杉並区議会 > 2018-02-14 >
平成30年第1回定例会−02月14日-03号

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  1. 杉並区議会 2018-02-14
    平成30年第1回定例会−02月14日-03号


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    平成30年第1回定例会−02月14日-03号平成30年第1回定例会   平成30年第1回定例会             杉並区議会会議録(第3号) 平成30年2月14日 午前10時開議 出席議員46名 1 番  (欠員)            25番  安  斉  あ き ら 2 番  川  野  たかあき      26番  北     明  範 3 番  木  村  よ う こ      27番  川 原 口  宏  之 4 番  田  中 ゆうたろう      28番  大  槻  城  一 5 番  堀  部  や す し      29番  今  井  ひ ろ し 6 番  松  尾  ゆ  り      30番  浅  井  く に お 7 番  奥  田  雅  子      31番  脇  坂  た つ や 8 番  市  来  と も 子      32番  吉  田  あ  い 9 番  小  林  ゆ  み      33番  金  子 けんたろう 10番  藤  本  な お や      34番  富  田  た  く 11番  上  野  エ リ カ      35番  くすやま  美  紀 12番  山  本  あ け み      36番  け し ば  誠  一
    13番  木  梨  もりよし      37番  新  城  せ つ こ 14番  山  本  ひ ろ こ      38番  佐 々 木     浩 15番  中  村  康  弘      39番  河  津  利 恵 子 16番  大  泉  やすまさ      40番  太  田  哲  二 17番  井  原  太  一      41番  渡  辺  富 士 雄 18番  大 和 田     伸      42番  島  田  敏  光 19番  山  田  耕  平      43番  横  山  え  み 20番  上  保  まさたけ      44番  大  熊  昌  巳 21番  そ  ね  文  子      45番  は な し  俊  郎 22番  岩  田  い く ま      46番  井  口  か づ 子 23番  松  浦  芳  子      47番  富  本     卓 24番  増  田  裕  一      48番  (欠員) 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       副区長            吉 田 順 之       政策経営部長         白 垣   学       施設再編・整備担当部長事業調整担当部長                      大 塚 敏 之       総務部長           関 谷   隆       情報・法務担当部長      牧 島 精 一       危機管理室長         寺 嶋   実       区民生活部長         森   雅 之       地域活性化担当部長オリンピックパラリンピック連携推進担当部長                      安 藤 利 貞       産業振興センター所長     内 藤 友 行       保健福祉部長         有 坂 幹 朗       在宅医療・生活支援センター開設準備担当部長                      習 田 由美子       高齢者担当部長        田 中   哲       子ども家庭担当部長      鈴 木 雄 一       杉並保健所長         向 山 晴 子       都市整備部長         渡 辺 幸 一       まちづくり担当部長      松 平 健 輔       土木担当部長         吉 野   稔       環境部長           北 風   進       会計管理室長(会計管理者)   南 雲 芳 幸       政策経営部企画課長      伊 藤 宗 敏       政策経営部財政課長      齊 藤 俊 朗       総務部総務課長        原 田 洋 一       教育長            井 出 隆 安       教育委員会事務局次長     徳 嵩 淳 一       教育企画担当部長       白 石 高 士       学校整備担当部長       大 竹 直 樹       生涯学習担当部長中央図書館長 齋 木 雅 之       選挙管理委員会委員長     西 村 文 孝       代表監査委員         上 原 和 義       監査委員事務局長       和久井 義 久         平成30年第1回杉並区議会定例会議事日程第3号                               平成30年2月14日                                  午前10時開議 第1 一般質問 ○議長(富本卓議員) これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問に入ります。  通告順にこれを許可いたします。  32番吉田あい議員。       〔32番(吉田あい議員)登壇〕 ◆32番(吉田あい議員) 杉並区議会自由民主党の吉田あいです。会派の一員として、1、杉並区における拉致問題解決への取り組みについて、2、交通安全対策について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  まずは、杉並区における拉致問題解決への取り組みについて質問いたします。  1970年ごろから80年ごろにかけて、北朝鮮による日本人拉致が多発しました。現在、政府は、17名を拉致被害者として認定しています。そして平成14年9月には、北朝鮮は日本人拉致を認め、同年10月に5人の被害者が帰国しました。  北朝鮮による拉致問題は、昨年、政府が認定する最初の拉致事件発生から40年目の節目を迎えました。しかし、ほかの被害者については、いまだ北朝鮮から納得いく説明はなく、依然として取り戻せないままです。  被害者の家族の高齢化が一段と進む中、昨年12月12日、北朝鮮に拉致された増元るみ子さんのお母様、信子さんと、帰国した曽我ひとみさんの夫、チャールズ・ジェンキンスさんの訃報が伝えられました。被害者と再会できないまま、老いや病気で亡くなっていく家族は年々多くなっています。  信子さんが亡くなったことで、初期から救出運動にかかわった未帰国被害者の親御さんは4人だけとなりました。その4人の方も皆高齢で、体調がすぐれないといいます。横田めぐみさんのお父さん、滋さんは85歳、お母さん、早紀江さんは81歳です。早紀江さんはおっしゃいます。私たちもいつどうなるかわからない、元気なうちに「めぐみちゃん、お帰り」と言いたいと。  高齢化が進む被害者家族にとって、被害者の奪還は一刻の猶予も許されません。まさに待ったなしの課題です。  そこで、まずは、拉致問題に対する区の認識を確認いたします。  政府の拉致問題対策本部では、毎年12月10日から16日を北朝鮮人権侵害問題啓発週間と定めています。国や地方自治体は、この趣旨にかなうようにいろいろな取り組みを行っています。また、秋田県の北都銀行では、啓発週間に合わせて、女性行員が拉致被害者救出を訴えるブルーリボンバッジを着用して接客するなど、行政以外でもこの動きは広がっています。  そこで伺います。12月の啓発週間に行った取り組みを初め、拉致問題解決に向けたこれまでの杉並区の取り組みにはどのようなものがあったのでしょうか。そして、そのような取り組みに対する区民の声などが届いていたらお聞かせください。  杉並区には、北朝鮮に拉致された可能性が払拭できない、いわゆる特定失踪者と呼ばれる方がいらっしゃいます。今、都内の特定失踪者は46名、その中には杉並区とかかわりの深い方も4名いらっしゃいます。私は平成27年の予算特別委員会の中でも、特定失踪者の解決を願い、質問させていただきましたが、前回の質問以降、何らかの動きはあったのでしょうか、あわせてお聞かせください。  平成21年6月2日、杉並公会堂大ホールにおいて、「拉致被害者家族の支援の輪を広げよう!!区民のつどい」が開催されました。この集会には、当時の役職で中山恭子首相補佐官飯塚繁雄家族会代表、増元照明家族会事務局長、横田滋、早紀江御夫妻が出席され、会場は満員の区民の熱気であふれ、本当にすばらしい集いでありました。また、「ブルーリボンを杉並から広げよう」とのスローガンのもと、幹部職員を中心に、背広の胸や名札にブルーリボンバッジを着用していたようにも記憶しています。  区民のつどいもブルーリボンバッジの着用も、拉致被害者全員の早期救出と拉致問題の一刻も早い全面解決に向けた決意がうかがえるすばらしい取り組みであったにもかかわらず、いつの間にかなくなってしまいました。とても残念に思います。  当時、共感の輪を広げるといった区の方針の一環として、拉致被害者家族の支援が盛り込まれたように記憶しています。しかし、いまだ拉致問題が解決していない以上、継続的に取り組むべき課題だったのではないでしょうか。  また、共感の輪のテーマの中には、拉致被害者家族支援のほか、骨髄バンクの支援、マタニティーマークの普及がありました。これらの取り組みは、今現在どのようになっているのでしょうか。骨髄バンクの登録者数、マタニティーマークの普及は十分に向上したのでしょうか、あわせて確認いたします。  1月25日、安倍総理は、北朝鮮による拉致被害者の家族と面会しました。また、平昌オリンピック開会式前に開かれたレセプション会場で、北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長と言葉を交わし、拉致問題や核、ミサイル問題に言及、特に拉致被害者全員の帰国を強く求めるなど、改めて拉致被害者の早期救出に向けた決意を示しました。  そして政府は、教育現場で北朝鮮による日本人拉致問題への理解を促進するため、平成30年度から小中学校などの教員を対象にした研修を開始する方針を決定いたしました。授業で拉致問題を取り上げている教員による講義や、被害者が拉致された現場への視察などを通じ、拉致問題の教え方を学んでもらうことがその目的です。これは、拉致を知らない小中学生がふえ、拉致問題が風化しかねないとの懸念から、教員研修を通じ、啓発活動をより強力に推し進めることが狙いです。しかし、教育現場によっては、拉致問題を教えることに消極的なケースがあると耳にします。  昨年12月、福岡県行橋市の教育長が、めぐみさんのドキュメンタリーアニメ「めぐみ」を学校で上映しない理由について市議会から質問された際、いじめが起こる懸念を排除できないと答弁。後日、不適切との指摘を受け、撤回したことは、記憶に新しいところです。その後、拉致問題の早期解決を願うとして、全教職員を対象とした拉致問題の啓発研修や、全ての生徒向け、「めぐみ」の上映を行うなどと明らかにしましたが、このことは、教育現場での拉致問題への対応が消極的であることを裏づける事案として重く受けとめられています。  教育現場での拉致問題への対応が消極的であるとの指摘に対し、区教委はどのような見解をお持ちでしょうか。また、政府が打ち出した小中学校などの教員を対象に行う拉致問題の研修について、区はどのように取り組んでいかれるお考えでしょうか、御所見を伺います。  アニメ「めぐみ」は、めぐみさんの拉致事件を題材に、家族の苦悩や救出活動などを描いた作品で、政府が拉致問題啓発のために作成したものです。全国の小学校、中学校、高校など3万7,000校以上の学校にDVDを配布しています。  そこで伺います。全国的に余り活用状況が高くないと言われているこのアニメ「めぐみ」ですが、杉並区内での小中学校における活用状況はいかがでしょうか。また、このDVD以外の拉致問題の啓発についての教育現場での取り組みを伺います。  拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な人権問題です。相手が誰であろうと、一人一人の人権を尊重することはとても大切なことです。区内の学校では、一人一人の人権の大切さについてどのように学ばせているのでしょうか、あわせてお伺いいたします。  さて、杉並区では毎年12月、杉並区小中学校児童生徒人権作文等パネル展を開催しています。その中には、中学生が人権について書かれている作文展示があります。どの作文も人権について真剣に考えられていて、中学生の意識の高さがよく伝わってきます。  さて、中学生が書いた人権作文コンテスト指定の原稿用紙の欄外には、作品の内容(テーマ)とあり、作品の主なテーマの数字に丸をつけてくださいとあります。その作品のテーマとは、1、女性問題、2、子供に関する問題、3、高齢者問題などのほか、いじめ問題、児童虐待に関する問題、障害のある人に関する問題、同和問題、アイヌの人々に関する問題、性的マイノリティーに関する問題など、17項目が挙げられています。しかし、なぜかここには拉致問題が入っていません。とても不思議に思います。  まず、これらのテーマの決定機関はどこになるのでしょうか。同和問題やアイヌ、性的マイノリティーに関する問題も大切ですが、拉致問題も忘れてはならない重要な人権問題です。子供たちへの拉致問題啓発のためにも、ぜひテーマに加えていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  我が国には拉致問題という深刻な問題があり、いまだに解決していません。普通に生活をしていた人が、ある日突然、遠い異国の地に連れ去られてしまった。人生を狂わされ、家族を、そして生まれ故郷を奪われた被害者たちは、今こうしている間も救出を待ち続けています。想像してみてください。もしもこの被害者が自分だったら、自分の大切な家族だったら、そう思うといたたまれない気持ちになります。  区民一人一人に拉致問題に対し関心を持ってもらうこと、持ち続けてもらうこと、それが、この問題解決のための第一歩と考えます。拉致問題の解決なくして日朝の国交正常化はありません。  最後に、拉致問題解決に向け、国に対する期待を伺って、次の質問に移ります。  次に、交通安全対策について伺います。  これから春を迎え、少しずつ日も長くなってきます。2月1日の日の入り時刻は夕方の5時9分でしたが、きょうの予報では、5時21分と約10分も長くなっています。着実に春の足音が聞こえてきます。しかし、日の沈む夕暮れどきは、事故の多い時間帯とも言われています。そして、これからの季節、夕方5時から6時、ちょうど帰宅時間帯が夕暮れどきと重なります。  交通事故は、被害者の人生も、そして加害者の人生も一瞬にして狂わせてしまいます。誰もが被害者、加害者にならないために、日ごろから交通ルールに関する意識を持つことが重要です。  そこで、杉並区内の交通安全対策について伺っていきます。  まず、区は、近年の交通事故の状況をどのように捉えているでしょうか。交通事故そのものは減少傾向にあると聞きますが、区内における近年の交通事故件数の推移はいかがでしょうか。また、それらを踏まえ、交通安全のためにどのような取り組みを行ってきたのか伺います。
