世田谷区議会 2011-09-07
平成23年 9月 公共交通機関対策等特別委員会-09月07日-01号
出席説明員
道路整備部
部長 山口浩三
道路計画・
外環調整課長 筒井英樹
交通政策担当部
部長 渡辺正男
交通政策課長 神子信之
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本日の会議に付した事件
1.報告事項
(1)
エイトライナー促進協議会第十八回総会の開催結果について
(2)
コミュニティバス路線導入等に関する
検討報告書について
(3) 東京外かく環状道路(
関越道~東名高速間)
オープンハウスの開催状況について
(4) その他
2.協議事項
(1) 次回委員会の開催について
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午前九時五十九分開議
○高久則男 委員長 ただいまから
公共交通機関対策等特別委員会を開会いたします。
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○高久則男 委員長 本日は、報告事項の聴取等を行います。
それでは、報告事項の(1)
エイトライナー促進協議会第十八回総会の開催結果について、理事者の説明をお願いいたします。
◎神子
交通政策課長 それでは、
エイトライナー促進協議会第十八回総会の開催結果についてご報告させていただきます。お手元の資料をごらんください。
本総会につきましては、開催日時といたしましては、この七月二十七日でございました。午後四時から開催いたしました。開催場所につきましては、本年は練馬区ということでして、
練馬区立石神井公園区民交流センターにて開催いたしました。参加者につきましては、沿線六区の区長、副区長、
区議会正副議長及び
所管委員会正副委員長ということで、当委員会の正副委員長におかれましても出席いただいたところでございます。
主な内容でございますけれども、本協議会会長でございます保坂区長と、開催区であります練馬区長からあいさつがございました。議事といたしましては、昨年度の
活動実績報告及び決算報告、それから本年度の事業計画及び予算ということで、いずれも承認されたところでございます。さらに調査報告がございまして、昨年度実施いたしました
区部周辺部環状公共交通に係る調査の報告がございました。内容につきましては、二十一年度調査のデータ更新、それから需要喚起策、
コスト縮減方策、これを踏まえました費用便益の分析及び
収支採算性と
無償資金比率の算出ということでございます。
詳細につきましては別添資料ということで、次ページをごらんいただきたいと思います。
内容でございますけれども、二ページをごらんいただきたいと思います。この下の
区部周辺部環状公共交通の検討ということで、三ページの上に昨年度調査の概要が載っておりますけれども、従来、人の動きにつきましては平成十年に実施いたしました
パーソントリップ調査のデータを使っておったんですけれども、このたび平成二十年度のデータが使えるようになりましたので、その新しいデータで再度需要の予測をし直したというのと、二つ目の需要喚起策といたしまして、運賃を引き下げたらどうなるかということで、従来第三セクターの運賃を使っておったんですけれども、東京メトロのより安い運賃で需要をふやせばどういうことになるかという検討を行いました。さらに、その下に書いてございます駅内移動時間の短縮ということで、
高速エスカレーターという、実際
つくばエクスプレス、地中深く駅があるところで導入されておるんですけれども、通常の
エスカレーターより早い
エスカレーターを使って、主に乗りかえの時間を短縮すればどうなるかということでございます。それから、コスト縮減ということで車両編成の見直しを行ってございます。従来四両編成ということで検討しておったんですけれども、混雑率が一〇〇%から一一二%ということで、運政審の目標である一五〇%までは許容できるのではないかということで、三両まで車両の編成数を減らすことによってコスト縮減をすることによってどうなるかという検討を行っております。
こうしたことを踏まえまして、
収支採算性と
無償資金比率、これは補助金などの返ってこないお金をどれだけ投入する必要があるかということを検討してございます。
こうしたことが四ページ以降に書いてございまして、結論といたしまして八ページをごらんいただきたいと思います。
八ページの下でございますけれども、ケースが六ケース載ってございます。運賃設定を第三セクターにした場合と、民鉄と書いてございますのが民間鉄道ということで東京メトロの運賃でございます。
それから、駅内移動時間短縮ということで、先ほど申しました
高速エスカレーターを使うか使わないか、それから編成車両数が上から四、三、四、三、五、五とございますけれども、四というのが従来の検討でございまして、三というのが需要に合わせて減らした場合でございます。
五というのは、民間鉄道の運賃にしますと、やはり運賃が安いということで需要がふえるということがございますので、かえって編成車両数をふやす必要があるということでございます。
その横に概算事業費ということでおおむね百二十と書いてございますが、一兆二千億円程度かかるということでございます。
それから費用便益比でございますけれども、今年度の検討した結果、いずれも一・〇を超える結果で社会的に意味のある事業という結論が出たところでございます。
それから、右から二つ目の行に
整備保有主体の無償資金額とございまして、この中で太線で囲っております下から三つ目のBの①ケース、第三
セクター運賃で移動時間短縮を行って、車両編成数を三両にしたものが一番結果として無償資金が少なくて済むということで、七千四百億円の言ってみれば補助金が必要だということでございました。
こうした結果が出まして、今後の課題として九ページの上でございます。一番有利なケースで七千四百億円の無償資金ということでございまして、一番有利といっても非常に高いコストが必要ということでございまして、今後さらに負担減のための縮減策の検討や需要拡大の検討をしていく必要があるということ。
二点目でございますけれども、今回の検討で実際に運営する主体とレール等を持っている主体を分けまして、レール等の財産を持っているのは公的な主体としまして、運営主体を第三セクターか民間という上下分離で検討しておりますので、こうしたものを実現していく上での検討が必要であろうと。
事業スキームにつきましても、どういった補助事業を使えばより有利かという検討をしていく必要があるということでございます。
三点目でございますけれども、この路線については、さきの十八号答申という
運輸政策審議会答申の中で、田園調布から先は蒲蒲線という大田区で検討しております路線の整備状況を踏まえて検討するということがございまして、田園調布から
東急多摩川線を乗り入れた上で蒲蒲線、さらには京急という形で乗り入れる想定になってございますので、実際に東急との乗り入れをどうしていくか、あるいは既存の放射鉄道との乗りかえにおける接続をどうするか、こうした課題の整理も必要であろうということで、この三点が今後の課題となってございます。
本件の報告については以上でございます。
○高久則男 委員長 ただいまの説明に対してご質疑がございましたら、どうぞ。
◆菅沼つとむ 委員 ずっと大場区長のころからやっているんだけれども、いつまでこんなことをやっているの。もういい加減やめたほうがいいんじゃないの。
◎神子
交通政策課長 本件につきましては、当区としましても他の五区と連携して実現に向けて進めているところでございまして、現在の
運輸政策審議会答申は平成二十七年度目標となってございますので、二十七年度ごろに新しい
運輸政策審議会答申が出ると見込まれておりますので、次の
運輸政策審議会答申でさらに格上げを目指して検討していくということで検討を続けるところでございます。
◆菅沼つとむ 委員
エイトライナーもそうだけれども、
メトロセブンも絡むわけでしょう、結局。だから、二十三区の区でやるというか、東京都だとか国でやるようなことを考えないと、実際にこんなのをつくったのはいいけれども、
エイトライナー、
メトロセブンがずっと各区が持ち出しなんていうのは、そんなことをやったらつぶれちゃうよ。だから、いい加減にもう線を引くとか、勇気を持って線を引いてしまわないと。実際には、これは難しい話だよ、区でやるときは。
だから、予算を六区で出しているわけでしょう。少なかったと思うけれども、毎年幾らぐらい出しているの。
◎神子
交通政策課長 現在、各区の分担金は三十万円ということで計上しているところでございます。
◆菅沼つとむ 委員 総会資料で終わりか。
◆木下泰之 委員 この
調査報告書というのは読めるんですか。
◎神子
交通政策課長 この
調査報告書につきましては、これまでと同様区議会の図書室に置かせていただきまして、ごらんいただきたいと考えてございます。
◆木下泰之 委員 もう置いてあるんですか、これからですか。
◎神子
交通政策課長 これからになります。
◆木下泰之 委員 環状鉄道を考えるのだったら、それは外かく環状道路の代替案として考えるとか、そういうことも含めてやるのだったら非常におもしろいとは思うんだけれども、そういう鉄道へのシフトみたいな、そういう考え方はないんですか。
◎神子
交通政策課長 これは
パーソントリップ調査の結果を踏まえて需要予測をしておるんですけれども、それにつきましては道路のネットワークができるという前提でやっておりますので、外環の代替という形の調査には今のところなっていないところでございます。
◆木下泰之 委員 さっき挙げた数字というのは、全部完成したときの数字だというふうに考えてよろしいですか。
◎神子
交通政策課長 そのとおりでございます。
◆木下泰之 委員 ちょっと早く読みたいので、できるだけ早く図書室へ置いてください。
◆大庭正明 委員 三十万円ということは、全部で六区、百八十万円でこの調査書もできたということなの。
◎神子
交通政策課長 これにつきましては、これまでの繰越金がございまして、本調査委託につきましては三百十五万円で実施してございます。
