箕面市議会 > 2003-09-26 >
09月26日-03号

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  1. 箕面市議会 2003-09-26
    09月26日-03号


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    平成15年  9月 定例会(第3回)          第3回箕面市議会定例会継続会会議録9月26日(金曜日)◯出席議員   1番  田代初枝君         14番  黒山政之君   2番  牧原 繁君         15番  斉藤 亨君   3番  増田京子君         16番  布 邦夫君   4番  牧野直子君         17番  石田良美君   5番  上島一彦君         18番  上田春雄君   6番  神田隆生君         19番  内海辰郷君   7番  名手宏樹君         20番  牧野芳治君   8番  林 恒男君         21番  北口和平君   9番  二石博昭君         22番  谷 茂男君  10番  西田隆一君         23番  松本 悟君  11番  藤井稔夫君         24番  大越博明君  12番  中川善夫君         25番  八幡隆司君  13番  永田吉治君◯欠席議員   なし◯説明のため出席した者の職氏名 市長       梶田 功君    出納室長     吉田直彦君 助役       芝 寅勇君    教育長      仲野 公君 助役       清田榮紀君    水道事業管理者  平野忠志君 収入役      寺内 勇君    監査委員事務局長 榎  壯君                   農業委員会 政策総括監    倉田哲郎君             稲治 昂君                   事務局長                   選挙管理委員会 市長公室長    西尾末生君             大谷和雄君                   事務局長 総務部長     井上雅司君    教育推進部長   藤原秀子君 人権文化部長   草間 正君    生涯学習部長   上西利之君 競艇事業部長   清水義雄君    市立病院事務局長 重松 剛君 市民生活部長   南 富治君    消防長      矢野広二君 健康福祉部長   武藤 進君    水道部長     忽那 正君 都市整備部長   芝山邦雄君◯出席事務局職員 事務局長     田中征男君    議事課長補佐   竹内正夫君 次長       上野信一君    議事課担当主査  西川和彦君 議事課長     長沢 均君◯議事日程(第3号) 平成15年9月26日 午前10時開議 日程第1 会議録署名議員の指名 日程第2 一般質問---------------------------------------     (午前10時 継続開議) ○議長(藤井稔夫君) ただいまより平成15年第3回箕面市議会定例会継続会を開議いたします。 この際、「諸般の報告」を事務局長から申し上げます。事務局長 田中征男君 ◎事務局長(田中征男君) まず、議員の出席状況をご報告申し上げます。 本日は全員出席でございます。したがいまして、本日の出席議員は25名で、地方自治法第113条の規定により議会は成立いたしました。 次に、本定例市議会継続会に付議される事件の説明員をご報告申し上げます。  (以下報告) ○議長(藤井稔夫君) 次に、日程第1、「会議録署名議員の指名」を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第117条の規定により、議長において1番 田代初枝君及び24番 大越博明君を指名いたします。 次に、昨日に引き続き、日程第2、「一般質問」を行います。順次発言を許します。 17番 石田良美君 ◆17番(石田良美君) 箕政会の石田良美でございます。 私は本市リーディングプランの一つ、子育て環境の整備と教育の充実に関して、2点一般質問を行います。 まず、教育相談事業の充実に向けてお伺いいたします。 現在、本市では学校教育課青少年指導センター及び教育センターで行われている教育相談事業と、学校におけるスクールカウンセラーや心の教室相談員制度によって、幼児から高校生にかかわるさまざまな悩みや状況に対応できる相談体制ができ上がっています。 教育センターにおいて実施されている教育相談は、平成13年度には4,269件、1日平均14件、平成14年度は4,771件、1日平均16件となっています。 また、文部科学省や大阪府教育委員会は、国・府の事業として平成9年度からスクールカウンセラーを配置しています。本市には、国・府のスクールカウンセラーが4つの中学校に、このスクールカウンセラーが配置されていない学校には、心の教室相談員と市費のスクールカウンセラーが配置されています。 勤務内容は、中学校の場合週1日、8時間の勤務で時間給は5,200円、小学校は月1日の8時間勤務で時間給は同じです。 このスクールカウンセラーに関して、教職員や保護者から次のような声が寄せられています。 「スクールカウンセラーが保健の先生と連携をとってうまくやっていくかどうかは、個人に任されています。学校の中でスクールカウンセラーをどう位置づけるかということを丁寧にやっておけば、カウンセラーだって教室を回ったりできると思うんですが、現状は人によって対応が異なっています。時間だけ相談の部屋にやって来て、いつ来て、いつ帰られたのかわからない。そんな状況にもなっています。」これは子育てサークル活動をしている方からの言葉です。 学校現場では、何日何時から何時までスクールカウンセラーがこの部屋に来ますという手紙を保護者に出して終わりです。カウンセラーの方に、「カウンセラーと保護者の相談内容を担任につなぐことはしないのですか」と聞きますと、「そういうことをすることを嫌がる親もいるので」ということで教師がカウンセラーに相談内容を聞けない雰囲気になっています。 「守秘義務が盾になっていたり、教師は臨床心理士の資格を持っていないからだめということで、連携しようという姿勢がありません」と現場の教師は語っています。 また、ある専門家は、「スクールカウンセラーというのは担任の先生がどういう性格で、どのような教え方をしているのかということを当然知っていなければなりません。その中で、先生に言うべきこと、言わないことなどを見きわめてうまく担任と親の関係を取り持ち、子どもが学校の中で適応できるようにするのが仕事ではないですか。スクールカウンセラーの先生に何て言われましたかと、先生が親に聞いているのが実情なんですよ」と指摘されました。 このような声がある一方で、学校や担任、保護者、生徒と連携をとりながら、有効適切な対応がされているケースもないわけではありません。しかし、そのような取り組みとそうでない取り組みに大きなばらつきがあるのです。 そこで、そのばらつきはどこから生じてくるのか、問題点を絞ってお尋ねいたします。 1つ目は、スクールカウンセラーの導入目的は何だったのかということであります。 さきに述べましたが、本市ではカウンセラーが導入に先駆け、教育センターで3名の相談員による相談事業が実施されていました。その後、国や府からカウンセラーと心の教室相談員が配置されてきました。 この時点で、カウンセラー導入の目的をどう考え、どのような機能分担がなされたのでしょうか、お聞かせください。 2つ目は、学校におけるカウンセラーの位置づけがどのようになっているのかということであります。 スクールカウンセラーが学校に必要であるという意見と、必要ではないといった正反対の意見があります。 生徒指導は元来教職員が行っているものであり、カウンセラーへの相談も教師の生徒指導の範疇に入るという意見です。この立場で考えると、学校はカウンセラーに児童・生徒のカウンセリングを外部委託したことになります。この外部委託に関しての契約内容はどのようになっているのでしょうか。 市内各学校に共通の対応指針やシステムが確立されていなければならないと思います。カウンセラーの目的や仕事内容、保護者や教職員との連携のあり方など、本制度の有効活用に向けた共通認識が図られる必要があると考えますが、いかがでしょうか。 3つ目は、カウンセラーが導入目的に見合った形で仕事が遂行されているかということについて、だれがどのように把握しているのかということであります。 学校によってはカウンセラーに任せっきり、すなわち丸投げ状態といったケースもあります。このような場合、カウンセラーはだれにこの問題を投げかけたらいいのでしょうか。また、カウンセラーによる相談内容の丸抱えなどについては、だれがどのように指摘、指導をするのでしょうか。 臨床心理士という資格だけでスクールカウンセラーの仕事ができるものではありません。学校の様子、児童・生徒や地域の特性、さらには市内の相談機関や制度の熟知も必要です。このようなことをカウンセラーに研修していただいているでしょうか。 4つ目は、他の子どもや青少年にかかわる相談事業を実施している関連機関との機能分担についてお聞きいたします。 子どもの相談はゼロ歳から二十歳過ぎまでの人を対象に、育児、児童虐待、子どもの発達や障害など、内容も多岐にわたっています。学齢期の子どもを対象にしているスクールカウンセラーではありますが、内容によってはこのような機関との連携は欠くことができません。そのような調整はどこでしているのでしょうか。 私は、学齢期の児童・生徒の相談事業はスクールカウンセラーが核になり、しかるべき機関と連携し、問題解決に当たるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、相談機関と内容の重複についてお尋ねいたします。 市民手帳の相談案内には、子ども青少年相談として本庁の学校教育課青少年指導センター教育センターの3カ所が相談場所として案内されています。また、障害のある子どもの相談も教育センターとリハビリテーション内の子ども相談室で行われており、重複が目立ちます。 市民手帳の案内を見て相談に出かけてこられる人は、自力で解決する方向に一歩踏み出している能動的な人です。相談窓口に足を運ぶことも思いつかず、家庭で悶々として悩んでいる人を対象にしたわかりやすく駆け込みやすい相談窓口体制、相談内容と場所の整理・統合が必要だと考えます。見解をお聞かせください。 次に、次世代育成支援対策推進法に基づく施策推進と組織のあり方について、お尋ねいたします。 一向に歯どめのかからない少子化傾向に対して、国は大企業や市町村に行動計画をつくり、数値目標を掲げて子育て支援していくための法整備を行いました。 それによりますと、本年度市民ニーズ調査を行い、17年には行動計画を策定することになっています。 箕面市には既に子どもプランがあります。行動計画の策定はその取り組みをさらに強化、充実されるものと位置づけ、着実に推進してほしいと思います。 そこで、そのための組織のあり方について質問いたします。 さきに質問しました相談事業の場合、幼児から高校生の教育、問題行動、家出、虐待などに関する相談は、現在、教育委員会所管の3カ所で、またそれとは別に、児童虐待相談については子ども家庭センター福祉事務所子育てセンターにおいても実施されています。障害児に関する相談も、教育委員会健康福祉部でそれぞれ実施されていることは、さきに述べたとおりです。 赤ちゃんからお年寄りまで、在宅福祉サービスや健康、検診、機能訓練など、保健福祉に関する相談は総合保健福祉センター(みのおライフプラザ)の総合相談カウンターへお気軽にどうぞ。個室の相談室もありますので、プライバシー保護も万全です。電話での相談も受け付けます。これは、保健福祉総合センターの案内です。子育てや教育に関する総合相談窓口もつくろうと思えばできるはずです。 庁内には部長級で構成されている子ども施策推進本部会議があり、その他課長級の横断的な会議もあるそうです。また、臨時的な課題については、これも横断的なプロジェクトチームで対応しているとのことです。縦割りの弊害の解消ということで、横との連携を図るため横断的会議が庁内に幾つもつくられています。 しかし、相談業務一つを総合的に実施できない現状を見れば、横断的作業にも限界があるというものです。 10月よりサンプラザにおいて、子育て支援センター分室事業がスタートします。それより前から取り組まれていた東生涯学習センターのプレイルームを活用した同種の取り組みは、いまだ職員配置がなく、分室事業として位置づいておりません。実態がありながら、東部の親子は充実したサービスを利用することができないのです。これも私は横断的作業の限界だと思っています。 今後、幼稚園での預かり保育、幼稚園と保育所の連携や一元化といった問題も表面化してきます。私が指摘するまでもなく、一元的に子ども施策を実施したいと感じておられるのは、当該職員さんたちではないでしょうか。 子どもたちにとって有効であるだけでなく、経費や時間、マンパワーもさらに有効に活用できることは、だれもがわかっていることです。 近年、他の自治体においては、子どもに関する施策を所管する組織再編が行われています。千葉県市川市の場合は、保健福祉局にこども部を置き、子育て支援こども福祉、保育、青少年課などが置かれています。福岡市も、保健福祉局で学校教育以外の子ども施策すべてを所管しています。島根県出雲市は、幼児教育と学校教育を除く生涯学習や青少年育成関係はすべて市長部局の市民学習課で所管されています。 私どもが視察に訪れました福島県郡山市では、総合教育支援センターに幼児から中高生までの教育相談、教育実践、家庭教育、地域教育、子ども体験センター幼児教育等の各支援を行っており、幼稚園と保育所の壁、教育と福祉の壁が取り除かれ、福祉部門と教育委員会部門の職員さんが一つの建物の中で仕事をしていました。 これまで本市でも、子ども施策に関する組織の統合については検討されたことがあり、結果、他市に先駆け子ども課ができました。しかし、所管内容に大きな変化はありませんでした。組織統合については、担当者の皆さんは口をそろえて必要なことだとおっしゃいますが、しかし、いろいろ難しいことがあるとか、法律の壁を持ち出されます。 現実に各自治体では知恵を出し、その自治体独自の組織再編が図られています。できない、難しい、壁があると言う前に、ぜひ職員さんを先進都市へ派遣し、壁の崩し方を学んできてほしいのです。 そして、箕面にふさわしい総合的な子ども施策を推進していける組織を編み出していただきたいと思います。 以上2点につきまして、理事者の明快な答弁をお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。 ○議長(藤井稔夫君) ただいまの質問に対する理事者の答弁を求めます。教育推進部長 藤原秀子君 ◎教育推進部長(藤原秀子君) ただいまの石田議員さんのご質問に対しまして、ご答弁申し上げます。 教育相談事業の充実についてのお尋ねでございますが、近年、急激な社会の変化により、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化するとともに、家庭や地域の教育力の低下が指摘される中、学校においてはいじめ、不登校、校内暴力など、児童・生徒のさまざまな問題行動が顕著化し、学校外においてもこれまで考えられなかった青少年の凶悪な犯罪が続発し、大きな社会問題となっている状況でございます。 一方、教育の原点である家庭においても、過保護、過干渉、放任、児童虐待や親子のコミュニケーション不足などから、子どもの居場所がないといったさまざまな問題が発生しているところでございます。 このような状況の中、現在、市内小・中学校に9名のスクールカウンセラーを配置し、カウンセリング心理学の援助が必要な悩みを持つ児童・生徒の心のケア、教職員、保護者からの教育相談に対する指導・助言等の活動を行っております。 1点目のスクールカウンセラーの導入目的についてのご質問でございますが、児童・生徒の臨床心理に関しまして、高度に専門的な知識及び経験を有する臨床心理士などの専門家を配置し、その活用を図ることで小・中学校教育相談体制の充実を図り、児童・生徒の問題行動の解決に資することが目的でございます。 なお、教育センターに配置しております教育相談業務員との機能分担でございますが、教育センターにおきましては、来所する保護者を主とする相談者へのカウンセリングを行い、スクールカウンセラーは、学校において直接子どもとかかわっての教育相談や、教職員、保護者への助言を行っております。 なお、教育センター教育相談業務員スクールカウンセラーとの連携につきましては、いじめ、不登校対策委員会に出席し、情報交換を行うなど、相談内容に応じて深めてまいりたいと存じます。 2点目のスクールカウンセラーの学校における位置づけについてでございますが、箕面市立小・中学校スクールカウンセラー配置事業実施要綱に基づきまして、学校長の指揮監督のもとに、教職員及び保護者への助言、援助、子どものカウンセリング等の職務を行っております。 教育相談に係る校内会議や校内研修会、保護者の集いへの講師参加など、教職員の教育活動や保護者の子育てを支援するのが、その役割でございます。 各学校では、年度当初に教育相談体制についてスクールカウンセラーと打ち合わせを行い、学校情報を提供し、児童・生徒、教職員、保護者にカウンセラー制度の周知を行い、その有効活用が図られるよう努めているところでございます。 しかしながら、その雇用先が大阪府と箕面市という違いや、年間の勤務回数、勤務時間などの制限、他市や他業種との兼務がネックとなり、合同の研修会や連絡会が確保できていない現状がございます。 教育委員会といたしましては、心理臨床の援助を必要とする教育相談件数が増加している現状にかんがみ、学期1回程度のスクールカウンセラー連絡会の実施、要綱をもとにスクールカウンセラーの業務をわかりやすく明示し、関係者の共通認識を図り、スクールカウンセラーの有効活用を一層推進してまいる所存でございます。 3点目の目的に見合った仕事が遂行されているかどうかの把握でございますが、各スクールカウンセラー教育相談活動については、毎月相談件数や延べ回数、相談内容報告書の提出を学校長を通じて求め、その把握に努めております。 学校によりスクールカウンセラーに任せっきりという石田議員さんのご指摘につきましては、臨床心理士の資格を持った担当指導主事が、学校長やスクールカウンセラーからヒヤリングを行い、さらに実態把握に努め、校内の連携が図れていない場合があれば、実態に応じて指導や支援を行い、より効果的な事業の遂行を行ってまいります。 第4点目の関係機関との有機的な連携についてでございますが、スクールカウンセラーから相談内容の報告を受けた学校長は、その内容に応じて関係機関と随時調整を行い、対応をしております。 