     交通事故の中で特に心配なのが、子供と高齢者です。警察庁の、平成24年から28年までの5年間に起きた子供の交通事故の死傷者数を見ますと、7歳児の死傷者が突出して多いことがわかります。小学生について、5年間の累計を学年別に見ると、1年生8,075人、2年生7,111人、3年生5,352人と、進級するにつれて少なくなります。小学校入学などで行動範囲が広がったことが7歳の死傷者増加につながり、次第に交通ルールを理解することで事故が減っていると見られます。  区でも学校において交通安全教室などを行っていると伺います。どのような取り組みなのでしょうか。  また、7歳児の死傷者が突出して多いことを鑑みると、未就学児のうちから交通ルールについて学んでいくことが大切と考えます。小学校入学前の子供の安全教育については、どのような取り組みを行っているのか伺います。その結果、子供の事故件数は減少したのでしょうか。  また、警視庁のホームページを見ると、高齢者の方の交通事故の多くは、自宅から500メートル以内の近場で発生しています。なれた道だから、自宅の近くだからという気持ちから、一瞬、安全確認を怠ってしまうと思われます。高齢者の事故を防ぐためには、交通安全の意識を持っていただくことはもちろん、明るい色の服を着てもらうとか、反射材用品を身につけてもらうなどのちょっとした工夫を促すことも大切です。  まずは、杉並区内における高齢者の事故の推移はどうなっていますか。また、区は高齢者の交通安全対策としてどのような取り組みを行っているのでしょうか、伺います。  また、高齢ドライバーによる事故が相次いでいます。警察は、こうした高齢ドライバーの事故をなくすために、運転に不安のある方には、免許証を自主的に返納してもらうように呼びかけています。しかし、長年ハンドルを握ってきた高齢者は、運転に自信がある方も多く、全国的に見て、なかなか返納が進まないと耳にします。  そこで伺います。杉並区の運転免許証の自主返納はどの程度浸透しているのでしょう。確かに、高齢者というだけで勝手に運転能力を決めつけるわけにはいきません。やはり御本人がドライバーを卒業するということに納得してもらうことが、自主的な免許証の返納につながると考えます。高齢ドライバーの方に納得して免許証を返納してもらうために、区はどのような取り組み、また支援を行っているのでしょうか。その結果、返納する方はふえたのでしょうか、お聞かせください。  さて、最近は、趣味として自転車に乗る方もふえてきたように感じます。ランニングに比べ、サイクリングは膝などに余り負担がかからないといいます。こうした理由から、高齢者の方の運動あるいはダイエット、健康的な趣味として楽しむ方がふえているようです。また、スポーツタイプの自転車も増加しているそうで、自転車の楽しみ方、ニーズが多様化していると言えます。  こうした状況の中、近年、交通事故死者数に占める自転車乗用中の死者数の割合が増加しています。自転車関連事故件数が減少する中、自転車対歩行者の事故件数は過去10年で1.3倍に増加するなど、深刻な問題となっています。  そこで伺います。昨年区内で発生した交通事故の件数は何件でしょうか。そして、そこに占める自転車事故の割合はどの程度でしょう。その中で自転車対歩行者の事故件数がわかればお示しください。  自転車の事故がふえる中、自転車事故でも高額な損害賠償が認められた事案も出てきています。例えば平成25年、兵庫県での事案です。帰宅途中の小学生の自転車と62歳の歩行者の女性が正面衝突。女性は、頭蓋骨骨折等で意識が戻らない状態に陥りました。小学生の母親に対しては監督責任が問われ、9,521万円の賠償命令が出されました。このように、自転車で歩行者をはねて死亡させたり重傷を負わせた場合、数百万円から数千万円を超える高額賠償を命じる判決が相次いでいます。  そのような背景の中、全国的に自転車保険の加入を義務化する自治体がふえています。全国の先頭を切って自転車保険の義務化に踏み切ったのは、先ほどの事案が発生した兵庫県です。次いで大阪府、滋賀県と続いています。名古屋市、京都市などの政令市で条例化しているところもふえてきています。  そこでお伺いします。東京都でも努力義務となり、条例化する自治体がふえてきているこの自転車の保険加入ですが、加入義務の狙いはどこにあるとお考えでしょうか。また、既に導入されている自治体では、どのように保険加入義務化への取り組みを行っているのでしょうか。保険料や罰則規定なども含め、わかる範囲で結構ですので御紹介ください。  当区では今現在、自転車の保険加入の義務化はされていませんが、杉並区自転車利用総合計画を読みますと、自転車利用者に対して損害賠償保険への加入を促進しています。昨年の決算特別委員会の中で、我が会派のはなし俊郎議員からも自転車保険の促進について質問させていただきましたが、その後、区はどのような取り組みを行ったのでしょうか、確認いたします。  もちろん、自転車の場合、自動車と違って、家族の人数分だけ所有している場合も多く、保険加入となると、それだけ区民の負担を伴います。また、対象者を区民に限定するのか、通勤などで区内に乗り入れている方も対象にするのか、これから研究しなければならない課題はまだまだ残っています。しかしながら、昨今の社会的背景、また自転車対歩行者の高額賠償の事例などを鑑みると、やはり杉並区でも将来的には自転車の保険加入の義務化を視野に、より力強い推進を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。  また、スマートフォンの普及に伴い、歩きスマホによるトラブルもふえてきています。東京消防庁によると、平成23年から平成27年の5年間で、歩きながら、あるいは自転車に乗りながら携帯電話やスマートフォンを操作していて起きた事故により、少なくとも172人が救急搬送されたということです。歩きスマホは、自分にとっても周りにとっても危険なんだという認識を強く促していくことも、交通事故を未然に防ぐ重要な鍵となってくると考えます。  小さな子供から高齢者まで幅広い世代を対象に、交通安全の意識、マナー向上の促進などをさらに積極的に進め、杉並区から交通事故をなくすという強い決意を持って、総合的な交通安全対策に努めていくことが重要と考えます。区の御所見を伺って、質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(富本卓議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、吉田あい議員の御質問のうち、区の総合的な交通安全対策についての御質問にお答えいたします。  区内の交通事故は、平成23年には2,000件を超えておりましたが、平成29年には1,184件と着実に減少をしております。しかしながら、杉並区交通安全計画でも掲げている区内の死亡事故をゼロという目標に関しては、残念ながら達成には至っておりません。昨年も7名のとうとい命が失われまして、そのうちの5名の方が高齢者でございました。  また、杉並区は自転車の関与する事故が多く発生をしてきているために、これまでも自転車に関する交通安全対策に焦点を当てて進めてまいりました。  区は警察や関係機関と連携をして、ガードレールなどの交通安全施設の設置によるハード面の安全対策を進めております。また、昨年度は杉並区自転車ネットワーク計画を策定して、自転車が安全に通行できるよう、自転車ナビラインを計画的に設置するとともに、ビッグデータを活用した潜在的な交通事故危険箇所に対する安全対策にも取り組んできております。  さらに、交通事故の撲滅という目標を達成するためには、区民一人一人が、交通ルール、マナーを理解、遵守していただけるようにすることが重要でございます。そのために、引き続き警察や交通安全協会を初めとする関係機関、保護者や地域のボランティア等関係団体としっかりと連携して、交通安全運動などの啓発事業では、子供から高齢者までの幅広い世代を対象にした、交通安全意識の向上に向けた取り組みを推進してまいります。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○議長(富本卓議員) 区民生活部長。       〔区民生活部長(森 雅之)登壇〕 ◎区民生活部長(森雅之) 私からは、拉致問題の御質問のうち、所管に関する事項にお答えいたします。  最初に、拉致問題に対する区の認識等に関するお尋ねですが、拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であると同時に、基本的人権の侵害という国際社会全体の普遍的問題でもあり、全ての拉致被害者の安全の確保と即時帰国、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引き渡しを北朝鮮側に強く求めていく必要があると認識しております。  また、拉致を国民一人一人が自分自身の問題として捉え、被害者や家族の苦しみを共有していくことが大切であると考え、区民への情報提供や啓発活動に努めているところでございます。  次に、国に対する期待についてのお尋ねですが、関係各国と連携し、支援と協力を得るとともに、北朝鮮に対して、一刻も早く解決するよう求める最善の努力を払っていただきたいと考えているところでございます。  次に、拉致問題における区の取り組みに関する御質問にお答えいたします。  区では、拉致被害者全員の早期救出と拉致問題の一日も早い全面解決を願い、区民への情報提供、啓発活動に取り組んでおります。特に毎年12月には、北朝鮮人権侵害問題啓発週間に合わせて、区役所本庁舎2階の区民ギャラリー等において拉致被害者家族支援パネル展を開催しているほか、区民センター等でも同様の取り組みを行い、啓発を行っております。  また、パネル展において実施したアンケートでは、拉致被害者家族のことを思うと大変胸が痛むといった意見や、拉致被害者の一日も早い帰国を願うといった意見をいただいております。  次に、杉並区とかかわりのある拉致被害者についてのお尋ねにお答えいたします。  特定失踪者のうち区にかかわりのある方は、御指摘のように4名と認識しておりますが、残念ながら、現在のところ、特段の新たな情報は得られておりません。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(向山晴子)登壇〕 ◎杉並保健所長(向山晴子) 骨髄バンクの支援及びマタニティーマークの普及についての御質問にお答えいたします。  骨髄バンクの支援につきましては、年2回、庁内献血に合わせて骨髄バンク登録会を実施し、現在、約2,200名の区民の方がバンクに登録をしているところでございます。  また、マタニティーマークの普及につきましても、妊娠届け出時のゆりかご面接において全妊婦に個別配布するほか、子育て便利帳や区の印刷物にマタニティーマークを掲載し、さらに共感の輪を広げていくよう取り組みを進めてまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 総務部長。       〔総務部長(関谷 隆)登壇〕 ◎総務部長(関谷隆) 私からは、人権作文等についての御質問にお答えいたします。  まず、テーマの決定機関でございますが、御指摘の原稿用紙は、平成29年度全国中学生人権作文コンテスト東京大会に用いられたものでございまして、欄外のテーマは、作品の分類として法務省人権擁護局で決定したものでございます。  拉致問題は、人権についての理解を深めることのできる重要なテーマであると認識しておりますので、作文のテーマの1つとして加えることを要望してまいりたいと考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(吉野 稔)〕 ◎土木担当部長(吉野稔) 私からは、交通安全対策について、残りの御質問にお答えします。  まず、区内における交通事故に関する一連の御質問についてお答えします。  平成29年の区内における交通事故は1,184件と、前年に比べ154件減少し、都内の自治体の中では一番の減少数となりましたが、死者数につきましては、残念ながら、前年同様7名でございました。  区内における交通事故のうち、自転車の関与する事故件数は425件、その割合は都内平均の33.4%を上回る35.9%となっており、区における自転車に関する交通安全対策の重要性を実感しているところでございます。  また、自転車事故の約7割が車との事故で、歩行者との事故件数は33件でございます。  次に、学校及び未就学児の交通安全教育の取り組みについてですが、自転車を利用し、行動範囲が広がりやすい小学校4年生を対象に、校庭にコースを設置し、自転車のルールを学ぶ自転車安全利用実技講習会を小学校全校で実施しております。また中学校では、スタントマンを活用した事故再現型の自転車講習会、スケアードストレートを全生徒が在学中に必ず受講できるよう、3年間で全校を回るサイクルで開催しています。  平成29年の区内でのお子さんの事故件数は40件となっております。  未就学児の交通安全教育の取り組みとしては、子供の手本となるよう、保育士、幼稚教諭向け講習会の開催や保護者への講習会を実施しております。また、親子で楽しみながら交通ルールを学べる交通読本の配布などを行っております。  次に、高齢者の交通事故についての一連の御質問にお答えします。  区内における高齢者の交通事故件数は、昨年360件で、ここ数年はほぼ横ばい状態でございます。高齢者の事故は重傷化することが多く、高齢者の集まる施設での交通安全講習会や敬老会での交通安全チラシの配布等を通じて、交通安全意識の向上を啓発しているところでございます。  次に、運転免許の自主返納についてですが、高齢者の運転免許返納制度を支援するため、区では平成21年度から高齢者運転免許証自主返納支援制度を導入し、75歳以上で運転免許を自主返納された方から申請をいただき、交通系ICカードを支給してございます。制度開始当初は160名程度でしたが、関係機関と連携した周知により、昨年度は571名、今年度は1月末時点で既にこの数を超えていることからも、浸透してきているものと認識してございます。  次に、自転車保険についての一連の御質問にお答えします。  自転車保険の加入義務化の狙いは、事故を起こした際の被害者救済や加害者の経済的負担の軽減を図ることと認識してございます。  自転車保険の義務化を行っている自治体では、自転車保険の加入推進のポスターやチラシの配布、ホームページを活用した広報活動のほか、自転車小売業者や学校における保険加入の確認等、自転車保険への加入促進の取り組みを行っているところでございます。  区では、自転車講習会など、あらゆる機会を通じて自転車保険等の重要性を訴え、既に自身が加入している保険の内容確認を勧め、自転車事故が対象となる保険の附帯を促すなど、保険加入を勧めています。また、TS保険といった自転車の点検と保険がセットになったものを推奨してございます。  なお、新年度、自転車保険加入を促進するため、新たに広報経費を予算化し、普及啓発に努めてまいります。  自転車保険の加入義務化につきましては、平成29年2月に都条例が改正され、努力義務とされております。将来、条例が改正され、義務化された場合、基礎的自治体としての役割について研究してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私からは、区立学校における拉致問題に関する教育についての御質問にお答えいたします。  区立学校では、学習指導要領に基づき、社会科を初め全ての教育活動を通して、拉致問題を含む人権教育を実施しております。こうした教育を進めるに当たっては、各学校の実情に応じて、教科用図書のほか、御指摘のDVDなどの副教材を適切に活用したり、高齢者や障害者との交流活動等を行ったりしながら、人権を尊重することの大切さや人権が侵害される事例などについて、子供たち一人一人の理解を深めるよう指導をしているところでございます。  なお、御指摘のDVDは、平成29年度は37校にて活用してございます。  教育委員会では、各学校の取り組みを支援するため、人権教育研修等を通し、全ての教員が、人権尊重の理念のもと、拉致問題などの人権課題に対する学びを深め、より充実した授業の実践につなげるよう支援しております。今後とも各学校において人権教育を確実に推進し、子供たちに人権問題を主体的に解決していこうとする意識や態度を育んでまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 以上で吉田あい議員の一般質問を終わります。  29番今井ひろし議員。       〔29番(今井ひろし議員)登壇〕 ◆29番(今井ひろし議員) 杉並区議会自由民主党の今井ひろしです。会派の一員として、通告に従い、区政一般についての質問をいたします。理事者の方々におかれましては、明快かつ前向きな答弁をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。  本日は、共生社会構築に向けた取り組みを大きなテーマとして、1、地域共生社会について、2、介護と障害者の共生型サービスについて、3、人手不足を解消する方策としての共生社会について、4、教育委員会における共生社会について、5、生涯学習・男女共同参画における共生社会について、以上、大きく5つの項目について質問をさせていただきます。  昨年11月に、同様の質問を他会派の議員が行いましたが、新年度を控え、国の報酬改定や杉並区の体制づくりが進んできていることから、かぶる質問を除き、新たな点について質問をさせていただきます。また、昨日の代表質問でも同様の質問がありましたが、御容赦のほどお願い申し上げます。  まずは、地域共生社会について簡単に説明をいたします。  平成28年に政府が出したニッポン一億総活躍プランに基づき、平成29年2月に、厚生労働省の「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部による「「地域共生社会」の実現に向けて(当面の改革工程)」が策定され、その中で、「「地域共生社会」とは、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会」としています。そして、その方向性として、公的支援の縦割りから丸ごとへの転換、我が事・丸ごとの地域づくりを育む仕組みへの転換が掲げられました。  その実現に向けた最初の工程として、平成29年に介護保険法、社会福祉法が改正され、市町村による包括的支援体制の制度化、地域福祉計画の充実、共生型サービスの創設などが昨年から新年度に向けての動きとなります。  杉並区も、新年度から在宅医療・生活支援センターが、包括的相談支援を担うものとして新たにつくられたものと考えていますが、包括的、総合的な相談支援体制として、どこまで福祉を対象としてのサービスを展開していくのか。また、このセンターの職員はとても高いスキルが求められていることから、人材育成が肝になってくると考え、職員の研修や育成に注力が必要です。人材育成はどのように考えているでしょうか、あわせてお示しください。  杉並区では、福祉施策として、介護、障害、生活困窮、子育て分野など、これまで分野ごとに取り組んできていましたが、今後は、制度ごとの縦割りを超えた新しい取り組みが必要になってくると考えます。国が考えている地域共生社会の構築では、最終的には、福祉分野に限らず、全庁的な包括的、総合的サービスへの展開を目指しています。今はまだ福祉分野への対応を検討していくことと考えますが、どのように取り組んでいくのか、見解をお示しください。  政府は、ニッポン一億総活躍プランの中で、介護離職ゼロに向けた取り組みの方向として地域共生社会の実現を打ち出し、厚労省は、新たな時代の福祉の提供ビジョンとして4つの改革を提示しています。また、今後の少子高齢化、人口減少社会に立ち向かう対策としても、地域の実情に応じた体制整備や人材確保が最大の課題でもあります。その課題として、地域人材の発掘、育成に向けて、コミュニティーソーシャルワーカーなどのコーディネーターを創設するなど、しっかりと取り組んでいくことが必要と考えます。  地域福祉の推進役である社会福祉協議会と区はリーダーシップをとり、地域人材の育成や地域の活動への参加を促す仕組みづくりを進める必要があると考えますが、区の見解をお示しください。  次に、介護と障害者の共生型サービスについて伺います。  厚生労働省は、先月、介護保険サービスと障害福祉サービスの公定価格である介護報酬、障害者報酬の改定をまとめて発表いたしました。改定は平成30年4月より行われます。本改定によりさまざまな事業が新設され、特徴としては、どちらの報酬改定でも医療との連携が図られたものと認識しています。新設されたもののうち幾つか質問をいたします。  まずは、障害者と高齢者がともに利用できる共生型サービスです。  杉並区はこれから介護サービスや障害サービスの事業所に周知を図り、共生型サービスを行うかどうか、各事業所に判断を促すものと理解しています。この共生型サービスは、介護と障害の基準を満たしている事業所は従前から行うことができたわけですが、現在、杉並区に従前からある基準該当型サービス事業所が存在していれば、箇所数をお示しください。  共生型サービスは、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイの3種類の7サービスと設定されており、区内にも一定の事業所が存在しています。介護、障害とそれぞれの施設基準や職員体制が異なり、どの基準が合致しているかにより、訪問型を除き、報酬は基準内容ごとに3段階に分かれています。杉並区としては、基準や職員などを確認して指定することが必要となります。これはそれぞれ所管が違いますので、所管ごとに指定していくことと認識しています。しかも各所管との連携も必要となることから、共生型サービス事業所の指定にかかわる所管の連携についてお示しください。  この共生型サービスは、障害者にとっては、通いなれた障害福祉サービス事業所等を年齢に基づかず利用し続けられる点は、障害者の心の安定をもたらすものと高く評価するものと言えます。所管もしっかりと現場に周知を行い、事業所の共生型サービスの指定がふえることを期待しております。  その一方、高齢者や障害者が同一事業所でケアを受けることには心配もあります。介護事業所と障害者事業所では、担当職員の専門性には大きな違いがあります。専門的な観点からと事業所の施設的な観点から、安全性について、行政がしっかりとリスクマネジメントの点検を行う必要性があると感じます。現状、各所管は、共生型サービスの事業所に向けた安全・安心にかかわる点検などについてどのように行っていくか、お示しください。  この厚労省の報酬改定は、地域共生社会の構築に向けた観点を念頭にしている点も見受けられます。  次に、自立生活援助についてですが、障害者のうち、障害者支援施設やグループホームなどを利用している方でひとり暮らしを希望する方を対象として、自立生活を支援する取り組みですが、これについては、障害者施策課が対応するのか、在宅医療・生活支援センターが対応するのか、お示しください。
