札幌市議会 > 2017-10-13 >
平成29年第二部決算特別委員会−10月13日-04号
平成29年第一部決算特別委員会−10月13日-04号

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  1. 札幌市議会 2017-10-13
    平成29年第二部決算特別委員会−10月13日-04号


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    平成29年第二部決算特別委員会−10月13日-04号平成29年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第4号)               平成29年(2017年)10月13日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  佐々木 みつこ      副委員長   福 田 浩太郎     委   員  武 市 憲 一      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美     委   員  細 川 正 人      委   員  小須田 悟 士     委   員  宗 形 雅 俊      委   員  北 村 光一郎     委   員  小 竹 ともこ      委   員  中 川 賢 一     委   員  松 井 隆 文      委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  大 嶋   薫      委   員  恩 村 一 郎     委   員  三 宅 由 美      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  小 川 直 人      委   員  山 口 かずさ     委   員  中 村 たけし      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  成 田 祐 樹      委   員  本 郷 俊 史     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  前 川 隆 史     委   員  竹 内 孝 代      委   員  小 形 香 織
        委   員  村 上 ひとし      委   員  田 中 啓 介     委   員  平 岡 大 介      委   員  松 浦   忠     委   員  坂本 きょう子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○佐々木みつこ 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、松浦委員からは遅参する旨、また、わたなべ委員からは前川委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第3項 老人福祉費、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分及び介護保険会計決算について、一括して質疑を行います。 ◆小竹ともこ 委員  私からは、30人未満の老人クラブに対する支援について伺います。  私は、平成23年の決算特別委員会において、老人クラブ活動費補助金に関する質問を行っております。  当時、札幌市では、補助制度を見直すため、社会貢献という観点でのより積極的な活動と老人クラブ加入率向上につなげるような仕組みについて検討や調整を行っておりましたが、札幌市が検討している見直し案には地域貢献活動という表現が多用されておりました。そこで、私は、その表現では、老人クラブが行ってきた地域における仲間づくりや町内会、学校などと連携した地域活動など、地域コミュニティーの活性化にも重要な役割を果たしてきたことがまるで評価されていないように聞こえるのではないかということを指摘させていただきまして、地域を豊かにする活動という表現を用いてはどうかと提案をいたしました。その結果、札幌市では、さらに議論を重ね、地域を豊かにする社会活動という表現を用いた上で、平成25年4月から現在の制度をスタートしたと認識しております。  この制度には、地域を豊かにする社会活動を地域や市民の皆さんにより知ってもらう視点と、老人クラブ加入率向上につなげる視点が盛り込まれたわけですが、その効果はあらわれているのでしょうか。  そこで、最初の質問ですが、この制度開始から4年以上が経過し、その効果について検証する時期に来ていると考えますけれども、札幌市としてどのように捉えているのか、お聞きします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  現在の補助制度の効果について、札幌市ではどのように捉えているかということでございます。  初めに、地域を豊かにする社会活動を地域や市民の皆さんにより知ってもらう視点につきましては、現在の補助制度が始まったことにより、老人クラブにおいて、町内清掃や花植え活動、あるいは、高齢者施設で使用する体を拭くための布の寄贈など、多様な社会活動が行われているとともに、全ての老人クラブにおいて各会員が毎年1回以上はこれらの活動に参加している状況を改めて確認することができたところでございます。  一方で、もう一つの老人クラブ加入率向上につなげる視点についてでございますが、老人クラブの数あるいは会員数の推移を見ますと、平成25年度以降、年度によって減少数に違いがあるものの、減少傾向が続いているという現状でございます。 ◆小竹ともこ 委員  ただいまのご答弁をお聞きしまして、一つ目の視点である地域を豊かにする活動を地域や市民の皆さんにより知ってもらうことに関しては、現行の制度にしたことによって、老人クラブが従前から行ってきた地域のための活動が客観的にもより明らかとなったことは理解いたしました。  しかしながら、もう一つの視点である加入率の向上につきましては、その効果があらわれていない状況であると思います。これは、数字でも確認できることで、現在の制度が始まった平成25年4月には483クラブ、会員数2万9,589人であったのが、現時点では450クラブ、2万6,509人にまで減少しています。老人クラブの会員数の減少は、札幌市にとって、地域を豊かにする活動の担い手の減少、ひいては活動総体の縮小につながるものです。  この老人クラブ活動費補助金は、会員数30人以上のクラブを対象としており、30人未満のクラブは補助金を受け取れない制度になっています。実際に、幾つかの老人クラブからは、30人未満になった途端に補助金が打ち切られてしまうと、それまで続けてきた活動も縮小せざるを得なくなるという切実な声が我が会派にも届いています。そして、それまで活動してきた経験や実績、さらに意欲もある老人クラブは、30人未満となっても活動を継続していると聞いております。  そこで、二つ目の質問ですが、札幌市は30人未満のクラブの活動状況を把握されているのか、お聞かせください。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  30人未満の老人クラブの活動状況についてでございますが、現在、札幌市で行っている補助制度では、30人以上の老人クラブの活動について補助の対象としていることから、毎年、その活動状況が報告されております。しかし、30人未満の老人クラブにつきましては、補助制度の対象外となっているため、その活動について報告を受ける機会がない状況でございます。そのため、札幌市で把握できる範囲は限られておりますが、平成25年度以降、各年度において、4クラブから10クラブは継続して活動を行っていると把握しております。 ◆小竹ともこ 委員  やはり、30人未満でも何とか活動を継続しているクラブもあることがわかりました。  老人クラブの重要性は、昨年8月に札幌市が行った社会参加に関する市民意識調査の結果からもうかがい知ることができます。この調査の中で、町内会、自治会などの地域活動やボランティア活動を行っていると回答した市民に対してその活動組織や形態を尋ねたところ、老人クラブと答えた65歳以上の回答者の割合が町内会、自治会に次いで2番目に多い結果になっておりまして、さらに、その割合は年代が高くになるにつれて大きくなる傾向があらわれています。  高齢者にとって同じ地域の同世代の仲間というのは、一緒に活動をしたり交流したりすることで健康寿命の延伸につながっていることはもちろん、身近にある気の置けない居場所であり、自然な形での見守りにもつながる大切な存在なのだと考えております。そして、その高齢者が仲間とともに地域を豊かにする社会活動を行っている姿は、地域の皆さんにとってもよい刺激になることは言うまでもありません。  平成25年度に制度を改正した目的の一つである加入率向上の効果があらわれていないこと、そして、会員数が30人未満となったことで活動の縮小を憂慮する老人クラブの切実な声を考えますと、30人を数人切ってしまったようなクラブに対しては、再び30人以上となるための数年の猶予を与えるような支援策が必要ではないかと私は考えております。  そこで、最後の質問となりますけれども、これまでに30人未満の老人クラブに対する支援を求める声は札幌市へ届いているのでしょうか、お聞かせください。  さらに、札幌市として、その支援についてどのように考えられているのか、伺います。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  まず、1点目の30人未満の老人クラブに対する支援を求める声があるかどうかということでございます。  平成26年11月に、札幌市老人クラブ連合会から札幌市に対し、現在の補助制度の対象を30人未満のクラブにも拡大し、30人以上のクラブと同様に支援が受けられるよう要望書が提出されたところでございます。また、これまで何度か、札幌市老人クラブ連合会の総会におきまして会員から同じような趣旨の要望が上がっていることは承知しております。  2点目の支援に対する今後の札幌市の考え方についてでございます。  札幌市内には、自主的にボランティア活動を行っている高齢者の団体がほかにも多数ございます。そうした団体への支援は行っていないことから、国が示している基準を満たさない30人未満のクラブに対する永続的な支援というのは、慎重な検討が必要だと考えております。しかし、30人未満となった老人クラブが再び30人以上になって活動が活性化されるよう、会員増強に取り組むための経過的な支援策につきましては、今後どのようなことができるか、関係機関の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。 ◆小竹ともこ 委員  検討していただけるとのことで、ありがとうございます。  年々、会員数が減少している老人クラブの現状を考えますと、ぜひスピード感を持って対応していただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆中村たけし 委員  私からは、在宅介護の充実について、何点か質問させていただきます。  介護サービスにおきましては、施設介護と在宅介護の両方を充実させていくことが必要だというふうに私は考えております。施設介護につきましては、札幌市としても、アクションプランで、特別養護老人ホームの整備を2014年度から2019年度、平成26年度から平成31年度までに定員を約1,500名ふやすという目標を掲げ、2017年度には400名ふやすといったことで対応しておりまして、まだまだ不十分な部分は多くあると思いますが、札幌市が着実に施設介護の整備を進めていることを私は評価しております。  一方で、在宅介護のほうですが、サービスメニューの一つに定期巡回・随時対応型訪問介護看護というものがあります。このサービスは、要介護高齢者の在宅生活を24時間体制で支える仕組みとして、平成24年度、2012年度から創設された居宅介護サービスです。定期巡回訪問によって起床や食事の介護を行い、あわせて、訪問看護による医療的ケアを行うほか、日中、夜間を通して利用者から随時相談に応じて、必要があれば随時訪問を行うなど、介護と医療が連携しながら要介護高齢者の在宅生活を支える本当に重要なサービスだというふうに私は考えております。  札幌市としましても、制度創設前である平成23年10月から平成24年2月までモデル事業を実施して、サービス提供上の課題であったり、利用者にどのようなニーズがあるかということを検証した経緯があります。その結果、国が想定するサービスが適切に提供された場合には、在宅生活の限界点を引き上げ、ひいては、特別養護老人ホーム等入所待機者への対策としても一定の効果が見込めると札幌市として報告しております。私は、このサービスメニューは本当に大変重要なものであると考えております。  そこで、最初の質問ですが、現在の平成27年度から29年度までの札幌市高齢者保健福祉計画介護保険事業計画の中では、2016年度、平成28年度の平均利用者数の見込みは1カ月当たり2,400名となっております。しかし、実利用者数は1,751名にとどまっておりまして、この乖離の原因についてどのように捉えているのか、まずは伺います。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  まず、計画で見込んでいた利用者数と実利用者数との乖離についてでございます。  実利用者数及び事業者数につきましては、サービスが開始された平成24年度から平成26年度にかけては大幅に増加していたものの、平成27年度以降は伸びが鈍化しており、計画で見込んだ利用者数を下回っている現状にございます。これにはさまざまな要因が考えられますけれども、訪問介護等に比べて利用者にとって知名度が低いこと、あるいは、介護支援専門員サービスメニューとしてまだ浸透していないことなどが要因の一つではないかというふうに考えております。  しかしながら、平成28年度の実利用者数につきましては、前年度比で言いますと15%以上伸びており、また、平成29年3月末の札幌市でのサービス提供事業者数も55カ所と全国で最多となっております。そういったことからも、計画値には届いておりませんが、堅調に推移しているものというふうに考えております。 ◆中村たけし 委員  札幌市においては、利用者数または事業者数はともに堅調に推移しているということでした。また、利用者にとっては訪問介護等に比べてまだまだ知名度が低かったり、介護支援専門員サービスメニューとして浸透していないという答弁がありました。利用者またはケアマネジャーなどの介護支援員の方々にこのサービスを知っていただき、認知度を上げていく必要があると考えますし、認知度を上げることによってこのサービスを利用しやすい環境が生まれてくると思います。  そこで、質問ですが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス充実のために、これまでどのような取り組みを行っていたのか、伺います。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  定期巡回・随時対応型訪問介護看護のこれまでの取り組みについてでございます。  定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業者団体との情報共有あるいは意見交換などを行いながら、制度の安定的運営に向けて支援を行っているほか、介護支援専門員の協議会の会報などに情報提供を行い、利用促進に向けた周知を図っているところでございます。また、平成29年4月(99ページで訂正)からは、本体事業所とは別に設ける出張所、いわゆるサテライト拠点の設置についても一部認めておりまして、事業者側が地域においてサービス提供を行いやすいような条件緩和を行っているところでございます。  札幌市としましても、今後の利用者動向を見きわめながら、引き続きサービスの充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆中村たけし 委員  浸透を図っていただくことと、このサービスを利用しやすい環境を整えていただくことをお願いしたいと思います。  そういう中で、特別養護老人ホームの待機者を見てみますと、これまでの質疑の中で札幌市には大体6,000人の待機者、緊急を要する方が約1,000人と捉えて、いつも札幌市は多いということを言ってきました。ただ、要介護3以上の方々が特養の申請をする形になったので、2017年、ことし6月末時点での待機者は3,252人と総数としては少なくなっております。しかし、3,252人は、特別養護老人ホームに入りたいと思いながらもいまだに入れない待機の状態にあるわけで、依然として高水準であると言えます。  さらに、この中で緊急度の高い方は851人となっておりまして、この方々は何らかの手段を講じて施設または在宅での介護ということになりますけれども、ことし1年の入所者数は721人でした。721人が特養に入れる状況がつくられたことは評価しますが、緊急度の高い方でも100人ほどは入れませんし、緊急度を要する新しい待機者がさらにまた出てきます。そこで、特養に入れない高齢者の受け皿として、私は、先ほどから申し上げている定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスが有効になるというふうに思っております。  また、平成24年に内閣府が行った高齢者の健康に関する意識調査では、最期を迎える場所として自宅と答えた方々が55%に上っております。やはり、本音は住みなれた自宅で最期を迎えたい方々が半数以上だと数字が示しておりますので、今後、定期巡回・随時対応型訪問介護看護といった在宅介護サービスへのニーズがますます増加してくるというふうに考えます。  そこで、質問ですが、今後、札幌市は在宅介護サービスの充実に向けてどのように対応していくのか、お伺いします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  先ほどの答弁の中で、サテライト拠点について、平成24年4月から開始とお答えしてしまいましたが、実際は平成29年4月からでございます。訂正させていただきます。  引き続き、在宅介護サービスの充実に向けた今後の取り組みについてでございます。  高齢者人口の増加等に伴い、今後も介護サービスの利用者数は増加することが予想されておりますので、特別養護老人ホームの整備と並行して在宅介護サービスの充実を図ることは大変重要なことであるというふうに認識しております。  