札幌市議会 > 2003-10-10 >
平成15年第一部決算特別委員会−10月10日-05号
平成15年第二部決算特別委員会−10月10日-05号

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  1. 札幌市議会 2003-10-10
    平成15年第二部決算特別委員会−10月10日-05号


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    平成15年第二部決算特別委員会−10月10日-05号平成15年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第5号)                平成15年10月10日(金曜日)       ────────────────────────────────── 〇議題 付託案件の審査 〇出席委員 32人     委 員 長  涌 井 国 夫       副委員長   坂 本 恭 子     委   員  小 谷 俵 藏       委   員  大 越 誠 幸     委   員  上瀬戸 正 則       委   員  笹 出 昭 夫     委   員  横 山 光 之       委   員  鈴 木 健 雄     委   員  村 松 正 海       委   員  長 内 直 也     委   員  小須田 悟 士       委   員  伊与部 敏 雄     委   員  西 村 茂 樹       委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  藤 川 雅 司       委   員  藤 原 廣 昭     委   員  林 家 とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  柿 崎   勲       委   員  義 卜 雄 一     委   員  本 郷 俊 史       委   員  芦 原   進     委   員  阿知良 寛 美       委   員  小 川 勝 美     委   員  井 上 ひさ子       委   員  伊 藤 理智子     委   員  柴 田 薫 心       委   員  原 口 伸 一
        委   員  五十嵐 徳 美       委   員  田 中 昭 男     委   員  佐 藤 典 子       委   員  佐 藤 美智夫   欠 委   員  堀 川 素 人       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○涌井国夫 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,堀川委員から欠席する旨,また,小野委員からは藤川委員と交代する旨,それぞれ届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  最初に,第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行います。 ◆小谷俵藏 委員  それでは,私から農業委員会にかかわることについて,質問をさせていただきます。  農業委員会の使命というものは,私の手元にも農業委員業務必携というのがありますが,非常にに重要な役割を担っていることは,当然,申し上げるまでもありません。  また,そうした中で,農業委員の選任に当たっては,戦後,長年にわたって,公職選挙法に基づいて選ばれてくるということで,大変重要なお立場にあるわけであります。  そういう中で,現在,札幌市の農業委員会における取り組み活動というものがどういう状況になっているのか,地域に密着した活動というのが何よりも大切でありますし,農地はもとより,農業の振興ということが,特に,今,札幌市内においては重要な任務であろうと,こう思っておりますが,これについてのご所見をいただきたいと思っております。  二つ目といたしましては,農業委員会ないし農業委員の方々は,そういう意味からも,札幌市の農務部と綿密な日常の連携の中で,札幌市の農業振興に寄与していただかなければならない使命がある,私はこのように認識をしておりますし,かつてもそういった発言をさせていただいたことがございます。  そこで,三つ目としまして,私は何も簡素化をして,農務部と農業委員会を一体化させるということではなくて,今申し上げましたように,今,札幌市の農業はまさに死の重体と申し上げても過言でない状況になっております。それは,長年市街地が拡大されて,いずれは市街地になってほしいという期待を込めながら農業に汗を流していた方々も,もう札幌市の人口はそれほど大きく伸びていくことにはならないであろうと。少子高齢化というようなこと等も含めながら考えますと,やはりこれらのことをいま一度原点に立ち返って取り組んでいただかなければならない農業振興,これは会長さんから,特にこれについて見解を求めたい。  四つ目としましては,このことについて,今度は農務部としてこれに対してどうご理解をされるのか,そのご見解を伺いたい。  さて,大きな二つ目でございますが,これは実は私の手元に,7月3日に出ました新聞記事を持っておりますが,道の農政の関係で見ますと,いろいろな建物を設けたり資材を置くなどの農地法違反転用が,2002年,昨年には10年前に比較して4倍の45件あると,こういうことでございまして,さらに,その45件の内訳を見ますと3分の2の30件が札幌市内,そして,その30件のうち,残念ながら北区が18件ということでございまして,半数以上を北区が占めているということが,この記事に書かれているわけであります。したがいまして,こうしたことは農地法違反ですから,あってはならないわけであります。  また,先だって,北の大地という札幌市で出された中に書かれております,発行者は北海道石狩支庁農業振興部農務課ということになっておりますが,この中にも,農地法違反をすると厳しい罰則がありますということでいろいろ書かれて,お問い合わせ先ということで,札幌市農業委員会,そしてさらには,札幌市経済局農務部農政課,そして石狩支庁農業振興部農務課と,こういうふうになっているわけであります。  私は,いろいろと今までこのことについて非常に大きな関心と危惧の念を持ちながら,市の農業委員会といろいろ話をし,あるいは農務部とも話をしてきておりますが,いかんせん,地方自治体の中で市町村には権限がないと。実情を掌握して,それを権限者の北海道の方に進達をするということしかできないのだと,こういうお話もあったわけでありますが,いずれにいたしましても,これらの問題の解決,今後,非常に厳しい昨今でありますから,また,かつての農地が荒廃して,転用というのはどちらかというと余り農地としては十分付加価値がない,採草,放牧等にされていたような,いわゆるトップソウであるとか,スカンコであるとか,こういったものが主に生えるような土地が無造作にやられていたところがたくさんありました。あるいはまた湿地帯,こういうところが多いわけですが,昨今になりますと,優良な農地が農地法違反,こういうことであります。  私は,特に,農地法違反の中でも,いや,もう農業ではとても採算がとれないからどうしてもやらざるを得ないのだと,こういう声も聞かないわけではないのです。違反は覚悟でやらざるを得ないと,こういう声も聞かないわけではないのです。確かに,調整区域のみを持っておられる農業者の方々,そこにお住まいの方々は気持ちの中では,あるいは,気持ちはわかるな,でも,違反は違反だから,違反をしないようにしてもらわなければ困る,こう思います。しかし,のみならず,市街化に住んでいて,市街化区域をお持ちでありながら,なおかつ調整区域にそういうものを無断で,違法で転用しているのもあちらこちら見受けられるわけであります。とすれば,これはただ経済的な問題でなくて,生活上の問題でない,そういうふうに考えるわけですが,厳しい対応をしなければならないのではないかと。そのことについて農業委員会として,どうこれから取り組んでいかれようとしているのか,お尋ねをいたしたいと存じます。  それから,次に違反物件。これは農地法上は違反ですよと,ですから,これは撤去してください,やめてください,そういう指導,あるいは勧告をやっていますよね,しかし,なかなか言うことを聞いてくれない。しかし,一方,税制では,その違反物件の土地なり建物に課税をしているわけであります,固定資産税。したがって,こちらの方では,だめだよ,やっちゃいけません,違反ですよ,厳しい罰則がありますよ。片一方では,税金ください,税金をもらっている。そうすると,当事者は,違反だ何だといったって宅地として認めているじゃないかと。建物にも税金がかかっているよ,土地も調整区域だけれども,宅地として課税されていますよ,だから市は認めているんじゃないですかと,こういう答えが返ってくることがままあるわけであります。これについては,きょう,お忙しい中を税政部長さんにお越しをいただいていると思いますので,こちらの見解を承りたい。まず,お尋ねします。 ◆藤原廣昭 委員(関連)  私から,農業委員会の役割についてでありますけれども,資料を見ますと大きく三つの役割があると。一つ目には,地域農業の構造改革を推進をしていく。二つ目には,農地行政の適正な執行,三つ目には,地域の世話役活動と農業者の利益代表という大きな項目が挙げられているわけであります。  その中で,お伺いしたいのは,この三つ目の中で,いわゆる選挙などで選ばれた農業委員の皆さんは,特に一人一人が集落できめ細かな世話役活動を行い,農業者,集落の声を行政,政策へ反映するため,農業委員会として建議などが行えるとしているわけでありますけれども,これらの取り組みについてどのようになっているのか,この1点だけお伺いいたします。 ◎氏家 農業委員会会長  今,小谷委員さんの質問に答えて,私なりに報告させていただきます。  ただいまのご質問は,地域における農業委員の活動についてでございますが,日常的活動といたしまして,幾つかの事例を申し上げます。  農地法関連では,今年の夏には緊急に各委員が集合いたしまして,違反物件の件で農業委員の立場として,農地法厳守として真剣に会談をいたしました。その中で,早速,ことしの夏に各委員が担当地区を巡回し,そしてなおかつ,違反防止のためにチラシを作成し,それを各委員が担当地区に配付したところでございまして,現在も行われているところでございます。農地法違反は,未然に防ぐことが先決でございまして,我々は一生懸命やっているところでございます。  農業振興関連では,地元の農家の農地の転用や賃貸借などに関する相談業務,また地域農業の実態や農業者の意向把握などを目的とした相談業務,そしてまた,営農実態意向調査に取り組んでいるところでございます。さらには,新規農業者の世話役活動を行っている農業委員の活動事例もございます。  農務部と関連した農業委員会の活動といたしましては,一例として,平成14年6月に任期を終えた第6期の委員活動で,環境に優しい農業推進をテーマに活動を行いました。  具体的事例といたしましては,堆肥の供給者である市内の酪農家の生産状況と需要者である野菜農家の堆肥の使用に対する意向調査を実施し,これをもとに作成した堆肥情報を市内全農家に2回ほど配布しております。このほか,札幌市長に対して,循環型農業の推進に関する要望書の提出などを行っております。また,昨年6月からの第7期の委員活動につきましては,本年1月に活動計画を策定し,現在,主要な活動テーマについて協議を行っているところでございますが,この中で,農務部と積極的に連携を図るテーマ,例えば,地産地消への取り組みや新規就農希望者受け入れ態勢の確立などについても検討してまいりたいと考えております。  農務部と農業委員会事務局の職員の兼務化でございますが,この件については,平成12年の予算特別委員会でも,小谷委員から質問されましたが,それ以後,私たち農業委員会といたしましても,副会長そして両部会長,両副部会長等,役員会で何回か協議をしたところ,慎重に検討する必要があるとの意見で一致したところでございます。そうした中で,昨年4月から農務部と同一フロア化し,事務事業を執行するに当たって相互連携がとりやすくなったところでございます。  改選後の7期の役員会におきましても,兼務化について引き続き検討しているところでございますが,否定的な意見と,この時代だからやむを得ないという意見がございます。したがいまして,農務部との兼務化につきましては,これらの状況を踏まえて,農地転用など法令業務の執行体制を確保しつつ,任意業務である農業振興について効果的に推進できるよう,組織について検討してまいりたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても,委員ご指摘のとおり,札幌市の農業はますます厳しく,年々と高齢化し,そして後継者が不足している実態でございまして,今後も農務部と積極的に連携を図り,農業振興に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎渡辺 農務部長  小谷委員から,今の農務部とそれから農業委員会との兼務化について,農務部の所見を述べよということでございますが,今,農業委員会と私どもとの日常の関係につきましては,今,氏家会長からお話があったところでございます。私どもも,各都市の状況等を見まして,これは政令都市に限って申し上げますと,13都市中8都市が何らかの形で兼務化を実施しているということでございますので,全国的にこの傾向はとまらないだろうという一定の考え方に立っているわけでありますけれども,やはり農業委員会の意向を尊重しながら,今後とも,農業振興という共通の立場に立った上で業務を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◎松久 農業委員会事務局長  先ほどの藤原委員の関連質問に関しましてお答え申し上げます。  農業委員会の中でも,農地部会と農政部会があるわけですけれども,特に農政部会の方で,農業振興について,どうしたら札幌の農業が振興できるかということを相当議論し合って,その結果として,要望書を取りまとめて,農務部を通じて市長あてに建議要望しています。一番最近の例で申し上げますと,平成14年度に循環型農業の推進に関する要望書,先ほど会長からも申し上げましたけれども,その中で農業生産基盤の整備,それから特に堆肥化施設の建設についてということ,そのほか技術開発施設研究について,環境保全型農業の推進についてというような大きな項目に分けまして要望して,農務部に,その後,これについての実現方がどういうふうになっているかというような論議もして,さらに実現されるように要望しているところです。  なお,この建議要望ですけれども,その前としては,平成10年に環境に優しい農業の推進ということで,農務部に対して有機農業にかかわる試験取り組みということも要望しております。必ずしも毎年定期的に要望するというわけでなく,あくまでも農政部会を中心とした論議の結果を踏まえて,必要な都度やっているという状況です。  なお,先ほど藤原委員のご指摘の,農業委員会の活動の中で,特に,やはり大事なのは,こういう建議要望というだけでなく,農家の方とそれから行政と世話役という,情報の収集とそれから情報の伝達というか,そういう役割を果たしていくということが農業委員の役割ということでとらえております。ちょっと先ほどの質問にお答えいたします。 ◎山本 財政局税政部長  農地法違反物件に対します固定資産税の課税についてのお尋ねでございますが,地方税法上,固定資産税は土地や家屋をその対象として課税するものでございまして,農地法など,他の法令に違反するかどうかにかかわらず,毎年1月1日現在の当該資産の現況に基づきまして,税の負担を求めるものとされているところでございます。したがいまして,地方税法上,違反物件に対します課税を行わないということはできないものと,そのように考えているところでございます。 ◎氏家 農業委員会会長  小谷先生の質問の続きで,農地法違反についてでございますが,まず,違反の是正指導や未然防止策については,農地法違反の事案につきましては,関係部局とともに土地所有者などから事情を調査し,是正指導を行っております。その結果について,農地法の処分権者であります北海道知事に報告しているところでございます。また,北海道知事におきましては,これは石狩支庁が所管でございますが,この報告に基づき再調査を行い,農地法に照らして必要な措置を講じているところでございます。  次に,未然防止でございますが,違反発生後の是正指導はもとより,これを未然に防ぐことが最も重要であるものとの認識に立ち,昨年度から農家の方々に農地転用に関する正しい知識を持っていただくことをねらいとして,農務部が発行する広報紙,北の大地への違反防止記事の掲載やパンフレットの折り込みなどを行っております。  また,今年度からは,農業委員が担当地区の巡回を行うなど,違反を未然に防止するため,鋭意,啓発活動に取り組んでいるところでございます。また,初めてでございますが,農業委員会便りを今年秋に発刊しようというところで,編集委員を今選定しているところでございます。  次に,処分や告発など厳しい処分についてでございますが,処分権者であります北海道においては,土地所有者などに対し是正勧告を行い,相当期間を経過してもこの勧告に従わないなど,特に悪質と判断されるものに対しては,原状回復命令などの処分を行っておりますが,告発にまで持っていくことは非常に困難と伺っております。  そういうことで,我々委員会としては,各地域の委員が本当に真剣になって巡回をし,建ててしまってからでは遅いので,建てる前にいろいろと相談を受け,その相談に従っていただけないものは,早速事務局に連絡をして,事務局が対応するという現在の形になっておりまして,農業委員会として農地法を守っているところでございます。 ◆小谷俵藏 委員  今,それぞれの立場からご答弁をいただきました。  大きく分けて農地法違反にかかわる問題と,それから,あえて,私の気持ち,考え方から言えば,これからの機構の充実と,こういうふうに言わせていただきますが,大きく分けて二つあります。  農地法違反にかかわる件でありまして,札幌市としては,政令市といえどもそれだけの権限はない。すなわち,せいぜいしても指導ぐらいあたりまでかなと,こういうふうに感じておりますが,勧告も相当道の方から受けている事例も多いわけであります。命令あるいは告発ということにはなかなか,それだけの条件整備が大事だということもよく聞かされているわけであります。  農地法を見ますと,第4条に,農地の転用の制限ということで,事細かく入っておりまして,92条には,罰則規定が第5章として載っているわけでありまして,罰則の規定を見ましても非常に厳しい。次の各号のいずれかに該当する者は3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処する,というぐらいの大変厳しい罰則規定もあるわけです,内容によっては。  私は,なぜこういう法律がありながら,こういう現象に今だんだんとなってきているかと,非常に残念な思いと疑問を持たざるを得ないわけであります。  確かに,先ほど前段で申し上げましたように,調整区域のみを所有し,そこで粛々と農業をやっていても,とても生活の糧にならない,したがって,違反覚悟でやっているという面も中にはあろうかと思います。しかし,必ずしもそうでない方々も,調整区域以外に土地をお持ちの方がそれをやっているという現象も,また一方であるわけであります。そういうものをある程度両方見ながら,私は,これ,前にも申し上げたかどうかわかりませんが,一つには,長年農業委員をされてきた現職の農業委員の方が,農地法違反ということで,農業委員を辞任せざるを得ないことがあったことも事実ありましたね。また,25年の長きにわたって農業委員を経験し活躍されてきた方が,その役を退任されてから,ごく最近,まさに農地法違反を行って,市のいろいろな指導や道の勧告を受けております。ご存じだと思います。  しかし,一方,今申し上げた後段の関係の面についてはドッグランということで,テレビに複数回その状況が放映されてPRをされていて,一方では,農地法違反だ何だと言うけれども,一方ではそうやって,その人が直接ドッグランをやっているわけでないでしょう,貸しているだけだと思いますが,そうやってテレビコマーシャルでどんどん出てくるわけです。そういう実情,実態というのは,一体この世の中どうなっているのかなと,こう言わざるを得ない。  そういうことで,私は,やはり農地に関しては,特にこれは国の法令,政令で定めることでありますから,その委任事務ということで,これは農業委員会の事務方が中心となって取り組み,農業委員さんはその内容のチェックをしながら,承認するべきもの,承認できないものの整理をしていく,あるいは現状を掌握するのも,それはもちろん足細かくしていくことは大事です。情報提供,これはぜひやっていただきたい。  それはそれとしながら,農業振興というものを考えないでいったとするならば,私は指摘していると思いますよ。しかし,不十分だと私は言っているのです。今,この厳しい札幌市を取り巻く農業環境,これを今どうするか。それは,やっぱりこれから付加価値のある農産物,そして186万何千人の市民という多くの消費者がいらっしゃるわけですから,その方々に地産地消を初めとしながら,いかに供給をして,安定した農業をやっていけるかと。もうこれからはどんどん宅地なんて広がっていきませんから,やっぱりそういうことに今真剣に取り組むためには,先ほど平成10年あるいは13年,14年,建議等にかかわる何かありましたけれども,それはそれとして,私はいいことだと思うのです。しかし,1年に1回なり2年に1回,そうやってやったからって農業振興にならない。やらなければならないことは農務部と一体化した中で農業振興に日々恒常的に取り組んでいく姿勢,努力が私は必要だと,こういう認識で申し上げている。  先ほど,農業委員会の会長からお話がありました,慎重に検討と,今,ワンフロアで,しかし,それぞれセクションになっていますね。慎重にという理由は何をもって慎重なのか,それを伺いたい。  その二つ,教えてください。 ◎氏家 農業委員会会長  ただいま先生の方から,長年委員を務められた元委員が違反を起こしているということは,私,会長の立場からも,委員の使命を傷つける非常に残念なことだと常日ごろ考えているものでございまして,再度,こういうことはないように,委員会や何かがあるたびに委員の皆様に話をしているところでございます。