スクールカウンセラーが核になって、関係機関と連携を図るということにつきましては、週1回の勤務の状況から児童・生徒の状況把握に限界があり、中学校においては生徒指導主事がこれを担っております。 今後もスクールカウンセラーの資質向上に努めるとともに、制度を効果的に活用できる学校体制、有機的に機能分担できる教職員の育成、より効果のある機関連携を図り、学校教育の推進になくてはならない存在となるよう、指導してまいりたいと存じます。 5点目の相談機関の内容の重複につきましては、激動する現代社会の動向を受けて各相談機関にもたらされる相談も複雑化し、それに伴って高度な対応が求められております。 例えば、心理テストを必要とする相談内容は教育センターで、児童・生徒の問題行動については青少年指導センターで、教職員の指導方法や学校事故につきましては学校教育課で、と担当しております。 このように、相談機関はそれぞれ専門分野がありますが、専門でない相談があった場合でも他の相談機関を紹介し、適切に対応ができるよう関係機関の連携を深めているところでございます。 また、相談機関の紹介につきましては、「教育相談のご案内」というリーフレットを作成し、毎年市内の幼稚園、小・中学校の園児・児童・生徒を通じて配布し、啓発に努めております。今後とも、よりわかりやすいリーフレットを作成し、教育相談の案内を図ってまいります。 なお、ご提案いただいております教育総合相談窓口の設置につきましては、先進地の調査も含め調査、研究してまいりたいと存じますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 なお、ご質問のうち他の部局に係ります事項につきましては、所管部長からご答弁申し上げます。 ○議長(藤井稔夫君) 健康福祉部長 武藤 進君 ◎健康福祉部長(武藤進君) 次に、第2点目の次世代育成支援対策推進法に基づく施策の推進と組織のあり方についてのお尋ねでございますが、急速な少子化の進行は、今後我が国の社会・経済全体に極めて深刻な影響を与えるものであることから、少子化の流れを変えるため、改めて国、地方自治体、企業が一体となって従来の取り組みに加え、もう一段の対策を進めていく必要があるということで、本年7月に次世代育成支援対策推進法が成立し、平成17年度施行に向け地域行動計画の策定が義務づけられました。 当該法律につきましては、地域における子育て支援、親子の健康の確保、教育環境の整備、居住環境の確保、仕事と家庭の両立といった子育て関連の全分野にわたって、総合的な支援を行政及び事業者で行っていく趣旨であり、地域行動計画につきましても、こういった視点で総合的な計画とすることが求められています。 ご指摘のとおり、平成13年3月に箕面市子ども条例の理念を具体化すべく、教育や福祉の枠を超えた総合的な子ども施策を箕面市子どもプランとして取りまとめたところでございまして、この子どもプランの重点的に取り組む項目として、少子化への対応を掲げておりまして、このたびの行動計画の策定に際しましても、これまでの取り組みを強化、充実するものとして推進してまいりたいと考えております。 さて、子ども施策の推進に当たってでございますが、ご指摘のとおり、教育的分野福祉的分野にまたがっており、緊密な連携が必要とされております。 例に挙げていただきました子育てや教育に関する相談窓口につきましては、確かに窓口が細分化し、相談したい方がどの相談窓口へ出向いてよいかわかりにくいとの見方もございますが、一方で、窓口の名称及び位置づけ、ご相談をお受けする職員の専門分野が異なることによって、さまざまな角度からの相談窓口へのアプローチが可能であるという利点もあると考えております。 具体的には、保育所の園庭開放に子どもを連れて来られる保護者の方が、子どもが園庭で遊んでいる間に保育所の保育士、または看護師に気軽に育児相談をしていただく。また、ライフプラザでの乳幼児の検診の際に、日ごろ気になっていることを保健師や臨床心理士にご相談いただく。そのような場面、機会に親子の生活の中で出会えるようなセッティングをしていく。そういった意味で、窓口の多様性ということも求められるかと考えます。 平成11年度より、本市におきましても子育て支援センターをオープンし、就学前の子どもに関するあらゆるご相談に開かれた窓口として設定いたしております。そして、この子育て支援センターを拠点に、必要に応じて各機関をつなぐ作業を裏づけるため、大阪府子ども家庭センターをはじめとした関係機関より構成する子どもの相談担当者連絡会議を設置し、定期的に機関同士の連絡を行ってきているところでございます。 このような継続的な取り組みにより、それぞれの窓口の機能性、連携性を高めていく中で、ご指摘いただきましたような保健福祉総合相談に準じる総合的な相談窓口の機能を、市全体として形成していきたいと考えております。 この子ども施策が、教育、福祉の両分野にまたがるという点につきまして、他市におかれましてはゼロ歳から18歳までの一貫した子ども施策の必要性、少子化対策の必要性から、教育分野及び福祉分野の組織を一体化し、子ども関係施策を対外的にも庁内的にもわかりやすくする方法をとっているところもございます。 本市におきましては、子育て関連施策を総合的な観点から推進するため、教育委員会健康福祉部の連携が必要であるとの認識のもとに、教育委員会事務局教育推進部子ども課職員と健康福祉部児童福祉課職員とを一部併任させ、子どもプランの推進に当たるとの体制をとっております。 今のところ、こうした教育と福祉との連携体制を継続しながら、組織的な改編につきましては、今後の課題として検討してまいりたいと存じますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 ○議長(藤井稔夫君) 次に、16番 布 邦夫君 ◆16番(布邦夫君) 日本共産党の布 邦夫です。簡単に、1項目について質問します。 私は、2000年に制定された公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律と、この法に基づいて2001年12月に制定された公益法人等への職員の派遣等に関する条例にかかわって質問します。 この法律や条例制定以前からも職員が派遣されていましたが、地方自治体などの商工会議所等への市職員配置や第三セクターへの在職派遣について、裁判で地方自治法違反という判決が相次いだことに対応し、全国的な基準と統一を兼ねて法制定が行われたものであります。 公益法人に地方自治体が職員を派遣する在職派遣制度や、地方自治体の職員を一たん退職させて第三セクターに派遣し、その後自治体に復職できる退職派遣制度を創設したものであります。 開発型第三セクターへの職員派遣を合法化することによって、こうした第三セクターの公共性の法的根拠とされ、開発の赤字のつけが自治体負担をされるおそれが強いので、条例でこの点をしっかり押さえることが重要であります。 そこで、約2年半の間の業務執行を通じて、法の目的でもある地域の振興、住民の生活向上等に関する地方公共団体の諸施策の推進を図り、もって公共の福祉の増進に資することについての評価、教訓をお尋ねいたします。 まず第1に、この法及び条例制定のもとで、箕面市において任命権者は8つの公益法人等との取り決めに基づき職員を配置していますが、その実情と基本的方針、将来的展望についての見解をお尋ねいたします。 第2に、この2年余りの条例などを通じての人材派遣にかかわって、法の目的がどのように実現し、どのような成果と教訓を得ることができたか。法や条例において、どのような問題点が生じているか。また、公益法人等によって採用されてきた職員も、一定の年数の経過のもとで地方公務員に依存しなくてもよい状況はあり得るのではないでしょうか。 これまで派遣されてきた職員は、当該団体の事務方の責任者等として配置されてきました。これではいわゆるプロパーと言われる人にとって、有能な人でも市からの派遣職員を超えられないという状況に甘んじてしまいます。 これまでも市議会で指摘してきましたが、プロパー職員は市職員に比べて1号俸給与水準が低いという非合理的な状況が変わりません。これらについての見解もあわせ求めるものです。 第3に、適材適所配置についてお尋ねをします。 公益法人等は、その目的をその時代や地域特性、住民の要求に沿って実現するために努力が払われています。そうした状況のもとで、市担当部局とのかかわりを含めて施策展開が図られます。そして、事業促進や新たな施策の立案のため、市から職員が配属されてくるのであります。 市では、その公益法人等への派遣についての職員からの希望等を聞き、配属をされています。一般的に人事配置についても、個々に見ればさまざまな見解が伺えますが、公益法人や出先等の派遣先について見るならば、今日の社会通念でいえば、多くの同僚と離れて、新たな職場に配属されるのです。この分野で大いに頑張りたいと思われる魅力ある業務があったとしても、今日その推進が大変厳しい状況にあることは、本庁の職員の実態を見ても明らかであります。 若く、その分野で仕事を大いにやりたいという有能な職員を配置することによって、その職員の働きがい及びその団体の高い評価も得られるのではないでしょうか。適材適所の配属についての見解を尋ねるものです。 第4に、事前合意について伺います。 これまでも派遣先への配属が、毎年1日の事務的手続で処理をされて、派遣が継続された経緯もあります。なお、今日もその状況が続いておるわけであります。 さきに述べてきましたように、全く新しい意欲をもってしても、大きな職場環境の変化があり、その意思についてはなかなかみずから合意できないものであります。 ところが、現在の市職員の人事異動でも内示の数日前に示されるのが実態の中で、派遣先に配属される場合でも、それに先立って数日前に合意が求められるのが実態であります。 つまじきものは宮仕い、紙切れ1枚のサラリーマン、私は有能な職員がみずからの業務を通じて住民の福祉向上等に貢献をしたいと思う職員、将来展望や意欲をかき立てるには余りにも短い期間でしかないと思われます。 一般に労働基準法から見ても、一定の思慮期間があって当然だと思われます。自治体によっては1カ月前の事前打診が行われています。直前の同意方法だと全体の職員配置に影響が出て、派遣拒否の困難性が一層増してきます。 同意方法についての見解を求めるものであります。 以上、派遣職員にかかわって質問をしてきました。性格は異なりますが、出先職場における職員の配属についても幾つかの問題点があります。市職員、出先職場の職員、派遣職員、その他関係職員が力を合わせ、住民福祉の増進をめざす。自治体の本旨に沿って活躍されるよう期待して、一般質問を終わります。 ○議長(藤井稔夫君) ただいまの質問に対する理事者の答弁を求めます。市長公室長 西尾末生君 ◎市長公室長(西尾末生君) ただいまの布議員さんのご質問に対しまして、ご答弁申し上げます。 まず、第1点目の公益法人等への職員派遣の実態と基本的方針、及び将来的展望についてのお尋ねでございますが、最近の行政を取り巻く環境は、地方分権の進展や市民ニーズの多様化、高度化によりまして大きく変化いたしており、地方自治体にはこれまで以上に限られた財源や人材等を有効に活用しながら、行政サービスを効率的、効果的に提供することが求められており、外郭団体につきましても連携と協力を図りながらさまざまな行政課題に対応し、諸施策を推進していくことが、地域の振興や市民生活の向上等に不可欠であると考えております。 このため、今後におきましても各団体と市との調整役やプロパー職員の指導、育成役として、職員の派遣は必要であると考えており、各団体の自立を促進しつつ一定数の職員派遣を継続していく所存でございます。 なお、派遣の実態といたしましては、現在、財団法人箕面市医療保健センターや社会福祉法人箕面市社会福祉協議会などの7団体に56名の職員を派遣いたしているところでございます。 次に、第2点目の公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律、いわゆる公益法人等派遣法や同法に基づく公益法人等への職員の派遣等に関する条例、いわゆる公益法人等派遣条例制定後における派遣の成果と教訓、問題点についてのお尋ねでございますが、これまでの外郭団体への職員派遣につきましては、地方公務員制度上統一的な派遣ルールの定めがなく、分限条例に基づく休職や職務に専念する義務の免除など、既存の制度の運用により対応せざるを得なかったのが実情であり、各自治体間での制度運用上のばらつきも多く、また給与の取り扱いにおいても訴訟を提起されるなど、地方公務員制度上その取り扱いが不透明なところがございました。 そこで、これらの問題を解決し、地域における人材の有効活用を通じた行政と民間の適切な連携協力を目的として、公益法人等派遣法が制定され、平成14年から施行されたことから、本市におきましても同法に基づく外郭団体への職員派遣をするため、公益法人等派遣条例を平成14年4月1日から施行したところでございます。 これら法律及び条例が制定されたことの成果といたしましては、これまで不明確であった派遣職員の身分の取り扱いが明確化されたことなど、法律の目的はもちろんのこと派遣する際は同法に基づく職員の同意を必要といたしますことから、事前に派遣についての意向調査を実施することにより、職員の意向に沿ったよりやる気を持った職員の派遣ができるようになり、一層適正な配置が可能になるとともに、派遣職員が市と派遣団体とのパイプ役となり、双方の長所を踏まえた施策の立案や調整に大きな役割を果たしているものと考えております。 また、各団体のプロパー職員につきましては、各種業務が専門化、複雑化する中、それぞれの持ち場で持てる能力をいかんなく発揮していただいておりますが、現在、各団体ごとに策定中の経営改革計画におきまして、団体の自立に向けた組織のあり方とあわせ、人材の育成、活用方策を検討しておられますので、その結果に応じた対応をしてまいりたいと存じます。 次に、第3点目及び第4点目の適材適所の配置、派遣の事前合意についてのお尋ねでございますが、外郭団体等への職員の派遣手続につきましては、毎年1月ごろに現に派遣している職員以外で派遣の対象となる職種の全職員に対しまして、派遣希望の有無や派遣先などの意向調査を実施いたし、それに基づき適材適所の視点で職員の経歴や適性などを十分に考慮しながら、派遣職員及び派遣先を内定し、当該職員に派遣の目的や福利厚生面での違いなど制度の説明を行うとともに、公益法人等派遣法に定められている本人同意を得た上で、人事異動の一環として内示を行っているところでございます。 このように、外郭団体等への職員派遣を人事異動の一環として行っている以上、派遣する職員に対し1カ月前に事前打診するなど、さらに早い時期に同意を得ることとなりますと、人事異動に大きな混乱を来すおそれがありますので、それにつきましては人事異動の内示日の直前に行わざるを得ないと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 なお、外郭団体等への職員の派遣につきましては、今後とも職員の意向や適性、市全体の職員配置等を十分に考慮し、市全体として最も効果的な配置となり、何よりもそこで働く職員がやりがいを持って職務に当たれるような状況を形成するとともに、各団体の自立に向けまして引き続き連携、支援してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解を賜りますようお願い申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 ○議長(藤井稔夫君) 次に、24番 大越博明君 ◆24番(大越博明君) 民主党の大越博明でございます。引き続き、一般質問をさせていただきます。 私は、今年度の施政方針に対する会派代表質問において、既成市街地の再整備及び職員の人材育成に関し、大綱的な施策について質問をさせていただきました。 今回は、一般質問として具体的に課題を提起し、既成市街地整備の観点から箕面駅周辺整備、及び職員の人材育成と組織活性化の観点から、不祥事防止基準づくりとその公表について2項目質問をいたします。 まず初めに、箕面駅周辺の再整備についてお尋ねをします。 10月1日、いよいよ長年の念願であった箕面新都心萱野中央がまち開きします。多くの人が集まり、にぎわいのある新しいまち箕面の核となるようなまちに育てていかなければなりませんし、さらなるまちの発展には北大阪急行線延伸という大きな課題と、萱野中央の成熟期へ向けた周辺整備もあります。まちづくりに向けた大きな夢があります。 しかし、我が箕面のまち、私たちが生まれ育ってきた既成市街地、中心市街地とも言えるまち並みはちょっと元気がありません。この中心市街地の機能回復について、私なりの現状と問題意識を提起します。 ご承知のように、この中心市街地の衰退は箕面駅周辺や桜井駅周辺に限った現象ではなく、全国の市やまちの中心市街地の多くが衰退、または停滞しています。都市全体では活力を維持していても、市街地のドーナツ化現象等により中心市街地が衰退していることが多く見受けられます。 我が箕面の箕面駅周辺を考えてみた場合、箕面というまちの歴史の中で人口が急増し、まちが活性化してきました。地域の文化・伝統をはぐくみ、都市・まちの核として市役所をはじめ各種の公共機関を有し、商業施設も他のどの地域よりも充実し、観光地でもある箕面の玄関、いわゆるまちの顔でありました。 私自身、40数年間通学・通勤に利用してきましたが、今では箕面駅の乗降も減少し、以前のような人と人とのつながり、活気が見られません。このように思うのは、私一人でしょうか。 今日見られるような状況、まちの顔の衰退は、まちの主体性喪失の危機とも言えるのではないでしょうか。急激な都市化が終焉を迎え、安定・成熟段階に達すると、都市型社会の到来をどのようにとらまえ、どのように立ち向かうかは、行政はもちろんまちに住み、働く一人一人が真剣に考えなければならない重要なテーマでもあります。今までも多くの方々が論議されてこられました。 私は、既成市街地の衰退の一つの要因として、まちの発展、拡大に伴う新たな投資が新市街地に集中し、まちの魅力が薄れた既成市街地に新規投資が行われなくなった、あるいは減少したからではないかと思います。現在の箕面のまちがそうではないでしょうか。 先ほど述べましたように、本市でも既成市街地は居住者の高齢化、商業活動の衰退等により空き家、空き店舗が発生し、権利関係のふくそうや後継者難などから新規投資を見合わせています。このことがさらに商店街や住宅が陳腐化し、老朽化することに拍車をかけているという悪循環を呼んでいると思います。 そこで、1点目に以下に述べます5つの現状と課題について、お考えをお示し願います。 