浜松市議会 > 2020-03-11 >
03月11日-05号

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  1. 浜松市議会 2020-03-11
    03月11日-05号


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    令和 2年  2月 定例会(第1回) 令和2年3月11日◯議事日程(第5号) 令和2年3月11日(水)午前10時開議 第1 会議録署名議員指名 第2 一般質問 第3 第66号議案 令和元年度浜松市一般会計補正予算(第8号) 第4 第67号議案 浜松市営住宅条例の一部改正について 第5 第68号議案 浜松市立小学校、中学校及び高等学校の教育職員の給与等に関する特別措置条例の一部改正について-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程のとおり。-----------------------------------◯出席議員(45人)    1番  馬塚彩矢香         2番  鈴木 恵    3番  落合勝二          4番  酒井豊実    5番  小泉 翠          6番  神間郁子    7番  山崎とし子         8番  森田賢児    9番  小黒啓子          10番  北島 定    11番  岩田邦泰          12番  鈴木真人    13番  小野田康弘         14番  露木里江子    16番  井田博康          17番  齋藤和志    18番  鈴木幹夫          19番  丸 英之    20番  幸田惠里子         21番  遠山将吾    22番  太田利実保         23番  北野谷富子    24番  鈴木唯記子         25番  稲葉大輔    26番  平野岳子          27番  松本康夫    28番  加茂俊武          29番  倉田清一    30番  須藤京子          31番  戸田 誠    32番  高林 修          33番  松下正行    34番  黒田 豊          35番  湖東秀隆    36番  関 イチロー        37番  平間良明    38番  斉藤晴明          39番  鳥井徳孝    40番  波多野 亘         41番  花井和夫    42番  渥美 誠          43番  太田康隆    44番  和久田哲男         45番  鈴木育男    46番  柳川樹一郎◯欠席議員(1人)    15番  久米丈二◯出席説明員   市長         鈴木康友   副市長        鈴木伸幸   副市長        長田繁喜   技術統括監      井ノ口秀彦   政策補佐官      山名 裕   危機管理監      宮城和敬   企画調整部長     内藤伸二朗  総務部長       川嶋朗夫   財務部長       森本哲司   市民部長       山下昭一   健康福祉部長     朝月雅則   こども家庭部長    金原栄行   環境部長       影山伸枝   産業部長       渡瀬充雄   都市整備部長     大村兼資   土木部長       柴山智和   市民部文化振興担当部長       健康福祉部医療担当部長              寺田聖子              新村隆弘   産業部農林水産担当部長       産業部観光・ブランド振興担当部長              山下文彦              石坂守啓   都市整備部花みどり担当部長     総務部参事(秘書課長)              伊藤 哲              袴田智久   財務部次長(財政課長)       教育長        花井和徳              小松靖弘   学校教育部長     伊熊規行   水道事業及び下水道事業管理者                                寺田賢次   消防長        鵜飼 孝   監査委員       鈴木利享   監査事務局参与監査事務局長)              長坂芳達◯出席議会事務局職員   事務局長       松永直志   事務局次長(議事課長)                                大橋臣夫   議会総務課長     木村晶子   調査法制課長     鈴木啓友   議事課専門監議事課長補佐)    議事課副主幹(議会運営グループ長)              上田晃寿              大石 尚-----------------------------------     午前10時開議 ○議長(柳川樹一郎) ただいまから、本日の会議を開きます。----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) 平成23年3月11日に発生しました東日本大震災から本日で9年が経過いたしました。ここに犠牲になられた方々の御冥福を心からお祈りし、1分間の黙祷をささげたいと思います。国旗にも弔旗を掲げさせていただきました。そういった中、ただいまから1分間の黙祷をささげたいと思いますが、傍聴者の皆さんも御協力いただければ幸いです。 ◎事務局長(松永直志) 御起立をお願いいたします。     〔各員起立〕 ◎事務局長(松永直志) 黙祷します。黙祷。     〔黙祷〕 ◎事務局長(松永直志) 黙祷を終わります。 御着席をお願いいたします。     〔各員着席〕----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) それでは、本日の日程に入ります。 本日の議事日程は、お手元に配付した日程のとおりであります。 最初に、日程第1会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第78条の規定により、7番山崎とし子議員、22番太田利実保議員、38番斉藤晴明議員を指名いたします。----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) 次に、日程第2一般質問を昨日に続き行います。 最初に、18番鈴木幹夫議員。(拍手) ◆18番(鈴木幹夫) 皆さん、おはようございます。自由民主党浜松の鈴木幹夫です。 今日は3月11日、東日本大震災から9年、被災された方々に思いをはせながら津波に対する防災の話題も含めて、初登壇、初めての一般質問です。新人らしく元気に行いたいと思います。 それでは、通告に従いまして分割方式で質問を始めます。 最初の質問は、近年、日増しに深刻化している不登校やひきこもりの問題で、その対策としての早期支援についてお尋ねします。 近年では、家族形成や地域と家庭の関わり、人と人との関係性の在り方などが大きく変化する中で、日常生活に不安や問題を抱える青少年が増え、中でも小・中学校の不登校児童・生徒の増加は深刻な状況にあります。不登校は、その後、ひきこもりにつながる可能性があり、さらには8050問題へと発展する日本社会全体の大きな課題です。また、発達障害を伴う事例も多く、早期に手を差し伸べ、丁寧に寄り添うことが問題解決へとつながる最も有効な手だてであると考えます。 そこで、以下の2点について、金原こども家庭部長に伺います。 1つ目、不登校の問題では、小学校入学直後のいわゆる小1プロブレムに端を発するケースがあります。また、義務教育と同じく幼児教育においても主体的・対話的で深い学びが重視され、幼児期から人と関わる力を育て、子供たちが幼児教育から小学校教育へと円滑に移行し、自分らしさを大切にする子供に育っていけるようにすることを目標に取り組んでいます。 こういった現状を踏まえ、幼児教育・保育の質の維持・向上のための手だてと、義務教育にスムーズにつなぐための保幼小の連携と研修を深めていくための手だてについて伺います。 2つ目、本市が実施している青少年支援体験活動事業は、不登校やひきこもりの青少年に対して社会生活に適応していく機会を提供し、早期支援の手だてとなる有意義な事業として捉え、推進してほしいと考えています。そこで、本事業の実績の推移及び成果、さらに今後の事業の展開について伺います。 ここで分割します。御答弁をよろしくお願いします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎こども家庭部長(金原栄行) 皆さん、おはようございます。 それでは、第18番自由民主党浜松鈴木幹夫議員の御質問にお答えをいたします。 1点目、幼児教育・保育の質の向上と保幼小の連携についてお答えをいたします。 近年の女性の活躍推進を背景とした保育ニーズの増加に伴い、就学前施設数の増加や施設の多様化が進んでおります。本市では、平成29年度に幼児教育推進協議会を設置し、公立園、私立園、小学校、園保護者、学識経験者等オール浜松体制で幼児教育の目指す姿を共有し、全ての子供への質の高い幼児教育や、幼児教育と小学校教育との円滑な接続について協議を行っております。この中で、昨年7月には、全ての就学前施設で活用する教職員用指導資料であります「幼児期に育てたい力」を作成、公表いたしました。これまでも公立及び私立園を対象とする研修により、指導資料の理解を深め、園における活動や保護者との関わりに活用しており、議員御指摘の主体的・対話的で深い学びの実践により、引き続き幼児期における人と関わるコミュニケーション能力の向上に努めてまいります。 また、保幼小の連携につきましては、地区ごとに行う連絡会や研修のほか、指導資料を活用したワークショップ型研修を通じて、幼児期からのつながりのある教育・保育活動について理解を深めてまいります。 次に、2点目の青少年支援体験活動事業についてお答えをいたします。 市では、様々な不安や不登校等の問題を抱える青少年が職業体験活動や奉仕活動等を通じて自己肯定感を育み、前向きに生活していく意欲を高めることを目的に、平成21年度から青少年支援体験活動事業を実施しております。毎年、学校や保護者から30件程度の相談や問合せを頂いており、体験活動の参加者は平成30年度で6人、令和元年度が2月末時点で13人となっております。参加者からは、コミュニケーションが取れるようになり、自分に自信を持つことで進路を真剣に考えるきっかけになったなどのコメントを頂いております。 事業実施に当たっては、企業やボランティア団体希望者受入れの協力を依頼し、平成30年度は54事業所、今年度は66事業所で、業種も農業、飲食業、保育園など、幅広くなりました。今後も希望に沿ったきめ細やかな支援ができるよう、地域的なバランスや業種、職種を考慮しながら、受入先候補となる企業等を訪問し、登録事業者を増やすことで事業の充実を図ってまいります。また、学校に対し一層の周知を図り、より多くの青少年に参加いただくことで、不登校やひきこもり等の悩みを抱える青少年の支援につなげてまいります。 ◆18番(鈴木幹夫) 議長、18番。 ○議長(柳川樹一郎) 18番鈴木幹夫議員。 ◆18番(鈴木幹夫) 御答弁ありがとうございました。意見・要望を申し上げます。 核家族化により祖父母のいない家庭内で子育てのノウハウは得難く、また地域や近隣の絆の希薄化によって子育て世代は孤立化し、ますます子育てが困難になっていきます。働くことを優先することが多くなる傾向から、母子のつながりや父性の大切さ、家庭教育の大切さが見失われがちです。幼児教育・保育の無償化によりこの傾向はさらに強まり、幼児教育・保育だけでなく家庭教育の質の低下も懸念されます。 そうした中で、「幼児期に育てたい力」という子供たちの学びの質を確保するための資料を作成し、園活動や保護者との関わりにおいて活用し研修していく、この取組を高く評価します。この取組は、家庭教育をも下支えしながら、園の役割、家庭の役割を明確にし、園と家庭との連携・協力を密にするもので、幼児教育・保育の質の向上に確実に資するものであると考えます。 また、地区ごとの連絡会や研修会、ワークショップ型研修を通じて保幼小の連携を図っていくとのことでしたが、連携を密にしたいが、一堂に会して頻繁に行うことはなかなか難しいという現場の声もあります。そこで、ICTを活用した連携や協力、例えば校務支援ツール、ミライムを有効に使って、日常的に情報共有や研修の機会が設けられるようになることを期待します。また、そのために幼児教育の現場にも十分なパソコンの配備を要望いたします。 青少年支援体験活動事業については、御答弁を聞いて、不登校やひきこもりの青少年に対して大変有効な取組であると同時に、発達障害を持つ子供たちの集団適応や就労に向けた取組としても優れたものだと改めて思いました。 教育現場では、発達障害を持つ子供はどのクラスにも数名、多いところで五、六名ほどが在籍しています。また、問題行動は不登校だけでなく、学習遅進、離籍、授業妨害、暴力行為等、広範囲に及びます。先生方は、個別指導に追われて授業どころではなく、職員室にいる事務職員から教頭、校長までが対応に走り、職員室に教員がいない状況すら見受けられます。 青少年支援体験活動事業の過去の実績では、不登校・ひきこもりへの対応が約8割と大半を占めます。登校はできるけれども、様々な問題行動が見られる子供たちも、本事業を積極的に活用していくことで、自分の居場所を見つけて視野が広がり、問題行動の軽減につながる可能性が高いと思います。これからも、本事業の学校現場への一層の周知を図っていくとの御答弁に安心いたしました。様々な悩みを抱えた青少年が自己肯定感を高め、前向きに生きることができるよう、本事業のさらなる充実・発展を期待します。 また、先ほど述べた学校現場の状況の背景には、親の発達支援学級への理解がなかなか進まないことのほかに、こういった子たちの受皿が十分でないことが理由に挙げられそうです。小・中学校の発達支援学級は、毎年新設、増設をしてくださっていますが、該当児童の増加になかなか追いつけませんし、指導者の数も十分とは言えない状況かと思います。また、浜松市内の特別支援学校は全て県立で、浜松市立の小・中学校との連携が取りやすいとは言えない状況です。 この状況を解決するためには、浜松市立の特別支援学校の開設が近道だと考えています。発達障害を持つ子供たちが学ぶ場の選択肢が増えるだけでなく、この学校を核にして発達支援教育の研究を推進する市独自の体制がつくれます。発達支援教育を専門に学んでいく優秀な教員を育てることもできます。浜松市全体の発達支援教育の環境整備も並行して進めていくべきであることを意見として申し添えます。 次の質問に移ります。 新学習指導要領に準拠した本市の教育の重要施策について伺います。 令和2年度からは小学校において、令和3年度からは中学校において新しい学習指導要領が全面実施となります。新学習指導要領では、情報化、グローバル化加速度的進展やAIの飛躍的進化など、予測困難な時代にあっても、子供たちに未来の創り手となるために必要な資質・能力を確実に育成するとうたっています。しかし、急激な社会環境等の変化により、将来に向けて希望あふれる夢を描くことができず、自己肯定感を持てない子供が増加していることや、コミュニケーション能力の不足が指摘されます。 そうした状況を踏まえ、さきに質問した不登校やひきこもりの問題とも関連させて、ICTを活用した教育、キャリア教育外国語教育の3点について花井教育長に伺います。 まず、ICTを活用した教育についてです。 新学習指導要領にうたわれたプログラミング教育や主体的・対話的で深い学び等の実践を通して、情報処理能力コミュニケーション能力の育成を目指すために、教育分野のICT活用の推進は喫緊の課題です。 国の動きとして、児童・生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が、令和元年度補正予算案で2019年12月13日に閣議決定されました。これを受け、文部科学省からは、ハード・ソフトの両面から教育改革に取り組むとして、GIGAスクール構想が示され、教育の情報化を取り巻く状況は、今、急速な動きを見せています。 本市は、昨年10月にデジタルファースト宣言をしましたが、教育分野におけるICT活用を今後どのように展開していくのか、以下の2点について伺います。 1つ目、教育委員会では平成30年度からタブレット端末活用の検証に取り組んでいますが、その結果と効果的な活用に向けた今後の取組について伺います。 2つ目、今年度、小規模校を対象に、テレビ会議システムを活用した遠隔合同授業にも取り組んでおられますが、その成果と課題及び今後の活動展開について伺います。 続いて、キャリア教育についてです。 現在、相変わらず浜松市はじめ静岡県の人口流出と首都圏への一極集中が続き、静岡県は大学生が戻ってこない割合がワーストワンと言われています。ひきこもりやニートをなくし、職に対する意欲や魅力を感じて邁進する若者、将来の日本を担う世界で活躍する若者を育成していかなければなりません。これまでも浜松市教育委員会は、キャリア教育本市教育計画の重点として掲げ、今年度はキャリア教育実践モデル校を選定して、広範な人格形成としてのキャリア教育が実践されていると聞いており、大いに期待しているところです。また、小・中学校間で主体的に、モデル校を中心に互いの実践を共有し、研究し合う活動が行われ、ミライムほか様々な方法で研究成果の伝達、拡大が図られているとも聞いています。 そこで、以下の3点について伺います。 1つ目、キャリア教育実践モデル校における実践の成果と課題、今後の取組について伺います。 2つ目、本市のキャリア教育を強力に推進していくために、教員の指導力向上に向けた教員研修について伺います。 3つ目、平成31年3月に文部科学省からキャリアパスポートの目的や定義、様式例が示され、令和2年4月から全ての小・中学校、高等学校で実施することとなりました。そこで、キャリアパスポートの活用方法について伺います。 続いて、外国語教育についてです。 グローバル化が加速度的に進展する中で、日本人だけでなく外国人も交えた様々な価値観や考え方を持った人たちの中で、自分の考えを堂々と主張できるような、世界を舞台に活躍する若者を育成することは急務です。新学習指導要領の全面実施に伴い、小学校3、4年生では外国語活動、5、6年生では外国語科が導入され、中学校の英語科については、聞く・読む・話す・書くの4技能をバランス良く身につけることが求められるようになります。中でも教科として初めて導入される小学校5、6年生の外国語科については、小学校教員が評価も行うということもあり、不安感を持っている教員も少なくないと考えます。 そこで、以下の2点について伺います。 1点目、本市の教員の外国語指導の現状と課題を伺います。 2点目、授業改善を目指した教員の指導力向上のための手だてを伺います。 ここで分割します。御答弁をよろしくお願いします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎教育長(花井和徳) 1点目、ICTを活用した教育についてお答えいたします。 まず、1つ目のタブレットパソコン活用検証の結果と効果的な活用に向けた取組についてでございますが、本市では、昨年度から本年度までの2年間、小学校17校、中学校5校においてタブレットパソコンの活用検証を行ってまいりました。検証校を対象に実施した調査では、調べ学習やグループで話合い活動を行う協働学習等での活用が多く、情報収集能力コミュニケーション能力の向上などが成果として報告されています。このほか、プレゼンテーションソフトを活用した表現活動では、文章を書くことが苦手な子供も、伝えたい内容を写真入りの資料にまとめ、自分の考えや思いを効果的に伝えられるようになったなどの感想が寄せられています。 また、児童・生徒への操作支援、教員へのアドバイスや研修を行う、いわゆるICT支援員が授業に関わることで、授業の効率化が図られたほか、ICT機器の活用頻度も向上するなどの効果も確認できました。 今後は、児童・生徒一人一人がいつでも、どの教科でも端末を活用できる環境を見据え、検証校での活用事例や文部科学省から昨年12月に示された教育の情報化に関する手引などを参考に、各教科等における活用場面を示した冊子を作成し、全ての学校でICT機器を効果的に活用した学習活動が展開できるよう努めてまいります。 次に、2つ目の沿革合同授業の成果と課題、今後の活用展開についてでございますが、本市では、地方創生に関する包括連携協定に基づく、テレビ会議システム等の支援を活用し、昨年9月から小学校の小規模校3校において遠隔教育に取り組み、これまで6回の合同授業を実施いたしました。 2年生、生活科の合同授業では、町探検で見つけた地域の自慢を、画面を通じて相手の様子を見ながら話したり、資料を提示したりしながら発表し合いました。発表を聞いた他校の児童からは、多くの質問や感想が上がるなど、活発な話合い活動が展開されました。小規模校では多様な意見に触れる機会が少ないことから、遠隔教育による合同授業は、コミュニケーション能力や表現力の向上、学習意欲の高まりなどの成果が期待できるなど、教育活動の充実につながると考えております。 課題といたしましては、準備に要する時間が短く活用しやすい機器の整備や、音声・画像の遅延が発生しない通信環境、活用する教員の操作スキルの向上などが挙げられます。 今後の活用については、遠隔教育は、小規模校での合同授業のほか、様々な学習機会での活用が期待されます。適応指導教室に通う不登校児童・生徒に対する支援などの個々のニーズに応じた対応や、教員の負担軽減にもつながる遠隔システムによる研修の実施にも活用の幅を広げるなど、本市のニーズに合った効果的な活用について研究してまいります。 続きまして、2点目のキャリア教育についてお答えいたします。 