静岡市議会 > 2018-06-02 >
平成30年6月定例会(第2日目) 本文
平成30年6月定例会(第2日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2018-06-02
    平成30年6月定例会(第2日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(田形清信君) これより本日の会議を開きます。  この際、諸般の報告をいたします。  初めに、既に配付したとおり、公益財団法人静岡まちづくり公社ほか10件の出資団体に係る経営状況説明書が市長より提出されました。  以上で諸般の報告を終わります。    ─────────────────── 2 ◯議長(田形清信君) 本日の議事日程は、お手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第118号 平成30年度静岡市一    般会計補正予算(第2号) 外21件(総括    質問) 3 ◯議長(田形清信君) 日程第1、議案第118号平成30年度静岡市一般会計補正予算(第2号)から日程第22、一般質問までを一括議題といたします。  これより総括質問に入ります。  質問の通告がありますので、順次、発言を許します。  初めに、安竹信男君。   〔36番安竹信男君登壇〕 4 ◯36番(安竹信男君) 改めて、おはようございます。  質問に入る前に、感謝の言葉を述べさせていただきます。  井川地域住民が、60年前に井川ダム発電所建設以来の悲願でありました井川大日峠に、トンネル建設が具現化することになりました。田辺市長の御尽力と議員各位の御支援のたまものであります。心より感謝を申し上げますとともに、今後ますますの御支援をよろしくお願い申し上げます。  通告に従って、2つ質問をしてまいります。
     まず、1点でありますが、安倍川水力発電所建設計画についてであります。  プレスリリースによりますと、中部電力株式会社は、昨年3月2日に安倍川水力発電所の建設計画について公表され、具体的に発電出力は7,100キロワット、流れ込み式で水力発電、2019年に工事着手して、2022年に運転開始の予定だと公表してございます。  同日付で田辺市長は、中部電力株式会社取締役執行役員発電カンパニー社長、伴 鋼造氏から、「安倍川水力発電所建設についてお願い」という文書を受け取っております。  この内容は、調査の結果、安倍川上流地点では、水力発電所建設に適した場所であると確認されたので、別添のとおり、水力発電所の建設を計画しました。関係法令を遵守のもと、貴市当局、地域住民の皆様を初め関係者の御理解を賜りながら進めてまいりますので、御指導、御協力をよろしくお願いしますという内容であります。  水力発電所建設における堰堤設置場所は、梅ケ島の湯の森地先であり、発電所建設場所は大河内の有東木地区の県道沿い地先であります。発電と運用方式は水路式・流れ込み式で、発電出力は7,100キロワット、一般家庭で1万1,700世帯分の年間使用電力量であります。最大使用水量は、毎秒7トンとなっております。小水力発電規模よりさらに大型で、中規模の発電であります。  私の議会質問を機に、中部電力・再生可能エネルギー事業部の担当者の説明では、梅ケ島、大河内の両地区住民にとって、地域活性化に貢献する具体的な内容を十分に確認することはできませんでした。  ここで伺いますが、安倍川水力発電所建設計画に対して地域活性化を含めどのように受けとめているのか、お伺いいたします。  次に、ワサビ栽培の世界農業遺産認定と地域活性化についてであります。  静岡県内のワサビ生産者と市、町、県で構成した静岡わさび農業遺産推進協議会会長、川勝平太知事の念願がかなって、「静岡水わさび伝統栽培」が世界農業遺産に認定されて、県内のワサビ栽培地域は活気づいております。  世界農業遺産認定を機に、本市の一次産業が元気づくチャンスとなることを期待しておりますが、県内で認定されたワサビ産地は、静岡市、伊豆市、下田市、東伊豆町、河津町、松崎町、西伊豆町の3市4町であり、産地間競争も際立ってくるのではないかと思うのであります。  ここで伺いますが、ワサビ栽培が世界農業遺産に認定されたことをどのように受けとめているのか、お伺いいたします。   〔36番安竹信男君質問席へ移動〕 5 ◯企画局長(松永秀昭君) 安倍川水力発電所建設計画に対する受けとめについて御答弁させていただきます。  まず、水力発電所といった地球温暖化対策に資する再生可能エネルギーの普及については、3次総に位置づけ促進するものとしております。  また、本市が積極的に取り組んでいるSDGsのゴールの1つであるクリーンなエネルギーといった点においても、再生可能エネルギーの普及は重要なものと考えております。  今回の計画につきましては、建設に伴う一定の経済効果が見込まれるものと考えられます。  一方、水力発電所は、本市の貴重な財産である安倍川の本流に建設が計画されていることから、事業者にあっては、建設や運転に伴う周辺環境や農林漁業への配慮などについて、市民の皆さんや関係団体に対して丁寧な説明を続け、理解を得ていくことが必要と考えております。  本市といたしましても、計画の進捗状況などを注意深く見守りつつ、必要に応じて適切に対応してまいります。 6 ◯経済局長(池田文信君) ワサビ栽培の世界農業遺産認定をどのように受けとめているかについてですが、このたびの認定は、本市のワサビ生産者やその地域の方々に誇りと自信をもたらすものであり、世界に輝くオンリーワンの都市を目指す本市としても、大変喜ばしいことであります。  また、ワサビ栽培発祥の地としての歴史的価値とともに、文化や景観などの保全に係る地域の取り組みが評価されたものであり、大変意義深いものであると受けとめています。  今後は、このワサビ栽培をワサビ生産者や地域の方々とともに、本市の貴重な財産として次の世代にしっかりと継承するよう、熱意を持って取り組んでいきます。 7 ◯36番(安竹信男君) 安倍川水力発電所建設計画に入りますが、事業者は、昨年4月に梅ケ島学区と大河内学区における地元説明会をそれぞれ2回開催しております。事業者から私がいただいた説明会結果報告では、特に反対意見はなかったということであります。と同時に、質疑応答の中で、工事方法や環境への影響確認、地域協力を望む意見があったということであります。  また、地域住民の説明会の感想を少々伺う限り、具体的で丁寧な説明を受けた状況ではなかったように拝察いたします。これからが本当の説明会になるんだろうと期待するわけであります。  ただいまの答弁では、この建設計画に伴う経済効果が見込まれるとのことでありますが、どのようなものなのか。地域住民が将来にわたって、この水力発電事業とどのようなかかわりができるのか、地域貢献度を高めるために、静岡市としても積極的な折衝をするようここで要望しておきたいと思うものであります。  静岡市は、静岡市環境基本条例を定め、環境の保全について市の基本理念を定め、市民、事業者及び市の責務を明らかにしております。良好な環境保全と将来への継承、環境の共有性と環境の有限性の認識を示し、全ての市民が健康で、文化的な生活を営むことができる良好な環境を創造することを定めているのであります。  ここで、伺いますが、水力発電所建設が自然環境に与える影響について、どのように捉えているのか、お伺いいたします。 8 ◯環境局長(櫻井晴英君) この事業は、静岡市環境影響評価条例の対象事業ではないため、一連の環境影響評価手続を行う必要はありませんが、事業者は河川水量や動植物等の環境調査を行っております。  本市といたしましては、事業の規模から判断し、環境に著しい影響を与えるものではないと考えておりますが、引き続き事業者が行う調査や対応を注視し、必要に応じて指導、助言を行ってまいります。 9 ◯36番(安竹信男君) この事業が静岡市環境影響評価条例の対象外だということでございますが、私はここが問題だと思うのであります。  本市では、環境基本条例をさらに補完すべく、静岡市清流条例で、安倍川、藁科川、興津川に代表される清流の保全に関する基本原則を定めております。清流の保全に当たっては、水量が適正な状態に保たれること、水源である森林、生態系への配慮などを市民の責務としております。  静岡市民は、日本一おいしい水を飲めることで、安倍川に感謝し、オクシズに暮らす梅ケ島や大河内の地域住民は、森林を育てて水源涵養に努めてきているのであります。  行政は、環境に著しい影響を与えるものではないと、ここで一蹴することのないように、ただいまの答弁のとおり、事業者の環境調査を注視しながら、地元住民が泣きを見ることがないように、努力されるよう強く要望しておきます。  これより個々の課題について伺ってまいります。  市民の飲料水に与える影響についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 10 ◯上下水道局長(森下 靖君) 飲料水のうち、上水道への影響についてですが、水道事業については、発電所建設予定地から約18キロメートル下流に、水道の主要水源施設で安倍川の伏流水を取水している牛妻水源地がありますが、発電所建設計画では、発電に使用された全水量が安倍川に戻される仕組みであることから、影響はないものと考えております。  また、発電所建設予定地の約2キロメートル下流にある渡地区の簡易水道については、その水源が地下約30メートルの井戸水であり、表流水や伏流水と違うため、影響はないものと考えております。  しかしながら、工事期間中については、井戸水の濁り等の変化に注視していきたいと考えております。 11 ◯36番(安竹信男君) 事業者の計画では、毎秒最大7トンの取水が必要だと計画しておりますが、牛妻地先にある観測による日流量年表を見ますと、安倍川の表流水は2014年、10トン未満が93日、14トンが155日ありました。2015年には、10トン未満が73日、14トンが146日ありました。2016年、10トン未満が84日、14トンが133日でありました。  このデータには、ばらつきはありますが、観測地点の牛妻地区から上流部の安倍川支流である玉川や大河内の支流が流れ込んで合流合算されているわけでありますから、取水堰堤建設予定地はさらに奥でありますので、この流量はさらに低量だと推測されるのであります。私から見ますと、年間の半分は毎秒10トンに満たない水量ではないかと思うのであります。発電所排水溝までの5キロメートル余の区間の水量は、どの程度補償されるのでしょうか。  ここで伺いますが、アマゴとかアユなどの水産資源への影響について心配するわけであります。市はどのように対応されるのか、お伺いいたします。 12 ◯経済局長(池田文信君) 開発地点に生息する魚類を把握するため、事業者による調査が行われ、アマゴ、アユ等の生息が確認されております。  本市としては、事業の動向を注視するとともに、安倍川において漁業権を持つ安倍藁科川漁業協同組合と十分話し合いを行うよう事業者に伝えたところです。  本市の内水面漁業を継続していくためには、水産資源の確保が重要であることから、漁業協同組合が事業者に対して必要な対応ができるよう、本市としてもほかの水力発電所建設の事例について調査を行い、漁業協同組合に助言を行います。 13 ◯36番(安竹信男君) ここで、たかがアマゴだとか、アユと言ってはいけません。安倍川上流部において、特にアマゴは水産資源のシンボルでありますし、清流の都として、シンボリックな安倍川にとって、アマゴやアユは生き証人といっても過言じゃありません。安倍藁科川漁業協同組合と中部電力との交渉は、これからだと推測されますが、当局の十分な後押しと御指導をよろしくお願いいたします。  高さ4メートルの堰堤や導水管、発電所を建設するに当たっては、周辺の山林伐採に手が入りますが、堰堤上流部には大量に土砂が堆積し、河川敷が上昇することは自明の理であります。流域の森林域に新たな崩壊地が発生することが予想されますが、相当な面積の森林が影響を受けると思われます。  ここで伺いますが、森林法にかかわる許認可については、どのように手続が行われていくのか、お伺いいたします。 14 ◯経済局長(池田文信君) 現時点では、事前協議段階でありまして、事業者から開発面積等の詳細が示されていませんが、開発する森林面積が1ヘクタールを超える場合は、林地開発許可申請の手続が必要になります。林地開発許可申請につきましては、森林法や静岡市森林法施行細則等に基づき審査を行い、環境の保全にも配慮した適正な開発が実施されるよう指導を行っていきます。 15 ◯36番(安竹信男君) 井川ダムということで、中部電力との接触もありますし、この6年の間にいろんなことを想像しながら、この質問をさせていただきました。  森林に被害が発生すると予想される森林域というのは、レクチャーをする担当職員の話では、買収で補償されるのではないかということであります。事業者がこの森林を買収するということは、所有者になるわけでありますので、地域の環境保全に十分努めていただきたい。崩れてもいいんだではなく、これは私たちの森なんだという姿勢については、私は今までの経験上、中電に忠告をしておきたいと思うのであります。  なお、南海トラフ大地震対策が叫ばれる中で、発電所のある優位性を生かした電力の地産地消型で、台風や洪水といった自然災害時の停電や孤立が心配される梅ケ島や大河内地区住民を初め安倍川流域に暮らす市民を優先とした、周辺住民1万1,700世帯に電力供給されるといった地域貢献性の高い発電施設になるよう要望しておきたいと思うのであります。  当局は、SDGsの面からも再生可能エネルギーの普及は重要であるとしておりますが、私はここで二宮尊徳の報徳思想を一言申し添えておきたいのであります。道徳のない経済は罪悪である。経済のない道徳は寝言である、こういうことであります。  次に、ワサビの問題に入ってまいります。  産地間競争も激しくなることが予想されるわけでありますが、何といってもワサビ発祥の地が本市の有東木であるということは、ありがたい史実であります。  有東木の仏谷山、標高1,503メートルにワサビ山と呼ばれる土地があり、ここに自生していたワサビを移植して育て上げたのが日本のワサビ栽培の元祖だと言われております。  駿府城に入城した徳川家康公にこのワサビを献上したところ大変喜ばれ、門外不出とまで珍重されたと伝わっておりますが、徳川家の御紋が葵の紋、この葵の紋の紋様がワサビの葉っぱの形状によく似ているのも奇遇ではないでしょうか。  ここで伺いますが、今後、世界農業遺産の認定を受けたワサビ栽培をどのように情報発信していこうとしているのか、お伺いいたします。 16 ◯経済局長(池田文信君) ワサビ栽培は、オクシズへの観光客の誘致につながる有望な地域資源であることから、積極的な情報発信に努めてまいります。  平成30年度は、山合いの美しいワサビ田の風景やオクシズの豊かな自然環境、伝統的な食文化など、ワサビの魅力を収録した動画を制作し、SNSを活用して、国内外に発信していきます。  また、地元民間放送局の番組を通じて、世界農業遺産の認定を受けたワサビ栽培に関する本市の取り組みを紹介することを予定しています。  さらに、産業界が一堂に会する産業フェアや本市にゆかりのある方を招いて開催する静岡市交流会in東京など、市内外でのさまざまなイベントでPRしていくとともに、本市を訪れた方々にワサビの産地であることをわかりやすく、また印象強く示せるよう案内看板等の設置を検討してまいります。  また、市内の子供たちに向けては、教育委員会が取り組む静岡型小中一貫教育のしずおか学の副読本への掲載により、本市のワサビ栽培のすばらしさを伝えていくほか、市民の皆さんに向けては、生涯学習センターが主催するみのり大学や市政出前講座を通じて紹介をしていきます。 17 ◯36番(安竹信男君) 世界農業遺産の1つにワサビ栽培が加わったことで、当局も積極的に情報発信に努める企画をされている、その熱意が伝わってうれしく感じます。  世界農業遺産認定は、名誉なことであり、オクシズの恵まれた自然環境を観光に結びつけるためにも、世界農業遺産認定記念碑を建立するべきだと私は考えております。  本市はもとより、国内外へワサビ発祥地の存在感を示すためには、新東名静岡インターチェンジ付近に大きなワサビのモニュメントを設置することも有効ではないでしょうか。ぜひとも職員の熱意に負けないほど、田辺市長に熱くなっていただくよう要望しておきます。  ワサビ産出量を見ますと、静岡県40億円、シェアで75%、長野県8億円、15%、岩手県3億円で6%、水ワサビ栽培面積では、静岡県が120.7ヘクタールで42%、兵庫県が41ヘクタールで14%、新潟県35ヘクタールで12%となっており、名実ともに静岡県がトップであります。  安倍山葵業組合組合長が白鳥義彦氏でありますが、彼は17代目だというので驚きます。総会時には恒例のワサビの品評会が開かれ、見事な品ぞろえに生産者の努力も高く評価されているわけであります。会員の皆さんがさらによい品質を求めていこうと、この切磋琢磨の精神に敬意を表してまいりました。これまでに農林水産大臣賞を受賞した会員が過去10年間に3名いると言われるのであります。  後継者問題も深刻ですが、ワサビ田の耕作が放任されないような仕組みづくりはすごく大事であり、生産者の声を十分ここに反映させることを期待するものであります。  ここで伺いますが、ワサビの品質向上やワサビ田の維持についてどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いいたします。 18 ◯経済局長(池田文信君) 本市では、高品質なワサビ生産を持続するために、ワサビの生産団体が取り組む優良品種の導入や普及に関する事業を支援しています。平成28年度には、葵区有東木における大規模なワサビ育苗施設の整備を支援し、年間10万本を目標に優良な苗の安定生産、安定供給に取り組んでいるところです。  高齢化等の理由で維持できなくなるおそれのあるワサビ田については、ワサビ生産団体と連携し、次の世代に引き継ぐための仕組みを検討していきます。 19 ◯36番(安竹信男君) 10年ほど前の話であります。ある生産者を私が訪ねたときに、ワサビの苗を育苗するために、自分のワサビ田から採取した種を北海道へ送るというのであります。北海道で生育した苗が飛行機で輸送されて来るという話を聞かされて驚いたことがあります。  今、御答弁ありましたように、有東木地区にワサビ育苗施設を設置したということは、これは画期的であります。本当にありがとうございました。  水ワサビ田の景観は、多くの市民の目に入ると思いますが、江戸時代をさらにさかのぼる時代に、険しい山間地で年中水が湧き出る場所を探し、歴代にわたって数十段にも及ぶワサビ田の棚田を造成した先人たちの高い能力と強靭な精神力、体力には敬服いたします。  春夏秋冬、水の中の労働条件は、今も昔も変わりません。ワサビ栽培はきつい仕事でありますので、後継者問題を語るときには、いかに省力化、機械化できるかが重要ではないでしょうか。  ここで伺いますが、高齢化が進み、後継者不足が課題であるときに、担い手の確保対策をどのように考えていくのか、お伺いいたします。 20 ◯経済局長(池田文信君) 市内のワサビ農家は約150世帯ありますが、40歳未満の後継者のいる農家は1割に満たず、後継者の確保と育成が大変重要であると認識しています。  本市では、全国わさび品評会農林水産大臣賞を受賞するなど、高い技術を持った若手生産者もおり、このような若手に栽培技術に関する講座の講師を担ってもらうなど、ワサビ生産者全体の生産意欲や技術の向上を図っていきたいと考えております。  また、現在、ワサビ栽培への新規就農を希望して、県外から本市に移住してきた若者が研修生として学んでいるという事例もあり、こうした意欲ある若者を後継者として育成し、事業を引き継いでいけるような仕組みづくりを生産者団体と連携して検討していきます。 21 ◯36番(安竹信男君) 一次産業の六次化は長い間に大分、進んできているわけでありますが、今や農産物の地産地消の動きと相応して、例えばうつろぎや真富士の里、JAじまん市でも加工品の品数がふえ、農家の所得向上につながる動きが進んでいます。  ここで伺いますが、世界農業遺産認定を地域活性化につなげるためには、生産現場だけでなく、他業界と連携した支援体制が重要だと思うわけでありますが、どのように考えるのか、お伺いいたします。 22 ◯経済局長(池田文信君) ワサビ栽培の世界農業遺産認定を地域活性化の好機と捉え、本年4月にワサビの生産振興及びオクシズの活性化を目的とした「オクシズわさび応援団」が発足したところです。応援団には、本市を初め県やJA、ワサビ生産団体、静岡商工会議所、するが企画観光局など、さまざまな分野から10団体が加入しており、農商工連携や観光に着目した取り組みを進めていきます。  今後は、この「オクシズわさび応援団」が中心となって、ワサビの収穫を盛り込んだ体験観光ツアーを実施するなど、オクシズ地域への国内外からの誘客に取り組み、地域経済の活性化につなげてまいります。 23 ◯36番(安竹信男君) 全体を通じまして、一次産業が本当に厳しく、特に今お茶が厳しいときを迎えているわけでありますが、そういう中で何か1つ特化して、元気が出るということは大変ありがたいことであります。このワサビ発祥の地が多くの皆さんから注目される、このときを迎えるに当たって、ほかの産業もそうですが、ぜひ経緯が結びつくような施策を展開していただきたいと思うわけであります。  ただいま「オクシズわさび応援団」の話が出ましたけれども、今、地域には集落支援員が入ったりして、非常に努力されております。よく言われることは、地域振興には若者、よそ者、ばか者と言われる者がいないと、地域は発展しないということであります。私もそのことを十分井川という田舎で感じています。私もそのばか者の一人かなと思っていますが(「そうだ」)ありがとうございます。この若者やよそ者が好んで入ってくるような施策を市長、ぜひ牽引していただくよう心からお願い申し上げまして、私の質問を閉じます。  ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 24 ◯議長(田形清信君) 次に、池谷大輔君。   〔19番池谷大輔君登壇〕 25 ◯19番(池谷大輔君) 自由民主党、池谷大輔です。  それでは、通告に従いまして、質問をいたします。  まず、大項目の1、市長の政治姿勢についてですが、今回は田辺市長の国連でのスピーチも含めSDGs関連で質問をいたします。  御承知のとおり、SDGsとは、サスティナブル ディベロップメント ゴールズの略であり、日本語では、持続可能な開発目標と訳されます。2015年9月の国連サミットで採択され、翌年の2016年から2030年までの15年間で、加盟国は達成しようという国際的な目標であります。  17の大きな目標と、それを達成するための169の達成基準が盛り込まれており、これは2030年のあるべき世界はこうでなければならない。例えば貧困はなくさなければならない、飢餓をゼロにしなければならない、そういった大きな目標が17。さらにその目標をどうやって達成するか、そのための達成基準が169項目として出てくるものであります。  田辺市長は、2月の本会議の施政方針の中で、第3次総合計画をSDGsに組み込むと明言をされました。基本的に積み上げ方式あるいは漸進主義と言われる行政の仕組みに対し、目標があり、そこに向かってどうしていくかというバックキャスト形式のSDGsを導入するのは容易ではないかもしれません。ですが、安倍総理もSDGs推進本部の本部長を務めており、先頭に立って実施に向けて努力をしていく、地方創生の実現に資する、そういった非常に前向きな発言も報道されております。  静岡と政府と世界がSDGsで手を取り合い、目指すべき社会の実現に向けて邁進していく、これが「世界に輝く静岡」につながるものだと理解をしております。  そこで、1回目の質問です。  国連ニューヨーク本部で、田辺市長が行ったスピーチの内容とその手応え、それについてどうだったか、お答えください。  次に、地域課題についてお聞きします。  先月の5月25日、田形議長のお膝元、用宗は武島において長田5学区の連合町内会役員と地域の議員が膝を詰めて地域の課題を共有する5学区連絡協議会が行われました。それぞれの地域の役員がさまざまな課題と現状を話し合い、お互いが持つ情報を共有することで、地域を前に前にと進めていこうと考える有意義な会合であります。  大項目の2、地域課題についてでありますが、この会合で出てきた諸課題をテーマに質問いたします。
