20番 三 浦 芳 一 議員 21番 伊 東 秀 浩 議員 22番 山 崎 雅 俊 議員
23番 細 田 昌 孝 議員 24番 遠 藤 英 樹 議員 25番 榎 本 守 明 議員
26番 熊 木 照 明 議員
〇欠席議員(1人)
8番 林 冬 彦 議員
〇説明者
菅 原 文 仁 市長 豊 島 浩 明 副市長 吉 野 博 司
企画財政部長
山 上 睦 只 総務部長 五 條 宏
市民生活部長
櫻 井 聡
健康福祉部長 早 川 昌 彦
都市整備部長
内 山 敏 哉
市長公室長
開 議 10時00分
△開議の宣告
○石川清明 議長 これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元にお配りしたとおりでありますので、御了承願います。
△(続)一般質問
○石川清明 議長 一般質問を続行いたします。
順次、発言を許します。
18番、
酒井郁郎議員。(拍手)
◆18番(
酒井郁郎議員) おはようございます。戸田の会の酒井郁郎です。今回、高齢者の
肺炎予防について、一般質問をさせていただきます。
質問に当たりましては、
RSウイルスワクチンを取り扱う製薬企業である
グラクソ・スミスクライン株式会社から一部資料の提供を受けておりますことを最初に申し上げさせていただきます。当然ですが、発言については、自身の判断で行っております。
さて、2022年の
総務省統計局の報告によりますと、肺炎による死亡者の98%は65歳以上の高齢者であるとの数字が示されております。資料がございますので、適宜御参照いただければ幸いです。
肺炎は、50歳代から徐々に増え始め、70歳前後から加速度的に死亡率が上昇してまいります。一口に肺炎といっても、風邪やインフルなどの感染症を発端としたものから、誤嚥性肺炎、またCOPD、
慢性閉塞性肺疾患、心疾患など、他の病気に合併するものなど、多岐にわたっていることから、一概に論じることは困難であります。しかしながら、今後ますます肺炎による死亡は増えると予想されており、高齢者の大きなリスクであることは間違いありません。肺炎で亡くなる人は、国内では年間約7万人と推計されており、長く死因の第4位だったものが、2011年にはがん、心臓病に次いで第3位となり、現在でも第6位の誤嚥性肺炎と合わせると、老衰を抜いて第3位を維持しております。さらに、2017年、ガイドラインの変更により、終末期の肺炎による死亡の多くは、肺炎死亡ではなく、老衰と分類されるようになったこともありまして、老衰死亡の多くは肺炎による死亡であると言われております。それに関連し、菅原市長は、人生100年時代の健康維持を公約として掲げておられます。
肺炎予防のような地味であっても重要性の高い取組を積極的に行っていくかどうかは、取組への本気度が試される試金石として注目されるのではないでしょうか。
さらに、高齢者の肺炎は、心当たりがない、また、気がつかないうちに進行することも多く、特に高齢の場合、肺炎になっても無症状のまま重症化し、短期間のうちに亡くなるケースも多くあります。高齢者の場合、慢性の心疾患や
呼吸器疾患、糖尿病などの基礎疾患を持っている方も多いため、免疫力の低下から、肺炎などの感染症にかかりやすく、かかれば重症化しやすい傾向が顕著であります。また、たとえ基礎疾患がなく、元気に過ごしていたとしても安心はできません。特に75歳以上の
後期高齢者は、肺炎をきっかけに体力が低下し、介護が必要になることもあり、さらに亡くなることもあり得ます。
私ごとですが、自身も40代で二、三回、肺炎にかかるという経験をしております。今思えば、寝不足、その他の要因で免疫力が大きく下がっていたのだと思いますが、そのときは、40度を超える熱が出て、病院に行ったところ、お医者さんに、この薬で治らなければ入院してくださいと言われました。入院しても治らなかったらどうなるのだろうかと、ちらっと思ったりもしたのですが、私の場合は、運よく入院の手前で治りました。その人の体の状態によって、入院しても治らない場合は、もう後がないということになります。気がつかないうちに重症化し、時には、最後、呼吸ができない非常に苦しい死に方になることもあると聞いております。今思えば、
ワクチンで防げるのに、その努力をしなかったがために死ぬ、そのような残念な死に方は絶対に嫌だなと思います。昨年、戸田市で肺炎死した約70人の方の中にも同じことを思った方も多かったのではないかと推察いたします。
新型コロナのときも、知っている高齢者が元気そうにしていた、その翌日、突然亡くなったこともありました。その一方で、
ワクチンの接種については、高齢の知り合いの中にも、血圧が高いからであるとか、前回打ったときに腫れて大変だったからであるなどで、打てそうなのに打たない人も周りに何人もいました。
新型コロナだけではなく、肺炎球菌や
インフルエンザなど、高齢者の
肺炎予防のための
ワクチンについても、打てるのに理由をつけて打たない人は多いのではないかと思います。迷わず打つよう、背中を押すのも価値ある仕事ではないでしょうか。
また、本人のためばかりではなく、
社会保障費が増加の一途をたどる中、高齢者の肺炎による医療費や介護への影響も大きな問題だと思われます。入院治療も必要になり、退院できても介護が必要になり、介護度も上がるため、医療費はもちろん、家族や介護施設、人手不足の介護人材にも負担が増えると思われます。そのため、国をはじめ、地方自治体では、積極的に高齢者の
肺炎予防に取り組んでおり、2014年からは、65歳以上の高齢者を対象に
肺炎球菌ワクチンの
定期接種化、公費助成がスタートし、また、
インフルエンザ、
新型コロナの予防接種も公費助成されております。
そこで、お聞きいたします。(1)として、高齢者の
肺炎予防への取組について、(2)として、
ワクチン接種の接種率の向上について、お伺いいたします。
続いて、
RSウイルスワクチンにつきまして、肺炎を引き起こす
ウイルス感染症として、今注意喚起されているのが
RSウイルス感染症です。
RSウイルス感染症というのは、呼吸器合
胞体ウイルス感染症の略でして、
インフルエンザ症状を伴う
呼吸器感染症として知られております。
厚生労働省では、2014年、製薬業界に対して
RSウイルスワクチンの開発を要請しておりました。
医療ニーズと
疾病負荷等から
開発優先度の高い
ワクチンとして
RSウイルスワクチンを位置づけ、内閣官房の
ワクチン開発・
生産体制強化戦略としても
重点感染症として開発を支援するべき
ワクチンとして位置づけられてきたところです。そして、昨年、ついに、既に報道などで取り上げられていますが、初となる
成人高齢者向けの
RSウイルスワクチンが日本で承認され、今年初頭から接種可能となっています。
感染予防という選択肢ができた今、まずは疾患について広く周知することが必要だと考えます。現状、小児においては発生動向が把握されるなど、5類感染症として重要視されていますが、ぜひ併せて高齢者における
感染症対策についても御検討をお願いしたいと思います。
RSウイルス感染症の日本全体における発症状況ですが、毎年、60歳以上の
成人高齢者において、約70万人が
RSウイルスに感染、発症し、そのうち約6万3,000人が入院、約4,500人が死亡していると推計されています。つまり、感染症を発症した人の約10人に1人が入院し、そのまた入院した方の15人に1人が亡くなっている状況です。また、この
RSウイルス感染症は、現在多くの方が予防接種をしている
インフルエンザと比べると、その重症化のリスクは、実は
インフルエンザと同等、もしくはそれ以上であるとされています。特に肺炎を引き起こすリスクは、
RSウイルスのほうが高く、しかも入院期間も長くなるとの報告もあります。しかしながら、
RSウイルス感染症について知っている人が非常に少ないというのが現状であります。今まで
成人高齢者における
RSウイルス感染症は、
インフルエンザや
新型コロナのように、感染予防する
ワクチンや感染したとしても治療薬がないことから、病院、
クリニックで検査されないことも多く、
RSウイルスに感染しても、そのことを本人が知ることはほとんどありません。集団感染でも起きない限り、疾患の認知がされないのが現状であり、適切な診断の機会も少なく、肺炎に至る
原因感染症としては見逃されてきた
ウイルスと言っても過言ではありません。ここに御出席の皆様も
インフルエンザのような症状で検査をしても、インフルでもなくコロナでもないということで、診断されて安心したものの、なかなかよくならないというケースを聞くことがあるのではないでしょうか。そのようなケースの中には
RSウイルス感染症によるものも多く含まれていたのではないかと思われます。
そこで、(3) 今年から発売されている
