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平成 2年  3月 予算特別委員会−03月23日-08号

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  1. 世田谷区議会 1990-03-23
    平成 2年  3月 予算特別委員会−03月23日-08号


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    平成 2年  3月 予算特別委員会−03月23日-08号平成 2年  3月 予算特別委員会 平成二年予算特別委員会 予算特別委員会会議録 第八号 日 時  平成二年三月二十三日(金曜日) 場 所  大会議室  出席委員(五十名) 委員長  大高定左右君 副委員長 村田義則君 副委員長 東まさ君      石井徳成君      石塚一信君      五十畑孝司君      宇田川国一君      内山武次君      太田喜淑君      小谷勝君      小畑敏雄君      鈴木昌二君      内藤義雄君      中村大吉君
         浜中光揚君      原秀吉君      原田正幸君      平山八郎君      広島文武君      星谷知久平君      真鍋欣之君      山口昭君      山内彰君      市川康憲君      小口義晴君      甲斐円治郎君      神宮寿夫君      中嶋義雄君      中塚護君      長谷川義樹君      平塚信子君      増田信之君      吉本保寿君      和田勉君      唐沢敏美君      斉藤国男君      桜井征夫君      園田集君      高橋忍君      西村孝君      山田武士君      笹尾淑君      田沼繁夫君      三井勝雄君      折居俊武君      長谷川七郎君      丸山孝夫君      長谷川佳寿子君      森田イツ子君      大庭正明君  出席事務局職員 議事主査          河上二郎  出席説明員 区長            大場啓二君 助役            佐野公也君 助役            吉越一二君 収入役           菊池佳丈君 玉川支所     支所長  平田榮君 砧支所      支所長  宮田祀彦君 区長室      室長   津吹金一郎君 企画部      部長   川瀬益雄君          地域調整参事               浜田昭吉君          企画課長 八頭司達郎君          財政課長 市川一明君 総務部      部長   成富則紀君          総務課長 峯元啓光君 職員研修室    室長   村上久雄君 区民部      部長   津々木光男世田谷支所開設準備室          室長   大淵静也君 北沢支所開設準備室          室長   田中和男君 鳥山支所開設準備室          室長   生田歡吾君 生活環境部    部長   新井一郎君 産業振興対策室  室長   冨士静悦君 福祉部      部長   友保信二君 高齢化対策室   室長   西倉義憲君 総合福祉センター 副所長  山崎國治君 婦人児童部    部長   多賀井信雄君 衛生部      部長   柳澤重男君 砧保健所     所長   工村房二君 都市整備部    部長   鈴木蓊君 土木部      部長   大崎榮三君 道路整備室    室長   鈴木宣朗君 建築部      部長   谷田部兼光君 教育長           小野原進君 学校教育部    部長   上野孝雄君 社会教育部    部長   森本洋次君 教育会館     館長   吉田俊一郎君 区議会事務局   局長   清水潤三君 監査事務局    局長   町田秀一君    ───────────────── 本日の会議に付した事件  議案第二号 平成二年度世田谷区一般会計予算  議案第三号 平成二年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第四号 平成二年度世田谷区老人保健医療会計予算  議案第五号 平成二年度世田谷区中学校給食費会計予算  (補充質疑、採決)    ─────────────────     午前十時開議 ○大高定左右 委員長 おはようございます。  ただいまより予算特別委員会を開きます。    ───────────────── ○大高定左右 委員長 本日は、きのうまで審査してまいりました平成二年度予算四件についての補充質疑を行います。  それでは行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 本日は、延べ七日間にわたる予算質疑の最終日であります。私は本定例会の一般質問より、会議費の使われ方についてただしてまいりましたが、依然予算における飲み食いのあり方に納得できません。申すまでもなく、食べたり飲んだりする経済行為は、日常感覚でとらえることができる予算対象であります。また総額がどうであれ、その飲みっぷりや食べっぷりから、およそその自治体の健全さをはかることも可能であります。  私は、公務員が決して誤解してはいけないことの一つに、これは民間と決定的に異なる点でもあるのですが、基本的には税収は、公務員の努力によってふえたり減ったりするものではないということであります。特に都会においてはそうであります。ですから、世田谷区の最終予算規模が二千億円に達しても、別段、区長の評価とは関係ないのであります。評価されるのは納税者の努力であります。区長の努力や才能については、税収とは別の部分で評価されるべきものであります。この点について大場区長は錯覚をし、また慢心していると言わざるを得ません。区長こそ清貧であれ、それこそが地方自治体の原点であると考えます。  さて、話は一月前にさかのぼります。場所は銀座、店の名前はマキシム・ド・パリ、世界的に有名な料理店であります。実はここで二月二十八日の夜、世田谷区勤労者共済会の理事会の宴会が行われました。参加したのは二十名、そして、後日この店から請求された額は八十二万二千百七十二円、請求先は産業振興課勤労者共済係長であります。そのほかにハイヤー代が加算されます。食事の内容は一人当たり二万五千七百円のスペシャルコースに、飲み物、税金、サービス料等々が加算され、何と一人当たり四万四百円にもなります。  ご案内のとおり、勤労者共済会は会員の一月五百円の会費と、区の補助によって賄われております。説明を省きますが、収入役室も個々には審査できないのであります。だからこそ、こんな宴会がまかり通ったというわけであります。  一口に八十万円と言えば、世田谷区は、純粋に共済会の会員に対する補助が一千二百五十万円ですし、また会員からすれば、一千六百人分の一月の会費に相当する額であります。勤労者共済会の理事は無給であります。だから、その慰労を兼ねてという経緯は仮に理解できたとしても、また勤労者共済会が別組織であるとしても、事実上、区の職員が運営し、区の幹部が飲み食いしているのですから、理由にはなりません。  一人四万円の料理を振る舞える感覚の持ち主は、法人であれ個人であれ、現在の日本ではよっぽどもうかっているところであります。世田谷区はもうけて二千億円ものお金を集めたのではありません。よその区はどうなっているのか知りません。また知る必要もないと思います。問題は世田谷区であります。公費による四万円の食事、これは一会食の問題ではなく、予算全体に対する取り組みの問題でもあると考えます。  そこで、この事実と、問題意識をお持ちならば、お聞かせ願いたいと思います。
    ◎冨士 産業振興対策室長 お答えいたします。  まず、勤労者共済会は区から任意団体として独立した団体でございますので、団体の規約並びに理事会の決定に基づいて、事業計画、あるいは予算、決算等、実施計画等が決められていくということをご理解いただきたいと思います。  それから第二点は、ご指摘の理事会の理事の報酬並びに費用弁償は、過去三年間、一銭も出しておりません。これは勤労者共済会というものの性格上から、スタートの時点においていろいろお話がございましたけれども、各理事からのご遠慮もございまして、報酬等は一切出さないという形になりました。今日もそれを継続しております。そのかわりといいましてはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、事務局の方で年一回、共済会の方で指定した施設、あるいは今回のようなところを一応ご試食いただいたり、視察していただくという形で実施いたしております。  共済会の事業は、役所にとりましても初めての、民間を対象にした福利厚生事業でございますので、若干試行錯誤の面もないとは言えません。しかし、各理事からの積極的な情報提供、ご尽力等をいただいて、新しい事業を次々と展開しているところでございまして、グルメ指定店につきましても、これをも含めまして八カ所、区内二カ所を指定してお使いいただくという形になっております。  今後とも、魅力のある事業を展開していくために、また理事に対するご理解等もいただくためにも、このような方向でいきたいというふうに考えております。 ○大高定左右 委員長 以上で行革一一〇番の質疑は終わりました。    ───────────────── ○大高定左右 委員長 引き続きまして自民党、どうぞ。 ◆原秀吉 委員 質問に入る前に一言申し上げておきますが、いつもこの席で名答弁をちょうだいしておりました参事の内田信也氏のご葬儀が、時あたかも、ちょうどこの時間に取り行われておるわけであります。老少不定の世とは申せ、ご他界なされました内田氏に対して、自由民主党といたしまして、心からお悔やみ申し上げるとともに、ご冥福をお祈りいたす次第でございます。  それでは、質問に入らせていただきますが、さきの総括質問のときにも、いろいろお尋ねをいたしたわけでございますけれども、新基本計画に関して少しお尋ねしてみたいと思うわけでございます。前期もあと一年で、後期の計画に入らなきゃならぬとなっているわけでございますけれども、調整計画をなしに後期の新基本計画の実施計画を立てていく、このようなお話でございます。しかしながら、やはりそういった事業、実施計画の実現を求めていくには、何といっても財政がしっかりしていなきゃならぬということが基本になるわけでございます。そういったことを考えてみますると、ごく最近の円安のことや、金利高、あるいは日米の構造協議、それぞれどれを見ましても、なかなか明るい材料というわけにいきませんものが大変出ているわけでございます。  そこで、前期の実施計画の中で五つの項目に挙げられておりますけれども、私の見たところでは、何か実施計画が抽象的なような感じがするわけでございます。前の基本計画の中では区長がすばらしい力を発揮しまして、美術館だの川場村だのというふうに大きな目玉を実現していったわけですけれども、今回の新基本計画の中では、何か目玉が少しぼけているんじゃないかと感ずるわけでございますが、そういった目玉なども、この辺ではっきりしていくことも必要ではなかろうかと思いますし、予測されまする、今言った不況というものも計算に入れていかなきゃならないんだろう、こんなふうに考えております。いずれにいたしましても、健全財政の中での取り組みをしていただきたいな、このように思うわけでございますけれども、その辺につきまして、ひとつきちっとしたご答弁がいただければと思います。 ◎大場 区長 百床規模の区立の特養の建設や、改築に当たっての指針を定めて小中学校の校舎改築に取り組むなど、いろいろ後期実施計画の対象事業を、一部では既に先取りいたしまして推進しているわけでありますが、さらに急激な情勢の変化の中で、地球環境問題、あるいは国際化、土地・住宅対策、高齢者の在宅福祉サービス、福祉と保健・医療の連携、新市街地の整備、生涯学習や学校などの新たな課題が生まれてきておりまして、これまで調査・検討を重ねてまいったわけでありますが、後期実施計画では、こうした課題に対する施策を計画したいというふうにも考えております。  いずれにいたしましても、策定に当たっては全庁的な検討体制をつくりまして、区議会ともご相談をさせていただきながら、これまでのまちづくりの実績を踏まえ、個性豊かな「ヒューマン都市世田谷」の実現に向けて、新たな未来を切り開く準備として検討を進めてまいりたい、このように考えております。 ◆原秀吉 委員 なかなか盛りだくさんのご答弁をちょうだいしたわけですが、財政という面に対しては、見通しとしていかがなものでしょうか。 ◎佐野 助役 財政でございますが、実施計画を実現していくためには、何よりも財政的裏づけが必要であることはご指摘のとおりでございます。  前期の実施計画における財政収支の推計に当たりましては、その時点での税財政制度を前提にいたしまして、その後の経済情勢とか、財政状況などを勘案しながら推計をいたしました。特に本区の歳入の根幹をなす特別区民税につきましては、経済の動向と密接に連動しておりますことから、推計に当たりましては、過去の実績とか、経済成長率の予測などを考慮して推計をしたところでございます。  その後、我が国の社会経済情勢が非常に変わってきてございます。その後の内需主導型による景気の拡大などによりまして、国、地方とも税収は高い伸びを今までは示しているところでございます。しかしながら、異常な地価高騰や建築費の高騰、消費税を初めとする税制改革の実施など、予測のしがたい大きな変化も出てきております。したがいまして、前期実施計画財政見通しを大幅に上回る動きを現在のところは生じているわけでございます。しかしながら、結果的に、この計画の百七十四ある事業全体の実施ということからすると、今までは順調に進んでいるんじゃないかというふうに考えております。  今日の社会経済情勢は、ここに来て、ご質問にありましたように、円安の進行であるとか、先行き不透明感による株の下落、インフレ圧力防止のための第四次公定歩合の引き上げ実施、また、さきの日米構造協議における課題など、大変厳しい状況であることはご指摘のとおりでございます。特に本区の歳入は、世の中の景気に左右されやすい特別区民税がその根幹をなしているだけに、こうした社会経済情勢の動向次第では、区の財政運営に大きな影響が出てまいります。  したがいまして、今後の財政運営に当たりましては、こうした諸情勢を十分認識し、従来にも増して気を引き締めながら健全財政に努めるとともに、後期実施計画四年間の財政計画策定に当たりましても、特別区民税を初め、国、都補助金、特別区債など、的確な収入予測と、基金、繰入金、両公社の活用など、積極的な財源確保に努め、後期実施計画が実効ある計画となるように万全を期してまいりたい、かように考えております。 ◆原秀吉 委員 佐野助役の方からも、財政についてのお答えがあったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、二十一世紀を目指す世田谷づくり、やはり健全財政というのが根幹であるわけでございます。そういった中で、子々孫々にすばらしい世田谷をつくり上げていく、これは大場区政の大きな課題でもあり、責任でもあるわけでございますので、そういったことを踏まえて、これからも運営していただきたいことをお願いしておきたいと思います。  それでは、次の質問に入らせていただきます。昨日も遺跡調査等のお話が出ておりました。この前に私は質問もさせていただいておりますけれども、野毛大塚古墳の遺跡調査も大分進みまして、調査する都度、大塚古墳のすばらしさが表面化されているわけでございます。ちなみに関東ではホタテ貝式の古墳では、群馬県太田市の女体山に次ぐ第二番目の古墳と言われております。  この大塚古墳の復元につきましては、教育委員会の中でも大変お骨折りをいただきまして、東京都の方とも交渉も大分進んでいると伺っておりますし、今後、大塚古墳の調査並びに復元という大きな作業があるわけでございますが、その辺について具体的なプランがございましたら、また、検討されていることがございましたら、ひとつお聞かせいただきたいと思います。 ◎森本 社会教育部長 ただいまご指摘のありましたとおり、野毛大塚古墳はその後の調査を続行しておるわけでございますが、南関東で初めて埴輪列をめぐらし、さらに表面にふき石──石を並べるわけでございますが、ふき石で覆うという新しい技術を採用しました関東地方の中期の古墳文化を代表する有数の古墳であるということもわかってまいりました。  古墳復元の具体的なプランでございますが、基本的には、最初につくられたときの様式、規模をもって復元することが理想であるとは考えておりますが、しかしながら、区立公園の中にあります位置関係などから、さまざまな角度で検討をする必要があるのではないかと考えております。調査会の調査は続行いたしますが、その調査結果をもとにいたしまして、文化財保護審議会や、関係部課と十分協議いたしまして、早急に具体的な復元プランを決定していきたい、かように考えております。 ◆原秀吉 委員 今のお答えを聞きましても、例えばふき石というものが、ずっと調査していましたら出てまいりました。私も現場へ行って見てまいりました。あの石は、私の想定するところですと、多摩川の石を持ってきて並べたという感じもしないではないわけでございます。  復元工事については、東京都の方との財源は折半でやらなきゃならぬというような話も聞いておりますけれども、講じを着工していくということになりますと、一部あそこのテニスコートや何かも動かさなければならないんじゃないかという感じもするわけなんです。その復元工事について前々からもお話ししておりますが、それだけ立派な古墳というのは、世田谷区の古墳というより東京の古墳というか、南関東第一ですから、非常に価値のあるものであろうと思うので、前々から地元の保存会の方から、古墳のある公園にしてほしいみたいな話も出ています。その辺については、土木部長、いかがお考えでしょうか。 ◎大崎 土木部長 この多摩川の大塚古墳につきましては、私どもの公園の玉川野毛町公園の全面積約三・八ヘクタールほどございますけれども、その一角の二割以上を占めているわけでございます。  古墳の復元に当たりましては、お話のテニスコート等の公園施設との兼ね合いもございますが、全体の改修計画を来年度、平成二年度に予定しているものでございます。  改修に当たりましては、この古墳の価値を可能な限り生かしていこうということで、お話のように、大きな古墳のある特色のある公園として整備していこうと考えていますので、教育委員会とも十分協議してまいりたいと思います。 ◆原秀吉 委員 大変力強いご答弁をちょうだいいたしましたが、いずれにいたしましても、先ほどから申し上げておりますように、もう一世田谷の古墳ではないという考え方で進めてもらいたいなと考えております。  地域の人たちも大変認識を高めてまいりまして、そういった大塚古墳の保存会の方々を初めといたしまして、あそこは玉四地区になるわけですけれども、玉四地区の方々、それから玉川支所管内の方々も、やはり一つの玉川の目玉として大塚古墳が、お話を伺いますと、二カ年程度で復元できるということになりましたら、そういったことを祈念しながら、まちづくりに関連したイベントを計画してみたらどうか、こんなような話も地元では出ておるわけでございます。  先ほどからお話ししておりますように、清流多摩川なんていうのは、東京都二十三区の中でも、あれだけの清流を抱えているところはないわけでございますし、すぐ隣には等々力渓谷というすばらしい渓谷もございます。そういったものを一連に考えた中での区民ぐるみのイベントができたらすばらしいな、こんなふうに地元の方から声も出ておりますし、私自身もそういったことを考えているわけでございます。そういった何か手法があれば、お聞かせいただけるとありがたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎平田 玉川支所長 お話に出ておりますように、学問的にも非常に価値の高い古墳が所在しております玉川野毛町公園を中心にいたしまして、地域のまちづくりを推進していくということは大変意義あることだと思います。  ご案内のように、この公園には現在、プール、野球場、テニスコートゲートボール場、子供の遊び場等の施設が備わっておりまして、春秋のシーズンを初め、年間を通してこれらの施設を利用しての地域住民の集いが非常に盛んに開かれているわけでございます。ただいまお話にありましたように、古墳の復元を機会に、地域まちづくりの拠点として幅広い地域住民の参加を得て、各種のコミュニティー行事、活動等を展開するということは、地域まちづくりの観点からはもとより、広く文化財に対する認識を深め、普及させるという意味でも、意義深いことであろうと思います。  そこで今後、地域住民、関係団体と十分協議しながら、実現に向けて努力してまいりたいと思います。 ◆原秀吉 委員 玉川支所長の方から、考えてみてもいいというご返事でございます。やはりまちづくりという観点、何かそこに一つのものがあって、例えば梅まつりであるとか、桜まつりにしましても、いずれにしましても、何かを一つの拠点にした中でのイベントは大変意義があるだろう、このように考えておりますので、その節はどうぞひとつ大きなご支援をちょうだいしたいなと考えております。  私の持ち時間も少なくなってまいったんですが、そこで、今、多摩川の話をいたしましたけれども、多摩川の水も水質浄化ということで非常に動きがあるわけでございますが、せんだっては国際交流の一環としてですか、サケ会議なども行われました。その以前に多摩川サミットという、多摩川の水質浄化ということでお話がございました。区長も大変その点にお力添えをいたしておるわけですが、最近の多摩川を見ましても、一時期から思いますと大幅に水が浄化されております。昔の多摩川まではまだいきませんけれども、多摩川サミットでお話をなされた各市町村、関係市町村の努力目標とか、あるいはそれの成果等がございましたら、ひとつお聞かせいただきたいなと思うわけでございますが、いかがでしょうか。 ◎大崎 土木部長 かけがえのない多摩川の自然環境というか、世田谷区にとりましては、また、そこに暮らしている人々にとりましては、大変貴重な財産であると考えておるものでございます。  お話の多摩川流域協議会というのは、この貴重な財産を次の世代、二十一世紀に引き継ごうということで設立されたものでございます。建設省を初めといたしまして、流域の一都二県三十一の市区町村でもってつくったものでございます。  この協議会の事業といたしましては、水と緑のネットワーク計画ということと、総合的な水環境の改善に関する計画ということを策定し、またこれを推進していこう、そして多摩川の河川環境を改善していこうということにしてございます。そのうちの水環境改善計画につきましては、現在、多摩川の水質改善のために、河口部でもってヘドロのしゅんせつ等も行っております。また、多摩川に流入する支川、これは私どもの方でいいますと、野川の浄化装置、それが既に完成してございますし、対岸の川崎市の方の平瀬川につきましても現在つくっておりまして、一部供用を開始しているというところでございます。  今後も多摩川の河川環境の改善のためには、区としても協議会と一緒になって、計画の推進に力を注いでいきたいと思っております。 ◆原秀吉 委員 多摩川の水質浄化ということは、本当に多くの川を愛する人たちの願望でございまして、今土木部長からもお答えをいただきましたけれども、いろいろな角度でご努力いただいていることに対して、私も感謝しております。  しかし、何といいましても、多摩川の水質が大幅に汚染されたという原因は、やはり一番大きく取り上げられるのは家庭排水、工業排水、こういったものから大幅に汚染されてきたものだろう、このように思うわけです。そういった観点から見ますると、多摩川流域関係市町村の中で、下水道の普及が非常に大きな力を発揮するものであると私は評価しているわけです。世田谷区も下水道の普及率も大分高くなってきているところではありますけれども、そういった見地から見ての関係市町村の下水道の普及率などはどのような状況になっているか、おわかりでしたら、ひとつお答えいただきたいと思うんです。 ◎大崎 土木部長 下水道の普及でございますけれども、多摩川流域におきましての二十一市四町、これでもって多摩川流域下水道ということが都市計画決定されておりまして、これは多摩川水系の水質環境の改善を図るということでございます。  多摩川流域下水道というものは、複数の市町村の公共下水道からの下水を行政区域を超えまして、効率的に処理した後に多摩川に放流しようというものでございます。現在、東京都の方で所管しておりまする多摩川水系についての下水道の普及率といいますのは、狛江、三鷹市等七市につきましては一〇〇%という形になってございますが、奥多摩町や檜原村という山村につきましては、残念ながらまだゼロ%という状況でございます。