開議宣告(終了)
一般質問(続行)
休憩宣告(終了)
開議宣告(終了)
一般質問(続行し,26日も続行)
次会の開議通知(26日午前10時開議を宣告)
散会宣告(終了)
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出 席 議 員 氏 名
1番 海 徳 裕 志 2番 山 本 昌 宏
3番 山 内 正 晃 4番 山 路 英 男
5番 木 戸 経 康 6番 平 野 太 祐
7番 石 橋 竜 史 8番 森 畠 秀 治
9番 定 野 和 広 10番 近 松 里 子
11番 森 野 貴 雅 12番 森 本 健 治
13番 碓 氷 芳 雄 14番 西 田 浩
15番 渡 辺 好 造 16番 宮 崎 誠 克
17番 大 野 耕 平 18番 三 宅 正 明
19番 伊 藤 昭 善 20番 桑 田 恭 子
21番 馬 庭 恭 子 22番 藤 井 敏 子
23番 豊 島 岩 白 24番 八 軒 幹 夫
25番 八 條 範 彦 26番 原 裕 治
27番 米 津 欣 子 28番 安 達 千代美
29番 星 谷 鉄 正 30番 平 木 典 道
31番 今 田 良 治 32番 元 田 賢 治
33番 谷 口 修 34番 竹 田 康 律
35番 村 上 厚 子 36番 中 原 洋 美
37番 中 森 辰 一 38番 酒 入 忠 昭
39番 佐々木 壽 吉 40番 太 田 憲 二
41番 若 林 新 三 42番 熊 本 憲 三
43番 山 田 春 男 44番 児 玉 光 禎
45番 金 子 和 彦 46番 永 田 雅 紀
47番 沖 宗 正 明 48番 土 井 哲 男
49番 木 山 徳 和 50番 種 清 和 夫
51番 中 本 弘 52番 木 島 丘
53番 碓 井 法 明 54番 藤 田 博 之
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欠 席 議 員 氏 名
な し
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職務のため議場に出席した
事務局職員の職氏名
事務局長 田 原 範 朗
事務局次長 重 元 昭 則
議事課長 石 井 一 司
議事課課長補佐主任事務取扱
小 田 和 生
議事課主幹 立 原 満
議事課主幹 今 井 悦 尚
議事課主査 高 谷 昌 弘
外関係職員
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説明のため出席した者の職氏名
市長 松 井 一 實 副市長 室 田 哲 男
副市長 岡 村 清 治
危機管理担当局長行 廣 真 明
企画総務局長 及 川 享 財政局長 手 島 信 行
市民局長 谷 本 睦 志
健康福祉局長 川 添 泰 宏
こども未来局長 滝 川 卓 男 環境局長 和 田 厚 志
経済観光局長 久保下 雅 史
都市整備局長 山 地 正 宏
都市整備局指導担当局長 道路交通局長 谷 山 勝 彦
古 川 智 之
下水道局長 早 志 敏 治
会計管理者 佐々木 政 弘
消防局長 山 崎 昌 弘 水道局長 野津山 宏
監査事務局長 堀 敬 輔 財政課長 中 村 徹
教育長 糸 山 隆
選挙管理委員会事務局長
久 保 雅 之
人事委員会事務局長
柴 田 吉 男
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午前10時00分開議
出席議員 53名
欠席議員 1名
○永田雅紀 議長 おはようございます。
出席議員53名であります。
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開議宣告
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○永田雅紀 議長 これより,本日の会議を開きます。
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会議録署名者の指名
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○永田雅紀 議長 本日の
会議録署名者として
30番 平 木 典 道 議員
37番 中 森 辰 一 議員
を御指名いたします。
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日程に入る旨の宣告
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○永田雅紀 議長 これより日程に入ります。
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△日程第1 一般質問
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○永田雅紀 議長 日程第1,
一般質問を行います。
発言通告者に順次発言を許します。
7番
石橋竜史議員。
〔7番
石橋竜史議員登壇〕(拍手)
◆7番(
石橋竜史議員) 皆様,おはようございます。
自民党・
保守クラブの石橋竜史です。会派を代表して,今回の
一般質問では,
飲酒運転の根絶へ向けた条例制定についての本市の取り組み,この1点に絞り質問を行ってまいります。
初めに,2013年10月に開催された
決算特別委員会に触れさせていただくとして,本市における
飲酒運転の根絶,その実現へ向け,私は建設関係の項目,
交通安全対策の推進に絡めて質問させていただきました。質問に先立ち,私は委員会室へ等身大の
ラミネート製のパネルと一対の使用されていたシューズを持ち込んだのですが,この等身大パネルと申しますのは,2011年5月2日に,当時16歳の若さで,帰宅中
飲酒運転の車にはねられ命を落とされた高校生の身長を再現したものであり,シューズは彼が生前に愛用していたものでした。また,
委員会質問の冒頭では,最愛の息子さんを理不尽な事故で失ったお母様の手記を代読させていただいたのですが,たった一つの
飲酒運転が一体何をもたらしたのか,この事実を皆様で再認識すべく,いま一度ここに御紹介させていただきます。
帰りが少し遅くなるから,息子からメールがあったのは,2011年5月2日の夜8時ごろでした,高校2年だった息子は