     まずは、徘回認知症高齢者について。  この問題は、昨年も長田西の課題として、加藤議員に取り上げてもらった問題であります。御承知のことでありますが、現在、長田西学区では敬老会で79歳以上の高齢者全員に見守りバッジを配布しております。このバッジはスマートフォンをかざすことで、バッジの持ち主がどこの誰なのかわかる仕組みになっており、迷子になってしまう可能性のある徘回認知症高齢者の対策として、地域が主体的に取り組んでいるものであります。  さて、静岡市当局には、この長田西自治会連合会の取り組みに対し、地域で主体的に取り組む好事例ではあるが、システムの運用経費、個人情報の管理についてどのように地域で解決できるのか、注意深く見守っていきたいといった答弁をいただいております。これは、言いかえれば、器具を使って徘回認知症高齢者対策をするという、全国共通の国の施策が現状ではなく、それぞれの自治体が創意工夫を凝らして、独自の対策をしている現状にあるからだと考えております。  昨年、厚生委員会で訪れた高崎市では、靴の中にマッチ箱サイズのGPS発信機を埋め込み、徘回高齢者がどこにいるのか、家族が確認できるようにするという施策をやっておりました。資料のとおりでございます。  徘回する高齢者と、ともに生活をする家族にとってみれば、心強い施策ではありますが、自分の所在地が常に家族に把握されているというものは、皆様にとってはいかがなものでしょうか。プライバシーの問題も少しはありますが、その靴1つ当たりの値段を聞いたところ、1つ4万円ほど値段がかかるそうで、市が全額負担をしているという話を聞いて驚いた記憶がございます。  各自治体が、各地域が課題に対する解決策を独自で出し、実証実験作業を進める中、本市においても本年度、新たに始まった徘回高齢者に対する施策があると聞きました。  そこで、質問ですが、地域包括ケア推進本部が進める徘回認知症高齢者の捜索模擬訓練とはどのような内容か、お答えください。  次に、長田街道の整備についてお聞きします。  長田街道は、長田を南北に結ぶ基幹道路であり、徒歩や自転車などで市民は通勤、通学をする、日々の生活において非常に大きな役割を果たしている道路であります。  しかしながら、道路幅は狭い箇所が目立ち、家の玄関をあけたら歩道もなく、すぐ目の前を車が往来するような住宅も多数存在しております。非常に危険な状態であり、いつ事故が起こってもおかしくない、そんな状況が数十年と続いております。  それに対し、長田西中学校より北側の向敷地区域内に関しては、できる限り待避所をふやしていくという方針で、少しずつ道路幅の拡幅をしているところであります。南北に長い長田街道でありますが、長田西中学校より南側は、まだまだこれから整備が始まるところも存在しております。当局は長田街道の現状と課題について、どのように把握をしているかお答えください。  次に、長田北地区の公園整備についてお聞きします。  駿河区の長田地域の北側に位置する長田北学区は、向敷地、向敷地西町、手越、向手越、手越原の5つの自治会からなる地域でありますが、公園の数が少なく、向敷地公園、手越公園といった既存の公園は、広さや遊具の数において、他地域の大きな公園と比べると非常に寂しいものがあります。  長田北地区における公園の計画は、今から51年前の昭和42年に、都市計画決定された向敷地と手越の両方にまたがる金山に3.6ヘクタールの金山公園の計画があります。地元より、平成18年に公園整備要望を行い、市も地域住民の声を聞いてくださり、要望を受け付けてもらえたのですが、既に計画区域の一部では、宅地化が進んでいる現状にあります。  そこで、今回は何としてでも長田北地区に子供たちや子供たちをつれていく若いお父さん、お母さんあるいは地域に住む年長者が憩いの場として利用できる長田北のシンボルになり得る公園をつくってほしいという思いを地域から預かってまいりました。それを念頭に質問させていただきます。  長田北学区地区における公園整備状況についてどのように当局が考えているのか、お答えください。  次に、備蓄食料についてお聞きします。  6月18日に、大阪府北部を震源として発生した地震では、気象庁が観測し始めてから初めて大阪府で震度6弱を計測したとのことでありました。まずもって、今回の震災に遭われた被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。  地震をめぐる報道を見ておりますと、今回の地震は、南海トラフ巨大地震の前兆かという専門家の発言もありました。とりわけ、地震に対する備えを以前から先進的に進めている静岡市でありますが、非常時に用いる食料の備蓄体制を中心に何点かお聞きします。  まず初めに、静岡市では災害発生時、自宅で生活をし続けることが困難な家庭のために、避難所を多数開設することになっております。  しかしながら、収容人数は限られており、全員が避難できるわけではありません。当局は、災害発生時も自宅で生活を続けるための各家庭での備えとしてどのようなことを推奨しているか、お答えください。  次に、避難所に避難されてきた方への食料の提供でありますが、自宅から避難をする際に、食料や飲料水を持ってこられる方ばかりではありません。むしろ、在宅避難者においても、備蓄食料の備えが足らず、避難所に来るケースも想定されております。  被災後、数日たてば、自衛隊による救助であったり、全国からの援助も期待はできますが、被災直後は行政による常日ごろからの備えが被災者に供給されることとなります。  そこで、お聞きしますが、市では、どのような考えに基づいて食料の備蓄を行っているか、お答えください。  さらに、行政ではなく、家庭での食料備蓄についてお聞きします。  内閣府における防災対策推進検討会議における南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの最終報告では、発災直後では、特に行政からの支援の手が行き届かないことから、まずは地域で、自立活動をするという備えが必要であり、食料や飲料水、乾電池、携帯電話の電池充電器、カセットコンロ、簡易トイレなどの家庭備蓄を1週間分以上確保するなど、細かい具体的な対応を推進する必要がある、そう記載されております。  質問でありますが、静岡市内における各家庭での食料備蓄率はどうなっているのか、データがあればお示しいただきたいと思います。  以上、1回目の質問であります。 26 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢のうち、SDGsについて。  先日の国連ニューヨーク本部でのスピーチ内容とその手応えはどうだったかとの御質問にお答えをいたします。  手応えは大いにありました。行ってよかったと思っております。  まず、今回の訪問を通じて強く印象に残ったことは、国連のニューヨーク本部事務局がSDGs推進に取り組む本気さであります。やっぱり現地、現場に行ってみて、肌で感じるというのは大事なことだなというふうに思いましたが、国連事務局のSDGsへの力の入れようというのは、私の想定以上でありました。  とりわけSDGsを所管している国連事務局のパートナーシップオフィスの皆さんは、国連の外の各国政府はもちろんのこと、企業とかNGOとか、そして、私たち自治体とのタックを組むことを強く望んでおりましたので、私たちの来訪を大変歓迎してくれました。  池谷議員にぜひ御理解いただきたいことは、結局のところ私ども静岡市が3次総で、2022年までに市民約70万人を対象にして目指すまちの姿、健康とか安心とか、共生とかをキーワードにした都市ビジョンと、国連がSDGsで2030年までに地球上の約70億人の人々に対して求めている地球の姿というものは、目指す方向で全く同じだということであります。文明と自然といいますか、経済と環境のバランスをどうとりながら、私たちのこの地球でいかに豊かに健康に、そして、幸せに暮らしていけるのかと、この目指す方向で一致したということであります。  今回、日本政府を初めNGOなどさまざまな御関係の皆様の橋渡しの御尽力のおかげで、静岡市と国連ニューヨーク本部事務局が結ばれました。ですので、この世界共通の目標であるSDGsに、私たちの3次総を組み合わせていくということは、私たち自身の豊かな市民生活をつくっていく、つまり3次総であるとか、5大構想をより一層強力に推し進めていくツールになり得るというふうに確信をいたしました。  私は、国連でのスピーチにおいて、そのことを丁寧に説明しました。そして、国連の皆様にアジアの日本の静岡市というところで、こんなまちづくりをしているという3次総や5大構想についてアピール、シティプロモーションをしてきました。今度は日本に戻って、まだまだ静岡市民の皆さんに認知度が低い国連が目指すSDGsについての説明をして、この市民認知度を50%まで引き上げていきたいという決意をスピーチで述べたところであります。  加えて、スピーチの前後に、精力的に会合を重ねました。日本政府の国連代表、星野大使を初め今回の会議そのものを主催したチャウドリー国連大使や先ほど申し上げましたパートナーシップオフィスのウィリアム・ケネディ上級役員などなど個別に会合を持ちまして、率直な意見交換をしました。  その中で、3次総、5大構想はもちろんのこと、例えばジェンダーイコーリティーというSDGsの目標に向かって、今、静岡市では女性が活躍する都市環境をつくるために、「しずおか女子きらっ☆」プロジェクトに力を入れるとか、若い方々への啓発のために来年1月に東京ガールズコレクションを開催するとか、そんな説明をしたところ、大いに評価していただいたという実感を得ております。  その証拠に、帰国してからでありますけれども、パートナーシップオフィス、ケネディ上級役員から、来月再びSDGsについてのハイレベル政治フォーラムがニューヨーク本部で開催されるので、静岡市長、改めて来てくれないかという、そして、またスピーチをしてくれないかという大変うれしい申し出もありました。  また一方、これも新聞で御承知かと思いますが、私たち静岡市は、日本政府の呼びかけに応じ、SDGs推進にいち早く取り組みました。よって、先日、約1,700の自治体の中で、29のSDGs未来都市に選んでいただきまして、総理官邸に行ってまいりまして、その未来都市の選定証の授与式に出席してきました。そのときに安倍総理からは、日本がSDGsに取り組み、国連を重視しているという外交姿勢を示すためにも、日本の地方自治体がSDGsを推進してくれるというのは、大変心強いし、それは地方創生につながるものなんだと。ぜひ全世界に誇れる取り組みをして、日本の自治体を牽引していってほしい、ロールモデルになってほしいという激励もいただいたところであります。  このようにいち早くSDGsに取り組んでくれたこと、これは市の職員が企画局を中心にして一生懸命3次総にSDGsを落とし込む作業をしてくれたたまものであります。そして、国連との関係も構築でき、日本政府からの支援も今後受けられるようになったことで、3次総を推進して、市民生活をよくするという「世界に輝く静岡」の実現がより強力に推進できる体制ができたというふうに理解をしていただきたいと思います。  残念ながら、御招待いただいた来月のハイレベル政治フォーラムは、私の日程上、最後に井川地区でやらなきゃいけないまちづくりセッションがあって、私はこれに行けず、美濃部副市長を派遣する予定です。今回構築できた国連との新たなネットワークを最大限活用し、日本政府とも連携をしながら、世界におけるSDGs先進都市を目指すとともに、「世界に輝く静岡」の実現に向けた取り組みを着実に進めていきたいと考えております。  どうぞ池谷議員には、市民の皆さんへのSDGsの普及に関しまして、より一層のお力添えをお願いいたします。  以下は、局長及び統括監に答弁をさせます。 27 ◯健康長寿統括監(羽根田信人君) 徘回認知症高齢者の捜索模擬訓練の内容についてですが、この事業は、認知症高齢者の症状や徘回行動などの理解を深めるとともに、地域での見守りネットワークの構築や徘回認知症高齢者の行方不明者をできるだけ早く安全に保護できる体制づくりを目的としています。  訓練は地域包括支援センターが中心となり、地域住民や自治会、地区社協、民生委員・児童委員、警察等が協働して、認知症であることを想定した徘回役の捜索を行います。捜査に当たっては、現在、本市が実施している認知症の行方不明者情報をメール配信する認知症しずメールや徘回のおそれがある人の靴等に張る認知症見守りシールを活用した情報伝達、徘回者の気持ちに配慮した声かけ等を行い、安全に保護し、自宅へ戻すまでの一連の流れを実施する予定です。  本年度は、安西番町圏域、大谷久能圏域、有度圏域の3カ所で、小学校区程度の地区をモデルとして実施してまいります。 28 ◯建設局長(伊東正高君) 私のほうからは、長田街道の現状と課題についてお答えいたします。  通称長田街道は、駿河区用宗と向敷地を結ぶ延長約6キロメートルの長田地区を南北に縦貫する道路で、一部区間は一般県道用宗停車場丸子線であり、沿道には中学校や住宅、工場などが隣接しております。  また、機能を補完する道路として都市計画道路手越原用宗線が指定されております。  議員の御指摘のとおり、長田西中以南の長田街道の現状は、おおむね2車線の車両通行の確保はできておりますが、歩道の未整備区間が多く、過去には死亡事故も発生するなど、歩行者や自転車の安全性に課題があるため、注意喚起などの応急的な対策を実施しているところであります。  課題の抜本的解消には、都市計画道路手越原用宗線の整備が効果的と考えておりますが、計画区間には人家の連檐や鉄道交差などの多くの課題を抱えていることから、現時点では事業化に至っておりません。 29 ◯都市局長(片山幸久君) 長田北地区の公園整備状況についてどのように考えているのかについてでございます。  公園は、市民生活に必要な憩いや心身の健康、防災、レクリエーション、地域コミュニティなど、さまざまな機能を有する施設であることから、公園サービスを市民の皆さんに等しく提供できるよう適正な配置に努めております。  このため、公園が不足している地域への整備に向け、民有地の買収に限らず、公共用地の活用のほか、議員の皆様の御協力をいただき創設した無償借地公園制度などにより、用地を確保するため、用地情報の収集や関係者との協議に取り組んでおります。  長田北地区には、安倍川河川敷の緑地や小規模な区画整理による小さな公園はありますが、地区の皆さんにとって、身近な適正規模の公園が不足しており、整備が必要であると認識しております。 30 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 備蓄食料に関する3点の御質問にお答えいたします。  最初に、災害発生後も自宅生活を継続するための備えについてですが、本市では、地震即避難所ではなく、自宅で継続生活ができるよう、家庭内防災対策の充実を図ってまいりました。その柱として、次の3点を推奨しております。  1点目は、自宅を守ることです。耐震化で家屋の倒壊からみずからの命を守るとともに、感震ブレーカー設置により、通電火災を防止することで、発災後の生活の場を確保することができます。  2点目は、家具等の固定で、倒れた家具等により死傷することを防ぐとともに、室内の被害を最小限に食いとめることで、自宅での生活を継続することができます。  3点目は、7日分の食料や飲料水などの備蓄で、これによりライフラインや経済活動が回復するまでの間も、住みなれた自宅で生活することができます。  これらを進めることで、自宅での継続生活が可能となり、避難生活でのストレスによる二次被害を防止できるものと考えております。  次に、市の備蓄食料に関する考え方についてですが、まず自助として各家庭で十分な備えを行い、発災後も自宅で生活を完結できることが理想です。しかし、自宅の倒壊等により、家庭内の備蓄食料を持ち出しすることができない場合も想定されます。  そこで、やむを得ず、避難生活を送らなければならなくなった方々を対象に、公助として本市では想定する避難所収容者数約12万人の3日分に相当する食料、約100万食を備蓄しており、非常時に避難者に対し、必要な分を必要なところに、迅速に配給できるよう、公共施設等市内111カ所に分散して備蓄しております。  次に、各家庭での食料備蓄率についてですが、本市が平成29年1月にインターネットを活用したウエブアンケートで、非常食の備蓄量について616人から回答を得ております。そのアンケート結果によると、1日以上の備蓄を行っている市民の割合は67%になっておりますけれども、3日以上となると32%、さらに7日以上となるとわずか5%にとどまっております。  このアンケートは、非常食としての備蓄について調査したもので、日常生活におけるストックは含んでおりませんが、厳しい数字であり、家庭内での備蓄に対する啓発の必要性を痛感しております。   〔19番池谷大輔君登壇〕 31 ◯19番(池谷大輔君) 2回目の質問です。まずは、SDGsについて。  国連の皆さんから大きな期待を寄せられ、今後も国連とかかわりを持って取り組んでいくとのお答えでした。  静岡市のまちづくりの目標である世界に輝く静岡の実現、この言葉でありますが、正直今まで日々の生活の中でなかなか実感が湧くことはありませんでした。MICEの推進や日本・スペインシンポジウムなど、実績を少しずつ重ねていることは理解しておりましたが、市民の中で静岡は世界で輝いているまち、そういう実感は余りなかったのではないでしょうか。  しかし、だからこそ今回のSDGs推進と市長の国連でのスピーチを通じ、世界に輝く静岡とはこういうことなんだ、そういう思いになりました。  今後の課題は、SDGs自体の知名度が低く、中身や思想、思い、そういったもろもろが市民に知られていないことであります。もしかしたら役所の中でもまだ足りないのかもしれません。  先ほど市長からありましたとおり、国連からも期待をされ、来月再びスピーチが求められているとのことでしたが、美濃部副市長にはぜひとも頑張っていただきたいと思います。  みずから動く市民の活動のサポートをするため、あるいは第3次総合計画を加速化するためにも、SDGsの普及に努めていただきたいと思います。  そこで、質問ですが、今後SDGsに対し、市は普及啓発に向けてどのような取り組みをしていくのかお答えください。  次に、徘回認知症高齢者対策です。  本市における捜索模擬訓練についてお答えをいただきました。現在、徘回認知症高齢者に対し、器具を用いて対策をする自治体と器具を用いず、地域力で対策をする自治体に分かれております。静岡市の捜索模擬訓練は、器具を用いずに徘回認知症高齢者を捜索する、後者のほうの施策であります。  ここで1つ、他都市の事例を紹介したいと思います。資料にもありますが、東京都大田区でやられている話であります。  大田区では、地域包括支援センターからのアイデアで、高齢者にこういったキーホルダーを配布しております。高齢者見守りキーホルダーです。表に識別番号、裏に電話番号が書かれております。9年前に始まった大田区発の高齢者見守りキーホルダーでありますが、今では大田区の65歳以上の5人に1人が携帯をしております。使い方はシンプルで、これを身につけた方が徘回をしていると、そのように周りの方が気づいた場合、見かけた方が記載の電話番号に電話をかけ、識別番号を伝えるだけです。それだけでこの方がどこの誰なのか、全国どこで失踪、徘回をしても見つけ出すことができるキーホルダーであります。目立つところにキーホルダーをつけておくことで、失踪、徘回だけでなく、事件、事故に巻き込まれた際などにも、速やかに行政機関や家族と連絡がとれる仕組みになっております。  既に東京都では23区中半数以上の区で導入されており、資料にあるとおり、全国の自治体でも導入が進んでおります。  これのすぐれているところは、非常にコスト感覚にすぐれたところでありまして、先ほど靴のGPS、あれは1つ4万円でしたけれども、こちらのキーホルダーは1つ200円という話でありますので、非常に安価な値段で、静岡中の高齢者にも対策ができるのではないかなと考えております。  話を戻します。質問に対する答弁を聞いて、静岡市が行おうとしている捜索模擬訓練は、静岡市民が地元でいなくなった際には、効果を発揮するだろうと思いました。地域包括支援センターを中心に市民を巻き込んで地域力でカバーをする、ただ住んでいる住民ではなく、地域のために、市のためにみずからできることに進んで取り組む市民を育むよい政策だと思います。  しかしながら、静岡市民が地元から離れ、市域を越えて行方不明になった場合は、どうなるのでしょうか。先ほど当局より説明のあった捜索模擬訓練では、自治体をまたいでしまうと対応ができないのではないか、不安が残ります。  そこで、お聞きしますが、徘回認知症高齢者が市外まで行方不明になった場合の施策はどうなっているのかお答えください。  次は、長田街道についてです。  現状の説明の中で、都市計画道路手越原用宗線の話が出ました。この都市計画道路は、国道1号から南に向かって真っすぐ用宗にまで延びていく道路であります。計画されたのは昭和32年であり、公園の件とかぶりますが、こちらも計画路線上には民家が建ち並んでいる状況にあります。当局の言うとおり、これから手越原用宗線を整備するのは課題も多く、非常に困難であると言わざるを得ません。だからこそ現状の長田街道を早急に整備していただきたいとの思いがあります。  長田南学区からの地域要望も何年も出ております。応急的な注意喚起ではなく、スピード感を持って対応していただきたいです。  そこで、質問ですが、市は、市が考える課題解決に向けた対応についてどのような考えを持っているかお答えください。  次は、公園についてです。  1回目の質問で、適正規模の公園が不足しており、整備が必要であるとの認識をしている、そういった旨の答弁をいただきました。地域の思いと合致した答弁であります。  長田北地区では、平成22年に金山公園の代替案として、市営向ヶ岡住宅跡地を利用した公園整備要望を行い、市営向ヶ岡住宅跡地の公園整備に向けた要望活動を続けている地元の思いがございます。市営向ヶ岡住宅跡地を公園整備候補地としてどのように考えているかお答えください。  最後に、備蓄食料についてであります。  1回目の質問で、各家庭での備えについて、市の食料備蓄の考え方、市が把握している各家庭での食料備蓄率についてお聞きをしました。市の食料備蓄について避難所収容者数の3日分、100万食を備蓄しているとのことですが、この数字は多いのか少ないのか、どういった判断基準で100万食なのか。また、備蓄食料とはいえ、永久に食べられるものではなく、災害がなければいずれ廃棄されるものであると予想されますが、その方法は何であるかお聞きしたいと思います。  備蓄食料の数は他都市と比較してどのような状況か。また、賞味期限を迎える備蓄食料の取り扱いについてもお答えください。  次に、各家庭での食料備蓄率についての答弁として1日分以上が67%、3日分以上が32%、7日分以上はわずか5%という数字が示されました。これは災害に対する対策を進めている静岡市としては少ない数字なのではないでしょうか。行政としても市民にもう少し食料備蓄をしてほしいという考えがあると思います。  一般的に災害時のための食料備蓄というと、3日分というのが頭の中にあると思います。1週間分以上備蓄すべきというのは、さきの南海トラフ巨大地震の報告の中で、市民の間に周知されている話ではありません。冷蔵庫の中身で3日分、それ以外に備蓄食料4日分と工夫をすれば1週間分以上の備蓄はできない話でもありません。昔に比べ現在は深夜でも近所で食料品を買うことができるため、備蓄をしない人がいるかもしれませんが、大きな震災が起きたとき、商店から商品が全てなくなる光景は、テレビで繰り返し流されております。  さきの備蓄率の数字を見ると、常日ごろからの備蓄や防災意識の向上はまだまだする必要があるのではないでしょうか。各家庭の食料備蓄の状況を継続的に把握するとともに、さらなる啓発を行う必要があると考えるが、どう考えているかお答えください。  以上、2回目の質問です。 32 ◯企画局長(松永秀昭君) SDGsに関する今後の普及啓発に向けた取り組みについてですが、市民の皆さんにSDGsを知っていただくためには、さまざまな場面で、そのロゴマークを目にしたり、目指す社会を身近に感じる機会をふやしていくことが必要であると考えております。  そこで、来年1月3日からSDGs推進ウィークと銘打って、集中的に普及啓発イベントを実施することで、まち全体をSDGs一色に染め上げ、ウィークの集大成として東京ガールズコレクションを開催し、市内はもとより、全国へ情報発信してまいります。