     また、課題として、賃貸住宅の確保が挙げられます。この点についてもあわせて、どのように対応するか、お示しください。  介護の報酬改定では、介護医療院が創設され、これまで介護療養病床からの転換を促しています。これにより医療と介護のすみ分けをはっきりさせる狙いがあると考えています。杉並区では現在、介護療養病床がないことから、転換する病院はないと考えますが、他の地域で介護療養病床を利用している杉並区民はどの程度いらっしゃるのか、確認いたします。月ごとに人数の変化がありますので、おおよその数をお示しください。  介護のほうは、全体として事業者の報酬を0.54%引き上げ、介護職全体の引き上げを図り、生活援助のほうでは、ヘルパー養成期間を引き下げるなど、シニア層参入を促しています。今後、区でもケアプランチェックなどの課題も出てくることから、改めて新年度には確認をしていきたいと思います。  障害福祉の報酬改定に戻りますが、重度の障害児に対する居宅訪問型児童発達支援も創設され、重度障害児への支援が強化されました。現在、杉並区には該当の児童はどの程度いるのでしょうか。また、新設の報酬なので、特に該当の保護者への周知が必要と考えます。今後の対応についてお示しください。  今回の改定で、私が注目している報酬改定があります。それは、新設された障害者の就労定着支援です。これは障害者の職場や自宅を定期的に訪問し、就労に伴って生じる生活面の課題解決を支援するとのことですが、これを行う事業者はどのような事業者になるのでしょうか、所管の見解をお示しください。  障害者の法定雇用率は新年度4月1日より引き上げられ、民間企業で2%より2.2%、国、地方公共団体で2.3%から2.5%、教育委員会で2.2%から2.4%と、それぞれ0.2%の引き上げがあり、企業規模も50人以上から45.5人規模の企業へ引き下げられました。さらに平成33年までに0.1%引き上げる予定となっており、障害者の雇用者もふえていくことと考えています。  しかし、課題として、障害者の雇用後の定着に向けた支援は重要なものと考えています。障害者の職場環境等の不安解消も含め、しっかりとこの就労支援事業が効果を上げることに期待をしています。障害者の所管はしっかりと取り組むことを要望しておきます。  障害福祉サービスの報酬改定では、医療的ケア児の支援も強化されました。具体的には、医療型障害児入所施設等に対する人件費の拡充ですが、杉並区での該当施設はないことから、直接は関係がないものと考えていますので、特に質問はいたしません。  このように、それぞれ報酬改定でも、地域共生社会の構築に向けた歩みが一歩前進し始めているように感じています。  次に、人手不足を解消する方策としての共生社会について伺います。  これまでお伺いしてきた地域人材の活用、介護事業所と障害事業所の包括化などは、大きな目的として、福祉分野の人材不足の解消の1つとして国は対応に至ったという点は拭えません。現在、日本は、定年退職により働く人が1年で50万人減っており、さらに今後増加する見込みです。政府は年金支給開始年齢の上限を延ばし、受給額を上積みする方向で調整しています。要するに、働ける高齢者は働いていただこうという苦しい選択が見えています。  今、特に人手不足の顕著なのが、福祉や飲食、小売、建設などの3K職場です。このことを踏まえて、政府は人づくり革命などを提唱しています。共生社会への取り組みは、今後待ったなしの課題だと考えます。地域共生社会の項目でもお伝えしましたが、地域人材の掘り起こしやコミュニティーの新設など、新しい地域への取り組みが必要となってきます。  昨年12月に、政府は高齢社会対策大綱の骨子案を公表し、65歳を超えても働ける環境整備を打ち出しました。言いかえると、65歳を超えても元気なシニアの働ける社会をつくり出していくということです。杉並区も、これまでのシルバー人材だけでなく、地域人材の雇用支援や福祉現場の雇用環境の支援に取り組んでいくことが、杉並区の福祉や財政の持続につながるものと考えています。また、地域人材の活用は、全てが無報酬のボランティアだけでは成り立たないとも考えています。  そこでお伺いしますが、高齢者の就労支援として、ハローワークとの連携や就職のあっせん、福祉現場への就労に向けた取り組みについて、実績も含めお示しください。  次に、教育委員会における共生社会について伺います。  文部科学省での共生社会の取り組みは古く、平成24年には初等中等教育局より、「共生社会の形成に向けて」との報告がなされています。また、国の地域共生社会の推進の流れから、新年度に生涯学習政策局が廃止となり、新たに総合教育政策局を創設し、従前の男女共同参画学習課は共生社会学習推進課に統合されることになりました。  文部科学省の共生社会の形成については、インクルーシブ教育の推進が大きなウエートを占めています。インクルーシブ教育は、子供たちが同じ場でともに学ぶことを追求していますが、個別の教育的ニーズのある子供たちには、特別支援教室や通級教室などの連続性のある多様な学びも必要であります。  特に杉並区は、他の自治体に比べて特別支援教育への取り組みは高いものと評価しています。これからも共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のために必要不可欠なものであると考え、より一層特別支援教育を発展させていくことが必要です。障害のある子供の能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し、社会参加することができるよう、医療、保健、福祉、労働等との連携を強化し、社会全体のさまざまな機能を活用して十分な教育が受けられるよう、教育の充実を図ることが重要であります。  また、障害のある子供が地域社会の中で積極的に活動し、その一員として豊かに生きることができるよう、地域の同世代の子供たちや人々の交流等を通して、地域での生活基盤を形成することが求められています。このため、可能な限りともに学ぶことができるよう配慮することも重要と考えます。そして、特別支援教育に関連して障害者理解を推進することにより、周囲の人々が障害のある人や子供とともに学び合い、生きる中で、公平性を確保しつつ、社会の構成員としての基礎をつくっていくことが重要です。  そこで伺いますが、共生社会の形成を図るためには、特別支援教育の充実はもとより、学校支援本部や地域の住民団体などさまざまな社会資源と連携協働して、社会全体の障害者理解を深めていく必要があると考えますが、所管の見解をお示しください。  新年度、文部科学省は組織を改編して、生涯学習政策局を総合教育政策局へ再編し、男女共同参画学習課と共生社会学習推進課とが統合され、新たに地域学習推進課や学習基盤支援課、教育人材政策課が新設されます。まだその中身について詳細はわかりませんが、新年度には政策内容や推進事業が明らかになってくると考えます。現行の杉並区の男女共同参画における共生社会の形成について、区はどのように考えていくのか、所管の見解をお示しください。  昨年11月に、区長は、地域共生社会の実現に向けた意気込みについて前向きに答弁されたものと受けとめており、高く評価するものです。国もこれからの福祉施策の改革として取り組むと提唱しております。そうした中、私は、今後、総合計画等にこの地域共生社会の視点を取り入れる組織横断的な考えを計画にしっかりと盛り込む必要性が出てきたのではないかと考えます。また、今後、厚労省では、生活困窮者制度の見直しや関連法改正を平成30年度、31年度に予定しているとも聞いております。こうしたことを鑑みれば、来年度の計画改定以降にも、この法改正を踏まえた柔軟な対応が必要になってくると考えます。  そこで、質問の最後に、地域共生社会の実現に向けて、計画改定への反映も含む柔軟かつ積極的な対応をしていく考えを持っているのか、区の考えを伺い、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(富本卓議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、今井ひろし議員の御質問のうち、地域共生社会の実現に向けた区の対応等についての御質問にお答え申し上げます。  私も、一人一人が安心して、生きがいを持って暮らすことのできる社会を、区民や地域の多様な主体が支え合いながらつくり上げていく地域共生社会の考えは重要であると認識をしております。  区ではこれまでも、「支えあい共につくる」という考えを基本構想の理念に掲げまして、施策、事業に取り組んでまいりました。ことし4月、ウェルファーム杉並の複合施設棟に開設する在宅医療・生活支援センターは、複数の分野にわたる支援を1つの支援計画にまとめて、関係機関相互が連携し、効果的に利用者を支援する体制づくりを行っていくとともに、互いに支え合える仕組みづくりを推進する組織として、地域共生社会の実現に向け、大きな役割を担うものであると考えております。  このたび改定した保健福祉計画におきましても、この地域共生社会の視点で、高齢、障害、子供、子育てといった分野に共通した取り組みを盛り込んだところであります。  さらに、来年度には総合計画の改定がございます。計画改定に当たりましては、地域共生社会の視点に意を用いるとともに、社会環境の変化等に伴い法改正等があれば、必要に応じ、個々の取り組みにおいて柔軟な対応を図ってまいる所存でございます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、教育長及び関係部長より御答弁申し上げます。 ○議長(富本卓議員) 在宅医療・生活支援センター開設準備担当部長。       〔在宅医療・生活支援センター開設準備担当部長(習田由美子)登壇〕 ◎在宅医療・生活支援センター開設準備担当部長(習田由美子) 私からは、在宅医療・生活支援センターの包括的な相談支援体制についての御質問にお答えいたします。  包括的な支援体制づくりの対象についてですが、高齢、障害、児童、生活困窮などの福祉分野に加え、保健、医療、就労支援、環境など、区民の生活に関連する幅広い分野についても想定しているところです。  次に、センターの職員の人材育成についてですが、複合的な生活課題に対応することから、相談支援に関する知識や技術の習得のための研修などに加え、センターに集約される相談事例への対応を通して、共通の課題や対応方法の検証を積み重ね、精神科医や弁護士、社会福祉士等からの助言も得ながら、相談対応力の向上を図ります。  最後に、制度の縦割りを超えた取り組みについてですが、これまで個々の分野で対応してきた複合的な生活課題の相談について、センターが分野の壁を取り払って調整するという新たな機能を担っていくものとなります。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(有坂幹朗) 私からは、御質問のうち、所管事項について御答弁申し上げます。  まず、地域人材の育成等に関するお尋ねにお答えします。  近年、地域でのつながりの希薄化による社会的孤立や、障害が疑われるが公的支給要件を満たさない、いわゆる制度のはざまの問題が表面化してございます。こうした問題に対応するためには、従来の公的福祉サービスの充実に加え、区民や団体等がみずからの知識や経験を生かし行ってきた家事援助や見守りなど、生活支援の活動を広げる必要がございます。  区ではこれまでも、保健福祉サービスの担い手である福祉人材の確保、定着支援等に取り組むとともに、民生委員、児童委員など公益的な活動をされている区民等を支援しているところでございます。あわせて、地域での互助・共助の取り組みを推進するため、すぎなみ地域大学や社会福祉協議会の講座などを通し、地域に貢献する人材、協働の担い手となる人材を育成するとともに、長寿応援ポイント事業等を生かして、自発的な地域福祉活動への参加を促しております。  今後も、人と人がつながり、支え合う地域づくりに向け、地域のさまざまな社会資源とのネットワークを持つ社会福祉協議会と区が連携して、地域での区民の活動が活性化するよう、これらの取り組みを総合的に実施してまいります。  続きまして、共生型サービス事業所に係る一連の御質問にお答えします。  まず、現在の区の基準該当サービス事業所についてですが、障害者部門に自立訓練の事業所が1カ所のみございます。  また、事業所指定にかかわる所管の連携についてですが、障害者、高齢者の各所管におきまして事業所が指定されるため、指定に係る情報の共有を密にしてまいります。あわせて、適切な支援につなぐため、相談支援事業所やケアマネジャーなどへも指定状況の情報提供をしっかりと行ってまいります。  次に、事業所の安全・安心に係る点検などにつきましては、御指摘のとおり、共生型サービスでは高齢者と障害者が同じ事業所内でサービスの提供を受けることから、それぞれの特性を踏まえた安全等の配慮が求められております。このため、指導検査などの機会を捉え、安全面から施設や支援状況を確認し、必要な対応を図ってまいります。  続いて、障害者の自立生活援助に関するお尋ねにお答えします。  自立生活援助のサービスにつきましては、障害者総合支援法に基づく自立支援給付に該当するため、障害者施策課において対応してまいります。  また、賃貸住宅の確保についてですが、御指摘のとおり、障害者の自立生活におきまして、住宅の確保は重要な課題であると認識してございます。今後、地域移行と自立生活援助の仕組みを検討する中で、賃貸を含めた住宅の確保に向けた支援について考えてまいります。  次に、居宅訪問型児童発達支援に関するお尋ねにお答えします。  区内で対象となる児童数につきましては、現在のところ把握できておりません。今後、医療的ケア児に係る施策を検討していく中で、実態の把握に努めてまいりたいと考えております。  また、保護者への周知につきましては、他の新しい制度とともに効果的な周知方法を考えてまいりたいと存じます。  私からの最後に、就労定着支援を行う事業所についてのお尋ねにお答えします。  事業所を指定する東京都からは、制度実施に向けた詳細な通知がされていないところでございますけれども、厚生労働省令では、過去3年におきまして平均1人以上、障害者を一般就労に移行させている就労移行支援や就労継続支援などの事業者を就労定着支援事業所の実施主体として規定しているところでございます。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(田中 哲)登壇〕 ◎高齢者担当部長(田中哲) 私から、高齢者担当部所管事項に関する御質問にお答えいたします。  まず、介護療養病床を利用している杉並区民についてでございますが、昨年10月現在で165名いらっしゃいました。現在もその程度の方が利用しているものと承知してございます。  次に、高齢者の就労支援に関する御質問にお答えします。  区は、高齢者の働く意欲に応えるため、就労支援センターやハローワークと連携し、求人情報の提供や職業紹介を初め、多様な働き方についての講座の開催やキャリアカウンセラーによる個別相談を実施しております。平成27年度は24名、28年度は20名の方が、さまざまな分野に就職したところでございます。  また、今年度は新たに元気高齢者地域活躍推進事業として、人材不足が課題となっています保育施設や介護施設で就労体験するセミナーを実施し、参加者18名のうち4名の方が採用されたところでございます。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 区民生活部長。       〔区民生活部長(森 雅之)登壇〕 ◎区民生活部長(森雅之) 私からは、男女共同参画と共生社会の形成についてのお尋ねにお答えいたします。  共生社会を形成していくためのさまざまな活動は、男女共同参画の視点に立脚して展開される必要があると考えております。こうしたことから、女性も男性もともに日々の暮らしの基盤である地域社会の課題に目を向け、参画していくことが期待されております。  区では、今回改定した杉並区男女共同参画行動計画において、「あらゆる分野で一人ひとりが活躍できる社会づくり」を目標の1つに掲げ、女性も男性も、社会の一員としてさまざまな分野で個性と能力を発揮できるよう、多様な機会を捉えて働きかけを行っていくことが重要であるとしており、これらの取り組みを着実に推進することが、御指摘の共生社会の形成に資するものと考えております。