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  1. 港区議会 2018-09-11
    平成30年第3回定例会−09月11日-10号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    平成30年第3回定例会−09月11日-10号平成30年第3回定例会  平成三十年 港区議会議事速記録 第十号(第三回定例会)   平成三十年九月十一日(火曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十三名)       一  番  玉 木 まこと 君      二  番  榎 本 あゆみ 君       三  番  山野井 つよし 君      四  番  兵 藤 ゆうこ 君       五  番  丸山 たかのり 君      六  番  池 田 たけし 君       七  番  黒崎 ゆういち 君      八  番  小 倉 りえこ 君       十  番  榎 本  茂  君      十 一番  横 尾 俊 成 君       十 二番  清 家 あ い 君      十 三番  ちほぎ みき子 君       十 四番  やなざわ 亜紀 君      十 五番  有 働  巧  君       十 六番  鈴 木 たかや 君      十 七番  土 屋  準  君       十 八番  大 滝  実  君      十 九番  いのくま 正一 君       二 十番  杉 浦 のりお 君      二十一番  なかまえ 由紀 君       二十二番  阿 部 浩 子 君      二十三番  近 藤 まさ子 君       二十四番  ゆうき くみこ 君      二十五番  二 島 豊 司 君       二十六番  池 田 こうじ 君      二十七番  熊 田 ちづ子 君       二十八番  風 見 利 男 君      二十九番  七 戸 じゅん 君
          三 十番  杉本 とよひろ 君      三十一番  林 田 和 雄 君       三十二番  清 原 和 幸 君      三十三番  うかい 雅 彦 君       三十四番  井 筒 宣 弘 君     一 欠席議員(一名)       九  番  赤 坂 大 輔 君     一 説明員       港   区   長        武 井 雅 昭 君    同 副  区  長        田 中 秀 司 君       同 副  区  長        小柳津  明  君    同 教  育  長        青 木 康 平 君         芝地区総合支所長                      麻布地区総合支所長       同                新 井 樹 夫 君    同                有 賀 謙 二 君         環境リサイクル支援部長兼務                 子ども家庭支援部長兼務         赤坂地区総合支所長                     高輪地区総合支所長       同                森   信 二 君    同                野 澤 靖 弘 君         保健福祉支援部長兼務                    街づくり支援部長兼務         芝浦港南地区総合支所長       同                星 川 邦 昭 君    同 福祉施設整備担当部長     佐 藤 雅 志 君         産業・地域振興支援部長兼務       同 みなと保健所長        阿 部 敦 子 君    同 街づくり事業担当部長     坂 本  徹  君       同 企画経営部長         浦 田 幹 男 君    同 用地・施設活用担当部長    齋 藤 哲 雄 君       同 防災危機管理室長       長谷川 浩 義 君    同 総 務 部 長        北 本  治  君         会計管理者       同                亀 田 賢 治 君    同 教育委員会事務局教育推進部長 新 宮 弘 章 君         会計室長事務取扱       同 教育委員会事務局学校教育部長 堀   二三雄 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長          大 滝 裕 之 君    事務局次長            河 本 良 江 君                                     議 事 係 長          吉 田 一 樹 君                                                            他五名             ───────────────────────────       平成三十年第三回港区議会定例会議事日程          平成三十年九月十一日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  会期の決定 日程第 三  諸般の報告 日程第 四  代表質問・一般質問        小 倉 りえこ 議員(自民党議員団)        榎 本 あゆみ 議員(みなと政策会議)        林 田 和 雄 議員(公明党議員団)        熊 田 ちづ子 議員(共産党議員団)             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) ただいまより平成三十年第三回港区議会定例会を開会いたします。  今回の応招議員はただいま三十三名であります。したがいまして、本定例会は成立いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十三名であります。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員をご指名いたします。二十四番ゆうきくみこ議員、二十五番二島豊司議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) 日程第二、会期の決定を議題といたします。  お諮りいたします。今回の定例会の会期は、本日から十月五日までの二十五日間といたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田こうじ君) ご異議なきものと認め、さよう決定いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) 日程第三、諸般の報告がありますので、ご報告いたします。  まず、職員に定例会招集の報告をさせます。   〔河本事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三〇港総総第千三百八十四号 平成三十年八月三十一日  港区議会議長 池 田 こうじ 様                                     港区長  武 井 雅 昭       平成三十年第三回港区議会定例会の招集について(通知)  本日別紙告示写しのとおり、標記定例会を九月十一日(火)に招集しましたので通知します。             ─────────────────────────── 港区告示第二百十七号  平成三十年第三回港区議会定例会を九月十一日に招集します。   平成三十年八月三十一日                                     港区長  武 井 雅 昭             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) 次に、平成三十年六月、七月及び八月の例月出納検査の結果について、過誤のないことを確認した旨の報告書がそれぞれ監査委員から議長の手元に提出されております。  六月の例月出納検査の結果について、その概要を職員に朗読させます。   〔河本事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三〇港監第三百七十九号 平成三十年七月二日  港区議会議長 池 田 こうじ 様                                  港区監査委員  高 橋 元 彰                                  同       徳 重 寛 之                                  同       鵜 飼 雅 彦       平成三十年六月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 平成三十年六月二十二日から六月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された平成三十年六月(平成三十年五月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) なお、七月及び八月の結果については、ただいまの報告と同様の内容でありますので、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。  また、報告書は議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三〇港監第四百八十四号 平成三十年八月八日  港区議会議長 池 田 こうじ 様                                  港区監査委員  高 橋 元 彰                                  同       徳 重 寛 之                                  同       鵜 飼 雅 彦
          平成三十年七月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 平成三十年七月二十四日から七月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された平成三十年七月(平成三十年六月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── 三〇港監第五百六十三号 平成三十年八月三十日  港区議会議長 池 田 こうじ 様                                  港区監査委員  高 橋 元 彰                                  同       徳 重 寛 之                                  同       鵜 飼 雅 彦       平成三十年八月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 平成三十年八月二十四日から八月二十八日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された平成三十年八月(平成三十年七月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) 次に、法人の経営状況に関する書類が区長から議長の手元に提出されております。朗読は省略し、通知については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、ご了承願います。  なお、詳細については、書類を議長の手元に保管しておりますので、随時ご閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 三〇港総総第千二百七十三号 平成三十年八月三十一日  港区議会議長 池 田 こうじ 様                                     港区長  武 井 雅 昭       法人の経営状況に関する書類の提出について  地方自治法第二百四十三条の三第二項の規定に基づき、下記法人についての経営状況に関する書類を提出します。          記 一 財団法人港区住宅公社   平成二十九年度決算報告書 二 公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団  (一) 平成二十九年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団事業報告  (二) 平成二十九年度公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団決算書             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) 次に、平成二十九年度港区財政健全化判断比率の報告について、区長から議長の手元に提出されておりますので、その概要を職員に朗読させます。   〔河本事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 三〇港企財第二百六十六号 平成三十年九月十一日  港区議会議長 池 田 こうじ 様                                     港区長  武 井 雅 昭       平成二十九年度港区財政健全化判断比率の報告について  地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成十九年法律第九十四号)第三条第一項の規定に基づき、平成二十九年度の実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率及び将来負担比率(以下「健全化判断比率」という。)について、監査委員の審査意見を付して報告します。          記  一 平成二十九年度港区財政健全化判断比率  二 平成二十九年度港区財政健全化判断比率の審査意見             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) なお、詳細については、既に写しを配付しておりますので、ご確認願います。  以上にて報告を終わります。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) 日程第四、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、八番小倉りえこ議員。   〔八番(小倉りえこ君)登壇、拍手〕 ○八番(小倉りえこ君) 平成三十年第三回港区議会定例会にあたり、自民党議員団を代表して、武井区長並びに青木教育長に質問させていただきます。  西日本豪雨災害、台風、そして先日の北海道での大地震と、本年は立て続けに大きな災害が起きております。犠牲者のご冥福と被災地の一刻も早い復興をお祈りし、我々自民党議員団も、より一層の都市防災に取り組んでいくことを申し上げます。  一方、スポーツの世界では、ジャカルタで行われたアジア競技大会にて日本チーム選手たちの目覚ましい活躍のほか、テニスの全米オープン女子シングルスでは、大坂なおみ選手が優勝の快挙をなし遂げました。二年後の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に大きな期待を寄せるものです。  折しも現在、自由民主党総裁選挙が行われており、九月二十日には次期総裁、すなわち次期総理大臣が選出されることになります。我々自由民主党は、オープンな議論を通じ、広く国民の声を政治へと反映させていく責任を果たしてまいります。  それでは、質問に入ります。  初めに、戦略的長期ビジョンの必要性について伺います。  港区が取り組むべき目標や課題、施策の概要や筋道を明らかにするものが港区基本計画・実施計画です。この六カ年の計画を軸に、区の全体的な施策が進められており、見直しは前期と後期の三年です。この計画に載らなければ事業の着手はされにくく、現在、策定されている港区基本計画は平成三十二年度までのものですが、それ以降に描かれるべき港区の姿が見えにくいものとなっています。例えば、人口増による施設整備など、三年ないし六年の港区基本計画だけでは長期の視点が不十分であり、三年ごとの見直しで計画に載ればいいというものではありません。  港区がどうあってほしいのか、どうあるべきか、この視点があって、初めて港区基本計画が生かされるべきです。十年後、二十年後を考える長期戦略の策定の必要性について、区長の見解を伺います。  各部門の活動計画や推進計画、ビジョンやプランなど、名称は異なれど、類似した期間でさまざまな改定が行われ、港区基本計画の核となっています。見直しのための検証や調査も多く、着実に施策を実行していく前に、職員が疲弊しているのが手に取るように見えてしまっています。現在の港区基本計画における三年の前後期では短く、見直しを検討すべき時期にあると思われますが、検討の必要性についてどのように考えているのか伺います。  次に、行財政運営について伺います。  まず、ふるさと納税についてです。ふるさと納税制度が発足してから十年、昨年度の全国自治体におけるふるさと納税受け入れ額は過去最高となりました。前年度比二八%増の三千六百五十三億円となり、市区町村別における昨年度のふるさと納税による住民税控除額では、全国トップが横浜市の百三・七億円と発表がありました。この横浜市をはじめ、地方交付税の交付を受ける多くの自治体においては、流出した住民税の四分の三は補填されますが、東京二十三区などは独自の税収で財政運営ができるとされているため交付金がありません。ふるさと納税で多額の住民税が流出すると、そのままの額が減収となります。実質の住民税流出額の順番となると、川崎市四十二・三億円、世田谷区四十・八億円、続いて港区の三十一・五億円となり、地方交付金を受け取らない首都圏の市や区が上位に名を連ねています。  港区は返礼品競争からは一線を引き、今年度から、しっかりと港区のために目的を持った特定事業への港区版ふるさと納税制度が開始されました。ふるさと納税制度は、継続的に寄付をしていただくことで初めて安定性が生まれます。ただ、残念なことに、今のふるさと納税制度全般を見る限り、恒久性や安定性にはほど遠く、寄付文化を育てることによる自主性に期待をするには、まだ長い時間を必要といたします。年間一億円の寄付を想定し、特定三事業への港区版ふるさと納税制度が開始されましたが、現時点での反応と、かいま見える今後の課題を伺います。  ふるさと納税制度継続のためには、安定した寄付による財源が前提とされます。来年度は寄附者がゼロになるかもしれない中で、不安定な財源による寄附事業の選択肢をやみくもに増やしていくことは好ましいとは言えません。平成三十年度は約三十一億円の減収、そして平成三十一年度の減収は、これまでと同じ割合だとふるさと納税だけで約四十億円を超えることとなり、そのほかの交付金を含め既に五十億円を超える減収が見込まれていると聞いています。区長には、責任ある事業継続や見直しについてしっかりと考えていただきたく思いますが、港区版ふるさと納税制度の将来設計について伺います。  続きまして、都区財政調整制度についてです。平成三十年度都区財政調整が決定いたしました。特別区長会での取りまとめを経て、都区協議会での検討を経て、合意が図られたものです。東京都からの提案が十三項目、特別区からの提案が七十三項目の合計八十六項目が協議されましたが、合意に至ったのは四十七項目で、調わなかった三十九項目は次年度以降に引き続き検討課題として取り残されています。  協議が調わなかった一部として、地方公共団体情報セキュリティ強化対策事業経費減収補填対策特別交付金、そして児童相談所関連経費が含まれます。その中でも特に児童相談所関連経費については、役割分担について、東京都と特別区の考え方の違いが大きく分かれました。特別区は、業務を東京都から引き継ぐという認識でありますが、東京都は、設置・運営業務が引き続き残っているとし、過去に乖離が認められた清掃事業とは異なると結論づけました。児童福祉法の改正により、特別区でも児童相談所を開設できるようになって、港区においても平成三十三年度の(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの始動に向けて準備を進めているところです。  行政サービスの提供については、港区としても都区財政調整交付金に依存すべきというものではありませんが、二十三区の中でも、港区をはじめとする都心区の行政需要は特別なものが多く、都心区が実施する事業の必要性を東京都にしっかりと理解していただき、十分な財源を確保していただきたいのですが、どのように東京都への働きかけを行っていくのか伺います。  続きまして、財政運営についてです。平成三十一年度予算編成方針が発表となりました。今回から各部局の予算要求から予算案決定までの過程が公開されるという方針がとられることになり、我々区民から幅広く意見を聞き、予算案に反映できる仕組みとされていくとのことです。透明性の高い区政運営を期待しています。  平成三十一年度予算編成の基本方針において、編成過程を公開することでどのような効果を狙っているのか、公開にどのような意味があるのかを改めて伺います。  また、区立小・中学校においても、地域の特色や独自の教育を行うため、さまざまなことに尽力されておりますが、区立小・中学校からの予算要望をどのように来年度の予算編成に反映・実現させていくのかを教育長に伺います。  一定規模の財政調整基金を確保し、どのような状況でも安定した財政運営ができるよう、中・長期的な視点に立った磐石な財政基盤に向け尽力されています。当面、人口増による特別区民税収入は堅調に推移するものと見込まれており、平成三十年度特別区民税の当初課税額もおよそ七百八億円となり、初めて七百億円台に到達し、過去最高となったと聞いております。一方で、港区は都区財政調整交付金の普通交付金が交付されない状況や地方消費税の見直し、ふるさと納税による財源の流出など、単年度で区財政を左右する要因も多くなってきました。健全な財政運営を維持していくための今後の取り組みについて伺います。  次に、特区制度について伺います。  現在、港区においては国家戦略特区アジアヘッドクォーター特区、そして構造改革特区が適用されています。この中で、まず港区は、平成十七年に構造改革特区を活用した国際人育成を目指す教育特区の認定を受け、これによって小学校には国際科、中学校では英語科国際を設置し、外国語科授業時数を増やすことができるようになりました。このことを契機とし、港区は国際色豊かな環境で国際人を育てる教育体制を充実することとなり、国際学級の開設や日本語学級の増設につながっております。  港区はトップランナーとして、公立学校でも特色ある国際人育成教育が行えることを実践しております。教育特区化したことでさまざまな恩恵を受けることにつながりましたが、教育環境の改善がどのように行われ、どのような効果がもたらされたのか、教育長に改めて伺います。  国家戦略特区アジアヘッドクォーター特区は、国や東京都から指定された範囲の中に港区も含まれているため、構造改革特区のように港区が自ら特区申請したものではありません。その中で、港区が活用した国家戦略特区制度は、主に都市再生特別措置法や都市計画法に関する事業が中心であって、再開発事業以外では、港南緑水公園内に規制緩和を活用した保育所が一園開園することになりました。都心部では特区認定を受けた大規模再開発が続いており、外資企業の誘致を拡大したり、国際都市を目指す港区としても、強みを十分に生かした事業を実施するために積極的に特区を活用していただきたいと思っております。  港区が抱える課題を国家戦略特区の活用で解決できるのであれば、もっと活用を視野に入れた行政運営をお願いしたいと思いますが、今後の活用についてどのような方針があるのか伺います。  