しわけございませんでした。 ○副議長(栗谷順彦) 植野議員。 ◆二十九番(植野修) すぐ終わります。主張は長く、そして質問は短くやったつもりでございます。 区長並びに教育長、本当に御丁寧な御答弁、ありがとうございます。そして、危機管理対策部長、区民部長、土木清掃部長、御丁寧にありがとうございました。意を尽くしたところと今後の検討課題、いろいろあろうかと思いますけれども、私たちも、これからいろいろな審議の中で検討してまいりたい、いろいろな議論を重ねてまいりたいと思っております。 そして、人からコンクリート、コンクリートから人、どうでもいいんですね、こんなのは。そういうことではなくして、生命の尊厳に基づいてコンクリートを待ったなしでつくっていく、そしてハード面とソフト面がマッチをする。 議会の恥もあえて申し上げました。議会の中にもそういったものが必要なのかなと思いますが、アンガーマネジメント、議会こそ必要かもしれません。 そんな中で、私どもも、渋谷区議会公明党、一致団結しながら今後の区政の発展のために頑張ってまいりたいと思います。 以上、終わり。 ○副議長(栗谷順彦) 教育長から数字の訂正がございますので。 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 再三お時間をいただきまして、まことに申しわけございません。 先ほどの特別支援教育の標本児童・生徒数でございます。正確に申し上げます。「五万三千八百八十二人」でございます。再三申しわけございませんでした。おわびして訂正をさせていただきます。 ○副議長(栗谷順彦) 植野議員。 ◆二十九番(植野修) 自席で、たび重なる訂正、明確にわかりました。ありがとうございました。 ○副議長(栗谷順彦) この際、会議時間の延長をいたしておきます。 三十四番菅野 茂議員。 ◆三十四番(菅野茂) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して区長に質問いたします。 第一は、国政、都政についてです。 総選挙の結果、自民、公明両党が、三百二十五議席を占め、衆議院で三分の二を超える巨大与党となっていますが、自民党の勝利は、自民党自身が認めているように、民主党政権の裏切りへの国民の激しい怒りが集中した結果であり、国民は、安倍政権に委任状を与えたわけでは、決してありません。 ところが、安倍首相は、オバマ大統領との日米首脳会談で、TPP交渉参加に大きく踏み出す意向を示しました。TPP参加は、自民党の国民への公約を投げ捨て、農業や医療、食の安全を初め広範な分野で地域経済と国民生活に深刻な打撃となるもので、絶対に許せません。また、景気対策では、「アベノミクス」と称して、無制限の金融緩和、大型公共事業のばらまき、大企業応援の成長戦略というどれもが過去の自民党政権時代に破綻したものばかりです。また、消費税増税や社会保障の切り捨て、憲法第九条改悪の動き、さらに原発再稼働の推進や新増設を容認するなど、どれをとっても国民多数の意思にそむくものばかりです。 我が党は、国民多数の声を実現させるには、国民の利益より、財界の利益、アメリカの利益を優先する長年、続いた自民党型の政治を転換させることが必要だと考えます。この立場で、消費税増税中止、TPP参加阻止、原発即時ゼロ、憲法第九条を守り米軍基地の撤去など、新しい政治を目指す決意でございます。 質問の初めは、区民生活を苦しめている深刻なデフレ不況の打開策についてです。 安倍政権の打ち出したデフレ不況脱却策の最大の弱点は、国民の所得を増やす対策がないことです。昨年の勤労者の平均賃金は、一九九〇年以降で最低となり、ピーク時の一九九七年より、年収で約七十万円、八八%まで減少したのに対し、企業の経常利益は一九九七年を一〇〇として一六三まで増加しています。この背景には、長期にわたり賃下げとリストラを繰り返し、働く人の所得を減らし続けてきたことがデフレ不況の最大の原因です。 我が党は、デフレ不況脱却のため、今、政府は三つの決断をすべきと考えます。 第一に、国民の所得を奪う消費税増税などの中止、第二に、大企業、財界の身勝手な賃下げ、リストラを政治の責任でやめさせること、第三に、人間らしい暮らしを保障するルールを確立し、政府として賃上げ目標を持つことです。 特に消費税増税は、一〇%増税でサラリーマン世帯は一カ月分の給料が消費税に消え、多くの中小零細業者は価格に転化できないとの声が上がっているのです。区内でも、消費税廃止渋谷各界連絡会が進める消費税増税中止を求める署名に対し、既に八十九団体から賛同が寄せられているのです。区民の所得を奪い、中小企業を苦境に追い込む消費税増税の中止を政府に求めるべきです。見解を伺います。 また、大企業の内部留保は二百六十兆円に達しています。内部留保の一%を活用すれば、賃上げが実施可能です。政府は、賃上げのため政治の責任を果たすときと考えます。区民の暮らしと経済を立て直すためにも、賃上げと安定した雇用の拡大でデフレ不況打開をするよう政府に要請すべきと考えますが、区長の見解を伺います。 次に、生活保護基準の引き下げについてです。 政府は、二〇一三年度予算案で、生活保護費について、今年八月から三年かけて七百四十億円以上カットし、二〇一三年度は、生活扶助と医療扶助、勤労控除の見直しなど、合わせて六百七十億円も削る過去最大の削減計画を打ち出しました。削減の中心は、日常生活に欠かせない食費や光熱水費などの生活扶助費です。受給者は、今も食費をぎりぎりに抑え、暖房もできるだけ我慢するなど、切り詰めた生活を続けているのです。 区内のある受給者は、「暖房費を節約するため、玄関のドアや窓に厚手の布を覆い、すきま風を防ぎ、室内でも防寒着で厳しい寒さをしのいでいるのに、この上、基準を引き下げるなんて、生きていくことを認めないのか」と怒りをぶつけています。まさに安倍政権が決めた保護基準の引き下げは、国民が生きる根幹まで切り詰めるもので、暴挙にほかなりません。 そこで、区長に伺います。 最低生活ライン削減が実行されれば、保護受給世帯の九〇%以上が減額され、そのうち四十代夫婦と子ども二人の世帯では、基準額九%、二万円もの削減となるひどいものです。また、生活保護に基づいている住民税非課税者四万三千八百六人、就学援助者千八百十一人を初め、最低賃金を低く抑えることなど、広範な区民に打撃を与えることになります。生活保護基準の引き下げ中止と老齢加算の復活など、生活保護制度の拡充を国に求めるべきです。見解を伺います。 次に、都政についてです。 猪瀬新都政は、新年度予算案と三カ年のアクションプログラムを発表しました。一メートル一億円の幹線道路や莫大な港湾施設、巨大開発などの事業費が全体事業の三一・三%を占める一方、高齢者対策は三%、少子化対策は二・四%にすぎません。国保料などの負担軽減施策、深刻な待機者解消を図るための区立保育園の増設や特養ホームの用地助成、その運営費の支援など、都政の役割を果たしていません。 そこで、区長に伺います。 国保、介護、高齢者医療保険料などの負担軽減策の実施や、区立保育園や特養ホーム建設のための用地取得費の助成などの実施と、区内の若者の雇用を守る支援策の強化を都に要請すべきです。見解を伺います。 次に、区の二〇一三年度予算編成と実施計画についてです。 我が党区議団が行った区民アンケートでは、生活が苦しくなったと回答した人が七六%に上り、深刻な訴えが多数寄せられました。七十代の夫婦は、「年金から引かれる額が徐々に増えている。国保のほかに、昨年秋より後期高齢者保険料が増え、今年は昨年の倍になり、二つ合わせて七万円近くで大変です」と重い保険料の負担増を訴えています。 実際、区民の暮らしの実態は、課税所得が二百万円以下の方が五万三千七百九人と四六・六一%と半数に迫り、五年前より二千六百六十人も増え、生活保護世帯は二千七百三世帯、就学援助も中学生で三四・九%に増加、昨年一年間の企業倒産件数は百七十三件、それによる失業者は千三百十七人に上る深刻な事態となっているのです。 区内の新年度予算案と実施計画は、区民の要望の強い避難所の備蓄拡充などの防災対策、区民施設の耐震改修、特養ホーム、地域包括支援センターの増設などがあります。しかし、高い国保料をさらに値上げし、介護、高齢者医療保険料の負担増に苦しむ区民に対する負担軽減策の対策は全く反映されていません。また、効率化の名による子どもを犠牲にする区立桜丘、西原保育園を廃園にし、その上、神宮前、上原保育園や区立西原幼稚園を廃園に追い込もうとしていることや、山谷、代々木小学校の強引な学校統廃合を進め、さらに本庁舎の耐震化では建て替えありきの方向に進もうとしています。 一方、渋谷駅周辺の大型開発を促進させ、将来にわたって税金投入することに踏み出しています。また、不要不急のイベント事業を継続するなど、区民の要望や生活実態と乖離しており、福祉増進という地方自治体の役割を果たしていません。 税金の使い方は、区民の命、暮らし、福祉を守ることを第一にし、大型開発や不要不急な事業や無駄なイベント事業への税金投入は中止すべきと考えます。区長の見解を伺います。 次に、国民健康保険制度の改善についてです。 我が党区議団の区民アンケートでは、医療保険料の負担は去年と比べて重くなったという回答が五六%に上り、区政に望む施策では上位に国保料の引き下げを挙げているのです。 ところが、区長が提出した新年度の国保料は、均等割額を千二百円値上げし四万一千四百円、所得割率は八・三六%と〇・一五ポイント減ですが、一人当たりの平均保険料が九万八千四百六十六円、三千百八十八円の値上げというものです。また、今年度までの経過措置を終了させ、新たに住民税非課税者だけを対象にしたため、二十三区では、対象者は四十七万人から十一万人に激減するという非情なものとなっているのです。区長提案は、区民の願いと逆行するもので、認めることはできません。 区長は、区民がどれほど高い保険料を負担しているのか、認識する必要があります。例えば、年収二百五十万円の夫婦と子ども二人の四人世帯では、二〇一二年度が十五万五千二十一円が、二〇一三年度では十八万四千三百十二円となり、二万九千二百九十一円、約三万円の大幅値上げです。また、三年前の二〇一〇年度と比べると五万六千六百三十二円の負担増となっています。所得が減少している中での大幅負担増は、子育て世帯に大打撃を与えることになるのです。 国は、一九八四年以降、医療給付に対する国庫負担を削減し続けたことが保険料の大幅値上げの最大の要因です。国の責任で、国庫負担をもとの五〇%に引き上げていくことが、保険料の値下げを図る道だと考えるものです。 区長は、区民負担の軽減のために、国に対し国庫負担の引き上げを強く求めるべきです。また、区独自に、激変緩和措置の内容を継続するとともに、保険料を値下げすべきです。区長の見解を伺います。 さらに、今年度の保険証の取り上げは、短期保険証が、六百七十九世帯、九百九十一人、資格証明書が、六十一世帯、七十五人に上っています。正規の保険証の取り上げは、憲法第二十五条の規定や国民皆保険の制度の精神からも直ちに中止すべきであり、国保加入者が安心して受診できるように、保険料や医療費負担を軽減する減免対象を拡大するとともに、減免制度をわかりやすく定期的に区報や町会掲示板などに掲示するなど、周知徹底を図るべきです。区長の見解を伺います。 次に、本庁舎の耐震化についてです。 本庁舎の耐震化は、区民にとって重大な問題です。庁舎は区民の財産であり、耐震化に伴う税金の使い方、工法のあり方、庁舎のあり方など、当然、区民の理解が必要です。 この間、区が庁舎の耐震化についてどう進めてきたのか、その経過は、昨年十一月二十日の区議会全員協議会で、渋谷区総合庁舎耐震診断調査の結果について報告し、その中で、補強案五案を説明、D案の中間階免震を評価、耐震補強と大規模修繕の合計で五十億円から六十億円程度かかると説明しました。また、十二月二十七日、総務区民委員会に、民間活力による庁舎及び公会堂を建て替える選択肢を加えるとして報告、委員会当日の十二月二十七日に公募を行い、参加表明受け付け締め切りが正月明け一月十日、一月十七日には質問書の受け付け締め切り、二月二十八に提案募集締め切り、審査結果は六月ごろとしています。また、審査、選定は庁内のメンバーで構成する新庁舎等検討会(仮称)で行うと説明しました。委員会の質疑では、建築費の規模について文化総合センター大和田程度と答弁、約百二十億円ということでした。 これまでの主な経過は、区が、庁舎の耐震化について、補強工事に加え、民間活力の導入による建て替えも選択肢とするという方針を明らかにしたものです。問題なのは、この間、区民に一切知らされていない中で進められてきていることです。 今年の二月十二日の新年度予算案の記者会見で、区長は、「耐震補強は九割九分ない」と明言、「建て替えの場合、建物の工事費だけで二百億円程度かかると見込んでいる」と言及したことが翌日の新聞に大きく報道されました。区長の発言は重大問題です。耐震補強は九割九分ないとすれば、区長が区議会全員協議会で「耐震補強が選択肢の一つ」と発言したことを全面否定するものです。議会と区民を欺き、区民にも知らせず、建て替えありきで庁舎の耐震化を進めるトップダウンのやり方は、二重に区民を無視したもので、絶対認めることはできません。発言は撤回すべきです。区長の答弁を求めます。 我が党区議団は、庁舎の耐震化について、三人の専門家を招き、研究会で検討してきました。その中で明らかになった問題点について質問します。 第一に、庁舎の耐震化について、補強工事が重要な選択肢の一つであるということをまず区長に確認します。答弁をお願いいたします。 第二に、補強工事が選択肢の一つであれば、当然、区が評価した免震補強工事についても、比較検討できる複数の提案があってしかるべきです。しかし、作成された比較表は一社のみです。誰が検討したかと言えば庁内の身内です。これでは納得できません。 例えば荒川区は、庁舎の耐震化について免震補強を選択した区です。プロポーザルで耐震化案を募集し、専門家二名を入れた耐震化選定委員会で検討、中間階免震を採用し、経費は十二億円程度、耐震化の実施後の耐用年数は三十年もつと区議会で答弁しています。当区においても、免震補強工事のプロポーザルを行い、外部の専門家が参加する選考委員会を設置して検討すべきです。区長の見解を伺います。 第三の問題点は、建て替え計画の事業提案の募集のやり方についてです。 