静岡市議会 > 2014-09-03 >
平成26年9月定例会(第3日目) 本文
平成26年9月定例会(第3日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2014-09-03
    平成26年9月定例会(第3日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(石上顕太郎君) これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、先日お手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 認定第1号 平成25年度静岡市一    般会計歳入歳出決算の認定について 外54    件(総括質問) 2 ◯議長(石上顕太郎君) 日程第1、認定第1号平成25年度静岡市一般会計歳入歳出決算の認定についてから日程第55、一般質問までを一括議題といたします。  先日に引き続き、総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、井上恒彌君。   〔45番井上恒彌君登壇〕 3 ◯45番(井上恒弥君) ごきげんよう、おはようございます。  2年ぶりの登壇になります。本当に久しぶりで気持ちだけは高ぶっておりますが、中身が伴うかどうか、心配でございます。  通告に従いまして、総括質問をいたします。  毎回テーマを持って質問をしていますが、今回は楽しいイベントのあり方についてをテーマに、大項目1の静岡市のイベントについて、1点のみを質問いたします。  通告で静岡市のイベントについてと出しましたら、新聞社からキュウリですかというお話をあちこちから聞かれましたが、実はそうではありません。  何でこのテーマを取り上げたかと言うと、最近のイベントの実行については、雰囲気が今までと明らかに違うと感じたからです。これで従来どおりの目的を達成することができるかどうか、心配しているからであります。  全国の祭りや花火大会などのイベントでいろいろな事故、事件が発生しています。古いところでは、カレーへの毒入り、新しいところでは福知山市での花火大会での火災事故、そして我が静岡市での、安倍川花火大会で露天商が売った冷やしキュウリによる腸管出血性大腸菌O-157が検出された食中毒であります。  この件で、私の知人の娘さんも入退院を繰り返し、人工透析を行っていると伺っております。まことに罪なき人に大きな災害が降りかかり、申しわけなく思うと同時に、一日も早く回復なさることを心よりお祈りするばかりでございます。
     本日は、その安倍川花火大会を取り上げるわけではありません。被害者の皆様には先ほど申し上げたとおり、一刻も早い回復をお祈りしますが、被害実態調査や補償交渉の問題など、今後の問題については、8月10日に弁護士18人による安倍川花火食中毒被害救済弁護団が結成されたことも承知しております。  私がここで取り上げることはふさわしくもなく、また難しい問題でもありますので、この辺でやめておきますが、ただ、心情的には、静岡市でも何かを考えなければいけないのかなという思いも持っております。いずれにしろ、早期の解決を願うところであります。  さて、安倍川花火大会以後の大小のイベントがどのように進められているかを見ると、冒頭に申し上げたとおり、大変雰囲気がよくない状況に感じられます。どこの主催者も実行委員会も、本来は年に一度のイベントだから、楽しくやらなければと張り切っているのに、ことしはどこもおっかなびっくり、ぎくしゃくしております。  私の地元の例を出すのは恐縮ですが、毎年8月15日に行われる長尾川花火大会の状況をお知らせし、これが参考になれば幸いです。  おかげさまで、ことしは第16回大会となりました。昔懐かしい青年団による夏祭りや盆踊り、学校グラウンドでやる映写会や、家族総出でお弁当を持っていった町内の運動会などは、今は見る影もなく、なくなってしまったよき時代の風景を時々思い出します。  そんな風景を思い出しながら、西奈自治会連合会北沼上自治会連合会、そして長尾川を愛する会の3団体が新しい祭りとして、長尾川花火大会実行委員会を立ち上げ、花火大会をスタートさせました。  実行委員会のメンバーは、地元の自治会会長を初め、自治会役員、協力者、出店者、地元のスポーツ団体ボランティアクラブなどが仲間になり、全員が実行委員として寄附金の呼びかけ、会場設営、店舗の出店など、1人何役もやるすばらしいメンバーが集まっております。  最初の年は、名も知られなくて、花火の寄附金もたくさん集まりませんでした。1回目の花火大会では、間延びをした感覚で、小さな花火を上げました。唯一のスターマインには手をたたいて喜んだことを思い出します。  それから16年になります。今は見に来てくれる人も4,000人を超えるとまで言われるようになりました。地域にとっては、まさにコミュニティの場であります。  そこで、例年やってきた花火大会の準備の話を少々申し上げます。  警察に、県道平山草薙停車場線を500メートルぐらい交通規制のお願いをし、10年前から許可をいただき、規制を行うようになりました。しかし、田舎ですので、地元の顔で規制を突破するものが毎年いて、一昨年まで中央署へ何回も呼び出しを受けております。昨年からは、ガードマンの増員や手法を変えることでうまくいきました。規制の道具を中央署から借りるのも返すのも手間ではありますが、うまくいったときには堂々と行けるものです。主催者が警察に呼び出されることは、気持ちのよいものではありません。それは上から目線で、非常に高圧的であるからです。その花火の場所に警察官がいるのですから、制服で注意してくれれば済むと思いますが、警察官は一切注意をしません。また呼び出されるかと、主催者はぴりぴりしています。  そして、16回花火大会を迎え、ことしこそはいろいろな意味で勉強してきたし、地域の協力も得てきたし、簡単にうまくいくと考えていました。すると、実行委員会の1人が、イベントの火気の使用について消防署への届けが必要だと言い始め、それから大騒ぎになりました。  消防署へ聞くと8月15日はまだ規制日になっていませんが、来年の練習を兼ねて申請をしてみてくださいと言われ、そのうちに保健所はどうするとのことから、売店の品物及び責任者の申請もしなければとなり、中央警察署だけで手いっぱいだった実行委員会の幹事は、それでも来年のこともあるので、書類申請までやろうよということになり、両方へ届け出をしました。すると、いろいろなことを言われました。それはこれからの質問に出てきますので、ここでは言いませんが、その時点で売店を出す予定の団体に変化が出てきました。  そのとどめは、保健所からの届け出を出した売店代表者への電話です。あれはだめ、これはよしと、1品ずつ言われました。この保健所の指導で3つの売店が出すことをやめました。花火大会の当日の状況は後ほどにしますが、こんな状況で花火大会は開催されました。  当日、田辺市長もおいでになられて、今回の花火大会はいろいろな意味で皆さんに御苦労をかけているが、申しわけありませんとおっしゃってお帰りになりました。これでよいのか、本当に心配をしております。もう少し上手なやり方があるのではないでしょうか。  前段が長くなりましたが、質問に入ります。  今回は危機管理部経済局観光シティプロモーション課、消防局、保健所の関係を質問いたします。  本来であれば、警察に対しても質問をしたいところでありますが、市議会でありますので、できません。  それでは、最初に静岡市の関与の有無についてと題して質問いたします。  ここでは、イベントを開催してきた現状の状況を把握したいため、質問いたします。今までどのようにやってきたのか、露店とは何かなどをお聞きしたいと思います。  最初に5点、伺います。  1点目に、先ほどの安倍川花火大会食中毒事件を受けて、静岡市が関与するイベントを調べたと聞いていますが、その結果はどうだったのか、お聞かせください。これまで、この手の調査が一切行われていないということがわかりました。  2点目に、火災予防条例の一部改正後の届け出について、どのようになっているのか、お聞かせください。9月1日施行からの件数もお願いいたします。  3点目に、保健所への届け出書類でわかるイベントは、現在でどのくらいあるのか、お聞かせください。平成25年度、26年度についてお願いいたします。  4点目に、届け出が提出された後の保健所の対応はどうなっているのか、お聞かせください。どんなことを説明しているのか、どんな指導をしているのか、聞きたいと思います。  5点目に、静岡市食品衛生法等の施行に関する規則第9条第2号に、露店形態による飲食店業、第10条に、営業許可を受けた者はとありますが、この営業とする基準はどこに置かれているのか、お聞かせください。  ここでは、イベント開催時に露店営業の許可を取得する必要基準を聞きたいのです。地域のイベントでは、営業との意識を持たないで出店している人がほとんどであります。  以上、1回目の質問を終わります。 4 ◯副市長(山本克也君) 私からは、市が関与するイベントの調査結果についてお答えいたします。  安倍川花火大会は、本市の夏を代表するイベントで、毎年大変大勢の皆さんにお楽しみいただいているイベントでございます。今回、その中で冷やしキュウリに起因した食中毒事件が発生し、多くの皆様が苦しまれたことは、大変残念なことであり、心からお見舞い申し上げる次第でございます。  本市では、この食中毒事件に対し、健康被害については保健福祉局を事務局とする健康危機管理対策本部を、市民の皆様からの相談や問い合わせに対する窓口などについては危機管理部を事務局とする危機警戒本部を設置し、対応してまいりました。  その中で、本市が関与するイベントにおいて、同様の事故の発生を防ぐことを目的に、平成26年度実施のイベントでの露天商の出店状況などについて調査いたしました。  その結果でありますが、本市が主催する清水みなと祭りや共催する大道芸ワールドカップ、また協力支援をするかんばらまつりなど、本市がかかわるイベントは全部で238件あり、このうち露店等が出店するものは170件ございました。 5 ◯消防局長(岩崎幹生君) 火災予防条例の一部改正後の届け出についてですが、平成25年8月15日、福知山市で開催された花火大会において、多数の死傷者を伴う火災が発生いたしました。これを受け、市民の皆さんが安心して催し物に参加できるよう、6月議会におきまして火災予防条例の一部を改正したところでございます。  届け出の対象となるイベントにつきましては、平成26年9月1日以後に行われる祭礼、縁日、花火大会等の多数の方が集まる催し物で、ガスコンロなど火を使用する器具等を使用する場合は、主催者等から事前に露店等の開設届出書の提出をいただいております。  9月19日現在までに、秋祭りや運動会などの届け出が58件ありました。 6 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 静岡市のイベントについてのうち、保健所に関係いたします3点の質問にお答えさせていただきます。  まず、保健所への届け出書類でわかるイベントは、現在どのぐらいあるかとのことですが、学校や町内会等が教育または親睦を目的とした物品販売等の催しを行う場合には、静岡市バザー等における食品提供に関する指導要領に基づき、届出書の提出をお願いしておりますが、平成25年度は290件、26年度は9月5日現在ですが、156件の届け出がございました。  次に、届出書が提出された時点での内容はどのようになっているのかということですが、届け出が提出された場合には、バザー等に伴う食品による危害の発生を防ぐため、指導要領第2条に基づき、販売する食品は衛生的に包装されたものであること。調理して提供する食品は直前に加熱するものであること。食品を調理、販売する者は、健康な者であることなど、13項目について指導を行うようになっております。  また、新しいメニューの提供や露店営業者も加わるようなバザー等については、必要に応じて立入検査を実施する場合もございます。  最後に、イベント開催時に露店営業の許可を取得しなければならないものとそうでないものがありますが、その判断基準となるものは何かとのことでございますが、営業については、イベントの形態により大きく2つに分類して判断することになります。  まず、学校や町内会等が実施する、いわゆるバザー等につきましては、小規模で反復継続することなく食品の調理及び販売を行う場合には、営業に該当しないものとして許可を要しないものとしております。  また、その他のイベント等において、営業となるか否かの判断は、地域の住民の方だけが参加するような特定の人を対象とする地域のお祭りなどの小さなイベントについては、営業に該当しないものとしておりますが、花火大会のように、不特定多数の人を対象とする大きなイベントの出店は、営業に該当するとしております。   〔45番井上恒彌君登壇〕 7 ◯45番(井上恒弥君) 答弁ありがとうございました。  ただいまの副市長の答弁を伺いますと、イベントということで、神社の祭祀、バザー、夏祭り、花火大会を、一くくりで質問すると、とてつもなく数多くあることがわかりました。これでは、本日の問題解決が難しくなりますので、考え方を2グループに分けていくことにしまして、方向性を探したいと思います。静岡市で担当する大きい祭り、イベント、そして地域でやるイベントという格好で分けたいと思っております。  最初の危機管理に関する答弁ですが、静岡市が関与しているイベントの質問は、本来ですと、成立しないわけでありましたが、静岡市の関与とはどのような関与なのか、明確になっていないこと。たまたま安倍川花火大会の冷やしキュウリの食中毒事件があったため、急遽調査したとのことでありました。  初めて、どんなイベントがあるのか、各局に問い合わせて調査した結果が、先ほどの件数の283件であります。そのうち露天商が入るところが172件ということであります。  172件と、露店を出しているイベントもたくさんあるということがわかりまして、今度は、そこに関与しているとなりますと、責任とかさらに難しい問題が発生してくるわけでありますが、きょうはその大きい祭りのほうはこっちへ置いておきまして、地域のイベントについてもう少し突っ込んで話をしたいと思っております。  それと、もう1つ、静岡市の関与もそうですが、イベントの定義も明確でありません。どこまでがイベントなのか、地域の行事や学校行事、PTAの行事なども、同じくイベントとして共通のものとするには、ちょっと無理があるのかなと思っております。  最初に、質問した市の関与するイベントとは、同じ経済局の所管で行っている案件で多額の補助金が出ている案件として、用宗漁港まつり、由比の桜えびまつりなど、農林水産部で行っているもの、また丸子の宿場まつりは、同じ経済局でも観光・シティプロモーション課で行われているもの、この類いが市の関与というところではないでしょうか。  学校バザー、学園祭、神社の祭り、地域の夏祭り、歴史的な祝いなど、イベントはまだまだ数えきれないほどありますが、前段で申し上げたとおり、一緒では無理でありますので、地域の小さいイベントは、静岡市は関与するべきものではないと、私は思っております。  しかし、関与するべきではないと言いながらも、この部分で開催するイベント数、そして参加人数は、とてつもなく多くいますし、心配の種であります。この部分を安全で楽しくやるためにはどうしたらいいか、それが本日のテーマであります。  教育委員会へも連絡しました。学校関係のバザーについて問い合わせたところ、全く把握していない。PTAの主催で行われている事業であるので、わからないとの返事でありました。この辺もこれでよいのかなという思いはあります。事件、事故があると、その所管が問われ、その対応に大きな力を注がなきゃなりません。その意味でも、考え方を少し見直したほうがよいのではないかと思われます。  2点目の、火災予防条例の一部改正については、既に多数の届け出があるということで、意識のあらわれとしてよいことだと思います。  また、3点、4点目の質問では、保健所への届け出は、平成25年290件、26年に156件ということで、また対応も市の指導要領に沿って説明をしてくれているということで、いいことだと思っております。そして、必要に応じて立入検査も入るということでした。  問題は、5点目の質問であります。露天商としての営業になるか否かは、大変重要な問題でありますが、まだグレーな部分がたくさんあります。  静岡市では、特定の人を対象とするイベントが判断基準との答弁でした。不特定の人が集まるイベントは営業で、本来なら露天商の届け出が必要だということになります。よい悪いを言うのではありませんが、この判断は、それぞれの県と市によって違います。静岡市はこのように行ってきたということであります。質問のときに申しましたが、小さなイベントでは、出店者は営業との意識はほとんど持っていません。この辺も踏まえまして、最終的なあり方について研究したいと思います。  それでは、2回目の質問に入ります。  いろいろ事件、事故がありましたが、その後にどのように変わってきたかをお聞きしたいと思います。  中項目(2)の最近の消防局及び保健所の変化について、2点伺います。  1点目に、火災予防条例の一部改正の規制概要と、その規制に基づく消防局の対応について、お聞かせください。現地の確認などもどうするのか、お聞かせください。  2点目に、保健所は、安倍川花火大会後、どのような対応になっているのか、お聞かせください。  以上、2回目の質問を終わります。 8 ◯消防局長(岩崎幹生君) まず、火災予防条例の一部改正後の規制概要につきましては、多数の方が集まる催しで、例えば広く地域の皆さんが参加して行われる秋祭り等において、ガスコンロなどの火を使用する器具等を使用する場合の消火器の設置と、露店等の開設届出書の事前提出をしていただくものです。  また、100店舗以上の露店等が出店する屋外での大規模な催しについては、指定催しとして指定し、来年2月1日以後に行われる催しの主催者に、火災予防上必要な業務に関する計画書を提出していただきます。  次に、対応につきましては、届け出を受ける際に、消火能力の高い業務用消火器の設置、ガソリン等の適正な取り扱い、LPGボンベ転倒防止対策などを事前指導し、10店舗以上の露店等の出店がある場合は、現地確認も実施しています。 9 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 保健所の対応に関する御質問にお答えします。  保健所は、安倍川花火大会後、どのような対応になってきたかとのことですが、これまではイベント主催者側からの自主的な届け出や相談依頼によって指導してまいりましたが、安倍川花火大会食中毒事件以後、本市の各課及び食品衛生協会等への文書を通じて、イベント主催者や関係団体に対し、食品の提供に関する情報を積極的に提供するよう求めることとしました。これにより、出店者等から従事者の健康管理や提供品目、原材料の保管状況、調理工程等の情報をいただき、きめ細かな指導ができるようにしております。  なお、イベント等で提供される食品は、近年多様化しており、同じ県内で指導による混乱が生じないよう、本市、静岡県及び浜松市の各保健所の間で、今後協議を重ねていきたいと考えております。   〔45番井上恒彌君登壇〕 10 ◯45番(井上恒弥君) 答弁ありがとうございました。消防局もしっかり仕事をしていることがよくわかりました。  多数の方が集まる催しで、火を使用する器具を使うときは、消火器の設置と露店等の開設届けの事前提出が必要、消火器も家庭用の消火器だけでなく、ABC対応の業務用の消火器を必要とすると伺いました。また、プロパンガスの固定も必要だということ。そして、大きなイベントで、100店舗以上の露天商の野外での催しは計画書の提出書を求めることになったということ。  そこで、今の答弁の中でちょっと気になる問題点は、多数の方が集まる催しという答弁をいただきました。多数とはどのくらいのことをいうのでしょうか、気になるところであります。  また、保健所は、自主的な届け出や事前指導、講習会をやってきたが、これまで以上に情報提供をお願いしたとのことであります。そして食品提供の可能な品物が各県・市で違いまして、県と浜松市と協力して、どういうものにするかを統一していく検討をしていきたい。食中毒の危険性をわかりやすく説明したいという気持ちはよくわかります。  ここからが大きな問題である本日のテーマであります。楽しいイベントのあり方であります。  ただいま、以前の状況、そして食中毒事件後、いろいろな事件、事故以後の現況を伺いました。静岡市が関与する大きなイベントを除いて、地域の小さなイベントについて理解しづらい点が5点ございます。  1点目は、露店を営業して出店する判断基準が、特定の人が集まるイベントと不特定多数が集まるイベントに分けられるというものです。特定の人が来るイベントと、不特定の人が来るイベントと、どこまでしっかりすみ分けができ得るかという問題であります。  2点目は、先ほど申し上げました消防局の多数の方が集まる催しの、多数について。  そして3点目は、露天商の許可及び申請した人と露天商の許可のない人とで、販売してよい品物が違います。例えばカレーはよいが、カレーライスはだめ、かき氷は露天商の許可を持っていればオーケー、そういうものが、今2つ例を出しましたが、何点かございます。  それから、4点目に、販売してよい品物が各市町村ばらばらで、お金を取らなければその限りではないと言われております。  そして、5点目には、保健所はあくまで行政指導であること。どうしても実行したければ、危険があってもとめることができないこと。  こんな疑問を持ちながら、地域のイベントがなぜ必要なのだろうかを考えました。  静岡市では、自治基本条例で行政、議会、市民の役割が書かれています。特に第3章の市民の権利及び義務の中で、第8条でまちづくりへの参画、第10条では、市政への参画と書かれております。しかし、自治会長をあみだで決める、消防団員の分団員は集まらない、パブリックコメントは、自分にかかわるもの以外に反応がない。  きょうはお見えでありませんが、昨日、田形議員の質問に出てきました、まちづくり協議会を設置して、自分たちのできることは自分たちでやるんだという雰囲気が前面に出ている地域は大いに結構です。そのように進めてください。しかし、まだまだ市民の市政への参画や地域力の向上など、かけ声だけが先行して、本物になっていないのも現実ではないでしょうか。  こんな状況を打破するのが地域のイベントであり、コミュニケーションであり、飲みニケーションではないでしょうか。  本日のテーマを、小さな問題と捉えるのも結構、大きな問題と捉えるなら、私と同じです。私は、自治基本条例の一番大事なところだと思っております。  話を戻します。私どもの花火大会も、先ほど申し上げたとおり、売店が3つ休み、重苦しい雰囲気の中で開催しました。8月15日の午後に、各売店に消防局と保健所が1店舗ずつ回りました。私の関係する売店では、消火器が古いこと、カレーの御飯はやめてほしい旨を言われました。急いで消火器を買いに走りました。とりあえず対応はしましたが、非常に重苦しい空気の中は変わりませんでしたが、何ごともなく無事終了したことを喜びました。  そこで、今後のあり方について考えてみました。大事なことが3つあります。  1点目には、現状ある規制のルールをこれ以上つくらないこと。イベントを行いやすくするため、保健所、消防ということではなく、窓口を1カ所だけで、ワンストップで全部対応ができる体制にしたい。  2点目には、主催者及び出店者に自己責任を持たせる。何でも行政頼りではなくて、みずから出したものに対しては自己責任をしっかり持たせる。  3点目には、行政はもっともっと情報提供を積極的に行う。この3点を盛り込んで考えていきたいと思っております。  他市の状況を少々お話しします。  まず、大阪府豊中市では、8月7日付で静岡市の花火大会でO-157の発生がありましたと記載し、露店による食品営業取扱要綱の第8条で、臨時出店として地域交流やお互いの親睦を深めるために、臨時的に飲食物の調理や提供を行うなどは、営業に該当しないものとするとあって、自治会、子ども会、学校、社会福祉施設などが行うと明記してあります。そして、ワンストップで市長宛てに提出するものであります。  川崎市中原区は、縁日祭礼における食品の取り扱いについてとあり、このような派手な表紙で始まりまして、食中毒の事件を紹介、縁日祭礼での調理方法と取り扱い品目が書いてあり、カレーライス、赤飯、水あめ、クレープ、かき氷、フラッペ、全てオーケーであります。何と11ページに及ぶ情報が区民に出されております。  横浜市旭区では、連合会の資料として、お祭りの食中毒を防ぎましょうとして、回覧板を回したそうです。この中には、平成22年7月の七夕祭りの食中毒、23年、夏のフェスティバルでの食中毒、原因になる菌類等も説明してあります。多いですね、食中毒が。  まだまだ多く調べましたが、どこもしっかりと取り組んでおります。  そこで、3回目の質問をいたします。  今後のあり方について3点質問いたします。  1点目、大規模イベントの安全対策について、今後どのように取り組んでいくか、お聞かせください。