とりわけ、中・重度の要介護状態にある方が住みなれた自宅あるいは地域で暮らし続けるための多様な支援ができるよう、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のほかに、家庭的な環境のもとで通所・訪問・宿泊サービスを組み合わせて利用できる小規模多機能型居宅介護、あるいは、そのサービスに加えて訪問看護も利用できる看護小規模多機能型居宅介護など、地域密着型サービスについて、今後の利用者の推移等を考慮しながら、サービス利用の促進に向けた環境整備に努めてまいりたいと考えております。 ◆中村たけし 委員  最後に、要望して終わらせていただきますが、これから在宅介護の充実をしっかりと進めていただきたい、また、施設介護もその環境整備を着実に進めていただきたいと思います。  先ほどから在宅介護の充実という話をさせていただいておりますが、このサービスメニューの提供状況として、例えば、札幌市のある区の何条何丁目何番地でサービスを提供しているという事業者がありまして、これは、実際にはサービスつき高齢者向け住宅、サ高住のみに在宅介護という形で訪問していることが多いと思います。特に、札幌は冬に雪が降りますし、また地理的な問題、そして、賃金が上昇する中で介護報酬が上がらずに人手不足の状況がありますから、一軒一軒を訪問していくとなると、事業者として大変なことはわかります。ですから、大半でサ高住に特化した在宅介護の展開が見られるのだと思いますし、もちろん、特養の待機者解消を図るという視点では有効なことですから、それ自体を否定するわけではありません。これで利用者が納得していただけるのだったら、これからもこのサービスをふやしていただきたいと思います。  しかし、在宅介護の本来あるべき姿としては、先ほど申し上げた内閣府の調査でもありますように、自宅で最期を迎えたいという方々が半数以上でありますので、こうした方々への在宅介護・看護についても札幌市としてしっかりとサービス提供を行えるように施策を展開していただくことを求めまして、質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、介護ロボットの導入支援について質問いたします。  超高齢社会を迎える中、介護サービスを必要とする方は年々ふえており、これを支える介護人材の確保は喫緊の課題と言えます。  しかしながら、介護労働安定センターが実施した平成28年度介護労働実態調査では、北海道における訪問介護員と介護職員を合わせた離職率は20%と全国平均の16.7%を上回っており、深刻な状況となっております。また、同調査によりますと、働く上での悩みとして腰痛や体力の不安を挙げている介護労働者が北海道では30%とおよそ3人に1人の割合であり、離職防止のためにも介護従事者の負担軽減に向けた対策が求められると考えます。こうした問題に対して、近年、注目を集めているのが介護ロボットであり、介護にかかわる方の負担軽減を図り、働く環境を改善することで離職防止につながる効果が期待されております。  我が会派では、ことし5月に、神奈川県にある湘南ロボケアセンターを視察してまいりました。視察した議員からは、働きやすい職場環境を整えていく上で、これから介護ロボットが果たしていく役割は大きくなっていくであろうということを実感したとの報告があったところであります。  経済産業省が平成27年1月に発表したロボット新戦略では、介護分野のうち、歩行支援、排せつ支援、認知症の人の見守り、ベッドからの移しかえなどの移乗支援、入浴支援の五つの重点分野を設定しており、平成32年までに介護ロボット国内市場規模を500億円に拡大するほか、介護従事者が腰を痛める機会をゼロにすることを目指すとしていることなど、国としても介護ロボットの普及に向けて積極的な姿勢を打ち出しているところであります。また、厚生労働省では、平成28年度に全国の市町村を通じてロボット機器の購入費用を補助する事業を実施したところであり、札幌市でも、国からの交付金を財源に122の事業所に対して補助金を交付したとのことであります。  そこで、質問ですが、札幌市では、平成28年度に実施した介護ロボット導入に係る補助事業の実施結果についてどのような評価をしているのか、お伺いいたします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  今回の介護ロボット導入に係る補助事業の評価についてでございます。  今回の補助事業で導入された主な介護ロボットとしては、介護従事者の体に装着し、要介護者の体を持ち上げる際の身体的負担を軽減する機器、あるいは、要介護者が利用するマットレスにセンサーを組み込むことで、介護従事者の見守り業務を支援する機器などがございました。その導入効果としましては、腰痛の防止あるいは見守り時間の短縮による効率化など、業務負担の軽減に役立つとの声が寄せられたところでございます。一方で、体に装着する機器につきましては、小型化あるいは軽量化を進めてほしいという要望があったり、見守り支援用の機器については、設定の仕方によっては誤作動が生じる事例もございましたので、さらなる改善を希望するという課題も挙げられているところでございます。  札幌市としましては、機器の活用に当たっては改善していく課題も認められましたけれども、その導入により多くの事業所で介護従事者の負担軽減が少しでも感じられたというふうに評価しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁で、介護ロボットには機器に改善の余地があるという課題はあるものの、業務負担軽減の効果を実感している事業者が多いことがうかがえると思います。  こうしたことから、今後も介護ロボットの導入支援は積極的に進めていくべきと考えますが、札幌市で実施した補助事業は、全額、国の交付金を財源としたもので、平成28年度の単年度事業となっており、平成29年度は実施されておりません。介護従事者の不足が深刻化している状況の中で、業務の軽減や離職防止は重要な課題であり、札幌市の独自事業であっても補助事業の継続が必要だと考えますが、札幌市の考えをお伺いいたします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  補助事業の継続についてでございます。  国におきましては、今後の介護ロボット導入支援について、ロボット機器を導入した場合の業務効率化負担軽減効果の測定、検証などを通じて生産性の向上を進めていくことが重要であるとしております。札幌市におきましても、介護ロボット導入費用に係る補助の実施を独自に検討するに当たって、機器の導入による効果等を十分に検証した上で判断していくことが必要ではないかというふうに考えております。  今回、多くの事業者から介護ロボットが業務負担の軽減に役立つとの声をいただいておりますけれども、このうち8割以上がことし1月以降に機器を導入しており、寄せられた報告は機器の使用開始から半年以内という状況に基づいたものになっております。このため、機器を継続して使用した際の効果あるいは課題についてはまだ十分な検証ができていない状況ですので、札幌市では、独自の補助を行うことにつきましても、引き続き事業所からの報告を踏まえた上で、慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。 ◆丸山秀樹 委員  金銭面の補助における札幌市の考え方を伺わせていただきました。介護ロボットの普及はまだまだ進んでいないため、その効果の検証にも時間がかかるとの答弁だったというふうに思います。  実際に、事業者からは、介護ロボットについて、費用が高額であるほかにも、導入によりどのような効果があるのかわかりにくい、利用者への影響も懸念しているといった声もよく耳にするところでございます。また、さきに述べた介護労働実態調査によると、北海道で介護ロボットを導入していない事業者は75.5%となっており、普及が進んでいないことを裏づける結果となっております。  こうした状況から、介護ロボットをより一層普及させていくためには、やはり、行政による何らかの支援、働きかけが重要になると考えます。このため、札幌市においても、機器の普及の妨げとなっている要因を的確に捉えた上で、独自に介護ロボットの普及促進を行っていくべきと考えますが、今後の札幌市の取り組みについてお伺いいたします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  今後の取り組みについてでございます。  国が進める介護ロボットの普及に向けたさまざまな取り組みを実施している公益財団法人が行った調査によりますと、介護ロボットの利用促進に向けた事業者からの要望として、介護ロボット機器自体に関する情報の提供という回答が5割に達している状況でございます。このため、ロボット機器の導入を判断するに当たって、情報が不足していると考えている事業者はかなりの数に上るのではないかと見込まれております。  札幌市としては、まず、事業者や介護従事者介護ロボットとはどういうものなのかを具体的に理解してもらうことが重要と捉えておりまして、介護ロボットの基礎知識や、実際に機器を体験してその効果を学ぶための研修を実施することで、介護ロボットのさらなる普及に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  最後に、要望いたします。  最初に取り上げました平成28年度の介護労働実態調査では、北海道として30%の方が働く上での悩みや不安に身体的負担を挙げていると述べさせていただきましたが、これは、訪問、入所、通所の全体を平均化したものであり、細分化してみると、入所型の施設系においては身体的負担を悩みと感じている割合は43.2%にも上ります。  ついては、答弁にあったように、情報が不足している事業者も多いと思われますので、介護ロボットについての知識や体験の場を数多く求め、国の動向を注視することもちろん、介護ロボットのさらなる普及に向けて取り組んでいただくことを求め、私の質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私は、札幌市介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる新総合事業について質問いたします。  2017年4月から、新総合事業がスタートいたしました。2017年8月末時点で介護認定を受けている人は10万3,131人、そのうち、要支援1の方が1万8,477人、要支援2の方が1万6,367人です。この要支援者3万4,844人、全体で33.4%の方々が新総合事業の介護サービスの対象になってまいります。  我が党は、この間、代表質問や委員会などで、新総合事業を実施するに当たって、事業が始まる前と同じ介護サービスを維持すること、その維持のために、介護事業所の経営が成り立つような介護報酬にしていくべき等を求めてきました。本市は、現行水準サービスを維持するとしておりますが、事業所の報酬単価が引き下げられて8割に減収になる事業所もあります。本市は、激変緩和措置をして影響はないとは言えないと言いながら、今すぐ直ちに経営に支障が生じるとは考えていないと答弁しております。  そこで、最初の質問ですが、新総合事業がスタートして6カ月になります。介護事業所の運営が大変になった、介護利用者やその家族の方が介護サービスを受けられなくなったなどの声は上がっていないのか、伺います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  事業所の運営が大変になったという声やサービスが受けられなくなったという声はないかというご質問でございます。  まず、事業所の運営につきましては、事業所の撤退あるいは経営が厳しいという実態は総合事業が始まる前もございました。今年度に入ってからもそういった声を聞いておりますが、総合事業そのものに関する経営については、まだきちんとした調査を行っているわけではございませんので、個々の実態として耳にしているところでございます。  また、利用者の声でございますが、今の札幌市の総合事業におきましては、従来と同様の指定介護サービス事業所によりサービスを提供しておりまして、認定を受けておられる方は、今年度の更新のタイミングで、随時、総合事業に移っている最中でございます。まだ従来の予防給付を受けておられる方もいる中で、利用者からサービスが受けられなくなったという声は、私どもは耳にしておりません。また、今、ご利用いただいているサービスにつきましても、状態が変わらない限りは同様のサービスを受けていただけるようになっております。サービスの内容につきましては従来型のサービスを継続しているところでございますので、私どもとしては、今の時点では総合事業による大きな変化は認識しておりません。 ◆田中啓介 委員  それでは、その事業の一つのデイサービスについてです。  今までのデイサービスは、朝、介護事業所の送迎車が迎えに来て、身体機能の維持のためのプログラムなどに参加し、夕方までその事業所施設で過ごし、送迎車で自宅まで送ってもらうという1クールでありました。  そういう中で、新総合事業が始まり、8割に減収になるということで、介護事業所では、下がった報酬を何とか維持していくために、1日に1クールだったデイサービスを午前と午後の2クールに、中には3クールにしている事業所もあります。しかし、それに合わせて人員をふやすことは、今の報酬単価ではできないという声を聞いております。これでは、朝に迎えに行き、昼に送り届け、その後、別の利用者を迎えに行き、その後に送り届け、さらに別の利用者を迎えに行き、送り届ける、こういうことが繰り返され、送迎の運転手の方が介護員をしている場合、休む暇もなく身体維持機能の訓練を行うということになります。また、デイサービスが細切れになったことで、利用者からは、運動時間が減らされて機能の低下が心配、スタッフがみんな忙しそうに見えて話しかけづらい、今までは、午前中はプログラムや機能訓練に参加して、午後はラウンジで一緒に通所しているお友達とおしゃべりをする時間があり、それが楽しみの一つだったが、それができなくなったという声も聞いています。  身体機能の維持・向上や生活機能向上のためのグループ活動など、計画されたプログラムを行うだけが介護福祉ではないと思います。機能訓練をした後、施設のラウンジで一緒に通所している仲間とお話をする、コミュニケーションをとることが、脳を刺激して、また、認知症などの予防、重度化を防ぐ予防介護としての効果もあります。また、そのときに、介護スタッフも一緒にいてその様子を専門家の目で見ることで、その利用者一人一人の体調などを観察し、それをケース記録に残すことは、利用者の今後の適切なケアプランの作成にとっても大切になってまいります。  そこで、質問ですが、通所介護事業所、デイサービスで新総合事業がスタートするのとあわせて、それまで1クールだったサービスを2クールまたは3クール以上に移行している事業所はどの程度あるのか、また、その変更した理由は何かを把握しているのか、伺います。  あわせて、その事業所の人的体制は十分なのか、伺います。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  新総合事業が始まってからクールの変更があったかどうか、そして、その理由についてでございます。  今年度からスタートした事業でございますので、今は移行中であり、正式な数字はとっておりません。ただ、これは変更したかどうかということではありませんが、現時点で、全体の通所介護事業所の約3割の事業者において、1日単位ではなく、2単位以上、2クール以上やっているということは数字としてつかんでおります。  また、変更した理由につきましては、把握しておりませんので、この場で申し上げることができません。  それから、人的体制についても、制度が始まってすぐなので、まだ定着しておりませんから、ある程度定着した段階でいろいろな声を聞いていきたいと思います。今、定期的に実地指導をやっておりますが、その中では、今のところ、具体的に声を聞いているということはございません。
    ◆田中啓介 委員  定期的に実地指導をしているということですが、あわせて、人的体制がしっかりと十分に整っているのか、実態調査、実態把握をしていくべきだというふうに思います。  次に、もう一つのホームヘルプサービスについてです。  こちらも、利用者からは、ヘルパーと話すのも楽しみの一つだったのに、ヘルパーが忙しそうで話しかけづらくなったという声がございます。ヘルパーは、会話することで利用者の状態などに気づくことがあり、家事援助だけではなく、会話の時間も重要な介護支援なのに、その時間がなかなかとれないと話しています。ホームヘルプサービスにおいて、掃除、洗濯、料理などの時間だけが介護の仕事ではないと思います。それ以外のヘルパーと利用者との会話の時間も大事な介護福祉です。専門的な知識と経験のあるヘルパーがその会話の中で利用者の状態などを見ることで、気づいたことをケース記録に残し、利用者のケアプランに生かす、それだけではなく、医療などに連携させていくこともできます。  そこで、質問ですが、ホームヘルプサービスにおいて、新総合事業実施前のサービスをしっかりと維持できているのか、また、今後も維持していけるのか、伺います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  ホームヘルパーのサービスについてでございます。  総合事業を開始する前も、サービスの時間というのは、利用者の状態や家族のニーズに合わせてケアマネジメントの中で調整しておりました。今現在も、30分にするのか、1時間にするのか、2時間にするのかといった必要な時間数につきましては、ケアマネジメントの中で自由に設定できるようになっておりまして、サービスの時間数につきましてはそういう実態でございます。  一方で、ヘルパーと会話をしたいという利用者のニーズは当然あるかと思いますが、本来、ヘルパーの訪問介護としての業務は生活援助が中心でございます。全く口をきかずに業務を行うわけではなく、今も、ご挨拶から始まり、きょうはどこからお掃除を始めようかといった具体的な会話の中で業務を実施しておりますが、その点につきましては、これまでと変わらないというふうに考えております。 ◆田中啓介 委員  ただ、実際に、この4月以降、ホームヘルプサービスを総合事業に移行したことによってこういうことが起きたという声も聞いておりますので、こちらの実態も正確に、また具体的に把握していくべきだと思います。  次に、家族介護の負担軽減について伺います。  介護福祉の事業というのは、介護が必要な人だけではなく、その家族の介護負担の軽減も大切な目的の一つです。親がデイサービスを利用している家族の場合、朝、介護事業所の送迎車を見送った後に、夕方までは自分の時間をつくれます。自分の家の掃除などの家事をする、買い物に出かける、友人と会う、自分自身のリフレッシュのための時間を持つことができます。また、少しでも家計を支えるためにと、パートに出ている方もおります。これが時間短縮型のデイサービスになってしまうと、朝、デイサービスに行って昼には戻ってくる、これでは、親の介護に追われてパートなどの働きに行けない、自分の時間がつくれずに息抜きができないことで、介護心中や介護殺人など最悪のケースにもつながりかねません。  