資格要件を、提案に含まれる庁舎と同等以上の規模の設計を実施した実績及び大規模に、提案と同等以上の規模の事業を行ったことなど、四項目にわたっており、さらに問題なのは、年末の十二月二十七日の公募、正月明けの十月十日の参加表明受け付け締め切りという日程は、事業計画の規模からして余りにも拙速な公募日程であると疑問を持ちますと、関係者からは、「よほど情報が事前に流されていない限り、この日程で参加表明は物理的に無理ではないか。出来レース、アリバイづくりではないか」という声が寄せられています。公募の仕方も、事業者には耐震補強案と建て替え案の選択肢としながら、耐震補強は九割九分ないとするならば、虚偽の公募ではないでしょうか。こうした公募方法は是正すべきと考えます。区長に伺います。 第四に、我が党区議団は、耐震化は早急に行うべきと考えます。区長が言う大規模修繕を含めると五十億円になるということも、一方的なもので、根拠は不明であり、区民を納得させるものではありません。区の担当者は、庁舎の耐震補強工事で二十年から三十年もつと明言していることから、庁舎は耐震補強し、専門家、区民が参加する(仮称)庁舎あり方検討委員会を設置し、将来の課題として建て替え計画についても、区民にとって、メリット、デメリットも明らかにし、検討し、練り上げていくことが大切だと考えます。区長の見解を伺います。 次に、区の地域防災計画についてです。 渋谷地域防災計画の平成二十四年修正案が発表されました。 区の地域防災計画策定に当たっての基本姿勢は、予防第一に区の責任を明確にし、あらゆる地震による災害被害想定を、科学的な裏づけを持って、定めていくことだと考えます。この立場から伺います。 第一に、予防第一の地域防災計画についてです。 区長は、危機管理の第一は、自助、共助にあると答弁しています。まさに自己責任論の立場です。阪神・淡路大震災の教訓は、建物の倒壊と延焼をいかに防ぐかです。個人の力では困難な建物の耐震化に公助の責任を果たすことで、倒れない、燃えない、震災に強いまちづくりを進めることです。区の役割と責任を予防第一にした震災対策総合条例と地域防災計画にすべきです。区長の見解を伺います。 第二に、被害想定についてです。 区は、昨年十二月に被害想定の速報値を示しましたが、都との比較で、人的被害、建物被害、避難者が、いずれも区の想定が少なくなっていますが、どういう理由によるものか、まず区長に伺います。 また、最大の被害想定によって区民の被害を最小限度に予防する地域防災計画案にすべきです。区長の見解を伺います。 第三に、建築物の耐震化についてです。 区の計画では、旧耐震基準の建築物の耐震化目標を住宅について平成二十七年度まで、耐震化率を九〇%とするとし、民間特定建築物についても同様の目標を掲げています。今年度の木造住宅の耐震化助成制度の実績は、耐震診断が九十六件、改修補強が二十五件、マンションでは、耐震診断が三件、補強工事はゼロ件というのが実態です。区長は、現在、耐震化が必要な木造住宅とマンションは何棟あり、耐震化率九〇%の目標をどのようにして達成しようとしているのか、年度別の目標を明確にすべきです。伺います。 また、耐震改修助成制度は、助成制度の方法を委任払いにし、高齢者などの限度額を引き上げるとともに、マンションアドバイザーの派遣制度を復活し、耐震化の促進を図るべきです。見解を伺います。 さらに、B、Cランクの区立代々木保育園、区民会館、本町区民会館、千駄ヶ谷区民会館、初台区民会館、千駄ヶ谷出張所、幡ケ谷社会教育館の耐震設計が、実施計画でも先送りしていることは認められません。子どもと区民の命と安全を守るためにも、前倒しして耐震補強工事を実施すべきです。区長の見解を伺います。 第四に、木造密集地域の不燃化事業の拡大についてです。 東京都は、これまでの木造密集地域の不燃化事業を見直し、不燃化特区制度を推進しています。しかし、この制度は問題があります。住民不在、トップダウンで計画され、都市計画道路を義務づけ、収用法の適用を前提にする強権的手法です。区も実施計画で適用を検討課題にしていますが、強権的手法をとる制度を改めるように都に対し要請すべきです。区長の見解を伺います。 消防庁が二〇一二年度に調査した延焼・焼失危険度では、区内において危険度四以上が三十三丁目あり、不燃化率の向上化が求められています。区内の木造住宅が立て込んでいる地域を重点に、区独自の状況を把握し、不燃化支援を行うべきです。区長の見解を伺います。 第五は、帰宅困難者対策について伺います。 渋谷区を中心とした帰宅困難者の想定人数が十八万人になっています。区の計画では、帰宅困難者の被害用の備蓄については都や事業者の役割分担にしています。しかし、小規模事業者は困難であり、区としても避難所に帰宅困難者のため備蓄すべきです。区長の見解を伺います。 次に、介護、高齢者福祉についてです。 介護保険制度の改善について伺います。 政府は、介護保険制度改悪を二〇一五年度から、実施する方針を発表いたしました。法案に盛り込む検討事項には、一、軽度者に対する利用料のアップやサービスの切り捨て、二、介護施設に入所する軽度者の利用料アップ、三、ケアプラン、介護計画作成の有料化、四、一定以上の所得がある人の利用料アップ、五、特養ホームなどの相部屋の居住費値上げなどが挙げられています。国の責任と義務を放棄した介護保険制度の改悪の動きについて、区長の認識を伺います。 さらに、国に対し、介護サービスの切り捨てと区民への負担増をやめるよう求めるべきです。見解を伺います。 よりよい介護サービスにするために、全ての高齢者の実態調査を実施するとともに、区民、利用者、事業者などによる懇談会を新年度から開催し、実態を把握するなどのことを提案いたします。区長の見解を伺います。 次に、保険料と利用料の負担軽減策の拡充についてです。 昨年四月から保険料は、平均で年額九千九百六十円、一九・二%の大幅値上げをいたしました。ある九十九歳になる要介護二の女性の場合、年金月額約七万円の収入で暮らしており、介護保険料や訪問介護が月四十七回で、負担は二万五千円を超え、おむつ代や配食代で月約一万四千円となり、介護関係の負担額が年金月額の半分以上を占め、ぎりぎりの生活を送っています。安心して介護が受けられるように、一般財源を活用し、住民税非課税世帯に対し保険料の軽減策を実施するとともに、区独自の預貯金制限を撤廃し、保険料・利用料負担軽減助成制度を全ての住民税非課税世帯が受けられるよう拡充すべきです。区長の見解を伺います。 次に、訪問介護サービスの改善についてです。 昨年から、介護報酬の改定で生活援助サービスの時間が六十分から四十五分に短縮されたことに対し、中央社会保障推進協議会が訪問事業者を調査した結果、「会話やコミュニケーションが削られた」と回答した事業所が、七割に上っていることがわかりました。区内のケアマネジャーは、提供時間の短縮が、ヘルパーの本来の役割を低下させている実例を挙げています。「これまでは、利用者とまず会話し、利用者がどういう状態かを見て、買い物もできるだけ利用者の要望を受け、食材の多くあるスーパーなどに出かけたが、会話し、相談する時間もなくなったため、近くのコンビニで済ませている」と語っています。ヘルパーは、利用者の相談など、話し相手となることで、利用者の体調などを把握し、自立支援する役割を担っているのです。 こうした現場の声を無視した時間短縮を改善し、もとの六十分に戻すよう国に対し求めるべきと考えます。あわせて、区独自に上乗せすべきです。区長の見解を伺います。 次に、特養ホーム、グループホーム、ショートステイ、老人保健施設の増設についてです。 昨年九月一日現在の特養ホームの待機者が六百八十二名に上り、依然として待機者解消は最重要課題です。待機している区民からすると、いつ入所できるのかと不安が広がっているのが現実です。待機者ゼロを目指し、新たな実施計画に待機者解消の目標を示すべきです。 また、本町東小跡の特養ホーム計画は前倒しすべきです。 さらに、原宿の丘に計画予定の特養ホームはどのぐらいの規模を考えているのか伺います。 あわせて、グループホーム、ショートステイ、老人保健施設の増設を行うべきと考えます。区長の見解を伺います。 次に、配食サービスの改善についてです。 これまで補助してきた一食につき三百六十円、生活保護受給者は五百八十円を一律に二百円に削減するとともに、自立認定者を対象外にし、さらに見守り機能をも後退させたことは、在宅高齢者の自立促進と安心・安全の福祉のまちづくりの観点からも逆行するものです。二〇一二年四月の配食サービスの実績は千三百二十八人が、昨年十二月現在は八百二十九人に減少しているのです。補助額削減後、配食サービスを中止した方は、「コンビニで、カロリーや塩分の高い弁当で済ませている」と語っています。 そもそも配食サービスの目的は、栄養バランスに欠ける高齢者に対する食事の面からの自立支援であり、見守りの役割を担っているのです。配食サービスの補助額と対象者はもとに戻すことを強く求めます。区長の見解を伺います。 最後に、神宮前二丁目の都営原宿・神宮前アパートの建て替えについてです。 東京都は、昨年五月、突然、居住者に対し、「都営原宿・神宮前アパートに隣接する国有地を購入したので、同都営住宅を建て替えたい」との通知を出し、居住者の意見を一度たりとも聞くことなく、建て替え計画を次々と進めているというやり方を行っているのです。 問題なのは、東京都が一方的に短期間で現居住者の全てを移転させるということです。一月十一日に説明会を行い、わずか二カ月後の三月中旬には移転先住宅の抽せん会を行うというものです。ある居住者は、「当初は、隣接国有地を購入したと聞いたから、まずそこに建設してから順次建て替えると思っていたが、都の計画は居住者の生活を無視したやり方である。居住者には、最高齢者が九十九歳を初め、高齢者や病人が多く、不安と心労で疲れ果てている。移転を強要するのは人権侵害である」と語り、東京都のやり方を改めさせたいと訴えているのです。 そこで、区長に伺います。 安心して住み続けられる渋谷を目指す区として、区民の居住権を守る立場から、東京都に対し、強引な建て替え計画を見直し、居住者の意向を十分聞き入れるよう、要請することを求めます。区長の見解を伺います。 ○副議長(栗谷順彦) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団、菅野 茂議員の代表質問に順次お答えをしたいと存じます。 国政、都政についてということで、消費税増税の中止、デフレ不況打開について政府への申し入れをということでございますが、いずれも国の責任においてやるべき事柄でございますので、このことについては、申し入れの考え方は持っておりません。 この生活保護基準の引き下げでございますけども、政府案によりますと、生活保護基準につきましては、社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果を踏まえて、年齢、世帯人員、地域差の三要素による影響を調整し、平成二十年度以降の物価下落等を勘案しながら、見直しを行ったと、こういうことでございますので、推移を見たいと思っております。 次に、都政についてでございます。 国保、介護等々の負担軽減策あるいは区立保育園や特養への用地取得、そういったことへの財源配分への不満を申されているんだと思いますけども、都政については、都の責任において行うべきことでございますので、私から要請する考え方は持っておりません。 次に、区政と予算編成と実施計画ということでございます。 区政運営の方向につきましては、実施計画として丸山議員にお答えをしたとおりでございます。御理解をいただきたいと思っております。 次に、国民健康保険の改善についてでございますけども、本区は、持続可能な社会保障制度を前提として、このことについて検討をしてまいりました。御質問の内容につきましては、所管の部長から答弁をさせますので、お聞きをいただきたいと思っております。 本庁舎の耐震化についてでございます。区長のプレス発言、あるいは補強工事を重要な選択肢の一つであることの確認、あるいは免震補強工事のプロポーザルや選考委員会のこと、あるいは建て替え計画の公募方式のこと、庁舎のあり方検討会などについてのお尋ねでございましたが、一括してお答えをしたいと存じます。 庁舎建て替えにつきましては、渋谷区議会自由民主党議員団、丸山高司議員にお答えをしたとおりでございます。 今後の計画は、現庁舎を維持し、補強工事をするか、あるいは本区の負担を軽減した上で、建て替えをするのか、それは、区議会との御協議の上、年内に決めていきたいと、このように思っております。したがいまして、選考委員会やあり方検討委員会の設置につきましては、方向、方針が決まった後のことでございますので、現段階では考えておりません。 次に、防災計画についてでございます。 予防第一の防災計画についてのお尋ね、さらにはこの被害想定、さらには帰宅困難者の課題でございますが、このことについては、基本的には所信表明として申し上げたところであり、各事項については所管担当部長から答弁をさせたいと思っております。 次に、建物の耐震化の計画のこと、それから木造密集事業の不燃化事業のことでございますが、それぞれ専門のことにかかわってまいりますので、所管の部長から答弁をさせます。 それから、地域の建物の耐震化についてでございます。このことにつきましては、それぞれ工事期間中の仮設等々の問題があったり、あるいは都の対応等々の問題がございますので、このことについて計画を前倒しにする考え方は持っておりません。 介護、高齢者福祉についての御質問でございますけども、これについては、本区として持続可能な社会保障制度を前提として考えておりますので、その各事項については所管の部長から答弁をさせたいと存じます。 最後に、都営住宅の建て替えについてのお尋ねでございました。この神宮前二丁目アパートの建て替えについては、都が、老朽化した住宅を対象に、建て替えを検討しているところでございます。都は居住者及び近隣住民に対してそれぞれ説明会を行っており、このことについては、都の責任において居住者の意向を聞きながら対応すべき課題だと考えております。 以上、答弁といたします。 ○副議長(栗谷順彦) 遠藤危機管理対策部長。 ◎危機管理対策部長(遠藤正) 私からは、区の地域防災対策につきまして三点お答えを申し上げます。 最初に、予防第一の地域防災計画についてでありますが、この件につきましては、昨年第一回定例会で菅野議員御自身からも同様の御質問をお受けし、区長から御答弁を申し上げております。