しかし、全体を合わせますと、昨年の三月三十一日現在では七二%という数字になってございます。  先ほどの多摩川流域協議会のお話がございましたけれども、その中にも東京都の下水道局が強力なメンバーということになってございますので、多摩川に一日も早い清流を復活されるように今後も努力してまいりたいと思います。 ◆原秀吉 委員 今、私は聞き漏らしたのかもしれませんけれども、川崎市の方の下水道の普及率はどのような状況でしょうか。 ◎大崎 土木部長 川崎市は六五%と伺ってございます。先ほど申しました東京都側の七二%、それから川崎市側の六五%、人口割りとか何かしておりますと、合わせますと七〇%という数字になります。 ◆原秀吉 委員 多摩川でも、ラブリバー多摩川、川を愛する人たちがサケの稚魚の放流事業を始めまして、もう大分積み重ねておるわけでございます。私も多摩川の川育ち、おやじは多摩川の漁師でございましたから、特に親しみが深いわけでございます。サケを放流しまして、ことしは何尾上がったという報告も伺っております。昔は多摩川にサケはいなかったわけでございますけれども、放流したら〇・何%か知りませんが、遡上してくるという、私から見ますと、むしろ不思議に思えるくらいの結果が出ているわけでございます。  ただ、昔から多摩川にはサケ科でマルタという魚がおりました。これが三月の月末から四月、五月にかけて産卵のために海から遡上してくる。これを地元の漁師が、川の砂利をきれいに洗って、卵の産みやすい場所をつくりまして、産卵に来るところを一網打尽に投網にとるということで生計を立てていたわけです。これは笑い話じゃないんです。そういった時代が昭和三十四年、五年まで続いておりました。  先ほどお話ししましたように、水が汚染されてから、マルタという魚が全く遡上してこないんですね。昨年あたりから、ちらちら見えるようになってきたというような話も出ているわけでございます。そういったことを考えても、多摩川の水質浄化はもう一息かな、こんな感じがしないではないわけでございます。  多摩川の川を愛する人たちの中に多摩川ロマンの会という会があるんですが、そのロマンの会でも、このたび屋形船を一そう新造いたしました。五月にそれの入水式をやりたいという話が出ておりますけれども、そのときには区長においでいただいて、乗り初めをしていただこうか、こんな話も実は出ておるわけでございます。いずれにいたしましても、多くの人たちが熱望している多摩川の水質浄化、それには今後ともひとつ大きなご努力をちょうだいしたい。  最後に、区長から一言いただければと思いますが、いかがでしょうか。 ◎大場 区長 多摩川の川の浄化ということは、ひとり川の問題だけではなくて、その流域に住む住民、あるいはまた、その川を利用するそれぞれの住民の方々のこれから命にかかわる大きな問題であるととらえて、今まで協力してまいったわけであります。  当然川がきれいになれば、そこに生息している魚が戻ってくるわけでありまして、これには大変な時間がかかったというふうに思っておりますが、お話がございましたように、昭和三十五年ごろから、家庭の雑排水が入りまして大変濁りまして、ほとんど魚が見られなくなったという状況でありましたが、ただいまはアユも天然遡上がありますし、もちろん春になりまして、もうすぐマルタの時期が来るわけですが、どのように上ってくるか、これなども大変関心を持って我々も見ているわけであります。ラブリバーの皆さん、あるいはまたロマンの会の皆さんとか、大勢の皆さんと協力しながら、今回また、特に国際サケ会議を開いて、関心を呼んでいただいたわけでありますが、努力を重ねて、なるべく早く昔の母なる川に戻したいと考えております。 ◆原秀吉 委員 区長からも力強いご答弁をちょうだいいたしまして、非常にうれしく思います。区長だけの問題でなく、全庁を挙げてこの問題は取り組んでいただくようなお気持ちで、これからの多摩川の水質浄化に臨んでいただきたいことを要望いたしまして、私の持ち時間を終わりにいたします。 ◆小谷勝 委員 おはようございます。  私は、平成二年度の予算編成の取り組み方、考え方、ほか何点かお尋ねをしてまいりたいと思いますが、まず、平成二年度の予算についてでございます。  平成元年度千六百十六億に対しまして、千八百三十一億三千万円、予算規模にして前年度対比一三・三%増という大型、積極予算に取り組んだことは評価している一人でございます。  過去五年間の世田谷区の当初予算と、それから決算の歳出決算額を調べてみますと、昭和五十九年度が、当初予算千百五十三億に対して歳出が千百六十四億と、十一億増なんです。六十年度は千二百十二億に対して千二百三十五億、二十二億。六十一年度は千二百七十億に対して千二百七十一億と、これは六千百万円の増である。ここまでは、役所の予算としては、皆さんスペシャリストが編成されて、よく経済の動向、税収を見込んだ見事なものだと思っておるんですが、その後、経済の動向や、地価や、あるいは東京都の交付金等が──財調などがふえたということもあるんでしょうけれども、六十二年度になりますと、千三百五十七億円の当初予算に対して、決算額が千四百七十七億と百十九億円ほど増。また、六十三年度は千四百六十一億に対して千七百四十二億と二百八十一億円ほどで、さらに今年度千六百十六億の予算額に対しまして、せんだっての第四次補正額では二千十一億円という金額。もちろん決算は五月か六月ごろになると思いますので、あるいはこの数字より下回るかもしれませんが、約四百億円近くの増。いろいろと出入りがありまして、またこれは今後ずうっと続くとも思えません。  非常に昨今の株安、円安、さらに債権の暴落などありまして、大変不安定な時期に入ってきましたので、私は前から、どうしてこの二、三年、当初予算と決算額は違うんだろうか、こう思っているところでございます。もちろん経済動向を見ながらこれからでございますが、九月補正をひとつ大型に順調に上がってくるようでございましたら、考えていただきたい。そんなことも踏まえまして、ことしの平成二年度の当初予算の取り組み方、考え方をお示しいただければと思います。  当初予算、特に事業費などは、道路予算あるいは建設予算などは最初から組んでおきますと、職員さんもそのつもりで積極的に活動に当たれるといいますか、生き生きとした仕事をできるんではなかろうか、こういうふうに思ったりもするものでございますから、ひとつお考えを示していただければと思います。 ◎大場 区長 ご指摘のとおり、六十三年度では二百四十億円、また元年度では二百二十億円を超える最終補正予算を計上しているわけでありまして、当初予算規模から考えますと、最終的に相当な伸びになっているというご指摘でございます。  この要因といたしましては、土地高騰による譲渡所得の伸びが大きかったことにより、特別区民税の伸びや国の地方財政計画を大幅に上回る利子割交付金の伸びが大きかったと思っております。また、都区財政調整の交付額の確定が年度末近くとなるためなどの制度上の問題もございまして、ここ数年、区財政をめぐる環境は大きく変化しており、国庫補助負担率の引き下げ、異常な土地高騰、税制改革の動きなど予断を許さない状況が続いているわけでありますが、積極的な財源確保に努めてまいりましたが、予測のつきにくい部分もございますし、慎重な財政運営とならざるを得ない面もあったわけであります。  このような状況ではございますが、元年度におきましても、一時補正で五十一億円、最終補正でも二十五億円の道路用地買収費を計上しておりまして、財源の見込みのつき次第、その積極的な活用に努めてまいりました。しかしながら、今後は社会経済動向に留意しながらも、ご指摘の点を十分踏まえて、可能な限り早い時期に、より積極的な予算編成に取り組んでいくのが大切なことではあるかと考えております。 ◆小谷勝 委員 今ご答弁をいただきました中に、今後の社会経済情勢の動向を見てということでございます。  私も昨日の新聞の夕刊を見てびっくりし、また夜、NHKテレビを見ておりましたら、株の暴落等に対してテレビの対談で解説者が、株価は先行き何かを物語っているという言い伝えがあるぐらいに株価の動向というのは、先行きの経済情勢に多大な影響を持っているということで、これからの日本経済、まして世田谷区の税収の動向にも大変心配、懸念されるところでございます。  区民税は、主として昨年度の所得に対して課税されてまいりますので、平成三年度はうんと心配される面もあるかと思うんですが、ことしはおおむね税収は順調に伸びてくるんじゃないかなと、私、素人ながら思っているものでございます。  そこで、先ほど私もお話ししましたけれども、自民党はかねてより、余分に税収が上がったときには、建設費その他に蓄えておいたらということで、党もそれに積極的に取り組んでいるのは評価するものでございますが、三月補正ですと、その年度の事業では、もう執行することが特に事業予算などはできません。できましたら今から計画、社会経済の動向にも影響しますけれども、九月補正でひとつ道路予算、建設予算費等、昨年も五十一億円も九月補正をやっていただきましたが、ぜひ今から検討しておいていただいて、できましたら年度末でなくて、早目に大型予算を組んでいただければ、こういうふうに要望して、次の質問に入りたいと思います。  美術館のことでございますが、中でもレストランのこと、六十一年の三月に開館しまして、私も本議会で十一月と翌年とご質問したことがあるんですが、当初より美術館の食堂のスペースが狭いということは予想されたことでございますが、その後、美術館も大変予想より人気があり、またレストランの雰囲気がいいせいか、食堂で食事をする方が大変に多い。特に土曜日、日曜日は、スペースが狭いせいもありまして、一時間から三時間ぐらい待つということで、私も持ち上げて、増設を申し上げたんです。平成元年度の予算書を見ますと、実施設計費が一千百五十万ですか、ついているということで、大変うれしく思う者の一人でございますが、この増築の予定面積、またはテーブル数、増設後の総収容客数など、また利用人員は、増設後どのぐらい見込んでいるのか、細かい質問でございますが、お答えをいただきたいと思います。 ◎成富 総務部長 美術館のレストランにつきましては、今ご質問の中にもありましたように、美術館に対する人気もあることと、それから砧公園という適地にあることで、公園に来園する方々にもかなり人気がありまして、特に日曜日や祭日なんかには、かなりお待ちいただくということで、増築をしたいと考えてございます。  どの程度の面積かということでございますけれども、現在、レストランの部分には二百七平米ということで、大変狭くなっておりますので、できれば、これを二倍以上、五百五十前後ぐらいまでにはふやしてみたいと考えております。  客席のテーブルが現在十四席ございますが、それを倍増したいということと、それから、客席がふえるに伴って、当然ながら厨房室も同じようにふやしていきたい。現在設けていない従業員の休憩室だとか、更衣室、あるいは食品倉庫といったものも、その中に新設をしていきたいと考えてございます。  客席を倍増することによって利用人員の見込みでございますけれども、数量的には具体的に見てございませんけれども、ピーク時の緩和だとか、あるいは団体客の受け入れなど、予約の受付は容易になろうかと考えてございます。したがいまして、現在、人員的には年間七万人前後の方がご利用いただいておりますけれども、少なくとも十万人を超える方々がご利用いただけるようになろうか、そんなふうに見込んでございます。 ◆小谷勝 委員 時間がないので、簡潔にご答弁をいただきたいんです。実施設計の費用が載っているんですが、これからの建設の着工時期、あるいは完成、それとあわせて建築中は休業するのか、あるいは何かプレハブ等で仮営業するのか。それから、上にのせるのか、横へ延ばすのか、あわせてお願いします。 ◎成富 総務部長 増築の部分は、現在のところは裏の方の駐車場の一部を考えてございます。したがいまして、二階にのせるのではなくて、一階の部分として広げていきたいというのが現在の考え方でございます。  今年度は、設計を予算化させて計上させていただいておりますけれども、設計に三、四カ月、そのほか積算や何かだとか、あるいは場合によっては、公園審議会の審査も要りますので、そういうことだとか、裏の駐車場の一部を利用しようと考えております。あそこにかなり大きな樹木がございまして、できればそういったものも移植をして活用していきたいと考えておりますので、樹木の移植の時期も考えますと、ことし中に設計にかかるんではなかろうかと思っております。したがいまして、工事は平成三年度の工事というふうなことで、おおむね八カ月ぐらいを見込んでございますので、九カ月程度の休業をしなきゃならないんじゃないかなと思います。仮営業については、厨房を工事いたしますので、現在のところは仮営業はちょっと難しいかと考えてございます。 ◆小谷勝 委員 仮営業が難しいということですが、あそこにジャルダンというのがございますね。喫茶店といいますか、軽食ができる。あそこで、もうちょっと食事のメニューをふやして、できるだけ区民に。まるっきり食事がないということでは困りますので、特にあの近くは電車や徒歩で来る方が、近所に食事をする場所がないので、その辺、できるだけ区民利用という利用者の便を考えて、いろいろとご配慮いただければ……。  それから、あそこは東京都の土地でございますね。たしか六千坪の土地を区長が東京都その他と折衝して取得をした。お借りしている土地でございますけれども、大変なことで、これは既に評価されておりますが、この後、世田谷区の恒久的な財産として、美術館はみんなに親しまれている。  私も視察先で、世田谷は立派な美術館ができていいですねと言われたときに、ひそやかにうれしいといいますか、誇りに思っているものでございますが、今後、東京都といろいろ折衝したり、今後の見通しなどについて、短くお願いしたいんです。 ◎成富 総務部長 喫茶の方はルソーといいますけれども、仮営業につきましては、可能かどうかわかりませんけれども、できるだけの努力をしていきたいと思います。  東京都との折衝の模様でございますけれども、公式にはまだ許可は受けておりませんが、事務レベルでは、具体的な内容を詰めるように現在やっております。駐車場の問題だとか、あるいは樹木の移植だとか、建築の面積の規模だとか、あるいは公園に与える景観上の問題といったものを勘案しながら、事務レベルの折衝をしてございます。今後は設計予算が確定をした後、設計内容を固めると同時に、保健所だとか消防署等関係機関との事前協議を行って、来年度の増設に向けて努力をしていきたいと思っています。 ◆小谷勝 委員 できるだけ東京都の方ともよくお話し合いをされて、いいものを早く、そして区民の方が、より多くの方があそこでいい環境のもとに憩いの時間を過ごせるようにご努力をお願いして、次の質問に入ります。  美術館の食堂の増築の件でお尋ねをしたついでに、区の公共工事のことについて少しくお尋ねをしたいと思っております。昨年度、区の入札不調が九件、また建物の工事請負や下水道工事契約等の工期のおくれといいますか、変更が十六件、合わせて二十五件出ておりますが、この入札不調や契約変更の主な原因、理由を改めてお聞きしたいわけでございます。 ◎成富 総務部長 入札の不調、それから工期延長は、今ご質問にありましたような件数でございますけれども、不調の理由は、現在の民間の建築ブーム等の影響を受けて、技能労働者の絶対数の不足といいますか、それに伴って型枠工だとか、鉄筋工等の賃金が高騰したということが大きな原因ではなかろうかと考えております。  契約の変更、工期延長の関係は、一つは下水道の枝線工事に関連をして汚水升の増設だとか、施工方法の変更による金額の変更が十六件のうち八件ございます。そのほか上北沢の区民センター新築工事が、都の下水道工事のおくれによって、その影響で工期を延長したということと、それから北沢タウンホールの新築工事に関連をして、これも技能労働者の不足だとか、あるいはバスの折り返し場の移転の遅延、そういったことで工期延長をしてございます。 ◆小谷勝 委員 区もいろんなことで積算単価の見直しや、あるいは型枠工その他の人手不足の解消に努力されたのは、その努力は評価するんです。鉄筋工、型枠工、配管工、あるいは資材の値上がり等が工事におくれを来しているということでございますが、私は、公共工事の建築の設計に当たっては、デザイン能力の高い、いい設計事務所といいますか、そちらを選定するということは大変いい反面、型枠工のいい人が少ないとか、あるいは民間に流れるとか、高いとか、そういうことで、結果的に工事が延びるということになっていることも一因であると思う。  私も、業者からちょっと聞いたことに、主観的なことも入りますけれども、学校、体育館、地区会館などは、より丈夫であることが大事ですが、便利で長持ちする耐久性がある。そして安くて、その上にデザインといいますか、美観が要求される。デザインの方が先行して、また、それを奥深く追求した結果として、労賃や、あるいは人がいないとか、積算価格が高くなるとかいうことで、工事のやり手がなくて、結果的に随意契約ということで、それも大手業者がやる。少なくとも地区会館、体育館クラスまでは、区内業者にやらせてあげればと。それは税金を払っている区民でございますので、特に美術館とか、本庁舎だとか、高度な大規模なものは別でございますが、そういう点を十分ご配慮いただいて、いたずらにデザイン追求を第一にされないように、今後ともご指導をいただければと思います。  次は、国際交流事業についてお尋ねいたします。  当初予算にも出ておりますが、今年度事業予算が九千九百七十六万円、昭和六十三年度は二千三百五十二万円、今年度は、三千三百八十三万円に比べると予算が大分ふえて、区が国際化時代に対応するということで、大変力を入れていることがうれしくも思い、また大変望ましいなと思っています。今年度の大幅に伸びた増加の要因、今年度の計画についてどうでしょうか。 ◎成富 総務部長 国際交流の関係の事業予算の伸びた主な理由でございますけれども、一つは、姉妹都市であるカナダのウィニペグ市と、ことしが姉妹都市を結んで二十周年ということで、それに関連する行事を一つ予定してございます。それから、ウィーン市のドゥブリング区で世田谷公園という名の日本庭園を設けるということで、それに対する設計協力等の予算を計上しているのがございます。  そのほかに、区内に住む外国人の方が非常にふえてきたというようなことで、そういう外国人の方への情報提供をしていきたいということで、外国人を対象にした生活ハンドブックの作成だとか、それから、区の職員に外国語の研修を少し組織的にやって、できるだけいろんな窓口で、職員が直接外国人の方に対応できるような体制をつくっていきたい。そんなことで計上して、昨年に比べて約三倍増の予算を計上してございます。 ◆小谷勝 委員 ウィニペグ市の二十周年事業についても計画されているというご答弁ですが、四月から平成二年度になるわけですが、ことし二十周年ということですが、具体的にどのようなことを計画されていますか。 ◎成富 総務部長 まだウィニペグ市と折衝中で、中身が完全に固まってございませんけれども、向こうの方の希望としては、八月にウィニペグで行われるフォーカラマといいますか、その民族祭に、てきれば参加をしてほしい。もし参加をするならば、やはり日本の伝統的な文化芸術をあちらでご披露していきたい、そんなふうなことを考えてございます。 ◆小谷勝 委員 私も一昨年、区議会の海外視察団の一員としてウィニペグ市を訪問したんですが、あちらで大変大歓迎を受けまして、非常に感銘深く思っていた一人でございますが、ぜひひとつ今後とも、二十周年に当たって国際交流を進めていただきたいと思います。  ウィーンの世田谷公園と命名する日本庭園のことでございますが、ひとつこれも、日本人があちらへ行って奇異に感じないような日本庭園、日本人らしい日本庭園にしていただきたい。よく海外のいろいろな施設を見ますと、日本人が行って、これは中国の施設じゃないかなというふうにちょっと間違うようなところもありますので、西洋人から見ますと、日本人も中国人も、歴史的にも、また人種的にもよくわからないということもありますので、これは業者任せでなく、また、あちらさん任せでなく、区の方がよく勉強して、公園課等とも相談されて、ひとついい庭園をつくっていただければと思います。  時間が来ましたので、もう一点だけ、細かい話でございますが、学校または出張所等の交際費といいますか、活動費についてお尋ねしたいんですが、学校長、出張所所長等の交際費は、年額どうなっているんでしょうか。 ◎上野 学校教育部長 学校長につきましては、一校当たり十五万円ということで予算措置はしてございます。 ◎大淵 世田谷支所開設準備室長 出張所所長の交際費でございますが、一人年間十五万円でございます。これは平成元年度から前年までの十二万円から三万円増額をいたしております。 ◆小谷勝 委員 学校は一校当たり十五万円、出張所所長には十五万円、これは年額でございますが、月に直すと一万二千五百円でございますか。
     今、学校も出張所も地域との交流を大変強く叫ばれ、望まれているところでございます。それで、地域との交流や諸行事に賛同して、一緒に校長、出張所所長が出ていくということは、諸行事にさまざまなことで飲食等が伴う場合、手ぶらではいけないということで、三千円でも五千円でも、社会通念上の交際費をお持ちする。計算しますと、参加が四回ある。そのほかに冠婚葬祭、お葬式でもあると、なかなか顔も出せない。そういうことで、勢いポケットマネーを使う。それもできないで欠礼をするということで、地域に飛び込み、地域と交流しよう、青少年の育成のため、またまちづくりのためにといっても、なかなか交際費が少ない。  そこで、私の要望でございますが、ひとつ役所のことでございますから、警察と学校は交際費がないんだという話も前から聞いておりますが、私はあえて交際費とは言いません。活動費、運営費、事業費という名目で、できるだけ学校の先生、あるいは地域の支所も含めて、出張所の所長等がひもじい思いをしないように格段のご配慮をお願いいたしまして、定時間でございますので、終わりとさせていただきます。 ◆中村大吉 委員 お尋ねする前に、今期で管理職の方が七名、係長が二十七名、一般の職員が百三十四名で、合計百六十八名の職員がご退職をなされると伺いました。時期の長い短いはあったことだとは思いますが、在職中、世田谷区政の進展に大変お骨折りをいただきましたことを改めて深く感謝を申し上げますとともに、どうぞこれから、どこに行かれてもお体を大切にして頑張っていただきますように、心から祈念をいたす次第でございます。本当にご苦労さまでございました。  それでは、私の方からお尋ねをするんですが、委員会の運営上約束事があるようなので、再質問という形にならないと思うので、ここの席上でやりとりのない部分が多く出てきてしまうかなという感じがします。どうかその点は、意のあるところをお酌み取りいただきまして、事業執行には十分意を用いていただきたいということをあらかじめお願いをいたしておきます。また、話の中で大変失礼な言い方が出るかもしれませんが、その点もお許しをいただきたいと思いますし、同時に、お伺いをするというより、区長以下、それぞれの部局の責任者を初め職員全体の奮起を促して、今後の事業の取り組みに努力していただきたいということをむしろお願いをいたしたい。そういうことを言いたいということで、ご質問させていただきたいと思います。  それで、若干の重なるようなところがあるかもしれませんが、事例を変えてご質問をさせていただきます。  まず、先ほどもお話がありましたが、実施計画の後期分についていろいろ話がありました。まさにそういう意味合いでは、平成二年度は新基本計画の集大成の方向を決める重要な時期だ、年度だと思います。そういうことからいきますと、これからの区政にとって重要な課題がたくさんあるわけですが、その中で私なりに整理して、区長並びにそれぞれ責任者の人たちの所感なり、考え方をお尋ねをするわけでございます。前段で申し上げましたように、私の方としては、奮起を促したいという形でいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  従来は、土地基盤の整備という言い方をしていたんですが、最近は、まちづくりとかなんとかという言い方で、非常に耳当たりのいい言い方を行っていますが、都市基盤の整備、まちづくりの中で、とりわけ道路の整備関係でございます。現在、道路整備方針というのを策定していると伺っておりますが、そういうふうなことも早く確定をして、そして、道路整備に万全の取り組みをしていただかないといけないんじゃないかと思うんです。  区画整理の中の道路の新設、あるいは近くは第二庁舎の西側の道路の拡幅事業、そういう面でのご努力はよくわかるんですが、進まない代表といったら、細七と恵泉裏と言われちゃうだろうと思う。