平成20年 2月 定例会(第1回) 平成20年3月10日◯議事日程(第5号) 平成20年3月10日(月)午前10時開議 第1
会議録署名議員指名 第2 代表質問 第3
一般質問 --------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程のとおり。
--------------------------------◯議場に出席した議員は54名、次のとおりである。 1番 鈴木 恵 2番 小沢明美 3番 嶋田初江 4番 渡邊眞弓 5番 小黒啓子 6番 北島 定 7番 山口祐子 8番 山崎真之輔 9番 田中照彦 10番 新村和弘 11番 早戸勝一 12番 波多野 亘 13番 西川公一郎 14番 小倉 篤 15番 田口 章 16番 鳥井徳孝 17番 山本博史 18番 野尻 護 19番 湖東秀隆 20番 鈴木滋芳 21番 関 イチロー 22番 河合和弘 23番 飯田末夫 24番 花井和夫 25番 渥美 誠 26番 大見 芳 27番 松下正行 28番 黒田 豊 29番 袴田修司 30番 樋詰靖範 31番 和久田哲男 32番 氏原章博 33番 酒川富雄 34番 高林一文 35番 鈴木浩太郎 36番 太田康隆 37番 吉村哲志 38番 桜井祐一 39番 長山芳正 40番 中村哲彦 41番 斉藤晴明 43番 二橋雅夫 44番 丸井通晴 45番 今田欽也 46番 小松錦司 47番 鈴木育男 48番 遠藤隆久 50番 高林龍治 51番 内田幸博 52番 立石光雄 53番 松下福治郎 54番 中村勝彦 55番 柳川樹一郎 56番
酒井基寿◯出席議会書記の職氏名 事務局長 鈴木利房 事務局次長(
議事調査課長) 吉山則幸
議会総務課長 大林幸廣
議事調査課長補佐 山本 泉
議会総務課長補佐 佐野 晃 主幹(
調査法制担当) 小宮山敏郎 副主幹 葭川博志 事務職員 小池恒弘 事務職員 中村浩三 事務職員 北畠章吉 事務職員 田代智成 副主幹(
調査広報グループ長) 高林俊介 事務職員 三輪俊介 事務職員 岩本 篤 事務職員 鈴木麻子 事務職員
古橋輝哉◯議会説明者の職氏名 市長 鈴木康友 副市長 飯田彰一 副市長 山崎泰啓 副市長 花嶋秀樹
政策調整広報官 山下隆治 総務部長 鈴木伸幸 企画部長 齋藤愼五 財務部長 平木 省
生活文化部長 徳増幸雄
社会福祉部長 石塚猛裕
こども家庭部長 河村良枝
健康医療部長 鈴木 勲 保健所長 西原信彦 環境部長 尾高紀夫 商工部長 鈴木將史
農林水産部長 伊熊 守
都市計画部長 織田村 達
公園緑地部長 大石静夫 土木部長 大塚幸作
建築住宅部長 松本直己 中区長 太田純司 東区長 安間雄一 西区長 稲垣佳文 北区長 長山久幸 浜北区長 市川登喜男 天竜区長 袴田幸郎 総務部次長(秘書課長) 財務部次長(財政課長) 寺田賢次 杉山浩之 教育長 高木伸三
学校教育部長 古橋利広 水道事業及び
下水道事業管理者 上下水道部長 鈴木梅夫 鈴木俊廣 消防長 森 和彦
監査事務局長 川合文男
-------------------------------- 監査委員 鈴木幸作 監査委員 飯尾浩之
-------------------------------- 午前10時開議
○議長(酒井基寿) ただいまから、本日の会議を開きます。
--------------------------------
○議長(酒井基寿) 本日の日程に入ります。 本日の議事日程は、お手元に配付した日程のとおりであります。 最初に、日程第1
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第78条の規定により、7番
山口祐子議員、24番
花井和夫議員、43番
二橋雅夫議員を指名いたします。
--------------------------------
○議長(酒井基寿) 次に、日程第2代表質問を3月7日に引き続き行います。 最初に、
日本共産党浜松市議団代表6番北島定議員。(拍手) 〔北島 定議員登壇〕
◆6番(北島定) 皆さん、おはようございます。 それでは、
日本共産党浜松市議団を代表しまして質問を行います。 1点目は、
学校給食偽装請負問題であります。 今、耐震偽装から始まりまして食品の表示偽装など、社会に対する国民の不信感が増大しておりますが、本市の
学校給食偽装請負に対する市民の関心もまた高まってきております。
日本共産党浜松市議団は、1月8日、
厚生労働省静岡労働局に対して
学校給食業務民間委託についての申し入れを行いました。ちょうどその日の新聞記事には、市内における
グッドウィルの二重派遣の記事が大きく掲載されておりましたが、その
グッドウィルに対して
事業停止処分が行われたのは既に御承知のとおりであります。こうした事件を通して、二重派遣や偽装請負が社会に蔓延しているということが国民の前に明らかになったわけであります。 さて、静岡労働局への申し入れの内容の1点は、浜松市と受託業者で締結した
委託業務契約書は、職業安定法に基づく請負の区分基準に反しており、偽装請負に該当すると考えるがどうか、こういうことであり、もう一点は早急に厳正な指導監督を求める、こういうものであります。静岡労働局はこの申し入れを真摯に受けとめ対応するとして、1月11日に書面だけの判断は困難であるため、関係書類及び現場の確認、関係者からの聴取等、実態により総合的に判断し、指導監督をする、こういう回答をしてきております。そして、この間、学校給食に関するヒアリングや実態調査等が実施され、静岡労働局は厚生労働省などへの確認をする中で、調査結果に基づく回答をすると、こういうことであります。静岡労働局の回答は本市にとどまらず、全国の自治体にも大きな影響を及ぼすこととなることから、今、関係者からは関心を持って注目されているところであります。そこで、改めて、学校給食の民間委託は請負要件を満たしていると考えているのか、また静岡労働局から是正指導があれば、市としてどのように対応するのかお伺いいたします。 次に、
官製ワーキングプア問題についてお伺いいたします。 貧困と格差の広がりが社会的問題となっているもとで、自治体においても増大する非正規職員の雇用の安定と労働条件の抜本的な改善は喫緊の課題となっております。現在、全国に約40万人を超え、平均年収が200万円以下の
官製ワーキングプア、いわゆる働く貧困層問題がクローズアップされているところであります。民間においては、4月からは正社員の登用制度を義務づけた改正パート法が施行されることもあって、パートや契約社員など非正社員を正社員化する動きが出始めているところであり、自治体においてもその対応が求められてきておりますが、この
官製ワーキングプア問題に対する市長の認識をまず最初にお伺いいたします。 2点目は、本市においても非正規職員の割合が年々増加しておりますが、この状況に対する認識をお伺いいたします。入手した資料によりますと、平成19年4月1日現在、正規職員6216人に対して非常勤職員が861人、臨時職員が274人となっており、こうした非正規職員が全体に占める割合は15.4%となっております。とりわけ保育園では35%、幼稚園では30%、図書館に至っては40%をはるかに超えておりますが、こうした状況をどのように認識しているのかお伺いいたします。 3点目は、政府も生活保護費よりも低い最低賃金の是正に動き始め、07年人事院勧告では非常勤職員の処遇と位置づけの検討の必要性を勧告するなど、非常勤職員について実態把握に努め、実態に合った適切な給与が支給される必要な方策について、位置づけを含めて検討するとの報告が出されており、非正規職員の待遇の是正が求められています。御承知のように、本市の場合、非正規職員には昇給制度も退職制度もありません。保育士や幼稚園教諭の賃金は、勤続年数に関係なく日額8050円、また非常勤職員の場合でも月額報酬14万8500円から16万2500円となっており、生活保護費と同等か、それよりも低いというのが実際であります。このようなことから、非正規職員の賃金は、正規職員と同じ仕事をしていても何年働こうが、いつまでたっても正規職員の数分の1という劣悪さにとどまっております。こうした状況に置かれている非正規職員は、
官製ワーキングプアと言われており、非正規職員の待遇改善は待ったなしでありますが、これに対する認識をお伺いいたします。 次に、
中心市街地活性化問題についてお伺いいたします。 先日、フォルテを運営する第三
セクター浜松都市開発株式会社の社長が、ビルを年内に売却したいとの意向を明らかにしております。その内容は、建物の売却先については遠州鉄道を最優先とする、またビルに入居する
民間テナントに対し、9月末までの退去を正式に要請することが取締役会で了承されたとのことであります。しかし、そのとおりにいくのかどうかは、今後の
中心市街地活性化計画の中心的事業である松菱跡地への大丸の進出が大きなかぎを握っていることは衆目の一致するところであり、フォルテに対する対応を一歩間違えば、本市の
中心市街地活性化は10年、20年とさらに遠のくこととなります。その意味で、
中心市街地活性化問題はまさに正念場に来ていると思いますが、このような状況をどのように認識し対応するのか、市長の考えをお伺いいたします。 まず1点目は、大丸進出に対する現状認識と見通しであります。本市は中心市街地の再生に向けて、
都市再生緊急整備地域の指定により、世界都市としての国際競争力や
政令指定都市としての魅力向上につながる
民間プロジェクトの重点的な誘導を図るとしております。具体的には、松菱跡地への大丸進出に向けての
都市再生特別地区の
都市計画決定の告示を去る2月28日に行うなどの手続が進められてきております。しかし、現状は事業に対する権利者の同意が思うように進んでおらず、大丸の進出は極めて厳しい、こういう状況にあると思われますが、このような現状への認識と見通しをどのように見ているのかお伺いいたします。 2点目は、大丸進出の成否は
フォルテ売却のスキームにも影響を及ぼすことになります。場合によっては、
フォルテ売却は予断を許さない状況となることも考えられますが、いかがでしょうか。 3点目は、このように考えますと、
フォルテ売却に対しては情勢の変化に柔軟に対応できる政治的・行政的手腕が求められてまいります。
行革審言いなりに売却するという短絡的な思考ではなく、情勢をしっかり見きわめる中での判断が今後必要となってくるのではないかと思われますが、こうした問題への市長の認識をお伺いいたします。 次に、上島駅
周辺土地区画整理事業について4点お伺いいたします。 上島駅
周辺土地区画整理事業の白紙撤回を求める会が裁判に訴えた本事業の決定の取り消しについて、昨年の暮れに最高裁第三小法廷より大法廷に回付され審議されることになりました。これによって、昭和41年の事業計画は抽象的な青写真にすぎないとする青写真判決の判例が変更される可能性が高くなってきております。今後の裁判の成り行きが注目されておりますけれども、この状況に対する認識をお伺いいたします。 2点目であります。白紙撤回を求める会の皆さんは、平成16年2月20日に
静岡地方裁判所に事業計画の決定の取り消しを求める訴訟を起こし、一審、二審での却下、棄却の判決を経て現在に至っておりますが、その裁判の原動力となっているのが市の理不尽なやり方に対する怒りであり、告発であります。そこでお伺いしますのは、平成9年に浜松市は2地区の
土地区画整理事業を取り下げることを地元に通知していながら、一方で国土交通省に対する遠
鉄高架事業採択要望書では、上島駅西地区を初めとする3地区が
土地区画整理事業の施行予定と記載されていることであります。これは何ら住民の関知しない事業が虚偽記載され、国土交通省の認可を受けているということになりますが、これが事実としたならば事は重大問題であると考えますが、この点いかがでしょうか。 3点目は、平成14年度
高架事業採択要望書には、住みよい
まちづくり委員会の提案に基づいて当局はこの事業を決定したと記載されております。だとするならば、自治会の下部組織であり、何ら権限のない単なる任意団体の意見で重要な事業を決定したということになりますが、これに対する見解をお伺いいたします。 4点目は、審理が差し戻される可能性が高く、判決次第では事業に大きな影響が出てくることになります。今後の対策としては、判決が出るまで仮換地指定などを一時凍結するなどの慎重な対応が求められていると思いますが、この点どのように対応するのかお伺いいたします。 次に、
ホームレス死亡事件と今後の対策についてお伺いいたします。 去る11月22日に、警察の公式発表では70歳でありますが、このホームレスの女性が市役所玄関前で倒れ、搬送先で命を失うという痛ましい事件が起こりました。このことから、
日本共産党浜松市議団はホームレスの生命と健康を守るための緊急申し入れを行い、市の対応を求めてきたところであります。また、
生活保護問題対策全国会議や
生活保護支援ネットワーク、浜松生活と健康を守る会などの支援団体からは、死亡事件の真相解明を求める要望書や第三者機関の設置による検証などを求める陳情書などが当局に提出されてきております。生活保護法第7条や25条では要保護者が急迫した状況にある場合には、職権による保護の開始ができることが定められているにもかかわらず、なぜ職権による急迫保護をしなかったのか、市の対応に疑問を投げかけざるを得ません。そこで、ホームレスの死亡事件と今後の対策について、市長の認識をお伺いいたします。 1点目は、この死亡事件に対する市の対応は適切だったと考えているかということであります。この事件の当局の対応状況は記録に示されたとおりでありますが、市の見解は、市においては職務を逸脱した行為や法的な義務を果たさなかったという不作為は認められなかった、こういうものであります。しかし、これに対しては諸団体から、なぜ女性を医療機関に搬送しなかったのか、急迫状態にある女性をなぜ職権保護をしなかったのか、4日間も食べていない女性に対して、なぜ非常食を渡したのか等々の疑問や批判の声が上がりました。憲法第14条では法のもとでの平等、第25条では生存権の保障について、また第99条では公務員の
憲法尊重擁護義務を規定しておりますが、市役所の正面玄関で1時間以上も放置されて、御飯が食べたい、こう言って息を引き取った女性の死は、職権による急迫保護をしなかったことに起因していると考えられます。このことから、行政の長である市長の責任は免れないと、このように認識しております。そこで、最初に、ホームレスの女性の死亡事件に対する市の対応について、市長の認識をお伺いいたします。 2点目は、女性は4日間食事をとっていない、御飯が食べたいとの懇願に対して、なぜ市は非常食しか与えなかったのか理解できません。女性は1時間も市役所玄関前で放置された結果、
心肺停止状態に追い込まれ、搬送先で息を引き取りましたが、このような事件を二度と繰り返さないためには、庁内の内部調査だけでは不十分であります。第三者機関による事件の再検証を行うべきだと思いますが、市長の認識をお伺いいたします。 3点目は、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法及びホームレスの自立の支援等に関する基本方針では、ホームレスの就業の機会の確保や安定した居住の場所の確保、保健及び医療の確保など12項目の取り組み方針が示され、その中では基本方針や都道府県の策定した実施計画に即して、必要に応じて
ホームレス対策に関する実施計画を策定し、それに基づき、地域の実情に応じて計画的に施策を実施するとあります。今回の事件の反省の上に立っての
ホームレス対策は重要かつ喫緊の課題だと考えますが、具体的にはどのように施策を講じていくのかお伺いいたします。 次に、
自然保護対策についてお伺いいたします。 静岡県では平成17年度に
レッドデータブックを作成し、絶滅の危機に瀕している動植物の状況に警告を発し、自然保護の条例の制定などの施策の必要性を訴えております。言うまでもなく、野生生物は人類の生存の基盤である生態系の
基本構成要素であり、その多様性によって生態系のバランスを維持しております。また同時に、生活に潤いや安らぎをもたらす存在として、人間の豊かな生活に欠かすことのできない役割を果たしていることから、野生生物の種の絶滅を防ぐことは種の多様性を守っていくことにつながり、その保存は極めて重要であると言われております。しかし、今日さまざまな人間活動によって多くの種が絶滅し、また絶滅のおそれのある種が数多く生じていると言われており、こうした種の絶滅は野生動植物の多様性を低下させ、生態系のバランスを崩すおそれがあるばかりでなく、人類が享受することができるさまざまな恩恵を永久に消失させることにもつながると言われております。このようなことから、浜松市
環境基本計画では貴重動植物に関する調査研究や保護・保全対策の充実がうたわれておりますが、貴重動植物の保護に対する施策について2点お伺いいたします。 その1点目は、市内の絶滅危機に追いやられている野生動植物の実態を調査する必要性について、どのように考えておられるのかお伺いいたします。 2点目は、浜松市
版レッドデータブックの作成や
希少野生動植物の保護に関する条例の制定など、総合的な保護対策を検討する必要性があると考えますが、その認識をお伺いいたします。 次に、
ごみ処理有料化計画についてお伺いいたします。 浜松市
一般廃棄物処理基本計画の
ごみ処理基本計画編では、ごみの排出抑制や再生利用の推進、ごみの排出量に応じた負担の公平化などを理由に、ごみ処理の有料化の検討を打ち出しております。しかし、ごみ処理の有料化に関しては、市民からは税金の二重取り、有料化してもごみの減量にはつながらない等々の指摘する声がたくさん出されてきており、
ごみ処理有料化に対する市民のアレルギーは極めて強いと言わざるを得ません。そこで、
ごみ処理有料化に対する市長の考えを4点お伺いいたします。 その1点目でありますが、当局の資料に基づいて計算しますと、1袋45リットルにつき50円の場合、年間1世帯当たり8400円の負担になります。市民全体では何と26億円もの大変な負担増が押しつけられることになります。今日の厳しい家計を取り巻く状況を考えれば、市民からは反対の声が上がるのは当然でありますが、このようなごみ処理の有料化による住民負担増をどのように考えているのか、お伺いいたします。 2点目は、
ごみ処理有料化ともなれば、条例を制定して
ごみ処理手数料を徴収することになります。しかし、地方自治法第227条では、特定の者のためにするものにつき手数料を徴収することができると、このように規定しておりますように、全市民を対象とする手数料は徴収できない、こういう声もあり、今裁判にもなっているところでありますが、この問題に対してどのような見解を市長はお持ちなのか、お伺いいたします。 3点目は、有料化しても、どこの自治体でも
ごみ減量効果は一時的なものに終わっており、有料化によるごみ減量は期待できないと考えますが、この点どのように認識されているのか、お伺いいたします。 4点目は、有料化よりも3R(リデュース、リユース、リサイクル)のごみ減量の推進、
拡大生産者責任の導入などを積極的に進めるべきであります。これに対するお考えをお伺いいたします。 次に、医療公社問題について7点お伺いいたします。 1点目は、4月から
リハビリテーション病院が医療公社から
聖隷福祉事業団に移管されますが、
リハビリテーション病院の地域医療に果たす役割をどのように考えているのか、お伺いいたします。 2点目は、
聖隷福祉事業団の指定期間は3年間となっており、その先どうなるのか非常に不透明であります。リハビリは不採算部門ということから、
聖隷福祉事業団が指定管理者を辞退する場合も考えられますが、そうなった場合の対応をどうするのかお伺いしたいと思います。 3点目は、医師不足は
リハビリテーション病院の経営に大きな影響を及ぼすことになりましたが、その原因はどこにあると今考えているのか、お伺いいたします。 4点目は、医療公社に対する市の改善勧告及び回答に対して、副理事長や理事に就任している市の幹部は周知していなかったことは驚きであります。これは経営に責任を持たなければならない理事としての職務を放棄していたことになり問題でありますが、これについての考えをお伺いいたします。 5点目は、行革審はこれまで医療公社に対する市の繰り入れについて、市の負担金や赤字補てんには問題があると妥当性を欠く批判を繰り返してきましたが、言うまでもなく、医療公社に対する市からの繰り入れは法律に基づくものであり、何ら問題はないと考えますが、行革審の繰り入れに対する批判についての認識はどうか、お伺いいたします。 6点目は、行革審が経営の専門家を就任させ、責任の明確化を図れと、このように指摘してきたことから、医療公社の理事長が3月末で退任し、その後任に副市長が就任することになりました。新聞報道によれば、市は公社の経営改革に主体的に取り組むためには、現状の課題を熟知している行政のトップがふさわしいとのことでありますが、副市長は現状をどのように熟知しているのかお伺いいたします。 7点目は、本市は総務省の
公的ガイドラインに基づいて、医療公社の
地方独立行政法人化を検討する方向を打ち出しましたが、果たして
地方独立行政法人化で市民の生命と健康は守られるのか、非常に疑問であります。この点どのように考えているのか、お伺いいたします。 最後になりますけれども、農業委員会からの要請についてお伺いいたします。 浜松市内の全農業委員会から、必置規制の堅持に関する要請及び
農地政策見直しに関する要請がなされております。これは農業委員会の果たしている役割、そして今後の農地施策を考えれば、農地を守る番人としての農業委員会の当然の要請と考えますが、この要請に対する市長の認識をお伺いしたいと思います。 以上、大きく9項目にわたって質問いたしました。御答弁によりましては、再度質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。 〔鈴木康友市長登壇〕
◎市長(鈴木康友) おはようございます。 それでは、第6番
日本共産党浜松市議団代表北島定議員の御質問にお答えいたします。 御質問の第1番目、
学校給食偽装請負問題についての1点目、学校給食の民間委託は請負契約4要件を満たしていると考えているかということについての御質問にお答えいたします。 請負契約であるための要件が、職業安定法施行規則第4条第1項第1号から第4号までに規定されております。本市の学校給食調理業務委託につきましては、受託者が学校給食を提供することすべての責任を負い、受託者の雇用する労働者は受託者みずから管理し、業務の指揮監督を行っております。受託者が雇用する労働者についても、労災保険に加入するなど、使用者としての法律上の責任を負っております。また、調理業務は、受託者みずからの専門的経験・知識に基づいた調理業務を行い、単に肉体的な労働力を提供するものではないと考えております。以上のことから、本市の学校給食調理業務委託契約においては、請負契約についての要件を満たしているものと認識いたしております。 次に、2点目の静岡労働局から是正指導があれば、どのように対応するかについてお答えいたします。1月31日と2月7日に静岡労働局により保健給食課、学校及び受託業者に対して聞き取り調査が行われました。現在、静岡労働局から調査に基づく結果についての連絡はございませんが、指導、助言等をいただいた場合は適切に対処してまいりたいと考えております。 次に、御質問の2番目の1点目のいわゆる非正規職員の処遇についての認識でございますが、本市におきましても、常時勤務をする一般の職員以外に、非常勤職員や臨時職員がそれぞれの職場において公務に従事いたしております。これらの職員の給与や雇用などの勤務条件につきましては、一般の職員と同様に、納税者である市民の皆様に理解いただけるものでなければならないと認識しております。 次に、2点目の非正規職員の割合が高くなっていることについての認識でございますが、非常勤職員、臨時職員ともに一般の職員の職務を補完するものとして、効率的な行政運営を目指す観点から必要な職であり、今後も引き続き活用してまいります。これらの非常勤・臨時職員の配置についてはそれぞれの業務内容に応じた配置をしており、一般の職員数との比率のみをもって一概に評価することができるものではありません。定例的・定型的業務の比重が高い業務には非常勤・臨時職員がより多く配置され、より総合的な知識・経験が求められる部門ではその比率が低くなります。非常勤・臨時職員の配置については、常にその職務上の必要性を検討し、より効率的な行政運営を目指す中で、今後も適正な配置に努めてまいります。 次に、3点目の非常勤・臨時職員の処遇改善につきましては、一般職員との均衡を図る中で決定することとしております。しかし、これらの職員につきましては、現行の地方公務員制度におきましては、一定の期間での雇用となりますことから、長期・継続的な雇用を前提とした昇給、退職金などの処遇はなじまないものでございます。安定した公務運営を維持するためには、これらの職員が安心して公務に専念できる環境を維持することが重要であることから、今後とも適正な処遇を図るための調査研究を続けてまいりたいと考えております。 次に、御質問の3番目の
中心市街地活性化問題についての1点目、大丸百貨店の進出に関する現状への認識と見通しについてお答えいたします。 松菱百貨店跡地の再生事業につきましては、平成18年7月に大丸百貨店から具体的な検討を行うための協議に着手するとの報告を受け、関係権利者全員の事業に対する前向きな意思を確認した上で、全員同意による事業実施を前提とし、事業計画に対する合意形成を初め、施設建築物の計画、都市計画等の関係手続を並行して進めてまいりました。こうした中、当該地区を対象とする
都市再生特別地区の