繰り返しになりますが、危機管理の基本は、それぞれ平素から災害に対する認識を持ち、そのための備えを着実に行うことにあります。このため、条例改正案においても、区、区民、事業者、関係機関の責務及び役割を明らかにし、予防対策、応急対策、復旧対策の基本的事項を定め、総合的な震災対策の推進を図ることを目的に掲げており、地域防災計画修正案についてもこの考え方に基づいて策定を進めております。 次に、被害想定について、都の想定よりも区の想定が少ない理由、また最大の被害想定により区民の被害を最小限に予防する地域防災計画案とすべきとのお尋ねでございますが、本区の被害想定は、最新の建物情報を取り込んでおり、都の想定とは年次の違いにより差が生じていると思われます。 なお、本区では、想定外に備えるため、大きいほうの数字をもとに、対策を進めてまいります。 次に、帰宅困難者の備蓄についてのお尋ねですが、区の避難所は区民の被災者のためのものでありますので、避難所に帰宅困難者のための備蓄を行う考えはございません。 私からは、以上でございます。 ○副議長(栗谷順彦) 柴田区民部長。 ◎区民部長(柴田春喜) 国民健康保険についてのお尋ねでございます。 国保制度では、法令に基づきまして、医療給付費のうち五〇%を国及び都からの支出によることとされております。保険料の上昇は、医療給付費の増加に伴って負担が生ずるものであります。社会保障制度の基本は、国が主体的に判断すべきものであると考えております。 また、旧ただし書き方式移行に伴う保険料の軽減措置、これは当初から二年間の経過措置として実施したものです。 なお、保険料は特別区統一保険料方式を採用しているため、区独自の減額措置を行うことはできません。 さらに、保険料の滞納者に対してでございますが、催告を重ね、それに応ずることがなく、また特段の理由の申し出もないなどの場合に、保険証を短期証に切り替えているものでございます。法に基づいて、保険料の負担の公平を期するために行っているものでございます。 保険料及び一般負担金の軽減基準は、特別区でこれを定めておりまして、区で独自に変更することはできないものでございます。 また、減免制度の周知でございますけれども、毎年全ての国保加入者世帯に国保制度の案内をしているほか、ホームページにも掲載をしているものでございます。 以上です。 ○副議長(栗谷順彦) 佐藤福祉部長。 ◎福祉部長(佐藤賢哉) 私からは、介護、高齢者福祉について五点お答えいたします。 まず、介護保険制度の改善についてのお尋ねでございます。 介護保険制度は、給付と負担のバランスがとれた持続可能な社会保障制度として、国において政策全体の中で考えるべきものでございます。現在、社会保障制度改革国民会議において、社会保障と税一体改革に関連する介護分野のこれまでの取り組み状況と今後の課題を整理、確認しているところでございます。地域包括ケアシステムの構築に向け持続可能な介護保険制度となるよう、今後、社会保障制度改革国民会議と社会保障審議会介護保険部会において議論がなされていくものでございます。 したがいまして、介護保険制度の改善について国に求める考えはございません。 次に、全ての高齢者の実態調査の実施と、区民、利用者、事業者などによる懇談会の開催ということでございますが、既に区では、高齢者実態調査及び日常圏域ニーズ調査などの調査や、計画策定における住民説明会を実施しておりますので、新たに行う考えはございません。 次に、保険料を軽減するために、一般財源を活用するべきである、また区独自の保険料、利用料負担軽減の助成制度を、全ての住民税非課税の人を対象に、拡充するべきとのお尋ねです。 まず、介護保険法においては、介護費用に係る区の一般財源の負担割合が決められているものであり、保険料を軽減するために、一般財源を活用することは考えておりません。 また、保険料、利用料については既に区独自に軽減制度を行っているものであり、その対象を拡大する考えは持ち合わせておりません。 次に、生活援助サービスについて、時間区分をもとに戻すよう国に求めるべきである、また区独自の上乗せサービスを実施すべきとのお尋ねですが、このことにつきましては、平成二十四年第四回定例会で牛尾真己議員にお答えしたとおりでございますので、御理解いただきたいと存じます。 次に、特別養護老人ホームなどの整備についてのお尋ねですが、高齢者福祉の中心となる介護保険制度は、被保険者が皆で公平に保険料を負担し、そして介護を社会全体で支え合っていく制度として発足いたしました。介護給付費が増加すれば、それに見合った必要な費用を応分に負担していくということが基本原則でございます。したがって、この基本原則を踏まえつつ、特養の待機者解消に向けて施設整備を行ってまいります。 待機者の解消について、待機者全てが、即入居が必要な対象者ということではなく、今後に備えて今から手を挙げておこうという方々も大勢おられるという実態でございますので、目標を示すという考えはございません。 また、本町東小跡地のスケジュールや原宿の丘の特養の規模については、今後、計画を具体的に進めていく中で明らかにしていきたいと考えております。 なお、グループホーム、ショートステイ、老人保健施設の増設については、既存施設の利用状況や待機者の状況などを勘案し、検討してまいります。 次に、配食サービスの補助と対象者についてのお尋ねですが、補助額については、配送経費についても、従来、本区は対象としておりましたが、その部分については補助対象とすべきでないとの考え方から見直しを行ったところです。したがって、補助額をもとに戻すことは考えておりません。 また、対象者についても、もとに戻す考えはございません。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○副議長(栗谷順彦) 大澤都市整備部長。 ◎都市整備部長(大澤一雅) 私からは、建物の耐震化と木造密集地域の不燃化事業について答弁させていただきます。 まず、耐震化助成制度についてのお尋ねですが、平成十九年度に策定した耐震改修促進計画において耐震化が必要とされた住宅は約一万四百棟でしたが、その後の建物の建て替えの進捗、耐震化助成制度の利用、その他、合築などによりおよそ一割強が耐震化されたものと考えられ、耐震化が必要な建物は約八千七百棟程度にまで減少しております。今後も、耐震化目標を目指して、様々な耐震化施策の充実を図ってまいります。 また、耐震化の相談につきましては、一級建築士による耐震相談会を毎月開催しており、開庁時には常時窓口にて職員が対応しておりますので、マンションアドバイザーの派遣制度を復活する考えはありません。 さらに、耐震改修工事助成金の委任払いにつきましては、直接利用者に助成することが、制度上、適切であると考えており、限度のない助成額の引き上げとともに、実施する考えはございません。 次に、木造密集地域における不燃化事業についてのお尋ねですが、これまで本区におきましては、平成五年度以来、本町一丁目から六丁目の地域において、不燃化支援の取り組みとして、国及び都の補助金を活用した木密整備事業を実施してまいりました。 東日本大震災を受け、東京都が、独自の木密地域不燃化十年プロジェクトとして、平成二十五年度より不燃化特区制度に取り組むこととなりました。都市計画道路の存在や土地収用法の適用が前提となるような強制的な手法を取り入れなければなりませんでした。その後、東京都は、特別区区長会において、平成二十六年度以降の不燃化特区制度について、強制的な手法以外の事業も検討するとの考えを示しました。 避難場所や延焼遮断帯となる空地の確保、消防活動困難地域の解消、不燃化領域率の向上など、これまでも取り組んできた渋谷区内の木造住宅密集地域の状況を改善し、各地域の実情に合った最善の制度となる可能性があるならば、都との十分な協議の上で、財政状況を踏まえつつ、不燃化特区制度を利用してまいります。 以上、答弁とさせていただきます。 ○副議長(栗谷順彦) 菅野議員。 ◆三十四番(菅野茂) 区長、関連部長から、思わぬ答弁、しかも無礼な答弁もありましたので、気をつけていただきたいと思います。 再度質問いたします。 デフレ不況からの脱却の問題で、区長、これは区長に答えていただきたいと思います。そもそもデフレ不況のもとで、消費税増税しようとする国は、世界でどこにもないんです。日本の経済の六割を占める家計消費、これがどれだけこれまで落ち込んできているか。一九九七年をピークにして、消費支出は平均で四百二十九万から二〇一一年で三百七十万円、五十九万円も減っていると。しかも、勤労所得、可処分所得は、同じ年度ですけども、五百九十六万あったものが五百四万円と九十二万円も減っている。これだけ所得が減り、可処分所得が減り、そして消費支出が減っている中で、十三兆円の大増税をかぶせる、これで景気がよくなると思いますか、再度、区長に答弁を求めます。 さらに、デフレ不況の中で、賃上げと安定した雇用を拡大する問題について伺います。 区長、認識をしっかりとしていただきたいと思うんです。国の問題だからといって逃げないでいただきたい。 「エコノミスト」の編集長はですね、「安倍首相のデフレ脱却策を聞いていると、この人は国民の家計や雇用にどれだけ関心があるんだろうかと気になる」と「インフレ期待の醸成と言うが、国民の期待は賃金の上昇だ」と、こういう評論家というか、専門家がですね、評論しているんです。最近のILOのレポートでは、日本を名指しで、賃金の下落が総需要の低下と物価の下落スパイラルをつくり出しているということで、積極的にこの賃金の引き上げ、このことを日本に求めている。 こういうことからも含めて、不況脱却のやはり最大の鍵は、国民の所得を引き上げる、賃金を引き上げる、雇用の安定を図る、この点について、もう一度、区長の認識と、国に対して要請すべきだということを改めて区長に伺いたいと思います。 それから、介護保険等を含めて、生活保護の基準の引き下げ、国保の値上げ、介護保険の負担軽減の問題。 生活保護の問題で言いますと、一つは、区長は、関係する部会でそれぞれ調査して、一般低所得者と、多分、生活保護の現在の基準について比較して、検討して出したから妥当なものじゃないかと言っていますけども、その部会の中でも、生活扶助の総額等を一般低所得者の世帯の所得、これが九万二千百九十六円、生活保護者は七万五千なんですよ。一万六千円以上、生活保護者のほうが低いんですよ。これを下げるというのは、物価が下落した、どう見ても根拠も何もない。この点については、どう区長は考えていらっしゃるのか。 やはり生活保護の、生存権の最後のとりで、この生活を支える、鍵を握る基準額、この引き下げに対して、区民の生活を守る立場からも、区長は、きっぱりと政府に、この引き下げをやめ、そして老齢加算を復活させることを、再度、国に求めるべきだと、区長の見解を伺いたいというふうに思います。 それから、介護保険の問題でも、持続可能だと言っていますけども、さっきから事例を申し上げています。持続可能でなくなってきているのが区民の生活なんですよね。先ほど事例で挙げましたように、保険料や利用料、年金の半分以上がそれで占められる、こんな悲惨な状況、区長、認めるんですか。区だって、保険料の軽減策は、約九千万を使って、年度途中からやったわけですよ。区長は実施したんですよ。また、保険外の上出しの介護サービスも行ってきている。独自策をやれば、渋谷には、今五百四十億円の積立金があるわけですから、その一部を取り崩しただけだって十分にできるじゃないですか。負担軽減のために、実施すべきです。強く区長に求めたいと思います。 それから、震災問題については、やはり予防第一の区の責任を明確にしないから、八千数百棟ある、まだ耐震化、残されている木造住宅、またマンションも残されていますけど、これがなかなか進まないんですよ。そんな一挙に全部やれということをね、私は言っているわけじゃないです。やはりこの目標を持って進めていく、これが区民の財産と命を守っていく最大の保障じゃないですか。そうすべきだと思いますけども、区長の答弁をお願いいたします。 庁舎の重大な問題の耐震化の問題で、区長は、丸山議員に対して、マスコミが誤解を与える報道をした、あなたが誤解を与える発言しているんじゃないですか。区長、あなたが誤解する発言をしているというか、正確な発言が各社に報道されているんですよ。もう数社に大きく載っているんですよ。しかも、本来ならば「九分九厘ない」ところを「九割九分」と言っているんですから、相当、力を入れて耐震補強はないと言明したんじゃないですか。改めて、本会議場で区民に「あの発言は撤回する」と、でなければ耐震補強を選択肢の一つとしていること自身もおかしな話ですよ。まず、撤回してください。 それから、区民参加や、それからプロポーザル、民活のやつはやっていますけども、耐震補強については一社だけで終わりだと。区民参加も、大体、議会と協議して、場合によっては参加させるというふうなことを言っていますけども、私が調べた各区では、ほとんど住民参加で検討会を設けています。これは、葛飾、世田谷、豊島、北区、江東、いずれも事前に検討会を設け、専門家も入れて、あり方検討会、それから耐震補強の検討あり方委員会とかという形で、全部やっているんですよ。世田谷では、六百名に対し、区政モニター調査、六百名を対象に調査している。 それは当たり前のことじゃないですか。区民の財産ですよ。区長の財産じゃないでしょう。区民に、しっかり事前に、どういうものになるのか情報を提供していく、そのことをはっきり区長は明らかにして、検討会もつくっていくべきだというふうに思います。 それから、耐震補強の問題で、今の渋谷区のこの建物が耐震補強では合わないというふうなことを言っていますけども、私は荒川区の例を出しましたけども、荒川区では、相当に準備して、区民もわかりやすいような事前の耐震補強工事のプロポーザル、選定委員会というのをつくっているんです。これは、専門家二名と副区長や土木、それから都市整備の担当者、それから財政もあるから企画、全てですね、この最後の評価を見ると、耐震性、補強工事後の機能、使い勝手、工事期間中の影響、重点、それから経済性、荒川では、引っ越ししなくても、渋谷と同じに免震をやるとしては地下一階だと。地下一階では、エレベーターの問題等、使い勝手としては、一階以上はほとんど何の支障もなく使える。十二億という工事費ですよ。これも五社入れて検討した中での検討材料ですよ。私、見て驚きましたよ。