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平成30年  9月 決算特別委員会-10月16日-08号

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  1. 世田谷区議会 2018-10-16
    平成30年  9月 決算特別委員会-10月16日-08号


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    平成30年  9月 決算特別委員会-10月16日-08号平成30年 9月 決算特別委員会 平成三十年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第八号 日 時  平成三十年十月十六日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十七名)    委員長       河野俊弘    副委員長      高久則男    副委員長      桜井 稔              安部ひろゆき              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              上山なおのり              菅沼つとむ              畠山晋一              真鍋よしゆき              山口ひろひさ              山内 彰
                 ゆさ吉宏              和田ひでとし              板井 斎              岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高橋昭彦              津上仁志              平塚敬二              諸星養一              風間ゆたか              中塚さちよ              中村公太朗              羽田圭二              藤井まな              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              村田義則              大庭正明              そのべせいや              田中優子              桃野よしふみ              阿久津 皇              小泉たま子              佐藤美樹              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              すがややすこ              ひうち優子              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 下村義和  出席説明員   区長             保坂展人   副区長            宮崎健二   副区長            岡田 篤   世田谷総合支所 総合支所長  平澤道男           保健福祉センター所長                  皆川健一   北沢総合支所  総合支所長  髙木加津子           保健福祉センター所長                  木本義彦   玉川総合支所  総合支所長  岩元浩一           保健福祉センター所長                  山田 実   砧総合支所   総合支所長  澤谷 昇           保健福祉センター所長                  若林一夫   烏山総合支所  総合支所長  西澤 滋           保健福祉センター所長                  清水昭夫   政策経営部   部長     岩本 康           財政制度担当参事                  松永 仁   総務部     部長     中村哲也           総務課長   菅井英樹   庁舎整備担当部 部長(施設営繕担当部長兼務)                  松村浩之   危機管理室   室長     工藤 誠   財務部     部長     進藤達夫   施設営繕担当部 部長     松村浩之   生活文化部   部長     田中文子   地域行政部   部長     志賀毅一   スポーツ推進部 部長     内田政夫   環境政策部   部長     畝目晴彦   経済産業部   部長     久末佳枝   清掃・リサイクル部           部長     原田茂実   保健福祉部   部長     板谷雅光   障害福祉担当部 部長     松本公平   梅ヶ丘拠点整備担当部           部長(保健福祉部長兼務)                  板谷雅光   高齢福祉部   部長     瓜生律子   子ども・若者部 部長     澁田景子   保育担当部   部長     知久孝之   世田谷保健所  所長     辻 佳織   都市整備政策部 部長     渡辺正男   防災街づくり担当部           部長     関根義和   みどり33推進担当部           部長     笠原 聡   道路・交通政策部           部長     小山英俊   土木部     部長     五十嵐慎一           豪雨対策推進担当参事                  桐山孝義   会計室     会計管理者  菊池弘明   教育長            堀 恵子   教育委員会事務局           教育次長   淺野 康   教育政策部   部長     工藤郁淳   生涯学習部   部長     花房千里   選挙管理委員会事務局           局長     鈴木孝之   監査事務局   局長     山本茂孝     ────────────────────
    本日の会議に付した事件  認定第一号 平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成二十九年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成二十九年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成二十九年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成二十九年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定 (補充質疑、採決)     ────────────────────     午前十時開議 ○河野俊弘 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 本日は、これまで審査をしてまいりました平成二十九年度決算五件の補充質疑を行います。  なお、本日、遅参の届け出がありますので、御報告いたします。  遅参者は畠山委員、以上であります。  それでは、質疑に入ります。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 おはようございます。それでは、平成三十年決算特別委員会の補充質疑を始めたいと思います。  持続可能な社会の実現について質問します。  二〇三〇年に向け、世界が合意した持続可能な開発目標、サステーナブル・ディベロップメント・グローバル・ゴールズ――SDGsについては、昨年度、二十九年三月の一般質問や予算特別委員会などでも取り上げました。携帯電話などに使われるレアメタルにおける紛争鉱物問題と深く関係をする二〇二〇東京オリンピックパラリンピックメダルを都市鉱山でつくるよう取り組むこと、また、大量消費と大量生産が引き起こす環境破壊、生物多様性の喪失、児童労働などの問題は、それぞれが深いところでつながり、引き起こされていることなどを指摘し、グローバル社会における子どもたちは、経済、社会、環境などを総合的に捉え、考え、行動できるSDGsの概念を学ぶ機会を設けることなどを求めてきました。  とりわけ環境分野に関しては、ことしの三月、世田谷区地球温暖化対策地域推進計画を策定し、SDGsの十七のゴールの関係性を具体的に示し、環境、社会、経済の向上を目指すとしています。そこで、どのように環境政策に反映していくのか伺います。 ◎畝目 環境政策部長 SDGsの十七のゴールは多分野に及んでございまして、環境分野に関しましては、持続可能なエネルギーや気候変動対策などがございます。SDGsは、全ての国や企業、個人があらゆる垣根を超え、協力して、世界が抱えている問題を解決し、持続可能な社会をつくることを狙いとしてございます。  本年策定しました世田谷区地球温暖化対策地域推進計画では、区民や事業者の取り組みとSDGsの各ゴールの関連を具体的に示しまして、その取り組みがSDGsの達成につながり、よりよい環境の創出や、経済、社会の向上を目指すこととしてございます。  