都市計画決定が告示された2月28日の段階で、関係権利者全員の同意に至らなかったことについては、市としても重く受けとめており、何としても克服しなければならない課題であると認識しております。一方で、現在、関係者間の合意形成に向けた調整が精力的に進められていること、また大丸百貨店におきましても、地元関係者の動向・事業の進捗状況を踏まえた上で、3月1日をもって大丸浜松店出店計画室を東京から浜松に移転し業務を開始するなど、出店に向けて環境が着々と整えられております。市としましても、事業関係者全員の御努力によって必ずや事業が完遂すると考えており、できる限りの支援をしてまいりたいと存じております。 次に、御質問の3番目の
中心市街地活性化問題についての2点目と3点目の御質問につきましては、関連がございますので一括してお答えいたします。 フォルテは土地・建物一体での売却を基本とし、現在、売却先として遠州鉄道株式会社を第1候補と考えております。これは、同社が浜松都市開発株式会社と建物を区分所有していること及び基本協定により第三者への譲渡が制限されていることなどによるものでございます。現在、遠州鉄道株式会社におきましても、土地・建物の購入を前向きに御検討いただいておりますので、本市といたしましても、浜松市の顔にふさわしい中心市街地のにぎわいに寄与できる土地利用を要請してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、今後、詳細をお示しすることができるよう、引き続き協議を進めてまいります。 次に、御質問の第4番目、上島駅
周辺土地区画整理事業についての1点目、裁判に訴えた事業計画決定の取り消しについて、最高裁判所大法廷に回付されたことに対する認識についてお答えいたします。 今回の最高裁判所の決定につきましては、従来の
土地区画整理事業計画の決定は行政処分とみなされず、取り消し訴訟も認められないとした判例について、見直しを含めた審議がされるものとの見方があることも承知しておりますが、現時点では最高裁判所の判断が出ていないことから、今後の審議を見守ってまいりたいと考えております。 続きまして、2点目の遠
鉄高架事業採択要望書に住民の関知しない事業が記載され、国の認可を受けていることについてお答えいたします。遠州鉄道高架化事業につきましては、都市交通の円滑化、踏切事故の解消とともに、市街地の一体化に寄与することを目的に、平成10年に新規着工準備箇所の採択を受け、平成16年11月、静岡県が国の事業認可を得て施行しているものでございます。御指摘の事業採択の要望書につきましては、新規着工準備箇所の採択に向けて平成9年7月に静岡県が国に要望したものであり、一体的にまちづくりを行うことで効果ある整備候補地3地区を関連事業として記載したものであると考えております。 続きまして、3点目の住みよい
まちづくり委員会の意見で事業を決定したことに対する見解についてお答えいたします。住みよい
まちづくり委員会は、上島地区のまちづくりを推進するため、自治会役員及び当事業地権者を含む関係権利者により組織され、平成11年に発足したものでございます。委員会の活動内容としまして、地域の課題を整理、検討する中で、上島駅周辺整備区域等についての案をまとめ、関係者との話し合いと市への提案を行ってまいりました。こうした活動を受け、市では全体説明会、現地相談会を開催するなど、地元の意向を十分把握した上で、上島駅周辺での遠州鉄道高架化事業と
土地区画整理事業との一体的整備が必要と判断し、
都市計画決定などの諸手続を進めてきたものでございます。 続きまして、4点目の判決が出るまで仮換地指定等を一時凍結するなどの慎重な対応についてお答えいたします。当事業での仮換地の指定状況につきましては、平成19年7月に仮換地案について個別説明を行い、同年10月に10画地9名につきまして仮換地指定を行ったところでございます。残りの区域の仮換地指定につきましても、理解が得られたところから順次行ってまいりたいと考えております。また、本地区におきましては、遠州鉄道高架化事業にあわせ、都市の骨格となる有玉南中田島線、下石田細江線の整備とともに、地域住民の生活の利便性の向上や東西一体となったまちづくりのためには、区画整理事業の早期完了が必要であると考えております。こうしたことから、現段階では事業を一時凍結することは考えておりません。いずれにいたしましても、関係権利者と十分話し合いをする中で事業を進めてまいりたいと考えております。 次に、御質問の第5番目、
ホームレス死亡事件と今後の対策についての1点目、死亡事件に対する市の対応についてお答えいたします。 最初に、昨年11月22日、浜松市役所を訪れたホームレスの女性が、その後、体調が急変し、搬送先の病院においてお亡くなりになられたことにつきましては、とうとい人命を失うという大変残念な結果となりました。衷心よりお悔やみを申し上げます。 さて、市の対応についてでございますが、市役所にこの女性を送り届けた中消防署救急隊及びその後に対応した職員は通常の事務分掌に従い、職務上の権限に基づき対応していたものでございます。職務を逸脱した行為や法的な義務を果たさなかったという不作為はなかったと考えております。 次に、2点目の第三者機関による検証についてお答えいたします。今回の事例について、市としては、業務時間中のことであり、職員として法を逸脱した行為がなかったか、定められたなすべき義務を果たさなかったことはなかったかを中心に検証を進めた結果、そうしたことはなかったと判断し、支援団体や関係者等には報告書にまとめ示しておりますので、第三者機関による検証は考えておりません。 続きまして、3点目の
ホームレス対策に関する今後の施策についてお答えいたします。本市における
ホームレス対策としては、
政令指定都市移行後に本庁及び区役所で引き続き
ホームレス対策会議を設置し、本庁の福祉総務課、区役所の社会福祉課が事務局となり、ホームレスに関する総合的な取り組みの推進を図っており、定期的にホームレスに関する調査、巡回指導・相談等を行い、自立支援につなげております。今後におきましては、地域社会におけるホームレスに関する問題の解決を図ることを目的として、国のホームレスの自立の支援等に関する特別措置法及び基本方針並びに静岡県におけるホームレスの自立支援等に関する基本方針に即した
ホームレス対策に関する実施計画の策定に向けて準備を行ってまいります。実施計画では、国の基本方針や県の推進方針にあります生活上の相談、就業機会の確保や安定した居住場所の確保等に加え、今回の事例を踏まえて、特にホームレスに関する事前の情報収集のあり方や警察、消防、病院などの関係者による協議の場の設置等についても検討してまいりたいと考えております。 次に、御質問の第6番目の
自然保護対策についての1点目、市内の絶滅危機に追いやられている野生動植物の実態を調査する必要性と、2点目の浜松市
版レッドデータブックの作成や
希少野生動植物の保護に関する条例を制定し、総合的な保護対策を検討する必要性につきましては、関連がございますので一括してお答えいたします。 本市は起伏に富んだ広大な市域を持ち、多様な自然環境を擁することから、市の天然記念物として指定されているギフチョウやアカウミガメなどを初め、貴重な動植物の生息地が多数存在し、国や県のレッドリストに該当する動植物も数多く確認されております。本市の野生動植物に関する調査は、旧浜松市と旧浜北市において実施された自然環境調査がありますが、これらは大半が身近な種に限定した調査であり、野生動植物の生息・生育状況を十分に把握できていないのが現状です。野生動植物は、生態系の重要な構成要素として、市民の生活基盤である自然環境の維持のため大切な役割を果たしており、環境と共生する
政令指定都市を目指す本市にとり、この調査は重要なものであると認識しております。しかし、調査は季節ごとに実施するため、通常、多額の費用と多くの労力が必要になると言われております。このため、まずは地元の自然環境団体・専門家などが持つデータや関係団体のネットワークを活用し、市民と協働して調査・検討を進めるための体制づくりに着手するとともに、静岡県が作成した静岡県
版レッドデータブック2004などの既存資料の分析・整理を進めてまいりたいと考えております。 また、保護条例を制定し、総合的な保護対策を検討する必要性についてでございますが、現在、動植物の保護に関する条例としては、ギフチョウの保護に関する条例、アカウミガメの文化財保護条例などが制定されております。今後は、さきに述べた希少動植物の分析結果などを踏まえ、必要があれば、新たな条例制定を検討してまいりたいと存じます。 次に、御質問の第7番目、
ごみ処理有料化計画についての1点目の
ごみ処理有料化による住民負担増をどのように考えているかという御質問にお答えします。 ごみ処理の有料化の導入を検討するに当たっては、市民の皆様に一定の経済的負担を求めるものであることから、ごみ処理の現状や処理コストなどに関する情報提供など、説明責任を果たすことにより、市民の皆様の御理解と協力を得て進めることが重要であると考えております。ごみ処理の有料化により、ごみの排出量に応じた負担の公平性が確保され、ごみの排出抑制や再生利用への市民の意識改革などが図られます。各家庭でのごみの減量により、処理コスト全体の軽減につながる施策と考えております。 次に、2点目の地方自治法第227条に関する見解についてお答えいたします。地方自治法第227条は、手数料の徴収を行うことができるという規定と認識しております。したがって、同法第228条に基づきごみ処理に係る手数料を条例化すれば徴収することができると考えております。なお、現在、有料化については全国の約45%の市が導入しております。また、粗大ごみ収集については、
政令指定都市の約80%が導入しており、法律解釈の点では問題ないと考えます。ちなみに、裁判の件は藤沢市での事例かと思いますが、藤沢市は昨年10月に有料化が導入されております。 続きまして、3点目の減量効果は一時的なもので期待はできないと考えるが、どうかという御質問にお答えいたします。ごみ処理の有料化を導入している自治体には、効果が持続しなかった事例が見られるとの見解でございますが、ごみ減量に効果を上げている事例も多く見られます。ちなみに、藤沢市では、有料化後、例年の約20%減量できたと聞いております。こうした他都市の事例等も考慮し、導入に当たっての検討材料としたいと考えております。 続きまして、4点目の有料化よりもリデュース、リユース、リサイクルの3Rのごみ減量の推進、
拡大生産者責任の導入などにより進めるべきではないかという御質問にお答えいたします。現在、策定している
一般廃棄物処理基本計画では、3Rによりごみの減量を推進することとしており、
拡大生産者責任についても、資源有効利用促進法の見直しなどを他の自治体と連携して国に働きかけていくこととしております。もちろんごみ処理の有料化は唯一の減量手段ではなく、さまざまな取り組みの一つであると考えております。導入に当たっては、市民の皆様の理解が不可欠でありますので、さまざまな方法で御意見を伺い、議論を深めてまいります。 次に、御質問の第8番目、医療公社問題についての1点目、
リハビリテーション病院の地域医療に果たす役割についてお答えいたします。 リハビリ病院は、専門的リハビリ医療を提供する地域のリハビリ医療の中核医療施設として開設したものでございます。リハビリ病院が実施してきた回復期リハビリ医療は、急性期病院で実施される急性期リハビリ医療に引き続き、理学・作業療法等を施すことにより、社会や家庭へ早期復帰を目指す医療で、将来的にも欠かすことができない大切な医療の分野と考えております。新たな指定管理者として議会の御承認をいただきました
聖隷福祉事業団からは、これまで実践・蓄積してきた経験やノウハウを最大限活用して診療内容の拡充に努めるとの事業提案をいただいているところでございます。今後におきましても、市民にとって不可欠な回復期リハビリ医療が確実に実施されるよう、指定管理者を指導してまいりたいと考えております。 次に、2点目の指定管理者が辞退した場合の対応についての御質問ですが、リハビリ病院が実施してきたリハビリ医療は労働集約型の医療分野でございますので、他の分野より収益を上げるのは難しいと考えます。しかしながら、民間病院であります聖隷三方原病院では、高密度集中型のリハビリ医療により、収益性の高いリハビリ医療を実践していると伺っております。このようなノウハウを初め、数多くの病院や医療・福祉施設の運営実績を持つ
聖隷福祉事業団の民間的手法による病院経営に期待をしているところでございます。 次に、3点目の医師不足の原因についての御質問でございますが、病院における医療体制は医師を中心とした数多くの医療従事者で構成されており、どの職種が欠けても適正な医療の提供ができなくなります。医療公社では、リハビリ病院の医療体制が縮小・崩壊することがないよう、退職していく医師の後任を求めて、昨年6月以降、数多くの医科大学や医療機関と医師派遣について折衝を重ね、医師確保に努めてまいりました。しかしながら、医師が大都市に偏在している状況や、リハビリ専門医の絶対数が少ないことから、退職医師の補充ができず、医師不足の状態を招いてしまったのが実情でございます。 次に、4点目の改善勧告と回答についてですが、昨年8月以降、リハビリ病院では医療体制を縮小するなど大変厳しい状況が続いておりましたので、市では指定管理者との基本協定書に基づき、業務の改善勧告を10月上旬に行いました。この改善勧告は、医療公社に対してリハビリ病院の医療体制の早期回復を求めるという市の重要な意思表示であり、十分議論して勧告したものでございます。 次に、勧告に対する回答についてですが、リハビリ病院の現状を最も認識している医療公社の常勤理事が協議して回答したもので、その後招集された理事会で了承を得たとの報告を受けております。 次に、5点目の一般会計からの繰入金についてお答えいたします。市民ニーズが高い医療や高度・特殊医療など、行政として取り組んでいかなければならない医療については、一般会計における経費負担が認められており、この政策医療に対する負担については、行革審からも理解をいただいています。また、病院の建設改良に要する経費については、公営企業に対する負担基準を示す総務省からの通知に基づいて市は負担してきておりますが、行革審では民間病院との比較の中で、赤字補てんという指摘をされたものと認識しております。 次に、6点目の医療公社の理事長の人選についてお答えいたします。市は民間委員にも参加していただいて、飯田副市長が委員長を務める病院事業経営委員会を設置し、病院事業の経営改善や医療公社の経営健全化計画の進捗について協議をしてきております。医療公社を初めとする本市の病院事業のあり方について、市議会や行革審等から、迅速な課題の解決と新たな経営形態への円滑な移行が求められているところであり、改革のポイントを把握している副市長が理事長として適任と考えた次第でございます。 次に、7点目の
地方独立行政法人化についてでございますが、地方独立行政法人制度は、市と密接な関係を持ちながら、独立した法人として自律的な活動を進めることができる新しい制度です。この法人については、市が設置する評価委員会がその活動を社会的・総合的に評価・公表していきますので、業務の透明性が高まるとともに、施策目標の実行について担保できるものと考えております。また、法人はその名称のとおり独立採算が基本ですが、市が運営交付金を交付することにより、政策医療の実行を確保してまいりますので、公共性についても従来どおり担保されるものと認識しております。このように地方独立行政法人は市から独立した法人として、病院を自律的・機動的に運営していくことが可能であり、よりよい医療を効率的に提供していける経営形態であると考えております。 次に、御質問の第9番目の農業委員会からの要請についてお答えいたします。 御指摘の要請書は二つあり、そのうちの一つは、農業委員会の必置規制の堅持を求めるものでございます。その背景には、地方分権改革推進委員会が農業委員会の必置規制の見直しを指摘したという国レベルの動きがあります。この動きは、地方分権改革の大きな流れの中に位置づけられます。農業委員会の必置規制につきましては、全国的な見地からの検討が必要であると認識しております。しかしながら、本市は全国第4位の農業産出額を誇る農業の盛んな都市でございます。本市の農業のさらなる振興を図る上で、農業者の声を行政に反映させる役割を担う農業委員会は必要であると考えます。もう一つの要請は、農地政策の見直しに関するもので、農地の権利移動の緩和への慎重な対応を求めるものでございます。もとより農業の振興のためには優良農地の確保が不可欠であり、農業振興地域制度や農地転用制度を適正に運用する必要があります。この課題に対しては、市と農業委員会が連携して取り組んでまいります。しかし、本市には農業と商工業が調和して発展してきたという経緯もございます。そこで、農業振興地域制度等を適正に運用しつつ、商工業との調和のとれた農地政策を進めてまいりたいと考えます。
◆6番(北島定) 議長。
○議長(酒井基寿) 6番。 〔北島 定議員登壇〕
◆6番(北島定) それでは、再質問をさせていただきます。 非常勤の職員の関係なんですけれども、市長も御承知のように、保育園や幼稚園というのは言うまでもなく、子供の心身ともに健康で豊かな人間性を持った育成のための保育や教育を実施する機関なんですね。その役割を担っているのが幼稚園教諭、そして保育士さんなんです。その幼稚園教諭や保育士さんの身分というと、非常に不安定なんですね。幼稚園の教諭の場合には、クラスまで担任しているという、こういう状況なんですよ。こういう状況の中で、本当に子供の未来が担保されるのかという点では、非常に不安なところがあります。さきの国会で厚生労働大臣は、保育士は常用雇用すべきだと思うと、こういう答弁もされているんですね。そういった意味では、非正規職員の正規化、さらには待遇改善、これは待ったなしだと考えますけれども、これについての市長の見解をもう一度お伺いしておきたいと思います。 それから、上島駅
周辺土地区画整理事業ですけれども、区画整理と遠鉄高架事業は一体的に整備する必要があるというような答弁がありました。この間、一体的に整備するためにいろいろと手の込んだことをやってきたわけですけれども、一つだけ確認しておきたいのは、市は白紙撤回を求める会に対して、この上島駅
周辺土地区画整理事業を行わない限り、鉄道高架事業の採択はだめになっていくと、こういうふうに説明しておりますが、そのように確認していいのかどうか、これをお答えいただきたいと思います。 そして、ホームレスの死亡事件ですけれども、市の回答は、市においては職務を逸脱した行為や法的な義務を果たさなかったという不作為は認められなかったと、これが今までのホームレスの死亡事件に対する見解なんですね。しかし、4日間も食事をとっておらず、衰弱した女性に対して、市のとった対応というのは非常食のみなんです。あそこの正面玄関の前には購買もあって、パンも牛乳も、それからおにぎりもちゃんと売っているんですね。なぜそこに行って、それを与えなかったのか、こういう疑問が残るわけです。したがって、私は4日間も食べていない女性を職権によって急迫保護をすべきだったというふうに考えますけれども、これについての見解をお示し願いたいと思います。 それから、確認したいこともありますけれども、このホームレスの女性の4日間も食事をしていないという訴えに対して、中消防署救急隊員は女性は4日間食事をしていないと、こういうふうに中区社会福祉課に電話をしたと言っております。しかし、中区社会福祉課は救急隊員から、女性が4日間食事をとっていない、こういうことは聞いていないと、こういうふうに報告書の中で言っているんですね。このように中消防署救急隊員の報告と、それから中区の社会福祉課の職員の言い分が大きく食い違っておりますけれども、市長、これはどっちが正しいんですか。消防署が言っているのが正しいのか、社会福祉部が言っているのが正しいのか、明確にこの場でお答えいただきたいと思います。 市長にお伺いしますが、女性が4日間も食事をしていない、こういう状況にあるのか、それとも単なる空腹の状況にあるのかは、これは人命にかかわる重要な問題だと認識されると思うんですね。そこで、お伺いしたいのは、例えば市長のお宅にこういう方が御飯が食べたい、食事がしたいと懇願されたら、市長はどうしますか。非常食を渡しますか。そうはしないと思いますけれども、これについてもお答えいただきたいと思います。 それから、
ごみ処理有料化の問題ですけれども、これは結局、藤沢市の例を言って、20%もごみの量が減ったと。しかし、どこの自治体も翌年はそうやって減るんです、有料化すれば。しかし、2年、3年たつと、またリバウンドすると、これがごみ有料化の自治体の実態なんですね。そういう認識はあるのかないのか、お答えいただきたいと思います。 〔鈴木康友市長登壇〕
◎市長(鈴木康友) それでは、北島議員の再質問にお答えしたいと思います。 1点目の幼稚園、保育園の件でございますが、これは常用雇用、非常用雇用で判断するものではなくて、その保育あるいは幼稚園の運営状況をしっかりと見ていく必要があるというふうに思います。現況をかんがみた場合、大きなそこで問題が生じているというふうには認識しておりません。今後もきちっとその状況を判断しながら、対応していきたいというふうに思います。 そして、藤沢の件でございますが、このごみの処理の問題につきましては、これは私は一定の効果があるというふうに認識しておりますけれども、先ほどの答弁でも申しましたように、有料化だけが唯一のごみ減量の手段ではございませんので、総合的に対応していかなければいけないというふうに思いますが、ごみ有料化ということも十分検討に値する一つの手法であるというふうに思っております。 2の上島駅の問題と3のホームレスの問題につきましては、事実関係のことがございますので、担当部長のほうからお答えさせていただきます。 〔織田村 達
都市計画部長登壇〕
◎
都市計画部長(織田村達) それでは、北島議員の再質問、区画整理と遠州鉄道高架化事業、一体的整備が進まなければこの事業はだめになっていくと説明したことについて、お答えいたします。 このことにつきましては、当時、国の連続立体交差事業の採択要件として、
土地区画整理事業との一体的実施が求められておりませんけれども、まちづくりの上で効果のあるものと規定されておりますことから、市といたしましては、その事業の効果を最大限引き出すために本地区の課題となっている変則交差点の解消、安全な歩行空間の確保や都市計画道路等の整備を図るため、
土地区画整理事業を同時に施行することが望ましく、遠州鉄道高架化事業の採択にとっても、この事業が必要不可欠との認識を説明したものでございます。 〔石塚猛裕
社会福祉部長登壇〕
◎
社会福祉部長(石塚猛裕) ホームレスの女性につきましての再質問でございますけれども、体調に異常がなかったということで、市としてはとらえてございますので、非常食を提供したものでございます。 それから、中消防署からの伝達の中で、4日間の食事の件でございますけれども、福祉事務所につきましては、このことは伝えられておりません。聞いておりませんということでございます。
◆6番(北島定) 議長、答弁漏れが一つあります。自宅前で女性が倒れていたらどうするのか。これは重要なことですので、ぜひ答弁をしてください。 〔鈴木康友市長登壇〕
◎市長(鈴木康友) 先ほどの御質問でございますが、人間として、きちっと対応すべきことについては、きちっと対応いたします。
◆6番(北島定) 議長。
○議長(酒井基寿) 6番。 〔北島 定議員登壇〕
◆6番(北島定) ただいまのホームレスの事件の関係なんですが、自分のお宅の前にそういう方があらわれたら、市長は人間として対応すると。そのことは市長の施政方針の上杉鷹山公の言葉を引用して、人民のために尽くすと、この基本姿勢だと思うんですけれども、しかし、実際には社会福祉課が対応したやり方というのは非常食だったんですよね。なぜ、人間的に対応できなかったのか。4日間も食事をしていない、そして衰弱している女性に対してですよ、なぜ温かいものを出したり、御飯を、あるいはおにぎりを出さなかったのか。こういう人間的な、要するに弱い者に寄り添う、そういう心がない対応をしたのではないか、こういうことなんですよ。市長がそういうふうに答える以上は、やはり社会福祉課の対応は、これはおかしかったというふうにとらえられても、これは仕方がないと思います。 そして、消防隊員の、その女性が4日間も食事をしていないというようなことに対して、社会福祉課のほうでは、そんなこと聞いていないよと、ただ、おなかが減っているというふうに認識しているだけですよね。先ほど言ったように、消防署のほうではちゃんと伝えたと、しかし、社会福祉課ではそんなこと聞いていないという、こういう食い違いが出ているんですよ。消防長にも聞きたいですけれども、ちゃんと伝えましたか。そういうことなんですよ。ですから、今度のホームレスの死亡事件を、やはり内部だけの検証に終わらずして、第三者機関に実際にどうであったのか、適切に対応したのかということを検証する必要があると思います。この点ですね、確認しておきたいと思います。消防隊のバイタルの測定の問題でも、例えば血圧にしても、最高値しかわからない触診法でやったり、あるいは呼吸数をカウントしなかったり、あるいはやらなければならない心電図、これもやっていない。ホームレスだからそういうことをしたのかという疑問もまた残っているわけですよね。そういった意味では、きちっと