自転車競技部に所属,4月の県大会は団体戦で2位の好成績を上げ,ますます熱心に練習するようになり,その日も翌日からの合宿に備え,競技仲間がいる別の高校を訪問していたのでした,仕事から帰ったばかりの私は,疲れからうとうとしながら息子の帰りを待っていました,リビングの電話が鳴る,警察からでした,電話口で告げられたのは,とても信じられない内容で,近くの県道で自転車と軽乗用車が衝突したこと,自転車に乗っていた若者が全身を骨折,心肺停止となり,ICUに運ばれたこと,そして,自転車の登録番号が息子のものであること,一体何が起きたのか,何をすればよいのか,全くわかりませんでした,娘に言って,何度も何度も息子の携帯電話に連絡させましたが,全くつながりません,涙が頬を流れてくるのを感じました,娘はぶるぶる震えています,病院に向かう車の中で主人は部活顧問の先生に電話しようとしたのですが,何度やってもうまくボタンが押せません,皆が激しく動揺していました,息子に会えたのは,夜中の3時を過ぎてからでした,息子は顔を包帯に包まれ,ベッドに横たわっていました,包帯からのぞく皮膚は腫れ上がり,両足の太ももは逆方向に曲がっていました,どう声をかけていいのか,私は言葉が見つかりません,目の前にいるのが果たして本人なのか,どうも確信が持てなかったのです,でも,親指の爪についた歯の跡を見たとき,ああ,やはり息子なんだなと思いました,時々爪をかむのが癖だったからです,事故の詳しい状況は,なかなかわかりませんでしたが,しかし,通夜の日になって事故に
飲酒運転の疑いがあると報道で知り,やがて少しずつ全容が見えてきました,あの夜,泥酔状態のドライバーの運転する車が中央線を大きく乗り越え,対向車線を走っていた息子の目の前にいきなりあらわれ,はねたのが真相でした,息子は車の
フロントガラスに頭を突き入れ,ボンネットに乗った状態になり,車はそのまま100メートルも走り続けたそうです,そして,対向車を避けた拍子に体は歩道に投げ出され,車は蛇行し,50メートルほど先でやっととまったということでした,供述調書を読み,事実が明らかになると,怒りと無念さで心が張り裂けそうになりました,どうして私の息子の命が奪われなければならないのか,
飲酒運転への社会の目は厳しくなっているのに,どうしてなくならないのか,息子の死をきっかけに,
飲酒運転を我が身の問題として捉え,悲劇を防ぐよう,自分たちの力で何ができるのかを考えるようになりました,進学して,成人して,結婚して,子供ができて,そんな将来や命のつながりを息子は失ってしまいました,それが何より悲しい,
飲酒運転が厳罰化され何年もたつのに,悲惨な事故は今も後を絶ちません,広島県でも
飲酒運転事故件数と死亡者数が昨年を上回ったと聞き,改めて憤りを感じます,もうこれ以上,誰ひとりとして被害者にも加害者にもなってほしくない,今はそうした思いでいっぱいです。
さて,お母様の手記は以上となりますけども,この事故から先月で6年が経過いたしました。精神的にも多大なる傷を負わされた御遺族の皆様は,今なお心の葛藤と向き合いながらも,一方では,二度と同じような悲劇を生み出してはならないと,乱暴運転,
飲酒運転の根絶へ向けて,時には県外へ足を運ばれるなど熱心に活動を継続されています。
そこで,改めて近年の
飲酒運転を取り巻く社会状況を振り返ってまいりますが,全国各地において
飲酒運転による悲惨な死亡事故が相次ぎ,大きな社会問題となった時代を契機に,2001年,また2002年には法改正による
飲酒運転の厳罰化が進み,しかも,この潮流はとどまることなく,2004年には
飲酒検知拒否に対する罰則や
危険運転致死罪の法定刑が引き上げられるなど,新たな被害者や加害者の発生を抑制すべく,
飲酒運転に係る法整備,
社会環境整備が着々と進められてまいりました。その後も,2007年にはさらに
道路交通法が改正され,2009年には悪質・
危険運転者に対する行政処分が強化されるなど,こうした新たな社会風土の醸成により,
飲酒運転による事故の発生件数は年々確実に減少傾向にあります。
しかしながら,我々は
飲酒運転による事故の発生件数や検挙件数,それに伴うけが人や死亡者数が前年や過去と比較しての減少を目標に掲げ取り組んでいるものではありません。多種多様なる人々が暮らしを営まれる社会にあり,決して簡単な道のりとは言えませんが,絶対にそんな悲しい思いを二度と誰にもさせてはならないと,
飲酒運転の根絶,つまりは高い目標となるゼロを目指して,現在,取り組んでおります。
もちろん,本市においても,2012年の7月に議会が一致団結しては,
市議会議長名において,まず国へ対して
危険運転等根絶のための対策の強化を求める意見書,また,同時期に県知事と
県警本部長に対しては,
飲酒運転撲滅のための条例制定を求める意見書をこれまでも提出してまいりました。一方,
行政サイドでも,2014年の12月に官民で取り組む
飲酒運転根絶キャンペーンの一環において,依然として
飲酒運転が後を絶たない状況を踏まえ,
飲酒運転をしない,させない,許さないのスローガンのもと,今後も行政,関係機関が一丸となって
飲酒運転の根絶に全力で取り組んでいくと松井市長が誓いの根絶宣言をなされております。
そこで,これより,ある関係機関による
飲酒運転に係る
研究データを御紹介させていただきますが,国による幾度にもわたる道交法の厳罰化などの動きに伴い,定期的にメディアなどを通じ,
飲酒運転とのワードが世間に発せられては,人々の耳目へ届く機会が増加したことにより,その都度国民への啓発につながるなど,後を絶たぬ
飲酒運転に一定の抑止力が働いたことが確かに見てとれる検証結果も出ております。
しかしながら,こうした効力は,人々の記憶が風化していくに当たり,およそ2年間くらいの期間をもって徐々に希薄化するデータも顕著にあらわれており,喉元を過ぎればではありませんけども,やはり我々は官民一体となって
飲酒運転根絶へ向けた新たなアクションを起こし,継続性を持って取り組みながら,かつ,定期的に現状を発信していかなければならないかと存じます。
そう考えますと,さきに触れさせていただいた
決算特別委員会の後,地元広島を初め全国での不慮の事故や悪質なる事件で命を落とされた方々の等身大パネルと生前に使用されていた靴を展示する生命の
メッセージ展を多くの議員の方々と行政側の多大なる御理解,御協力を賜り,議会棟の1階
エントランス並びに本庁の1階
市民ロビーや各区役所でも開催する運びにつながったことは一つの適例であり,改めて
関係者各位へ深く感謝,御礼を申し上げます。
また,こうした一連の動きがあった後も,全国へ目を向ければ,
飲酒運転の根絶を掲げ,福岡県や沖縄県,大分県に山形県,宮城県に北海道など,既に明確な条例を制定されている自治体も多く存在し,さきに