まず1つに、市における既成市街地、とりわけ長年市の顔としての玄関の役割をなしてきた阪急箕面駅周辺の整備について、回遊性のあるその利便性を生かした機能的位置づけをどのようにされるのでしょうか。 2つ目に、厳しい財政需要の中でのまちづくりは、あれもこれもではなく萱野中央、船場、桜井駅周辺、そして箕面駅周辺の順位づけをどのようにされるのでしょうか。 3つ目に、現在進めている箕面サンプラザなど活性化方策検討調査におけるキーワード、そして一体何をされて、何をされようとしているのか、16年度中に調査結果が示されますが、17年度以降総合計画を第二期実施計画へどのように反映をされるのでしょうか。 4つ目に、過年度、中小企業庁の補助で策定された箕面地域商業近代化地域計画は、商業者や消費者である市民に具体的にどのように生かされてきているのでしょうか。 例えば、箕面駅前商店街、または府道豊中亀岡線は大阪府の事業としてほぼ整備されましたが、この箕面のメーンストリートは、日が暮れると人影が少ない状況にあります。商店街や沿道の商業活性化、集客力にいかに生かされているのでしょうか。 5つ目に、毎年渋滞緩和の一環として実施されてきました、観光シーズン時に箕面駅を起点としたシャトルバスの運行があります。多くの観光客が利用されてきました。今年度は新都心のオープンと重なりやむを得ないと思いますが、観光面や商業振興への寄与度合いと成果について多くの課題があります。これらの課題についてどのようにお考えなのでしょうか、お答えをください。 2点目に、まちのリーダーをいかに養成していくかにあります。 都市再生の具体的な施策は、新市街地整備のみではないはずです。1点目に述べましたが、商業だけでなく、住をはじめとしていかに多様な機能を導入するかが課題であり、より広域的な中心市街地戦略の視点をどこまで持つのかにあります。 官民の役割分担を行い、具体的に実践する枠組みを策定する必要があります。まちづくりの枠組みを策定するについて、国の援助制度としてまちづくり助成制度、専門家の派遣がありますが、専門家の意見を聞きながら地域と一体となって、行政だけが汗をかくのではなく、地元が、地域の団体、市民がいかに汗をかくかにあります。 そのためには、市や関係する地域団体と協働して、地域をまとめられる感性豊かな若いリーダーが欠かせません。まちづくりの専門家の派遣、若いリーダーの育成をどのように考えておられるのでしょうか。 商業や観光、道路や交通といった個々の課題について、病気の風邪引きで例えますと、せきどめや熱冷ましといった対処薬はありますが、箕面駅周辺を総合的にどうするかという総合感冒薬的な対処スケジュール、方策が求められています。 箕面駅周辺の活性化戦略について、理事者のお考えをお示し願います。 質問の2項目として、職員の「人財育成」と組織活性化の観点から、不祥事防止基準づくりとその公表についてお尋ねをします。 私は、昨年度の施政方針に対する会派代表質問において、職員の「人財育成」に関し分限懲戒審査委員会の運営、懲戒処分の公表について質問をさせていただきました。 市長は、職員の人事評価、減点主義を是正し、職員のやる気を起こさせることを市長みずから率先して行うと述べられ、答弁として「多様な課題に職員が果敢にチャレンジできるよう環境整備に努める。また、公務員は全体の奉仕者であり、とりわけ高い倫理観が求められており、処分すべき事象が発生しない土壌づくりが必要である。分限懲戒基準づくりについても、検討を進めていく」と答弁されています。 まず初めに、職員の「人財育成」及びあるべき職員像についてお尋ねをします。 組織は人で持つ、またサービス産業は人で持つと言われています。行政はサービス産業そのものであり、サービスを提供するのが職員であります。 現在、人材育成基本計画策定に取り組まれていますが、「人財」をいかに集め、磨き上げることも首長としての責務であります。職員採用に無関心な首長、成績がよくても褒めない、悪くても注意しない、こんな首長は失格だと言われています。 国においても、公務員制度改革が論議されてきましたが、信賞必罰の人事制度の確立と、お互いに能力を競い合い、生き生きと職務が遂行できるよう公正で公平、職員が納得できる評価システムが求められています。 すぐれた能力を示し、業績を上げた者は報われる。一度や二度失敗しても、そのことを糧に頑張れば高く評価をする。公務員に安住し、職務を全うしない者は厳しい処遇を行うなど、職員を磨いて育てる「人財育成」に力点を置くべきであると思います。 そのことが、組織活性化にもつながっていくのではないでしょうか。このときの「人財」の「財」とは単に使い捨ての材料の材としてではなく、職員は行政の財産であることから、財産の「財」であることを念頭に置き、その価値を上げていかなければなりません。 特別職は職員のモデルとなるよう努め、箕面市としてのオリジナルな職員像をいかにあるべきか、「人財」の育成、あるべき職員像をお示し願います。 2点目に、職員の倫理観及び分限懲戒処分のあり方についてお尋ねをします。 この10年ほど、国、地方を問わず公務員の不祥事が発生しています。一般的に公務員倫理が低下し、公務員としての志気や意欲、そしてその高い倫理規範意識は、かつて全体の奉仕者としての公務員観が、またその役割意識がなくなってきているように思えてなりません。 行政を執行する上で、行政の失敗に幹部職員の判断が疑問視され、その結果、市民に思わぬ負担を負わせ、公務員全体に対する信頼度を落としています。 地方公務員像は協調性や人間性と、コミュニケーション能力を持った市民に身近な存在であるべきであります。専門性、創造性、柔軟性を持った地方自治体の役割の多様化に対応し、市民の信頼を得る倫理観と責任感を持った全体の奉仕者が求められています。 行政の信頼度を増す倫理観の具体的な方策について、そのお考えをお示し願います。 次に、不祥事防止基準づくりとその公表について、具体的にお尋ねをします。 現在、箕面市は職員の不祥事、義務違反に対し職員懲戒の手続及び効果に関する条例に基づき、職員分限懲戒審査委員会規程があります。委員長に助役、委員に教育長、水道事業管理者、市長公室長、消防長による委員会があり、委員会は市長が任命した特別職であります。 平成12年度から今日まで、分限懲戒審査委員会として合計95件、95名もの処分が行われています。事案内容では、事務処理上遺漏があったとして45件、公用物の不適切な使用、施設管理運営上の遺漏、不適切な会計処理として29件、服務規律違反、公務員としてふさわしくないとして21件あります。 処分内容として、停職4件、降任2件、減給25件、そのほかに戒告、訓告が多くなされており、処分された者の職として管理職37名、監督職40名、一般職18名となっています。この中には外郭団体への派遣の職員は入っていません。 処分事案では、日常業務上の問題が多く、処分内容は異なりますが、その多くが管理・監督責任を問われています。しかし、新年度の配置がえにより職務経験が浅いにもかかわらず、係員が処分されています。 審査委員会において処分が決められたら、それで一件落着という現状でもあります。処分結果のみ本人に通告をし、処分に納得ができなければ後には憎しみ、恨みだけが残り、罰しただけで不祥事の本質は明らかになっていませんし、ひいては組織の沈滞ムードとなっていきます。このことが現状で見受けられるのではないでしょうか。 他の府県や市町村では、相次ぐ不祥事に市民の行政に向ける目が厳しくなり、職員の懲戒処分や公表について独自の基準を定め、処分対象となる行為を具体的に提起したり、処分をホームページで公開している自治体もあります。 9月10日、鳥取県は情報公開請求があれば、不祥事などで懲戒処分した職員の氏名を公表するとまでされています。松山市においてはさらに一歩進め、職員の倫理条例を定め、職員の倫理規則、贈与などの報告、公開、利害関係者との行為、講演・寄稿などの規制を定められました。任命者が懲戒処分に付すべきと判断した代表的な事例を選び、標準的な懲戒処分の量定を挙げ、公正・公平な処分を行うとされています。 いずれもが公開することにより内外に基準を示し、不祥事の防止と抑止力、市民の信頼回復をめざしています。 本来、懲戒処分とは職員の一定の義務違反、不祥事に対する道義的責任を問うことにより、行政内部において規律と公務秩序を維持することが目的であります。また、職員の義務違反に対して懲戒処分をするかどうか、いずれの処分を行うかについては市長の裁量にゆだねています。 しかし、その処分に当たっては平等・公正の原則に従い、適切・妥当な判断が求められていますし、義務違反を犯した職員に対し懲戒処分を下すのは当然のことであります。 そして、何が義務違反に当たり、その義務違反を犯すとどんな処分を受けるかということを職員に事前に周知し、論議し、予防に努めることが人事管理上必要ではないでしょうか。 大切なのは、その根底に褒めるべきは褒め、違反した者は罰するということの徹底、あわせて教育的な視点、「人財育成」の視点があるかどうかであります。処分に当たって平等・公正の原則に従い、適切、妥当な判断が行われているかどうかであります。そのためにも、先ほど申し上げましためざすべき職員像、「人財育成」が求められています。 また、処分に当たっては公正・公平さを期していかなければなりません。一方的に処分を科しておしまいではなく、その原因究明と再発防止のためにも、当該職員や関係者、関係機関からの事情聴取は欠かせません。特に、本人の弁明や言い分を聞くことはもちろんのこと、なぜ処分されるのかを、どうしたらよいのかについて関係者が十二分に話し合い、対話を通じて原因究明、再発防止につないでいかなければなりません。 褒めるべきは褒め、しかるべきはしかる、そのことを通じて職員は成長していきますし、一度や二度の失敗にめげず、そのことを糧として頑張れば、また評価される。そのようなめり張りをきかせた教育的かつ「人財育成」の観点から、人事方針に基づいた懲罰基準が必要であります。 職員の倫理観確立と、公平・公正な分限懲戒審査委員会のメンバー構成、透明性と客観性のある箕面市独自の標準的な懲戒基準の策定及び公表について、具体的な取り組みについてお示しを願います。 最後に、表彰規程についてお尋ねをします。 多くの自治体では懲戒だけではなく、信賞必罰の観点から職員の表彰規程を設けています。職務に精励し、顕著な功績があった者、社会的に善行があったと認められる者、長年良好な成績で勤務した者など、職員を表彰し、その功労に報いるとともに職員の勤務意欲の高揚、業務効率の増進が図られています。 職員の意識改革、組織活性化のためにもぜひ表彰規程の見直し、充実にも取り組んでいただきたい。 以上、職員の「人財育成」と組織の活性化の観点からお尋ねをしました。理事者の真摯な答弁をお願いし、質問を終わります。 ○議長(藤井稔夫君) ただいまの質問に対する理事者の答弁を求めます。政策総括監 倉田哲郎君 ◎政策総括監(倉田哲郎君) ただいまの大越議員さんのご質問に対し、ご答弁申し上げます。 まず初めに、既成市街地整備の観点からのお尋ねでございますが、箕面駅周辺地区につきましては、第四次箕面市総合計画において、市民の日常生活を支える商業業務機能が面的に集積し、市民生活や地域活動のよりどころとなる地区として、地域生活拠点に位置づけており、観光箕面の玄関口として、また市民生活の拠点としての機能や役割があるものと考えております。 一方で、新都心周辺地区につきましては、商業業務機能に加え、文化、情報の集積地として、また交通の結節点として、広域的な交流を生み出す本市の中心的な都市拠点と位置づけており、隣接する船場地区につきましては、新都心や千里中央地区と連続した商業・産業の中心地として振興を図ろうとする地区でございます。 また、桜井駅周辺地区につきましては、箕面駅周辺地区と同様、地域生活拠点に位置づけており、市民の日常生活を支える地域密着型商業の集積地として再整備が望まれる地区と認識しているところでございます。 市といたしましては、これらの地区につきまして、それぞれの特性や担うべき役割に応じた形で商業の活性化を図ることといたしております。 次に、箕面サンプラザ等活性化方策検討調査についてのお尋ねでございますが、本調査のねらいは、箕面サンプラザを中心とする駅前地区の活性化方策について、地元商業者や管理会社、行政の役割分担を明確にし、それぞれが取り組むべき課題について複数の対応策を整理するとともに、短期的に取り組むべき課題と中長期的に取り組むべき課題を整理することで、今後の政策判断のための選択肢を整理することでございます。 現在、報告書の最終的な取りまとめ段階にございますが、今後の進め方につきましては、この報告書をもとに、地元商業者の皆さんとの意見交換を行うとともに、市議会のご意見も伺いながら市としての方向性を確定し、必要な施策を実施してまいりたいと考えております。 次に、昭和63年に策定された箕面地域商業近代化地域計画についてのお尋ねでございますが、本計画並びに活性化実施計画は、平成12年を目標年次として、均整のとれた商業力をめざすとともに、商業機能も都市機能の一部という視点から、各地区の商業をとらえた本市商業政策の原点と言うべき計画でございます。 その後、商業環境の変化や既存計画で欠如している視点を整理、補完し、地域商業の方向や役割、活性化事業の内容等を明確にするため、平成13年度に商業活性化ビジョンを策定し、また計画の実効性を高めるため、役割分担や実施主体の明確化などをねらいとして、商工会議所が活性化ビジョンと連動させた商業活性化アクションプランを策定し、事業のメニュー化を行うとともに、消費者市民の皆さんと商業者とが協働して取り組むべく、地区会議において事業プランを企画し、事業推進を図っているところでございます。 なお、議員ご指摘の府道豊中亀岡線につきましては、箕面シンボルロードまちづくり協議会と行政が連携しつつ、文化のまちにふさわしい都市景観の整備が図られているほか、商業者や市民が草花の手入れや歩道の清掃を行うアドプトロードプログラムが実施されております。 こうした地域住民や沿道商店の人的ネットワーク、信頼関係こそがまちづくりの原点であると存じますので、さらに観光客等の回遊性の向上やまちの活性化の取り組みにつきましても、沿道商店街や商工会議所と連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。 次に、観光シーズン時のシャトルバスの運行についてのお尋ねでございますが、年間観光客の3分の1が訪れます11月における箕面ドライブウェイの渋滞対策として、自家用車から公共交通機関への転換を促し、交通渋滞の緩和や回遊性の確保などを目的として、平成13年度から箕面国定公園内を循環するシャトルバスの実験運行を実施してまいりました。 昨年度は、11月の土曜日、日曜日、祝日に箕面駅前を起点として6日間運行いたしましたところ、1万人を超える利用者があり、特に高齢の皆さんからは好評でございました。 しかしながら、多くの利用者がある一方で、多くの課題が浮き彫りとなったことも事実でございます。 まず、広報紙やホームページ、新聞等を通じて事前広報したにもかかわらず、自動車交通量の大幅な減少が見られなかったことでございます。 次に、運行本数に限りがあり、1台のバスに多数の利用者が乗車することによる安全面の問題でございます。 さらに、昨年度は運行経路が国定公園内を右回りとする循環経路となりましたことから、利用者を滝道に誘導することができず、滝道商店街等の活性化に寄与することが少なかったのではないかと考えております。 今後は、この実験運行により浮き彫りとなりました課題を踏まえながら、10月にまち開きが予定されております萱野中央に整備されました公共駐車場の利用状況などを見きわめるとともに、ドライブウェイにおける自動車交通量の抑制、観光客の利便性の確保、滝道商店街等の活性化、バスの運行形態等を考慮し、また大阪府等関係機関とも協議を行いながら、渋滞対策の検討を重ねてまいりたいと存じます。 最後に、まちづくりのリーダー養成についてのお尋ねでございますが、議員ご指摘のとおり、まちづくりには地域をまとめられる感性豊かな若いリーダーが欠かせません。そして、既成市街地の活性化を推進するに当たりましては、住民や関係権利者等の理解と協力が必要であり、リーダーとなるべき人材は、地域に根差した商業者の中にあると考えております。 現在、活性化ビジョン、アクションプランに基づき、各地区において活性化事業の推進を図るため、商業者、市民からなる地区会議を設置しておりますが、地区会議の委員構成につきましては、次代の人材育成の視点を念頭に選定してきたところであります。 したがいまして、地区会議の場におきまして、具体の活性化事業を推進するため商業者、市民が協働し、これに本市及び商工会議所が支援を行いながら、それぞれの立場から議論を進めていく中で、一部の商業者から何とかしなくてはとの意識が芽生えるなど、人材の発掘あるいは人材育成を図ることができるのではないかと考えております。 また、ご指摘のとおり、国の支援策として、中心市街地におけるまちづくりの専門家養成や派遣事業があるほか、本市では専門家の派遣制度として、まちづくり推進条例に基づくアドバイザー派遣制度を設けており、建築物の建てかえ計画やルールづくりなどに関する制度、手法についての助言、情報の提供などのまちづくり支援を行っているところでございます。 いずれにいたしましても、今後とも商業の活性化とともに、その器となる良好なまち並みの形成に向けて所要の支援を行ってまいりたいと存じますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 なお、ご質問のうち他の部局に係ります事項につきましては、所管部局長の方からご答弁申し上げます。 ○議長(藤井稔夫君) 市長公室長 西尾末生君 ◎市長公室長(西尾末生君) 次に、職員の「人財育成」と組織活性化の観点から、不祥事防止基準づくりとその公表についてのお尋ねでございますが、まず、第1点目の「人財育成」、あるべき職員像につきましては、ご指摘のように、人材とは単なる使い捨ての材料ではなく、行政の財産、つまり組織の宝であり、その宝を磨き、価値を上げていくことが求められていると存じます。 このため、本市におきましては、現在、第四次箕面市総合計画を着実に推進し、これからの地方分権時代を担い得る組織づくりをめざして、これを実現できる職員を育成するため、本年6月、市長公室の職員と箕面市職員組合の役員等職員代表により、人事制度等検討委員会を設置いたし、(仮称)箕面市人材育成基本計画の検討を進めておるところでございます。 この委員会におきましては、まず本市が市民サービスを担う行政組織として、個々の職員に今後どういう職員になってもらいたいのか、今どういう職員が求められているのかを明確に意識させ、それに向けて努力させるため、あるべき組織像、職員像を明示すべく、これからの自治体職員のあるべき方向を十分議論するとともに、他市の先進事例研究や本市の人事、給与、研修制度等を評価、検証した上で、具体的な制度を検討することといたしております。 