ホームレス対策を今後やっていく上では、今回の死亡事件の検証なくして対策はとれないと私は思いますけれども、いま一度市長のこの問題に対する考えをお聞かせ願いたいと思います。 それから、非常勤職員、あるいは臨時職員の待遇改善の問題ですけれども、保育士や幼稚園教諭などの臨時職員の場合ですね。健康保険や厚生年金などの保険料を差し引くと、手取りは15万円にも満たないんですね。例えば、母子家庭で35歳の女性、そして子供が中学生1人、子供が1人、この生活保護費は幾らかと言いますと、大体15万円から16万円ということなんです。まさにこうした市の非正規の職員の賃金、そして報酬というのは生活保護基準同等か、もしくはそれ以下という状況なんです。こういう方たちが単なる事務を補完するような役割ではなく、最前線で頑張っているんですね。そういう仕事の内容を市長はきっちりと把握をして、本当に今の状況でいいのかということをやはり検討していくべきだと思いますけれども、これについての御所見をお伺いしておきたいと思います。 それから、区画整理の問題ですけれども、やはり20年度予算というのは6億8000万余計上されております。もし裁判で、事業計画の決定が取り消されたとするならば、これは大変な無駄な税金の使い方というふうになると思うんですよね。ですから、裁判結果が出るまでは慎重にこの予算の執行については対応する。後でしようがないや、結果だから、今まで使った分はと。こういうことでは困るんですね。市民の税金、1円たりとも無駄にしない。そういうお気持ちはあるのかないのか、改めてこの点についてお伺いしておきたいと思います。 それから、ごみの処理の有料化の問題ですけれども、やはりごみ減量の決定打というのは、
拡大生産者責任を導入して、ごみの発生元を抑える、こういう取り組みをする必要があると思うんです。それから、ごみ減量に対する市民の意識や関心を高めていく取り組み、これを積極的に推進することが重要な課題だと思うんです。安易に有料化に走るのではなくて、しっかりとこういうごみの問題に対する市民の意識を高めていくことをまずやってもらいたい。その上でごみがどうしても減らないということになれば、またそこで次の手段に出るというのが普通の行政手法だと思うんですよね。この点について、もう一度ごみの有料化の問題について、市長の見解をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手) 〔鈴木康友市長登壇〕
◎市長(鈴木康友) それでは、北島議員の再々質問にお答えいたします。 ホームレス事件の問題につきましては、市といたしまして、今後も誠実に対応していきたいというふうに認識しております。先日も静岡県の弁護士会のヒアリングがございまして、担当課もしっかりと対応させていただきましたし、今後、庁内でもこの問題について調査・検討してまいりますので、そのことをもって対応いたしたいと思います。 それから、臨時職員、非常勤職員のことにつきましては、先ほども申し上げたとおりでございまして、これはいろんな社会的な情勢を考えて検討していくべき課題であるというふうに認識しております。 区画整理の問題につきましては、少々の影響等を考慮すれば、これは計画をこのまま続行していくという、先ほどの回答のとおりでございます。 ごみの問題につきましても、先ほど申し上げたとおりでございまして、これはもちろんごみの有料化だけが唯一の手段ではございませんし、北島議員申されますとおり、市民の意識啓発等々というのは大事なことでありますので、市としても、そういうことはしっかりとやっているわけでございます。ですから、3Rの徹底も含めてですね、このごみの問題については、総合的に今後も対応してまいりたいと思います。 以上でございます。
○議長(酒井基寿) 次に、公明党代表13番西川公一郎議員。(拍手) 〔西川公一郎議員登壇〕
◆13番(西川公一郎) 皆さん、こんにちは。 公明党を代表しまして、まず、先日の市長の施政方針より、文化について質問いたします。 市長は、施政方針で、浜松市の将来像として「市民協働で築く、未来へかがやく創造都市・浜松」を掲げ、市民生活の中に豊かさが感じられる創造都市を築いていきたいと述べられました。また、新たな価値が生まれる創造都市としての発展を目指してまいりますと決意され、さらに市長は、創造都市を実現するためには、文化と創造性を都市政策の中心に据え、さまざまな文化資源を有機的に連携させていく必要がありますと、創造都市政策の方針を二つ指摘しました。繰り返しますが、一つは文化と創造性を都市政策の中心に据えること、もう一つは、さまざまな文化資源を有機的に連携させていくことです。 今回はさまざまな文化資源を有機的に連携させていくことを取り上げますが、一つには、旧12市町村の文化資源の連携が考えられます。また、もう一つには、浜松に住む外国人生活者の文化を有機的に連携させていくことも考えられます。創造都市の発祥地ヨーロッパの地方都市では、移民などによってもたらされる文化の多様性が創造性の源泉として重視され、移民の活力をいかに社会に生かし、社会参加を促進していくか、このような創造都市政策が行われています。日系ブラジル人などが住む本市においても、彼らの文化を創造性の源泉の一つとしてとらえ、彼らの社会参加を促進していくことが重要です。これにより、例えば、ブラジル文化と日本文化が融合し、新たなサブカルチャーが生まれる。音楽の都浜松で、ボサノバやサンバとJポップがフュージョンし、新しいサウンドが生まれる。浜松で生まれ育った日系人のプロサッカー選手が生まれる。寿司がアメリカ西海岸に渡ってカリフォルニア巻きが生まれたように、和食とブラジル料理の間で新しい料理が生まれる。文化ですので、長い時間が必要ですが、この時間の経過の中に新しい創造性のエネルギーが次々と生まれ、ビジネスに広がっていく。このような背景があるので、浜松には創造都市の可能性があると言われるのでしょう。 来年度予算では多文化共生センターが設置され、外国人市民の生活支援や日本語教室の開催、自治会との共生事業など取り組みが拡充されますが、創造都市論から多文化都市政策を見たとき、今私が述べた理由により、文化芸術活動による多文化共生事業が柔軟かつ積極的に行われるべきと考えます。 では、行政の役割は一体何なのでしょうか。一つには、多文化共生条例を制定し、浜松市の人口の約4%を占める外国人市民のための政策を積極的に展開していく法的根拠を明文化する必要があると考えます。また、多数の浜松市民と外国人がお互いの文化に容易に触れ合い、草の根レベルでの交流が生まれる仕組みづくりが必要と考えます。南米文化をよく知らない多数の浜松市民に対して、どのような仕組みをつくれば、容易に南米外国人文化にアクセスできるようになるのか、どのような仕組みをつくれば、草の根レベルでの交流が生まれるのか、以上、創造都市に向けた多文化都市政策について、市長の御見解を伺います。 次に、創造都市の担い手の育成について伺います。創造都市の担い手の中核となるのは、アーチストやクリエーターです。なぜ、アーチストやクリエーターが必要なのか。私たちの身の回りには物や情報があふれています。例えば農産物を売る、商品を売る、観光に来てもらう、地域の活性化をする、これらはかかわるすべての人々に、ほかにはない創造的な発想や考え方や創造的な仕事ぶりが必要となります。他との差別化競争です。ほかにどこにでもある産品をだれがわざわざ買うでしょうか。どこにでもあるありふれた似たような土地に、だれがわざわざ観光客となって来るでしょうか。創造都市論では、ここにアーチストの独創的な発想やアートによる仕掛けが必要になるとしています。アーチストやクリエーターによって生み出された独自のデザインやコンテンツが、広告や雑誌出版、テレビなどで複製され、大量に流通していきます。メディアにのれば大成功ですが、実際はアーチストやクリエーターの創作活動は少人数で、営利性に乏しいのが現実です。 創造都市を目指す浜松において、文化創造拠点を整備し、浜松の若手アーチストやクリエーターを育成できないでしょうか。商業や製造業での創業支援があるのと同じように、アーチストやクリエーターにも創造活動に対する支援があってもよいと考えます。静岡市では、クリエーター支援センターを開設し、クリエーターの育成やコンテンツ産業の振興及びクリエーターと地域産業との連携の推進が行われています。東京芸術大学の美術学部がある取手市では、井野アーティストヴィレッジが開設され、大学院などを卒業した若手アーチストのインキュベート拠点となっています。 浜松市に限らず、どこの地方都市でも、新しい産業や新しい技術を生み出すことに力を入れていますが、そのためには新しい時代の担い手となる子供たちの文化芸術教育が重要と言われています。特に、最近、アーツ・イン・エデュケーションという、アーチストを学校などに派遣し、先生と協力しながらワークショップ型の音楽や美術、工作、演劇やダンスなどの授業を実施する取り組みが注目されています。アートNPOが学校とアーチストの仲介役となり、子供たちにどのような授業を提供するか綿密に準備をした上で、アーチストが複数回の授業を行い、ワークショップにより独創的な体験を積み重ねることにより、子供たちの感性や創造性を引き出していくというものです。創造都市政策として、将来の浜松の経済や産業を支える子供たちの創造性をはぐくむ文化芸術教育は大変重要と考えますので、学校の協力も得ながら、各区の文化施設などで小・中学生を対象としたこのような取り組みが行われないか伺います。 次に、公有財産の有効活用について伺います。 浜松市の18年度連結貸借対照表を見ますと、道路、橋、公園、住宅、学校、公民館、清掃事業所、庁舎などの有形固定資産が約1兆7300億円、将来、現金にかえることができるとされる土地と建物の売却可能資産が約500億円あります。この売却可能資産は、緊縮財政を行う地方自治体にとって、資産の売却や有効活用で財源を生み出し、行政サービスの低下を抑えることのできる資産として、活用方法が大変注目されております。この売却可能資産の約500億円には含まれておりませんが、本市でも現在、旧市長公舎の売却、フォルテの売却、高丘運動広場跡地の売却などが検討されており、政治的に、また政策的に緊急やむを得ないとか、いや違うとか、私たち議員でもケース・バイ・ケースで判断しているわけですが、本来、これらも市長が言う未来の子供たちのための有用な資産であるので、一つ一つしっかりと吟味をして、財政収入をふやす努力が大切だと考えます。4月からは資産経営課が発足し、ファシリティーマネジメントなどが始まります。ぜひ、普通財産だけではなく、行政財産も含めた公有資産台帳をデータベース化し公表するとともに、財務諸表に裏打ちされたそれぞれの資産の売却や有効活用の基準や方針、計画を公表できないか伺います。 特に、施設の活用については、例えば、放課後児童会の待機児童の解消や子供の居場所づくりなど、子育てに関する利用を最優先にするとか、場所によっては集客のため民間が利用できるスペースにするなど、利用目的によって、政策的な優先順位がつけられないか伺います。また、資産の売却については、地域住民からの要望を含めた跡地利用の規制や基準を定めることができないか伺います。 次に、電子市役所について伺います。 来年度予算では、市役所や区役所などのコンピューターシステムの維持・管理経費は約13億円、月々約1億円のお金が使われます。電子市役所は行財政改革の一つの手段ですので、今後この月々1億円かかる経費をいかに削減していくか。また、市役所の仕事をITを用いてシステム化し、効率化することで、いかに人件費を削減していくかが求められます。本市では、民間から情報政策官を迎え、コンピューターシステムの改革を進めています。そこで、まずCIO機能の強化として、各課に対し、各種システムの導入や管理のITガバナンスがどの程度発揮されているか伺います。また、システムのダウンサイジング化やオープン化、マルチベンダー化などのレガシー改革がどの程度進展しているか伺います。 電子市役所では、市役所内部の事務事業が効率化することと市民の利便性が向上することが重要です。本市では、既に新行政経営基幹システムの構築が始まっていますが、これが完成すると文書管理や人事給与、総務・事務などが一つのシステムで稼働し、市役所内部の決裁文書などが電子化され、書類が少なくなると言われています。一方、市民にとっての電子市役所とはどのようなものかと考えますと、隣の韓国が最も進んでいるようで、例えば、自宅のパソコンからインターネットを利用して、住民票発行の申請手続をして、自分の家のプリンターで住民票が印刷できたり、自宅のパソコンから市役所にアクセスし、自分の固定資産税台帳を見たり、また何かを申請している場合、自分の申請書の決裁手続が役所のだれのところまで進んでいるのかわかる仕組みになっています。また、住民票などの自動交付機は、駅や病院、デパート、銀行など人が集まるところに置かれております。つまり、市民は役所に行かなくでもよいのです。例えば、仕事を半日でも休んでバスに乗って役所に行き、証明書類を受け取ることは市民にとってコストとみなされ、市役所の電子化により、市民の負担する経費や時間が幾ら削減され、どれだけ利便性が向上したかという視点が重視されます。私は、浜松市においても、このような電子市役所を目指すべきと思います。近い将来、浜松市役所等の各種手続が電子化されると、市民の利便性がどのように向上するのか、(仮称)浜松電子市役所未来図などで市民にわかりやすく示すことはできないでしょうか。 今月から、本市のホームページで市内の防災マップが公開され、いよいよ浜松市でも地図情報システムGISの公開運用が始まりました。防災マップでは、東海地震や洪水などの災害が起きたときに、自宅周辺の被災状況はどうなるかが予測でき、避難地や避難経路など、地図上でのシミュレーションが可能となっています。本市では、既に各所管課が道路や水道、土地利用など、さまざまな地図情報を活用して業務を行っています。最近では、私たちもヤフーやグーグルなどで簡単に地図情報を入手し、活用できるようになりました。今後、本市のGISにどのような情報を付加し、公開していくのか伺います。 次に、(仮称)総合相談アドバイザーの配置について伺います。 本市では債権回収対策課を設置して、大口の税金や保険料などの滞納対策に力を入れています。先日の市長の施政方針でも、滞納根絶の姿勢をアピールしてきた、市全体が一丸となって滞納削減に取り組むことになったと、市長の強い決意を伺いました。私は、市全体が一丸となることも必要と思いますが、例えば突然の病気や失業などで支払いができなくなった一市民に対して、市役所や区役所の対応は十分でしょうか。生活費をやりくりして何とか保険料を支払おうとしている一生活者に対して、行政の相談体制は充実しているでしょうか。昨今の世相を反映しまして、私たち議員のもとには、税金や保険料が払えない、生活保護の申請をしたいなどの相談が寄せられます。国保の窓口で相談したけれども、何とかならないか、税金と国保と、どちらを先に払えばいい、借金の支払いが精いっぱいで、保険料は払えないなど。その中で、Aさん夫妻は、御主人の国民健康保険料の負担が大きいと相談に来ました。御主人は病気がちで短期の仕事しかできず、奥さんのパート収入で生活しています。奥さんは社会保険。しかし、会社からは夫を扶養にして社会保険にすることはできないと言われています。国保の窓口では分割納付を勧められたとのこと、よく話を聞いてみると、税務上の扶養の手続をしていないことがわかり、早速、会社から源泉徴収票を再発行してもらい、税務署に扶養の修正申告をするようにアドバイスしました。過去にさかのぼって所得税が還付され、それに連動して市県民税が安くなります。会社から夫を扶養にできないと言われたし、国保の窓口でも、そのようなことができるとは教えてもらえなかったということです。また、70歳の女性Bさんからは、夫婦の年金だけでは生活できないと相談されました。障害があり、ほぼ寝たきりで自宅療養していた夫のぐあいが悪くなり、自宅では介護できなくなったので、やむを得ず療養施設に入院させたが、お金がかかり、とても年金ではやっていけないとのこと。確かに施設からの請求書を見ると、御主人の年金だけでは足りず、Bさんの年金を足して支払うと手元に残るお金はわずか数万円。区役所の窓口では、介護認定の再審査をしてくださいと言われただけ。そこで、よく話を聞き、御主人、Bさん、それぞれの年金でそれぞれが生活できるように手続上のアドバイスをし、かつ、Bさんの年金が高かったので御主人をBさんの扶養にして、税金の負担を軽くし、さらに御主人の障害が市県民税控除の対象だったため、春に確定申告することを勧めました。区役所の介護の窓口では、御主人やBさんの年金がどうなっているか、アドバイスもされないし、障害者控除がされているか、詳しく調べることもできません。以上、まだほかにも紹介したい事例がありますが、一人一人の立場に立って、何で苦しいんだ、何で支払えないんだということを、必要な人に対しては相談に乗り、横断的なアドバイスをする人が必要ではないかと常々感じています。私たち議員は市役所全体の仕組みはわかりますので、その人と一緒に国保の窓口に行ったり、介護や税務の窓口に行って、それぞれにお願いすることができますが、当の本人はそれができないから、最後の手段として議員のところに来るのです。また、各課担当の職員も、自分の職務に関すること以外の他の課についてのアドバイスは職務越権行為となります。最近も多重債務の相談窓口を設置する自治体がふえております。本市でも、消費生活センターが多重債務の相談を受けています。平成17年は666件、平成18年は830件の多重債務の相談がありましたが、司法書士や弁護士を紹介するにとどまっているようです。仮に弁護士に相談して債務を整理しても、税金や保険料はその整理対象にはならず、必ず支払わなけれればなりません。また、他都市では、多重債務の相談に乗ることによって、税金や保険料の納付ができるようになった事例もあります。本市でも、多重債務や税金、保険料、公共料金などが払えないと相談に来る人と1対1で接し、横断的な対応で問題解決を手伝う(仮称)総合相談アドバイザーを各区の窓口に配置できないか、市長に伺います。 次に、成年後見制度について伺います。 私たち議員のもとには、近所のひとり暮らしのお年寄りが認知症と思われるけれども、どうしたらいいかとか、夫の認知症がひどくなってきた。自分がいなくなったときに、どうすればよいか教えてほしいなどの相談が寄せられます。このような場合、遠方に身内はいないか、また社会福祉協議会の権利擁護事業を紹介したり、成年後見に詳しい弁護士や司法書士を紹介しています。静岡家庭裁判所浜松支部によると、管轄内の成年後見の申し立て件数は、この制度が始まった平成12年度は約80件でしたが、年々増加し、平成17年度は約180件、昨年度は障害者自立支援法の影響で約250件とふえ、今年度は約160件となる予定とのことです。後見開始以降はその数が毎年蓄積されていきますので、後見が必要な人は浜松管内で現在約800人ぐらい、数年後には1000人に達するそうです。このような状況下、各区役所での相談体制はどうなっているでしょうか。市の職員に成年後見の知識がないので、窓口で応対できていないとも聞きます。成年後見制度のパンフレットも置いていないところもあるようなので、早急に各区役所での相談体制を整えられないか伺います。 家庭裁判所に成年後見の申し立てができる人は、本人、本人の配偶者、または4親等以内の親族に限られ、身寄りのないお年寄りが認知症になった場合などは、第三者は申し立てはできないので市長が申し立てを行います。この、市長申し立てにかかわる費用と、その後の後見人への月々の報酬は国から助成され、金銭的な理由で後見制度が利用できなくなるのを防ぎます。浜松市の市長申し立ての件数は、平成18年は6件、平成19年は1件です。身寄りのない入居者を預かっている授産所や介護施設からは、市長申し立ての相談に行っても、なかなか応じてくれないと聞きますが、ある弁護士によると、権利が侵害される具体的な事件にならないと行政も動かないのではとのことです。今後はさらに身寄りのない単身者が増加すると思われます。市長申し立て制度の認識と今後の考え方について伺います。 近年は身寄りのない単身者の増加や親族による財産トラブル、身内による高齢者虐待などにより、第三者である司法書士や弁護士が後見人となる比率がふえていますが、既に引き受け手が不足しているようです。私も、市内のあるお年寄りに頼まれて、中学生の孫に残す財産管理をする後見人をある司法書士のグループにお願いしていますが、間もなく1年になりますが、引き受け手が見つかりません。また、第三者の後見人を必要とする利用者で、資力に余裕がなく、後見人報酬が期待できない場合でも後見人の選定に長い時間がかかるようです。このような中、後見人不足や本人の経済的負担などの問題を解消するため、先進地では行政がボランティアを募り、市民後見人の養成を行っております。本市においても行政が中心となり、社会福祉協議会と連携しながら、成年後見センターなどの拠点を整備し、家庭裁判所、弁護士会、司法書士会とネットワークを組み、市民後見人の養成に取りかかれないか伺います。 市長のマニフェストには、社会福祉協議会などとも協力し、地域福祉、権利擁護事業をニーズに合わせ、拡充・強化しますとありますので、前向きな御答弁を期待しつつ、質問を終わります。 〔鈴木康友市長登壇〕
◎市長(鈴木康友) それでは、第13番公明党代表西川公一郎議員の御質問にお答えいたします。 まず、御質問の第1番目の創造都市に向けての1点目、多文化都市政策についてお答えいたします。 一つ目の多文化共生条例の制定の必要性についてでございますが、これまで本市におきましては世界都市化ビジョンに基づき、外国人市民との共生施策を進めてまいりました。また、外国人市民の市政参加を目的として、平成12年度に外国人市民会議を設置し、教育、地域ルール等について御提言をいただいてきたところでございます。今般、この外国人市民会議につきましては、共生にかかわる諸課題について調査・審議するための附属機関、外国人市民共生審議会として、設置に係る条例案を提出したところでございます。御質問にもございましたように、政策を条例として明文化することは、関連する予算を含め本市の政策に根拠を与える上での意義あるものと考えます。その一方で、国においては、外国人の受け入れに関する基本的な方針がいまだ明確になっていない状況でございます。そうした中、宮城県において、全国初となる多文化共生社会の形成の推進に関する条例が平成19年7月に施行されましたが、計画策定及び審議会の設置を除き、県の責務や市町村との協働等、理念的内容が中心となると認識しております。こうしたことから、多文化共生を進めるに当たりましては、当面、本年度新たに策定する世界都市化ビジョン及び先ほど申し上げました外国人市民共生審議会の審議等を政策の根拠として対応してまいりたいと存じます。 また、二つ目の御質問、草の根レベルでの交流の仕組みづくりについてお答えいたします。御質問にもございましたように、本市には多くの外国人市民が居住しており、さまざまな音楽、スポーツ等の文化活動が展開されています。日本人市民がこうした文化に触れ、相互理解を図ることは、多文化共生社会の実現に向けての第一歩として大変重要であり、そのための仕組みづくりにも配慮してきたところでございます。具体的には、これまでも浜松国際交流協会でポルトガル語サロンや多文化まちづくりめぐりツアー等、さまざまな交流イベントを実施してまいりました。さらに、新たに設置する多文化共生センターにおきましては、ホームページにおきまして地域の文化活動団体へのリンクを充実するなど、情報提供を強化するとともに、地域共生モデル事業を通して、外国人市民、日本人市民の交流を図り、多数の市民が参加できる草の根レベルでの交流を促進してまいります。 続きまして、2点目の担い手の育成についてお答えいたします。 まず、一つ目の文化創造拠点を整備し、浜松の若手アーチストやクリエーターを育成できないかという点でございますが、創造都市を牽引するのは市民の活発な創造活動であり、アーチストやクリエーターの文化芸術活動が都市の新たな活力となるものと考えております。創造都市に向けた先進的な取り組みを進めている国内外の諸都市においても、コンテンツ産業やエンターテインメント産業、ファッション・デザイン産業などのいわゆる創造的産業を重要と考え、それらの一層の進展のための土台となる市民の創造活動への積極的な支援がなされています。御質問の文化創造拠点の整備についての取り組みとしましては、教育文化会館の会議室を音楽活動等を行う練習室に改修し、多くの文化団体の活動に利用されていることなどが例として挙げられます。そして、ここを練習の会場としている団体の中から、音楽家として活躍する人材も育ってきています。今後も、廃校になった校舎活用の可能性や、創造的な文化芸術活動の場の整備や支援のあり方、市民団体等との連携した拠点施設の活用方法や実験的な事業の実施について、さらに研究を進めてまいりたいと考えております。 現在、改訂作業を進めている浜松市文化振興ビジョンの策定委員会におきましても、クリエーティブな人材の育成や文化芸術活動に対する支援等を重要なテーマとして検討しており、アーチストやクリエーターなどが活発に活動し、都市の新たな活力となるよう環境の整備に努めてまいりたいと考えております。 次に、二つ目のアーツ・イン・エデュケーションへの取り組みについてですが、アーツ・イン・エデュケーションは、教育や地域社会の場で子供たちが文化芸術に触れる機会を設けるもので、その効果は子供たちの感性や創造性をはぐくむことにつながると考えられます。本市においても、教育現場などで子供たちが芸術に触れる機会として、楽器博物館の学校訪問活動がございます。今年度は、新たに合併した地域の小学校7校においてワークショップなどを行う体験型の移動楽器博物館を行い、2000人に上る小学生の参加がありました。また、浜松市美術館でも小・中学校へ20回の出前講座を実施し、絵画講座やワークショップを行っております。さらに、民間の団体におきましても、市内の養護学校などにおいて美術教室を開催するなどの新しい試みに取り組んでいるNPO法人や、小・中学校でクラシックやポピュラー音楽の演奏活動を行うグループもあると聞いております。