そこで、質問ですが、新総合事業によって家族の介護負担がふえていないのか、また、ふえるということはないのか、伺います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  新総合事業のサービスにつきましては、要支援者を対象としたもので、実際には、介護ではなくて、重症化予防のサービスでございます。要支援者へのサービスにつきましては、総合事業が開始する前も、ホームヘルプサービスであれば約半数の方が1時間未満のサービス利用、あるいは、デイサービスであれば半日未満のサービス利用という実態がございました。今もそのサービスの時間の長さあるいは回数を選択することができますので、総合事業の開始によって家族負担がふえたということは考えにくいと捉えております。 ◆田中啓介 委員  介護認定で要支援に認定される方の中にも、病院へ行ったら認知症だと診断される方がおりまして、認定する人の前では本当に健康に見えるけれども、日常的に接している家族の前では認知症の症状があらわれるということもあります。実際には、認知症という病気があっても介護認定で要支援と認定される方が少なくありません。新総合事業が始まり、6カ月がたちました。今、私が指摘したこと、また懸念していることが本当に起きていないのか、まずはしっかりと検証していくことが必要だというふうに思います。  そこで、質問ですが、新総合事業が始まる前と同じ介護サービスを本当に受けられているのか、必要な介護サービスを提供できているのか、直接、サービス利用者やその家族、また事業者へ意見や要望を聞き、しっかりと検証していくことが必要だと思いますがいかがか、伺います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  まず、総合事業できちんとサービスが利用できているのかというご質問につきましては、先ほども申し上げましたが、サービスの時間の長さあるいは種類については、総合事業になってからも、利用者の状態とご家族の実態に合わせてケアマネジメントの中で調整できるようになっており、また、選択もできるようになっております。そういった観点からは、変更はないものというふうに認識しております。  また、事業の検証が必要ではないかというご指摘でございますが、もちろん、この事業の運営が今後も適切になされていくように、あるいは、要支援者の皆様やご家族のニーズに合ったものとなるように、事業の内容、サービスの利用実態につきまして、きちんと検証、評価をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆田中啓介 委員  利用者、またその家族の方にとって必要なサービスをしっかりと受けられるためにも、それを提供する介護事業所が運営していける、サービスを提供できるようなものにしていくことが必要です。  本市として、介護現場の実態を正確に把握し、利用者やその家族のニーズに応える介護サービスの維持と、介護事業者がそのサービスを維持しながら運営できる報酬にしていくべきと求めて、質問を終わります。 ◆中川賢一 委員  私からは、現在策定作業を進めておられる次期の高齢者保健福祉計画介護保険事業計画に関連して、何点かお伺いしたいと思います。  この計画のベースになっております介護保険制度は、皆さんもご存じのとおり、平成12年4月に創設されまして、ことしで17年という時間が経過しております。もちろん、この制度自体、急速に進む高齢化を見据えてスタートしたものではありましたけれども、この間、我が国の高齢化は大方の見込みを上回るようなスピードで進んでおります。この札幌におきましても、この制度がスタートした平成12年4月当時、65歳以上の高齢者は25万人余りでありまして、総人口に占める割合、いわゆる高齢化率は14%程度でございましたが、平成29年7月現在、65歳以上の高齢者は50万3,000人余りと、制度創設当初の約2倍、高齢化率も25.8%と約12%も増加し、制度創設当初とは全く異なる状況になっているわけでございます。  そういう中で、高齢者保健福祉計画介護保険事業計画は、介護保険法に基づいて制度開始当初から3年ごとに改定し、その期間ごとの人口推計等をベースに事業計画を定めていると理解しておりますけれども、現計画におきましては、平成28年10月の高齢者人口を約49万3,000人余りと推計して、それに基づいて各種の事業や内容、量が組み立てられていると捉えております。  幸いと言ってよいのかもしれませんが、実際の本市の高齢者人口は、現計画の推計の基準時点で約49万1,000人とほぼ推計どおりに推移しております。しかし、今後、さらに高齢化が急速に進んでいくことは間違いない状況でございまして、一方で財源もどんどん厳しくなっていくことが確実視されている中ですから、現在進められている次期計画の策定作業に当たりましても、基礎となる高齢者人口推計を今後いかに正確に行っていくかということが極めて重要でございます。それも、私としては、どちらかというと多少は厳し目ぐらいに想定しておくほうが中長期的には望ましいのではないかとさえ考えているところでございます。  そこでまず、確認させていただきますが、平成30年度を開始年度とする次期の高齢者保健福祉計画介護保険事業計画におきましては、高齢者の将来人口をどのような方法で推計していくのか、お伺いしたいと思います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  次期計画における高齢者の将来人口の推計方法についてでございますが、平成27年度策定の現計画からは、計画期間の3年間と、団塊の世代が全て75歳以上となって医療・介護ニーズが急速に高まる平成37年を見据えた中期的な推計を行ってきたところでございます。次期計画におきましても、年齢別、男女別に住民基本台帳の人口の伸びや、5年ごとの国勢調査における人口の推移を考慮しまして、平成30年から平成32年の3年間と、平成37年、2025年の高齢者人口を改めて推計しているところでございます。 ◆中川賢一 委員  高齢者の将来人口推計ですが、住民基本台帳や国勢調査における人口の推移を考慮しながら、今後のこととして、平成30年から平成32年までの3年間、そして2025年を見据えて推計しているというお答えだったと思います。  そこで、この部分を人口の社会的増減の視点で少し考えてみたいと思います。  札幌は、高齢者にとって非常に住みやすく、便利なまちでございますので、最近ではご高齢の方が道内各地から札幌に移住してくる傾向が顕著だということもよく耳にするところでございます。実際に、65歳以上の高齢者の転出入を見てまいりますと、平成24年以降は2,000人を超える転入超過が続いておりまして、平成28年は2,157人の転入超過でございました。そういったこともあるのか、平成27年4月、2年前でございますが、24.1%であった高齢化率は、わずか2年後のことし7月現在で25.8%と1.7%も上昇している状況でございます。私の住んでおります中央区は、特に地方からの高齢者の移住が多いとふだんから耳にしておりまして、私の地元の山鼻地区では、2年間で高齢化率が23.4%から25.6%に2.2%も上昇しているような状況でございます。  このように、このところの転出入の動向を追ってみただけでも、これまでの統計のトレンドとは若干違った動きも今後は出てくるのではないかと感じるところでございます。さらに、最近では大型集合住宅や高齢者住宅についていろいろな事業計画が頻繁にあるようでございまして、こういった民間の開発動向も今後の高齢者人口の動向を左右していくのではないかというふうに考えるところでございます。  そこで、次の質問でございますが、次期計画を策定するに当たって、高齢者人口など基礎となる数字につきまして、札幌市の実態をより反映させながら検討していくべきと考えますけれども、そういった部分での札幌の特徴はどのようなところにあるとお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  計画策定のための札幌市における高齢者人口の特徴についてでございますが、委員がご指摘のとおり、札幌市は道内からの転入超過ということが一つの特徴でございます。現計画にも、転入超過について掲載して推移を見ているところでございます。  これは、政策企画部が公表している数字でございますが、平成23年までは年間1,700人前後の転入超過だったものが、平成24年に急増いたしまして、2,000人を超える状況でございます。この背景には、この時期に創設されたサービスつき高齢者向け住宅の制度が少なからず影響しているものと考えられますが、このほかにも、親族との同居あるいは入院など、転入にはさまざまな理由が挙げられております。しかし、平成25年以降の転入超過を見てみますと、2,200人から2,300人前後で横ばいに推移しておりまして、先ほど答弁した推計方法で数値に大きな差異は生じてこないものというふうに認識しております。  このほかの特徴といたしまして、札幌市の高齢化率を全国平均と比較してみますと、平成28年10月1日現在で25.3%と、全国よりも2.0ポイント低い状況でございます。しかし、高齢者に占める要介護・要支援認定者の割合を見ますと、札幌市は20.2%と、全国平均よりも2.2ポイント高い状況でございます。さらに、要介護・要支援認定者のうち要支援者の割合が34.6%と、札幌市は全国平均より6.6ポイント高い状況にございます。  以上のような特徴を踏まえまして、札幌市では、予防的な観点を次期計画に反映できるよう現在検討しているところでございます。 ◆中川賢一 委員  このところ、道内からの高齢者の転入超過が一定程度顕著であり、こういったことが本市の高齢者の動態に今後も大きく影響しそうである、ただ、それは施策の動向などにも左右されて、そうしたことがいろいろ影響してくるということでは、認識を共有できたのかなと思います。また、このほかにも、平均寿命がどんどん上がってきておりますから、今後は、老齢人口の中でも年代ごとの人口構成が変化してくると思われますので、こういった部分も注視していかなければならないのかなと思うところでございます。  平成28年度の一般会計歳出決算額における保健福祉局関係分は約3,173億円でございますが、これに介護保険や国民健康保険、後期高齢者医療保険といった特別会計を加えますと合計で6,958億円、7,000億円近い額でありまして、本市の一般会計、特別会計総額の約53.6%を占めている状況でございます。残り約46%のうちの4割近くは人件費と借金の返済でございますので、他の行政分野を全て合わせた額の2倍ぐらいになってしまうという一大事業分野でございます。当然、保健福祉局関係の予算の全てが高齢者福祉関連ではないわけでございますが、例えば、生活保護費に関しても高齢者の生活実態がいろいろと深くかかわっているようでございますので、やはり、高齢化の進行は保健福祉行政全般にいろいろな形で影響を及ぼしているというふうに考えます。こういった点からも、繰り返しになりますが、高齢者人口の推計については、札幌市の現実に合わせてより高い精度で行って、量的なものの展望をしっかりと見据えていただきたいと改めて申し上げたいと思います。  本計画の柱である介護保険に限って話を続けさせていただきますが、保険給付に要する費用は、制度が創設されました平成12年度の約473億円から、平成28年度決算では約1,235億円と、およそ2.6倍に増加しております。その間の高齢者人口の伸びが約2倍でございますので、それを上回って増加している状況でございます。保険給付費のさらなる増加は容易に予想されますが、今後も介護保険制度を維持していくためには、健康寿命の延伸に積極的に取り組んで、結果としていかに費用を抑えていくかという観点が極めて重要であると思います。  そこで、質問でございますけれども、本市における今後の保険給付費の見込みが今後どのようになっていくとお考えになっているのか、そして、保険給付費を抑えていくためには、明確な目標を定めて次期計画を策定していく必要があるというふうに私は考えますが、その点の札幌市のご認識をお伺いしたいと思います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  1点目の今後の保険給付費の見込みについてでございます。  今現在は次期計画に向けて検討しているところでございますが、現計画を策定した時点では、2025年の保険給付費と地域支援事業費の合計額を約2,000億円と見込んでおりまして、平成28年度決算額1,256億円と比較しますと約1.6倍になるとしているところでございます。この費用は、高齢者人口が増加していくことを踏まえますと、今後も伸びが予想されると認識しております。  2点目の次期計画策定における明確な目標設定ということでございます。  介護保険事業計画は、まず、市民ニーズを踏まえた介護サービスや地域支援事業の必要量の確保を目標とすると認識しております。次期計画におきましては、高齢者の健康維持のため、それから、自立支援、重度化防止の視点を重視した適切なサービス利用や、住民による主体的な介護予防活動の支援などの充実強化を検討しているところでございます。  札幌市としましては、このような取り組みを進めていくことによりまして、高齢者が健康で過ごせる期間を少しでも延ばすことができるようにつなげ、結果として今後の介護給付費の伸びを抑えられるように努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆中川賢一 委員  現計画では、今後1.6倍になるとして、さらに今後も伸びが予想されるというお答えでございましたので、本市としても非常に重大な政策テーマなのかなと改めて思うところでございます。  今のご答弁の中で、介護保険事業計画では各種事業の必要量を確保していくことを目標とするというお答えがございましたが、必要量を確保するというような大前提があるのでございましたら、その必要量自体、どれだけ現実に即して推計されるかということが極めて重要だと思います。先ほど新総合事業の現場の話もございましたが、ここで言うのはあくまで必要量でありまして、供給可能量ではございませんけれども、これをどれだけ正確に捉えるかが重要だと申し上げておきたいと思います。  ご答弁の中でも、今後、高齢者が健康で過ごせる期間を延ばす努力をして、それが結果として保険給付費の拡大を抑えることにつながるというようなご認識がございましたが、まさにそのとおりでございまして、ご高齢の方にできる限り健康で元気な生活を満喫していただく、そして、そのことを通じて、同時に財政負担の拡大も極力抑制していくことが当然望まれる、このことには異論がないだろうと思います。  ただ、今後必要なのは、単にこういった方向性を持つのみではなくて、具体的にそれを達成するための目標と計画を持って、できれば数的な目標を持って、高齢者の健康維持や自立支援、重度化防止といった分野に取り組んでいければいいなというふうに考えるところでございます。例えば、こういった制度を使う高齢の方が今後どのぐらいふえるのか、そのうちどのぐらいの方に健康を維持していただくと、新たな利用者をどの程度抑えられるのか、また、どのぐらいの方の重度化を抑えようとするのか、そのために必要な介護予防のあり方や量を具体的に想定していく、こういった作業は、介護保険だけではなくて、どんなテーマであっても事業の計画を策定していく上での本来的な手順でございまして、単に今できることや国の政策の方向をメニュー化するだけでは、急速な高齢化という大きな課題に対して計画の実効性というものが乏しくなるおそれも禁じ得ないわけでございます。とにかく、事業規模が圧倒的に大きな分野でございますので、その対応に当たっては、やはり、他の事業分野にも増して具体的な数的目標が必要だと考えるところでございます。  新計画の策定、さらには今後の中長期的な展望の中でそういった意識を持って臨んでいくことを強く指摘させていただき、今後も引き続き介護予防のあり方などを議論させていただくことを申し上げて、きょうのところは質問を終わらせていただきたいと思います。 ◆村上ひとし 委員  高齢化の進展によるさまざまな課題、それから、最期は自宅でみとりたい、つまり、終末期の医療や介護と連携して充実したサービスをどう提供していくかというような議論がこの間も行われております。私は、介護給付費の問題で言いますと、やはり、市民が求める必要な介護を当初からきちっと提供していくことが最も必要だし、そのことが結果として給付されるトータルの費用も縮小できる唯一の方法だというふうに思うわけであります。  いろいろ質疑されてきましたが、私は、在宅介護における訪問看護、それから、そのもとで費用の問題についても関連して質問させていただきます。  本市の2014年における高齢化率は23.6%、2015年は25.1%です。北海道や全国平均との比較ではまだ低い状況でありますが、2025年には30.5%まで上昇するとされ、今後は急速に高齢化が進むことが見込まれております。65歳以上を対象にした2013年度の高齢社会に関する意識調査によりますと、高齢者の8割が現在住んでいる地域に住み続けることを願い、体が弱ったとしても在宅生活を希望する高齢者の割合は約6割であります。先ほどもありましたが、そのうちの5割近くは、自宅で最期を迎える、いわゆる在宅でのみとりを希望しております。最近では、医療技術が進歩しまして、これまで治療が困難だった病気の延命が可能になり、在宅でも高度な医療機器を扱えるようになったことなどで、病院から在宅にシフトする医療提供はさらに普及していくことが予測されております。  この傾向は、当然、療養病床の縮小や廃止、あるいは、診療報酬の高齢者に対する差別化など、高齢者を病院から遠ざけてきた国の政策の影響も否定できません。いずれにせよ、病院から在宅の流れが今後一層強化されるもとで、在宅医療を継続しながら自宅でみとる上では訪問看護の果たす役割というのは極めて重要であります。  そこで、現在作成中であると思いますけれども、来年度から3年間の高齢者保健福祉計画介護保険事業計画では、この訪問看護をどのように位置づけ、充実させるおつもりなのか、まず、お伺いします。  また、本人はもちろん、その家族が安心して在宅療養を続け、自宅でみとるには、訪問看護のみならず、切れ目のない医療、介護の提供が必要であります。そのために、札幌市として、医療、介護の関係者間の連携強化に向けてどのような役割を果たしていくつもりなのか、お伺いいたします。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  次期計画における訪問看護の位置づけとその充実についてでございます。  65歳以上の介護保険の第1号被保険者は、平成28年9月末で49万1,081人と、平成26年9月末の45万5,173人と比較して8%増加しております。一方、介護保険の訪問看護の利用者数を見ますと、平成28年度の1カ月平均で8,511人と平成26年度の6,812人から25%増加しており、在宅における訪問看護のニーズはふえているものと認識しております。  