1つ目のキャリア教育実践モデル校における成果と課題、今後の取組についてと、2つ目の教員研修については関連がございますので、一括してお答えいたします。 本市では、変化が激しく予測困難な時代を生きる子供たちが、将来に不安を感じることなく、夢と希望を持って自分らしく人生を歩んでいくことができるよう、キャリア教育を核とした人づくりを推進しています。本年度は、キャリア教育実践モデル校として小学校6校、中学校4校を選定し、指導主事による訪問指導をはじめ、モデル校の校長等による先進地視察や情報交換会を行いました。このほか、モデル校の様々な実践事例を全ての学校へ情報発信し、キャリア教育推進に対する意識高揚と実践の普及に努めているところです。 成果といたしましては、モデル校ではキャリア教育で育てたい力を子供と教員が共有し、今の学びが社会や将来につながっていることを意識させる授業や体験活動を計画的に実施した結果、学んだことを実生活や将来に生かそうとする子供の姿が見られるようになりました。今年度実施した調査では、モデル校の子供は、「私は将来の夢を持っている」「自分にはよいところがあると思う」などの項目で、また保護者は、「子供のよいところを褒めるなど、自信を持たせるようにしている」「決めたことは最後までやり遂げるよう励ましている」などの項目で、肯定的な回答割合が高いことが確認されました。このようにキャリア教育を推進することで、子供だけでなく保護者にもよい影響を与えていることが分かりました。 課題といたしましては、教員のキャリア教育に対する意識は高まりつつありますが、個々の理解や各学校の実践内容には差が見られることが挙げられます。 今後は、モデル校の拡充や国の手引を参考に、キャリア教育の理念、各学校の実践事例等を掲載したガイドブックの作成などにより、全市的なキャリア教育の推進につなげていきたいと考えております。また、教員に向けては、キャリア教育リーダー養成研修により各学校の推進役となる教員を育成し、この教員がリーダーとなり伝達研修を実施することで、全ての教員のキャリア教育に対する理解を深めてまいります。 次に、3つ目、キャリアパスポートの活用方法についてお答えいたします。 平成31年3月に文部科学省から、キャリアパスポートの目的や定義、様式例が示され、令和2年4月から全ての小・中学校、高等学校で実施することとなりました。キャリアパスポートは、子供が小学校から高等学校までのキャリア教育に関わる諸活動について、自分の学びのプロセスを記述し、振り返ることができるワークシートを蓄積するものです。これを子供が自身の変容や成長を自己評価するとともに、主体的に学びに向かう力を育み、自己実現につなげていくために活用してまいります。 教員は、キャリアパスポートの記述を基に、子供の取組を価値づけたり目標修正などの改善を支援したりすることにより、子供が自分らしさを大切にしながら学びを自己のキャリア形成に生かそうとする態度を養うことができるように支援いたします。また、ワークシートに保護者のメッセージ欄を設けるなどして、家庭とも連携できるように工夫します。これまでも各学校では、子供の学びを様々な方法で残してきておりますが、小学校から高等学校まで系統的に蓄積していくということは、初めての取組となります。 教育委員会では、学校に対して本市の様式例を示したり、学校訪問の際に取組方法等について周知したりする中で、効果的に活用できるよう指導してまいります。 次に、3点目の1つ目、外国語指導の現状と課題と、2つ目、教員の指導力向上のための手だてについては関連ございますので、一括してお答えいたします。 本市では、現在、小学校において、来年度からの新学習指導要領全面実施に先駆け、3、4年生で年間35時間の外国語活動、5、6年生で年間70時間の外国語科を実施しています。今年度、小学校外国語教育の研究指定校による発表会を行い、有効な指導方法について周知するとともに、各学校においても校内研修を充実させて指導力向上に努めているところです。また、中学校では「聞く・読む・話す・書く」の4技能を個別に丁寧に指導しています。また、スピーチなどのまとまった内容をあらかじめ準備し、発表する活動なども頻繁に行われています。 課題といたしましては、小学校教諭にとって教科として外国語科を指導し、それを評価することは初めてとなるため、研修を充実させることが必要となります。中学校においては、今後4技能をバランスよく身につけ、学んだ英語を駆使して自分の考えや意見を即興で表現できる力が求められます。そのような力を身につけるためには、聞いたり読んだりした内容について自分の意見を短時間でまとめて話すなど、4技能を統合した授業を実施することが必要となります。 こうした課題を解決するためには、議員御指摘のとおり、教員がこれまで以上に指導力を向上させることが求められます。そのための手だてとして、来年度、浜松市の子供の英語力を測定するため、新たに新学習指導要領に準拠した調査問題による外部試験を小・中学校のモデル校において実施します。試験は合否を判定するものではなく、「聞く・読む・話す・書く」という4技能の力の傾向を明らかにできるものを活用します。この試験によって得られた詳細な分析結果に基づいて、課題を改善するための具体的な手だてを学ぶ教員研修を実施してまいります。このような手だてにより、浜松市の子供の実態に即した授業改善を進めていくことで、教員の指導力向上及び子供たちの英語力向上を目指してまいります。 ◆18番(鈴木幹夫) 議長、18番。 ○議長(柳川樹一郎) 18番鈴木幹夫議員。 ◆18番(鈴木幹夫) 御答弁ありがとうございました。意見・要望を申し上げます。 御答弁の中にもありましたように、タブレットパソコンの活用やテレビ会議システム等を使った遠隔教育のようなICTを活用した教育は、現在検証中の取組以外にも大変応用範囲が広く、これからの新しい教育には欠かせないツールであることを再認識いたしました。中でも、冒頭で質問した不登校やひきこもりの子供たちへの支援など、個々のニーズに応じた対応にも活用の幅を広げるなど、さらに効果的な活用を研究していくとの御答弁に大いに期待したいと思います。 しかし、幾らICTの活用が有効な手だてであったとしても、ハード面の整備が進まなければ実現はしません。例えばプログラミング教育は、新学習指導要領の完全実施により待ったなしでやっていかなければなりませんが、子供たちが機器の使用を順番待ちしているようでは思うように進まないばかりか、教師がその分を補おうとしてもがき、働き方改革に逆行するような事態を招きかねません。ハード面の整備は急務です。国の補助金に頼るだけなく、お金をかけるべきところには地方自治体がしっかりお金をかけるべきであると思います。文部科学省が補助金の交付要綱を示していない中にあっても、静岡市は無線LAN環境整備等のために本年度の2月補正予算に計上すると報道されていました。ハード面には、多額の出費を覚悟しなければなりませんが、せめて何年かかけてもハード面の環境をつくり上げていく青写真を早期に示していただきたいと思います。 次に、キャリア教育です。 経済産業省が文部科学省をも動かしながら、将来の日本のために推進しているのがキャリア教育で、本市は、早くから教育計画の中に明確に盛り込んでおり、先見の明があると感じていました。モデル校での調査結果では、子供たちが自己肯定感や将来の展望に関する項目で、肯定的な回答割合が高いこと、子供だけでなく保護者にもよい影響を与えているとのこと、モデル校の実践を含めた本市の取組の方向性が間違いではなかったことを示しており、大変うれしく思います。 外国語教育については、外部試験により子供たちの英語力向上のためのエビデンスに基づいた研修が積極的に展開されることを大いに期待します。 次の質問に移ります。 子供たちに指導する小・中学校教員の数や質の確保のための取組について伺います。 教員としての適性を持った能力の高い教員を数多く確保するための一つの目安として、教員採用選考試験の受験者数や倍率が取り沙汰されます。本市において小・中学校における受験者数と倍率は、ピークであった平成27年度の654人、5.6倍から本年度は559人、3.6倍と、全校の状況と同じく大きく減少しています。今後も減少傾向に歯止めがかからなければ、未来を担う子供たちを育てる本市の教員の数や質を確保していく上で危機的な状況となると考えられます。昨年12月に行われた第2回総合教育会議において、職員の人材確保について市長をはじめ教育長、教育委員との間で白熱した議論が展開されたと聞いています。 そこで、以下の2点について花井教育長に伺います。 1点目、今後、受験者数を増加させるためには、受験者にとって受験しやすい環境を整備していくことが必要だと考えます。そこで、来年度に向けて受験要件や試験内容について、現在検討している改善内容を伺います。 2点目、現在、教員採用選考試験の志願者確保のために、教員ガイダンスの開催や大学訪問等を行っていると聞いていますが、今後、志願者を増やすための方策としてどのようなことを検討しているのかを伺います。 ここで分割します。御答弁をよろしくお願いいたします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。
    ◎教育長(花井和徳) 1点目、来年度に向けた受験要件や試験内容の改善点についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、教員採用選考試験における受験者が年々減少している状況については、教育委員会といたしましても危機感を持っており、現行の取組について検証を行い、改善を図っているところです。 まず、受験要項の改善点といたしましては、新たに来年度から大学推薦を実施してまいります。これは、県内の大学に加え、過去の受験者や採用者の実績等を考慮し、国公立、私立を合わせて37大学に推薦依頼を行います。なお、大学から推薦を受けた優秀な受験者には、1次試験の筆記試験を全て免除するという特例を与えることといたします。 また、UIJターン就職の促進を図るため、これまでは他都市で正規教員として勤務している者に対しては、実務経験3年以上で筆記試験を免除してきましたが、今後は2年以上に短縮し、本市の教員を目指す者が受験しやすい仕組みにしていきます。 さらに、本市で臨時講師として勤務している者が受験する場合は、実務経験5年以上で筆記試験を免除してきましたが、今後は3年以上に短縮いたします。このことにより、本市の小・中学校での勤務経験がある人材を確実に確保していきたいと考えております。 試験内容の改善点についてですが、受験者の個の特性を十分に把握するため、集団で行う面接を取りやめ個人面接の時間を拡大します。また、小学校の水泳実技は、試験当日の天候により実施できないこともあることや受験者の体調面の負担も考慮し、行わないこととします。 次に、2点目、今後、志願者を増やすための方策についてお答えいたします。 志願者への広報活動については、浜松の教員として働く2つの魅力を伝えていくことが重要であると考えております。1つ目は、本市の地域特性として海、川、湖、山など豊かな自然環境に恵まれ、特色ある産業や伝統文化などが育まれ、仕事とレジャーが日本一近い街であること、2つ目は、子供一人一人の個性を大切にした本市独自の教育施策や先進的な教育環境が整っていること、この2つの魅力を積極的に発信していきます。 なお、発信の方法につきましては、教員採用選考試験専用のホームページを開設したり、メールマガジンやユーチューブの動画広告を活用したりして広報活動に努めていますが、さらに動画広告の配信エリアを拡大してまいります。 今後につきましても、様々な改善策や新たな取組に挑戦していくことで、優秀な教員の人材確保に努めてまいります。 ◆18番(鈴木幹夫) 議長、18番。 ○議長(柳川樹一郎) 18番鈴木幹夫議員。 ◆18番(鈴木幹夫) 御答弁ありがとうございました。意見・要望を申し上げます。 わずか10年ほど前の教員採用選考試験の倍率は7倍から8倍と買い手市場だったものが、現在は実質競争率3倍を切っている状況で、やる気と能力のある優秀な人材を確保することが困難な状況です。そんな中、御答弁にあったように、若者が、浜松はいい、浜松に帰って教師になろうと思えるような数々の施策を力強く打ち出し、教育に多くの投資をお願いしたいと思います。 今から40年以上前になりますが、第64、65代内閣総理大臣の田中角栄氏が打ち出した人材確保法が思い浮かびます。将来の日本を支え、つくり上げていく子供たちを育てる教員は、そのための免許状が必要で、さらに10年ごとに更新して最新の免許状を持つ専門職です。教員採用選考試験の倍率低下や教員の不祥事も全て含めて、浜松市の教育現場の現状は10年前の施策にさかのぼって問題点を検証する必要があると思います。教育は、将来への投資でリノベーションしなければなりません。今後の浜松を形づくるシステムの中に教育の果たす役割を認め、しっかりと位置づけ、投資していかなければいけません。新しい教育施策の実施に教員の処遇改善にと、こども第一主義を掲げる浜松市にふさわしい思い切った投資を要望いたします。 次の質問に移ります。 本市は、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されていることから、浜松市沿岸域に防潮堤整備事業を進めており、間もなく全ての工事が完了する予定です。さらに、津波が川を遡上することを防ぐための水門を馬込川河口に整備する方針が静岡県より示され、それらの減災効果は大いに期待されています。 しかし、それだけで本市の防災・減災対策が完了するものではなく、引き続き子供から年配者までが危機意識をしっかり持って、実際の災害発生時には迅速かつ適切な自助・共助の行動が取れるようにすることが大切です。先日の丸議員の代表質問にもありましたが、平成30年12月に開設された浜松市防災学習センターが有効に活用され、市民の自助・共助の意識の醸成に資するものであったかどうか問われるところでもあります。 また、津波の脅威により遠州灘沿岸部の地価の下落や引っ越しを検討する家庭の増加等もあり、地域住民は先行き不安な気持ちを払拭し切れずにいます。こうした中、この地域に県営野球場やマリンスポーツ施設等を含む遠州灘海浜公園整備計画が進行しており、地域住民は生活の向上や地域の活性化に一条の光を見いだす思いで大いに期待をしています。しかし、これも防災上の安心感があってこそのことだと考えます。 そこで、以下の2点について伺います。 1つ目、ハード面での防災・減災体制が整っていく中、防災に対する市民への啓蒙・啓発を含めた避難等についてのソフト面での今後の取組を宮城危機管理監に伺います。 2つ目、本市では防災教育のために先進的に平成29年度に浜松市版防災ノートと指導書を作成し、翌30年度から本市全小・中学校でこれを使用した防災教育が始まりました。そのことに関して、以下の2点について伊熊学校教育部長に伺います。 1点目は、防災ノートの活用状況を含めたこれまでの防災教育の成果について伺います。 2点目は、防災教育の今後の取組について伺います。 ここで分割します。御答弁をよろしくお願いします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎危機管理監(宮城和敬) 1点目の避難等についてのソフト面での今後の取組についてお答えします。 本市では、平成26年度に浜松市津波避難計画を作成し、自らの命を守るための避難行動や自主防災隊を中心に地域の中で互いに助け合う共助の重要性について、防災訓練や出前講座などの機会を通じて周知に努めています。また、静岡県の第4次地震被害想定による津波浸水想定区域を主な対象として、地区ごとの津波避難計画の策定に取り組んでおります。 地区津波避難計画の策定に当たっては、住民自らが実際にまちを歩き、避難経路を考えるDIG訓練から、避難行動を検証する津波避難訓練まで一体的に取り組み、地域の実情に合った津波避難マップの作成を行っています。来年度中には防潮堤整備後に、津波浸水が想定される全ての地域において計画の策定が完了する予定となっています。 今後につきましては、防潮堤整備による減災効果に安心することなく、引き続き地区の津波避難計画の策定支援に努めるとともに、防災学習センター、はま坊~家の活用をはじめとし、津波避難訓練や出前講座の実施など、津波対策に係るソフト施策の推進に取り組んでまいります。 ◎学校教育部長(伊熊規行) 次に、2点目の1つ目、防災ノートの活用状況を含めたこれまでの防災教育の成果についてお答えいたします。 本市では、防災教育の要として全ての市立小・中学校に防災リーダーを配置し、防災教育を推進しております。防災教育では、自助や共助の大切さを学ぶために、浜松市版防災ノートを作成し、社会科や道徳、学級活動等の授業や避難訓練時、防災週間など、機会を捉えて防災ノートを活用しております。また、関係機関等と連携した起震車体験、DIG訓練、防災講話等の防災講座や防災学習センターを活用した防災教育を実施しております。 防災教育の成果ですが、本市の防災ノートは、県内外から参考にしたいとの多くの声が寄せられており、先進的な取組として評価を得ております。防災ノートを活用したある中学校の子供たちは、学区内の危険箇所を把握するために通学路防災マップを作成したことで、一人一人の危機意識の醸成が図られました。また、防災講座については、今年度、小学校21校で34回、中学校14校で23回実施し、起震車体験を行った小学校の子供たちは、経験したことのない揺れを体験したことで、自助の大切さを学ぶことができました。防災学習センターを活用した防災教育では、今年度、小・中学校合わせて23校、約720人が利用し、防災の基礎知識等を体験的に学んでおります。 このように、防災ノートや防災講座、防災学習センターの活用により、子供たちは地域の災害特性を知ることができ、危険予測と危険回避行動の習得や自助・共助の意識向上などの成果が上がっているものと判断しております。 次に、2つ目の防災教育の今後の取組についてですが、防災ノートのさらなる有効活用のため、学校の意見や有識者の指導・助言を仰ぎながら、必要な改訂を随時実施し、発達段階に応じた活用を進めてまいります。また、防災講座や防災学習センターの活用については、教育委員会が中心となって関係機関との連携を密にするとともに、防災リーダー研修会等で具体的な事例を紹介し、学校間で共有することでより一層の活用促進に努めてまいります。 今後につきましても、子供たちが災害を自分事として捉えることができるよう、防災教育を推進し、自助・共助の意識を醸成してまいります。 ◆18番(鈴木幹夫) 議長、18番。 ○議長(柳川樹一郎) 18番鈴木幹夫議員。 ◆18番(鈴木幹夫) 御答弁ありがとうございました。意見・要望を申し上げます。 避難等についてのソフト面の様々な取組や、私も防災ノートの制作に関しては多少なりとも関わらせていただきましたが、その防災ノートを使った、それを応用した学校現場の防災教育を通して子供から年配者まで危機意識が薄れることなく、実際の災害時にはちゅうちょなく自助・共助の行動が取れるような体制を調えることの大切さ、これを再認識したところです。御答弁の数々の積極的な取組に感謝します。こうした取組から得られる安心感を土台に、市民生活が潤いとにぎわいのあるものになっていくことを期待しています。 私の住む地域では、ハード面において質問の中でも述べた現在進行中の県営野球場を含む遠州灘海浜公園建設計画、そして国の事業として予定されている長鶴地区から篠原地区にかけての国道1号の高架化の話があり、これらの実現は地域の活性化だけでなく、災害時の避難など防災面でも相当なプラス効果を発揮することが期待されます。さらに、地域住民が切望している道の駅を付近に建設する計画が立ち上がれば、人の流れを呼び込むだけでなく、周辺地域の農産物、舞阪港及び浜名湖周辺の海産物の流通や販売など、周辺地域の活性化にも貢献するものと思われます。県営球場もその姿が明確になったところで、これらを積極的に推進し、遠州灘沿岸地域のにぎわいを創出して、仕事が増え、人が増えて、地域が活性化することを期待します。 今は、津波浸水想定区域というマイナス面ばかりが強調される地域になっていますが、ハード・ソフト両面での対策で災害の影響が最小限に抑えられるという安心感が、その地域に住む者の日常生活にはなくてはならないものだということを御理解いただきたいと思います。 次の質問に移ります。 今年は、家康公が浜松城を築城してから450年目の節目の年です。昨日の花井議員の質問にもありましたが、現在、元城小学校跡地を発掘調査中で、二の丸、三の丸等に関わる非常に価値の高い歴史的遺構が出てきています。戦国時代から江戸時代にかけての浜松城の全容が次第に明らかになってきており、その歴史的、文化的価値はさらに高まってきています。 そんな中、本市は、浜松城天守閣の展示リニューアルを令和2年度に計画していることが新聞でも報道され、本市の観光振興や市民が誇ることができる歴史的、文化的価値の高いアカデミックな都市ブランドの構築が見込まれ、大変意義のあることと感じています。 そこで、天守閣展示リニューアルに向けての背景や目的、リニューアル後の展示の在り方について伊藤花みどり担当部長に伺います。御答弁をよろしくお願いします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎都市整備部花みどり担当部長(伊藤哲) 天守閣展示リニューアルについてお答えをいたします。 浜松城公園は、本市のセントラルパークとして、天守閣を中心に多くの市民や観光客に親しまれ利用されています。天守閣は、年間約20万人が来場する市内でも有数の観光名所であります。しかし、再建から60年以上が経過しており、この間、展示や装飾について改修や見直しを行ってまいりましたが、老朽化が目立っております。また、浜松城や徳川家康公に関係する展示物も少ない状況にあります。