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開催日:1991-11-29 平成3年第4回定例市会(第3日) 本文
開催日:1991-11-29 平成3年第4回定例市会(第3日) 議事日程・名簿

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  1. 神戸市議会 1991-11-29
    開催日:1991-11-29 平成3年第4回定例市会(第3日) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時3分開議)  (上田議長議長席に着く) ◯議長(上田大人君) ただいまより本日の会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  日程によりまして,日程第1 決第9号より日程第15 決第23号に至る15件,一括議題に供します。  昨日に引き続き質疑を続行いたします。  6番岡島亮介君。  (6番岡島亮介君登壇)(拍手) 2 ◯6番(岡島亮介君) 私は,自民党平成会議員団を代表いたしまして,平成2年度一般会計決算並びに特別会計決算について,市長及び関係当局に質問をいたします。  平成2年度の決算を見ますと,激動した世界情勢と日本経済がどのように動いたかの一端をうかがうことができます。経済の動きを反映する市税の決算を見ますと, 2,614億円で対前年度比 5.4%増と,ここ10年間では最低の伸びであります。バブルの元凶であった株価を見ると,証券会社の大口投資家への損失補てん発覚以来,金融引き締め政策がとられ,株式市場は直撃を受け,大暴落を引き起こし,また地価上昇を見ると,昭和63年度から膨れ出した地価は,平成2年にはこれ以上膨れる余地がないまでに膨らみ,神戸市の住宅地の地価公示で見ると,前年度比53.5%も上昇いたしております。  市税の内訳を見ると,よくそのことが反映されております。法人市民税は,銀行,保険,証券等が大幅減で,一方不動産,建設業等の好調により,結果として 5.5%の対前年度比減となり,逆に市民税は11.2%増と土地譲渡所得の伸びが大きく寄与し,市税トータル 5.4%の対前年度比増という数字は,大変意味するところが多いと思われます。  一方,神戸市の財政の特色と言われた市債収入を見てみると,ここ2~3年は市債依存度が低下傾向にあり,62年度の10.5%が 7.8%と, 2.7ポイントの減少を見ております。しかし,他都市の比較で見ますと,公債費比率が17.5%,また市民1人当たり現債高が一般会計で42万 2,000円と一番高く,厳しい状況にあると言わざるを得ません。  以上のように,バブル崩壊を受け,景気動向は下降局面にあると言われており,市長の昨日のご答弁でもありましたように,今後の本市の税収見通しにもさらに厳しいものがあるのではないかと思われるのであります。  さて,これらのことから平成2年度決算を踏まえ,以下の点につきまして質問をいたします。  第1点目は,アーバンリゾート都市についてでございます。  市長は,新しい神戸の都市像としてアーバンリゾート都市を打ち出されるとともに,より質の高い都市環境の実現を目指し,都市環境基準を作成されたところであります。この高規格の都市環境づくりについて大いに賛意を感ずるものでありますが,現行の補助制度や財政制度からすると,高規格のまちの整備を行おうとすれば国庫補助の対象となりにくく,どうしても一般財源負担が多くなると思われます。一般財源比率が相対的に低い本市の特質や,公債費での負担が大きい体質,さらに今後の厳しい税収見通しを考えるとき,このアーバンリゾート都市づくりには全力を挙げて取り組まねばならないと考えますが,財源確保をどのように考えておられるのか,市長のご所見をお伺いいたします。  第2点目は,用地問題についてお伺いいたします。  最近の地価の傾向は,バブル経済が破綻した結果,大都市部において下落傾向にあるのは周知の事実でありますが,本市においても県基準値の本年7月時点での上昇率を見ますと,住宅地でマイナス11.9%,商業地でマイナス12.9%と,ここ数年来初めて前年比がマイナスに転じてきております。公共事業をはじめ各種の施策を展開するに当たっては,適切な用地確保のあるなしがネックになることが多いと思われますが,例えばこの2年度に終了した第5期住宅5箇年計画の実績を見ますと,市営住宅の新規建設の達成率は85.2%と目標を下回っており,この主な原因は用地取得難と聞いております。用地の取得は確かにそのタイミングにおいて難しいものがあるとは思いますが,現在財政的に余裕がないからといって適地を取得せずに放置しておくことは,将来に禍根を残すことになりかねません。  そこで,地価が下落傾向にある今日,多少無理をしてでも可能な限りの基金を利用して用地を先行取得することが,長期的に見て得策であると思いますが,この際全市的に用地取得についてどのようにお考えになっておられるのか,ご所見をお伺いいたします。  第3点目は,住宅問題であります。
     住宅用地問題につきましては,先般国が大都市法を改正し,大都市における住宅,宅地の供給を緊急課題として取り組もうとしております。この基本目標は,勤労者が通勤可能な立地において,適正な価格や家賃の負担で居住できるよう良質な住宅を確保することにあります。この8月に兵庫県が県下の大都市地域における住宅,宅地の供給計画を策定していますが,その中で神戸市内の目標量として,平成12年までの今後10年間に17万戸の住宅と 1,400ヘクタールの宅地を供給することとされております。この中には既成市街地内の遊休地や市街化区域内農地の有効利用といった視点が盛り込まれておりますが,神戸市としてこのような用地を公営住宅用地として積極的に取得していくお考えはあるのか。  また,市民に良好な住宅を供給するという意味では,市が直接建設せずに民間の活力を有効利用する方策も重要であると思いますが,これについてどのようにお考えになっておられるのか,あわせてご所見をお伺いいたします。  第4点目は,神戸経済の活性に伴う産業構造のあり方についてであります。  神戸市は,産業と市民のニーズにこたえ得る多種機能型の複合都市を目指しており,これまでの神戸の成長を支えてきた鉄鋼・造船等の基幹産業のウエートが低下しておりますが,一方で内陸部の産業団地を中心に先端技術産業など新しい産業を集積させています。内陸部の産業団地について見ますと,平成2年度末では 264.4ヘクタール, 285社の進出が決定し,西神工業団地,西神第2工業団地はほぼ処分済みの状況で,今後の処分予定地は神戸リサーチパーク複合産業団地などがあるだけとなっております。  神戸経済の活性化,税収確保の面で産業団地は効果が大きく,今後とも産業団地の造成,企業誘致が必要と考えます。活力ある多種機能型の産業振興を目指す中で,神戸経済の産業団地のあり方についてどのように考えていかれるのか,神戸の産業構造のあり方を踏まえ,将来の見通しについてもどうお考えになっておられるのか,お伺いいたします。  また,近年日本の経済的地位の向上とともに,内外を問わず,国際貢献が注目をされています。その内容や方法は多様であり,国レベルのものから地方自治体や民間レベルのものまで,その形態はさまざまであります。神戸においても,神戸貿易促進センター発展途上国展などを行っていますが,国際化,情報化が進展する中で,発展途上国への支援については,各国の経済発展のために,今後研修生の受け入れといった人材の交流育成など,人的支援がさらに重要になってくると思われます。  各地方自治体でも,独自で留学生や技術者の招待あるいは医療協力,経済団体の相互訪問など,さまざまな分野での交流が活発化している中で,国際化の推進を図っていく神戸市としては,各国の経済発展のための国際貢献についてどのように考えておられるのか,お伺いをいたします。  5点目は,都市計画におけるグランドデザインづくりについてであります。  用途地域については,昭和48年に新用途地域が指定されて以来,約20年近くが経過をし,その間の経済社会の変化やモータリゼーションの進展等により,さまざまな問題点が出てきているように感じます。例えば大阪市の御堂筋では,新用途地域の指定を行った後でも,それまでの31メートルの高さ制限を行政指導で守ってきましたが,最近それを緩和しようとする動きや保存しようとする動きがあるように聞いています。また,京都市では,古都としての景観を守る観点から,京都駅や京都ホテルの建てかえについて,建物の高さが議論されております。  本市においても,準工業地域内にマンションが建設され,工場等が追い出されているとか,住居地域内に業務系の建物が建設され,住環境が悪くなるという状況が見られます。また,住居地域までの住居系用途地域内では,一定規格以上の立体駐車場の建設ができないなど,制度上の問題点も有しています。さらに,商業系の地域では,住宅よりも商業・業務の建物が優先され,都心地域等の夜間人口の減少,住環境の悪化を招いていると感じています。  一方,土地の有効利用や高度利用を図るための方策として,地区計画制度総合設計制度の充実,及び特定街区制度等の活用などが行われていますが,特に特定街区総合設計制度では敷地単位,街区単位の高度利用を図ること等を目的としており,地区全体としてのまとまりに欠けているといった課題を有していると感じています。  そこで,今後は地区としてまとまりを持った高度利用の促進や,建物の高さをそろえるといった考えを積極的に取り入れることが重要であると思っています。このようなことを行うためには,用途地域制度をはじめとする都市計画制度全体の抜本的な改正が必要であり,建設省では現在用途地域を8種類から17種類に変更するなど,制度の見直しに向けて関係省庁と協議を進めていると聞いております。  しかし,このような都市計画上の制度の実施に先駆けて,神戸のグランドデザインをつくり,バランスのとれたまちづくりをすることがぜひ必要であり,またこのことはマスタープランの改定に関連するような重要な事柄であると思われますが,次期見直しに向けてどう取り組まれようとしておられるのか,市長のご所見をお伺いいたします。  第6点目は,福祉についてお伺いいたします。今後の高齢化社会を展望する中から,とりわけ高齢者を対象とした総合的,体系的な学習や,ふれあいの場として整備を進めようとしているシルバーカレッジについてお尋ねしたいのであります。  このシルバーカレッジにつきましては,しあわせの村の中に1学年 400人で3年制として計画されているところであります。しかしながら,今後高齢者総数が加速的に増加していくことや,兵庫県のいなみ野学園の盛況に見られるように,近年の高齢者の学習意欲の高さなどを考えた場合,現在計画中の定員規模では将来ともに十分であるとは言いがたく,さらにしあわせの村への通学が不便な地域の問題もあるのであります。  ついては,これら定員規模や通学の問題を少しでも解決する方法として,このしあわせの村のシルバーカレッジを郊外型の本校として位置づけるとともに,各区ごとに区民センターなどの既存施設を活用した市街地型のシルバーカレッジの分校をつくり,各分校から本校へは月1回から2回程度通学するというような新たな方式をぜひ導入し,より多くの高齢者の期待にこたえていくべきと考えますが,市長のご所見をお伺いいたします。  第7点目は,地域集会所の助成制度についてお伺いいたします。  今日,いずれの地方自治体においても,地域住民との接触また協力を得ないままで行政を行うことはできず,行政がきめ細かくなればなるほど,ますます地域住民や住民組織との関係が深まっていくことになります。  一方,地域社会の現状を見るとき,地域での連帯感が薄れ,日常生活においても相互に支え合う力が失われていくことは非常に残念なことであります。かつて地域には井戸端があり,社交場としてさまざまな問題がそこで話し合われ,問題解決の一助となってきたのであります。時代が移り,まちは近代化されてきましたが,地域が持つこのようなよい面を見落としてきたのではないかと思うわけであります。  現在神戸市では,1区1区民センターの設置や,ふれあいのまちづくり事業として1中学校区1カ所の地域福祉センターの整備をされているところでありますが,近隣の方々が気軽に話し合える場所,かつての井戸端会議をよみがえらせるためには,もっと小さな単位での集会所の拡充に対処していく必要があると思うのでございます。各町内会,自治会においては,集会所を持っておられるところもありますが,それは市内の 2,200の自治会のうち約4割程度にしかすぎません。土地価格が鎮静化したとはいえ,市街地においては坪 100万円以上であり,これに建物を建設するとなると,普通の自治会,町内会では自前の集会所を持つことは不可能であります。  そこで,現在の助成制度をさらに拡大して,用地取得に対しての財政的支援あるいは現行の家賃補助についても月額の枠をもっと拡大し,地域集会所の整備について思い切った対策を講じていく必要があると思いますが,市長のご所見をお伺いいたします。  第8点目は,地域社会における青少年の健全育成についてであります。昨日ふれあい懇話会の質疑がありましたが,私としては観点を変えてお伺いをいたします。  昨今,社会構造が激しく変化をする中で,児童生徒を取り巻く教育環境は急速に変化し,物の豊かさの中で非行や暴力,不登校生の増加,いじめといった問題行動は,依然として高い水準で推移をしているのが現状であります。これらの問題は,核家族化並びに少子家庭の増加,あるいは都市化の進展によるコミュニティの弱体化等により,家庭の果たす役割や地域の教育力が低下し,学校,家庭,地域が,三位一体となっての教育機能が果たせていないところに大きな原因があると思います。  このような状況のもとにあって,国は来年秋ごろに週5日制導入を検討していると仄聞しますが,そのことは言葉をかえれば,児童生徒を教育力が低下したと言われる地域や家庭に帰すということになります。家庭の教育力,また地域における連帯性や相互扶助の精神が希薄になっている現在,教育力の回復につながる施策とともに,具体的な受け皿づくりを早急に考えていかなければならないと思うわけであります。  そこで私は,ふれあい懇話会の強化とともに,またその成果を具体化するためにも,3者が一体となって取り組めるような活動計画を策定し,新たな活動に協力する人材の養成も図りながら,財政面における積極的な支援策を講じていくことが,地域や家庭の教育力の回復につながるものと考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。  9点目は,市街地の緑化についてであります。  本市では,市街地の3割緑化を目標に昭和46年よりグリーン神戸作戦が展開され,年間 100万本植樹,街路樹の無剪定方針などにより,緑の量の拡大は目をみはるものがあります。私どもも大いに評価をしております。  しかし,最近緑の量が充足するにつれて,市民の関心は量から質に移りつつあります。街路樹でも,都市景観に配慮したモデル剪定が実施されるようでありますが,植樹後相当年月の経過した街路樹は,根が歩道を持ち上げるなど弊害も出ており,抜本的な植えかえも必要であると思います。もし植えかえをするのであれば,花の咲く木,実のなる木,また区民の木を決めて植えるなど,市民が親しめるような工夫をしてはどうかと思います。  また,市街地緑化の一環として花のまち神戸運動が推進されていますが,市内を見ると,全体的に花の量が少ないように思います。世界的に有名なシンガポールのガーデンシティーでは,まち角の至るところに花が飾られています。神戸においても,市街地の1割を花で飾る3割緑化1割飾花といった方針を立てて取り組んではどうかと思います。とりわけアーバンリゾートフェア'93 では,市外から来られる人も多いと思われますので,神戸の玄関口となるところから,神戸らしい特色ある飾花を行ってみてはどうかと考えますが,お伺いをいたします。  第10点目は,環境行政についてお伺いいたします。昨日の質疑にもございましたが,具体的な視点から質問をさせていただきます。  近年ごみ量の増大や環境保護への期待の高まりの中で,市民レベルでも事業者においてもリサイクルの動きが広がってきております。さらに,先月にはいわゆるリサイクル法が施行され,また廃棄物処理法が改正されたことで,今後は資源の回収システムづくりや再生商品の開発利用などが一層進むと思われます。  神戸においても,地域での集団回収など市民のリサイクル意識はかなり高まってきています。しかしながら,回収業者が回ってこなくなったとか,回収したものの鉄くず,空き缶などは引き取ってくれないなどの声も多く,要するにリサイクル活動の進展にこたえるべき受け皿の体制づくりが不十分であるということであります。現在のごみ処理を見ますと,家電製品や家具などまだ使えるものや,ばらせば資源として取り出せる鉄やアルミなども,そのまま処分場に埋め立てられています。また,工事現場から出るコンクリートがらなども,大半が廃棄物として処分されています。地球の資源は有限であり,また廃棄物の処分場もあちこちにつくれないことを考えれば,今こそこれまでのごみ処理のあり方を根本的に見直し,ごみを減らすことと再生利用する方策を考えないと,早晩ごみ処理にも高い金を払わねばならなくなる日が来るであろうと思います。  そこで,1つの方策として,市内に大規模なリサイクルセンターを建設すべきだと思いますが,いかがでしょうか。再利用できるものは分別してヤードに集積し,それを業者に引き取っていただき,再生工場に搬入するようなシステムをつくる必要があると思いますが,お伺いをいたします。  第11点目は,消防行政についてお伺いをいたします。  その1つは,救急救命士の養成と配置についてでございます。我が国における現在の救急体制においては,DOAの傷病者の社会復帰率は米国の3分の1であると言われております。これを改善するため,国においては本年4月23日救急救命士法を制定し,米国のパラメディックに相当する,医師に準じた医療行為のできる救急隊員を養成することとしています。  一方,神戸市においては,消防白書によりますと,平成2年の救急出動件数は3万 7,971件と,毎年増加の一途をたどり,救急車で搬送された人のうちDOAと推定される者,すなわち病院到着時死亡者は 509人にも上っており,また応急処置状況を見ると,隊員が心臓マッサージを実施したのは 566件にも上っています。このうち,たとえ1人でも助かる命を助けるためには,救命士の資格を持った隊員を救急車に同乗させるべきであると思います。  新聞報道によりますと,救急救命士の養成は,救急振興財団において全国で年間60名ということであり,本市においては1名だけが参加をいたしています。このように少ない人数ならば,何年たっても救命士を十分に確保することは困難であります。仄聞するところによりますと,大阪,名古屋,横浜の各都市においては,既に救急救命士養成所を設置し,独自に養成を始めているということでありますが,神戸市としても早急に救命士養成所を開設し,救命士を養成すべきであると思います。救急救命士養成所の設置及び救急隊への救命士の配置について,市長のご所見をお伺いいたします。  その2つは,監視テレビの設置についてであります。先般消防局の管制室の状況を見させていただきましたが,管制室には監視テレビがあり,建物や山林の火災が発生した場合に,初期のうちに煙の上がりぐあいなどによって出動車両を追加するなど,臨機応変の出動指令を出しているということでございました。私も初期の災害の状況を一刻も早く把握することが,市民の生命や財産を守る上で非常に重要なことと思っております。  しかし,残念なことに監視テレビは,現在旧市街地と垂水区の計2カ所しか設置されていません。百聞は一見にしかずと申しますが,耳で聞く情報よりも目で確かめた方がより正確な指令ができると考えます。市長の言われる住みよい生活空間のあるまちづくりの観点からも,少なくとも新管制システムの建設に合わせて監視テレビを西区と北区にも設置し,全市域を網羅できるようにすべきと思いますが,お考えをお伺いいたします。  第12点目は,市街化区域内の農地の保全と宅地化についてであります。この質疑は先般行われておりますが,視点を変えてお伺いいたします。  神戸市では,市街化区域内農地について,宅地化するものと保全するものとの区分について,現在意向調査が行われておりますが,生産緑地として保全を希望する農地が,将来住宅地の間に残された場合,農業を営むにしても住宅との環境問題が生じるなど,大きな問題に至ることが考えられます。そのため,生産緑地をまとめて集団的に農業が営めるようにする必要があると思います。農地と宅地を等積等価交換をし,集団的な農地にするためにはどうしてもほ場整備を進める方法をとらなければならないと思うのですが,現在市街化区域ではほ場整備に国庫等の補助ができないということでありますが,独自の制度の創設などを考えられないか,お伺いいたします。  また,神戸市においては,宅地化する農地及び保全する農地を含めて一定の区域を区画整理などの整備方法を誘導するとの考えを持っておられるようですが,生産緑地を選択する者については,減歩率が宅地と同じになるのではないかという不安があります。そこで,区画整理を進めるについて,宅地と農地では減歩率に差が生じるような方法が考えられないか,あわせてご所見をお伺いいたします。  さて,最後に神戸空港と空港に関連する諸問題について,数点お伺いをいたします。  神戸空港については,昨日の本会議で市長から第6次空港整備5カ年計画に組み入れられることになったとご報告がありました。昭和57年に試案が発表されてから,足かけ10年,市民の夢が大きな一歩を踏み出すことになるわけであり,一日も早い着工を希望するものであります。  しかし,神戸空港は,ただいま土俵の上に上がろうとしているときであり,まさに正念場を迎えることになります。関西空港と大阪空港との空域調整また費用負担はもとより,最大のネックは環境保全についての環境庁との調整であると思うわけであります。瀬戸内海では,環境に資する埋め立て以外は原則的に抑制すべきと言われており,私どもとしましてはこれをクリアするには,いわゆるフェニックス事業で埋め立てしているような廃棄物をどれだけ多く受け入れるかにかかっていると思います。このことが,現在環境庁が進めているフェニックス事業の補完的役割のほか,その事業の延命策に寄与することにもなると考えます。  そこで,まずお尋ねいたしますが,市長としてフェニックス事業との調整をどのように考えておられるのか,まずお伺いをいたします。  また,神戸市全体の環境対策の先進性を環境庁に訴えていく新しい施策も重要であろうと考えます。例えば来年度の公害対策予算を2倍にするといった思い切った方針も必要ではないかと考えますが,ご所見をお伺いいたしたいと思います。  さらに,神戸空港が認知されたことによって,昨日の質問者の答弁でマスタープランを改定していくとのお考えを述べられましたが,現在のマスタープランにつきましては,例えば人口 160万人上限,7割緑地3割緑化などの大きなフレームがあります。これらは基本構想として議決されているわけでありますが,昭和40年の総合基本計画策定に当たっては30年先を見込み,51年の第2次策定時には25年先を見込み,また61年の第3次基本計画は15年先を見込んでおります。したがって,前回の見直しのときは議決に至る改定まではなされておりません。今回,空港という大きな財産ができるとなると,相当大幅な改定になり,フレームそのものへの影響も大きいと考えます。  そこで,マスタープラン改定に当たっては,長期的な目標を設定し,現に生じている諸問題に対処していくことはもちろん,さらに新しい施策を交えた総合的な施策を展開する必要があると思いますが,いかがでありましょうか。  そこで,また具体的に申し上げますと,現マスタープランにも記載されておりますが,六甲アイランド南の第4の島を新たにフェニックス計画として位置づけ,さらに我が会派が一貫して主張してきました唐櫃口から六甲土山町に至る第2六甲山トンネルの建設を明記することなどにつきまして,市長のご所見をお伺いいたします。  次に,神戸空港に対応した玄関口の整備についてでありますが,空港が現在の予定地に建設されますと,ポートアイランド第2期,ポートアイランド,新港突堤地区,中突堤及びその周辺地区が神戸空港の玄関口になってまいります。ところが,これらの地区はすべて臨港地区の規制の網がかかっており,我が会派がかねてより主張しております臨港地区の規制緩和条例の施行も,運輸省と建設省との間で調整がつかず,現時点に至ってもめどが立たない状況であります。臨港地区は,港湾機能の確保,充実を図るべき地区であり,港湾の機能を中心に考えるため,上屋,倉庫,クレーン等が立ち並び,空の玄関口というには余りにも殺風景であります。今後,神戸の空の玄関としてこれらの地域を整備していこうとする場合,構築物の用途,建ぺい率等のさまざまな規制が大きな障害となってくることが予想されます。  そこで,まず第1に港湾機能の低下している地域について,都市的利用を容易にするため,具体的に地域を限定して臨港地区の指定解除を運輸省に働きかけていくべきだと考えますが,いかがでしょうか。  第2に,臨港地区として機能している地域であっても,空の玄関口にふさわしい,いわば臨空地区として整備を進める必要がある地域に限って用途制限の緩和等は考えられないか。  第3に,空からの景観に配慮したまちづくりを進めるため,臨港地区であっても都市景観条例に基づく都市景観形成地域に指定できないか。  以上,数点につきまして,市長のご所見をお伺いいたします。以上の質問につきまして,市長の真心あるご答弁を期待いたしまして,質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 3 ◯議長(上田大人君) 笹山市長。 4 ◯市長(笹山幸俊君) ただいまの岡島議員のご質問にお答えを申し上げます。まず私から数点お答え申し上げますが,他につきましては助役等からご答弁申し上げます。  まず第1点のアーバンリゾート都市をつくっていくのに相当の財源が長期にわたってかかるということでございまして,ご指摘のとおりでございます。特に最近はバブル経済の崩壊ということで,経済の見通しも余りよくございません。こういったことにつきましては,当然でございますけれども,事業といいますか施策についてのやはり優先順位というものを十分決めてやっていきたいと思います。特にそれには財政上のいろんな負担の問題もございますので,仕事のやり方あるいは技術的な問題あるいは費用の問題,こういったものをひっくるめて相当工夫を必要といたします。そういうことで今後とも高規格なまちづくりをやっていきたい,こう思っております。  特に補助制度がいろんな形で国の方にもございますので,これをできるだけ活用していく。また,市独自の補助制度もございますので,これらについても現在のもの,また新しく制度としてつくれるもの,こういうものも考えていきたいと思っております。また,その補助制度から外れるといいますか,オーバーしますアルファについては,できるだけ基金なりを各局が持っておりますのでその基金を活用していく。また,国の方の制度でまちづくり債というのが実はございます。そういうのも十分気をつけていただく,こういうことを考えております。それから,国なり県の事業,こういうものも神戸市内でやっていただく,こういうことも重要な時期になったんではないか,こう思っております。また,仕事の内容によっては民活といいますか,民間が直接やれる分もございます。