今後におきましても、出前講座やワークショップの開催など、創造都市浜松を支える未来の担い手の育成に、市民団体等と協働し、積極的に取り組んでまいります。 御質問の2番目、公有財産の有効活用についての1点目、公有資産台帳のデータベース化と資産の売却や有効活用の基準や方針の公表についてお答えいたします。 本市では、合併により、膨大な資産、施設を保有することとなりました。こうした財産を一括管理し、効率的な行政経営の観点から、遊休資産の処分や有効活用、維持管理費の削減などを進めていくために、4月から資産経営課を創設することといたしました。まず、公有資産台帳のデータベース化についてでございますが、現在、管財課の財産データをもとに、土地の資産価値や施設の利用情報など、資産の活用に必要な新たな情報を追加しております。今後はすべての公有財産を対象に公有資産台帳を整備し、施設の再編整備や有効活用の検討資料とするとともに、公表も可能なデータベースとして整備してまいります。また、資産の売却や施設の有効活用の基準・方針につきましては、現在保有する財産を経営的な視点から最大限に活用するため、個々の土地・施設の市場性の調査や、劣化・使用状況の調査を行い、売却処分や外部への貸し付けなどを含む活用方策を検討してまいります。こうした過程におきまして、御指摘いただきました公有資産の利活用基準や方針を策定し、公表してまいりたいと考えております。 次に、2点目の施設活用の優先順位についてでございますが、昨年度の自治法の改正に伴い、庁舎の空きスペースの利活用につきまして、優先順位を含む利活用方針を取りまとめました。庁舎以外の施設の利活用につきましても、市民の視点に立って財産の有効活用を図る観点から、地域や住民に利用のニーズがあれば、利用目的や活動組織に優先順位をつけるなど、貸し出しについての基本的な考え方をまとめてまいります。 次に、3点目の跡地利用の規制や基準についてお答えいたします。一般的に財産の売却においては、新たな用途規制や規模基準を定めた場合は資産価値の低下を招くと言われており、公有財産の売却についても慎重な対応が必要となります。また、特約などで一定の縛りをかけても、将来にわたって効力を維持することはかないません。公有財産の売却に当たっては、地域住民に処分の趣旨を十分に説明した上で、住民の意見・要望を把握し、跡地利用が住民の意向にできるだけ沿うような形でなされるよう、処分方法等を検討してまいりたいと考えております。市が保有する資産は、市民の大切な財産でありますので、資産の価値が最大限に生かされるよう、新たに設置する資産経営課を中心に、経営的な観点から資産の有効活用を図ってまいります。 次に、御質問の第3番目の電子市役所についてお答えいたします。 1点目のITガバナンスの発揮やレガシー改革の推進につきましては、その推進を図るための体制の確立とともに、専門的知識を有するリーダーがその力を発揮できることが重要であると考えております。このため、山崎副市長を情報統括責任者とする推進本部を設置するとともに、副市長の補佐として民間から情報政策官を採用いたしました。さらに、この推進本部で決定された方針を具体的に実行する組織横断的な下部組織として、情報化推進会議が活動を行っております。この会議の具体的活動といたしましては、調達ガイドライン暫定版の策定や、平成20年度に導入する新規情報システムの事前評価を実施いたしております。また、今後はシステム導入後評価を実施するなど順次活動の拡充を図り、さらなるITガバナンスの確立を目指してまいります。一方、レガシー改革につきましては、平成21年4月の稼働に向け行政経営基幹システムの開発に着手いたしました。このシステムでは業務改善による事務の効率化はもちろんのこと、新地方公会計制度の導入など、行政経営マネジメントの確立を図ってまいります。また、来年度以降は住民記録、税など浜松市の主要な情報システムの将来像について検討を進めるなど、レガシー改革を進めてまいります。 次に、2点目の各種手続の電子化についてお答えいたしますが、まず浜松市の電子市役所に対する基本的な考え方と取り組み状況につきましてお答えさせていただきます。電子市役所推進の最大の目的は、市民の皆様の利便性向上にあると考えております。このため、これまでも施設予約、図書管理、電子申請システムなどさまざまなシステムを開発し、多くの市民の皆様に御利用いただいているところでございます。また、平成21年1月からは地方税電子申告の開始を予定いたしております。一方、今後の電子市役所推進に当たっては、市役所のサービス提供にとどまらず、国・県、さらには民間サービスとの連携を目指すなど、昨今叫ばれておりますユビキタス社会の実現の視点も必要であると認識いたしております。ユビキタス社会の実現にはおおむね10年程度要することが予想されておりますが、浜松市といたしましても中・長期的な視点で積極的に取り組んでまいりたいと思っております。このため、平成20年度には二つの取り組みを計画いたしております。一つ目といたしましては、国内外の先進都市調査を実施いたします。二つ目といたしまして、(仮称)はままつユビキタスシティ推進会議を創設し、国、学術機関、経済団体などから幅広く人材を招聘し、今後の浜松市の電子市役所推進に向けた研究を進めてまいります。これらの研究成果を踏まえ、市民の皆様の利便性がどのように向上するのかを、御提案いただきました浜松電子市役所未来図のようなわかりやすい形で公表してまいりたいと思います。 次に、3点目の地図情報システムについてお答えいたします。平成15年度から稼働しております地図情報システムは、庁内利用を前提に整備いたしたもので、道路、屋外広告物や廃棄物管理等の内部事務に活用いたしております。一方、3月1日から公開を開始いたしました防災マップにより、市民公開可能なシステムが完成いたしました。このため、今後につきましては民間にはない市役所ならではの情報の中から、市民の皆様に有益と思われるものを公開してまいりたいと思います。現在、公開を予定しておりますものに文化施設マップ、都市計画図がございますが、必要に応じ順次拡大してまいりたいと思います。 次に、御質問の4番目、(仮称)総合相談アドバイザーの配置についてお答えいたします。 税や社会保険制度を初めとした公的な負担の仕組みは相互に関連するものであり、また市の提供するサービスも広く、かつ多岐にわたるものでございます。税や社会保険制度、多重債務など、問題のすべてについて精通した職員を育成し、配置してはどうかとの御提案でございますが、これらの複雑な制度理解やノウハウの蓄積には、多くの時間と非常に高い専門性が必要でございます。そのため、市の各担当部局が連携を密にし、相談内容に対して最も適切に対応できる職員を迅速に御案内できる体制づくりが最も重要であると考えます。特に税と国民健康保険については、保険料に税額を基礎とする部分があるなど関連が深く、共通する部分も多いことから、それぞれの担当職員がお互いの制度をよく理解することにより、市民の皆様のニーズにきめ細かく対応するように指導しておりますが、今後はさらに徹底を図ってまいります。また、多重債務者への対応としては、くらしのセンターや債権回収対策課において、それぞれの事情に即した専門家の情報を提供するなどの対策を講じていることも御紹介させていただきます。いずれにいたしましても、市民の皆様のニーズに的確かつ迅速におこたえしていくためには、身近な区役所を初めとした市の組織全体が横断的に連携し、縦割りによらない総合的な行政を展開する必要がございます。そのため、市の職員につきましては、人事ローテーションや自己研さんを通じて、自分の職務以外についても市民の立場に立って幅広く御案内できるよう、資質の向上に努めてまいります。 次に、御質問の第5番目、成年後見制度についての1点目、区役所における相談体制の整備についてお答えいたします。 成年後見制度は、認知症や知的障害などの理由で判断能力が十分ではない方々の財産管理、介護の契約等の法律行為を、本人にかわって家庭裁判所が選任する後見人等が行う制度でございまして、平成12年4月から運用が開始されました。高齢社会、社会福祉サービスの多様化が急速に進む中、成年後見制度が徐々に浸透しており、制度に対する市民のニーズは高まっていくと考えております。現在、成年後見制度に関する相談は、各区役所の長寿支援課などの担当者が対応しておりますが、窓口担当職員の中には、成年後見制度に対する理解が不足していることもございました。こうしたことから、今年度は、主に区役所の窓口担当職員約120人を対象に、成年後見制度に関する研修を実施いたしました。今後においても、随時研修を実施することにより職員の理解を深めるとともに、御質問の制度紹介パンフレットも窓口に配置し、相談窓口の充実に努めてまいります。 続きまして、2点目の市長申し立て制度の認識と考え方についてお答えいたします。成年後見制度は、本人の身内である4親等内の親族が本人にかわって家庭裁判所に審判を申し立てることになっておりますが、身寄りがない人たちについては、市長が申し立てをする制度になっております。本市では、平成17年度5件、平成18年度は6件の市長申し立てを行っておりますが、他都市の状況を見ましても、静岡市は平成18年度2件、名古屋市では7件でございました。市長申し立てにつきましては、今後も高齢者の相談に応じる地域包括支援センターや障害者相談支援事業所、並びに市の窓口の相談体制の充実を図る中で適正に実施してまいりたいと考えております。 次に、3点目の市民後見人の養成についてお答えいたします。平成18年度の最高裁判所の統計によりますと、現在、後見人等になられる方の約8割が本人の身内の方で、残りの約2割は弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門家が第三者として引き受けている状況でございます。今後、ひとり暮らしの高齢者世帯や認知症高齢者の増加など、成年後見制度の利用が年々ふえていくことに伴い、第三者後見人のニーズが高まり、専門家の不足から支障が出てくることも懸念されます。このような中、御質問にありますように、東京都の世田谷区等の一部の自治体においては、いわゆる市民後見人として、市民ボランティアを第三者後見人として育成する事業を社会福祉協議会に委託して実施しております。しかしながら、成年後見人は、本人にかわって遺産の分割、介護の契約等の法律行為を行うために重大な責任を伴うものでございまして、育成に関しては慎重さが必要であるとの御意見もございます。また、本市では、成年後見制度と同様に、判断能力が不十分な方を対象として、金銭管理や福祉サービスの利用援助などを行う日常生活自立支援事業を社会福祉協議会が実施しており、平成19年12月末現在103人の利用者がおります。成年後見制度の利用者の中には、日常生活自立支援事業をあわせて利用している方もございます。したがいまして、市民後見人の養成につきましては、浜松市社会福祉協議会と連携しながら、日常生活自立支援事業の拡充とあわせて、御提案の成年後見センターの整備も含め、調査研究してまいりたいと考えております。
◆13番(西川公一郎) 議長、13番。
○議長(酒井基寿) 13番。 〔西川公一郎議員登壇〕
◆13番(西川公一郎) 御答弁ありがとうございました。なかなかすぐにはできそうもない御答弁でございましたので、すみませんが、若干要望をさせていただきます。 まず、電子市役所ですが、市役所のIT化を進めるに当たって、ぜひ市民の立場になって、書類ベースから見直していただきたいと思います。例えば、なぜ市役所で入手した住民票の写しや課税証明、納税証明などを役所に提出しなければならないのか。必要ないようにできないのかなどの視点で、業務の見直しや改善を行っていただきたいと思います。 次に、税金や保険料の組織をまたぐ相談や多重債務の相談については、市長の御答弁からすると、人を新たに配置してやっていくのは難しいのではないかというようなことですので、しばらくはまだ議員がやらなければならないかなと感じているわけでございますが、先週の金曜日の代表質問の答弁では、再任用制度を本格的に実施するとも伺いましたので、ぜひこの分野に関しましても御検討いただければありがたいと思います。成年後見制度に関しましては、質問でも述べましたが、市長のマニフェストにありますので、ぜひ、この分野においても実行していただきたいとお願い申し上げます。 次に、公有資産の有効活用ですが、市民がびっくりしたりだとか、突然知って不安にならないように、だれがいつどのように決定するかも含めて、しっかりとした手順で公表していただきたいと思います。既に使われなくなった施設がありますが、いろんなうわさもありますので、そういうことがないようにしていただきたいと思います。 また、資産の売却ですが、浜松市の資産については、御答弁にあるように、地域住民の意向に反することはできないと思いますが、市に関係のない、例えば国などの施設や土地については、国が知らない間に勝手に売却されることがないように、ぜひ資産経営課ができて基準を定めていくわけですから、しっかりと国に対して市が主導権を握ってほしいと要望しておきます。 最後に、多文化都市政策ですが、この春からブラジル移民100周年記念事業が開催されます。ぜひ、この機会に多くの浜松市民が南米文化に触れ、多くの草の根レベルでの交流が来年以降も持続していくような仕組みをつくってほしい。そして、多文化共生センターで文化交流という側面も事業として行ってほしいと要望しておきます。 先々週ですが、クリエート浜松で開催されました在住外国人による芸術作品展を見に行きました。何か市長もお見えになったみたいですが。一つの小さな部屋の会場にブラジル人を中心に約40人の作品があり、浜松城や浜松近郊の風景を描いた絵や、弁天島の花火大会などの写真がありました。私は、この外国人の作品展が日本人の浜松市民の作品展と連携して開催されれば、何かおもしろい交流が生まれるのではないかと感じながら、鑑賞しました。 また、昨日は旧浜松銀行協会で浜松アートフォーラムが開催され、夜のイベント、「照明の音楽」を見に、聞きに行きました。向かいの鴨江別館から旧銀行協会に向かって明かりを点滅させながら、打楽器や吹奏楽の生演奏やコーラスが流れました。市内のあるアートNPOの主催でしたが、私は浜松市でこのような実験的なイベントが市民の手で開催されたことについて深く感激をいたしました。 また、ほかにも、ある会社員が市民のだれもが参加できるオーケストラを立ち上げて運営していくとか、今アクトで開催されておりますが、国際ピアノアカデミーについて、その海外からの受講生のホームステイを毎年引き受けている御家庭もありますし、実は私ごとでございますが、あるバンドで参加し、キーボードも演奏しましたが、市民が多数参画しました、やらまいかミュージックフェスティバルなど、以前にも増して、市民の文化芸術活動が大変盛んになっています。創造都市に向けて、行政の文化政策も市民の自主的な文化芸術活動をサポートする、または環境を整える時代となりました。私が今回取り上げました文化創造拠点の整備や、若手アーチストやクリエーターへの支援、またアーツ・イン・エデュケーションなどは今後大変重要な施策でございますので、しっかりと要望申し上げ、代表質問とさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(酒井基寿) 以上で市政に対する各会派の代表質問を終わります。
--------------------------------
○議長(酒井基寿) この際、午後1時まで休憩いたします。 午前11時55分休憩
-------------------------------- 午後1時再開
○副議長(高林龍治) 会議を再開いたします。
--------------------------------
○副議長(高林龍治) 次に、日程第3一般質問を行います。 最初に、29番袴田修司議員。(拍手) 〔袴田修司議員登壇〕
◆29番(袴田修司) それでは、2月定例会の一般質問のトップバッターとして務めさせていただきたいと思います。本日はちょうど浜北区の自治会長さんたちが研修で傍聴に来ていただいております。その前でやらせていただくということで、大変光栄でございます。また、後でいろいろ御批評をいただければありがたいなというふうに思います。 それから、特に私の質問では、市長には答弁の予定がございません。配慮いたしましたので、1時間ほどのどを休めていただきたいと思いますけれども、耳と頭はしっかり働かせていただいて、後の事務執行で仕事をしていただければありがたいなというふうに思います。 それでは、市民クラブ所属議員として、さきに通告いたしました5項目について一般質問を行いたいというふうに思います。 最初に、ものづくりのまち浜松の人材育成について質問いたします。 第1次浜松市総合計画の重点戦略で、次代へ引き継ぐものづくりDNAとして、浜松の最大の特徴であるものづくり産業を創造的に進化・発展させていくことが挙げられており、具体的には浜松市創業都市構想を策定して事業を推進されていくものと認識しております。この構想では、三つの基本的戦略で具体的な施策を進めていくことにしています。とりわけ「人財育成戦略」はものづくり産業の基盤を強化し、将来に継承し、さらには新たな産業の創出を実現させる原動力となるもので、最も重要な課題であると考えます。戦略目的として、次世代リーディング産業を創出するための担い手となる人材の育成支援、子供から社会人・経営者に至る全市民を対象とし各階層に必要とされる育成支援を行うとされていますが、その実現のためには、将来の産業人材を質・量ともに蓄積していく長期的な戦略と、既に顕在化している労働力、後継者不足や熟練技能の世代間での断絶などの課題に対する早急な施策展開が必要ではないかと考えます。そこで、次の3点について、担当副市長及び教育長にお伺いします。 第1点は、今年度から本格的にスタートした浜松市創業都市構想の人材育成プログラム実施計画において、必要性が高く実行に踏み切りやすいものから優先的に実施し、中・長期的な取り組みを行っていく、各産業支援機関等が連携したコンソーシアム推進本部を設けてプログラム実施を推進していくとされていたと認識しますが、これまでどのように実行されてきたのか。また、今後、中・長期的な課題として取り組んでいくものとされるプログラムについてはどのように検討されるか、山崎副市長に伺います。 第2点目は、次世代を担う浜松の子供たちのキャリア教育やものづくり教育についての取り組み状況と課題認識、今後の推進計画をどう考えているのか。また、推進に当たっては、経済界・企業や大学・専門学校、職業訓練機関などの理解と協力が不可欠だと思いますが、産学官の連携をどのように考えているか、教育長に伺います。 子供たち一人一人の勤労観や職業観を育てるためには、教育活動全体を通じて、児童・生徒の発達段階に応じた組織的・系統的なキャリア教育の推進が必要とされており、学校での授業に加えて、体験学習や幅広いアドバイザーの活用など、学校外の教育資源を活用する仕組みづくりも重要な課題だと思います。特に若年労働者の製造現場への就業意識を高め、就職志向を醸成するには、小・中学校段階からのものづくり教育の質・量を充実し、職場体験学習や工場見学、ものづくり産業で働く親世代や先輩などの話を聞くなど、より実践的なカリキュラムを取り入れていただきたいと考えるものであります。 第3点目は、少子高齢化社会において、地域経済やまちづくりの活力を左右すると言われているシニア世代のマンパワーの活用が注目されています。ものづくり産業に長年勤務されてきて定年退職を迎える団塊の世代を中心に、ものづくり産業での豊富な経験・知識・技能を有する人材がこの地域で活躍してもらえる仕組みや施策を積極的に導入する考えはないか、山崎副市長に伺います。人口減少社会を迎え、労働力の確保は国家レベルの重要課題となっていますが、この地域経済でもその盛衰を左右する重要な課題であり、とりわけ、ものづくり産業を地域経済の基盤とする浜松においては、喫緊の重要課題であると考えます。浜松市の戦略施策として、高齢者が継続してものづくり産業で即戦力として就業できるような環境整備と雇用機会を拡大する仕組みづくり、また団塊の世代を初めとするシニア世代が習得し蓄積されている技術的知識・ノウハウ、熟練技能などを次世代へ継承する仕組みづくりなどを、産学官の連携で構築していく必要があると考えるところであります。 次に、浜北新都市地区の公共・公益施設整備計画と生活インフラの管理についてです。 浜松地域テクノポリス計画の中核ゾーンを形成する地区として産業機能、住機能、交流機能が一体的に整備された職住近接の複合的な自然環境と調和した魅力ある都市をコンセプトに浜北区で進められています浜北新都市開発整備事業は、平成12年からスタートした
土地区画整理事業もかなり進んできており、平成25年の事業完了に向け造成工事と土地の分譲が行われるものと考えます。現状では、産業誘致用地は高い人気となり、自動車産業を中心に企業立地が促進され、住宅用地についても人気が高く急速に分譲が進んでおり、既に600世帯1800人を超えて新たな町内会も立ち上げられてきています。今後は、都市再生機構、旧の地域公団による開発整備事業の段階から、自治体による新たな都市形成及び住民との協働による住環境の整備を行う段階に移行していくべきものと認識いたします。そこで、花嶋副市長に以下の2点についてお伺いします。 第1点目は、浜北新都市地区における土地利用計画においては、住宅用地の造成・分譲と産業用地での企業立地は順調に進んできていますが、市が保有し管理すべき教育施設用地、集合住宅用地、その他公益用地など、公共・公益施設予定地の今後の整備計画はどのように検討されているのでしょうか。また、新都市地区の染地台に居住される住民の方々からニーズが出てくると思われ、既に自治会・町内会からも要望が出されていると聞き及んでいます行政サービス施設や住民コミュニティー施設などの整備についても、事業完了後、2200戸6600人の人口規模のニュータウンが形成されることを前提として、具体的な検討を始めるべきと考えますが、当局の考えをお聞かせください。 第2点目は、新都市地区内においては
土地区画整理事業により、道路や街路、河川・調整池、中央及び街区公園、緑地などの生活インフラが整備されつつありますが、新都市地区のセールスポイントである良好な居住環境を高いレベルで維持し向上させていくには、きめ細かな施設の継続的なメンテナンスと、地区内に居住されている住民の皆様の協働への理解が必要と思いますが、今後の施設の管理運営をどのように進めていくのか考えをお伺いします。浜北新都市地区はきらりタウンという愛称で、緑豊かな環境のよさと生活利便性の高さをセールスポイントにして分譲が進められており、まちづくりの計画として地区計画が定められ、ゆとりと潤いのある居住機能を整備することや新たな地域の核となる産業機能の整備、人や産業の交流機能の整備を目標とするふるさとの顔づくり計画も策定されており、緑と爽風と光が奏でる庭園文化都市をテーマにし、地区内に六つの特色ある都市空間を整備することになっています。また、2004年度からはモデル街区を設定して美しい景観づくりの整備も進められているようですが、これらのまちづくり計画が、市の責任において着実に実現されることを求められるようになると思います。 次に、3項目めの安全・安心な通学路の確保について質問をいたします。 鈴木市長のマニフェストの実行の一つとして、ことし4月の市の組織改正の中で、教育委員会に児童・生徒の安全や青少年の健全育成などを推進するこども安全課を新設することが示されましたが、これにより安全で安心な教育環境の整備、とりわけ保護者が強く願う、学校や通学経路において子供たちを犯罪や事故から守る危機管理の仕組みが確立されることを大いに期待するところです。そこで、この組織新設の意義も含めて、次の点について教育長及び担当部長に質問いたします。 第1点目は、児童・生徒の登下校時における子供を守る防犯対策について、各学校ごとに危機管理の仕組みは確立され、それが十分機能されるようになっているのか。また、保護者や地域住民との連携や協力はどの程度進められているのか。教育長として現状をどのように把握され、また課題認識をどのように持たれているのかをお伺いします。 第2点目は、安全な通学路やスクールゾーンの設定や危険箇所の把握及び安全施設整備など、子供たちの通学路の交通安全対策について、学校関係者と保護者や家族、自治会を初めとした地域住民、管轄の警察関係者が連携して対応する仕組みが各学校区ごとに整備され、具体的な活動が行われているのか、現状と課題について
学校教育部長に伺います。 安全な通学路の確保には、歩道やガードレールの整備、横断歩道や信号など交通安全施設の設置などハード面の対策と、子供たちへの交通安全指導や通学路等での車の交通規制など、ソフト面の対策が一体になされることが必要であり、問題解決に向けては、各学校ごとに地域や学校区の実情に合わせて、学校と地域と警察を含めた行政機関が連携した組織を設けて、具体的な問題解決に向けての協議や行動がなされることが必要だと考えるところであります。 第3点目は、今全国的な話題にもなっており、また市内でも重大な事故の発生も見ています中学生・高校生の自転車通学時の交通安全対策に関するものです。昨年には自転車に対する道路交通法も改正され、国の交通対策本部から自治体に対して自転車の安全利用の促進についての要請もなされていますが、これらも含めて、いま一度、小・中・高校のすべての児童・生徒に対する交通規則の遵守の徹底を図り、安全運転の技能を習得する機会を設けたり、通学路の安全確保の対策なども含めて、学校と警察と行政が連携して取り組む必要があると思いますが、現状の取り組みも含めてその考え方と今後の対応について、交通安全政策を所管する