令和2年は、家康公が浜松城を築いてから450年の節目を迎えます。これを契機に、さらなる観光振興のため、天守閣の展示物の見直しや内装の更新を行うことで、浜松城の魅力を高め、来場者の満足度の向上を図ります。 具体的には、フロアごとにテーマに沿った展示とし、デザインの統一や解説の多言語化、スクリーンによる映像の活用、内装の木質化などを行います。さらに、The GATE HAMAMATSUや家康の散歩道、イベントの開催などの関連事業との相乗効果により観光客の増加を目指します。リニューアル後についても、当面は今回の展示を基本としてまいりますが、現在行っている旧元城小学校跡地での発掘調査の結果を踏まえ、必要に応じて見直しを検討してまいります。 ◆18番(鈴木幹夫) 議長、18番。 ○議長(柳川樹一郎) 18番鈴木幹夫議員。 ◆18番(鈴木幹夫) 御答弁ありがとうございました。意見・要望を申し上げます。 浜松城天守閣の魅力を高めて来場者の満足度の向上を図り、他の関連事業との相乗効果でさらなる観光振興を図る数々の取組を大いに評価いたします。 さらなる要望としては、質問の中で申し上げた市民が誇ることができる歴史的・文化的価値の高い都市ブランドの構築という側面から、費用や時間はかかっても一時的なものでなく、出世の街浜松のイメージが一段と魅力あるものになり、定着するような大胆なアプローチを展開していただきたいと思います。元城小学校跡地の発掘調査がまとまり、公表できる段階になるまで4年程度の時間を要すると聞いていますが、現時点で分かっている調査結果だけでも、訪れた人が感動を伴って歴史的・文化的価値を体感できる大がかりで魅力的な浜松城公園に変えていける可能性を十分に感じます。 例えば浜松城公園のエリア構成を見直し、発掘調査終了後の元城小学校跡地に御殿を含む二の丸、三の丸を復元したり、現在、パワースポットとしてアピールしている二公像のある東照宮付近の整備を進めたりと、さらに歴史ゾーンを広く充実させ、浜松城公園全体のエリア拡大も視野に入れたダイナミックな整備計画です。こうすることで市内各所の家康公ゆかりの史跡を巡る歴史散策の拠点としての魅力が一段と高まり、歴史や文化の香り高い都市ブランドが構築されることと思います。また、浜松観光の目玉商品としての価値をさらに高めて、観光振興にもつながるはずだと確信します。ぜひ御検討をいただきたいと思います。 時間は少々余りましたが、これで私の一切の質問を終わります。丁寧な御答弁を頂いたこと、また最後まで御清聴いただいたこと、誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(柳川樹一郎) 次に、5番小泉翠議員。(拍手) ◆5番(小泉翠) 皆様、こんにちは。自由民主党浜松所属の小泉翠でございます。初めての一般質問に大変緊張しておりますが、御指導いただきました先輩議員の皆様の言葉を信じ、さきの通告に従い分割方式にて質問をさせていただきます。 まず、質問の1番目、水防団についてお伺いいたします。 近年の大型化する台風や集中豪雨などによって、全国各地で水害が毎年のように起こっています。令和元年東日本台風と命名されました昨年の台風19号による千曲川や阿武隈川の氾濫は、記憶に新しいところであり、本市においても天竜川や馬込川、安間川、芳川、新川の水位が上がり、浜松市水防団本部、12分団、92名が出動し、作業に当たりました。 私自身を含め、河川の近隣住民にとって水防団は非常に心強い存在であります。その一方で、地域からは成り手不足の声が聞こえますし、水防団の処遇改善については、過去の定例会や委員会においても質問、質疑されてまいりました。 そこで、以下3点について柴山土木部長に伺います。 1点目として、昨今の大規模水害による被害を受け、浜松市水防団の役割や必要性について本市の考えを伺います。 2点目として、水防団の水防倉庫については、浜北区の分団と浜北区以外の分団では、いまだに大きさに違いがありますが、本市の考えを伺います。 3点目として、水防法第36条で規定されている水防協力団体のような民間との協力体制と連携について伺います。 ここで分割いたします。御答弁よろしくお願いいたします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎土木部長(柴山智和) 第5番自由民主党浜松小泉翠議員の御質問にお答えいたします。 1点目、水防団の役割や必要性についてですが、本市水防団は、昭和38年に水防法の規定により設立し、現在17分団、807名の団員で組織され、毎年6月には天竜川河川敷で水防演習を行うとともに、日頃から分団ごとに訓練を重ね、洪水などによる水害の発生に備えています。近年の台風の大型化や局所的豪雨により全国各地で浸水被害が発生しており、本市においても、昨年10月の台風第19号による豪雨では、天竜川や馬込川、安間川などの河川水位が水防団待機水位を超えたため、悪条件の気象状況の中、水防団員が堤防のり面の崩れや堤防からの漏水の有無などの巡視点検を実施しました。 市としては、今後も大雨による浸水被害が懸念されることから、水防活動を行う水防団の重要性が増してきているものと考えています。 次に、2点目、水防倉庫の大きさの違いについてお答えいたします。 各分団には水防活動に必要な資機材を保管する水防倉庫を設置しています。倉庫の大きさは、東区、西区、南区、北区では約50平方メートルに対し浜北区では、物置程度から大きいところでも約30平方メートルとなっています。これら小規模な倉庫は、水防団員の待機機能も備わっていないことや老朽化も進んでいることから、市は、これまで地域の実情に精通した水防団役員や庁内関係部局と場所の選定について協議を行ってまいりましたが、現状よりも広い公共用地を補完できる適地は見当たらない状況でした。引き続き、自治会などの協力を得ながら水防団と意見交換を行い、待機場所の確保など水防団活動の充実に向け努力してまいります。 次に、3点目、民間との協力体制と連携についてお答えいたします。 水防法第36条では、NPOや一般社団法人及び自治会などの団体が市に申請し、市と連携して水防業務を適正かつ確実に行うことができると認められる団体を市が水防協力団体に指定することができることになっております。現在、水防法に基づく水防協力団体の指定実績はありませんが、市は、これまで建設業協会と締結した災害協定によりパトロールや堤防の応急復旧などの水防活動に協力する体制を構築しているとともに、自治会では自らできる水防活動として防災訓練で土のうの作り方や積み方などを行っております。 市は、今後も水防団や関係団体と連携し、災害の発生を防止するための水防活動が迅速かつ的確に行われるように努めてまいります。 ◆5番(小泉翠) 議長、5番。 ○議長(柳川樹一郎) 5番小泉翠議員。 ◆5番(小泉翠) 御答弁ありがとうございました。意見を申し上げます。 まず、水防団の必要性につきまして、本市としては水防活動を行う水防団の重要性が増してきているとの答弁をいただきました。水防法第5条では、水防管理団体、市町村は、水防事務を処理するため水防団を置くことができると規定されています。あくまでも、できるという規定のため、水防団を設置していない自治体は数多く存在しますが、本市は、必要・重要であるから水防団を設置しているものと確認でき、安心いたしました。 2点目の水防倉庫の大きさの違いにつきまして、設備を更新して使いやすくしていくことで、団員の士気も高まるものと考えます。本市としても、是正していきたい気持ちがあることが分かりましたので、その地域に住んでいる方だからこそ分かる土地の事情等も聞き取りながら、本市からも積極的に提案し、水防団の方々とコミュニケーションを取りながら進めていただくようお願いいたします。 3点目の民間との協力体制ですが、水防法第36条で規定されている水防協力団体は、市に申請をし、水防団や水防団がない地域では消防団と連携するものと認識しております。例えば、長良川のある岐阜市水防団や枚方市の淀川左岸水防事務組合は、水防協力団体の募集をホームページ上に掲載しています。淀川左岸水防事務組合は、実際に大型ショッピングモールやゴルフ場を水防協力団体に指定し、水防に関する広報や情報提供を連携して行っています。 本市は、建設業協会と災害協定を結び、非常時の体制強化に取り組んでいるとの答弁でしたが、本市と関係団体、本市と水防団という連携だけではなく、関係団体と水防団の連携も必要と考えます。今後、私たちの想像を絶するような台風や豪雨に見舞われることもあるでしょうが、行政として準備不足でしたでは済まされません。あらゆる可能性を想定して、さらに関係団体と協力体制を固めていく取組をお願いいたします。水防団も消防団も成り手不足が深刻な中、団員の皆さんが一生懸命活動していただいていることはよく理解されているものと思いますので、しっかりと目に見える形で積極的な支援をお願いいたします。 次に、質問の2番目、生活道路の安全対策について伺います。 政令指定都市の中で人身交通事故件数ワーストワンである本市では、交通事故の対策は喫緊の課題であります。本市の人身交通事故の発生状況の約4割は追突事故、約3割は出会い頭の事故によるもので、発生箇所は交差点や交差点付近が多いという結果になっています。特に出会い頭の事故は、信号機のない生活道路の交差点での発生確率が高く、通学路になっている生活道路では、登下校中の小・中学生そして地域の高齢者など、歩行者に事故の影響が及ぶ可能性も十分に考えられます。さらに、人と自動車が関連する事故に限って言えば、自動車の速度が時速30キロメートルを超えると、人の致死率が上がっていくというデータもあり、身近な生活道路の安全対策は地域市民が望むことであります。 そこで、柴山土木部長に2点お伺いいたします。 1点目として、生活道路安全対策の重要性について本市の認識を伺います。 2点目として、交差点内ハンプについて伺います。地域住民からは、事故が多い生活道路の交差点に対策をしてほしいが、道幅の問題等で調整がうまくいかない、注意を促す看板をつけたが、余り効果が見られないといった声が上がっています。 また、時速30キロメートルを超えると致死率が上がるからこそのゾーン30ですが、小学校周辺においてでさえ、制限速度を超過して走行する車も少なくありません。子供たちの登校時間帯は出勤時間とかぶる場合も多く、子供たちが危険な目に遭わないか心配だという声も聞いています。 お配りした資料1を御覧ください。 南区における生活道路の安全対策として行った交差点内ハンプの設置後の写真とその構造についての説明資料となっています。この交差点内ハンプ設置の効果と今後の全市展開について伺います。 ここで分割いたします。御答弁よろしくお願いいたします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎土木部長(柴山智和) 1点目、生活道路安全対策の重要性についてお答えいたします。 本市の人身交通事故につきましては、令和元年は6582件と、平成30年と比較して988件の大幅減少となっていますが、依然として約5割が生活道路で発生していることから、生活道路の安全対策は地域住民の安全を確保する上で重要な課題であると考えています。 これまで地域から危険箇所を聴取したり、ビッグデータ等の活用により、生活道路を走行する車両の動きを把握、分析することで、車両の速度抑制や歩行者の通行空間の確保等に取り組んでまいりました。今後もさらなる事故削減に向けて、自治会や警察等の関係機関と連携し、生活道路の安全対策を推進してまいります。 次に、2点目、南区において生活道路安全対策として行った交差点内ハンプ設置の効果と今後の全市展開についてお答えいたします。 ハンプは、舗装面を10センチメートル程度高くすることで、通過する車量の速度低下を目的とした施設です。今回設置した南区飯田地区は、南北に縦断する道路の平均速度が時速39キロメートルと、生活道路としては早いことから、現地調査や地域住民との意見交換を踏まえ、交差点内に市内初のハンプを設置しました。設置前後の車両速度の低下効果に加えて、振動、騒音など周辺への影響について調査した結果、平均速度が時速6キロメートル低下したことが確認され、振動は27デシベル、騒音は54デシベルと設置前と変化はありませんでした。また、地域住民、学校関係者の約120名に対してアンケートを実施したところ、約8割から対策の効果を実感していると回答があり、一定の効果が得られたと考えております。 今後も、地域それぞれの交通状況を踏まえながら、ハンプ設置を含め、効果的な生活道路の安全対策を推進してまいります。 ◆5番(小泉翠) 議長、5番。 ○議長(柳川樹一郎) 5番小泉翠議員。 ◆5番(小泉翠) 御答弁ありがとうございました。 意見を申し上げます。 生活道路は、市民に最も身近な道路であり、人身交通事故の約5割が発生しています。生活道路の安全対策は、地域住民の安全を確保する上で重要な課題であると答弁いただき、安心いたしました。 2点目にお伺いした生活道路におけるハンプの設置は、走行車両の速度を抑制し、歩行者の安全につながる非常に効果的な対策であり、ゾーン30と組み合わせることで、さらに子供たちの安全を守ることにもつながると考えます。周囲への振動や騒音も設置前と変わらないということで、地域住民にとっても安心・安全な策であると言えます。まず、今回の効果を広く市民に伝えていただくよう、広報はままつや市のホームページに載せるなど周知をお願いいたします。また、そうすることで市民からの要望も上がってくると思いますので、地域住民の声に丁寧に耳を傾け、積極的な全市展開をしていただくようお願い申し上げます。 次に、質問の3番目、浜松の魅力を伝える取組について伺います。 1点目は、中心市街地の観光周遊性について伺います。 昨年10月にレストラン街をリニューアルした遠鉄百貨店やソラモでのイベント開催などにより、中心市街地に徐々に人が戻りつつありますが、浜松駅周辺からザザシティまでの周遊性には依然として課題が残っていると考えます。浜松駅周辺から観光客に中心市街地を周遊させるには、The GATE HAMAMATSUの活用が有効だと考えます。 そこで、以下の2点について、石坂観光・ブランド振興担当部長に伺います。 アとして、浜松魅力発信館The GATE HAMAMATSUは、本年1月にリニューアルオープンしましたが、利用の現状と今後の活用方法について伺います。 イとして、The GATE HAMAMATSUと浜松駅構内の観光インフォメーションセンターを起点とした中心市街地の周遊性を高める方策について伺います。 2点目として、現在The GATE HAMAMATSU内では浜松城築城450年の展示を行っていますが、中心市街地から少し足を伸ばしたところにある国指定文化財の蜆塚遺跡も本市の魅力の一つであります。発掘調査当時の貝塚の断面をそのまま保存してある貝塚断面観察施設は、1000年にも及ぶ貝殻や動物の骨の層を間近で見られる貴重な施設でありながら、浜松市民であっても大人になってから再び訪れる方はそう多くないと感じます。 そこで、これまでその魅力を十分に生かし切れていなかった蜆塚遺跡の活用を進めるため再整備が必要と考えますが、以下2点について寺田文化振興担当部長に伺います。 アとして、蜆塚遺跡の現状と今後の方針について本市の考えを伺います。 イとして、蜆塚遺跡に併設されている浜松市博物館は、数万年前からの本市の地域史を収蔵品とともに知ることができる貴重な施設ですが、現状と課題、今後の方針を伺います。 ここで分割いたします。御答弁よろしくお願いいたします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎産業部観光・ブランド振興担当部長(石坂守啓) 1点目の1つ目、浜松魅力発信館The GATE HAMAMATSUの利用の現状と今後の活用についてお答えをいたします。 The GATE HAMAMATSUは、旬な情報を発信するシティプロモーションの拠点施設として開館しております。内容としましては、家康公の歩みなどを年表や絵図で分かりやすくまとめたパネル展示や本市の地域資源を紹介するコーナーの設置に加え、土産品・物販コーナー、レンタサイクルステーションなどを併設しております。また、外国人旅行客専用案内デスクを設置し、外国人観光客向けの体験旅行商品の申込みの受付や、チケット販売などを実施し、好評を得ております。来年度も、国内外からの観光客をお出迎えする浜松の旅の玄関口として、また、家康公ゆかりの歴史資源をはじめとする観光スポットなどを周遊するための拠点施設として活用してまいります。 次に、2つ目の中心市街地の観光周遊性を高める方策についてお答えをいたします。 浜松市観光インフォメーションセンターはJR浜松駅構内に設置され、来訪者の満足度を高めることなどを目的に、観光スポットやイベントの案内、手荷物一時預かりなどを実施しております。The GATE HAMAMATSUとは情報の共有及び発信において連携をしており、特に外国人観光客で長期滞在や体験旅行を希望する方をThe GATE HAMAMATSUに案内しております。 また、浜松・浜名湖観光情報サイト、浜松・浜名湖だいすきネットに既存の地域資源を組み合わせたモデルコースを掲載し、周遊の楽しみ方を提案しております。現状の取組に加え、3月下旬に予定されております浜松駅北口交差点の横断歩道の供用開始と、中心市街地にある徳川家康公ゆかりの地を歩いて巡る散歩コース、家康の散歩道の案内看板の解説のデジタルコンテンツ化や多言語対応により、周遊を促進してまいります。 今後におきましても、観光インフォメーションセンターとThe GATE HAMAMATSUにおける案内機能などの充実に努めるとともに、グーグルマップをはじめとするデジタルサービスを活用することで、両施設を起点とした中心市街地の周遊性を高めてまいります。 ◎市民部文化振興担当部長(寺田聖子) 次に、2点目の御質問のうち、1つ目と2つ目は関連がございますのでまとめてお答えします。 国の史跡に指定されている蜆塚遺跡は、今から4000年前の縄文時代の集落跡です。東海地域では最大規模の貝塚が現存し、当時の集落を再現した遺跡公園と博物館が併設されていることが特色です。昭和30年代に発掘調査されたのは遺跡全体の20%程度に過ぎず、集落の中央に当たる広場を含め、遺跡の大部分は未解明のまま保存されてきました。この60年間に全国で縄文時代の研究が進み、各地の貝塚遺跡が最新の研究成果とともに公開されるようになってきました。文化庁からもさらなる解明が期待されています。 また、博物館については、開館から40年が経過し、建物の老朽化が進んでいるとともに、利用者からデジタル技術を応用した最新の展示方法の導入も求められています。このような状況を踏まえ、令和2年度からの2か年で蜆塚遺跡の保存活用計画を策定し、併せてその中で博物館の将来像も方針を定めてまいります。 ◆5番(小泉翠) 議長、5番。 ○議長(柳川樹一郎) 5番小泉翠議員。 ◆5番(小泉翠) 御答弁ありがとうございました。 意見を申し上げます。 まず、1点目のThe GATE HAMAMATSUについてですが、The GATE HAMAMATSUは、浜松駅から遠鉄百貨店、ソラモを抜けた先にあり、中心市街地の観光も含めた周遊性を高める重要な拠点であります。また、展示内容も直虎、いだてん、そして浜松城築城450年と次々と新しくなり、工夫が見えるところでもあります。私も先日The GATE HAMAMATSUを利用いたしましたが、本市のお土産や思い出の品選びにぴったりだと感じましたし、市民でも欲しいと思うような家康くん、直虎ちゃん、ウナモなどのグッズが豊富にありました。観光客がお土産を購入するだけではなく、市民が浜松のお土産を持って出かけるなら、The GATE HAMAMATSUに寄っていこうと思えるような場所にすることもできると感じました。ぜひ市民向けの宣伝も検討していただきますようお願いいたします。 また、特に外国人観光客について、観光インフォメーションセンターと連携し対応していただいているということですが、10年前に比べるとスマートフォン等でインターネットを活用し、観光情報を収集している外国人観光客が増加しています。紙での案内だけではなく、デジタルを活用し外国人にも優しい案内方法も検討していただくようお願いします。SNSなどを活用し、事前に多言語で観光情報を提供することも考えられますが、フェイスブックやインスタグラムには、投稿がどれくらい閲覧されたか分析するツールも用意されています。ぜひどんな投稿や宣伝が効果的に見られているのか分析していただき、浜松駅北口交差点の横断歩道の供用開始も契機と捉え、活用していただきますようお願いいたします。 2点目の蜆塚遺跡と博物館についてです。 古代の遺跡、史跡を研究し、古代人類の文化、生活の解明を試みる考古学は、近年、他の学問との連携が進んでいることに加え、科学技術の発達により歯や骨のDNA解析の精度も上がっています。蜆塚遺跡もそのほとんどが未解明のまま保存されていると答弁の中にもありました。今まで知られていなかった浜松の歴史が解明されれば、それも本市の魅力として新たに発信していくことができると考えます。また、博物館の年間利用者約6万人のうち、半数は小・中学生であり、市内だけではなく静岡県中東部や愛知県東部からも来館していると聞いておりますので、周辺都市の中でも縄文時代後期の生活を知ることができる貴重な施設と認識されているものと考えます。 その一方で、小・中学生以外に対する魅力の訴求にはまだまだ改善の余地があると考えます。ぜひこれまでも行ってきた体験学習なども継続しながら、戸田議員の代表質問にもあったように、見せる、伝えるという点に力を入れていただくことで、大人でも子供でも歴史ロマンを感じられる、浜松といえば蜆塚遺跡と言われるような、魅力あふれる施設にしていただきますようお願いいたします。 次の質問に移ります。 4番目の質問は、プロスポーツと子供たちの関わりについて、寺田文化振興担当部長に伺います。 