そういうことでご理解をいただきたい,かように思うわけでございます。  違反建築の問題でございますが,違反の根本的な是正措置については,現行の農地法においても処分権者は悪質な案件につきましては,原状回復命令などの処分を行い,周辺農地や住民等に被害をもたらすような場合は強制撤去も可能となっております。しかしながら,違反建築物といえども財産権,営業権が発生しているため,強制撤去は非常に難しく,全国的に見ても実例はほとんどないと聞いております。  今後も,農地法違反に対しては,農業委員会と事務局が一丸となって,北海道や関係部局と協力して,是正指導を行うとともに,未然防止に取り組んでまいりたいと考えております。  最後に,農業振興のためには,農業委員会と農務部が兼務化いたしまして,農家の皆さんの利益のために,今後やっていかなければならない,こういう厳しい農業でございますから,これからいろいろと我々農業委員会で話にかけて,せめて8期の委員会ではそれを実行させたい。それは一部兼務化になるかと思いますけれども,(発言する者あり)農業委員会と農務部とは一つになるということは不可能でございます。ただ,農政といろいろと話し合いをして,スムーズに農業振興を図っていくということは考えていきたいと,そういうふうに考えております。だから農業委員会も農地関連においては,農地法という大事なものがございます。先ほどもいろいろ指摘もありましたこのものをしっかり厳守していかないと大変でございますので,そういうものを厳守していくためにも,農業委員会と農務部とは一つになることはできません。だけれども一部兼務できるものは話し合いをしていきまして,農業振興のために,農家のために話し合いをしていきたいと,かように考えております。  また,我々農業委員といたしましては,農業委員会の憲章にもうたってありますとおり,農業,農村,農業者の代表として,我々,国民の期待と信頼にこたえまして農業委員の活動を行っているわけでございまして,また適正な農地行政に努め,優良農地の確保と効率利用を進めるために頑張っているところでございまして,また,経営に役立つ情報の収集,提供に努め,活力ある農業,農村社会をつくるべく,農業委員として頑張っているところでございまして,その辺,小谷先生,ご理解のほどをお願いいたしまして,私の答弁を終わらせていただきます。 ◆小谷俵藏 委員  それでは,もう一度お尋ねいたしますが,一つは今のご答弁の中で,かなり慎重な部分がやはりあります。  私は,農業委員会の事務局が兼任化をすることによって,絶えず農業委員さんと話したことがストレートに農務部,農政に反映できる,2年に1回の建議等にかかわることをしていることが,農業振興として十分でない,私はこれを申し上げているのです。これは全国政令市の中でも半分以上もう兼務化になっているのです。これは事務局の問題です。そうすることによって,絶えず農業者の代表である農業委員さんの声が農務部に反映される,農業委員会を通じてですね。そういうことで申し上げているのです。これはもう一度きちっと理解をしていただかなければならないことであります。  それから,もう一つ,先ほどの税制上の問題,確かに税法上固定資産税を賦課していることについては,そのことのみを考えればそれはわかります。しかし,片一方では,違反だからこれは云々ですよと。片一方では,先ほども言ったように,固定資産税,これは宅地並み課税しますよ,建物にも課税しますよと。暗に行政は違反をやっていることを認めて課税をしているという認識がされている場合が,私は相当あるんじゃないかと。それが結果的に助長していく原因の一つになっていないか。ですから,この辺をちゃんと農業委員会とそれから税務と,きちっと綿密な連携をして取り扱っていただきたいということを,これはあえて同じ札幌市という一つの予算の中ですから申し上げておきます。これは要望にしておきますけれども,きちっとやってください。  そういうことでございますので,とにかく農業振興は今もう札幌市は大変です。この後,農政に入りますけれども,そういうことで,札幌市の農業振興のために,農地問題は最も重要ですが,より重要な農業振興のために,農業委員会が一生懸命汗をかいていただかなければならない時代に今入ったと,こういうことを申し上げて,私の質問を終わります。 ○涌井国夫 委員長  以上で,第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は退席されて結構です。  第6款 経済費 第1項 商工費の質疑を行います。 ◆長内直也 委員  それでは,私からは代表質問でも行いましたけれども,コンベンションの推進の立場から質問させていただきたいと思います。  まず,背景として,国際観光振興会の方で出ております日本で開催された国際コンベンションの件数,これは昨年の数字でありますけれども,対前年比2%減の54件減の2,683件というふうに伺っております。また,その中で,これは小さいものも入っているわけでありますけれども,参加者総数が300人以上,そのうち外国人参加者数が50名以上を占める中・大型の国際コンベンション,これの件数は280件,こちらの方は大幅に増加をしているということであります。  また,一方,札幌市の開催件数でありますけれども,全体で71件,全国で10番目と。一方,中・大型の国際コンベンションにつきましては6番目,12件ということで伺っております。  そして,先日,私の質問に対しまして,今後のコンベンションの当面力を入れるべきコンベンション,三つの要素を挙げて答弁をいただきましたけれども,一つ目としては,経済効果の高い大規模のコンベンション,それから次に,都市のイメージアップにつながり,世界に注目される国際コンベンション,三つ目としては,会議参加者と市民が交流することで,市民文化の振興が図れるような社会的効果が高いコンベンション,このように答弁をいただいたわけであります。  また,2008年のサミットの誘致に関しましても,ぜひ積極的な検討をしていきたいという言葉をいただきまして,大変期待をして見守っていきたいと思っております。そんな中で,先ほどご紹介したのは昨年の数字でありますけれども,ことしの6月からコンベンションセンターが開業したということもありまして,恐らくことしの数字が来年出てくるときには,かなり増加をしているものと期待をしているわけでありますが,まずは,このコンベンションセンターの今年度の稼働率についてお伺いをしたいと思います。それからまた,月別の動向ですとか,あるいは特徴などがあればお示しをいただきたいと思います。  さらに,大規模なコンベンションにつきましては,2年前から受け付けをしているということでありますので,早いものですと来年,再来年の分ももう入ってきていると思うのですが,来年の稼働状況について,その点までお伺いしたいと思います。 ◎渡邉 観光コンベンション部長  ただいまの札幌コンベンションセンターの稼働状況等につきまして,ご説明申し上げたいと思います。  ご案内のとおり,6月1日オープンしました札幌コンベンションセンターの今年度の稼働率でございますけれども,8月末現在で,大ホールが74.8%,その他の会議室が58.5%となってございます。これを月別に見ますと,大ホールでは,いわゆる学会シーズンと言われております6月から大体11月にかけましてでございますが,このうち二月が100%となるなど,極めて堅調な利用状況になっているという状況でございます。  これに対しまして,12月から2月,冬の期間でございますけれども,ここが30から50%の稼働予定となってございまして,全国的に見ましても,例年この時期のコンベンション開催が極端に落ち込みますことから,本市のコンベンションセンターにおける利用につきましても,この期間の誘致対策が課題であると,このように考えてございます。  次に,来年度の見込みでございますけれども,現時点での予約あるいは相談状況から見まして,平年時における稼働目標でございます大ホールが70%,その他会議室50%,これは確保できるものと見込んでございます。 ◆長内直也 委員  ただいまコンベンションセンターの稼働状況についてご答弁いただきましたけれども,やはり思ったとおりでありますが,初冬期から,いわゆる寒い冬の時期,この件数が極端に減ってくるということでありまして,稼働率が30%から50%ということでありました。これを私なりに考えますと,全体のコンベンションが冬場に少ないということももちろんあるのでしょうけれども,やはり札幌の特性として,観光のいわゆる目玉シーズンじゃない,いわゆる観光閑散期というのでしょうか,端境期というのか,そういう時期はやはりコンベンションの誘致そのものも難しくなってくるのかなと思っております。そんな中で,冬場の稼働率を上げるために,その対策としてどんなコンベンションの誘致ですとか創出をしていくのかと。  先日も申し上げたのですが,やはり大型のものばかりではなくて,小さなものも積極的に誘致をしていくということが,まず大事だと思っておりますが,そのような観点からお伺いしたいと思います。  それと,まさにこのコンベンションの誘致は,観光と表裏一体であると思います。当然,アフターコンベンションというのでしょうか,終わった後に1泊,2泊されて,観光もして帰るということが通常多いわけでありまして,やはり観光振興というものと一緒に考えていく必要があると思っております。そんな意味で,この観光客数が減る時期と稼働率が下がる時期が重なっている,このことを踏まえた上での誘致に当たっての考え方,そしてまた,さらには誘致対象としてターゲットにしている地域はあるのかどうかということをお伺いしたいと思うのです。  やはり我々もそうでありますけれども,寒いところに住んでいる人は,やっぱり寒い時期に寒いところはなかなか行かないわけでありまして,我々ですと,例えば,暖かい南の島に行きたいなと思うわけでありますが,一方,雪のない地域に住んでいる方は,やはり雪を見て,そして温泉に入りながらその雪景色を楽しむと,そのようなことも多いわけでありますので,そんな意味からも,このターゲット地域についても見解をお伺いしたいと思います。 ◎渡邉 観光コンベンション部長  ただいまの観光客誘致と連動した端境期といいますか,閑散期における稼働率アップについてのご質問でございますけれども,冬場におけますコンベンションセンターの稼働率を高めるために,私どももさまざまな閑散期対策を講じてございます。委員ご指摘とおり,稼働率が下がる時期は観光客が減少する期間と重なっておりますことから,両者を関連づけて対応する必要があると考えてございます。  一例といたしまして,雪祭り期間を除いては,冬場のホテル,あるいは航空運賃の割引率が大きくなりますことから,ホワイトイルミネーションあるいはミュンヘンクリスマス市など,冬の魅力を全面に打ち出し,観光とあわせた札幌でのコンベンション開催の優位性を訴えた営業活動を積極的に展開してまいります。特に,ターゲットといいますか,国内の観光キャンペーンでは,関西以西からの集客誘致に力を入れており,こうしたキャンペーンに連動させ,コンベンション誘致にも取り組んでまいりたいと考えてございます。  また,民間と連携いたしました新たなコンベンションの創出にも力を入れておりまして,この11月末には,市内の企業約130社で構成されておりますコンベンション関連産業札幌ネットワークというのがございますが,ここが写真によります観光振興見本市でございますフォトコンベンション,写真のコンベンションと言った方がいいのでしょうか,これを開催することになっております。また,国土交通省が行っておりますビジット・ジャパン・キャンペーンによります東アジアから旅行関係者約200名をお招きしますセミナーも同時期に開催することが決まっておりまして,今後とも,幅広い誘致活動を展開してまいりたいと考えてございます。 ◆長内直也 委員  そんなことでありますので,ご期待をしているところでありますけれども,私,以前にも申し上げましたが,やはり北国同士のつながり,北方都市市長会議とか,その内容はともかくとしても,そういったものがあったりするわけでありますが,やはり暖かいところとのおつき合い,交流をさらに深めていただきたいなということが一つあります。  それとまたコンベンション,そしてまた経済効果が期待できるそういうコンベンションの裏には,当然,観光の魅力アップということがあるのではないかということでありますので,資源は一流のものがあるわけですから,これをぜひさらに活用していただいて,そういった暖かい国の方たちともさらに交流をして,どんどん来ていただきたいなというふうに思っておりますが,その辺の決意を伺って,終わりたいと思います。 ◎渡邉 観光コンベンション部長  ただいま,委員の方からもご指摘がありましたように,私どもも,できれば南半球,暖かい時期にこちらに来ていただくということも大切かなというふうに考えてございまして,実はつい最近,オーストラリアのスキーをやる方々がニセコ町と交流がございまして,その帰り私どもの方にも寄っていただくようにお話をしまして,私どもも暖かい時期にまたそちらへ行く,あるいは向こうが暖かいときにこちらに来るような話もさせていただいております。それから,今,東アジアをターゲットに,私ども国際観光誘致キャンペーンをいろいろ展開させていただいておりますけれども,特に,中国なんかでも,広東省というのですか,あちらの方は非常に暖かいところでございまして,やはり札幌という北国に非常に魅力を感じてございますので,そういったところもターゲットに,誘致に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆峯廻紀昌 委員  私の方からは,中小企業融資制度について,簡潔にお伺いをいたします。  この制度,現在,23の金融機関に預託をして融資を実行しております。中を見ますと,預託金が約730億円,それで融資件数が1万8,664件で,融資額が約1,600億円という中身でございます。数字的に見ますと,預託金の倍ちょっとの実績があるのかなというふうに分析されます。いずれにしましても,こういう中で中小企業支援へ一定の実績を残しているのが現状だと思います。  そこで,市内の金融機関を調べましたところ,保証協会の保証制度を利用できるところが,この23のほかに38の機関がございます。  そこで,質問の1点目ですが,これら38の金融機関の中には,本市の中小企業融資制度の趣旨に賛同して取り扱い金融機関となって,預託方式による融資を行うことを希望する金融機関があると思われますけれども,本制度の取り扱い金融機関をふやす考えがないのか。また,借り手側の中小企業における利用動向もありますので,一概に言い切ることはできないかもしれませんけれども,新たに取り扱いを希望する金融機関に対して,預託することによりまして預託金の総額も当然ふえるわけですから,この増額分により,現在,融資を受けることができない中小企業,本当に今お金が必要になっているような中小企業に対しても,資金が行き渡るようになるのではないかという部分で,まず1点お伺いします。  次に,質問の2点目ですが,今述べた預託額をふやす,このほかにも,融資の促進を図る方法はあると考えております。例えば,信用保証料の補助を行って,保証協会の保証が受けやすくするような環境づくりをする方法がとれないものなのか。また,市が貸し倒れの危険を恐れず,金融機関に対して損失補償を実施し,金融機関の負担を減らすことによってのインセンティブを与えて,資金の利用促進を図るなど,中小企業誘致制度の優位性を維持できるように,積極的な制度運営を行うべきと考えますが,まず,この2点についてお伺いをいたします。 ◎池田 産業振興部長  ただいま,ご質問のありましたうち,1点目の取り扱い金融機関の拡大についてでありますが,札幌市では,中小企業融資制度の取り扱い金融機関を指定する際には,市内を営業活動の拠点としていること,あるいは市内中小企業と相当の取引実績があることなどを基準といたしまして,現在では,地方銀行8,信用金庫11,信用組合3,政府系1の計23の金融機関を指定しているところでございます。  お話のありました指定を受けていない38金融機関につきましては,中小企業金融の実績が少ない信託銀行でございますとか生命保険会社,損害保険会社,政府系金融機関が大半ではございますけれども,取り扱い金融機関を拡大することは資金調達の選択肢が広がるということにつながりますので,今後も,これらの金融機関の意向を踏まえながら,取り扱い金融機関の拡大に向けて対応してまいりたいと,このように考えております。  また,取り扱い金融機関を拡大して,預託額の総額をふやすことにより,中小企業に資金が行き渡るようになるのではないかというお尋ねもございましたが,これについても一定の効果が期待できると考えております。ただ,一方で,デフレ不況の影響で財務状況が悪化している企業への貸し出し,これについては大変高いリスクの貸し出しだということもございまして,なかなか進まないという事例を多く見受けられるところでございますので,金融機関の貸し出しリスクを分担する機能がない預託方式の方策のみでやっていくということは,中小企業への必要な資金を十分供給していく上では一定の限界もあろうかと思っているところでございます。  次に,ご質問の2点目の融資促進策についてでありますが,現在,札幌元気基金に関する調査検討を行っているところでございまして,また,既存の融資制度についても,あわせて見直しを行っているところでございます。  ただいま,委員からご提言のございました信用保証料の補助でございますとか,損失補償の拡充などは,中小企業者の皆様にとっても,より利用しやすい融資制度としていく上で有効な手法だと,このように考えておりますので,このような点も含めて,円滑な融資の促進に向け,より積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆峯廻紀昌 委員  ただいまご答弁いただいた内容,本当に前向きなご答弁をいただいたと思いますが,そういった中で,本制度をよりいいものにして維持していくということを考えるならば,当然,これからも関係する金融機関の協力を得ながら,整えをしていくわけですけれども,このことについて,一つの提案として,市長みずから先頭に立って,取り扱い金融機関のトップ,経営者を一同に集め,要はこの融資制度の促進の呼びかけを行う,また,そして,金融機関に直接足を運びながら働きかけていく,こういったことも大事だと思います。この部分においては,今日までこの制度で,23行の中でやられていると思いますけれども,なかなかそういった形での見直しなり,そういう会合を持ってお話をするということがなかったのではないかというふうに思いますので,ぜひひとつそういった部分も含めて,この考え方に対して,諸先輩からもちょっと要望もあることから,小澤助役の方に答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◎小澤 助役  今,お話がございましたように,融資の促進に向けて,上田市長を先頭にして金融機関の理解を得るため,そして促進を働きかけてまいりたいというふうに考えております。 ◆峯廻紀昌 委員  本当にそういった意味では, 今この部分では雇用問題,本当に非常に重要な問題になっておりますけれども,まず,雇用の問題を解決する上でも,雇用を生み出す企業,中小企業に元気を復活してもらわない限りは,さまざまな部分で問題が解決していかない。そういった意味では,新たな政策,施策をやっていく部分もありますけれども,その前に,まず,今ある制度をいかに充実してやっていくかということも一つの手法だと思います。今,ご答弁いただきましたことをぜひ全力で努力していただく中で,解決に向けて取り組んでいただきたいことを強く要望して,私の質問を終わりたいと思います。