     ウィークのスタートとなる成人式において、PR活動を実施するため、成人を迎える若者で構成する実行委員会とともに、現在活動内容について検討を進めているところです。  また、ウィーク期間中における中高校生や大学生による研究発表など、若者が中心となったイベントの開催に向け準備を進めております。  一方、既に取り組んでいる普及啓発としましては、まちづくりセッションにおいて、市長みずから広報しずおか特集号を用いてSDGsの理念や市の取り組みを説明しております。  また、6月1日から配布を始めました静岡市おもてなしパスポート──Sパスでは、そのカードの表面に17の目標のロゴマークを入れ、周知に努めております。  さらに、高校、大学と連携した普及啓発にも取り組んでおり、先日は常葉大学にて、本市職員が市長の国連でのスピーチを紹介するとともに、SDGsと5大構想について説明をしてまいりました。  このほかにも市内企業に向けた効果的な普及啓発事業を市内大学生とともに検討し、実践してまいります。そして、これらの取り組みを通じて、市民の皆さんのSDGsに対する認知度をさらに高めていきたいと考えております。 33 ◯健康長寿統括監(羽根田信人君) 徘回認知症高齢者が市外まで行方不明になった場合の対応についてですが、徘回認知症高齢者が行方不明になった場合には、見守り体制による捜索を続ける一方、県及び警察の身元不明者情報と照合することになります。本市においては、静岡県が作成した身元不明者情報の共有・公開に関するガイドラインに基づき、県及び県警本部と身元不明者の情報を共有し、早期の身元確認に努めています。  この対応は、全国自治体及び全国警察署が同様に実施しており、厚生労働省は身元不明の認知症高齢者等に関する特設サイトを設置し、各都道府県等のホームページにリンクを張ることにより、身元不明者の情報発信やその情報の共有化を図り、市外への行方不明者の早期保護や早期の身元確認にも活用されています。  この取り組みにより、静岡県内の平成26年から本年1月までに保護された身元不明者27人のうち、半数以上の方の身元が判明しております。  議員から御提案がありました大田区の取り組みについては、本市が実施している認知症しずメールや認知症見守りシールの取り組みを踏まえながら検討していきたいと考えます。 34 ◯建設局長(伊東正高君) 長田街道の解決に向けた対応についてですが、長田地区では広い範囲で土地区画整理事業が実施され、まちづくりの基盤となる幹線道路もあわせて整備が進んできましたが、都市計画道路手越原用宗線などの未整備の都市計画道路が残っているのが現状であります。  現在、地区の中央に位置し、長田街道と同様の課題を抱える都市計画道路手越石部線の整備を優先的に行っており、歩行者や自転車の安全対策に取り組んでおります。  一方、都市計画道路手越原用宗線につきましては、現時点では整備する段階には至っておりませんが、先ほど申し上げたとおり、長田街道は安全性の確保に課題を抱えていることから、地元や関係機関との連携を図り、緊急な対応が必要な箇所について都市計画との整合を図り、部分改良などの対策を講じていきます。 35 ◯都市局長(片山幸久君) 市営向ヶ岡住宅跡地を公園整備候補地としてどのように考えているのかについてでございます。  平成22年度に、地元自治会より市営向ヶ岡住宅の敷地の一部を活用した公園整備要望をいただいたことから、整備の可能性について検討を開始いたしました。  当該候補地は、長田北地区のほぼ中央に位置し、敷地面積も身近な公園の標準的規模の2倍以上あることから、地域の皆さんの生活に密着した憩いやレクリエーション、子育ての場などの日常的利用はもとより、さまざまな地域活動にも活用できる場所だと考えております。  これまで当該候補地では、敷地の一体的な活用を図るため、市道を整備して整地を行い、暫定的に広場として地域の皆さんに御利用していただいているところでございます。  平成30年度には、用地調査や関係機関との協議を進め、3年後の2021年度の完成を目途に、公園整備に取り組んでまいります。 36 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 備蓄状況の他都市との比較ですが、本市が備蓄している食料について、他の政令指定都市と比較すると、平成29年度の調査では人口1人当たりの備蓄量として本市が最も多く、政令指定都市平均の3.5倍と充実しており、本市の備蓄目標の100万食をほぼ達成しております。  今後は、数量の維持に加え、住民ニーズに沿った品目に順次見直すことで、充実を図ってまいります。  また、賞味期限を迎える備蓄食料についてですが、食料の賞味期限はアルファ化米、乾パン等とも5年間であるため、賞味期限になる前の年に対象分の補充・交換を続けております。その交換した食料は、主に自主防災組織等の防災訓練の際に試食していただくなど、余すことなくその全量を活用しております。  次に、各家庭での食料備蓄状況の把握と啓発についてですが、大規模災害が発生した場合、物流が復旧するまで、少なくとも1週間程度は必要と言われており、家庭における備蓄は、防災上極めて重要となります。  静岡市命を守る防災・減災の推進に関する条例でも、自助に関する努力項目の1つとして、食料の備蓄を推進することとしております。  備蓄状況の推移については、注視していく必要性があり、直接市民と接する出前講座や防災訓練の際などに情況を継続して把握することとし、あわせて家庭での食料の備えの重要性をわかりやすく解説したパンフレットの配布など、あらゆる機会を通じて、市民全体へ啓発を図ってまいりたいと考えております。   〔19番池谷大輔君登壇〕 37 ◯19番(池谷大輔君) 3回目は意見・要望です。  まず、SDGsについて。  先日の6月15日に、先ほど市長からもありましたとおり、静岡市はSDGsにのっとったまちづくりを目指すSDGs未来都市に選ばれました。これを着実に進めていくためにも、職員や市民の認知度向上は欠かせません。今は理念が先行しておりますが、今後の静岡市の目標に自然と溶け込むよう取り組みを深めていただきたいと思います。市長の思い、SDGsの理念が市民一人一人に浸透するようお願いをいたします。  次に、徘回認知症高齢者対策について。  市外で行方不明になった際は、警察の仕事であり、全国の自治体も同様だと、そのような答弁でありました。しかし、何も持たず、身分がわかるようなものもなく、本人も名前、家がわからないといった状態で警察に保護され、それで半分以上判別がついたという話が先ほどの答弁の中でありました。言いかえれば、まだまだ家に帰れていない方がいらっしゃるという話であります。もちろん、一定数の発見者は出てくると思いますが、やはり身につけるものがあったほうがよいのではないかという思いがございます。キーホルダーなり、バッジなり、そこに書かれている電話番号に電話して、ナンバーを伝えるだけで、本人確認がとれるわけですから、しっかり身につけていれば、高い発見率、捜索率となることでしょう。  本市におけるしずメールなど等とも親和性の高い話でありますので、発展的に前向きに問題提起として受けとめ、実施の可能性を検討していただきたいと思います。  次に、長田街道の整備について。  実情をよく理解していただきましてありがとうございます。今後の整備計画につなげてほしいと思います。現状歩道がない、幅員が狭いところを歩くと非常に危険であります。地域との対話を続け、歩行者、自転車などの安心、安全を早期に進めていただけますよう努めていただきたいと思います。  次に、長田北学区における公園整備について。  長田北地区における公園整備の要望から12年がたっております。長期未整備である金山公園も市営向ヶ岡住宅跡地との整理、整合を図る必要があり、都市計画決定の見直しに際して、金山公園計画地に住んでいる地域住民もあることから、地元への説明や県との調整も必要になり、課題は多々あるわけでありますが、まずは長田北地区が早期の公園整備を希望している市営向ヶ岡住宅跡地の公園化に向け、着実な事業推進に努めていただけるよう要望をいたします。  先日、山の地形をそのまま利用した掛川の22世紀の丘公園を自民党で視察をしてきました。朝から晩まで1日中いられる大変立派な公園でありました。  沼津には泊まれる公園──「INN THE PARK」というものが昨年オープンしました。泊まって、食べて、遊んで非日常を楽しめるユニークな公園であります。  長田全体を見渡したときに長田西には歴史があります。長田東には安倍川駅があり、若い世帯がふえてきております。長田南には港があり、シラスという地域の宝もあります。川原には病院があり、水害に備える立派な貯留管も先日完成しました。そんな中、長田北に何があるかと言われた際、なかなか答えに窮するのが今の現状でございます。この公園があるから、長田北に人が集まっている。この公園のために長田北に遊びに来た、そう言われるような名物公園にしていただきたく、重ねて要望をいたします。  最後に、備蓄食料について。  実は、地元の市民からこういう声がありました。毎回防災訓練で賞味期限ぎりぎりの食料を渡される。市はこれを配って何をしろというんだ、そういった声でございます。先ほどの答弁の中で、これは試食なんだと、市全体に賞味期限が切れそうなものを試食として配布し、新しい備蓄食料の補充をしているとありました。いわば行政のローリングストックであり、市民にもその旨を伝え、同様に備蓄をするよう努めたいと思います。  もう1つ、町内会で、自治会で食料が備蓄できるよう申請ができる防災の補助金、この中に備蓄食料も使えるようにしてほしいという要望がありました。避難所を運営する際、地域住民だけでなく、ほかの地域に住んでいる方も避難してくる可能性は十分考えられます。そういった方々に即座に食料をお渡しする事ができるよう検討していただけますよう要望いたします。  先ほどの答弁にありましたとおり、市民の食料備蓄の数字はお世辞にも高いとは言えません。食料備蓄する量の推奨日数が3日から7日に上がったこともまだまだ浸透させる必要があります。 38 ◯議長(田形清信君) あと1分です。 39 ◯19番(池谷大輔君)(続) 食料備蓄7日以上を現在している方はわずか5%ということですので、この数字を上げていただけますようお願いを申し上げまして、以上で全ての質問を終了します。  御清聴ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 40 ◯議長(田形清信君) 次に、早川清文君。   〔22番早川清文君登壇〕 41 ◯22番(早川清文君) それでは、通告に従いまして、質問をさせていただきます。  まず、市長の政治姿勢、高等教育のあり方検討についてお聞きします。  現在、静岡市を含め全国的な課題といえば人口問題であり、いかにして定住人口を、さらに交流人口を増加させるかが最大の取り組むべき課題であると考えます。その課題に対し、市は自然増対策として、各種子育て支援策に取り組む一方、社会増対策としては、東京有楽町に移住促進センターを開設し、主に首都圏からの移住促進を目指しております。  また、本市の特徴としては、18歳から24歳の若者の人口流出が大きいということが言われていますが、このことに対しては大学等への進学を機に、市外、県外へ転出していく若者が多いという分析がなされております。  2015年9月の本会議において、自民党の井上議員が若者の流出防止の最大の課題の1つとして、大学誘致、設置を考えたらどうかとの質問をしましたところ、市長は地元の経済界からも高等教育機関、大学、学部の新設、誘致の要望をいただいている。これらの動きを踏まえまして、議会や経済界を初め大学、高等教育に既に取り組んでいる県や既存の大学の関係者など、幅広く多くの皆さんの協力をいただきながら、静岡市における大学等高等教育のあり方を検討する中で、静岡市立大学の可能性についても、あわせて検討してまいることにいたしますと答弁されました。  しかしながら、この数年で少子化は一層進み、18歳人口も減少し、今や選ばなければ誰もが大学に入れる大学全入時代となっています。もちろん、市内の各大学を取り巻く環境も厳しさを増しております。  平成28年度から、本市は、県外の大学に通う学生に対し、新幹線通学代の一部を貸与し、本市に生活の拠点を残してもらうとともに、将来、地元で就職してもらうよう一定の条件のもとで、貸与額の償還を免除する制度を実施しています。  また、平成27年度から、教育委員会の奨学金制度でも、類似の償還免除を実施するようになっており、いずれも好評を得ております。このような取り組みが今後市内にとどまる若者がふえるのではないかと、期待しているところです。  そのような中、平成30年5月9日、突然、一部新聞にて、市長の静岡市立大学構想なるものが報道されました。我々自民党は、早速申し入れをしたところ、市立大学を前提とした検討を行っているわけではないとの回答を得ました。  しかしながら、この報道により、市民の皆さんの中には、静岡市は市立大学をつくるようだとの誤解が生じてしまっております。  そもそも、今、市立大学の必要性があるのでしょうか。現在、県内には静岡大学、静岡県立大学、東海大学、静岡英和学院大学、常葉大学の5校が存在しており、各大学が特色ある教育方針を生かし、厳しい環境の中で経営努力を重ねております。  常葉大学においては、今春、草薙地区に新しいキャンパスを設置し、市内、県内に分散していた学部の多くを1つのキャンパスに集約しました。草薙地区には、もともと南側に静岡県立大学がありますが、北側に常葉大学の新キャンパスができたことで、この地区に多くの若者が集うようになり、にぎわいの活力と交流が生まれつつあります。  一方、東海大学においても、産官学の協定の中で、海洋学部に関係する学科を静岡市に移設するとの学長からの発表がありました。  このように、各大学が市政の発展に寄与してくれています。  国においては、東京一極集中を是正しようと、東京23区内にある大学は、原則として10年間定員増を認めないことを盛り込んだ法律が5月25日に可決され、成立しました。  一方では、地域活性化のため、地方の大学、自治体、企業の3者が協力して行う産業振興や人材育成の事業については、有識者が評価した上で、国が交付金を重点的に支給するとしています。  しかし、この静岡市に本当に市立大学の必要性があるのか、疑問であります。確かに、子供たちの希望する大学に入りたい、学びたい学科がないとの声、また、市内高校卒業生6,500人に対し、市内大学の入学定員が4,500人であり、受け皿が2,000人不足しているという実情はあります。しかしながら、仮に市立大学をつくるだけでは、この問題は解決できないのではないかと考えます。  東京大学、京都大学、各大学医学部、私立有名大学ほかスポーツを含めた関係する大学を目指す子供たちは、市立大学の有無にかかわらず、市外、県外へ出ることでしょう。親であれば、その子供の夢、目標をかなえさせてあげたいと思うはずです。そこをよく理解しないと判断を間違えることになります。皆さんはどうでしょう。  さて、先日、15名の委員による高等教育のあり方検討会第1回会議が開催されました。さきに紹介しました井上議員の質問に対する市長答弁を受け、静岡市は2015年10月に策定した総合戦略において、大学進学時に若者が流出している現状を受け、若者の学びの選択肢の拡大、地域社会や生産性向上を目指す企業が必要とする人材の育成、確保を図るための受け皿として、市立大学の設置可能性も含めて高等教育のあり方を検討するとしています。  委員は、高等教育に関係する方々と聞いています。15名中7名が静岡市在住で、残りの方は県外の方です。委員の経歴は大学経営責任者、リカレント教育の提唱者、企業経営者、大学制度に精通する専門家、前教育長、人材育成に関する有識者、大学入試、経営に精通する専門家などで構成されています。  第1回検討会の様子について、ある新聞では、市立大学の必要性の意見もあった一方、慎重意見もあり、実現は不透明であると報道されていました。  また、別の報道では、一部の委員から市立大設置も視野に入れ、全国から学生が来る市立大学にしたいといった意見もありました。  さらに、医学部建設は難しい、工学部が必要だという意見、また、より実践的な職業教育を行う専門職大学が必要だという意見等、多岐にわたり意見が出たように聞いています。  6月19日に開催された第2回高等教育のあり方検討会にて出た意見は、既存の私立大学の魅力度アップが必要だ、大学をつくるのは容易ではない、特に社会ニーズのある教員は他大学でも必要な人材であり、教員を確保することは大変なことである。あるいは女性流出の解消は大学と企業が連携する必要がある、また、高等教育以前の義務教育で、静岡の郷土愛を子供たちが学ぶ機会が必要等、そして、今回は人口減少、地域産業の衰退が懸念される中で、企業に必要な人材の確保や育成のために、高等教育を充実させる必要があるという意見があったとも聞いています。  このように、検討会自体で幅広く議論することに対し、我々は意見を申し上げるつもりはありません。しかしながら、今後施策の方向性によっては、行政と議会との両輪で市政を進めていく、二元代表制の議会において、しっかりと議論させてもらいます。  今年度は、市長の2期目の最終年になります。以前、市長は1期目の最終年度である平成26年度の施政方針において、就任1年目は土づくりの年、2年目は種をまく、3年目は芽を出して育てる、そして、4年目はできる限り実を結ばせる年にしたいと言っておられました。市政の中では、毎年まかねばならない種もあるでしょう。しかし、実を結んだ事業が何かを振り返る時間も必要じゃないでしょうか。  現在、静岡市民文化会館の建てかえ、歴史文化施設整備、新清水庁舎建設、海洋文化拠点施設整備、駿府城天守台の検討、さらに各種社会資本投資など、懸案事項がめじろ押しであります。  人生100年時代を迎え、高等教育のあり方を検討することは結構なことですが、こうした点を踏まえて多角的に検討する必要があると思います。  そこで、以上を踏まえまして、改めて高等教育のあり方検討に対する市長の姿勢をお伺いします。  市長は、高等教育のあり方にどのような認識を持っており、検討会では何を議論することを期待していますか、お答えください。  1回目です。 42 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢について、高等教育のあり方検討について。  高等教育のあり方に市長はどのような認識を持っており、検討会では何を議論することを期待しているのかとの御質問にお答えをいたします。  早川議員御指摘のとおり、自民党の井上恒彌議員からの御提言で、この高等教育のあり方についての議論がスタートをいたしました。  しかしながら、議論をしていくにつれ、この課題は近視眼的に現在の人口減少問題だけに目を奪われたり、市立大学設置ありきで検討するのではだめだということが認識されるようになり、さまざまな多角的な検討を論点整理し、成熟した時代に求められる本市の高等教育のあるべき姿を描き、その実現方策を実現していく必要があると、今は思うに至っております。  確かに、人生100年時代であります。国においても、安倍総理が議長になり、人生100年時代構想会議が開かれております。その議論とも連携をしていきたいと思っています。その背景には、日本人のライフスタイルが変わっている、シングルステージからマルチステージに変わっているという問題意識があります。  人生100年時代、長い年月、一人一人の市民が豊かな人生を謳歌していく、そんな社会環境をつくっていかなければなりません。これまでのシングルステージでは、まず学んで、働いて、そして、あとは余生を遊んで暮らす、このようなライフスタイルでした。しかし、長い人生でありますので、これからはマルチステージ、学んで、働いて、遊んで、また、学んで、また、働くというさまざまな多様な生き方が求められるという時代になってくるというのが、国の人生100年時代構想会議の問題意識で、私もそれを共有しております。  そのキーワードであり、論点の1つがリカレント教育であるとわかりました。リカレントとは教育、再教育とか学び直しとか生涯学習という意味でありますが、例えば3次総、5大構想の1つの健康長寿のまちづくりが目指す誰もがいつまでも健康で活躍できる地域社会の実現のためには、高齢者の就労や地域の活動などのいわゆる社会参加が欠かせません。  一方、AIなどの第4次産業革命の進展により、世界が想像を超えるスピードで大きく変革しようとする中、学生時代に得た昔の知識がもう10年もすると使えなくなってしまうということにもなっております。そのためには、二十歳前後の市民だけではなく、30代、40代、御高齢の方まで、どの世代に対しても新しい知識を習得できるような社会環境を提供していくということも世界水準の都市づくりに不可欠であります。  多くの先進国は、高等教育機関で年配の社会人学生を積極的に受け入れております。2015年のOECDの調査によると、年配の社会人学生の割合は、加盟国平均で16.6%、スイスのように30%近くに達する国もあります。  一方、我が国では、社会人学生の割合はわずか2.5%にすぎません。この点でも世界水準に追いついていくためには、今後リカレント教育を進めていく必要があると考えています。  一方、文部科学省を中心とした国においては、実際の仕事、職業に結びつく、より実践的な教育を行うという理念の専門職大学、これが既存の大学とは違う、新たな制度として、今制度化が始まって、来年からその取り組みが始まります。高等教育の将来を大きく変える可能性がある動きだというふうに理解をしております。  かねがね申し上げているとおり、まちづくりは人づくりであり、地域を支える人材の育成は、都市の発展に欠かせません。ただいま申し述べましたような論点を踏まえまして、将来まちづくりに必要となる人材像やそのために必要な高等教育のあり方について、幅広く、多角的に検討している時期だと考えております。  そこで、静岡市高等教育のあり方検討会を立ち上げ、そして、全国レベルでこの分野で深い見識をお持ちで、第一線で活躍されている専門家の皆さんに声をかけまして、目下、議論を始めているところであります。  千里の道も一歩からと、そういうことでリカレント教育、学び直しの機会として、今までの人材養成講座を再編、統合して、静岡シチズンカレッジを開講しております。その看板講座である地域デザインカレッジにおいては、議員の皆さんにも有志参加をしてもらって、受講していただき、まちづくりについての研さんを深めていただいているというのは、大変心強く思っております。  私は、委員の皆さんには大所高所の観点で、幅広く、静岡市にふさわしい高等教育のあり方を議論いただき、真の地方創生につながるアイデアを出していただくことを期待しております。  そして、冒頭申し上げましたとおり、市立大学設置ありきではなく、検討会の議論を受けて、目指す都市の姿に望ましい高等教育のあり方やそれを実現する必要な方策につきまして、もともと議会からの御提言から議論がスタートしただけに、これからも早川議員がおっしゃるとおり、二元代表制のもと車の両輪になって、議会の皆様と行政と議論を尽くして、今後の必要な方策を検討していきます。  早川議員の御理解と御支援をよろしくお願いいたします。   〔22番早川清文君登壇〕 43 ◯22番(早川清文君) 御答弁いただきました。意見・要望は3回目に申し上げます。  それでは、2回目の市街地再開発事業の推進について、質問に入らせていただきます。  先ほどの質問でも少し触れましたが、近年では七間町への鈴木学園の誘致や草薙駅北口での常葉大学の開学など新たな都市機能の更新により、まちの顔が変わりつつあることを実感しているところです。
     平成28年3月に改定された静岡市都市計画マスタープランでは、本市の将来都市構造として、集約、連携型都市構造と銘打ち、快適で質の高い、いわゆる高次機能が集約した拠点の形成や人やものの交流を生み出すネットワークの形成に取り組み、にぎわいと活力にあふれる都市を目指していくものと伺っております。  このにぎわいと活力にあふれる都市の実現のためには、既成市街地における都市機能の更新、まちなかの交流、回遊性の創出、にぎわいの回復という課題解決は必須であり、この解決策の1つとして市街地再開発事業が担う役割は大きいものと認識しております。  市街地再開発事業の目的は、低階層の木造建築物や老朽化した小規模なビルなどが密集し、生活環境の悪化した市街地において、細分化された敷地を広く統合し、不燃化された共同建築物に建てかえ、あわせて公園、緑地、広場、街路など公共施設とオープンスペースを確保することによって、快適で安全な都市環境を再生しようとするものです。  JR清水駅西口の「えじりあ」やJR草薙駅南口のグラソード草薙を初め多くの再開発事業が行われており、おのおのの地区において、新たに生まれ変わったまちの顔として、その効果を発揮しているところであります。  しかしながら一方では、静岡都心地区内でありながら、例えば御幸通り沿線の昭和30年から40年代に建てられた旧耐震基準のビルが連なる街区や呉服町通り沿線の防火建築帯や防災建築街区など、いまだ都市機能の更新を必要とする街区が数多く見受けられることも事実であり、そのような中、一部に再開発事業の実施に向けて検討を進めている地区もあると伺っております。  さらに、本格的な人口減少社会や少子高齢化社会を迎えるに当たり、福祉関係予算の負担増、空き家の増加、都市のスポンジ化など、新たな社会的課題が顕在化しており、市の財政が厳しいことは理解しております。  しかし、防災対策上からも都心地区の再整備は喫緊の課題となっています。  現在、再開発事業計画案の策定が進められている事業には、地下街、地下道の計画もあると聞いています。市民の憩いのスペースとして活用が期待でき、本市が進めているまちは劇場にも大きく貢献すると考えます。  そこで、質問します。  今後の都市機能の更新に際し、これまでの再開発事業の取り組みと今後の再開発事業に係る市の考えはどのようか、お伺いいたします。  以上で2回目です。 44 ◯都市局長(片山幸久君) これまでの再開発事業の取り組みと今後の再開発事業に係る市の考えについてでございます。  本市の再開発事業は、JR静岡駅北口の葵タワーを初め24事業が完成し、土地の合理的かつ健全な高度利用と防災機能の強化などを図るため、建物の高層化、議員のお話にもありましたように不燃化、公共空間整備などに主な視点を置き、進めてまいりました。  近年、人口減少などの社会情勢の変化や市民の暮らし方が多様化する中、地方の実情に合った再開発事業の実施が求められております。  このため、これからの再開発事業は、まちが魅力とにぎわいを持ち続けられるか、また、回遊性や生活利便性の向上、子育て支援の環境改善など、いかに地域に貢献できるかという視点を加え進めてまいります。  今後も勉強会や意見交換の場を通じ、地権者や地域の皆さんなどとの連携を深め、計画段階から事業の実施、完成後の利活用に至るまで共通の認識を持ち、質の高い都市機能の更新が実現できるよう取り組んでまいります。   〔22番早川清文君登壇〕 45 ◯22番(早川清文君) 答弁いただきました。3回目は、意見・要望といたします。  高等教育のあり方に対する市長の答弁をいただきました。市立大学設置ありきではないとのこと、確認いたしました。  市長は、まちづくりは人づくりであると常々言っておりますが、教育の流れは幼児教育、義務教育、この時期は家庭教育、社会教育が重なりますが、人間としての基礎が育まれ、そして、高等教育、生涯学習と学ぶことが続きます。  私どもは、以前、兵庫県小野市教育委員会に特色ある基礎教育の研究グループとして視察に行きました。小野市においては、東北大学の川嶋教授の理論に基づく小野検定と脳科学を取り入れた16カ年教育、要するにゼロ歳から15歳までに取り組んでいました。子供たちはまちの宝、あすの小野市を支える子供を育成するとの強い意気込みを感じました。この初等教育からの人づくりがまちづくりの基本と、私は考えます。  一方、先ほど市長が申されましたリカレント教育は、再挑戦するための環境であり、多岐にわたる専門職の教育機関が必要になります。よって、そのことは、既存の地元大学間の連携が必要であり、協力を依頼すべきと考えます。  そこで、真の高等教育機関の役割が達成できるよう、本市は支援に重点を置き、課題を見つけ、成果を上げていくことを強く要望いたします。  次に、再開発事業については、世界に輝く静岡市の景観づくりのため、静岡市の玄関口でもある再開発事業は、魅力ある回遊性や利便性にすぐれた…… 46 ◯議長(田形清信君) あと1分です。 47 ◯22番(早川清文君)(続) 質の高い都市機能を持ちあわせたにぎわいのあるまちの建設のため、次の総合計画に位置づけ、地権者、事業者、地域の皆さんとの協議には、丁寧な対応と最大限の支援をお願いしたいと思います。  以上で、全ての質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 48 ◯議長(田形清信君) 次に、望月賢一郎君。   〔1番望月賢一郎君登壇〕 49 ◯1番(望月賢一郎君) 日本共産党の望月賢一郎です。  午前中、最後の質問となります。  最初に、事業者が計画中止を発表した清水LNG火力発電所について伺います。  去る3月27日、JXTGエネルギー株式会社は、本市清水区袖師町の同社所有地に建設を計画していたタービン2基、総出力110万キロワットの天然ガス火力発電所について、環境影響評価準備書の提出を断念し、計画を中止すると発表しました。  2015年1月にこの計画が発表されてから3年2カ月、地元住民を中心とした建設中止を求める住民運動の大きな成果だと思います。  この計画について、昨年8月には田辺市長から、清水のまちづくりと一致しないという意見表明があり、これを受け事業者は、計画を一時中断しておりました。