本年七月に開催いたしました環境エネルギー・ラボ二〇一八inせたがやでは、教育関係者向けの子ども環境教育フォーラムを開催いたしまして、SDGsを活用した環境教育の手法を紹介し、世田谷区、川崎市を中心に、多くの教職員の御参加をいただきました。このほかにも、みうら太陽光発電所での自然エネルギーの創出や、省エネの意識向上を図る省エネポイントアクション、未来を担う子どもたちの環境意識の醸成を図る親子環境学習会環境ポスターコンクールなど、環境分野からSDGsのゴール達成を図るためのさまざまな環境施策に取り組んでございます。  区といたしましては、今後、さまざまな環境施策とSDGsとの関連づけや、環境基本計画の改定におけますSDGsの考え方の反映などについて検討を進めまして、効果的に活用し、環境施策の展開に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆田中みち子 委員 今後、さまざまな環境施策とSDGsとの関連づけを行うということですけれども、スポーツ界でも、環境や人権に配慮した考え方が広まって、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックは、SDGsに沿った大会運営を目指すということです。例えば十七の目標に沿って、会場などの全電力を再生可能エネルギーにする、食品ロスを減らすといった具体的な目標を示しています。  そこで質問ですが、二年後に馬術競技を行う世田谷区でも、このSDGsに沿った持続可能な大会運営になるということでよろしいのか、確認をさせてください。 ◎内田 スポーツ推進部長 馬術の競技を含めまして、オリンピック・パラリンピック競技を運営する主体は大会組織委員会となります。今般、大会組織委員会が持続可能性に配慮した運営計画第二版を策定し、この中に、お話しのSDGsも含まれております。  この計画には、気候変動、資源管理、大気・水・緑・生物多様性等、そして、人権・労働、参加・協働、情報発信の五つの主要テーマごとに、例えばでございますけれども、調達物品の九九%の再使用、再利用、暑さ対策、そして、お話にもございました「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」の推進などの主な取り組みが示されております。  区といたしましては、このたび取りまとめました東京二〇二〇大会気運醸成一年前サブイベント案の二十六事業等につきまして、持続可能性に配慮した運営計画に示されました基本的な考え方を踏まえまして、施策展開などにつなげることができるよう、庁内で適切に情報共有をしてまいります。 ◆田中みち子 委員 今の御答弁で、庁内での情報共有をしていくということで、実際の施策展開を行うのは、それぞれの所管ということでした。そういったことであれば、大会気運醸成一年前サブイベントということで、二十六事業が出てきましたけれども、この内容なんかを見ましても、持続可能性に配慮した関係性が示されているなどの工夫が見られずに、ちょっと内容がわかりません。それぞれの所管に聞きたいところですけれども、時間もございますので、ここは保坂区長にどのような感じで進めるのか答弁いただきたいと思います。 ◎保坂 区長 今、所管部長が答えたように、組織委員会のほうでつくられました持続可能性に配慮した運営計画第二版に改めて目を通しますと、コンセプトには、日本、東京が直面している気候変動、天然資源の枯渇の問題、生物多様性の喪失の危機、また、差別や人権問題など、すぐれて現代的な課題が挙げられて、その課題意識は共有するところであります。  そして、五つのテーマの中にも、資源を無駄にしない、人権・労働、公正な事業慣行、参加と協働、情報発信等が書いてありまして、これは二〇二〇大会に向けた計画でありますけれども、世田谷区政運営の大きな見通しの中で、既に取り組んでいる事柄もありますし、また、これからやっていこうという問題意識と相当部分重なっております。今、二十六の事業について関連性がというお話がありましたけれども、さらにSDGsや運営計画ともリンクした、特に子どもたちの世代に新しい地球意識を持って、時代意識を持ってもらうような取り組みに力を入れてまいりたいというふうに思います。 ◆田中みち子 委員 既に取り組んでいることもあれば、ジェンダー、平等みたいなものというのは、まだまだ進んでいないとも感じていますし、ここの所管でも余り女性がいらっしゃらないということで、しっかり取り組みを進めていただきたいと思うんですけれども、今回、質問するに当たって、関係所管といろいろ話をしていましたけれども、やっぱりまだこのSDGsについての基本理解というのが進んでいないなと思いました。  それで、先ほどお話ししていた地球温暖化対策地域推進計画は、よくできているなと思っていて、中を見ますと、SDGsのゴールがしっかり示されていて、おなじみのマークだと思います。そして、さらにそれぞれ施策を進めるに当たっては、関係するSDGsはこんなことですよというところまで落とし込んで、しっかり示されていて、こんな工夫ができていて、いいなと思います。やっぱりこういったところも、今後、二十六の事業に関係性がわかるように落とし込んでいくということがすごく重要なんじゃないかなと思いますので、研修なども含めて、しっかりとやっていただきたいなと思います。  そして、先月の一般質問でも、気候変動の対策、プラスチックごみの海洋汚染の問題を取り上げて、まずは庁舎内の会議において、ペットボトルを使っていますけれども、この配付を一切やめることなどを求めました。  この間、国では、レジ袋の有料化を小売店などに義務づけるほか、使い捨てプラスチックの排出抑制の数値目標を設ける方針を固めたといった報道がありました。こうした動きを踏まえて、プラスチックごみの発生抑制に向けた今後の取り組みについて伺います。 ◎原田 清掃・リサイクル部長 東京都は、レジ袋削減キャンペーンの実施など、無償配布ゼロに向けた取り組みの推進を掲げて取り組んでいることは承知しております。また、環境省も、レジ袋の有料化を義務づける方向で検討を始めるという報道も先週ございました。  今年度の家庭ごみの組成分析調査では、可燃ごみの中に含まれているプラスチック類は一八・六%で、そのうち、お話しのレジ袋は二・二%、推計では約三千五百トンとなります。スーパーでのレジ袋の辞退率は約五三%、コンビニエンスストアでは約二三%との調査結果が出ていることから、レジ袋削減の余地はまだまだ大きいものと考えます。  区では、世田谷区一般廃棄物処理基本計画で、埋立処分場の延命化のためにも、区民一人一日当たりのごみ排出量を減らす目標を掲げ、ごみ減量に取り組んでいるところでございます。そのためには、プラスチックの使用を削減することも大切と考えますが、一方で、多くの区民の方がレジ袋をごみ袋として再使用して活用している状況もございます。これらの実態や、今後の国や都の動きを注視しながら、プラスチックごみの減量に向けて、区民や関連団体の御意見も踏まえ、関係所管と連携して、効果的な手法について検討してまいります。 ◆田中みち子 委員 関係所管と連携して、効果的な手法を検討するということですけれども、私たちは、効果的な手法ということでは、プラスチックごみについては、容リ法に基づいて、分別回収を行うということを長らく求めてきています。これについて見解を求めたいと思います。 ◎原田 清掃・リサイクル部長 区では、プラスチック資源として、ペットボトルを集積所で回収するほか、一部の公共施設で拠点回収として、白色発泡トレーや透明プラスチックトレーなどを回収し、再商品化事業者に引き渡し、プラスチック原料としてリサイクルをしています。それ以外のプラスチック類は可燃ごみとして収集し、清掃工場で焼却して、熱エネルギーに変換するサーマルリサイクルをしております。また、拡大生産者責任の観点から、販売事業者による自主回収の促進を図ってまいりました。その結果、区内のスーパーマーケットや小売店では、トレーやペットボトルの自主回収を行っている店舗が多数ございます。  各種リサイクルの手法を選択する際には、新たな資源の投入が抑えられるか、環境への負荷が抑えられるかを慎重に見きわめる必要があり、最も社会的コストが低い手法を選択することが大切だと考えます。御質問の全ての品目でのプラスチックの分別回収につきましては、現在、区内に中間処理施設がなく、遠くの中間処理施設に区内の多数の集積所からプラスチックを運搬することで発生する化石燃料の消費や、CO2発生などの新たな環境負荷、運搬体制の構築、人件費などのコストも踏まえて、今後、効果的、効率的な分別の方法について、他自治体の手法も踏まえ、研究してまいります。 ◆田中みち子 委員 今、答弁にあったサーマルリサイクルについては、やっぱりこういった考え方があると、インセンティブが働かないのかなということをちょっと危惧している一人です。あと、埋立処分場の問題などもあるんですけれども、やっぱりこういったことを解決する上でも、まず私たちがごみを出さない、そして、環境負荷が少ない生活を送るということが重要な取り組みの一つとして考えています。  そうした中では、消費行動を変えていくための意識啓発ということが必要だと思います。社会や環境、経済を持続可能なものとして、未来に希望を持てるよう、消費行動で示す倫理的消費、いわゆるエシカル消費という概念があります。人や社会、環境、地域に配慮した消費行動で社会貢献の一翼を担う、特に若い方や女性の起業家も多いエシカル消費について、まず区の認識を伺います。 ◎久末 経済産業部長 エシカル消費の推進は、地球温暖化や貧困、大規模災害の発生、地域経済の活性化等の社会的課題について消費者が理解を深め、消費という行動を通して、自発的に取り組むということであり、この行動がSDGsの目標達成にも寄与すると考えられます。