今後におきましては、これをもとに国の公務員制度改革の動向にも留意しながら、常に自己啓発に努め、改革に進んで取り組むモラールの高い職員や、政策形成能力等の必要な専門能力を持ち、顧客志向で市民協働を推進できる職員を養成することをめざすため、職員個々の勤務状況を正当に評価し、頑張った者が報われ、職員のやる気、やりがいが高まるようなインセンティブに富んだ人事、給与制度と活気にあふれた組織づくりに向けて、さらに検討を進めたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、第2点目の職員の倫理観及び分限懲戒処分のあり方についてでございますが、公務員の不祥事が連日のように報道される中、市民が公務員を見る目は厳しさを増しており、職員には全体の奉仕者としてより高い倫理観が求められているところでございます。 本市におきましては、職員の倫理観を高め、処分に該当する事由が発生しないよう、機会あるごとに職員の綱紀を引き締めておるところでございますが、残念ながら現実にはご指摘のような処分案件が生じておるところであり、まことに申しわけなく存じます。 なお、処分量定の決定に当たりましては、これまでも職員分限懲戒審査委員会におきまして、国のガイドラインや他市及び本市の過去の処分例、他に及ぼす影響など客観的、総合的に判断いたしておりますが、不祥事の防止とより客観性、透明性を高める観点から、本市独自の懲戒処分基準を策定すべく、分限懲戒審査委員会で検討を進め、さらに部長会議等で原案を示して大いに議論を重ねてきたところでございますが、いまだ完成しておらない状況でございます。 その経過といたしましては、種々検討いたしましたところ、個々の事案にはそれぞれ特有の原因や背景があり、故意または過失の度合いが一律ではないこと、対象職員の職責や社会に与える影響がそれぞれ異なることなどから、処分基準を策定いたしましても機械的に当てはめることができず、結果として客観性や公平性を確保できるかなど、さらに慎重に検討すべき項目が多くございます。 これらを踏まえまして、今最終的な方針の確定に向けて、公表のあり方につきましても調整を進めておるところでございます。今後、さらに幅広い視点から議論を重ね、本年中には一定の結論に達したいと考えております。 いずれにいたしましても、まずは処分すべき事案が発生しない土壌づくりを最優先にした、市民に信頼される組織づくりに努めますとともに、公平・公正で再発防止や教育的視点をも含む信賞必罰を基本にした姿勢で、検討を進めてまいりたいと存じます。 次に、第3点目の表彰規程についてでございますが、本市におきましては他の模範として推奨すべき職員を表彰することで、職員の執務意欲高揚に資することを目的として、箕面市職員表彰規程を制定し、永年勤続表彰や優良運転者表彰とともに職員の有効な発明や考案、顕著な業績、社会的な善行等に対する表彰、いわゆる功績表彰を実施しておるところでございますが、この功績表彰につきましては、該当者がほとんどないことから、近年表彰者がない状況となっております。 しかし、功績表彰も職場の活性化のための有効な一方策と考えておりますので、現在検討中の(仮称)箕面市人材育成基本計画の中で、その活用を検討いたすとともに、真に頑張った職員が報われ、さらにやる気、やりがい感を高めて、職務に精励する仕組みを確立すべく、今後はご指摘の趣旨を踏まえまして、めり張りのきいた人事管理制度となるよう努めてまいりたいと存じますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 ○議長(藤井稔夫君) 次に、14番 黒山政之君
    ◆14番(黒山政之君) 日本共産党の黒山政之でございます。 私は箕面市内における既存商業地の活性化についてお伺いいたします。 国の政治を見ますと、自民党政治の経済政策の行き詰まりと破綻のもとで、今、国民の暮らしは大変な状況にあります。特に、小泉内閣2年半は構造改革の名のもとで、巨額の国民負担増が押しつけられ、大企業のリストラ応援、中小企業つぶしが横行し、国民の生活にあらゆる分野で荒廃と破綻が加速したのであります。政府の国民生活に関する世論調査でも、生活不安を訴える人は67パーセントと史上空前の数字を示しております。 このことを証明するように、市民の皆さんから寄せられる相談や要望は、大変切実なものとなっております。仕事をしたいが、仕事がないということで、再度ハローワークへ行ってもらってもなかなか本人に合う仕事が見つからず、奥さんも子どものために何とかパート先を探してきても、週3日間しか働けないということで、もう来月の家賃すら払えなくなった。どうしたらいいのかというものや、ハローワークの紹介で市内の運送店に行ったが、全く契約内容が違って1日3時間しか仕事がなかったという例もあります。 市内のある業者の方は、自分の家も含めて担保に入れるものはすべて入れた。運転資金を銀行に頼んだら、もう年齢が60を超えているということで断られたが、仕事はやめるにやめられない。こんなときにヤミ金融が金を貸してやると言われたら飛びついてしまうかも、と言われた方がおられます。 最近、国道171号沿線に大型の飲食店がふえています。すしのチェーン店の進出は、市内のすし店を半減させています。ある店主は、自分の年金をつぎ込んで商売を続けているのだということです。市内の商店街もあちこちで店が閉まっています。 理由はそれぞれあるとしても共通する点は、不況の中で追い打ちをかけられるように、大型の安売り店の進出などによって、売り上げが減少したために店を閉めたということであります。 このように、最近の中小商工業者を取り巻く状況は大変厳しいものとなっているのであります。市当局は、このような市内商店街をはじめとして中小商工業者などの営業状況や商売をしている市民の暮らしをどのように見ておられるのでしょうか。 次に、この間の国による中小商店に対する施策がどのようにされ、どのように変えられてきたのかということであります。 歴代の自民党政府は、構造改革の名のもとに国内の中小企業と零細な商店つぶしをしてきたのであります。1992年、大規模小売店舗法の改悪による大規模小売店舗の出店規制の緩和でありました。 本市の調査でも、大規模店舗の数は昭和60年から平成9年の間に16店から22店へ、年間販売額は187億7,900万円から292億6,400万円と増加しています。今日的には、その後の大規模小売店舗法の施行によって、急速に店舗の数もふえ、販売額も増加していると考えられます。まさに、国による中小商店つぶしが行われたのであります。 このように、1998年のまちづくり三法と言われた大規模小店舗立地法や、中心市街地活性化法の制定、都市計画法の改正は、この箕面のまちにも大変な事態をもたらしたと考えます。 箕面市当局として、中小商工業者の経営状況や大型店の出店をどのように受けとめておられるのか、お伺いするものであります。 第2点目に、市内における商業活動の現状と課題についてお伺いします。 市内における商業活動の実態を見るには、小売業者の規模、販売額と店舗数などがどのようにあるかということであります。 市内の各地にミニスーパーができ、若い人を中心に顧客を集めています。一方で、箕面市内ではゆっくりと食事をできるところがないとよく言われるように、府道と国道171号線沿い以外は、レストランというものは数少ないのであります。家族で食事をする場合、千里中央か梅田に出かけるという実態があります。 市の調査でも、消費者である市民の40パーセントが、市外で買い物をするという結果が出ています。最近よく市民の方から聞く声は、身近な小売店がなくなって買い物が不便になった。商店街がすたれていてぶらっと歩いてみようという気がしない。どこどこのお店がつぶれたらしい。新しくできたけれども、商売がうまくいかないらしいなどという声であります。 私が今回なぜ改めて既存の商店街の問題を取り上げたのかと申しますと、箕面市当局は今日、商業政策といえばカルフールが箕面に来る、そして新しいまちができていかにも箕面の商業も一気に活性化するようなことを梶田市長みずから言われていますが、既存の商店街などの市内の小売店のことを真剣に考えてくれているのか、という疑問と怒りの声が聞かれるからであります。 また、消費者である高齢者、障害者などの市民から、新都心というけれど、車いすなどでどうして行けるのか、毎日の生活の買い物をしている商店街をつぶすようなことをしておいて、何が箕面の活性化なのかという厳しい意見が出ているからであります。 箕面市内において大型店が急増し、特に10年余りに20店舗近い出店が相次いでいます。この中にカルフールもあり、箕面市当局として最近の調査も含め、どのように把握されているのでありましょうか。 また、市内の小売業者は、新都心の開店によって相当の売り上げの減少を心配しています。ある自転車店は、カルフールの大規模な自転車の安売り店ができるということから、修理だけでは飯を食っていけないと先行き不安を言っておられます。梶田市長は、新都心が箕面のまちの起爆剤になると日ごろ言われていますが、何を根拠にそのようなことを言われているのでしょうか。 また、開店する前から既に、カルフールがもし撤退したらどのようなことになるのかということもささやかれています。こんなときに箕面市として本当に責任がとれるのでしょうか。 第3点目に、既存の商店街をはじめとする商業振興策についてお伺いします。 市内の商店街といえば、箕面駅前周辺と桜井駅前周辺、そして粟生や小野原の沿道沿いであります。特に箕面の駅前と桜井駅前は、古くから住宅地の発展と合わせて商店ができました。当然その周辺にスーパーもできているのであります。 私は、それぞれの商店街が地域の人々とどのように結びついて今日まで来たのかは、以前にも述べてまいりました。箕面駅前商店街は、箕面の玄関口として市西部地区の住民の日常生活を支えるまちとして役立ってまいりました。桜井商店街は、店舗を張りながらも、昔からルート販売や出前によって店を守ってきたのであります。 しかし、両商店街に共通して言えることは、箕面市が中心市街地活性化法による商業プランは立てたが、事実上地元商店会や商工会議所に任せきりにしてきたのではないでしょうか。昨年まとめられた箕面市商業活性化ビジョンや商工会議所がまとめた商業アクションプランの実施と今後の施策はどうなっているのか、お示しを願いたいのであります。 市政の方向が再開発や新都心づくりというハード面に目が奪われているうちに、地域の商業事情が大きく変化して、疲弊をしているのであります。箕面市当局によるまちづくりと商業政策の失敗が、不況と相まって今日の商店街の衰退となってあらわれているのであります。 今改めて、市内における商工振興策について再検討と見直しをすべきであります。今後の取り組みの方向を示していただきたいのであります。 次に、具体的な問題として、箕面駅前周辺から本通り商店街にかけて、ハード面とソフト面での施策が必要ではないかと考えております。 今後、サンプラザの調査がされると聞いておりますが、遅きに失した施策であります。箕面駅前周辺調査、それには阪急電車も協力をしてもらい、活性化策を検討すべきであります。箕面市みずから市民サービスコーナーなど施策をつぶしたのですから、集客にかかわる責任はここにもあらわれております。 また、本通り商店街の中で2つのスーパーが撤退をして、その上に若い人に人気のありましたお店が新都心へ移ってしまいました。私は、このようにスーパーがもうけがなければさっさと引き上げるやり方は許せないのであります。商店街の人は、赤字でも細々と地域のつながりがあって頑張っている姿を見るならば、やっぱり商店街は残さなければならないし、市民の暮らしを守るためにも行政の支援と責任が問われるのではないでしょうか。 最後に、桜井駅前開発と周辺整備についてお伺いいたします。 この間の市当局の見解を聞きますと、もう桜井駅前再開発は断念をするようなものになっていますが、いつどのように議論がなされ、結論が出されたのかということをお伺いしたいのであります。 私は、箕面市が新都心計画を進める一方で、桜井駅前再開発を同時に進めていって、商業政策上も、市の財政上も本当に大丈夫なのかということを、私は何度も何度も問いただしたことを覚えております。 今年度に入って急に、事業の採算性や長期化が懸念されると市当局が言い出してきたのは、なぜなのですか。余りにも無責任ではありませんか。地元ではつい最近まで、いよいよ本格的に再開発の事業が進められると論議をされておりました。 ところが、地元では最近、再開発はもうやめになったらしい、地下駐車場もやめや、建物も3階程度になるらしいなどとささやかれているのであります。何を見直すのか、再開発組合はどのようになるのか、疑問の声が聞かれているのであります。 そして、地元に対して今後まちづくりも含め、どのような対応をしていくのでありましょうか。また、周辺住民や議会に対してどのように対応されるのかを説明していただきたいのであります。 以上、私の一般質問といたします。 ○議長(藤井稔夫君) ただいまの質問に対する理事者の答弁を求めます。市民生活部長 南 富治君 ◎市民生活部長(南富治君) ただいまの黒山議員さんのご質問に対しまして、ご答弁申し上げます。 まず、第1点目の国の中小小売店に対する政策と問題についてのお尋ねでございますが、地域に根差して事業を展開する中小の小売商店にとりましては、長引く景気の低迷や消費者の消費動向の変化、さらには大規模小売店舗の相次ぐ出店、退店等は極めて厳しい商業環境となっており、また経営者の高齢化、後継者不足なども相まって、既存店舗の撤退や廃業等により空き店舗が増加するなど、中心市街地の空洞化が進行しており、箕面市も例外とは言えません。 そこで、国におきましても、商店街や中心市街地を活性化するには商業だけでは不十分という認識から、まちづくりと一体となった地域活性化、商業振興を支援すべく、平成10年度にまちづくり三法と言われる大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、改正都市計画法の制定に至ったものと考えております。 これら一連の法律は、これまでのように商業調整という形で出店を規制するのではなく、周辺の生活環境に配慮し、まちづくりと整合した店舗立地を図るとともに、空洞化している中心市街地の活性化を図ることを目的として、そのための具体事業が整理されているところであり、本市におきましても商業などの実情を踏まえながら、活用を図ってきているところでございます。 次に、第2点目の市内における商業活動の現状と課題についてのお尋ねでございますが、市内の商店数は昭和63年以降減少傾向を示していますが、従業者数及び売り場面積は増加、また年間販売額は横ばいないし減少の傾向にあり、大規模店舗の出店と並行して、小規模小売店舗の退店が進行していることを裏づけているものと考えております。 さらに、萱野中央のカルフール開店により、小売業売り場面積における大規模店舗の占有率は約0.66程度となるものと推計いたしており、こうした広域型の多機能型商業施設の既存地域商業に与える影響は、多面的なものと予測いたしております。 しかし一方で、これら多機能型商業施設におきましては商圏が広域であることから、これが集客による地域商業への波及効果としての回遊性が高まることで、相乗効果による地域経済が拡大することに期待しているところでもございます。 ただし、萱野中央の多機能型商業施設は30代のニューファミリー層を主なターゲットにしており、平成12年度に実施いたしました小売商業動態調査結果によりますと、地元商店街などでの買い物客は年齢が高くなるほど利用率が高くなっており、萱野中央での客層とは年齢層が異なるものと考えております。 さらに、同調査では日常の買い物はできるだけ歩きや自転車で済ませたいと74パーセントの人が思っており、また商店街の維持発展のための取り組みについて57パーセントの人が必要との回答を寄せているように、市民の地元商店街への期待や支持率は高いことから、一時的には既存商店から買い物客の流出などの影響は受けるものと思われますが、こうした市民との信頼関係こそが商店街の活性化の寄って立つところであると考えております。 次に、第3点目の既存商店街をはじめとする商業振興策についてのお尋ねでございますが、商店街は、これまで地域活動の拠点としてコミュニティや地域文化を担い、継承してきたところでございます。商店街の衰退は、車社会に対応しにくい高齢者等の買い物など生活への影響はもとより、地域文化の伝統を喪失させ、地域コミュニティの衰退、さらには都市機能やまちの衰退をも意味するところと考えております。 既存商店街を活性化させるためには、地域のインフラ、まちづくりへの貢献というコンセプトを基本に、地域商業の強みである「近いは便利」を最大限に生かし、大型店との差別化による付加価値の高い商業を展開することで大型店との対抗、共存を図り、大型店の出店や退店にも対応可能な地域商業をめざすことが必要であると考えております。 そこで、地域商業の活性化につきましては、昨今の地域商業の衰退並びに商業環境の激変に対して、従来の産業政策による地域商業の振興のみでは十分に機能し得なくなってきており、箕面市商業活性化ビジョンでは、より大きな観点からまちにおける地域商業をとらえ直し、商業活性化活動とまちづくり活動の融合を推進することで、地域商業の活性化を図るという基本方針を打ち立てております。 さらには、本ビジョンを受けて箕面商工会議所において策定された商業活性化アクションプランに基づき、事業者だけでなく市民が参画する地区会議で、活性化のための取り組みが議論の上に企画され、商店とその特産品などを記した「ほんまもんマップ」の発行や空き店舗を活用したチャレンジショップ、環境を切り口にした空きカン回収機による集客事業などの具体の活性化事業が昨年度から実施されているところでございます。 次に、箕面駅前から本通り商店街、及び桜井商店街の具体的な施策についてでありますが、平成12年度に実施いたしました小売商業実態調査を踏まえた上で、平成13年度の商業活性化ビジョン、並びにアクションプランを策定いたしたところでございます。 また、ハード・ソフトの施策が必要ではないかとのご指摘でございますが、商業活性化ビジョンやアクションプランで示された具体の事業メニューについて、先ほども申し上げました地区会議で議論した上で、実施可能な事業を選択し、取り組んでいただいております。 また、地域に密着した大規模店舗が退店した跡地への店舗の誘致につきましては、地元商店街と市が一体となり、従前の商店街の商業機能が維持できるよう、土地所有者等に働きかけましたが、採算性等により小規模な店舗が入居予定と聞いております。 