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、共生社会の形成に向けた取り組みに関する御質問にお答えをいたします。  特別な支援を必要とする子供たちが、その能力と可能性を最大限に伸ばし、自立して社会参加することができる力を身につけていくためには、学校だけでなく、社会全体のさまざまな場面を通して学ぶことが大切であると考えます。こうした認識のもと、今年度改定した杉並区特別支援教育推進計画では、地域の人々や団体、関係機関と連携した支援体制の推進を基本的な視点の1つに位置づけて取り組むこととしております。  御指摘のような地域と連携協働した取り組みといたしましては、障害のある児童生徒が、週1回、放課後の1時間程度、地域の企業や商店などで就業体験を行う活動があり、地域の社会資源を生かしたきずなづくりが進められています。  また、今年度は、済美養護学校及び都立永福学園の児童生徒が、居住する地域の震災救援所訓練に参加する取り組みを行っており、当該児童生徒の保護者からは、地域とのつながりの大切さを感じたとの感想を、また震災救援所運営連絡会の関係者からは、今後とも地域に住まうあらゆる人々がともに理解し合う取り組みを着実に進めていく必要がある等の意見をいただいています。  こうした多様な体験交流の機会を通して、御指摘の社会全体の障害者理解がより深まっていくこととなり、ひいては共生社会の形成につながっていくものと考えます。教育委員会といたしましても、これらの取り組みを今後ともしっかりと支援してまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 以上で今井ひろし議員の一般質問を終わります。  15番中村康弘議員。       〔15番(中村康弘議員)登壇〕 ◆15番(中村康弘議員) 杉並区議会公明党の一員として、人生100年時代を見据えての高齢者施策について、健康寿命の延伸について、就労支援について、そして生涯学習について質問を行います。一部の質問が前の議員の御質問と重なる部分もありますが、通告に基づき質問をさせていただきます。  昨年、日本でもベストセラーになった「LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略」が、各方面に多くの反響を呼びました。著者の、人材論、組織論の世界的権威であるリンダ・グラットン・ロンドンビジネススクール教授と同校のアンドリュー・スコット教授は、過去200年間の世界的な長寿化の進行から、先進国においては平均寿命が100歳になるという人生100年時代の到来を予測しています。  同書では、長寿化がもたらす恩恵は、煎じ詰めれば、時間という贈り物であり、人生が長くなれば、目的意識を持って有意義な人生を形づくるチャンスが生まれると、プラス志向で長寿化を捉えています。その上で、長寿化により、人々の働き方や教育、家族、余暇、そして老後の過ごし方など、社会のあらゆる分野において大きな変化が起きることを想定し、個人の人生設計や社会のシステムを人生100年モデルへとシフトすることを提唱しています。  このメッセージに対する受けとめ方は人によってさまざまであると思いますが、この説によると、ちょうど人生の折り返し地点を過ぎた年齢である私にとっては、自身の後半生を、そして未来の社会のありようを新しい角度から見詰め直すきっかけとなる一書でした。  まず、これまでの杉並区民の長寿化の進行状況について確認します。  近年の区民男女の平均寿命と100歳以上人口はどのように推移してきているのか、お示しください。将来予測についてもあわせてお示しください。  また、長寿化、高齢化に伴う社会モデルの変化に対する行政のあり方について、所見をお聞かせください。  昨年、日本老年学会と日本老年医学会のワーキンググループが、高齢者の老化に関するデータの経年的変化に関する報告書を発表しました。それによると、現在の高齢者は10年前や20年前と比較して、加齢による身体・心理機能の変化が起きるのが5年から10年遅くなっており、若返り現象が見られているとのこと。特に65歳から74歳までの前期高齢者においては、心身ともに健康で活発な人が大多数を占めているとの調査結果が示されています。  確かに昔に比べて今の中高年以上の人は、体力的に、また見た目も若くなっているとよく言われます。わかりやすい例えが、人気長寿アニメ「サザエさん」のキャラクターである磯野波平さんとの比較です。盆栽と囲碁が趣味で、時々雷を落とす昭和時代の父親像として描かれている波平さんの年齢設定は、54歳だそうです。タレントのダウンタウンが現在54歳で、歌手の藤井フミヤさんが55歳ですから、今の世代のほうがいかに若々しいかがわかります。芸能人ではない一般男性と比べても同様ではないかと思います。  ちなみに、私は波平さんの3つ下の年齢に当たりますが、同い年に、現役Jリーガー、三浦知良選手がいます。スポーツ医学の発達にもよるものなのか、昔ではとっくに引退していた年齢でも、なお現役で活躍しているアスリートがほかにも多くいます。彼らの姿に勇気づけられている方々も、私を含めて多いのではないでしょうか。  そこで、健康寿命について伺います。  私は、平成26年第4回定例会で、2000年から2010年の10年間で区民の平均寿命が3年延びているのに対して、健康寿命はほぼ横ばいで推移してきたデータを示し、健康寿命の延伸への取り組みを訴えました。  区は総合計画において、東京都保健所長会方式による区民の65歳健康寿命を、平成24年度当時の男性82.5歳、女性85.5歳から、33年度にはそれぞれ84歳、87歳へと延ばすことを目標に健康施策を進めています。現段階における達成状況を確認させていただきます。  来年度からは、国民健康保険の第2期データヘルス計画、第3期特定健診等実施計画の6カ年計画が同時スタートします。これらの計画を一体的に策定したことにどのような意図が込められているのでしょうか。また、健康保持増進のためにどのような取り組みが計画化されているのか、概要をお示しください。  作家の司馬遼太郎氏は、近代以前は歯が寿命の信号だった、漢字の「歯」が年齢という意味を兼ねていることでもそのことがわかると述べています。確かに「齢」という字には「歯」の漢字が含まれており、古来、歯と人の年齢は密接に関連していると考えられてきたことがうかがえます。
     本年度より区が進めているフレイル予防の取り組みに、年齢を重ねても食べる力を維持するオーラルフレイルの予防対策が含まれています。口腔機能の維持向上により、低栄養や筋力低下を予防することは、高齢者の健康寿命の延伸に大変重要です。今後のオーラルフレイル予防の取り組みを、全体のフレイル予防による健康増進策の展開とあわせてお示しください。  ちなみに、高齢者を対象とした歯科健診は、歯周疾患の健診のみならず、口腔ケアの役割も果たし、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。区として、80歳を対象とする歯科健診を実施することも有益ではないかと考えます。  高齢者の就労支援について伺います。  平成29年版の高齢者白書によれば、全就業者数に占める65歳以上の割合が平成19年当時は8.3%であったものが、28年では11.9%にまで拡大し、労働力人口に占める高齢者の比率は、この間上昇傾向にあります。また、現在仕事をしている高齢者の4割が、「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答し、70歳ぐらいまで、もしくはそれ以上との回答と合計すれば、約8割が高齢期にも高い就業意欲を持っているとの調査結果が示されています。  元気で行動的な高齢者、いわゆるアクティブシニア層の就業などの社会参画を促進することは、健康維持や生きがい創出、さらには地域の活性化にもつながります。区では、シニアの就業・起業・地域活動応援事業を通して、シニア層の社会参加の支援を行っています。また、公益社団法人杉並区シルバー人材センターでは、請負または委任契約により、臨時的、短期的、そして軽易な仕事を、会員として登録した高齢者に提供しています。  そのほか、区が行っている就労支援としては、就労支援センターがあります。ただ、このセンターについては、開設した平成24年度当時、就労環境が厳しかった若者を主にターゲットとした事業であります。  シニアの就業・起業・地域活動応援事業の実施実績と、相談に来られる方の意識や希望等の傾向についてお聞かせください。  杉並区シルバー人材センターの会員数、会員平均年齢、契約件数、契約金額等の推移についてお示しください。  また、センターが提供する業務内容がいわゆるホワイトカラー退職者の受け皿となり得ていないことが、巷間、課題として指摘をされておりますが、そのことに対する区の考えをお聞かせください。  さらには、区の就労支援センター利用者の年齢層を含む利用状況についてお示しください。  また、就労支援センターがシニアの就業・起業・地域活動応援事業やシルバー人材センターなどと連携を密にすることで、互いの機能が補完され、アクティブシニア層向けのジョブマッチングの精度と量が向上するのではないかと考えますが、所見を伺います。  私は、一昨年、広島市を訪れ、協同労働プラットフォーム(らぼーろひろしま)の取り組みを伺いました。この団体が推進している協同労働とは、地域の課題解決につながる新たな働き方のことであります。60歳以上を中心とする地域住民により構成される多くの自主団体が、メンバーみずから出資者、経営者、そして労働者となり、高齢者の見守り、子育て支援、地域の安全・安心、多世代間の交流といった活動を行っています。株主、経営者、労働者が分かれている株式会社や無償のボランティアでもない、出資、経営を集まった方々全員で行い、責任を分担しながら各自が収入を得るというユニークな運営形態です。  本区のシニア層向けの就労支援においても、このような新しい事業モデルの創出や、起業を含む多様な就労形態や雇用機会の拡大などについて研究を進めてはいかがでしょうか、所見を伺います。  関連して、がん患者の就労支援、生活支援について伺います。  がんは、国民の2人に1人が生涯でかかる可能性がある一方、医療の発達に伴い、その生存率も年々改善してきています。長寿化により、がんにかかる可能性が高まることは避けられない中、がんを経験し、がんとつき合いながらも自分らしく誇りを持って働くことができる社会が理想であると思います。  しかし、厚生労働省の調査によると、働き盛りの世代ががんになると、サラリーマンでは30%が依願退職し、4%が解雇され、自営業者も13%が廃業という厳しい現実があります。こうした現状について、区としての課題認識をお聞かせください。  国の傷病手当金制度、介護休業制度、ジョブコーチ支援制度、さらには東京都の難病・がん患者就業支援奨励金など、さまざまな関連する制度があります。ハローワークやがん診療連携拠点病院の就労相談窓口等と連携をとりながら、区としてもがん患者の就労支援の強化に努めていただきたいと思います。  また、ふだん健康に生活している人ががんと宣告された日から、本人、そしてその家族は、日常の生活から精神的なケアまで、病院では解決できないさまざまな問題に直面することになります。  そこで、例えば治療費と今後の生活設計に関しては、ファイナンシャルプランナーに相談したり、勤め先との関係については、弁護士や社会保険労務士からアドバイスを受けたり、あるいは抗がん剤治療により頭髪や眉毛が抜け、やつれてしまった場合は、美容師やメークアップの専門家の協力を得たりするなど、さまざまな生活上の問題に対応するがんコンシェルジュのようなチームがあれば、安心して治療に向き合えると思います。これには、がん患者の生活を幅広く支える個人、団体間の多面的なネットワークづくりが有益と考えます。こうしたネットワークの必要性について、区の所見を伺います。  1月28日、セシオン杉並で開かれた在宅医療推進フォーラムに参加いたしました。今回のフォーラムの開催テーマは、「40代から始める明るい終活」でありました。ホールをほぼ埋め尽くした参加者の中には、40代、50代と思われる方々も多く見受けられ、こうした世代も高い関心を持っていることがうかがえました。  しかし、仮に平均寿命が100歳になるならば、終活に至るまでにはまだまだ長い時間を過ごすことになります。「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」の中で著者は、これからの長寿社会では、人生の3つのステージからマルチステージへ変化すると予測しています。3つのステージとは、年齢に沿って、教育、勤労、引退を順番にたどる生き方です。それに対してマルチステージとは、生涯で複数のキャリアを持ち、各ステージを行き来したり、あるいは同時に進んだりする生き方を指しています。そして個々人においては、引退後の資金問題にとどまらず、スキル、健康、人間関係といった見えない資産について、できるだけ早いうちから意識し、育んでおくことを著者は提唱しています。  そこで注目されるのが生涯教育の役割です。区教育委員会では、教育ビジョン2012推進計画において、「誰もが学び続け、その成果を活かせる地域づくりを進めます」との目標を掲げ、生涯学習事業を実施しています。改めて生涯学習の意義と目的について、区教育委員会の考えをお聞かせください。  本区の生涯学習プログラムには、すぎなみ大人塾や区民企画の講座のほか、区内大学と連携した取り組みなど、主に地域活動や趣味、教養といった内容のものが多く見受けられます。しかし、これからは、さらに仕事上のキャリアの構築に関係する専門性の高い職業能力や知識の習得といった社会人教育への関心も高まってくるのではないかと考えます。  マルチステージは、決められたレールではなく、人生の進む道が多様化するということであります。それは労働や就労に関していうと、一人一人の専門性や職種は会社が決め、育成も会社が行うというこれまでの終身雇用を前提としたシステムから、個人がみずから主体的にキャリアの選択を行うという形に変わっていくことになります。そして仕事のあり方自体も、人工知能(AI)やロボティック・プロセス・オートメーションといった新技術により、大規模かつ急速に変化することが予測されます。  iPhoneがこの世に誕生して、わずか10年余りの間に世界中を席巻し、人々のライフスタイルに大きな変化をもたらしたように、私たちはこれからも大きな技術革新に遭遇するでしょう。そのような背景から、リカレント教育に関してお尋ねします。  リカレント教育とは、変化する社会に適応していくため、誰でも必要なときに教育機関に戻って、職業的スキルや知識を学べる仕組みのことであります。社会人が一時、仕事をやめ、大学院などに進み、キャリアを構築することなどは、労働市場の流動性が高い欧米では○議長(富本卓議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、中村康弘議員の御質問のうち、長寿化に関する御質問にお答えを申し上げます。  先日、私は、人生100年時代を実践されている方にお会いすることができました。たしか入江さんというお名前だったと思いますけれども、今、広報に取り上げられておりますが、長い間、画家として国内外でスケッチ旅行を重ねて、臨場感のある創作に情熱を注ぎ、100歳を超えた今もしっかりと絵筆を握り、大きなキャンパスに向かっていらっしゃいました。  また、100歳以上の高齢者をお祝いに御訪問をする機会を毎年つくっているわけですけれども、数年前、たしか103歳でしたかね、女性の方で、御自宅に伺いました。たばこを吸って私を待っておりまして、そのたばこも、10ミリぐらいでしたかね、かなりしっかりとしたたばこで、おいしそうに吸われて、「このたばこ、おいしいのよ。区長さんもどうぞ」とかって勧められましたけれども、その方も大変お元気でございました。こういう方々のように、元気な高齢者がふえつつあることは大変喜ばしいことだと思っております。  スポーツ選手の選手寿命のことも触れておられましたけれども、たしか今、東京オリンピックのジャンプで出場されている葛西さんも、45でしたかね、以前ではちょっと考えられない年齢で頑張っていらっしゃるということで、杉並区の平均寿命につきましては、30年前の昭和62年が、男性76.5歳、女性が81.7歳、国が公表している直近のデータである平成22年は、男性が81.9歳、女性が88.2歳と、確実に延びております。また、100歳以上の方は、10年前の平成20年1月の173名が本年1月には363名と、実に倍増しているわけでございます。  ところが、この中身ですが、100歳以上の高齢者の85%は女性で、男性はたった15%あるかないかということで、何でこんなに男女の差がつくのかなと不思議でならないわけでございます。  今後も、超高齢社会の進展の中で、平均寿命や100歳以上人口は伸びていくものと予測をされているわけですが、昨年末に公表された国の人生100年時代構想会議中間報告では、人生100年という長い期間をより充実したものとするために、これまでの教育・仕事・老後という単線型の社会モデルではなくて、多様な人生の再設計をどう可能としていくか、教育や雇用、社会保障など、国の制度はどうあるべきかが大きなテーマであるとされました。  区としましても、国の動向を注視しつつ、全ての世代が充実した人生を送れるように、学習環境や社会参加、地域コミュニティー活動に対する支援など、新たな社会モデルを意識して積極的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。  周りを私なんかが見た印象では、70歳を超えたぐらいから個人の格差が非常に広がっているような気がいたします。日ごろの節制ですとか生活環境だとか、そういうことがいろいろ影響しているのかもわかりませんけれども、健康で長生きをしていただくということは、大変個人にとっても国にとっても大切な、ありがたいことだというふうに思っております。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、教育長及び関係部長より御答弁申し上げます。 ○議長(富本卓議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(向山晴子)登壇〕 ◎杉並保健所長(向山晴子) まず、区民の65歳健康寿命の現段階における達成状況についてのお尋ねにお答えいたします。  直近の平成27年の65歳健康寿命の調査結果によりますと、男性83.25歳、女性が86.2歳となり、前年に比べて男性で0.06ポイント、女性で0.14ポイントの上昇となってございます。杉並区民の健康への意識の高まりとともに、健康寿命も延伸してきているものと認識をしてございます。  次に、オーラルフレイル予防の取り組みについてのお尋ねがございました。  フレイル予防の3つの柱は、しっかりかんでよく食べること、適度な運動をすること、社会参加をすることで、これらはいずれも相互に密接に関連をし合っております。御指摘のオーラルフレイル予防は、筋力や栄養状態の維持向上に極めて重要です。このため、フレイルチェックで区民自身の口腔機能低下への気づきを促すとともに、三師会や栄養士、歯科衛生士等、食にまつわる多職種が連携して、予防の取り組みを一体的に進めてまいります。  次に、がん患者の就労や生活の現状及び支援のためのネットワークづくりに関するお尋ねにお答えいたします。  近年、がんの治療成績、生存率の向上に伴って、治療と仕事の両立等が新たな課題となっております。また、がん患者の生活上の非常に幅広い困り事に対して、さまざまな支援を多面的につなぐ取り組みが必要と認識をしてございます。このため、区は、在宅医療相談調整窓口に寄せられるがん患者の多様な相談ニーズに対して、がん拠点病院内に整備をされております相談支援センター等と連携し、対応してまいります。あわせて、東京都は来年度、がん患者の就労等に関する実態調査を実施するとしていることから、区はその結果を活用して、相談支援の充実やネットワーク化に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(有坂幹朗) 私からは、国民健康保険の第2期データヘルス計画、第3期特定健診等実施計画策定についての御質問にお答えします。  平成27年度に策定しましたデータヘルス計画は、特定健診等を含めた保健事業全体の実施計画であり、第2期特定健康診査等実施計画は、平成25年度から法律に基づき5カ年をワンサイクルとして実施してまいりました。両計画の期間が平成29年度末に終了すること、また、目標がともに被保険者の健康保持増進及び医療費の適正化としていることから、保険者として保険事業全体を総合的に企画し、より効果的かつ効率的に事業を遂行することができるよう、一体的に策定いたしました。  今回の両計画の策定に当たり、新たにレセプトデータによる詳細な医療費の分析や健診の結果を突合させた上で、健康に関する課題を明確化し、取り組むべき計画事業を定めました。具体的には、新たな取り組みとして、重複・頻回受診者及び重複服薬者への保健指導の本格実施などを計画化し、今まで以上に被保険者の健康保持増進の道筋をつけることができました。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(田中 哲)登壇〕 ◎高齢者担当部長(田中哲) 私からは、高齢者担当部所管事項に関する御質問にお答えします。  まず、シニアの就業・起業・地域活動応援事業に関する御質問ですが、この事業は平成21年度から委託により実施しており、平成28年度には31回の講座を開催し、延べ431人に参加をいただき、また個別相談を22回開催し、58人の相談を受け、20人を就職につなげたという実績がございます。  相談に来られる方は、事務や管理的な仕事など、これまでの経験を生かし、同じような仕事をしたいという御希望が多い傾向がございます。  次に、杉並区シルバー人材センターに関するお尋ねですが、平成24年度と28年度を比較いたしますと、会員数は3,084人が2,772人に、入会時の平均年齢は67.3歳が69歳に、契約件数は8,391件が7,985件に、契約金額は9億1,600万円余が9億円弱にと、平均年齢の上昇以外は年々減少傾向にあります。  ホワイトカラー経験者の方が事務系の仕事を希望する一方で、シルバー人材センターの受注内容は、自転車駐車場管理や清掃、植木・造園、除草作業などが多く、今後事務系の仕事を受注していくためには、センターが派遣の仕事も受け入れられるよう準備を進めていく必要があると考えております。  次に、シニア層向けの就労支援の研究に関する御質問にお答えいたします。  御紹介のありました協同労働プラットフォーム(らぼーろひろしま)の取り組みにつきましては、就労や社会参加を希望する意欲と能力のある高齢者を支援するといった面で、区がこれまで取り組んできた就労支援と目的を同じくするものであると捉えております。区では本年度から保育や介護の現場で就業体験する取り組みを始めるなど、工夫を重ねているところですが、御提案内容も参考にさせていただいて、今後とも、シニア層の働く意欲に応える多様な就労支援を進めていきたいと考えております。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 産業振興センター所長。       〔産業振興センター所長(内藤友行)登壇〕 ◎産業振興センター所長(内藤友行) 私からは、就労支援センターに関するお尋ねにお答えいたします。  初めに、利用状況ですが、利用者の年齢層を過去3年間で見ますと、就労準備相談では20代から40代までが大半を占めており、60歳以上は全体の1から2%という状況です。  一方、ハローワークコーナーの60歳以上の相談者数は、全体の15から18%と一定の利用があり、就職件数も他の年齢層と比べ低くない数値で推移をしております。  次に、アクティブシニア層向けのジョブマッチングについてでございますが、近年、元気で行動的な高齢者がふえております。それぞれ働き方に対する意識は異なり、常時就労を希望する方や社会貢献を考えている方など、さまざまとなってございます。御指摘のとおり、シニアの就業・起業・地域活動応援事業やシルバー人材センターとの役割を明確にすることで、利用者の方への案内がより的確になることから、今後はそれぞれの特色を生かしていけるよう、3者で情報共有に努め、アクティブシニア層の就業や社会参画を支援してまいります。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、生涯学習の意義と目的に関する御質問にお答えをいたします。  教育基本法では、「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。」という生涯学習の理念が掲げられております。この理念を踏まえ、杉並区教育ビジョン2012では、生涯学習の充実発展を図り、世代を超えて、みずからが学び得たことを発信し、学び合い、次代に伝えていくという知の循環型社会を目指した地域づくりを進めることとしているものでございます。  人生100年時代を迎え、人がより充実した第2、第3の人生を送るためには、みずからが選択した人生設計に即して、社会生活や職業生活に必要な新たな知識、技術を身につけ、地域参画、社会貢献のための学習や最新のICT技術を習得するなど、生涯にわたり学習していくことは欠かせません。  このように、生涯学習は、全ての人々が豊かで幸せな人生を送るための役割も有しております。多くの区民がこうした生涯にわたる学習活動を通して、人と人、あるいは人と社会、人と地域社会とがしっかりとつながり、互いに支え合いながら共生することによって、豊かな地域社会の未来が開かれるものと考えております。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 生涯学習担当部長。       〔生涯学習担当部長(齋木雅之)登壇〕 ◎生涯学習担当部長(齋木雅之) 私からは、リカレント教育に関する御質問にお答えいたします。  議員が言われたとおり、近年では、大学や専門学校等での社会人の受け入れに加え、インターネットを通じて学べる大規模公開オンライン講座などが行われており、多くの人が多様な学習機会を利用する環境が充実してきております。  人生100年時代を迎える中で、御指摘のように、広く区民に対し、こうしたリカレント教育に関する情報提供を充実させたり、区内の大学等と連携して啓発のための講座を開催したりすることは、区民の学習ニーズに対する支援として有効であると考えます。このため、社会教育センターを核として、より一層の情報提供を図るとともに、包括協定を締結している区内大学等と連携した取り組みを進めることについて検討してまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 以上で中村康弘議員の一般質問を終わります。  ここで午後1時まで休憩いたします。                               午前11時45分休憩                                   午後1時開議 ○副議長(北明範議員) 議長の職務を代行いたします。  休憩前に引き続き会議を開きます。  44番大熊昌巳議員。       〔44番(大熊昌巳議員)登壇〕 ◆44番(大熊昌巳議員) 杉並区議会自由民主党・大熊昌巳です。通告に従い、3歳児健診における視力検査について、働き方改革と中学校の部活について、以上2点について一般質問をいたします。  2018年を迎え、第1回定例区議会に当たり、一言、私ごとでありますが、申し述べさせていただきたいと存じます。  昨年9月に、私のめいが出産をいたしました。この世に生を受けた小さな命が、家族や周囲の多くの方々に見守られ、皆が一喜一憂する中で命の成長があります。少子化が進む社会にあって、新生児の誕生は本当にうれしいものがあります。  めいの出産は、42歳での初産でした。最近、私の周りでは、40歳を超えてから初産を経験する方がおられます。一社会人として結婚をし、仕事を続け、中堅社員として頑張る中で、社内的にも社会的にも責任ある立場を築き、出産、育児、家事、そして仕事との両立を果たしていく、男性にはない、女性の厳しい社会環境を、めいの出産を通し、改めて実感をいたした次第です。そして子育て世代への福祉の充実、後押しをしっかりと進めてまいらねばならないと強く感じた次第です。  政府が進める働き方改革の中、基礎自治体として、子育て世代に向けた保育施策の充実が急務であり、それとともに、今日の社会を築いてくださった高齢者の方々への施策の充実が必要です。わかり切ったことであるかもしれませんが、今申し述べた2点の施策が、多くの自治体でなかなか進まない状況にありますが、一昨年来、杉並区は、保育施設の増設に向けた施策を最優先し、解決を図ってまいりました。私が暮らす地域においても保育の改善が図られ、杉並区議会に参画する一議員として安堵しております。また、ウェルファーム杉並の開設、私が暮らす久我山に隣接する宮前における特養整備も、地域の特性が生かされる形で工事が進められております。  そのような中で、本日質問をいたす3歳児健診や変わり行く部活動を通して、子供たちの健康がしっかりと築かれてまいるよう、区議会年初の一般質問に当たり、私の思いを述べさせていただきました。  杉並区におきましては、今後、財政の確保が一段と厳しくなる状況にありますが、さらなる区民福祉の充実に向け、2018年、田中区政に期待をいたすところです。  さて、本日の一般質問、3歳児健診における視力検査については、3歳児の視力検査をより正確に、よりスピーディーにとの考えから質問に及びました。また、私は、これまで区議会においてスポーツにかかわる質問を重ねてまいりました。スポーツと視力は密接な関係にありますので、僣越ですが、私の経験を示し、3歳児健診に限らず、目の健康について質問をいたしたいと考えております。  まず初めに、今日まで行われてきた3歳児健診における視力検査の目的とその概略をお示しください。  本日質問をいたす3歳児の視力検査には、弱視の検査が含まれております。視力検査によって予防や早期発見・治療につなげることができると言われている弱視ですが、コンタクトレンズや眼鏡で矯正できるものではないとのことです。人の視力は6歳ごろまでに完成するため、視力検査が行われる3歳から3年の間に、適切な治療を行うことで予防や改善の可能性があると考えられます。3歳児の視力検査で、結果によっては、弱視でありながら正常とみなされ、小学校に通うようになり、黒板の文字がよく見えず、眼科医に改めて弱視との診断を受けることがあるとのことですが、その年齢では治療には遅く、十分な視力が得られない可能性があります。
     先般、厚生労働省からも、3歳児健診における視力検査の実施について、その重要性が示されていますが、その内容をお示しください。  視力検査において、3歳児本人が検査の意味を理解し、正しく検査が行えるのかと私は心配をいたすところです。3歳児の視力検査は、基本的に各家庭において親御さんが問診票の絵を指さし、「これ、何に見える」との問いに答えるもので、お子さんが絵を見て首をかしげたら、親御さんは恐らく心配して、これは犬かな、猫かなと声をかけるのではないかと思います。そして、親御さんは問診票に、猫と正解をしたと書き込んでしまうことがあるかもしれません。  私は、他自治体の取り組みを見る中で、杉並区においても検査機器を用いて視力検査などを行い、健診の精度の向上に努めることができないものかと考えますが、他自治体における先行事例を区が把握されておればお示しください。  さらに、本日申し述べた状況を踏まえ、杉並区における今日までの視力検査と、新年度予算で示されている新たな3歳児健診における視力検査の取り組みについてお示しください。  先ほど私は、視力とスポーツと申し述べました。視力が低いと、スポーツ、特に競技スポーツではマイナス面が生じてしまいます。ボクシングなど格闘技において、眼鏡などの使用は無理に等しく、そもそもボクシングは視力の低い人には向かないスポーツで、視力と連動し、反射神経が物を言う世界で、パンチの応酬に適さないと考えられています。射撃、アーチェリー、テニス、卓球なども、眼鏡を使用することにより対象物が小さく見えるマイナス面が生じます。眼鏡を使用する場合、視力が低くなると、レンズの構造上、対象物が小さくなり、競技にはマイナスですが、コンタクトレンズが普及し、スポーツにも使用できるソフトレンズが開発され、眼鏡より対象物が小さくならず、効果があると考えられます。スポーツや日常生活に積極性が生じます。  私は、マイナス6.5のかなり強度なソフトコンタクトを使用しています。スポーツにおいても日常生活においてもかなりのマイナス面がありました。今も同様であり、コンタクトレンズにかなり依存をしています。  本日質問をいたしている3歳児健診における視力検査の向上が図られることにより、予防、早期発見・早期治療が可能になり、弱視を克服できる可能性があります。そして、スポーツにチャレンジできる可能性もあります。大いに期待をいたすところです。  昨年6月、私は、特養に入所していた母のみとりを家族皆で行いました。9月議会において、葬儀に係る御挨拶のお時間をいただいたところですが、晩年、母を特養に訪ね、気にかかっていたことがあります。それは、痴呆が進み、自己表現ができなくなった母の視力があるのかないのかと、とても不安でした。最後の最後まで気にかかっておりました。母の人生は終わりましたが、特養のベッドの窓越しに咲く満開の桜、緑の美しい葉が見えていたのかと、今も心残りです。  このたびの一般質問に当たり、準備を進める中で、改めて目の健康について、私自身、考えるところがたくさんありました。私自身の体験も含め、本日質問をいたしました幼児期から高齢者に至る各年代における目の健康に係る検査や医療相談など、周知啓発がしっかりと進められることに期待し、目の健康施策について区の御所見をお示しいただき、次の質問に移ります。  次に、部活について質問をいたします。大熊また部活の質問かと思っておられると存じますが、少しの間御容赦を願いたく存じます。  現在、部活動は社会的な問題として、国や都道府県、そして基礎自治体においても活性化の取り組みが進められておりますが、その方向性に統一感がなく、スピード感も欠けているように私は見てまいりました。  部活が衰退する理由については、部活指導者の暴力が表面化し、高校の部活においては、取り返しのつかない悲惨な結末を迎えた事件がありました。部活の暴力根絶は、まだその途中にあります。  勝利至上主義を盾に、柔道全日本チームにおいてパワハラ問題が浮上し、社会的な問題となり、指導者のモラルが強く問われ、これらが教員の部活顧問就任をちゅうちょさせる理由になっているのではと私は心配をいたしてまいりました。水は飲むなとの根性論から水分補給へと、日本のスポーツ文化の活性化が少しずつですが進む一方で、繰り返し述べてまいりましたように、少子化が進み、学校に配置される教員の人数が減り、各教員の仕事量がふえ、正直、部活どころではなくなり、部活動が学習指導要領に示される教育課程の一環ではないことから、手当のつかないサービス残業との批判があり、社会的にも長時間残業、長時間労働の改善が叫ばれ、部活顧問のなり手不足に拍車がかかっている状況と、もう一方に、少子化が進み、生徒数自体が減少し、学校単位で部活が成り立たない現状があります。  しかし、部活の衰退と言われる中で、従来どおりに部活顧問を務め、技術指導も行い、教員としての職をしっかり務めている教員がおられます。杉並区ではありませんが、学校が部活を生徒指導の一環として、教員も生徒も、学校挙げて部活に取り組む中学校もあります。どこがよくて、どこが悪いということではなく、今日の社会情勢に即し、かつその地域に即し、正しいスポーツ科学に裏づけされた部活ルールが早く行き渡ることであると考えます。  そこでお尋ねをいたします。以前、一般質問において、私なりの思いから申し述べた意見があり、その後気になって仕方なく、今回は質問にかえさせていただき、ぜひとも御所見をお示しいただければと思います。  教員の方々は、忙しい中、工夫をし、努力をされ、部活顧問を務められていると思います。しかし、部活顧問を務める教員の家族までに踏み込み、「部活未亡人」なる表現を用いて部活顧問のあり方に一石を投じようとする大学関係者の方をマスコミが取り上げました。