例えば環境に優しい消費として、エコマークつきの商品や有機農産物の購入、人、社会に優しい消費として、障害がある方が携わった商品やフェアトレード商品の購入、地球に優しい消費として、地元農産物を購入する地産地消や、地元の商店で買い物をする、被災地域の商品の購入などが挙げられます。  これまで商品選択の基準であった安心安全、品質、価格だけではなく、エシカルの視点を基準に加え、物の過去、現在、未来を考えて消費をすることが持続可能な社会の実現につながっていくもので、区民の方々に知っていただくことが重要と考えております。 ◆田中みち子 委員 製品の背景を考えて消費するということは、SDGsのゴール十二、持続可能な生産・消費としても掲げられています。人や社会、環境、地域に配慮した対策がなされた製品であるか、紛争鉱物や人権問題につながっていないか、児童労働など労働搾取を助長していないか、環境汚染や貧困の要因になっていないかなど、まず私たちが考えてみる、そして、購入したり、使用したりするかどうか判断する、こうした概念を、子ども、若者、お年寄りまで、区民一人一人に浸透させるために、エシカル消費というのを周知啓発する必要があると考えます。見解を伺います。 ◎久末 経済産業部長 区民一人一人がエシカル消費を知り、さらに、エシカル消費を実施することが、社会と未来を持続可能な方向に動かす一助となることから、周知啓発への取り組みが重要と考えております。  今年度は、子どもたちにエシカルな消費活動について知ってもらうことを目的に、夏休み親子教室において、SDGs、フェアトレードをテーマとした講座を開き、参加した区民の方から大変に好評をいただきました。また、学校における消費者教育の中で、子どもたちにエシカル消費を伝えていくことを目標に、教育委員会と連携し、区立小中学校の教員を対象とした研修において、エシカル消費をテーマに実施したところ、その重要性に大きな興味と関心が寄せられました。さらに、一般の区民の方々を対象に、外部の専門講師を招き、公開講座の実施も予定しております。  今後は、一層、事業者や有識者、区内で普及活動に取り組んでいる方々との連携を深め、理解促進を図ってまいります。 ◆田中みち子 委員 ぜひSDGsの概念をさまざまな問題の解決の手法として……。 ○河野俊弘 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは質問してまいりますが、補充質疑ということで、きょうは区長がいらっしゃいますので、区長に二点、まず伺いたいと思います。  まず一点目は、保育で、特に認可保育園は待機児童数が減って、今、五百人ぐらいの待機児童数ということで、区長もその成果を強調しておりますけれども、認可保育園事業者の方から窮状をお伺いいたしました。それは、保育士が大変足りない、保育士を確保するに当たっては、人材派遣会社にお願いをしながら、何とか補充しているけれども、人材派遣会社にお願いをする年間の経費が約一千万円近い、保育事業そのものを継続するのがなかなか大変な状況であるということです。区としても、この状況というのは把握をしているわけですから、例えば各園に人材の確保をそれぞれお願いするというのではなくて、世田谷区が保育士を一括して確保していくというふうなことも、人材バンク的な発想というのも区としてできるんじゃないかと私は思うんですが、この点を伺いたいということ。  それともう一点が、千葉市がパートナーシップ制度の中で、同一の性の方だけではなくて、異性の方で実際に法律婚ができない、さまざまな事情がある方のパートナーシップを認めていこうというような見解を打ち出しております。内容に関しては、法律的な規定があって、実際の法律婚と余り変わりがないような補完的な措置がいろいろされておりますけれども、ただ、内縁に当たらない、要件を満たさない方がたくさんいらっしゃるというふうにお聞きをしております。例えば高齢の方で、息子さん、娘さんが婚姻に関しては反対をされている、相続にいろいろ影響がある、法律婚を選べない、将来的に婚姻しないというような関係で同居をされている場合には内縁に当たらないということでありますから、そういう方たちに対して、どう現在のパートナーシップ制度を適用していくことが――千葉市はそういう選択をしたようですけれども、世田谷区としても、同性ではなくて、異性のそういう困っていらっしゃる方に対して、どういう考え方、手の差し伸べ方をしていくのかということ、この二点を区長に伺いたいと思います。 ◎保坂 区長 一点目の保育士の人材バンクに関してですが、介護の事業所では、派遣会社への多額の負担について伺っているところですが、世田谷区のみならず、大変保育園がふえる中で、保育士確保が非常に困難になっているということは、よく理解をしています。  これまで保育士の給与に一万円加算をしたり、あるいは、離職防止・定着化支援に関して、区としても取り組みをしてきていますが、今おっしゃった人材バンク、世田谷区の保育園が保育士不足で保育ができなくなるというと、せっかく改善した待機児童状況が悪化するわけですが、その効果、そして、その仕組みについて検討してまいりたいと思います。  もう一点、千葉市で事実婚の方をパートナーシップの対象に加えたということですが、世田谷区では、これまで七十九組の方にパートナーシップ宣誓書受領証をお渡ししています。制度発足当初から、今御指摘のような、事実婚の状態だけれども、異性同士であっても、パートナーシップは申請できないのかという声は、私のもとにも届いておりました。後続の自治体がだんだん拡大し、また、人口規模の多い政令都市で拡大している中で、後から始めた自治体がいろいろ工夫をされたり、あるいは、制度をさらに緻密にしたり、対象を拡大したり、深化をさせているものと思っております。  世田谷区も三年たちますので、現在、これまでの三年間を振り返り、他自治体の様子をしっかり見ながら、さらなる改善、バージョンアップを指示しているところで、その中に、今のおっしゃることも含めて検討したいと思います。 ◆あべ力也 委員 御検討中だということですから、どういう形で検討結果が出てくるのか、楽しみに見てまいりたいと思います。  それと、保育のほうですけれども、ある意味、保育士不足ということで、保育士さんのいわゆる売り手市場になっているというような状況の中で、一度就職しても、すぐやめてしまうというような実態があるそうです。ですから、また頼まなくちゃならない、その経費が大変ばかにならないということですから、これは行政としてもしっかり検討していただきたいと要望しておきたいと思います。  あと、十月一日にたばこルールが改定になりました。散見するところでは、庁有車に乗りながら、たばこを吸われている、喫煙をされている職員がたまにいるということなんですが、道路はもちろん喫煙ができないということになっているわけですが、庁有車の中での喫煙に関しては、今どういうルールになっていて、今後、区民にも道路での喫煙に関しては制限をしていくわけですから、庁有車での喫煙に対するしっかりとしたルールづくりも必要だと思いますが、現状の課題と今後の考え方について伺いたいと思います。 ◎進藤 財務部長 現在、世田谷区の公用車につきましては、自動車の管理等に関する規程というものに基づきまして、効率的な運用を図っているところでございますが、各課で所有する車両につきましては、各課において管理をさせているところでございます。  喫煙に関しましては、統一したルールというのは現在ございませんが、御質問の趣旨、また、条例の趣旨も踏まえまして、区における禁煙に関する公用車の統一したルール化を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆あべ力也 委員 私が今回質問するきっかけになったのは、庁有車に乗りながら、窓をあけて、たばこの灰を外に落としているということを見ました。それはやっぱり条例違反ですし、区としては、庁有車の中での喫煙に関しても、しっかりルールづくりをしていただきたい、きっかけになればということで質問をいたしましたけれども、早急に検討していただいて、結論を出していただきたいというふうに要望して、私の質問を終わりたいと思います。 ○河野俊弘 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 多文化共生、国際理解の取り組みについて伺います。  まず、当区は、どういう課題認識、将来ビジョンを持って、同施策に向かうのかが疑問です。  当区は、全国でも十四番目に外国人が多く住む自治体です。国別トップは中国で二七%、二位は韓国で二一%、この両国だけで四八%、約半数です。これに、四位の台湾、五位のフィリピン、七位のベトナムなどを足し合わせると、約七割以上がアジア諸国です。  人の動きはどうでしょうか。昨年の訪日外国人は二千八百万人を超えました。その六割がリピーターで、中国からが二六%、韓国が二五%で、両国だけで過半数です。三位の台湾、四位の香港を足し合わせただけで七五%に達します。一人当たりの消費金額も中国がトップで、訪日回数がふえるごとに消費金額も上がるそうで、インバウンドでもアジアのパワーが圧倒的だと言えます。  日本で学ぶ留学生二十七万人も九三%がアジア出身です。人材不足を補っている技能実習生二十七万人も、そのほとんどがアジア系です。今や農業も漁業も製造業も建設業もコンビニも外国人人材への依存を深めており、今後は介護人材などでも依存を深めていきそうです。  