次に、桜井駅前の再開発計画などについてでありますが、従来の法定再開発事業による桜井駅前の周辺整備につきましては、昨今の社会経済状況の低迷や、当地区におけます法定権利者の合意形成などを考えますと、事業の長期化や採算性が懸念されるところでございます。 このため、市といたしましては、桜井地区の行政課題である都市基盤整備、商業の活性化、防災面の向上など喫緊の課題を早期に解決するため、従来の法定再開発による事業手法を見直したもので、現在再開発準備組合のご理解とご協力を得るべく、協議、調整をしているところであります。 本市といたしましては、桜井駅前の周辺整備を断念するものではなく、準備組合活動の中で培われてきた成果を最大限に生かし、地元の関係権利者の皆様と連携を図りながら、再整備に取り組む考えであり、今後計画案が提案できる熟度の段階で、市議会をはじめ市民の皆さまに説明等を行ってまいりたいと存じます。 また、商業施策につきましては、地元商業者と行政が連携を図り、取り組むことが大切であり、商業活性化などのプランづくりには、地元商業者や関係権利者などの意見を踏まえることに加え、専門家の派遣等も含め検討を進めたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 ○議長(藤井稔夫君) この際、暫時休憩いたします。     (午前11時45分 休憩)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~     (午後1時 再開) ○議長(藤井稔夫君) これより休憩前に引き続き、会議を開きます。 引き続き、一般質問を行います。7番 名手宏樹君 ◆7番(名手宏樹君) 日本共産党の名手宏樹でございます。2項目について質問いたします。 まず初めの項目として、船場地区の大型パチンコ店出店の動きなどに伴う環境を守るまちづくりについて質問します。 私が6月議会に質問した船場東地区北橋バス停東地域、元パリス跡地に続き、新御堂沿い船場西地区現木田ビル本館の土地に新たな大型パチンコ店出店の動きがあり、相次ぐパチンコ店の出店計画に周辺住民から環境悪化への懸念の声が広がっています。 船場団地の開発については、1968年(昭和43年)箕面市総合計画によると、本市が新しい商業業務地の開発事業として積極的に誘致を努め、全国一の規模を持った繊維のまちを形成する。土地利用面には効率的な利用計画が図られ、人口は2万人に達するとあります。果たして現状はどうだったのでしょうか。 さらに、1985年(昭和60年)の第三次総合計画では、ファッションコミュニティゾーンとして整備を進め、トータルな付加価値を商業振興に生かすとありますが、どう生かされてきたのでしょうか。 また、1991年、船場繊維卸商団地協同組合はコム・アート・ヒル活性化推進事業実施計画を出しています。「物流から情報流」へとサブタイトルとされ、リーディングプロジェクトではアート・アンド・マート、アート・アンド・スクール(アパレル産業学園)と船場東地区の南北に大型商業施設をつくり、両建物をコム・アート・モールで結ぶ新ツイン構想が打ち出されていますが、この計画はその後どうなったのでしょうか。 さらに、2000年(平成12年)の現行箕面市第四次総合計画では、コム・アート・ヒルと箕面新都心の連続的な商業空間の創出による魅力あるまちづくりとありますが、その具体化は何でしょうか。 こうした市の総合計画にも書き込んできた過去の数々の船場東地区の計画を、市としてどう総括してきたのでしょうか。 今回、箕面市は都市再生調査と称して、今後調査が進められようとしていますが、8月に出された調査についての文書の中にあるマンション等の居住者が増加、卸商業務機能の阻害要因の可能性とは、商業機能と住民生活空間の共存とは何でしょうか。また、食・住・近接のまちづくりの具体的な姿とは何でしょうか。船場団地の誘致の30年前の当時の東西のまちづくり自身、住宅地と商業地としてのまさにかつての食・住接近の理想のまちづくりではなかったのでしょうか。 人口密度の規制緩和と、商業業務地区におおっぴらにマンション建設を可能にしてきた、規制緩和をしてきたのは、箕面市自身ではなかったでしょうか。さらに、この間の高度地区の見直しでは高さ制限を設けながら、その一方で条件を満たせば規制を緩和し、実質高さ無制限にしていこうともしています。 これでは、ますます船場東地区に高層マンション住宅を広げ、パチンコ店など遊戯施設を拡大し、船場地区を食・住・遊戯施設の雑居のまちづくりにしてしまうのではないでしょうか。 船場地区が大きな繊維不況と経済不況の中にあるのは十分理解しています。また、新たな土地活用にも迫られています。しかし、その繊維不況は国の産業政策にかかわる構造的な不況です。繊維でも家電でも、大企業が先頭に立ってアジア、中国へと安い労働力を求めて進出し、日本産業の空洞化を広げ、それを野放しにしてきた国の失政がその根本にあります。 そのもとで、大阪全体の製造業と繊維問屋などの連携が機能不全に陥ってきました。産業停滞は所得を落ち込ませ、将来不安とともに消費が冷え込み、ますます産業の活力を奪う不況の悪循環を増大させています。 日本共産党はこうした大阪の経済と産業再生の方向を探ろうと、7月5日シンポジウムを行っています。その中で、パネラーの1人、遠州尋美、大阪経済大学教授は「機能不全の大阪の産業を機能させるには、1、使い捨ての大量消費から環境主導型の生活へと転換させること。2、ゆがんだグローバル化に翻弄されない。安売り競争ではなく、地域内経済循環や地元への波及効果のある、雇用に結びつく労働集約型のものづくりを復活させること。3、ものづくりの現場が直接消費者と結びつき、批判にさらされる環境に身を置くこと。4、マーケット力、製品企画力の能力ある卸売りの機能を活用すること。5、地域の中で預けられた資金が地元にどれだけ投資されたかを銀行の格付評価に使おうとする法律、いわゆる金融アセスメント法などを進めること」など、地域経済再建の提案が行われています。 こうした提案は、箕面での地域経済の再生の方向にも参考に値するものです。実際、タオル業界も不況の中で、地元の素材を使い、環境に優しく健康に役立つ日本製のタオルが、安い中国製のものなどよりも求められている、売れているという現象が起きています。 箕面船場についても30年間営んできたストックを生かして、使い捨ての大量消費から環境主導型の生活スタイルへの転換に役立ち、地元地域経済の循環に役立つ労働集約型ものづくりをよみがえらせていくことが重要だと思うのです。 ところで、今回の箕面市の船場地区の調査は、全国都市再生モデル調査の対象となる都市再生活動の提案募集に応募し、国の補助金を得ようとしていました。わずかであっても補助金を取ることによって、政府の都市再生の動きに縛られることになると、日本共産党は委員会でも批判をしてきました。 昨日、この応募に漏れたと報告を受けましたが、政府の進める都市再生は大規模再開発路線、規制緩和路線であり、既に全国で破綻が相次ぐものをさらに規制緩和で推し進めようとするものです。今後、市の独自財源で行われようとする調査でも、大規模再開発路線や規制緩和路線をさらに進めようとするものなのでしょうか。 私は、さきに示した地域経済の再生の方向の上に、あるべきまちづくりについて周辺住民や市民の合意を得るようなさまざまな情報公開を行って、上からのまちづくりではなく住民参加のまちづくりへと進めるよう求めるものです。 相次ぐ大型パチンコ店の出店の動きの中で、船場西地域や今後居住されるであろう船場東地区の居住民の皆さん、そして箕面市民の環境を守るまちづくりの立場から、答弁を求めるものです。 次に、2項目めの子育て支援施策について質問をします。 第1点目に、次世代育成支援対策推進法に伴う計画策定について質問をします。 女性が生涯に産む子どもの数が1.3人となり、結婚5年未満の夫婦が予定する子どもの数の平均も1.99人と初めて2人を割りました。いわゆる少子化が進行しています。 出生動向基本調査2002年によると、夫婦が理想の数だけ子どもを持てない理由のトップは、「子育てや教育にお金がかかり過ぎるから」62.9パーセントと群を抜いています。妊娠検診や出産の多額の費用がかかり、まとまったお金がなければ子どもを産めない悩みがあります。家計に占める教育費の割合も9.8パーセント、2000年度家計調査年報でアメリカやイギリスに比べても約5倍になっています。子ども1人の養育費に平均2,000万円かかるとも言われています。 こうした子育てコストを考えるだけでも、産みたくても産めない日本の実態が浮かび上がってきます。しかも乳幼児期の子どもを持つ世代である30代男性は、サービス残業を伴う長時間労働の上、低賃金やリストラ、就職難など収入や雇用も不安定な状況に置かれています。 小泉内閣が財界とともに進めている構造改革は、経済のグローバル化に対応するとして雇用の切り捨てや大増税、保育や教育、年金、医療、介護などあらゆる分野での競争原理の持ち込みによって、国民にさらに大きな負担を押しつけようとしています。 こうした国の責任を放棄する政治が、若い世代の将来不安をますます高め、結婚したくてもできない、子どもを産みたくても産めない現実をもたらしています。これをそのままにして、「少子化は一刻も猶予ならない問題」「子育てに夢を」と政府がどんなに力説しても、問題は解決しません。 こうした状況の中、国の次世代育成支援対策推進法が成立して、市町村に子育て支援事業の実施と行動計画の策定を義務づけています。法の問題点として、命の尊厳や家庭の役割などへの国民の意識改革を強調している点がありますが、子どもを産み育てる環境の整備を国や自治体が責任を持って進めることこそ必要です。社会全体で子育て環境の整備を図るため、自治体と企業への行動計画の策定を義務づけることは一定の評価ができるものです。 市として、今後どのような総合的な子育て支援行動計画を策定していく用意があるか、お答えください。 次に、2点目として、乳幼児医療費無料化の年齢引き上げについて質問します。 子どもは病気にかかりやすく、抵抗力が弱いため重症化する不安にもさらされ、病気の早期発見、早期治療を支える環境が非常に大切です。 その一つとして、子どもの医療費の心配をなくすことは大きな子育て支援になります。乳幼児の医療費の無料制度は既に全都道府県、全市区町村で実施され、若い夫婦に大きな励ましとなっています。 箕面市でも1996年に、現在の3歳未満児まで年齢引き上げがなされました。その後、私も2000年の12月、2002年の6月議会と年齢引き上げを求めて質問してきました。この間、大阪府では昨年から通院で1歳から2歳未満児へと引き上げられ、さらに来年度に向けて2歳から3歳未満児へと年齢引き上げが行われるような動きもあります。大阪府内でも既に大阪市、茨木、富田林、柏原、羽曳野、東大阪、大阪狭山市、田尻町、太子町で4歳未満児までに、三原町で5歳未満、河南町と千早赤阪村では就学前まで年齢引き上げが行われています。 箕面市で4歳未満児までの年齢引き上げで、幾らの財政が必要と見込まれるのでしょうか。箕面市でも早急に4歳未満児へと年齢引き上げを行い、さらに就学前まで引き上げを求めるものです。 また、国の制度のない状態で、全国の自治体でこの制度を広げてきました。国に助成制度の創設を求めるものです。 次に、3点目に、就学援助のあり方について質問をします。 長引く不況に続き、小泉内閣の構造改革路線のもと経済的困難が広がり、憲法で無償がうたわれる義務教育でも、就学困難な児童・生徒がふえています。小・中学校の児童・生徒に学用品などを支給する就学援助の受給者が、2002年度では全国で115万人になり、毎年7万人ふえ、10人に1人が受けています。 とりわけ大阪では受給割合が2割に達し、全国一高くなっています。深刻な大阪の不況の反映とも言えます。箕面市でもここ数年の就学援助を受ける児童・生徒の数と、割合はどうでしょうか。箕面市内で私が直接お聞きした事例で、中学入学直後の就学援助の支給のあり方について、ある保護者からお声をいただきました。 中学入学時には制服、体操服などの購入などとりわけ大きな費用が必要になります。就学援助では、その基準に従いその費用が支給されます。ところが、小学校から継続の就学援助対象者であって、その支給が3カ月後、7月であるため、入学時とその後のご家庭のやりくりが特に大変になります。その結果、入学後の4月、5月、6月の学費支払いが困難になるのが現状です。 ところが、この1学期の学費支払いができていないと、入学時の制服のための購入などの就学援助金も支給されないという事態が起こっています。逆に、入学時の援助支給がなされれば、未納になっている学費分も払えるという関係になっているんです。 就学援助制度は、就学の困難な児童及び生徒にかかわる就学奨励についての国の援助に関する法律で定められ、教育の機会均等を定めた憲法や教育基本法などに基づいています。 箕面市の就学援助規則の趣旨にも「経済的理由により就学に困難な」と書かれています。実態に合わせた改善を行うべきです。また、こうした学費の未納通知を学校から子どもを通して渡すのではなく、教育委員会事務局が直接扱うなど、児童・生徒への配慮も必要ではないでしょうか。 年々ふえる受給者に対して、市として就学援助にかかわる予算をもっとふやすべきです。また、国は就学奨励法と施行令で2分の1を補助するとしながら、実態として2割の補助率しか満たしていないのも重大な問題です。国への予算の増額要望を行うとともに、市として認定基準の引き上げを求めるものです。 また、アトピー性皮膚炎やぜんそくなど、アレルギー疾患に苦しむ子どもに対して、文部科学省はこの秋、検討委員会を設置して、就学援助の対象となる学校病にアレルギー疾患を加えるかどうかも含め、45年ぶりに学校病の全面的な見直しを行うとして、学校でのアレルギーに関する知識の普及、啓発などを進める調査、研究予算を要求しています。全国のアレルギー疾患に苦しむ子どもや家族の声が国を動かしています。 箕面市としても、アレルギー疾患の学校指定病が実現するよう、国に要望するよう求めるものです。 最後に、4つ目に、保健医療福祉総合審議会、児童福祉部会の答申とアウトソーシング計画による公立保育所の民営化について質問します。 箕面市保健医療福祉総合審議会、児童福祉部会の答申が3月5日付で報告され、保育行政における公民の役割について、保育施策の今後の展開についての答申が出されました。 平成14年3月定例会に、施政方針の中で市長は、「アウトソーシングの取り組みの一つとして、公立保育所の一部民営化の可能性について、児童福祉部会に本市の保育施策のあり方を審議する中で具体的にご検討いただくこととします」と述べられました。 平成14年6月から15年2月にかけて7回にわたって開かれた児童福祉部会での審議、市民アンケートとシンポジウムの末、出された審議会答申では、保育行政における公民の役割について述べられているもので、民営化の方向性は打ち出してはいません。審議会の審議の中でも、公立保育所の民営化について議論してこなかったと委員より述べられています。 どこのどの文言をどう読めば、公立保育所の民営化の方向が書き込んでいると認識できるのでしょうか。アウトソーシング計画では、「審議会答申を尊重し、可能であれば最大2分の1まで民営化を検討」とあります。文字どおり審議会答申を尊重するなら、民営化はできないと考えますが、明快な答弁を求めます。 アウトソーシング計画による公立保育所の民営化の実施が平成16年とあることから、公立保育所に通う保護者から不安の声が広がっています。既に隣の池田市では、一昨年の2001年4月から2つの公立保育所が民営化され、これまでの公務員の保育士が4月1日からすべて民間の若い保育士にかわるなど、在園児に大きな心のストレスを与えたと報告されています。 「◯◯先生も◯◯先生もみんないなくなる。それやったら保育所行けへん」と子どもたちは小さな胸を痛めました。民営化後も、子どもたちは「来年、また先生たちいなくなるの」と不安から何度も質問しました。子どもたちの質問に保護者は答えを詰まらせました。急激な変化の中で、幼い子どもたちに心の痛みや傷を与えています。保護者が求めた心的ストレスに対応する加配も認められませんでした。 また、看護師の配置がなくなり、不安が広がり、その上民営化された保育所の3年間の市の補助金がなくなると、今後保育料以外にも体操服、教材費、特別徴収、特別保育の別徴収などもあるのではと保護者の不安がさらに広がっています。 さきの児童福祉部会による審議会答申は「おわりに」として、「今後の保育施策の推進に当たっては、子どもの最善の利益を尊重することを基本に実施、財政的には厳しい情勢にはあるが、一層の適切な事業実施のあり方を工夫して展開することにより、次世代を担う子どものための環境整備という意味での子育て関連施策のニーズへの対応を適正に図られたい」としています。 子どもの権利条約にもうたわれている「子どもに最善の利益の尊重を」という点からいっても、公立保育所の民営化は最善の利益に反すると考えますが、いかがでしょうか。 既に市内の公立保育所の保護者にアウトソーシング計画が知れ渡る中で、来年4月からどこかの保育所で民営化されるのではないかと、不安が広がっています。しかし、保護者にはまともな説明はされていません。民営化には納得できない。万が一民営化がどうしても必要だとしても、決まってしまう前に子どもを中心に考えて十分納得のいく説明を行ってほしい。数度にわたって意見をよく聞いてほしいというのは当然の要求です。 保育・子育ては、「保育所保育士と保護者との共同で」というのは鉄則です。現時点でまともに具体的な説明すらできない状況のもとで、保護者に不安ばかりあおり立てる平成16年から調整の上実施という方針は、撤回すべきではないでしょうか。 以上、一般質問といたします。 ○議長(藤井稔夫君) ただいまの質問に対する理事者の答弁を求めます。市民生活部長 南 富治君 ◎市民生活部長(南富治君) ただいまの名手議員さんのご質問に対しまして、ご答弁申し上げます。 まず第1に、船場地区の環境を守るまちづくりについてのお尋ねでございますが、ご存じのとおり、本市船場地区は、昭和38年に発足した大阪船場繊維卸商団地協同組合に対しまして、本市が積極的に働きかけ、誘致することによって形成した産業集積地でございます。 同地区における営業活動は昭和45年から開始され、情報、物流、創造、金融の4つの機能を備えた日本有数の繊維卸商団地として活発な商業活動が行われてきたところでございます。 ご指摘のとおり、本市といたしましては、これまで策定してまいりました総合計画などにございますように、団地組合の主体性を尊重しつつ同地区における産業及び商業の活性化をめざしてきたところでございます。 