昨年は、ラグビーワールドカップが日本で開催され、多くの人が観戦し大変な盛り上がりを見せました。本市にも多くの外国人が訪れ、パブリックビューイングなどが開催されたことも記憶に新しいと思います。また、本市においても昨年、第2期浜松市スポーツ推進計画を作成し、「市民一人一人がライフスタイルの一部にスポーツを取り入れ、心身ともに健やかで豊かな生活を営むことができるまち、スポーツ文化都市浜松の実現」を目標に掲げています。するスポーツ・みるスポーツ・支えるスポーツを3本柱としていますが、この3本柱を相互に連携させ、スポーツ産業の活性化やスポーツ人口・関心層の拡大を推進していくべきだと考えます。 そこで、以下3点について伺います。 1点目として、本市に本拠地を置くプロスポーツチームとの連携の現状と今後の支援の在り方について伺います。 2点目として、子供たちとプロスポーツチーム所属の選手等との交流の現状と今後について伺います。 3点目として、子供たちの可能性を広げるため、多くのスポーツに関わるきっかけづくりについて本市の考えを伺います。 ここで分割いたします。御答弁よろしくお願いいたします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎市民部文化振興担当部長(寺田聖子) 1点目、プロスポーツチームとの連携についてお答えします。 プロチームの存在意義は、その感動的なプレーを通して喜びを共有し、地域に力を呼び起こすところにあります。ファンが増え、多くの市民や企業の皆様がチームを支えることで、後押しを受けた選手がさらに活躍する姿が理想であると考えます。 このため、本市としてはファン層を増やすところに焦点を当て、プロチームとの連携を推進しています。例えば市内のホームゲームやチーム主催のイベントを広報はままつやSNSを通じ広くお知らせするとともに、子供たちを対象とした無料観戦招待の御案内など、多くの市民にチームを応援いただくよう勧めています。 一方、選手サイドも本市の取組に協力的で、子供たちへの技術指導をはじめ、メディアを通した観光名所や特産品の紹介、クールチョイスなど本市が推進する政策の啓発について、選手の発信力でPRしていただいています。今後もチームの紹介や試合観戦の促進とともに、トップアスリート連携事業による選手の学校派遣などを活用し、選手と市民の距離を近づけてまいります。こうした取組を通して、勝ち負けに左右されることなくチームを愛し続ける地域のファンづくりに向け、プロチームとの連携を進めてまいります。 次に、御質問の2点目、子供たちと選手との交流の現状と今後についてお答えします。 プロスポーツ選手等との交流の主なものとしては、前述したトップアスリート連携事業が挙げられます。この事業については、今年度2月末までバレーボールなど4種目で、60人の選手を派遣し、約2200人の子供たちと交流しました。子供たちは、選手との交流を通じ競技への関心を高めるとともに、夢や希望を持ち、諦めない心で努力を続けることの大切さを学びました。また、選手からも、指導を通じて自分の資質の向上によい機会を得たとの声を頂いています。 本市としても、この事業は子供たち、選手両方の成長によい影響を与えるものと受け止めています。プロスポーツ選手等との交流の今後については、引き続きトップアスリート連携事業を中心に積極的に推進してまいります。 次に、3点目、子供たちの可能性を広げるきっかけづくりについてお答えします。 昨年、ラグビーワールドカップが開催され、日本中が盛り上がったことは記憶に新しいところです。この状況は、トップアスリート連携事業にも表れ、全体の半数がラグビーでの実施となりました。また、今年は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、子供から大人まで市民のスポーツに対する関心の高まりが期待されます。 今が、子供たちが多くのスポーツに接するきっかけづくりにとって好機と捉え、来年度に向け各種競技団体を統括する浜松市体育協会を中心として、一つの会場で様々な種目を体験できるような機会の提供を検討してまいります。 ◆5番(小泉翠) 議長、5番。 ○議長(柳川樹一郎) 5番小泉翠議員。 ◆5番(小泉翠) 御答弁ありがとうございました。意見を申し上げます。 1点目のプロスポーツチームとの連携についてですが、本市には市内の企業で働きながらプレーをする選手たちもいます。選手たちの中には、チームを引退しても、本市にそのまま残って働き、暮らしている方々もいらっしゃいます。静岡県では就労と競技活動の両立を応援するため、雇用のマッチングや雇用企業等へ雇用支援金の交付を行っています。本市としてプロスポーツチームを応援し一体となって盛り上がることで、あのチームでプレーしたいと思われるチームになれば、そのスポーツのプレーヤーにとっても本市の子供たちにとっても、浜松市は魅力的なまちだと思われるはずです。ぜひ本市のスポーツ競技力と魅力向上のため積極的に支援をしていただき、市民と選手との好循環が生まれるような取組を引き続きお願いいたします。 2点目の子供たちとプロスポーツ選手等との交流についてと、3点目の子供たちの可能性を広げるきっかけづくりについては、トップアスリート連携事業を中心に行っていただいており、ふだんなかなか会うことのできないプロスポーツ選手等と接する機会は、子供たちにとっても将来の可能性を大きく広げる大切な事業と考えます。 その一方で、ほとんどの学校がトップアスリート連携事業を活用するのは1年に1回、1こまです。また、親御さんからは、子供にどんな適性があるか分からないから、いろいろなスポーツに挑戦させたいが、どうすればいいか分からないといった声を聞きます。中学生になると部活動に入る子供たちも多いですが、やってみたら合わないから途中で種目を変えるということは、日本では一般的ではありませんし、現状、親御さんが子供たちの適性を知る機会はほとんどないと言っても過言ではありません。例えば三島市では、みしまジュニアスポーツアカデミーと称して、選手の能力向上と適性種目を見出すことを目的に育成プログラムを用意しています。さらに、自転車やボートなど三島市だからこその種目を用意しているところもこの事業の面白い点です。 先ほど体育協会と連携して一つの会場で様々な種目を体験できるような機会の提供を検討していくという前向きな答弁をいただきましたが、オリンピック・パラリンピックが日本で開催されることで、子供たちは今まで見たこともないスポーツに触れる機会も出てくると思います。未来の宝である子供たちが、今まで自分でも気づかなかったような可能性を見つけ、それを伸ばしていけるような取組をしていただくことで、スポーツという面から継続的に浜松を盛り上げていっていただきますようお願いいたします。 最後の質問に移ります。質問の5番目は、結婚から妊娠までのサポートについて伺います。 1点目として、結婚を希望する方々に対するサポートについて、金原こども家庭部長に伺います。 昨年の本市における1年間の出生数は、速報値でついに6000人を切り、5791人でした。少子化の要因の一つに、未婚率の上昇が挙げられますが、国立社会保障・人口問題研究所が2015年に行った調査では、25歳から34歳が結婚しない理由として、「適当な相手に巡り会わないから」「結婚資金がないから」が挙げられています。本市としても、このネックを解消し、結婚したい人々を応援することで未婚率の上昇を抑える必要があると考えます。 そこで、以下の2点について伺います。 アとして、「適当な相手に巡り会わないから」という理由に対し、本市では平成28年度から平成30年度まではままつ婚活アドバイザー事業を行い、年度をまたぎ重複している方も含め、28年度に15人、29年度に16人、30年度に11人の婚活アドバイザーを養成しました。令和元年度では、事業委託先のシルバー人材センターに4名が常駐し、18人が登録され活動していると伺っていますが、今後の活用方法を伺います。 イとして、「結婚資金がないから」という理由に対して、国は結婚に伴う経済的負担を減らすため、結婚新生活支援事業と称し、35歳未満の新婚夫婦に家賃や引っ越し費用を最大30万円補助するプランを用意しています。国と自治体で2分の1ずつ負担するこの事業は、県内でも静岡市をはじめ10市町が実施しており、結婚をしたいと考える若者世代を前向きに応援する、こういった取組も必要と考えますが、本市の当事業に対する考えを伺います。 2点目として、不妊治療に対する支援について新村医療担当部長に伺います。 日本の夫婦のうち、5.5組に1組が不妊の検査や治療を受けたことがあると報告されています。出生率は下がっていく中、本市でも、子供を欲しいけれどなかなか持てない夫婦に積極的に支援をすべきだと考えます。 そこで、以下2点について伺います。 アとして、本市の不妊治療に対する現状と今後の取組について伺います。 イとして、今年度より開始したはままつ女性の健康相談の不妊の相談実績について伺います。また、不妊の原因の半分は男性と言われている中で、男性不妊についても相談しやすいよう周知方法を改める考えはないか伺います。 御答弁よろしくお願いいたします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎こども家庭部長(金原栄行) 1点目、結婚を希望する人に対する応援についてお答えをいたします。 まず1つ目の婚活アドバイザーの活用方法でございますが、市では、平成28年度から平成30年度に結婚を希望する人に対して助言等、伴走型の支援を行ういわゆる「おせっかい役」を育成する婚活アドバイザー事業をシルバー人材センターへの委託事業で実施し、今年度は過去3年間の婚活イベント参加者に対して継続的なフォロー等を行っております。結婚イベント事業では、参加者総数514人のうち50組100人の交際が成立するなど、イベントへの帯同によって婚活アドバイザーのスキル向上が着実に図られたと捉えております。 今後は、これまでの委託事業を通じ同センターが蓄積したノウハウを発揮できるよう、アドバイザーが市関連事業等に出向くことなど、他の婚活事業とのコラボや連携に向けた協力支援を行うことや、同センター独自の結婚相談事業でありますはままつ愛サポートを浜松市ホームページで紹介するなど、婚活アドバイザーの活躍の場の創出につなげてまいりたいと考えております。 次に、2つ目の結婚新生活支援事業でございますが、国の交付要綱によれば、婚姻日の年齢が夫婦ともに34歳以下で所得合計340万円未満の低所得の新婚世帯に対し、新生活スタート時の生活支援を行う事業でございます。 本市におきましては、平成27年11月に市内に本社がある企業35社の従業員2293人を対象にアンケートを行った結果、「適当な相手に巡り会わないから」を選択した方が4割を超え、次に「自由や気楽さを維持したいから」「経済的な不安」「まだ早いと思う」など、それぞれ1割の状況でございました。そのため、本市では、アンケートの中で一番要望の多かった出会いの場としての婚活イベントと、コミュニケーションに不慣れな参加者同士の仲を取り持つおせっかい役を養成する婚活アドバイザー事業を実施したものでございます。 本市におきます当該事業の実施につきましては、国の動向や今後の社会状況、ニーズ変化等を踏まえた中で慎重に見極めてまいりたいと考えております。 ◎健康福祉部医療担当部長(新村隆弘) 次に、2点目の不妊治療に対する応援についてお答えいたします。 まず1つ目の不妊治療費助成の現状と今後の取組についてですが、本市では、不妊治療への支援として特定不妊治療費助成については、国の助成制度に加え、平成21年度から市単独助成として所得制限の撤廃や、2回目の治療費助成に対し5万円の上乗せ助成を行っております。また、平成26年度には人工授精を対象とした一般不妊治療費助成、平成29年度からは不育症治療費助成を行っています。平成30年度の助成件数は、特定不妊治療費助成は1129件、一般不妊治療費助成は296件、不育症治療費助成は11件でした。本年度からは、不妊に悩む方の相談体制の強化を図るため、不妊専門相談センター機能として医師面談による相談や、既存の女性の健康相談専用ダイヤルにおいて助産師による相談を開始しました。 今後は、不妊治療の現状を踏まえ、効果が期待できる早期受診を促すため、結婚前の若い世代に対し妊娠等に関する正確な知識や加齢に伴う性と生殖の正しい情報等、妊娠・出産の正しい知識の普及啓発を図ってまいります。 次に、2つ目の相談実績及び男性不妊の相談周知についてでございますが、不妊に関する相談体制としては、医師面談による相談及び女性の健康相談専用ダイヤルやメールでの相談に応じております。本年度の1月末までの専用ダイヤル等での健康相談は177件で、不妊に関する相談は延べ25件でした。そのうち男性からの相談は、電話による相談が延べ4件であり、主に精神面の不安に関するものや不妊治療・検査についてでございました。本年度から新たに開始した医師面談につながった電話相談もありましたが、議員御指摘のとおり、男性からの相談は全体の約15%と大変少ない状況でございます。 今後におきましては、10代の若い世代への講座において妊娠・出産の正しい知識の普及啓発を進めるとともに、不妊相談チラシの見直しやホームページ上に男性からの相談事例等を掲載するなど、男性からも相談しやすい環境づくりを行い、不妊に対する包括的な支援をさらに図ってまいります。 ◆5番(小泉翠) 議長、5番。 ○議長(柳川樹一郎) 5番小泉翠議員。 ◆5番(小泉翠) 結婚新生活支援事業について1点再質問いたします。 本市では、経済的な不安は1割程度との答弁でしたが、お配りした資料2にあるように、アンケートの設問は「未婚の理由は何ですか。最も当てはまる順に3つ選んでください」でありました。真ん中のグラフは、結婚しない理由の1番目の回答のみを表したグラフになっています。その下のグラフは、3番目までのどれかに経済的な不安を選んだ方の年収のグラフで、回答総数は男女合わせて438人となっています。つまり「経済的な不安」を3番目までのどれかに選んだ方は、回答総数1029人中438人で、1割程度ではなく4割を超えていると私は分析いたしました。また、本市のアンケートと同時期に国立社会保障・人口問題研究所が行った調査でも、結婚の障害として結婚資金と答えた方は男女ともに4割を超えており、全国的に見ても経済的な不安を解消することに一定のニーズがあると考えます。 先ほどは慎重に見極めていくという、私にとっては大変消極的に聞こえる答弁でしたが、私は、未婚率の上昇を抑えることは非常に重要な課題だと思っております。結婚をためらう若者世代を応援する施策に対する金原こども家庭部長の考えをいま一度お聞かせください。 ◎こども家庭部長(金原栄行) ただいまの再質問にお答えをいたします。 議員御指摘のとおり、3点選べるというアンケートでございます。そうした中では、今、経済的な理由というところが一定程度の割合があるというお話でございました。そのことに関しましてはおっしゃるとおりで、それと同じく、その3点の中でやはり一番高かったのが、この適当な相手に巡り会わなかったということで、これがやはり6割以上を超えているという状況でございました。 そうした中で、今御指摘あったように、結婚しない、できない、踏み切れない理由が一つではないと、複合的にこれはあるということについては、私どももそう認識しているところでございます。そういった観点から、国におきましても少子化対策というのが今進められているわけですけれども、結婚新生活支援事業を含めた今後の国の補助事業の動向を踏まえるとともに、今後の社会ニーズ、市民ニーズを見極めて、少子化対策に向けた有効な事業について検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆5番(小泉翠) 議長、5番。 ○議長(柳川樹一郎) 5番小泉翠議員。 ◆5番(小泉翠) 御答弁ありがとうございました。意見を申し上げます。 まず、婚活アドバイザーの今後についてですが、せっかく養成したアドバイザーを活用する積極的な取組をお願いいたします。若者世代の対人コミュニケーション能力が低下していると言われている中で、婚活アドバイザーによるコミュニケーション講座や地域での婚活イベントを企画し、そこに婚活アドバイザーを派遣することも考えられます。民間による婚活イベントやマッチングアプリなどが多く存在するからこそ、行政による婚活支援に安心感、そして参加者の本気度を感じる方も多くいると思いますので、継続した前向きな取組をお願いいたします。 再質問いたしました2つ目の結婚新生活支援事業についてです。まず、設問において3番目まで理由を選んでもらったのは、結婚しない理由は複合的なものであり、選んだ理由の3つともが対策すべき重要なものであると考えます。集計したグラフは、結婚しない1番目の理由のみを表していますが、3番目まで聞いたのであれば、3番目まで結果を示すべきであったとも私は考えます。静岡市では、この事業に対し平成30年度1500万円の予算を組み、合計65件、1346万5000円を交付しています。この結婚新生活支援事業のような補助金だけで結婚を決意する人はほぼいないと思いますが、浜松で結婚し暮らしていきたいと思う人々の後押しになり、同時に本市は若者世代を応援しているというアピールにもなると考えます。戦略計画2020の基本方針の中には、子育て世代を全力で応援するまちとして、「結婚・妊娠・出産を望む人々の思いに応えるための取組を推進します。」と記載されていますから、先ほど金原こども家庭部長の思いも聞かせていただきましたが、この事業に限らず、結婚を希望する人々をもっともっと応援してもよいのではないかと考えます。限られた財源の中で補助金の性質や他市とのバランスなど、本市として考えなければならないことが多くあるとは理解しておりますが、政令指定都市としての矜持を持ち、周辺都市を牽引するような取組をお願いいたします。 2点目の不妊治療についてですが、本市として所得制限の撤廃や保険適用外の不妊治療費助成に精力的に取り組んでいただいております。しかし、県内では富士市や沼津市など、東部を中心にタイミング法や排卵誘発法、薬物療法など、保険が適用されている治療にも助成を行い、保険適用か否かに関わらず、妊娠を望む方々の経済的負担を減らそうと取り組んでいる自治体もあります。 妊孕力という、妊娠しやすい力は若いほど高いからこそ、答弁にあったように若い世代に対し正しい知識の普及啓発を行っていくべきです。しかし、実際の治療が始まると、保険適用されていても自己負担が数千円の通院を何度も繰り返すことは、私たち若者世代にとって精神的だけではなく経済的にもつらいという声を聞いています。もう一度申し上げますが、戦略計画2020には「結婚・妊娠・出産を望む人々の思いに応えるための取組を推進します。」と記載されています。ぜひ子供が生まれてからの支援だけではなく、子供が生まれるまでの期間にも積極的に支援を行っていただくことを強くお願いいたします。 また、不妊の原因は男女で半々だと言われている中で、はままつ女性の健康相談については、男性も不妊相談しやすい環境をつくっていただけるということで安心いたしました。いまだに不妊の原因は女性にあると考えられやすいですが、だからこそ男性に不妊の原因があった場合、相談しにくく、また相談できる場所も少ないという声を聞きます。デリケートな問題だからこそ、アンコンシャス・バイアスに縛られない包括的な支援を行っていただきますようお願いいたします。 最後に、今回地域の代表として、若者世代代表として、そして浜松の未来に期待する市民の一人として質問をさせていただきました。今、本市を支えている市民にとっても、これからの本市を支えていくまだ見ぬ市民にとっても、この浜松市に生まれ暮らしていくことを誇りに思えるような市民のための取組をお願いし、私から一切の質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) この際、午後1時まで休憩いたします。     午前11時55分休憩-----------------------------------     午後1時再開 ○議長(柳川樹一郎) 会議を再開いたします。----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) 一般質問を続けます。 第25番稲葉大輔議員。(拍手) ◆25番(稲葉大輔) 皆さん、こんにちは。自由民主党浜松の稲葉大輔です。 本日は3月11日、9年前の東日本大震災で被災し、お亡くなりになられた皆様へお悔やみを申し上げます。また、今回のコロナウイルスによる緊急事態の早期終息を祈念申し上げて、通告に従い一般質問をさせていただきます。 1番目は、震災の教訓を忘れないため、津波被害想定に関する質問です。 静岡県は、馬込川の津波遡上対策として、河口部に高さ8メートルのゲートを備えた水門を計画し、レベル2津波発生時の馬込川周辺の宅地浸水被害が大幅に軽減されると想定しています。一方で、馬込川に流入しなくなった水量が天竜川や浜名湖に増幅して遡上するという懸念が市民の皆様の間に生じていますが、このリスクについての考えを宮城危機管理監に伺います。 続いて、2番目、次年度予算の目玉とも言えるデジタル・スマートシティの推進体制について2点質問します。 1点目は、目指すべきデジタル・スマートシティの都市デザインの構築についてです。 昨年、中国杭州市のアリババグループに職員を派遣し、電子行政やAIによる交通網制御システムなどを視察していますが、世界の各都市のほかに国内でも国が支援するスマートシティ関連モデル事業が行われています。 資料1を御覧ください。 これは、以前に視察もしました千葉県柏市、こちらでは柏の葉スマートシティコンソーシアムという官民連携プラットフォームを構築し、幹事機関として柏の葉アーバンデザインセンターが推進役を担っています。このようにデジタル・スマートシティの推進においては、新たな都市デザインによるハードとソフトの両面でのまちづくり計画やブランディングの方向性を示すために、アーバンデザインセンターのような推進母体が必要と考えますが、本市の推進体制について鈴木市長に伺います。 