それと第三セクター──神戸市が持っておりますいろんな第三セクターがございますが,こういった第三セクターを使って仕事がやれる,こういうことでいろんな資金を導入して都市環境基準をクリアしていきたい,こう思っております。  それから,神戸経済の活性化ということで,特に工業・産業団地,こういった問題のご指摘がございましたが,お話がございましたように神戸の産業団地につきましては,もちろん旧市街地の工場その他を移転していただくということが1つ,それから大企業が,基幹産業が神戸にはございますが,こういった基幹産業の体質改善をしていただくということ,それから新しい企業が神戸に入っていただけるということで,それぞれ旧市街から新しい産業団地に行っていただくもの,そのためにこの産業団地が有効に働いておるわけでございます。  そういうことで,今後ともこういった産業団地をつくってはどうかということでございますが,今までつくってまいりました中で非常に有効に働いているなと思っておりますのが,先端産業としても医薬品あるいはコンピューターの関係,こういった企業が相当来ておりまして,これは特に研究開発という部門に当たります。そういうことで形といいますか,中身も相当いい格好になっております。それから,技術型といいますか先端産業の技術,それを研究するところ,また外資系の工場も来ております。そういうことで,特に西神の工業団地はそういう意味では非常に貢献しているんではないか,こう思っております。  また,今後そういうことでまだまだ神戸に魅力を持っていただいている企業もたくさんございます。後でお話がございましたように空港等の問題,いろんな問題が出てまいりますと,特に神戸はそういう意味で交通の非常に便利なところになりますので,なお要望があるんではないか,こういう気がいたしております。そういうことで,北神なりあるいは木津の方で複合団地あるいはリサーチパークということで約 400ヘクタールほど現在持っております。それで一応対応していけたらと,こう思っております。  それから,特にこういった産業面あるいは貿易面で自治体として国際貢献ができないか,こういうことでございます。特に先ほどちょっと触れました外資系の企業が神戸に参りますが,まだ発展途上国は余りございません。そういうことで特に真珠のセンターといいますか,インドの方でございますけれども,今回ポートアイランドにできましたが,そういう意味ではこれにつきましては,特にアジア地域の皆さんにとっては非常に有効な商取引ができる場所ができたなと,こういうぐあいにも感じております。それから,ファッションマートも同じでございますが,そういうことが出てまいりますので,特に輸入──神戸の場合輸入が最近どんどんふえてきておりますので,過去にやっておりますように神戸貿易促進センター,これは発展途上国の品物を展示しておるわけでございますが,これとか,あるいは神戸インポートフェア,こういうものもやっております。各国から商品を出展していただきまして,それの商談の場所にいたしておるわけでございます。  それから,貿易業界の皆さん方あるいは港湾の関係の方々にミッションを組んでいただきまして,東南アジアを含めまして行っていただいております。それから,特に発展途上国の皆さん方が貿易に関する勉強に来ていただいております。毎年来ておられるんですが,特に3カ月研修といいまして,日本中ずっと回っておられるようですが,神戸にも必ず滞在をしていただいております。それから,留学生の方々に対しましては,奨学金の支給等の支援の事業をやっております。  今後とも特に技術の関係あるいは経営の関係につきまして,できればそういった研修セミナー的なものが神戸でできればと,こういうぐあいに考えております。これはいろいろと国との関係も実はございますので,よく連絡をとりまして,神戸市はアジア情報センターも持っておることでございますので,特にアジア地域に対しての技術あるいは経営,そういうものの研修セミナー,こういうものもセンターでできるんではないか,こういうぐあいに考えております。  それから,シルバーカレッジの問題ですが,これは特にしあわせの村にということで今計画をしておりますが,このしあわせの村でなぜ立地をさせるかといいますと,しあわせの村にいろんな施設がございます。この施設をうまく使ってといいますか,それを体験あるいは実習,そういうものができるようにということで近くに立地をしようとしております。  そういうことで,このシルバーカレッジ在学中に実際に体験をしていただくというのが非常な有効な仕事の内容にもなるんではないか,こういうことでございますので,もし旧市街地にいろんな施設がございますので,それを使ってやる場合には,できれば特別の講座をやるとか,あるいは地域でのいろんなボランティアも含めまして体験実習をその地域でやっていただく,こういうことで分校とまではいきませんけれども,そういう機会をつくるのがいいんではないかな,こういうぐあいに実は考えておりますし,本校があってそういう実習の場所を旧市街あるいはそれらの地域でやっていただこう,こういうぐあいに考えております。  そういう意味で,区民センターなりあるいは今度いろんな施設ができますけれども,そういったところを十分活用していただくということが,この施設をつくった意味にもなりますので,そういう方向でやらせていただきたいと思います。  それから,空港の問題ですけれども,これはご指摘がございましたようにいろんな課題が実はございます。基本計画策定時にも留意事項として,今後の解決する課題としていただいておりますし,今回の3つの条件等につきましても,当然これを解決することによって空港着工ということに相なりますので,これは十分勉強しながらいきたいと思っております。  特にフェニックスのお話が出ておりますが,直接フェニックス計画というのは県の所管になっておりますけれども,けさの新聞で知事さんから少しそれに触れられております。これについては,私の方も一応の研究課題ではあるという認識はいたしております。ただ,空港のことですから,ああいった深さ17~18メートルのところにそういうことでうまくいくかなという危惧もございます──技術的にですね。ですから,それを使う場合には相当実験といいますか,そういうものを十分やって,今後研究していきたい,こう思っております。1つの方法だと,こう感じております。  それから,問題になります水質保全その他につきましては,神戸市の場合は非常に下水処理等あるいは河川,工場排水,そういった問題については相当厳しくやってきておりますので,それについてはどなたも異論がないわけでございますけれども,やはりもう1つ踏み込んで下水なりの高度処理なりあるいは排水,いわゆる生活排水をもう少しうまく処理していく方法を考えていくということが,今回の環境庁に対します説明できる資料として出せるんではないか,こう思っております。  それから,空港をつくりますと,いろいろ都市構造も変わりますし,産業構造もそれにつれて変わってまいると思います。これは先ほど企業が立地するのに非常に便利になると申し上げましたのはそういうことでございまして,そのために神戸市民にとってそれが有効に働くという場所もできる,こういうことでございますし,安心して暮らせるいろんな施設をつくる場合に,第1に神戸の都市の力というのが要ります。これはやはり活性化して,活力のあるまちと言われておりますが,こういう力を持ったまちでないと,こういったいろんな仕事はできませんので,こういったものもある程度均衡のある配置計画を十分考えて,そういった働く場所もつくりながら,またアーバンリゾート都市としての機能を持ったまち,こういうものを目指しておりますので,できるだけそういった調和を図りながら今後進めていくというために,マスタープランを全般的にソフト面からも検討していくことになろうかと思います。  特にハードの面については,交通機関あるいは交通ネットワークと申し上げますが,道路,空港あるいは鉄軌道,こういったものがうまく接続されてネットワーク化されているということが,生活にとっても,また企業活動にとっても非常にうまくいく方法といいますのは,先ほどご指摘がございましたような南北の道路,そういうものが要るんではないか。また,将来の港湾機能あるいは物流の技術的な変革もどんどん起こってまいりますので,六甲南,そういったものも出て,既にマスタープランに載っておりますけれども,これらについての構想段階から実現に向けて進める時期にそろそろ来たんではないかな,こういう気がいたしております。  ただ,六甲南につきましては,大阪湾ベイエリアの構想の中にも実は入っておりますし,マスタープランの中に入っているんですが,これの問題も一応フェニックスにかかり得る議論が現在されておりますが,これについては今後十分検討させていただきたいと思います。  それから,東神戸のトンネルですが,土山といいますと高羽線に入るわけですけれども,高羽線,現状非常に混雑をしておりまして,できればもう少し東の方で分散をしたい,こういうぐあいに考えております。今の六甲トンネルと並行,隣接というのが少し無理かなと,ですからもう少し離して東神戸トンネルを入れた方が効率がいいんではないか,こう考えております。  以上,私からご答弁申し上げました。  (「議長」の声あり) 5 ◯議長(上田大人君) 田渕助役。 6 ◯助役(田渕榮次君) 私から3点ばかりお答えを申し上げます。  まず,地域集会所についてでございますけれども,地域コミュニティ育成の支援につきましては,住民自治組織の集会所の確保といった意味では非常に大切なものでございます。そういうことで,従来から新築等の補助制度を設けまして,特に平成2年度は補助額の改定と家賃補助制度の創設をいたしました。また,平成3年度は減率を撤廃いたしまして制度の改善を図っております。そういうことで,ご指摘のような用地あるいは資金面で集会所の確保がやはり困難であるということもまた事実でございます。そういうことで,地域集会所等の施設につきまして実態調査を行いまして,現在集会所利用ガイドといったものを作成中でございます。今後,これを地域の団体等にお配りをいたしまして,既存施設の利用拡大を進めていくことといたしております。  また,地域福祉センターが今後整備されてまいります。そういうことで,地域交流の拠点として利用していただけるということで,市民の要望も満たされてくるのではないかな,このように考えております。  しかしながら,今後とも地域集会所の確保に対する要望にこたえていくということで,特に用地取得に対する助成については,いろいろと問題点が中身的にはあるわけでございますけれども,ご指摘の点も含めまして見直しを行い,可能な限り改善を図ってまいりたい,このように考えております。  それから,市街地の緑化についてでございますけれども,神戸市では昭和46年から市民の協力をいただき,神戸グリーン作戦を展開しました。公園整備や街路樹の植栽など緑化を積極的に進めてまいっております。さらに,昭和58年から緑の量をふやすだけでなく,質の向上にも努めまして,ハナミズキとかあるいはコブシなどの花の咲く木や,あるいは見た目に美しい,また小鳥が集まってくるようなクロガネモチなど実のなる木を取り入れまして,潤いのあるまちづくりに努めてまいりました。そういうことで,現在では神戸のまちは全国でも緑の美しいまちであるとの評価もいただいております。今後とも花や実のなる木を積極的に導入し,都市景観に調和した神戸らしい緑の環境づくりを目指してまいりたい,このように考えております。  区民の木についてでございますけれども,現在公園の木や街路樹は,神戸の気候なり土質に合ったものを選定いたしておるわけでございます。しかしながら,そういったものの中から区民が選んでいただければ,より緑に親しんでいただけるということで,そのような話があれば積極的に対応していきたい,このように考えております。  また,市街地の飾花については,お話のありましたように60年から花のまち神戸運動を進めてまいっております。街路樹や公園を花で飾っていくとともに,市民や企業の協力も得ながら,まち角や窓辺で花を飾る運動を推進いたしております。今後アーバンリゾートフェア'93 に向けまして,JR三ノ宮駅とかあるいは新幹線の新神戸駅,あるいはまた各区の顔となるような場所については,積極的に飾花を進めてまいりたい,そういうことで効果的な花のまち神戸の運動を進めてまいりたい,このように考えております。  次に,リサイクルセンターの設置の問題でございますけれども,ごみの減量及び資源化は,近年廃棄物急増に伴いまして,廃棄物行政上重要な課題でもあるわけでございます。現在市の減量,資源化施策の基本は,まずごみになる前にできる限り資源化,再利用を図っていき,そしてまたその上で焼却し,残りを埋め立て処分するという考え方でございます。このため,ごみとして排出される前に集団回収等により資源化,再利用を図っていく。そしてまた,市民では資源化が難しいような空き缶,空き瓶については,回収ルートが確立されるまでは,やはり当面行政でこの資源化を図っていくという考え方で,分別収集モデル事業等を行っているわけでございます。こういったことで,現時点ではそのリサイクルセンターというのは,当面そういった分別収集されたものの受け皿として,空き缶の選別とかあるいは瓶の選別とか,そういった機能を中心とした施設として整備を考えております。  しかしながら,今後はご指摘のような形での対応といったものも当然必要でございます。そういうことで,現在国におきましては,リサイクルプラザ構想ということで,モデル事業が実施をされております。そういうことで,その内容,効果,そういったものを評価しながらそれに対応していきたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 7 ◯議長(上田大人君) 緒方助役。 8 ◯助役(緒方 学君) 私から数点ご答弁申し上げます。  まず,用地の取得問題でございますけれども,特にインナー地域につきましては,現在までも積極的に取り組んできているところでございますけれども,事業主体が必要な時期に必要な用地を確保するというのは非常に困難であることは申すまでもないわけでございます。ご指摘のように,現在地価の下落傾向にあるわけでございまして,こういう時期には比較的取得しやすいということもありますので,積極的に取り組んでいきたいと考えております。公営住宅用地につきましても,もちろん同様な考え方で対応していきたいと考えております。  ただ,今のところ地価の下げどまりということが確認されていない状況でございまして,まだこれからも若干下降傾向が続くんじゃなかろうかということもございます。ということで,取得に当たりましては事業の執行上の優先度合い,あるいは取得をした用地の管理の問題,あるいはまた財政上の制約,いろいろあるわけでございますので,いわゆる利用価値の高い用地を取得するということで,基本姿勢としては積極的に取り組んでいきたい,そういうふうに考えております。  それから,神戸空港の玄関口としての臨港地区の問題でございますけれども,臨港地区はご承知のように都市計画法によりまして,港湾管理者が申し出た案に基づきまして知事が定める地域地区でございます。それは港湾における諸活動の円滑化を図り,港湾機能を十分発揮させることを目的とする,そういうふうな建前になっております。  ご指摘のように,最近の産業構造の変化等に伴いまして,企業の異業種への転換あるいは工場跡の遊休地の発生──遊休地が出てくる,そういうこともございます。一方,市民の親水空間に対する要請といいますか要望といいますか,そういうものも出てまいっておりまして,他の用途への土地利用の転換が必要とされております箇所も出てまいっております。そういうことで,現在一部の臨港地区の指定の解除につきまして国に働きかけている例もございます。例えばハーバーランドでございますけれども,そういう例もございます。  臨港地区の再生の方策といたしまして,新たに都市的な土地利用等に転換する場合に,国の方でいろいろ議論されておるわけでございますけれども,その1つの考え方は,土地利用に応じまして用途地域を変更して臨港地区の指定解除を行うべきだとする考え方です。もう1つは,総合的な港湾空間の創造といいますか,そういうような観点から臨港地区内での都市的土地利用を認める規制緩和,いわゆるモデル条例等をつくってそういう規制緩和の方向でいくべきだ,この2つの方向があるようでございまして,いろいろ今議論されておるようでございます。神戸市といたしましては,これまでもこの考え方の調整を図っておりますけれども,今後とも国に強力に働きかけていきたい,そういうふうに考えております。  以上のようなことで,用途制限を緩和したらどうかというようなご指摘もあるわけでございますけれども,運輸省と建設省との間で調整がなされている段階でございますので,神戸市独自で用途制限の緩和は大変難しいと考えております。今後とも両省の調整の推移を見守りながら,他都市とも連携しながら対応してまいりたい,そういうふうに考えております。  それから,神戸空港の玄関口としての臨港地区の美化といいますか,そういう問題でございますけれども,神戸港は我が国の代表的な国際貿易港であると同時に,世界3大美港──これは一般的にはナポリそれから香港,シドニーというところが言われておるようでございますけれども,そういうところと並び称されるぐらい景観に富んだ港だと私たちも考えておるわけでございますけれども,神戸空港を考慮した眺望型の景観につきましては,神戸港カラー作戦により,臨港地区内の建築申請のある建物すべてを対象に審査・指導を今後とも進めてまいりたいと考えております。また,今後中突堤先端あるいは国産,弁天等の港湾再開発につきましても,空からの景観を配慮したいと考えております。  なお,ご指摘の臨港地区内に対する都市景観形成地域の指定につきましては,現在神戸市内で7地区の指定がある中で,須磨から舞子海岸地域の中の須磨ヨットハーバーが臨港地区として含まれております。アーバンリゾート都市あるいは港まち神戸の表玄関として,また神戸空港計画を控えた海,空からの眺望を考えますと,港の景観は神戸らしい都市景観の形成を図っていく上で大変重要な要素を占める,ご指摘のとおりだと考えます。都市景観形成基本計画,これは57年にできておりますが,その中でも港湾地景観形成計画として位置づけられておりますので,今後とも海,山,空からの眺望を配慮した景観形成に努めてまいりたい,そういうふうに考えております。
     以上でございます。  (「議長」の声あり) 9 ◯議長(上田大人君) 小川助役。 10 ◯助役(小川卓海君) まず,住宅問題についてお答え申し上げます。  昨年の3大都市圏にかかわる大都市法の改正を受けまして,兵庫県で県下の大都市地域における住宅及び住宅地の供給に関する計画というのを策定いたしました。ご指摘のようにこの10年間で神戸市域内17万戸の住宅の建設, 1,400ヘクタールの宅地の供給と,こういう基本的な計画が示されておりますけれども,これらはいずれも兵庫県が独自に策定したものではございませんで,神戸市からのもちろん協議,資料を提供して,県が上位計画として策定いたしたものでございます。ただ,神戸市としましてはもう1度フィードバックしてまいりまして,神戸市として県計画を受けて策定することになっておりますけれども,これは今年度中にこの神戸市域分についての計画策定を,現在作業を進めておるわけでございます。  市街地の遊休地あるいは市街化区域内の農地の有効利用等々,特に既成市街地での遊休地と指定しておりますのは,新開地あるいはキャナルタウンあるいは青木地区等がその区域に入っておりますけれども,これらはいずれも重要な地域としていろんな用途に再開発事業の一環として計画いたしておりますけれども,その中に必ず住機能──住宅を建設するということを基本にいたしておりまして,キャナルタウン兵庫についても,現在鋭意その施設の整備計画を策定中でございます。新開地につきましては,既に住宅供給公社によるコーポラティブ2の建設も現在進めようといたしておりまして,既に遊休地と言われる分につきましての利用計画は着々と進めておるわけでございます。  市街化区域の農地の問題につきましても,北区では岡場あるいは道場,谷上等,西区では北別府,池上,二ツ屋等々がこの区域に入っておりますけれども,いずれも優良な良好な住宅地に整備すべく,現在区画整理等を進めております。  その中で公的あるいは公営住宅の建設が可能かどうかということにつきましては,公営住宅としての適地性の問題もございますし,特に入居者負担にかかわる家賃に大きな影響を与えます地価等の問題もございますので,慎重に対応する必要がございますけれども,できるだけ公営住宅あるいは住宅供給公社による公的住宅の用地をこの際確保しておきたいと思っております。  さらに,特に民間の活力を活用してはどうかというご指摘でございますけれども,場所によりましては地域特別賃貸住宅のB型を採用して,若年層を含んだ中間層を対象とした住宅を進めていきたい,このような考え方でおります。  次に,都市計画におけるグランドデザインづくりでございます。現在国におきまして,岡島先生ご指摘のように,現行制度の用途地域が指定されてから社会経済情勢は大きく変化してまいりました。大規模都市化,モータリゼーションの問題等々,大きな変化があったわけでございますけれども,これらの変化を吸収した新しい都市計画法というものの改正が今,都市計画中央審議会で審議検討されておりますけれども,その中で神戸市にとってはこれはもう以前から持っておりますけれども,都市のマスタープランを改めて持ってないところにはつくらせよう,あるいはご指摘のように用途地域の見直しで現在の8種類を17──倍増の用途地域を設けようということ,容積率の規制の問題,地区計画制度の推進の問題等々,現在検討しておるわけでございますけれども,それらに先駆けて神戸市ではもっと積極的にグランドデザインづくりをというご指摘でございます。  市長もご答弁申し上げておりますように,ちょうどマスタープランの改定の準備もございます。空港の建設も明確になってまいりました。さらに,アーバンリゾートシティー神戸というまちづくりの理念もあるわけでございますから,これらすべてを下敷きにいたしまして,ご指摘のようなグランドデザインを国の法律の改定以前に腹案を持って,国の制度が改定になりましたら,早くそれらを具体化するように総合的に今から準備を進めてまいりたい,このように考えております。  それから,消防行政について2点ご質問がございました。  まず,救急救命士の養成の問題でございます。せんだって法律が4月に改定されまして,救急救命士の養成,確保は急務の課題になっております。ご指摘ございましたように,救急振興財団の中央とか東京消防庁,横浜,名古屋,大阪では既に養成機関を独自のものを持っておるわけでございますけれども,神戸市は現在のところまだその整備がなされておりません。中央救命研修所に1名,それから隣の大阪市の養成所に1名派遣いたしまして,現在教育を受けておりますけれども,やはり他都市の例をまつまでもなく,神戸市としても独自な養成機関の設定が必要である,このように考えております。今から5~6年の間に 100名余の──救急車の台数からいたしましても 100名余の救急救命士の配置が必要でございますので,できるだけ早い時期に神戸市も独自の救急救命士の養成施設を設け,神戸市だけでなしに県下の市町の要請がありましたら,そちらの消防士の皆さんも研修所に入っていただくという体制で現在検討を進めておりますので,いましばらくお時間をちょうだいいたしたいと思います。  消防行政の第2点の監視テレビの問題でございます。ご指摘のようにポートアイランドに1基と垂水署の管内に1カ所と,2カ所しかございませんけれども,今後新管制システムの構築計画の中で,西区と北区についてもテレビカメラで監視できるような体制を整備していきたいと思っておりますけれども,何分広大な地域でございますし,地理的な条件もあって全面的にカバーするということは困難な点もございますけれども,特に住宅密集地域を中心に効率のよい監視体制を整備するように,引き続き検討を進めさせていただきたいと思います。  さらに,市街化区域の農地の保全と宅地化についてのご質問でございました。ご指摘のように,市街化区域の中に現在 550ヘクタールの農地がございまして,宅地化するのか保全するのか,生産緑地に持っていくのかということは,今ご指摘がございましたように,現在権利者の皆さんに12月中に意向を表明していただくように調査を進めております。これらがはっきりいたしました段階で,権利者の農地の所有者の皆さんのご意向を十分尊重しながら対応していくのが,私たちの必要な姿勢であると思っておりますけれども,同じ区域に隣接して宅地化しようとする農家の方と,生産緑地として残すんだという2つの区分になるわけでございまして,しかし一体的に住宅化する場合は環境のよい,緑の豊かな住宅でやってほしいわけでございますので,2つの権利者の間の土地の集合,分散等々,いろいろご相談に応じまして,できましたら組合を中心とする宅地をつくるための区画整理事業と,生産緑地として保存される皆さんとの意見の調整を十分図っていただきまして,区画整理事業とできましたらほ場整備とが一元的に,一体的に特定の地域についてできるように検討してまいりたいと思いますけれども,ご指摘のように市街化区域の中でのほ場整備というのは現在補助の対象になっておりません。  しかし,同じような事情にある市街化区域を持っている他の都市とも協調いたしまして,国の方に対して積極的に助成をしてもらうように要望しておるところでございますけれども,今のところまだ明確な答えは出ておりません。しかし,国の補助いかんにかかわらず,区画整理事業と生産緑地地域との総合的なまちづくりの計画の中で,今後種々施策を検討してまいりたいと思っております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 11 ◯議長(上田大人君) 福尾教育長。 12 ◯教育長(福尾重信君) 青少年の健全育成についてご答弁申し上げます。  ご指摘いただきましたとおり,子供たちを取り巻く教育環境,これを良好に保っていくためには,地域と家庭の協力が不可欠でございます。教育委員会といたしましては,ご承知のことと存じますが,昭和52年に父母とともに生徒指導を考える会,これを発足させまして,活動をしてまいりましたんですが,その後に考えているだけではだめじゃないかということで,父母とともに健全育成を進める会として今日まで活動をしてまいりました。地域ぐるみで青少年の健全育成に取り組んで,これはかなりの成果を上げたと私たちも考えております。  これもご承知のとおり,本年度からはこれを発展させまして,よりよい充実拡充を図るという意味から,中学校区を単位にして,ふれあい懇話会というものを発足させることにいたしました。今その取り組みを続けているところでございます。  この懇話会では,地域の教育機能を強める,そのための具体策について考えていくということが1点,それから子供たちの余暇の有効活用,その指導に当たるべき人材の発掘,大人と子供の参加できる地域行事,こういったものをどういうふうに行ったらいいかというようなことを皆さんで考えていっていただくというのが,いずれの懇話会でも多く取り上げられておる課題でございます。ご指摘のように,学校の5日制が取りざたされております今日でございます。その条件整備についても考えていただくよう,ただいま学校当局等にも要請をして,同時に地域の皆様と取り組んでいこうとしているところでございます。  現在既にこの懇話会が活動しております事例につきましては,昨日も一部ご紹介を申し上げたところでございますが,子供たちの余暇の活用というものを取り上げてみましても,いずれの懇話会においても,これは地域の問題である,5日制が施行されるといいますか,余暇がふえてくるということについては,子供との関係は地域でも重要な問題であるというふうに考えていただいております。