全国では、産業振興の国家戦略特区の連携事例として、商店街が主体となったエリアマネジメント事業の中で、道路占有事業の規制緩和がされ商店街の振興につながっている事例もあることから、商店街と観光を結びつけた港区の商店街らしさを将来へ残せる新たな制度ができるかもしれません。特区制度を活用した産業振興には、まだまだ可能性があるのではないかと思っております。ぜひ積極的に検討していただきたいと強く要望しておきます。  さて、本年三月に発表された第三次港区産業振興プランでは、第四章で「国家戦略特区による新たなビジネス機会づくり」として、新たなビジネス機会の創出や企業等との連携の強化を掲げています。国家戦略特区などを活用した産業振興施策として、現在の取り組み状況や今後の展開についてどのように考えているのか伺います。  次に、人口増に伴う対応について伺います。  港区に住み続けたい、住みたいと感じていただくことは、港区が暮らしやすい場所であることを意味します。人口が十五万人を割ったときには、定住人口を増やす取り組みが第一とされ、港区開発指導に係る定住促進指導要綱による住宅建設の際の容積緩和が人口流入にとても大きな役割を果たしました。その結果、人口は増加に転じ、特別区民税収入も回復し、今の港区につながっています。しかし、今の港区は、人口増に伴うさまざまな課題に直面しており、短期間では解決のめどが立っておりません。  中央区はことし、居住用物件の容積緩和制度の廃止を打ち出しました。江東区でも、十月以降に開発する大規模ファミリー世帯向けの住居数の二割以上に四十平米未満の住戸の附置義務をつけることとしています。人口流入・人口増による教育・福祉施設の整備が追いつかないとして決断されたものです。  港区の人口は増え続けていますが、将来的な人口減少はいつの日か必ずやってきます。現時点での推計は、十年後に人口三十万人を超え、その先、十年前後で人口は増加から減少に転じます。それでも二十年後の港区は、今の時点より人口は五万人ほど多く、幼年人口、生産年齢人口、老年人口は当然多くなります。今と同じ人口まで減少するとしても、その先、数十年は要するでしょうから、港区は少なくとも三十年、四十年の間、今より多い人口と限りある施設で区民の暮らしの向上に努めていかなければなりません。人口増加に伴う施設の整備を計画性を持って検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。  全ての世代の人口が増加している港区においては、多様な行政の需要が出てきています。多くの方が関心を持つ保育需要だけではなく、高齢者施設や区立小・中学校の規模拡大、建て替えに伴う仮校舎の確保等さまざまな需要があり、まとまった土地がないことから、本当に必要なエリアでの用地取得は緊急の課題となっています。人口増加を見据えた施設整備を前もって進めていただきたく思いますが、何十年という長期視点で考えると、ある時点から人口減少に転化する前提で、用地の積極的取得は避けたいという考えのもと、既存施設の活用や複合施設の建設へシフトすることは理解できます。  港区公共用地買収基金を活用し、用地を先行取得していくとしていますが、民有地も必要な場所は積極的に取得するための計画を各部署に持っていただきたいと思います。しかし、人口増加による多様な行政需要があるにもかかわらず、検討や計画が順調に進んでいない事業があります。そのほとんどが用地という問題を抱えており、用地取得のある程度の算段と見通しをつけるのも部署ごとと聞くこともあります。用地確保・取得のためのプロセスをよりスムーズに、より効果的に、よりよいものにしていただきたいのですが、いかがでしょうか。  また、教育委員会は、学校用地取得に関してもっと危機感を持っていただきたいと思います。学校の隣地などの本当に必要な用地を取得することは難しく、条件面での折り合いがつかないケースも少なくありません。用地の確保や交渉の均衡を担うべき所管がありますので、教育委員会にはしっかりと用地に関する要望を切実に訴えていただきたく思います。そのためには、既存・新設問わず、人口増に対応可能な学校施設に関して現実的な計画を立案していただかなければなりません。(仮称)芝浦第二小学校新設に関しては、区有地が活用できたのは非常に大きかったものの、基本構想の策定から開校まで六年を要することになり、新設するということの決断を含めると十年近くの期間を費やすことになりました。人口増に伴う施設拡充には時間を要するものが多々ありますが、検討している間にも人口は確実に増えています。十五歳未満の年少人口に至っては、今より二十年、三十年の間、一万人近く増加する見込みです。学級数の推移や校舎建て替え、仮校舎の確保など、教育委員会にはもっと積極的に学校における施設需要への対応をお願いしたいと思いますが、教育長の見解を伺います。  次に、総合支所制度について伺います。  まず、体制整備についてです。総合支所があることで、行政と区民の距離が身近となりました。地域のことは地域で解決するという目標を持ち、大きなことから小さなことまで我々区民の困り事や相談に丁寧に対応していただき、身近な行政を確実に実施していただいております。この十数年の間に、支援部と総合支所の連携に関してさらなる改善を求め、その結果、今年度から総合支所にまちづくり課の新設に伴うことで多数の業務が移管され、公園の管理や道路工事など地域インフラに関することも、住民の声に耳を傾けながら対応されることとなりました。  これまで以上の地域裁量を十分に考慮した予算編成や人員確保を含む体制整備を強くお願いしたく思いますが、今後の総合支所に求められる業務を遂行する上で、どのような課題を認識されているのか、区長に伺います。  続きまして、教育委員会との連携についてです。総合支所改革は、区長を中心にこれまでさまざまな不断の改革に取り組まれ、各地区総合支所中心の区政運営を強力に推進されてきました。ただ、この総合支所改革から取り残されている部門が一つだけあります。教育委員会です。地区に特色があるように、学校にもさまざまな特色を出すことが推奨され、町会や自治会と深くかかわる学校も多くなりました。図書館や学童クラブ、生涯学習や学校支援本部事業など地域との連携が欠かせない事業も多々あり、地域の課題は地域で解決する目的の中で、教育という観点で総合支所と教育委員会の関係性が不足していると思われます。  各地区総合支所の協働推進課と学校施設のかかわりは多く見受けられますが、そこを通じた教育委員会との関係性はそこまで築かれておりません。教育委員会と区長部局の連携に取り組まれていると聞いておりますが、これまで総合支所改革に教育委員会との関係性を改善するような取り組みはそれほど行われていないことが残念です。教育委員会との連携が進んでいなかったように思われますが、現在の連携状況はどのようなものか、区長と教育長にそれぞれ見解を伺います。
     本庁舎の中だけで完結するより、教育委員会は総合支所にも窓口があってよいと思います。学校転入等、手続きの面でも区民は助かる点が多く、教育委員会との連携のためにもデメリットはないように見えます。地域の課題を地域で解決するという港区の姿勢を形にするためにも、また、区民にとってもよりよい行政サービス向上のためにも、教育委員会の機能を総合支所に設置するなど検討をしていただきたいのですが、区長と教育長にそれぞれ見解を伺います。  続きまして、兼務のあり方についてです。平成十八年度に総合支所が設置され、平成二十一年度に副総合支所長が設置されました。人口は増え、需要が増え、地域や区民との新たなかかわり方が増え、まちづくり課にたくさんの業務が移管され、総合支所の役割はとても大きなものとなっています。現在、総合支所長は本庁舎の支援部長と兼務されています。総合支所長には専任でしっかりと地域と総合支所を支える柱として業務に当たっていただきたいですし、地域のことをよく知るからこそ、支援部との連携や均衡を保つだけではなく、支援部に対して地域の声を伝える重要な役割でもあると期待しております。  支援部長兼務の理由は、地域で起きていることを区全体の各分野の施策に反映させるためとされておりますが、順調な総合支所制度の成長とそれによる地域の特色が鮮明になってきた中で、地区特有の課題を全体の課題解決策として取り組まれているようには見えませんし、兼務させることで特定の地区特有の課題解決に結びついているようにも見えません。先ほど、教育委員会の機能を総合支所に持たせるべきと述べました。総合支所長には、しっかりと地域に目を向け、よりよい港区を足元から専任で支えていただきたく思います。支援部長兼務のあり方について、いま一度検討が必要かと思いますが、区長の見解を伺います。  次に、地域包括ケアシステムについて伺います。  港区内で先行実施している港区地域包括ケアシステムは、平成二十九年九月に赤坂コミュニティーぷらざ内に開設した港区在宅医療・療養・介護相談連携窓口を置くことで、これまで不十分だった専門機関間の連携を強化した体制が整えられることになりました。区内外から、区民以外にも医療機関から、一般的な相談から専門的な相談まで幅広く利用され、当初想定していた高齢者以外に関する相談も多くなってきていると聞いております。  地域包括ケアシステムを将来にわたり持続可能な仕組みとして機能させていくには、状況を見ながら、必要に応じて適宜、修正していくことが求められます。そのためには、必要な方にまずご利用いただくことが何よりも重要です。区民向け、専門機関向けと周知の方法は異なりますが、相談窓口の利用を促進していくための今後の取り組みを伺います。  この九月から、港区では二カ所目となる東部在宅療養相談窓口がみなとパーク芝浦内に開設されました。二つの窓口の名称を東部・西部と分け、一体的に全地区からの相談対応を行うと聞いています。複数の窓口で相談内容や地域で差が出ないようにしていただきたいのですが、運用の方向性について伺います。  次に、予防接種について伺います。  麻しん風しん混合ワクチンについてです。海外では、学校入学時に麻しん、おたふく風邪、風しんの三種混合MMRワクチン接種を義務づけている国もあります。本来、小学校入学時に接種率が一〇〇%となるような制度が一番望ましいわけですが、現在の日本ではさまざまな事情があり、義務づけとまではなっておりません。  港区では、麻しんと風しんのMRワクチンに関して、対象者への接種費用や抗体検査の助成など、接種率の向上を目指す取り組みが実施されていますが、転入や転出が多い中で、MRワクチン接種率を正確に把握するのは難しく、また、区内全ての医療機関がMRワクチン任意接種や麻しん対策事業を実施していないことも、接種機会を逃すことにつながる可能性があります。費用の助成制度は、接種率を上げるために非常に魅力的で、接種について考えたり、接種を促すことにつながり、行政ができる最大級の取り組みです。ただ、助成制度があるから接種を受ける、助成制度がなければ接種しない、このような二極化が進まなければいいと切に願っております。  接種率を上げるために、助成制度以外にもできることは多々あると思います。感染症は、誰かから感染するものということのほか、自分から誰かに感染させてしまうかもしれないものという視点の情報提供も重要ですし、かかりつけ医を持ってもらうことで、成長に合わせた保健予防の正しい知識を家族単位でつけていくことも大切です。  港区は、定期接種に関する調査を行い、接種率が低いという結果が出たと聞いております。三歳児健診や保育園入園時に未接種者への個別勧奨が行われておりますが、個々の接種時期、接種場所、転入・転出の状況、調査を行うタイミングなど、全体像をつかむには困難な理由が幾つかあると思われます。  そこで、小学校や中学校の入学前後や転入の際にも調査や啓発をしていただくことで、より正確な調査による対策が考えられるのではないかと思います。教育委員会と協働で接種率向上に努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターについて伺います。  虐待により幼い命が奪われる痛ましい事件が後を絶ちません。平成二十九年度中に全国二百十カ所の児童相談所が虐待相談として対応した件数は、速報値で十三万三千七百七十八件あり、東京都内においても約一万三千七百件ありました。寄せられる虐待相談の経路は、警察等からの通告が増加し、心理的虐待が全体の半数を超えたとのことです。港区も昨年度は三百八十八件の相談対応があり、増えることがないよう願っておりますが、平成三十三年度の児童相談所開設に向けご尽力いただいている中で、十分に対応可能な人員の確保や育成、早期発見に努められる体制の強化を改めてお願いをいたします。  児童虐待の通報先の多くは警察です。そして、警察から児童相談所に通告があり、非常に残念なことながら通告があった児童の数は年々増加しています。検挙件数に至っては過去最高となりました。児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策が本年七月に打ち出され、子どもの安全確認ができない場合の対応の徹底や関係機関の連携強化の取り組みが推進されます。東京都はそれに先立ち、六月に児童相談所と警察と情報共有の拡大をする方針を出しましたが、全件共有をするところまでは至っておりません。各区で児童相談所を開設できるようになったことから、区内における警察との情報共有のほか、他区ともどのように虐待情報の共有を行うのか、港区の方向性を伺います。  また、警察との連携を図るため、平時より情報交換や人事交流などの連携を進めるために、どのような計画を立てているのか伺います。  (仮称)港区子ども家庭総合支援センターは平成三十三年度開設予定でありまして、新設される児童相談所のほか、一時保護所や母子生活支援施設も併設され、まさに総合的な支援が必要な方へ助けの手が届くような特徴的な施設になる予定です。現在の港区子ども家庭支援センター(みなとキッズサポートセンター)も移転することになりますので、みなと保健所の二階があくことになります。今まで子育て施設としてご利用いただいていた方々に対する利便性や、また保健所という場所による母子保健の向上も考慮していただきたいのですが、あいたフロアをどのように活用する計画なのか伺います。  次に、商店街支援について伺います。  プレミアム付き区内共通商品券発行支援事業についてです。商品券事業の支援を継続して行っていただくことに感謝の言葉以外ありません。七月の商品券販売の際、港区では初めてプレミアム率が二〇%の商品券が発行されました。一〇%プレミアム分を含め、商品券発行総数も通常の一・五倍とあり、販売所にて即日完売がほとんどでしたが、インターネット事前申し込みによる抽選システムもあり、区民・在勤者の皆さんに広く行き渡ることとなりました。港区のご協力もあり、大きな混乱はなかったように思われます。  商品券が使用できる店舗は、港区商店街連合会に加盟する商店街及びその加盟店舗が前提となっています。二〇%のプレミアム付き区内共通商品券は、売り場面積五百平米未満の店舗に特化し、今後も末長く地域に根差した活発な商業活動を展開できるよう、重点的に港区が支援するための新たな取り組みです。このような新規事業が開始されるにあたり、商品券の使用先が大型スーパーマーケットや大型家電量販店である割合が年々増えていったことが背景として挙げられます。小規模店舗での使用が減少し、大型店舗での使用が増加するという流れの中での商店街支援にこの取り組みは非常にありがたいものです。  二〇%プレミアム付き区内共通商品券ができたことで、小規模店舗により特化した港区の支援が可能になりました。この商店街支援の新しい取り組みで商店街にどのような効果がもたらされるのか。また、今後もこうした支援を継続していただきたいと考えますが、区長のお考えを伺います。  次に、住宅宿泊事業について伺います。  本年六月十五日から正式に住宅宿泊事業が開始されました。港区は届出制をとっており、九月一日現在、個人五十三件、法人百四件が登録され、区のホームページでも公開されています。事業者には正式に登録をしてもらいたいという区の考え方は、共存共栄できる民泊制度を目指すためとされています。条例が制定される前から民泊に関するさまざまなご意見があり、関係各所で丁寧に対応されていることに感謝いたしますが、騒音やごみに関する苦情は、条例制定前から少なくありません。また、事業者を公開することで、届け出をしていない、いわゆる違法民泊物件が浮き彫りとなってきました。  事業開始後の適正な運用のためにも、無届け営業やルールに従わない事業者に対しては、指導・監督権限を厳正に行使する体制を整備していただきたく思いますが、無届け事業者などに対してどのように取り組まれていくのか、今後の計画を伺います。  また、港区のほか、警察署、消防署、税務署で関係機関連絡会を組織していると聞いていますが、これから連携して解決すべき課題はどのようなものがあるか伺います。  次に、清掃事業について伺います。  循環型社会を目指す港区において、ごみを出さない努力を呼びかけたり、資源リサイクルの取り組みが積極的に進められております。区民一人当たりのごみ排出量は少なくなったと報告はありますが、人口が増えている港区では、全体のごみ総量は比例して増えており、マンション等が新規建設されるごとに集積所が増え、今では区内全域で一万二千カ所を超える数となっております。清掃車も区の直営が減り、委託が増え、限られたリソースでしっかりと清掃事業を担っていただく必要がある中で、家庭ごみと事業者によるごみ収集の管轄をもっと分けるべきではないかと感じております。  区のごみ収集車が回収する可燃ごみのうち、小規模区内事業者による一般廃棄物が全体の三分の一を超えています。一万二千強の集積所の七割、八割に有料シールが張られたごみが出されているようですが、どのぐらいの数の事業者がこの有料ごみ処理券方式を利用しているか、港区では正確には把握できておりません。ごみの減量は、家庭への対策、少量排出事業者への対策、多量排出事業者への対策と、異なるアプローチをとらなければ全体の効果は期待できません。減量だけでなく、環境美化にもつながります。少量廃棄事業者は港区が把握し切れていないため指導がしにくく、多量排出事業者はそれぞれ業者と契約しているため、直接の指導にも限界があります。事業系のごみに関しては、資源化・リサイクル推進の対策が中心にとられていますが、それだけでは不十分かもしれません。少量排出事業者及び多量排出事業者に対し、ごみの排出方法や回収方法など適正な廃棄物処理に関する指導方法を改善し、ごみの減量につなげていく取り組みも今後必要になるかと思いますが、区長の見解を伺います。  最後に、土砂災害対策について伺います。  ことしも日本各地で想定を超える自然災害が発生し、西日本を中心とした豪雨災害では、要請を受けた岡山県倉敷市及び広島県三原市へ罹災証明発行支援や避難所衛生対策のため、港区から六名の職員が派遣されました。また、先週九月六日に発生した北海道胆振東部地震では、土砂災害によって甚大な被害が出ました。土砂災害ハザードマップに関心を持つことも多くなっています。  自然災害対策に関しては、港区はさまざまなハザードマップを作成し、情報提供をしています。その中でも港区土砂災害ハザードマップは警戒区域などが示されていますが、区全体の崖地はそのほかにも多くあり、どの場所から優先的に安全対策を取るべきなのかが示されておりません。例えば、災害時に重要になる消防や病院などは、建物は壊れなかったとしても土砂災害に遭って機能しなかったら、災害復旧の妨げとなることもあります。また、土砂災害に関しては、港区でも過去に土砂災害警戒情報が発表され、避難勧告を発令したことがありました。  平成二十九年三月には、東京都による土砂災害防止法に基づく調査の結果、レッドゾーンと呼ばれる土砂災害特別警戒区域と、イエローゾーンと呼ばれる主にレッドゾーン周辺の土砂災害警戒区域が新たに指定されました。その後、平成二十九年十一月に改訂された港区土砂災害ハザードマップは、東京都が指定したレッドソーン及びイエローゾーンのほか、港区が独自に平成二十三年度に実施した工作物等基礎調査において目視調査を行った結果、安定度が高くないと判定された「安定度の低い急傾斜地」の位置が示されています。坂が多い港区において、地震や大雨による急傾斜地の崩壊は既に想定されており、開発が進み、住宅地の景観も大きく変わりつつある中、急傾斜地周辺における土砂災害対策の考え方を伺います。  以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての小倉りえこ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、戦略的長期ビジョンの必要性についてのお尋ねです。  まず、長期戦略の策定についてです。区は、これまでも、区民生活の隅々まで目の行き届いた行政サービスを提供するために、常に行政需要を先取りし、長期的な視点に立った区政運営に取り組んでまいりました。ご質問にあるような長期戦略は制定しておりませんが、平成二十七年に策定いたしました港区まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして、二〇六〇年の人口ビジョンをおよそ二十九万人と定め、そして生涯を通して港区で暮らし続けることができるような地域社会の構築を目指しております。今後もこのような人口増加、また社会経済情勢の変化に適切に対応し、区民生活の向上に寄与する政策展開が図れるように、引き続き長期的な視点に立ち、戦略的かつ効果的な区政運営を行ってまいります。  次に、港区基本計画の計画期間を長くすることについてのお尋ねです。港区基本計画は、税収、人口、国の動向などの短期的かつ大幅な変化に対し、迅速かつ的確に対応する観点から、平成十五年度からそれまでの計画期間の八年を六年に短縮するとともに、実施計画と統合いたしました。計画の中間年である三年目に見直しを行うことで、社会経済情勢の変化を的確に捉え、多様化・複雑化する区民ニーズに対応した行政サービスの提供につながっております。港区基本計画の計画期間のあり方につきましては、社会経済情勢の変化に適切に対応した期間となるよう、今後も研究してまいります。  次に、行財政運営についてのお尋ねです。  まず、港区版ふるさと納税制度に対する現時点での反応と今後の課題についてです。ふるさと納税制度は、自ら選択した自治体に寄付をすることで、寄付金額とほぼ同額が住民税及び所得税から控除される仕組みです。区は、本制度や寄付本来の趣旨にのっとり、返礼品によらない港区版ふるさと納税制度を今年度から開始いたしました。昨日までに二十二人の方から百四十五万二千円の寄付と応援メッセージをいただいております。今後は、本日付九月十一号の広報みなとでもお知らせいたしましたが、港区版ふるさと納税制度への理解をさらに促進するために、周知徹底を図るとともに、より多くの人々から区政に関心を持ち、応援いただけるよう、寄附充当事業の充実に取り組む必要があると考えております。  次に、港区版ふるさと納税制度の将来設計についてのお尋ねです。区民生活の向上のために区が実施する事業は、区の責任において必要な財源を確保し、確実に実施すべきであると考えております。港区版ふるさと納税制度は、そうした事業の中でも、区の持つ貴重な資源を活用し、寄付による成果が実感できる事業や、寄付により事業を推進することで区を誇りに思える事業について、寄付を募ることにより、区民の区政への参画を促し、より効果的に事業の目的達成を図るものです。今後も、さらに多くの人々から共感されるとともに、寄付による地域への貢献を実感していただけるように、引き続き寄附充当事業の充実など運用改善を図ってまいります。  次に、都区財政調整制度についてのお尋ねです。都区財政調整制度の協議については、各区それぞれの要望を特別区全体の提案として取りまとめた後、東京都と協議を重ね、合意に至ったものが翌年度の算定に反映される仕組みとなっております。区は、都区財政調整制度における基準財政需要額の算定にあたり、高額な用地取得費をはじめ、路上喫煙対策、公園や運動施設の施設管理など、昼間人口が多い都心区特有の需要が適切に算定されるように、協議の過程で近隣区と連携し働きかけております。引き続き、都心区特有の需要が適切に算定されるよう、粘り強く主張してまいります。  