◆大庭正明 委員 繰越金は今全額で幾らあるの。
◎神子
交通政策課長 現在のところ一千二百万円ございます。
◆大庭正明 委員 三十万円払う必要ないじゃない。
◎神子
交通政策課長 従来、区民を集めまして促進大会というのを実施しておりまして、それがなくなってからふえてきた経緯がございます。委員ご指摘ございますけれども、過去により多かった額を減らしてきた経緯でございます。現在のところ三十万円ということで実施しておりまして、また今後
運輸政策審議会答申に向けて、失礼しました。今は
交通政策審議会という形で名前が変わってございますけれども、国のほうで動きが出てきたときに区民の大会等を開くということも考えて、今のところ三十万円としているところでございます。
◆大庭正明 委員 三十万円といったって、やっぱり三十万円だから、この財政厳しい折、そっちのほうで一千二百万円ぐらい貯金があるとすれば、それを取り崩してやっていって、それで足りなくなったというときに改めてこの会の存続も含めて、意義とか、そういうことも考えて出せばいいわけであって、千二百万円もあるのにまた三十万円も出すなんていうのは、この世田谷区の財政ということを考えると、やはりそれはちょっと考えなくてはいけないんじゃないの。つまり、六区でもお互い三十万円ずつ出すのもちょっとやめましょうと、二十三区全部苦しいと思うんだから、その辺はちゃんときっちりやらなくてはいけないんじゃないの。やりっぱなしで出しっぱなしという形では、全然、三十万円といえども三十万円ですよ。その辺は考慮の余地はないの。
◎渡辺
交通政策担当部長 いわゆる事業費の関係でございますけれども、これまではこの
エイトライナーの促進につきまして促進大会を繰り返し、促進に向けていろんな活動をしてきたということで、いわゆる事業費を多く見て備えてやってきたということでございまして、ここのところ課題検討ということで調査のほうを二、三年やってきてございますけれども、そういう中で、負担金につきましては三十万円に下げて、今後この調査委託の内容等によりまして活動を進めていくという状況に備えまして、今プールしているといような状況でございます。
これにつきましては、実は総会の中で各メンバーの方々の協議の中で、今年度各区の負担金については三十万円ということで決めさせていただいたということでございますので、ご理解いただきたいと思います。
◆風間ゆたか 委員 幾つかの会派が三十万円すらという話、議会でそういう話が多勢になってくるのだとすれば、本当にそういうことを含めてほかの五区とも協議してもらいたいなと思うところですし、我々もそういう意味では、三十万円とはいえ、特にその大会をやる必要性とかを含めてかなり疑問があるので、そこはちゃんと、財政難ですから来年度はということはちょっと意識してもらえればなと思います。要望です。
◆小松大祐 委員 七ページの下の
収支採算性のところで、ご存じであれば教えていただきたいんですが、運賃収入の妥当性というか、例えばJR東日本も運賃収入が下がってきています。人口減少が進んできたりとか、高齢化が進んでいく中で、この辺の収支見込みとかというのは、人口減少であったりそういったものも考慮したものでシミュレーションされていらっしゃるのか、現状の範囲で想定されているのか、その辺の収支の妥当性はどうなんでしょうか。
◎神子
交通政策課長 これは先ほど申しました平成二十年に国を中心に実施しました
パーソントリップ調査で将来予測が出てまいりまして、それに基づいて実施しております。実際、
人口フレームがどのようになっているかというのは正確に私、今把握してございません。
◆木下泰之 委員 この調査はどこがやっているんですか。三百十五万円とばかに安いんですけれども、どこがやっているんですか。
◎神子
交通政策課長 社会システムという
コンサルタント会社が受けてございます。
◆木下泰之 委員
パーソントリップとかいろいろやりながら、なおかつ構造まで含めて、
普通連立事業とかいろんなところでやったら一千万円、二千万円という調査が何本も入るというのを聞いているので、この程度でできるのだったらほかでもその程度でやってもらいたいなと思うんだけれども、この程度でできる調査なんですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 実は、この調査につきましては昨年度も調査をしてきておりまして、今回、先ほど言った
パーソントリップを最新データに置きかえて、再度一部補強する形で行っているということから、金額的にも
先ほど担当課長が申し上げた金額で委託調査を行っているという状況でございます。
◆大庭正明 委員 意見を言っておくけれども、今の世の中、財政難もさることながら、首都直下は必ず来ると多くの人が信じているし、マグニチュード九ぐらいのものも予想されるような形となると、恐らく首都再興みたいなときに、もうやらざるを得ないのじゃないの。二十年とか五十年ぐらいのタームで収支見通しなんかをやっていたら、必ず地震と遭遇するはずですよ、地殻の変動の経歴からいくとね。
そうすると、この
エイトライナーが発想された時期というのはまだ昭和のころで、地震なんかもいわゆる平穏期で、地震なんかそんなに来ないよねみたいなことを言っていた時期だったわけでしょう、前提条件が。それがもう平穏期から活発期に入ってきて、これから百年ぐらいのうちに必ず直下が二回か三回ぐらいやってくるということだし、そういうことを考えると
前提そのものが、首都をもう一回再興するということの中の一環として交通網をどうするかということがとらえられ直すのじゃないかと僕は思うので、それはもう多くの人はそう思うんじゃないかと思うんだよね。
そういうことを無視して、何か最初の昭和というか、地震が来ないとか首都直下なんて全然言われていないような状況の中で立てられたものをまた営々とやるというのも、考え方として僕は、もちろんこういう交通網の整備という考え方はいいんだけれども、やはり新しい事象のものを入れなければ通用しないのではないかと思うし、首都直下の地震というものを当然考慮に入れた形で計画を考えなければいけないのではないかという意見だけは言っておきます。
◆木下泰之 委員 経年で調査をやっているというので、経年的な報告書を一応見たいんだよね。もう既に前のものは図書館に入っているんですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 過年度の
調査報告書につきましては、議会の図書室のほうに備えさせていただいていますので、よろしくお願いします。
◆木下泰之 委員 そうすると、新しいものはいつごろ入りますか。
◎神子
交通政策課長 きょう、あす中に入ると思います。正確に言えなくて申しわけないです。
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○高久則男 委員長 次に、(2)
コミュニティバス路線導入等に関する
検討報告書について、理事者の説明をお願いいたします。
◎神子
交通政策課長 それでは、
コミュニティバス路線導入等に関する
検討報告書についてご報告させていただきます。お手元の資料をごらんいただきたいと思います。一枚紙と、概要版という二枚のものと、検討の報告書本編の厚いものがお手元にあると思います。
初めに、A4の一枚紙をごらんいただきたいと思います。この検討の主旨でございますけれども、区内の
公共交通不便地域の解消、それから南北交通の強化、高齢社会における地域間の利便性向上の観点から、昨年度に庁内横断的な組織といたしまして
コミュニティバス路線導入等に関する検討委員会を設置いたしました。そうした中で、この
コミュニティバス路線導入等を検討したものでございまして、このたびその検討の取りまとめができましたのでご報告させていただくものでございます。
検討のメンバーでございますけれども、分厚いほうの報告書の二ページに委員会と作業部会のメンバーが出てございますのでごらんいただきたいと思います。
検討項目につきましてですが、世田谷区の
コミュニティバスの現状、それから
コミュニティバス路線導入に関する考え方、重点路線の検討、今後の導入の進め方の主に四点でございます。
検討の概要につきましては概要版のほうをごらんいただきたいと思います。主旨につきましては先ほど申しましたとおりでございまして、二点目の
コミュニティバスの現状については、これはせんだっての公特委等でもご報告している不便地域の図でございますけれども、バス停留所から二百メートル圏内が緑色の円でございまして、鉄道駅から五百メートル圏内が青の円でございます。これを除いた白い部分の一九・六%が世田谷区の
公共交通不便地域と私ども認識してございます。その中で、これまでこの不便地域を解消するための循環路線及び南北方向の路線等の七路線を運行してございます。赤と黄色は、重なる部分を見やすいように色を変えてございますが、それぞれ色については意味はございませんので、この七路線を導入しまして現在不便地域は一九・六%ということでございます。これが現状でございます。
めくっていただきまして、導入に関する考え方として少し勉強したところでございまして、(1)が
公共交通不便地域そのものについてでございますが、従来バス停から二百メートルということで定義しておったんですが、ただ、それを超える場合であっても、超えるところに走っているバス路線が鉄道並みの頻度で、例えば三分間隔等で来るような、例えば世田谷通りや玉川通りのようなところであれば、不便地域といっても意味が少し違うのではないか。あるいは二百メートル圏内の不便地域と言われていない場所であっても、バスの本数が非常に少ない場合とか、あるいは行きたい方向の路線がないような地域もあって、そうしたところはまた配慮が必要ではないかというようなところでございます。さらに、不便地域につきましては道路幅員が不足する箇所が多うございまして、不便地域だからといってバス路線の導入自体が難しいところが存在するというところでございます。
(2)が道路整備の進捗に合わせた
バス路線導入の考え方ということでございまして、今出てきましたように道路の幅員が不足する箇所が多うございますので、道路整備の進捗を見きわめまして、バスの事業者と連携して