そのために教育委員会あるいは学校は,地域の実態に即しましてどのような対処が必要であるかをただいま考え,検討しております。また,それに対します具体的な支援──ご指摘いただきました支援をいたしたい,積極的にいたしていきたいというふうに考えておるところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 13 ◯議長(上田大人君) 広戸都市計画局長。 14 ◯都市計画局長(広戸敏夫君) お尋ねの市街化区域内の農地の減歩率でございますが,これまでも西区におきまして組合施行の区画整理を数多く実施してまいっております。その中では,農地を30%を限度といたしまして残しながら整備を進めてまいっております。このたび新しい生産緑地制度が実施されることになりまして,いろいろな問題を生じてきているわけでございます。初めての事例でもございますし,今後お話がありました12月中旬の希望申し出を踏まえまして,国とも協議をするなど検討をしてまいりたいと考えております。 15 ◯議長(上田大人君) 質問者,答弁者双方に申し上げますが,相当時間が経過しておりますので,簡明にお願いしたいと存じます。  (「議長6番」の声あり) 16 ◯議長(上田大人君) 6番岡島亮介君。 17 ◯6番(岡島亮介君) あと細かいところ,私も数点ご質問はあります。しかし,おおむねいいご答弁をいただきまして満足をいたしてございます。残されました問題につきましては,決算特別委員会で論議を深めていきたく思っております。これで質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 18 ◯議長(上田大人君) この際暫時休憩をいたします。  午後0時30分より再開をいたします。   (午前11時28分休憩)   (午後0時33分再開)  (浜本副議長議長席に着く) 19 ◯副議長(浜本律子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  午前に引き続き,決第9号より決第23号に至る15件に対する質疑を続行いたします。  10番土居吉文君。  (10番土居吉文君登壇)(拍手) 20 ◯10番(土居吉文君) 私は,民社党市民連合を代表して,平成2年度神戸市一般会計歳入歳出決算並びに関係する諸議案に対して,市長並びに関係者に質疑いたします。  まず,一般会計決算の全般的な内容についてお聞きいたします。  一般会計決算の全般的な執行状況は,歳入の市税,地方交付税が前年度に比べ大きく鈍化した中で,自主財源確保に努力され,実質収支4億 7,700万円の黒字であり,関係者の努力の結果として評価するところであります。  しかしながら,普通会計決算統計で平成2年度の市民1人当たり現債高を見ますと51万 2,000円と,他都市に比べ格段に高い状況にあります。市民に理解いただくためにも,公債費の基本的な考え方を明らかにする必要があると思いますので,市長の見解をお伺いいたします。  2点目の問題は,神戸空港でございます。  神戸空港が国の第6次空港整備計画に組み入れられたとの報告がありました。関係者のご努力に改めて敬意を表しておきたいと思います。しかしながら,予定事業となっており,3つの課題解決の見通しが立った段階で新規事業に組み入れられることになっており,1日も早い開港を目指して積極的な取り組みが今後必要である,このように考えますが,今後の具体的な進め方についてお尋ねしたいと思います。  3点目は,仮称神戸市理工科大学であります。  調査が進められていますが,その調査の内容,設置するのかしないのか,何がネックなのか,明確な答弁をお願いいたします。  4点目は,区長の予算要求権の強化によって,市民のニーズにマッチした市政の展開をということでありましたが,具体的事例としてどのようなことがあり,今後の方向としてどう伸ばしていこうとされているのか,お伺いいたします。  また,市長のキャッチフレーズ推進のため,各区役所に設置したまちづくり推進課が当初の思いの方向で進んでいるのかどうか,お尋ねいたします。  5点目は,行政の基本姿勢でございます。  神戸市として,民間に学べを掲げ,民間活力の導入を図ってまいりました。その成果は大きなものがあったと評価するところであります。しかしながら,証券不詳事,銀行の不正融資に見られますように,目的のために倫理観の喪失した事業の進め方の一面が露呈してきております。バブル経済の崩壊といわれている現象であります。神戸市として黒字にさえなればということが体質としてビルトインされていないかどうか,十分にチェックしておくことが肝要と考えますが,いかがでございましょうか。  6点目の問題は,最近話題になっております出生率の低下という将来の大きな課題が明らかになってまいりました。  一地方自治体として取り組むには過大な事柄でありますが,パイオニア都市神戸として時代的課題として取り組み,解決の方途を見出すため努力をすべきであると考えております。神戸市の現在人口 149万人をマスタープランでは 160万人としていますが,人生80年で単純に考えましても年間の自然増人口2万人となります。その対応策として,新婚者への市営住宅の優先入居,乳幼児検診の無料化,保育園,幼稚園への助成の増額など,今までとは異なった観点からの取り組みが求められているところではないかと思います。組織的,体系的に出生率低下の歯どめに向けて,自治体としてなし得る努力をすべきではないかと思いますが,市長の見解をお伺いいたします。  次に,各費目の内容に関係する質疑を行います。  まず,地価高騰対策についてであります。  地価高騰対策として監視区域を設け対処してこられましたが,その運営実績と効果について総括的に説明願いたいと思います。  次に,交通安全対策であります。  生活圏,スクールゾーンの交通安全対策として,路上駐車追放を推進するためのモデル地区を指定して取り組まれ,また路上駐車追放旬間──11月13日~11月22日を決め,取り組まれてまいりましたが,その効果なり結果はどうなのかお聞きいたします。私が見聞するところでは,看板なり標識は全市的に設置されてはいるものの,多くの場所で守られていないのが実態ではないかと思います。守り,守らせる対策の再検討についてどうか,お考えをお聞きいたします。  次に,民生事業についてであります。  市民1人1人にとって最も身近な行政施策の1つであり,やさしさとぬくもりを実感してもらえているかどうか,その運用によるところが大きいと思います。  そういった観点で予算,決算を見てみますと,生活保護費で10.6%,保育所費 2.5%,心身障害者福祉費 9.6%,老人福祉費 5.7%が不用額となっております。確かに不用額については,制度による申請・給付の結果でありますが,制度を知らないために申請しなかった,また手続が複雑で申請を取りやめた,あるいは窓口で事務的に処理した等によるものがあるとするならば問題であります。運営実態についてお聞きしたいと思います。  次に,ごみ対策についてであります。  住みよいまちづくりのために,まちの美化は欠かせない要件であります。特にごみ対策は,他都市においても大きな課題の1つであると言われておりますし,平成2年度神戸市民1人当たり月額に合わせまして 1,500円,4人家族で月 6,000円強の負担となっております。神戸は山と海を持っており,自然に囲まれた美しいまちとして全国的にも誇れるところでありますが,最近の状況は家庭ごみ,産業廃棄物等,年々増加の一途であり,この対応策を早急に実施しなければなりません。  その対策として焼却設備の拡充,埋立処分地の整備,ごみの減量・資源化の推進が行われております。特にごみの減量・資源化の推進について努力されながらも,ごみとして収集される量はウナギ登りの状況にあり,抜本的な対策が急務だと思いますが,実施結果から見て分別収集,減量化,市民のモラルアップ等について,その評価と反省点をお聞きしたいと思います。  また,ごみを出さない,減らす工夫とともに,どう再資源化するかが総合行政として今求められています。神戸市が率先して過大包装のものは購入しない運動をするとか,神戸市が日常使用している封筒は膨大ではないかと思いますが,まずみずからがごみの最少化へ努力し,市全体として真剣に組織的に取り組めば,必ず従来気づかなかった点も明らかになると思います。  さらに,商品の包装についても,市内のスーパー,デパートが中心となって,簡素な中にも新しい,神戸らしいアイデアの感じられる包装要領の開発に努力するよう誘導するなど,行政としてなし得ることがあるのではないかと思いますが,いかがでしょうか。  次に,産業廃棄物の問題でございます。  産業廃棄物はさらに増加するだろうと想定できます。その中で燃えるものは極力燃やし,燃えないもののうち,例えばビル解体のコンクリート片や道路改修時のアスファルト,土砂等は埋め立てに活用できると思います。神戸空港予定地や舞子海岸等の埋め立てに積極的に活用する考えがあるのかどうか。さらに,布施畑など処分地の延命策のためにも環境局が,生じたものの処理に従事するという受身の姿勢から脱して,民間の力を導入するなどして再利用,再資源化,分別処理,破砕小体積化など,官民総力で対処すべき時期に来ていると考えますが,当局の見解をお聞きいたします。  次に,大型店進出に伴う地元商店街対策と観光客の誘致についてであります。  大型店の進出した地域においては,市場・商店街が衰退してきているのではないかと心配しております。市場・商店街の振興は大きな課題であり,当局としても活性化に向けた努力はしておりますが,コンサルタントの派遣の時期の問題や若手の商業者の意見を聞く場を持つなど,時宜に適した施策が重要であります。例えばハーバーランド,キャナルタウン等においては共存共栄のための施策が必要であり,行政が関与して考えるべきと思いますが,見解をお聞きいたします。  また,観光客の誘致に努力はされてきておりますけれども,神戸を訪れる人数は年々ふえているのでしょうか。あわせて,観光バスの駐車場がネックになっているのではないかと思いますが,その具体策をお聞きしたいと思います。  次に,放置自動車と駐車場対策についてであります。  路上放置自動車が全市で 700台あると聞き及んでおります。現在各所にある廃棄自動車の撤去処分を行政としてなすべきではないかと思っております。過日,東灘区の深江浜町において警察,土木,環境が合同で実施し,高く評価を得ております。今後全市的に拡大すべきだと思いますが,いかがでしょうか,お伺いいたします。  また,車社会が進展していく状況下で駐車場問題は社会問題であります。市内における民間駐車場と公営駐車場の役割分担をどう考えておられますか。さらに,公的資金で設置した駐車場の実態は,各区ごとに大きくアンバランスになっているのではないかと思いますが,今後の公営駐車場設置の考え方をお聞きしたいと思います。  次に,都市計画の繰り越しと工事対策についてであります。  長期的視野に立った,機能的な都市活動に必要な施設整備とすべての市民が安心して暮らせる,やさしさとぬくもりのあるまちづくりを目指していますが,予算に対して決算の執行率が91.8%であり,繰越率 7.7%となっております。地価の高騰や人手不足等,状況変化はあったものの,やさしさとぬくもりのあるまちづくりが順送りになっているのではないかと懸念をいたしております。  さらに,公共設備工事の竣工がおくれ気味の中で,そのしわ寄せが最終工程の室内装飾,冷熱機器取りつけ工事など市内の中小企業者に来ている,そういうことをよく耳にいたします。市としては一括発注をしておりますが,民社党がかねてから主張していますように,分離発注も含めて改善策が必要だと思いますが,見解をお伺いいたします。  次に,住宅事業の繰り越しと県住対策についてであります。  公営住宅建設費執行率75%,翌年度への繰り越し23%,また地域特別賃貸住宅建設費執行率17%,繰り越し83%となっています。公営住宅に対する市民の要望は申し込み倍率を見ても強いものがあると承知しております。したがって,その主な理由並びに翌年度への繰り越し分がその後計画どおり進捗しているのかどうか,昨日の質疑にもありましたが,再度決意を含めてお聞きをしたいと思います。  さらに,市営住宅については改良・建てかえが進められており,その努力は認めますものの,市内にある県営住宅については老朽化しているもの,建てかえによって土地の有効活用ができると思われるものがございます。県との連携なり住宅施策に対する調整がどうなっているのか,お尋ねしたいと思います。  次に,消防事業の諸課題についてであります。  21世紀を展望した海上都市六甲アイランドに見られますように,超高層建築物が林立してくる中で,消防体制の検討は緊急を要すると考えております。それらを想定しての消防計画策定委員会を平成2年9月に設置され,検討しているとなっておりますけれども,今日の段階でどこまで進んでいるのか,お聞きしたいと思います。  あわせて,市民の命と財産を守る消防局として,特に新しく制度化された救急救命士の資格取得者の増員と配置が急がれますが,この内容につきましては午前中の答弁の方向で積極的な対応を強く要請しておきたいと思います。  次に,私立幼稚園に対する助成策についてであります。  私立幼稚園は,経営を含めまして大変厳しいと聞いております。特に教師の労働条件では市立との格差が大きく,また人材育成等の面で苦慮しているとの実態があると聞き及んでおりますが,私立幼稚園に対する助成の一層の拡充の検討と就園奨励助成の拡充が必要と考えます。どう考えられますか,お聞きしておきたいと思います。  最後に,特別会計に対する繰入金についてであります。  特別会計の公営市場事業費でありますが,一般会計からの繰入金が約30%,食肉センター事業では約70%となっております。その他の事業費についても同様なことが言えますが,一般会計からの繰り入れが多額に上っていますけれども,今後の見通しと,これからもこの方法を継続されるのか,お聞きいたします。  多岐にわたる質疑項目となりましたが,市長の明快なご答弁をお願いいたします。ありがとうございました。  (「議長」の声あり) 21 ◯副議長(浜本律子君) 笹山市長。 22 ◯市長(笹山幸俊君) ただいまの土居議員のご質問にお答えを申し上げます。まず,私から数点お答え申し上げます。  第1の公債費の基本的な考え方でございますが,ご指摘がございましたように現債高が他都市に比べて非常に高いということでございます。本来,起債につきましては世代間の負担といいますか,現在の市民あるいはまた将来の市民にそれぞれ負担をしていただくという施設あるいは事業,そういうものについて起債を起こしておるわけでございますが,やはりそういった均衡を保つ必要があろうかと思います。そういうことで,公共施設あるいはいろんな施設の整備については,重要な財源になっておるわけでございます。また,行政水準をどうしても上げたい,また市民の皆さん方の要望も非常に強い,こういうことに対してのいろんな仕事に対応するような起債,こういうものもございます。そういうことで,現債高が他都市より多いという原因の1つでございます。  しかし,起債の依存度といいますか,これは過度に高くなってまいりますと,これは将来公債費負担が高くなるわけでございますので,弾力的な財政運用が困難になる,こういうことになりますので,できるだけそういったことにならないように絶えず注意をいたしております。今のところ特に支障があるということはございませんが,十分注意してやっていきたいと思います。  今までの経験から申し上げまして,特に起債を利用するということについては,補助事業でやりますと相当時間がかかりますし,補助率が非常に低い,こういうふうなこともございますので,先行的に下水なりあるいは公園,また社会的な資本,こういうものについて今までやってきたわけでございますが,相当現在では他の都市に比べまして,そういったやり方については一応成功しておるんではないか,こう思っております。  これにつきましては十分市民の皆さん方に,この起債という中身につきましてご理解を得て仕事を進めたい,こう思います。今後はそういうことで,特に議論になりますのは,公債比率が幾らぐらいというのがいつも基準になります。国の方で20%以内と,こういうことを言われておりますんで,そういうことにならないようなことを十分考えていきたいと思います。  また,これを実際に運営していくのには,起債だけではいけませんので,基金なりの活用を図っていきたいと思っております。できるだけ後年度の皆さん方に過大な負担をかけるということは避けるように努力をしたいと思っております。  それから,空港の問題ですが,お話がございましたように昨日の航空審議会で3条件が提示されております。これにつきましては,既に空港の基本計画の中でも留意事項ということで指摘をいただいておる内容でございまして,これにつきましては早期に解決の努力をしていきたいと思います。特にこの問題につきましては,十分市民の皆さん方のご理解を得る努力が必要と思っております。
     今後はこれらの計画につきまして,それに関連します計画の変更がございます。例えば港湾計画の中に空港が入ってまいります。それから,アセスメントの手続,そういったものが必要でございますし,その手続前の調査,これも十分まとめた形で手続に入るということになります。  それから,実際の作業に当たりますのには,現在の企画調整局だけでは少し人手不足にもなりますので,これについては十分新年度配慮していきたい,こう思っております。  要は公害の少ない,公害のない安全な空港にしたい,こういうのが願いでございます。よろしくお願いを申し上げます。  それから,区の事業でございますけれども,区の仕事につきましては発足しましてから1年半ほどになりますが,その中で特にまちづくり推進課がやっております仕事,これ非常に大変でございまして,当初から予想はしておったわけでございますけれども,主幹と係長ということでやっておりますが,特に区の中にあります各課それぞれ相協力をしていただいて,それぞれのまちづくりについての地元との話し合いというものを進めさせていただいております。  職員は新しい仕事でもございますし,組織でもございましたので,多少逡巡といいますか,地元との話に,違った毛色の話が持ち込まれたわけでございますので,ちょっと困っているんではないかという節もございます。しかし,何とか皆さん努力をしていただいておりますので,いろいろと提案が出てまいっております。特に各区から各2~3,合計で16ほどの提案あるいは事業化についての計画が出てまいっております。  例えば東灘の酒を生かすまちづくりとか,あるいは兵庫の津の歴史の道とか,あるいは中央区の布引公園にあります歌碑の復旧といいますかそういうもの,また西の方,農村地域では河川でございますけれども,河川敷を使っていろんな広場をつくったらどうかとか,こういういろんな,それぞれ区によって個性のあるアイデアといいますか,事業化に向けての提案がされておりますので,できるだけ早くこれを事業化していきたいと思います。要は,地域の皆さん方の区としての仕事がプラスになっておりますので,これについてはパイプ役をしていただきながら,今後も各事業局との協調が十分図れるような,いわゆる組織体というものをつくっていきたい,こう思っております。  それから,都市経営の問題でございますけれども,外郭団体その他が例えば黒字優先ということで,そういった体質がいまだにあるんではないかというご質問でございますが,確かに企業感覚でそれぞれ外郭団体の仕事をさせておりますけれども,やはりもともと外郭団体というのは市の事業を補完するということでつくった第三セクターでございますので,これについてはそういった所期の目的を失わないように指導していきたい,こう思っております。  ですから,極端に言いましたら十分調査なり企業感覚でやるということはむだを省く,こういうことでございまして,その執行についてはそれなりの工夫は要るということでございますし,それぞれその事業が成否にかかわる問題があるかどうか,そういったことを勉強する機会でもあります。そういうことで,効率的に仕事をやっていく勉強にもなりますので,外郭団体をつくった目的に沿っての仕事をやらせたい,こう思っております。  もう1つは,外郭団体独自の仕事というのも実はございます。これはいろんな仕事をやっていく上で,みずからこういう地域のためにやりたい,またその外郭団体のいわゆる定款にあります事業目的に沿っておれば,今までやっていなかったような仕事も手を出してもらいたい。これは午前中にも少し申し上げましたけれども,外郭団体等がやれる仕事,市の仕事あるいは環境基準に合うような内容で,みずから仕事ができるということであれば,その外郭団体の名前でやってもらう,こういうことも1つの方法ではないか,こう思っておりますので,そういう意味で十分気をつけて,目的なり効果を十分に見きわめた上で執行させたい,こう思っております。  要は全体的に市のやる仕事の補完ということを忘れないようにさせたいということでございます。  以上,私からご答弁申し上げました。あとは助役等から答弁させます。  (「議長」の声あり) 23 ◯副議長(浜本律子君) 田渕助役。 24 ◯助役(田渕榮次君) 私から数点にわたりましてお答えを申し上げます。  まず,路上駐車対策につきましては,駐車場の整備,そして警察の指導・取り締まりの強化,そしてまた駐車マナー,こういった事柄について市民意識が向上する,そういったことで効果が上がってくるんではないかというふうに考えております。  市民啓発の核としては,市民運動の盛り上がってまいりました地域については路上駐車追放推進モデル地区というのを設置いたしまして,路上駐車の追放を推進いたしておるわけでございますけれども,現在全市で44カ所,地区がございます。そういった地区では,市民なり区役所あるいは警察その他の関係機関が一体となりまして,夜間パトロールを実施し,路上駐車の追放を呼びかけておるわけでございます。  その効果といった点でございますけれども,三宮のような地区については若干難しい点もあるわけでございますけれども,一般的にはモデル地区を設置した地区につきましては,設置後はやはり駐車が減少をいたしております。しかしながら,活動が軌道に乗りまして,ある一定の時期までは減少いたすわけでございますけれども,ある一定線になりますと,それ以下がなかなか減っていかないというのが実情でございます。現在自動車の保有台数も増加の傾向にありますから,その辺を考えるとやはり一定の効果は上がっていっているというふうに考えております。  次に,路上駐車しないことを守らせるための方策につきまして,ことしの5月にソフト面からとるべき方策について検討をしていただくために,住民,学識経験者で構成をいたします神戸市駐車対策懇話会というのを設置いたしました。これまでのモデル地区活動をはじめとする路上駐車追放運動を踏まえまして,去る10月にご提言をいただいたところでございます。今後は昨年の11月に策定をいたしました駐車場整備総合対策,そしてまたことしの駐車対策2法いわゆる改正道路交通法,車庫法,こういった2法の施行にあわせまして,市民の快適な生活を守るために警察その他の関係機関と連携を密にしながら,一体的に事業を進めてまいりたい,このように考えております。  具体的にはモデル地区活動の実効性のある活動の展開,そしてまた会社や事業主に対しまして業務用の自動車を持ち帰らない,自粛をしていただくということを呼びかけていきたいと思います。  また,一方ドライバーの側からの違法駐車,迷惑駐車をしない市民運動の展開,そしてまたさらには家庭なり学校,地域での子供のときからの自動車の使い方などのマナー教育,そういったことで可能な限り順次施策に反映をさせていきたい,このように考えております。  次に,ごみ問題でございますけれども,特にごみの減量・資源化についてですが,ごみの減量・資源化は,廃棄物行政の当面する最重要課題でもございます。神戸市といたしましても,強力に取り組みを行ってまいっておるところでございますが,まず減量・資源化の基本は排出前段階でできるだけごみとして出される量を減らすということでございます。そういうことで,資源集団回収活動への助成を行いますとともに,またコンポスト容器の購入についての助成,あるいはガレージセールの開催等を実施いたしております。  また,排出段階での対策といたしましては,空き缶の分別収集モデル実施とか,あるいはごみステーションでの古紙回収事業,こういったことを行っているわけでございますけれども,事業系ごみ資源化推進委員会というものをまた別途設置いたしまして,事業系の紙ごみ等の資源化の方策を検討いたしているところでございます。  こうした諸施策の推進によりまして,年間2万 2,000トン余りの減量がなされております。約3%程度に匹敵するわけでございますけれども,そういうことで一定のごみ減量の効果が得られているというふうに考えております。  なお一層の減量化を図るためには,さらに排出前段階あるいは排出段階での取り組みの強化,あわせまして中間処理段階での対策も重要であるというふうに考えております。総合的な減量・資源化施策の推進に向けまして,今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。  次に,過大包装の問題でございますけれども,ふえ続けますごみ量が快適な市民生活を守るといった観点からも大きな障害となっております。ごみ量増大の原因の1つには,ご指摘のとおり商品の包装紙,これがごみとなるわけでございますけれども,そういったものの著しい増加もございます。神戸市では,過大包装の追放につきましては,神戸市民のくらしまもる条例におきまして,過大包装の禁止を規定いたしております。これに基づきまして事業者への指導を行いますとともに,消費者団体の過大包装追放運動というのを支援いたしております。  また,ことしの7月には市長の附属機関であります神戸市消費者包装適正化委員会から「今後の消費者包装適正化のあり方について」といったご答申をいただいておるわけでございます。これは,これまではいわゆる消費者が中身というよりもむしろ包装紙を買っているんではないか──過大包装ということでございますけれども,こういった考え方で消費者が不当に高いものを買わされている,そういった観点から事業者に対しましていろいろ改善の要求をしてまいったわけでございますけれども,今回の答申にはむしろ環境問題に焦点を当てた施策を進めるというふうになってございます。  具体的には市内百貨店,量販店,生協,神戸市と,こういった形で構成をいたします神戸市消費者包装連絡会というものを設置いたしまして,包装の適正化について話し合いを進めております。販売店等の簡易包装の取り組みの推進,そして環境にやさしい包装形態の研究等によりまして,実効性のある施策について協議を進めております。今後とも消費者への情報提供,啓発活動の充実についてもさらに強化いたしまして,事業者,消費者,行政,こういった3者が一体となって過大包装の排除を進めてまいりたい,このように考えております。  それから,次に建設廃材でございますけれども,神戸の産業廃棄物は建設廃棄物あるいは建設残土を中心に増大をいたしております。このため処分場の不足といったものが大きな問題,課題となっておるわけでございます。廃棄物問題の抜本的な解決を図っていくためには,国におきましてリサイクル法の施行,あるいは廃棄物処理法の改正,これによりまして廃棄物の発生量の抑制あるいは減量化,再生利用の積極的な推進に向けて,制度面の整備を図ったわけでございます。