2点目として、デジタルトランスフォーメーションの事業推進人材について、官民連携に頼るだけでなく、庁内職員でもデジタルを駆使できる多様な人材の採用や育成が必要となります。また、部署横断的な権限を持つチーフデジタルオフィサー、CDOの任命が必要と考えますが、庁内の事業推進の考えについて山名政策補佐官に伺います。 続いて、3番目、デジタル・スマートシティの重要分野の一つ、「健幸都市はままつ」の実現に向けて、以下3点伺います。 東京オリンピック・パラリンピックの開催を前に、受動喫煙防止法の改正法が、来月、全面施行されます。改正法では、これまでの学校や病院、公共施設での敷地内禁煙に加え、大型商業施設や飲食店などの喫煙場所が限定され、二十歳未満は喫煙できる場所に入ることも禁止されます。 資料2を御覧ください。 これは、政令指定都市のたばこ税収入の推移と健康寿命をまとめたものです。本市の成人人口1人当たりのたばこ税収入は6851円と2番目に低い額となり、減収しているたばこ税収入の総額から見ても消費本数は確実に減少していると考えられます。下の資料3は、その喫煙率が高いとされる男性の健康寿命と政令市のたばこ税収入の相関図です。1人当たりのたばこ税収入が飛び抜けて大きい大阪市では、男性の健康寿命が唯一60歳代となっているほか、たばこ税収入が多い、つまりたばこの消費が多いと思われる都市の健康寿命は短いという健康相関が表れています。 そこで1点目、これらを検証して、健康寿命の延伸とたばこ税減収の傾向について森本財務部長に所見を伺います。 2点目は、子供の受動喫煙防止対策についてです。 本市では、子供に対する受動喫煙防止の取組として、妊婦や出産後の健診・問診による乳幼児家庭での父母喫煙率を調査しています。熊谷市や千葉市では、医師会と教育委員会が実施している保護者の健診アンケートと併せ、希望する小学校4年生に対して尿中ニコチン調査を実施しています。熊谷市の結果では、約4%もの児童から正常値を超えるニコチン量が検出され、その対象家庭に対して検査結果の報告と状況改善に向けた指導・啓発が行われています。 そこで2点目として、望まない受動喫煙の実態を把握し適切な防止策を講じるために、本市においても同様の調査ができないか、今後の取組について新村医療担当部長に伺います。 3点目は、ウエルネス・ラボ構想の出口戦略に関しての質問です。 予防・健幸都市を掲げるこのプロジェクトは、デジタル・スマートシティの目指すべき都市の姿の一つであり、企業や大学と連携し、参画企業が事業費用を負担して実施されるウエルネス・ラボの社会実証事業は、様々なヘルスデータが蓄積され、市民の健康状況の把握やリスク分析に応用されることで医療費や介護費の抑制が期待されます。この社会実証事業の出口戦略として、成果連動型民間委託方式、PFSやソーシャルインパクトボンド、SIBなど、高度な官民連携の取組が有用と考えますが、将来的な展開について新村医療担当部長に伺います。 ここで分割いたします。御答弁よろしくお願い申し上げます。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎市長(鈴木康友) それでは、第25番自由民主党浜松稲葉大輔議員の御質問の2番目の1点目、目指すべき都市デザインの構築についてお答えをいたします。 アーバンデザインセンターは、都市計画や市民によるまちづくりの枠組みを越え、公・民・学が連携をし、都市デザインの専門家が客観的立場から携わるまちづくりの組織や拠点のことです。そこでは将来ビジョンの策定や実証実験、調査研究など、まちづくりに関する様々な活動が行われており、本市が都市の最適化を目指すデジタル・スマートシティを推進する上でも、こうした機能を有する推進母体は必要と考えます。 このため、来年度早々に、浜松市デジタル・スマートシティ官民連携プラットフォームを立ち上げ、分野横断的な連携・協調を図る中で、目指すべき方向性を示すデジタル・スマートシティ構想を策定してまいります。構想の策定に当たっては、国土縮図型都市である本市が、人口減少や高齢化の進行など成熟した社会へ移行することを前提に、デジタルの力を生かした持続可能な未来の都市像を描いてまいりたいと考えております。 ◎危機管理監(宮城和敬) 1番目、馬込川河口部の水門整備による天竜川や浜名湖への津波遡上リスクについてお答えします。 水門整備による津波遡上のリスクの増加について静岡県に確認したところ、水門整備後の影響についての比較検証は行っていない。しかしながら、防潮堤整備に当たり、整備前後の浸水状況の違いを試算した際には、周辺への影響はほとんどないことから、馬込川河口部に水門を整備することによる影響はさらに少ないものと考えているとの回答を受けております。 今後は、静岡県に対し馬込川河口部の水門整備後における周辺部も含めた津波浸水想定を示していただくよう求め、市民の皆様が不安に感じることのないよう情報提供に努めてまいります。本市では、これまで津波を防ぐためのハード対策と津波から逃げるためのソフト対策とを組み合せた多重防御による津波対策を推進してまいりました。防潮堤によって大きな減災効果は期待できますが、安心感が避難行動の遅れにつながることがないよう、津波避難訓練や出前講座などの機会を通じ、自らの命を守るための避難行動について引き続き啓発に努めてまいります。 ◎政策補佐官(山名裕) 2番目の2点目、事業推進人材についてお答えいたします。 デジタル・スマートシティの推進に当たっては、IoTやAIなど様々な知識や情報の共有、活用が求められることから、外部の専門的知見を有する2名の人材を、浜松市フェローとして招聘し、適切なアドバイスを頂いております。 また、AIやRPA等の先端技術導入を検討するため、公募によるプロジェクトマネジャー1名を昨年12月から配置し、市の業務全般にわたる高度化や効率化など、主にデジタル・ガバメント推進の観点から提案や助言等を頂いております。したがいまして、御質問の正規の職としてチーフデジタルオフィサーの任命につきましては、現在のところ必要ないと考えております。 また、デジタルを駆使できる人材につきましては、フェローやプロジェクトマネジャーからアドバイスを頂く中で、庁内研修の充実を図るとともに、外部セミナーなどへの積極的な参加により育成を図ってまいります。 ◎財務部長(森本哲司) 3番目の1点目、たばこ税と健康寿命の所見についてお答えをいたします。 本市のたばこ税収は、健康増進法に基づく喫煙環境の制約などに伴い、議員御指摘のとおり、近年、減少傾向にございます。令和2年度当初予算案では、たばこ税収は約44.1億円を見込んだところでございます。これは、合併後、ピークであります平成25年度の約53.8億円と比べ10億円近く下回る状況ではございますが、たばこ税は地方自治体にとって貴重な一般財源でございます。 一方で、本市の健康寿命が長いことは、喫煙環境のみならず自然条件や医療体制、就労や地域活動が盛んであることなど様々な要因によるものと考えられますが、予防・健幸都市づくりを目指す本市としましては、受動喫煙防止や禁煙の取組が推進されることは、疾病予防やさらなる健康寿命の延伸などにもつながり、中長期的には医療費や財政負担の抑制に寄与するものであると考えております。 ◎健康福祉部医療担当部長(新村隆弘) 次に、2点目の子供の受動喫煙防止対策についてお答えいたします。 望まない受動喫煙の防止を図るため、特に配慮が必要な子供等がいる環境を踏まえ、現在、家庭での喫煙について母子健康手帳交付時、4か月児健康診査、1歳6か月児健康診査、3歳児健康診査の問診時に、保護者や家族の喫煙の有無及び子供の前での喫煙状況などを確認しております。平成30年度における喫煙率は、母子健康手帳交付時の妊婦は1.4%、パートナー34.1%であり、1歳6か月児健康診査時は、母4.7%、父33.7%、同居家族6.8%でした。妊娠期や1歳6か月児健康診査時において、保護者等が喫煙している家庭には、保健師等が受動喫煙に関するチラシを用いて、たばこの煙が妊婦や胎児、子供や周囲の人に及ぼす害について説明・指導するとともに、禁煙外来や禁煙補助剤の紹介等、禁煙のための支援も実施しています。 今後におきましては、受動喫煙の影響が大きい子供に対し受動喫煙による健康影響が及ぶことがないよう、喫煙している保護者等に対し家庭における喫煙の実態調査を行い、より一層望まない受動喫煙を防止するための正しい知識の普及啓発に努めてまいります。 次に、3点目、ウエルネス・ラボ構想の出口戦略についてお答えいたします。 効果の高い疾病・介護予防や健康づくりを推進していくためには、個人のヘルスデータの分析や様々なデータに基づくエビデンスを施策に反映していくことが重要であります。また、そのためには、多様な主体による社会実証事業を通じて、必要なデータなどを取得していく仕組みも必要になります。 浜松ウエルネス・ラボは、こうした仕組みとして設置したもので、スマートフォンアプリをはじめとする最新のデジタル技術などを活用し、医療関係者や地域企業、市民の皆様の御協力のもと、生活習慣病予防や認知機能の改善、健康増進につながる社会実証事業を展開してまいります。 本市として、社会実証事業終了後には、得られた成果を疾病・介護予防や健康づくりの施策として全市に展開していきたいと考えております。その際、民間企業の創意工夫により実施する成果連動型民間委託契約方式は、行政コストの効果的な活用はもとより、民間ノウハウによる新たな施策の推進や既存施策の改善、さらには将来的な医療費の抑制にもつながるものと考えられることから、今後の展開の一つの手法として検討してまいります。 ◆25番(稲葉大輔) 議長、25番。 ○議長(柳川樹一郎) 25番稲葉大輔議員。 ◆25番(稲葉大輔) 御答弁ありがとうございました。 1番目、2番目について意見と要望、3番目については再質問させていただきます。 まず、1番目の質問は、浜名湖沿岸地域の不安の声を直接伺いました。防潮堤や水門によっての影響はほとんどないということでございます。しかし、感覚的には、浜名湖への流入量が増えるような気がいたしますので、安心させるのではなく、万全の避難行動が取れる備えを続けられるよう、市民への説明や啓発を引き続きお願いをしたいというふうに思います。 2番目のデジタル・スマートシティの推進体制について、これは当初予算計画に記載のとおりの答弁でございました。CDOについては必要ないという御回答でございます。この事業内容説明資料を読むと、アジャイル型まちづくりという言葉が出てきまして、当初この推進本部の設置というのは調査段階のものなのかなと、まさにアジャイルで機敏で柔軟な人材活用とか組織変更をこれから行っていくのかもしれません。その推進体制の核としてアーバンデザインセンターの必要性を伺いましたけれども、一昨日、創造浜松、太田議員の代表質問に対しては、官民連携プラットフォームの運営は担当副市長が担うという答弁がございました。単なる分野別の事業の寄せ集め、個々の分野のデジタル化を連携するだけのプラットフォームということになれば、都市全体の最適化までコーディネートできるかは疑問に感じます。分野横断的に長期的な視点でハード・ソフト両面から都市デザインができる専門人材を登用したり、既存の関係組織の最適化をするなど、強靱な推進体制が構築され、実行力のあるスマートシティ構想が策定されることを要望いたします。 3番目の健幸都市はままつに関する取組について、新村医療担当部長に1点、再質問いたします。 2点目の受動喫煙防止対策で、家庭における喫煙の実態調査を行うと答弁がございましたが、どのような調査を行うのか、また尿中ニコチン調査を実施するのか、再度伺います。 ◎健康福祉部医療担当部長(新村隆弘) 稲葉議員の再質問にお答えします。 最初の喫煙の実態調査でございますけれども、現在喫煙している保護者等の家庭には、受動喫煙の害につきまして一定の指導はできていると認識しておりますけれども、子供の前で喫煙しなければ受動喫煙の害はないと認識されていらっしゃる方もおられるようです。そこでサードハンドスモークの啓発や受動喫煙に対する健康影響など、乳幼児期からの保健指導に活用していくため、まずは家庭における喫煙場所、たばこの種類、加熱式たばこですね、そういったものの実態調査を考えてございます。 もう一点、ニコチン調査、尿中ニコチン調査でございますけれども、熊谷市と同様の調査につきましては、現在の段階で導入する予定はございませんが、今後におきましては、この調査の取組評価や他都市の状況を踏まえ、次なる対策として検討してまいります。 ◆25番(稲葉大輔) 議長、25番。 ○議長(柳川樹一郎) 25番稲葉大輔議員。 ◆25番(稲葉大輔) 御答弁ありがとうございます。 尿中ニコチン検査は検討ということで少し残念ですが、これらの調査にも理解や予算も必要でございます。たばこ税の使い道として調査してみてはというふうに思いますけれども、3番に関して意見と要望を述べたいと思います。 たばこ税と健康寿命の相関が示すとおり、たばこが健康に悪いことを疑う余地はありません。ある小学校ですね、防煙教室に伺ったときに、講師の先生が家庭で親の喫煙状況を児童に尋ねたところ、約8割が手を挙げるという状況に大変驚きました。国内の喫煙率が2割程度ということからすると、目を疑うような実態でございます。そこで今回の法改正で影響を受けない、家庭における受動喫煙から子供たちを守りたいという思いで、この質問をさせていただきました。令和2年度の税制改正の大綱では、地方たばこ税が増税されることもあり、たばこ税を受動喫煙防止対策等に活用し、地方公共団体は積極的に屋外分煙施設などの整備を図るように促すと記されています。 財務部長の賢明な御答弁にもありましたけれども、貴重で大きな税収であることは間違いありませんが、これが言い訳となってですね、後ろにいる愛煙家の皆さんの目も怖いわけでございますが、各自治体の喫煙に対する姿勢にはかなり温度差があります。個人的には分煙ではなく禁煙対策に予算を出すべきと思いますけれども、望まない受動喫煙を強いられている可能性が高い子供たちを守るために、そして健康寿命の延伸と医療費低減のためにも、ぜひ積極的に受動喫煙防止の分煙及び禁煙の対策の実施を要望いたします。 3番目、データヘルス活用の社会実装段階の出口戦略としてPFSやSIB、これについては生活習慣病やフレイル予防のほか、たばこによる健康被害に対しても活用できるのではないかと考えます。ぜひ、官民連携の研究を深め、制度設計を進めていただきたいと思います。 続いて、4番目の質問は教育について、4月から改訂される新学習指導要領と多様化する本市の教育について、以下3点、花井教育長に質問いたします。 資料4を御覧ください。 午前中に鈴木幹夫議員からも多様な御意見、質問がありましたが、新学習指導要領では、社会に開かれた教育課程の実現を目指し、主体的・対話的で深い学びを実践し、これからの社会を生き抜く資質や能力を育み、地域や社会教育と共有・連携していくことを基本理念としており、これに必要なカリキュラム・マネジメントの実現が求められています。これには校長のリーダーシップと高い経営能力が求められ、チーム学校と称した学校の組織運営改革とともに、地域が学校運営を支えるコミュニティ・スクール、この学校運営協議会の制度の導入が本市でも進められています。 では、多様化の状況はどうでしょうか。本市において異なる地域環境の下、限られた学校経営の資源の中で小規模校においては複式指導が行われています。また、小中一貫校として平成24年に開校した引佐北部小中学校では、地域特性を生かした課外キャリア学習として、8年生と9年生の異学年が一緒に模擬会社きりやまの経営を行っているほか、各校でも全校道徳や児童・生徒会活動など異学年が協力する特別活動が行われています。 そこで、1点目として、これら異学年による指導、学習における課題と効果について伺います。 次に、発達支援の観点から伺います。 本市では、家庭環境や学習状況、発達の課題など、様々な理由により不登校となってしまう児童・生徒数の増加に対応して、校内・校外の適応指導教室が設置されていますが、そこでは異学年の子供たちが一緒に活動し、多様性を前提とした指導が実践されています。 資料5を御覧ください。 ちょっと細かい字で恐縮ですが、これは2015年に公開されたドキュメンタリー映画「みんなの学校」というのがありましたが、この舞台となった大阪市立大空小学校の教育計画をホームページから抜粋いたしました。 上段1の③に記載のとおり、大空小学校では、毎週月曜日の1時間目に異学年合同でのグループ対話による全校道徳の授業が取り入れられています。自分がされて嫌なことは人にしないという、たった一つの校則と全ての子供の学習権を保障するという教育理念の下、障害のある子もない子も全ての子供が共に同じ教室で学んでいます。全校児童1割以上が支援を必要とする子であるにも関わらず、不登校児はゼロです。ほかの小学校で厄介者扱いされた子供も、この学校の学びの中で自分の居場所を見つけ、生き生きと成長していく姿が映画化されました。この大空小学校のインクルーシブ教育の根底にも通じると考えられるイエナプラン教育を紹介したいと思います。 イエナプラン教育は、ドイツで生まれ、オランダで成熟し、成果の高い教育法としてオランダでは220校で取り入れられており、30年以上の歴史があります。 資料6を御覧ください。 これは、昨年4月に長野県に開校した私立大日向小学校の学校案内です。イエナプラン教育では、人間と社会と学校について、ここにある20の原則を教育方針に掲げています。子供の個性と権利を認めるところからがスタートとなっています。 そして、裏面の資料7も御覧ください。 これは簡単な時間割のように見えますが、異学年合同によるサークル対話をベースとし、それぞれの学びのスピードで自ら選択した内容の学習計画を立てる主体的な自立学習、そして核となるワールドオリエンテーションと呼ぶ協働学習や総合学習という学びのサイクルによって学習を深めていきます。 そこで、2点目の質問として、個別の適応指導が必要な子供はもちろん、全ての子供にとって他者との協働や個別の指導計画を選択できるイエナプラン教育の考え方は、新学習指導要領が目指すものにも当てはまり、高い効果も期待できると思いますが、考えを伺います。 続いて、3点目として、このイエナプラン教育を公教育で取り組む研究やモデル事業がほかの自治体で始まっています。画一的な学校経営では解決できない課題が山積している本市においても、イエナプラン教育の導入や今後の研究の可能性について伺います。 御答弁よろしくお願いします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎教育長(花井和徳) 1点目、異学年による指導、活動の課題と効果についてお答えいたします。 本市には複式学級による指導を行っている小学校が13校あります。これらの学校には加配教員や支援員を配置し、一人一人に応じたきめ細かな指導ができるように努めています。しかし、教員は1時間の中で異学年を同時に指導するための教材研究が必要となり、少人数とはいえ、学年の違いや個々の学びのペースに配慮しながら、子供の学びを丁寧に見取り、授業を進めていくことは困難な場合もあります。 議員御指摘のような異学年の子供たちが一緒に行う活動においては、一人一人の得意なことや関心を持つことが異なることにより、自然に学び合いや助け合いが生まれ、子供同士の主体的な取組につながるよさがあります。また、それぞれの個性の違いを認め合うことを尊重する集団でありますので、人と同じであることを強いられるところから起こるいじめなどの問題は発生にくくなることも考えられます。 次に、2点目、イエナプラン教育についての本市の考えと、3点目、導入や研究の可能性については関連がございますので、一括してお答えいたします。 オランダは、教育制度そのものが日本とは大きく異なっているため、イエナプラン教育をそのまま取り入れることは難しい点があります。日本では、法律により公立学校の学級は同学年の児童・生徒で編制することが原則となっています。また、学習指導要領には各学年における教科等の目標や内容が定められており、教科書もそれにのっとって編集されています。そのため異学年の集団での授業を実施するためには、学び残しがないように教育課程を根本から編成し直す必要があります。 しかし、イエナプラン教育の目指す方向や考え方は、学習指導要領が目指す主体的・対話的で深い学びの実現と重なる部分が大きく、取り入れられる部分もあるかと考えます。例えば、クラスの全員が輪になって対話をする活動では、教員も子供も同じ輪の中で対等の立場で対話をします。これにより、大人から教えられるばかりではなく、子供同士が一人一人の思いを共有したり意見の違いに気づいたりすることができ、問題が生じてもまずは子供同士で話し合い、解決していこうとする姿勢が身につくと考えます。全員が互いの表情を見ながら尊重し合うことで、学級が誰にとっても過ごしやすい安心できる場となることが期待できます。 次に、協働学習は、本市の学校でも日常的に行われている協働的な学びと類似した学習です。異なる考えを持ったメンバーが集まり、議論したり譲り合ったりする経験を積み重ねることにより、コミュニケーション能力や主体的に物事を考えたり、柔軟に対応したりする力などを育むことができます。また、イエナプラン教育が目指す自立した学習者を育む教育は、子供が家庭学習を進めていく場合に主体的に学習できる力を身につけることに役立ちます。 さらに、議員御指摘の校内・校外適応指導教室などにおいて、自分のペースに合わせて学び直しを進めていく力を身につけることにもつながります。このようなイエナプラン教育によって得られる効果は、各学校の教育活動においても既に大切にしているところです。さらに、個々の多様性を前提としたイエナプラン教育の考え方を意識して取り組むことにより、複式学級や校内・校外適応指導教室などの少人数の場合のみならず、同学年だけで編成している通常の学級であっても、より豊かな学びが可能になるものと考えます。 