都市計画部長に伺います。 次に、4項目めのこども第一主義を実現させる保育サービスの拡充について質問いたします。 市長マニフェストの一番の政策テーマであるこども第一主義の中で、子育て世代を全力で応援するに関して、この平成20年度予算案において、こども政策事業に重点配分することが打ち出され、子育て世代からの要望が大きい保育サービスの充実についても、保育所・放課後児童会事業の推進として前年度を上回る予算措置が提案され、市長マニフェストを実現させようとする強い意志を高く評価し、今後の実行力に大いに期待するところであります。 しかしながら、市内の保育サービスの現状を見ますと、今年度末には保育所の待機児童を解消するとしていた目標の達成は難しく、まだ多くの待機児童が存在し、地域によっては合併前よりも待機児童がふえているとも聞き及びます。また、学童保育についても利用を希望するが入れない待機児童が多く、保護者にとっては保育所の待機状況よりも深刻な問題と思われる場合もあると認識するところであります。全国的にも同様の実態にあり、ことしの2月末に、政府は保育サービスの拡充などを目指す新待機児童ゼロ作戦を発表しました。目標として、希望するすべての人が子供を預けて働くことができるためのサービスの受け皿を確保し、待機児童をゼロにするとし、今後3年間を集中重点期間とすることが打ち出され、今後の国による財政措置にも大いに期待したいところであります。そこで、浜松としての保育サービスの今後の拡充について、次の3点について伺います。 第1点は、保育所での保育サービスに関して、市内の保育施設での待機児童の実態を地域別に、また各施設ごとに把握できているのか。また、潜在的な部分も含めて、今後どの程度のニーズが出てくると想定されているのか。そして、市としての待機児童ゼロに向けて、保育施設の整備や各種の認可外保育施設や幼保一元化施設など、多様な保育サービスの提供をどのように進めていくのか。また、経済団体でも提言されている事業所内保育施設の設置が促進されるようなインセンティブの検討や地域の企業や団体等に積極的に働きかける考えはないか、
こども家庭部長に伺います。 第2点は、学童保育の保育サービスに関して、これらの施設への利用希望及び待機児童の実態をどのように把握しており、今後の施策についてどのような課題認識を持っているか。また、今後、市としての学童保育の事業に関する基準やガイドラインといったものを設ける必要があると思いますが、その考えはないか。また、国が進めている児童福祉事業の放課後児童クラブと教育行政で行う放課後子ども教室を一体化する放課後子どもプランに関しては、浜松市としてはどのように対応していくのか、
こども家庭部長にお伺いいたします。 第3点は、放課後児童会などの学童保育の推進に当たっては、学校内の施設整備及び事業運営のハード、ソフトの両面において、学校長初め学校関係者の理解と協力が不可欠であり、さらには児童福祉関係者や地域住民との連携や協働の仕組みづくりが必要かと思いますが、これらも含め、放課後の子供たちの過ごし方についての教育委員会としての方針及び今後の対応について、教育長のお考えをぜひお聞かせいただきたいと思います。 最後に、5番目、
政令指定都市としての環境政策の見直しについて質問します。
政令指定都市浜松市としての環境政策については、現在、浜松市
環境基本計画が策定中であり、ごみ処理行政に関しても、浜松市
一般廃棄物処理基本計画が策定中であり、いずれもパブリックコメントを経て、この4月から実施されることになっております。資源循環型社会の形成や先進的な環境共生都市の実現に向けて、計画された具体的な施策が確実に実行されていくことを期待するものですが、対応すべき課題は多岐にわたり、また大きな財源措置が必要となってきます。また、今後、国内外の社会経済の環境も変化していくことが予想されますので、常に変化に対して的確に対応し、必要に応じて見直していくことが必要かと考えます。そこで、次の2点について環境部長に伺います。 第1点目は、ごみ処理行政についてです。12市町村が合併して多様で広域となった
政令指定都市浜松が、資源循環型社会の実現を目指していくには、市内で発生する多量の廃棄物の排出量を大幅に抑制し、削減するような処理システムへの抜本的な見直しが必要だと考えます。先日も、環境省がごみの最終処分量を2015年までに2000年度比で約60%を削減、家庭ごみにおいては20%の削減を目標とする第2次循環型社会形成推進基本計画案を示し、地方自治体にも積極的な取り組みを求める方針のようであります。浜松市としては、今回の基本計画において、ごみ排出抑制のためにごみ処理の有料化、生ごみの堆肥化の促進、資源ごみの分別回収の効果の検証と分別回収方法の見直しなど、どのような検討がなされているのかをお伺いします。 第2点目は、浜松市が
環境基本計画の施策の進捗管理に導入した環境マネジメントシステムISO14001についてです。これは、平成11年に旧浜松市で導入され、既に2回の更新審査が行われ、適用範囲は順次拡大され、
政令指定都市移行時点での対象サイトは52部局216課になっておりますが、今後も全市域のすべての組織に展開し、外部認証機関による認証審査の更新を継続していくのか。また、このマネジメントシステムが対象サイトのすべての職員に徹底されており、事務事業の施策の展開や業務改善及び意識や行動の改革にどのような効果が出ていると検証され、評価しているのかについて伺いたいと思います。また、全国的にはISO14001の認証登録する自治体の数は減少傾向にあります。行政コストの削減や市民協働の具体的な推進の観点から、内部や地域の企業と協働した自己適合宣言や自治体としての独自の規格を導入したり、切りかえる自治体も多いとのことであります。浜松市としても、これまでの取り組みの成果や費用対効果の検証、他の手法との比較検討など、一度立ちどまって見直しをしてもよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 以上で、1回目の質問を終わりたいと思います。 〔山崎泰啓副市長登壇〕
◎副市長(山崎泰啓) 第29番市民クラブ袴田修司議員の御質問にお答えします。 御質問の第1番のものづくりのまち浜松の人材育成についての1点目、浜松市創業都市構想の人材育成戦略の施策の実施計画について、今年度どのように実行してきたのか、また中・長期的な課題についての今後の検討という点についてお答えいたします。 浜松市のものづくり産業の高度化・高付加価値化と新しい産業の創出を図るためには、かなめとなる人材の育成・開発が極めて重要であり、浜松市創業都市構想においても重点戦略の一つとして位置づけております。平成19年度には、産業創造センターにおいて、小・中学生に対する起業家精神啓発事業を行い、また企業経営を担う技術者を対象にしたMOT--マネジメント・オブ・テクノロジー講座や生産現場における基盤技術の習得のための製造中核人材育成事業などを開催してまいりました。御指摘の中・長期的な人材育成につきましては、小学生から大学生、技術者、経営者に至るまで体系的な人材育成戦略を構築することが重要であり、このためには産業界のニーズを踏まえた上で、産学官が一体となって取り組む必要があります。こうしたことから、昨年10月に将来にわたる人財育成戦略・施策についての協議やプロデュースを行っていくことを目的として、産業創造センター内に産業人材育成コンソーシアムを設立したところであります。今後とも、こうした組織を活用し、大学や企業、さらには地域の産業支援機関の強力な連携のもと、将来にわたって人材育成事業を積極的に推進してまいります。 次に、3点目のシニア世代を活用する仕組みや施策を積極的に導入する考えについてお答えいたします。団塊の世代を中心に熟練技能者や技術者が大量に定年退職を迎える中、企業における人材の確保・育成は重要かつ喫緊の課題であり、地域産業の成長や競争力の強化のためには、熟練した経験や技術・技能を次代に継承していくことが重要であると考えております。このため、産業創造センターを中心に、高度な技能・技術を有する方々を認定し活躍していただく浜松版マイスター制度の構築や、定年を迎えた技能者や技術者の専門的な知識や経験を地域の中小企業に生かすものづくり人材バンクの設置についても検討してまいりたいと考えております。 〔花嶋秀樹副市長登壇〕
◎副市長(花嶋秀樹) 次に、私からは、御質問の第2番目、浜北新都市地区の公共・公益施設整備計画と生活インフラの管理についての1点目、公共・公益施設予定地の整備計画及び行政サービスやコミュニティー施設などの整備についてお答えいたします。 浜北新都市開発事業につきましては、独立行政法人都市再生機構が平成25年度完了を目指し、現在事業を施行しているもので、今年度末の事業費ベースにおける進捗率は約72%になる見込みでございます。公共・公益施設の整備計画についてでございますが、区域内には小学校、幼稚園及び集合住宅等の建設予定地が3.9ヘクタール確保されております。しかしながら、いずれの施設も少子高齢化を初めとする社会情勢をかんがみますと、現段階においては早急な整備は控えざるを得ない状況でありますことから、今後はそれぞれの需要等を見きわめた上で、住民のニーズに即した土地利用を図ってまいりたいと考えております。 次に、行政サービスやコミュニティー施設などの整備についてでございますが、現在、区域内には618世帯1880人の方々が居住し、既に一部には新しい地域コミュニティーが形成されております。また、事業完了時には、隣接します内野台地区と合わせて約1万人が居住することが見込まれておりますことから、今後、行政サービスや地域コミュニティーの向上を目的とした施設計画や地域住民からの要望につきましては、浜北区役所において取りまとめた上で、本庁関係部署と調整を図り、施設整備等の必要性について検討してまいりたいと考えております。 次に、2点目の生活インフラの管理の考え方についてお答えいたします。浜北新都市につきましては、自然環境に調和した良好な居住機能や産業機能の創出に向けて、現在整備が実施されております。中でも住宅ゾーンにつきましては、良好な景観形成や地域コミュニティーの醸成に配慮した整備がされるなど、個性と潤いあるまちづくりを推進しております。この事業は、先ほども述べましたとおり、独立行政法人都市再生機構が実施する
土地区画整理事業とあわせて、公園、河川事業につきましては本市が実施し、これらの公共施設の維持管理に当たりましては、整備完了後、順次市の関係部署が適切な管理に努めてまいります。一方、議員御指摘のとおり、良好な住環境の維持管理や保全に当たりましては、地域住民の皆様方の協力が必要不可欠であります。これらへの取り組みとして、例えば歩道清掃や花の管理などを地域の皆様に協力していただく、いわゆるアダプトプログラムや公園愛護会制度の活用が考えられます。これらの導入に当たりましては、その制度の意義や役割について十分説明して御理解をしていただく中で、市民協働によるまちづくりに努めてまいります。 〔高木伸三教育長登壇〕
◎教育長(高木伸三) 次に、御質問の第1番目、ものづくりのまち浜松の人材育成についての2点目、キャリア教育やものづくり教育についての取り組み状況と課題認識、今後の推進計画や産学官の連携についてお答えいたします。 現在、学校教育においては、理科や総合的な学習の時間を中心に、体験を通して学ばせることを重視して、キャリア教育やものづくり教育に取り組んでいます。キャリア教育については、児童・生徒が作成したハンカチやTシャツなどを地元の商店街で販売したり、事業所で3日以上の職場体験を実施したりして、夢や目標を膨らめるとともに勤労観や職業観をはぐくんでおります。ものづくり教育については、平成17年度から理数大好きモデル地域事業を継続し、体験を通して児童・生徒の興味関心が高まりつつあります。例えば、自動車会社と連携した取り組みでは、エンジンの分解、それから粘土を使った自動車のデザインなどの体験活動を通して、科学技術について生き生きと学ぶ生徒の姿を見ることができました。御指摘のように、実践校における産学官の連携の仕方や取り組みを紹介し、さらなる人材の発掘に努め、市内全校へ広めることが課題だと認識しています。そこで、今後は事業報告書の配布や教員研修会の実施、講師登録リストの活用などで成果を共有してまいります。また、本年度から実施している理科支援員等配置事業において、市内全小学校に順次理科支援員を配置し、大学、企業、NPO等の研究者・技術者を特別講師として派遣するなど、産学官の連携によるものづくり教育を推進してまいります。 次に、御質問の第3番目、安全・安心な通学路の確保についての1点目、登下校時における子供を守る防犯対策についてお答えします。 危機管理の仕組みについてでございますが、各学校で策定した通学路の安全対策を含めた危機管理マニュアルに従って、登下校時の安全指導や不審者情報への対応、関係機関への通報などを行っています。不審者に関する情報は、現在、通知文や緊急連絡網による情報提供に加え、学校とPTAが協力し、メール配信システムを取り入れている学校もあります。保護者や地域住民の皆様との連携・協力についてですが、保護者の方々には下校時における出迎えや学校安全ボランティアへの参加、通学路の安全点検などを、また地域の方々には青色回転灯を装着した巡回活動や各種団体による防犯パトロールなどを、地域の実情に合わせて取り組んでいただいています。こうした活動により、不審者による声かけ事案や犯罪が減少していると警察関係者からお聞きしていますが、地域によっては学校安全ボランティアが集まりにくいとの声も聞かれます。そこで、教育委員会では、来年度、スクールガード・リーダーの増員とともに、学校安全ボランティア募集や防犯啓発のチラシを配布し、地域の方々の御協力が得られるよう取り組んでまいります。 次に、御質問の第4番目、こども第一主義を実現させる保育サービスの拡充についての3点目、放課後児童会の施設整備等に対する教育委員会としての姿勢と今後の対応についてお答えいたします。 放課後こども対策については、児童の安全確保や基本的な生活習慣の援助、学習活動の支援等、児童の健全な育成を図る観点から大変重要であると認識しております。御指摘の放課後児童会の学校内への設置についてでございますが、私は昨年12月の校長会の折にも、放課後児童会の子供も自分の学校の子供であることを念頭に、放課後児童会のありようを考えてほしいと伝えたところでございます。子供たちが安全で安心して放課後児童会を利用するためにも、できる限り子供たちが通う自分たちの学校内に設置することが望ましいと考えております。 放課後児童会の学校内への設置状況でございますが、平成20年4月には、市内に80カ所となり、そのうち余裕教室の利用が36校、敷地内への建物設置が22校の計58カ所となります。各学校では授業の充実をキーワードに子供の学力向上に努めており、少人数指導やチームティーチングを積極的に行うなど、さまざまな学習形態をとるため余裕教室が生まれないという実情もございます。こうしたことから、放課後児童会の設置が求められている地域におきましては、保護者の皆様を初め、地域住民の皆様、放課後児童会の指導者やボランティアの皆様ともよく相談しながら、できる限りの受け入れをするよう学校に働きかけてまいります。 〔古橋利広
学校教育部長登壇〕
◎
学校教育部長(古橋利広) 次に、御質問の第3番目、安全・安心な通学路の確保についての2点目、通学路の交通安全対策についてお答えいたします。 各学校区において、学校関係者、自治会と行政部署が連携して対応する仕組みが整備されているかでございますが、現在、すべての小学校で開催している交通安全リーダーと父母と交通安全を語る会に自治会を初め、警察、市関係部署が参加し、6年生を中心に登下校の安全活動や通学路の危険箇所など、各学校区の交通事情について意見交換する場が持たれております。また、幼稚園・学校では、毎年8月にPTAや自治会の皆様の協力を得て通学路の安全点検を行い、市に整備要望を提出することになっていますが、御質問の学校区ごとに連携して対応する仕組みづくりまでには至っておりません。広大な市域を抱え、小・中学校162校、幼稚園68園が持つ多様な通学路の整備要望にきめ細かな配慮をしていくためにも、御指摘のような仕組みは通学路の安全対策を推進する上で大切であると考えます。教育委員会といたしましても、各学校の実情を反映した通学路の安全対策について協議できる新たな仕組みづくりを関係機関に働きかけ、調整してまいります。 〔織田村 達
都市計画部長登壇〕
◎
都市計画部長(織田村達) 続きまして、御質問の第3番目の3点目、中学・高校生の自転車通学時の交通安全対策への取り組みについてお答えいたします。 自転車は手軽で便利な乗り物として子供から高齢者まで幅広く利用されており、特に中学・高校生は通学等で数多く利用しています。しかし、便利な自転車も正しく乗らなければ危険であったり、時には歩行者と接触し大きな事故を引き起こすことにもなりかねません。本市の自転車事故の発生状況を見ますと、昨年1年間で1531人の方が死傷しており、このうち中学生の負傷者は111人、高校生の負傷者は384人で約32%を占めております。これらは安全な自転車の乗り方が身についておらず、交通ルール、マナーに対する意識が希薄であることなども原因と考えられます。このようなことから、中学生については、自転車用反射材の取りつけや自転車の正しい乗り方の指導など、参加体験型の交通安全教室を開催するほか、高校生については、高等学校生徒指導連合会と連携して、通学時の一斉街頭指導や交通安全の標語コンクールを実施し、交通マナーと交通安全意識の高揚を図っているところです。いずれにしましても、多発する自転車事故を防止するため、警察署、教育委員会などの各関係機関とも連携し、通学路の安全確保はもとより、交通安全教育、広報、街頭指導などを実施し、改正道路交通法も含めた交通ルールの遵守やマナーの向上に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 〔河村良枝
こども家庭部長登壇〕
◎
こども家庭部長(河村良枝) 次に、御質問の第4番目、こども第一主義を実現させる保育サービスの拡充についての1点目、保育所待機児童の現状と今後の保育ニーズ及び待機児童解消に向けた取り組みと事業所内保育施設についてお答えいたします。 まず、本市の保育所待機児童数は、平成19年4月1日現在119人となっており、地域別では、旧浜松市の北東部や北部地域及び浜北区に待機児童が多く、これらの地域では大規模な宅地開発などにより、今後も保育ニーズが増加していくものと予想されます。待機児童の解消につきましては、民間保育所の整備を進め、昨年4月に2園を新設し、この4月には90人定員の保育所1園の新設に加え、東区内において既存保育所の増改築による30人の定員増を予定しております。また、21年4月にも浜北区内において同様に30人の定員増を予定しており、待機児童の地域的な偏在の解消に努めている次第でございます。 一方、保育ニーズは多様であり、こうしたハード整備だけでは対応できない面もございます。今後におきましても、増改築などの施設整備はもとより、保育所定員の弾力的対応、認証保育所制度の一層の周知、私立幼稚園などに対する認定こども園制度の参入促進など、効果的な施策を機動的に推進し、待機児童の解消を図ってまいります。 次に、事業所内保育施設に対する優遇措置などの検討や企業への働きかけでございますが、国の外郭団体である21世紀職業財団が事業主に対して、一定の基準を満たす保育施設の設置、運営、保育遊具の購入などの費用の一部を助成しております。本市といたしましても、保育所待機児童解消の効果的な対応策を検討するため、来年度、庁内会議を設けてまいりますので、事業所内保育施設などの固定資産税の減免制度の導入に向けた検討のほか、企業関係者の御意見を伺い、事業所内保育の推進策についても検討してまいります。また、事業者に対しましては、日ごろから機会をとらえて保育施設の設置をお願いしているところでございますが、引き続き積極的に企業への働きかけに努めてまいります。 次に2点目、学童保育の利用希望及び待機者の実態と課題認識、また基準やガイドラインの作成と放課後子どもプランについてお答えいたします。学童保育は放課後児童健全育成事業として、本市では児童福祉法に基づき、おおむね10歳未満の児童を対象に、昼間保護者が就労などで家庭にいない子供たちの放課後の安全で健やかな生活の場を提供しております。平成19年3月の応募者数は3740人で、待機児童は5月時点で68人でございましたが、3年生が入会できない児童会もございます。近年、放課後児童会に対するニーズはますます高まり、小学校の余裕教室や近隣の公共施設の活用も困難な場合には専用施設を建設するなど、開設場所の確保に努め、定員を拡大しているところでございます。 次に、放課後児童会の基準やガイドラインの作成についてでございますが、昨年10月に放課後児童クラブの運営がより一層向上することを目的に国がガイドラインを策定したことから、このガイドラインを目標に事業を実施してまいります。また、放課後子どもプランにつきましては、今年度、学識経験者などによる放課後子どもプラン推進委員会を設置し、待機児童の状況、共働き家庭の増加など、本市のさまざまな状況を踏まえ、導入の方向性を検討してまいりました。その中で、子どもプランの柱の一つである放課後子ども教室は、ボランティアや場所の確保など多くの課題があることから、本市ではもう一つの柱である放課後児童会を最優先すべきとの報告をいただきました。こうしたことから、20年度から家庭と地域が一体となって子供の健全育成に取り組むためのボランティアを養成する地域子ども支援ネットワークづくり事業を実施するとともに、放課後児童会未開設校への新規開設や待機児童の多い学校への定員の拡大など事業の充実を図ってまいります。 〔尾高紀夫環境部長登壇〕
◎環境部長(尾高紀夫) 次に、御質問の第5番目、
政令指定都市としての環境政策の見直しについての1点目、廃棄物の排出量を抑制・減少させる処理システムの見直しなどについて、どのような検討がなされているかという御質問にお答えいたします。 今年度は、
政令指定都市となった浜松市として
一般廃棄物処理基本計画を策定いたします。まず、ごみ処理の有料化につきましては、計画の中で、ごみの減量を推進する経済的手法の一つとして位置づけ、ごみの排出量に応じた負担の公平化とごみ減量への意識改革を推進するため、導入について今後検討してまいります。検討に当たりましては、市民への負担の増加や不法投棄対策などについても十分に議論してまいりたいと考えております。 次に、生ごみの堆肥化の促進については、堆肥化容器の無料配布や生ごみ処理機の購入助成を実施しております。今後は、この家庭での堆肥化によるごみ減量をさらに推進いたします。また、計画の中において、生ごみの減量対策として、生ごみを分別収集し、堆肥化施設、バイオガス化施設等での処理を調査研究することとしております。このほか、資源ごみの分別回収につきましては、現在、瓶、缶、ペットボトルやトレーなどのプラスチック製容器包装について分別収集し、容器リサイクル協会ルート等により再資源化が図られております。なお、合併による収集方法等の違いがありますので、分別区分の統一とともに、より効率的な収集体制を構築し、さらなる資源物の再資源化を図ってまいります。ごみの減量は、市民の身近なところから資源循環型社会の実現を考えるきっかけともなりますので、今後も啓発方法を工夫しながら取り組んでまいります。 次に、2点目のISO14001を今後も全組織に展開し、認証審査を更新していくのか、マネジメントシステムが全職員に徹底され、どのような効果が出ているのか、行政コストの観点から、自己適合宣言や自治体の独自規格に切りかえるなど、見直しをする考えはないかについてお答えいたします。 本市におきましては、現在、庁内の全組織を対象にISO14001環境マネジメントシステムに取り組むことにより、事業実施における環境負荷の軽減や環境法規制の遵守、危機管理等をマニュアル化し、担当者が変更しても対応できるようになっており、環境に配慮した事業展開の継続的改善が図られています。しかし、合併に引き続く政令市移行など、組織再編により新設された課や業務に変更があった課では、本システムの運用が必ずしも確実に図られているとは言いがたい面もございます。御指摘の自己適合宣言や独自規格への切りかえについては、認証の維持・更新に要する費用の削減が図られる反面、それにかわって対外的に信用を維持できる評価システムの構築が不可欠であり、内部環境監査員の一層のレベルアップを図るほか、環境マネジメントシステムの専門家に監査を依頼するなど、新たな人的コストが生ずることが考えられます。また、平成20年度からは、全庁を挙げた取り組みが求められている新たな
環境基本計画や地球温暖化防止実行計画の進捗を管理するツールとして本システムを活用していくことを予定しております。このような状況から、当面は全組織を対象に現状のシステムの積極的な運用を図っていく必要があると考えており、ISOの登録対象サイトの見直しや自己適合宣言、あるいは、独自規格への切りかえについては、今後の検討すべき課題であるととらえております。
◆29番(袴田修司) 議長、29番。
○副議長(高林龍治) 29番。 〔袴田修司議員登壇〕