民間の諸施設整備に対する融資あるいは各種の助成制度の新設,こういったものを国の方でも検討中でございます。  神戸市におきましては,既にポーアイとかあるいは六甲アイランドの埋め立てにつきましては,土砂あるいはコンクリート片,アスファルト片といったものを処分をしてまいりました。そういうことで処分地の延命を図ったわけでございますが,今後引き続きまして神戸空港などの埋め立てにも積極的にこういった建設廃材の処分地としての活用もしてまいりたいというふうに考えております。  同時に今後は建設廃棄物の再生利用を積極的に推進するために,昨年11月に関係部局で庁内対策会議を設置いたしました。そういうことで今検討し,また指針を設けようということで進めております。将来的には建設廃棄物の発生量に見合ったリサイクルプラント,これを設置いたしまして仕事を進めたいと思いますが,また一方国の助成ということも考えまして,本市におきましては民間プラントの設備に対しまして融資制度の充実強化を図っていきたい。また,民間企業に対しましても一定の誘導なり支援策を講じるということで,官民一体となった建設廃棄物の再生利用こういった点で積極的に取り組みたい,このように考えております。  次に,廃棄自動車の問題でございますけれども,これも最近自動車の廃棄台数が増大をいたしております。廃棄自動車に占めるシュレッダーダストいわゆる金属でないプラスチック製のようなものでございますけれども,こういったものが非常に割合自動車の使う材料といいますか,それがふえているわけでございます。そういったことで処理費用が非常に高くつくわけでございます。そういうことで廃棄自動車を適正に処理するということは非常に難しくなってまいっておるわけでございます。そういうことで一部道路等の公共の場所等に放置をされまして,市民全部が迷惑をしている,こういった状況でございます。  この路上放置の原因としては,やはり先ほども触れましたとおり,解体処分費用が必要になってきた。お金を払わなければ持っていってくれない,こういった問題やらあるいはまた受け手といいますか,廃車の引き取り体制が不十分である,そういった業者が若干零細業者が多い,こういうことでございます。また,廃車の際に陸運局で廃車の処分を確認するというふうな手続にはなってない,そういったシステムにはなってないということ,こういったことが考えられるわけでございますが,道路上の放置自動車については既に全市で各土木事務所が取り組んでおります。  ナンバープレートのないぽんこつ車──ナンバープレートのついたものにつきましては,警察の方で対応いたしておるわけでございますが,いわゆるナンバープレートのないぽんこつ車については,除却勧告書を張りまして自主撤去を促しております。  そういった結果,ほぼ半数が自己処理をいたしているわけでございますが,それでもなお放置されているものにつきましては,罰則等のペナルティーを科すために警察でその所有者の発見に努めております。所有者が判明しないものにつきましては,交通安全上等の理由で警察とも協議をいたしまして除却をいたしておるわけでございます。  今後は路上駐車を未然に防ぐためには,やはりメーカーなりあるいはまた販売店協会,こういったところに対しまして廃棄自動車の回収制度の強化を図るように要請をしていきたいと思いますし,また先ほどのいわゆる陸運事務所に対しましても,廃車届けの受理に際しましてはいわゆる廃棄自動車の処分の確認について制度改正が図られるように申し入れをしていきたい,このように考えております。  次に,駐車場の問題でございますけれども,この問題につきましてもやはり不法駐車等々の問題でいろいろと社会問題になっているわけでございます。そういうことで,神戸市といたしましても駐車場整備を図るために,昨年11月に駐車場整備総合対策を策定いたしました。その内容は駐車場整備地区の拡大,附置義務条例の強化,公共駐車場の整備促進,集合住宅駐車場整備基準の策定,駐車場整備型総合設計制度の創設などであります。  このうち公共駐車場の整備は,安全かつ円滑な道路交通の確保並びに都市の活性化の観点から積極的に取り組む課題であると考えておりまして,既に三宮駐車場ほか4カ所で 2,064台の整備をいたしております。さらに,神戸駅南駐車場,元町東駐車場,荒田,長田等,こういったところで建設中でございます。  今後とも国の融資制度あるいは補助制度を活用いたしまして,道路あるいは公園の地下,公共建築物の地下空間,こういったところを有効利用いたしまして,駐車需要の多いところから順次公共駐車場の整備拡充に取り組んでいきたい,このように考えております。  また,民間につきましても,業務地区等で駐車需要を引き起こす大規模建築物に対しましては,駐車場の設置を義務づけております。設置義務条例の改正,強化によりまして,なお一層の駐車場の確保を図ってまいります。  このほか,集合住宅の建設に際しましても,駐車施設の整備を義務づけております。このように公民それぞれの役割分担によりまして,駐車場の確保に取り組んでいるところでございます。  なお,平成2年度末累計で附置義務駐車場の収容台数は約1万 2,000台ということでございます。また,公営駐車場は土木局所管の,先ほど申し上げました 2,064台以外にもそれぞれの局で実施をいたしておりまして,全市で約1万 8,500台というふうになってございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 25 ◯副議長(浜本律子君) 緒方助役。 26 ◯助役(緒方 学君) 私から数点,お答えを申し上げます。  まず,理工科大学の件でございますけれども,平成元年の11月に基本構想が出されました。以来,結論的に申しますと,慎重に調査研究を続けているということでございます。何分大きなプロジェクトでございますし,財政負担もかなり大きいものでございますので,慎重に対応しているところでございます。  どういう調査をしたかということでございますけれども,平成2年度におきましては大学と地域社会,あるいは地元の企業との連携のあり方などを念頭に置きまして,大学の教育研究の高度化,あるいは産業界との交流システムに関する調査,そういうものをやっております。  それから,平成3年度でございますけれども,研究開発機能の強化策というようなことから,大学と研究所の機能の比較調査,そういうものもやっております。今後平成5年度以降,18歳人口が急減していくというようなこともありますので,将来を見越した神戸におきます理工系高等教育研究の振興の望ましいあり方,そういう面につきましてさらに検討を進めてまいりたいと考えております。  文部省におきまして,文部省の大学審議会が平成5年度以降の高等教育の計画的整備についてというような答申を出しておりますけれども,これは平成3年5月に出ておりますけれども,やはり従来と同様3大都市圏,神戸も含むわけでございますけれども,3大都市圏におきましては大学等の新増設を抑制していくという従来の方針に変わりないわけでございます。国との関係もあるわけでございますけれども,いずれにいたしましてももうしばらく時間をいただきまして調査検討をしてまいりたい,そういうふうに考えております。  それから,出生率の低下に伴う対策でございますけれども,女性の社会的進出あるいは晩婚化,いろんな理由があろうかと思いますけれども,出生率が低下してまいっておりまして,その対策といたしましては,子供を産み,育てやすい環境づくりが必要であると思います。  そのようなことのために労働時間の短縮あるいは子育ての男女共同化といいますか,そういうことが必要なことでございますが,これも一自治体としてはなかなか取り組みにくい問題が基本的にあろうかと思います。国レベルでの対応が望ましいわけでございます。そうは言いながら,本市といたしましてもどのような施策が打ち出せるか,そういうものを今後いろいろと検討をしてまいりたいと考えております。  それから,大型店の進出に伴う市場・商店街対策でございますけれども,本市といたしまして商店街及び市場の活性化を図っていくために,1つはいきいき商人づくり──人づくりですけれども,いきいき商人づくり。それから,2つ目は魅力ある商業づくり──魅力づくりといいますか。それから,3番目は快適商環境づくり,いわゆる快適な環境にしていこう。そういうような3つの視点──柱を建てまして,ハード面,ソフト面いろいろと対策を用意いたしまして実施しているところでございます。  特に平成3年度におきましては,国・県も含めまして商業支援策を紹介する支援策ガイドというようなパンフレットを作成いたしまして,商業者に配付しまして活性化事業に取り組みやすいようご案内をしているところでございます。  また,コンサルタントの派遣でございますけれども,これも商店街がCIをつくったりして活性化策を検討するときに必要なわけでございまして,地元と相談しながらできるだけ事業にふさわしい人を必要な時期に派遣していきたいということもやってございます。  それから,これもご指摘ありましたように若手商業者との意見交換の場でございますが,ニューリーダー神戸とかいうような場も設けまして,いろいろと話し合いを持って,できるだけ支援策が時宜を得た有効なものになるように努力をしているつもりでございます。  最近,都市間競争が非常に激しくなってきておりまして,そういう観点から神戸商業の発展を図っていくためには,やはり大型店とこういう小型店といいますか,そこらの共存共栄策がもう不可欠ではなかろうか,そういう機運があるわけでございまして,いろいろと施策・手段を講じております。  具体的にはハーバーランドでございますけれども,これもハーバーランドの区域の中だけが発展振興してもこれはちょっとぐあいが悪いわけでございまして,そこの相乗効果をやはり周辺にもたらすということが大事だ,そういう考え方からアクセス整備,あるいは周辺地域の再開発,商業基盤整備,そういうものをできるだけ面的な形で取り組んでいきたい,そういうふうに考えて一部既に実施をいたしております。  それから,キャナルタウン兵庫の場合も似たような事情にあろうかと思いますけれども,具体的な検討はむしろこれからということになるわけでございますけれども,周辺の商業者の方々と十分な調整を行い,地域全体の活性化につながるように努力をしてまいりたい,そういうふうに考えております。  それから,観光客の増に伴います主として駐車場の問題でございますけれども,平成2年の観光客の見込み数でございますけれども,昭和52年の約 1.7倍・ 2,332万人という数字が上がっております。毎年約3~5%ふえておりまして,一応順調な伸びを示していると考えております。  これは継続的に続けております神戸の観光キャンペーン,それから基本的には神戸のまちそのものが魅力的になってきているというようなこともあるわけでございますけれども,加えてシティー・ループあるいは新神戸ロープウエー等,次々と新しい話題を提供できてきている,そういうようなことが1つの原因になっておろうかと思います。  観光バスの駐車場につきましては,大変難渋しておるわけでございますけれども,特に北野地区がネックになっております。年間約1万 3,000台が訪れておりまして,多いときには1日 100台を超える日もあるわけでございまして,そのため昭和63年からは山手幹線に観光バスの降車帯を設けまして,誘導員2名でございますが配置いたしまして,観光客の降車後のバスを臨海部の駐車場の方に誘導したり,あるいは各府県のバス協会に対しまして協力を要請するなどいろいろ手は尽くしておりますけれども,十分ではございません。  新神戸ロープウエーも開通し,さらに観光バスがふえることも予想されますので,観光バス専用駐車場の確保はぜひ必要なものだと認識をいたしております。本年度はそういう観光バス対策といたしまして,駐車場の立地の可能性,非常に難しい地域でございますけれども,立地の可能性につきまして調査しておりますので,そういうことを踏まえて対策を講じていきたい,そういうふうに考えております。  それから,市場事業費等の繰入金の問題でございますけれども,平成2年度の市場事業費の繰入金は約9億 6,700万円となっておりまして,非常に多額に上っております。市場の公共性,そういうことに着目をいたしまして,自治省におきましても1つの繰り入れ基準を定めております。ちなみに,その繰り入れの基準額と比べてみますと,基準額が6億 3,500万円となりますので,繰入金との差は3億 3,200万円,それだけ超過という形になってございます。  それから一方,今後ともそういうことでできるだけその繰入金を減らしていきたいという努力をしたいと思いますけれども,市場の経費の節減あるいは利用者の方々の応分の負担などをお願いいたしまして,努力をしていきたいと考えております。  それから,食肉センター事業費におきましても,同様な状態があるわけでございます。特にこの施設は老朽化しておりまして,多くの収入の増というのが望めない現状にございます。それに反しまして支出面では修理費等が非常に多くかかる,そういうふうな不つり合いの状況にあるわけでございますけれども,現在建てかえ計画を検討いたしておりまして,この建てかえの中で業界の方々とも十分に協議をいたしまして,市場運営の合理化を進めるとともに応分の負担といいますか,適正な負担といいますか,そういうことも相談しながら繰入金の抑制に向けまして努力をしてまいりたい,そういうふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 27 ◯副議長(浜本律子君) 小川助役。 28 ◯助役(小川卓海君) 消防行政の1点についてお答え申し上げます。  ご指摘のように昨年秋,消防局に学識経験者並びに消防局の職員による消防基本計画策定委員会を設置いたしました。1年間いろいろと審議・検討・調査を進めてまいりました。現在報告書を取りまとめ中でございますけれども,21世紀に向けた消防行政,中長期的にどのようにあるべきかということを中心に審議を進めていただいたわけでございます。若干審議の過程で出てまいりました問題点でございますが,先ほどご指摘もございましたが,まず社会環境の大きな変化,人口の動向あるいは高齢化社会の到来,国際化の進展,技術革新と高度情報社会の進展等々,さらに都市構造の問題,先ほどご指摘がありましたように建築物の超高層化時代,さらに逆に地下構造物の建設,あるいは産業基盤の変化,交通機関等の変化,こういうことの大きな社会情勢の変化がございます。  加えて,災害そのものも火災・災害から救助あるいは救急・救命といった新たな消防行政に対するニーズが大きくなってきておるわけでございます。それらを踏まえまして,終局的にはやはり安全なまちをつくっていく,市民の皆さんが安心して暮らしていただける神戸市を建設していくということでございます。アーバンリゾートシティ建設の根幹もやはり市民の皆さんが安心して暮らしていただける神戸市ということに究極はなろうかと思います。  それらの諸問題を踏まえまして,今後の消防体制は21世紀に向けてどういうふうに整備していったらいいかと,組織の問題もございますし,人材の確保育成の問題,さらには消防機材,消防車,救急車等の施設の整備,それから消防署あるいは支所等の設置の問題,配分の問題というふうな大きな問題,基本的な問題を,近くまとまりました報告に基づきまして消防局で基本計画を立てまして,また議会の方にお諮りする,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 29 ◯副議長(浜本律子君) 福尾教育長。 30 ◯教育長(福尾重信君) 私立幼稚園に対します助成につきましてご答弁申し上げます。  私立幼稚園に対します助成をはじめといたしまして,いわゆる私学の振興に関します事務・業務といいますか,これは本来ご案内のとおり国並びに県が実施するという,そのようないわゆる役割分担になっているわけでございますが,兵庫県は私立幼稚園に対しましてこれに基づきまして人件費それから教材費など経常費でございますが,それに加えまして施設整備費の補助を行っております。  私立幼稚園の経営状況の厳しさというものがございまして,それに対しましてこのような国並びに県の助成というものがなお十分でないという現状があることは承知します。そこで,神戸市としましてもこれを補完するという立場にありまして,私立幼稚園に対しましては施設整備費,それから教材費,それから教職員に対する研修に関します経費,そういったものの充実を図るという考え方からの助成を行っております。  それに加えまして,なお最近の地価の高騰あるいは建設費の高騰等がございますので,平成2年度からは幼稚園の建設並びに施設の整備をするという場合に,利子補給制度を行っておりましたんですが,これを大幅に改善をいたします。園児1人当たりに対しますこうした助成額や,ただいま言いました利子補給制度の内容につきましても,他の大都市と比較して上位にございます。1~2を争うような立場の助成をしておるのが現状でございます。  また,一方では私立幼稚園の在園児の保護者の経済的負担の軽減を図るという,そういう目的で神戸市におきましては,ご案内のとおり昭和43年度からでございますが,国も後ほど制度を設置したんでございますが,先駆けること4年以前に神戸市単独事業として就園奨励助成制度というものを設けて実施をしてまいりました。  この制度もその後国が追ってまいりましたんですが,平成3年度,今年度現在で申しますと国の補助対象者,これは所得基準を設けておりますので,それから外れますところのすべての保護者に対しまして,5歳児の保護者には3万 9,600円,4歳児の場合ですと少し落ちますが,1万 2,000円の神戸市単独の助成を行っておるのがただいまの状態でございます。これからも私立幼稚園の経営の安定ということが大事でございますし,神戸市の幼児教育,公私一体になって,私立幼稚園にも負うところが大きゅうございますので,経営の安定と保護者の負担の軽減をするためにはこの助成の範囲の拡大については一層の努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 31 ◯副議長(浜本律子君) 前野理財局長。 32 ◯理財局長(前野保夫君) 監視区域と公共設備工事の2点についてお答え申し上げます。  まず,監視区域の実績でございますが,これは著しく適正を欠く,高い取引と見て価格指導をした割合で見ますと,平成2年度では届け出件数が 6,832件に対しまして,価格の指導件数が 2,335件でございまして,いわゆる指導率が34%となっております。  次に,効果でございますが,監視区域の効果を数量的にあらわすのは非常に難しゅうございます。ただ,地価につきましては,ご案内のとおり昨年の秋以降下落傾向に転じておるわけでございますが,これらは今申し上げました監視区域制度の厳正な運用だけじゃなく,それ以外にも金融機関の不動産融資に対する総量規制の問題,あるいは金利の状況等いろんな諸制度が総合的に効果を発揮したものと考えております。  ただ,自治体が直接実施いたしました監視区域制度につきましては,地価抑制の直接的な制度でございまして,私はやはり一定の効果があったものと考えております。  次に,公共設備工事のおくれの問題でございます。施設等の建設工事の仕上げ段階におきましては,壁とか天井,サッシ等の仕上げや塗装,あるいは家具,手すりの設置など室内装飾を含んだ建築工事,また照明器具の取りつけとか,空調機器の取りつけ等の設備工事など,非常に多種類の工事がふくそうしておるのが現状でございます。  これらの工事を受け持っておりますのが,多くは中小の下請業者でございまして,これらの業者に工事のおくれのしわ寄せが来ないための対策といたしまして,1つは余裕ある工期の確保に努める。2つ目は,工事の着工に当たっては工程計画を立て,月1回から2回の工程調整を行いながら工事を進めておりますが,今後一層工程調整,監理に努める。これは2点目でございます。  3点目は,実際そのしわ寄せを受けて困るというようなケースでございますが,そういったケースで工期を延長すべきものにつきましては,適正な工期に延長するということによって対応してまいりたい,このように考えております。  なお,施設等の建設工事でございますが,基本的には建築工事,それから電気設備工事,機械設備工事,昇降機設備工事に分離して発注しているのが現状でございますが,ご指摘の工事の仕上げ段階の多くのふくそうした工事についてさらに細かく分離発注することは,例えば工事中の安全管理あるいは完成後の瑕疵にかかわる責任の問題,それから分離した工事ごとの検査,引き渡し等が必要となりまして,逆にさらに工期が長くなるような問題がございます。  また,仮設の共用負担にかかわる問題などが出てくるわけでございまして,さらに細かく分離発注することは非常に難しいんではないかというふうに考えております。むしろ先ほど申しましたように積極的な工程調整を行う,あるいは適正な工期の決定を行うということによって中小業者にしわ寄せがかからないように対応してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 33 ◯副議長(浜本律子君) 鈴木民生局長。 34 ◯民生局長(鈴木富士彦君) 福祉関係の運営等についてお答え申し上げます。  まず,ご指摘の生活保護費の問題でございますが,その費用の大半は生活扶助費とかあるいは医療扶助費とかいった法律扶助費関係におきまして,好景気に支えられた雇用情勢の改善などによります被保護世帯,人員の減少等により生じたものでございます。  また,心身障害福祉費の不用の大半は,措置費におきまして受け入れ施設の整備のおくれ等により,措置人員が当初の見込みよりも下回ったことなどにより生じたものでございます。したがいまして,いずれも法律に基づく扶助あるいは措置といった法的な制度の実施の面で不用となったものでございます。  一方,ご指摘の福祉制度の周知の問題あるいは利用手続といった面でございますけれども,市民の利便をより一層図っていくため,これは例えばでございますが,国際会館にございます市民福祉相談センター,それから昨年の7月に全部の福祉事務所──10カ所ございますが,そこに開設いたしました福祉相談コーナーを活用していくこと,また相談のハンドブックあるいはガイドと申しますか手引書,そのほか各種の広報誌,情報誌,機関誌等によりますPRなど福祉制度の利用あるいは手続,相談等に取り組んでおるところでございますけれども,今後ともより一層あらゆる場,あらゆる機会をとらえまして,効果のある市民への周知啓発にさらに努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
     以上でございます。  (「議長」の声あり) 35 ◯副議長(浜本律子君) 広戸都市計画局長。 36 ◯都市計画局長(広戸敏夫君) 都市計画費の繰り越しでございますが,都市計画事業はご指摘のように長期的視野に立って機能的な都市活動に必要な都市施設を計画的に整備することを目的といたしております。平成2年度は地価高騰によります用地買収の遅延,工事工程上の計画変更などによりまして,やむを得ず垂水の再開発等で事業の一部を繰り越しいたしております。既に,大半の執行を完了いたしております。今後とも事業の適正,計画的な執行に努めてまいります。  (「議長」の声あり) 37 ◯副議長(浜本律子君) 伊藤住宅局長。 38 ◯住宅局長(伊藤雄三君) 住宅問題につきましてお答えを申し上げます。  2点ございますが,まず1点目は2年度の執行が,公営住宅あるいは地域特賃とも非常に低いということはなぜかということと,それと繰り越し分についてのその後はどうかというお尋ねでございます。まず,この件からお答えを申し上げます。  本市におきましては,公営住宅を住宅政策の重要な柱の1つとして位置づけました長期計画に基づきまして神戸の将来に向けての住まいづくりの一助となるよう立地,あるいは建設,あるいは運営に至るまで全般的に適切かつ円滑な執行に努力をしているところでございます。建設に当たりましては生活利便あるいは交通の便あるいは職住近接等ご勘案の上,市街地での建設ということを重点に事業進捗を図っているところでございます。  また,土地の問題でございますが,全体的に用地が少ない上に住宅地としての適地がなかなか見つからないというのも,これも事実でございます。この中にありまして一層取得には努力いたしますが,方法の1つといたしまして庁内の各局の持つ貴重な土地の有効利用の面からも,各局と連携を図りながら各施設の複合化を図っているところでございます。  また,一方建てかえの問題でございますが,市民の共通の財産であります既設の公営住宅をいつまでも市民の役に立てるために,老朽住宅の建てかえにつきましても約20年ほど前から実施をいたしておりまして,既に市営住宅の団地では70団地ほど建てかえを実施しております。もちろん都市防災といいますか不燃防災も図りながら,良種住宅の戸数を増加するということにつきましてもできる限り努力をしているところでございます。もちろんこの建てかえにつきましても,既に入居されている方々とよく話をしながら,また理解をいただき,実施をしているところでございます。  ご指摘の2年度事業の執行が低いという件でございますが,ただいま申し上げましたように事業執行には鋭意努力しているところでございますが,2年度等におきましては用地高騰による用地の取得難あるいは事業調整等につきまして難航いたしまして時間を要しました。やむなく繰り越しをいたしております。  国の制度上の問題もありますけれども,ただいま申し上げました建てかえ事業あるいはそのほか工事の調整を要する工事というものもたくさんございます。その調整も多種多様にわたっております。このため時間を要しているわけでございます。まことに申しわけなく思っております。市民の要求の強い公営住宅でございますので,今後とも適地の取得には努力いたしまして,公営住宅の事業執行には今後とも最大の努力を傾けていきたいと存じておりますので,どうかご理解を賜りたく存じております。  それでは,2番目の問題でございますが,県営住宅との関連でございます。老朽いたしました市営住宅の建てかえにつきましては,先ほど申し上げましたとおりでございますが,できるだけ良質な住宅の供給戸数を増加させるということで実施をしております。  本市につきましての建てかえのことを若干申し上げますと,従来から木造住宅あるいは低層住宅の建てかえに引き続きまして,中層の4階建てもしくは5階建ての建てかえや,あるいは2戸を1戸にする,あるいは3戸を1戸にする,あるいは増築をする等々の住宅改善の実施に移っておるところでございます。この中層の建てかえや住戸改善は,今後の住宅行政の重要な課題と考えており,今後とも鋭意取り組んでいきたいと考えておるところでございます。  他方,兵庫県におきましても,神戸市内にあります県営住宅については,建てかえ可能な低層住宅の建てかえもかなり進捗しているようでございます。神戸市域内で県住23の住宅が建てかえられております。そのうち神戸のインナーと言われる地域の中では8つの県営住宅が建てかえされております。この中には県営の一部中層住宅の建てかえも含まれておるところでございます。  建てかえの促進につきましては,インナー対策の上からも重要であると考えており,今後とも県・市双方の建てかえ事業が円滑かつ効率的に推進されるよう,県とも十分連絡をとりながら相互の事業を調整し,協力できるところは協力し合ってまいりたい,そういうふうに考えておるところでございます。  以上でございます。  (「議長16番」の声あり) 39 ◯副議長(浜本律子君) 16番土居吉文君。 40 ◯16番(土居吉文君) 大変多項目にわたる質問に対しまして,ご丁寧な回答をありがとうございました。ただ,その中で3点ほど再度質問をさせていただきたいと思います。  1点目は,理工科大学の問題なんですけれども,調査を始めて相当年数がたっておるんではないか。さらに,この理工科大学につきましては,神戸市の将来の活性化のために産・官・学協調しながらこの問題を促進すべきではないか,こういうご提言になっておったと思います。調査調査という形で余りにも長過ぎるんではないか,いつかの時点で決断すべきではないか,このように考えておりますので,この決断の時期といいますか,めどにつきまして,もし発表できますればお聞かせ願いたい,このように考えております。  それから,2点目の問題は民生のかかわりでございますが,先ほどの説明の中でよくわかりましたんですが,ただ最近身体障害者さらに精神薄弱者のタクシーの補助の関係で,大変手続がややこしい。実際あれが本当に身障者の身になってつくってくれた制度だろうか,こういうような要望も実は聞いております。そういう面も含めまして,やはり簡潔な簡便な内容でもってこの制度の趣旨が生かせるような,そういう取り組みを今後考えるべきではないかな,このように考えておりますので,そういう面での合理化もお願いをしておきたい。もし見解がありましたらお聞かせ願っておきたいと思います。  それから,県営住宅のかかわりで調整をさせていただきますということでございましたが,例えば東灘区で見てみますと住吉川の西側,JR住吉駅の山側の県営住宅,相当高価なところ,その隣には実は数億円もするマンションが建っておるというような,そういう場所に県営住宅の老朽したものが残っておるんではないか,このように私は見ております。あそこの場所であれば中高層を含めまして非常に立派な公営住宅が建てれるんではないか,このように考えるところでございますが,そういう意味でさらに県との連携なりあるいは実際そういう地域における問題点を1つ1つ神戸市として把握いただきながら善処方を要望しておきたいと思います。  なお,残された問題につきましては,自後開かれます決算特別委員会の中で,それぞれ局別に論議をさせていただきたい,このように思っておりますので,よろしくお願いいたします。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 41 ◯副議長(浜本律子君) 笹山市長。 42 ◯市長(笹山幸俊君) 理工系大学の問題ですが,実は文部省あるいは自治省とそれぞれ接触を持って話をさせていただいておりますし,この検討をしていただきました先生方にもその都度ご意見を伺って,集約の段階に入っている,こういうことでございますが,実は最初自治省が地方の県立あるいは市立,これについては大体3校以内,こういうようなことを言われましたんで,早速話しに行ったわけですが,特に縛りをかけているというのは,大都市圏では大学等の設置についていろいろと規制がある,その規制を外さないといけませんねと,こういった話がございまして,兵庫県には姫路の理工大と商大とうちの方の外大と実は3つございまして,これ以上はおかしいんではないか,こういう意見があったわけです。  ところが,文部省の方も,最近大学院大学でいろんな技術者を養成,研究者を養成すべきだという答申も出てまいりました。そういうことでこの話の途中でいわゆる学部大学,理工系の大学をつくるか,あるいは本当の大学院大学にするか,あるいはもう少し下がりまして,今の神戸工業高等専門学校がございますんで,これの昇格をねらうかですね。  こういったいろんな問題が絡みまして,果たして神戸市にとって技術者を養成する上でどういった──研究者を考えるのか,あるいは現場でも実際に技術者として働ける職員あるいは人を養成していくのか,その辺が非常に難しいところです。  というのは,最近ずっと工業関係,産業関係の方といろいろと懇談会をやっておりますと,どうしても人不足という問題がございます。一般的には技能職からいわゆる本当に技術者,研究者までの層ですね。こういった人たちが非常に少ないというのが現状でございまして,特に技能職と言われる方々がまあ言えばなり手がない。ですから,工業専門学校を1つのてこにして,そういった技術者を養成する。また,工業高等学校のいわゆる学科を1つ,いろんな仕事に対応できるような学校をつくって,それをもう少しレベルを上げていく方策,こういうものがいろいろありまして,これをどこで調整をするかなということで,先ほど答弁申し上げたような,もう少し時間をおかしくださいというのはそういうところでございます。  それから,特に大学院大学ということになりますと,どういう科目を持つかということになりますと,恐らく姫路工大とバッティングする内容のものが出てくる,これはことしから理学部ができておりますんで,特にそういったバッティングがあり得るだろうということでございますので,そういったことも十分──特に関西圏の各大学の工科,理工系の方とは十分相談の上,学部を決めないといかんだろうな,こう思っておりますので,少しお時間をいただきたいと思います。  (「議長」の声あり) 43 ◯副議長(浜本律子君) 鈴木民生局長。 44 ◯民生局長(鈴木富士彦君) いろんな面での中の1つとしまして,タクシーの利用の問題,身障者,ご指摘がございました。この辺,私どもも日ごろ気をつけてやっておるんでございますが,ご存じのとおり3つの方法がございまして,そのうち4カ月前に始めましたリフトつきタクシーの利用助成,この関係はまだスタートいたしまして3~4カ月しかたっておりませんで,その辺タクシー協会とも随分協議の中で,これまでのいろんな問題を含めて運用につきまして協議の最中でございます。  そのほか,タクシー助成利用券を54枚出しておるわけですが,それと一般的な身障者の1割引きとの関係でいろいろ煩瑣な問題が確かにご指摘のとおり起こっております。この辺につきましては,これまで全タクシーの従業員に手持ちの一覧できるマニュアル等々を私どもの方で配付する等々,いろんな面で手当ては施しておるわけでございますけれども,タクシー協会とこの辺,今後に向かっても,より簡便な方法ができるよう協議を進めてまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。  (「議長16番」の声あり) 45 ◯副議長(浜本律子君) 16番土居吉文君。 46 ◯16番(土居吉文君) 以上をもちまして,私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 47 ◯副議長(浜本律子君) 次に,32番西下 勝君。  (32番西下 勝君登壇)(拍手) 48 ◯32番(西下 勝君) 私は,日本共産党市会議員団を代表して,平成2年度一般会計及び特別会計決算について質問いたします。   '80年代に強行されてきた自民党政府の臨調行革,民活路線は,福祉を切り捨て,暮らしや環境を破壊し,住宅,土地問題を深刻なものにしました。また,消費税の強行導入は,国民と地方自治体に大きな負担増をもたらしました。宮沢新内閣は,こうした傾向を一層強めるものであります。このたびのPKO法案の強行などにみられるように,さらに危険な方向に進んでいるのであります。  こうした中で,日本共産党は,住民1人1人が主人公の立場を貫き,革新市政の発展目指して奮闘しているものであります。  さて,平成2年度予算は笹山市長の初めての予算でありました。予算編成に当たって市長は,調和ある都市環境の創造を目指して,参加と対話によるぬくもりのある福祉のまちをはじめ,調和とアメニティー,豊かな文化と芸術,のびのびとした教育,いきいきした活力の5つの柱を設定され,市民要求を市政に反映するという立場から,各局に対して青天井で要求を出すよう求め,積極的に組まれた予算でありました。  また,公共料金も港湾使用料などを除いて原則据え置きとされ,批判の強い公共料金については行財政調査委員会を設置,のびのびパスポートを発行されるなど,市民や子供たちに大変喜ばれました。  身近な地球環境問題や緑を守るという点では,みどりの聖域づくりに取り組まれ,緑の条例を制定,これに基づき今年度には事実上ゴルフ場の開発をストップさせる厳しい指導要綱を策定され,全国的にも注目されているところであります。  こうした市長の積極的な行政運営を高く評価した上で,以下質問させていただきます。  最初に,財政についてでありますが,国の補助金が37億円も削減されるなど,財政運営上厳しい状況の中で積極的に事業を執行された努力を評価するものです。しかし,今後の財政運営を考えるとき,幾つかの問題点も残されております。  1つには,一般財源の構成比率が前年度と比べて1%低くなっており,特にその中でも大きな役割を占める市税収入は,この10年間で最も低い伸び率となっております。これは全国的にはバブル経済の崩壊時期に入った年でもあり,個人市民税は11.2%伸びていますが,法人市民税はマイナス 5.5%と大幅に減少したことによるもので,今後の財政運営に陰りが生じています。  2つ目には,特定財源の中でも国庫支出金は過去5年間に金額においては横ばい状況で,構成比は年々低下し,昭和61年の12.2%から,今年度は 8.9%と落ち込んでいます。さらに,来年度は地方交付税率の引き下げが行われようとしており,今後の財政状況は厳しさを増してきております。  そこで,具体的にお伺いいたします。  第1に,国が一方的に地方交付税率の引き下げを行い,自治体財政を圧迫しようとしていることは許せないことであります。市長におかれてはこれに強く反対されるとともに,削減が続けられている国庫補助の復元を求め,補助額,補助対象の拡大をこれまで以上の強い姿勢で臨まれたいのですが,ご所見をお伺いいたします。  第2に,法人市民税の減少についてであります。従来から多種機能複合都市を目指して努力されてこられたわけですが,今後はどのように市民生活の向上と産業の振興に取り組まれるのか,お伺いいたします。  次に,アーバンリゾート都市についてであります。  神戸市が提唱しているアーバンリゾート都市構想は,その意味がわかりにくいということも手伝って関心を集めています。このアーバンリゾート都市都市環境基準の実現を目指すと言われていますが,環境問題や高齢化問題はさらに深刻に進行しており,新たに基準の引き上げが必要となっているものもあり,また環境基準に含まれていないものもあります。環境基準の見直しなど今後どのように取り組まれていくのでしょうか。  さらに,アーバンリゾート都市づくりの経済的な側面についてでありますが,景気の後退が見られる中で,市民の暮らしに役立つものでなければならないと考えますが,市民所得の引き上げにどのように役立つのでしょうか,お伺いいたします。  次に,やさしさとぬくもりのある福祉のまちづくりに関連して,高齢者福祉と医療についてお伺いいたします。  国は,一昨年12月に高齢者対策10カ年戦略いわゆるゴールドプランを提唱して,社会福祉事業法を改正し,在宅福祉を地方の事務と位置づけました。その中で特別養護老人ホームやケアハウス,老人保健施設などの整備計画やホームヘルパー,デイサービス,ショートステイの拡充を打ち出しました。平成2年度はこれを受けて,具体化のための準備や検討が進められた年で,笹山市長は特養ホームを全区に建設すること,在宅福祉センターは各区1館,高齢者介護支援センターを2カ所,全小学校区に地域福祉センター建設を方針化し,登録ヘルパーの増員,ショートステイの拡充,区社協の法人化など福祉3カ年計画を超える施策を次々と提案されました。  しかし,激しく進む高齢化と深刻な諸要求の中で,早くもこの計画では不十分という状況が生じています。以下,具体的にお聞きいたします。  第1に,特養ホームは毎年2~3カ所建設してきたにもかかわらず2年度末では 227人の待機者が出ております。従来は 100人程度の待機者であったのに激増しております。現在4施設を建設中でありますが,これが完成したとしても高齢化の速度に追いつかないという問題があり,そのテンポを早める必要にに迫られているのであります。対策をどのようにお考えでしょうか。  第2に,在宅福祉の柱であるホームヘルパーは,福祉事務所の職員ヘルパー65人で 357世帯,登録ヘルパーは 341人で計 328世帯にしか派遣されていない状況であります。例え登録数がふえたとしても,市民ニーズにこたえることはできないと思います。登録ヘルパーについては常勤的な身分保障と賃金などの改善をしていただきたいと思いますが,どうお考えでしょうか。  第3に,デイサービス事業についてであります。現在対処されている4カ所のセンターのうち,西区を除いては40人から50人の待機者があり,長い人で6カ月から14カ月の待機です。待っている間に1年以上おふろに入れずに亡くなる人も出ているという状況であります。  最近,私どもが調査いたしました東京や横浜などでは,中学校区に1カ所のデイサービスセンターを建設する計画だと聞きました。神戸市の場合,各区1カ所の在宅福祉センターに加え,各区1カ所の特養ホームに併設したとしてもとても間に合わないのではないでしょうか。早急に増設計画をお願いしたいのであります。その際,地域福祉センターの可能なところには小規模なデイサービスセンターを併設していったらどうでしょうか,お伺いをいたします。  もう1つは,職員の体制であります。1センター当たりで8人から9人で,市からの派遣職員の所長と,社協の正規職員が1名,看護婦・寮母は社協の嘱託,それ以外はパート職員であります。直接サービスに当たるのは寮母さんと看護婦さんで,その下にパート職員とボランティアが仕事をするわけでありますが,寮母と看護婦は嘱託の身分で5年契約で再雇用はないとのことであります。我が党はこれら嘱託職員の正規職員化を強く要望するものであります。また,社協職員の待遇も市職員並みに改善していただきたいのでありますが,いかがでしょうか。  第4に,白内障眼内レンズ手術助成についてであります。  平成2年12月市会で,白内障患者への眼内レンズ挿入手術への健康保険適用に関する意見書を決議しておりますが,我が党は政府に保険適用を求めると同時に,神戸市独自の助成制度の実施を一貫して求めてきました。市長は他都市の動向や高齢者福祉施策全体の中で整理をし,検討をしたいと答弁されてきました。  このたび国会において我が党の上田耕一郎参議院議員が提出いたしました白内障の眼内レンズ手術への保険適用に関する質問趣意書に対して,10月22日閣議決定された答弁書が届けられました。この答弁書で,政府としては初めて白内障眼内レンズ手術に対して助成を行っている自治体名を明らかにしたのであります。これによりますと既に 129の自治体が助成を行っており, 102の自治体が助成の検討をしているとのことであります。その実施を検討している自治体の中に神戸市の名前が上げられており,市民,関係者から期待されているところであります。  そこで,改めて当局はどのような内容を検討されているのか,お聞きいたします。また,実施に当たっては,世帯所得を対象にするのではなく本人の所得を基準にし,対象者を広げるよう要望してきたところでありますが,この点についてもお伺いをいたします。  次に,調和とアメニティー施策に関連してお伺いいたします。  まず,自動車公害問題についてであります。環境庁の窒素酸化物自動車排出総量抑制方策検討委員会は,10月25日に最終報告書を発表いたしました。この報告によると環境基準 0.06 ppm が守られていない地域を総量規制地域に指定し,その地域内でトラック,バス等を使用するすべての事業者に排出量の少ない車種への転換を義務づけ,5年程度の期間に切りかえない場合罰則を科すことで,西暦2000年には環境基準の達成が可能としているのであります。  しかし,今回の最終報告では,昨年秋の中間報告に盛り込まれていた各事業者が所有する自動車からの総排出量を一律に削減する総量規制,地域からの流入規制が大幅に後退しています。NO2 については昭和48年に0.02ppm 基準が決められていたのを,環境庁は中央公害審議会にかけることなく昭和53年に0.04~0.06ppm へと2ないし3倍も緩めてしまい,全国的にも大問題になりました。当時,東京都のNOX 検討委員会は,科学的判断として的確さを欠く,改定の基準は望ましくない,公害対策基本法の9条1項に違反するとの結論さえ出しているのであります。  また,神戸市当局は当時基準緩和がなされたが, 0.04 ppm を目安に対策を講じるといった発言をされています。この基準で見ると,神戸市においては平成2年度5カ所の自動車監視局のうち4カ所で,また12の大気監視局のうち8カ所でオーバーしているのであります。このような環境基準悪化の中で,環境庁も対策を打ち出さざるを得ないようになっているのであります。  そこで,自動車の公害対策としてディーゼル車の排ガス対策についてであります。従来この対策は困難と言われてきましたが,アメリカでは既にカリフォルニア州で軽油の硫黄を 0.05 %に規制しているとのことであります。日本の自動車メーカーの間でもディーゼルの排ガス規制に関して社会的要請があれば燃料の噴射方法の改善やセラミックフィルターの使用などで技術開発は可能な状態にあると言われています。  また,日本ではユーザーをディーゼルに向かわせている理由の1つにガソリンにかかる税金が軽油の2倍以上も高いことが上げられます。このような不公正な税制は早急に見直さなければなりません。アメリカでは逆に軽油の税金を高くして,ディーゼル車をガソリン車に切りかえる誘導策さえ打っているのであります。国に対して税率の変更も含めたディーゼル車の規制策を強く要望していただきたいのであります。いかがでしょうか。  次に,環境アセスメントについてであります。環境庁が1976年から提起した環境アセスメント法は,5回にわたって閣議でつぶされ,ようやく '83年に国会に上程されましたが,国会解散で審議未了,廃案になってしまいました。その後 '84年に環境影響評価実施要綱が閣議決定されていますが,欧米諸国のように環境影響評価が法律上確立されていません。  そこで,第1に環境条例を持つ神戸市が積極的に国に対して真の環境アセスメント制度の確立を求めていただきたいのであります。  第2に,神戸市が進めようとしている空港の整備をはじめ周辺都市で取り組んでいるプロジェクトの多くが広範な地域に影響を及ぼすようになっています。神戸市は他都市に働きかけて,総合的,複合的なアセスを実施されようとしていますが,どんな効果を上げているのか,どこに問題があるのか,お伺いをいたします。  次に,子供の施策が,どこまで前進したのかについてであります。子供は平和,尊厳,寛容,自由,平等及び連帯の精神のもとで育てられるべきである,こういう前文で始まるのが子供の権利条約であります。神戸市会は,早期批准を求める意見書を採択しております。この条約の目で健康,教育,暮らし,社会生活の各分野にわたって子供の人権が守られているか,守る仕組みになっているのか,総点検が必要であります。その精神に立って諸施策の実現を求めるものであります。市政全般で見ると,子供たちにはいまひとつ施策の光が当たっていません。そこで,以下の4点について求めたいのであります。  第1に,我が党は乳児医療無料制度の所得制限をなくすことと,対象年齢を引き上げることを一貫して要望してきましたが,当局は県との協調事業なので,所得制限緩和を県に要望するというにとどまり,財政上の負担を理由にして,市独自の努力を拒んでこられました。老人医療や障害者医療などでは,神戸市独自の施策を積極的に展開されているのに,乳児医療についてはなぜ不可能なのか。名古屋,札幌,福岡など多くの政令市では,所得制限がなく,5歳ぐらいまでも対象者にしているところもあります。神戸市でも制度発足当時は所得制限はありませんでした。この際,温かさを重んじられる市長の決断で,ぜひ神戸でもふたたび所得制限撤廃に踏み切っていただきたいのであります。いかがでありましょうか。  第2に,公立幼稚園の2年保育についてであります。子供が少ない家庭環境の中で,1日も早く集団の中に入れてやりたいというお母さんの願いから,公立幼稚園の2年保育を望む声が大きくなっています。私立幼稚園への助成をふやすなど環境整備を進めながら,公立幼稚園の2年保育の実現に努力していただきたいのであります。いかがでしょうか。  第3に,高校の問題であります。高塚高校事件以来,子供の人権を踏みにじる管理主義教育への怒りは全国的に広がっています。管理主義教育がはびこる大きな要因に,教師が忙し過ぎる問題があります。激減期の今こそ神戸市立高校でもぜひ40人学級を実現させていただきたいのです。市長の積極的なご答弁をお願いいたします。  第4に,我が党は神戸市の教育行政について,子供の権利条約の精神に基づいて点検が必要だと指摘してきました。当局は権利条約の精神は尊重すべきであり,その方向で努力すると答えられてきましたが,見直しは行われてきたのか,またその結果はどうであったのか,お伺いするものでございます。  最後に,空港問題でありますが,6次空整への組み入れが決定し,新たな段階に入った今,改めて市長にお伺いするものであります。我が党は管制を含む安全問題,騒音,水質,大気汚染など環境問題,港湾機能への影響,財政負担の問題,ポーアイの交通,空港へのアクセスなど,解決されなければならない多くの問題点を指摘してきました。  改めてこうした問題点などについて資料の公開と住民参加,そして住民合意のもとで,市民こそが主人公と言えるにふさわしい取り組みを進めていただきたいのであります。こうしたことがクリアできなければ計画を急ぐべきでないと思いますが,いかがでしょうか。  以上,明確な答弁をお願いして,質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 49 ◯副議長(浜本律子君) 笹山市長。 50 ◯市長(笹山幸俊君) 西下議員のご質問にお答えを申し上げます。まず,私から数点お答え申し上げますが,他は助役等から答弁を申し上げます。  まず,国の予算編成にかかわりまして,地方交付税率の引き下げあるいは補助率カット,こういった問題がいろいろと現在出ております。しかし,これにつきましてはご指摘がございましたようなお話のとおりでございまして,既に答弁を申し上げておるわけでございますが,国の財政上の都合といいますか,毎年度そういったことが起こるんですけれども,それによって地方交付税率を引き下げる,また補助率をカットする,こういった問題につきましては,実際の公共団体としてはいろんな社会資本の充実なりあるいは高度化,高齢化社会に対応するためのいろんなお金がどんどん要るわけでございますので,これについては容認するわけにはいかない,こういう考え方でございます。  そういうことで,いろいろ予算編成にかかわりますこの年末には,もう既にいろんな各補助事業についての陳情合戦が行われておりますけれども,各団体ごとに東京で大会を開いて陳情・要望をしていく,こういうことが例年行われております。もう既にそういうことでいろんな都市計画あるいは河川,そういった公共事業についての陳情合戦も行われております。  今回この問題につきましては,もう既に地方自治権ですか,地方自治の確立対策協議会というのがございますけれども,これは自治体6団体といわれる団体が寄って協議会をやっておりますが,これも既に12月6日決起大会をやるという通知をいただいております。こういうことで,特に指定市として要望をしていきたい,こう思っております。  それから,実際の国庫補助の負担率あるいはその復元の問題,あるいは改善の問題,こういったことにつきましてはもう既に先生方にもお願いをして,党派別の要望活動もしていただいております。これにつきましても指定市共同して今後進めてまいりたいと思いますので,なおご支援を賜りたいと思います。  それから,法人市民税の問題ですが,これもお話がございましたとおりでございまして非常に厳しい時代に入ってくるんではないか,こう思っております。しかし,だからといっていわゆる都市環境基準を進めるための仕事はやめるわけにいかない,こういうことでございます。  そういうことで,それに対応してやはり内部の努力なりを十分してやっていくということなんですが,具体的には既に申し上げたと思いますけれども,基金の活用なりあるいは財産収入,あるいは民活,あるいは国・県の事業を導入していく,こういったことをそれぞれ細かいようでございますけれども,進めていく必要があるんではないか,こう思っております。  自主財源というのが大体市税が主になっておりますんで,これは当然確保していくのが重要でございますが,やはりご指摘がございましたような産業基盤の整備というのはやはり大事だろう。といいますのは,こういったいろんな事業をやるのには,神戸の力というのは産業構造がどう変わるかということもございますけれども,非常に力のある都市というのはそういうものを持っておる都市だ,こう思います。  ですから,今までも産業団地をつくったりしてきておりますが,これをつくったために税収というのは相当なもんだと思います。例えば六甲アイランドにしてもそうですし,西神IPにしてもそうです。ポーアイにしてもそうだと思います。  そういうことで,これらがそれぞれ市民の皆さん方にとってどういうぐあいに返ってくるか,こういうことでございますけれども,例えば最近ハーバーランドがそろそろ完成をいたしますけれども,この試算をいたしましても約50億の税収増になります。そういうことがあの地域の活性化にも実際にはつながるという前提で,そういったもので地域の再整備をやっていこう。これは例えば新開地をいろんな手を入れようと,あるいは宇治川の商店街に対してこうしようと,こういうようなお話のお金はそういうものがあってできるんではないか,こういうような気持ちもいたしております。
