大田区議会 2021-03-11
令和 3年 3月 予算特別委員会-03月11日-01号
令和 3年 3月
予算特別委員会-03月11日-01号令和 3年 3月
予算特別委員会
令和3年3月11日
午後1時00分開会
○湯本 委員長 ただいまから、
予算特別委員会を開会いたします。
感染症拡大防止の観点から、傍聴人が激しくせき込むなどの症状が見られた場合、委員長の判断により傍聴人には退場をお願いする場合がございますので、あらかじめご了承をお願いいたします。
昨日に引き続き、第1号議案 令和3年度大田区
一般会計予算、歳出の審査を行います。
第2款総務費の審査を続けます。
質疑に入る前に、理事者の皆様に申し上げます。質疑時間には答弁も含まれますので、簡潔な答弁をお願いいたします。また、答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきり告げていただきますよう、お願いをいたします。
それでは、公明、質疑願います。
◆小峰 委員
区議会公明党、小峰由枝でございます。
本日、
トップバッターということで、一言申し上げさせていただきます。
10年前の今日、未曽有の大震災がありました。そして10年後の今日、未曽有の
新型コロナと私たちは戦っています。この災害でお亡くなりになりました皆様に謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
想定外の危機と向き合う中で、私自身、少しずつですが、耐える力、人に寄り添う力が培われてきました。お一人おひとりの命の尊さを感じながら、新たな日常の実現に向けた改革を進める予算、本日は
LGBTQ、人権、そして防災は避難所の運営について、総務費で質問をさせていただきます。
部局間連携の
取り組みも含む質問となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2019年、
LGBT総合研究所の調査が全国の20歳から69歳の約42万8,000人に
アンケート調査を行った結果、
LGBTQの方は10人に1人という数字を発表し、読売新聞などに掲載されました。
LGBTはご存じだと思いますが、そこにQ、クエスチョニングという性自認や性指向が明確でない方を加えて
LGBTQとも称され、
性的少数者の呼び方の一つとなっています。
当事者の方にカミングアウト、発表するかしないかを尋ねると、約8割の方はしないと答え、加えて、誤解や偏見が多い、社会の理解や自治体や企業の対応が必要だと回答があったそうです。
この
アンケートの特筆すべき点は、
アンケートに答えた8割以上の人が、自分の周りに
LGBTの当事者はいないと回答した点です。当事者がカミングアウトしにくい社会であることを読み取ることができます。親がテレビなどで
LGBTQの方を見たときに、子どもの前で否定的な言動や行動を取ると、子どもも否定的に捉え、カミングアウトしづらくなると伺いました。
平成29年の第2回定例会で、我が会派の
勝亦聡議員が代表質問で
LGBTに対する多文化共生の観点から質問をし、区長から、今後も差別や偏見なく、個人として尊重される社会の実現に向けた
取り組みをしていく旨の答弁をいただいております。
都議会公明党も、令和元年に、パートナーが同性の東京都の職員に向け、待遇改善を要望しています。
現在、いかなる差別も許さないとの
オリンピック憲章の趣旨を踏まえ、ジェンダー平等を実現しようという
社会的動きも活発化され、
LGBTQの理解が広がっていると感じます。私自身も当事者の方からご相談を受け、一緒に悩み、勉強させていただいています。皆さん、本当に一生懸命取り組んでいらっしゃいます。私の人生にとっても大切なことをたくさん学ばせていただいています。
性の多様性については、区民の皆様の理解、
学校教育、就労の問題、
パートナーシップ制度、これらの重要性を感じるところです。現在、
LGBTQの方は増加傾向にあるようで、多様性の問題の対応は、具体的かつ丁寧に講じるべきと考えます。本区の現在の
LGBTQの
取り組みと今後の方向性を伺います。
◎塩沢 人権・
男女平等推進課長 現在、区では、
人権啓発パネル展での関係資料の掲示や、東京都が作成した
啓発冊子の配布、職員研修などの機会を通じて、
LGBTQに対する正しい理解に努めております。
また、来年度からスタートする第8期大田区
男女共同参画推進プランを、SDGsの目標の一つであるジェンダー平等の実現に向けた
取り組みとして位置づけ、
LGBTQに関する情報なども掲載しております。
性の在り方は多様です。
LGBTQに対するいじめや差別、偏見は人権問題です。まずは、多様な性があることを知り、性の在り方の違いを尊重することが大切です。
今後は、これまで以上に
取り組みを充実し、
LGBTQの正しい理解につながる啓発に努めてまいります。
◆小峰 委員 それでは、
人権男女平等推進課に
LGBTQ当事者の方からの相談はどのようなものが多いでしょうか、伺います。
◎塩沢 人権・
男女平等推進課長 今年度の
LGBTに関する相談は、2月末現在でメールでの相談が4件、電話での相談が2件ございます。
相談内容としては、
パートナーシップ制度の創設に関するものや、
LGBTQの
取り組みに関するものなどがございました。
◆小峰 委員 私に寄せられた区民相談では、
相談窓口をつくってほしいとの要望を数々受けています。身近な家族にも相談できず、孤立化して、精神疾患やひきこもり、自殺などにもつながる状況を鑑みると、
相談窓口は
LGBTQに特化したものを設置し、さらに交流会と相談会を同時に行うことにより相互作用が起こり、当事者の悩みに寄り添うことになると考えますが、いかがでしょうか。
◎塩沢 人権・
男女平等推進課長 LGBTQの方の多くは、学校や家庭、職場など日常生活の様々な場面で理解されないことで悩みを抱えることが多く、中には、差別や偏見などにより精神的な病気に至る場合もあります。
区では、人権・
男女平等推進課での相談対応のほか、
男性相談ダイヤルや、エセナおおたで実施する女性のための
たんぽぽ相談でも対応しております。なお、
LGBTQの方が抱える悩みは、複雑かつデリケートな問題でもあるため、必要に応じてより専門的な、東京都が実施している性自認及び
性的指向に関する
専門相談、Tokyo
LGBT相談をご紹介しています。この相談は、電話のほか、LINEでも対応しています。
また、東京都では、今年度、若者を中心とした
当事者同士が安心して集う交流の場、機会の提供事業を実施しております。今後、これら東京都の
取り組みを参考に、
LGBTQの方に対する相談体制や交流の在り方について研究してまいります。
◆小峰 委員 エセナおおたで実施しているそれらの相談は、大変好評です。今後、トランスジェンダーの方にも対応していただきたいと強く要望いたします。
この
LGBTQに関しては、様々な施策とともに社会的な理解を深めること、この両輪の
取り組みが重要です。
啓発セミナーを積極的に取り組むことや、当事者にも参加していただき、本区として冊子を作ることを提案します。見解を伺います。
◎塩沢 人権・
男女平等推進課長 LGBTQをテーマとした
啓発セミナーは、エセナおおたの
指定管理者である
NPO法人、男女共同参画おおたが、
性的マイノリティを理解するための基礎講座を開催しています。性の在り方は多様であり、
性的マイノリティの存在や、悩みに気づくことや、理解を深めることは重要です。
今後も、これまでの様々な媒体による啓発を充実させるとともに、区民を対象とした
啓発セミナーの開催を検討してまいります。
また、当事者も参加した
啓発冊子につきましては、東京都の「多様な性について知るBOOK」の冊子を作成した際の経緯などを参考に研究してまいります。
◆小峰 委員 先ほど、私は、相談会と交流会と提案しましたが、実は、それは月に1度開催し、1年以上継続し、実績を積んでいる
NPO法人が大田区にあります。
LGBTQの方々の
居場所づくりとして、地道に活動を続けてくださっています。ほかにも様々な団体で
取り組みがありますが、今後、公民連携の視点を踏まえ、
NPO法人などに協力を得て、
LGBTQに対応する
取り組みを提案しますが、いかがでしょうか。
◎塩沢 人権・
男女平等推進課長 区とエセナおおたの
指定管理者である
NPO法人男女共同参画おおたは、公民連携の一つの形態であります。NPOおおたは、
性的マイノリティの
居場所サロンを定期的に開催するなど、
LGBTQに関する実績を含め、様々な業務に取り組んでおります。今後、
LGBTQに関しては、NPOの経験を生かした効果的な
取り組みを検討してまいります。
性は人それぞれであることを尊重し、一人ひとりが自分らしく生き生きと活躍することで、誰もが輝く社会の実現に努めてまいります。
◆小峰 委員 少数派、
マイノリティに優しい社会は、多数派、マジョリティにも優しいと言われています。着実な支援を期待いたします。
次に、
教育委員会に質問させていただきます。
LGBTQは、子どもにおいても同じようで、自己否定から来る自殺願望など、悩みが見えにくい分、深刻です。平成31年の
予算特別委員会で、我が会派の秋成委員が中学校の制服について問題提起し、
LGBTの生徒への配慮を伺う質問をしました。その後、本区の
中学校制服の選択制に関しては、直談判された保護者の意見を尊重し、それぞれの学校で対応していただきましたことを高く評価いたします。中学校の制服の選択制は、中野区、世田谷区等では、学校で自由選択になっており、女子の
スラックス制服をめぐる動きが、23区の中でも少しずつですが広がってきております。
一方、誰にも相談できず、孤立化している生徒は、一人で制服の変更や要望はしにくいのではないでしょうか。
伺います。手挙げ式にすると、当事者は申請しにくいと思います。そのような中学生、当事者の思いを踏まえた対応が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
◎早川
教育総務部副参事
LGBT等の生徒に対する学校生活の各場面での支援については、当事者である生徒や保護者の意向などを踏まえ、きめ細かに対応しております。
現在、
LGBT等の生徒は、個別の事情に応じて、自認する性別の標準服を着用しています。標準服を選択するためには、生徒や保護者との情報の共有が必要ですが、そのことに負担を感じる生徒や保護者がいることに配慮しなければなりません。
今後とも、こうした点に留意しながら、
新入生説明会や
保護者会などで、標準服の
スラックスやネクタイなどは選択できることを生徒や保護者に周知するとともに、日頃の授業や人権に関する指導の中で、服装などが原因で差別や偏見につながることがないよう、理解、啓発してまいります。
◆小峰 委員 その際、
スラックスの制服を選択することを案内するときには、防寒等を目的とするとし、申込みの際は、性別を問わないことや、A、Bどちらを選んでもよいなどの配慮のある、きめの細かな対応にしていただきたいと要望します。
そして、本区として全校の
中学校制服の選択制の導入も重ねて要望しておきます。悩みや不安、困っているときの相談の方法や
相談窓口は、児童・生徒、教員に広く知られていますが、この
LGBTQに関しての悩みや不安を、
子どもたちはどこに相談すればよいか分からないようです。児童・生徒、教員に
LGBTQ専用の
相談窓口を周知してはいかがでしょうか。
◎早川
教育総務部副参事
LGBT等の人々の中には、偏見の目で見られたり、差別的な扱いを受けたりするなどして苦しんでいる方もおられます。学齢期にあっては、そのことが理由でいじめに遭い、不登校になったり、家族や友人に言えずに悩んだりしている例もあるとの指摘もあり、
LGBT等について相談できる窓口を周知することは重要であると考えております。
今後は、保健の授業や人権に関する指導の際に、
LGBT等に関して専門的に相談ができる東京都の
相談窓口、東京都性自認及び
性的指向に関する
専門相談を周知するとともに、本人の意向を十分に酌み取り、個別の事情に配慮しながら、組織的な対応により、寄り添いながら支援してまいります。
◆小峰 委員
子どもたちに直接触れ合う教職員の皆様に対し、渋谷区や文京区は、
教職員全員が
LGBTQの研修を受けられ、そこに参加した教員からは、見えていないだけで当事者の子どもがいるということがよく分かった。自分自身の中の無意識の偏見に気づき、明日から子どもに投げかける言葉が変わりそうです。もっと早く教えてほしかったなど、大変好評を得ていると伺っています。現場の教員にとって、
LGBTQを学ぶことは、人権を深く学ぶことであり、重要な
取り組みになると思います。
本区の
LGBTQの教員の研修については、各校の
人権教育担当の教員が代表で研修を受け、それぞれの学校に戻り、伝達研修を行い、共通理解を図っているとお聞きしています。さらに理解を深めたいと希望する教員に対し、校内でも
LGBTQ研修動画を視聴できるような仕組みをつくることは可能でしょうか。
◎早川
教育総務部副参事 教員が性自認や
性的指向の多様性を理解することは、大変重要です。教員の多様性についての理解を深めるために、
性的マイノリティの支援を行う
NPO法人の方を講師に招き、各学校で人権教育を推進する役割を担う、
人権教育推進担当教員を対象とした研修を実施しております。
現在、研修用の動画は教材として持っておりませんが、今後の研修内容の充実のために、動画を含めた研修用の教材の充実を図ってまいります。
◆小峰 委員 本区は、学校改築の際は、
LGBTQの児童・生徒が使いやすい、だれでもトイレを1校につき必ず1基設置しています。現在、設置されている学校は21校、今後、順次設置していく予定と聞いています。
また、
LGBTQを低学年から啓発できるように、
学校図書館に啓発絵本を置く学校もあると伺いました。これもさらに拡充していくことを要望いたします。お一人おひとりが自分らしく生き生き輝く、皆が多様性を尊重する社会を願い、次の防災の質問に移ります。
自助力を高める
避難所運営について質問をします。私たちの
防災意識が少しずつ高まってきているからでしょうか、
避難訓練の内容を考えたほうがいいとのお声を多くいただくようになりました。今までは、避難所に行って、
消火器訓練、煙体験、通報訓練の繰り返しだったけれど、本当の災害が起きたらこれでは済まない。一緒にパーテーションを組み立てたい、うちの
防災リュックは本当にこれで大丈夫か心配、自宅から
防災リュックを持参して、専門家に中身をチェックしてもらう訓練をしてほしいなどのご意見です。
皆様から意見を伺っていく中で、私自身も犬を飼っていますが、避難所の所定位置に犬をリードでつないだ後、ほえてほかの避難をしている方に迷惑をかけないだろうかなどと考えると、実際の
ペット連れの
避難訓練も大切だと感じました。
このようにいろいろ考えていくと、
避難訓練は現状の
消火器訓練等の
初期対応訓練から発展させなければならないのではないかと考えます。大田区でも様々な工夫をされ、地域力を駆使して
避難訓練をしているところもあります。
先日参加した
避難訓練は、避難所に着いてからの訓練というものでした。私も
段ボールベッドを一緒に組み立てましたが、一度やった方がいると、手際よく3分でできました。一度だけでもこの経験は大きく、災害のときにはみんなで頑張ろうと思え、自助力も向上すると感じました。
命を守るためには、今までの
避難訓練から、避難所に着いてからの訓練へ発展させることだと考えます。それには
仕組みづくりが大切だと思いますが、区の所見を伺います。
また、一人でも多くの区民の皆様に
防災意識を高めてもらうためには、どのように取り組むかも伺います。
◎河井
防災支援担当課長 地域の
防災訓練は、
避難訓練を兼ねて自宅から学校に移動した後、消火訓練など
災害発生直後の初期対応を体験的に実施するものが一般的です。ただ、こうした訓練に終始するのではなく、過去の災害の教訓を踏まえて、問題になりそうな事態をできるだけ訓練想定に取り入れるなど、
訓練参加者の習熟度に応じて、段階的に訓練内容を発展させていくことが重要です。
今年度は、風水害を想定した避難所の開設や、
感染症対策を
災害対策上の重要なテーマとして設定しましたが、このように狙いを定めた
取り組みも
訓練参加者の意識を高め、
防災訓練の充実を図る上で効果的です。
令和3年度もテーマを設け、区として訓練に取り入れていただきたい事項や、実践上の留意点を分かりやすく地域に説明するなど注力し、地域の
防災訓練が効果的・効率的に実施されるよう取り組んでまいります。
また、現在、区のホームページで地域の先進的な取組事例を紹介しておりますが、これらは訓練のレベルアップを考える上で大変参考になるものです。今後は、ユーチューブ、大田区チャンネルを活用して、事例紹介の充実を図るなど、より多くの方に見ていただけるよう工夫を凝らしながら進めてまいります。
◆小峰 委員 よろしくお願いいたします。
地域力推進部が進める防災塾の
取り組みもすばらしく、参加者から
防災意識が変わったと伺っています。現在も大変ご尽力いただいていますが、さらなる
部局間連携を要望いたします。
災害時の避難には、それぞれの家で過ごす
在宅避難、車やテントなどの
屋外避難、予測できる台風などに備え、親戚やホテルに避難する
疎開避難などがあります。今定例会で自民党の岸田議員の議会質問に、
在宅避難者にも
支援物資や情報が届けられると答弁がありました。この情報が行き届いていないため、避難所に行かないと
支援物資がもらえないと、区民の中で広く認識されています。避難所に行かないとお弁当がもらえないなら、
在宅避難をやめて避難所で寝泊まりしようと解釈されると、避難所が密状態になります。
一方、
在宅避難していても、避難所に行けば
支援物資がもらえるなら備蓄しなくてもいいのではないかとなると、これぞ本末転倒です。
独居高齢者など災害弱者の支援も考えると、平時からの区民お一人おひとりの正しい情報理解とともに、自助力が重要となります。それにより発災時のメンタルも保っていけると考えます。災害弱者もいる
在宅避難者を含めた被災者に、
支援物資配布や情報提供をどのように行っていくのでしょうか。また、コロナ禍において、
在宅避難者が避難所に物資や情報、また電源などを取りに来た場合は、避難所の避難者と交わらない別の動線も必要になってくると思いますが、いかがでしょうか。
◎甲斐
防災計画担当課長 ご自宅での居住を継続している被災者が、支援を必要としながら情報不足などのために必要な支援を受けられないことが、これまでの災害でも大きな課題となっています。区においても、
令和元年東日本台風災害において経験しましたが、被災者が必要とされている支援は、被害の程度や置かれた状況によって様々でありました。
災害発生時には、これを的確に把握し、具体的な支援に結びつけていくことが求められています。
また、多くの
在宅避難者が避難所に救援物資などの支援を求めて来られた際、混雑や混乱が生じないように、
感染症対策を踏まえながら適切に対応できる
仕組みづくりも必要となっています。
学校防災活動拠点における
地域活動班の役割は、
見回り活動などを通じて、地域の情報収集や、
在宅避難者への情報提供をすることです。こうした活動が機能することで、
ひとり暮らしの高齢者など要配慮者に対しても効果的に支援できるものと考えます。
区は、
災害発生時に、これらの方への支援が有効に行われるよう、訓練等を通じてより一層の体制強化を図るとともに、必要な救援物資などをスムーズにお渡しできるように、配布場所や配布の方法について検討してまいります。
◆小峰 委員
避難訓練をよりよいものにするには、
学校防災活動拠点の拡充、学校と地域の連携が重要だと思います。3年前の台風19号の際は、
学校防災拠点としての機能が発揮され、
学校関係者と
出張所職員が連携して対応していただき、区民を災害から守っていただきました。
地域力推進課に伺います。今後の避難所における運営においては、
学校関係者と