     2点目に、地域イベントの開催者に対して、多岐にわたる手続を行いやすく案内できないか、お聞かせください。先ほど申し上げましたように、例えばインターネットの届け出で1カ所でできる、あるいはやりとりをインターネットで行う等であります。  3点目に、主催者が出店者に対して注意事項や市内外の事故の例などの情報を発信し、安心・安全の向上を図ったらどうかと考えています。主催者、出店者に自己責任を植えつけることが大事なことと思っております。  以上で全ての質問を終わりますが、大変難しい問題でもあるし、かつ多くの問題があります。このコミュニティに必要な、地域のイベントを楽しく安全で安心にやっていけるよう、どうか職員のお力をかしていただきまして、いいほうに進めていったらと思っております。 11 ◯経済局長(斎藤 誠君) イベントの今後のあり方についての3点の御質問にお答えいたします。  初めに、大規模イベントの安全対策について、今後どのように取り組んでいくのかについてですが、まず大規模イベントの安全対策です。  イベントには、多種多様なイベントがありますが、安倍川花火大会での食中毒事件を受け、本市としては各主催者と協議を行い、それぞれの催しに応じた安全対策を強化していく必要があると考えております。  開催が迫っております大道芸ワールドカップにおきましては、市は実行委員会に対し、次の5点を重点的に実施していただくよう依頼をいたしました。  1つ目として、飲食物を提供する出店者の営業許可証を確認するとともに、出店者及び取り扱う食品などの情報を保健所に提供すること。  2つ目として、火気使用を伴う出店者の消防署への届け出を確認すること。  3つ目として、出店者説明会への保健所及び消防署の参加を求めること。  4つ目として、道路の使用や雑踏警備等に関し、警察署へ相談をすること。  5つ目として、出店者に対し、食中毒にも対応できる総合賠償責任保険などの加入を強く要請することを行い、安全対策の強化を図りました。  本市としては、このほかの大規模イベントにおきましても、大道芸ワールドカップでの対応に準じて、市とイベント主催者と協力し、安全・安心対策の強化に努めてまいります。  次に、地域イベントの開催に係る手続の案内及び情報発信による意識の向上につきましては、あわせてお答えさせていただきます。  市民主体で行われる地域のイベントは、地域コミュニティの形成のために大きな役割を担っていると認識しております。  地域イベントの開催においても、飲食や火気を伴う出店をする場合は、消防署への露店等の開催届出書や保健所へのバザー等の開催届などのさまざまな申請や届け出が必要となります。  しかしながら、イベント開催に向けた手続は、開催する内容や場所によって、提出する書類、申請や届け出が異なるため、主催者にとっては大きな負担になっていると思われます。  本市としては、多岐にわたる手続などについて、案内や相談ができる体制を整えることとともに、市内外のイベントにおける事故の事例や注意事項を市のホームページなどを通じて、わかりやすく情報発信をし、主催者及び出店者の安全・安心意識の向上につなげていきたいと考えております。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 12 ◯議長(石上顕太郎君) 次に、池谷大輔君。   〔1番池谷大輔君登壇〕 13 ◯1番(池谷大輔君) それでは、通告に従いまして、質問いたします。  本定例会では、静岡市の防災についてと駿府城再建についての2点を質問いたします。  まず、静岡市の防災についてですが、ことしも9月を迎え、各地で防災訓練が行われております。毎年9月1日が防災の日とされているのは、1923年に発生した関東大震災にちなんだものであり、関東大震災犠牲者の慰霊法要祭が行われていたものが、1960年に防災の日と制定され、全国的に防災訓練が行われる日となりました。  9月1日以外でも11月は地震防災強化月間、12月の第1日曜日には地域防災の日ということで、静岡市民の防災に対する備えや知識を育み、市民参加のもとに、協働により安心・安全のまちをつくり上げていく、大事な時期であると認識しております。  今回の質問では、その防災の時期に行われる防災訓練に参加した市民の声で、幾つか気になる点がありましたので、当局に見解を問いたいと思います。  防災訓練に参加した女性と話をしたときのことです。女性からは、地域の組織の決まった役割の人しか参加しておらず、これからずっと継続的に防災訓練ができるのかどうか心配である。子供からお年寄りまで参加でき、また健常者だけでなく、要配慮者まで参加できる防災訓練が望ましいのではないかという旨の貴重な御意見をいただきました。  毎年決まった役割の人というのは、恐らく自治会の会長を含めた役員、組長、防災委員のことだと考えられますが、もし防災訓練の参加者の大多数がそこに限定されているのであれば、これは大きな問題ではないでしょうか。  防災対策、災害対策では、自助、共助、公助が叫ばれています。自助は、我が身は自分で守るということ、共助は近隣の方々や地域で助け合うということ、そして最後に、公助は行政や警察、消防による救助、復旧のことです。つまり、まずは自分の命は自分で守りましょうということが大前提としてあるわけです。自治会や自主防災組織での活動などで、防災の知識がある方は、恐らくこの自助や共助の部分は問題ないと思われます。問題は、常日ごろ防災の活動をしておらず、防災訓練に参加しない方、もしくは参加できない方にどうアプローチをして、防災の知識をつけてもらうかにあります。  静岡市は、昔から東海地震の危険性が指摘されており、ほかの自治体に比べれば市民の意識はきっと高いものがあると思いますが、さらなる意識の向上を促す必要があるのではないでしょうか。  そこで、質問です。  地域防災訓練における参加人数の過去5年間の推移について、お答えください。  次に、防災訓練の内容ですが、私が参加した地域の防災訓練では、初期消火の実践訓練、三角巾、簡易トイレの組み立てなどを行いました。昔ながらの、いい意味でも悪い意味でも、防災訓練らしい防災訓練だと思います。  継続は力なりというように、同じ訓練を何度も何度も繰り返すことで、非常事態発生時に慌てずに適切な判断と処理をすることでしょう。  しかし、それだけで終わるのでなく、参加してみたくなるような内容を織り込むことも必要ではないでしょうか。  そこで、質問です。  地域防災訓練における先進的な事例について、当局が把握している事例がありましたらお答えください。  続きまして、土砂災害についてお聞きします。  去る8月20日、明け方未明、広島県広島市において、短時間ではありますが、豪雨が局地的に降り注ぎ、土砂災害が発生いたしました。広島市安佐北区では、1時間当たりの最大降水量が121ミリを観測するなど、記録的な豪雨であったと報道されております。  静岡市で発生した40年前の七夕豪雨では、1時間当たりの最大降水量が80ミリ程度でしたので、一番多く降った時間帯では、七夕豪雨のおおよそ1.5倍ほどであり、大変強烈な豪雨であります。  昨今、南海トラフ巨大地震が取りざたされ、本市でも津波対策として津波避難タワーが建設されておりますが、津波被害だけではなく、大雨による土砂災害に対する備えが現状どのようになっているのか、山の多い静岡市民の関心は高まっております。  そこで、質問です。  急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、通称急傾斜地法に基づいた静岡市の管理する急傾斜地崩壊対策施設に対し、広島市の土砂災害を踏まえて、建設局として実施したことは何かありますでしょうか、お答えください。  また、広島の土砂災害を受け、政府は、現在、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律、通称土砂災害防止法の改正に動いております。平成12年に土砂災害防止法が制定され、既に14年がたっているものの、日本各地の警戒区域指定がいまだに完了していない状況にあります。そのため、これから5年以内に完了させるよう、国が是正要求することなどを盛り込んだ提言案が、現在まとめられたと報道されております。  9月4日の中日新聞に、県と市町で開いた土砂災害対策緊急連絡会議の模様が記事として掲載されておりました。これによると、県が指定している県内の1万5,193カ所の土砂災害危険箇所について、調査から長年経過しているため、新たな箇所の洗い出しを年内に始め、さらに土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の指定率100%達成の前倒しを目指すとも書かれております。  そこで、質問です。  静岡市全域において、土砂災害防止法に基づく指定の進捗状況はどのくらいであるか、静岡市全域の土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の件数もあわせてお答えください。  続いて、急傾斜地対策事業に関しての質問です。  地域で土砂災害の話になった際、まだ整備されていない急傾斜地がたくさんあるという話になりました。データを見ながら、地域と照合すると、確かに整備済み、要望書提出済みの件数よりも、要望書が提出されていない箇所がまだまだ存在しております。  この急傾斜地崩壊対策事業において、県と市では、かかわる作業が異なると聞いておりますが、事業着工に至る経緯のうち、最初のステップは市が行うという認識で正しいでしょうか。急傾斜地崩壊対策事業に対する市のかかわり方として、どのような仕事をしているのか、具体的にお答えください。  大項目の2、駿府城建設について質問します。  先日、第3次静岡市総合計画の基本構想、基本計画の骨子案が公開されました。駿府城建設についての記載は以下のとおりです。  「歴史都市、悠久の歴史を誇りとして活かした風格のあるまちづくりの推進」、「駿府城天守閣の再建を目指し、サグラダ・ファミリア方式による天守台の整備に着手します」と記載されておりました。  このサグラダ・ファミリア方式については、その横の括弧書きに、「発掘調査から再建までの途中経過を観光資源化、財源は主に民間からの寄附、作業は市民のボランティア参加」となっております。  しかし、建設費については、報道記事によると天守台で60億円、天守閣が鉄筋コンクリートなら約100億円、木造なら約250億円程度と巨額の資金が必要になるのではないかと想定されております。  先日の池邨議員の質問の答弁にもありましたが、今回はまだ骨子案ですが、天守台の整備に関しては3次総の中で調査を完了させ、そして天守台の建設の着手に取りかかるとありますので、3次総が正式なものとなる際には、財源については寄附に頼るとはいえ、寄附金募集の年別の目標額や目標期間などもしっかりと計画に入れてもらいたいと思っております。  そこで、質問です。  当局が考えるサグラダ・ファミリア方式とはどのようなものか、お答えください。  さらに、数百億円の寄附ともなれば、その期間も長期的に及ぶことが考えられますが、長期にわたって寄附をどのように集めていくのかをお聞きしまして、1回目の質問とさせていただきます。 14 ◯副市長(山本克也君) 私からは、土砂災害対策についての御質問のうち、広島市の土砂災害を踏まえて本市で実施したことについて、お答えいたします。  本年8月20日、広島市において、豪雨による大規模な土砂災害が発生いたしました。この災害により、お亡くなりになられた皆様の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害を受けられた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  本市では、この災害を踏まえ、砂防施設の整備、土砂災害警戒区域の指定、また早期避難の重要性を改めて認識したところでございます。このため、8月25日に市の管理する急傾斜地崩壊対策施設12カ所全ての緊急パトロールを実施し、施設機能及び斜面に異常のないことを確認いたしました。  なお、この災害の前にはなりますが、6月には市の管理する主要な河川を点検するとともに、県の管理する急傾斜地崩壊対策施設についても、県と合同でパトロールを実施しており、どちらも異常のないことを確認しております。  また、8月1日号の市の広報紙にあわせ、土砂災害危険箇所等を示した防災マップを全世帯に配布し、周知を図ったところでございますが、9月9日からは、本市ホームページに風水害、土砂災害に備えましょうという項目を設け、身の回りの危険箇所の確認や素早い避難行動等について、市民の皆様に改めてお知らせをしているところでございます。  さらに、土砂災害危険箇所における警戒避難体制の緊急点検として、避難経路の周知や情報伝達機器の点検などを実施しているところでございます。  現在策定中の第3次総合計画で、重点プロジェクトと位置づけます防災都市の推進を目指して、今後も土砂災害対策に積極的に取り組み、市民の皆様の命と財産を守る防災・減災対策に努めてまいりたいと考えております。 15 ◯建設局長(寺田 薫君) 初めに、市内の土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の指定状況についてでございますが、土砂災害防止法に基づく調査、指定等は県が行っております。  平成26年3月末の指定状況ですが、市内には、土砂災害危険箇所が2,713カ所あり、このうち1,554カ所が土砂災害警戒区域に指定されており、指定率は約57%となっております。  また、警戒区域1,554カ所のうち、1,364カ所が土砂災害特別警戒区域に指定されております。  なお、県では、早期指定に向け事業を実施しており、平成29年度中に全箇所の指定が完了する見込みと伺っております。  続きまして、急傾斜地崩壊対策事業における市のかかわりでございますが、本事業は県事業でありますが、地元の要望は全て市を窓口として県に申請することとなります。  市では、地元から急傾斜地の相談を受け、関係者とともに現地を調査し、県急傾斜地崩壊対策事業の対象となるかどうか、確認させていただきます。  次に、要件を満たす場合には、地権者等の同意を含む要望書の作成について、取りまとめをお願いし、市からの副申書を添えて要望申請を行います。その後、県と調整を行った後に、急傾斜地崩壊対策事業実施に必要な測量及び指定調書の作成を行っております。  また、工事実施等の説明会に同席し、事業の円滑な促進に努めております。 16 ◯危機管理統括監(中野達也君) 私からは、地域防災訓練に関します2点の御質問にお答えいたします。  まず、毎年12月の第1日曜日に実施しております地域防災訓練の過去5年間の参加状況についてでございます。  平成16年に発生した中越地震以降、平均11万人の参加だったものが、平成21年は10万3,000人、平成22年は8万9,000人に減少しました。これは、主には時間の経過とともに、市民の皆さんの関心が薄れた結果ではなかったかと考えております。  しかしながら、平成23年3月に発生しました東日本大震災以降は、市民の皆さんの防災意識の高まりもあり、平成23年は9万6,000人、平成24年は11万3,000人、平成25年は11万5,000人と、ここ3年は前年に比べて増加している状況でございます。  続きまして、地域防災訓練におけます先進的な事例についてお答えいたします。  近年、自主防災組織の中には、地震、津波による被害を具体的にイメージしながら、より実践的な訓練を取り入れている例もあります。  具体的には、自主防災組織の本部運営のリーダーとなる参加者に、その場で被害や要請の情報を付与して、どう対応するかを考え行動するイメージTENという訓練や、避難所運営を疑似体験するHUGという訓練であります。  また、地区内の高齢者福祉施設との連携や中高生など若い世代の参加を促すなど、運営面での工夫も見受けられます。 17 ◯企画局長(加藤正明君) 駿府城再建について、サグラダ・ファミリア方式とはどのようなものか、また寄附をどのように集めていくかについて、一括して御答弁いたします。  お手元に配布しました資料をごらんになってお聞きください。  サグラダ・ファミリア方式とは、発掘調査から再建までの途中経過を観光資源化するとともに、財源を主に民間からの寄附に求め、調査等の中で市民の皆さんの御協力をいただく手法のことでございます。  言葉の由来となりましたサグラダ・ファミリアとは、スペインのバルセロナにある教会の名称でありまして、寄附や観覧料を財源として建設が進められています。  この教会は、1882年の着工以来、132年たった現在も完成しておりませんが、2005年にはユネスコの世界文化遺産に登録され、スペインで1、2を争う観光客が集まるモニュメントとなっております。このため、300年以上かかると言われていました工期は半分に短縮され、着工から144年後の2026年には完成する見込みと言われております。  駿府城再建に当たりましては、この発想、この手法を参考にして進めていこうとするものでございます。  また、寄附につきましては、発掘調査の公開やPRにより、再建に向けた活動を全国に発信し、市民の皆さんや団体、企業だけではなく、例えば全国の歴史ファンやお城の愛好家の方々などからも、御協力をいただける取り組みを検討していきたいと考えております。  整備に当たっては、多額の費用、長い期間がかかると見込まれますが、機運の醸成を図り、多くの方々の御協力を得て再建を目指してまいります。   〔1番池谷大輔君登壇〕 18 ◯1番(池谷大輔君) それでは、2回目の質問に入ります。  まず、これからの防災訓練について、1つ残念な話ですが、紹介したいと思います。  今年度ではなく、昨年度の防災訓練の際、車椅子の方と一緒に参加をしようとしたところ、何でこんな人を連れてくるのかという旨の発言を受け、結果的に防災訓練に参加することがかなわかったという方がおりました。  これからますます高齢化が進み、避難に支援を必要とする要配慮者の数もふえることでしょう。要配慮者だから防災訓練に参加しない、させないというのではなく、要配慮者だからこそ、しっかりと防災の知識と経験を身につけてもらう必要があるのではないでしょうか。要配慮者の避難誘導をしたり、ともに避難する、そんな避難訓練があってもよいと思っています。  静岡市が公表している自主防災会の訓練計画一覧を見ると、訓練の中に要配慮者支援を取り入れている自治会が幾つも確認できました。静岡市としても、万が一の災害に備え、元気な方だけでなく、要配慮者の方が気軽に参加できる手助けをする必要があるのではないでしょうか。  そこで、質問です。  要配慮者も含め、一人でも多くの市民が参加する防災訓練にするための考えがあれば、お答えください。  次に、土砂災害対策についての再質問です。  東北の震災以降、マスメディア各紙で取り上げられました、ここより下に家を建てるなという言葉は有名でありますが、この言葉は岩手県宮古市に建てられている大津波記念碑に記された一文であります。記念碑は、1896年の明治三陸地震と1933年の昭和三陸地震で発生した津波被害を後世に伝えるものであり、全文を紹介したいと思います。
     「大津浪記念碑 高き住居は児孫の和楽 想へ惨禍の大津浪 此処より下に家を建てるな 明治廿九年にも昭和八年にも津浪は此処まで来て部落は全滅し生存者僅かにも二人後に四人のみ幾歳経るとも要心何従」  実際3.11の地震による津波は、石碑の手前まで迫ったものの、それより奥の集落までには至らず、建物の被害はありませんでした。  沿岸部の家々は流されてしまった宮古市の中で、この地区だけは建物の被害が1軒もなかったそうです。先人たちの体験に敬意を払うとともに、改めて教訓の重さを胸に刻んでいると、当時の新聞に報道されておりました。  国、県、市が一体となって進めようとしている土砂災害警戒区域の指定の調査を完了させるということは、津波と土砂災害とでは種類は違うものの、住民に対しての注意喚起を促す点では記念碑と同じ意味があり、危険を認識していない住民に対して、その危険を認識してもらう重要な調査であります。  地域に住んでいる全員が、過去その場所でどのような災害が起き、どれだけの被害が出たのか、把握しているわけではありません。家の真裏が崖であるとか、谷間に住んでいるとか、わかりやすい場所ならともかく、崖が少し離れていたり、1本道路を挟んでいるところに住んでいたりすると、危険を認識していない市民も多くいることでしょう。行政により、市民に危険箇所をしっかりと示し、さらにその情報を周知することで減災につなげていただきたいとの思いがあります。  この土砂災害警戒区域指定による住民に対する注意喚起をソフト対策とするならば、実際に急傾斜地に基盤整備を施す急傾斜地崩壊対策事業は、ハード対策と呼べます。  これから土砂災害防止法の改正が実施されることで、行政主導のソフト対策はより一層進む一方で、ハード対策に関しては、先ほどの回答でお答えいたいだいたとおり、地元からの要望があって、初めて行政は動くこととなっております。  そして、現在要望書を出しても工事着工までにかかる年数は、10年から20年と聞いております。地元地域住民の間では、どうして行政主導で対策を始められないのか。対策を施さなければならない多くの急傾斜地に対し、危険度のランクづけを行政で行い、順番に整備してもらうことはできないのかという声が上がってきております。  そこで、質問です。  急傾斜地崩壊対策事業は、地元要望がないと進められないのか、お答えください。  最後に、駿府城再建についてです。  本家のサグラダ・ファミリアでは、ことしで工事は132年目で、工事144年目の2026年に完成する見込みだと御答弁いただきました。  ほかにも長期間にわたってつくられた建築物といえば、ドイツのケルン大聖堂などが有名で、1248年に火災により焼失してしまった後、再建工事が始まりましたが、完成したのが何と600年後の19世紀でした。  しかし、今は21世紀で平成の世です。サグラダ・ファミリアの建設にも今話題の3Dプリンタが使われているそうです。静岡の駿府城は百数十年もかけずに、できれば宮澤議員の質問の御答弁にもあったように、10年から20年程度での完成を目指していただきたいとの思いがあります。  1回目の質問の答弁にありましたが、サグラダ・ファミリアは、寄附と観覧料を財源として建設が進められております。ユネスコの世界文化遺産に登録されたことで、スペイン屈指の観光スポットとなり、その入場料収入のおかげで、工期が半分に短縮されました。  このサグラダ・ファミリアの入場料とは、一体幾らぐらいであるか、皆さん御存じでしょうか。現在インターネットサイトよりチケットが購入できるため確認をしたところ、入場に14.8ユーロ、内部にあるタワーも含めた入場料は19.3ユーロでした。ユーロは今1ユーロ140円程度ですので、日本円換算すると、大体入場で2,070円、タワー込みですと2,700円になります。少し高いなと感じますが、建設費に加え寄附が含まれていると考えれば、このくらいが妥当なのかもしれません。  これから静岡市が駿府城をつくり始めるとして、天守台に係る建設費用が想定で60億円、これを寄附としてもらいながらつくり始めるわけですが、天守台とは御存じのとおり石垣であるわけですから、しばらくの間は石垣をつくり続けることとなります。  先ほどの御答弁の中に、発掘調査から再建までの途中経過を観光資源化するとありましたが、本家のサグラダ・ファミリアのように観光スポットとして2,000円から3,000円の入場料を取るというのは、天守台部分だけでは難しいのではないかと思います。  さらに、寄附がうまく集まり、すんなり天守台の建設が終わり、早期に天守閣の建設に取りかかれば、城は完成に向けて近づいていく感覚が市民の間にも浸透すると思いますが、何年たっても、何十年たっても石垣を一段一段積み上げているようでは、盛り上がった機運も盛り下がってしまうかもしれません。  そこで、私に腹案があります。天守台の建設費用を一括で賄い、早期に完成させた上で、市民、団体、全国の歴史ファンの寄附により天守閣を建設する案です。若輩者の一意見ですが、御拝聴いただけますよう、よろしくお願いします。  まず、天守台の60億円ですが、これは静岡市が一括で予算を用意するものとします。その財源は、静岡市電気事業経営記念基金の一部を処分し充てることとします。9月19日の終値で中部電力の株価は1,265円、静岡市が保有する約454万株の時価総額は57億4,300万円であり、天守台の建設費用60億円とほぼ同額であります。我々の生活に欠かせない電気の供給サービスを提供する中部電力は、市民の生活の土台とも言える事業を展開しております。静岡市民の土台を支えてくれる中部電力の株をもって、駿府城再建の土台となる天守台をつくり、その上に民間からの寄附により天守閣をつくるという考え方はいかがでしょうか。  昨年の11月議会でも中部電力株については触れましたが、基金の処分には基金条例の規定に基づき処分が限定されていると財政局長より御答弁をいただきました。条例を調べたところ、今回のケースでは、基金を活用できるのではないかと考えております。  最後の質問です。  駿府城再建について、電気事業経営記念基金を財源とする考え方はないか、お答えください。  以上が2回目の質問となります。 19 ◯危機管理統括監(中野達也君) 周りの人の支援を必要とします要配慮者を含めまして、多くの市民の皆さんに参加をいただく訓練とするためにはとの御質問にお答えをいたします。  訓練への参加を繰り返し呼びかけることも必要でありますが、訓練の内容や運営のあり方にも工夫が必要ではないかと考えております。例えば多くの住民の皆さんの参加が見込まれます一部のイベントとのジョイントや参加者が参加すれば、自分や家族を守れると実感できる訓練、参加して楽しいと思っていただけるような訓練としていくことも大事ではないかと考えております。  なお、周りの人の特別な支援を必要とする要配慮者の参加につきましては、地区の民生委員の方々や福祉関係団体などとの連携が不可欠と考えてきたところであり、市としましても自主防災組織からの相談に乗るなど、対応しております。  何より、日ごろから要配慮者を含めて住民同士が相互に顔のわかる関係を築いておくこと。一人一人が自分もコミュニティの一員であるという意識の醸成が大事であると考えております。  災害から命を守り、被害の軽減を図るためには、市民一人一人の高い防災意識と、自分たちの地域はみんなで守る共助の仕組みを確実なものにしていくことが不可欠であり、そのための防災訓練が重要となります。  市としましては、引き続き市政出前講座などの機会を通じて、これらのことを繰り返し伝えてまいります。  また、訓練実施後には、自主防災組織から広く御意見をいただき、より充実した訓練とするための方策も検討してまいります。 20 ◯建設局長(寺田 薫君) 急傾斜地崩壊対策事業は、地元からの要望がないと進められないのかについてでございますが、急傾斜地崩壊による災害の防止に関する法律では、土地の所有者、管理者または占有者は、その土地の維持管理について急傾斜地の崩壊が生じないように努めなければならないとしており、第1には土地の所有者などに安全管理の責任があると規定されております。  しかし、急傾斜地の高さが高い、保全対象人家が多いなど、土地所有者などが施行することが困難または不適当な場合に、都道府県が施行できるものとなっております。そのため、県が事業を実施する場合には、まずは地元からの要望書の提出をお願いしているところでございます。土砂災害は、いつどこで起こるのか、予測できませんので、斜面等に変状が見られた場合、すぐに市に相談していただきたいと考えております。 21 ◯財政局長(河野太郎君) 駿府城再建について、電気事業経営記念基金を財源とする考えはないかについて、お答えをいたします。  電気事業経営記念基金は、静岡市電気事業経営記念基金条例に基づき、本市が経費を負担する大規模な土木、その他の建設事業費などの財源に充てるとき、予算の定めるところにより処分することができます。電気事業経営記念基金を駿府城再建の財源とすることについては、駿府城再建の財源は、主に民間からの寄附によるサグラダ・ファミリア方式により整備することとしており、現時点では考えておりません。   〔1番池谷大輔君登壇〕 22 ◯1番(池谷大輔君) 御答弁ありがとうございます。  3回目は、意見・要望です。  まず、これからの防災訓練について、過去の参加人数の推移を御報告いただきました。東日本大震災を機に、防災訓練の参加者がふえているものの、参加者数は11万5,000人、静岡市人口のわずか16%です。HUGやイメージTENといった静岡独自の訓練をさらに普及させ、参加人数の増加を目指すよう、よろしくお願いします。  そして、要配慮者の参加については、福祉関係団体と地域との連携が必要だと御答弁にありましたが、その仲立ちは行政が行ってもよいのではないかと思います。区で行われる自主防災連絡会において、地域の福祉関係団体の防災担当の方に御出席いただき、意見交換をすることもできるのではないでしょうか、御検討のほどお願いいたします。  次に、土砂災害対策について、行政主導による急傾斜地対策ができないという旨の御回答には、率直に言って残念です。土砂災害防止法の改正により、ソフト対策は進むかもしれませんが、危険区域指定を受けたとしても、長年その場所に住んでおり、移住ができない方からすれば不安になるだけです。行政による主導が難しいのであれば、これから先、新たに指定される箇所を含め、指定済み危険箇所を当該区域に住む住民への徹底周知と出前講座などによる急傾斜地対策事業の説明回数の増加をお願いしたいと思います。  最後に、駿府城建設について、今回の議会でこの件について質問をするのは6人でしょうか。まだ市長の思いといいますか、意気込みが聞けていないのは残念でありますが、きっとこの後の御質問で熱のこもった話が聞けるものだと思っております。  静岡市電気事業経営記念基金条例では、御答弁いただいたとおり、処分の第6条第1号に、「本市が経費を負担する大規模な土木その他の建設事業費の財源に充てるとき」には、「予算の定めるところによりその全部又は一部を処分することができる。」とされております。  3次総の骨子案には、財源は主に民間からの寄附と書かれており、主にとなっているのは、市も幾らかを負担するつもりがあるからだと認識しております。であるならば、本市が経費を負担する大規模な土木、その他の建設事業費に当てはまります。私は主に民間からの寄附によって天守閣をつくり、それ以外は基金を利用するべきだと思っております。当局が現時点では考えていないというのは、これから細部の計画を練っていく段階ですので、ぜひとも御一考していただくことを要望し、全ての総括質問を終了いたします。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 23 ◯議長(石上顕太郎君) 次に、石井孝治君。   〔4番石井孝治君登壇〕 24 ◯4番(石井孝治君) それでは、通告に従いまして、質問をさせていただきます。  初めに、大項目1、主要国首脳会議、以下サミットと言わせていただきます。関係閣僚会合誘致についての質問となります。  平成23年4月の田辺市長の就任以降、マニフェストに基づいて静岡市はまちみがき戦略推進プランを策定し、鳥の眼で見る都市ビジョンとして、求心力が強く、世界中から人が集まるまちをつくり上げるため、さまざまな取り組みを進めてまいりました。  その目標の1つに、G20級の国際会合誘致を置いた戦略的MICEの推進も、太平洋・島サミットは残念な結果になりましたが、第24回国連軍縮会議の開催、2017年の世界SF大会誘致活動など、着々とステップを踏み、ノウハウを蓄積してきたと認識しております。  そして今回、目標のG20級を飛び越えた感はありますが、サミット関係閣僚会合への誘致に踏み切ったわけであります。  8月26日の報道発表によると、2016年に日本で開催されるサミット及び関係閣僚会合の本県への誘致活動を行い、サミットを浜松市で、関係閣僚会合を本市で開催するとのことでした。  経過としては、昨年末、田辺市長が口火を切る形の提案により進めてまいりましたが、かかる人員等の理由により一度は断念するとの決定に至りました。その後、県知事の後押しを受け、再度誘致に動き出しましたが、経過はいずれにせよ、私は市長の発言によりプロジェクトが始まったことに対して歓迎をいたしますし、成功をさせるためにもオール静岡での共通認識や目的意識を持つべきだと思います。  そこで、質問ですが、市長マニフェストに掲げた戦略的MICEの推進により第一歩を踏み出したサミット関係閣僚会合誘致にかける思いとは、どのようなものか、お答えください。  前回、日本で開催された洞爺湖サミットでは、主要会議を洞爺湖で、また関係閣僚会合を外務では京都市、財務では大阪市で開催され、その他8会合も日本全土にわたって開催をされました。  例年、サミット以外は、外務、財務大臣会合が必ず開催をされます。今回その会合はまだ未定であります。現在誘致に名乗りを上げているのが、サミットでは仙台市、新潟市、名古屋市、神戸市、広島市、軽井沢市、そして浜松市であり、閣僚会合では熊本市、札幌市、京都市、三重県、宮崎県などであります。