一方で、気になるのが国民感情です。日中韓三カ国のNPOが毎年共同で互いの国への印象等を調べています。先週発表された日中間の調査では、中国側の日本に対する、よい印象が過去最高を記録し、四二・二%がよいとした一方で、日本で相手国への印象を悪いとした人が九割近くを占めました。日本側の調査を担当した団体、言論NPOでは、日本を訪れる中国人の増加が対日イメージの改善に貢献している一方で、日本から中国を訪問する人は減少傾向にあることが対中感情の悪化にもつながっていると分析をしています。日韓関係も同様の傾向です。韓国側の印象で改善が進む一方で、日本でよい印象を持つ人はたったの二割です。三年連続して悪化し、韓国から見た、よい印象のほうが今では高くなっています。  こうした近隣アジアの住民が在住外国人の多数を占め、なおかつ、日本側から見た印象が思わしくないことについて、区は課題認識をお持ちなのでしょうか。 ◎田中 生活文化部長 全ての人が、国籍、民族等の異なる人々の互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、ともに生きる多文化共生社会の実現は、互いを理解することが大変重要であると認識しております。中でも、アジア系の国々は、世田谷区にお住まいの外国人の中でも七割を超え、人のつながりも強く、相互の理解が求められるところでございます。  平成二十九年度に区が実施した区政モニターアンケートで、外国人に接する機会を聞いたところ、四五・七%が外国人と接する機会はほとんどないと答えており、日常生活で外国人と触れ合う機会が少ないことがわかります。  実際に顔の見える交流があるかどうかで、国に対する印象は大きく変わるものと思います。相互理解を深めるため、身近な地域で、また、相互訪問による交流を進め、それぞれの国への理解を深めるとともに、信頼関係を築くことができるよう、取り組んでまいります。 ◆上川あや 委員 続けて、区教委に問います。当区の姉妹都市は、長らくカナダ、オーストラリア、オーストリアと欧米系だけで占められてきましたが、ここに来てフィンランド、そして、唐突にアメリカのポートランドが加わろうとしています。相も変わらぬ欧米偏重で、台湾との教育交流はペンディング、相手方に熱意があるのにペンディングです。これが全体としてバランスのよい国際理解の取り組みなのでしょうか。  今の子どもたちが巣立ち、働く日本は、今より、なお一層、身の回りでアジアへの依存を深めた社会だと考えますが、それにふさわしい国際理解、多文化理解の教育が必要ではないのでしょうか、いかがでしょうか。 ◎工藤 教育政策部長 グローバル化が進む社会にあっって、次代を担う子どもたちが多様性を尊重し、異なる価値観や考え方を持つさまざまな方と支えあい、協力し合いながら生活し、これからの社会をともに築いていくことができる態度を育むことは、教育として大変重要なことと考えております。  特に委員お話しのアジアを初めとした国々とのつながりの深さや大切さを子どもたちが理解していくことができるよう、学校教育において、各教科等、さまざまな場面で取り組んでいくことが大切でございます。  各学校では、第二次世田谷区教育ビジョン第二期行動計画に基づき、道徳を中心とした人権教育や、地域の外国人や世田谷区に訪問される団体などとの交流などの国際理解教育を通して、多文化共生に向けた取り組みを進めております。また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、こうした教育を一層推進し、多様性と調和の重要性を認識することで、世界の人々と共生し、他者を尊重する心を初め、思いやる気持ちやボランティアマインドを醸成しております。  今後、小中学生を海外に派遣する教育交流におきましても、姉妹都市などとの交流の状況を踏まえながら、中国や韓国、台湾などのアジアについて、交流先の有力な選択肢の一つとして検討してまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひバランスよくお願いいたします。  最後に、留学生への支援についてです。  本区は全国有数で大学が多く、留学ビザで在住する方が多いことも特徴の一つとなっています。市内に二十一の大学、短大、高専を持つ八王子市では、国の留学生三十万人計画で留学生が今後もふえることを見据え、多文化共生プランを改定し、市内大学と市でつくったコンソーシアムも活用し、留学生のニーズに即した施策の展開をしています。  留学生活と学業を支える奨学資金を創設し、卒業後の進路希望は、日本での就職希望が六割と高いのに、現実に日本で就職した者が三割にとどまる現状にも着目し、人手を求める市内企業とのマッチングを行い、地域の活性化につなげようとしています。当区も、こうした地域に即した支援策こそ検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎田中 生活文化部長 日本で学ぶ留学生の数は、国の外国人留学生受け入れ政策の基本方針もあり、年々増加傾向にございます。隣接を含め、十六もの大学、学部がある世田谷区の留学生の生活や就職においても、同様の傾向があるものと考えております。  国際社会において活躍が期待されている留学生に対する支援を充実させることは、将来の世田谷の町の活性化にとっても重要であると認識しており、現在策定中である(仮称)世田谷区多文化共生プラン(素案)では、基本方針の一つとして、誰もが安心して暮らせるまちの実現を掲げ、そのうち、留学生の支援も含めた生活基盤の充実を重点施策として位置づけております。  日本社会の文化や慣習、職種のミスマッチなどにより、就職しても離職してしまうケースもあると聞いておりますので、今後は、定期的に開催される学長懇談会や大学連携に関する調整連絡会などにも働きかけ、留学生のニーズを把握するとともに、関係所管とも連携を図りながら、具体的な支援について検討を進めてまいります。 ◆上川あや 委員 二十三区中十区が北京市の区と交流をし、六区がソウル市の区と姉妹都市提携をしているそうです。両市にこだわるものではありませんけれども、アジア軽視が余りにもひどいと思います。バランスのよい取り組みをぜひ進めてください。  終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 私は、この七日間、質問してきて、結構自分がしゃべり過ぎて、いつも最後に時間がなくなってしまうので、きょうはしゃべらずに、皆様の御答弁を主役にしたいと思っていますので、御答弁のほうをしっかりよろしくお願いいたします。きょうは三つも質問を用意しちゃっているので、簡潔にお願いできればと思います。  まず初めに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会の件で、アメリカ選手団が大蔵運動場をキャンプ地にするという件なんですけれども、地域の方ですとか、スポーツを楽しむ方々から、キャンプの練習を見たいというお声があるんです。それについて、今、世田谷区としての取り組みを改めてお聞かせいただければと思います。
    ◎内田 スポーツ推進部長 お話しのアメリカ選手団のキャンプ地として、大蔵運動場と第二運動場が決定したことを契機といたしまして、区民、特に子どもたちとアメリカ選手団との交流事業の実現ということで調整をしてきているところでございます。  ことしの区民意識調査におきましても、アメリカのアスリートたちとの交流は何が一番お望みですかというところでお聞きしたところ、「キャンプ地での練習の様子などを見てみたい」が最も多いということがございますので、練習の公開は要望の多い交流事業だと認識をしております。  本年八月にUSOCの本部を訪問いたしまして、区民との交流事業の実現に向けた調整ですとか、あるいは、キャンプ地実施に向けた諸条件の確認ということで協議をしてまいりました。その際、キャンプ期間中の練習公開につきましては、期間はまだ決められませんけれども、競技ごとにトレーニング風景を区民に見学してもらう機会をつくりたいというところで、USOCから伺うことができました。  今後、練習公開などの地域への開放につきまして、区民として、レガシーの一つとなるように、実現に向けまして、USOCとしっかりと調整をしてまいります。 ◆すがややすこ 委員 そういう御答弁ですので、ぜひ練習風景公開というのと、日程ですよね。今、何の競技が来るかというのは、まだ決まっていない状況ではあると思いますが、日程が決まり次第、区民の方にお知らせしていただきたいと思います。  次に、祖師谷公園の件なんですけれども、祖師谷公園で今、ちょっといろいろ課題があって、先日もドッグランの件を取り上げましたけれども、結局、ドッグランは休止したと。あとは、公園の遊具を設置する、しないという課題もあるそうなんです。世田谷区でも都市整備常任委員会に陳情が出た、樹木を切る、切らないという問題は、その件が絡んでいるらしいんです。あとは、祖師谷公園全体のまだ二割ぐらいしか進んでいないという計画関係、あとは、近隣の保育園が祖師谷公園を運動会とかで使用したりするそうなんです。それは全然いいと思うんですけれども、それをきちんと住民の方々にお知らせしていただきたいんです。  今、私が申し上げたようなことを全て含めて、一度、住民説明会をやっていただきたいなと思うんです。昔は、毎年、一年に一回ぐらいは住民説明会をやられていたみたいな話もあると思うんですけれども、そういったことをきちんと東京都に伝えていっていただきたいと思いますけれども、見解をお聞かせください。