したがいまして、次期計画におきましては、医療系の介護サービスを重要なニーズの一つに位置づけまして、訪問看護のほか、看護小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護とあわせまして、今後の効果的な活用に向けて一層の周知を図ってまいりたいと考えております。  2点目の医療、介護の連携強化に向けた札幌市の役割でございます。  平成27年度の改正介護保険法により、在宅医療・介護連携推進事業におきまして、課題の抽出や医療・介護資源の情報の一元化、また、多職種の研修等の実施が市町村の役割というふうに位置づけられたところでございます。  札幌市におきまして、医療・介護関係者の連携上の課題を集約しましたところ、情報共有の不足、互いの役割が不明確である、また、専門知識が不足しているというようなことが明らかとなりました。こうしたことから、札幌市の取り組みといたしまして、各団体とも連携しながら、在宅医療や介護の関係者が互いの業務を理解するための意見交換や、多職種を対象とした研修会の実施などを行っているところでございます。今後とも、各職種のニーズに応じた事業を実施することによって連携強化に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆村上ひとし 委員  特に医療と介護の連携という点では、岡島部長ともいろいろと議論させていただいてきました。本来、壁があってはいけないのですが、介護側からすると、医療の側にさまざまな相談をしても、なかなか敷居が高いという実態があります。そこで、札幌市として、そうした情報をどう上手に共有するか、そして、市民の利用を促進していく上で現場のスタッフがその役割をどう果たすのか、そういう点で計画の中に積極的に位置づけていただきたいと思います。  これは厚生労働省が資料として出しているものですが、終末期医療に関する調査を見ますと、終末期の療養場所について、最期まで自宅で療養したいと回答した人は1割ぐらいいたそうであります。しかし、自宅で療養して、必要になれば医療機関を利用したいと答えた人の割合を合わせますと、約6割の国民が自宅で療養したいと答えているそうであります。こうした国の動向から、札幌市としても、今後の高齢者保健福祉計画介護保険事業計画で訪問看護の充実を図るということは極めて重要だろうというふうに思いますし、医療、介護の連携強化の具体化も積極的に図るべきだということを申し上げておきたいと思います。  次の質問に移りますけれども、介護給付費の実態調査ということで、これは厚生労働省の保険局医療課で出している訪問看護ステーションの利用者数の推移を示すデータですが、この資料を見ますと、訪問看護ステーションの利用者数は介護保険、医療保険ともに増加しております。そして、特に、2001年から2015年の介護保険の利用者の増加率が2.05%なのに対して、医療保険の利用者の増加率は3.49%ということで、医療保険の伸びが顕著だということが示されておりました。  要支援の方が、まだそれほど介護サービスを利用していない状態で、例えばがんを発症して治療を開始した場合には、最初は高額な検査などがあります。また、抗がん剤の治療も高額だと聞いておりますし、中には保険適用外の薬の使用も相当数あって、月に数十万円を超える治療費の支払いは決して珍しいことではないと言われております。こういう方が終末期を在宅で迎えようとした場合、介護保険の在宅サービスの利用に加えて、医療保険による訪問看護ステーションの利用となっていくわけですが、こうした状況にある方は今後ますますふえる傾向にあるというふうに思います。  そこで、次の質問です。  終末期医療などで重度の方が在宅における療養を行う場合に、医療費の負担に加えて介護保険の負担も当然生じる場合があります。本人や家族の経済的な負担は、重いものとなっています。そこで、在宅療養を続け、自宅でみとる場合には医療保険と介護保険の負担が重いことについて、札幌市の認識をお伺いします。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  介護保険、医療保険の自己負担が重いことに対する認識でございますが、両保険とも、自己負担が所得に応じた一定の上限額を超えたときには、申請によりましてその超えた額を払い戻す高額介護サービス費、高額療養費の制度がございます。さらに、介護保険と医療保険の自己負担の合計額が一定の上限額を超えたときにも同様の制度がございます。このように、低所得の方には、負担が過重にならないよう、制度上の配慮がなされているというふうに認識しております。 ◆村上ひとし 委員  そういう制度はありますけれども、償還払いであると、一旦は払うのですね。そして、2カ月、3カ月たった後に一部負担金が戻ってくる仕組みですから、やっぱり、本人や家族としては負担が相当厳しい状況にあると思うのです。  今示したようながんの末期の方は、以前は、どちらかというと、病院で治療を継続して、最期も病院というケースが圧倒的に多かったと思うのです。しかし、先ほど申し上げたとおり、医療技術や訪問看護などのいろいろなサービスの提供もあって在宅でみとることができるようになってきたわけです。つまり、かつては、病院の入院費一本で支払いが済んでいました。そこでは、当然、高額療養費も使えるでしょう。ところが、制度が多岐にわたって、介護サービスも提供されるし、訪問看護で医療サービスも提供するというようなさまざまな仕組みができてきて、そこで多様なサービスも提供されております。そうすると、在宅に移ったら、病院一本の支払いであったものが、結果として、病院での治療も受ける上に訪問診療での負担があったり、訪問看護ステーションもある、そして、調剤薬局でも支払いがあるし、在宅系の介護サービスを受けようと思ったらまたその負担も出てくるようになります。岡島部長がおっしゃったとおり、仕組みや制度はあるんですよ。しかし、これらが一体的になると1カ月に支払う額は極めて大きいという状況がますます広がっていくだろうということなのです。もちろん、札幌市が新総合事業の運営の主体になっていろいろなサービスを提供するし、仕組みが動いていますから、制度の問題というのは極めて難しいと思います。  そこで、お伺いしたいと思いますが、病院から直接往診を受けて、また訪問看護も受ける場合は、病院の医療費全体の中で済みますね。ところが、そうではなくて、地域の訪問看護ステーションの医療系サービスを受けようということになると、それはそこで支払いが発生することになります。そのように、高齢者の負担が極めて重くなってきているということについて、部長はどのようにお考えでしょうか。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  委員がご指摘のとおり、さまざまな制度を利用し、それぞれに自己負担をお支払いいただくということは、非常に負担が重いというふうに私どもも認識しております。  ただ、現在の仕組みにおきましては、やはり、制度が個別に立てられておりまして、それぞれの制度に応じて自己負担をしていただくことになりますので、今は、その合計額が一定の自己負担額を超えたときに払い戻しを受けるという制度の範囲で運用していかざるを得ないというふうに考えております。 ◆村上ひとし 委員  直接、入院、治療していた病院から往診や訪問看護を受ければその医療費をまとめて支払うことができる場合があり、したがって、負担する医療費は少なくて済むわけであります。しかし、実際には、24時間365日で対応してくれる病院はほとんど少ないのが実態であります。そもそも、病院が行う、あるいは行っている訪問看護というのは、在宅へ向けた試験的な運用、あるいは、地域と連携を目指したもので、恒常的にいろいろなお年寄りを受け入れてサービスを提供していくものではないのが実態です。その結果、訪問診療と訪問看護ステーションの2カ所でそれぞれ支払いが発生することになるわけです。このほかに、先ほども申し上げましたが、調剤薬局も相当な負担があります。介護保険の在宅サービスなどの費用負担も加わり、在宅療養を続ける上で耐えがたい負担となります。市民が安心して在宅療養を継続し、自宅でみとるために、重い費用負担の軽減策は札幌市にとっても急がれる課題であります。  そこで、質問でありますが、本人からの委任によって事業者が保険給付を受領する、いわゆる受領委任払い制度の導入は検討できないのかどうかという点についてお伺いいたします。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  受領委任払い制度の導入についてでございます。  在宅で重度の方が介護保険サービスを利用する場合におきましては、一般的に複数の事業者のさまざまなサービスを利用しており、それぞれの事業者に対して利用料をお支払いいただきますので、自己負担額の上限額管理が難しいということから、現時点では受領委任払いの制度の導入は大変難しいというふうに考えているところでございます。 ◆村上ひとし 委員  以前の介護保険では、福祉用具の購入費あるいは住宅改修費というのは、一旦、利用者が費用を全額負担して、後で区役所に9割分を請求する、いわゆる償還払い方式をとっておりまして、受領委任払い制度というのは介護保険では全く使えなかった制度でした。介護保険制度の中では、最大20万円まで使って、家の中に手すりをつけたり、あるいは段差を解消するなどの住宅改修ができることになっておりますけれども、これは、高齢者が在宅で安心・安全に暮らしていく上では非常に重要な制度であります。しかし、必要とされる福祉用具の購入や住宅改修をケアマネジャーから勧められても、一旦、費用を全額払わなければならず、経済的な問題から住宅改修などになかなか踏み切れないという実態がありました。ですから、制度はあっても、年金暮らしなどのいわゆる所得の少ない高齢者には利用できないこともあったようです。  私は、この問題について、2009年から議会で何度も取り上げまして、3年くらいかかったでしょうか、ようやく介護保険制度を利用した福祉用具の購入あるいは住宅改修に受領委任払い制度を利用できるようになりました。従来は20万円かかったものが、最初に2万円を払うことで住宅改修をできるようになり、利用者も利用額も飛躍的にふえてきました。また、地域のケアマネジャーなどからも、経済的な心配をすることなく、介護サービス利用者に対して必要な住宅改修などを勧めることができるようになったと大変喜ばれております。  岡島部長から、現時点では受領委任払い制度の導入は困難だというお話がありました。確かに、介護事業所の数も非常に多いし、サービス提供も多岐にわたるので、制度の導入には難しさがあると思います。しかし、札幌市民の高齢者の8割が今住んでいる地域に住み続けることを願い、体が弱ったとしても在宅生活を希望する割合が約6割、そして、5割近くの高齢者は自宅で最期を迎えたいという希望を持っているわけであります。  最後に、岸副市長にお伺いしたいと思います。  私は、介護保険を使った福祉用具や住宅改修に受領委任払いを導入すべきだと議会で求めたときに、最初は、保健福祉局の皆さんは、やはり、システム改修の問題で少し混乱があるとか、制度の導入は難しいというふうに言いました。しかし、さまざまな工夫と努力をしていただいた結果、制度が導入され、そして、経済的な負担も軽減され、今では高齢者の在宅生活を支える上で大いに喜ばれて利用されております。  人生最期となる終末期に、経済的な負担が重くて、必要な介護サービスを減らして、みとりも断念しなければならないというのは、余りにも悲しい問題であります。現時点では、さまざまな観点で難しいということもあろうかと思います。しかし、高齢者の負担軽減を図る努力をすることは、札幌市に求められている大変大きなテーマの一つだと思います。副市長は、その辺をどのようにお考えでしょうか。 ◎岸 副市長  介護保険等のサービスを受けた利用者に対する受領委任払い制度の導入ということでございます。  ただいま岡島部長から答弁させていただいたとおり、現状においては、さまざまな事業者からサービスを受けている中で、個人に着目して名寄せをしてサービスの総額を把握し、その上でそれを受領委任払いにしていくというのは技術的にクリアすべき課題が非常に多いのかなと、今の議論を聞きながら私も感じたところでございます。また、住宅改修等については、恐らくは、1度のサービス提供ということで、比較的、制度を導入しやすかった部分があるのかなと思います。  今申し上げたとおり、クリアすべき課題がなかなか多くて、現状においては難しいとお答えをさせていただいております。ただ、人生を閉じる最期の部分において、経費の負担について困難を感じている現状があるということは認識いたしますので、札幌市単独ではなかなか難しい部分もあろうとは思いますが、引き続き、そういうことについての研究は続けていきたいというふうに思います。 ◆村上ひとし 委員  高齢化の時代と言われて、高齢者がふえるからこそ、高齢者の負担をどうやって減らしていくのか、高齢化にふさわしい対応、対策をぜひ進めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。 ○佐々木みつこ 委員長  以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計決算等の質疑を終了いたします。  次に、国民健康保険会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分について、一括して質疑を行います。 ◆平岡大介 委員  私からは、国民健康保険制度の都道府県化について、大きく2点質問させていただきたいと思います。  国民健康保険制度については、2018年度から、都道府県が財政運営の責任主体となる、いわゆる広域化、都道府県化が始まるところです。本来、誰でも、どこでも、いつでも安心して医療を受けることができること、そして、支払い可能な保険料である、こういった皆保険制度の充実こそが求められております。それが、都道府県化することによって、例えば、各市町村の国保行政を採点されて交付金に差をつけられたり、一般会計からの繰り入れで保険料の高騰を抑えてきた自治体で、この繰り入れが禁じられ、国保料が引き上げられるといった問題が全国で起きるのではないかと懸念しているところです。国保の都道府県化というのは、この間の医療費適正化計画や地域医療構想とあわせて、都道府県を司令塔としてさらなる給付費削減を推進しようとするものであるということを初めに指摘させていただきます。  質問に入ります。  保険料について、これまで、市町村が個別に医療給付費を推計し、必要となる保険料負担額を決定してきました。今後は、道が定める納付金を納めるために保険料を賦課、徴収することになります。つまり、道が定めてくる納付金額が本市の平均保険料決定に大きな影響を与えるということであります。この間、北海道から納付金の仮算定が示されてきていますが、改めて、ことし8月、2017年度の予算推計により第3回の仮算定が行われ、個々の市町村ごとに納付金の額や標準保険料率が示されたところであります。  そこで、伺いますけれども、第3回の仮算定で示された本市の試算結果をもとに保険料を算定すると、今年度の保険料と比べて今後はどういうふうになっていくのか、伺います。 ◎富樫 保険医療部長  国保の都道府県単位化後の保険料に関しまして、まず、北海道の第3回目の仮算定結果をもとに算定した保険料についてでございます。  札幌市では、医療分、支援金分の1世帯当たりの平均保険料を、一般会計からの法定外繰り入れによりまして、例年、15万1,543円に据え置いているところでございますが、今回、北海道から示されました第3回目の納付金仮算定結果をもとに保険料を算定しますと、この法定外繰り入れを行わなくても、1世帯当たりの平均保険料は現行より年間で約7,000円下がる見込みとなってございます。  ただし、これは、あくまで仮算定によるものでございますから、今後、北海道が行います納付金の本算定結果によりましては、納付金の額が若干変動することが予想されるところでございます。 ◆平岡大介 委員  あくまで仮算定でありますけれども、法定外繰り入れを行わなくても1世帯で約7,000円下がるという答弁でありました。  9月19日に札幌市国民健康保険運営協議会が開催され、議案として、国保都道府県単位化後の保険料のあり方について審議されたところであります。この運営協議会において、審議の結果、2018年度は道の示した納付金をもとに保険料を算定することとし、保険料軽減のための法定外繰り入れは行わない、ただし、保険料が大きく変動した場合には、保険料軽減対策のための法定外繰り入れなどを検討するといった方向性が示されたとのことであります。しかし、道が策定した国民健康保険運営方針では、決算補填等が目的の法定外繰り入れは、保険者が対象を削減すべき赤字としています。つまり、簡単に言えば、保険料の軽減対策や補填を目的とした一般会計からの法定外繰り入れはやめましょうと言っているわけです。  そこで、伺いますけれども、法定外繰り入れを行うことは、こうした道の運営方針に反することともなります。保険料が大きく変動する、つまり、大幅に高くなることがあれば、本市独自の判断によって保険料軽減のための法定外繰り入れを行うという理解でよろしいでしょうか。 ◎富樫 保険医療部長  保険料軽減のための法定外繰り入れについででございます。  法定外繰り入れを行うかどうかにつきましては、最終的には市町村が判断することになります。札幌市では、これまで、加入者の保険料の負担感というものが非常に強いという認識を示してきたところでございます。今回の仮算定結果におきましては、一般会計からの法定外繰り入れを行わなくても1世帯当たりの平均保険料は下がる見込みとなってございますけれども、将来的に、納付金の額が上がり、保険料が大きく変動することも考えられますので、そういった場合には、保険料軽減対策のための法定外繰り入れを行うなど、何らかの対応を検討する必要もあると考えているところでございます。