広島市議会として県知事や
県警本部長へ
飲酒運転の撲滅のための条例制定を強く要望したとおり,その実現へ向けて,私も複数の会派にまたがる幾人かの
広島県議会議員へ協力を要請してまいりました。そこでは,都度応対してくださる方々も,事案が事案だけに否定的な態度をとる方は誰ひとりいらっしゃいませんでしたが,ただし,法的な縛りが派生する条例の制定に関しましては,相応の時間と調整を強いられることや,現在,
飲酒運転に関しましては法的にも厳罰化が進んでいる折,屋上へさらに屋を架してどうするんだ,こうした先方様の率直な反応も多く,なかなか事態は前進を見せません。
重ねて申せば,私もみずからが法制に関し徹底した知識を持つなど造詣が深いわけではありませんので,まずは条例制定の実現へ向けて,全てを広島県などの行政頼みにするのではなく,議員立法の可能性も選択肢に入れながら各所へ出向き,御指導を仰いでまいりましたが,みずからの力不足を恥じるばかりであれ,状況は好転せぬまま暗中模索の日々が続きました。
しかしながら,今この瞬間も,常に全ての市民や県民の皆様は理不尽なる事故や事件に遭遇する危険にさらされており,その一因となります
飲酒運転につきましても,被害者やその御家族に周囲の人々はもちろんのこと,加害者や加害者の御家族まで不幸にしてしまうものであり,このまま人任せに看過するわけにはまいりません。
そんなさなかにあって,県域での条例制定が動きを見せぬなら,まずはそこへ波及させる先駆的な一歩として,広島市行政や市議会にはその道に精通する人々が多くいらっしゃり,私たちの広島市ができることから始めるべきである,こんなに恵まれた環境に身を置きながら何に対して二の足を踏んでいたのであろうか,改めて私の胸中にこうした方向性を気づかせてくれた,あるきっかけが先月訪れました。それは,さきにも触れた
飲酒運転によって命を落とされた
自転車競技部の高校生6年目の命日に当たり,これはことしの5月2日になりますけども,今なお心の葛藤にさいなまれるお母様を取材された新聞記事であり,その報道内容をいま一度御紹介させていただきます。
加害者の男性は
危険運転致死罪が適用され,現在服役中ですが,その獄中からこれまでも被害者の御遺族へ向けて34通の手紙を出していらっしゃり,御遺族は2015年の秋にそのうちの23通をまとめて受け取られます。しかし,それまで加害者から送られてくる手紙の内容は謝罪の言葉ばかりが目立ち,みずからがいかに変わり,今後いかに行動していくのか,このあたりが伝わってこなかったため,手にした手紙への反応は控えられていたのですが,亡くなられた息子さんの5回目の命日を機に,御遺族は初めて手紙の返信を決意されました。内容は,息子さんが生きていれば22歳で,同じ年代の若者を見ると複雑な気持ちになること,
飲酒運転の根絶へ向けて講演活動を続けていることなど心のうちを便箋3枚につづり,また昨年の秋には直接語りかける機会が生まれ,実際に面と向かい,息子さんの好物を振る舞いたい,あなたと本音で話がしたい旨を告げられたそうです。すると,ことしの1月に加害者から受け取った手紙には,刑務所で生命の
メッセージ展が開かれ,息子さんの等身大パネルに遭遇しては動くことができなくなった体験を打ち明けられ,自分に何ができるのかを考えると,手紙の内容には明らかな変化が見られてまいりました。御遺族は,反省は強要しません,みずからの罪に真正面から向き合い,答えを出してほしいと望まれ,加害者の男性は出所後にお墓参りを約束されたのです。
最愛の息子さんを
飲酒運転の事故により亡くしながら,その加害者に対して息子の好物を振る舞いたいとまで寛容なる態度で臨まれるお母様。また,事故の後,多くの人々から多大なる御支援をいただきながら,いまだ何も御恩返しができていないと自省を続けられるお母様。もちろん,本市だけをとりましても,不慮の事故などで親族や友人,知人を失い,今なお苦しみを抱えている方々は多く存在していらっしゃいますが,私は切に感じるのです。およそ119万人が暮らす本市でありますけども,例えば幾度も言及している御遺族のお母様お一人を挙げさせていただいても構いません。そのお一人の気持ちをみんなで酌み取れる,そのお一人へみんなで救いの手を差し伸べられる,そんな行政や議会であり,広島市であってほしいと心から願うものです。
高いハードルは行政手続にあるのではなく,我々の心の中にあり,今こそ打破しなければなりません。つきましては,一つの道筋として,他都市の先進事例に倣いながら具体的な条例の中身に目を向けてまいりますが,現在,各自治体が既に制定,施行されている
飲酒運転の根絶に係る条例につきましては,現行制度に輪をかけてさらに厳罰化していきましょうと,このような趣旨ではございません。厳罰化されてる現状はどこも十分御理解されながら,しかし,法令と申しますのは四角四面のがんじがらめにあらず,柔軟に法解釈がなされるための有余が内包されており,つまりは,現行の厳罰化された法制度でもカバーできない部分を補完,補うべく,各自治体はあえて条例を制定されています。
こうしたスタンスを顕著に,しかも詳細にわたって定めているのが,2006年に
飲酒運転の事故により幼い3人の命が無慈悲に奪われ,その恐ろしさと衝撃を全ての県民に降りかかる可能性にまで真摯に受けとめ,金輪際,
飲酒運転を絶対に許さないとの決意後,
飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例を制定,公布された福岡県であり,条例の前文には,今後へ続いてくる自治体へまるで指南するかのごとく,次のように明記されています。
法令による厳罰化が進み,
取り締まりの努力が続けられているにもかかわらず,今もなお,
飲酒運転の事故が後を絶たない状況にある,また,
飲酒運転による検挙者の半数が再犯者と推定されていることから,残念ながら常習的に
飲酒運転を繰り返す県民の存在を否定できず,現行法令により道路交通の現場において行われる
取り締まりだけでは,現状を打破することは困難である,まず,常習者の徹底的な自己啓発と県民意識,社会風土の改革が急がれるところである,しかし,一方で,
飲酒運転による検挙者の中には,
アルコール依存症が疑われる方も多数存在することが判明しており,このような疾病の場合には,啓発は功を奏しない,したがって,
飲酒運転の撲滅のためには,
取り締まりの強化だけではなく,まず,検挙者一人一人の特性に応じた適切な予防措置を講じ,二度と