私自身は昨年の市議会議員選挙で、この計画中止を公約の第1に掲げ当選をし、前任者である西谷博子さんから引き続きこの問題を議会ごとに取り上げ、質問もしてまいりました。  前回2月議会では、本議会に市民2万5,800名余りから提出された駅前LNG火力発電所の建設中止を求める請願の紹介議員として、この議場で賛成討論を行ったのは御承知のとおりであります。残念ながらこの請願は不採択となりましたが、建設中止を求める地元の圧倒的世論の前に、計画は中止となったわけです。計画中止の発表直後に出された清水駅前分譲マンションの販売広告には、火力発電所計画は中止になりましたと、大書きされていたそうであります。  まず最初に伺います。この建設中止について、事業者から静岡市に対してどのような説明があり、静岡市行政として、計画の中止をどのように受けとめたのか、お聞かせください。  次に、今後このような環境影響評価を伴う大型事業の計画が出てきた場合の対応について伺います。  今回の発電所計画は、環境影響評価法の対象事業でありました。計画発表当初は静岡県がこの環境影響評価を担当しておりましたが、その後政令市である静岡市が担当し、市長が経済産業省に直接意見を述べることができるようになりました。  静岡市では、今回の火力発電所の準備書の提出に備えて、環境局で環境影響評価法に基づく公聴会の実施要領も定めたと思います。  このように、制度面では整備は進んでいます。しかし、問題はこうした大型事業に対する市行政の姿勢であると思います。  今回の発電所計画では、計画発表直後に経済局が658万円をかけて、経済波及効果の調査を行い、建設時330億円、稼働後年間190億円の経済効果があるという試算を出しております。その後の市民団体と市当局の交渉などでも、当局が事業者の見解をそのまま発言する、こういった場面を私自身も何度も目にしてきました。  実際、この計画が清水駅前周辺において、かなりのマイナスの経済効果をもたらしたわけですが、これが昨年の清水のまちづくりと一致しないとする市長の意見表明まで続きました。この意見表明によって、当然ながら当局の姿勢は大きく変わるわけですが、この間の当局の姿勢は、市民の大きな不信を招いたと言えます。  こうした経緯を踏まえ、今後今回のような環境影響評価手続を伴う大規模な民間の計画が持ち上がった際、静岡市は中立の立場に立ち、市民への情報提供を第一義的にし、市民意見の集約により方向性を確立すべきと考えますがいかがでしょうか、当局の見解を伺いたいと思います。  以上、1回目の質問です。 50 ◯政策官(赤堀文宣君) 清水LNG火力発電所に関する2つの質問にお答えいたします。  最初に、建設計画中止に関する事業者からの説明と本市の受けとめについてですが、まず、事業者からの説明については、計画中止の報道発表と同じく、計画の見直しにはさらなる時間を要することから、事業性の確保が困難と判断したということでした。  次に、計画中止に関する受けとめについては、本市が求めた国際海洋文化都市に添う視点を含め社内で総合的に検討を重ねた上での御判断として、それを尊重したいと考えております。  次に、環境影響評価手続を伴う大規模な民間事業に係る対応についてですが、本市としては事業計画が関係法令に即していることを大前提とした上で、目指すまちづくりの方向性や政策との整合、事業が与える影響や効果などを総合的に勘案し、対応すべきものと考えております。   〔1番望月賢一郎君登壇〕 51 ◯1番(望月賢一郎君) ただいま御答弁をいただきました。今回の事業者の判断を尊重すると、こういう答弁でした。  今後の問題としては、環境影響評価を伴う民間の大規模事業に関しては、静岡市のまちづくりの方向性や政策との整合で判断をするとのことでした。しかし、これは環境影響評価を伴う大規模事業ということです。環境影響評価というのは、そこに住む住民の環境に大きな影響があるから行うわけであります。市のまちづくりの方向性というような例えば商業施設や観光施設、オフィスビルなどとはわけが違うわけであります。これはしっかり区別をして考えるべきものだと思います。  環境影響評価法についていいますと、平成23年、法改正が行われ、環境影響評価手続の第一段階に配慮書というものがつけ加わりました。2月議会でも環境局に確認をしましたが、環境影響評価法というのは、手続法であり、一旦始まってしまうと、事業の修正はあっても、とめることはできない、これでは余りに理不尽だということで、最初に配慮書がつけ加わり、早い段階で住民の意見を反映させるということになっています。  こうした法改正の趣旨からいっても、大規模事業に対する住民の意見、反映というのは、大きな流れになっていると言えます。  先ほども述べましたが、今回のLNG火力の環境影響評価は、当初、静岡県が担当しておりました。配慮書の段階では、住民もわけがわからず、1カ月の開示期間はあっという間に終わってしまったわけです。今後は、静岡市が環境影響評価条例を持っているわけですから、こういった案件が出てきた場合、最初から静岡市が対応することとなります。ぜひとも配慮書の段階から住民にしっかりとした周知、意見聴取を行い、その意見を反映させた対応をしていただくことを強く求めたいと思います。  今回、この発電所中止運動を担ってきた市民団体、清水LNG火力発電所問題連絡会は解散をいたしました。今後は清水のまちづくりに積極的にかかわっていくため、清水まちづくり市民の会の立ち上げを準備しているそうであります。発電所建設を中止に追い込んだ市民の大きなエネルギーをまちづくりに生かしていくことは大変重要だと思います。行政当局には、ぜひともこうした市民団体の意見に耳を傾けていただけるよう要望をいたします。  続いて、事業撤退が発表された駿河湾フェリーについて伺います。  5月25日、来年3月31日をもって駿河湾フェリーが事業から撤退することが運航会社から発表されました。撤退の理由ですが、新聞報道などによりますと、伊豆縦貫道の整備などによる利用者の減少、原油高による燃油価格の高騰が原因とされています。特に、燃油価格の上昇は、私も運輸関係の経営者の知人が何人かおりますが、この変動というのは経営努力の範囲外である上に、経営に大きな影響を及ぼすということであります。  そこで、伺いますが、駿河湾フェリーの撤退表明に対して、市当局はどういう認識を持っているのか。また、これまでどんな形でフェリーに協力、支援を行ってきたのかをお聞かせください。  また、今後の対応として、既に静岡県がプロジェクトチームを立ち上げ、動きを進めている中で、市としてはどのような対応をとっていくつもりか、お聞かせください。  最後に、静岡市の生涯学習施設について伺います。  3月15日に、生涯学習推進審議会から答申が出されています。この中で利用方法の一元化というのが大きなテーマになっています。これは、何の一元化かというと、旧静岡・清水の利用方法の一元化ということです。もっと具体的にいうと、現在、清水生涯学習交流施設だけにある9条団体──利用料免除団体ですが、これを廃止し、清水の利用者に静岡と同等の負担を求めるというものです。  さらに、施設維持の費用についても、利用者に負担を求めることも示されています。  この答申を受け、市は今後どのような見直しを行っていくのか、方針をお答えください。  以上、2回目です。 52 ◯観光交流文化局長(中島一彦君) 駿河湾フェリーに対する本市の認識、これまでの協力状況及び今後の対応について一括してお答えをいたします。  初めに、撤退に対する本市の認識についてですが、このたびの駿河湾フェリー撤退表明については、本年度中に中部横断自動車道の県内区間の開通を控え、また、2020年まで、静岡デスティネーションキャンペーンを実施している中での出来事であり、本市と伊豆地域を結ぶ重要な観光ルートの選択肢の1つが失われてしまうことは、大きな損失であると考えております。  これまで、静岡、伊豆間を往来するフェリーのルートは、平成29年では年間約17万人、乗用車約3万台に利用されており、フェリー撤退による本市への観光客数の減少も憂慮されます。  次に、本市のこれまでの協力状況についてですが、本市は静岡県、伊豆の2市3町、事業者と協力し、平成25年度に環駿河湾観光交流活性化協議会を設立以来、静岡、伊豆両地域の交流人口の拡大と地域活性化を図ることを目的に、駿河湾フェリーを活用した観光振興に取り組んでおります。  具体的には、この協議会を通じてメディアを活用した静岡、伊豆のフェリー観光ルートのPRのほか、団体バス旅行に対する助成などの事業を実施しております。  最後に、今後の対応についてですが、県議会、県観光協会などが県に要望する動きがある中で、環駿河湾観光交流活性化協議会の構成員である伊豆2市3町と連携して、適切に対応をしてまいります。 53 ◯市民局長(豊後知里君) 生涯学習施設の利用方法の見直しについてですが、本市では昨年度、生涯学習施設の配置適正化方針を策定し、生涯学習施設を学びの場として持続可能なものとしつつ、地域コミュニティーによるまちづくり活動の場として活用していくことといたしました。  現在、生涯学習施設には、生涯学習センターと生涯学習交流館があり、同じ活動であっても申請開始日や施設使用料など、利用方法が異なっております。  そのような中、静岡市生涯学習推進審議会より、施設利用の一体性の確保や利用者の負担の公平性の観点から、利用方法について一元化を進めることが望ましいとの答申を受け、本市としては次の3点について、見直しの方策を考えております。  まず、1つ目として、利用方法の一元化です。これは、生涯学習施設の種類によって異なっている利用者団体の区分や利用申請開始日を統一するもので、現在の区分を見直し、新たな区分を設置し、区分ごとに利用申請開始日を統一していきます。  2つ目は、運営に係る経費に加え、老朽化による修繕費等が増大する施設を維持していくための利用者負担の見直しです。施設を今後も維持し、市民の皆さんに安心、快適に御利用いただくため、利用者負担の考え方を基本とし、負担をお願いするもので、団体区分ごとに施設使用料を設定します。  3つ目は、まちづくり活動を支援するための施設活用です。これまで以上に地域住民によるシチズンシップに富んだまちづくり活動を支援し、また、さらに発展させていくために、自治会、町内会等のまちづくり活動については、施設使用料を全市的に無料といたします。  なお、利用方法の見直しに当たっては、今後市民や施設利用者の皆さんに対して丁寧な説明を行い、理解を求めてまいります。   〔1番望月賢一郎君登壇〕 54 ◯1番(望月賢一郎君) 3回目は、意見・要望です。  駿河湾フェリーについてですが、当初は現在、日の出埠頭にあるフェリーターミナルを平成35年ごろまでに江尻に移転し、JR清水駅から直通でフェリーに乗船できる施設を目指すということでした。これは、LNG火力発電所などの__施設と違って、地元に大きな経済効果をもたらすという点でも、他市にはない、特徴ある地域をつくっていくという点でも、地元商店街、河岸の市関係者などから大きな期待が寄せられていました。今回このフェリーそのものが撤退になるということになれば、こうした江尻地区のウォーターフロントの魅力創出事業の1つが失われることにもなります。今の御答弁でも撤退による本市への観光客数の減少が憂慮されるということでした。  今後は、伊豆2市3町や静岡県と情報を共有した上で、各分野で協議をしていくとのことですが、静岡市としても今後は観光文化交流局に答弁をいただいておりますが、海洋文化都市推進本部や都市局など、庁内関連部局で連携をし、積極的な対策を行っていただきたいと思います。  続いて、生涯学習施設についてですが、利用方法の異なる旧清水・静岡を一元化するというのは乱暴な話です。そもそも旧清水・静岡では、生涯学習施設の成り立ちが違うわけです。詳細は述べませんが、それは現在の利用状況にもあらわれています。  平成26年度の利用状況を見てみますと、清水区の生涯学習施設の利用件数は4万9,286件、これ1年間です。これには若干、葵区の中山間地の交流館の数字も入っていますが、それは非常にわずかなものです。これに対して葵区、駿河区両区を合わせても3万2,277件ということで、圧倒的に清水区が多いということになっています。  さらに、静岡市が平成27年度に策定した第2次生涯学習推進大綱では、生涯学習を行っている人の割合を現在の30%から平成34年までに50%にする目標が掲げられています。生涯学習をする人がふえれば、地域の活力が増すということだと思います。  しかし、今回の利用一元化、施設維持のための利用料の実質値上げは、こうした方向に水を差すものではないでしょうか。そもそも生涯学習施設というのは、地域への投資です。単なる貸し館事業ではなく、地域づくりという視点が必要だと思います。清水の生涯学習施設の伝統を無視し、一方的に負担をかぶせる今回の答申を受けた利用方法の見直し案、これは皆さんのところに配布をさせていただいております。この見直し案は、清水区選出の議員として、絶対に認められないことを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。 55 ◯議長(田形清信君) この際暫時休憩します。         午後0時11分休憩    ───────────────────         午後1時10分再開 56 ◯副議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、宮城展代さん。   〔18番宮城展代君登壇〕 57 ◯18番(宮城展代君) 自由民主党の宮城展代です。  通告に従い、質問いたします。  今、私たちは目まぐるしく変わる変化の時代を生きています。平成30年、平成はことしで幕を閉じます。実は、私は10年ほど前から、インターネットなど通信技術の進歩による経済のグローバル化や産業界の空洞化、また、私たちの人間の価値観の変化から新しい時代が来て、その中をどう生きていくのかということを考えなければならないと思っていました。  しかし、もはやその時代も過ぎ、この数年の間に急速に進むAIの進歩や少子・高齢化、核家族化と単身世帯の増加で、今は日々また、刻々と変化する時代を生きているんだと認識するようになりました。  さて、平成生まれは人口の約27%を占め、今の日本の土台を担っている若者たちが平成生まれなのです。平成に入って一番大きな変化は、やはりコンピューターが小型化したことで、インターネットを世界中の人がどこででも使えるようになったことではないでしょうか。
     オックスフォード大学のある研究グループの調査によると、今の小学2年生は平均寿命100歳という時代を生きていきます。2030年には、自動車の一部は自動運転になり、AIの進歩から事務系の仕事が消え、ロボットの進歩から工場の仕事もなくなり、今ある職業の50%は消えるかもしれないとさえ言われています。将来、AIに対抗していくのかあるいは共存していくのか、いずれにしても私たち人間は人間にしかできないこと、それは創造力とコミュニケーション能力を子供のうちから身につけることです。  今回の質問は、そういう時代を生きていかなければならない子供たちの教育についてお伺いします。  ここでの質問は大きく2つ、ICT教育についてとインクルーシブ教育についてです。  資料をお分けしてありますが、AIと共存すること、それからインクルーシブ教育について参考にごらんください。  まずは、これから誰にでも必要とされるICT教育についてです。3つのことを伺います。  今の子供たちに求められていることは、知識を詰め込むのではなく、その知識を生かし、生きる力を育てることです。それには、情報化社会への対応と21世紀型スキルの育成が不可欠だと思われます。静岡県内では藤枝市など、もう全てのクラスに電子黒板も設置され、全ての児童にタブレット端末が与えられていますが、静岡市の小学校、中学校へのICT教育導入の現状はどうなっているのでしょうか。今後の計画はどこまで検討されているのか、当局の見解をお伺いします。  次は、文部科学省が2020年までに導入を決めたプログラミング教育について、小学校、中学校での必修化に向けた本市の準備はどのようになっているか、お聞かせください。  また、先日、私は静岡駅を歩いていて、静岡科学館「る・く・る」が目にとまり、訪れてみました。そこでは子供たちが驚きゾーンに目を輝かせ、また、楽しみながら触れ合いゾーンで科学の現象を学んでいました。発見する喜びと創造する楽しさにあふれた参加体験型の科学館です。  「る・く・る」は、平成16年3月の開館から14年がたちましたが、ここ4年の入館者数も25万人前後を維持して、全国の政令市にある科学館の中でも、入館者数では上位に入っている優良施設です。それでもここ数年来の科学、また、科学技術の発達はすさまじく、常設展示のほかに常にイベントや講演などを通して、サイエンスの魅力を子供たちに発信し続けています。では、この科学館でもプログラミング教育については何か取り組んできたのでしょうか、お伺いします。  教育問題、次はインクルーシブ教育について、5つのことを伺います。  2010年、日本においても、文科省によって理念と方向性が示されたインクルーシブ教育とは、子供たち一人一人が多様であることを前提に、障害のあるなしにかかわりなく、誰もが望めば、自分に合った配慮を受けながら、地域の通常学級で学べることを目指す、教育理念と実践プログラムのことをいいます。  つまり、一人一人丁寧にと、みんなで一緒に学ぶの両方の実践を目指す教育理念です。それには、多様な学びの場として、通常の学級、通級によって指導を受ける通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校など、それぞれの環境整備の充実を図っていくことが必要だと思われます。  そこで、お伺いします。  静岡市のインクルーシブ教育の捉え方はどのようにお考えですか。何か今後の計画があったらお聞かせください。  また、現代社会のもう1つの現象は、発達障害の子供たちの急増です。ADHD注意欠陥多動性障害やLD学習障害など、いわゆるグレーゾーンの子供たちもふえています。  文部科学省の調査によると、通常学級における発達障害が疑われる児童生徒の割合は6.5%、クラスに2.3人に上ります。そして、不登校児童生徒の中で、発達障害が疑われたり、非行行為で生徒指導の対象になった生徒のうちで、発達障害が疑われる場合も多いと聞いています。つまり、子供の発達上の課題と不登校やいじめ、暴力行為などは大きくかかわっていると思われます。  一昨年の文部科学省の生徒指導上の諸問題の統計資料から静岡県の状況を見てみると、暴力行為発生件数、いじめ解消率、不登校発生率、どの値を見ても、全国ワーストテンに入っていますが、直近の静岡市の発達障害の児童生徒の状況はどうなっているのか、お尋ねします。  そして、3つ目、現在、その子供たちの多くは、地域の小中学校の普通学級に在籍しながら、自分の障害に合わせた指導が受けられる通級指導教室に通っています。  2017年3月に、義務教育諸学校等の教職員定数標準法の改正法案が可決され、通級にかかわる教職員定数の基礎定数化に向けた法律の改正が行われました。それによると、10年間でその教員を該当児童生徒13人に1人にふやしていくことになりました。この法改正により、基本的にはその対象生徒が13人程度在籍していれば、通級指導教室がどこの学校にも設置できると捉えてよいと思われますが、では現在の静岡市の設置状況と児童生徒数をお答えください。  そして、文部科学省は、インクルーシブ教育の一環で通級指導教室をさらに弾力的に支援ができる制度に改めようとしていると聞きました。私はより多くの児童生徒が、適切で継続的な支援が受けられるように、法改正に合わせてどの学校にも通級指導教室を整備し、各学校でそれぞれの個の発達に寄り添った支援ができる環境をつくっていくことが望ましいと思いますが、当局のお考えをお聞きします。  教育について5つ目、最後の質問は、幼児の支援について伺います。  現在、静岡市は1歳半健診に力を入れていき、健やかに成長しているのかあるいは何か気になる点や変化を見守るのか、いずれにしても早いうちから親子に寄り添うことが大切だとうたっています。  その中に小学校に入る前の未就学児には、言葉の教室があり、スムーズに小学校入学につなげているとのことですが、その設置状況は清水区に2カ所、葵区に2カ所、駿河区に1カ所設置され、多くの子供が指導を受けています。  しかし、年長児が優先されるため、潜在的な待機児童は多いと思われます。そもそも駿河区には1カ所しか設置されておらず、さきの2月議会に公明党の井上議員の質問で、駿河区は1カ所で、多数の希望者もいるため、増設も含めて検討するとの答弁でしたが、成長期の子供にとっては、一日も早い設置が望まれます。  そこで、伺いますが、来年度にはぜひ駿河区にもう1カ所、言葉の教室を開設していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  ここまでを1回目の質問といたします。 58 ◯教育統括監(望月敬剛君) 私からは、ICT教育についての6点の質問にお答えをいたします。  1つ目のICT教育について、市の現状としてどんなところに力を入れて進めているのかについてですが、本市では、子供にとってわかりやすい授業を実施する上で、ICTの活用は効果的だと考えております。  また、静岡型小中一貫教育において、つながる力の育成を目指しており、子供たちが学校内外のさまざまな人々とつながる授業を行う上でもICTの活用は大変効果的であると考えております。  そのために、次の2つのことに力を入れております。  1点目は、教員がICTを効果的に活用することで、子供たちの学ぶ意欲を高め、わかりやすい授業ができるようにすることです。例えば算数の授業において、大型モニターに映し出した図形を切る、回す、つなぎ合わせるなど、ICTの特徴を生かしていくことで、子供の学びを深めることが可能であると考えております。  2点目は、ICTを活用して、子供たちが学校内外の人とつながることに力を入れています。例えば中学校の生徒会と小学校の児童会とが連携したいときに、ICTを活用することで、時間や距離に関係なく、これまでは、直接会わなければできなかった意見交換の場をつくることが可能となります。  このように、ICTを効果的に使うことで、小中一貫グループ校や地域の人などさまざまな人の見方や考え方に触れることが一層促進されるものと考えております。  次に、2つ目の市の現状としてのICT教育の研究校にとどまらず、どの学校においてもICT教育を進めていくために、どのような取り組みを行っているかについてですが、本市では、市内各校に整備する予定のICT機器を平成26年度から研究校において先行導入し、研究を行ってきました。  この結果、例えば国語の時間に子供がつくった俳句について、他の学校の子供と意見交流する活動や中学校の部活動について、中学生が小学生の質問に答えるといった活動がなされています。  このようなよい授業については、市のホームページで紹介するとともに、教員を対象としたICT活用研修などにおいて周知に努めているところです。  今後、こうした取り組みをどの学校でも実施できるよう、学校内外の人と交流ができるソフトウエアなどを全校に整備していく予定です。  3つ目の現在のICT機器の整備状況とこれからの整備計画についてでございますが、現在、ICT機器の整備は、普通教室においてICTを活用することができる環境を目指して進めています。  具体的には、各教室で活用しやすいように、これまで持ち運びがしにくかったノートパソコンを、持ち運びがしやすいタブレットパソコンにしているところです。また、コンピューター教室に1台しかなかった電子黒板にかえて、新たに4台の拡大モニターを配備し、校舎の各階で使用できるようにしているところです。  これらの整備状況としましては、中学校においては既に平成28年度に完了しており、小学校については本年度11月に47校、翌年11月に残りの39校を完了する予定です。  今後も各校がICT機器の効果的な活用に努め、わかりやすい授業や子供たちがさまざまな人とかかわり、さまざまな見方や考え方に触れる授業を通じて、静岡型小中一貫教育の目指すつながる力の育成を推進してまいります。  4つ目の本市のプログラミング教育について、どのように考えているかについてでございますが、プログラミング教育は、プログラムを組む体験を通じて、子供の主体性と創造性、論理的思考力を伸ばすことを目的としているもので、本市が目指すみずから考え、行動することができる子供たちを育てる上で、重要なものと考えています。  この授業は、プログラムを組む体験的な学習を算数や理科、総合的な学習の時間で行うものです。このことで、子供たちには、課題解決に向け、順序立てて考える論理的思考力が身につくと考えています。  5つ目のプログラミング教育の教え方や教材について、今どのように準備をしているかについてですが、まずこの教育の主眼は、子供の主体性と創造性、論理的思考力を伸ばすことにあるということを、全校を対象とした研修会を通じて教員に周知してまいります。  次に、教え方については、各学校のプログラミング教育推進者を育成するために、リーダー研修を本年度4回実施いたします。このリーダーが中心となって、子供たちに合った授業を工夫し、教え方の参考にできるよい授業例を集めて、全校に配信してまいります。こうした取り組みなどを通じて、この教育の考え方の準備を進めてまいります。  さらに、教材については、教員が自主的に取り組めるよう、各学校のコンピューター教室に専用のソフトウエアを導入いたします。これにより、教員が自分の学校に適した教材づくりの準備を進められるようにいたします。  最後です。プログラミング教育について今後どのように進めていくかということですが、2020年度のプログラミング教育必修化に向けて、子供の主体性と創造性、論理的思考力を伸ばす教育を進めるとともに、本市の特徴であるしずおか学と関連させた教育が実施できるように準備を進めています。このため、本年は地元のホビーメーカーや大学と協力し、子供たちにとって楽しく意欲的にプログラミングの基本が学べるような教材の開発を進めます。これは本市がしずおか学の中で力を入れている地元企業や本市に愛着と誇りを持つ子供の育成へとつながるものです。  