     ですから,やはり今後も産業的な援助,支援というんですか,これは働く場所をつくるということをお考えいただきたいと思います。そういう意味では,市民の皆さん方に,働く場所とその企業が活発化すれば,所得もふえると,単純に言いますとそういうことではないかと思います。  そういうことで,直接計算──市民所得がどれぐらい上がるんだということでございますけれども,実際には予測はできないんですけれども,やはりいろんな都市の施設の整備が行われ,市民の生活環境がよくなるということ,また働く場所もある,こういうことになり,また経済的に神戸市全体が活力が出てくる,こういうことになってまいりますと,全体的にそういった仕事が市民生活に大きく寄与しておる,こう判断をしてもいいんではないかと思います。  ですから,環境基準5カ年で大体3兆円と前に申し上げたと思いますが,この3兆円の波及効果というんですか,相当2倍とか3倍とか,こう言われておりますけれども,そういったところの中に市民生活があるわけでございまして,そういった公共投資あるいは産業,企業の投資,こういうものが市民生活に与える影響というのは非常に大きいんではないか,こういうぐあいに考えております。  それから,アーバンリゾートの問題でございますけれども,少しそういった問題に先に話を申し上げましたが,全体的に見ましてできるだけ早くこの都市環境基準を完成していく。しかし,これは例えば5カ年をやったからこれでおしまいと,これではございません。これは,まちはどんどん陳腐化していきますから,これには相当長期にわたって仕事をやるわけでございますので,その年その年で効果を図るということは非常に難しゅうございます。しかし,部分的にもよくなれば,それで後々の希望がわくということでございますので,全市に向けてそういう仕事をやっていこうということでございます。  ですから,例えばこういう例え話があるんですけれども,明石海峡大橋がかかって,あれ約4キロ近いんですけれども,例えば完成した途端にペンキを塗りかえ始めますと,つぶれるまで毎日ペンキを塗らないといけない,そういうことと一緒だと思います。  ですから,まちをいらっていきますと,毎日どっかで修理なりあるいは補修をしていくと,あるいは新設をしていくということがまちを長持ちというんですか,そういうことになりますので,これは手を抜くわけにいかないということでございます。  そういうことで,環境問題なりあるいは高齢化問題は市民生活の中にあるわけですから,この市民生活にとっていい環境をつくるということでございますから,具体的にはどういう基準が要るかとか,そういう問題はその都度その時代に応じて変わると思います。現にこの数年の間に相当変わったわけでございますから,これは変わっていけば変わっただけの修正なり,あるいは落ちがあれば落ちを拾っていくということが一番大事なことでございますので,やはり区の行政をしっかりやろうというような話の根底には,いつも誰かが市の行政の中でまちを見ていく,それで落ちがあれば拾う,完成──よくなければ修理をする,こういうことが大事なことでございますので,そういった基準に特にとらわれずに悪ければどんどん直していく,こういうことだと思っております。  以上,私から申し上げましたが,特に土地問題なりあるいは財政問題がくっついてまいりますので,これについては十分創意工夫をこらして,仕事を進めていきたいと思います。  以上です。  (「議長」の声あり) 51 ◯副議長(浜本律子君) 田渕助役。 52 ◯助役(田渕榮次君) 私から3点お答えを申し上げます。  まず,自動車公害の問題でございますけれども,ご指摘のとおり大都市地域の窒素酸化物による大気汚染状況というのは,やはり自動車の交通量の増大,とりわけディーゼル車の大幅な伸びによるところが大きいと思います。ディーゼル車増加の主な理由として考えられますのは,やはりご指摘のとおり燃費の問題,あるいは低速時での運行性あるいは耐久性,こういった技術的な問題が考えられます。  こういったことから,環境庁では車両の総重量 2.5トン以下の小型ディーゼルトラックをガソリン車へ転換するなど,自動車排出ガス総量抑制の法制化に向けて準備を進めているというふうに聞いております。本市としてもこれまで国等関係機関に対しまして排出ガス総量抑制方策に加えて,中央公害対策審議会答申に基づく排出ガス規制の早期実施と低公害車の導入,これに関しての税制上の優遇,あるいは助成措置等に関しまして,他の大都市とも共同いたしまして要望をいたしているところでございます。今後ともご指摘の趣旨を踏まえまして,実効ある自動車公害対策の強化に向けて努力をしてまいりたい,このように考えております。  次に,環境アセスメントの問題でございますけれども,これもお話のありましたように国レベルの環境アセスメント制度につきましては,昭和59年の閣議決定に基づきまして,環境影響評価要綱として運用をされております。多くの自治体におきましても,要綱による制度運用がなされているところでございます。  神戸市におきましては,昭和53年に全国に先駆けまして神戸市環境影響評価要綱を制定いたしまして,自来40件の事案につきまして適用をしてまいりました。制度の定着化が図られております。このように環境アセスメント制度につきましては,国,自治体の各制度の調整のもとで環境汚染の未然防止,これに一定の成果を上げてきていると考えております。  なお,一般に環境アセスメントの予測評価につきましては,個別の事業のみならずその段階で明らかになっている他の事業を含めた周辺地域全体の環境への影響についてなされるため,実質的には総合的な環境影響への把握ができるものと考えております。  しかし,近年環境問題の態様の変化なり,あるいは市民ニーズの多様化,こういったことから環境アセスメント制度について現在環境基本問題検討委員会で議論をいたしているところでございます。その結論をまって,さらにいかに扱うか対応を考えていきたい,このように考えております。  また,広域的な対策につきましては,先般の瀬戸内会議におきまして神戸市から大阪湾における水質改善等について総合的な,広域的な対策が重要であるという考え方のもとに,本市と大阪府,大阪市,兵庫県の4府県共同で調査検討ということで,現在その形での賛同をいただいたわけで,その協議を進めているところでございます。  次に,神戸空港の問題でございますけれども,神戸空港につきましては21世紀の活力と魅力あふれる神戸の都市づくりに不可欠な都市装置であるということで,公害のない安全な市民空港の実現を目指したいと考えております。  基本計画の策定に当たりましては,市民団体及び各界の代表にご参画をいただきまして,基本計画検討委員会で議論をいただきました。今後解決すべき問題点いわゆる留意事項としてご指摘をいただいたわけでございます。  その内容につきましては,市民へのPR活動を積極的に進めまして,市民の理解を得られるよう努力をしてまいりました。ご指摘の空域管制あるいは安全性,環境影響,海上交通,さらには財政負担,こういった問題につきましても委員会で留意事項,あるいはまた今回国から示される課題でもあるわけでございます。こういった問題につきましては,真摯に受けとめ,今後運輸省はじめ関係省庁との協議の中で,市民のご理解を得ながら解決に全力を傾注してまいりたい,このように考えております。  さらに,これらの課題解決の過程で,より積極的に市民理解を得られるように,情報の提供等さまざまな方法で市民意見の反映に努め,名実ともに市民空港を目指して努力をいたしたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 53 ◯副議長(浜本律子君) 緒方助役。 54 ◯助役(緒方 学君) 私から福祉問題について3点ご答弁申し上げます。  まず,高齢者のデイサービスセンターいわゆる在宅福祉センターの件でございますけれども,本市の場合はできるだけセンターの機能を充実させていく,例えばバス送迎それから入浴サービス,地域とのふれあいといろんな機能があるわけでございますけれども,そういう機能をできるだけ充実させた形でつくっていこうということで,国から示されております基準を大幅に上回った形で,今各区に1カ所ということで設置をいたしてきております。足りない部分を養護老人ホーム等で補完をしているわけでございますけれども,今後の整備計画につきましては,現在策定中でございます市民福祉総合計画の中にどういうふうに持っていくかということを位置づけてまいりたい,そういうふうに考えております。  地域福祉センターのところで可能なところにはというご提言でございますけれども,地域福祉センターの目的,機能,使われ方,いろんなことを考えますと,多少無理があるんじゃなかろうかと思いますけれども,いずれにいたしましても今後の福祉総合計画の中で位置づけをしていきたいと思います。  それから,職員の待遇でございますけれども,言うまでもなく人材の確保などの観点から,その待遇改善について今後努めてまいりたい,そういうふうに考えております。  それから,白内障眼内レンズのことでございますけれども,この件につきましては保険適用が第一義であると考えておりまして,指定都市と共同しながら厚生省に対しまして強く要望を重ねてきているところでございます。今後ともそういう形で国に対しまして粘り強く要望してまいりますが,市といたしまして昨日請願が採択されましたので,その趣旨を踏まえまして,高齢者施策全体のバランスの中でさらに検討を進めてまいりたい,そういうふうに考えております。  それから,乳児医療の負担制度の問題でございますが,これもご承知のとおりでございまして,乳児医療費の助成制度は兵庫県の補助事業として今まで実施をしてまいってきております。その中で所得とか年齢とかの制限があるわけでございますけれども,これも給付を内容とする福祉施策というとらまえ方であるわけでございまして,ある程度そういうものがあるのはやむを得ないことじゃないかと考えております。  所得制限の緩和につきましては,従来から機会あるごとに県に対しましてその緩和策につきまして要望してまいってきたわけでございますけれども,最近県の方でその所得制限を緩和する方向で検討されていると聞いておりますので,その動向につきまして注目をしてまいりたい,そういうふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 55 ◯副議長(浜本律子君) 福尾教育長。 56 ◯教育長(福尾重信君) 子供の施策についてご質問のございましたうちの3点についてお答え申し上げます。  まず,第1番目は公立幼稚園におきます4歳児保育と申しますか,2年保育の問題でございます。幼児教育につきましては,本市の場合ご案内のとおり私立の幼稚園との連携の,つまり役割分担をしながら実施してまいりました。私立幼稚園に対しましては,このような状況を踏まえて各種の助成・援助を行ってきておるのでございます。  ただいま市立の幼稚園では,地域的ないしは歴史的背景,そういったものから72園の幼稚園のうち14園で2年保育を実施いたしております。近年,市立幼稚園全般で2年保育を拡大するといいますか,そういう要望がございますことは十分承知をいたしております。  2年保育の拡大つまり14園以外に他の幼稚園で実施が可能かどうかということにつきましては,全般的には従来も申し上げておりました私立幼稚園の関連がございますので,そう単純にまいらないということを申しておりましたが,地域によってといいますか,実施可能なところがあるかどうか,これは検討をする必要があると存じております。  つまり幼稚園の配置の状況や地域の実情を十分に把握をいたしまして,1つ1つの関連する私立の幼稚園との調整を進めるということで実現の可能なところに持っていくことができるか,そういう探りをしてみたい,つまり部分的実施ができないかということでありますが,そのようなことで考えていきたいと,今検討をいたしております。  しかし,先ほども申しましたように,幼児の減少傾向がございますし,幼稚園の経営の問題,保護者の負担の公私格差の問題,そういったものがございまして,前提となる問題が大変多くございます。したがいまして,早急な全面的実現ということについては困難な事情にありますことはご理解をいただきたいと存じます。  それから,市立高校の学級編制といいますか40人学級の問題でございます。ご指摘がございましたように文部省が平成4年度来年春の公立高等学校の第1学年つまり新入生の見込み数が本年度に比べて5%以上減が見込まれるという場合には,学級編制について弾力的に考えてよい,考えることが可能であるという連絡を我々の方にも受けておりますし,神戸市の場合はこれに該当いたしますので,鋭意検討をいたしております。つまり教育条件の改善のための大きな要素でございまして,そのほかに各学校の施設状況等を勘案いたしまして,実施ができるように今検討をいたしておるところでございます。  ただ,単純に市立高校のみで先行できるかということにつきましては,神戸市内の特に公立高校としての県立高校の問題もございまして,県教委との調整が必要でございます。これらを精力的に詰めまして,近いうちに結論を出したい。そのように考えておるものでございます。  それから,学校での生徒に対する規制,子供の人権に関しましてご質問がございましたが,要するに学校におきます規制の見直しの問題でございますが,子供の人権の尊重につきましては,おっしゃられましたとおり我々としても教育の基本にあるところで,当然その精神は尊重していくというのは変わりがあるところではございません。  各学校におきましては,校則問題につきまして,あるいはそれを含めまして教育活動全般についての見直しというのは常に行ってまいりましたし,また常に事情の変更といいますか,事情の変化に対しては即応すべきものであるという考えに立っております。  先般来申しておりますように,本年度からは特にふれあい懇話会等を発足させまして,学校だけでなく地域や家庭とも連携をいたしながら取り組んでおりますところでございます。  それぞれの学校が地域の核といたしまして学校づくりに成果を上げている,そのような事例につきましてはいろんな報道等でも取り上げていただいておりますので,よくご承知のことかと存じますが,具体的に学校の決まり等に絞って少しく申し上げますと,見直しの点検をいたしました結果,改定といいますか変更されました内容は,全体で申しますと特に中学生に関しましては制服の規定だとか校内の生活,それから校外の生活,そして頭髪の問題,そういったものを順次改定をしたりしているのが多く見られます。文部省も全国的な調査をしておりますが,大体傾向は同じようなことのようでございます。  特に問題になります頭髪問題についてだけ申し上げますと,神戸の中学校ではいつも申しておりますが,全校でこういった点は検討いたしております。検討の対象にいたしております。これは学校独自で考えるだけでなく,いつも言っておりますように地域の保護者との関係,保護者との意見調整等も行っておるんですが,ただいまのところ81校の中学校のうち13校がいわば頭髪の自由化を実施いたしております。  そのほかの学校でもただいま申し上げました検討を進めておりますが,ふれあい懇話会におきましてもこれがほとんどのところで問題になっております。今のところ,残った学校でも実施できるかどうか,あるいは実施するにはどのようにしたらいいかということを詰めておるところが非常に多うございまして,来年度の春からはこういうふうにできるんじゃないかというところまで煮詰まったという報告を受けている学校も幾つかございます。これはこうしろという,単純に形式的に行うことだけではない,そのようにも存じておりますので,この辺の趨性を見守っていきたいと思いますし,ご理解をいただきたいと存じます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 57 ◯副議長(浜本律子君) 鈴木民生局長。 58 ◯民生局長(鈴木富士彦君) 高齢者福祉の関係2点についてお答え申し上げます。  まず,特別養護老人ホームについてでございますが,在宅での生活が困難なねたきりや痴呆になられたお年寄りを介護する特別養護老人ホームにつきましては,市民福祉第5次3カ年計画──現在進行中の計画でございますが,3カ年計画に基づきまして定員 300名の増員を図るため,現在その整備を進めておるところでございます。  この3カ年計画の達成によりまして,合計20施設・ 1,430名の対応ができることと相なっております。来年度以降──今後につきましては,現在市民福祉調査会からの答申に基づきまして策定中の10カ年の市民福祉総合計画の中で,待機者の問題等多様化する福祉ニーズに見合った必要な福祉サービスの確保を図ってまいる計画にのっとって進めてまいりたいというふうに思っております。  それから,2点目のホームヘルプサービスについてでございますが,平成2年度末の家事援助,介護ヘルパーの派遣世帯は合計 328世帯と相なっております。平成3年度は先ほども申し上げました3カ年計画を20数%上回ります 620世帯を目標といたしまして,事業の拡大を図っており,先月末,10月末現在で 517世帯に派遣いたしておりまして,順調に進んでおるんではなかろうかと考えております。  ヘルパーの人材確保と定着を図って,安定的,継続的な活動が行われるようにするために,各種の研修等を充実していくことや,処遇の改善は必要と考えておりまして,国の動向をも見ながら,今後とも努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長32番」の声あり) 59 ◯副議長(浜本律子君) 32番西下 勝君。 60 ◯32番(西下 勝君) 幾つか再質問をさせていただきたいと思います。  まず1つは,アーバンリゾートに関係して環境基準の見直し等についてでありますが,市長は例えば所得の引き上げに役立つには,働く場所を確保することだということやとか,あるいは環境基準を5年で3兆円との,こういった経済的な見通しも出されておるわけで,これはこれとしていいわけでありますが,私が当初指摘いたしましたのは,例えば高齢化がずっと進んでおるという点で,高齢化の進行ということで見れば,例えばほかの後の質問とも関係をするわけでありますが,特養ホームの建設,今の状況でいいのかと,もちろん環境基準そのものができたばかりでありますから,早速見直しというのも何ですけれども,しかし今の高齢化の進行状況というのは超スピードで進んでおるという点から見れば,こういう点でも必要ではないのかということです。  例えば国勢調査で平成2年行われたのと,その以前60年の5年間で見てみますと,65歳以上が2万 6,800人ふえておるわけでありますから,こういう点から見ればこの間年2~3カ所つくってはきておりますが,これでは少ないのではないか,こういう点での見直しが必要ではないのかという側面ですね。経済的な側面というのは今お答えをいただきましたから,こういう福祉の側面で見ればどうなのかという点をひとつお伺いをいたします。  それから,もう1つはヘルパーあるいは在宅福祉センターの職員等の待遇の問題に関連してであります。  1つは,ヘルパーについてでありますが,国の基準云々というのはいろいろあるわけでありますが,例えばヘルパーについて身分と賃金の改善ということで見てみますと,先般私ども長野市に寄せていただいて,ちょっと勉強させていただいたわけでありますが,ここでホームヘルパーさんはいわゆるゴールドプランに基づいて試算をして,それで約50人から 100人にふやされておりました。  それだけではなしに,中をお聞きしますと,このヘルパーさんをすべて社協の職員にした,そして給料をいわゆる市の職員並みに引き上げた。このことによって福祉大学出の若いヘルパーさんが数人,あるいは男性のヘルパーさんも入ってきたということで,非常に住民にも喜ばれておるということであります。  ですから,神戸市の場合もこういう視点で見てみると,やっぱりまだまだヘルパーさん──何とか登録されたヘルパーさんあるけれども,実際に出ていこうとすると用事があっていやというような状況もお聞きをしておりますし,大体今,週 1.6~ 1.7回ですかね,平均しますと派遣回数というのは。で,きのうの議論にもありましたけれども,国は3回に引き上げよと,大方倍に引き上げないかんわけであります。この点から見たら,今の状況の中で少ないということをやっぱり待遇の改善をしなかったらなかなか難しいんではないかということがあるわけでありますから,もう1度答弁をお願いしたいと思います。  それから,もう1つ同じ職員の待遇に関連をしてでありますが,緒方助役は「特に在宅福祉センター等の職員の待遇については改善をしたい。」と言われましたが,もう一歩具体的にどのように改善をしていただくのかということでお伺いをするわけであります。  私も先般直接在宅福祉センターにも寄せていただきまして,勉強させていただいたわけでありますが,直接介護に当たっておられる人,いわゆる介護に当たる看護婦であるとかあるいは寮母さん,もう1つはこのパートさんを指導する,こういう身分の人が実際には嘱託で5年で首だと,期限切れだと,再雇用ないんだと,こういうわけであります。これでいわば福祉のサービスを受ける側からいっても,もっと熟練をしたというか,温かいサービスを受けたいと思っても実際には5年でそういう指導をする人たちがやめていかざるを得ない状況であるわけですから,これは改善をしなければというよりも,即改善が求められておると私は思います。  ですから,こういう点で看護婦さんやとか寮母さんの身分ですね。これも十分保障する,あるいは5年限りのという,こういう点については見直しをしていただくということが私は必要だと思いますから,待遇改善に努力したいと言われておるけれども,一歩進めて例えば在宅福祉センターの問題についてはどのように対処していただけるのか,この点について再度お伺いをいたします。  もう1つは,白内障の眼内レンズについては昨日の請願採択された内容でというご答弁でありましたから,あえて──我々一貫して今までも言ってきておりますから,ここで言っておきたいのは,やっぱり世帯を対象にということではなしに,本人の所得ということでぜひ検討をしていただきたいと思うわけであります。  これは今既にやっております川崎市だとか,あるいは名古屋市の例でも明らかなんですが,実際にこういう世帯の対象ということになりますと,その対象になっておる人たちの3割しか救えないといいますか,対象になっていないというのが大きな問題なわけです。ですから,この点では本人所得を基準にという点でぜひ入れていただきたいわけでありますが,昨日の請願の趣旨に沿ってということでありましたので,できればこの点についてもコメントをもう1度いただきたいというふうに思います。  それから,アセスメントについてでありますが,神戸市が働きかけて,大阪府・市,兵庫県,神戸市の4団体でこの間頑張ってこられたということは今お聞きをしたわけで,そういう点では評価ももちろんするわけですが,もうちょっと具体的にどういう中身で進めてこられて,問題が何なのかということですね。  特に環境アセスについては,国の法律がない中で神戸市も何とか努力しようという,ここは認めるわけでありますが,さらに一歩進めていただく必要があると思うんです。と言いますのは,今空港やあるいはその他の大阪湾ベイエリアの開発などを見ても,非常に環境問題については危惧をする人たちが多い中で,国がそういう法を持っておりませんから,民間団体ででももうアセスをやらないかん時代に入っておるということで,何とか民間団体ででもアセスを検討しようという,こんな動きさえ出てきておるわけであります。そういう中で,神戸市が努力をされておるのはいいわけでありますが,今言ったようにこの中身,問題点,今後の方法,方策について再度お伺いをいたします。  それから,40人学級については,まあまあ積極的なといいますか,答弁もいただいたと思いますから,後で委員会等でこれは議論したいと思います。  最後に,空港問題についてでありますが,いろいろ運輸省がつけておるクリアすべき問題点,その他いわゆる検討課題については積極的な解決策,努力するという答弁でありましたから,もちろん頑張っていただきたいわけでありますが,例えば環境庁がつけるだろうと言われておる指摘といいますか条件といいますか,これは予想されるのは海流といいますか,いわゆる閉鎖性水域の中で水質問題,これは当然予想されるんですが,やっぱりその中でちょっと弱いんではないかと私感じますのは,大気,騒音,交通特にポーアイ島内等の交通問題,これらについては例えば鉄のいわゆる公共輸送機関ですね。軌道等の検討が必要でありますし,それが仮にやられたとしてもトラック等の交通量は防ぐことができないわけであります,荷物その他については。この点について特に私は例えば総量規制がいいのか,よくわかりませんが,明確な交通や騒音,こういった対策が必要ではないんかなというふうに思いますので,この点だけ空港問題についてはお伺いをしたいと思います。  以上です。  (「議長」の声あり) 61 ◯副議長(浜本律子君) 笹山市長。 62 ◯市長(笹山幸俊君) 高齢化社会に対してどういうことを考えるかということなんですけれども,できるところからどんどん今現在進めております。ですから,例えば施設をつくるのにいろんな形の施設が今どんどんできておりますけれども,今やっていること自身もゴールドプランに出ている分についても例えばこの数年あるいは10年ぐらいたったら,これはやっぱりぐあいが悪いなと,もっとこういうことがあるではないかと,こういうのは出てくると思いますし,また外国でも外国から学ぶ点というのも逆の場合もありますので,これは早急に施設だけをどんどんつくったらいいという議論では前へ進まないんじゃないか,実質進まないんじゃないかと思います。  これはなぜかといいますと,例えば施設をつくる,そういった方々に入っていただくということなんですが,先ほどもお話出ておりましたけれども,いわゆるヘルパーさんあるいはマンパワーと言われる介護をされる方,あるいはボランティアの方,そういった方々が全部後々ついてくるわけでございますから,そういった問題を十分クリアしながら,全体として福祉問題というのをバランスのいい形で持っていかないと,ただ施設だけつくったらいいという,あるいはそれをふやしたらいいということには,現在のところは今の環境基準で相当のレベルにいっておると思います。これは他都市に──むしろゴールドプランの方が大きすぎるというきらいもございますけれども,少なくともレベルは非常に高いものだと思っております。  ですから,この5カ年でどの程度のレベルに上がるかということは,途中で十分チェックができるわけでございますんで,全体的に今特に指摘がありました施設の問題等については,これは明らかに数として出てまいります。むしろ目に見えないといいますか,気がつかない点で出てくる問題の方が実は心配をいたしております。  そういうことでございますので,特にそういった問題についても気がついた時点時点で,これはそれを修正するなりあるいはやめるものはやめるとか,こういうことが出てくると思いますので,その点についてご理解をいただきたいと思います。  それから,空港の問題ですけれども,もちろん水質の問題が──環境庁の中に水質保全局がありますので,当然言われるわけです。だけど,この問題は大阪湾のいわゆる全体──一番奥になりますけれども,一体水質を悪くしているのは何かということですね。最終的にはこういう議論になると思います。ですから,どこが一番海を,大阪湾を汚しておるか,こういう議論になってきて,非常にまあ言えば生臭い話に実際にはなります。しかし,神戸とすれば,いや一般の水準以上のことはやりますと,こう言うているわけです。ところが,全体的にそういうことにならない。平均的にそういうことにならないということになりますと,神戸にとって市民の皆さん方に非常に負担をかけるということになります。  そういうことを十分考えて,今後やっていくわけでございますけれども,ただ大気にしても騒音にしても交通の問題にしても,まあ言えばポートアイランドあるいは空港,そういうものがあるから車が集まるんだという言い方もあります。  ところが,そういうことじゃなしに,神戸の中から外へ出ていくという車もあるわけです。特に阪神間の交通量は,西から入ってくるいわゆる外・内といわれる交通量よりも多いわけですね。ですから,神戸方から阪神間を通って出ていく車の量,あるいは西から神戸に入ってくる車,こういったものはまあ言えば,平たく申し上げましたらお互いさまということになるわけです。  ですから,ポーアイに入ってくる車の番号を見ていただいたら恐らくわかると思いますけれども,いろんなところから入ってきております。これは何もそのナンバーのところのために入ってきているわけではございません。神戸市民のためにある程度なっている部分があるわけです。ですから,神戸に入ってくる,また神戸のものもよその都市に行っている。こう見ていただかないと,この大気あるいは騒音,交通その他の問題については非常に解決しにくいということでございます。特に交通の問題はできるだけ発生交通量といつも言っておりますけれども,神戸から発生するもの,あるいは入ってくるもの,一応ODを毎年──5年ぐらいの間に調べておるわけですけれども,それがどんどん変わりますけれども,それによって鉄軌道が要るということになれば,当然鉄軌道を入れないと,これはみずから神戸の発生交通量が多いにもかかわらず何もしないというのはいきませんので,これは当然この問題解決のための施設づくりはやっていきます。  しかし,物の考え方なり気持ちの上では,今申し上げてみたように,お互いにその地域をお互いの都市が使い合いをしている,こういうぐあいにお考えをいただいて,それをオーバーするもの,どちらが多いかと,神戸が多ければ多い方が負担をすると,こういうことだと思いますので,これもいろいろ調査をし,結論が出次第,またご相談をさせていただいて決めたい,こう思っております。  ほかは他の者から……。  (「議長」の声あり) 63 ◯副議長(浜本律子君) 田渕助役。 64 ◯助役(田渕榮次君) 先ほどの水質の改善ということで,4府県市でどういったことを目指し,やっていくのかということでございますけれども,お話を申し上げましたとおり,またご指摘もありましたけれども,大阪湾ベイエリア計画というようなことで関空なり神戸なりいろんな計画があるわけでございます。こういったことを踏まえまして大阪湾における水質改善等につきまして総合的,広域的な対策はどうあるべきか,こういうことで実は提案を申し上げたわけでございまして,幸い大阪方のご賛同をいただきまして,この10月の15日に発足したばかりでございます。ただ,その目指すところは先ほど申し上げたとおりでございまして,私どもとすればできれば水質管理計画が策定できたらと,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 65 ◯副議長(浜本律子君) 緒方助役。 66 ◯助役(緒方 学君) 高齢化社会がますます進行する中で,いわゆるマンパワー対策というのが一番大事になってくるわけでございますけれども,そのマンパワーの中にやはり専門家からボランティアまでといいますか,幅広い人材を活用していくということが常に必要であって,求められていくんじゃないかと思っております。  ご指摘の在宅福祉センターでございますけれども,現在のところは市の正規職員を市の社協の方に一応派遣をしていることもあるわけでございますけれども,現場の方では経験を持っていらっしゃる看護婦さん,寮母さん,そういう方々を市社協の嘱託という位置づけでお願いをしておるわけでございます。  待遇につきましては,これは63年度から始まっておりますが,年々改善をしてきているつもりでございますけれども,ご指摘の身分の保障ということになりますと,これは今持っております制度の本来にかかわることでございまして,どういう形がいいか検討する必要があるわけでございますけれども,先生のご意見はご意見として受けとめさせていただきたいと思います。  それから,白内障の助成の問題でございますけれども,先ほどご答弁申し上げましたとおり請願の趣旨を踏まえて高齢者対策あるいは福祉対策,全体のバランスの中で考えていきたい,そういうふうに思っております。