出張所職員の連携がさらに重要と考えますが、いかがでしょうか。
◎近藤
地域力推進課長 近年ますます激甚化する自然災害から区民の生命を守るためには、日頃から地域と区が連携・協働できる関係をつくり、災害時に迅速かつ的確に行動できるよう体制を整備することが重要です。
区は、区内の
小中学校等の避難所を平成24年度から
学校防災活動拠点と位置づけ、災害に立ち向かう地域の
防災拠点として整備を進めてまいりました。この
学校防災活動拠点は、自治会・町会など地域住民が
特別出張所を主とした区職員や、学校の教職員等と連携を取りながら運営することとしております。
一方、
令和元年台風19号の教訓や、今般の
感染症対策を踏まえた課題として、
運営ノウハウの確保等が挙げられ、避難所となる学校内のことに精通している教職員との連携は、今後ますます重要になってくるものと考えます。このため、引き続き
教育委員会等と連携しながら、
学校防災活動拠点や訓練等を通じ、災害時に重要な役割を持つ教職員に、一層の連携強化を働きかけてまいります。
◆小峰 委員 では、
教育委員会に伺います。今後、災害時に備え、区、地域、学校が協力して、地域の総合的な
防災訓練を実施する必要があると考えます。
そこで、
地域防災力を高めるために、地域の総合的な
防災訓練と
学校防災活動拠点訓練を合わせて実施し、地域の人材や保護者、教職員、児童・生徒が参加できるようにしてはいかがでしょうか。
◎早川
教育総務部副参事 学校では、児童・生徒が登校する土曜授業に合わせて、地域の総合的な
防災訓練と
学校防災活動拠点訓練を計画することにより、地域の人材や保護者、教職員、児童・生徒が訓練に参加することができます。これによって保護者をはじめとして、多くの地域の方の参加が見込めるため、児童・生徒と地域の方々が一緒に訓練することで、地域の防災力の向上に資すると考えております。
今後とも、総務部、
地域力推進部と連携を図りながら、地域の防災力の向上に取り組んでまいります。
◆小峰 委員 学校と地域が連携した結果、地域が育ち、職員が育ち、
子どもたちが育ったと発信をされた方がいました。このような訓練で、たくさんの命が守られると思います。我が会派、
玉川英俊議員が議会で提案した、守られる側から守る側へ、そのような
避難所運営は大切なポイントになると思います。本区の横串の
取り組みに期待いたします。
最後に、子どもに配慮した支援について伺います。10年前に被災した宮城県の
閖上保育所の所長、
佐竹悦子先生のお話を伺う機会がありました。発災直後から
子どもたちを笑顔で包み込み、復興委員として尽力され、今もって
災害対策に取り組んでおられます。いわく、高齢者と比べると、子どもの心に寄り添う支援は少ないのです。なぜか。環境の変化が大きく、生活を立て直すことに大人は必死、災害の恐怖は大人も子どもも同じですが、子どもは処理能力が未熟で感情をうまく表現できない、表に出しづらい、そこに気づくことができなかったとのことでした。
当時、子どもの不眠、夜驚、夢遊、不安障がいで、佐竹先生の携帯が毎晩鳴り、その都度、夜中に避難所へ行き、大丈夫よ、大丈夫よと
子どもたちを抱きかかえたとおっしゃっていたことが印象的でした。子どもの心が表面化しない中、不登校、ひきこもり、万引き、暴力が増えていき、当時の宮城県は不
登校ナンバー1になったとおっしゃっていました。
発災後、特に1か月後は、子どものためのレクリエーションなどが必要とのことでした。本区に伺ったところ、発災後においても、児童館など開設できるところから再開するようになっていると聞き、安心しました。しかし、大震災で被害が大きく、児童館などが機能しなくなったときの
仕組みづくりは重要と捉え、その
仕組みづくりを要望いたします。
佐竹先生からの現場の意見として、もう一つ重要なのが、各避難所に小児科医が巡回することを挙げていました。急性期から回復期に移行する発災して1か月後、小児科医巡回について、本区はどのように対応し、そして平時にその仕組みを保護者にどのように周知していくのか伺います。
◎上田 災害時医療担当課長 避難所で被災してから72時間が経過しますと、健康管理に関するニーズが高まってまいります。区は、区内の避難所に対して、避難者の健康管理を目的とした保健師チームのほか、医師や看護師、薬剤師で編成する医療救護班、歯科医師で構成する歯科医療救護班を避難所へ派遣します。避難所に医療救護班等が巡回した際には、各避難所における医療ニーズを同時に把握します。避難所での小児医療ニーズがある場合には、区の災害医療コーディネーターの助言の下、必要とする医療チームを派遣いたします。区民への周知につきましては、区報や区のホームページなどを活用し、災害時の医師の巡回についてお知らせしてまいります。
◆小峰 委員 事前に知っておくことで、若い方にも
防災意識が高まるきっかけになり、発災時には落ち着いた行動が取りやすいと思います。
本日は、
LGBTQ、人権について、防災の
避難所運営について伺いました。一人ひとりのかけがえのない命をどこまでもどこまでも守り抜き、励ましの社会を目指していきたいと思います。
○湯本 委員長 次に、田島委員の質疑に際しまして資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。
◆田島 委員 大田
区議会公明党の田島和雄でございます。
高山委員、庄嶋委員の総括質疑と一部重なるところがございますが、本区におけるSDGsに対する考え、
取り組みの発信についてお伺いいたします。
大田区議会でSDGsについて最初に触れたのは、平成29年3月の
予算特別委員会での我が会派、玉川委員の総括質疑でした。その頃はSDGsはなじみが薄い状況でしたが、今ではSDGsはSustainable Development Goals、持続可能な開発目標の略称であること、持続が可能なよりよい世界を目指すため、2015年9月の国連サミットで採択された17のゴール、169のターゲットから構成された国際目標であることなどが、大田区においても少しずつ認知されるようになってまいりました。そのSDGsの誰一人取り残さないという理念は、非常に重要なものであります。
政府は推進本部を設置し、実施指針を策定、アクションプランも定期的に策定し、首相を筆頭に推進してまいりました。このSDGsは、国際機関や政府、企業、子どもも含めた市民など全ての人が自分事として、それぞれの立場から目標達成のために行動することが求められております。ここ最近、区の幹部職員がカラーホイールバッジを着用しているのを多く見かけるようになってまいりましたが、まず、本区のSDGsに対する所見をお伺いいたします。
◎鈴木 企画調整担当課長 SDGsは世界共通の目標であり、多くの自治体で様々な
取り組みを推進しているところでございます。区としましても、目標達成に貢献するため、職員一人ひとりがSDGsを意識しながら日々の業務に取り組むことが重要であると考えてございます。
区は、SDGsの国連での採択に先立ち、地域の様々な主体が連携、協働していくという地域力や日本のゲートウェイとして地域の力を結集した新たな時代を切り拓いていくという国際都市の考え方を掲げており、その
取り組みはまさにSDGsの考え方と軌を一にするものであると考えてございます。
全庁一丸となって、目標達成に向けた
取り組みを引き続き推進してまいります。
◆田島 委員 区の前向きな姿勢を確認できました。しかし、残念ながら、その前向きな区の姿勢が十分に伝わってこないと感じております。例えば、今回の令和3年度の予算案は、
新型コロナウイルス感染症や自然災害などの危機から区民の暮らしと経済活動を守り、新たな日常の実現に向けた変革を進める予算と位置づけており、SDGsと軌を一にするものです。
しかし、この予算案に盛り込まれている様々な施策が、SDGsのどのゴールに対応しているのかが、はっきりといたしません。このたび策定される、新おおた重点プログラム、令和3年度版などにSDGsの推進をうたうと伺っておりますが、そうした各種計画に基づいた区の施策の裏づけとなる予算案にも、どのゴールにつながっているか表示する必要があると考えます。
タブレット資料1と2をご覧ください。例を挙げますと、福井県鯖江市では、予算概要書に掲載する施策それぞれに、ゴールのアイコンを表示しております。補足ですが、鯖江市では、予算にSDGsの推進を実現するための特別枠を設け、重点的に予算配分を行っております。また、豊島区では、予算の重点事業の説明に多くのページを割いて、SDGsの
取り組みを説明しております。
そこで伺います。本区の予算概要書などにSDGsの要素を反映させることも必要と考えますけれども、見解をお示しください。
◎鈴木 企画調整担当課長 国のSDGs実施指針によりますと、各ステークホルダーは各種計画や戦略、方針、個別の施策の策定や改定、実施にあたって、SDGs達成に向けた貢献という観点を取り入れ、その要素を最大限に反映するとあり、地方自治体においては、各種計画への反映として、様々な計画にSDGsの要素を反映することを期待してございます。
区は、SDGs達成に向けた
取り組みを推進するために、各種個別計画の策定にあたりましては、SDGsの目標と施策、事業との関連づけや、SDGsを念頭に置いた指標設定など、SDGsの要素を踏まえて策定いたします。
また、区がSDGsの目標を達成するために実施する具体的な
取り組みを示すために、予算案の概要を公表する際には、各事業説明資料に、関連するSDGsのアイコンを掲げるなど、効果的な周知・啓発の手法を検討してまいります。
◆田島 委員 予算案の概要と合わせて、ホームページをはじめとした区の情報発信媒体におけるSDGsに関する発信も少ないと感じております。
先日、区内の高校生から、大田区のSDGsに関する
取り組みがよく分からないとのお声をいただきました。自分が住んでいる自治体のSDGsの
取り組みを調べてくるようにとの課題を学校から出され、ホームページで調べたが、よく分からないと言うのです。私も試しに、大田区ホームページの検索窓にSDGsと入力して検索してみましたが、検索の結果、ページの上位に出てきたのは、生涯学習講座や優工場認定の記事でした。これでは高校生が調べられないのも無理はありません。
例えば、江戸川区のホームページで同じように検索をすると、SDGs持続可能な開発目標への
取り組みというページが上位に出てまいります。そのほか多くの自治体でも、ホームページで公開しております。新学習指導要領がスタートし、持続可能な社会のつくり手の育成を目指す今、本区のSDGsに対する考え、
取り組みを若い世代をはじめ多くの区民に分かりやすいように発信する必要があるのではないでしょうか。SDGsに対する区の考えや、
取り組みの発信について、見解をお伺いいたします。
◎鈴木 企画調整担当課長 SDGsは、国や地方自治体はもちろん、民間企業、地域団体、さらには個人一人ひとりなど、あらゆる主体がその実現に向けて貢献していくべき目標でございます。SDGsに掲げられた目標を達成していくためには、様々な主体が自らの強みを生かした
取り組みを積み上げ、有機的に連携させていくことが重要です。
したがいまして、区が国際社会の一員としてSDGsを強力に推進するためには、地域の皆様とともに取り組むことが大前提であり、そのための広報は非常に重要であると考えます。今後、区報やホームページ、イベント等を通じまして、SDGsの理念や区の
取り組みなどを発信することで、普及啓発に努めてまいります。
◆田島 委員 SDGsに対しては、何だかうさん臭い、横文字で住民に伝えても広がらない、エコと何が違うのか分からない、何十年も前から言われていた理想の寄せ集めに見えるというお声があることも事実です。SDGsの
取り組みを進めるにあたっては、SDGsをただやみくもに掲げるのではなく、区民とともにSDGsの誰一人取り残さないという理念を共有し、その本質と向き合い、試行錯誤を繰り返しながら、本区にとって最適な方法を考えていく、つまり大田区らしいSDGsの
取り組みを進めていく必要があると考えます。
そのためには、大田区の施策にSDGsの背骨を通す意味で、SDGsの方針なりプランなりを策定し、区の姿勢を区内外に表明する必要があるのではないでしょうか。併せて本区におけるSDGsの体制づくり及び
取り組みの検証と区民への情報公開も要望いたします。持続可能な大田区を目指して、SDGsのさらなる
取り組みに期待をし、質問を終わります。
○湯本 委員長 次に、自民、質疑願います。
◆深川 委員 自由民主党大田区民連合の深川幹祐でございます。
10年、3月11日から10年という節目の年であります。やはり亡くなられた方々にご冥福をお祈りするとともに、被災地より離れているという部分が東京であります。しっかりと引き続き東日本大震災の被災の地域に対しての協力、サポートをしていきたいと思っておりますし、やはり我々大田区ができることは、産品を買うことだと思います。買って復興、そしてコロナが落ち着けば行って復興ということになるのですけれども、今行けない状況でありますので、ぜひいろいろなものを買ってもらう、そういったこと、それから飲食店で使ってもらう、そういったことをしっかりと続けていただきたいと思っております。
冒頭で、定数の質問を触れたいと思いますが、我々の仲間でありました、入新井の
特別出張所長をしておりました、阿部浩昌所長が亡くなったという話を伺いました。我々は、阿部ちゃん、阿部ちゃんと呼んでおりました。平成18年に入庁し、大田東地域行政センターの生活福祉課、現在の糀谷・羽田生活福祉課で相談係として区の職員としてのキャリアを始め、2年目からはケースワーカーとして活躍してくれました。そして平成21年から議会事務局のスタッフとして活動をしてくれて、我々議会に17期、我々議会に入ったときに一緒に仕事をさせていただいたのが、阿部ちゃんでありました。今年度から入新井
特別出張所長として元気に活躍をしてくれて、いつも笑顔で我々に接してくれていたということが、ついこの間まで見ていたので、とてもつらい思いがあります。
ただ、そういった彼の思いを、我々議会も含めて職員一同、一生懸命取り組んでいきたいと思っておりますし、この定数のところにも係員としていて、当時、有我福祉管理課長が課長だったのですけれども、係長が若林こども家庭部副参事、そして係員が阿部ちゃんということで、いつも質問の話をしに行くと、阿部ちゃんが後ろ姿で私の話を聞いて、一生懸命メモを取って、この質問の調整、質問のやり取り、資料作成、そういったことをやってくれたと思います。冒頭になりますが、改めてお悔やみを申し上げるとともに、ご冥福をお祈りしたいと思います。
それでは、質問をさせていただきます。かねてより質問をし続けております、来年度の福祉職の採用計画と今後の採用数についての検討状況について、お知らせをいただきたいと思います。
◎高野 経営改革担当課長 現在の福祉職の主な配置先としましては、生活福祉課、地域福祉課、障害者福祉施設、子ども家庭支援センターがあるほか、将来の児童相談所開設を見据え、他自治体への研修派遣も行っております。
また、福祉職の有する専門的な知見を生かすために、政策立案を担う本庁職場への配置など、福祉職の活躍する分野の拡大とともに段階的に定数を増加させているところです。
今後は、児童相談所の開設や地域共生社会の実現に向けた対応など、福祉行政を取り巻く環境の変化により、福祉職の担う役割がさらに重要になると考えております。
引き続き、多様な行政需要に的確に対応するため、福祉職の確保も含めて、必要な職員定数を適切に算定してまいります。
◆深川 委員 この間、この内容についてはずっと質問をしておりました。また、最近は、児童相談所の関係もあって、トレンドとして福祉職の重要性と言われておりまして、各区が採用数を増やしているので、なかなか賄い切れていないということも認識はしております。
ただ、しっかりと採用数を増やして、人事と定数でよく話し合って進めていただきたいと思っております。
次に、ここ数年、公衆衛生医師の不足というのはずっと言われ続けておりました、現在も言われているところでございます。
まず、現状をお伺いいたします。ポストに対して兼務を行ったり、何とかカバーしているというのが現状だと思います。いかがでしょうか。
◎梅崎 人事課長 現在、区には医療専門職として医師が管理職として3名、係長1名、在籍しております。管理職3名は、保健所長、調布地域健康課長と健康政策部副参事(特命担当)の兼務、そして
感染症対策課長としております。係長は、
感染症対策課
感染症対策担当係長として、それぞれ区民の健康の保持及び増進に関する事務を担っております。
◆深川 委員 次に、23区、特別区ではどのような状況でしょうか、お知らせください。
◎梅崎 人事課長 特別区職員給与実態調査における職種別・職層別人員表によりますと、直近3年間の特別区における医師・歯科医師の人数は、平成30年4月1日時点では84名、うち係長級11名、平成31年4月1日時点では78名、うち係長級12名、令和2年4月1日時点では79名、うち係長級16名となっており、減少傾向でございます。
なお、参考に、平成10年4月1日時点では156名、うち係長級30名と、今年度の約2倍の人数でございました。
同じく、大田区における直近3年間の人数でございますが、平成30年4月1日時点では6名、うち係長級1名、平成31年4月1日時点では5名、うち係長級1名、令和2年4月1日時点では4名、うち係長級1名となっており、特別区全体と同様に減少傾向でございます。
なお参考に、平成10年4月1日時点では9名、うち係長級1名と、今年度の2.2倍でございました。
◆深川 委員 どこの区でも厳しい状況が続いております。これはある意味当たり前でありまして、医師たる医療職は、東京都で採用され、各区に派遣されるという枠組みになっているからであります。そして各区に行きますと、区ごとに定められた特殊勤務手当の対象ということになります。これは今年度の第2回定例会で議決をした条例であります。
しかし、公衆衛生医師の不足は、なり手不足は今に始まったことではありません。大田区の高橋
感染症対策課長は、昨年10月に朝日新聞の取材を受けておりますが、日頃のご労苦が分かる記事となっております。先日の第4回定例会の一般質問において、この手当の増額について質問いたしましたが、その後どのように対応されたか、お答えいただきたいと思います。
◎梅崎 人事課長 医療専門職の業務実態に合った処遇改善に向けて、統一交渉事項である給料表及び特別勤務手当額に関し、まず特別区人事・研修担当課長会において課題認識を共有いたしました。
◆深川 委員 しっかりとそうやって取り組んでいただいているということは、感謝したいと思います。そもそもとしては、やはり待遇の改善が必要であると思いますし、この点について東京都に対して申入れをするべきだと、改めて伝えておきたいと思います。
また、改善ができないのであれば、区費で採用をするといったことも視野に入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎梅崎 人事課長 医師、または歯科医師で保健所等で保健衛生行政に従事する職員を総称したものが公衆衛生医師でございます。現在この公衆衛生医師の人事管理は、東京都が特別区・中核市・政令市保健所との協力体制の下、一括して行っております。
公衆衛生医師の募集は通年行われており、募集状況によっては年度途中の採用もございます。医学生や研修医に対する公衆衛生医師の業務のPR、業務説明会や個別相談のほか、採用後の研修も含めた幅広い
取り組みが行われております。
仮に、区単独で公衆衛生医師を募集する場合には、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律に基づく、任期付職員として採用する方法が考えられます。
しかし、こちらを活用する場合でも、通常の医療専門職と同一の給与制度が適用されることから、区独自の待遇で採用することは困難でございます。