バス路線導入を検討していく必要があるということでございます。さらに、大規模な開発等がございますと道路の整備等も行われる場合が多うございますので、そうしたタイミングを合わせましてバス路線の導入、見直し等を検討していくべきであろうということでございます。
(3)が病院等の公共施設へのアクセスに関するルート設定の考え方でございまして、これにつきましてはバスルートについて速達性あるいは定時制といったバスの運行に支障がない場合につきまして、
当該ルート周辺に位置する病院等への迂回を検討していくべきであろうということと、病院等へのアクセスの向上を図るために、費用対効果を勘案した上でその施設管理者と協議をしていくべきであろうということ。さらに、三点目といたしましては、高齢者の割合が高い地域や高齢者から
アクセス要望の強い施設もルートに含めて検討するように配慮するということでございます。
それから、区内移動の需要動向についても勉強したところでございまして、平成二十二年度に行いました世田谷区の
区民意識調査を見た結果、やはり南北方向の交通の強化が求められているという結果が見えたところでございます。
こうした考え方を踏まえて、4ですが、
コミュニティバスの重点路線の検討というのをこの検討の中で行ったところでございます。今回の検討では二路線を
検討対象路線として選定いたしました。①が桜上水駅と経堂駅路線でございまして、これにつきましては桜上水地区の
交通不便地域を解消するという目的と、京王線と小田急線の間の南北交通を強化するという二つの目的で設定してございます。これにつきましては、具体的にルートも考えて
交通管理者と協議を行ったところでございますが、これはどうしても幅員に不足のある箇所があるということで、
交通管理者のほうから同意を得られなくて、この検討の中では断念したというところでございまして、これにつきましては今後道路の幅員等が確保されることを踏まえて中長期的に取り組んでいくべきであろうということになったところでございます。
②のルートが経堂駅と八幡山駅を結ぶ路線でございまして、これにつきましては従来この図の青い線、これは小田急バスの経堂と千歳船橋を結ぶ路線でございます。それから、
京王電鉄バスの八幡山駅と
希望ケ丘団地を結ぶ緑色の路線、この二つの路線が現に走ってございまして、事業者が違う、あるいは鉄道駅とバス会社の関係というのが従来あったと思うんですけれども、そうしたことから、それぞれの路線が
希望ケ丘団地付近で交差するんですけれども、八幡山と経堂駅を直接結ぶ状況ではなかったということがございました。今回の検討の中で、この路線を活用して異なる事業者を結んで八幡山と経堂駅を結んでいこうというルートでございます。それによりまして南北交通を強化していこうということでございます。
これにつきましては実際に事業者とも調整を図っておるところでございまして、今年度は予算もいただきまして、実際に運行に向けて調整を図っているところでございます。
それから、三ページの5をごらんいただきたいと思います。これが今回の検討のまとめに当たるところでございまして、今後の
コミュニティバスの導入の進め方と書いてございますけれども、今回の検討のまとめといたしまして、段階的に
バス路線導入に取り組んでいこうということで、短期的な取り組みと中・長期的な取り組みということで二つに分けてまとめてございます。
短期的な取り組みといたしましては、先ほどの重点路線ということで出ましたけれども、経堂駅と八幡山駅を結ぶ路線ということで、今年度実験運行を目指して取り組んでいるところでございます。それから二点目といたしまして、今回出てきました経堂駅と八幡山駅を結ぶ路線のように、道路の幅員が狭くてなかなか新しい路線が実現しない中、既にある既存路線を生かして、そうした路線を接続あるいはダイヤを合わせて乗りかえしやすくするなどによるバスサービスの充実を図るようなことを検討していくべきであろうということが短期的な取り組みの二点目でございます。
それから中・長期的な取り組みといたしまして、具体的な路線といたしましては、先ほど出ました桜上水と経堂を結ぶ路線ということで、道路幅員を確保しながら取り組んでいこうということでございます。二点目といたしましては、道路整備の進捗状況や、あるいは大規模開発のタイミングに合わせてバスが走行できる経路確保に向けて、
交通管理者、道路管理者、あるいは地元と協議調整していこうということでございます。
(2)といたしまして、バス路線設定における考え方でございますが、四点ございまして、バス事業者の自主運行を前提に、駅間や移動需要の高い施設を結ぶことを基本としていこうとしてございます。二点目といたしまして、バスネットワーク充実の観点から、
公共交通不便地域の解消あるいは南北交通の強化を図れるルートを検討していくということでございます。三点目といたしましては、バス停留所から二百メートル圏内のいわゆる不便地域の外にある地域であっても公共交通の利便性が低い場合がございますので、そうした区民の需要があるような地域については把握に努めまして、バスルートの導入を検討していくべきであろうということでございます。四点目につきましては、病院等へのアクセス、高齢者の割合が高い地域や高齢者から
アクセス要望の強い施設につきまして、ルートに含めて検討するように配慮していこうということでございます。
(3)
バス路線導入に向けた支援のあり方ということでございますけれども、これにつきましては継続的に運行可能なルートを実現していくために、今後とも引き続きバス事業者による自主運行としていこうということでございます。二点目につきまして、路線開設に当たりましては、区として走行環境支援や区民、関係機関との調整、広報等を行っていくということでございます。三点目としまして、区として日ごろよりバス事業者と情報交換等を密に行いまして、バス交通サービスの維持向上における課題点を共有していき、その解決を図っていこうということでございまして、以上がこの検討報告の概要でございます。
報告は以上でございます。
○高久則男 委員長 ただいまの説明に対してご質疑がございましたらお願いします。
◆木下泰之 委員 この報告書の構成を見ると、全部世田谷区の職員というか、区役所内でつくったやつですよね。これはもう少し幅広く市民を入れるとか、あるいは区民を入れるとか、あるいは学識を入れるとか、そういうことは考えなかったんですか。
◎神子
交通政策課長 今回の検討につきましては、議会のほうからも庁内横断的に多くの部署を入れて
コミュニティバス導入の実現を図っていったらどうかというようなご意見もあって立ち上げたものでございまして、先ほども申しましたように報告書本編の二ページにあるメンバーで実施したところでございます。
◆木下泰之 委員 何かバスの、つまり不便地域の解消とは言うんだけれども、なんとなく道路をばんばんつくれというふうに読めてしようがないんだよね。
それともう一つ、大規模開発などに合わせた
バス路線導入についてというところで、例えば明治大学グラウンドのように大規模開発に伴う道路整備などのタイミングに合わせてバス路線の見直し等を決定していくと書いてあるんだけれども、明治大学グラウンドについては大規模再開発を前提にしているんですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 今委員おっしゃる報告書の中に、例えばということで明大前の八幡山グラウンドについては、いわゆる大規模な敷地ということで、こういった開発を契機にして周辺の道路関係等の整備が図られる可能性がありますので、そういったタイミングを踏まえて現在ある路線等についても、そういった開発にあわせた新たな道路を使ってルートを見直すとか、そういった主旨で書かせていただいておりますので、再開発というような意味合いではなくて、大きな敷地で、そこに開発計画が起こっているという中で記載をさせていただいております。
◆木下泰之 委員 明治大学グラウンドについては、いろんな意見も聴取していたりして、残してほしいとか、つまり、もともと緑地だったところなんだから、みどり33も関連して広場として残しておいてほしいとか、それから、スポーツをやる場所として確保してほしいとか、そういう要望もあるわけだから、何か明治大学グラウンドに大規模再開発を誘導するような書き方はよろしくないんじゃないですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 現在、明大前の八幡山グラウンドにおいて、ここのグラウンドの部分を明治大学が売却して、そこの部分で開発検討の動きが出ているということがございますので、開発を誘導しているというわけではございませんで、そういった機会にこのバス路線のルートについても道路基盤等ができればよりサービス向上という観点からルートを見直すとか、そういった観点で検討が考えられるだろうということで記載をさせていただいております。
◆木下泰之 委員 ただ、こういうのは気をつけたほうがいいですよ。本当にほかのいろんな部署で横断的にやっているわけでしょう。そうすると、緑の確保の問題であるとか明大グラウンドというのは、結構大きな問題ですよ、これは。あそこについての開発を認めるのか認めないのかというのは、これはある意味で区の部署によってはいろいろと検討しなきゃいけない課題なのに、あたかもそういうものについて期待するかのような書き方をされるというのはやっぱりいかがなものかと思います。
それから、
コミュニティバスといっても大きさだっていろいろ検討できるわけですよ。現在の道路事情に合わせてもっと小型のものを、できるだけ早く導入するためにはいかなる方策が可能かというようなことまで含めて、もっと総合的に検討してもらいたいというのが私の望みですね。要望として申し上げておきます。
