二十九番 首 藤 正 君 三十 番 朝 倉 斉 君
三十一番 村 田 政 弘 君
〇欠席議員(な し)
〇説明ための出席者
市長 浜 田 博 君 助役 大 塚 利 男 君
収入役 池 部 光 君 教育長 山 田 俊 秀 君
水道局管理者 宮 崎 眞 行 君 監査委員 渡 部 喜代美 君
総務部長 須 田 一 弘 君 企画財政部長 友 永 哲 男 君
市長公室長 亀 山 勇 君 観光経済部長 東 昇 司 君
建設部長 亀 岡 丈 人 君
生活環境部長 高 橋 徹 君
福祉保健部長兼福祉事務所長
岡 部 光 瑞 君 消防長 吉 本 皓 行 君
教育委員会次長兼
教育総務課長
財政課長 徳 部 正 憲 君 杉 田 浩 君
水道局次長 藤 林 力 良 君 消防参事 木 村 善 行 君
次長兼
選挙管理委員会事務局長
松 尾 慎 一 君 監査事務局長 伊 藤 征一郎 君
企画財政部次長兼
企画調整課長
安 波 照 夫 君
国際交流課長 溝 口 広 海 君
生活環境部次長兼
環境安全課長
宮 津 健 一 君
消防本部予防課長 工 藤 邦 男 君
土木課長 金 澤 晋 君 学校教育課長 利 光 弘 文 君
生涯学習課長 入 田 勝 人 君 契約検査課長 岩 本 常 雄 君
教育総務課参事 穴 見 公 司 君 商工課長 中 野 義 幸 君
競輪事業課長 藤 沢 次 郎 君 納税課長 梅 木 武 君
建築住宅課長 宗 野 隆 君 職員課長 中 尾 薫 君
総務課参事 浜 口 義 友 君 秘書課長 宇都宮 俊 秀 君
〇
議会事務局出席者
局長 林 慎 一 参事 加 藤 陽 三
次長兼議事係長 藤 内 宣 幸 次長兼調査係長 飯 田 ひとみ
主幹 是 永 敏 明 主査 濱 崎 憲 幸
主査 柏 木 正 義 主任 村 上 正 人
速記者 桐 生 能 成
〇議事日程(第三号)
平成十五年十二月九日(火曜日)午前十時開議
第一 一般質問
〇本日の会議に付した事件
日程第一(議事日程に同じ)
午前九時五十九分 開会
○議長(清成宣明君) ただいまから、
継続市議会定例会を開会いたします。
本日の議事は、お手元に配付いたしております議事日程第三号により行います。
日程第一により、一般質問を行います。
通告の順序により、発言を許可いたします。
○一番(長野恭紘君) おはようございます。昨夜は、遠足を控えた小学生のようになかなか眠ることができませんでした。(笑声)一般質問二回目にいたしまして、
トップバッターの栄誉を賜ることができました。本当にありがとうございます。この幸運のくじを引いていただきました三番議員さんと、いつもかわいがっていただいております八番議員さんに、心から感謝・お礼を申し上げて、一般質問に入りたいと思います。
それでは、質問の通告の順に従いまして、順次質問をしていきたいというふうに思っております。
まず、留学生と特区認定についてお尋ねをしたいと思います。
政府は、地域の特性に応じた規制の緩和・撤廃の特例を導入いたしまして、特性に応じた産業の集積や新規産業の創出により地域経済を活性化させるという理由から、
構造改革特区というものを認定しております。具体的には農業や教育、物流などの申請が多いようでございます。全国的にも第一次募集から今回の第三次の募集にかけて約二千二百件もの申請がなされているというような状況でございます。そして、今回は別府市が、大分県内のトップを切って留学生特区の認可をいただいた。本当に関係当局の粘り強い御努力に心から敬意を表したいというふうに思っております。
さて、そこで、別府市が過去に申請をいたしました特区の申請の状況それから経緯、それから、また今回、留学生特区が認定をされました。その特区の意義と詳しい内容につきまして、お答えいただきたいと思います。
○
企画調整課長(安波照夫君) お答えいたします。
まず、特区認定までの経緯でございますが、平成十四年七月に
内閣官房事務構造改革特区推進室というものが設置されております。特区構想の第一次提案の募集が開始され、これまでに第三次までの募集が行われております。別府市は、第一次提案におきまして、温泉療養の公的医療の保険適用についての提案をいたしておりますが、残念ながら特区不可というような結果になっております。
今回、大分県と共同提案しました分につきましては、十五年十月の第三次認定申請におきまして共同申請をしたところであります。これにつきましては、十一月二十八日に正式認定をいただいたところであります。
また、現在の特区の認定状況でございますが、全国で二百三十六の特区計画が認定されております。今回の認定では、大分県関係は別府市の留学生特区と安心院町の安心の里農業特区、この二つが認定されております。これは、大分県で初の認定ということになっております。また、留学生特区につきましては、この種の特区としては全国で初というふうな形でございます。
次に計画の内容でございますが、今回認定されました計画は、公営住宅の空き室を目的外使用し、留学生宿舎として適用するということでございます。これによりまして、留学生の経済的負担を軽減するとともに、あらゆる留学生支援を通して世界じゅうの留学生から愛されるまちづくりを進め、留学先としてのイメージアップというふうなものを考えております。
実施年度は十六年度から当面二十戸程度を予定目標としまして、現在関係課と具体的な準備を進めております。
○一番(長野恭紘君) ありがとうございます。先ほど御答弁いただいた中で全国初と、留学生に関してはこの特区というのは全国で初であるということであると思います。別府市が全国に先駆けてこの留学生特区をつくるということの意味は、やはり別府市がこれから留学生をまち全体といいますか、別府市全体で育てていこうとする決意のあらわれであるというふうに考えて間違いありませんでしょうか。
○
企画調整課長(安波照夫君) 議員御指摘のとおり、そういう目標のもとで留学生特区も申請した経緯があります。
○一番(長野恭紘君) 二〇〇〇年に、
アジア太平洋大学・APUが開学をいたしました。ことしで開学から四年目を迎えようとしているわけでありますけれども、APUまた別府大学、両大学を含めましての
外国人留学生の数の推移はどのようになっておりますでしょうか。また今後の増減についての見込み、これがわかりましたら、教えてください。
○
国際交流課長(溝口広海君) お答えをいたします。
二〇〇〇年にAPUが開学いたしまして、開学時四月にはAPU、別府大学合わせまして六百八十八人、二〇〇一年の四月現在では千三百五十八人、二〇〇二年の四月には一千八百三十九人となっております。二〇〇三年の秋入学が最終年度になりますが、四年生全員そろいまして十月一日現在で六十九の国と地域から二千二百三十五名の留学生が在籍してございます。今後の増減につきましては、卒業・入学を合わせまして五百人前後が見込まれているというふうに思っております。
○一番(長野恭紘君) 毎年留学生がふえていっている。ことしですべての――四年目でありますから――APUに関しては一年生から四年生が全員そろったということになろうかと思います。私は、留学生というのは、将来の別府をアピールしてくれる別府の国際親善大使だというふうに思っております。考えてみますと、先ほど御答弁いただいたとおり毎年四百人から五百人の数の留学生が出ていっているということは、毎年世界各地に四百人から五百人の別府の親善大使を送り込んでいる。何もしなくても毎年これだけの卒業生が出ているわけでありますから、別府にとっては非常に喜ばしいことだというふうに思っております。
しかしながら、私は、この熱意とはまた別のところで、今ひとつ留学生の支援の体制、留学生特区は認定をされましたけれども、別府市の支援体制というものが十分に整っていないというふうに思っております。現在、市内に留学生のための協議会でありますとか、支援団体、活動している団体というものがあるのでしょうか、お答えください。
○
国際交流課長(溝口広海君) お答えをいたします。
市内では各団体によります支援・交流事業が実施されておりますが、留学生の総合的支援を目的として組織されております団体は、別府市
国際交流推進協議会という国際交流課の方で事務局を持っております組織がございます。また、県の方にも大分県
留学生支援連絡会や大分県
留学生関連施策協議会がございます。
○一番(長野恭紘君) それでは、先ほど申し上げられました
国際交流推進協議会の中で、留学生支援としてここ二、三年の状況で結構ですので、活動でありますとかその内容、成果についてお尋ねします。
○
国際交流課長(溝口広海君) お答えをいたします。
国際交流推進協議会の中で、留学生の総合的な支援をするための専門部会を設置してございます。この部会、五部会ございます。生活部会、交流部会、緊急部会、住宅部会、
理解啓発部会がございます。それぞれの部会で生活相談、生活用品の提供、交流事業の推進、日本文化の紹介、ホストファミリーの開拓、急病や事故などの緊急時の対応、理解講座の開催などを取り組んでございます。
緊急部会では、外国人観光客が別府で夜間等に急病になった場合、別府市の
国際交流会館や
大分学生交流会館の留学生が
ボランティア通訳で御協力をいただいております。本年度と昨年度合わせまして、韓国人、台湾人の留学生が御協力をいただいてございます。
また、留学生の事故・トラブル等につきましては、個人情報の守秘義務等もございまして、なかなか私ども情報を入手することが難しい現況でございます。
生活部会では、市民から提供されました生活用品を再利用するということで、留学生の方に提供・貸与をさせていただいております。
また、
理解啓発部会では、留学生によります市内の各小学校での異文化交流の実施、そのほか経済的な支援をあわせまして、地域での交流事業を実施、最近では浜脇の薬師まつりや新別府それから春木のお祭りなどにも参加しておりますし、例えばある鉄輪のお祭りでは、若い地域の人たちがおみこしを担いでくれる方がいらっしゃらない、そういうときに留学生が積極的に協力していただいているという事例もございますし、最近では各自治委員さんからも非常に喜んでいただいているという御報告を受けていることがございます。
また、留学生の
ボランティア活動でございますが、七月にあります「海の日」の清掃作業に、別府市の
国際交流会館や
大分学生交流会館の留学生が積極的に御参加をいただいておりますし、「社会を明るくする運動」等々にも御協力をいただいてございます。
別府市では、APUが開学した年に、留学生に奨学金の支給を始めました。初年度には十五名、年間二十四万円の奨学金を支給してございます。毎年五名ずつふやしまして、本年度は三十名の留学生に支給をいたしております。県の方でも、県内の留学生に百三十名、年間三十六万円の奨学金の支給を実施してございます。
そのほか、別府市では、「留学生のための生活情報の手引き」を作成いたしまして、英語版、中国語版、韓国語版で留学生に配布してございます。この情報につきましては、平成十五年度からは別府市のホームページの方に同じように英語、中国語、韓国語で情報を提供させていただいております。
また、留学生のためには、別府で生活するためのごみの収集だとかいろんな問題についての情報をビデオテープに作成しまして、そのビデオテープの配布等々もやっております。
そのほか、県事業の中で、留学生が住宅を借りるときの保証人、これが非常に問題がありましたが、県の方の事業の中で連帯保証に際する留学生の住宅保障制度や、一時的に多額な費用を必要とする場合に一人当たり二十万円の貸付金制度もございます。また、留学生の健康保険加入の軽減のために、健康保険料の二分の一以内の補助制度もございます。
以上のような支援制度が、現在のところございます。
○一番(長野恭紘君) 現在の協議会の中でも十分に御努力をされているというところであるというふうに思います。本当に感謝をしたいと思います。
しかしながら、留学生の支援というものには、まだまだ活動の分野においてなかなか見えにくいところも多い、わかりにくいところが多くあります。そういった意味で、現在ある
国際交流推進協議会、別府市だけが抱え込むのではなくて、例えば、これは例えばですけれども、両大学であり市役所であり、また消防署、警察署、また民間の支援団体であるとか、また民間の企業であるとか、そういったものをすべて網羅する新たな推進協議会と申しますか、これが八者であれば「八者協議会」となるのかもしれません、七者であれば「七者」。名前はどういうネーミングでも構わないのですけれども、新しいそういった留学生を支援する、現在の協議会とはまたちょっと違った協議会を立ち上げる必要があるというふうに私は思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○
国際交流課長(溝口広海君) お答えをいたします。
国際交流推進協議会の中で、現在、留学生を総合的に支援する部会がございますが、各部会の役割が今のところ十分に果たされてない部分もございます。今後、各専門部会の機能の充実を図り、対応をしていきたいというふうに考えております。一番議員の御提案につきましては、専門部会の機能等を十分勘案しながら、各関係機関及び関係各課と協議をして検討させていただきたいというふうに考えております。
○一番(長野恭紘君) 協議・検討の方を、よろしくお願いをしたいと思います。
先ほど御答弁をいただいた中で、個人情報の保護であるとか、そのような関係もありまして、協議会を立ち上げても、現在の協議会の中においても十分な情報が引き出せない、また話し合いの場が持てないというようなことは、よくわかるのでありますけれども、やはりここは別府市がリーダーシップをとってこの協議会の設置に何とか一生懸命頑張っていただければなというふうに私は思っております。
先ほど、留学生特区の認定が、別府市の留学生対策の決意のあらわれだという当局の決意の表明もありましたし、別府市が無償提供した土地の問題もあります。別府市がこれだけ熱意を持ってやっているのですから、後は知りませんよということではなくて、最後の最後までやはり責任を持つということが、私は必要であるというふうに思っております。どうぞ、よろしくお願いをいたします。
それと、前市長のときであったのではないかなというふうに思っておりますけれども、「一国一町制度」、大分県で言う「一村一品運動」のようなものであると思います。例えば私は今、小倉町に住んでおりますけれども、小倉町であればシンガポールの学生の受け入れというか、いろいろな文化の交流であるとか、言葉を一人一人が一語ずつ覚えるであるとか、先般、二〇〇二年の
ワールドカップが行われました。二〇〇〇年の
ワールドカップの中で、大分県の中では日本一有名な村になりました中津江村という村があります。これは現在でもカメルーンとの交流が盛んに行われておりまして、もっとさかのぼれば実は九八年、日本が初めて
フランスワールドカップに参加をしたときも、日本におけるカメルーンと同様に、日本は当然フランスにキャンプを張らなければいけませんから、そのときはエクスレバン、名前を聞いたことがあると思います、エクスレバンというところに――小さい町でありますけれども――キャンプを張りました。現在でもこのエクスレバンには日本の観光客のために案内板であるとか観光の掲示板といったものが数多く見受けられる。そして日本人観光客には、特に地元では親切にしていただけるんだというふうな話を聞いたことがございます。やっぱりこういう本当の国際交流というのは、地域の協力があってこそ初めて成り立つものであると私は考えております。この地域の底上げ、本当の国際交流を行うといった意味でも、早急にこの協議会を立ち上げて「一国一町制度」。前回は没になりましたけれども、今回この新しい協議会を立ち上げて、ぜひこういった自治体というか自治会ですね、自治会との交流事業等々もぜひ活発に行っていただきたいというふうにお願いをして、次の質問に入りたいと思います。
次に、防災対策についてお願いをいたします。
先日、大分の東洋ホテルで、平成十五年度の大分県
市議会議長会主催の議員研修会が開催をされまして、私も一年生議員として初めてこの研修会に参加をさせていただきました。講師としてお越しいただいたのが、
全国都道府県議会議長会で議事調査部長を務められた野村稔さんという方でありました。この方は非常に有名な方なのだそうですけれども、私は、正直言って大変恥ずかしいのですが、知りませんでした。話を聞いてみますと、非常に軽快で、また本音の話をしていただける、本当にすばらしい講師だなというふうに思いました。ぜひ別府でも何かの機会がありましたら、この野村先生をお招きして講演等も開いていただきたいというふうに思いますけれども、それはそれといたしまして、野村先生が講演の中で一つぎくりとするようなことを言われました。それは、「あなたの市の防災対策は、一体どうなっていますか。もしものときにつくっても意味がありません。もし今あなたの市の防災対策が不備であるならば、ここにいらっしゃる議員さん、あなた方が余りにも無責任です」ということをおっしゃいました。まさしく私は、そのとおりであるというふうに思いました。執行部はもとより議会というのは、やはり市民の生命であるとか財産を守るというのが一番の責任であり課題であるというふうに私は思っております。