教育委員会といたしましては、学校が児童・生徒の実態や地域性を生かしつつ、イエナプラン教育の目指す方向や考え方を取り入れた教育活動を展開することは、これからの教育に求められている多様性を認め、子供一人一人の特性や発達の程度、関心を大切にした個別最適な学びの実現につながるものであると考えます。 今後、こうした考え方を念頭に置き、校長がリーダーシップを発揮し、工夫した教育活動を実施できるように後押しするとともに、他都市の取組も参考にしながらイエナプラン教育の研究をしてまいります。 ◆25番(稲葉大輔) 議長、25番。 ○議長(柳川樹一郎) 25番稲葉大輔議員。 ◆25番(稲葉大輔) 御答弁ありがとうございました。 イエナプラン教育に対する花井教育長の深い理解と前向きな答弁に感謝申し上げますが、1点だけ再質問させていただきます。 法律で学級は同学年で編制することが原則となっているとありましたが、同学年でのクラス編制の原則を変えることは違法でしょうか。クラス編制ではなく、授業の枠組みの中で異学年が合同でグループ学習を行うというような解釈で、異学年学習を実施することは教育委員会とか校長先生の裁量でできるのかどうか、花井教育長に再質問いたします。 ◎教育長(花井和徳) それでは、稲葉議員の再質問にお答えいたします。 まず、学級編制についてでございますが、これは法律の規定がございまして、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員の定数の標準に関する法律によりまして、児童・生徒が著しく少ない場合、複式学級等でございますけれども、そういった場合を除きまして、同学年の児童・生徒で編制するということになっております。また、授業についてでございますが、これは必ずしも学級単位で行わなければならないというものではございません。先ほども答弁いたしましたとおり、学び残しがないように教育課程を編成するということは容易なことではございませんが、校長の裁量により総合的な学習の時間などで学校の取組を工夫することにより、異学年の集団による学習グループを編成して授業を実施するということは可能であるというふうに考えております。 ◆25番(稲葉大輔) 議長、25番。 ○議長(柳川樹一郎) 25番稲葉大輔議員。 ◆25番(稲葉大輔) ありがとうございました。 公立の学校での原則を打ち破るというのは非常に難しいというふうに思いますし、また、先ほどの大日向小学校もそうですが、ほとんどの取組は私立でございます。本市でも聖隷クリストファー小学校が、これまでの画一的な教育スタイルから探求型のクリティカルシンキングを採用したような、国際バカロレアというふうに呼ばれているプライマリーイヤープログラム教育というのをこの4月に開校するというふうに聞いていますが、なかなか公立でという取組は少ない。ただ、一方で、広島県では教育長が大号令をかけて福山市がいち早く手を挙げ、2022年に公立小学校でイエナプラン教育の導入に向け、今、準備が始まっているというふうに伺っています。同学年での学級編制という原則の中でも、常識を覆すほどの意識改革と知恵を絞ればですね、イエナプラン教育のような多様性を生かした教育は、本市の過疎地域における複式指導の課題解決だけではなく、個別最適な学びの選択肢を広く提供するという意味においても、十分に導入に値するものだと確信をしています。 今後、さらに多様化する教育ニーズに対応するため、教育委員会とともに保護者や地域の皆様の理解と協力を得て、校長先生が裁量権を大いに発揮していただき、教職員チーム一丸となって個々の子供たちに向き合っていける環境づくりをしなければいけないというふうに考えます。 釈迦に説法のようにですね、学習指導要領の改訂の本質をお話ししましたけれども、十分に御理解いただいた上で、学びにおける抜本的な意識改革、そして教育現場の組織運営改革に必要な人と予算、これを十分かつスピーディーに確保していただけるよう要望いたしたいと思います。 続いて、5番目の質問、浜名湖と水産資源回復策についてです。 本年度もアサリ、ノリ、カキ、クルマエビなど浜名湖の漁獲量は、過去最低に近い水準で推移しており、漁師だけでなく水産資源に関連する産業は、将来に向け不安を大きくしています。水産資源は、塩分や栄養分などの水質や土砂流入による湖底の環境、気候や水温などによってつくられる生態系と、生態系内の捕食や人の漁獲という要因によって変化をいたします。 今回は、そのうち塩分の影響と窒素やリンなどの栄養塩分に関連して、以下3点質問いたします。 資料8を御覧ください。 これは、水生生物の餌となる植物性プランクトンを発生させる栄養塩類を浜名湖内3地点において測定したグラフですが、栄養塩類の数値というのが昭和の終わり頃をピークに減少傾向を示しています。また、下のグラフに塩分濃度がありますが、こちらも1951年に20psuという単位、この程度でしたが、54年にですね、浜名湖の今切口の固定化工事がありまして、導流堤というのが建設されました。これによって急増して65年には10ポイント上昇し30psu、以後は横ばいとなって高濃度となっていますと。 ここで1点目として、栄養分や塩分濃度など水質の変化が水産資源にどう影響しているかに対する考えと、国や県と連携していく今後の取組姿勢について、山下農林水産担当部長に伺います。 2点目は、下水道処理施設の季節別運転についてです。 さきの資料8の赤い点線がありますけれども、ここに本市の下水道処理センターの供用開始の時期を示しています。また、平成12年には浄化槽法の改正によって合併浄化槽の設置が進むなど、下水環境の整備により湖水浄化がされてきたということが一因としてあります。これによって栄養塩分が低下してきたと考えております。 資料9を御覧ください。 これらに対しまして、各地で栄養塩類を一定量残した処理水を放流する下水道の季節別運転というのを実施して、資源回復によい効果が見られるケースが確認されています。 そこで、本市における下水道処理施設の季節別運転の実施の可能性について、寺田水道事業及び下水道事業管理者に伺います。 3点目の質問は、塩分濃度と流入水量についてです。 塩分濃度が上昇した結果として生態系が変わり、奥浜名湖で外海の魚が釣り上げられることも珍しくありません。これには今切口の整備のほかに、都田川からの浜名湖への流入水量の減少が原因として考えられます。都田川ダムとその下流における揚水の取水量及び浜名湖への流入量の状況はどうか。また、三方原用水などを活用して流入量を回復させる方法がないか、山下農林水産担当部長に伺います。 御答弁よろしくお願いします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎産業部農林水産担当部長(山下文彦) 1点目、水質変化の影響と連携の必要性についてお答えいたします。 浜名湖におけるアサリなどの漁獲量の減少は、天敵による食害などの生物的な要因、塩分濃度など水質の変化や生き物の生育場所となる湖底の砂の流出などの環境的な要因などが複雑に絡み合っており、完全に原因が解明されてはおりません。水質変化の影響につきましては、現在、浜名湖の管理者である県が主体となって生物の育成に必要な窒素やリンの状況について詳細な調査を実施しておりますので、その結果を踏まえて判断すべきと考えております。 こうした状況の中、本市では、湖西市や漁業協同組合とともに浜名湖地区水産振興協議会を組織し、水産資源の保護につながる取組を行っております。また、浜名漁業協同組合においても漁業者を中心に対策に向けた議論を深めているところです。 本市といたしましては、県や漁協と一体となって取り組めるよう、現行の水産振興協議会に県や専門家を加えるとともに、国の支援メニューの活用も視野に入れ、関係者と連携して原因究明を進めてまいります。 ◎水道事業及び下水道事業管理者(寺田賢次) 次に、2点目、下水道季節別運転の実施についてお答えいたします。 浜名湖は閉鎖性水域のため水質汚濁が進みやすいことから、当該流域を環境保全の観点から下水道区域と定め、生活環境の改善、公共用水域の水質保全に取り組んでまいりました。現在は、舘山寺浄化センターほか4か所の下水処理場で汚水を水質汚濁防止法の排水基準を大きく下回る水質まで浄化し、放流しているところです。ただし、国では水域における漁業等の水利用状況や社会経済活動に応じて適切な栄養塩類の補給などが求められる場合は、季節別運転などのきめ細かな対応を推進することとしています。 このようなことから、県や水産振興協議会などとの調整を経た上で、降雨の影響により浜名湖水域への土壌由来の栄養分流入が少なくなる冬期に水質汚濁防止法の排水基準の範囲内で水産物資源の栄養分である窒素及びリンの放流濃度を高める運転管理を実施することは可能であると考えております。 ◎産業部農林水産担当部長(山下文彦) 次に、3点目、塩分濃度と流入水量についてお答えいたします。 平成30年度の都田ダムから取水している浜名湖北部用水の利用量は年間約261万トンです。また、都田川から浜名湖への流入水量は9724万トンであり、用水利用量の割合は2.7%となります。三方原用水からの流入につきましては、施設整備に伴う費用が膨大であること、見込まれる効果が限定的であることから実施は困難であると考えております。 ◆25番(稲葉大輔) 議長、25番。 ○議長(柳川樹一郎) 25番稲葉大輔議員。 ◆25番(稲葉大輔) 御答弁ありがとうございます。 水質変化の影響については、原因究明ができていないという少々残念な回答にとどまりましたので、資料10を御覧ください。 私なりに質問した因果関係を時系列にまとめてみました。60年代の塩分濃度上昇から湖底の環境が変化し、富栄養化を経て現在は貧栄養化、そのために水産資源が減っていると考えられます。貧栄養化の解決策として、下水道の季節別運転を伺いましたが、これは実施可能という回答でした。これによって栄養塩の需給バランスが管理できれば、水産資源の育成に高い効果が期待できます。過剰供給とならないための調整が難しいようでありますので、県も調査をしております。ぜひ取り組んでいただきたいというふうに考えます。 3点目の北部用水の利用量は、都田川からの年間流入水量の2.7%、約261万トンという回答です。これは東京ドーム2杯分ぐらいに相当するんですが、ダム建設から35年、累計すれば1億トン以上となります。浜名湖の容積は約3億7500万トンでありますので、約4分の1ぐらいの水量が取水されなかったというふうにも考えられます。これだけ流入水量が減っていることは、塩分濃度が高く維持されているだけでなく、ケイ素やカルシウムを豊富に含む天竜の山々からのミネラル供給が減少したことにもなり、カキなどの成長にかなり影響しているはずです。三方原用水の活用は困難という回答でしたので、代替案としては、以前に提案したスラグの活用によるミネラル補給など、具体的な検討をお願いをしたいというふうに思います。 ただし、これらも含めましてですね、水産資源の回復策は個々の対策がトレードオフ、つまり利害関係者の目的を同時にかなえることが難しい関係にあります。これには十分な対話が肝腎です。強いリーダーシップも必要ですので、ぜひ国や県をも動かすようにですね、農林水産担当部長、強い推進力を期待をいたします。 最後の質問、ふるさと納税について、資料11を御覧ください。 これは平成30年度のふるさと納税の寄附金と返礼品をまとめたものです。一番人気の返礼品は、ウナギ類で約4億円、次いでギョーザ類が約1億円、寄附金総額は9億3573万3000円となりました。また、右の図にあるようにですね、寄附金の区分は1万円から1万5000円未満が圧倒的に多くて、3万1500件と全体の63.8%を占めています。 そこで、1点目、ピークの年末を終え、本年度の大筋の成果が見える時期と思われますが、寄附件数の多い金額区分の個人寄附を拡大するための取組や、その成果はどうであったか、石坂観光・ブランド振興担当部長に伺います。 次に、クラウドファンディング型ふるさと納税について、資料12を御覧ください。 これは千葉県南房総市が行っているもので、水揚げされたアワビを返礼品として打ち出し、アワビ漁支援事業に寄附を募るプロジェクト明示型のふるさと納税です。このように寄附金の使途を具体的な事業として示し、その事業に共感する寄附者を募るクラウドファンディング型のふるさと納税に取り組む自治体が増えていますが、本市でも返礼品として人気となっているウナギやギョーザを絡めて取り入れるべきと思いますが、併せて伺います。 2点目として、企業版ふるさと納税の促進について、内藤企画調整部長に伺います。 資料13を御覧ください。 これは、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピック事前合宿のブラジルホストタウン交流事業を対象に、市民部スポーツ振興課が中心となって寄附を募った本年度の本市の取組です。令和2年度の大幅な税制改正によりまして、寄附企業の税額控除は現行の2倍、これまで6割だったものが最大9割となるほか、適用対象の拡大や寄附時期の弾力化が図られるなど、企業の利用拡大が期待されます。 そこで、2点目として、企業版ふるさと納税の促進について、浜松市にゆかりの深い企業や経営者、やらまいか大使にもプロモーションをお願いし、具体的なプロジェクトを対象とする企業版ふるさと納税の拡大を図るべきと考えますが、考えを伺います。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎産業部観光・ブランド振興担当部長(石坂守啓) 1点目の1つ目、寄附金を拡大するための取組とその成果についてお答えいたします。 本市では、ふるさと納税寄附金の受入れ拡大のため、ポータルサイトの追加と活用、事業者と協力連携した返礼品の拡充、ウェブ広告や雑誌広告を活用した戦略的なプロモーションなどに取り組んでおります。また、寄附者の需要が多い1万円から3万円の寄附区分を細分化し、返礼品価格に合わせた寄附区分にすることで、寄附者のニーズに応えました。その結果、今年度のふるさと納税寄附金は、1月末日現在で、寄附件数が約8万4000件、寄附金額が約15億3000万円で、昨年度実績を件数で3万5000件、金額で6億円ほど上回り、件数、金額ともに大きく伸びる見込みでございます。 次に、2つ目、クラウドファンディング型ふるさと納税についてお答えいたします。 クラウドファンディング型ふるさと納税は、議員御指摘のとおり、使途となる事業を示した上で、当該事業に共感する寄附者を募る手法です。実施するメリットとしましては、寄附者側からは自分が関心のあるプロジェクトや地域の問題に対してダイレクトに寄附金が届けられること、また行政側からは、政策のPRになることやプロジェクトに対する社会的関心を測定できることが挙げられます。 また、クラウドファンディング型ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった地方自治体に感謝や応援の気持ちを伝え、税の使い道を自分の意思で決めることができるという、ふるさと納税本来の趣旨が反映できるとともに、資金調達の有効な仕組みでございます。 一方、返礼品を重視する寄附者も多く、既に実施している団体の実績を見ると、多くの団体が資金調達に苦労しております。このことから、実施に当たっては特産品などの返礼品の有無と併せて、返礼品の一部を対象事業に充当するスキームの構築など、寄附者の共感を得られる工夫が必要であると認識しております。そのため、市として取り上げる事業内容や運用方法などを関係各課と十分に検討してまいります。 ◎企画調整部長(内藤伸二朗) 2点目、企業版ふるさと納税の促進についてお答えをいたします。 企業版ふるさと納税につきましては、令和2年度から税額控除割合の引上げや手続の簡素化等、大幅な見直しが予定されております。本制度を活用するためには、地域再生計画を作成し、国から認定を受けることが必要となります。 本市では、1月23日付で内閣府に対して地域再生計画の認定申請を行い、認定後に新たな制度に対応した寄附を受け付けることが可能となります。寄附を頂くためには、本市の地方創生の取組に関心を持ち、事業の趣旨に賛同していただくことが重要であると認識しております。企業版ふるさと納税が市内に本社がある企業は対象外であることを念頭に置きつつ、本市の特色ある事業や企業の理念と親和性の高い事業を前面に押し出し、御質問にもありましたとおり、本市とゆかりのある企業や経営者などへアピールするとともに、やらまいか大使にも協力を依頼し、寄附につながるよう取り組んでまいります。 ◆25番(稲葉大輔) 議長、25番。 ○議長(柳川樹一郎) 25番稲葉大輔議員。 ◆25番(稲葉大輔) 御答弁ありがとうございます。 本年度のふるさと納税額は、約15億円の成果が上がっているということでございます。デジタルマーケティングを最大限に活用し、的確に納税ニーズとマッチングさせ、これまで以上の寄附が促進されるプロモーションの展開をお願いをしたいと思います。クラウドファンディング型については、実は過去の質問でも提案しましたが、残念ながら現状は行われていません。プロジェクト型にすることによって、使い道や寄附者の意向が限定されるという懸念もありますが、返礼品目当てが多くなっている方々に自治体の事業の目的や寄附の趣旨をより強く認識してもらうことは、プロジェクト自体の認知度を上げ、新たな展開や連携のきっかけとなるはずです。これは企業版ふるさと納税についても同じことが言えます。 本年は、寄附集めのプロモーションは担当部局に一任され、担当者レベルで関連する取引先などに寄附を依頼して集めたというふうに伺いました。いま一度、対象事業の見せ方やプロモーション戦略を再構築し、本市らしい事業とアイデアによって歳入の多角化に努めていただきますようお願い申し上げます。 それでは、最後、残された時間で質問を総括し、意見させていただきます。 本市の政策は、産業振興により地域の稼ぐ力を強化し、雇用求心力を高めることに比重が置かれています。5G環境の整備が始まり、コロナウイルスによってテレワークが注目されるなど、時代はSociety5.0、デジタルイノベーション社会へ向かっていきます。 今回の質問を考えるきっかけとなったのは、先ほど紹介したイエナプラン教育を実践する長野県の大日向小学校、ここに子供を通わせたいという地元の家族が1年前に移住をしたことにあります。子供の教育の選択肢が親の移住を決めてしまうという事実を目の当りにして、文化・教育・子育て環境を最優先とした都市デザインを具現化する必要性を痛感しています。企業の存在や職業の選択肢が浜松市に住む理由と直結しなくなる時代が迫っていると思います。 これには、文化的・教育的な都市の魅力の底上げが必要です。デジタル・スマートシティ構想で目指す新たな都市デザインにおいても、文化や教育に対ししかるべき的確な投資ビジョンを示さなければなりません。そのためにも多様性を生かした教育の選択肢を増やすことは、大きな魅力の一つとなると考えています。これまでの教育は画一的で、間違ったことは言わず、言われたことを受け身でこなすことが評価されてきた時代に合わせたスタイルでした。これからのデジタルスマート社会では、創造性にあふれ、自ら仕事をつくり出すことが求められます。この教育の多様性に応える意識改革は簡単ではありません。パラダイムシフトとも言える大きなこの教育改革において、今、ニューロ・ダイバーシティーという概念が少しずつ広まっています。 これまで発達障害として特別扱いされたり、教室を飛び出して学級崩壊という言葉で片づけられたりすることがあった子供たちの個性的で異なる才能を認め合い、協働を通じて個別の才能を伸ばすといった、画一的に収まらない教育の実践に向けて、極めて重要な概念と言えます。シリコンバレーのIT業界や科学エンジニアリングの世界では、このニューロ・ダイバーシティーと呼ばれる定形外に発達した能力を持った人たちが活躍しています。 本市がデジタル・スマートシティを形成していく過程において、イノベーションやデジタル技術の活用という上辺だけの都市の最適化に終わらないことを意識しなければなりません。多様性のある教育の充実によって個性あふれる創造力豊かな人材が集まり、ニューロ・ダイバーシティーと呼ばれる子供たちが才能、能力を開花させることができる都市デザインを目指すべきと考えます。 令和2年度の施政方針において市長が掲げた、多様性とイノベーションで理想の未来を創造ということに異論は全くありませんが、さらに力強いものとするために、文化面や教育面での次なる大きな一手をお願いを申し上げまして、私の一切の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳川樹一郎) 次に、43番太田康隆議員。(拍手) ◆43番(太田康隆) 太田康隆でございます。 今日は、浜北区自治連合会の皆様が研修で議会傍聴に訪れております。1年生議員の新鮮さに感銘を受けました。2月議会最後の一般質問となりますが、私も新人の頃を思い出して一生懸命やらせていただきます。 初めに、地方自治とは、一定の地域を基礎とする国から独立した団体が、その機関により、その事務を、当該団体の住民の意思に基づいて処理すること。第32次地方制度調査会委員を務める飯島淳子東北大学教授の表現を借りれば、「法人格を有する地方公共団体が、区域を基礎とした、自立性の確保を法、つまり憲法・地方自治法によって保障されていること」である。高齢化・人口減少という大きな社会状況の変化はあるものの、この地方自治の本質、つまり住民自治・自主性・自立性は見失ってはならないと考えます。 資料として用意した年表を御覧ください。 歴史を振り返りながら課題を整理していきたいと思います。1990年代から始まった第1次分権改革で、地方分権一括法に象徴されるように、国の関与を見直し、機関委任事務を廃止し、上下・主従の関係から対等・協力の関係へと転換が図られました。