◆大庭正明 委員 僕は木下委員みたいに想像力がたくましくないので。ただ、メンバーはだれでもいいとは思うんだけれども、ちょっと違った角度から言うと、確かにこの報告書だと桜上水のところは、要するに運行管理者、警察か何かが道路幅が狭いからだめよという言い方をすると、広げなくちゃいけないのかなというふうに思うと。広げないとこの道路ができないのかなというふうに思ってしまうんだけれども、それはそれで広げればいいとは思うんだけれども、そうじゃなくて、現状の状態のままで、要するにあなた方が考えるんじゃなくて、その事業者、つまりバス事業をやって採算を上げようというような意欲のある人たちの目から見て、こことここだったらまたバスを通せますよと、こことここだったらバスを通せますよみたいな、そういう角度からのアイデアをこういうところへ持ってこられないのかなという感じがするわけです。
というのは、別に駅と駅をつながなくても
交通不便地域というのは、例えば経堂と桜上水がありますよね。そうすると、経堂と桜上水の真ん中あたりというのは相当ごちゃごちゃしたところで、
交通不便地域なわけですよ。だけれども、別に桜上水に行かなくてもいいから、経堂だけのほうだったらまだ交通不便が解消すると。とりあえず桜上水と経堂の真ん中の地域の交通不便の人たちから見ると、とりあえず経堂まで行くルートだけでもつくってくれないかという要望だって、僕はあるだろうと思うんですよ。事業者から見ると、このルートだったら採算がとれるかもしれないとか、あくまでも駅と駅をつながなくちゃいけないとかというのは、最終的な目標としても、途中で駅と駅をつながなくても
交通不便地域のど真ん中と、とりあえず小田急のどこかの駅とか京王のどこかの駅だけでもつないで、そのルートを確保してもらいたいという要望だって僕はあるんじゃないかと思うんだけれども、あくまでも駅と駅をつなぐから、これはできませんよと言われちゃうとどうなのかな。
もうちょっとベンチャーみたいな、ベンチャーというか、さっき言った小型のバスを使うとか、採算の合うような移動手段のものを使ってバスルートなり移動手段をつくるというのはあるんじゃないかと思うんだけれども、それはどうなの、全然そういう発想はないの。
◎神子
交通政策課長 まず、バスの大きさの面なんですけれども、本編の三二ページをちょっとごらんいただきたいんですけれども、バスにつきましては、小さければ狭い道路でも走れるということがあるんですけれども、ただ、運転手さんの人件費はそんなに変わりませんので、ある程度の大きさがないとペイできないという面がございます。三二ページの上に書いてあるこの大きさ、全長六・九メートル、全幅二・〇八メートルというのが実際に
コミュニティバス等で使われている、自主運行が可能な今ある一番小さい限度だと我々考えてございます。この幅二・〇八メートルについてどの程度の幅が必要かというのが、この下に書いてある相互通行であると四・六六メートル、一方通行ですと二・五八メートルというのが
交通管理者の見解でございまして、そうしたところ、今回の桜上水の駅と経堂駅を結ぶルートはちょっと難しいという結果でございます。
それから、委員からお話しありました駅と駅を結ばなくてもいいのではないかというところにつきましては、私どもも一応バス事業者とよく話をしておりまして、今回についても桜上水までつながれば多少、やるというところまでまだ来ていなくて可能性があるというところだったんですけれども、その手前だと、やはり事業的には難しいのではないかという意見はいただいているところでございます。
それと、やはり駅と駅をできるだけ最短で結ぶというのが需要とか経費の部分でよろしいということがございまして、できるだけ一つのルートを、例えば今区の
コミュニティバスでも循環路線等の二路線ほどやっておりますけれども、例えば駅からぐるっと回って戻ってくるような路線というのは、バス事業者にとっては需要を考えると余りいいものではないと。循環というものは、お客さんが乗る区間と余り乗らない区間がどうしても出てくるので、一般的には余り、いい場合もありますけれども、一般的に言うと余りいいものではないという意見も伺っております。
◆大庭正明 委員 世田谷区におけるバス事業者の実態というか、バス事業者というのは、例えばもうちょっと規制緩和を国のほうに言って、要するにいろんな人たちのバス事業をやるような、さっき言ったベンチャーというか、要するにいろいろなアイデアとか工夫とかというものが、いろんな人が参入をして、既製のバス事業者の発想を超えたような人たちを集められるようにはできないの。今、バス事業者は具体的に何社あるの、どことどことどこが世田谷区が想定するバス事業者なんですか。
◎神子
交通政策課長 私どもが話をしている相手は既存のバス事業者ということで四社、東急、小田急、京王、関東バスとお話をしているところでございます。
◆板井斎 委員 これは、見ると区内から区内の主要駅とか主要場所ということしか読み取れないんですけれども、そうではない区民というのは大勢いらっしゃいます。具体的に言うと、私どもは東玉川とか奥沢とかの地域を考えたときに、どの資料を見ても、要するに区内から区内への移動しか考えていないということを考えたときに、例えば区外、それから区境というところにおいても交通の不便地域、あるいは区境のお隣の区についてもそういったことも想定されるのではないかと思うんですけれども、そういう勉強というか研究をされていく考えがあるのかないのかが一点。
それと、東急バスさんともこの間私も何回か、この地域の
コミュニティバスということでお話をさせていただくんですけれども、結論的に言うと、採算性が合わないところはやらないという遠回しな言い方で言われるんですね。大体バスは巡回としても一台に大体二十人弱乗らないと、幾ら
コミュニティバスといえども採算が合わない。また、一時間に三本走るとなると、バスも最低三台買わなきゃいけない、場合によっては五台買わなきゃいけない。とすると、それの減価償却、また運転員の要員だとかいうことを考えたときに、かなり資本投資というのは、初期の投資というのは非常に大きいので、そういった話になってくると思うんですけれども。
何が言いたいかというと、採算性がないところは幾ら今後不便地域だ、不便地域だといっても最終的には解決するめどがないのではないかというふうに読み取れるんですけれども、その辺の区の考え方、まず採算性が合うところで、不便地域のところだと思われるところを解消していくという優先順位をつけていらっしゃるのかどうか、その二点を確認したい。
◎神子
交通政策課長 一点目の今回の検討は区の中だけではないかということですけれども、例えば今回のルートの中でも二〇ページの病院とバスルートの状況を検討している図があるんですけれども、例えば東京医療センター、こうした区外の部分も配慮しているところでございます。そうしたことから、当然あくまで区の中で完結しなければいけないということでもございませんので、特に既存路線を活用するという場合は区の外に出る路線と区の中を完結する路線という形で接続するということもありますので、そうしたことも含めて検討していきたいと考えているところでございます。
それから二点目でございますけれども、
公共交通不便地域の解消に当たって、今一番大きな問題としては、先ほど来申しておりますけれども、まず解消できる路線を引いてからいろいろ需要の検討等をしていくという手順があると思うんですけれども、まず道路が、いかんせん幅員がとれないところが多うございまして、その路線を引く検討がまずできないところが一つ大きなところでございます。その上で採算性が合うか合わないかというところで、まず現在のところは自主運行を基本にやっていきたいと思っておりますので、その上で採算性の合うところを検討していきたいというような手順で考えているところでございます。
◆板井斎 委員 ミニバスのもっと小さいミニバスというか、マイクロバスよりもっと短いような、例えば
交通不便地域を解消する、道路事情等を考慮した場合には、そうした手段というか方法も当然考えられるのではないかと思うんですけれども、そういったことというのは何か法的に、白タクとかそういうのではなくて、ちゃんと届け出をしてバス事業としてやっていくことにおいては、今の一番小さいバスをもととして、そこにこだわっていくと、どうしても採算性だとか、今のいろんな道路の問題だとかでひっかかってくる要素というのはかなり多くなると思うんですけれども、そうでない運行主体というのは検討にはなるんですか。今ある四社のバス路線のバス会社が運行するということを前提として、形の決まったバス、一番小さいバスをその四社が走らせるということで検討していくということなんですか。
◎神子
交通政策課長 四社というのは、あくまで私どもが話し合っている相手でございまして、既成の四社には限らないところではございますけれども、ただ、公共交通として自主運行というところになりますと、先ほど申した型より小さいものだと恐らくペイできる形での運行は難しいと思いますので、どちらかというと福祉バス的なものになっていくのではないかというふうに考えてございます。
◆板井斎 委員 では、今僕が言っているもっと小さいバスをベースとした議論というのは、最初からもう論外というか考えたこともないという答弁なんですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 やはりバス事業ということで、安全にお客さんをしっかり運ぶということで、事業として見た場合については現在バス事業者が先ほど言いました私鉄四社おりますけれども、こちらのほうがある意味でそういった事業ノウハウを持って実績を積んできておりますので、ただ車両があればできるという問題でもないというところがございますので、まずはそういった実績ある事業者に声をかけさせていただいて、それでしっかりと
コミュニティバス路線の整備ができないかというのがとっかかりの今回の検討ということで、これまでもそういった方向でバス会社と協議をしながら検討しているという状況でございます。
今後、そういった社会状況が変化していく中で、新たなそういった主体が出たりとかということで、もう少し柔軟にできるようになった場合、そういった場合についてはやはり区のほうも柔軟に考えて、いわゆる交通サービスと利用者のサービスという観点から、幅広く今後検討していきたいということで、そういった状況を見ながら今後の検討課題かなというところでとらえております。