ちゃんと専門家が説明して、区民だってわかるように、なぜこういうような中間免震の、地下で、ここでは八十個入れるんですけどね、渋谷区は六十九個ですけど、そういうやり方までわかるようにし、しかもいわゆる国交省で言われる補強した後の強度については、最高では百年以上、六十五年から百年、それ以上三十年、いわゆる一類に類する〇・七五以上もつんだということを証明しているんですよ。 そういうことまで、真剣にですね、議論して、庁舎は、区民の大事な財産だと、継続して活用するというようなことも含めて対応しているんです。そういう対応をなぜ渋谷区はできないんですか。そうすべきじゃないですか。改めて、区長の答弁を求めたいと思います。 ○副議長(栗谷順彦) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 菅野茂議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。 最初に、この不況の中で消費増税をする国はないんだよというお話でした。 そのことの判断は国がやるんじゃないですか。私がやることじゃないですよね。だから、私が、そのことについて口は出さない、こう言っているわけですから、御理解をいただきたいと思います。 内部留保と言われましたけども、私は、その内部留保が二百六十兆もあるということは、私は知りません。しかし、仮にあったとしても、しかしそれをこの企業の商業チャンスとして捉えるかどうかというのは企業でしょう。私がいろいろ判断することじゃないんですよ。そのことを私に求められても迷惑だな、そういうことですから御理解をいただきたい。 生活保護基準のことについておっしゃいましたけども、このことについては、私はこの部会の部員ではありませんからね、そこでどういう発言があったか、あるいはどういう検証したかということはね、一々私はわからないんですよ。しかし、そのことについては、客観的に、この検証された結果、そのような判断をされたんでしょう。そのことについて私が一々文句を言うとするとですね、あなたのところの質問は全部そうなんだけども、自分に不利なこと、自分の意見に合わないことは全部だめなんですよ。部会をつくろうが、何をつくろうがだめなんですよ。私は、そういうようなやり方はですね、どうもいただけないな、こう思っています。後の質問もそうですけどね、そういうところがあるんですよ、あなたのところには。 それから、何というんですか、都政のことについてでございましたけども、私は、都政は都政でですね…… ○副議長(栗谷順彦) 聞いていないですね。 ◎区長(桑原敏武) それはないですか。では、失礼しました。取り消しをさせていただきます。 その次は、私どもの区政のことでしたか。区政の予算編成と実施計画ということでございましたかね。 実施計画ということで、区の国保料等々の考え方についてお話をされたんだと思うんですけどね、これも、持続可能な社会保障制度を維持していくためにはどうあるべきかという判断だし、制度設計なんですよ。その制度設計について、国がこのことについて決めるべき権限を持っている。私にはその権限がないんですよ。その人間に云々しろということはですね、それは答えられないことについて答えることでね、あなたが、後で言いますけども、撤回しろとかなんとかと言っているけれども、その言葉に対して、私は、責任を持てないようなことは、言うことはできないんですよ。そういうふうにお考えいただければいいなと思います。 それから、私のこの本庁舎の問題。次はそれでよろしいですか。 私の言ったことのですね、発言を取り消せというお話があった。プレスというのは、自分の都合のいい情報だけをこの間は聞かないで、あなたとよく似ているんだけども、都合のいいところだけをつまみ食いしようとするところがある。それでね、その中でですね、私は、私だけがしゃべったんでは客観性を欠くと思ったから、部長にその後フォローさせているんですよ。その中でやっているんです。ですから、私がこのような撤回をするような発言はしていないんです。していないけれども、そのような捉え方をされる。それでは、事務的に、もっと正しく担当部長から言ってもらったほうがいいということで、担当部長のところへ来てもらってしゃべっているんですよ。そういうことですからね、私だけが、勝手にしゃべってですね、都合のいいようなことをしゃべったということはないんですから、その点はね、ひとつ御理解をいただきたいと思っています。 それから、荒川のお話を取り上げられて、あなたのところは、都合がいいとですね、都合のいいところを持ってくるんだよ。そういう傾向があるんです。だけど、その結果がね、しかしそのことを私がまねた場合に、誰がそのことについて責任を持つんですか。やはり渋谷のことは渋谷区長でしょう。渋谷区長が、やはり議会と相談しながらこれからも進めていきたいと、こう言っているんですから、それ以上のものはないんですよ。そういうふうに思っていただきたいと思っています。 以上でよろしいですか。まだ残っていますか。 もう一つありましたんで、申し上げたいと思います。 平成二十七年度までの耐震化率についてのお尋ねだったと、このように思っています。 渋谷区が幾らやろうとしても、企業がその気にならないと、民間がその気にならないとですね、渋谷のこの意欲と向こうの本人たちの防災に対する考え方がマッチングしなければ、なかなか難しいところがあります。渋谷区は、これまでもそれにあわせるような形で、いろいろな制度や対応をやってきた。それでも、乗らない、そういうことが現実にありますから、その中で、渋谷区としては、できるだけ理解をいただきながらこれからも進めたい、そういうことですから、御理解をいただきたいと存じます。 以上、答弁といたします。 ○副議長(栗谷順彦) 菅野議員。 ◆三十四番(菅野茂) 再々質問します。答弁、ありがとうございます。 九割九分、では誰が言ったんですか、それだけ。 あと、日本共産党区議団は、区民の暮らし、負担軽減をしっかりと守り、命を守っていくためにですね、全力を挙げて、奮闘することを区民の皆さんにお誓い申し上げまして、質問を終わります。 以上です。 ○副議長(栗谷順彦) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 菅野 茂議員の再々質問にお答えしたいと思います。 そのようなことを言った覚えはありません。 ○副議長(栗谷順彦) 議事進行上、暫時休憩いたします。-----------------------------------   休憩 午後五時四十分   再開 午後六時----------------------------------- ○議長(前田和茂) 休憩前に引き続き会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 二十番浜田浩樹議員。 ◆二十番(浜田浩樹) 民主党渋谷区議団を代表し、区長、教育長及び教育委員長に対し質問をいたします。 まず、平成二十五年度予算、「実施計画二〇一三」及び財政運営についてです。 区長の所信表明にありましたように、平成二十五年度一般会計予算案の総額は七百六十六億円余、前年度比四・九%の減となっております。この予算案についてはこれから審議されることになりますが、次世代への負担を軽減するため、歳出を抑えながら、各施策展開を図っていこうという姿勢は評価いたしたいと思います。 また、民主党渋谷区議団からは、区長に対し、昨年十月末に予算要望書を提出し、また予算原案に対して本年二月一日に復活要望を提出いたしました。これについては、予算案に取り入れられたものも取り入れられなかったものもありますが、当区議団が要望を行った項目で取り入れられた項目としては、子育て支援のための感染症予防対策として、新たにB型肝炎ワクチンの予防接種費用の一部助成を行うこと、教育の面では、区立学校図書館への司書の配置を拡大すること、コミュニティスクールを拡充すること、またまちづくりの面では、緑の確保、緑化を進め、その状況を確認するための緑被率調査を実施することなどを盛り込んだことについては、評価をいたしたいと思います。 しかしながら、私たち民主党渋谷区議団が一貫して区長に対して指摘したこととして、区民に対する説明責任をしっかりと果たしていくべきということを改めて強調したいと思います。 民主主義においては、結果がよければ、それでよいということにはなりませんし、議論の過程を重視し、関係する全ての人が納得できるところを目指していかなければなりません。 このことに関して、昨年三月の議会でも幾つか質問いたしましたが、その際と比較して後退したことが一点あります。それは、予算案の概要を発表する記者会見についてです。昨年は一般の区民も記者会見場に入室することができましたが、今年度においては、事前に当区議団の議員が確認したところ、記者以外は入室することができないとのことでありました。 去る二月二十二日の総務区民委員会では、新聞各紙で庁舎建て替えの検討が報じられたことに対して、二月十二日の記者会見では、区長は、庁舎耐震問題については発言していないとの答弁があり、報道との食い違いが見られました。このことは先ほどのやりとりにもあったとおりですけれども、こうしたことから、区民に対して区政の現状を知らせようとする姿勢には、疑問を抱かざるを得ません。 そこで、区長に質問いたします。 本年の記者会見は昨年と比べてどのような方針に変わったのでしょうか。 予算案の概要の発表の方法についても、さらに区民により正確に伝わるように工夫の余地があるのではないかと思います。区民に、予算案の中身を伝え、より理解を深めてもらうために、渋谷区でも予算案のプレス発表をインターネットで中継すべきと思いますが、区長の考えをお伺いします。 また、予算編成作業について質問します。 近年、予算編成過程の公開を進める自治体が増えてきています。このことは昨年も質問をいたしました。昨年は板橋区の例を挙げましたが、多くの近隣自治体で取り組みが増えています。目黒区では、二十五年度より、政策枠経費の予算査定状況一覧に加えて個別の事業の要求事項説明書も公開しています。渋谷区では、次年度予算についての一般向けの公表は当初予算案の段階のみに限られ、各段階での金額などの詳細までは公開していません。 そこで、お伺いいたします。 ここまで紹介したような予算編成過程の公開の流れを区長としてどのように評価するのか、また渋谷区でも予算編成過程の公開をさらに進めるべきと考えますが、区長の考えを伺います。 また、予算案の発表に続いて「渋谷区実施計画二〇一三」の発表が行われました。この実施計画についての評価方法はどのように考えているのでしょうか。また、これまでの実施計画についての自己評価はどのように行われたのでしょうか。 また、同様に教育委員会所管分については、実施計画について評価の方法はどのように考えているのでしょうか。教育委員会については、平成十九年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されたことにより、教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価に関する報告書を議会に提出していますが、それとの関連もあわせてお伺いいたします。 それぞれ区長及び教育長に答弁を求めます。 次に、区施設の水光熱費について質問させていただきます。 エネルギー問題について関心が高まった東日本大震災以降、渋谷区では様々な節電努力が行われています。 渋谷区では、昨年、区施設の開館時間の見直しの条例が制定をされ、節電のために区施設の開館時間の短縮が行われていますが、これについて、これまでの成果について報告を求めます。 水光熱費の削減は、使用する量を削減するだけが方法ではありません。電気は今までの使い方のままで、必要に合ったアンペア数の見直しなど、契約の見直しをすることによって、基本料金の削減ができます。ガス料金についても、全く同じく、使用上の一定の条件をクリアすることにより契約の見直しができます。契約の見直しだけで料金を削減することが可能です。使用する量の削減の努力は評価するところですが、契約の種類、方法を見直すことによって、支出を削減する企業や大学、自治体も増えてきています。 特にガスについては、ガスの事業の法改正以来、規制緩和が進み、細分化され、多様化、複雑化したガス料金は、契約の種類、方法によって大きな金額の差が生じています。さらに、自由化により大口需要者の料金単価や体系が非公開となり、需要者自身によるガスコストの自己検証が困難になっています。 こうした現状から、第三者の意見を求めて、契約について見直しを進める必要があると考えます。一つ一つ見れば小さな額かもしれませんが、小中学校など全ての施設となると、かなり多くなります。電気だけではなく、全ての施設でガスや水道の経費節減ができると考えますが、まずは経理課などにおいて全ての区施設の水光熱費を一元的に把握し、第三者のコンサルタントを活用して、意見を求めてはどうかと考えますが、区長の考えを伺います。 次に、庁舎耐震問題については、昨年十一月に全員協議会で耐震診断及び耐震補強の検討結果が示され、去る二月二十二日の総務区民委員会で報告聴取が行われたところです。区は、庁舎耐震について、財政負担を最小限にするため、現総合庁舎の耐震補強に加えて総合庁舎建て替えを選択肢とし、検討を行っているかと思います。前回定例会の代表質問で当議員団の考え方は表明したところですが、二月二十八日を締め切りとして、新総合庁舎及び新公会堂の整備を核とした事業手法等に関する提案募集が行われたとのことです。 これについて、まず提案募集についての問い合わせ状況、参加事業者、提案の状況について伺います。 この問題は、区民にとっての負担も大きく、また行政サービスの核となる問題だけに、区民に対して説明責任を果たしながら進めていくことが重要と考えます。この問題に関して、説明会の開催やパブリック・コメントなど、広く区民参加を求めることについてどのように検討されているのか、区長の考えを伺います。 事業手法については、事業者からの提案募集が行われたところですが、建て替えの場合に、新しい庁舎の仕様について、例えば庁舎にどのような機能を持たせるか、どのような部署が入るか、どのような施設が入るか等については、事業手法とは別にどのように検討を行うのか、区長の考えを伺います。 特に、前回の定例会では、治田 学議員より「庁舎建て替えを行うならばこうした区民サービス向上が必要であり、とりわけ障害者福祉のための施設に充てるスペースが不足する現状から、グループホームや福祉作業所なども含んで計画を行うべきである」との質問に対して、「福祉施設を入れようという考え方は入っていない」との答弁でした。