野村さんによりますと、この方は全国を飛び回っている方でありますから、全国自治体は、阪神・淡路大震災の教訓を十分に生かして防災対策を見直しているというところが多いそうでありますが、考えてみましたら、別府市というのも、豊かな自然に囲まれております。山があり海があり、また特殊な扇状地という地形を有しております。また温泉が豊富にわいているということもあります。それは同時に災害に遭う可能性がほかの都市よりも高いということを意味しているんだというふうに思います。
そこで、別府市における全般的な防災対策についてお尋ねをしていきたいと思います。
別府市として、現在、自然環境であるとか地域性を考えたときに、どのような災害が起こり得るというふうに考えておりますでしょうか。
○
環境安全課長(宮津健一君) お答えをいたします。
別府市は、議員さん御指摘のように、その地形の形状から非常な特殊性を持っております。例えば、東は海抜ゼロメーターの海でございます。また西の方は海抜千三百七十五メーターの鶴見岳までございます。この頂上まで距離にいたしますと約十二キロございます。このわずか十二キロの距離で海抜がゼロから千三百七十五メーターまでの、こういう急傾斜地といいますか、こういう形状を有しております。このことはどういうことかと申しますと、例えば集中豪雨だとか台風だとか、そういった風水害の可能性が高い、そういう地形になっております。また今一つは、別府市には内陸の中、また海岸の海の方にも活断層というのがございます。特に
別府万年山活断層、また海の方の日出沖活断層につきましては、今でも直下型地震の可能性があるというふうに言われております。
それから次に、最近でございますが、東海、東南海、南海、いわゆる海の方の地震でございますが、これに伴います津波の可能性というのも指摘をされております。このことにつきましては、東南海、
南海地震防災対策推進地域の指定ということで、今、中央の防災会議の方に申請をしておりますが、こういった対策を今、県が中心になりましていろいろ、県下約二十二の市町村と一緒にこういう指定の動きがあります。
それから、今一つは、火山対策でございます。これは十一月十七日に
大分鶴見岳火山対策委員会の方で発表になりましたが、例の
ハザードマップの問題でございますが、活火山の指定が鶴見岳、由布岳、また伽藍岳のこの三つの山で指定をされております。特に鶴見岳、伽藍岳につきましては、A、B、Cの三段階のうちのBランクに国が指定をしております。全国で二十八のこういう活火山につきましては、
ハザードマップがすでに公表されておりますが、我々の住む別府の鶴見岳につきましても、先月、
ハザードマップが公表されたという経緯がございます。そういうことが地形、自然環境の中で予想されております。
そのほかにつきましては、別府は戦災を受けておりません。そのために古い木造家屋、また狭い道路等のそういった環境にあります。このことは、何かあれば大災害に結びつく要素を秘めているということでございます。
○一番(長野恭紘君) さまざまな災害が、想定をされるということだと思います。
それでは、それぞれの災害に対してのマニュアルというものが完備をされているのでしょうか。また、防災資機材等の状況、これはどのようになっておりますでしょうか。
○
環境安全課長(宮津健一君) お答えをいたします。
平成五年に、風水害を中心にしました総合防災計画を策定しております。しかし、御存じのように平成七年一月十七日に阪神・淡路大震災が起こりました。このことを受けまして、平成九年四月に震災対策編の見直しをやっております。しかし、九年にやりましたが、すでにもう六年を経過しております。そういうことで現在、その災害計画の見直しを今も進めております。そして、平成十六年四月に完成の見込みで作業を進めております。それから、平成十四年三月に風水害と火山対策編の防災計画をつくっております。
それから、防災資機材のことでございますが、環境安全課の防災機材の中心は防災無線でございます。これは災害対策本部を立ち上げたときに各施設、各関係機関との連絡調整にぜひなくてはならない機械でございますが、この防災無線が、現在市内で約百二十一設置をされております。これは市役所はもとより関係する各小・中学校、また市内の公民館、それから関係機関、これは自衛隊とか病院関係とか、そういったところに、全部で百二十一設置をしております。
それから、建設部の方では防災の資機材、土のうとか、そういったものですね。それから、消防本部の方でも防災資機材と救助の資機材を確保しております。
○一番(長野恭紘君) 平成十六年四月にまた見直しを行って新たな策定を行うという予定であるということが、よくわかりました。
それでは、大分県や、また隣接の市町村、それから消防でありますとか、特に別府市というのは自衛隊の駐屯地もございます。この自衛隊との協力体制というものの確立はされているのでしょうか。お願いします。
○
環境安全課長(宮津健一君) お答えをいたします。
県との連絡体制でございますが、これは常時市と県の間では、大分県防災情報システムでつながっております。それから、県下の五十八市町村との関係でございますが、平成十年に災害時応援協定を締結いたしております。この内容は、職員の派遣だとか食糧だとか飲料水、また避難収容等のための施設、それから救護、医療、防疫関係の機材、そしてごみや資料の施設等々のそういう応援をいただくような協定でございます。
それから消防でございますが、消防につきましては、県下十一市の応援協定を結んでおります。また、日出、安心院、湯布院、庄内、挾間の隣接する町との応援協定、また別杵速見の応援協定等も結んでおります。
それから、ひどい災害時には、災害救助法の適用の申請もあり得ると思います。そうなってきますと、全国の自治体が応援をしていただける、そういう体制になっております。
それから、最後に自衛隊との協力の体制でございますが、災害時における自衛隊の派遣につきましては、その災害規模が非常に大きく、自治体だけではなかなか事態の収拾ができない、そういう状況のときには自衛隊の派遣が考えられます。
まず、基本的には市の災害対策本部長であります市長が、県知事を通じまして自衛隊の方に派遣要請をいたします。また、そのときに県知事との連絡がとれない、そういった場合はどうするかということでございますが、そういう場合は、市長が直接自衛隊の方、駐屯地の司令に電話をして要請をすることができます。また今一つ、市長も知事も連絡がとれない、非常にせっぱ詰まった状態、何といいますか、待ついとまがないといいますか、そういう状態のときは、自衛隊が独自に判断をして出動ができます。これは自衛隊法第八十三条の第二項に明記をされております。そういった状況でございます。
○一番(長野恭紘君) 応援体制でありますとか、自衛隊との連携というものも十分に確立をされているということを伺いまして、安心をいたしました。
それでは、防災訓練。この訓練の実施状況を教えてください。よろしくお願いします。
○
消防本部予防課長(工藤邦男君) 訓練の状況について、お答えいたします。
昨年の実績でございますけれども、市民、自治会、日ごろの啓発活動を兼ねまして、平成十四年中の防災訓練の状況でございますけれども、防火講話、それから自主防災会を実施した参加人員でございますけれども、三千二百名ほど参加いたしております。訓練内容につきましては、避難訓練三回、消火訓練十回、救急訓練五回など、各町内を主体として土・日に訓練要請を受けまして、指導に行っているという状況であります。
消防におきましての概要は、以上でございます。
○
環境安全課長(宮津健一君) お答えをいたします。
市が行っております防災訓練につきましては、毎年、目標を立てまして、また内容も変えまして実施をいたしております。例えば平成十一年度は、市職員の防災意識の高揚と危機管理体制の確立ということで図上訓練と実践訓練を実施しております。また平成十二年度につきましては、消火・救助・救急技術の向上、また地域住民の避難の要領の習得ということで実践訓練を実施しております。また平成十三年度につきましては、初動体制における対策本部の確立、また市職員の救急救命技術の高揚を図るということで、非常招集訓練と救急救命処置訓練を行っております。平成十四年度につきましては、総合防災訓練を楠港の埋立地の跡地でやっております。これは大災害時における住民の対応はどうあるべきか、また市の対応と各防災関連機関との連携を密にする確認のために行っております。そして本年度でございますが、平成十五年度につきましては、十一月二十二日に図上訓練を実施しております。これは大規模震災発生時における災害対策本部の確立、またその命令伝達系統の確認のために図上訓練を行いました。
○一番(長野恭紘君) 先ほども申し上げましたけれども、一番重要なことというのは、市民の生命また財産を守ることであります。市民一人一人や各自治会に対しての防災についての呼びかけを十分に行っていただきまして、これが絵にかいたもちでなくて、本当にもしものときに十分に効果を発揮する、そのような防災対策を引き続き行っていただきたいということをお願いして、次の三項目の観光と環境整備に移りたいと思います。
別府市は、言わずと知れました観光都市であります。しかしながら、観光客の皆さんがよく口にする言葉、これは皆さんもよくお聞きをすると思います。「観光都市としては余りにも汚い」という言葉を私はよく耳にいたします。この「汚い」という意味については、幅が広いわけでありますけれども、直接的なことを申し上げると、ごみが散らばっている、掃除・清掃が行き届いていない、海にいっぱいごみが浮かんでいた、山にいっぱい食べ物のかすとかそういったごみがたくさん捨てられているというようなことが直接的にはあると思いますけれども、私は、もっと幅広く考えたときには、景観がよくないのだというふうにとらえております。この景観といいますのは、やはり観光客の皆さんというのは、別府に来るときには少なからず古きよき文化、それと湯けむりが立ち上る、そういった何かしらのいいイメージを持って別府に来られるわけでございます。そのイメージを少なからず裏切っているということは、やはり別府観光にとっては大きな打撃ではないのかなというふうに私は思っております。
別府観光の中心となるべきものが、別府八湯であります。その別府八湯の中でもちょうど地図上のど真ん中に位置する鉄輪地区、この鉄輪地区は、私は中学校区が朝日中学校でありますし、浜田市長もこの鉄輪地区のど真ん中に長年お住まいでございます。このど真ん中の鉄輪地区の発展こそが、私は別府市全体の観光の浮揚につながるというふうに思っておりまして、これから先、この鉄輪地区の発展のために微力ではありますけれども、一生懸命汗をかいていきたいというふうに思っているところであります。
そこで、お尋ねをいたしますけれども、別府観光における別府八湯の位置づけ、それから、その中でも特に鉄輪地区に対しての位置づけというものをお答えいただきたいと思います。
○建設部長(亀岡丈人君) お答えいたします。
別府観光における別府八湯の位置づけ、またその中でも鉄輪地区の位置づけはどうかということでございます。
観光立市にありまして、当市におきましては別府八湯はなくてはならない観光資源であると認識しております。最も重要な観光施設でありますこの八湯、またその中でも鉄輪地区につきましては、別府八湯の施設でありますが、背後に美しい自然、また地獄地帯が所在する湯けむりと豊富な温泉を持つ、本市を代表する湯治場的雰囲気が漂う地域であろう、こう考えております。
○一番(長野恭紘君) 別府市は、観光立市として、今言われたとおり別府八湯と、特に私はさっき、鉄輪ということを申し上げましたけれども、非常に重要なことであるというふうに思っております。それにしても、その言葉とは裏腹に余りにこの別府八湯に対しての予算的な反映というものが、私はされていないというふうに思っております。例えば鉄輪観光のメインストリートとも言うべきものが、鉄輪線を挟んであります二つの坂、みゆき坂といでゆ坂。二つのこの坂が、いわば鉄輪観光のメインストリートであります。休日や観光シーズンともなりますと、観光客の皆さんがたくさん鉄輪地区のこの坂を歩いておりまして、非常ににぎやかであります。にもかかわらず、この二つのメインストリート、よくごらんになったらわかると思います。専用工事、緊急工事があるのは、これはもう仕方がないことだと思いますけれども、その緊急工事の跡が、きれいにカラー舗装がされているにもかかわらず、きれいにまた同じ色の舗装にされていないで、赤のきれいな舗装のところに黒の舗装をしてあったりとか、いわば継ぎはぎ状の、本当に坂全体を見ましたときに、何とも――言葉は悪いのですが――汚い。先ほど、観光客の皆さん方がよく言われる「汚い」、「景観が悪い」。私は、このようなことも指しているのではないかなというふうに思っております。過去の地元からの要望が、この坂の整備をしてほしいというふうな要望もあったのではないかというふうに私は聞いておりますけれども、そのときの対応と経過・経緯についてお尋ねをしたいと思います。
○土木課長(金澤 晋君) お答えいたします。
別府市を代表します観光、鉄輪温泉のまちづくりにつきましては、地元の方々も大変熱心であります。平成七年におきまして、地元旅館組合や地獄組合それから各通り会、それから鉄輪商工連合会、それから各自治会等の連盟によりまして、鉄輪温泉いでゆ坂、みゆき坂等の道路改良整備についての陳情をいただいているところでございます。その中で道路整備等につきまして、地元関係者と協議を幾度となく重ねてまいりましたが、地元との工事手法等で地元の総意が得られず中断しておりましたが、ことし六月になりまして、再度鉄輪自治会や旅館組合が中心となりまして、市に対し鉄輪温泉の今後の展望についての要望書が提出されたわけでございます。これによりまして、地元関係者と担当課であります土木課で今後の道路整備手法等について、九月と十月に協議会を開催しております。また、地元におきましても、ことし十月に鉄輪地区道路整備期成会を発足させていただきまして、行政への協力体制を整え、道路整備を推進するために頑張っていただいているところでございます。
今後、この協議会を開催する中で、いろいろな意見等を地元から聞きながら、安全で安心して散策できる道路にするためにはどのような工事手法がよいかを検討してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどをよろしくお願いいたします。
○一番(長野恭紘君) 今、土木課長がおっしゃったように、先般、鉄輪地区道路期成会が発足をされまして、地元で独自にアンケートを行っておりまして、そのアンケートの結果が、今月の十五日に集計をされるということも伺っております。当然、市の単独工事等々になりますと、予算的に大変厳しいことは承知をいたしております。国の補助等も条件つきで受けることができるということをお伺いいたしましたけれども、その詳しい内容をできる範囲で結構ですので、詳しい内容についてお伺いをしたいと思います。
○建設部長(亀岡丈人君) お答えいたします。
道路手法でございますが、その前段といたしまして、この鉄輪のいでゆ坂、みゆき坂の整備でございますが、土木課長が答弁いたしましたように、平成七年に一度この道路整備の要望がありました。今、中断しているということでございます。私ども道路管理者といたしまして、安心に通行できる歩行空間を確保するために、御案内のとおり駅裏、青山通り等の整備をしてまいりました。順次そういう整備をしているわけでございますが、今回、北浜の旅館街も歩車共存道路ということで整備中でございます。これも終了しますので、私どもの計画で次は鉄輪地区という計画の上で、いでゆ坂、みゆき坂の整備をするわけでございます。当然単独事業ではかなりの事業費がかかります。その中で国の交通安全等施設整備事業という枠の中で歩車共存道路という手法を取り入れて整備していきたいという考えでございます。
○一番(長野恭紘君) 次は鉄輪地区という部長からのお答えをいただきました。本当に先ほど言われたように駅裏のように、青山通りのようにあのようにきれいになれば、観光客の皆さんも喜んでまた鉄輪地区にいい思い出をつくる、そういうスペースができるのではないかなというふうに私は期待を込めております。
今回の期成会の結成というのは、やはり地元の熱意のあらわれであって、地元の皆さん方が関心を持って立ち上がったということであると思います。
そこで、先ほど申し上げましたが、浜田市長は、長年この鉄輪地区のど真ん中にお住まいであります。特にみゆき坂とそれからいでゆ坂、この二つと、また鉄輪全体を見渡して御感想、今の私の質問内容でありますとか、当局の答弁をお聞きになっての御感想をお聞かせいただきたいのですが、お願いします。
○市長(浜田 博君) 感想をということでございますので、述べさせていただきます。
議員の御指摘、さらには鉄輪に対する思い、涙の出る思いで聞いておりました。あなたも小さいころから私と同じ地域で、私の子供と一緒に遊んでいただいた一人でございまして、鉄輪に対する思いというのは、私と同じ思いだと思います。