どの都市を見ても、国際会議を誘致するにふさわしい都市であり、サミット開催に漏れた都市は、閣僚会合を引き受ける場合が多いので、本市にとっては、それだけ競争も激しいことが予想されます。  特に必ず会合が開催される外務、財務大臣は、ニュース性も強く、世界の注目度もほかの会合とは比べものになりません。  世界中から人が集まるまちを目指す本市にとっては、アピールする絶好の場となります。誘致を強力に、そして効率よく進めるためにも、目標を絞った上での誘致活動にするべきであると考えますが、本市が目指す閣僚会合はどの会合でしょうか、お答えをください。  前回、洞爺湖が選ばれた理由としては、世界に誇る自然だそうであります。今回の目指す閣僚会合に当たり、本市が他市に対してすぐれている点、有利な点、本市のセールスポイントはどのようなものでしょうか、これもお答えください。  この誘致活動には、さまざまな協力が必要である一方、誘致に関するコストや費用対効果をどのように考えるか、市民の機運を高めるためには、どのようにするべきか、経済界をどのように巻き込んでいくかなど、克服しなければならない課題が山積しています。  先月末で、誘致活動が締め切られたばかりとはいえ、そういった点では、他市が誘致に向けて一歩、二歩、先んじていると言っても過言ではありません。  兵庫県では、前回の日本開催サミットの際に、大阪、京都の両府と合同で関西サミットを計画していましたが、足並みがそろわず、洞爺湖での開催となってしまいました。その過去を踏まえ、今回はいち早く、神戸市商工会議所はサミットの神戸誘致について、関西経済界は一体となって積極的に賛同していると、コメントを発表しています。  今回の誘致に関しては、静岡県と両政令市が協力して誘致活動を実施するため、行政での体制はもちろん、官民一体となった誘致体制の早急な構築が求められています。  この秋から、誘致希望地の事前調査も始まり、来年には開催地の検討と発表も控えております。もう残された時間はわずかですし、口に苦い話かもしれませんが、一度誘致を断念したというマイナス要因も加味しなければなりません。県内が一致団結して誘致に動いていることをアピールしていくことが必要となります。  そこで、お伺いいたします。  誘致に関する推進体制はどのようになっているのか。また、開催決定時期はいつぐらいになるのかをお答えください。  以上、1回目といたします。 25 ◯市長(田辺信宏君) 大項目、主要国首脳会議誘致についてのうち、このサミット誘致にかける市長の思いについてとのお尋ねにお答えいたします。  私は、これまで3年間、交流人口の増加によって、地域経済を活性化していくということを目的に、いわゆるMICEの推進に全庁を挙げて取り組んでまいりました。従来から定評のある大道芸ワールドカップの磨き上げを初めとして、初の42.195キロ、フルマラソンの静岡マラソンの開催もそうですし、フランスのカンヌ市との姉妹都市提携を、映画というキーワードで結んだ「シズオカ×カンヌウィーク」の開催もそうであります。目下、プレ事業が始まっている家康公顕彰四百年祭もそれに当たります。さまざまな人の集まる仕組みによって、この静岡市で交流をしていこう、これは地域経済の活性化という目的でございます。  その中で、国際会議の開催も大きな要素であります。24年、静岡市にとって本格的な国際会議の初開催となった国連軍縮会議では、会議の参加者から数々の賞賛の声をいただいたことは、私たちにとって大変自信になっております。とりわけ、ロケーションである日本平の眺望がすばらしい、フィーチレスな眺望だと、言葉にならないぐらいの眺望だという声をたくさんいただき、あの日本平の地が国際会議を開催する場所としては、十分世界と戦っていける場所なのだということを実感しております。  そして、この国連軍縮を開催したことによって、国際会議の関連の、外務省を初めとした関係諸機関と人脈のネットワークができたということも大きな成果でありました。  今回、数ある国際会議の中でも、議員御指摘のように、ニュース性が強く、世界中のメディアでも群を抜いて注目度が高いG8サミットが2016年に日本で開催される。その誘致をしてみたらどうかというのは、やはり国連軍縮の成果の中で、強いお勧めを本市がいただいたことがきっかけでもあります。その後、静岡県、浜松市とも協議をした上、3者が連携、協力をして誘致活動に取り組んでいくことといたしました。  この誘致決定に際しましては、一部報道でも伝えられたとおり、議員からも御指摘があったとおり、3者の合意形成に関して紆余曲折もありましたが、現在では3者が一丸となって誘致活動に取り組んでいこうとの結論に至った次第であります。  そこで、全県、ふじのくにを挙げた誘致活動を今後強力に行っていくため、目下、官民を挙げた誘致推進組織の設立に向けた準備や、外務省を初め諸機関に対して、本県開催の意義を説明する資料の作成を行っているところであります。  私どもとしては、富士山の世界文化遺産登録という絶好のタイミングを最大の武器にして、オールふじのくにのG8サミットとして、ホテルなどの宿泊施設のキャパシティの制約から、首脳会合は浜名湖を中心とした浜松市が、そして閣僚会合は日本平を中心とした静岡市が、それぞれ担当することを会議の全体フレームとして考えて、計画をしているところであります。  そこで、お尋ねでありますけれども、私としては閣僚会議の中でも最も注目度が高い外務大臣会合の開催誘致を働きかけていこうと考えております。  お手元に配布いたしましたG8サミット外務大臣会合静岡市開催提案書案をごらんいただきたいと存じます。  日本平を中心に、静岡市のおもてなしの精神で、世界各国における国際政治のリーダーであるそれぞれの外務大臣をお迎えすることは、静岡市の魅力を世界にアピールする絶好の機会となります。  この資料の2ページから10ページをお開きいただきたいと思いますが、開催のコンセプト、セールスポイントは4つであります。  第1に、我が国の象徴である世界遺産、富士山を全世界に魅了させること。  2つ目、平和都市宣言をしている静岡市、平和の丘・日本平から世界平和を全世界に発信すると。  第3に、静ひつ、安全な環境の中で充実した時間を創造すること。まさに、セキュリティーの確保ということが大変な有利さであります。  そして第4に、コンパクトな空間の中で多様なスタイルの対話を演出することです。  また、詳細はごらんになっていただきたいのでありますけれども、もう1つさらに申し上げると、この裏表紙をごらんいただきたいと思います。これは対比して写真を掲げておりますが、この左上の写真は、ロンドンから南西のウエストサセックス州、大体車で1時間半ぐらいの場所でありますけれども、そこにあるウィルトンパークの中のウィンストンハウスの全景の写真であります。そのウィンストンハウスでは、かつてイギリスのチャーチル元首相が設立したものでありますけれども、国際会議が年間頻繁に開催をされている、国際会議のメッカとして大変有名な場所であります。  私は、今回の外務大臣会合がもし誘致できるのならば、国際会議を日本の中で繰り返し開催することで、世界各国のリーダーから、日本平の地を日本のいわばウィルトンパークと評価されることを夢見て、この誘致を目指していきたいと考えているところであります。  いずれにいたしましても、MICEの推進という立場で、コンベンションシティを標榜するならば、国際会議を目指していかなければいけない。いわゆる五大市、横浜市や名古屋市、京都市、大阪市、神戸市という政令指定都市の老舗と同じレベルの政令指定都市である以上、このG8サミットの閣僚会議を目指していくんだというプロセスを経験することは、この開催誘致の結果がどうあれ、私たちにとっては大変な経験になろうかと思います。  その見地から、外務省を初めとする関係各省に、今後も誘致活動それ自身をアピールすることによって、2016年のG8ふじのくにサミットの開催をぜひとも実現してまいりたいと考えておりますので、議員の御理解、御協力をよろしくお願いいたします。  以上です。  以下は局長に答弁させます。 26 ◯企画局長(加藤正明君) 本市が目指す閣僚会合、及び本市のセールスポイントについてお答えいたします。  先ほど市長からもお答えさせていただきましたが、本市としましては、閣僚会合のうち外務大臣外交の誘致に取り組んでまいりたいと考えております。  現在、本市と浜松市を含め13の都市がG8サミットの誘致を表明しているところでございますが、本市のセールスポイントは、何といっても富士山でございます。日本平からの富士山の眺望は、他都市には演出し得ない、日本の美しさを世界にアピールする最高のロケーションになるものと考えております。  前回の首脳会議を開催した洞爺湖も、日本が世界に誇る風景でありますが、日本国内には富士山をしのぐものはないと、確信してございます。  2つ目のセールスポイントは平和でございます。  日本平に隣接します久能山東照宮に祭られています徳川家康公の功績を紹介することで、日本平を平和の丘としてアピールしていきたいと考えております。  昨年開催しました国連軍縮会議においても、パックス・トクガワーナをコンセプトに、日本平は世界平和を議論するのにふさわしい場所であることをアピールしましたが、今回も平和を世界に発信していく拠点にふさわしい旨を再度アピールしてまいります。  さらに、日本平が市街地の中央に位置する丘陵地であり、アクセス道路も3本に限定されていることから、静かな環境である上に安全な場所として、万全なセキュリティー体制が構築できるとともに、会議、宿泊等の提案施設が7キロ圏内にコンパクトに集積していることなどをセールスポイントとして、本市開催の意義を十分にアピールしていきたいと考えております。  次に、誘致に関する推進体制と開催時期の決定についてお答えします。
     まず、誘致に関する推進体制でございますが、静岡県、浜松市と連携・協力して、経済界を初め、各界各層の皆さんと一体となったオールふじのくにの体制を確立し、全県を挙げて誘致活動を行っていきたいと考えております。  また、開催地決定の時期でございますが、過去の例から推察いたしますと、来年6月に開催予定のドイツサミットで正式に発表されるものと考えております。   〔4番石井孝治君登壇〕 27 ◯4番(石井孝治君) 今回、外務大臣会合を誘致していくと、力強く発表していただきました。世界遺産富士山をバックに国連軍縮会議を成功裏に開催した日本平で、世界平和を全世界的に発信することは、この静岡にふさわしい役割であると、私も思います。後ほどまた3回目のときに意見を述べさせていただきます。  それでは、2回目は大項目2の海外誘客について、海外への情報発信の観点から質問をさせていただきます。  先ほどのサミットも一つの、そして大きな誘客の起爆剤となり得ます。まずは静岡という都市を知っていただかねばなりません。本市はどこにあるのか、何があるのか、何ができるのか、恐らく海外に向けてはこちらからアプローチをかけない限り、海外の方が本市を知る機会は、ほとんどないと考えたほうがいいでしょう。  海外誘客のためのアプローチの方策の1つとしては、海外拠点を設けることがあります。  1つ、データを示しますと、政令指定都市20市中、海外拠点を持っている都市は半数の10市になります。形態はさまざまであり、独自事務所や業務委託事務所、県や他機関との合同で出している事務所などさまざまであります。  そういった事務所の役割としては、情報収集やプロモーション、交流事業やビジネス展開の支援などを行っております。自治体国際課協会の調べでは、海外事務所を持つ県を含む自治体が挙げるメリットとして1つに、現地での迅速かつ的確な情報収集が可能になる。  2つに、現地政府、企業とのネットワーク構築が強化できる。  3つ目に、現地ニーズを的確に把握し、機動的、柔軟な事業展開が可能であるなど、多岐にわたるメリットが挙げられております。  一方で、もちろん、海外拠点を出すデメリットも数多くあります。財政的な厳しさもありますし、費用対効果をどのようにはかるかなどの課題や時間のかかるネットワーク構築などを考慮すると、安易に海外拠点を設置するべきだとの結論には至りません。  先日、姉妹都市交流でストックトン市に行ってきた際に、ジェトロのサンフランシスコ事務所へも伺い、アメリカでのビジネス展開のレクチャーをいただきました。その際に、興味深い話をいただいたので、1つ御紹介をいたします。  ここ最近、ニューヨークを中心としてラーメンブームが起きているそうです。現在は市内に5、60店舗ほどあり、ラーメン店マップも売られているそうであります。その火つけ役を果たしたのが、実は福岡県がニューヨークに配置をしたコーディネーターだったそうであります。綿密な現地リサーチと、官民一体となった事業展開などによりブームを起こし、結果的に福岡の知名度が上がることによって、福岡に訪れる観光客も増加してきたとのことでした。  本市においては、海外拠点設置が難しければ、少なくともそのかわりとして活動してくれる人を持つことは、国際化を目指す上でも不可欠であると考えますが、海外誘客における人脈、ネットワークをどのように構築し、活用しているのでしょうか、お答えください。  私が以前、販売店業にかかわっていた際に、先輩から教えていただいた中で、今でも覚えているのがPRに関することであります。  PRする手法として、一番効果がある媒体は何だとの先輩からの問いに対して、私は新聞やメディアなどの報道だと答えました。しかし、それは間違いでありまして、答えは口コミであります。  現在は、インターネットやメディアなど、さまざまなところで情報があふれていますが、よいレストランを探している、腕のいい医者はどこだ、そのような質問に対して身近な人から聞く情報が今でも一番信用されています。同じことが海外誘客にも言えると思います。  これも一例で、ニュースにもなりましたが、西新宿に六歌仙という焼き肉屋さんがあります。雑居ビルの6、7階に入っていまして、お世辞にも立地がいいとは言えません。肉には自信があるそうですが、それ以外は大きな他店と変わった点があるようではないです。そのお店は、タイからの観光客が連日団体でやってくるそうです。なぜそうなったかといいますと、最初は在日タイ人ガイドの仲間の口コミから広がっていったらしく、現在は東京に来たら、そのお店に行くコースがタイの日本ツアーの中では定番化をしているそうであります。お店は連日タイ人で満員御礼となって、さらに2012年には、当時のインラック首相も来店をされたそうであります。この様子は、タイのテレビでも放映され、さらに評判が広がり、最近ではタイ以外の国からも多く観光客が訪れるようになったそうであります。  この例は、口コミから自然発生的に起きたことですが、こういったことを人為的に起こすことも可能であります。つまり、ターゲットとする国の現地人や来日外国人からの情報発信・拡散を図るなど、本市が一方的に画一的な情報を出すよりも効果的にアピールすることができます。  そこで、伺いますが、海外誘客に関して、さまざまな取り組みを行う一環として、このような外国人による現地へ向けた情報発信はどのように取り組んでいるのか、お答えください。  平成24年に、静岡市内に立地する企業や事業所1,000社にアンケートをとった本市経済局のデータによると、有効回答数556社のうち9.2%が海外拠点を設置しており、11.8%の企業が将来的に設置を検討しているそうであります。  また、さまざまな民間団体でスポーツや文化交流、例えばボーイスカウトなど、独自に海外と交流している団体は市内においても多数あります。  そういった企業、団体を通して、本市をアピールすることも重要ではないかと思いますし、それぞれの団体がより深い交流をしているからこそ、情報が効果的に浸透する可能性を秘めています。  先日、静翔会から親善大使を増強するべきと、3次総への要望を出させていただきましたが、そういった海外に出ていく方々を親善大使に任命することも含め、本市の魅力を現地で発信してもらえるように、連携をとることは、必要であると考えます。  例えば、ある団体が海外へ行く際に、本市が用意したグッズを使って現地でアピールをしていただいたり、海外での企業展示会などで静岡産のお茶のサービスを提供していただくなど、物品提供も含め連携をすることによって、草の根活動ではありますが、本市の印象を効果的に植えつけることができると思います。  先ほどの統計では、約1割の企業、50社が海外拠点を持っていますが、協力さえ得られれば、最小限のコストで本市が50カ所の海外拠点を展開していると、置きかえることも可能であります。  そこで、伺いますが、海外誘客に向け、民間企業、団体とどのように連携しているのでしょうか、お答えください。  次に、大項目3の危険ドラッグについて伺います。  危険ドラッグについての危険性は、皆様御承知のとおりであると思います。  詳しく、危険ドラッグについての説明はしませんが、覚せい剤や麻薬の化学構造を少し変えただけでの物質が含まれており、体への影響はそれらの薬物と変わりません。それどころか、麻薬や覚せい剤よりも危険な成分が含まれていることもあります。  販売品も、お香としてや草にまぜたハーブ、アロマオイル、バスソルトなど、多岐にわたっており、またきれいにデザインされたパッケージにより、一見しただけではわかりません。  連日、危険ドラッグを吸引したことによる事件、事故が報道されております。本年、上半期の危険ドラッグにかかわる全国の検挙情報の速報値では、事件数128件で昨年同時期に比べ2.5倍となっており、昨年1年間の検挙数125件を既に超えています。  また、現在危険ドラッグを販売していると見られる店舗は、全国で200店余りあり、インターネットサイトでも8月末時点で約20サイトが運営されている状況であります。  そこで、伺いますが、危険ドラッグに関して販売店、事件、事故などについて本市の状況はどのようでしょうか、お答えください。  現状を踏まえ、政府、行政サイドはそれぞれの取り組みを強化してきています。先ほどのインターネットサイトの数は、警視庁のプロバイダーへの削除要請に基づき、29サイトあったものが減少してきた結果であります。  国のほうでは、厚生労働省が危険ドラッグ対策として、現在の10倍の検査件数に対応できるよう民間調査機関への委託も含め、体制を強化するために11億円を来年度予算に要求しました。  また、麻薬取締部の体制も強化し、各都道府県に専任チームを置くということであります。本年4月には、薬事法の改正により、指定薬物の所持、使用、購入、譲渡についても禁止されたところであります。  各都道府県でもさまざまな対策が講じられており、指定薬物を速やかに追加指定できるように、条例の改正や販売店への立入検査の強化などが検討されております。  例えば和歌山県では、購入客に吸引や体内接種をしない内容の誓約書を書かせる制度を導入したところ、県内から店舗が撤退したとの事例も報告されております。  静岡県では、危険ドラッグ店とわかれば、賃貸契約の解除を求めることができる条項を不動産業界と締結したところであります。  一方で、市や町等の自治体での対策については、もともと薬事や立入検査権、警察に関することなどは、権限がなく、本市を含めた市町の権限の中では、直接有効的な対策をすることができません。  したがって、取り得る対策としては、啓発のほか、相談窓口の設置や、医療機関での薬物再乱用防止プログラムの提供にとどまっているのが現状であります。  しかし、市民に一番近い行政で、市民の安心と安全を守る責任を持つ本市においては、できる範囲で最大限の対策を実施しなければなりません。  そこで、質問ですが、本市においては、危険ドラッグに関しどのような対策を行っているのか、お答えください。  次に、啓発について伺います。  先ほど述べたように、本市においては、権限のない中で対策を進めていかなければならないので、啓発活動が重要な役割を占めていると言っても過言ではありません。  少しショッキングなデータを申し上げますと、少し前の調査になりますが、平成22年、内閣府による薬物乱用に関する調査が発表されました。対象は、15歳以上でアンケートをとり、有効回答数は1,649人でした。調査項目の中の薬物乱用に関する認識で、1回ぐらいであればよいのではないか、迷惑をかけなければ個人の自由と答えた割合が、10代では10%、20代で10.5%でした。つまり、10人に1人は薬物乱用の危険性がある心理的状況であると言えます。  さらに、怖いのは、先ほどの上半期の速報のデータの中で、約8割が薬物事犯の初犯者であり、危険ドラッグの入手先で、6割が街頭での店舗だそうです。つまり、近くに販売店があればあるほど、危険薬物使用のハードルは下がり、危険性は高くなると言っても過言ではありません。  本市においては、現在、駿河区に2店舗の販売店があります。9月12日に実施された厚生労働省の立入検査により、検査命令と製造等禁止命令が出され、検査結果が出るまでの間、対象製品の製造や販売を禁じられました。これは大きな成果と言えます。  しかしながら、店舗がなくなったわけではありません。また、買おうと思えば、インターネットからでも買える状況にも変わりはありません。  この状況を変えていくために、本市ができることは啓蒙活動が効果的だと考えます。先ほどの内閣府の調査では、薬物乱用調査に関して、学校や学校以外で学んだ影響が強ければ強いほど、どのような薬物であろうと断るとの回答が高くなる結果が出ておりました。  そこで、質問ですが、本市において、市民への啓発活動はどのようなものでしょうか。  また、学校教育の現場においては、一般的には中学校及び高等学校において、年1回薬物乱用防止教室を開催することになっており、乱用防止強化のために小学校にも広げる動きが出てきております。もちろん、学校教育だけでは限界があるのも実情で、PTAや地域との連携も図っていかなければなりません。  そこで、お伺いしますが、教育現場での危険ドラッグに関する啓発はどのようなものでしょうか、お答えください。  以上で2回目といたします。 28 ◯経済局長(斎藤 誠君) 海外からの誘客についての3点の御質問にお答えをいたします。  まず、海外誘客における人脈ネットワークの活用についてですが、継続的な事業展開に結びつけるため、議員からの御指摘にありましたように、現地での人脈やネットワークの構築と、その活用が極めて重要です。  構築した人脈を活用した具体的な事例を申し上げますと、まず、平成25年度に実施をした台湾経済ミッション招請では、静岡旅行商品の造成につながったほか、台湾大手百貨店の日本商品フェア出店では、市内等企業10社が参加をし、372品目を販売できました。これは24年度のトップセールスで構築した人脈、ネットワークを活用した成果です。  また、本年度、ロンドンで日本文化を紹介するイベント、ハイパージャパン2014や、世界中のSFファンが集まる国際会議、世界SF大会において、本市のPRを実施しましたが、これは平成25年度に実施をした徳川家康公顕彰四百年記念事業のロンドンプロモーションにおいて構築された人脈ネットワークを活用して行ったものです。  今後も、日本政府観光局や県の海外事務所、自治体国際化協会クレアなど、公的ネットワークを活用するとともに、これまでの招請事業等で培った旅行会社やメディアとの信頼関係、ウイン・ウインの関係を具体的な事業を通じて継続、展開し、これからの海外誘客につなげてまいります。  次に、外国人による情報発信についてですが、海外からの誘客においては、感覚や嗜好などが日本人と異なることから、現地の方や在日外国人等による情報発信は、非常に効果的であると言えます。  これまでの取り組みとしては、日本政府観光局が提供する海外観光情報を初め外国人留学生を対象としたモニタツアーや、海外メディア、旅行会社等の招請事業を通じて外国人ニーズを把握するなど、情報収集に努めるとともに、取り組みが可能なところから情報発信してまいりました。  しかしながら、観光形態や旅行者のニーズ、観光情報を収集する媒体が国、地域により異なるため、今後は第3次総合計画において、より詳細な分析を行い、その上で、1、ターゲットとする市場や顧客層の絞り込み。2、そのターゲット層に合致した観光素材の絞り込みと商品開発。3、想定するターゲットが利用する媒体の選定。4、観光商品の流通経路の選定などに関する戦略を策定し、マーケティングの手法を活用した情報発信に努めてまいります。  また、これらの成果として、将来、ロンリープラネットのような海外において支持されているガイドブックや、観光ウェブサイト等に本市観光情報が掲載されることを目標に取り組んでまいります。  最後に、民間企業、団体との連携についてですが、まず、海外での活動事例としては、日本政府観光局や中部広域観光推進協議会、静岡県などが主催する現地での商談や観光見本市などに、市内企業とともに参加をし、セールスを行っています。また、韓国、台湾における本市単独のプロモーションでは、市内の観光施設、食品メーカー、蔵元など、多くの企業に商品サンプルやクーポン券の提供など、その企業の特徴を生かした御協力をいただいております。  次に、国内での活動としては、韓国、台湾のメディアや旅行会社の招請事業において、多くの宿泊施設や飲食店などが快く取材や視察を受け入れてくださいました。また、その中には、ふだん見られないようなところを公開していただくなど、特別の対応をしていただいているケースもございます。  さらに、新たな取り組みとして、本年12月に開催される台北マラソン大会において、静岡マラソンとのランナーの相互参加を進める中で、台北マラソン関係者とのスポーツ交流分野でのネットワークを構築できるよう、静岡マラソン実行委員会や静岡商工会議所、静岡県と連携し、官民一体となって実施するなど、今後も官民連携を強く意識し、海外誘客に取り組んでまいります。 29 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 危険ドラッグに関する3点の質問にお答えいたします。  まず、販売店、事件、事故などについて本市の状況はどうかとのことですが、本市の状況につきましては、危険ドラッグの販売店が現在市内に2店舗あるという情報を警察から得ております。  事件、事故につきましては、県内において、本年、上半期に10人が危険ドラッグの使用により逮捕され、6人が救急搬送されたと聞いております。  ただし、市町別、警察署別に公表されておりませんので、そのうち本市にかかわるものがどれだけあるのかは把握しておりません。  次に、本市においては、危険ドラッグに関し、どのような対応を行っているのかとのことですが、薬事法により危険ドラッグによる事務処理権限が県にあるため、本市が主体となって対応することはできません。  しかしながら、市民の皆さんの安心・安全な生活が脅かされることのないよう、県からの要請に基づき、可能な限り協力を行っているところでございます。  具体的には、国や県等が行う市内の危険ドラッグ販売店の立入調査への動向による情報収集、JR静岡駅等、市内で行われる薬物乱用防止キャンペーンへの協力などを行っております。これらについては、今後も引き続き協力してまいります。  最後に、市民への啓発についてですが、市民の皆様に対しましては、麻薬、覚せい剤なども含め、薬物乱用防止キャンペーンに協力し、啓発を行っております。  また、広域的団体等が啓発等を行う際には、県に対して啓発グッズの提供などをお願いしております。  そのほか、指定薬物を含む危険ドラッグが発見されたとの情報を入手した場合は、ウェブサイトにその情報を掲載し、市民の皆さんへの注意喚起を行っております。 30 ◯教育次長(市川善隆君) 危険ドラッグの教育現場における啓発についてですが、中学校及び高等学校において、保健体育の授業の中で、危険ドラッグの危険性について啓発を行っています。  また、全ての市立小中学校及び高等学校において、薬剤師や警察官などを講師として招き、児童生徒だけでなく、保護者にも一緒に出席していただき、毎年薬学講座を開催しています。  この薬学講座においては、中学校では、危険ドラッグによって引き起こされる事件、事故を事例として挙げながら、手を出さないよう指導しております。  高等学校では、所持、使用することに対する刑罰や回復リハビリテーション施設の職員を招いて、薬物依存からの回復の難しさなどを指導しております。  このほか啓発資料やパンフレットを配布し、危険ドラッグなどの薬物乱用による被害及び危険性を周知しております。   〔4番石井孝治君登壇〕 31 ◯4番(石井孝治君) 3回目は意見・要望を述べさせていただきます。  まずは、先ほどの危険ドラッグについてであります。  さまざま御答弁をいただきました。権限がない中での対策には、限界があることは十分に承知していますが、市長はこれらの取り組みで十分だと考えていらっしゃるでしょうか。まだまだやれることはあると思います。啓発活動についても、ただ単に県の要請があれば参加するというスタンスではなく、本市の開催するお祭りやシンポジウム、コンサートなどでも独自の啓発をすることが可能であると考えます。  また、他市との情報交換や、県条例の早期制定を県知事に要望するなど、そういったことも検討ができるはずであります。  この問題で本市の一番の課題は、危険ドラッグを担当できる部署がないことであります。今回は保健所に質問を担当していただきましたが、権限や職責、予算がないために主体的に動くことができません。情報をとることさえ、越権行為だということになってしまいます。  危険ドラッグに関しては、現在、最も身近な課題として調査、研究、情報交換、市民への情報提供など、安心・安全を守るために、できることは、ぜひやれる体制を早急に構築していただきたいと思います。  次に、海外誘客に関してですが、限られたリソースの中で成果を上げていっていることはわかりました。しかし、ぜひとももっともっと上を目指していただきたいと思います。そのための今回のサミットであり、2020年にはオリンピックも開催されます。  海外に静岡はここだとアピールする必要があり、さまざまな手法で、予算をかけるのが手っ取り早いこともあるかと思いますが、予算がなければアイディアを出すことによって克服することができます。柔軟な発想ができるプロフェッショナルを育成するとともに、ぜひ静岡市を海外に売り込んでいただきたいと思います。  最後に、サミット、外務大臣会合誘致についてですが、誘致に向けて頑張ってくださいと傍観者的なことを言うつもりはありません。誘致すると決まった以上、成功に向けてオール静岡、オールふじのくにで責任を持ってやり切ることが重要であります。市民には市民の、財界には財界の、政界には政界の…… 32 ◯議長(石上顕太郎君) あと1分です。 33 ◯4番(石井孝治君)(続) それぞれの役割でできることがあります。それらを明確にすることがまずは必要であるのではないかと考えます。  今回は、世界平和の発信がコンセプトの1つとなっておりますので、国連軍縮会議の開会式でのアンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表の言葉を最後に引用いたします。  国連会議の開催地となることで、「静岡市は世界の平和と安全保障に対する市民と市政府の決意が固いことを示しました。」世界中で平和の文化を育てることについて、静岡市民は理解をしています。「今日、ここ静岡市で世界と地域が一つになり、手をつなぐのです。」と述べられました。本市を世界にアピールする場所として、平和を発信する場所として、これ以上の会場はありません。  ぜひとも自信と誇りを持って、ともに誘致活動を進めてまいりましょう。  以上で全ての質問を終了いたします。 34 ◯議長(石上顕太郎君) この際、暫時休憩いたします。