それは、区長も各部局も大変なことだということで、道路整備室を土木部から独立させて、そして取り組んでいこうというだけの意気でやったことなんですから、どうかそういうことについては、もっともっとしっかりした決意を持って取り組んでいただかないといけないと思いますが、いかがでしょう。 ◎大場 区長 後期実施計画に沿う道路問題だと思っておりますが、ここ数年の急激な地価高騰によって、土地利用への区民の意識の変化とともに、区の都市環境にも大きな影響があらわれようとしているわけであります。こうした中で、区民の皆さんが安心して住み、働き、魅力ある生活が享受できる町をつくっていくことが、引き続き当区にとっての重要なテーマとなっているわけであります。  道路は都市のさまざまな機能を支える重要な骨格でありまして、単に移動の空間としての役割だけではなくて、防災上、あるいは環境保全、供給施設設置などの役割も担っておりまして、今後はさらにニューメディアケーブルなどの高度情報基盤施設の収容、あるいは道路の上部、下部活用による複合的都市空間の創出などという新たな役割も考えられるなど、道路の持つ重要性はますます大きくなってくることが予想されております。  新基本計画の中では、暮らしを支える道路づくりの重点事業の一つとして積極的に財源収入を図ってまいりました。しかしながら、区の道路率、都市計画道路の完成率も二十三区平均を下回るなど、道路整備はいまだ立ちおくれた水準にとどまっている状況では、引き続き道路整備を重点課題として進めていく必要があると認識しております。  こうした点を踏まえて、後期の実施計画の中では、まず道路整備方針を確定し、これをもとに道路の整備をさらに推進してまいりたい、このように考えている次第であります。 ◆中村大吉 委員 最近、特別養護老人ホーム関係の話がいろいろと出てきて、区長も招集あいさつの中で、区立の施設をつくっていきますよということでお話がありました。それは大変結構なことだと思うんです。これはそういうふうに考えてみれば、いわゆる高齢化社会に向けての対応として考えていかれることだと思うんですが、しかし、今までの経過を見てみると、むしろ遅きに失したのではないかという感じをいたしております。ただ、そういった施策が施設を建設してというより、在宅サービス方式という考え方が途中で出てきたという経過もあるので、その辺は理解はしないわけではありませんが、どうかひとつその点については大いに努力をしていただきたいと思うんです。しかし、これらに向かって、かつては特老あたりの事業そのものが、いわゆる勤務状況を含めて、いろいろ難しい面があったと思う。  そういうような難しいことがあるということは、既に昭和五十七年ごろに、世田谷区では総合福祉計画などを立てて、福祉と保健の関係はどうするんだ、特老の中でそういうサービスの提供はどうするのだということを既に提言していたと思うんですね。しかし、今の基本計画の中では生かされているんだろうけれども、そういう提言なども出てこないままに、新基本計画がこう進んできた感じがする。細かく言うと、それぞれの事業部で事業計画書というものを立てていらっしゃるので、それで変えているという感じはするんです。しかし、総合福祉計画のように複合した、いわゆる福祉と保健をどうするんだ、そういった横断的な事業計画書ではないように感じられるので、特にこういうふうなものがない中で、新基本計画が立てられてきたということについて何かご意見があれば、伺っておきたいと思います。 ◎佐野 助役 福祉総合計画というお話が出ましたけれども、これは以前は課題別計画としてとらえていたわけでございます。  課題別計画の中には、この福祉総合計画のほかに、例えば防災市街地整備基本計画であるとか、あるいはみどりとみずの基本計画、生活道路の整備計画、青少年総合計画等々、いっぱいあったわけでございます。しかしながら、昭和六十二年に策定されました新基本計画では、課題別計画という位置づけはとりませんでして、前期四カ年の実施計画の中に、生涯学習の体系化、あるいは地域福祉計画、地域保健・医療計画、在宅福祉サービス計画等々の策定などを課題別計画的なものとして考えまして、ここに取り入れたわけでございます。現在は、これらの計画の方向性が出つつありますので、後期実施計画ではこれらを踏まえまして、具体の事業実施計画を策定してまいりたいと考えております。 ◆中村大吉 委員 区長の招集あいさつの中で、百幾つの事業を推進してまいりましたと言っていらっしゃるが、それは大変ご努力をされていることはわかります。しかし、よく見ると、どうも面倒なものは後ろ回しにするという嫌いがないでもないという感じがしているんです。今申し上げましたように、特養の介護問題、そういうふうなものは福祉と保健の関係をどういうふうに横断的につなげていくのか。また、勤務体制や専門職の養成ということだと、なかなか難しいことだろうとは思うんですが、しかし、そういうふうなことをどうも先送りにしてしまう嫌いがあるように私は感じているんです。  後でもお話し申し上げますが、住宅問題のように、突発的に時代の変化によって出てくるようなもの、そういうものも考えていかなくちゃならないけれども、本来的に区がやるという話の中で計画されているものであったら、どういうふうに計画順位をつけるか難しさがあるかもしらないけれども、しかし、計画順位をつけて、それをちゃんと計画的に予算化していく。そういうふうなことでないと、結局は面倒なものは後回しで、やりいいところから順にやってしまうという嫌いが出てきてしまうので、そういうことについてこれからどういうふうに取り組んでいくか、その辺は明確にしておかないと、虫食いの事業推進になってしまうおそれがあると思うんです。  今も申し上げましたように、総合福祉計画のように横断的な話ということになると、かなり進んできた縦割りを解消する方向ではあっても、まだまだそういうふうな点では不十分。それだけに事業の展開について、今申し上げますように、難しいものは先送りということのないようにしていただかないと困ると思うんですが、その点で所感があればお伺いいたします。 ◎佐野 助役 決して難しいものを先送りしているわけではございませんで、今回の住宅条例のように、非常に土地・住宅問題が出てきたという場合には、土地・住宅問題懇談会を設置いたしまして、各部を横断的にまたがった検討によりまして、総合的な住宅対策をつくるにはどうしたらいいかということを考えまして、これは計画にはのっかってなかった大きな課題でございますが、具体的に早急に手をつける必要があるというので手をつけたわけでございます。  このように本質的な課題には勇気を持って取り組んでおるつもりではございますが、ご案内のとおり、本年は後期実施計画の策定に入る年でもありますので、この策定作業の中で、ご指摘のございました福祉と保健の連携の問題、それから地球的規模の環境の問題、人口減少、高齢化への対応など、緊急かつ重要な課題に十分配慮して計画を策定してまいりたいと思います。  また、新基本計画の中で重点として取り上げました中に、ふれあい公社、トラスト協会など、幾つか実現してきたものもありますので、重要性、先駆性、象徴性などを条件といたしまして、今後も総合的に考慮しまして施策の優先順位を明らかにして、予算の重点配分に努めてまいりたいと考えております。 ◆中村大吉 委員 それは重点にちゃんとやっていきますよということで何度も言う話ですが、そういうふうに取り組んでいっていただくことも、新しくして古い話だけれども、またここで改めてお願いをするわけです。  しかし、実際に例を挙げてみると、来年に地域事務所が始まるといって、参事の方もいろいろ調整をしていますよなんて言っているようですが、実際には、私が知らないのかもしれませんが、例えば地域事務所行政の中で、いわゆる保健所と福祉事務所の関連はどうするのかというと、まだ調整がついていない感じがするわけです。来年もう仕事を始めなくちゃならない。むしろもう具体的な話になってなくちゃならない時期に、その辺の調整が、まあ何かやってみて、そこから一つずつ解決していこうという感じがあるような感じがするので、改めてここでまた申し上げておくわけなんです。  助役もこの前、難しい仕事をして、それができ上がると、おのれも成長したというふうに大変立派なお答えをいただいているので、その辺のところについては十分心していただかないといけないと思います。  それから、これまた区長のあいさつの中に、住宅問題をかなりのスペースを書いてあいさつをされていました。住宅条例が今議会で議決されたという経過もあったので、また、助役が今言ったように、社会情勢の中で取り上げる状態になってきたということなんでしょう。いろんな意見があるでしょうけれども、特別区クラスの財政規模の中で、住宅行政がなかなかなじまないという感じは、従来的にあったんだろうと思うんですね。しかし、そんなことは言っていられないよということで取り組んでいくんですから、取り組みそのものには大変評価をするんです。  しかし、実際に今度はやってみると、区長も言っているように、社会的に弱い立場の人たちからの方から進んでいく。そうすると、若年層、二十代、三十代の人たちに住宅施策の恩恵がいくのはいつごろになるかというと、かなり先になってしまうだろう。それが一つの例として、人口減少の歯どめの役目もしていきたいという考え方があるとしたら、そこに至るまでの投資財源というのは大変なものだと思うんです。ですから、そうなると、勢いどうするのかというと、国の施策だとか都の施策だとかをいろいろと調べて、区独自がどんなふうにやっていくのかというふうなことを生み出さなくちゃならないんだろうけれども、あの話の中でいくと、十億積み立てたのに、もう十億足して二十億、その二十億の果実で何とかしていく話のように聞こえるんだが、二十億の果実の運用で住宅行政ができるなんて言ったらば、私は、とてもとてもそんな話じゃないと思うのです。  また同時に、区独自の施策をすると言うけれども、これは二十三区の中でだんだんみんなやっていくんだろうけれども、財調関係についてだって、いわゆる住宅関係の管理費程度、維持費程度は財調の中で見るけれども、建設関係のいろいろな問題については、二十三区統一した財調の対象になってくるのかどうなのか。それらだってまだまだ不明確な点があるので、そういうふうな点についても、もしこれからの考え方があるとするならば、この際に聞いておきたいと思います。 ◎佐野 助役 おっしゃるとおり、住宅建設には財調の問題とか補助金、それから起債、いろいろな方法で財源を獲得していかなければならないと考えます。  現在、都区財政調整の普通交付金に算入されている項目といたしましては、高齢者集合住宅整備費、高齢者民間アパートの借り上げ、高齢者住宅改造助成経費など、高齢者福祉に関する住宅整備が中心となってございます。また元年度特別交付金で、希望ケ丘シルバーピア関連経費が措置される見込みでございます。  平成二年度の新規算入の項目につきましては、高齢者民間アパートあっせん事業、シルバーピア型高齢者住宅費用加算などが予定されております。しかしながら、二年度からの都営住宅の区移管、それから高齢者向け集合住宅整備などの施策、あるいは住環境の悪化などに対応できる施策の必要性などを考えますと、都区財政調整の住宅関連算入項目は、現状では極めて不十分なものだと考えております。したがいまして、今後はご指摘の基金の果実の運用にとどまらず、住宅関連経費の都区財政調整算入につきまして、都区協議の場において、強く東京都に要望してまいりたいと考えております。 ◆中村大吉 委員 この機会に教育長の話も聞いておきたいと思いますが、きのうも学校の改築指針の話が出ていた。五月ごろに答申が出るというお話のようですが、その中で、学校教育部長も大変いいことずくめの三柱だとかなんとかということを言っておったようだが、いいことずくめじゃなくて当然なことで、学校改築をする中で、従来のような考え方で学校改築の指針が出てくることは考えられない。それはどういうことかというと、みんなが言っているように、生涯教育というふうな中、あるいは学校が地域の核であるということで、いわゆる新しい学校改築指針が出てくると思うんです。  そういうふうな指針をつくっているところ、当然先生たちも入っているんだろうと思うんですけれども、教育委員会の頭だけがずうっと先に出ていって、何か学校現場の中では、どうもそう進んだ意見があるような感じがしない。私らの感じでいったら、学校の現場そのものは特殊な社会というか、もっとひどい言葉で言ったらば、学校現場というのは大変閉鎖的な社会みたいな感じを受けています。先生方は教育のプロとしてイロハを教える。そういう面では、確かにプロとしての自負を持っているでしょうし、経験を持っているでしょうけれども、今は、それだけではないよということを言われているわけでしょう。  そういうふうな中で、学校改築指針も、もっともっと現場にも徹底する。教育委員会全体にも徹底する。行政の中にもそういう理解を徹底してもらって、つくり上げていかなければ、なかなかうまくいくものではないと思っている。学校が地域の核であるということになれば、地域はどういうふうに学校を育てていくのか。家庭はどこまでの教育をしていくのか。あるいは学校ではどういうふうなことを教えていくのか、そういったものがいろいろ言われるんでしょうけれども、言われることはある程度出てきているんだろうと思うんです。ただ、どういうふうにして課題に挑戦するかということだと思うんです。その辺のところについて所感があれば、この際伺っておきたいと思います。 ◎小野原 教育長 今進めております学校改築指針は、学校が地域の中でどのような役割を果たすか。また将来、生涯学習社会を迎えて、学校というのは地域の方々にどのように調和していくのか、そういった観点がどうしても必要かと思います。  私どもは学校建設だけの問題ではないということで、庁内的には教育委員会が事務局になっていますが、関係課長に策定委員会のメンバーになっていただいて、広く意見を集めている。それから、先般お話に出ました玉川中、中町小、具体的に学校を決めて、建設の仕方について、学校の教職員の方々に直接説明すると同時に、地域の方々にも聞き取り調査を行って、町の中の学校といったものを形づくっていきたい。そういうふうなことで進めております。  こういった調査を通じて、今申し上げました五月ごろには、一つのイメージというものがご報告できるんじゃないかと思っております。 ◆中村大吉 委員 建物の改築そのものが、言ってみれば、児童をめぐる環境整備、環境づくりというふうなことでこういうことが考えられるわけでしょうが、例えば、ちょっと伺ったんですが、これは区長の方の国際化ということも考えながら、ことし、子どもの遊ぶ権利のための国際協会とかというところで、国際会議を世田谷が会場を持ってやると聞いています。細かく私どもにはわからないところがあるけれども、聞いてみると、婦人児童部はかなり関与しているようだけれども、教育委員会あたりはどのくらいかんでいるのかよくわからないが、そういうふうなものも利用して、教職員の研修プログラムに入れてみる。そういう中で出てきた話は、これからの子供、世田谷独自の人づくりに寄与できるような、そういう考え方がなかったらいけないんだろうと思うんです。この辺は私の方は言いっぱなしでおきますが、その辺を十分ご検討して、世田谷区独自の人づくりのための斬新的な計画を明確に仕立てていただきたいということを言っておきます。  それから、最終的には責任者は区長ですから区長になるんですが、これは区長ばっかりでなくて、各事業部の責任者がいるんですから、一般事業についてはすべて事業部の者が責任をとる。同時にまた職員もそういうことなんですが、それはどういうことかというと、今はいろんなことを言われている。いろいろこの委員会でも言われているし、常時言われているけれども、実際にそれらを所期の目的どおりに仕事をしていくのは、執行体制が整備されていなかったらどうにもならないだろう。  今は高度技術社会といいますか、あるいは情報化社会というのか、そういったようなことで日進月歩で進んでいく中で、それらに対応していけないために、あるいは東欧あたりでもああいう問題が起きてくるんだと。それは、近くは世田谷の中でも当然そういうことが言えるはずなので、区長、そういうふうな点について一層心して、執行体制について見直し、あるいは職員の意識改革を進めて、事業推進、せっかくつくる後期実施計画達成のために努力するための執行体制強化を、ここでよくお願いいたしておきたいと思います。もし所感があればお伺いします。 ◎大場 区長 お話にございましたように、実施計画に掲げた目標を達成していくため、あるいはまた、ほかの事業をやるにしても、おっしゃるとおり執行体制の強化が必要であります。  現在区では、来年の四月からスタートする地域行政を着実に実現していくための組織の検討に入っているわけでありますが、後期実施計画を実現するため、いろいろとお話が出てまいりましたが、実効ある執行体制の検討を、地域行政の組織の検討とともに進めていくようなことで、執行体制の強化を図っていきたいと思っております。 ◆中村大吉 委員 繰り返して申し上げますが、ここで話の出なかった部分、いわゆる水面下にある大きな部分のことについては、執行機関の人たちは十分心得ているはずだと思いますし、心得てもらわなければいけないわけです。そういうことを肝に銘じて、これからの事業執行に万全を期していただく。最善の努力をしていただきたいことを重ねてお願いをいたしまして、終わります。 ○大高定左右 委員長 以上で自民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時三十七分休憩    ─────────────────     午後零時三十五分開議 ○大高定左右 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆増田信之 委員 平成二年度の予算審議もいよいよ大詰めとなりまして、この午後を残すだけとなりました。よろしくお願いいたします。  私たち公明党は、終始一貫、あらゆる機会を通しまして、住宅、福祉、あるいは環境問題を最重要課題として取り組んでまいりました。そういう立場から、今回の平成二年度を迎えるに当たっての区長の招集あいさつは、これらの問題を中心に所信表明されており、心強く思いますし、また期待もしているものであります。しかし、長期展望で区政を考えたときに、教育問題は大事なベースの部分であります。だからこそ、予算面でも教育費を大きく計上しているんだと思います。そこでまず、教育問題について二、三、取り上げたいと思います。  初めに、昨日の文教所管でも、感動する卒業式とか、人を思いやるボランティア教育とか、さまざまな美しい話が出たわけでございますけれども、現実はなかなかそうはいかないようであります。最近、中学校で起きた大変残念な出来事についてお尋ねしたいと思います。先月、先生が生徒に殴られ、けられ、そして引きずられ、最終的に骨折して入院するという事件がありましたが、その経過をお尋ねしたいと思います。 ◎上野 学校教育部長 今、ご質問ございましたように、中学校で体育教師暴力事件というのが、残念ながら発生したわけでございます。これは二月の十三日、半ばのころでございますが、事故の報告が早速指導室の方へ学校から出されました。それに対しまして、早速、指導主事、それから指導室長、それぞれ対応したわけでございますが、何分にも事件が事件でございますので、被害者の方は相当の重症で入院もしたし、それから加害者といいますか、暴行を働いた子供の方はそれなりの処置ということで、今日まで来ているわけでございます。  それに対しまして、指導室から学校、PTA、その他の関係諸機関との連携のもとに、きめ細かい指導を行ってきたところでございます。事件直後から、具体的には指導主事が校門のところで保護者と協力しながら、学校の安静化を図るなり、その後事件が起こらないような対応、それから学校の職員会議、あるいはその中でも校長、教頭、生活指導主事、学年主任、担任、こういったところとしばしば対応会議を重ねてきたところでございます。  暴行を働いた子供たちの方はその後更生いたしまして、おくればせでございますけれども、きょう二十三日、夕方三時以降になると思いますが、それぞれ卒業証書を授与するというところまで回復してきたところでございます。 ◆増田信之 委員 この不幸な事件が起きるまでには、前兆が長い間あったというふうにも聞いております。学校長にもお会いしました。学校長もこの問題には大変真剣に取り組んできた一年間であった。それが原因かどうかわかりませんが、校長先生も、左半面、顔面神経痛で顔が曲がってしまったという、こういう状態にまでなっているようでございますけれども、先生方も一生懸命取り組んだ。また、父兄も今お話がありましたように、校門に朝立ちを交代でして対応した。教育委員会としても、指導室長以下、指導主事の方々が真剣に取り組んでくださったということは、学校長も大変感謝しておりました。  しかし、そこまでこの一年間対応しながら、どうしようもなかったのかということでございます。今回は骨折で入院という事態ですが、それ以前にも、数人の先生がプール等で引きずり回されているのを、授業中に一年生が教室からみんな見ていた、こういうような出来事がありました。  そこで、学校長の考えで、父兄全部にそのことをつぶさに報告して、父兄の方々からいろんな声が寄せられて、一つの小冊子にして、私も読ませていただきました。ほとんどの父兄の方が、学校長あるいは先生に対して、激励の言葉が多うございまして、なぜもっと強い姿勢で取り組まないんですかという意見もある。教育委員会は何をしていたんですかという意見もあります。大変な思いで私も校長に聞きましたらば、選んで載せたんですかと言いましたら、そうじゃありません、公平を欠く意味で全部載せましたというふうに言っておりました。  もちろん、体罰主義には基本的には私は反対でございますけれども、一部、現場を知らない無責任な評論家が、テレビで学校を非難するようなことを平気で言ったり、あるいはそういったマスコミを気にしたりされて、なすがままというのが学校現場の状態のようであります。  しかし、こうした心配をされる学校は区内にまだ何校もあるという話も聞いております。また、こういう事件が将来起きないという保証もないということも確認しております。こうしたことは学校現場任せではなくて、だんだんエスカレートしていった、たばこを吸った、ボンタンをはいてきた、いろんなことが見受けられるわけですけれども、そういう時点で、教育委員会あるいは教育長が責任を持って、強い姿勢で学校現場に臨めるように援護すべきではないのかな、こう思いますけれども、教育長、いかがでしょうか。 ◎小野原 教育長 今お話の出ました学校につきましては、確かにそういう前兆があったわけですが、この学校は先生方が一体となって生徒の指導に当たったということで、かなり正常化が図られておりまして、現在ではほぼ普通の学校に近くなったんじゃないかというふうな見方を持っていたわけなんですが、突然、二月の半ばにこういう事件が起きて、十分指導し切れなかった子供たちがまだいたのではないかというふうな点で、私どもも残念に思っています。  こうした先生方の一致した姿勢が、やはり子供たちにとっていい影響を与えているというふうな感じがこれまでの中からも学び取ることができると思いますが、同時に、先生方がこうした一体となった姿勢をとれるバックアップを、やっぱり教育委員会はしていくべきではないかと考えております。もちろん強い姿勢も必要な場合もあるかと思いますが、また、子供もこれから社会に巣立っていくというふうなこともあろうかと思います。そういった中で、できるだけ子供のことも考え、また学校全体のことも考えた措置というものを私どもはとっているところでございます。 ◆増田信之 委員 最近では忠生中ですか、防護のためにナイフを持って生徒を刺しちゃったという痛ましい事件もありましたけれども、そういうことが区内でないように、これからもよろしくお願いしたいと思います。  もう一つは、小学校の教育現場でございますけれども、ある小学校に車いすの女の子が通っています。学校からは特殊学級のある学校へ行くように言われたそうでございますけれども、頭が悪いわけでもございませんし、将来のことを考えて、普通の学校へ通わせたい、こういう思いになるのは親として当たり前のことだと思うわけでございます。  そこで、その父兄、お母さんが学校長と話し合った結果、学校の指示でお母さんがつききりでいていただければということで、この二年間、登校から下校までつききりでいたそうでございます。昨年の夏、ようやく二階に身障者用のトイレが一つできたそうでございますけれども、もちろんスロープもリフトつき階段等もございません。ことしも特殊学級に転校しないのであれば、親がつききりでいてほしい、このように言われているそうでございます。  ノーマライゼーションという言葉の原則からいっても、こうした児童が普通に通学できるようにすべきだと思います。