    ◆平岡大介 委員  今、法定外繰り入れの余地と可能性について確認させてもらいましたが、そもそも、都道府県化をすることによって、道内丸ごとの保険料を平準化していく、つまりは一元化していくということでありますけれども、それに当たっては、各自治体でさまざまな問題が出てくるのではないかというふうに思います。  国保は、加入者の高齢者割合が高く、所得水準が低いといった構造的な課題を抱えている制度です。そのような財政運営の厳しさは、財政運営を広域化したり、運営主体を都道府県化しただけでは解決しない問題であります。やはり、国の国庫補助の拡充が必要な問題です。国が国保の抱える構造的な問題の解決の方針を示さずに都道府県化を進めても、自治体によっては、保険料が上がることや、納付金を納めるために苛酷な徴収を強化する、資格証明書の発行がふえる、そういった問題が出てくることが懸念されます。  今回は、まずは来年度の保険料が引き下げることと、法定外繰り入れの可能性を残したことを確認させていただきましたけれども、将来的にはどうなるのか、さまざまな懸念を持っていますので、引き続き取り上げたいと思います。 ○佐々木みつこ 委員長  以上で、国民健康保険会計決算等の質疑を終了いたします。  次に、後期高齢者医療会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分について一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時48分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 副委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第3款 保健福祉費 第5項 健康衛生費の質疑を行います。 ◆竹内孝代 委員  私からは、ネウボラ理念を取り入れた子育て支援の取り組みについて質問いたします。  近年、少子化や核家族化、また児童虐待等、子育ての問題が社会の中で大きな問題となっておりますけれども、次世代を担う子どもが心身ともに健やかに育つことを目的とした母子保健事業の果たす役割は今後ますます重要となってまいります。母子保健法の改正によって、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行う子育て世代包括支援センターの設置についてはその努力義務が法定化され、また、母子保健施策を通じた児童虐待の発生予防や早期発見についても明記されています。  札幌市においては、各区の保健センターが子育て世代包括支援センターの機能を担っている、そして子育て支援を行っているということでありますけれども、これは、ここ数年着目されておりますフィンランドのネウボラの理念と通じているものです。ネウボラというのは、フィンランド語で、「ネウボ」はアドバイス、「ラ」は場所という意味で、精神的なケアも含めて特別なトレーニングを受けた保健師等が国内800カ所にて相談支援を行うものです。しかも、プライバシーが守られるお部屋で、妊娠初期から就学前まで常に同じ人が母子及び家族全体の相談支援を担当するということで、互いの信頼関係も構築されて、親は、心配、気がかり、不安や悩みを抱え込まずに、いつでも、どんなことでも、そこに行けば相談することができるというものがフィンランドのネウボラでございます。国はもとより、各自治体においても、こうしたネウボラ理念に着目して、また、それを踏まえた積極的な子育て支援の取り組みを開始しております。  さきの我が会派の代表質問においても、ネウボラ理念への認識と今後の子育て支援の取り組みについてお聞きしたところ、札幌市からも、重要であると認識していること、また、さらに子育て支援にも力強く取り組むとの姿勢を確認したところです。  札幌市においては、妊娠期及び出産後の家庭訪問を同じ母子訪問指導員が担当するなど、切れ目のない支援に取り組んでいることは十分に承知しております。一方で、不安感や心配事が多い乳幼児期の親からは、困ったことがあってもどこに相談してよいかわからない、また、気軽に相談できる場所がないまま困り事が大きくなってしまったというようなご相談を受けて、各関係機関におつなぎすることが多々あります。ネウボラ理念から見ると、こうしたことはとても大きな課題であると思います。  そこで、質問ですが、妊娠期から子育て期において、それぞれの段階に対応した支援や、サービスの情報や助言が子育て家庭に伝わり、理解されるよう、札幌市においては、その相談窓口の周知についてどのように取り組んでいるのか、また、今後の周知についてはどのように考えているのか、初めにお伺いします。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  ネウボラの理念を取り入れた取り組みについてお答えいたします。  まず、相談窓口の周知についてでございますが、妊娠届け出時には、全ての妊婦と面談させていただいており、その中で、妊婦一人一人の状況に合わせまして、妊娠期からの訪問指導や各種教室等を説明するとともに、保健センターの相談機能についても周知しているところでございます。また、母子健康手帳やさっぽろ子育てガイドなどには、乳幼児の身体の発育や発達、育児上の悩みなどの相談窓口について記載しておりまして、配付時に情報提供をしております。さらに、今年度から、新たに、妊娠期から就学前の子育て情報や相談窓口などがスマートフォン等でいつでも手軽に検索、閲覧できるさっぽろ子育てアプリの運用を開始したところであります。  今後、母子健康手帳に記載している相談窓口につきまして、さらにわかりやすく、見やすい記載となりますよう掲載内容について見直しをしていくとともに、引き続き、妊娠届け出時の面談等におきまして、相談窓口についてのより丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  今も一生懸命にされていると思いますが、さらにわかりやすいもの、また、母子手帳をいただくときのたくさんの書類の中に紛れてしまうケースもあると思いますので、必要な時々にお渡しできるような配慮もお願いしたいと思います。  子育てというのは、家庭や地域での日々の暮らしの中で行われるものであります。子育ての日々は、子どもだけでなく、親自身も成長する喜びの体験が凝縮された本当に貴重な時間だと思います。しかし、ライフスタイルや経済社会の変化の中で、家族は、日々の就業、家事、子育てや介護などに追われて、地域の中で孤立化してしまう場合もあると思います。  先日、視察させていただいたネウボラ理念を導入した東京都中野区では、子育て支援対策の一つである特色ある母親・父親教室の取り組みによって、子育て支援の輪が大きく拡大し、地域全体で子どもを育てようとする機運醸成に大きく貢献しているという状況を目の当たりにしてまいりました。安心して妊娠、出産、子育てができる地域づくりも、子育て世代包括支援センターの重要な役割の一つであると思います。また、それとともに、互いに悩み事を相談したり、情報交換をすることで、負担感や不安感を軽減できるなど、子育て世帯同士の交流や仲間づくりも重要であるとされております。  そこで、質問ですが、札幌市においては、地域で孤立しないよう、妊娠期からの仲間づくりとしてどのような取り組みを行ってきているのか、お伺いいたします。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  妊娠期からの仲間づくりについてでございます。  妊娠期におきましては、各区保健センターで母親教室、両親教室を実施しておりまして、平成28年度は、母親教室は2,647人、両親教室は2,576人が参加しております。各教室では、安心・安全な出産、育児が行えるよう、実習なども取り入れたプログラムとなっておりますが、教室終了後におきましても、身近な地域で親同士の交流が継続できるよう、地域ごとにグループ分けを行うなどの工夫をして実施しているところであります。母親教室への父親の参加も、年々、増加傾向にありまして、先輩パパの体験談を教室に取り入れ、父親同士の交流を図るなどの取り組みを実施している区もございます。また、出産後、地域の親子の交流の場である子育てサロンの参加促進にも努めており、妊娠期における母親教室の中での紹介や子育てサロンの見学なども教室のプログラムに取り入れている区もございます。  今後も、これらの教室や子育てサロン等を活用いたしまして、地域での仲間づくりにつなげる工夫を取り入れつつ、子育て世代が孤立せず、安心して子育てができるよう引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  今、さまざまに工夫しているお話を伺いました。そういったサークル等に来られる方々というのは、そういう機会をつくっていけると思いますし、仲間づくりもしやすいかと思いますが、逆に、家の中で孤立してしまうような方々が今後の課題だと思います。そういった方々が今おっしゃったような事業に少しでも参加しやすいような取り組みが必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。  札幌市としても、いろいろな取り組みをしてきたことがわかりました。しかし、国が求めている子育て世代包括支援センターの本来の役割を担っていけるように、機能の強化が必要であると考えています。特に、支援現場では、ワンストップ型を目指しているとはいえ、母子保健に関することは保健福祉局、子育て支援に関することは子ども未来局、そして幼児教育相談は教育委員会と、子育てに関する部局も多岐にわたっているのが現状です。実際に働く市の職員からもその縦割り体制に苦心しているというお話を伺ったことが実はありました。ネウボラ理念であるワンストップ型の支援は、利用される側はもちろん、行政側からの観点も重要な視点だと思っております。  妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を提供できるように、ネウボラ理念を導入したそれぞれの事業担当部局の積極的な連携と、より適切な体制のあり方を考えるなど、子育て支援の強化・充実に努めていただくことを要望して、質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  午前中は、介護保険会計などを中心に、在宅療養のニーズが市民に大きく拡大するもとでの、みとりもふえていく中で、医療、介護の連携の必要性、あるいは、高齢者の医療、介護に関する負担の軽減が求められているという観点で質疑をさせていただきました。こちらでは、その在宅療養を担う訪問看護師の養成と確保に関して質問させていただきたいと思います。  近年、医療の進歩で、がん患者などが在宅で療養するようになりました。また、札幌市内の医療機関が在宅でみとりを行った件数は、2010年度は171件でありましたが、2016年度は583件に増加し、約6倍になっていると状況であります。在宅療養を継続しながら自宅でみとる上では、訪問看護師の役割は重要であると思いますが、まず、札幌市の認識を伺いたいと思います。  また、現状におけるみとりの課題認識と、在宅でのみとり希望に対してどのように応えていこうとしているのか、お伺いしたいと思います。 ◎伊藤 医療政策担当部長  訪問看護師の役割やみとりに関する現状などについてのご質問にお答えいたします。  まず、1点目の訪問看護師の役割についてでございますが、終末期を迎えた患者やその家族の方々の身体的・精神的ケアを担うなど、訪問看護師が果たす役割は重要であるというふうに認識しているところでございます。  2点目のみとりに対する課題についてでございますが、訪問看護師と医師などが患者の情報などを共有し、従事者同士の円滑な連携を図ることが必要であると考えております。また、患者とその家族がみとりに関する理解を深めるとともに、医療従事者と信頼関係を構築することが不可欠ではないかというふうに考えているところでございます。  3点目の在宅でのみとりの希望に対する対応についてでございますが、札幌市では、これまでも、市民向けの在宅医療ガイドブックの配布や講演会なども開催しておりまして、これらに加えまして、担い手を確保するための取り組みを実施しているところでございます。今後も、在宅でのみとり希望に応えられる環境を整備していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆村上ひとし 委員  私も、在宅療養の需要はこれからますます高まってきますし、在宅でのみとりは当然ふえてくるだろうと思います。ただし、みとりを希望する場合には、医療機関などを中心に、その状況を十分に説明して理解していただくことが本人や家族にとって極めて重要であると思います。そして、ガイドブックなどいろいろな形で広げていただくことになれば、今後は、間違いなく在宅療養の希望がふえると思われます。このため、在宅療養で重要な役割を担う訪問看護師の確保がやはり課題であると考えます。  一般的に、訪問看護師の担い手は割合的にベテランの看護師が多くて、新卒などのいわゆるキャリアの浅い看護師は敬遠しがちだと言われておりますけれども、その要因をどうお考えなのか、お伺いいたします。 ◎伊藤 医療政策担当部長  訪問看護師の担い手はベテランの看護師が多いというご質問です。  訪問看護師は、一人で患者の自宅を訪問することが多いため、みずからの判断で対応するだけの十分な知識や経験が必要になるというふうに考えております。そのようなことも、若い方がなかなか訪問看護に入っていかない要因の一つではないかと考えております。 ◆村上ひとし 委員  今、伊藤部長がおっしゃったように、病院ですと、当然、医師もいますし、看護師も決して一人ではなく、ほかの職種の方もいて、一人の看護師がつまずいたり困難があったとき、あるいは悩んだときなどは相談できる環境にあります。チーム医療という現場にいるわけですから、一人で責任を持ってというのは割合的に少ない環境だと思います。  しかし、訪問看護ということになりますと、部長がおっしゃるとおり、例えば、一人で軽自動車を運転して利用者のところに伺って、いろいろ見たり聞いたりする中でそれなりに判断して必要なところにつなげていくという仕事でありますから、どのようにしていろいろな情報を収集しながら働くのかという意味ではなかなか大変な仕事であるというふうに私も思っております。  特に、2014年度の衛生行政報告例という厚生労働省のホームページにある資料を見ますと、就業場所別の看護師の年齢階級別割合というのがありまして、訪問看護ステーションの看護師は、40代以上が7割を占めていて、50代も非常に多いですが、病院の看護師はどうかというと、20代から30代の職員が半数を占めております。こうした国の資料からも、やはり、在宅を担う訪問看護師は年齢的に高い傾向があらわれております。  この一つの理由は、先ほど述べたように、一人で訪問して、とりわけ高齢者の実態を把握しようとしたならば、内科や耳鼻科、皮膚科、眼科など総合的な医療や看護の知識が求められることになって、そのために若い看護師が訪問看護の場になかなか入りづらい環境となっているのかなと思います。そして、それを補うようなシステムも、私は国ベースでもまだ不十分だというふうに思っております。  地域の様子を見ますと、地域への定着意向が強い高齢者が多いわけでありまして、高齢者が要介護状態になって、そして、治療中の病気があったとしても、可能な限り住みなれた地域での在宅生活を継続するためには、必要な医療と介護、そして、住まいと生活支援が一体的に提供されることが必要であります。このような市民要望を実現していくためには、地域包括ケア体制の構築を市が責任を持って進める必要があります。  そして、そのためには、中心的な役割を担っていく訪問看護の質の向上、あるいは、人的体制の充実が不可欠な要素となります。特に、要介護・要支援認定者の9割以上が高血圧や心臓病、骨粗鬆症や関節関係の筋、骨格の病気、あるいは認知症や糖尿病など何らかの疾患があり、医療依存度の高い高齢者が多いのが実態であります。2013年度に本市が行った要介護(支援)認定者意向調査でも、こうした状況は明らかになっているところであります。こういうした中で、みとりなどを支える訪問看護師をどのように充足させていくのかということを考えると、急がれる課題であると思います。  そこで、訪問看護師の担い手を確保していくために、知識を身につけるための研修が必要であることは言うまでもありませんけれども、保健所において2015年度から看護師を対象に訪問看護について学べる研修を開催している中で、その効果をどのように分析されているのか、また、訪問看護の要求が高まる傾向にふさわしい研修にしていくことが必要と思いますがいかがか、伺いたいと思います。  さらに、今後は、関係部局などとの連携を深めながら、看護師の復職支援を初め、訪問看護師の養成と確保にとってより有効な研修を実施すべきと思いますが、見解を伺いたいと思います。 ◎伊藤 医療政策担当部長  訪問看護を担う看護師の確保という観点のご質問だと思います。  1点目の看護職向けの研修の効果についてでございますが、保健所では、これまで、訪問看護に関する研修を7回開催しておりまして、延べ202名がこの研修に参加していただいております。この研修に参加してくださった方々へのアンケートによりますと、訪問看護に対する知識や技術の習得につながったとのご意見をいただいておりまして、研修の受講が、今後、訪問看護を始めるきっかけになるのではないかというふうに考えているところでございます。  2点目の看護職向けの研修の方向性についてでございますが、訪問看護師を十分に確保するためには、これまでも、訪問看護に関する講義に加えまして、実技を交えるなど実践に即した研修を実施してきたところでございます。この内容につきましては、今後も工夫してまいりたいというふうに考えております。  3点目の関係機関との連携を図った研修についてのご質問ですが、札幌市立大学や北海道看護協会を初めとする関係団体と連携しながら、多様な内容の研修を実施することで、今後も受講者のスキルアップと訪問看護師の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆村上ひとし 委員  今後は、例えば事業所や医療機関も含めて、さまざまなところから市に対して訪問看護師の養成と確保に関するいろいろな要望が出てくることが想定されますので、そうした要望を十分把握していただいて、連携もとれるような形で訪問看護師を積極的に養成、確保していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。 ◆松井隆文 委員  私からは、感染症予防費の予防接種に関して質問させていただきます。  札幌市民の女性で、市外のご実家に戻って、いわゆる里帰り出産を予定される方がいらっしゃいますけれども、そうした方の中には、生まれてくるお子さんに札幌市ではなくて里帰り先での予防接種を受けさせたいケースがあるとお聞きしました。こうした場合に、現在、札幌市ではどのようにすればよいのかということを確認しましたところ、区の保健センターに事前に申請をすれば、接種予定の市外病院に対して札幌市から予防接種依頼書という書類を発行するので、これを携えていくということでした。ただ、接種費用については、自己負担になるということでありました。  調べましたところ、予防接種法では、定期予防接種は市町村長が行うこととされておりまして、この定期予防接種には2区分ございます。その一つは、お子さんが接種の対象になっていて、集団感染予防に重点があるもので、これをA類と言うようですが、接種の努力義務があって札幌市では全額を助成しているので、無料で受けていただいているものであります。こうした予防接種については、市外であれ、受けていただくための体制づくりは市町村側がなすべきではないかというふうに考えます。