札幌市議会 2003-10-01
平成15年第 3回定例会−10月01日-03号
議案第7号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案
議案第8号 札幌市
区民センター条例の一部を改正する条例案
議案第9号 札幌市廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案
議案第10号 札幌市緑の保全と創出に関する条例の一部を改正する条例案
議案第11号 財産の無償譲渡の件(
手稲山冬季オリンピック関連施設等)
議案第12号 財産の取得の件(公園用地)
議案第13号 町の区域を新たに画し,及び変更する件
議案第14号 札幌市区の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第15号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件
議案第16号 道道の認定及び廃止についての意見に関する件
議案第17号 市道の認定及び変更の件
――
――――――――――――――――
〇出席議員(67人)
議 長 武 市 憲 一
副 議 長 西 村 茂 樹
議 員 細 川 正 人
議 員 小須田 悟 士
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 藤 川 雅 司
議 員 林 家 とんでん平
議 員 谷 沢 俊 一
議 員 芦 原 進
議 員 阿知良 寛 美
議 員 小 形 香 織
議 員 伊 藤 理智子
議 員 佐 藤 典 子
議 員 坂 ひろみ
議 員 長 内 直 也
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 近 藤 和 雄
議 員 勝 木 勇 人
議 員 三 宅 由 美
議 員 村 上 勝 志
議 員 三 浦 英 三
議 員 青 山 浪 子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 熊 谷 憲 一
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 恩 村 一 郎
議 員 小 林 郁 子
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 横 山 光 之
議 員 馬 場 泰 年
議 員 宮 村 素 子
議 員 笹 出 昭 夫
議 員 藤 原 廣 昭
議 員 小 野 正 美
議 員 涌 井 国 夫
議 員 本 郷 俊 史
議 員 高 橋 功
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 高 橋 克 朋
議 員 堀 川 素 人
議 員 三 上 洋 右
議 員 上瀬戸 正 則
議 員 村 山 優 治
議 員 宮 本 吉 人
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 大 西 利 夫
議 員 柿 崎 勲
議 員 義 卜 雄 一
議 員 小 川 勝 美
議 員 飯 坂 宗 子
議 員 原 口 伸 一
議 員 田 中 昭 男
議 員 福 士 勝
議 員 松 浦 忠
議 員 大 越 誠 幸
議 員 高 橋 忠 明
議 員 小 谷 俵 藏
議 員 猪 熊 輝 夫
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 敏 雄
議 員 湊 谷 隆
議 員 小 田 信 孝
議 員 柴 田 薫 心
議 員 佐 藤 美智夫
――
――――――――――――――――
〇欠席議員(1人)
議 員 高 橋 秀 典
――
――――――――――――――――
〇説明員
市 長 上 田 文 雄
助 役 田 中 賢 龍
助 役 福 迫 尚一郎
助 役 小 澤 正 明
収 入 役 牧 野 勝 幸
交通事業管理者
交 通 局 長 黒 田 隆 樹
水道事業管理者
水 道 局 長 小 川 敏 雄
総務局長 濱 田 雅 英
企画調整局長 下平尾 文 子
財政局長 平 口 愛一郎
市民局長 高 本 光 藏
保健福祉局長 宮 田 睦 彦
環境局長 中 野 淑 文
経済局長 波 田 正 明
建設局長 田 中 透
都市局長 千 葉 守
下水道局長 仁 科 聰
市立札幌病院長 富 樫 武 弘
消防局長 藤 林 義 廣
教育委員会委員 矢 野 義 和
教育委員会教育長 松 平 英 明
選挙管理委員会委員長 青 木 護
選挙管理委員会委員 越 智 健 一
選挙管理委員会委員 田 畔 満
人事委員会委員長 伊 藤 忠 男
人事委員会事務局長 宮 崎 芳 幸
監査委員 川 越 公 夫
監査事務局長 南 槇 子
――
――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事務局長 岸 稔
事務局次長 長 岡 大
総務課長 高屋敷 智 彦
議事課長 大 島 和 幸
調査係長 武 田 章 憲
資料係長 山 越 英 明
議事係長 出 井 浩 義
記録係長 長谷川 万壽美
委員会一係長 酒 井 欣 洋
委員会二係長 中 村 俊 樹
書 記 菅 原 正 子
書 記 柴 井 康
書 記 堀 川 秀 樹
書 記 酒 井 智 美
書 記 本 島 光 二
書 記 松 崎 朗 子
――
――――――――――――――――
〔午後1時開議〕
○議長(武市憲一) ただいまから,本日の会議を開きます。
出席議員数は,66人であります。
――
――――――――――――――――
○議長(武市憲一) 本日の
会議録署名議員として
勝木勇人議員,
小田信孝議員を指名します。
――
――――――――――――――――
○議長(武市憲一) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(岸稔) 報告いたします。
高橋秀典議員は,所用のため本日及び10月2日の会議を欠席する旨,届け出がございました。
昨日,市長から,
坂本恭子議員の文書質問9項目中一部を除く答弁書及び松浦 忠議員の文書質問12項目中一部を除く答弁書がそれぞれ提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――
――――――――――――――――
○議長(武市憲一) これより,議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第17号までの17件を一括議題とします。
昨日に引き続き,代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
青山浪子議員。
(
青山浪子議員登壇・拍手)
◆
青山浪子議員 私は,ただいまから,
公明党議員会を代表いたしまして,市政の諸問題について質問をいたします。
初めに,去る9月26日に発生した十勝沖地震で被災された皆様におかれましては,心からお見舞い申し上げますとともに,いまだ行方不明となっている方の捜索と震災からの復旧に全力で取り組んでいただきたいと切に願っているものであります。
この地震による本市の被害状況は,火災発生はないものの,9月28日現在で,負傷者7名,清田区では液状化現象が起き,市内各地で家屋の一部倒壊などの深刻な事態が発生する一方,ライフラインにも影響が及んでおります。
本市では,午前5時30分に
緊急災害対策実施本部を設置し,対応に全力を挙げて取り組まれたことと思いますが,今回の地震に関する市長の対応についてお伺いをいたします。
まず初めに,市長は,何時に,どこにおいて被害状況の第一報を受けたのか,また,どのような報告を受けたのか,お伺いいたします。
一方,
緊急災害対策実施本部が設置される際の市長の役割と責任として,被害の全体像の把握や被災対応に関する適切な指示が挙げられると思います。
しかし,今回,市長は,独自の判断で白石区川北へ被害状況の視察に行ったと伺っております。
いまだ市内の被害状況を完全に掌握しておらず,かつ,まさに被災者への適切な対応が最も重要とされているときに視察に行ったことは,緊急災害時の行政の長として危機管理ができていないと言わざるを得ませんし,市長の判断が適切だったかという疑問を感じざるを得ませんがいかがか,お伺いいたします。
さらに,現在も余震が続き,実に21年6カ月ぶりの大規模なこの地震で,市長は何を教訓として学んだのか,お伺いいたします。
また,被災者への対策として,
災害住宅補修資金の貸付枠の拡大など,本市独自の支援措置を講ずるべきと考えますがいかがか,お伺いいたします。
次に,財政問題についてでありますが,中でも全会計で2兆円を超える市債残高について,これが札幌市における財政運営上の大きな課題の一つであるとの観点からお伺いをいたします。
平成14年度末の札幌市の市債残高を見てみますと,一般会計が1兆1,000億円,特別会計が84億円,企業会計が1兆900億円,これを合計しますと,約2兆2,000億円となります。10年前の平成4年度末の市債残高が一般会計5,500億円,特別会計45億円,企業会計1兆円の合計1兆5,600億円程度でありましたから,この10年間で1.4倍にふえ,中でも一般会計はほぼ倍増しております。
これは,
バブル経済崩壊後のたび重なる国の経済対策に,本市においても積極的に対応してきた結果でもあります。余りに大きな数字であり,市民感覚では何か別の世界の人ごとのような感じさえします。しかし,これは基本的に,私たちや将来の市民が返していかなければならない借金なのです。
本市では,これまで市債の充当に当たっては,償還の際に
地方交付税措置があるものを優先的に活用されてこられました。一般会計が負担する市債残高約1兆4,000億円のうち,地方交付税に算入されるものは約7,000億円と市債残高の約半分にもなります。したがって,市税で償還すべき市債残高は実質的には7,000億円と言えます。
しかし,だからといって決して安心できるものではありません。平成14年度の市税決算額は2,682億円でありますので,約5年分の市税収入額にも匹敵する規模であるからです。市税の決算額も,札幌駅
南口関連施設の影響もあり,予算額を26億円上回ったとはいえ,平成9年度から5年連続で前年度を下回っている状況であります。
加えて,地方交付税で措置されると言われる部分についても,
地方交付税制度そのものが三位一体の改革で見直しが必至であり,その影響がどのようになるのかも不透明であります。
また,最近,国や幾つかの地方自治体でも,国債,地方債と公債費を除いた収支である
プライマリーバランスの黒字化を一つの目標にしています。札幌市の場合も,平成14年度は
臨時財政対策債があったために,これが赤字になっております。
しかし,この
プライマリーバランスという考えでは,利子相当分も市債発行で手当てすることが容認されるので,市債残高の増加を防ぐことにはなりません。
市債の償還を賄う市税収入について,今後とも多くを期待できず,人口が減少することになると,市債残高が同じでも市民1人当たりの市債残高はふえることになるのです。将来の札幌市民のためにも市債の発行を抑制し,市債残高を減らすことが義務ではないでしょうか。
そこで,質問ですが,市長は,札幌市が現在抱えている市債残高2兆円についてどのように考えられているのか,また,市債残高を減らすためにも,今後の市債発行を抑制すべきと考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,さっぽ
ろ元気ビジョンについてお伺いいたします。
市長は,さきの第2回定例会において,これからの札幌の街づくりを進めていく上での方向性をまとめた中期的な指針として,さっぽ
ろ元気ビジョンを発表されました。
このビジョンでは,街づくりの目標を,市民の力みなぎる,文化と誇りあふれる街と掲げ,それを実行に移すための三つの具体的な実施計画を策定するとしています。
すなわち,一つは,市民の権利と役割,行政の責務等について,市民とともに論議しながら,市民自治が息づくまちづくりの全体像を描いていくとする
市民自治推進のプランであります。
二つ目は,
社会経済情勢の変化に的確かつ柔軟に対応していくための実施計画の策定であり,市民懇談会やアンケートの実施など,さまざまな形で市民参画を推進するまちづくりのプランであります。
また,三つ目は,人・組織・
システムづくりや
行財政改革など,さまざまな取り組みを進めるための実施計画の策定であり,
市役所改革市民会議の意見を取り入れ,プランを進化させながら市民の視点による市役所改革を実現する
市役所改革プランであります。
本市は,これまで,地方分権の進展や
市民自治意識の高揚など,新たな時代に対応する取り組みを力強く進めていくため,協働都市を目指す,市役所を変えるという二つの目標を掲げ,これを実行に移すための具体的な
取り組み課題の第一段階として,昨年12月に「
札幌wave!プログラム」を取りまとめました。この取り組みについては,その理念や方向性はまさに時代をとらえたものであり,また,具体的な
取り組み内容は,職員参加型で幅広くさまざまな事柄が盛り込まれていることから,我が会派は高く評価していたところであります。
そこで,質問の1点目でありますが,このさっぽ
ろ元気ビジョンで言う
市民自治推進のプランや市役所改革のプランが策定された場合,これまでの「wave!プログラム」の扱いはどうなるのか,お伺いをいたします。
また,このプログラムを白紙に戻すとするならば,行政の継続性が損なわれるのではないかと危惧するものでありますが,新しいプランとの整合性をどのように考えておられるのか,あわせてお伺いいたします。
2点目は,市民自治の取り組みについてであります。
市長は,市民自治の
仕組みづくりとして,
自治基本条例を制定することをさっぽ
ろ元気ビジョンで示されていますが,桂前市長も,協働型社会に向けた取り組みを通じて制定していきたいと表明されていました。
市長は,これら桂市政のもとでの取り組みをどう評価しているのか,また,これまでの取り組みを白紙に戻すのか,あるいは継続していこうと考えているのか,あわせてお伺いをいたします。
3点目は,16年度予算編成に当たっての対応についてであります。
市長は,さっぽ
ろ元気ビジョンの実行に当たって,市民とともに取り組む姿勢を強く示され,市民の意見を取り入れるための札幌新
まちづくり計画市民会議や
市役所改革市民会議を立ち上げようとされております。市民が札幌の街づくり,地域の街づくりに関心を持ち,参加していくことが大切なことは申すまでもないことであり,我が会派もこれを否定するものではありません。
しかしながら,今日の本市を取り巻く
社会経済環境は,地方分権や規制緩和の進展に加え,少子高齢化や情報化,環境問題など,さまざまな課題が山積しており,今まで以上に迅速な対応が求められております。市民の意見を聞くがために時間を費やし,政策の決定に時期を逸することがないかと危惧するのでありますが,16年度の予算編成に当たってどう対応されるのか,お伺いをいたします。
次に,
色覚バリアフリーについてお伺いをいたします。
色覚障がいと呼ばれる赤と緑など特定の範囲の色について差を感じにくいという色覚特性を持っている人は,黄色人の男性では約5%,白人の男性では約8%,黒人の男性では約4%いると言われています。黄色人の女性では約0.2%の人が色覚障がいを持っていると言われていますので,この割合からいくと,日本全体では300万人以上,札幌市内で見ても5万人近くの方が色覚障がいを持っている計算となります。
しかしながら,社会的な差別や偏見といった問題もあり,自分が色覚障がいであることを隠す人が多いことや,色覚障がいであっても,実際にはかなりの色を不自由なく見分けられることから,これまで色覚障がいの人が色に関する問題について積極的に声を上げることは少なかったと言えます。
そのため,色覚障がいが私たちの身近な問題であるにもかかわらず,段差の解消や
点字ブロックの敷設といった現在
バリアフリー対策の対象となっている他の障がいに比べ,色覚に関する
バリアフリー対策は,マスコミ等に取り上げられることも少なく,この問題に対する意識や認識は決して高いとは言えないのが現状であります。
今日では,コンピューターや
カラープリンター等の急速な普及に伴い,カラフルな図やグラフを作成する機会がふえ,さまざまな情報がカラーによって表現される場面が多くなってきています。
しかしながら,このようなカラーによる表現の中には,色覚に障がいのある人にはわかりにくいものもあることから,これらの人たちにもひとしく情報が伝わるよう配慮が求められているのではないでしょうか。
色覚バリアフリーのための対策は,他の
バリアフリー対策に比べて,つくり手側のちょっとした意識や配慮があれば追加コストがかからないでできる対策であることからも,前向きに取り組むべきであると考えます。
そこで,質問ですが,現在,札幌市等でもさまざまな
パンフレット等の刊行物を発行し,また,ホームページの公開も行っていますが,
色覚バリアフリーについての特別な配慮が行われているのか,また,札幌市として
色覚バリアフリーの問題に今後どのように取り組んでいく考えなのか,お伺いをいたします。
次に,障がい者の
雇用促進施策についてお伺いをします。
ご承知のとおり,障害者の雇用の促進等に関する法律においては,障がい者雇用率について,労働者数56人以上の民間企業においては1.8%,特殊法人や国,
地方公共団体においては2.1%,一定の教育委員会においては2.0%とそれぞれ定められております。
しかしながら,
公共職業安定所のデータでは,平成14年6月1日現在,札幌市のほか,石狩市,江別市,千歳市などを含む札幌圏の障がい者を1人以上雇用すべき民間企業における障がい者雇用率は,前年に比べ0.07ポイント低下して1.52%にとどまっており,雇用率未達成企業の割合は57.8%と3.4ポイント上がっております。
一方,障がい者の雇用・就労の場としては,
小規模作業所や授産施設などに通所する福祉的就労と民間企業などに雇用される一般就労があり,それぞれ障がい者の社会参加を推進するという役割を担っています。各自治体では,障がい者の雇用を促進するため,福祉的就労,一般就労それぞれについて各種の施策が進められており,札幌市においても,
小規模作業所,
通所授産施設などの福祉的就労の場の拡充や,独自に取り組んでいる知的障がい者を雇用する企業に対する
就労相談主任手当支給事業への補助拡大などを図ってきたところであります。
しかしながら,民間企業の障がい者雇用率が法定雇用率を下回っている現状にあるとおり,厳しい雇用状況が障がい者の就労に影響を与えている状況にあります。
そこで,質問ですが,このような状況であるからこそ,
市内民間企業の障がい者雇用の実態を把握した上で,全庁的に障がい者の雇用促進にさらに取り組んでいくべきと考えますがいかがか,お伺いいたします。
また,例えば,他都市が取り組んでいる企業の障がい者雇用率を
入札契約制度に反映させる
優遇措置制度の導入などについても必要と考えますがいかがか,あわせてお伺いいたします。
次に,
敬老優待乗車証,いわゆる敬老パスについてお伺いいたします。
昭和50年から始まった本事業は,高齢者の方が長年にわたり社会に貢献したことに対して敬愛を示し,また,高齢者の社会参加を積極的に促進する意味からも,大きな意義があるものと考えております。
しかし,市長は,本市の厳しい財政状況から
敬老パス事業の見直しを表明し,今般の補正予算では,敬老パスの今後のあり方について市民議論を行うため,その基礎となる各年代の市民を対象とした
アンケート調査費を計上しております。
市長は,選挙戦を通じて,市民の視点からの政策・事業評価,民間やNPOへの事業委託,さらには,市役所の人員削減などにより
行財政改革を進め,200億円の経費節減を図ることを主張されていました。
しかし,市長は,7月に発表した施政方針であるさっぽ
ろ元気ビジョンの中で,これらに加えて,事業の効率化を進め,歳出全般にわたる見直しを行うとしており,例示として敬老パスのあり方を検討するとしております。
敬老パスという具体の事業が出てきたのは余りにも唐突なことであり,ある意味では,公約として掲げていた
行財政改革と施政方針における
行財政改革は矛盾を来していると思われます。200億円の節減のために敬老パスの見直しが行われるのでしょうか。敬老パスを犠牲にしようとしていると思われますがいかがか,お伺いいたします。
また,
敬老パス事業は,約30年もの長きにわたり実施され,社会福祉や健康づくりの大きな柱となっております。制度の見直しにあっては,
市役所改革市民会議を初めとするさまざまな機会を通じて幅広く市民論議を行い,市民合意の形成を図り,性急な結論を出すべきではないと考えます。