また、実施にあたりましては、特別区人事委員会による承認を要します。既に一括した人事管理が行われていることから、こちらの承認を得ることは困難であると思われます。保健所の機能を十分に発揮するためには、幅広い知識が求められる公衆衛生医師の安定的な確保が必要であると認識しているところでございます。
そのため公衆衛生医師の配置状況につきましては、東京都と区の意見交換の場においても要望しているところでございます。今後は、都を通じて国に対しても、公衆衛生医師の安定的確保に向けた
取り組みについて働きかけてまいります。
◆深川 委員 今お話しいただいたように、ハードルがとても高いということは重々認識しております。ただ、本当に、今、所長もいらっしゃいますけれども、大変な状況でやっていただいている認識だと思っております。また、その場合の定年、それから68歳の定年後という形での採用というと、どのような方法があるかお答えいただきたいと思います。
◎梅崎 人事課長 職員の定年等に関する条例により、公衆衛生医師の定年は65歳となっております。地方公務員法第28条の3に基づき、職員の職務の特殊性、または職員の職務の遂行上の特別の事情から見て、その退職により公務の運営に著しい支障が生じると認められる十分な理由がある場合は、最長で定年退職日の翌日から3年まで勤務延長が可能でございます。
当区では、退職により公務の運営に著しい支障が生じることのないよう、事務の引継ぎ等を行っております。
また、複雑、高度化する行政課題や、
新型コロナウイルス
感染症対策などの緊急の課題にも速やかに対応するため、引き続き東京都との連携に努めてまいります。
◆深川 委員 厳しいテーマであるということは重々承知をしております。だからこそ、その問題に取り組まなくてはならないと思っておりますし、このコロナ対策ということによって公衆衛生医師の重要性を改めて認識したと思いますし、区全体でもそのような認識になったのではないかと思っております。引き続き、対応をよろしくお願いしたいと思います。
次に、条件付採用について伺います。ここ数年、大田区の採用者数は200名を超えるなど、団塊の世代の大量退職、人口増加などに伴い、新人が多く増えております。試験を受けて採用となったわけでありますが、思ったとおりでないということが、お互いにあるわけであります。条件付採用時には、そこをしっかりと精査すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎梅崎 人事課長 条件付採用とは、正式採用前に実務を通じて職務遂行能力を実証しようという制度で、地方公務員法第22条で定められております。
職員の採用は、全て条件付のものとし、その職員がその職において6月を勤務し、その間のその職務を良好な成績で遂行したときに正式採用とするものでございます。新規採用職員の指導・育成にあたりましては、新人育成の手引きや大田区OJT推進ガイドブックを踏まえ、係長や新人育成リーダーを中心に職場全体で計画的に進めております。指導・育成状況を記録し、よかった点や改善点、アドバイスなどを新人育成リーダーと新規採用職員とでチェックし合うことで、成長を確認しております。
また、係長は状況に応じて指導・育成方法の見直しをいたします。新規採用職員の状況につきましては、管理職とも共有し、特に仕事を進めていく上での課題や、体調不良等が見られた場合には、速やかに面談を実施して、必要により事務分担の見直しや産業医面談等を行っております。
新規採用職員に関しましては、このようにきめ細やかな指導・育成を行った上で、条件付採用期間中の人事評価を行いまして、正式採用について判断をしております。
◆深川 委員 地方公務員法第22条では、職員の採用は全て条件付のものとし、当該職員がその職において6月を勤務し、その間、その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になるものとする。この場合において、人事委員会等は人事委員会規則で定めるところにより条件付採用の期間を1年に至るまで延長することができるとなっております。後段の1年延長というのは、各区事項でできるのでしょうか、いかがでしょうか。
◎梅崎 人事課長 職員の条件付採用期間の延長に関する必要な事項につきましては、特別区人事委員会の職員の条件付採用の期間の延長に関する規則により定められております。
この規則によりまして、区は条件付採用の期間の開始後6か月間において、実際に勤務した日数が90日に満たない場合に限り、90日に達するまで延長することができますが、1年を超えることができないため、1年に達した時点で正式採用するかどうかを決定いたします。
◆深川 委員 この地方公務員法第22条の逐条解説を読んでみますと、今までの公務員の慣例に関する懸念の記載があります。この点、今後研究して、また議会などで触れたいと思っております。
次に、再任用の部長について伺います。雇用と年金の接続の関係から、定年が実質的に延長されております。今まで60歳で定年、引退といったところから、来年度退職の令和3年度には、65歳まで希望すれば働けるということになります。
この間、部長級職員は、1年から最大5年と様々でありました。能力があれば長くというのは分かりますが、首長の裁量によってというのは、余りにも広範であると思います。裁量の余地は否定しませんが、一定の基準を定めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎梅崎 人事課長 再任用管理職員は課長級で任用することとしておりますが、退職時に部長級であった者につきましては、勤務実績が一定基準以上であるなど、区への貢献度が高く、再任用管理職員としてもその意欲・能力に期待できると区長が認める場合は、部長級で任用することがあります。
また、部長級の再任用管理職員の任期の更新につきましては、再任用として勤務実績が優れており、特定課題を解決するのに必要不可欠であると区長が認める場合は、引き続き、部長級で任用することができることとしております。
これまで最長で定年退職後5年間部長級で任用した実績はございますが、直近3年間の傾向としましては、定年退職後部長級で任用した年数は、定年後1年または2年となっております。引き続き、再任用管理職員には、変化を続ける地域社会に迅速かつ柔軟な施策を展開することだけでなく、後輩管理職の指導・育成にも、これまでの管理職としての知識や経験を生かすことを期待しております。
◆深川 委員 今の部長級についての答弁を人事課長がするというのは、なかなか無理があると思っております。この点については、区長にしっかりと要望しておきたいと思います。
また、部長級の定年延長は、現役世代にも様々な影響があります。ポストが限られており、昇任するにも上がつっかえていては、なれないからであります。つまり、職員の労働意欲、モチベーションにもつながりますし、以前から指摘しているとおり、大田区の管理職数は23区でも多いと思っているところであります。であれば、前回も指摘しておりますが、区間交流をすべきと考えますが、質問の後の検討状況についてお知らせください。
◎梅崎 人事課長 組織運営上必要な管理職の数につきましては、退職者数等の動向を勘案して、管理職選考において需要数を確保しております。
管理職の配置の際には、誰もが安心して暮らし、活躍できる地域づくりを推進するために、その知識、経験を最大限発揮できるよう、調整しているところでございます。
一方、専門職の管理職につきましては、専門職としての知識、経験を生かすだけでなく、これまで従事したことのない分野への配置を通じて、管理職としての幅広い見識を得ることができるよう、全体配置の中で調整をしているところでございます。
また、専門職の管理職は、事務職に比べて人数が限られていることから、特別区全体で情報を共有し、専門職の管理職の必要数を満たすことが困難な区が生じた場合などには、当該区同士で個別に職員派遣の相談調整を行っているというところでございます。
◆深川 委員 この点についても繰り返しなのですけれども、技術職は23区共通の財産だと言って、人事委員会で話をし、当然、23区の区長は、それで合意して決めているわけであります。合格者が多い大田区が、その趣旨に反するということは、やはり許されないわけであります。
また、従わないのであれば、特別区人事委員会や区長会で、この規定について変更すべきと考えます。しっかりこの点については、よく考えていただくとともに、制度をよく聞きますと、硬直化していると、他区からもそういった声を上げにくいような人事委員会課長会なども含めてあるように伺っておりますので、ぜひそこは風通しをよく対応していただきたいと思いますし、必要に応じて区長に区長会等での要望をお願いしたいと思います。
続いて、定額給付金について伺いたいと思います。年度の最後でありますので、総括的に伺いたいと思います。
また、もし今後こういったような給付金があったときに、どのようなところに注意すべきか、また区民の皆様にどういった協力をしていただくかという観点で、質問をさせていただきたいと思います。
まず、特別定額給付金について、遅いと言われておりましたが、理由を説明してください。
◎阿部 区民部副参事〔特命担当〕 今回の特別定額給付金事業では、4月20日の閣議決定から5月1日のオンライン申請受付、6月3日の郵送申請受付までの準備期間が極めて短かったため、給付金システムの構築と並行して、給付金対象者データを住基システムから抽出するなどし、申請書の早期発送に努めました。
郵送申請の受付開始後の約1週間は、1日最大約8万件で、全体で20万件を超える申請がありました。これに対し、委託事業者の1日当たりの処理件数は限られた上、区で処理をしたとしても金融機関の1自治体当たりの振込件数が制限されていました。こうしたことから、同日の申請でも給付日が前後したり、さらに申請に不備があった場合などは、給付に時間を要したことなどが重なり、多くの区民の方からお問合せをいただくことにつながったと考えます。
なお、委託事業者では、
新型コロナウイルス
感染症対策のため、3密を回避し、場所と人数の制限を行いながらの作業であったと聞いております。
区では、職員の兼務発令や全庁応援職員の協力による事務処理の強化に加え、郵送申請受付開始直後から委託事業者へ作業のスピードアップを再三要請するなど、早期の給付に努めてまいりました。
区、委託事業者ともに全力で対応にあたり、給付対象約40万世帯のうち、6月3日の申請受付から1か月で約30%の12万世帯、2か月で約95%の35万世帯に給付を決定しましたが、結果的に給付に時間を要したことは重く受け止めております。
◆深川 委員 総力戦で取り組むとありました。マイナンバーカードでの申請や郵送申請の処理は、大田区の職員が開発したシステムというものを活用したと聞いておりますが、詳細を説明ください。
◎阿部 区民部副参事〔特命担当〕 マイナポータルからのオンライン申請は、5月1日から受付を開始しましたが、マイナポータルは自治体が構築するシステムと連携できる仕組みになっておらず、区の給付金システムも構築前であったため、緊急に戸籍住民課職員がオンライン申請の事務処理を行うシステムを構築し、対応することとしました。
このシステムを活用して、マイナポータルからの申請データの取り込み、整理、チェックなどを行い、申請受付から審査、給付処理までの事務処理を効率的に行うことができました。約2万4,000件のオンライン申請を処理する業務量と時間は、システムがない場合と比べ、およそ10分の1に縮減できたと考えており、23区の中でも最も迅速に処理ができたと自負しています。
また、郵送申請の処理では、給付金システムに加え、給付金担当職員が緊急に開発したシステムを活用し、申請不備のあるものは、徹底的にエラー修正を実施したことで、振込不能発生率を0.3%まで抑えることができました。
◆深川 委員 また、次回このようなことがあったときのために、よかった点をどのように考えていますでしょうか。
◎阿部 区民部副参事〔特命担当〕 よかった点は、主に3点考えられます。まず、短期集中的に事務処理を進めるため、委託事業者の作業だけでなく、職員の兼務発令と延べ1,400人を超える全庁応援職員の協力により、4月末から1日最大20人体制の電話受付や、オンライン申請の審査、郵送申請のエラー処理・データ入力などを行ったことで、今後に生かせる職員の経験とノウハウが蓄積できたことです。
次に、
地域力推進部と連携した各
特別出張所での申請書作成補助や、福祉部と連携した民生委員による
ひとり暮らし高齢者や支援団体による路上生活者への申請勧奨、さらに企画経営部によるタイムリーな情報発信など、各部の強みを生かした
取り組みができたことです。
特に、18
特別出張所と連携した
取り組みでは、お一人での申請が難しい方の申請書のチェック、添付書類の確認、コピーサービスなどをワンストップで行い、約1,800人の方々の申請を補助することができました。
最後に、先ほど申し上げましたとおり、職員が緊急に必要なシステムを開発し、少しでも早く給付ができるように対応したことです。こうしたオンライン・郵送申請ともに丁寧な
取り組みを行った結果、当初は事務処理に時間を要しましたが、同規模の近隣自治体の中では比較的早い、10月末に給付を完了することができました。
◆深川 委員 一方で、準備期間が極めて短い中、総力を挙げて取り組んだものの、給付まで時間を要したことに対して、課題があれば説明をお願いします。
◎阿部 区民部副参事〔特命担当〕 主な課題は、3点考えられます。
まず、早期のシステム構築です。特に準備期間が短い中で、システム化する業務内容を分析し、最適に処理を行うシステムを構築するためには、事業の規模や内容に応じて、効率的にシステム事業者との調整等を行う体制を早めに整備し、迅速かつ的確な事業の実施につなげることが重要と考えます。
次に、事業委託の在り方です。大規模自治体に対応した委託事業者は限られ、緊急事態にどこまで対応できるのか、想定が難しい面もありますが、一括業務委託だけでなく、業務ごとに特化した委託や、一部は職員での対応を最初から計画するなど、より効果的な業務運営ができるよう検討し、様々な選択肢を持つことが重要と考えます。
最後に、情報発信の方法です。給付金の振込時期や事務処理の進捗状況は、AIを利用したチャットボットなど個別対応が可能なツールを導入し、区民が知りたい情報をより分かりやすく、より早く発信することが重要と考えます。今回の給付金事業を通してよかった点や課題は様々ありますが、これらを貴重な財産として捉え、蓄積した経験やノウハウは、今後の事業に最大限生かしてまいります。
◆深川 委員 先ほど答弁をいただいたように、区の職員が新しいシステムを開発して、迅速に処理したというのは、これもっと大田区として誇るべき話ですし、職員が一生懸命取り組んだことに対して、役所はお上品で、あまり手柄話をしないのですけれども、よくやったもの、これは本当に大田区モデルですよ、このやり方は。これ本当に共有して、ほかの自治体にこういうふうにすればうまくいったのですよということを、やはり言わなければいけないと思うのです。そのようにしていかないと、お上品なことをやっていると、一生懸命働いた職員からすると、全然評価されないではないかということにつながりますので、ぜひいい
取り組みこそ積極的にアピールをする、そして、これをしなかったということは、しっかり反省材料だと思いますので、考えていただきたいと思います。
また、区長には、ぜひ今回の件でよくやった職員については、区長から改めて、よくやってご苦労さんということはかけていただいていると思いますが、年度の節目でありますので、ぜひ区長からもお声かけいただいて、職員をいま一層激励をお願いしたいと思います。
また、今の話は、区全体で取り組んだという話でありますので、今これから取り組まなくてはいけないワクチン接種の参考にも大きくしていただきたいと思います。特に出張所や、この本庁舎で外国人の方が給付金がよく分からないといって問合せがあったのですけど、ワクチンの話もやはり同じだと思うのです。外国人対応というのはやはり重要になってくると思いますので、ぜひそういったことも視野に入れて検討していただきたいと思います。
では、次の質問に移ります。大田区は、国際都市を標榜しております。国際都市であればこそ、国際儀礼、プロトコールとして世界各国で協力してくれた外国人、そして在外邦人については、日本在住の日本人と区別して基準を設置し、表彰などを行うべきであると考えます。このことにより一層日本という国を身近に感じてもらい、今まで以上の交流を進化させるべきであると考えます。
とりわけ大田区との歴史の長いアメリカセーラム市とは姉妹都市としての交流を続けており、お互いが信頼関係を持ち、この国際交流を続けていられるのも、ホームステイのホストファミリー、それからコーディネーターの方々の尽力だと思っております。こういった方々に感謝の意をしっかりと伝えるべきと考えますが、今までの区の
取り組みについてお知らせください。
◎吉田 国際都市・多文化共生推進課長 昭和59年、大田区立郷土博物館とセーラム市のピーボディ博物館は姉妹館提携を結び、その後、平成3年には、両都市は姉妹都市となり、今日まで交流を続けています。
また、平成10年には北京市朝陽区と友好都市、平成21年には大連市と友好協力関係都市となり交流を行っています。
委員がお話しのコーディネーター等への感謝の意ですが、区はこの間、セーラム市と大田区の交流継続に多大な貢献をされたセーラム市のピーター・A・ドーラン氏及びセイヤー・福原桂子氏の功績をたたえ、平成25年に特別表彰を行いました。
なお、区が委嘱している国際都市おおた大使は、区のPRや国際交流・多文化共生、文化、
スポーツ、産業、教育といった幅広い分野で活躍いただいているため、大使を退任される際には、感謝状を区長から贈呈し、区の謝意を直接伝えているところでございます。
◆深川 委員 海外と特に
子どもたちの交流などについてのお話では、今まで30年以上ということでありますが、2名ということにとどまっているということでございました。以前の議会の質問でもお話ししましたが、私の小学校の同級生が地元の大森第四中学校に進んで、海外派遣でセーラム市に伺いました。その後、エアメールでのやり取りを続けていたそうですが、音信不通となってしまって、私がちょうど海外の区政の施策訪問調査団で行くときに、その同級生から頼まれて、その当時のホストファミリーの方はお元気なのか聞いてきてほしいと言われまして、現地でその方と実はお目にかかることができました。今でもホストファミリーをしてくださっているとお話をさせていただいて、今どきなのでエアメールではなくて、息子さんとその彼がフェイスブックでつながって、今でもやり取りをしていると聞いております。
ホストファミリーの方もずっと長らくご尽力をいただいているわけですから、ぜひ感謝の意をもって伝えていただきたいと思いますし、そういった表彰や感謝状のシステムをつくって、大田区として大田区に貢献していただいている海外の方々に対して、協力体制をつくっていくという部分での努力をすべきと考えますが、区と
教育委員会の見解を伺います。
◎吉田 国際都市・多文化共生推進課長 区とセーラム市は、コロナ禍の影響で、相互の直接訪問ができない中にあっても、応援ビデオメッセージの交換や手づくりのグリーティングカードの交換などを行い、交流を継続してまいりました。
こうした両都市の議会、行政、市民間におけるたゆまぬ交流を積み重ねる中、区とセーラム市は、今年11月、姉妹都市締結30周年を迎えます。その記念すべき年に当たる本年、大田区民を長年にわたってサポートしていただいたセーラム市の関係者に対して感謝状贈呈などを含めて検討し、交流継続にご尽力いただいた方々へ感謝の意を伝えることで、新たな支援者の増加にも努め、交流の拡充に取り組んでまいりたいと思います。
◎岩﨑 指導課長 中学校生徒海外派遣は、昭和49年から令和元年度までに35回の派遣実績があり、豊かな人間性を育み、未来を創る力の育成という観点から、最も重点を置く事業の一つでございます。