飲酒運転を繰り返させないことが重要である,また,飲食店等において,運転者に飲酒させないための取り組みを進めることも不可欠である,もはや,私たちは,県民の生命と安全が日々脅かされている事態をこのまま看過することはできない,よって,ここに,
飲酒運転撲滅のための施策を総合的かつ計画的に推進することにより,
飲酒運転のない,県民が安心して暮らせる社会を実現するため,この条例を制定するとあります。
続けて,この福岡県の条例の中身に目を移せば,まず
飲酒運転の根絶へ向けて,総合的かつ計画的な施策を策定,実施していく責務を明確に各所へ発生させます。さらに,明文化されている定義を幾つか列挙させていただきますが,例えば,市民の担う役割や
関係事業者,いわゆる飲食店やお酒を販売する事業者に,
タクシー業者や
運転代行業者に至るまでの役割,その責務にとどまらず,
被害者家族への支援や活動の貢献者への表彰,
アルコール依存症の方々への相談並びに
指定医療機関の整備に治療義務,そして何より行政職員や議員における責務にまで及んでいます。
このような条例により,行政や議員に対していかなる役割を課しているかと申せば,市民に範を示す立場を深く自覚し,
飲酒運転は絶対にさせぬよう,強固な決意を持って取り組みに率先して努めなければならないと定め,そんなことは我々が条例で定められるまでもないとの御意見もあるかと存じますが,そうであるならば,明確な我々の意思表示として,
市議会議長名で条例制定の意見書まで提出した後,この直近の5年間でも構いません,自戒の意味を込めながらも,
飲酒運転の根絶へ向けて,どれだけの人々が確固たる熱量と持続性を持って一体どのような活動を展開されてきたのでしょうか。
そもそも,本市にとどまらず,広島県においてはそこへ付随するキャンペーンは行っておりますが,しかし,さきにも触れましたとおり,他の自治体では既に策定,実施されている総合的かつ計画的な施策やロードマップをこの広島で目や耳にすることはございません。ならばと,根本論としてこれまで県警と最も緊密性の高い,しかも広域を網羅する県に条例制定をお願いしてきた,なぜ本市が独自に
飲酒運転根絶へ向けた条例を制定しなければならないのかとの論調があるとすれば,私などは本市としての功名心から本市が先駆的にと提言しているのではありません。これまで条例を制定された他都市の事例を見ても,県とその県内に位置する市が歩調を合わせ,双方が一緒に
飲酒運転の根絶に係る条例を制定,施行されているところも散見され,今後,例えば,県と協議・調整を進めながら広島の県・市が同時に条例を制定されるとなれば,広く県民へ喚起を促すニュースソースとして,より多くの効果を発揮し,最善につながるかとは存じます。
しかしながら,補足として,他の自治体では,たとえ県が先行的に条例を制定され,そこが内容として後追いの重複条例になろうとも,後発の理念条例になろうとも,県任せにするにあらず,各市おのおのでさらに条例を設け,徹底して目標に掲げる根絶を目指されており,裏を返せば,仮に今後,県が単独で条例を制定してくださっても,広島市が国際平和文化都市として心底市民の平穏なる生活,安全を守りたいと願い,取り組むならば,遅かれ早かれ,我々にも条例制定の順番がめぐってくるのではないでしょうか。
肝要なのは県云々にあらず,広島市は揺らがぬ理念により,このような条例を制定していますとの意思表示であり,言い方をかえれば我々は市民の命を重んじ,不断の努力を重ねている姿勢が大事であって,必ずやその取り組みは市民の方々の心へ届き,翻り,市民の皆様が広島市を誇りに感じてくだされば,また郷土愛の醸成にも寄与するものです。
先述の福岡県では── 福岡の場合は根絶ではなく撲滅という表現を用いますけども──
飲酒運転の撲滅へ向けた条例制定に基づき,県民の皆様で一丸となって取り組もうと協力を誓い,宣言をする企業や店舗を募っては,昨年末の時点で宣言された企業は県下およそ3万300社,店舗はおよそ9,500店舗にも上り,より一層
飲酒運転に係る社員教育を施す企業やアルコールチェッカーを全社員に配布する企業まで見られます。また,県のホームページからは,
飲酒運転撲滅キャンペーンのポスターやステッカーにチラシを誰でも簡単にダウンロードができるのですが,宣言をされた飲食店など各店舗では,このような注意喚起用の印刷物をお店の内外や隣接する駐車場などへ掲示されるなど,
飲酒運転を未然に防ぐべく,県民を挙げて徹底した活動が展開されております。
さらに特筆すべきは,条例において教育委員会にも協力を仰ぎ,各カテゴリーの学校,学生を対象に,
飲酒運転に関する安全教育を行う旨まで盛り込んでは,そこへのアドバイザー派遣まで実施されており,繰り返しとなりますが,まずは本市が口火を切れば,こうした輪が広域都市間連携にあるとおり周辺の市町や隣県にまで連鎖反応を及ぼし,
飲酒運転根絶とのキーワードを継続的に発信できる可能性も生じると推察され,とにもかくにも忘れてはならないことは,新たに二度と帰らぬ命が失われてからでは遅いのです。
結びに,ことしの1月30日の朝に島根県で起こった
飲酒運転による事故を取り上げてまいりますが,集団登校の児童をボランティアで見守っていた73歳の男性が,
飲酒運転による軽トラックにはねられ,翌日亡くなられました。この男性は,33年前に当時小学2年生だった娘さんを下校時の交通事故で亡くしてからというもの,同様の事故を未然に防ぐためボランティアで見守り活動を続けていらっしゃり,また15年ほど前からはお孫さんの小学校入学をきっかけに,往復で1時間以上もかかる登校時の道のりを付き添いまでされるなど,地域住民からも非常に慕われていた人物でした。そして,事故当日の朝,登校中の児童の列に
飲酒運転の軽トラックが突っ込んできたのをいち早く察し,みずからの身を挺して男の子をかばい,守り,はねられた直後もけがをした子供たちへ向けて大丈夫かと声をかけ続けられたそうです。こうした方々の確かに歩まれた人生を,確かに刻まれた御功績を無にしないためにも,今生かされている我々がいかに取り組んでいくのか。
そこで伺ってまいります。広島市における
飲酒運転根絶へ向けた条例,その制定へ向けて,本市は現状をいかに捉え,また今後へ向けてもいかに取り組んでいこうと考えていらっしゃるのか,ここにお聞かせください。
お一人お一人の生活があり,その一つ一つの大切な命が尊厳を持って日々を安寧にこの広島市で暮らしていける。他都市と同様,