◆29番(袴田修司) ただいま、それぞれ丁寧な答弁をいただいたと思います。御答弁に対しまして、なお私の意見・要望、あるいは提案を時間の許す範囲でやらせていただきたいというふうに思います。 まず、第1点目のものづくりのまち浜松の人材育成についてです。その中でも、特に私も創業都市構想、人財育成戦略に目を通させていただきましたけれども、いわゆる現役と同等、またそれ以上のシニア世代の皆さんのマンパワーを生かすという観点での施策がやや弱いように感じました。非常にこの世代の人たちは、意欲、能力を持っている人がたくさんいますし、また地域に愛着を抱いて現役で働き続けるという意思を強く持たれているんではないかと思います。こういう方たちに活躍してもらう、そういう機会、環境をつくるということがやっぱり自治体としても大きなテーマになってくるんではないかなというふうに思います。それぞれ今、これからやろうとしていることを、ここで副市長に言っていただきましたので、ぜひそれを実行していただきたいなと思うところであります。 ただ、我々も会派で海外視察した折には、必ず地元の企業の海外の工場を訪問させていただいているわけでありますけれども、ほぼ全く日本と同じ工場、設備で行われています。そこで、日本から技術者、技能者が出かけていって指導しているわけであります。中には定年を迎えた方が現地の工場で指導のみならず、技術・技能の伝承も行っている。そういう方がどんどんふえているということも聞きます。そういう話を見聞きしますと、工場の移転だけではなくて、本当にそういう技術・技能の伝承まで海外移転をされてしまうのではないかという危機感も非常に強く持つものであります。 それからまた、東京大学のものづくり経営研究センターというところで、今ものづくりのベテラン人材を再教育して、一つの企業だけではなくて、ほかの企業、あるいは異業種においても通用するものづくりインストラクターを養成するというようなプロジェクトが動いているようであります。結果として、非常に大きな成果も出ているというふうに聞きます。ですから、ぜひこういうような情報収集も含めて、しっかりやっていただいて、産学官の協働で浜松地域において先進的なシニア世代のマンパワーの蓄積と活用、こういったものができるようにぜひ考えていただきたいなと思います。 それから、浜北新都市地区の公共・公益施設整備計画と生活インフラの管理については、花嶋副市長のほうから前向きな答弁をいただいたというふうに受けとめております。特に、もう染地台という名前で新しいまちができていますけれども、想定の予想人口が6600人、隣接する内野台や内野地区を合わせますと約1万4000人、さらに、南に隣接する新興住宅街の半田山地区を合わせますと約1万7000人の人たちが集住する地域となります。ほかの浜松の市内を見ても1万1000人規模の佐鳴台地区には地区公民館があります。また、最近できつつあるゆう・おおひとみ団地には図書館があります。また、人口6500人の大平台には小学校、幼稚園、保育園、高校も含めてですけれども、教育施設があります。そして、同じテクノポリスの人口4700人の新都田地区には行政サービスセンターが設置されております。そういったことも踏まえて、この人口規模にふさわしい施設整備というものが必要だと思いますので、事業完成時を目途に、ぜひ具体的な整備計画を進めていただきたいと強く要望させていただきたいと思います。 それから、3番目の安全・安心な通学路の確保についてということでは、自転車に関してでありますけれども、この6月から法律が改正されるということで、小学生は歩道をいいよ、中学生・高校生はだめよということで、そういったことが子供たちにしっかり徹底されないと混乱を起こすのではないかな、ぜひそういったことをきちんと知らしめるということも、これはどちらかというと、学校教育現場でのお願いとなると思いますけれども、やっていただきたいと思いますし、自転車は被害者になるばかりじゃなくて、加害者になるということをしっかり伝えてほしいなと。加害者になれば、未成年といえども非常に大きな責任を負うことになるということを理解してもらうために、場合によっては厳しい指導、取り締まりも含めてですね、警察を含めてやっていく必要があるのではないかなと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それから、こども第一主義での保育サービスのところであります。担当部長のほうからは、非常にピッチを上げて整備をしていくという力強いお答えをいただいたかなと思いますけれども、この待機児童の問題は、実は一方で出生率が減っているということでありますけれども、乳幼児の母親の就業の意欲、こういったものがふえてきているということを反映して、保育所への入所希望がどんどんふえ続けている。いわば、保育施設が整備されれば、逆にそういうニーズがですね、潜在化されていたものが顕在化するということで、そういった循環が今起こってしまっているのではないかなというふうに思います。 それから、トータルで定数を満たしましたよということでは、やっぱりニーズに対応し切れていない、これは部長からもお話がありましたけれども、住んでいるところと勤めるところ、それからそこを結ぶ通勤経路、ここに預ける場所がないと、ニーズを満たしているということにはならないというふうに思います。ぜひ、そういう地域の実情とか、きめ細かく見て対応していただきたいと思います。特に合併をして、合併の境の保育所がふえているというのは、逆に合併のある意味でメリットかなと、今まで隣の保育園に市の境があるために行けなかったのが、境がなくなって行けるようになった。非常に便利になったんですけれども、その分、非常に園からすると、殺到してきて大変になっているということもあると思います。ぜひそういった地域、施設ごとの実情を考慮して施設整備を進めていただきたいと思います。 それから、事業所内保育についても、経団連のほうでも各企業に対して、要は福利厚生施設としての保育所ということのみならず、地域で利用できるような保育施設をというような呼びかけも行われています。企業のほうも社会貢献の活動の一環ということで考え始めているという動きもありますので、ぜひ企業、あるいは産業界に足を運んでいっていただいて、要望、意向、こういったものもしっかり調査した上で、いい形でタイアップできるようにぜひ取り組んでいただきたいなと思います。 それから、放課後児童プラン、これについては浜松としては、どちらかというと学童保育、児童福祉のほうを充実させていくということでありますけれども、それはそれで非常に質の面を見ればいいのかもわかりませんけれども、ただ、どうしてもそれでいくと、定数というものはあるわけでありまして、入りたくても入れないという状況が解消されるというのは、ちょっと心配な面があります。ぜひ全部の子供を受け入れるという前提でいけば、文部科学省が進めている放課後子ども教室との併用だとか、あるいは部分的に仕組みを取り入れるだとか、そういったことも含めて検討されたらいかがかなというふうに思います。 それから、最後の環境政策に関してであります。午前中は有料化はけしからんという話もありましたけれども、私のほうはどちらかというと、やっぱり減量化するためには有料化というのは非常に効果があるというのが、他都市の例でも出ていますし、住民の意識もかなり高まってはきているというふうに思います。ですから、それは進めるべきではないかなと思いますけれども、ただ、いずれにしても、やっぱりごみをどう減らすのか、よく3Rを同時にやりましょうと言いますけれども、やっぱりリデュース(発生抑制)に最重点というのが原則だと思います。リサイクル等は補完的に考えるべきではないかなというふうに思います。実際には、今浜北地区では有料でごみ袋を買って出しているわけですから、有料化と一緒なわけであります。これが地区で違うというのは、ちょっと公平感の面でどうかなと思います。ぜひこういったところは早くごみ減量という前提で、全市統一して指定袋制の導入が必要ではないかなというふうに思います。 それから、ペットボトルとか、プラごみも、聞くところによると、実はほとんどリサイクルされていないというような話も聞きますし、リサイクルするのに石油エネルギーを何倍も使っているというような指摘もありますので、ぜひペットボトル、プラごみの分別にしても、分ければいいということではなくて、どうしたら減らせるのかという施策を科学的、技術的な検証をした上でぜひ進めていっていただきたいなというふうに思います。 それから、ISO14001については続けていくという力強い答弁をいただきましたけれども、やはりある意味で言うと、これも一つの手法でありますので、自治体はこれを取得することを目的にする必要はないと思います。その精神だとか、ノウハウをしっかり利用すればいいということでありますし、もう既にいろんな自治体での試行錯誤等もあるようでありますので、ぜひよくいろいろ調べていただいて、浜松にとってどういう方法が一番いいのか、行革の観点からもぜひ一度立ちどまっての見直しをしていただくことをお願いしたいと思います。 以上で、私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(高林龍治) 次に、32番氏原章博議員。(拍手) 〔氏原章博議員登壇〕
◆32番(氏原章博) それでは、一般質問を改革はままつ氏原がいたします。 1点目、浜松城公園整備構想について。浜松城公園は計画面積12.6ヘクタールの総合公園であり、現在、鹿谷地区の一部を除き10.7ヘクタールを開設しています。公園は市街地の中にある緑豊かなセントラルパークとして位置づけられるべきと考えますが、そのためには長期的視点に立ち、浜松城を中心とした
政令指定都市にふさわしい風格ある公園整備構想を検討すべきであります。浜松城公園の整備は、現在、新市建設計画に基づき、天主やぐら門、富士見やぐら門などの整備、西別館撤去後の南エントランスの整備などが計画されているが、これだけでは市民の誇り得る公園、都市の風格をあらわす公園としては物足りないものと感じます。市庁舎の撤去が実現すれば、浜松城天守閣からの眺望も改善され、市街地の観光資源として、市内外から多くの観光客を呼び込むことも可能になると思われます。また、市役所本庁舎の移転先については、より交通利便性にすぐれ、中心市街地のにぎわいの創出にもつながる県の総合庁舎を借り受けることとし、中区役所については、国の合同庁舎に移転が決まっている西税務署の建物を活用することも提案しますが、市長の考え方を伺います。 国家百年の大計という言葉があるが、まさに浜松市百年の大計として現在の市庁舎移転を念頭に、跡地を浜松城公園として整備し、公園のメーンエントランスの整備やかつてあったお堀の復元など、セントラルパーク、城址公園としてふさわしい施設の設置を検討することはできないか、市長に伺います。 2番目、浜松の医療現場の課題と展望について、産科医療について市長に伺います。 日本の未来を考えたときの課題として、少子高齢化対策や教育のあり方が問われている現状であります。その中でも、特に少子化については、これ以上少子化が進めば、年金制度等、国を支えてきた各種基本的な制度の維持が難しくなると予想される中で、制度を維持するための各種の見直しがされています。このような状況下、子育て支援策として、乳幼児医療費助成制度の対象年齢の引き上げや児童福祉手当のアップや対象年齢の引き上げなどの対策がとられていますが、肝心な出産に対する対策はどのような状況になっているのか気になるところであります。我が国の分娩件数は平成8年に123万件であったが、平成17年には108万件と約12%減少しています。また、出生場所として、昭和25年には自宅等が95.4%でほとんどを占めていましたが、昭和45年には自宅等が3.9%となり、かわりに病院・診療所が85.4%、助産所が10.6%とふえています。さらに、平成17年には病院・診療所が98.8%、助産所が1.0%と推移しています。このように、日本の出産は自宅出産から産院出産に変化するとともに、産婦人科医や小児科医による高度な周産期医療により、その安全性が守られてきていると考えます。これらを周産期死亡率で見ると、昭和55年が20.2%、平成7年が7.0%、平成17年には4.8%と減少していることから見てとれます。また、我が国の周産期医療は、比較的小規模な多数の分娩施設が分散して分娩を行うことにより提供されてきたと思います。ところが、身近な場所に安心して子供の出産を任せられる医者や病院・診療所がなくて困っているという声を数多く聞くことがありますが、国を挙げて少子化対策をとっているときに、十分な出産の機会が保障される必要があると考えます。 1点目、そこで、全国的に産科医が少なく診療科を閉鎖する病院が多いと聞きますが、その実態及び原因について伺います。2点目、次に、ここ数年、病院の産科や個人産院の閉鎖が各地で相次ぎ、出産場所探しに苦労する女性がふえていると聞きます。そのような中、浜松市は他地域に比べ、医療資源が豊富であると昔から言われていますが、身近な市民からは、産科医がなくて出産場所を探すのに苦労するという声を聞きますが、浜松市の産科医の状況をお伺いします。3点目、医療行政は、本来、国及び県が責任を持ってすべきことであると思いますが、今後、市民が安心して子供が産めるようにどのように対策を考えているか伺います。4点目、ある新聞の記事に地方の三つの総合病院が産科医師不足で、一昨年から相次いで産科の閉鎖に追い込まれた。地域の産科開業医も高齢で、近年、計5医院が廃業している。こうした中、ある産科医院が医師4名、助産師、看護師合わせて25人体制で16床の増床を計画し、保健所に打診したが、認められなかったとのことである。産科医療施設の不足が言われている折にもかかわらず、こうした結果になるのはなぜか、行政的な解決策はないのかをお伺いします。 3番目、
フォルテ売却について市長に伺います。 昭和30年代の浜松駅には、特急のつばめやさくら等が停車し、鉄道マニアにとっては、浜松駅は実に輝いているものでした。私も幼少のころ、父親に連れていってもらい、特急列車や長く連結されている貨物列車を見て、幼心にとても楽しく、そしてうれしく、明るい未来を感じたものでした。しかしながら、モータリゼーションの進展により、一気に車がふえ、東海道線が浜松市の南北交通を遮断していることが大きな問題となってきました。数少ない踏切は貨物列車の線路の入れかえ等で、どこもあかずの踏切となっていました。市内を東西に走っている東海道線は、鉄道の便としては極めて便がよいものでした。しかしながら、あかずの踏切が障害となり、著しい車の渋滞が起こり、市民のいらいらが募るばかりとなり、高架を図り、南北交通を円滑化することが市民共通の悲願であり、市民が結束して多くの署名活動をしたものです。幸いにも、東海道線の高架事業は、新幹線の線路と平行する形で南に移動して事業化され、今日の姿になりました。今フォルテの建っている場所は、東海道線の線路敷地内に当たり、鉄道高架事業と区画整理事業により浜松市の土地になったという経過をたどっています。 さて、フォルテには市民サービスセンター、観光コンベンションビューロー、浜松国際交流センター、駅前図書館等公共施設があり、多くの市民が利用しています。中でも、木下恵介記念館は郷土が生んだ日本映画の巨匠であり、東京等から多くのファンがリピーターとして訪れていると聞いております。音楽のまち浜松はアクトシティが担い、浜松の文化の原点として木下恵介記念館がフォルテにあるという認識をしています。浜松の表玄関にあるフォルテは、1階のガーデンは屋根のある公園というイメージで、若い人から高齢者までの待ち合わせの場所として、また憩いの場所としてにぎわっています。また、毎月開かれる野菜・果物市の新鮮バザールは、ガーデンが狭く感じるほど多くの出展者と買い物客で熱気があふれています。さらに、毎年7月実施している浜松ゆかたまつりでは、吹き抜けを十二分に活用した3階から1階への浴衣生地の展示は迫力があり、浴衣生産日本一の浜松を全国に発信しています。地下ホールでは毎月落語会が開催され、ステージと観客の距離がほどよいことから、出演する落語家から評判がよく、観客からは落語家の表情一つ一つが読み取れ、またとない席亭と高い評価が出ています。 周辺に目を移せば、市内どこからでも見えるアクトシティは、浜松市のランドマークタワーとなっており、駅周辺には民間の大きなビルが建ち並び、土地利用の増進と都市機能の集積がされています。近年、全国的な傾向として、どこへ行ってもシャッター通りが都市問題となっています。浜松でも、デパートや大型スーパー等が相次ぎ撤退し、都心の空洞化が問題となり、中心市街地の活性化が市政の重要事項です。人集めの機能が集積したフォルテは、中心街の活性化のために、なくてはならない存在と考えるものであります。そこで、以上を踏まえ、以下5点を市長に伺います。 1点目は、フォルテの現在の土地の評価額は幾らか伺います。2点目は、市施設の撤退等、今後の展開により所有者の倒産といったことも可能性としては考えられる。そこで、所有者である第三セクターの浜松都市開発株式会社の清算の見通しについて伺います。3点目は、フォルテの跡地について、どのような構想を持っているのか伺います。4点目は、フォルテの撤退により本市の土地等の資産の売却や、浜松都市開発株式会社の出資金等すべての収支と、有形無形で数値にはあらわれない市民感情についてどのように考えるか伺います。5点目は、行革審での売却という方向のもと、行政全体が動いてしまっている現状がある。しかしながら、行革という枠の中で浜松都市開発株式会社を逆に利用して、市民の期待にこたえるという方策もあり得るのではないでしょうか。さまざまな選択肢を示すべきと思いますが、考えを伺います。 4番目、浜松市の教育現場の課題と展望について。1点目、外国人の子供に対する教育支援について質問します。 平成19年12月末現在、浜松市の外国人登録者数は3万3272人で総人口の約4%を占めています。そのうちブラジル人が1万9474人で、浜松は日本一ブラジル人が多いまちであると聞いております。こうした外国人市民の増加に伴って、外国人児童・生徒の数も年々増加傾向にあるとのことで、市内の小・中学校には、昨年12月末時点で約1600人が在籍しているとのことです。浜松市にとって、外国人との共生社会を築くことは重要な政策課題であり、ビジョン22マニフェスト工程表にも掲げられているように、私は、外国人の子供に対する教育支援が特に重要であると考えます。そこで、私は、外国人の子供に対する教育支援について、教育長及び企画部長に次の3点をお伺いいたします。 まず1点目ですが、市内の小・中学校に在籍している外国人児童・生徒に対して、市は現在どのような教育支援をしているか、その取り組みについて伺います。また、その成果をどのようにとらえているか、あわせてお伺いいたします。次に、2点目ですが、外国人子供教育支援について、来年度はさらに拡充するとの方針であると伺っていますが、来年度の取り組みの重点についてお伺いいたします。3点目に、現在、市では教育委員会だけでなく、国際課や国際交流協会など、さまざまな部署で外国人に関する事業を展開していますが、今後どのように連携していくのか伺います。また、これまで外国人に対する事業はほとんど市が単独で実施していると聞いていますが、国、企業それぞれが果たすべき責務があると考えますが、どのような考えか伺います。あわせて、市として、今後、国や企業とどのように連携していくのか、その考えを伺います。 2点目、浜松市立蒲小学校の運動場拡張について。次に、浜松市立蒲小学校運動場拡張についてお伺いします。 蒲小学校の学区には、古くから織物工場や製造工場が多く建ち並んでいましたが、近年になって工場の撤退とともに、その跡地は中高層マンションや住宅分譲地、商業地へと変化し、そこに多くの住民が移り住むようになってきました。平成20年度の蒲小学校の児童数は、現在既に29クラス、1040人となっており、こうした地域の状況の中、今後も児童数の増加が見込まれております。教育委員会の推計によりますと、平成25年度には各学年6クラス、全校では36クラスの浜松市内でも最大の大規模校となることが予測されています。その対策として、分離新設校の設置や学区の見直しなどの方法もありますが、この地区は蒲神明宮の祭典に代表されるように、地域の一体感が強く、地元としても学区を分けることには難しさがあることはよくわかります。また承知もしております。一方、現在の校舎では二、三年後には児童数の増加に伴う普通教室の不足が見込まれるため、市では校舎の増築の計画を進めていると伺っております。しかし、運動場につきまして、現在でも児童数に比較して、市内のほかの小学校と比較して狭隘な運動場となっており、校舎の増築に伴い、さらに運動場が狭くなることから、教育環境の面で改善が必要であり、運動場の拡張を検討すべきと考えます。つきましては、こうした蒲小学校の現況を踏まえる中で、運動場の拡張について、今後どのような考えで対応するのか、
学校教育部長にお伺いいたします。 5番目、住宅地における小規模公園整備について。 本市の公園整備状況は市民1人当たりにおいて国の平均に至らないものの、地区公園や近隣公園といった規模のものは、時間をかけながら着実に進展しているものと理解しています。また、区画整理事業や宅地造成を行った地域では、それぞれ大小の公園が整備され、市民生活に潤いを与えています。しかしながら、旧来から住宅密度が高かった地域では、公園整備が思うように進んでいないのが残念ながら現状であります。集落が密集した市街化区域住民の要望を聞くと、身近なところに小さくてもよいから、安心して子供を遊ばすことができ、年寄りが集える公園や広場が欲しいとの声が多い。こうした地域をよく見ると、農地があちらこちらに散在しており、きれいに耕作された農地は景観の形成にも寄与しているが、耕作放棄され、荒れ放題の農地はまた目につくところであります。一方、本市が
政令指定都市に移行したことにより、市街化区域内の農地は宅地並み課税されることになり、生産緑地制度のもと今後も農業生産が続けられるところは問題ないが、500平方メートル以下で制度の枠外の農地など、税の負担と今後の開発との時間的なギャップの存在に地権者は頭を痛める部分でもある。そこで、市街化区域の生産緑地制度を外れた農地などを対象とし、固定資産税の減免を原則として貸借をし、地域要望と建設に際して地域住民の協力とその後の維持管理を条件としたポケットパーク整備構想を策定し、要望の多い住宅地における小規模公園の整備手法としたらと提案します。市民協働の見本ともなり得る事業とも考えるが、所見を伺います。 芳川の浄化について。 芳川は市街地を流れる河川で、その堤防やのり面には桜やカンナなどの緑や花などが植えられ、市民に潤いと安らぎを与える絶好の場所となっています。水質も河川の代表的な指数であるBODが平成6年の12ミリグラム/リットルから平成18年には4.3ミリグラム/リットルと改善が進んでいます。これは市民ボランティアの浄化活動や下水道の普及などの行政の取り組みによるものと考えられ、こうした市民団体の活動や行政に感謝する次第であります。しかし、芳川を小学生の生徒が写生すると真っ黒にかいてくるのにびっくりします。これは上流の染色工場から色のついた排水が流され、芳川を流れる水が真っ黒になっているからであります。私が小学生のときに、と言っても50年以上前になりますが、川で水遊びをし、魚やザリガニをとったりしていました。今の小学生にもきれいな芳川で川遊びを経験させたいと思うのは、私だけではなく付近住民の悲願であります。染色工場が色のついた水を川に流すことは違法ではないと思いますが、市としては着色排水対策に積極的に取り組むべきであると考えています。このような状況の中、一昨年度に市が地元住民、有識者、染色業界の代表で組織する
市民検討委員会を開催し、芳川の着色問題を検討して、一昨年3月には検討委員会から市長に対して提言書が提出されたと伺っています。検討委員会から提出された提言書の内容について、環境部長に伺います。また、提言書の提出を受けて市がどのように対応したのか、及び今後芳川の着色排水に対する市の取り組みについて、あわせてお伺いいたします。 以上です。 〔鈴木康友市長登壇〕