ただ、鉄輪にはいでゆ坂、いわゆるみゆき坂、その道路を中心として、先ほど部長が答弁したように、観光立市の中で鉄輪はやはり温泉の湯治場として栄えたまちでございまして、今御指摘の道路の問題も、脇屋市長さんの時代にカラー舗装をしていただいて、鉄輪が大喜びしたあの雰囲気を思い出しております。あの当時は、本当にきれいな鉄輪の湯治場のまちのイメージがきちっとできまして、本当に住民挙げて喜んだのでございますが、その後、もう二十数年来手を入れられず、本当に今、形としては観光地としては汚いという、いわゆるきれいでないという部分を御指摘もいただきましたし、継ぎ足しの舗装復旧といいますか、かまぼこ状になっておりまして、もうここ数年来、お年寄りの方が歩くのに、雨降りは特にこけてけがをした例もたくさん出ております。そういう意味で安心して歩けない。車も多く通るという部分で、今、共栄会の皆さん、鉄輪がそういう期成会をつくりまして、何とかお年寄りが安心して歩けるまちに、道路にしてほしいという陳情がなされた経緯があります。そういう意味で今、順番としてやっと回ってきたのかなと思いますが、次は鉄輪の順番になっているということで、非常に今積極的に当局も頑張っていただいております。
ただ、これは大変なお金がかかりますし、簡単な道路整備ではなくて、鉄輪独特の温泉管が通っています。さらには側溝にはいろんな複雑な管がありますから、そういうものがきちっと整備できて中央にできるのかなという部分、国と十分協議しながら、ぜひ、国の補助事業の対象になりますので、そういう部分に乗せていただくような方向で、財政上厳しいときですが、何とか整備の方に頑張っていきたい、このように考えております。
思いに対して、本当にありがとうございました。心からお礼を申し上げます。
○一番(長野恭紘君) どうもありがとうございます。早急にできましたら整備の方もお願いをしたいと思います。観光のインフラということで、そういう整備の方をよろしくお願いをさせていただきたいというふうに思います。
それでは、時間もなくなってまいりましたので、最後の三十人規模学級についてお尋ねをしたいと思います。
私は、質問通告の中で「三十人規模学級」というふうに書かせていただきました。「三十人規模学級」と「三十人学級」というのは、厳密には違うということをお聞きいたしました。例えば四十人で編制されている一つのクラスがあれば、二十人、二十人というふうに分かれることにもなりまして、厳密にこの「三十」という数字には私はこだわってないというふうに思っているのですけれども、「三十人学級」、また「三十人規模学級」というよりも、「少人数学級」だというとらえ方をして、問題ございませんでしょうか。
○学校教育課長(利光弘文君) お答えいたします。
そのようにとらえて、よろしいかと思います。
○一番(長野恭紘君) 十二月三日の県議会におきまして広瀬県知事から、少人数学級を来年度から導入するということが発表されました。要は一人一人に行き届いた教育が行えるということであると思います。基本的には私も賛成であります。小さなときほどきめ細かな教育が重要だということで、来年度はまず小学校一年生に限定をして少人数学級を導入するという予定だということをお聞きいたしております。しかしながら、一部には受験を控えて精神的にもナーバスになっております中学三年生などにも限定的に導入をしてほしいというような言葉も聞こえてまいります。小学校一年生だけということについて、義務教育の範囲の中で行えることでありますから、その整合性についてはどうなのでしょうか、お答えください。
○学校教育課長(利光弘文君) では、お答えいたします。
中学校に三十人規模学級等の少人数学級を導入するということにつきましては、将来的に、また国や県の方で導入されることを期待しておるところでございますが、現在、市内の全中学校には基礎・基本の定着を図るための教員を県で配置していただいております。特に国語、数学、英語の時間等の授業の際に学級を二つに分けて少人数にする。また複数の教員による授業を行ったりする、そういうことが行われておりまして、きめ細かな指導を行って学力向上に向けまして、一人一人の生徒を大切にする取り組みが行われているところでございます。
○一番(長野恭紘君) ありがとうございます。新聞報道等によりますと、県議会の知事の答弁に沿いまして、全県下で一年生の少人数学級が導入をされたときには、大分県全体で五十九学級増加をするということをお聞きいたしております。五十九学級、大分県の試算でありますから、これは別府市独自の試算ということではありませんので、今のところは、例えば正規の職員にするのか臨時講師にするのか、また非常勤講師にするのか、いろんな不確定要素が含まれておりますので、なかなか今のところではお答えしづらいというところはあると思いますけれども、課長、これはわかった時点で、ぜひ大分県全体と別府市と両方の費用、どれだけかかるのか、それから何学級ふえるのか、正式なところをまたお知らせいただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
それから、県が主体であるということでありますけれども、そうはいっても、やはり県民のこれは貴重な税金が投入されるということであります。少人数学級導入による成果、また費用対効果というようなところもこれから問われてくるというふうに、当然要求される。私は思っておりますが、どのような評価システムが採用されるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○学校教育課長(利光弘文君) お答えいたします。
先ほどの費用につきましては、昨日、県議会の文教委員会がございまして、大体一億円というふうに県の方は試算をしているということを、きょうの新聞で見かけたところであります。学級数は五十九学級というふうになっておりますし、採用は、非常勤講師を採用というようなことも、新聞できょう読んだところでございます。
あと、評価の問題でございますが、多くの費用、税金をかけて実施していただくわけでありますから、実施になれば当然、実施報告書また県によるヒアリング、そういう評価を求められると考えておりますし、配置されれば当然のこととして各学校ではきちんとした成果を上げなければいけないというふうに考えております。また、学校もその責任があるのではないかというふうに考えております。
○一番(長野恭紘君) また、時々耳にするのでありますけれども、単に雇用の確保であるとか、教職員の負担の軽減であるとか、そういった大人の論理が先行するのではなくて、だれのための、そして何のための少人数学級であるのかということを、やはりこの原点を忘れてはならない。これはあくまでも子供たちのための少人数学級でありますから、そのことをそのことをぜひぜひ忘れていただきたくないなというふうに私は思っております。私は、この少人数学級につきましては、九月議会の中でも質問をさせていただきました。そのときにも申し上げたことでありますけれども、やはりこの施策の導入の前提条件となりますのが、資質の向上、つまり先生方の勉強であり、資質の向上であるというふうに私は思っております。この向上なくしては、少人数学級の導入というのは全く意味をなさないものであります。民間等における社会研修等、そういうこともこれから教職員の皆さんに対して必要になってくるというふうに思っておりますし、また県とか国ではなくて、市独自でできれば予算化もして中期・長期、本当に一週間であるとかそれぐらいの期間ではなくて、いろいろと問題があるのは承知をいたしております。研修に市独自で予算化をしたとしても、その間、補充する先生の費用はどうするのかといった内容があるのは、よく承知をいたしておりますけれども、それにしてもやはり市の独自の取り組みということも、これから先考えていくべきであるというふうに私は思っておりますので、ぜひそのこともお願いをしたいというふうに思っております。
以上で質問通告しました内容が、すべて終わりました。丁寧で非常にわかりやすい御答弁をいただいたと感謝をいたしております。
最後に、私も二回目の議会一般質問を終えようとしている中で、きょうの質問の中でお答えをいただきました。よく担当課の皆さん方がお遣いになる言葉があります。それは「協議・検討をします」という言葉でございます。その「協議・検討」という言葉は、本当によく使われるわけでありますけれども、先般、大分の市議会であったと私は思っておりますけれども、答弁の中で「協議・検討をします」といった内容に対しまして、一年に一回であったか半年に一回であったか、私はちょっとそこら辺は記憶が定かではないのですけれども、「検討・協議する」といった内容に対して、追いかけて当局の方から公表しますよという、こういうシステムを導入するという発表があったように思っております。これは、私どもも市民の代表としてこの議会に立って責任ある言葉を使って質問をしているわけでございます。その責任ある発言に対して当局の皆さん方も、当然責任ある回答をしていただいているというふうに思っております。一度この公の場で口にした以上、協議・検討していただけると言った以上、ぜひまねをしろということではありませんけれども、別府市もこういう協議・検討の内容の後の経過・経緯についてもぜひ発表していただきたいというふうに思うのですけれども、このことについて、担当課がどこになるのかちょっとわからないのですが、御答弁いただければありがたいのですけれども、よろしくお願いします。(「検討します」と呼ぶ者あり)(笑声)できれば市長か助役に、お願いしたいと思います。
○市長(浜田 博君) 「協議・検討します」という言葉は、逃げの言葉ではありません。前向きにするか後ろ向きにするかは別にして、真剣に……(発言する者あり)後ろ向きにはしません。言葉としては逃げの言葉ではないということですね。だから、真剣に、できれば前向きにを思いとして、しっかり協議をしていくという気持ちで答えていると思いますから、それを信じて。ただ、検討の期間がいろいろあると思います。短期に検討できる部分、また長期になる部分があると思いますから、何月にそれをやりますという約束はできませんが、議会が年四回、定例議会がきちっとありますから、その辺はチェックをしていただいて、「あの問題はどう検討したのか」、そのことをしっかりただしていただきたい。しっかり前向きに検討を進めるというお答えで勘弁いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○一番(長野恭紘君) よく協議・御検討をよろしくお願い申し上げます。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○十九番(山本一成君) 大変若い、生きのいい議員の後で非常にやりにくいのですが、私なりに静かに、穏やかに質問をさせていただきます。
通告順位に従いまして、まず公民館運営について。特に中央公民館、地区館についての質問から入らせていただきます。
今、中央公民館、市民会館の役割も兼ね備えているというふうに思っていますが、年間の利用者、それから本来の役割、目的を説明していただきたいと思います。
○生涯学習課長(入田勝人君) お答えいたします。
公民館につきましては、社会教育法に、住民の生活文化の振興や社会福祉の増進を目的とすると規定されております。また、市民会館についても同じように条例で、市民文化の向上と福祉の増進を目的とすると規定されております。したがいまして、文化活動や福祉にかかわる事業を実施するとともに、住民の活動の機会や場所を提供することが役割であると考えられます。
利用者数につきましては、平成十四年度には、全体で十三万一千二百八十七人、このうち市民会館の大ホールは三万八千五百五十八人となっております。
○十九番(山本一成君) 利用者数が十三万人、それでホールが三万八千人。かなりの利用者数だというふうに思っています。稼働率が十六日(?)と言いますからね。やっぱりビーコンでいくと多少も値段も高いということで、中央公民館が使いやすいという形で利用者が多いというふうに思っています。
そこで、きょうはそのホールのことについて質問をさせていただきたい。
ホールを使うときにどうしても舞台装置、照明、これが要りますね。これがことしから民間に委託契約、民間に委託になっていますが、その経過、事情を説明してください。
○生涯学習課長(入田勝人君) お答えいたします。
市民ホールの大ホールの業務委託は、人員削減、経費削減が大きな理由ですが、舞台技術の職員が三月末で退職し、その業務を行える職員がいなくなったというのも理由の一つでございます。
また、委託契約につきましては、所定の手続きを経て契約されており、適正に行われております。
○十九番(山本一成君) 専門の職員がいなくなった、だから委託した。もちろん経費削減も含めてという形ですが、委託書がありますが、経費節減に果たしてなっているのかなという気がちょっとするのですが。それと、先ほど公民館の役割について、市民福祉の向上、文化の向上ということで、これは市民の方で使う人が主役ですね。使う人が使いやすいようにしてあげるのが公民館の務めだというふうに思いますが、そうですね。
○生涯学習課長(入田勝人君) そのとおりでございます。
○十九番(山本一成君) 当たり前のことなのですね。それが、当たり前が当たり前になっていないから問題が起こる。
今、退職した職員さんが一人おると言いましたが、この職員さんのおるときに舞台装置、ホールを使う住民の皆さんからかなりの苦情が来ていると思いますが、教育長、承知していますかね。
○教育長(山田俊秀君) この三月で退職いたしましたけれども、これまでについては何度かその話は聞いたことがございます。
○十九番(山本一成君) 今、教育長の言われたとおり、それなりに私も調べました。苦情が随分、前の公民館長、それから利用者から直接生涯学習課長――変わりましたけれどもね――前の課長を通じて教育長にも随分苦情が行っている。どういう苦情かというと、具体的に挙げると、ピアノの例えば発表会をすると、どうしてもピアノの調律が要ります。課長、聞きますが、公民館のピアノの調律は、もう指定業者が決まっているのですか。
○生涯学習課長(入田勝人君) 利用者が行っても、結構でございます。
○十九番(山本一成君) その調律に当たり、ピアノは、やっぱり専門家ですからね、自分の調律師がいるのですよ。その人を連れていくと、「それはだめだ、これを使え」という形で指摘をされた。
それから、これはある大きな会ですが、何周年の記念発表会をやろうとして、「こういう舞台をしてください。こういう舞台にしたい」とお願いに行ったら、「そんなことはできぬ」。頭からぽんと言われた。それをするためにあそこの業者を連れてこい、この業者を連れてこいという形で、総額四十万円を払わされた。これは領収書も持っています。だから使う方が恐る恐るその職員さんの顔色を伺いながらやってきたというのが実情なのです。こういう苦情も入っているはずです。
その職員さんが、今度おやめになった。委託業者になった。委託業者のA社が決まりました。前課長さんが、このA社の方に、「前の職員さんはいろんなトラブルが起こっているし、苦情が来ておりますので、職員さんは使わないようにお願いします」という申し入れをして契約している。しかるに、四月の時点では確かにほかの人が技術者で入っていました。五月になった途端に技術者を入れかえて、元の職員がそこにおる。これはどういうことなのですかね。こういうことが起こっていいのですか。(発言する者あり)
○生涯学習課長(入田勝人君) 以前のいきさつについては、当時のいきさつはちょっとわかりませんけれども、今言ったように、約束事であれば好ましくないと考えております。
○十九番(山本一成君) 民間と契約して四月にほかの技術者が入って安心しておって、前の課長さんはやめられたのですよ。そうしたら、課長さんがやめた途端に、もう五月に入れかわっている。そして、こういう言葉は使っていいのかな、「その公民館の舞台に君臨している」という言葉がぴったりする言動をいまだにやっている。これは、生涯学習課、教育委員会、あなたたちのやっぱり管理責任を問われる問題だと、このように思います。なんですかね、市民の皆さん方が本当に使いやすい環境を整えてあげてするのが公民館の務めだ、このように思っております。
今聞きましたら、どういうシステムになっているか。びっくりしたのですが、まず中央公民館にホールを使いたいと申し入れをします。そうしたら、公民館の館長とかを通さなくて、電話がもう直接そこに行くのですね、A社のところの事務所に。直接市民がざっと話をする。市民の方がどう言っても、「そんなものできぬ」と言われたら、専門家から「できない」と言われたら、できないのです、それ以上。「おまえたち、素人だから黙っておけ」と言われたら、もう言えない。こういうことが現実に起こっているということを、教育委員会はもう一回把握していただきたい。そして、こういうことが二度と起こらないように、必ずやっぱり中に公民館長さんなりが入ってきちっと住民サービスが行き届くようなシステムをつくり変えていただきたい、このようにお願いしますが、どうでしょうか。
○教育長(山田俊秀君) 御指摘については、今後十分、二度と起こらないようにいたしたいと思います。
○十九番(山本一成君) これは一つ提案なのですが、ホールを使った方々に後でアンケート、どうだったかというアンケート調査をやって、きちっと。たぶん苦情が出てくると思いますよ、まだ。アンケート調査なり、やっぱり住民の声が届くようなシステムに何かを考えていただければと、このようにお願いをします。