その一例を土地利用の観点で申し上げますと、昭和48年には都市計画で特別業務地区として決定し、箕面市特別業務地区建築条例を定め、建築物の建築制限等を行うなどの取り組みを行ってきたところでございます。 しかし、現在、我が国全体の長期不況に加え、繊維業界の状況はとりわけ厳しく、同地区におきましても事業合理化の進行や経営破綻による空き店舗、空きビル等が増加し、空洞化を余儀なくされているところでございます。 もちろん船場繊維卸商団地協同組合におかれましては、これまでも手をこまねいておられたわけでなく、さまざまな構想や整備基本計画、あるいは実施計画を策定し、団地組合の活性化を通じて船場地区の活性化に取り組まれてきたところであると認識いたしておりますが、同地区における大型パチンコ店の出店、中高層マンションの建設計画など、当初想定していなかった動きは、まさにこの空洞化の中から生まれているものでございます。 そこで、パチンコ店の出店とマンション建設につきましては、いずれも改正前の特別業務地区建築条例において可能でありましたが、マンション建設につきましては同地区における商業空間の連続性が確保されないなど、これまで集積してきた卸商業機能を損ねる可能性があり、本来の特別業務地区としての土地利用を図る必要性から、団地組合と協議しながら平成14年4月、共同住宅を建てる場合、1、2階は業務系などの施設とし、共同住宅は3階以上の階に配置するものとする、という内容の箕面市特別業務地区建築条例の改正をしてまいったところでございます。 また、高度地区見直しに関し、高さ制限を設けながら、一方で緩和し、実質無制限へとしているとの特例の許可による高度地区の緩和に関するご指摘でございますが、高度地区は面的な規制により良好なまちづくりへの誘導を図るものでございますが、特例の許可制度は敷地を個別に見た場合、制限の機械的な適用がよりよい住環境の形成を阻害する場合などがあることから、良好な住環境の形成に資する建築物について、指定の目的に反しない範囲で絶対高さ制限を緩和しようとするものでございます。 特に、船場地区におきましては、商業業務地区という高度な土地活用の観点から、戸建て住宅と接するエリアを除いて第8種高度地区に指定し、さらに公開空地や緑地の確保、隣地との壁面位置の指定など、特例の許可基準をクリアさせることにより、建て詰まりを防止し、同地区に居住されている市民の皆さま方の生活環境を阻害することがないようにとり行うものでございますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。 今後の船場地区におけるまちづくりに関しましては、補正予算で今回お認めいただいた大阪船場繊維卸商団地における都市再生調査を実施することによりまして、産業・商業の活性化及び産業・商業機能と生活空間との共存を目的に、地区内外の環境変化を調査、分析するとともに、船場繊維卸商団地協同組合との密接な連携、市関係各課による庁内プロジェクトでのさまざまな視点に基づく協議を行いながら、諸課題解決のための基礎的枠組みと具体的施策の検討を行う所存でございます。 なお、同事業は、本年7月に内閣官房都市再生本部から募集のありました全国都市再生モデル調査の対象となる都市再生活動の提案募集の応募条件に合致するため、至急に応募させていただいたところでございますが、全国で644件の応募に対する選考の結果、残念ながら本市事業につきましては、選定されなかった旨の連絡が都市再生本部からございましたので、ご報告申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 なお、ご質問のうち他の部局に係ります事項につきましては、所管部長からご答弁申し上げます。 ○議長(藤井稔夫君) 健康福祉部長 武藤 進君 ◎健康福祉部長(武藤進君) 次に、子育て支援策についてのうち、まず第1点目の次世代育成支援対策推進法に伴う計画策定に係るお尋ねでございますが。 本年7月に同法が成立以降、国・府より計画策定の手法について指針が示されてきており、市町村の行動計画は国の行動計画策定指針に則して、地域における子育て支援、親子の健康の確保、教育環境の整備、子育て家庭に適した居住環境の確保、仕事と家庭の両立等について達成目標、並びに対策の内容及び実施時期等を記載した行動計画を策定することになっております。 子どもを持つ、持たないは個人の自由な選択に基づくものでありますが、その自由な選択を支えるための子育てしやすい環境づくりは、行政あるいは事業者の責任として、今回の法の中でも位置づけられているものでございます。その観点のもと、総合的な計画策定を行ってまいりたいと存じます。 なお、これに向けましてニーズ調査を実施し、具体的ニーズを把握した上で計画に反映していく予定でございます。 次に、第2点目の乳幼児医療費の助成対象者の引き上げについてのお尋ねでございますが、本市における乳幼児医療費助成制度につきましては、ご案内のとおり、平成8年度から他市に先駆け3歳未満児を対象に所得制限を設けず、入院・通院に係る医療費の助成を大阪府補助制度に上乗せして実施してまいったところでございます。 今回、大阪府におきまして、大阪府健康福祉アクションプログラム「持続可能な健康福祉施策体系をめざして」の一環として、将来にわたり持続可能な福祉医療制度への再構築を基本的視点に、乳幼児医療費助成を含めて現在実施しているすべての公費医療費助成制度の見直しを行おうとするものでございます。 本市といたしましては、本年第1回定例会における平成15年度施政及び予算編成方針で考え方を述べさせていただいておりますし、代表質問でもお答え申し上げたとおりでございます。 今後の対応は、9月下旬に開催されます大阪府議会での審議内容、市長会での議論及び近隣各市の対応状況を見きわめながら、福祉医療全体の枠組みの中で引き続き検討していきたいと考えております。 また、国における本制度への助成制度創設につきましては、これまでも市長会を通して大阪府及び国に要望しておりますが、今後も引き続き要望してまいりたいと存じますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、第3点目の就学援助のあり方についてでございますが、本市の就学援助認定の実態は、経済不況を反映し、年々増加傾向にあり、本年9月1日現在での認定率は小学校で10.1パーセント、中学校で11.7パーセントとなっております。 就学援助の対象となります世帯は、要保護者は生活保護世帯、準要保護者は生活保護基準の1.3倍以内という認定基準を設けており、認定の手続につきましては最新の所得の状況を把握することから、前年の所得を証明する書類の提出をお願いし、事務手続を進めておりますが、所得証明の交付が6月初旬以降にしか交付されないことから、支払いがおおよそ7月初旬となっており、ご指摘の入学時に就学援助金の支給をすることにつきましては、困難と考えております。 また、諸費用の滞納対策の一環として、就学援助費の支給事務を一時調整している学校が一部見受けられましたので、今後は就学援助制度の趣旨にのっとり事務処理が行われるよう、指導してまいりたいと存じます。 就学援助を受けている児童・生徒に対する未納通知につきましては、市から保護者に納付された就学援助費を学校が必要時に徴収しており、それが納付されない家庭に対し通知するものであり、委員会通知となるものではございません。また、児童・生徒に対する配慮につきましては、従来から実態がわからないよう各学校で対応いただいております。 就学援助項目につきましては、国基準では限度額が設けられております修学旅行費、校外活動費などについて、本市では実費での支給をいたしており、就学援助内容の充実に努めております。 また、財源確保の観点から、国に対し従前から補助率の引き上げ、対象項目の補助単価の増額等について、都市教育長協議会、市長会教育主担当者会等を通じ要望いたしておるところであり、今後ともあらゆる機会をとらえ強力に要望したいと存じます。 なお、アトピー疾患を援助項目の学校病治療費に追加することにつきましても、要望しつつ国の動向を見きわめてまいりたいと存じますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、第4点目のアウトソーシング計画による公立保育所の民営化についてのお尋ねでございますが、本市のアウトソーシング計画につきましては、平成15年2月に策定いたしたものでございますが、この時点では審議会答申はまだいただいておりませんので、アウトソーシング計画においては、その結果を尊重し、可能であれば民営化を検討との表現としております。 一方、同審議会におきましては、保育行政における公民の役割について、及び保育施策の今後の展開についての二本の柱立てでご答申をいただきました。 具体的には、要保育児童率の増加への対応、地域の子育て支援の推進、障害児の支援、幼稚園と保育所の連携といった課題を踏まえ、今後の保育施策を展開すべきであることが述べられております。 さらに、適正な保育サービスの提供と運営の効率性の双方の観点から、最も適切な保育所運営方法の検討が求められており、また保育行政における公民の役割の方向性として、公立保育所においては病後児保育、家庭支援機能、障害児保育のコーディネートといった保育の専門性を必要とする分野を、一方で、民間保育所においては延長保育、一時保育、休日保育といった柔軟な保育所運営を必要とする分野をそれぞれ伸ばしていく方向性が望ましいという指摘でございました。 あわせて市の財政状況が逼迫する中においても、このような方向性をとりながらも、保育所運営主体のあり方について、開かれた保育所であること、保育内容及び保育士の質の向上、安全面、危機管理面の整備、保護者との連携、第三者評価の実施、苦情解決制度の確立といったことが求められる旨のご指摘がございました。 この答申をいただくに当たりまして、就学前児童の保護者を対象に市民意向調査を実施いたしました。その中で、公立保育所及び民間保育所の保育に対する評価などをお聞きしておりますが、公立と民間との保育内容の比較において、明らかな差は認められておりません。 また、今後の保育サービスのあり方につきましても、公立保育所、私立保育所にかかわらず、利用者のニーズに合った保育サービスを実施できる主体が保育サービスを提供していくことが望ましいとの項目を選択された方が7割に上っており、公立か民間かではなく、いかに適切なサービスを行っていくかという観点が、保育所の運営に際しては重要であるとの結果を得ております。 こうした結果を受け、市としての経営再生プログラム及びアウトソーシング計画を実施していく観点に立ちますと、公立か民間かということではなく、むしろ保育施策全体として前向きの展開を行うことが求められていると考えます。 このため、公民の役割の方向性を尊重しつつ、保育所運営主体の望ましいあり方を基本としながら、公立保育所の一部を民間の運営にゆだね、効果的な施策運営を図る方向で検討してまいることが必要だと存じます。 なお、今後運営主体の変更に至る場合は、その過渡期において、ご指摘のとおりさまざまな課題が存在することは考えられます。そうした際に、利用者に対しまして十分な説明をさせていただき、ご理解とご協力を求めていきたいと存じますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 ○議長(藤井稔夫君) 7番 名手宏樹君 ◆7番(名手宏樹君) 2項目めの子育て支援施策について、その4つ目の保健医療福祉総合審議会、児童福祉部会の答申とアウトソーシング計画における公立保育所の民営化について、この点について私の質問に対する答弁がされていないというふうに感じる点がありまして、再質問をいたします。 答弁では、あくまで公立保育所の一部民営化の方向性での検討というふうなことに文言が入っていましたけれども、さきに質問の中で述べたとおり、児童福祉部会と審議会の答申は、民営化の方針は打ち出してはいません。 そればかりか、児童福祉部会の議事録をよく調べると、昨年11月の第4回児童福祉部会に事務局箕面市から出されていた答申素案、この「おわりに」というところで、「公立保育所の民営化を視野に入れて」ということがあったのに対して、審議会の中で委員の中から複数の委員から「唐突である」とか「手法としてはつながらない」とか「審議会の案件ではない」と異論が続出して、そして最終的には部会長も民営化について正面から議論したことはないとしてまとめられて、あえて公立保育所の民営化の方向性を打ち出さない答申へと完全に修正されてきたんです。 ですから、市が、市長が答申を本当に尊重するというならば、民営化の方針は出てこないはずです。そればかりか、終わりには「財政が厳しくても子どもに最善の利益を」ときっぱりと述べているんです。 市はみずから諮問した審議会の答申をないがしろにするのでしょうか。答申でいう子どもに最善の利益という答申をどう認識するのか、再度答弁を求めます。 次に、運営主体の変更、民間になることによる運営主体の変更ですけれども。この場合には、利用者への十分な説明、ご理解、ご協力を求めると通り一辺倒の答弁でしたけれども、質問では、アウトソーシング計画でいう来年、16年の実施、どうするのかということを質問しています。これについても答えていません。保護者に現時点でもまともな説明のない中で、保護者の不安が広がっているんです。 保育や子育ては、「私、保育する人」「私、預ける人」というような消費者とサービス提供者的な関係であっては、豊かな保育は展開できません。児童福祉法第2条には、「国及び地方公共団体は児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」としているではないでしょうか。少なくとも保護者に不安ばかりあおり立てる平成16年からの調整の上実施という方針は、撤回すべきではないかと思います。 以上2点について、再度明快な答弁を求めるものです。 ○議長(藤井稔夫君) ただいまの再質問に対する理事者の答弁を求めます。健康福祉部長 武藤 進君 ◎健康福祉部長(武藤進君) ただいまの名手議員さんの再質問に対しましてご答弁申し上げます。 まず、第1点目の公立保育所の民営化は、子どもの最善の利益に反するのではという趣旨のお尋ねでございますが、保育所は昼間、保護者が就労等で保育できない子ども、いわゆる保育に欠けている児童を入所させ、保育に欠けている間、親にかわって保護・養育に当たっております。保育所では、公立・民間保育所にかかわらず、保育を展開するに当たって必要な基本事項が挙げられている国の保育所保育指針に沿った保育を実施しておりますので、この内容を踏まえ、子どもの成長に応じた適切な保育を積極的に増進することが、子どもの最善の利益につながるものと考えております。 第2点目のアウトソーシング計画に基づき民営化を平成16年度から調整の上実施の方針を撤回すべきとのお尋ねでございますが、アウトソーシング計画は補完性の原則に基づき、公共性を検証し、公共サービスとして行うべき事務かどうかを判断し、民間や地域にゆだねていくもの、委託や執行方法の見直し等を行い、あわせてその実施時期を示したもので、具体的な取り組みに当たりましては行政評価制度等により、毎年度、効果・効率性を検証しながら調整を行い、推進いたしているものでございまして、保育所の民営化の方針につきましても、本年3月5日に箕面市保健医療福祉総合審議会から答申をいただきましたが、公民の役割を尊重する中で、公立保育所の一部を民間にゆだね、効果的な施策運営を図る方向で、全庁的な視点から時期及び手法等について検討いたしておるところでございますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 ○議長(藤井稔夫君) 次に、19番 内海辰郷君 ◆19番(内海辰郷君) 箕政会の内海辰郷でございます。財産区財産の適正な処分についての1点のみお尋ねいたします。 質問をする前に、自分自身の「不明」について、恥ずかしながら告白しておかなければなりません。議員になって19年、特別会計財産区財産に特に関心を持つこともなく、勉強もしてまいりませんでした。それが、議会選出の監査委員に選出されたその最中に、小野原西土地区画整理地内の財産区財産について住民監査請求がなされたため、真剣に勉強させていただきました。その中で、これは箕面市政の根幹を揺るがす重大な課題であるとの思いを強くし、監査委員を辞して後も、各種文献に目を通し、箕政会議員団で府下の実態調査にも入り、研さんを重ねてまいりました。 そして、日ごろから是々非々の精神を唱え、言うべきは言うことを政治信条とするものとして、本件が訴訟にゆだねられているからといって口をつぐんでしまうなら、19年間何のために議員をしてきたんだと、みずからの声に勇気づけられました。 そんな思いを込め、理事者の姿勢をただしてまいりますので、真摯にご答弁賜りますようよろしくお願い申し上げます。 さて、本件が現在住民訴訟にまで至った経過を簡単におさらいしたいと存じます。小野原西特定土地区画整理事業の見直しを求めて活動している小野原西開発を考える会からの質問に端を発していると存じます。財産区財産の処分について、財産区住民、とりわけ新住民の意向はどのように反映されているのですかとの質問に対し、市は当初調査中と答えられていました。 その後、平成14年1月21日付箕面市小野原自治連合会、いわゆる旧村の方から市長あてに所有権保存登記の抹消手続についての依頼文書が提出され、財産区財産として登記していたのは誤りであったとの旧村の申し出を市が追認いたしました。 この追認はおかしいと新住民から監査請求がなされ、監査結果はその請求を認め、市に6カ月以内に是正するよう勧告されました。 しかし、市は西南学院大学、中尾英俊名誉教授に本件の調査を依頼し、その報告結果に基づき、勧告に従う必要がないと最終判断されました。これを不服とした住民による訴訟に発展したものであります。 これらの経過及び本市における財産区財産制度の成り立ちも振り返りながら、7点にわたって簡潔に質問します。 1点目は、旧村の方からの申し入れについての行政の対応のあり方です。 ご承知のとおり、この10筆、約6,200平米の土地は旧村の方からの申し出により、財産区財産として登記されたものです。しかし、それは間違っておったんで、旧村の共有者名義に更正するため、財産区としての登記を抹消してほしいと市に申し入れされたんであります。 その依頼文書の中に、「小野原財産管理委員会が私的に管理する共有地を財産区財産と称していたことから、共有地を財産区財産と誤認し」との表現があります。まずこの表現に驚きました。 本件の問題が起きる前に、私は村のある長老の方が記された自分史をいただいており、その力作を2回も読んで感想文までお送りしておりましたんで、中身は熟知しておりました。部落有財産保全について1章が設けられ、昭和58年5月、旧村の8つの自治会単位から1名ずつ適任者を選出し、区長、副区長2名が加わって部落有財産管理委員会が村挙げて発足されています。 