具体的には小学校1校、中学校1校を研究校に指定し、本年11月に公開授業を行い、全校に参加を促します。参加者は研究協議の中で、授業の進め方を学び、各校へ持ち帰り、今後の取り組みに生かします。これらの取り組みを進めることで、本市が目指すみずから考え、行動することができる子供たちを育てていきたいと思います。 59 ◯観光交流文化局長(中島一彦君) 静岡科学館「る・く・る」におけるプログラム教育についてですが、2020年度からプログラム教育が本格的に実施されることになりますが、静岡科学館「る・く・る」では、これに先立ち、見る、聞く、さわるをキーワードに学校の授業とは異なる科学体験を提供する科学館としての特徴、特に「る・く・る」において実践されております3ゾーン、実際に手に取って、体験をして、理解を深めるという特徴を生かしたプログラミングの体験イベントを本年8月に初めて開催いたします。  このイベントは11社の関連企業と県内3つの高校の生徒がそれぞれブースを設け、最新のプログラミング教材の紹介やワークショップなどを行うイベントです。来場した子供たちには、パソコンを使用しての音楽制作など、実際にプログラミング操作を行ってもらうことで、子供たちの主体性と創造性、論理的思考の向上に寄与したいと考えております。  さらに、学校関係者と関連企業の担当者がプログラミング教育の実施に向けた問題などについて意見交換する場も提供いたします。  今後は、静岡科学館「る・く・る」での体験と学校での学習がプログラミング教育を推進するための両輪となり、次代を担う子供たちの創造性や論理的思考力を向上させてまいりたいと考えております。 60 ◯教育長(池谷眞樹君) 私からはインクルーシブ教育についての御質問、インクルーシブ教育についての本市の考え方、取り組みについてお答えいたします。  平成23年の障害者基本法改正以来の障害者施策の推進の中で、障害の有無にかかわりなく、全ての人がかけがえのない個人として尊重されるものとの理念が多くの人に共有されるようになっています。この中では、互いに人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会を実現していくことが重要です。  本市においても、児童生徒が互いに多様性を認め合いながら、障害のある子もない子も、可能な限り一緒に学ぶインクルーシブ教育の実現は、大変重要なことと考えております。  そのために、特別支援学級や通級指導教室などの必要な学びの場の整備を進めつつ、障害のある子供も、ない子供も一緒に学ぶ機会をつくり、互いのよさを認め合うことが必要であると考えています。  具体的な取り組みの一例として、特別支援学校や特別支援学級で学ぶ児童生徒と小中学校の通常学級で学ぶ児童生徒が一緒に活動する、いわゆる交流学習を推進しています。本市の第3次総合計画でもあらゆる人々が多様性を尊重し、ともに暮らすまちづくりが位置づけられていることを踏まえつつ、今後もインクルーシブ教育の推進をしてまいります。 61 ◯教育局長(遠藤正方君) インクルーシブ教育についての残りの4点の質問にお答えいたします。  まず、本市における発達障害のある児童生徒数の状況についてですが、平成29年度に行った本市の調査では、静岡市立の小中学校の通常学級の全児童生徒4万6,893人中3,212人で、6.7%の児童生徒に発達障害やその疑いがあり、特別な支援を必要としているという結果でありました。これは、調査を開始した平成19年度に比べておよそ1,500人の増加であり、全児童生徒数に占める割合は倍増しております。  次に、本市における通級指導教室の設置状況と利用者数についてですが、発達障害のある児童生徒が利用する発達障害通級指導教室は、平成18年度に小学校1校に設置して以来、増加に努め、現在は小学校では葵区に1校、駿河区に1校、清水区に2校の計4校、中学校では各区に1校ずつの計3校、合わせて7校の小中学校に設置しております。  本年4月には276人の児童生徒が発達障害通級指導教室での指導を受けております。  次に、通級指導教室の整備についてですが、平成28年度の法改正により、本市では通級指導教室担当の教員が30年度には2人増員されました。今後8年後の2026年度までに、毎年1人から2人ずつ担当の教員を増員できる見込みです。  教育委員会としましては、それぞれの学校の発達障害のある児童生徒数を踏まえながら、その他の環境条件も考慮し、通級指導教室の解説を検討してまいりたいと考えております。  最後に、言葉の教室、本市では幼児言語教室として設置しておりますが、これについてお答えをいたします。  幼児言語教室では、小学校への就学がスムーズに行われるよう、年長児を優先的に入級させています。そのため、年中、年少の幼児については、待機をお願いすることがあり、平成29年度の待機幼児は91名となりました。  現在、幼児言語教室は葵区と清水区にはそれぞれ2カ所、駿河区には1カ所となっております。  御指摘にもございましたが、駿河区では待機児童も多くなっており、平成28年度には47人、29年度には52人という実態でした。  幼児言語教室は、友達とのコミュニケーションに困っていた幼児が自信を持って小学校生活を初められるなどの効果がありますので、駿河区の待機幼児が増加している実態を踏まえ、早期の開設を目指し、検討を進めてまいります。   〔18番宮城展代君登壇〕 62 ◯18番(宮城展代君) 何か余りいい答えだったのか、どうなのか、果たしてよくわからないのですが、また、後でしっかり伺おうと思っています。  次は、駿河区のランドマーク化についてです。  ランドマークとは、地上の目印、その地域の目印や象徴となる建物という意味ですが、駿河区にも幾つかの魅力ある拠点をつくり出していかなければなりません。  静岡市は、市内外から、また、世界中から訪れる人、交流人口をふやすために、今年度からまちは劇場プロジェクトを始めました。それらに訪れる多くの人が初めにおり立つのは、駿河区の玄関口、静岡駅南口だと思われますので、まず昨年9月にも質問しましたが、静岡駅南口について伺います。  駿河区の玄関口である静岡駅南口は、ロータリーが狭く、人々は乗用車やバスの乗りおりに不便を感じ、また、観光バスなど送迎もままなりません。前回は、民間と共同で土地の高度利用を図るなど、都市機能と商業業務地区の融合を図るグランドデザインを作成し、東側ビルや西側にあるJR社屋を含めた一体的な駅前広場整備を要望しました。  私は、今回の質問の冒頭に、今は刻々と変化している時代だと申し上げましたが、南口周辺も新たな動きが見えています。ホテルが1つ建設中で、もう1つも2020年に地上14階建てが完成します。  また、JRもゴールデン横丁やライブスタジオ、飲食店の店舗などをふやし、変化しています。静岡市にとっては、ありがたいことで、また、交流人口もふえ、人々の流れも変わり、車の往来もふえると予想されます。  そこで、お伺いしますが、そのときの答弁では、立体化の可能性も含め隣接する関係機関とも協議、調整を行っていくとのことでしたが、本年度南口再整備に向けて調査費の予算が計上されていると聞いています。そこで、ことしはどのような調査、検討を行うのか、具体的にお答えください。  次の質問は、駿河区の最南端のランドマーク大浜公園プールのあり方についてです。  大浜公園プールは、昭和4年に当時の大里村が本市との合併により市有地になった。この付近沿岸の遊泳が危険のため、その緩和策及びレクリエーションの場として、昭和5年に50メートルプールをつくり開園しました。その後、来園者の増加や防潮林の松林もあわせて公園にするため、地域住民の土地利用の協力も得て、その後何回か改装し、流れるプールやウォータースライダー、ちびっこプールを備えた公立では類を見ない設備になりました。今や市民のレジャーや健康増進などを目的に、無料で利用できる市内でも有数の人気施設です。  地元の町内会でも、その時期だけ駐車場を仕立てたり、見守り活動など、協力、共存を図ってきました。夏になると近くの小中学生はもとより、保育園、幼稚園もバスを仕立てて、水遊びに訪れます。また、県外からの子供連れ帰省客の楽しみでもあり、風物詩にもなっています。  しかし、近年は施設の老朽化に伴い、プール施設を存続するのかあるいは廃止するのかも含めて、今後のあり方を検討してきたとのことです。その結果、大浜公園プールは廃止せず、再整備を行い、有料化していくとのことですが、1年を通して利用できる公園になる可能性もあるのでしょうか。夏の期間だけでなく1年中楽しめれば、それにより多くのにぎわい創出も可能になり、価値ある駿河区のランドマークの1つになります。  大浜プール再整備に伴う有料化及び公園の通年利用について、どのようにお考えになっているかお答えください。  駿河区のランドマーク化、最後の質問は駿河区の新しい基幹道路丸子池田線についてです。  長田地区からの安倍川を渡る車の渋滞緩和対策として、静岡大橋が開通して10年、その後道路は緑が丘町から順次開通して、もうすぐ八幡地区に達するとのことです。丸子から池田まで駿河区の西から東に横断予定の4車線道路、ここでは事業の進捗による効果はどのようなものが見られたのか。また、自転車や歩行者に対するバリアフリー対応はどうなっているか、お伺いします。  そして、この丸子池田線、だんだん駿河区民に利用され、親しまれてきましたが、この呼び名に皆さん戸惑っています。カネボウ通りとSBS通りの間の通りと言っていますが、これでは駿河区のランドマークにはなりません。私はこの道路、近い将来、大変重要な道路になる気がします。それは少子高齢化や免許証返納により、ますますふえる交通弱者対策として検討される地域内交通のゾーンの分岐点あるいはかなめとしての役割が予想されるからです。そういう時期が来るまでにその地域の住民が自分の自宅から丸子池田線の位置をイメージできていることが必要です。  そこで、幹線道路をランドマーク化するためにも、親しみやすい愛称名をつけたらどうかと思います。駿河区の長田地区から池田まで、駿河区を東西に貫通する道路なので、例えば駿河通りという愛称名はどうでしょうか、前向きな御検討をお願いします。  これを2回目の質問といたします。 63 ◯都市局長(片山幸久君) 私からは、駿河区のランドマーク化について2点の御質問についてお答えいたします。  まず、静岡駅南口駅前広場の再整備に向け、今年度どのような調査、検討を行うのかについてでございます。  平成29年9月定例会にて、南口駅前広場の再整備については、交通結節機能の強化や広場機能の充実を図ることが課題となっており、例えば駅前広場の立体化など、新たな整備手法の可能性を視野に入れ、検討を進めていくと答弁をさせていただいたところでございます。  平面の駅前広場については、バスベイ、タクシープールなど、導入すべき機能や面積の基準が確立されておりますが、立体的な利用については、そうした基準も確立されていないことも踏まえて、平成30年度は、まず基本的な整備方針案を作成するために、主に2点の調査検討を行います。  1点目は、静岡駅周辺の土地利用や施設の現況、駅利用者の動向等を調査し、駅前に必要な交通結節機能や交流機能、防災機能及びそれらの規模並びに広場周辺との機能分担などの検討を行います。  2点目は、駅前広場の立体化や周辺のビルを活用した先進的な事例などを収集調査するとともに、地権者の皆さんや関係機関の御意見を伺いながら、駅前広場と一体的な官民連携事業の可能性を含めた整備手法の検討を行ってまいります。  続きまして、大浜公園プール再整備に伴う有料化及び公園の通年利用についてでございます。  大浜公園プールは、夏のレジャーの場として長年親しまれてきた施設で、毎年10万人以上の市内外の方々に利用されております。  昭和5年に開設したプールは、約90年が経過し、施設の老朽化によるサービスの低下や維持管理に多額の費用を要することなどの課題を抱えていることから、再整備を行ってまいります。  本市では、受益者が特定される公共施設については、行政サービスの公平性を図るため、受益者に適切な負担をいただくことを方針としており、再整備後の大浜公園プールも維持管理費の一部を御負担いただきたいと考えております。  大浜公園プールの再整備に当たっては、利用者のニーズに応え、子供たちの活気と歓声に満ちあふれる県内有数の魅力的なレジャースポットとなるよう計画してまいります。  最後でございますけれども、公園の通年利用についての考え方でございます。  大浜公園は、これまで夏場のプール利用が中心でしたが、駿河湾を望むすばらしいロケーションに恵まれ、砂浜や広場が隣接するなど、新たな利活用が期待できることから、年間を通じて、より多くの方に利用していただける魅力的な公園づくりを目指します。
     再整備計画策定に当たっては、学識経験者を初め地元の皆さんや子育て世代の利用者など、幅広く御意見を伺いながら進めてまいります。 64 ◯建設局長(伊東正高君) 私のほうからは、丸子池田線についての2点の御質問にお答えします。  都市計画道路丸子池田線の整備効果についてですが、都市計画道路丸子池田線は、駿河区の丸子六丁目の国道1号を起点とし、駿河区池田を終点とする延長約9キロメートルの駿河区の東西軸となる幹線道路であります。  現在、駿河区大坪町の静岡下島線から八幡五丁目の日の出町高松線までの延長360メーターの区間で工事を進めており、本年8月末の完成を見込んでおります。  当区間の完成によって、丸子六丁目の国道1号からツインメッセ静岡までの約6キロメートルが供用され、道路ネットワークが強化されることから、駿河区の渋滞の軽減や交通の円滑化が図られ、供用済み区間では商業利用が活発化するなどのストック効果も上がっております。  また、整備に合わせて無電柱化も実施し、地震時の電柱倒壊による交通の遮断を解消するとともに、自転車走行空間の確保により、高齢者や通学児童等、歩行者の安全性も格段に向上しており、まちの発展や安心して住める住環境の改善に大きな効果が上がっております。  次に、丸子池田線に親しみやすい愛称名をつけたらどうかということについてですが、本市においては過去合併前の旧静岡市、旧清水市が道路に親しみを持ってもらうことを目的として、道路愛称事業を実施しておりました。例えば呉服町通りや北街道のように、昔からの呼び名を愛称としたものは、今も広く親しみを持って使われております。  今回、御提案のあった丸子池田線は、駿河区を東西に通る地域、区のシンボルの1つになる道路と思われますが、新たに道路整備を進めている道路であるため、昔からの呼び名がありません。このため、親しみを持って呼んでいただける愛称名をつけるには、沿線、地域での活発な議論を踏まえた合意形成が重要であると考えております。  また、愛称名を検討する際には、まちづくり、魅力ある区づくりの視点など、単なる公募による選考とは違う要素を盛り込んでいくことも重要と考えております。  今後、地域の機運の高まりや整備の状況を捉えた上で、本路線を1つのモデルケースとして愛称名をつけていくことに取り組みたいと考えております。  また、その過程で課題等を検証し、他の新設路線などにも愛称名をつけることも検討していきたいと考えております。   〔18番宮城展代君登壇〕 65 ◯18番(宮城展代君) 答弁いただきました。最後は意見・要望です。  プログラミング教育について、私たちは現在でも自動販売機やロボット掃除機など、身近な生活の中で内蔵されたコンピューターとプログラミングの働きの恩恵を受けています。そして、人工知能の急速な進化に伴い、今後ますます身近なものになってくると思われます。便利さの裏側でどのような仕組みが機能しているのかについて思いをめぐらせ、便利な機械が魔法の箱ではなく、プログラミングを通じて、人間の意図した処理を行うことができるということを学ぶことが大切です。それは子供たちが将来、どのような職業につくとしても、その資質能力が求められるからです。導入部分でつまずかないように、どの子にもわかりやすい授業をお願いします。  次は、インクルーシブ教育について。  田辺市長は先日、ニューヨークの国連会議で、持続可能な開発目標SDGsを静岡市政に生かすことの大切さをスピーチしました。その目指す先は、誰ひとり置き去りにしない社会です。  教育現場が取り組んでいるインクルーシブ教育が目指す社会も同じです。地域の中で仲間と一緒に生きる共生社会を構築することです。不登校や情緒不安はひきこもりにつながり、大きな社会問題になりつつあります。  今、義務教育現場に求められていることは、それぞれの苦手を個性と捉え、また、発達の途中と受けとめ、寄り添い、見守ることではないでしょうか。そのために各学校への通級指導教室の設置を希望します。  静岡駅南口駅前広場については、先日、岐阜駅の北口、南口駅前広場を見てきました。とても上手に立体化して、人の流れ、憩いの空間をつくり出していました。  静岡駅南口も必要に応じ、専門家の知恵もお借りして、ぜひ今を生きる私たちにも利用できる便利で安全な公共空間を早く提供していただきたいと思います。  大浜公園プールは、市長がよくおっしゃっている、ないものねだりではなく、あるもの探しで、駿河区にある、磨けば宝物になるランドマークです。健康寿命を延ばしたい高齢者から夏の水遊びを楽しみにしている子供たちまで、幅広い世代に愛される施設、公園を要望します。  特に有料化については、受益者負担の考え方は理解しますが、利用者の多くは子育て世代です。負担が重くならないように重ねての配慮をお願いいたします。  最後は、丸子池田線についてです。  まだまだ終点の池田には時間がかかるようです。既存の建物を移動してもらい、道路を通していくと、まち並みが大きく変わります。同じ町内でも分断され、一時は不便を強いられ、寂しく感じることもありますが、部分部分の開通を通して使う事により、道路が持つ大きな役割と必要性も感じました。そこに住む人にとってますます使いやすく、また、愛着が持てるようにと、わかりやすく、呼びやすい名前、愛称を提案しました。ぜひ御検討をお願いします。  以上で、今回は刻々と変化する時代にも柔軟に対応できるまちづくりについて質問、提案をさせていただきました。  これで私の全ての質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 66 ◯副議長(望月俊明君) 次に、加藤博男君。   〔2番加藤博男君登壇〕 67 ◯2番(加藤博男君) 公明党静岡市議会の加藤博男でございます。  通告に従い、質問をさせていただきます。  まず、生産性の向上についてであります。  本市の市内総生産額GDPは3兆円強で、県内トップ、山梨県や徳島県と並ぶ規模であります。  ことし5月に発表されました本市統計書によれば、市内に企業は3万6,534事業所が存在し、その99.8%が中小企業であります。本市において中小企業支援がその割合からしても重要であることは言うまでもありません。  少子高齢化の進展に伴う生産年齢人口の減少は、企業、社会における人手不足の問題や事業承継の問題を深刻化させております。  2025年には、全国で中小企業経営者の6割以上が70歳を超え、そのうちの約127万人は後継者が決まっていない状況とのことであります。  本市でもその傾向があらわれており、本市にてことし2月に行われた景況調査では、経営上の問題として労働力不足が52.8%と最も高く、製造業では49.2%、非製造業は54.4%の割合で労働力が不足しているとの回答でありました。  公明党では現在、全国で100万人の訪問調査運動を展開中で、中小企業アンケートを実施しております。アンケートでは、現在ラインナップされている支援策について、利用したことのある支援策にお答えをいただく内容であったり、支援策が利用できていない理由などをお答えいただいております。  中小企業を訪問させていただいている中で、ものづくり補助金を申請しているが、なかなか採用されない。わかりづらい、または知らない、補助金申請をする余裕がないという声もお聞きしております。  また、中小企業白書によれば、中小企業と大企業の生産性格差は年々広がりつつあると指摘しております。  この状況は、さらなる生産年齢人口の減少により、厳しさを増すことが予想され、持続的な経営を図るには、より少ない人数で、これまでどおりの利益を生み出さなければならなくなります。そうなれば、おのずと生産性を上げていかなければならないというのが現実的な課題ではないでしょうか。  こうしたことが叫ばれる中、IoTやビッグデータ、人工知能などICT分野における急速な技術革新の進展により、産業構造や国際的な競争条件が著しく変化しており、この変化に対応し、世界に先駆けて生産性革命を実現させるべく、政府は昨年12月に、新しい経済政策パッケージを取りまとめました。  この中で2020年までを生産性革命、集中投資期間とし、あらゆる政策を総動員することとしていることを受け、生産性向上特別措置法により、産業の生産性を短期間に向上させるために、必要な支援措置を講じているところであります。既にこの生産性向上特別措置法は5月16日に法案が可決し、今月6日から施行されております。同法は、中小企業の設備が老朽化し、労働生産性が伸び悩んでいることを背景に、中小企業の積極的な設備投資を後押しすることで、生産性の飛躍的な向上を進めることを柱とし、自治体には先端設備を導入するための促進基本計画の策定や議会で固定資産税を2分の1以下に減額するための条例制定などが求められております。  本市においては、この動きを敏感に察知していただき、2月定例会でも取り上げていただき、その方向性を明示していただきました。  また、本議会でも議案第121号として、中小企業者の固定資産税の特例措置として、静岡市税条例等の一部改正についてが、提出されているところであります。  本市においては、平成30年度から32年度までに行う設備投資に対する固定資産税を3年間ゼロとする臨時、異例の措置を行い、税負担の軽減を図ろうとしているものであります。  特例措置の対象は、資本金1億円以下の中小企業や従業員1,000人以下の個人事業主が今年度から32年度までに導入する設備が対象で、160万円以上の機械装置や30万円以上の検査工具を導入する場合などに、自治体が年率3%以上の生産性向上につながると認めれば、税負担が軽くなります。税の減免による固定資産税の減少分については、最大75%を国が地方交付税で補填するものであります。  中小企業庁によりますと、同法の成立、施行を見込んで、これまでに1,492の自治体が固定資産税をゼロにするとの意向を示しているとのことであります。  固定資産税ゼロの措置に取り組む自治体は、ものづくり補助金やIT導入補助金、小規模事業者持続化補助金などを優先的に受けられるようになるとのことでありますが、そこで、伺います。  固定資産税の特例に伴う経済的な効果としてどのようなものがあると考えているか、伺います。  続いて、大項目の2つ目、介護予防について質問いたします。  先ほど中小企業アンケートを実施していると紹介いたしましたが、公明党では同時に、介護にかかわるアンケートも実施をしております。  アンケートの中では、何があれば御自身が介護予防に取り組めるとお考えですかとの項目を設けて質問をさせていただいております。その中で、介護予防の機会をふやしてほしいとの意見も多く寄せられております。  本市では、在宅の高齢者を対象に集会所や公民館など、地域の身近な場所で地域住民のボランティアにより行われているサロン活動であるS型デイサービスが介護予防につながる取り組みとして展開しております。  駿河区の長田西学区ではふれあいサロン、長田東学区ではたんぽぽという名称で親しまれ、地域に浸透してきております。  このS型デイサービスのボランティアにも元気いきいきシニアサポーターのポイントがもらえるようになり、ボランティア参加への励みになっているのも事実であります。  長田学区のある地域では、元気な高齢者をふやしていくために大変効果があるとし、今後各単位自治会レベルの自治会館で、このS型デイサービスを実施していきたいと言われている地域もあります。  また、私が住む丸子新田の自治会館で開催されるS型デイサービスの会場では、ボランティアの方がさまざまなアイデアで工夫をされて、多くの方が参加しやすいように日々取り組んでいただいております。参加人数がかなりふえてきていることから、会場が手狭になってきたり、また、階段を上がれない高齢者がふえてきていることから、階段を上がらずに済む場所で、別に会場をもう1つ設けようという動きも出てきております。  一方、S型デイサービスの運営については、ボランティアの方も高齢化や新しい方が入ってこないとの声も聞いており、そのあり方や参加者もボランティアの状況に応じて検討していくべきと考えますが、まずS型デイサービスへの現状と課題とは何か、伺います。  続いて、大項目の3つ目、首都圏拠点について伺います。  本市の首都圏拠点として東京事務所があります。東京事務所には、今月13日、同じ会派の長島議員と訪問させていただきました。国会議事堂、各省庁にも近く、自転車で行ける好立地にあり、その他自治体の東京事務所も同じビルの中にテナントとして入っておりました。  本市の東京事務所は、平成13年4月に開設され、日本都市センター会館9階にあり、職員は正規職員が5名、非常勤職員2名及び省庁等の派遣職員が12名とのことであります。  主な事務分掌としては、省庁との連絡調整、その他地方公共団体の行政情報の収集及び首都圏における産業誘致、シティプロモーションであります。  また、同じく東京には、本市の移住支援センターが有楽町にあります。移住支援センターには、本市への移住相談に2名のコンシェルジュを配置し、昨年度は101名が移住していただき、結果が出てきていると感じており、これまでの東京事務所の皆様、また関係各局の御尽力に敬意を表したいと思います。  その63.8%が首都圏からの移住者であり、やはり首都圏からの移住者をターゲットとして、発信力を高めることが必要であると考えます。そのためには、移住支援センターのみでなく、東京事務所及び今後オープン予定のアンテナショップも連携しながら、その発信力の強化、シティセールス、移住支援にも力を注ぐ必要があると思います。  昨年末、東京プリンスホテルで開催された静岡市交流会in東京に出席いたしました。本市出身の多くの著名人や企業、行政関係者が一堂に会し、盛大に開催されました。