なぜ前回定例会時点においてこのような答弁を行ったのでしょうか。庁舎の仕様や機能の部分について、現行と全く同じになるのでしょうか、区長の考えを求めます。 また、現時点では、建て替えを検討する場合の仮庁舎の考えはあるのでしょうか、区長の考えを伺います。 次に、平成二十三年に渋谷駅周辺地域は、国際戦略総合特別地域であるアジアヘッドクォーター特区に指定されました。まず、アジアヘッドクォーター特区について質問いたします。 特区内での規制緩和を行い、あわせて税制上の優遇措置や財政・金融上の支援措置を講じるものでありますが、特区指定から現在に至るまでの状況や成果及び今後この特区によりどのような成果を見込むのかを伺います。 また、本年度は、区制施行八十周年に当たり、多くの記念事業が実施されました。その一つが観光協会の設立であったと思います。 今さら言うまでもなく、渋谷区は、平和・国際都市を掲げ、多くの大使館や外国企業、外資系企業が集積する都市であり、世界に向けて文化を発信する都市でもあります。観光振興の最終的な目的は、やはり多くの人に渋谷区を好きになっていただくこと、突き詰めて言えば、渋谷区に住んでいただくことにあるだろうと思います。 さて、この数年の渋谷区の外国人人口の推移を見てみますと、平成二十年の一万一千三百四十七人をピークに減少傾向に入り、本年一月一日現在では九千四百四十五人にまで減少しております。この要因としては、リーマンショックや東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故の影響が多分にあると思われますが、最近では外国人観光客が戻りつつあり、アジアヘッドクォーター特区の導入も考え合わせると、今後は外国人が増加するのではないかと期待しております。 外国人住民は、地域社会を支える大切な区民です。外国人は、仕事の都合などで、短期間で母国に戻られることも多く、流動的かと思いますが、一人でも多くの人に、より長く住み続けていただきたいと考えております。そのために、外国人のニーズの十分な把握に努め、安全・安心に加え快適さや便利さ、生活情報の取得のしやすさなど、渋谷区の居心地のよさをしっかりと確保し、それらを内外に発信していく必要があります。その際、区だけでなく大使館との連携を強化し、協力を得ていくことも重要です。 外国人住民に、渋谷区に住んでよかった、もっと住み続けたいと感じていただくためには、全庁が、一体となった取り組みの充実が必要と考えます。観光振興から一歩進んで、外国人の定住化に向けた取り組みを区としてどのように展開していくのか、区長の考えをお尋ねします。 また、今回の地域分権一括法に伴う権限移譲で、区において交通標識の規格を定めることができるようになったことで、今回、定例会で新たに提案された条例案では、交差点名表示のローマ字表記を従来の「日本語の三分の一の大きさ」から「三分の二」に改めるとしています。 以前には、区道については愛称制定の要綱を定めている江東区や中央区の例、ネーミングライツを行っている磐田市などの例を紹介しましたが、交差点の名称を幾つか確認してみると、案内のためにはもっとよい名称があるのではないかと見受けられる事例も幾つかあります。例えば、私の住んでいる恵比寿で例を挙げると、恵比寿一丁目、恵比寿二丁目、恵比寿三丁目、恵比寿四丁目とそれぞれの交差点名がありますが、いずれもその丁目の区域とほかの丁目の区域にまたがった地点に存在します。今回の規格の見直し提案を機に、交差点の名称の見直しやネーミングライツの導入を考えてはどうでしょうか。 また、大阪市では歩道橋についてネーミングライツの募集を行いましたが、今、申し上げた交差点意外にも、様々な区施設、区の営造物に活用の可能性があると思います。ネーミングライツについては、包括的な方針を定め、対象施設を特定せずに、一般的な提案募集を行ってはどうでしょうか。 次に、区制施行八十周年事業に位置づけられたゆるキャラ選定の状況について質問します。 昨年の九月に募集が締め切られ、十一月の議会でも本会議で話題に上がったところですが、二十四年度も年度末を迎えようとしております。現状はどのようになっているのでしょうか。 また、活用の方針等についてお聞かせください。 加えて、区制八十周年記念事業において、区役所前の庭園の整備が行われたところです。区役所前のイメージが一新されたように思います。これについて、どのようなコンセプトで整備を行ったのか、また費用はどのくらいかかったのか、区長の説明を求めます。 区役所前の様子は、毎朝のようにNHKで放送されるなど、渋谷区の情報を発信する上で、重要な意味を持っていると思います。 今回、渋谷区が、外国の旅行ガイドなどでどのように紹介されているか、またインターネット等でどのように紹介されているかを調べてみると、区役所前のからくり時計が、私が思っていたよりもランドマークとして多く取り上げられていることに気づきました。このからくり時計は、以前より、故障のため時計部分以外のところが動かなくなっているように思いますが、この修理については、どの程度の費用がかかり、どのような検討がなされているのか、区長の答弁を求めます。 先ほど渋谷区の観光振興における最終目標は、より住みたいまちになっていくことであると申し上げました。では、観光振興における最も重要な手段は何でしょうか。私は、最も重要な手段は、区民に対して渋谷区の情報を発信すること、加えて区民が情報を発信できるようにすることであると思います。つまり、現在、渋谷区に住む区民が、渋谷区の歴史、自然、文化、魅力について、よりよく理解をしていくことであろうと考えます。あらゆる教育の場においても、渋谷区の観光資源となる歴史、自然、文化について学ぶ機会を持ち、区も文化財に区民が触れる機会を増やしていくべきと考えますが、区長の考えを伺います。 四点目に、採択された請願への対応について質問いたします。 まず、平成二十四年十月に採択された情報公開のコピー代について見直しを求める請願について、現状の検討状況について区長の考えをお示しください。 また、請願の審議の際や前回の定例会でも当議員団の治田 学議員が取り上げたように、情報公開請求をしなくても、区民の方が情報を得られるように、事務を見直すのが請願の趣旨に沿うのではないでしょうか。ペーパーレス化と個人情報等の収集の時点での情報公開への対応を進めるべきと考えます。 コンピューターを使ってオンラインで作成される文書は、なるべくデジタルデータで保存し、また個人情報を記入する文書は、様式の見直しをするなど、文書策定の時点から個人情報などの非公開情報に配慮し、請求があったときに迅速に公開するように心がけていくべきではないでしょうか、答弁を求めます。 次に、平成二十三年十二月に採択された区立幼稚園存続を求めるための請願について質問します。 区立幼稚園に関しての現状の募集状況と新年度の対応はどのようになっているのでしょうか。周辺施設の募集状況を見れば、西原幼稚園の機能やそのニーズが、周辺関係施設へ引き継ぎが進められているとは言えず、やはり住みなれた場所での区立幼稚園に対するニーズに応えられていないのではないでしょうか。新年度へ向けた状況を考慮した上で、改めて区長の考えを伺います。 また、教育委員会での議論や手続の経過について、教育委員長に質問いたします。 西原幼稚園の募集停止の決定の経緯について、近年の教育委員会の議事録を見ると、区立幼稚園の今後のあり方について何度か話し合いが行われているようですが、いずれも非公開となっています。現状、教育委員会の決定した方針をもとに募集停止が決定されているものと思いますが、なぜ非公開になっているのでしょうか。また、どのような議論が行われたのでしょうか、教育委員長に答弁を求めます。 平成二十三年十月に採択された放射線被曝から子どもたちを守るための請願について質問します。 渋谷区における放射線被曝への対応について、現在までの状況を伺います。特に、苦情や問い合わせの内容、件数など、区民の反応はどのように変化してきているのでしょうか、区長の答弁を求めます。 五点目に、人事、職員研修について質問をします。 まず、人件費について。 新聞の報道等によると、総務省から二月十三日に都道府県の人事担当者に対して人件費抑制の要請を行ったとのことですが、渋谷区においてはこのことに対して現状どのように考えているのでしょうか。また、退職手当においては今回の定例会に大幅な改正の条例改正が提案されていますが、他の自治体で駆け込み退職なども問題になっています。今回の退職手当の引き下げ提案についての考え方と、駆け込み退職などによって混乱することがないか、現状についての説明を求めます。 次に、職員研修について。 職員の接遇マナーの向上についてはどのような対応を行っているのでしょうか。また、サービス公社への委託等、様々な立場で区の業務につく方が増える中、一体的なサービスを維持し、渋谷区の各窓口でのホスピタリティー向上のために非常勤の職員や委託先の職員等を含めた研修を充実していく必要があると考えますが、区長の考えを伺います。 続けて「よくある質問」、いわゆるFAQ作成の取り組みについて、これまでも「もしもしサービス」の充実等に関連して取り上げましたが、ホームページ上の表示と実際の業務での対応について質問します。 この間、渋谷区ホームページ上での「よくある質問」についての内容が充実していて、とてもよいことと評価しますが、所管ごとに分かれていて、区民の皆さんが調べるときに、所管ごとに意識しなければならなくなっています。区民の方の目線で横断的に検索しやすくする工夫が必要ではないでしょうか。 また、「よくある質問」、FAQを実際の業務でも全庁的に共有し、区民満足度の向上や政策、制度の改善に努めていくべきであると思いますが、区長の考えを伺います。 クレーム処理について、長野県須坂市の例を紹介します。 須坂市では、平成十七年から、日本一の市役所づくりを目指し、須坂市役所の理念を定め、平成十九年からは、日本一の市役所づくりに向けた行動目標検討委員会にて、一度来たクレームに学び、クレームをなくすことをあるべき姿と捉え、「クレームに学ぶクレームゼロ運動」を行動目標とすることに決定し、平成二十年度から実施しています。クレームといっても様々な種類のクレームがありますが、須坂市では、クレームが発生した時点で、一、提案や要望としてのクレーム、二、その場で解決した簡易なクレームで再発性のないもの、三、市民の勘違いによるクレーム、四、対応する必要のない悪質なクレーム、五、市の落ち度によるクレームで二以外のものと五つに仕分けをし、それぞれに対処をしています。 クレームゼロ運動の中で取り扱われるのが、五番目の市の落ち度によるクレームで、発生時に内容を記録し、担当理事者だけでなく総務課長へ報告することとしています。担当課では素早く適切な対応を実施するのですが、それと同時に総務課長は、クレーム内容を分析し、第二、第三のクレームを防ぐために、必要に応じて全庁的な対策を実施します。これらのクレームは、二カ月に一回開会される日本一の市役所づくり推進委員会にて内容を検討し、再発防止に努め、全庁的に共有をします。 渋谷区では、現在それぞれの所管で苦情を処理しているかと思いますが、クレームを全庁的に把握し、顧客満足、つまり区民の満足度向上につなげるべきと考えますが、いかがでしょうか。区へ寄せられたクレームを分析し、同じクレームを防ぐことも、区民のニーズを把握し区民の満足度向上のための取り組みになると思います。区長の考えをお伺いします。 六点目に、生活保護、高齢者福祉についてお伺いいたします。 生活保護については、渋谷区議会において平成二十四年十月に「生活保護費については、国庫負担を引き上げるとともに、自立支援の推進の強化を図り、生活保護の事務処理に伴う人件費・事務費についても、全額国が実費負担すること」を求める生活保護制度の改善を求める意見書を決定し、国に提出したところです。また、昨年の九月議会では、当議員団の芦沢一明議員が生活保護受給者の就労支援について質問し、区長からは、比較的短時間で軽微な作業から入る中間的就労も含んで就労支援に取り組む趣旨の答弁がありました。 民主党渋谷区議団としては、生活保護制度については、受給すべき方が、保護を受けられないことがないように、適切に制度を活用し、かつ受給者の方が、可能な方は能力に応じて就労し、自立ができるように、入りやすく出やすい制度へ改めていくことが理想であると考えています。 昨年の三月に二百十万人を超えた全国の生活保護受給者は、現在二百十五万人を超えようとする状況で、平成二十四年度の支給総額は三兆七千億円に上ると見込まれています。渋谷区においても、平成十九年度の平均では千九百六十八世帯、二千二百三十九人であった生活保護受給世帯及び人数は、今年一月末の時点で、二千七百三十八世帯、三千百三人と、およそこの五年間で、七百七十世帯、八百六十四人増えています。今定例会においても、平成二十四年度一般会計補正予算案で扶助費として一億七千四百四十六万四千円が提出されていることからも、増加傾向がとどまらないことを見てとれます。 一方、国においては、先日、政府は、今年の八月から三年間にわたって、総額六百七十億円、六・五%の生活保護費の基準額引き下げを決定しました。以前に比べ物価が下がっており、生活保護自体にゆがみが生じているので、それを是正する必要があるというものです。しかし、実際には、リーマンショック以降、物価は下がっても、貧困世帯も増え、生活自体が楽になったわけではありませんし、また、現在、政府は物価を二%上昇させる経済政策をとっており、この点においても政策的に矛盾していると言わざるを得ません。さらに政府は、仮に物価が上昇した場合、その分、基準額を上げるのかについては、その保障を示しておりません。 私たち民主党は、今、問題となっている不正受給への対応強化や積極的な就労支援は非常に重要だと考えるものの、憲法でも定められている健康で文化的な最低限度の生活を担保するために、最後のセーフティネットである生活保護費の基準額引き下げは行うべきではないと考えています。 そこで、質問します。 この生活保護の基準額は様々な施策の基準額にもなっていると思います。今回この生活保護費の基準額を引き下げることで、どのような事業にどのくらい影響が出る可能性があるのでしょうか、区長の答弁を求めます。 次に、高齢者福祉について、高齢者食事券事業について質問します。 