それともう一つ。委託契約を見ましたけれども、これは一年契約ですね。契約が七百何万。これはちょっと、私は舞台のあれがわからぬのですが、常駐一人、機械装置とか全部使って、要するに管理だけですね。舞台装置の操作するだけ。これで果たして月に五十八万何ぼ払っていますが、ちょっと高いのではないかなという気もします。ここら辺も再契約に当たっては慎重に、一年契約になっていますから、契約に当たってはそういう今の事柄を含めて慎重なる対応をお願いして、この項は終わります。
続きまして入札制度……すみません、各地区館についてもありました。各地区館についてもう一件聞きます。
中央公民館を含めて北部公民館、西部公民館、別府市の公民館がありますが、この公民館の使用料は、これは全部一律ですか。
○生涯学習課長(入田勝人君) お答えいたします。
使用料につきましては、使用料は減免は、別府市公民館条例施行規則及び別府市営地区体育館管理の規定によって行われております。(「金額はどうなのか」と呼ぶ者あり)使用料は、一律でございます。
○十九番(山本一成君) 減免は、今から聞くのですよ。その中で減免措置がありますね。今答えていただきましたけれども、特殊な場合は減免をしている。
ちょっとこれは、減免の理解の仕方がおかしいか、市民の方がちょっと誤解しているかもしれないが、同じ体育館を使っても、使用料を取られたり取られなかったりするグループがいるという報告を聞いている。そういうことがあるのですか。
○生涯学習課長(入田勝人君) この規則に基づいて行っておりますので、そういうことはないと思います。
○十九番(山本一成君) では、ないというのなら、一回調査をしていただきたい。慣習的にこのグループはもうお金を取らないのだというグループがあるのではないかなという気がします。もう一度、公民館の使用料規定に照らして、市民の皆さん方が不平等感を持たないような徴収の仕方、運営の仕方をぜひ、課長さん、今度新しくなったばかりですから、やっていただきたいなと、これも要望して、終わります。
続きまして、入札制度について質問をさせていただきます。
いいですかね、課長さん。先般の議会でたしか市長だったと思いますが、平成十七年度から電子入札制度を導入するという発言があったというふうに思っています。大変恥ずかしいのですが、この電子入札制度とはどのようなもので、どのようなメリットがあるのかを説明をお願いします。
○契約検査課長(岩本常雄君) お答えいたします。
これまでの入札は、発注予定情報の公表から、入札及び入札結果の一連の行為を市役所で行っておりましたが、電子入札では、これら入札に関連する一連の行為をすべてインターネットにより行うもので、入札参加業者と市職員の接触がなくなり、また、入札参加者だけでなく、入札に関する情報もだれもがインターネットを通じて見られ、透明性の確保ができることになっています。
また、電子入札導入によりますメリット、デメリットにつきましては、メリットとしましては、競争原理を基本とした入札となりますことから、透明性の確保、公正な競争の促進、不正行為が排除されることを考えております。また、ネットワークの活用により、入札業務に関する利便性の向上と事務の効率化が図れるほか、入札参加者への人件費や移動コストの削減が見込まれております。デメリットとしましては、当初の開発経緯やランニングコストがかかりますが、すでに導入した自治体では、デメリットの声は余り聞こえておりません。
○十九番(山本一成君) 今、電子入札の説明をいただきました。大変公平性が保てると。いろいろ言う談合とかいろいろな口利きがなくなるということで、大変私はいい制度だというふうに思っています。
そこで、平成十七年度導入ということになっていますが、今の進捗状況はどうなっているのでしょうか。
○契約検査課長(岩本常雄君) 電子入札については、平成十七年度開始を目途にいたしておりましたが、ことしの九月に大分県電子入札システム共同開発検討会議が開催され、県と県下市町村による電子入札システムの共同開発・共同利用についての説明会が行われました。この共同事業の開発によりますと、平成十六年度、十七年度にシステムの開発を行い、平成十八年度から一部運用の開始、平成二十年度からは全公共事業を電子入札するものであります。別府市としましては、開発が十八年度となり、一年おくれることとなりますが、大分県との共同開発を進めることにより、独自でシステムを構築した場合よりも経費の削減と、また導入後のランニングコストの経費等を勘案した場合、すべての条件でこっちの方がいいのではないかという判断のもと、参画することといたしました。
○十九番(山本一成君) 当初、別府市が独自でやる予定が、県とのお話ができて県と共同でやると。コストの削減につながるということで、そのかわり年度がちょっとおくれると。十八年度一部で、二十年開始と。これはできるだけ早くやってもらいたいのですが、そういう事情ならやむを得ないかな。ぜひとも電子入札をやっていただきたいと思います。
そこで、この前、業者の皆さん方とちょっとお話をする機会がありました。電子入札が、その当時は十七年度からとなっていましたから、「どうすればいいのだろうかな」。非常に何と言うかな、戸惑っているというのが業者の実情だというふうに思っております。Aクラス、Aクラスというか大手の人はそれなりのやっぱりシステムを持っているし、コンピューターを持っているし、パソコンを持っているでしょうが、C、Dクラスの方、従業員一人という会社の皆さん方は、こういうシステムには少しついていくのに時間がかかるかなと思っています。
そこで、一応今聞きましたら、全業者ということですから、契約の金額関係なく全業種、A、B、C、Dに関係なく全部に採用するというふうに理解していいですね。
○契約検査課長(岩本常雄君) 平成十八年度に一部の運用開始して、平成二十年度には物品も含めまして全業種で電子入札を行う予定でございます。
○十九番(山本一成君) もう今は、業者の中では十七年という話が先行していますから、こういうことは早く情報開示して、別府市はこういうシステムでいきますよ、何年度はどうですよということで早くやっぱり情報公開をしてあげるべきだと思いますよ。もうすでに準備にかかっている業者もおりますしね。
それと、今言ったようなDクラスと言っていいのかどうかわかりませんが、そういうシステムを持っていない業者は、これをつくらないと入札できないわけですから、そういう周知徹底、勉強会と言っていいのかわかりませんが、やっぱりそういったきめ細かな指導もしてあげて導入をしていただきたい、このように思っています。
それから、今、調査のことも聞きましたが、当然私は水道局それから別府市の関連する企業、三セクといいますか、そこら辺の入札についても、この電子入札を導入すべきだというふうに思いますが、その辺の見解はどうなのでしょうか。
○契約検査課長(岩本常雄君) お答えします。
別府市は、電子入札制度を導入すれば、そういった水道局、また第三セクターなども別府市のシステムを利用することになります。その場合の費用対効果を十分に考慮しながら、進めていきたいと考えております。
○十九番(山本一成君) 入札というと、すぐ建設の方に目が行きがちですが、やっぱり用度とかという購入業者もあるわけですから、そういう全部に公平な入札制度をするようにお願いをいたしておきます。
それと、この電子入札制度になりますと、今までの指名願というのですか、入札の資格というふうなことは、何か制限ができるのですか。変わってくるのでしょうか。
○契約検査課長(岩本常雄君) この指名の範囲でございますが、大分県の電子入札の開発の中でどのような状況になるか。私どもとしましては、現在のAランクからDランクまでありますけれども、その分でいくと考えておりますけれども、開発の中でまたどのようになるか。変化があれば、県に準じて同様なことをしていきたいと考えております。
○十九番(山本一成君) その辺も含めてわかる範囲、やっぱり徐々にでも構いませんから、全業種の皆さん方に「こうですよ」という説明も早目にしてあげていただきたいと思います。
それと、ついでに入札に合わせまして、一時問題になりましたペーパーカンパニー。これは随分減ってきたと思いますが、今、国がそうですが、丸投げの禁止というのは、別府市も当然、下請業者への丸投げですね、この禁止という規則は、別府市は当然行っているわけでしょう。
○契約検査課長(岩本常雄君) お答えします。
ペーパーカンパニーや一括下請等の不正行為の排除につきましては、その徹底に努めていたところでございます。平成十三年四月に施行された入札契約適正化法により一括下請負、いわゆる丸投げは全面禁止されております。そのような行為があった場合には、私どもとしましては、指名停止を含め法に基づく処分を徹底していくつもりでありますが、その前に、そのようなことがないように指導監督していきたいと考えております。
○十九番(山本一成君) わかりました。新制度導入に当たって原点に返る意味で、そういったことも一緒に指導徹底をしていただきたいと要望して、この項は終わります。
続きまして、日田サテライトにつきまして、若干の質問をさせていただきます。
サテライトの経緯については、言うまでもなくもう皆さん方御存じのとおりですが、多少省きたいと思いますが、一部で言われると、何かこう、別府市だけが一方的に悪いような報道がされておりました感情があります。確認をしたいのですが、日田サテライト設置に関して、今のところ別府市に何か法的な瑕疵があるあるのでしょうか、ないのでしょうか。
○助役(大塚利男君) 法的な瑕疵があるのかないのかということでございますが、私ども、法的な瑕疵はない、そのように認識いたしております。
○十九番(山本一成君) ここに新聞記事もありますが、浜田市長が当選されたときに、最初は、日田市民の皆さんがあれだけ反対しているのだから行くべきではないという発言をされました。その後、大石さんと五月二日に会われた後の記者会見では、少し慎重な発言に変わっていますね。ここに……設置者それから……、ここにありますね、十二日と、大石さんと話した後、「サテライト日田の設置許可は、別府市に対して出されたものではなく、設置者である溝江建設に出されたものである」。それから、「別府市は、経済産業省に対して設置許可に当たって車券発売という確認書を提出している」。それから、「別府市は、提出者に対し設置許可申請に当たり車券発行を口頭約束している。以上から、別府市独自で判断することは、非常に難しい状況である」。さらに、「設置許可を出した経済産業省に対し、日田市が設置許可取り消しを求めて福岡高裁に控訴係争中であることなどを考慮したとき、別府市が現段階」――というのは五月七日ですよ――「で早急な判断をすべきではない。市議会、経済産業省、設置者、関係団体等、十分な話し合いをより慎重に審議し、円満に解決できる手だてを考えていきたい」という記者会見をやっています。全くそのとおりですね、慎重にやっていただきたいなと私たちは思っていました。「特に設置者である溝江建設さんと、別府市の状況をしっかりお話をし、別府市、日田市民の市民感情を御理解いただくよう努力して、円満解決を図りたい」というふうに五月時点では発表になっています。間違いないですね。その後、五、六、七、八、九、十、七カ月間、この件については表立ったことは発言されておりません。
ところが先般、急に、「急に」という言葉がいいのでしょうね、関係部長、課長が知らないうちにやったのですか。急に日田にはもう行かない、断念をしますという発表をしました。この間、どういう経過を踏まえてこういう発表に至ったのか。全員協議会で説明をいただいていますが、この議会の場ですから、もう一度この経過と断念に至った経緯を説明してください。
○市長(浜田 博君) この日田サテライト問題にかかわるいろんな御心配、本当におかけいたしまして申しわけないと思っていますが、この私の思いがどのようなものであったかということを、一応経過は、今新聞の発表も含めてお話をいただきました。就任したときに、市民の思いとして、あれだけ市民が反対している、議会も否決している、なぜ強行するのだろうかという単純な思いはありました。しかし、市長に就任してこの問題をどう解決するかという立場に立ったときに、これは私は、トーンダウンしたとかいうことではなくて、何とかこれを、解決に向けてはどういう方法をとったらいいかという思いで、記者の皆さんに発表したというふうに思っておりますから、そのトーンダウンしたとかいう部分ではないと思いますので、その辺は御理解をいただきたい。
若干の思いを述べさせていただきますが、平成八年にサテライト日田問題が表面化して以来、すでに七年もの歳月が経過をしている。その間、御承知のとおり自治体間の紛争、訴訟、果ては自治体が国に対して訴訟を提起する等々の極めて私は異常な状況が継続しているということも把握をしましたし、一方で、別府市議会で関係予算の否決という、これは重大な意思決定と私はしっかり受けとめておりましたが、私はその議会の意思、さらには市民の方々の思いを思いとして真摯にかつ誠実にこの問題に対処してまいりたい、このような気持ちでスタートをさせてもらいました。
かねがねサテライト日田問題が、さまざまな経過をたどってきたことにつきましても、いろいろな機会に関係者のお話を伺ってまいりました。「百年戦争」という言葉も出てまいりました。そういう中で日田市と別府市との対立・抗争することは非常によくないという部分、そしてこの対立・抗争に対処することの難しさを痛感いたしました。市長就任後は、このサテライト日田問題を最優先課題として、私はその解決に向け精魂を傾けて取り組んでまいりたいという思いに駆られたのも事実でございます。私が市長に就任した以上は、この問題の解決なくしては、別府市の発展も含めて、ないというふうに意識をいたしまして、この解決のために一身をなげうつ覚悟で取り組み、誠実かつ真摯に事に当たれば、必ずや道は開ける、このように考えた次第でございまして、そもそも自治体間で訴訟が提起をされ、長期間にわたって紛争が継続していること自体が、本来あってはならない。さらに地方自治の健全な発展に資するものでないというふうに思いました。
十一月九日、大石市長の真摯の申し入れを受けまして、私は、これ以上異常な事態を硬直させることなく、局面を打開するときは今を置いてないという考えで、本市における競輪事業の意義・役割をも深く認識して、熟慮に熟慮を重ね、議会の意思、ひいては市民の方々の思いを思いとするとき、サテライト日田での車券発売を強行すべきではないという決断をさせていただいたわけでございます。現在、別府市民のみならず、将来の別府市民のためにも決断したものでありまして、いろいろな御意見や御批判もあろうかと思いますが、すべての批判は私が受けとめることは当然でありますが、私としては、今回の決断を契機として、市民の目線に立ったその市民政治の実現を断行していくという決意でございますので、あえて職員にもその旨、督励をしているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○十九番(山本一成君) 市長の思いは、わかりました。そこで、都市間の争いは、確かにすべきではないと思います。ただ、その前に確認をしておかなくてはいけないことがある。それはさっき言ったように、別府市は法的に瑕疵がないというのは、助役が言いました。
そこで、まず聞きたいのが、最初の中にありましたように、日田市が国と係争中である、これを見きわめた上で判断をするということをやっていました。ところが、突然、日田市長から申し入れがあったから、裁判の前日に断念をしているのですね。これは本当に日田市長の申し入れだけでそんな判断をしたのですか。
○助役(大塚利男君) 五月二日以降の経過について、御説明申し上げます。
市長もかねがね溝江建設との話し合いというのを望んでいたところでございますが、なかなか日程がとれず、私の方に市長から命令があり、八月のたしか二十七日だと思います。私、溝江建設に担当課長と出向いて、市長の考え方、先ほど申しましたように、今後につきましては、裁判の推移を見きわめながら別府市としても判断したい、そして、これの解決に当たっては、話し合いによる円満解決をしたいということを、市長の考え方として溝江建設にお伝えしたところでございます。また溝江建設の方も、やはり一つのポイントとして裁判というのは考えておりますと。そして、最終的には、今まで別府市の指示に従ってきた、別府市がまず判断をしてください。その答えをもって溝江建設の方も今後に対応していきたい、そういうお話でございました。私どもも、裁判の推移を見きわめながらという考えでございましたが、その後、日田市が――その間でございますが――六月ですか、第一回の口頭弁論が福岡高裁で国と日田市の間で行われており、その中で高裁の裁判長から、別府市と日田市に対して、別府市と政治的決着が図れないか、そのような指示があったというようなことで、別府市の方に日田市の方が話し合いをさせていただきたい、そのような申し入れがあったところでございます。私どもは、これを受けて話し合いに応ずべきかどうかということも、三役を含めて協議いたしました。このサテライト問題につきましては、否決の大きな理由というのは、やはり日田市民の強い反対、これが私どもは一番大きなものではないかと思っております。また、その当時、議会でも御指摘をいただいております。日田市との十分な話し合いという御指摘も受けておりましたが、十分な話し合いがなされてなかったというような反省もございまして、また、高等裁判所でのそういった指示というのも深く考えまして、日田市とこの問題解決について話し合いを持つことといたしました。