◆板井斎 委員 自由が丘から出ているバスなんかは、かなり参考になる取り組みをされていらっしゃると思うので、そういったことも勉強していただきたいと思います。
◆木下泰之 委員 今、板井委員のおっしゃったことはそのとおりだと思うんですね。それで、どうもターミナルからターミナルへつなぐと、京王線の沿線だって、本当にバスロータリーが要るのか要らないのかなんていうのが議論されているわけですよね。そういった中で、旧来の二十世紀型の考え方でいくと、そういうものを全部整備してやるんだというのはあり得るかもしれないけれども、さっき大庭さんも言っていたように、時代は変わってきているわけですね、財政難だということもあるし。
そういった中で、できるだけ早く便利にするためにはどうしたらいいかというような発想できちんと考えなければいけないと思うんです。やっぱり小型のバスだってあり得るわけで、あるいはジャンボタクシーみたいなものだってあるわけだし、それからオンデマンドだってあるわけですよね。そういういろんな工夫をした上で、
交通不便地域の解消あるいは
交通不便地域というよりも福祉型というか、本当に困っている人が足を確保できるようなシステムをどうしたらいいかというのを考えたほうがいいと思うんですよ。さっき事業採算性と言ったけれども、大型バスを通すためには設備投資が必要なわけですよ、道路について拡幅するというような設備投資が必要なわけですね。それから考えたら、もっと今できるソフトを使っていろいろと工夫をしてやったほうが、トータルのコストとしては非常に安上がりになるのじゃないかと。そういうことも踏まえてやっぱりやっていただきたいなと思います。
◆てるや里美 委員 高齢者のほうからのスポーツ施設や公共施設へのバスが欲しいなどのいろんな声を聞くんですが、概要版の二ページ目にあるような高齢者から
アクセス要望の強い施設が、いわゆる区民がこういったバスが欲しいという声をどのように今まで聴取してきたのかと、区民のそういった声の反映の方法というんですか、そういったことも考えられてきたのかお伺いしたいんですが。
◎渡辺
交通政策担当部長 これまで住民の皆様方、また議会の皆様方からもいろんな要望等をお聞かせいただいているんですけれども、私どもとしましては、バス会社のほうにそういった要望をまずお伝えをしながら、そういった要望に対して、例えばもう少しルートを変えるとか、少し新たなルートを延ばしてサービスの向上につなげられないかとか、そういったご要望を踏まえて検討していただきたいというようなことを伝えてきた経過がございます。
先ほどございましたように道路の事情ですとか、もう一つは事業者ということで採算性の問題、それと距離が延びることによって速達性とか定時性の問題、こういった事業そのものに影響が出るようなこと等もありまして、今のところはなかなか具体的に進んでいないような状況です。引き続きそういった声はいただいておりますので、現在バス会社とも定期的に協議の場を持つような形をとってございますので、そういう中でお伝えをしながら工夫して何とかできないかというところで、今後も議論させていただきたいと思います。
◆大庭正明 委員 採算とかコストとかと言っているけれども、飛行機だってローコストのやつで、今までの航空運賃の十分の一ぐらいで行けちゃうみたいな時代になっているわけだから、さまざま工夫してやればできるはずだし、いろんなことも考えればできるはずなんですよ、採算なんていうのはやりようによってはできるはずだと思うんですよね。
例えば、ちょっと聞きたいのは、環八沿いに成城警察がありますよね。成城警察署のすぐ隣にユニクロがありますよね。多分旗艦店で、日本で一番大きいとか、東京で一番大きいところらしいんですけれども、そこから千歳船橋までの循環というか、ぐるぐる回っているバスが出ていて、これは無料のバスですよね。そのユニクロのところというのはどちらかというと畑が多くて、畑の跡にマンションが、マンションと畑ぐらいがあって、いわゆる
交通不便地域でもあるんだけれども、そこにユニクロがバスを展開しているわけですよ。
だから、いろんな組み合わせをしていくと、例えば
交通不便地域に全部ユニクロを誘致すればただのバスができるということだってあるわけですよ。区民からすると、要するに移動手段が確保できれば最低限いいと。昔のようにフルセット、すべてのものがそろって公共交通で云々かんぬんというのは、恐らくこの財政難の中ではなかなか難しいだろうと。区民としては、とにかくどうでもいいと、別にユニクロの印がついているバスだろうが何だろうが、移動手段がほぼ確保できればいいんじゃないか。やっぱり役所のやり方というのはフルセットやらなくちゃいけないとか、完璧にならなくてはいけないとか、先ほど言った採算性といっても、バスも新品のバスを用意しなくちゃいけないみたいな、多分そういう規制があると思うんですよ。そんなことをやっていたら採算なんか合わないと。中古の一番安いものでも構わないというふうな形の、それは多分規制緩和をしていかなくちゃいけないと思うんですよ。役所のやり方は何でもフルセットで、一番定価で買ったものでやらなくてはいけないみたいなことをやっているから、おそらくコストが高くなる。
ちょっとその辺の、僕が言いたいのは、ユニクロのただのバスみたいなものとか、そういうものは区内で、例えばあと烏山も、烏山のこの間亡くなった大場区長の前のところの自動車教習所の移動バス、マイクロバスみたいなもの、ああいうのも移動であるわけです。そういうものの把握というのは何かしていますか。
◎神子
交通政策課長 今委員おっしゃいました無料のバスについては把握してございません。
◆大庭正明 委員 視野を広げてやっていかないと、決まりきったやり方のもとでやっていったら、できないものはいつまでもできないということになって、要するに財政難だし、こういう時代だから工夫をすると。そのためには、さっき言ったメンバーで、木下さんとちょっと見解が違うかもしれないけれども、役所だけのメンバーでやっていると役所型の発想でしか成り立っていかないわけですよ。そうじゃなくて、民間の知恵とか民間の発想というものを入れて、ローコストで何かできるというような方法を探るべきだと思うんですよ。あなた方は警視庁との相談だけでできる、できないを決めちゃっているけれども、もっと民間の力とか知恵というものをやっていかないと、財政的に逼迫している中でこういうサービスを広げるということは到底僕は無理だというふうに、改めてまた意見として言っておきます。
◆木下泰之 委員 それから、やっぱりバス会社って大体電鉄会社なんですよね。ネットワークを考えるわけですよ。それから電鉄会社系のマンション開発とかもあったりして、開発とセットになったりもするわけですよ。だから、そういうものではなくて、もう少し新しい発想で、新しい時代に見合った形でどういうふうに交通不便を解消するかというのは、ぜひ広い視野でやっていただいて、これは大庭さんとも共通する課題なので、ぜひやっていただきたいと思います。
◆中里光夫 委員 木下さんが言っているのは全くそのとおりだなと思って、私もこれを見ていたら、今後整備する道路の計画に合わせて路線整備とかそういうのがあって、道路をつくるのを期待しているかのような書き方だなというのを思いました。トータルでコストを見るべきだと、採算性、採算性という話が先ほどから出ていますけれども、例えば明大前の駅前バスロータリーを百億円でつくるという話を考えれば、百億円あればどれだけのバス路線が整備できるのかということがあると思うんです。狭い道だったら、先ほど言ったようにジャンボタクシーという話がありましたけれども、乗り合いタクシーとか、普通のワゴン車を使ったタクシーとかそういうものも私は見るので、やりようでいろんなことができるというふうに思うので、そういった工夫をぜひ検討していただきたいと思います。
それから、経堂から八幡山までの二つの路線をつなげてというのは、それ自体は私はいいと思うんですけれども、似たような話で喜多見から二子玉川までの路線がつながっていないという要望があったと思うんですが、これについては何か検討はなさっていますか。
◎神子
交通政策課長 それについてはこれまでもお話しございましたので、事業者と話をしているところでございます。
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○高久則男 委員長 続きまして、(3)東京外かく環状道路(
関越道~東名高速間)
オープンハウスの開催状況について、理事者の説明をお願いいたします。
◎筒井 道路計画・
外環調整課長 (3)東京外かく環状道路
オープンハウスの開催状況についてご報告いたします。
国によりまして、本年七月末になりますが、七月二十日の東大泉から始まりまして、七月二十八日まで外環の
オープンハウスを開催してございます。世田谷区内は七月二十一日に東名ジャンクション付近を喜多見小学校で行っておりまして、中央ジャンクション付近につきましては三鷹市の北野三丁目の常設会場で行っております。来場者数は、喜多見小学校につきましては六十二名、三鷹市の常設会場、中央ジャンクションのほうですが、こちらについては七十一名がご来場されたと聞いております。
主な説明内容につきましてはこちらに書かせていただいておりますが、予算概要並びに工事の主旨、内容、それから将来交通量推計の総点検の結果ということを説明したということを聞いております。
その中で出ましたのは、ご来場された方から出ました主な意見あるいは質問はこちらに書いているとおりでございまして、用地の取得状況、それから今後のスケジュール、補償や残地の取り扱いに関することなど、あるいは環境整備工事というのは次の資料に載っておりますのでその際説明いたしますが、環境整備工事に関すること並びにBバイCの点検結果に関することと、東日本大震災がございました関係上、トンネルということで防災検討の状況に関する質問等があったということでございます。
添付資料といたしましては、次ページをめくっていただいて、一枚目が
オープンハウスを開催するということで過去にお知らせしましたビラとなってございます。
二ページ目でございます。防草シートや立ち入り防止さくの設置等を行いますという青書きのものがございますが、これ以降につきましては、外環の