札幌市では、事前の依頼書発行で定期接種として受けていただいているとはいえ、やはり、自己負担という部分については疑問が生じるのではないかというふうに考えるところであります。  そこでまず、質問ですが、里帰り出産を含め、お子さんが市外で接種されている件数はどのくらいあるのか、そして、市外での接種の理由はどういったものなのか、また、自己負担費用についてはどの程度なのか、伺います。 ◎山口 医療担当部長  市外での接種状況についてでございます。  1点目のお子さんが市外で定期接種を行う件数につきましては、保護者から札幌市へ申請いただいた予防接種依頼書により把握している数となりますが、平成28年度は489件となってございます。  2点目のお子さんの市外での接種の理由につきましては、市外の実家で出産する里帰り出産によるものが約7割、親の就業などで市外に長期滞在するものが3割弱、その他、お子さんの市外での長期入院などがございます。  3点目の自己負担費用につきましては、予防接種の種類や接種する医療機関により接種料金が異なりますが、1回の接種当たり数千円から1万円前後となっているところでございます。 ◆松井隆文 委員  まず、1点目のお子さんの市外での接種件数が年間489件という数字ですが、事前申請という手続の必要性はあると認識していたとしても、費用が無料になるわけではありませんので、申請しないまま市外での接種を済まされる方もいるのではないかと推測されます。つまり、実際の件数というのは、もっと多いのではないかというふうに考えるところであります。  2点目の市外接種の理由についてですが、里帰り出産を中心として、仕事など、ご家庭の事情といったさまざまな事例もあるということでした。これをお聞きすると、本来は、市内の近くにかかりつけ医をお持ちになって、そこで接種を行うのが望ましいと言えますけれども、接種のためだけに例えば市外から戻ってくることになりますと、ご事情があっての市外滞在の中では難しい面もあろうかと思います。出産される方に優しく、また、市民の方の多様なご事情を踏まえた対応も必要ではないかというふうに考えるところであります。  そして、3点目の費用負担については、ワクチンの種類や医療機関で設定が異なるということですが、やはり、数千円から1万円というのは高額と言えるのではないでしょうか。お子さんの予防接種のスケジュールを見ますと、生後1カ月を過ぎますと、少なくとも3種類のワクチンの接種開始時期が到来しております。複数のワクチンを全て自己負担するというのは、かなりの出費になると思います。問題なのは、この自己負担のために、適切な接種時期が来たにもかかわらず、定期接種をせずに過ぎてしまう、すなわち、適切な免疫がつかないままの子どもも出てくるのではないかというふうに心配されるところであります。  この予防接種が国の制度で全国のどこでも受けられるという体系になっていない以上、市町村において手当てするようにすべきではないかと考えます。調べたところによりますと、県によっては、県内の市町村が連携して相互に市外の医療機関と一斉に契約を結んで、県内のどこでも無料で接種できるという広域化を進めているところもあるようですけれども、それも県内にとどまるものであります。  そこで、2点目の質問ですが、政令市における里帰り出産時などの市外接種への対応状況について、調べている概要をお聞きいたします。 ◎山口 医療担当部長  政令市における市外接種の対応状況についてでございますが、政令市における市外接種は、現在は本市と大阪市を除く18市において実施しておりまして、このうち、9市が平成27年以降に開始しております。具体的な内容のうち、助成対象者に関しては、里帰り出産で出生した乳児の月齢に上限を設けている市もあるなど、各市で異なっているところでございます。また、助成額に関しては、16市で上限を定めて実施しているところでございます。 ◆松井隆文 委員  私のほうでも助成制度の有無を一覧で調べてみたのですが、ご答弁にありましたように、札幌市と大阪市の2市は実施しておりません。ただ、大阪市は、市外の医療機関からの希望があった場合は、委託契約を締結すれば公費負担といった制度はあるやに聞いておりますので、市外での予防接種を受けた場合の助成制度が全くないのは20市中で札幌市だけとなろうかと思います。  ここ3年の間に9市で始まったということでありまして、また、市によって、出生した乳児の月齢に上限があったり、助成額の上限設定があるということでした。近年、助成を開始した市が多いということですが、お子さんの定期予防接種が平成25年度に2種類、28年度にも2種類ふえていることを考えますと、やはり、高額な負担を強いないように全国で助成対応が必要とされた結果であるものというふうに思います。  繰り返しになりますが、私は、お子さんのA類の定期接種については、対象年齢の方々に適切な時期に接種していただくことで集団感染の蔓延防止につながるものであり、大変重要なことであるというふうに考えています。したがいまして、里帰り等での市外予防接種への費用助成について、検討を進めるべきと考えるところであります。  そこで、質問ですが、札幌市も、他の政令市を参考として、費用助成の早期実施を目指して、ぜひとも費用助成制度の検討を進めるべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎山口 医療担当部長  制度に係る検討についてでございます。  委員のご指摘のとおり、適切な時期にお子さんの定期予防接種がなされることは、接種される方の感染予防のみならず、集団的な感染予防につながると認識しているところでございます。札幌市といたしましては、制度の導入に向けまして、各政令市の実施状況を踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆松井隆文 委員  実施することになりますと、受け付けや支払いについての新たな体制も必要になってくることと思いますが、ぜひ、しっかり整えていただいて、早期に開始できるよう準備に入っていただきたいと思います。  なお、例えば、生まれたお子さんだけを対象にするとか、その年齢範囲を限定したりといった制限ですが、こういった制限を設けなければならないのかということであります。里帰り出産の際には、生まれた子の兄弟も一緒にいて、接種時期を合わせて迎えるケースもありますし、里帰りは必ずしも出産直後ではないケースもあろうかと思います。また、例えば、お子さんが東京都内などの専門病院に入院している場合や、保護者の方の就業などで一時的に市外で生活されているケースなど、多様な事情で市外での接種が必要な方々もいらっしゃるというふうに思います。  検討に当たりましては、こういった事例をどうするかなど、幅広く検討していただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆成田祐樹 委員  私からは、周産期医療に関する連携についてお伺いさせてもらいたいと思います。  私は本年の第1回定例会の本会議でも質問させていただきましたが、北海道全体における産婦人科医の減少が著しく進んでおり、道内の人口10万人当たりの産婦人科医師数は6.8人で、全国で2番目に低い数となっており、2016年7月1日の北海道医報における今後の道内の産婦人科医師数の見通しについて、近い将来、今までの病院単位の産婦人科撤退ではなく、3次医療圏単位での産婦人科医の決定的な不足が生じてくる可能性が高いとの指摘について取り上げさせていただきました。  また、その後の話になりますが、先日、ある大学の産婦人科の医局に話を伺ったところ、その医局においては、今後、差し引きで年に4〜5人の産婦人科医が減少する見込みだと聞いております。地域周産期母子医療センターが年に一つなくなってしまうほどの影響のある人数であり、今後は、地方におけるこういった地域周産期母子医療センターの休止や集約がさらに進むことが考えられますが、地方だけが休止することは考えにくく、影響は札幌にも及ぶ可能性が大きいと思います。周産期の問題に関しては、北海道の医療計画に基づくものもありますから、道の所管部分もあると思いますが、だからといって札幌市が何も手を打たないということでよいのでしょうか。  改めて、お伺いしますが、札幌市として北海道内の産婦人科医の減少についてどのような認識でいるのか、見解をお聞かせ願えればと思います。 ◎伊藤 医療政策担当部長  北海道内における産婦人科医の減少に対する認識についてお答えいたします。  周産期医療を取り巻く状況につきましては、北海道内においても厳しいものと認識しているところでございます。産婦人科医の減少により、地方で患者の受け入れが困難となるような状況が起きますと、札幌市内の医療機関への搬送が増加して、結果として札幌市民が受診できないといったような事態が想定されます。また、産婦人科医の不足する地域がふえて、多くの医師が派遣されるようなことになれば、札幌市内で周産期医療体制が十分に組めなくなるなど、札幌にも少なからず影響が出るのではないかというふうに思っているところでございます。  そうしたことを踏まえまして、平成20年に開始した産婦人科救急コーディネート事業では、札幌市にとどまらず、周辺地域を含めて救急患者の搬送先の調整を行うなど、周産期医療体制の維持に取り組んできているところでございます。 ◆成田祐樹 委員  そういった危機感を持っていただいていることは、まず、話の根幹として大事な部分だというふうに思っております。  そんな中で、産婦人科医局でも、懸命な努力をいろいろされていると聞いております。その中の一つで、現在、全国において、ALSOとBLSOという多職種による周産期救急連携研修が積極的に開催されていると聞いております。産科医だけではなく、助産師、看護師、救急救命士、小児科医、新生児科医、総合医や救急医など多くのスタッフがチーム医療としてかかわることで、母子を救うためにさらなる高度な連携を図っていると聞いています。また、その研修には初期研修医や学生なども参加し、減少が著しい産婦人科医局へのリクルート的な役割も果たしているというふうに聞いております。  札幌では、昨年から積極的に開催されており、ことしは9月と来週末の21日、22日にも実施されると聞いています。直接的な母子への対処から、母子の症状や状況などをスムーズに伝えるために、職種間での電話のやりとりまで研修すると聞いています。これには、本市の救急救命士や各病院のドクターだけに限らず、本市が行っている産婦人科救急コーディネート事業の助産師も参加されており、連携を深めていると聞いています。救急車内の救命士から産婦人科救急コーディネート事業の助産師へ、その助産師から各産婦人科へと詳しい状況を伝えることで、適切かつスムーズに各病院への搬送につなげることができると聞いています。  しかしながら、この研修プログラムについては、チーム医療という多職種が絡む性質上、職種団体などからの支援が受けにくい事業であり、その開催費用の多くを持ち出しでやっていると聞いています。また、現在は、講師の多くを道外から呼んでおり、費用がかさんでいるようです。道内で講師を養成する取り組みを行っていきたいというふうに考えているようですが、養成まではあと2〜3年は時間がかかると伺いました。このような所管をまたぐ多職種におけるプログラムこそ、行政が支援すべきではないかと考えるわけでございます。  そこで、お伺いしますが、現在実施されている産婦人科救急コーディネート事業の連携をより強化するためにも、また、産婦人科医をふやしていくきっかけをつかむためにも、今後、札幌市は、このような周産期における多職種連携事業に対して積極的に支援に取り組むべきではないかと思いますけれども、お考えを聞かせていただければと思います。 ◎伊藤 医療政策担当部長  多職種連携事業に対する支援についてでございます。  周産期に携わる医療従事者が救急時の知識や技術を習得し、高度な連携を図ることは、周産期医療を安定的に維持していくためには重要と認識しているところでございます。また、札幌市においても、産婦人科救急コーディネート事業の助産師がこの研修に参加しておりまして、その中で救急救命士などとの連携強化を図り、医療機関への搬送をより円滑に進めることができるのではないかというふうに考えております。  このようなこともありますので、北海道と協力できる分野の有無などについて今後検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆成田祐樹 委員  これらの連携事業は、搬送などがスムーズにできない災害時の妊産婦対応にもリンクしているそうです。お産は後回しにすることができないものですから、そういった災害対応の面でもお考えいただければと思います。  最後に、一言申し上げますが、なぜ、私は何度も何度もこの問題を追いかけているのかということですけれども、三つの理由があります。  1点目は、そもそも、人口減少や少子化対策、子育て支援の前に、生まれるところをなくしてどうするのかということがあります。  2点目に、なくなってからでは遅いという話です。病院がなくなり、周産期の医療が減少する、では、そこから医師を養成しようと思っても、今度は、大学を卒業して研修医をやって最低でも10年、そこからもう少しレベルアップをすると15年はかかるわけですね。なくなってから、15年間も待って、復活させましょうと言っても、多分、もう間に合わないです。崩壊してしまいます。でも、札幌は崩壊させるわけにはいかないから、そうなると、極めて多額なお金を払って道外からドクターを呼ぶしかなくなるということが想定されます。  3点目に、最後は、財政局にも聞いてほしい話ですが、お金がかかるというのは、いわゆるだめになった場合にはコストがかかります。これは隣の小樽市の例ですが、小樽では、協会病院という民間の公的病院で周産期医療を持っていました。北後志で、平成22年度で年770万円の支援を行っていました。地方の周産期の集約化が非常に進んでいたので、この額では足りないのではないか、大変ではないかということについて、当時の小樽市議会で質疑したことがございます。その後、1,200万円ぐらいまで増額になったのですが、残念ながら、平成27年に小樽協会病院は産科の休止、分娩を取りやめるという事態になってしまいました。  そこで、今、北後志と小樽市医師会などが再開させようといろいろ取り組んでいるようですが、そのときにかかるコストを試算したところ、年1億円だそうです。北後志の市町村で単費で1億円となると、多分、逆立ちしても出ないですよ。私は、一旦壊れたものを直すには非常に多額のコストがかかるということを財政のほうにも考えていただきたいと思っております。  札幌では、天使病院の話がございました。余り詳しくはお話ししませんが、少なくとも、潤沢な人数がいればああいう形で休止の話が出てくることはないのかなと思います。本当に、札幌以外の地域の影響がいよいよ札幌にも回ってくるときが来たなというふうに思います。私は、もう黄色信号がともっていると強く認識していただくことを要望して、質問を終わりたいと思います。
    ◆前川隆史 委員  私からは、これまでの委員会質疑でも何度か取り上げまして、大変に反響が大きく、また、強いアゲインストを感じているがん予防のためのたばこ対策について、勇気を持って質問したいと思います。  さきの予算特別委員会において、国の受動喫煙防止対策の動向について質問させていただきました。その際、従来の健康増進法では、多くの人が集まる施設の管理者は受動喫煙をさせないように努めるという努力義務規定でありましたが、先般、厚生労働省がつくった改正案のたたき台では、罰則つきの義務とされること、それから、建物内は原則禁煙だが、飲食店等では喫煙室を設置可能とする案が提示されまして、関係団体との調整が続いているという答弁をいただきました。また、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機に、健康増進といった目標に加えて、今度は、ほかのオリンピック開催国と同水準の実効性の高い制度を目指して、2019年のラグビーワールドカップまでの法の施行に向けて法案成立を目指しているとのことでしたが、現段階では先送りとなっている状況でございます。  その一方で、現在、国が検討中の第3期がん対策推進基本計画の素案にも、がん対策の三つの柱にがん予防が示されておりまして、予防できるがんのリスク因子の一つに受動喫煙を含む喫煙が挙げられております。この素案では、たばこ対策として喫煙率の減少と受動喫煙防止施策の充実が重要だといたしまして、具体的には、企業と連携した健康影響に関する意識向上のための普及啓発活動の推進、禁煙希望者への禁煙支援、家庭における受動喫煙対策の普及啓発活動、そして、妊産婦や未成年の喫煙をなくすための普及啓発活動の推進を挙げております。  札幌市では、これまで、たばこ対策のためのさまざまな普及啓発活動を行ってきたと承知しておりますが、禁煙支援については、ことし3月に策定された札幌市がん対策推進プランにおいて、受動喫煙防止の啓発だけではなく、たばこをやめたい市民、特に子どもへの受動喫煙や未成年の喫煙につながりやすい子育て世帯に対し、禁煙治療の一部助成を行って市民全体への禁煙治療の波及を目指すとなっております。  そこで、質問ですが、子育て世帯への禁煙治療の一部助成を行う禁煙支援の取り組みの現状についてお伺いいたします。 ◎川上 健康企画担当部長  子育て世帯への禁煙支援の取り組みの現状でございます。  この事業は、特に受動喫煙の健康影響を受けやすい妊婦や15歳以下の子どもと同居する家族を対象に、禁煙外来受診促進のPRにご協力いただける方を体験モニターとして募集いたしまして、1万円を上限とした助成を行うものでございます。ことし7月から先着75名で募集を開始しておりまして、10月12日現在、58名の申請があったところでございます。  たばこをやめたくてもやめられない方に対する支援は重要でありまして、特に、妊婦や子どものいる子育て世帯への禁煙支援は、受動喫煙防止対策としても優先すべき対策であると認識しております。申請された方には、札幌市が実施する事後アンケート調査や広報活動等に協力していただく予定でございまして、この事業をきっかけとして、妊婦や子どもを取り巻く受動喫煙のがんへの理解が市民全体の共通認識となるよう働きかけていきたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  支援事業については、先着75名の定員に対して、10月12日現在で58名ということです。まだ締め切っていなかったと思いますが、私もこのことをフェイスブックに載せましたら、2名から申し込みますといった元気いっぱいの投稿もいただきました。せっかく75名ということなので、もう少し宣伝していただいて、何とか満員になるようにしていただきたいと思います。  子どもへの受動喫煙防止対策の関心はどんどん高まってきておりまして、東京都では、公明党などの議員提案によりまして、先般、10月5日に子どもを受動喫煙から守る条例が可決されました。