その意味では,敬老パスのみについて議論するのではなく,
高齢者福祉施策全体の中で議論すべきと考えますがいかがか,お伺いいたします。
さらに,今回のアンケートを実施した後,どのように市民議論を喚起し,いつまでに結論を出し,いつから見直しの結果に基づく事業を実施するのか,あわせて,来年度もまた現行と同様の制度を維持すると考えているのかどうか,お伺いをいたします。
次に,子育て支援施策についてお伺いします。
質問の1点目は,子育て家庭への情報提供についてであります。
昨年の合計特殊出生率が過去最低の1.32を記録し,少子化に歯どめがかからない状況の中で,国は,昨年9月,長期的な視点に立った少子化対策の方向性を示す新たな対策として少子化対策プラスワンを発表しました。また,次世代を担う子供を育成する家庭を社会全体で支援するために,
地方公共団体及び企業において,10年間で集中的,計画的な取り組みを推進する次世代育成支援対策推進法及び地域における子育て支援の強化を図る児童福祉法の改正法が,ことし7月,国会において成立したところです。この次世代育成支援対策推進法は,
地方公共団体に対して,国が策定する行動計画策定指針に基づき,平成17年までに行動計画の策定を義務づけております。
このため,札幌市は,現行の子育て支援計画の改定作業の時期であることと,国から他自治体のモデルとしての策定要請もあって,全国に先駆けて16年までに策定することになり,現在作業を進めていると聞いています。
この行動計画策定指針においては,骨格の一つである子育てを支援する生活環境の整備の中で,子育てをしていく際に支障がないように街や建物を設計する子育てバリアフリー化や,私が平成12年の決算特別委員会で質問した公共施設などにおける授乳コーナー等の整備が挙げられています。
このほかに,子育て家庭への情報提供として,札幌市では,我が党の提言により,子供の発育や制度と保育園,幼稚園施設をマップにした子育てガイドを作成して,妊産婦に母子手帳交付時に配付して好評を得ており,さらに,これをホームページ化しているところであります。
しかしながら,現行の子育てガイドの内容は,子育て家庭が必要としている病院の詳細,往診などの医療関係や子育てサポート情報,イベント紹介,家事援助,ベビー用品などの情報が不足しています。
子育て中の親や家庭が孤立感,不安感を持つことなく安心して子育てができるように,親自身が持つ育児力と地域の子育て支援機能の向上を図るためには,今後の公共施設等のバリアフリー化の整備状況の情報のほかに,民間の子育てに関する各種情報を集約して,最新の子育て情報マップなどがインターネット上で子育て家庭等に対して提供できるようにすべきであります。
そこで,質問ですが,子育て家庭が安心して子育てができる,育児力等の向上のために,民間等の情報を含めた子育て情報マップ等の情報のIT化を図るべきと考えますが,どのようにお考えか,お伺いいたします。
質問の2点目は,乳幼児医療の通院無料化制度についであります。
本市における合計特殊出生率は,平成13年で1.04と全国平均を大きく下回り,政令指定都市中最下位となっております。こうした少子化の予想以上の進行は,高齢化の進展とともに大きな社会問題であります。また,平成11年に本市が実施した少子化に関する調査において,経済面での支援を求める声が特に若年層に多く見られるなど,子育てにかかる経済的な負担が,少子化の進行に影響を及ぼしていることが読み取れる結果となりました。
我が党は,こうした状況を踏まえ,これまで,乳幼児医療費助成制度の対象年齢の拡大を機会あるごとに求めてきたところであります。
本市の乳幼児医療費助成は,平成13年10月に通院対象年齢が1歳引き上げられ,現在,入院については5歳児まで,通院については3歳児までが対象となっております。
しかしながら,他の政令市における助成状況を見てみますと,大阪市など5都市で既に5歳児までの助成を行っております。また,道内他都市においても,函館市や旭川市など8都市でも同様の助成を行っており,こうした他都市との状況と比較しても,制度の充実に努めるべきと考えます。
そこで,質問ですが,子育てに伴う経済的な負担を軽減する観点から,乳幼児医療費助成の通院対象年齢を就学前の5歳児まで拡大すべきと考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。
質問の3点目は,国保加入世帯に支給する出産育児一時金の受領委任払いについてであります。
子供を出産したときに国保から支給される出産育児一時金については,法律上,保険給付を受ける権利は譲渡できないとされているため,世帯主が有する現金給付の請求権を医療機関に譲渡するという,いわゆる受領委任払いができない扱いとなっており,従来は現金給付が基本となっておりました。このため,国保加入者の場合,申請から実際に一時金が支給されるまでに数週間が必要なため,母親が退院するまでには支給が間に合わず,入院費用等を一時的に全額自分で負担せざるを得ないという状況にありました。
我が党は,このような状況に対し,子供を産み育てやすい環境をつくる立場から,平成12年に国会の場で無利子の貸付制度の創設について取り上げ,その結果,平成13年度から出産育児一時金の貸付制度が創設されたところであります。
札幌市においては,平成13年10月1日から,この制度を利用する形で国保加入世帯に対する貸し付けのあっせんを実施しており,平成14年度で出産育児一時金の支給件数全体のうちの約1割がこの制度を利用していると聞いております。
しかしながら,この制度を利用した加入者からは,出産前に貸し付けの申し込みを行わなくてはならず不便であり,札幌市は高額医療費の方では受領委任払いを認めていることから,出産育児一時金の支給についてもこの方法を広げてほしいとの声も聞かれるところであります。
他の政令指定都市の状況を見ますと,いろいろな経緯はあるようですが,川崎市や名古屋市など5市で出産育児一時金の受領委任払いが行われております。
そこで,質問ですが,国保の出産育児一時金の支給については,高額医療費と同様,受領委任払い方式を導入することが,この制度の利便性を高め,子育て支援につながると考えるのでありますがいかがか,お伺いいたします。
次に,生涯を通じた女性の健康支援施策についてお伺いいたします。
質問の1点目は,今,早急な対応が必要と感じております不妊治療に対する公費助成についてであります。
子供を持ちたいにもかかわらず,子供に恵まれない夫婦は10組に1組とも言われております。現在,我が国では,約28万5,000人が不妊治療を受けておりますが,その数も年々増加しており,さらに不妊に悩む人は,その5倍にも及ぶと言われております。
不妊治療は,身体的,精神的な負担も大きいですが,経済的な負担の重さも指摘されています。排卵誘発剤の投与などは医療保険が適用となりますが,体外受精や顕微授精は保険が適用されず,1回当たり20万円から40万円の費用が個人負担となっております。しかも,一度で妊娠する確率が高くないことから,子供を授かるまで何度も治療を受けることが必要な場合も多く,経済的な負担ははかり知れないものがあります。また,経済的な理由から十分な治療を受けることができず,子供を持つことをあきらめざるを得ない方もいるという現実があります。
こうしたことから,我が党は,いち早く不妊治療への公的支援策の実施を主張し,平成12年4月には55万人の署名を当時の厚生省に提出するなど,今日まで患者の負担軽減に全力を挙げてまいりました。
昨今の報道によりますと,厚生労働省は,平成16年度に実施する新たな少子化対策の一環として,不妊治療費の助成をする方針と聞いております。また,全国の約60の市町村では,独自の助成制度を導入して,不妊治療を受けている夫婦を積極的に支援しております。
そこで,質問ですが,北海道においても不妊治療費の一部助成を検討すると聞いております。札幌市も,不妊治療に対し,公費助成をすべきと考えるのでありますがいかがか,お伺いいたします。
質問の2点目は,女性の健康づくりについてであります。
女性の平均寿命が80歳を超え,世界に冠たる長寿国となった今,女性の生き方に対する選択肢も多くあり,女性のライフスタイルは多様化してきました。女性が長い人生を寝たきりにならず健康に過ごすためには,若いころからの健康管理が重要であるとともに,中高年期以降の肥満や骨粗鬆症,生活習慣病の発症を予防することが必要であります。
そこで,質問ですが,札幌市では,21世紀の市民一人一人が生涯を通じて健康を実現するための指針として,平成14年12月に健康さっぽろ21を策定しております。その中の母子保健領域において,生涯を通した女性の健康づくりが盛り込まれておりますが,成人女性における健康課題をどのように認識されているのか,お伺いいたします。
また,健康づくりは,一人で強い意思を持ち続けて継続することは容易なことではありません。同様な健康課題を抱える人々との交流を図りながら,気軽に楽しく取り組めるような健康づくりの方策が必要と思いますが,あわせてお伺いをいたします。
次に,食の安心・安全対策についてお伺いいたします。
一昨年のBSE問題を含めて,食品の虚偽表示問題,残留農薬や無登録農薬使用の問題等,食の信頼を揺るがす出来事が相次ぎ,食の安心・安全に対する消費者の関心は非常に高まっております。
このような状況に対応するため,国は,本年5月に待望の食品安全基本法を公布するとともに,7月には食品安全委員会を設置するなど,食の安心・安全を確保するための体制を整えつつあります。
また,北海道は,消費者重視の食品行政を進めるための食に関する条例制定に向けて,10月には道民と意見交換する北海道の安全・安心な食を考える会を設置するとの新聞報道がありました。これによると,道は条例制定に向け,既に実施しているクリーン農業や道産食品の認証制度などの施策に加え,表示や食品衛生など,食に関するさまざまな事柄を横断的に検討していくとのことです。
クリーン農業は,安心・安全な北海道産農産物の生産を目指すものですが,その札幌版というべきものがさっぽろとれたてっこ事業ではないでしょうか。札幌市では,農協等と連携して,地元でとれた農産物を地元で消費する地産地消の取り組みであるさっぽろとれたてっこ事業を平成10年から展開し,市民への新鮮で安全かつ安心できる農産物の提供に努め,この取り組みの中では,安心・安全を確保するための土壌診断に基づく適正施肥や農産物の残留農薬検査という独自の生産基準を設けていると聞いております。
本市は,人口180万人を超える大都市であります。市民一人一人が生き生きと暮らし,元気に活動していくためには,健全な食生活が不可欠ですし,それを支える上で,食の安心・安全を確保することが非常に重要であるということは言うまでもありません。
私は,我が党の食の安心・安全プロジェクトにかかわっていますが,その中の意見交換の中でも,とれたてっこを知らない人がたくさんいます。
そこで,質問ですが,地元の農産物に対する市民の理解を深めていくことが食の安心・安全にもつながっていきます。イベントなどさまざまな機会を活用し,さっぽろとれたてっこが新鮮で質のよい安心して食べられる農産物であることを,もっと積極的にPRしていくことが必要と思います。また,あわせて,新鮮で安心・安全な農産物であるとれたてっこが,いつ,どこで,どのように生産・流通し,店頭に並んだかということを,販売店でも積極的にPRすることも必要ではないかと考えるのでありますが,先日,テレビ塔下で開催されたとれたてっこ市には,市長も直接売り場に立たれたようでありますので,これらの点についてお伺いいたします。
最後に,教育問題についてお伺いいたします。
1点目は,特別支援教育の推進についてであります。
本市における障がいのある子供の教育については,この3月に策定された札幌市特別支援教育基本計画に基づき,具体的な施策を展開していく予定であると聞いております。
この計画では,LD,ADHD,高機能自閉症等の子供を含めた特別な教育的支援を必要とする子供へ対応するための施策が掲げられています。
これら障がいのある子供に対し,誤った理解や対応をすると,彼らは自信を失い,さらに,周囲と協調できないなどの要因から2次障がいへの移行をする場合もあります。
我が党として,この問題をこれまでも議会で取り上げ,各学校が,これらの子供たちに適切に対応できるよう校内における相談・支援体制づくりに取り組む時期に来ているのではないかという考えを示したところであります。
そこで,質問ですが,この計画では,校内における支援体制の機能を拡充するため,校内学びの支援委員会を設けるという方針が示されております。校内学びの支援委員会の目的とその組織について,また,各学校における取り組み状況についてお伺いいたします。
さらに,この計画では,地域学習校の位置づけという具体的施策が掲げられております。これについては,盲・聾・養護学校等で学ぶ子供たちが地域の子供たちと活動をともにし,地域社会の一員として主体的に社会参加できるよう,地域の学校が,その地域に暮らしている障がいのある子供を自分の学校の子供として受けとめ,その子供たちの地域学習を支援するという考え方が示されております。
ノーマライゼーションが進展する社会にあって,障がいのある子供の教育においても,地域で学び育つことを軸とした新たな展開を図ることは大変重要なことであり,このような考え方のもとでの教育の推進に大いに期待するところであります。
そこで,質問ですが,地域学習校について,現在どのような進捗状況にあるのか,お示しください。
2点目は,大学生による学校でのボランティア活動についてであります。
学校においては,家庭や地域の人々とともに子供を育てていくという視点に立ち,開かれた学校づくりが積極的に進められています。例えば,総合的な学習の時間等においては,地域の人材や施設を活用して特色のある教育活動が進められており,また,中学校では,心の教室相談員の協力を得て生徒の心に響く相談活動が行われていますが,今後,家庭や地域社会との連携を一層進めるためにも,さまざまな人の協力を得ていくことが求められています。
先日,新聞で,大学生が学校の授業にボランティアとして参加するスクール・アシスタント・ティーチャー,いわゆるSAT制度が道内で広がっていると報道されておりました。これは,石狩市や当別町で,教員志望の大学生が小・中学校の授業で先生の補佐役を務めるという制度で,授業にうまくついていけない子供たちに手を差し伸べるなど,きめ細かな支援が行われているとのことであり,現在,各学校において取り組んでいる習熟度別指導についても,このSAT制度が大きな役割を担うことが期待されています。
大学と自治体が手を結んで学校の教育活動を支援していくことは,開かれた学校を創造していくという面からも大変重要なことであるとともに,派遣される大学生が子供たちと年齢が近いことから新鮮さを感じ,心を開きやすい面からも,効果が期待できると考えられます。また,将来,教職を目指す学生にとって,みずからの適性を判断する上で貴重な経験になるのではないでしょうか。
そこで,質問ですが,本市においても同様の取り組みを検討していると聞いておりますが,どのようなねらいで実施しようとしているのか,お伺いいたします。
また,本市では,学生による学校でのボランティア活動を今後どのように進めていかれるのか,あわせてお伺いをいたします。
3点目は,食に関する指導についてであります。
飽食の時代と言われて久しい現在,小・中学生の親もまた,子供のころから恵まれた食環境の中で育ってきております。さらに,加工食品や外食の増加傾向に伴う食生活の簡便化傾向が進み,大人も子供も食べたいものがいつでも簡単に手に入る状況にあります。このため,家庭の食事状況も大きく変わってきており,生活習慣病と食生活の関係も指摘されております。特に成長期の児童生徒にとって,健全な食生活は,健康な心身をはぐくむとともに,食習慣の形成に重要であります。
平成9年の国民栄養調査によると,20代の朝食欠食者のうち,66.6%が高校卒業のころまでに朝食欠食が習慣化していることが明らかになっております。
日常の食事を通して,各家庭で行われてきた食文化や食習慣,食に関する知識や次世代への伝承など,受け継がれてきたものが食環境の社会的変化とともに大きく崩れ,家庭の教育力そのものも低下してきているものと思われます。
このため,食に関する自己管理能力の育成を通じて将来の生活習慣病の危険性を低下させるなど,子供たちが将来にわたって健康に生活していけるように,子供たちに対する食に関する指導を充実させ,健全な食習慣の形成を促すことが極めて重要であると考えます。
そこで,質問ですが,食に関する指導については,校長を初め,学校全体としての取り組みが必要であると考えます。特に,栄養職員を活用した食に関する指導がどのようになされているのか,その現状について,まずお伺いいたします。
また,食に関する指導をより効果的に進めていくためにも,どのような方策が必要とお考えか,あわせてお伺いいたします。
4点目は,学校運営における事務の効率化についてであります。
情報化が進む中,学校においては,各学校にコンピューター教室の整備や教育用コンピューターの配置,インターネットの接続を終え,現在,普通教室や特別教室でもインターネットでの情報が得られるよう校内LANの整備が進められており,幅広い角度から,さまざまな情報を得ながら多様な教育の展開が可能な環境となっております。
一方,300校を超える学校との情報のやりとりや県費負担教職員制度の見直しが検討される中にあって,教育委員会の事務はますます増大することが予想されていますし,各学校とは,より正確で迅速な対応を行うことが必要になってくるものと考えます。また,各学校においても,新学習指導要領に基づく指導内容の変更や週5日制の実施により教職員を初めとする学校職員の負担感は増大しているものと考えます。
そのような状況の中で,教育委員会と各学校との事務処理は,依然として紙を中心に,各学校を回るメール便で情報のやりとりを行っていると聞いています。
そこで,質問ですが,せっかく各学校にインターネットを接続し,校内LANの整備を進めているわけですから,これらの設備を学校教育だけにとどめることなく,学校運営においても事務のIT化を進める中において有効に活用し,セキュリティーに配慮しつつ,事務の省力化,迅速化を図るべきではないかと考えますが,その見解をお伺いいたします。
以上で,私の質問のすべてを終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(武市憲一) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 青山議員から,10項目にわたりますご質問をちょうだいいたしましたので,そのうちの障がい者の
雇用促進施策についてと子育て支援施策については小澤助役から,教育問題については教育長からお答えをさせていただきまして,その余のご質問には私からお答えをさせていただきます。
まず初めに,9月26日早朝に発生いたしました十勝沖地震に関しましてお答えをいたします。
まずは,このたびの地震により被害に遭われました多くの方々に対しまして,心からお見舞いを申し上げます。
そこで,第1点目のご質問でございます。
地震の第一報につきましては,9月26日午前5時40分に,消防局防災課から,市内各所で被害の発生についての通報がございまして,消防局長を本部長といたします
緊急災害対策実施本部を午前5時30分に設置した旨の報告を受けたところでございます。
次に,被災現場の視察についてでございますが,災害対策実施本部からの第一報の後に,白石区内で住宅数棟に被害が出ているという連絡を受けましたことや,その時点で実施本部が把握をしておりました市内全域での被害状況の中では,住宅への最も大きな被害があるという報告を受けた地区でもありましたことから,まずは現場を見ることが大切だというふうに私が判断いたしまして,実施本部に連絡を入れ,了解を得た上で白石区などの関係職員とともに出向いたものでございます。
しかしながら,その後の報告におきまして,清田区でも同様に深刻な住宅被害が発生しているという状況が明らかになりましたことから,被害に遭った住民の方々に対します住居の確保など,関係部局の連携した対応について指示をしたところでございます。
このたびの地震は,市長就任後,初めての大きな自然災害でございまして,災害時の対策体制への再認識とともに,こうした非常時におきます正確かつ迅速な情報収集や発生被害への対応などの重要性について改めて認識するとともに,議員ご指摘の視察のあり方に関するご意見についても十分に参考とさせていただきたいと,このように思うところでございます。