◎市長(鈴木康友) それでは、第32番改革はままつ氏原章博議員の御質問にお答えいたします。 御質問の1番目の浜松城公園整備構想についての1点目、公園整備のために庁舎として、県の総合庁舎や西税務署の建物を活用してはどうかという点についてお答えいたします。 現在の庁舎本館は昭和56年に建設されたもので、経過年数は27年、耐震性能につきましても大規模地震に対し、倒壊する危険性は低いという判定でございます。このため、今後とも部分的な補強改修工事等を除き、耐用年数に達するまで庁舎として現況のまま利用してまいりたいと考えております。なお、御質問の県の総合庁舎につきましては、既に昨年4月より事務スペースの一部を借り受け、政令市移譲事務の一つである児童相談所等として利用しているところでございます。今後も新たなスペースが生じれば、県・市協議の上、その活用について検討してまいりたいと考えております。また、現在の西税務署につきましては、平成20年度中に東地区に建設中の国の合同庁舎に移転する予定であり、移転後の現建物につきましては、市役所別館として活用を図ることといたしております。 次に2点目、市庁舎の移転と城址公園としての施設の設置についてお答えいたします。浜松城公園につきましては、浜松市のセントラルパークとして、また徳川家康ゆかりの城址公園として市民の皆様に親しまれているところでございます。今後の公園整備に当たりましても、浜松城を中心とした歴史ゾーンを対象として、新市建設計画に登載されているやぐら門等の整備、西別館撤去後の跡地を活用した南エントランスの整備等を実施していくことといたしております。なお、平成20年度に撤去を予定いたしております浜松市体育館の跡地については、公園全体の整備構想が具体化するまでの暫定的整備ではありますが、来園者用の駐車場やメーンエントランスを兼ねた芝生広場等として整備を行っていく予定でございます。御質問の市庁舎の移転を前提とした長期的視点に立った公園整備構想の策定につきましては、庁舎のあり方なども含め、今後の検討課題としてまいりたいと考えております。 次に、御質問の2番目、産科医療についてお答えいたします。 まず1点目の全国的な産科の実態及び原因についてでございますが、平成5年から平成16年の12年間で分娩施設数は32%減少いたしております。この原因としては、産科医師の過酷な勤務体制や訴訟の頻度が高いことが挙げられます。また、若い世代の産科医師において女性の割合が高く、出産・育児を契機として現場を離れることが多いことから、今後さらに医師不足の状況が深刻化するのではないかと危惧されております。 次に、2点目の浜松市の産科医の状況についてでございますが、現状においては市内の五つの病院と13の診療所及び二つの助産所で分娩を行っており、分娩に関してはおおむね対応できる状況にあります。しかし、既に分娩数の制限や分娩取り扱いを中止せざるを得ない施設が出てきていることや、今後、浜松市内の産科医師がさらに減少する可能性があること、また天竜区では産科の医療施設がないといった問題を抱えています。 次に、3点目の市としての産科医療の対策についてでございますが、現状においては市内の産科医療は保たれているとはいえ、決して楽観を許さない状況だと認識しています。そのような状況の中で、浜松医療センターが開設しようとしているバースセンターは、既存の周産期母子センターを拡充して、正常分娩が予想される妊産婦の健診から出産までを助産師と産科医師が連携して行うことにより、取り扱い分娩数の増加を図ろうとしているものです。このバースセンターについては、単に分娩の場を確保するということだけではなく、周産期センターの隣に配置することにより、妊産婦の主体的な分娩をサポートしながら、しかも医療の質を確保する一歩進んだバースセンターを目指してまいりたいと考えております。今後も、市としては浜松医科大学や医師会など市内の医療関係団体と連携し、県の協力も得ながら産科医師の確保に向け努力を続けるとともに、保健医療審議会において、産科医療体制や地域的な偏在の問題についても協議を重ねてまいります。 次に、4点目の産科医院の増床についてお答えいたします。病院、診療所の病床については、静岡県が定める保健医療計画において基準病床数が定められております。浜松市が属している西部医療圏域は、病床が過剰な圏域となっておりますので、病院も診療所も増床は認められない状況になっております。しかしながら、平成18年12月の厚生労働省の通知により、小児医療、周産期医療等、地域において特に必要な診療所として保健医療計画に記載されることや記載されることが見込まれる場合に限り、診療所の持つことができる病床の上限の19床までは増床が認められるという方向性が示されております。 次に、御質問の第3番目のフォルテの売却についての1点目、フォルテの不動産鑑定評価につきましては、土地・建物を合わせておよそ35億9000万円であるとの中間報告を受けており、内訳として市所有の底地が12億5000万円、浜松都市開発株式会社所有の建物が借地権を含めておよそ23億4000万円相当となっております。 次に、2点目の浜松都市開発株式会社の清算見通しについてでございますが、2月29日に開催されました同社取締役会におきまして、フォルテ建物の売却及び会社の解散、清算に向けた方針が決議されております。御案内のとおり、フォルテの底地は市と遠州鉄道株式会社が、また建物につきましては浜松都市開発株式会社と遠州鉄道株式会社が所有しております。このため、建物の売却は区分所有者である遠州鉄道株式会社への譲渡が基本となり、市所有の土地についても、建物と一緒に売却することを基本的なスキームと考えております。今後、会社の清算に必要となる資金につきましては、フォルテ建物の売却益を充てることが基本となりますが、負債総額を大幅に下回ることが予想されることから、清算処理の円滑化を図るためには、浜松都市開発株式会社の債務の全額返済は厳しい状況が予測されます。 次に、3点目の構想についてでございますが、フォルテは土地・建物一体での売却を基本として、現在、遠州鉄道株式会社と浜松都市開発株式会社、本市の3者により協議を進めているところでございます。したがいまして、売却後の具体的な構想につきましては、まだお示しできる段階にありませんが、市といたしましては、これまでフォルテが担ってきたホール等の公共公益的な機能とともに、浜松市の顔にふさわしい中心市街地のにぎわいに寄与できる土地利用を取得者に対し要請してまいりたいと考えております。 次に、4点目の収支と市民感情についてでございますが、スリムで効率的な行政運営が強く求められている中、公費投入を前提とした運営体質や後年度負担等を勘案すれば、フォルテの売却及び第三セクターである浜松都市開発株式会社の清算は、将来の世代にツケを残さないためにも避けて通れないものと確信いたしております。また、浜松都市開発株式会社の清算に伴う収支見通しといたしましては、市の歳入として土地の売却収入と清算分配金収入を見込んでおります。なお、現在フォルテに入居している公共施設等につきましては、代替施設の確保など、市民サービスの低下を来さぬよう最大限配慮してまいる所存です。また、
フォルテ売却後の土地利用につきましても、市民の皆様に得心していただけるものとなりますよう、鋭意努力してまいります。 次に、5点目の選択肢の提示についてでございますが、フォルテに関するスキームとしては、一般的には市の株式の譲渡やガーデン、ホールの売却、市にかわるテナントの確保、さらには浜松都市開発株式会社の売却などが想定されるところでありますが、いずれの手法にしても、同社の資産の大半が公共用途を前提としたホール、ガーデンにより占められていることから、民間会社が採算ベースに乗らない資産を取得する可能性は極めて乏しいと考えます。また、このことにつきましては、同社の役員会においても施設の全面改修の可能性等を初め、種々協議された経緯があります。さらに、フォルテの所有形態が浜松都市開発株式会社と遠州鉄道株式会社の区分所有によることから、地権者以外の第三者への譲渡が制限されていることも選択の幅が限られている要因ともなっております。いずれにいたしましても、自立し得ない第三セクターの統廃合は時代の要請であると認識しておりますので、現在のスキームに沿って手続を進めていくことが最善の選択と考えます。 〔高木伸三教育長登壇〕
◎教育長(高木伸三) 次に、御質問の第4番目の浜松の教育現場の課題と展望についての1点目、外国人子ども教育支援についてお答えいたします。 まず、一つ目の市の教育支援の取り組みと成果についてでございますが、教育委員会では、学校にバイリンガル支援員を派遣して学習支援を行うとともに、就学ガイダンスや教育相談により、学校への適応を図るよう努めております。また、日本語教室「はまっこ」、母国語教室「まつっこ」を開設し、多様な教育ニーズへの対応に努めております。このような取り組みは、外国人の子供たちの言語や文化・習慣の違いから来る戸惑いを軽減し、学校生活へのスムーズな適応につながっていると考えております。 次に、二つ目の来年度の取り組みの重点でございますが、全国に先駆けて実施してまいりました浜松方式ともいうべき体系的な教育施策の枠組みを一層強固なものにする必要があると考えております。そこで、バイリンガル支援員の増員、日本語・母国語教室の拡充を進め、外国人の子供たちが充実した学校生活を送ることができるよう、きめ細やかな支援に努めてまいります。 〔齋藤愼五企画部長登壇〕
◎企画部長(齋藤愼五) 次に、外国人子ども教育支援についての三つ目、外国人に関する事業を展開しているさまざまな部署との連携等についてお答えいたします。 現在、浜松市では、外国人の子供の教育にかかわる事業を、国際課、教育委員会、浜松国際交流協会がそれぞれの役割に応じ分担して取り組んでいるところでございます。今後の連携につきましては、平成20年度に新たに企画部に多文化共生担当参与を配置し、外国人の子供の教育も含め、福祉、納税等、外国人市民に関する課題に対して組織横断的に対応いたします。さらに、現在、教育委員会が設置している外国人教育支援事業のあり方検討会に、教育委員会の各担当課のほか、国際課も参画しておりますので、浜松国際交流協会の取り組みも含め、情報の共有、課題の整理等を通して、連携して外国人の子供に対する教育支援を進めてまいります。また、外国人の子供の教育につきましては、国は財政措置を含め基本的な体制整備を、また企業は、子供の保護者でもある外国人労働者の雇用環境を整備するなど、社会的責任を果たすべきと考えております。今後につきましても、外国人集住都市会議を通して、国、経済界がそれぞれの取り組みを一層進めるように提言してまいります。 〔古橋利広
学校教育部長登壇〕
◎
学校教育部長(古橋利広) 次に、御質問の第4番目の2点目、浜松市立蒲小学校運動場の拡張についてお答えいたします。 蒲小学校の児童数の増加につきましては、大規模校解消のため、これまで学区の弾力化の実施や分離新設校設置の検討をしてまいりました。御質問にもございますように、蒲小学校区は地域の一体感が強く、学区を分けることには難しさがございますことから、増築での対応をしてまいりたいと考えております。増築工事は平成20年度に着工を予定しており、北校舎に接続する形で考えております。現在の運動場にできる限り影響がないように計画しておりますが、運動場がさらに狭くなることは避けられず、今後の児童数の増加を考えると何らかの対応が必要と認識しております。運動場拡張のための用地確保につきましては、周辺にお住まいの方々や土地所有者の方々など、多くの関係者の御理解・御協力が欠かせないことから、引き続き地域の皆様方の御協力のもと調整に努めてまいります。また、運動場の拡張につながると考えられる可能な方法につきましても、さまざまな角度からあわせて調査検討をしてまいります。 〔大石静夫
公園緑地部長登壇〕
◎
公園緑地部長(大石静夫) 次に、御質問の5番目、住宅地における小規模公園、いわゆるポケットパークの整備についてお答えいたします。 都市公園は都市の環境を改善し、スポーツなどの健康・レクリエーション、災害時の避難場所にもなり、都市生活には欠かせないものでございます。特に、身近な公園は快適な生活環境を創造し、地域住民の交流の場となり、地域コミュニティーの形成に大きく貢献しております。このような身近な公園が適正な規模で適正な距離に配置されているのが理想ですが、御質問にもありますように、現実には住宅密集地の地価は高く、用地の確保が大変困難になっており、公園整備を進める上で大きな課題になっております。このことから、市では市営住宅跡地など遊休市有地の活用や借地方式による公園の整備などに積極的に取り組んでいるところでございます。御質問の生産緑地制度から外れた農地を対象にした小規模公園、いわゆるポケットパークの整備については、身近な公園や広場が少ない地域にとって大変重要なオープンスペースになると思われますので、今後は地域住民の要望を踏まえ、健康広場整備事業や児童遊園地支援事業などと調整を図りながら、無償借地による小規模公園の整備や維持管理の方法について研究してまいりたいと考えております。 〔尾高紀夫環境部長登壇〕
◎環境部長(尾高紀夫) 次に、御質問の第6番目、芳川の浄化についての1点目、提言書の内容についてお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、工場排水に関しましては、水質汚濁防止法及び静岡県の上乗せ基準による色の規制がないため、染色工場などから着色排水が流されているのが現状でございます。このような状況の中、本市では平成16年度から公共用水域の色汚染問題に対する対策の検討を行ってまいりました。平成18年度には市民、事業者、専門家で組織する浜松市公共用水域等色汚染問題検討委員会において対策を検討していただき、平成19年3月に検討委員会から提言をいただいたところでございます。この提言では、当面の対策として、芳川をモデル地区として進めていくこと、色汚染の主な排出源である染色業を対象として対策を講ずること、平成23年度までに色汚染問題の解消に向けて前進を図ることとされています。染色工場に厳しい排水規制をかけることは、地場産業の崩壊につながりかねないことから、市、事業者及び市民の努力により、環境保全と地場産業の保護の両立を図ることと提言されております。また、市に対しましては、2年をめどに色汚染の解消に向けた基準の作成に取り組むこと、狢川などから芳川への導水、脱色技術の開発や研究の推進などの複数の具体的対策が示されています。さらに、事業者や市民のコンセンサスを得て、色汚染対策の実施計画を作成することなども提言されております。 続きまして、2点目の提言を受けての対応及び今後の取り組みについてお答えいたします。提言を受けまして、庁内の関係課において、今後の対策などの検討を行い、対策の目標として、芳川の着色度の基準を平成20年度中に設定することといたしました。そのため、今年度から芳川の着色度の実態調査を開始しております。また、染色工場排水の脱色技術の調査及び研究につきましても、染色工場と協力して今年度から実施しております。今後は、県及び市の関係機関、市民、事業者、専門家などで組織する色汚染対策の協議会を設立し、連携を図りつつ、芳川の色汚染問題について取り組んでまいります。
◆32番(氏原章博) 議長、32番。
○副議長(高林龍治) 32番。 〔氏原章博議員登壇〕
◆32番(氏原章博) 激励を受けましたので、元気を入れます。 私の意見と要望を申し上げます。 2番目の産科医療の4点目の医療増床につきまして、これは私が体験したことでありますが、ふるさとへ戻ってきて、その病院で産めないと、何カ月も先まで詰まっているということで、そういう相談を受けまして、市長に当選したその暁にお願いを申し上げたが、これは県の事項なのでということで、今になりますけれども、非常にやる気のあるそういう医院や病院がありますので、ましてやこども第一主義のマニフェストを出している市長のことですから、イの一番にひとつ、分娩のことだけでも心配かけない、増床できるような環境に早くしていただきたいと思っております。 その次に、フォルテの売却につきまして申し上げます。
フォルテ売却が12億5000万円との答弁をいただきましたが、土地代が。この問題はお聞きのように安値売却に向かっているような気がしてなりません。私の周りの方に聞いてみますと、フォルテ問題では必ずしも賛成ばかりではなく、むしろ残してほしいという声のほうが多いのが現実です。浜松市は筆頭株主とはいえ、代替案を示さず、会社を清算して資本金がゼロ配当にならざるを得ないとするならば、逆に株を買い上げて主導的に浜松の全体像を構想して、この問題を解決するべきと私は考えます。駅前というフォルテの利便性を考えれば、IT化を進めてターミナルやデポ機能を充実させて、市民サービスのあり方を根本的に考え直すことができるはずです。つい先日も、西税務署跡地に開設予定されている市役所別館、公共交通の便はよくよく考えてほしいというおしかりを受けましたが、フォルテを安値で売却されるならば、駅前のほうが区役所として将来性があるような気がしてなりません。そこで、もしフォルテが売却されたとしても、このような妥当性を私たちはきちんと検証しなければならないと思いますので、多くの議員の皆さんの協力をお願いします。 次に、4番目の浜松市の教育現場の課題と展望について、1点目の外国人子供教育の支援についてということですが、御存じのように中小企業が非常に外国人の労働力を期待して、そのおかげで工場が円滑に回っていることは皆さんも御承知のとおりであります。その親たちが一番気にしているのは、この教育のことでございまして、これに対してはマニフェストこども第一主義の市長のことですから、日本人の子も外国人の子でも思いは同じだと思います。ぜひひとつ教育長、
学校教育部長にハッパをかけていただいて、なお一層、浜松以上の教育環境の場所はないというようにしていただきたいと思います。 2点目は、私のふるさとであります蒲小学校の運動場が拡張できまして、蒲小の今度の運動会は校舎増築の前に小学校の運動会が始まるとPTAのほうから聞きました。また、いつも蒲地区連合会の運動会は大したものでありまして、自慢話ではありませんが、今度は秋にはできませんので、丸塚中学校で行うということで、本当に狭隘な運動場になりますので、これは隣地に地所がないわけではありませんので、何かひとつ市長のお力をかりてですね、早急に雄踏小学校のような学校にしてくれとは申しませんので、どうかひとつ市長のお力をもって、蒲小学校の運動場を拡張していただきたいと思います。 それから、最後に芳川の浄化についてでありますが、私どものところは芳川と西側には馬込川が流れています。昔、私も馬込川で泳ぎを覚えたわけでありますが、芳川で水遊びして遊んだわけでありますが、本当に雲泥の差です。馬込川は非常にきれいになりまして、これも掃流水を流してくれたおかげですね、馬込川はきれいになっていると、それなら、芳川だって流してくれてもでいいじゃないかというのが私の考えでございまして、ぜひひとつ市長みずから水のセールスマンになっていただいて、ぜひひとつ我がふるさと芳川の水をきれいにしていただければと思っております。 これをもちまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
--------------------------------
○副議長(高林龍治) この際、午後3時5分まで休憩いたします。 午後2時50分休憩
-------------------------------- 午後3時5分再開
○議長(酒井基寿) 会議を再開いたします。
--------------------------------
○議長(酒井基寿) 一般質問を続けます。 11番早戸勝一議員。(拍手) 〔早戸勝一議員登壇〕
◆11番(早戸勝一) 私は自由民主党所属議員として、さきに通告申し上げました諸点について質問いたします。 質問の第1は、浜松市農業振興基本計画についてであります。 御存じのように、肥沃な土壌と豊かな水資源に恵まれた日本列島は、農業を営む上で世界で有数の農業地域に位置しております。また、農産物の生産と市場環境にも恵まれ、市場のすぐそばで生産収穫できるなど、非常に有利な産業でもあります。しかしながら、経済が発展し、グローバル化の中で農産物の自由化が進むことによって農業は厳しい状況に置かれ、最近では農業に携わる過半数の57%が高齢者となり、超高齢産業になったことは間違いのないことであります。こうしたことから、既に琵琶湖の5.7倍の耕作地が放棄されたことが報告され、先祖伝来の豊富な農地を耕作せずに遊休させておくなど深刻な状況であることなど、その事実が物語っています。 一方、浜松市の農業においては立地条件や環境条件にも恵まれ、特に果樹や施設園芸などを中心に農業経営が行われ、統計によると全国市町村の中で農業産出額は第4位で540億円という実績を誇っています。しかしながら、農業構造の状況によると、この25年間で総農家数は40%減少し、平成17年の農家戸数は1万4968戸で年々減少の一途の状況であります。当市の個別の農産物を見ると、多品目多品種と多彩で個々にも優秀な担い手の農業者も多く、共同集荷や共同出荷ですぐれた産地として実績を上げています。とりわけ特産品では、御承知のとおりミカンが第1位で、三ヶ日町を中心に奥浜名湖地域に広がる柑橘園は全国有数の産地でもあります。三ヶ日みかんのブランドは有名で、東京や中京圏における名声は高く、全国ミカン産地の牽引の力となっております。また、細江地域は、皇室に献上する青島温州みかんや白柳ネーブルが収穫される産地でもあります。そして、JAとぴあ西営農センター管内の神久呂、伊佐見地域や三方原などで生産されるチンゲンサイは急速に規模が拡大し、産出額は全国1位でありますし、豊西、神久呂、浜北などのセルリーについても需要の拡大とともに、長野県と並ぶ代表的産地となりました。また、舘山寺、庄内のガーベラは、天皇賞も受賞したことがあり、良質な花が栽培されています。そのほかに、菊、メロン、茶など産出額の多い農産物も多くあります。ブロッコリー、レッドキャベツ、パセリ、サニーレタス、エシャレット、花野菜など浜松の洋菜、そして、日本一早い篠原地域のタマネギ、三方原の馬鈴薯、また落葉果樹のカキ、ナシ、ブドウは都田のピオーネなど、多種多彩であります。 12市町村が合併して後、政令都市になって初めての浜松市農業振興基本計画の策定が始まり、平成20年度にはこのプランが完成し、平成21年度から実践の段階に入っていく計画となっています。広域の合併により、広大な地域となったことなどから、多彩な品目・品種や特産品ブランドが加わり、先進的農業など大いに期待の持てることにもなりました。 浜松市の農業が自然環境を維持しながら活力のある地域とし発展していくためには、ビジョン22にあります、農業先進地域である浜松の農業を進化させますの政策提言をこの計画に生かしていくことが大事であると考えます。新規農業者の養成塾の開設、農地銀行の支援、市民農園整備事業の拡充、オーガニック野菜づくりの支援などは地産地消の取り組みであり、地元農産物の消費を拡大させることにつながります。また、遊休農地を極力減少させるためには、優良農地の保全などを進めるとともに、担い手の育成や情報収集の提供、啓発などを行い、浜松の農業が消費者にとって、新鮮な野菜で安心・安全であることのPRをしっかりしていくことも必要と思われます。以上のことなどから、こうした施策を浜松市農業振興基本計画にどのように盛り込むかについて、以下3点についてのお伺いいたします。 浜松市農業振興基本計画に政策提言をどのように盛り込むのかを市長にお伺いいたします。合併により農業生産地域が拡大し、多彩な農業経営形態となったことへの支援の方針と施策について、特産品別農業の指針と施策について
農林水産部長にお伺いいたします。 質問の第2は、耐震診断と改修計画についてであります。 浜松市が示した平成13年5月の東海地震被害想定では、冬の朝午前5時に突然地震が発生した場合、建物、山がけ崩れ、ブロック、石塀、火災、屋外落下物、屋内収容物、道路上の落下物、落石など、人的被害者は死亡者808人、重傷者3311人、建物被害11万8004棟、うち1万8149棟が大破すると想定しております。東海地震に関する専門委員会では、以前の想定より西に50キロメートル拡大、浜名湖付近まで覆う想定震源域が示されています。大規模地震対策特別措置法に基づき、国・県を挙げて東海地域を初めとする強化に取り組み、当市においても総合防災訓練、地域防災訓練、津波避難訓練など、自主防災組織が立ち上げられるなど、地震に対する認識が重要視されるようになり充実してまいりました。そこで、今回は教育施設、公共建築物、住宅、橋梁などの耐震診断と改修計画についてお伺いいたします。 1点目の教育施設の耐震化の進捗状況と平成25年までの前倒し予定についてであります。浜松市の学校施設は平成19年5月現在、幼稚園74園、小学校113校、中学校50校で、園児や小・中学校の児童・生徒、教職員の内訳は、幼稚園5263人、小学校4万5952人、中学校2万837人、教職員3901人となっております。子供の命の安全を最優先しなければならない教育施設については、教育施設を平成25年までに耐震補強や施設改築工事を実施、耐震化100%を目標としております。現在の学校施設数は965棟で、うち耐震性能がある棟数は767棟で耐震化率79.3%となっています。耐震補強工事は平成18年までに63棟が完了し、平成19年度着工予定19棟、平成20年から平成22年度までに67棟で、改築施設は平成19年2棟、20年から24年までが24棟で、すべて完了する計画となっております。仮に東海地震が発生した場合、小・中学校の施設は避難地、避難所となり、重要な役割を担う場所となることを考えると、もう一歩前進すべきと思います。現在までの進捗の状況と今後の計画で前倒しの予定があるかどうかをお伺いいたします。 2点目として、公共建築物の耐震診断、補強改修と現在調整中のランクⅢ施設についてであります。ここでは学校施設以外の公共建築物についてお伺いいたします。静岡県が示した判定基準によると、ランクⅡは、耐震性能がやや劣る建物で倒壊する危険性は低いが、かなりの被害が想定されるもの、ランクⅢは耐震性が劣る建物で倒壊する危険性があり、大きな被害を受けることが想定されるものとなっています。 区別の状況で見てみますと、中区では43施設、耐震補強を必要とする施設は男女共同参画推進センターなどの施設、青少年の家など建てかえ施設と厚生年金体育館の解体、そして免震化工事中は西部医療センターで、そのほかでは平成22年度に最終方針を決定する施設や耐震診断実施予定の施設であります。東区は北島会館の1施設、西区では12施設で耐震補強は渚園の施設、解体予定は古人見公会堂などであります。また、南区は7施設で、耐震補強は南部保健福祉センターなどの施設、建てかえは消防団第17分団、解体予定は芳川会館、調整中は中央卸売市場などの施設であります。北区は13施設で、耐震補強の保健センターなどの施設と調整中の施設であります。浜北区は3施設で、耐震補強は森岡の家、建てかえ消防団は第3分団、解体予定は浜北体育館です。そして、天竜区は52施設で、耐震補強は天竜保健センターなどの施設で建てかえの施設もあり、調整中は水窪総合事務所などの施設で、解体は竜川体育館などの施設であります。 地震の発生時には諸施設に滞在する市民の人命を守ることが重要であることから、十分な耐震性の確保が必要であると思います。また、災害時に大きなダメージを受けることによって大規模な改修や建てかえ工事行う費用に比べ、あらかじめ耐震対策を行うことにより、削減が図られることにもつながるものと思います。現在までの進捗状況と、現在調整中施設のランクⅢの施設で、耐震化の実施予定年度計画がない公共建築物についてお伺いいたします。 3点目の住宅の耐震補強助成事業と対策についてであります。平成18年度の算定の総戸数は28万2900戸のうち木造住宅は6万7300戸で、そのうち安全住宅は1万2600戸、危険住宅5万4700戸であります。平成27年には危険木造住宅を2万7600戸まで減少させる目標を持って計画を推進しているものと思います。