飲酒運転の根絶へ向けた条例が制定され,向こう10年,30年,50年の間でも構いません,一つの命が失われるかもしれぬ事故を未然に防げたならば,それは現在,行政や議会にかかわる今ここにいらっしゃる皆様の大きな功績と何よりの存在意義につながるのではないでしょうか。はるか壮大なる夢の話をしているのではありません。幾人も幾都市もが既に取り組んでいる話です。
さきにも述べました他都市の
飲酒運転根絶にかかわる条例では,毎月特定の日を
飲酒運転根絶の日として定めている自治体もあれば,年に一度,特定の1日を同様に
飲酒運転根絶の日に定めているところもあり,本市でも定期的に注意喚起を促すべく,こうした
飲酒運転根絶の日を導入するのも一つの手法かと存じます。
来年の5月2日には,あの16歳の若さで亡くなられた高校生の7回目の命日を迎えます。とかく我々は未然に防ぐなど視線を未来ばかりへ向けてしまいますが,こうした条例は
飲酒運転により近しい人を失い,今もなお日々を懸命に生きていらっしゃる御遺族の方々へも一つの励みとして届けられる贈り物であり,広島市としても市民の悲しみや憤りに寄り添う何よりの平和行政につながるものです。来年の5月2日には御遺族の方々が墓前において本市が定めた条例の御報告が必ずやできるよう,どうか皆様方のお力添えを信じて,まず私の
一般質問を以上といたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○永田雅紀 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 石橋議員からの御質問にお答えします。
飲酒運転の根絶に向けた条例制定についての御質問がございました。
全国における飲酒事故の発生件数は,平成18年に福岡市で起きた痛ましい事故以降,減少傾向にあるものの,依然としてなくなることはなく,とうとい命が奪われております。突然にしてかけがえのない家族を失った遺族の方々の思いを重く受けとめ,
飲酒運転の根絶に向けて力強く取り組む必要があろうと思います。
議員お尋ねの
飲酒運転根絶に向けた条例については,
飲酒運転対策が単一の自治体だけでなく広域的に取り組むことでより効果が発揮されると考えられること,また,
道路交通法等に基づく広島県警察の
交通安全対策と連携して展開することは有効であることなどから,まずは県レベルでの制定を優先すべきだというふうな考え方に立っております。
本市としてもこれまで,飲酒事故により大切な家族を失った御遺族の思いを真摯に受けとめ,平成24年6月に広島県に
飲酒運転撲滅に向けた条例の制定を申し入れているところであります。また,同年の7月には市議会においても,県が主体となって諸施策を総合的かつ効果的に推進する必要があるとの観点から,広島県に対して意見書を提出し,条例の制定を強く要請されているところでもあるわけであります。
しかしながら,県では他県で制定されている条例の効果を検証し,その結果も踏まえて
飲酒運転根絶対策分科会を設置し,平成26年2月,常習違反者に対する再犯防止策などの具体的な対策を取りまとめ,
飲酒運転根絶に向けた取り組みを推進しているところであります。本市としても,この分科会の構成員として取りまとめに加わるとともに,酒類を提供する飲酒店に対するハンドルキーパー運動を初めとして,
飲酒運転を許さない環境づくりに向けた取り組みを積極的に進めてきております。さらに,官民一体となって
飲酒運転の根絶に向けて取り組む「HIROSIMA
飲酒運転ゼロPROJECT」2015
飲酒運転根絶キャンペーンの開始に当たりましては,平成26年の12月,市長として,広島市民は強い自覚を持って行政,関係機関と一丸となって
飲酒運転の根絶に全力で取り組む旨,広島市
飲酒運転根絶宣言も行ったところであります。こうしたことを踏まえながら,今議員の発言を聞かせていただきました。
確かに
飲酒運転根絶に向けた条例制定について,実現してない状況にありますが,飲酒事故のない安全で安心して暮らせる社会の実現というのは全ての市民の願いであり,また,県,県警を初めとした関係機関,市民,民間企業が一体となって取り組むべきものであるとも考えております。そこで,議員の御質問にありました
飲酒運転根絶の日を定める条例ということについて,市議会とも一丸となって県に働きかけるということも現時点で考え得る一つの具体的な方策ではないかなというふうに考えているところであります。
○永田雅紀 議長 7番石橋議員。
◆7番(
石橋竜史議員) 今御答弁を頂戴しました。私もまずもって今回こうした機会を得られて,30分を費やして皆様に改めて
飲酒運転根絶ということに関して発言の機会を得られたということをまずは感謝申し上げたいと思います。
一つ,まずは先ほど30分話した中でもちょっと言い足りない部分があったんで,改めて現状の再認識として,今この過去10年,十数年,
飲酒運転に関しましては
道路交通法に関しましても厳罰化が進んでおります。この広島県を見てみると,それこそ2000年代前半などは検挙者数が3,200件以上ありました。しかしながら,皆さんがこうやって地道に取り組むことによってその検挙者数も徐々に減少してきて,現在は大体700件ぐらいを推移しております。でも,一つ言えることは,検挙者数が700件前後ということは,
飲酒運転をして,表現は失礼ですけど見つからなかった人,逮捕されなかった,検挙されなかった人がその背景に何倍もいらっしゃるということです。そしてまた,死亡者数も確かに減ってはいるんですけども,例えば負傷者ということを考えた場合に,
飲酒運転の事故で今,年間平均,減ってはいますけども150件ぐらいを推移しております。これはたまたま負傷で済んでおりますね。だから,ひょっとしたらこの150人の人たちが
飲酒運転の事故によって死亡者数に回る可能性は今後十分にあるかもしれない。ずっと右肩下がりに下がってきたこの数値が,この直近,五,六年ではずうっと横ばいを続けております。つまり,我々はとかく減っているんではないかなと思いますけども,ある意味頭打ちといいますか,高い水域で,広島県の場合は47都道府県の中でもワースト10位ぐらい,高い位置にいますけども,その高い水域で下げどまりというか,もう横ばいをずっと続けてる状態が続いてるんですね。だから,そういった意味でそういった現状も踏まえながら,改めて私たちはまた新たなアクションを起こしていかなければならないのではないかという意味で今回質問をさせていただきました。
また,やはり犯罪というのは,
飲酒運転に限らずですけども,犯罪であったりするものは経済と密接に相関性があって,例えば,今後より一層少子高齢化などによって不景気になっていくとまた,ちょっと表現は不穏当ですけども,アルコールに溺れる方ですとか
