○7番(大島久幸君) おはようございます。
いよいよ師走に入り、空気が絹糸のように張りつめてまいりました。鹿沼から見える男体山は、白く雪化粧をし、その美しい姿を見せております。四季折々のその姿は、私を鹿沼に住んでよかったと思われてくれています。その男体山のふもとで小学校1年生の女の子が、つらく悲しい事件に巻き込まれてしまいました。小学生の子供を持つ親の一人として断じて許せない事件であり、あってはならないことであり、どうしてなのか、犯人に対する怒りをどこにぶつけてよいのか、憤りを感じずにはいられません。どうか幼い子供たちに世の中の不満や自分の弱さをぶつけないでください。子供たちを守るのが大人の役目ではないでしょうか。今、全国の小学校で子供たちの登下校に親が付き添いをしています。付き添えない親もいます。鹿沼の子供たちを守るために、地域の皆様の温かい救いの手が必要です。どうかしばらくの間、ご自分の近くの小学校の登下校の時間には、ご自分の家の前で結構ですから、外に立って子供たちに注意を払っていただきたい。お願いをいたします。新しい教育長が就任をされて間もない時期ではありますが、全力を挙げて子供たちを守る対策をお願い申し上げ、質問に入ります。
まず、教育問題について、6件伺ってまいります。
1件目は、新教育長の教育に対する理念をお伺いいたします。この理念を伺ってから、各施策の考え方についてを順次伺ってまいりたいと思っています。
小林教育長は、ことしの夏ごろ阿部市長から就任要請を受けたと聞き及んでおります。
小林教育長は、前々回の衆議院選挙に敗れた後、政界引退を表明いたしました。報道によりますと、その後の第二の人生をどう生きていくか考えたとき、教育分野にかかわりが持てればよいとの思いがあったそうです。阿部市長がご自宅へ来たときには、その場で既に前向きな気持ちになられたそうですね。阿部市長が、
小林教育長を私たちに推薦したときに、
筑波大学教授の堀和朗氏の研究報告を引用しておられました。市長が、教育行政にとっての教育長の重要性を十分に認識した上で真剣に取り組み、情熱を傾けた人事で獲得される人材であれば、その前職が何かはほとんど意味を持たない。要は、教育長人事がその地域の教育行政にとってどれだけ切実なものとして行われるかどうかだと、この報告をもとに強く要請したと伺いました。その人事の結果として、鹿沼の教育を変える、自主的、積極的な行政の展開を、そういった展開を支えるリーダーとしての教育長を望んだものと思われます。果たして
小林教育長はどのような理念を持って鹿沼市の教育行政を行っていくのかをお伺いいたします。できれば、阿部市長が強く要請に来られたとのことなので、市長からも具体的な問題を提示されたり、教育の方向性などについても話があったことと思われます。そのことにより、
小林教育長として信念を固めていかれたものと思います。どんな真剣な話があったのかも、あわせてお聞かせいただければと思っています。
2件目として、
教育施設整備についてをお伺いいたします。
1点は、学校施設・
教育施設整備についてです。建物の状況をどう把握して今後整備を行っていくのか。また、営繕については、危険箇所などの優先順位をつけたり、
教育委員会として修繕すべきもの、学校単位に任せるもの、そういったものがあると思いますけれども、予算の少ない中、どのように行っていくのかをお伺いいたします。
3件目として、学校教育及び指導について4点伺います。
1点目は、学校の安全についての考えをお伺いいたします。さきにも述べましたように、事故や災害はあらゆる場面で起こってまいります。先生や子供たちはあらゆる危険にさらされていると言っても過言ではありません。ハード面での安全対策としての学校施設の防犯・防災対策、ソフト面での
危機管理マニュアルの作成などがあります。これらは、学校・家庭・地域が一体となり、警察署、消防署、PTAや自治会などの関係機関、団体等が連携をして、地域社会全体として安全を守る、そういった取り組みが行われているところでもあります。しかし、後を絶たない不審者の侵入、通学路の危険性があり、より具体的な安全確保を推進すべきであります。アスベストなど学校の環境衛生に関する問題も含め、広く学校の安全についてを伺うものであります。
2点目は、
ゆとり教育と総合学習をどのようにとらえているかということをお伺いいたします。生きる力をはぐくんでいくとして、
ゆとり教育や総合学習が始まりました。しかし、心配したとおり学力低下につながり、文部科学省は早くも見直しを行ったところであります。そのような中で、総合学習は、地域や学校の独自性、先生方の工夫にゆだねられるところもあり、鹿沼らしい教育の実践や学校選択制の中での学校をアピールする授業の一つともなっているところであります。それらを踏まえ、
ゆとり教育と総合学習を教育長はどのようにとらえているのかをお伺いいたします。
3点目は、体験学習についてをお伺いいたします。豊かな人間性の形成を行っていくためには、自然や社会とかかわる機会をつくることが欠かせません。文部科学省によりますと、自然体験や生活体験、例えばトンボやバッタをつかまえたり、小さな子供を背負ったり、小さな子供と遊んであげたり、そういった自然体験や生活体験が豊かな子供ほど、道徳観や正義感が身についているそうであります。
最近の言葉に、「そんな小さな正義感でこのことを公表して何になるんだ」と言って構造計算書問題を隠そうとした人がいます。
耐震強度偽造には、多くの人がかかわってしまいました。しかし、小さな正義感によって世の中に公表をされました。できれば小さな道徳観によって偽造に至らずに済めばよかったのにと、同業者の身としては思う次第であります。
体験学習については、鹿沼市において、職場体験をする「マイ・チャレンジ」として行っています。中学生が自分のやりたい職場を選んで、いろいろな職場、職業を通して社会体験をしております。また、
自然体験交流センターの完成により、自然体験、生活体験の場を子供たちに与えるプログラムが始まりました。それらを運用するにはまだまだ問題も多く、市民の理解と協力を得ながら活用していくべきと思います。この体験学習は、子供たちにとっては得るものの多い学習であります。今後のあり方を教育長の考えとしてお伺いするものです。
4点目です。文部科学省の「
キャリア教育」の推進について、どう対応していくかをお伺いいたします。
キャリア教育は、社会の激しい変化の中で、子供たちが生きる力を身につけ、社会人、職業人として自立していくことができるようにしようと進められています。職業意識を持つことによって、自分に必要な知識や技術に触れていこうとするものであります。フリーターやニートになることを防止する施策でもあると思っています。
キャリア教育の推進については、地域性なども出すことができ、総合学習との連携がとれれば、子供たちに実りのある教育をすることができるはずです。このことについても、教育長のお考えを伺います。
4件目は、社会教育について2点お伺いいたします。
1点目は、市民の学習需要、そういったものが多様化・高度化しております。これらに対応する学習機会の提供を行うことは、大変重要なことです。公民館、図書館、美術館などの場の提供、つまり施設整備を行い、各種学級や講座などの事業を行うことが求められています。それらは、生涯学習として、市民が生涯のうち、いつ、どこででも自由に学習機会を選択し、学ぶことができ、その成果を楽しむことができるものでなくてはなりません。鹿沼市において、生涯学習の施策は、
市民生活部所管ではありますが、鹿沼市の生涯学習における学級や
講座メニューも豊富にあり、多種に及んでいることではあります。さらなる充実を求めて、教育長としての考えを伺うものであります。
2点目です。学社融合についての考えをお伺いいたします。鹿沼の学社融合は、狭義の学社融合として、学校教育と社会教育の融合という狭い範囲に限定した考えのようであります。学校の事業だけをその範囲として、市民の活動等が同時に行われる部分としています。学校教育と社会教育がそれぞれ主体的に行われ、それぞれに教育効果を上げているようでもあります。現在のよさを維持しながら、将来の発展も含めて、学社融合についての教育長の考えを伺うものであります。
5件目として、文化財の保護についてを2点お伺いいたします。
1点目は、文化・芸術の振興についてをお伺いいたします。この文化・芸術の振興施策は、やはり
市民生活所管ではありますが、しかし、個性と魅力ある地域文化や芸術は、心豊かに暮らしていくための原点であり、教育の根幹を成すものとの思いがあります。ぜひ鹿沼の文化・芸術の振興は教育長の強いリーダーシップで推進していただきたく、その考えをお伺いするものです。
2点目です。文化財の保護として、登録文化財という制度がございます。私は以前、同様の質問を
西山教育長時代に行ったことがございます。制度については以前のとおりですから、詳しくは申しませんが、そのときは、答弁で、所有者の理解がなかなか得られないなどあり、市が主体となって進めるものではないとのことでありました。
小林教育長は、
自然保護活動や文化活動を積極的にやってこられたようでありますから、登録文化財について理解のある前向きな考えをお伺いいたしたく、質問するものであります。
教育問題について最後の質問です。6件目として、
スポーツ振興についてお伺いいたします。
1点、お伺いいたします。学校教育における
スポーツ振興と社会体育における
スポーツ振興をお伺いいたします。学校教育における
スポーツ振興については、少子化により学童の減少から、学校単位でのチーム編成が難しかったり、指導者などの問題があったり、運動部自体の活動が立ち行かなくなっているところもございます。また、今の子供と30年前の子供の体力と体格を比較すると、身長と体重は30年前に比べて5%から10%ぐらいふえている。しかし、走る力や投げる力は、逆に5%ぐらい下がっているようであります。それらは、子供の遊びの変化や食生活の変化にあるものと思われます。生涯にわたって健康な体をつくるためにも、また生涯にわたってスポーツを楽しむためにも、
スポーツ振興は必要なものです。
スポーツ振興が学校から社会生活へと流れるように引き継がれれば、競技として優秀な人材を輩出したり、また無理せず長く楽しむということもできるはずです。鹿沼の子供たちの健康な体と市民の健康な体をつくる施策としての
スポーツ振興について、教育長の考えを伺うものであります。
以上6件、教育問題について11点お伺いをいたします。
一般質問の二つ目は、鹿沼市地域新
エネルギービジョンについてお伺いをいたします。
環境問題として、今までに何人もの議員から環境負荷の提言について、CO2削減や新
エネルギービジョンの周知、太陽光発電などの個人設置に対する補助を訴えてまいりました。しかし、市独自の支援策を検討するという答弁で、なかなか具体的な支援策が見えてまいりません。そこで、私は再度伺うものでありますが、新
エネルギービジョンについての1件目として、新
エネルギー導入の基本方針について、3点お伺いいたします。
1点として、新
エネルギービジョンの周知徹底として、より情報提供を強化すべきと思います。新
エネルギーの導入については、公共施設に対する計画は非常に具体的に示され、理解ができるものです。欲を言えば、もう少し大規模導入をしてほしいという思いもあります。しかし、市民や事業者に対しての普及については、この計画書の提示だけではなかなか広まらないと思うのであります。よって、ビジョンの周知徹底、情報提供の強化を望むものであります。
2点は、環境学習として子供たちにより多くのことを学んでほしいと思っています。新
エネルギー学習について、どのくらいの時間をかけているのかをお伺いいたします。できれば子供たちの理解はどうであったのか、感じ取れる部分で結構ですから、教えていただきたいと思います。
3点目、新
エネルギーを導入しようとする家庭や事業者に対する具体的な支援制度を早く創出すべきではないでしょうか。私の考えられる具体策として、①に、制度融資の強化というものがあるのです。金利の引き下げとか融資枠の拡大。②に、補助金の創出というものがあると思います。
太陽光発電装置1キロワット当たりに対して補助金を出す。③として、税制的な優遇措置の創出。例えば、新
エネルギー導入をした場合に、年数を決めて市税等を軽減するなど、そういった措置であります。ぜひこのような具体的な支援制度を早く創出して、CO2削減に対しても目標以上に達成することを願うものであります。
2件目は、新
エネルギー導入目標についてをお伺いいたします。その目標値が鹿沼市地域新
エネルギービジョンの61ページに書いてあります。官民あわせて目標値を達成する数値となっています。この導入量の試算において、公共施設の目標値は、行政の努力によって計画どおり実施されるものと思っています。しかし、民間の部分の目標値を達成するためには、その根拠としての具体的な施策がなくてはなりません。そこで、3点について具体策を伺うものです。
1点は、
太陽熱温水器の導入について、2点は、太陽光発電の導入について、3点は、
クリーンエネルギー自動車の導入についてです。これらは、さきに伺った支援対策と重なる部分もあるかと思いますが、ぜひ具体的にお示し願いたいと思っています。
以上、一般質問を終わります。
○議長(阿見英博君) 当局の答弁を求めます。
市長、阿部君。
○市長(阿部和夫君) おはようございます。答弁に入る前に、
一言お悔やみの言葉を申し上げたいと思います。
去る12月1日午後、今市市の小学1年生女子児童の吉田有希さんが、下校途中何者かに連れ去られまして殺害されるという、痛ましい事故が起きてしまいました。まことに痛恨の極みであり、この残忍非道な犯罪を絶対に許すことはできないと思っております。一日も早い犯人逮捕、事件解決を心から願うものでございます。市政を預かる私といたしましては、このような事故が起き得ないように、
教育委員会や関係機関と連携をとりながら、児童・生徒の
安全確保対策に万全を期してまいりたいと思います。そのようなことから、お悔やみの言葉といたさせていただきたいと思います。
7番、大島議員の鹿沼市地域新
エネルギービジョンについての質問にお答えします。
まず、新