参加された皆様には、ふるさと納税にも期待するところではありますが、このネットワーク力が非常に大きく、彼らのネットワークを使った本市PRができれば、大きな発信力になると考えます。参加者同士の横のネットワーク、また、現静岡市民とのネットワークを図ることにより、企業の人手不足の解消やビジネスマッチング、情報共有も有効であると考えています。  こうしたネットワークづくりを可能にするのも、東京事務所の役割と捉えておりますが、東京事務所の現状の役割を踏まえた上で、今後の東京事務所をどのように考えるか、伺います。  以上、1回目です。 68 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、首都圏拠点について、東京事務所の現状の役割を踏まえた上で、今後の東京事務所をどのように考えているのかとの質問にお答えいたします。  私は、東京事務所の主な役割は2つあると考えています。1つは、情報を収集する役割、もう1つは情報を発信するという役割です。もちろん、情報収集も必要ですが、今後は、より後者の情報発信に力を入れていきたいと考えています。  本市には、世界遺産の三保松原とか、駿河湾のサクラエビとか、あるいは秋の風物詩大道芸ワールドカップとか、数多くの魅力ある観光資源がありますが、これが必ずしも首都圏の方々に十分知られていない現状があります。知られていないことは、存在しないことと同じだと、そのぐらいの問題意識を持って情報発信に努めていきたいと思っています。  地方創生の取り組みが全国的に進む中、地域間競争に勝ち抜き、国内あるいは世界に注目されるためには、今までレッテルを貼られた、静岡市は広報が下手だという汚名を返上して、首都圏から全国へ、そして全世界への情報発信に取り組んでいかなければなりません。その観点から首都圏に拠点を置く、千代田区平河町の東京事務所の存在は大変大きいと思っています。  もちろん、特に省庁等の関係機関からの情報収集も大切で、今まではメーンの役割でありました。職員が日ごろから足しげく霞ヶ関とか永田町等々に足を運んで、これまでに築き上げた人脈を生かして、迅速かつきめの細かい情報収集に努めてきた、こういった地道な取り組みは大事でありますが、どちらかというと情報をもらうという受け身的な取り組みであります。むしろ、私どもは、今後はもう1つの役割、静岡市を起点とした積極的な情報の発信、この最前線として東京事務所を活用していきたいと考えております。キーワードはシティプロモーションであります。  日ごろから東京事務所の職員は観光関係、マスコミ関係の企業の訪問や各種呼びかけに応じたイベントへの参加など、さまざまな機会を通して、まさに足を使って、フェース・ツー・フェースの関係をつくり、本市のPRをしております。それをさらに強化していくために、3つの取り組みをしていきます。  1つは、出会いの場づくりです。加藤議員御指摘のとおり、そのシンボルが平成24年度から開催を始めた静岡市交流会in東京、年々規模が拡大され、昨年度は500人を超える来場者を迎えるまでの規模となりました。ここに集まってきた方々がやはり静岡に対する気持ちからSNS等々を通じて、それぞれが情報発信をしてくれていることは、大変な効果があるし、そこで、生まれたビジネスチャンス、まさに議員がおっしゃるネットワーク力を生かして、これが民間投資の呼び水になって、本市の経済の活性化につながっていくことも期待しております。  2つ目は、組織体制づくりであります。今年度からシティプロモーション力の強化のために、東京事務所を企画局から総務局に移管いたしました。これによって三位一体のトライアングルの体制、総務局広報課が持つ情報、そして秘書課が持つ人脈、そして東京事務所の機動力、これが三位一体となることによって、より東京事務所が最前線に立ってプロモーション活動を強化していく体制が構築できたと考えております。  さらに、3つ目は、この東京事務所の機動力を担う人材の育成であります。東京事務所の職員には、国などの関係機関や首都圏企業など、多くのステークホルダーと人脈を築き、静岡市とつなぐコーディネーター的な機能を果たすことを期待されております。つまり、静岡市を積極的に売り込んでいくための営業力と、営業マンとしての役割も必要となります。そういったマインドを持った職員、人材を育成していくことも今後重要な役割になると考えます。  このようなさらなる3つの取り組みで下支えすることによって、東京事務所の今後さらなる機能強化、人材育成に取り組んでまいります。  加藤議員には、東京出張の折には、何回となく立ち寄っていただき、期待を担っている職員、特に若手の職員に激励をしていただければ、とてもうれしく思います。よろしくお願いいたします。  以下は、局長及び統括監に答弁させます。 69 ◯経済局長(池田文信君) 固定資産税の特例に伴う経済的な効果についてお答えいたします。  本特例により、中小企業者の設備投資を後押しすることで、これを契機に設備導入を行おうとする中小企業者が増加することが見込まれ、経済的な効果が生まれます。  初めに、直接的な効果としましては、設備を導入した中小企業者の生産性が向上することで、生産量の向上が見込まれます。  次に、間接的な効果として、さまざまな事業者から部品などを購入する量が増加することによる他産業への波及がもたらされます。  さらに、これらの直接的な効果及び間接的な効果により、中小企業者の利益の増加につながり、そこから従業員の給与へ還元され、消費の拡大を生むとともに、中小企業者による新たな設備投資や事業活動の拡大などにもつながると考えています。  本市の産業は、製造業、サービス業、卸・小売業など、さまざまな業種がバランスよく立地しています。そのため、今回の特例を活用し、多くの中小企業者において、設備導入が行われることで、その経済的な効果が市内の幅広い業種に波及し、本市経済の好循環が生まれるきっかけになるものと考えております。 70 ◯健康長寿統括監(羽根田信人君) S型デイサービスの現状と課題についてですが、S型デイサービス事業は、とじこもりがちな高齢者などが気軽に参加できる通いの場で、地域ボランティアの方々が中心となって参加者の介護予防などを目的に血圧測定やレクリエーション、体操などを実施しています。  また、この事業は、住民主体による介護予防、生きがいづくりの取り組みとして高く評価され、第5回健康寿命を延ばそうアワード2016で厚生労働大臣賞を受賞しました。  まず、S型デイサービスの現状ですが、平成29年度の実施会場数は267会場で、参加者の実人数は6,486人、ボランティア従事者数は4,304人となっており、合わせて1万人を超える市民が参加しています。  次に、課題としては、参加者数及びボランティア数が伸び悩みの傾向にあることやボランティアの高齢化、内容のマンネリ化や男性の参加者が少ないことが挙げられます。  そこで、平成29年度は事業の活性化に向け、新たな取り組みとして、東京大学が考案した楽しみながら健康度がわかるフレイルチェックを5カ所の会場で試行し、参加者の健康状態の把握やアンケート調査などを実施しました。本年度は、この結果を踏まえ、事業の効果的な実施に向け、静岡県立大学との連携により、S型デイサービスのあり方を検討してまいります。   〔2番加藤博男君登壇〕 71 ◯2番(加藤博男君) 市長、統括監、局長より御答弁いただきまして、ありがとうございました。  東京事務所については、市長より御答弁をいただいたとおり、本市の発信力を高めるために鋭意取り組んでいかれることを表明していただきました。世界に輝く静岡とあわせ、日本国内でもそのプレゼンス、存在感、認知度を増すことが首都圏からの本市への移住や投資を考えていただくきっかけづくりにつながると、私も同じく思いますので、引き続きの御尽力をよろしくお願いいたします。  以下は意見・要望で述べさせていただき、2回目の質問に移ります。  生産性向上についての2回目であります。  先ほどの局長からの答弁では、固定資産税の特例に伴う経済効果として、設備導入を行おうとする前向きな発想を中小企業者が持っていただくきっかけになり、生産性の向上により、生産量の増加が期待できるとのことでありました。  また、その経済的な効果が市内の幅広い業種に波及し、本市経済の好循環が期待されるとのことでありました。当局にてこのような前向きな捉え方をしていただいていることは大変有意義であり、中小企業者にとっても心強いと感じていただけるものと思います。  一方、現実的には、リーマンショック以降、製造品出荷額で静岡県の回復が遅いとの報道がなされておりますが、本市が浜松市を抜いて製造品出荷額は県内トップとなり、本市は商業中心の都市であるとともに、さまざまな分野で産業の振興を行える都市になり得ると捉えています。  その理由の1つとして、言うまでもございませんが、国内8位の海上コンテナ取り扱い数量を有する清水港があり、港への近さ、首都圏へのアクセスのよさが挙げられます。
     昨年のファーストクオーターとセカンドクオーターの上期における本市の実質経済成長率に対する需要項目別寄与度は移輸出入等がプラス3.7%と高く、実質経済成長率を牽引しております。  こうした傾向をさらに押し上げ、新規取得設備の固定資産税減免措置を初めとした中小企業支援について強力に推進する必要があると考えます。  私が感じるところでは、多くの中小企業の方々が設備更新を考え、タイミングをいつにするか、また、ものづくり補助金やその他補助金を何とか確保したいと考える企業が多く、さらに3年間の固定資産税の減免がなされれば、付加価値を生む製品づくりに集中できる期間を設定することにつながるとも考えます。  中小企業や小規模事業者を支援していくことで固定資産の税収が落ちるものの、さまざまな業種の生産性が向上することにより、本市経済の好循環が期待されるため、市内企業により周知を図っていく必要があると考えますが、固定資産税の特例を含む今回の生産性向上のための設備導入に係る支援制度について、市では中小企業者にどのように周知していくのか、伺います。  また、今回の特例措置とあわせて、国の補助金のテーブルにのらない企業に対し、本市が持つ支援制度もあわせて利用の促進をしていく必要があると考えますが、そこで伺います。  中小企業者の生産性向上について、本制度以外に市はどのような支援をしているのか、伺います。  大項目の2つ目、介護予防についての2つ目の質問です。  先ほどの統括監の御答弁の中で、S型デイサービスの新たな取り組みとして、虚弱という意味のフレイル、このフレイルチェックを行い、参加者の健康状態の把握やアンケート調査などを実施したとの答弁がございました。まずは、こうした新しい取り組みを柔軟に取り入れていただいていることに感謝いたします。  私も、この先日、フレイルチェックを体験させていただきましたが、いまだ市民への認知度は低いのではないかと思います。ある専門家によれば、筋力の衰えについて、2週間の寝たきり生活は7年分の筋力を失わせると強調しております。体を動かさないことで、筋肉がどんどん減ってしまう危険性を訴えております。筋肉が減少すれば、転倒や骨折をしやすくなったり、外出の頻度が下がってしまうため、認知症のリスクも高めてしまうなどの悪影響があります。  また、運動習慣のない人に運動を促しても難しいが、栄養の摂取や社会参加に積極性を持たせれば、要介護へのリスクは減らせると述べる有識者もおります。  沖縄県のある村で65歳以上の方を対象に実施された要介護度や生存との関連などを追跡調査したアンケートでは、病気はみずから予防できると考えている人は、できないと回答した人に比べ、死亡リスクが56%も減少、要介護2以上でも、介助があれば外出できると答えた人は、できないと答えた人に比べ要介護状態が悪化するリスクが67%減少したとの結果が出ております。  また、あるアメリカの研究グループが昨年発表した研究報告では、300万人分のデータを分析し、孤独による死亡リスクは1日15本のたばこを吸うことやアルコール依存症と同等、肥満よりも健康リスクが高いという報告を上げており、孤独は万病のもとと言えます。  いかにきちんとした栄養摂取や前向きな心の持ち方、社会参加を促して孤独な状況をなくしていくかが健康寿命を延伸させるために必要かを物語っていると思います。  今後ますます高齢化が進む状況下にあって、こうした筋力などの衰えを予防していくことや社会参加を促していくことが介護予防に有効であると考えますが、このフレイル予防とはどのようなものか、また、今後どのように広めていくのか、伺います。  以上、2回目の質問です。 72 ◯経済局長(池田文信君) まず、今回の支援制度の中小企業者への周知についてですが、本制度は固定資産税の特例だけでなく、国のものづくり・商業・サービス補助金やIT導入補助金等の優先採択、信用保証協会の保証枠の拡大などの支援が受けられます。  本市では、新たな設備投資に対する固定資産税を3年間ゼロとする方針を、国の動きに応じ、速やかに本年2月議会で表明した後、金融機関への説明や企業訪問により情報提供を行い、設備投資や補助金の活用を促してまいりました。  現在、金融機関等には数多くの問い合わせがあるなど、高い関心が寄せられており、市内の多くの企業が事業拡大等に向け本制度を積極的に活用してくれることに手応えを感じております。  今後も中小企業者を顧客に持つ金融機関や税理士、中小企業診断士等に対する説明会を開催するとともに、静岡商工会議所などの経済団体や静岡県中小企業団体中央会などの産業支援機関と協力し、制度の周知と活用企業の積極的な掘り起こしに努めてまいります。  次に、本制度以外の中小企業者の生産性向上への支援についてですが、本市ではハード、ソフトの両面から各種の支援を行っております。  まず、ハード面については、競争力の強化や製品の高付加価値化に積極的に取り組む中小企業者が、高度な機械設備を導入する際に助成する中小企業高度化機械設備設置事業を実施しています。  また、ソフト面では、現場作業の改善や生産効率の向上に取り組もうとする中小企業者に対し、企業OBがアドバイスを実施する製造現場改善支援事業や受発注システムの構築などの生産管理やIT化に取り組む中小企業者に対し、ITコーディネーターなどを派遣する専門家派遣事業を行っております。  固定資産税の特例などの支援制度とあわせ、こうした本市独自の支援を活用していただくことにより、中小企業者の生産性向上を後押ししてまいります。 73 ◯健康長寿統括監(羽根田信人君) フレイル予防についてですが、フレイルとは、高齢になって筋力や活力が衰えた健康と病気の中間的な段階をいい、75歳以上の多くは、この段階を経て要介護状態になることから、フレイル予防に取り組むことが重要です。  また、東京大学の調査においても、フレイルの兆候を早期に発見して、日常生活を見直すなどの正しい対処をすれば、フレイルの進行を抑制し、健康な状態に戻すことができることがわかってきました。それはしっかり食べる、しっかり運動する、社会とのつながりを持つという3つのことができていれば、加齢に伴う体や心の衰えを予防し、改善することができるということです。このことは、本市の健康長寿のまちの実現に向けた市民の健康度の見える化と健康長寿の秘訣である知、社会参加、食、食事、体、運動を軸とした取り組みに資するものです。  そこで、本市では、フレイルを予防するため、フレイルチェックを実施していくこととしました。その内容は、生活習慣を簡単な11の質問で確認するイレブンチェックや筋肉量を把握する指輪っかテスト、機器を使って滑舌や握力等を測定する総合チェックなどです。本年度はS型デイサービスの会場や今月10日に南部図書館2階にオープンした地域福祉共生センター「みなくる」、生涯学習センター等で実施し、また、元気な高齢者を事業運営のサポーターとして養成します。  今後は、住民主体の活動として市内全域に広げていきたいと考えております。   〔2番加藤博男君登壇〕 74 ◯2番(加藤博男君) それぞれ御答弁いただきありがとうございました。  最後は意見・要望です。  まず、生産性向上についてであります。  先ほどの局長答弁では、固定資産税の特例について、金融機関等には数多くの問い合わせがあり、高い関心があるとのことでありました。これは市長を初め当局のトップの皆様が素早い判断を下していただいた結果であると思います。  そして、国や県の補助金とともに、本市の補助金の両方を本市の中小企業者が知り、また、利用していただくことで、各種相談や設備の増設、IT活用する選択肢が広がることになると思います。  こうした支援が中小企業者が自己分析し、改善すべきところを改善し、地元資源に着目する機会の創出につながると考えますので、引き続きハード、ソフトの両面からの支援をお願いいたします。  また、製品はよいものができたが、独自での販路拡大は困難であるといった場合の支援も想定されます。  女性起業家を表彰する2017年度J300アワードで大賞を受賞したのは、静岡を中心にお茶や産業機械など、中小企業の製品、技術輸出支援を手がけ、静岡の和製アリババと言われる女性が活躍する企業とのことであります。  こうした企業と本市の中小企業のマッチングができれば、販路拡大につながるとともに、女性が活躍する企業が注目されることにより、女性の起業家へのモチベーション向上にもつながると考えます。  また、今月発表されたSDGs拡大アクションプランには、日本貿易振興機構ジェトロが行う中小企業等に対する海外展開支援も盛り込まれています。専門家による相談受付から支援団体や支援スキームの紹介などをワンストップで提供する新輸出大国コンソーシアムや輸出先現地にネットワークがあるジェトロ海外事務所のコーディネーターによる現地パートナー探しなどの個別相談に対応する中小企業海外展開現地支援プラットフォームなども無料で利用が可能です。  こうした新しい取り組みを活用したり、民間同士のつながりをサポートし、企業や業種の垣根を越えて連携することにより、本市の中小企業の可能性を広げることにつながると思いますので、こうした橋渡し役にも御尽力いただきたいと思います。  続いて、介護予防についての意見・要望です。  統括監からの御答弁にもございましたとおり、S型デイサービスには、男性の参加者が少ない状況にあり、いかに定年を迎えられた男性に地域活動に参加していただけるかが課題であると捉えています。職場にかわる居場所づくりとして、このフレイル予防のサポーターとして、活躍いただける場の提供も、地域活動へ参加する一つの選択肢になると思います。  シニア世代の生き方について論じるある筆者によれば、会社にかわる居場所をつくるときの会話のポイントは、過去の勤務先や肩書などを言わず、どんな話題にも共感を示し、相手を褒めること。1人の人間として相手に何ができるかを態度で示すことが重要と述べております。  自分に置きかえてみますと、なかなか高いハードルではないかと感じるところではありますが、こうしたことができる方が尊敬され、若い世代とも垣根なく話ができるシニア世代がふえていくことが理想的ではないでしょうか。  ますます加速する高齢化の進展や新潟で起こった事件を背景にした通学路の安全確保、地域を支える地域人材の不足など、地域課題は山積みであります。地域人材の裾野をいかに広げていくかが今後の課題でありますので、局をまたいで検討いただけると幸いです。  また、さらに若い世代から介護予防に対して意識を高めることが将来の介護予防になると考えております。  民間企業と自治体が提携し、健康寿命を延伸する取り組みを行っている事例もあり、県内の自治体でも、この健康増進プログラムを実施し、27名を対象に3カ月実施、体力年齢が13.6歳若返り、96%の方が改善された結果が得られ、介護予防に役立つとされております。  こうしたプログラムを自治体が取り入れることが介護予防につながる取り組みでありますが、このフレイルの状態の前の状況の40代、50代の若い世代から取り組みが有効であると考えますので、現役世代から介護予防に取り組めるような研究もしていただきたく思います。  最後に、首都圏拠点についてであります。  本市の首都圏拠点では、東京事務所の機能や役割が非常に重要であると考えます。そして、今年度開設予定のアンテナショップについては、その進捗が気になるところでありますが、東京事務所サイドでもバックアップをしていただきながら、全体として首都圏拠点をさらに強化、そして進化をさせていただくことを要望し、私からの質問を終わります。  ありがとうございました。 75 ◯副議長(望月俊明君) この際暫時休憩いたします。         午後2時31分休憩    ───────────────────         午後2時45分再開 76 ◯議長(田形清信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  大石直樹君。   〔14番大石直樹君登壇〕 77 ◯14番(大石直樹君) 通告に従いまして、質問をいたします。  1、消防行政について、2、消費者行政について、3、教育行政についての3項目をお聞きします。  消防行政では、予防体制についてお聞きします。  1949年、旧静岡消防団常備消防部を廃止し、静岡市消防本部及び静岡市消防署を開設し、来年で70周年、一方、旧清水市は1950年、市消防本部及び清水市消防署を開設し、再来年で70周年、ともに伝統ある消防本部が2003年、静清合併に伴い、1本部6署体制で新発足、さらに10年前、航空隊と特別高度救助隊、静岡スーパーレスキュー、通称SSRが発足、そして8年前、組織機構の改編に伴い、静岡市消防局に改称、その後、東日本大震災、伊豆大島土砂災害や御嶽山噴火災害等の県外派遣をこなし、2年前、県下広域消防体制の先駆として島田市、牧之原市、吉田町、川根本町と広域消防を構築し、9署1分署、23出張所を所管し、県中部の広大な地域の消防救急業務を行っていると認識しており、管轄外出動では、東名高速上り線は富士インターチェンジまで、下り線は焼津インターチェンジまで、新東名は上り線は新富士インターチェンジまで、下り線は藤枝岡部インターチェンジまで、相互乗り入れ協定で消防救急活動を行い、中部横断自動車道の開通後には、山梨県南部町の富沢インターチェンジまで対応区間に入り、さらに広域な活動になっていきます。  私も高速道路交通管理隊時代、管轄外事案対応に当たった経験では、現場に緊急走行で到着するまで不安いっぱいで、現着して初動処理から一段落するまでの緊張の連続だったことが思い出します。  本市の中で、災害応援協定以外で、常に特異な行動範囲を行政サービスしている局は、消防局以外ないとの共通認識を皆さんも御理解され、私の質問をお聞きください。  平成28年4月より、3市2町の火災予防体制において、広域化後の取り組み状況と課題についてお聞きします。  さらに、質問を続けますが、家電製品の老朽化が原因だけではない、不良品による火災等の調査、全国で起きた類似出火情報の発見で、以後の火災予防に大いに寄与した三菱重工業のエアコン室内機の製品リコール等、県下の消防本部よりハイレベルな火災調査体制が確立している静岡市消防局予防課のさらなるところで、今後どのように予防体制を強化していくのか、お聞きします。  そして、高速道路網や高規格道路の整備がされてきている現状を認識し、将来さらなる広域化がされた場合の組織体制はどのように考えているのか、お聞きします。  次に、消費者行政は、消費生活相談についてお聞きします。  特に、消費生活相談の状況について、消費者を主体とする政府のかじ取り役として、消費者庁が創設され、ことし9月で10年に入りますが、本市において生活安心安全課、消費生活センターが消費者被害の未然防止のための啓発、市民からの相談対応などに取り組んでいることは承知していますが、残念ながら消費者被害というのはまだ少なくなっていないのではないかと推測します。  そこで、本市の消費生活相談について、まずは相談件数の推移、年代別の相談件数、特に高齢者からの相談内容についてお聞きします。  次に、教育行政は、いじめについてお聞きします。  テレビや新聞で報道され、議員にも概要説明がありました葵区にある市立小学校で起きたいじめ重大事態、市教委の第三者機関という識者たちが動いていましたが、壁に即突き当たり、立ち往生し、被害児童の御両親は、いじめ防止対策推進法に基づき、市長部局の第三者機関に再調査を求めた今回の事案、被害児童も加害児童たちも互いに深い心の傷を負ったと確信します。  原因が不明で推測の域を出ませんが、報道によれば○○菌と呼ばれているいじめに、ほぼ全員が参加していたことや、たたかれたり、ズボンやパンツを脱がされたりするようないじめがあったと、被害児童は訴えています。そのことで、被害児童の精神状態は極限に達し、自宅から発見した親と祖母に宛てた最後の手紙で自殺もほのめかしていたという報道に、私は驚愕しました。まず、昨年秋には、からかいがきっかけとなり始まったバイキンあだ名を担任が発見できなかったことにより、いじめ問題が長期化してしまいました。この子にとって、地獄の数十日が続き、いじめ防止のための指導がなされなかったことは、とても残念であります。  さらに、粗暴児童の、他の被害児童がいるなら、そこから親への相談等もなく、いじめが日々エスカレートしてしまったと思います。あのターゲットの同級生に同情したり、助けたりすれば、今度は自分がやられるかもしれないとの自己防衛が各自に働き、助け出すこともできなかったかもしれません。小学生ではなおさら集団心理が働き、ノーリアクションか、自分には関係ないという無関心が働いたのか、崩壊寸前の学級というしかないと思います。  担任、学年主任等のチェック機能も働かない、安全である学校が自殺まで考えさせてしまったなど、この学校自体の現在の存在意義を疑います。  私は、親になる以前より、いじめに対してわかりやすいアドバイスを恩師よりいただきました。いじめは、いじめたほうが100%悪いと、加害児童全員にマンツーマンで年末に面接し、理解と猛省させ、粗暴児童は児童相談所が保護し、悪いことをしたらこうなるとの現象もクラスメートに重大事態と自覚させる最善の方法かと思いました。スピード感も事の重大性もなく、守りに徹した学校の姿勢に、両親や周りは不審感を抱き、事後対応の後手にあきれているというのは私だけでしょうか。  こんな簡単なことを市教委の第三者機関の識者たちは難しく捉え、長期化し、結局お手上げされ、子供の心理すら探れなかったのでは、設置自体が不要と思いました。  こうした子供たちをそのままにしないで、自分たちの心と向き合っていけるようにするのが学校や教育委員会の仕事ではないかと思います。  