その内容を私は批判はいたしません。的は射ています。  しかし、スポーツを通して人づくりを重んじる私には、顧問や指導者の方々の並々ならぬ努力の陰に奥様や家族がおられることを重々理解をいたしてまいりました。家族の方々も部活を応援されている事実があります。  私は、改めて教育上の観点から、「部活未亡人」なる表現を用いて部活顧問のあり方を指摘される教育関係者がおられることに、私は納得がいきません。区はどのように受けとめられますか。感情的な質問になってしまいましたが、ぜひとも御所見をお示しいただきたく存じます。  さて、杉並区は、部活動に外部指導者の起用を先駆的に取り入れ、多方面から高い評価を受けております。国の取り組みにも杉並区の方式が生かされてまいると理解をいたすところです。部活活性化に向け、声を届けてまいった私は、区の取り組みを肯定的に捉え、さらなる充実を望んでまいりたく思っております。  部活の活性化について、国や都がなかなか具体策を示さずにおりましたが、文科省の緊急対策が示され、「将来的には」との前置きがありますが、部活と地域の連携が示され、地域のスポーツクラブと部活の連携を積極的に進めるよう示され、学校長が部活指導者や外部人材を積極的に参画させるよう示しています。  またスポーツ庁は、部活の休養日を週2日以上、活動時間を平日2時間、休日は3時間以内にとの骨子を示しました。対外試合などについても、顧問の同行がなくても、それにかわる者の検討を進めることや、競技ごとに中体連との協議を進める必要性を示しております。  国の働き方改革が進められる中で、教員の働き方改革が進み、あわせて部活の活性化が進められる状況にあり、これまで部活が教育課程の一環であると誤解されがちであった部分が、部活活性化に向けた新聞報道が頻繁に行われるようになり、部活の位置づけが正しく理解されるようになったと私は考えております。これらの報道により、区民の方々も地域にある中学校の部活への意識が高まり、部活のあり方を改めて考えてもらう機会になればと思います。  国が示す部活の骨子案の中に、地域のスポーツクラブとの連携があります。以前、私は、小学校のスポーツクラブのように、学校や父兄、地域が参画するクラブを総合型化する取り組みを求めました。また、区が立ち上げ支援を行い、現在活動している総合型クラブの大型化を区とともに進め、部活と地域の融合を目指し、地域資源となる取り組みを求めました。現在の部活においても、中学校の体育施設を利用し、スポーツクラブ化していく取り組みをお尋ねしました。部活の地域化は、私に限らず、スポーツに興味のある区民の方々も期待いたすところと考えます。  現在、区内には3つの総合型地域スポーツクラブが活動していますが、中学校の部活と連携するまでに至っていないと聞き及んでおります。今後、中学校部活の活性化という行政課題の解決を考えると、区としても、総合型地域スポーツクラブの新規設立や既存クラブの運営支援について、これまで以上の取り組みが必要と考えますので、要望としてお伝えをさせていただきたいと思います。  国が示す部活の活性化策に、部活の顧問と指導の両方を行うことができる免許制の部活指導者があります。将来的にとのことで、国が示す部活動のクラブ化においても、免許制の部活指導者はクラブコーチとして活動できると私は考えます。  教員の働き方改革が進められてまいりますが、現状の顧問制度を是とする教員の方々がおられる中ではありますが、日本のスポーツの下支えをしてきた部活の顧問制度のあり方を根本から変えていく時代が近づいてきたように思うところがありますが、もう一手、何か忘れてはいないかとの思いにもなります。  るる述べてまいりましたが、国による部活の骨子案が示されましたので、以下、何点かお尋ねをいたします。  このたびの骨子案に部活の休養日が示されていますが、区はどのように受けとめているのか、お示しいただくとともに、これまで区は、学校側に対し一定の考え方を示してきたと思われますので、この間の経過と、今後どのように実施をしてまいるのか、お示しください。  平日と休日の練習時間についても骨子案に示されています。この点につきましても、休養日と同じく、その経過と、今後どのように実施をしてまいるのか、お示しください。  今般示された骨子案には、国が示す部活指導者の任用にも触れていますが、区が考える部活活性化対策と少なからず相違点があるようにも思えます。区内中学校との実態にも差があるように思いますので、その兼ね合いをどう受けとめてまいるのか、お示しください。  私は、古きよき部活、昭和の古きよきアマチュアスポーツの世界を生きてまいりました。私の部活は、中学、高校、大学、そして企業スポーツと言われる社会人まで続きました。楽しくもあり、苦しくもあり、1点差勝負の重みも実感してまいりました。人並みに人生の山坂もありました。ただ、人生の1点差勝負はこれからのような気がいたしております。スポーツを通して人間形成を図ってまいった人生と思っております。そのスタートは、中学校時代の部活との出会いです。  日本のスポーツ界は、アマチュアからセミプロに、そしてプロ化が進み、スポーツ産業の拡大が図られ、Jリーグなどのスポーツクラブ運営が始まり、そのトップにプロ選手の活躍があります。学校体育や部活動に大きな影響を及ぼしていると考えるところです。体育からスポーツへと意識改革が始まり、スポーツの領域がますます広がる状況にあります。  部活顧問制度の活性化は、先ほども申し述べましたが、まず、安心・安全な部活ルールをしっかりつくることであると私は考えます。中学校に上がる小学生たちが部活に寄せる純粋な期待感は、まだまだ健在です。公立中学校の部活は、文化部でも運動部でも、生徒たちの心と体の栄養素と考えます。  今年度末には、今回の骨子案を軸としたガイドラインが作成されることになると思います。区は、部活と地域、部活と地域スポーツのかかわりについて、将来的にどのような対応をとられようとしているのか、お示しをいただき、本日の質問を終わります。 ○副議長(北明範議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、大熊昌巳議員の御質問のうち、目の健康についてお答え申し上げます。  先週金曜日から2018平昌冬季オリンピック大会が開幕をされまして、その後、パラリンピック大会が行われるわけでございます。冬季オリンピック・パラリンピックにおいて、日本のアスリートの活躍が大いに待たれるところでございます。  私もたまの休日にはスポーツを楽しんでおりますが、その中では、視力の大切さを幾度となく感じてきたところでございます。アスリートほどではないにしても、動体視力や周辺視野など、視力の不足がスポーツの結果を左右することもございます。私の場合は、視力というよりも運動能力の問題だと思っておりますけれども。一般的に視力の不足が結果を左右するということもあるかと思いますが、議員も視力とスポーツのかかわりをるる述べられておりましたが、私も大いに同感をするところがございます。  また、目の健康は、これらスポーツだけでなく日々の生活の中でも、生活の質を支える大切な要素であり、幼児期から高齢者に至る各ライフステージにおいても、それぞれの年代に沿った目の健康を維持していかなければならないと考えております。  区では、目の健康を守るために、40歳から60歳を迎える方を対象に眼科健診を実施して、緑内障や加齢黄斑変性等を早期発見する取り組みを進めるほか、来年度から新たに3歳児健診においても視力検査の充実を図ることといたしました。視能訓練士による視力検査を導入することによりまして、子供の弱視等を早期に発見して、適切に治療に結びつけることができるものと考えています。  視力の悪化や目の疾患は、自覚症状のないまま進行してしまう場合もございまして、今後とも適切な時期に健診を受けられるよう受診を勧奨するとともに、さまざまな機会を捉えて目の健康に向けた啓発を図り、目の健康の保持増進に努めてまいりたいと考えております。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、教育長及び関係部長より御答弁を申し上げます。 ○副議長(北明範議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(鈴木雄一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(鈴木雄一) 私からは、3歳児健診における視力検査に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、3歳児における視力検査の目的ですが、強い遠視や斜視などにより目の機能の発達がとまると弱視となるため、早期に目の異常を発見して、目の機能がほぼ完成する6歳までに適切な治療が受けられるようにすることでございます。  検査の概略でございますが、3歳児健診の御案内の際に、視力に関するアンケートと検査用紙等の入った視力検査セットを送付し、3歳児健診の当日に、アンケートへの回答と家庭での視力検査の結果から医師が判定を行います。心配な症状がある場合や視力検査の結果によっては、再検査や精密検査のため、眼科医療機関に受診勧奨を行うなどの対応をしております。  また、厚生労働省通知の内容ですが、子供の目の機能が6歳までにほぼ完成するため、3歳児健診で目の異常が見逃されると治療がおくれ、十分な視力が得られないことがあることを保護者に対して周知をすること、自宅での検査が適切にできなかった場合には、必ず健診会場で検査を実施すること、受診を勧めた場合は、保護者に受診結果を確認することなどでございます。  次に、他自治体の先行事例でございますが、他区におきましては、練馬区と港区が、3歳児健診の会場で、視能訓練士による追加検査を導入することにより健診精度の向上に取り組んでおります。そういった状況も踏まえて、これまでの自宅での検査用紙による視力検査に加えて、新年度予算案では、視能訓練士、検査に必要な機器などの予算を計上しているところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、部活動のあり方に関する御質問にお答えをいたします。  かねてから御答弁申し上げておりますとおり、中学校の部活動は、生徒の健康な体や豊かな心情及び態度を育む上で重要な教育活動であります。しかしながら、近年の各学校における教員数の減少や教員自身の意識、実態が大きく変化する中で、全ての部活動を従来の顧問教員が指導する状態を将来にわたって続けていくことは困難と考えております。  一方で、部活動指導に熱意と情熱を持って取り組む教員の存在も少なくないことを踏まえ、教育委員会では、そうした各学校の実情に応じて、効果的かつ柔軟に、外部の力を活用した部活動指導が行えるよう、外部指導員の配置や専門コーチによる部活動活性化事業を実施してまいりました。  御指摘にありました表現につきましては、熱心な部活動指導にかかわる顧問教員においても、仕事と家庭の調和を適切に図っていくことが大切であるということを示唆しているものと受けとめております。  国や東京都における教員の働き方改革の動向も踏まえながら、引き続き本区における部活動の適切な運営が図られるよう取り組んでまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○副議長(北明範議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(徳嵩淳一) 部活動に関する残りの御質問にお答えします。  国のガイドライン骨子案では、運動部活動について、御指摘のとおり、学期中は週当たり2日以上の休養日を設けること、また、1日の活動時間は平日で2時間程度、学校の休業日は3時間程度とすることが基準とされています。本区では既に、部活動に参加する生徒の健康面や顧問教員の負担軽減を図る観点から、同様の基準を示し、各学校に通知しているところであります。したがいまして、これに基づいて適切な部活動の運営が行われているものと存じます。  なお、国は、本年度末にガイドラインを決定、公表する予定としておりますので、その内容を踏まえ、本区としての必要な対応を図ってまいります。  次に、国が昨年度に制度化した部活動指導員についてのお尋ねがありました。  国は、従来の顧問教員にかわって、非常勤職員としての部活動指導員が部活動の運営、指導業務を担うことにより、教員の長時間労働を是正する一助とするとしていますが、その任にかなう人材の確保や責任体制のほか、その勤務条件をいかに設定するかなど、検討すべき課題も多いと受けとめています。したがいまして、当面は、現在の部活動活性化事業等の取り組みを推進しつつ、並行して他自治体の状況も踏まえながら、部活動指導員の活用可能性を検討してまいります。  最後に、ガイドライン骨子(案)の末尾で触れられている、地方公共団体は、長期的に、地域全体で、これまでの運動部活動にかわり得るスポーツ活動の機会の確保・充実方策を検討する必要があるとの指摘についてお答えします。  この点につきましては、本区といたしましても、将来的には地域総合型スポーツクラブとの連携を視野に入れるべきと考えておりますので、引き続き、その受け皿となるクラブの設立、運営支援に向けた区長部局の取り組みとの連携を図ってまいりたいと存じます。  以上です。 ○副議長(北明範議員) 以上で大熊昌巳議員の一般質問を終わります。  17番井原太一議員。       〔17番(井原太一議員)登壇〕 ◆17番(井原太一議員) 杉並区議会自由民主党の井原太一です。会派の一員として、通告に従って一般質問をいたします。  質問項目は、生きる力を育てる教育についてであります。  「すすんで考えやりぬく子 心ゆたかでたくましい子 なかよく助け合う子」、これは、私が住む町の小学校が掲げている教育目標です。また、杉並区の教育ビジョン2012では、目指す人間像として、「夢に向かい、志をもって、自らの道を拓く人」を掲げ、そのために育みたい力として、「自ら学び、考え、判断し、行動する力」など5つの力を挙げています。どれも大切なことだと考えます。そしてこれらは生きる力につながっていると私は考えます。  詰まるところ、私たちは、すなわち、学校も家庭も地域も教育委員会、行政も議会も、杉並区の子供たちの幸福を願い、この子たちにどのように育っていってほしいのか、どのような力を身につけてほしいのか、そのために私たちは何ができ、何を手伝えるのか、それをともに考え、時に苦悶し、行動してきたわけです。生きる力とは何なのか、どのようにして子供たちのその力を育てるのか、これまでにも私は幾度か論じ、部分的には質問をさせていただきましたが、ここで改めて、それをまとめて考え直し、問い直したいと思います。  かつて明治維新を迎えた日本は、教育制度の近代化を進め、国民に対する初等教育から中等教育、高等教育までの近代的な学校制度を確立していきました。日本は国力を高め、欧米列強の植民地になることなく発展を続けました。敗戦により荒廃した日本では、人々は大変な時代を生き抜いてきました。そのとき、生きる力は、死なずに生きること、命を保つ力であったのかもしれません。  戦後日本の復興を支えたのは、教育に支えられた国民一人一人の力でした。そのときに必要であったのは、知識や学力、優秀な成績であったのかもしれません。日本は経済発展を続け、学歴社会、受験戦争と言われた時代を経て、成熟した社会に育っていきました。今はグローバル化という国際環境の変化の中で、日本の人々がつけるべき生きる力は、また別なものに変わってきたと考えます。  1996年に文科省中教審が、「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」答申した中で、これからの子供たちに必要となるのは、生きる力をバランスよく育むことだという趣旨を述べました。そのような理念を受けて、2002年以降実施の学習指導要領では、ゆとりの中での特色ある教育によって生きる力を育むという方針となり、平成14年(2011年)以降実施の学習指導要領では、ゆとりでも詰め込みでもなく、生きる力をより一層育む方針へと変わったと理解しています。  この生きる力とは、知・徳・体のバランスのとれた力、すなわち、知、確かな学力、基礎基本を確実に身につけ、みずから課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する知力や能力であり、徳、豊かな人間性、みずからを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心などを持つことであり、体、これは体力、健康、これら3つのバランスのとれた力をつけることだと文科省は解説しています。もちろん、どれも大切な力ではありますが、私は、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動する力、これがこれからは大切であると考えています。  そこで伺います。区が考える生きる力とは何か、改めて伺います。  「みんなの学校」という映画があります。これは2006年に開校された大阪市立大空小学校で行われている日常、教育の姿を追いかけた映画で、2013年にドキュメンタリー番組として放送され、文化庁芸術祭大賞を初めとした多くの賞を受賞した後、2015年には劇場版「みんなの学校」として全国の映画館で公開され、大ヒットし、今も全国で上映会が続いているものです。  この映画については、これまでも他会派の議員から紹介されたことがあり、この議場の中にも、この映画を見たり、大空小学校初代校長である木村泰子先生の書かれた本を読んだり、木村先生御自身の講演会に参加されたりした方が多くいるのではないかと思います。  大空小学校は、児童数約220人のうち約30名が、障害やさまざまな問題を抱えている児童がいる学校で、一緒に授業を受け、生活をしているので、さぞや大変だろうと思いきや、ここには不登校もいじめもありません。「みんながつくるみんなの学校」を合い言葉に、教職員、児童、保護者、地域が一緒になって学校づくりをしている。ここから私たちが学ぶことはたくさんあります。  木村先生は、その著書や講演の中でさまざまなことを語っておられますが、やはり自分で考え、みずから学ぶ力を育てることは大切にしておられます。例えば、教室で質問をしたときに、なぜ全員が手を挙げないのか。