次に、予算編成過程を公開することの効果と意味についてのお尋ねです。予算編成過程の公開は、より透明性の高い区政運営を実現するとともに、区政運営の基本姿勢である参画と協働の一層の推進を目指すものです。予算編成過程を広く情報提供していくことは、区民への説明責任を果たすとともに、区民の区の事業に対する理解を深め、区政への関心の高まりにつながるものと考えております。  次に、健全な財政運営に向けた取り組みについてのお尋ねです。歳入の根幹をなす特別区民税収入は、平成二十九年度決算で過去最高の七百八億円と堅調に推移しているものの、変動が大きい株式等の分離譲渡所得の割合が高く不安定な状況であるとともに、景気や税制改正などの影響を受けやすく、ふるさと納税などによる減収で大きな影響を受けている状況です。今後も、港区ならではの質の高い行政サービスを将来にわたり安定的に提供するために、国・東京都の動向や影響、社会経済情勢を見極め、積極的な歳入確保を図るとともに、経常的経費の縮減など不断の内部努力を徹底し、健全な財政運営を行ってまいります。  次に、特区制度についてのお尋ねです。  まず、活用方針についてです。首都東京の中心部にある港区は、政治、経済の中枢機能が集まっていることから、経済活動拠点の形成など、区特有のさまざまな行政需要が発生しております。そのため、区は、これまでも都市再生や教育などの分野において、特区を活用した事業を実施してまいりました。今後も、港区を安全・安心で魅力ある国際都市として、さらに発展、成熟させていくため、引き続き区が抱える課題解決のために、特区の仕組みを活用してまいります。  次に、国家戦略特区等を活用した産業振興施策の取り組みについてのお尋ねです。これまで東京都は、特区制度を活用して、海外企業を誘致してまいりました。また、国及び東京都は、法人設立の手続を一元化するための東京開業ワンストップセンターを赤坂に設立するとともに、区内複数箇所にビジネス交流のためのMICE機能強化拠点の整備を予定しております。  これまで区は、特区制度により整備誘致された環境を生かして、区内中小企業の開業支援や海外企業とのマッチングなどを行ってまいりました。今後は、国家戦略特区の指定という優位性を活用しながら、区内中小企業の国際的ビジネス展開の支援を着実に進めてまいります。  次に、人口増に伴う対応についてのお尋ねです。  まず、施設整備についてです。区は、これまでも人口増に伴う施設需要の増大に的確に対応してきましたが、平成二十八年度に、将来の人口動向や社会情勢の変化を見据えて、港区公共施設マネジメント計画を策定いたしました。これは、将来的にも区が保有し、適切に維持管理できる施設総量の目安を八十万平方メートルと見込み、この計画で、引き続き安全・安心で適切な区民サービスを提供し続けるために、施設の長寿命化等による現有施設の徹底的な有効活用や、建物の賃貸借等による多様な整備手法を掲げました。区は、これらの手法を活用し、将来を見据えた施設整備を計画的に推進してまいります。  次に、施設用地の確保についてのお尋ねです。区は、人口増などに伴う需要予測を踏まえながら、公有地・民有地を問わず土地の動向を常に把握するために、全庁を挙げて情報収集に取り組んでおります。こうした活動をもとに、公共施設用地として利用できる土地は、先行的な確保も含め、機会を逃さず取得してきました。また、取得後の区有地は、合理的な施設計画により、複合的な利用を図るなど、区民サービスの拡充のために有効に活用しております。今後も、より一層の需要予測と情報収集に努め、より効果的な用地取得及び活用を進めてまいります。  次に、総合支所制度についてのお尋ねです。  まず、総合支所制度の課題についてです。私は、地域の課題を地域で迅速かつ的確に解決できるように、さまざまな分野の業務を総合支所で実施する総合支所中心の区政運営を行ってまいりました。今後は、総合支所と教育委員会や支援部との連携の強化、総合支所の政策形成機能の向上が重要であることから、地域の学校、図書館との連携を深めるとともに、総合支所と支援部の役割分担の明確化と情報の共有化、政策形成機能の強化に向けた研修体制や執行体制の充実を図ってまいります。  次に、教育委員会との連携状況についてのお尋ねです。総合支所と教育委員会は、教育委員や学校長が保護者や地域の声を直接聞く機会を設け、地域の特性や環境を生かした教育活動の推進と一層の充実を図るため、各地区において地区教育会議を共催で開催しています。  また、総合支所や各地区防災協議会が実施する防災訓練などに、学校の協力のもと、小・中学校の生徒が参加し、地域の一員として、地域の人々とともにまちの安全・安心を守る活動を実践しています。今後も総合支所と教育委員会が連携し、地域で子どもを守り、育む環境づくりに取り組んでまいります。  次に、総合支所における教育委員会の機能についてのお尋ねです。現在、総合支所では、学区域の就学に関する手続を行っております。一方、教育に関する相談等は、学校との調整や就学相談員による専門的な対応が必要なため、教育委員会においてワンストップで対応しております。総合支所における教育委員会の機能につきましては、引き続き検討させていただきます。  次に、総合支所長の支援部長兼務のあり方についてのお尋ねです。総合支所長による支援部長の兼務は、地域の意見や地域の現場で起きている出来事を、総合支所長である支援部長が、自ら責任を持って政策立案につなげる重要な役割を担っております。区民の声や地域の課題を直接、政策として区政全体へ反映することで、総合支所中心の区政運営が有効に機能しています。今後も、兼務に伴う課題を整理し、総合支所から施策を発信するとともに、地域の課題を地域で解決する総合支所中心の区政運営を推進してまいります。  次に、地域包括ケアシステムについてのお尋ねです。  まず、利用促進のための取り組みについてです。区では、区民及び医療機関、介護事業者等に、在宅療養相談窓口の役割や利用方法について、広報みなとや区内デジタルサイネージ等で周知してまいりました。また、本年十二月には、区民に向け、相談窓口の利用案内や相談できる内容、在宅療養生活を支えるさまざまな情報を掲載する「港区在宅療養ガイドブック」を発行し、さらなる周知を図ります。港区医師会や介護事業者、関係機関等に対し、港区地域包括ケアシステム推進会議等を通じ、在宅療養相談窓口の相談対応事例を共有し、利用促進を図ってまいります。  次に、複数窓口での運用の方向性についてのお尋ねです。先行実施いたしました赤坂コミュニティーぷらざ内の窓口の利用実績を踏まえまして、利便性を考慮し、本年九月三日にみなとパーク芝浦内に窓口を設置いたしました。東部及び西部の在宅療養相談窓口は、各窓口が担当する相談区域だけでなく、区域外の区民等からの相談も柔軟に対応することとしております。今後は、港区医師会等と、また病院、介護事業者、関係機関と連携した相談対応事例について、東部及び西部の窓口間で毎月合同連絡会を開催し、情報共有を行い、一体的な運用に取り組んでまいります。  次に、麻しん風しん混合MRワクチン接種率向上の取り組みについてのお尋ねです。  区は、乳幼児健診で予防接種の啓発を行うほか、未接種者へは個別勧奨を実施しております。また、小学校入学前の就学時健康診断の際に、チラシによる接種勧奨も行っています。今後は、教育委員会と連携し、小学校入学説明会の場を活用した勧奨を行うことも検討してまいります。  なお、小・中学校入学後に把握した接種漏れ者に対しては、費用負担なく接種できるMRワクチン任意接種助成事業を案内し、全体の接種率が向上するよう努めてまいります。  次に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センターについてのお尋ねです。  まず、児童相談所と警察や他区との児童虐待の情報共有についてです。新たに設置する児童相談所では、虐待通告受理後の子どもの安全確認や調査、一時保護、家庭復帰などの際に、これまで以上に警察と緊密に連携していくことが必要です。今後、港区における警察と児童相談所の情報共有のルールを定めるために、国が緊急対策で示した取り組みや東京都の連携実績を踏まえ、区内警察とともに詳細を検討してまいります。  また、自治体間においては、速やかで丁寧な情報提供を行うため、対面での引き継ぎや同行しての訪問などを実施するなど、途切れることのない援助を実施してまいります。  次に、警察との連携強化の方向性についてのお尋ねです。区は、児童相談所設置後の警察の知見の活用のために、子ども家庭支援センターに平成二十九年度から警視庁OBを虐待対応専門相談員として配置しております。また、区内警察署からは、港区要保護児童対策地域協議会の一員として、実務者会議や個別ケース検討会議に、少年係の警察官に出席をいただいております。児童相談所設置後は、虐待対応専門相談員の継続配置のほか、安全確認や立入調査、臨検・捜索などの合同研修を実施するなど、より強固な連携ができるよう、準備を進めてまいります。  次に、子ども家庭支援センター移転後のフロア活用についてのお尋ねです。(仮称)港区子ども家庭総合支援センターへの移転後のフロア活用につきましては、子育て支援事業や母子保健事業の充実を含めた総合的な観点から検討してまいります。  次に、プレミアム付き区内共通商品券発行支援事業についてのお尋ねです。  新たな商品券発行支援の取り組みは、消費者の購買意欲を高め、小規模店舗での新たな需要を掘り起こし、商店街全体の活性化につながるものと考えております。加えて、商品券の利用を契機に、消費者に各店舗の魅力を知っていただき、継続的な利用につなげていく効果も期待できます。こうした商品券発行に伴う効果が見込まれることから、本定例会におきまして、商品券の発行支援に関する補正予算案を提出いたしました。商品券発行支援の継続につきましては、商品券の販売実績や利用実績、景気動向、財政的な判断などを踏まえまして、港区商店街連合会と協議しながら検討してまいります。  次に、住宅宿泊事業についてのお尋ねです。  まず、無届事業者に対する今後の取り組みについてです。区は、事業の適正な運営を確保するために、届出事業者を対象に講習会を開催し、宿泊者の衛生の確保やごみ処理、騒音防止等について注意喚起を行っております。また、ルールを守らない事業者や無届事業者に対しては、現地確認や関係者への聞き取り調査により必要な指導を行っております。引き続き事業の適正な運営の確保のために、個々の状況に応じ、立入調査や改善、停止命令などの必要な監督指導を行うとともに、無届事業者等に関する情報収集体制についても検討してまいります。  次に、警察署、消防署等との関係機関連絡会の課題についてのお尋ねです。区は、警察署、消防署、税務署と区による関係機関連絡会をこれまでに二回開催し、区の住宅宿泊事業に関する基本的考え方や条例による規制内容、届出状況等について情報提供を行ってまいりました。今後は、ルールを守らない事業者や無届事業者に対する迅速かつ適切な指導を行うために、それぞれの機関が有する情報の共有が課題です。課題解決に向けて、関係機関連絡会を活用して、さらに連携を強化し、住宅宿泊事業の適正な運営の確保に取り組んでまいります。  次に、事業系ごみの削減についてのお尋ねです。  区は、事業系ごみを削減するために、事業用の大規模建築物への立入指導に加え、ごみ減量セミナーを実施するなど、多量排出事業者への指導・啓発を行っております。また、区が収集している少量排出事業者については、その数が多く、常に変動するために、正確な数の把握は困難ですが、巡回指導等を通じて、ごみの適正排出や分別を指導しております。今後はさらに、事業活動に伴って生じる古紙を分別し、売却すること等によって企業の経費を削減することができることなど丁寧に説明し、実践を促すなど、事業者への指導・啓発方法を工夫し、ごみの削減を推進してまいります。  最後に、土砂災害対策についてのお尋ねです。  土砂災害対策においては、急傾斜地の安全性を高め、災害を未然に防止することが最も重要です。区では、高さ二メートルを超える崖や擁壁の改修工事の費用の一部を助成し、崖・擁壁改修を支援しております。また、急傾斜地の周辺において、大雨により土砂災害の危険性が迫った場合には、直ちに避難し、安全を確保する必要があります。  区は、平時から、土砂災害に備えるためにハザードマップを作成し、土砂災害警戒区域等の場所を示すとともに、避難勧告等の発令基準や避難方法など各地域でお知らせしておるところです。今後も土砂災害警戒区域等の皆さんの安全を確保するために、土砂災害対策の充実に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての小倉えりこ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、学校からの予算要望についてのお尋ねです。  教育委員会では、これまで各幼稚園・学校の修繕や備品購入等の個別要望や、園長会・校長会からの全園・全校に共通する事項の要望を受け、ヒアリングなどにより内容を精査した上で、予算に反映しております。平成三十一年度予算編成に向けては、新たな取り組みとして、園長・校長の豊富な経験や知見に基づく、魅力あふれる幼稚園・学校づくりのための事業提案を予算に反映させる仕組みを試行的に実施いたします。  私が直接、園長・校長からプレゼンテーションを受け、園長・校長自身の幼稚園・学校運営の考え方やそのための取り組みを十分に理解し、予算に反映させたいと考えております。実現性や効果性が高いと判断した事業については、積極的に採用することで、新たな発想による教育環境を創出し、港区における学校教育の質のさらなる向上につなげてまいります。  次に、教育特区についてのお尋ねです。  区が、平成十七年度に国際人育成を目指す教育特区の認定を受け、平成十九年四月に、区立小学校で国際科、区立中学校で英語科国際の授業を始めて、今年度で十二年目になります。国際科・英語科国際の授業では、英語でのコミュニケーション力にとどまらず、全ての学年で日本や他国の伝統や文化等について学習することで、幅広い国際感覚が身につくなどの成果が上がっております。  また、平成二十九年度に実施された全国学力・学習状況調査の結果では、将来、外国へ留学したり、国際的な仕事につきたいと思う児童・生徒が五割を超えるなど、子ども自身の意欲や意識も高まっております。こうした、港区をはじめとした教育特区を活用した先進的な英語教育が、平成三十二年度から全面実施となる新学習指導要領における小学校での英語教科化にも影響を与えたものと考えております。  次に、学校における施設需要への対応についてのお尋ねです。  教育委員会では、これまで区の人口推計に基づき、各小学校、中学校の児童・生徒数に関する独自の将来予測により、計画的に施設整備を実施してまいりました。今後は、各小学校、中学校の周辺開発の中期的な動向や就学状況等を勘案した、これまで以上に精度の高い分析と予測を行った上で、必要な教室数を確保してまいります。あわせて、児童・生徒数が大幅に増加すると見込まれる学校の増改築や仮設校舎設置の可能性等について、早期に調査するとともに、区長部局と連携し、民有地も含め学校の隣接地の活用状況について情報収集するなど、学校における施設需要への対応を迅速かつ柔軟に進めてまいります。  次に、総合支所制度についてのお尋ねです。  まず、現在の各地区総合支所との連携状況についてです。現在、教育委員会の事務については、外国人の就学や教育に関する相談など、児童・生徒の個別事情にかかわる内容において、学校との調整や就学相談員による専門的な対応を要するため、教育委員会が横断的に行っておりますが、基本的な就学に関する手続は各地区総合支所で行っております。  このほか、教育委員が、学校をはじめ教育に係る課題について保護者や地域の意見を直接お聞きし、その解決につなげる地区教育会議や、通学路における危険箇所の把握と防犯対策を目的に、毎年、春と秋に実施している通学路点検などを各地区総合支所と連携して実施することで、教育委員会と各地域がともに子どもの育ちを支え、安全を確保する環境づくりに取り組んでおります。  次に、総合支所に教育委員会の機能を持たせることについてのお尋ねです。教育委員会では、学校教育において、地域と連携・協働し、地域全体で子どもたちの成長を支えていく学校づくりを進めております。現在、学校と地域が連携し、多くの人々が学校教育にかかわることで、教育力の向上や教員の負担軽減を図ることを目的に、学校支援地域本部を小学校六校、中学校三校に設置しております。  各地区総合支所の意見も反映しながら、子ども向けサマースクールにおける企業からの外部講師の派遣など学校と地域をつなぐさまざまな支援を行っております。今後は、こうした取り組みや、現在導入を検討している地域住民が学校運営に参画し、地域の実情を踏まえた特色ある学校づくりを進めていく学校運営協議会制度に、地域の課題や特性を熟知している各地区総合支所が参画することなどを検討しております。総合支所における教育委員会の機能については、地域の課題を地域で解決し、区民が身近なところでさまざまなサービスを受けられる区役所・支所改革の趣旨も踏まえ、区長部局とともに検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(池田こうじ君) 次に、二番榎本あゆみ議員。   〔二番(榎本あゆみ君)登壇、拍手〕 ○二番(榎本あゆみ君) 二〇一八年第三回港区議会定例会において、みなと政策会議を代表して、質問させていただきます。
     私は、ことしの三月末に一児の母となりました。誰かがお世話をしてあげないと一人で生きていくことができない赤ちゃんを目の前にして、私が政治家になった理由である、子どもたちが安心して暮らすことができる社会をつくりたいという思いがより明確になりました。私自身は保育士の有資格者でもあり、育児が大変だということは頭では理解していたつもりですが、実際に今でも毎晩三時間ごとに起き、妊娠期間を含め、この一年間は五時間以上続けて寝られたことはありません。夜も十八時にはお風呂に入れ、ご飯を食べさせ、寝かしつけ、夜の活動は制限されています。また、急な体調不良などにより外出することすら難しい日もあります。  それまでは三百六十五日二十四時間いつでも好きなときに自分の都合で仕事をすることができていましたが、子どもが生まれてからは、あらゆる行動に制約が生まれています。そうした制約に直面するとき、私が生まれた時代は両立を諦め、家庭に専念せざるを得ない時代でした。しかし、そのような過去を経て、専業主婦世帯と共働き世帯の世帯数は逆転し、一九九七年に共働き世帯のほうが多くなってから、さらに増加をし続け、二〇一七年には専業主婦世帯六百四十一万世帯に対し、共働き世帯千百八十八万世帯と倍近くにまで増えています。  仕事と育児が両立できる社会が訪れたと思ったところで、つい最近、東京都内の大学で合格者数の女性比率を三割程度に抑えるため試験結果を改ざんしていたという衝撃的なニュースがありました。女子は大学卒業後、結婚や出産で仕事をやめるケースが多いためと説明していました。それはつまり、結婚して子どもが生まれても男性は何も変わらず働き続けるのに対し、女性が育児のほとんどを担っていることを意味しています。実際に共働き世帯においても、二〇一六年社会生活基本調査の統計を見ると、夫の家事・育児時間は妻の約七分の一しかなく、私の周りの共働き世帯でもワンオペ育児をしているお母さんが大勢います。  子どもを産むことができるのは女性だけですが、お母さんだけが子どもを育てるのではなく、お父さんや家族、地域、社会全体で子どもを育てていくべきです。子どもたちがあすに夢を見ることができる社会を、そしてこの子が生まれてきてくれてよかったと思える、そんな社会をつくっていきたい。私はそのために今できることに尽力します。  それでは、質問に入らせていただきます。  最初に、長期的視点での区政運営について伺います。  まず、長期的視点における財政計画についてです。人生百年時代を迎え、近年生まれた子どもたちの五〇%は百歳まで生きるとも言われています。ことし生まれた私の子どもが百歳になるころ、つまり、百年後の日本、そしてこの港区はどうなっているのでしょうか。  厚生労働省が出している人口予測データによると、一億二千万人いる人口は、二〇六五年には八千万人台まで減少します。十五歳以上六十五歳未満の生産年齢人口は、六〇%から五一%にまで減少し、そのかわり高齢化率が二六・六%から三八・四%にまで増加します。  二〇一七年度の港区の特別区民税は七百七億六千五百万円、特別区税全体は七百六十七億四千三百万円となりました。二〇一八年の基準財政収入額は七百四十一億千八百万円に対し、基準財政需要額は五百八十億円となり、十六年連続で都区財政調整交付金が不交付となりました。これは港区の人口が順調に増え続け、財政が安定している証左とも言えます。  これからの港区を考えてみると、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催、新駅開業、リニア中央新幹線の開業などを控え、さらなる人口増加に結びつく要因が幾つもあります。しかし、一九九五年から一九九六年には港区の人口が十五万人を切った時代もありました。今後進む日本全体の人口減少が、港区の人口動向にも大きな影響を及ぼすことは確実で、二〇三六年をピークに港区は緩やかな人口減少フェーズに突入します。  人口減少は、労働人口の減少と消費市場の縮小により経済活力を低下させます。特に少子高齢化の人口構造は、現役世代の社会保障負担を増加させるだけでなく、消費の落ち込みを通じ経済にさらなるマイナスの影響を与えることになります。これらの問題解決には国の政策や制度改革の影響が大きいですが、私たち基礎自治体の果たす役割、責任も大変重要です。なぜなら、将来的な人口減少によるさまざまな弊害は基礎自治体にも波及し、財政が逼迫したときにも、その中で行政機能を維持する必要があるからです。港区としても国の動向を見守りつつ、将来訪れる人口減少局面における行政サービスの持続性の確保に向け、今から取り組まなければなりません。  港区は将来のために子育て王国基金などの基金で積み立てていることは評価しますが、今の若い世代は少ない人数で高齢者の社会保障を支えなくてはならず、今の子どもたちが健やかに過ごすことができるよう、子どもたちへの投資を積極的に行うべきです。今は安定した財政基盤ですが、百年後など長期的な視点で港区をどのようにつくっていくのか、区長の見解を伺います。  次に、長期的視点における施設計画についてです。港区の区有施設は合計で百三十二カ所、面積にすると合計約五十三・八万平方メートルを保有しています。二〇一六年時点のデータによると、区有施設の用途別構成比率では学校教育施設が最も多く三五・三%、二番目に多いのが保健・福祉施設と行政施設でそれぞれ一一・六%、子育て支援施設は五番目で八・八%となっています。昨年度及び今年度に整備された区有施設は、港区立郷土歴史館やがん在宅緩和ケア支援センター、保育園、学童クラブ、子育てひろばなどが入っている複合施設ゆかしの杜です。保育施設が不足しているから子育て施設が複数入りました。  港区の人口は、二〇一七年に五十四年ぶりに二十五万人を超え、今後も人口増加が見込まれています。港区まち・ひと・しごと創生総合戦略の港区人口ビジョンによると、二〇三六年に三十万四千百六十六人となりピークを迎えますが、近い将来には、港区民は三十万人を迎え、さらなる行政需要は明らかです。人口が増えることでの施設の不足が見込まれ、場合によっては新たな施設を用意する必要もありますが、長期的な観点で施設計画を立てることが求められています。  既に区では施設用途の転用を取り入れており、例えば、二〇二〇年に完成予定の芝浦第二小学校でも施設転用できるようなつくりが計画されています。区の状況により必要な行政施設は変化していきます。その時代ごとに区民需要の高い施設を効率よく提供できるよう、今後、区が建設する公共施設全てにおいて長期的観点から次の時代にも転用できるような施設設計をすべきだと考えますが、区の考えを伺います。  次に、民間企業との連携について伺います。  まず、民間企業との積極的な連携についてです。