このような実績や成果を積み重ねることができたのは、関係者とともに、これまで派遣先で中学生のホームステイ受入れにご尽力いただいた方々のおかげであると考えております。
今後は、関係部局と連携しながら、セーラム市とブレーメン市の方々への表彰状の贈呈などについて研究してまいります。
◆深川 委員 日本にいる、例えば大使として着任された方、3年ぐらい日本に駐日大使としていらっしゃるのですけれども、離任すると日本人がなかなかもらえない、昔でいう勲一等、勲二等というのをもらって帰るという、これは慣例なのです。逆に日本では現地で大使を務めると、現地でのそういった勲章をもらって、大使の方が帰ってくると、これは国際儀礼として最初に申し上げた、プロトコールとしてよくある話なのです。ぜひ区長、そして教育長には、そういった意味で、
子どもたちのために尽力していただいた方ですので、こちらから表彰状1枚でもやはり喜んでくれるというのがありますので、ぜひ定期的に感謝の意を伝えて、大田区との関係をそういったものをきっかけにでも、またより一層進化していただきたいなと思います。
最後に、水辺のスポーツ活性化について伺います。この点、ずっと塩野目議長が尽力をして、質問等をよくされていたところでありますが、オープンから間もなく4年を迎える、大森ふるさとの浜辺公園ビーチバレー場は、ビーチテニスが最近特に活発となり、参加者が増えております。大田区としてビーチテニス体験会をビーチバレー場オープン当初から開催したことによって功を奏したと思っております。
この点、どのように評価されていますでしょうか、お答えください。
◎堀 スポーツ推進課長 ビーチバレー場の利用促進を図るため、平成30年からビーチテニス教室を開始し、その後、無料開放デーを設けるなど、利用の拡大を図ってまいりました。
そうしたところ、参加者が徐々に増え、リピーターも多くなり、利用者の中からビーチテニスサークルが生まれ、自主的な活動に移行する団体も出てまいりました。
利用者
アンケートでは、ほかに類のないふわふわとした砂の感触を楽しめること、ビーチテニスが
取り組みやすいスポーツであること、無料開放デーがビーチテニスを行うきっかけとなったなどの意見をいただいております。
施設の特性、
取り組みやすさ、区の開催イベントなどの相乗効果により、ビーチバレー場の利用率の向上につながったものと評価しております。
◆深川 委員 この体験会が今年度で終了するということで、参加者からは、とても残念であるという声も聞かれております。参加者を見ますと、平日の昼間はママさん層が多くて、また、シニア世代も一緒になって楽しんでいただいています。そういった姿をよく見ますし、私も何回か参加をさせていただいております。
特に、幼稚園や小学校の
子どもたちも、学校が休み、幼稚園が休みといった時期は、一緒に参加してくれて楽しんでいます。大人に対する普及は一定の効果を上げたということは事実でありますが、ここでやめるのではなくて、例えば
子どもたちに向けた教室や、土日を中心とした、お父さん世代にも参加しやすい環境にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎堀 スポーツ推進課長 ビーチテニス教室の午前中の開催には、主婦層の参加が多い状況でした。参加した多くの方が、楽しさ、
取り組みやすさを実感していることから、誰もが楽しめるスポーツとして浸透するものと考えています。
区の調査によると、20から40代のビジネスパーソンのスポーツ実施率が低く、実施率の向上と健康増進の視点から、委員がお話しのお父さん世代等のビジネスパーソンに向けたスポーツの普及が必要と考えております。
令和3年度は、幅広い世代がビーチスポーツを体験しやすいように、働き世代や家族連れ、
子どもたち向けに無料開放デーの時間帯を分けるなどの工夫をしてまいります。
区では、より多くの区民にビーチバレー場の魅力をPRし、スポーツに親しむ機会を提供してまいります。
◆深川 委員 現在、ビーチバレー場などについては、照明設備がないため、夜間帯が使用できません。活用できるように照明設備を設置することなどを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎谷田川 地域基盤整備第一課長 大森東水辺スポーツ広場の夜間利用につきましては、近隣にお住まいの方々や、周辺施設等の関係者との調整が必要となります。また、照明設備の設置に向けた技術的な検討や、関係法令等を遵守した諸条件の整理も欠かせません。
区といたしましては、ビーチバレー場や、その隣接する多目的広場の現在の利用状況のほか、利用者のニーズや地域住民のご意見、ご要望等を十分把握するとともに、技術的な視点での照明設備の設置の可能性について検討してまいります。
◆深川 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
また、併せてビーチバレー場に隣接する多目的広場について、今後どのような整備を考えておりますか、お伺いいたします。
◎谷田川 地域基盤整備第一課長 大森東水辺スポーツ広場の一部である多目的広場は、東京都下水道局の用地を借用している暫定的な使用でございます。区といたしましては、大森ふるさとの浜辺公園の拡張用地としての活用を考えており、現在、都市計画変更並びに事業認可等の手続に向け、東京都と協議を進めているところでございます。
また、当該地は、新スポーツ健康ゾーン内に位置する点からも、多くの区民の皆様が様々な運動を通じて健康増進に寄与する空間となるよう、さらに魅力あるスポーツ施設の整備を目指しております。
今後は、地域の方々や利用者のご意見等を集約しながら、整備計画を推進してまいります。
◆深川 委員 今お話のあったビーチバレー場に隣接する多目的広場についても、どういった形でやるかしっかりと検討を進めていただきたいと思います。
ビーチバレー場については、今年1月での利用率でも、土日祝日で約83%、平日43%の方が使っており、多くの方々に利用をされております。しかし屋外施設ということで、利用が天候に左右されることを考慮して、キャンセルが2日前までにできるということで、利便性があると考えます。
しかし、せっかく利用しようとしても、抽せんで漏れた方からすると、そこが空いたときに利用したいと思うのが当たり前であります。しかし、現在のうぐいすネットのシステムでは、いわゆるキャンセル待ちやキャンセルが発生したときにお知らせをするシステムがなくて、毎日空いているかをアナログに定期的にチェックをしなければいけないということがあります。折を見て、このシステムを改修すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎東穂
地域力推進部副参事〔計画調整担当〕 うぐいすネットの利用者登録数は4万件を超えており、区民の皆様に広く利用していただいております。
現在、次回のシステムの切替えに向けて、仕様の検討を始める時期に差しかかっております。予約方法や抽せん方法を検討する中で、今回いただきましたご要望も含め、課題を整理し、より使いやすいシステムとなるよう取り組んでまいります。
◆深川 委員 ぜひ区民の皆さんが使いやすいシステムとなっていただきたいと思いますし、本当に近くの方々にも、大森ふるさとの浜辺公園を身近に感じていただいて、高齢の方々、特にけがをしにくいのです、砂ですので。以前にも、馬と一緒と言ったのですけれども、ダート調教と芝調教ではないのですけど、やはり足腰がよく鍛えられるのです。ですので本当に砂の中を歩くだけでも健康になるというところですので、ビーチテニス、それからビーチサッカーとか、そういったものができないという方でも、歩くだけ、本当にそういったレベルでも健康につながりますので、ぜひより一層の活用を求めて、質問を終わりたいと思います。
○湯本 委員長 次に、公明の質疑に入ります。末安委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。
◆末安 委員 大田
区議会公明党の末安広明です。よろしくお願いいたします。
総務費の中で選挙費について伺ってまいります。来年度予算には、啓発費として248万1,000円が計上されております。本日は、中でも、若者の政治参加の意識を高める
取り組みについて触れたいと思います。
選挙権年齢の引き下げが実施されたのは2016年、18歳、19歳が新たに選挙権を有することになったわけですが、なぜ選挙権年齢が引き下げられたのか。世界的に見ても、18歳までに選挙権が認められている国が9割を超えていたことや、少子高齢化や人口減少が進み、社会の仕組みが大きく変わろうとする中で、未来を生きていく若い世代が社会の在り方を決める政治に、より早く関与してもらいたい、また社会の担い手であるとの意識を早く持ってもらいたい、これらのことから、この制度が導入されたものと認識をしております。
初めに伺いますが、ここ最近で行われました選挙の投票率、特に10代、20代の若者層の投票率をお示しください。また、若者層の投票率は、制度導入時と比較して、どのようになっているかについてもお聞かせください。
◎吉川 選挙管理委員会事務局長 令和2年都知事選挙の投票率は、区全体では53.44%でした。そのうち、18歳は60.19%、19歳は46.88%、20代は39.96%となってございます。
また、18歳選挙権導入直後の平成28年参議院選挙での投票率は、全体56.54%に対し、18歳55.56%、19歳50.0%、20代43.59%となってございます。
これと同一選挙の令和元年参議院選挙の投票率は、全体50.51%に対し、18歳45.40%、19歳、38.09%、20代、31.73%となってございます。
これから分かりますのは、投票率は単純には比較できませんが、参議院選挙の平成28年と令和元年と比較しますと、いずれも若者の投票率は10ポイント以上低下してございます。また、18歳の投票率に比べ、19歳、20代がさらに低い結果となってございます。
◆末安 委員 お話しのとおり、若者層の投票率は、18歳では高い数値であるものの、19歳、20代にかけて課題が残るものと言えます。こうした課題に対して、将来世代に対する主権者教育があり、政治的関心や社会参加の意識を高める上でも重要となります。
そこで伺いますが、現在、本区で進める主権者教育について、その実施状況や
取り組み内容などをお聞かせください。
◎吉川 選挙管理委員会事務局長 選挙管理委員会では、小学校で選挙体験教室、中学校で生徒会選挙支援、高校で主権者教育支援を実施してございます。それぞれの学校に合わせたカリキュラムを作成してございます。
令和2年度は、
新型コロナ感染症の影響で例年より少なくなりましたが、2月現在、区立小学校5校、区立中学校5校、特別支援学校2校におきまして、学校及び
教育委員会と連携し、年齢に合わせた分かりやすい主権者教育支援に取り組んでございます。
なお、課題といたしましては、選挙体験教室等に使用する手引きが、より児童・生徒に理解しやすい内容にするため、表や図、漫画などビジュアルな表現を多用するなど、手引きの改訂を進める必要があると考えてございます。
◆末安 委員 様々な工夫を行い、広く進めていただきたいと思います。
若者政治参加の意識向上のため、多くの自治体で行われております若者の投票立会人の募集について、もう1点、取り上げたいと思います。
本年は選挙イヤーであります。都議会議員選挙、衆議院選挙の二つが行われる予定となっております。こうした選挙の際には、多くの区民の皆様に投票立会人としてご協力をいただいております。しかし、全国的な傾向からも、投票立会人のなり手不足の問題があると思われます。私も町会の方などから、思うように人を集めることができない、同じ方が何度も対応せざるを得ない、こうした状況や、長時間拘束されるため、その負担が大きいとの声などを頂戴しております。
拘束時間については、昨年から途中交代も可能となり、改善の形となりました。投票立会人の募集については、現在、本区ではどのように実施されておられるのでしょうか、また課題などあれば、お知らせください。
◎吉川 選挙管理委員会事務局長 現在、各
特別出張所に開設する期日前投票所及び各当日投票所の立会人につきましては、
特別出張所を通じ、自治会・町会から推薦をいただき、選任をしてございます。
また、本庁舎での期日前投票所の立会人につきましては、選挙管理委員会から明るい選挙推進協議会委員等にご推薦をお願いしているところでございます。
課題といたしましては、立会人として従事いただく時間が長いこと、また、若い方々は平日に学業や仕事などがあり、従事できる日が土曜日、日曜日に限られる方が多く、従事者の確保にさらなる工夫が必要と考えております。
◆末安 委員 こうした課題がある中で、若者を広く投票立会人として参加してもらえるよう取り組むことは様々なメリットがあると考えます。本区でも、投票立会人については、平成28年から関係先などに対しまして若者の推薦も積極的にお願いをしたいと案内をされておりますけれども、実際にはあまり広がっていないように感じます。
投票所に若者がいることで、訪れた方にも新たな息吹を感じてもらえることにもなるでしょうし、何よりも実際の選挙に直接携わってもらうことは、若者にとって大きな経験となるはずです。
サイドブックスのほうに資料をアップさせていただきました。こちらは、明るい選挙推進協議会の広報誌「エレクション」となりますが、その中で、投票立会人を経験した若者の声が掲載され、次のように紹介されておりました。
実際に投票所の様子を見て、期日前投票に訪れる方の年齢層は比較的高いことが印象的で、「私たち若者が政治に関心がないと言われてしまっても致し方ないと思った」といった内容や、「私を含め若い世代には自分に影響を及ぼすとは考えないため興味が湧かないこと、仮に若い世代が投票に行ったとしても、投票会場内に同世代が少ないため場違いな感じが強く、次の投票に行こうとは考えにくいのだろうと感じました」とありました。ほかにもすばらしいご意見をくださっております。
こうしたことからも、若者が投票立会人として投票所にいる意義は大きいのではないかと感じます。そして、若者の呼びかけについては、地域に任せるだけでなく、ぜひとも区が主導して広く募集を行っていただきたいと考えます。
区内には、大学や専門学校などもあり、こうした学生の活用も効果的と考えます。この活動自体を一つのアピール材料として、広報に活用することで話題性も高まり、全体的にもよい影響をもたらすことも可能ではないでしょうか。
他の自治体の例を見ますと、足立区などでは、こうした若者の投票立会人の募集は随時行われており、より広い人材を登録していこうとの工夫が見られます。
そこで伺いますが、投票立会人について、区が主導して若者の募集を広く実施することを提案したいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎吉川 選挙管理委員会事務局長 選挙管理委員会では、明るい選挙推進協議会委員等から若い方々の投票立会人をご推薦いただいております。この若年層立会人の
取り組みは、若い方にも投票所の雰囲気を体験していただく目的で、18歳投票が可能となった平成28年から始め、昨年7月の都知事・都議会議員補欠選挙では16名の方々に従事いただきました。
他の自治体におきましては、投票立会人の公募のほか、選挙の啓発活動を主としながらも、投票立会人にも従事いただく選挙サポーターの仕組みを導入している
取り組みもございます。
また、令和元年に公職選挙法が改正され、投票立会人につきましては、各投票区における選挙人名簿に登録された者から選挙権を有する者に要件が緩和されました。今後も他自治体の
取り組みを参考にするなど、若年層立会人の従事による投票所の明るい雰囲気づくり、投票率向上に努めてまいります。
◆末安 委員 ぜひ、SNSなども効果的に活用しながら、幅広く呼びかけをお願いしたいと思います。
また、こうした経験をした若者の皆様には、ぜひとも同世代の貴重なご意見をお聞きしながら、その後の対策につなげていただきたいと思います。
以上で終わります。
○湯本 委員長 以上で、第2款総務費の審査を終結いたします。
次に、第3款福祉費の審査を行います。
理事者の説明を求めます。
◎田村 財政課長 それでは、事項別明細書142ページをご覧ください。第3款福祉費でございます。
本年度1,584億613万8,000円で、31億4,765万5,000円の増でございます。第1項社会福祉費、本年度135億7,831万4,000円で、7億3,326万円の増でございます。第1目社会福祉総務費、本年度135億6,308万8,000円で、7億2,177万1,000円の増です。主なものは、145ページ、19番、国民健康保険事業特別会計への繰出金で、4億5,296万4,000円の増です。第2目災害応急費、本年度1,522万6,000円で、1,148万9,000円の増です。
続きまして、146ページに移ります。第2項障害福祉費、本年度190億4,766万1,000円で、7億6,226万円の増でございます。第1目障害福祉総務費、本年度1億8,871万1,000円で、34万6,000円の減でございます。第2目障害福祉費、本年度160億2,569万7,000円で、5億6,449万7,000円の増です。主なものは、1番、障害者自立支援給付費6億904万2,000円の増でございます。
150ページに移ります。第3目障害福祉施設費、本年度28億3,325万3,000円で、1億9,810万9,000円の増です。主なものは、153ページ、15番、つばさホーム前の浦
指定管理者管理代行で、1億415万円の増でございます。
続きまして、154ページに移ります。第3項高齢福祉費、本年度224億3,587万1,000円で、14億4,221万6,000円の増でございます。第1目高齢福祉総務費、本年度195億1,043万1,000円で、14億1,622万9,000円の増でございます。主なものは、4番、特別養護老人ホームの整備で10億3,029万9,000円の増です。第2目高齢福祉費、本年度16億1,752万9,000円で、2,936万4,000円の増でございます。
158ページに移ります。第3目高齢福祉施設費、本年度13億791万1,000円で、337万7,000円の減でございます。
続きまして、160ページに移ります。第4項児童福祉費、本年度681億4,587万8,000円で、2億8,606万8,000円の減でございます。第1目児童福祉総務費、本年度208億4,987万1,000円で、25億4,514万9,000円の減でございます。主なものは、163ページ、22番、大田区次世代育成支援緊急対策整備事業で、19億380万7,000円の減でございます。第2目児童福祉施設費、本年度94億7,648万4,000円で、7,391万5,000円の増でございます。主なものは、165ページ、1番、保育園管理運営費で1億7,868万1,000円の増でございます。
第3目児童措置費、本年度374億7,725万6,000円で、21億3,433万5,000円の増でございます。主なものは、167ページ、7番、保育園入所者運営費等で20億4,893万1,000円の増でございます。第4目家庭福祉費、本年度2億4,339万円で、1,974万4,000円の減でございます。第5目児童福祉施設建設費、本年度9,887万7,000円で、7,057万5,000円の増でございます。主なものは、169ページ、2番、児童相談所施設の整備で、5,578万1,000円の増でございます。
続きまして、170ページに移ります。第5項生活保護費、本年度351億9,841万4,000円で、4億9,598万7,000円の増でございます。第1目生活保護総務費、本年度3億3,426万3,000円で、551万4,000円の増でございます。第2目扶助費、本年度348億6,415万1,000円で、4億9,047万3,000円の増でございます。主なものは、4番、生活保護法に基づく援護で、5億535万8,000円の増でございます。