そこにこう記されています。「委員会は陣容が整うと同時に、財産の公簿調査から始めた。登記簿による地番地目、地籍の確認、さらに公図上、その土地がどこに存在するかを確認しなければならない。当時は、公図のコピーは許されず、全筆手書きで複写した。これらの資料を基礎として現地調査を実施した。隣地所有者の立ち会いを求め、委員会は全員出動して1筆ごとに隣地との境界を確認し合い、その場で境界くいを打ち込んでいった。12筆の財産区財産の中で最も価値のあるのは、市施行の区画整理事業で換地を受けた521平米の宅地であった。この宅地を何とか有効に活用したいと考え、市財務部と協議したが、部落が部落有財産を収益事業に使用することは地方自治法で認められない。むしろ譲渡を勧められたが、売ってしまえばその対価の2割は市の一般会計に吸収され、残りはすべて財産区財産の会計として保管され、地区の公共的事業費以外は使えない。」 このように、財産区財産として処分した場合は、地元が自由にできる4割、地元の公共事業4割、2割は一般会計へという財産区財産制度の中身を熟知されていることがよくわかります。 結果的に、管理委員会で何度も熟議され、当時、実行組合連合会が所有されていた自治会館の敷地と交換し、この敷地を市に寄附し、宅地の方は池田銀行に賃貸され、実行組合連合会が収益を上げる道を選ばれたんであります。 いわば、最も財産区財産に詳しい小野原の旧村の方が、今回問題になっている10筆6,200平米を後顧の憂いがないようにと、昭和62年、平成元年、平成10年の3回にわたってみずから進んで財産区財産に登記依頼されたんであります。 行政関係者は、少し調べればこれらの事実経過は容易にわかるはずでありますし、まず依頼があった時点で毅然と旧村の方に対応すべきであったと思いますが、いかなる判断をされたかをまず問うものであります。 さらに、行政として対抗すべき地元の申し入れに対して、大阪法務局池田出張所への要請行動に同行していると仄聞しますが、これも極めて不可解であり、その点についてもお答えいただきたい。 2点目は、昭和40年代から繰り返された大阪府の行政指導をどのように受けとめられているかということであります。 もともと農業用の水利としてあったため池や、まきや肥料としての入会山林は、農民の生活を維持していく上で必要不可欠であったものが、交換価値を持つ財産として変質していき、府下各地で紛争を生じてまいります。 そこで、大阪府は昭和42年、46年、47年と「財産区財産の管理及び処分の適正化について」という文書を繰り返し各市町村に出しています。そこに示された2つのポイントがあります。1つ、この際、所在するいわゆる部落有財産について、土地台帳、不動産登記簿、地券、課税状況、権原移転の有無、市町村台帳への登載の有無、古文書等によりその所有関係を明確にされたい。2つ、未登記物件を登記することはもちろん、不動産登記簿上、字持、村持、共有地等の表示になっているものについては、財産区財産名義に表示更正登記を行うこと。 今回の10筆の名義内訳は、1筆が大字小野原、1筆が村持、8筆が共有地となっています。府の指導によるなら、財産区財産にすることが極めて適切な物件であります。 今回、理事者は判断するに当たって、大阪府と十分協議されたのかお尋ねするものであります。 3点目は、府の指導に基づき中井市政のころから築き上げてきた本市の財産区財産制度をいかに認識されているのか、お聞きします。 本市でも昭和50年代に大阪府の指導をもとに、行政の担当者が旧村に入り、1筆ごとに調査、協議していったことは関係者の証言からも明らかです。何より当時の箕面市財政課が作成された「財産区財産の管理及び処分について」という51ページにもわたる力作である公文書が何よりの証拠です。財産区の成り立ちから関係法令、運営要綱等が網羅されています。 その中に、昭和62年12月現在、本市の財産区財産は、宅地、墓地、堤塘、池沼、田、山林など合計120筆あり、20万4,330平米あると明記されています。財産区財産の対象となる財産は、旧村持ちの部落有財産とも明記されています。財産区財産処分金は、地上権、水利権等の保障に40パーセント、財産区内の公共事業に40パーセント、一般会計20パーセントすることも明記されています。 これらを根拠に、旧村の方をなぜ説得されなかったんでしょうか。それでも、さらに強行にこられるなら、そこで踏ん張って旧村の方から訴訟を受けるべきであったはずであります。 今回の理事者の判断は、これら先人が営々と築き上げてきた行政の財産を一挙に放棄することにつながると存じますが、継続と安定を標榜されてきた梶田市長の見解を問うものであります。 4点目は、小野原以外の旧村の方から既に寄せられている次のような声に、どう対処されるかお尋ねします。 市の指導に基づいて、部落有の財産を財産区財産として処分し、一般会計に20パーセント、村としては権利補償として40パーセントだけもらってきた。地元の公共事業に40パーセントといっても使える道は限定されており、特別会計に積まれたままになっている。今回のが認められるなら、過去まじめに聞いてきた私たちのことはどうなるんや。この特別会計に積んであるお金も村の自由になるんやな。ちなみに、この特別会計に積まれている金額は23億6,800万円であります。旧村の方の生の声にどう答えるのか、お尋ねします。 それだけでなく、今回の市の判断は府の指導を受けて府下各市が築き上げてきた財産区財産制度そのものを根幹から突き崩すものであると、本当に認識されているのでしょうか。その見解をも問うものであります。 5点目は、財政危機という認識は本当なのかと疑いたくなります。 今回の府下実態調査で、大半の市で財産区財産の地目、筆数、面積を教えていただきましたが、本市の答えは単なる「不詳」の2文字でした。昭和62年当時、120筆20万4,330平米と示されたのは、どこへ行ってしまったんでしょう。処分されたのが幾らで、残りが幾らなのか、まだまだかなりあることは容易に推察できます。 これを皆さんは、俗な言い方をすれば、100パーセント旧村でご自由にとおっしゃっているんです。部落有で処分するのか、財産区財産として処分するのか、本市財政へ及ぼすはかり知れない甚大な被害について、どのように認識されているのかお答えください。 6点目は、市が今回の判断の大きな根拠にされている昭和35年の千葉地方裁判所の判決について言及したいと存じます。 本判決は、住民の入会権に基づく共同収益権を認めたものですが、この事例が今回の本市の判断の根拠になるんでしょうか。判決の中身に詳細に触れるいとまはありませんが、明治7年から山林原野の入会をめぐって長い間村同士の紛争が続き、両者が譲らないため千葉県が官有地に編入することに事件は始まっています。 この事態に、村人はこれでは生活ができなくなる、離村もやむを得なくなると訴訟に及ぼうとしますが、県の指導に従って民有地として払い下げを受けることになり、借金までして払い下げを受けます。この510町歩の山林が、明治22年の町村合併で4つの財産区が設けられ、この4区の共有名義に変更されます。 それから、年を経て昭和11年当時、4区の管理者たる関係町村長が共謀して、財産区として分割しようとしたんです。わかりやすくいえば、住民が生活に必要不可欠な生業を営むための入会権を確保するために、民有地として払い下げまで受けたものを行政が召し上げようとした事例であります。本市で起きている事例と、どう符合しようというんでしょうか。 それでも、入会権を根拠に市の判断が正当であると主張されるなら、それよりも6年後の入会権をめぐる次のような最高裁判所の判決は、どのように理解されるんですか。 徳川時代において農村経済の必要上、広範に認められていた入会権が、明治、大正、昭和と経過するにつれて、貨幣経済の発展と農耕技術の進歩との結果、漸次変質、解体、消滅の過程をたどってきたことは顕著な現象である。もともと入会権は慣習によって発生し、事実の上に成立している権利であるから、慣習の変化により入会地毛上の使用収益が入会集団の統制の下にあることをやめるに至ると、ここに入会権は解体消滅に帰したものと言うべく、本町部落民が本件土地につき有していた地役の性質を有する入会権は、前記事実に照らし、昭和28年ごろまでの間、漸次解体消滅したと認めるのが相当である。 このように、入会権を生活の必需性と関連して判断していますが、理事者の見解を問うものであります。 7点目は、本件解決への具体的な提案をしたいと存じます。 平成、昭和、大正、明治の時代を一挙に飛び越えて、江戸時代における入会権の神学論争にはまり込んでしまった理事者の姿、財産区の登記は錯誤であったと申し出た旧村の人たち、ここに共通しているのは排除と逃避の精神であります。同じ字に住んでいるからといって、財産区財産に権利主張してくる反対派の新住民なんかと一緒にやったらえらいことになる。 余談になりますが、私はフォルクという220世帯からのマンションに住んでいます。19年前開設当初、これだけの世帯が住んでいるところに集会所がないとは何事や、そんな声に集会所用地としてみずからの土地を提供された家主さんがおられました。まちが開けて3年目ぐらいのとき、地区福祉会の会長にフォルク自治会の会長鍛冶さんにやってもらおう、立派な人は新旧関係ないと言い切った長老がおられました。あの懐の深さと公平さを今懐かしく思い出しています。 理事者が直ちにすべきことは、過ちを認めることです。新住民の中でも区画整理事業に反対、賛成、無関心派それぞれおられます。頭から新住民を排除するようなやり方、面倒なことから、煩わしいことから逃避しようという精神から、何が生まれてくるというんでありましょう。 本市が営々と積み上げてきたすぐれた財産区財産制度にのっとって、今までどおり公正に、適正に財産区財産として処分されることであります。さらに問題が生じるのであれば、新旧住民、行政関係者、学識経験者も入って管理委員会を設置し、処分のあり方をすべての英知を集めて考えていけばいいんであります。 梶田市長が大英断を下されるのであれば、私自身、この小野原に住む議員としてあらゆる汗をかいて本問題の解決に努力してまいりますことをお誓いします。 過ちを改め、問題に正面から立ち向かい、住民とともに汗をかいていく考えは、これぽっちもないのか、お答えください。 最後に断言します。中身がわかればわかるほど、これは箕面、私は括弧してくにと振り仮名を打ちました、くにを売る所業であります。そして、どうしても許せないのは、市政運営にとって最も必要な公正という日本語にもとる行為であります。そのことを申し添え、私の一般質問を終わります。 ○議長(藤井稔夫君) ただいまの質問に対する理事者の答弁を求めます。総務部長 井上雅司君 ◎総務部長(井上雅司君) ただいまの内海議員さんのご質問に対しまして、ご答弁申し上げます。 財産区財産の適正な処分についてのお尋ねのうち、1点目の旧村への対応のあり方のうち、財産区名義を抹消した理由についてでございますが、部落有財産と言われる旧村持財産は、すべてが財産区財産となるわけではなく、民法が認める入会地も存在することは広く知られているところでございます。 そして、財産区財産かどうかにつきましては、議員お示しの大阪府からの通知文書にもございますように、土地台帳、不動産登記簿、地券、課税状況、権原移転の有無、市町村台帳への登載の有無、古文書等の調査を踏まえて判断する必要があろうかと存じます。 今回、旧小野原村住民集団からの財産区名義の抹消依頼を受けた市では、土地の沿革をはじめとするこれらの調査や、地元の事情聴取等を行い、総合的な検討の結果、依頼に係る土地が入会地であることが判明しましたので、顧問弁護士とも相談の上、真実に合致しない財産区名義の抹消登記を行うべきであると判断したものでございます。 次に、大阪府法務局池田出張所への同行につきましては、抹消登記を行いますと、登記簿は閉鎖され無地番状態となりますので、従前の登記状態である表題部のみの登記に何とか戻せないか、地元の方と同行し、大阪法務局池田出張所の登記官に要請したものでございます。 次に、2点目の大阪府の行政指導の受けとめ方についてでございますが、地方自治法は財産区の事務処理の公正を確保するために、その管理者について都道府県知事の関与を認めているところでございます。 財産区財産と入会地とを明確に区分せずに、不適切な管理や処分を行う事例が見られた大阪府内では、昭和42年より大阪府総務部長から市町村長あてに、たび重なる適正化のための通知がなされておりますが、そのうちの昭和42年7月の通知文では、財産の法的性格として、「現行法制のもとでは、所有形態は国有、公有、及び私有に分類され、部落有財産なるものは慣習上の概念に過ぎないもので」あり、「法上の所有区分を明確にしないままに処分すると、元来私有財産であるにもかかわらず、市町村長が処分するなど違法、不当な事態を招く」ので、「土地台帳等によりその所有関係を明らかにされたい」と述べております。 その上で、財産の管理に関しまして、部落有財産のうち私的所有に係る財産について市町村長が管理処分権を有しないとし、財産区財産と認められるものについては、未登記物件を登記することはもちろん、不動産登記簿上字持、村持、共有地等の表示になっているものについては、財産区名義に表示更正登記を行うことと述べており、あくまで財産区財産を前提として公示の機能を有する不動産登記簿の整理を指導されております。 したがいまして、単に登記名義が共有地等であることや、部分的な実態から財産区財産と判断し、地方自治法に基づく管理を強行するようなことになれば、大阪府も懸念しているような深刻な問題に発展することは必至であると考えております。 なお、本件土地の抹消登記を行うに当たりましては、事前にたびたび大阪府総務部に赴き、相談いたしましたところ、大阪府からは土地の実態を調査して、事実に基づいて判断すべきとの指導がなされたところでございます。 次に、3点目の既に調査済みを理由に、旧村を説得するべきであったとのご指摘についてでございますが、一般論として旧村持財産につきましては、旧来のまま古典的な利用がなされている間は、関係者の意識に上ることも少なく、財産区財産か入会地かという所有権の問題も余り発生することはございません。 しかしながら、一度宅地等に転用されることになり、財産の経済的な意義が変化すると、それまで管理をしてきた人たちが権利を真剣に主張するようになるものであります。そして、対象地が財産区財産ならば地方自治法により、入会地ならば民法により規制されるという重要な差異が生じることから、常に慎重な取り扱いが必要であると考えております。 今回、旧村から財産区名義の抹消登記の依頼を受け、市は改めて旧村にも入り、所有権を精査しましたところ、入会地として旧小野原村住民集団が今日まで管理されてきた事実等が判明した一方で、財産区財産であるとの根拠が見当たらず、財産区名義の保存登記の根拠を失うこととなったものでございます。 このような状況に至りまして、無理な継続と安定の確保のために財産区名義に固執したり、市が入会権確認訴訟の被告となって争うことは、地元と無益な紛争を生じさせることにもなりますので、平成14年3月に財産区名義の抹消登記を行ったところでございます。 次に、4点目の特別会計の処分金は村の自由となるのかとのご指摘についてでございますが、財産区財産の処分金につきましては、大阪府から市町村の会計とは分別することとの指導がなされており、特別会計を設けて市長が管理いたしております。 その処分金の使途につきましても、地方自治法に財産の管理及び処分、または廃止についてはその住民の福祉を増進するように努めなければならないとの規定があり、処分金は地区住民の方々の意思によって自由に使用できるものではなく、当該財産区の公共事業費に充てられるべきもので、法令を踏まえたこのような財産区制度は、本市も含めた府下いずれの市町村においても既に確立されているところでございます。 本件土地につきましては、旧小野原村住民集団の入会地であって、地方自治法にいう財産区財産ではありませんので、この財産区制度は適用されませんが、そうであるからといって他の地区の財産も同様に取り扱われることにはならないと存じます。 租税負担の有無や台帳名義から表面上は同じように見えても、旧村持財産はその財産の存在する村の沿革や慣習もそれぞれに異なり、一概に言えるものではなく、それらの実態調査も含めて総合的に判断されなければならないものと認識しているところでございます。 次に、5点目の財産区財産の筆数等について、本市は不詳としていることへのご指摘でございますが、財産区財産の地目、筆数、面積等につきましては、その数値等を把握しているといっても、旧村持財産の内容が複雑多様であることから、一たん財産区と認定されながら、判決で入会地と判断される場合や、府内においては財産区財産を皆無とする団体もございます。 つまり、財産区の定義が抽象的なこともあって、財産区財産の数値を正確に言えないことはいずれの市町村でも同様であり、現段階においては本市の財産区財産の筆数等は、不詳とお答えせざるを得ないものでございます。 次に、6点目の昭和35年の千葉地方裁判所と、昭和42年の最高裁判所の判決についてのお尋ねでございますが、議員お示しの千葉地方裁判所の判決は、財産区財産か入会地かが争われ、財産区財産ではないと判示されたものであります。 その判決の核心部分において、「明治初年の町村なる言葉のうちに、自治体たる町村のほかに部落住民団体なるものを認める必要があるとされ、民法施行前はもちろん民法施行後、現在においても部落住民団体の存在を認めるのを相当とすべく云々」と述べております。 そこで、旧村持財産が町村制の施行とともに、すべてが財産区財産となるものではなく、沿革等に立ち入った検討が必要であるという意味で、参考資料の一つとしたものでございます。 一方の昭和42年の最高裁判所の判決は、さきの判決と同様に財産区財産か入会地かが争われたものですが、現地は人里から遠く離れた山奥にあり、山林経営がなされ、立木の売却代金を財産区の収入とし、それを管理費用や議会費用に充てている実態がございます。 この財産区には、明治24年に区会が、昭和30年に財産区議会が設置されており、区において入会地が処分、管理され、区が定めた方法に従って区民も使用収益をし、そのことについて入会権者からの異議も何らなかったという理由から、入会権が解体消滅したとして財産区財産であると判示されたものでございます。 入会地の利用形態は、時代の変化とともに採草から植林などに変質し、慣習の変化により入会権が解体して消滅する場合もあることは、議員ご指摘のとおりでございます。 しかし、その場合であっても全員の合意が必要でありますので、判決は区会や議会もあって入会権者から異議がなかったことをもって、これを認定しているところでございます。 