この時期に、心の中からいじめは悪いことなんだと、真から理解をさせることがいじめ撲滅の一歩と思います。いじめは静岡市だけではなく、全国的に大きな問題となっていますが、市教委としていじめをどのように捉えているのか、お聞きします。  担任、学年教員でおさめることであると思いますが、今後いじめを撲滅していくためには、どのような対策を行っていくのか、お聞きします。 78 ◯消防局長(村田吉伸君) 私からは、予防体制について3点の御質問にお答えいたします。  広域化後の取り組み状況と課題についてですが、まず取り組み状況については、3市2町に分かれていた本部機能を統合し、予防業務を一元化する体制としました。  また、広域化市町の3消防署に本部の統合によって生み出された人員を毎日勤務者として配置し、火災を未然に防ぐための建物への立入検査や消防法令違反の是正指導の頻度をふやすなど、予防業務の充実を図りました。  さらに、大規模化した組織の中での意思決定を迅速に行うため、予防課と査察課を統括管理する予防担当部長を配置し、体制の強化を行いました。  次に、課題についてですが、近年、住宅の防火性能の向上や自動車、電気製品の技術進化により、火災調査については、従来のような外から見るだけといった手法では、原因究明ができず、エックス線透過装置や電子顕微鏡などの最先端の資機材を使用した高度な火災調査技術を駆使できる職員の育成が求められております。  次に、今後どのようなところを強化していくのかについてですが、課題としております職員の育成として火災調査体制の強化が必要と考えております。  近年、消費者の安心、安全に対するニーズの高まりを受け、火災調査は製品リコールや安全な取り扱いなどの注意喚起につながる重要な職務として大きな役割を担っております。  本市においては、県下に先駆けて火災調査アドバイザー制度を導入しており、この火災調査アドバイザーは、火災調査の中心的な役割を担う専門的知識を習得した職員で、各消防署に配置しているところです。  今後は、火災調査アドバイザーよりさらに高度な知識と技術を持ち、アドバイザーを指導する役割の主任調査員制度の導入に向け、さらなる火災調査体制の強化を図ってまいります。  次に、将来さらなる広域化がされた場合の組織体制についてですが、現在行われている3市2町による広域化は、消防本部を統合し、規模を拡大したことで、人員配置の効率化や消防体制の基盤の強化などのスケールメリットがあり、予防体制についていえば、建物や危険物施設への立入検査や火災調査業務を専門的に行う職員を配置することができ、住民サービスの一層の向上が図られています。  このことから、将来さらなる広域化がされた場合は、現行の予防課、査察課からなる予防体制を基本として、予防業務の需要に応じた組織体制の強化を図る必要もあると考えております。 79 ◯市民局長(豊後知里君) 消費生活相談の状況についてですが、まず、消費生活相談の件数の推移については、平成16年度の9,063件をピークに減少に転じ、22年度には4,715件となりました。その後はほぼ横ばい状態でしたが、平成29年度ははがきやメールによる架空請求に関する相談が増加したことから、5,475件となっています。  次に、年代別の相談件数については、平成29年度は件数の多い順に、60歳代が1,268件、50歳代が969件、70歳代が890件で、65歳以上の高齢者の相談件数が全体の36.5%を占めています。  高齢者からの主な相談内容としては、先ほど申し上げましたはがきやメールによる架空請求に関する相談のほか、電話による光回線契約の勧誘トラブル、健康食品などの送りつけ商法のトラブル、屋根や床下などの住宅の点検商法のトラブルが挙げられます。 80 ◯教育長(池谷眞樹君) いじめについての2点の御質問にお答えいたします。  まず、いじめは、全国的に大きな問題となっているが、教育委員会はいじめをどのように捉えているのかとの御質問ですが、いじめは子供の基本的人権、そして教育を受ける権利を著しく侵害し、心身を深く傷つけるものである。どのような理由があろうとも、絶対に許されない行為です。いじめに苦しんでいる子供のことを考えると、心が痛いです。  教育委員会では、いじめについては、どの子供にも、どの学校においても起こり得るものという姿勢から一歩進め、全ての教職員がいじめは今起きている、全ての子供に関係する問題であるという強い認識を持ち、子供の言葉や言動などを敏感に捉え、いじめのサインを決して見逃さないように取り組んでいきます。  次に、今後いじめを撲滅していくために、どのような対策を行っていくのかとの御質問ですが、これまでの取り組みとして教育委員会では、自分もみんなも大切にする、心を育てるなどの未然防止とともに、校内のいじめ対策委員会において、いじめの早期発見ができるよう指導、助言を行ってまいりました。  また、校内だけでなく、いじめのサインを見逃さないようにするために、保護者と連携するとともに、子ども若者相談センターなどの学校以外の関係機関とも緊密な連携を進めてまいりました。  教育委員会としては、今まで取り組んできたいじめの対策は継続し、さらに今後の対応として道徳教育の充実と教職員の資質、能力の向上により、いじめをなくしていくように取り組んでまいります。
     道徳教育においては、いじめについて取り上げ、新学習指導要領が狙う考え、議論する授業を推進します。例えば小学校6年生の教科書の題材、みんなおかしいよでは、考えの異なる友達との会話から、私の言ったことって間違っているのかなと子供に考えさせることで、謙虚な心を持ち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重することができる子供を育てていきます。  教職員においては、いじめを見落とさないための資質、能力を向上させていくため、若手はもちろんのこと、ベテランの教職員に向けても研修を実施してまいります。  本市が目指すたくましくしなやかな子供たちとは、心が温かく、人の痛みがわかることができる子供です。  教育委員会といたしましては、子供たちが安心・安全に学校生活を送ることができるよういじめ対策に取り組んでいきます。   〔14番大石直樹君登壇〕 81 ◯14番(大石直樹君) 御答弁ありがとうございます。意見・要望は3回目で行いますので、質問を続けます。  次に、消防の救急電話相談室設置についてお聞きしますが、救急車の適正利用や有料化の議論がある中、静岡市消防局に平成29年の救急出動件数を聞きました。市内だけですが、3万3,759件の要請で、病院にて処置された日帰り患者は51%と、半数が安易に要請されていると推測します。要するに、本人も周囲の人も応急手当の知識が乏しく、発熱や突き指、切り傷、軽微な交通事故などで慌てふためき、119番を押す傾向がますます増加、屈強で常に訓練されている救急隊員でも、毎回の緊急走行で現場に到着し、対応したら軽症で、タクシーがわりや救急病院が不明のためで呼んだなどと言われれば、任務に士気の低下はもちろん、疲労感すら感じるでしょう。  結果的に本当に必要な現場への救急車到着時間が年々延び、15年ほど前は平均6分だったのが、先日受講した応急手当普及員講習では、9分だということでお聞きしました。危惧することです。  さて、都市部で行われている医師や看護師が直接容態を聞いて体調の重篤度を判断してくれる救急電話相談室を本市として必要性を考えているのか、お聞きします。  さらに、私は、先進視察を通し、静岡市消防局通信指令室か急病センターに設置すれば、救急要請も含め連携がとれると思いますが、今後の導入計画など、どのように考えているのか、お聞きします。  次に、清水港の外国客船やコンテナ貨物船など、富士山静岡空港からの外国人観光客や消防広域化に伴い、外国人からの消防救急要請対応についてお聞きします。  客船や航空機から入国されたり、バスツアーで国内縦断など、市内も含めけがや病気になられた外国人が増加との報道もあり、本市の119番通報対応が気になりました。他市では、15カ国語対応体制を始めた消防本部もあり、訪日外国人観光客のさらなる誘致を目指す本市としての対応状況をお聞きします。  そして、国際化及び交流人口に対応すべく、今後の取り組みはどのように考えているのかお聞きします。  次に、三世代の我が家の実体験も含め質問を続けます。  市民局長より、65歳以上の高齢者からの相談が全体の36.5%を占めているとお聞きしましたが、核家族化が進み、市内の高齢者のみの世帯が増加していると認識しています。また、子世代と同居の暮らしでも、昼間は高齢者のみとなってしまう世帯が多いのではないかと思います。  我が家も定年退職後の人のいい父と話好きな専業主婦の母が1階に住み、会社員の長男と学生の次男、パート勤めの妻と姉、変則勤務の私という時期が20年以上続きましたが、頻繁に訪問した業者の自宅修理の営業の口車に乗ってしまった両親の後始末を私がし、事なきを得た事案が多々ありました。下水管の高圧洗浄や表札作成、屋根瓦の補修、外壁、シロアリ点検、電話会社の乗りかえ等々、全てが悪徳業者ではないと思いますが、現代社会の世知辛さも相まって巧妙な営業トークで商談してきました。  さらに、電話勧誘が多々あり、業者からお得ですよとか、必ずもうかりますからなどと言葉巧みに勧誘されて、契約してしまった例など、相談もたくさん受けました。  また、いまだに息子や孫を名乗る振り込め詐欺や公的機関を名乗り屋外におびき出す詐欺の被害も続いておりますが、昨年の市内3警察署では81件の振り込め詐欺を認知しており、被害総額は2億1,000万円にも上ると聞いております。  私は、高齢者の消費者被害の未然防止のためには、業者と高齢者が電話で話す機会を断ち切ることが大切だと思います。高齢者は1人でいるときに、家族から電話には出ないようにと念押しされていても、電話が鳴るとつい出てしまうという声をよく聞きます。私はそんなおたくにはぜひ電話に通話記録装置というものをつけてもらいたいと思います。その機器をつけると、電話をかけてきた相手に、この電話は迷惑電話防止のために録音させていただきます。また、お名前確認モードになっていますといった警告メッセージが流れます。我が家の安価な電話機もその機能がついており、活用しておりますが、悪徳らしき業者の電話はそれで全て切れます。大変防犯性が高く、何げなく購入しましたが、まだまだ一般市民に知られていないと思いますので、ぜひ本市として通話記録装置の普及を図り、特に高齢者を被害から守っていただきたいと思いますので、生活安心安全課、消費生活センターなどが取り組んでいる状況やその効果や今後の事業展開をお聞きします。  さて、いじめについてもう少しお聞きします。  担任や学年で対応、対処できない事案がこれからも起きると危惧するとしたら、そんな学校に安心して預けられないのが御父兄の心境でしょう。  私は、今回いじめ撲滅を挙げましたが、漫然と聞こえるほど、市教委は対策に悩まれているとしたら、個別にお聞きしますが、学校としていじめの未然防止にどう取り組んでいくのか。そして学校は早期発見するためにどのように取り組むのか。さらに、学校はいじめを覚知したときは、どのように対処していくのか、お聞きします。  以上が2回目の質問です。 82 ◯消防局長(村田吉伸君) 私からは、救急電話相談室について2点、次に119番通報の外国人対応について2点の御質問にお答えをいたします。  まず、救急電話相談室の必要性についてですが、救急電話相談室とは、急なけがや病気になったとき、その症状からすぐに救急車を呼ぶべきか、自分で病院に行けばよいのかといった判断に迷うときや病院に行こうと思っても、何科に受診すればよいのかわからないといった場合などに、医師、看護師を初めとした専門家と夜間や休日にも電話で相談できる制度であり、市民の皆さんに大きな安心を与えることができます。  また、本市においても、依然として増加傾向にある救急出動のうち、半数近くが軽症者であるという現状から、救急車の適正利用を推し進めております。  救急電話相談によって、救急車を使用せず、みずから病院を受診するといった対応により、軽症者の救急要請が抑制され、本当に救急車を必要とする人への適正利用にも効果があると考えられることなどから、救急の電話相談制度の必要性は高いと考えております。  次に、本市における救急電話相談室の導入計画についてですが、全国的に見ますと、救急電話相談室や救急安心センターなどを実施している自治体が現在15カ所あり、このうち都道府県単位で実施しているのが10カ所、市単位で実施しているのが5カ所であり、都道府県単位での運用が多い状況となっております。  総務省消防庁においても、救急安心センター事業として、同様の事業を推進しており、実施規模については、スケールメリット及び医師、看護師などの相談員の確保の観点から都道府県単位での運用が望ましいとされております。  また、同庁によれば、相談窓口の設置や運営については、消防機関のみならず、地域の医療機関との連携や民間事業者への委託など、地域の実情に応じた適切な体制の整備をすることとされております。  本市としては、投資の効率化や県内どこでも同一のサービスが受けられる利用者の利便性から、県内を1つのエリアとした救急安心センター事業の実施が望ましいと考えておりますが、実施に当たっては窓口の設置場所、運営方法、経費など、さまざまな課題もあり、静岡県と県内各消防本部及び保健、医療、福祉など多岐にわたる関係機関と引き続き協議をしてまいります。  次に、本市における119番通報の外国人対応状況についてですが、本市では119番通報時や災害現場において、隊員が外国人と会話するため、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語の5カ国語に対応した電話通訳業務を委託し、本年度より運用を開始しております。  火災や救急などの不測の事態で行われる電話通訳業務や応急手当や避難などについて、迅速かつ的確に外国人に伝える必要から、例えば急病の場合には意識、呼吸、脈拍の確認や心肺蘇生などの医療に関する専門用語の通訳が求められます。  そのため、委託内容については、医療通訳の実績やオペレーターが心肺蘇生法に関する知識を有していることなどを優先事項として、5カ国語から15カ国語に対応する複数の電話通訳業者に確認し、さらに本市における国籍別人口数や外国人救急搬送者数及び政令指定都市の状況等を考慮し、決定をいたしました。  なお、平成30年5月末現在、電話通訳業務を導入している政令指定都市の対応言語数は、同様の5カ国語が14市、6カ国語が1市、7カ国語が2市、15カ国語が1市となっております。  次に、119番通報の外国人対応について、今後の取り組みはどのように考えているかについてですが、本市において導入した電話通訳業務は、本年4月1日から運用を開始したばかりで、使用実績が少ないため、今後実績や課題などを精査し、対応言語の追加が必要となった場合には、柔軟に対応してまいります。  また、立入検査における外国人との会話や届け出書類の提出に訪れた外国人との会話など、電話通訳業務を災害対応以外の業務にも広く活用していきたいと考えております。 83 ◯市民局長(豊後知里君) 通話録音装置等普及促進事業の取り組み状況についてですが、機器の普及により、高齢者の消費者被害を未然に防止することを目的として、平成28年度から機器を購入した65歳以上の人に1万円を上限額として、購入費の全額を補助する事業に取り組んでいます。この補助制度を高齢者に広く周知するため、高齢者と身近に接する機会が多い民生委員や地域包括支援センター、警察との連携を図るとともに、市内の家電量販店、電気商業組合の協力を取りつけております。  次に、事業効果ですが、平成29年度の補助金交付者103名に実施したアンケートでは、機器の設置により74%の人が業者からの勧誘電話の回数が減ったと回答し、全員が安心できたと回答していることから、改めて機器の効果が実証されたと考えております。  今後の事業展開ですが、通話録音装置を設置したことによる効果を悪質商法の被害防止のための啓発活動を行っているハナミン劇団の公演などを通して、広く情報発信し、機器の普及を図りたいと考えています。  また、機器の取り扱いにふなれな高齢者のために、電気商業組合などに対し、販売する際には操作方法を丁寧に説明していただくようお願いするとともに、警察などの関係機関と連携し、特に悪質業者に狙われやすい高齢者に向けた機器の設置が進むよう取り組んでまいります。 84 ◯教育統括監(望月敬剛君) いじめ撲滅について3点の御質問にお答えをいたします。  まず、いじめを未然防止するために学校はどう取り組んでいくのかについてでございますが、学校はいじめの未然防止に向けて3つの取り組みをしています。  1つ目は、自分もみんなも大切にする心の育成です。学校は、人権尊重の精神に立ち、子供が安心して過ごせる学校、学級づくりを目指し、一人一人を大切にし、子供が互いのよさを認め合う環境をつくるように取り組んでいます。  2つ目は、道徳教育、人権教育及び体験活動などの充実です。例えばこれまで静岡版道徳として、教室内に道徳コーナーを設けたり、互いを思いやる授業を実施したりするなどして、人権意識を育むよう努めてまいりました。  3つ目は、教職員の資質向上に向けた校内研修の実施です。教職員がいじめのサインを見逃さないようにするスキルを身につける研修を校内で行ってまいりました。  今後は、これらの取り組みから一歩進んだ取り組みとして、道徳教育においては、考え、議論する場面を設定し、謙虚な心を持ち、広い心で、自分と異なる意見や立場を尊重することを子供に教えていきます。  また、校内研修のみならず、教育委員会主催によるベテラン教職員向けの研修を来月に実施するなどして、資質能力の向上に努めてまいります。  次に、いじめを早期発見するために、学校はどのように取り組むのかについてですが、学校は子供の実態把握の強化と相談体制の整備に取り組んでいます。  子供の実態把握については、まず、教職員が子供との間に相談しやすい人間関係を構築し、子供の発言や学校生活の観察などを通じて、いじめのサインを捉えていきます。これを踏まえて、心配な子供や保護者との面談や家庭訪問などを実施しています。また、全ての子供を対象に悩みごとに関する調査を年3回実施しています。  次に、相談体制の整備については、担任のみならず、その他の教職員も含め悩みを抱えた子供や保護者に対して、いつでも相談に応じられるようにしています。  相談が苦手な子供に対しては、電話やメールでの相談先や各学校が校内に相談ボックスなどを設けています。  今後ともこれらの取り組みをさらに徹底していきたいと考えています。  さらに、近年ふえつつあるSNSによるいじめについては、これらの取り組みだけでは把握が難しい場合もあるため、関係機関と連携して情報収集を行い、早期発見に努めてまいります。  最後に、いじめを覚知したときに、学校はどのように対処していくのかについてですが、学校はいじめの解決と再発防止のために組織的に全容を解明するとともに子供の心のケアを行います。  まず、全容解明については、教職員はいじめを覚知したら速やかに校長、生徒指導担当、スクールカウンセラーなどで組織された校内のいじめ対策委員会へ報告します。その後、いじめ対策委員会が中心となって体制を組み、いじめを受けた子供の聞き取りを丁寧に行ったり、いじめを行った子供や周囲で見ていた子供の聞き取りも行ったりし、いじめの全体像を正確に把握します。  次に、心のケアですが、担任、養護教諭、相談員などがいじめを受けた子供に寄り添い、いじめのつらさを理解するとともに、訴えに対して共感的に受けとめていきます。  また、スクールカウンセラーなどを活用し、いじめを受けた子供はもちろんのこと、いじめを行った子供にも心のケアを行い、不安感を緩和させます。  さらに、いじめを行った子供や周囲で見ていた子供に対しては、相手の立場や気持ちになって反省を促し、他人の痛みが理解できるように、粘り強く指導をします。  保護者には、いじめの全容を伝え、保護者と協力して解決に向けて取り組んでまいります。   〔14番大石直樹君登壇〕 85 ◯14番(大石直樹君) 御答弁ありがとうございます。  3回目は意見・要望です。  まず、消防局は、県下で群を抜くハイレベルな火災予防や鑑識技術を持つ部署を確立して、火災という災害から市民を守る啓発活動も含め将来を見据え、組織見直しを行い、予防部設置を提案いたします。予防部です。  3市2町でも90万人を超える住民を守る静岡市消防局、大規模災害や特殊火災等が発生すれば、5市2町なら100万人超え、もちろん富士川や山梨県境もまたぎ、救助活動に対応されるんです。それも瞬時の判断で出動していく特殊性から、体制づくりは急がれると思います。  次に、119番の多言語化は、ことしの状況を精査することも必要かと思いますが、国際交流が進んできている喜ばしい現状に、消防局として言葉の安心を担保していただきたい。できたら、隣接の焼津市、藤枝市の志太消防本部のように、不測の事態に対応できるよう15カ国語言語対応を前向きに考えていただきたい。市内の大学や飲食店もハイスピードで国際化が進んでいますので、外国人に優しく安全・安心な本市にしていってもらいたいと思います。  次に、消費者行政については、もっと周知とわかりやすいチラシづくりに努めていただき、ぜひ機器の普及を図り、高齢者の消費者被害を未然に防いでいってください。  さらに、若者の消費者被害も大変気になります。先日、成年年齢を18歳に引き下げる改正民法が成立しました。今後まだまだ社会経験が不足している10代の若者の消費者被害の増加が懸念されるので、高齢者とともに、若者に対する消費者被害防止の取り組みの充実をあわせてお願いします。  消費生活センターから配布された資料によると、28年度消費生活センターに相談したことにより救済された金額が1億8,000万円に上っています。消費者行政の果たす役割は大変大きいものがあると考えています。  今後とも消費者行政を充実していただき、市民の安全と安心の消費生活を守っていただきますよう要望いたします。  最後に、市教委についてですが、教員のバックアップはもちろんですが、教員たちを守り過ぎて、情報開示が極端に少ないと感じます。いじめの事案に限らず、PTA会費の不正使用の発覚時の対応などの後手を感じます。  危機管理能力アップを学校及び市教委挙げて取り組んでいただきたい。学校は児童生徒の安全施設との原点に立ち返り、あらゆる手段を講じていじめ撲滅に挑んでいただきたい。  それには、人としての生きる道や人生は勝ち組、負け組だけではないなど、戦前戦中の道徳教育とは次元が違う。今こそ教員や父兄が学校や家庭で正しい道徳を教えていく時代になったと思います。  詰め込み学習の時代から、それこそ差異のない時代をつくっていく未来の子供たちに静岡市教育委員会が全力を上げ、いじめ撲滅に強い姿勢と決意で挑んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 86 ◯議長(田形清信君) 次に、島 直也君。   〔8番島 直也君登壇〕 87 ◯8番(島 直也君) 皆さん、こんにちは。  自由民主党静岡市議団の島 直也でございます。本日、最後の質問者となります。私で8人目の登壇ですので、皆様お疲れの時間とは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして、市民と共に創るまち、シティプロモーションについて、防災についての3点を順次質問させていただきます。  まず初めに、市民と共に創るまちについてであります。  5月12日から7月17日までの期間、葵区、駿河区を対象に全11会場で、しずおかまちづくりセッションが開催されています。  第3次静岡市総合計画の後期の取り組みについて、市の掲げる5大構想から歴史文化と健康長寿を軸としたまちづくり、SDGsの推進等について、田辺市長が市民と一緒に考えていこうという趣旨のもと、実施されています。  田辺市長は、常々、鳥の眼虫の眼と発言をされているのは、皆様御承知のとおりです。広く市民の声を聞き、地域の課題を把握し、市の施策に盛り込み、市民満足度を高めていくためにも、しずおかまちづくりセッションは大変重要な機会であると、私自身は思っております。きょうまでに8会場で実施され、3会場の開催を残すのみとなりました。  昨年2月から3月にかけて実施された清水まちなかミーティングから1年余りが経過し、本年度は葵区、駿河区の市民の声を聞いていただけるということで、市民も大変喜んでいることと思います。  まだ、開催途中ではありますが、このしずおかまちづくりセッションについて、静岡市の取り組みを説明された結果、市民の感触はどうであったのか、また、静岡市に対して市民はどのような期待を持っているのか、実際に市民の声を聞いた率直な感想をお聞きしたいと思います。  そこで、しずおかまちづくりセッションについてお伺いします。  まちづくりセッションを開催し、市長、行政はどのような手応えを感じているか。また、まちづくりセッションでの声を今後どのように活用していくのか、以上2点についてお聞かせください。  私自身も5月20日に、長田生涯学習センターで行われたしずおかまちづくりセッションに参加をさせていただきました。田形議長を初め長田地区の市議の皆さんも出席をされ、準備された椅子が足りなくなるほど、会場いっぱいに地域の方々が参加され、まちづくりに対して大変関心が高いと感じました。  1点、残念だなと感じたのは、若者の参加者が少なかったことであります。静岡市は若年層の流出が叫ばれる中、このしずおかまちづくりセッションは、多くの若者たちに静岡市の取り組みを知っていただき、若者が静岡市に魅力を感じていただく大変よい機会であります。多くの世代に静岡市のまちづくりに関心を持っていただき、積極的に質問や意見をいただけるような環境をつくっていただくことが、若年層の流出に歯どめをかけるきっかけになると思っています。そのためにも、学生を初めとした10代、20代の若者や子育て世代、社会人など、多くの市民に参加を促し、市の取り組みを知ってもらえるように、今後は広報力の強化も図っていただきたいと思います。  もちろん、私たち議員も積極的に情報発信し、若者にもまちづくりや政治に関心を持っていただけるよう努力をしていかなければならないと感じております。  さて、長田地区でのしずおかまちづくりセッションでは、参加者からは地域の課題やまちづくり、施設利用、教育など、多岐にわたる質問や御意見が出ておりました。その中で、今回ぜひ取り上げたいのは、まちづくりセッションの会場で、長田東自治会連合会の寺尾会長が質問されました長田支所の安倍川駅前への移転、市民サービスの拡充、利便性の向上についてであります。  2018年3月31日時点の静岡市住民基本台帳によれば、長田地区の人口は6万4,061人、世帯数は2万7,642世帯となっており、これは静岡市全体の人口の9.1%、世帯数では8.8%、静岡市の11人に1人が長田地区で生活をされている。10年前の2008年の長田地区の人口6万5,631人、世帯数2万5,208世帯と比較すると、人口こそ1,570人が減少しているものの、世帯数は2,434世帯が増加しています。  核家族化の進行や新築住宅の増加によるものと思われますが、静岡市全体では人口減少が進む中、世帯数が増加しているということは、長田地区が住みたいまちに選ばれていると言えるのではないでしょうか。  長田地区は海や川、山と自然環境にも恵まれ、JR東海道線の用宗駅、安倍川駅と交通インフラも整備され、中心市街地まで電車で7分と利便性にもすぐれており、コンパクトシティとしての期待が持てる地域であります。  しかし、長田地区は、静岡市が進める5大構想の大型プロジェクトの対象地域には含まれておりません。子育て世代や高齢者にも優しい、住みたいまち、子育てしやすいまち、移住、定住による人口増加が見込める地域として、ポテンシャルのあるエリアだと私は考えております。  現在、長田地区の住民を支える市民サービスの拠点としては、長田図書館、長田児童館との複合施設、オーク長田の1階に長田支所が設置されています。区役所とは違い、支所のサービスは戸籍関係の受け付けや証明書の交付、印鑑登録など、一部の窓口業務に限られております。今では、住民票などの証明書の発行であれば、マイナンバーカードをお持ちの方は、証明書コンビニ交付サービスによって、最寄りのコンビニで受けることもできます。数年に一度利用するだけのサービスだけでなく、高額医療費の申請や保険、年金、子育て支援等に関するサービスなど、その地域に住む市民のニーズを把握し、人口動態を加味して、サービスの拡充を図っていくことも必要なのではないでしょうか。  現状、長田支所で取り扱いができないサービスについては、駿河区役所まで足を運ばなければなりません。しかし、長田地区からは、直接アクセスできるバス路線もないのが現状です。  また、長田支所は、安倍川駅からも距離があり、バス路線からも離れているため、車の運転をされない高齢者や子供を抱えた子育て中のお母さんたちにとっては、アクセスしにくいと感じている方も少なくありません。