次に,緊急融資制度を初めといたします支援措置についてでありますが,家屋の補修や生活福祉に関する各種の貸付制度などをご活用いただく中で支援を行っていきたいと考えているところでございます。
次に,財政問題についてでありますが,第1点目の市債残高についてのお答えをさせていただきます。
市債残高約2兆2,000億円のうち,約半分は主に企業の料金収入で償還するものであります。また,残りの半分につきましては,道路や都市計画事業などの基盤整備を初め,清掃工場,コンサートホール,札幌ドームなど,いずれも本市の将来を見据えて,豊かな市民生活を実現するために必要な事業の財源として,地方債を有効に活用したことによるものと考えております。起債に当たりましては,交付税措置のある市債を積極的に活用するなど,将来の市民負担に配慮を行ってきたところでありまして,起債制限比率などの財政指標について他の政令指定都市と比較してみますと,現在のところ上位に位置しているところであります。
2点目の市債の発行抑制についてでありますが,将来の公債費負担などを考慮いたしまして,平成10年度から平成14年度までの
行財政改革推進計画により抑制に努めた結果,地方交付税の不足を補う
臨時財政対策債などの特別な市債を除くと,平成14年度発行額はピークであります平成10年度の1,027億円に比べますと666億円と,約65%の額となっておりまして,平成15年度肉づけ後の予算においては532億円と,約半分に抑制したところでございます。
今後につきましても,市債の持つ世代間の負担調整機能を生かしながら中長期的な財政運営を十分見据えた上で,将来大きな財政負担をもたらすことのないように節度ある発行に努めてまいりたいと,このように考えているところであります。
3点目のさっぽ
ろ元気ビジョンについてでありますが,1点目の「wave!プログラム」の扱いと新プランとの整合性についてと,2点目の市民自治の取り組みについては,関連をしておりますので,一括してお答えをさせていただきます。
「wave!プログラム」が目標といたしました協働型社会あるいは市役所変革という考えは,私がさっぽ
ろ元気ビジョンで目指しております市民自治を推進する,そのためにも市役所を改革するという理念と基本的には重なるものであります。
したがいまして,私は,これまでの「wave!プログラム」の取り組みも踏まえまして,これを検証した上で,新たに加えるべきものは加え,深めるべきものは深めながら,さらに発展強化をさせた取り組みを行ってまいりたいと考えているところであります。
この場合,特に大切にしなければならないことは,市民の視点と生活感覚をしっかりと保ちながら,さまざまな事柄を改めて問い直し,必要な市民議論を行い,しかも,迅速に市民の皆さんの目に見える形で成果を出していくということであります。現在,このような考えのもとに新しいプランづくりを進めているところであります。
また,私は,さっぽ
ろ元気ビジョンで,市民自治が息づくまちづくりということを街づくりの根本に据えておりますが,これを進めていくためには,市民と市の職員が,あるいは市民同士が集って対話をし,行動をしていくと,この行動を通して街づくりに関心を持ち,参加していくことが重要であるというふうに考えております。
先月からは,タウントークや市民自治について考えるフォーラムを通して,市民と対話する機会を持ってまいりました。
今後も,市民への徹底した情報提供と対話を通して,市民とともに考え,ともに悩み,そして,ともに行動することを大切にしながら,市民自治の推進に必要な
仕組みづくり,これに取り組んでまいりたいと考えているところであります。
3点目の来年度予算編成に向けた対応についてでありますが,ご質問にもございますとおり,今後,元気ビジョンの実行プランとして策定いたします新まちづくり計画や
市役所改革プランの検討に当たりましては,幅広く市民の意見を取り入れたものとするために,それぞれに市民会議を立ち上げた上で,市民議論の成果を積極的に反映したものにしてまいりたいと考えているところであります。
一方,平成16年度の予算編成につきましては,日程的には各プランの策定前に予算編成作業を終えなければなりませんが,私が手がける初めての本格予算といたしまして,特にさっぽ
ろ元気ビジョンに掲げます経済,共生,環境,芸術・文化,人づくりなど各重点戦略課題につきましては,新まちづくり計画の策定作業とも十分調整を図りながら進めていく必要があると考えているところであります。予算編成作業でありますので時間的な制約もございますが,各プランにおける市民議論の検討内容や経過につきましては,予算要求時はもとより,査定時におきましても柔軟に反映させるなど,できる限り市民意見を取り入れながら来年度の予算編成を行ってまいりたいと考えておるところであります。
次に,
色覚バリアフリーについてお答えをいたします。
これまでは,
色覚バリアフリーという問題自体についての認識が薄かったと言わざるを得ません。色覚に障がいのある人に対する取り組みは行われていなかったというのが現実であります。その意味において,ご指摘に感謝を申し上げます。
今後につきましては,障がい者による政策提言サポーター制度等を活用して,色覚に障がいのある方の意見を伺ったり,ほかの都市の取り組み等についての情報を収集しながら,
色覚バリアフリーの問題について研究してまいりたいと考えております。
次に,
敬老優待乗車証についてお答えいたします。
まず,第1点目の
行財政改革との関係でありますが,
敬老優待乗車証制度については,今後,制度を存続させていくためにも,行政サービス水準と市民負担のあり方を検討する観点から元気ビジョンに例示として掲げたものでございまして,200億円の経費節減の達成を目的としたものではございません。
2点目の
敬老優待乗車証の議論のあり方でございますが,この問題については,社会経済状況の変化を踏まえまして,少子高齢社会における福祉施策全体の中でさまざまな視点から幅広く議論してまいります。また,来年1月にはアンケートの調査結果を公表いたしまして,できるだけ早い時期に,将来の制度について具体的に議論をしていきたいというふうに考えているところでございます。
次に,生涯を通じた女性の健康支援施策についてお尋ねでございますので,お答えいたします。
第1点目の不妊治療に対する公費助成についてでありますけれども,現在,国におきまして,少子化対策の一環といたしまして不妊治療に伴う経済的負担の軽減を図るために,平成16年度から公費助成制度の導入を検討しているところであります。この制度は,医療保険が適用されず,高額の医療費がかかる不妊治療費用の一部を助成するものであります。
少子化が進む札幌市におきましても,不妊に悩むご夫婦への支援対策は大変重要なことと認識しておりますし,今後とも,国及び北海道の動向を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
2点目の女性の健康づくりについてお答えをいたします。
まず,成人女性における健康課題についてでありますけれども,昨年12月に策定いたしました健康さっぽろ21に掲げております領域別課題から申し上げますと,人工妊娠中絶率は全国平均に比べ高い傾向にあり,特に20歳から24歳まででは全国平均の2倍を超えているところであります。また,流・早産や胎児の発育・発達に影響を与える妊婦の飲酒率や喫煙率は,いずれも全国平均を上回っている状況にあります。さらに,食生活では朝食を食べない女性が20代に多く見られるということ,栄養摂取状況ではカルシウムや鉄分の不足も明らかになっております。
したがいまして,女性の生涯を通じた健康を支援するためには,従来より行っております健康教育や健康相談等の取り組みをさらに推進することが重要であると考えております。
次に,気楽に楽しく取り組めるような健康づくりの方策についてであります。
健康づくりは,個人の自主性に基づく活動が基本となりますけれども,市民が集い,互いに経験を交流し合うことにより,継続した活動が展開できるものと考えております。
札幌市といたしましては,健康づくりを目的とした自主グループの育成や活動を支援するヘルシーコミュニティ促進事業を平成14年度から実施しているところであり,今後とも,これらの事業を活用しながら地域における市民の健康づくりを推進してまいります。
次に,食の安心・安全対策の一環として,さっぽろとれたてっこのPRについてお答えいたします。
とれたてっこの販売店においては,ポスターはもちろん,生産者の顔写真や名前を表示するなど,PRに努めておりまして,また,サッポロさとらんどで実施しております,さとの収穫祭などのイベントでも積極的にPRを行ってまいりました。今回初めて実施いたしましたテレビ塔下でのとれたてっこ市では,私も売り場に立たせていただきまして,PRの重要性を改めて感じたところでございます。
今後とも,販売店やイベントでのPRに工夫を凝らして周知を図ってまいりたいと,このように考えるところでございます。
私からは,以上であります。
○議長(武市憲一) 小澤助役。
◎助役(小澤正明) 私から,障がい者の
雇用促進施策と子育て支援施策についてお答えをさせていただきます。
まず,障がい者の
雇用促進施策についてですが,障がいのある方が働く場を得て,社会参加を実現し,生きがいを持つことは極めて重要なことと認識をしております。
したがいまして,就労促進に向けて,各企業の障がい者雇用の現状を把握することは必要であると考えておりますので,その方法等について十分検討してまいりたいと思います。
今後におきましても,関係機関との連携をさらに強化するとともに,
入札契約制度における優遇措置等の取り扱いの検討も含め,障がいのある方の雇用促進に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に,子育て支援施策についてお答えいたします。
1点目の子育て家庭への情報提供についてでありますが,札幌市においては,現在,国が示した行動計画策定指針に基づく行動計画の策定作業を進めているところでございます。
この指針の中では,公共施設等での子供サイズの便器などの設置や,公共交通機関,建築物等のバリアフリー化など,子育て家庭を支援する生活環境整備と子育て家庭への情報提供として,子育てバリアフリーマップの作成,配布などの推進が望ましいとされております。
このため,今後,ご指摘のありました公共施設等のバリアフリー状況や民間等の情報も含めた子育て情報マップなどのIT化に関しては,現在の保健福祉局のホームページにある子育てガイドを拡充する中で取り組んでいきたいと考えております。
2点目の乳幼児医療の通院無料化制度についてでありますが,本制度は,乳幼児の健康の保持と増進を図るとともに,保護者の経済的負担を軽減する観点から,重要な子育て支援策の一つであると認識をしております。
通院対象年齢の拡大につきましては,新たな財政負担を伴いますことから,引き続きこの制度の補助主体であります北海道に対し,早期拡大を働きかけるとともに,本市の財政状況,あるいは他都市の取り組みなども十分勘案し,検討してまいりたいと考えております。
3点目の国保加入世帯に支給する出産育児一時金の受領委任払いについてであります。
出産費用の貸し付け制度は,関係機関の協力のもと,実施してからまだ2年しか経過していない状況にありますが,利用者はふえる傾向にございます。
そこで,受領委任払い方式の導入につきましては,まず,貸し付け制度の周知を図るとともに,その利用状況などを十分見きわめながら,今後の課題として検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(武市憲一) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 教育問題につきましてお答えを申し上げます。
1点目の特別支援教育の推進についてのご質問のうち,まず,校内学びの支援委員会の目的と組織及び各学校における取り組み状況についてでございます。
この委員会は,各幼稚園,学校が,LD・学習障がい,ADHD・注意欠陥多動性障がい,
それと,高機能自閉症等の子供を含めた特別な教育的支援を必要とする子供に対する適切な支援を行うことを目的としておりまして,校長のもとで,支援計画の作成や校内研修の実施などに係る企画,立案や連絡調整の役割を担う教員を特別支援教育コーディネーターとして位置づけまして運営することとしているところでございます。近々,通知を行う予定でありまして,その後,各学校において具体的な支援を開始することとなります。
次に,地域学習校の進捗状況についてでございますが,盲・聾・養護学校で学ぶ児童生徒の保護者に対して,地域学習校の取り組みに参加するかどうかについての希望を取りましたところ,約半数近くの269名の児童生徒が参加の意向を寄せており,対象となる小・中学校は153校となっております。今月中には,参加を希望する児童生徒の地域学習校を指定いたしまして,活動を開始する予定でございます。
2点目の大学生による学校でのボランティア活動についてお答えをいたします。
まず,教員を志望している大学生による学生ボランティア事業のねらいについてでございます。
この事業は,北海道教育大学と連携をして行う地域支援事業の一つでございまして,学校からの要請に応じて学生をボランティアとして派遣するものでございます。
この事業におきましては,学校の方針や計画に基づき,子供と年齢の近い学生が教員の指導の補助を行うことによりまして,子供が意欲を持って学習に取り組むことをねらいとしているところでございます。また,将来,教員を目指す学生にとりましても,子供と直接かかわることのできる貴重な体験であると考えております。
次に,学生ボランティア事業の今後の進め方についてお答えいたします。
本年度は,本事業の試行といたしまして,北海道教育大学に近い北区と東区の小・中学校13校を対象に実施をいたします。この事業は,教科の指導に係るものばかりではなく,学校行事や総合的な学習の時間などにおいても実施することを予定しております。
今後につきましては,大学と協議を進め,本年度集約された成果や課題をもとに,より充実させる方向で取り組んでまいりたいと考えております。
3点目の食に関する指導についてお答えいたします。
まず,学校栄養職員を活用した食に関する指導の現状についてでありますが,食に関する指導は,子供たちの生きる力をはぐくんでいく上でも非常に重要でありまして,学校,家庭,地域が連携して健全な食習慣の形成に当たっていく必要があると考えております。
こうした観点から,各学校におきましては,教育課程の中で食に関する指導の年間計画を作成するとともに,学校栄養職員を活用したチーム・ティーチングによる食指導を行うほか,試食会や給食だよりなどを通じて,食の大切さを家庭や地域に理解してもらうなどの取り組みを行っているところであります。また,地元の農産物でありますタマネギやカボチャを初めとするさっぽろとれたてっこを学校給食に取り入れまして,地域の農業を学ぶなど,地域に根差した食指導にも努めているところでございます。
次に,食に関する指導をより効果的に進めていくための方策についてでございますが,学校栄養職員同士の情報交換や協力,支援のための体制づくりとあわせまして,地域の特色を生かした,また,小学校から中学校までの一貫した食指導を行っていく必要があると考えておりまして,学校栄養職員のみならず,教職員の理解と協力のもと,学校全体で食指導の充実に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
4点目のIT化による学校事務の効率化についてでございますが,各学校におきます情報教育の基盤整備におきましては,最終段階とも言えます校内LANの整備に取りかかっておりまして,この整備も平成15年度末で全校の76%まで進捗する予定でございます。
このことから,この情報教育用設備を学校事務にも有効に活用するため,既に一部の学校におきましては教育委員会と各学校を結ぶイントラネットの整備を進めておりまして,また,ソフト面におきましては,電子メール等による情報の伝達や公文書等の情報を共有化する手法などの検討を進め,事務の省力化,迅速化を図ることとしているところでございます。
以上でございます。
○議長(武市憲一) ここで,およそ20分間休憩します。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後2時16分
再 開 午後2時40分
――
――――――――――――――――
○副議長(西村茂樹) これより,会議を再開します。
代表質問を続行します。
坂本恭子議員。
(
坂本恭子議員登壇・拍手)
◆
坂本恭子議員 私は,日本共産党を代表して,議案並びに市政の諸課題について質問を行います。
質問に先立ちまして,このたびの十勝沖地震で被災を受けられた市民の皆さんに対しまして,心よりお見舞いを申し上げますとともに,災害対策に当たられた職員並びに関係者の皆さんの昼夜を分かたぬご労苦に,心からのおねぎらいを申し上げます。
まず最初に,地震対策について質問を行います。
質問の第1は,今回の市内における地震の被災状況の中で,良好な宅地分譲地と言われ購入した住宅地で,沢地の埋め立てなどに起因する液状化現象により,住宅が大きく傾くなどの事態が発生しました。このような現象が起きるような土地については,開発行為,宅地化は取りやめて,もとのまま自然緑地として保全すべきであったと考えますがいかがか,伺います。今後の開発行為のあり方などの対処も含めて,明らかにしてください。
質問の第2は,地震など自然災害によって甚大な被害を受けた家屋に対して,国が個人補償を行うべきと考えますが,いかがか。国に,法整備も含めた制度の確立を求めるべきと思いますが,市長の対処方針を伺います。
質問の第3は,地震による苫小牧の石油タンク2基の連続した火災事故についてです。
白石区の流通団地の石油タンク群についても心配がないのか,市民に大きな不安を抱かせました。このオイルターミナルには,現在,21基の石油タンクにガソリン,灯油,軽油などが貯蔵されており,最大貯蔵量は約3万キロリットルに達しています。もし,札幌が,今回の震度4より大きな地震や直下型地震に見舞われた場合,苫小牧のような火災が発生する危険はないのか,未然防止の対策は万全なのか,具体的にお示しください。
次に,市長の政治姿勢についてです。
9月22日に発足した小泉第2次改造内閣は,この2年半,暮らしと平和と憲法を破壊してきた政治の流れを一層悪い方向で推進しようという顔ぶれと言わざるを得ません。この内閣のもとで,今後,平和と暮らしの重大問題となる3点について質問します。
質問の第1は,改憲問題についてです。
小泉改造内閣は,若手のタカ派を次々起用していることが特徴の一つです。特に,中川昭一経済産業大臣は,問題になった新しい歴史教科書をつくる会をバックアップした歴史教科書問題を考える超党派の会の会長で,小泉首相の靖国参拝を実現させる国会議員有志の会の幹事長につき,改憲右翼勢力の結集に動いた人物です。
小泉総理は,22日夜,記者会見で,憲法改定について,05年11月までに自民党としての試案を取りまとめると述べました。
そこで,市長に伺います。
これまで日本の平和を守ってきた憲法第9条をどう評価されているのか,また,改定することについては,はっきりと反対であることを表明すべきと思いますが,市長のお考えを市民の前にお示しください。
質問の第2は,年金問題についてです。
坂口 力厚生労働大臣は,04年の年金改革に向けた試案で,保険料を1.5倍に引き上げた上,給付削減もしようとしました。また,小泉総理は,支給開始を65歳からさらにおくらせることを,財務省では,67歳支給開始を検討しています。
保険料は引き上げ,給付開始をおくらせる,既に受給している世帯も含めて給付水準を引き下げることは,国民の老後の生活を破壊し,現役世代には一層老後の不安を高めるものであり,国民・市民の老後の生活を守る立場からは,到底,容認できないものですが,市長は,これ以上の年金の改悪が,市民生活に及ぼす影響についてどうお考えになるのか。小泉改造内閣のもとで進められようとしている年金改悪には,反対であることを表明すべきと思いますがいかがか,市長の見解を伺います。
質問の第3は,消費税増税問題です。
消費税14%が持論の竹中平蔵金融・経済財政担当大臣など,消費税増税論者が多数入閣しています。また,ことし1月の経団連の提言では,04年から毎年1%ずつ引き上げ,14年度からは16%にするとし,塩川前財務大臣は,首相は将来上げないとは言っていない,政府税調の中期答申でも2けたの税率に引き上げることも必要としています。