基礎自治体が自主的・総合的な行政を担えるよう、相応の行財政基盤を確保するためとして、市町村合併が進められました。しかし、自治体の数は半分になりましたが、国の思惑とは裏腹に、北海道、首都圏、近畿圏などでは合併は進まず、弱小自治体が多く残る結果となりました。 こうした中、2008年に人口は減少局面に入り、その後、2014年5月、日本創生会議が消滅可能性都市を発表します。これに対し、同年9月に政府は、まち・ひと・しごと創生本部を設置し、50年後に人口1億人を安定的に維持できる構造にするという積極的な政策を打ち出します。人口減少を前提にした議論が進めにくい状況の中で、2017年、平成29年ですが、総務省は自治体戦略2040構想研究会を設置し、団塊ジュニア世代が高齢者になり、日本の高齢者人口がピークとなる2040年を内政上の危機と受け止め、人口構造の変化に対応した自治体行政の在り方を議論します。2018年7月3日、研究会の第2次報告が出され、これを受けて7月5日に第32次地方制度調査会が設置をされ、2040年頃から逆算し、顕在化する諸課題に対応する観点から、①圏域における地方公共団体の協力関係、②公・共・私のベストミックス、その他の必要な地方行政体制の在り方について、内閣総理大臣の諮問を受け議論がスタートいたします。任期は、本年7月4日までであります。 昨年7月には中間報告が出されておりますので、その中間報告の指摘するネガティブな変化、ポジティブな変化から幾つかを取り上げ質問をさせていただきます。 1番目は、高齢化社会と地域づくりについて、朝月健康福祉部長にお尋ねをいたします。 地方自治体にとっても高齢化と少子化は最重要課題で、浜松市でも超高齢社会に対応するため、2025年を目指して地域包括ケアシステムの体制づくりが進められています。 そこで、以下3点についてお尋ねをいたします。 1点目は、活動支援についてであります。 地区社会福祉協議会や地域ボランティアなどにより行われているサロンや家事支援について、組織化の密度や取組に濃淡がありますが、今後、市としてどのように対応していく考えか、また、活動を支える事業費の安定確保についてはどうかお尋ねをいたします。 2点目は、担い手の問題であります。 現在、活躍している第一世代以降、担い手の減少が予想されます。浜松市地域福祉計画でも地域福祉活動への参加の促進を図るとしておりますが、事はそう簡単ではないと思います。地縁による地域力の弱体化が進んでいる中でも、子供から高齢者までが参加できる3世代交流イベントや年末のしめ縄作りなどを積極的にやっている地域があります。 そこで、アとして、地域力の強化が巡り巡って支え手の確保につながると思います。地域住民が主体となって行う、こうした地域力強化の活動を支援し、充実させていく考えについてお尋ねをいたします。 イとして、青少年健全育成活動と連携するなど、こうした活動に次世代の担い手となる40歳代、50歳代の現役世代の参加を増やすための方策を検討してみてはどうかお尋ねいたします。 3点目は、社協との連携についてであります。 高齢者を支える地域福祉の体制づくりには、地域の多様性に対応できる浜松市の知恵が求められております。その意味でCSW配置事業などを担う浜松市社会福祉協議会への期待は大きいものがあるというふうに考えます。現在でも様々な事業について公益性の高い浜松市社会福祉協議会に委託金や負担金を支出して実施しておりますが、高齢者が増加する今後においては、委託先の職員配置を含めた計画的な運営が必要になると思われます。今後の浜松市社会福祉協議会との連携について、どのように考えるかお尋ねをいたします。 ここで分割いたします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎健康福祉部長(朝月雅則) 第43番自由民主党浜松太田康隆議員の御質問の1点目、地区社協や地域ボランティアへの対応についてお答えをいたします。 地区社会福祉協議会いわゆる地区社協などが行うサロン活動や家事支援といったボランティア活動に対し、現在、社会福祉協議会を通して財政支援を行うとともに、コミュニティソーシャルワーカーいわゆるCSWがその運営に関するアドバイスを行っております。浜北区では、平成26年に中瀬、麁玉の両地区社協が家事支援事業をはじめ、その取組が周辺地域に広がりました。この結果、昨年10月には区内全域で家事支援が実施されることになり、その後、家事支援連絡会が立ち上がるなど、区内のよき情報交換の場となっております。 一方、市全体では地域での活動に差が見られることから、こうした優良事例を横展開できるよう情報提供するとともに、本年度からはサロン活動に対する財政支援を強化するなど、環境整備に努めてきております。 今後も、こうした活動がそれぞれの地域で活発に展開されるよう、引き続き必要な支援を行ってまいります。 次に、2点目の1つ目、住民主体の活動への支援と、2つ目の現役世代の参加促進に係る御質問は関連がありますので、一括してお答えをさせていただきます。 地域住民が主体となって行う地区社協の活動の中には、小さなお子さんから高齢者までが集まって、餅つきや豆まき、グラウンドゴルフなどを一緒に行う三世代交流事業があります。こうした事業は、若い世代が地域活動に参加するきっかけとなるため、地区社協連絡会などで情報共有を図り、取組を広めてまいります。 次世代の担い手となる現役世代の地域活動への参加促進は、地域共通の課題であるため、先ほどの三世代交流事業の優良事例の横展開はもとより、社会福祉協議会が行うボランティア養成講座を市としても積極的に周知するとともに、地域の人づくりに取り組んでいる関係各課とも連携することで、地域住民が主体となって行う地域活動を幅広く支援してまいります。 次に、3点目の社会福祉協議会との連携についてお答えします。 社会福祉協議会が策定した第4次地域福祉活動計画は、本市の第4次地域福祉計画を実践する行動計画であり、本計画に基づき社会福祉協議会は、高齢者の元気はつらつ事業をはじめ、障害者の移動支援事業や子供の学習支援事業など、様々な事業を市から受託しています。また、市は、住民主体による福祉活動を推進するため、社会福祉協議会が行うCSWの配置や地区社協への支援など、住民同士の支え合いによる地域の体制づくりに取り組んでおります。 今後も、社会福祉協議会が行う地域支援がさらに充実するよう、人材の確保や育成などには必要な財政支援を行うとともに、事業推進に向けてさらに連携を強化してまいります。 ◆43番(太田康隆) 議長、43番。 ○議長(柳川樹一郎) 43番太田康隆議員。 ◆43番(太田康隆) 意見を申し上げます。 介護保険法が改正をされて、平成29年4月から要介護1、2の介護予防サービスのうち、訪問介護、通所介護サービスが市の新総合事業に移行しました。問題は2つあるというふうに思っております。 一つは、制度の問題です。介護保険事業は、サービス供給量の増加に対して保険料や負担割合を増やして対応するのか、給付水準を下げるのか、あるいは税を投入するのかという話であって、それらは本来、保険制度の中で完結すべきものだというふうに思っています。新総合事業として市に負担させることについては、制度の持続性の議論を避けて課題を曖昧にしているように私には思えます。新総合事業の負担は、今後もですね、恐らく拡大されるでしょう。また、地域包括ケアシステムが地区社協やボランティアなど、善意の地域力を地域に要求していることにも違和感を覚えます。 もう一つは権限の問題であります。地方分権と言いつつも、国の法律が地方の法例解釈権を阻害し、結果的に制度の構築まで地方に要求する。いわゆる法律の規律密度が高過ぎるのではないかという指摘があります。これについては専門家の間で研究が始まっておりますので、その結果を待ちたいと思います。 本当に困っている人は公が税金を使って支えていく、また、地域福祉は住民が自覚と協力で支えていくという性質のものであって、大きな制度の枠はあったとしても、細かな部分は地域固有のやり方があってよいと思っています。結果的に国の示す形になったとしても、大切なのはそのプロセスであって、多様な形態や地域の考えが尊重されてしかるべきであります。保険の領域なのか、公が福祉として提供するべきか、個人負担の範疇か、あるいは地域の善意の領域かというのは、大切な議論だというふうに思っております。とはいえ、超高齢社会を乗り切る上で、地域力は大切なものであります。部長の答弁のように、人づくりを含め地域活動を支援するという御答弁に期待をしております。 また、社協が担う役割というのが増えていくと思いますので、社協との連携を強化するという御答弁でありますので、ぜひこの社協の持つ公益性・専門性をうまく引き出していただきたいというふうに思っております。 次の質問に移ります。 2番目の質問は、少子化対策であります。金原こども家庭部長にお尋ねをいたします。 人口減少のダメージをできるだけ食い止めようとするまち・ひと・しごと創生法に基づく地方創生の動きも大切な視点であります。浜松市では、2015年、平成27年12月にやらまいか総合戦略を策定、合計特殊出生率を2013年の1.47に対し、2024年に1.84に誘導する政策を取ってきました。通告書は年度と書いてありますが、暦年でございます。カレンダーイヤーに直してください。 少子化対策を遠回りして考えてみたとき、結婚はデリケートな話であったとしても、出会いの機会を増やすことについては積極的な施策があってよいと思います。愛媛県では、平成28年から縁結びマッチング事業を専用のシステムを使って行い、成果を上げております。会員は2年間で1万円の登録料を支払い、スマホやパソコンで入会の申込みをする。その後、来所して専用のタブレットから異性の相手方のプロフィールを閲覧し、希望の相手を見つけて事務所に引き合わせの申込みをするというものであります。常時1200名以上が登録していて、五、六十組が交際中、累計成婚数は3年で55組ということでございます。 そこで、浜松市でも、こうしたデジタルツールを使った縁結びマッチング事業について検討する考えはないかお尋ねをいたします。よろしく御答弁ください。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎こども家庭部長(金原栄行) 少子化対策についてお答えいたします。 少子化の解消には、結婚・妊娠・子育てに関する環境を整えることが重要です。そうした中、結婚を希望する若者にとって出会いの機会が多くあることは有意義であると考えます。近年、利用者同士がインターネット上で出会うためのプラットフォームとして、専用のマッチングシステムを試行または運用している自治体があることは承知してございます。こうしたシステムを効果的に運用するには、社会基盤、人口動態、産業構造や就労状況等の地域特性を踏まえた上で、本市の婚活マッチング事業における有効性の検証が必要と考えます。 ICT関連技術の開発や進化のスピードは極めて速いことから、今後の利活用に向けては、例えば、クラウドコンピューティングを活用し、インターネットを経由して既存のシステムやサービスを利用する手法も考えられます。こうしたインターネット上のアプリを使用したサービスの有効性やシルバー人材センター等が婚活事業にAIをはじめとしたICT技術を活用する場合の支援方法などについて、調査研究を進めてまいります。 ◆43番(太田康隆) 議長、43番。 ○議長(柳川樹一郎) 43番太田康隆議員。 ◆43番(太田康隆) 意見を申し上げます。 午前中も小泉議員のほうから結婚への支援についての話がありました。極めて大切な指摘だというふうに私は思っています。浜松市の2018年、平成30年の出生数は正式な統計で6023人、2007年、平成19年の7512人をピークに年々減少しておりまして、11年で20%減少しました。合計特殊出生率も1.51と伸び悩んでおります。少子化対策こそ内政上の危機を乗り越える肝の部分であるというふうに思います。浜松市は、妊娠、出産、その後の子育て支援については、実によくやっているというふうに評価いたしますが、肝腎の出会いのところの政策が弱いというふうに思います。遠州広域婚活事業もありますけれども、やはりここは出会いについての施策をもう少し頑張っていただきたいと思います。 2015年、平成27年11月に行った浜松市の結婚等に関する意識調査でも、行政に望む結婚支援施策の項目の断トツ1位は「男女の出会いの場づくり」58.1%ということでありました。愛媛県の例は、行政が行うことの安心感・信用力、そしてデジタルツールを使った点が、この若い世代に支持されているというふうに私は考えます。調査研究を進めるという御答弁ですが、ぜひ本気で進めていただきたいとお願いをしておきます。 3番目に移ります。公共施設、箱物資産の適正管理について、森本財務部長、伊熊学校教育部長にお尋ねをしてまいります。 過去に建設された公共施設やインフラが老朽化し、今後、大量に更新時期を迎えます。平成24年12月の笹子トンネル事故を契機に、国では公共施設等老朽化対策がクローズアップをされ、翌25年11月にインフラ長寿命化基本計画を策定、翌26年4月に総務大臣通知が出されて、地方自治体でも平成28年度までに公共施設等総合管理計画の策定が要請をされました。本市でも、平成28年3月に10年間を計画期間とする公共施設等総合管理計画が策定をされました。 そこで、以下3点についてお尋ねをいたします。 1点目は、指針の改定への対応であります。 平成30年2月に、国の公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針が改定をされました。改定の主なものとしては、①全庁的な取組体制の構築、②PDCAサイクルの確立、③総合管理計画の不断の見直し及び充実などですが、この指針の改定に当市としてどのように対応しているかお尋ねをいたします。 2点目は、箱物資産の長寿命化についてお尋ねいたします。 アとして、平成30年度決算の浜松市の資産のすがたによれば、総務省標準ソフトを使った試算で、改修・更新経費は今後50年間で9092億円、1年当たり182億円。この182億円を分母にし、実施にこの年度の改修・更新投資額124億円を分子にしたものが充足率であります。この値が平成30年度末目標68%に対して実績68.1%でした。長寿命化対策や更新の進捗を示すこの充足率は100%に近ければ対策が進んでいるというものであります。令和6年度、2024年度の目標値80%の達成は厳しいのではないかと思いますが、お考えを伺います。 イとして、平成29年度から令和3年度までの国の財政措置として公共施設等適正管理推進事業債があります。充足率90%、交付税措置30%から50%、なお、令和2年度までに実施設計に着手した事業については、令和3年度以降も現行と同様の地方財政措置を講ずるというものであります。こうした財政措置を活用して長寿命化対策を加速してはどうかお尋ねをいたします。 3点目は、学校施設への対応であります。 アとして、箱物資産に関して、行政財産に占める学校施設は、延べ床面積の約40%と一番大きな位置を占めております。学校施設に関しては、これまでの御答弁で令和2年度中の予定を前倒しして今年度中に長寿命化計画を示すと聞いております。今後の施設ごとの整備に関する考え方をお尋ねいたします。 また、イとして、施設の改修・更新だけでなく、小中一貫校などによる再配置や効率的な施設の活用の議論は避けて通れません。さらには高齢化の進む中で、小学校区、中学校区というのは大切なコミュニティーの圏域でもあります。地域の声を尊重しつつも、課題は早めに投げかけ、地域ぐるみで議論していくことが必要と考えますが、御所見を伺います。 ここで分割いたします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。
    ◎財務部長(森本哲司) 1点目、指針の改定への対応についてお答えをいたします。 本市は、平成17年の12市町村合併後、行財政改革の一環として公共施設の効率化にいち早く着眼をし、資産経営推進方針の下、平成27年度までに439施設の削減に取り組んでまいりました。平成28年3月には、市が保有する全ての資産を対象に、資産経営を推進するための羅針盤といたしまして浜松市公共施設等総合管理計画を策定をしております。 本計画では、本市保有の資産について、「公共施設に関するムリ・ムダ・ムラの是正」「安全・安心な公共施設の提供」など6つの基本的指針に基づいて箱物資産の延べ床面積の縮減や施設の長寿命化に取り組んでいるところでございます。また、施設カルテを活用したPDCAサイクルによるチェックを毎年実施するなど、改定後の国の指針に示されている事柄は既に実行に移している状況にございます。 今後も、こうした取組を着実に継続していくとともに、策定後数年が経過した本計画の見直しにつきましても検討をしてまいります。 次に、2点目の1つ目、充足率についてお答えをいたします。 本市の公共施設等総合管理計画で設定をしております充足率の目標達成には、公共施設の延べ床面積の縮減と長寿命化対策への着実な投資が不可欠でございます。本市保有の既存の施設につきましては、施設の在り方を検討し、統廃合など効率化が可能なものにつきましては、市民の合意形成を図りつつ速やかに対応し、延べ床面積の縮減に努める一方で、存続して活用していくと決めた資産については、市民が安全かつ快適に公共施設を利用できるよう、しっかりと長寿命化対策を講じていくこととしております。 今後も引き続き、延べ床面積の縮減と長寿命化対策の両面での取組を通じて、充足率の目標達成に努めてまいります。 続きまして、2つ目の国の財政措置を活用した長寿命化対策についてお答えをいたします。 公共施設等適正管理推進事業債は、公共用の建築物や橋梁などの長寿命化や適正化を推進するための地方債で、元利償還金の一部が普通交付税措置をされるものでございます。本市における公共施設の長寿命化事業については、原則として公共施設等適正管理推進事業債を活用することとしております。 このうち中央図書館及び総合産業展示館については、事業期間が令和4年度にわたるものですが、令和2年度に実施設計を行うものは経過措置が講じられ、令和4年度までにわたる大規模改修事業にも財源として活用できるものでございます。長寿命化対策に当たりましては、こうした国の財政措置をできる限り有効に活用し、計画的に推進をしてまいります。 ◎学校教育部長(伊熊規行) 次に、3点目、学校施設への対応についてお答えいたします。 1つ目の今後の施設整備の考え方と、2つ目の地域ぐるみの議論については関連がございますので、一括してお答えいたします。 今年度策定を進めています浜松市学校施設長寿命化計画は、浜松市公共施設等総合管理計画及び浜松市公共建築物長寿命化指針を上位計画としています。この長寿命化計画では、一斉に大規模改修や更新時期を迎える学校の建物について、使用目安を60年としていたものを、目標使用年数80年としています。建物の使用年数を延ばすため、施設保全の考え方をこれまでの事後保全から予防保全へと転換しました。おおむね築20年もしくは外壁や設備などの部位の更新周期をめどに、改修または更新をする小規模改修を実施します。さらに、築40年をめどに大規模改修を実施することにより、長期的なコスト縮減及び予算の平準化を図ってまいります。 今後についてですが、来年度からの5年間は本計画に基づき、従来の屋上防水や外壁改修などの小規模改修に加えて、更新時期を過ぎた施設の機能維持に大きく影響する受変電設備などの基幹設備の更新を重点的に実施してまいります。 また、保護者や地域の皆様を含めた議論の場を設け、関係者の御理解と御協力を得ながら、小中一貫校の設置などによる施設集約化やコスト縮減のための工事手法を検討した上で、大規模改修等の時期を含めた学校ごとの個別計画を策定し、計画的に長寿命化対策に取り組んでまいります。 ◆43番(太田康隆) 議長、43番。 ○議長(柳川樹一郎) 43番太田康隆議員。 ◆43番(太田康隆) (1)のですね、指針の改定への対応について再質問いたしますけれども、その前に経過を振り返ってみたいと思います。 私がここで確認したかったのは、浜松市の公会計改革とストック管理に関する先進性であります。12市町村合併の後、平成20年に資産経営課が設けられ、経営的視点でストック管理を行い、箱物資産については平成23年度以降、長寿命化計画が進められてきました。その後、公共施設等総合管理計画と整合させる形で、平成29年10月に新たな浜松市公共建築物長寿命化指針及び計画が示され、建築物の目標使用年数を80年に、築後20年と60年で小規模改修を、おおむね40年を目途に大規模改修を行うと。また、箱物資産のうち、一般施設については長寿命化計画により、一般施設以外は施設所管課の作成する個別計画により計画的改修を行うと、こうされているわけであります。 一方、地方公会計改革につきましては、平成27年度から3年をかけ、全国的に統一基準による整備が進められ、各都市で固定資産台帳や財務書類が作成をされました。これに対して浜松市は、早くから総務省方式改訂モデルを採用し固定資産台帳が整備をされ、ストック指標として、資産のすがたも公表されていて、ここで充足率などを使った進捗管理も行われていると、こういうことでございます。 そこで再質問ですが、森本財務部長にお尋ねいたします。 この固定資産台帳の基礎データは、現在、施設カルテに生かされております。さらに、公会計から得られる減価償却額などのデータを施設ごとのコスト分析に反映をさせて、公共施設等管理計画とリンクさせること、これも有効なのではないかと考えております。御所見を伺います。 ◎財務部長(森本哲司) ただいまの再質問にお答えいたします。 御指摘のとおり、施設カルテにつきましては、網羅的に施設の状況をまとめ、財務情報としては行政コストに加えまして、減価償却費やBS情報を記載したものでございます。この内容は、公会計の固定資産台帳からの情報でございまして、公会計とリンクされているものでございます。