RSウイルスワクチンの普及についてお聞きいたします。
◎櫻井聡
健康福祉部長 議長。
○石川清明 議長
櫻井健康福祉部長。
◎櫻井聡
健康福祉部長 件名1、高齢者における健康寿命の延伸を目指した
肺炎予防について。(1)高齢者の
肺炎予防への取組についてお答えいたします。
肺炎は、特に高齢者は免疫力の低下により重症化するおそれのある病気でございます。肺炎は、
ウイルスや細菌などの病原体によって起こる感染症で、成人における
細菌性肺炎で最も多いのが肺炎球菌とされております。
肺炎球菌ワクチンは、
予防接種法に基づく定期接種であることから、接種費用の一部が公費負担となっており、市ではこれまで
高齢者肺炎球菌予防接種を受けたことがない65歳の方を対象に、誕生月に接種券を送付し、
定期予防接種を実施しております。
次に、(2)
ワクチン接種率の向上についてお答えいたします。
接種券の送付に際しては、
ワクチン接種による予防や効果などを記載した案内を同封しております。また、
定期予防接種対象者のうち、未接種の方につきましては、
ワクチン接種の勧奨通知を送付しております。そのほか、
ホームページ、戸田市健康・
保健ガイドにおいて周知を行っております。
次に、(3)今年から発売されている
RSウイルスワクチンの普及についてお答えいたします。
60歳以上を対象とした
RSウイルスワクチンが令和5年9月に国で承認され、今年から発売されており、高齢者の
RSウイルスによる感染症の予防効果が期待されておりますので、周知方法につきましては、今後検討をしてまいります。
RSウイルスワクチンは、
予防接種法上の定期接種に位置づけられておりませんので、今後の国の
厚生科学審議会の動向や他市の状況など、注視してまいります。
◆18番(
酒井郁郎議員) 議長。
○石川清明 議長 酒井議員。
◆18番(
酒井郁郎議員) 再質問をさせていただきます。
再質問を行います前に、本市において毎年、高齢者の肺炎により、どの程度の損失が発生しているかを計算し、その金額から
肺炎予防にどれだけのコストをかけることが正当化されるのか、検討させていただきたいと思います。以前に、
帯状疱疹ワクチン助成の提案をした際に用いた手法であります。資料4を御参照いただければと思います。
肺炎による損失として、2パターンが考えられまして、まず、一つ目が直接的なコスト、つまり医療、介護費用と、もう一つは健康寿命が失われることによる患者本人の人生に対する損失に分けられます。まず、市内で毎年平均70人の方が肺炎により死亡しています。そこから
全国データを用いますと、市内で肺炎にかかる人は毎年2,000人、そのうち入院が必要になる人は70%で1,400人、退院後に大きく要介護度が上がって施設入所が必要になる方が1割強、約1割として140人、さらに入院や施設介護の平均期間とコストから総額を計算しますと、約30億円という金額が計算されます。
続いて、死亡や要介護状態による健康寿命の損失についても計算します。肺炎が直接の死因になった人について、もし肺炎にかからなかったとした場合の平均余命を5年間、肺炎にかかったが問題なく退院した場合の
平均入院期間38日間、施設介護の平均期間5年などのデータに健康寿命1年分の価値として、国の医療評価で使用されている数値、小さな数値で500万円、大きな数値で1,000万円を用いて計算した場合に、年間30億弱から50億強という金額が計算されます。合計すると、市内における高齢者の肺炎による1年当たりの損失としては、少なくとも60億から90億円という数字が得られます。
本数値は、純粋に肺炎のみのコストでありまして、関連するコストについては度外視しています。例えばCOPDや
ぜんそく等、関連疾患の悪化によるコスト、退院者の在宅介護や支援のコスト、介護の初期費用、家族の介護負担による
QOL低下などは含んでいません。感覚的なものですが、計算された数字の2倍ぐらいの損失が出ていると思われます。あくまで幾つかの前提を置いた上での推計値ですが、ざっと計算しただけでも、現状、高齢者の肺炎防止にかけている予算と比べて、相当程度大きな金額の損失が出ていることが分かります。規模感からいえば、高齢者の肺炎防止のための
ワクチン接種費用、その他の
肺炎防止プログラム、つまり、広報や啓発活動の費用の大部分は正当化されると言うことができると考えられます。
思いつくままに具体例を挙げますと、
ワクチン接種への直接的な財政投入の拡大として、
ワクチン助成の対象者の拡大、
ワクチン接種の無料化、接種した方に景品をあげるなど、
インセンティブの付与といった方法が考えられます。また、
利便性アップとして、集団接種の実施、また、プッシュ型の啓発活動として戸別訪問による接種勧奨の外部委託、高齢者を対象とした演芸の開催などによる集客と抱き合わせの
啓発イベントの開催などが考えられます。これらの根拠に基づき再質問をさせていただきます。
まず、高齢者の肺炎全般への注意喚起の拡大についてお聞きします。
特に基礎疾患のある方や、
介護施設等を対象とした注意喚起の拡大に改善の余地があるように思われます。現状においても、
ワクチン助成対象者への通知の送付や、広報、
ホームページへの掲載を行っていますが、その拡大を行っていくことが考えられます。さらに、現状の取組の延長、それほど大それた方法ではないものとして、例えば
医療機関用の宣伝材料、つまりポスターやチラシの提供、
インターネット広告を
市内高齢者に対象を絞って行うこと。また、出前講座、例えば元気体操のときや敬老会、落語の会など、高齢者が集まる場所を見つけては、こうした講座を実施していくこと。さらに、
インセンティブ、つまり敬老会や
敬老祝い金、敬老の日のお祝いに合わせて
チケット等のおまけをつけること。さらに、他自治体で実施しており、本市でも研究の進む
成果連動型民間委託契約方式、つまり
インセンティブつきの広報委託といった方法が考えられます。
さらに、広報、啓発の内容につきましても、感染予防、
ワクチンの呼びかけなど、既に行っている内容のほか、昨今は根拠の薄い反
ワクチン的見地からの言説が多く見られ、それへの科学的な見地からの説明を行うことも考えられます。
ワクチンに対してよい印象を持っていない人を説得するのは非常に難しいのですが、行政が説明すれば効果は大きいと思われます。これらを併せて御検討願えないでしょうか。いかがでしょうか。
◎櫻井聡
健康福祉部長 議長。
○石川清明 議長 櫻井部長。
◎櫻井聡
健康福祉部長 現在、
ホームページ等では、主に
肺炎球菌感染症についての掲載となっておりますので、高齢者の健康について周知、啓発を実施する際には、基礎疾患のある方や
介護施設利用者も含め、肺炎全般についての注意喚起を図ってまいります。
また、
フレイル予防講座や保健師が
TODA元気体操など、地域の集まりに出向いたとき、健康福祉の杜まつりなどの
イベント等で高齢者の健康について話をする際には、肺炎についても盛り込んで話をするなど、周知を図ってまいりたいと考えております。
◆18番(
酒井郁郎議員) 議長。
○石川清明 議長 酒井議員。
◆18番(
酒井郁郎議員) ぜひよろしくお願いします。いろいろな機会を見つけては、周知ができないかということで御検討願えれば大変ありがたいかなと思います。
さらに、次に、接種率の向上についてお聞きしたいと思います。
まずは、接種率の目標設定を行い、
接種率アップを明確な課題として取り組むことを提案させていただきます。
ワクチンの対象者の拡大につきましては、特に多くの自治体が自主的に65歳以上の高齢者に助成を行っています。また、国の規定外の基礎疾患や、さらには施設職員へ対象者を拡大することも考えられます。さらに
ワクチン接種助成金額の拡大、つまり接種費用の値下げや無料化、さらには
インセンティブの付与を通じた
接種率アップの実現についても併せてお聞きいたします。
◎櫻井聡
健康福祉部長 議長。
○石川清明 議長 櫻井部長。
◎櫻井聡
健康福祉部長 肺炎球菌ワクチンにつきましては、国の経過措置で65歳以上の方を対象に、10年間、定期接種が実施されてきましたが、65歳以上の方の接種状況が65歳の方の接種率と同等程度になったとのことで、経過措置が終了となり、今年度から65歳の者が
接種対象者となりましたので、市といたしましては、国の制度のとおり接種事業を進めてまいりたいと考えております。
接種率の目標設定につきましては、
ワクチンの接種は、あくまで本人の意思によるところが大きいものでございますので、難しいと考えますが、
ワクチンの効果や有効性、副反応など、
ワクチン接種についての理解が得られるような周知に努めてまいります。
また、
インセンティブにつきましては、今年度、