消費税は,税率1%で2兆5,000億円ですから,10%だと25兆円,4人家族で年間80万円もの負担になります。
市長は,低所得者ほど負担する割合が高い消費税は,弱い者いじめだとはお考えにならないか,これ以上の増税は,市民生活を守る立場から,すべきでないと政府にはっきりと申し入れるべきと思いますが,市長のお考えをお聞かせください。
次に,本定例会に提案されております2002年度決算は,桂市政最後の年の決算であることから,その12年間を通しての行財政運営の問題点について質問いたします。
桂市政の最大の問題は,大型開発を進め,市の財政を非常に厳しい状況に追い込んだことであり,その責任は,極めて重いと言わざるを得ません。
上田市長におかれましては,桂市政の問題点を深く分析し,過ちを繰り返さず,本市財政を立て直すことが求められているのではないでしょうか。
質問の第1は,むだな大型開発についてです。
桂市政での,その典型は,総額206億円,そのうち借金が180億円にもなるコンベンションセンターです。しかも,当初から維持管理費を利用料収入で賄うことができず,赤字分は市民の税金で穴埋めするものです。
また,米里北と新川工業団地は,本市が土地を買って造成したものの,その後,地価が下落したため,造成原価を割る価格で分譲し,その赤字分14億2,700万円を税金で穴埋めしました。それでも売れ残った土地をまちづくり基金で抱え込み,篠路住宅団地の未分譲地と合わせて,基金から現金177億円を出して,売れ残った土地を抱え込んだことになります。
このむだな開発や失敗が本市財政を厳しくした大きな要因であると思うのですが,市長は,このような失政が本市財政に及ぼした影響について,重大な問題とお考えになっているのか。今後は,大型開発中心から,暮らし,福祉中心の市政へ重点を切りかえていくときっぱり表明すべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第2は,借金財政についてです。
02年度末の一般会計市債残高は1兆683億円,桂市長が就任した90年度末は4,910億円でしたから,2.17倍に激増しています。82年度を100とすると,02年度の市税の伸び率は193,地方交付税は186,また,一般会計の総額は210であるのに対し,市債は321と異常な突出となっております。これは,大型開発などをどんどんふやし,借金を重ねてきた結果です。
むだな大型開発等が本市財政を厳しくした張本人であることは明白です。90年度と02年度の市債残高を内訳別で見ると,保育所は,90年度5億円から02年度7億円と2億円ふえ,老人ホームは,10億円から16億円と6億円の増加ですが,いずれも,もともと少ないし,それほど伸びてもいません。義務教育では,1,005億円から958億円と47億円減少しています。
ところが,道路,橋梁は,357億円から1,443億円と4倍以上になり,街路事業などの都市計画は,701億円から2,509億円と3.6倍になっています。
つまり,福祉や教育が本市の財政を厳しくしたり借金をふやしたのではなく,大型開発等が借金をふやしたと思うのですが,市長は,本市の借金がふえた主な原因は何だとお考えか,また,借金をふやしたのは福祉や教育ではないということをお認めになるのか,明らかにしてください。
質問の第3は,行政改革についてです。
本市では,94年以来,行政改革と称して経費削減を行ってきましたが,問題は,借金をふやした主要な原因であるむだな大型開発にメスを入れることなく,市民の福祉や暮らしにかかわる事業を事細かに切り刻んできたことです。6,000人もの子供たちが利用していた仲よし子ども館を一遍になくしてしまったり,移動図書館の廃止,生活保護世帯の見舞金の一部廃止,市営住宅の低所得者家賃減免制度の縮小などは,いずれも市民の福祉,暮らし,教育にかかわるものです。行政改革の基本は,むだな大型開発にメスを入れて,財政を健全化させ,市民の暮らし,福祉,教育を守ることだと思うのですがいかがか,市長のご見解を伺います。
中期財政見通しと今後の財政運営の考え方では,具体的に四つの市民負担増が名指しされています。すなわち,保育料,すこやか健診,敬老パス,家庭ごみです。
市長は,前市長がつくった市民負担増計画をそのまま引き継ぎ,市の借金財政を市民負担の強化で乗り切るおつもりか。前市長時代の市民不在の市政から,市民生活優先の政治に切りかえることこそ,上田市長がなすべき仕事ではないのかと思いますが,そのお考えがおありか,伺います。
質問の第4は,北海道住宅供給公社の問題についてです。
北海道住宅供給公社の債務整理のための特定調停で,大口債権者の住宅金融公庫は,調停に参加しない旨の意見書を札幌地裁に提出したと報道されています。
本市は,2000年度から30億円の貸し付けと現時点で14億7,000万円の損失補償残額があり,公社の破綻が現実の問題となりつつある状況で,市民の血税がむだに失われることは許されませんが,貸し付けと損失補償についてどういう見通しをお持ちか,本市は関係機関にどう働きかけているのか,明らかにしてください。
次に,敬老パス制度について伺います。
敬老優待乗車証制度は,75年にスタートし,高齢者に喜ばれ,社会参加,健康づくりや介護予防に役立ってきました。ところが,昨年5月に,桂市政のもとで,敬老パスについて,受益と負担という観点から検討を行うことを打ち出しました。
上田市長は,ことし7月に発表した施政方針さっぽ
ろ元気ビジョンで,例えば,すこやか健診や敬老パスなど,行政のサービス水準と市民負担のあり方について,市民と十分な論議を行いながら検討を進めていくと述べ,
行財政改革の名のもと,敬老パス改悪を推し進める考えを表明しています。
さらに,先月行われた西区でのタウントークで,札幌市の財政が非常に厳しいということと,その厳しさの中で制度を継続させていくことを前提にするならば,やはり,負担できる方は負担していただきたいと,敬老パスの存続には受益者負担が必要であると方向づけているのは問題です。
そもそも敬老パスは,交付規則に明記されているように,多年にわたり社会の発展に寄与してきた高齢者を敬愛し,明るく豊かな老後の生活の充実を図るため交付されているものです。制度開始の翌年,決算特別委員会での自民党議員の,金持ちもただで乗ってけしからんという発言に対し,当時の厚生局長は,敬老の精神で差し上げているというのがその趣旨でございますから,所得で制限しようなどという気持ちは持っておりませんと,明確に答弁しています。経費節減のために,利用者に負担させるという本市の
行財政改革とは,相入れないものです。
この間,国の悪政による年金支給額の引き下げや医療費の負担増,さらに,本市では,前桂市政のもとで介護保険料の大幅引き上げ等が実施され,高齢者の実質的な所得は低くなっており,さらなる負担増は,これ以上長生きするなということかと,多くの高齢者が怒り,落胆しています。
北区で病院を経営する医師は,敬老パスが使えるようになってから,老人が健康になったことがよくわかります。行きたいところへ,好きなときいつでも出かけられるということは,人間として何とすばらしいことか,医師としていつも感じていました。パスをなくしたら,不健康な老人をつくることになりますと話しています。南区の女性は,敬老パスのことを,この行政のぬくもりがなければ,ただぼんやりと部屋に閉じこもる生活を余儀なくされていたかもしれません。老人が,家族に気兼ねなく外出できる制度がいつまでも存続されますよう心から願ってやみませんと,その大切さを訴えています。
そこで,質問の第1ですが,市長は,これらの高齢者の声をどのように受けとめているのか。敬老パス制度の精神からいって,利用者負担の導入という
行財政改革の対象にすべきでないと考えますがいかがか,市長のお考えを伺います。
質問の第2は,この間,市長や事務当局が,マスコミを通じて市民に示しているデータについてです。
年間の事業費が35億円にも上り,今後,毎年2億円ずつ増加していく,老人福祉費の3分の1を占めているなど,あたかも敬老パスが本市財政を圧迫している元凶のように市民に伝えられています。しかし,本市の年間財政規模は,昨年度一般会計で8,136億円であり,敬老パスの事業費は33億4,500万円と,一般会計に占める割合はわずか0.41%です。
敬老パス事業費が本市財政を圧迫しているとは,到底,考えられない数字です。
98年度の老人福祉費は,250億6,300万円で,そのうち
敬老パス事業費は28億1,800万円,老人福祉費に占める割合は11.2%でした。ところが,老人福祉費の大半が介護保険特別会計に移行し,さらに,行革と称して老人クラブ補助金や敬老祝金などを削減した結果,老人福祉費が101億4,900万円と半分以下に減らされたために,一見,
敬老パス事業費だけが突出して増加しているかのように見えるだけのことで,このようなデータ提供は市民に誤解を与えるものと言わざるを得ません。
市民と十分な論議を行うと言うのであれば,正確で全体像が把握できるデータを市民に提供すべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第3は,補正予算に計上されている敬老パスに関するアンケート調査についてです。
市長は,提案説明の中で,基礎資料となる各年代の市民を対象にアンケートを行うとされました。しかし,不適切なデータ提供のもとで,市民の中に,支える者と支えられる者という構図を描き,若い世代と高齢者とを分断させるようなことをすべきではありません。
行財政改革の名のもとに,あるべき方向とは違う道へと進ませることになると思うのですが,市長はそうはお考えにならないのか,伺います。
調査を行うのであれば,この間,敬老パスが果たしてきた,高齢者の健康増進のための重要な役割とか,介護予防にどれだけ貢献してきたのか,その結果,医療費の削減につながったのか,本市の平均寿命の伸びとの関連はどうなのかなどを科学的に検証するべきではないでしょうか。今回の600万円の予算でこれらの科学的なデータを把握することができるのか,伺います。
高齢化は悪いことではなく,長寿は人類の多年の希望として,医学の発展とともに実現されてきました。社会にとっては,知恵と経験が蓄積される喜ばしいことであり,それを支える制度を整備充実することが重要です。
あたかも,高齢者がふえ過ぎて財政を圧迫し,若い世代の負担になっているかのような言い方は,敬老の精神に反するものです。そもそもの敬老の精神に立ち返って,高齢者に喜んでいただけるよう,現行制度のまま存続すべきと考えますがいかがか,伺います。
次に,ごみ問題について質問いたします。
質問の第1は,事業系ごみについてです。
本市が2000年3月に策定した,さっぽろごみプラン21では,事業系ごみは,98年度に比べ9万2,000トン,20%の減量を目標としておりますが,現在1万6,000トン増加しており,減量目標に逆行しております。
市長は,廃棄ごみの増加の要因をどう分析しているのか,まず伺います。
また,事業系ごみ45万トンないし50万トンのうち,環境事業公社が収集している20万トンについてですが,本来,資源物となる大量の紙が分別されず,可燃ごみとして焼却されていることは問題です。その対策として,事業所への立ち入り指導の強化や古紙回収業者と契約したことの報告を求めるなど,具体的な強化策が必要と思いますが,市長の対処方針を伺います。
また,公社が収集していない自己搬入のごみがおよそ半数を占めていますが,清掃工場でも,最終処分場でも,ほとんど内容が確認されないまま廃棄されており,自己搬入ごみの分別と再資源化について,調査に基づく指導の強化が必要だと思いますが,いかがされるおつもりか,伺います。
質問の第2は,家庭廃棄ごみの減量と有料化の問題についてです。
98年度と02年度の比較で,家庭ごみ,すなわち分別された資源物と廃棄ごみの合計では8,000トンふえていますが,リサイクルが進み,資源物が3万2,000トンふえ,焼却や埋め立てに回る廃棄ごみでは2万5,000トン減っています。
市民の中で廃棄ごみを減らそうという意識が根づき,努力されて,廃棄ごみが減り始めたものと考えますが,いかがか。この市民の意識の高まりと努力をどう評価されているのか,伺います。
第2回定例会で,市長は,家庭ごみの有料化について,ごみの減量化に有効かどうかという視点から検討すべきものとの考え方を示されました。
本市が昨年10月に開催した,さっぽろごみゼロフォーラム2002では,基調講演をされた植田和弘教授は,有料化した伊達市でごみが減った一番の理由を簡易焼却炉の使用と指摘し,有料化で一時ごみが減っても,その後,リバウンドがあるとしたら,長期的には有料化だけでは減らないのかもしれませんと述べています。
仙台市や高山市を初め,有料化した自治体では,一時的にごみが減っても,数年後には必ずふえています。これらの事実を,市長はどう見ておられるのか。家庭ごみを有料化しても減量はできないと思うのですがいかがか,伺います。
ごみの問題は,生産者,すなわち製造メーカーの責任が第一であり,排出者,すなわち消費者を有料化という負担強化で追い込むようなことをせず,あらゆる機会に啓発・啓蒙することを第一義的に位置づけ,市民の納得と共同の努力で減量を進めるべきです。啓発,PRという点で,強化する余地が十二分にあると思うのですがいかがか,伺います。
無料だから排出する,有料だから排出しないということではなく,限られた資源を大切にし,再資源化するという考え方を,市民の共通認識として一層広げることこそ,本市のごみ減量化への本来の筋の通った道ではないでしょうか。有料化で減量させようという考え方は,負担強化で市民を追い込むようなやり方であり,それは,市民と一緒に減量化を進めようという連帯感も市民への信頼感もない態度です。市民と対話を広げようという姿勢を見せている上田市長こそ,有料化せずに,ごみ減量を市民とともに進めるべきと思うのですがいかがか,ご見解を伺います。
市民は税金を払っており,その税でしっかりごみを処理するのが自治体の仕事です。税に加えて有料化することは,ただでさえ不況で苦しむ市民に二重の負担を求めることであると考えますがいかがか,市長のご所見を伺います。
質問の第3は,ごみ発生源での抑制についてです。
家庭ごみのうち,容積比で6割を占める容器包装廃棄物の処理費用の3分の2を自治体負担とする容器包装リサイクル法を改正し,処理費用は製造者が責任を負う拡大生産者責任を明確にし,設計段階からリサイクルを意識した製品づくりや,容器は再利用できるものに切りかえさせることが重要と考えますが,いかがか。
発生源での抑制に対する,国及び企業の責任についての認識及び本市の取り組み状況について伺います。
減量のためには,本市がまだ取り組んでいない容器包装リサイクル法の対象となっている紙容器の回収・リサイクルに着手することや,生ごみ堆肥化の一層の促進など,さらには,デポジット制の導入やスーパーでのトレーの使用を極力減らすなど,分別と資源化に一層力を入れて取り組むべきと考えますがいかがか,伺います。
次に,子供にかかわる課題について質問します。
質問の第1は,乳幼児医療費助成の拡大についてです。
96年につくられた10年計画,子育て支援計画では,子育てに関する負担感のトップが,一般的に子育てにお金がかかるであり,調査の時点から今日まで経済状況は悪化の一途をたどっていることから,支援の必要性も一層増加していると思うのですが,まず,その点についての市長の認識をお示しください。
通院の助成対象年齢についてですが,他の政令指定都市12市のうち7市までが,5歳未満児または就学前までの助成となっており,本市よりも進んだ状況です。政令指定都市の中でも,本市の乳幼児医療費助成制度はおくれた状況にあると思うのですが,この点,市長はどう認識されておられるのか,伺います。
また,道府県からの補助率ですが,千葉市,北九州市,福岡市は,県の補助なしで市の単費で実施しており,川崎市,横浜市は4分の1補助,さいたま市は3分の1補助で実施しています。北海道は10分の5.2と最高の補助率であることを考えると,本市の乳幼児医療費助成の取り組みがいかにも弱いと言わざるを得ないのですが,この点についてはどう考えておられるのか,伺います。
子育てにかかわる負担を軽減し,安心して産み育てられる環境を整えるため,乳幼児医療費助成制度の対象を拡大し,就学前まで実施すべきと思うのですが,市長のお考えを市民の前にお示しください。
質問の第2は,保育所の問題についてです。
これまで札幌市は,待機児童がふえ続ける中,少子化でもあり,保育所をふやしても,また入所児童が減ったら保育所にあきができると新設にちゅうちょし,定員を超えて入所させる,改築で定員枠をふやすなど,小手先で対処してきたのではないでしょうか。この6年間で,保育施設では5カ所のみ,定員枠では1,059名分をふやしてきましたが,その間にも待機児童と超過入所児童の合計数はふえ続け,ことし1月で2,721名にもなり,これまでのやり方では間に合わないことは明白です。
また,子供たちを詰め込み式で保育する超過入所の問題も顕在化してきています。現場で働く保育士さんたちからは,忙し過ぎて目が行き届かない,いつ事故が起きるか心配などの声が上がっています。
第2回定例会で,超過入所の解消を求めた我が党の代表質問に対し,年度途中の弾力的受け入れ策だと答弁されましたが,4月1日から待機児童も超過入所も発生している事実から,年度途中の弾力的受け入れ策と言えるような状況ではなく,超過入所が常態化している実態について市長がどう考えておられるのか,伺います。また,超過入所が児童と保育士に及ぼしている否定的影響についてどう把握しているのか,伺います。
市長は,いつまでに待機児童の解消をするのか,超過入所についても解消を目指すのか,いつまでにどうするのか,目標をお示しください。また,待機児童と超過入所を解消するためには,大幅な新設が必要だと思いますがいかがか,伺います。
質問の第3は,30人学級についてです。
我が党は,小・中学校での30人学級の実施を繰り返し求め,条例提案も行ってまいりました。現在,国は,40人学級を基本としつつも,都道府県の裁量で弾力的な学級編制を認める方向に進んでいるのは周知のとおりです。
今年度から新たに,政令市では京都市,名古屋市が少人数学級を実施,既に30道府県7政令指定都市が何らかの形で少人数学級に踏み出しています。
そこで,質問ですが,これらの自治体の少人数学級の成果について,本市教育委員会としてどのように調査しておられるのか,その評価とあわせてお示しください。
京都市では,学校生活の最初の時期である小学校低学年においては,基本的な生活習慣とルール等についてきめ細やかな指導を行い,学校生活への円滑な適応を重視する観点から,生活集団である学級と学習集団が同一であることが望ましいとして,今年度,1年生から順次少人数学級を実施することとなりました。
本市教育委員会は,生活集団と学習集団が同一であることが望ましいという考え方について,どう評価しておられるのか。本市が行う少人数指導は,学習集団を重視しており,生活集団の観点が弱められていると思うのですがいかがか,伺います。
また,昨年度から道が行っている少人数学級のモデル事業についてですが,その成果について,児童の変化としては,心の安心,安定,落ちつきが見られる,基本的生活習慣の習得,定着化が早期になされる,教師の変化として,一人一人の児童への理解が充実し深まった,保護者からは,子供の自立心が向上した,学力向上につながっている等の反応があると聞いています。この評価についてどう受けとめておられますか,伺います。
また,このモデル事業を行った本市の発寒西小学校でも同じような成果が見られたのか,発寒西小学校での変化をどう把握されているのか,伺います。
深刻化する教育の諸問題の解決のために,まず,小学校低学年から順次計画的に30人以下学級を実施すべきと考えますが,いかがか。学級編制のあり方とあわせて,個々に応じた指導の充実,きめ細やかな対応など総合的施策を行うべきと思いますが,いかがか。少人数指導で十分とお考えなのか,教育長のご所見を伺います。
次に,景気・雇用対策についてです。
質問の第1は,本市における制度融資の利用促進についてです。
本年2月,中小企業庁が行った中小企業への貸し出し姿勢に対する実態調査では,厳しくなったと答えた企業の割合は,2000年9月の19.4%から03年2月の26.9%と7.5%もふえており,自治体の制度融資を活用できるかどうかは,中小企業にとって極めて重大な問題となっています。
まず,我が党が求め続けて実施することになった小規模事業経営改善資金についてですが,本市は,第三者保証を要件としないこの制度を01年度から始めましたが,実績は,01年度41件,02年度28件となっています。