また、話し合いについては、お互いにお互いの立場をそれぞれ十分に出していただき、意見を出して、そしてお互いの立場を尊重し、最終的な決断に至るまでは、その都度事務方で話をいたしましたが、最終決断は九日の日、裁判の前日になったわけでございます。両市長のトップ会談ということで決着がついたわけでございますが、その中で、日田市は、裁判を却下したい。私どもも、裁判を見きわめた上で判断したいということを申し、基本的な考え方でございます。日田市が、国との裁判を却下する、それで、別府市の方にも日田市進出については断念していただきたい、そういう要望が主なものでございまして、そこで私ども、それを受けて今回、断念の発表をさせていただいたところでございますので、御理解のほどをよろしくお願いいたします。
○十九番(山本一成君) 何かおかしな説明な気がするのですよ。今、日田市の申し入れがあったときに、日田市としては裁判を却下したい、だから別府市も断念してくれ。これ、裁判を打ったのは、日田市が好きで打ったのでしょう。日田市が、国のやり方がおかしいということで、日田市が国に裁判を打ったのでしょう。何で別府市が関係あるのですか。
○助役(大塚利男君) お答えいたします。
私ども別府市は、その前に、日田市進出について、サテライト設置について関連予算を提案したところ、これが否決という結果を招いたわけでございます。別府市は、その後、その否決の結果があったわけでございますが、意思表示をしてないところでございます。そういったことから、日田市の方は国に対して、国が許可を出したわけでございますので、国に対して裁判を起こして、非常に長期にわたって私どもの判断というのが、また裁判の関係もございまして、意思決定というのを申し上げておりません。先ほど申しましたように、裁判の推移を見ながらというようなことで、延び延びになっております。この間、日田市並びに溝江建設さんにも多大な御迷惑をおかけしている、そのような判断もいたしておりました。できるだけこれについては裁判の推移を見きわめた上で判断したいということでございます。日田市が、国との裁判を取り下げるという判断をいたしましたので、私どもも、日田進出については関連予算の否決という事実もございます。日田市進出というのは実施できないという考えから、そのような判断をさせていただいたところでございます。
○十九番(山本一成君) 確かに議会は否決していますね。それは前市長時代のときで、もうそれから随分経過している。それを盾にとって、「盾にとって」は言い方は悪いかもしらんけれども、日田市が国との裁判をもうやめたい、取り下げたい。でしょう。だから別府市も断念してくれ、そう言ってきたのでしょう。だって、裁判を打つのは日田市であって、取り下げるのも日田市だから、別府市に何の責任があるのか。日田市が裁判を取り下げるから、別府市に断念してくれというのは、それは日田市の勝手な都合ではないですか。あなたたちは、別府市の行政の責任者でしょう。日田の行政の責任者ではないのでしょう。おかしいではないですか。
○市長(浜田 博君) 日田市とのずっと事前の話し合いとか中身について明らかにすることができない部分もありますが、日田市から、おろすから断念せよということを言われたことも要望されたことも事実でございます。ただその中に、私は協議する中で、最終、九日の時点でも、「大激論」という言葉が適当かどうかわかりませんが、私は随分別府市の立場、主張も申しましたし、自治体同士の紛争、国の裁判をするということが、あなた、どういうことなのですかということで、私は突き詰めて、こういう異常事態を起こしてまで、溝江建設さんは強行できる部分を我慢していただいているのですよ、そういう立場を考えて、いつまで反対を貫くのですか、いつまでこの裁判を闘うのですか、最後まで闘うという市民の意思だという強硬な部分もありました。しかし私は、裁判はこれは取り下げるべきではありませんか、こういう紛争を続けるべきではありません、本当に誠意をもって話し合いで解決してくださいよと、私はそのことをしっかり言ってまいりました。
そして、日田市長の立場も、議会の総意の議決、さらには市民の運動の状況、そういうものを踏まえたときに、自分から裁判をおろすということはできない。この心苦しい心情もうかがえました。しかし、おろすためには、では、私たちが断念をするという状況が少しでも希望として見えれば、何とか別府市も断念をしていただけるから、裁判を取り下げられるのではないか、そういうところに至ったという思いを私は感じておりますので、では、どっちが先だということではなくて、私たちが断念するからおろせというのも言えないし、逆に向こうが、おろしましたから、では、断念してくださいという状況が、日田ではできないということであった。だから同時に、すべて皆さんに本当に一言もお話をせずに、相談もせずにという、議会軽視だというおしかりもいただきました。しかし、これは決断までには本当に熟慮に熟慮を重ねた結果、日田市長がそういう立場がとれるという部分も配慮しながら、そして裁判をおりるということであれば裁判も片づく。後は誠意をもって話し合いの中で、溝江さんに対して本当に申しわけないという気持ちをお互いに持たなくてはいけませんよということをしっかりとお話をさせていただいて合意に達したという状況でございますので、どっちが先だとか、なぜ日田市の言うなりになったかとか、そういうことではないという部分をぜひ御理解いただきたいという思いでございます。
○十九番(山本一成君) 決断に至るまでの市長の熟慮、大変熟慮に熟慮を重ねたということは理解しました。ただ、まだ納得できないわけですね。今までは日田市と国との争い、設置者との争いだったのが、別府市が断念をしたということで、もう日田市は当事者ではなくなったというコメントを出しているのですよ。今、日田市に対しても、溝江建設さんにすまないという気持ちを持ってくださいと、今、市長は言いましたね。ではたぶん、起こらない方がいいのですが、これから出てくるのは、別府市と溝江建設さんとの問題が出てくるわけですね。当然向こうも業者です。何らかのお金もつぎ込んでいるから、補償という問題が出てくると思うのですよ。
そこでお聞きしますが、今、日田市も溝江建設さんにすまないという気持ちを持ってくださいということですから、その応分の負担を日田市がしてくれるのですか。
○助役(大塚利男君) 別府市に対する損害賠償を、日田市が応分の負担ができるか。これは法的には大変難しいものと思っております。ただし、この話し合いの中で、この問題解決のためには、日田市もできる限りの、日田市としてできる分についての御協力をさせていただくということを申されておりますし、また、先日十九日も大石市長が市長にごあいさつに見えたときも、できるところは協力していきたい、そういう意向も示されており、日田市と可能な限り連携をとって事に当たりたい、そのように考えております。
○十九番(山本一成君) たぶん言えない部分もあるのではないかなという気もしますが、「応分」という言い方は悪いのかしらんけれども、ということは、判断をした中には、当然溝江建設さんと……私は思うのですよ、溝江さんと八月二十七日に会って誠意ある対応と言った。具体的な話を実際にしてきているのではないかなという気がしますが、答えられ……(発言する者あり)それは言わないですか。私が一番心配しているのは、市長の言うとおりなのですよ。お互い大分県の都市同士、観光都市同士で争い事をしてはいけないというのが、やっぱり別府市民の感情であろうし、日田市民の感情だと思うのですよ。我々もそうですよ。決してね。ただ私たちが心配しているのは、これを別府市が断念したことによって、別府市民の皆さん方にどれだけの損害が来るのか。これが一番心配だから、我々は危惧しているのですよ。その点をクリアする自信があるのかどうか。今答えられる範囲でいいですから、答えてください。
○助役(大塚利男君) お答えいたします。
先ほど御質問の中で、この補償の問題について話し合いをしたのか、溝江建設と。この問題については、全く起きておりません。ただ、今回の決断に至ったときも、溝江建設からの損害賠償の請求の可能性については、私ども、あるのではないか、そのように判断いたしております。そもそも現実として、別府市議会でこれは否決にあっております。日田市での車券発売は、否決である以上できないわけでございますので、実現できなければ、溝江建設としては損害賠償の請求の可能性がある、そのように認識いたしております。そういったことで、溝江建設の方から仮にそういった補償の請求があった場合、これは私ども、十分溝江建設さんと誠心誠意話し合いをさせていただき、できることなら円満解決を図りたい、そのように考えております。
○十九番(山本一成君) できれば円満解決をしていただきたいなというような、希望は持っています。ただ、そんなに甘くないのではないかなという気もいたしております。別府市が、法的価値がないのに行政判断でこのような結果になって補償が来るという危険性があるということだけは認識をしていただきたいと思います。
あとサテライト、後で通告されている方もおりますので私はこのくらいでやめますが、少し決断が、熟慮に熟慮を重ねた決断しては、もうちょっと溝江建設さんの話し合いをまたやって、市長みずから会って腹を割った話ができるかどうかわかりませんが、やってほしかったな。それが終わった後で判断してほしかったなという希望を持っております。そういうことを申し上げて、サテライトの件は終わります。
次に、観光行政について二、三お尋ねをします。
観光行政といいましても、例のパンダが中止になった話、パンダ招聘を断念したという話です。きのう、議案質疑の中で泉議員が触れましたので、経過については少しわかったつもりであります。
ただ、そこでちょっと気になったのが、最初、上海雑技団とパンダを招聘するという話だったと思います。ところが、新聞報道・マスコミは、その雑技団はのけて、パンダを別府に呼ぶというだけの報道がなされました。別府市民の方々も、ああ、本当にパンダが来るのかな、パンダを見たことないから見たいなという話もずっと漏れ広がりました。ただ私、それを聞いたときに、この別府市に本当にパンダが呼べるのかな、たぶん無理ではないかな。ある観光業者の方、専門業者は我々議員の中で話しても、それはパンダは、ちょっと別府市は受け入れ態勢もできないし、無理ではないかなというふうな話もしておりました。ところが先日、パンダの招聘を断念したという話がありました。その間の経過を、ラクテンチと別府浮揚のため、八十周年のためにパンダを呼ぶのだという話は、市長の思いはわかりました。ただ、それだけの計画の中で、それだけの市長が思いを、市民の皆さん方に夢を与えた思いを言いながら断念せざるを得なかった。この経過をもう一度説明いただきたい。
○市長(浜田 博君) 結果的に市民、または子供たちの夢をつぶしたといいますか、そういう面では、もう本当に私の責任でございまして、心からおわびをしたいという思いでいっぱいでございます。ただ私は、このパンダ構想を打ち上げたのは、いわゆるラクテンチが八月末で閉園というニュースが出たときに、ああ、これは何とかラクテンチを救いたいという思いで、本当に事前に十分な呼べるかどうかの調査もせずにぽおんと打ち上げてしまい、だれも相談せずに、これこそ私の夢を打ち上げさせてもらったというのが現実でございまして、その私の頭の浅い知識の中で、パンダというのは雑技団が、中国にも上海にも武漢にもたくさん雑技団がありますが、雑技団がずっと飼っているパンダがいることを承知しておりまして、芸のできるいわゆるパンダですね。雑技団がその形で一緒に呼ぶことができるという部分がありましたので、それなら呼べるのではないかなといって、市がすべてその費用負担をする、営利事業に使うとかそういうことはできない。そういう部分は感じておりましたので、即発表と同時に「パンダを呼ぶ会」を経済団体の皆さん、施設協の皆さん、呼ぶときには御加勢をいただきたいし、ぜひ皆さん方が主導で呼んでいただいて、ぜひ雑技団とパンダを西日本一帯の皆さんに夢を与えていただくとラクテンチにも収入がという思いがあったのですが、ラクテンチがどうなるかという部分もありました。しかし、おかげでラクテンチがその後、五社、六社引き手がありまして、最後に岡本製作所さんが本当に温かい配慮で受けていただいた。そして今、リニューアルしています。会長も、パンダを呼べたら、リニューアルする中でパンダの雑技団と一緒にやりたいという思いもそのときはいただきましたが、すぐ私が調査をしましたら、村山・前総理に相談をして、中国大使館を通じて可能性はあるということも聞きました。ただ、雑技団が飼っているパンダがもう死んじゃったと、中国に一頭もいない。今、赤ちゃんを教育しているところだから、五年から十年先になるという、この現実を突きつけられたときに、ああ、もうこれは雑技団と一緒に呼ぶことができない。しかし、この夢をすぐ砕くのは、何とかならないかということで、今度は村山・前総理に、また総工会という労働組合のトップの皆さんにも中央連合を通じてお願いをいたしまして、あとはワシントン条約による国の了解が必要になる、動物園にいるパンダをお借りする。それは実験研究用として、これは五年なり十年サイクルの形でお預かりする方法しかない。何とかそれができないかなと。
いわゆる別府は温泉です。ストレスを一番感じるパンダです。パンダにストレス解消。例えばパンダが温泉に入るかどうかも確認してもらいました。水には入るが温泉に入ったことない。それで、その実験をしていただこうということも、中央大使館を通じてお願いしておりまして、実現の可能性が出た時点で、私はパンダがおふろに入ってタオルを頭に置いて入っている姿が観光パンフに、ポスターになればいいなと、これもまた私の夢を描かせていただいたのも事実です。全国の旅行業者の皆さんも、それが実現すれば一日に何万人というツアーを組むことができますよという激励もいただきました。これは別府観光の核になるぞということで、思いをつぶさずに何とか実現したい思いで頑張ってきた経緯でございます。
ところが、動物園から借りるというのは、実験としてストレス解消のために温泉治療で温泉実験をしませんかという方法で持っていっているのですが、これにもやはりお金が相当、冷暖房つきのおりをつくらなくてはいけないとか、そういう部分からしますと、やっぱり億単位の金がかかる。それを和歌山とか実験としてやっていますよね。そして赤ちゃんが生まれまして、大変な人気ですよ。やはりそれでも実現すれば、マイナスにならずに施設協の皆さん、パンダが来たことによるお客さんが来れば、みんなにやっぱり別府近郊の施設協の皆さんも潤うかなという思いで、何とか実現しましょうと、「パンダを呼ぶ会」の皆さんと一生懸命努力をさせていただきました。
しかし、行く直前になりまして、村山・前総理が肺炎を起こしまして入院をされました。ドクターストップがかかって、もう行けないと。一ヵ月延ばしてみて何とか行きたいと村山さんが言っていただいたので、一カ月延ばして調整をしたのですが、相手のやっぱり北京政府、人民政府、さらには上海政府、トップの方がお会いできる約束までしていたのが、日程調整がどうしてもその期間でできないということで、村山さんも、可能性はあるが非常に厳しい十年先、五年先の状況であれば、市長の思いの八十周年には実現は無理だという最終判断で、それでは断念ではなくて中断という形でさせていただこうという思いで、一応中断の発表、事実上中断ですが、私の思いが通じなかったという現実になってしまったということでございまして、努力をしたことを認めてくださいとは言いません。そこまで頑張って花火、打ち上げ花火といいますか、夢を描いたと。
ある議員が、市長、心配するな。花火を、夢を描くことは、市長の夢を語る男でいい。夢を上げて、打ち上げ花火も花火を上げなければ、それを美しいと思う人がいないし、拍手を送る人もいないではないか。打ち上げなくては花火は見えないのだという、本当に温かい私は心をいただいたときに―― この議場にいる議員でございます――本当に涙の出る思いでした。だから、私はこの夢を打ち上げて、子供たち、市民に、夢を砕いたことに対しては本当に心からおわびを申し上げます。しかし、夢はまだ続いております。必ずや将来、施設協の皆さんも、この前協会長がお話をされたように、何とか実験用としてパンダを将来呼びたい、呼ぶような体制をつくりたいということで、これから前向きに検討いただくということでございますから、それを信じていきたいと思いますし、私もできる限りの支援をしていきたい、こういう思いでございますので、パンダについては、おわびと同時に皆さんにその経過の御理解をいただきたいという思いでお話をさせていただきました。ありがとうございました。