この事業は、要介護、要支援の方が、身近な地域でおいしいものを召し上がっていただけるよう、積極的に出かけてほしいとして平成二十四年度より始まった事業ですが、利用可能店舗数、利用者数、利用件数など、現在までの実績はどのようになっていますでしょうか。 現在までのところの私の印象としては、まだまだ活用が少ないのではないかと感じます。この事業は、渋谷区の地域の商店街の活性化など、様々な可能性を含んだもので、是非普及させていくべきであると考えます。高齢者食事券事業をさらによく対象者の皆さんに活用していただくため、抜本的な改善策が必要ではないでしょうか、区長の考えを伺います。 最後に、都区制度について質問します。 これまで都区のあり方については、事務配分、税財政制度、区域のあり方など、様々な議論が交わされてきたかと思いますが、いまだにその先が見えない状況が続いているように思います。東京都は昨年十二月に石原都知事から猪瀬都知事へとトップが交代しました。現在ストップしてしまっている議論を再開するには絶好のタイミングにあると思います。 そこで、質問です。 今後の都区のあり方についての考え方と、都区のあり方検討会の展開、展望、また再開へのアプローチ方法について、区長の御所見をお聞かせください。 また、個別の課題として児童相談所の都から区への移管がありますが、児童虐待への対応などが重視される近年、さらに必要性が高まっていると考えます。児童相談所の区移管について、区長の考えをお聞かせください。 特に、渋谷区においては、都区制度において、固定資産税や都市計画税などの応益負担としての性格を持つこれらの税の配分について、改めて強調して改善を求めるべきと考えますが、区長の考えをお聞かせください。 以上、答弁を求めます。 ○議長(前田和茂) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 民主党渋谷区議団、浜田浩樹議員の代表質問に順次お答えをしたいと思っております。 新年度予算案のプレス発表についてのお尋ねでございますけども、方針に変更があるかということですけども、方針に変更はございません。 もともとこの予算のプレス発表は、プレスや報道機関を対象とした区長の記者会見であります。プレス資料につきましてはホームページでも公開しておりますけども、我々は、報道を通して、区民に区の予算計画を知っていただきたい、そういう趣旨からやっているところでございまして、そのことについては変わりがございません。 次に、インターネットを活用した情報発信ということでございますけども、区ホームページや区公式ツイッターにおいて、新年度の予算プレス発表を行った旨、情報発信をしたところでございます。区ニュースでも広報しておりますので、インターネット中継は考えておりません。 次に、予算過程の公表についてのお尋ねでございます。 予算要求の査定につきましては、行政内部の意思決定過程でございます。これを安易にといいますか、このことを公開するということは、行政の決定に対する過干渉や利害関係を生じさせ、さらには一方では迎合主義を助長するおそれがある、さらには区議会の予算審議にも影響を及ぼす内容であろうと、このように思っております。したがいまして、予算の編成過程を公開する考え方は持っておりません。 次に、実施計画の評価でございますけれども、実施計画そのものは、区が区に対してどのような期間で何をやろうとするのか、このことを明確にしていくところでございまして、そのことについて変更が生じた場合には、あるときには議会に報告し、あるときには計画をローリングする、そのような形で対応することに相なるんだろうと、このように思っております。 次に、区施設の光熱水費についてのお尋ねがございました。その次に、光熱水費の削減に関し第三者の活用についてという御質問があるわけでございますが、この両点につきましては、これまで古川副区長が取り扱ってまいっておりますので、そちらのほうから答弁をしてもらいますので、御聴取をお願い申し上げたいと思っております。 次に、庁舎の耐震問題に関しまして、募集の状況についてのお尋ねでございました。 既に丸山高司区議会議員にお答えをしたところでございます。このことについては、五件、参加事業者からこの募集があるところでございます。 庁舎問題への区民参加についてでございますけども、建て替えが決まるまでは、区民参加ということは考えていない。これが建て替えをするということになれば、当然、区として説明責任を行ったり、あるいはパブリック・コメントへの対応等々も考えていくことになるのかな、このように思っております。 新庁舎の仕様でございますけども、まだ建て替えが決まったわけではありませんから、今、新庁舎の仕様について申し上げる段階にはありません。 現庁舎と新庁舎ということで、とりわけ治田議員に福祉施設を入れようという考えは持っていないということに対して、なぜかという話、ありましたけども、この庁舎建て替えの基本は、現庁舎の機能を維持するためなんです。いろんなものを入れるため、新しい区の政策をやるためでなくて、現庁舎の機能を維持して、そして持続可能な、そういう庁舎にしていこう、区民に迷惑をかけない、そういうことが基本ですから、全然違う質の問題ですから、別途の問題とお考えいただきたいと思っております。 仮庁舎については、またこれが決まれば当然そのことについては考えなくてはならない、こういうことに相なろうと思っています。 次に、アジアヘッドクォーター特区についてのお尋ねがございました。 このことについても、丸山高司区議会議員にお答えしたところでございますけども、改めてお答えをさせていただきます。 これは、平成二十三年の八月一日に総合特別区域法が施行された、九月にアジアヘッドクォーター地域協議会が、これを組織されて、東京都がその中で国に対して国際戦略総合特別区域の指定申請を行い、新たな規制の特例措置の提案を行っているわけでございます。渋谷区周辺地域は十二月二十二日に指定をされているところでございます。 その後、これらの提案については、国と地方の協議会において検討を重ねられているところでございますけども、目立った進捗状況はないと、このように思っております。 アジアヘッドクォーター特区から期待される成果と効果につきましては、平成二十四年に発表されましたアジアヘッドクォーター地域協議会による特区区域内ビジョンによれば、アジア地域の業務統括、研究開発拠点を五年間で五十社、その他外国企業、五年間で五百社を誘致するという数値目標を出しておりまして、それら全国への経済波及として約二兆三千億円、雇用が八万二千と見込んでいるところでございます。 外国人の定住についてお尋ねでございました。 観光から定住化へというふうなものの発想はできないのかということでございます。 外国人が減っているのは渋谷だけじゃないんです。東京都全体です。それがどこへ行ったかというと、海外に行っています。渋谷でなくてほかの区に移っているんじゃなくて、渋谷からよその区に移ったものもありますし、入ったものもありますけども、大きい部分は海外に出ていっていますから、そういう状況にあります。 渋谷区としては、この外国人に来ていただくことを期待しています。そのためには、交通の利便性が高くて、通うのに近い、便利だということが大切ですし、一つには良好な居住環境あるいは公園整備が必要になってこようと思っておりますし、そういう面では、あの代々木公園なんかは大変大きな定住資源になっていく、このように思っております。 また、外国語に対応する病院、これはどうもまだ規制緩和の対象になっていないと聞いておりますけども、病院の問題や、あるいは外国人の教育機関、これを区内に置くということになってくるであろうと思いますし、さらには伝統文化に触れる機会が多いこと、一番基本になるのは、治安が、しっかりしているというようなことが求められてくるんだろうと思っております。 いずれにいたしましても、バランスのとれた生活環境があるということが必要だと、このように思っております。 この外国人の定住化を促進するために、現在、渋谷駅周辺のまちづくりが進められているわけでございますけども、その中で、当然のことながら道路や広場など、都市の骨格を強化する基盤整備を行っていく、一方では鉄道改良事業にあわせた市街地再編による大規模ターミナル駅の利便性、安全性あるいは防災機能の強化を図っていくことが大切だと思っております。居住環境の向上も大切であろうと、このように思っているところです。 さらに、国際競争力を高めるためには、エリアマネジメントによるまちの魅力、活力の向上などによって新しい文化と伝統文化をあわせ持った渋谷の個性を引き出していく、そして外国人に魅力のあるまちづくりを推進していく、そのようなことは考えなくてはいけないと思っています。そのときに、今この現実問題としては、文化総合センター大和田、これが、大変、大使館からも要請がありますけども、外国人にとっても非常に大きな有力観光資源になってくる、このように思っている次第でございます。 今後も継続していくその中で、一つは、規制緩和がさらに続くということも大切でございますし、渋谷区自身が、その多様な文化を、今のポテンシャルをさらにさらに生かしていく、そういう努力も民間事業者と御一緒しながら進めていくことかな、このように思っている次第でございます。 交差点の名称についてお話がありました。 私は、スクランブル交差点なんていうのは、外国人が知っていて、日本人が知らない、あるいは渋谷の区長が知らないとは思いも知らなかった。しかし、これが大変有名なポイントになっているということを聞いて驚いている次第でございます。 この地方分権一括法に伴う権限移譲の中で、区において標識の規格を定めることができるようになった。今定例会で新たに提案をさせていただいているわけでございますけども、お尋ねのこの交差点の名称でございますけども、この目的地への経路や地点等に関する情報を道路利用者に提供し、安全かつ円滑な道路交通を確保するため、要は、道路機能を維持していく案内板として、大変大きな機能を持っているであろうと思います。そのため、誰もがわかりやすい名称、そしてその地域の名称、駅、学校、病院、交番、道路通称名及び公共性の高い建築物などがそのことへの対応になってくるんだろうと思います。 そのときに、これら交差点の名称は、既に地域や道路利用者にとって重要な情報源として定着している、無用な混乱を招くことになるため、ネーミングライツの導入も含め変更については考えていない。 せんだっても私、あるところで、渋谷にキラー商店街というのがあるんですよ。キラー商店街の会長は、「キラーなんて物騒だから変えたい」と、こういうふうに思われた。しかし、それをよく調べていると、コシノヒロコがあそこのところにお店を出したときに、大変あのときに交通がこの殺人的に多かった。それで、自分が、勝手に、こういう危ないところだという意味で、キラーと、こうつけたそうです。その結果、その商店街のメンバーに聞いたところどうなったかといったら、変える必要はないと。会長は変えたいけれども、変えられないというようなことがあってですね、軽々しくこのことにはさわらないほうがいいんじゃないかというのが私の感じです。 次に、ネーミングライツの包括方針を定めてはどうかということでございます。 このことについては、これまでもたびたび御質問があり、お答えをしてまいりました。あの公会堂一つにとっても、ネーミングライツがいい、あるいは悪いという話もいろいろ意見があったところでございまして、このことについては、それぞれ、この包括的な決め方よりも、施設ごとに区民とのコミュニケーションを交わしながら決めていくことが大切じゃないかなと、このように思っています。 ゆるキャラのことにつきましては、所管の総務部長から御答弁をしますので、お聞き及びをいただきたいと思っております。 それから、区役所の庭園整備のコンセプトについてのお尋ねでございました。 余り広くないこの前庭だと、このように思っておりますけども、伝統的な日本庭園の手法を巧みに生かしながら、現代感覚を取り入れていくことは、一般的なそういう庭をつくるときの一般手法だとされております。その中で、樹木とともに、下草、草花などの区民の関心の高いもの、さらにはビオトープなど、自然を取り入れていくことがよいと、このようにされているところでございまして、そういった方針から、あそこについて整備をさせていただいたところでございます。 先ほど文化についてもお話がありましたけども、日本の文化的シンボルというのは松だと、このように思っておりまして、私は、そのことについて助言も受けて、そのような形にさせていただいたところでございます。 さらに、区民の広場として親しまれるように、噴水や、あるいは腰かけを配置して、あそこでゆっくり休んでいっていただければいいな、このように思っている次第でございます。 経費としては、現存樹木を移植するなどのことも含めまして千百七十五万円でございました。 からくり時計についてのお尋ねでございます。 このからくり時計は、平成五年の四月に設置をしたものでございますけども、構造が複雑であることに加え、経年劣化によって故障が頻繁に生じてまいりました。正確な時間に稼働しないなどの問題等もあり、修理経費が年々増大をしてきたということのために、二十年の三月に稼働を停止したところでございます。 再稼働の可否について調査をしたところ、ほとんどの動力機器が再使用できない、また必要な部品の調達等も困難だということが判明しているところでございます。 次に、渋谷区を学ぶということは、観光から住みたい渋谷になるためには大切じゃないかということでございました。 先ほど池山教育長は、教育上の課題として受けとめて答弁をしておりましたけども、なるほどな、教育委員会では一生懸命やっていただいているんだというようなことを感じております。一方では、朝倉邸をごらんになってもおわかりになりますように、多くの区民を呼び寄せるためのイベントをやったり、様々な形で、外国大使館にも御案内を差し上げて、来ていただくというような形で、伝統文化のこれをお呼びするような形、あるいは明治神宮のハナショウブ、これだって大きな観光資源だと思っておりますし、あの能楽にも外国人大使をお招きしている。全てが、渋谷を、これをひとつ売り込むための手段になっていくと、このように思っておる次第でございます。 大使からは、大変いい仕事をやってくれているのでという喜びの言葉も聞いているところでございまして、自然と歴史と文化についてはこれからも啓発に努めてまいりたい、このように思っております。 