オープンハウスで展示された展示パネルの縮小になってございます。こちらの防草シート及び云々ということなんですが、これは先ほど申しました環境整備工事ということで、用地を取得した後のその周りの仮整備といいますか、防草シート、草が生えないようにする場合とか、あるいは透水性舗装並びに周りをフェンスで囲んでごみ等の投げ入れ等を防ぐことを考慮したものをやりますよということの周知ということでございます。それ以降は外環のほうの、先ほど申しましたトンネルの地震に対する安全性のページが続いてございまして、最後のほうでBバイCの点検結果が二枚にわたってございまして、六ページにつきましては従前から出ていた二・九というところでございます。それが、次の八ページ以降につきましては、二十三年二月に総点検をされた結果、二・三になった根拠と、そういったものを示しているところでございます。
説明は以上でございます。
○高久則男 委員長 ただいまの説明に対してご質疑がありましたら、どうぞ。
◆木下泰之 委員 これを見ると、これと同じ図を小田急線や京王線のときにも出してもらいたいなという感じがしますね。地震がトンネルに及ぼす影響の事例というので、高架橋が崩落したところと、地下のほうが安全だと、このとおり同じように言ってくれれば非常にいいんですけれども、時と場合によって違う言い方をされるというのが非常におもしろいなと思いますね。
ただ、火災について、車が通るわけだから非常に危ないとは思うんだけれども、その辺は安全だと言っているんですか。
◎筒井 道路計画・
外環調整課長 こちらのほうでお示しされているとおり、既に実例等ございまして、一応火災等の場合についてはホームページ上でも示してございますし、このような形で五ページのように中央環状線の場合について、山手トンネルの場合もこういった形で実績がございますというような話でございます。と聞いてございますので、安全だろうなということでお話はされているということです。
◆木下泰之 委員 それから、やっぱり莫大な金をかけてこれからやろうとしているわけですよね。さっき
エイトライナーのときにも考え直したほうがいいというほかの委員からの意見もあったけれども、やっぱりこういうときに大規模投資をするような状況じゃないと思うんですね。復興のほうが大事だということもあると思うんだけれども、その辺の流れの中ではどうなんですか、実際にこれをつくろうということのメリットというか、どうしてもつくらなきゃいけないものなんですか。その辺の判断。
◎山口 道路整備部長 意見の中にも復興を優先して高速道路を後にしたほうがいいんじゃないかという意見も実際あったというふうに聞いておりますが、国のほうでも今回百二十五億円の予算が二十三年度ついているんですが、五%分は留保しているんですね、それは震災復興に回すという部分。外環の場合は百二十五億円の五%、その他の事業も大体五%留保しておりますので、総額幾らになるかちょっとわかりませんが、相当の額が震災復興に回す分として国土交通省は考えている、こういう状況です。
しかしながら、それぞれの地域における道路事情を考えますと、やはり外環も早期に完成させるべき道路であるという考え方には国土交通省としても変わりはないようです。そういった中で、外環は若干留保分を引くということはありましても、二十三年度についてはその事業費を執行していく、そういう状況です。
◆木下泰之 委員 それから、区長は選挙のときに見直しを掲げていたし、それから、当然情報開示の徹底ということで要求もしていると思うんですよね。外環ノ2についての対応についても非常に、BバイCの中に当初含まれていたけれども、それの扱いもよくわからんと。そういう区長みずからが求めているような情報開示というのは、皆さんとしては国に対してどういうふうに要求していますか。
◎山口 道路整備部長 確かに区長は衆議院議員のときの内閣委員会の質問のときに、BバイC二・九を出したときの外環ノ2、つまり、できていない道路も含めてあのBバイCを算出しているのはおかしいのではないかというような話をされておりまして、外環ノ2については選挙のときにもそういう話をされておりました。
当選して区長におなりになってから、我々も説明をさせていただきました。今回のBバイC二・三は外環ノ2は入っておりません。また、世田谷区内に外環ノ2は路線として、ルートはございません。そういった関係もご説明させていただきました。
また、一方外環国道は国の直轄事業で現在進められておりますので、我々とすればその事業費あるいはBバイCについては国から報告をされていることを前提として、区としてやるべきこと、つまり周辺のまちづくりの問題ですとか、あるいは農地、工業をやっている方の用地が外環のジャンクションの中に入ってしまった場合にどういうふうに対応していくか。つまり、区民の方々が生活再建で困るようなことをお手伝いしていくんだというようなスタンスでやってまいりました。したがいまして、外環直轄工事については、我々とすれば国のやる事業なので、区としてもこれまで要望した経緯がございますから、国において粛々と区の今までの要望を受けてやっていただきたいという状況でございます。
◆木下泰之 委員 ただ、環境影響評価等でもいろいろと降下ばいじんの問題であるとか、新たな指標になったものについての対策であるとか、そういうことがまだ不足しているということはよく言われているわけですよね。それから、以南の問題も必ずしも明確にはなっていないですね。以南の問題なんかはどうなんですか。
◎山口 道路整備部長 以南につきましては、現在計画が具体化していないという状況でございます。そこで、熊本区長時代に世田谷が練馬化してはいけないというようなことがございまして、東名以南を何としてでも早期に計画をしていただきたいという要望を、関連の練馬、杉並、三鷹、調布の方たちもあわせて国土交通大臣、当時の前原大臣に昨年要望してございます。そのもともとになっているのは、やはり地元の方たちが東名でとめてしまってはだめだよということが世田谷区としては大きな問題であると。一方、国策として、環状道路ですから何としても湾岸線までつながなければ本来の役割を果たせないだろうというようなことも、国としてはやるべきだろうと。そういう観点から、我々とすれば昨年の段階ではそういう要望をしてきた。
その考え方というのは、国と東京都とも対応の方針ということで約束をしておりますので、それを誠実に履行していきたいということで、それも含めて要望してきたというところでございます。
◆木下泰之 委員 立場は違うんだけれども、おやめになった小畑さんが、それが認められないのだったら寝転がっても阻止すべきだと、そういう発言もされているわけで、やはり以南てなかなか難しいと思うんです。その中で、練馬化が必至になるようなことについてそうそう簡単に世田谷区がいいですよという話にはなかなかならないと思うんです。
それから、ジャンクションとつなぐ話だって、かなりの部分世田谷のところで上に上がってきちゃうんですね。とぐろを巻いて今の東名にアクセスするやつも、多少変更はしているみたいだけれども、あれでは当初住民の皆さんが、もっと直近まで行って下からアクセスするようなことにしたらどうかと、そういうことにはなっていないわけですよね。
そうすると、さっき地下のほうが安全だと出ていたけれども、シールドは確かに安全だけれども、一番危ないのはシールドから上に上がってくる移行部分は余り強くはないわけですよ。そうすると、できるだけ直近までシールドで持ってきてという方向だって対案としては考えなきゃいけないということがあると思うんですね。だから、世田谷区の立場としてもっと区民の不安であるとか、そういうものを解消するためのいろんな要求というのをもっと出していいんじゃないですか。どうなんですか。
◎山口 道路整備部長 おっしゃっていることについてよくわからないのは、トンネルから高架に出てくる部分で弱いとかという状況は、我々としては承知していません。つまり、土木構造物の中で、今回東日本大震災、あのマグニチュード九・〇の地震の中で一部壊れたところはありますが、耐震補強が済んでいるところとか、阪神・淡路大震災以降につくられた高架構造物については大きな被害はありませんというか、無被害だったという報告を受けておりますので、そういう観点から言って、土木構造物がトンネルだから安全で高架だから安全じゃないんだという議論には、この間もお話ししましたけれども、我々としてはかみ合わないような、それは大前提として我々はそう思っています。
国のジャンクション構造については非常に検討していただいておりまして、住民の方々の要望をできるだけ取り入れた構造に変更しています。以前もお話ししましたように、東名下りランプに行く路線につきましては東名の下を通ると、アンダーパスをするという形になって覆蓋部が大幅にふえたということになっておりますので、そういうことも含めてまだまだ検討余地はあるというところもあります。ただ、現在の段階で、例えば野川を渡る橋を壊さずに、遠回りすることもなく、町の利便性をそのまま確保しながら一番いい構造にするにはどういう形がいいんだろうかという中で相当の工夫をされたという状況がございますので、その辺はぜひご理解いただきたいなというふうに思います。
◆木下泰之 委員 ただ、皆さんが配った資料はトンネルのほうが圧倒的に地震が及ぼす影響は少ないんだということが書いてあるわけですよ。阪神・淡路大震災のときは、シールドは壊れなかったけれども、一部、地下鉄で唯一壊れたのは開削方式のところだったわけですよ。そういう具体例もあるわけだから、もう少し事実に即してそういう不安があるということについては率直に考慮したほうがいいと思いますよ。宣伝しているのも事実でしょうから。
◆菅沼つとむ 委員 実際に外環というのは東京に住んでいる人、世田谷に住んでいる人に絶対必要なものなんですよ。わざわざ高速道路を通らなくてもいいんだから。基本的には、今世田谷でもこれができないために環七だとか環八だとか、今世田谷で一番込んでいるのは第三京浜から東名までですよ。そういう外環みたいな都心に入らなくても、あれをきちんとやるということは、世田谷区民も含めて都民も含めて百年のことを今議論しているのだから、周りの区民だけの話ではないんだから、その辺をしっかりやって、世田谷区も早目につくらなくては。区長がかわろうと何しようと、やることはやらなくちゃだめだよ。