港区といえども予算に限りがある中では、民間ができることは民間に、民間ではさまざまな制約で賄えない分野を行政が行う必要があります。しかし、現在の区の事業を見渡すと、民間企業と同じことを行っていたり、民間企業に委託したほうがコストも抑えられ、クオリティも高くなる事業が散見されます。民業圧迫の観点も含め、民間企業が既に行っている事業であれば、区は民間企業と連携し、コストの抑制・サービスの向上に努めるべきではないでしょうか。事業の担い手を考えたとき、港区には大企業から外資系企業、またベンチャー企業に至るまで、アジアでも随一の民間事業が集積しているエリアです。区は、企業が多く集積しているこの立地を生かし、より民間企業との連携を積極的に行うべきだと考えますが、区の見解を伺います。  次に、ベンチャー企業の支援についてです。ベンチャー企業とは、常に新規ビジネスを生み続ける企業、新しい技術、新しいビジネスモデルを中核とする新規事業により、急速な成長を目指す新興企業であると経済産業省・ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会で示されており、中小企業の中でも新たな価値を生み出す存在こそがベンチャー企業であると言えます。そして、独創的で斬新な技術、製品、サービスを開発して新たな事業に取り組むベンチャー企業は、経済の活力と雇用の創出を図る重要な担い手として大きく期待されています。今や日本の名立たる企業も世界での存在感を失い、海外へ買収されていることを鑑みると、新たな企業の創出・成長こそが日本に唯一残された成長への道であり、自治体が行うベンチャー企業支援は大変意義があると言えます。  これらベンチャー企業や中小企業への支援とは、単に税金を投入することではなく、その企業が自分の力できちんと経営していくことができるように支援していくべきであると考えます。例えば、ベンチャー企業はこれまで想定されなかった新しい取り組みを行うため、法の整備が追いついていないことも多々あります。Airbnbによって広まった民泊は、急速な増加により、安全面・衛生面の確保がなされていないこと、騒音やごみ出しによる近隣トラブルが社会問題となっていること、観光客の宿泊ニーズが多様化していることなどに対応するため、一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図るものとして、二〇一七年六月に住宅宿泊事業法が成立しました。  それを受け、港区でも家主不在型在宅宿泊事業に対し、制限を行う港区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例を制定。条例が制定されたことにより、ルールを守り、正々堂々と民間事業者は事業を行うことができるようになりました。ベンチャー企業と法律・条例による規制について事例を挙げましたが、こうした例に限らず、創業の多い港区にあっては、規制緩和などベンチャー企業が事業を行っていく上で支援をすべきだと考えますが、区の見解を伺います。  次に、未来への投資である子育て施策について伺います。  まず、産後ケアの拡充について質問いたします。出産は命がけです。私自身もLDRで三十時間かかり出産をしましたが、その後の育児はもっと大変です。港区のような都心部では、自分の親が近くにいない、近隣の人とのつき合いもなく、気軽に相談できる人がいない、夫は仕事で帰りが遅く、ワンオペ育児と頑張るお母さんも多く、また、第一子の出産時の母親の年齢の全国平均は、一九九〇年には二十七歳だったのが、二〇一四年には三十・六歳に、また、二〇一七年の港区では三十三・一四歳と高齢化しています。これらのようなさまざまな要因から産後うつになる人が増えています。「私はとても育児を頑張っている。この子のためにできる限りのことは全てやってあげている。それなのにどうしてうちの子は泣きやまないのか。こんなに頑張っているのに、私は一体どうしたらいいんだろうか」、こんなメールが私のところに届きました。赤ちゃんと二人で部屋に長時間いると不安と恐怖を感じつつも、「私は大丈夫。母親になったんだから頑張らないといけない」と一人で考え込んでしまう人も多くいます。  厚生労働省の発表によると、二〇一六年までの二年間で、産後一年までに自殺した妊産婦は、全国で少なくとも百二人おり、この期間の妊産婦の死因では、がんや心疾患などを上回り自殺が最も多く、また、自殺した時期を見ると、妊娠中が三人、出産後が九十二人と出産後が大半を占めています。さらに、東京都監察医務院などの調査によると、この二十三区では二〇〇五年から十年間に六十三人もの妊産婦の方が自殺したことがわかっています。  先ほどとは別の厚生労働省研究班による東京都世田谷区の妊産婦約千三百人を対象にした心の状態の調査では、自殺まで至らなくても産後二週間時点で、第一子を出産した母親の二五%、四人に一人はうつ病の可能性があると判定されました。これらのことからも、特に第一子の出産・育児は母親に大きな不安やプレッシャー、肉体的・精神的負荷がかかることがわかります。  港区では、産後のお母さん向けに行われているサービスとして、家事支援、産後ドゥーラがあります。どちらも生後百二十日、およそ四カ月までとなっていますが、夜泣きが始まるのは生後六カ月以降になることが多いとされ、お母さんだけでなく、お父さんも、家族全員が睡眠不足による苦痛を感じ、体は大きなストレスを抱えてしまいます。  世田谷区にある産後ケアセンターを視察しました。虐待のリスクの高い特定妊婦へ利用を推奨するケースもあるものの、どんな人でも利用することが可能であり、年間の稼働率は約九五%と大変高いことからも需要の高さがうかがえます。港区でも今年度から産後要支援母子ショートステイ事業を開始しましたが、対象者は、区内在住の特に支援を必要とする生後四カ月未満の乳児とその母親で、子ども家庭支援センターが相談を受理し対応しているケースであり、利用できる人が非常に限定的となっています。  産後にケアが必要なのは、出産したお母さん全員です。港区でも産後うつの防止、育児不安を軽減するなど、産後に悩み苦しんでいるお母さんたちを救うべきです。全員を対象とする産後ケアを拡充することについて区の見解を伺います。  次に、待機児童解消に向けた一歳児枠拡大について質問いたします。ことしも定員超過で認可保育所への入所を断られた待機児童が多くいます。政府は、二〇一七年度末までに待機児童を解消するという目標を掲げていましたが、達成できず、新たに子育て安心プランを策定し、目標を二〇二〇年度末まで先送りしました。港区では、二〇一七年から二〇一八年の一年間で応募者が三百四十人増えました。待機児童は二〇一七年から七十五名減ったものの、二〇一八年も八十九名が待機児童となりました。待機児童数が減ると、私も子どもを預けて働きたいと思う親が増え、潜在需要を掘り起こしたり、また、近隣からの転入が増えるなど翌年の申し込みが増える傾向があり、来年はまた待機児童が増える可能性が考えられます。  ゼロ歳児で保育園に入れないと、翌年の一歳児でも保育園に入れられなくなるため、本来は、まだ育休が取得できる期間中にもかかわらず、保育園に入れる保護者が少なくありません。一歳になるまでは本当は家で子育てをしたいと思っていても、それまで待っていては、自分が仕事に復帰するタイミングに保育園に入園することができないので、預けるにはまだ早いと思っていても保育園に入園させてしまう現状があります。  ゼロ歳児を保育するための公費負担は毎月約三十万円から四十万円かかり、年齢が上がるにつれ負担が減り、四・五歳児では月に約十二万円で済みます。ゼロ歳児は保育士一人の配置に対して三人の保育であるのに対して、一歳児は保育士一人に対して六人の保育が可能であり、また、育休制度が延長されたことなども踏まえ、一歳児の保育定員を拡大すべきだと考えます。ゼロ歳児で無理に入園させなくても、一歳児のときに入園したい人が全員一歳児で入園できるように保育園を整備していただきたいと思いますが、区の見解を伺います。  次に、保育園の質向上に向けたシステム導入についてです。区では、保育士の業務負担の軽減の取り組みを支援するため、東京都が二〇一七年度に実施している補助事業を活用し、私立認可保育所等を対象として、指導計画等の書類作成支援やタブレット端末等による児童の登降園管理等の管理を備えた保育業務支援システムの導入に要する経費を補助しています。しかし、実際のところは、システムが導入されたものの、保育園側がシステムを使いこなせないため使用されていないという声が聞かれます。これでは導入している意味がありません。また、区立保育園では業務効率化のシステム導入などは進んでおらず、本来であれば保育に使える時間をアナログな業務に時間を割いています。システム導入で業務の効率化をすることにより、そこから生まれたゆとりで子どもたちと接する時間が長くなり、より密な時間を過ごすことができるはずです。保育の質向上のために、さらなる業務効率化のシステム導入・活用が必要であると考えますが、区の見解を伺います。  次に、幼稚園需要についてです。国は二〇一九年十月から予定されている消費税一〇%への増税のタイミングに合わせ、二〇一九年十月より三歳児から五歳児の全員と住民税非課税世帯のゼロ歳児から二歳児を対象に幼児教育・保育の無償化を実施するなど、国においても人づくりのための教育・保育にさらなる予算を見込んでいます。  港区には十二園の区立幼稚園と十四園の私立幼稚園があります。港区の幼稚園需要は区全体の年少人口の増加と比較するとさほど多くはありませんが、去年も十二園ある区立幼稚園のうち、三歳児保育を行っている十園中九園で抽選が行われ、うち八十二名が補欠登録となりました。区立幼稚園の抽選に落ちると私立幼稚園、もしくは保育園に行くことになる場合がほとんどです。区立小学校、区立中学校と同様に、区立幼稚園にもできれば自宅から近い場所に通わせたいと思う保護者が多くいます。しかし、現状は希望しても抽選になってしまい、希望の幼稚園に行けるかどうか、結果を待たないとわかりません。区立小学校、区立中学校のように希望する全員が区立幼稚園に通うことができるよう整備をすべきだと考えますが、今後の幼稚園整備について、教育長の見解を伺います。  次に、港区の未来をつくる教育について伺います。  まず、インクルーシブ教育についてです。文部科学省は、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進の資料の中で、「障害のある子どもと障害のない子どもが、できるだけ同じ場で共に学ぶことを目指すべきである。また、特別支援学級と通常の学級との間でそれぞれ行われる交流及び共同学習は特別支援学校や特別支援学級に在籍する障害のある児童生徒たちにとっても、障害のない児童生徒等にとっても、共生社会の形成に向けて、経験を広め、社会性を養い、豊かな人間性を育てる上で大きな意義を有するとともに、多様性を尊重する心を育むことができる。」と報告しています。  港区には小・中学校合わせて八校の特別支援学級があります。特別支援学級に入学すると、学校生活のスタートである入学式では、通常の学級の児童・生徒が名前を呼ばれ席に着いた後、特別支援学級と支援学級の児童・生徒の名前が大きく伝えられ、その中、数名の児童・生徒が入場してきます。通常の学級のクラスと続けて名前を呼び入場させるなど、できる限り通常の学級の児童・生徒と特別支援学級の児童・生徒が一緒に学校生活を送ることができるよう配慮すべきです。  ほかにも運動会で一緒に競技には参加できない、合唱大会では歌うことなく、歌と歌の間に少し楽器で演奏するにとどまるなど、通常の学級の児童・生徒たちと同じ学校生活を送っているとは言えない状況です。その子の学力に応じた個別計画のもと学習指導することはもちろんですが、子どもたちの心を育てる学校生活において、障害のある子もない子もできるだけ一緒に学ぶことができる場をつくるべきだと考えますが、インクルーシブ教育についての見解を伺います。  次に、クリエイティビティにあふれる子どもたちを育成することについてです。AIの目覚ましい発展により、野村総合研究所の研究によると、日本では十年から二十年後には約半数の仕事がAIに取ってかわられるということです。そのような時代に、今の子どもたちは自ら考え、自ら行動できる、AIにはない人ならではの能力にひいでた人材にならなくてはなりません。例えば、状況や相手に応じて臨機応変に対応する能力は、AIよりも人のほうがすぐれています。学んだ知識をただの知識にとどめるのではなく、実際に生活や仕事に応用できるような教育を行うことで、こういった能力を高めることができるのではないでしょうか。時代の変化に合わせ、知識偏重ではない人材を育成するための教育が必要です。  また、大学入試制度も改正され、二〇二〇年には論文など思考力・判断力・表現力が重視される試験へと変化します。この大学入試制度の改正は日本の教育に大きな変化をもたらすことと考えます。さらに、二〇一七年に改訂された新学習指導要領で学校教育への導入が示された教育方針であるアクティブ・ラーニング、主体的・対話的で深い学びは、二〇一八年度から幼児教育を行う施設でも遊びの中でアクティブ・ラーニングのための資質能力を育んでいくことが提唱されています。こうした国の教育方針の流れに沿って思考力・判断力・表現力にすぐれた人材を育成するための教育を行うべきではないでしょうか。クリエイティビティにあふれる個性豊かな子どもたちを育てるために、教科書どおりに授業を行うのではなく、さまざまな工夫が必要だと考えますが、港区としてどのように取り組むのか伺います。  次に、PTA活動に対する保護者の意見について質問します。PTAは、各学校で組織された保護者と教職員による社会教育関係団体であり、任期加入の団体であるため、本来、結成や加入は義務ではありません。したがって、PTAは全ての児童・生徒のためのボランティア活動です。しかし、PTAの役員に立候補だけで役職が埋まることはなく、くじ引きなどで半強制的にPTAに選出されるという学校もあります。  区ではPTA活動の支援として、保護者に対して、「PTA活動へのご理解とご参加について」と手紙を配布するなどしていますが、専業主婦が平日昼間、地域の活動を担っていた時代から変わり、共働き家庭が多くなっている現代では、仕事と家庭と、さらにPTA活動を兼務することは大変な負担となっています。保護者からPTA活動に対して負担が大きいなどの声が教育委員会に届いた場合には学校側に伝え、その後の状況がどのようになったのか把握していただきたいと思いますが、教育長の見解を伺います。  次に、安全で魅力あふれるまちづくりについて伺います。  まず、災害時の液体ミルクの常備について伺います。この夏、厚生労働省が基準を定めた改正省令を施行したことで、乳児用液体ミルクの国内販売が解禁されました。しかし、実際に国内で製造が開始されるまでには時間がかかる見込みのため、東京都は、災害時に乳児用液体ミルクを海外から緊急に調達できるよう、民間企業と災害時における物資の調達支援協力に関する協定を締結しました。先日の西日本豪雨の際には、岡山県倉敷市からの要請を受け、東京都が二千百個の液体ミルクを提供しました。  液体ミルクは開封して吸い口をつけるだけですぐに飲むことができ、常温保存が可能でお湯が不必要なため、災害時には大変有効です。災害時には、安心して利用できる水が調達できない、水があってもお湯を沸かすことができない、ミネラルウォーターが買い占められている、母親が被災し母乳をあげることができない、消毒済みの哺乳瓶がない、哺乳瓶を洗って清潔な状態にしておけないなどの状況になる可能性が考えられ、ミルクしか飲むことができない赤ちゃんにとって液体ミルクは命綱になります。  港区では一年間に三千人を超える赤ちゃんが生まれており、ミルクしか飲めない赤ちゃんは常に五千人程度いると想定されます。大切な赤ちゃんたちを守るため、国が液体ミルクの製造・販売を許可した動きを受けて、港区も備蓄物資の中に液体ミルクを常備すべきです。液体ミルクを常備することについて、区の見解を伺います。  次に、自助の支援についてです。先週も北海道で最大震度七の地震が発生し、六月には大阪で震度六弱が記録されました。被災された方々には心からお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方やそのご家族にはお悔やみを申し上げます。  また、昨晩も千葉県沖で地震が発生し、港区においてもいつ大地震が発生してもおかしくない状況が続いています。  防災は自助が基本です。自助の上に共助・公助が成り立ちます。港区では、家具転倒防止器具などを無償で支給しており、以前は全世帯の助成ポイントが一律でしたが、ひとり暮らしの世帯と四人、五人などの世帯では持っている家具の量も異なるため、助成ポイントに差をつけるべきと要望し続けた結果、今年度より、一人または二人世帯の方は百五十ポイント、三人以上世帯の方は百九十五ポイントと人数が多い世帯にはより多くの助成が受けられるようになりました。すぐに施策に反映していただき、大変感謝しております。区では、さらに自助につながる支援をしていくべきだと考えますが、区の見解を伺います。  次に、JR新駅開業に伴う整備について伺います。JR東日本は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される二〇二〇年の春ごろの暫定開業を目指して、山手線、京浜東北線の田町駅・品川駅間に新駅を設置します。隈研吾氏が日本の魅力を発信していくために、折り紙をモチーフとした「和」を感じられる駅を設計し話題となっています。品川車両基地の見直しによって創出される約十三ヘクタールの大規模用地を、JR東日本が駅だけでなく、まちづくりまで行うのは初めての経験とのことで、指定の展開が注目されています。新駅だけでなく、オフィスや商業施設、住宅などが入る、合わせて八棟の高層ビル、それに広場などを整備する計画です。私の自宅からは新駅を眺めることができ、少しずつ姿が見えてきて完成を楽しみに待っています。  新駅には芝浦、港南、高輪など多くの地域が関係しています。住民の利便性を図るための第二東西連絡道路など区民がより暮らしやすくなるよう区道の整備を進めていますが、さらなる利便性向上のために新駅東側連絡通路の早期整備を要望しますが、区の見解を伺います。  次に、芝浦運河の水質改善について伺います。水の都ベネチアに運河の活用について見てきました。ベネチアは日常のインフラである水上交通がうまく都市の魅力を引き出すツールとなり、観光客でにぎわい活気にあふれていました。また、私が働いていた中国上海の最も人気の観光スポットは上海を流れる大きな川、黄浦江に沿った外灘の夜景で、水辺に向かい合う夜景を見ようと毎日所狭しと人が訪れます。  芝浦にも運河があります。区では、運河・水辺を活用していくとしていますが、なかなか実現に至っていませんし、私を含め近隣住民にとっては、雨の翌日の悪臭、蚊の発生など解決したい問題が山積みです。現在、区では水質調査の結果を区ホームページに掲載していますが、数値が基準値を上回っていたとしても、その結果をただ載せているだけで、そこから次のアクションになかなかつながりません。「運河は区の管轄ではない」という言葉をよく聞きますが、それでは運河のせいで悪臭などに悩まされている芝浦の住民たちの存在を無視していることと同義です。  東京都でも下水の高速浄化施設を導入するなど東京湾の浄化に取り組んでいます。あと二年で東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。お台場の海は水中スクリーンを設置することで、指定の範囲内であれば泳ぐに適した水質になるかもしれませんが、それだけでは根本解決にはなりません。区としても、さらに東京都と連携し、芝浦運河の水質改善に向け取り組むべきだと考えますが、区の見解を伺います。  次に、国内外から選ばれる観光施策について伺います。  まず、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会について伺います。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会まで、ついに二年を切りました。東京で開催されることは大変喜ばしいことであり、この機会に、港区を世界に広くPRすることで区民が港区に誇りを持ち、区全体で誰もが楽しむことができる大会の成功を目指すべきです。港区にも多くの観光客が訪れ、経済効果や国際意識の高まりが期待されると同時に、文化の違うさまざまな国から観光客が訪れることにより、区民の日常生活に支障が出るのではなど、開催に向けていまださまざまな課題が残されています。  最近では、各地でインバウンド観光客の増加による交通機関の混雑、騒音、私有地への無断侵入、撮影禁止場所での撮影、ごみの路上投棄などが問題になっており、これらの問題は観光公害と呼ばれ、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、この観光公害の対策を行うことが求められています。  港区では、トライアスロンが開催されること、また、東京都内で最多の宿泊部屋数があり、東京タワーや六本木ヒルズなど観光名所、商業施設も多くあることから、二〇二〇年に際しインバウンド観光客が増加することは自明です。  ごみの路上投棄については、東京都内でも自治体によって条例が定められており、例えば、千代田区のように路上喫煙に対して過料を徴収している自治体もあります。こうした区ごとの条例やルールは、外国人のみならず、日本人でも理解することは難しく、各自治体で連携をとり、明確なルールを示さなくてはいけません。また、ごみ箱の設置については、ごみ箱を増設した場合、設置したことによってごみ箱にごみがあふれてしまい、衛生上の問題やテロ対策などの安全上の問題があり、単にごみ箱の数を増やすことがいいとも言えません。しかし、ごみ箱を増設しない、またはなくす場合には、ごみは持ち帰ってもらうという日本のルールをインバウンド観光客に広く周知する必要があります。  交通機関については、観光客の増加により区民が日常的に使用する電車やバスなどが混雑し、区民の生活に支障が出ることが予想されます。港区では、区民の足として親しまれている「ちぃばす」が観光客の交通手段になることも考えられます。電車では行けないような場所に「ちぃばす」で行くことで港区の魅力が伝わると同時に、混雑により区民が乗車しにくくなるおそれがあり、区民の交通手段を確保するための対策や観光客による車内での騒音の防止、整列の遵守など、乗車マナーの周知も必要です。  以上のようなインバウンド観光客へのルールやマナーの周知について、区としてどのような対策を講じるのか伺います。  次に、インバウンド観光客向けのナイトタイムエコノミーについてです。二〇〇三年に観光立国を目指し、ビジット・ジャパン・キャンペーンが開始されました。その後、政府はインバウンド観光客数を二〇二〇年に年間四千万人、二〇三〇年には年間六千万人にすることを目標に掲げ、明日の日本を支える観光ビジョンを策定し、毎年その人数は増えています。特に、二〇二〇年にオリンピック・パラリンピック競技大会が開催される東京へのインバウンド観光客の伸びが見込まれており、東京都では、PRIME観光都市・東京 東京都観光産業振興実行プラン二〇一八を策定し、二〇二〇年に東京都に訪れるインバウンド観光客数二千五百万人を目標としています。また、訪れる観光客に魅力的なコンテンツを用意し、消費してもらいたいという狙いもあります。  経済効果を生み出すため、二〇一二年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催地であるロンドンでは、大会期間中に地下鉄の主要路線を二十四時間運行するナイトチューブを行う予定が恒常的なサービスとなり、結果、ナイトチューブは最初の一年間で日本円にして約二百四十億円の経済効果をもたらしました。また、夜行バスにおいても新規路線を追加するなどし、ロンドンの夜間経済の規模は約三・七兆円にまでなっています。  渋谷区では、観光大使ナイトアンバサダーを設置しています。