    ◆芦原進 委員  私は,資金繰り円滑化借換保証制度と本市における企業の開業率と廃業率について,大きく2点に分けて質問をさせていただきます。  まず,資金繰り円滑化借換保証制度について質問させていただきます。  国内の企業の98.3%,また,北海道は98.8%,札幌市は98.2%が中小企業であります。日本全国すべてが中小企業といっても過言ではありません。まさに中小企業の活性化なくして日本の経済の再生はないと,このように言われております。国も数々の施策に取り組んできましたが,しかし,なかなか経済の好転の兆しが見えてまいりません。混迷の度は深くなる一方のように感じております。  平成12年から14年の3カ年で倒産件数,これは全国で5万9,700件,また北海道では2,423件,この札幌市では1,012件となっております。また,総負債額,全国で何と約53兆9,560億円,すごい数字になっております。北海道では1兆2,100億円,札幌市では7,190億円でございますが,大変な数字になっております。このように,長引く不況の中で,資金繰りに悩む中小企業を支援するために,融資を受けている企業が,新たな保証を受けて借りかえを行い,最長10年で返済できるという,こういう融資制度が,この2月に公明党の主張で資金繰り円滑化借換保証制度ということで発足いたしました。2月から7カ月間で約24万件,保証額は3兆6,000億円が利用され,毎月の負担が軽くなり,本当に助かったとの喜びの声がたくさん寄せられております。98.2%が中小企業である札幌市の本制度の取り組み状況についてお尋ねいたします。  まず,1点であります。今年2月から,この借りかえ保証制度を北海道信用保証協会も取り扱いを開始しました。この制度に対する札幌市のこれまでの取り組み状況に関し,中小企業融資制度の利用,窓口相談等の状況,PRの状況について,若干具体的にお尋ねをしたいと思います。 ◎池田 産業振興部長  それでは,ただいまのご質問に対してお答えいたします。  資金繰り円滑化借換保証制度に対するこれまでの取り組み状況というご質問でございましたが,お話にありましたように,この制度は,国が2月に創設した保証制度でございまして,札幌市では,一般中小企業振興資金の中の経営支援特別資金を中心として適用し,運用しているところでございます。  具体的なご質問の中で,まず融資制度の利用状況ということでございますけれども,これは借りかえ対象の融資を保証付融資や制度融資に限らず,金融機関の固有貸し付けも対象として利用対象の拡大を図っているものでございまして,本年4月から7月末までにおける実績はおよそ400件でございまして,総額33億円となっております。  また,2点目といたしまして,この制度に対する窓口や電話での相談状況,こういった部分につきましては,4月から8月末までの間に合計1,100件を超える相談等もございまして,ほとんどは借りかえ保証を利用する際の諸手続に関するものでございました。  それから,PRに関するお尋ねでございますが,この制度は国の保証制度であるということで,ただいま保証協会が中心となりましていろいろなPRに努めておりますけれども,札幌市におきましても,借りかえ融資制度にかかわるものにつきましては,パンフレットやホームページでの紹介のほか,札幌商工会議所など,各種団体が開催する説明会で説明を行っているところでございますし,さらに信用保険法の諸手続についてもわかりやすい説明文を金融機関あてに送付して,利用者が円滑にこの制度を利用できるように配慮しているところでございます。 ◆芦原進 委員  借りかえ保証制度は,先ほどありました複数の保証協会つきの融資を一本化して,保証期間を最長10年まで延長することによって,返済の負担を軽減することができるとともに,また,新たに融資が可能な場合がある,こういう制度であります。返済の負担を軽減することができれば,中小企業はその間しっかり力を蓄えて,また新たに挑戦していけると,このような状況になるわけですが,札幌市として,今後,この制度の利用促進のためにどのように取り組んでいかれるか,お尋ねしたいと思います。 ◎池田 産業振興部長  札幌市の今後の取り組みについてでありますが,基本的には,これまでと同様,札幌市の融資制度のPRや窓口相談を通じまして,利用促進に努めてまいりますが,特にこれからは年末を控えておりまして,中小企業の資金需要が大変本格的になってまいりますので,それにあわせて,広報さっぽろを活用した融資制度のPR,あるいは金融機関への説明会の開催,相談体制の強化,こういった点に十分対応いたしまして鋭意取り組んでまいりたいと,このように考えております。 ◆芦原進 委員  現実には,銀行も都合があると思います。しかし,やはり貸し渋り,貸しはがしというのがあります。私が経験したことでは,複数の銀行がある。そこにメーン銀行が全部自分のところ1本にしなさいということで,全部集めて,融資を受けたいと言ったら,限界を超えておりますと,もう融資できませんということで,しっかりとらえてしまったという,こういうことも現実にあるのですね。これは北海道ではありません。そして,状況は大変厳しくなったということもあります。こういう状況もありますので,どうか札幌市としては,道の保証協会または金融機関に,しっかりこの中小企業の支援をしていただくように積極的に声をかけていただきたいことを要望します。  次に,2点目の質問に移らせていただきます。  2点目の質問は,札幌の開業率と廃業率についてであります。  企業の開業率は4%,廃業率が6%となっている,これが我が国の状況であります。総務省が平成11年事業所・企業統計調査というのを行いました。その発表によりますと,平成8年から11年の札幌の開業率は5.6%,廃業率は上回りまして8.1%となっております。この数値は政令都市の中では,開業率は神戸,福岡,仙台に次いで4番目に高くなっていますが,廃業率は何と札幌が最も高くなっております。  そこで,まず2点について質問をいたします。  札幌市の企業の開業率と廃業率の差について,業種別に見るとどのような傾向になっているのか。また,開業率と廃業率の差である開廃業率は業種別に見るとどのようになっているか,お尋ねします。  2点目,この開業率と廃業率の差について,札幌市としてどのように認識しておられるか,ご回答いただきたいと思います。 ◎池田 産業振興部長  ただいまのご質問にありました1点目の産業別の開業率,廃業率についてお答えいたします。  開業率が高い産業といたしましては,卸売・小売業,飲食店が7.0%,運輸・通信業が6.0%,金融保険業が5.9%の順となっております。  廃業率の方については,卸売・小売業,飲食店が9.9%,以下,金融・保険業9.1%,運輸・通信業8.0%となっております。また,開業率と廃業率の差,いわゆる開廃業率に着目してみますと,いずれの業種も実はマイナスとなっておりますけれども,最も差が大きい業種といたしましては製造業がマイナス4.4%,次が建設業でマイナス3.6%となっております。逆に,最も差が小さいのはサービス業でマイナス1.0%,次が運輸・通信業でマイナス2.0%となっております。  次に,2番目の質問でございますけれども,市内の開業率,廃業率に対する認識についてでありますが,札幌は第3次産業のウエートが高い仙台市や福岡市などと同様,廃業率,開業率とも高くなっており,これ自体は経済の新陳代謝が活発に行われている都市であるということが言えると思いますけれども,しかし,長引く不況によりまして,廃業率の方が開業率を上回って,その開きがここ数年拡大しておりますことは,札幌の経済にとって大きな課題であると認識いたしております。したがいまして,きめ細やかな中小企業支援策により廃業率を少しでも抑えるとともに,創業支援策の拡充などにより,開業率を高めていく必要があるものと考えております。 ◆芦原進 委員  製造業,建設業と,非常に一番やっぱりそういう開廃業率が高いというのは,もっとしっかり取り組んでいかなければならんなと思います。  本年2月に,中小企業挑戦支援法という商法の特例法が施行されました。事業を営んでいない個人が,2008年までに会社を設立した場合は,資本金規制にかかる株式会社では1,000万円,有限会社では300万円という最低資本金規制を受けずに会社を設立することが可能になりました。要するに1円でも会社が設立できるわけです。ただし,5年間で最低資本金にしなくてはならないということは明確になっておりますが,このように企業設立の挑戦がしやすい環境になったのは事実だと思います。企業の開業は雇用の促進にもつながるわけですから,札幌市としてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。  そこで,質問いたします。  札幌市として,この開業率を高めていくために,今後,どのように取り組むかを具体的にお聞かせいただきたいと思います。 ◎池田 産業振興部長  ただいま先生からお話がありましたように,大変創業に向けて意欲的な企業もございまして,そういったものを支援するため,国も制度を充実しているところでございます。開業を高めるための取り組みというご質問でございますが,本市といたしましては,既に創業に関する相談,情報提供,人材育成,融資あるいは助成制度,あるいは東札幌や豊平にございますインキュベーション施設等々の事業を行って,創業支援をしているところでございますけれども,今後も,これらの施策をさらに充実してまいりたいと考えておりますし,IT,バイオといった新しい分野の国際的な競争力を持つ新産業についても,引き続きその育成に力を入れてまいりたいと,このように考えているところでございます。 ◆芦原進 委員  最後でございますが,今お答えがありましたように,やっぱり夢と希望を持って開業される,そういう挑戦者の皆さんの努力が実るように,行政として,しっかりとした資金の援助も含めて支援をしていただくことを強く要望いたしまして,私の質問を終わらせていただきます。 ◆小川勝美 委員  私からは,二つの項目について質問いたします。  一つは,コールセンターにかかわって,もう一つは,コンベンションセンターにかかわって,この2点について質問いたします。  最初に,コールセンターの誘致にかかわってお尋ねをします。  決算説明書の事項別明細書を見ますと,先端産業立地補助金で大幅な不用額が出ておりますが,コールセンターの誘致,これが先端産業立地補助金の交付がないと,こういう状況でないかと思うのでありますけれども,これがどんな状況になっているのか。もともと先端産業立地補助金というのは,ハイテク産業が札幌に出てくるためにつくられたものでありまして,本当であればハイテクヒル真栄にNECが来るとか,日立が来るとか,こういうことでこれが使われるのならいいのですけれども,今,そういう方面での先端産業立地補助金というのは全くなくて,最近,この3年間ぐらいはコールセンターの機器の整備とか研修にかかわる補助金であったわけですけれども,昨年度の決算,今提案されております決算によりますと,予算に組んだのから見ても大幅に少なくなってきておりますが,これはいかなる理由でそんな状況になってきているのか,お尋ねをしたいと思います。  それから,お聞きしますと,札幌の場合,コールセンターが次々と誘致されてきて,3,000人からの新たな雇用がふえたと,こういうふうにもお聞きをするのですけれども,しかし,その中身の状況を見ると,採用された人たちの採用形態というのが,道の案内の文書を見ても,札幌市の補助金の文書を見ても,常用労働というふうに言っているのだけれどもそれが契約社員であったり,パートであってもいいとか,あるいは20人以上であればいいとかと,こんなことになっているものですから,圧倒的多数がパート労働のように思うのでありますけれども,どんな状態になっているのか。そしてまた,私の聞いた中では,札幌市から補助金をもらっているようなコールセンターでも契約期間は2カ月と。2年ぐらいを想定して,期限を定めないのだけれども2カ月ごとの更新,そして時給何百円という,こういうような人たちがそのほとんどではないかなと,こんなふうにもお聞きするものですから,コールセンターの雇用実態を把握されているのか,把握していれば,その実態を具体的に伺いたいと思います。  3番目に,コールセンターというのも都市間競争が激しくなってきたと,こういうふうに聞いております。札幌は比較的先に誘致ができたと。それは沖縄に次いでコールセンターの集積地だと。なぜならば,沖縄と札幌は失業率が非常に高い。そして,沖縄よりもまだ札幌の方が,どちらかというと標準語を話す人たちがいるというようなことで,コールセンターが札幌に誘致されてきたと,こんなふうにもお聞きをするのですけれども,今後,地元の常用雇用を拡大するために,これらコールセンターを誘致するのに,どのようなことを考えられているのか。札幌は全体として若者の失業が非常に多い。全国的にも若者の失業率というのは10人に1人は失業している。中でも札幌はさらに悪いというような状況の中で,残念な話なのですけれども,全く仕事がない中では,コールセンターのパート社員でも仕事があればいいかなと,こんなふうにも思うものですから,雇用対策につながるようにどう取り組んでいかれるのかお聞きをしたいと思います。  まず,この3点についてお尋ねをしておきます。 ◎池田 産業振興部長  ただいま,3点のご質問がありましたが,順次お答えさせていただきます。  1点目は,先端産業立地補助金の中のコールセンターの部分については,予算を計上したけれども,実際は執行率は非常に低かったと。その理由はどういうことかということでございますけれども,これは14年度予算の要求時点ではコールセンターは大変活気を帯びておりまして,我々の方では既に10社近くの企業と具体的な開設の協議を進めておりましたし,それ以外にもいろいろ企業からお問い合わせをいただいたと,こういうようなことを踏まえまして,この補助金の算定に当たりましては10件分を予算計上したというところでございますけれども,結果的には3社しか誘致できなかったということでございます。  その背景といたしましては,一つはコールセンターの誘致,我々沖縄というものを目標にしてやっているのですけれども,実際は,非常にほかの都市もコールセンター誘致にこのころから熱心になっておりまして,大変その誘致の都市間競争が激しくなったということもあります。それからまた,経済変動等の影響で,コールセンターの開設計画自体が延期になったり中止になったりしてしまったというようなこともありまして,残念なことに3件しか誘致できなかったと。また,その3件も補助要件等の中で精査する中で,補助要件に欠けるものもあったということで,極めて低い実績になったという状況でございます。  それから,2点目の雇用の中身ということでございますが,まず,うちの方の補助の要件といたしましては,これはほとんどが道の基準を準用しております。これは道と一緒に誘致活動を行おうということで,そういう戦略的なこともありまして,道の基準を準用して行っているところでございますけれども,その中で常用雇用ということもうたっております。ただ,常用雇用というのを厳格に運用しますと,誘致もかなり厳しい,手間取るという部分もありますものですから,契約社員の中にも常用的になる部分も実態としてあることから,そこら辺は道と協議しながら弾力的に運用して,誘致に努めてきたところでございます。  また,実際の雇用形態,補助金を出した企業で言いますと,3割が正社員,それから7割が契約社員という状況でございまして,契約社員が多いわけでございますけれども,定着率につきましては,これはコールセンターの方からはよく言われることでございますが,首都圏周辺に比べて定着率が大変いいということから,長期的に勤務していただくことをコールセンター側でも望んでおりまして,契約社員の場合であっても,さらにスキルアップをして,正社員に登用される道を広げている会社も多うございますし,また,大多数の方が契約更新により継続勤務をしているという状況にございます。  それから,3点目の失業率が上がっている中で,雇用対策としてどのような施策の中で,こういった誘致に努めているかということでございますけれども,コールセンタービジネスというのは,優秀な人材を採用できるかどうかというところがポイントでございまして,やはり補助金の額もさることながら,そういった人材の層の厚さというのがコールセンターを立地する場合のコールセンター側の非常に大きなポイントになっているところでございます。  そういった点,札幌の場合は,非常に若年層も豊富で,また優秀な人材も多いということで,我々としては,さらにそれらについて研修事業を実施するといったような形で,人材の豊富さをセールスポイントとして誘致活動を行っていきたいと思いますし,また,国や道とも連携しながら,コールセンターの合同企業説明会,あるいは就業セミナーなどを開催いたしまして,雇用の促進を図るなど,立地企業に対する積極的な誘致を行っているところでございます。  今後とも,先ほど申しましたように,コールセンターをめぐる都市間の競争というのは激化すると思われますけれども,我々としては,そういった人材の豊富さというものを,まず第一のセールスポイントとして,これからも誘致に努めていきたいと,このように考えておるところでございます。 ◆小川勝美 委員  今,ご答弁がありました。それで,2番目にお聞きした件で,雇用されている職員の状態ですけれども,3割が正社員で7割が契約社員だと,こういうふうに言われております。先ほど私がお話をしましたように,研修のときには1時間650円ぐらい,そして研修が終わってコールセンターの仕事についたと,そうすると1時間800円,土曜・日曜に出ていくと1時間850円になるというような,全体としてそのぐらいな金額,しかも,多くの人は,道なり市の条件で雇用保険を掛けることとなっていますから,雇用保険は掛けられているのだけれども,厚生年金には入っていない人たちがほとんどなのですね。だからコールセンターに勤めていながらも国民年金に加入していると,こんな実態にあるようなのですけれども,その辺のことはどういうふうに把握されているのか。これはもう少しハードルを上げると,今度コールセンターが来なくなると,こういうことになるから,そういうふうに雇用保険だけでいいというのが条件になっているのかどうなのか,誘致の支援費制度の条件。それと,もう一つ,どうしてこういうふうになっているのかなと私は疑問に思うのですけれども,年間給与所得が130万円以上あると見込まれればいいということになっているのですね,そういう人が20人以上だと補助の要件になると。  130万円というのだから,扶養家族を離れればいいということなのかなと,こんなふうにも受け取るのですけれども,札幌の生活保護の単身者で仮に25歳で月10万円の収入,これで健康保険に加入して,掛け金も掛けて,厚生年金も掛けて,雇用保険も掛けて,そして不足分は生活保護を受けると,勤労者の働くことによる勤労控除も受ける,それから年2回のボーナスも年収の1割までは生活保護では出るようになっています。それらをずっと計算しますと,25歳の単身者で,家賃も札幌市内で3万5,000円の家賃を払ってと,こういう計算しますと173万4,938円という金額が,生活保護費で最大限考えると出るわけです。そうすると,130万円というのはこれは本当にいいのか,生活保護基準以下で働く人たちをコールセンターで集めているのかなと,こんなふうにも思うものですから,これが本当に今の深刻な不況の中で雇用拡大につながるのか,行政が一生懸命税金で補助金を出していく施策として本当に適切なのかなと,こんなふうに思って懸念をしているのです。  特に,片方で,今大企業は,中高年を中心にして大量のリストラ解雇をやっています。産業再生法なんていう法律ができて,リストラ解雇をしたら,税金をまけてやるという促進策をやられている。その一方で,都市間競争が激しくなってきているからという形で,今度契約社員,あるいはパート労働を中心にしたコールセンター業務なんかやって,大企業がこういうところにコールセンター業務を下請に出すというようなことになっていくと,日本の雇用政策全体が低賃金化政策へと,こんなふうにつながるのではないかなと,そんな懸念もするのですが,全体として,札幌は失業者が若者を中心として非常に多い中で期待がされている部分もあるのですけれども,こういうことが低賃金化政策の誘導になるのではないかなと,そんな懸念も私はしているのですが,この点についてはどうお考えなのか,お尋ねをして,コールセンターの問題について終えておきます。 ◎池田 産業振興部長  ただいま2点ご質問ございました。一つは雇用保険関係,これがうちの補助とどう絡んで,どう実態を把握しているかということでございますけれども,これにつきましては,道もそうでございますが,特に社会保険を掛けているかいないかということは補助の対象の要件としておりませんので,我々詳しい実態は正直申し上げて把握しておりませんが,ただ,求人情報等のパンフレットは,当然,コールセンター側でも出しますけれども,その中を見る限り,多くのところが各種社会保険完備というような表記をしているところでございますが,なお,これは我々が正確に実態を把握しているものではございません。  それから,2点目の低賃金政策へ誘導するようなことに補助金を出しているのではないかという厳しいお尋ねでございますが,しかし,我々の方では,確かに要件としての年間130万円というのは大変低い額でございますけれども,それでは実際に誘致していたコールセンターがどのくらいの賃金水準かといいますと,これを大きく上回っているところが大半でございまして,そういった意味で,要件を道が低く設定していることが低賃金の方に誘導するということにはなっていないというふうに思います。  また,リストラの話も出ましたが,コールセンター自体はリストラの結果生まれたというよりは,むしろ顧客管理をどう合理的にやるかという企業戦略的なことから生まれたものでございまして,先ほどご答弁申し上げましたように,そういった意味で,コールセンターで働く社員自体はかなり高い能力を求められ,またそこにかなりの資金が投入されて研修を受けるというものでございますから,我々といたしましては,そういった雇用の場が確保されるとともに,そういうITの関係や金融の関係の技術,知識というものの習得,向上が図られると。そしてまた,そのことが本市の経済を支える人材の育成にもつながっていく,こういう観点から有益な事業というふうに我々としては考えております。 ◆小川勝美 委員  コールセンターの問題は,これでやめておきますけれども,実際には,先ほど部長のご答弁にもありましたように,7割が契約社員ですから,パートだとかなんかという形で,そこから本当に生涯に向かって安定した雇用につながっていくというふうには,必ずしも結びついていないのが今の実態でないかなと,こんなふうに思うものですから,あえて質問をさせていただきました。  次に,コンベンションセンターにかかわってお尋ねをしたいと思います。  6月1日にコンベンションセンターがオープンをして,先ほども質疑があり,来年に向けて大ホールで70%,会議室で50%というふうな予約が入ってきて,なかなかいいような話でお聞きをしたところであります。しかし,全体としてのコンベンションセンターについては,総額で206億円,借金180億円で建設されて,管理運営はさっぽろ産業振興財団にお願いしているわけですが,不足分は一般会計で補てんをしていくと,こういうことで,今年度の予算では2億1,800万円と,こんなふうに出されているわけでありますけれども,先ほど,非常にいいような話のご答弁がありましたが,当初予算で見込まれていた施設の貸し出し収入だとか,備品類の貸し出し収入というのは,当初予算よりも上回る形で利用されているのか。いわゆる6月オープン後の利用状況がさらによくなってきて,収支状況が予算のときよりももっと改善されてきているのかどうなっているのか,まずこれをお尋ねをしたいと思います。 ◎渡邉 観光コンベンション部長  札幌コンベンションセンターの今年度の収支状況でございますが,8月末現在で収入実績は1億2,015万5,000円となってございまして,年間予算に対する達成率が44.7%となってございます。残り7カ月あるわけでございますので,閑散期による稼働率の落ち込みを考慮する必要がありますが,今年度予定の収入は確保できるものと考えてございます。 ◆小川勝美 委員  当初予算に計上されているものについては確保されると,こういうことでありますが,片方で経費の面では,オープンする前に議会で説明したよりも,今年度予算では大幅に経費が削減した形で,その収支差2億1,800万円というのが予算に計上されているわけですけれども,支出の方についてはどんな見込みを持っておられるか。もし,同じであれば同じで,こういうご答弁でいいと思いますが。  それから,先ほど長内議員との間で,来年の予約の状況等も順調のようなご答弁がありましたが,それらを踏まえた形で,来年度の収支見込みをどのように見込んでおられるのかお尋ねをしたいと思います。そして,利用率が高まってくれば,収入と支出との差が縮まって,札幌市から支出する委託料というか管理料,赤字補てん分というのが,これが2億1,800万円ではなくて,2億円を割っていくというようなことになっていくのではないかなと,こう思うのですから。  