また、今もご答弁いただいたように、札幌市で始めた妊婦や子どものいる子育て世帯に重点を置いた禁煙支援は、受動喫煙防止対策としても重要な取り組みであることから、今後も一人でも多くの市民の禁煙につながるように頑張って取り組んでいただきたいと思います。  東京都では、さらに、都民の健康増進の観点から、またオリンピック・パラリンピックのホストシティーとして、受動喫煙防止対策をより一層推進していくために、東京都受動喫煙防止条例(仮称)を検討しているとも伺っております。また、北海道では、平成28年度に、国立病院機構北海道がんセンターの当時の院長でありました近藤先生の尽力によりまして、がん患者と家族を中心に、医療関係者、行政、議員、マスコミ、企業の6者の六位一体協議会を立ち上げまして、札幌市も参画しております。この六位一体協議会では、昨年度から北海道がんサミットを開催し、その後、道議会が受動喫煙防止条例の策定を目指しているところでもあり、また、がんサミットで出された要望書にはたばこ対策も含まれておりまして、札幌市としても、今後、実効性のある対策が必要であると思っております。  そこで、二つ目の質問ですが、札幌市では、今後、受動喫煙防止対策としてどのようなことが必要であると考えているのか、伺います。 ◎川上 健康企画担当部長  今後、受動喫煙防止対策として必要と考えていることについてでございます。  まずは、国における、原則、建物内禁煙とされる改正法案の成立に備えまして、飲食店を含めた民間施設等に対して受動喫煙防止への理解を深める必要があると考えております。特に飲食店等につきましては、既に全面禁煙である諸外国の例や、国内の大手ファミリーレストランにおける調査等によりますと、売り上げに影響しないという報告も出ております。このため、利用者の減少に不安を抱えている飲食店等に対しまして、これらの情報の提供とあわせて、ご意見を伺う機会を設けながら対策を進めていきたいと考えております。また、事業所を対象として、11月に札幌市がん対策普及啓発キャンペーン実行委員会の主催によりましてたばこ対策の研修会を開催予定でございます。  今後とも、企業や関係団体等と連携を図りながら、取り組みを強化してまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  最後に、要望でございます。  先ほどもご紹介しましたが、北海道のがん対策のために六位一体協議会を立ち上げられた、北海道がんセンターの前院長である近藤先生は、私も大変懇意にさせていただいておりましたけれども、ことし6月に急逝されました。北海道のがん対策の推進に注力された近藤先生に哀悼の意を表しますとともに、今後は、私たちがその遺志を継いで引き続きがん対策を推進していきたいと考えております。  受動喫煙防止対策においては、健康面から考えますと、建物内での禁煙の推進が重要となりますが、飲食店等の経営を考えますと、事業主にとっては深刻な問題となる場合もあるかもしれません。また、業界の抵抗も大きいものと聞いております。  しかしながら、札幌市は、今や、国内有数の観光都市となっております。その上では、国の法案の動向を注視しながらも、禁煙、分煙に向けた働きかけを全国の先頭を切ってしっかりと強化していただいて、市民や多数訪れる海外観光客等にとって空気のおいしい札幌として、また、安心して住めるまち、何度も来たくなるまちとなることを願っております。どうか、さまざまな批判を恐れず、勇気ある取り組みをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、腸管出血性大腸菌O−157による集団感染について伺います。  市内では、ことし7月末から8月にかけて、医療機関及び高齢者入居施設で相次いで集団感染事例が発生いたしました。腸管出血性大腸菌による感染症は、毒素を産生するタイプの細菌による感染症で、感染要因としては、食品による食中毒によるもののほか、水を介したり、保菌者からの2次的な感染などさまざまなものがあるということです。発症しますと、下痢、腹痛、発熱を伴い、重症例では尿毒症を引き起こし、死に至る場合もあって、感染症法に指定された感染症であり、診断した医師は直ちに保健所に届け出ることになっています。また、少ない菌量でも、腸の中でふえて症状があらわれるとされ、免疫力が下がっている場合や高齢者などでは発症しやすくなります。一方で、菌を取り込んでも、症状が全く出ないけれども、便等に排菌だけする、いわゆる無症状病原体保有というケースがあるなど、目に見えない細菌だけに注意を要します。市内の食中毒の事例といたしましては、2012年8月に発生いたしました漬物製造業者による白菜の浅漬けを原因とする事例は記憶に新しいところかと思います。  さて、今般の医療機関の例では、感染者が最終的に12名となり、この感染症により2名の方が亡くなりました。また、高齢者入居施設の例では、感染者が7名となり、この感染症により1名の方が亡くなっています。施設の中で発生を確認した場合、その時点で広げないという手だてはなかったのか、徐々に感染された方がふえてしまったようにも見えますが、これは食いとめることは難しいものなのか、率直に疑問に思うところです。  そこで、質問ですが、今回の市内2施設での腸管出血性大腸菌O−157の感染による集団発生について、保健所ではどのような初期対応を行ったのか、伺います。 ◎山口 医療担当部長  保健所の初期対応についてですが、医療機関及び高齢者入居施設のいずれの事例におきましても、発症した方に関して、感染症に基づく医師からの届け出がございまして、直ちに疫学調査を開始するとともに、蔓延を防止するための指導を実施したところでございます。  具体的に申し上げますと、原因特定のために食品調査や介護等の実務手順の再現などの感染経路の調査などを行うとともに、給食の一時停止や消毒作業を指示しましたが、この疾患は2週間程度の潜伏期間がありますことから、発生初期に感染された方がその後に発症し、患者数の増加に至ったものと考えているところでございます。また、施設外の感染を未然に防止するための措置として、施設側における面会の一時休止などを助言してきたところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  初期対応についてはわかりました。  今回は、この感染症による死亡者が3名も出てしまった事例です。現地でさまざまな調査を行ったと思いますが、最終的な調査結果としてはどのように整理されたのか、また、今後、こういった高齢者が入院されたり生活をされる施設内で同じようなことは決して起きてはならないと思います。  そこで、両施設での調査結果について、また、改善指導内容について伺います。 ◎山口 医療担当部長  調査結果と改善指導内容についてでございます。  1点目の調査結果につきましては、両施設とも感染源は食品ではないことが確認できたところでありますが、入居者等が感染してしまった理由の特定には至らなかったところでございます。また、感染経路は、医療機関の例では、おむつやトイレ等の介助の機会、高齢者の入居施設の例では、排せつ物の処理やトイレ利用の機会に、発症者の排せつ物に含まれる菌が関係者の手指を介して広がったものと推定されるところでございます。  2点目の改善指導内容についてですが、両施設とも、介護等の実務手順や消毒方法の見直し、使い捨て用具の使用励行等を職員間で相互点検することを指示いたしました。また、特に、医療機関でのおむつ交換と高齢者入居施設での排せつ物等の処理に関しましては、保健所職員が現地に行きまして、施設職員の実際の手順を見ながらマニュアル内容の研修を行いまして、実務に即したものとなるよう指導してきたところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  しっかり調査してくださっていますし、指導もされていると思います。ただ、経路がわからないということで、手の打ちようもないのかもしれませんが、しっかりと探っていっていただきたいと思います。実際に施設に赴いていただいていることもありますので、今後ともしっかりとやっていただきたいと思います。  そこで、今回は、両施設とも高齢者の施設での発生でした。これまでの腸管出血性大腸菌感染症の施設内での集団発生について、食中毒を要因としたものは除き、市内でどういう発生があったのか、過去の集団発生事例について伺います。 ◎山口 医療担当部長  過去の集団発生事例についてでございます。  一定期間に複数の腸管出血性大腸菌による患者が発生した事例につきましては、食中毒例を除いて、ここ20年の間で11件の発生がございます。内訳といたしましては、保育所等で9件、その他イベント会場等での事例が2件、また、腸管出血性大腸菌の種類といたしましては、今回の事例と同様のO−157が3件、その他が8件となっており、いずれの事例も死亡者や重症者はいなかったところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  死亡者、重症者がいなかったのは非常に幸いかと思いますけれども、今、私も小さい子どもを育てていますので、子どもが感染して重症化することを想像するだけでぞっとするところであります。そういったことが広がらないことをこれからも祈っております。  施設側で日ごろからマニュアルの整備や職員研修をしっかりと行っていれば、もしかするとここまで感染者が広まることは防げたのかもしれません。そして、最も重要なのは、起こる前の予防対策であることは言うまでもないと思います。高齢者の方々が利用される施設がふえる中、今回の発生を受けて、同様の市内施設に対する予防啓発が非常に重要かと考えます。  そこで、質問ですが、高齢者関連施設について、腸管出血性大腸菌感染症の施設内での集団発生に関し、感染予防に関する啓発をどのように強化し進めるのか、予定も含めてお伺いいたします。 ◎山口 医療担当部長  予防啓発の強化につきまして、医療機関に関しては、ことし9月に、緊急で20床以上の病院を対象に、院内感染防止対策の専門家を講師として招聘した院内感染防止対策セミナーを開催しており、約120名の参加がございました。高齢者入居施設につきましては、例年、中規模以上の施設を対象として、結核や感染症に関する講習会を年1回実施してまいりましたが、ことしは、小規模施設も含め、定員300名のセミナーとし、準備でき次第、早ければ来月中にも開催したいと考えてございます。  また、今後につきましては、感染症予防の基本となる手洗いや排せつ物等の処理手順の基本といった情報を、講習会やホームページによってわかりやすく提供することを進めたいと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  しっかりと啓発を進めていただきたいと思います。これは、施設だけではなくて、一般市民の皆さん全員に起こり得る病気だと思います。さまざまに予防できるように、注意喚起、啓発をさらに進めていただきたいと思います。  これから寒くなってまいりますので、食中毒の心配は少しずつ下がっていくのかもしれません。しかし一方で、インフルエンザや、感染性胃腸炎の原因の一つであるノロウィルスといった感染症も懸念されるところです。今申し上げた腸管出血性大腸菌感染症にとどまらず、感染症の予防啓発指導の充実を求めたいと思います。  高齢者施設、そして保育所のような場所は、やはり、安心・安全が何よりも求められる場所の一つだと思います。そういったところでこういった病気が蔓延してしまうということは、多くの皆さんに不安を与えると思いますし、特に、その施設の中で生活されている方々にとっては、避けようがない、自分ではなかなか気をつけ切れないところもあろうかと思います。施設の皆さんにそういった対策をとっていただくのはもちろんのことですが、本市といたしましても、指導・監督する立場からより徹底した指導を行っていただきたいと思います。  そういった意味におきまして、札幌市ではしっかりやっていただけているのだろうと確信しておりますが、それ以上に、やってもやり過ぎではない問題なのかなというふうに強く感じております。これからも積極的に取り組みを進めていただけるよう強く求めまして、私からの質問を終わらせていただきます。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、動物の災害対策の推進と動物愛護の普及啓発について質問させていただきます。  本年9月1日に、西区の札幌市消防学校等で開催された札幌市総合災害訓練に参加させていただきまして、訓練の様子を見学させていただきました。ことしの夏は、札幌市においても、一部、集中的な雨で9月に道路などの冠水があったものの、昨年のような大雨による被害はなく、平穏であったと言えますが、全国的には台風18号などによる被害も記憶に新しいところであります。訓練では、多くの市民が真剣に参加しているのを見て、日ごろからの災害に対する備えがいかに大切か、思いを新たにしたところであります。  会場内の動物管理センターのテントでは、犬や猫といったペットである動物のための災害対策グッズやパンフレットなど、動物の災害対策に関するさまざまな情報が展示されておりました。動物の災害対策には、人の災害対策と同様、真剣に取り組む必要があると常々考えておりましたが、この展示はまさに我が意を得たりとの思いでありました。  近年、同行避難という言葉が頻繁に使われるようになったことが示されるように、飼い主にとって、動物は愛する家族の一員であるという考え方が広がっております。今回の参加者からの感想も大変高評価だったようでございまして、例えば、ペット用の防災用品10セットを見て、これなら必要なものがそろっていて大変便利であるとか、町内会の防災関係の役員をしている方からも、避難場所に動物を連れていくのは当たり前の時代になってきているが、動物を嫌いな人もいるので、そのあたりの調整はやはり大変である、日ごろからの準備があれば避難場所もうまくいくのではないかとか、町内で動物を飼っている人は多いが、ペットの防災まで考えている人は余りいない、周知のためのパンフレットを多目に欲しいといったような声も寄せられたと伺っております。今回の展示は小さな一歩ですが、災害対策という大きなテーマの中で動物対策についても動き始めているのを見て心強く思っているところであります。  阪神・淡路大震災以降、注目された災害対策の基本となる考えとして、自分で自分を助ける自助、家族間や地域のコミュニティーの助け合いである共助、行政による支援や救助などの公助があり、災害対策はこれらが3本の柱であると言われております。  昨年の第3回定例会の代表質問において、我が会派の前川議員は、災害時の動物対策について質問させていただきました。市長からは、災害時の動物対策として、市民向けのガイドラインを作成するなど、対策の充実強化を図っていくとのご答弁をいただきましたが、札幌市が作成する予定であるガイドラインは、飼い主がみずから備えるべき自助の部分を中心に、動物を飼われている方や飼われていない方に対しても有用な情報を周知、発信していくものと理解しており、非常に大切な取り組みであるということは言うまでもございません。  そのような中、新たに災害時の動物の救護活動を支援する災害時動物救護ボランティア制度を立ち上げたとお聞きしております。この制度は、災害時の動物対策を共助の観点から推進する制度になるのではないかと期待しております。  そこで、質問ですが、この制度について、制定の背景と目的、どのような活動を行う制度なのか、お伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  動物の災害対策の推進と動物愛護の普及啓発についてお答えいたします。  まず、災害時動物救護ボランティア制度創設の背景と目的についてでありますが、環境省は、災害時の飼い主による家庭動物の同行避難を推奨しており、本市の避難場所運営マニュアルにおいても、敷地内の屋外に動物を飼うスペースを設けることとしております。しかしながら、災害発生の状況によりましては、動物の餌や衛生用品などの必要物品を持ち出せなかったり、飼い主の体調の悪化などにより動物の世話が困難になるケースも十分考えられるところでございます。また、平成28年の熊本地震におきましては、他の避難者に迷惑をかけたくないとの思いから、動物とともに車中泊を行い、その結果、体調を崩された方がいらっしゃったことも報道されたところでございます。  これらの問題があることから、札幌市としまして、平時にあらかじめボランティア登録をしていただき、災害時には避難場所において飼い主を支援することを目的としてこの制度を創設したものであります。  次に、災害時における活動内容についてでありますが、札幌市に届いた動物に関する各種の支援物資の各避難場所への配分、動物の世話のお手伝い、さらには、飼うことができなくなった動物の一時預かりなどを想定しております。これらの取り組みを進めることによりまして、避難場所における動物の存在に対する理解を深め、飼い主である被災者の心のケアの観点からも重要である同行避難というものを下支えしてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁で、今回、札幌市が立ち上げたボランティア制度が、動物を中心とした市民同士の助け合い、すなわち、災害における大事な要素である自助、共助、公助の中の共助の仕組みを基本としたものであるという理念を高く評価したいというふうに思います。  しかし、この目的や理念は正しくても、札幌市は、人口196万人を有する大都市であり、人や動物の数も膨大であります。平成28年度末のデータによれば、札幌市で登録されているだけでも犬の数は約8万5,000頭となっており、登録制度がない猫についてはおおむね同じくらいの数が飼われているとの推定もなされております。したがって、なるべく多くの方にこの制度を知っていただき、さらにボランティア登録をしていただく必要があるものと思います。また、せっかく登録していただいても、災害対策は日ごろからの十分な訓練や準備をしていないと、いざというときに十分に機能しないことも考えられ、登録された方々への意識、意欲を継続していくためには、平時からの意識づけに向けた働きかけが非常に重要であります。  そこで、質問ですが、現在までこのボランティア制度にどの程度の市民の応募があったのか、また、制度を周知するために今後どのような展開をしていくのか、さらに、登録をしていただいた方への災害時以外の平時の働きかけについてもお伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  ボランティアの応募状況と周知・啓発活動についてであります。  昨日、10月12日時点で、動物の愛護に高い関心と意欲を持つ20代から70代までの幅広い世代の市民から合計24名の応募をいただいているところであります。また、より多くの方にボランティア登録していただくために、これまでの報道機関への情報提供等に加え、ペットショップなどの動物取り扱い事業者向けの研修会や各種の動物愛護イベントなど、あらゆる機会を捉えて応募の呼びかけを行ってまいります。  