○湯本 委員長 この款には、自民、公明、共産、エールから通知がありますので、順次、これを許します。
それでは、自民、質疑願います。
◆松原〔秀〕 委員 事項別明細書160ページから165ページにかけて、児童福祉費の保育園事業に関連して医療従事者と保育園の入園について質問いたします。
今般のコロナ禍におきまして、医療従事者の方々の献身的な活躍には、改めて心より感謝と御礼を申し上げます。また、医療従事者のお子さんたちを預かっている保育園の方々にも感謝を申し上げたいと存じます。
昨年、緊急事態宣言が発出された、ちょうど今頃、大きな病院の近くの保育園に勤めている方から聞いた話ですが、小中学校が休みになっている中で、保育園は休みにならないでしょうかと尋ねたところ、近くの病院に勤めている看護師のお子さんたちを多数預かっているので、休むわけにはまいりませんというご返事でした。
医療従事者の方々を、さらに支えてくださっている保育園の方々の心意気に頭が下がる思いでいっぱいになりました。感謝の意を込めて質問させていただきます。
今年は、例年に比べて保育園の入所が入りやすかった印象を受けております。新設の保育園の増加や様々な対策の成果であると思います。
大田区では、以前から待機児童対策に力を注いでまいりました。待機児童数を減少させるための施策の一つとして、4月に認可保育所の入所を希望されて希望がかなわず保留となる方の児童数を減少させることが有効であると考えられます。
現在、育児休業給付金が最長2歳まで受給できることになったことで、育児休業を延長し、家庭保育を希望する保育者も多くなったのではないかと思われます。
その際、国は2歳まで育児休業を延長する場合は、保育所の入所申込みをしたが、選考の結果、内定されなかった旨の自治体の証明が必要であるとされています。
そこで質問いたします。まず、今回の一次の保育所の入園状況と保留児童数の状況について教えてください。
◎津本 保育サービス課長 令和3年4月入所の一次募集の申込者数は4,865人で、前年度と比較して約3%減少しました。内定率は約78%と、前年度と比較して約4%増加しました。
また、育児休業の延長を希望した方を除くと、内定率は約83%となり、前年度と比較して約10%増加しました。
◆松原〔秀〕 委員 結果的に83%、そして約10%増加したということですが、本年の保育園の入園希望者の保留児童数が、担当部署の方々のご尽力によって、かなり減少したことに心より感謝を申し上げます。
そこで、次の質問をいたします。待機児童解消に向けて保留児を削減するために、いろいろご努力なさったことと思います。今回、いずれの自治体でも課題となっている、いわゆる育児休業取得のための育休延長狙いと言われている人たちに対して行った対策について、もう少し詳しくご説明をお願いいたします。
◎若林 こども家庭部副参事〔保育基盤整備担当〕 区では、これまで多様な保育サービスを提供して待機児童対策に取り組んでまいりました。中でも、認可保育所は保育サービス定員において大きな役割を占めており、入所申込みの利用調整において、保留児童数を削減することは重要であると考えております。
委員がお話しのとおり、育児休業の延長を行うためには、認可保育所の入所申込みを行い、区が利用調整した結果、保留となった旨を記載した通知書が必要となります。
令和3年4月の入所申込みから新たに育児休業の延長希望欄を設け、利用調整基準指数を最低の1点といたしました。このことにより、その方たちを内定者からほぼ除くことができ、本当に4月から入所を希望する保護者の児童が入所できるようになりました。
育児休業の延長希望者数は、合計で313名でした。保留児童数の減少と内定率の上昇は、その効果も影響しているものと思われます。
◆松原〔秀〕 委員 待機児童の解消に向けて、様々な対策を講じられたことに対しまして、大いに評価をさせていただきます。
ところで、ある医療関係者から聞いた話ですが、事情があって仕事を退職して医療関係の資格を取るために、現在、学校に通い学んでいる方がいらっしゃいます。奥さんも働いているため保育所に預けたい。しかし、国家試験の発表が12月であるため、資格を得て就職しているのではなく、通学している条件では新年度の保育所の入所申込み時点では、入園の申込み指数が低くなり入所しづらい状況があります。
また、今現在、コロナ禍で様々な職種が必要となっています。例えば、救命救急士やエクモ操作技術士などですが、救命救急士の合格発表は3月であり、エクモを扱う看護師はエクモ操作技術士の資格を取らなければならないそうです。研修を受ける際にも、小さいお子さんがいらっしゃる場合には、どこかに預けなければなりません。
そこで、質問ですが、医療関係者に限らず、様々な職種で資格を取り、転職を目指す方がたくさんいる中で、区は、職種により加算される利用調整指数はあるのでしょうか。お伺いいたします。
◎津本 保育サービス課長 区内の認可保育所、小規模保育所、事業所内保育所、認証保育所、定期利用保育所に勤務する、または勤務が内定している保育士の場合、指数の加算をいたしております。
◆松原〔秀〕 委員 保育士には、指数加算があることが分かりました。
公平性を確保する観点から、むやみやたらに職種を増やすことは難しいと思われます。
しかし、コロナ禍により、医療従事者をはじめとした、区民のライフラインに欠かすことのできない職種に従事されている方々の子育て中の保育所の利用は必要不可欠でございます。
資格を取得して、安心して仕事や子育てができる支援としての職種による加算の検討を強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○湯本 委員長 議事の途中ですが、本日、3月11日は、10年前、東日本大震災が発災した日です。発災時刻の午後2時46分に合わせて、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りして、ただいまから、1分間の黙とうをささげたいと思います。
皆様、ご起立をお願いいたします。
黙とう。
(黙とう)
○湯本 委員長 黙とうを終わります。
皆様、ご着席ください。ご協力、ありがとうございました。
会議が、長時間にわたりましたので、しばらく休憩をいたします。
午後2時47分休憩
午後3時10分再開
○湯本 委員長 ただいまから、
予算特別委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、第3款福祉費の質疑を続けます。
それでは、自民、質疑願います。
◆長野 委員 自由民主党の長野元祐です。
今回は、双子、三つ子などの多胎児家庭支援についてお伺いをいたします。
菅政権は目玉政策として、デジタル・ガバメント推進などと並んで、不妊治療の保険適用化を掲げ、現在の日本社会の構造に適応した少子化対策を進めていくことを目標としております。
子を産み育てたいという気持ちを持ちながらも、授かることのなかった夫婦にとっては、重い経済的負担となる不妊治療の保険適用化は、背中を後押しする強いメッセージにもなると考え、歓迎をいたします。
その一方で、不妊治療による出産においては、多胎妊娠の割合が増加するというデータがあります。全体の出産数における多胎の割合は、微増傾向ながらおおむね1%となっており、出産件数においては100件に1件、出生児数においては50人に1人程度が多胎の出産となっております。
また、母親の年齢別で見てみると、年齢が上がるほど多胎妊娠の比率が上昇し、20歳から25歳では1.31%ですが、30歳から34歳では2.03%、35歳から39歳では2.43%、40歳から44歳では2.71%、45歳以上では5.95%となっております。
出産においては、多胎児の6割弱が早産児、7割強が低体重児として生まれており、単胎児の約10倍のリスクとなっております。また、死産率は近年大幅に低下をしているとはいえ、単胎児と比べて2倍から5倍と高くなっております。
このように、出生の段階から母子ともに負担とリスクの大きい多胎児ですが、直近の令和元年度、令和2年度の大田区内における多胎出産の状況、また、現時点での未就学児にあたる多胎児数はどのような状況になっておりますでしょうか。
◎荒浪 健康政策部副参事〔地域保健担当〕 大田区における多胎児の出生件数は、令和元年度37件、令和2年度45件です。
現時点での未就学児にあたる多胎児数は、362世帯、720人となっております。
◆長野 委員 おおよそ年間40組前後の多胎出産があり、未就学児の数から単純に計算をすると15から20世帯程度の転入があり、子どもの数で言うと、年齢ごとに120名ほどの多胎児が区内に在住しているのではないかということが推察されます。
決して無視できるほどの少数でもありませんし、特にケアを必要としている0歳から3歳児頃までの人数は、財政的、人員的に重点的なケアができない規模でもないと考えております。
まず、現時点での大田区での多胎家庭支援の実施状況をお知らせください。
◎武藤 子ども家庭支援センター所長 子ども家庭支援センターでは、子どもと家庭に関するあらゆる相談に応じており、育児全般や生活習慣についても、心理士などの子ども家庭相談員が電話や窓口で相談をお受けしております。
また、育児不安やレスパイトなどにおいても利用できる、キッズな大森をはじめ、区内13か所で実施している一時預かり保育や、日にち単位で利用できるショートステイ、トワイライトステイ、休日デイサービスの子育て短期支援事業も実施しております。
◆長野 委員 今回の質問では、あえて困難に陥っている事例やご苦労された事例を取り上げますので、多胎児の育児を行っているご家庭や妊娠中の方にとっては大変失礼に聞こえたり、不安をあおられるような印象に受け取られるようなこともあるかもしれませんが、全てがもちろんそういった家庭ではないことは承知をした上で、偏見を持っての発言ではないことをご理解いただきたいと思います。
単胎児であっても早産の場合では、非常に神経を使いながら子どもに接することになる中、特に初産が多胎出産であった場合、先ほどにもデータをご紹介しましたとおり、低体重児で生まれてくる場合も多く、初めて経験することばかりの中、不安感情が強くなる傾向があります。
そういった段階で身近に頼れる親族などがいない場合、大田区の行っている産後の保健師による、すこやか赤ちゃん訪問は非常にありがたく思われ、頼りにされております。特にコロナ禍で親族のサポートが受け難くなり、また、外出もためらわれるような状況においては、この訪問事業の持つ意義は、私たちの考える以上の意味を持っていると言えます。
しかしながら、この訪問事業は特に異常が認められなければ新生児につき1回の訪問となることがほとんどであると思われます。しかしながら、月齢によって子育てに関する不安の内容は変わっていくものであり、多胎家庭においては、希望者においては月1回程度の訪問など、回数を増やし、できれば同じ保健師が継続してご相談に乗るなどの対応はしていただけるのでしょうか。
◎荒浪 健康政策部副参事〔地域保健担当〕 現在、区では、多胎児を妊娠している方については、支援が必要な妊婦として、地区担当保健師が妊娠期から寄り添い、子育てに関する不安の相談や、時期に応じてご利用いただけるサービスをご紹介するなど、出産から子育て期まで切れ目のない支援を実施しております。
地区担当保健師の訪問による支援は、多胎児家庭であるか、単胎児家庭であるかを問わず、母親の心身の不調や育児不安などでお困りの場合は、ご希望に応じて複数回対応しており、電話によるご相談も随時お受けしております。
特に多胎児家庭については、出産・育児の不安や負担が大きいため、保健師の訪問などによる支援を有効に活用いただけるよう、引き続き妊娠早期の段階から周知に努めてまいります。
◆長野 委員 私は、このご答弁をいただくまで、すこやか赤ちゃん訪問は、よほどの不安要件がない限りは1回きりであると思っておりまして、希望すれば何回でも来ていただけるというのは知りませんでした。実際に、多胎児をお育てになっている当事者の方もご存じではありませんでした。
区のホームページのすこやか赤ちゃん訪問(新生児訪問)の項目には、「出産された方及び生後120日以内の新生児のいるお宅を保健師や助産師が訪問します。妊娠届時に交付される「母と子の保健バッグ」に入っている「出生通知書(はがき)」に必要事項を記入の上、出生後速やかに郵送してください」としか記載をされておりません。
これでは、希望すれば複数回の訪問が可能であったとしても、そのように当事者が認識することは到底不可能だと思います。これは、多胎家庭に限ったことではありませんが、区の行っているサポート施策を正しく伝えることができていないために、必要な助けの手が差し伸べられない状況になっているということです。
これはホームページの記載を直しますといった単純な話ではなく、区の子育て支援への体制、正しい情報を必要な人に伝える工夫、当事者目線の欠如の問題です。
先ほど、ご説明いただいた大田区における多胎育児支援事業の実施状況について、充実していると取るか、不十分と取るか、私としましては当事者の皆さんにご満足をいただけている状況にあるとは思っておりません。メニューを用意していても、求められているニーズに応えられていないというのが私の率直な印象でございます。
多胎育児をされている当事者のお声の中で、ほぼ全ての方に共通するのが移動の大変さと休養の難しさです。これは、年齢の違う2人の子どもの子育てとは別次元の、大変なご苦労と苦悩があるとのことで、多胎子育て家庭の悩みの大半はこの部分に集約されるものではないかと感じております。
2人用のベビーカーでの移動は、車椅子での移動に匹敵する行動の制約を伴うといいますが、公共交通機関での移動の大変さ、対応できるタクシーの少なさなどを考え、どうしても外に出ることが難しいと感じてしまい、内にひきこもりりがちになってしまう事例も多いと聞きます。
移動手段だけに限らず、行政手続やお買物、飲食などにおいても、どうしても子どもの対応に手を取られてしまい、周りへの気兼ねなどから自然に避けるようになってしまうこともあるとのことです。
デジタル・ガバメントの推進にようやく本腰を入れて
取り組み始めた昨今においても、やはり対面手続が必要な場面も多く、例えば育児中の支援のためのサービスであるファミリーサポートにおいても、指定の会場に赴いて説明会に参加をしなければならないなど、せっかくの制度であるのに使い勝手の部分、それも切実に求められている部分が欠けているなど、非常に残念な運用がなされているのが現状でございます。
また、休養を確保するのがとりわけ難しい多胎育児者こそ、利用していただくべきである一時預かり事業において、1人であれば受入れは可能だが双子は対応できないと最も求められているはずの人を事実上、門前払いをするかのような事例も起こっております。
これで、制度はそろっていますとは、私は認めることはできません。必要とされている方に使っていただき、その前提として制度を知っていただけていないサービスなど、当事者にとっては存在していないに等しいと考えます。
これらの既存のサービスの改善、運用の方法について、所見をお聞かせください。
◎武藤 子ども家庭支援センター所長 育児の手伝いをしてほしい方と育児の手伝いをしたい方を結ぶ、ファミリーサポーターおおたでは、買い物などの外出時の預かりサービスを実施しており、今年度も多胎児家庭で4組の登録がございました。
2人以上の子どもを連れて説明会に参加することについては、利用者の大きな負担となっているため、多胎児の育児など個別の事情を考慮し、柔軟に対応してまいります。
また、一時預かり事業は保護者のリフレッシュなど、理由を問わず時間単位でご利用することができます。これまでも、各施設の保育状況によっては、すぐにご利用をお受けできない場合もございましたが、各施設での利用状況を確認した上、利用者のご希望を丁寧に聞き取り、預かり先が見つからないことがないよう、利用者目線に立った対応に努めてまいります。
◆長野 委員 個別の事情を考慮し、柔軟に対応していただけるということですので、この運用の改善につきましては、先ほどのお言葉に期待を寄せるところでございます。
サービスの利用利便性の向上とともに、やはり利用を逡巡する要因となるのが利用の料金であります。
周産期医療のコストも双子の場合は単胎と比べて約4倍の費用がかかるとのデータもあります。おむつも2倍、衣類も2倍、食費や教育費も2倍と必然的に育児や成長に関わる出費は増えざるを得ないのですが、行政サービスに関わる単価についても単純に2倍とならないように、できる部分については配慮していただくことを求めます。
ぴよぴよサポートも利用年齢と時間の拡充をしていただきましたが、1回2時間からの利用で1時間1,000円、つまりは1回の利用で2,000円の費用負担が生じます。
ほかの23区の同様事業では、同じ時間1,000円としているところもありますが、500円程度としている区もありますので、今後、利用料金の改定か、費用負担の補助などの検討を要望いたします。
ここまで、多胎育児家庭のサポートの必要性を訴えておりますのは、多胎育児が想像を絶するほどに大変であるということ加え、ときにリスクを抱えてしまうことがあるという危惧からでもあります。
平成30年1月、愛知県豊田市で当時11か月の三つ子を育てる母親が、泣きやまない子どもを発作的にたたきつけ、死なせてしまう事件が発生しました。一般に、豊田市児童虐待死事件と呼ばれる事件ですが、身近な親族のサポートを受けることができない中、低体重で生まれた3人の赤ちゃんと向き合い、1日に30回のおむつを交換、24回の授乳、三つ子の誰かしらが絶えず泣いているという日々を送る中で起きた事件でした。
虐待死事件と呼ばれてはいますが、この母親は鬱症状を抱えながらも、それまで日常的に暴力行為やネグレクトを行っていたわけではなく、懸命に子育てをしている中で起こしてしまった事件であり、確かに我が子に母親が手をかけてしまった事件ではあるのですが、虐待と呼ぶことに抵抗を覚える事件でもあります。
この事件の裁判では、抑鬱状態でありながらも、この被告となった母親は犯行に及ぶ前に約30分間、泣き声に耐えるために自分自身の太ももをたたき続け、自らの行動を制しようとしていたことや、すぐに自ら救急に通報していること、たたきつける行為を行った後に、それ以上の危害を加えていないなどの理由から、善悪の判断能力及び行動をコントロールする能力があったと認定し、執行猶予なしの懲役3年6か月の判決が下されています。
この判決に対しては、多胎児を育てている保護者らを中心に、1万1,200筆余りの減刑嘆願の署名が提出されました。この件に関する報道の中で、多胎子育てしている当事者が口々に、自分があのような事件を起こしてしまう可能性も十分にあったということを述べられていたのが印象に残っております。
また、昨年の12月には、和歌山県紀の川市の葛城山山中で、双子の娘と無理心中を図った母親が殺人未遂罪で逮捕される事件も起きました。この紀の川市のケースにおきましても、日常的な虐待は行われておらず、懸命に子育てを行っている中で起こった悲劇であります。
3歳児虐待死事件を受け、二度とこのような支援または介入が必要な状況を見逃すことはしないと決意を新たにしている我が区においても、支援の必要性の高い多胎家庭の声は、注意深く耳を傾ける必要があると考えます。
育児サービスの根幹となる保育園入園に関してですが、大田区としても保育定員の拡充に努め、待機児童の問題の解消を強力に進めてまいりましたが、今後は区の方針として量的整備から質的向上へと歩を進める段階を迎えております。
現在、保育園の入園選考に際して、兄弟加点2点が付与されておりますが、これに加えて多胎児加点を設け、原則同一園への入園とすることはできないでしょうか。
◎津本 保育サービス課長 現在、多胎児の場合、兄弟加点として2点の加点を設けております。それと併せて、世帯指数が同点となった場合、兄弟がいる場合を優先としております。
多胎児に対するさらなる加点は、兄弟のいないお子さんとの入所の公平性の観点から慎重に検討を要するものと考えております。