お薦めするナイトコースが掲載された渋谷区観光協会作成の「SHIBUYA NIGHT MAP」はお店の紹介にとどまらず、クレジットカードやWi−Fiが使えるか、メニューは英語対応がされているか、終電は何時までかなど、インバウンド観光客が本当に知りたい情報が掲載されており、大変人気となっています。ナイトタイムエコノミーは住民の安心・安全があってこそ成り立つ取り組みですが、港区には六本木安全安心憲章や港区客引き行為等の防止に関する条例など、住民が繁華街でも安心して暮らすことができるよう整備されており、安心しながらナイトタイムを楽しんでもらえるのではないでしょうか。  港区には、六本木をはじめ赤坂、新橋など繁華街が多くあり、飲食店、バー、ナイトクラブ、レジャー施設など夜も経済が動くお店が多くあります。先ほど紹介した渋谷区の「SHIBUYA NIGHT MAP」のように、現在、区が発行している冊子やウェブでの情報などと同様に、夜に営業を行うお店などを区がまとめて情報発信していただきたいと考えますが、区の見解を伺います。  次に、ノーマライゼーションについて伺います。  まず、音声データのテキスト化についてです。ノーマライゼーションとは、障がい者や高齢者がほかの人々と等しく生きる社会、福祉環境の整備、実現を目指す考え方のことを指します。障がいがある人もない人も、高齢者も若者も同じように快適に過ごすことができる社会をつくるべきです。  港区の聴覚・平衡機能障害の身体障害者手帳所持者は二〇一七年度では三百七十七人おり、五年間この数字に大きな変化はありません。区では手話通訳者等による意思疎通の円滑化を図るなどの支援を行っており、二〇一七年度本事業の利用者数は延べ四十四人、これは先ほどの身体障害者手帳保持者全体の約一一・六%にとどまっています。  厚生労働省による実態調査でも、聴覚障害者のうち補聴器や人工内耳等の補聴器を使用している方が約七〇%、手話をコミュニケーション手段として使用している方は約一九%となっています。そのほかにも身体障害者手帳は持っていないものの、中途失聴や加齢に伴う機能の低下により音が聞き取りにくくなる老人性難聴など、聞き取りにくさにはさまざまな症状があります。  区は、AIやICTの活用に力を入れており、窓口では音声認識を行い、文字情報を共有できるUDトークなどが導入されていますが、二〇一七年には十四件しか利用されておらず、活用し切れていないのも現状です。行政サービスの細かい説明を正確に伝えるためにも、区職員にさらに活用していただきたいと考えます。AIによる音声のテキスト化は一対一の場面だけでなく、式典や会議など多くの人が集まる場でも大きな力を発揮します。話をする講演者の隣にスクリーンを置き、音声がすぐにテキスト化されれば、聴覚障害者も難聴の人も、また健常者でも壇上から遠い席に座ったことで聞こえづらかった人、誰もが文字を見ることで講演の内容を把握することができます。  障がい者と健常者を区別して支援を行うよりも、どちらにも便利で合理的な方法をとることが真のノーマライゼーションと言えるのではないでしょうか。既に区の窓口に導入されているUDトークの利用を促進するとともに、さらに広く公共の場でも音声認識技術の活用を検討すべきだと考えますが、区の見解を伺います。  最後に、パートナーシップ条例の制定について伺います。ある国会議員がLGBTのカップルは子どもをつくらないので生産性がないという人権を著しく侵害する差別発言をして話題となりました。人種、性別、年齢、障がいの有無などに一切関係なく、全ての人々が自分の能力を生かして暮らすことができる多様性、ダイバーシティを受容できる社会をつくっていくべきです。  港区では二〇一七年第四回定例会で、同性カップルの「パートナーシップの公的認証」に関する請願が賛成多数で採択されました。昨年度実施された港区の性的マイノリティの方々への支援に関する調査における当事者へのインターネットアンケートでは、「行政に望むこと」の項目で、戸籍上、同性同士のパートナーやその家族も法律上のパートナー、家族であると認めてほしいが三〇・八%、法律や条例で、LGBTに対する差別を禁じてほしいが二四・八%となりました。  自分たちの個性が偏見にさらされ差別を受けることなく、社会に受け入れられることを願っていますが、当事者の中には、パートナーシップ制度の申請自体がカミングアウトにつながり、そのリスクが制度によって受けられるサービスよりも高いと感じる人も多くいるようです。多様性を受け入れることのできる、誰もが暮らしやすい港区を目指すには、性的マイノリティに対する理解者(アライ)を増やすための啓発を行う必要があり、教育においても性差にとらわれない教育を行うことで、マイノリティに限らず、性規範に苦しむ人たちを減らすことができるのではないでしょうか。現在も啓発などの活動が行われていますが、現状のままでは同性のパートナーが区営住宅への入居申し込みができないことや、パートナーが病気になった際に医療機関で家族と同様の扱いを受けることができない、死後パートナーに財産を残すことができないなど制約が多くあります。  全国では、渋谷区、世田谷区、中野区、伊賀市、宝塚市、那覇市、札幌市、福岡市、大阪市が既にパートナーシップ制度を導入していますが、自治体により拘束力や承認を受けることで得られるサービスの範囲が異なります。来年四月に導入が予定されている千葉市では、パートナーシップ制度に異性のパートナーにも制度の申請が認められており、熊谷市長は、事実婚のカップルも対象とした理由について、同性のパートナーに限定すると性的少数者を浮き彫りにしてしまう。性別で差を設けないことが本来の趣旨であると説明しています。これは性の多様性を受容する社会を目指すにあたって画期的な制度であると考えます。  自治体ごとの制度によって利用者数や満足度に大きく差が出ることがわかっており、パートナーシップ制度を導入するにあたって、これらの例を加味しつつ、よりよく港区に合った制度にするための議論が必要であるとともに、制度の導入に並行して区民の理解を得ることも大切です。当事者に対するアンケートが行われ実態調査が進んでいますが、その後の検討状況について伺います。  最後に、私の出産にあたり、多大なご配慮をいただいた皆様に大変大きな感謝を申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての榎本あゆみ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、長期的視点での区政運営についてのお尋ねです。  まず、長期的視点における財政計画についてです。申し上げるまでもなく、区の財政はもとより、地域の活力はひとえに区民の皆さんのお力で支えられております。区では、いつの時代においても、質の高いサービスを提供し、そして未来の区民にも港区民でよかったと実感していただけるよう、持続可能な区政運営を進めてまいります。そのためにも、変化に応じた効率的な区政運営を心がけるとともに、長期的な財政の安定に効果がある基金の活用や、あるいは、区有施設をはじめとした現有資産の効率的な有効な活用などを進め、将来的な人口減少局面においても、決して揺らぐことのない磐石な財政基盤を堅持してまいります。  次に、長期的視点における施設計画についてのお尋ねです。区は、平成二十八年度に策定いたしました港区公共施設マネジメント計画の中で、フレキシブルな施設整備の推進を掲げました。これは、将来の人口動向に的確に対応した施設需要に合わせて、間仕切りの変更や用途変更を容易に改修できるように融通性、汎用性のある施設計画を改めて示したものです。現在工事中の元麻布保育園や芝五丁目複合施設をはじめ、建築計画中の芝浦第二小学校や赤羽小学校など、今後も同様に、この視点を重視した施設計画を実践してまいります。  次に、民間企業との連携についてのお尋ねです。  まず、民間企業との積極的な連携についてです。現在、区は、企業の持つ発想力やネットワーク、高い技術力を生かし、区民サービスの向上や地域社会のさらなる発展につなげるために、企業との連携・協力に積極的に取り組んでおります。企業との結びつきは、区政に新たな気づきや刺激を与え、これまでにない発想による効果的な行政運営に寄与しています。今後も、特定の企業の利益誘導につながることのないよう留意しながら、区政のあらゆる分野における企業連携を一層推進してまいります。  次に、ベンチャー企業支援についてのお尋ねです。これまで区は、ベンチャー企業を含む中小企業に対して、融資制度や新規開業賃料補助等の創業時における資金面について支援をしてまいりました。加えて、新製品・新技術開発時の補助金、中小企業診断士による創業後の各種相談事業、セミナーの開催など育成面でもさまざまな支援施策を展開しており、今年度は、大学内ベンチャー企業の新技術開発支援を行っているところです。今後は、ベンチャー企業に対する規制の実態把握に努めるとともに、国、東京都など関係機関と連携を図りながら、活発な企業活動を展開できるよう支援してまいります。  次に、未来への投資である子育て施策についてのお尋ねです。  まず、産後ケアの拡充についてです。区では、今年度から産後要支援母子ショートステイ事業を開始し、支援が必要な母子に昼夜を通じ適切な支援を提供しております。また、このほか、産後ケア事業では、妊産婦全員を対象として産前産後家事・育児支援サービス、助産師による母子保健相談、産後サロン事業等の通所・訪問型の事業を実施しております。今後もより多くの方が利用できるように、それぞれの事業の利用実態等も把握して、さらなる拡充を検討してまいります。  次に、待機児童解消に向けた一歳児枠拡大についてのお尋ねです。新規施設の開設や毎年度実施している既存施設の保育定員の見直しにあたっては、現在の待機児童の状況を踏まえ、一歳児の定員がより多く確保できるよう努めております。引き続き、保育定員の積極的な拡大に努めるとともに、開園後間もない保育園の三歳、四歳、五歳児用の空きクラスを、待機児童の多い一歳児の受け皿として活用するなど、待機児童の解消に取り組んでまいります。  次に、保育の質の向上に向けたシステムの導入及び活用についてのお尋ねです。保育士は、日常の保育はもとより、保育日誌の作成、園児の登降園の管理、連絡帳の記入など、多種多様な業務を行っております。区は、保育士の業務負担を軽減するために、昨年度から、私立保育園に対して、保育業務支援システムの導入を支援しており、区立保育園におきましても、今年度末までにシステムを導入いたします。導入にあたっては、保育士向けの研修をきめ細かく実施するなど、実際に使用する保育士がシステムを有効に活用することで、業務負担の軽減や保育の質の向上につながるように支援してまいります。  次に、安全で魅力あるまちづくりについてのお尋ねです。  まず、災害時の液体ミルクの常備についてです。本年八月に国の食品安全基準が改定され、液体ミルクの販売が認められたことに伴い、今後、国内での製造・販売が見込まれます。現時点では、輸入品も含め国内では流通しておりませんが、海外で販売されている液体ミルクの保存期間は半年から一年となっております。今後、製品の保存期間や国内の流通の動向を踏まえ、液体ミルクの備蓄や事業者との協定に基づく調達について、検討してまいります。  次に、自助の支援についてのお尋ねです。自らのことは自らが守る自助の考えは防災の基本であり、けがをせずに自宅で安心して生活するための安全対策と備蓄が重要です。区では、家具転倒防止器具等の助成や、非常用食料・携帯トイレ等の防災用品のあっせんを行い、自助の取り組みを支援しております。  ことし七月には、家具転倒防止器具等助成制度の利用者に対して、防災用品あっせんパンフレットを送付し、室内の安全対策のさらなる徹底を呼びかけました。今後も、家具転倒防止器具等の物的な支援を行うとともに、広報みなと、区ホームページによる啓発のほか、防災訓練をはじめ、あらゆる機会を通して、区民の自助意識をさらに高めるよう取り組んでまいります。  次に、JR新駅開業に伴う整備についてのお尋ねです。JR新駅周辺では、線路を挟んだ東西の連絡性の強化や回遊性を確保するために、区が主体となって、JR東日本などの関係者とともに新駅東側連絡通路の検討を進めております。今後も、区民の利便性がより向上するよう、二〇二四年のJR新駅の本開業に合わせ、新駅東側連絡通路の整備に取り組んでまいります。  次に、芝浦運河の水質改善についてのお尋ねです。芝浦運河の水質の悪化は、多量の降雨により、下水処理場の許容量を超えた雨水と下水が運河等へ放流されることや、汚泥が堆積していること等が主な原因となっております。区は、現在、運河の水質浄化実験や定期的な水質調査に取り組み、東京都とも連携を図りながら、運河の水質改善に向けた効果的な手法を検討しております。  東京都では、芝浦水再生センターや、あるいは下水流域に雨水貯留施設を設置し、急激な下水の増加を抑えることや、また、芝浦水再生センターでは下水の浄化処理能力が従来の二倍である高速処理施設の整備を進め、汚泥のしゅんせつ工事等を進める予定となっております。今後も東京都等との連携を図りながら、運河の水質改善に向けた取り組みを進めてまいります。  次に、国内外から選ばれる観光施策についてのお尋ねです。  まず、外国人観光客へのルールやマナーの周知についてです。区は、観光冊子港区観光&マナーブックやとっておきの港区の中で、みなとタバコルールやコミュニティバス乗車時のマナーなどを四カ国語で表記し、区ホームページなどでも公開しております。今後は、外国人の疑問に多言語で自動応答するAIチャットの活用などにより、ルールやマナーを効果的に周知するとともに、関係機関と協力をしながら、より多くの外国人に浸透する取り組みを進め、誰もが安全・安心で快適に滞在できる港区を目指してまいります。  次に、外国人観光客向けのナイトタイムエコノミーについてのお尋ねです。区はこれまで、港区観光協会と連携し、夜景スポットや飲食店などの観光情報をSNSなどで発信してまいりましたが、夜のまちを安心して楽しみたいと考える方々の視点に立った情報発信も必要と考えております。今後は、港区観光協会や安全・安心なまちづくりのために活動している各地の多様な主体と連携・協働し、区が定めたルールやマナーに賛同する店舗をまとめて紹介するなど、区民生活を第一に考え、そして外国人を含めた観光客が、安全で安心して夜の時間を楽しむことができる情報発信に取り組んでまいります。  次に、ノーマライゼーションについてのお尋ねです。  まず、音声の文字化についてです。区は、区民との円滑なコミュニケーションを図るために、音声を文字に変換するタブレット端末を各地区総合支所等に配備しております。タブレット端末を活用した区民への丁寧な案内に向けて、障害者差別解消法の職員研修に加え、今年度から新たに窓口職員に対して職場での操作研修を実施しております。今後も、タブレット端末のさらなる利用促進に努めるとともに、式典などでの音声の文字化の活用について幅広く情報収集するなど、障害の有無にかかわらず、必要な情報を必要な人に確実に届ける情報バリアフリーを推進してまいります。
     最後に、パートナーシップ条例の制定についてのお尋ねです。昨年度、区は、同性カップルに提供できる行政サービスの現状を調査し、結果を取りまとめました。また、性的マイノリティの方々を対象に実施したインターネットアンケート調査につきましては、本年十月に、学識経験者による分析結果に関する庁内学習会を予定しており、それらを区の取り組みに生かしてまいります。  また、十月下旬から十一月にかけて、人権に関する区民意識調査を実施し、より幅広く実態把握を進め、今年度中に結果を取りまとめる予定です。これらのことを踏まえまして、港区にふさわしい施策を検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまのみなと政策会議を代表しての榎本あゆみ議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、区立幼稚園の整備についてのお尋ねです。  教育委員会では、区立幼稚園の定員拡大を順次進めており、毎年度抽選となっている三歳児については、平成二十七年度から今年度までの四年間で百二十三人の定員拡大を行いました。さらに、平成三十一年度は、平成三十年度の園児募集結果を踏まえ、園舎増築により、麻布幼稚園で二十五人の定員拡大を行うほか、四園の区立幼稚園において、一学級の定員見直しによる定員拡大も検討しております。今後も、これまでの区立幼稚園の入園状況を分析し、その結果を踏まえた定員の設定に努めてまいります。  次に、港区の未来をつくる教育についてのお尋ねです。  まず、インクルーシブ教育についてです。インクルーシブ教育は、障害のある子とない子が、ともに学び、互いを尊重し合う共生社会の実現を理念としております。区立小・中学校では、特別支援学級と通常の学級との共同学習や、遠足や、運動会における交流活動を行っております。また、都立特別支援学校の児童・生徒も副籍制度を活用して、居住する学区域の小・中学校の授業や行事に参加し、ともに活動する機会を保障しております。今後も、児童・生徒が障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合い、ともに活動する機会の創出に向け取り組んでまいります。  次に、クリエイティビティにあふれる子どもたちを育成することについてのお尋ねです。クリエイティビティ、いわゆる創造力にあふれる子どもたちの育成には、社会の変化に積極的に向き合い、生涯にわたって能動的に学び続ける資質・能力を育むことが重要です。  現在、各幼稚園では、遊びを通して創造する力を育んでいるほか、各小・中学校では、サントリーホールでの音楽鑑賞教室や、区内の美術館での本物に触れる文化・芸術教育により、情操を豊かにし、創造性を高められる子どもの育成に努めております。今後、幼稚園における、創造的な遊びの一層の充実や、小・中学校における、総合的な学習の時間での自己の興味・関心を探求する授業、課題解決を筋道立てて進めるプログラミング教育など、さまざまな取り組みを充実させることで、自ら学び、考え、行動し、未来を創造する子どもの育成を進めてまいります。  最後に、PTA活動に対する保護者の意見についてのお尋ねです。PTAは、学校行事や地域行事の参加を通して、子どもの教育環境の充実のために、重要な役割を担っております。保護者からは、PTA役員の決め方やPTA活動の負担等について、これまで幾つかのご意見をいただいており、その際には、PTA役員や学校に伝えるとともに、その後の状況把握にも努めております。  あわせて、教育委員会では、毎年開催の区立幼稚園・小学校・中学校の各PTA連合会との懇談会で、PTA活動における課題を共有し、その解決に向けた協議を行っております。今後も、保護者からのご意見をPTA役員や学校に伝え、確実に状況を把握するとともに、それぞれの保護者の状況に応じて、可能な範囲でPTA活動に参加していただけるよう、学校や各PTA連合会と連携し、取り組んでまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○副議長(七戸じゅん君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                        午後三時十八分休憩                                        午後三時四十分再開 ○議長(池田こうじ君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  一般質問を続けます。次に、三十一番林田和雄議員。   〔三十一番(林田和雄君)登壇、拍手〕 ○三十一番(林田和雄君) 平成三十年第三回港区議会定例会にあたり、公明党議員団を代表して、武井区長並びに青木教育長に質問をさせていただきます。  初めに、本年発生した西日本豪雨災害、台風二十一号、北海道胆振東部地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、ご遺族の皆様や被害に遭われた皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。  さて、本年は七月初旬に西日本を広範囲に襲った豪雨による死者は二百人を大きく超え、平成に入って最悪の豪雨災害となりました。また、九月四日、西日本を襲った台風二十一号の被害では、大阪、滋賀、愛知、三重で計十一人が死亡。総務省消防庁のまとめでは、大阪や愛知など二十一府県で計二百九十二人が負傷し、住宅被害は大阪をはじめ十七府県で、一部損壊や床下浸水など計三百十七棟、停電は五十四万戸にも上っております。関西空港では高潮による冠水や連絡橋へのタンカーの衝突による事故で約八千人に上る方々が孤立しております。都市部の脆弱な災害対策を露呈した、こういった状態でございました。  さらに、九月六日深夜、北海道を襲った震度七の地震では四十一名に及ぶ尊い人命が失われました。電力供給が間に合わず、北海道全域が一時停電となりました。全域停電の影響で人工透析など医療機関の診療が危ぶまれたり、液状化による道路の寸断による交通網の破壊、また、広範囲に及ぶ地すべり、土砂崩れが発生しております。改めて、各地域の危機管理と災害対策の現状を見直さねばならない事態に至っている、このように感じるところでございます。  港区当局におかれましても、対岸の火事とせず、我が事として取り組みを開始されるようお願いを申し上げまして、質問に入りたいと思います。  初めに、区政への人工知能AIの活用についてお伺いいたします。  今やコンピューターやインターネットが当たり前のように生活の一部となった情報化社会の中で、ICTは日々目まぐるしく変化しており、加速度を増して進化を続けています。単純な計算を実行するためのものであったコンピューターは、もはや業務や生活に欠かせないものとなり、スマートフォンやタブレットといった新たな端末から誰もがインターネットを手軽に利用できるようになりました。インターネットを通じて、メールやSNS、チャットといったコミュニケーションの手段が次々に生まれ、人と人とがインターネットでつながる社会が日常のものとなっています。  インターネットでは、人だけでなく、家電製品やまちの映像、センサーを通じた設備機器の稼働状況やスマートフォンの位置情報、河川や気象といった自然環境の情報、渋滞などの交通情報や自動車の車載データなど、さまざまな機械がインターネットとつながる「モノのインターネット」、いわゆるIoTが急速に広がっています。IoTにより膨大なデータを容易に収集することが可能となり、いわゆるビッグデータが注目を浴びることになりました。  そして、蓄積されたビッグデータをもとに、人間の脳を模した技術で分析や予測、判断、学習を行うのが人工知能AIとなります。自然な言語の認識や音声・画像の認識、情報の検索・探索に加え、データをもとに規則性を見出し学習する機械学習など、多様な機能を持つAIは、私たちの生活を大きく変化させる可能性を秘めており、今や新聞などのメディアでもAIの文字を見ない日はありません。  ビッグデータの存在やICT機器の進化、機械学習技術の向上といった要素から、AIの適用範囲は広がりを続けています。コールセンターでの問い合わせに対し、人にかわってAIが自動で応答したり、人の表情や動作などからAIが自動で感情を分析したり、人が話す音声を認識したりと、人の生活を支援する役割を担うことができます。また、センサーのデータなどから機械の運転を自動で最適に制御したり、工事現場でデータを分析して作業を最適化したり、医療分野での膨大な医学データから患者の治療を補助したりと、その範囲はあらゆる分野に及んでいます。  高齢人口がピークを迎える二〇四〇年ごろの行政のあり方を検討してきた国の自治体戦略二〇四〇構想研究会においても、労働力の大幅な減少をAIなどの先端技術で補い、役所の機能を確保するスマート自治体の必要性が指摘されています。自治体においても、AIの活用で先行する事例が出てきています。例えば、横浜市では住民からのごみの分別に関する質問にAIが答える実証実験が行われ、一日に約六千件の質問が投稿されたとのことです。  港区でも今年度、幾つかの事業でAIを活用した取り組みを進めているとお聞きしています。