ほかの公共施設には身障者用の設備が積極的に検討されておりますけれども、学校だけは別と考えるのはおかしいんじゃないかな、私は個人的にそう思います。今策定中の学校改築指針の内容とも関係してきますが、お答えはいかがでしょうか。 ◎上野 学校教育部長 今お話のようなケースももちろんでございますが、体に障害のあるお子さんの就学につきましては、その実態、親御さんの考え方とか、それから学校施設の状況、教員の受け入れ態勢、こういったもろもろの中で話し合って、総合的に判断いたしまして、就学措置を決めているわけでございます。  お話にございましたように、手すりであるとか、トイレだとか、そういった部分は、その都度どんどん改善はしておるわけでございますが、スロープ、それからリフトというところまでは、構造上なかなかいかないというのが実態でございます。行っております改築指針、それに基づく新たな改築については、当然これからそういった点、十分考えなければならないと思いますし、また、その後の全面改築に至らないまでも、構造的に可能な場合の増改築を考えたときには、そういったものを十分取り込んだ形で考えていく、こう思っております。 ◆増田信之 委員 企画総務の領域のときに、企画部長から世田谷区のスローガンが再度確認の意味で話されまして、福祉社会を目指す「ヒューマン都市世田谷」という言葉、こういう言葉をうたうのであれば、すぐにでも取り組むべき問題だ、このように思います。きのうも、人を思いやる気持ちをはぐくむ教育をという答弁もありましたけれども、非常にその言葉がむなしく聞こえてくるわけでございます。ソフト面でも、母親をつききりにさせるのではなく、学校現場で対応させるようにできないかなというふうに思うわけでございます。  聞きますと、担任の先生は私がやりますというふうにおっしゃっているようですが、状況からそれはできないということもあるようでございます。学校総体として受け入れる温かい気持ちが欲しいと思います。教育長、一言お願いしたいと思います。 ◎小野原 教育長 本区の場合には、特殊学級も三十校近くございますし、また、普通学級の中にそういった障害を持つお子さんを受け入れている学校もございますが、平成二年度は、特に松沢小学校に重度のお子さんが入っていますので、そういった対策として、エレベーターをつくろうというふうな予算を計上させていただいております。そういうようなことで、施設改善を図ると同時に、今お話の出ました介護、これについては大変制度的に難しいという点があるわけでございますが、なお校内での協力体制とか、そういったものを研究させていただきたいと思います。 ◆増田信之 委員 次に、LD児について取り上げたいと思いますが、最近、ようやく日本でもこの問題が注目されるようになりました。そこで、LD児についての所感とお考えについてお尋ねしたいと思います。  本来、婦人児童部長、福祉部長、衛生部長にも次々に聞きたいんですが、時間もございませんので、教育委員会の部門でお答えできればと思います。 ◎上野 学校教育部長 LD児はいわゆる原語で言いますと、ラーニング・ディスアビリティーということで、我が国では、学習障害という形で昨今言われ始めた、いわゆる障害児教育の一環であろう、こう受けとめているわけでございます。アメリカでは三十年の歴史があるやに聞いております。我が国ではまだ十年足らずの研究ということで、私どももまだ、ある意味ではこれから取り組まなきゃならない部分であろうと思います。その特徴を提唱されている方の書いたものによりますと、妊娠中や出産の際のトラブルで、脳の発達に部分的な障害が起きたことによって、できる分野とできない分野の能力差がはっきりしている。手先が不器用とか、幼児期には言語のおくれも見られる。落ちつきがない。情緒が安定しない。こういったことで特徴があるということでございます。  我が国の場合には、障害のあるお子さんの教育につきましては、養護学校、それから障害児の身障児の学級と区立学校に編成している身障児の学級、こういったところで受け入れる形が制度的になっているわけでございますけれども、現在、障害児学級、それから養護学校もそうでございますけれども、障害が重度化、長期化している傾向があって、学習障害と言われている方々、お子さんについてのところまでは、ちょっとまだ手が回らないといいますか、十分対応できない難しさがあるわけでございます。  その学者さんの言う話では、本来なら普通学級から情緒障害の学級に通うなどして、専門的な指導を受けた方がいいんじゃないかというご説のようでございます。本区にも、情緒障害の通級学級があるので、そういった形では小学校では対応できるかもしれませんが、今度それが中学校へ行く場合とか、そうなりますと、それだけでは不十分ということで、今後その対策も考えなければならない。しかし、何分にもまだよくわからない部分、ごく一部の専門の方が取り組んで研究されている関係上、学校全体の中で取り組み、世田谷区における教育総体全体の取り組みとしては、まだ今後とも研究、勉強していかなければならない課題じゃないかと思うわけでございます。しかしながら、現実には、こういった形の教育上の需要、ニーズが起きているのは事実でございます。私どもはそれに対して今後とも勉強して対応していきたい、こう思っております。 ◆増田信之 委員 確かに、子供自身の脳の働きに関係する原因というふうに推定を日本ではされているわけですけれども、学習面でさまざまなつまずきを持っているために、単に勉強のできない子とか、あるいは子供の努力不足とか、こういう形で各学校ではとらえられている、あるいは家庭でもそうとらえられているということでございます。  アメリカでは、私は昔LD児だったんだと、はっきり胸を張って言っているそうでございます。ソウルオリンピックのゴールドメダリスト、あるいは、今「七月四日に生まれて」という人気の映画がありますけれども、あそこに出演しているトム・クルーズ、こういう方々も、おれはLD児だったとはっきり言っています。そういう制度はきちんとして守られるから、立派に自分の個性を伸ばして、そういう方面に伸びていけるということがあるわけでございます。  私は、このLD児専門の土曜教室が開かれておりますが、ここを一年間ずっと見てまいりました。また、つい先日もこの卒業式を拝見して、大変感動いたしました。この教室に通っていたOBの方で、ことし高校を卒業して、情報処理関係、コンピューター関連の会社に勤めたということを皆さんに紹介されました。そういうふうに、手の施し、あるいは援護によっては、大変立派に成長していくという宝物でございます。  日本では、現在のデータでは二、三%あるいは四%、簡単に言うと、一クラスに一人か二人はいるというふうにも言われております。ただ、日本の教育のテンポが速いためについていかれない。そのままついていけないために落ちこぼれになってしまう。あるいは、動作が遅いためにいじめられっ子になっている、こういう現実もあるわけでございます。  このLD児は、日本では学習障害児というふうに訳されています。私は、この障害という言葉は余りこの子たちに当てはまるかどうかというのは疑問ですし、この翻訳がいいのかどうかわかりませんけれども、最近では、マスコミはようやくこれを取り上げ始めております。また、お母さん方の会も全国で結成されていますし、世田谷にはにんじん村というのがありまして、独自にやっていらっしゃいます。ただ、研究家の方も一部の人がこれを研究しているだけで、文部行政を初め全国の自治体、行政対応は全くゼロというのが現状でございます。  先日、この問題の権威者でもある学芸大学の上野助教授に何回か懇談いたしましたけれども、世田谷に大変期待をしておりました。というのは、世田谷区の職員の中にこのLD児を研究なさっている方が何人もいらっしゃるという、こういうことも聞いておりまして、大変心を強くしているわけでございますが、この問題は、私もたくさんアメリカの資料を持っておりますので、また別の機会に取り上げたいと思います。  こうした一点の問題を考えましても、教育相談主任の役割というのも非常に重要だと思います。そこで、現在行われている教育相談主任会の現状とか問題点、あるいは平成二年度より教育相談宿泊研修が予算化されているようでございますけれども、その内容はどのようになっていますでしょうか。 ◎上野 学校教育部長 児童生徒、例えば登校拒否にしろ、いじめにしろ、あるいは学習のおくれなり、生活上の問題、いろいろ問題、悩みというのはあるわけでございます。そういったものを少しでも解決、取り除いていくということのために、教育相談というものは力を入れて充実させているところでございます。  しかし、じゃ、何かあるから教育相談のところへ行って相談しなさいでは、これはある意味で時既に遅いという嫌いもありますので、私どもといたしましては、日常の学校生活の中で教育相談活動を活発にさせて、できるならば事前に予知し、事前に発見して、早く手を打って、少しでも立ち直りを早くさせてあげたい。こういったことで、学校における教育相談活動と、それから教育相談室の教育相談と連係プレーをさせているところでございます。その学校における教育相談活動のかなめになる人が教育相談主任ということで、毎月教育相談主任協議会というものを、教育センターで開いておりまして、そこで情報交換なり、事例研究をしながら自分たちの資質向上に、それから学校全体のレベルアップということに力を尽くしているわけでございます。毎月やっておりまして、年に一回は研究発表という形で成果をまとめております。  それからまた、もう一つのお話の宿泊研修の方でございますが、教育相談主任の宿泊研修、これは一日で会場でというもののほかに、もっと突っ込んだ話、夜を徹してでも話していこうじゃないかというような意気込みを受けとめまして、宿泊研修ということを平成二年度から計画しているわけでございます。これは、各校の教育相談主任と、毎月の主任協議会もそうでございますが、教育相談室の専門の教育相談員もできる限りの数の人に参加してもらいまして、教育相談室から見た事例なり、あるいは学校における事例を、今度は教育相談の専門の人と教育相談主任という学校の先生とが討議し合いながら、お互いに研究していく。こういったもくろみで考えているところでございます。 ◆増田信之 委員 成果を大いに期待しております。時間もありませんので、本来、住宅問題について何点か、ワンルームマンションの問題、あるいは人口構成の問題等もしようと思ったんですが、これはやめまして、先日の三月十七日付の読売新聞の都民版のところに記事が出ておりまして、世田谷区と兄弟区である台東区で定住対策を特命事項とする助役を置くということで、今紛糾しているそうでございます。また中央区、港区では、新年度、平成二年度から部長級の住宅担当ポストを設けて、さらには住宅課というものを新設するというふうに、住宅に対する取り組みを組織強化をして取り組もうという記事が載っておりました。住宅に力を入れているこの問題に対して、世田谷区は一歩進んでいると私は思っているんですが、区長はこの記事をどのようにお読みになりましたでしょうか。 ◎大場 区長 お話がございましたように、台東区が二人助役制を導入して、住宅対策を強化しようということでやったわけでありますが、論議を呼んでいるようであります。当区では既に二人助役制をとっており、住宅対策についても担当を決めているわけでありますが、住宅対策については招集あいさつでも申し上げましたように、大変重要であると認識いたしております。今議会に全国初の住宅条例をご提案いたしたわけでございまして、組織の強化につきましても、明年四月に予定しております地域行政制度の発足に合わせまして、引き続きプランニングの機能や諸条件の整備を図るため、本庁機能、機構の中に住環境整備課の設置を考えております。  また、今後都営住宅の移管、区立住宅の建設など、本格的に建設供給や維持管理が進んでまいりました段階では、さらに組織機構の充実を図ってまいりたい、このように思っております。 ◆増田信之 委員 最後に一つだけ、今出ました平成三年度からスタートする地域行政の組織に絡んででございますけれども、現在公害対策課というのがありますが、この部門はいわゆる公害問題というのと同時に、生活公害に関する要望もかなり数多く寄せられて、むしろどこかの自治体でございました、すぐやる課みたいな要素も持っているようでございます。それからいきますと、これが五地域に分散されますと、専門知識のことも含めまして、対応というのは大変心配されるわけでございます。できれば地域事務所単位に生活公害に関する相談窓口を設置するのと同時に、本庁機能として公害対策課を残すべきではないのかなと思いますが、いかがでしょうか。 ◎新井 生活環境部長 ご指摘の公害関連の苦情・相談業務の地域事務所への移管につきましては、身近な地域事務所で対応することが公害対策業務の効率性だとかサービス性の充実につながるものと考えております。例えば、近隣関係の欠如から生じますクーラーとかピアノの騒音、あるいは落葉の苦情など、そういったいわゆる生活型公害の苦情・相談などがございまして、専門技術を伴わない簡易な測定と調整機能を中心としたものを予定しております。  したがいまして、本所機能といたしましては、専門職を配置し、機材、器具も完備しておりますことから、当然専門技術を伴います対応と地域事務所へのバックアップ体制を兼ね備えたものとなります。いずれにいたしましても、移管を予定しております地域事務所での苦情・相談のマニュアル化と研修を十分に行いまして、地域事務所での処理が現在の苦情・相談事務の処理よりも身近で、かつ効率的なものとなりますよう努力してまいりたいと考えております。 ◆増田信之 委員 以上で終わります。 ◆中塚護 委員 私は公明党の最後でございますが、大場区長出馬以来四期が経過しようとしています。十六年目へ向けて、今予算審議に入っておるところでございますが、この十五年間を振り返って、成果と意欲については私どもも高く評価をいたしているところでございます。そこで、この十五年間を振り返り、区長としての区行政の取り組みについて、まずご所感をお伺いをいたしたいと思います。 ◎大場 区長 私は、昭和五十年の区長公選以後、福祉社会の実現、豊かな文化と活力に満ちた都市づくりに全力を上げまして、四期目の区政を挑戦の時代ととらえまして、新たな区政を創造すべく力を尽くしてまいったわけであります。  現在、区政が当面する課題としては、地価高騰から生じた居住への不安を解消し、区民生活の安定を図ること、すべての世代が協力し、高齢化社会を支え、活力ある地域社会をつくること、環境問題に対し、区民との協力を進め、地域の環境保護に配慮したまちづくりを進めること、地域に根差した住民自治の基盤をさらに強固にし、それにふさわしい区政の仕組みをつくり挙げることなどでございます。これらの課題を解決するために、これまで区政が区民の皆さんと協働して積み重ねてきたまちづくりの成果をしっかりと踏まえながら、個性豊かな「ヒューマン都市世田谷」の実現に向けまして、皆様のお力をおかりしながら、新たな未来を切り開いていきたい、このように考えております。 ◆中塚護 委員 そこで、次の選挙へ向けて、区長は出馬の意向を示されておりますが、今後は新基本計画の後期実施計画が行われてまいるわけでございます。その最重点項目としては、今回のこの予算審議の中で特にいろいろ出てまいりました住宅、特別養護老人ホーム、在宅福祉の拡充、温水プールの建設、学校施設の改築、整備、環境、ごみ、緑の保全等々であろうかと思いますが、これらの問題に対しての区長の今後の取り組みの姿勢について、そのご決意を伺いたいと思います。 ◎大場 区長 先ほど五十年代の私の公選以来の区政の創造についていろいろお話し申し上げてきたわけであります。これらを踏まえまして、ただいまお話のございましたように、いろいろな課題を解決するために、区民と、皆さんと協働して積み重ねてきたまちづくりの成果でございますので、しっかりと踏まえながら、この個性豊かな「ヒューマン都市世田谷」ということの実現に向けまして、さらに努力を続けていきたい、このように考えております。 ◆中塚護 委員 区長のご決意をお伺いし、また私ども議員も区長と車の両輪のわけでございますので、全力を挙げてともに取り組んでまいりたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。
     次に、昨今の交通事故による死亡者、これは全国で一万人を超してまいりました。警察庁では本年、非常事態宣言をいたしまして、交通事故を一件でも減らすよう、各種の施策を検討していると伺っておりますが、この非常事態宣言に対して、区の対応はどうなのか。例えば、交通問題には道路の管理ということも重要なことでありますし、また、安全施設の整備、道路標識、道路標示の設置やカーブミラー等々の整備、道路の隅切りや見にくい道路の改善、道路形態の改良など、区で行われなければならない多くの問題も山積をいたしております。  また、特に駐車違反の問題や道路の保管場所の取得に対する問題、交通渋滞の解消なども大事な問題でございます。これらも交通事故増加の一因であると言われておりますが、区としても、ぜひ事故を一件でも減らすために、最大の努力をしていただきたい。また、していかなければならないと考えております。  そこで、例えば、交通事故撲滅運動の推進本部長として大場区長が就任をし、そこで指揮をとっていただいて、全庁を挙げてその啓蒙、あるいはキャンペーンを行っていく。また、区民からのいろんなアイデアを募集していくなどの方法もあろうかと考えておりますが、区長のご所感はいかがでございましょうか。 ◎大場 区長 交通問題につきましては、特にこれは警視庁が担当しているわけでありますが、しかし、交通安全ということについては、地方自治体としての世田谷も大変大きな役割を果たしているわけであります。おっしゃるように、住民の命を守るという意味からも大変重要な問題であろうと思いますので、警視庁とも十分相談をしながら、私たちの方でできることを十分に踏まえて、おっしゃるような対策を立ててみたい、このように思っております。 ◆中塚護 委員 今、区内の人身の交通事故というのは、昭和五十六年が千七百七十二件で、五十九年に千五百七十五件と減少しました。そこでまた、昭和六十年から増加をいたしてまいりまして、昭和六十三年に三千五百五十四件と、前年比七百四十五件で、二六・五%の増加となっております。人間尊重、人間優先を基本理念として、「ヒューマン都市世田谷」の実現を目指し、すべての区民が安全で快適な生活ができるような交通環境づくりのために、交通安全対策の諸施策を講じていく、こういうことでございますが、そこで、一番身近な世田谷区が、例えば警察や消防署等の問題についても、これらは都で今行われているわけですけれども、これらを区長の権限で区の管轄にしたらどんなものができるんだろうか。もっと住民生活に密着した声を直接反映していける、また対応も迅速にできるんではないかと考えるんですが、区長、いかがでございましょうか。 ◎大崎 土木部長 交通安全につきましては、人間尊重の立場から、全庁を挙げて交通安全施設の整備、あるいは啓発等に取り組んでいるところでございまして、来年度、平成二年度におきましても、今年度よりも三〇%多い予算を組んでいるところでございます。全国的にも重要な交通機関であります国道とか都道、あるいは高速道路等もございますので、交通行政というのは区の行政を超えて行う必要があるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。  また、専門的な分野にわたることが大変多いものですから、今後も警察、消防署とも十分な連絡調整をとりながら、相互に協力しながら、区民の交通安全のために努力していきたいと考えております。 ◆中塚護 委員 そこで、こういういろんな交通に関する問題を取り扱うセクション、これが今ご答弁いただいた土木部の方で所管をされているわけですが、特に全般を扱うセクションを設置をする必要があるんじゃないか、こう考えております。平成三年の四月、来年四月には地域事務所の体制がとられるということになっておりますので、それぞれにそのセクションをつくって、住民の皆さんの声を直接吸い上げて施策に生かしていく、こういうことにしたらどうかと考えておりますが、その辺のご見解はいかがでございましょうか。 ◎大崎 土木部長 交通安全対策というのは、区でも私どもの方で交通安全施設の整備のほか、児童や高齢者の安全対策を大変多くの部門で行っているわけでございます。したがいまして、交通問題全般を取り扱うセクション、そのセクションでもって全責任を持って事業を行う。ほかの部門はタッチしないということよりも、各部門、各部門ごとできめ細かな対策を立てていくというのが大変よいのではないかというふうに考えているわけでございます。そして、そのまとめ役、集約しているのが従来どおりの土木部が当たっているということでございます。地域事務所の発足に当たりましては、もっと便利にというのがモットーでございますので、区民の要望や相談に応じる機能も考えていきたいというふうに思います。 ◆中塚護 委員 ぜひ充実した施設を設置していただいて、セクションも充実していただく。その取りまとめを土木部が行う、こういうことでございますので、ぜひ土木部長、積極的に取り組んでいただきたいと要望しておきたいと思います。  次に、国際交流、これも区長の所信表明演説の中でも出ておりました。また、いろんなところでも言われてきております。本区におきましては、姉妹都市提携、カナダのウィニペグ市とはもう二十年を迎えることになりました。先ほどちょっとお話がございましたが、何か向こうへ行って日本の伝統文化をご披露する、こういうことでございますが、また、オーストリアのウィーン市のドゥブリング区とは交流五年目を迎えたわけでございます。ことしはホーヘヴァルテ屋外プール跡地に、本区の協力で日本庭園の造成が行われるということになっておるわけでございまして、まことに喜ばしいことかと思います。こうした節目を迎えておりますので、本年は盛大に国際交流ということを行ったらどうだ、こんなことでございます。  私も三年前に、ウィーンのドゥブリング区に区議団の視察でお伺いをいたしましたときに、ティラー区長を初め、十九区の議員初め多くの方々に大変な歓迎を受けまして、感動いたしたことをいまだに覚えております。昨年、ティラー区長一行がお見えになりました際に、評議員の視察で九州に行っておりましたために、お会いできないのが残念でございましたが、遠くからはるばる来日をされました皆様に、心から歓迎の意を表したい気持ちでいっぱいでございました。  そこで、ことしは、例年行われる世田谷区民まつりの前夜祭あたりに、ぜひ区内に住んでいる外国人の方々をお呼びする。そしてまた、カナダの大使館やオーストリアの大使館等々にも当然お声をかけていただいて、会場にはウィニペグや、あるいはオーストリアの本国からいろんな代表的な特産品を持ってきていただいて、ここで展示即売をするとか、あるいは本場の音楽を聞きながら、それぞれの国の民族衣装を着ていただいて、本場のワインでも飲みながら、ワインパーティーを区民と外国人一緒になって盛大に開催したら大変楽しく、喜ばれるのではないかと考えておりますが、区長、いかがですか。 ◎大場 区長 国際交流への幅広い区民の理解を深め、参加を促す機会として、区民まつりなどの場を活用したらどうかというようなお話でもございます。祭りでの催物への外国人の出演者がふえてきておりまして、国際色豊かになってきていることはご存じのとおりであります。また、祭りを見にくる外国人の方々も大変多く見受けられるようになりました。今後とも、国際化時代にふさわしい祭りになっていくことを大変望んでいるわけでありますが、区としても世田谷ウィニペグ友好協会などの協力を得ながら、国際交流コーナーを設け、姉妹都市のPRや物産品の販売などを行っております。具体的なプランにつきましては、区民まつり企画委員会の中で検討いただくことになりますが、区もご指摘の趣旨を踏まえ、この機会をつくることや舞台づくりに、今後とも努力してまいりたいと考えております。  また、区内に住む外国人の方にも世田谷を知っていただこうということで、イベントや文化スポーツ行事に参加してもらうことなどが大変大切であろうというふうに思っておることはご指摘のとおりでございます。 ◆中塚護 委員 区内に在住する外国人の方々もだんだんふえている状況でございますので、こうした方々とも有効的なおつき合いが広がっていくように、積極的な取り組みをお願いをいたしておきたいと思います。また、こういうことで、当区がウィーン市ドゥブリング区との交流をしている、こういうことが具体的にどんなことなのかということですね。実際に向こうに世田谷区の公園ができたからといって、お金を出して見にいく方は非常に少ないんではないかな、こう思うわけでございます。  そこで、例えば向こうでできた公園の写真をとって、こちらの方に大きくして展示をするとか、あるいはドゥブリング区のいろんな有名なところといっても余りなかったようでございますが、気持ち的には大変すばらしい歓迎をしていただき、またウィーンの森ということもございます。