次に、7点目として、大変厳しいご指摘とともに、また本件解決に向けての非常に具体的なご提案をいただいておりますが、本件につきましては、現在訴訟継続中でもあり、今後の訴訟活動への影響もかんがみまして、これ以上の言及は差し控えたいと存じますので、何とぞよろしくご理解を賜りたいと存じます。 以上、ご答弁といたします。 ○議長(藤井稔夫君) 19番 内海辰郷君 ◆19番(内海辰郷君) 再質問します。 しょせん土地も、空気や水と同じように、人間がこの地球で生かされ、生きていく上でおてんとうさんからお借りしているものじゃないか、そんな思いが私にあります。 ため池も入会山野も農民が生活していく上で欠かすことのできないものとして、使わせていただいたもので、本来その使命を終えたら市町村に返すべき極めて公共性の高いものを、過去の慣習、管理を尊重して字、いわゆる旧村に残してきたんです。 それだからこそ、本市でも昭和50年代、担当者が旧村に入り1筆ずつ調査し、十分な協議もした上で120筆については財産区財産にするのが適当と判断したんです。そして、単に行政が召し上げるんじゃなくて、旧村の皆さん、水利権や入会権の補償としてどうぞ40パーセントご自由にお使いください、さらにもう40パーセントは過去長く管理もしてきていただいたので、地元の公共事業に充当してください、20パーセントだけはもともと公共性の高いものだから、全市民に恩恵がいくように一般会計に繰り入れましょう。絶妙な配分であります。それを100パーセントと言い張るんやったら、おてんとうさんに恥ずかしいんと違いますか。 そこで、市長に1点だけ再度お尋ねします。 本市の財産区財産制度は、文字どおり市と市民の協働で、市民参加の手法で、中井市長の時代に先人が営々と築いてきたものであります。梶田市長の公約は継続と安定です。そこには、橋本市政だけでなく中井市政のことも込められていると存じます。 亡くなられた中井市長の墓前にぬかずまれても、梶田市長の胸に一点の曇りもないか、そのことだけをお答えください。 質問を終わります。 ○議長(藤井稔夫君) ただいまの再質問に対する理事者の答弁を求めます。助役 芝 寅勇君 ◎助役(芝寅勇君) ただいまの内海議員さんの再度のご質問に対しまして、ご答弁を申し上げます。 再質問の中で、ご質問の中にもございましたように、本市の場合、この財産区制度に入りましたのは昭和57年7月からでございます。それまでは、ご承知のとおり旧の豊川地区にありましては立会山処分の関係で財産区制度という会計で処理をしておりましたが、旧の箕面村にあっては部落有財産という形で処理をしておったことはご承知のとおりかと存じます。 これは、いわゆる大字へ払い下げることによって処分をし、その他の持てる村と持てない村の均衡を図るという地方自治法第3編第4章に基づくところの財産区の管理制度に基づいて、その2割はご寄附をいただいて、部落有財産会計で管理をし、58年度からこれが利子を含めまして6億3,400万円あったわけですが、これを都市施設整備基金という形で積み立て、市の発展に寄与してきた経過もございます。 かかる部落有財産制度を廃止し、財産区財産制度へ切りかえたのはまさしく国の法律により従い、より適正な管理運営を進めていく立場からこれに踏み切ったものでありますし、その当時、大阪府の指導に基づいて各村々にも、今までの払い下げ処分という制度がいわゆる財産区財産制度という形でいける場合ですと、処分金のうち2割は一般会計に入れまして、他の持てない地区との均衡を図っていく資金とし、残る4割は水利補償とし、4割はその地域の福祉の実現に利用していただくという形で制度をつくったのが57年からでございます。 いみじくも内海議員がご指摘でございましたが、継続と安定の視点から築き上げられた財産区制度に基づく行政運営へのご意見をいただきましたが、申し上げるまでもなく、行政は常に公正な職務遂行を求められており、不適正をただすこともまた必要でございます。 したがいまして、決して財産区制度そのものを否定するものではなく、また市政運営の継続と安定につきましてもいささかの変更もございませんことを申し上げたいと存じます。 今回の問題は、一たん財産区名義を借名された旧小野原村固有の特別事情から、名義の修正がなされたことにより、所有権の帰属そのものを争点として訴訟に発展したもので、本市は現在被告として真摯に対応してまいりますが、財産区制度の本質は何ら変わるものでないと理解をいたしております。 本件は、繰り返しますが、訴訟継続中であり具体的なご答弁は差し控えさせていただきたいと存じますので、何とぞよろしくご理解を賜りたいと存じます。 以上、ご答弁といたします。 ○議長(藤井稔夫君) 次に、6番 神田隆生君 ◆6番(神田隆生君) 日本共産党の神田隆生です。私は粟生間谷東一丁目の有料老人ホーム建設にかかわって質問を行います。 現在、粟生間谷東一丁目関電学園北側、市道小野原中村線沿いの市街化調整区域で有料老人ホームの建設が進められています。ここは、昨年周辺自治会が反対運動を行い、私も市議会で取り上げ、その後墓地計画が取り下げられた場所です。 有料老人ホームといっても、利益追求を目的とする会社などが監督官庁の認可によらず、届け出によって設立できるものです。そして、有料老人ホームは高齢者マンションという側面と、食事を提供し、時には終身介護をしている実態に着目すれば、高齢者施設という側面をあわせ持っています。 有料老人ホームは、その初めのころは法律の規制がないのに等しく、建物の規模などもばらばらの状態で倒産したり、虚偽表示に近い宣伝をするケースさえありました。そのため、その後、国から都道府県知事あてに出された有料老人ホームの設置運営標準指導指針が、多数回にわたって改定され、一定の法律の規制が建設段階から導入され、国や都道府県の指導や誇大広告等への規制が強化されつつあるようであります。 しかし、基本的には老人福祉法で常時10人以上の老人を入所させ、給食その他日常生活上必要な便宜を供することを目的とする施設であって、老人福祉施設でないものを言うとされているだけであって、設置者は施設の所在地の都道府県知事に、施設の名称、所在地、設置者名など基本的なことを届ける義務があるだけです。 有料老人ホームは昭和40年代ごろから少しずつ建設され、昭和50年代から昭和60年代の規制緩和の流れの中で、ゼネコンや生保などが経営主体となって大量につくられるに至っており、今日では500以上の施設があるということです。 第1の質問は、市街化調整区域での有料老人ホーム建設に当たって、その高齢者施設としての内実を十分問うことなく、有料老人ホーム建設先にありきの行政対応にどのような認識を持っておられるのかという点であります。 市街化調整区域の有料老人ホームについては、厚生省が策定する設置運営指針における基準に該当し、年金福祉事業団等の公的融資を受けて建設されるものであって、権利関係が利用権方式または賃貸方式のものであり、かつ立地がやむを得ないと認められるものについて都市計画法第34条第10号ロ該当として許可し得るものとしているとして建設を認めています。 都市計画法第34条第10号ロは、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ市街化区域内において行うことが困難または著しく不適当と認められるものと書かれています。 市街化調整区域での建設であるため、大阪府開発審査会にかけられるものの、有料老人ホームの内実は十分問われることなく、市としても書面さえ整えば市長の承諾書を出すというものです。その上、指針では建築確認後速やかに都道府県知事への届け出を行うこととされています。 つまり、有料老人ホームの高齢者施設の側面を見て、市街化調整区域での建設を認めていると思われるのに、その内実は十分に問われることなく開発審査会を通過し、建築確認も通過し、その後有料老人ホームの届け出をしなさいということで、有料老人ホームであることだけで福祉の面はほとんど検討されず、建物としての許認可だけは一気に進むということであります。 有料老人ホームであるということだけで、一般的に市街化区域よりはるかに地価が安い市街化調整区域で、本来建てられないはずの建物を建てることができ、1戸当たり数千万円の入居一時金を徴収する。事業としてはかなりうまみがあるのではないでしょうか。この有料老人ホームの計画は、地上9階建て、戸数75戸であります。 いまだ市街化調整区域が少なからず存在する本市において、今後建設の動きが強まる可能性があります。私は今回の件にかかわって、低廉で良好な施設建設が確実に行われるということならまだしも、その内実が十分問われることなく、市街化調整区域での有料老人ホーム先にありきの行政対応に大きな問題点を感じています。 市として、どのようにこの点を認識されておられるのでしょうか。 次に、質問の第2は、最低限の厚生労働省の指針すら守らない事業者に厳しい行政指導を求めるという点であります。 国の有料老人ホーム設置運営標準指導指針では、都道府県知事に届け出後に入居募集を行うこととしているのに、届け出前に入居募集の新聞折り込みビラを発行しています。しかも、提携病院でもない病院を提携病院として宣伝し、その病院から抗議を受けて謝罪広告を新聞に出しています。そして、結局、遠方にある大阪市鶴見区の提携病院で大阪府へ届け出を出しています。有料老人ホームにとって、重要な提携病院ですらこのような扱いです。 また、届け出前に大きな看板を出していますが、その看板には来年秋まで工事をするのに、来春竣工となっていました。これでは周辺住民が強い不信感を持つのは当たり前ではありませんか。まだ建設すら始まっていない段階から、このような問題を引き起こす。それでも有料老人ホーム建設を認めるのですか。箕面市が直接関与できないならば、大阪府に厳しい行政指導を求めることは当然です。 また、介護つき終身利用型有料老人ホームと宣伝し、介護保険の居宅サービス実施も計画をしているようであります。一面では有料老人ホームはケアつきのマンションであり、介護保険の介護サービスを提供するには、特定施設の許可を受けて入居者に在宅サービスを提供します。有料老人ホームは大阪府の管轄ですが、介護保険サービス提供事業者になれば箕面市としてのかかわりも出てきます。この面からも、積極的な行政指導を求めるものです。答弁を求めます。 3H内建物高さの3倍内地域住民と、隣接する3H外建物高さ3倍外地域住民への説明、話し合いと工事協定について、業者を話し合いのテーブルにつかせるよう、きっぱりとした行政指導を求めるものです。 3H内住民との話し合いは幾度か持たれたようですが、工事直前まで3H外住民には一切何らの説明もなされませんでした。再三の要請で、ようやく事業者も参加した説明会が一度だけ開かれたきりであります。3H外とはいえ、少しだけ距離は離れているものの計画地に隣接した住宅地であり、まさにお隣であり、一言のあいさつもないことに強い怒りを持たれたわけであります。 実際に工事の騒音などは3H内よりも大きく聞こえるところです。また、工事による住宅被害、大型工事車両の往来による騒音・振動をはじめ、子どもさんたちの交通安全等に大きな不安を持っておられます。 ところが、その後の話し合いを事業者は拒否をし、郵送による交通安全対策を求めた要望書の受け取りも拒否して、工事が開始をされました。業者を住民との話し合いのテーブルにつかせるよう、きっぱりとした行政指導を求めるものです。答弁を求めます。 低層住宅中心のまちづくりが進んできた箕面市で、規制緩和の流れの中、各地でこれまでの住環境を破壊する高層のマンション建設計画が持ち上がり、それに反対する住民運動も各地で取り組まれてきています。こうした状況に対応するために、現在、箕面市では、建物の絶対高さ制限と日照等の住環境を保全するための斜線制限とを組み合わせて、都市計画としての高度地区見直しの作業を行い、この秋にも都市計画決定の運びとなっています。 これまでも、箕面市では松尾山の宅地開発に反対する住民運動をはじめ、住環境破壊を許さない住民運動が取り組まれてきました。そして、行政の側も環境保全条例を制定し、人口密度規制等の建物規制に取り組み、今日の住環境をはぐくんできたわけであります。 また、緑の景観を守れの圧倒的な市民世論を受けて、新御堂突き当たりをはじめとした一帯の山麓保全の取り組みも市民参加で進められているわけであります。如意谷では、この景観と住環境を守るために、山腹20階建てマンション建設に反対運動が裁判闘争も含めて取り組まれているわけであります。 この有料老人ホームの計画地は、高度地区見直しでは第三種高度地区、絶対高さ12メートル制限と指定される地域に隣接した高台の市街化調整区域であります。同じく高台にある3H、建物高さの3倍内地域住民以上に、勝尾寺川沿い谷部に位置する隣接の3H、建物高さ3倍外地域住民に強い圧迫感があります。毎日、毎日見上げる景観です。有料老人ホームを第三種高度地区に指定される隣接地同様の高さ12メートルにしてほしいというのが願いです。 本来、市街化を抑制すべき市街化調整区域で、隣接する市街化区域を上回る高さの建物が建つということは、全くおかしなことではありませんか。当然、市街化調整区域へも絶対高さ制限の導入がなされるべきであります。答弁を求めます。 以上、一般質問を終わります。 ○議長(藤井稔夫君) ただいまの質問に対する理事者の答弁を求めます。都市整備部長 芝山邦雄君 ◎都市整備部長(芝山邦雄君) ただいまの神田議員さんのご質問に対しまして、ご答弁申し上げます。 まず、厚生労働省の指針すら守らない事業者に厳しい行政指導をとのお尋ねでございますが、市街化調整区域内に有料老人ホームを建設するに当たりましては、大阪府の市街化調整区域における有料老人ホームの取り扱い基準に基づき、当該市町村長の承諾書の提出が求められておるところでございます。 本市におきましては、福祉施策上の設置承諾条件として、厚生労働省通達の有料老人ホームの設置運営標準指導指針に基づき、入居者の治療、健康管理等のサービスを実施するに当たって、医療機関等との連携を考慮して立地すること、及び経営基盤の安定の確保から、有料老人ホームの事業の用に供する土地及び建物について、所要の条件を付した上で、承諾条件を書面により確認することができましたので、設置承諾をいたしたところでございますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、介護保険サービス供給事業者になる予定の事業者に、この面からも行政指導をとのお尋ねでございますが、将来的に特定施設入所者生活介護の指定を受け、介護保険の指定、居宅サービス事業者としてサービスの提供を行う場合につきましては、箕面市高齢者等介護総合条例に基づき、常に良質なサービスとなるよう介護サービス事業者との連携を維持し、その指導に努めるとともに、市、市民及び介護サービス事業者とが協同連帯できるよう努めてまいりたいと存じておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、周辺住民との話し合いについてのお尋ねでございますが、まちづくり推進条例第22条の基準に基づき、事業者において建築物の高さの3倍の範囲内を対象に、本年3月15、16日、4月19日及び5月3日に説明会が開催され、事業計画の説明がなされております。 この説明会では、直近の自治会から建築物の階数を8階から7階に低くすること、機械室を北側に移動することや工事協定書を締結することなどの要望がなされ、事業者は建築物は低くできないが、工事協定書の締結に向けて努力する旨の意思表示がなされました。 また、建築物の階数につきましては、市においても低くすることについての協議、調整を行いましたが、事業者が計画変更できないとの意思表示を明確にしているほか、当該自治会に対して特に日影の問題を生じない位置関係にあり、行政手続を行わないことは法的に問題があると判断し、話し合いの継続と工事協定書の締結に努めることとの指示事項を付して、本市まちづくり推進条例に基づく協議が成立いたしたものでございます。 その後、事業者及び施工者は本市の指示事項に従い、隣接自治会と工事協定書の締結に向け協議、調整を重ねていたところ、7月末になって突然に、高さの3倍の近隣説明対象外自治会を含めて事業反対の意見が広がり、工事協定書の締結に向けた話し合いが決裂してしまいました。 そこで、本市といたしましては、地元から再度の説明会開催の要請を受け、今までの経過を説明するとともに、近隣説明対象外自治会を含めた周辺自治会に対して、8月19日に説明会を開催させました。 しかし、周辺自治会は建築物の階数を8階から5階に低くすることなど、事業計画を断固反対されたことから、事業者は適法な計画であるとともに、今まで何度も説明会を開催してきたとして工事に着手し、現在建築物の基礎部分を掘削するため、土どめ工事を行っている状況でございます。 本市といたしましては、今後も事業者に対し周辺自治会との話し合いを継続し、工事協定書の締結に努めるように、行政指導を粘り強く行ってまいりたいと考えております。 次に、市街化調整区域への建築物の高さ制限の導入についてのお尋ねでございますが、現在、進めております市街化区域内での高度地区の絶対高さの指定と強くかかわる問題であると考えております。 このようなことから、本市といたしましては、都市計画法上高度地区は市街化区域にしか定めることができませんが、市街化区域内の建築物の高さとの整合を図るほか、将来市街化区域への編入時に不適格建築物を発生させないように、市街化調整区域内の建築物への高さ制限は必要と認識しており、現在高さ制限の内容や手法などにつきまして、検討しているところでございます。 今後は、市街化調整区域の高さ制限をできるだけ早く実施できるよう、大阪府など関係機関と協議、調整を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願いを申し上げます。 以上、ご答弁といたします。 ○議長(藤井稔夫君) 以上をもって、一般質問を終わります。 本日の日程はすべて終了いたしました。 お諮りいたします。本日はこれをもって散会とし、明9月27日から9月28日まで2日間休会し、9月29日午前10時から本会議を再開いたしたいと存じますが、これにご異議ありませんか。  (“異議なし”の声あり) ○議長(藤井稔夫君) ご異議なしと認めます。 よって明9月27日から9月28日まで2日間休会し、9月29日午前10時から本会議を再開することに決しました。 本日はこれをもって散会いたします。     (午後2時40分 散会)--------------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。                箕面市議会議長    藤井稔夫                箕面市議会議員    田代初枝                箕面市議会副議長   大越博明...