エネルギー導入の基本方針のうち、ビジョンの情報提供の強化についてでありますが、本年4月に、ビジョンの概要版を全世帯に配布しました。また、報告書を市の全施設に配置するとともに、ホームページにも掲載をしております。今後は、現在策定中の
次期地球温暖化防止実行計画に含め、地域新
エネルギービジョンの推進計画を策定し、
地球温暖化防止実行計画の実績とあわせて、ビジョンの推進状況を公表していきたいと考えております。
次に、学校での新
エネルギー学習についてでありますが、平成13年度から、
環境学習推進校を指定して、5か年で市内全小中学校において環境教育を実践しております。中でも平成15年度と16年度には3小学校ずつ、新
エネルギー財団の協力のもと、新
エネルギー教室を実施しました。新
エネルギーの学習は、小学校では総合的な学習の時間や社会、理科の授業に行われ、多い学校では年間15時間実施されております。中学校においても、理科や社会、技術家庭の授業で8時間ほど実施をされております。
次に、支援制度の創出についてでありますが、一般家庭には補助制度、事業者には融資制度の拡充などを、
次期温暖化防止実行計画の中で具体的に示すよう、検討しております。また、税制につきましては、事業者の新
エネルギー導入に対する国の優遇措置がありますので、積極的な活用を図るため、情報提供を行いたいと考えております。
次に、民間の新
エネルギー導入目標を達成するための施策についてでありますが、本市独自の支援策として、太陽光発電に限らず、
太陽熱高度利用、風力発電、
天然ガスコージェネレーション、燃料電池など、多くの種類の新
エネルギー導入に対し支援をすることとしたいと思っております。
また、
クリーンエネルギー自動車につきましては、
ハイブリッド自動車、電気自動車の購入時には、
財団法人日本自動車研究所の補助制度を利用できることなどについての情報発信を積極的に行ってまいります。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 教育長、小林君。
○教育長(小林 守君) 教育問題についての質問にお答えいたします。
まず、教育に対する理念についてでありますが、教育は、次世代への責任であると考えます。今日私たちの生きている社会と環境は、人と人との平和的な共存、人と自然の循環的な共生という視点から、持続可能な社会の実現が求められております。そのため、社会的に自立した人間を形成することが教育の次世代への責任であり、自立と共生の教育理念が必要になります。自立とは、自己の責任のもとで自己実現を図ること。共生とは、ともに人間として高まることであります。すなわち、社会の中で人と人がお互いに自立し、ともに人間として高まっていくことが必要であり、さらに人と自然が共生の循環的関係をつくることが、持続可能な次世代社会の形成につながるものと考えております。また、教育基本法にありますように、教育行政は、教育の目的を遂行するための必要な諸条件の整備・確立を目標として行われます。以上のような理念を持ちつつ、学校教育等の諸条件の整備に努めてまいります。ふるさと鹿沼のすばらしさを引き継ぐ子供たちを育て、また、「子育てするなら鹿沼」と言われるように努力してまいります。
次に、
教育施設整備についてでございますが、まず、整備・営繕に当たって現状をどのように把握するのかにつきましては、施設を使用する学校等からの情報と専門業者の保守点検等の報告を総合し、安全の確保を最優先して、計画的な営繕に努めております。
また、今後の整備をどのように行うかについては、児童・生徒数の変動や施設の経過年数、老朽化の度合い、建物の強度、財源の確保見通しなどを総合的に判断し、総合計画との整合を図りながら、増改築、大規模改造等の整備計画を策定しております。
次に、学校教育及び指導についてのうち、学校の安全についての考えについてでありますが、各学校では、
危機管理マニュアルの作成、計画的な訓練等により、安全確保に努めております。しかし、安全対策に終わりはありませんので、家庭、地域との連携をさらに強めてまいります。
次に、
ゆとり教育と総合的な学習についてですが、学習指導要領には、ゆとりの中で生きる力をはぐくむことが示されており、各学校が創意工夫して生きる力をはぐくむ総合的な学習は、有効であります。
次に、
自然体験交流センターの活用を含めた体験学習についてですが、日常生活の中で、子供たちの自然体験、生活体験が不足している現状から、貴重な学習の機会であるととらえ、マイ・チャレンジ推進事業や
自然体験交流センターの集団的長期宿泊体験学習などを通して、確かな職業観や信頼と協調性を育成できるものと考えております。
次に、「
キャリア教育」の推進の対応についてですが、
キャリア教育を児童・生徒一人一人の勤労観、職業観を育てる教育ととらえ、子供たちが将来に夢を持てるよう、働くために必要な資質を高める学習や、自分はどんな職業に向いているのかを考える学習等を
キャリア教育の視点から整理していく必要があります。
次に、社会教育の推進についてですが、市民の命と暮らしやまちづくりに関する現実的・社会的課題について学習機会を提供することが、行政の果たすべき役割と思われます。しかし、人々の学習への関心は、趣味や実利的な問題に傾倒しがちであり、生涯学習・社会教育施設でも、個人的な教養やレクリエーション関係、趣味などの講座を提供する機会が多い傾向にあります。今後急激な社会変化に伴うさまざまな課題を解決するために、社会教育の役割はますます重要と考えますので、市民の豊かな人間性や社会性の形成に資することを基本としつつ、市民が自ら考え、取り組むべき課題を、生涯学習部局と連携を図りながら、その充実を図っていきたいと考えております。
次に、学社融合についてですが、鹿沼市は全国に先駆け、平成8年度から、板荷地区において学社融合運動をスタートさせ、既に10年目を迎えました。学社融合のメリットは、学校教育の充実とスリム化、社会教育では住民の主体的な活動の活性化であります。現在では、市内全小中学校で学社融合の授業が行われ、学校と地域を結ぶ学習支援委員会が7校で組織され、この活動に支えられながら、子供たちは豊かな学習活動を体験し、地域は質の高い教育力を得ると考えています。来年度オープンする
自然体験交流センターは、学社融合活動をさらに拡充する契機となります。
次に、文化・芸術振興についてでありますが、市民のさまざまな文化活動は、ゆとりと豊かな人間性をはぐくむ上で大変重要であると考えます。このため、学校教育の中では、音楽や演劇など生の芸術に触れる機会を積極的に設けているほか、小学校への木版画出前教室、また鹿沼の特色を生かした「みんなでつくろう木版画大賞」など、さまざまな文化・芸術体験活動を実施しております。
教育委員会でも、市の策定した文化・芸術振興計画のもと、市民の文化・芸術活動に対し積極的な支援策を検討してまいります。
次に、登録文化財制度の活用についてでありますが、この制度は、平成16年9月議会でもお答えしましたが、文化財の活用と保存を目的とした国の登録制度であります。歴史的・文化的に貴重な資料は後世に引き継いでいく必要があるため、今後も本制度について市民への啓発を進め、文化財の活用と保存に努めてまいります。
次に、学校教育及び社会教育における
スポーツ振興についてですが、学校体育は、生涯にわたる豊かなスポーツライフの基礎を培うものであり、学校において、体育の授業や運動部活動等を通じ、児童・生徒がスポーツに親しみ、その楽しさや喜びを味わう機会を確保することが、
スポーツ振興の観点から極めて重要なことであります。そのためには、教科体育を充実させ、児童・生徒の体力や運動能力の向上を図ること、運動部活動を一層充実させ、魅力ある部活動を推進することと考えています。
また、社会体育では、いつでも、どこでも、だれでも、気軽にスポーツを楽しめるよう、市民ひとり1スポーツを目指して、多種多様化する市民ニーズを的確にとらえ、未来を担う子供たちが豊かな心と思いやりをはぐくみ、子供と大人のかけ橋となるような生涯スポーツを推進してまいります。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 当局の答弁は終わりました。
当局の答弁に対し、再質問はありませんか。
7番、大島久幸君。
○7番(大島久幸君) 再質問をいたします。
鹿沼新
エネルギービジョンについては、前向きに取り組んでいくというお答え、毎回これは伺っているのですけれども、できれば、私が提言したような具体的な策を早期に実現をしていただきたいと思っています。これは要望といたします。
教育問題について、教育長から理念をお伺いいたしました。鹿沼市の教育ということでは、行政における教育というのは、継続性というものがあると思うのですね。鹿沼市の子供たちをこういうふうにする、これは
西山教育長時代からの継続理念というものもあるかと思います。その点について、どのような引き継ぎがあったのかをお伺いしたいと思います。
それと、施設整備のところで、「財源」という言葉が出てきました。この財源については、実は義務教育費の国庫負担金が三位一体の改革の中で一般財源化される。そうなると、地方の財政力によって地域の差が出てくる。そういったことになってくるのですね。これは、教育長として強く市長と財源のやりとりをやっていただいて、今後鹿沼市の教育がほかに立ち後れがないように、強力に進めていくべきと思っています。その点について、どうお考えなのかをお伺いしたいと思っています。
こういった教育改革については、
小林教育長は、国会議員を経験しておりましたから、平成になってから、教育改革、また21世紀の教育新生プランや人間力戦略ビジョンなど、国は毎年毎年いろいろな改革を出しています。それを多分生で体験しているはずですから、そういったことも踏まえて、鹿沼市の教育にどうその経験を還元できるのかということもお話しいただければと思っておりましたので、そういったお話をいただきたいと思います。
また、体験学習や
キャリア教育については、十分に認識されて、行っていくという話だったのですけれども、この
キャリア教育を、では、具体的にカリキュラムにどういうふうに入れていくのかというところまで踏み込んで、お話をいただければと思っています。
それと、もう一点、文化財の保護について、これも後世に残すものとして十分に認識をしているというお話でありました。今後とも啓発をしていくということでありますけれども、それでは、啓発、パンフレットをつくるのか、ケーブルテレビで流すのか、具体的にどういうふうにするのか、そこも踏み込んでお答えを願いたいと思います。
以上、再質問です。
○議長(阿見英博君) 再質問に対し、当局の答弁を求めます。
教育長、小林君。
○教育長(小林 守君) 再質問のところで、西山教育長からどのような引き継ぎがなされたのかというようなことがございました。引継書をいただきましてですね、読ましていただいた経過もございますが、教育学習の効用は市政を支える礎石となるものであると、このようなお話が大前提としてありました。私もこの前の就任のごあいさつの機会をいただいたときに、やはりまちづくりは人づくりにあるというようなことをお答えさせていただいたと思いますので、その辺を基本にして、次期総合計画への整合性を図りながら、十分にまちづくりのための人づくりということを目指して取り組んでいきたいと、このように考えておるところであります。
また、市長とのお話の中でどのようなことがあったのかというようなことも質問にございましたけれども、私ならば言えることというか、私は教育の専門家ではございません。学校現場から上がってきた教育長ではございませんので、あえて言うならば、今日のさまざまな社会問題、教育問題、児童・生徒の問題行動等については、民間出身という立場もございまして、やはり問題の第一義的な責任は家庭にあるということを、はっきり市民に言えるというのではないかなと。また、それが私の教育長としての役割ではないかと、このように考えておりますので、学校教育を社会教育的な視点から、どう守り、育てていくのかということを大きな課題として取り組んでいきたいなと思っておるところでございますし、市長もまたそれを期待して、私を任命していただいたというふうに理解をしているところです。
それから、文化財の啓発についてどうするのかというところでございますけれども、市のこれからの計画の中で、まちづくりの一環として「まちの駅」構想というのが進められているわけでありますが、その中にしっかりと位置づけていきたいなと、このように考えているところであります。そういう中で、既に該当するような歴史的建造物は一定程度把握されているわけでありますから、その所有者等に対して、さらに登録文化財制度の活用による保存・活用というものにご協力いただけないかというような啓発を行っていきたいと、このように考えているところです。
その他については、教育次長の方からお願いしたいと思います。
○議長(阿見英博君) 教育次長、古澤君。
○教育次長(古澤正己君) 大島議員の再質問のうち、施設整備、特に三位一体の改革による財源、この問題でございますけれども、国の考え方を代弁するわけではないですけれども、ここで確認をしますと、いわゆる国庫財務負担法の3分の1が地方に移譲されると。そういう仕組みでありますから、全体としては、三位一体による教育財源の減少というのは考え方としてはなくなるわけです。そういう中で、いわゆる学校施設の改修をするに当たっては、総枠としては変わらないわけでございますから、いわゆる地方財源が、いわゆる地方の考えで、地方の教育理念に基づいて重点的に配分することも可能になると、そういう選択肢の幅が広がるという点では、ある種の評価をいたしております。そういう中で、そのお金をどう使うかということにつきましては、市長部局との連携の中で、総合計画と整合性をとりながら図っていくということでございますので、まず減少ありきという判断はいたしておりませんので、制度としての説明と、地方は独自教育の幅が広がるというふうに解釈しているというお答えをしたいと思います。
あと、