コバトンALKOOマイレージ事業においてTODAPAYの付与を始めるなど、
健康づくりの取組への
インセンティブについて研究を始めたところでございます。今後も健康事業全体の中で検討をしてまいります。
◆18番(
酒井郁郎議員) 議長。
○石川清明 議長 酒井議員。
◆18番(
酒井郁郎議員) ありがとうございます。
まず、目標設定につきまして、接種を無理強いすることがあってはなりませんけれども、
周知啓発活動を進めた結果として、接種率が上がるのであれば、望ましいことであります。既に国連、
厚生労働省、また、埼玉県をはじめとする都道府県、他市町村でも
各種ワクチンについて数値目標を掲げて
ワクチン接種率の向上に取り組んでおります。さらに、戸田市でも
新型コロナのときは、
ワクチンメーターを市役所の
大型モニターに表示し、接種を急いでいました。それと根本的な違いはありません。接種率を目標とするのがよいと思いますけれども、もし仮に無理ということであっても、認知率を目標にするということもできますので、とにかくはっきり目標として定めることが大切であると思います。
予算の拡大については、なかなか厳しそうでありますけれども、今後も要望を続けていきたいと思います。
他自治体の事例を見ていて、よく目にするのが、1回1,000円などという低価格を料金としている自治体であります。
接種率アップを狙ってのことかもしれませんが、実はあまりよくないと思われます。ゼロ価格効果と言うそうですが、つまり、みんな無料が好きという現象が言われています。例えば1回200円の自己負担がある場合、
ワクチン接種をはじめ、鬱病、ADHD、たばこ、肥満などに対する医療、つまり、価値の高い医療が10%減少するのだそうです。逆に言いますと、自己負担をなくし、価格をゼロとすることで、
ワクチン接種を一段と増やすことができると言えます。つまり、あまり財政の足しにならないぐらいの少額の料金を設定することで、利用者は大幅に減っていると考えられ、予算は同じくらいかかるけれども、接種率は上がらないという、結果的にはアブ蜂取らずとなり、何がしたかったか分からないことになっているのではないかと思われます。そこで、接種無料にしてしまえばどうでしょうか。
そして、
肺炎球菌ワクチンの助成は、なぜか65歳限定になっていますが、66歳でも67歳でも、打ちたいと思った方は全員打てるようにするのがよいと思われます。多くの自治体が自主的に行っている措置です。
感染源となりやすい
施設職員等もコロナのときと同じく全員対象にしてはいかがでしょうか。
さらに、続いて、
RSウイルス感染症についてお聞きいたします。
インフルエンザよりも長期化、重症化するにもかかわらず、治療薬がないがために、今まで検査もされず、
ワクチンもないという隠れた重要疾患であります。仮に費用助成は無理にしても、まずは周知、啓発をお願いしたいと思います。
また、自治体の中には、早速助成を行っているところもあり、中には9割助成を行う自治体もあります。市内の
クリニックの接種料金を調べたところ、1回2万7,000円でした。3年程度の効果が見込まれているとはいえ、1回に支払う金額としては相当高額になります。費用助成しなければ、余裕のある方しか接種を受けられません。貧富の差が医療に持ち込まれるのは、多くの日本人が望まないことであります。やはり費用助成についてもぜひ御検討願いたいと思います。この費用は無駄にはなりません。医療、介護費用の減少により元が取れる費用であります。
最後に、傷病に関わる基礎的なデータの整理と課題抽出の強化についてお聞きいたします。
今回、戸田市において肺炎死の状況はどうなのか、調べました際に、人数は分かるのですが、その年齢ごとや、肺炎の種類ごとの内訳はなく、状況を知りたくても担当のほうでお持ちのデータが少ないということでした。現状、整理されているデータからは、本市が全国と比べて肺炎に力を入れたほうがよいのか、もう十分なのか。あるいは、
ワクチンの効果は出ているのか、不十分なのか、判断することはできません。さらに、肺炎のみならず、本市の
保健行政全般として、どの部分が問題なのか、どういう取組に特化していかなくてはならないのかを判断することは難しいのではないでしょうか。
そこで、以前に自殺対策のときにも申し上げたことですが、基礎的なデータを整理し、本市の保健行政における課題の抽出を強化する取組を行ってはいかがでしょうか。お聞きいたします。
◎櫻井聡
健康福祉部長 議長。
○石川清明 議長 櫻井部長。
◎櫻井聡
健康福祉部長 本年3月に策定した戸田市
スマートウエルネスシティ推進プランにおきましては、市の人口ほか、
各種データや
国保データ、市民
アンケート調査など、
データ分析を行い、策定したところでございます。
議員の御提案のとおり、データを基にし、事業を実施し、その検証を行っていくことは重要なことと考えております。市のデータには、人口など、市全体のものから、健康事業の参加者数や
予防接種者数など、事業ごとのデータなどもございますので、まずは、どのようなものがデータとしてあるのか、把握をして、データの整理をし、施策の立案、事業の実施に活用していけるよう検討をしてまいります。
◆18番(
酒井郁郎議員) 議長。
○石川清明 議長 酒井議員。
◆18番(
酒井郁郎議員) 前向きな御答弁をいただきましてありがとうございます。
まずは、データや資料の整理でありますけれども、さらには、国の政策を上から下りてきたとおりに実施するのではなく、少なくとも市内や市内各地域の課題や対象者を抽出し、施策の立案と実施した施策の妥当性を検証し、取組を改善するという政策サイクルを実現するべきであると考えます。ヘルスケアは重要な政策ですので、教育シンクタンクと同様の枠組みで、健康増進シンクタンク、人生100年シンクタンクとして取り組んでもよいと思います。
最後になりますけれども、
新型コロナの数年間で感染予防の意識が大きく高まりました。しかしながら、喉元過ぎれば熱さ忘れるの言葉どおり、関心が薄れているのも感じております。感染症はコロナで終わりではありません。例えば現在は、致死率30%の劇症型溶連菌が過去にないほど流行しており、多臓器不全から急速に死に至るとのことです。
ワクチン接種のみならず、感染予防のための行動、マスクだけではなく、手洗い、消毒、十分な睡眠や栄養の摂取といった行動や、さらには、もしものときに備え、健康なうちから話がしやすいかかりつけ医をつくっておき、不調の際にすぐに相談できるようにしておくというようなことなども含めて、市民の皆様への定着を図っていただきたく、ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思います。
これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○石川清明 議長 11番、
矢澤青河議員。(拍手)
◆11番(
矢澤青河議員) 戸田の会の矢澤青河です。通告に従い一般質問を行います。
件名1、広報について。
住みやすいまちづくりを実現するためには、地域住民が何を求めているのかを把握することが大切です。自治体と住民の双方向の情報発信が実現できれば、自治体のビジョンを市民と共有したり、必要な方へ必要な情報を提供すること、また、健康、福祉や防犯、防災、子育て、教育など、住民のニーズに合わせた政策を実現することも可能となってきます。何をするにも必要な人へ情報が届かなければ意味がなく、全庁の職員が広報については意識しなければならない課題だと感じております。
本市においても、広報誌をはじめ、
ホームページやSNS、動画のほか、公式LINEの活用など、PRを積極的に進めております。今回はそういった自治体広報について、さらに推し進めていただきたいという思いの下、取り上げました。
それでは、まず、質問を行います。(1)戸田市の広報の現状と課題についてお伺いいたします。
◎内山敏哉
市長公室長 議長。
○石川清明 議長 内山
市長公室長。
◎内山敏哉
市長公室長 件名1、広報について、(1)戸田市の広報の現状と課題についてお答えいたします。
本市の広報につきましては、広報戸田市をはじめ、SNSやユーチューブ、テレビ番組など、様々なツールを活用して実施しております。広報活動のメインとなる広報戸田市につきましては、令和2年にデザインや内容をリニューアルし、行政情報を分かりやすく伝えるとともに、広報誌を手に取っていただくきっかけとなるよう、親子や家族で楽しく読むことができる連載企画などを掲載しております。また、令和5年度からは、より広く市民の皆様に情報を伝えるため、広報誌の全戸配布を実施しております。SNSでは、令和4年からLINEによる情報発信を開始し、情報の受け手が欲しい情報をあらかじめ選択して受信することができるようにするなど、市民の皆様をはじめとした情報の受け手を意識した広報に努めております。