ドナウ川の、あの広い満々と水をたたえたあの土手に桜の木が植えられ、そして世田谷の記念碑ができておるわけでございますし、あそこへ私も桜の木が植わったときに土をかぶせてまいりましたので、また何年か後に行ってみたいなとは思っているんですが、なかなか行けないんではないかな、こう思っております。そこで、ぜひ区民の方々の多くに、こうした世田谷区の交流をPRするためにも、多くの方々と交流をすることを望んでおきたいと思います。  そこで、次の問題に移らせていただきますが、いろいろ多種多彩にございますものですから、あっちへ飛んだりこっちへ飛んだりしますけれども、これは二番せんじということでは決してなく、改めて申し上げたいんですが、今回の予算委員会でもかなりの審議が行われました、区内の古紙、アルミ缶回収の団体が百五十三、今あるということでございますが、これらを区がアプローチして、組織化して拡充していってはどうかというようなことも出ております。  また、昨年初めて実施をいたしましたリサイクルフェア、これも大変関心を集めて、成果を上げております。各地域事務所単位でこれらを主催し、活発に実施をしていくことも大事なことではないかな、こう考えております。これらは消費生活課、あるいはまた地域振興、または関係所管課が一生懸命努力をされておるようでございますが、こうした問題についてどういう取り組みをされるのか、お伺いをいたしたいと思います。 ◎新井 生活環境部長 ご指摘のございました資源再利用団体でございますが、百五十三団体で、元年度二月末現在では五千百四十トンの実績を示しておりまして、活動団体数の数が回収量の増にもつながっているなと考えております。現在、この百五十三団体ございますが、ご提案のありましたように、活動団体の組織化につきましては、コミュニティー活動の一環としても、またリサイクル運動の充実、拡大を図る上でも重要なことではなかろうかと考えております。以上でございます。 ◎冨士 産業振興対策室長 お話にありましたように、現在各地域でバザーとかガレージセール、あるいはフリーマーケットなどが行われておりますが、こうしたそれぞれの地域の持つパワーや施設を活用して、お祭り的なムードを持ったイベントの一つとしてリサイクルが実施されますことは、リサイクルを推進する上で、また地域のコミュニティー形成の上からも大変望ましいことであるというふうに考えております。  地域事務所の発足後は、各地域事務所や関係課と調整を図りながら、地域の実情に応じましたリサイクルフェアの実施の可能性を今後は検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆中塚護 委員 ぜひともその拡充に努めていただきたいことを要望いたしておきます。  次に、本区で初めて宮坂地区会館に床暖房用としてソーラーシステムを導入しつつございますが、施設建設に関しては、天然資源のソーラーシステム等の導入を積極的に取り組んでいったらどうか、これらは私ども公明党が従前より言ってきたことでございますが、今初めてこの宮坂地区会館に導入ということでございますので、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。 ◎谷田部 建築部長 ソーラーシステムの方法としては、主に二通りございます。一つは特別な機会設備を設けないで太陽熱を取り入れ、主に暖房に使う方法でございます。もう一つが貯湯槽、補助的ボイラー等の機械設備を設けて給湯や暖房等に利用する方法がございます。宮坂地区会館の方式といいますのは、前者の方式でございまして、屋根面に設置しました集熱のパネルといいますか、板から空気を送風しまして、地下にあります体育室と多目的室の床暖房に使うものでございます。  この方式は、お話にありましたように、区として初めて採用したものでございます。モデル的な面がございますので、導入効果につきまして、費用の面とそれから無公害エネルギー利用の面など、そういった総合的に考えまして、今後の参考にしたい、こういうふうに考えております。 ◆中塚護 委員 世田谷区では、太陽熱利用で各個別の住宅に取り入れる場合、ソーラーシステムの導入をする場合に、無利子でお金を貸していただけるほど、一生懸命努力をされておるわけでございますが、実際に貸している大もとの区が全然ソーラーシステムというのは効果がないよというような結論では啓蒙にならないわけでございますので、ぜひその成果を期待をしておるところでございますので、よろしく、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  それから次に、いろいろ言いますが、青少年問題に対して、予算書の二〇九ページに出ておるわけでございますが、次の二十一世紀を託す青少年を育成するためには、もっともっと真剣に取り組んでいっていただかなくてはいけないんじゃないかな、またその必要がある、こう思っておるんですが、この予算書を見ますと、二千数億の世田谷区の予算の中では、これから先、二十一世紀の大事ないろんなものを託す青少年を育成するには、ちょっとお寒過ぎるんじゃないか。  これを見てみますと、サンデーウォーク、ヤングフェスティバル、国際交流、国内交流等々、こういうことで一千九百四十四万の大金がついているわけでございますが、これで世田谷区の青少年問題の取り組みがいいのか、こういうことになると、ちょっとその前の四千七百万を抜かしておくと、後でいろいろ出てこようかと思いますので申し上げておきます。これから世田谷区の大事な八十万人口の、この大世田谷を担っていく青少年が、まずここに定着をしてもらわなくちゃいけないわけで、そこでいろんな住宅政策が出てきたわけでございます。そうした方々の定着も、ともに世田谷区に住んで、青少年として今活躍していただいて、なおかつこれから先、世田谷区をどうするのかということを考えていただき、また、いろんな意見や要望を出していただくような青少年を育成するためには、もっともっとしっかりと、お金だけではなく、いろんな状況の中で力を注いでいかなくてはならないんではないかな、こう考えておるんですが、いかがでございますか。ご所感をお伺いしておきたいと思います。 ◎多賀井 婦人児童部長 今ご指摘の青年の行動計画の予算的な面で少ないというお話がございました。この行動計画は、どちらかといいますとボランティア的な活動が中心になっております。特にこの計画の事業推進ということは、現在、世田谷区に区内の青年組織として、青年連絡協議会というのがございます。このメンバーが中心となって、今申し上げましたように、どちらかというとボランティア的な活動として、これまでもいろいろな国際交流を初め、あるいは国内交流、それからヤングフェスティバルだとか、規模的には小さい、そうした催し等をこれまでやっております。そうしたことで、経費的には全額区が負担して云々ということになりますと多くなりますが、今申し上げましたような、そうした活動を通じて世田谷区内の中に輪を広げていこうという趣旨でございます。その点、ひとつご理解のほどを……。    〔委員長退席、村田副委員長着席〕 ◆中塚護 委員 私も青少年問題協議会の委員として、二期四年間やってまいりましたので、かなり中身については承知しておるつもりでございますが、まだまだ世田谷区がそうした問題に対する取り組みが弱いんじゃないかなという感想を持っておりますので、ぜひこれからも積極的に取り組んでいただきたいことを強く要望いたしておきます。  それから、最後になろうかと思いますが、私の地元で二子玉川東地区の再開発について、広域生活拠点として育成していくためのリーディングプロジェクトとして位置づけられており、水と緑に恵まれた良好な地域環境との調和をとりながら、商業、業務、文化、コンベンションなど、多彩な多種都市機能を図る事業でありますけれども、現在の進行状況について、簡単で結構でございますので、お伺いをいたしたいと思います。 ◎鈴木 都市整備部長 二子玉川の再開発につきましては、昭和六十二年の三月に再開発基本計画というのを区で取りまとめております。これだけ大きな敷地での開発でございますので、現在建設省とか東京都、あるいは学識経験者によります委員会を設けまして、道路整備の問題、公園計画、主としてこういった基盤整備の具体化の検討を行っております。地元の準備組合の方では区の方の基本計画を受けまして、六十三年以降、施設計画部会というのを設置をいたしまして、計画案の検討を活発に行っているということでございます。近くこの部会からは地元案としての計画が出てくるというふうに聞いております。現在のところ、そういう準備段階でございますけれども、平成三年の初めあたりには、都市計画決定手続に向けて準備を始めたいと考えております。 ◆中塚護 委員 準備組合の中でいろいろやっておるのは十分承知しておるんですが、区民の皆さん、その地域の方々に、こんなものができる、あんなものができるという、いろんな絵図面がもう既に渡っているわけですね。そうした中でなかなか進展してこないということで、何ができるんだという話が非常に強いものですから、私の方としては、決まってこういうふうになりましたよというところだけ最後にお知らせするんではなく、今現状はこうなっていますよ、また次はこういう方向で進んでますよというものをぜひとも見えるようにしていただきたい、こう思うんですが、その辺はいかがですか。 ◎鈴木 都市整備部長 確かに、いろんな考えが出てきて、まだ一つにまとめ切らない。その都度いろんな案が出てくるということは承知をしております。ただ、これは先ほど申し上げましたように、都市計画事業として、都市計画決定というところに持っていく、絞り込む必要がございますので、その段階、そこに至るまでの間に地元の方、あるいは区議会にもお諮りしながら、そういった作業を進めていただいております。 ◆中塚護 委員 今日まで七日間にわたりまして、種々の問題について質問、意見、要望、提案をいたしてまいりましたが、四月一日から来年度以降、実現へ向けて全力で取り組んでいただきますよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○村田義則 副委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。   ──────────────────── ○村田義則 副委員長 引き続きまして社会党、どうぞ。 ◆唐沢敏美 委員 国際児童年の十周年にちなみ、平成元年度は「子どもと環境」をテーマとした、まちづくりリレーイベントが行われました。このリレーイベントを通し、まちづくりへの関心も高まり、また、多くのことを学び取ることができたと思います。さらに平成二年度は、IPAの第十一回世界大会がアジアで初めて東京で開かれることになり、しかも、そのプレイベントともいうべき、遊びと教育をテーマとした国際シンポジウムが世田谷で開かれます。そこで、このリレーイベント及びIPA世界大会などの成果を踏まえて、これを今後の区政に向けてどのように反映していくのか。例えば、新しい視点からの子供の環境づくり計画を立てるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ◎吉越 助役 リレーイベントの成果とIPA世界大会、こういう結果の中で、新しい視点からの子供の環境づくり計画、こういうようなものを考えたらどうかというご質問でございますけれども、お答えをいたします。  今日、子供たちを取り巻く生活環境を見てみますと、子供たちの身近に自然との触れ合う場といいましょうか、ともに汗を流して楽しむ、いわゆるコミュニティーの広場などが年々減少してきている。こういうように、子供の生活環境の変化が伝統的な多様な遊び、子供を巻き込んだイベント等、非常に少なくなってまいりまして、テレビだとか、あるいはパソコン、ビデオ、漫画等、室内での遊びに変化しつつあるのが現状ではないかというふうに考えております。  昨年の五月、「子どもの遊びと環境」をテーマに実施しました国際シンポジウムでも、子供たちが自然に触れ合いながら遊べる場所が年々少なくなってきている、こういうようなことを参加した各国の人々が訴えておりました。また、平成元年、「世田谷の子どもの環境づくりを考える委員会」の報告の中でも、区民がともに汗を流しながら楽しむコミュニティーの広場づくり等、四つの提言をしております。区としましても、子供たちの健全育成を進めるために、児童館とか、あるいは公園、児童遊園等の整備を進めながら、今後リレーイベントやIPA世界大会の成果を踏まえながら、各種事業を展開していく中で、さらに児童、青少年の健全育成に反映させていきたい。  今ご提案のありました子供の環境づくり計画、これにつきましては、これからの児童行政を進める上で大変重要な課題であるというふうに認識をしておりますし、来る六月に開催いたしますIPA世界大会での「遊びと教育」についての各国の研究発表があろうかと思います。あるいは実践活動、こういう報告を踏まえながら、今後計画化に向けて努力していきたいと考えております。 ◆唐沢敏美 委員 区ではいろいろなイベントで、「やさしいまちづくり」なんていうのが前回ありましたね。非常に私も子供のユニークな発想、確かにこの子供たちが世田谷を担っていくんだから大事だなという、ああいうさまざまな意見というものは、率直に区政の中に生かしていく、そういう計画づくりが非常に大事だと思います。  そこで、平成二年度のリレーイベントのテーマは「長寿社会と環境」であり、今後、庁内でさまざまな企画や構想が立てられることと思います。長寿社会は実際には子供から高齢者まで、すべての人々にかかわる問題であり、当然、学校教育においても取り上げなければならない課題でもあります。そこで、お年寄りと子供たちがともに生きる社会と環境というようなテーマを取り上げるべきと考えますが、この辺についてはどうでしょうか。 ◎吉越 助役 来年度のリレーイベントは、ただいまお話のありましたように「長寿社会と環境」、これをテーマにしまして、長寿をともに喜ぶことのできる社会、これについて考えていく予定でございます。ご案内のように、高齢化社会は高齢者だけの問題ではなくて、全世代の問題としてとらえながら、現在それを支えていく層から、将来高齢社会を担う子供たちまでを考えております。  幅広いライフステージにおいて、問題を考えていかなければならないという認識に立っておりますけれども、こうした観点から、来年度のリレーイベントにつきましても、高齢者だけのお祭りとすることではなくて、お年寄りから子供までの幅広い交流を計画しながら、ともに長寿社会を考える出発点にしていきたいと考えております。  内容については、ただいま事務局でイベントの選定を進めておりますが、ご指摘の趣旨を踏まえまして、さらに調整を図っていきたい、このように考えております。 ◆唐沢敏美 委員 総合的な窓口をつくりながら広くいろいろな各部にまたがったものを組み入れて、高齢化社会ということでございますので、十分な計画づくりをしていきたいし、また、リレーイベントなんかでいろいろと学ぶ点もあったので、その辺も生かしながら、しっかりとした高齢化社会に向けてのイベントが成功するように、そして、今回の世田谷で行われますIPA大会、これは新聞社の主催ではあっても、やっぱりそういうところが主催するのに乗っかって、いろいろな材料を出しながら、会場提供という立場で、これからのそういう施策をどんどんと組み入れていくということも大事ですので、十分成果を期待していきたいと思います。  何といっても、高齢化社会対策は新基本計画が示すとおり、在宅福祉を基調とするものでなければなりません。すなわち、だれもが地域の中で住み続けられることが大切であります。特に在宅生活を支えるための在宅サービスセンターを、地域にきめ細かく整備していくことが重要であります。また、在宅生活を維持する以前の問題として、安心して過ごせる住まいが前提として確保されなければならないことは当然であります。  そこで、高齢者在宅サービスセンターと、住まいの確保策としての老人住宅について、具体的に質問をいたします。まず、今後高齢者在宅サービスセンター及び老人住宅について、この必要性と必要数についてどのように考え、今後の計画で取り組もうとしているのか、お尋ねいたします。 ◎西倉 高齢化対策室長 高齢者在宅サービスセンターと、高齢者住宅につきましては、前期実施計画の達成目標といたしまして、七カ所及び九カ所の計画となっておりますけれども、前期計画といたしましては、いずれもほぼ計画どおり達成できる見込みでございます。  今後どれくらいかというご質問でございます。後期実施計画でこれを定めるということになりますけれども、後期実施計画の具体的な計画数量等につきましては、今後の調整によることとなりますけれども、私どもといたしましては、できるだけ計画総量の拡大を図ってまいりたいと考えております。 ◆唐沢敏美 委員 これからの高齢者在宅サービス整備計画というのは五月ごろということで、来年度から地域事務所ということになると、率直に窓口なんかではさまざまなこういう高齢者に向けてのニーズが多いということで、計画の積極的な形と同時に、当然要求は強くなるし、計画になると具体性ということが非常に難しい点がありますが、今後いろいろ施設ができることによって、さまざまな施設を通して、複雑な仕組みを考えざるを得ないと思いますが、ぜひ積極的に、多くの方にいろいろな意見を聞いている限りはそれにこたえるという姿勢でもって、計画に専念をして、そして具体化に向けてやっていただきたいということをお願いをしておきます。  それと、また高齢者の分布を見ますと、各種の調査でも明らかなように、高齢者の多い地区は、東部の、特に北沢、太子堂といった、既にまちづくり事業が行われている地区であり、また、この地区はお年寄りの居住環境が極めて悪いところでもあります。また、玉川地区、特に玉川の第一、第二出張所は平成元年度の調査でも高齢者の比率は総人口の約一四%であり、奥沢、田園調布一帯は、区内でトップの数値でありまして、既に世田谷区の数年先の姿をあらわしております。にもかかわらず、計画の具体化がおくれがちであります。  そこで、こうした地域に、重点的に在宅サービスセンターや老人向けの住宅の計画を考えるべきと思いますが、この辺はどういうふうにご理解をなさっているでしょうか。 ◎西倉 高齢化対策室長 高齢者在宅サービスセンター、それから高齢者住宅の計画に当たりましては、ただいまご指摘の地域的配置につきましても、できる限り配慮した整備計画とするよう努めてまいりたいと存じます。 ◆唐沢敏美 委員 実態を見ると、非常にこういう問題が厳しいので、高齢者対策室というのも設けられておりますので、ぜひそうした問題を積極的に取り組んで、そして、十分こたえられるような形の体制を組んでいただきたいことをお願いをしておきます。  次に、公園についてですが、公園は言うまでもなく、区民の憩いの場やレクリエーションの場として、また、災害時の避難場所、あるいはコミュニティー活動の場など、多様な目的に寄与し、暮らしに密着した都市空間でもあります。私は、六十二年の三月の予算特別委員会でも質問いたしましたが、公園緑地は、世田谷区の西部の方は比較的多いが、東部の方の住宅密集地域は、玉川地域を含め、まだまだ少ない状況です。そのときのお話では、調査を行い公園緑地整備方針とか、配置計画をつくって進めていくように伺っておりますが、その後どのようになされているのか、お尋ねいたします。 ◎大崎 土木部長 将来の区の公園緑地はどうすべきかということでもって、公園緑地整備方針をつくるために、三カ年かけて調査、検討を行っているところでございます。  まず初めに、昭和六十二年度には区内の公園の現況調査をいたしました。六十三年度には、公園の持つ役割としての幼児の遊びの面から、あるいは休息の面から、それから散策、コミュニティー活動、スポーツと各レクリエーションの機能ごとの必要量を算出したところでございます。それと、現況と比較いたしまして、それぞれの地区でどんなものがどのぐらい不足しているかということを調査したものでございます。  それから、今年度は地区公園、近隣公園についての検討及び緑の保全や防災面からの検討を行いまして、現在公園緑地整備方針ということで、取りまとめ中でございます。 ◆唐沢敏美 委員 現在取りまとめ中というところですが、公園緑地整備方針、あるいは配置計画の中でも、玉川地区の状況と今後の進め方について、どのように計画さているのか、わかりましたらお伺いいたします。     〔村田副委員長退席、委員長着席〕 ◎大崎 土木部長 現在の玉川地域におけまする一人当たりの公園の面積は三・六平米ということになってございます。これは区民一人当たり、区内平均の二・六六平米を上回っているわけでございます。しかしながら、東の方──奥沢、東玉川、玉川、田園調布地区に限って申しますと、公園、児童遊園が八カ所でございまして、区の平均よりは大変少ないような状況でございます。この地域は特に住宅密集地でございますので、その中での公園の用地の取得というのは大変難しいことでございますが、今後努力していきたいというふうに思っております。  また、現在計画しておりまする大きな公園といたしては、玉川上水場の配水池の上に一ヘクタールの公園をつくるようにしておりまして、その整備に当たりましては、平成五年、六年度の二カ年を予定しているところでございます。 ◆唐沢敏美 委員 あの地域は、非常に個々の家庭の緑はあるとしても、広い公園がないというようなことでありまして、今の説明の中でお話のあるように、一ヘクタールということの公園がこれからあるということになると、大変うれしいことでありまして、さらに言うならば、住宅地の中にも小さな空地、緑という形の公園をつくっていただきたいことを要望しておきます。  次に、食品衛生問題についてお伺いしますが、この問題は都議会で議論されているところで、大幅に改正されるというようなことがちょっと言われております。この問題には二つの側面があります。一つは制度的にどう規制、誘導するかという面と、いま一つは住民の意識を啓発する側面であります。  そこで、住民の意識啓発等についてですが、今や食品も国際化の時代であります。輸入に伴い、さまざまな不安が、特に添加物等の問題が深刻化してきております。住民の中には、この食品は安全かなといった、そういう不安が渦巻いているといっても決して過言ではありません。このため、自分たちが不安になったときに、自分たちみずから調べてみるようなことのできる施設をつくってほしいという声が高まってきております。  例えば、チェルノブイリ原発事故の折には、各国で市民がみずからの手で検査を行い、問題の深刻さをアピールして、国際社会を揺り動かしたという、そういう事実もございます。区としても、このような市民の活動を支援し、食品等に対する区民の不安を除いていくための充実した施設をつくるようなことができないだろうかと思いますが、この辺についてお伺いいたします。 ◎柳澤 衛生部長 食品の安全性について、区民みずからの手で調査、検査ができる施設をつくってほしい、こういうご質問でございます。最近は、ただいまお話にもありましたように、チェルノブイリ原発事故の放射能物質による食品汚染問題、それからチリ産ブドウ事件、あるいは中国産キノコ缶詰事件などに対する社会的反響に見られるように、食品等の安全性確保に対する区民の関心は極めて高いものがあります。  このような状況の中で、区民みずからが食品等を検査する施設としては、現在のところ、消費者センターの商品テスト室がその機能になっているところでございます。しかし、今後は烏山保健相談所併設の衛生検査室と世田谷保健所の臨床検査部、それから公害分析センターを一カ所に集中する方向で、平成二年度予算に計上させていただいておりますが、その施設の中に、ご質問の区民のための実習実験室を併設する計画でございます。その運営方法等につきましては、使いやすい最もよい方法をこれから詰めてまいりたいと考えております。区民の食生活の安全確保のために今後とも努力してまいりたいと存じます。 ◆唐沢敏美 委員 地域で健康問題あるいは水や資源の問題、森林なんかの問題について一生懸命勉強している、そういう方々が本当にその国を愛して、そして環境を守るということになるし、また、これからの区政を支える大きな力になると思います。ですから、ぜひその種の施設、十分使えるような、そういう機能を持った施設をつくっていただきたいということと、さらには、このように公害問題がいろいろと取りざたされてきておりますと、自治体のこれからの力として、公害センター的な部分も市民が支えながらつくっていくということも課題になるかと思います。そういう第一歩になるように期待をいたしまして、次の質問に移ります。  最後になりますが、地域行政における権限を中心にお伺いいたします。  地域行政は、本庁に集中しております事務を地域に分散し、住民サービスをよりきめ細かく、地域のまちづくりをさらに強化するものであります。