他の保証残高があっても利用できるこの制度で,融資を受けられる中小企業は多いと思うのですが,制度が周知されていない上,融資の実行までに時間がかかるという声も聞かれます。
本市として,今後の利用拡大を図るおつもりがあるのか,そのためにどう対処するのか,伺います。
次に,無担保・無保証人の融資制度についてですが,本市での利用実績は,東京や大阪,京都などに比較し,極端に少なくなっています。とりわけ,個人事業主の利用実績は,2000年度1件,01年度2件,02年度ゼロ件にとどまっていることは問題です。
制度を利用する上で,最大の障害となっているのが,この保証制度以外での保証残高がある場合に利用できないという条項です。保証を求められた北海道信用保証協会は,中小企業総合事業団の3種類の保険,すなわち,普通保険,無担保保険,無担保・無保証人保険のいずれかを使うことになりますが,無担保・無保証人保険を利用する場合には,他の保証残高がないことが条件になっています。中小企業対策に力を入れている都府県では,他の保証残高があっても利用できる無担保保険を使い,融資の実績をふやしています。
本市として,無担保保険を利用している都府県の実例に学び,その方法を取り入れるよう北海道信用保証協会に働きかけるべきと思いますがいかがか,今後の対策をお示しください。
本市の一般中小企業振興資金,いわゆるマル札資金の中で,無担保・無保証人の融資が利用できる小規模事業資金の融資条件には,ただし書きとして,北海道信用保証協会の無担保・無保証人の融資制度を利用できる場合がありますとなっているものの,保証人は必要に応じて要となっており,中小業者が無担保・無保証人融資を申し込んでも,金融機関で保証人を求められ,保証人の確保が難しい個人事業主にとっては,結局,融資を受けられない状況になっています。
本市として,マル札資金の制度の中に,無担保・無保証人で利用できることを明記した特別小口資金の枠組みをつくるべきと考えるのですが,いかがか。また,市長の公約である元気基金の中に新設すべきと思いますが,そのお考えがあるのか,伺います。
質問の第3は,若年層の雇用対策についてです。
高卒者の就職問題は,大変に深刻な状況です。新規高卒者の有効求人倍率は,03年度卒業者で0.28倍,来年3月卒業予定者でも0.3倍で,就職希望者の7割が初めから就職の道を閉ざされています。企業別規模の求人数は,100人ないし299人の企業で前年比50%減,1,000人以上の企業になると前年比28.2%と異常な減り方で,大手企業の求人が激減しています。
市長は,高校生を取り巻く雇用の現状をどのように認識され,今後どのように対策をとろうとお考えなのか,伺います。
本市では,18歳から22歳の若者のワークシェアリングを,昨年191人,ことし187人実施していますが,どのように評価され,今後どのように取り組まれるお考えか,この際,新規採用をふやし,本格的な雇用対策を進めるべきと考えますがいかがか,伺います。
完全失業者の半分が34歳以下の若者で,フリーターが417万人とも言われています。国が自治体の雇用対策に財政支援を行うことや,職業訓練,高卒者採用企業への支援,中小企業対策と一体となった雇用確保策が,今,緊急に必要です。国に対して,自治体の雇用対策に支援を行う枠組みをつくるように働きかけるお考えはあるのか,伺います。
質問の第4は,建設季節労働者の冬期援護制度についてです。
03年度末で3カ年の延長期限が切れる通年雇用安定給付金制度について,厚生労働省が廃止を含め検討を表明したことに対し,季節労働者から,制度が廃止されると生活できなくなるという怒りの声が上げられました。
本市議会を初め,多くの議会で,季節労働者の冬期雇用援護制度の存続と雇用確保を求める趣旨の意見書が次々に可決される中,厚生労働省は,見直しをしたものの,概算要求は,冬期技能講習会の受講給付金を25%カット,65歳以上の労働者を制度の対象としない,通年・冬期雇用の奨励金を活用した労働者はその後の受講を認めないという大変厳しいものになっております。概算要求が認められたとしても,制度の対象とならない労働者がふえ,支給額も大きく減ることになります。
市長は,季節労働者の冬期援護制度を,現行の内容,給付水準で存続させ,65歳以上の労働者の排除をやめることを国に対して強く求めるべきと考えますが,いかがか。また,本市において,冬期雇用対策及び生活対策を含む季節労働者対策の強化をすべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第5は,建設業退職金共済制度の普及,加入促進についてです。
この制度は,建設労働者に退職金を保障することを目的としたものですが,本市発注の公共事業においても加入状況が不十分であり,我が党は,代表質問,特別委員会で改善を求めてきました。
この間,元請,下請企業の実態調査も行われるようになり,また,建退共の掛金収納書を市に提出するなど行ってきましたが,この間,具体的にどのように取り組み,どう改善されてきたのか,今後どう改善を進めていくおつもりなのか,伺います。
次に,島松射撃場における空対地訓練再開についてお尋ねします。
01年6月25日,島松射撃場で訓練中のF4戦闘機から188発の砲弾が発射され,北広島市のリハビリセンターなどに着弾した事故は,全国的にも大きな衝撃を与えましたが,航空自衛隊は,騒音対策,再発防止策について,情報公開も不十分なまま,9月に3日間の空対地訓練を再開しました。新飛行ルートには清田区が含まれ,機関砲の射程距離である5キロ圏内に有明小学校や民家30戸,2.5キロ先には年間利用客53万人の滝野すずらん丘陵公園があります。
市民の生命と安全を守る立場から,以下,4点の質問を行います。
質問の第1は,訓練再開に対する認識についてです。
訓練再開飛行を監視した市民から,物すごい騒音で隣の人の声も聞き取れない,コースからはみ出し乱れて飛んでいる,いつまた事故が起きるか不安になるなどの声が寄せられています。
市長は,本市域を含む訓練再開についてどのように認識しているのか,また,市民の不安の声をどのように受けとめられるのか,伺います。
質問の第2は,本市独自の騒音調査についてです。
訓練再開に当たり,本市は,9月11日,職員2人が現地で飛行状況等を目視しただけでした。本市独自の騒音調査を行い,市民生活へ与える影響について把握すべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第3は,訓練再開中止の申し入れについてです。
我が党市議団は,9月5日,市長に対し,空対地射撃訓練の再開中止を自衛隊に求めるよう申し入れましたが,本市の対応は,十分な情報提供と,訓練の必要性,あり方について真剣に検討することの要請にとどまっています。なぜ中止を求めないのか,その理由について明らかにしてください。また,自衛隊が訓練を行う都度,中止を求めるべきと考えますが,市長の対処方針について伺います。
質問の第4は,島松射撃場の撤去についてです。
島松演習場は,人口密集地である道央圏の中心に位置しており,事故による被害や訓練による影響は多大なものが想定されます。市民の生命と安全を守る立場から,島松射撃場の撤去を防衛庁に申し入れるべきと考えますがいかがか,市長の見解を伺います。
最後に,国民健康保険の問題について質問します。
国保会計の決算では,現年度の保険料の収納率が82.81%で,滞納繰越分が6.11%の収納率と,高過ぎる国保料が支払い困難世帯をつくり出していることがうかがえます。
そこで,国保料の引き下げと,資格証明書の発行をやめるよう求めて,以下2点の質問をします。
質問の第1は,国保料の引き下げについてです。
国保加入者1世帯当たりの所得は,90年度268万円であったものが,ことし6月の保険料賦課時には126万8,000円まで低下,90年度の47%の所得しかないという驚くべき事態です。国保加入者の所得が大幅に低下しているにもかかわらず,1世帯当たりの保険料を14万1,597円に据え置いてきたため,実質的な平均所得当たりで見れば2倍以上の値上げが行われたことになるのですが,どうお考えか,お尋ねします。
退職者医療制度の導入を口実に,政府は,国保に対する負担率を医療費の45%から35%に引き下げましたが,加入者の所得の実態に即して,国の負担率を緊急にもとに戻すなどの対策を強く求めて,保険料の引き下げを図るべきですが,いかが対処されるのか,伺います。
また,今日の国保について,京都大学の西村周三教授を初め多くの識者は,制度自体は既に崩壊している,かつて,国保と言えば,自営業者や農家の人が入る保険との印象が強かったが,最近では,定年退職者や失業者,フリーターなどの加入割合が半数を超えている,このまま不況が続けば財政環境が悪化するのは明らかだと述べています。
札幌の国保加入者は,定年退職者などによる年金生活者世帯が31.0%,遺族年金や障害年金などの世帯が34.4%を占め,給与所得者26.0%の中にはフリーターなどの不安定就労者が多数含まれています。
このような加入者の実態を無視し,抜本的な制度の改善をしないことは,政府の怠慢と言わなければなりませんが,市長はいかがお考えか。また,政府にどう働きかけ,高過ぎる保険料の引き下げをどう実現しようとされるのか,国保制度改善の見通しも含めてお尋ねします。
質問の第2は,資格証明書についてです。
同じ所得でありながら,社会保険料の2倍,3倍もの高過ぎる保険料を低所得者に賦課し,滞納を理由に保険証を取り上げ,病院では医療費全額,10割負担しなければならない資格証明書が,9月1日現在で1万4,892世帯と,過去最高の発行を記録しています。滞納の制裁として資格証明書交付実施要綱に基づく大量発行は,国保に対する加入者の不信をつくり出し,多くの保険料納入拒否世帯をつくり出し,さらに収納率を低下させることになっています。この点について,市長はどのように把握されているのか,お尋ねします。
滞納世帯の実態も十分調査せず,機械的に資格証明書を発行することは直ちにやめ,資格証明書の発行は,十分な資力がありながら故意に保険料を支払わない悪質滞納者に限定するよう,要綱を抜本的に改善すべきですが,いかがか。
資格証明書に対する市長の認識と,その発行に対する市長の基本姿勢をお示しください。また,11月の保険証切りかえ時期が迫ってきているだけに,今後の具体的な対処方針を市民の前に明確にお示し願います。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(西村茂樹) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 坂本議員からは,9点にわたりますご質問をいただきました。
私からは,地震対策,市長の政治姿勢,行財政運営の問題点,さらには景気・雇用対策についてお答え申し上げて,その余は担当の助役等がお答え申し上げます。
まず,地震対策についてでございます。
1点目の液状化現象が起きるような土地の保全と今後の開発行為のあり方についてでありますけれども,現行の開発許可制度では,市街化区域において沢地などを埋める開発行為そのものを禁止するという規定はございません。都市計画法に定められた技術的基準を満たしていれば許可をしなければならないというふうにされております。したがいまして,開発行為の申請時に法令等により保全の位置づけがなかった以上,当時としても許可はしなければならなかったものだというふうに考えます。
次に,今後の開発行為のあり方についてでありますが,一般宅地に対する液状化対策の具体的な技術基準が法令上示されておりませんので,開発者に対しては,液状化対策の考え方を示しました平成10年改定の国土交通省宅地防災マニュアル,これを参考とするように引き続き指導してまいりたいと,このように考えております。
2点目の地震など自然災害で被災した個人の家屋に対する補償あるいは支援制度の確立についてでありますけれども,私有財産に対する個人補償については,従来から国が否定的な考え方を示していることもありまして,全国の自治体としては,被災家屋の再建を支援いたします国が主体となった共済制度の創設だとか,生活の早期再建のための被災者生活再建支援制度,この一層の充実について国に要望を行ってきているところであります。
先般,私も,政令指定都市市長会を代表いたしまして,国に対して要望してきたところでありますが,今後とも,他の自治体あるいは関係機関と連携協力をいたしまして,国に対し積極的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。
3点目の石油タンク火災の未然防止対策についてでありますが,このたびの十勝沖地震に伴います石油タンク火災が発生したことから,本市においてもオイルターミナルに対する立入検査を緊急に実施いたしましたけれども,タンクや配管などに異常がないということを確認しております。
これまでも,危険物施設に対しましては,自主管理の徹底を促すとともに,定期的に立入検査を実施するなど,ハード・ソフト両面について指導してきたところでありますが,このたびの苫小牧石油タンク火災の原因調査結果によりましては,新たな対応も考えられることから,その動向を見きわめながら,今後においても安全確保が図られるように努めてまいりたいと,このように考えているところであります。
次に,私の政治姿勢についてお答えをいたします。
まず,第1点の改憲問題についてであります。
平和は,市民が幸せに生活をするための基本であります。これを乱す戦争には反対する,これは私の最も大切にしている考え方でありまして,議会の場におきましても,私はこのことを繰り返し申し上げてまいりました。
憲法第9条の定める,いわゆる平和主義につきましては,憲法改正問題に絡んでいろいろな議論がなされておりますけれども,憲法第9条というものは,我が国が世界に誇り得る極めて崇高な理念を規定したものでありまして,私は,これを尊重していくべきものと考えているところであります。
したがいまして,第9条の改正については,第9条が我が国の平和主義の実現に果たしてきた役割などを考えると,国民的議論を踏まえなければなりませんけれども,慎重に対応するべきものだと,このように考えているところであります。
2点目の年金問題についてであります。
公的年金制度は,市民の老後の生活を支えるものとして大変重要でありまして,また,制度として定着しているものと認識をいたしております。
札幌市は,この重要な公的年金制度の安定のために,関係機関と連携しながら,国庫負担割合の引き上げによる保険料負担の抑制や給付水準の改善などを行うよう国に要望してきたところであります。
平成16年度の年金制度改正は,市民が安心できる年金制度を目指し,十分,国民的議論を尽くした上で行われるべきものと考えております。
3点目の消費税についてでありますけれども,消費税を含む税制のあり方につきましては,少子高齢化の進展とともに,人口が間もなく減少傾向に転じるということなど,経済社会構造の変化,持続可能な財政の確立の必要性,デフレ不況に苦しむ現下の経済情勢等を踏まえまして,さまざまな観点から議論されているところでございますが,今後とも国政の場等において幅広く議論されていく必要があると考えております。
財政問題についてであります。
1点目の大型開発事業,2点目の市債残高の増加,3点目の行政改革につきましては,一括してお答えをいたします。
ご質問にありましたコンベンションセンターの施設整備などにつきましては,札幌市の将来を見据えて必要な事業として進めてきたものと認識をしております。引き続き,福祉や教育を含めて,豊かな市民生活の実現に努めてまいりたいと,このように考えております。
また,市債残高の増加につきましては,厳しい財政状況の中にあっても,札幌市にとって必要な事業を推進するために地方債を有効に活用してきたその結果であると考えております。今後,限られた財源の中で,引き続き安定した行政サービスを提供していくためには,市役所みずからが内部努力を徹底して,歳出全般にわたる経費の節減を図ることはもちろんのこと,中期的な財政見通しを考慮した上で,施策の重点化,効率化をより一層図るとともに,行政のサービス水準や市民負担のあり方につきましても,市民との議論を十分に尽くしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
4点目の北海道住宅供給公社への貸付金と損失補償についてでありますけれども,今回の特定調停におきましては,
地方公共団体等は対象となっていないということから,札幌市といたしましては,調停内容及び進捗状況の把握に努めているところでございます。
札幌市の貸付金30億円については全額返還されるべきであり,損失補償についても損失を発生させることのないように,引き続き,北海道及び公社に申し入れをしてまいりたいと考えております。
次に,景気・雇用対策についてお答えをいたします。
1点目の札幌市における制度融資の利用促進についてであります。
小規模事業経営改善資金は,資金調達が困難な小規模の企業に対し,経営改善を指導しながら融資を実行するものでありますので,近年の厳しい経営環境の中で,企業の財務状況が悪化いたしまして,融資に結びつかない案件も目立ってきておるところであります。
札幌市としては,今後も引き続き,金融機関等の関係機関に対し,本制度の周知に努めまして,利用の促進を積極的に働きかけてまいりたいと考えているところであります。
2点目の無担保・無保証人の融資制度についてであります。
個人事業主を対象とした無担保・無保証人融資は,保証要件が法で定められておりまして,その緩和が難しいということなどの理由から,利用が非常に低調となっております。今後,さらに関係機関に対し利用促進に向けた要請を行っていくとともに,小規模事業者が利用しやすい融資制度や,その運用のあり方についても検討してまいりたいと考えているところであります。
若年層の雇用対策についてでありますけれども,新規高卒者の就職状況につきましては,求人数や就職率が年々減少している一方で,一たん就職した高卒者の3年後の離職率が約6割に達するなど,就職環境というものが大変厳しい状況にあると認識をいたしております。このため札幌市におきましては,国などの関係機関と連携を図りながら,就職活動を支援するためのセミナーや,職業観や勤労意欲の形成を図る就職支援事業などを積極的に推進してまいりたいと考えているところであります。
次に,札幌市独自の緊急雇用創出事業による臨時的任用職員の採用につきましては,事務補助の仕事を通して,社会人としての基礎的な素養を身につけてもらうことで,次の就職活動に役立っているものと理解をいたしております。
ご質問のありました今後の若年層への取り組みにつきましては,雇用環境や財政状況を勘案しながら検討してまいりたいと,このように考えております。
また,高卒者の採用枠拡大につきましては,今後の市役所改革における人件費の抑制や,中長期的に見た学歴別の職員構成バランスなどから,総合的に判断すべきものと認識しているところでございます。
さらに,国に対する雇用対策の支援要請についてでありますけれども,札幌市といたしましても,国と連携しながら,地域の実情に即した対策を推進してまいりたいと考えているところでございます。
4点目の季節労働者の冬期援護制度についてであります。
現在,厚生労働省において見直しを検討されておりますけれども,季節労働者を取り巻く雇用環境が厳しいことから,札幌市といたしましても,国などに現行制度内容の存続を求めるとともに,市民生活の安定の観点から,引き続き雇用の確保に向けて努力してまいりたいと考えております。
5点目の建設業退職金共済制度の普及,加入促進についてでありますけれども,札幌市では,従前から,いわゆる建退共制度の加入促進策に取り組んできたところであります。平成14
年度からは,建退共への加入を重点項目として,元請企業への指導を強化するとともに,新たな方策として,工事竣工後,速やかに建退共加入の実績書を提出させるなど,加入促進に向けて見直しを行ったところであります。今後とも,指導を徹底し,建退共への加入促進に努めてまいりたいと考えております。
緊急対策雇用創出特別交付金事業では,新規に雇用された方の実態調査につきまして,平成14年度から,事業従事後の調査と,雇用期間終了後1カ月経過時の追跡調査を行っているところであります。また,事業終了後の再就職などにつきましては,職業相談や各種就業支援セミナーなどを活用できるよう周知を図ってまいりたいと考えております。市独自の上乗せについては,現行の国の交付金制度を有効に活用するとともに,今後とも,財政状況を勘案しながら効果的な運用を図ってまいりたいと考えているところであります。
私からは,以上であります。
○副議長(西村茂樹) 田中助役。