課題といたしましては、情報発信に当たり、特に留意すべきこととして、単に多くのツールを活用して同じ情報を発信するのではなく、時宜に応じ、必要な方に必要な情報を的確に届ける必要がございます。そのため、紙媒体、デジタルツール、それぞれの特性を生かし、情報の種類や量、頻度など、きめ細かく使い分けをしていく必要があると考えております。
以上でございます。
◆11番(
矢澤青河議員) 議長。
○石川清明 議長 矢澤議員。
◆11番(
矢澤青河議員) ありがとうございました。
令和2年の広報誌のリニューアルを機に、令和4年にLINEの導入、令和5年度から広報戸田市の全戸配布など、積極的に進めてられ、最近では動画の配信など、本当にいろいろと御尽力いただき、誠にありがとうございます。
それでは、再質問を行います。
参考資料の1ページ、①ターゲティングなどの広報戦略についてを御覧ください。自治体の広報の課題として、一つは、広報戦略の不足があると感じています。事業などの情報発信を行う場合、基本的に事業ベースで担当課などがおのおの周知方法を考え、実施しているため、単独的な広報にとどまってしまいがちと感じております。市全体として広報の質を担保する機能や共通の仕組みをつくるためにも、行動変容を促す戦略的な広報を全庁的に進めなければなりません。
続きまして、情報共有や発信方法の乏しさも課題の一つと感じております。よく◎◎の案内は広報誌や
ホームページ、SNSなどで発信していますという説明がありますが、これは、情報発信の選択肢が少ないため、必要な人に必要な情報を届けるベストな広報を行えず、市にとっての発信しやすさで、イージーな情報発信媒体を選びがちなのではと感じております。各世代などのターゲットや状況に応じた周知方法を確立する必要があります。また、各担当課の持つ広報資源や経路の整理や開拓も重要と感じております。分かりやすい例としましては、学校の案内や、ほかにも例えばNPO団体や子ども食堂など、各種団体、施設など、保有する広報経路や周知方法を整理する。また、どの世代にどの媒体が効果的なのか、特性を理解して活用することも効果的な広報につながります。
また、もう一つの課題としましては、自治体の広報の効果検証を行わないことも一つの課題と感じております。発信するだけで終わりではなく、伝えたい相手のうちのどれだけの方に情報が届いたか。そして、そのうちの何人が行動変容につながったのかなど、最大限意識して検証する必要があります。各事業のKPI、KGI達成に向けた最適な戦略や全庁的に情報発信のスキル、マインドを高める仕組みが必要となっています。
参考資料の見附市では、「職員全員広報担当」というキャッチコピーの下、広報戦略をまとめております。図にもあります広報統括部門の体制強化や職員向け広報ガイドラインなどで効果的な広報を推進しているように感じております。また、同様な取組としまして、横須賀市では、各課に広報担当を配置、広報課がアドバイスしながら広報マインドを共有して、戦略的広報を実施しております。また、先ほどの御答弁でもありましたが、広報誌や
ホームページ、SNSなど、全て同じ情報を発信するのではなく、各媒体の運用目的を明確にすることも重要です。参考資料の名張市では、各種媒体の整理を行っています。広報誌や
ホームページ、SNS、動画、番組、報道、直接対話など、いろいろな広報についての整理を行い、効果的な広報を検討しているところでございます。また、SNSでいいますと、フェイスブックやインスタグラム、エックス、LINE、ユーチューブの特性を整理して使い分けている自治体もあるほか、SNSでは、タイムリーさを確保するため、ガイドラインを作成して、各課が決裁を経由しない担当者レベルの発信を行っている事例もございます。
以上のように、効果的な広報には、子供、親子、現役世代、高齢者など、世代に応じたターゲティングや各種媒体などの情報の整理が必要であると考えますが、現状はいかがでしょうか、お伺いいたします。
◎内山敏哉
市長公室長 議長。
○石川清明 議長 内山室長。
◎内山敏哉
市長公室長 広報戸田市につきましては、全戸配布をしており、あらゆる世代の皆様が目にいたしますことから、言葉の表現や漢字と平仮名の使い分けなど、お子様から高齢者まで分かりやすく伝えられるよう、情報を整理して発行しております。テレビ広報においても、放送の範囲が県内か、市周辺なのかに応じて発信する情報を変えるなどの工夫をしております。SNSについては、各所属からの依頼に基づいて情報発信しているところですが、情報の種類などにかかわらず、基本的には、同じ内容を各種SNSに掲載することが多いため、庁内で実施しております広報研修などを通じて、各種SNSの使い分けなどにつきましても周知していく必要があると考えております。
以上でございます。
◆11番(
矢澤青河議員) 議長。
○石川清明 議長 矢澤議員。
◆11番(
矢澤青河議員) ありがとうございました。
再質問を続けます。
自治体の
ホームページには、多くの情報がまとまっておりますが、実際に目的の情報を探そうとすると難しく、特に広報誌やイベント情報などの最新情報の取得には向いておりません。参考資料の2ページに掲載しております大津市では、イベント情報や広報誌の情報を特設サイトへ個々に設置しており、公式LINEを中心として広報のサイトやイベントサイトに飛べるようになっており、見やすくアクセスしやすいものになっております。
以前、私も公式LINEを提案して導入していただきましたが、当初はLINEのプッシュ型発信の有用性を感じておりました。通知が多くてうざいとブロックされれば、それで終わりですので、コスパ、タイパの時代にいかにふだん使いしたい価値のあるツールと思ってもらうかが重要かと感じております。個人的には、大津市のようにLINEを情報集約化ツールとして各種情報の中心に置く案を押したいと考えております。そのためにもタブを増やして、各部局の情報仕分と集約化、さらには、公園の遊具やイベントチラシなどにLINEのQRコードを設置したり、ふだん使いできるように、図書カードなどふだん使えるものも追加するなどといった案もあるかと感じております。
その一方で、こちらの大津市の場合は、広報おおつWEBとイベント情報集約サイトというものを市単独で作成したためにコストが高額になるという課題がございます。ただ、いかにせよ、利用者ベースの発信、市民が利用しやすく、ふだん使いしてくれることが重要かと思っております。市単独の自前主義は、高額かつ利用者が見込めないため、難しいと思いますが、例えば県などの広域的なサイトの活用、また、利用者の多い民間などの専門サイトの活用が望ましいと感じております。
参考資料の民間サイトなどの参考事例に書いてあります「いこーよ」というサイトがございますが、こちらは、大手の子供お出かけサイトの情報サイトでございます。こちらに戸田市が子供の情報イベントなどを掲載することで、ふだん使っている親子などが利用しやすいと感じております。さらに、こういった「いこーよ」などの複数のメディアを一括配信してくれるサイトがあり、それがこのEventBankのプレスというところでございます。さらに、最近では、インターネットの記事で検索にヒットしやすいaumoと町田市のお勧めスポットなどの記事を掲載してくれるサイトとの連携なども大変効果的かと思います。
このように市単独でサイトを作るのではなく、現状ある民間のサイトなどを積極的に活用することで、コストを抑えながら、多くの方に情報を発信することができるというふうに感じます。子育て世代などが出かけられるスポットや市内のイベントなどを効果的に周知するためにも、民間などの専門サイトを活用してはどうかと考えますが、お考えをお伺いいたします。
◎内山敏哉
市長公室長 議長。
○石川清明 議長 内山室長。
◎内山敏哉
市長公室長 お子さんと一緒にお出かけできるスポットの紹介や地域のイベント情報を集約している民間のサイトを活用している自治体の事例を参考に、本市におきましても、有効に活用できるか、今後検討してまいります。
◆11番(
矢澤青河議員) 議長。
○石川清明 議長 矢澤議員。
◆11番(
矢澤青河議員) ありがとうございました。
再質問を続けます。
参考資料の2ページ、③番、専門人材の活用でございます。SNSには、おのおの特色があり、効果的なコンテンツ作成と発信を行うには、正直、それを全て一から自力で行うのは困難だと感じております。各種媒体で発信しているインフルエンサーや専門的なアドバイザーと連携することで、最適な発信が行える環境が整えるかと感じています。そういった意味で、提案したいものとしては、インフルエンサーの募集や登用でございます。右の図は、埼玉県の広報アンバサダーでございます。毎年度、埼玉県が公募したSNSなどのインフルエンサーを登用して発信を行ってもらいます。インフルエンサーにとっても、埼玉県の広報アンバサダーという資格が得ることができ、埼玉県としても、おのおの発信が行える、ウィン・ウィンな環境が構築されます。