飲酒運転がまたふえる可能性というのは今後十分にはらんでるんですね。だから,そういった意味で本当に誰一人そういう悲しい思いはさせてはならないという思いで今回発信させていただいております。
もちろん,例えば,
広島市議会でも過去130年の歴史がある中で,私がぱっと言って満額回答が得られるとも思っておりませんし,かといって,そこでたとえゼロ回答であっても私は一喜一憂するつもりはないんですけども,まずは何かできることがあるんではないかということで,我々市議会としても,そして我々議会としても,例えば意見書であったり,さきにも言われましたように県のエリアで制定していく,これは当然です,大前提です。やはり広域を網羅して県でやっていただく,それは大前提ですので,我々も引き続き県にも投げかけていきたいと思います。
そこで,改めてちょっと一つ伺うんですけども,広島市も5年前には申し入れをされておりますけども,改めて広島市として,また松井市長としても県知事や
県警本部長に条例を必ずや制定していきましょうと訴えていただけますでしょうか。
○永田雅紀 議長
道路交通局長。
◎谷山勝彦
道路交通局長 先ほど市長が御答弁いたしました
飲酒運転根絶の日を定める条例と申しますのは,県民,市民の
飲酒運転根絶に向けた気持ちをまとめて新たにするという意味がございます。県レベルでの早期の条例制定への一つの道筋であるというふうに考えておりますので,前回平成24年と同様に,市と市議会と力を合わせて要請をしていくことができれば有効ではないかというふうに考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 7番石橋議員。
◆7番(
石橋竜史議員) もう一つだけ,時間もございますんで。先ほどから幾度も御遺族の方,お母様のいろいろな手記ですとか御紹介させていただきましたけども,ことしの5月2日に6年目の命日を終えられたその後に,そのお母様がSNS上でちょっとみずからの思いを吐露されてるんで,ちょっとそれを紹介させていただきたいんですけども,この1年はいつも変わらず支えてくださる方々のお力をおかりしながら,自分の弱さに対峙した1年でした,そして,深く考えさせられた1年でもありました,常にここにある幸せを感じて主体的に人生を生きること,それを亡き息子が望んでいると思うから,悲しみや怒りだけでは誰も幸せになれないから,負のサイクルを断ち切れないから,まだまだ皆様の御厚意を生かし切れていませんし,本質をつかめていない不完全な母ですが,その分伸び代はたっぷりです。ここからです。よろしいですか,ここからです。いつの日か正義や正論にかわる何かをフィードバックしてくださること,何年かかっても果たしてくださる方がいらっしゃると信じていますとあります。
これは我々に向けられてると思うんですね。だから,本当条例の制定に関しましても簡単な道のりではありませんし,私もいきなりスタート時から100点満点でスタートしようとは思っておりません。福岡県なども幾度も幾度もブラッシュアップして改定して最新のものにしていっております。だから,そういった意味では,今まさにまずはできるところからいち早くということで,
飲酒運転の根絶の日を定めるということは,本当定期的に市民,県民の皆様へ発信できる好機だとは私も思いますし,何よりもまた行く行く,できるだけ一日も早く,また県において,そして市においても条例の制定に向けて引き続き我々も行政頼みだけにするんじゃなく,議会も取り組んでまいりたいと思いますんで,引き続きですけども,皆様,全ての皆様の御協力のほど,よろしくお願いします。
以上です。
○永田雅紀 議長 次に,5番木戸経康議員。
〔5番木戸経康議員登壇〕(拍手)
◆5番(木戸経康議員) 皆さん,おはようございます。
自由民主党の木戸経康でございます。会派を代表いたしまして一般質問をさせていただきますので,しばらくの間,御清聴よろしくお願いをいたします。
まず,全国都市緑化フェアについてお尋ねをいたします。
松井市長は,活力にあふれにぎわいのあるまちを実現するために,広島駅周辺と紙屋町・八丁堀を中心に楕円形の都心づくりを進めてこられました。その結果,広島駅周辺が中四国地方を代表するにふさわしい風格とにぎわいのある空間に生まれ変わったことは,一市民としても誇り高く,うれしく思っております。
また,平和への思いを共有するまちを目指して迎える平和に取り組まれている中で,昨年オバマ前大統領が平和記念公園を訪れ,原爆慰霊碑に献花されましたのは,まさに歴史的瞬間であり,私も心を揺さぶられました。原爆の子の像の近くから原爆ドームを静かに見詰めるオバマさんの姿とその周りにバラの花が美しく咲いていた情景は,万感の思いとともに鮮烈な記憶として残っております。
御承知のように,近年,世界中から多くの観光客が本市を訪れるようになりました。こうした方々に被爆の実相に触れていただくとともに,75年間草木も生えぬと言われた廃墟と化したまちから復興したこの美しいまちの姿を見ていただくことで,平和への思いを共有していただけるのではないかと思います。
このような中,被爆75周年となる平成32年に,全国都市緑化フェアを広島で開催すると聞いております。平成32年,2020年といえば東京オリンピック・パラリンピックの年であり,同時期にここ広島の地が美しい花や緑で満たされ,多くの人でにぎわうことを考えると,期待に胸が膨らみます。
そこで,幾つかお尋ねいたします。
本市は平成9年に単独で緑化フェアを開催していますが,今回は県内一円で開催することになったのはなぜでしょうか,お答えください。
県内ということであれば,役所はもちろんでございますが,地域の住民,地元の企業などしっかり連携することが必要でございます。大切です。当局にお聞きしますと,県や市町とともにこれから具体的な内容を詰めていくとのことでございますが,やはり気になるのは費用,中でも本市の負担額についてでございます。
そこでお尋ねをいたします。
今回の緑化フェアはどのくらいの費用を見込んでいるのでしょうか。また,県や他の市町との負担割合について,どのように考えているのでしょうか,お答えください。
全県となれば,それなりの費用はかかるでしょうし,負担割合を調整するのは簡単にはいかないでしょう。しかし,ここはやはり広島市がリーダーシップを発揮し,他の役所を引っ張っていただき,その頑張ってる姿勢を市民に見せてほしいものです。そうすれば,よし一緒にやろうという仲間,市民が必ず出てくると思います。そうした機運が高まれば,住民や地域と行政の距離も近づき,それが県下に広がり,まさにオール広島,カープのようですね,厚みのある活力と魅力のあふれた広島が生み出されるのではないでしょうか。