◆木下泰之 委員
エイトライナーは、そんなものはできっこないからみたいな話があって……。
◆菅沼つとむ 委員
エイトライナーとこれとは違うよ。
◆木下泰之 委員 同じですよ。つまり、
エイトライナーで交通体系をつくるのと、今さら高速道路をもう一本外環で通すのと、やっぱりそれは代替案として考え直すべきだと思うんですね。僕は、むしろ
エイトライナー的なもののほうが、もっと
エイトライナーだけではなくて交通システムとしても新たな付加を考えて、輸送にも使えるとか、そういうことを考えて近未来的な方針を出すとか、そういうことでもしていかないと、震災後の新しい都市づくりという中ではちょっと立ちおくれているのではないかと思いますよ。
◆大庭正明 委員 今、菅沼さんのご意見だったけれども、僕はちょっとそれは古いんじゃないかなというふうに思うんです。最近、自動車の保有率とかそういうのも、だんだん若者が自動車に乗らなくなってきたし、都心部だと地下鉄網が発達しているから地下鉄を利用するということ、どんどん移動手段が車によらなくなってきたということで、ただ、考え方として、やはり
エイトライナーというのは首都圏の中でも首都の発展の一つの素材で、まだできていないということなんですけれども、外環については、この震災を受けて、やはり東北のほうで道路網ができていないところがどんどん孤立化していく。
それから、今般の台風において和歌山県、奈良県あたりの道路ができていないところというのは救助できないということを考えて、あくまでも僕なんかは首都直下を考えた場合に、首都直下の場合どこから救援が来るのかと、どこが助けてくれるのかといったら、要するに首都圏外ですよ。首都圏外の場合だと、要するに東名・中央高速、それから東北道。その辺からずっと来たときに、例えば自衛隊だって東京一千二百万人もいるところに自衛隊員が十万人来ても、ほとんど助ける余地としては少ないですよ。多分、首都圏の地震のときの救援のためだと相当の人員、自衛隊とかそういう人たちが東京に入ってこないと、また物資も入ってこないと、恐らく首都圏は干上がっちゃうだろうということから考えると、外環の持つ意味というのが今までと僕は変わってきたと思うんですよ。
やはり東京外からどうやって首都圏に入ってきて、かつ循環して東京都を守れるかというと、外環道が一刻も早くできないと、やはり東名と中央高速と、それから東北自動車道以南のところからの救助の物資がそこでストップしてしまうということを考えると、やはり外環みたいなものは早くつくらないといけないんじゃないかなというふうに、僕は震災以降報道を見ていると、外環道というのはそういう意味では必要かなということで、東京都の流通ということ以外にも、要するに直下型地震の救援の道路ということからすると、道路網としての重要性というのは増したのじゃないかなというふうに僕は考えているので、その意味では一刻も早くこれをやるべきだと。
やっぱり首都直下の地震だと百二十兆円ぐらい損失が出るということを考えると、それを救済するということから考えると、ここでの投資というのはそれに見合った投資ではないかなと。むしろ、三ページの下に書いてあるように、「地震がトンネルに与える影響は小さいと考えられますが、外環のトンネルについては、学識経験者の意見を踏まえながら十分な耐震検討を行ってまいります」と、ちょっとあいまいな形で書いてあるんだけれども、本当に機能するのかと。つくっても地震でだめになるようなものをつくられたら全く意味がないということなので、震災とか直下型地震に対しても、十分その後にちゃんと機能するようなものであるかというところが僕は最大のポイントで、ここのところはこういう書き方をされていて、地震でちょっとわかりませんよみたいなものをつくられて、肝心かなめの大震災が起きたときに使えないようなものだったら、それは大きな無駄だと思いますよ。
僕は、そういう意味で外環は首都圏の人たちを救うという意味からすると、やはり必要な道路網じゃないかと僕は考えます。
◆中里光夫 委員 私はこの
オープンハウスに行って、この展示も見てきましたけれども、このトンネルの写真、高架との比較の写真を見たときにはびっくりいたしました、京王線の説明会の直後だったもので。
それで、このとき私が質問したのは、外環のトンネルは非常に大きいということを聞いていると。特に、ジャンクションの接合部は非常に大きいものになるのじゃないかというような質問をしたら、国内でも初めての、最大規模のものになるというようなお話だったんですけれども、その辺のご認識をちょっと確認したいんですけれども。
◎山口 道路整備部長 三車線のトンネル高速道路になります。例えば東名とか山岳トンネルは、皆さん東名を通ってみても三車線のトンネルはざらにあるので、その辺は中央道も山梨のほうへ行けば上り車線は三車線になって、トンネルからシールドになったり高架構造物になったりというふうになっています。もちろんトンネル、シールドからいきなり高架になるわけではなくて、開削部分がとかがありまして、それから接続していくことなので、何が問題かというところになりますと、土木構造物的な構造物の強度に関しては十分な検討はされているので、それには問題ないと思います。
◆中里光夫 委員 私は、非常に巨大な構造物になるというようなお話も聞いていたのでそういう質問を現場でしたんですけれども、接合部分、シールドから分かれる部分については、ちょっと名前を忘れましたけれども何とか工法で土の中にボルトを埋め込んで土壌改良してというようなやり方をやるというふうに聞いていたものですから、そうなんですよねというふうに聞いたら、工法などについてはまだ検討を進めているところだというようなお話で、先ほどの十分な耐震検討を行ってまいりますというあやふやな言い方だなんていう発言もありましたけれども、果たしてこういうところですっきりと安全だと言えるのかどうかというのは疑問を感じているところです。これは私の意見です。
それから、いろいろお話を聞いていてぜひ紹介していただきたいなと思ったのが、環境庁のレッドブックが更新されて新しい生物が加わったので、環境アセスをやり直すわけではないんだが調査をするというようなお話をしていたんですが、そのことについてちょっとご説明ください。
◎筒井 道路計画・
外環調整課長 レッドブックの更新ということで、いわゆる絶滅危惧種ということで何種類かが今回追加されたということで、この喜多見近辺に実際いるのかいないのか、あるいはどういう生態系なのかということで、一年を通じて、その期間だけですと単純ですので一年間通じて調査をするというふうに聞いてございます。
◆中里光夫 委員 それから、土地の買収、用地買収が今進んでいて、以前世田谷区が生活再建ということで買収の事業をやっていたと思うんですけれども、それは多分国が買い戻してくれるようなスキームになっていると思うんですが、現在それはどうなっているのか。それから、今後区がやるようなことがあるのか、区の関係の影響について。
◎筒井 道路計画・
外環調整課長 用地買収なんですが、区のほうで先に生活再建対応という形で買わせていただいたものについては、今の段階ではまだ国のほうから買い戻しということのご説明を受けてございません。ただ、近日中に国のほうから説明があるということで、その日程等を詰めているということを聞いてございます。
あとは、私どもの区のほうで生活再建対応ということは今やめてございますので、今やっているのは国のほうで直接用地を取得しているということですが、これも今の段階ではまだ生活再建のほうの対応ということで、計画買収までは入っていないということを聞いてございます。
◆中里光夫 委員 将来国に買い戻しもらう土地というのは、金額でどのぐらいなんですか。
◎筒井 道路計画・
外環調整課長 申しわけございません、その辺の金額まではちょっと資料がございませんで、申しわけございません。砧の農協の跡地、世田谷通りのところと、あと今交通安全自転車課のほうで使っている保管所とか大蔵の跡地等がございます。ですが、金額のほうについての資料は今手元にございませんので、ご容赦いただきたいと思います。よろしくお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○高久則男 委員長 それでは、続きまして(4)その他でございますが、何かございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○高久則男 委員長 次に、2協議事項に入ります。
(1)次回委員会の開催についてですが、定例会中の九月二十八日水曜日午前十時から開催予定としたいと思いますが、よろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高久則男 委員長 それでは、次回委員会は九月二十八日水曜日午前十時から開催予定とすることに決定いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○高久則男 委員長 そのほか。
◆木下泰之 委員 京王線の費用比較についての情報開示を区長が求めるというふうにおっしゃって、何やらそれが世田谷区のほうに来たんですか。その辺はどうですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 都と区はそれぞれの役割と連携によりまして、これまで区が必要なデータをもらいながら区として計画等、区の部分については検討しているという状況でございますけれども、今委員お話しの京王線のいわゆる
調査報告書の件だと思いますけれども、基本的には東京都は都の情報開示の条例に基づいて対応するということにはなってございますけれども、この間、議会あるいは区民の皆様方からの要望等を踏まえ、また区長の指示によりまして、東京都のほうに報告書の提供を求めてまいりました。八月二十六日に正式に求めまして、東京都からは準備が整い次第区のほうに報告書の写しを提供していただけるということで、九月二日に東京都から世田谷区のほうに写しを提供していただいております。