次に、平時の働きかけについてでありますが、委員がご指摘のとおり、ボランティア登録して終わりではなく、平時においても講習会などボランティアの方の意欲や知識の向上のための働きかけを行っていくことが重要と認識しております。来る10月25日には第1回目のボランティア向けの講習会を開催する予定であり、講師としまして、平成12年の有珠山噴火以降、継続して動物救護活動に取り組まれている獣医師の方をお呼びするなど、ボランティア登録された方の意欲向上の機会を設けてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  応募人数は、現在のところはまだ24名だが、今後、事業者向けの研修などを行っていき、さらには、研修会や啓発イベントなどあらゆる機会を捉えて周知されるとともに、ボランティアに対する講習会も実施していくということでございました。繰り返しになりますが、災害対策は、日ごろからの継続した取り組みが重要となりますので、まずはしっかり取り組んでいただきたいと思います。  さて、災害時に避難場所への同行避難が行われたとき、やはり、鳴き声等の騒音問題、においの問題、動物の感染症などの衛生上の問題、動物に対するアレルギーの問題などが考えられます。しかしながら、よくよく考えてみると、これらの問題は、避難場所という人も動物も密集せざるを得ない環境であることから、より顕在化しやすいというだけであって、日ごろの生活の中でも同じような問題はやはり存在していることに気がつきます。この問題を解決するためには、動物を好きな人も、そうではない人も、日ごろから動物の愛護に対する理解を深めるとともに、また、飼い主は、他の方に迷惑をかけないように日ごろからしつけなどに取り組む必要があり、行政はこれらのことを市民に周知・啓発していくことが必要であります。  札幌市では、平成27年に基本構想を策定し、人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろの実現に向けて、平成28年には札幌市動物の愛護及び管理に関する条例を制定し、基本構想の実現に向けて積極的に取り組んでおり、そのことに対しては高く評価しているところであります。  先月の9月2日には、動物愛護週間にちなんで、動物愛護イベントとして人とペットの暮らし広場が地下歩行空間や北海道庁の赤れんが庁舎前庭等で開催されました。本イベントは、獣医師会を初めとした多くの動物関係団体とともに、行政と民間という立場の垣根を越えて開催した動物愛護のイベントであり、児童動物画コンクールの表彰を初め、20以上のブースにおいて、獣医師体験コーナー、動物の飼育相談、動物愛護クイズラリー、長寿犬猫表彰式、パネル展示などの啓発イベントが行われたところであります。ご家族連れを中心に多くの市民が参加され、大変意義のある内容だったと聞いております。  そこで、伺いますが、人とペットの暮らし広場の実績及び動物愛護の理解促進に向けた今後の展開についてお伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  人とペットの暮らし広場の今年度の実績についてでありますが、主催者に北海道も加わり、全道的な取り組みも紹介するなど、より多くの方に関心を持っていただけるようなイベントとして開催したところ、昨年度と同様の約7,000名という多くの方が来場されました。今後の展開についてでありますが、来年は北海道として150年を迎えるため、このイベントを北海道150年事業の一つと位置づけ、多くの方に認知していただくとともに、よりわかりやすい展示内容にするなどの工夫を凝らすことにより、動物愛護というものを市民の方々がより身近なものとして感じていただけるよう努めてまいります。  札幌市として、今後とも、獣医師会、北海道とのより一層の緊密な連携のもと、ホームページや広報さっぽろなどによる情報発信、犬猫の譲渡会などの各種イベントやセミナーの開催など、人と動物が共生する社会の実現に向けてさまざまな動物愛護の取り組みを展開してまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  今回の人とペットの暮らし広場では、市と小動物獣医師会が毎年行って今回で32回目となりました児童動物画コンクールの入選作品を、市電の車両内に展示して走らせる動物絵画市電ジャックという取り組みも初めて行われ、イベントの周知に一役買ったと聞いております。今後も、工夫、改善を加えながら、さまざまな動物愛護施策の展開も検討していただいて、戦略的に一層活発な活動が展開されることを大いに期待するところであります。また、市民の関心が高まりつつあり、このような動物愛護の市民啓発、動物愛護教育は、継続して実施していくこと、より多くの機会を設けることが重要であることを再認識することができたと思います。  この意味において、私も代表質問でお話しさせていただきましたが、現有施設の機能を転換、強化し、多くの市民が集いやすく、動物を通じて誰もが憩い学べる交流施設、動物愛護の拠点となる動物愛護センターの設置を強く要望するところでもございます。きょうは、市長もおいでいただいておりますので、最後に、市民を中心とした動物愛護の取り組みに対するご認識と愛護センター設置に対するご見解を市長に伺い、私の質問を終わります。 ◎秋元 市長  動物愛護ということで、ペットを含めて動物とともに暮らす方々は非常に多くなっております。そういう意味では、まさに動物と一緒に暮らしていく社会を実現していかなければいけないだろうと思います。今、動物愛護センターについていろいろな計画を検討しておりますけれども、早期に計画が実現していけるように、しっかり取り組んでいきたいというふうに思います。 ◆坂本きょう子 委員  私は、妊産婦への支援について、ことしの予算特別委員会に引き続いてこの問題を取り上げたいと思います。  本市の合計特殊出生率が1.18と相変わらず低い状況で推移している中、未来を担う子どもたちを健やかに産み育てられる環境づくりが一層求められているというふうに思います。本市の母子保健事業では、この次世代を担う子どもが心身ともに健やかに育つことを目的に、妊娠届け出受理の時点での妊婦支援相談事業から始まり、妊婦健診、初妊婦訪問事業、産後ケア事業、乳児家庭全戸訪問、さらに、乳幼児健診、各種相談、訪問指導など、母と子のライフステージに応じたさまざまな事業を実施しております。  子どもの健やかな成長のためには、母親が自信を持って育児をすることが何よりも重要であると思いますが、昨今の晩婚化、晩産化、また核家族化など、社会情勢の変化に伴ってさまざまな要因により不安やストレスを抱える妊産婦がふえているというふうに思っております。  そこでまず、伺いたいと思います。  本市では、出産を経験している方に比べ、不安の多い初妊婦への訪問を2015年9月から開始しているところですが、この取り組み状況はどうなっているのか、それに対する到達についてどう評価しているのか、伺いたいと思います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  初妊婦訪問事業について2点のお尋ねでございます。  まず、1点目の取り組み状況についてでございますが、平成27年9月から開始した初妊婦訪問事業におきましては、初めて出産や育児を迎える妊婦が安心して子育てができるよう、家庭訪問により妊娠、出産、育児に関する相談や保健指導を行っておりまして、平成28年度の訪問数は2,612人となっております。事業を開始して間もないこともありまして、平成28年度の訪問実施率は34.7%でありましたが、今後、より多くの初妊婦に対する家庭訪問を実施できるよう、初妊婦への事業周知に一層努めるとともに、保健師や母子保健訪問指導員への研修にも取り組んでおります。また、訪問数のうち約7%は、妊婦の体調や育児環境等の理由で継続した支援が必要な状況にありまして、保健師等が電話や家庭訪問による支援を行うなど、妊娠期からの切れ目のない支援を実施しているところであります。  次に、2点目の評価についてでございますが、初妊婦訪問を行った母子保健訪問指導員からの聞き取りによりますと、話せてよかったとか、新生児訪問も同じ母子保健訪問指導員が来てくれるのは安心といった母親の声が聞かれておりまして、初妊婦の育児不安の軽減に一定程度つながっていると考えているところでございます。  今後は、初妊婦訪問事業の効果についての評価を行うため、訪問の有無による出産後の育児不安や負担感についても比較検証を行う予定でありまして、その結果も踏まえながら、母親の精神面も含めたさらなる支援の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆坂本きょう子 委員  とてもいい事業が始まったなと思っていましたが、昨年度の実施率が34.7%ということでした。まだまだ始まったばかりなのでという部長のお話もありましたが、やはり、全ての初妊婦を訪問できるのが大前提ですから、ぜひそこはしっかりとやっていただきたいと思います。また、訪問したご家庭のうちの7%は継続的な支援が必要で、ここでも切れ目のない支援に努めているというお話でしたので、この34.7%が母数としてさらにふえていけば、継続支援についてもまた広がっていくのだろうと思います。保健師の皆さんは、いろいろな業務に追われていて、とても大変だろうというふうに思いますが、ぜひ、ここはしっかりと対応していっていただきたいというふうに思っております。  一方、生まれてからの家庭全戸訪問については、ほぼいい数字になっているということでしたので、ここの間をどういうふうに埋めていくのか。本当に安心してお産ができる状況をつくっていくために、これから検証作業もしていくというお話も前にありましたので、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。  社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会という大変長い名前の委員会ですが、ここの報告によりますと、心中による虐待死では、保護者自身の精神疾患、精神不安が40.6%と最多で、育児不安や育児負担感が34.4%と続いております。精神疾患と育児の負担が大きな要因となっているほか、残念ながら、妊娠中及び産後1年以内に自殺をなさる方たちの数が、産科異常による妊産婦死亡率の2倍以上であったという報告も頂戴しております。  特に、出産後2カ月から3カ月の間は、ホルモンの急激な変化や環境の変化等により、10%ないし15%の産婦が産後鬱病に罹患すると言われます。私も、現に、夜、なかなかおっぱいを飲んでくれなくて、自分も泣きながら赤ちゃんにお乳をあげるという産婦の話を身近に聞いています。産後の育児不安の軽減を図るための支援の充実がより一層求められているというふうに思います。  そういう意味では、今、札幌市では、産後ケア事業を展開していると思いますが、この事業を実施する中で、この間、どのような取り組みが行われてきていて、実際に利用された方たちからはどういう声が寄せられているのか、今把握している限りで構いませんので、部長からの答弁を求めたいと思います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  産後ケア事業についてのお尋ねでございます。  産後ケア事業の状況でございますが、平成28年9月から事業を開始しておりまして、利用者の実数としては113人、延べ人数としては147人の実施状況でございます。  利用者の声といたしましては、やはり、育児不安や心身の不調等によって利用されているような状況がございますので、母親からは、助産師からのアドバイスが役に立ったとか、大変安心できて体調が休まる機会になったという声を伺っているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  チラシをいただいておりますが、出産後、自宅に帰っても手伝ってくれる人がいなくて不安、赤ちゃんのお世話の仕方や生活リズムがわからない、お産と育児の疲れから体調がよくないといった方を対象として、市内に住所を持っている生後4カ月未満の乳児とその母親が利用できるもので、日帰り型と宿泊型があると伺っております。北区に1カ所、白石区に2カ所、それから、東区、西区、清田区にそれぞれ1カ所ずつ、中央区は、日帰り専用ですが、2カ所あって、今の部長のお話だと、113名、延べ147名が利用されているということでした。  先ほども申し上げましたが、産前産後は本当に精神的に不安定になるお母さんがいたり、子どもの育ちが心配だということなどもあろうかと思います。今は助産院などが主にこの役割を担っていてくれて、なかなか受け皿をつくれないということもあろうかと思いますが、この産後ケア事業についても、宿泊型も含めて、より一層の拡充をしていっていただきたいと思います。一人でも多くの妊婦、産婦の不安を解消していくことが必要だというふうに思います。  また、今ももちろんですが、一時、飛び込み出産ということが言われておりました。その一方で、働いているお母さんなどに多いと聞いておりますが、きちんとかかりつけ医を持って妊婦健診等々に行っているけれども、早期破水をしてしまったり、切迫早産などで緊急に入院しなければならないときなど、急なお産によって必ずしもかかりつけ医ではない医療機関での出産となってしまうケースがございます。やはり、コミュニケーションがとれない中での出産になりますから、ご本人はもちろんのこと、ご家族も大変に不安です。まして、切迫早産ですから大変な状況だと思います。ストレスや不安を回復できないうちにお母さんだけが退院して、子どもは、NICUには入らないけれども、そのまま乳児室に経過入院して、お母さんは退院してからも授乳のために病院に毎日通わなければいけないということも聞いています。  医療的なケアはもちろん医療機関がなさるのだろうと思いますが、精神的なことについては、かかりつけ医ではないお医者様、助産師、看護師ということもありますから、そこに行政の保健師というクッションが一つ入ることによってとても気持ちが和らぐのではないのかなと、そういう方たちからお話を聞いて思ったところです。  そこで、妊産婦への支援において、医療機関との連携がとても重要だというふうに思いますが、保健所としてこれまでどのような取り組みをしてきているのか、あるいは、してきていないのか、ご答弁をいただきたいと思います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  医療機関と各区保健センターとの連携についてのご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行う上で、医療機関と各区保健センターとの連携は極めて重要であると認識しております。  札幌市では、医療機関において育児支援を必要とする親子を把握した場合、保健センターに情報提供を行い、退院直後に家庭訪問を行う仕組みとして、保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業を平成15年度から開始しているところでございます。また、国におきましても、昨年の児童福祉法改正におきまして、育児への不安が強い妊婦や若年妊婦等、支援が必要な妊婦に対しまして、医療機関から市町村へ情報提供を行うことが努力義務化されたところでございます。  医療機関から保健センターへの連絡は年々ふえておりまして、平成28年度におきましては、1,019件の医療機関からの連絡票をもとに、保健センターの保健師等が速やかに家庭訪問を実施したところであります。保健師等の訪問後におきましては、その結果を医療機関に報告することにより、保健と医療の双方が母子の情報を共有し、連携して育児支援に取り組んでおりまして、引き続き、医療機関との密接な連携に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  医療機関とネットワークを結んでいる中で、年間1,019件の実績があるということでした。多いのか、少ないのかということにもなろうかと思いますが、国からの通知もあって、札幌市としてはこの間も取り組んできているということでしたので、これをさらに前進させていっていただきたいと思います。  いわゆるお産を扱う医療機関は市内にたくさんありますが、医療機関との協力関係をどのように築いていくのかということでは、医療機関に対するアナウンスや周知をしっかりとしていくべきだと思います。これからもしっかり取り組んでいきたいというお話はありましたが、具体的にこれから何かお考えがあるのであればお聞かせいただきたいと思います。
     また、さらに協力関係を進めていくための効果的な運営について、これから取り組んでいこうとしていることがあるのであればお聞かせいただきたいと思います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  医療機関と各区保健センターの連携をさらに深めるためのご質問かと思います。  医療機関と各区保健センターにおきましては、特に連携が必要な症例についてケース検討会議等を行っておりまして、今後は、よりハイリスクな特定妊婦等もふえてまいるかと思いますので、なるべくそういった機会を活用して医療機関の参加を積極的に呼びかけ、連携を深めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  最後にいたします。  せっかく市長がいらっしゃっているのでお尋ねいたしますが、今、医療機関との連携も密にしていく、それからまた、実際の妊産婦に対しても切れ目のないきめ細やかで丁寧な対応をしていくというお話がありましたけれども、この体制をつくっていくためには保健師の増強、配置がとても重要だというふうに思っています。今は、全市的に言うと、例えば介護の現場でも地域の中で保健師の活用が盛んに言われておりますし、事、少子化という状況の中では、子ども、そのお母さんなど、家庭に対する支援ということでもベテランの経験豊かな保健師の配置が求められているというふうに思います。  ぜひ、市長の英断で、こういう体制をつくるためにも専門職の配置増強を積極的に進めていっていただきたいと思いますが、市長のお考えを伺って、質問を終わりたいと思います。 ◎秋元 市長  保健師を含めて、専門職の体制を充実していかなければいけないということがあろうかと思いますが、一方で、こういう職種の人材を確保していくのは現実的に非常に難しい状況になっているのも事実であります。そういう中で、全体の望ましい姿に向かってどのようにしていくのか、これからもしっかり検討していかなければいけないというふうに思います。 ○佐々木みつこ 委員長  以上で、第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、次週、10月17日火曜日午前10時から、農業委員会及び経済観光局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後2時38分...