     一方で、蒲原支所はその成り立ちから、福祉事務所の出張所が併設されており、市民サービスも充実しております。職員数を見ると、蒲原支所には正規、非正規、臨時職員を合わせて36名が配置されており、2万人の住民に対してサービスが提供されております。  しかし、長田支所は6万4,000人の住民に対して正規、非正規、臨時職員と合わせて12名の配置となっております。この状況は、長田支所だけに限ったことではありませんが、地域間で市民サービスにアンバランスが生じているのではないでしょうか。  特に、長田地区は、安倍川によって中心市街地から分断されている地域でもあります。長田5学区の自治会連合会の役員の皆様、そして長田地区の5人の議員が集まっての意見交換会、またまちづくりセッションの中でも、安倍川駅前への無料駐車場にワンストップで行える市民サービス窓口、また、防災拠点になるような施設の設置をしてほしいという要望も出ております。  静岡市が進めるテレワークを行政の業務にも導入し、長田支所の職員の再配置を含めぜひ長田地区6万4,000人の市民のために、市民サービスの拡充に力を入れていただきたいと思っております。  そこで、長田支所の市民サービス拡充についてお伺いします。  長田地区のポテンシャルについて、どのように考えているのか。きょうは大変多くの長田の皆様が傍聴に見えておりますので、ぜひ市長の御答弁をお願いいたします。  また、長田支所の市民サービスの拡充を検討していくべきではないかの2点をお聞きし、1回目の質問を終わります。 88 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市民と共に創るまちのうち、ただいま御質問をいただきました長田地区のポテンシャルについてどのように考えているのかとの御質問にお答えをします。  島議員御指摘のとおり、長田地区は目下、人口約6万4,000人を擁している活力のある地区であります。静岡県内の35の市町、自治体の人口規模と比較しますと、この数というのは中位以上、第14位の伊東市と第15位の湖西市の間に位置する規模となります。  また、長田地区は、多彩な自然環境に恵まれている日本の中の日本であります。安倍川西側に位置し、南は駿河湾を望む石部、用宗の沿岸部から山間の宇津ノ谷までとても変化に富んだ自然環境を有しております。よく静岡市は、日本の国土縮図型都市と言われますが、まさに長田地区は本市の縮図のような多様な顔を持つ地区とも言えます。  その長田地区、私は3つのポテンシャルがあると考えております。  1つ目は、まちが醸し出す日本ならではの雰囲気とも言うものであります。  まず、南の石部や用宗などの沿岸部は、古くからの沿岸漁業で栄え、用宗漁港を中心に発展してきました。JR静岡駅の玄関口からわずか2駅という近さにありながらも、用宗駅におり立ち、路地裏に一歩足を踏み入れると、とても非日常のくつろいだ空間に包まれる、懐かしさに包まれる、昔ながらの古民家も点在するロケーション、そしてそこに住む住民の皆さんの温かな人柄、島議員のような。さらには、シラスを初めとするさまざまな魚、いわゆる「しずまえ」鮮魚など、歩いてよし、食べてよしの港町の魅力にあふれております。この雰囲気のポテンシャルに着目して、観光分野において、地元の民間企業の投資が目下、進んでいるところであります。  2つ目は、旧東海道が紡ぐ歴史の風情のポテンシャルです。北の丸子宇津ノ谷には、旧東海道の趣を残す丸子宿、あるいは伝統的な工法で建てられ、石畳が続いている宇津ノ谷のまち並み、家並み、そしてレトロさで独自の空気を持っている明治のトンネルなど、歴史文化のまちづくりを進めていく静岡市全体の中でも強力なコンテンツを有しております。静岡市の東と西をつなぐ歴史街道、これは蒲原、由比からこの丸子、宇津ノ谷と続くわけでありますが、この市の東西をつなぐ東海道歴史街道の大きな西側の拠点として、魅力のあるポテンシャルであると私は考えております。  そこで、来年1月、静岡市で開催される全国街道交流会議、これに十分にアピールをしていきたいと、目下のところ、観光交流文化局を中心に準備を進めているところであります。  3つ目は、これらの豊かな地域資源を支える長田地区に住む市民の皆さんの存在であります。本日も先ほど議員も御指摘のとおり、まちづくりに関心のあるたくさんの地区の住民の皆さんが傍聴にいらっしゃっていただいたことは、議員にとってもとてもうれしいことですし、私どもにとっても大変心強いことであります。  地域のことは、自分たちの力でという住民の皆さんの長田を愛する心、熱意や行動力、いわゆるシチズンシップが旺盛な地域であります。それぞれの単位自治会、自治会連合会はもちろんのこと、特定の目的を持って地元の住民の皆さんより構成される例えばNPO法人、丸子まちづくり協議会や用宗活性化協議会、宇津ノ谷まちづくり協議会といったさまざまな自主的な住民組織により、この地区を飾る丸子宿場まつりやもちむね向井水軍まつりの開催を積み重ねておりますが、ことし3月にはJR安倍川駅の広場完成を記念して初めて開かれた安倍川駅フェスタの大変なにぎわいを私は大変心強く感じました。  このような地区の発展に大きく力になる住民パワー、長田を愛するシチズンシップがあると、これもポテンシャルの1つであります。  失礼をいたしました。全国街道交流会議の開催は来年1月ではなく、2月でありました。  このようなただいま申し上げました3つのポテンシャル、長田地区の東西南北でそれぞれ息づいている地域資源、そしてその地域資源を支えている人々を私たち行政は官民連携をして、そしてこれを実際の地域の経済の活性化につなげていく、それが目下の最大の課題であります。  若い市民の方々に対して、もっとまちづくりに関心を寄せてもらう、巻き込んでいく、そういうためにも島議員の今後の旺盛な行動力に大いに期待しているところでございます。  以下は局長に答弁させます。 89 ◯総務局長(大長義之君) 私からは、市民と共に創るまちに関する3つの質問にお答えをいたします。  最初に長田支所の市民サービスの拡充についてでございますが、長田支所は、駿河区役所の窓口業務の一部を補完する役割を担っておりますが、マイナンバー制度の進展に伴う証明書のコンビニ交付サービスの普及や手続の簡素化が進んでいることなど、区役所の市民サービスを取り巻く環境が変わりつつある中、支所に求められる役割や機能は、今後変化していくと考えられます。  そこで、長田支所の市民サービスにつきましては、このような社会環境の変化を見きわめながらも、湖西市や伊東市とも並ぶ約6万4,000人の人口規模を持つ地域の支所のあり方につきまして、市民ニーズや利用状況等を把握した上で、費用対効果等も踏まえつつ検討を行ってまいります。  次に、まちづくりセッションを開催しての手応えとセッションでの声を今後どのように活用していくかについての2つの質問に一括してお答えいたします。  5月12日を皮切りに始まったセッションも、全11回のうちあと3回を残すのみとなっています。満席になる会場もあるなど、多くの方に御参加いただき、本市のまちづくりについて、市民の皆さんの関心の高さを感じております。  今回のセッションは、静岡の歴史を振り返り、未来のまちを展望するをテーマに3部構成としております。  第1部は、映像により、本市の歩みを振り返り、第2部では、5大構想やSDGsを通して、未来のまちづくりについて市長みずからが説明しております。そして、第3部では、参加者の皆さんとさまざまな視点で意見交換を行っております。  第1部では、映像を見終わった後に、参加者の皆さんから拍手が起こり、懐かしい思いとともに、時代を築き上げてきた先人たちの功績に思いをはせながら、映像をごらんいただけたものと感じております。  また、第2部では、まだ余りなじみのないSDGsの取り組みなどについても、広報紙特集号やスライドを使い、市長がわかりやすく説明をしております。参加者アンケートの結果では、全ての会場で約8割の方が市長の説明が理解できたと回答され、一定の成果が出ているものと認識しております。  セッションのメーンである第3部では、男女を問わず、学生から御高齢の方まで、幅広い層の皆さんから多くの御意見をいただいております。お住まいの地域の課題だけにとどまらず、市全体にかかわる御意見もあり、自分たちが一緒になってまちをつくり上げていきたいという参加者の皆さんの生の声を伺うことができ、心強く思っております。  セッションでの声の活用についてですが、これからの本市のまちづくりに関する御意見につきましては、3次総後期実施計画や各分野の個別計画策定の参考とさせていただくことで、市民の皆さんのクオリティー・オブ・ライフの向上へつなげてまいります。  また、日常生活に密着した御意見につきましては、セッション終了後に担当者が直接お話をお伺いし、例えば点字ブロックに関する御意見に対しては、速やかに担当者が現場に出向くなど、誠意を持って対応しております。   〔8番島 直也君登壇〕 90 ◯8番(島 直也君) 御答弁をいただきました。意見・要望は3回目にさせていただきます。  続きまして、シティプロモーションについてであります。  現在、静岡市は、市の魅力を広く皆さんに知っていただき、静岡市を訪れたい、静岡市に住みたい、静岡市に住み続けたいと思っていただけるよう、シティプロモーションに取り組んでおります。  交流人口の増加や移住、定住の促進のためには、まず静岡市を知ってもらうことが大前提であることは言うまでもありません。市の知名度アップ、イメージアップを図るとともに、市のブランド化を推進し、市の魅力を市外、特に首都圏を対象にPRしていくためにも、シティプロモーションは大変重要な取り組みであります。  一言でシティプロモーションといっても、手法はさまざま考えられます。今まで静岡市といえば、富士山や三保松原、お茶やワサビといったイメージが先行してきたように思います。  こうした中、市では、新たな発信力のあるコンテンツとして、サクラエビを強く打ち出し、全国放送のメディアにも売り込みに行って、発信力を高め、その効果も上がっているものと受けとめています。  静岡には、まだまだほかにもすぐれたコンテンツがありますので、次々に打ち出していただければと願うところですが、先日、県外の友人が静岡に来たときに、ふと気づいたことがありました。  私は、彼を日本平、久能山東照宮、三保松原、河岸の市などに案内したのですが、感想を聞いてみると、最もよかったのは日本平動物園だったとのことでした。  単純な話かもしれませんが、名所は動きがありません。グルメはせいぜい1品か2品しか食べられません。しかし、動物園の動物たちは、人間の予想もしない動き方をし、子供にも大人にもかわいらしくおもしろいものです。インバウンドの外国人の皆さんにも、言葉で説明をしなくても、受け入れられる魅力があります。これが何を意味するかといえば、テレビ放映のみならず、動画系のSNSの発信に非常に適したコンテンツであるということです。  先日24日、残念なことに日本平動物園では、キリンのリオが息を引き取ったとの報道がありました。この悲しい出来事に、園内には献花台が設けられ、多くの動物園ファンが別れを惜しみに来園したとのことでありました。これは、悲しい出来事ではありましたが、それだけ日本平動物園には、市民のファンが多いとの証明でもあります。つまり、裏を返せば、もしも明るく楽しい話題があれば、多くの市民がみずからSNSで発信してくれるということでもあります。市民全員がシティプロモーションをしていく、そうした取り組みが可能になるのではないでしょうか。日本平動物園は、その舞台としてふさわしいと思います。  その中でも、私が特にコンテンツになると考えているのは、レッサーパンダであります。御存じの方もいらっしゃると思いますが、日本平動物園は、国内のレッサーパンダの血統登録管理と繁殖計画を担っており、立つレッサーパンダで一世を風靡した風太くんも日本平で生まれたレッサーパンダであります。全国放送の生き物番組やクイズ番組、ドキュメンタリー番組への売り込みも可能でしょうし、SNSの素材としても魅力は十分です。  ただ、普通に飼育、展示するだけでは、コンテンツにはなり得ません。それこそ目的と戦略が重要になってきます。そうした目的づくりや広報戦略をマーケティングというのだろうと思っております。  来年、2019年は日本平動物園開園50周年の節目の年でもあります。市は広報課、観光交流文化局を初め全庁的な連携を持って日本平動物園の動物をコンテンツ化していくべきだと考えます。特にレッサーパンダは、静岡市の新たな観光資源として、首都圏に向けて情報発信をしていただきたいと思っております。  そこで、首都圏への情報発信について、これまでの取り組みと今後の展開はどのように考えているかをお伺いいたします。  続いて、私はこれからの自治体はマーケティングの手法を積極的に取り入れ、市民のみならず、消費者や企業等の現状やニーズを把握し、対象を明確にした上で、施策を立案、実施していくことが必要だと考えております。かつてのように、勘や経験、思い込みに頼った運営ではなく、仮説や検証、調査データをもとにした経営を行っていかなければ、少子高齢化や人口減少など、静岡市が抱える課題を解決し、他の自治体と競い合っていくことはできません。  また、「世界に輝く静岡」の実現や交流人口の増加もマーケティングの手法を取り入れ、行政が一丸となって取り組んでいく必要があると考えます。  全国の自治体を見ると、千葉県流山市のように、マーケティングの部署を設け、先進的な取り組みで成功している自治体は数多くあります。今こそマーケティングの手法を取り入れ、消費者のニーズ、調査データに裏づけされた施策によって、現状を打破していくことが求められているのではないでしょうか。  そこで、新商品の開発について、マーケティング手法を活用した現状の取り組みはどのようなものかをお聞きします。  続きまして、防災についてであります。  6月18日に発災した大阪北部地震で被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。  今回の地震では、高槻市立小のブロック塀が倒壊し、通学途中の女児がお亡くなりになるなど、都市型災害の危険性があらわになりました。静岡市内にも同様な危険箇所がないか、早急に調査を行っていただきたいと思います。  大阪北部地震の発生から、10日余りが経過し、南海トラフ巨大地震など、将来の災害に向けた新たな課題も浮かび上がってきました。  政府の地震調査委員会が26日に公表した全国地震動予測地図2018年版では、首都圏や南海トラフ巨大地震が懸念される西日本の太平洋岸など、多くの地点で強い地震に見舞われる危険が前年より高くなったと報道されました。いつ起こるともわからない自然災害だからこそ、危機管理を常に考えることが重要であります。  現在、静岡市が進めている防災対策において、地震津波対策については、今年度で津波避難タワーの整備が完了すると聞いております。しかし、ハード整備の完了イコール防災対策の完了ではありません。ハード整備が一段落する今だからこそ、これからは防災、減災教育などのソフト整備により一層力を入れ、防災に対する備えをしていくことが重要であります。  昨年9月の定例会でも、防災について質問をさせていただきましたが、大地震、豪雨災害、土砂災害など、地域によりさまざまな被害が想定されます。火災や建物、ブロック塀などの倒壊、浸水、土砂崩れなどによって、避難が困難な状況になる可能性は十分に考えられます。  前回の繰り返しになりますが、さまざまな危険性を認識し、住民がどのような避難行動を行うべきか、市が支援をしながら、地域住民と一緒に地区避難計画を作成し、定期的に更新を図っていくことが必要であります。  昨年9月、中島小学校、中島中学校は、静岡型小中一貫教育のスポット校として、文部科学省委託事業のモデル校として防災教育が実施されました。市危機管理総室の指導のもと、まち歩きを実施し、子供の視点から収集した防災に関する情報を地域のマップに落とし込み、オリジナルの防災マップを作成、この防災マップを地元で活用してもらおうと中島地区全戸に配布がされました。学校以外で大地震が発生したときの避難行動について考えるDIG学習と防災マップの作成という、大変意義のある防災教育の事例であります。  今後、災害時に率先して行動できる地域の防災リーダーを育成するような考えは、現在、静岡市にはあるのでしょうか。ハード整備が完了したことで、手を休めるのではなく、いざというときに市民の命を守るためには、今後の取り組みにかかっているといっても過言ではありません。  そこで、避難体制の整備について、津波避難タワーの整備完了後、住民の防災意識の啓発はどのように図っていくのかをお伺いし、2回目の質問を終わります。 91 ◯総務局長(大長義之君) 首都圏への情報発信のこれまでの取り組みと今後の展開についてですが、3次総がスタートした平成27年度から、PRの専門家の知見を入れ、オンリーワン資源であるサクラエビを核にプロモーションを実施してまいりました。その結果、首都圏において、テレビや雑誌、各種の情報サイトなどに本市を売り込み、全国へ広く発信したことで、これまでの3年間で広告費に換算すると、約33億円の波及効果があり、首都圏での本市のイメージ調査でサクラエビは富士山、お茶に次ぐ、安定した高い認知度を得るまでになりました。  今後の展開といたしましては、サクラエビが一定の認知度を得たことから、議員から御提案いただきました日本平動物園のレッサーパンダを新たなキラーコンテンツとして考えてまいりたいと思います。  その理由といたしましては3点ございます。  1点目は、日本平動物園が国内全てのレッサーパンダの血統登録管理と繁殖計画を担っており、立つレッサーパンダとして一世を風靡した風太くんも日本平動物園生まれ、まさにレッサーパンダの聖地と言えることからです。  2点目は、社会的な動物ブームの中、レッサーパンダのかわいらしい姿は、人々の心をつかみ、癒やすものであり、特に若い女性に人気があることからであります。  3点目は、本年5月から、本市のツイッターでレッサーパンダの愛らしい画像を発信したところ、約1カ月でフォロワー数が1万2,000人となり、高い人気が裏づけられたことからであります。  2019年度は、日本平動物園が開園50周年の節目の年を迎えることから、このようなレッサーパンダの人気を生かし、首都圏の拠点である東京事務所が持つネットワーク等を最大限に機能させながら、局間で連携し、首都圏に向け、新たな本市の情報発信を進めてまいります。 92 ◯経済局長(池田文信君) マーケティング手法を活用した現状の取り組みについてですが、新商品の開発につきましては、企業がつくりたい商品づくりを行うプロダクトアウトではなく、消費者のニーズに応じた商品づくりを行うマーケットインによる開発が重要であると考えています。  本市の産業支援機関である産学交流センターでは、マーケットインによる新商品の開発として静岡おみやプロジェクトを行っています。このプロジェクトを通じて、中小企業者が商品開発のノウハウを蓄積し、新たな商品開発にチャレンジするなど、自立的な取り組みにつなげています。  新商品開発における具体的な手順としましては、まず市場分析に基づきターゲットの設定や商品のコンセプトづくりを行い、次にモニターや試食会等のテストマーケティングを通じて、浮き彫りとなった課題を改善し、そして国内商社との商談会を通じて、価格や流通などを把握し、実際の販売に向けた商品づくりを行います。これらをマーケティングの専門家による一貫した総合支援により、農林水産大臣賞を獲得した田丸屋のカマンベールワサビなど、付加価値の高い商品が生まれ、売り上げが順調に推移している商品もあることから、引き続きマーケティング手法を活用した新商品の開発支援を行ってまいります。 93 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 津波避難タワーの整備完了後、住民の防災意識の啓発はどのように図っていくかについてですが、津波避難タワーの整備は、今年度で完了する見込みとなりましたが、引き続き津波避難ビルの指定を進めるとともに、避難誘導看板の整備やハザードマップの更新などにより、新たに指定した避難場所の周知に努めてまいります。  住民の防災意識の啓発としましては、地域防災訓練や津波避難訓練を支援するほか、自主防災会や事業者の方を対象とした出前講座、学校における防災教育、マスメディアを活用した広報などを行っております。  また、それぞれの地域での防災意識の啓発や災害時に特に配慮が必要な方への対応などの多様なニーズにも応えるため、率先して行動できる人材として、地域防災リーダーの育成も進めております。  その1つとして、本年度は駿河区の人材育成事業において、女性の防災リーダーを育てる駿河防災女子講座を実施いたします。  今後も本市の各種人材育成事業とも連携し、女性や学生なども含めた防災リーダーの育成に取り組んでまいります。   〔8番島 直也君登壇〕 94 ◯8番(島 直也君) 最後は意見・要望です。  まずは、市民と共に創るまちについてであります。  現在、静岡市は5大構想やSDGsの推進を掲げ、大型プロジェクトを進めておりますが、市民の満足度は決して高いとは言えません。市長がおっしゃる1人の100歩より100人の1歩の言葉のとおり、大型事業のような1人の100歩よりも市民目線で地域の課題を解決する100人の1歩が必要な時期に来ているのではないでしょうか。  しずおかまちづくりセッションでの市民の声に耳を傾けていただき、今後の施策に取り入れていただきたいと、心より願っております。  また、長田支所の市民サービス拡充、将来的な安倍川駅前の支所移転については、長田地区に暮らす6万4,000人の市民の願いであります。ぜひ前向きに検討していただきたいと強く要望いたします。  続いて、シティプロモーションについてであります。  日本平動物園のレッサーパンダは、上野のシャンシャンにもまさるキラーコンテンツになると確信しております。全国から、そして世界からも人が来園する世界に輝く動物園にしていただきたいと思います。  現在、マーケティング部署を設置する自治体もふえており、多くの成功事例も聞かれます。ぜひ調査、研究をしていただき、静岡市への導入も検討していただきたいと思います。  また、静岡県中部5市2町でつくる静岡中部連携中枢都市圏事業で計画をされている東京・銀座に出店予定のアンテナショップについては、県中部地域の魅力を発信する大変重要な取り組みであります。いまだ物件が決まっておらず、2018年夏ごろとしていたオープン時期がおくれる可能性が出てきたと聞いております。  4月から静岡ディスティネーションキャンペーンのプレキャンペーンもスタートし、2020年の東京オリンピックも間近に迫っております。首都圏に対して5市2町をPRしていく重要な拠点として一日も早くオープンできるように取り組んでいただきたいと思っております。  最後に、防災についてであります。  津波避難タワーの整備が本年度で完了し、東日本大震災から7年、ようやくスタート地点に立てたと感じております。静岡市の全ての地域で想定される地震、豪雨、土砂災害から市民の命を守るためにも、過去の震災や自然災害の教訓を生かし、防災、減災教育により一層力を入れていただきたいと強く要望し、私の全ての質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。    ─────────────────── 95 ◯議長(田形清信君) 本日は、これにて延会いたします。         午後4時14分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...