◎助役(田中賢龍) 私からは,島松射撃場におきます空対地訓練再開についてお答えをいたします。
まず,1点目の本市域を含む訓練再開に対する認識についてでありますが,札幌市域で訓練飛行が行われることについては,安全対策などの観点から人口の集中地域を避けた飛行コースに変更された結果,やむを得ず,札幌市域の一部を飛行することになったものと認識しております。
次に,訓練の再開に伴う市民の不安を解消するためには,徹底した安全対策の確立と市民に対する十分な情報提供が不可欠であります。したがいまして,これまでも自衛隊からの説明に対して,その都度,安全対策の確立の申し入れを行ってきたところでございます。また,自衛隊に十分な情報提供を要請するとともに,この情報を市民に伝え,市民からのさまざまな声を自衛隊に伝えるための庁内連絡網づくりなどを進めてきたところでございます。
次に,2点目の札幌市独自の騒音調査についてでございますが,新しい飛行コースにおける検証飛行の際,本市独自に測定ポイントを設定の上,騒音測定を実施し,その結果を自衛隊の測定結果とあわせて議会にも報告してきたところでございますが,今後につきましても,訓練の状況を見ながら,その実施を判断してまいりたいと考えております。
3点目の訓練再開中止の申し入れと,4点目の島松射撃場の撤去については,あわせてお答えをいたします。
今回の訓練再開に当たっては,自衛隊において,事故対策,飛行コースの検証,さらにはコースの安全確認など,所要の手続を経て再開に至ったものと認識しております。
しかしながら,人口の集中します道央地域における空対地射爆撃訓練は決して好ましいこととは考えておりませんので,島松射撃場の移転を含めた将来的なあり方について,自衛隊に対して真剣に検討していただくよう強く申し入れをしているところでございます。
私からは,以上でございます。
○副議長(西村茂樹) 福迫助役。
◎助役(福迫尚一郎) ごみ問題について,私からお答えさせていただきます。
1点目の事業系ごみについてでございますが,事業系廃棄ごみ量の増加についてでございます。
これは,札幌市外にあります民間焼却施設等で処理されておりました産業廃棄物の一部が,法規制の強化の影響などによりまして,札幌市の施設に搬入されたことが要因ではないかと考えております。
次に,事業系の紙ごみについてでありますけれども,排出事業者がリサイクルを進める上でのガイドラインでありますリサイクルの手引に基づきまして資源回収等が適切に行われますよう,今後とも立ち入り指導を含め,指導啓発に努めてまいりたいと思います。
また,埋立地等におきます排出事業者に対する指導についてでございますが,これまでも埋立地搬入ごみの分別指導を実施してまいりましたが,さらに監視・指導体制を強化しまして,
埋立地等への受け入れの適正化を図ってまいります。
2点目の家庭廃棄ごみの減量と有料化の問題についてでございます。
まず,02年度の家庭廃棄ごみ量が98年度に比較して減少しているのは,瓶・缶・ペットボトル,そしてまたプラスチックの分別収集に対します市民のご協力と市民意識の高揚によるものと考えております。
また,有料化によりますごみ減量効果についてでございますが,これは,さまざまな見解があると認識しております。
いずれにいたしましても,ごみ減量には排出者であります市民の協力が不可欠でありますことから,一層の普及啓発に努めますとともに,有料化は,基本的にはごみ減量の有効性という視点から検討すべきものと考えておりまして,社会経済状況及び行政サービスの安定的供給,さらには市民負担のあり方など,さまざまな観点からの幅広い市民論議を踏まえて検討する必要があると考えております。
3点目のごみ発生源での抑制についてであります。
ごみの発生抑制には,排出者とともに発生源であります製品の生産者が大きな役割を担っていることから,拡大生産者責任の徹底を図る制度の整備が不可欠であると認識しております。このため,国や事業者に対しまして,容器包装リサイクル法の改正など,拡大生産者責任の徹底につきまして,さまざまな機会をとらえて要望を行っているところであります。
また,減量のために,札幌市といたしましても,分別や資源化に向けた各種の調査研究を進めてまいります。
以上でございます。
○副議長(西村茂樹) 小澤助役。
◎助役(小澤正明) 私から,敬老パス制度,それから,子供にかかわる課題のうちの2点と国民健康保険問題についてお答えいたします。
敬老優待乗車証について,第1点目の高齢者の声をどのように受けとめているかについてでありますが,市役所にも,市民の皆様から,存続を希望されるご意見のほか,利用される方にご負担をいただくべきというご意見など,さまざまな意見が寄せられております。いずれも貴重なご意見として受けとめているところでございます。
また,元気ビジョンの
行財政改革の中に
敬老優待乗車証が挙げられていることにつきましては,昨日のご質問にもお答えいたしましたとおり,行政サービス水準と市民負担のあり方という観点から,制度のあり方について検討するものでございます。
第2点目と第3点目のご質問については,関連しておりますので,あわせてお答えいたします。
まず,市民の皆様にお示ししているデータでありますが,
敬老優待乗車証の事業費につきましては,一般会計予算や高齢者の福祉に関する他の事業費に比べ伸びが大きいことは事実でございます。
また,アンケートの実施に当たりましては,市民の皆様に客観的なデータをわかりやすく提供することに心がけてまいります。なお,この調査は,存続を目的として行う市民の意向調査でありまして,科学的なデータの分析を求めるものではありませんので,ご理解をいただきたいと存じます。
次に,子供にかかわる課題の1点目の乳幼児医療費助成の拡大についてであります。
先ほど青山議員にお答えしましたとおり,本制度は,保護者の経済的負担を軽減する観点から,重要な子育て支援策の一つであると認識をしております。他の政令指定都市における取り組みの状況は承知しておりますが,対象年齢を就学前まで拡大することにつきましては,新たに大きな財政負担を伴いますことから,引き続き,この制度の補助主体であります北海道に対し,早期拡大を働きかけるとともに,他の子育て支援策との整合性なども考慮し,検討してまいります。
次に,保育所の問題について一括してお答えいたします。
待機児童の解消は,最優先課題の一つと考え
ており,これまでも,地域の保育需要を見きわめながら,必要な地域には保育所を創設するなど積極的な施設整備に努め,平成14年度は750人というこれまでにない規模の施設整備を行いました。
また,札幌市においては,老朽施設も多いことから計画的に改築を進めており,その際には,乳幼児の併設化や待機児童解消のための定員増に配慮してきたところでございます。さらに,超過入所につきましては,弾力的な児童の受け入れ策として実施しておりますが,児童の保育環境の低下を招かないよう,施設と連携をとりながら対応しているところでございます。
今後も,地域の保育需要を的確に把握し,待機児童と超過入所の早期解消に取り組んでまいります。
次に,国民健康保険の問題についてお答えいたします。
1点目の国保料の引き下げについてであります。
保険料は,本来,医療費に基づいて決定される仕組みでありますが,本市では,加入世帯の負担に考慮し,これまでも一般会計から多額の繰り入れを行って,最大限,保険料の軽減,抑制に努めていたところでございます。
また,制度改革につきましては,これまで退職者医療制度の導入などさまざまな改革が行われてまいりましたが,急速に進行する高齢化,長引く経済不況などによりまして,国保財政は一層厳しい状況にあります。このため,医療保険制度の一本化など抜本的な改革について,これまで国に対し強く要望してきたところでございます。
現在,国におきましては,保険者の再編・統合等について検討を進めておりますが,引き続き関係機関と連携を図りながら,国保財政基盤の強化策なども含めて要望してまいります。
2点目の資格証明書についてでありますが,資格証明書は,法令により特別な事情があると認められる場合を除き,1年以上滞納を続けている世帯に対して交付が義務づけられているものであります。
加入者間の負担の公平を図るため,収納対策の視点から,資格証明書の交付に当たりましては,より一層,滞納者との折衝に努め,個々の生活状況や納付資力を十分把握した上での対応が重要であると考えております。また,関係要綱の改正に関しましても,このような視点での改正作業を現在進めているところでございます。
以上でございます。
○副議長(西村茂樹) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 私から,子供にかかわる課題のうち,30人学級についてお答えを申し上げます。
1点目の他の自治体の実施状況についてでございますが,少人数学級を実施している他都市の状況は,政令指定都市の全国会議,また文部科学省の資料などにより,把握はしているところでございますけれども,対象学年や学級規模など,それぞれさまざまでございまして,本市としてこれらの少人数学級の成果等について評価することは難しいと考えてございます。
2点目の生活集団と学習集団の考え方についてでございます。
学級には,子供の社会性の発達を促すという生活集団としての機能と,学力を育成するという学習集団としての機能がございますが,例えば,合唱やスポーツなどの行事におきましては,ある程度の集団の規模が必要であり,一方,子供たち一人一人に基礎的な学力を定着させるためには,少人数指導など個に応じた指導を行うことが効果的でありますことから,一概に生活集団と学習集団とが同一であることが望ましいとは結論づけられないものと考えております。
本市における少人数指導につきましては,このようなことから,あくまでも個に応じたきめ細かな指導を充実させるという観点で実施しているものでございます。
3点目の少人数学級のモデル事業につきましては,北海道において,現在,モデル実施校から提出のありました平成14年度分の実施報告などをもとに,その成果や課題等について検討・分析を行っているところでございまして,年内には,今後の少人数学級の方向性について,その考え方を取りまとめると聞いているところでございます。
このモデル事業は,全道25校の対象校が,日常の生活に関する基本的生活習慣の定着,学習に関する基礎・基本の定着など,四つの課題のうち一つをそれぞれ選択して研究を行うというものでございますので,本市モデル校を含め,その評価につきましては,北海道の全体評価の公表を待ちたいと考えております。
4点目の小学校低学年からの30人以下学級等の実施に対する,本市の対応についてでございますが,このことにつきましては,これまでもお答えしておりますとおり,きめ細かな教育の実現に向け,今後とも,国の第7次教職員定数改善計画に基づく,複数教員による少人数指導を積極的に進めるとともに,学級編制につきましては,国及び北海道の動向を見守るとともに,引き続き,このモデル事業に参加し,実践研究してまいりたいと考えているところでございます。
以上です。
○副議長(西村茂樹) ここで,およそ20分間休憩します。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後3時56分
再 開 午後4時20分
――
――――――――――――――――
○議長(武市憲一) これより,会議を再開いたします。
代表質問を続行します。
五十嵐徳美議員。
(五十嵐徳美議員登壇・拍手)
◆五十嵐徳美議員 私は,ただいまから,自由民主党第二議員会を代表いたしまして,本議会に付議されました諸議案並びに市政の諸課題について質問をいたしますが,質問に先立ちまして,私からも,このたびの十勝沖地震により被害を受けた方々に対して心よりお見舞いを申し上げますとともに,被災地の一日も早い復興を願うものであります。
まず初めに,教育問題についてお伺いをいたします。
今日,我が国を取り巻く社会的,経済的な環境は,急激に変化しつつあります。国際的なボーダーレス化の時代,人,物,金が自由に往来する国際社会を形成し,情報技術やバイオテクノロジーなどの科学技術の分野においても,世界レベルの知的競争がますます激しくなっております。こうした状況の中において,我が国は,少子高齢社会,デフレ経済など,将来の不透明な状況が続いております。
こうした中,これからの未来を担う子供たちが,どんな時代にあっても,直面するさまざまで困難な課題に立ち向かい,みずから乗り越えていく力を身につけることが重要であると考えます。まさに,人づくりが重要な課題であります。人づくりは,一朝一夕で結果が出るものではなく,将来を見据えた息の長い取り組みが必要であると思うのであります。教育は,学校教育,家庭教育,社会教育のすべてが連携をして,初めて健全な子供たちの育成につながるものと考えておりますが,ここでは,学校教育における役割についてお尋ねをいたします。
2000年にOECDが世界32カ国の子供たちを対象に行った学習到達度調査によりますと,我が国の子供たちは,数学的,科学的な分野ではいずれも1位グループにあり,学力は高い水準にあることが示されました。
しかし,同じ調査の中で,学習に対する意識調査の結果,宿題や自分の勉強をする時間については最低であり,趣味として読書をしないでは最も高い結果となり,学びに対する意欲が低い状況でありました。これまでの教育が,知識を身につけることには一定の効果を上げたものの,みずから学ぼうとする意識を持たせることには必ずしも成功したとは言えず,憂慮すべきことであると思います。
また,ことし8月,文部科学省が発表した平成15年度学校基本調査速報によれば,平成14年度の不登校の児童生徒は,小・中学校合わせて13万1,000人と,前年に比べ8,000人減少となり,年間30日以上の長期欠席者の調査を始めた平成3年度以降,初めての減少ということでありました。
しかしながら,平成3年の不登校長期欠席者は6万7,000人であったことを考えますと,減少したとはいえ,やはり,深刻な問題であるということは明白であります。本市においても,小学校で286人,中学校で1,239人,合わせて1,525人もの児童生徒がおります。
子供たちが学ぶ意欲を持ち,基礎学力を身につけ,すべての子供たちが自己実現を図り,また,将来,社会の構成員として必要な資質や能力の育成を図ることが義務教育に課せられた大きな役割であり,そのための努力を惜しんではならないのであります。
文部科学省より,「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」の答申が出され,それを受けて,ことし5月,画一と受け身から自立と創造へを基本理念とする教育の構造改革が発表されました。現状のさまざまな教育の課題を考えるとき,教育に携わるすべての関係者が心を一つにして,不退転の決意を持って取り組まなければならないと思うのであります。
現在,本市教育委員会として,札幌市教育推進計画策定会議を設置し,内部議論を進めるとともに,有識者の方々から外部の視点で広く意見を伺う,札幌市教育改革推進会議を立ち上げ議論していると伺っております。将来を担う札幌の子供たちがどうあってほしいのか,どうはぐくんでいくかという中長期のビジョンに基づいて,今後の教育行政に一貫性を持たせるものと,大いに期待をするところであります。
そこで,質問ですが,推進計画策定を進めるに当たって,教育委員会の資料の中では,札幌の地域性,独自性に合わせた教育行政が必要とあります。どのようなことが地域性,独自性と考えておられるのか,お伺いをいたします。
さらに,議論が始まったばかりでありますが,どのような方向性を持って議論を重ねていこうとしているのか,さらには,いつをめどにそれをまとめ実行していくのか,お伺いをいたします。
子供たちへの影響力は,保護者はもちろんのことでありますが,学校において日々子供たちと接する教員が大きくかかわってくるものと考えるのであります。
こんな話がありました。算数が嫌いだという子供に,なぜ算数が嫌いなのかと質問をしたところ,先生が嫌いだからとか,授業がよくわからないからという答えでありました。もちろん,人と人には相性が合う合わないといったこともあるでしょうが,まさに,教える人そしてその教え方に問題があるということではないでしょうか。
大多数の教員は,さまざまな教育研修を経て教壇に立ち,日々努力をしているものと思います。しかし,現実に指導力が不足している,または,この職に適していないという方もいるはずであります。これは,教員ばかりではなく,行政であれ,民間であれ,どんな職業においてもあり得ることであります。子供にとっての影響は,はかり知れません。
ことし9月12日に文部科学省が公表した調査結果によりますと,全国で289名の指導力不足教員が認定されました。北海道においても4人が認定されております。この問題は,長い間,教育現場においてタブー視されてきたことであります。
そこで,質問いたしますが,本市教育委員会として,指導力不足教員の判定基準はどのようになっているのか,お伺いをいたします。
次に,人事考課について伺います。
一般社会では理解しにくいことの一つに,教職員の勤務評定のことがよく言われております。法律としては勤務評定という制度がありながら,人事に反映されることがなく,勤続年数のみによって給料が決まるという現状であり,経験年数が少なくとも意欲ある教員が,努力しても報われないという弊害があります。
地方公務員法第40条第1項では,「任命権者は,職員の執務について定期的に勤務成績の評定を行い,その評定の結果に応じた措置を講じなければならない。」とあります。地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第46条には,
「県費負担教職員の勤務成績の評定は,地方公務員法第40条第1項の規定にかかわらず,都道府県委員会の計画の下に,市町村委員会が行うものとする。」と規定しております。
本市で言うならば,北海道教育委員会の計画のもと,札幌市教育委員会が行いなさいという法律がありながら,何と,北海道教育委員会はいまだにこの計画すら作成していないという現状であります。政令指定都市が所在する他の都府県は規定を持っており,一部を除く政令市は既にこれを実施し,効果を上げていると伺っております。現在まで放置してきたこの現状は異常であり,大きな問題であると指摘しておかなければなりません。
そこで,本市における勤務評定の実情は一体どのようになっているのか,さらには,今後の取り組みについてもお伺いをいたします。
次に,10年経験者研修についてお伺いいたします。
本市教育委員会では,今日までさまざまな研修を行ってきておりますが,平成14年の教育公務員特例法の改正で制度化されました10年経験者研修ですが,この研修は,従来の一斉研修ではなく,教員個々の能力,適性に応じて個別の研修方式で実施することとなっております。さきに述べた指導力不足教員についても同様でありますが,さまざまな研修は,教員としての指導力,資質の向上を図り,子供たちにとってより良好な学習の環境をつくることが目的であります。
そこで,この10年経験者研修の目的と,どのように実施されているのかをお尋ねいたします。
次に,週休2日制に移行し,授業時間の減少に伴う学力の低下が懸念されております。
文部科学省がことしの2月に発表した文部科学白書によりますと,諸外国の初等中等教育改革と題する章の中で,アメリカ,イギリス,ドイツ,フランス,中国,韓国の6カ国が掲載されておりました。
新しい学校づくりに共通しているのは,学力を第一の重要な問題としてとらえていることでありました。そして,アメリカ,イギリス,ドイツ,フランスなどの欧米では基礎学力をメーンに,中国,韓国,日本では創造性を目指すことを強調しておりましたが,基礎学力の定着と,それに基づいた個性や創造性をともに求めていることには変わりがないようであります。
その基礎学力がどの程度身についたか,客観的に考査し,それに基づいて指導のあり方や進め方を検討し,次なる実践へと進むべきであると思います。
東京都の荒川区においては,学力が子供たちにどの程度身についたかを検証するため,全小・中学生を対象にテストを実施いたしました。学習到達度調査及び学習意識調査から成るテストであります。その結果を,全国で初めて,学校別に公表いたしました。
その結果,教育の序列化,差別化と批判する声もあったようでありますが,荒川区の教育長は,学校名を公表したのは,各学校が互いに努力をし,子供たちの学力を向上させるため,そして,指導力不足教員の問題が取りざたされている今日,さらに研修を重ね,教え方の上手な先生になってもらいたいというコメントでありました。