兄弟同時期同園への申込みについては、申請時において希望欄を設けて利用調整をいたしております。
◆長野 委員 兄弟のいない家庭との公平性の観点から難しいということでありますが、ここが行政と当事者が見ている世界のずれであって、兄弟のいない子や、年齢の異なる兄弟であれば、各年齢に定員に1名の空きがあれば入園できるのですが、多胎児の場合、同じ年齢に定員の2名の空きが必要となります。
また、さきにも述べたように、多胎児の移動には年の違う兄弟とは違う大変さがついてまいります。それに加えて、仕事を終え帰宅した後も先ほどの虐待に至ってしまった家庭と同じように、交互に、または同時に続く夜泣きや体調管理に体力を消耗することになります。
何とか保育園に入園できるのであれば、多少遠かったとしても仕方ないというのは、そういう状況を多くの家庭が受け入れていただいているのは事実としてありますし、それを軽視していいものではありませんけれども、やはり多胎家庭に関しては、この部分においても特段の配慮と支援の必要性の度合いは高いと考えます。
婚姻年齢や出産年齢の上昇が続く我が国においても、不妊治療の保険適用と対応して、多胎出産、育児に対するフォローも国家的課題として捉えていく必要があり、国も昨年度からは、産前・産後サポート事業の中に、多胎妊産婦支援を明記し、自治体が当事者の交流会や外出補助などの支援者を派遣する訪問型事業を行う場合に、2分の1を補助することなどが盛り込まれました。
また、令和2年第1回定例会で、公明党の勝亦議員の代表質問でも主張されておりましたように、東京都も令和2年度より「とうきょうママパパ応援事業」の中に新規項目として、多胎児家庭支援事業が産後家事・育児支援事業と別立てで追加され、母子保健事業利用時の移動経費補助、年間2万4,000円や、都の補助率10分の10で第1子年間60時間、第2子180時間を上限として、ベビーシッター、家事支援ヘルパー等の派遣事業、同じく都補助率10分の10で多胎児の場合、月16時間までの一時預かり事業など、大幅な支援の拡充がなされており、台東区などは積極的に制度活用を行い、多胎育児支援に力を入れております。補助はいつなくなるのか分からないのでやらないという姿勢ではなく、今ある国や都の補助を活用しながら、大田区としての積極的な多胎育児支援策を組み立てていくべきであると考えます。
改めてお聞きをいたします。国の不妊治療保険適用化や、東京都の積極支援の転換、また相次ぐ多胎児が被害者となってしまう悲しい事件など、昨今の状況の大きな変化を踏まえ、区として多胎出産、育児支援の今後の在り方について、決意をお伺いいたします。
◎武藤 子ども家庭支援センター所長 現在、区では多胎児世帯も利用できる産後家事・育児支援事業や、産後ケア事業などを展開しております。区の妊娠、出産に関わる支援策や、子育て支援策などの実績や効果を検証し、国や都の動向も踏まえながら、多胎児支援の先行自治体の状況も確認し、多胎児育児の厳しい状況も踏まえ、関係部局と連携し、議論を深めてまいります。
◆長野 委員 ぜひ議論を深め、そして当事者の皆さんのご意見、その視点に立って施策を練っていっていただきたいと思います。
最後に質問しようとして添付をしておけばよかったのですけれども、ぜひご覧いただきたい資料を2点、ご紹介をいたします。
一つは、昨年6月に愛知県の豊田市がまとめた平成29年度児童虐待死亡事例検証報告書です。本件報告書においても、多胎児養育支援の重要性が認識されていなかったと結論づけられています。事件を受けた実際の教訓として、必ず目を通していただきたいと思います。
もう1点は、平成31年3月15日に下された同事件の名古屋地裁判決文です。検索する場合は、平成30年第208号傷害致死事件で検索をしていただくと出てきます。この判決文を多胎育児を行っている当事者の皆さんがどのような気持ちで読んだか、ぜひ想像していただきたいと思います。子どもの成長を見守ることができる喜びも2倍、3倍である一方、そこに至るまでのご苦労も私たちの想像以上であり、核家族化と少子化が進む中で、必要としている支援を適切に受けられることを期待し、質問を終わります。
○湯本 委員長 次に、公明、質疑願います。
◆松本 委員
区議会公明党の松本洋之でございます。高齢福祉費において、高齢者のデジタルシフト支援について質問をいたします。
私は、スマートフォンを所有するようになりましてから10年ほどになるかと思うのですけれども、仕事上必要な情報であるとか、日常で気になった、例えば、テレビを見て、あの女優の名前は何といったっけということで、グーグルで調べたりなどして、ああそうかということで、解決することも大変多くなりました。
2、30年前はいろいろな本に頼ったり、詳しそうな人に問合せをしてみたり、調べるという行為は何かと手間のかかる作業でございましたけれども、私たちの生活はとても便利になりました。
また現在は、いろいろな動画コンテンツがありまして、映画好きの私は、より身近に鑑賞できる環境となって大変に楽しませていただいております。さらには、何かにつけてAmazonで探し出しては物品を購入するなど、インターネットでの検索や商品の購入など、区民生活におけるデジタルシフトが進んでおります。加えて、
新型コロナウイルス感染症の影響により、区民生活におけるデジタルシフトが加速する中、高齢者などがデジタル化社会に取り残されることなく、デジタル活用の恩恵を受け、生き生きと、より豊かな生活を送ることができるよう、デジタルデバイド、情報格差の対象と、デジタルリテラシー、デジタル機器を活用する能力の向上を図ることが重要視されております。スマートフォンは以前の携帯電話、いわゆるガラケーに比べると、操作や仕組みが複雑で難解な傾向があり、それによりまして、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクも高くなっています。また、高齢者を問わず、危ないウェブサイト、詐欺メールや広告、そしてコンピュータウイルス、そういった一つ一つのリスクに対して危険を退けるための対応が必要と考えます。
一方で、
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う長期の外出自粛期間におきましては、ICTの重要性が非常に高まり、国が示した新しい生活様式の実践例の中にも、ICTを前提としたものが含まれております。特に高齢者におきましては、ICTが利用できるかどうかで、その生活の質に、より大きな格差が生じることが考えられます。国などの調査を踏まえ、高齢者のICTの利用状況や、スマホ、タブレットなどデジタル機器の保有の現状について、区はどのように推測しているのか所見をお伺いいたします。
◎酒井 高齢福祉課長 総務省では、毎年の情報通信サービスの利用状況を、通信利用動向調査として発表しております。令和元年度の調査結果によれば、全国で20歳以上の世帯主がいる世帯及び、その6歳以上構成員に調査を行い、1万5,410世帯の回答を発表しております。
インターネット利用者の割合は、全体で89.8%と約9割に迫っていると報告されております。65歳以上の高齢者は64.7%ですが、5年前と比較して28ポイント利用率が上昇しております。また、高齢者のスマートフォン所有率も32.1%で、5年前と比較して23ポイント上昇しております。
以上のことから、区は今後も高齢者層においてもインターネットの利用率及びスマートフォンの所有率は増加していくものと推察しております。
◆松本 委員 ご答弁いただきました総務省が公表いたしました令和元年通信利用動向調査の結果では、70歳代以降でスマートフォンの保有率が大きく低下しているということであります。本区でも、高齢者層のデジタル機器保有率は、ほかの世代と比較して低い状況と推察されます。このような中、本区としては高齢者のICTの利用改善について、どのような見解をお持ちかお伺いをいたします。
◎酒井 高齢福祉課長 委員のお話にあるように、新しい生活様式等も見据え、厚生労働省が
新型コロナウイルス感染症対応として人との接触を減らすポイントを提示しております。その中には、買物の通販利用や運動等は自宅での動画等の対策が示されております。こうした
取り組みの促進には、高齢者のICT活用が大きな役割を果たすことと考えております。その一方で、65歳以上高齢者のインターネット利用が低い背景として、デジタル機器等を使うことの不安があるとの分析もあります。
こうしたデジタルデバイド、いわゆる情報格差を解消し、高齢者の豊かな生活を支えるICTの活用を進めるとともに、ICTリテラシーの向上の観点等、様々な角度から検討を進めることは必要と考えております。
◆松本 委員 今回、新年度予算に計上されました高齢者のデジタル機器活用推進事業を含む、高齢者オンライン交流促進事業について、今回初めての
取り組みでございますけれども、概要をお知らせください。
◎浅沼 元気高齢者担当課長 高齢者のデジタル機器の活用は、他の世代に比べて課題が多いと考えており、そうした課題を解決していくためには、まずは高齢者に無理なくデジタル機器を身近に感じていただける機会をつくることが肝要だと捉えております。
具体的には、シニアステーションや老人いこいの家を会場に、民間通信事業者と連携した、スマートフォンやタブレット端末の操作教室や、オンラインで複数の施設をつなぎ、他の地域の利用者と音楽鑑賞やゲームなどで交流する事業を予定しております。
実際にICT環境を体験できる環境を提供していくことで、今後の高齢者のデジタル機器の活用促進につなげていきたいと考えております。
◆松本 委員 とてもいい
取り組みだと思います。
東京都の予算にも新規2億円の予算として同様の事業が組まれておりますけれども、関係を教えていただければと思います。併せて、事業内容を分かる範囲でお知らせいただければと思います。
◎浅沼 元気高齢者担当課長 東京都が令和3年度に予算計上したデジタルデバイドの是正に向けた、高齢者向けスマートフォン利用普及啓発事業につきましては、デジタル機器に不慣れな高齢者がスマートフォンを安心して活用することができるよう、通信事業者などと連携した
取り組みを推進するものでございます。
事業の実施方法等の詳細は、今後、東京都から示される予定ですが、本区が令和3年度に独自事業として
取り組みを予定している事業と目指す方向性は合致するものと捉えております。
引き続き、東京都の予定している事業の詳細の把握に努めるとともに、今後の区の施策展開において、都と区双方の事業効果が得られるよう取り組んでまいります。
◆松本 委員 東京都の予算で活用できるものは、積極的に活用していただければと思います。より、また情報収集に努めていただければと思います。
さて、本区の高齢者のデジタル機器活用推進事業は、スマートフォンやタブレットの操作の仕方を教えてくださるとのことですが、シニアステーションや老人いこいの家の会場以外で、例えば、敬老の日など、9月にはキャンペーン月間として情報通信事業者との連携の下で、本庁舎でも行っていただきたいと、このように思うのですが、いかがでしょうか。
◎浅沼 元気高齢者担当課長 令和3年度は高齢者の孤立防止やフレイル対策に資する事業としてシニアステーションや老人いこいの家を会場に、民間通信事業者と連携したスマートフォン教室などのモデル事業の実施を予定しております。委員がお話しのとおり、区の庁舎を活用するなど、より多くの方に関心を持っていただけるような、効果的な事業の進め方を検討してまいります。
◆松本 委員 高齢者にデジタル機器活用推進事業の
取り組みの中で、大田区のLINEアカウントを高齢者の方々にも普及していただいて、防災や介護をはじめとする区からの情報を受け取りやすい、収集しやすい環境をつくり、利便性の向上を図ることを推進していただきたい、このように思いますけれどもいかがでしょうか。
◎浅沼 元気高齢者担当課長 委員お話しのとおり、高齢者のスマートフォン等の利用拡大により、各種情報の受け取りや活用の機会などが広がる効果が期待されます。そこでスマートフォン等の操作教室に開催にあたっては、大田区LINEアカウントの利用や、はねぴょん健康ポイントの利用方法など、区が発信するコンテンツの活用方法などの習得に加え、災害時の緊急情報、介護、医療の情報などをデジタル機器を通じて受け取ることができるよう、講座内容の工夫をしてまいります。
◆松本 委員 もう1点、マイナンバーカードの普及の観点から、この際マイナンバーカードを持っていない方々に対して、職員が出張サービスを行ってマイナンバーカードの申請手続も行っていただきたい、このように考えますけれども、いかがでしょうか、
◎杉村 戸籍住民課長 マイナンバーカードの申請は、地方公共団体情報システム機構が一括して受け付けており、取得を希望される方が郵送、またはパソコン、スマートフォンなどから行っていただくこととなります。区では、申請補助サービスとしてタブレット端末を利用し、顔写真の無料撮影から申請までの手続の支援を、本庁舎大田区マイナンバーカードセンターのほか、随時職員が出張する形式でも実施してまいりました。今年度は、確定申告等
相談窓口や申告受付会場で、延べ13回、約250人の方の申請を出張形式で支援いたしました。ご高齢の方に対しては、令和元年度にシルバーパス発行会場となった
特別出張所のうち、3か所で実施し、3日間で66人の方に申請をいただいており、本年度についても同様の実施を予定しておりましたが、コロナ禍の影響で実施に至りませんでした。
現在、感染症拡大の状況を踏まえ、本庁舎での申請補助の受け付けは一時休止をしておりますが、収束後は出張形式の申請補助についても、様々な機会を捉えて実施を検討してまいります。
◆松本 委員 よろしくお願いします。
非接触の中にあっても、心のつながりを支えるツールとして、社会からの孤立を防ぐツールとして、スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器の利活用が必要ですが、それだけではなく在宅高齢者の見守り、オンライン相談やオンライン診療等も含む在宅介護、在宅看護、在宅医療という地域包括ケアの充実にICTの活用をしっかりと組み込まれること、さらには在宅、看取りを支える体制の確立に活用されることまで展望して、しっかりと
取り組みを推進することを望みますけれども、見解をお伺いいたします。
◎上田 健康政策部副参事〔地域医療担当〕 在宅利用のさらなる推進に向けて、地域包括ケアの充実は欠かせません。東京都は地域の医療、介護関係者や医療機関との間で、広域的な連携を促進し、都における在宅医療を推進することを目的に、東京都多職種連携ポータルサイトの運営を、昨年9月より開始いたしました。このシステムには、在宅療養中の患者を支えている医療、介護関係者の皆様が情報を円滑に共有することを目的とした、多職種連携タイムラインがあり、活用が始まっております。
区では、地域包括ケアシステムの充実に向けて、区内医療関係者、介護関係者で構成される在宅医療連携推進協議会において、これまで看取りを含む入退院時や急変時の対応など、在宅療養における課題検討、解決に向けて話し合いが行われております。
区は、在宅医療連携推進協議会の関係者の皆様と協議しつつ、都が導入したシステムの活用を視野に入れながら、患者の情報共有を行いやすい体制の構築に努めてまいります。
◆松本 委員 その人を取り巻くいろいろな職種の方々に、情報が円滑に共有されることによりまして、高齢者の見守りや支えになっていくということはとても大事なことでありますので、ぜひ区としても後押しをしていただければと思います。
さて、スマホに関連して、渋谷区の
取り組みが報道されておりました。以下、読ませていただきますと、
新型コロナウイルスの流行により社会のデジタル化が進む中、東京都渋谷区は高齢者にスマートフォン3,000台を無償で貸与する実証実験を始め、健康づくりや防災情報の伝達に役立ててもらい、情報格差解消につなげる考え、2021年度当初予算案に関連費用を約3億6,500万円を計上したと。区によると、対象はスマホを保有していない65歳以上の区民。区の防災アプリや健康づくりに役立つアプリをあらかじめインストールし、キャッシュレス決済や区役所業務の各種オンライン申請もできるようにすると。実証実験は2年を想定し、この間の通信料と通話料は基本的に区が負担する。スマホ調達やデータ収集などを担う事業者を公募し、9月からの配付を目指す。利用状況を分析しながら、今後の高齢者向け施策に役立てたい考えだと。区は、スマホの操作方法を学ぶ講座を開催したり、個別相談を実施したりして参加者を継続的に支援する。さらにスマホの操作に詳しい区民をデジタル活用支援員として登録し、参加者を援助してもらう。別途、オンラインで保健師らと健康相談できる仕組みを整備し、参加者にも活用してもらう。区の担当者は、コロナ禍の新しい生活様式を実践するために、デジタル活用は不可欠、高齢者の生活の質を向上させるきっかけにしたいと話しているとのことであります。予算が何と3億6,500万円。このように渋谷区は思い切った
取り組みを行おうとしております。
また、愛媛県をはじめとして情報通信事業者と連携して、高齢者等IT機器導入支援補助金というものに取り組んでいる自治体があります。高齢者のIT活用を支援するため、初めてスマホやタブレット等のIT機器を購入した方へ補助金を交付する事業であります。愛媛県においては、楽天と連携して事業を推進していますけれども、こうした通信事業者との連携について、今後区としては公民連携の協定を結ぶ可能性をどのように考えておりますでしょうか。また、その中で通信事業者からの様々な提案、例えば、スマートフォンやタブレット端末を所有していない高齢者への貸与などを含めて、様々な提案をいただいて、事業を展開していただきたい、このように考えますけれども、いかがでしょうか。
◎酒井 高齢福祉課長 今後、急速に社会のデジタル化が進み、高齢者がICT等を円滑に使用できない場合、様々なサービスを享受できなかったりするなど、情報格差が生じる懸念が想定されます。そうしたことも念頭に、次期のおおた高齢者施策推進プランにおいては、計画を進める上での基本的視点として新たな
取り組みの導入を掲げております。例えば、ICTの活用においては試行的
取り組みとして、老人いこいの家等にて運営法人の自主事業による情報通信事業者と連携したスマートフォン教室を開催し、好評を博しております。
今後、区としてこうしたスマートフォンの操作教室を含む高齢者のデジタル支援を充実させるために、情報通信事業者とさらに意見交換を行ってまいります。そうした積み重ねを通じて、情報通信事業者等のノウハウを生かした
取り組みを進めてまいります。区は、こうした
取り組みを通じて、ポストコロナを見据えた高齢者のデジタル支援を進め、高齢者のさらなる安全・安心な暮らしと生きがいづくりを支えてまいります。
◆松本 委員 子どもから高齢者まで、どんな世代でも自分でできること、自分でできると思えることは自立して生きていく上で本当に大切なことであります。高齢者のデジタル機器活用に向けて、ぜひこれからも頑張って推進をしていただければと思います。
以上で質問を終わります。
◆玉川 委員 大田
区議会公明党、玉川英俊でございます。
昨年9月23日、大田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例が制定され、9月30日より条例が施行となりました。条例の概要の基本理念として、手話が言語であると認識すること。相互理解、人格、個性の尊重とあり、区の責務は基本理念に基づく施策を推進すること、施策は計画との整合性を図ること。そして区民の役割は、意思疎通に関する理解を深めること、施策に協力すること。さらに事業者の役割は、区民の役割である理解を深め、施策に協力することに加え、合理的配慮に努めることとなっております。
この条例制定によって、本区ではこれまで、どのようなことが新たに行われてきましたでしょうか。お聞かせください。
◎黄木 障害福祉課長 大田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例制定後の新たな