特に,せっかくつくったコンベンションセンター,高い経費がかかっておりますし,完成したわけですから180億円の起債もきちっと発行して,これから元利償還が始まっていくわけです。コンベンションセンターの収支の差額による補てん分を一般会計で支出するだけではなくて,180億円の元金と利息の償還もこれから始まっていくわけです。そうすると膨大な負担をこれから20年間にわたって支出していかなければならないことになりますので,そういう面では,完成したコンベンションセンターが本当に利用されて,一般会計から赤字補てんなどをしなくてもいいように,そういうふうな運営ができれば,これにこしたことはないわけなのです。そういう意味から,来年度の収支の見通しについてお尋ねをしたいということであります。  それと,施設が完成をしました。そうすると,我々には206億円だと,そして借金は180億円だと,こう言っていたわけですけれども,起債の金額は,総体として,最終的にどのくらい発行することになるのか。それから,これから起債の元利償還が始まっていくわけですけれども,平年度というか通常というか,最もピークのときと言った方がいいのか,元金を幾ら払って,利息は幾らで,そして起債の元利償還は20年間ですけれども,発行の期間にばらつきがありますから,今年度これから発行していくやつもあるわけですから,総体として何年間にわたってコンベンションセンターの元利償還を行って,元利償還の総額の返済額は何ぼになるのか,この点について渡邊財政課長にお尋ねをしたいと思います。 ◎渡邉 観光コンベンション部長  私の方から,初めに,今年度の総経費といいますか,その見込みがどうなのかと,大ざっぱでいいからというお尋ねでございましたが,当初,想定いたしておりました経費よりは総体的には低く抑えられている状態にあるということが言えると思います。  それから,2点目の来年度の収支見込み,それから委託料の圧縮についてでございますが,来年度の収支見込みにつきましては,先ほども申し上げました稼働率見込みから,当初の計画段階で目標としております収支率57.5%,これを確保できるものというふうに現在考えてございます。  なお,委託料につきましては,より効率的な運営によります総経費の節約に努めるとともに,今後とも積極的な誘致活動により,収支率の向上を図りその圧縮に努めてまいりたいと,このように考えてございます。 ◎渡邊 財政課長  コンベンションセンターの建設にかかる市債の元利償還についてでありますけれども,委員ご指摘のとおり,センターについては12年から15年度までの建設でございますので,今年度分についてはまだ発行額が確定しておりませんので,この分については見込みでお答えさせていただきます。  それと,償還額を言う際に,当然,償還条件というのが額に影響するわけですけれども,委員のお話になったとおり,大半は10年の民間債を一度借りかえて20年で償還するという,こういう前提ではじきますと,元金償還総額の見込みが約177億円程度,それからこれに対します利子につきましては,現行発行済みについては発行利率で積算をし,借りかえについては同じ率で借りかえたという前提での試算でございますけれども,約14億円となってございます。合わせまして約191億円が元利償還相当額,これが約20年間で償還する総額でございます。  なお,この元利償還ともに2分の1相当については,地方交付税で措置される予定になってございますので,念のため申し添えます。 ◆小川勝美 委員  渡邉部長の方で,稼働率というか収支率を,当初の57.5%より上げて,このことによって一般会計から出していく委託料,赤字補てん分を圧縮するように努めたいということでありますから,これはよしとします。  それから,渡邊財政課長にお尋ねをしますが,191億円の元利償還をこれから20年間で返すわけですけれども,発行年度が違うものですから,20年間で返していくと,単年度で,実際のピーク時は幾らぐらい返さなければならないのかと。そうすると,交付税で2分の1は措置がされるにしても,そっちで返す金額とコンベンションセンターの赤字補てん分と,そういうのがコンベンションセンターの経費としてこれから支出されていくということになるわけですから,この点をお尋ねしたいので,いま一度ご答弁をいただきたいと思います。 ◎渡邊 財政課長  大変失礼しました。答弁漏れがありました。  元金につきましては,借り入れの年度がずれますし,なおかつ据え置き期間がございます。平成18年度から実際に元金償還が本格化します。それで申し上げますと,元金ベースで申し上げますと10億6,000万円程度が約17年程度続く見込みであります。利子につきましては,当然,元金償還が減ってきますと,それに応じて残減していくことでございますけれども,一番大きいのは本格化する18年前後がピークでございます。それで申し上げますと,利子で,ついては約9,000万円程度が一番大きい額でございます。合わせて申し上げますと,11億5,000万円程度がピーク時の元利償還額というふうに考えてございます。 ◆小川勝美 委員  渡邊課長にお尋ねをします。  わかりました。コンベンションセンターの借金の元利償還はピーク時で11億5,000万円,こういうことであります。先ほどもご答弁ありましたように,これは地総債を受けて交付税措置がされて,2分の1は交付税に参入されると,こういうことでありますけれども,今,交付税制度そのものが大幅な見直し,改変がされる,そういうときにこれはもうパアになってしまうと。そんな2分の1なんて,それは交付税制度見直し以前の約束で,今はもうそれらは全部違うものに変わったのだから,それは札幌市独自で自分で発行した借金は自分で返しなさい,こういうことになる懸念は全くないと言えるのかどうか,これについてお尋ねしたい。 ◎渡邊 財政課長  委員,ご指摘のとおり,今三位一体の改革の中で,地方交付税制度の改革というのが一つのテーマになってございます。それで,どういう改革の影響が札幌市にあるのかというのは不透明で,ここで確たることは,私の立場で申し上げることはできませんけれども,かつて,交付税参入について約束された制度については,当然,それはほごにされることはないものと,今のところ信じております。(「今の時点では」と呼ぶ者あり) ◆小川勝美 委員  今のところ渡邊課長の答弁も了解をしておきます。 ◆田中昭男 委員  私から,問題は雇用対策についてお聞きをしたいのですが,雇用対策ということになれば,経済局だけでないということはわかっていますけれども,小澤助役もおられるから,経済局の方から入っていきたいというふうに思います。  雇用状況については,申し上げるまでもなくそういうことになっているのですけれども,それで先ほど来,産業の振興というか,経済の活性化を論議すると,いつもながら雇用という言葉が出てくるのですけれども,これを逆転して,雇用というところにこだわって物事を見ていったらどういうことになるかということで,ちょっとお伺いをしたいというふうに思います。  まず,産業振興部について申し上げますと,新しい産業をつくり出す,誘致をするということについていろいろ努力をされてきているのは十分承知をしております。そうしてご努力いただいていることが,雇用の創出ということにどう結びついているか,あるいは結びついていくつもりなのかというふうなテーマを考えてみますと,このテーマにこたえていただいたのは一つしかないように私は記憶しているのですが,それはまさにコールセンターです。今ほどの労働内容の問題は別にして。  コールセンターの問題については,本当に私もいろいろやらせていただきましたけれども,小川委員の方からもありましたように,かつて,私が去年か一昨年やったときには,たしか2,000人という数字を出されましたが,この間お聞きしましたら3,300人という数字をお聞きいたしました。コールセンターの誘致によって3,300人の雇用の創出ができたというふうに言えるわけでございますけれども,これは内容は別にして,大きなご努力だったなというふうに思いますが,産業の誘致,あるいはまた産業の育成という中で,雇用者数が出てきているのは,私はいまだかつてコールセンターしか聞いたことがないのです。このことを私は問題にしたいというふうに思っているのです。  そのほかの産業施策,経済施策をいっぱいやられているはずなのですが,そういう各種施策,産業振興施策と雇用との関係をもう少し研究してみるべきでないですかということを常々言っているつもりなのですが,それがなかなか思うように返ってきていないというところでいら立ちを感じているということでございます。そういう意味から,こういう質問をさせていただきます。  産業振興部は,コールセンターだけでなくて,先ほど来お話がありますようにIT産業の育成だとか,バイオ産業の育成だとか創造だとかという,言葉としてはそういう言葉を使われておりますから,IT産業なり,あるいはまたバイオの産業を創出していくことによって,どれだけの雇用が生まれるかという試算を,いろんな条件がありますよ,それはもちろん。いろんな条件を置かなければならないかと思いますが,どれくらいの雇用の創出が図られる,あるいはまた,その雇用の創出を図るためにIT産業の振興では何の分野に力を入れていく,そしてまた,バイオの産業に対してどうなる,こういう見方をされたことがおありかどうか,それをまず産業振興部にお聞きをさせていただきます。  同じような質問を,これは事前に言っていなくて悪いけれども,観光コンベンション部にもさせていただきますが,こういう質問をいたします。  上田市長は,来客2,000万人構想を出されております。これは私の7月の代表質問でも取り上げましたけれども,現行1,300万人に比べれば相当勇気のある目標の高い数字で,さあ,大丈夫ですかというふうにして質問をいたしました。上田市長からは,私がトップセールスで頑張りますと,こういうお答えもいただいているのですが,しからば,来客,今現在の1,300万人から2,000万人に達成したとしたら,これまたいろんな条件が間に入ると思いますが,どれだけの雇用が生まれるかということを試算をされたことがおありかどうか,この二つをまずお聞きしたいと思います。 ◎池田 産業振興部長  雇用と産業振興施策との関連でのお尋ねでございましたが,確かに,私ども,ITについては,これまでもいろいろ施策を推進してきまして,現在では1万3,000人ほどの雇用を生み出しました。これを我々のすべての施策で生み出したという,そこまでは言い切れませんけれども,結果的としては,ITについては関連業種を含めますと1万3,000人ほどの従事者がいるという実績が上がっております。ただ,今後バイオ,さらにはいろいろな新産業に向けての検討も進めておりますけれども,これらについて今具体的に数字を求められるかという部分については,大変難しい分野もございまして,また,そういった具体的な指標をつくって施策を推進しているかということについては,これらの分野については,具体的な指標をつくって施策を推進しているという状況にはございません。  ただ,我々としては,雇用というものを常に念頭に,先ほど委員からもご指摘のありましたように,経済施策と雇用というのは本当に裏腹の関係にございますから,そういうものを念頭に進めているつもりでございますけれども,特にバイオ関係についてはまだまだ研究者段階のものをどう企業化していくかというような初期の段階でございまして,具体的な数値目標を掲げるのが難しい状況になっております。ただ,我々としては,なるべくそういったIT,バイオとは異なりますけれども,具体的に雇用を確保できるような事業についても着手したいと思っておりまして,コールセンターについては既にやっておりますけれども,それ以外に雇用の確保に即つながるような,ことし調査をやっておりますけれども,ニュービジネスのようなものを誘致できないかというような検討を始めているところでございます。  また,IT分野なんかについては,特にインキュベーションの事業を行っておりまして,これは,例えば,地元の学校を卒業した人たちがみずから業を起こして地場に定着する,そういう部分についても力を入れてやっているところでございます。  いずれにしましても,経済分野での事業というのはいろいろな段階のものがありまして,総体で幾らというのはなかなかお示しにくいところでございますが,今後とも,事業の熟度とか性格によって具体的な目標を定めつつ事業を執行すると,そのような考え方でいきたいと思っております。 ◎渡邉 観光コンベンション部長  ただいまの田中委員のご質問でございますけれども,仮に2,000万人が達成された場合の雇用数といいますか,試算ということでございますが,ご存じのように,観光産業というのは非常にすそ野の広いといいますか,いわゆる総合産業でございますし,産業分類上も観光産業という定義もないわけでございまして,この辺の数字のとらまえ方というのは非常に難しいものというふうに考えてございまして,結論から言えば,試算はしたことはございません,残念ながら。 ◆田中昭男 委員  まあ,そういうことなんだよね。  それで,雇用対策で,当たっているか当たっていないかは別にして,道が5万人の雇用創出と言っているときに,札幌市は数字を出さなくていいのですかということで私が質問すると,いつも,だから出せませんという答弁にしかならないということなのですが,ただ,ずっと今まで見ていると,経済局の産業振興部だとか観光コンベンション部だったら,ある程度それはできるのではないかなと私は思います。それはいろいろな条件を間に置かなければなりません。置かなければなりませんけれども,何か,ゼロ,全くできない,出せないということの域を脱して,数字は別かもしれないけれども,ある程度のものは,それは訂正できない表現になるかもしれないけれども,もう一歩突っ込んだものというのは出せるような気がするのです。  端的な例でいくと,福祉産業とか環境産業の育成とか,これは経済局の方も言っていますが,これだってある程度絞れるよね,福祉産業だって。それは特養老人ホームにしても,あるいはまた,待機児童の解消だとか言っているわけだから,そうしたら幼稚園,保育園をこれから何カ所かつくりましょうということになれば,おおむねそれでは,雇用が何ぼぐらいその福祉産業で生まれてくるだろうと,介護保険事業だってある程度それをみんなやっているわけですよね。そういうことというのはやろうと思えばある程度ものはできるのではないかと。完璧なものができるとは思っていませんけれども,そういう情報を市民の皆さんに,札幌市の雇用対策というのはこういうことを考えていますというぐらいのことは,出すべき時期じゃないかなと私は思っているのです。そういう意味で,局長,申しわけないけれども,そういう施策をこれから経済局の中でやっていかれる中において,今でも雇用というのは言葉としては頭の中には常に置かれているとは思いますけれども,今以上に数倍雇用というものを一つ一つの施策の中に,前提として,中身として置かれて物事を進めていくということは必要だと思いますが,その辺を検討してもらいたいという言い方を私はしておきますが,どうですか,局長,ちょっとお答えいただきたい。 ◎波田 経済局長  ご質問にもありましたけれども,雇用を全面的に意識した産業政策というのは,物によって雇用数値の見える産業政策,コールセンターのようなものはさておき,さっき言った観光のような少しはっきりしない要素については,なかなか雇用数が幾らという前提に立った産業振興策というのは今までは手薄であったと。ただ,今ご指摘のように,やはりある程度見えるものも中にはございます。ですから,経済政策全体で幾らやるというふうに言えないかもしれませんけれども,個別の事業については,なるべく出せるものは出す方向で検討していきたいというふうに思っております。 ◆田中昭男 委員  それくらいの答弁だろうなと思いますが,そこで,助役にお聞きしたいのです。2定で私がそういう意味で数値目標をつくれませんかというふうに質問したら,こういう答弁でございました。「2点目の雇用対策についてであります。まず,雇用対策につきましては,さっぽろ元気ビジョンの中でお示ししたとおり,安心して働ける環境づくりの実現に向けて全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。次に,数値目標の設定についてでございますが,雇用対策につきましては,労働政策や経済政策,あるいは教育政策など,さまざまな面からの検討が必要でありますし,また,国などの関係機関との連携も大事なことであります。したがいまして,一定の数値を示すことは非常に難しいものがあります」と,こういう表現なのです。  雇用対策については,労働政策や経済政策,教育政策,さまざまな検討が必要であると,検討が必要であるのはわかるのですけれども,労働政策や経済政策や教育政策がある程度できたら,これは一定の数値を示すことが可能かどうかと。助役がこういう答弁しているのから,逆にちょっとお聞きをしたいと思うのですけれども,どうですか,助役。 ◎小澤 助役  少なくとも,今よりは可能になるのだろうと思いますけれども,いずれにいたしましても,経済局長が今お答え申し上げましたように非常にわかりにくい分野も確かにございます。札幌市以外の自治体で出しているところも確かにございます。そういうところの調査もさせていただきましたけれども,根拠がなかなか明らかに示されないという現状もございます。  一方で,今,田中委員がおっしゃったように,福祉でいいますと,福祉計画をつくるわけですから,待機の高齢者が何人いるとか,それから待機児童が何人いる,そういう関係では,施設整備というのは計画的にやるわけですから,そこでの雇用が何人生まれるということの計算は確かにできると思いますし,そんな意味では,例えば,学校で小人数学級がやられた場合には,教員が何人必要かということも将来は出てくるのだろうと思います。  そんなこんなを含めまして,各部局が施策を展開する中で,行政的な分野の中ではどれだけ雇用が確保できるかというような情報を共有することが必要だと思いますので,近々に全庁を網羅した組織を立ち上げたいと。そして,今,委員がおっしゃったことを含めて検討してまいりたいと思っております。  それからもう一つは,これは新年度になろうかと思いますが,外部の識者,それから関係機関,もちろん市役所も入りますが,そういう方たちで構成する組織を立ち上げまして,この問題も含めて検討していきたいというふうに思っているところでございます。 ◆田中昭男 委員  雇用対策を充実させなければならないというのは,2定で川口谷議員も言ったのです。そのときに,現行ある札幌市雇用対策連絡会議,これをさらに,今の助役の答弁と似ているのか,本当は違うと思うのだけれども,充実させますと,拡大しますという答弁だったのです。 どういうことかというと,札幌市の雇用対策連絡会議というのは,これはほとんど雇用に関係する各部が全庁的に入っているのですが,議長がいて,議長は市民局の生活文化部調整担当部長なのです。悪いけれども,担当部長が札幌市全体の雇用対策の座長というのは,これは何ぼ何でもちょっと気が引けるということなのだろうと思いますが,それで,経済雇用活性化対策本部というふうな言葉を使っていたと思いますけれども,格上げして頑張りますということの答弁をされました。多分,どちらかの助役が本部長になられるのだろうなというふうに思っていますが,これは今どうだいと聞いたら,検討中だということですから,全然先が見えない話だと,こういうことです。  ただ,助役に私がお聞きしているのは,新まちづくり計画の中で上田市長が出された基本方向が五つある中で,元気な経済が生まれ,安心して働ける街さっぽろの担当助役が小澤助役なのですよね。ですから,市民局に聞かないで,小澤助役が来られているからここでいいかということでお聞きをしているのです。  そういう意味で,時間も来ましたからここで締めますが,雇用対策というのは,私,ずっと言ってきているつもりですが,何回も言っていますけれども,雇用対策を充実してくれと,それをいろんなところで,いろんな切り口から入ったと思うのですが,それを言うと,今までは必ず,田中さん,そんなこと言っても,雇用対策といっても,本来はあれは道がやるべきことであって,札幌市がやるべき課題ではないのだと,できないのだと,こういう答弁ばかりだったのです。その程度かというふうに思いました。だから,私が先ほど申し上げたようなところも,そういう試算も難しい条件はいろいろあるにしても,そういう視点を入れるということが感覚的に育っていないから,さっきのような答弁にしかならないのかなと,やっぱり私は思っています。  雇用対策は道の担当であって,札幌市ではないのだと,そこだけは脱却してほしいと思っていましたが,上田市長は,選挙期間中,雇用対策をやる雇用対策をやると言われていましたから,私は実は大いに期待していたのですけれども,それで2定のあのやりとりですから,正直言ってがっかりしたなと思っていますが,今の助役のご答弁だと,これから少し動いてくるのかなという期待は持てます。ただ,そこのところは少し変わっていただいたというふうに私は思っています。今,では,道の5万人の雇用創出とリンクした形での数字は出ないのですかということも私は申し上げているのですが,そうすると,どういうふうに言われるかというと,道の5万人というのは,あれは実はいい加減な数字で信頼性がなくて,道議会の中でもいろいろ論議が起きてというふうな言葉が返ってくるのです。それは私もわからないわけではないです。それはわからないわけではないけれども,だけど国も道も今の雇用情勢の中で雇用の創出,そして数字を上げているというこの環境の中にあって,札幌市だけが数字をまるっきり上げないと,あるいはまた,雇用対策の方向を示さないということはやっぱりおかしいだろうと思って,きょうもこうやって質問させていただいているところなのです。そういう意味で,普通の民間会社だったら,やっぱりやみくもに数字を設定して,そして営業マンを走らせて,その数字の目標に向かって努力をします。多分そういうものなはずです。