それは、教師が自分の考える正解を答えてくれることを相手、生徒に期待した設問をしているからだと木村先生は言います。間違った答えをしたら、間違ったと切り捨てられるのでしょうか。そう思うと、子供は手を挙げられなくなるのです。自分から、自分らしく、自分の言葉で語ることを正解が妨げている。児童がどう考えたか、教師がそれを受け入れられる設問の仕方をする。もし間違ったのなら、まず間違いを受け入れて、なぜ間違えたのか、子供が自分で考えられるようにする。そのような工夫次第で子供は積極的になり、子供の力は伸びていきます。  日本のほかの小学校が皆、大空小学校のようではないと私は思います。なぜなら、学校では、みずから考え、主体的に判断する力を育てているはずなのに、それができていないというような統計やマスコミ報道が目立つからです。例えば、穴埋めはできても記述式試験が苦手というのはどういうことか。日本の学校では、子供の生きる力を育もうとしていながら、果たして育っているのだろうか。生きるために自分で工夫できるたくましさがどれほどあるだろうか。自尊感情、自己肯定感がどれほどあるだろうか。そう考えると不安が募ります。  前にも述べましたが、「教育」という言葉は、教えるの「教」の文字と、育てる、育むの「育」の文字から成っています。教育界も学校も社会でも、教育の教、すなわち正解を、あるいは正解を出す技術を教え込むことにまだ力が入り、育、すなわち何もなくても、みずから考え、学び、つくり出し、判断する力を養うことがまだまだ置いていかれているのではないか、そのように思えてなりません。  そこでお尋ねします。児童生徒は、みずから考え、学ぶ力が弱いと言われていますが、どこにその要因があると考えているのか、また教育委員会として、教員へはどのような働きかけ、研修を行っているのか伺います。  今は多様性を認め合う時代になりました。子供が育ってきた家庭の価値観もばらばら、育て方もばらばら、生活リズムもばらばら、多様化しています。学校での教育にも多様性への対応が求められています。多様化した個々の児童生徒の特性、課題や問題点を見分けられる力、教師の力量がますます求められる。ばらばらな児童生徒を見る教師は大変ですが、それをしなければなりません。  全ての子供に生きる力をつけさせる。一億総活躍の時代といいますが、それは一律に、がむしゃらに働かせるためではなく、一人一人の特性に合わせて、全ての人に、自己実現をし幸福に暮らしてもらいたいということだと私は解釈しています。言いかえれば、育てられることから取り残され、引きこもり、いずれ社会から隔離されて、陰に埋もれさせてしまうのではなく、自分らしく生きられるために、少なくともそれを可能にするだけの生きる力はつけさせたい。それは、課題や問題を抱える子供も抱えていない子供も同じです。  そこで伺います。児童生徒一人一人の持つ課題解決のために、区は教員に対してどのような研修を行い、どのような成果があるのか伺います。  児童生徒の多様化ばかりでなく、学級数の減少により校内の教員数は減り、教員1人当たりの校内作業量を増大させています。学級運営を初め、児童生徒の指導は担任教師1人で背負ってしまいがちなところもあると思いますが、これからは複数の教員や管理者を含めたチームで対応することが重要になってきていると思います。  そこで伺います。生きる力をつけるために、一人も落ちこぼすことのないように、学校ではどのような体制をしいているのか伺います。  また、チームで対応する場合に、それが有効に機能するかどうかは、そのリーダー格である管理職、特に校長の持つ認識、意識が重要だと考えます。  そこで伺います。教育委員会として、校長や副校長に対する指導はどのように行っているのか伺います。  さて、これからの教育には、学校と家庭と地域との連携が必要ですが、特に家庭の役割が重要です。以前にも述べましたが、本来、家庭は、子供が安心して生活できる居場所であり、児童虐待の場であってはなりませんが、一方で、過干渉、過保護の場であってもなりません。その弊害が大きいからです。  教育基本法の第10条では、子の教育についての第一義的責任は父母その他の保護者にあると規定していますが、さらにその内容について、生活のために必要な習慣を身につけさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発展を図るよう努めることとしています。家庭教育のあり方を誤解して、あるいは教育熱心な余り、教育を知識や技術を教えることのみと捉え、家庭において偏った教育をしてしまうことが心配です。  生きる力は、内面から湧き出てくる力、みずから考え、判断しようとする力です。知識として、暗記したり、他人から押しつけられたり教え込まれたりするものではありません。  私の埼玉県に住む友人に、児童生徒の不登校や若者のひきこもり対策に取り組んでいる人がいます。彼女は、空き店舗を借りてうどん屋を開き、ひきこもりの若者の居場所、就労の場にしたり、不登校対策として親子のカウンセリングをしたり、最近は、ひきこもりなど若者の就労支援をしてくれる事業所探し、ネットワークづくりなどをしたりしています。それを個人で、組織を持たず、資金もなく、1人で道を開きながら仲間や賛同者をふやし、日々悪戦苦闘している、その姿には頭が下がる思いです。
     その彼女の手記に、このようなものがあります。「不登校やひきこもりの方の幼児期をさかのぼってみますと、親に支配されて、いい子に育ってきた方が多いです。そして自己肯定感が育まれていないことも感じます。その保護者の方も一生懸命育ててきたのですが、子育ては学校では習いませんから、子供のためにと思ってやってきたことが裏目に出てしまうことも多々あります。幼児期は親の言うことを簡単に聞かせられますから、間違いに気づきません。その結果は思春期ごろから出てきます。そのときになって、どうしてこうなってしまったのかわからないという保護者が多いのが現状です。」  また、このようにも言っています。「日本人は親の支配が強いです。お母さんの思いどおりにならないと、いらいらしたり怒ったりしてしまいます。それは、子供に依存、すなわち支配していることですので、そこに気づかないと、本当の意味での信頼関係が築けないと思います。先ほどお母さんの自立の問題と言ったのは、そのことです。」  さて、彼女の手記にあるように、人を育てるということは、支配するということではありません。子供の持つ力を引き出し、育てることです。そのためには、子供がどのように育っていくのか、成長には年齢ごとに段階があり、その段階ごとに特性があり、変わる。その特性に理解を持ち、時には引き出し、励まし、時にはじっと我慢して、黙って見守ってあげる。子供とはそういうものだということを知ってほしいと思います。発達心理学にも通じるその観点を保護者、親にもしっかりと持っていただきたい。学校も社会もそれを親に伝えていく。一緒になって子育ちを応援していく必要がある。子供の内面と向き合い、子供がみずから考え、発信し、行動できる力を育てる、育の大切さを保護者もともに理解する必要があると考えます。  そこで伺います。子供を伸ばすためには、成長に応じた保護者の理解が必要ですが、学校では保護者に対してどのようなことを行っているのか伺います。  世の中には、商業主義に根差した子育て論も氾濫していますが、そうではなく、子供の成長の段階に根差した子供の理解、教育のあり方などを親に情報提供し、理解を促し、また支えていく、いわゆる家庭教育支援がますます必要になってくると思います。杉並区には、その促進を期待しています。  最後になりますが、新しい学習指導要領では、生きる力を育むことについて、主体的、対話的で深い学びを進めることが掲げられています。これは平成32年度から小学校で実施されますが、それに先駆けて、平成30年度から、まず幼稚園で実施されます。知識教育であるならば就学後からでも構いませんが、生きる力を育む基礎は、就学前の教育、育ちにあることを考えれば、幼稚園、そして保育園を含む就学前にこれを行うことには意義があり、就学前教育の無償化はそれを促進するものと考えます。杉並区の就学前教育の取り組みにも期待をしています。  生きる力は、幼少期の家庭から幼稚園や保育園など就学前教育の場で培い、さらに小学校、中学校、高等学校と、大人に至るまで育てていくものです。  最後に、全ての児童生徒の生きる力を育むために、今後の取り組みに対する区の決意を伺って、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○副議長(北明範議員) 理事者の答弁を求めます。  教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 井原議員の御質問にお答えいたします。  私からは、生きる力を育むための教育に関する御質問にお答えをいたします。  生きる力とは、人が社会にかかわり、主体的に生きていくために求められる全人的な資質、能力のことであり、グローバル化の進展やAIなどの技術革新等により、学び方や働き方、社会の仕組みが大きく変化をしていくことが予想されるこれからの社会を、自分らしく力強く生きていくために必要な力であると考えております。この生きる力を育む教育を進めるために、杉並区教育ビジョン2012では、子供たちに育む必要がある力について、「自ら学び、考え、判断し、行動する力」など、大きく5つにわたり明らかにしているところです。  教育委員会では、義務教育9年間を通して、次代を担う子供たちにこれらの力を着実に図るために、小中一貫教育の推進や、学校支援本部を初めとする地域と連携協働した教育活動の展開、さらには、新学習指導要領で示された主体的、対話的で深い学びの実践などを各学校が全ての教育活動にわたり実施していくよう支援をしております。  今後ともこうした杉並の教育を推進していく中で、全ての子供たちが多くの人とかかわりながら、自立して社会で生き、豊かな人生を送ることができるよう、その基盤となる生きる力を育んでまいりたいと存じます。  私からは以上です。残りの質問につきましては、担当部長より御答弁申し上げます。 ○副議長(北明範議員) 教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)登壇〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私からは、教育に関する残りの御質問にお答えいたします。  子供たちがみずから考え、学ぶ力につきましては、御指摘のとおり、全国学力・学習状況調査の結果からも、そうした力が十分に育成されているとは言いがたい実態にあることは承知しております。これは、子供たちに、何を学ぶかだけではなく、何のために学ぶか、どのように学ぶかという学びの本質がしっかりと認識されていないことに要因があるのではないかと考えております。  そのため、教育委員会では、各学校がこれまで進めてきた主体的、対話的で深い学びを、子供たち一人一人の実態等に応じながら、全ての教育活動にわたって行っていくため、具体的な授業の進め方について学ぶ教員研修や校内研修を充実させていくほか、各学校における学力調査の詳細な分析結果を提供するなどの支援を進めてございます。  こうした教育を行っていくための校内体制につきましては、各学校において、各年度の教育課程の編成及び年間指導計画の作成、子供たちの課題等に応じた個別指導計画の作成等を組織的に取り組んでおります。  教育委員会としても、校長及び副校長による校内体制づくりを支援するため、マネジメントの研修や済美教育センターによる巡回訪問等の機会を通して、必要な指導助言を行ってございます。各学校では、これらの教育活動全体を通して一人一人の児童生徒を理解し、個に応じた指導、育成を図っているところであり、保護者との個別面談を定期的に行う等の中で、保護者との必要な連携も働きかけているところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 以上で井原太一議員の一般質問を終わります。  12番山本あけみ議員。       〔12番(山本あけみ議員)登壇〕 ◆12番(山本あけみ議員) 私は、区民フォーラムみらいの一員として、区政一般について質問をいたします。  テーマは、公共施設の省エネ化について、電線地中化についてです。  最初に、公共施設の省エネ化についてお尋ねいたします。  当区は、平成24年から区立施設再編整備計画の基本的な考え方を取りまとめ、公共施設の老朽化による建てかえに着手してきました。区議会では同年、総務財政委員会の行政視察で、熊本県宇城市の施設白書・公共施設マネジメントシステムについて、翌年には、広島県福山市、兵庫県西宮市、滋賀県大津市の公共施設マネジメントについて視察を行い、積極的に情報収集に努めています。全国的に取り組みが進むものの、進捗はさまざまであり、また工程や到達目標も自治体ごとに差がありながらも、今後の少子高齢化に向けて、更新時期を次々と迎える公共施設をどのようにマネジメントしていくかは、自治体における大きな課題として、ますますクローズアップされてきていると感じています。  私は、これまで数回にわたり、公共施設マネジメントに関して質疑をしてまいりました。平成27年に中央図書館の改修、区立施設再編整備計画について、平成28年には公共施設マネジメントの総論について、翌29年には、総論を一歩踏み込み、当区の今後課題となってくるであろう跡地活用などについて質疑を行いました。  当区では、平成28年度杉並区財務書類の「はじめに」の中に、「固定資産台帳を公共施設マネジメントの基礎資料として役立てるなど、財務書類の活用を進めていきます。」と明文化され、今後は、財政運営と一体化した公共施設マネジメントに本格的に着手をしていく段階なのだろうと推察しています。  本質問は、公共施設の省エネ化について特化し、その重要性のより深い認識が深まっていくことを目的としています。  まず、区内の建物の中でも、特に公共施設の省エネ化の取り組みに関して、環境基本計画や地域エネルギービジョン、そのほかの指針においてどのような記載があるのか、お尋ねします。  公共施設マネジメントは、ここ数年において、全国的に取り組みに着手をした段階であり、言葉の定義がまだ定まらず、これからは広義に発展し、また狭義に進化していくものだと考えています。今後は、跡地活用と同様に、公共施設マネジメントの大きな柱の中に省エネ建築物をつくっていくことが盛り込まれていくと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  公共施設の省エネ化といえば、これまで当区でも取り組んできたエコスクールのように、単に断熱性能を上げて省エネ機器をつけるといったことにとどまらず、建物全体で省エネ性能を兼ね備えた建築物をつくっていこうという動きが自治体に広がりつつあると考えます。区では、エコスクールの実施から見えてきた成功事例や反省点などを庁内で共有し、教育施設にとどまらず、公共施設全てに展開していく必要があると考えますが、いかがか、見解をお尋ねします。  省エネ建築を目指す場合には、改修と改築を分けて考える必要があると考えます。改修の例を挙げますと、中央図書館があります。私は、この改修を公共施設マネジメントのモデルケースとして捉え、改修前から改修後へと変化をしていく一つ一つの段階を意識しながら取り組み、進めていくよう提言をしてまいりました。これは省エネ性能の向上に関しても同様であると考えています。  当区は、来年度実施設計が予定されている中央図書館改修に当たり、省エネ化を図るとしています。改修であり、手法は限られるとは思いますが、これは好事例であり、省エネに関し、改修前後の効果の実測をした上で改修後の検証を行うことを要望しますが、当区の見解はいかがでしょうか。  今後、長寿命化を目指し、多くなってくると思われる改修においては、常に費用対効果を検証し、省エネ性能向上にとどまらず、次に生かしていくことが重要であると考え、取り組みを要望いたします。  改築に関して、公共建築物の省エネ化は、国においても大きな課題として取り組みが進んでいます。国の地球温暖化対策計画における建築物にかかわる項目として、建築物の省エネ化、省エネ性能の高い設備・機器の導入促進、徹底したエネルギー管理、公的機関の取り組みなどが挙げられています。また、国土交通省が策定した官庁施設の環境保全性基準では、官庁施設の整備に当たり、単に断熱性の向上や省エネ機器の導入にとどまらず、建物全体にあらゆる工夫をして省エネ性能を上げていこうという意図が読み取れると思いますが、区はこういった動きを把握しているのでしょうか。また、どのような対応を行っているのか、お伺いをします。  政府は、2014年の閣議決定で、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)という、省エネと創エネ、つまり、つくるエネルギーでエネルギー消費量の100%以上を削減した建物の実現を目指しています。ゼロエネルギービルは夢の話ではなく、今や民間の建築物において実証実験が進んでおり、達成の可能性が見えてきているものです。  この議場を含めて、現在の杉並区役所本庁舎内全ての空間は、人工的な空調と照明を一日中使用し、年間を通してエネルギーをふんだんに使う設計となっています。もしこの建物がゼロエネルギービルだったら、その後の財政に与える好影響は大きいでしょう。改築に当たっては、技術の革新、費用対効果などを勘案し、最大限効果が上がる方法をぜひ検討していただきたいと考えています。  ゼロエネルギーとまではいかなくても、自然換気を利用し、1年を通して一定である地中の温度を建物に循環させる工夫、また、夏の強い日差しが直接建物内に入ることを防ぐためのひさしや、太陽光を利用したきめの細かい照明制御などを盛り込むことが重要であり、公共施設の改築時には、土地等の与条件と合わせた綿密な検討が必要となってくるでしょう。  極端な事例であり、想定の範囲を超えないものではありますが、例えば、二、三十年後に予定されているであろう高井戸地域区民センターを、隣接する清掃工場と改築時期を合わせて1つの施設として設計をし、清掃工場から出る熱エネルギーを全て捨てることなく利用するなどでゼロエネルギー施設を目指すことも、これからの技術の進展を鑑みれば可能なのではと考えます。しかしながら、実現のためには、組織横断型の綿密な計画が必要であり、構想から完成までは、長期にわたる展望のもと、議論の積み上げが必要になると考えます。  