こうした地域行政が目指す理念を実現するためには、単に事務の地域分権を行うことではなく、地域事務所への権限の移譲を欠くことはできないことと考えます。もちろん全区的な整合性の観点から、本庁に調整機能は残るわけですが、地域事務所が十二分に所期の目的を遂行し得るような権限移譲を積極的に行うべきと考えます。  そこで、地域事務所の財政面について、具体的にお尋ねをいたします。例えば、現在の玉川、砧の両支所では、既に区民課と土木課が設置され、事務執行がされているところであります。そこでは、主に区民生活関連は支所長のもとに、翌年予算見積もりを整理し、企画部財政課へ要求していると聞いています。  一方、土木課の関連では、本庁の土木部長のもとに、公園課や道路等、各課題ごとの部会を設け、支所、土木課の参加を得て、部全体の調整を経て、土木部として予算見積もりをし、要求していることが実態のようであります。  全庁では、こうした仕組みのもとに予算要求がなされ執行されているわけですが、明年の四月にあっては、地域事務所長のもとに区民課、地域振興課、福祉課、土木課、まちづくり副参事の五課体制が予定されています。仕事の質やサービスの中身によって一概には言えないと思いますが、地域事務所の財政面での権限について、現状をどうお考えになっているのか、お伺いをいたします。 ◎佐野 助役 地域事務所は、地域にかかわる事務事業や地域住民への行政サービスを総合的に展開するための地域における総合実施機関というふうに我々は位置づけております。もともと事務事業を執行していくための基本的権限の一つである予算上の権限につきましては、地域特性を踏まえた事業執行や区民サービスへの即時対応を求められる地域事務所にとって、欠くことのできないものでございます。したがいまして、地域事務所の事務運営費、施設等の維持管理費、地域振興関係の事業費等は地域事務所が見積もりをし、配当を受けるべきであると考えております。  しかしながら、仕事の性質やサービスの中身によっては、事業を統括する本庁の部門が調整して要求した方が妥当であるものがございます。例えば、福祉のサービスのように区として統一的な基準で実施し、かつ本庁の所管部が予算執行を調整した方が実務上からも妥当なもの、それから河川防災や橋梁新設改良事業のように、都区の財政調整制度上、都区協議の対象事項となっているもの、国庫補助並びに起債対象事業になっているもの等がこの例として考えられております。  いずれにいたしましても、地域行政の目的と区行政の全体の効率等を勘案しながら、現在、個々具体的な内容について、実務レベルで整理をしているところでございます。 ◆唐沢敏美 委員 今、そういうことで進めておりますが、やっぱり組織は人というように、職員の意識改革が大事ではないかと思います。地域行政が目指す理念を実現していくためには、全庁職員が一丸となって、区政とともに二十一世紀に向けたまちづくりを進めていく必要があると思います。地域事務所の器はできたけれども、魂が入らないというようなことのないように、これから一年という間はあっという間に過ぎてしまいますので、ぜひとも庁内でその職員を中心とした、しっかりとした体制づくりをしていただきたいということを要望して質問を終わります。 ◆高橋忍 委員 先般、企画総務領域の問題、電算条例の改正のことも出ておりましたから、この問題、それから情報公開、その他盛りだくさん持っておりますが、どこまでやれるかわかりませんが、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。限られた時間でございます。若干早口の部分も出ますが、ご了解いただきたいと思います。特に電算条例の関係は、企画部長が当時の担当でもございましたから、部長の方との論議もまたいろいろとあろうかと思います。  まず電算条例第三条でございますが、ここには、電算機により処理する事務の範囲を規定しているわけでございます。その内容については省略いたしますが、そして第五条は、第三号で「通信回線等を利用する電算機の有機的結合又は端末機の利用は、第三条第一号の範囲を超えてはならない」。つまり、区を超えて他団体との間でオンライン化を禁止しているのであります。  また第四号は、第三条第二号及び第三号の事務、つまり他の公共団体等へデータを提供する場合と、区長が必要と認める事項について提供する場合には、原則として、統計表等の形式、個人を対象とする形式の情報は、区民の権利擁護及び利益の保護を目的とするもののほか、処理しないものとするとしています。そして、このデータ等を他の公共団体等に提供するときは、第六条で規定する電子計算組織運営管理審議会の議を経なければ提供できないとしているのであります。  こうした厳しいといいましょうか、考えによっては煩わしいというんでしょうか、非能率的とも思えるような、こういった各条文を置いた背景は何だったでしょうか。このことをまずお尋ねいたします。 ◎川瀬 企画部長 当時、コンピューターの利用というのは、まだ我が国については初期的な段階でございまして、特にオンラインによる通信回線を使った方式というのは一般化していなかったという時代であったと思います。そういう中で、世田谷区では先駆的に住民情報について組織内でオンラインを引いて、合理的な使い方をしようということで、システム開発を行っておったわけでございます。  一方、制度的にプライバシー保護についての配慮がまだまだできていなかった。住民の間にもプライバシーという問題についての認識も不十分であった。そういう状況が背景としてございましたので、委員ご指摘のような、非常にきつい意味での規定を設けたというふうに記憶をしております。 ◆高橋忍 委員 そうですね。確かに電算条例をつくるに当たりまして、当時この電算条例のもととなった答申があるわけでございますが、この答申を区職労と区当局とで構成する電子計算組織運営協議会が行っているわけでございます。そして、その答申要旨は次のようにうたっているわけでございます。  まず、前提となる理念について、区民の基本的人権を尊重し、他人に知られたくない区民の権利を守らなければならない等の考えを述べ、この前提を受け、主な問題点を指摘し、さらに基本的な考え方として、自主的な保護対策を策定し、自治立法化すること等七点を集約し、提起しているのであります。そして問題点では、現状はプライバシー保護対策の不十分さがあることを指摘しまして──若干長くなりますが、早口でやります。電子計算組織の利用が広範かつ高度化することによって、各種の情報が迅速に処理され、組織間の有機的な結合や端末機利用によって情報の把握は極めて容易になってくるにつれて、個人に関する情報の取り扱いについて、人権が侵害されるのではないか。権力者による管理社会が現出するのではないかという疑念が生じ、その保護対策検討の必要が各方面から指摘されるに至っているとし、そしてこの協議会の検討事項の主眼もここにあるとしているのであります。また、電子計算組織は人間がつくり出したものであり、人間が電子計算組織に支配されるものではない。電子計算組織の便利さと人間の尊厳さは引きかえにできないという主張は正当であり、本区も電子計算組織を利用するものの一人として、この種の疑義を払拭する必要があると、電算条例案作成の背景について述べているのであります。  そして、答申の具体化として、電算条例第一条はその目的に「区民の基本的な人権を守り、福祉の向上を図る」としているのであります。つまり、条例制定の基本は、行政の能率化や省力化を進める手段としてではなく、住民の基本的人権を守ることにあるんですよということを明確にしたわけであります。そして、先ほど申し上げた、見方によっては非能率といいますか、非効率的と思える各条文が置かれてきたのであります。  以上、申し述べてきたような背景、趣旨のもとにつくられた条例であるにもかかわらず、なぜ今改正しなければならないのか。去る企画総務領域における他党の質問に答え、企画部長は他の公共団体等とのオンライン化について、条例改正を九月議会で行う旨の答弁を行いましたが、統計表等の形式とはいえ、区民の権利擁護、利益の保護を目的とするものも含まれるものであり、納得できないのであります。改正を急ぐ理由はどこにあるのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。 ◎川瀬 企画部長 ご案内のとおり、条例を作成させていただきました時代では、航空機で言えばプロペラ機のような時代であったと思います。現在はどっちかというと、ジェット機あるいはロケットと言っていいかもしれません。非常に発達をしてきたという面があります。  それから、条例をつくらさせていただいたときに、先ほど委員からもご指摘がありましたように、プライバシーの保護と電算機の相互回線、通信回線による利用という点で、まだまだ心配があったので、かなりきつい制約を加えた。しかし、現在では、当時のように個人情報を中心とした利用形態だけでなく、広くコンピューターの機能も発達してまいりました。例えば災害の情報であるとか、気象の情報であるとか、道路の埋設物の情報であるとか、そういうプライバシーにかかわらない分野でのコンピューターの利用分野がかなり発達してまいりましたし、そういうものは通信回線を利用して、効率的に利用することは、行政の効率上、また住民の財産、生命を守る意味からも非常に意味がある。逆の意味から言うと意味がある。そこで、個人情報にかかわらない部分について、今回、通信回線を利用したデータ処理を認めるという方向に改正したい、そういうふうに考えているわけでございます。 ◆高橋忍 委員 こういう規定の持ち方というんでしょうか、この条文のそれぞれ規定している内容等、今いろいろと部長の方からもお話がございましたけれども、情報化時代を展望する中で、効率的でないということは百も私は承知していたんじゃないかというふうに思っているわけでございます。そういう意味で、そういうことは百も承知の上で、この電算条例については、当時の責任者として企画部長は作成されているんじゃないかというふうに私は理解をしてきていたところでございます。  プライバシー保護条例については、昨年四月から基本的な考え方を庁内PTで検討中ということでございますが、当然この条例に電算条例のすべてが包含されるのではないかと思うわけでございます。ということになりますと、改正するということは、そのときと一緒に検討しても遅くはないんじゃないかというふうに思うわけでございます。それとも、この電算条例とは別に、例えば手書きの文書とか、民間業者、企業といいますか、これだけを対象とした条例をつくるための今のプロジェクトチームの検討ということになっているのかどうなのか、そのことをお尋ねいたします。 ◎川瀬 企画部長 現在の、俗に言う、仮称でございますが、電算条例というのは二つの側面を持っております。一つは、コンピューターを利用するに当たって、民主的な手続で判断して、効率的に使っていく、そういう手続を規定している部分と、それから電算機の特性にかんがみまして、プライバシーをどう保護していくのかという側面、両方からのものを規定しているというふうに思います。  そこで、プライバシーを保護するという側面は、委員ご指摘のとおり、今後プライバシー条例でコンピューターの部門だけに限ったものではございません。あるいは手作業でやっている作業についてでもプライバシーは保護していくということを自治立法として決める必要があるわけでございますから、そういう部分にゆだねるとして、このプライバシーにかかわる部分を除いた部分で、民主的な手続によって判断された効率的な利用を図っていきたい。そういう意味での改正をさせていただきたいというふうに考えているわけです。したがって、プライバシー保護全般についての条例が制定されてまいりますれば、電算条例の中のプライバシーにかかわる部分については、当然、条文上の整合性を図る必要がございますので、改めて検討しなければならないであろうと考えております。
    ◆高橋忍 委員 そういうことでありましたら、私も別にこの電算条例について硬直的に受けとめる気はないわけでございますけれども、一緒に検討すべきではないかと。このオンライン化の部分だけを取り出して、急いで改正する理由はないんじゃないかというふうに思うわけでございます。もし急がなければならない理由があるのならば、なおのことプライバシー保護条例の作成こそ急ぐべきだというふうに思うわけでございますが、プライバシー保護条例のPTのまとめはいつごろになるのか、そのことについてお尋ねをしたいわけでございます。そしてまた、条例制定のめども含めて、このことについても明らかにしてほしいと思います。 ◎川瀬 企画部長 プライバシー保護条約につきましては、昨年十一月に内部の検討組織を組織いたしまして、既に条例化されている先進的な自治体の事例その他も調べて、事務的な作業を進めております。大体、事務的な作業はまとまってまいっておりますので、専門家も含めた懇談会等設置して、具体的な条文化を図っていきたい。  大体めどといたしましては、平成三年度中には条例の改正につきまして、議会の方にお願い申し上げたい、そのように考えております。 ◆高橋忍 委員 私が頭に描いていたよりは積極的な形の答弁が出ておりますので、後の方は余り申し上げることはないのかもしれませんけれども、私はやはり今のこの問題については、ぜひ積極的にやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  それでは、この条例の問題につきましては、今もう一度確認いたしますが、プライバシー保護条例については、平成三年度中に懇談会──民間人、学識経験者を含めてかどうかわかりませんけれども、それをつくって、そこで検討をするということですか。それとも平成三年度中にプライバシー保護条例を制定するということで理解してよろしいですか。どちらですか。 ◎川瀬 企画部長 諸手続を経まして、平成三年度をめどに条例の制定について議会とご相談申し上げたい、そういうふうに考えております。 ◆高橋忍 委員 それではわかりました。ぜひそれに向かってお願いをいたしたいというふうに思っているわけでございます。  私が若干不信感を持っておりましたのは、今までこの情報公開条例のときでもそうでございましたけれども、私自身も率直なところ思っていたことでございますが、アドバルーンは非常に早く先進的に打ち上げる。しかし、実際やる中身というのは、右左を見ながらというんでしょうか、中庸のところというんでしょうか、そういうやり方が大場区政のやり方じゃないか。厳しい言い方ですけれども、そういうふうな気持ちを、私は正直言って、情報公開条例ができるまでの間持っておりました。そして、区の職員の皆さんの中にもやっぱりそういう方もいらっしゃいます。そんなことを申し上げると、管理職の中でも、やっぱりそう思いますかというふうなことを私に言いますから、若干そういう気があるのかなという気持ちも持っていたわけでございます。いろいろと慎重にやられることも結構でございますが、こういった条例等についても、積極的に今後とも取り組んでいただきたいということを重ねて強く申し上げて、この項については終わりたいというふうに思います。  失礼しました。終わると申し上げましたけれども、今の改正の件についてはこの条例ができるまで待てないのかどうなのか、その中で検討していくべきじゃないかというふうに考えますが、その辺はどうですか。 ◎川瀬 企画部長 世田谷区はプライバシーという問題を最重視いたしまして、今までオンライン利用について慎重な態度をとっておりました。ところが、外部環境は急速に進んでおりまして、今申し上げました災害情報、道路の情報その他について、オンラインによる情報交換は非常に進んでおります。こういうものが全体に進んでいる中で、世田谷区がおくれをとっていくということになりますと、住民の、先ほど申し上げました生命、財産を維持していく行政を展開していくための情報の収集、処理、そういうものにもおくれを来すというような状態でございます。ご案内のとおり、技術の発展は非常に早いわけでございますので、この部分についてだけは緊急性にかんがみ、実行してまいりたい、そういうふうに考えているわけでございます。 ◆高橋忍 委員 ぜひその場合でも、議会の方とも十分相談しながら対処していただきたいということを重ねて申し上げておきます。  次に、先ほど委員会の中でも、それぞれ会派の方からも校舎改築指針のことについて、いろいろと意見が出ておりました。学習の場、開かれた学校などについて、さまざまな意見が出されたわけでございます。全く同感でございます。ただ、私は中身というものと同時に、建物についても申し上げておきたいと思います。現在の校舎というのは無味乾燥過ぎます。その地域の顔、地域のシンボルとして、子供たちが誇りに思える文化的な視点、まちづくり、都市景観の視点からの学校改築を考えてほしいということを要望いたしておきたいと思っております。  そしてまた、改築計画については、関係する各層の人たちを巻き込んだ計画づくりというんでしょうか、こういったものであってほしいということも申し上げておきたいと思います。これは要望として申し上げておきます。  それから、その次に、学童クラブの問題でございますけれども、入会状況を見てみますと、区民要望にできるだけこたえるために、入会枠の拡大等について、労使という言い方が適切かどうかわかりませんけれども、お互いが努力されてこられている。このことについて敬意を表するものであります。しかし、幾つかのクラブにおきまして、毎年待機者が出ている、こういった状況の中で区民の不安が強いわけでございます。こういったところについては、ぜひ不安解消の努力を今後とも積極的にやっていただきたいというふうに思っているわけでございます。  私が申し上げたいものの一つとして、上町、弦巻の学童クラブの入会問題でございます。ここの地域におきましても、毎回問題になっているようでございます。抜本的な解決策がないままに、弦巻、上町間の間で、調整という名のキャッチボールが行われている。自宅待機者も出る。こういう状態が恒常化している。そういったとこで不満も強いわけでございます。根本的には、松丘小近くにクラブを建設する。このことが大切だろうと思うわけでございますが、すぐにできないというならば、その間、対応策として、比較的規模の大きい上町児童館を利用した解決方法は考えられないものかどうなのか、このことをお願いをしたい。  それから、空き教室の利用について、やはり積極的に自分のところの児童ぐらい自分のところで見れるような、そういった理解を校長さんも、同僚も持ってもらうよう働きかけをぜひやってもらえないだろうか。こういうことについて、ランプもついたようでございますから、答弁をもらいたいわけでございますが、二つについては要望ということにして、積極的に受けとめていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ○大高定左右 委員長 以上で社会党の質疑は終わりました。   ──────────────────── ○大高定左右 委員長 引き続きまして、共産党、どうぞ。 ◆村田義則 委員 私は、来年度をもって前期計画が終了する世田谷区新基本計画に関して、その中心的な幾つかの重要課題について質問してまいりたいと思います。  まず、新基本計画の重点課題でもある高齢者対策の問題から質問をいたします。代表質問で、私は老人の医療の実態について質問いたしました。その内容は、お世話料など、保険外負担を含め医療にかかわる負担の高額化は、高齢者とその家族の生活を圧迫し、お年寄りが安心して医療にかかれない、そういう実態を生み出しているということ。また、医療機関に対する診療報酬制度の改悪は、高齢者への医療差別と病院追い出しの状況をつくり出していることなどについて触れ、区のこの問題に対する認識を伺いました。  区側の答弁は、高齢者ニード調査、この結果を挙げ、そのような問題はないかのような話でございました。そこで、少し立ち入って質問をいたしたいわけでありますが、ここに「せたがやの社会福祉」という冊子がありますが、その二七ページに高齢者相談活動状況という表があります。この相談内容に、医療保健という項目がありますけれども、この内容、特徴になどについて、ご答弁をまずお願いをしたいと思います。 ◎西倉 高齢化対策室長 ただいまご指摘いただきました高齢者相談、これは福祉事務所におきまして、それぞれの高齢者の方々が常日ごろお感じになっておられます問題点、こうしたことについてご相談を承ったそのケース内容でございます。今ご指摘のとおり、医療保健ということについての状況が多いということでございますけれども、こうした問題は、この相談の内容として、高齢者の方々、お感じになっていらっしゃるということであろうかと存じます。  なお、ケース的に見ますと、これは平成二年の二月分でございますけれども、その他家庭的な事項、あるいは住宅、そういった内容等も数多くの件数が含まれております。 ◆村田義則 委員 今ご説明がありましたけれども、高齢者相談活動、東京都の福祉局の区分けで分けているようでありますけれども、内容的には奉仕員の派遣の問題、経済的事項、家庭的事項、そして医療保健と分かれているわけであります。この内容について、私は福祉事務所の職員の方にも聞いてみました。これらの項目の中で、この医療保健という相談が最も多い。かつ一年間に少ない年で大体五百件、多い年で八百件に及んでいるわけであります。そして、その内容についてきちっとした統計がないのが困りますけれども、この老人相談窓口に来る医療相談の圧倒的多数が、病院からの転院を迫られて何とかしてほしい、こういう相談が圧倒的多数だと。そして次に医療費の問題、こういうところが区の窓口に相談に来るわけであります。そして、ある職員は、病院から転院を迫られ相談に来られた方々は、まずその病院で頑張るだけ頑張って、次に老人病院に、そして次に区のショートステイ、こういったところを転々として、最後にどこか遠くの特別養護老人ホームにたどり着くというのが、お定まりのコースです、こういうふうに、大変つらそうな顔で私に語ってくれました。  そこで、この特別養護老人ホームについてですけれども、新基本計画では、その目標として六百六十ベッド、これを掲げております。そして、現状では五百八十五ベッドが実現の見通しですけれども、この新基本計画終了時点での高齢者の人口予測は、およそ十万人であります。以前に質問いたしましたが、特別養護老人ホームへの入所希望者、入所の発生率は、区内では一・二%、こういう答弁でありました。これを計算すると、約一千二百ベッド分が世田谷区の特別養護老人ホームを希望するお年寄りのために必要だということになります。東京都は一・四%としてこの計画を立てているわけであります。新基本計画の六百六十ベッドという目標が一体どこから出てきたのか不思議なところであります。  さて、そこでちょっとお伺いをしたいんですけれども、現在区内の特別養護老人ホームの入所待機者数はたしか三百九人だそうですが、この三百九人のうち、最も長く待っている待機者の方は、どのくらい待っているかというのはご存じですか。 ◎西倉 高齢化対策室長 長い方で二年ほどお待ちになっていらっしゃる方がいらっしゃるというふうに伺っております。例外的に、このほかにそれよりも長い期間お待ちになっていらっしゃる方がいらっしゃいますけれども、その方は、あいた、順番が来たからというお話をいたしますと、まだ自宅でいたい、そういう方もいらっしゃるというふうに伺っております。そうした例外的な方を除きますと、最も長い方で二年ほどお待ちになるという状況であるというふうに聞いております。 ◆村田義則 委員 今、高齢者対策室長がお話になりました、その例外的な方を除いて、現在、いわゆるあけば入りたいということで待っている一番長い方が三年であります。昭和六十二年の四月に、区内の特別養護老人ホームにぜひとも入所したい、こう希望して申し込みをいたしましたけれども、以来、今日に至るまでまだ入れずにいる、こういう状況であります。  区長さん、ちょっと感想をお聞かせをいただければと思うんです。三年お年寄りが待っているという状況ですけれども、いかが思われますか。 ◎大場 区長 お年寄りの方の気持ちになってみると、一日というのは非常に長うございますから、三年間待つということは大変なことだというふうに思っております。 ◆村田義則 委員 区内のお年寄りのだれもが、施設に入るにしても、住みなれた地域でという希望を持つわけであります。こういう要求をぜひとも実現をする、そういう計画をこの新基本計画の中できちっと明確に立てていただきたいということであります。  そういう点で質問いたしますけれども、この新基本計画の特別養護老人ホームの建設計画、これについては、希望者がすぐに入所できる、そういうことを目標にして、根本的な見直しをしていただきたい。ご所見を伺いたいと思います。 ◎西倉 高齢化対策室長 特別養護老人ホームにつきましては、これまでも民間の特別養護老人ホーム、これは既設の五カ所に、新たに二カ所を加えるよう、助成を引き続き行っているわけでございますけれども、区立特別養護老人ホームにつきましては、当初、後期実施計画として予定されておりましたものを、これを前倒しにいたしまして計画に着手するということで計画をいたしております。