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 委員お話しの祖師谷公園の各種課題につきましては、区も確認しているところでございます。  祖師谷公園サービスセンターによりますと、保育園などの運動会につきましては、公園に近い数カ所の保育園や幼稚園が公園内の運動場を、十月については三日ほど使用する予定があるとのことでございます。運動場はとても人気の高い場所であることから、さまざまな御意見があると伺っております。  なお、区立の公園におきましても、園庭の狭い保育園などがふえている事情を勘案し、比較的規模の大きい公園での運動会による使用を許可しているところでございます。  続きまして、ドッグランの休止につきましては、これまで運営にかかわってきた団体が解散したことによりまして、担い手がいなくなり、休止しているとのことでございます。  また、遊具改修についての休止につきましては、樹木や芝生を痛める可能性があるとの理由で、当該工事の差しとめに関する陳情が東京都に出されたことから、工事を中止しておりましたが、この陳情が先日都議会におきまして不採択となったことで、この結果を受けて、今後対応を検討していくとのことでございます。  区といたしましては、祖師谷公園は都立でございますが、区民の憩いの場として、多くの方が利用している公園でございますので、区民からのお困りの声を東京都にしっかりと伝えていくとともに、丁寧な説明をしていくように求めてまいります。 ◆すがややすこ 委員 そうなんです。都立公園なんですけれども、利用されているのは世田谷区民の方々なんです。ですので、世田谷区としても、しっかりとその辺を対応していただきたいと思います。もちろん東京都に求めていただきたいということもあわせてお願いいたします。  続いて、三点目なんですけれども、給食費の無償化の件です。  私は今、無所属で一人会派で活動させていただいていて、なかなか世田谷区全体の情報を仕入れられなくて、ここの議会の場で初めて給食費は無償化になるんだと思って、ふむふむと聞いていたんですけれども、そうしたら、いつの間にか所得制限という話になっているんです。私は所得制限をかけるのは無償化じゃないでしょうと思うんですけれども、先日、羽田委員から普遍主義という話もあって、それはそうだよななんて私は思っていたんです。  教育長の御答弁の中では、教育の機会均等という理念のもとですとか、OECDで教育費の公的支出が日本は一番少ないですよね。それも含めて、給食費ということに対して、所得制限はなじむんですか。私はちょっと違うと思うんです。だって、子どもが食べるものに、このおうちはお金を払っていて、このおうちはお金を払っていないという考え方はあるんですか。私はちょっとそこら辺がよくわからなくて、改めて区長のお考えを聞きたいと思います。これは区長の御判断なんですか。あと一分ぐらい御答弁の時間がありますので、お聞かせいただければと思います。 ◎保坂 区長 学校給食費を含めた教育費の無償化の問題について、区議会からさまざまな御意見をいただいてきたところです。  この間、保護者の経済的負担の軽減の観点、また、財政状況の面でどうなのかということも含めて、検討を重ねているところです。こういった状況の中で、さまざまな手法のシミュレーションを重ねるように指示してまいりました。  学校給食費を含めた教育費の無償化のあり方については、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の一つの施策として認識しておりまして、保護者負担の軽減に向けて、学校給食費については、具体的に実現できる方法を整理してまいりたいというふうに考えています。今の所得制限をかけるのはどうかという御意見も参考にさせていただきたい……。 ◆すがややすこ 委員 給食費の無償化はすごくいいことだと思うんですけれども、やっぱり子どもたちの食べるものに所得制限をかけるというのはちょっと違うんじゃないかなと私は思います。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、区民農園について、前回質問いたしましたが、引き続き質問いたします。  区民農園は、区民が直接土に親しみ、収穫できるなど、住宅地の中で農業に触れ合うことができる、大変貴重な体験ができる事業です。倍率が高く、区画のあきを求めて、多くの人が待ち状態で、園によっては、十年待ってやっと入れたなどの声も聞くほど人気が高くなっております。  以前から区民農園をもっとふやしてほしいという声がありますが、残念ながら、区民農園の区画数はピーク時に比べ約三分の一に減ってきております。農業者から宅地化農地をお借りして区民農園として運用しなければならず、ふやしていくことは難しいとは存じていますが、それでも区民の方の要望が強いのですから、ぜひふやしていただきたいと思います。  今回、国では、生産緑地を農家からお借りして区民農園などにすることができる法律が本年九月に施行しました。この制度を利用して、区民農園の数をふやしていくことはできないかと思います。区の見解をお伺いいたします。 ◎久末 経済産業部長 現行の区民農園は、生産緑地地区の指定のない宅地化農地を区が土地所有者から無償で借り受けて開設をしているものです。区民ニーズは高く、毎年、空き区画を募集すると、三倍から五倍ぐらいの応募がございます。また、区といたしましても、区内農業への関心と理解を深めていただくことや、農地の保全や緑地空間確保の観点から、非常に必要であると感じております。  このたび、都市農地の貸借の円滑化に関する法律が成立したことにより、御指摘のとおり、区が生産緑地を借りて区民農園として運営することができることになりましたが、民間事業者が生産緑地を借りて民間型の区民農園も開設することができることにもなっており、土地所有者が民間事業者に貸し出して区民農園を開設するケースもふえてくることが想定されています。  区といたしましては、これらのことを踏まえまして、民間参入による区民農園、新しい法律に基づく区の区民農園及び現行の区民農園との位置づけや、すみ分けなどを研究しながら、区民農園の充実に向けて進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 さまざまな手法を取り入れまして、区民農園をふやしていただきたいということを要望いたします。  次に、障害者の方の成年後見制度の活用について伺います。  判断能力が不十分な方を法的に守る制度として、成年後見制度がありますが、なかなか使われていない現状がございます。その理由として、まず、法定後見は、見ず知らずの人が裁判所の指名により後見人になり、財産管理、契約などを本人にかわって行うことから、怖い、なかなか踏み出せないといった御意見を御家族の方からよく伺います。  また、成年後見制度には、申し立てにより裁判所が後見人を指名する法定後見と、あらかじめ自分で後見人を選んでおく任意後見がございます。障害者の方で判断能力が不十分な場合、未成年のときのみならず、二十歳を超えても、そのまま親が面倒を見るケースが多い状況です。しかし、親が高齢化をし、亡くなった後にどうするのか、この親亡き後の問題が浮上します。  後見制度について、二十歳を超えた場合には任意後見をつけられず、法定後見しかつけられないが、法定後見は怖い、踏み出せないといった気持ちから、後見制度全体が利用されていない現状があります。  この課題解決としては、親が認知症になった場合の対策、障害者の方本人の対策など、さまざまなケースに分けて考える必要があると思います。その上で、例えば子どものころから、後見人をお願いできるような信頼できる人を見つけて関係をつくっておく、または後見の申し立てをしてもらえるような人を見つけておく、または家族信託契約を結ぶといったように、それぞれのケースに応じて、策を考えておくことが大切だと考えます。  まずは、障害を持つ方の御両親に対して、後見制度の知識をお伝えすることが重要で、その際には、弁護士、司法書士、また、行政書士といった専門家を巻き込んで周知することが必要と考えます。見解をお伺いいたします。 ◎板谷 保健福祉部長 知的障害者等の親亡き後の生活を支援し、権利を擁護していくためには、契約等の手続や金銭管理、身上監護等を行う成年後見制度の利用を広めていくことが必要であると認識しております。  区では、平成十七年度から成年後見制度の利用支援事業を実施し、制度の手続説明会、弁護士等専門職による相談会を行うなど、制度の普及啓発に努めてまいりました。また、障害者の家族の会と協力し、親亡き後の障害者の生活を考えるための老い支度講座を実施するなど、制度の普及を図っているところです。  国におきましては、平成二十九年三月に成年後見制度利用促進基本計画を策定し、実施体制の量的・質的拡充を目指しております。行政書士会や税理士会など新たな団体が家庭裁判所に登録されるなど、実施機関の拡充が図られているところです。  地域のさまざまな後見等実施機関の参加により、相談や広報、啓発等に取り組むネットワークづくりを進めるとともに、関係団体、関係所管とも連携を図り、障害者の方の成年後見制度の利用をより一層促進してまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  最後に、新公会計制度における期首BSについて伺います。  期首BSは、平成三十一年度から毎年作成する財務諸表の基礎となる大変重要なものであります。