            午前11時58分休憩    ───────────────────         午後1時再開 35 ◯副議長(中山道晴君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行いたします。  次に、山本彰彦君。   〔27番山本彰彦君登壇〕 36 ◯27番(山本彰彦君) 午後1番なので、元気に行っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  通告に従いまして、都市基盤整備について、3点、土砂災害対策、河川整備、市営住宅について質問させていただきます。  初めに、土砂災害対策。  午前中の池谷議員の質問に関連して行います。  先月20日、広島市で発生しました豪雨による大規模な土砂災害は、これまでの記録が残っている中で、昭和58年の島根災害、局地的な土砂災害という点での昭和57年の長崎災害以降、過去最大の人的被害でありました。  また、この夏の異常気象は、全国各地に風水害、土砂災害をもたらし、多くのとうとい人命を失ってしまいました。  改めまして、亡くなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。  15年前の6月、広島市、呉市の広島県を中心とした集中豪雨により土砂災害が発生しました。この大災害を契機に、土砂災害防止法が制定されました。この法律は、土砂災害のおそれがある警戒区域、イエローゾーンと、建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じるおそれがある特別警戒区域、レッドゾーンを指定し、住民への危険周知や避難体制の整備などの防災対策を進めるものでありました。  しかしながら、今回発生した災害による被害拡大の主な原因は、被害現場の多くが土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に指定されていないため、危険性が住民に伝わっていなかったことや、土砂災害警戒情報の発表が避難勧告につながらなかったこと、さらに避難場所や避難経路が適切でなかった場所があったことなどがありました。  くしくも広島市で発生した今回の災害を受け、国では危険箇所から警戒区域への指定促進の支援や避難勧告発令のあり方を見直すため、土砂災害防止法の改正に向け動き出すことになりました。  また、土砂災害防止施設、土砂災害警戒区域の指定は、県が事業主体となり、整備が進められているため、県でも土砂災害危険箇所を見直す方針が打ち出されました。  本市は、県の方針について、どのような内容を把握しているのか、お伺いします。  次に、河川整備についてであります。  本市の貴重な地域資源である自然環境は、三保松原、清水港の海、南アルプス、オクシズの山、そして、日本有数の清流である安倍川、藁科川、興津川があります。川や水辺は、豊かな自然と市民の暮らしやすい生活環境を築き、地域の風景を最も印象的に演出する場所であります。  また、自然は時に厳しさを見せますが、ふだん見せる穏やかな姿は魅力的にも見えます。  そして、現在の川づくりでは、川は治水、利水の役割を担うだけではなく、潤いのある水辺空間や多様な生物の生息、生育環境として捉え、地域の風土と文化を形成する重要な要素となっています。  河川管理は国、県、市とそれぞれ管理者が区別され、市の管理河川としては一級河川3河川、二級河川2河川、準用河川と普通河川を管理しています。市域の河川数は2,171河川、延長1,999キロ、このうち市が管理する河川数は2,079河川、延長1,537キロであります。  これまで河川整備が進められてきましたが、管理対象施設や多くの構造物は老朽化が進行してきています。  このような状況の中で、河川整備を効果的、効率的に維持管理し、整備によって高められた安全性を的確に維持していくことが求められています。そのためには、市が管理する市域全体の総合的な河川整備計画が必要であると考えます。  本市では、河川整備をどのような方針で進められているのか、お伺いをします。  次に、市営住宅についてであります。  平成21年3月、市民の豊かな住生活の実現に向けた住宅政策として、静岡市住生活基本計画が策定されました。この計画では、市営住宅整備に向けての基本的な考え方として、重視していく7つの視点が示されました。  この内容を踏まえ、平成23年4月、平成23年度から平成32年度までの10年間を計画期間とする静岡市市営住宅整備計画が策定されました。  この計画では、住宅ストックの再生や事業量の平準化、長期的な空き家化の防止、団地コミュニティの活性化などの対応を含め、市営住宅の長寿命化、維持保全など、ストックの総合的な活用を図るとされています。  現在、第3次静岡市総合計画の骨子案について、パブリックコメントが行われておりますが、3次総の都市経営の指針の1つに、公共施設の計画的な整備や維持管理を行うアセットマネジメントの推進があります。市営住宅は、市の公共建築物の数量と面積全体の約20%に当たり、アセットマネジメント対象施設となっています。  現在進めている市営住宅整備計画は、策定から4年を経過することになりますが、アセットマネジメント基本方針を受けて、市営住宅整備計画を今後どのように考えているのか、お伺いします。  以上を1回目の質問として、2回目からは、一問一答で質問させていただきますので、よろしくお願いします。   〔27番山本彰彦君質問席へ移動〕 37 ◯建設局長(寺田 薫君) 初めに、県が見直す土砂災害危険箇所の内容についてでございます。  県では、平成9年から土石流、崖崩れなどで、人家や福祉施設が被害を受けるおそれのある場所を調査し、12年に公表しました。調査から10年以上経過しており、土地利用や周辺開発などの影響で、新たな箇所にも土砂災害の危険が生じている可能性があることから、これらの調査を平成26年度、27年度に行い、既存の危険箇所に追加すると伺っております。  次に、河川整備はどのような方針で進められているかですが、国、県、市それぞれの管理者は、河川法に基づき管理する河川について、計画降水流量、そのほか当該河川の工事や維持管理についての基本となる河川整備基本方針を定めることとなっております。  この基本方針は、河川の総合的な管理が確保できるよう、水害発生の状況や水資源の利用の現況、河川環境の状況などを考慮し、水系ごとに定めております。河川の整備に当たっては、この基本方針に沿って、河川ごとに河川整備計画を作成し、整備を進めております。 38 ◯都市局長(松浦和彦君) 市営住宅整備計画についてでございます。  平成23年4月に策定した静岡市市営住宅整備計画においては、人口動態予測などから、既にアセットマネジメントの考え方を取り入れ、計画的かつ効率的な改修、改善と用途廃止に向けて取り組んでいるところでございます。  今後は、アセットマネジメント基本方針が示されたことから、さらなる総量縮減に向け長寿命化、統廃合、計画的改修等のアセットマネジメントに取り組んでいくために、市営住宅整備計画の見直しを行う予定でございます。 39 ◯27番(山本彰彦君) 御答弁ありがとうございました。  それぞれの項目につきまして、答弁内容を踏まえ、順次質問してまいります。  まず、土砂災害対策であります。  先ほどの御答弁で、県では今後2年間をかけて危険箇所の調査を実施し、新たな危険箇所が追加されるとのことでありました。  現在の市内の土砂災害危険箇所は2,713カ所、このうち警戒区域のイエローゾーンとレッドゾーンに指定されている箇所は1,554カ所で、県の調査実施後はさらに危険箇所、警戒区域の指定が増加することが予想されます。  土砂災害対策では、県の事業として実施されている急傾斜地崩壊対策事業があり、本市の危険箇所の整備率は約45%になっています。整備率に対し、市はどのように考えているのか、お伺いします。 40 ◯建設局長(寺田 薫君) 市内には、保全人家5戸以上、傾斜度30度以上、斜面の高さが5メートル以上の対策が必要な急傾斜地崩壊危険箇所が654カ所あり、そのうち293カ所が整備されております。整備率は約45%で、静岡県の平均約34%を11ポイント上回っている状況ですが、今後も市民の安全と安心を守るため、事業の促進に努めてまいります。 41 ◯27番(山本彰彦君) 本市の整備率は、県内の他の市町と比較し、高く、事業の推進が図られていることは理解しましたが、急傾斜地崩壊危険箇所の中で、県事業の対象とならない人家4戸以下の危険箇所が838カ所あります。この危険箇所への対応はどのようになっているのか、お伺いします。 42 ◯建設局長(寺田 薫君) 4戸以下の急傾斜地崩壊対策事業の対応については、平成25年度より静岡県内で初めて、静岡市既成宅地防災施設設置費補助制度として発足させました。これは土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域に居住される方が、自費で一定の強度を持った施設整備を行った場合における補助制度であります。ぜひ多くの皆様に活用していただきたいと考えております。 43 ◯27番(山本彰彦君) 昨年度から施設整備に対する補助制度が開始されたとのことでありますが、この新しい補助制度の創設以前から、土砂災害対策事業として災害の未然防止を図るため、崖地の崩壊等による自然災害のおそれの高い土地から、居住者自身の自助努力による住宅の移転を支援する崖地近接危険住宅移転事業があります。この実施状況はどのようになっているのか、お伺いします。 44 ◯都市局長(松浦和彦君) 崖地近接危険住宅移転事業とは、危険な崖地に接して建っている住宅を安全な場所に移転する市民の方に対して、国、県、市により費用の一部を助成する制度でございます。  補助の対象となる住宅は、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンなどに建つ住宅で、移転先は崖から離れた安全な場所であることが条件となります。本市では、昭和49年から現在までに合計で71件、年平均で1、2件の助成を実施しております。 45 ◯27番(山本彰彦君) 御答弁いただいた事業の実施件数、昭和49年から71件、年間1、2件ということでありますが、この数字、多いのか少ないのか、対象となる住宅がもともと少ないのか、また制度に問題があるのか。個人住宅ということもあり、さまざまな要因が考えられますが、市民の安全、安心を確保する観点から、現状ではこの事業のより一層の推進が必要であると考えます。  市民への周知は、どのようになっているのか、お伺いします。 46 ◯都市局長(松浦和彦君) この事業は、これまで市のホームページや県の住まいづくり支援ガイドへ掲載をするとともに、土砂災害警戒区域の指定に係る説明会での制度紹介などを行ってきました。  今後さらに広く、多くの方にこの制度を知っていただくため、本年11月の広報しずおかでのお知らせを予定しております。  また、制度内容のわかりやすいチラシを作成し、各区の市政情報コーナーに設置して、事業の周知に努めてまいります。 47 ◯27番(山本彰彦君) 御答弁ありがとうございました。  土砂災害対策、ぜひ進めていただきたいと思いますが、急傾斜地崩壊対策事業は、市はあくまでも窓口業務だけであります。本市は土砂災害危険箇所が県内で最も多いため、地域住民と身近な関係にある市としては、県からの権限移譲を受けて、土砂災害対策を推進する必要があると思います。  また、今後、補助制度の検証を進め、制度の見直しや拡充、新たな制度の創設など、検討を進めていただきたいと思います。  次に、河川整備についてであります。  河川整備は、河川水系ごとに基本方針を定め、計画を策定し、実施されていることが確認できましたが、市民は身近な地域レベルから地球レベルにわたり環境問題の関心が高まり、魅力的な空間づくりに加え、環境への配慮がハードのまちづくりにおいても重要な事項になってきました。  本市では、平成18年、環境基本条例の基本理念に基づき、清流条例が施行されました。河川環境保全の観点から清流条例が定められておりますが、どのように河川整備に反映されているのか、お伺いをします。 48 ◯建設局長(寺田 薫君) 河川整備に当たっては、河川整備基本方針に基づき、河川の水量、水質のほか、周辺地域の自然環境などに配慮した整備を進めております。  清流条例では、水質の保全や生態系の保全などが定められていますが、河川整備に当たっても、希少種保護のため、自然石の活用、環境保全型ブロックによる護岸整備や、自然環境に親しめるような親水護岸整備などを進めております。 49 ◯27番(山本彰彦君) 河川整備でも環境に十分な配慮をされながら整備を進めている状況はわかりました。引き続き河川管理について質問します。  本市は、政令市移行後、指定都市の区域内で完結する河川、一級河川の安倍川について、税財源とともに、管理権限を指定都市へ移譲すべきという提案を行ってまいりました。最近では、この内容もどこかに置き去りにされている印象でありますが、その事前段階として、県管理河川の権限移譲についてお聞きします。  政令市移行後は、安倍川水系3河川、巴川水系1河川、浜川水系1河川の5河川が権限移譲され、市の管理河川となりました。現在、市内の92河川が県管理河川となっておりますが、県管理河川の権限移譲についてどのように考えているのか、お伺いします。 50 ◯建設局長(寺田 薫君) 市内の県管理河川92河川のうち、市内で流域が完結しており、砂防指定地が流域に含まれていない市街化区域内の9河川について協議を進めてきました。  平成25年度には、市街化調整区域内の7河川を加え、対象を16河川に広げて継続的に協議を進めております。16河川のうち、まちづくりと一体的な効果が期待される河川や、整備計画に基づく整備が完了している河川について、優先的に移譲を受ける河川と考えております。 51 ◯27番(山本彰彦君) 県管理河川の16河川について協議されている。権限移譲が進められているということはわかりましたが、今後16河川が移譲されたとしても、全体からすると約2割程度にとどまります。  自立した都市としての機能を高めていく上で、権限移譲を積極的に推進していく必要があると考えますが、どのような課題があって権限移譲が進まないのか、お伺いします。 52 ◯建設局長(寺田 薫君) これまでに権限移譲が完了した河川は、政令指定都市移行以前から市が県にかわって整備を行ってきた河川であります。新たに河川の移譲を受ける場合は、護岸等の修繕、除草及び堆積土砂のしゅんせつなど、河川機能の維持管理のための経費やこれに伴う人件費が必要となります。  権限移譲のための基本協定では、県が必要な財政支援を行うこととなっておりますが、財源措置等についての協議に時間を要しております。 53 ◯27番(山本彰彦君) 維持管理経費や人件費の確保、財源的なことが課題であるとのことでありましたが、将来の財政負担の軽減を図るアセットマネジメントの手法を取り入れ、対応することも考えられます。河川整備におけるアセットマネジメントの考え方について、どのようになっているのか、お伺いします。 54 ◯建設局長(寺田 薫君) 市の河川管理施設のうち、2級河川浜川に設置されています水門について、アセットマネジメントの考え方を取り入れた浜川水門長寿命化計画を24年度に策定して、計画に基づき、管理を行っています。  そのほか、市が管理する樋門3カ所、排水ポンプ施設17カ所についても、アセットマネジメントの考え方を取り入れた維持管理計画を、今後策定していく予定でございます。 55 ◯27番(山本彰彦君) 御答弁ありがとうございました。  浜川水門は、計画に基づいて対応されているということがわかりました。  しかしながら、今後も財政事情が厳しいことが予想され、限られた予算の中で河川整備を推進していかなければなりません。そのためには、現在の水系ごとの整備計画という視点を変えて、市域全体を捉えた整備の優先順位や維持管理などを含めまして、河川整備のあり方の検討を要望しておきます。  次に、市営住宅についてであります。  アセットマネジメントの基本方針をもとに、市営住宅整備計画の見直しをする方針が示されましたが、現在進められている市営住宅整備計画の内容についてお聞きします。  市営住宅は、躯体を残して、内装の全面的な改善、共用部分のバリアフリー化等を行うトータルリモデル事業、エレベーター設置等を行う個別改善事業など、これまで公営住宅ストック総合改善事業が推進されてまいりましたが、既存ストックを活用するための取り組み状況はどのようになっているのか、お伺いします。 56 ◯都市局長(松浦和彦君) 市営住宅の既存ストックを効果的に利用するために、国の交付金を活用し、居住面積の向上やバリアフリー化等の住戸改善を進めるとともに、耐震性や外壁改修などの取り組みを行っております。  具体的には、平成21年度に伝馬町新田改良住宅の耐震補強工事、22年度に安倍口団地の住戸改善事業、24年度には東新田高層団地の外壁改修工事等を行ってきました。  また、今年度、有東団地において、照明器具のLED化やペアガラスサッシの導入、外壁に耐久性にすぐれた塗料を使用するなど、付加価値を高めて、環境への配慮や長寿命化にも取り組んでおります。  今後も、引き続き既存ストックを有効に活用するための各種施策に、積極的に取り組んでまいります。 57 ◯27番(山本彰彦君) 既存ストックに対し、長寿命化へ方針転換をして、更新コストの削減をするということは理解しましたが、同様にこの計画の基本方針では、法定耐用年数を経過したものや良質な居住環境が確保できないものについても、維持管理経費削減のため、原則解体することになっています。  安倍口団地市営住宅28棟は、昨年ようやく解体されましたが、長期間にわたり市営住宅の入居者の方々や地域住民に対し、地域環境への不安が解消されない状態でありました。用途廃止解体の取り組み状況はどのようになっているのか、お伺いします。 58 ◯都市局長(松浦和彦君) 市営住宅の用途廃止、解体につきましては、耐用年数や耐震性に問題がある住宅について、静岡市市営住宅整備計画において、用途廃止の位置づけを行い、計画的に解体工事を進めているところでございます。  この整備計画策定後、平成23年度から25年度の3年間で、安倍口団地の一部や小鹿南団地、清水中矢部団地など19棟、115戸を用途廃止し、そのうち13棟、92戸については既に解体を終えております。 59 ◯27番(山本彰彦君) 115戸を用途廃止し、92戸を解体したということであります。全体数774からすると解体数は92戸で、進捗状況としては、3年間で約1割程度かと思います。地域住民の安全・安心を確保するためにも解体を進めていかなければならないと思いますが、解体費用や大規模修繕などは、財政状況によって左右され、進捗状況が変わってきます。計画に基づいた着実な推進を図るためには、市営住宅の整備の予算を確保し、対応することが必要であります。  そのためには、現在家賃収入など、一般会計の歳入として取り扱いがされておりますが、一般会計と切り離し、市営住宅の歳入歳出を一元的に把握する特別会計化が必要であると考えます。  市営住宅の維持管理には、多大な経費がかかると思いますが、市営住宅跡地の売却益を含め、特別会計化について、どのように考えているのかをお伺いし、最後の質問とします。 60 ◯都市局長(松浦和彦君) 市営住宅の維持管理経費は、建物の老朽化等により今後も増加し、多大な経費がかかることが予想されます。  財源の安定確保は重要な課題であり、今後市営住宅整備計画を見直す中で、市営住宅跡地の売却益の基金への積み立てや、特別会計化などについても、研究課題としていきたいと考えております。 61 ◯27番(山本彰彦君) 御答弁ありがとうございました。  市営住宅事業の特別会計化は、今後の研究課題ということでございますが、特別会計化することによりまして、歳入歳出の実態や収支の状況が明確化になり、コスト意識も醸成され、効率的な事業執行が期待されます。
     また、静岡市住生活基本計画の市営住宅整備に向けての基本的な考え方の、重視していく視点の1つにも示されております。そのようなことを含めまして、特別会計化に向けた取り組みを要望し、以上で全ての質問を終わります。  ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 62 ◯副議長(中山道晴君) 次に、佐藤成子さん。   〔18番佐藤成子君登壇〕 63 ◯18番(佐藤成子君) 通告に従いまして、質問いたします。  大項目1、市民自治意識の醸成、男女共同参画のまちづくりについて。その1、国の政策・女性活用について、その2、男女共同参画行動計画進捗状況調査報告と意見書について。大項目2、子育て支援について。主に新制度移行について、お伺いいたします。  さて、安倍政権が女性の活用を経済の成長戦略の中核と位置づけ、その推進を始めたことを、私は6月の議会で一定の評価をするところだと述べさせていただきました。  その後、その具体的な進捗、ポジティブアクション、女性の活躍の見える化として、5人の女性閣僚を誕生させました。この数の評価は、世論調査でも60%を超える方々がよいことだと言っておりました。ただ、私が一言、言いたいのは、その5人の中に、かつてジェンダーバッシングの先頭に立っていた人や、この平和な日本を保っていくにはいささか危うそうなお考えの方が含まれていることです。数ももちろん大事な評価ではありますが、人選にはしっかりと心配りをしていただきたかったと思っています。  いずにしても、女性が特別に取り上げられているうちは、まだまだ男女共同参画社会の推進に力を注がなければならないと思っているところです。  顕著な例として、またまたあの東京都議会、男女共同参画社会推進議員連盟の会長の発言です。あれが本音であろうと思います。  男性の皆さん、少し思い出してみてください。同じような発言をした経験はありませんか。  本日の午前中の質問の中で、女性の方と表現すべきところだと私は思いましたが、御婦人という言葉を使っていました。多分、何の疑問も抱いていらっしゃらなかったのではないかと思います。このあたりが社会慣習を変えていく難しさかと思いますが、私たち女性も含めて、これまでの社会認識を性別ではなく、1人の人間として、一人一人意識して変えていかなければ、名のみの男女共同参画推進になります。  男女共同参画社会基本法が制定されたのが平成11年6月。15年の月日が経過し、附帯決議で地方行政機関における具体的、積極的推進がうたわれていても、まだ厳しい現実なのです。  ともあれ、女性の活躍の見える化、隗より始めよの安倍政権のこの姿勢、国の動きを、市当局はどのように受けとめていられるか、お伺いいたします。  次に、一昨日、我が会派の池邨議員が第3次総合計画の全体構成に対してるる質問し、答弁をいただいておりますが、私からも1つだけお伺いいたします。  総合計画策定に当たり、さまざまな現状分析がなされ、その課題解決のための計画の素案が提示されました。何といっても人口減少問題、特に静岡市では若い女性の流出が顕著で、その世代のUターンが期待できないことが大きな課題だとの分析でした。  その中間素案の都市発展を促す要素として、女性がすてきに輝くまちづくりの推進の重点プロジェクトが提示されていました。国の施策、「女性が輝く日本」に通じる項目でした。その表現の仕方や言葉遣いなど、修正の余地はあったと思いますが、性別を問わないワーク・ライフ・バランスの推進や、雇用拡大、就業率の向上などの女性支援策は、まさに今必要なポジティブアクションにつながると大いに期待し、評価していたところでしたが、プロジェクトを絞り込む中で、この項目は消えてしまいました。市民自治意識醸成による男女共同参画のまちづくりでは、政策として推進するインパクトが感じられません。  若い女性の人口流出を何としても食いとめていこうという意識、意欲が感じられたこの重点プロジェクトの項目が消えるに当たり、どのような議論がなされ、どこに行き着いてこの結果になったのか、プロジェクト変化の経過について御説明いただければと思います。  次に、男女共同参画計画の進捗状況調査報告と意見書について、お伺いします。  実際、計画されていた成果目標がどれだけ実現されているのでしょうか。一番新しい資料が、平成24年12月に男女共同参画審議会から提出された進捗状況への意見書とのことですが、その概要とそれを受けて、市としてはどのように対応し、次期計画につなげていかれるのかをお伺いいたします。  次に、第2項目、子育て支援について、お伺いいたします。  前出の女性活用が経済成長の柱として位置づけされ、そのための対策がとられている中、子育て支援が大きなウエートを占めています。  静岡市では、この地で結婚し、子供を産み育ててほしいとの思いで、出会いの場の提供、医療費の助成、待機児童対策などが行われてきています。日本一子育てしやすい都市を目指すとも言っています。  子供を安心して産み育てることができる、必要十分条件が整っているでしょうか。  子ども・子育て支援新制度移行について、お伺いいたします。  これまでの議会でも、そんなに急いで新制度を取り入れる必要があるのか。また、今議会にも条例の一部改正が議員提出議案として提出されています。  この新制度移行について、市当局は、現在も精力的に説明会を開催していると承知しておりますが、国の新制度が複雑でわかりにくいなど、保護者は子育て環境の変化に戸惑っているとの新聞報道もありました。  改めてお伺いいたします。  全ての市立幼稚園と保育所を認定こども園に移行することとした市当局の方針の決定経過をお聞かせください。  以上で1回目の質問を終わります。これ以降は、一問一答でお伺いいたします。   〔18番佐藤成子君質問席へ移動〕 64 ◯副市長(小長谷重之君) 私からは、国の政策、女性活用の御質問の中で、5人の女性閣僚が入ったが、市としてどのように受けとめたかについて、お答えをさせていただきます。  議員御指摘のとおり、まず、隗より始めよの言葉どおり、過去最多に並ぶ5人の女性閣僚とあわせて、党執行部にも女性登用を行った安倍首相の取り組みが、社会全体に波及していくことに大いに期待しているところでございます。  今、都市が持続的にその活力を維持し、未来を切り開くためには、女性の活躍はなくてはならないものであり、本市といたしましても、これまでも女性の社会進出に積極的に取り組んでまいりましたが、これを加速させていく必要があるものと考えております。  このような中、先日、9月12日には、男女共同参画審議会から「ベストバランスで、男女がともにいきいきと輝くまち」を目指した次期男女共同参画行動計画の答申をいただきました。私も同席をいたしましたが、審議会の会長からは、女性が活躍するには、男性も一緒になって働き方などを見直し、誰もが活躍できる現実的な環境づくりに取り組み、実効性のある計画となることが大切であるとのお話がありました。  