渋谷にはですね、そういうことについて啓発する団体がいるんですよ。名前を言っていいか悪いか知りませんけども、「しぶやコンシェルジュの会」というのがあるんです。ここの会というのは、私はすばらしいと思っておりますのはですね、渋谷の文化、そのことについてですね、しぶ検といってテストをやって、点のいい人には何か賞品をやるようでございますけども、例えば「しぶちかはどういう経過でなってきたか」あるいは「のんべえ横丁ってどういうこと」あるいは「金王八幡神社、これをどのように渋谷氏は使ったでしょうか」とかですね、モヤイ像について聞いたりですね、いろんなことをやっているんですよ。私は、すばらしい事業をですね、民間の方が取り組んでいただいているということで、私、大変いいことをやっていただいていると、このように思っている次第でございます。 一転して、採択された請願への対応についてということのお尋ねでありました。 このことについては、先ほど情報公開手数料について、検討状況については植野 修議員にお答えしたところで御理解をいただきたいと思っております。 情報公開の迅速化といいますか、ペーパーレス化を図り、文書をデジタル化すべきではないかということは、たしか鈴木建邦議員がこのことへの反対討論のところでおっしゃった中心的なこの捉え方であったと、このように思っております。 デジタル化が効率化につながるかについて言えば、例えば職員の人事システムのように、率先して、導入、拡張しているものもございますけども、議員のおっしゃる情報公開請求があるかどうかわからない文書を全てデジタル化、情報化して保存しようということであれば、このことについては、プライベートなもの等々も多くあるわけでございまして、経費の無駄遣いになる、このように判断をしております。 それから、区立幼稚園の募集状況について私にお尋ねでありましたけども、これは、教育委員会から御答弁したほうがいいじゃないかと、このように思います。 しかし、資料等々もありますのでお答えを申し上げますけども、現状の募集状況と新年度についてでございますし、また周辺関係施設への引き継ぎが進められておらず、区立幼稚園ニーズに応えられていないのかというようなお話でございました。 今、私、思いましたことはですね、よその区は、もう保育園をどうするかということで生き死に当たっているときにですね、幼稚園問題を論議できるということは、よっぽど渋谷区はですね、幼児教育について完成に近いために、そういう話になるのかなということだと思っております。 御答弁を申し上げますと、区立幼稚園の新年度の四歳児の募集状況は、臨川、広尾、本町の三園で、応募数は四十八人、定員は九十人ですから約五割弱ということでございます。新年度の四歳児の募集を停止する西原幼稚園については、近隣に、二年目を迎える「西原りとるぱんぷきんず」を初め、新たに「代々木至誠こども園」「薫る風・上原こども園」の二つの認定こども園が開設し、募集を開始しております。西原幼稚園の募集停止による受け皿としては十分であると、このように思っております。 放射能被曝への対応についてのお尋ねでございますけども、このことについては、専門性もあり、健康推進部長から御答弁をさせていただきたいと存じます。 次に、人件費についてでございます。 総務省からの要請で、国家公務員の給与減額措置に準じた対応をということの要請についてでございますけども、我々としては、このことについては、特別区人事委員会の勧告を受けて、給与改定も行っており、給与水準は適正であると、そのように考えております。 また、退職手当の引き下げにつきましては、国において官民格差解消のための退職手当支給額の引き下げであり、他団体の見直しの動向を踏まえまして、特別区においても民間との格差是正のために見直しを行ったところでございます。 なお、議員御心配の駆け込み退職などによる混乱はございません。 次に、職員の接遇についての質問でございますけども、また「よくある質問」についての御質問、さらには長野県須坂市の例に挙げての問題、このことにつきましては、職員のマナーについては総務部長から、ホームページにかかわります課題につきましては企画部長から、それぞれ御答弁をさせていただきたいと思っております。 生活保護のことについてでございますけども、このことについて、どれぐらい他の事業に影響が出るのかということでございます。厚生労働省の示すところでは、今回の生活扶助基準の見直しに伴う他制度への影響については、できる限り影響が及ばないように対応することを基本基準と考えております。また、保護費の具体的基準等につきましては、二十五年度予算案の可決後に国から示される予定であり、現時点において、生活保護費の基準額引き下げの影響は不明であります。 高齢者の食事券事業につきましては、先ほども福祉部長が答弁をしておりますけども、改めて福祉部長から答弁をさせます。 それから、都区制度についてのお尋ねで、進展状況ということでございますけども、このことはなかなか進まないと思っています。進まない向こうには、東京都は、この二十三区の廃置分合等々の考え方を出さない限りは、これから向こうですね、進めようという意思が見えないんですね。見えない。だから、このことについて二十三区でどうするかということは考えなければ、このことについての進みはないんだろうと思っています。 それから、固定資産税、都市計画税等の税配分についてでございますが、このことについては、東京都のみならず区の中でもコンセンサスがない限りは前に進まない。もっともっと難しい問題を抱えておりますから、御了承をいただきたいと存じます。 以上、答弁といたします。   〔「区長、児童相談所のこと」の声あり〕 ◎区長(桑原敏武) 何。   〔「児童相談所の移管を求める件」の声あり〕 ○議長(前田和茂) 都区制度の。 ◎区長(桑原敏武) 都区制度のことでございますか。 児童相談所の移管問題についても、先ほど申し上げましたような事務配分の問題として、切り離して取り扱われるようにということで、厚生労働省にもそのことについては区長会の役員が申し出をしております。しかしながら、東京都も国のほうも動いていないというのが実情でございます。 以上、答弁といたします。 ○議長(前田和茂) 古川副区長。 ◎副区長(古川満久) 私から、光熱水費の御質問に順次御答弁申し上げたいと思います。 まず初めに、区施設の光熱水費についてのお尋ねであります。 渋谷区では、平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災の後には、徹底した節電に取り組むため、皆様の御協力を得ながら、本庁舎エレベーターの間引き運転の実施や各種区民施設において使用制限をさせていただくとともに、区内各施設の照明の減灯、さらには空調機器の徹底した温度管理やLED照明器具の導入を推進してまいりました。それらの成果により、平成二十三年度の区の使用電力量は平成二十二年度と比較して一四%の削減をすることができたところでございます。 その効果を持続させるために、各種区民施設を施設運用において使用制限してきたものを、平成二十四年七月より、公の施設の開館時間の見直しに伴う関係条例の整理に関する条例によりまして、利用原則に戻させていただいたところでございます。これからも、本区といたしまして、節電だけではなく省エネを持続させるための対策を着実に進めてまいりたいと思っているところでございます。 次に、区施設の光熱水費の削減のため、コンサルタントの活用をして、意見を求めてはどうかいうお尋ねでございます。 これまでも、区施設の光熱水費につきましては、単に使用量の削減に努めるだけではなく、各施設の使用状況等に応じた契約内容の見直しを行ってまいりました。特に電気料金につきましては、契約約款の内容を精査し、各施設において基本料金を決定する基礎となる最大需要電力、キロワットでございますけど、の抑制に努めるとともに、それに伴った契約電力の見直しを行ったところでございます。 加えて、総合庁舎におきましては、平成二十四年一月から特定規模電気事業者(PPS)と契約し、料金単価の削減も図ってきたところでございます。 また、ガス料金につきましては、契約更新時に、事業者から、契約種別、料金体系等についての詳細な情報を提供させ、その内容を十分に精査した上で、料金削減のために最適な契約種別を選択しているところでございます。 このように、区施設の光熱水費につきましては、区としての主体的な取り組みによって契約内容の見直しを不断に図り、適切に削減を進めておりますので、コンサルタントの活用につきましては現在のところ考えておりません。 以上、御答弁とさせていただきます。 ○議長(前田和茂) 浅川企画部長。 ◎企画部長(浅川和憲) 渋谷区ホームページ上の「よくある質問」は、内容は充実しているが、区民が調べるときに検索しづらい、工夫が必要ではないか。また、「よくある質問」を全庁的に共有し、区民満足度の向上や、政策、制度の改善に努めるべきではないかとの御質問にお答えいたします。 検索しづらいということにつきましては、区としても従前より検討課題と認識しております。新年度におきまして、区ホームページの改修を行う予定でございます。 次に、「よくある質問」を全庁で情報共有することについてでございますが、公務を遂行する上で、全庁的な情報共有、連携は、区政の進展、住民サービスの向上を図る上からも重要なことと考えております。この「よくある質問」に限らず、職員レベルにおきましては、日常業務、研修等を通しまして、地道ではありますが、そうしたことを意識して、職務を行うよう対応させており、区民満足度の向上、制度の改善につながっていると考えております。 次に、区に寄せられたクレームを全庁的に把握し、同じクレームを防ぎ、顧客満足度向上につなげるべきではないかとの御質問でございます。 本区におきましては、従前からありました個別広聴の仕組みを平成八年より「区長への手紙」という形で充実させ、区民等からの御意見、御要望を区長が直接お伺いする仕組みを整えております。また、区の施設、窓口の案内、手続や業務に関する御意見、御要望につきましても、広報課及び各所管課において受けた重要なものにつきましては、区長のもとに届くようになっておるところでございます。 次に、同じクレームを防ぎ住民の満足度向上につなげることにつきましては、区長を中心に関係部局により、適切に、分析、検討を行って対応しているところでございます。しかしながら、住民等の多様な価値観に基づく御要望に対しては、区としても、対応不能なものがあることも否定できない事実でございます。しかしながら、できる限り御理解をいただけるよう、これからも最善を尽くしてまいりたいと存じます。 以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(前田和茂) 千葉総務部長。 ◎総務部長(千葉博康) 私からは、ゆるキャラと接遇の二点についてお答えいたします。 ゆるキャラの選定の状況につきましては、昨年七月に渋谷区PRキャラクター制定検討会を設置し、すぐれた感性をお持ちの四名のアドバイザーの御意見をいただきながら選考し、このほどデザイン、名称を決定したところでございます。発表の機会を持ちたいと考えております。 次に、今後の活用の方針でございますが、公表後は、様々な機会を捉えて着ぐるみなどによるPRに努め、誰からも親しまれ、愛されるキャラクターに育てていきたいと考えているところでございます。 次に、職員の接遇マナー向上の取り組みについてでございます。 本区では、区民と直接接する基礎自治体であるということを念頭に、これまでも接遇の向上に力を入れてまいりました。職員による日々の窓口対応は、そのまま渋谷区に対する評価につながります。窓口サービスの向上を図るために、毎年ロールプレーイングやビデオを活用した実践的な接遇研修を実施しており、窓口職場の職員や新人職員を中心に、親切、丁寧、スピードを意識した研修に努めております。 委託先の職員については、区が直接研修することができないため、受託業者が自社の責任において研修を行い、必要に応じて発注者である区が、助言、指導を行っておりますけれども、サービス公社を初めとするいわゆる第三セクターの職員には、こうした研修に参加していただいております。また、非常勤職員については、各職場でのOJTを中心に実施しているところでございます。 区民満足度の向上を図り、区民からの信頼を得るためには、区民との最初の接点である接遇の向上が大切であると考えております。今後も職場全体で接遇の向上に努めてまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(前田和茂) 佐藤福祉部長。 ◎福祉部長(佐藤賢哉) 高齢者食事券事業についての実績と改善策についてのお尋ねについて順次お答えいたします。 まず、平成二十四年七月一日から開始した本事業は、平成二十五年一月十八日現在、利用可能店舗数百十一店舗、販売数は二百六十冊、利用者は実人員で百十七人、延べ利用件数は千七十件でございます。 次に、改善策についてでございますが、本事業は、地域の飲食店などの協力を得て、高齢者に温かい食事を提供し、地域で人と人とのつながりが持てるようにするものでございます。高齢者にとって、お好きなものを食べるということは、生活に大きな楽しみができるとともに、お店に行くことによって、地域の人々とのつながりを持ち、閉じこもりを防止することにも資すると考えております。したがって、この事業目的を大切にしていきたいと考えております。 改善策としましては、協力店につきまして、地域の偏りを少しでも解消していきたいと考えております。また、今後は、高齢者ケアセンターで実施され区民から好評をいただいておりますランチタイムやお持ち帰り弁当などの食事提供事業などにも、本事業を活用してまいりたいと考えております。 以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(前田和茂) 倉橋健康推進部長。 ◎健康推進部長(倉橋俊至) 私からは、採択された請願への対応について、子どもたちを放射線被曝から守るための請願に関しまして、放射線被曝への対応についての現在までの対応状況、また苦情や問い合わせの内容、件数など、区民の反応はどのように変化してきているかについてお答えいたします。 本区は、原発事故に伴う放射能汚染による区民の不安解消と健康維持への早期対応のため、平成二十三年六月には、他区に先駆けて、土壌やプール、給食食材の核種分析測定を行いました。