     ですから,それに類した努力だとか仕事のやり方というものを札幌市役所の皆さん,その中で経済局の皆さんもそういうことになろうかと思いますが,やっていただきたいと。それは戦術的な取り組みであったり,戦略的な取り組みをやらないと出てこないと思いますが,それをやっていただきたいということをお願いしますけれども,そういうことで,元気な経済が生まれ,安心して働ける街さっぽろの担当助役の小澤助役として,もう一度決意のほどをお聞かせいただいて終わりたいと思います。 ◎小澤 助役  雇用の問題については,先ほど申し上げましたように,市政の重要課題であるというふうに上田市長がたびたびおっしゃっていることであります。したがいまして,今,委員からお話がございましたように,これまでは雇用というのは道庁の範疇だという答弁が多かったということでございますが,今,私どもは,上田市長のもとではそういう認識を捨てて,本当に市政の緊急課題だという認識を持って,各般の行政のそれぞれの分野で取り組んでいきたいという気持ちを持っているところでございますので,ご理解いただきたいと思います。 ◆藤川雅司 委員  私は,札幌地下街について質問をしたいというふうに思います。  札幌の商店街につきましては,札幌の20世紀後半の成長期では,札幌の人口も急速に伸びまして,産業振興の集積も高まって,近代都市としての基盤が着々と形成をされてきました。その一方で,市街地の開発や社会整備が進むと,このような中で都市の構造にも大きな変化があらわれてきております。  これまでは都心中心型の都市構造でありましたけれども,地下鉄を中心として,郊外に諸機能が整備され,都心分散型の構造に変わりつつあるというふうに言われております。  商業の面から見ても,郊外に多面的で大規模な小売店が次々に誕生すると。都心部の商業地盤の低下を引き起こしていると。加えて,不景気に伴う個人消費の落ち込みということで,今や商業者にとっては死活問題ということになりつつあると,こういうふうに思うわけです。とりわけ,不景気に伴う個人消費の落ち込みの影響を受けているのは札幌地下街と,このように思うわけです。  この地下街は,昭和46年の開業ですから,こととしで32年目になりますが,その総面積は4万500平米,商業面積はその約27%,1万ちょっと。そして150店余りが営業していると。まさに地下街は名実ともに札幌市都心の顔であり,心臓部であると言えるというふうに思いますが,その心臓部が,近年非常に機能低下をしてきているという状況でありまして,このことは大変ゆゆしい問題だというふうに考えています。  例えば,地下街の通行量を見ますと,昭和50年では1日約24万5,000人であったものが,平成13年度は12万4,000人と,半分に落ち込んでいるわけであります。さらに,全体の売上高は,平成3年に年間251億円であったものが,10年後の平成13年度は100億円も落ち込みまして155億円,251億円から155億円,約40%ダウンをしている。さらに平成3年から毎年対前年比で3%から7%のマイナスになっていると,このような大変厳しい状況になっているわけでありますが,こうした実態を踏まえて,まず3点質問をしたいと思います。  1点目として,都心商業地における地下街の位置づけについてどう考えておられるのか。2点目としては,地下街においては,過去5年間で36店の撤退があると,このように聞いておりますが,その原因は何と考えておられるか。3点目は,札幌地下街運営調整委員会というものがあると聞いておりますけれども,そして,その委員長は札幌市の部長職がなっているというふうに聞いておりますが,その役割と入店の基準はどうなっているのか。この3点について,まずお伺いしたいと思います。 ◎池田 産業振興部長  ただいま3点のご質問がございましたが,1点目の都心商業地における地下街の位置づけについてお答えいたします。  雪国の札幌に住む市民にとっては,都心での買い物,あるいは憩いの場であると同時に,快適な歩行空間を提供する場でございまして,委員の言われるとおり,都心の重要な一つの顔として,そういう位置にあるものだと考えております。  それから,2点目の撤退の原因についてでありますが,長引く景気の低迷によりまして売り上げの減少,さらにはそういったことに伴う店舗の統廃合というようなものに起因するものと考えております。  それから,3点目の札幌地下街運営調整委員会の役割と入店の基準でございますけれども,当委員会は地下街の秩序を維持して,健全な発展を図るための諮問機関ということで設置されたものでございまして,本市も公的な立場から,私が委員長として就任しております。また,そういう委員会の中では入店について審議するわけでございますけれども,その基準といたしましては,業種とか経営内容等を総合的に勘案して,地下街の活性化といったような点から企業を選考している,そういう状況にございます。 ◆藤川雅司 委員  それで,再質問なのですけれども,私は,撤退の最大の理由は,家賃が高いということではないかと,こういうふうに思うわけなのです。確かに,札幌駅南口の再開発に伴う問題,あるいは景気の落ち込み等の問題ということも相まってのことだと思いますが,基本的に家賃が高いということが一番大きな原因ではないかと。  ここは,札幌都市開発公社が運営をしておりますけれども,実は,公社は開業以来,商店会の売り上げが伸びているということを理由に,平成4年までの間に6回の家賃の値上げをしている。さらに,平成9年には,平成4年との比較で,商店街の売り上げが17%も落ちているのに,あえて3%の値上げを行っている。この結果,開業以来の家賃は約2.2倍にはね上がっている。そこで,たまりかねた商店会は,平成14年7月に家賃の値下げを要望した。しかし,公社はこれを全く受け付けない。翌年3月になって,3年間で4,000万円の販促助成金を出すということで,半ば強引にこの値上げをのまされたという事実があるというふうに聞いています。まことにテナントの弱みにつけ込んだ態度ではないかなと言わざるを得ないのではないかと,こういうふうに思います。(「社長はだれなんだ」と呼ぶ者あり)後でも出てきますが,社長は市のOBなのですよね。  そこで,質問ですが,1点目は,公社はこの5年間で毎年幾らの利益を出して,その累積は幾らになっているのか。2点目は,昨年の商店会の要望を札幌市として承知しているのか。承知していたとしたならば,公社に対してどのような指導を行ったのか。3点目は,今,地下街の商店の全員が切実に求めているのは,家賃の値下げということであります。しかし,大家とたな子という力関係から,当事者間の話し合いでは,おおよそ商店会の会員が期待するような結論にはならないのではないかと大変危惧をしております。  そこで,札幌市は,たしか都市開発公社の筆頭株主で23%出資をしている。それから社長も専務も市のOBということでもありますので,ここは積極的に介入をして,公社に値下げを指導すべきだと考えますが,このお考えをお聞かせ願いたいと思います。 ◎池田 産業振興部長  1点目の過去5年間,毎年幾らの利益を出しているかというお尋ねでございますけれども,各期ごとの当期利益額といたしましては,平成10年度は約1億5,000万円,平成11年度は約1億8,000万円,平成12年度は約2億円,平成13年度は約1億円,平成14年度は約1億5,000万円を計上しております。  また,その累積額ということでございますが,各期の当期利益額の大半は施設修繕等のための積み立てに充てているところでございまして,この積立金を除いた次期繰り越し利益という面で見ますと,平成15年で3月31日現在では7,200万円となっております。  2点目の商店会の要望を承知していたかにつきましては,札幌市としては承知いたしておりません。  それから,3点目の公社に値下げを指導すべきとのお尋ねでございますけれども,値下げの件につきましては,公社と商店会の各テナントの間の賃貸借契約によるものでございまして,いわば当事者間の問題でございまして,市はこれに対して行政機関として,家賃に関してその是非を判断したり,それに基づいて指導・監督したりする立場にございませんので,ご理解をいただきたいと思います。 ◆藤川雅司 委員  毎年1億数千万円の利益を出して,修繕の積み立てということも理解をいたしますが,純で7,000万円と言われていますけれども,聞くところによりますと23億円の剰余金があるというふうに聞いているというか,数字もあります。それで,赤字だというのであれば,家賃の値下げというのは難しいかもしれませんが,一定の利益を得ているということがまず第1点。それから,もう一つは,やはりたな子と大家というのは一体でありますし,この商店街がやはり5年間に36店舗も撤退をする,さらに開業以来ずっとあそこで続けている店が何店あるかと,きょうはお聞きしませんが,皆さん見に行ったらわかるのですけれども,ほとんどが変わっているのです。  そういったような中で,市のOBも行っている,さらに筆頭株主として23%も出している札幌市が,今の不況の中で,先ほども言いましたけれども,駅南口の再開発で,駅前と大通南側との地域の2極化が非常に進んでいる。そんな中で,地下街の商店会が切実に望んでいることに対して,やはりある程度市も労をいとわないということが必要ではないか。  あえて言いますけれども,上田市長も,初めからできないというふうに決めつけないで,難しいということではなくて,何ができるのか一緒に考えていくことが大事じゃないかと,こう言っているわけですから,ここはちょっと局長に,ぜひ,札幌市として一肌脱ぐ決意がほしいというふうに思いますので,決意をお願いしたいと思います。 ◎波田 経済局長  景気の低迷に加えまして,札幌駅南口の再開発と,そういうことで都心部の地下街が大変苦しい経営を強いられているということは,私も十分理解しているところです。ただ,賃料という問題に限定して申し上げれば,これはテナントと大家との協議の上によって締結される契約に基づいて成立するという性格上,行政の立場でこれに関与していくというのは適切ではないということは,これは部長の答弁と同じ認識を私も持っております。  ただし,地下商店街というのは都心部の顔ということで,これはそのとおりでありますし,この賃料の問題につきましても,その背景にあるのは,やはり売り上げの不振というのがそもそもあるわけでございまして,ここを何とかしないと,この種の問題はなかなか解決していかないだろうと,私はそう思います。  そういうことで,都心部の商業地域の活性化,とりわけ,その顔である地下街の活性化という観点に立って,公社に対しても,私どもといたしまして,さまざまな手だてを講じて,対策を講じて,その活性化に努めるように,地下街商店街の振興を図っていくように積極的に働きかけをしていきたいと,このように考えております。 ◆藤川雅司 委員  商店街の1軒1軒の皆さんのご意見を聞く中で具体的な対策を講じていただきたいということを要望して,質問を終わります。 ◆本郷俊史 委員  藻岩山の観光振興について,私の方から質問いたします。  この件につきましては,過去,代表質問あるいは委員会質問等で何度かやりとりをさせていただいてきております。ここは,ご承知のとおり,世界的にも大変貴重な原始林,豊富な動植物があると。一方で自然も保護していかなければいけない。本当にこの藻岩山をどうするかということは大変大事な課題でありますし,今回の市長の来客2,000万人構想の中でも,やはり観光振興に力を入れていくということでございますので,この点について質疑をさせていただきたいと思っております。  昨年,藻岩山観光ビジョンを策定されました。 平成13年度に500万円の予算で,平成13年度の年度内にという予定でしたけれども,1年延びて昨年ビジョンが策定されたということでございます。中身を見ましたけれども,この必要性にも,今,私が申し上げたようなことが書いてあって,現状と過去の経緯,昭和33年に北海道博覧会を機にロープウエーを開業された,あるいは観光道路をそのときに開通をされたと。その後,札幌オリンピックにあわせて今の大きなゴンドラに取りかえたと。リフトもその後整備をされてきているわけですけれども,昭和60年には,交通局から札幌交通開発公社に附属施設を引き継いで,現在は,平成10年に札幌振興公社と合併をして,今,札幌振興公社が運営をしていると,こういった現状やら,アンケート調査をやったことなどが書かれているわけですが,肝心の今後どういうふうに,何をしていくのだということがはっきり読み取れない。せっかくビジョンをつくったわけですが,基本的方向というところを見ても,課題は書いてありますが,こういうことが望ましいとか,施策展開についても,例えば,マイカーの利用制限を検討することが望まれるだとか,あるいはロープウエーについても,今現在は途中でリフトに乗りかえないと山頂へ行けない,これを円滑な移動が可能となるための検討が望まれるとか,こういったまとめ方でございまして,私としては大変不満が残る部分もございまして,最初に,このビジョン,もうを少しわかりやすい内容でご説明をしていただきたい。  それから,今年度の補正予算で,藻岩山観光魅力アップ調査で1,000万円がついたわけですけれども,このビジョンと,今回やられます調査,これがどういうふうにリンクしていくのか,最初にまずその点をお伺いしたいと思います。 ◎渡邉 観光コンベンション部長  藻岩山観光ビジョンにつきまして,まず初めにお答えさせていだきたいと思いますが,このビジョンでございますが,ご存じのように,藻岩山は多くの市民,あるいは観光客が訪れる眺望スポットでありますし,市民の歴史的かかわり,あるいは自然と調和した街づくりを進める上でも,大変貴重な集客交流資源であると言えるわけでありますが,今後は,さらにこれに付加価値といいますか,新しい価値をつけ加えることによって,魅力と活力を一層高めることが重要であるという考えといいますか,認識のもとに,藻岩山観光の将来像を検証するため,このビジョンを作成したものでございます。  ご質問のこのビジョンの内容についてでございますけれども,まず,藻岩山観光のあるべき姿を,藻岩山自然植物園,つまり山全体を,自然に恵まれた札幌の街を体感し,より豊かな環境をはぐくむ場と位置づけてございまして,そして,この実現に向けた方針の一つとして,だれもがその自然環境を学び,楽しむ回遊空間の形成を取り上げておりまして,これによりロープウエー及び関連施設の再整備を進め,あわせて周辺の集客施設,あるいはオープンスペースとの連携を図り,その周辺をより魅力ある空間として再生していくことが重要な課題であるということを明らかにしたものというふうに考えてございます。  それと,今年度行います藻岩山観光魅力アップ調査でございますが,これは先ほどのビジョンの内容を踏まえた上で,その再整備に向けて,札幌市の観光における藻岩山の独自性とその魅力を最大限発揮し得る具体的な調査を行い,今後,市民議論の基礎調査とするものでございます。この調査の内容についてでございますけれども,環境保全と事業の調和を目的に,天然記念物にかかる法的条件の整理,あるいは植生,生態調査を通じた環境負荷の予測など,再整備にかかわる条件整理を行い,資源の適正利用に関する検証を行うものでございます。  また,登山あるいはレクリエーションにいらっしゃる市民,観光客及び関連業界に対するニーズ調査も再度行いまして,魅力アップに必要な機能を分析しまして,藻岩山の魅力をさらに高めるソフト事業の展開などについても,さまざまな角度から検討を行うものでありまして,その上でロープウエーと関連施設の更新の規模,内容,付加すべき機能につきまして公社側と協議し,再整備に向けた具体的な考えを取りまとめていくというものでございます。 ◆本郷俊史 委員  まずは,2年前の委員会でも私は取り上げましたけれども,今,答弁にありましたように,藻岩山を含めて周辺にも魅力のあるスポットがある。ですから,藻岩山単独の点の観光ということでなしに周辺もということで,周辺整備につきましては,今,藻岩浄水場の整備が進んで来年で終わると。引き続いてこの5年計画の中では水道記念館という計画もございますし,ロープウエーの乗り場のところには,旧小熊邸が移築をされて公園として整備されていると。旭山公園については大規模リフレッシュということで,周辺はそういった形で進んでいるわけですけれども,肝心の藻岩山,今,ロープウエーのお話が出ましたが,昭和45年に工事をされております。運行されたのは47年ですけれども,もう既に30年以上経過をしているということで大変老朽化をしている。2年前のこのビジョンをつくる前に予備調査をされている中では,鉄塔等はまだ当面の間は大丈夫だけれども,ロープウエー,リフト,それと展望台施設,これに関しては老朽化が進んでおり,早急に改善をすることが必要であると,こういうことになっているわけです。  ロープウエーについていえば,大体築30年から35年くらいで更新をされております。本州方面の山岳ロープウエー,あるいは大雪山の旭岳ロープウエーについてもリニューアルをされているわけです。そういった中で,今,現状は保守点検をしながら何とかもたせているというような状況があるわけです。ですから,天候が悪い,視界がきかないときだとか,多少風が強いときなんかは年に数回とまると。安全運行上大変問題もあると,こんなようなことでございまして,確かに,札幌振興公社が今管理をしているわけですけれども,ここも本市が80%以上出資している会社でございますし,またOBも行かれていると。やっぱり藻岩山を考えるときに,このロープウエーを外してどうしようかということはあり得ないわけでありまして,この点についてどのように検討されるのかということをお聞きしたいと思います。 ◎渡邉 観光コンベンション部長  先ほども申し上げましたように,まずこの魅力アップ調査を進めながら,片や委員ご指摘のように設備は公社のものでございますので,更新するということになればそれなりの設備投資がかかり,それなりの改修計画をもって投資を開始するという計算も必要になってくるわけでございますので,まず,私どもは,先ほども申しました環境負荷の問題や法的条件もきちっと整理した上で,資源の適正化といいますか,そういったものを調査した上で公社側と協議をしまして,その更新の規模だとか内容だとか,それにプラスアルファ,今ある設備に付加価値をつけるといったこともある程度提案しながら協議を進めて,ある程度形のある,あるいは具体性といいますか,実現性の高いものにまとめてまいりたいというふうに考えております。 ◆本郷俊史 委員  これですね,早晩やっぱりロープウエーが耐用年数でもうもたないという時期がやがて,やがてというよりも,もう目の前に来ている状況なわけですね。せっかく何回も答弁されている魅力ある眺望,特に夜景,じゃ,ロープウエーなしで,観光道路で全部車で上げるのかということになると,これはまた環境問題があるわけでございまして,もうすぐ,あと何年か先にはそれを検討しなければならない。その場合に,じゃ,山ろくの乗り場がああいうバリアフリーになっていない状態でいいのかとか,電車からのアクセスだとか,これはもう既に今検討されていなければ,築35年,40年,あら,どうしよう,ロープウエーがもう運行できない,こうなってからでは遅いわけでございまして,ぜひ,この辺を観光コンベンション部に求めるというよりは,これはやっぱり大きな街づくりという視点でございますので,最後に,助役の方からこの辺どうされるのか,よろしくお願いします。 ◎小澤 助役  確かに,委員ご指摘のとおり,あのロープウエーというのは非常に年代ものになってきたという状況にあることは,私ども承知しております。  そこで,観光コンベンション部長の方からもお答えしましたように,これから調査も入るということでございますので,その調査結果を来年度中にきちっとまとめて,どうするか具体策を明らかにしたいというふうに考えております。 ○涌井国夫 委員長  以上で,第6款 経済費 第1項 商工費の質疑を終了いたします。  ここでおおよそ20分間委員会を休憩いたします。  ――――――――――――――――――      休 憩 午後3時32分      再 開 午後3時54分  ―――――――――――――――――― ○涌井国夫 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き,質疑を行います。  次に,第2項 農政費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆林家とんでん平 委員  私は,農業振興と食育についてお尋ねをしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。屯田兵の立場でお話をさせていただきたいと思いますが,2000年の農業センサスの調査によりますと,札幌市の農家戸数が1,455戸,経営耕地面積が3,116ヘクタール,さかのぼって10年前の1990年の農業センサスでは,農家戸数が2,202戸,経営耕地面積が4,564ヘクタールだったと。10年間で何と戸数が66%,面積で68%まで減少していると,こういうことなのです。農家戸数のうち,専業農家をみますと,10年前には35%いた専業農家の構成率が27%まで低下している。これを見ても,札幌農業は衰退の一途をたどっていると言っても過言ではないのではないだろうかと。先ほど小谷委員もお話ししていましたが。  私は,農業の持つ役割は経済的な側面だけではなく,都市を構成する緑地空間や教育的な機能を有し,札幌の歴史を語る上では欠かせないのではないかとそう思っているのです。そういった意味でも,農業衰退に歯どめをかける,それが必要である,そう思っています。  緑豊かで健全な街づくりに農業は欠かせないと。市民の財産として評価しており,未来の子供たちにも残していくことが我々大人にとっての責任でもあると考えております。  一方,我が会派の代表質問では,農業振興の一つの方向性として,サツマイモやキクイモの機能性に着目しまして,例えば,キクイモについては糖尿病に効果がある,これにはイノリンというものが含まれているということで,いろいろお話をしておりましたけれども,こういう身近な食材の可能性や,いわゆる農業以外の産業界との連携などについて訴えてきたわけでございます。ここで何を言いたいかというと,やはり特色ある機能性を持った農産物や農法によって,この農法もいろいろあると思うのですけれども,こういう付加価値を生み出していくことが,都市農業にとって必要であると思うのです。また,身近で生産されているということは,市民の方が付加価値を理解する上でも大切なことだと,そう思っています。こういった取り組みを推し進めていくことが,市民生活を健康で豊かにするものと考えております。  そこで,市ではサッポロさとらんどに隣接する農業指導センターと試験圃場を持っていると聞いておりまして,既にこうした機能性を持つ幾つかの新しい作物について,実験的な栽培を行っていると聞いておりますが,具体的に取り組んでいるという作物などを聞かせていただければと,そう思っています。これがまず1点。  