キャリア教育とカリキュラムの関係、これもご質問あったと思いますけれども、これにつきましては、もう既に文部科学省が教科書の中で、道徳でありますとか、社会科でありますとか、そういう中で位置づけを行っています。そういう中で、あとは鹿沼市としての教育の特色というのをどこに位置づけるかということでございますけれども、先ほどの教育長の答弁にもありましたように、体験学習、自然体験学習センターが来年度2学期から稼働いたします。この中で、今、地域社会を含む大人たちとの協働メニューづくりをいたしております。そういう中で、働く大人たちの姿を間近で見ていただく中でカリキュラムの強化をしていきたいと、そういうふうに考えています。
以上で再質問に対する答弁といたします。
○議長(阿見英博君) 再質問に対する当局の答弁は終わりました。
当局の答弁に対し、再々質問はありませんか。
7番、大島久幸君。
○7番(大島久幸君) 教育問題について再々質問いたしますけれども、教育理念の中で、西山教育長からの引き継ぎの中、まちづくりは人づくりだという、大変ありがたい引き継ぎをいただきました。その中で、国歌国旗問題についてどのような引き継ぎがあったのか、これをお伺いしたいと思います。
それと、財源について、今お話をいただきましたけれども、やっぱり一般財源化されるということは、自主財源に頼らざるを得ないところが出てくるのですね。そうすると、どうしてもほかとの予算の折衝によって、教育費が削られる可能性があると思います。国は予算の中でもなかなか教育費を獲得するのは難しいようでありますから、その点を、例えばこの改革の中で総枠としては減らないかもしれないという話ですけれども、やっぱり減っていくのではないのかなという心配があります。ですから、その点は教育長として、しっかり鹿沼の子供たちを育てていくためには、一般財源となった後でもほかに予算を取られないで、教育予算としてこれだけ確保していくという、そういう覚悟を伺いたいわけです。その点について答弁を願います。
○議長(阿見英博君) 再々質問に対し、当局の答弁を求めます。
教育長、小林君。
○教育長(小林 守君) 再々質問にお答えさせていただきます。
前西山教育長から、国旗国歌についての引き継ぎはどうだったのかというようなお話でございますが、直接的な引き継ぎのお話はございませんでした。ただ、私自身この問題については、いろいろと国会、県会議員とかの政治的な立場のときにも考えてきた問題でありますけれども、基本的にですね、学習指導要領の中にどう取り扱うべきかというのはもちろん入っているわけでありまして、それを踏まえてやっていきたいと、このように当然のこととして考えております。
それから、財政の一般財源化の中でどうするのかということでございますが、市長部局と十分連携をとりながら、教育の理念や理想の実現のために、十分ご理解をいただきたいというようなことを働きかけながら進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○議長(阿見英博君) 再々質問に対する当局の答弁は終わりました。
引き続き、発言を許します。
2番、松井正一君。
○2番(松井正一君) おはようございます。議席番号2番、松井正一であります。
ご承知のとおり、先ほど大島議員もおっしゃっていましたけれども、この間、広島、そして隣の今市市で、子供が犠牲となる痛ましい事件が連続で発生をしてしまいました。子供を持つ親の立場といたしまして、この事件には強い憤りを感じています。殺害されたお子さんのご冥福をお祈りするとともに、ご遺族、地域、学校関係者の皆様のご心痛をお察し申し上げます。ぜひ鹿沼の子供を守ろうという運動を市民ぐるみで立ち上げられることを希望しています。私も、自分の子供も含めて、PTAや地域を通じて活動をしていきたいと思います。
さて、今議会は、鹿沼市が粟野町と合併する前の最後の議会となります。1月からは新しい鹿沼市が誕生し、490平方キロメートル、人口約10万4,000人の自治体となります。合併とともに、また新たな行政課題も出てくることと思います。私は、これからも常に市民の皆さんの声を議会に届けられるように頑張っていく決意です。
今議会では、3件の一般質問を発言通告いたしました。10月より
小林教育長が就任をされ、初めての議会でありますので、私なりの視点で教育行政について質問をしていきたいと思います。また、中心市街地諸施策の推進と活性化や交通安全対策についても、順次質問をしてまいります。執行部各位からの明快な答弁をあらかじめお願いいたします。
まず、1番目の質問は、中心市街地整備と活性化についてです。冒頭にも述べましたとおり、鹿沼市は、来る平成18年1月1日に粟野町と合併することにより、人口10万人を超える都市となります。今まで以上に地方分権の時代にふさわしい地方都市のあり方を研究し、そして鹿沼市や今までの粟野町の特色を生かしたまちづくりを、市民の皆さんと行政とが協働で行っていくことが大切であると思います。現在鹿沼市では、中心市街地活性化に向けて諸事業が進められています。阿部市長のスタンスでもある「市民とともにつくる市政」の考え方に基づき、地域市民や関係団体の意見を採用し、計画策定されていることについては、敬意を表したいと思います。私は今回、中心市街地整備に関する諸事業や行事のあり方について、これからの合併により誕生する鹿沼市において、さらに発展していくためにはどうあるべきかと考えています。したがいまして、今回の質問は、そうした視点から、現在の事業の進捗状況、これからの対応について、一定提言も含めて質問していきたいと思います。
まず1点目は、中心市街地新拠点整備についてお聞きします。
鹿沼市では、現在「まちなか創造“夢”プラン」に基づき、中心市街地新拠点整備が計画推進されています。計画書を読みますと、35ページでは、計画推進の考え方として、平成17年度の計画では新拠点形成エリアの施設の配置や規模、整備の年次計画などの決定、施設運営手法の検討や活動グループの学習会などを行い、試行的に事業スタート。さらには、民間施設などによる「まちの駅」の設置を積極的に促進することが掲げられています。そこで質問ですが、現時点での「まちの駅」の募集状況と整備の年次計画の検討状況についてお示しを願います。また、地域ネットワーク、特に合併により粟野町地域との連携などはどのように考えているか、お示しを願います。
次に、2点目は、鹿沼秋祭りについてお聞きします。
平成15年に、国の重要無形民俗文化財に指定されました鹿沼今宮神社付けまつりとしての屋台行事は、今年も厳かに行われています。私も囃子方としてお祭りに参加をしましたが、この鹿沼秋祭りについては、名実ともに鹿沼の市民まつりとして発展・継承していければと思っている一人でもあります。今回の質問は、鹿沼秋祭りについて、地域の皆さんからいただいた意見をもとに行います。
秋祭りの終わった後、「ことしの秋祭りは観光客が少なかったね」と何人かの方から意見をいただきました。実際、私の感想ですが、主要交差点での人だかりのぐあいが例年に比べて少なかったような気がしています。鹿沼市にとっても、鹿沼秋祭りを発展させ、観光やまちづくりの目玉にしていくことは極めて重要であります。平成18年度には古峯原宮通りも完成をし、「お祭りロード」として整備していくことは、昨年9月議会での答弁で確認させていただきました。ここで質問ですが、鹿沼秋祭りへの観光客の誘致策も含めて、今後鹿沼秋祭りについてどのように考えていくのか、現時点での計画があればお示しを願います。
次に、3点目は、市民活動拠点整備についてお聞きします。
鹿沼市では、来年10月のオープンを目指し、現在、市民活動拠点の設置方針(案)につきましてパブリックコメントが募集されています。このことは、市民活動支援の面や周辺商店街の再活性化に対してもありがたいことであります。具体的には、まちなか交流プラザ1階を中心とした整備が予定されていますが、この施設は、企画部が中心となり計画策定した中心市街地活性化計画(平成5年ごろだったと思います)において、市民交流拠点と位置づけられ、下横町周辺土地区画整理事業によって現在の場所に整備がなされました。産業文化会館跡地、屋台のまち中央公園、そして今のまちなか交流プラザが三つの拠点で位置づけられ、その後、現在では中心市街地活性化基本計画に基づき、中心市街地諸施策が整備をされています。土地区画整理事業によって、まちは閑散としたイメージもありますが、市民活動拠点が設置されることにより、人が集う新たな動きが生まれ、また既存商店街の方とのこれからのまちづくりが実現できるのではないかと期待をしています。ぜひ利便性の高い施設として、市民や利用団体が気軽に立ち寄れる施設になってほしいと思っています。ここで質問ですが、まちなか交流プラザの1階を中心とした市民活動拠点のオープンに向けて、必要な施設整備や改修工事などについてはきちんと予算化をし、利用しやすい施設としてほしいと思っております。市民活動支援センター検討会議の答申やパブリックコメントなどの結果も踏まえ、ぜひお願いしたいと思いますが、現時点での計画をお示し願います。
この項目最後、4点目は、中心市街地新拠点整備の補完的な整備として、東武新鹿沼駅やJR鹿沼駅の整備、周辺整備などについてお聞きします。
中心市街地新拠点整備の補完的な整備として、東武新鹿沼駅やJR鹿沼駅の整備、周辺整備などは不可欠です。駅については、自由通路やエレベーターなどの整備なども検討されていますが、来年からは東武線では新宿からの電車乗り入れなども報道されており、ソフト面とハード面の両方向からのこうした動きに対する整備を検討していくべきと考えます。
まず、ソフト面ですが、さきに述べました東武線の動きに対しまして、できるだけ鹿沼市に多くの方が来訪していただく方策を考えること、つまり誘客の戦略を検討することが重要だと思います。また、ハード面では、自由通路やエレベーターの整備は検討されているものの、短期的な整備として、乗降客にやさしい駅の整備として既存のホーム間の連絡階段の段差を軽くするなどの改善や、中心市街地方面への歩きやすい歩道の整備などを検討することも重要かと思います。実は駅の階段につきましては、高齢者や障害者など多くの方から意見をいただいています。その方々ご自身も大変困っているとのことでしたが、東京から来訪された方が電車をおりていきなり急な階段では、イメージダウンではとの建設的な意見もいただきました。来年からは人口10万人の都市の玄関口でもありますので、ぜひ積極的な整備要望をお願いしたいと思っているものでございます。そこで質問ですが、前述のソフト面としての鹿沼市への来訪者誘客対策、ハード面の駅や周辺整備について、どのように考えているか、お示しを願います。
次に、2番目の質問は、教育行政についてです。この質問につきましては、私自身の政治理念でもあります「まちづくりには人づくりが不可欠である」、すなわち教育を重視した市政を目指す視点から行うものであります。
10月より
小林教育長が就任をされました。今回はそのことを踏まえまして、以下の点につきましてお聞きをし、改めて教育長の見解をお示しいただきたいと思っております。
まず1点目は、教育長就任に当たり、これからの鹿沼市のビジョンにつきまして、特にどのような点に力を入れた教育行政を推進していく考えか、お示しを願います。先ほどの大島議員の質問ともダブる面があるかとは思いますが、ぜひ答弁をお願いしたいと思います。
次に、2点目は、学校選択制度についてです。鹿沼市では、平成16年度より市内小学校、中学校入学時に、市内の学校を自由に選択し、入学できる学校選択制度を導入しています。この制度は、平成10年度に三重県紀宝町が公立小学校に導入して以来、既に全国で約70の自治体が導入しています。現在学校選択制度により、来年度入学の鹿沼市内の小学校、中学校の利用状況が確定をされています。その結果を見ますと、小規模校では来年度の入学児童が減っていることなどが危惧をされており、また学校のイメージによる学区外への転出などの動きも含めて、特色ある学校づくりの結果選択されたとは思えない現状もあります。ここで質問ですが、この際改めて学校選択制度の課題につきまして検証していくべきと考えます。この点につきまして、見解をお示し願います。
次に、3点目は、学校用務員制度についてです。年金制度の改正などにより、高齢者再任用制度が導入され、現在退職後の再雇用による雇用確保が全国的に重要な課題となっています。現役時代に培った経験を通じて、退職後に嘱託制度などを準用した再雇用型の制度は、昨年12月議会でも質問しましたが、新潟県上越市で行っている保育園士制度などがあります。今回は質問していませんが、この質問については、再質問に対する
保健福祉部長の答弁で研究していくとのことでしたので、期待をしています。
今回は、学校用務員制度についてですが、現在学校現場では、教職員が施設管理や簡易な補修などを手がけているケースも多々あります。子供たちの教育に専念していただくためにも、学校用務員制度の復活が必要と考えています。ここで質問ですが、予算の問題もあるとは思いますが、合併により広域化することなども配慮し、この際学校用務員制度を検討していくべきと考えますが、見解をお示し願います。
最後に、4点目は、教育予算についてです。現在、合併後の平成18年度予算編成が行われていると思います。9月議会でも質問をし、市長からも前向きな答弁をいただいている教育予算について、再度質問していきます。
結論から申し上げますと、教育予算につきましては、重点配分を求めたいと思います。先ほど大島議員の質問にも触れられておりましたけれども、校舎などの整備計画につきましては、総合計画に反映することなど既に承知もしています。しかしながら、合併後は校舎数もふえますし、既存校舎の維持管理もしなければならず、全体的な施設整備は長期化すると思います。したがいまして、ぜひこれらを勘案した学校修繕費の予算化なども求めていきたいと思っております。子供たちの教材費などについても、必要経費は現場のヒアリングを行い、ぜひ必要額の配分をしていただきたいと思います。ここで質問ですが、今述べたことを踏まえまして、合併後の教育予算につきましてどのように考えているか、お示しを願います。
次に、3番目の質問に入ります。交通安全対策についてです。私は、この2年間交通安全対策審議会委員を務めてまいりました。鹿沼市の交通安全対策につきまして学ばせていただくと同時に、自分なりの意見を述べさせていただきました。今回の質問は、過去の質問の検証と地域の皆さんなどからいただいた要望をそのまま質問とさせていただきます。