私も,まさに同感であります。ともに努力し合って学力の向上につながるのであれば,大いに,本市も取り組む価値のあるものと考えます。序列化をするのではなく,到達していない子供たちの学力向上に結びつけていくことがこのテストの目的であり,できなかったことができるよう指導を受ければ,子供たちにとっても,自信につながり,学習意欲も高まるものと考えるものであります。
本市教育委員会において,このような取り組みによって,教員の指導力向上及び児童生徒の学力向上へとつなげていくお考えがあるかどうか,お伺いをいたします。
教育は,長い時間がかかるものだと思います。未来を担う子供たちのための教育が,資質の伴った教員によって行われることを願うものであります。
次に,都市づくりについてお尋ねをいたしま
す。
本市は,開拓以来,130年余りで全国有数の大都市へと成長を遂げてまいりました。とりわけ,戦後,急激な人口増となり,オリンピックの誘致・開催,政令指定都市への移行とともに都市が拡大をしてまいりました。平均降雪量5メートルという多雪寒冷という気候風土の中では,世界にも例のないことです。
人口増に伴う市街地の拡大を行う中で,無秩序な市街地の拡大を防止し,計画的に市街化するため,国が昭和43年に制定した新都市計画法を受け,市街化区域と市街化調整区域の線引きを昭和45年7月に指定し,その後,53年,60年,平成3年,10年と,全面的な見直しを行ってきたところであります。
このように,計画的な都市基盤整備を行ってきたことにより,現在まで,都市計画道路改良率では87.2%,下水道普及率で99.4%,上水道普及率では99.8%,公園・緑地整備率は市民1人当たり25.3平米,地下鉄総延長48キロと,全国の他都市と比較してもかなり高い水準であることが言えます。
近年,ライフスタイルの多様化に伴い,利便性の高い都心部での生活を望む人が多くなり,さらには,人口の増加が鈍化し,市街地拡大基調から,中心市街地の再整備へであったり,既存の市街地を有効に活用しながら都市づくりを進めていくという,大きな転換期が来ていると言えます。先日の第5回市街化区域と市街化調整区域との区分の見直しの都市計画審議会の諮問では,はっきりとその傾向があらわれておりました。
そこでまず,1点目として,これからの都市づくりの方向性について,市長のお考えをお尋ねいたします。
次に,市街化区域,調整区域の線引きについてです。
今も述べましたが,この線引きによって市街地が計画的,効率的に整備されてきたのも事実であり,その時代の中では大きな役割を担ってきたことも事実であります。しかし,市街化区域と調整区域を一本の線で境界線を引くことによって,制限が生じていることも事実であります。
それは,土地利用の可能性であります。市街化区域内においても,用途地域の指定により,さらにその土地利用を規制しているわけでありますが,調整区域においては,みずからの住居や農業における倉庫など,その他条件を満たすものについては許可するものがあるとなっておりますが,原則として,建築物は建てられないという制限を受けております。計画的な市街地の整備という一方で,みずから所有する土地が利用できないという現状にあります。
質問の2点目として,この線引きによって生じるさまざまな制限が存在することについて,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,現在,調整区域で生活している方々に,農業を経営されている方が多くおります。最近では,地産地消ということで,生産者の顔が見えるなど,地域の農産物はその地域で消費しようとのことであります。
我が国において,北海道は,農業生産の大きな役割を担っております。しかしながら,農業経営そのものが大変厳しい状況にあることも事実であり,札幌市内の都市型農業の場合においても同様に経営が大変厳しい状況にあると伺っております。農業には,広大な土地を必要とし,代々受け継がれて今日に至っておりますが,市街化の進展により農地も宅地となり,今の姿になってきたわけであります。
札幌市は,現状の中で,現在の農地を優良農地として保全に努めるとしております。しかしながら,現実の問題として専業での経営は大変難しく,兼業で農業を続けている方々が大半のようであります。現在,本市において農地の多面的活用や規制緩和による土地利用の仕組みがあるわけですが,例えば,ごく限られた方かもしれませんが,以前,水田をつくっていた方々は,現在,国の制度により転作による助成を受けておられます。この制度そのものについての賛否はありますが,この仕組みも,来年度から見直しとなると伺っております。
そこで,個々人の生活というところに目を向けると,土地はあるものの高齢化のため営農は難しい,また,調整区域という制約の中で,収入を得るものの事業化が難しいといった現状であります。186万人の市民の中では,ほんのわずかな市民かもしれませんが,まさに,現実に直面した課題であります。
本市が,ことし4月から5月にかけて行った都市と農業の新たな関係づくりの調査の中では,多くの市民は農業に対して好意的でありますが,今述べましたように,現実の課題も山積しております。
本市は,優良な農用地の保全に努めると言っておりますが,このような現状を踏まえ,今後,農用地の保全も可能で,農業経営者が安心し,また,将来に希望が持てるような施策を求めるものです。
本市の農業振興及び農業者の経営安定,そして,都市づくりとの兼ね合いについて,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,土地区画整理事業についてお伺いいたします。
土地区画整理事業は,道路,公園などの整備水準や宅地の利用効率が低い地域において,土地所有者が用地を提供し合い,公共施設の整備とともに宅地の再配置を行うことで,安全で快適な街づくりを進める事業であります。
本市における区画整備事業は,昭和23年に北海道が事業主体となって東札幌地区で着手したのが始まりであり,29年に札幌市が伏見地区に,39年には土地区画整理組合が北都地区で事業を開始したのであります。その後も多数の事業が行われ,現在では,市施行が東雁来第2地区,西宮の沢地区など5地区,組合施行が4地区,北海道住宅供給公社施行が1地区となっております。
住宅団地造成及び民間の開発事業とともに,人口増による都市の拡大の中で大変大きな役割を担ってきたわけであります。現在施行中のものも含めて,約6,400ヘクタール,民間の開発行為によるものが約2,100ヘクタールとなっており,多雪寒冷の大都市として発展し,国内はもとより,海外からも高い評価を得ている街に暮らす市民の一人としても,大変誇りに思うところであります。
しかしながら,今日,人口の伸びも鈍化し,長引く景気の低迷や地方財政が大変厳しい現状にある中,これからの事業のあり方を考えるときが来たというふうに思います。官民ともに行ってきたこのような事業を,今後は,民間の事業者の活力が生きるよう,民間主導の供給体制に移行すべきであると考えます。まさに,行政の果たす役割は,現在のところ終えたのではないでしょうか。
そこで,質問いたしますが,現在施工中のものはしっかりと完成を目指し,今後新たな市施行の区画整理事業は行わず,必要とされるものについては民間主体へと移行していくべきであると考えます。
今後の本市施行の土地区画整理事業の方向性について,市長のお考えをお尋ねいたします。
次に,東雁来第2土地区画整理事業について伺います。
土地区画整理事業や開発行為によって整備された市街地は,文化的で快適な住環境であり,多くの市民も望むと同時に,土地所有者の方々にとっては,市街化区域への編入により土地資産の有効利用が図られるという面があります。現在施工されている東雁来第2地区も,まさに地域の大きな期待を担い,その事業の推移が見守られているところであります。
しかしながら,当初計画の後,景気低迷が長引くなど事業環境の変化により,当初計画では平成21年完成というものを8年延長し,平成29年完成へと見直しがされたのです。地域の方々にとっては,大きな大きな失望となったのであります。そして,同時に,行政に対する大きな不信感にもなっていきました。
この区画整理事業は,本市と地元地権者1,319名による大きな共同事業なのであります。すなわちパートナーシップであります。地元地権者の協力なくしては,成り立たないものであります。
そこで,質問をいたしますが,平成29年といえば,あと14年後となります。多くの高齢者の方々は,自分の目の黒いうちに完成を見届けることができないと。そんなときに,私は,それじゃ,いつまでも長生きをしていただいて目を黒くしておいてくださいねと,冗談ともとれるようなとれないような現実の会話がございます。それだけに,この事業の長さに地域の方々は不安を持っておられます。
将来の街づくりに夢と希望を持ち,行政に対する不信感を払拭できるのは,市長みずからの言葉であります。この事業を確実に計画年度内に完成させるということをはっきりと明言していただきたいと思います。
今後の東雁来第2土地区画整理事業の取り組みについて,市長のお考えをお伺いいたします。
続いて,除雪問題についてお伺いいたします。
今年度も,間もなく雪の季節が参ります。
市政に対する要望,評価の調査において,やはり,1位が除雪の問題でありました。平均5メートルもの降雪のある大都市としては,ここに人が暮らす限り,ずっと上位を占めるものだと思うのです。その一方で,よくやっている施策の2番目にも,昨年に引き続きランクされているということは,見逃すことはできません。
本市は,平成12年度より,雪対策基本計画を策定し,愛称をさっぽろSCOPと名づけて,大きく五つの目標を掲げ,その達成に向け取り組んでこられたわけであります。市長は,さきの肉づけ予算においても,過去最高額となる除雪の予算を組まれたわけです。
まず,除雪業務の発注ですが,今年度も幹線マルチ,地区マルチ,雪堆積場の公募入札を実施し,また,これから実施しようとしております。しかしながら,公募の件数が1社のみで再公募を余儀なくされたのも事実であります。この現状を考えたときに,業者にとって,決して魅力のある公共事業ではないということが言えるのではないでしょうか。
受注業者は,日々,市民の方々との調整,苦情などの対応,または除雪作業の多くは深夜に及び,その実態は大変な作業であると思うのです。今日の除雪業務は,従前の建設業の端境期的な業務ではなく,より専門性を大きく求められている現状であります。
しかし,経済不況の中で体力の低下した業者が保有する除雪機械の更新の問題,官貸車の貸与のあり方,除雪技術の水準を維持するための方策など,さまざまな課題を抱えております。
市民ニーズの最も高い,行政・企業・市民の協力で成り立っている,この除雪という業務について,市長はどのような認識をお持ちか,お伺いをいたします。
2点目として,市内にも市街地,郊外というようにマルチの地区内においてもさまざまな気象条件や立地の違いによって,その作業条件も違ってまいります。それぞれの地域において市民の満足を得ようとするなら,よりきめ細かい対応が必要とされ,それは地域住民との信頼関係の上に成り立つものではないでしょうか。
シーズンが終了し,来シーズンに向け問題点を整理し,解決の方法を見出しながら,翌年度は,新たな入札により新たな業者にかわれば,改めて市民とのコミュニケーションが必要となるわけであります。
そんな点から,現在は1年ごとの契約でありますけれども,例えば3年くらいの複数年契約といったことが可能かどうかということであります。弁護士という法律家としての,または,行政サービスを行う市長としての両方の立場がおありかと思いますが,市長の見解をお伺いさせていただきます。
3点目として,さきにも述べましたが,おおむね10年の目安として取り組んでいるのがさっぽろSCOPであります。この進捗状況は,現在のところどの程度になっているか,お伺いをいたします。
4点目として,市民ニーズの高いこの除雪作業がさらに市民の満足を得られるように,その地域の住民と行政,企業が,シーズン終了と同時に来シーズンへ向けたさまざまな意見交換の中から,よりよい作業が提供できるようなしっかりとした
仕組みづくりを確立すべきであると思いますが,市長のお考えをお尋ねいたしま
す。
続いて,ごみ問題についてお伺いをいたします。
21世紀になって,はや3年,私たちが日常生活を営む現代社会においては,大量生産,大量消費,そして大量の廃棄物の発生により環境への負荷を容認してきた経済社会システムから,廃棄物を抑制し資源やエネルギーとして循環利用が促進され,環境に与える影響を最小限に抑えた経済社会システムとしての資源循環型社会に向けた都市づくりが喫緊の課題となっております。
本市は,平成12年3月に,新しい一般廃棄物処理基本計画,さっぽろごみプラン21を策定し,プラスチックの分別収集を初めとする,さらなるごみ減量・リサイクルを強力に推進してまいりました。その結果,平成12年度,家庭ごみの1日1人当たりの排出量は714グラムと減量が図られ,発生抑制と資源化についての市民の意識向上が定着してきたと考えられます。
一方,本市におけるごみ処理事業費は,平成14年度決算でも総額約258億円と,一般会計の約3.2%を占め,これを市民1人当たりに換算すると,年間約1万4,000円の費用がかかっております。その内訳として,施設建設にかかわる費用が全体の約31%,収集処理などの運営にかかる費用が約38%,職員費が約31%となっております。ごみ処理事業費の推移を見ると,平成14年は平成元年と対比して1.3倍,中でも,収集処理などの運営費については1.9倍にも膨らんでおります。
今後,廃棄物の少ない都市札幌を実現するためには,行政だけではなく,市民,事業者も相互に協力し合い,自主・自立の精神でごみ減量に取り組むことが求められております。市民,事業者が,環境を重視した生活を営み事業を進めることにより,物があふれる現在の仕組みとは違った,活力と豊かさが創出されるとともに,環境への負荷が低減された安全と安心が実感でき,孫子の代までより住みよい街づくりが実現できると確信するものであります。
しかしながら,懸念されることは,ごみ質の多様化に伴う収集運搬費などの処理経費増大のほか,処理施設における新たなダイオキシン対策などの環境対策費,さらには,容器包装リサイクル法への対応など,リサイクルを推進するための経費の増加が考えられます。
本市のさっぽろごみプラン21では,拡大生産者責任の考え方の普及促進や家庭ごみの有料化の検討などにより,ごみ発生・排出抑制の
システムづくりを進めております。また,ごみ減量・リサイクルを効果的に進めるため,市民フォーラムの開催など市民議論を活性化する場の設置など,新たな取り組みを進めることとしております。
その一環として,平成14年度から,法体系や拡大生産者責任の考え方の普及,費用負担のあり方について情報提供などを行うとともに,現在実施している清掃事業の施策及び今後の方向性,市民・事業者・行政の適切な役割分担などについて三者の共有化を図るため,さっぽろごみフォーラム運営事業をしていることは承知しております。
そこで,質問をいたします。
市長は,西区タウントークの中でも,ごみの有料化という視点も一つの材料であると発言をされておりました。
1点目として,有料化したとするならばどのような効果が期待できるのか,お伺いいたします。
2点目として,有料化した場合にはどのような課題が考えられるのか。
さらには,3点目として,他都市の有料化の現状と,札幌市として取り組む今後の基本的な考え方をお伺いいたします。
続いて,児童虐待についてお伺いをいたします。
連日,子供が関係する凶悪な事件,事故が報道されるたびに怒りを感じるものです。中でも,児童虐待は怒りと同時に大きな悲しさをも感じるわけであります。未来を担う子供たちを健全にはぐくもうとする意識,行動はだれもが共通しているものと思うのでありますが,さまざまな事例を見ると,決してそうではない現実を受けとめなければなりません。
資料によりますと,平成14年度末,児童虐待相談件数は,全国で2万3,738件,北海道分では485件,本市においては226件となっており,平成10年度を100とした場合,それぞれ国は349,道は545,札幌市は181となっており,極めて高い数字で推移しております。
内訳としては,身体的虐待が約30%,心理的虐待が約7%,性的虐待が約4%,ネグレクト,すなわち育児放棄または養育拒否とも言われているものでありますが,それが60%を占めております。
さらに,その対象年齢が,小学校以下の子供たちが実に全体の80%以上を占め,驚くことに加害をするのは,実母が虐待をしているというのが約70%,実の父を加えると80%を超える内容となっております。信じがたいことでありますが,事実として受けとめなければなりません。
この問題は,一個人の問題ではなく,広く社会全体で取り組むこととして,平成12年11月に児童虐待防止法が施行され,その権限や各関係機関の連携を明確にして,被害に遭った子供たちの保護などに取り組んでいるところであります。隣人が通報する件数もかなりふえているようでありますが,実際には,その8割が非虐待とのことでありますけれども,ある調査によれば,報告事例の3倍は現に起こっているという報告もあります。無関心を装っていては,虐待を防止することはできないのではないでしょうか。
まず,市長にお尋ねいたしますが,本当に起きてはならない,起こしてはならない児童虐待について,この現実をどのようにとらえられておられるか,お伺いをいたします。
このような児童の福祉に関して,児童相談所がその役割を大きく担っているわけであります。少子化の進行や家庭や地域の子育て力の低下など,多様化・複雑化している今日,専門機関である相談所は大きな存在であります。児童虐待に関しては通報による8割が非虐待とのことでありましたが,法律による対応,対処のルールはできているものの,実際の現場では,個々のケースにより,対応に大変ご苦労をされていることと思います。なぜなら,被害に遭った子供たちにとっては,生涯の痛手となることは明白だからです。
この問題は,ただ単に報告,通報のあったケースの対応ばかりではなく,一方で,虐待の予防も大変重要な課題であります。この部分では,保健センターが子育て支援の中で役割を担うわけでありますが,個々のケースのノウハウを持ち合わせる児童相談所との密接な連携が重要と思われます。児童の福祉全般を取り扱う児童相談所の見直しが,現在,国において議論されていると伺っておりますが,より専門性を高めていくべきであるとの意見もあります。
この問題は,行政だけで解決できるものではなく,地域社会全体で取り組み,子供たちの健全な成長に寄与しなければならないと思うのであります。行政の分野においては,今後とも,児童相談所が中心的役割を担い,さまざまな関係機関とより連携を深めること,さらには,多くの市民にこの実態をもっと広く知らせ,関心を持った多くの市民,隣人によって未然に防止できるよう取り組むべきと考えます。
このような視点から,市長の今後の児童相談所の取り組みについての考えをお伺いいたします。
次に,財政問題についてお伺いをいたします。
本市は,さきにも述べましたように,今や186万人を有する北の大都市として成長し,今日まで,その急激な人口増に対応すべく着実に社会資本整備を進めてまいりました。しかし,長引く景気の低迷,地方分権の進展,さらには少子高齢社会などの社会情勢の変化により,今,大きな転換期を迎えております。
本市は,言うまでもなく,地方交付税など国に依存する割合が大変高く,政令指定都市の中でも財政基盤が脆弱であります。地方分権の動きが本格化する中で,地方交付税制度の簡素化などに向けた見直しが進められており,今後は,国,地方を通じた財源不足の影響など,行
き先は不透明であると言わざるを得ません。
我が党は,これまでも徹底した
行財政改革を求め,議会においてさまざまな議論,提言もしてまいりましたが,今後,市税を初めとした歳入の伸びに多くの期待ができない中,政令指定都市移行後に急速に整備を進めてきた多くの公共施設の改修や更新を迎えること,大量に採用した職員の退職金の支給のピークを迎えること,また,市債の償還がさらに増大していくなど,これらの経費が財政運営を大きく圧迫することが明白であります。さらなる
行財政改革を確実に進めていくことが必要であると強く考えるのであります。
特に,人件費,扶助費などの義務的経費は極めて硬直性が高いことから,今までは,歳出の見直しの面では,ある意味,聖域と言われておりました。
しかし,人件費については,事務事業の外部委託化を推進していくことや,組織体制の見直しによる職員定数の削減,さらには,給与制度そのものの見直しなど,今後においても,一層の努力と確実な実行を強く求めるものであります。
また,扶助費についても,生活保護の不正受給の対策を強化することにより,生活保護の適正化にしっかりと取り組むことが重要であります。