このインフルエンサーの募集については、無償から旅費の負担など、様々な形があり、藤沢市のインフルエンサーの4名の事例、浜松市のインフルエンサー募集などございます。また、この専用人材の活用としましては、SNSのアドバイザーとして、副業クラウドによる自治体連携、動画作成や広報アドバイザーなどを募集して、職員などにコンサルを行ってもらう事例があります。また、無料マッチングプラットフォーム、Woomyでは、無料でインフルエンサーが検索できますので、こういったインフルエンサーの募集や登用に活用できるかと感じます。そのほかにも、LIWの事例としましては、同様にインフルエンサーのマッチングサイトでございまして、使用商品の魅力発信、飲食店紹介、魅力再発見などの動画や記事などの掲載が可能となっています。
このように、発信力のあるインフルエンサーを活用した情報発信を検討してはどうかと感じておりますが、専門人材の活用について、市のお考えをお伺いいたします。
◎内山敏哉
市長公室長 議長。
○石川清明 議長 内山室長。
◎内山敏哉
市長公室長 本市では、市にゆかりのある方で、芸術、文化、スポーツ、学術、芸能、その他の分野で活躍しており、市の知名度及びイメージのさらなる向上に寄与すると認められる方をとだPR大使に任命し、市の魅力発信に貢献していただいております。現状、とだPR大使の皆さんの活動は、イベントや広報誌、動画などへの出演が主なものとなっているため、とだPR大使とは別の枠組みとして、SNSで発信力があるインフルエンサーを活用した情報発信を行っていくことは、本市においても有効であると考えております。一方で、市の情報を市民の皆様にしっかりとお届けいただくためには、単にフォロワーが多いというだけではなく、市内への発信力が重要であると考えております。今後、市内への発信力がある方の情報収集や他自治体の同様の取組を参考に検討してまいります。
◆11番(
矢澤青河議員) 議長。
○石川清明 議長 矢澤議員。
◆11番(
矢澤青河議員) ありがとうございました。
今回、件名1では広報について取り上げさせていただきました。特にSNSについては、本市議会においてもどのように運用するかというのが課題となっておりますが、ぜひこういった専門人材の登用などで積極的な活用を行っていただきたいと思います。
以上で件名1について終了させていただきます。
続きまして、件名2、健康増進について。
本市は、県内で最も若いまちですが、健康寿命は長年、県内ワースト上位に位置し続けており、課題となっております。国保の医療費を見ると、全体の1人当たりの医療費は県内で2番目に低い額ですが、前期高齢者の医療費は県内でも高額であり、
後期高齢者医療費に至っては県内で4番目に高額な状況です。抜本的な健康増進施策や、医療適正化施策が求められております。こういった状況の中、本市は今年の3月に、健やかで幸せになれる健康なまちづくりを目指す
スマートウエルネスシティ推進プランが策定され、同時に、令和6年度から令和11年度を計画期間とする国民健康保険データヘルス計画を策定し、健康寿命の延伸や県内医療費適正化に向けた取組を行っています。
そこで、(1)本市の健康増進施策の現状と課題についてお伺いいたします。
◎櫻井聡
健康福祉部長 議長。
○石川清明 議長
櫻井健康福祉部長。
◎櫻井聡
健康福祉部長 件名2、健康増進について、(1)戸田市の健康増進施策の現状と課題についてお答えいたします。
戸田市
スマートウエルネスシティ推進プラン及び戸田市国民健康保険データヘルス計画の策定に当たりまして、本市の現状分析を行っております。本市の特徴といたしましては、健康寿命が男性は県内で3番目に短く、女性は4番目に短い状況であること、前期高齢者の医療費が県内でも高いという状況であり、そのほか、60歳未満で、運動習慣のない方が6割と多いこと、メタボリックシンドローム該当者や糖尿病、脂質異常症、高血圧性疾患の1人当たり医療費が40代から県平均を上回っていることなどが上げられております。これは、若い年代のうちから生活習慣の乱れなどがあり、それに起因する生活習慣病を発症するなど、健康寿命や医療費に影響しているものと推察されることから、若い世代や健康に無関心な方に健康情報や事業を届けることが重要となります。
これらを踏まえ、戸田市
スマートウエルネスシティ推進プランでは、6つの柱を掲げ、各部局連携の下、各種健康事業を進めていくほか、戸田市国民健康保険データヘルス計画においても、国保加入者に対して、糖尿病性腎症重症化予防対策事業などの個別保健事業に取り組んでいるところでございます。今後も若い世代や健康に無関心な方に対して、いかに効果的に周知、啓発を図り、健康事業に参加していただけるか、検討しながら、健康増進施策を進めてまいります。
◆11番(
矢澤青河議員) 議長。
○石川清明 議長 矢澤議員。
◆11番(
矢澤青河議員) ありがとうございました。
本市の実態を把握して、計画を着実に進めるほか、若い世代や健康無関心層への周知啓発を図り、健康増進施策を進めるとのことでした。
再質問を続けます。
先ほどの答弁でもありましたが、自治体の施策を決める上で、本市の実態や課題を分析することは大変重要でございます。さきの酒井議員の一般質問においても、傷病などの基礎的なデータを整理して、保健行政における課題の抽出を強化することの必要性を進言されていましたが、私も考えを同じくしており、健康や医療に関するデータのさらなる活用、とりわけ、他自治体との比較を行い、類似点や施策の違いなどを分析することが必要だと感じております。
参考資料の3ページ、①他市との健康情報の比較を御覧ください。こちらの表は、埼玉県内の人口7万人以上、面積50平方キロメートル以下の自治体を抽出した表で、比較的本市に近い自治体が集まっているかと思います。情報は「統計からみた埼玉県市町村のすがた2023」や、2023年度版の地域別健康情報からの情報を基に作成いたしました。男性の平均寿命が短い順に左から並べております。配付資料は白黒で見えませんが、50位以上の県内下位を赤色、40位台を黄色、上位9位内を青色、10番台を緑色に塗り潰しております。この表を見ると、同じ医師会でもある蕨市はほとんど同じような傾向ですね。男性の健康寿命では、本市と和光市では1.7歳程度の差があり、これがどのような要因なのかを比較検証してもよいですし、単純に朝霞市よりも右側の自治体の施策を参考に、戸田市の施策を検証してもよいかと思います。
和光市の施策を比較している上で、健康診査やがんなどの検診について気になる点がございました。また、個別検診のほか、ウェブで予約が行える集団検診を行っていることも異なる点です。集団検診や個別検診よりも時間や場所の融通が利かないイメージもございますが、期間限定ウェブ予約ができるなど、市民の予約作業などの簡略化できる余地もありますし、予算も低額で収まるかと思います。また、そのほか、気になる点としましては、がん検診受診率が低い点もございます。下から6から7行目の特定健診についても受診率の低さが課題ではありますが、特定健診で積極的支援や動機づけ支援が必要となった対象者の6.7%しか受けておらず、蕨市の15.8%と比較しても低い値でございます。
続きまして、参考資料の4ページ、②健康情報の分析を御覧ください。自治体の把握できるレセプトなどの健康情報は、主に国民健康保険加入者のものに限られており、その割合は僅か17.4%ほどでございます。主な健康増進施策についても、国保に特化してしまい、協会けんぽをはじめとする社会保険に加入している働く方へのアプローチ手段が乏しく、戸田市民の健康情報の把握もできず、課題となっていると感じております。そこで、ぜひ活用していただきたいと考えておりますのが、参考資料の4ページにある匿名レセプトでございます。診療報酬明細書であるレセプトを匿名化したデータで、社会保険加入者の市民の情報も把握可能、市町村が住民の健康増進や医療費の適正化の事業や分析にも活用可能でございます。データ自体が膨大であり、実際に活用した市町村は5市8件のみでございますが、お隣の和光市でも健康わこう21計画を策定する際に、社会保険の特定保健指導や生活習慣病の状況など把握するのに活用しております。大阪市では、健康寿命延伸に関わる市の要因分析で特定健診の全国との比較において活用しております。