取り組みについては、区民に向けた周知として、条例制定や、その趣旨について、区ホームページへの掲載をするとともに、昨年12月に区報障がい福祉特集号を発行し、その中で紹介しております。
また、手話の普及に向け、手話理解啓発動画を作成し、動画共有サイトで公開するとともに、3月に手話のイラストを掲載したクリアファイル、約3万部を主に区内の小学校4年生から中学校3年生までの児童・生徒へ配付しております。
さらに区からの情報発信動画において、字幕や手話通訳の設置を進めるとともに、区の窓口対応等で手話を使った挨拶や簡単なやり取りができるよう、職員向けに手話を学び、身につけるための動画配信を始めております。
◆玉川 委員 今、ご答弁いただきました手話のイラストが掲載されたクリアファイルですが、先日私も手にいたしました。このファイルに描かれた指文字を目にしたときに、子どもの頃に五十音が書かれた下敷き、またアルファベットの書かれた下敷きを手にしてわくわくしたことを懐かしく思い出しました。このクリアファイル作成の思いをお聞かせください。
◎黄木 障害福祉課長 今回配付いたしましたクリアファイルは、次代を担う
子どもたちが手話を知り、手話に親しむ機会を提供するため作成したものです。クリアファイルの表面には、自己紹介をはじめとした基本的な手話のイラスト、裏面には指文字表を掲載し、イラストをそのまま、まねすれば手話ができるようになっております。このクリアファイルを手にした方が手話に興味を持つとともに、手話を日常の言語として生活している方々がいらっしゃることを理解していただける内容を目指しました。
また、小中学校における障がい理解教育での活用やご家庭で話題にしていただくことで、友人同士やご家族皆で手話への興味を深めていただきたいと考えております。令和3年度以降も新小学4年生に配付するなど、手話への理解を促進してまいります。
◆玉川 委員 私も早速、この指文字表で自分の名前を覚えて、自己紹介の仕方を覚えました。私の名前は玉川英俊といいます。これは一つ、人差し指の「ひ」で、「で」は、この手で横にずらすことで「で」。「と」、これは扉ということで「と」。「し」、これは片仮名のシからきて「し」ということで。
こういったように、この由来、どうやってこの形ができているか、こういった由来を知ることで、さらに覚えやすくなりますし、また興味が湧いてくる、このように子どもの成長過程で新たな言語としての手話が受け入れられていくことを期待いたします。
さて、大田区を舞台にした手話ドラマ、「明日へ。」が作成され、私も視聴いたしました。行政が作成された動画で、公開から1か月で1万3,000回以上が再生されているということで話題にもなっていますが、ちょうどドラマが私の地元でもある洗足池公園で始まり、勝海舟記念館も出てきたり、池上本門寺や「かまたえん」の幸せの観覧車、羽田イノベーションシティの足湯など、ぐいぐいと引き寄せられるものでした。このような大田区の名所めぐり、観光案内の要素と合わせて、聴覚障がいのある方とのコミュニケーションの取り方を考えることができる大変すばらしい、多くの人に視聴していただきたいドラマだと感じました。
この動画作成の思いをお聞かせください。
◎要 障がい者総合サポートセンター次長 大田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例が制定されたことを踏まえて、より多くの方に手話への理解を深め、興味関心を高めていただきたいという思いから、本動画を作成いたしました。
また、本年度は、
新型コロナウイルスの影響により、手話講習会が中止となり、受講できなかった方には本動画を視聴していただくことで次年度への学習意欲につなげることができればとも考えました。
制作にあたっては、大田区らしさを意識し、区内の名所を随所に取り入れております。さらに簡単な手話での挨拶や、聴覚障がい者とのコミュニケーション方法についても理解していただけるよう工夫しました。
今後は、小中学校の障害理解教育でも役立てていただくよう働きかけるなど、さらに手話や障がいについての理解が進むよう、努めてまいります。
◆玉川 委員 私も個人のユーチューブチャンネルに議会質問や地域活動などの動画をアップしていますが、その中でも4万5,000回以上再生されている動画があります。それは、障がい者総合サポートセンター、さぽーとぴあのオープンのときに撮影したもので、サポートセンターのトイレを撮影したものなのですが、入り口から音声案内で、こちらはトイレです。左側が男性トイレ、右が女子トイレですといった案内が流れる様子を撮影したものでした。テロップも何も入れず、トイレの入り口から中に入るまでの様子を撮っただけの45秒の動画なのですが、4万5,000回も再生されていて、障がいがおありの方など、このような映像などを通じた分かりやすい情報を求められているのではないかと感じました。動画の中の字幕や手話通訳などは、音声での情報取得が困難な方にとってなくてはならないものであると思いますが、区の公報する動画や重要な情報を、どのように伝えていきたいと考えていますでしょうか。
◎黄木 障害福祉課長 障がいのある方など、コミュニケーションに配慮を要する方々に向けて、災害時などに迅速、かつ正確に情報を伝えていくためには、様々な意思疎通手段を活用していくことが必要です。条例制定を契機に、区の分野別計画策定のための説明動画に字幕等を設置するなど、配慮を進めております。例えば、おおた障がい施策推進プラン素案の説明動画には、手話通訳等を設置いたしました。
現在、感染防止に関する区長メッセージを動画で配信しておりますが、障がいのある方にとっても健康に関わる大切な情報の発信となっており、しっかりとお伝えするため、字幕と手話通訳を配置しております。また、災害時の避難所には、意思疎通のためのボードを置くなど、避難所において障がいのある方が機を逸することなく情報を得ることができるよう工夫をしております。
区としては、様々な合理的な配慮の手法を部局間で共有し、障がいのある方に必要な情報を確実に届けられるよう取り組んでまいります。
◆玉川 委員 今回、シティニュースおおたへの手話通訳の設置の方向で予算計画をされているということで、大変にありがたいことと思います。今後も緊急時や、これまで発信されてきた重要な動画などにも、手話通訳が設置されていくことを要望しておきます。
以上で大田
区議会公明党、玉川英俊の福祉費での質問を終了いたします。
◆小峰 委員 大田
区議会公明党、小峰由枝でございます。社会保障の持続性確保について、質問をいたします。
団塊の世代が後期高齢者になる2025年まで、あと4年となりました。そして、現役の1.5人が高齢者一人を支えるとされる2040年まで、あと20年。20年後、そのとき私の大好きな、この大田のまちの風景はどうなっているのか、私を含め、区民の皆様おひとりおひとりが何を生きがいにして、輝きの人生を送っていらっしゃるのか、想像することがあります。本区のおおた高齢者推進プランの基本理念に、高齢者が住み慣れた地域で、安心して暮らせるまちをつくりますと掲げています。自分らしい暮らしを人生の最後までできるようにするには、社会保障の持続性の確保など、準備が必要です。
本区における高齢者人口の予想を見ると、2025年には16万7,000人で、高齢化率22.1%。2040年には20万人を超える数で、26.9%になるとされ、加えて
独居高齢者が増えると見込まれており、認知症高齢者も比例して増加し、したがって、医療や介護サービスの利用者も増加すると予想されています。
このたび、パブリックコメントを経て、おおた高齢者推進プランの大田区高齢者福祉計画、第8期大田区介護保険事業計画が、2021年から2023年までの介護サービスの内容や量を見込み、さらに2040年までを見通した上で策定を進められております。
昨年の第4回定例会でも述べたように、このコロナ禍で認知症が全国的に4割進んだという統計があり、このたびの
新型コロナ感染症拡大は、認知症になる前のMCI、軽度認知障がいの方々も例外なく認知機能が低下するなどの影響は大きいと思います。
先ほども触れましたが、この計画は団塊の世代が75歳以上を迎える2025年、団塊の世代ジュニアが65歳を迎える2040年に向かって進める大変重要な時期の計画になります。特に高齢者の地域での生活を支える地域包括システムは、支える側、支えられる側など、従来の枠組みを越えて人と人、人と地域のつながりが重要となる地域共生社会の実現のための大切な基盤となります。
そこで伺います。地域包括ケアシステムを着実に進めていくためには、特に介護予防、生活支援の
取り組みの強化が重要な要素になると考えます。本計画における介護予防、生活支援の推進の目標となる考え方をお示しください。
◎浅沼 元気高齢者担当課長 おおた高齢者施策推進プランに掲げる
取り組みを通じて、地域包括ケアシステムのさらなる推進を目指していくためには、委員お話しの介護予防等の強化は大変重要です。
区は、高齢者が役割をもって活躍ができるよう、就労、社会参加を促進していくとともに、高齢者の介護予防や日常生活を支援する住民主体の担い手の拡充を図り、自治会・町会、民生委員、地域団体など、多様な主体が高齢者を支える地域のネットワークづくりを推進してまいります。その上で、多世代への働きかけを通じて、住民同士の交流の輪を広げ、支援と共生が育まれる仕組みの構築につなげ、支え合い、助け合いの機運醸成を着実に図ってまいります。
◆小峰 委員 本区は現在、65歳以上の高齢者の8割以上が要支援・要介護認定を受けていない元気な高齢者であり、そのうち仕事をしているのは3割で、さらに60代に限定すると4割以上の人が働いているということです。
このたび国は、努力義務ではありますが、70歳までの就労機会の確保等に関する高齢者雇用法が来月の4月1日から施行されます。人生100年時代、フレイル予防にもなり、自分らしく輝くには、可能であれば働き続けることも大切です。例えば、65歳で引退すると30年以上人生が残っている可能性があることになります。本区は、これまで大田区いきいきしごとステーション、シルバー人材センターなどで元気高齢者に対して就労サポート事業を展開してきましたが、課題もつかんでいらっしゃると思います。
そこで質問をします。シルバー世代の就職活動支援の成果と、今後の
取り組みを伺います。
◎浅沼 元気高齢者担当課長 高齢者の就労や社会活動への参加は、地域や社会全体にとって大変有益なものであり、高齢者自身の生きがいや健康維持にもつながり、介護予防の点からも大きな効果があります。
区は、これまで大田区いきいきしごとステーションの運営支援や、大田区シルバー人材センターにおける保育アシスタント事業、シニアステーション糀谷における福祉施設への就労を重点に置いた
取り組みなど、高齢者の就労へ向けた支援を進めてきております。今年度は、大田区いきいきしごとステーションでは、令和3年2月末時点で、このコロナ禍においても78人の方が就労に結びつくなど、成果が得られております。
今後、こうした
取り組みをさらに拡充していくとともに、お一人おひとりに対するきめ細やかなニーズの聞き取りやマッチングなどを通じて、高齢者の就労や活動への意欲を支えていく体制づくりを進展させてまいります。
◆小峰 委員 厚生労働省の生涯現役促進地域連携事業は、働く意欲のある高齢者が能力や経験を生かし、生涯現役を目指す就労促進の事業ですが、そうであるならば、今後早いうちから、リカレント教育、つまり働きながら学ぶ教育、生涯教育を啓発することも第3の人生のためには重要と考えます。
また、潜在保育士や潜在介護士の人材の掘り起こしも積極的に自治体として取り組んでいただきたいと要望します。
一方、仕事に限らず、ボランティアとして社会貢献をしたいという方々も実際多くいらっしゃいます。現在、本区ではボランティアを起用し、家事援助などを主体とした絆サポート事業に取り組んでいます。
また、高齢者が様々な世代の人たちと力を合わせて働く多世代協働により、心理的効果、身体的効果、認知機能効果の成果が見られるようです。
子どもへの絵本の読み聞かせのボランティア活動に高齢者が参加した事例を見ると、脳機能の中で、記憶をつかさどる海馬の萎縮が抑えられた。そして、高齢期の社会参加活動によって、健康な認知機能が保たれたということが分かり、その研究成果が発表されています。
そして、「多世代の共創と持続可能な地域づくり」という国土交通省の勉強会資料にアキナイ山王亭が。「多世代協働による生活支援モデルの開発と社会実装に向けた研究」という東京都健康長寿医療センターの資料に、おおもり語らいの駅が紹介されています。この二つとも、大田区の民間の事業で、国と都の資料にモデルケースとして掲載されていました。
アキナイ山王亭は80代のお母さんスタッフと若い栄養士たちが一緒においしいお弁当を作り、ワンコインで提供しています。おおもり語らいの駅は、コロナ禍で残念ながら閉まっているようですが、赤ちゃんを連れたママたちが地域の高齢者とプログラムに参加したり、ご飯を食べたり、交流されていました。よく来たね、久しぶりではない。ゆっくりお弁当を食べるのだよと投げかけてくださる人生の先輩の日常の会話によって、皆が笑顔になります。
国や東京都が進める多世代協働において、このようなモデルケースがある大田区は、今後ここから多くを学び、公民連携で多世代協働、多世代交流を拡充していけると思います。
長く日本人が営んできた本来の地域の支え合いを多世代協働、多世代交流の
仕組みづくりをして取り組むことで、お一人おひとりの人生の輝きの確保、介護保険制度の持続可能性の確保ができると考えます。
そこで伺います。シニアステーション、老人いこいの家に多世代交流を機能させることはできるのでしょうか。
◎浅沼 元気高齢者担当課長 高齢者を中心に、多様な主体が活動したり、多世代が集い、交流する機会の創出は、地域における支え合いを推進していく上で大変重要と捉えております。
現在、シニアステーションや老人いこいの家では、近隣の保育園や小中学校の児童・生徒との交流事業や、多世代が参加できるダンス教室などの事業を実施している施設もあります。
今後、委員お話しの多世代交流の機能の視点を踏まえ、老人いこいの家等の在り方の検討を進め、多様な主体とのつながりの中で、高齢者が活躍する拠点を築いてまいります。
◆小峰 委員 今、グレートリセットのとき。名実ともに、高齢者が住み慣れた地域で、安心して暮らせるまち大田になることを期待し、質問を終わります。
○湯本 委員長 次に、共産、質疑願います。
◆杉山 委員 日本共産党大田区議団、杉山公一です。
最初に、2011年3月11日、午後2時46分に起きた東日本大震災から10年を迎えるにあたり、改めて犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。復興に向けて、たゆまぬ努力をされている被災者の皆さん、自治体の皆さん、被災地への支援を行ってきた全国の皆さんに心からの敬意を表します。日本共産党は、被災者の暮らしと生業を再建し、復興を成し遂げるまで国民の皆様とともに力を尽くす決意です。
それでは、質問に入ります。各会計年度事項別明細書第3款福祉費、第1項社会福祉費、第1目社会福祉総務費、135億6,308万8,000円であります。日本共産党区議団は、長年要望してきた末吉育英基金の存続を要望、直接区財政を投入して、給付型奨学金の拡充を求めてきましたが、近年、末吉育英基金の財政が減少し、危惧していました。このたび、積立基金を活用した給付型奨学金の設立により、引き継がれることになり、大変喜ばしいことです。
143ページ、説明の5、貸付・給付事業、4億2,668万5,000円について伺いたいと思います。
そこで、お聞きします。貸付・給付事業は、2019年度の事業規模に対する実績と、執行率はまた2020年度はまだ終わっていませんが、予算と対比するとどのようになっていますか。また、来年度の予算は、今年度の予算から減額に至った理由を伺います。
◎長谷川 福祉支援調整担当課長 奨学金の実績についてでございますが、令和元年度は当初予算5億8,288万円に対し、第5次補正及び審議会委員報酬なども含め、最終決算額は、4億4,638万円でございました。執行率は97.57%です。
令和2年度につきましては、当初予算4億9,753万円を計上し、執行額は4億円弱となる見込みです。
近年、区奨学金の申込みは減少傾向にあります。これは、国や東京都の就学支援の拡充が影響していると推測しております。
高校等につきましては、国が平成22年から授業料無償化に向けた施策を開始し、令和2年度からは、東京都が4人世帯のモデルケースでおおむね年収910万円未満の世帯までを対象とした授業料の実質無償化に取り組んでおります。
大学等についても、国が平成29年度から給付型奨学金を創設し、令和2年4月からは、おおむね年収380万円までの世帯を対象に、段階的に給付や授業料免除を実施しております。
令和3年度の予算額は、令和2年度当初予算に対し、約9,000万円の減額となっておりますが、直近3年間の奨学金貸付金の減少率に加え、令和2年度秋に実施しました令和3年度進学予定者の奨学生候補者の実績を反映して計上させていただいております。
◆杉山 委員 約9,000万円の減額で、今までの実績等を比較してそうなったとなっています。コロナ禍で大学に進学するにも経済的に大変な状況に追い込まれています。また、在学生もアルバイトがなくなり、大変な状況に追い込まれ、退学も考える、そういう状況にまで追い込まれています。学生を助けるにはこの事業が必要です。さらに、拡充する、そういう方向に進むべきではないでしょうか。
高校生には、昨年までは入学準備金がありましたが、今回なくなっています。積立基金を活用した給付型奨学金について、今年度の予算585万円の対象者は何人ですか。また、一人当たりの金額はどのようになっていますか。
◎長谷川 福祉支援調整担当課長 585万円の予算額のうち、大学等進学応援基金を活用した大学等給付型奨学金の予算として、給付額がお一人15万円で、35名分、525万円を計上しております。
本制度の給付額15万円は、近年多くの大学や専門学校でICT教育の導入が進められる中、パソコンの購入や通信環境整備の初期費用等に活用していただくことを想定しておりますが、使途に制限は設けません。
585万円の予算額のうち、60万円については、末吉育英基金を活用した給付型奨学金の予算額で、給付額お一人30万円の2名分となりますが、少数ですので、募集は行わず、寄付者である故末吉様のご遺志を受け継ぐ形で新たに設置します大学等進学応援基金に活用することを予定しております。
◆杉山 委員 末吉育英基金では、給付対象額について1人30万円でしたが、なぜ半分の額になっているのか、本来ならば同額が望ましいので要望しておきます。
次に、給付型奨学金の応募要領、基準はどのようになっていますか。
◎長谷川 福祉支援調整担当課長 本制度は、大学等へ進学を予定しながら、経済的支援を必要とし、区貸付型奨学金を借り入れる生徒を対象としています。
貸付型奨学金の申込資格として、貸付を開始する日の1年前から、引き続き大田区内に居住している保護者などから扶養されていることとしておりますが、これは、全ての区奨学金の申込資格となっております。
次に、選考基準ですが、貸付型奨学金につきましては、世帯の所得が生活保護基準比の200%以下、平均成績3.0以上としております。
さらに、大学等給付型奨学金につきましては、生活保護基準比の150%以下、平均成績4.3以上としていますが、これは末吉育英基金による給付型奨学金の考え方を継承しております。
◆杉山 委員 応募が多かった場合はどのように選考しますか。
◎長谷川 福祉支援調整担当課長 まず、募集人数についてでございますが、直近3年間の貸付型奨学金申込者の所得及び成績基準を抽出し、本制度の基準を満たす方の割合を、平均申込者数205人に乗じることで35名と見込みました。