まさに、交通安全対策は、市民の皆さんの日常生活における重要な施策であります。ソフト面の啓発活動により、ドライバーのマナー向上や交通法規の遵守などを推進していくことも重要でありますが、そのためのハード面の環境整備もまた重要です。
そこで、まず1点目の質問は、発光ダイオード式信号機の設置についてです。この件につきましては、2004年3月の議会で質問いたしました。現在の設置状況は、この間市内を調査しましたところ、下横町周辺土地区画整理事業地区内に設置されましたほかは、西茂呂地内に矢印式のものが設置されたのを確認しているのみであります。2004年3月議会の質問に対する
市民生活部長の答弁では、発光ダイオード式信号機は、西日対策や疑似点灯の解消の点で交差点の安全確保で有効とのことから、栃木県公安委員会に鹿沼警察署を通じて積極的に要望していきたいとのことでした。したがいまして、この質問ですが、発光ダイオード式信号機の設置につきまして、この間の要望経過と今後の設置予定箇所などがありましたら、お示しを願います。
次に、2点目は、交通事故の多い箇所の交通事故予防策の検討についてです。都市計画道路東武駅前通りが本年10月に開通いたしました。鹿沼市の東西交通の流れが円滑になると期待していますが、晃望台交差点付近の渋滞が問題視されており、私も様子を伺っていますが、かなり市民の皆さんから何とかしてほしいという要望も出されています。この課題も大変重要でございますが、今回は、東武駅前通りと交差する市道2か所につきましての対策についての質問といたします。
西茂呂一丁目地内の交差点では、多数の事故が発生しています。近所の方から通報いただきましたが、10月の開通後の3週間で7件の接触事故などが発生していました。一時停止無視、前方不注意などがその原因でありますが、余りにも多過ぎます。また、貝島町地内の黒川左岸河川敷を南北に通じる市道との交差点につきましても、地元の方から危険であると話を聞いております。先日開催されました上殿町の各種団体との懇談会に、3番、増渕議員とともに出席しましたが、その際にも出されました。ここで質問ですが、いずれにいたしましても、この2か所の交差点は、通行者の交通法規の遵守やモラル向上も必要だとは思いますが、何らかの交通事故予防策を検討するべきであると考えますので、見解をお示し願います。
最後に、3点目は、点字ブロックの設置についてです。昨年のふれあいフェスタを訪れました際、福祉に関するシンポジウムを開催し、鹿沼市の福祉について意見交換がされていました。私も話を聞かせていただきましたが、ちょうどそのときいただいた意見が今回の質問であります。意見交換会では、視覚障害者の方から、黄色い点字ブロックの設置を要望されているのをお聞きしました。例えば私が調査した限りでは、東武新鹿沼駅前の停車場線などでも、点字ブロックがインターロッキング製の黄色いものではないものが設置されており、またそのほかの幹線道路などでも、点字ブロックが未設置の場所が多々ありました。やはり障害者にやさしい歩道整備が必要と思われますので、ここで質問といたしますが、今後の点字ブロックの設置につきまして、整備計画などがあればお示しを願います。
以上で私の
市政一般質問を終わりにいたします。執行部各位から明快な答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(阿見英博君) 当局の答弁を求めます。
市長、阿部君。
○市長(阿部和夫君) 2番、松井議員の中心市街地整備と活性化についての質問にお答えします。
まず、「まちの駅」の募集状況と粟野地域との連携についてでありますが、本年策定した「まちなか創造“夢”プラン」において、ジャスコ跡地や柳田治平商店跡地などを活用した「まちの駅“新・鹿沼宿”」の整備とともに、民間施設などの「まちの駅」設置促進を位置づけました。特に民間施設などの「まちの駅」設置については、今年度から進めることとし、9月15日から11月15日まで第1次の募集を行い、31件の応募がありました。現在応募者の研修会や施設の現地確認などを行っており、年内には全国組織である「まちの駅連絡協議会」に申請をし、認定を受ける予定であります。さらに、1月からは粟野地域を含めた新市を対象に第2次募集を行い、3月中の認定を目指すことにしています。平成18年度からは、これら新市全体の「まちの駅」が連携してネットワーク組織を立ち上げることになっており、今後市民主体のまちづくりの基盤の一つとなっていくことが期待できます。
新拠点形成エリアの施設整備などの年次計画につきましては、現在、プランに基づいて全体の施設配置や建物改修方針などとあわせて検討しており、年度内に決定したいと考えております。
次に、鹿沼秋祭りへの観光客誘致策についてでありますが、観光客が少なかったとの指摘につきましては、2日間で約16万人の方々のご来場をいただいており、例年に比べ、少ないということはありませんでした。2日間を通して天気が余りはっきりしなかったことなどが微妙に影響もしていたかと思いますし、思ったような人出が感じられなかったということかと思います。ぶっつけ秋祭りは、平成15年に国指定重要無形民俗文化財の指定をされまして、本年から財団法人東日本鉄道文化財団の支援を受けることになり、さらに注目の増した祭りになってきております。市といたしましては、祭りの2日間はもちろん、通年観光の大きな資源として、また中心市街地の活性化に資する祭りとなるよう、今後とも鹿沼ぶっつけ秋祭り実行委員会などと連携を密にして、より多くの誘客を図る魅力的な祭りを目指していきたいと考えております。
次に、まちなか交流プラザ1階の整備についてでありますが、この施設は、中心市街地活性化基本計画において、下横町周辺区画整理事業の地域内における商業の核的役割を担うものとして、平成13年7月に完成をいたしました。この間、1階部分については、「かぬまど真ん中ナイトバザール」や「まちなかフェア」などのイベントの場として活用を図っております。一方、市民の自主的な活動の組織化が進み、これらの活動を支援する環境の整備を図るため、今年度、仮称でありますが、市民活動支援センター検討会議が設置され、この中で、今回正式にまちなか交流プラザ1階部分への設置が提案をされました。この市民活動拠点施設の設置につきましては、「広報かぬま」などを通して、現在広く市民からのパブリックコメントを募集しているところであります。なお、交流プラザ1階部分への店舗誘致については、チャレンジショップを含む複数店舗の整備を目指しており、コミュニティビジネス機能など経済的活動も目指す市民活動拠点施設の入居は、本施設の目的とも合致して、複数店舗の中の一つとして位置づけられるものと思っております。
次に、市民活動拠点施設を含めた1階部分のオープンに伴う施設整備並びに改修工事についてでありますが、区画整理事業による周辺環境の変化、周辺住民からの要望、市民活動拠点施設の設置方針案などを踏まえ、ユニバーサルデザインとしてのトイレ改修、休憩・交流スペースの整備など、多くの市民の方々が気軽に立ち寄り、利用していただける空間の整備を念頭に、新年度予算にて対応してまいります。
次に、誘客のための戦略についてでありますが、ソフト事業につきましては、JR線と東武線の乗り入れが予定されるために、東武日光鬼怒川線沿線活性化連絡協議会などを通じ本市への誘客に努めるほか、東武鉄道の事業であります「東武健康ハイキング」の誘致や鹿沼さつき祭り、鹿沼ぶっつけ秋祭りなど全国的な祭り、イベントにあわせ、PRをさらに図っていきたいと考えております。
ハード面では、交通バリアフリー法に基づき策定した基本構想の中で、JR鹿沼駅と東武新鹿沼駅を特定旅客施設として指定し、エレベーター等昇降施設の設置を整備方針に掲げており、鉄道会社と連携を図りながら、これらの施設のバリアフリー化を推進してまいりたいと思います。
また、駅から中心市街地などへの歩きやすい歩道の整備については、両駅を結ぶ中心市街地を重点整備地区として選定した特定経路やネットワーク経路などをバリアフリー化することで、歩きやすい歩道とする整備事業に取り組んでまいります。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 教育長、小林君。
○教育長(小林 守君) 教育行政についての質問にお答えいたします。
まず、教育ビジョンのどのような点に力を入れるのかについてでありますが、現在いじめ、校内暴力、学級崩壊、ニートや引きこもり問題などがあり、教育はもとより、社会全体で真摯にこれらの問題に取り組み、解決を図っていかなければならない事柄であると考えております。中でも教育の果たす役割は大きく、次世代への大きな責任を負っているものと考えております。
そこで、教育行政を進めるに当たって、特に力を入れたいことは、継続性のある子育て支援体制づくり、つまり幼児期から青年期までの一貫したプランのもとに教育を行うための教育プランの構築と実践に努めていきたいと考えております。そのため、本市の社会教育の充実を図り、幼児期から青年期までのライフステージに応じた子育て支援体制の整備や子育ての学社融合体制を整備するなど、幼児期から青年期までの時間軸、学校・家庭・地域、そして企業や行政を含めた空間軸の両面から、青少年教育の推進を図りたいと考えております。
また、学校教育では、知識、理解、技能はもとより、思考、判断、関心、意欲など、「自ら学び、自ら考えて解決する」確かな学力をはぐくませたいと考えております。そして、「基礎教育の鹿沼」とか、「子育てするなら鹿沼」、「人材育成の鹿沼」と言われるようなまちづくりを教育行政で推進し、地元への愛着など愛郷心あふれる、鹿沼ならではの分権型教育の創造を目指したいと考えております。
次に、学校選択制度の課題の検証についてでありますが、まず平成18年度入学の学校選択制度希望申請結果については、小学校で市内21校のうち12校で計61名、中学校で市内9校のうち7校で計52名の新入生が決定しております。なお、希望者を最大限受け入れるという考え方を基本に、定員枠と学区外への希望者数も考慮した結果、抽せんなしで希望者全員が希望校へ入学可能となりました。学校選択制度の課題については、今年度入学した小学1年生、中学1年生とその保護者、学校に対して、アンケートの実施を予定しており、その中で保護者、子供、学校の意見や選択制度を活用しての実際などを把握し、制度の充実を図ってまいりたいと考えております。また、学校選択制度の検証については、数年の経過を見る必要があると考えております。大規模校や小規模校のメリット、デメリットを分析して、保護者や子供、学校、地域が一体となって進める、魅力のある鹿沼ならではの特色ある学校づくりについて、その達成度を検証したいと考えております。
次に、学校用務員の復活についてでございますが、現在校舎のほとんどが鉄筋コンクリートづくりであるため、その維持管理は専門業者による修繕が大半を占めております。一方、簡易な修繕については、平成14年度から都市建設部維持課の学校作業班により対応しております。学校からの作業依頼は希望も多く、フェンスの金網修繕や樹木の剪定など、高い評価を得ております。なお、学校用務員の復活については、学校のさまざまなニーズ、例えば情報化教育や安全・安心な学校づくりなどの優先順位を考えると、困難な状況にあると考えております。
次に、合併後の教育予算の重点配分についてでありますが、まず義務教育環境の整備は、行政の重要な責任であると認識しており、これらへの取り組みは、合併等行政の大きな変化があっても停滞してはならないと考えております。合併により鹿沼市には新たに小学校が7校、中学校が1校加わり、合わせて38校の小中学校を保有することになりますが、これらの施設について、等しく維持管理を行うとともに、適切な整備計画を策定し、国庫補助なども最大限活用して、今後とも良好な教育環境の確保に遅滞が生じないよう、最善を尽くしたいと考えております。さらに、教材費など経費の学校配当においては、今後とも各校の要望を踏まえ、状況に応じた弾力的な配当方法を検討するなど、予算執行事務の改善に努めてまいりたいと考えております。これらの対応をあわせて、合併後も予算の効果的執行に努め、良好な教育環境の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君)
市民生活部長、柴垣君。
○
市民生活部長(柴垣重司君) 交通安全対策についての質問のうち、発光ダイオード式信号機の設置についてお答えします。
前回の質問でお答えしましたとおり、発光ダイオード式信号機は、従来の電球式と比較して西日が差しても見やすく、また消費電力も低く、二酸化炭素の排出量が削減できるなどの利点があります。しかしながら、整備費が電球式の約1.5倍程度かかるため、発光ダイオード式信号機への切りかえがなかなか進まない原因ともなっております。
まず、要望の経過についてでありますが、信号機を所管する鹿沼警察署に対し、設置の際には発光ダイオード式信号機を設置するよう要望しており、昨年には西茂呂地内の矢印式信号機に使用されております。現在県においても、信号機の更新や新設の際には積極的に発光ダイオード式信号機を設置しているとのことでありますが、従来型の信号機を含め、鹿沼市内で年に二、三基程度しか設置されない状況にあります。平成16年度には11か所の信号機設置を要望しましたが、電球式ではありますが、新設が1か所、改良が5か所の合計6か所となっております。
次に、今後の発光ダイオード式信号機設置の予定につきましては、鹿沼警察署に確認しましたところ、未定とのことでありますが、交差点の安全確保のため、発光ダイオード式信号機の導入も含めて、信号機の設置を引き続き要望してまいりたいと考えております。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君)
都市建設部長、栗坪君。
○
都市建設部長(栗坪建雄君) 交通安全対策についての質問のうち、東武駅前通りの交通事故予防策についてお答えをいたします。