昭和56年5月31日以前に建築された住宅の耐震補強助成事業の件数は、ここ5年間に1212件で増加の傾向にあります。この木造住宅の補助事業では、耐震補強工事に対する補助金として静岡県が30万円、高齢者の世帯には割り増し助成としてプラス県が10万円、市が10万円で合計50万円の助成をしており、その成果がうかがえます。 今後もこの計画を推進するには、さらに対象となる地域や個人などに建築物の耐震診断及び耐震改修の重要性について普及啓発に積極的に取り組むべきと思われます。耐震改修促進計画によるとハザードマップの公表、相談体制の整備、情報の充実、パンフレットの活用、リフォームに合わせた耐震改修の誘導、自治会等の連携など、建築物の地震に対する安全性に関する啓発及び知識の普及指導を行っていますが、特に中心市街地にある住宅で、昭和56年以前の木造住宅については、適切な助言や情報の提供が必要で、その地域住民に対して、その内容を細かく説明してやることが重要であると思われます。こうした木造住宅に対する耐震補強助成事業と対策についてお伺いいたします。 4点目でありますけれども、橋梁の耐震補強と対策についてです。浜松市が管理する道路は、国県道72路線902キロメートル、市道2万2677路線7502キロメートルで合計2万2749路線8404キロメートルであります。また、橋梁については、国県道852橋、市道4990橋の合計5842橋であります。現在行われている落橋防止では、国県道にかかわる橋梁のうち、被災した場合、復旧に相当の日数を要する14.5メートルの橋梁数は268橋となっており、今まで静岡県は地震対策として昭和52年より落橋防止対策に着手し、おおむね緊急輸送道路上は旧基準で100%が落橋防止装置を設置し、落ちにくい構造で設置が完了しております。また、市道にかかわる橋梁のうち14.5メートルの橋梁数は550橋であり、当市は地震対策として落橋防止に着手し、幹線避難道路など1・2級市道の対策が行われており、既に6橋が対策済みであり、平成19年度も3橋について対策がされています。耐震化対策については、静岡県が重要な橋梁として、平成9年から平成15年に東海道新幹線、東海道本線、東名高速道路などをまたぐ跨線橋・跨道橋の耐震を実施してきました。その後、平成13年度に第3次地震被害想定が公表されたことによって、対象となった浜松市内の橋長14.5メートル以上で緊急輸送路上の要対策橋梁のうち橋脚など被害想定の大きい跨線橋・跨道橋の対策が行われ、また市道上にある跨線橋・跨道橋の25橋の橋梁についても対策が行われています。今後の落橋防止と耐震化対策として、国県道、そして1・2級市道で指定されている緊急輸送上の要対策橋梁で古い基準を適用した橋梁などの計画、また橋梁の長寿命化対策のための予防的な修繕、更新などの計画についてお伺いいたします。耐震化対策の橋梁耐震補強3カ年プログラムによる対象橋梁のうち未対策橋梁として国道257号で北区細江町の都田川にかかる新祝田橋の計画についてもお伺いいたします。 質問の第3は、浜松市のみちづくり計画についてであります。 1点目として、国道257号バイパスの整備方針と今後の取り組みについてお伺いいたします。浜松市のみちづくり計画は、19年4月の政令都市移行により、静岡県が整備、維持、修繕を含む管理をしていましたが、国道・県道を合わせて75の路線を当市が管理することが19年6月に発表され、今日に至っております。当市は、首都圏と大阪圏のほぼ中間に位置し、東西の交通は活発に行われ、静岡県の西部及び三遠南信地域といった広域圏の中心地域でもあることなどから、交通量が多く、その路線としては東名高速自動車道、国道1号、国道152号、国道257号、浜松環状線があります。とりわけ国道152号、国道257号、浜松環状線は、多くの渋滞による損失時間が発生しています。また、市民ニーズとしての調査結果は、現在の道路状況に満足している人は約24%になっており、やや不満と不満を合わせると36.7%になります。今後の道路整備計画の重要度は安全や災害、渋滞に関する項目が多くあります。また、問題のある路線として国道152号、国道257号に関する意見が多く見られます。 特に今回は、国道257号のバイパス道路についてお伺いいたします。この道路は第二東名引佐インターチェンジと市街地を結ぶ都市間連絡道路として、現国道における渋滞の解消など円滑な自動車交通を確保していくための主要幹線道路として位置づけられており、生活や産業、文化、観光などの地域の発展に重要な役割を担っております。また、都田テクノ、細江テクノや細江東部の工場集積地域の企業などの立地により、中区、北区、浜北区、天竜区を初め、愛知県からの通勤者も見られ、また県境を越えた三遠南信の交流も盛んとなっています。三遠南信自動車道や第二東名高速道路の開通が迫っている中で、開通後は交通量のさらなる増加により交通渋滞が予想されます。この国道257号の将来を考えたとき、その役割は大きく、バイパスの整備促進は欠かすことのできない事業であることは、浜松みちづくり計画で公表されたとおりであります。平成22年以降の新規着手の事業化に向かって、自然環境調査や交通量調査が行われ、市当局も強力に国に要望していただいておりますが、これまでの調査状況など国道257号のバイパス整備方針と今後の取り組みについてお伺いいたします。 2点目でありますが、石岡交差点改良と信号機の設置についてであります。車は、産業道路、通勤道路、観光道路、あるいは日常の生活道路としてなくてはならない交通手段であります。中でも、浜松市街地や都田テクノ、細江テクノ、そして細江町東部の企業集積地域への交通アクセスとして国道257号、362号の利用がされ、浜松地域発展のためにますます重要になってくることが予想されます。北区細江町石岡地内の国道257号、362号の交差点に、交差点の改良と信号機を設置してほしいという要望はかなり以前よりあったものと思います。当時は国有鉄道二俣線の浜松街道踏切が交差点と近いこと、国道の改良工事ができないことなど、技術的に難しいことから見合わせ、今日に至ったものだと認識しております。現状は北区細江町石岡より引佐町の引佐高校東まで国道257号、362号が1キロメートルほど並行して走っている道路に位置し、この間には引佐日赤入口、金指駅入り口、引佐高校前、細江警察署金指駐在所前、4カ所の信号機があります。通勤時、土曜日、日曜日の買い物やレジャーの時間帯には大変混雑し渋滞するところであります。天竜浜名湖鉄道の浜松街道踏切を渡って都田方面への右折や、都田方面よりの一たん停止後の左折と直進はしっかり確認をしても怖さを感じることが多々ある交差点であります。こうしたことから、これまでも地元は言うに及ばず、近隣の市民を初めとして、該当する近隣の幼稚園、小・中学校の保護者会、子供会から天竜浜名湖鉄道の浜松街道踏切を渡った後の子供たちの安全を確保するためにも、交差点の改良と信号機を設置してほしいという要望が強く出されている状況にあります。三遠南信自動車道や第二東名高速道路の供用開始が迫っていることなど、こうした状況を考えたとき、平成23年末ごろには交差点の改良と信号機の設置が必要になるものと思われます。以上、具体的な計画についてお伺いいたします。 質問の第4は、浜松市の文化財保護と保存事業の今後の方向についてであります。 浜松市には、多くの国・県・市指定の文化財があります。浜名湖北の北区引佐町の奥山方広寺、そして、龍潭寺は古い時代に地蔵寺といい、奈良時代に創建されたとの寺伝があり、伽藍全体が県指定建造物、庭園は小堀遠州の名園として知られています。細江の宝林寺は明の僧によって開かれ、仏殿は国の重要文化財、県指定の山門など、明朝風の貴重な建造物が残っています。また、三ヶ日の大福寺は、鎌倉時代、平安時代、南北朝時代の古記録、書画、工芸品が納められていますし、摩訶耶寺など、国指定の文化財を初め、県指定や市指定の文化財が数多くあり、多くの見学者や観光客が訪れています。また、天竜区水窪町の西浦の田楽、佐久間町の川合花の舞、天竜区の懐山及び北区引佐町の川名、寺野では、「遠江のひよんどりとおくない」といった国や県指定重要無形民俗文化財である民俗芸能が、地域住民の手で大事に守られており、祭礼日には多くの見学者でにぎわっています。このほか、多くの指定文化財が所有者や地域住民によって守られ、地域の貴重な財産となっています。 市内の指定文化財を見ると北区、天竜区で全体の4分の3を占めています。これらの地域には、過疎と少子高齢化という切実な問題を抱える地域も多くある中で、文化財を守り伝えよう、あるいは民俗芸能を次代に伝えようと努めています。所有者や民俗芸能保存会の人々に敬意をあらわしたいと思うものであります。ところが、過疎と少子化がこれ以上進むと、所有者や地域の自助努力のみでは、文化財の保存、次世代への継承が困難となる地域も多くなってくるものと思います。そこで、以下2点についてお伺いいたします。 これらの地域を初めとする浜松市内の指定文化財所有者に対する市の支援の方針を伺います。浜松市には指定文化財以外にも貴重な文化財が数多くあると思うが、現在、未指定の文化財をどのような方針によって保護していくかお伺いします。 質問の第5は、浜名湖に流入する細江、井伊谷、三ヶ日の下水道事業の進め方についてであります。 今日の浜松市の下水道人口普及率は、平成18年度末の実績で73.3%に達しています。そのほかの汚水処理としては、浄化槽や合併浄化槽、高度処理型合併浄化槽などで、全市に普及しています。浜松市の公共下水道計画区域面積は2万2405ヘクタールで、認可面積は1万6252ヘクタールのうち、平成18年度の整備済み面積は1万1528ヘクタールであります。細江、井伊谷、三ヶ日処理区の計画面積は994ヘクタールで認可面積は435ヘクタールであります。そのうち整備済み面積は327ヘクタールとなっておりますが、計画面積に対する整備率は33%であります。閉鎖性水域である浜名湖の水質保全のためにも、今後も下水道整備を推進する必要があると言えます。浜名湖に流入する3処理区の今後の事業の進め方についてお伺いいたします。 〔鈴木康友市長登壇〕
◎市長(鈴木康友) それでは、第11番自由民主党浜松早戸勝一議員の御質問にお答えいたします。 私に対する御質問は浜松市農業振興基本計画についての1点目、農業振興基本計画に政策提言をどのように盛り込むかということでございますので、お答えいたします。 合併して広範な地域で多彩な農業が営まれている本市は、平成18年の農業産出額が540億円、全国第4位という有数の農業先進地域でございます。この全国に誇る農業を一層発展させるため、平成19年度から2カ年をかけて、浜松市の農業の道しるべとしての浜松市農業振興基本計画を策定してまいります。この基本計画には、私が示しましたビジョン22の政策提言の内容について、策定委員会において議論していただくこととしております。具体的には、担い手の育成では、新規農業者養成塾の推進などの新規就農者への支援を、地産地消の推進では、直売所の整備推進や学校給食の地元農産物の利用の推進による消費拡大を、遊休農地等の利活用では、農地の流動化の推進や市民農園整備の拡充等による生きがいづくりの支援を、有機農業の推進では、農業に付加価値をつける有機栽培農業者等への支援について検討していただくこととしており、政策提言実現のための目標や施策などについても計画に盛り込んでいきたいと考えております。 〔伊熊 守
農林水産部長登壇〕
◎
農林水産部長(伊熊守) 次に、御質問の1番目の浜松市農業振興基本計画についての2点目、多彩な農業経営形態となったことへの支援方針と施策についてと、3点目の特産品別農業の指針と施策については関連がありますので、あわせてお答えいたします。 合併により、本市は今までの施設園芸を中心とした都市型農業に加え、新市域の中で大きな面積を占める中山間地域で、ミカンやお茶を生産するなど、生産地域が大きく拡大し、多彩な農業が営まれることとなりました。北遠地域を中心としたお茶などを栽培する山間地域、傾斜地を利用したミカンなどの果樹園を形成する中山間地域、大根や馬鈴薯などの野菜や果樹など多種多様な作物を生産する三方原台地、セルリーやタマネギ、エシャレットなどの野菜やメロンなどの産品である洪積平野等、各地域において特性ある農業が経営されております。これらの多彩な農業経営形態を支援するための方針や施策につきましては、
政令指定都市移行時に、特色ある地域の農業形態に応じて配置した各区役所の産業振興課が本庁の農業水産課と連携し担ってまいりました。具体的には、果樹振興については北区、畜産は浜北区、野菜や花卉は西区、そして茶業及び中山間地域の農業については天竜区といった地域の特性に応じて配置しておりますので、身近なサービス拠点としての機能を持たせながら今後も進めてまいります。 産品別の対応につきましては、さらなる品質向上を目指す馬鈴薯集出荷貯蔵施設に対し支援施策を講じておりますが、こうした特産品としての浜松産農産物の品質を向上させ、ブランド力をさらに高めるために講ずる施策等は大変重要なものと考えております。また、ミカンの生産履歴をさかのぼることができるトレーサビリティーシステム導入に対する支援など、安全・安心な生産物を供給するシステムづくりや、抹茶の原料となるてん茶の生産を行うために必要な加工施設への支援策など、消費者のニーズに即した取り組みや付加価値を高めた新たな農産物の商品化に対する支援策等につきましても重要な施策と考えておりますので、これらの支援を具体化する方策について農業関係者と協議してまいりたいと考えております。 〔松本直己
建築住宅部長登壇〕
◎
建築住宅部長(松本直己) 次に、御質問の第2番目の耐震診断と改修計画についての1点目、教育施設耐震化の進捗状況と平成25年度までの前倒し予定についてお答えいたします。 まず、平成19年度までの進捗状況でございますが、この年度末において教育施設の耐震化率は81.6%となります。次に、平成25年度までの前倒し予定についてでございますが、平成20年度に予定しておりました耐震補強計画の7施設16棟について、9月補正で前倒しして実施しております。また、耐震補強工事といたしまして、11月補正予算で5施設10棟、2月補正予算で9施設10棟について、前倒しして耐震化を進めておりますので、今後につきましても可能な限り前倒しし、耐震化を一層推進してまいりたいと考えております。 続きまして、2点目の公共建築物の耐震診断、補強改修と現在調整中のランクⅢ施設についてお答えいたします。最初に、公共建築物の耐震診断、補強計画の進捗状況ですが、議員御質問の全区合計131棟の耐震診断につきましては、建てかえや解体計画のある施設を除いて平成20年度にすべて完了する予定となっております。また、補強改修等につきましては平成19年度に7棟を実施し、平成27年度までに完了できるよう進めていきたいと考えております。次に、現在調整中のランクⅢ施設の調整及び計画推進についてでございますが、今後、資産経営の観点から、施設の存続・廃止や耐震化の実施方法等を検討・調整し、速やかに計画に反映させて耐震化を推進してまいります。 次に、3点目の住宅の耐震補強助成事業計画と対策についてお答えいたします。住宅の耐震化につきましては、直接、人命にかかわることですので、本市といたしましても平成14年度から浜松市TOUKAI-0推進事業として力を入れて進めてきたところでございます。こうした中で、昨年9月には平成27年度の住宅耐震化率90%を目標とする浜松市耐震改修促進計画を策定し、公表いたしました。御質問にもありますように、平成18年度末で5万4700戸が耐震性の劣る木造住宅となっております。木造以外の住宅も含めた住宅全体の耐震化率は、平成18年度末で79.6%となっております。今後の耐震計画につきましては、目標達成には、建てかえ等により新たに耐震化される住宅を考慮いたしましても、試算では年間300棟の既存木造住宅の耐震改修が必要となります。今年度は2月末現在で332棟の耐震化が実施され、現在のペースで耐震改修が進めば目標達成ができるものと考えております。しかしながら、議員御指摘のとおり、市内に数多くある耐震性の劣る危険住宅を減らすことが必要でありまして、そのためには市民の地震に対する意識向上を図ることが重要と考えております。そのため、防災部局による地震防災に関する情報の提供とあわせて、出前講座など自治会等を通じた啓発活動を積極的に行ってまいりますとともに、市民からの各種相談につきましては、建築士会を初め、建築関係団体との連携をより一層深めるなど体制を充実させ、耐震化の推進を図ってまいります。 〔大塚幸作土木部長登壇〕
◎土木部長(大塚幸作) 次に、御質問の第2番目の4点目、橋梁の耐震補強と対策についてお答えいたします。 本市の管理する道路の橋梁数は5842橋あり、そのうち、震災が発生し復旧に相当の日数を要する橋長14.5メートル以上の橋梁は、国県道が268橋、市道が550橋の数に上ります。橋梁の耐震対策には、落橋防止対策と耐震補強対策とがあります。まず、落橋防止対策については、国県道の橋梁は、おおむね落橋防止装置が設置されており、市道は幹線避難路及び1・2級の幹線市道を中心に106橋が対策済みで、平成19年度は3橋の対策を実施しております。また、残りの橋梁についても計画的に推進してまいります。 次に、耐震補強対策については、平成7年の阪神大震災以降、橋梁の耐震設計基準が見直されるなど、より厳しい耐震対策が求められるようになったことから、管理上重要な橋梁である東海道新幹線、東海道本線、東名高速道路などをまたぐ跨線橋・跨道橋の耐震補強を最優先に実施し、対策が必要な22橋のうち20橋が対策済みとなっており、残り2橋も現在施工中でございます。また、緊急輸送道路上の対策が必要な橋梁104橋のうち、橋脚などの被災想定の大きな7橋について優先的に耐震補強の実施が必要で、そのうち5橋が対策済みとなっております。残りの2橋のうち、議員御質問の北区細江町地内の都田川にかかる国道257号新祝田橋の耐震補強整備は平成20年度に実施する予定でおります。今後の橋梁耐震補強は、対策が必要な104橋のうち、38橋の耐震補強を平成21年度から10カ年計画で実施してまいります。また、残りの橋梁につきましても、橋梁耐震補強プログラムを策定してまいります。 次に、御質問の3番目、浜松市のみちづくり計画についての1点目、国道257号バイパスの整備方針と今後の取り組みについてお答えいたします。 国道257号は、浜松市内と愛知県新城市を結ぶ南北の広域交通のかなめであるとともに、沿線地域の日常的な交通網としても位置づけられております。現在事業が進められている三遠南信自動車道や新東名高速道路が開通いたしますと、交通量の増加によりさらなる交通渋滞が予想されることから、浜松市街地から引佐インターチェンジへのアクセス道路として機能の充実が必要となってまいります。このため、平成13年度より静岡県においてバイパスの建設が検討され、学識経験者や道路利用者の代表などで組織するPI協議会及びバイパスルート検討会によりルートの提案がなされました。これをもとに、本市では平成19年度までに環境調査と道路計画の詳細調査を進めてまいりました。これらにより提案された計画は引佐町市街地を避けて大きく東に迂回し、山間地を通過するもので、全延長8.5キロメートルのうち引佐町花平から国道362号までの約4キロメートル区間では、途中に接続できる道路がないため全線完成後でないと供用できないなど、整備効果が発揮されるまでに長期間を要することが課題となっております。さらに、現地の環境調査の結果では、鳥類や動植物など貴重種の分布が確認されているため、計画策定に当たって慎重な対応が必要となっております。今後の取り組みでございますが、国から新規事業として補助採択を受けるために、平成20年度より国土交通省と詳細な協議を進めてまいります。なお、現状における交通環境を改善し、早期の整備効果が期待できる現道を活用した暫定整備などについても検討してまいります。 次に、2点目の石岡交差点改良と信号機設置についてお答えいたします。北区細江町地内の石岡交差点は、本市の南北の幹線道路である国道257号と東西の幹線道路である国道362号がT字に交差する交通の要衝であります。国道257号の交通量は1日約1万8000台と非常に多く、また天竜浜名湖鉄道の踏切が近接し、交差点付近にバス停があるなど、交通の支障となる要因が重複しています。そのため、朝夕の通勤時間帯には渋滞が発生するとともに、交通事故も多発している危険箇所でもあることから、当交差点改良は旧細江町当時から地元住民の長年の要望であります。また、本市といたしましても、当面の対策として交差点改良などの改善が必要と考えており、今年度、交通管理者と現地の交通診断を実施し、信号設置の検討を要請いたしました。このような状況を踏まえ、交差点改良を実施する場合は近接する踏切と連動する信号機の設置と隣接地権者の御協力が不可欠でありますので、鉄道事業者である天竜浜名湖鉄道株式会社と交通管理者である静岡県公安委員会と協議するとともに、地域住民の皆様の御意見を伺いながら、平成20年度に交差点改良を具体化するための調査を実施し、事業化に向けて検討してまいりたいと考えております。 〔徳増幸雄
生活文化部長登壇〕
◎
生活文化部長(徳増幸雄) 次に、御質問の第4番目、文化財保護・保存事業の今後の方向についての1点目、指定文化財所有者に対する市の支援の方針についてお答えいたします。 本市には国・県・市合わせて425件の指定文化財がございます。これらの文化財は地域の大切な財産として、今日まで所有者や保存団体、あるいは地域の人たちによって大切に守り伝えられてきたものであります。ところが、いろいろな事情から、自助努力だけでは文化財の保存や伝承が困難になっている地域もあり、憂慮しています。指定文化財に対する市の支援の方針ですが、まず一つ目として、維持管理が困難となっている場合や、緊急に対応が必要と思われるものにつきましては、国や県の補助事業なども活用して、引き続き必要な財政的支援をしてまいります。二つ目には、文化財は地域の皆さんの心のよりどころであり、地域の誇りともなるもので、そしてまた、市全体の財産でもあります。このことから、所有者や保存会、そして地域はもとより、市民全体で支えていくことが保存・継承への大きな力になるものと考えます。このため、市といたしましては、文化財にかかわるガイドブックの刊行や講座、見学会などの各種事業を実施するとともに、保存会相互の連携や活動に積極的にかかわり、応援するなど、文化財を大切にする機運を醸成してまいります。 続きまして、2点目の未指定文化財の保護方針についてお答えいたします。本市には指定文化財以外にも、文化的な価値を持つ財産が数多くあります。今後、専門家の意見も聞きながら、こうした文化財の調査を進め、指定が妥当と思われるものについては審議会に諮問し、指定に向けた手続を進めてまいります。また、未指定の中には、現在も使われ続けている建物も多く、こうしたものに対しては、いわゆる国の登録文化財制度があり、これまでの登録例としては、静岡県庁本館や本市の旧浜松銀行協会の建物、民間の事例では、隣の愛知県になりますが、岡崎八丁味噌の事務所や蔵があります。指定に比べ登録は要件が緩やかな一方、登録されることによって注目度は高くなり、保存への励みにつながると思います。今後、未指定の歴史的な建造物には、この登録を呼びかけてまいりたいと思います。指定、未指定を問わず、さまざまな方策を考え、地域の財産を将来に継承してまいりたいと存じます。 〔鈴木梅夫
上下水道部長登壇〕
◎
上下水道部長(鈴木梅夫) 次に、御質問の第5番目、浜名湖に流入する細江、井伊谷、三ヶ日の下水道事業の進め方についてお答えいたします。 細江、井伊谷、三ヶ日処理区は、社会整備基盤としての整備に加え、閉鎖性水域である浜名湖及び猪鼻湖の水質保全のため、高度処理による下水道整備を実施しております。3処理区に係る平成19年度末の整備状況は、現在の事業認可面積435ヘクタールの8割を超える350ヘクタールの整備が完了する見込みでございます。今後につきましては、未整備の市街化区域と市街化区域に隣接する人口集中地区について整備を進めるため、現在297ヘクタールについて下水道事業の認可変更申請手続を行っているところでございます。また、下水道整備に当たっては、3処理区のうち細江処理区と井伊谷処理区が接していることから、例えば、金指汚水中継ポンプ場の送水を現在の井伊谷浄化センターから細江浄化センターに切りかえることで、下水処理施設の集約化・効率化を図ることや、細江処理区内の石岡地区の下水を井伊谷処理区に流入させて管渠整備距離を短縮し、コスト縮減を図る等の検討を行うなど、効率的な水処理と管渠整備を図るべく、処理区の再編についても検討していく予定でございます。
◆11番(早戸勝一) 議長、11番。
○議長(酒井基寿) 11番。 〔早戸勝一議員登壇〕
◆11番(早戸勝一) 時間がございません。ただいまは私の質問に対しまして丁寧なる御答弁をいただきまして、本当にありがとうございました。 市長からは、農業振興基本計画をしっかりやっていただけるというお話がございましたし、いいお答えをいただいたというふうに思ってございます。今回、私は初めての一般質問でありましたので、同僚の議員の皆さん方、あるいはJAとぴあ浜松農業協同組合の皆さん方にも御協力いただき、御指導いただきましたことを感謝申し上げまして質問を終わります。(拍手)
○議長(酒井基寿) 以上で、本日の一般質問を終わります。
--------------------------------
○議長(酒井基寿) 明日の本会議は午前10時から開きます。 以上で、本日の日程は終了いたしました。 本日は、これをもちまして散会いたします。 午後4時散会
-------------------------------- 会議録署名議員 浜松市議会議長 浜松市議会副議長 浜松市議会議員 同 同
--------------------------------...