もう1点は,こうした機能性を持つ農作物の普及やPRを,これからの農業振興策の中でどのように実現していこうとしているのか,まず,この二つをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎渡辺 農務部長  最初に,力強い農業に対する賛辞をいただきまして,まことにありがとうございます。やはりお名前が札幌の農業に非常にゆかりの深いということで,私ども大変心強く思っています。  第1点目の具体的に取り組む作物ということでございますけれども,最近の農業指導センターの成功例では,ビタミンCが豊富で血液さらさら作用のあるタマネギ,それから,これは肝臓に非常によろしいというリコピンがたくさん含まれている加工用のトマト,これは実際に市内の農家でつくられております。それから,今やっておりますのは,オリゴ糖を多く含むヤーコン,それから整腸作用を持つと言われるルバーブなどの試験栽培を実際に行っております。  確かに機能性を持つ作物を掘り起こすというのは非常に難しいことでして,我々指導センターの職員だけでは厳しいものがありますので,今後も,いわゆる学識経験者であるとか,あるいはもっと国の研究機関等から情報を得まして取り組んでまいりたい。  それから,普及,PRについてですけれども,月並みでございますけれども,やはりさまざまな事業,イベントを通じてそのよさというものをアピールし,そして,先ほど言いましたように,作物の情報収集,栽培適性であるとか採算性,それから加工需要の高まりなどを見きわめた上で,それらについてまた一生懸命取り組んでいきたいというふうに思っております。 ◆林家とんでん平 委員  不思議なエールをいただきましたけれども,ありがとうございます。  いろいろやっているなと,それはとてもよくわかりました。そして,サッポロさとらんどの食育についてお話を伺いたいと思います。  サッポロさとらんどでは,子供たちを含めた市民に,農業の大切さや作物を育てる楽しさを伝える収穫体験事業や市民農園を進めているということを伺っております。また,一部の意欲あふれる農業者が,子供たちを対象とする農業体験事業の取り組みを自主的に進めているという,例えば,豆腐づくりとか,いろいろやっていらっしゃるということをお伺いしておりますけれども,そういうことをやって体験することによって,芽が出る喜びとか,収穫する喜び,また食べる喜びを体全体で学ぶということ,これは大変にすばらしいなと思っております。ですから,私の方からもエールを送りたいと,そう思っていますが,さて,そこで,今後も純粋な子供たちの健やかな育成を願えば,食生活改善や健康管理といった面からも,農作物の持つ機能性に着目したそういう教育,あるいは食育といったことも考えていく必要があるのではないか。  そこから,例えば,サッポロさとらんどでは,来年,平成16年2期エリア,ここが供用されて開始されるということを伺っておりますけれども,その中で,子供たちを含めた市民の農業体験や教育がテーマになっているようですけれども,何かそれをぜひさとらんどの中で,農作物の持つ機能性や役割,先ほども言ったように,自然農法のよさも含めた,そういう学べるような取り組みを進めてはいかがかなと,そう思っているのですが,もしあればそれを具体的にお聞かせ願いたい。  いろいろ各学校では,例えば,クラスごとに庭に何か植えて,例えばトマトやなんかを植えて,それをやっていると思うのですけれども,その辺の,やっぱりちょっと違いも聞かせてもらえればと,そう思っていますので,よろしくお願いいたします。 ◎渡辺 農務部長  2期エリア,これは来年度オープンするわけですけれども,それに隣接しまして大きな田んぼや畑を来年造成しまして,これは平成17年度から実はオープンするわけですけれども,そこに,今お話のございましたように,いろんな試験的な栽培と申しますか,例えば,無農薬,減化学肥料,あるいは有機に近いような形でのいろんなつくり方を,植えつけ,収穫それから調理まで子供が体験をるすることによって,生きた教育をしていきたいと。これが先生のお話のとおり,子供たちの将来に大変大きな影響があるだろうというふうに思っております。 ◆林家とんでん平 委員  そこで,去年,農家の方々が丹精込めてつくったタマネギ4万8,000トンが廃棄処分されたと。これはだれもが,これはと思ったと,そう思うのですけれども,一方で,世界中に飢餓に苦しむ人がたくさんいらっしゃるということもこれも事実です。  そこで,この子供たちに,食育を通して,これからそういう方面に向けるような形をぜひつくっていただきたい。それがきっと将来的に地元農業の振興に大きくつながっていくのではないかと,そう思っているのですが,たしか,北海道ではなかったと思うのですけれども,テレビコマーシャルの中で,学校の先生が,教室で,子供たちに向かって,将来何になりたいと聞いたのです。そしたら子供たちが手を挙げて,農業という,そういうコマーシャルがあったのです。あれ,珍しいコマーシャルだなと,そう思ったのですが,でも,ぜひ,これが夢でなく,これを普通にできるような,そういうことをやっていただければと。ですから,イエスからノーはいけませんけれども,ノーからイエスにいけるような,そういう力強い進め方をしていただければと,こういう要望をして,私の質問を終わらせていただきます。 ◆阿知良寛美 委員  私の先祖は屯田兵の後にこの北海道に渡ってきたわけです。きょうの委員会も,林家委員の後にやるということで,なかなか意義深い思いもあります。  私からは,市民農園と農業体験学習についての2点質問をさせていただきます。  初めに,市民農園についてお伺いをいいたします。  近年の食や農をめぐる情勢については,市民の信頼を揺るがすようなBSE問題,無登録農薬の使用の問題,食品や産地の虚偽表示問題など混迷を極めており,食の安全や安心に強い関心が高まっているところであります。  一方,先が見えない経済や雇用情勢の厳しさは,市民の自然志向やいやしを求める心に拍車をかけている状況にあります。こうした中,自分の食べるものは自分でつくろうという考えや,より安全で安心できる無農薬や有機栽培への関心の高まり,自然に触れ合おうという考えが大きな流れとなってきております。家庭菜園や市民農園など広がりを見せている状況でございます。  札幌市では,平成9年からこれまで,市民農園の整備事業を継続してきておりますが,都市住民のニーズにこたえるためにも,また,都市近郊農業への理解を深めてもらうためにも,取り組みはまことに意義深いものと考えております。  私としては,市民農園の整備を進めていくことは,市民生活の本当の意味での豊さにつながっていることであり,大切なことであると評価しておりますが,ここに来て,事業開始後6年が経過しておるわけで,一たん事業を振り返る必要があるというふうに思います。  そこで,3点質問をさせていただきます。  1点目としては,これまでの市民農園の整備の実績と利用状況について,2点目については,利用者の意識や意向をどのように運営に反映されているか。また,3点目としては,今後の事業展開などをどのように考えているか,3点お伺いをいたします。 ◎渡辺 農務部長  第1点の実績,利用状況でございますけれども,お話の中に,平成9年度にモデル事業として手稲区に1カ所2ヘクタールから始めた認定市民農園が,現在,13カ所,13ヘクタール,1,616区画となっております。利用状況につきましては,どこの市民農園も満杯の状況でございます。  次に,利用者の意識ということでございますけれども,平成13年度にアンケート調査を行ったところ,利用してよかった点として,新鮮な野菜がつくれた,身近なレクリエーションとして楽しんだ,無農薬野菜がつくれた,家族と仲間の交流ができたという感想が非常に多く寄せられておりまして,このうちの7割の利用者の方が,農薬を使わなかったというアンケート結果も寄せられております。市民農園を通しての食の安全・安心の向上というのは相当浸透しているというふうに私どもも理解しております。  次に,今後の事業展開といたしましては,利用者のアンケート調査や各区の設置要望などを参考にしながら,農地所有者と調整を図り,拡充に努めていくほか,栽培技術の研修であるとか,あるいは親子,家族による利用促進など,内容の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆阿知良寛美 委員  今,市民農園の取り組みについては,市民意識の高まりを見せていることから,例えば,公有地の空き地等で高齢者を対象とした無料による農園の提供などもぜひ考えていただきたい,このように思います。  続いて農業体験学習についてお伺いをいたします。  国は,国民の健康増進,生活の質の向上,食糧の安定供給の確保を図ることを目的として,平成12年に食生活指針の推進についてを閣議決定しているところであります。その中で,消費者の食及び農業に対する理解を深めるための農業学習体験や見学等の場の提供に対する取り組みの推進を掲げております。食事や食習慣の乱れが指摘される中で,食べ物やそれを生み出す農業について学習する場を設けることはまことに大きな意義があります。農業体験学習については,学校教育や市民フォーラムなど,いろいろなツールによりさまざまな可能性について検討され,実施されているところでありますが,まず,再質問の1点目として,市内の取り組み事例についてお伺いをいたしたい。また,2点目として,多くの消費者を抱える本市においてこそ,このような事業を拡大していくべきだと思いますが,今後の市の推進方策についてお伺いをいたします。 ◎渡辺 農務部長  まず,1点目の農業体験学習はどのような形で具体的にやるかということでございますけれども,実例を挙げてまいりますと,札幌消費者協会による一般市民を対象とした農業体験交流,これは数多くやっております。それからNPO法人であるとか,あるいは任意団体等々が親子農業体験,あるいは,南区の方の消費者団体でつくっているクラブが,実は農業小学校というものをやっております。ほかにも,小学生を対象としまして,実際の生産者が農業体験として受け入れる,あるいは北海道主催の出前授業など,授業の一環として取り組まれているものもございます。それから,教育委員会でも,南区で一部そういった実践をやっております。これらに対しまして,本市としては,運営面でのアドバイスであるとか技術指導,関係機関との調整,市民に対する事業PR等の協力を行っているということでございます。  2点目の今後の市の推進方策でございますけれども,農業体験の機会をいろいろな形で設けるということは大変重要でございまして,サッポロさとらんどで,先ほども林家委員のご質問にございましたように,体験の受け入れを行うという予定になっております。  一方で,市民団体主催の農業体験学習事業も増加傾向にございますが,私ども職員の手には限界がありますので,現在,私ども農務部でさっぽろ農学校という,担い手育成の学校をやっているわけですけれども,そこの卒業生などにボランティアでお手伝いをしていただこうということも考えております。 ◆阿知良寛美 委員  今の答弁のとおり,農業体験学習については,この事業を拡大していく上で受け皿となるNPOを初め,多くの市民団体の協力が必要となりますが,特に,子供たちを対象にした事業は,多くの人手と経費が必要となることから,市としても,ぜひ市民団体への助成を含めた支援の拡大をお願いしたい,このことを申し添えまして,私の質問を終わります。 ◆原口伸一 委員  私からは,本市農業の目指すべき方向として,こうあってほしいなというふうな願いを込めて,数点質問をさせていただきたいと思います。  まず,食の安全と,それから農薬取締法が改正になったわけでありまして,この改正についてご質問させていただきたいと思います。  今,日本の食糧自給率,これはエネルギーベースで,40%と言われておりまして,60%は外国から輸入していると。これは昭和40年には,食糧自給率は73%であったわけであります。40年の間に大体半分近くまで食糧自給率が下がってしまったと。ですから,世界各国から,地球の裏側からも,あらゆる交通機関を利用して世界各国のいろんな食料品を輸入してきている。  ですから,最近では,フードマイレージという言葉までできておるわけでありまして,日本に運んでくる食糧のトン数と運んでくる距離を掛けたのがフードマイレージと。これは日本が世界の先進国の中では一番図抜けていまして,アメリカの10数倍に当たっておるわけです。こういうふうに,我々の日常の食品というのは,世界各国に依存しているというのが実情になっているわけなのです。  そして,一方で,多くの物を輸入していて,日本人の食料廃棄物,捨てるものが,年間家庭で出るのが1,000万トン,それからレストランだとかそのほかの事業所から出るのが940万トン,こういうふうに今言われて,多くのものを輸入しているけれども,また,国内産のもの等も入れて,先ほども指摘がありましたが,タマネギを廃棄しているというようなことも含めて,年間2,000万トンくらいの食料品を日本人は廃棄をしている,こういう実情に,実は今なっておるわけです。そういう意味では,先ほどお話をしたフードマイレージ,これは飛行機だとか船だとか,あらゆる交通機関を使って日本に運んでくるわけですから,運ぶためにCO2をどんどん排出し,地球環境を汚染している,こう言っても過言でないわけであります。我々は,この将来の食料品について,大いに今自戒をして,もう一回見直していかなければならないというふうに私は考えておるわけです。  そして,一方で,食品の安全性,これが,今,国民,市民の間で非常に不安になっております。特に,昨今では,輸入食品のいわゆる残留農薬の問題であるとか,それから国内では無登録の農薬や添加物を使ったり,それから食品を偽装したりというふうな,いろいろそういう問題が起きておりまして,こういう問題だとか事件だとかが多発していることによって,我々国民の食に対する不安というのが一番大きくなっているのではないかなというふうに思うわけです。やはり一消費者として,私どもが考えた場合には,とにかく食事をすることによって自分の健康が保たれるわけですから,食の安全・安心という問題については,一番関心を払っていかなければならない問題だというふうに考えておるわけです。  それで,国の方も,先ほど申し上げましたような,そういう残留農薬の問題とか無登録の農薬等の問題等もありまして,世間を大騒ぎさせた農薬問題,これで何とか農薬取締法を改正しなければならんというようなことで,改正によって,これまで農薬取締法の対象外であった農業生産者にも,誤った農薬の使用をした場合には,厳罰が科せられるようになったと思います。こういうようなことがありまして,いわゆる生産状況というのも今までとは大きく変わっていくのではないかなと,こういうふうに思うわけです。  そこで,1点目の質問でありますけれども,農薬取締法の改正点は,今までとはどこが違うのか。そして,こうしたような情勢の中で,札幌市として,市内の農業者に対してどういう対応をとっているのか。農薬問題の一連の経緯を含めて,まずお聞かせをいただきたいと思います。 ◎渡辺 農務部長  ただいまのお話のいわゆる農薬取締法でございますけれども,これは昨年,日本中を震撼させた,いわゆる違法農薬使用の問題から端を発しまして,お話のとおり,前の農薬取締法では農薬をつくった者,それから流通させる者,それから輸入する者,これらについて非常に強い規制がございます。農業者は,これは規制がないのではなくて規制があったのですが,使ってはいけないというのですけれども,使っても何も罰則がなかったということで,去年の本州での,例えば,ナシだとか,まじめな農家の方が大変な思いをしてしたあの事件では,いわゆる使った農家はだれも罰せられない,罰せられた者は売った者とそれを認めた一部の指導者だけだったわけです。  そこで,今回の農薬取締法は,基本的には使った者も,先ほど委員からお話ありましたように使った者も厳罰に処するというふうになったのが一番大きな改正点でございます。  それと,あと実は輸入農薬に関しても,非常に抜け穴だらけで,いわゆるきちっとした正規の手続をとらない個人輸入というのが非常に横行していたということが,去年のあの事件の一連の動きの中で判明したわけです。そこで,今回は,そういったこともきちんと取り締まるように法律上は改正になってございます。
     それから,中身ということについてでございますけれども,これは農業の専門の方は十分おわかりだと思うのですが,今までの農薬取締法は,例えば,ホウレンソウならホウレンソウで,この薬とこの薬は農薬として使っていいとか,コマツナはこれを使っていい,それぞれ作物によって限定されたわけです。そうすると,たくさんつくる作物はいいのですけれども,余りつくらない作物だと農薬が限定されてしまって,なかなか農家の人も大変だということで,今度は,いわゆる作物のグループをつくりまして,このグループに関してはこの農薬とこの農薬はいいよと,そんなような取り決め,それから,今度のいわゆる農薬取締法では,農薬の定義というのが大変な問題になったわけです。今度は農薬をかけるものは全部規制するわけですから,例えば,皆さんがおつくりになっている木酢をかける,これも農薬かと,あるいは地域によっては牛乳を腐らせてそれをかけるところもある。これも農薬かというような話がございまして,こういうことも,いわゆる今まではなかったということで,特定農薬という,そういう一つの分類をしております。このように,規制の部分と,それからいわゆる農薬の範囲,それから使用の方法,対象,こういうものが以前と大きく変わった点でございます。 ◆原口伸一 委員  今までとは変わった農薬取締法,こんなことで,札幌市の農業生産者が法に触れることのないように,ぜひひとつ適切な指導をお願いをしたいなというふうに思っております。  次に,本市の有機農業ないしは自然農法といいますか,そういうものへの取り組みと普及指導について,特に,農務部の中には,農業指導センターがあるわけでありまして,その農業指導センターの役割も含めてお尋ねをいたしたいというふうに思っております。  札幌市の農業というのは,これだけ186万人の大消費地を控えている農地なのですね。ですから,いわゆる地産地消という言葉があり,顔の見える農業とも言われておりますけれども,そういう面では,一番大消費地の中にある農地ですから,非常に恵まれているというふうに,ある面では,私は考えるわけであります。  そして,平成15年版のさっぽろの農業って,これはずっと何回も見せていただきましたけれども,この中では,札幌市の農業の振興のためにどうするこうすると,いろんなことが書いてあるのです。書いてあるのですけれども,やっぱりそこでできたものを本当に市民に安心・安全に食べていただけるかどうかということが,私は札幌市の農業にとって一番大きな問題だというふうに思うのです。  ですから,ある面では,ホウレンソウやコマツナに穴があいていても,これは農薬を余り使わない証拠なのだというようなことで札幌市民に理解をいただいて,PRをして,こういうものこそ本当の自然の味が出るのだというようなことを,札幌市の農業の特色にしていかないと,基盤整備であるとか後継者育成,これももちろん大事なのですけれども,一番ポイントを置いていただかなければならないのは,そこでできる作物が人間の体にとって,本当に安心・安全で健康にもプラスになるのだということでなければならないというふうに私は思っているのです。  ですから,農薬まみれになった中国産の野菜だとかを,もう奥さん方は買わなくなりましたよ,そういうことがわかったから。長ネギにしろ何にしろ,中国産と書いたら,そこはもうスーパーやなんかでも,奥さん方の姿を見ていると素通りしていきます。そういう時代になっているわけですから,札幌市の農産物が,札幌市民に両手を挙げて受け入れられる,そういう本当に札幌市民の信頼を得るような,そういう農法でなければならないというふうに思っているのです。ですから,そのためには,化学肥料で汚染された,そしてすぐかちんかちんになるような土ではできていかないわけですし,芽が出て葉っぱが出て,農薬を何回もかける,これではだめなのです。  私は,特に有機農業,自然農法というようなものを推進しているNPO法人の北海道EM普及協会というところの理事長をしております。ですから,北海道農業が全部そういう形でやっていただくことが,私の念願なのですけれども,札幌近郊の,もういろんな町村で,いわゆる有機栽培,無農薬栽培を推進いたしておるわけであります。ぜひ,札幌市もこういう取り組みについて,安心して市民が食べられる,市民に提供できる,そういう農産物の普及のために,私はさっぽろの農業の中に,こういう冊子のできれば一番最初に安心・安全な食品をつくるためにどうしたらいいのだということを,この中に載せていただきたい,そういうふうに思うわけです。  そこで,この15年版のさっぽろの農業はことしの4月に発行されました。この中に,都市環境調和型農業を推進しますということがうたわれております。これは,今私がお話ししたようなことなのかどうなのか,この都市環境調和型農業というのはどういうことなのか。この中身をぜひ教えていただきたいというふうに思っております。  そして,農業指導センターがそういう方向に向かって,今までどういう指導を農家の方にされてきたのか。それから,こういう社会情勢の変化を踏まえて,農業指導センターは,耕地面積は3,000数百ヘクタールしかありませんけれども,農家の方々に,これからどういう指導を行っていくのか,これをひとつ教えていただきたいと思います。 ◎渡辺 農務部長  先ほど答弁漏れがございまして,いわゆる農薬の使用に関して,農業者にどのように対応しているのかということでございますけれども,これは農協を初め,関係機関と十分な連携をとりまして,各農業者さんにはそれぞれきちんと投薬指導を守っていただくようにきっちりお知らせをしてございます。  都市環境調和型農業推進というのは,もちろんこの中身は減農薬,減化学肥料というのが基本的な考えでございます。それから,先ほど委員のお話しのEM菌の実験,それから完全有機農業の実験,これらも行っております。その減農薬,減化学肥料の成果というのが,いわゆるさっぽろとれたてっこという地産地消の一つなのですけれども,そういう品物にいわゆる減農薬,減化学肥料の作物を出しているということでございます。  ただ,なかなかこれが広がっていないのと,農業者の方々に対して,私どもは責任あるわけですけれども,やはり手間暇かかる割には価格に反映しないと。したがって,なかなか私もやろうかなとは,いいのは皆さんわかっているのですけれどもなかなか広がっていかないというのが一つ悩みとしてございます。