都市計画道路3・4・205東武駅前通りは、公共交通機関の重要な交通結節点であり、鹿沼市の西の玄関口である東武新鹿沼駅と東部高台地区とを連絡する主要な東西軸となっていることから、整備に努めてまいりました結果、本年10月に開通の運びとなったところであります。整備を進めるに当たっては、主な交差点について交通管理者等と協議を行い、一時停止等の措置を講じるなど、通行の安全確保には十分努力をしたところでもあります。今後ご質問にある黒川左岸の市道5050線や市道7411号線などの本路線を横断する主な交差点には、一時停止の規制のほかに、通行者の注意を喚起する方策を検討し、より一層の通行の安全確保に十分配慮したいと考えております。
次に、黄色い点字ブロックの設置についてでありますが、現在歩道整備においては、原則として黄色の点字ブロックで整備を進めております。本市においては、先ほど市長が答弁いたしましたように、鹿沼市交通バリアフリー基本構想により選定した経路について、視覚障害者の方々を含めたすべての歩行者が安全に安心して通行できるよう、点字ブロックの設置を含めたバリアフリー化された道路整備を順次進めてまいりたいと考えております。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 当局の答弁は終わりました。
当局の答弁に対し、再質問はありませんか。
2番、松井正一君。
○2番(松井正一君) 何点か再質問をさせていただきたいと思います。
まず、市長の方からご答弁をいただきました中心市街地整備と活性化についてであります。非常に粟野町との合併も含めましていろいろな計画の中で意識していただいていることがわかりまして、そのことについては大変感謝申し上げます。私自身、少し問題提起をしたいと思いますが、いわゆる「まちの駅」構想についてなのですが、地域を歩いていますと、果たしてまちの駅で活性化するのかということを、直接、真正面からですね、投げかけられることが多々あります。私もなかなかそのことに対して答えが難しくなるときがありまして、そういう意味では、まちの駅で活性化するのだということをもっと市民にアピールをしていただかなければならないと思っています。この辺につきまして、阿部市長の方から、ぜひこういう形で活性化していきたいということを、改めてつけ加えの意味でご答弁いただければと思いますので、お願いしたいと思います。
あと、答弁の中で明らかになりましたが、まちの駅の募集状況が31件とございました。参考までにこの31件は、現在の鹿沼市、粟野町、内訳は何件だったか、一応教えていただきたいと思います。
あと、お礼というか、新年度予算の中で市民活動拠点の整備については対応していきたいということで、前向きな答弁がございました。非常にそういうことを配慮いただくことで、より中心市街地への来外者がふえるという意味では、ありがたい答弁でした。ぜひその旨よろしくお願いしたいと思います。
もう一つ、この活性化に関して、これは提案というか、私の考えを述べて再質問としたいのですが、いわゆる先ほども申し上げた秋祭り、また新鹿沼駅への誘客、これについては、やはりかなり具体的かつ専門的な検討会議的なものをやっていく必要が私はあるのではないかと思っております。以前、別の質問の際にもマーケッティングの話とかもしましたけれども、やはりちょっと東武の労働組合を通じて調査をしましたが、参考までに、新鹿沼駅では、平成17年の上期で1日平均乗降客2,212名という数字をいただきました。これは多いか少ないかという議論は当然ございますけれども、その約7割は学生です。したがいまして、3割しか新鹿沼に来ていないということも言えまして、そういう意味では、新宿からの乗り入れなどをもっと意識しまして、何とか日光方面に直通で行かずに、鹿沼でおりてもらうようなことも、いろいろ今鹿沼が打ち出しているまちづくりを含めて、戦略として考えていかなければならないのかなと思います。
ホームページの中で鹿沼市の例規集を確認しましたけれども、鹿沼市プロジェクトチーム設置規程というのがあります。今までも文化ゾーンの整備とか幾つかの過程でこういうプロジェクトチームを市職員の中でもやってきましたが、やはりこういう戦略的なものは市内部もしくは市外部の方等も含めて、戦略会議的なものをやっていったらいいのかなと私なりに思いまして、その点について、市長のお考えをお示し願いたいと思います。
教育行政について、
小林教育長にお尋ねをしていきます。
教育行政の中で、まず一つ、基本的な理念といいますか、どのような点に力を入れていくかということは、大変ありがたいご答弁でありました。継続性のある子供づくり、子育て支援策、幼児期から青年期までの教育ビジョンプログラムという考え方は、私も大賛成でありまして、大変困難なプロジェクトもあるとは思いますけれども、やはりその視点を大切にこれからやっていただきたい、このように思います。私自身も鹿沼市民がもっと鹿沼市を好きになれるまちづくりというのを自分なりには、大変大それたテーマではございますが、掲げております。やはり鹿沼市を知る、そして鹿沼市を知る中で、鹿沼市のよさを実感する、そして鹿沼市民が自分のまちを誇らしい発言をほかに行ってすることができる、これがある意味では一番のPRだと思いまして、そういう意味では、ぜひ教育長にお願いしたいと思います。これは要望でございます。
学校選択制度について再質問いたします。検証していくという内容にはとれましたけれども、数年の経過が必要だということがありました。実はこれはトータル的な意味でもお願いしたいのですが、やはり学校現場の声、特に先生方の声も含めまして、ぜひ定期的といいますか、意見集約に努められまして、例えばこういう施策について、もしくは通常的なものであれば職場のいろいろな問題についても、ぜひ教育長がその現場の声を聞くことによってお願いをしていきたいと思います。
通告が前でしたから、実は質問できませんでしたが、今市で起きた例の事件につきましても、通学路の危険箇所の対策の強化とかいろいろなことがありますけれども、やはりそういうことも含めまして、現場の陣頭指揮をとられていくわけでございますが、いわゆるこの学校選択制度も含めて、現場の声を聞いて、これからいろいろと検証していただく、このことをお願いしたいのですが、この件について教育長のご見解をお願いしたいと思います。
あと、これは教育行政、教育長からご答弁いただきましたが、改めて市長から再答弁願いたいのですが、教育予算、
教育委員会の方では、教育長の方も含めましてかなり積極的に、予算の編成については、求めていくということはもう出ましたが、やはり今度受ける立場としまして、予算トータルという意味で市の施策にも影響がありますので、改めて阿部市長の方から、9月議会に続いてで恐縮ではございますが、この教育予算についてもご見解をお願いしたいと思います。
あと、交通安全対策について再質問したいと思います。
市民生活部長の方から、信号機の実態、これについてはご答弁いただきました。整備費の問題、これは大変だと思っておりますし、私もそのことはこれからもネックになってくると思っております。ただ、心配していますのは、例えば平成16年度で11か所も要望しているのだけれども、3か所しかつかない。そうすると、その残りの8か所で交通事故が起きていたのでは、話にならないわけであります。そういうことに現状としてどう対策を講じているのか。信号機がつかないから困っていますということはわかりましたが、ならば、つくまでの間はどういう交通事故の予防策をしているかということを、あえてお尋ねしたいと思います。これは具体的な部分で東武駅前通りの話もしまして、これは
都市建設部長からいただきまして、大変ありがたいご答弁でありましたが、そういうことが信号機を要望しているところとリンクしているのかということは、大変興味がありますので、再質問させていただきたいと思います。
以上、再質問したいと思います。
○議長(阿見英博君) 再質問に対し、当局の答弁を求めます。
市長、阿部君。
○市長(阿部和夫君) 2番、松井議員の再質問にお答えします。
まず、「まちの駅」が果たして中心市街地の活性化につながるのかというご心配のご質問でございます。そもそもこの「まちの駅」構想というものは、市民主体でつくり上げて、そしてまちをどのように活性化しようかという考えを持つ市民、あるいは商工業の団体などが立ち上げる組織であるところであります。しかしながら、やはり今、鹿沼のまちの空洞化というものを考えたときに、行政として手助けすべきものは何かということで、そのプランの中に位置づけをして進めてきたところであります。これによって、活性化するという裏づけでありますが、やはり今まで鹿沼の歴史的文化や、あるいは地理的条件、さらにはちょっとしたトイレの借用などについて、果たしてどこに行けばどうなるのかという客の皆様方のアンケートがありました。これは観光協会によって行われたアンケートでありますが、やはりそういう説明をしていただけるようなことによって、まちの中が活性化してくるだろうと、こういうふうに結論づけたところであります。まさしく、やはり鹿沼のまちの伝統文化というものを市民一人一人が理解をして、そしてお客様に説明ができるということは、まさしく鹿沼のまちの中の活性化につながるものと、このように考えているところであります。
先ほど31件の申し込みがあったということでございますが、それはそれなりにですね、やはりまちなかをどうしようかというように考えていられる市民の、あるいは商業、あるいはサービス業などの方々の応募であったわけでありまして、まさしくこれに匹敵するものと思っております。
また、この31件の認定が受けられるならば、そうすると、これを集合的に考える、ネットワーク化をする、キャプテンとでも申しましょうか、そういう施設を新拠点整備事業の中に位置づけをして、そのネットワーク化を図っていくと、こういうふうに考えているところでありますので、新拠点整備事業について位置づけをすれば、さらにまちの活力、あるいは活性化につながるものと、このように理解をいただければありがたいと思っております。
さらに、この31件の内訳はどうなのかということでありますが、編入合併は平成18年1月1日に予定をされているところでありまして、この申し込みにつきましては、先ほども申し上げましたが、鹿沼市の市街地の方々でございます。さらには、合併後においては、先ほどの答弁のとおり、粟野町にも応募を呼びかけていきたいと、そして第2次募集を果たすと、こういうことになるかと思います。
次に、プロジェクトチームをつくって、やはりまちなかのお祭り、さらにはイベントなどの活性化を図るべき、検討チームをつくるべきだろうということでありますが、これにつきましては、今新拠点整備事業を遂行、進行しております。こういう中で、やはりジャスコ跡地を活用した検討会が催されているところでありまして、そういう中の位置づけでは、話が出てきているところであります。さらに、そういう中でお祭りやイベントをどのように誘客に結びつけるか、さらには東武沿線、東武とJRの乗り入れについて、どう鹿沼で誘客、足どめをできるかということについても、再度検討を重ねていくよう申し添えていきたいと、こういうふうに考えております。
さらに、教育予算について、受ける側ではどうかと、こういうことであります。教育予算というのは、先ほど教育長が申し上げましたとおりに、人づくりだと、こういうことであります。人づくりが何をやっても基本なのだと。こういうことを考えれば、少子の時代の中において、いかに立派に21世紀、今世紀からの行く末に、そういった教育がなされるかということになるわけであります。これは、やはりソフト、ハード面において進めていかなければならないわけでありまして、教育のハード面については、それなりの事業計画、そういうものについて予算の配分をしていきたい。また、ソフト面につきましては、それぞれの教育の過程において課題も出てまいります。そういう課題において、予算の配分というのは十分していかなければならないと思っているところであります。
例えば、今回今市で悲惨な事故が起きました。あのような対策については、やはり教育の立場ということを配慮すれば、何かの施策をとろうと。これは行政としても同じでありますし、
教育委員会としてこうあるべきというような予算の要望があれば、早急に対応もしていくというような、そういうソフト面については協力をしていかなければならない。行政も、
教育委員会も、さらには教育関係者等の連携というのは不可欠であります。そして、予算の配分については、そのようなことを考慮しながら、重点的に配分をしていきたいと、こういうふうに考えているところでありますので、ご理解を願いたいと思います。
以上で2番、松井議員の再質問に対する答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 教育長、小林君。
○教育長(小林 守君) 学校選択制度についての松井議員の再質問にお答えしたいと思います。
ご指摘の、現場の声をよく聞いて対応していくべきであるというようなご指摘、もっとものことと受けとめております。よく「調査なくして発言なし」というふうなこともございますし、私も今日までの生き方の中では、現場主義をモットーに取り組んできた経過もございますので、ご指摘の点を十分踏まえて今後取り組んでいきたいと、このように考えております。
もちろん特色ある学校づくりの中では、アンケートを実施しまして、それらの声をしっかりと踏まえて、実態を把握して、学校選択制度の導入のメリットを最大限引き出していくというような視点で取り組んでいきたいなと思っているところですし、この制度を大きく育てていきたいと、このようにも思います。その中で、例えば池ノ森小学校などでは、来年度から、例えば英会話の教育を鮮明に打ち出していこうというような要望もございましたし、あるいは不登校対策の受け入れ校としての役割を果たしたいというようなこともございまして、そういう点を選択制度のメリットとして生かしていけるように考えていきたいと思います。
以上で答弁を終わりにさせていただきます。
○議長(阿見英博君)
市民生活部長、柴垣君。
○
市民生活部長(柴垣重司君) 交通安全対策に対する再質問にお答えいたします。
信号機が設置されるまでの間の対策をどうするのだということかと思います。やはり、ソフト面における予防対策が重要であるというふうに認識しております。まず一つは、四季を通じた交通安全運動などを強化していくということで、県も啓発をやっていきたいということ。それから、もう一つ、「一時停止」、あるいは「止まれ」等の標識看板の設置、これは実際に行っておりますが、これらを継続して要望して、つけていきたいというふうに考えております。