○十九番(山本一成君) 市長の思いはわかりました。ただ、今、市長が言ったように、夢を砕いたという、おわびしますという。おわびをしてください。夢を与えるのはいいのですよ。でも、夢がしぼんだときの失望感もあるということを認識をしていただいて、市長としての発言をしていただきたいな。我々議員が、「議場でパンダを呼びませんか」と言ったのと違うのですね。市長の発言はそれだけ重みがあるということ。市長がやると、市民の皆さん方は、ああ、あの市長さんが言うから間違いない。できるだろうと思うのですよ。それが市長の責任であり、市長という立場の重さだと、このように思っています。夢を語るなと言っているのではないのです。もう少し慎重に、もうちょっと準備があって慎重にやってくれたらよかったかなという気がするものですから、あえて言わせていただきました。
それと、もう一つ気になります。新聞に、村山・前総理が病気のため行かれなくなったからだめになったと。端的にそんな記事が載っていました。これは、村山・前総理に対して大変失礼ではないかな。村山・前総理は、別府市の何ですか。顧問ですか。そうではないのでしょう。市長の人脈といいますか、それによって使節団の団長として行ってもらうお願いをしたのでしょう。確かに村山・前総理は、中国と人脈があるかもしれませんし、市長とも深いつながりですから、「いいですよ」と気持ちよく受けてくれたと思います。そういう人柄だというふうにお聞きしております。それが、結果的に病気になったために、行けなくなったためにパンダがだめになったのですよという報道がなされたときに、私は大変村山・前総理に失礼ではないかな、申しわけないなと、こういう気がしてならなかったのですが、その辺の、市長とは大変親しい仲でしょうから、気を悪くなされてなければいいのですが、そういう非常に危惧を持ちますので、そこら辺の配慮も十分にお願いして、質問を終わります。
○市長(浜田 博君) 後段の村山・前総理に対する思いをいただきまして、ありがとうございます。私も、この問題で村山さんに御相談をさせていただいたときに、みずから、「自分から行ってやろう」という話もいただきましたし、私もお願いをいたしました。本当に快く受けていただいて、村山さんが病気になったからこれを断念したというふうにとられたのでは本当に心外でございまして、村山さんは、最後まで、ドクターストップがかかって行けないけれども、親書を書いていただいたのですよ。その親書を私は受け取りまして行くように準備を、二回目のとき、準備をした段階で、私は、中国大使館、さらには大阪・関西事務所の陸冠所長、上海事務所長さんともお話をしたときに、実現が非常に不可能になっている中で、そして村山・前総理が行かない場合は、日程調整がなかなか難しいという部分が出てきまして、そういう形であれば、そのために行くということは少しむだもあるのかな、そこまでしなくても、村山さんと事前に相談をさせていただいて、では、この回は、せっかく親書まで書いていただいたけれども、もう断念をさせていただいていいですかということを相談させていただきました。村山さんも快く、では、もう八十周年に間に合わんという状況があれば、しようがないなということで御了解をいただいたので、決して私は、村山さんのせいにするつもりもなかったし、そういう報道がなされたとすれば、本当に申しわけないという気持ちがいっぱいでございますので、再度村山さんにはおわびをしたい、このように思います。
改めて私は、別府市民、子供たちの夢を砕いたことを、この場を借りまして、おわびを申し上げます。申しわけありません。
ありがとうございました。
○議長(清成宣明君) 休憩いたします。
午前十一時五十八分 休憩
午後 一時 一分 再開
○副議長(野口哲男君) 再開します。
○十八番(後藤健介君) 最初に議長にお願いいたしまして、質問の順番を変えさせていただくことをお許しいただきたいと思います。二番、一番、三番、四番の順にさせていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
○副議長(野口哲男君) はい、どうぞ。
○十八番(後藤健介君) それでは、二番の市防災訓練について、若干の質疑をさせていただきたいと思います。
先日、新聞を見ておりましたら、市の方で防災訓練を実施したということで、ああ、これは事前にちょっと知らせていただいておれば、ぜひ見学させていただきたかったなという思いが最初でございました。
そこで、蚊帳の外に置かれた者として(笑声)、蚊帳の中を少しのぞかせていただきたいということで、今回実施した市の防災図上訓練の概要について、聞きしたいと思います。
○
環境安全課長(宮津健一君) お答えをさせていただきます。
別府市がこのたび行いました地震対策の図上訓練につきましては、実施は十一月二十二日――ちょうど三連休の最初の土曜日でございますが――の早朝に実施をいたしました。
内容でございますが、想定を午前七時に別府の地下に地震が起きまして、直下型の大きな地震、深度で申しますと六強の地震ということで想定をしておりました。そういうことで六強でございますので、職員は自主的に参集というふうになります。また、午前七時にこの地震を確知をしたといいますか、確認をした防災担当の
生活環境部長の方から市長公室長を通じて、市長、助役、収入役等へ連絡が参りました。直ちに市役所の方に登庁というふうになりました。登庁後は、庁議をすぐに開催いたしまして、地震発生後一時間以内に別府市の災害対策本部を立ち上げたというふうになっております。
その災害対策本部を中心とした図上訓練の内容でございますが、いろいろその地震によりまして、災害の状況が付与されます。この訓練では、二十二件の災害付与が行われております。そのうち八件を重要な事項、また残りの十四件を軽微な事項ということで災害の状況を付与しております。その付与を情報係が収集をいたしまして、重要な事項、軽微な事項に振り分けまして、重要な事項はすべて災害対策の本部の会議の方に回しております。その本部会議におきまして、いろいろ協議をし、また直ちにいろいろな命令を各対策班の方に指令を伝達をいたしました。
今度の訓練は、そういった災害対策本部の中の本部の機能の確認といいますか、そういうことを重点に行っております。また、その本部からいろいろな命令とかが出てきます。それを各対策班がいかに災害現場の方に直ちに命令を伝達することができるか、また、その命令に応じて実施した結果を適正に報告を本部の方にまた上げる、そういった確認事項のことを重点的に訓練を行っております。そういう訓練を行いまして、午前十時ごろ市長の方で総括の講評を得まして、訓練を終了いたしました。
○十八番(後藤健介君) 実際に訓練の状況を見ておりませんので、多少食い違いがあると思いますが、今お聞きした件それから過去に行われました訓練等をあわせますと、やはり私のもと勤務しておりました自衛隊でいう非常呼集訓練なのですね、これは。それで、非常呼集訓練とは、緊急事態が発生したのに応じて、全体に非常呼集の連絡網に基づき非常呼集がかけられる。登庁してきた隊員は、決められたレギュレーションに従って災害出動に必要な装備や車両をどんどん準備していく。このレギュレーションは、もうすでに市にあるのと同じですね。やはり自衛隊でも作戦規定、通常SOPというふうに言いますが、これがありますので、特に上が具体的な指示をしなくてもどんどん準備は進めていくというのが趣旨になっております。もちろんこの段階で現地の状況確認のための偵察部隊の派遣や関係機関との連絡に入っていくわけでありますが、これらは自衛隊でいういわゆるSOP化された事項でありまして、今申しましたように、トップの判断事項です。
これも部隊等が初動態勢を整える上で大変大切な訓練でありますが、防災訓練全体から見ますと、これは要するにスタートラインについたのだというところで、今回の訓練は、時間等の制限もあり、この時点で終わったのかなという感じがいたします。
そこで、過去四年間に実施しました防災訓練の実施回数と、各回ごとにどういうことを主要演練項目としてやったか、説明いただきたいと思います。
○
環境安全課長(宮津健一君) お答えをいたします。
過去四年間の訓練内容でございますが、四年前の平成十一年度は、平成十二年一月十七日の早朝から、市庁舎の五階の大会議室と松原公園を訓練会場として、地震の対策の図上訓練と若干の実践訓練も実施をしておりますここの訓練には、自衛隊、警察、消防、また市職員百二名が参加をしまして、防災意識の高揚と危機管理体制の充実を図っております。
平成十二年度は、平成十三年二月十八日に、亀川小学校をメインの訓練会場として、自衛隊、警察、別府市の医師会、県の防災航空隊、NTT、地元自主防災会、消防団、そして市の職員の参加で実践訓練をいたしております。主に消火・救助救急技術の向上、地域住民の避難訓練、また各関連機関との連携を図っております。
平成十三年度につきましては、平成十四年二月八日の早朝に、各対策部ごとの非常招集訓練といいますか、非常招集の訓練を行っております。また、同時にこのときに、市の職員の救急救命技術の向上を図りまして、そういった訓練も行っております。
昨年度は、平成十四年七月二十一日に、楠港の埋立地で大規模地震を想定いたしまして、別府市の総合防災訓練を行っております。自衛隊初め多くの防災関連機関やNTT及び九電など生活関連機関、また大分県及び県の防災航空隊、また市内各地からは自主防災組織を中心に多くの住民の方の参加もいただいております。この大災害事業における住民の対応、また市の対応と各機関との連携を確認をいたしております。
○十八番(後藤健介君) このうちの二つは、私もよそ目ながら見学させていただいたのですが、このときの感じ、それから今、課長の方から詳しく主演練項目についてお聞きしたのを見ましても、やはり市防災組織、なかんずく市防災対策本部の初動対処、それから各現場における救急とか消火作業、それから住民救出、それからライフライン被害の応急対処、住民避難といった現場の対処訓練なのですね、この実態を見ますと。
さて、防災活動で肝心なのは、いわゆる市内各所で発生する災害による人的・物的被害の状況をまずいかに把握していくかという、要するに情報活動ですね、これがまず第一を把握して、応急対処のための市防災対策本部として適切な指示命令を策定し、これを各関係機関、消防、警察、それからライフラインを担当しておる企業等の機関に伝達し有機的に動員・運用して、全市的に効率よく運用するかどうかという、そういう防災指揮機能の演練といいますか、これが災害対策活動の一番のもとになるところですね。これを演練するのが指揮所訓練なのです。CPXと略して言うのですが、コマンド・ポスト・エクササイズの略なのですが、これが大切なのです。ですから、ここをやらないと防災訓練をやったとは言えない。半分だけはやったけれども、極端に言えば、あとの七割はまだ何も手つかずですよということになりはせんかというのが、私の感じなのですね。
そこで、ことしの七月の半ばですか、大変暑い中で別府の自衛隊が主催して、県及び関係機関を全部動員した災害指揮所訓練がなされまして、私も見学に行きました。大変実のある訓練だったというふうに思うのですが、それに市の方からも消防それから防災対策課の方が参加されておりましたが、今回実施した別府市の図上訓練にこれが反映されたかどうか、それについてお聞きしたいと思います。
○
環境安全課長(宮津健一君) お答えをさせていただきます。
七月十五日、十六日の二日間にわたりまして、陸上自衛隊別府駐屯地の体育館で実施されました、自衛隊主催のこのCPX、コマンド・ポスト・エクササイズ、指揮所演習といいますかね、これに我々環境安全課より私を含めて四名参加をさせていただきました。非常に実践に応じた適切な命令系統そしてまた伝達の模様を見まして、感動いたしております。この自衛隊のCPXにつきましては、確かに議員おっしゃるとおり、現場の状況をいかに指揮系統が判断をして適正な指示を出すか、命令を出すか、その辺がポイントになるというふうに考えております。
今度の我々のこの図上訓練にどういうふうにこれを生かしていくかということでございますが、実際には全体で行いましたこの二日間の訓練内容の一部をシナリオの中に盛り込みはいたしましたが、なかなかそのものをこの図上訓練で全面的に生かすということは難しいというふうに考えております。
また、この自衛隊のCPXの訓練のときには、市の災害対策本部長であります市長も参加をいたしましたが、我々としては、このCPXにつきましては、市長及び各対策班の班長クラス、いわゆる部長クラスの出席があれば、本当はまだまだよかったのではないかなというふうな気持ちもいたしておりますが、実際問題としては、それは難しい内容だなというふうには認識をしております。
また、今後もこの自衛隊の訓練で得ましたノウハウを我々の市の訓練にも取り入れて生かしていきたいというふうに考えております。
○十八番(後藤健介君) 私も行っておりましたけれども、うちの市長さん、それからお隣の宇佐の市長さん、それから日出の町長さんとか各自治体の長の方がおいでになっていました。特に宇佐の市長さんはお医者さんだからなのでしょうね、大変詳しく長時間にわたっていろいろ質問されて取り組んでおられた。ああ、これはお医者さんとしてかなり住民のそういう安全とかいうことには独特の関心を持たれておるのだなというふうにお見受けしておったのですが、特に後でお聞きしましたら、別府市の場合は、ちょうど市長さんがおかわりになったばかりであるし、それから各部長さんも新しい浜田体制で相当重要な職がかわっておったので、とりあえず今回の訓練は、それぞれ新しい配置において、その人たちが当面やるべき初動対処の態勢をどうとるかを確認して、よく理解していただくことが大きなねらいであったというふうにも聞いておりますので、私もその件については十分理解したわけでございます。
そこで次なのですが、どうもこの訓練は別に秘密にすることでも何でもないと思うのですが、どうも私ども議会の議員にもお知らせしていただけないし、何かこそこそやっておるのではないかなという思いがないでもないですね。今回は、関係防災機関には声をかけたのでしょうか。そしてまた、実際にどういう機関が参加されたのでしょうか。
○
環境安全課長(宮津健一君) お答えをいたします。
今回実施をいたしました防災の図上訓練につきましては、計画段階におきましては、確かに自衛隊、警察を含めまして市内のいろいろな関係機関等の参加を求めようかというふうな話もありましたが、先ほど議員がおっしゃいましたように、今回行ったこの訓練につきましては、市長さんも新しくなられて、また、各対策班長の各部長につきましても、この対策本部での役割といいますか、そういう経験もまだない。そういう中で今回は内部をちゃんとしっかり固めて、対策本部というのはこうものだ、こういう機能があるのだということを周知するということも一つの訓練の目的というふうに思っておりますので、今回の訓練につきましては、市の内部で行っております。
○十八番(後藤健介君) いずれにせよ、早朝から大変皆さんが、市の職員全員が参加して行われた訓練でありまして、いろいろと教訓が得られたのだと思いますが、教訓・反省事項の中で、他の防災関係機関等に通報・連絡して早急にこれは改善しなければいけない、そういう何か教訓みたいなことがあったのでしょうか。
○
環境安全課長(宮津健一君) お答えをいたします。
防災関連の各機関におきましては、充実をいたしました防災資機材、これは自衛隊に象徴されますが、そういったものがございます。そういうものが絶対に災害時には不可欠だなということは認識をいたしました。また、市長から県知事あての自衛隊の派遣の要請だとか、例えば救急ヘリコプターの要請だとか、そういったことも訓練の中に盛り込みをいたしましたが、そういった連絡を密にする、そういうことも大切だ。また、実際に市長が自分の言葉で電話口で、これは仮想でやったのですが、そういったことを通じまして、職員もまたそういう様子を見まして、こういうことも大変だなということも認識をいたしました。
○議長(清成宣明君) 再開いたします。
○十一番(松川峰生君) 部長、最後に一つだけお尋ねします。地元の方がもう一つ心配していることは、あそこにお墓があります。このお墓が球場のために移転になるのだろうかという話が、何人か持っている方からありましたので、もしここできちっとわかれば、教えていただきたいのですが。
○建設部長(亀岡丈人君) お答えいたします。
今のエリア内は、実相寺中央公園の中で球場をつくるという計画でございます。下の方に墓地があるのは承知しております。墓地にはかけないようにということで、今計画しております。
○十一番(松川峰生君) 大変ありがとうございます。そのように、聞かれた方に伝えさせていただきます。
それでは、次の質問に移ります。
ここで、「市民の目線に立っての行政運営」の中の、まず「職員のマナー」について、お尋ねしたいと思います。
実はまず一点目は、十一月九日に衆議院選挙がありました。十月末だったかと思います。ここで、行政の方で不在者投票がございました。私も議会の方でちょっと用事がありましたので、いつものように地下に車をとめて階段を上がって歩いていましたら、年のころ七十ぐらいかな、おばさんと出会いまして、「おはようございます」ということをおばさんに声をかけましたところ、「ちょっと、おたくはここの職員ですか」と言われましたので、「準職員です」というふうに(笑声)答えさせていただきました、そのときは。「何かございましたか」と言ったら、大変厳しい顔つきで、「私は二度と不在者投票にも来ないし、ここの市役所には来ないつもりです」、「何か失礼なことがございましたでしょうか」と言ったら、「きょう、私がここに来てたくさんの人に会ったけれども、あいさつをしてくれたのは、一人の職員とあなただけです」と。私は大変あれなので、「もし御迷惑でなければ、お名前を聞かせていただければ、担当の方と相談して一言でもおわび申し上げたいのですが」と言ったら、「もうそれは結構です」ということで立ち去りました。