これは、本市が進める第3次総合計画にあります「男女がともにいきいきと輝く男女共同参画社会の実現」と同じくする内容であり、後押しをいただいたと、心強く感じているところでございます。 65 ◯企画局長(加藤正明君) 私からは、3次総の中間素案で示されたプロジェクトが変化しているが、その過程について、お答えいたします。  3次総の重点プロジェクトにつきましては、中間素案では8本としておりましたが、厳選すべきとの市民意見などを踏まえまして、施策の実効性を高める観点から見直しを図り、6本に再編したところでございます。  少子高齢化、人口減少社会の進展によりまして、地方の衰退が危惧されている中で、本市が明るく活力のある未来を描くためには、より多くの女性がその感性や能力を生かして活躍することこそ、最も重要なポイントの1つになると考えております。  そこで、女性の活用につきましては、総合計画における計画推進に当たっての基本的な考え方に位置づけ、女性があらゆる場面で活躍できる環境をつくり、意思決定場面への参画の拡大を支援すると、明記したところでございます。  また、重点プロジェクトの柱、「健康都市」の中では、全ての市民が多様な生き方を選択でき、生きがいや喜びを感じられるよう、静岡型子ども・子育て支援を推進することとし、分野別計画、「商業・物流」分野では、女性を初め、多様な人材が活躍する雇用の場の創出などを掲げ、官民挙げて女性の活用を推進していくこととしております。 66 ◯生活文化局長(安本 睦君) 男女共同参画行動計画に関します御質問にお答えをいたします。  平成24年12月に男女共同参画審議会から提出された意見書では、計画の進捗状況について、着実に進んでいると評価されました。  一方、より一層の取り組みが求められる2つの施策として、1つ目、女性に対する暴力の根絶、2つ目、ワーク・ライフ・バランスの推進が挙げられました。  この2つの施策につきましては、1つ目の女性に対する暴力の根絶では、25年度末にDV防止基本計画を策定し、積極的な推進を図る体制を整備いたしました。  2つ目のワーク・ライフ・バランスの推進では、広報しずおかに特集記事を掲載したほか、市の管理職を対象とした講演会の開催など、啓発活動に努めたところです。  さらに、本年11月5日には、厚生労働省との共催で、男女がともに活躍できる職場づくりをテーマとしたシンポジウムを開催し、市民の皆さんへのさらなる浸透を図ってまいります。  次に、次期男女共同参画行動計画につきましては、このたびの審議会の答申を受け、4つの重点目標を設定する予定であります。  重点目標には、1つ目、DVの根絶、2つ目、ワーク・ライフ・バランスの推進に加えまして、3つ目、男性にとっての男女共同参画、4つ目、女性の活躍促進を置き、次期計画においても積極的に取り組んでいただきたいと考えております。 67 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 子育て支援についての御質問にお答えいたします。  市立園の認定こども園への移行方針決定に至る経過についてですが、まず、本市では、これまで認定こども園はありませんでしたが、平成17年度から安東幼保園を幼保一元化の研究園として位置づけ、統一的な教育課程の研究などの成果を上げてまいりました。  この蓄積を生かしながら、新制度施行に向けて取り組むために、平成25年度から教育委員会事務局に公立幼稚園のあり方検討委員会を設置し、その後、静岡市次世代育成支援対策推進会議で検討しました。その上で、教育委員会や静岡市子ども・子育て会議での審議やパブリックコメントを経て、平成26年1月に市として移行方針を決定いたしました。なお、パブリックコメントに際しては、市立幼稚園、保育園において、在園児の保護者宛てに内容を周知し、意見の募集を行ったところです。  平成27年度から、原則全ての市立園を認定こども園に移行するとしたこの方針は、全国の市町村の先鞭をつける、文字どおりトップランナーとしての取り組みであり、子ども・子育て支援新制度のスタートを機に、この制度が目標とする、子供と子育て環境の充実に向けて取り組む本市の姿勢を示したものであります。 68 ◯18番(佐藤成子君) 御答弁いただきました。  大項目1の、男女共同参画の市民自治意識の醸成についてですが、誤解を恐れずに言いますが、私は声高に女性を強調するつもりは、いささかもありません。当局は、国の動きは、今後の静岡市の男女共同参画社会の実現に対する取り組みを国から後押ししてもらったという思いや、また次期行動計画の中にも男性の男女共同参画推進を強調してやっていくという答弁もいただいておりますが、まだまだ現実の状況の中では、今必要なのはポジティブアクション、女性に特化した表現なのではないかと、私は思っているわけです。  国の施策、審議会の意見書以外でも、静岡市の官民連携地域活性化会議からも、女性が活躍できる環境整備を官民で加速すべきとの提言をいただいており、それに対して市当局は、提言の実現に向けプロジェクトチームを設置し、具体的施策を検討すると述べていました。  意識の醸成は、施策を実施し推進していく中で、より効果的に進められるのではないかと考えています。このプロジェクトチーム設置を、有言実行で進めていただくことを要望して、次の質問に移りたいと思います。  この議会の最終日にも質問が続くようですが、子育て支援に特化して、お伺いしたいと思います。  新制度移行についてですが、平成26年1月に市としての移行方針を決定したとのことです。その周知のために、パブリックコメント募集の際にお便りなどで内容の周知を図ったとのことですが、前出の新聞報道にもありましたように、なかなか理解できない制度導入であると思います。認定こども園移行に関する保護者への説明は、これまでどのように行ってきているのか、お聞かせください。 69 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 市立園の認定こども園移行に関する保護者への説明につきましては、まず、昨年度から新制度の仕組みや本市の取り組みについて、広報しずおかやウエブサイトなどで周知に努めてきました。  また、利用手続や利用者負担など、保護者の関心が高い事項については、決まったものから情報提供に努めております。  具体的には、お手元に配布しました子ども・子育て支援新制度についてのリーフレット、あるいは10月1日からの入園受付に関するリーフレットや、認定こども園だよりを定期的に発行するとともに、8月から9月にかけて市立幼稚園の保護者を対象とした全園での説明会や各区での保護者向け説明会を開催し、その動画や資料を出席できなかった人のためにウエブサイトで公開しております。  あわせて、各園で日常の保護者からの問い合わせに対応できるよう、幼稚園、保育園の園長会では随時説明を行い、情報を共有しております。  これに加えて、市民の皆さんに、より幅広く周知するため、ウエブサイトのスマートホン対応やツイッターの開設など、インターネットを活用した広報にも力を入れております。 70 ◯18番(佐藤成子君) かなり幅広く情報提供をしているんだなということがよくわかりましたけれども、新制度の内容把握の中でも、保護者にとっては、保育料金が気になるところだと思います。つい先日、国が示した新制度の公定価格から試算すると、現在の幼稚園の補助金よりも減収になるため、移行しない園があると聞きましたが、このことについて市としてはどのような対応をしているのでしょうか、お聞かせください。 71 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 新制度に関し、認定こども園では、来年度からの国の補助金が減額になることが懸念されているという新聞報道についてですが、国では、事業者が新制度のもとでの収入を低く見積もるなど、正しい方法で試算を行っていないことや、幼保連携型認定こども園の場合、幼稚園と保育園が一体となった単一の施設となり、運営が効率化され、コストが減少すること。また、スケールメリットを考慮して、大規模施設は比較的低い単価となるような設定であることなどが、事業者の試算における減収の主な要因となっております。  これを踏まえ、国では、新制度での公定価格の収入見込みと現行制度での収入との比較試算方法について、事業者向けにわかりやすく説明した資料を作成し、説明会を行うなど、私立幼稚園等が正しい方法で試算できるよう対応しているところです。  本市におきましても、こうした国の情報を正しく伝えるとともに、事業者が教育・保育の質を高めるために行う積極的な取り組みが公定価格での給付費の加算に反映され、より安定的な経営につながるといった新制度の仕組みを丁寧に説明し、事業者が正しい試算を行った上で、新制度や認定こども園への移行を検討できるよう対応を図っております。 72 ◯18番(佐藤成子君) その内閣府の業者説明会によりますと、そこでは新制度スタートをおくらせるべきだというような声もあったと伺っていますけれども、ほかの政令都市における市立園の認定こども園への移行状況はどうでしょうか。また、市内の私立幼稚園の移行状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。 73 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 他の指定都市におきましては、既存の市立認定こども園を新制度における認定こども園とするものや、一部の幼稚園、保育園を認定こども園に移行するところはありますが、新制度のスタートに合わせ、27年度に全園を一斉に移行するところは本市のみと聞いております。  一方、市内の私立園の状況ですが、平成27年4月から私立幼稚園53園のうち11園が、また私立保育園59園のうち7園が幼保連携型認定こども園に移行する予定となっております。  なお、それぞれのうち、2園は幼稚園と保育園の統合によるものです。また、平成27年度には移行しない園のうち、私立幼稚園で9園、私立保育園でも9園が、平成28年度以降に移行する方向で検討中としております。 74 ◯18番(佐藤成子君) 今のお答えだと、平成27年度に全園を移行するのは、政令市中で静岡市のみということですが、認定こども園に移行するメリットはどこにあるとお考えでしょうか。また、課題はないでしょうか、お聞かせください。 75 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 認定こども園に移行するメリットは、保護者にとっては教育と保育が一体的に提供されるため、利用の選択肢がふえ、ニーズに対応したサービスを受けやすくなることです。  また、保護者の就労の状況により、幼稚園、保育所の間を行き来することがなくなり、加えて一時預かり事業など地域子育て支援機能が充実します。  課題としては、認定こども園では、現在の幼稚園教育要領と保育所保育指針のいいところを合わせて、より質の高い教育・保育を目指した幼保連携型認定こども園、教育・保育要領に基づき、教育と保育を一体的に提供することとなるため、その質を確保し、さらに向上させるための体制を整備する必要があります。 76 ◯18番(佐藤成子君) 教育・保育の質の確保とその向上のための体制整備が必要とのことですが、それらを担う先生の質も必要と思います。保育教諭は、幼稚園教諭免許と保育資格の両方を必要とすると承知しておりますが、確認させていただきます。  現在の市立園職員の保育教諭免許資格の取得状況をお聞かせください。 77 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 資格の併有状況ですが、平成26年6月現在で、市立幼稚園に勤務する幼稚園教諭、臨時講師、保育補助員84人中54人が幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を保有しており、併有率は64.3%となっております。  また、市立保育園では、正規保育士、非常勤保育士、臨時保育士、パート保育士、1,258人中863人が両方の資格等を保有しており、併有率は68.6%となっております。 78 ◯18番(佐藤成子君) としますと、残りの3割余りの両方の免許を取得していない職員への対応が必要と思いますが、どのように対応されますでしょうか。 79 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 新制度では、認定こども園への円滑な移行のため、平成27年度から5年間は、片方の資格があれば保育教諭とみなされる経過措置と、経過措置期間中に一定の勤務経験を有する者が、もう一方の免許・資格を取得する際、必要とされる単位数を軽減する特例が設けられているところです。  このため、経過措置期間のうちに該当者が計画的に資格を併有できるよう、支援策を検討してまいります。 80 ◯18番(佐藤成子君) 現場で仕事をしながら対応される先生は、大変な負担になると思われます。一日も早い支援策の検討を進めていただきたいものです。  話はかわりますが、先ほど新制度導入のメリットを伺いましたが、平成27年度スタートまでにも待機児童解消の取り組みはなされるんですよね。待機児童解消の取り組み状況はいかがでしょうか、お伺いします。 81 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 本市では、平成25年度、26年度で待機児童解消加速化計画に基づき、新制度の先取りである小規模保育事業の新設や、本市独自の待機児童園の新設、私立幼稚園の認定こども園移行などにより、まず顕在化している待機児童の解消に努めているところです。  この計画では、平成25年度、26年度の2年間で1,044人の保育の受け入れ枠を確保する予定であり、これについてはおおむね達成できる見込みとなっています。  中長期的には、静岡市子ども・子育て支援事業計画の中で、潜在的なニーズにまで対応できる量の確保対策を講じていくことで、平成27年度以降、潜在需要も含め待機児童ゼロが実現できるよう取り組んでまいります。 82 ◯18番(佐藤成子君) そもそも国の新制度移行のきっかけの一つの要素は、保育園待機児童解消と幼稚園児数の確保にあったと認識していますが、一方で私のところには、現在市立幼稚園に通わせているお母さんから、料金体系の変更の次に、これまで行われてきた学校教育の質は低下しないだろうかと、心配の声が寄せられています。  認定こども園では、これまで幼稚園で行われてきた幼児期の学校教育の質は確保されるのでしょうか、お伺いします。 83 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 幼保連携型認定こども園では、これまで幼稚園で行われてきた幼児期の学校教育と保育所で行われてきた保育の質を確保しながら、教育・保育の一体的な提供を行うことになります。  質の確保のために、国から新たに示された幼保連携型認定こども園教育・保育要領に基づき、各園で教育・保育計画を策定し、これに沿って教育・保育を実施していきます。  認定こども園移行後も、教育委員会と連携して、各園に対する指導体制の構築と職員研修の充実を図り、質の高い教育・保育内容の確保に努めてまいります。 84 ◯18番(佐藤成子君) ぜひ御努力をいただければと思います。お母さんたちが、安心するかと思います。  次に、その声として、山間地の市立園はどうなるのだろうかという質問が届いています。山間地の市立園は、新制度移行後、どのように運営されていくのかと心配しているということです。お聞かせください。 85 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 山間地にある梅ケ島保育園、大川保育園、井川幼稚園及び清沢幼稚園については、在園児童が極めて少なく、20人以上の定員設定が困難であり、幼保連携型認定こども園への移行ができないため、認定こども園に準じた施設として位置づけます。これらの園でも、他の認定こども園と同じく、教育・保育の一体的提供や地域の子育て支援事業を実施していきます。また、新制度施行を機に、長時間の開所や給食を提供できるよう体制を整備していきたいと考えております。 86 ◯18番(佐藤成子君) ぜひ進めていただきたいと思います。  さて、過日の新聞に、浜松市が市立幼稚園再編計画を取り下げたと大きく報じられていました。静岡市以上に山間地を抱えている浜松市は、私立の動向を踏まえて、市立園を閉園した上で、再編し、認定こども園に移行していく予定でしたが、現在、計画の見直しが行われているとのことです。  よその市のことはどうでもいいことではありますけれども、ほかの動きをよく見ることも必要なのではないかと思いながら、このニュースを見ていました。
     浜松市の場合は、アセットマネジメント施策が進んでいますので、少し視点が違うかもしれませんが、今後の静岡市の市立認定こども園の公立施設としての役割をどのように捉えているか、お伺いしたいと思います。 87 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 本市における新制度での市立園の役割は、次の4点と考えております。  1点目は、行政が直接施設運営に携わることで、ニーズや課題などを的確に把握し、施策展開を図るといった行政機関としての役割です。  2点目は、研究実践を行い、本市の教育・保育及び子育て支援の質の向上を図る役割です。私立園に対しては、連携の中でその成果を還元していきます。  3点目は、山間地のニーズへの対応など、民間だけでは対応が難しい子育て支援の取り組みについて、率先して取り組む役割です。  4点目は、災害時の緊急保育への対応や避難所としての役割です。新制度の中で市立園は、こうした役割をしっかり果たしていきます。 88 ◯18番(佐藤成子君) 最後にお伺いいたします。  この市立認定こども園への平成27年度からの移行は、政令市では、静岡市がただ1市と伺っております。この市立認定こども園への移行は、日本一子育てしやすい都市の実現につながるとお考えでしょうか、お聞かせください。 89 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 本市の活力ある未来のためには、女性の活躍がなくてはならないものであり、働きたい女性の活躍を支えるとともに、安心して子供を産み育てることができる環境整備を官民が連携して、オール静岡で取り組むことが重要であります。  こうした取り組みの推進に当たって、子ども・子育て支援新制度は、単なる待機児童対策にとどまらず、幼児期の教育・保育環境を抜本的に改革するものであると認識しています。  本市では、新制度の趣旨に最もかなった施設形態であり、待機児童対策の切り札ともなり得る認定こども園への移行について、市立園が先駆け、実践し、その成果を還元することにより、私立園の移行を促進し、公私立ともに、認定こども園への普及を図ってまいります。  それにより、潜在的な保育ニーズに対応するとともに、質の高い教育と保育の提供が可能となり、あわせて地域における子育て支援機能の充実が促進されます。  新制度を追い風として、静岡の教育と保育の力を結集し、抜本的な教育・保育環境の整備に取り組むことで、日本一子育てしやすい都市の実現を目指してまいりたいと考えております。 90 ◯18番(佐藤成子君) 最後に、意見・要望を述べさせていただきます。  新しいことを始めるときには、何がしかのハレーションが起きることもあるかとは思いますが、決定した以上、スムーズな実施ができるように、当局の今後においても責任説明を果たしていただくことをお願いいたします。  最後に、3次総への要望を述べさせていただきます。  市民の不安を安心にかえると市長はよくおっしゃいます。名実ともに、日本一子育てしやすい都市が実現すれば、市長マニフェスト、待機児童ゼロにも連動していくと期待しています。  子育て中の関係者のみならず、男性も女性も一人一人が輝いて生活できる静岡の姿を思い浮かべることができる、市民が夢を語れる環境づくりが必要です。十年一昔の例えぐらいのスパンなら、より具体的な夢、市の姿が語れます。耳ざわりはいいかもしれない100年構想の言葉、込められた思いは受けとめましたので、冠としての記載は必要ないのではないかと思っていますが、いかがでしょうか。  それよりも、例えば、歴史・文化、歴史都市、健康都市とうたっている他都市との差別化、どこがどう違うのか、また人口減少対策も静岡市の特徴を捉えた対策であるべきと思います。  こんな思いが具体的施策として盛り込まれての第3次総合計画の策定になることを期待して、全ての質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 91 ◯副議長(中山道晴君) 次に、遠藤広樹君。   〔17番遠藤広樹君登壇〕 92 ◯17番(遠藤広樹君) それでは、通告に従いまして、新政会の一員として総括質問をいたします。  今議会の総括質問は、第3次静岡市総合計画の中間素案が示されたことで、新政会で特に重要であると考える事項を分担して質問をしています。  重要事項のうち、私が今回担当し、質問するテーマは、アセットマネジメントについての1点のみですが、3次総と同格に位置づけるべき重要な行政運営の柱と捉え、会派の中でも時間をかけて議論をしてきました。  したがって、新政会会派議員の総意を受けてお聞きしますので、よろしくお願いいたします。  アセットマネジメントとは、資産(アセット)を効率よく運用するマネジメントという意味で、近年行政用語として広く使われるようになりました。  計画的に施設の整備や維持管理を行うことで、寿命を延ばしたり、利活用や統廃合などで無駄をなくし、保有総量を小さくしたりすることで、財政負担を軽くすることを目的としています。  1970年代後半のアメリカで生まれた考え方だそうですが、日本でも各地方自治体で同様の取り組みが始まっています。  静岡市では、本年4月から企画局に公共資産経営課を立ち上げ、本格的なアセットマネジメントの取り組みがスタートいたしました。  議会でも関心が高まり、本年2月の代表質問や総括質問で多くの議員が質問し、6月議会では石井議員が4月に公表された基本方針を中心に質問しています。  また、2月12日に開催された議員研修会では、ファシリティーマネジメントについての講義を聞き、議員の認識を高めてきたところです。  今年度は、第3次静岡市総合計画の策定も進められ、平成27年度からスタートに向けてさまざまな議論が交わされています。当然総合計画は、アセットマネジメント基本方針を踏まえた事業と考えますが、現時点で示されている中間素案では、構成の1つとしてアセットマネジメントが記載されているものの、重点施策や分野別の基本的方向性の課題や施策への記載はなく、唯一記載があったのは、自治の仕組みの中で行政の力として持続可能な財政運営の手法の1つだけとなっていて、若干物足りなさを感じます。  計画期間の違いから、別立てでアセットマネジメントを計画していることは理解できますが、先日の池邨議員の3次総の役割についての質問に対し、企画局長は、行政運営の道筋を示すことが最大の役割と答弁されており、基本計画の中でアセットマネジメントにどのように取り組むのか、この道筋が気になるところです。  今後のまちづくりでも、市民にとって必要な公共施設の整備は継続的に行っていかなければなりませんが、アセットマネジメントの手法を取り入れたコスト削減は、厳しい財政状況が予測されているのであれば、分野別の方向性の中で掲げた課題や施策の中に、必要な施策としてどのような方針でまとめていくのかを示すべきだと考えます。  そのような観点から、初めに、本年4月に策定されたアセットマネジメント基本方針と8月に公表された公共建築物施設群別マネジメント方針について、3次総の中間素案も踏まえて7点お聞きします。  1点目、基本方針の策定に当たっては、既にアセットマネジメントに取り組み、成果を出している都市もある中で、そうした先進都市を参考にしていると思いますが、どのような都市を参考にし、静岡市の基本計画の特徴はどのようなものとしたのか、お答えください。  2点目、4月に策定された基本方針に基づく現時点での作業の進捗状況と今後の取り組みはどうなっているのかをお答えください。  3点目、アセットマネジメントの推進は、現在策定が進められている第3次静岡市総合計画の中でどのように位置づけられていると考えるか、お答えください。  4点目、アセットマネジメントによって廃止となった保有施設や土地を有効活用するためには、所管の壁を超えた活用策の協議が必要と考えますが、本年4月に新たに設置された公共資産経営課はどのような位置づけでかかわっていくのか、お答えください。  次に、老朽化した個別施設の建てかえや改修についてですが、施設の活用状況や必要性など、幾つかの指標から、今後の活用について継続するのか、廃止するのか、継続の中で拡大するのか、現状を維持するのか、縮小するのか、統合するのか等を判断していかなければなりません。  5点目になりますが、個別施設の建てかえや改修の判断をどのような視点で実施していくのか。また、施設を活用している市民及び利用者や関係団体との整合はどのように考えているのか、お答えください。  6点目、アセットマネジメントを実施していく中で、施設内におけるランニングコスト削減策として、省エネ機器の導入や一括購入等によるコスト削減も重要と考えますが、公共資産経営課としてどのようにかかわっていくのか、お答えください。  7点目、本年7月に公表された施設群別マネジメント方針では、コスト算出をフルコストで行っていますが、フルコストの考え方とフルコストを採用した理由は何か、お答えください。  以上、1回目の質問です。 93 ◯副市長(小長谷重之君) 本市のアセットマネジメントに関する基本方針の特徴、進捗状況と今後の取り組み及び第3次総合計画の位置づけについて、一括してお答えをいたします。  本市が目指す持続可能な都市経営の実現には、「総合計画」、「財政計画」及び「行財政改革」にアセットマネジメントの考え方を組み込み、三位一体となった取り組みが重要であると考えているところでございます。  このような認識から、現在策定を進めている第3次総合計画では、計画推進に当たっての基本的な考え方にアセットマネジメントを位置づけております。  同様に、現在策定中の静岡市新行財政改革推進大綱においても、3つの基本方針の1つ「持続可能な財政運営の確立」のための柱にも位置づけております。  このように、今後の行政運営の柱となるアセットマネジメントでありますが、本年4月に静岡市アセットマネジメント基本方針を公表いたしました。この基本方針は、本市オリジナルのものでありますが、参考としましたのは、先行都市であります、さいたま市の事例であります。  本市の基本方針の特徴といたしましては、土木インフラを含めた全ての公共施設を対象とし、計画期間、数値目標、専門組織となる公共資産経営課の設置などを記載し、総合化を図っていることであると考えております。  現在、総務省が全国の自治体に策定を要請しました公共施設等総合管理計画の先行自治体として、本市の事例が総務省のホームページに掲載され、一つの先進モデルとなっております。  また、本年8月5日には、保有する公共建築物を、学校や市営住宅等といった提供するサービスごとに区分し、おのおのを施設群としてまとめた静岡市アセットマネジメント公共建築物施設群別マネジメント方針を公表いたしました。  引き続き、公共サービスの提供に要したコストに関する情報等を記載した施設カルテを作成し、行政職員のみならず、広く市民の皆さんが、市の将来を考える際の補足的な資料となり得るよう公表していく予定であります。  今後は、施設群別マネジメント方針と施設カルテを活用して、個々の施設管理の効率化を図るとともに、市全体としてのコスト削減を行うアセットマネジメントを進め、持続可能な都市経営の実現を目指してまいります。 94 ◯企画局長(加藤正明君) アセットマネジメントによって廃止となった保有施設や土地を有効活用するために、公共資産経営課はどのようにかかわっていくかについてお答えします。  アセットマネジメント基本方針におきましては、公共建築物の総延べ床面積を30年で20%縮減することとし、また廃止と判断された公共建築物の土地につきましては、原則として売却することとなっております。これは、健全で持続可能な都市経営を推進するために、歳出の抑制を図ることはもちろん、歳入財源を積極的に確保し、本市の新たな政策を実現するためにも必要であると考えているためでございます。  公共施設の再配置を検討するに当たっては、施設の現状や市民ニーズなどを俯瞰的に見て、総合的に判断することが必要であります。  そのため、所管の枠を超えたアセットマネジメントを担う公共資産経営課が中心となり、全庁横断的に調整を行い、保有資産の活用を図っていくこととしております。  次に、個別施設の建てかえや改修はどのような視点で実施していくのか。また、市民や利用者などとの整合はどのように考えているのかについてお答えいたします。  個々の公共施設の今後のあり方については、個別施設ごとに老朽化度やコスト状況、利用状況など、その施設に係る現状を客観的データに基づき、施設カルテで明らかにします。  その上で、将来にわたっての投資効果予測など、さまざまな視点で施設所管課が継続や更新などを判断していきます。