なお、今月の15日でございますが、交通安全市民大会を開催するということで、ご案内をもう差し上げたかと思いますが、議員各位の積極的な参加をお願いしたいということでございます。
以上で再質問に対する答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 再質問に対する当局の答弁は終わりました。
当局の答弁に対し、再々質問はありませんか。
2番、松井正一君。
○2番(松井正一君) 再々質問をさせていただきます。
質問の前に、今
市民生活部長からもありましたが、交通安全の大会、大変有意義なことと思います。私も参加をいたしますけれども、ぜひこれからもそうしたさまざまな機会を通じて、交通安全対策については啓発をお努めいただくよう、お願いしたいと思います。信号機が設置される必要な箇所というのは、かなりの積極的な施策を打ち出さないと、危険だから信号機をつけるということでありまして、私も今までの経験から、その内情的に予算面その他の面で厳しいのはわかりますが、ぜひ積極的な、今後の活動という意味ではご努力を願えればと思います。これは要望でございます。
教育長の方に再々質問させていただきます。
今答弁で、非常に、学校選択制度の中で、例えば池ノ森小学校の英会話のお話とか不登校対策とかですね、いろんなことが打ち出されました。私も聞いている限りでは、例えば来年度の入学生がいなくなってしまうのではないかとか、もしくはいろいろな傾向ですか、例えば男の子しか入学しないとか、いろんなことがあるらしいのです。例えば来年度入学生がいないというのは、入学式ができなくなってしまうわけでありまして、大変寂しいものなのかなと思いますし、また男の子だけの入学生ということが仮に生じた場合、内面的にもいろいろご苦労が出るのかなと思います。そうした懸念というのは現場の先生から、私もこの秋にちょっと学校をいろいろ歩きまして、聞かせてもらったのですけれども、やっぱりそういうこともリアルタイムで
教育委員会の内部ででも詰めてもらえればと思います。
小規模校の対策というのは、今人口も減る、もしくは子供の数も減るという意味で、過日の第3子対策、これが実を結べば大変ありがたいことではございますけれども、学校選択制度によってますます小規模になるということだけは、私も何とか回避してもらいたいと思っている一人でありまして、例えば学童保育的なものを今整備していますけれども、小規模校については、なるべく入学者がほかに行かないような施策として、学童保育の立場から、もしくは今の池ノ森小学校のような事例をですね、ぜひほかの学校ともコミュニケーションをとりまして、小規模校と言われている学校の対策が全体的に行われればよろしいと私は思っているのですが、その点について、教育長の見解があればお示しいただきたいという再々質問をして、終わりたいと思います。
○議長(阿見英博君) 再々質問に対し、当局の答弁を求めます。
教育長、小林君。
○教育長(小林 守君) 選択制度に絡んで小規模校対策というご指摘だと思います。ご指摘のように、やはり学校選択制度がメリットとして有効に働くようなことを進めていくためには、現実的には小規模校対策という視点をとらなければいけないと、このように考えております。そういう点で、先ほども申し上げさせていただきましたが、特色ある学校づくりというものを明確に打ち出していって、市民があの学校ではこういう教育が受けられるとか、得られるとか、そういうようなメリットを、特色を、鮮明に出すことによって、むしろ小規模校に選択制度の中で学校に行くと、入学していくというような動向が生じるように、頑張っていきたいなと思っているところであります。先ほども池ノ森小学校の例を申し上げましたけれども、例えば、特に最近の問題であるならば、学校安全について、ここはもう非常に先進的な取り組みをしている地域だとか、学校だとかということももちろんあると思いますし、あるいは情緒教育というのですかね、情操教育の点で、非常にすぐれた先進的な取り組みをしている学校だとかいうところもあるわけでありまして、いろんな学校の特色をより引き出すような形で小規模校対策を打ち出すことによって、入学生がむしろ大規模校から移ってくるような形をつくっていきたいと、このように考えているところでございます。
○議長(阿見英博君) 再々質問に対する当局の答弁は終わりました。
昼食のため、休憩といたします。
(午前11時51分)
○議長(阿見英博君) 休憩前に引き続き再開いたします。
(午後 1時00分)
○議長(阿見英博君) 引き続き、発言を許します。
21番、鈴木貢君。
○21番(鈴木 貢君) 私は今回3件の
市政一般質問を通告してありますので、順次質問していきたいと思います。
その前に、私からも今市市大沢小の女児のご冥福を心からお祈り申し上げたい、このように思っています。二度とこのような惨事が繰り返されないよう、自分自身の行政の一つとして、また地域を守る、そういう決意のもとに、ご冥福を心からお祈り申し上げます。
今回12月定例会におきましては、教育行政について8名の議員が登壇し、当局の答弁を求めているわけですが、やはりこれまで西山教育長が築いてきた実績、そしてそれを新たに引き受けた
小林教育長に対する期待も含めての質問か、また、今非常に教育に対して多くの市民から期待を、あるいは要望を、あるいは改善を求められている、そのあらわれかなと、このように思っているところでございます。そういう意味で、私の教育行政にかかわる質問も7名の方と一部共通する部分もありますが、私だけの質問の部分もありますので、早速質問に入っていきたいと、このように思います。
1件目の教育センター整備と教育の充実についてであります。
新学習指導要領や学校5日制が完全実施をされ、数年がたつわけでございます。その間、教育の充実に向けてさまざまな取り組みが行われてまいりました。実態的には社会や教育環境の変動に対して対応が十分できずに、学校内外で課題が山積しているというのも実態でございます。
私は、平成16年7月の定例会におきまして長崎県での小学校6年生死亡事件の背景と再発防止について質問をし、前教育長から、命を大切にする心を培う学習や体験活動を取り入れていくという答弁をいただいたところでございます。その後、教職員やPTA、地域において、さまざまな努力がされてきたと思います。
そういう中で、文部科学省は、長崎県佐世保市における小学校6年生の女子児童による同級生殺害事件をきっかけに、平成16年10月に児童・生徒の問題行動対策重点プロジェクトチームを設置し、現地調査や報告の聴取を実施し、事件の背景等の整理、さらに事件の再発防止の検討をしてきました。その中で、佐世保事件については、一つとして、カッターナイフで殺害した後、すぐ後悔をしているので、命の大切さは頭では知っているようでも、衝動的な感情に抑制が働かなくなってしまう状態であった。2点目には、学校では事件1週間前にカッターナイフで男子同級生を威嚇したことが事件後に報告されるなど、加害児童の変化についての状況が把握されておらず、前兆行動の把握が十分でなかった。3点目には、インターネット上の掲示板への書き込みが被害児童に対する怒りや憎しみを大きく抱く要因として指摘があり、インターネットを通じたやりとりには日常会話と異なる側面があることについて、情報モラル、マナーという観点からの学校などにおける指導が十分とは言えなかったといった課題を明らかにしました。
命を大切にする教育の充実については、事件の原因、背景はさまざまであると考えられていますが、自他の生命のかけがえのなさなどについて実感がはぐくまれていなかったり、自分の感情を適切にコントロールすることができないなど、自己抑制力が培われていないことがうかがわれ、そのことが明らかになりました。これまでも命を大切にする教育の重要性が言われてきましたが、十分な成果を上げていないとして、実効あるものとするため、具体的には1点として、かけがえのない命を大切にする心をはぐくみ、生命を尊重する教育の推進、家庭における命の教育に対する支援を行う。2点目には、伝え合う力と望ましい人間関係の指導の推進を図る。3点目には、社会性をはぐくむ体験活動の充実を図る。このような点を踏まえ、プロジェクトチームにおいては、再発防止に向けた取り組みとして、学校と家庭、地域、関係機関等が一層の連携を緊密にし、学校で安心して学習できる環境づくり、情報社会の中でのモラルやマナーについての指導のあり方に重点を置いた施策を講ずることが必要であると集約をされています。したがいまして、鹿沼市の児童・生徒たちの豊かな人間性と創造性をはぐくみ、本市の将来性を託していく上でも、教育センター整備と教育の充実について伺います。
質問の1点目は、学校で安心して学習できる環境をつくることについてであります。全国的にまじめな生徒が重大な事件を犯した事件が多数発生をしています。児童・生徒の問題行動対策重点プログラムでは、学校で安心して学習できる環境づくりでは、学校は子供たちにとって安心して学べる場でなければならず、学校の安全に対する信頼が揺らぐようなことであってはなりませんとし、長崎の事件では、子供の性格や行動の変化について学校が把握できておらず、5年生のときの担任との引き継ぎや学校として組織的な対応が十分でなかった点があり、これらについて、一つとして、複数の視点から学校が把握できて、しかも子供の変化に対応できる体制の確立に努めること。二つには、組織的な対応を行うために生徒指導体制を強化すること。三つ目には、犯罪抑止教育を推進すること。四つ目には、関係機関等と連携を強化することが重要であると指摘をしております。日ごろの家庭生活や学習のストレスがたまり、生徒間や教職員に対する暴言や暴力、校内徘回等、安心して学習する環境が損なわれている学校が本市内にもあります。安心して学習ができる教育環境をつくるための体制や、児童・生徒に対する指導体制をどのように構築していくのかについて伺います。
2点目は、教育相談の実態と迅速な対応についてであります。これも文部科学省のプロジェクトチームの報告の中に掲げられていることでありますが、複数の視点から子供の変化に対応できる体制の確立について、長崎の事件の分析の中で、加害児童は事件の1週間前にカッターナイフを振り上げ、男子同級生を威嚇するといった行動をしていた。しかし、こうした変化を学校関係者は把握できていなかった。そこで、子供が自分を追い込む前に、その変化を発見できる多角的な児童や生徒の理解、さらに相談に対する体制を一層整備するために、複数の視点から子供の変化に対応できる相談体制の整備を行い、学校においては、複数の視点から子供の変化に対応できるように、相談体制の充実を図ることが求められております。
具体的には、スクールカウンセラーや子供と親に対する相談員の配置を拡充し、子供の心の変化の早期把握に努めるほか、小学校高学年、中学校の校内での生活実態をより効果的に把握するため、男性教師と女性教師が共同で生徒指導に当たるようにしていくことを提言しています。幼児期からの相談体制の充実、第三者の相談機関の利用の促進も通して、子供が早期に安心して利用できる相談機関の確立、子供や保護者への啓発及びその利用促進を図ることを重ねて指摘しているところでございます。したがいまして、鹿沼市の学校内、教育研究所等での相談内容や件数、これらに対する対応をどのように行ってきたのか。また、教育研究所での相談を迅速に行うための相談体制をどう今後構築していくか、そのためにどのように改善していくのかについて伺いたいと思います。
3点目は、不登校対策の強化についてであります。全国の不登校の実数は、平成15年度30日以上欠席した児童・生徒は、国公立・市立を含めた小中学校において約12万名と言われております。在籍児童数に占める割合は、小学校で0.33%、中学校で2.72%。そして、今日、平成17年度は、もう13万名を超えているというふうに報道をされているところでございます。鹿沼市の平成16年度の不登校児童・生徒数は、小学校で27名、中学校で135名、合わせて162名であり、上都賀地区の約半数を鹿沼市で占めているということであります。
文部科学省の生徒指導上の諸問題の現状についての分析の中では、不登校児童・生徒数を学年別に見ると、学年が進むにつれて多くなっており、中学3年生で最も多く、全体の34%を占めております。不登校状態となったきっかけは、小学校では本人の問題に帰因が一番高く、次いで家庭生活に帰因、学校生活帰因の順になっています。一方、中学校では、学校生活に帰因が一番高く、次いで本人の問題、そして家庭生活というふうになっております。不登校が継続している理由については、小中学校とも複合の理由であり、いずれが主であるというか、どれがというのがわからないというのが第一で、不安など情緒的混乱、無気力が上位を占めております。不登校児童・生徒のうち、26.7%の生徒は年度内に復帰する、登校できるようになっております。登校するようになった児童・生徒に特に効果のあった学校の措置としましては、小学校、中学生ともに家庭訪問を行い、学業や生活面での相談に乗るなど、さまざまな指導、援助を行った、登校を促すため電話をかけたり迎えに行くなどをしたであります。不登校児童・生徒が相談、指導、治療を受けた機関では、小学校では教育センターと
教育委員会所管の機関であり、中学校では適応指導教室がそれぞれ最も多く、また不登校児童・生徒のうち、養護教員による指導、スクールカウンセラーや心の教室相談員等の指導を受けております。したがいまして、鹿沼市の児童・生徒で何らかの心理的、情緒的、あるいは身体的、社会的要因を背景にして、登校したくてもできないでいる状況にある児童・生徒をなくすための指導体制、保護者に対する具体的な指導や支援体制を強化するため、どのように検討しているのか。また、粟野町との合併後の適応指導教室の増設や運営について、どのように考えているのかについて伺います。
4点目ですが、児童・生徒の携帯電話利用と指導についてであります。