ことしの予算委員会のときに質問した際の答弁では、本番の開始BSは、二十九年度、三十年度の決算データで作成するので、出納整理期間を経て、決算が確定する六月から改めて全庁の調査委員会を行い、十一月をめどに完成させる予定とのことでした。この十一月に公開できるのか、進捗状況についてお伺いいたします。 ◎菊池 会計管理者 期首BS、いわゆる開始貸借対照表でございますが、新公会計制度の開始時の資産や負債を正確に把握し、三十一年度以降に作成する財務諸表の基礎となるため、大変重要なものと考えております。  出納整理期間が終わった六月から七月にかけまして、決算数値等を把握するための調査を行い、全庁から上がってきた数値の最終確認の後、今月中にはセットアップ作業が完了する見込みとなっております。なお、セットアップ状況につきましては、十一月中にはホームページに公開していく予定でおります。  今後とも、適正な財務諸表作成に向けた準備を計画的に進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ、十一月中にできるということでしたので、よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 やっと秋の色合いになってきましたが、ことしの夏はとても暑く、連日、高温注意報が出された中、毎日早朝から汗だくになって働く、ごみ収集をしている作業員の姿を見て、とてもありがたいなと改めて思っています。きょうは、そのごみ問題についてお伺いします。  ごみ出しの分別方法が平成二十年度に変更されてから、ちょうど十年目になります。可燃ごみ、不燃ごみ、資源と分かれています。決められた収集日に出す、このことは、区民の皆さんに定着して、ほとんどの皆さんはルールどおりにごみや資源を出していると思っていますが、私の住んでいます北沢地域は、都心から近いせいもあって、ほかの地域から来た方がアパートやマンションの集合住宅に多く住んでいます。また、外国から来た方も多く見かけます。そのためでしょうか、資源・ごみ集積所では、缶やペットボトルの中に、入れなければいいのに、たばこの吸い殻が入っていたり、まだ中身の残ったままの瓶が出されているのをよく見かけます。決められた収集日以外に出すから、警告シールを張られているごみも時々見かけます。こういう光景を見ると、ルールやマナーが守られていないことに悲しい気持ちになってしまいます。ルール違反のごみ出しは、適切な焼却処理や適切なリサイクルの妨げにもなっていると思います。  これまで区は、清掃、リサイクルについて、さまざまな取り組みを行っていると思いますが、一層のごみの減量に向け、また、効果的、効率的なリサイクルに向けて、不適切なごみの出し方、不適切な資源の出し方をする区民へのアプローチが重要だと思っております。ごみや資源を出すときにルールを守らない方にはどのようにアプローチをしているのか、今後どのようにアプローチしていくのか、また、世田谷区に引っ越しされてきた方、海外から世田谷区に住むことになった外国人の方への効果的な周知について、区の考えをお伺いします。 ◎原田 清掃・リサイクル部長 平成十二年に区に清掃事業が移管されて以来、町会や自治会、ごみ減量・リサイクル推進委員会の皆様の御協力を得ながら、分別方法の周知、適正排出の徹底をお願いしてまいりました。また、転入者には、分別方法等をリーフレットにまとめた「資源とごみの分け方・出し方」をお渡しし、外国人の方には、英語版、中国語版、ハングル版を配布し、適正な分別への協力をお願いしています。さらに、資源・ごみの収集カレンダーを平成二十七年度から毎年、区内全世帯と全小規模事業者に配布しております。その結果、資源・ごみの収集カレンダーを集合住宅等の掲示板に掲出していただき、分別を心がけるなどの適正排出への取り組みは着実に広がっておりますが、委員御指摘のとおり、一部で分別方法や排出ルールが守られていない集積所が見受けられます。  今後は、電子媒体等を活用した分別方法の効果的な周知を検討し、より多くの皆様にごみの分別・排出ルールを徹底していただけるよう、取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 次に、リサイクルの一つ、古紙のリサイクルを妨げる持ち去り行為についてお伺いしますが、区民が出した古紙を勝手に持ち去られることは、区民としては納得できるものではありません。  区は、昨年の第四回定例会で清掃・リサイクル条例を改正し、持ち去りをした者への罰金二十万円に加えて、持ち去り行為の常習者に対する罰金として五十万円を新設しました。そこでお伺いしますが、この四月に施行なので、まだ半年ですが、条例を改正し、対策を強化した効果はいかがでしょうか。また、今年度の取り組みについてもお伺いします。 ◎原田 清掃・リサイクル部長 資源回収は、区民の皆様の協力を得て推進している事業でございます。資源の持ち去り行為は、区民の皆様のごみ減量やリサイクルに対する意識の低下を招きかねません。資源の持ち去り行為者に対しては、区条例を説明し、持ち去り行為をやめるよう、行政指導や行政命令を行っております。また、区内四警察署と連携した取り締まりで、禁止命令に従わない者を告発しております。しかし、たび重なる取り締まりや告発を行っても、繰り返し行う悪質な者が後を絶たず、常習性が明らかです。  これまで禁止命令に従わない者に対しては二十万円以下の罰金としていましたが、常習性が明らかな者には五十万円以下の罰金を新設する条例改正を行いました。この結果、把握している常習者のうち、パトロールの際の確認で、この四月から見受けられなくなった者が複数いる状況であり、条例改正の効果が出ていると考えます。しかし、いまだに持ち去り行為が行われています。  今後も、持ち去られにくい環境づくりに向け、パトロールを継続するなど、対策に取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 持ち去り業者は、以前は足立ナンバーばかりでした。最近見ているのは世田谷ナンバーです。それもトラックではなく、白のワゴン車が持ち去りを行っています。私は番号を控えたもので、担当者に教えましたけれども、資源ごみを持ち去る時間は大体早いんです。できれば古紙のごみ収集のときには、もう一時間ぐらい早く来てくれれば、新聞を持っていかれないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。 ◎原田 清掃・リサイクル部長 そのような声にお応えしまして、早朝回収、あるいは、マンション等で合意を得たところには前日回収等をやっていますので、引き続きこれらの取り組みも続けてまいりたいと思います。 ◆青空こうじ 委員 さて、東京二〇二〇大会まで、いよいよ二年を切りました。来年にはテストイベントとして、さまざまな行事が行われます。世田谷区でも、馬事公苑での馬術競技、アメリカチームのキャンプなど、私たち区民にとっても、またとない機会がやってきます。ぜひともクリーンな世田谷区の町並みを見せたいものです。特に子どもたちにとっては、世界中から外国人の方が訪れるという貴重な機会になります。ごみやリサイクルについても、もっと子どもたちに知ってもらうことが必要です。  区では、清掃事務所の方が小学生や未就学児を対象に出前事業をしていると思うんですが、時間がないから、これでやめます。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆上山なおのり 委員 それでは、自由民主党世田谷区議団の補充質疑を始めてまいります。  まず、平成二十九年度決算についてお伺いいたします。  実質公債費が前年度比で〇・九ポイント改善したのを初め、その他の健全化判断比率も全て適正範囲内を維持していることから、地方公共団体の財政の健全化に関する法律による財政指標に限ってみれば、区が言うとおり、二十九年度決算状況は健全性を維持しているのかもしれません。しかし、その他の財政指標を見ますと、債務負担行為額が前年度比百八十億円増の四百十五億円、経常収支比率に至っては二年連続で上昇しており、健全性を維持しているとは言い切れない状況なのではないでしょうか。  区は、二十九年度の決算状況を総合的に見て、どのような評価をしているのか、まずはお伺いいたします。 ◎松永 財政制度担当参事 平成二十九年度決算における財政指標におきまして、経常収支比率が平成二十八年度と比較して〇・六ポイント増の八三・一となっている要因につきましては、主には保育定員増による扶助費等の増などによるものと認識をしております。また、債務負担行為額の前年度比で約百八十億円増加につきましては、二十九年度より工事を開始いたしました玉川総合支所・区民会館の改築、また、梅ヶ丘拠点整備において、工事が複数年度にわたるため、債務負担行為が必要となったことなどによるものでございます。  数値上では若干悪化しているように見えますが、二十九年度決算では、歳入面において、ふるさと納税による大きな減収がある一方、納税者数の増や特別区交付金の増などによりまして、一般財源は増収となり、玉川総合支所改築などの大規模事業や保育待機児対策を初めとした区政課題へ着実に対応した中で、実質収支は約六十億円となるなど、基本的な財政の健全性は維持されたものと考えております。特に基金につきましては、予算では約九十四億円の取り崩しを予定しておりましたが、二十九年度の収支見通しを踏まえまして、一億八千万円の繰り入れにとどめたこと、また、積み立てにつきましても、当初予算で十億円、補正予算で六十七億円、合計七十七億円の積み立てを行うなど、将来の需要に備え、基金残高の確保に努めたところでございます。  