わざわざ歩いて来られたと思うのですが、来たときにそういう不快感を与えたなということは、申しわけなかったなという気がいたしました。たくさんの職員がおられると思いますけれども、ほんの一部の方のそういう行為ですべてを見られます。これは決して役所だけの問題ではないと思います。企業にしてもそうです。ここの電話交換手の方、大変市民の方にも評判がいいし、私がかけてもきちっとしてくれます。それ全体を受けたときに、みんながそのようなことか、しかし、逆があればそのような取り方もされます。このマナーについて、各新聞でも出ていましたけれども、研修会等も開いております。私は、研修会をするものではなく、その研修会で学んだことを生かすことことだと思いますが、どのような研修内容を実践しているのか、職員指導をしているのか、お答えください。
○職員課長(中尾 薫君) 来庁されましたお客様に大変御不快なことがありましたことは、人事課長としておわびいたします。
先ほど御指摘もありましたように、一部の職員のそういう風評等が、全体のイメージを損なう点については、十分心して当たる必要があるというふうに考えております。
接遇、特にあいさつにつきましては、別府市は観光都市でもございます。また、市長も常々、「市民の方に向かって」とおっしゃっております。そういう観点からは、とても大切な基本の一つであるというふうに考えております。そのため、職員研修としてもいろいろな取り組みをやっておるわけでございますが、平成十二年には、職員で組織するマナーアップ委員会におきまして、職員みずから、職員はこういうふうな形がいいなというふうな感じのモデルの「接遇読本」というものをつくっております。それを常々の研修のテキストとして用いているところでございます。初任者研修等におきましては、御存じのとおり平成八年以降、民間のデパート等におきまして、現場での接遇を学ぶように研修しております。また、平成十三年度からは「おはようございます」、「ありがとうございました」、「失礼します」、「すみません」、そして「いらっしゃいませ」の「オアシス・プラス・ワン」運動をやっております。そういうふうな研修をやっているわけでございますが、議員御指摘のように、一部そういうふうなところもあるかと思います。
○十一番(松川峰生君) 特に指導される立場の方は、大変だと思います。しかしながら、私が思うのに、あいさつというものは、やはり一番の基本です。先ほども少し学生時代のことを思い出して発言をさせていただきましたけれども、私は当時、運動部だったものですから、先輩から、もう五十メートル先でも顔を見ればあいさつしろということで、一番恥ずかしかったのは、やはりバスの中とか汽車の中で先輩に会わないように、いつも心掛けました。(笑声)会うと、あいさつしなくてはいけないですね、すべて。後から怒られますから。ところが、そういうときにぴたっと会うのですね。しかし、恐らく職員の方も中にはまだ恥じらいとか恥ずかしいとか、そういうこともあるのではないかなと思うのですね。ここに来る方、昔、有名な歌手の「お客様は神様です」という言葉がありました。「市民」という言葉も大変重要なことですけれども、市民の方をお客様と感じ、ある企業では、職員の面接のときに、「あなたはだれから給料をもらうつもりでこの会社に入りましたか」、「社長さんです」と答えた方がほとんどだそうです。全部通らなかったそうです。違います、お客様からお給料をいただくものです。それを考えると、職員の方も自分たちのお給料は市民の方、つまりお客様からいただくというような気持ちで接すれば、こういう問題も少なくなるのではないかな、そのように思います。
これだけ、たくさんの方がおられます。いろんな方がいます。私も小さな会社ですけれども、時々自分で会社に電話をします。そうしたら、当然出る、もう小さな会社ですから、専門の受付なんかいません、スタッフが交代で出ます。(発言する者あり)それを判断しておかしかったら、後で言います。声でわかりませんから。やはりそれも一つの勉強だと思う。時々は幹部の方たちは遠くから見て、皆さんがまた自分の職場に電話をされてみるのも、また一つのいい勉強になるのではないか、そのように思います。
この冊子をいただきました。その中に、「おはようございます」、「ありがとうございました」、「失礼します」、「すみません」、「いらっしゃいませ」等ありますけれども、私自身も基本的にはすべて自分で、家庭の環境もありまして、自分でここで印鑑証明や住民票を取りに参ります。あそこに行ってお願いするのですけれども、まず「いらっしゃいませ」なんて言われたことはほとんどありません。名前を呼ばれて行きます。「松川さん、何番さん」で番号が出ますから。私は、一番いいのはどこでも使える言葉、この文書の中に今回、この委員の方がおられましたら、「お待たせいたしました」という言葉をつけ加えたらどうでしょうか。これを言われると、何ぼ待っても、それで今まで待ったことに対しての礼儀だと思うので、「お待たせいたしました」、と思うのですよ。ぜひ、またこれも機会において、一つのあるいは提言としてとっていただければありがたい、そのように思います。
この冊子の中に最後に「終わりに」ということで、このように書いています。「職場での議論のきっかけとなり、ふだん何気なくしていることを改めて見直し、他人は自分の鏡だと認識することで、市民とのよりよい信頼関係を築くお手伝いができれば幸いです」と、冊子に書いています。これをつくって、これを見て、その最後を見て、このとおりやれば問題ないと思います。だけれども、人間がすることです。自分があいさつしても、お客様に聞こえないこともあると思うのです。しかしながら、そういう気持ちで接すれば、必ずわかっていただける、私はそのように思います。
これからの研修をやっていくのにやはり実際問題として、職員一人一人が接遇することを身につけると思いますけれども、人事当局としては、この問題を解決するためにどのような取り組みをしていくのか、また考えているのか。あればお答えください。
○職員課長(中尾 薫君) お答えいたします。
先ほど若干述べさせていただきましたが、いろいろな研修をやっておりますが、なかなか全体として行き渡ってないのではないかというふうな御指摘でございます。以前に比較して大分よくなったというおほめの言葉をいただくこともありますが、まだまだ十分でないというふうに私も思っております。研修ももちろんでございますが、人事当局としては、接遇、あいさつというものが職務を行う上で非常に大切なものであるという、やはり市組織全体としてその意識をしっかり持つ必要があるかと思います。そのためには、現在接遇研修は社会人としての基本というふうな観点の中から、新採用職員を中心に行うような体系になっております。それを管理監督者、課長、係長の研修におきましても、接遇を一つの重要な市民とのコミュニケーションをつくる大きな柱として位置づけた研修のカリキュラムをつくり、またそれを実施していかねばというふうに考えております。
○十一番(松川峰生君) 特に、こういう問題を職員課で統括されると思います。課長もいろんなことで気配りしながらこういう問題も取り組んでいっておられることと思います。これはみんなで、職員課だけの問題ではないと思うのですね。やはりみずからこれからは下の者があいさつするのではなくて、もう先に顔が合った人が先にする。ましてや上司の方から挨拶されれば、必ずや部下の方はあいさつします。気がつかないとき以外はほとんど、まずはそうだと思うのですね。せっかく仕事場、後ろに座っているのですから、自分の部下の方がどういうふうにお客様に対応しているのか、どういう話し方をしているのか、ひじはついてないだろうか、ちゃんと前を向いてお話をしているだろうか。そういうこともお忙しいと思いますが、踏まえて、そして小さなところから注意をしてあげる。それが何回もやられるとやはり身についてくるのではないかな、そのように私は思います。やはりこれからは繰り返し教えていくことが大事ではないかな、そう思います。
この問題は、永遠のテーマになるかもわかりません。だけれども、一人でもこういうことを勉強しながら皆さんが自覚して、そして認識して、ああ、市役所はいいな、きょうも気持ちよかったなと、一日たくさんのお客様がお見えになると思います。どうぞ、市長を中心に議員私たちもそうです、一緒に役所の中が明るくなったなという取り組みをしていきたいなと思います。ぜひ、お互いに頑張っていきたいと思います。この項の質問を終わります。
次に、制服についてお尋ねをしたいと思います。
現在、行財政改革という中でこの制服問題。先般、松阪市の方に行政視察に行って参りました。このときに市役所にお伺いしてみたら、職員の方はみんな私服でした。IDカードをつけてお仕事をされていました。当然、その中には嘱託職員もおれば臨時の方もおられます。皆さん、逆に見ると市の職員のように見えました、同じIDカードをつけていますから。これから、制服が果たして必要かどうか。中には制服を全部きちっと着てない方もおられるし、夏には、大変失礼ですけれども、Tシャツの方もおられます。たぶん嘱託職員の方か非常勤の方だと思うのですね。お尋ねしたいのは、現在、制服を着てない職員の対応、それから制服の貸し出し方法、それから、これは決まりになっているのかどうかというところを教えてください。
○職員課長(中尾 薫君) お答えいたします。
現在、制服として事務職につきましては、女性でございますが、女性は事務服のベストとスカート、それから現場の職員にはそれぞれ現場の仕事の対応に合った作業着等を貸与しております。その制服等によりまして貸与期間は三年、一年というふうになっておりまして、それらの部分につきましては、別府市職員に対する被服貸与規定で規定されております。また、着てない職員がおられるというふうなお話でございました。男性につきましては、ブレザーを平成四年に貸与しておりまして、それ以後貸与されておりません。そういうふうな関係で、男性の部分については御理解をいただきたいと思います。女性職員につきましては、ほとんど着用していると思うのですが、まま一部について貸与、着用されてない部分がございます。そういう人のときには、服の数、そういうふうな問題もございますが、貸与している制服については着用が義務づけられているということで指導をしている状況でございます。
○十一番(松川峰生君) 男性の方は平成四年と聞きましたけれども、間違いないですか。
○職員課長(中尾 薫君) はい、平成四年にブレザーを貸与しております。ただ、新採用職員につきましては、また新たということであります。
○十一番(松川峰生君) 一つだけ感心しました。ということは、十一年間もうあれしてないということですね、ということになりますね。それを聞いてびっくりいたしました。いかに皆さんが税金で払った服をきれいに来ているか。もう普通十年来たら、ある程度毎日着る、毎日とはおかしいのですけれども、ぼろぼろになるのではないかと思います。恐らくはいい洗濯屋に出してきれいにしていると思います。せっかくですから、大事にしていることを聞いて、一層うれしくなりました。
なお、今年度の事務服については、どのくらいの経費を見ていますか。
○職員課長(中尾 薫君) 今年度の事務服の予算でございますが、約四百六十万を計上しております。
○十一番(松川峰生君) それから、ちょっとお聞きしたのですが、嘱託職員並びに臨時の職員にもベストを配布したとお聞きしたのですが、それはどういうことですか。教えてください。
○職員課長(中尾 薫君) 嘱託職員の中でも、特に市民の皆様に接する機会の多い窓口職員につきまして、わかるように制服を貸与しております。
○十一番(松川峰生君) 先ほども申し上げましたけれども、制服というものは、一つのそこの企業の顔のものの一部になります。これからただ、この制服が果たして今後ずっと続いていくのかどうか。やはり女性職員の場合は、私服になりますと、男性と違って、男はネクタイを変えれば何回……何回と言ったら悪いのですが、ある程度着られますけれども、女性はそうでもない部分もありますが、あわせて先ほど課長の方から約四百六十万の経費ということをお聞きしたときに、相当大きいものではないかな。これからこの制服について見直していく余地があるのかどうか、また考えているかどうかを教えてください。
○職員課長(中尾 薫君) お答えいたします。
先ほど議員の方から御指摘もありましたが、他の自治体で制服の見直しをしているということも、私は承知しております。制服は、これまた御指摘がございました、私たちは市の職員であるというのを市民の方に一目でわかってもらうような形のものでございます。また、この古くは被服の状況が十分でなかったときにつくられたというふうな話も聞いております。
職員課としましては、先ほど、これまた議員の方からお話がありました、大きなIDカードのようなものを十分、それが出退勤やらいろんなものと連動できるような形で将来なれば、そういうものをつくることによって、一定程度市民の方にもわかっていただける、またそういうことをすることによって制服にかわれるものが生まれるというふうなことがあり得るであろうし、またそういうふうにもなるであろうということで考えております。そういうふうなものを視野に入れながら、制服の検討委員会なりをつくって対応していければいいなというふうに考えております。
○十一番(松川峰生君) ぜひその検討委員会等を設置して、今後、制服のあり方について議論していただきたい。ただ、現在は制服というシステムがあります。制服はその企業の顔であります。役所の顔。あの制服を見れば別府市役所の方。男性の場合、ブレザーですから、なかなかバッジをつけないとわからないと思うのですが、女性の方は、この色のこの型は、買い物しても別府市役所の方、もうだれでも市民の方だったらわかると思うので、一層この制服を着たときに、この庁内であればそんなに問題はないと思うのですけれども、庁外に出るときなど、十分皆さんでお互いに注意しながら、別府市役所の顔としてその制服が有効に使えるようお願いして、私のきょうの質問を終わります。ありがとうございました。
○二十四番(泉 武弘君) 松川議員の質問を、大変興味深く拝聴いたしました。本当にそうだな。職員のあいさつというのは、松川議員が言われるとおりだな。あいさつをして損をすることはありません。管理職の皆さんは、こういう川柳があるのを御存じでしょうか。「議会前、笑顔を振りまく管理職」。(笑声)こういう川柳があることも忘れないでいただきたいな、こう思っています。
さて、きょうはサテライト問題を中心に論戦を挑んでいきたい、こういう思いをいたしております。サテライトに対する基本的な私の考えを前段申し述べてから、質問に入りたいと思っています。
十三年の初頭に臨時議会で別府市の場外車券売り場の機器導入に対する関連予算は、否決をされている。したがいまして、別府市の団体意思というものは、日田の場外車券は販売しないという団体意思が、ここで確定している。その後において、別府市がこの場外車券売り場の設置に対する努力をしてきたかといいますと、今日までそれは皆無である。したがいまして、その段階で別府市の方針は決定してしまっている、このように実は私は理解をいたしています。その反面、別府市がこの場外車券売り場の設置にこぎつけない場合には、必ずや損害賠償請求が惹起されるだろうということを議場で私は主張してまいりました。これは、今もって全く変わっておりません。
さきに会派と市長との話し合いの中でも、私は、この場外車券売り場については早期に決着すべきであるということを市長に申し上げました。ただ、損害賠償問題が横たわっている以上、これは慎重に行ってほしいということを、市長公室長が同席の上で私が申し上げたのを、つい先日のように記憶をいたしております。
さて、自分の立場を明確にした上で、きょうは、皆さんに事の起こりから、どういう起こりがあったのかということをひもといて段階的に検証していきたい、こう願っております。
今回、私がこの質問をするに当たっては、当事者の溝江建設に実は出向いております。役員の皆さん四人と実はお会いをして、溝江建設の皆さん方の意向も確認をさせていただきました。そして、前市長の井上信幸さんにもお会いをしまして、当時のいきさつがどうであったかということも実は確認をいたしております。こういう事実に基づいて、今から皆さん方にお話を実はお伺いするわけですけれども、まず一点目にお伺いをすることは、サテライト日田の設置要請は、だれが、どのような形で、だれにしたのか。これからまず御答弁ください。
○助役(大塚利男君) お答えいたします。
私どもの聞いた範囲では、担当課より聞いた範囲では、溝江建設の方から日田市の方にサテライトを設置したい、そのような申し入れがあったと、そのように聞いております。
○二十四番(泉 武弘君) 全く逆なのですね。私は大変不明を恥じるわけですけれども、私も、今の助役の答弁のように実は理解をしていた。溝江建設が場外車券売り場の設置をしたいという申し入れがあって事が起きた、このように私も実は理解していて、そのとおりの議論をしてきたわけです。