児童・生徒の問題行動対策重点プロジェクトチームの分析と指導の中で、情報社会の中でのモラルやマナーについての指導のあり方の確立について、急速な情報化の進展は子供を取り巻く環境にも大きな影響を及ぼしている。特に、子供が日常生活において接する各種メディアが提供する情報等には、有益なものも多い反面、行き過ぎた暴力、残虐表現を含む情報や性描写等が子供の人格形成に悪影響を及ぼすおそれがあることが指摘をされています。このような状況下で、子供がインターネットを利用する際のモラルやマナーについての教育は必ずしも十分ではなく、また利用状況を常時把握することは困難であります。また、長崎の事件を含め、メディア上の暴力表現等の有害な情報が子供に与える影響は多大であるとの指摘もあります。子供に対するモラル教育の充実について、長崎の事件からも、インターネットを使う上でのモラルやマナーが子供に十分身についていない状況が考えられています。
そこで、学校等における情報モラルを含むIT教育の一層の推進を図るために、情報モラル等指導サポート事業を実施していく。具体的には家庭における情報モラル教育や有害情報対策への支援、新家庭教育手帳等を活用した学習の推進や、有害環境対策等の推進を図っていくと提起をされています。有害情報の問題は、大人社会にその責任があることを踏まえ、社会全体で対策を講じることが必要であるとともに、子供が身近に接する情報等を提供する各関係業界においても、それぞれ子供に大きな影響を与えることを自覚し、有害情報について実効性ある自主規制を確実に行うことが必要であります。このために、青少年を取り巻く有害環境対策の推進・啓発事業等の支援について、社団法人日本PTA全国協議会が実施しているテレビ番組の全国モニタリング調査等や、NPOが実施している子供とメディアの実態調査等を支援していくとしています。関係団体の要請については、インターネット団体関係、民放連等に対し、有害な情報の発信等について自粛を働きかけるなど、青少年の健全な育成に有害な情報への適切な配慮を平成16年度中に文部科学省として要請をしていくということであります。
市内では、歩きながら、あるいは自転車や車で運転中にと、あらゆるところで携帯電話が利用されています。自分の意思や情報を伝える、人が他人から受け取る情報の割合のうち、話す言葉からはわずか7%、残りは見た目や身だしなみ、しぐさ、表情が55%、声の質、高いとか低いですね、と大きさ、テンポ等によって38%ということが、アメリカの心理学者でありますアルバート・メラビアン博士の研究結果だそうであります。話す言葉の内容はわずか7%しかないというメラビアンの法則からも、言語や人間的にも未熟な児童・生徒たちが携帯電話やメールでのやりとりを重視すれば、行き違いやトラブルを発生するのは必然的な出来事である、このように考えられます。
また、さらに例を申し上げますと、日本小児科医師会の提言では、問題は、まずテレビ、ビデオ視聴含むメディア接触の低年齢化、長時間が問題であると。次は、メディアの内容です。メディアによって与えられる情報の質、例えば暴力場面などとその影響を問う必要がありますとしています。そして、五つの提言をしているわけですが、一つとしては、2歳までのテレビ、ビデオの視聴は控えましょうと。2点目には、授乳中、食事中のテレビの視聴はやめましょうと。3点目には、すべてのメディアに接触する総時間を制限することが重要ですと。4点目には、子供部屋にはテレビ、ビデオ、パソコンを置かないようにしましょうと。5点目には、保護者と子供でメディアを上手に利用するルールをつくりましょうということであり、小児科医としては、就学前の子供には、テレビ、ビデオ、DVD、テレビゲーム、携帯用ゲーム、インターネット、携帯電話等はできるだけ控えてほしいというふうに言っています。ましてや乳幼児には、見せてはいけませんと言いたいそうです。さらに児童・生徒の問題行動の原因や背景に、学校教育や地域社会など、問題を提起されていますが、それらの大もとの根っこにテレビなどのメディアと子供の関係が隠されている、ここが大変問題であると提起をしているところでございます。
さらに、調査では、栃木県の総合教育センターで、新聞でも報道されましたが、小学校6年生と中学校2年と高校2年生、それと保護者、さらに教員というふうに、それぞれグループ分けをして調査をしております。その中で、教育に関するアンケートでの集約結果では、小学校6年生で「インターネットを使った経験がありますか」の問いに、小学生で90.1%が「使った」というふうに答えています。中学生では、94.4%が「使ったことがある」と答えています。さらに、自分専用の携帯電話については、中学生が34.4%、高校生が94.8%、「持っている」ということであります。
「学校において情報教育はどの程度大切だと考えていますか」ということで教員に質問していますが、「とても大切」が30.8%、「大切である」が61.2%で、合わせますと92%にもなります。インターネットや携帯電話の使用について「指導的な計画を行っていますか」ということについては、「計画的な指導を行っている」はわずか22%です。「行っていない」が76%です。また、教師からは、携帯電話のメールが心配で早朝までやっていて寝不足になっている、このような報告もされているところでございます。したがいまして、児童・生徒の携帯電話、メールの利用実態はどうなっているのか、また情報教育の確立をどのように推進していくのかについて、伺いたいと思います。
教育の最後ですが、教育センターの整備についてであります。鹿沼市の教育行政事務は、東館と市民情報センターで、さらに適応指導教室は青少年ホームでとそれぞれ分散をし、またそれぞれが複合施設のため、相談等にも行きづらく、また相談室も狭隘、狭い状況になっています。また、教職員の調査・研究施設も、不十分であります。これらの課題を解消していく上でも、宇都宮市は、鉄筋5階建て、ちょっと見づらいかと思いますが、5階建ての教育センターを持ち、機能的には足利市、あるいは佐野市も同様の教育センターを持って、総合的な機能を生かした教育行政を行っております。教育の調査・研究、教育相談、教職員研修、不登校適応指導教室等の機能を統一することによって、学校、家庭、地域が一体となって、ともに考え、ともに実践できるようにしていくことが重要であると考えます。したがいまして、教育センター整備についてどのような検討をしているかについて、伺いたいと思います。
以上で1件目の教育センター整備についての質問を終わりまして、続いて、2件目の新型インフルエンザ対策について伺います。
新型インフルエンザに対して、基本的にはすべての人は抵抗力を持っていません。このため、新型インフルエンザは、人と人の間で広範囲に急速に広がると考えられています。さらに、人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの交通機関の発達による人の移動の増加によって、短時間に世界に蔓延すると考えられています。新型インフルエンザが世界的に流行した場合は、日本でも全国的な流行になると考えられています。ただし、新型インフルエンザがすべて流行するわけではなく、また新型インフルエンザがどのくらい強い感染力を持っているかについても、現時点ではまだわかっておりません。そのため、社会的混乱が生じることのないような正確な情報の理解が求められています。厚生労働省や文部科学省は、新型インフルエンザ対策推進本部を設置し、新型インフルエンザの世界的な拡大、人への感染報告の増加を防ぎ、国民に対する正確な情報の提供、発生動向の把握、予防、治療など、その流行状況に応じた部局横断的な連携が求められていることから、全省的な体制を整備し、対策を総合的に推進するため、新型インフルエンザ対策行動計画を策定し、各省にまたがる関係省庁とも連携をして、一層の取り組みの推進を今図ろうとしています。
栃木県におきましても、知事を本部長とする栃木県新型インフルエンザ対策本部を設置し、栃木県新型インフルエンザ対策行動計画を策定し、栃木県の実情に沿った対策を進めていくこととしております。通常のインフルエンザは、感染した人の咳、くしゃみ、唾液などが飛び散ったものが移りまして感染するわけですが、現状では、新型インフルエンザウイルスは出現していませんが、出現した場合にも、通常のインフルエンザと同様の感染防御が重要であります。鳥インフルエンザウイルスが発生している流行地への渡航を控え、あるいは人波や繁華街への外出を避け、外出するときはマスクを着用し、帰宅時には手洗いやうがいを忘れないようにする。また、ふだんから十分に休養や睡眠をとり、バランスのよい食事をすることも、体力や免疫力を高める上で大切であります。乾燥するとインフルエンザにかかりやすくなり、またマスク着用のほかには、部屋の湿度を適度に保つことも効果的と言われております。しかし、予防に心がけていても、発病すると、新型インフルエンザは死亡率も大変高く、県内感染者は最大で県人口の4分の1に達すると想定もされております。危機管理や健康対策が早急に求められております。したがいまして、次のことについて伺います。
一つとして、市として、新型インフルエンザ対策の行動計画実行をどのようにしていくのか。2点目は、新型インフルエンザ対策の予防や治療薬の確保をどのようにしていくのか。3点目は、新型インフルエンザに対する市民相談体制を設置できるのかについてであります。
次、最後の3件目の質問に入ります。3件目は、「森林・野鳥観察指導員」制度の創設についてであります。
自然環境の保護と活用を実現させていくためには、社会の状況やニーズの変化に対応した知識と指導が必要になってきております。多くの市民に本物の自然のすばらしさを心で感じ取っていただけるようにしていくことと、豊かな自然と環境を守り、次世代にきちんと伝えていくことが重要な課題となっております。今自然や森林への関心が高まる中で、自然の探索や森林浴、ハイキングや登山、キャンプ、キノコや山菜狩り、釣りなど、レクリエーションの場として森林や河川を利用する市民がふえております。山菜取りでも、自然を甘く見てしまったり、地理がわからなくなって不慮の事故がこの間でも多数発生をしています。また、植物や野鳥の不法捕獲等をなくすためにも、森林や河川、自然公園の案内や指導を必要とするケースがふえてきております。このような課題を解決させていく上でも、森林・野鳥観察指導員として希望者を募り、自然や環境保全等の基礎的な知識の養成をし、指導員として任命をし、活躍していただければ、市民やグリーンツーリズム等で森や河川、公園を訪れる人たちに案内や野外活動の指導、安全な過ごし方や楽しみ方をアドバイスしたり、指導することが可能になります。森林や河川での自然観察から地球規模での環境問題に至るまで、幅広い分野で活躍できる指導員の育成を図り、森林や河川、茂呂山や花木センターなど自然公園の中での、自然を舞台に活動することを目的に活動していただく森林・野鳥観察指導員制度を創設し、さまざまな活動を展開していくことについて伺います。
以上で、私の3件の質問を終わります。執行部のわかりやすい答弁を求めて、以上で終わります。
○議長(阿見英博君) 当局の答弁を求めます。
教育長、小林君。
○教育長(小林 守君) 21番、鈴木議員の教育センター整備と教育の充実についての質問にお答えいたします。
まず、学校で安心して学習できる環境をつくることについてでありますが、子供たちは家庭生活や学校生活の中でさまざまなストレスを抱え、その結果、いじめや暴言、暴力、校内徘回等の問題行動が一部の学校で見られます。現在、特別に支援を要する児童・生徒の在籍する学校には、加配教員や非常勤講師、教育相談専門員、市民ボランティア等を配置して、個別に指導や支援を行っております。また、児童・生徒の理解を深めるために、事例研究や研修を通して指導体制を強化しております。さらに、不登校対策、発達障害支援、問題行動に対応できる体制づくりを現在研究し、随時実践化を進めております。
次に、不登校対策の強化についてでありますが、今年度から新たに開始した不登校対策ネットワーク事業で、保護者、教育研究所、学校、適応指導教室と連携して、早期対応を行っております。特に学校内で発達障害が疑われる子供のために、校内特別支援教育コーディネーターの研修を実施しております。また、家庭教育学級や出前講座等で不登校の講座が実施されております。さらに、ボランティア養成講座を開催し、市民ボランティアを活用して支援体制を強化しております。合併後は、粟野町の適応指導教室を存続し、鹿沼市アメニティホーム同様に運営していくことを考えております。
次に、児童・生徒の携帯電話利用と指導についてでありますが、携帯電話は、学校への持ち込みを禁止しております。携帯電話の所持率は、小学生が約8%、中学生が約50%と推定できます。使い方は、友人同士でメールをやりとりしたり、さまざまな情報を得たりしています。インターネットを含め、はんらんする情報により、児童・生徒が犠牲にならないよう、総合的な学習の時間や中学校の技術の時間等で情報教育を進めております。特にパソコンの使い方やプライバシーの問題、その危険性については、今後も情報教育の中でしっかりと進めていきたいと思っております。
以上で私の答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 教育次長、古澤君。
○教育次長(古澤正己君) 教育センター整備と教育の充実についてのうち、教育相談の実態と迅速な対応についてでありますが、過去5年間の相談人数、回数は、次のようになっております。
平成12年度は371人の相談者に1,829回、平成13年度は272人に1,949回、平成14年度は344人に2,159回、平成15年度は394人に2,239回、平成16年度は366人に2,180回となっております。今年度は10月末までに397人に1,556回対応しており、その数は今後増加する見込みであります。
相談内容につきましては、不登校、集団不適応、学業不振、就学指導等さまざまです。教育相談室では、子供本人や保護者、教員等関係者に対し、指導・相談をしております。また、臨床心理士による心理検査も行っております。
今後不登校と発達障害につきましては、今年度からの不登校対策ネットワーク事業と、平成18年度から予定している発達障害支援事業による支援を検討いたしております。
次に、教育センターの整備についてでありますが、誕生から成人に至るまで、幼児期、小中学校、高等学校と一貫性のある教育を行える研究機能をつくっていきたいと考えております。また、学校教育、社会教育、家庭教育が連携して、鹿沼らしい総合的な研究機能を想定しております。さらに、市民参画が可能な市民に開かれた研究機能、こうした機能を集積し、鹿沼らしい教育の創造を目指したいと考えております。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君)