このように、これまで把握できなかった社会保険、国保以外の市民の方の状況を把握する上においても、特定健診など、市民の健康を把握することが不可欠だと感じておりますが、匿名レセプトの活用について、本市のお考えをお伺いいたします。
◎櫻井聡
健康福祉部長 議長。
○石川清明 議長 櫻井部長。
◎櫻井聡
健康福祉部長 匿名レセプトとは、国が保有する匿名医療保険等関連情報データベースに格納されているレセプト情報であり、国の行政機関や自治体等がエビデンスに基づいた施策や研究を実施する際に、この情報を利用することができるものでございます。
このデータベースは、全レセプトの90%以上の情報があるなど、悉皆性が高いものとなっておりますが、一方で、各種分析を想定した形式とはなっていないため、データの特徴や限界を十分に把握する必要があり、利用には、研究内容やセキュリティーの観点などから、国の専門委員会における審査が必要となります。匿名レセプトにつきましては、今後の健康施策や各種計画策定の際などの活用について、他自治体の事例も踏まえながら研究をしてまいります。
◆11番(
矢澤青河議員) 議長。
○石川清明 議長 矢澤議員。
◆11番(
矢澤青河議員) ありがとうございました。
確かに現状の匿名レセプトについては、データ利用も膨大であり、活用しづらいものではございます。しかしながら、戸田市民の健康情報の実態を把握する上ではこういったものを活用するほかないかと思います。
再質問を続けます。
最初の御答弁にもございましたが、若い世代や健康無関心層への周知、啓発を図り、健康増進施策を進めたいというお話がございました。私としては、特に平均寿命と健康寿命が著しく低い男性の健康増進が喫緊の課題と考えておりますが、先ほどもお話ししたとおり、国保以外の多くの働いている方へのアプローチ手法が乏しいと感じております。特に男性は、仕事の切れ目が社会との切れ目と、退職後に社会進出が困難だと感じられる方も多いのではないでしょうか。私もこのような仕事をしていなければ、退職後に引き籠もっていたかもしれません。早いうちから健康増進を図るためにも、働いている方や退職を控えている方へ、居場所や社会進出、運動習慣などの支援が必要と感じています。特に健康無関心層へは、自治体からの直接通知や案内では行動変容までは至りません。やるならば、各会社から社員に案内してもらうなどをしていただければ、健康増進につながらないと感じております。
そこで、参考資料を御覧ください。民間企業の健康経営という考え方がございます。健康経営とは、従業員などの健康管理を経営課題として戦略的に実践することで、健康増進を人的資本の投資として唱える新しい民間の考え方でございます。この健康経営を行っている企業を応援、支援することが必要かと感じております。さいたま市の健康経営企業の取組では、健康経営企業の認定を行い、
ホームページなどでPRを行うほか、競争入札への加点、セミナーなどへの優先参加などを行っております。また、宇部市の健康経営支援補助金では、下にあります表のような内容で、上限額20万円から30万円の補助を行っております。各種会社の定期健診受診勧奨や食生活の改善、運動機会の増進など、様々なものに活用できる補助金なども一つの取組としては進めたいものでございます。
また、こちら県でございますが、静岡県では、働く人の生活改善プログラムとして、従業員が5人程度のチームを組み、3か月にわたって生活習慣を改善する取組が行われています。チェックシートで自身やチームの健康状況を把握しつつ、エレベーターよりも階段を使おう、生野菜を毎日食べようなどの目標を立て、達成を目指しております。
このように健康経営を進める企業への応援、もしくは、単純に会社、企業から働いている方への通知などを行うだけでも効果があると感じております。こういった30代から60代までの働く世代にアプローチするには、民間企業との連携が不可欠かと感じておりますが、こういった周知、啓発について、市のお考え、取組などをお伺いします。
◎櫻井聡
健康福祉部長 議長。
○石川清明 議長 櫻井部長。
◎櫻井聡
健康福祉部長 昨年度は、市内の事業者に向けて働いている人のためのがんと就労に関する講座の周知やがん防災マニュアルの配布などを戸田市商工会に御協力いただき、実施したところでございます。また、血圧測定、血管年齢測定、野菜量測定や運動促進を図った生活習慣病予防事業、女子栄養大学学生考案のお弁当の販売、コンビニでの朝食と野菜の摂取を推奨したPOPの掲示などの食生活改善事業などについて、包括連携協定事業者と連携して行いました。引き続き、民間事業者の協力も得ながら、働いている現役世代の方をはじめとした多くの方に周知、啓発が図れるよう、他自治体の事例も踏まえながら検討してまいります。
◆11番(
矢澤青河議員) 議長。
○石川清明 議長 矢澤議員。
◆11番(
矢澤青河議員) ありがとうございました。
今回、また健康増進について取り上げさせていただきました。特に男性の健康寿命が低い、女性についても60番台と低い状況でございます。これまでどおりの戸田市単独での健康増進計画や取組では、なかなかアプローチできない層というのは確実にございます。今回のように、他市との比較、他市の事例を参考にしたり、また、企業、民間企業との連携を強化して、案内を行ってもらうなど、積極的にこれまでの事業から一歩進めていただき、健康増進に取り組んでいただきたいと思います。
以上で私の今回の一般質問を終了させていただきます。(拍手)
○石川清明 議長 この際、休憩いたします。
休 憩 11時01分
開 議 11時10分
○石川清明 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
1番、
小金澤優議員。(拍手)
◆1番(
小金澤優議員) 立憲民主とだの小金澤です。今定例会最後の一般質問を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
ここのところ、急激に気温が上がってきたことと、湿度も上がってきたことから、体調を崩しているという方も私の周りではたくさんいらっしゃいます。このままでは、今年もかなりの猛暑が予想されますが、最近話題になっている言葉を御存じでしょうか。暑さに慣れていないと熱中症になる危険性が高まり、そのために体が暑さに慣れることを暑熱順化といいますが、暑くなる前から熱中症の対策を行うことが重要とのことです。暑い日が続くと、体は次第に暑さに慣れて、暑さに強くなる。実際に気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかくことが大切ということですので、日常生活の中で運動や入浴をすること、汗をかき、体を暑さに慣らせることが大事とのことです。
個人差もありますが、数日から2週間程度かかるということなので、余裕を持って体を動きや活動を徐々に慣らしていく、暑さに備えることを皆様にお勧めをいたします。
それでは、通告に従いまして一般質問させていただきます。
現在、喜沢南及び喜沢の複数の住人の方から、中町2丁目から喜沢南1丁目付近の中央通りにおいて、令和5年度に道路照明灯設置工事を行ったとお聞きしました。その際、交換設置された照明灯について、地域住民の皆様は、暗くなってしまった、夜、中央通りを歩くのが不安になったという声が出ております。私も現地に行って確認をしてみましたが、以前に比べると、確かに暗くなったと感じたところでございます。この中町から喜沢南への中央通りは、商店街ということもあり、人通りもそれなりにある通りでございます。
それでは、今までの経緯を含めて質問をさせていただきます。
件名1、中央通りの道路照明灯について。
中町2丁目から喜沢橋、ララガーデン川口に向かう中央通りにおいて、以前より夜間照明が暗くなり、夜の外出が不安だという声が多く聞かれます。願わくば元どおりの明るさに戻してほしいという要望がありますが、なぜ現在のようになったのかを教えていただきたいと思います。
(1)照明灯を交換した経緯について伺う。
(2)照明灯の設置位置や間隔が変更された理由について伺います。よろしくお願いします。
◎早川昌彦
都市整備部長 議長。
○石川清明 議長 早川
都市整備部長。
◎早川昌彦
都市整備部長 件名1、中央通りの道路照明灯、(1)交換した経緯についてお答えします。
中央通り沿いの喜沢2丁目、中町2丁目、喜沢南1丁目に設置されておりました商店会街路灯は、喜沢中央通り商店会の街路灯管理団体である喜沢中央通り街路灯維持会が平成6年から平成7年にかけて設置し、これまで維持管理していたものです。しかしながら、当該団体において、商店会街路灯の維持管理が困難な状況となり、撤去することとなったため、夜間における道路交通の安全と円滑化を図ることを目的に、市が新たに道路照明灯を設置し、昨年11月から点灯を開始しているものです。