従来は、職員が録音データから手作業で作成していた議事録を、AIの音声認識や機械学習能力を活用して作業時間を大幅に短縮するなど、幾つかの事例が先進的な取り組みとしてメディアなどに取り上げられております。  そこで質問は、人工知能AIの区政への活用状況と、今後もAIの活用を先進的に進めるべきと考えますが、区の方向性についてお伺いいたします。  次に、異常気象の激甚化を前提とした区の取り組みについてお伺いいたします。  ことしの夏は、記録的な猛暑や豪雨の発生で河川の氾濫が相次ぎ、大きな被害が出ています。西日本を広範囲に襲った豪雨での死者は二百人を大きく超え、平成に入って最悪の豪雨災害となりました。一方で、自宅などに大きな被害を受けながら、早期に適切な判断をして生き延びた人たちも少なくありません。  さて、九月四日には台風二十一号が四国地方や大阪市を襲いました。被害状況をテレビでごらんになった方も多いと思いますが、工事中の外壁や駐輪場の屋根が突風で飛ばされ宙を舞い、トラック、軽自動車が横転。さらには電線が切断され、漏電で火災が発生しています。また、ガラスの破片や看板が通行人を襲うなどの状況が生まれ、死者は十人を超えてしまいました。関西空港ではタンカーと連絡橋の衝突で旅行客ら約七千八百人の人が孤立し、一夜を明かしています。また、滑走路や駐機場のほぼ全域が最大で約五十センチ冠水。第一ターミナルビル地下の機械室なども浸水したため、一部で停電という被害状況でありました。  さて、日本での本年七月の平均温度は平年を二・八度も上回り、統計開始以来、最高を更新しており、気象庁では災害と位置づけ、命を守る緊急の呼びかけを行っています。異常気象は日本だけの問題ではありません。ノルウェーの北極圏地域では気温が三十三度を超えました。また、北米では熱波で多数の死者が出ており、東南アジアでは洪水が相次いで発生しています。  多くの有識者が指摘し懸念を表明するのは、異常気象の頻度の高まりであります。気象庁の予測によれば、地球の温暖化が進んだ場合、今世紀末の全国の平均気温は二十世紀末より四・五度上昇し、一日に二百ミリ以上の豪雨も二倍以上に増える、気象災害は一層激甚化するであろう、このように発表しています。  温暖化対策が叫ばれて久しい年月が過ぎようとしています。こうした異常気象に対し、一人ひとりができることを改めて認識し、取り組む時期に来ていると考えます。港区が実施する温暖化対策や防災・減災対策の事業を展開するにあたって、異常気象への対処といった視点を反映させることが重要です。  そこで質問は、異常気象の激甚化を前提とした防災・減殺対策を検討すべきと考えますが、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、自助意識の醸成と地域防災レジリエンス評価についてお伺いいたします。  本年、広島、岡山、愛媛などの地域に豪雨が続き、河川の氾濫による浸水、土砂崩れなど甚大な被害もたらす西日本豪雨災害が発生いたしました。記録的な豪雨による甚大な被害に見舞われたことには幾つかの原因と条件が大きく関連しています。災害の主な原因は気象と地理的条件であり、これらは人の手によって変えることはかなわないものであります。人にできることは、ふだんより居住する地域の実情を把握し、安全な場所に適切なタイミングで避難することが最善の方法と考えられます。  西日本豪雨災害では、気象庁が数十年に一度の大雨が予想される大雨特別警報の発令後も避難しなかった人が多くいました。また、浸水で多数の犠牲者を出した岡山県倉敷市真備町では、亡くなった方の約八割にあたる約四十人が屋内で発見され、逃げおくれて溺死した人が多かったと見受けられます。人命はかけがえのないものであり、失われてしまっては取り返しのつかない状況となります。災害発生の警告を受けたにもかかわらず避難行動を起こさない理由は、災害などの非日常的な事態は自分には起きてほしくないとの思い、自分だけは巻き込まれないだろうという過信と危機管理の欠如から避難するタイミングを失ってしまうことにあります。  反対に防災意識によってリスクを我が事として災害を防げた事例もあります。釜石市の小・中学校では地震が起これば津波が来ることを想定し、それぞれの判断で高台へ避難する津波てんでんこが訓練で徹底されておりました。東日本大震災の発災の折、小学生の手を引いて自主的に高台へ避難する中学生の姿を見た高齢者が、自分もつられていち早く避難行動を起こした結果、多くの人が津波の被害から免れることができました。小・中学生のちゅうちょのない行動が率先避難者として機能した結果であります。  自助は自らの命を守るだけでなく、周囲の意識や行動を変えるきっかけともなります。津波てんでんこは幾度も地震と津波によって被害を受けた三陸地域の人々の命を守り、災害から立ち直るための厳しい防災の教訓と言えます。  港区において想定される風水害や震災での区民がとるべきてんでんこはどのようなものであるべきか、在宅避難や備蓄などの自助について、区民や在勤者、来街者など、一人ひとりが他人任せにせず、まず自らの命は自らが守る備えと行動を起こす危機管理意識の醸成を日常的に進めるべきと考えます。  そこで質問は、区民一人ひとりがまず自ら守る自助意識をさらに深く醸成していくことに区はどのようなかかわりを持てるのでしょうか。武井区長のお考えをお伺いいたします。  また、自助意識を深め、災害に負けない対応・回復力、レジリエンスを強化することが大切です。そのためには自分の住む地域の現状把握や、認識を深める仕組みが必要です。区は現在、六階以上かつ五十戸以上の高層住宅の防災対策として、港区マンション震災対策ハンドブックを作成し、高層住宅の防災カルテを作成し、希望のあった建物の管理者を直接訪問し、防災対策の助言や支援制度の紹介を行っています。こうした取り組みを通して、居住している住宅の防災上の強弱が理解され、居住環境の見える化が実現すると思います。平成二十九年七月から現在まで既に百五十件のカルテの作成と四十九件の訪問相談が進んでいることは、災害に対するレジリエンスが強化されたと考えます。  そこで質問は、震災対策として、自分の住む地域の現状を正しく把握し、自分たちで評価できる仕組みが必要です。港区の各地域の防災力強化を進める方向性について、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、災害時の備蓄品に液体ミルクを加えることについてお伺いいたします。  二〇一一年に発生した東日本大震災の被害状況を教訓に、各自治体の地域防災計画は実効性を伴った計画の見直しを余儀なくされました。特に災害時の避難所生活において、女性や乳幼児、さらには高齢者、障がい者など災害時要支援者の視点から見直しが進められてきました。また、災害対策全般を女性の視点から見直すために、防災会議には多くの女性委員が登用されています。  最近の報道では、大規模な自然災害が相次いだこともあり、清潔な水や燃料の確保が難しい災害時に、赤ちゃんの命をつなぐ貴重な栄養源となる液体ミルクの備蓄が話題となっております。実際に東日本大震災や熊本地震では、フィンランド製品である液体ミルクが救援物資として届けられ、子育て中の母親からは安堵の声が多く寄せられたと言われています。  国内では、これまで安全性を担保する基準がなかったため、厚生労働省では、これまでの災害状況を踏まえ、乳幼児に対する液体ミルクの製造・販売を可能にする規格基準を定めた乳及び乳製品の成分規格等に関する省令を改正し、施行しました。厚生労働省は「早ければ来年には出回る可能性がある」、このように述べています。  こうした状況を踏まえ、東京都では小池知事が、「製品ができたら備蓄などの工夫もできる」とし、災害時の備えも兼ねて東京都も液体ミルクの備蓄に取り組みたい意向を表明しております。また、液体ミルクを災害時に調達するため、大手流通企業と協定を結び、海外メーカーから緊急輸入する体制を整えました。  公明党は、これまで女性委員会を中心に、子ども・若者支援プロジェクトチームを立ち上げ、液体ミルクの安全性や基準づくりを厚生労働省と協議を重ねてきた経過がございます。港区生まれの赤ちゃんが多く誕生している状況からも、液体ミルクを災害時に活用できることは、港区にとっても朗報と言えるのではないでしょうか。  そこで質問は、港区も、こうした東京都や国の動向を踏まえ、液体ミルクを災害時の備蓄品に加えることや、災害時の流通体制を検討すべきと考えますが、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、子ども家庭支援センターの役割を強化することについてお伺いいたします。  本年三月に目黒区で児童虐待によって船戸結愛ちゃん、五歳が父親に虐待され死亡した事件については、多くの方々が結愛ちゃんの残したノートの文面を見て心を痛めたのではないかと思います。こうした児童虐待死事件は、関係機関の担当者はもとより、子育て世代や地域住民にも多大なショックを与えました。救える命を救えなかった無力さを感じたり、あのときこうしていればという後悔を刻んでいます。多くの方々が二度とこうした事件は起こさない、児童の尊厳を守り抜くと誓った事件でもありました。  児童や子育て世代への支援策が強化されているにもかかわらず、ここ数年は児童虐待や面前DV、子育て家庭の貧困化などが原因で、虐待数は増加傾向をたどっています。厚生労働省の集計によると、二〇一七年度の児童相談所への児童虐待相談件数は十三万件を超えており、二十七年連続で増加しています。また、児童虐待により年間約七十七人もの子どもの命が失われています。増加する児童虐待に対応し、子どもの命が失われることがないよう、行政、自治体、関係機関が一体となって対策に取り組むため、平成三十年七月二十日の児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議において、児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策が決定されました。子どもの安全確保を最優先とし、必要な場合にはちゅうちょなく介入することや、子育て支援・家族支援の観点から、早い段階から家庭に寄り添い、支援する取り組みを地域の関係機関が役割分担をしながら確実に、そして迅速に実施するとしています。  児童相談所や市区町村と警察、学校、医療機関など関係機関との連携を強めることで、互いの機関が今なさねばならないことを改めて認識することになります。また、暮らす場所や年齢にかかわらず、全ての子どもが地域とのつながりを持ち、虐待予防のための早期対応から発生時の迅速な対応、虐待を受けた子どもの自立支援等に至るまで、切れ目のない支援を受けられる体制の構築を目指すとしています。こうした取り組みが実りある結果を導き出すためには、児童虐待に対応する専門機関である児童相談所や市区町村の実施する子ども家庭支援センターの体制づくりと専門性の強化がこれまで以上に重要となります。  港区では、平成三十三年開設予定の(仮称)港区子ども家庭総合支援センターが、子育て世代や子どもへの総合的支援を実現する一大拠点となることが期待されています。港区子ども家庭支援センターでは、虐待相談を含む相談対応件数は年々増加しており、千件を超えていると聞いておりますが、今後、職員の育成や業務内容の見直しを図り、専門性を高めていくことが重要と感じます。  そこで質問は、虐待の予防や早期発見の視点から、医療機関などとの連携強化をどのように進めていくのでしょうか。また、港区子ども家庭支援センターが港区要保護児童対策地域協議会の関係機関などとの強いきずなを築くことで、子どもを地域ぐるみで見守っていくことになると考えます。港区子ども家庭支援センターの強みを生かした関係性をどのように築いていかれるのでしょうか。さらには、こうした地域の関係機関等の対応力強化をどのように図っていくのでしょうか。それぞれについて、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、保育施設の危機管理体制についてお伺いいたします。  待機児童解消を目指し、港区はこの三年間で保育施設の数を一・五倍増やしています。区立・私立認可保育園、港区保育室のほかにも、新たに小規模保育事業所や事業所内保育所、認可外保育施設も増えています。種類は異なっても同じ港区の子どもたちが通う施設では、命を守る観点から危機管理体制はしっかり整えるべきと考えます。  さて、平成三十年三月に保育所における感染症対策ガイドラインの見直しが行われました。基本方針では「子どもの健康と安全の確保に一層資するよう、保育の現場における保育士等による実用性に留意し、改善を図る」とあります。そして、保育士等の衛生知識の向上、感染症対策に係る実施体制の強化、最新の知見、関係法令の改正等を踏まえた適切な対応、こうした三点が示されています。  特に注意すべき感染症二十六疾患のうち二十一疾患で、医師が意見書で登園許可を出す際の目安を提示し、留意事項には最新の知見を反映した追記部分も多くなっています。その中で、ことしに入って流行が懸念されている風しんについては、妊婦感染による先天性風疹症候群を防ぐ観点から、保育所で発生した場合は、送迎時などの対応を保育所、保健所、嘱託医で検討するよう求め、抗体のない妊娠中の職員の勤務にも配慮すべきとしています。  保育施設の乳幼児は感染経験がない、もしくは少なく、免疫力・体力ともに十分ではなく、日々の集団生活においては濃厚な接触が多いことが特徴です。年長児ではそれほど重症にならない感染症であっても、低年齢児は時に脳炎など生命にかかわる重症感染症に発展する場合があると言われており、感染症対策は健康危機管理の一つとして早期対応が重要となっています。  そこで質問は、区内の保育施設全てを視野に、保育所における感染症対策ガイドラインの見直しを踏まえ、みなと保健所や港区医師会とも連携した感染症対策の充実に努めるべきと考えますが、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、新型感染症のパンデミックや激甚災害などのときを想定した登園規制についてお伺いいたします。九月六日、北海道で震度七の地震があり、道内全ての火力発電所が停止、およそ二百九十五万戸が停電したとの報道がありました。南海トラフ地震や首都直下地震もいつ起こるかわかりません。また、近年の異常気象による風水害も年々被害が増大しています。こうした事態に陥った場合、保育施設の職員や保育士全員が業務につけるわけではありません。東日本大震災のとき港区内でも余震が続き、保育士等職員の出勤が難しくなっている状況の中で、勤務先が休みであるにもかかわらず、お子さんを預けた保護者が多かったそうであります。そのような状況下で数少ない職員が子どもたちを安全に預かることができるのでしょうか。また、安全な避難体制がとれるのでしょうか。  報道によると、七月の西日本豪雨災害では、保育施設から子どもを連れて避難所へ移動したケースが多く発生しました。大雨など悪天候の場合の保育事業継続の有無については基準がなく、各施設が自治体と相談して判断したそうです。専門家からは、「国が指針を定めて保護者に周知するべき」との声が上がっています。保育施設を所管する厚生労働省は、「休園については自治体や園に判断を任せることになる」との見解を示しています。  そこで質問は、新型感染症のパンデミックや激甚災害などが発生した場合には、保護者が医療、警察、消防、保育関係者等、緊急対応の該当者である場合を除いて、登園の自粛、さらには特定の保育施設に限って受け入れるといった登園規制を明確にしておくべきと考えます。武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、若者の生活・就労支援体制の強化についてお伺いいたします。  厚生労働省が毎年発表している学歴別卒業後三年以内離職率の推移によれば、ある程度の変動はあるものの、最近十五年で、大学卒であっても三年以内の離職率は三〇%をほぼ超えています。その原因として、キャリアアップするためという場合もありますが、給与に不満がある、仕事上のストレスが大きい、職場の人間関係がうまくいっていないなど、さまざまな理由で想定外の早期離職に至っていると言われています。  新卒後のつまずきは、ひきこもりやニートへと陥りやすく、学費や生活費などを工面するために借り入れた奨学金の返済で経済的に苦しみ、貧困状態にある若者が少なくないことが明らかになっています。したがって、生活困窮者対策として、若者の生活・就労支援体制の構築が重要と考えております。さまざまな理由から働くことに不安を抱える若者の就労を支援する施設として、地域若者サポートステーション、サポステがあります。運営は自治体がNPOなどに委託している場合が多く、一般的な流れとして、キャリアコンサルタントが相談を受け、個別に支援プログラムを作成し、職業的自立に向けたさまざまな支援を実施しています。きめ細かい支援が好評で、現在、全国に百七十カ所以上開設され、サポステを利用して就職や進学など進路を決めた人は、平成二十七年までで累計九万九千九百四十二人に上るとのことです。一方で、ハローワークや自治体の福祉事業部局等との切れ目のない連携体制の強化がサポステの課題として指摘されており、若者の生活・就労に関する包括的なワンストップ窓口が設置できることが理想的であると言えます。  平成二十七年一月から麻布地区総合支所内に開設された港区生活・就労支援センターでは、経済的に苦しい生活困窮者に対して、失業等による経済的な問題とあわせて生活上の悩みや健康上の悩みなど、自立を阻害している問題を包括的に相談できるほか、ハローワーク品川のみなとジョブスポットを併設しており、その場で職業相談・紹介などの支援を受けることができます。今後は、若者の生活・就労支援体制を強化する必要性から、若者支援の専門相談員を配置することが必要と考えます。また、若者に対する同センターの周知が不足していると思われるので、センターの案内などを若者がよく立ち寄るコンビニなどに置くのもよいのではないかと思います。  そこで質問は、生活困窮者対策として、若者の生活・就労支援体制強化に今後どのように取り組んでいかれるのか、武井区長のお考えをお伺いいたします。  次に、産後ケア事業の取り組みについてお伺いいたします。  港区では、妊娠・出産で精神的に不安定になりがちな妊産婦の心身のケアにつなげる多様なメニューを用意しています。こんにちは赤ちゃん訪問事業や、電話並びに面談による助産師による相談窓口の実施や産後デイケアのサロン事業うさちゃんくらぶ、産後一年未満の産婦の健康診断の実施、また、昨年度からは産後ドゥーラを導入して、産前産後家事・育児支援サービスを展開しています。  今年度からは、東京都済生会中央病院と中野区の松が丘助産院の協力のもと、産後要支援母子ショートステイ事業が開始されました。この産後要支援母子ショートステイ事業の対象は、特に支援を必要とする生後四カ月未満の乳児とその母親で、子ども家庭支援センターが相談を受理し対応しているケースです。妊産婦に援助の必要性を決定する会議で支援が必要と判断された場合には、対象の保護者へ利用を提案するという制度となっています。  本年五月に公明党議員団は、この事業の視察に参りました。担当医師の話では、「お母さんたちの疲労は尋常ではないので、会議体の協議では、港区産後要支援母子ショートステイ事業を利用するお母さん以外にも、この制度を利用せざるを得ない状況もあり、産後うつ予防やリスク回避のためには、母子保健福祉の観点から、多額な出費を抑えて利用しやすい制度とすることが望まれる」、このようなご意見を伺ったところです。  また、先月八月には、十年前から世田谷区が実施している産後ケアセンターへ視察に参りました。この事業は武蔵野大学との連携で、平成二十年に事業が始まっています。初年度には、世田谷区の使用枠は七室、利用数は二百七十九組、稼働率八〇・六%でした。平成二十九年度には、施設を武蔵野大学から無料譲渡され、世田谷区が実質運営しておりますが、使用枠十三室の全室が利用枠となり、利用者八百九十五組、稼働率九四・四%となり、需要も伸びています。今後も安心して出産・出産後を過ごす施設として、大きな期待が寄せられていると感じております。  我が会派は、本年第二回港区議会定例会でも産後ケア事業の充実を質問させていただきました。答弁では、今年度の事業の実施状況を踏まえ、必要性を検討するとのことでした。  そこで質問は、産後うつ予防や児童虐待の防止のため、母子保健福祉事業の観点から、産後要支援母子ショートステイ事業の対象者を広げるなど、今後は宿泊型産後ケアの拡大を図るべきと考えますが、現時点での産後要支援母子ショートステイ事業の実績を踏まえた今後の方向性について、区のお考えをお伺いいたします。  次に、区内中小企業に対しライフサイクルに応じたきめ細やかな支援を、今後どのように展開されるのかお伺いいたします。  報道によれば、国では二〇一九年度予算の概算要求に向けたさまざまな動きがあります。公明党としては、中小企業の生産性向上の支援策や生産性革命の実現、持続可能なエネルギーシステムの構築、さらには大規模災害からの復興を掲げて予算要望をしています。  本年六月の定例会で、港区議会公明党議員団として、国の生産性向上特別措置法において、中小企業の設備の老朽化改善や生産性の向上を目指すための償却資産に係る固定資産税の特例を取り上げました。東京都が生産性向上につながる設備投資への固定資産税を三年間免除する条例改正後、直ちに実施できる体制づくりの重要性と対象企業への周知徹底の必要性を提案し、丁寧な対応を行うように要望いたしました。条例施行後、八月末までに十七社から申し込みがあり、承認されたと伺っております。  中小企業への支援は、ライフサイクルに応じてきめ細やかに対応するとともに、企業の状況にかなった支援策を迅速に提供することが重要と考えます。特に、区内経済の特徴の一つとして、新規開業が多いことがあります。創業後は、中小企業が抱える課題に資金調達から販路拡大までさまざまあり、ハード・ソフト面などの経営にかかわる対応を丁寧に行うことが重要と考えます。  そこで質問は、区内中小企業のライフサイクルに対して、特に創業期の成長段階の時期にきめ細やかな支援を今後どのように展開されるのか、武井区長のお考えをお伺いいたします。  最後に、医療的ケアを日常的に必要とする児童への学習支援についてお伺いいたします。  人工呼吸器やたんの吸引、チューブで栄養補給する経管栄養など、医療的ケアを日常的に必要とする子どもが増えていると言われています。こうした医療的ケア児は全国に約一万七千人いますが、保護者の地道な啓発活動や先進的な自治体の取り組みが功を奏し、少しずつ社会で認知されてきました。  国は、二〇一六年五月に成立した児童福祉法の改正で、初めて医療的ケア児の存在を法律上明記しました。自治体に対しては適切な支援を行うよう努力義務を課しています。また、二〇一三年度から特別支援学校へ、二〇一六年度からは公立小・中学校も対象に、都道府県や市町村が看護師を配置する際の補助事業を始めました。これを契機に看護師を配置するなど、受け入れ態勢を整える動きが全国に広がりつつあります。  文部科学省は本年六月、学校現場での医療的ケアに関する検討会の議論を踏まえ、医療的ケアを必要とする児童・生徒への対応の方向性を示した中間まとめを公表しました。中間まとめでは、主に次のような方向性が掲げられています。小・中学校を含め、全ての学校において人工呼吸器の管理など全ての医療的ケアを想定すること、保護者の付き添いは、真に必要と考えられる場合に限るよう努めること、看護師や校長、教諭などで情報共有を図るチーム体制を構築すること、医療的ケアの実施では、医師会など医療関係者と協力し、小児・在宅医療の専門的知見を活用することなどであります。こうした方向性は、これまでともすると医療的ケア児の受け入れを阻む理由となっていました。  港区では、医療的ケアを実施している児童がいるほか、平成三十一年度には就学を予定している中にも医療的ケアが必要な子どもがいると伺っております。区は本年九月、「港区における障害児支援のあり方検討会」を発足させ、乳幼児期から生涯を通じての、医療的ケア児を含めた障がい児一人ひとりへの支援体制の構築を目指すとしています。全国的には、通学を希望する子どもたちに対し、学校の受け入れ態勢や行政支援が追いついていない現状ですけれども、その障壁を打ち破る先進都市・港区としての教育行政を力強く推し進めていただきたいと思います。  そこで質問は、教職員や児童・生徒に対して、医療的ケア児への理解をどのように深めていかれるのか、区の取り組みをお伺いいたします。さらには、港区医師会、区内医療機関などとの連携が重要です。区内医療機関との連携について、区の取り組みをあわせてお伺いいたします。  以上にて質問を終わります。ご清聴まことにありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての林田和雄議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、人工知能AIの区政への活用についてのお尋ねです。  区は、平成三十年度を港区AI元年として、区政へのAI活用を推進しております。AIが持つ利点を生かし、いつでも、どこからでも、区民からの問い合わせにAIが即時に回答したり、迅速かつ正確にAIが業務を遂行することで職員の時間削減が可能になるなど、区民サービスの向上と業務の効率化が見込まれる分野で順次導入を進めております。今後も、自治体最先端のICT活用を目指し、AIの活用に積極的に取り組んでまいります。