放射線の測定は、専門性が高いため、測定方針及び測定結果等については、専門家による放射能健康影響検討会で疫学的評価の助言をいただくとともに、七月には、講演会を開催し、区民への説明を行いました。 さらに、平成二十三年十月から十二月にかけては、放射性セシウムが濃縮しやすい雨どいや側溝などを中心に学校や保育園等の施設についてきめ細かく測定し、測定値をホームページ等で公表してまいりました。 その後については、新たな放射能放出など、大きな変動はないため、定期的な空間放射線量の測定は行っておりませんが、区民の要望に応じた測定は継続しております。 一方、給食食材による内部被曝を心配する保護者の不安解消のために、平成二十四年度は、給食食材の測定対象を全区立小学校、保育園に拡大して実施してまいりました。これらの測定結果は、いずれも国の放射性セシウムの規制値未満であり、子どもたちの健康に影響を与えるような状況にはないことを確認しております。 また、苦情や問い合わせ内容、件数、区民の反応の変化等につきましては、平成二十三年度は、公園の土壌や通学路の放射線量測定、給食食材の測定頻度など、多岐にわたる要望、意見が、四十件以上、「区長への手紙」、メールに寄せられましたが、平成二十四年度は、給食食材の不安など、要望、意見は五件と減少しております。空間放射線量測定器の貸出件数につきましては、昨年の四月、五月、六月は毎月十人から二十人の方が借りておられましたが、その後は減少し、最近三カ月においては毎月一名もしくは二名程度となっております。 いずれにいたしましても、来年度も、本区は、小学校や保育園の給食食材の測定等を継続し、今後も、保護者、区民の皆様の不安解消のため、引き続きこの問題に取り組んでまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(前田和茂) 山本教育委員会委員長。 ◎教育委員会委員長(山本正旺) 私には、教育委員会で非公開とした審議について御質問です。 浜田議員がお尋ねの教育委員会の会議は、平成二十三年九月に開催しました第二十五回及び第二十六回教育委員会定例会において、渋谷区立幼稚園の今後のあり方についてを議題とした協議であると存じます。 本議題は、保育園の待機児が増加していく一方、区立幼稚園は定員割れの状況が続いていた当時、区内の状況の中で区立幼稚園の今後の基本的な方針について協議を行ったものであります。 その内容は、区の計画として未決定なものが大部分であり、かつ教育委員が忌憚のない意見を交わすためにも、非公開で審議することが適当であるとして、教育委員会会議規則第十三条一項にのっとり、委員長の発議により全委員が賛成し、非公開の会議としました。教育委員の合議による判断でありますので、御理解の上、御尊重していただきたいと思います。 以上、答弁といたします。 ○議長(前田和茂) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 私には、実施計画の評価についての御質問です。 教育委員会では、平成二十一年度以降、毎年、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、教育に関する事務の管理及び執行状況の点検と評価を行い、報告書を作成しております。この点検、評価は、教育委員会が実施している様々な事業について、実績や目標達成状況に対し、教育委員会が自ら評価を行い、学識経験を有する外部委員、渋谷区では、この事業を始めた当時から、渋谷教育学園理事長の田村哲夫先生と青森大学教授の見城美枝子先生から、御意見、御助言をいただいた上で、教育委員会の議決を得て報告書としてまとめているものです。 なお、報告書は、区議会に提出するとともに所管の文教委員会で報告を行い、ホームページに全文を掲載して区民に公表しております。 一方、区の実施計画の教育委員会所管分につきましては、先ほど区長が答弁申し上げたとおりであり、教育委員会の点検、評価とは直接関連して行っているものではございません。 以上、答弁といたします。 ○議長(前田和茂) 浜田議員。 ◆二十番(浜田浩樹) 区長及びそれぞれの理事者から答弁がありました。特に、丁寧な答弁をしてくださった部長の皆さんには、敬意を表したいと思いますけれども、区長及び教育委員長に対しまして再質問いたしたいと思います。 まず一点目、予算案の概要の記者会見発表ですけれども、今、方針の変更はないとおっしゃられましたし、インターネット中継等も考えていないということでありましたが、最初から例えば、ここに、今日いろいろなことをおっしゃった議員の方も同席していたりとか、区民の方が入っていたら、今日あったような言った言わないの議論というのは起こらないんじゃないかなと思います。そうしたところを考えた上で、再度、区長に、そういったところでやる考えはないかということと、じゃ次年度は議員とか含めて一般区民は入ることができるかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。 もう一点、実施計画の評価ですけれども、教育長から答弁いただきました。 それに関連して区長にお伺いしたいんですけれども、教育委員会では、ある程度のそういった自己評価みたいなものがあるわけですけれども、そういったことを考えれば区長部局でもできないはずはないと思います。ですので、そういったことも参考に、今の答弁も参考にして、どう考えるのか、改めてお伺いをしたいと思います。 また、水光熱費の削減ですけれども、副区長から答弁がありました。現状のところ、コンサルタントを使って、意見を求める考えはないということでしたけれども、区長のほうから、改めて、他区の状況であるとか、そういったものを踏まえて、あらゆる手段を尽くして、水光熱費を削減するべきということを思いますけれども、区長の考えを伺いたいと思います。 続きまして、請願のところですけれども、改めて、情報公開の迅速化という見出しになっていますけれども、特に区長にお伺いしたいのは、デジタル化をして経費がかかってしまうというような発言もありましたけれども、デジタルで、パソコンとかでつくった文書を出力せずに、そのままとっておいて、そのまま公開できるようにすれば経費はかからないわけですよね。そうしたことも考えた上で、改めて文書を作成するときに、情報公開を認識して業務改善に努めていくべきであると思いますけれども、そうした考えがないのか、改めてお伺いしたいと思います。 もう一点は、教育委員長にお伺いしたいんですけれども、特にその非公開になっている部分について、募集停止の決定が教育委員会で行われていることを理由に、例えば西原幼稚園であれば、次年度の募集がないというふうな年齢のところがあるわけですけれども、そうしたところを考えると、実際、じゃ今のような西原幼稚園の募集停止を、新たな学年の募集停止を決定したのはいつの教育委員会になるのか、それとも非公開になっているのかということを改めてお伺いしたいと思います。 以上、再質問いたします。 ○議長(前田和茂) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 浜田浩樹議員の再質問にお答えをしたいと存じます。 このプレス発表の際に、議員も含めて制約をしないでと、こういうことでございましたけども、私、証人を置くために、この発表をしているわけでも、人を置いているわけでもありませんのでね、あくまでプレスの対応として、広報をやるためにやっていますから、人を入れて、証人を置いておこうなんていう気持ちは一切ありませんので、それはそういうふうにお心得をいただければありがたいと思います。 それから、実施計画だけを我々はこの評価の対象に考えているわけではなくて、全ての仕事は、私はマネジメントだと言っているんです。マネジメントということは、直ちにやらなくちゃいかんものもあるし、それは一定の期間を置いてやらなくちゃいかんものもあるし、様々あるんですけども、行政は生きているんです。それを一定の期間をかけてですね、一年間に一回なんていう、そういう形にはですね、教育とは違って、それはできない、そのように思っています。 新しい事業をやれば、直ちにその事業の反応を見なくちゃいかんのです。一定のもう継続的、日常的な仕事については、またやり方が違うわけです。それを一緒くたにして、評価、評価ということは考えていないということです。 それから、光熱水費について、第三者、コンサルタントを活用ということについては、もうこのことについては、古川副区長が丁寧に説明をしておりましたから、まさか再質問があるとは思いませんでした。言うならば、金をかけて無駄なことはやらない。やっているんですからそれ以上のことはない、このように思っていただくといいかと思っています。 それから、この文書のデジタル化でございますけども、もう既におわかりだと思うんですけども、行政には物すごい資料があるんです。伝票から始まって。それを一々そのことについて、これは、開示情報、非開示情報とか、そういうものをやりながらやるとすれば、それだけで物すごいこれは経費がかかる、また無駄が出る、このように思っていますから、このことについてデジタル化する考え方は持っていないということです。 以上、答弁といたします。 ○議長(前田和茂) 山本教育委員会委員長。 ◎教育委員会委員長(山本正旺) 再答弁いたします。 我々教育委員会で議論したことは、先ほども御答弁したとおり、渋谷区立幼稚園の今後のあり方ということで、特に西原幼稚園云々というのは、特定した議論ではありません。 私たちは、議論はしますけど、募集をとめるとかですね、始めるとかという決定はいたしません。これは、あくまでも設置者は、区でありまして、区長であります。そういう意味で、議論はしましたけれども、決定はしておりません。 その辺は、無用の誤解と混乱を招くおそれがあるということも非公開にさせていただいた理由の一つでございます。御理解いただきたいと思います。 以上、答弁といたします。 ○議長(前田和茂) 浜田議員。 ◆二十番(浜田浩樹) ただいま区長及び教育委員長から答弁をいただきましたけれども、まず請願のところから申し上げますと、これまでの議論で、例えば私、条例改正がなされていないのに、なぜ募集停止ができるかということについては、教育委員会から決定があったというふうな説明もありましたし、教育委員会のそれ以外の議事録では、例えば教育委員の方から、西原の募集停止は決まっているのかというような質問をされて、決まっているというふうな答弁もあるように記憶しています。そうしたことを考えると、公明正大にこうしたことを議論して、開かれた場でやっていかないといけないし、今のやり方にはやはり疑念が残るんじゃないかなというふうに思います。 続いて、水光熱費の削減ですけれども、私のほうでも、実際、第三者の方に、一部、抽出的にちょっとデータをお渡しして検討させていただいているところですけれども、考えていないということでありますが、私のほうで、改めて計算をしてみて、またホームページ等でお知らせをして、また再考を求めたいというふうに思います。 冒頭に、予算編成過程の公開というテーマから取り上げましたけれども、民主党は、二月二十四日に都内において党大会を開き、新たに綱領を制定しました。この綱領の最後の一文は、「公開、参画、対話を重んじ、広く国民との協働による政策の決定と実行を目指す」といたしました。このことは、渋谷区政の中においても、私たち民主党渋谷区議団は特に強調して求めていきたいと思います。渋谷区の行政、議会の中において、さらに公開、参画、対話を重視し、幅広い区民とともに区政をつくっていきたいと思います。 同時に、民主党は、改めて生活者、納税者、消費者、働く者の立場に立ち、同時に未来への責任を果たすため、既得権や癒着の構造と戦う改革政党であるとの立場を明確にし、活動を進めていくことを明らかにいたしました。 また、最後に都区制度について取り上げましたけれども、昨今は、大阪都構想というような自治体の名称や地図上の線引きを変えればバラ色になるかのような議論がなされています。東京都についても、都区を再編すればというようなこともおっしゃられたとの答弁もありました。一方、この民主党の政権下において、多様な自治制度を可能にするという考えから特別法が制定され、人口二百万人以上の政令市の地域には、住民投票などの一定の手続を経て、東京のように区が設置できる制度ができました。東京の都区制度を模倣するような議論もあるように思いますが、これまでの自治権拡充運動の歴史を踏まえて、渋谷区においては、さらに区の立場から都区制度の改善を求めていくべきで、この点に関しては全ての区政関係者が一致団結して求めていくべきであるというふうに思いますので、最後にこのことを申し上げて、私の質問を終わります。 ○議長(前田和茂) 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。 これから日程に入ります。 日程第一を議題に供します。   〔可部次長朗読〕----------------------------------- △日程第一 会期決定の件----------------------------------- ○議長(前田和茂) お諮りいたします。 本定例会の会期は本日から三月二十九日までの二十四日間とすることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。 よって、会期は二十四日間と決定いたしました。 お諮りいたします。 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(前田和茂) 御異議ないと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。 次回の会議は明三月七日午後一時に開議いたします。 なお、日程は当日、文書により御通知いたします。 本日の会議はこれをもって延会いたします。-----------------------------------   延会 午後七時二十七分-----------------------------------右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。渋谷区議会議長   前田和茂渋谷区議会副議長  栗谷順彦渋谷区議会議員   長谷部 健渋谷区議会議員   丸山高司...