まず、この区立特別養護老人ホーム、この実現に力を入れたいと思っているところでございます。  しかしながら、ただいまご指摘のような、やはりその後の情勢を踏まえますと、いろいろの問題ということも明らかになってきております。こうした意味からも、特別養護老人ホームの施設整備、これにつきましては、今後も進めていく必要があるというふうに存じます。新基本計画の後期計画の中で、できるだけの整備を図っていくように努めたい、このように考えます。 ◆村田義則 委員 新基本計画内部での目標だけでは、したお年寄りの皆さんの要求は実現できないんだと。つまり、この新基本計画の目標をさらに変更して、たくさん増床するということが必要だということで、この問題について要望しておきたいと思います。  次に、在宅サービスといいますか、在宅福祉の問題についての質問に移らせていただきたいと思います。ここに、世田谷区のある福祉の現場で働く職員の書いた文章があります。ちょっと長いですけれども、紹介をさせていただきます。  「A氏に生活後退が現れたのは今年の夏であった。今回も家主の通報で担当員がかけつけてみると、室内は散乱し、A氏は失禁したふとんの中で眠っていた。一か月も会わないうちにだいぶ痩せ、体は不潔であった。散乱しているものはカップラーメンの空き容器、ワンカップの空き瓶、ゴミ袋、汚れた衣類、雑誌など。家主から話を聞いてみて、昼夜が逆転していることがわかった。全身状態が悪そうなので保健婦にも来てもらったところ、医者と相談して入院をすすめようということになった」ということで、この方は三カ月間入院をした後退院をされて、今度は奉仕員が訪問することになります。  「奉仕員が訪問すると、A氏は極度に緊張して、『自分は一人でできますから、けっこうであります』と拒んだのである。奉仕員はまた来ることだけは了解してもらって、その日は帰った。担当員は知らせを聞いて、A氏を説得した。『奉仕員さんは担当員と同じ役所の人だから心配ないよ。専門家に食事づくりを手伝ってもらおうよ』奉仕員はその次に訪問した時、すぐには食事づくりや掃除、洗濯の話をしなかった。世間話をまじえながら、今朝食べた物のこと、今まで食べておいしかった物のことなどを聞いていった。はじめ、聞かれるままにボソボソと答えていた彼は、今までつくったことのあるおかずについての話題になると、去年の秋には一個一二〇〇円もする立派なカボチャを買ったことがあると、そんな高いカボチャを買うくらいだから料理はできると言いたげに答えたのである。奉仕員が驚いて耳を傾けると、A氏は少し心を開き始めた」。  「こうして食事づくりの相談が始まった。A氏は肉の買い物をしたことがなかったが、奉仕員に値段や分量などを聞いて、自分で買ってみることにした。野菜は奉仕員が訪問日に買っていくことにして、第一回目は根菜類の煮物をA氏と一緒に作ってみたのである。奉仕員が食事の援助と平行して行ったのは調理スペースの模様替え、室内清掃、ふとん干し、隙間のめばり、カーテンかけ、そしてほとんど使ったことのない電話のかけ方とコインランドリーの使い方の練習などである。」  「それから一か月半程たって訪問した担当員は驚いた。室内はまるで別人が住んでいるかのように明るく、彼自身、小ざっぱりした姿でジャガイモの皮を剥いて、奉仕員の訪問に備えているのである。酒は週に一、二日飲む程度で飲み過ぎることはなく、室内の清掃を自分でも行っている様子である」。  「A氏に現れた様な生活後退は、かなり重いものから『徴候』程度のものまで、いろいろな度合いで見られるものの、決して特殊な少数の事実ではない。奉仕員として活動すればだれでもが日常的に出会う事実なのだが、ただ一般に知られていないのである」ということで、これは世田谷のケースの一つということであります。  公的責任を明確にした在宅福祉というのは一体何なのかというのは、この一つの事例、奉仕員さんの努力ということで、私は大変よくわかる、そういう思いがするわけであります。ノーマライゼーションということが言われておりますけれども、在宅の高齢者にとっては、人間として健康で文化的な生活をその自宅で営むことが保障される、こういうことが必要ではないか。そのために必要な在宅福祉を供給するのが公の責任であり、また行政でなければできない、こういうことではないかと思うわけであります。  そこで、その中心となる家庭奉仕員等派遣事業の公的保障水準、この拡充を強く要望したいと思うわけであります。まず第一に、家庭奉仕員の派遣回数、派遣時間の拡充の問題であります。この家庭奉仕員と派遣事業については実施要綱がありますけれども、その事務取扱要綱を見ますと、一週六日間で十八時間とありますけれども、この派遣状況の実態は今一体どうなっているんでしょうか。 ◎西倉 高齢化対策室長 家庭奉仕員等の派遣事業の運営要綱を受けまして、家庭奉仕員の派遣事業の事務取扱要領、それから家事援助者の派遣事業取扱要領が定められております。その中で、派遣回数、派遣時間、これにつきまして定めがございまして、一週六日間、一週当たり十八時間の範囲内で、これを上限としてございます。介護需要を派遣体制等を総合的に勘案して福祉事務所長が定めるというふうになっております。これが上限でございますけれども、ただ現在の派遣体制というふうな点から、通常は週一回、一回当たり三時間または六時間、そういう範囲で運用をいたしているというものでございます。 ◆村田義則 委員 東京都世田谷区老人家庭奉仕員等派遣事業運営要綱、この中には、派遣回数の決定についてこのように書いています。家庭奉仕員等の派遣回数、時間数及びサービス内容は、当該老人の身体的状況、世帯の状況等を勘案して決定する。これが、つまり運営要綱の基本的中身であります。それが事務取扱要領というところに入ってきますと、今、高齢化対策室長がお話しになったように、一週六日間で十八時間、こうなるわけです。ところが、この事務取扱要領に、さらにたしか附則というのがまたついています。この附則は、一番最初にこれが制定された昭和五十八年のときに、当分の間は一週間二回とする、こういう附則がついているわけでありますが、この昭和五十八年の要領のさきの附則で、五十八年に定めたやつがいまだもって生きているということで理解できますが、それでよろしいですか。 ◎西倉 高齢化対策室長 高齢者のニーズに対応した派遣体制が当時と大きな転換が見られなかったというところで、そういう状況で運用しているというふうに考えております。 ◆村田義則 委員 ですから、今のこの一つをとっても明らかですけれども、区の在宅福祉の公的水準といいますか、その根本的な中心とも言える家族奉仕員さんの水準がこういう実態であるということについては、これはぜひとも改善していただきたいということを強く要望したいと思います。  この家族奉仕員等派遣事業の公的保障水準の拡充の第二の問題でありますが、奉仕員の派遣対象の拡大ということがやはり大事だと思います。要綱では、高齢者、身体障害者のうち、生活保護世帯、非課税世帯、これは要綱ではなくて、これも事務取扱要領なんですけれども、これも要綱では必要なところに派遣をするというふうになっていて、それが事務取扱要領になると狭められて、非課税世帯と生活保護世帯、こういうふうに狭くなってくるわけですね。これをぜひ今の実態に合わせて緩和をする必要があるんじゃないか。  第三に、これらの拡充措置を保証できる家庭奉仕員の増員、これがどうしても、当然必要であります。  以上の点についてご所見があれば、時間も余りないので、短くお答えをいただきたいと思います。 ◎西倉 高齢化対策室長 家庭奉仕員等の充実は、高齢者在宅福祉サービスの重要課題となっておりまして、国におきましても、高齢者保健福祉推進十か年戦略の中で大幅な増員計画を打ち出しております。  国におきましては、今年度家庭奉仕員三名の増員をしたところでございますけれども、さらに高齢者在宅福祉サービス整備計画の中で検討をいたしているところでございまして、その結果を踏まえまして今後も充実に努めてまいりたい、このように考えております。 ◆村田義則 委員 現在、実はふれあい公社が実施をしているサービスの内容について、私はぜひこの委員会の中で議論もしてみたいと思っていろいろ調査をしたわけですが、そのふれあい公社では、どういう方にサービスを提供して、その利用者の方がどういう実態なのかということについて、一切まとまっていない、わからないということで、残念ながら、この予算委員会で質疑ができなかったわけであります。福祉の総量拡大ということを盛んに理事者の方は言いますけれども、その一つ一つの内容をきちっととらえて、そして高齢者の実態に合った在宅福祉を供給する、提供するということを、きめ細かにぜひとも進めていただきたい。このことも強く要望しておきたいと思います。  時間がございません。一つ飛ばしますけれども、高齢者の住宅の問題について一言だけ申し上げておきます。代表質問で少し質疑がありましたけれども、高齢者の住宅あっせん制度ですね。これについていろいろ調べてみましたけれども、高齢者の方のアパートあっせんについて、希望する家賃の額、これを調べてみましたら、九十六件があっせんの申し込みをしているわけですけれども、そのうちの二六%の方が三万円台、二五%の方が四万円台、そして二四%の方が五万円台、この三万円、四万円、五万円台で、全体の申し込み者の七割以上を占める、これが高齢者の方の住宅の問題での実態という状況だと思います。  そういう意味で、今後のあっせん制度につきましては、ぜひともその宅建協会だけに任せるんではなくて、区の方も体制をとって積極的にやっていただきたいし、住宅条例等の今後の住宅対策についても、こういう実態を踏まえた住宅対策を進めていく必要があるんじゃないか。このことを強く要望しておきたいと思います。  次に、三軒茶屋の再開発事業について、一点お伺いをしておきたいと思います。三軒茶屋再開発第四工区の問題であります。先日のこの委員会での答弁の中で、理事者側は第四工区については事実上の準備組合ができた、こういう答弁がありましたけれども、時間がございません。イエスかノーかということで、できたのかどうかということをお答えをいただきたいと思います。 ◎鈴木 都市整備部長 三軒茶屋の第四工区につきましては、再開発勉強会ができております。 ◆村田義則 委員 そうすると、事実上の準備組合だと、こういう答弁はどういう意味になるんでしょうか。 ◎鈴木 都市整備部長 準備組合あるいは勉強会にいたしましても、任意の団体でございます。今後のいろんな手法の検討については、まだフリーハンドでございますので、三軒茶屋地区の再整備の方向についてはこの勉強会の中で十分詰めて、自主的な作業が進んでいくだろうというふうに思っております。 ◆村田義則 委員 地元の方々はこれを準備組合とは理解をしていないわけですね。勉強会にしたい。それは区の皆さんがあの地域に入って、ぜひ準備組合をつくろうよということを提案をしたようでありますが、地元の地権者の皆さんも中心になって、それはちょっと待ってくれということで、ぜひとも自分たちでさらに勉強して自分たちのまちづくりづくりを考えたい、こういう答えであって、その結果として勉強会ということになった。こういう経過でありますから、入っている方も勉強会だと思っているわけです。  しかし、ここに「三軒茶屋二丁目地区街づくり勉強会」の会則というのがあります。この会則をちょっと時間もないんですけれども、読みますと「この会則は、市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、中心市街地にふさわしい街づくりを目指し、都市再開発法による市街地再開発組合施行の事業認可がされるまでの準備をするために必要な事項を定める」こう第一条で言っておりまして、第四条「会は第一条の目的を達成するために必要な次の業務を行う」ということで、その第一項「事業計画の作成とその推進に関する事」こういうことが会則でうたってあるわけですね。なんで勉強会が事業計画の作成とその推進に関することをやるんですか。これは準備組合じゃないですか。 ◎鈴木 都市整備部長 その会則につきましては、発足をいたすに際して、会員の方にお集まりをいただきまして、自主的に決めていったということでございます。いろいろこの地区でのまちづくりの手法を考えますと、これは私どもでは街区の状況、あるいはこういった地区の再整備といいますか、地区更新に適切な手法といたしましては、市街地再開発事業制度を軸として研究されるのが一番効率的ではないかというふうに考えております。適切な手法を一つ軸にして、今後この地区のまちづくりを研究していくことがふさわしいと考えております。 ◆村田義則 委員 この勉強会は、再開発を区が予定している地域の地権者が合計百二十六人、それに対して約四十人弱の方が参加をしているわけであります。そして、その中の最も大きな商店街といいますか、仲見世商業協同組合、ここについても、この勉強会への参加はしない、入らないという意思を表明をしているわけであります。  そういう意味で、私はこの推移を昨年来ずっと見てまいりましたけれども、大変強引なやり方だと。ぜひとも、この間、区が進めてまいりましたこうしたまちづくりについても、都市整備の事業については、その地域の住民の合意を前提にして進める、こういう点に立ち返って、この第四工区についても事業推進を図っていただくようにお願いをしたいと強く要望したいと思います。  実は地元では、これは十二月の勉強会のときに区の方から再開発準備組合の定款ですよということで、参考にしてくださいという資料を提出したわけです。そしてその後で、今度はこれは勉強会の規約ですから、これを決めてくださいと二通出したわけですね。みんな持っているわけです。地元の人は。その二通を比べて、一体どこが違うんだ、違うのは名前だけだ、こう言っておりまして、区は詐欺師のようなことはするな、こんなことまで言っている人がいるわけです。ぜひ行政の不信を招かないためにも、住民合意のために努力をして進めていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。  最後に、教育の問題について一点お伺いをしておきたいと思います。区内で最近、三宿小学校あるいは用賀の京西小学校等で、近所に大きなビルが建つことによって教育環境が悪化をする、こういう問題がありまして、このときに教育委員会のとる態度ですね。この基本について、住民の方からさまざまに伺っております。例えば、将来は自分のところ、つまり学校も建てかえをして周りに日陰を及ぼすんだから、日陰にしないでくれというふうなことは言いづらいんだというようなことを住民の側に話すとか、こういう態度はやっぱり私は大変問題なんじゃないかと。教育委員会としては、同じ役所の中でも、ぜひとも子供の立場に立つ、教育条件を守る、こういうことで明確な態度をとり続けていただきたいということを期待をするわけでありますけれども、教育長のご答弁をお願いしたいと思います。 ◎小野原 教育長 教育環境の充実につきましては、教育委員会といたしましても、従来から計画的に推進してきたところでございます。さらに将来の社会を見越した教育環境の整備に努めてまいりたいと考えております。今お話のありましたような、新しい建設計画なりまちづくり、これは最近の都会の中での地価の高騰を背景にした土地の高度利用、こういった背景がありまして、それにふさわしい新しいまちづくり計画等が出てくるわけですが、学校ではやはりこういった地域環境等の関係から、近隣関係等を中心として、関係者との調整が必要というふうに考えます。いずれにいたしましても、学校は地域の中の公共的な施設としてあることから、地域の実情を十分に踏まえまして、教育環境を守り、充実していく立場から対応してまいりたいと考えております。 ◆村田義則 委員 以上で終わりますが、いずれにしても、新基本計画の今後の実施に当たっては、今の国や都の政策動向を踏まえて、区民の生活の実態に合わせて運用していく、計画をさらに立てていくということを強く希望いたしまして、私の質問を終わります。 ○大高定左右 委員長 以上で共産党の質疑は終わりました。  ここで、しばらく休憩いたします。     午後二時四十五分休憩   ────────────────────     午後三時十五分開議 ○大高定左右 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  民社党・無所属クラブ、どうぞ。 ◆長谷川七郎 委員 あともう少しでございますので、最後ですが、よろしくお願いをしたいと思います。  私は、きょう福祉の関係について幾つかお尋ねをしたいんですが、その中でも介護人制度といいますか、介助といいますか、この問題について中心にお尋ねをさせていただきたいと思います。  先ほども他の会派の方から、家庭奉仕員の増員についてお話がありました。過日、福祉保健領域で五十畑委員から、老人対策は、これからは介助制度の充実がなければ不可能だということまで言われておりました。五十畑委員はドクターでありますから、ドクターの立場からそういう実感を感じておられるんだなと感じましたけれども、私も全く同感であります。きょうは、障害者の介助についてお尋ねをさせていただきます。  本題に入る前に、少しく所見を述べさせていただきますので、よろしくお願いをしたいと思います。  介添え制度につきましては、一番最初に、私どもが一番痛烈に感じたのは、もう十年ぐらい前だと思います。ここにおられる職員の皆さん方の大半が経験されたと思いますが、この第二庁舎の一階で、かつて障害者の子供たちが布団を持ち込みまして座り込みをいたしました。当時、この中では大半の方が課長時代ではなかったかと思います。皆さん方、三十人程度の方が毎夜あそこに詰められまして、大変ご苦労なさいまして、中には障害者の子供にはたかれて、武勇伝を持った方もこの中にはお見受けするわけでありますが、はやもう十年を過ぎているわけであります。  当時、子供たちが要求を掲げましたのは、介助してくださる人たちに対して、公務員と同じような身分保障をしてもらいたい。これが要求だったと思います。加えて、重度介添え人の手当が、東京都の方から当時はたしか九日間支給されておったと思います。その後、区の方で三日間足し前して十二日間ということがあって、今日では十九日分、都で十三日、区で六日間、手当につきましては、こういうことに相なってきた経過がございます。  話が多少横にそれますけれども、この運動がありまして、当時区長は大変心配されまして、たしかあのときに、障害者の団体が連合、初めて全体を集めまして、今日では十五団体になって、これが行政に対しても、会を中心に、施策に対してもいろいろ意見を述べられ、それにこたえられて、障害者の対策が全般的に運営をされているように伺っております。  しかし、介添え制度は、その後私が見ても、なかなか進んでいないのではないだろうか。今日の身体障害者事業がほとんどそこでストップしてしまっていると私は見ておるわけであります。確かに、お年寄りで、おひとり暮らしの方が六千人近くおられますし、その中で約半数の方が寝たきりだ。こういうことで、特に自宅で介護をされている方々は、要するに、お嬢さんなり、娘さんなり、あるいはお嫁さんなり、あるいは長いこと付き添った奥さんが、同じように年をとりながらも介添えしている姿を見ると、家族全体のご苦労は察して余るものがあります。  しかし、障害者の場合、私は、ある意味ではもっと大変だろうと思うんです。それはなぜかといいますと、ご案内のとおり、生まれたときから障害者を抱えて、お母さんは育てていかなきゃならない。生まれて少したちますと、子供が大きくなることを母親は願わないわけであります。なぜかというと、トイレをさせるにしても何するにしても、自分で抱えなきゃいけない。なるべく大きくならないでもらいたい。親はそう思うわけであります。もちろん病気が治るという前提があるのなら、そんなことは吹っ飛んでしまうんでありますけれども、医者から、もうこの病はこれ以上は治りませんよ。大きくなっても寝たきりですよ。今の状態と同じですよ。そういうことが前提になっていますから、そう思うわけですね。  親子で過ごしているうちに、大体どのお母さんも一度は、この子と一緒に自殺をしようということを、どなたも考えられるようであります。家庭のたんすから薬の瓶を捨てるということを、しばしばだんなさんからも聞きます。そうしてお母さんはたくましくなるわけであります。そのうちに大変強いお母さんになってくるわけであります。  そして、子供が大きくなってきますと、養護学校を卒業してしまうと、今度はそれぞれの立場で進学はしますけれども、進学したり、あるいは作業所へ行ったり、在宅で過ごしていくわけであります。子供が五十歳になって母親が七十歳になっても、母親はそのとき考えることは、私の方が先に死なないうちに子供が死んでもらうことを願うわけであります。だれが我が子を自分よりも先に死んでもらうことを願う母親があるでありましょうか。こういうつらい思いをしながら、かつまた、自分たちが老齢期に入るわけであります。そして、それを介護しながら一生を終わっていくのが母親の姿であります。  私は、障害者団体の先輩からよくお話を聞いたことがありますけれども、障害者同士ほど仲の悪いものはないんだというお話も実は伺っております。長谷川さん、目が見えない人と、口が聞けない人と、それから耳が聞こえない人、どうやって理解するんだと言われました。ハンディを持っている人がですね。この人たちがどうやって理解するんだ。こういう話も実は伺いました。障害者同士ほど、どの障害者の方々も、我こそはこの世の中で一番不幸をしょってきたんだというふうに理解をしているんだよ。だから、障害者同士というのはなかなか仲がよくないよ、こういうお話も実は伺ったこともあります。  しかし、さっき言ったように、幸い連絡協議会をつくりまして、それぞれの団体の交流を深めてきて、世田谷区の場合には大分この点が変わってきたというふうに私は理解をいたしております。そういう状況の中での介添えの問題について、ここにもう一つだけお話をさせていただきますけれども、ペグ・ノゼックさんを囲んでということで、昨年十月二日、世田谷区立総合福祉センターで在宅ケア研究会という方々が懇談をしております。この代表者は四十歳ぐらいの女の子であります。お母さんを十三年前ぐらいに亡くした子であります。この中に、私が申し上げたいようなことが全く書いてありますので、そのまま若干読ませていただきます。  重度障害者が地域で生きてゆくために手足となるケアが、そのニーズに応え得るだけの人的保障がないことでした。例えば、病院に行きたくても行けないとか、買い物に行きたくても行けず、家族に保護されながらその都合にあわせてしまうので、自分の要求を満たせずにいたり、また両親が年老い、その障害者のケアを担えなくなったとき、その障害者のとるべき道は地域から離れた施設に入るほかはないという状況にあります。  そのような状況を少しでも変えたい。重度の障害者であっても同じ人間として地域に住みながら、自分の生活を自分の生活を自分自身の手でつくり、責任の持てるような社会に変えていきたいという願いとともに、選択権をもちながら自己決定できるような社会に変えてゆきたいという当事者の要求の中からこの会が作られました。  そして四年が過ぎましたが、現在まだまだ我が国においては、重度の障害者のうち家族から離れ地域で自立生活を送っている人達はごくわずかです。それらの人達は、残念ながら特別な存在として見られ、「他人介助」を受けるということが一つの運動として見なされてきました。  しかし、私達障害者の誰もが地域で自立生活を送るためには、介助という形でのケアはなくてはならないものです。それだけではなく、住宅、移動交通等の問題を解決し、その他社会的価値観をも変えていかなければ、地域で暮らしやすい社会を作ってゆくことができないというのが現実です。私達は今、これらをどのように考え、どのように変えてゆくかを模索している状況です。  今回、アメリカにおける自立生活運動の先駆者であるペグ・ノゼックさんを囲んで……。 こういう話が前書きにあるわけであります。そこで、私は、まず第一点にお伺いしたいのは、ついこの間、新宿でケア運動が大変進んでいるというお話を伺いまして、私も実は新宿へ行って、ケアの利用者の皆さん方、事務局の皆さん方、それから、ケアをしている代表の皆さん方といろいろお話をさせていただきました。新宿では、現在百四十七名のケアのスタッフの方々を抱えておられます。しかし、ほとんどがなかなかご都合がつかないので、登録している方は百四十七名いらっしゃるけれども、通例は百名前後の方がそれに参加していただいている。ケアをしていただいている。こういう組織でございます。  一体、どういう方々がこのケアに参加しているのか、私には不思議でなりませんでした。正式な名前は新宿ライフケアセンターというところで、運営委員会を持ってケアに当たっておられるわけであります。そこで、いろいろお話し合いをしてきたわけでありますが、身障者のケアというのは、ふれあい公社でも実際に今手がつけられないという状態は、ケアするのにやはり体力が要るわけですね。したがって、新宿の場合もいろいろお伺いしましたらば、八〇%は学生さんだそうです。ほとんど学生さんが来ていただいている。早稲田の学生さんが中心のようであります。  そのほか八王子でも、ケアが割合に盛んに活発化されておりますので、実は資料をもらっただけなんですが、新宿とはちょっと違うようでありますが、やはりお伺いすると学生さんだ、こういう話であります。  そこで、私は、ケアをすること自体が大変難しい。障害者の団体の方々も、ぜひ新宿と同じように組織化していきたい。現在区内の実態を調べてみますと、重度の障害者の方でどうしても付き添いの要る方を、部長にお伺いしたら、二百七十名ぐらいいらっしゃるんじゃないか、こういうお話でございます。今全く母親とも離れ、自立してケアを受けている子供たちが二十三人いるそうです。同じように、この二十三人は現実にケアする人を抱えているわけです。そうしていかなければ毎日生きていかれませんから。私も話を聞いたことがあるんですが、中には大体百人ぐらいそういう人をつかんでおかないと、二十四時間、三百六十五日つながらないそうです。それぐらいケアというのは大変なんですね。ですから、必要に迫られて、現在は二十三人の方々は、それぞれが何かの形で、さっき冒頭に申し上げた手当を含めて、中心に使いながら、皆さん方の奉仕していただく気持ちにすがって生きていっているというのが現実であります。  ところで、さっき申し上げたように、重度を抱えている年配のお母さん方がふえてきたわけであります。そこが、いわゆる親なき後の問題について、何とか助けてくださいと言っている声の源であります。親なき後の問題というのはそこにあるわけであります。したがって、ぜひひとつ、今までは自分たちが抱えてきたけれども、それぞれがもう抱え切れなくなってきた年に来た。それが今の実態なんであります。これを何とか破って、何とか手助けをしてあげなきゃならない。それにはだれかの力をかりなきゃならない。  そこで、私はケアについては、今、母親も必死になって探しているわけでありますから、世田谷には世田谷区ボランティア協会もあります。社会福祉協議会もあるわけでありますから、その辺に行政の方からよくご相談していただいて、核になっていただきたい。そして、区内にある大学なりその他について働きかけを、それに行かれるような形に、陰ながらといいますか、後ろ盾を行政の方からしていただきたいというのが第一の質問であります。