     次に、異常気象の激甚化を踏まえた取り組みについてのお尋ねです。  区は、港区地域防災計画(平成二十八年修正)の風水害編において、異常気象により多発する大雨などによる被害を踏まえて、区内で想定される土砂災害や地下空間への浸水対策などを重点事項として盛り込みました。災害時に避難勧告等を発令する際の具体的な基準を定めたほか、土砂災害ハザードマップを作成・配布するなど、風水害対策を強化してまいりました。  また、国や東京都では、河川の氾濫などの浸水想定区域や土砂災害の警戒区域等が見直されています。先日の台風二十一号では、関西地方で高潮による甚大な被害が発生いたしました。区は、新たな災害規模の想定やこれまでの災害から得られた課題を踏まえ、防災対策の不断の見直しを行い、区民の生命・財産を守るために危機感を持って取り組んでまいります。  次に、自助意識の醸成と地域防災レジリエンス評価についてのお尋ねです。  まず、区民の自助意識の醸成と区のかかわりについてです。自らのことは自らが守る自助の考えは防災の基本であり、自助意識の醸成は重要です。区は、自助を推進するために、家具転倒防止器具の助成などのハード対策に加え、地域への防災アドバイザー派遣や防災訓練等による区民への啓発、港区マンション震災対策ハンドブックの配布など、自助意識を高めるための取り組みを行っております。今後も、広報みなと、区ホームページによる啓発のほか、あらゆる機会を捉え、地域の皆さんに直接働きかけ、自助意識の醸成に取り組んでまいります。  次に、地域の防災力強化の方向性についてのお尋ねです。現在、傾斜地や木造住宅の多い地域の地域防災協議会や、区の防災士研修等において、参加者自身が地域の地図を用いて、崖崩れや家屋倒壊などの可能性のある場所を洗い出し、より安全性の高い避難経路などについて話し合う、災害図上訓練、DIGを実施し、地域における現状と課題の把握を行っております。  また、今年度からは避難所運営ゲーム、HUGを導入し、避難所での傷病者やトイレに関する苦情への対応を模擬体験するなど、防災上の気づきを高めるため、地域防災協議会等に対して訓練に必要な用具の貸し出しを開始いたしました。引き続き、こうした実践的な訓練を全区に広めていくとともに、工夫を凝らしたさまざまな支援を行っていくことにより、災害に負けない地域の対応力の強化に努めてまいります。  次に、災害時の液体ミルクの備蓄についてのお尋ねです。  本年八月に国の食品安全基準が改定され、液体ミルクの販売が認められたことを受け、今後、国内での製造・販売が見込まれます。現時点では、輸入品も含め国内で流通はしておりませんが、海外で販売されている液体ミルクの保存期間は半年から一年となっています。今後、製品の保存期間や国内の流通の動向を踏まえ、液体ミルクの備蓄や事業者との協定に基づく調達について検討してまいります。  次に、子ども家庭支援センターの役割強化についてのお尋ねです。  まず、医療機関との連携強化についてです。区は、民生委員・児童委員や警察、医療機関、児童相談所、保育園・学校などの関係機関で構成される要保護児童対策地域協議会を設置し、地域と一体となって子どもと家庭への支援を行っております。子ども家庭支援センターでは、協議会の関係機関の一つである医療機関と、代表者会議やケース会議などの機会に、虐待に関する情報共有を行っております。今後、区内のより多くの医療機関から、児童虐待の情報が寄せられるよう働きかけ、虐待の早期発見と予防に努めてまいります。  次に、地域との関係性の構築についてのお尋ねです。子ども家庭支援センターは、要保護児童対策地域協議会の関係機関と日頃から積極的な情報共有に努め、地域と一体となって子どもと家庭への支援を行っております。児童虐待の早期発見のためには、関係機関が連携した迅速かつ的確な対応が必要です。今年度、より関係機関との情報共有を強めるために、子ども家庭支援センターの職員が直接、保育園、幼稚園、小・中学校などを訪問し、虐待が心配される家庭の情報を積極的に収集する取り組みを開始いたしました。平成三十三年度には区立の児童相談所の設置を予定しております。引き続き、地域との関係強化に努めてまいります。  次に、関係機関の対応力強化の取り組みについてのお尋ねです。虐待への理解をより深め、的確に対応するためには、児童虐待に関する専門性の高い研修の実施が有効であると考えております。また、関係機関が迅速に最新の情報を共有することも早期の虐待発見につながります。区は、保育園、幼稚園、小・中学校などに対し、児童虐待に関する最新の情報を提供するとともに、対象機関別の研修テーマを工夫するなどして関係機関職員の虐待への対応力の強化を図ってまいります。  次に、保育施設の危機管理体制についてのお尋ねです。  まず、みなと保健所や港区医師会と連携した感染症対策の充実についてです。区では、国が保育所における感染症対策ガイドラインを作成する以前から保育所の感染症マニュアルを作成し実行しております。本年三月の国のガイドラインの改定を踏まえ、十一月には、みなと保健所と合同で、保育士や看護師を対象に予防接種や感染症予防対策等の研修を実施いたします。また、港区医師会の助言をいただきながら、職員の予防接種の情報管理、感染症への対応や衛生管理の手法をまとめ、保育園の感染症マニュアルを来年度末までに改定いたします。  次に、新型感染症や激甚災害時などの登園規制の明確化についてのお尋ねです。保育施設は感染リスクが高い施設であるため、新型感染症の発生時には、感染の拡大状況に応じて休園することとしております。また、地震などの災害発生時においては、保護者に対して確実に児童の引き渡しを行うとともに、迎えのない児童については、継続して保護することとしております。  災害時の保育園の運営再開にあたっては、登園の際の保護者向けの留意事項や緊急的に保育を必要とする児童の要件などを明確にしておくことが重要であると考えております。今後、災害時の状況に応じた運営体制や園児の登園基準などについて検討を進めてまいります。  次に、若者の生活・就労支援体制の強化についてのお尋ねです。  港区生活・就労支援センターでは、ハローワークと連携し、若者を含めた生活や就労に関する相談支援を行っております。また、社会から孤立したひきこもりの若者については、学識経験者を含む港区子ども・若者支援地域協議会での情報共有により実態把握に努めるとともに、思春期講演会の開催等ひきこもり防止の啓発を行っております。今後も、区としては、ハローワーク等の関係機関とより緊密に連携することで、若者が利用しやすい相談体制を構築し、生活や就労に関する困り事を抱えた若者とその家族に寄り添った支援の充実に努めてまいります。  次に、産後ケア事業の取り組みについてのお尋ねです。  産後要支援母子ショートステイ事業は、より確実な支援へつなげるため、特に支援が必要な母子を対象としております。本事業は、子ども家庭支援センター、みなと保健所、各地区総合支所、医療機関等が迅速な情報共有を図ることで、支援が必要な母子の確実な利用につながるものと考えております。産後要支援母子ショートステイ事業の拡大を図ることにつきましては、本事業を実施する中で、妊産婦一人ひとりの状況に合わせた適切な支援ができるよう検討してまいります。  最後に、中小企業の創業期の支援についてのお尋ねです。  これまで区は、中小企業診断士による創業計画の作成支援や創業支援融資など、さまざまな創業支援策を展開してまいりました。区は、創業後三年までの創業初期を、事業が軌道に乗るまでに直面する課題や困難を克服する大切な時期であると捉え、本年九月からは、創業初期の区内中小企業に対して、新たに中小企業診断士による巡回相談を開始いたしました。こうした巡回相談などを通じて、経営改善に向けたアドバイスを行うとともに、創業後の課題などを的確に捉え、中小企業振興施策の充実に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの公明党議員団を代表しての林田和雄議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、医療的ケア児への支援についてのお尋ねです。  まず、教職員や児童・生徒への医療的ケア児の理解促進についてです。教育委員会ではこれまで、障害者差別解消法の施行を踏まえ、医療的ケア児を含め、障害のある子と障害のない子がともに学ぶ機会を設けるとともに、ともに育ち合うことの重要性を教職員が認識するために、講演会や研修会を実施してまいりました。今後は、教職員が医療的ケア児に充実した教育を行えるよう、個々の障害特性や病状について理解を深める研修会を実施してまいります。  さらに、児童・生徒に医療的ケア児に寄り添うことの大切さを伝えるとともに、同じ教室の中で日常的にかかわり、一緒に学ぶことで、医療的ケア児の考えや思いを感じさせ、児童・生徒への医療的ケア児の理解促進につなげてまいります。  最後に、区内医療機関との連携強化についてのお尋ねです。学校において医療的ケアを適切に行うためには、看護師の配置とともに、看護師に指示する主治医や助言する学校医、緊急時等に搬送できる病院など、医療機関との連携が不可欠です。  本年九月に設置した港区における障害児支援のあり方検討会では、医療的ケアを行う看護師への医師による支援体制が重要であるなどの意見が出ております。今後、検討会での意見を十分踏まえ、医療的ケア児が安心して学校生活を送ることができるよう、港区医師会をはじめ、区内の小児科医や病院などとの連携体制の整備について検討してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田こうじ君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○議長(池田こうじ君) 次に、二十七番熊田ちづ子議員。   〔二十七番(熊田ちづ子君)登壇、拍手〕 ○二十七番(熊田ちづ子君) 二〇一八年第三回港区議会定例会において、日本共産党港区議員団を代表して、区長、教育長に質問を行います。  九月六日未明に北海道で発生した最大震度七の地震により甚大な被害が広がっています。四十一名の方が亡くなられました。ご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に対して心からお見舞いを申し上げます。  土砂崩れや家屋の倒壊、道路の寸断、水道や電気などのインフラ整備、避難所の運営改善、仮設住宅、住宅再建、農業や企業の再開支援等々、被災者に寄り添い、被害の実態に即して、具体的な迅速な対策が打たれることを政府と各自治体に求めます。  日本共産党は九月六日、小池晃書記局長を本部長とする九・六北海道地震対策本部を緊急に設置いたしました。被災地の実態調査、聞き取りに入りました。日本共産党としても独自に被災地、被災者支援の活動を行ってまいります。  それでは、質問に入ります。  安倍内閣の憲法九条改正を中止させることについてです。  安倍首相は、自民党総裁選挙への三選出馬表明の記者会見を、NHK大河ドラマの舞台である鹿児島県桜島をバックに行いました。マスコミも大々的に報道、特にNHKは生中継で政治部記者を交えて、安倍首相の実績や今後の決意などを絶賛しました。マスコミの報道姿勢に異常さを感じた国民も多いと思います。  安倍首相は、この出馬表明で新しい国づくりを進めると公言し、この間の記者会見などでも憲法九条を書きかえることを何度も表明し、次の国会に自民党の改正案を示すとも発言しています。憲法九条改定へ今まで以上に前のめりになっています。一方、自民党総裁選挙に出馬表明した石破元幹事長は、憲法九条二項を削除する改憲案を提示し、どちらの候補も憲法改正を大きく押し出して、マスコミも総動員して国民世論形成に躍起となっています。  日本共産党の小池晃書記局長は、「安倍首相は国政選挙で、国民に対して改憲をほとんどまともに語ってこなかった。党内の総裁選では一転して正面から掲げて争点化し、それを国会と国民に押しつけることは許されない」と批判をしました。また、小池氏は、自民党麻生派が安倍首相に、来年夏の参議院議員選挙前に国民投票を実施するよう要請し、首相が基本的な考え方は全く同じだと応じたことに触れ、総裁選挙で安倍氏圧勝と報じられる一方で、内閣支持率は五割を切り、世論調査では秋までの改憲案提出に反対が四九%と指摘しました。自民党の国会議員は改憲派ばかりだ。国民の意識と乖離した集団による総裁選挙の結果で、改憲が国民に信任されたなどということは到底許されないと強調しました。  区長は、憲法尊重擁護義務を負っているわけですから、憲法を守る立場で、安倍首相と政府・与党に対して、憲法を守るよう要請すべきです。答弁を求めます。  核兵器禁止条約、ヒバクシャ国際署名についてです。  二〇一八年八月四日から八月六日まで広島で開催された、原水爆禁止二〇一八年世界大会に原水爆禁止港区協議会の代表の一人として参加してきました。被爆者の証言や広島平和記念資料館、いわゆる原爆資料館での多くの原爆遺品、広島の高校生が被爆者の証言を聞き、その証言を絵にするという活動の経験などを通して、改めて核兵器の無差別性、残虐性を強く感じました。  広島平和記念式典では、松井市長が核兵器禁止条約の発効に向けて日本政府に役割を果たしてほしいと述べ、長崎平和祈念式典では田上市長が日本政府に対して、核兵器禁止条約に賛同し、世界を非核化に導く道義的責任を果たすことを求めるとした長崎平和宣言を行いました。  長崎平和祈念式典に参加した国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、長崎を核兵器の惨害を受けた地球上で最後の場所にするよう決意し、皆さんとともに努力しますと挨拶しました。被爆者との懇談の中でもアントニオ・グテーレス事務総長は、「皆さんと連帯するためにここに来ました。同じ悲劇を二度と起こしてはいけない。一緒に世界にメッセージを伝えていきます」と述べました。これに対して核兵器禁止条約には一切触れず、戦争被爆国でありながら核兵器禁止条約に背を向け続けている安倍首相へは怒りでいっぱいです。  あの生き地獄を生き延びた被爆者の方の平均年齢は八十二歳を超え、高齢化が進んでいます。生きているうちに何としても核兵器のない世界を実現したい、その思いから二〇一六年に広島と長崎の被爆者たちが始めたヒバクシャ国際署名に、二〇二〇年までに世界中で数億の署名を集めることを目標としています。私たちはこれまでも、区長にヒバクシャ国際署名に署名し、区民へ呼びかけるよう求めてきました。  区長は、二〇一七年第三回定例会で、核兵器廃絶を目指した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」に二〇一〇年に賛同署名をしているので、署名はしないと答弁しましたが、国連での核兵器禁止条約の採択を受け、核兵器廃絶をめぐる情勢は大きく前進しています。ヒバクシャ国際署名には八百七十三万人が署名し、そのうち知事や自治体首長の署名が千百三十二名になっています。港区が毎年長崎市に派遣している港区平和青年団も高校生平和大使が取り組む核兵器の廃止署名に署名しています。  一日も早く核兵器のない世界を実現するために、一、国連で採択された核兵器禁止条約に平和都市宣言をしている区長として支持表明を行うこと。二、新たに取り組まれている広島と長崎の被爆者たちが始めたヒバクシャ国際署名に署名し、区民に署名を呼びかけること。三、区ホームページからもヒバクシャ国際署名用紙がダウンロードできるようにすること。答弁を求めます。  指定管理者制度と公金の不適切な取り扱いについてです。  指定管理者の公金の不適切な取り扱いについては、二〇一八年度予算特別委員会の総括質問、二〇一八年第二回港区議会定例会の一般質問で取り上げてきました。四十九万円の売上金の紛失が一年三カ月も区に報告されなかったこと、事業者の領収書以外に市販の領収書が存在し、その領収書が使われた形跡があることなどを指摘し、区として、全容解明と再発防止を求めました。  事実関係の調査については、調査報告書を七月までにまとめると答弁していましたが、調査報告書の提出は大幅におくれました。その理由は、新たな内部告発があり、再調査が必要になったことでした。その結果、合計で九十七万四千五百円の計上漏れが判明したことを挙げています。調査報告書では、今回判明した売り上げ計上漏れについては追加納付を行うことによって、区は適正な収入を得ることとなり、区として最終的に損害をこうむることはないと。全くひどい内容です。内部告発がないと問題点の把握ができない状況は大問題で、区として指定管理者の管理そのものが問われています。  二〇一八年九月五日開会の建設常任委員会で報告されましたが、委員会で報告すれば終わりという内容ではありません。再びこうしたことが起きないためにも、今回のことはきちんと検証すべきです。一、弁護士や公認会計士などの専門家を入れた第三者機関を立ち上げて調査を行い、きちんとした調査報告書を作成すること。二、今回の事件を教訓に指定管理者が法令を遵守し、区との協定どおりに業務をしているか悉皆調査を行うこと。答弁を求めます。  入札制度の改善についてです。  区は、工事請負契約の入札制度で予定価格を事前公表しています。この間の工事請負契約の落札率を見ると、電気工事以外の施設建設などでは九八%とか九九%台がほとんどと言っていいほどです。こうした落札について、区民目線で見れば、どう見てもおかしいと思うはずです。  私たちは以前から、予定価格の事前公表を非公表にするなどの見直しを提起してきました。入札制度の透明性と公平性をより担保するためにも、予定価格の事前公表を見直すべきです。答弁を求めます。  生活保護世帯等へのエアコン設置助成についてです。  日本共産党港区議員団は二〇一八年八月九日に、熱中症に関する六項目の緊急対策の申し入れを区長に行いました。気象庁が「命にかかわる危険な暑さ」、「災害と認識」と述べていることしの猛暑によって、熱中症の深刻な被害が広がっています。東京消防庁管内での熱中症による六月以降の救急搬送人数は、七月二十二日時点で三千三百十七人に上ります。東京都監察医務院がまとめたデータによれば、六月一日から七月二十六日までの特別区における熱中症による死亡者は八十五人ですが、そのうち七十一人が六十五歳以上です。屋内で死亡された六十八件の中で、二十三件はクーラーなし、クーラーがあった四十五件のうち四十三件はクーラーを使用していませんでした。  港区内でも七月一日から二十九日だけで八十六人が救急搬送されています。区ホームページで熱中症に注意しましょうとの啓発記事を掲載し、冷房と扇風機を上手に使いましょうとエアコンの使用を呼びかけています。  区民の命と安全を守るために、一、二〇一八年六月二十七日の厚生労働省通知に該当する生活保護利用者に、その内容を周知徹底し、必要な対象世帯には可及的速やかにエアコンを設置すること。二、四月以前の生活保護利用者にも、エアコン設置を認めるよう国に対し緊急の要望を行うこと。区として緊急事業として行うこと。三、荒川区が行っている酷暑から命を守る緊急対策を参考に、エアコン設置助成事業を港区でも実施すること。四、社会福祉法人港区社会福祉協議会が行っている生活福祉資金貸付事業について、生活保護利用者がエアコンを設置する際の貸し付けがスムーズに進むよう援助すること。五、生活保護利用者の夏季のエアコン利用による電気代相当額を、港区独自の法外援護費として支援すること。六、エアコン未設置の学校体育館には、早急にエアコンを設置すること。答弁を求めます。  国民健康保険料についてです。  二〇一八年四月から国民健康保険制度は、市区町村の運営から市区町村と都道府県が共同で運営する制度に変わりました。都道府県が保険料の算定方式や医療給付費の水準について指導を行い、運営に必要な費用は市区町村が納付金として納めることになります。また、保険料について標準保険料率が提示され、区が保険料の徴収を行います。  今回の制度改正の狙いは、公的医療費を抑制するための仕組みづくりです。各自治体が独自の減免などを行うために一般会計から国民健康保険事業会計への繰り入れをできにくくし、医療給付費が上がれば保険料にダイレクトにはね返る仕組みを今以上に強めることにあります。今年度は急激な保険料の上昇を抑えるための激変緩和措置がとられましたが、それでも昨年度と比べ、平均で九千三百三十五円の値上げになりました。  現行の国民健康保険制度がスタートした一九六〇年代は、国民健康保険制度加入世帯の七割は農林水産業と自営業でしたが、今では年金生活者や非正規労働者などが七割を占めるようになっています。一九六〇年代の国民健康保険制度加入世帯の平均所得は二百七十万円、現在は百三十八万八千円にまで落ち込んでいます。保険料の高騰を招いたのは、国民健康保険制度加入世帯の貧困化と高齢化、国庫負担金の削減が原因です。とりわけ、子育て世代にとって子どもが多くなればなるほど、保険料が高くなっています。高齢者やワーキングプア、病気で働けない人たち、子育て世代が安心して医療が受けられるようにするのは地方自治体の大事な仕事です。  一、国民健康保険料の均等割額を一万円引き下げること。二、子育て世帯の保険料を高騰させている要因である均等割額を見直すよう東京都に申し入れること。三、港区として第二子からの均等割額を免除すること。答弁を求めます。  待機児童をゼロにするため、園庭のある区立認可保育園を建設することについてです。  ことし四月の保育園の入園を申し込んだが入れなかった子どもは千五十二人になります。待機児童をゼロにする課題は待ったなしです。日本共産党港区議員団で取り組んだ港区民アンケートで、「必要と思われる子育て支援策は」との問いに対して、保育園の増設を求める声がトップです。今の港区の待機児童対策は、株式会社を含む企業が経営する私立認可保育園の誘致が中心です。その結果、園庭がない、または基準に満たない施設が七四%にもなっています。株式会社が運営する保育園は六三%という異常さです。  区は乳幼児の成長に責任を持つ必要があります。そのためには成長にとってふさわしい施設、できるだけ広い園庭、区職員である保育士が保育をする区直営の保育園を建設すべきです。若者の雇用の拡大にもつながります。芝消防署跡地など国有地や都有地、民間の空き地を借りる、または購入して待機児童ゼロを目指すべきです。答弁を求めます。  保育園の保育士の配置についてです。  保育士の配置については、東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例施行規則で定められています。第十六条では、乳児おおむね三人につき一人以上など、年齢ごとに保育士の人数が定められています。この配置は、休暇や休息、夏休み等々は全く加味されていません。乳幼児の成長に大きな影響を与える保育士が、休暇も満足にとらずに残業で疲れていては困ります。文化・教養、資質を養う時間、自由な時間があってこそ、子どもたちにゆとりを持って接することができると思います。