個別施設に係る財務情報を適切に執行管理いたしまして、充足率の目標達成に向けてこうした財務情報なども効果的に活用しつつ、存続・統廃合など施設の今後の方向性の検討や説明に積極的に生かしてまいりたいと考えております。 ◆43番(太田康隆) 議長、43番。 ○議長(柳川樹一郎) 43番太田康隆議員。 ◆43番(太田康隆) 平成30年3月に出された地方公会計の活用の促進に関する研究会報告書というのがありまして、これをたまたま見たんですが、先進的な地方公共団体として東京都、静岡県浜松市、千葉県習志野市などが固定資産台帳の更新実務の学ぶべき事例として紹介されていました。大変私はうれしく思いました。ぜひこの分野での浜松市の先進性をですね、今後も示していただきたいとお願いしておきます。 次へまいります。 4番目の質問です。行政のデジタル化について、内藤企画調整部長、川嶋総務部長にお尋ねをしてまいります。 2018年9月に、国領二郎慶応大学教授を座長とする、地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会、スマート自治体研究会が立ち上げられ、翌2019年5月24日、サブタイトルを「『Society5.0時代の地方』を実現するスマート自治体への転換」という報告書が出され、そのしばらく後、5月31日にデジタル手続法が公布されたわけであります。 デジタル手続法では3つの基本原則、すなわちデジタルファースト--個々の手続・サービスのデジタル化、ワンスオンリー--同じ情報は二度提出する必要がない--と、コネクテッド・ワンストップ--民間サービスを含め、手続・サービスをワンストップで実現する--のほか、行政手続の原則オンライン化--これについては地方公共団体は努力義務--や、行政機関同士の情報連携による添付書類の撤廃などが示されています。 そこで、以下4点についてお尋ねをいたします。 1点目は、デジタル手続法の成立により、当市にどのような影響が出ているのか。また、今後出てくると考えられるか。 2点目、行政のデジタル化を推進するための個別施策として、住民基本台帳法、公的個人認証法、マイナンバー法が改正をされました。このうち、個人番号制度いわゆるマイナンバーですが、社会保障分野での情報連携の拡大が打ち出され、2021年3月からは健康保険証利用もされるということであります。マイナンバーカードの普及を阻害していたのはセキュリティーへの不安とカードの利用価値の低さでした。 そこで質問です。マイナンバーカードのセキュリティー対策の状況と利用拡大の課題と見込みについてお尋ねいたします。 3点目は、昨年の市長のデジタルファースト宣言に続く、本年4月の推進事業本部の設置は、誠に時宜を得たものであって大いに期待をしております。国の2016年の官民データ活用推進基本法制定以来、世界最先端デジタル国家を目指す流れが進められ、本市では2019年2月に浜松市情報化基本方針が打ち出され、そこに示された5つの方向性の中に行政手続のオンライン化があります。デジタル手続法の目指すオンライン原則について、具体的にどうやるかということはいまだ明確になっておりませんが、しかし、法律が成立した以上、当市の浜松市情報化基本方針について新しい法律との整合を図っていく必要があると思いますがどうか伺います。 4点目は、浜松市の情報政策費は、平成30年度決算で庁内情報基盤維持管理に約15億円、これはアニュアリー、ほぼ毎年このぐらいなのかなと思います。また、これまで臨時的経費として平成23年、24年度には、住民基本台帳システム改修に11億6000万円、マイナンバー制度導入の平成26年から28年の3年間で合計41億8000万円という費用がかかっております。 情報システムは時代とともに陳腐化する宿命を持っております。行政機能の高度化には情報技術の活用は欠かせないとしても、効果的・効率的な運用が求められます。デジタル化の推進とコストについてどのように考えているかお尋ねをいたします。 よろしく御答弁ください。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎企画調整部長(内藤伸二朗) 1点目、デジタル手続法の成立における影響についてお答えをいたします。 本市ではこれまで、行政サービスをいつでも、どこでも受けられる電子自治体を目指し、施設予約システムまつぼっくりや住民票の写しなどを発行するコンビニ交付などに取り組んでまいりました。このような状況の中、国においては、令和元年5月にデジタル手続法が成立し、デジタルファーストなど情報通信技術を活用した行政の推進の原則や、行政手続のオンライン化のために必要な事項などが定められたところであり、その趣旨は、本市のこれまでの取組と一致していると認識しております。デジタル手続法の趣旨にもあるように、市民がICT技術の便益を享受できるよう、多様化するニーズに対し、新たなサービスや選択肢を提供することが重要です。書類の添付を不要とする自治体間における情報連携の対象事務拡大への対応や、民間手続を含めた行政手続のワンストップサービスの提供などに迅速かつ着実に取り組んでいく必要がございます。 このため、今後におきましてもデジタル手続法の趣旨を踏まえ、さらに本市における行政のデジタル化を進めてまいります。 ◎総務部長(川嶋朗夫) 次に、2点目のマイナンバーカードのセキュリティー対策及び利用拡大の課題と見込みについてお答えいたします。 セキュリティー対策については、ICチップの不正利用防止対応やカード悪用に対する罰則規定などを国の責任において設けております。併せて、個人情報の流出不安等を持つ国民に対し、各種広報を実施しており、市もこれに協力しております。 利用拡大の課題と見込みについては、国が健康保険証としての利用やお薬手帳の代替的な活用など、カードの利用メニュー拡大を進めており、本年9月にはカード保有者を対象にキャッシュレス決済で使用可能なポイントを付与する国の消費活性化策も予定されています。 このため、カード交付希望者は今後増加するものと想定され、市としても交付窓口の拡充など、必要な準備を進めています。 マイナンバーカードの保有者が増加すれば、カードそのものの付加価値が増し、浜松市情報化基本方針において推進する行政手続のオンライン化や新たな施策展開をより効果的に行うことが可能となります。 このため、市としても関係機関との連携強化や広報はままつ等での広報実施など、マイナンバーカードの普及促進を図る中で、市民サービスの向上や自治体の生産性向上に取り組んでまいります。 ◎企画調整部長(内藤伸二朗) 3点目の情報化基本方針とデジタル手続法との整合についてお答えをいたします。 浜松市情報化基本方針は、AI等を含む新しいICTの活用や可能性を探りつつ最大限に生かしていくため、3つのビジョンとその実現のための5つの方向性や考え方を示したものです。この基本方針は、他自治体との情報連携対象事務の拡大など、デジタル手続法の成立を念頭に置き策定したもので、法の趣旨と整合しているものと認識しております。現在、この基本方針に示した方向性を推進項目として位置づけ、クラウドへの移行や行政が保有するデータの利活用など、具体的な方策を順次定めているところです。 御指摘の行政手続のオンライン化については、短期的な計画を作成するため、オンライン化する手続の選定作業に着手をしております。また、基本方針は本市情報化の指針として策定しており、特に期間を定めるものではありませんが、新たな法律の成立やICTの動向、社会情勢等の変化に応じて適宜見直しを図ってまいります。 次に、4点目のデジタル化の推進とコストについてお答えをいたします。 情報化推進費に限らず、市の政策の推進に当たりましては、その目的や内容、費用対効果など様々な観点から検討した上で、実行に移す必要がございます。また、法改正への対応など必要不可避な事案に対しては、国庫補助金の活用や、内容によっては国に対しさらなる財政措置を要望していくことも必要です。マイナンバー制度導入への対応については、国からの補助金を活用した上でシステムの再構築を併せて取り組んでおり、特定の製品に依存しないパッケージシステムの導入や、カスタマイズを最小限に抑えることなど経費削減に努めるとともに、導入後のシステム運用に対して職員の負担軽減を図ることができたものと認識しております。 今後、人口減少が急速に進む中、市民サービスの向上と業務効率化のため、費用対効果を前提に情報通信技術を効果的・効率的に利活用してまいります。 ◆43番(太田康隆) 議長、43番。 ○議長(柳川樹一郎) 43番太田康隆議員。 ◆43番(太田康隆) 御答弁ありがとうございました。 意見を申し上げます。 デジタル手続法成立からですね、もうじき1年がたつんですけれども、これはデジタル化の原則や必要事項を規定した法律であって、具体的に何がどう変化したかというのがまだ我々には見えてきません。 マイナンバー制度の導入もですね、システム構築に41億8000万円、これ国庫補助が3.5億円、残り38億円というのは市の負担であります。これだけの巨費を投じて導入されたわけですが、平成28年1月からカードの交付が開始されて平成29年11月から法に基づく情報連携がスタートしました。課税、年金、健康保険などの分野では個人が特定・捕捉できて、行政内部でのメリットは十分発揮されているんでしょうけれども、市民側のメリットは見えてきません。また、業務量の削減や省力化にどれだけ貢献してきたかも不明であります。カードの導入から4年が経過します。時がたてばシステムは陳腐化するわけでありますので、更新にまた費用がかかるということになります。保有者が増加し、オンライン化による導入メリットが一刻も早く発揮されることを期待します。消費税に伴うマイナポイントも導入されますので、若干は上がっていくんでしょうけれども、期待をしたいと思います。 デジタル化は、行政手続がオンライン化され、添付書類が不要になるなど、場所と時間の制約から市民が開放されて、初めて市民側の利便性というのは向上します。実現の鍵はいわゆる標準化、システム間のデータの互換性が進み、行政機関同士の情報の連携が図られるかということでありますが、これについてはまだ時間がかかりそうであります。御答弁にあるように、市民サービスの向上と業務の効率化に結びつくよう、費用対効果を検証しながら、賢くデジタル化を進めていただきたいと思います。 スマート自治体研究会の指摘にこんなのがありました。不要にできる手続は不要にする努力をしたほうがよいと。そうでないと、非効率な手続を固定化することになるということであります。ぜひ御参考にしてください。 次へ移ります。今日傍聴の皆さん、これを楽しみに来ております。 5番目の質問、新東名高速道路周辺の道の駅構想について、市長にお尋ねをしてまいります。 先月、浜北副都心にぎわい協議会から、浜北区への道の駅の整備を前提に、道の駅基本構想の策定を求める提言書が市長に提出をされました。 浜松地域の交通の特徴は、平成19年のパーソントリップ調査でも明らかなように、自動車の分担率が約70%と極めて高い点であります。加えて、新東名の開通によって広域のネットワークが各段に向上しただけでなく、浜松・浜北インターチェンジ、浜松サービスエリアスマートインターチェンジの開設により、国道152号、国道362号を加えた新しい交通の流れが生まれました。 両インターチェンジ間の断面交通量は1日約5万9400台、これは令和元年12月の実績であります。インターチェンジの通行台数は、令和元年度の4月から12月までの平均で1日当たり浜松・浜北が6661台、スマートインターチェンジが2675台で、これは年々増加しております。 さて、全国に1160か所が登録されている道の駅ですが、制度化されてから25年が経過し、時代とともに内容も変化してきました。平成5年の創設期は、通過する道路利用者へのサービスの提供の場でした。平成25年頃からは、地域の拠点機能やネットワーク化が重視され、最近ではインバウンドや少子・高齢化社会への対応など、様々な機能が付加された第3ステージに入っていると聞いております。 浜北地域には近隣に類似施設がないので、一般的な道路施設としての休憩機能に加え、周辺の豊富な農産物や林産品、特に植木のまちとしてのブランドがあり、地場産業振興の意味も大きいと思います。また、南海トラフ地震が想定され、津波被害が心配される静岡県にあっては、救援物資の輸送は山側を通る新東名を中心に行われることが予想され、浜松・浜北インター周辺は、その意味でも防災拠点として重要な地域と言えます。 そこで、以下3点について伺います。 1点目、新東名浜松・浜北インターチェンジを見据えて浜北地域に道の駅を設置するべく、浜松市道の駅基本構想を策定する考えはないかお尋ねをいたします。また、防災拠点機能を備えた施設とすることについての考えを伺います。 2点目は、民間事業活動と一体的に実施する基盤整備の事業化検討に当たり、調査費について国土交通省の2分の1補助があります。今回のような民間主導で地域から提案されているものについては、こうした補助金の活用がふさわしいと考えますがどうか、お尋ねをいたします。 3点目は、今後の事業化に向け、現在に至るまでの地元の動きがあります。これに対して、今後、市はどのように支援していくお考えかお尋ねをいたします。 よろしくお願いします。 ○議長(柳川樹一郎) 当局からの答弁を求めます。 ◎市長(鈴木康友) 御質問の1点目、浜松市道の駅基本構想と、2点目、補助金の活用については関連がございますので、一括してお答えをいたします。 浜北副都心にぎわいづくり協議会の提言は、地域の課題解決や観光、産業振興等に向けて道の駅として求められる機能を踏まえた上で、基本構想策定の提案などがまとめられており、関係者の皆様が地域の発展を願い提出されたものと理解をしております。 道の駅に限らず、物販・飲食等、地域振興施設の整備につきましては、まず民間での整備・運営を前提とした事業収支の見極めが重要となりますので、まずは採算性を確保した上で、駐車場、トイレといった休憩機能や情報発信機能を持つ道の駅としての在り方について検討する順序立てになるものと考えております。 したがって、基本構想の策定や国庫補助金の活用については、民間の事業計画が具体化した段階で検討してまいります。 防災拠点機能について、現在、道の駅は国において、防災道の駅認定制度が検討されるなど、防災拠点としての機能強化が期待をされております。今後、地域振興施設の設置場所が絞り込まれた段階で、必要な防災機能についても検討してまいります。 次に、3点目、市の支援についてでございますが、今回の提言書は地域の貴重な御意見として受け止めております。提言書には、今後の検討に関して地域が主体となり、各関係者の御理解を得ながら、さらに進めることが大事であるとの考え方が示されております。 そこで、市としては、まず提言の実現可能性について専門的知見を有する開発事業者の意見やアイデアを伺う、いわゆるサウンディング型市場調査等を実施したいと考えております。 ◆43番(太田康隆) 議長、43番。 ○議長(柳川樹一郎) 43番太田康隆議員。 ◆43番(太田康隆) 御答弁ありがとうございました。 収支の見極めが重要であると、事業計画が具体化した段階で構想の策定については検討する。市として、必要な情報提供やサウンディング型市場調査等による支援をしていくということであります。かなり踏み込んだ御答弁だというふうに評価したいと思います。本当にありがとうございます。地域にとってもですね、実現可能性を高めるための検討を続ける力を得たというふうに思っております。 この際、にぎわい協議会について少し触れておきたいと思います。浜北区では、市町村合併後の平成21年に、行政、交通、居住、学術、研究など副都心としての機能充実を図るとした浜北副都心構想が新市建設計画搭載事業として策定をされました。染地台の開発、中瀬南部の区画整理事業、縁辺集落制度などによって、人口は1万人以上増加いたしましたが、ハード面での機能強化は滞っておりました。 そうした中、平成28年10月の区役所のなゆた移転を中心部の活性化と副都心づくりの契機にしようと、浜北副都心にぎわい協議会が民間の各界各層の集合体として平成26年9月に発足、平成28年8月には副都心を目指す基本計画を策定します。さらに4つの部会を設け、この基本計画に記載した事業について、協議会が主体的に行う事業と行政等に実施を促す事業に分類をしまして、定期的に協議と進行管理を行い活動を進めてきたものであります。 年1回開催のおもてなしフェスタ、都心部のマップ作り、赤ちゃんフォトコンテスト、都田地区へのバス路線検討などは、こうした協議会が主体的に行っている事業であります。そして、15回にわたる観光拠点部会の議論を経て、浜北区における道の駅構想が第17回目の協議会で了承をされ、市長に提言となったわけであります。こちらは行政等に支援をお願いする事業として分類したものでございます。 この活動の評価されるべき点はですね、全て市民や民間団体主導で調査研究がなされてきた点でございますので、今後もぜひしっかりと下支えをしていただいてですね、実現可能性に向けていくように御協力を賜りたいということをお願いしておきます。 今回の私の質問は、第32次地方制度調査会の中間報告に至るまでを振り返りつつ、課題を整理してみました。浜松市の総合計画のビジョンは、市民協働で築く「未来へかがやく創造都市」であります。市民協働が理念で終わることなくですね、バックキャスティングをして、高齢化による福祉分野で、あるいは少子化対策に、人口減少の中の公共施設の利活用、あるいはこうした地域提案の地域振興策など、様々な分野で市民協働という手法、市民協働というツールを使って、市と行政が一体となって有効に機能して、輝く都市へ結びついていくことを願いつつ、今回の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(柳川樹一郎) 以上で一般質問を終わります。----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) 次に、日程第3第66号議案令和元年度浜松市一般会計補正予算(第8号)から日程第5第68号議案浜松市立小学校、中学校及び高等学校の教育職員の給与等に関する特別措置条例の一部改正についてまでの3件を一括して議題といたします。 議題に対する市長の説明を求めます。 ◎市長(鈴木康友) ただいま御上程をいただきました議案につきまして御説明を申し上げます。 令和元年度浜松市一般会計補正予算(第8号)は、繰越明許費の追加でございます。 道路・街路事業など関係者との交渉に期間を要したことなどにより、年度内に完了しない見込みの事業費26億6248万4000円について、翌年度へ繰り越すものでございます。 続きまして、条例案でございます。浜松市営住宅条例の一部改正は、民法改正に伴う損害金の利率の改正、浜松市パートナーシップ宣誓制度の創設に伴う入居資格要件の緩和などを行うものでございます。 次に、浜松市立小学校、中学校及び高等学校の教育職員の給与等に関する特別措置条例の一部改正は、教育職員の在校等時間の上限等に関する方針について、教育委員会が定める旨の規定を加えるものでございます。 以上、追加議案につきまして、あらましを御説明申し上げました。よろしく御審議の上、御議決賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(柳川樹一郎) 以上で市長の説明は終わりました。 ただいま議題となっております議案のうち、第68号議案浜松市立小学校、中学校及び高等学校の教育職員の給与等に関する特別措置条例の一部改正については、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会に意見を求めたところ、お手元に配付しましたとおり回答がありましたので御報告いたします。----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) 引き続き別室で議案説明会を開きますので、休憩いたします。     午後2時55分休憩-----------------------------------     午後3時5分再開 ○議長(柳川樹一郎) 会議を再開いたします。----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) 第66号議案から第68号議案までの3件の議事を継続いたします。 ただまから、議題に対する質疑を許します。 質疑はありませんか。--発言がないようですので、質疑を打ち切ります。 ただいま議題となっております3件は、会議規則第35条第1項の規定により、お手元の議案付託件目表のとおり、それぞれの所管の委員会に付託いたします。----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) 次に、休会についてお諮りいたします。 議事の都合により、3月12日から23日までの12日間は休会することに異議ありませんか、     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(柳川樹一郎) 異議なしと認め、そのように決定いたします。----------------------------------- ○議長(柳川樹一郎) 次の本会議は、3月24日午後1時から開きます。 以上で本日の日程は終了いたしました。 御報告いたします。3月9日の酒井豊実議員の代表質問において一部不穏当発言がありましたので、後日、会議録を調査の上、議長のほうで善処いたしますので御承知いただきたいと思います。 本日は、これをもちまして散会いたします。     午後3時7分散会-----------------------------------       会議録署名議員        浜松市議会議長        浜松市議会議員        同        同-----------------------------------...