保健福祉部長、高田君。
○
保健福祉部長(高田久男君) 新型インフルエンザ対策についての質問にお答えします。
通常、インフルエンザウイルスは、人から人といった同種の間で感染いたしますが、インフルエンザウイルスの性質が変わることによって、人に感染しなかったインフルエンザウイルスが人に感染するようになり、そして人から人へと感染する変異したインフルエンザウイルスによって起こるインフルエンザが新型インフルエンザでありまして、流行した場合には、人口の4分の1の人が感染すると予測されています。
インフルエンザを含む感染症対策は、広域的な対応が求められること、高度な医療技術が必要なこと、医療施設が限られていることなどから、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき、県が所管しております。このことから、栃木県感染症マニュアル、県西地区健康
危機管理マニュアルが策定されておりまして、この中で、初動調査や入院の勧告、防疫対策等が示されており、市町村は情報の収集や提供、発生源の防疫活動を行うこととされています。
ご質問の新型インフルエンザ対策の行動計画、実行方法、治療薬等の確保や相談体制についてでありますが、新型インフルエンザにつきましては、大流行から大きな健康被害とこれに伴う社会的影響をもたらすことが予想されることから、県では、過去のSARS対策と同様に、行動計画を年内に策定するとのことであります。市といたしましては、この行動計画に沿って、市民への正しい知識の周知や発生時の情報収集・提供、防疫活動など、市としての役割を行ってまいります。そのために、県と綿密な連携をとりながら、新型インフルエンザ対策のマニュアルの作成や広報誌による市民への周知、相談窓口の設置等を行っていきたいと考えております。
なお、新型インフルエンザの予防や治療薬の確保につきましては、状況により行っていきたいところでありますが、国、県にゆだねざるを得ないと考えております。
なお、本市の休日夜間急患診療所では、インフルエンザ用として現在、抗ウイルス薬タミフル510錠、小児用ドライシロップ51グラムを在庫しております。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 経済部長、金子君。
○経済部長(金子 稔君) 「森林・野鳥観察指導員」制度の創設についての質問にお答えします。
近年余暇の増加や環境意識の高揚などに伴い、市民の森林や自然に対する関心が高まり、自然とのふれあいを求める人々が増加し、森林の適正な管理や豊かな自然を守るための気運の醸成が求められていることは十分認識をしているところであります。
本市の豊かな自然を不法な植物採取や野鳥などの捕獲から守るための対策の一つとして、鳥獣保護法及び県条例に基づき、栃木県鳥獣保護員兼自然監視員、栃木県森林保全巡視員が配置されるとともに、市でも、前日光県立自然公園及び周辺の風景地を保護し、利用を促進するため、鹿沼市自然公園等指導員を設置しております。この栃木県鳥獣保護員兼監視員は、鳥獣保護及び自然環境保全のための指導・管理・調査・普及啓発を行うもので、現在2名の方に委嘱をしております。栃木県森林保全巡視員は、森林産物の盗採、山火事防止などの森林保全管理のための森林パトロールを行うもので、現在3名の方がそれぞれ活動をしております。
野外活動等指導者の活用につきましては、栃木県自然ふれあい活動推進協議会に登録した自然ふれあい活動指導者や社団法人全国森林レクリエーション協会に認定された森林インストラクター、市内の自然保護団体などに活動をお願いするとともに、これらの方々の協力により、多岐にわたる各種事業を展開しているところであります。
なお、現在整備中の
自然体験交流センターにおきまして、森林林業活動や環境教育の場として、この施設を活用した森林や河川での自然観察から環境問題を含めた各種事業のプログラム策定を進めております。
「森林・野鳥観察指導員」制度の創設につきましては、今後の事業展開を図る中で、県や民間団体の既存の組織や制度活用を含め、調査・研究をしていきたいと考えております。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 当局の答弁は終わりました。
当局の答弁に対し、再質問はありませんか。
21番、鈴木貢君。
○21番(鈴木 貢君) 再質問をいたします。
まず、1件目の教育センター整備と教育の充実についてでございますが、4点目に質問をしました児童・生徒の携帯電話利用と指導についてでありますが、答弁がありましたように、中学生では過半数近い生徒が利用しているという状況と、総合的な学習の時間やその他を使ってということであります。これは、これまでもこのような形で指導はされてきたと思いますが、既に事件や事故が多発しているということを考えると、新年度に向けて、より具体的な情報教育の時間といいますか、指導の枠を明確にしていかないと、現状でも大変なカリキュラムの中で先生方は苦労されていることを承知はしているわけですが、統計的に見ても、また先生方も情報教育は必要だとは言いながらも、先ほどのアンケートの例でもわかるように、実態は非常に学習指導する時間がとれないのですね。そこの部分を今後十分検討され、実効が上がる教育をしていただきたいと、このように思います。そういう面で、今後どのような方向性が出せるのかについて、答弁を求めたいと思います。
さらに、きょうの私の質問の中で、義務教育の環境や、あるいは教育の質そのものを充実させるそのセンター的役割といいますか、一番拠点になるのが、5点目に質問した教育センターの整備ということであり、執行部の方でも、趣旨的には理解をいただいていると思いますが、一歩進んで、センターの具体的な準備についてどのように考えているのか、この点について、教育長の方からもう少し具体的に示していただければと思い、再質問をしたいと思います。教育関係は、その2点について再質問をしたいと思います。
2件目の新型インフルエンザの対策のうち、県西地区の、要するに県の指導マニュアルに沿ってやるという
保健福祉部長の答弁でございました。当然そのことについては理解はできるわけですが、やはり、もしどこかで新型インフルエンザが発生し、鹿沼にもはやり出したというときに、県のところに全部行けるかというと、やはり市民としては市役所のどこか身近な窓口相談に行って、治療や、あるいは対策ということで相談したいというのは当然出てくると思います。そういう面で、3点目に質問しました市民相談体制、これもすぐあしたつくれという意味ではなく、少なくても行動は県を中心にするにしても、やはりその一番の窓口の受付となる市民相談体制を準備する、今から検討することはできないか。このことについて、再質問をしたいと思います。
あと最後、3件目の、森林と野鳥観察指導員についてであります。これも経済部長から現況についての県の巡視員としての役割や指導、管理、そして森林パトロール等についてお話がありました。私も実際かかわっている人からお話を聞き、大変な役割を担っていただいているということは理解をしておりますが、一番問題なのは、県なり、それぞれの団体で個々的に活動しているため、森林総体を守るとか、森林に親しむ人に指導するつながりといいますか、連携がとれないのが現状でございまして、今後調査・研究していくということでありますが、ぜひこのことは、鹿沼市の広い意味での観光にもつながるし、鹿沼の自然環境を守るということにもつながるし、非常に幅広くて、なおかつ専門知識も要請されますので、ぜひ今ある団体を一つに集約するという役目も含めた観察指導員制度というものを、早目に制度として確立してほしいなというふうに考えています。そういう面で、経済部長の言っていることについては理解をしますが、実効性の部分で、できれば市長の方からこの辺について、鹿沼市としての特色を出していくという立場で、考え方を聞かせていただければなと思っています。
以上で再質問を終わりにします。
○議長(阿見英博君) 再質問に対し、当局の答弁を求めます。
市長、阿部君。
○市長(阿部和夫君) 21番、鈴木貢議員の再質問のうち、森林・野鳥監視員制度の中で、監視員がばらばらな行動といいましょうか、そういうふうな状況にあるから、一本化をしてできないかということのご質問でございます。森林や野鳥の監視員というものは、野鳥は野鳥という監視員制度の中でやられていて、森林は森林という監視員制度でやられている。やはり山の一体化を考えたときには、同一の人が二つの監視業務というのも可能ではないかと、こういうふうに私も考えているところであります。しかしながら、やはり制度上の問題も含んでいるところでありまして、今後やはり検討していくということが必要ではないかと、このように考えているところであります。特にやはり自然、いわゆる環境にやさしいまちづくりを目指す上では、その監視業務というのは一定の重要な役割を担っていけるものと、このように考えているところでありますので、今後の体制づくりについて、調査・研究を進めていきたいと、このように考えております。
以上で再質問に対する答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 教育長、小林君。
○教育長(小林 守君) 鈴木議員の再質問にお答えいたします。
携帯電話の利用についての再質問でございますが、先ほどの質問の中でも、情報メディアのもたらす幼少時の子供たちや児童・生徒への悪影響の非常に詳しいお話がございまして、大変勉強させていただいたところであります。学校といたしましては、情報教育の専用のハンドブックがございまして、それらには、教育現場において子供たちにその弊害、使い方等を指導する適切な教材もございますので、総合学習や技術家庭の中で十分にその弊害が除去できるように、教育の場でさらに力を入れていきたいと、このように考えているところでございます。
次に、教育センターのお話、再質問でございますが、基本的には、拠点としての建物の中心的な場の役割を発揮するものが必要であります。しかし、今日の情報化の中では、分散した機能でもネットワーク化することによって、それが一部補充できるものとも考えます。また、教育相談所とアメニティホームにつきましては、その内容を関連づけて一体化した施設が望ましいのではないか、このようにも考えております。そして、もう一点は、さまざまな教育機関、学校やさまざまな教育機関とセンターとがしっかりと連携をし、そして研究機能が十分に選択できるような整理が必要ではないか、このように思います。そういう点で、教育センターの具体的な機能については、今日までも鹿沼市の教育の総合的な窓口であり、総合調整機能を求めているものであり、もう一つは、教育政策の立案や提言をする調査・研究機能を求める場でもあります。さらには、教育相談機能、あるいは市民や教職員に対する研修の機能、あるいは市民や教員のための教育情報の収集・提供、このような機能を担う施設として、あるいはソフトとして、教育センター的なものが今内部的に鋭意検討されているところであります。阿部市長の公約にも触れられておる課題でございまして、そういう点でも、その具体化に向けて鋭意取り組んでいきたい、このように考えているところでございます。
以上で答弁を終わります。
○議長(阿見英博君)
保健福祉部長、高田君。
○
保健福祉部長(高田久男君) 新型インフルエンザ対策についての再質問にお答えをいたします。
相談窓口の設置ということでございますが、最初の答弁でもお答えしましたとおり、法に基づいて県が所管しています。県がそれに基づいてマニュアル等を策定しています。SARSと同様に、新型インフルエンザの行動計画についても策定していますということをお答えしました。加えて、県と綿密な連携をとりながら、マニュアルの作成、市民への周知、そして相談窓口の設置等を行っていきたいと考えておりますとお答えしたとおりでございます。
なお、11月末に県西健康福祉センター所長名をもって所管課長に、「県においては新型インフルエンザ予防対策の相談窓口を県西健康福祉センターの健康福祉部健康対策課内に置きました」、このような周知がありました。したがいまして、市におきましても、県の策定する行動計画が年内にできるということですので、この計画との整合性を図りながら、相談窓口の設置を進めてまいりたいと考えております。
以上で再答弁を終わります。
○議長(阿見英博君) 再質問に対する当局の答弁は終わりました。
当局の答弁に対し、再々質問はありませんか。
(「ありません」と呼ぶ者あり)
○議長(阿見英博君) 別段再々質問もないようですので、引き続き発言を許します。
10番、大貫武男君。
○10番(大貫武男君) 私は本議会に4件の質問を通告しておりますので、通告順に質問をしてまいります。
教育行政につきましては、同僚議員、先輩議員、多くの議員が質問を予定しておりますし、終わりました。私は私なりの視点で質問をしてまいりますので、答弁をお願いしたいと思います。
国民の多くは、広島に続いて今市の小学校1年生の痛ましい事件が連続して発生するなど昨今の世情を見て、日本は何かがおかしくなってきていると感じていると思います。そして、また漠然としていますが、今まで安心で安全な社会を守ってきた何かが欠けてきているのではないかと思っていると思います。その「何か」の中に、教育が重要なキーポイントになっていると思っていると思います。子供の教育を語る前に、大人の教育をしなければだめだという話もよく聞きます。それもまた事実だなというような事柄も多く見られてきています。
文部科学省は声を大きくして、地方及び各学校に特色のある教育をするようにと大変な努力をしていると思います。それはそれで大変よいことだと思っています。しかし、義務教育における特色づくりというのは、言葉では易しいことだと思いますが、実際問題として、限られた職員数や予算の中では大変難しいものがあるかと思います。小林新教育長には、ご自身の教育理念を含めて、本市の特色ある教育をどのように進めていこうとしているのかをお聞きいたします。