施設の建てかえや改修を行う際には、現在の床面積よりも縮減して建てかえる減築や他の施設との複合化、または建物の有効活用を図る用途変更などの手法を視野に入れて検討していくこととなります。  個別施設のあり方を検討していくに当たっては、利用者や関係団体との合意形成を図っていくことが大変重要であると認識しており、来年度以降、ワークショップなどを開催し、市民と十分に話し合いながら進めていく必要があると考えています。  次に、省エネ機器の導入や一括購入等によるコスト縮減に、公共資産経営課はどのようにかかわっていくのかについてお答えいたします。  公共施設の省エネ機器の導入や使用物品の一括購入は、ライフサイクルコストの削減に大きく寄与するものと認識しております。  公共資産経営課としましては、現在、施設所管課とともに作成を進めております施設カルテに示される光熱水費等のコストデータをもとに、各施設が行う省エネ推進、コスト削減に向けた取り組みに対し、提案・助言を行ってまいります。  最後に、フルコストの考え方と採用した理由についてお答えいたします。  施設群別マネジメント方針で示しておりますフルコストは、人件費や光熱水費などの毎年の管理運営に要する経費から使用料等の収入を差し引いた純コストに減価償却相当額を加えたものとなっています。  アセットマネジメントを進めていく上では、各施設において、従来の施設管理からサービスコスト意識を持った施設経営の転換を図ることが求められております。そのためには、将来にわたる投資額を明らかにし、基礎データとして活用していくことが必要であることから、フルコストを採用したところでございます。   〔17番遠藤広樹君登壇〕 95 ◯17番(遠藤広樹君) それでは、2回目の質問をいたします。  1回目の質問では、アセットマネジメント基本方針の中身について細かくお聞きしましたが、2回目はアセットマネジメントを具体的に進めていく上で、部署ごとの考えを施設規模の大きなところで聞いていきたいと思います。  まず、施設群別で最大規模の施設を所有している学校施設についてお聞きします。  基本計画でも示されているように、学校施設の総面積は90万261平方メートル、割合でいうと市の保有施設の31.9%を占めています。30年間で延べ床面積20%縮減の目標を達成するには、学校施設の面積縮減は避けては通れません。  先日、田形議員が小学校の統廃合について質問をし、教育長はことし6月に算出した6年後の平成32年までの新たな推計で、市内の小中学校児童生徒は、平成元年比で半減、山間地ではさらに減少が激しく、約7割減ると答弁をされており、かなりショッキングな数字でした。  また、このことを受け、教育環境を検討するプロジェクトチームを設置したとの答弁もあり、このプロジェクトチームの中身が気になるところです。  内閣府の出生率統計を見ると、第2次ベビーブームが昭和46年から49年生まれの方になりますが、合計特殊出生率2.14をピークに減り続け、平成24年の合計特殊出生率は1.41と過去最低となっています。  人口の集中度合いによって、現在でも教室が足りなくなるおそれのある地域の学校もありますが、子供の数が減り続けている現状と老朽化による建てかえの時期が迫っていることを考えると、総合的に整理を行わなければならない時期に来ていると言えます。  しかし、学校は、地域にとっての拠点施設でもあり、単純に子供が減ったから、同じように施設も減らせばよいというものではありません。  また、保護者の共働きがふえたことによって、あいた教室は放課後児童クラブとして活用され、夜間におけるグラウンドや体育館の利用団体もふえ、調整が困難な地域も多いと聞きます。  学校が勉強を教える場以上の価値を地域の中で担っていることを踏まえて、アセットマネジメントを実施していくためには、早くから問題提起をして、地域全体で子供たちの学ぶ環境はどうあるべきかを考え、効率のよい運営形態を協議していく必要があると考えます。  そこで、学校施設のアセットマネジメントについて、3点伺います。  1点目、先日の田形議員の質問に対する教育長の答弁で、よい教育環境を検討するプロジェクトチームを設置したと聞きましたが、具体的な検討内容は何か、お答えください。  2点目、小学校や中学校の統廃合を検討し、実施するためには、市民の理解と協力が必要です。これまでも学校適正規模等審議会が定期的に設けられ、審議の答申を受け、学校の統廃合が実施されてきました。この審議会での答申は、2年前に行われたばかりですが、限定された地域での審議だったようで、小中一体型に関する協議はされていません。  今回、公共資産経営課が設置され、学校施設も30年間で床面積20%削減目標の対象となることから、新たな視点で協議を始めなければなりませんが、教育委員会としてどのように進めていこうと考えているのか、お答えください。  3点目、学校施設をアセットマネジメントの観点で整理することを考えると、利用頻度の低いプールや武道場などは非効率な施設であり、改善が必要ですが、教育上は必要な施設なので廃止することはできません。  2月の議員研修会で、早くからファシリティーマネジメントに取り組んできた千葉県佐倉市の実践事例では、水泳の授業を学校の近くにあった民間のスイミングスクールを利用することで、プールの維持管理費と計画していた改修費用を削減できたと聞きました。  また、スイミングスクールでは専門のインストラクターが指導に当たるため、水泳の上達が早いと保護者からの喜びの声や、教職員からは、インストラクターがいるのでプールの授業中は子供の安全管理に集中できるとの声もあり、相乗効果もあることを聞きました。  子供たちの移動という問題もありますが、学校の統廃合を検討する中で、コスト以外の効果も視野に入れて、よりよい方法を考えていくことが重要です。  そこで、お聞きしますが、小中学校の統廃合を含めた将来の校舎や体育館、プールなどの学校施設の総合的なあり方について、どのように考えているか、お答えください。  次に、市の保有施設の中で、2番目に面積が多い市営住宅についてお聞きします。  アセットマネジメント基本方針による市営住宅の面積は47万1,441平方メートルで、面積比は20.5%と、学校施設の約半分となっていますが、学校施設と市営住宅を合わせると、市全体の6割を占めることになりますので、市営住宅の再整備は大きな課題です。  国土交通省が平成17年に公表した公営住宅制度の概要では、「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするもの」とされています。  このような目的で整備されてきた公営住宅ですが、人口減少社会を迎え、住宅に困窮する低所得者も老朽化した住宅や立地条件が悪い住宅は敬遠するようになり、多様化する社会ニーズに対応した運営形態が求められています。  そこで、2点お聞きします。  1点目、市営住宅への応募状況、空き家の状況から、現状をどのように捉えていますか。また、アセットマネジメント基本針では総量縮減としているが、市営住宅についてはどう考えるか、お答えください。  2点目、市の保有施設だけでなく、民間住宅を借り上げた場合のメリットとデメリット面から、借り上げの効果をどのように考えているか、お答えください。  次に、文化施設についてお聞きします。  文化施設は、面積7万3,578平米で、全体の3.2%と、割合的には少数な部類となりますが、文化という無形な価値を高める市民の施設としての役割が高いことから、効率ばかりを追求した考えはなじまない施設と言えます。
     政令指定都市静岡という位置づけから、周辺市町も含めた広域的な見地での施設整備と、市民が文化的な活動に必要な施設とはどうあるべきかという視点も求められます。  こうした観点から、文化施設のアセットマネジメントについて、2点伺います。  1点目、老朽化で建てかえ時期が迫っている静岡市民文化会館について、どのような検討が進められてきたのか、お答えください。  2点目、旧清水市にあった文化会館は、静岡市との合併で清水駅前に移転し、清水マリナートと名称を変え、現在活用されています。また、マリナートは、静岡市で初めてPFIという民間活力を生かした手法で整備をされましたが、投資的効果だけを見ると大きな成果とはならなかったように感じます。  完成から数年が経過し、運営面での効果も評価できるタイミングであり、アセットマネジメントの中で効果を上げる一つの手法としての期待もあることから、現時点で清水マリナートのPFI手法をどのように評価しているか、お答えください。  以上、2回目の質問です。 96 ◯教育長(高木雅宏君) 教育委員会のプロジェクトチームについての御質問にお答えします。  プロジェクトチームにおける具体的な検討内容ですが、教育委員会事務局内に設置をしましたプロジェクトチームでは、少子化・人口減少が進む中で、子供たちによりよい教育を提供するために、本市の教育力をどのように向上させるのか、5つのテーマについて検討・検証を進めているところでございます。  1つ目は、中1ギャップの解消などを目指す、小中一貫教育の導入の検討でございます。  2つ目は、児童生徒数の減少への対応や小中一貫教育の導入などを見据えた学校施設の一体化の検討でございます。  3つ目は、平成29年度の県費負担教職員に係る権限・財源移譲も見据えました静岡式35人学級の検証でございます。  4つ目は、児童生徒の学力の実態に即した多面的な学力向上策の検討でございます。  そして5つ目は、教員が子供たちと向き合う時間をふやすことを目指す教員の多忙解消策の検討、この5つを進めているところでございます。  これらについて、静岡市教育力向上プランとしてまとめ、教育委員会の総力を挙げまして、これからの激動の時代・社会を生き抜くたくましくしなやかな子供たちを育てていきたいと考えているところでございます。 97 ◯教育次長(市川善隆君) 学校施設に関する2点の御質問にお答えいたします。  最初に、小学校や中学校の統廃合を検討するための協議会等の設置についてですが、現在、さきに述べましたプロジェクトチームにおいて、平成24年10月の静岡市立小学校及び中学校適正規模等審議会からの答申も踏まえ、学校施設の一体化を含めた小中学校の統廃合に係る検討を進めているところでございます。  学校は、子供たちへの教育の中心的な役割を担うだけではなく、従前から地域コミュニティの核としての役割も担ってまいりました。  したがいまして、学校施設の一体化を含む小中学校の統廃合については、有識者からのヒアリング、地域住民を初めとする市民の皆さんとの意見交換会、タウンミーティングなどにより、多方面からの意見を聴取しながら検討してまいります。  次に、将来の学校施設のあり方についてですが、学校施設の一体化を含めた統廃合については、児童生徒数の推移、施設の老朽度や活用状況等の基本的な分析が必要となります。  あわせて、隣接する学校施設の共有化、近接する民間施設の利用など、多面的な検討を加え、高い運営効率と良好な教育環境を有する学校づくりを目指してまいります。 98 ◯都市局長(松浦和彦君) 私からは、市営住宅についての2点の御質問にお答えをいたします。  まず、市営住宅の現状とアセットマネジメント基本方針の総量縮減に対して、市営住宅はどう考えるかについてでございますが、市営住宅への応募状況につきましては、平成25年度の実績で、募集戸数258戸に対して応募件数911件で、平均倍率3.5倍でございます。  なお、過去5年間の平均倍率は4.5倍となっております。  空き家につきましては、解体予定や状態が非常に悪い住戸、被災者への提供住居などの政策空き家を除いた通常空き家が平成25年度末で288戸ございます。  最近の応募状況から分析をしますと、建てかえをしたばかりの富士見団地では40倍を超える人気があり、新しい住宅や交通の便がよい住宅に応募が集中しております。  一方で、古い住宅や立地条件の悪い住宅は、募集しても倍率1倍に満たない住宅が40%もある傾向になっております。  これらのことから、現状では、住宅困窮者に対する最低限の住宅セーフティーネットは満たしており、今後、人口減少に伴って、市営住宅は供給過剰になっているものと考えております。  また、市営住宅のアセットマネジメントにつきましては、市の基本方針に基づき、人口減に合わせた総量縮減を目指していきますが、市営住宅においては、低所得者や社会的弱者への対応といった役割も担うため、地域性や社会経済情勢の変化など、細かい配慮が必要になるものと考えております。  次に、市営住宅について、市有資産だけでなく、民間住宅を借り上げた場合の効果をどのように考えているかについてでございますが、民間住宅を借り上げた場合のメリットは、まず建設費などの初期コストが少なくて済むこと。市が土地を保有しなくても利便性が高い地域を選定できること。人口や需要の変動に対応しやすいことなどが挙げられます。  この反面、デメリットとして、借り上げ期間中は、入居の有無にかかわらず所有者への家賃負担が生じること。管理住戸が分散するため、管理に手間がかかること。期間満了時に入居者が退去しないことによる移転対策が必要になることなどがございます。  資産の適正化、長寿命化、民間活力の導入を目指した市のアセットマネジメント基本方針を進めていく上で、民間住宅借り上げにつきましても、有効な手法の1つであると認識をしております。 99 ◯生活文化局長(安本 睦君) 文化施設に関します2点の御質問にお答えをいたします。  最初に、静岡市民文化会館についてどのような検討が進められてきたのかということでございますが、静岡市民文化会館は、年間50万人を超える利用者と高い稼働率を誇り、本市の文化振興の中核をなす施設として、これまで大きな役割を担ってきました。  平成24年度の事務事業市民評価会議を受け、市民の芸術文化の向上を図るという施設の役割や、MICEの推進としての中心市街地のにぎわいづくり、及び市民交流・集客効果などについて検証し、適切なホール規模や必要な機能などの検討を重ねてまいりました。  また、平成25年度には、市民アンケートを実施し、同施設の利用経験、利用目的などを調査いたしました。  さらに、利用者との意見交換を実施して、利用者ニーズの把握に努めてきたところであります。  今後につきましては、本年4月に策定されましたアセットマネジメント基本方針に基づく施設カルテを作成するとともに、整備手法や財源など、整備に当たり想定される課題等を検証し、市民文化会館の方向性について、さらなる検討を進めてまいります。  次に、マリナートのPFI手法をどのように評価しているかということでございますが、最初に財政面においては、財政支出の平準化の効果に加え、長期契約や一括発注により、施設整備費を通常の公共工事より抑えることができたと考えております。  次に、整備及び運営面の評価として、主に3点が挙げられます。  第1に、維持管理及び運営を担う業者が設計段階から事業に参画するため、各部屋の配置や舞台設備の選択など、運営に携わる業者の意見が反映され、効率的な施設計画となりました。  第2に、通常の公共工事とは異なり、事業者による整備手法の提案の自由度が高いため、事業者の最新技術やノウハウを積極的に採用することができたことに加え、東日本大震災や他施設における事故を受けた迅速な設計変更を行いました。  第3に、周辺商店街と連携をいたしました「清水にぎわい落語まつり」の実施など、事業者が長期的展望に立ち、継続的な施設運営を行っていることが挙げられます。  マリナートの平成24年8月の開館から26年8月までの延べ入館者数は78万5,000人を超え、文化を核とした清水都心のにぎわい創出に大きく貢献をしております。  これらのことを総合的に勘案し、PFI手法について、市として現時点では、一定の評価をしております。   〔17番遠藤広樹君登壇〕 100 ◯17番(遠藤広樹君) 3回目は意見・要望になります。  私は、会社を経営したことはありませんが、経営をチェックする仕事に何年か携わらせていただきました。3カ月に一度の中間決算と毎月の売り上げ報告を聞く中で、会社の目的とはどうやってもうけるか、どうやって売り上げを伸ばしていくかということですが、経営者の使命は、会社を存続させることであり、大きくしていくことが経営者の夢であるという話を担当重役がされていたことを、アセットマネジメントの話を聞いたときに思い出しました。  今までの行政運営は、借金を重ねても破綻しない、企業で言いかえれば、赤字を出しても倒産しない会社と見られていましたが、時代が変わり、夕張市の財政破綻以後、行政運営に経営的な手法が多く導入され、社会情勢を的確に捉え、戦略を立ててまちづくりを行っていかなければ、まちが消滅するおそれがある時代と言えます。  これまで経験したことがない人口減少社会への突入で、税収が減り、市民サービスが低下をすれば、ますます市民は大都市に流れていきます。人口流出に伴い、労働力に魅力のないまちとなれば、企業はあっという間に移転してしまいます。大企業が移転してしまうと、それに関連する多くの中小企業もついていかなければなりませんから、そうしたところで働いていた人もまちを離れていくことになり、気がついたら高齢者ばかりのまちになっていたということが現実に起こり得る可能性があります。  こうした悪循環を未然に防ぐことが今後の行政運営に求められ、ここに市長の手腕とリーダーシップが問われます。アセットマネジメントの目標は、全庁的に全ての部署が認識して取り組まなければ達成できないと考えます。コントロールは、公共資産経営課が行うと思いますが、全庁的な取り組みには、市長の強いリーダーシップが必要です。  8月23日に、清水テレサで行われた公共資産経営課主催のシンポジウムは、私も参加させていただきましたが、多くの職員も参加していて、よい刺激になったと思います。結果を出すのは、それぞれの施設を所管する部署ですので、市長みずからが先頭に立って、全職員がコスト意識を持って業務に励めるよう、意識改革から初めていただくことを要望いたします。  次に、教育施設についてですが、子供の学ぶ環境を充実、向上させながら、施設の維持管理コストを縮減できるチャンスでもあります。子供たちの視点で、今後の教育環境と同時に生活環境、例えば全てのトイレが洋式で、教室にはエアコンが完備されるとか、一般家庭での生活環境水準に合わせた施設となれば、地域の理解も得られ、保護者にとっても、少し遠くても通わせたい学校となります。  また、統合によって削減できた管理コストを使って教員をふやしたり、スクールバスを運用できれば、保護者はこれまで以上に安心して子供を家から送り出すことができます。  昨今の小学生を狙った事件や事故を見ると、今後市内で絶対に起きないとは言い切れません。事件や事故が起きぬよう地域で見守ることが評価されていますが、それも限界があります。学校統廃合には、そういった観点も含めて協議していただくことを要望いたします。  次に、文化施設についてです。  静岡市民文化会館の老朽化は、耐震を含めて早期に対策を行わなければなりません。  平成24年度静岡市事務事業評価会議で、静岡市民文化会館の管理運営事業は廃止というショッキングな結果でしたが、市の方向性としては改善、再構築としており、その動向が気になっていたところです。  新築、建てかえは多額の費用を伴いますが、政令市、静岡にふさわしい文化振興の拠点施設とはどうあるべきかを考え、民間活力によるコスト縮減等、あらゆる手段を用いて、早急に方向を示していただくよう要望いたします。  新政会では、人口減少という最大の危機を受け、持続可能な都市から発展できる…… 101 ◯副議長(中山道晴君) あと1分です。 102 ◯17番(遠藤広樹君)(続) 都市の構築について議論をしてきました。人口が減少するから都市の規模を縮小するのであれば、都市の発展は望めず、ますます都市は縮小し、いずれ消滅してしまいます。  そうならないためのアセットマネジメントであり、できる限り財政負担を軽減し、人口増加策に投資していかなければ、都市の存続は厳しくなります。非常に重要なプロジェクトと考えていますので、全庁一丸となって取り組み、推進して、目標以上の成果を上げていただくことを期待して、私の総括質問を終わります。  ありがとうございました。 103 ◯副議長(中山道晴君) この際、暫時休憩いたします。         午後2時43分休憩    ───────────────────         午後2時55分再開 104 ◯議長(石上顕太郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行いたします。  次に、安竹信男君。   〔37番安竹信男君登壇〕 105 ◯37番(安竹信男君) 大分、眠そうだったんですけれども、目が覚めたようであります。  私からは、2点、質問をさせていただきます。  初めに、ユスコエコパーク登録による観光立地推進についてであります。  第3次総合計画が今練られているわけでありますが、その中でユネスコエコパークの位置づけはどのようになっているのかをお伺いいたします。  ことし6月に、ユネスコエコパーク登録が大願成就して、10市町村の喜びは大きかったものであります。志賀高原、白山、大台ヶ原・大峯山、屋久島、綾に次いで全国6番目の登録は、大変意義深いものでありました。  この際に、注目すべきことは、この地域が自然体験、エコツーリズム、環境教育、農産物のブランド化などが大変盛んであることが、南アルプスの生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目指すエコパークの理念から高く評価されたことであります。  さて、移行地域は、地域住民の生活の場所であって、地域発展のためのさまざまな社会経済活動の場であり、自然と共存した経済活動を通じて新たな環境対策、伝統文化の保護と継承、コミュニティの振興などを行う場であります。  さきの6月定例会で環境局長の答弁では、10市町村が地域連絡会議を立ち上げて、行政区域を越えて連携して自然環境を守っていくことの重要性を強調いたしました。  また、10市町村が南アルプスのブランド力を生かした交流研修事業促進も検討する考えを示されたのであります。  今立案している第3次総合計画におけるユネスコエコパークの位置づけは、本市行政当局の共有する大きな指針となるもので、極めて重要であるとともに、同時に静岡市民の関心度は大変高いと思います。  ここで伺います。  3次総におけるユネスコエコパークの位置づけはどのようなものか、お答えください。  次に、南アルプス周辺地域の観光振興事業についてであります。  市長は、6月11日のユネスコエコパーク登録を受けて、翌日12日に、次のように所信を述べられております。  今回の決定は、南アルプスの豊かな自然環境とその自然を守り、共生してきた地域の歴史・文化が世界に認められたものです。この登録をスタートとして、南アルプスの豊かな自然を後世に引き継ぐとともに、ユネスコエコパークの求心力を生かし、その魅力や価値を世界に発信し、市民の皆さんとともに、まちみがきを進めてまいります。こういう内容でありました。  エコパークの求心力を生かす。その魅力を世界に発信するということは、とりもなおさず観光戦略そのものでありましょう。10市町村は、よきパートナーとして、さらなる交流を深めなくてはなりません。  ここで伺います。  南アルプス周辺地域の観光振興事業について、どのような施策を考えているか、お考えをお示しください。  次に、2点目の茶どころ日本一条例の検証についてであります。  中山間地域茶業の現状と振興策を伺います。  放棄茶園がふえているが、どのような対策を講じているかであります。  静岡市民の身近な風景、美観の代表は、今黄色く色づき始めましたミカン園や、茶の新芽が芽吹く茶園であります。静岡市を訪れる多くの観光客の心を癒してくれる大切な景観でありましょう。もちろん、中山間地に暮らす人々にとっても、地域自慢の景色であります。  ところが最近、目につく茶園が放棄されていく情景は、山間地域が限界集落に向かって限りなく突き進んでいくようで、寂しさを禁じ得ません。  茶生産で安定した収入を確保できればこそ、行き届いた茶園管理がなされます。余りにも急変な茶価の低迷は、生産者の生産意欲をそぎつつあります。  ここで伺います。  放棄茶園がふえている状況に、どのような対策を講じておられるか、伺います。  また、茶どころ日本一計画において、本市の茶の歴史文化はどのように継承されているのでしょうか。  本市は、11月1日を茶の日と定めました。聖一国師の生誕の日であります。茶どころ日本一としての名声を高め、原点とも言うべき茶の消費日本一をも目指しております。  お茶壺道中で知られるように、寒冷地の井川のお茶蔵で熟成させた本八女茶を徳川家康公が愛飲し、大切な客人をお茶でおもてなししたことは史実であります。
     家康公没後400年の顕彰イベントが近づくわけでありますが、その成功を期待しております。  静岡県内に茶どころたくさんあれど、静岡市が茶どころの中心であるために、多くの先人たちの努力があったことを忘れてはなりません。  丸子の里で日本の紅茶の草分けをなし遂げた多田元吉、優良品種やぶきたを誕生させた杉山彦三郎、静岡茶の清水港直輸出を開いた海野孝三郎といった先人たちの存在は、非常に大切なものであります。近代史の中で本八女茶の品質改良、産業としての生産と流通拡大等に尽力してきたこのような人物、あるいは茶産業歴史・文化の継承をなし遂げてきたこの状況をどのように考えているか、伺います。  以上、1回目の質問といたします。 106 ◯企画局長(加藤正明君) 3次総におけるユネスコエコパークの位置づけについてお答えいたします。  ユネスコエコパークにつきましては、この8年間で重点的に取り組む重点プロジェクトのうち、現時点においては、「文化都市~人々が訪れてみたいと憧れを抱く個性あるまちづくりの推進~」に位置づけてございます。  その内容は、ユネスコエコパークに登録された南アルプスを初め、中山間地域でありますオクシズや駿河湾沿岸地域でありますしずまえが有する、豊かな自然や食、芸能といった多彩な地域資源や文化を世界に向けて積極的に発信し、地域の活性化を推進するというものでございます。 107 ◯経済局長(斎藤 誠君) エコパーク登録による観光に関する御質問及びお茶に関する御質問についてお答えいたします。  まず、南アルプス周辺地域の観光振興事業についてですが、今回のエコパーク登録は、南アルプスに残された貴重な自然環境とともに暮らしてきた井川地域の文化が、世界的に高く評価されたためと認識しております。  エコパークの理念を実現するためには、井川地域においては、特に観光による振興が重要であると考えております。  本市では、井川地域をオクシズとして位置づけ、専用ホームページやフェイスブックなど、SNSを利用した情報発信をしているほか、公共交通機関への案内の掲出、各種イベントやスポーツツーリズムの実施、自然、伝統芸能、農林水産業を生かした、着地型観光の振興に努めてまいりました。  今後は、ユネスコエコパークの世界的なブランド力を生かし、日本国内はもとより、世界から観光客を呼び込みたいと考えています。そのため、富士山静岡空港や新東名高速道路を利用して、南アルプスを訪れる広域観光ルートの作成を、静岡県中部地区観光協議会の中で進めてまいります。  続いて、茶どころ日本一条例の検証についての御質問にお答えいたします。  まず、放棄茶園がふえているが、どのような対策を講じているかですが、本市の中山間地では、一部に耕作放棄された茶園が見受けられます。  その理由としては、主に4つの要因が考えられており、茶どころ日本一条例により策定をされた計画に沿って対策を進めております。  1つ目は、立地条件です。中山間地の茶園は、その多くが作業効率の悪い傾斜地にあることから、その対策として作業性の向上を図る園地の改良整備や、省力化を図る機械導入などへの支援を進めております。  2つ目は、生産者の高齢化や後継者難による労働力不足です。この対策としては、新規就農者の育成や製茶工場が行う茶園の共同管理への支援などのほか、繁忙期の農作業の一助となるよう援農ボランティアの派遣も行っております。  3つ目は、凍霜害等の自然災害による減収です。この対策としては、新たに国の政策保険である茶共済への加入助成を今年度初めて実施し、現在、加入勧奨を推進しているところです。  4つ目は、荒茶価格の低迷と消費の減退です。この対策として、本市では、中山間地のお茶の評価を高める熟成本山茶などのブランド化や、農家を訪れ、産地の空気を肌で感じてもらう縁側お茶カフェなど、地域ぐるみの取り組みへの支援を行うとともに、さまざまな消費拡大策の推進など、総合的に特色ある中山間地のお茶の価値を高めているところです。  次に、茶どころ日本一計画において、本市のお茶の歴史・文化がどのように継承されているかですが、茶どころ日本一計画においては、お茶が生活・文化の一部となり、心安らぐまちを柱の1つに据え、お茶の歴史・文化の継承に取り組んでおります。  お茶の歴史を継承する事業としては、聖一国師の生誕日を顕彰した静岡市お茶の日の制定を初め、茶手もみ保存事業や駿府本山お茶まつり、お茶壺道中行列への支援などに取り組んでおります。  