これはやはり札幌市内の消費者の方々に,先ほど先生が言われた意識をもっともっと高く持ってもらって,多少高くても農薬のかかっていないもの,あるいは虫の食っているものでも,きちんとつくったものを口にしていただけるようになれば,そういった問題もきちっと解消していくことになるだろうというふうに思います。  今後につきましても,せっかく,そういった減農薬,減化学肥料,あるいは有機なりEMということをやっているわけですから,これらが実際に農家の方々に取り入れていただけるような,そういう具体的な取り組みを,今後とも粘り強く展開していきたいというふうに思っております。 ◆原口伸一 委員  よくわかりました。ぜひ,そういう方向で,札幌市の農業は政令指定都市の中でもほかの都市と違って,本当に安心なものをつくっている札幌の農業ですよと言えるように,胸を張っていられるように,ひとつこれからもご指導いただきたいというふうに思っております。  最後に,さっき林家委員からも食育という問題が出ました。これは知育,徳育,体育,それに食育と,こういうようなことで,私は,この食育というのは,子供のときからその作物の本当の味を子供たちが知ることだというふうに思うのです。我々が小さいとき,子供のときに食べていたニンジンだとかほかの作物は,今食べてみると味が違いますよ。しかし,有機栽培とか無農薬でやったものについては,本当に昔の味がします。そういう食育の中身は,私は小さいときから本当のそのもの独特の味をよく知るということだと思うのです。ですから,体験学習とかいろんな問題もありました。学校でも,いろいろ札幌産の食べ物を給食にどんどん取り入れていただいて,そして,本当の食べ物の味,作物の味,土のにおいをぜひ子供のときから体にしみわたるように,教育委員会等と連携をしてやっていっていただきたい,こういうふうに心から願って,質問を終わります。 ◆佐藤典子 委員  私も食の安全の観点から,今回代表質問でも,市民ネットワークが取り上げました遺伝子組みかえ作物についてお尋ねいたします。  遺伝子組みかえ作物については,安全性が確立されておらず,人体にどのような影響を及ぼすかも十分解明されていない状況の中で,国民の6割に上る人たちが遺伝子組みかえの作物,食品に不安を感じ,また食べたくないと言っています。私たち消費者も強い不安を感じながら,また,昨今の遺伝子組みかえ作物の情報に耳に傾けているところです。  ご存じのように,5月30日,豊平区の北海道農業研究センターの圃場で,遺伝子組みかえ稲の田植えが強行されました。これに先立ち,5月20日に住民説明会がありましたが,清田区と豊平区の区民センターにチラシが置かれただけで,また,あとは新聞の小さい掲載記事のみで,市民への広報はほとんどありませんでしたが,それでもこの遺伝子組みかえ作物に危機感を感じる有機農業者,米の生産者,そして消費者団体などが,説明会に駆けつけました。約70人の参加者の中からは,花粉飛散による周辺環境への種子汚染の不安,また,なぜ,今,遺伝子組みかえ稲の実験をこの北海道で行わなければいけないのか。そして,どうして農家が一番忙しいこの時期に,十分な説明もないまま強行するのかなど,不安な声や憤り,また住民無視の説明会に対する怒りの声が上がっていました。そして,これを受けて,農業研究センターは5月29日,再度住民説明会を開きましたが,その内容は不安を払拭できるものではなく,住民合意が得られないまま,翌日田植えが強行されたという状況があります。  私たち市民,また,有機農業関係者や米の生産者,消費者団体などが中心になり,緊急にこの遺伝子組みかえ稲の試験栽培の即刻中止を求める署名活動に取り組み,この9月5日,合わせて9万5,000筆に上る署名を農水大臣にあて,届けてきたところです。  これまで道内では,遺伝子組みかえ大豆が栽培されたと聞いています。そして今,北海道農業研究センター内においても,さまざまな試験栽培が行われており,今後も遺伝子組みかえ作物の実験栽培を進めることが考えられます。  試験場は豊平区にあり,札幌の農業を守るためにも情報収集は欠かすことはできません。また,周辺住民の不安を払拭するためにも,また,市内の農業関係者や消費者への情報公開,情報提供は不可欠と考えています。  そこで,1点目は,北海道農業研究センターにおいて,今回の遺伝子組みかえ稲の試験栽培も含めて,どのような実験,試験栽培が行われているのか,どのように把握されていらっしゃるのか伺います。  2点目は,代表質問の中でも取り上げましたが,情報収集や情報公開について,具体的な方法としてどのように考えておられるのか。また,北海道農業研究センターに対し,定期的に情報提供を求めていくことも必要と考えますがいかがか,伺います。 ◎渡辺 農務部長  お答えいたします。  1点目の北海道農業研究センターにおける試験動向の把握でございますけれども,同研究センターは,北海道の主要な畑作,稲作に関しての基礎的かつ高度な研究を主としているということでございますので,私ども市内農業との直接的なかかわりが少ないということから,札幌市としては遺伝子組みかえ実験を含む試験調査全般の動向を把握しておりませんでした。それからまた,同センターから,私どもにこういう試験をやるという通知もございませんでした。  それから,2点目の情報収集と情報公開でございますけれども,代表質問で市長からお答えがあったと思いますが,情報公開の進め方に関しては,市民への周知方法など,確かに不十分な点も感じられますので,今後は,同機関との連絡を密にしというか,こちらの方から押しかけなければ,多分教えてくれないだろうと思うのですけれども,情報収集に努める一方,より詳細な情報の提供と公開をお願いしてまいりたいというふうに考えております。 ◆佐藤典子 委員  札幌市内にある北海道農業研究センターでどのような試験栽培,あるいは実験が行われているのか,把握されていないというのは,市民の食の安心・安全,また,札幌の農業の振興に携わっておられる方としては,やはりとても残念に感じております。  今,農業試験場では温室レベルでバレイショとかトマトを,野外ではアルファルファ,牧草を栽培していると聞いています。また,小麦も栽培されているという状況の中で,情報収集は欠かすことができないと考えています。  また,遺伝子組みかえ稲の実験田から,この札幌市内で一番近い水田がある有明までは大体4キロメートルぐらいかと思いますが,林とか建物,丘などで隔てられているため影響はないというふうにホームページでは出ております。しかし,稲を育てているのは農家だけではないということです。今,小学校5年生が学校で稲を育てています。この研究センターの周りでも,豊平,北野で小学校の5年生の子供たちが稲を育てており,バケツ稲とか管をつかったり,また,水田で実験栽培をしているということが明らかになっています。そして,最も近いところはあやめ野小学校,約1キロメートルであります。そして,その次は北野小学校,1.6キロメートル,そしてその周辺にも清田南小学校,北野台小学校,北野平小学校,西岡小学校,西岡南小学校などなど,まだ何校かありますが,そういうところの子供たちが実験田で,稲を育てているわけです。自然環境においては,何が起きるかわからないという実態がある,そういう中で,しっかり情報収集し,また,私たちの生活の安心・安全に目を向けていただきたいと考えています。  この遺伝子組みかえ稲は食の安全性が不安ということだけではなくて,今,カナダなど外国では,自分の栽培している菜種が花粉飛散などにより,遺伝子組みかえ菜種と交雑して,種子汚染の被害者となる事例が見られます。遺伝子組みかえのもう一つの問題点がこの種子の汚染です。遺伝子組みかえ稲など,遺伝子組みかえの種子は,アメリカの巨大バイオ企業が独占しており,例えば,アメリカのモンサント社の種子を使った愛知県の除草剤耐性稲実験などは消費者,また生産者の強い反対で中止になっておりますが,そういう実験もされております。  食の安全性,また人体,環境への影響,そして,この巨大企業の種子の独占による農業支配,そういうように,さまざまに問題があり,子供たちに安心・安全な食べ物をと願う私たち母親にとっては,この遺伝子組みかえ作物は非常に大きな問題です。  また,本市においては,農業振興に向け,さまざまな取り組みを行っており,地場農産野菜を店頭でアピールする,先ほどから出ております,さっぽろとれたてっこもなかなか利用が伸びないということですが,私たち母親にとっては期待する事業となっております。しかし,本市内の豊平で,こういった遺伝子組みかえ作物の栽培実験で,私たち母親は,札幌の農業に与えるイメージが悪くなるのではということも懸念しております。札幌らしいクリーンな都市農業,これをつくるためにも,やはり情報収集,また情報提供をしっかりしていただきたいと思います。  私も,札幌らしい都市農業がますます振興するように望んでいる一人であります。どうぞ,情報収集,情報公開,また提供などをしっかりして,この都市農業の振興に努めていただきたいと考えておりますが,もうこれ以上の答弁は得られないということですので,要望とさせていただきます。 ◆小谷俵藏 委員  それでは,私から再度立たさせていただいて,少しく農政問題について質問をさせていただきます。  この決算書を見ましてもわかりますように,予算現額が農務費で10億円を超えているわけであります。これに対して不用額が5,400万円余ということでございまして,実際,農業振興にかかわる予算というのは幾らかというと,この決算書で見ますと2億1,000万円ですね。そして,サッポロさとらんどにかかわる運営管理,さらに整備,そして建設にかかわる,これが7億5,300万円,こういう数字になっておりまして,占める割合は,さとらんどにかかわるこの決算内容というのは,実は78%になっているわけであります。(発言する者あり)ほとんどさとらんどだと,こういう声がありまして,まさしくそのとおりなのです。  今,札幌市の農業が大変であり,先ほどとんでん平さん初め各位からお話があり,私も農業者の一人として大変温かい気持ちで聞いておりました。大変疲弊をしてきている。こういう中で,私はやはり,農業は,もう大変な重体状況になってきている。しかし,札幌から農業がなくなっていいのだろうか,こういう思いをいたしております。特に,先ほどの農業委員会の関係のときも言いましたけれども,市街化区域内の農地は,これはまだそれを保全していく力といいましょうか,エネルギーはまだ一定の間あると思います。しかし,調整区域を中心とした農業者は,もうそのエネルギーがどんどんなくなってきているわけです。後継者もいない,あるいは今やっている農業者,平均年齢は,私は70になんなんとしているのではないかなと,こんな思いをしております。このままでいいのでしょうか。やっぱり農業経営が何とかやっていける経済効果,こういうものが得られなければ,かつてのように,宅地化志向で,やがてやがて,そういうような期待を込めながらの時代はもう終わりました。しっかりと札幌市農業を,地産地消を中心としてこれから取り組んでいかなければならない,こういう考え方に立っております。決算は予算の始まりと言われております。今,私はあえてここで,次年度に向けてその強い気持ちを申し上げなければなりません。  一つには,今申し上げましたように,さっぽろとれたてっこ,今いろいろやっておりますが完全なものではありません。ある部分では評価されております。あるとき,農協の幹部と懇談会がありましたとき,もっともっと札幌市農政と協議をしながら,札幌農業発展のために農協が頑張らなければだめでないかと,とれたてっこの関係なんかどうなっているのだ,なかなか出荷者としては,その出荷数がまとまらない,こういうことで,言うは易し行うは難しの状態なのですと,こういうような趣旨の話がありました。これは実態だと思います。  しかし,その中で,どうやったらこれがクリアしていくか,これをまさに農務,農務とは農業を務めるで農務でございますが,この農務がなしの無になってしまったら大変なわけであります。そうでしょう,私,このままだったら,なしの農無になってしまう。ないのです,農がなくなってしまうのです。こうなったら大変だ。やっぱり札幌市の職員の幹部の方々初め,皆さん有能な方々ばかりであります。能力の能,頭脳の脳,これを持ち合わせている皆さんなのですから,今こそ関係する役職の方々は,これに取り組んでいただきたい。本腰でやっていただかなければならない,(「褒め殺しだということ」と呼ぶ者あり)私は,これは褒め殺しでなくて,本当の気持ちでございます。  そこで,質問なのですが,今申し上げましたように,サッポロさとらんどは昭和50年代後半から札幌農業公園をつくろうじゃないかと,私は当時も議員をしておりましたからよく承知しておりますし,関心を持っておりました。神戸が一番の先駆者だったのではないかなと思っておりますが,そして平成2年に基本的なことが策定されております。そして,具体化するに当たって,まず位置をどこにするか。札幌市内複数の候補地がある中で,東区の丘珠方面から篠路にかけて農産物のベルト地帯が一番条件がいい,こういうことであそこに定められました。そしてさらに,消費者の皆さんにも集まっていただけるような,こういう構造をつくろうということで発車しました。しかし,基本は農業の振興なくして農業公園さとらんどはないわけでありまして,ところが今のところ残念ながらその内容がかなり乏しいわけであります。  私は,ここでそのさとらんどは,今2期工事が終わろうとしておりますが,このさとらんど,250億円,あの札幌ドームをつくる総予算の2分の1という大きな事業費でやっているわけですから,ここにまさに農業振興の拠点を本格的に地産地消を中心として取り込んでいくべきだと,私は思うのです。これについて,どのようにお考えか,承りたいと思います。 ◎渡辺 農務部長  さとらんどを,いわゆる札幌市農業の大拠点にというお話でございますけれども,いろんな意味で拠点というのはあるのだと思うのですが,私ども,ある意味では,いわゆる実験圃場,先ほど来いろいろお話が出ておりますように,これからの将来の農業をきちんと位置づけていくのはやはり子供だと思うのです。先ほどもお話がございましたように,きっちり本物の味を覚えてもらう,それから作物というのはこういうふうにとれるのだと,こういうものなのだということを,子供にきちっとたたき込む場所がさとらんどだというふうに考えたい。  それが,拠点というのとちょっと違うのではないかと言われると,ちょっとあれなのですけれども,例えば,地産地消のさっぽろとれたてっこの拠点をさとらんどに持っていくというのは,現時点ではちょっと考えづらいということもございますので,そのようなちょっと抽象的な答弁になって申しわけございませんが,考えの一端でございます。 ◆小谷俵藏 委員  まさしく抽象的な答弁でございました。  私は,さっきから申し上げていますように,札幌市農業,瀕死の重体ですよと,こう言っているのです。ここでしっかり農政を通じて,農業振興にどう寄与していくかということを,これはやはり行政の責務としてもやっていただかなければ,今採算が全然とれない。ロマンはいろいろあります。すばらしいです。しかし,経済行為として行わなければならない大きな一面がありますよね,これをどうやるか。  私が今申し上げたいのは,一つには,若手の後継者がほとんどいない,平均年齢はもう70になんなんとする年齢になりつつある。このままではもう農業はおれで終わりだ,後はとてもじゃないが農業を子供にやれなんて言えない。今のこの自由経済の中で,やっぱり186万何千人のこの大消費地を抱えて,最も有利な条件にある近隣の農業者が,特に,調整区域,市街化区域農地のことは私はあえて言いませんが,調整区域を中心とした農業者の方々が,これから将来に向けて期待と希望を持って取り組めるような,そこがなければ後継者は実質的に出てきません。一時期はロマンと希望で出るかもしれませんけれども,実際になったら,はい,さよならになってしまうのです。ですから,そのために,本市農政として,後継者がある一定期間育つような,3年とか5年とか,あるいは10年という時限の中で支援を行う条件整備を私はやっていくべきだと思うのです。ほかの事業群に比べて非常に農業に対するのは弱いです。商工だとか,そういったもろもろ,観光やいろいろなことを含めましても,農業に対しては物すごい弱いです,はっきり言って。  ですから,そこをどうしていく,ぜひ,やっていただきたい。答えてください。 ◆笹出昭夫 委員  (関連)私も前職農業者という立場から,関連でもって質問をさせていただきたいと存じます。  まさに,各委員さんが農政を取り上げて食の安全,そういうものについてお話をされた,これについては私も異論はありません。まして,原口先生がお話になっております自給率40%,これも見逃していけない,こういう大事なことであると思います。  そこで,私は,今までの農政の中で,安全な食品,安定した供給,こういった形で農務部が指導されてこられたと,こんなふうにして考えてございます。その中で,これからは疲弊した農業者を救うためには,じゃ,どうしたらいいのかと。再生産のできる体制を,農家をやっていただく皆さん方に,そういう機会を与えていくような体制をとっていかなければ後継者ができない。私は,札幌186万の人口がいて,食の安全ということで,各地の生産地にいろんな情報を発信するために,先ほど小谷先生からお話がありましたこの予算も,農業試験という形でやって,そこでできた成果を生産地に向かって札幌から情報を発信して,安全でおいしい作物をつくっていただいて,札幌に送ってもらう,こういう意味では,私は大変その予算についてはいいだろうと。ただ,札幌市だけが,札幌市の枠にはまってこれだけの予算を使うということになると,正直言って私の周りにいる農業者は,農政は何のための予算を使っているのだと,こういう形ではね返ってくるわけです。  ですから,そういう意味では,再生産をするための方策を,農務部さんに,もう少し力を入れて考えていただきたい。  そこで,私は若いころあちこち歩きました。そこの首長さん,市長さんがそれなりの生産地から消費地に向かっていろんな形で歩かれているのです。例えば,私は,札幌産のタマネギを,札幌だけで消費し切れないと思います。どこかへ持っていって買ってもらわなければならない。やっぱりそのためのセールスをその首長さんがやっています。よその県では知事さんが東京,大阪,名古屋のそれぞれの大きな市場に行って,自分のところの特性をアピールしながら売り込みをしている,こういうようなケースも見させていただいているわけでございます。  その中で,これまで農務部として,そういった意味で,消費はたださっぽろとれたてっこをお客さんに買ってらうだけじゃない。よそに買ってもらうための業者,農協にしてもいいのです。私はですね,恐らく農務部さんもそうだと思いますが,自分たちでもって,そのさっぽろとれたてっこを売るのは,まさにフェアのときだけじゃないですか,365日はやれない。それは商人の方々に売ってもらっているわけですから,そことの連携をとって,より多く売ってもらうという努力,それから流通の中でどういう今までやりとりをしてきたのか。札幌の多くの軟弱野菜の生産者は,やっぱりロットが固まらなくて値段がたたかれるのです。その背景には,いわば売っていただく業者の皆さん方が,販売量の一定量が確保できなきゃ売れないのだという背景もあって,買いたたかれの形もあるわけです。この辺の隘路を,札幌市の農務部として大いに汗をかいてやっていただきたい。  そういった意味で,過去にそういった意味でのいろんな経緯があるのかないのか,お聞かせをいただきたい,そう思います。 ◎渡辺 農務部長  まず,小谷委員のいわゆる若手育成のために一定の期間,支援金のようなものを支給することができないかということでございますけれども,今そのことを直ちに実行するというのは,非常にいろんな厳しい条件がございますので,ここではお約束できませんが,若手育成という意味では,いろんな手法を私どもとっておりまして,これは大変農業者の中でも意欲的に,先駆的におやりになる方とそうでない方とどうしても差ができます,はっきり言って。若手の中でも,非常に,言ってみれば取り組みのいい方は,自助努力で販売所をつくるなり,あるいは地域の仲間にいろいろ声をかけながら支え合っているという例もそれなりにございます。そういう動きを我々としてもできる限りバックアップするというようなこともこれから考えていかなければならない。  それから,笹出委員の,これまで,いわゆる販売業者にただゆだねるだけじゃないかと。札幌市としては立派な農産品をつくっているのだから,それをどういうふうに売り込み努力をしてきたかというお話でございますけれども,例えば,私ども札幌広域圏の中で,石狩,札幌の農産物をどのように,いわゆる売り込んでいくかという,私も具体的につぶさな中身まではちょっとわかりませんけれども,何年来さまざまな努力をしてきているようです。  それから,もう一つ,これは委員もご承知の上でお話をされているのだろうと思うのですけれども,いわゆる北海道の農産品というのは,本州で非常に評判が高いということで,そういうルートと,それと個々のいわゆるロットが少ないからバイヤーに買いたたかれてしまって,農家にはほとんど手取りがないと,こういう状況につきましては,私どもも常にどうしたらいいのだろうと頭を痛めているところでございまして,この際,もう一度原点に立って,そういった,いわゆるすき間産業と申しましょうか,すき間を埋めるというような形での取り組みを真剣に,他都市の事例なんかもよく見ながら,再度組み立ててみたいというふうに思っております。 ◆小谷俵藏 委員  これで,最後にしたいと思いますが,そこで,私は,ぜひともこれから具体的に取り組んでいただきたい。今,笹出委員から,地産地消だけでなくて,東京を初めとする本州への出荷に対してもどんどん営業活動をしていくべきでないかと。これは本当に大切なことだと思います。  いずれにいたしましても,札幌市内の農業者が,やはり自信と誇りを持って,安心して農業に携わる,それが後継者育成につながるわけでありますから,取り組んでいただきたい。  そこで,地産地消にかかわる関係を中心としてこれからやっていただきたいのは,確かに,今,学校の給食とかいろんなことに取り組んでいただいておりますが,さらにこれを拡大していく。それで,私は,この場合,これはまだこういうセクションはつくっていないと思うのですが,本州各政令市の実態を見てみますと,そのための協議会,例えば,仙台市ですと,地産地消推進協議会というのを16年,来年立ち上げて,一生懸命頑張っていく。