次に、(2)照明灯の設置位置や間隔が変更された理由についてお答えします。
商業者が共同で設置する商店会街路灯は、美観やにぎわいを演出することで、商業振興や地域の活性化を推進することを目的に設置されるものである一方、市が設置する道路照明灯につきましては、道路利用者が夜間における道路状況や交通状況等を的確に把握できるように設置するものでございます。本市では、昭和56年3月、建設省から通達された道路照明灯設置基準の改定についてに基づき、道路照明灯設置基準を制定しております。今回、道路照明灯への切替えに当たりましては、この基準に沿って、通行に必要な明るさを考慮した上で設置しておりますことから、以前とは設置位置や間隔が違うものとなります。
◆1番(
小金澤優議員) 議長。
○石川清明 議長 小金澤議員。
◆1番(
小金澤優議員) ありがとうございます。
商店会において維持管理が困難になったことが分かりました。商店会としても苦渋の決断だったと思われますが、市において、新たな照明灯を設置していただいたことは大変感謝しております。今後も同様のケースが出てくる可能性もありますが、その都度、最善策を検討していただければと考えております。
また、設置基準に沿って新たな照明灯の配置をしていただいたとのこと、ただ、地域住民からは、こう言ってはなんですが、物足りないというのが本音だと思います。冒頭にも言いましたが、皆様のお話を聞くと、以前と比べて暗いという意見がほとんどでした。光源や設置位置の間隔も違っているということなので、その辺の差を多くの方が感じていると思います。特に中央通り沿いに居を構える方たちは、その違いを敏感に感じ取られているようです。
以上を踏まえまして、再質問をさせていただきます。
道路照明灯を増設することができないか、お伺いします。よろしくお願いします。
◎早川昌彦
都市整備部長 議長。
○石川清明 議長 早川部長。
◎早川昌彦
都市整備部長 道路照明灯の増設でございますが、工事完了後に現地にて道路上の照度を測定し、道路通行に必要な明るさを確認しておりますことから、これ以上の設置は予定しておりません。
◆1番(
小金澤優議員) 議長。
○石川清明 議長 小金澤議員。
◆1番(
小金澤優議員) 長い間、近隣に住んでいる方の意見も大切ですので、暗くなったと感じる原因がどのような理由かということを皆さんに分かっていただくということも大切だと思っております。
それでは、改めて再質問をさせていただきます。
以前設置されていた街路灯と現在設置されている道路照明灯の光源の違い、それらの光の特徴についてお伺いいたします。
◎早川昌彦
都市整備部長 議長。
○石川清明 議長 早川部長。
◎早川昌彦
都市整備部長 商店会が設置していた街路灯は水銀灯で、市が新たに設置した道路照明灯はLEDとなっております。また、照明灯具の形状により、多少違いはありますが、光源の違いによる特徴として、水銀灯は光が全方向に広がるのに対し、LEDは特定の方向に集中して光を照らすといった特徴があります。ただし、現在、LEDについては、その特徴を捉え、水銀灯同様、光が全方向に広がるようメーカーにおいて工夫、製造しております。
◆1番(
小金澤優議員) 議長。
○石川清明 議長 小金澤議員。
◆1番(
小金澤優議員) 御答弁ありがとうございました。
では、続けて質問をさせていただきます。道路照明灯に必要な明るさの基準についてお伺いします。
◎早川昌彦
都市整備部長 議長。
○石川清明 議長 早川部長。
◎早川昌彦
都市整備部長 JIS基準で定められている道路照明基準では、夜間の歩行者の交通量と地域特性により歩行者に対する照明基準が定められており、夜間の歩行者交通量が少ない住居地域においては、平均照度が3ルクスとなっております。また、道路照明施設設置基準では、平均照度を5ルクス以上とすることが望ましいとされております。今回、議員御質問の箇所については、平均照度5ルクス以上を確保しております。
◆1番(
小金澤優議員) 議長。
○石川清明 議長 小金澤議員。
◆1番(
小金澤優議員) 御説明ありがとうございました。
平均照度を上回る5ルクス以上確保しているとの御答弁でした。数字では問題ないと思います。ただ、今回のように、それでも何人もの方から御相談があった場合、御答弁いただいたようなことを皆さんにお伝えすることは、非常に大切だと思っておりますので、ぜひこの辺を周知していただいて、皆さんに納得していただくということをしていただければと思います。
それでも、やはり暗いなと感じる箇所がまだあるのは事実です。近隣の方が懸念しているのは、特に防犯という部分です。皆さん、本当に心配をしていらっしゃいます。その防犯の部分を踏まえた上で、気になる箇所について再質問をさせていただきたいと思います。
国際工業バスが停車する喜沢2丁目バス停付近については、夜間、バスを待たれる方や降車される方の防犯上の理由からも、防犯対策として、防犯灯の設置を要すると考えますが、設置できないか、お伺いいたします。
◎五條宏
市民生活部長 議長。
○石川清明 議長 五條
市民生活部長。
◎五條宏
市民生活部長 防犯灯は、犯罪の防止や夜間における道路上の歩行者の安全を確保するために設置するもので、その条件は、市道かつ市民の生活の用に供する道路で、既存の防犯灯、道路照明灯の常夜灯から設置間隔がおおむね25メートルを超える場所としております。新たな防犯灯の設置につきましては、担当者が現地を確認した上で、常夜灯の設置状況、犯罪の発生状況や他の要望箇所との優先順位等を踏まえて、総合的に勘案し、検討しておりますので、御指摘の箇所につきましても、確認の上、適切に対応をしてまいります。
◆1番(
小金澤優議員) 議長。
○石川清明 議長 小金澤議員。
◆1番(
小金澤優議員) ありがとうございます。
ぜひ現場を確認していただきまして、判断、設置をしていただければと考えております。こちらは要望とさせていただきます。
照明灯も防犯灯もですが、基準をクリアしているからといっても、様々な理由から夜を明るくしてほしいという要望はこれからも出てくると思います。今回話を聞いたのは、比較的高齢の方が多かったのですが、夜間照明の明るさの感じ方というのも重要だなと思った次第です。照明灯を設置する場合などは、もう少し地域の皆様の御意見を取り入れることが、とても重要で必要でもあると思っております。また、何事も説明が大切だと思います。そして、防犯ということを考えて、夜のまちの明るさもしっかりと検討していただければと思いますので、何とぞよろしくお願いします。
これで件名1を終わりにいたします。
それでは、次の質問に移りたいと思います。こちらは、バリアフリー、ユニバーサルデザインを一歩前進させるために質問させていただきたく、考えた次第です。
以前より車椅子ユーザーの方、複数人から、私たちにとっては、点字ブロックが障害物でしかないというお話を聞いたことがございます。もちろん、視覚障害者の皆さんにとって点字ブロックは非常に重要なものとして認識しており、なくてはならない設備です。だからといって、車椅子ユーザーへの配慮がこの社会全体的におろそかになってしまってはいけないと考えております。そういったことも考えながら、今回の質問とさせていただきますので、よろしくお願いします。
件名2、車椅子利用者の移動等に優しい公共施設等の整備について。
以前、車椅子ユーザーの方を後谷公園から文化会館までの歩道上、押す機会がございました。そのとき感じたのが、これは大変だなという印象です。その車椅子ユーザーの方は、足が麻痺しておりまして、動かすことができない方です。後谷公園の交差点から文化会館方面に車椅子で移動されてきたのですが、少しでも楽になるならと、私も車椅子を押させていただいた次第です。そのときの会話の中で、このようなことを教えていただきました。この辺は、歩道上が凸凹している上に、街路樹の根上がり、そして、点字ブロックがあるため、移動が大変だということです。歩道の凸凹については、車椅子が揺れて、そして、タイヤが取られるそうです。そのときに動かない足が車椅子のステップからいつの間にか落ちてしまうと。靴を履いていますので、その靴が滑り止めになってしまって、足が引っかかって、巻き込まれてしまうことがあるそうです。私も確認をしましたが、文化会館入り口部分はスロープもあり、配慮されていますが、後谷公園側の歩道は車椅子ユーザーにとってはとても大変だろうなと思わされる場所でございました。ただ、点字ブロックについては、必要不可欠なものでもあり、そのほかの部分で車椅子ユーザーに対して利便性が高くならないかと考えた次第です。