区長に実は報告をさせていただきまして、現在区長のほうから議会の図書コーナーのほうに設置をして、ごらんいただけるようにということで、現在報告書の写しをとるということで作業してございます。こちらのほうはもうしばらく、図面関係等もございまして量があるものですから、準備をしておりますけれども、準備が整い次第来週には設置できるようにということで今準備をしてございます。
◆木下泰之 委員 大事なことは、区長が求めたのを、もちろん報告書も求めたんだろうとは思うけれども、積算根拠について明らかにしてもらいたいということは言うと。それがあったんですね。情報開示で沿線の区民が求めたやつで、去年開示されたやつは、積算根拠のところが黒塗りだったんですよね。黒塗りのやつがそのまま世田谷区に来ているんですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 私どもは、この間のいわゆる区民からの要望等を踏まえて、東京都にはわかりやすい資料提供ということでお伝えをしたり、お願いをしてきております。今般、報告書の提供ということでいただいておりますけれども、全体的にまだ細かくは見ておりませんけれども、事業上支障がある部分については黒塗りでされているという状況のようでございます。
今、コピーをとって作業をしておりますので、またそちらのほうを図書コーナーのほうに置かせていただきますのでごらんいただきたいと思います。
◆木下泰之 委員 世田谷区が東京都に要求して、世田谷区も報告書については協力してきたわけですよ。それで、報告書について黒塗りの部分があるやつを世田谷区がもらうなんていうことは、あっていいんですかね。つまり、世田谷区にさえ隠さなくてはいけないことがあるということですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 あくまでもこの調査につきましては東京都が事業主体ということで、責任ある立場で調査をしているということになりますので、私ども今回報告書の写しを求めてきておりますけれども、これについては東京都のご判断の中で、支障のある部分については、先ほど委員からもありましたように黒塗りになっているという状況でございますので、あくまでも東京都のご判断でいただいたということでございます。
◆木下泰之 委員 少なくとも、行政としては真っさらなものを手に入れるべきなんじゃないですか。それについて東京都と世田谷区で、いや、これはやっぱり伏せておかなきゃいけないという話であれば、それはそれなりに処断することがあるかもしれないけれども、それもよくないけれども、ただ、初めから世田谷区も真っさらのさえもらえないということ自体がどうかしているんじゃないですか。区長が言っている積算根拠について、それは隠してありますよ、黒塗りということであれば。それでいいんですか。
つまり、区長は積算根拠について出してほしいと言ったのに、市民に出したのと同じようなものが来て、それで世田谷区のメンツが保てるんですか、どうなんですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 こういった調査のものについては、先般の説明会の中でも東京都のほうから質問に対する回答がございましたけれども、いわゆる調査検討中ということで、まだ事業を実施する前のある意味で意思決定の過程途上、こういったものについては特に支障があるような、例えば単価ですとか数量、あるいは用地に対する評価というような、そういったものの未成熟な部分の情報については出せないんだというようなことで、説明会の中でも回答がありましたので、そういうような主旨もあるんだということで、世田谷区のほうに対しても同様の考え方で黒塗りした部分があるもので報告書のほうの情報提供がされたというふうに理解をしております。
◆大庭正明 委員 木下さんの言っていることがよくわからないのでちょっと整理して聞きたいんだけれども、区長なり世田谷区が東京都に対して、区長は本会議の答弁でも積算根拠を知りたいということを言われていたと思うんですよね。だから、積算根拠を示す資料を出してくれというふうに東京都に八月二十六日に正式に申し入れをしたということでしょう。そうでしょう、今の話でいくと。それに対して、九月二日にそれなりの文書が来たと。その文書の中に、区長が求めていた積算根拠の部分というのは見れるようになっていたんですか、どうですかという、そこをまず確認したいということと、それについて区長は、当然細かいことは、概要としてそれが出ているのか出ていないのかはすぐ九月二日の段階でわかるわけだから、それに対して区長はどういう対応をされているのかという事実関係をちょっと言ってください。
◎渡辺
交通政策担当部長 今回求めました報告書の中に、いわゆる事業費の積算をしてございます。その関係のデータが報告書の中にあるということでございまして、そういう意味から報告書の提供を求めたということでございます。提供された報告書については、そういった東京都が判断した支障のあるところについては黒塗りがされていたという状況でございます。これについては、先般区長のほうにご報告を申し上げているというところでございます。
◆大庭正明 委員 だから、それに対して区長は何と言っているかと聞いているの。
◎渡辺
交通政策担当部長 区長のほうとしては、内容をよく見て今後対応を考えたいというような状況でございます。
◆大庭正明 委員 では、そのことに対して不満だとか、話が違うとか何だとかということは、まだ言っていらっしゃらないわけですね、これから対応を考えるということは。
◎渡辺
交通政策担当部長 いただいた報告書を見て、それから今後考えたいというようなことでございます。
◆大庭正明 委員 見てというのは、見ていないの。
◎渡辺
交通政策担当部長 細かく見ていないということです。
◆木下泰之 委員 それは、区長は今まで世田谷区にいなかったわけだから、初めてそれも見せられるわけだから検討には時間がかかるだろうけれども、担当者としてはそれはすぐわかるはずだよね。つまり、積算根拠の箇所があるんだから、それについて、例えば用地費であるとか、地下にした場合の駅舎の費用であるとか、そういう積算については書いてあるんですか、書いていないんですか。
◎渡辺
交通政策担当部長 私どものほうも入手をしまして、先ほど言いましたように写しをとるということで作業をしてございまして、細かいところの部分についてはこれから私どもも、区長も含めて勉強していこうということにしてございますので。ただ、そういったデータでございますが、単価とか数量について、私どもが疑って、東京都がやっているものについてどうだというような視点はございませんで、今回そういった議会、区民等のご要望等もいただきながら、区長の指示に基づいて東京都のほうに要請をしていただいたという状況でございますので、私どものほうは、都と区の役割の中で、いわゆる区の担当する都市計画を決定するに当たって必要な資料関係等はこれまでももらってきておりますので、こういった面については引き続き東京都のほうに要求をし、区として必要な部分についてはそういった資料をもとに検討していくということで今後も進めていきたいというふうに思っております。
◆木下泰之 委員 世田谷区は、高架橋のわきの側道の都市計画権者なんですよ。その設計も一応しているわけだよ。そうすると、その高架が妥当であるのか、地下のほうがいいのかということについて判断しなきゃいけないんだよ、本来。本来、あなた方も含めて、前の区長のときに、少なくともそういうデータをもとにどうなのかと検討しなくてはいけないんだよ。積算根拠だって示されていなかったという話なんだから、そんなことは判断できないはずなんだよ。それで今まで来てしまっているわけですよ。
調査報告書だって、黒塗りの部分を残したまま、あなた方はもらっていると。そんなことで、世田谷区として独立した行政体として、そんなことが許されるのかということを聞いているんですよ。
◎渡辺
交通政策担当部長 先ほど申し上げましたように、この連立事業については東京都が広域的な行政を担当する役割の中で、事業者として検討してきております。これについては東京都がいわゆる地形的条件とか計画的条件、事業費の観点からの条件、それが都市計画を、今後区域の部分について大きくなるのか小さくなるのかといった観点とを総合的に判断して、東京都が最適な案ということで今回併用案を示しているということでございますので、ここについては東京都がそういった権限、主体的にやる立場の中で示されているということでございますので、区のほうでそれを、いわゆる事業者でない立場の中で、いいとか悪いとかというような、主体的に申し上げるような立場ではございません。
◆木下泰之 委員 いいですか、側道についての決定権者なんですよ。それから、設計もしているんですよ。そんなこと許されるんですか、本当に。
◆大庭正明 委員 だから、区長の判断にあなた方は従うんでしょう。そうでしょう、あなた方は部下なんだから。要するに、この判断の権限は区長なんだから、区長がこれで満足か不満か、不満だったら不満の方向でやるといったら、あなた方は従うわけでしょう。それ以上のことはしないわけでしょう。だから、それはもう区長に任せるしかないんじゃないかと僕は思いますよ。
◆木下泰之 委員 少なくとも、もう受け取っているんだから、それについて質問通告の前に私たちが手にできるようにしてくださいよ。そうじゃなかったら、それは困るよ。
◎渡辺
交通政策担当部長 申しわけありません、今準備しておりますので、整い次第早々にコーナーに置かせていただきます。
◆木下泰之 委員 言っておくけれども、あれは一時間もあればコピーできるよ。その程度のものだよ。だから、すぐ出しなさいよ、それは。
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○高久則男 委員長 ほかにないようでございますので、以上をもちまして本日の
公共交通機関対策等特別委員会は散会いたします。
午前十一時四十一分散会
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署名
公共交通機関対策等特別委員会
委員長...