また、お茶の文化を継承する事業としては、市内の小学校5、6年生のほとんどが受講する「お茶の美味しい入れ方教室」や家庭科授業を通して、お茶でおもてなしができる子供を育てることを目的に、お茶で学ぶ静岡型人材育成事業を実施しております。  議員のお話にもありました、杉山彦三郎氏、海野孝三郎氏、多田元吉氏など、本市茶業の発展に貢献された方々については、「お茶の美味しい入れ方教室」でテキストとして使用している冊子、お茶のまち静岡市やホームページで紹介をしているところです。  今後も一層、歴史・文化に根づいたお茶のまち静岡市の市民への浸透に努めてまいります。   〔37番安竹信男君登壇〕 108 ◯37番(安竹信男君) それでは、2回目であります。  南アルプス周辺地域との広域連絡道路について伺ってまいります。  10市町村の同志の中で、比較的遠い存在が川根本町と早川町であります。私が井川にUターンした昭和43年当時は、市道閑蔵線も林道井川雨畑線も建設半ばであり、2路線は林道として開設中でありました。いずれも昭和47年当時に開通されたと記憶しております。  川根本町は、平成の合併以前の本川根町時代から、寸又峡温泉やSLと森林鉄道の拠点として、千頭駅周辺に多くの観光客を集客しておりますが、その観光客の多くは、せっかくここまで来たんだから、南アルプスの大自然や井川方面への周遊観光をしたいという希望の声が大きかったことを承知しております。  しかし、市道閑蔵線は狭隘であり、いまだに観光バスなど大型車両は通行できません。道路のり面も切り立った岩盤は落石が多く、葵北道路整備課では、拡幅整備改良には毎年1億円以上の予算で一生懸命頑張っても15年以上かかります。苦慮しているのであります。  一方、昭和30年代に中央高速道路建設の計画路線から外された代替道路として、林道井川雨畑線が開設されました。山梨県と早川町、静岡県と井川村は、多くの観光客や物流の流れをこの路線に期待したのでありますが、開設以来、大雨洪水等でのり面崩壊や山崩れが頻発し、まともに早川町にドライブできた記憶がありません。今も災害復旧中でありますが、5年かかるか10年かかるかわからない状態であります。現在は、この2路線は静岡市と山梨県の管理道路であり、静岡県と山梨県にまたがる広域連絡道路となって位置づけられています。開設から半世紀を迎えようとしているわけであります。  現状を踏まえて、南アルプス周辺地域との広域連絡道路は必要でありますが、市長の考えをお聞かせください。  次に、早川町、川根本町、静岡市の1市2町で広域連絡道路促進期成同盟会を立ち上げるべきと考えております。6月定例会でこの案件について、頭出し的に私が要望しておきましたが、このニュースを聞いて、このたびはユネスコエコパークを構成する仲間の1市2町で、この9月議会をチャンスと捉えて、市長と町長の理解を求める運びとなりました。既に川根本町と早川町では、鈴木町長と、辻町長が前向き、積極的な答弁をされております。  折しも、国土交通省が2020年までに海外からの観光客を2,000万人にふやす方針を明らかにし、地方空港を利用した外国人観光客が複数の都道府県を周遊する、広域観光周遊ルートを創出するとしております。これに乗じて、静岡市の観光戦略は敏感であってほしいと願います。地方空港、富士山静岡空港を掲げている川勝知事にとっても、見逃せない国策が目の前に出たのであります。  富士山静岡空港から島田市、川根本町、静岡市の井川、早川町の雨畑、甲府市、東京へと、またその逆に東京、甲府市、早川町、静岡市、川根本町、島田市、富士山静岡空港へ行く、こういうルートを開設しようというものであります。  既に山梨県では、甲府市にリニア新幹線駅が設置されますと、10年後には1日当たりの利用客は1万2,300人、そのうち観光客が70%と予測しております。企業立地は2,600社と予測しております。山梨県と早川町は山地に4キロメートルのトンネルを掘削して、甲府市と早川町を直結する早川・芦安連絡道路をこの4年間で完成すると発表しております。  ここで、お伺いするわけでありますが、仮称でありますが、南アルプスユネスコエコパーク広域連絡道路促進期成同盟会といった期成同盟会を立ち上げるべきだと我々は勇んでおりますが、市長のお考えをお伺いいたします。  次に、お茶の問題であります。  いろいろ詳細について努力していただいております。ところが、大きな問題があるわけであります。茶市場で静岡本山茶が他県茶に比べて苦戦しているという状況であります。  立春から数えて88日目に当たる日が八十八夜、御案内のとおり5月1日あたりであります。昔からこのころに摘み取ったお茶が不老長寿の縁起物の新茶とされてきたところであります。静岡本山茶、清水両河内茶の一部が早いところでこの出荷に間に合う状況であります。  内牧、美和、足久保、松野、賎機地区あたりが本格的には、5月の連休ごろに摘採がにぎやかになります。中山間地では、5月下旬から始まるわけであります。申すまでもなく、玉川、大河内、清沢、大川、梅ケ島、井川の順で茶摘みが始まりますが、夏も近づく八十八夜の歌声、わびしい時期であります。  このころになりますと、茶市場での取引価格は情け容赦なく急落し、本山茶の生産者は悲鳴を上げております。どこの製茶工場も寝る間もなく稼働しておりますから、私たちが陣中見舞いと称して訪問するのが恒例であります。農家の元気のいい顔ぶれを拝見できることを市長も楽しみにしておると思いますが、これはもう過去の話です。生産者の顔を見ると、おい、安竹、茶の取引価格がこんなに急落してどうにかしてくれと、嘆きを聞かされ、自分の行き場を失うわけであります。  茶市場で本山茶が他県茶に比べて苦戦している、このことについてどのように考えているか、お伺いいたします。  次に、条例により生産コストに見合う茶価が保護されるべきだと、私はそういったものが条例だと考えてきたわけでありますが、その現状をどう認識しているかを伺ってまいります。  二宮尊徳の報徳の精神に、経済なき道徳は虚言であり、道徳なき経済は犯罪であるという教えがあります。私は、多くの条例は道徳で構成されていると認識してまいりました。茶どころ日本一条例の道徳は何なのか、生産者の皆さんしか言えません。ほかの立場はわかりません。 109 ◯議長(石上顕太郎君) あと1分です。 110 ◯37番(安竹信男君)(続) 生産者にこう私は申しております。  いいお茶をつくろう、自慢できるお茶をつくろう、茶価が低迷したからといって、手抜きをするようなことはやめよう、それが生産者の道徳だと、こう私はお互いに励まし合っております。  ここでお伺いするわけでありますが、いろいろな方策を提示していただいておりますが、一生懸命働いて夜通し製茶に加わってつくったお茶が、朝早くの市場に行って、残念ながらその取引価格が生産者にとって肥料代にもならない、消毒、薬剤にもならない、農業の借金がかさんでいくばかりだと、こう悲鳴を上げているわけであります。私は、条例によって生産コストに見合う茶価は保護されるべきと考えますが、どのように考えているか、お伺いいたします。  以上です。 111 ◯建設局長(寺田 薫君) 初めに、南アルプス周辺地域との広域連絡道路についてでございますが、本市と南アルプス周辺地域との連携を図る道路網の構想については、交流促進や防災力強化などの効果が期待されます。  一方、環境保全の課題や山岳地域という地形的な制約、多額な財政的負担を伴うものであることなどから、関係自治体と効果や課題を共有し、中長期的なビジョンで協力して、検討していく必要があると考えております。  次に、同盟会の立ち上げについてでございますが、整備に関する効果や課題が共有化された後に、同盟会については検討するものと考えております。 112 ◯経済局長(斎藤 誠君) お茶に関する2点の御質問にお答えをいたします。  まず、お茶の取引は、議員のお話にありましたとおり、八十八夜までに新茶をそろえたいという販売側の要請から、はしりと呼ばれる早い時期ほど高値で取引され、それ以降、急激に値が下がる傾向がございます。  静岡茶市場における一番茶の取引状況を見ますと、生育の早い他県産、特に鹿児島産のお茶が八十八夜を前にした4月の取扱量の大半を占めております。  一方、生育の遅い本市中山間地域の山のお茶の大半が八十八夜以降に出荷取引されるため、その高い品質が価格に反映されにくい状況にあります。  このような中で、ことし8月、宮崎県で行われた全国茶品評会において、針のような形状で香り高い高級茶を競う普通煎茶4キログラムの部で、本市が23年ぶりに自治体として最高位となる産地賞を受賞いたしました。このことは、本市のお茶が高品質であるということが改めて証明をされたわけです。  この受賞を絶好の機会と捉え、山のお茶が香り高くおいしいお茶であることを、消費者の皆様に改めてPRをさせていただきたいと思います。  続いて、茶価の条例の関係ですが、本市の茶の主力である山のお茶を生産している中山間地において、茶業経営を継続していけるしっかりとした収益の確保は、大変重要な課題であると認識をしております。  しかし、茶価は、流通の流れの中で決定するものであり、条例によりコントロールすべきものではないと考えます。  本市が制定した静岡市めざせ茶どころ日本一条例は、茶業者だけではなく、市民やさまざまな事業者、そして行政が連携することによって、茶業の振興のみならず、市民の豊かで健康的な生活を図ることを趣旨としております。  この条例制定を契機に、本市では初めて茶生産者、茶商、行政から成る茶業振興協議会の設立やタクシー業界との連携など、この厳しい状況を乗り越えるべく、新たな動きへと展開をしてきたところです。  本市としましては、この条例の趣旨に基づき、さらなる市民参画も含め、連携、協働の輪を拡大し、茶業振興につなげてまいりたいと考えております。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 113 ◯議長(石上顕太郎君) 次に、山本明久君。   〔38番山本明久君登壇〕 114 ◯38番(山本明久君) 私は、2つの問題を取り上げます。  1つは、駿府城天守閣建設についてです。  市長は、天守閣建設を目指して、3次総でまず天守台の復元を着工するという方針を示しています。私は、天守台復元ありきではなくて、少なくとも3次総では発掘調査にとどめるべきだと考えます。なぜなら、この天守台跡地は、明治時代に陸軍が天守台を壊したわけですが、昭和50年代の調査によって旧今川館跡が出て、当時その場に県立美術博物館建設を予定しているのをやめたという経過が明らかになっています。  今回の3次総での調査対象区域は、そこと隣接しており、旧今川館跡の上に天守台が構築された複合施設として、慎重に史実を解明することや対応が求められるからです。  そこでまず、お聞きすることは、駿府城天守台にかかわる発掘調査について、旧今川館跡、天守台跡、そして本丸濠など、文化財保護の観点からどのように行うのか、示していただきたい。  そして、もう1つの理由は、市長が言う整備方針については、発掘調査の結果を受けて、歴史的事実を確認してから、是非を判断すべきではないかということです。つまり、3次総でまず復元ありきは拙速であり、複合遺跡の姿が明らかになってこそ、それらを保存するかあるいは復元するか、あるいは一部公開の活用をするか、適切な方針が史実に基づいて打ち出されるのではないか、この点を市長はどのように考えているのか、示していただきたい。  さらに、市長は、これまで平成11年と平成22年度の2度にわたる教育委員会や専門家などの調査と議論の結果まとめられた、史実に忠実であるべきで、天守閣の復元はできないという、正しい歴史を大切にするこれまでの市の立場を切り捨て、なぜリセットするのか。史実と違っても、天守閣風の建造物がどうしても欲しいのか、あるいは一部市民団体からの建設要望に応えた政治的判断が史実より優先するのか、はっきり示していただきたい。  2点目は、リニア新幹線建設についてです。  JR東海が8月、環境影響評価書補正版に基づく工事実施計画を申請しましたが、政府がもしこのまま認可して着工になれば、世界の宝である南アルプスユネスコエコパークにとって、取り返しがつかない重大局面であり、力を合わせようという立場で質問します。  JRの準備書への本市の意見書では、リニア建設について、豊かで多様な自然環境への多大な影響を懸念した上で、河川、生態系、残土置き場など、エコパーク全体の機能喪失の危険性を指摘して、周辺環境や住民生活に及ぼす影響に対して、保全と対策に万全を求めていました。  また、環境大臣においても、環境影響を最大限回避・低減するとしても、なお相当な環境負荷が生じるという厳しい意見をつけていました。  しかし、こうした指摘を受けても、なおJR評価書では、全体として準備書と本質は変わらず、影響は極めて小さい、影響はない、小さいと予測するなどを乱発する、許しがたい態度です。このままの見切り発車を専門家も非常に心配しています。関係自治体、住民などが力を合わせて対応することが今、喫緊に求められています。  そこで、お聞きしますが、本市が表明した意見にまともに対策がとられないまま進められようとしているもとで、国やJRに対して、市が提起した懸念や問題が解決されるまで認可すべきではないこと、このまま進めるべきではないことを早急に申し入れる必要があると思いますが、どうするのか、お答えください。  また、市長は、リニア建設についてもっと議論すべきだという考えを持っているとの報道がありました。ちょうど9月6日付の毎日新聞がリニア建設、本当に進めていいのかという社説で、必要性に疑問を投げかけました。リニア中央新幹線の採算性、生産年齢人口大幅減少等、需要見込みの過大な問題、地震の代替ルート論、本市が鉄道幹線から外れてローカルになる問題など、リニア建設の必要性等について、どのような認識を持っているのか、考えをお聞かせください。  以上、1回目です。 115 ◯副市長(山本克也君) リニア新幹線建設についての御質問にお答えをいたします。  中央新幹線の環境影響評価書に対する国土交通大臣意見においては、事業に伴う地域住民の生活環境や自然環境等、多岐にわたる分野での影響が懸念されていることから、JR東海に対し、環境保全措置に十分な配慮を求めるとともに、地域住民等への丁寧な説明や地方公共団体との連携による事業の円滑な実施について言及されているところであります。  現在、JR東海が国土交通大臣に認可申請をしております工事実施計画が認可されれば、工事の実施が可能な段階を迎えることとなりますが、従前から環境影響評価準備書に対する市長意見などで表明しております、発生土置き場の選定や水環境への影響などについての懸念は残されたままでございますので、工事の着工を急ぐべきではないと考えております。  この工事は、市民の皆さんの環境の保全に関する議論を踏まえた上で行われるべきであるとの認識のもと、現在、第3次総合計画のパブリックコメントに合わせ、中央新幹線建設事業の工事着工に関し、皆様の意見を伺っているところでございます。  今後は、市民の皆さんからいただいた意見を踏まえ、環境の保全に対する懸念が払拭されるよう、JR東海に対し、誠意ある対応を求めてまいりたいと考えております。 116 ◯生活文化局長(安本 睦君) 駿府城天守台整備に伴う発掘調査をどのように行うのかという御質問でございますが、駿府城天守台整備に伴う発掘調査では、対象区域を天守台部分と天守台の外側に掘られた本丸堀部分とし、目的としては、天守台及び本丸堀の埋蔵状況を確認することにより、その規模や構造など、天守台の全容の解明に努めるものであります。  駿府城の築城以前に存在していたと推測される今川館跡については、駿府城の天守台及び本丸堀をつくった際に、天守台の基礎工事や本丸堀の掘り下げ工事により、今川時代の地表が壊されたことが予測されるため、今回の調査で今川館跡が発見される可能性は低いと考えております。仮に今川館跡が確認された場合は、文化財保護の観点から、適切な記録保存をしていくこととなります。 117 ◯企画局長(加藤正明君) 私からは、天守閣建設について、発掘調査を実施し、事実確認を行ってから再建、整備の是非を判断すべきではないかという御質問と、過去の調査結果をリセットする理由についてお答えします。  天守閣の再建、天守台の整備については、幾つかの段階を踏んで検討を進めてまいりたいと考えております。まずは、天守台跡の発掘調査を実施し、遺構や埋蔵物等の調査及び資料等の整理を行い、事実の確認を進めてまいります。  次に、この結果を踏まえ、改めて天守閣を見据えた天守台整備の検討を行います。  そして、天守台の着手に当たっては、財源となる寄附の状況や市民の皆さんの御意見などを、総合的に勘案して判断していきたいと考えております。  また、天守閣再建に向けた方針転換の考え方でございますが、平成21年度に出されました駿府城天守閣建設可能性検討委員会の報告では、現時点においては、天守閣復元を行うべきではないとされていますが、その一方で、現存する絵図等の資料から、天守閣の建設は可能との考え方もございます。  また、天守閣再建に向けた熱心な市民活動など、機運の盛り上がりも見られること、さらには徳川家康公顕彰四百年記念事業の開催を契機に、市民の皆さんの歴史認識の高まりも期待できることなどを受け、再度検討を行うことといたしました。   〔38番山本明久君登壇〕 118 ◯38番(山本明久君) 駿府城についてですが、リセットの理由は、機運が盛り上がってきて絵図でもできるからだという話ですが、絵図じゃできないから専門家が言っているわけですよ。  リセットの大義も道理も示されませんでした。言ってみれば、長年にわたる行政機関や専門家の積み上げてきた議論や調査を否定するものです。  文化庁も建設当時の材料と工法による史実に忠実な復元を原則としているもとで、そうでない絵図に基づくだけの天守閣風の建造物を幾ら建設しても、400年前にあった価値だから情報発信するといっても、それは市民や子供たち、そして来訪者にとって、見るべき価値ある歴史遺産にはなり得ません。  幾ら夢だ、観光だといっても、市民や国民の理解は得られませんし、誇りと愛着は史実に基づく歴史的価値あるものから生まれるものです。復元できる指図がないのに天守閣建設を目指す方針を打ち出すこと自体、本市と市民にとってはマイナスです。
     もし、旧今川館跡が出たら記録保存すると言われました。ですから、それもやっぱり調査結果を受けて、保存が必要かどうかとなれば、天守台復元という方向は少し待たざるを得ないわけです。そういう誠実な態度をとるべきです。  じゃ、その天守台復元、答弁では整備としか言いませんでした。復元が、整備が可能だと言われる天守台はどうすべきなのか。駿府城公園の整備方針として、歴史遺産の保存という理念が打ち出されている以上、文化財として保存するのか、復元するのか。今言いましたように、やっぱり発掘調査を待って、複合の部分が絡んできますけれども、そこの結果を待ってどうするかを決めるわけですから、3次総では判断するというところにとどめるべきです。復元ありき、着工ありきは、これはまずいですよ。貴重な複合遺跡を壊す可能性もあります。どう考えているのかをお聞かせいただきたい。  もう1つ、もし天守台を復元するという場合でも、恐らく復元は考えていないかもしれませんが、将来の天守閣建設を想定すると、近・現代に建設された他市の天守閣のように、鉄骨、コンクリートでは、木造より重さも数倍になり、基礎となる天守台そのものの基礎工事や補強工事が必要となって、史実に基づく天守台復元はできないのではないか。どう考えているか、答えていただきたい。  ですから、復元じゃなく、単なる建設整備ということなのか、天守台を史実によって復元しようとすれば、その上には木造復元以外の天守閣風建造物は、物理的には建てられません。  また、復元した天守台の上に、歴史的価値のない天守閣が建つのはふさわしくないと思いますが、どうか。  次に、リニアです。  ずばり、急いで、やっぱりこのまま進めるのはだめだと、緊急に申し入れるべきなんですよ。まだちょっとそこまでいっていない。9月初めに県内の山岳4団体が、南アルプスの保全は工事に優先するという立場で、県知事に要望を出しましたけれども、本市もホームページでは、万全の環境保全対策が図られることが確認された上で、事業を進めるべきですと、一度失われた自然はもとに戻らないと、警鐘を鳴らしています。この立場で国交省、JRに、厳しく今こそ物を言ってほしいです。ですから、そういう点では、頑張っていただきたい。  南アルプスが年間4ミリも隆起して、瓦れきや土砂が急峻な山々からどんどん崩れて、林道や河床に堆積している危険な現状を、私たち党市議団も7月に残土置き場を中心に視察してきました。貴重な動植物の宝庫で、エコパークとして豊かな生態系や生物多様性を保全することの大事さも実感してきました。  ところが、例えば市の意見書にも記載した絶滅危惧種のヤマトイワナについて、生息情報のある種については、その情報の把握に努め、必要な調査の実施及び環境保全措置を講ずるよう求めましたけれど、JRの評価書では、対象事業区域を含む南アルプス地域から、重要な魚類は報告されていないという姿勢です。ですから、このまま進めるわけには絶対にいかないわけです。  こういうJRの着工ありきの姿勢に対して、生態系、生物多様性への影響に対して、どのような実効ある措置を求めていくのか、考えを示していただきたい。  以上、2回目です。 119 ◯都市局長(松浦和彦君) 天守台の復元についての2点の御質問について、一括してお答えをいたします。  このたびの第3次総合計画骨子案において、駿府城天守閣再建を目指した天守台の整備を打ち出しておりますが、現在のところ具体的な整備方法等につきましては、位置づけておりません。  文化財保護の観点から、まずは、発掘調査を実施し、天守台の遺構の確認を行い、その結果を踏まえ、具体的な整備方針等の検討を行ってまいりたいと考えております。  また、天守台の整備につきましては、復元とすべきか否かという議論があるかと考えますが、この点につきましても、発掘調査の結果を踏まえ、本市にとって何が最善かを検討してまいります。 120 ◯環境局長(小林正和君) 工事による生態系などへの影響に対して、どのような措置をJR東海に求めていくかとの御質問でございますが、本市ではJR東海に対し、環境影響評価法に基づく準備書に対する市長意見で、環境への影響を回避・低減するよう最善の措置を講ずる責任を果たしていただきたい旨、求めてまいりました。  JR東海では、準備書に対する関係都県知事等のさまざまな意見や環境大臣、国土交通大臣の意見を踏まえ、補正した環境影響評価書を本年8月、公告及び縦覧いたしました。  その補正された評価書では、ヤマトイワナなどの希少動植物の追加調査や、調査結果に基づく環境保全措置を実施するとの見解が示されました。  今後、これらの見解の実効性が確保されるよう、JR東海に対し求めてまいりたいと考えております。   〔38番山本明久君登壇〕 121 ◯38番(山本明久君) 駿府城です。  答弁を聞いていると、だから3次総では復元ありきなのかどうかというのが不明だし、復元か、単なる建設かもちょっと不明だというところでいいんでしょうか。  この天守閣に至っては、絵図でみたいに言っていましたけれど、姿かたちを似せようとしても指図がないわけですから、かつて1990年代に復元できるという内藤 昌氏などがまとめた学術調査報告書を見ても、資料の上では高さも不明、2階の寸法や広さも特定できずというわけですから、建たないわけですよ。そんな天守閣の建設を目指すということ自身が、やっぱりまずいのではないかと思います。  史実と歴史遺産の価値というのを、後見人をやっているわけですね。そういう姿勢を改めるべきです。  今、駿府城公園は史実に基づいて、これから清水御門などの整備を計画して、価値ある歴史遺産の保存整備を進めているのに、天守台についても復元するというわけではない、単なる建設に恐らく補強工事して、コンクリートで建てられるようにするような考えであれば、公園自体の価値を低めるものになってしまいます。史実に基づく歴史的価値ある遺跡こそ、市の大事な観光資源として活用できるのではないでしょうか。  そうした立場からお聞きしておくことは、歴史遺産の保存と再整備を駿府城公園の方針としているもとで、史跡指定を受けて歴史的価値あるものにすることが必要じゃないか。逆に言えば、この史跡指定を受けずに史実に基づかない天守閣建設や復元足り得ない天守台建設では、本当の価値あるものにならないではないか、考えを示していただきたい。  次にリニアです。 122 ◯議長(石上顕太郎君) あと1分です。 123 ◯38番(山本明久君)(続) はい。  最後に、本市の大きな懸念である残土置き場の問題についてお聞きしておきます。  市の意見書では、南アルプスの観光資源としての価値を損なう懸念を表明しています。JR東海は、これに対してはまともに対応しようとしない。一番危険だと言われていた扇沢を取りやめて燕沢に集約するというような検討もされているようですが、しかし、燕沢は私たちも現場を見てきましたけれど、あそこは崩れて流れてきた土砂や瓦れきが堆積して、見た目にはほとんど林道沿いの河床か河川敷という現状です。そこに大量の残土を持っていくというのは、幾ら擁壁をつくったとしても、それは無理がある。もし、土石流の発生によって崩れた場合は、大変な影響があると。自然環境阻害にもなります。  こうした危険な工事計画はやめさせる必要があると思いますが、どうするのか、考えを述べていただきたい。  以上です。 124 ◯企画局長(加藤正明君) 天守閣再建、天守台整備における価値の考え方についてお答えします。  歴史的遺産の保存と再整備が駿府城公園の整備方針の柱の1つであり、その観点からの取り組みが必要であると考えております。しかしながら、その一方で、世界中から人が集まっていただくための魅力ある目的地としての機能も同時に必要であると認識しております。  そのため、今後は、発掘調査の結果次第ではありますが、歴史、史実に基づく価値も念頭に置きながら、歴史都市のシンボルとしての新しい価値を生み出していきたいと考えております。 125 ◯環境局長(小林正和君) 燕沢における建設発生土砂に関する御質問でございますが、燕沢平坦地におけます発生土砂につきましては、周辺の生態系への影響のほか、大量の土砂を積み上げることによって、南アルプスの景観に影響を及ぼすおそれもあります。また、土石流が発生した際の下流部への影響も懸念されております。  そのため、市長意見で述べましたとおり、自然環境や景観に影響が生じないよう、同地内における発生土置き場の選定などについても、十分な配慮を求めてまいりたいと考えております。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 126 ◯議長(石上顕太郎君) 次に、松谷 清君。   〔24番松谷 清君登壇〕 127 ◯24番(松谷 清君) それでは、通告に従いまして、2点質問させていただきます。山本明久議員と重なるところもあります。  第3次総合計画骨子案について、南アルプスユネスコエコパークとリニア新幹線について、市長の現状認識をお伺いいたします。  田辺市長は、骨子案で世界の公共財産となりました南アルプスユネスコエコパークを世界に積極的に発信し、地域活性化を推進する。また、リニア新幹線に、急がなくていい、先ほど副市長も御答弁いただいていますけれども、パブコメを提案もしました。市長のこのパブコメ提案は、私は高く評価したいと思います。  9月13日、リニア問題で、甲府市で全国集会がありまして、田辺市長のパブコメ提案は、大変エールが起こって、応援したいという人がたくさんおりました。そして、静岡県山岳連盟4団体の路線変更を求める申し入れなど、南アルプスを守れとの市民の声は広がっております。  8月26日にJR東海は、工事実施認可を国交省に求め、申請しました。ここに至って、残土、水問題で着工前に問題解決の筋道をつけるためには、私は田辺市長のリーダーシップが必要だと思います。  9市町と連携して、JR東海と円卓、集団的な交渉ですね。そうした直接交渉、特に水問題については補償協定などを提起すべきではないかと考えますが、考えをお伺いしたいと思います。  2つ目に、100年かけてつくる駿府城についてです。この問題も6人から質問がありまして、既に3人が終わって非常に多彩であります。私は駿府城天守閣については、天野市長、小嶋市長の時代を通じて160億円から210億円とも言われる財源の確保、史実に基づく復元か再建かなど争点があり、将来世代に先送りされてきました。  そこに時間軸と都市計画という新たな視点を取り入れ、安易な税金頼みとしない市民参加型のまちづくり運動として、100年をかけて平成の駿府城をつくる会が生まれました。私は、このエネルギッシュな市民活動を応援しております。  そうした中で、田辺市長はサグラダ・ファミリア方式の活用と発掘調査を決断しました。大いに評価すべき、今さら箱物かとの両論の評価があります。  まず、時間軸の100年について伺います。  第3次総合計画の基本構想を100年構想としておりますけれども、平成の駿府城をつくる会も100年をかけて駿府城をつくるとしています。駿府城天守閣再建あるいは復元の目標年次をどのように考えているのか、伺います。  次は、箱物批判にかかわる財源問題です。  骨子案には、サグラダ・ファミリア方式の活用、財源は主に民間からの寄附としています。