そして,多くの人に広島に来ていただき,広島のファン,サポーターやリピーターになっていただくためにも,効果的なPRが大切です。折しも2020年,東京オリンピックが開かれており,世界中から多くの方が訪れます。そんなときに広島では花と緑の祭り── 緑化フェアをやっているとなれば,ほかにはない大きな強みになると思います。
そこでお尋ねをいたします。
国内外から多くの方に訪れていただくためには幅広いPRが重要であると思いますが,どのように考えておられるのかをお答えください。
さて,花や緑を育てることは誰にでも身近にでき,その美しさに癒やされ,優しい気持ちになったことは皆さんも経験があると思います。こうした機会を若い世代,特に青少年に持っていただくことは,思いやりの心,感謝の気持ちを育むという情操教育にも大きな効果があると思います。
皆さんは,カンナリレーを御存じでしょうか。被爆直後の広島に咲いた真っ赤なカンナの花,人々に生きる勇気と希望を与えたカンナを子供たちが学校で球根から育てて花を咲かせ,再び球根となったカンナを次の学校にリレーしていくという取り組みであり,本市の白島小学校を皮切りに,これまでに26都道府県161の学校,そして世界13カ国に広がっております。こうした市民レベルの取り組みや地道に取り組んでこられた活動が今回の緑化フェアを契機により一層大きなうねりになり,地域が盛り上がり,それが世代を超えて受け継がれていく,そのことが青少年の健全育成並びに非行防止にも大いに役に立つのではないでしょうか。
そこでお尋ねします。
今回の緑化フェアに当たり,このような市民レベルの取り組みや活動と連携し,多くの人々,とりわけ次の世代を担う青少年たちと協働することが大切だと思いますが,どのようにお考えかお答えください。
今回の緑化フェアが地域間の交流や観光振興につながればいいと思いますし,そこに多くの青少年や市民が参加し,世代や地域を超えて多くの人が交流する場となってほしいと考えております。その期待も込めて私も応援していきたいと思いますので,しっかり取り組んでいただくよう,よろしくお願いいたします。
次に,子供の見守り活動についてお尋ねをいたします。
子供の見守り活動は,地域のボランティアや地域団体,保護者などによって支えられています。平成16年には文部科学省から「学校安全緊急アピール−子どもの安全を守るために−」が出され,その後も何度か子供の安全についての通知が出されていると聞いております。
各自治体では,それをもとにさまざまな取り組みを実施して,子供の安全を見守っていただいております。しかしながら,学校内外において不審者等による子供の安全を脅かす事件や登下校時の交通事故による子供たちへの被害が後を絶ちません。学校は,事件・事故はいつ,どこでも起こり得るのだという強い危機感を持ち,子供たちに接しておられると思います。また,保護者も同様な思いではないかと思います。
こうした中,子供たちが安全に安心して学校に通えるよう,学校内や通学路の安全確保は極めて重要な課題であり,地域では多くの見守り活動者が通学路の危険箇所に立ち,子供たちの見守りを行っている姿をよく目にします。現在の見守り活動者の多くは地域のボランティアの方々です。子供たちに降りかかるさまざまな事件や事故を未然に防ぐには,こうした地域のボランティアに加えて防犯対応等についての専門的な知識や経験を持つ方々の力が必要不可欠であると思います。
また,地域で子供たちのために活動している組織にはいろいろな組織がございます。例えば,中学校区に設置されているふれあい活動推進協議会は,小・中学校の教職員,PTA,地域団体の代表者から成り,児童生徒の生活実態の把握や小・中学校の連携に関することなどについて協議をし,活動されている団体です。子供の見守りが主な活動ではないようですが,子供のために活動するという同じ志を持った方々と連携することができれば,見守り活動の裾野がさらに広がるのではないかと思っております。
私も地元では子供の見守り活動などの取り組みにかかわっておりますが,活動を通して,子供の安全は地域ぐるみの取り組みなしにはなし得ることは難しいと考えております。地域ぐるみで見守り活動を推進していくためには,保護者,地域の関係団体,警察,消防などの関係機関と学校が連携し,子供を取り巻くさまざまな状況を理解した上で取り組み体制を整備することが必要と考えております。
以前,子供が安全に暮らせる環境のあり方などを研究している大学の教授が,ある都市における見守り活動を支えるボランティアの活動参加に関する意識調査を行っていましたが,活動を継続していくための要件として次のようなことを挙げていました。子供とボランティアの方々が交流会を行うなど子供の見守りが楽しい活動であること,活動が犯罪不安感の減少に貢献してることを広く情報公開をし,ボランティア活動の正当性を実感させること,地域の子供を誰が守るのかという基本スタンスについてボランティア内で話し合いを行い,意思の疎通を図ることなどです。これらを見ると,地域や保護者に見守り活動の意義を十分に理解してもらい,気持ちよく活動に参加できるよう工夫することが一番大事ではないかと思っております。
本年3月には,千葉県我孫子市において登校中の児童が殺害される事件がありました。事件の容疑者は,被害児童が通っていた小学校保護者会の会長であるとともに,見守り活動を行っていたということでございます。このことは,同じ見守り活動を行っている方や関係者に大きな衝撃を与える大変残念な事件となりました。
広島市におきましても,平成17年11月22日,女子児童が下校中に殺害されるという大変痛ましい事件があり,その事件からはや11年以上が経過しております。この間,多くの人たちの活動により,子供たちの安全が守られてきました。
そこで,広島市における子供の見守り活動について,3点ほどお尋ねをいたします。
一つ目として,現在,地域の子供たちの登下校の見守り活動に協力していただいている方々は何人ぐらいおられるのかお答えください。
二つ目として,見守り活動にかかわっている方の中には,地域のボランティアのほかに,防犯対応などの専門的な知識や経験を持つ地域学校安全指導員が配置されたと聞いております。地域学校安全指導員とはどのような方々で,何人がどのように配置されているのか,また,具体的にどのような活動をしているのかをお答えください。