     幸いにして区長は、前回、区内の大学の理事長さんともお会いになったというお話も伺いました。まさか区長から、ケアの問題についてすぐ頼むというわけにもいかんでしょうけれども、しかるべき福祉部長なりを通して、ぜひ大学側の事務局とも打ち合わせをして、クラブ活動とうまく最初の接点を見つけるような努力を、ぜひ後ろ盾をしていただけないか。これが第一点の質問であります。 ◎吉越 助役 重度在宅障害者の親なき後といいますか、それから、介助の問題につきましてお答えをいたします。  重度の在宅障害者が、ノーマライゼーションのもとに地域で生活を送っていくということは、介助が最も重要なポイントになろうかと思います。また、重度在宅障害者の日常生活の中での介助というのは、保護者が年々高齢化してまいります。また核家族化などによりまして、大きな負担となっているのも、私どもも十分認識をいたしております。あわせて家族の亡くなられた後の生活を地域で継続していくのには、介助が不可欠であろうかと思います。  現在、登録介護人派遣制度で対応しておりますが、介護人の確保が大変難しい状態にございます。また、親なき後につきましては、施設に入居していただくことがほとんどでございます。そこで、障害者が障害を持たない人と同様の日常生活を、住みなれた地域で送れるような援助体制を充実していかなければならないと考えるわけでございますけれども、増大し、多様化する介助の需要にこたえていくためには、公的な制度の充実とともに、民間の方々のご協力を得る方策を工夫していかなければならないのではないかと考えております。  お話にございましたボランティア協会での介助の派遣体制、この方策も一つでございますし、新宿のライフケアセンターのことも今お話を聞きまして、参考にさせていただきたいと思います。世田谷ボランティア協会は区が基盤整備を行いまして、自主性、自立性のもとに運営されている団体でございますので、今後とも十分協議をさせていただきたい、このように考えております。 ◆長谷川七郎 委員 親御さんたちも一生懸命この問題に取り組む姿勢で熱心でおりますから、鉄は熱いうちではありませんけれども、失望させないように、ぜひリードしていただきたいということをお願いをいたしておきます。  次に、リサイクルセンターについてお尋ねを申し上げます。  この委員会を通じて、幾つかお話が他の会派の方からもございました。うちの東委員からもお話があったわけでありますが、お伺いをしてみて、リサイクルセンターというのは、どうも理解がこういうことでよろしいんですかね。船橋五丁目、千四百八十一・〇九平米、準工業地域に約五百坪弱だと思いますが、土地があるので、そこに障害者の施設として、言うなれば太陽の家みたいなものをつくってあげようじゃないか。この施設については、こういうことが基本的な考え方だと理解してよろしいんでしょうか。 ◎大場 区長 そのとおり理解していただいて結構です。 ◆長谷川七郎 委員 だとするなら、ちょっとお願いがあるんですが、リサイクルセンターという名前が、たまたま清掃工場のそばだからこの名前が出てきたのかどうかわかりませんけれども、そういうことを想定されたんだろうと思うんですが、ちょっと似つかわないじゃないだろうか。リサイクルセンターというと、これから集配事業をやろうということで、相当皆さん研究されて、いろんなことが頭の中にあるわけです。そこへもってきて、リサイクルセンターという名前が出てくると、どうも障害者のそういう施設だというふうには理解しにくいんじゃないだろうかと思います。  ただ、場所が場所ですから、私もそういう意味で、こういう運動がうまく障害者の子供たちと合えば、あるいはお年寄りと合えば、大変いいんじゃないか。センターという名前がいいのかどうか。名称は仮称なんでしょうけれども、そういう意味ならば、清掃工場がいずれ全部でき上がれば、あそこからは蒸気が出るわけであります。その蒸気はエネルギーがあるわけでありますから、それを中心に使って何か考えるということも一つ考えられるんじゃないだろうかと思いますし、ぜひひとつつくっていただきたい。  ただ、あそこは準工業地域ですから、相当高いものが建つわけですね。少なくとも上に障害者の住居部分ぐらいね。お年寄りの住居はできるけれども、数はまだまだ足りませんが。障害者の住居部分は全然ないわけですね。したがって、職住接近ではございませんけれども、今二十名単位ぐらいでそういうホームをつくっている、そんな計画が東京都の方であるやに聞いているわけです。そうすれば、十名に一人ぐらいは介添え員をそこにつける、そういうことを都の方が考えているようでありますので、こんな制度もぜひ利用して、つくっていただけたらどうかな、こういうふうに考えているんですが、いかがなものでしょうか。 ◎大場 区長 もともと太陽の家的な考え方というのは、住居が一緒になっているような福祉工場ということになっておりますので、それらを含めて検討していきたい、こんなふうに思っております。 ◆長谷川七郎 委員 区長がそうやって答弁していただけるんですから間違いないと思いますので、ぜひ立派に練り上げていただきまして、子供たちにひとつ光を与えていただきたいとお願いいたしておきます。  次に、これもよくお願いしているんでありますが、特にこれからの障害者の施設については、公だけでは無理だと、民間の力をかりていかなきゃいかんということの中で、今職員を採用して、区の方で建物をつくっていただいたり、提供していただいて、親の会が今二つ、それぞれが運営をしている重度の通所施設がございます。一つは、等々力希望の家であります。これは手をつなぐ親の会の方が主体で運営をされている。いま一つは、重度肢体不自由児者通所施設で、これは肢体不自由児父母の会が運営をされている。  それぞれ調べてみますと、今年度の予算では、社協を通じまして一千百六十万三千円、東北沢つどいの家が七百九十万三千円、これは今年度大変ふえたと思います。前の年よりふやしていただいたんだろうと思いますが、それにしても、それぞれが通所者が十二名、これは等々力希望の家であります。知恵おくれのお子さん、重度の精神薄弱者の方々の施設です。ここで職員さんが四人おられて、そのうちの一人が非常勤である。東北沢つどいの家では、通所者が十五人、職員が六人で、非常勤が三人、こういう形で今運営をされています。  一方、役所が直接運営をしている梅丘福祉実習ホーム、これは定員が二十五名であります。職員が十一名であります。運営費が三千六百十五万であります。生活実習所が定員が四十二名であります。運営費が五千百三十万、職員が定員が二十三名、現在は一名欠になって、二十二名の方がいらっしゃいます。お役所の場合には、この金額はそれぞれ人件費は入っておりません。民間の場合には、これは人件費が込みであります。  したがって、従来から事業団をつくって職員の応援をしてやろうという考え方が非常にあったわけでありますけれども、これもいつになってできるのか、なかなか待ち切れないといいますか、現実にそれぞれの施設が大変困っているわけであります。今言ったように、職員を採用して運営をしているわけでありますから、身分保障がない、あるいは退職金の準備ができない、給料の保証制度がない、健康保険の加入が難しい、厚生年金、雇用保険の加入が大変難しい、こういう状況の中で職員が働いているわけであります。したがって、私は、事業団ができるまでというんじゃなくて、もう少し早目に応援をしてやっていただけないか、これが質問であります。 ◎吉越 助役 ただいまのいわゆる通所訓練事業といいましょうか、障害者団体等が行う心身障害児者の自立更生の促進を図る事業ということで、これにつきましては、現在その運営費の一部を助成しているわけでございますが、ご指摘のございました通所訓練事業における指導員の身分保障、この問題につきましては、このような事業の現在の位置づけのもとでは、社会福祉法人の施設職員と比較いたしまして、低い水準にならざるを得ないのかなという状況でございます。これらの問題を解決していくのには、通所訓練事業を区の事業としていく方法、運営は法人に委託をすることも考えられます。これは、社会福祉法人の事業として位置づけ、区が助成していく方法があろうかと思います。いずれにいたしましても、今後これらの方法等につきましては十分検討してまいりたいと思います。  なお、当面の処遇の改善につきましては、運営費の助成等をもって配慮してまいりたい、こういうふうに考えております。 ◆長谷川七郎 委員 大変ありがとうございました。  以上をもちまして私の質問を終わらさせていただきます。大変ありがとうございました。 ○大高定左右 委員長 以上で民社党・無所属クラブの質疑は終わりました。   ──────────────────── ○大高定左右 委員長 引き続きまして生活クラブ、どうぞ。 ◆長谷川佳寿子 委員 最後の十分でございますので、よろしくお願いいたします。  私は、ソーラーシステムについてお伺いいたします。化石燃料の大量消費による地球の温暖化、またチェルノブイリ事故その他に見られる原子力発電の一〇〇%の安全性がはっきりしない現在、環境汚染の点から、また省エネルギーの点からも、代替エネルギーを考えなければならない時期に来ていると思います。  そこで、お伺いしたいのですけれども、公共施設におけるエネルギー問題を区としてどうお考えか、お聞かせください。あわせて、現在ソーラーシステムを導入している建物について幾つあるか、お願いいたします。 ◎谷田部 建築部長 オイルショックをきっかけにした自然エネルギーの利用による省資源化、あるいは新しい課題であります地球環境の保全という社会的要請に応じるため一つの方法として、ソーラーシステムがございます。区は、この方式で一番効果があると言われております、年間を通じて給湯量の多い温水プール、ふろ、シャワーなどを中心に採用してきたところでございます。  こういった方針のもとに、これまで古い順に太子堂中学校の温水プール、それから三浦の健康学園、それから総合福祉センターの温水プール、それからさらにお話がありました新しい方式でありますけれども、宮坂の地区会館、以上四カ所がございます。 ◆長谷川佳寿子 委員 大体、今お考えをお聞きしたわけですけれども、実は区民生活領域の中で、ソーラーシステムについて質問、要望いたしましたが、どうも納得のいく答弁がいただけなかったものですから、質問をする次第です。  まず、太子堂のプールについてお伺いしたいのですけれども、五十七年二月設置されましたこのソーラーシステムについては、エネルギー消費をできるだけ節約しようという区の姿勢のあらわれで、新しい試みにチャレンジなさったということは大いに評価しております。その上に立って質問したいのですが、プール加熱、シャワー給湯、室内冷暖房と、多目的に使用されているわけですが、三百二十台のガラスパイプの集熱器があり、一台の中に百本のコレクターが入っております。それが、わずか二年足らずで水漏れが生じ、本数不明とお聞きしましたが、コレクターを取りかえ、さらに設置三年目、昭和六十年に百本取りかえ、そして、現在また二百本水漏れを生じており、当然機能も落ちたまま使っているというわけですが、いつまでこのまましておくのか、また、何かお考えがありましたらお願いいたします。 ◎谷田部 建築部長 ソーラーシステムの集熱器というのは、大変過酷な条件のところにあるわけです。設置後八年たちまして、先ほどの話にありましたように、全体で三千二百本真空管があるわけですけれども、その中の百ほどはもう既に取りかえたわけでございます。こうした修繕費がふえていく中で、できるだけ有効利用を図っていくために、これからもきめ細かな維持修繕と、運転方法に工夫を加えながら対応していきたいと考えております。 ◆長谷川佳寿子 委員 では、今ほうってあるわけですけれども、修理をする、こういうふうに理解いたします。設置して7年間たったわけですけれども、こういうトラブルが起きているわけです。設置する際、メーカーとの話し合いの中で、システムに対する点検体制とか、保証期間とか、対応策など十分に話し合われなかったのではないのかな、こういうふうに思います。  このことと関連して、総合福祉センターのソーラーシステムについてお聞きします。こちらは温水プールと給湯に利用しておりますけれども、ただ、スペースの関係で必要エネルギーの二〇%分だけソーラーシステムに頼っているわけです。しかし、太子堂とは異なるメーカーのものが設置されており、その理由は一社に偏らないよう、給配水業者の指定によるとお聞きしましたが、そのとおりでしょうか。また、一年たった現在、順調に動いているのかどうか、お答えいただきたいと思います。 ◎谷田部 建築部長 総合福祉センターの場合には、地下に水治療法用の温水プールがございます。この設置計画があったときに、太子堂に次ぐ二番目のプールとして、従来の方針に沿って検討を加えておったわけです。温水プールは今度は給湯専用ということで、集熱器の方式を太子堂で使いました効率型と言っております真空管型から、よく見られますけれども、屋根の上に乗っかっている平板というんでしょうか、平らな板、こちらに変更したわけでございます。  それから運転の方につきましては、順調だというふうに所管の方から報告を受けています。今後も見守っていきたいというふうに思っております。 ◆長谷川佳寿子 委員 今回はコレクターのない平板とのことで、大丈夫だと私は思いますけれども、ただ、一抹の不安を持っております。というのは、なぜならば、六十一年、総合福祉センターの実施計画がされたときには、既に太子堂の方では故障が起きていた。しかも、なお今も水漏れがしている。太子堂では初めての試みでしたから、トラブルが生じることもあるかもしれないと思います。しかし、問題は起こったことに対しての業者への対応とか、システムへの対策等があいまいのまま業者がかわって、異なるシステムをまたプールに導入した、こういうふうになっていることをとても心配しております。  その次に、宮坂地区会館につきましては、先ほどの答弁の中で、床暖房という新しい試みをするということがございました。この地区会館は区民センター並みの広さがございます。この二分の一あるいは三分の一の広さで集会施設を持った出張所、それから地区会館が二年度もたくさん建築とか新築される予定になっております。しかし、この中に一つもそういう施設が入るというふうな予定は立っておりません。こういう施設の中でも、やはり老人給食の厨房もございますし、それから多目的ホールがありますし、それに併設したシャワー室なんかもあるわけで、やっぱり給湯とか暖房とかいうことは必要なわけです。そこで、小規模なこういう施設においても、できることから何か実験的にやってみようということが検討されたのかどうか、お願いいたします。 ◎谷田部 建築部長 今お話にございました地区会館とか、出張所みたいな、そういう小規模な建築物にソーラーシステムというのを採用する場合には、設備面ですとか、使い勝手、あるいは集熱面積の確保の問題、それから最大の問題ですけれども、費用対効果、そういったような検討項目がございます。これらを検討しまして、採用の可否を決定すべきと考えておるところでございます。  特に、そういった小さな建物につきましては、使う方の側の身になりまして考えなければならないと思っております。特に利用者側の理解と協力を得ながら、個別施設ごとに検討してまいりたい、こういうふうに思っております。 ◆長谷川佳寿子 委員 大体お考えはわかりましたけれども、ということで、今のところはできない、やらないというふうに取れるんです。私は、ソーラーシステムというのは、場所なんかについては、最初に必要なエネルギーがどれだけだから、それにはこれだけのスペースが必要だということはあらかじめ試算できるわけで、それに合わせて設計のとき工夫すればよいわけですし、それが証拠に、宮坂なんかも、のこぎり屋根にして利用してソーラーシステムをつけているわけです。総合福祉センターでも、同じように、スペースは少ないけれども、工夫して実施したわけです。また、費用についても区としてはできることから省エネルギーに取り組んでいくと決めた以上は、多少費用がかかっても、やっていかなければならないんだろうと思うんです。まだ今実験段階ではありますけれども、ぜひこのことを進めていただきたいというふうに要望したいと思います。  それで、私が今回この質問をしてお願いしたかったことというのは、今まで、ソーラーシステムに対しては、何か区として一貫したビジョンが少し欠けていたんじゃないかなというふうに感じております。環境問題も含めて、省エネルギーに対し前向きの姿勢を示していただいているんですから、既に建設されたものの総括をともかくきちんと行っていただいて、そのことを踏まえながら、今後いつどこで、どのような施設に、どんなシステムで、費用はどれくらいまでというふうなことを検討して、実施計画を立てていただきたいと思います。玉川中学校と中町小学校の改築計画も予定されております。そこに温水プールもございます。またこれからも公共施設が建設されていくわけですから、こういうことも含めて、きちっとした実施計画をお願いしたいと思います。  あと二十一秒でございますので、区長、見解をお願いいたします。 ◎大場 区長 省エネというのは大変大事なことでもございますし、十分検討に入れて、あらゆるものに利用できるようにしていきたい、こんなふうに思っています。 ◆長谷川佳寿子 委員 どうもありがとうございました。終わります。 ○大高定左右 委員長 以上で生活クラブの質疑は終わりました。  これで、本予算にかかわる質疑はすべて終了いたしました。   ──────────────────── ○大高定左右 委員長 直ちに各会派の態度表明に入ります。  なお、態度表明は自席よりお願いいたします。  最初に自民党、どうぞ。 ◆小畑敏雄 委員 自由民主党世田谷区議団は、平成二年度世田谷区一般会計予算ほか三件の予算案につきまして賛成いたします。  なお、意見は本会議場で申し述べます。 ○大高定左右 委員長 次に公明党、どうぞ。 ◆吉本保寿 委員 平成二年度世田谷区一般会計予算ほか三件について、公明党区議団は原案どおり賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○大高定左右 委員長 次に社会党、どうぞ。 ◆園田集 委員 社会党世田谷区議団は、平成二年度の世田谷区一般会計ほか三件について賛成いたします。  意見は本会議場において申し述べます。 ○大高定左右 委員長 次に共産党、どうぞ。 ◆笹尾淑 委員 日本共産党区議団として、平成二年度世田谷区予算一般会計ほか三件につきましては賛成をいたします。  なお、意見につきましては後日の本会議場で申し述べたいと思います。 ○大高定左右 委員長 次に民社党・無所属クラブ、どうぞ。 ◆長谷川七郎 委員 民社党・無所属クラブは、平成二年度世田谷区一般会計予算ほか三件について賛成をいたします。  なお、意見は本会議において申し述べます。以上。 ○大高定左右 委員長 次に生活クラブ、どうぞ。 ◆森田イツ子 委員 平成二年度世田谷区一般会計予算ほか三件に対し、生活クラブは賛成いたします。  なお、意見については本会議場で述べます。 ○大高定左右 委員長 次に行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 世田谷行革一一〇番は平成二年度世田谷区一般会計予算案ほか三件につきまして反対します。  なお、本委員会にて言い足りなかった点については、本会議場で申し述べます。 ○大高定左右 委員長 以上で各会派の態度表明を終わりました。   ──────────────────── ○大高定左右 委員長 引き続き、採決に入ります。  採決は起立によって行います。  お諮りいたします。  議案第二号「平成二年度世田谷区一般会計予算」、議案第三号「平成二年度世田谷区国民健康保険事業会計予算」、議案第四号「平成二年度世田谷区老人保健医療会計予算」、議案第五号「平成二年度世田谷区中学校給食費会計予算」の四件を原案どおり可決することに賛成の方はご起立をお願いいたします。    〔賛成者起立〕 ○大高定左右 委員長 起立多数と認めます。  よって、議案第二号から議案第五号に至る四件は、原案どおり可決いたしました。  以上で本委員会に付託されました予算審議はすべて終了いたしました。   ────────────────────  この際、区長より発言の申し出があります。 ◎大場 区長 予算委員会の閉会に当たりまして、一言御礼申し上げます。  委員各位には、平成二年度の予算案につきまして、連日にわたりご審議を賜り、大変ご苦労さまでございました。また、ただいまは原案どおりご決定を賜りまして、まことにありがとうございます。  本委員会におきましていただきました多くのご意見、ご提案、あるいはご要望につきましては、十分に尊重いたしまして、今後の施策に取り入れてまいりたいと考えております。どうか委員各位におかれましても、よろしくご協力のほどを賜りますようお願い申し上げまして、御礼のあいさつといたします。ありがとうございました。 ○大高定左右 委員長 以上で区長のあいさつは終わりました。  ここで、正副委員長を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。  長期間にわたりまして、委員の皆様方には各般にわたりまして積極的なご意見、ご質疑をいただきまして、本日、無事に平成二年度の予算を採決することができました。まことにありがとうございます。これからもよりよい区政進展を目指しまして、委員各位のますますのご健勝を心から祈念申し上げまして、お礼にかえる次第でございます。  また、理事者の方々に対しましては、区長以下、各部課長の皆さんには、連日それぞれ委員からの質疑に的確にお答えいただきまして、本当にご苦労さまでございました。これをもって平成二年度がますますよりよい区民のための区政の進展に向かって多いに精励、努力していただきたい、かように思う次第でございます。いずれにいたしましても、長期間、真剣なご審議を賜りましたこと、ご協力を賜りましたことに対しまして、正副委員長を代表いたしましてお礼にかえる次第でございます。ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────── ○大高定左右 委員長 以上をもちまして予算特別委員会は散会いたします。     午後三時散会...