保育士の配置基準を抜本的に拡充するよう、関係機関に働きかけるべきです。区として、今まで以上に保育士の配置を増やすべきです。答弁を求めます。  特別養護老人ホームの建設についてです。  私たちが行った港区民アンケートで、「区政で最も力を入れてほしいことは」との問いに対して、介護や高齢者福祉の充実を求める声が第三位でした。区が二〇一七年度に行った港区保健福祉基礎調査でも、施設整備に関する意見で、「特別養護老人ホームなどの施設整備が一番重要」、「現在ひとり暮らし、港区で最後まで過ごしたいと思うので、もっと特別養護老人ホームを増やしてほしい」、「しゅうとめを七年、現在は義父を五年前から介護している。大変疲れてきました。一日でも早く介護施設に入所を希望します」など切実な声が寄せられています。  要介護一から五と認定された方のうち、二〇一六年四月から九月の特別養護老人ホーム入所者名簿に登載された方、入所された方を除くを対象に行った基礎調査で回答が多かったのは、特別養護老人ホームに申し込んだ時期は二年以上前が四六・三%、特別養護老人ホーム以外は利用したくないが四五%でした。特別養護老人ホーム以外は利用したくない理由で一番多いのは、特別養護老人ホームより料金が高いからが五〇%、特別養護老人ホームから入所の連絡を受けたことがないが七〇%となっています。  この基礎調査からも、介護が必要になって特別養護老人ホームを希望しても、特別養護老人ホームに入れない状況が明らかです。特別養護老人ホームに入れず有料の老人ホームに入所している方は、高い利用料に、これ以上特別養護老人ホームに入れないと利用料を払い切れないと深刻です。病院からは退院を言われ、介護老人保健施設に入所している方は、入所期間は三カ月と言われている。その間に、特別養護老人ホームに入所できなければ行くところがない。どうすればいいのだろうと日々心配しています。  七月末時点の申込者数は三百七十人と多くの方が希望しています。住み慣れた港区で安心して住み続けられるためにも、南麻布四丁目の特別養護老人ホームに続く建設計画をつくるべきです。答弁を求めます。  区内の観光名所をめぐる「ちぃばす」ルートと水辺や各放送局をめぐるルートについてです。  この間、港区観光協会から区内観光名所をめぐる「ちぃばす」ルートの拡充と水辺や各放送局をめぐるルートへの改善を求める要望書も出されています。重要な要望だと思います。  日本共産党港区議員団の二〇一八年度当初予算に対する重点要望書では、上記要望と同一の予算要望を行いました。これに対して区は、公共施設や住宅地等のルートで区内観光名所に立ち寄れるルートの可能性について検討を進めると回答しています。来年度当初の実施を目指し、検討・具体化を急ぐべきです。答弁を求めます。  就学援助の改善・充実についてです。  入学準備金の増額や前倒し支給について、私たちは毎定例会、機会あるごとに取り上げてきたことが実現いたしました。七月に準要保護世帯に差額分が支給され、大変喜ばれています。十月には生活保護世帯の入学準備金が小学一年生は二万二千五百円上がって六万三千百円以内に、中学一年生は三万二千百円上がって七万九千五百円以内になります。四月にさかのぼって差額を支給するよう、国に要請すべきです。答弁を求めます。  区として、要保護世帯に準じて準要保護世帯の就学援助を引き上げるべきです。昨年からことしにかけての混乱を繰り返さないためにも、一、都区財政調整の単価引き上げの協議を早急に行うこと。二、都区財政調整協議が調わない場合は、区独自に引き上げを行うこと。それぞれ答弁を求めます。  修学旅行参加費等の支給時期の改善についてです。入学準備金の前倒し支給は、新入学時に必要なものを事前にそろえることができるようにとのことから改善されました。一方で、中学三年生の修学旅行費・修学旅行支度金の支給も同じことが言えます。現在は、修学旅行の後の支給です。入学準備金同様、修学旅行の準備に間に合うように支給時期を見直すよう大至急改善を図るべきです。答弁を求めます。  国の要保護児童・生徒に対する援助費では、クラブ活動費とPTA会費も支給対象になっています。ところが、港区の就学援助では支給されていません。文京区では、PTA会費の支給、中学生の部活動参加者に対しクラブ活動費等、年間一万二千円支給しています。  港区でも、国が要保護児童・生徒に支給しているPTA会費を支給すべきです。クラブ活動費については、実態に見合う額に引き上げるべきです。答弁を求めます。  質問は以上です。答弁によっては再質問することを申し述べて終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、憲法九条改正を中止させることについてのお尋ねです。  憲法改正については、憲法第九十六条の規定に従い、国会が発議し、国民投票に付されてなされるものであることから、ご質問のような要請をすることは考えておりませんが、今後も、区といたしまして、区民の憲法への意識を深め、憲法の大切さを訴える取り組みを重ねてまいります。  次に、核兵器禁止条約、ヒバクシャ国際署名についてのお尋ねです。  まず、核兵器禁止条約に支持表明を行うことについてです。区が加盟しております平和首長会議は、昨年の第九回総会において核兵器禁止条約の採択を歓迎し、核兵器ない世界の実現に向けて邁進する趣旨の核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議とナガサキアピールを採択し、区も賛同いたしました。引き続き、平和都市宣言をしている区として、平和首長会議に加盟する全世界の都市と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。  次に、ヒバクシャ国際署名に署名し、区民に署名を呼びかけることについてのお尋ねです。お尋ねの署名については、核兵器廃絶を目指したヒロシマ・ナガサキ議定書に平成二十二年に首長として賛同署名をしていることから、重ねて署名をすることは考えておりません。
     区民に署名を呼びかけることについては、平和の取り組みの一つとして、区ホームページでヒバクシャ国際署名を区民に紹介し、広く周知をしております。  次に、区ホームページから署名用紙がダウンロードできるようにすることについてのお尋ねです。ヒバクシャ国際署名の署名用紙が入手しやすくなるように、区ホームページからダウンロードできるようにしてまいります。  次に、指定管理者制度についてのお尋ねです。  まず、第三者機関による調査についてです。区は、平成二十九年十月から平成三十年七月にかけて不適切な会計処理のあった指定管理者に対して、事実関係のヒアリングや収入関係書類の突合などの調査を厳密に実施いたしました。このため、第三者機関による調査は考えておりませんが、指定管理者による再発防止策を徹底し、区としても指定管理者の監視を強化することにより、適切な管理運営を実現してまいります。  次に、指定管理者の法令遵守と業務内容の調査についてのお尋ねです。区は、今回の事例を重く受けとめ、本年四月に実施の指定管理者等を対象とした港区危機管理基本マニュアルにかかわる説明会等において、公金の適切な取り扱いや危機管理上の報告体制について指導いたしました。引き続き、月次報告のモニタリングの中で、法令や協定等に従って施設の管理運営が適切に行われていることを確認してまいります。  次に、入札制度の改善についてのお尋ねです。  区では、入札・契約手続きにおける透明性の確保と情報漏えい等不正防止の観点から、工事請負契約の予定価格の事前公表を導入し、公正性の高い制度を確立しております。入札においては、最新の労務単価及び資材単価による適正な積算に基づき予定価格を設定するとともに、積算内訳書の提出を義務づけ、事前公表の弊害として指摘されている適切な積算を行わない不良不適格な事業者の参加を防止しております。今後も、入札における公正性の観点から、適正な予定価格を設定し、事前公表を継続するとともに、より公平・公正な入札制度の運用に努めてまいります。  次に、生活保護世帯等へのエアコン設置助成についてのお尋ねです。  まず、生活保護世帯への設置についてです。生活保護法による保護の実施要領の改正により、本年四月一日以降に保護を開始した高齢者等のうち、対象となるのは二世帯であり、既にエアコン購入費用を支給しております。  次に、国に対する要望についてのお尋ねです。区は、これまで熱中症予防に配慮を必要とする方がいる生活保護世帯へのエアコン購入費用の支給について、東京都を通じ、平成二十六年度から国に要望しております。区として、今回の生活保護の実施要領の改正により、支給対象とならなかった世帯に対し、エアコンを設置する緊急事業は考えておりませんが、港区社会福祉協議会の生活福祉資金が利用できることを改めて周知し、エアコンの設置を支援してまいります。  次に、酷暑から命を守る緊急対策の実施についてのお尋ねです。区では、熱中症予防のために、区ホームページや広報みなと、緊急情報メール、防災行政無線、リーフレットなどさまざまな手段により注意喚起を行っております。また、高齢者、障害者、就学前の子どもがいる世帯への窓口対応や家庭訪問の際には、エアコン設置のほか、修理や買い替えなどの相談について、情報提供など丁寧に対応しております。  荒川区で実施したエアコン設置助成事業の取り組みにつきましては、その実態や効果等について情報収集してまいります。  次に、生活福祉資金の申請援助についてのお尋ねです。区は、エアコンのない生活保護世帯に対し、港区社会福祉協議会で実施している生活福祉資金の活用ができることをご案内しております。引き続き、生活福祉資金の申請の際には、必要な書類作成等を支援するとともに、速やかに対応するよう港区社会福祉協議会に依頼をしてまいります。  次に、区の法外援護として、電気代相当額を支援することについてのお尋ねです。電気代相当額を法外援護として給付した場合、給付額と同額が生活保護費から減額されるために、区が給付することは困難です。区は、夏季加算の新設について、東京都を通じ、引き続き国に要望してまいります。  次に、国民健康保険料についてのお尋ねです。  まず、保険料の均等割額を引き下げることについてです。区は、同じ所得・世帯構成であれば同一の保険料となる特別区の共通基準に基づき、保険料を算定しております。本年四月からの制度改正にあたっては、国や東京都からの財政支援に加え、区でも保険料の上昇を抑えるための激変緩和措置を講じております。また、所得金額が一定の基準を下回る世帯や職を失った方などに対する減額・軽減措置を講じるとともに、丁寧な納付相談を引き続き行ってまいります。  次に、子育て世帯の均等割の見直しを東京都へ申し入れることについてのお尋ねです。均等割は、被保険者一人ひとりに一定額を負担していただくため、多子世帯では負担が大きくなります。そのため、特別区長会では、本年七月、国民健康保険の財政運営主体である東京都に対し、子どもに係る均等割の保険料軽減等について要望しております。  次に、第二子からの均等割を免除することについてのお尋ねです。保険料の減額・免除につきましては、特別区の共通基準に基づき実施しております。多子世帯に対する保険料軽減措置につきましては、特別区長会等を通じ、東京都及び国に対し要望してまいります。  次に、区立認可保育園の建設についてのお尋ねです。  まず、園庭のある区直営の保育園の設置についてです。区は、保育環境の充実を図るため、プール遊びや外遊びができる認可基準を満たした園庭のある港区立元麻布保育園の整備を進めております。また、現在、区が直接運営している保育園については、引き続き区の直営としますが、新たに区立保育園を整備する際には、休日保育や夜間保育など多様な保育需要に対応するため、指定管理者制度を導入いたします。今後も、保育環境の充実や区立保育園の適切な運営に努めてまいります。  次に、国公有地等の購入や賃借による保育園の整備についてのお尋ねです。区は、国や東京都に積極的に働きかけ、平成二十八年四月に元麻布二丁目国有地を取得するとともに、現在、都有地四カ所を借り受けるなど、認可保育園の整備のための用地の確保に努めてまいりました。また、区では、土地・建物の所有者と保育運営事業者をつなぐマッチング事業にも積極的に取り組んでおります。引き続き、認可保育園整備に適した用地の取得や借り受けに向け、国や東京都、民間の土地所有者に対して積極的に働きかけてまいります。  次に、保育士の配置についてのお尋ねです。  まず、保育士の配置基準見直しの働きかけについてです。認可保育園における保育士の配置につきましては、児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な生活水準を確保するためのものとして、国や東京都が、その基準を定めております。区内の公私立の認可保育園では、国や東京都が定める基準に従い、保育士を適切に配置しております。このため、区は、国や東京都への抜本的な改善を要請することは考えておりませんが、引き続き、保育士が働きやすい環境づくりに努めてまいります。  次に、保育士の配置増員についてのお尋ねです。国や東京都の基準は、一歳児クラスにおける保育士の配置を、児童六人に対して一人としております。区では、一歳児クラスにおいて、この基準を上回り、児童五人に対して一人の保育士を配置しているほか、十一時間開所や延長保育の実施の際に保育士を増員しております。  さらに、私立認可保育園に対しては、保育士等が出産や傷病などによる長期休暇や夏季休暇を取得する際の代替職員の確保に要する経費を、区独自に補助しております。区といたしましては、現行の保育士の配置は適切なものと考えております。  次に、特別養護老人ホームについてのお尋ねです。  区は、これまで特別養護老人ホーム八施設、七百二十九床を計画的に整備し、現在、要介護四、五で施設介護が必要な方については、おおむね一年以内に入所しております。平成三十二年三月に百床の特別養護老人ホームを南麻布四丁目に開設することで、介護を必要とする方の入所待ち期間を大幅に改善することが見込まれます。特別養護老人ホームの整備につきましては、今後も高齢者人口及び要介護認定数の推移や、特別養護老人ホーム入所申込者数などを踏まえ、必要性も含め検討してまいります。  次に、観光名所をめぐる「ちぃばす」のルートについてのお尋ねです。  港区総合交通戦略では、「ちぃばす」の利用促進策として、区内の観光地をめぐるルートを検討することといたしました。現在、港区観光マップなどを活用して、「ちぃばす」でめぐる区内観光名所を区民や来街者に案内しております。今後、移動手段としての利便性や採算性等も勘案しながら、区内観光名所への乗り入れの可能性を検討してまいります。  次に、入学準備金の差額を支給することについてのお尋ねです。  今回の生活保護基準の改定は、十月一日が基準日とされており、入学準備金の性格から、本年四月の入学に要する費用については、既に生活保護費として支給しており、区として、国に差額の支給について要請することは考えておりません。  最後に、財政調整単価引き上げの協議についてのお尋ねです。  都区財政調整上の新入学学用品費等の単価は、東京都の教育庁が定める単価を根拠に算定されております。引き続き、都区協議の中で適切に対応してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。  教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(青木康平君)登壇〕 ○教育長(青木康平君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員のご質問に順次お答えいたします。  最初に、学校体育館へのエアコン設置についてのお尋ねです。  現在、エアコンが未設置の学校は、小学校で六校、中学校で一校です。これらの学校体育館につきましては、来年度から平成三十四年度までに、大規模改修及び改築に合わせ設置していく計画になっておりますが、この夏の猛暑を考慮し、熱中症を予防するという観点で、ことしの二学期から未設置の学校につきましては、冷風機や大型扇風機を配備しております。あわせて、エアコンの設置につきましても計画の前倒しを視野に検討してまいります。  次に、就学援助の新入学学用品・通学用品費を港区独自に引き上げることについてのお尋ねです。  準要保護世帯の就学援助に係る都区財政調整の単価につきましては、国の要保護児童生徒援助費補助金が改定された翌年度に、東京都教育庁において、国の単価の変動率を設定単価に乗じて算出しております。このことから、区独自に支給額引き上げることは考えておりませんが、特別区学務課長会、特別区教育長会において、他区との情報共有を引き続き図ってまいります。  次に、修学旅行参加費等の改善についてのお尋ねです。  まず、修学旅行参加費の支給時期の見直しについてです。修業旅行参加費につきましては、宿泊費や交通費等の修学旅行に要した実費負担額を、修学旅行参加者に実施後、学期末に支給しております。また、修学旅行に必要なものをそろえられるように、国の補助金支給項目にはない、修学旅行支度金を区独自に学期末に支給しております。  修学旅行では、各学校で実施場所が違うことや、生徒によって個々に見学場所等が異なるため金額が一定ではありません。さらに、生徒の参加の有無による支給の可否や、見学場所の急な変更により支給金額が増減する可能性があります。このように修学旅行参加費は実費負担額を支給しており、金額を確定して事前に支給することは困難であることから、修学旅行参加費の支給時期を見直すことは考えておりません。  次に、PTA会費の支給についてのお尋ねです。教育委員会では、現在、就学援助の支給項目は、原則、都区財政調整の積算項目に基づき設定しております。一方、一時的に保護者の経済的負担が大きくなる修学旅行支度金や柔道着代については、都区財政調整の積算項目にはありませんが、区の独自の支給項目としております。PTA会費につきましては、都区財政調整の積算項目にないため支給は考えておりませんが、支給に至った他自治体の経緯等については調査してまいります。  最後に、クラブ活動・部活動費の引き上げについてのお尋ねです。小・中学校のクラブ活動・部活動は、学年や学級を超え、目的を持って集団で活動に取り組むことにより、よりよい人間関係を形成する上で重要な役割を持ちます。区では、このような児童・生徒の個性やよさを伸ばし、集団活動を実践することのできるクラブ活動・部活動への参加を促すとともに、参加に伴う保護者の負担を軽減するため、港区子どもの未来応援施策の取り組みとして、昨年度から新たにクラブ活動・部活動費を支給項目に追加しました。  支給金額については、児童・生徒ごとにクラブ活動・部活動にかかる経費が異なるため、都区財政調整の算定単価を根拠として、小学四年生から六年生は年額二百四十円、中学生については年間千二百三十円としていることから引き上げについては考えておりませんが、他の自治体の支給状況については調査してまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。   〔二十七番(熊田ちづ子君)登壇〕 ○二十七番(熊田ちづ子君) 何点か再質問させていただきます。  最初に、ヒバクシャ国際署名についてですが、区長は、以前に署名しているので重ねて署名しないと、従来と同じような答弁だったのですが、先ほども触れましたように、新たに始めたヒバクシャ国際署名を成功させたいということで、全国的にも取り組みが進んでいます。先ほど、自治体首長の署名人数をお伝えしましたが、これは兵庫県原爆被害者団体協議会がつくったポスターです。ちょっと小さくて申しわけありませんが、知事、各町長、市長たちが署名して、それをポスターにして県民に呼びかけています。八十二歳という被爆者の方は、命あるうちに核兵器の廃絶を願っています。これに、私たちも応えていく必要があると思いますので、ぜひ区長も一歩進んでいただいて、新たに署名をしていただくことをお願いします。  次に、区ホームページでヒバクシャ国際署名を紹介していきますということでしたが、現在は、平和首長会議・署名にリンクできるようになっていて、そこで、ヒバクシャ国際署名が出てくるわけです。そこに行き着くまで、暮らし・手続きから、平和・人権、平和への取り組み、平和首長会議・署名という形となっておりわかりにくくなっています。先ほど、区ホームページからもヒバクシャ国際署名用紙をダウンロードできるようにしますということでしたが、これは直接ページを確認できるものなのかどうか、それを確認したいと思います。  次に、指定管理者の問題ですけれども、第三者評価は考えていないという答弁でした。私は非常におかしいと思うのです。区長は、二〇一八年度三月九日の予算特別委員会の総括質問の答弁で、私たちが指摘したこの調査について、全庁的な視点により適切に調査を実施してまいりますと答弁されました。しかし、九月五日開会の建設常任委員会で報告された調査報告書は、地域交通課の調査報告書になっています。地域交通課はこの指定管理者を管理する側で、いわば当事者だと思います。この調査報告書を見て非常におかしいと思うのは、調査報告書では、四十九万円が紛失した経過とか、区への報告が一年三カ月もおくれた理由は一切記載がないことです。そして、事業所の責任や、今回の事案が起きた事業所の問題点も指摘されていません。ですから、所管課が調査するには、非常に限界があると思います。これは公的な場所で、ましてや公金を扱うところで起きたことですので、非常に重要で、区長も重く受けとめていますということをおっしゃられましたけれども、これはきちんと、弁護士であったり公認会計士を入れて調査をやり直すべきだと思います。再度、ご答弁いただきたいと思います。  それから、指定管理者の二つ目の質問では、区との協定どおりに業務をしているか確認してまいりますという答弁でしたが、もう一度確認しておきたいと思います。この調査報告書の事案については、二〇一七年度に外部監査が入っています。そのときにも、区の指定管理を受ける際の協定書の協定どおりに収支の報告がきちんとされていませんでした。収入があっても支出がないとか、そのような指摘が四点、それから意見も三点ついています。収支については非常に重要なことです。この点については、指摘がされておりますので、そのようなことも含めて、全ての指定管理者について、協定書の協定のとおりきちんと運用されているのかどうか確認するのかどうか確認させていただきたいと思います。以上です。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての熊田ちづ子議員の再質問に順次お答えいたします。  ヒバクシャ国際署名の署名用紙が入手できることについてでございますけれども、区ホームページを通じまして、入手しやすいよう工夫に努めてまいります。  次に、指定管理者制度についてのお尋ねです。  第三者機関による調査についてでございますが、このたび、区の調査といたしましては、指定管理者に対して事実関係のヒアリングや収入関係書類の突合等の調査を厳密に実施したところです。収入関係書類の確認といたしましては、全ての領収書千三百六十八枚を確認、また、日計表、銀行入金状況の突合作業等をしっかりと行ったところでございます。今回の調査によって、その内容が明らかにされたものと考えております。  また、今回の調査内容につきましても、区が取り入れております指定管理者制度の全庁的な運用に生かすために、本年四月に実施しました指定管理者等を対象とした、港区危機管理基本マニュアルにかかわる説明会等におきまして、公金の適正な取り扱い、また、危機管理上の報告体制について、改めて指導したところでございます。区で指定管理を委ねている全ての事業者において適切に執行されていることをそれぞれの所管において確認する、これは当然のことであろうと考えております。今後も、適切な指定管理者制度の運用に努めてまいります。  よろしくご理解のほどお願いいたします。 ○議長(池田こうじ君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                        午後五時二十五分散会...