その中で、いろいろと情報を集めていると、車椅子ユーザーのためにバリアフリーマップなどを制作しております一般社団法人WheeLogという団体のサイトにたどり着きました。直接お電話をして、団体の方にお話を聞かせていただきましたが、よい事例があるということも分かりました。聞くところによると、最も進んでいるであろうユニバーサルデザインの事例の一つとして挙げるならば、国立競技場がよいと教えていただきました。実際に国立競技場のユニバーサルデザインに関する資料をウェブ上で見られるのですが、見てみると、試行錯誤の上、視覚障害者及び車椅子ユーザー、どちらにも配慮されていることが分かります。
一例を挙げますと、点字ブロックは、通常、突起部分、こちらが規格で決まっているらしいのですが、5ミリということです。国立競技場でも同様のものが、屋外では使っているようですが、屋内では、突起部分が2.5ミリ、普通の半分ですね、2.5ミリの点字ブロックが使われているそうです。こちらは、車椅子ユーザー等に配慮したということで、使われているということをお聞きしております。最新の事例といっても、数年前にできたものですから、もしかしたらほかにも参考となる事例はあるかもしれません。むしろ、これを機に、車椅子ユーザーに配慮をした整備ができるのではないかということを願って、質問をさせていただきます。
(1)市のバリアフリーに関する方針や計画における車椅子利用者に配慮した整備の考え方についてお伺いいたします。
◎早川昌彦
都市整備部長 議長。
○石川清明 議長 早川部長。
◎早川昌彦
都市整備部長 件名2、車椅子利用者の移動等に優しい公共施設等の整備、(1)市のバリアフリーに関する方針や計画における車椅子利用者に配慮した整備の考え方についてお答えします。
本市では、高齢者や障害者等をはじめ、誰もが日常生活において不自由なく生活ができるバリアフリーなまちづくりを目指し、令和2年度に戸田市移動等円滑化促進方針を、令和3年度に戸田市バリアフリー基本構想を策定し、移動等円滑化促進地区や重点整備地区を設定しております。令和3年度からバリアフリー化を着実に進めることを目的に、各施設管理者と調整の上、98の事業を設定し、公共施設や商業施設などの生活関連施設、道路などの生活関連経路等の整備に取り組んでおります。建築物や道路などの整備に当たりましては、車椅子利用者のほか、視覚障害者や聴覚障害者、さらには、高齢者や妊婦など、特定事業ごとに様々な利用者に配慮する必要がございます。そのため、利用用途や利用者属性、利用頻度などを踏まえ、それぞれの施設管理者において国が示すガイドラインに基づき、整備内容を総合的に判断することとなります。
◆1番(
小金澤優議員) 議長。
○石川清明 議長 小金澤議員。
◆1番(
小金澤優議員) ありがとうございます。
戸田市バリアフリー基本構想、こちらは、移動等円滑化促進地区や重点整備地区を設定しているということです。このまま、ぜひ推し進めていただきたいと考えております。また、バリアフリー化については、98の事業ということで、とても心強く、戸田市としてもよいまちに進んでいるのではないかなと考えております。障害者だけではなく、高齢者や妊婦、そういった様々な方にも配慮しているということも重要ではないでしょうか。
今、多分、点字ブロックですが、国の示すガイドラインがネックになっていると言っていいのか分かりませんが、それが確かにネックになってしまうこともあるかと思います。国の動向を見ながら、何ができるのかを判断することは手間のかかる作業ではないかと私も考えております。しかし、障害のある方が普通に暮らせることが当たり前であるまちづくりは非常に重要ですし、本市が目指すところではないでしょうか。ぜひこのまま進めていただければと考えます。
それでは、再質問をさせていただきます。
現在、調べたところ、今までの点字ブロックとは違う新たな考え方による代替品なども出てきております。例えば室内にて利用される表面に凹凸がなくて、周囲がスロープ状になっているゴム製の視覚障害者用歩行誘導マットというものがあるそうです。車椅子利用者、そして、体が不自由な方、ほかにも、高齢者はもちろん、キャリーバックやベビーカー、かかとの高いヒールなどを履いている方など、全ての人が安全で自由に移動できる空間づくりを補助してくれる製品とのことです。また、視覚障害者を安全に誘導するために、ソーラーパワーが内蔵されている、ソーラーパワー型のビーコンが内蔵され、スマートフォンアプリを通じて、今の自分がいる場所を通知してくれる位置情報や、誘導してくれる点字ブロックもあるそうです。庁舎内でも利用できる製品とのことでしたので、選択肢の一つとして検討していただいてもよいのではないでしょうか。
それでは、再質問をさせていただきます。
誘導用ブロックの形状や配列の工夫など、車椅子利用者に配慮した整備について、市庁舎や周辺の道路等での対応についてお伺いいたします。
◎山上睦只 総務部長 議長。
○石川清明 議長 山上総務部長。
◎山上睦只 総務部長 誘導用ブロックの車椅子利用者に配慮した整備について、総務部から庁舎の対応についてお答えいたします。
庁舎の整備につきましては、戸田市バリアフリー基本構想等に基づき、様々な来庁者が利用しやすいよう考慮して進めており、誘導用ブロックの整備や車椅子やベビーカーの利用者が通行しやすいよう、凹凸のあった床面をフラットに改修するなどの整備を行っております。誘導用ブロックの形状や配列の工夫につきましては、突起部分の高さを半分にしたブロックや、ブロック同士の間に隙間を設けた場合等の使用感に関する実証実験を昨年度、国土交通省が車椅子利用者と視覚障害者の協力を得て実施しております。その結果では、車椅子利用者からは、おおむね通行しやすいという意見がある一方で、視覚障害者からは、不安や戸惑いを感じる、隙間により、次のブロックを見失う、誤認してしまう等の意見があり、車椅子利用者と視覚障害者の双方が円滑に、かつ安心・安全に移動できる誘導用ブロックの配置についての結論は出ませんでした。こうした結果からも、庁舎における誘導用ブロックの配置状況をすぐに変更することは難しいものと考えますが、庁舎は、視覚障害者、車椅子利用者、高齢者、ベビーカー利用者など、様々な方が訪れる施設でありますことから、引き続き国の動向と併せて、利用者の声や誘導用ブロックに関する先進事例などの情報を収集し、適切なバリアフリー環境の整備に努めてまいります。
◎早川昌彦
都市整備部長 議長。
○石川清明 議長 早川部長。
◎早川昌彦
都市整備部長 続きまして、道路での対応について、都市整備部からお答えします。
市が管理する道路上の整備に当たりましては、平成18年12月、国土交通省が定めた道路移動等円滑化基準に基づき対応を行っております。なお、この基準につきましては、平成30年5月及び令和2年5月、バリアフリー法等の改正を受けて、国土交通省において令和3年3月、見直しを実施しております。
道路上の誘導ブロック等については、これらの最新基準や有効な整備事例などを参考に整備を実施しております。国の実証実験が屋内施設で実施されていることもあり、議員御提案の対応については、現時点においては難しいと考えますが、今後の参考にさせていただきます。
◆1番(
小金澤優議員) 議長。
○石川清明 議長 小金澤議員。
◆1番(
小金澤優議員) 御答弁ありがとうございました。
一つ、資料を用意しましたので、御覧ください。こちらは、一般社団法人WheeLogさんのサイトから抜粋したものです。場所は、長崎県の佐世保市にあるということです。車椅子やベビーカーユーザーに配慮した事例となります。点字ブロックにスリットが入っているのがお分かりになるでしょうか。これが国の基準やガイドラインに沿ってできるかどうか、また、視覚障害者の方に不安を与えてしまうかどうかなど、様々な壁はあると思いますが、一つの事例として御覧いただければと考えております。
よく見ると、視覚障害者と車椅子ユーザーの待機場所といいましょうか、すみ分けをされているのが分かると思います。こういったちょっとしたアイデア、もしくは、これを考えた人の優しさというところは変則的ではございますが、真のバリアフリーが実現できる事例の一つになるのではないでしょうか。制限も出てくることは承知しておりますが、少しでも実現できる可能性がありましたら、ぜひ検討をしていただくことを要望いたします。
真のバリアフリー、そして、ユニバーサルデザインの先進事例として、本市が注目される日が来ることを願いまして、私の一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
△散会の宣告
○石川清明 議長 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
散 会 11時39分...