さらには,準義務的経費とも言える一般会計から他会計への繰出金などについても,おのおのの特別会計,企業会計において経営改善を図り,繰出金の抑制に努めなければならないと考えます。
市税などの一般財源がほぼ横ばいの中で,義務的経費を中心とした一般行政経費の割合がふえ続け,その結果,政策的な経費に使える一般財源の割合が減少してきているのが実情であります。
そこで,質問でありますが,市長は,この義務的経費を含めた一般行政経費と言われているものについて,今言いました聖域であるとお考えであるかどうか,お伺いをいたします。
私は,聖域とせず,しっかりと見直しに取り組むべきと考えますが,見直しが可能とするならば,どのような視点で取り組んでいかれるのか,お伺いをいたします。
さらには,一般行政経費の見直しを積極的に進め,例えば,子育て支援,地域経済の活性化策など,行政として喫緊に対応を迫られている分野への政策的な予算として重点的に配分すべきであると考えますがいかがか,市長のお考えをお伺いいたします。
最後に,市役所改革についてお尋ねをいたします。
市長は,札幌市のリーダーとなるべく,決意を持って厳しい激しい選挙戦を2度も戦い,勝ち抜いてこられたわけであります。一市民として,外から市役所すなわち行政を見てこられたことと思います。就任以来4カ月,毎日毎日が激動の連続であったと思いますが,市長をトップとして幹部,職員とともに,市民の負託にこたえることは,多様化した市民ニーズがある中で,さまざまな決断,実行力が求められると思うのであります。
市長は,さきに施政方針,さっぽ
ろ元気ビジョンを発表されました。新しい市長として果敢に挑戦していこうという意気込みは当然のことと思います。この中で,市長は,市民の皆さんとともに,元気あふれる札幌の街づくりを進めていきたいと言われております。市民の皆さんとともにということは,行政と市民,すなわち市長を含めた市職員一緒になって元気な札幌をつくりましょうと理解をするのでありますが,残念ながら,最近,職員の不祥事が相次いで公表されていることは,市民の信頼を大いに損なっております。どんなにすばらしい政策や理念を掲げても,互いに信頼できなければ,何も実現することはできないのではないかと思うのです。
そこで,お尋ねをいたします。
どうして,こうも不祥事が続発するのでしょうか。その要因,背景は何であるとお考えですか,お伺いをいたします。
市役所改革,言いかえれば職員の意識改革による意識の向上が必要ではないかと思います。
市長が掲げる政策公約を実現し,さらには市民の信頼を回復させるために,市長として,リーダーとして,今後どのように対応していかれるのかお伺いをし,私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(武市憲一) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 五十嵐議員からのご質問は8点に及びますので,そのうち,私からは,都市づくりについて,除雪問題について,それから財政問題,市役所改革について,この4点についてご答弁申し上げ,その余は関係助役からご答弁をさせていただきます。
まず,都市づくりについてのご質問についてお答えをいたします。
1点目のこれからの都市づくりの方向性についてでございますが,今後の都市づくりにおいては,人口増加の鈍化,少子高齢化の進展,財政上の制約,さらには全世界的な課題となっております地球環境問題などへの対応を図りながら,地域のコミュニティーの活力を高めていくということが必要であると考えます。
また,これまでに整備されました都市基盤等を上手に活用し,都市としての魅力を維持し高めていくことに重点を置いたコンパクトな都市づくりへ転換をするということが求められていると認識をいたしております。
その際には,市民とともに考え,取り組んでいくということが大切でございますので,自分の街に誇りを持って安心して暮らせるように,あすを担う子供たちに責任を持って引き継いでいける都市づくりを目指すことが必要だと考えております。
2点目の線引きによって生ずる制限についてでございます。
線引き制度は,無秩序な市街化を防止し,計画的な市街化を図るために,市街化区域と市街化調整区域を区分いたしまして,市街化区域においては,効率的で計画的な市街地整備を図る一方で,市街化調整区域においては,市街化を前提とするさまざまな行為を原則的に抑制するというふうにされているところでございます。特に,市街化調整区域における土地利用の制限は非常に厳しいものでありますけれども,制度の趣旨を踏まえるならば,今後も,あるべき都市の規模,あるいは都市としての機能を維持していく上でやむを得ないものと考えております。
ただし,これまでのような形での市街地の拡大を見込むことができない状況においては,法律の基本理念や目的,さらには今後の都市づくりの方向性に反しない形で,市街化調整区域においても,その特質を生かした土地利用のあり方について,さらに検討していく必要があると考えております。
3点目の農業振興及び農業者の経営安定と都市づくりの兼ね合いについてでございますが,札幌市の農業を取り巻く状況は大変厳しいものがございますが,農業が健全な都市づくりの中で果たす役割につきましては,市民への新鮮で安全な農畜産物の提供を初め,緑地空間の維持や教育的な側面など大変大きなものがあります。経済的側面だけではなく,都市空間を構成する要素としても評価すべきものであると認識をしているところでございます。
こうした中で,農業振興と農業者の経営安定化につきましては,地元でとれた農畜産物を地元で消費するという地産地消を基本理念とした取り組みを一層推し進めるというふうなこととともに,地元農産物の学校給食への積極的な導入など,より安定的な需要を確保する取り組みを進めているところでございます。
地道ではありますけれども,着実にこうした取り組みを進め,市民の方に理解され支援をいただけるような農業を目指していきたいと考えているところでございます。
次に,除雪問題についてお答えをいたします。
まず,1点目の除雪業務に対する私の認識でございます。
除雪につきましては,市民の関心も高く,冬期間における道路交通の確保や市民生活を支える上で重要な事業でありまして,市民,企業の協力が必要不可欠なものと認識をいたしております。
また,除雪に対する市民ニーズの多様化と厳しい
社会経済情勢の中,企業における除雪機械のあり方などについても重要な課題であるというふうに受けとめているわけであります。
今後も,時代の要請に的確に対応した総合的な視点に立った雪対策の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えているところであります。
2点目の複数年契約の可能性についてでありますけれども,除雪業務というのは,ご承知のように冬期間のみでございまして,年度内に終了する業務でございます。また,業務量や契約内容など年度ごとに変動する要素が多数ございます。さらには,透明性や競争性の確保といったものが必要であることから,複数年の契約をするということは非常に難しいというふうに考えているところでございます。
次に,3点目の雪対策基本計画,さっぽろSCOPの進捗状況についてでありますが,札幌市では,より効果的・効率的な雪対策に向けて,平成12年度から平成21年度までの10カ年を計画期間とする雪対策基本計画を推進しておりまして,現在,3年が経過しているところでございます。
施策ごとの進捗状況を見ますと,これまでのところ,市民要望の高い歩車道の凍結路面対策や渋滞対策としての交差点除雪などでは早いペースで推移をいたしておりまして,ロードヒーティングの停止や計画除雪では多少遅いペースとなっておりますけれども,全体といたしまして,おおむね順調に推移しているところでございます。
今後も,基本計画の目標の達成に向けて努力してまいりたいと考えているところでございます。
さらに,4点目のよりよい作業を提供できるような仕組みの確立についてでありますけれども,これまでも各マルチゾーンを単位といたしまして,市民・企業・行政で構成されております地区除雪連絡協議会を中心に,シーズン前後にかけて除雪計画や作業方法等に関する意見交換を行ってきたところでありまして,今後も,より地域に根差した除雪サービスが提供できるように,市民との対話を充実させてまいりたいというふうに考えております。
続きまして,財政問題についてであります。
1点目の義務的経費を含めた一般行政経費に対する認識と,2点目の見直しに当たっての視点については,一括してお答えをしたいと思います。
さっぽ
ろ元気ビジョンでは,市民の力みなぎる,文化と誇りあふれる街を街づくりの目標に掲げておりますが,これを市民とともに進めていくためには,市民の視点,生活感覚を持ちながら,伸ばすものは伸ばし,変えるものは思い切って変えていくということが必要であると考えております。
このことから,これまでの
行財政改革の取り組み等をも踏まえまして,さっぽ
ろ元気ビジョンに盛り込まれている理念,考え方に基づいて,すべての事務事業の総点検を行うように,先般,指示をしたところでありまして,議員ご指摘の人件費や扶助費などの義務的経費を含め,従来から継続している事業といえども聖域化することなく,根本から見直しを図ってまいりたいと考えておるところであります。
次に,行政としての対応を求められている分野への予算の重点的配分についてでございます。
今後想定される厳しい財政状況にあっては,議員ご指摘のとおり,これまで以上の予算の重点的配分が必要であると考えているところであります。
このために,平成16年度予算の編成に当たりましては,さっぽ
ろ元気ビジョンに掲げます経済,共生,環境,芸術・文化,人づくりなどの各重点戦略課題について,予算編成方針を決める前に市長プレビューを実施いたしまして,積極的な政策,施策の論議を行いまして,予算の重点化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
次に,市役所改革についてでございます。
最近,本当に市民の皆様の信頼を損なう不祥事が続いたことにつきましては,まことに残念に思っているところでございますし,市民の皆様におわびを申し上げなければならないというふうに考えるところでございます。
その要因,背景というものはいろいろありますけれども,いずれの場合においても,公務員としての自覚が不十分であったことが大きな原因であると考えているところでございます。
このため,市民の信頼回復と職員の服務規律の徹底のために,懲戒処分の公表基準を早急に作成いたしまして,9月1日から実施に移すなど,再発防止に向けて努めているところでございます。
私は,公務員としてのモラルを支えるのは,仕事に対する熱意であったり,前向きに取り組む職場の風土だというふうに思っております。さっぽ
ろ元気ビジョンの中で,「市民のために!挑戦する市役所」というスローガンを掲げましたが,これを単なる合い言葉に終わらせてはならないというふうに思っているところであります。私も含めまして,幹部職員から担当職員に至るまで一人一人が,この言葉の持つ意味をしっかりとかみしめて,自分たちは市民のために今何をするべきなのかということを考えて,行動を起こし,これを市民に示していかなければならないというふうに思っているところであります。
最近,区役所などの各職場を回る中で,私自身,職員にいろいろなことを呼びかけておるところでありますが,職員みんなが,市民のためにあるのだという原点に立ち戻るところから,市役所改革を進めなければならないと考えているところでございます。
私からは,以上でございます。
○議長(武市憲一) 田中助役。
◎助役(田中賢龍) 私からは,土地区画整理事業についてお答えいたします。
まず,今後の札幌市施行の土地区画整理事業の方向性についてでございますが,新たな市施行の土地区画整理事業については,民間活用等も含めたほかの事業手法との適切な連携や役割分担を図り,都心部やJR,地下鉄駅周辺及び密集市街地など既成市街地での活用については,検討する必要性があると認識しております。
また,先ほど都市づくりのご質問に対して市長からお答えしましたように,これからの都市づくりの方向性を踏まえますと,市街地外縁部での宅地供給型の土地区画整理事業については,現在施工中のものを除き,実施する必要はないものと考えております。
次に,東雁来第2土地区画整理事業についてでございますが,この事業は,東区はもとより,本市全体の計画的な街づくりにとって重要な事業の一つでございます。
しかしながら,長引く不動産需要の低迷や地価下落など,この事業を取り巻く
社会経済環境は厳しい状況にありますので,地域のイメージアップや付加価値を高め,かつ施行期間内での終了を第一といたしまして,今年度中に土地利用の見直し案を策定する予定でございます。
したがいまして,今後は,この見直し案に基づき,地元の皆さんにもご理解をいただきました平成29年度までの終了,完成に向けて,着実に事業を推進してまいる所存でございます。
私からは,以上でございます。
○議長(武市憲一) 福迫助役。
◎助役(福迫尚一郎) ごみ問題につきまして,私の方からお答えさせていただきます。
1点目のごみ収集の有料化によってどのような効果が期待できるのかということでございます。
一口に有料化と申しましても,さまざまな方式がございます。今,ここでは,排出量に応じてごみ処理料金を徴収し,さらに,焼却・埋め立て処理するごみとリサイクルするごみとの間に料金格差を設けると仮定いたしますと,一般的に,廃棄ごみの減量,リユース・リサイクルの促進,排出者責任の明確化,そして,ごみ処理費用の低減などの効果が期待されると言われているところであります。
しかしながら,これらは,有料化にあわせて実施されますさまざまな施策との相乗効果によるものと認識しております。
2点目のごみ収集を有料化した場合に,どういうような課題が考えられるかということでございます。
これにつきましても一般論となりますが,有料化の条件や地域特性によりましては,減量効果が一過性となる可能性があるということ,また,不法投棄が増加するおそれがある,そういうことなどが考えられます。
それから,3点目の他都市の状況と札幌市の今後の基本的な考え方についてでございます。
他都市の状況についてでございますが,環境省の平成12年度の調査によりますと,全国の3,250の市町村のうち72%が有料化を実施しております。また,北海道市町村会の平成13年度の調査によりますと,道内の市町村の32%が有料化を実施しております。ただ,政令指定都市では,実質的な有料化を実施しているところはございません。
本市の今後の基本的な考え方でございますが,基本的には,ごみの減量化に有効かどうかという視点から有料化を検討すべきものと考えているわけでございまして,社会経済状況あるいは行政サービスの安定的供給など,さまざまな観点からの幅広い市民議論を踏まえて検討をすることが必要であると,このように考えております。
以上でございます。
○議長(武市憲一) 小澤助役。
◎助役(小澤正明) 児童虐待につきまして,私からお答えいたします。
児童虐待の現状認識についてでございますが,子供の心身の成長,人格の形成に重大な影響を及ぼす児童虐待が増加していることはまことに残念なことでありまして,子供の権利擁護の観点からも大変重要な課題と強く認識をしているところでございます。
次に,今後の児童相談所の取り組みについてでございます。
平成14年度には,児童虐待対応担当課を設置したほか,児童虐待対応相談員を配置し,土曜日,日曜日でも24時間対応できる体制の整備などを進めてきたところでございます。今後とも,市民への啓発活動を行うとともに,市の部局はもとより,各関係機関,地域住民などとの連携をより一層強めて,子供が安心して暮らせる環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(武市憲一) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 教育問題につきましてお答えを申し上げます。
1点目の札幌市教育推進計画の策定についてお答えをいたします。
まず,札幌市の地域性や独自性についてでございますが,本市は,明治2年に開拓使が設置されて以来,130年余の間に目覚ましい発展を遂げ,人口約186万人を擁する大都市に成長する一方で,緑豊かな自然環境に恵まれ,四季の移り変わりを鮮明に感じ取ることができるなど,他の大都市には見られない特徴を有しております。また,人口の流動性が高いために,地域とのかかわりが比較的薄いとも言われております。
こうした地域性を踏まえながら,本市教育の独自性をどのように打ち出せるかにつきまして,まさに札幌市教育改革推進会議において,現在,議論していただいているところでございます。
次に,策定の方向性と策定時期についてでございますが,札幌市教育改革推進会議におきましては,今後の本市教育の方向性等についても検討をしていただいており,その中で,本市の子供たちの現状や課題等を踏まえ,他人を思いやるなどの豊かな心をはぐくむとともに,子供たち一人一人に応じたきめ細かな指導を行い,確かな学力を身につけさせるための方策等について,さまざまな角度から議論していただいているところでございます。
今後,本市教育改革の方向性等について答申をいただきまして,今年度内に推進計画を策定したいと考えているところでございます。
次に,2点目の指導力不足教員の判定基準についてであります。
現在,適切な指導を行えない教員の資質,能力の向上を図る制度の確立に向けまして,学識経験者,医療関係者等の有識者から成る指導力向上制度検討委員会を設置し,その中で,判定基準についても,学習指導,生徒指導,学級経営などにおける指導力の状況等の観点から検討を行っているところでございまして,今年度中には,これを定めたいと考えております。
次に,3点目の教員の人事考課制度の実情についてお答えいたします。
小・中学校教員の勤務成績の評定につきましては,ご指摘のありましたとおり,北海道の規定は制定されておりませんが,本市では,定期的に校長との協議を行い,その際に勤務実態に関する情報等も把握し,人事異動等の資料としているところでございます。
一方,国において,公務員制度改革,また県費負担教職員制度の見直しの検討が進められるなど,教育制度を取り巻く状況は大きく変わりつつありますことから,文部科学省は,今年度,各都道府県及び指定都市教育委員会に対しまして,教員の評価に関する調査研究の実施を委嘱しているところでございます。
本市も,この委嘱を受けておりますので,年度内に検討委員会を設置いたし,評価システムのあり方及び評価結果の人事管理への活用方法などについて検討することとしております。
次に,4点目の10年経験者研修についてお答えいたします。
10年経験者研修は,在職期間が10年に達した教諭等の資質向上をねらいとし,本年度から制度化されたものでございます。
本市におきましても,長期休業日を中心に,教育センター等で教科指導や生徒指導など17日間の校外研修と,授業実践や学級経営などの校内研修を20日間計画しているところでございます。既に,夏休み中に10日間ほどの研修を実施いたしましたが,教員の意欲向上も見られ,授業づくりの新たな見方や苦手分野克服の機会となっているところでございます。
次に,5点目の札幌市としての学力調査についてでございますが,教員の指導力の向上と子供の確かな学力の育成に向け,児童生徒の学力の状況等を把握いたしますことは,極めて重要なことであると認識をいたしております。
したがいまして,本市といたしましても,児童生徒の学力調査の実施に向けまして,その内容や方法,また,その結果の取り扱いについて慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(武市憲一) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し,明日10月2日午後1時に再開したいと思いますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(武市憲一) 異議なしと認めます。したがって,そのように決定します。
――
――――――――――――――――
○議長(武市憲一) 本日は,これで散会します。
――
――――――――――――――――
散 会 午後5時27分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 武 市 憲 一
署名議員 西 村 茂 樹
副議長 勝 木 勇 人
署名議員 小 田 信 孝...