三つ目として,地域住民や地域学校安全指導員に子供たちの見守り活動を続けていただき,子供の安全を確保していただいておりますが,千葉県我孫子市での事件を受け,見守り活動者が萎縮し,活動がしにくい状況にならないかということが心配されております。今後も見守り活動を続けていくためには,地域や保護者の方々にも活動の果たす役割や重要性を理解してもらうことが大切だと思いますが,市としてどのようなことを考えているのかお答えください。
冒頭でもお話をいたしましたが,子供が安心して登下校できるのは,見守り活動があってのことでございます。この見守り活動をより効果的に行うには,防犯対応などについて専門的にアドバイスを行うことができる地域学校安全指導員が一人でも多く配置される必要があるのではないかと考えております。また,この見守り活動が萎縮することがないように,そして広島市で二度と悲しい事件が起こることがないよう,私も含めて大人全員で子供たちを見守っていきたいと強く願って,この質問を終わらせていただきます。
続いて,高陽地域の道路整備についてお尋ねをいたします。
これまでも議会の場で何度か発言をさせていただきましたが,高陽地域のある安佐北区は,大規模な住宅団地が集積する一方で自然も多く残っているなど,人々が住み,憩う場所として,とても恵まれた環境にあると考えております。そうした中,御承知のとおり,平成26年に有識者で構成する日本創成会議の分科会が2040年時点の市町村別の人口推計を発表し,安佐北区が将来消滅する可能性があるといった衝撃的な発表がなされました。安佐北区は,広島市の人口を支える重要なベッドタウンであり,安佐北区の人口が大きく減少するようでは,広島市の発展は望めません。
このような中,安佐北区の可部,白木,高陽,安佐の各地域においては,この迫りくる人口減少や進展する高齢化に立ち向かうため,自分たちのまちは自分たちでつくるという考えのもと,住民が主体となってまちづくりの協議を進め,その結果をまちづくり提言として取りまとめました。そして,この地域の熱い思いを平成26年7月には可部地域が,そして昨年9月には高陽,白木,安佐の各地域が松井市長に提言書という形でお伝えをしたところでございます。
私の地元である高陽地域は,広島市都市計画マスタープランにおいて,可部と同じく地域的な都市機能を担う拠点地区に位置づけられております。この拠点地区としての役割を果たすためには,広島の都心や県北部,そして他地域とのネットワークを充実させるなど,地域の都市機能を一層強化し,拠点性の向上を図る必要があります。そして,この高陽地域の拠点性を高めることは,高陽のみならず安佐北区内外の住民の生活環境などの向上にもつながるものであると考えております。
高陽地域の拠点性を高め,活性化を図るためには,何よりも交通ネットワークの充実・強化,つまり道路の整備は不可欠でございます。高陽地域のまちづくり提言においても,基幹道路を整備して通勤環境などが向上すれば,高陽に新たに若者を呼び込む効果も期待できるとされており,地域の声としても,道路整備への期待感は非常に高いものがございます。
そこで,高陽地域における道路整備について,幾つかお尋ねをいたします。
まず,主要地方道広島三次線についてです。まちづくり提言書にありますように,高陽は住宅団地を中心とする地域,中山間地を中心とする地域,その間に挟まれた古くからある市街地の地域の三つの地域に大別することができます。広島三次線は,広島市と三次市を連絡する広域的な幹線道路であるとともに,この三つの地域を結んで都心へとつながるものであり,当該地区の交通アクセスを考える上で最も重要な路線となっております。
高陽地区と白木地区にとっては,地域の生活に密着した生活道路としての役割を担う重要な路線とも言え,白木方面や広島東インターチェンジから高陽・可部方面を連絡する唯一のものでございます。しかしながら,高陽C住区入り口交差点から小河原口交差点までの区間では慢性的な交通渋滞が発生しており,早期の渋滞緩和を図っていく必要があると思います。現在,この区間のうち,中深川交差点から深川台団地入り口交差点の間においては用地買収や拡幅工事が行われておりますが,これ以外の区間についても早期に整備に取り組んでいただきたいと思っております。
そこで,広島三次線の整備状況と今後の整備予定についてお聞かせください。
次に,スマートインターチェンジの整備についてお尋ねしますが,その前に,関連する話題として,中筋温品線の整備について触れておきたいと思います。
広島市では現在,中筋温品線1工区の整備を進められております。これにより,高陽地域から山陽自動車道の広島インターチェンジへのアクセス改善も図られていることから,地域住民も大きな期待を寄せております。
しかしながら,現在,この事業の進捗率は事業費ベースでいまだ3割と聞いており,太田川をまたぐ橋梁整備についてはまだ着工に至っておりません。中筋温品線の整備は,広島インターチェンジへのアクセス改善のみならず,交通ネットワーク充実の強化にも資するものであり,特にこの1工区の完成は地域の悲願でございます。ここで改めてこの早期整備について要望しておきます。
さて,話をスマートインターチェンジに戻しますが,以前から私が提案している高陽地域へのスマートインターチェンジの設置については,先ほど触れました広島インターチェンジへのアクセス改善を抜本的に解決させるだけではなく,地域の拠点性の向上や活性化の推進にも大きく貢献する事業でございます。このため,昨年8月には高陽町商工会から松井市長宛てに4,706人分の署名を添えてインターチェンジ設置の要望書が提出されたほか,私もこれまで議会の場で幾度となくその整備の必要性などについて言及し,早期整備を要望してまいったところでございます。おかげさまで本年度予算においては,高陽地域へのスマートインターチェンジ設置について,その実現可能性を検討するための費用が予算化されました。地域の熱い声がようやく形となってあらわれ,具体的な検討に着手されることを,この場をおかりいたしまして感謝を申し上げます。これで,ようやく事業化に向けた第一歩を踏み出すことができたものと思っております。
そこでお尋ねをいたします。
本年度行うこととしている実現可能性の検討についてですが,具体的にどのような内容の検討を行うのでしょうか。現在の取り組み状況とあわせてお答えください。
また,今回の検討を経て実現可能ということになれば,次はいよいよ事業化の運びになると思いますが,この事業化に当たっては,今後どのような手順を踏む必要があるのかお答えください。