これはほんの一例ですが、当区におかれましては、大胆な発想での省エネ化にも着手をしていってほしいと考えています。  技術の革新を待たずして、公共施設の老朽化による更新は待ったなしに進んでいきます。地球環境を考える上で、また財政運営の視点においても、今後の改築時の設計においては、建て方の工夫を最大限盛り込み、一歩も二歩も進んだ省エネ設計の検討が進んでいくことを強く要望いたします。  ここで、大変参考になる事例として、さいたま市環境配慮型公共施設整備指針を御紹介いたします。この中では、基本的なデータとして、市内の公共施設の延べ床面積や電力使用量等から施設の特徴を整理しています。各施設の特徴を概観すると、例えば延べ床面積、築年数が同じくらいの公民館でも、電力使用量が2倍となっている施設もあるなど、建物ごとにばらつきが大きいという結果が出ています。また、5つの施設に対して詳細な省エネ診断を実施し、改修後のLED化などの省エネ対策ごとの削減効果を予測した上で費用対効果を試算しています。  改修であっても改築であっても、建物の現状を知ることは、今後の省エネ建築物をつくっていくためには重要と考えます。当区におかれましても同様の取り組みを求めるところです。  この指針においては、さきにも述べたような自然エネルギーの最大利用と消費エネルギーの最小化を意図した省エネ型の建築設計を1つの項目として取り上げ、取り組みを進めています。さいたま市が当整備指針を作成して、環境に配慮した公共施設の整備に取り組んでいるように、当区でも率先した行動を要望しますが、見解はいかがか、お尋ねします。  公共施設が次々と更新時期を迎える今後において、省エネ性能の高い建築物をつくっていくことは必須になっていくと考えますが、実現のためには、高い設計力が必要です。常に最先端の技術や情報に接し、より質の高い建築物をつくり出そうと切磋琢磨を続ける中で得られる高い設計力を見抜く力が行政にも必要になると考えています。  区立施設の設計者選定においては、積極的にプロポーザル方式を採用し、省エネ建築物の最新の技術を取り入れることが必要と考えますが、当区の見解はいかがでしょうか。  最後に、今後広がりを見せると考えられる公共施設マネジメントの考えのもと、環境基本計画や区立施設再編整備計画に省エネ建築物をつくるための取り組みを明文化し、公共建築を積極的に省エネ建築につくり変えていくという環境配慮型公共施設の整備を、先行自治体の取り組みを参考としながら、その意義を区民にも示しつつ、全庁的に推進すべきと考えますが、当区の見解はいかがでしょうか。  今や公共施設マネジメントに対する関心は自治体のみにとどまらず、民間や研究機関などにも広がってきていると感じています。今後は、民間の技術力や提案力、動きなどを把握しながら、公共施設マネジメントを大胆に考えていくことも必要になってくると思い、省エネ建築物を目指すとともに、当区のさらなる取り組みを要望いたしまして、次の質問に移ります。  次に、電線地中化についてお尋ねします。  区では。昨年11月に杉並区無電柱化推進方針を策定いたしました。これまで推進の立場で質疑を重ねてきましたが、改めて、当区が電線の地中化を含めた無電柱化推進の方針を前向きに打ち出したことを大変評価しています。生活道路の電線の地中化を進めるためには、無電柱化の推進は欠かせないと考えます。  平成26年第4回定例会の一般質問では、東京都の取り組みを御紹介しました。都は、オリンピック・パラリンピック開催に向けて、センター・コア・エリアという、山手通りと荒川で囲まれた地域の主要道路や幹線道路、駅の周り、オリンピック・パラリンピック関連施設周辺、文化財、庭園や歴史的な施設を鑑賞する上で重要な眺望を保全する必要がある地域の無電柱化を推進しており、平成24年度末現在で、このセンター・コア・エリアの約80%の整備が終わっています。  一方で、当区のように、センター・コア・エリアに含まれていない住宅街の整備は取り残されていくのではないか。オリンピック・パラリンピック終了後には、都内においては、はるかに整備が進む地域と、取り残されたように電柱が残り続ける地域との差が広がり、追いつけないことになってしまうのではないかという危惧を、さきの一般質問において訴えました。  そこで質問をいたします。まず、平成26年当時は、区道上の電柱、電話柱を合わせて約3万3,000本が設置されていると答弁がありましたが、現在は合計何本で、増減があるかなど、現状を把握しているのか、お伺いします。  さきの質問では、無電柱化の効果を、災害に強いまちづくりや、まちのブランド力を高める、また、景観に配慮したまちづくりにより、質の高い住宅都市をつくる上でも必要性の高い事業であると認識していると答弁がありました。改めて、杉並区の無電柱化の取り組みの現状と方向性をお伺いします。  また、今回当区が取りまとめた杉並区無電柱化推進方針は、どういった経緯で策定されたのか、理由及び策定により見えてきた課題をお伺いします。  本方針の中では、整備効果の高い路線の選定が行われています。選定要件として、防災、交通安全、景観が挙げられていますが、数多くある道路のうち、どの路線を選んでいくのかは、区民生活にとって大変重要な項目だと考えています。区民の納得が得られるよう、公平公正、公益性の視点に立って決めていく必要があると考えますし、私も一区民として大変注目をしています。また、私のみならず、電線の地中化を望む区民の声は、より一層広まっていると考えます。  今回、選定要件を決めるに当たって、庁内での議論はどのようなものだったのか、また区民意見聴取は行ったのか、他自治体の事例などを参考にしたものはあるのか、お伺いをします。  今後、より詳細に検討を進めていくために、路線選定に当たっては、例えば道路幅、車両や歩行者の通行量、通学路に指定をされているか、また災害時や景観に与える影響など、選定要件ごとに点数制にするなど、誰でもが納得できる選定方法を模索すべきと考えますが、いかがでしょうか。  今後は、東京都が積極的に進めるセンター・コア・エリアがほぼ100%の整備率になっていくであろうと考えます。当区のより積極的な取り組みを求める上でも、現時点でのこれまでの都の取り組み状況と、センター・コア・エリアとそのほかの地域の整備率の推移を、確認のためにお伺いいたします。  私の平成26年第4回定例会の一般質問以降、大きな動きがございました。国においては無電柱化に関する法案が通り、東京都でも条例が施行されるなど、無電柱化の取り組みが進められています。さきの質問に対する答弁では、国には、無電柱化を積極的に進める立場に立ち、電力会社の責務を明確にするとともに、自治体の負担軽減に向けた補助制度の抜本的な拡充などを行っていただきたいとありましたが、その方向性は出てきたのか、お伺いをします。  当区におかれましては、このたびの杉並区無電柱化推進方針で、整備効果の高い路線への取り組みを進め、その成果を区民とともに共有し、あわせて、杉並区から見える空を覆っている電線をなくすための、今後より一層の積極的な取り組みを要望いたします。  また、本推進方針では、電柱地中化に必要な最低道路幅員を6メートル以上としているため、6メートル未満の道路に関しては非該当とし、整備に関しては、今後、可能性の検討とのみ表記されています。道路幅員を、現状の技術レベルを踏まえた工事上の可否でのみ捉えず、困っている順という捉え方をすれば、6メートル以下だからこそ、無電柱化が望まれる路線もあるとも言えると考えます。  今回の方針によると、大変残念ながら、私の地元である久我山駅南口の岩通通りも非該当となっています。久我山駅前には多数の電線が密集しており、ますますふえていく傾向にあります。目の不自由なお子さんの通学路であり、病院の利用者も通る岩通通りは、幅6メートル以下でありながら、車両は相互通行であり、その間を縫うように歩行者と自転車が通っている現状の危険性に加えて、来年度には放射第5号線が開通し、通過交通車両の流入が危惧されています。区には、今後こういった地域事情をきめ細かく酌みながら、技術革新を注視し、道路幅6メートル以下の路線であっても対策を考え、全区的に公平公正、公益性を持って整備を進めていっていただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。 ○副議長(北明範議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、山本あけみ議員の御質問のうち、無電柱化の取り組みについての御質問にお答えを申し上げます。  平成26年の一般質問で御答弁申し上げましたとおり、道路上の電柱をなくすことは、災害の防止や安全、円滑な交通確保の観点から大変重要な事業と考えています。残念ながら、現在、区道の無電柱化率は約1%、都内の区市町村道の約2%と比較してもおくれているのが現状でございます。  これまで都市計画道路など、歩道が設置されている道路の無電柱化を進めてまいりましたが、区道の多くは歩道が設置されていない生活道路でありまして、狭隘道路でどのように整備していくのかが課題となっていました。そのため、生活道路での無電柱化推進を目的に、昨年11月、杉並区無電柱化推進方針を策定したところでございます。今後はこの方針に基づき、計画的に無電柱化整備を進めてまいります。  また、無電柱化整備における自治体への負担軽減についてでございますが、以前より特別区長会等を通じて、国へ負担軽減策の要望を提出してまいりました。現時点では抜本的な対策は示されておりませんが、国においても、歩道のない道路での無電柱化をさらに進めやすくするため、基準を新たに定めるとの報道もあり、その動向を注視してまいります。  なお、東京都では平成29年度より無電柱化チャレンジ支援事業が施行され、時限的ではありますが、区への負担軽減が図られております。今後この補助制度等を活用して整備を進めてまいります。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○副議長(北明範議員) 環境部長。       〔環境部長(北風 進)登壇〕 ◎環境部長(北風進) 私からは、公共施設の省エネ化に関する御質問のうち、計画等の記載内容につきましてお答えいたします。  杉並区のエネルギー消費量を部門別に見ますと、家庭部門と業務部門で約7割を占めてございます。このため、1事業所として、区役所におきましてもエネルギー消費量の削減を図るため、区立施設の省エネ化を積極的に推進しているところでございます。  今般策定中のエネルギービジョンを包含しました環境基本計画におきましては、区立施設への太陽光発電機器の設置等による再生可能エネルギーの利用拡大を図ることとしているほか、区役所における省エネ対策として、環境・省エネ対策実施プランに基づき、省エネ技術や省エネ型設備機器類の導入について検討を行うこととしてございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 施設再編・整備担当部長。       〔施設再編・整備担当部長(大塚敏之)登壇〕 ◎施設再編・整備担当部長(大塚敏之) 私からは、公共施設マネジメントにおける省エネ建築物と計画上の位置づけについて、お尋ねにお答えします。  公共施設マネジメントという言葉の定義は、御指摘のとおり、今のところ明確に定まっておりませんが、広義には、公共施設を自治体の経営資源と捉え、効率的、効果的な施設の整備や維持管理、また運営を行うことであると認識しております。  公共施設の改築工事や大規模改修工事に当たっては、エネルギーの使用の合理化等に関する法律に基づき、設備機器に加えて、建物の性能も含めた総合的な評価により省エネ基準を満たすように設計することが一般的であると存じます。よって、省エネ建築物をつくることは、ランニングコストを削減するという意味においては、公共施設マネジメントの1つの要素になると考えておりますが、実施に当たっては、イニシャルコストなども踏まえて、総合的に判断する必要があるものと存じます。  区立施設再編整備計画等への取り組みの明文化についてのお尋ねがございましたが、方針を策定することを含め、内容や計画上の位置づけなどについて今後研究してまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 私からは、施設の省エネ化等に関する一連の御質問にお答えをいたします。  まず、エコスクールの取り組みの公共施設への展開に関する御質問にお答えいたします。  区のエコスクール事業は、施設づくり、学校運営、環境教育を3つの柱として、総合的に環境配慮が行われる学校を目指したものでございます。このうち、施設づくりとして実施した躯体や窓の断熱、LED照明や太陽光発電の設置、屋上緑化などによって環境負荷の低減を図ってまいりましたが、一方で、クールヒートトレンチやナイトパージなどの設備の設置や維持には多額の費用を要したほか、適切な運用を継続するために、現場に負担がかかる状況が一部に見られました。こうしたことから、現在の学校の改築では、省エネ設備の設置や維持管理に過度の負担がかからないよう、採用するメニューを選択し、省エネ対策を行っております。  御指摘の一般区立施設への導入につきましても、エコスクールの取り組みを踏まえ、コストや効果のバランスを考慮した上で、施設ごとに適切な対策の実施に努めてまいります。  次に、中央図書館改修に当たっての省エネ化の検証に関する御質問にお答えをいたします。
     中央図書館の大規模改修工事の実施に当たっては、中央図書館改修基本計画において、採用可能な省エネ対策を適切に講ずることとしておりますので、御指摘にありましたように、現状のエネルギー消費量の基礎的データと改修後のデータとの比較によって効果検証を行ってまいります。  次に、国の環境や省エネ対策に関する基準や他自治体の環境配慮型の施設づくりに関する一連の御質問にお答えをいたします。  環境省所管の地球温暖化対策計画は、地球温暖化対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、地球温暖化対策推進法に基づいて策定する総合計画であり、建築物に関する取り組みについても挙げられていることは承知しております。  また、官庁施設の環境保全性基準は、国土交通省が所管の官庁施設に求められる環境保全の水準等を定め、環境負荷の低減等に配慮した施設の整備を推進するものであり、区は直接この基準の適用対象にはなっておりませんが、少なからず同様の省エネ対策を実施してございます。  また、御紹介いただきました他自治体の環境配慮型公共施設整備指針につきましては、関係課で情報を共有し、省エネ化や環境配慮型の施設づくりの参考としながら、コストと効果のバランスなどを考慮した上で、施設ごとに適切な対策の実施に努めてまいります。  私からの最後に、区立施設の設計者選定におけるプロポーザル方式の採用と省エネ建築物に関する御質問にお答えいたします。  施設の設計者選定において、プロポーザル方式は、高い技術力や創造性、実績などを求められる施設に適しており、区でも幾つかの特徴ある施設で採用しております。したがいまして、最新の省エネ技術を取り入れた高い環境配慮型の施設づくりが求められる場合などにおいては、プロポーザル方式の採用も視野に入れながら設計者の選定を行ってまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(吉野 稔)登壇〕 ◎土木担当部長(吉野稔) 私からは、電線地中化についての残りの御質問にお答えします。  まず、区道上の電柱及び街路灯についての御質問にお答えします。  平成29年4月1日現在における区道上に設置されている電柱は、東電柱1万7,948本、NTT柱1万4,576本の計3万2,524本です。また、区が管理する街路灯6,553本と合わせますと、合計3万9,077本となります。平成25年4月1日現在と比較して、電柱が217本減少、街路灯が205本減少しており、全体で422本の減となっております。  次に、杉並区無電柱化推進方針についてですが、平成28年12月の無電柱化の推進に関する法律や平成29年9月の東京都無電柱化推進条例の施行など、国や東京都では無電柱化を推進する取り組みが進められてまいりました。このような背景を踏まえ、区においても無電柱化を計画的に進めるため、杉並区無電柱化推進方針を策定いたしました。  本方針では道路幅員6メートル以上の区道を対象としましたが、より狭隘な道路で無電柱化をどのように進めていくかという課題があり、今後、国や都のさらなる技術検討の結果や他自治体の事例などを参考に検討していきたいと考えております。  次に、整備効果の高い路線の選定に関する御質問にお答えします。  整備効果の高い路線を選定するに当たり、防災、交通安全、景観の3つの視点により、7つの選定要件を設定いたしました。選定要件については、庁内で議論を重ね、特に防災面を重要視して設定いたしました。路線設定については、選定要件がより多く該当する路線を抽出しております。  また、区独自で作成した推進方針案については、パブリックコメントを実施し、選定要件を含む方針内容について区民意見をいただき、本方針を策定いたしました。  私から最後に、都の無電柱化の整備状況についてですが、都では、昭和61年度から現在まで7期にわたり、電線類地中化計画及び無電柱化推進計画に基づき整備が進められてまいりました。都道における無電柱化の推移は、平成2年度末で276キロメートル、10年度末で444キロメートル、20年度末で626キロメートル、25年度末では819キロメートルが整備済みとなってございます。  平成25年度末の都道の整備率は、区部で51%、多摩地域で15%となっており、都全体では35%となってございます。そのうち、首都高速中央環状線の内側に当たるセンター・コア・エリアの整備率は85%となってございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 以上で山本あけみ議員の一般質問を終わります。  以上で日程第1を終了いたします。  議事日程第3号は全て終了いたしました。  議事日程第4号につきましては、明日午前10時から一般質問を行います。  本日はこれにて散会いたします。                                午後2時29分散会...