     以上でございます。  (「議長」の声あり) 67 ◯副議長(浜本律子君) 鈴木民生局長。 68 ◯民生局長(鈴木富士彦君) ホームヘルパーの関係でございますが,基本的に家事援助サービスにつきましては,主婦の家庭でのご経験を生かすこと,あるいは福祉活動への幅広い市民参加を促すこと,こういったことも家事サービスの中には趣旨が入っております。他都市でも長野市の例を挙げられましたが,指定都市等他都市でもこういった実績のある方々の登録制度で,その成果を上げておるというような実態がございます。  本市におきましても,先ほど数字のお話がございましたが,この秋にさらにこういった応募者を募集いたしました。現在 235名さらに応募がございまして,現在その研修等々を行っておるさなかでございます。ご趣旨の点等々今後いろんな面でご意見として拝聴してまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。  (「議長32番」の声あり) 69 ◯副議長(浜本律子君) 32番西下 勝君。 70 ◯32番(西下 勝君) ご意見を拝聴ということでありますが,そんなら具体的にどう聞いてもらえるのかと,こう聞きたいわけでありますが,あんまり時間もありませんので,ちょっと1点だけ。  市長が今お答えになりました──私が環境基準との関係でお尋ねをしておるわけでありますが,どんどん施設をつくるだけでは進まんと──私は別に施設だけどんどんつくってくれと言っておるわけではないわけでありまして,今の文字どおり議論になった身分の問題だとか人数の問題だとか,こういったマンパワーやあるいはソフトも当然充実をさせながら,さらにハードが必要でないのかということを言っておるわけでありまして,市長が言われるようにどんどんつくって進まんと──目に見えないものはやめないかんというようなものもあるということでは,私はちょっと納得がしがたいわけでして,この点についてはもう1度お答えをいただきたいと思うんです。  つまり都市環境基準いわゆるアーバンリゾート都市,この都市の水準を引き上げていくということで我々も大いに結構だ。ただし,その計画もやっぱり時代のいろんな側面があるわけですが,高齢化という側面で見たらまだ足らん部分があるんじゃないですか。ですから,ハードもソフトの面も必要な手直しは,我々両方の側面を言っておるわけでありますから,今の市長のご答弁はちょっと納得がいきがたいので,この点については再度お伺いをしたいと思います。  あわせて,質問はそれだけでありますが,ゴールドプランが非常に高いという市長のご答弁,ご発言でありますが,私はそれを乗り越えるぐらい神戸は頑張るというふうに言うてほしいというふうに思うわけです。  ただ,財源等については地方で見なさいと,これはけしからんから我々も一緒に財源措置については国にも求めようというのは当然のことだと思うんですが,ゴールドプランがちょっと目標が高いからというこのご発言は,ちょっとそのままそうでしょうかというわけにはまいらんことは,申し添えておきます。  それから,マンパワーのことに関連をして緒方助役は,嘱託の問題についてはそういう形だ,検討課題だ,意見は意見として聞いておくと,ちょっと横へ置かれたら困りますから,この点もうちょっと具体的にどうなさるのか,これだけお聞きをして終わりたいと思います。  (「議長」の声あり) 71 ◯副議長(浜本律子君) 笹山市長。 72 ◯市長(笹山幸俊君) お答えを申し上げました中に誤解があったらいけませんので,私は,箱づくりだけやなしに,今お話がありましたマンパワーの問題がありますと,こう申し上げたはずです。ですから,そのときには先生からはマンパワーの話は出ておりません。ですから,私はつけ加えたわけでございますから,それは少しご理解をいただかないと,そういうぐあいにとられますとちょっと心外ということになりますんで,これはご理解をいただきたいと思います。そういう問題があるということを前提に,この箱づくりということになるわけでございますんで,先生からはお話がなかったということです。  それから,ゴールドプランは,今の環境基準の設定の中では少し手が届かんものがあるなということを申し上げているわけです。ですから,もちろんゴールドプラン──みんな全国一律にやれということについては,当然これに裏づけがないとできることではありません。そういうことで,こういったゴールドプランを目標にするということは,次の5カ年あるいは10カ年,こういうことでいくべきであって,今そこへ一挙に飛び越すということは,これは実際上はできないと思います。いい方針だと思っております。ですけれども,今の環境基準からいきましたら,5カ年ではちょっと無理ではないかな,レベルが高過ぎるな,こう思っております。むしろその中身の方を充実していったらいいんではないかなというふうなことを考えております。  以上です。  (「議長」の声あり) 73 ◯副議長(浜本律子君) 緒方助役。 74 ◯助役(緒方 学君) それぞれの方々が持っていらっしゃる能力を出し合って,やはりこれからの高齢化社会を支えていくということが一番大事でございます。そういう意味で先ほど言いましたように,今在宅福祉センターで働いていらっしゃる方々,それぞれご経験豊かな方々でサービスを担当してもらっておるわけでございまして,そういう形のもので私たちは今の形でうまくいっている,そういうふうに理解をしております。先生のお尋ねの件につきまして,今お答えをするほどの案もございませんので,ご意見として受けとめさせていただきたい,そういうことを言うておりますので,ご理解をいただきたいと思います。  (「議長32番」の声あり) 75 ◯副議長(浜本律子君) 32番西下 勝君。 76 ◯32番(西下 勝君) 短時間のやりとりでお互いにといいますか,あれやったんで,他は特別委員会等で再度質問させていただくということで終わります。 77 ◯副議長(浜本律子君) この際10分間休憩いたします。   (午後3時20分休憩)   (午後3時44分再開)  (上田議長議長席に着く) 78 ◯議長(上田大人君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  休憩前に引き続き,決第9号より決第23号に至る15件に対する質疑を続行いたします。  34番北山順一君。  (34番北山順一君登壇)(拍手) 79 ◯34番(北山順一君) 私は,自民党議員団を代表いたしまして,平成2年度決算及び関連する事項につきまして,私の私案も織りまぜながら,以下数点にわたって質問させていただきます。  また,昨日からの質疑に対し一定の答弁をなされているものについては,重複を避けるため割愛するとともに,なおお尋ねしたい点については観点を変えて質問いたしますので,誠実なるご答弁をお願いいたします。  平成2年度一般会計,特別会計の決算全体の評価については,今まで質疑・答弁の中で明らかにされており,あえて言及する必要は感じておりませんが,21世紀を目前に控えた今,神戸の将来像を決定するであろう最重要課題について,論点を絞ってお伺いをいたします。  まず初めに,マスタープランの改定問題についてお伺いいたします。昨日の質疑の中で,市長は改定する意思を明らかにされましたが,さらに突っ込んでお伺いをいたしますので,ご了承ください。  昨日,市長からご報告がありましたように,神戸空港の実現がある程度見えてきた現時点で,神戸の将来像を的確に把握し,あるいはあるべき都市の姿を明らかにすることは,21世紀に向けて神戸が大いに飛躍するために不可欠なことであると考えるのであります。言うまでもありませんが,現在のマスタープランは空港を視野に入れて作成されておりますが,神戸空港が完成した後の神戸の姿をえがき切っているとは申せません。従来,我々は機会あるごとに空港完成後の神戸の経済の動向や産業,物流の方向性などをどうとらえるのかお尋ねをしてまいったわけでありますが,さらに空港が現実のものとなってきた現在,基礎であるマスタープランそのものの見直しが必要になってくることは自明の理であります。  マスタープラン見直しの視点は幾つかあると考えられますが,空港の与える経済効果の恩恵を直接受けるであろう雇用の拡大に伴う人口フレームの見直しという視点が最も重要なポイントであろうと思います。昭和40年に第1次基本計画を作成した時点での人口フレームは 180万人から 200万人を想定し,51年の第2次基本計画で 180万人と設定し,61年の第3次基本計画で 160万人に見直しを行って,現在に至っているわけであります。平成10年ごろに空港が完成するとして,その前後から市内産業の大きな変容が始まると思われます。ここに,空港が及ぼす波及効果として,4万 5,000人の人口増と3万 9,000人の雇用増という1つのデータがあります。これをどう考えるかでありますが,またいわゆる臨空産業をどう受け入れ,育てていくかという課題も出てくるでありましょう。  そこで,お伺いいたしますが,今のマスタープランの目標年次は2001年であります。その後の神戸の産業構造を想定した場合,少なくとも人口フレームを 180万人に設定し直し,まちづくりの目標として掲げ,神戸の活性化を図っていくべきと思いますが,いかがでしょうか。  その際に,ぜひとも考えておかなければならないことは,ふえるであろう人口をどこに定着させていくかということであります。言うまでもなく,インナーの活性化に資するべく計画していくことが不可欠であろうと申し上げたいわけであります。もちろん開発事業全体の見きわめや,インナー対策事業のあり方などトータルとして考える必要があるわけですが,空港によって生まれるであろう活力をインナーにつぎ込んで,神戸市全体の底上げを図るべきであると考えますが,マスタープランの見直しに当たってもそのあたりに配慮すべきであると思いますが,いかがでしょうか。お伺いをいたします。  次に,神戸空港に関してもう1点お伺いいたします。  神戸空港の目指す方向として,都市型大都市空港,あるいは国内線の拠点空港,あるいはユーザーフレンドリーな空港などが掲げられております。それらはそれぞれにもっともであり,方向としても認知されているものと言えると考えられます。それらの目指す方向を実現すべきキーポイントは,拠点からのアクセスにあると私は考えております。空港全体が現在の高速輸送時代に対応できる施設を建設できたとしても,交通の拠点ターミナルから時間がかかったり不便であったりしたなら,ユーザーフレンドリーな空港にもなり得ないし,もちろん国内線の拠点空港にもなり得ないことは明らかであります。  そこで,お伺いしたいのは,神戸空港と新神戸,三宮のアクセスをどう考えていくかという点であります。大阪空港の例を挙げるまでもなく,三宮から大阪空港へ行くには非常に不便な思いをいたします。バスを利用することが多いわけですが,万一おくれたときを想定して,かなり時間的な余裕を持っておかなければなりません。国内線を利用しようとする者にとっては,時間を浪費しているとの思いはぬぐいがたいものがあるでしょう。道路でのアクセスは,貨物輸送をはじめとしてこれまた不可欠のものでありますが,国際化社会を前提とした人,情報の高速定時移動ということを考えるならば,これは鉄軌道による三宮,新神戸への直結にまさるものはないと思います。  それを前提とした場合,ポートライナーの延伸あるいは新たな地下鉄などの導入などが想定されるわけであります。それぞれの手法には,それぞれのハードルがあろうかと思いますが,21世紀の交通システムを考える場合,三宮,新神戸と空港を直結する鉄軌道によるアクセスを計画に盛り込んでいくべきであると考えますが,いかがでしょうか。関空が空港島に鉄道を乗り入れさせようとしていること,あるいはソウルの空港がアクセスに大規模な投資を図っていることなどを考えると,思い切った方針決定が必要ではないかと思うのですが,いかがでしょうか。  次に,ベイエリア開発の取り組みについてお伺いいたします。  関西の復権をかけ,大阪財界が中心となってベイエリア開発のグランドデザインの取りまとめを行ってきており,ことしの4月には中間取りまとめがなされ,さらに年内にはこのグランドデザインの具体化や長期にわたる調査研究のための財団法人が設立されると聞いております。  私は,広域的な行政が注目される中で,神戸だけが生き延びる道を探していく時代は既に終わったものと見ております。東京一極集中が叫ばれ,現に関西の地盤沈下が進行し,政治,経済,情報,物流などすべてのトレンドが東京へ流れていき,関西はまさに一通過点となってしまうことを大変危惧しているわけであります。瀬戸内海の府県知事,政令市の市長が年に1度いわゆる瀬戸内サミットと言われる会議を持っておりますが,その会議は具体的問題を処理するというよりは儀礼的意味合いが強く,もっと継続的に個々の問題を処理するための組織や活動が必要ではないかと思うのであります。  そういった中で,このグランドデザインの意味するところは,関西の各府県,各市が協調し,お互いの個性を生かし,ともに発展していく道を示し,エリアとして1つの文化,経済圏を確立していくための例示であると思うのであります。議論の上では,第2国土軸構想をはじめとして,いまだ十分に議論されているとは言いがたいものも包含されており,今後神戸市としても心して取り組まなければならない課題も多々あることは否めません。  しかしながら,例えば京都,大阪,神戸が個々に種々の施設をつくって競争し合うということではなく,つまり神戸で大水族園があるにもかかわらず,大阪が負けずに海遊館をつくり,結果として須磨水族園の客が減ってしまうというようなこと──これは卑近な例ではありますが,こういうことではなく,それぞれが個性を持った都市でありますので,この財団法人が設立されることをきっかけに,お互いの役割分担を明確にし,ともに発展していく道を求めながら,関西全体の底上げを図っていくべきではないかと考えます。今後神戸市として,このベイエリアのグランドデザイン構想にどう対応されようとするのか,お考えをお伺いいたします。  次に,インナー問題についてお伺いいたします。元年の12月にインナーの新生プランが明らかにされ,その後,同プランに基づいて事業が執行されつつあるわけでありますが,幾つかの問題点があるのではないかと考えております。  快適な住環境の創造はインナーの活性化には不可欠の要素であり,アメニティーの高い住宅,さまざまなライフスタイルに対応できる住宅の建設,良好な環境の整備は鋭意進めていただきたい事業であります。一方,公的な住宅建設だけでは供給量が不十分であり,民間のエネルギーを活用する必要があり,木造の民営賃貸住宅の建てかえの際の家賃助成制度や,インナー高齢特賃制度など助成制度も推進しており,一定の役割を果たしているとは思います。  しかしながら,全体として見るとき,インナーにおける人口の減少率は,40年代や50年代に比べれば減少率は鈍化してきたものの,依然として減少傾向にあることは否定できません。特に若年層の流出は甚だしく,若者にとって魅力あるまちではなくなってきていると思われ,もっと思い切った施策,特に若年層が戻ってくる施策を展開する必要があると思うのであります。  我々が従来から主張しておりますように,インナー地域における新婚世帯向けの家賃補助,あるいは子供のいる世帯に対する家賃補助,さらにはもう一歩踏み込んで新婚世帯や子供のいる世帯に対する公営住宅への優先入居など,思い切った施策を展開すべきと思いますが,いかがでしょうか。大阪市や東京都特別区の先例もあり,十分検討に値すると思いますが,いかがでございましょうか。  次に,歴史街道構想と文化交流についてお伺いをいたします。  昭和61年に歴史文化資源を国際的にアピールする趣旨から歴史街道構想が発表され,関西の財界,地方公共団体,学識経験者が中心となって構想実現に向けて推進しているところであります。これは日本史の舞台を時代の流れに沿って,伊勢,飛鳥,奈良,京都,大阪,そして神戸を結び,だれもが楽しく訪れることのできるまちづくりを進めようとする壮大なプロジェクトであります。具体的には景観整備や歩く歴史街道の整備などのまちづくりや,対外的なキャンペーン活動が想定され,日本の文化と,これをはぐくんだ日本人の心のひだに改めて触れることにより,外国からの訪問者はもちろん我々日本人も,この日本を再認識しようとするものであります。  一方,神戸市が進めようとしているアーバンリゾート都市づくりも,都市の整備はもちろんですが,精神面,文化面から神戸市のルーツを再発見することが1つのコンセプトとなっているはずであり,歴史街道構想とかなりオーバーラップするところがあろうと思われます。同構想では,平成7年に歴史街道博覧会と銘打って,大規模な催しを計画しておりますが,そのプレ・イベントとして,平成5年に神戸市で歴史街道に関するシンポジウムなりミニ博覧会を誘致するなど協調して,アーバンリゾートフェアを盛り上げることが必要であると思いますが,いかがでしょうか。アーバンリゾート構想を世界にアピールできる絶好の機会と思うのですが,所見をお伺いいたします。  最後に,駐車場整備方策についてお伺いする予定でございましたが,本日の質疑の中で一定のご答弁がありましたので,質問は控えたいと思います。  しかし,一言意見を申し上げますが,駐車場問題は,神戸市においても駐車場整備地区の見直しや附置義務条例の見直しを進める一方,公共駐車場の整備も進めているわけであります。あるいは総合設計制度による容積率のボーナス付与や,本年度に入り民間駐車場助成制度の創設などにより,民間事業者の意欲を増進させる施策も展開しております。  しかしながら,制度の成熟度の問題もあろうとは思いますが,市街地における違法駐車は減っておらず,決め手に欠けているように思えてなりません。車に乗ってくるなという議論は,確かに1つの方向でありましょう。しかし,一方で産業の多様化,経済のスピード化を考えるならば,それも限界があると考えざるを得ません。市街地においては,広大な敷地が簡単に確保できる見通しはほとんどないわけで,公民の役割分担の明確化や民間の投資意欲の高揚のため,諸方策など積極的に取り組んで,問題の解決を図っていく必要があると思います。  市街地で整備すれば,地下駐車場や立体駐車場にならざるを得ないわけで,料金で施設費や経費を回収する以上,割高になるのは当然であります。しかし,それでも必要な場所であれば,市民は納得するのではないでしょうか。そのあたりの真摯な議論を踏まえて考えていくべきであると思うのでありますが,今後行政,市民の役割分担,あるいは市街地での設置方針などを明確にしていただき,整合性のある合理的な駐車場対策をお願いいたしまして,私の質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 80 ◯議長(上田大人君) 笹山市長。 81 ◯市長(笹山幸俊君) 北山議員のご質問にお答えを申し上げます。  まず,私から3点お答え申し上げますが,特にマスタープランの問題のご指摘がございましたが,お話にありましたように,将来の神戸の産業構造なりあるいは経済状況,そういったものがどんどん変わる前提として,それに伴いまして人口の変動がある,また人口動態といいますけれども,そういったものがあり得る,こういうことでございまして,ご質問のとおりだと思います。  そういうことがございますので,例えば人口だけというわけにいかないわけですけれども,数字だけでいきますと,この人口を決める段階では,いろんな例えば工業出荷額が幾らだとかこういう指標があるわけですが,これは別にしまして,今大まかに申し上げましてどういうことを考えるかということなんですが,神戸の活性化をするためにどれぐらいの人が要るだろうかということが1つ。それから,都市の大きさ,いわゆる都市容量と私はいつも言っておりますが,容量からどれぐらいの人口がいくだろうか,こういうことがあると思います。これは都市の容量というのは,環境容量も全部含まれるわけですけれども,そういう意味でどの程度の容量までが例えば 180万の場合適切かということについては,非常に難しい議論なんですけれども,両方の面から見てある接点がないのか,こういうことでございます。  といいますのは,都市の活性化を図るためには産業構造もどんどん変わりますし,それに伴います雇用機会もふえてまいりますし,それに伴う人口もふえる,あるいはそれ以外にあらゆる施設がふえてまいります。自動的にふえてまいるわけですから,そういうものが神戸の現在の線引きを考えて,その中にうまくはまるか,こういうことになろうかと思いますが,今の段階で約7万あるいは8万ぐらい,今の中間的な数値からいきますと2001年には 160万には既に達するという考え方ですが,最近の経済状況等,また宅地その他の供給量,そういったことから見まして 160万というのはちょうどいい数字といいますか,適当な都市としての均衡ある発展をするための容量ではないかなと,今のところこう考えております。  ですから,今後起こってまいりますインナーの問題,活性化をせないきませんし,再開発も要ります。そういう課題を解決をしていきますと,面積的に今の用途地域だけで議論しますと,当然4~5階にしますと 200万近くぐっと入ってしまいます。しかし,それでは住環境その他から見て余りよくないということもありますので,やはりそういったある空間というものを十分取ったまち並み,あるいは生活空間を取るとすれば一番適当な規模ではないか。  外国でときどき行ったときに言われるんですけれども,「神戸は人口幾らですか。」こう聞かれるんですが,「 150万弱ですよ。」と言ったら,「一番適当な人口規模ではありませんか。」と,例えばウィーンなんかでも同じようですし,ミュンヘンでも同じぐらいの規模ですね。そういったところが一番いいような環境が保てるんではないかというようなことをよく言われます。そういうことで,外国と生活条件も違いますから,一概には言えませんけれども,神戸は中都市と私はいつも言っておるんですが,そういう段階が将来に向けていつでも伸びられる余地を持っておる都市でもございますので,そう早急に伸びるということについては,ある程度制限した方が,コントロールした方がいいんではないかという気がします。  これは1つの大きな例として,よその都市の悪口を言うわけじゃありませんけれども,例えば横浜市ですね,こういったところが急激に人口が倍に10年,15~16年でなるというのは異常な状態ですから,そのためにいわゆる社会資本と言われるいろんな施設が不足をしてくるということでございますから,そういった格好にならないように均衡をとりながら,神戸の力に合わせていろんな仕事ができるようにしたらどうかと現在思っておりますので,その方向でマスタープランを見直していったらいいんではないかな,こう思っております。  ですから,先ほどちょっとご指摘ありました,今までに余り議論しなかったんですけれども,臨空型の産業というのがあるわけですから,そういうものが雇用の機会の拡大につながるということでありますと,少なくともその分はふえるということは確かでございます。そういうことで,そういったものも十分いろんな要素を入れて,人口,それに供給と需要とバランスをとったような格好で進めていったら一番いいんではないか,こう思っております。ですから,団地をつくる場合でも,先行して鉄道を引くとかそういう議論がしょっちゅう起こりますので,できるだけ都市内で混乱をしないようにやっていきたい,こう思っております。  それと同じような理屈でございますけれども,神戸空港ができた場合のいわゆる交通アクセスの問題,これについても現在ありますポートライナーを延伸する,これは一応運政審で決めていただいておりますので,これはやはり延伸というのは先行するだろう。しかし,それでは足らないということも既にわかっておりますので,これについては一番便利なところ,例えば新神戸であり三宮,そういうところをにらんで,それに合うような容量を持った鉄軌道,あるいは専用レーンを持った例えばバスとか,いろんな形の交通機関がありますので,それについては今検討中でございます。当然そういうものが要るということに相なろうかと思います。  それから,大阪湾ベイエリアの問題ですけれども,これもかねてからお話をしておるわけですけれども,大阪湾に面していろんな規制がかかっておりますので,今のところ各都市公共団体が,まあいえば力のある者がいろんなことをやっている,こういうことでございまして,この議論の中では特にいつも問題になっておりますのは,やはり泉南と和歌山,あるいは神戸,あるいは淡路も含めまして兵庫県の西,こういったところについてどうしても影響が──関西空港あるいは大阪湾ベイエリアに関するいろんな施設をつくる場合に,まあいえば端の方になる,こういうことがございますので,どうしても大阪に集まるという議論が非常に多いわけです。  