「主に」が問題になりますけれども、整備に当たって市の財源負担を想定しているのかを伺っておきたいと思います。  次に、2つ目のテーマ、指定管理者制度のあり方について伺います。  市民からの問題提起・住民監査請求で1回目は質問いたします。  用宗、鯨ケ池、船越など11カ所の老人福祉センターの2億1,000万円の指定管理者事業について伺います。  この施設は、2012年まで社会福祉協議会が指定管理者となっておりましたが、不祥事により募集を辞退、NPO法人ワーカーズが単独で管理者となりました。年度評価において、おおむね適切に履行との評価で、2014年度も引き続き協定を結んでおります。  一方で、年度末の3月27日に良心と勇気に支えられた一市民の方から、11館の指定管理において建設基準法に定める建設設備定期点検の未実施、消防法に定める防火管理者、乙種第4類危険物取扱者の3カ月から8カ月の不在など、5点にわたる告発がなされました。そして、4月18日付で高齢者福祉課から、市長、議長、監査委員宛ての内部調査結果が提示されております。  ところが、この調査結果で問題解決に至らず、指定管理者の言い分をうのみにしているとして、告発した市民から5月12日に調査結果に異議申立書、6月3日に住民監査請求、そして6月25日に請求却下の措置、資料の3ページ目でございます。7月30日、NPO法人代表による静岡市への謝罪文の提出など、この指定管理事業は異変を重ねてまいりました。  今後のための事実関係の検証という観点で質問します。3点お伺いします。  高齢者福祉課は、今回の告発に対し、事実関係の把握、原因追及、再発防止などをどのように対処され、この指定管理者をおおむね適切に履行として評価するに至ったのか、経過と市の監督責任について伺います。  2つ目に、消防局に伺います。  指摘された防火管理者危険物取扱者の不在は、2013年度中に解消されず、今年度となっています。不在の消防法上の取り扱い、また指定管理事業での公的施設のチェック体制について伺います。  3つ目に、監査委員は、この一市民の監査請求に却下との結論でありましたが、その経過とその後の保健福祉部への勧告状況、また指定管理事業の監査はどのように行っているのかを伺って、1回目の質問を終わります。 128 ◯市長(田辺信宏君) 私から大項目、第3次総骨子案について、南アルプスユネスコエコパークとリニア新幹線、大井川水系の関係市町と連携したJR東海との直接交渉の設定などが必要ではないかとのお尋ねにお答えをします。  まず、議員も御指摘をしてくださいましたけれども、私どもの今の立ち位置を表明しておきます。  この骨子案の中でも、基本構想に私どもは、生活・環境分野の項目において、「人と自然が共に生き、誰もが住み続けたいと思えるまち」の実現を高く掲げております。この政策目標に向けて、本年6月ユネスコエコパークを山梨県、長野県の周辺9つの市町村とともに連携をしながら、7年かけて登録に向けて取り組んできたわけですし、登録された今は、この南アルプスの豊かな自然環境と、その恵みを受けて育んできた歴史や文化などを、世界水準の中で将来にわたって継承していくことが、何よりも重要な取り組みとなります。  ですから、具体的には、南アルプスの動植物の生息生育状況、大気や水質の状況など、今、残されているものをつぶさに把握して、今後失われてしまうかもしれない自然環境に対して、環境保全のための施策であるとか、調査や市政などの施策等々、ハード、ソフトの両面で万全な措置が施されなければならないというのが、3次総骨子案に込められた私どもの思いであります。  その観点から、目下、進んでいる中央新幹線建設工事の一連のプロセスは、厳しく見ざるを得ません。着工を急ぐべきではないというのは、私が常々記者会見などで表明しているとおりであります。  これまでさまざまな機会に、自然環境の保全のためにやるべきことはやっていただきたいという旨、事業者であるJR東海に伝えてきたものの、いまだ毎秒約2トンが失われる大井川の流量の減少、そして約300万立米、これはおよそ東京ドーム2杯分の発生土の処理の問題等々、ユネスコエコパークへの影響などの懸念は残されたままであります。  研究を進めてみると、日本の環境アセスメント法は法律のつくりが、ドイツなどヨーロッパの主流と違って、いわゆる自己採点方式なんですね。事業者が自分のやる事業を自分でアセスして、そして評価書を送付するという方式であります。アセスメントという評価は、本来ならば第三者が厳しく、国民に納得のいくような評価をするべきでありますけれども、日本の法律はそうなっていないなので、どうしてもこれが事業者のペースで進まれてしまう嫌いがあるのではないかという危機感を私は持っております。  もっと地元の自治体に目を向けてほしい、何よりも静岡県民、静岡市民の声を聞いてほしいということが私の願いであります。  また、我々静岡市民も、もっとこの問題に関心を持っていただきたい。私は声を大にして、市議会本会議でも市民の皆さんに、このリニア中央新幹線が静岡市の地下を通ることについて、自然との共生という点でどう考えるか、ぜひ関心を持っていただきたい。  そして、静岡市から、大げさに言えば国民的な議論を巻き起こしてみたいとさえ思っております。21世紀の日本人の生き方、つまり文明史論的な意味でも、これはよくよく考えなければいけない重要なテーマだと私は考えております。  懸念の中でも、大井川の流量減少の問題に関しては、静岡市だけではございません。大井川下流域の関係市町は、生活の上水を依拠しておりますので、むしろ私どもより危機感を抱いております。事業計画が具体化していく中で、この危機感はさらに大きくなっており、大井川の源流部を抱える静岡市としては、この関係市町の声にも耳を傾けなければなりません。  私も手をこまねいているわけではございません。百聞は一見にしかずでありますので、先日の静岡県市長会の会合においても、関係市町に呼びかけをしました。それに応じていただき、10月10日には関係の自治体の各首長や議長と南アルプスに、一緒に私たちが御案内をして、足を運んで、燕沢を初め、現地、現場を見ていただく。そしてこの危機感を共有するというアクションを起こしていきたいと考えております。  さきの2月議会では、市議会においてもこの問題について全会一致の決議を取りまとめていただきました。この全会一致というものは、大変重いし、心強いと私どもは思っております。  行政と議会が連携して、オール静岡市で、静岡市がリーダーシップをとりながら、関係市町と連携し、この問題の解決に向けた対応を検討すると。私どもの自然環境への懸念が払拭されるよう、そして何よりも静岡市民が納得するような、誠実かつ実効性のある対応をJR東海に求めてまいります。  以上です。  以下は代表監査委員及び局長から答弁します。 129 ◯代表監査委員(村松 眞君) 私からは、住民監査請求の問題と、それから指定管理者監査につきまして、お答えを申し上げます。  本件につきましては、本年6月3日付で監査請求が行われました。請求者の主張が、住民監査請求の要件でございます市の財産管理を怠る事実に該当していなかったために却下の決定をし、6月25日付で請求者にその旨を通知したところでございます。  したがって、保健福祉局に対する勧告は出しておりません。  次に、指定管理者の監査につきましてお答えいたします。  地方自治法第199条第7項に基づいて行うものでございまして、毎年抽出によりまして2、3施設を選定いたしまして、協定等に基づく義務の履行は適切に行われているかや施設の管理に係る収支会計経理は適正になされているかなどを主な着眼点といたしまして、関係書類の調査や現地での調査及び関係職員からの説明聴取などにより、実施しているところでございます。 130 ◯企画局長(加藤正明君) 天守閣再建に関する2つの御質問にお答えいたします。  天守閣再建に向けては、大きく発掘調査、次に調査結果を踏まえた方針の決定、次に天守台の整備、そして天守閣再建という幾つかのステップを踏んでまいりますので、第3次総合計画の基本構想と同様に、長期的な視点で取り組んでいきたいと考えております。  そのため、現段階では、目標年次は定めずに、それぞれの節目において、天守台、天守閣の学術的な観点や、財源となる寄附の状況などの財政的観点、市民の皆さんの意識の高まりなどを総合的に判断し、その時点での道筋を検討してまいります。  次に、再建に当たっての財源でございますが、骨子案にお示ししたとおり、主に民間からの寄附として、今後発掘調査などを行いながら、市民の皆さんの機運を高め、全国にPRを行い、寄附を募るとともに、市としての財源負担のあり方につきましても、あわせて検討していきたいと考えております。 131 ◯保健福祉局長(松本泰典君) それでは、指定管理者制度に関し、市民からの問題提起を受け、事実確認、原因究明、再発防止など、どのように対処したのか、またおおむね適切に履行との評価に至った経過と、市の監督責任についてどう考えているかについてお答えをいたします。  市民からの問題提起を受け、直ちに指定管理者である特定非営利活動法人ワーカーズコープへのヒアリング、関係機関への調査、聞き取り等を行った結果、防火管理者、乙種第4類危険物取扱者の不在期間が生じていることが判明いたしました。  その原因は、指定管理者における人事異動が頻繁であったことと、法令解釈の誤りによるものでした。  この結果を踏まえ、再発防止策として、関係機関と再協議を行い、指定管理者と認識の共有化を図り、人事異動の事前報告、仕様書の見直し等を行いました。  一方で、指定管理者は、老人福祉センター等、施設のあるべき姿を追求し、事業計画において提案した介護予防事業等に積極的に取り組み、利用者数は大幅に増加いたしております。  このような事業成果と施設面での改善策を講じていることを総合的に勘案し、おおむね適切に履行との年度評価をいたしました。  また、本市といたしましても、指定管理者が行う管理業務の履行確認に不十分な点もあったと考えておりますので、今後は今回の事案を教訓として、指定管理者への指導・助言に努めてまいりたいと考えております。 132 ◯消防局長(岩崎幹生君) まず、指定管理者制度を導入している高齢者福祉施設で、防火管理者や危険物取扱者の不在期間があったことに対する消防法上の扱いですが、対象の11施設は、現在のところ防火管理者が専任され、適正に防火管理されております。  また、危険物施設のある1施設についても、現在は危険物取扱者により、適正に危険物が取り扱われていることから、消防法上、過去の不在期間にさかのぼっての是正指導はできません。  次に、チェック体制ですが、公共施設に限らず、全ての対象施設に対し、立入検査時や講習会等で関係者に防火管理や危険物取扱者が不在とならないよう指導し、引き続き適正な防火管理、危険物の取り扱いを推進します。
      〔24番松谷 清君登壇〕 133 ◯24番(松谷 清君) ただいま市長から答弁をいただきました。  本当に南アルプスユネスコエコパークとリニアとの関係については、全くこの議会と一致して、オール静岡でこの問題に立ち向かっていくという姿勢をきちんと示していただいたという点で、私は大変期待をしていきたいと思います。  静岡市から国民的な議論をという点と、そして10月10日に大井川に関係する市町長と議長と現場を見ると。これはある意味では、今後の大きな運動の橋頭堡になると私は受けとめました。  その意味で、この南アルプスの問題は、静岡市が鍵を握っています。つまり、田辺市長が鍵を握っているわけであります。  オール静岡、そして県の強い姿勢がJR東海に水専門家会議を設置させ、県環境保全会議において、10月着工説を否定する発言をさせました。国交省も環境、技術、経費、期間問題をチェック項目として挙げ、厳しい姿勢をし始めております。これは静岡市議会の決議、オール静岡の大きな力が影響しているわけであります。  その点で、7月の市民集会で福島大学、柴崎直明教授がJRの水資源アセスは技術が古過ぎる、アセスとは呼べないと、大変厳しい評価を下しております。そして、市にもその資料を提供しておりますが、その意味で静岡市の先ほどの環境調査、特に水資源調査は今後に影響する極めて大きな調査になるわけであります。  その点で、この水源調査はどういう内容のものであるのか、改めてお伺いしておきたいと思います。  次に、100年をかけてつくる駿府城の問題でありますが、ハコモノ批判という印象を与えてしまう財源問題のところで、やや曖昧さも残るわけでありますが、基本は寄附であるということで、私は、この点を厳しく注視していきたいと思います。  私も非常に長期にわたる問題だと思います。100年構想ですから、100年をかけるという姿勢を、私は基本的に持つべきだと考えております。  残されてくる問題は、論点となっている歴史、先ほどの山本議員の問題もありますし、都市計画の問題もあります。歴史については、先ほどの山本議員の視点や、あすまた浅場議員が指摘されるということでありますので、そちらに譲りたいと思います。  私は、都市計画の観点で、駿府城構想、既に史実を踏まえた巽櫓、坤櫓と歴史的風情を感じさせる駿府城公園として準備されており、その継続が1つ。  2つ目に、富士山の眺望を阻害する周辺建築物に対する景観規制、静岡市役所と県庁が一番邪魔者であるわけであります。  3つ目に北街道のお堀復活。これは針谷建築事務所が65周年記念に大胆な提案をしておりまして、なかなか実際に御商売されている方もいらっしゃる中で、その復活という点を提案されております。  4つ目に、中心市街地の交通政策の刷新。  5つ目に、そうした100年をかける都市計画、まちづくりに位置づけられる必要性が、駿府城の建設には必要になると私は考えますが、その点についてお伺いしたいと思います。  次に、指定管理者の問題について、お伺いいたします。  問題が出されて対処した。不十分な点はあった。これから指導、助言に努めてまいりたいということでありますが、具体的に中身について踏み込みたいと思います。  資料を見ていただきたいと思います。  この事業費は、静岡市がつくった積算内訳書とNPOワーカーズがつくった予算書、決算書、非常に大きな乖離があるという点が特徴であります。積算内訳書と予算、決算書のこの問題で具体的には2点です。  まず、増額の部分ですが、1つは積算人件費が8,300万円に対して、予算、決算書ともに1億を超え1,700万円余の増加であります。  2つ目が積算予算で、本部事務所経費などは、管理費が1,200万円でありますが、1,700万円と540万円が増加しております。  その財源をどこに求めているかということで、大胆な組み替えをやったわけであります。1つが法定点検など外部委託調査3,200万円余、2,000万円に減額、先ほどの建築設備の検査が結局年度中に行われなかったわけですね。この2,000万円を三角にしている中に、その姿勢が私はあらわれているんではないかと思いますが、2つ目に正規職員の賞与2.6カ月、891万円を積算内訳で出しておりますが、実際の支給は0.6カ月213万円しか支給されていないわけであります。積算内訳とこれほどの乖離は、ほかの指定管理事業では見当たりません。  その点でお伺いします。  人件費大幅増について、積算内訳の職員数36名が予算段階に42名となり、決算で52名、ところが決算額が予算額を下回っています。これはどのような証拠書類に基づいて審査し、妥当とされたのか。  一方、賞与は積算781万円が210万円、600万円も減額です。これでは、協同組合NPOとしての理念は高くても、ブラックNPOとやゆされてしまいます。どのような証拠書類で審査し、評価しているのか。  2点目は、法令点検など外部委託調査1,200万円の削減であります。  1つ目に、削減内容はどのように把握し了承したのか、委託先のチェックはどのようにされたのか。2つ目に、建築定期点検、消防法上の届け出などが市民の告発まで行われなかったのはどういう理由からか。ことし4月に実施をされているわけであります。  3点目に、社協からNPO法人に管理者がかわりました。1年間に11館中8館の館長が退職するなど、通常では考えられない事態が生まれました。事実関係などをどのように把握し、どのような評価をしたのか。  さらに、本部駿河事務所の管理費が予算段階で1,200万円が1,700万円にも増額していますが、理由は何なのか。この意味で決算の再審査についてはどのように考えるか、伺っておきたいと思います。  消防局にお伺いします。  防火管理者危険物取扱者不在について、再発防止策として、特別な査察は考えているのか、お伺いしておきます。  それから、監査委員にお伺いします。  改めて住民監査請求がなされるとのことでありますけれども、受理される法的要件について伺っておきたいと思います。 134 ◯代表監査委員(村松 眞君) 住民監査請求の法的要件についてお答えをいたします。  住民監査請求の法的要件につきましては、地方自治法第242条に規定されているところでありますが、請求者が静岡市の住民であること。それから市長や市職員等に違法もしくは不当な公金の支出、財産の取得、管理、処分、契約の締結、履行、債務、その他の義務の負担があると認めること。または、違法もしくは不当に公金の賦課徴収、財産の管理を怠る事実があると認めることとされておりまして、これらに対する請求は原則1年以内にすることとされているところでございます。  住民監査請求が行われた場合は、監査委員がこれらの条件が具備されているか否かを審査し、受理、不受理の決定をすることとなります。 135 ◯環境局長(小林正和君) 本市が行っております水資源調査の内容についてでございますが、JR東海が事業実施に伴い、河川流量等への影響を予測・評価するために用いた水収支の解析手法は、降った雨の量や川など陸地の表面に流れる水の量、地下を流れる水の量などを事象ごと、流動モデルを作成して、それぞれ相互の作用を勘案し、計算したものであります。  この手法に対しまして、国土交通大臣意見では、山岳トンネル部の湧水対策は、工事実施前に三次元水収支解析を用い、より精度の高い予測を行う必要性があると述べています。  本市が実施する水資源影響調査では、地上から地下まで流れる水を一体的に計算する、より精度の高い予測を行うことができる三次元水収支解析手法を採用し、南アルプスの環境変化を把握するための基礎資料として活用してまいります。 136 ◯企画局長(加藤正明君) 駿府城公園の周辺の整備とまちづくりについてお答えいたします。  駿府城の再建を目指した周辺の整備、まちづくりにつきましては、3次総骨子案の重点プロジェクトである歴史都市の中でも「駿府城公園を中心とした駿府城下町地区に、集客性の高い歴史文化施設を整備するとともに、静岡浅間神社や臨済寺など徳川家康公ゆかりの地との回遊性の向上に取り組みます」と位置づけております。  そして、この方針に基づく整備の第一歩として、本年9月補正予算で、駿府城公園内に情報発信・おもてなし拠点を開設する費用や、駿府城公園を桜の名所とするための植樹と環境整備に係る費用を計上してございます。  天守閣は当然でございますが、駿府城公園とその周辺地区は、本市の歴史文化の拠点であるばかりでなく、交流人口の拡大を狙う上で、重要な地域資源を有する地区でありますので、天守閣再建を目指した取り組みとあわせ、ハードとソフト両面から磨き上げを行い、魅力を高め、多くの観光客が何度も訪れたくなるエリアとしていきたいと考えております。 137 ◯保健福祉局長(松本泰典君) それでは、指定管理者制度についての質問のうち、人件費に関する2点の質問、積算内訳の職員数より実績がふえているが、これはどのような証拠書類に基づいて審査し、妥当としたのか。また、賞与の決算額が積算内訳と乖離しているが、この実態はどのような証拠書類で審査し、評価しているのか。以上につきまして一括してお答えします。  まず、積算内訳書は、指定管理の上限額を決定するために市が算出しているものでございます。指定管理者が作成する事業計画書の人数や金額と必ずしも一致するものではございません。  御指摘の職員の増員については、指定管理者より提出された人員体制表と突合した結果、年度当初に清掃業務を行う職員を雇用したこと、さらに年度途中において介護予防事業に従事する職員を追加雇用したことを確認いたしました。  なお、いずれも短時間勤務の非常勤職員として雇用したもので、その分、人数がふえております。  また、賞与を含めた人件費について審査した結果、事業計画上の予算書と決算書に乖離はありませんでした。  以上のことから、職員数と賞与を含めた人件費のいずれも妥当なものと判断をいたしました。  次に、外部委託費が削減されているが、その削減内容をどのように把握し了承したのか。また、委託先のチェックをどのようにしたのか。建築設備点検と消防法の届け出等が適切に行われなかったのはなぜか。以上、外部委託費等について一括してお答えさせていただきます。  まず、委託費が削減されたのは、指定管理者から清掃業務、樹木剪定業務等を直接職員が行い、時には利用者の協力を得て実施するとの報告を受け、了承しております。  これは、職員みずからが清掃し、隅々まで目が行き届くことで、ふぐあい等を早期に発見し、修繕対応等ができることや、利用者の社会参加や生きがいづくりが促進できるという、指定管理者からの提案によるものです。  また、外部委託先のチェックについては、指定管理者から報告書を提出させ、確認をしています。  次に、建築設備点検が適切な時期に行われなかったのは、本市における進捗管理のチェック体制が不十分であったと認識しています。  また、消防法上の届け出については、さきにお答えしたとおりでございます。  最後に、指定管理者について、11館中8館の館長が退職しているが、事実関係をどのように把握し、どのような評価をしたのか。一般管理費が予算と比べ増額している理由は何か。決算の再審査についてどのように考えるか。以上3点について、一括してお答えします。  まず、館長の退職についてですが、指定管理者から報告を受けた都度、聞き取りを行ったところ、その主な理由としては、指定管理者が交代し、経営方針が大きく変わる中で、みずからの意思で離職したということでありました。  本市としましては、安定的な運営と利用者との良好な関係構築のためには、館長が短期間で交代するのは好ましくないとの考えから、現場職員への聞き取りを行いました。その結果を踏まえ、指定管理者に対し、短期間での人事異動の改善や風通しのよい職場づくりについて申し入れを行い、改善が図られました。  次に、本部の運営等に係る一般管理費の主な増加理由は、管理体制強化に係る職員の増員、事業所の移転に伴う賃借料などでございます。  また、決算の再審査については、事業計画書と事業報告書を確認した結果、妥当なものと認識しているため、再審査を行う考えはありません。 138 ◯消防局長(岩崎幹生君) 再発防止策としての特別な査察についてですが、現在は消防法令上、適正に管理されているため、実施については考えていません。   〔24番松谷 清君登壇〕 139 ◯24番(松谷 清君) それでは、3回目の質問をさせていただきます。  リニアの問題は、先ほども言いましたように、静岡市が鍵を握っているということでありまして、我々市議会、そして市長と連携して、県内の市町の皆さんと一緒に立ち向かっていく必要があるということで、受けとめたいと思います。  それで、3回目でありますけれども、この調査に私はもちろん期待しているわけでありますが、さらに世界水準で南アルプス、世界的な公共財産を発信し、守っていくということについては、実は生物多様性条約COP12がこの10月6日から17日まで韓国平昌において開催されます。  南アルプスは、世界水準の公共財産として国際水準において守らなければならないわけであります。この会合には世界の政府、NGOが一堂に会し、2014年、生物多様性国際会議COP10、名古屋での愛知ターゲット、20の項目が目標で掲げられたわけでありますけれども、その中間総括が行われます。  私は、この南アルプスを巨大トンネルから守る市民プロジェクトの一員として参加もするわけでありますが、この20の目標中、自然生息地を守る、森林の保全、保護地域の管理、この3項目についてリニア工事は抵触すると私は考えますけれども、市はどのように考えるのか、伺っておきたいと思います。  次に、指定管理者の問題でありますが、要するに問題がなかったという、問題はややあったけれども、問題はなかったという態度をとっているわけでありますけれども、私の質問はどのような証拠書類に基づいてチェックされたんですかと質問しているんですが、つまりそれはやっていないということなんですね。管理者の言い分をそのまま受けていると私は聞きました。  その意味で、答弁と告発された市民の方の主張には、相当な開きがあります。コンプライアンスの欠如、賞与の大幅削減、半強制的な積み立て制度による内部資金化、その資料の5ページです。人件費増でサービス向上との説明ですけれども、11館中、清水折戸など4館は人件費が減額しているけれども、利用者数は増加をしております。  4番目に、予算組み替えによる人件費増に福祉用具事業費など他事業の人件費がまた…… 140 ◯議長(石上顕太郎君) あと1分です。 141 ◯24番(松谷 清君)(続) 本部管理費の他事業の事業分が含まれていないか、こうした疑いもあるわけであります。労務管理による労働基準法違反などさまざまであります。  告発した市民の方は、指定管理者の言い分をうのみにせず、決算審査のやり直しを求め、行政の公正さを示してほしいと訴えているわけであります。  そこで、2点お伺いします。  その結果によっては、地方自治法第244条の2第11項に基づく指定取り消し、監査請求が受理されれば、指定管理料の返還措置もあります。こうした中で指定管理者の継続についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。  次に、指定管理事業には、高齢者施設だけでなく、子供の施設もあり、いずれも命にかかわるものであります。法令遵守や決算状況のチェックについては、今回のようなケースを踏まえ、今後どのように指導していくのか、総務局に伺って、質問を終わりたいと思います。 142 ◯環境局長(小林正和君) 南アルプスにおけます生物多様性と愛知目標との関係に関する御質問でございますが、JR東海が作成いたしました中央新幹線環境影響評価書に対する環境大臣意見では、事業の実施がユネスコエコパークとしての資質を損なうことのないよう、事業実施に際しては、関係地方公共団体と十分に調整し、その意向を尊重することと述べております。  そのため、本市におきましては、JR東海に対しまして、南アルプスの多様な生態系、それらが織りなす生物多様性、またすぐれた景観などの自然環境を損なうことがないよう求めてまいりたいと考えております。 143 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 現在の指定管理者の継続についてどのように考えているのかとの質問にお答えします。  平成25年度、老人福祉センター等の管理において、一部不適切な管理があったものの、それについては既に改善が図られています。また、指定管理者は本市の施策を十分理解し、時代が求めている介護予防の推進、利用者の社会参加等を積極的に実施し、多様化する市民ニーズへの対応と市民サービスの向上を図っています。  その具体的な事例としては、全館における「しぞ~かでん伝体操」の実施、用宗老人福祉センターにおけるマシンを使った筋力トレーニング、全館合同のかるた大会など、これまで全国で培った独自のノウハウを生かし、地域に根差した事業展開を行っております。  その結果、施設利用者は、平成25年度11館において、ワーカーズコープが指定管理者になる前と比較すると、年間で約1万5,000人増加しており、また利用者アンケートにおいても、約6割の方から管理運営がよくなったという回答を得ております。  したがいまして、特定非営利活動法人ワーカーズコープは、指定管理者として継続できるものと考えております。 144 ◯総務局長(三宅 衛君) 指定管理者の法令遵守や決算状況のチェックについてですが、指定管理者制度は、公の施設の管理を包括的に指定管理者に行わせるものでありますが、市は設置者として施設が適正に管理運営されていることを確認する必要があります。  そのため、本市では、指定管理者が四半期ごとに行う定期報告において、施設利用や人員配置、業務実施の状況をチェックリストなどにより確認し、必要な指導を行うこととしています。  また、年度終了後には、地方自治法第244条の2の規定に基づく年度報告において、年間の業務の履行状況のほか、利用者満足度や第三者委託、収支の状況などを確認することとしています。  そして今回、法令が遵守されていない事例が生じたことを踏まえまして、このような事態を早期に把握し、必要な指導を行っていくため、今後、定期報告による確認や指導が適切に行われるよう、庁内説明会などを通して指定管理施設の所管課に周知徹底していきたいと考えております。    ─────────────────── 145 ◯議長(石上顕太郎君) 本日はこれにて延会いたします。         午後4時27分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...