今回、溝江建設にお伺いしましたときに、溝江オーナーから話が出ましたのは、「私どもは、別府市からの要請に基づいて、すべて別府市の言うとおりにやってきたのだ」、このような表明がありました。
そこで、先ほど話をしました、前市長の井上さんにもお会いして、この経過を実はお聞きしました。井上・前市長は、この問題についてこのように言っております。「別府市から溝江建設に対して、日田のアーバン・サテライトという事業所で場外車券が売れるような施設をつくってもらえないかということを、別府市側からお願いをした」、このように言っています。そして、その井上市長の言葉を裏づけることが、さきに浜田市長が進出断念を伝えに行った溝江建設のオーナーほか相談役の話し合いの中でも、別府市から設置要請があったということを、溝江オーナーは、皆さん方にお伝えしたと言っておりますけれども、それはお聞きになりませんでしたか。
○助役(大塚利男君) お答えいたします。
私と市長と、溝江建設に今回の断念についての報告に上がったときに、社長の方からそういった話が、それでなくて、こういう話の中で出てまいりました。市長さんは余り御存じないと思うが、この問題になって三年ぐらいのようにありますが、実は八年ぐらいになります。平成七年か八年ごろからだったと思います。別府市の方から、井上市長さんの方からこの話を受けたと。そのとき、初めてお聞きしたわけですが、私ども、これは確認のしようもございませんし、今まで担当課から聞いていたのは、そのようにお聞きしていたので、先ほどそういった答弁をさせていただきました。
○二十四番(泉 武弘君) これは大変重要なところですから、議長にお願いをして、「担当課から聞いた話では」ということは、これは恐らく溝江建設の協議書を指しているのだと思うのですね。溝江建設からこの設置要請があったという部分ですね、この場で資料をいただけませんか。
○議長(清成宣明君) ちょっと休憩します。(発言する者あり)休憩します。そのままお待ちください。
午後五時五十六分 休憩
午後六時 七分 再開
○議長(清成宣明君) 再開いたします。
○助役(大塚利男君) お答えいたします。
当時の私どもの資料によりますと、平成八年七月八日に井上市長さんの自宅で、当時、事業課の課長と主任に、それと溝江建設からでは取締役の社長、副社長の溝江弘さんと常務取締役の高田博さんとがお話をされておりますが、このときに溝江建設常務さんより、日田市で場外車券場の設置計画についての具体的な話があるというような内容で記述がされております。
○二十四番(泉 武弘君) 前市長も、このことに触れていました。どういう経緯で溝江建設にお願いしたかということについて、前市長はこのように言っていました。「競輪場の売り上げが減少傾向にあった。何とか売り上げを伸ばしたい、そういう思いから、溝江建設が日田市で行っているアーバン・ピラミッドの中に何とかそれを持ち込めないかということを高田常務さんにお願いした」、こういうふうに言っていました。それで、これを溝江建設にお伺いしたときも、実は同じことを溝江建設から言われておりましたので、私の判断するところ、この設置については、別府市から働きかけがあって今日まで来た、このように私は理解をいたしております。そのことについても、市長、助役がお伺いしたときに、溝江さんからそのような話があったと、実は私は溝江さんからもお聞きしています。
そこで、この場外車券売り場設置に対する民法上の条文を見ますと、これは契約の中でも委任契約というふうに理解ができるのではないかというふうに理解しますが、どうでしょうか。
○総務課参事(工藤将之君) お答えいたします。
理論構成そのものはいろいろあるのですけれども、正確に言えば混合契約というか、委任と受委任が混合した企業進出、企業立地に関する計画ではと考えております。
○二十四番(泉 武弘君) どうであれ、民法上の定める契約の種類の中の、十一種ぐらいの中の委任契約だというふうに理解するのが私は妥当ではないか、このように私の浅学な法知識の中からは理解できると思うのです。
そこで、場外車券売り場設置に対する委任契約が成立した、そのことによって事が、当時の通産省に申請をし設置許可を得た。こういう段階を踏んだものに対して、この契約を解除するときの要件というものは、どういう要件が成立しなければだめだというふうに民法上では定めておるのか、説明してください。
○総務課参事(工藤将之君) お答えいたします。
今回のサテライト日田の設置につきましては、平成十二年二月二十五日に、当時の通産省に対して確約書を提出しておりまして、その確約書の撤回という形をとっておりますので、国の方も解除とか合意解除とかいう手続きでなくて、確約書の撤回という形でよろしいというふうに指導されております。
○二十四番(泉 武弘君) それは参事、市長の答弁と理論矛盾があるのではないですか。日田の市長と協議して、これ以上の両市間のトラブルを増幅することはよくない。国に対して訴訟をやっていることは異常な事態だ。だからこれを断念した、こう言っている。そうではないのですか。市長はそのように答弁をされましたし、私は、このサテライト日田に対する市長答弁をここに克明に書いておりますけれども、市長の答弁はそのようなことですが、あなたとの理論矛盾が生じますけれども、その点はどうですか。
○総務課参事(工藤将之君) お答えいたします。
あくまでもそれは自主的に、別府市の車券販売断念と日田市の取り下げがパラレルの関係にあるものですから、しかし、自主的な内容で、しかし、手続き的には別府市は、現在の経済産業省に対して確約書を提出したままの状態になっていましたものですから、その状態を解消してくださいと。それはどういう手段かというと、確約書の撤回という形でよろしいということであります。別府市と日田市で何らかの契約を、以前契約をしていたのかという事実はありません。
○二十四番(泉 武弘君) 撤回というのは、市長が進出断念を決定した後の事務的な問題でしょう。市長は、日田市の市長と三時間に及ぶ真摯で真剣な協議の中で、この問題に対して進出断念、その後において国との協議を始めたわけでしょう。違うのですか。優先劣後の問題を整理すると、市長と大石市長が先に決断をして、その後に事務処理をやったのではないのですか。
○助役(大塚利男君) そのとおりでございます。九日にそのお話が決定して、十日に九州産業経済局の方にお伺いしたということでございます。
○二十四番(泉 武弘君) 私が民法上のいわゆる契約の解除というものを問題に上げたのは、契約の解除権、実は解除権というふうに民法上はうたっていますが、契約を解除する理由と権利が必要だ。契約を解除する場合には、その理由と権利、いわゆる解除権が必要である、このように民法上では五百四十条でうたっておる。そして六百五十一条では、先ほどの参事も言われました委任契約という側面から見ていきますと、委任契約を解除する場合の賠償責任は、どうしても解約しなければならないというやむを得ない理由で解約したときは、損害を賠償する必要がない、こうなっています。では、どうしても契約を解除しなければいけない理由というものが、日田市の上告というものが、どうしても契約を解除しなければならないという理由に値するのか。それが解除権として妥当なのかどうか、ここらは法理論上どのように見解を持っていますか。
○総務課参事(工藤将之君) お答えいたします。
今、理論的な面もいろいろあると思うのですけれども、この当事者間が三面関係にあるわけですね、これ。経済産業省と設置者と別府市ということで、非常に入り組んだ、それに取り消し訴訟をした日田市という原告がいて、非常に入り組んだ関係にあるのですけれども、別府市が設置者に対して場外車券売り場の設置の決定に関する契約を、果たしてどういうふうな性質で見るかというのは非常に不分明なところがあって、少なくともサテライト日田が設置された場合には、別府市と溝江建設株式会社が賃貸借契約を結ぶことは明らかだったのですけれども、いまだこの箱物ができてないものですから、賃貸借契約が締結されてないわけですね、まだ。つまり一種の企業誘致とか、そういうことはあったかもしれないのですけれども、別府市と溝江建設が、明確な何らかの契約があったというふうには、私どもは現段階では考えておりません。
○二十四番(泉 武弘君) 契約がないのに、今まで事を進めてきたわけですか。これは脱線契約ではないのですか。
それともう一点、私がお尋ねをしたことについて、参事は的確に答えてないのですね。この解除権、いわゆる別府市はもう日田に進出しないということを決めたわけです。この委任契約の解除理由となったものは、日田市との関係ですか。そこだけ答えてください。日田市との関係をこれ以上悪化したくない、国と日田とのこの異常な関係をこのまま続けさせるべきではない。この問題を解決しないと別府市の発展がない。一身をなげうってこの問題解決に当たる。こうして市長が答弁をした。これが解除理由ですか。
○総務課参事(工藤将之君) 日田市と別府市が、特段何らかの法律関係とか契約関係は、今のところありません。別府市と溝江建設の間にも、サテライト日田が現実に箱物が完成してない段階では、賃貸借契約が締結する予定だったのですけれども、賃貸借契約が締結されてないのは明らかです。もう一方で、別府市と溝江建設の間を委任契約と見るか、受委任契約と見るかというのは、まだはっきりと見解がないので、お答えできません。
○二十四番(泉 武弘君) 委任契約の根本原則は、どういうことを民法上でうたっているかというと、相互の信頼関係によってこの契約が成立する、こうなっている。昭和四十七年の最高裁第四小法廷の企業進出の問題について、そこに契約があるか否かは問わない。そこに契約を妥当とするような事実関係が存在するかどうか。これは総務課参事、あなたが一番よく御存じでしょう。日田市と別府市の間には、場外車券売り場設置について共同で行ってきた事実があるわけです。そこに契約があるかないかということであなたは言及されましたけれども、それは論外の問題だと私は思っています。
そこで助役、あなたにお尋ねしよう。総務課参事の答弁は答弁になってないから、あえてあなたにお尋ねするのだけれども、それでは、今回――明確に答えてください――日田市に進出断念をした最大の理由は何ですか。簡単で結構です。
○助役(大塚利男君) お答えいたします。
日田市に進出を断念した理由は、日田市民の反対、これが大きな理由であろうかと、私どもはそのように認識いたしております。
○二十四番(泉 武弘君) それでいいですね。別府市の方針としてそれを確認しておいてよろしいですね。いいですね。(「それと……」と呼ぶ者あり)
○助役(大塚利男君) もう一つ、一番大事なことを忘れておりました。議会でのサテライト日田の関連予算の否決という結果も踏まえてでございます。
○二十四番(泉 武弘君) そこで、もう一つ次に移らせてもらいます。
確約書の問題ですね。別府事務の第四の〇五七四号、平成十二年二月二十五日の文書ですね。これはどういうことかというと、通産省から、場外車券売り場ができた場合に、別府市さん、売りますかという確約書を求められています。これについて、後段で、地元対策は溝江建設がするものだというふうに、この確約書では書いていますね。これは溝江建設にも、一番最初の要請の段階で、地元対策は溝江建設がやるという合意の上でスタートしたのかどうか。これが一点目。
それから二点目には、溝江建設に対してこの確約書を、国に送致したのと同じようなものを溝江建設にも送付しているのかどうか。これは非常に重要なポイントになりますから、明確に答えてください。
○助役(大塚利男君) お答えいたします。
この確約書は、設置許可の出る前でございますので、溝江建設の方に地元対策ということをお願いしております。また、溝江建設の、知事の当時了承をとって申請をした、このように聞いております。
○二十四番(泉 武弘君) たびたび議会を休憩するのは、余り本意ではありませんので、今言われた溝江建設に送付したという事務発送の文書を後で――議会後――ください。
そこで、今回、再三にわたって全協でもこの議会でも、裁判長からの和解の示唆があった、こういう話をしましたね。それをもとに日田市から協議の申し入れがあった、このように言っていますけれども、当然この裁判記録というのは出てくるわけですね。第一回口頭弁論、第二回口頭弁論という形で裁判記録が出てくるわけです。当然この裁判記録を、あなた方はお読みになった上での決断でしょうね。
○助役(大塚利男君) 私ども、この日田の第一回口頭弁論の記述は、毎日新聞の方でそういった報道がされております。別府市と日田市に対し、別府市と政治的決着を図れないかと、裁判長の方からそういった投げかけがあったと、そのように毎日新聞でも記録を読んでおります。
○総務課参事(工藤将之君) お答えいたします。
六月二十三日の口頭弁論の記録につきましては、私どもも、これは極めて異例な訴訟式ということもありまして、日田市さんの方で記録を見せていただいております。その上で何回も何回も果たして本当だろうかということで、今、議員さんが言われたみたいに、言葉は悪いのですけれども、しつこく確認させていただいております。
○二十四番(泉 武弘君) それを聞いていささか安心したわけですが、その資料も議会後出してください。
そこで、市長が進出断念に至る経緯を示したコメントを議会に配りました。この中で、「両市の市長が、真剣かつ真摯な話し合いをした」、こう出ていますね。これに至る前に、市長は日田市さんとお話しする前、場外車券売り場の現地、おいでになったことがありますか。これが第一点。
それから、今回一番私が注目しているのは、日田市さんが国に対して行った訴状ですね、訴状の内容。これを僕は大変注目しているわけですが、市長は、この訴状をごらんになりましたか。この二点。ごらんになったかどうか、現地に行ったかどうか、御答弁してください。
○市長(浜田 博君) 現地は、行っておりません。写真で見せていただきました。訴状も、読んでおりません。
○二十四番(泉 武弘君) あなたは、きょう、こう言ったのですね。「国に対して訴訟している異常な事態」、こう言った。私は、全く違った考えを持っている。訴状の内容がここに出ていますが、恐らく全国的に注目されたこの裁判だろうと思っています。この内容は、設置される市町村の同意を要しない許可は、地方自治体の環境保護、経済的な発展の利害に対する侵害、これが第一点目。第二に、公営の場合は、特別法で公認されているが、地域社会の融和を図り、社会的弊害を最小限に食いとめるため、地元自治体の同意がある場合に限って違法性を免れる、との理論を展開したと、これが訴状の二大要件になっています。これは地方自治のあり方として、国の許可権に対する大変大きな訴訟だったのです。なぜ、あなたがこの取り下げに、日田の市長が言及したときに、それは私も一つの地方公共団体の長として判決を見たいから、ぜひとも日田市さんはやってくれ、こういう話がなぜできなかったのか。訴状も見ない。訴状も見なくて大石さんとの話し合いだけでこれを決断したというのは、私は余りにも軽率過ぎると思う。この裁判は、全国的に注目されている実は裁判なのです。むしろ私の考えでは、大石さん、頑張ってやってください。国の許可だけ優先するのではなくて、自分の自治体の都市づくりとの関連があるから、これを取り下げないでくださいとお願いするのが、あなたの立場ではなかったのですか。
○市長(浜田 博君) 私は、国に対して訴訟を起こすこと、内容よりも、その事態が、これは大変だという認識をいたしておりましたから、日田市に応援をして、国に対して頑張れという、その言葉は発する気持ちもありませんでした。
それと、私は、競輪事業が都市環境づくりのためにマイナスだという思いを持っておりません。別府の競輪場、きょうも質問がありましたように、健康的なスポーツとして、今、オリンピック種目にもなる。そういう中であの施設の整備の中で、イベント広場として、またテニスコートができないか、また陸上競技場もできないか、市民に開放できないか、競輪事業も健康的なスポーツの場として市民に開放できないか。さらに、二十五年以来ずっと別府市の財政に寄与していただいた競輪事業を後退をさせてはならないという思いがありましたから、日田市の進出になぜ反対するのですかと、日田市で別府市が、業者さんの設置者にもお会いしたときにも、溝江さんは本当にいみじくも言っていただきました。自分が日田市に出てもうけようという気持ちではありません、別府市さんの言うとおりに、別府市さんのために、日田市の市民のために出ることがいいか悪いかということで我慢をしていたという部分も聞きました。
私は、競輪事業がそこで本当に今の状況でずっと売り上げが減ってきた時点で、サテライトが本当に、そういう意味で競輪事業がそこに行って大丈夫かな、私はその判断もその中に入っております。前市長さんは、本当に競輪事業を心配されて、日田市に進出をしたいという思いがあったと思いますが、私は、それと全く逆であったという立場でございます。しかし、競輪事業の振興については、同じ思いでございますから、そういう意味で日田市さんを応援するということは、逆に日田市さんを説得して、なぜあなたは反対するのですかという部分から入ったことも事実でございます。