そういうことで,そういうことにならないように大阪湾ベイエリアのグランドデザインをやったときの議論のその前に,いわゆるすばるプランというのがありまして,これは近畿圏全体をやったんですけれども,そういうときの議論とベイエリアをやったときの議論と多少変わってはきておりますけれども,考え方はやっぱり近畿圏全体をバランスをとって,同時に底上げをしていく,それで各都市が個性を持っての仕事をやっていく。例えば京都でやりたいというのを大阪に持ち込むとかそういうことではなしに──ある程度競争はあると思います。ありますけれども,その都市にふさわしいものをそれぞれ立地をしていくということについて,お互いに各公共団体が話し合いをする機会というのが要ると思います。  ですから,今回,推進機構というのができましたけれども,この中で一番問題になりますのは,やはりそれをコーディネートする人がいないとこれは困るわけです。強い者が勝ちになりますから,それをまた国の方がコントロールするという機構になるので,非常に自主性がなくなるおそれがありますんで,これはやっぱり避けなければいけませんというのは我が方も申し上げております。ですから,神戸は神戸として受け持つ守備範囲というのは,どんどん今の計画で持ち込みますけれども,それを余り持ち込むという物の考え方というのはおかしいと思いますので,これはお互いに理解を求めながら話をしていく,こういうことだと思います。  といいますのは,最近ずっと周辺都市との話し合いをさせていただいておりますけれども,これと同じ理屈でして,例えばお隣の市と隣接して同じものをつくるというようなことはできるだけ避けていきたいということがあって,隣接の市町の皆さん方と話し合いをさせていただいておりますんで,こういうことが近畿圏全体で行われるようなシステムができれば,大阪湾ベイエリアも含めまして関西圏全体が底上げになるんではないか,こう思っておりますので,十分神戸市としての役割といいますか,分担の仕方については,今後いろいろとご指示なりご指導をいただいてやっていきたい,こう思っております。  (「議長」の声あり) 82 ◯議長(上田大人君) 緒方助役。 83 ◯助役(緒方 学君) 私から1点ご答弁申し上げます。  歴史街道構想関連のイベント等を誘致したらどうかというようなご質問でございますけれども,歴史街道構想は,先ほどお話がありましたように伊勢から飛鳥,奈良,京都,大阪,神戸という日本史の舞台を,時代の流れに沿ってたどることができる道──約 300キロになるようでございますけれども──のルートを歴史街道として位置づけて,この歴史街道をだれもが楽しめる水準まで整備して,日本文化発進基地として世界の人々にも知ってもらおうという構想でございまして,歴史街道推進協議会が本年4月に設立をされております。歴史街道の整備及び世界へのアピールは,いわゆる地域活性化あるいはまた21世紀にふさわしい国土づくりというような面から,大きな可能性のある事業と位置づけられております。  一方,アーバンリゾート都市神戸のまちづくりでございますけれども,神戸が有するさまざまな都市資源あるいはまちの個性を生かしながら,より快適で魅力的なまちを創造していこうというものでありまして,まちが持っております歴史,文化資源を再発見して活用する都市整備も重要な要素になってございます。ご指摘のとおり,歴史街道構想の趣旨に合致する面もあると考えております。  歴史街道に関しまして,推進協議会ではどのような事業を進めていくべきか,全体計画の検討が行われているところでございますが,構想の推進に当たりまして,もう既に奈良あるいは大阪等でシンポジウム等が開催されております。アーバンリゾートフェアに合わせまして,このようなシンポジウム等いろんなイベントがあるかもわかりませんが,神戸に誘致できるかどうか検討してまいりたい,そういうふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 84 ◯議長(上田大人君) 小川助役。 85 ◯助役(小川卓海君) インナー地域での住宅施策についてお答え申し上げます。  平成3年度の予算審議の2月の段階で北山議員から同趣旨のご提言がございまして,十分時間をちょうだいして研究を進めたいとお答え申し上げた──宿題をいただいたわけでございますけれども,その後他の事例といたしまして,大阪市,東京都の墨田区,新宿区,世田谷区と,台東区に次いでこの制度が実施されております。それらの先例も参考にしながら,今日まで住宅局を中心に検討してまいりましたけれども,いろいろとやはり苦慮すべき点がたくさんございまして,まだこの点についての成案を得るまでに至っておりません。  まず,家賃補助をする場合の補助対象者ですけれども,まず我々市民全体に対する公平性から考えまして,いわゆるインナー,例えばインナー4区というふうなとらえ方をいたしまして,それではっきりと線引きができるのかどうか。インナーとインナー外との市民の公平性の問題についても,大変難しい問題があるというふうに認識いたしておりますし,所得の問題,それから補助対象の住宅をすべての住宅にするのか,新築に限定するのかというような問題,それから既に居住されている方と,呼び戻しという意味では新しく転入される方が対象になりますけれども,そうすると既居住者とのバランスはどうなるのかという問題,それから実際補助をさせていただくといたしまして,補助額はどうなるのか,所得の制限等々も加味してどの点でとどめるべきか等々,現在いろいろ苦慮いたしておりまして,さらには期間はどの程度の期間をとるのがいいのか,具体的な研究の作業には入っておりますけれども,なかなかこれといった結論が出ておりません。もう少し時間をいただきまして,成案ができましたら議会にお諮りする,こういうことにさせていただきたいと思います。  なお,新婚家庭あるいは子供さんをお持ちの世帯への公営住宅の,市営住宅の優先入居の問題でございますけれども,これも2月の段階でお答えいたしましたけれども,現在制度上は母子世帯,老人世帯,身体障害者の世帯などに限って別枠募集という制度はございますけれども,新婚世帯あるいはお子さんをお持ちの世帯までこれを広げるということにつきましては,現在の公営住宅の制度から申しまして,極めて困難であるというふうに感じております。いずれにいたしましても,これといった成果が上がるような内容に研究を進めるべく,現在作業を進めておりますので,しばらく猶予をちょうだいいたしたいと思います。  以上です。  (「議長34番」の声あり) 86 ◯議長(上田大人君) 34番北山順一君。 87 ◯34番(北山順一君) ただいま一定の答弁をいただきましたが,私の意見をもう少し申し上げたいと思います。  まず,マスタープランは都市の憲法でもありまして,またアイデンティティーの表明でもあるわけであります。そこには神戸の個性というものに根差した,市民がなるほどと思う未来像をえがくとともに,夢も盛り込んでいただかなければなりません。そして,それに向けて切磋琢磨していくものであろうと思っております。  そういった観点からも,インナーの開発や,先ほどご答弁いただきました神戸空港へのアクセスなども含めて,思い切った構想を策定していただきたい,こう思うんであります。そして,ハイレベルの都市づくりを目指していってほしい,このことは要望しておき,そしてまたあわせて各区のバランスある発展,このバランスある発展ということが私は大事であろうと思うんであります。今のインナーの状態を見れば,バランスある発展が図られるんだろうかという危惧を持っておるわけであります。そういう意味で,各区のバランスある発展というところをよくお聞きいただいておきたいと思うんであります。  次に,先ほど小川助役からご答弁いただきました若年層に対する家賃補助制度や優先入居制度,もう既に随分時間かけて検討してもらっておるようであります。今ご答弁がございましたように,大阪なり東京で既に実績も上げてきているやに思います。そしてまた,ご存じのとおりインナー高齢特賃というふうに,お年寄りの皆さん方にはインナーのこの住みよいまちに住んでもらおうという高齢特賃があるわけですから,インナーに高齢の人ばかりが集まってもらっても困るわけでございます。  そういうことも含めまして,また教育の問題にも私は関連してくると思います。まちの活力というものは,産業の振興ばかりではありません。幼稚園や小学校で多くの子供たちが遊んだりあるいは学んだりする姿を見ることも,まちの活力の源でもあると思うのであります。そのため子供を安心して産み,育てることのできる住環境を整備していくことは行政の役割であると言えると思うのであります。仮に1家族に5人の子供がいるとすれば,出生率が大変減少低下している現在では,もうそういう世帯は表彰してあげてもいいんではないかなと思うんであります。そのための受け皿づくり,つまり良質な住宅を確保していくことは不可欠の要素である,私はこういうふうに思っております。  ご質問いたしました家賃補助制度あるいは若年層の優先入居につきましても,若年層が定住することになれば,一方で税収が上がるという面もあるわけですし,近視眼的にならずに長い目で制度の効果を考えていただくならば,十分そろばん勘定は合うと思っております。ここで他都市の状況,特に制度上の問題点や欠陥を一日も早くよく研究をしていただいて,インナーの活性化の決め手になるように努力をしていただきたい,こう思っております。  その他の問題につきまして,まだ質問したいこともございますけれども,以上要望いたしまして,あとの問題はこれから開かれます決算特別委員会の中で明らかにしてまいりたいと思っております。以上で終わります。
    88 ◯議長(上田大人君) 次に,4番佐藤けん一郎君。  (4番佐藤けん一郎君登壇) 89 ◯4番(佐藤けん一郎君) 私は,同僚議員諸公の格調高いご質疑の後を受けまして,世俗に戻らしていただきまして,都市計画税,消費譲与税,そして六甲アイランド登記問題の3点について,議長に質疑の通告をさせていただいておったわけでございますけれども,時間の関係もございますので,本日はその中の都市計画税の1点に絞りまして,他の2点につきましては次の機会に譲りたいと存じます。議長のお許しを賜りたいのでございます。  都市計画税は,平成2年度の決算収入済み額 205億円でございます。昭和60年が 150億円でございましたから,年間7%という高い伸び率で推移をしてきているわけであります。  それでは,東京・大阪はどうかということでありますけれども,東京は3年前に都市計画税の税率 0.3%を 0.15 %に半減させているわけであります。大阪はことしから 0.2%にこれまた低減させているわけであります。したがって,この2団体,当然比較をいたしましても恐らくこの5年間で,むしろ本年度は5年前に比べて絶対額自身も減額をしているのではないかというふうに思うわけであります。  このような事実を前にいたしまして,都市計画税とは一体何なんだと,都市によって税率が2倍も違う。一体その本質は何ぞやという検討が必要になるのではないかというふうに考えるわけであります。  都市計画税は,最初は大正8年に創設をされたそうであります。そのときは課税団体は現在のように市町村のみならず都道府県──道府県も課税団体であったわけであります。それがこの昭和31年に税制改正によりまして,道府県は課税団体から除外をされて市町村のみになったのであります。これは一体なぜだろうかということであります。もともとこの税金は目的税であります。この都市計画税の目的税としての性格を強く認識をしたから,私は課税団体──道府県が除外をされて市町村のみになったというふうに判断をいたすわけであります。  都市計画事業の費用に充当をするべきである,それ以外のものに充当をしてはならないという,極めて厳しい通達が自治省からも出ているわけであります。都市計画事業は,市民生活に密着した市町が事業主体となるわけでありまして,その中から市民に応分の負担を求めていく,したがいまして他の税と違いまして,事業するかどうかという選択に基づいて課税というものは発生するということでございますから,都市計画税課税団体の責任というものは非常に大きいものがあるのではないかというふうに思うわけであります。  しかも,都市計画事業であれば,すなわち都市計画施設に関する事業であればすべて充当の対象になるのかといえばそうではありません。都市計画事業であっても特にその内容,規模あるいは国の施策との関係などから,特に重要なものとして県知事の事業認可を受ける,こういう1つの制約があるわけであります。また,税率についてもこれは標準税率でなくて最高税率であります。 0.3%を超えてはならないということで,やはりチェックがされているわけであります。  このように知事の事業認可あるいはまた税率自体が 0.3%を最高税率とするというふうにチェックポイントが置かれているわけでありますけれども,しかし税率だけで税額が決まるわけじゃありません。評価というものがあるわけでありますし,また市町が申請をした都市計画事業の事業認可について,知事がこれを拒否するというようなことは,その事業自体の中に違法な積極的なマイナス点でもない限りは拒否をするということはないわけでありますから,やはりこの問題については何といっても重要なのは事業主体であるその市町の事業選択の基本的な姿勢の問題,これが極めて重要な問題として,私たちは見詰めていかなければならないだろうというふうに思うわけです。  私は,このような観点から神戸市の都市計画事業を見まするに,残念ながら納得のできない,疑問を抱かざるを得ない事業が幾つかあるわけであります。その1つは,私の住んでおります須磨区の板宿地区の区画整理事業の問題であります。これは板宿本通商店街の道幅を拡幅する。現在長さ 100メートル,幅が 8.5メートルの板宿本通商店街を12メートルに拡幅するという事業内容であります。  これにつきましては,関係商店街の皆様方はこぞって反対をいたしました。なぜか。この 100メートルのところに商店の数が26あるわけです。したがって,間口は平均1軒当たり4メートルということになるわけであります。商店街というのは間口に対して2倍以上,その前の道路の幅が広いと,客が素通りをして店に入ってこないということがあるそうでございまして,そのような観点から関係の商店街の方々は署名運動までして反対の意思表示をしたわけでありますけれども,いろいろな過程を経たわけで,現在もまだもめているわけです。  大体 100メートルを, 8.5メートルから12メートルに 3.5メートル拡幅するわけですから,これは計算すればすぐ出るわけでございまして, 350平米,道路用に用地を出す,そのために 100メートル四方の1ヘクタール──1万平米の商店街全部が取り壊されなければならないという事業内容ですから,関係住民の方々が──しかも道が広くなる,マイナス要因である,家を壊さなければならない,大変なことである,反対をするのは当然であろうというふうに思うわけであります。  そういう事業が当局の粘り強い推進力によって,あと何が建つかもわからないままに関係商店街の皆さんは,商売のしなれたところを離れて現在仮店舗で仕事をしていらっしゃる。しかも,結局その後に建つものは何か,ここは商業地域でございますから, 500%の容積率が認められているわけですけれども,何とほとんどが以前と変わらない二階建てということになっているわけであります。一体全体何のための区画整理事業であったのかと,大きな疑問を抱かざるを得ないわけであります。  また,まだ幾つも事例はあるわけですけれども,もう1点だけ申し上げますけれども,連続立体交差事業を現在山陽電鉄において行っているわけでありますが,これにつきましても西代から東須磨まで 2.6キロ・ 270億という巨額の金を投じて,連続立体交差事業をするわけですけれども,この地域の一番交通渋滞上問題になっておりますのは,高倉台から離宮公園を経て浜の方へ下る路線であります。これは全く関係ないわけですね。そこまでいかない。ですから,ほとんど効果といたしましては金額の割に市民が期待するものは出てこない。しかも,板宿から東須磨までの間は,従来なら電車さえ通らなければ踏切があいてて通れるところが,これが3つ踏切が閉鎖されて地下道なり陸橋になる,こういうことであります。  私は,このような事例を挙げまして,やはり事業選択の必要性,必然性というものをよほど慎重に考えていただかなければならないのではないかというふうに思うわけであります。その点が質問の1つであります。  いま1点は,目的税でありますから,今言いましたように事業を選択して,その選択の結果として事業費が計算され,都市計画税の必要額が出てくるわけであります。したがって,これはほかの一般財源と違った形で経理上も管理をしていく必要があるのではないかというふうに思うわけであります。  現状,どのような経理を分けて管理をしておられるのか,その点当然繰り越しも出てくるでしょうし,予算と決算の違いも出てくるでしょうし,そういう問題についてもどのような扱いをしておられるのか,お尋ねをするわけであります。  その次は,これは事業についての都市計画税を一般財源的に──長い間の中で当局は一般財源的に見ておられるんじゃないか,甘えているのではないかというふうに私は思うわけであります。したがって,やはりシビアに事業を選択していくという点からも,私はこの際当局のお考えをお尋ねしたいんですが,東京そして大阪は 0.15 あるいは 0.2で既に実施をしているわけでありますから,神戸市も 0.2%あるいは 0.15 %という枠をはめて,その中で事業選択を厳しくやっていくという考え方はないかどうか,都市計画税の税率,条例変更をされる考えはないかであります。  以上で私の質疑は終えますけれども,これは質問通告もいたしておりませんので,質疑という形ではなくて,意見として申し上げさせていただきたいと思うんですけれども,昨日緊急に笹山市長から6空整に神戸空港が組み入れられたというご報告をちょうだいいたしたわけであります。  私は,ここで意見を申し上げたいのは,この神戸空港,6空整組み入れとともに,関空の全体構想と称しておられますけれども,関空があの 3,500メートル1本という当初計画が,2本追加をされて都合3本になる,こういう全体構想──面積は2倍ほどのようでございますけれども,これは 3,500が3本になるということは重要な,神戸空港にも大きな影響を与える問題ではないかというふうに思うわけであります。  ひとつ大勢の方々が努力をして6空整には組み込まれたわけでありますけれども,関空に対して航空需要,お互いに競合する面が結果としては当然出てくるわけでありますから,その規模が3倍になったと──滑走路が3本になったということの中で,私はより慎重に事業推進についての姿勢を持っていただきたい,このようなことを強く要望をいたしまして,私の質疑を終わらせていただきます。  (「議長,議事進行」の声あり) 90 ◯議長(上田大人君) はい,何ですか。 91 ◯46番(武貞健治君) 本会議の席に当たりまして,質問については事前通告という項目が設定されておりますが,今の発言の中には事前通告の項目がない,それを発言をしたと,こういうふうになっておりますが,これについての取り扱いをどうされるか。議長の見解をお聞きしたいと思います。  (「質問じゃない。冗談じゃない。」の声あり) 92 ◯議長(上田大人君) ただいまの武貞議員の議事進行のとおり,通告のないものについては意見を述べることはできないというふうに明記をされておりますので……。  昨日の緊急のことでもございましたので,一応お聞きはしておきますけれども,しかしそれについては答弁は必要なしと,要望ですから。(「そうですよ。」の声あり)  しかし,今後こういうことのないようにお願いをしたい。  これでいかがでしょうか。 93 ◯46番(武貞健治君) そうしますと,今の件は議事録から削除という理解でいいんでしょうか。以上です。 94 ◯議長(上田大人君) 議事録には残る模様でございますので……。  これは,削除ということになりますれば,これ,議運等また理事会等を開いて検討をいたさなければならないと存じますが……。  (「議長」の声あり) 95 ◯議長(上田大人君) はい,武貞議員。 96 ◯46番(武貞健治君) 今の件は,やはり議事録に残すということに多少問題があると思いますので,できれば議運の中で一度検討させていただきたい,このように思うんですが,いかがでしょうか。 97 ◯議長(上田大人君) では,後,開かれます一番早い機会の議運で検討をさせていただくということでよろしゅうございますでしょうか。 98 ◯議長(上田大人君) じゃあ,そのように取り扱いをさせていただきますので,よろしくお願いをいたします。  では,答弁の方。  (「議長」の声あり) 99 ◯議長(上田大人君) 前野理財局長。 100 ◯理財局長(前野保夫君) 佐藤議員のご質問にお答えをいたします。  私からは,都市計画税に関してご答弁申し上げます。佐藤議員の都市計画税に関する質問,非常に多岐にわたっておりまして,具体的に何が質問なのか明らかではないわけでございますが,一応まとめて私の方からご答弁申し上げます。  まず,都市計画税でございますが,地方税法上,都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用として充てることとされているのは申すまでもございません。具体的には道路,公園,区画整理事業等,法に定められた事業に充当されておりまして,適正に監理執行をいたしております。  神戸市では,これら都市計画事業にかかる経費すべてが都市計画税で賄われているわけではございませんで,その一部分を占める補完的なものにすぎないのが現状でございます。したがって,ご質問にございますように,一般財源扱いにしておるというのはとんでもない話でございます。  具体的に申し上げますと,都市計画事業費,これは平成2年度決算でございますが, 1,134億円でございます。このうち地方負担額が 463億円でございます。都市計画税はこのうち 205億円でございます。この数値は,質問にもございましたように都市計画税に係る都市計画事業費等に関する調べでございまして,この決算数値は毎年兵庫県に報告をしておるものでございます。したがって,適正に監理しておるということもあわせてご答弁申し上げます。  したがいまして,地方負担額に占める都市計画税の割合は44.2%,半分以下ということが現状でございます。都市計画税によりまして地方負担額のすべてを賄うということになりますと,逆に市民にさらに多くの負担を強いることになりまして,それを避けるため制限税率が定められておるわけでございまして,本市では制限税率の 0.3%を採用しているというのが現状でございます。  それから,税率の変更についてのご質問がございました。ご指摘のとおり東京都は,63年度 200平米未満の住宅用地について 0.3から 0.15 になっておるわけでございます。また,大阪市は平成3年度に 0.3を 0.2に引き下げたのが実態でございます。このことにつきまして自治省から 200平米未満の住宅用地にかかるものについてこういった税率変更することについては,都市計画税の性格から極めて不均一課税であるということで,自治省の強い反対に遭っておるというのが実態でございます。  また,東京都,大阪市は,ご存じのとおり地方交付税の不交付団体でございます。大阪市が減税した理由,これは具体的によくわかりませんけれども,平成3年度固定資産税の評価替えに伴って,個人住民税等の減税措置がなされたわけでございます。いわゆる減税超過の措置であったわけでございますが,大阪市の場合には固定資産税の評価替えで,これは詳しい数字はわかりませんけれども約 175億で,住民税の減税で 120億,したがって住民税の減税よりも固定資産税の評価の方が55億上回ったというのが実態でございます。したがって,その相当額を都市計画税で減税したと,そんなふうに聞いております。  神戸市の場合で申し上げますと,固定資産税の評価替えに伴う増税額は58億でございまして,住民税の減税がこれを上回る68億でございます。したがって,10億の減税超過でございまして,大阪のように税率を変更することは到底考えられない。また,神戸市におきましては今後とも都市計画事業を積極的に進めてまいるための重要な財源であるというふうに考えておりますので,税率の変更については全く考えておりません。  私どもから以上ご答弁申し上げます。  (「議長4番」の声あり) 101 ◯議長(上田大人君) 4番佐藤けん一郎君。 102 ◯4番(佐藤けん一郎君) ご答弁をいただいたわけですけれども,納得できないわけであります。  まず,大阪・東京の比較において,富裕団体の問題もありましたし,また住民税減税額との比較の問題もありましたけれども,大体神戸市の不動産──土地並びに家屋の評価額というのは大変高い実態にあるわけでありまして,もともとレベルが高いわけですから,それからの増分が少ないからといって,市民を納得させる根拠にはならないというふうに私は思うわけであります。なお広く資料をおとりいただいて,適正な措置をされることを強く要望いたしまして,私の質疑を終わります。 103 ◯議長(上田大人君) 以上で質疑は終了いたしました。  この際お諮りいたします。  本件は,議員44名をもって構成する決算特別委員会を設置して,これに審査方を付託することにいたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 104 ◯議長(上田大人君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。  なお,決算特別委員会委員は,委員会条例第5条第1項の規定に基づき,議長より指名いたします。 105 ◯議長(上田大人君) 委員の氏名は,事務局より朗読いたします。  (矢野市会事務局議事課長朗読)  ──────────────────  決算特別委員会委員   吉田謙治君   岡島亮介君   吉田基毅君   土居吉文君   加納花枝君   増田泰幸君   藤原武光君   井川弘光君   森 和愛君   大西きよじ君   佐藤清次君   浜崎為司君   福浪睦夫君   平野昌司君   大野 一君   竹重栄二君   植中 進君   谷本徳太郎君   山内国豊君   粟原富夫君   田村とし子君   西下 勝君   岩城修吉君   北山順一君   豊村敏治君   小嶋誉之君   高尾繁春君   藤森万也君   藤本浩史君   長嶋 登君   寺坂光夫君   横山道弘君   武貞健治君   原 和美君
      中村治助君   村岡 功君   安井俊彦君   竹田 達君   小田伍郎君   高田 巌君   田中健造君   吉田多喜男君   堀之内照子君   橘 暉一君  以上44名。  ────────────────── 106 ◯議長(上田大人君) 以上で決算特別委員会委員の指名は終わりました。  ただいまご指名申し上げましたとおり決しまして,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 107 ◯議長(上田大人君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。 108 ◯議長(上田大人君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  この際申し上げます。  この後,直ちに決算特別委員会を開会いたしますから,委員の方は28階第4委員会室にお集まり願います。  本日はこれをもって散会いたします。   (午後4時52分散会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission. ↑ ページの先頭へ...