基準を満たす方が募集人数を超える場合には、末吉育英基金による給付型奨学金の考え方を継承して、世帯の所得が生活保護基準比で低い世帯の方から順に推薦し、審議会に諮ってまいります。
◆杉山 委員 生活の厳しい方が多かった場合には選考するとなっているというお答えでした。
2020年度予算案では、40名程度と応募要項ではなっていましたが、今回なぜ35人に減らしたのですか。募集人員の規模も、もとに戻すように要望します。
次に、積立基金を活用した給付型奨学金について、今回の財源、今後の財源の確保はどのようになりますか。
◎長谷川 福祉支援調整担当課長 令和3年度は、4月から納付書や郵便局払込書による寄付受領を開始し、個人情報保護審議会の承認を経る予定の8月以降からクラウドファンディングの活用を開始します。
そのため、初年度は、大学等進学応援基金の予算525万円全額を確保し、それを取り崩して給付することが困難であることから、福祉のためにご寄付いただいている福祉事業積立基金から取り崩し、一般財源に繰り入れる予定です。
令和4年度以降につきましては、寄付金の確保に努めますが、寄付額が予算額に達しなかった場合には、その不足額は福祉事業積立基金から取り崩すことで対応していく予定でございます。
◆杉山 委員 安定的な財源確保に向けて、寄付型、クラウドファンディングで行うとなっていますけれども、2021年の第1回大田区定例議会の区長の開会の挨拶の中では、「クラウドファンディングを活用した大学等進学応援基金を設置するための条例議案を提出させていただきました。新たな給付型奨学金を創設して、進学を控えた生徒へ入学前の3月に奨学金を給付してまいりたいと考えております。これまで大学等進学予定者の給付型奨学金は故末吉様からのご寄付を財源に実施してまいりましたが、そのご遺志を引継ぎ、成績優秀で学習意欲の高い生徒が有用な人材として社会に羽ばたいていけるよう、引き続き支援をしてまいります」と述べています。
給付型奨学金の安定的な財源確保には、寄付型のクラウドファンディングでは安定的な給付型奨学金には至らないのではありませんか。クラウドファンディングで事業を委託する個人情報保護法の観点からも問題があります。
区の財政を福祉事業積立基金に投入して、安定的に奨学金が給付できるようにすることを要望して、次の質問に入ります。
次に、第3款福祉費、第3項高齢福祉費、第2目高齢福祉費、16億1,752万9,000円、157ページ、説明の7、高齢者在宅生活支援事業4億1,775万7,000円、(3)の高齢者補聴器購入助成事業、助成人数88人、予算額177万2,000円の事業についてお伺いします。
難聴者に対する支援は重要です。補聴器により高齢者の生活を快適に過ごせるように、この事業があるわけですが、そこでお聞きします。
2019年度の予算と執行状況、執行率と何人の方が利用されたかお答えください。
◎澤 糀谷・羽田地域福祉課長 令和元年度の高齢者補聴器購入費助成事業の予算額は、197万1,000円、決算額は148万8,823円、執行率は75.5%で、74人の方が助成を受けられました。
◆杉山 委員 74人の方が受けられたということで、申請する条件は、70歳以上の非課税と聞いていますが、大田区には70歳以上の方が何人おられ、対象となる方は現在どのくらいおられますか。お答えください。
◎澤 糀谷・羽田地域福祉課長 令和2年1月1日現在の70歳以上の人口は、約12万7,700人です。そのうち非課税の方につきましては、約7万400人です。
◆杉山 委員 70歳以上の方が12万7,700人、非課税の方が7万400人おられるということです。高齢化社会が進み、今後、昭和の団塊の世代の方々がこの年齢期に入ってきます。ますますこの事業が必要になってきています。
それでお聞きします。これまでの事業を運営してきて、これまでどのくらいの人が補聴器をつけることができましたか。その人数をお答えください。
◎澤 糀谷・羽田地域福祉課長 平成22年度からこの助成事業を実施してきましたが、令和元年度までで778人の方が助成を受け、補聴器を購入されましたので、年間平均約78人の方が利用されていることになります。
◆杉山 委員 2010年から19年までで778人の申請があったということで、これからすると、約1.1%の方が補聴器をつけているということになります。
そこでお聞きします。1回限りの2万円の助成ですけれども、東京都からも半分の助成が出るわけですから、その助成も活用して、補助を拡充すべきではないでしょうか。お答えください。
◎澤 糀谷・羽田地域福祉課長 平成22年度からの10年間の助成の平均は、約78件、平成29年度からの3年間の実績も88件、75件、74件と一定の数で推移していること、令和元年度に実施した
アンケートで聞こえにくさを感じたのは80.6%の方が70歳以上からと答えていること等から、需要に対応できていると捉えており、助成額の増額や対象の拡大については、現在考えておりません。
今後、東京都の高齢社会対策区市町村包括補助事業の動向、他区の状況等を含め、助成の在り方について研究してまいります。
◆杉山 委員 助成の方向を他区の状況を見ながら研究しますということですけれども、もう検討に入るべきではないでしょうか。高額な補聴器ですから、先ほども
アンケートの中で80.6%の方が70歳以上ということで
アンケートを取られているということですけれども、高額な補聴器ですから、区として利用後の状況などを調査、モニターは行われていますか。
◎澤 糀谷・羽田地域福祉課長 令和元年度に平成29年4月1日から、令和元年12月末までの助成を受けた203人に
アンケート調査を実施し、162人の方から回答をいただきました。
「補聴器を利用して生活は変わりましたか」の質問に対し、25.7%の方が「会話が楽しくなった」と答えていて、「仕事に就くことができてよかった」、「会合に安心して出られるようになった」等の感想がある一方、「変わっていない」と答えている方が38.3%いらっしゃいました。
「助成を受けた補聴器は今も使っていますか」の質問に対しては、7.6%の方が「使っていない」と答え、「装着が面倒」、「聞こえが変わらない」とその理由を述べています。
「定期的に補聴器の調整をしていますか」の質問に対しては、「している」が81.1%。「していない」が18.9%でした。「している」と答えた方のうち、「どこで調整しているか」の問いには、89.8%の方が補聴器専門店で調整をしていることが分かりました。
これらの結果を基に、今後の事業の在り方について検討しております。
◆杉山 委員
アンケートを取って、その結果を反映させることは必要なことですよね。十分にやっていただきたいと思います。
また、補聴器にはいろいろな種類があります。アナログ、デジタル、耳穴に装填するもの、耳掛け、ポケットに入れてイヤホンで聞くものなど、また、アナログ、デジタルと様々です。価格も約5万円台から50万円台までいろいろあります。日本共産党大田区議団が実施した区民
アンケートに、聴覚障がい者からの回答がありました。その中から一つを紹介します。
「コロナ禍において、マスク着用がニューノーマルとなりました。聴覚障がい者にとっては非常に厳しい環境になっています。仕事をするため、少しでも聞き取れるようにと高性能の補聴器を購入しました。価格は月給の何倍もします。それでも補聴器だけではマスクに勝てず、会議用に補聴器とリンクさせることができる集音マイクの購入も検討していますが、試してみても健聴者と同様に聞こえるはずもなく、しかも福祉機器は高額で、何のために働いているか分からなくなってしまうのが現状です。障がい者向けに助成いただける補聴器は声が聞こえればよい程度の補聴器でしかなく、障がいを持ちながら社会生活を送るためには、それ相応の補聴器を自分で負担して購入するしかありません。周辺機器も全額自己負担となります。障がい者がストレスなく社会生活が送れるよう、もう少し助成をいただけないでしょうか。区議の皆さんはどうお考えでしょうか」と記入されています。
そこでお聞きします。補聴器を購入するにあたり、専門医療機関での調整のために貸し出し、試してみて、自分に合う補聴器が探せるようサービスなどが専門店で行っていますが、区としても補聴器をつけるにあたってのケアを考える必要があると思いますが、いかがですか。
◎澤 糀谷・羽田地域福祉課長 この制度の申請を受ける地域包括支援センターや地域福祉課での相談の際、専門店の多くは購入を前提に幾つかの補聴器を2週間から1か月ほど貸し出し、装着をした上で自分に合ったものを選び、購入することが可能、購入後の調整については、無料で行っている等の情報を伝えるとともに、高額となる機器ですので、長く使うために購入後も調整をしっかりと行うようお伝えしたいと考えています。
また、チラシを配布するほか、区ホームページ等でのお知らせを行ってまいります。
◆杉山 委員 専門店が行っているということで、そういう部分も広報していくということでありました。
次に、使い始めてからのアフターケアなども今言ったように専門店で行っています。実施しているところもありますが、区としても考えていく必要があると思います。まだ、この事業によって補聴器を購入された方々への健康状態、聞こえの状態など、実態を調査し、改善につなげることも必要だと思いますが、いかがですか。
◎澤 糀谷・羽田地域福祉課長 補聴器を購入した後、自分自身が補聴器を使用した音に慣れていくことと、その後の調整が重要となります。補聴器専門店からは補聴器の調整、メンテナンスはずっと必要であると聞いています。4月から使用するチラシには、「補聴器を購入しても、その後の調整が不十分な場合、聴力の改善が見込めないこともあります。補聴器を購入する際は、自分に合わせて調整してもらい、定期チェックを受けましょう」との文言を入れ、購入後の店での調整が重要であることを区民の方が相談される地域包括支援センターや地域福祉課でも伝えていく予定です。
区内の補聴器専門店には、このチラシをホームページに掲載することを伝え、購入後の調整についてもご協力を依頼しています。併せて、補聴器が必要なことについて、耳鼻咽喉科に受診し、意見書を書いてもらうことで、医師による定期的な検診も含め、聞こえについて継続的に専門家が関わる体制を整備します。
このように、令和元年度に実施した
アンケートの結果を受けて、単に補聴器の購入費助成にとどまらず、聞こえに関する支援が継続され、健康的な生活を送ることができるよう、事業を進めてまいります。
今後の調査の実施に関しては、前回調査との間隔等を考慮しながら、その必要性について研究してまいります。
◆杉山 委員 今後、研究していくという部分と広報をしっかりとしていただくということも必要です。
私も前職は航空機のエンジンの整備を行っていました。事業所の定期健康診断もあり、事業所が聴覚の検査を指定されている事業所でもありましたので、毎年聴力検査をして、若いときは異常はなかったのですけれども、だんだん年を取ると高音域が聞こえなくなると。モスキートの羽音が聞こえなくなると言われています。そういう傾向は毎年検査をして、チェックしていかないと、積み重ねていかないと分からない。大田区の特定健診や長寿健診には、聴力検査がありませんので、今後、聴力検査も含めて検討していただいて、そのデータを取って、聴力が低下していれば、即補聴器の購入を勧めたり、そういうこともやる必要があるのではないかと思います。
2020年11月27日に「難聴と認知機能低下に強い関連性あり」という論文が出されています。国立長寿医療研究センターを中心とした研究グループは、地域在住高齢者の健診データを解析して、難聴と認知機能低下との強い関連性を見出しました。また、日本を含めた人口比で、難聴者は10%前後ですが、外国を含めてそういう状況になっています。その難聴者に対して、海外と比較して、日本では補聴器の使用率が低いことも分かっています。大体14%となっていますけれども、日本は。諸外国は25%から65%まで広範にわたって補聴器をつけて生活を快適に暮らせるよう補助しています。
また、保険適用も国のほうで考えていただくように、大田区からも発信することを強く求めます。
現在、区の公共施設の改修や更新が進められていますが、新しい施設には聴覚障がい者が利用しやすい環境のためにも、磁気ループを設置することを求めて、私の質問を終わります。
○湯本 委員長 次に、エール、質疑願います。
◆平野 委員 エールおおた区議団の平野春望です。皆さん、お疲れのことだと思いますが、あと少しだけ我慢して聞いていただければと思います。
本日は、福祉費の中で発達障がいの施策についてお聞きします。
このコロナ禍で、大田区の発達障がい児の未就学児のために療育を提供しているわかばの家や、区内で未就学児の療育をしている児童発達支援や、就学児の療育を提供している放課後デイサービスの施設に行って、現場のお話を聞いてまいりました。
お話の中であったのは、去年の4月の緊急事態宣言下では、登園自粛をお願いしたり、利用者の方も利用を控えるということがあったり、オンラインや電話で対応したりと、様々に対応する中で、子どもや保護者の方も大変だったということでした。
ただ、7月くらいからは、
感染症対策を徹底して、通所される方もほぼ通常通りになってきたとのことです。
子どもたちも最初は落ち着かない様子もあったが、イベントがなくなった日常の中で現在は落ち着いているというお話を聞きました。
発達障がいの子どもは変化に弱いので、運動会や発表会など変化があると落ち着かなくなるという特性があります。発達障がいの子どもにとっては、落ち着いた環境で変化がなく過ごせる面もあってよかったという話も聞きました。
一方で、これが長期にわたると、変化を経験するイベント等が全くない環境は、
子どもたちが変化を経験し、慣れる練習でもあるので、こういった環境を不安視する声もありました。
質問します。コロナ禍でこれらの区内の事業所がどうなっていたのか、把握していること、また次年度に向けてその教訓から対策していること、検討していることがあればお答えください。
◎曽根 障害福祉サービス推進担当課長 コロナ禍での事業所の運営状況ですが、区内小中学校の臨時休校に伴い、放課後等デイサービスは平日も午前中から施設を開所いたしました。
利用定員の緩和措置が取られ、多くの受入れを行いました。また、自宅にとどまった児童に対しては、オンラインの活用などによる支援が行われました。
児童発達支援については、昨年4月の緊急事態宣言前後で利用件数が一時3割ほど少なくなりました。事業所によりますと、利用を控えられた児童の様子を電話等で保護者に伺ったとのことです。保護者ご自身からも感染への不安などのお話があり、悩みに寄り添い、家族一体の支援を行う事例もありました。
区は、事業所に対し、
感染症対策に要する費用を補うために、サービス継続緊急支援金を支給いたしました。また、臨時的対応で複雑になった障害児通所給付費の請求について、早く、正確な処理ができるよう、事務手続を支援いたしました。
来年度に向けて、引き続き様々な変更に戸惑うことがないよう、事業所が
子どもたちの支援に注力できるよう、支援してまいります。
◆平野 委員 ぜひ、現場で子どもの支援に注力できるようによろしくお願いいたします。
こういったコロナ禍で、障害児通所支援施設や保護者の方も日々未知の新しい問題に直面し、いろいろと相談したいことも多くあると聞いております。また、保護者の方から、どこに相談すればよいのか、コンシェルジュのようなものが欲しいというお声もいただきました。
質問します。現在、障害児通所支援施設などに通っていない発達障がいの疑いのある児童の保護者がどこに相談すればよいのか、より一層の関係機関の連携と、分かりやすい
相談窓口の周知徹底を図っていただきたいと思います。区のご見解をお答えください。
◎要 障がい者総合サポートセンター次長 発達障がいに関しては、周囲の大人が早期に気づき、適切な対応をしていくことが大切です。
区では、就学前のお子さんには、こども発達センターわかばの家、就学後は障がい者総合サポートセンターにて相談を受ける体制を整えております。
なお、乳幼児健康診査などで、心身の発達に遅れや偏り、またその疑いのある場合には、こども発達センターわかばの家をご案内し、早期の対応につなげております。
令和2年度からは、わかばの家が障がい者総合サポートセンターの所管となり、これまで以上に連携強化を図りました。
現在、
相談窓口の周知については、発達障がい啓発パンフレットを保育園や児童館、学校、図書館などにも配布しているほか、区のホームページ等でもご案内しております。
今後も、引き続き関係機関と連携を図るとともに、区民の皆様に分かりやすくご案内できるよう、努めてまいります。
◆平野 委員 どの窓口に相談しても、適切な
相談窓口につないでいただき、利用者が困らないように、分かりやすく丁寧にご案内をしていただければと思います。
また、発達障がいの
子どもたちにとって長い時間を過ごす親御さんの役割は大事です。そして、コロナ禍で長く親子が一緒にいることが多くなっています。そこで、教育センターで行われているペアレントトレーニングの枠を今よりも増やしたり、大田区の両親学級で配信されているように、動画を一部視聴できるようにしていただきたいと強く要望して、次の質問に移ります。
区では、令和3年4月より、全区立中学校でサポートルームが開設されると聞いております。とてもすばらしいと思う反面、それだけ昨今の学校の現場では発達障がいの疑いのあるグレーゾーンの子どもが増え、学級運営も大変であるというお話を聞きます。
その中で、現在、都議会で予算審議中だと思いますが、令和3年度の東京都の予算に小中学校の通常学級に発達障がいのある子どものために支援を行う特別支援教育支援員が配置されると聞いておりますが、大田区の学校特別支援員や学校特別補助員との関係をお答えください。
◎池 学校職員担当課長 現在、区では、小中学校の通常学級に通う児童・生徒のうち、発達障がいを有する場合、会計年度任用職員として、週24時間勤務する学校特別支援員、及びこれに満たない配置時数として、報償費対応の学校特別補助員を配置し、対応しているところです。
小学校では、支援員と補助員を各学校の実情に沿った配置を行っております。中学校では、補助員のみの配置となっております。これは、発達障がいにより、支援を必要とする児童・生徒は、小学校、特に低学年に多いという傾向によるものです。
東京都における特別支援教育支援員は、現段階では詳細な説明がない中ではありますが、現在、区で配置している学校特別支援員、または、学校特別補助員に相当するものと考えております。
◆平野 委員 この都の制度で、大田区の学校特別支援員や学校特別補助員が賄える部分もあると思いますが、さらに新しい人を追加して、例えば、1人のところを2人にできるような体制を求めます。
質問します。今ある特別支援員や特別補助員に加えて、この都の特別支援教育支援員促進事業を活用し、さらに各学校に追加配置してほしいと考えますが、区のご見解をお答えください。
◎池 学校職員担当課長 大田区では、現在、学校特別支援員及び学校特別補助員の配置は区の単独事業として実施しているところです。このたび、東京都において新設予定の特別支援教育支援員の促進事業については、現在のところ、補助金交付要綱等の詳細については明らかにされておりませんが、その概要において、令和3年度については、実行に向けた計画書の提出が求められ、週35時間以上の支援員の配置に係る経費が対象となる見込みです。
また、1校当たり週35時間及び年間35週を限度に、2分の1の補助金交付の可能性があると思われます。
今後、東京都からの補助事業について、適用条件などの詳細が示された段階で、内容を精査の上、活用の可否を判断し、より充実した支援体制の確立及び必要な財源確保を踏まえて検討してまいります。
◆平野 委員 より充実した支援の体制の確立というお話がありましたので、ぜひ適用条件などの詳細が示されましたら、前向きに進めていただきたいと要望いたします。
以上で、質問を終わります。
○湯本 委員長 本日は、この程度をもって、
予算特別委員会を閉会いたします。
午後4時49分閉会...