また,遠く離れた北九州なども,既にそのほかでも,やはり地産地消にかかわる取り組み,野菜生産者と北九州農産振興会,生産者と市と農協で構成するそういう会が一緒になって地産地消について取り組んでいると。これ以外にもほかにたくさんあります。私は,札幌市もやはりそういうセクションというか,そういうものをつくって,そこで本格的にどうやって地産地消を推進していくかと。ただ,行政が中心となりながらも,農協あるいは生産者あるいは消費者,そういったもろもろの関係,それから市場も入ったっていいでしょう。そういう関係の中で,私は組織化をして取り組んでほしい。そしてそれは,できれば僕はさとらんどあたりがいいのではないかと思うのですが,そういう本拠をですね。その辺についていま一度お聞かせをいただきたいと思います。 ◎渡辺 農務部長  地産地消をもっと深く高度にやるためにセクションをつくったらどうかと。大変うれしいご提案でございますけれども,今,直ちには困難だと思います。生産者の代表というのは農協でございますから,農協にこれまで以上にある意味では,私どもが及ばなかった部分を,議会の場でもこういういろんなご意見,ご提言があったということを伝えながら,再度農協の方ともその辺の仕組みづくりにつきまして,協議をさせていただきたいと思います。 ◆小谷俵藏 委員  これで,終わろうと思ったのですが,今,部長の立場とすれば,その範囲内しか私は出ないのかなと,こう思って一応お聞きしました。  この場合,助役がいらっしゃるので,小澤助役,助役の立場でひとつこのことについての,ぜひ前向きな見解を求めたいと思います。 ◎小澤 助役  今のご提言を踏まえまして,関係機関との組織化を図りまして,地産地消を進めるように努力をしてまいりたいと思います。 ◆藤原廣昭 委員  私は,大きく2点。1点目は,都市型農業の中心となる担い手の育成について,これは何人の方からも質問が出ていますので,なるべく重複を避けて進めたいと思います。  また,2点目は,サッポロさとらんどのパークゴルフ場の件について質問いたします。  答弁者は同じでありますけれども,ちょっと質問の性格が違いますので,委員長のお許しを得て,最初に都市型農業の中心となる担い手の育成についてから質問させていただきたいと思います。  私は,この質問をするに当たりまして,市内の若手の農業経営者,特にUターンをしてきた方,実家が農家で跡を継ぐために戻ってきた方何人かと直接お会いをいたしまして,いろんなお話を聞きました。その中には,先ほど笹出委員などほかの方から出ていたことも,多く耳にしたわけであります。  その中で,多くの方からも指摘をされておりましたように,農業従事者の高齢化の進展に驚いたということと,それから二,三年戻ってきて様子を見たけれども,札幌における農業の将来が見えないのでショックを受けた。農協は自分の立場や組織のことだけしか考えていないような感じがした。また,可能性はいろいろあるので,自分でやるより方法はないのかなというようなことを思って,地域のそれぞれの若い人や先輩の皆さんともいろんな話し合いをして,いろいろ取り組んでいるというようなことも聞かされたわけであります。  質問の1点目として,この中で,約3年前ぐらいになると思うのですけれども,南区の方で,私が聞いてきたのは,道と本市も協力してという表現であったわけでありますけれども,農産物の加工場を設置する計画があって,ある程度予算計上までされたのにそれが実現をしなかったと。その背景には,それを具体化していく段階で,市内の農家の意見というか,そういったものを十分聞いて進めていなかったことに原因があるのではないかということが指摘をされたわけでありますが,この辺については,なぜ実現ができなかったのか,お伺いをしたいと思います。  2点目の質問でありますけれども,本市からもいろいろな情報は,農協などいろんなルートを通じて情報提供がされていると思うわけでありますが,こうした皆さんの意見を聞きますと,すべてではないのですが,農協で情報がストップしてしまうことがあって,なかなか私たちのところにそうした情報も伝わらない場合もあると。そんな意味では,何か別の方法も含めて考えるべきではないかというようなことが指摘をされているわけですけれども,まず,この2点についてお伺いをいたします。 ◎渡辺 農務部長  まず,第1点目の南区の農産物加工場の件でございますけれども,お話のとおり,平成12年度に地域の盛り上がりですとか,いろんな経過で,加工施設に対する地元の期待が高まっていると私どもが判断いたしまして,農協からの正式な要請も受けて,予算措置に実は反映させたところでございます。  その後の具体的な計画段階において,農業者の利用意向に意見の不一致が見られまして,施設の稼働率や運営コストと採算確保の見通しが立たなかったことから,最終的には事業主体である農協が中止を決めたということでございますけれども,確かに,委員おっしゃるとおり,言ってみれは農業者の中で内部分裂を起こしたわけですが,そのことが事前に私ども把握できなかったということについては大変責任を感じております。  それから,2番目のいわゆる農協経由だと情報がストップしてしまうというお話ですけれども,私ども独自の広報誌,先ほどから出ております北の大地ですとか,あるいは事業や制度の概要リーフレット,先ほどの農薬の問題もそうなのですけれども,直接農業者に送付するとともに,試験成績ですとか栽培技術情報などについては生産部会,これは農協の生産部会なのですけれども,そういった研修会の場で,直接農業者に説明あるいは情報提供を行っております。  こういう場合はいいのですけれども,どうしても農協を介さなきゃならないものも中にはあります。お話のようなことがないように,さらに農協にも申し入れを行いながら,確実な情報提供に努めてまいりたいというふうに思っております。 ◆藤原廣昭 委員  そういう農協を通さなければいけないものについては別ですけれども,またそれ以外のもので別な方法があれば,やはり正確に伝わるようにしていただきたいと思うわけでもあります。  また,そういう加工場の関係についても,そうした機運がまた出てきた際には,ぜひ市がしっかりとしたリーダーシップを発揮して,そうしたニーズにこたえていくというような取り組みもしていただきたいと思うわけであります。  この中で,本市においても,営農者に対してさまざまな補助というか支援をしているわけであります。例えば,ハード面では,ハウスを整備する場合には,記憶では2分の1程度補助があると。しかし,なかなかソフト面でのそうした支援,補助というのは,あるのですけれどもなかなか農家の使い勝手が悪いという評判であります。先ほどの質問に出ておりましたけれども,札幌農学校で技術などを身につけた方が,これから本格的にそうしたところと連携をとったり,あるいは余暇に,今もそうした方は,そういう農家に出向いて,またいろいろな知識の習得をしているわけであります。そんな意味では,現在の補助金の運用というか,そうしたものをもう少し,例えば,ボランティアの方への実費程度のものが支払えるような,そうした工夫というか,そうしたものができるようなものにつくり変えていただきたいというような要望がありますけれども,この辺についてどのように考えているのか,再質問の1点目として伺います。  再質問の2点目ですけれども,これはいろいろ農地法ですとか,市街化調整区域におけるという農地ということでいろんな制約はあるのでしょうが,やはり若い農家の方は,つくるだけではなくて,その地域の皆さんとも一体になりながらファームレストランや,現在も直売場というのはあるのですが,厳密な意味では直売場というのは建物を建てたらそれは違反だということになっているけれども暗黙の了解で,とれたての新鮮なうちにほしいという方にということで認められているということであります。こうした若い人方にはいろいろなアイデアというか,法的な問題はありますけれども,そうした課題をクリアしていくために,こうしたことも考えられるのかということでありますが,こうしたファームレストランや直売場の関係についてどのような支援をしていくのか,その辺については,今の法制度の中でどのような状況なのか,お伺いをしたいと思います。 ◎渡辺 農務部長  最初の,いわゆるボランティア活動等にもっと柔軟な形で対応できないかというお話でございます。  これはちょっと私も初めて伺うご提言でございますので,実際可能かどうか。私どもいろんな制度があるのですが,ただ,わかりづらくて皆さんもちょっとお使いになりづらいということもありますので,これをちょっともう少しわかりやすく農業者の皆さんに伝わるようにいたします。先ほどのお話については,具体的にまた検討させていただきたい。  それから,市街化調整区域の中での,いわゆるファームレストラン,あるいは農産物の直売場の件ですけれども,まず,市街化調整区域内の施設のうちファームレストラン,これにつきましては,都市計画法の規制がありまして,加えて農地法に基づく農地転用の規制も実はありまして,現行法上はそのままでいきますと困難と。それから,農産物直売場につきましては,農地法上は転用許可の対象となっておりますけれども,都市計画法ではこれまた認められていないということでございまして,今後,実は今年度内に農家の聞き取り調査を実施するわけですが,その中で各農家のご意向を確認して,意見,要望があればそれらを集約して,国の制度も研究しながら,可能性について検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆藤原廣昭 委員  担い手の関係については,次に2点質問をして,次のサッポロさとらんどに入りたいと思うわけでありますけれども,やはり農家の方からお聞きした中では,高齢者がたくさんいて,例えば,後継者問題で悩んでいると。あるいは農地の遊休化なども含めて相談できる窓口があるようでないと,そんな意味では,時期はいろいろあると思うのですけれども,そうした対応窓口を設置することができないのかというような要望も出されておりましたけれども,こうした点について,本市としてはどのように考えているのか,もう一度お伺いをしたいと思います。  それから,再々質問の2点目は,営農者の課題の抽出や情報の収集という観点ですね。やはり農家の人が受けとめているのは,私たちはつくる人というような受けとめ方がされているのではないか,確かに誤解をしている面もあるし,またすべてそういう見方をしているわけでは,私たちもないと思うわけでありますけれども,やはり,本市にも経済局に農務部,農政課というのがありまして,優秀な皆さんが配置をされ,そしてまた,農家の皆さんから選ばれた農業委員の方もいらっしゃるわけであります。しかし,先ほど来多くの方から出されていた問題は,実際に農業に従事している人,あるいはまたそういう経験のあった人が,実際に皆さんと一緒に具体的に計画をしていく,そういうようなものがなければ,やはり,皆さん方にはできないということは私は申しませんけれども,例として若い農業経営者を,例えば,期間限定の嘱託職員などにして,アイデアや知識,そうしたものを使って,先ほど来出されている皆さんの課題をどうやっていくかということが求められている。そのことが,やはり若い人方が農業にまた目を向けていく,また生きがいにもなるのではないかというふうに思うわけであります。  現在,農業委員会制度の見直しなども検討されているということでありますけれども,どうしても都市型農業ではなくて,地方の農家のそうしたものにウエートを置いた農業委員会の見直しというようなことになっていまして,本市も含めて,都市型の農業のあり方というのはほとんど議論されていない,多くの方からも指摘をされていたような,これからの都市型農業をどうしていくのかという意味では,皆さんを,期間限定でも,そうした形で協力をし合っていくことが可能なのかどうか,この点についてお伺いをしたいと思います。 ◎渡辺 農務部長  まず,高齢者の皆さん方の大変なご苦労,悩みを,私どもお話を伺って,本当に自分たちの無力さに情けない思いをすることがあるのですけれども,そういう方々への対応窓口ができないのかということでございますが,農業指導センター初め,私ども関連課の係員が日常の巡回業務の中である程度はそういうことは可能だというふうに実は考えております。もちろん,農業協同組合あるいは農業委員もそういう活動をしているわけでありますけれども,なお,農務部としましても,例えば,冬期間に農協で作物の生産部会で,いろんな勉強会なんかを開催されるわけですけれども,そういうところにもっともっと積極的に出向いて,農業者との直接的な意見交換をもっと深めて,今後とも,よりきめ細かな対応を図っていきたいというふうに思います。  それから,嘱託職員として,いわゆる農業者の方を短期間でも雇用して活性化はできないのかということでございますけれども,実は,本市の場合,農業振興推進員という制度がかつてございまして,今の委員のお話のように,そういった取り組みをしてきたわけであります。種々の理由から平成10年度に廃止になったわけですが,こうした制度を再復活させるということは現状では非常に困難と言わざるを得ないわけですけれども,今後は,若くて意欲的な農業者たちとの接点をふやしまして,課題の掘り起こし,あるいは地域の将来展望を話し合うことによって,それがいわゆる活性化につながるように努力してまいりたいというふうに考えております。 ◆藤原廣昭 委員  それでは,サッポロさとらんどのパークゴルフ場の関係について質問をいたします。  私,平成13年の決算議会の中で,サッポロさとらんどの問題を取り上げました。その中の一つとして,パークゴルフ場の料金,とりわけ2回目の割引制度の問題,そしてまた,貸しクラブも当時は2回目やっても3回目やっても同じ200円をとられるという問題を指摘いたしました。当時の経済局長からは,貸し出しクラブについては,即新年度から改善をするということになりましたけれども,2回目のプレー料金の関係については,前局長は最後の答弁の中で,少し調整の時間をいただきたいという答弁で終わったわけであります。この間,時間が経過しているわけでありますけれども,どことどのような調整をしてきたのか,その結果について,まずお伺いをしたいと思います。 ◎渡辺 農務部長  平成13年度の委員会で,私がずっと通してでございましたので,それ以後,胸ちくちくしながらきたわけでございますけれども,ちょっと名前とか具体的なセクション名は言えませんが,こういった施設を抱えているいろんなセクションの人たちと,いろいろ具体的にどうだと,そういう要望があるか,あったらどうするというようなことは,私どもとしては続けてきたつもりでございます。 ◆藤原廣昭 委員  その結果がちょっと漏れていたのですけれども,どうなっているのか。今答えれなかったということは,なかなか難しいのかと思うのですが,なぜできないのかという,そうした理由をちょっと明らかにしていただきたいと思うのです。 ◎渡辺 農務部長  最大の課題は,2回目の料金を下げるということによって,全体の収入が落ち込んでしまうのではないかということが最大の心配事であります。もし,これがそういうふうになりますと,今の厳しい状況の中では到底耐えられないだろうということで,(発言する者あり)おっしゃるとおりです。今のとおりでございます。 ◆藤原廣昭 委員  2回目は,軽減することによって収益が保たれるかということでありますけれども,今,言われたさとらんどのパークゴルフ場のつくった理由というのは,やはり緑との触れ合いとか憩いとか,子供や高齢者までが世代を越えて楽しむことができると,そういういかにしてサッポロさとらんどに目を向けてもらうか,足を運んでもらうかというようなことでのパークゴルフ場とかいろいろな利用施設というのがあるわけです。そんな意味で,今,心配をされておりました収益の関係でありますけれども,私は,前回のときも,じゃ,アンケートをとったらどうだということを提言しまして,平成14年度夏に,短期間ではありますけれども,そうしたアンケートを現地でされているわけであります。  その結果,やはりこれまでさとらんどのパークゴルフ場で2ラウンド以上回ったことがありますかという答えには,その数は少ないのですけれども,はいという方が22名と,いいえという方も21名いらっしゃって大体同数なのです。それで,なぜ,2ラウンドはしないのかという理由には,もっと低料金をという方が26名もいらっしゃるわけです。そんな意味から,やはり前回のときにも,こういうふうにすれば必ず収益というものは確保されますと,下がることはないのだということをいろいろなデータや数字について,以前も明らかにしましたので,あえてこの場で繰り返しませんけれども,こういうデータから見て,今のお答えではなかなか理解がしがたいわけでありますけれども,どう考えているのか,お伺いをしたいと思うわけであります。 ◎渡辺 農務部長  アンケート調査でございますけれども,回答率が非常に低かったわけでございます。今,確かに委員がおっしゃるとおり,安ければというふうな回答が確かにありましたけれども,私どもアンケートをやって,やった中身を余り自分で批判したくないのですが,ちょっと余りぐあいのいいものでなかったという反省はしております。これは安くすれば来るというのは当然でございますから,そういう意味でちょっと反省をしてございまして,いずれにしましても,ほかの施設との横並びで見まして,2回目を安くするというのはどう見てもやはりぐあいが悪い。正直言いまして,これは平成9年にこのパークゴルフ場ができたときから高い高いというふうにずっと言われ続けている。私も正直言って500円は高いと思います。ですから,これは今度の地方自治法の改正によりまして,指定管理者制度というのができますので,当然,サッポロさとらんどもこの対象になりますので,その見直しの中で,ぜひこれはやっていきたいと思いますので,ご容赦をいただきたいと思います。 ◆藤原廣昭 委員  アンケートの数が少ないとかというような,そちらの方で調査期間を設定したわけであって,こちらへ返していただく答弁には値はしないのではないかというふうに思うわけであります。条例改正のときは,最近では,平成12年,回数券を発行するときに条例改正をしているわけであります。そんな意味ではどこにも,例えば,つどーむ近くのパークゴルフ場が回数券を発行したといういきさつがあって,サッポロさとらんども回数券を発行せざるを得ないと。そのときには,例えば,教育委員会が所管する施設でありますけれども,教育委員会から経済局にそういう打診があったのですか。確かにあそこのプレー料金はサッポロさとらんどとは違います。しかし,回数券を発行するということは,やはりそういう割引制度をするということと同じなわけでありますから,それじゃ,今部長が言われましたように,他に与える影響もあるという心配があったときに,じゃ,経済局としてはそういう相談を受けたのかどうなのか,その辺についてお伺いをしたいと思うわけであります。 ◎渡辺 農務部長  当時,そういう相談を受けたかどうかは,今ちょっとわかりませんけれども,多分打診はあったと思います。これは調べまして,後ほど委員にご報告いたします。 ◆藤原廣昭 委員  方向性はわかったわけでありますが,経済局長に,最後,この問題について,やはり今までの部長のお答えを聞いていたのでは,服に体を合わせなさいと,そういう切実な市民の声をそういうふうに聞こえるわけであります。しかし,指定管理者制度の問題もありましたけれども,最後,どういうふうに局長としてはこの取り扱いをしていくのか,明言をしていただきたい,それを聞いて終わります。 ◆鈴木健雄 委員  (関連)今,さとらんどのパークゴルフ場の件でいろいろ議論がございます。このさとらんどのパークゴルフ場の使い勝手が悪いということは,もう何年も前から,できた当初からのお話でございました。そして,国際パークゴルフ協会の認定コースになるのですということでしたが,結局はコースが小さくてその認定にもならなかった。そして料金は高い,9時から始まって3時にはほとんど受付が終わって,帰りの準備でもって受付はしませんよと。お年寄りの方々は,朝早くから来て,鉄門があくのを待っているけれども,9時まであかないと,もういらいらしてよその方に行ってしまうと。そこは緑化協会が管理しているのだと思うのですが,準公務員的な管理をする状態ということで非常に評判が悪かった。先ほど不規則発言でやりましたけれども,指定管理者制度というようなことで,これが3年後導入というようなこともありますが,そういったことも,こういう施設管理のものにこそ導入していくべきだというふうに思っております。  さらに,収入の関係だとか横の関係だとかということがありますけれども,農務部のための施設ということではなくて,市民のための施設であって,市民が利益を受ける,楽しくそして有効にその時間が使えるということをまず第一に考えなければならないことだと思いますし,そして,パークゴルフの効果では健康にいい,あるいは小さな町では,医療費も削減されているということが目に見えてわかるというようなこともありますので,利用することによって,そういったお年寄りの健康,医療費の削減にもつながっていくという2次的な効果もございますので,こういった施設こそ指定管理者制度を本格的に検討していただきたい,要望しておきます。
    ◎波田 経済局長  いろいろ出まして,料金については,先ほど部長が言ったように,やはり収入ということが懸念をされるということ,それと施設管理そのものの運営の形態も非常に役所的であるというようなこともありまして,それを一つ解決する糸口として,指定管理者制度の導入というのがございます。これは平成18年度までにやらなくちゃいけないということですけれども,やはりパークゴルフ場の料金体系は,市民が利用しやすいものにするということは,これは私たちもそう願っておるわけですので,18年度はこれは最終年度でございまして,ちょっと準備はかかりますけれども,なるべく早い時期に,こういったことを導入に向けた努力をして,早い時期に解決をしていきたいと,このように考えております。 ○涌井国夫 委員長  以上で,第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に,平成14年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件の質疑を行いますが,通告がございませんので,終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は15日午前10時から,保健福祉局関係のうち総務部,保健福祉部及び児童家庭部の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後5時34分...