こうしたことから、二十九年度におきましては、区民サービスの充実と財政基盤の維持、両面のバランスを考慮した財政運営を行うことができたものと認識しております。 ◆上山なおのり 委員 区の決算概要には、過去十年間の経常収支比率の推移が掲載されております。それを見ますと、いずれの年度も世田谷区の経常収支比率は二十三区平均を上回っております。その要因は何であると分析しているのか伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 経常収支比率でございますが、特別区税など経常的に歳入が見込まれる一般財源の総額に対しまして、義務的経費など経常的に必要となる経費に充当される一般財源の割合でございます。この割合が高いと、新たな施策や投資的事業への財源投入の余地が少なくなるなど、財政構造の弾力性をあらわす指標の一つでございます。  平成二十九年度決算における世田谷区の経常収支比率は八三・一でございまして、特別区平均の七九・八を上回っておりますが、大幅な保育定員増など、子ども・若者施策のほか、高齢者・障害者施策の充実に取り組んできた中でも、区の財政規模を踏まえますと、適正な範囲にあるものと考えております。  なお、特別区平均には、都心区などの歳入状況等も反映されている部分もあると思われます。 ◆上山なおのり 委員 経常収支比率の改善に努め、財政の健全性を区民にPRするべきであります。まずは経常収支比率の改善を見据えた予算編成をしてみてはいかがでしょうか、伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 経常収支比率を改善するためには、歳入における経常一般財源の増、また、歳出における経常的経費の減が必要となります。歳入面に関しましては、経常一般財源は特別区税や特別区交付金が多くを占めておりまして、景気変動に加え、ふるさと納税や税制改正等の影響を直接受けることなどから、意図的に増収を図るというのは難しい面もございますが、例えば債権管理の徹底など、税収の確保に努めることが重要となると考えております。また、歳出面では、人件費や扶助費、公債費など、義務的経費もございますが、施設維持管理経費や各種事業経費などの経常的経費の徹底した精査など、行政経営改革の取り組みが健全財政の維持につながるものと考えております。  これらにつきましては、平成三十一年度の予算編成の基本方針にも掲げているところでございまして、引き続き、不断の行政経営改革に取り組みつつ、予算編成作業を進めてまいります。 ◆上山なおのり 委員 二十九年度末現在の基金残高は約八百六十七億円と過去最高を更新しました。一方で、特別区債残高は、ここ数年、増加傾向にあり、二十九年度末で前年度比六十四億円増の五百九十三億円という状況であります。  今後については、答弁にもありましたが、玉川総合支所の改築を初め、梅ヶ丘拠点整備や本庁舎整備などの大規模事業が控えており、投資的経費の財政需要はさらに拡大してまいります。このような大規模事業に関しては、基金と起債をバランスよく活用し、現年度の区財政への影響を最小限にとどめるべきと考えますが、改めて区の見解をお伺いいたします。 ◎松永 財政制度担当参事 委員お話しのとおり、本庁舎整備などの多額の経費を要する大規模事業の実施に当たりましては、世代間負担の均衡や財政負担の平準化の観点から、基金と起債の計画的な活用が必要であると認識をしております。  本庁舎の整備につきましては、基本設計方針の中で、総事業費約四百十億円に対しまして、おおよそ半分の二百十億円を基金で、また、残りの七割強に当たる百四十八億円を特別区債で賄うという財政計画をお示ししております。これにより、一般財源の負担は約五十二億円となり、工事期間を五年といたしますと、単年度当たりの負担は平均約十億円程度と見込んでおります。  庁舎等建設等基金につきましては、二十九年度末の残高は二百二十三億円ございますが、玉川総合支所・区民会館の改築や梅ヶ丘拠点整備などでの活用も見込んでおりますので、今後、収支の状況を踏まえて、基金への積み立てを行いたいと考えております。  今後とも、大規模事業の実施に当たりましては、将来を見通した基金残高の確保と後年度負担を考慮した起債の活用など、財政負担の平準化を図りながら、持続可能な財政運営を行ってまいります。 ◆上山なおのり 委員 予算は区政の土台となります。持続可能な財政運営をしっかりと進めていただくよう要望いたします。  次は、たまがわの花火大会について伺います。  三日前の土曜日にたまがわ花火大会が開催されました。肌寒い中でしたが、無事に打ち上げることができました。局地的豪雨により、直前で中止となった昨年度の反省を踏まえ、観客の安全確保を最優先に、十月の開催に変更しましたが、平年並みの観客数であったのか、また、開催時期を変更したことにより、思わぬ影響は生じなかったのかお伺いいたします。 ◎澤谷 砧総合支所長 昨年のたまがわ花火大会は、気象の急変により中止し、会場内での落雷の影響により九名の方が救急搬送されるという事態になりました。これを踏まえまして、警察、消防、鉄道事業者等関係機関と協議し、天候が比較的安定する十月に開催時期を変更することといたしました。  開催時期を変更するに当たり、関係する多くの方々に御協力をいただきました。例えば二子玉川緑地運動場を利用する野球、サッカー、ソフトボール等の競技団体に競技日程の変更をお願いしたり、近隣の町会・自治会では、秋祭りの時期と重なることへの対応、鉄道・バス事業者には当日の体制確保や、近隣の大学にも障害者観覧スペースや駐車場の確保など、多大なる御協力をいただきました。  開催時期を変更したメリットといたしましては、夏の開催に比べ、ゲリラ豪雨や雷などの気象リスクが少なく、熱中症の心配もないこと、日没が早まることから、一時間打ち上げ時間を前倒しできたこと、秋空は澄んでいて、きれいに花火が見えることなどでございます。デメリットといたしましては、花火イコール夏、また、浴衣といった風情がなくなってしまったことや、当日の警備や会場運営に多くの人員を要しますが、夏休み期間外のため、学生の確保が難しく、若干の苦労がございました。  観客数につきましては二十六万人で、例年より二万人減少し、有料協賛席も若干の売れ残りが生じました。  今回の反省点も検証しまして、区民の皆様に喜びと感動を与えられる花火大会となるよう、努めてまいります。 ◆上山なおのり 委員 花火は夏の風物詩という固定概念を多くの方が持っていたと思いますが、そのような固定概念を捨てて、よりよい時期の開催を英断した実行委員会の決断力には敬意を表します。  やはり我が会派がかねてより申し上げているとおり、変えるべきものは勇気を持って変え、同時に、変えてはならないものはしっかりと守ることが重要であります。たまがわ花火大会に限ったことではなく、区政全般に言えることだと思いますが、花火大会の担当であります岡田副区長の見解を伺います。
    ◎岡田 副区長 昨年八月の世田谷区たまがわ花火大会での落雷のときに、将棋倒し等の二次被害はなかったものの、大勢の方が集まるイベントにおける危機管理の重要性を痛感したところでございます。  この事態を受けまして、開催直後、近年のゲリラ豪雨など、天候急変のリスクを考えますと、開催時期を検討するように区長から御指示をいただきました。その後、警察、消防等関係機関、あるいは、川崎市との協議を経まして、最終的には開催時期の変更について実行委員会にお諮りして決定をしていただいたということでございます。  お話しのように、区民の皆さんからは、夏の風物詩である花火大会の秋開催を惜しむ声もございましたけれども、安全を第一にするということについて御賛同いただけたものというふうに考えております。  今後とも、何を重視するかといった視点を踏まえまして、変えるべきものは勇気を持って変えることも必要という姿勢で、しっかりと情報を把握し、的確な判断に努めてまいります。 ◆上山なおのり 委員 まずは変えるべきものと守るべきものをしっかりと見きわめ、時代に即した区政運営に努めるよう、強く要望いたします。  次に、災害対策について伺います。  きょうは伊豆大島の土砂災害から五年目であります。平成二十五年十月十五日から十六日未明にかけて、台風二十六号の影響による集中豪雨で土石流が発生し、伊豆大島で三十九名の方が犠牲になられました。改めて御冥福をお祈りいたします。  世田谷区には山がないので、あのときのように、二十四時間で八百ミリを超えるような雨が降り続くことは考えがたいとはいえ、集中豪雨への備え、また、地震など災害対策の重要性を強く認識する次第であります。  総括質疑では、豪雨災害に対する自助の取り組みについて質疑しましたが、本日は風が引き起こす災害への対策について伺ってまいります。  強い勢力を維持したまま日本列島を縦断した台風二十四号。雨による被害もさることながら、風による被害も大きく、横浜市では、九階建てのビルの看板が強風にあおられ落下し、道路を歩いていた男性に直撃し、亡くなる事故がありました。区内においても、京王線の明大前駅から代田橋駅間の線路脇のブロック塀が約五メートルにわたって横倒しとなり、線路上に飛散した影響で、京王線が一部区間で約四時間にわたり運転を見合わせました。また、倒木により千歳通りが一時通行どめとなるなど、交通網にも大きな影響が出ました。ここ区役所本庁舎においても、窓ガラスが割れる被害があったと聞きますが、まず、この台風二十四号による区内の被害状況をお伺いいたします。 ◎工藤 危機管理室長 台風第二十四号が本州に上陸して縦断したことによりまして、関東地方では、九月三十日夜遅くから十月一日未明にかけまして、暴風雨の影響がございました。区内では、雨量は少なかったものの、最大瞬間風速三十七・四メートルを記録し、暴風による被害が多数発生しております。  世田谷区の被害状況でございますが、風害による屋根等の損壊によるもので、罹災証明書の発行件数としましては、一部損壊が百七件、半壊が二件、また、区の水防担当の対応件数としましては、公園の樹木、街路樹等の倒木処理本数が百九十七本、飛散物等の処理件数につきましては七十七件となっております。また、区内各所で停電等が発生しておりますが、こちらにつきましては、倒木等によりまして断線をしたり、配電線が影響を受けたもので、台風が通過して、風がおさまった後も数日間、東京電力が倒木等の対応を行うことにより停電となったケースもございました。 ◆上山なおのり 委員 答弁の中に、公園の樹木や街路樹等の倒木処理本数が百九十七本と大きな被害をもたらしたことは言うまでもありませんが、その中で、保存樹木の被害と対応についてお伺いいたします。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 区では、みどりの基本条例に基づき、民有地内の樹木や樹林地のうち、貴重なものや、町のシンボルとなるものを、所有者の申し出に基づき、保存樹木、保存樹林地として指定しております。九月末現在で、保存樹木の指定本数は千八百八十四本、保存樹林地は八十カ所、保存並木が二十一カ所となっております。  これらの保存樹木等の管理主体は、指定後につきましても所有者となります。このため、適宜の剪定や手入れは所有者が行うものですが、区では、原則三年に一回程度、所有者の申し出に基づく剪定作業や樹木保険への加入などの支援をしております。  今回の台風による保存樹木等の被害でございますが、倒木は九本、大きな枝折れ等のあった樹木は四十八本ございました。区では、二次被害を防止するため、緊急的な処置として、大きな枝折れ等については早急に除去するなど、対応いたしました。  区といたしましては、みどり33推進のため、今後とも保存樹木等の保存に努めてまいります。 ◆上山なおのり 委員 みどり33推進のためには必要な施策です。災害が多くなってきております。御答弁にもありましたが、原則三年に一回程度、所有者の申し出に基づく剪定作業や樹木保険への加入などの支援とありました。管理は所有者の対応になりますが、区全体で、みどり33推進のために、管理者に寄り添った対応をお願いしたいと思います。  また、区内でも、答弁にあったような倒木や、物が飛んでくるなどして、窓ガラスが割れる被害が多数出てしまいましたが、これからも季節外れの台風に襲われる可能性や、爆弾低気圧により爆風が吹くことも考えられます。けがをしないために、爆風の際には外出しないことが一番であると思いますが、自宅や店舗などの建物が台風などによる爆風の被害に遭わぬよう、また、ほかの方に被害を与えないよう、自宅、店舗で行うべき有効な対策についてお伺いいたします。 ◎工藤 危機管理室長 台風の接近、通過に伴いまして、雨だけではなく、風も非常に強くなるおそれがあるため、区民みずからが大雨に備えて、浸水対策をとっていただくとともに、強風に対する対策をとっていただくことが非常に大切であると改めて認識しております。  台風が接近、通過するおそれがある場合には、区のホームページや災害・防犯情報メール、ツイッター等で注意喚起をしておりますが、暴風、強風に対する備えにつきましては、例えば物が飛ばないように屋内に移動したり、窓やドア等をしっかりと固定するなどの対策をとっていただけるような、よりわかりやすい内容を検討しているところでございます。  日ごろから区民が各自で台風に備えた対策をとっていただけるよう、総合支所や都市整備部門の取り組みと連携しまして、他自体の例も参考にしながら、さまざまな機会を捉えて、注意喚起に努めてまいります。 ◆上山なおのり 委員 区では、大阪北部地震での通学における児童死亡事故を受け、区民に対し、既存ブロック塀の安全点検を促すとともに、ブロック塀等緊急除却助成制度を新設しました。これは地震を想定した対応であったかもしれませんが、先ほどの答弁にもあったとおり、台風二十四号による暴風で、区内でもブロック塀が倒壊しました。夜中の時間帯の暴風であったことも一因であると思いますが、人的被害が出なかったことは不幸中の幸いでありました。この偶然に甘えることなく、危険なブロック塀の除去に向け、区民への啓発を一層進めていくべきと考えます。  制度新設からまだ一カ月余りではありますが、区民に対し、ブロック塀の安全点検をさらに促し、この除却費用助成制度がしっかりと活用されるよう、区としても一層取り組むべきと考えますが、区民への周知状況、本制度についての問い合わせや申し込み状況についてお伺いいたします。 ◎関根 防災街づくり担当部長 ブロック塀等緊急除却助成制度の区民への周知でございますが、九月五日から区のホームページに、九月十五日には区の広報紙「せたがや」に制度の新設について掲載いたしました。九月十八日の助成制度の運用開始後は、九月下旬から町会・自治会への回覧を、十月一日から区広報板へポスター掲示を行っております。また、大阪北部地震発生から助成制度開始前までに区民から相談を受けていた約百五十件の方々へ助成制度開始の御案内を始めております。こうした取り組みにより、十月十五日、きのう時点での区民からの問い合わせは百七十八件、そのうち、具体的に助成制度を活用したいという事前相談が六十四件、申請書の受け付けは二件となっております。  今後、通学路に面して危険と判断されたブロック塀等の約九百件にも、総合支所や都市整備政策部と連携し、助成制度を御案内するとともに、特に緊急性が高いと判断したブロック塀等の所有者に対しては、面談等により改善を促してまいります。  区といたしましては、助成制度の区民へのさらなる普及啓発に取り組み、制度を活用していただくことで、危険なブロック塀等の除却を一層推進してまいります。 ◆上山なおのり 委員 地震による被害は、いつ、どのような場所で発生するか、予知できるものではありませんが、台風による被害は、想定がつき、事前に備えることが可能であります。本日は暴風対策に関する自助の取り組みについて伺いましたが、区民の防災力向上に向けて、しっかりと啓発を進めていくことを求めて、次に進みます。  次に、オリンピック・パラリンピックの機運醸成について伺います。  七月二十八日、東京二〇二〇大会まで二年の節目を迎え、「東京二〇二〇オリンピック二年前イベントin SETAGAYA~夏まつり~」が二子玉川ライズ、ガレリアで開催されました。残念ながら、この日も台風の影響により、イベントは途中で中止となりましたが、元体操選手でオリンピアンの田中理恵さんによるトークショーや、キッズチア体験会、レーサー用車椅子のスピード体験などのイベントが行われ、大いに盛り上がりました。また、八月十四日には、オリンピック二大会で五つの金メダルを獲得している水泳界のスーパースター、アメリカのケイティ・レデッキー選手から区内在住の小中高校生に直接指導していただく水泳教室が開催されました。参加した子どもたちは、かけがえのない体験になったことだと思います。  今後も機運醸成に向けたさまざまな取り組みが進められる計画でありますが、本日は、世田谷の未来を担う子どもたちが主人公となって行う取り組みについて伺います。  区では、区立小中学校と幼稚園全園をオリンピック・パラリンピック教育推進校に指定し、さらに、オリンピック・パラリンピック教育を推進し、取り組み成果を他校に普及啓発するオリンピック・パラリンピック教育アワード校を指定していますが、まずは、これまでの区立小中学校での取り組みについてお伺いいたします。 ◎工藤 教育政策部長 平成二十八年度から、全ての公立幼稚園、こども園、小中学校がオリンピック・パラリンピック教育推進校として、オリンピアンやパラリンピアンとの交流を通じて、生き方や考え方を学んだり、競技への理解を深めたりする活動などを行っております。また、世界ともだちプロジェクトの中で、都から示されました五カ国に加え、世田谷区として、ホストタウンであるアメリカ合衆国や、姉妹都市があるカナダ、オーストリア、オーストラリアの四カ国についても、全校・園の学習・交流国の対象としております。  この中で、障害者理解や豊かな国際感覚の醸成について、特にすぐれた取り組みを実施している学校として四校がアワード校として顕彰を受けております。一例ですが、障害者理解の取り組みとして、車椅子体験などを通じて、ユニバーサルデザインについての話し合いや、特別支援学校や特別支援学級との授業や行事などでの交流及び共同学習などを通じて、障害への正しい理解や多様性を尊重する態度の育成をしております。また、豊かな国際感覚の醸成として、語学ボランティアの育成プログラムを英語の授業に導入したり、世界の文化や歴史、マナーに関する講演会を実施したりするなど、グローバルな視点で考え、さまざまな価値観の中で行動する力の育成を図っております。  このほかにも、アメリカ合衆国のホストタウンとして、USOCと連携し、元パラリンピック陸上選手を招いた講演会や、オリンピック・パラリンピック競技種目のコーチを招いたスポーツクリニックなども実施、計画するとともに、アメリカ大使館との交流も積極的に行っております。 ◆上山なおのり 委員 九月五日のオリンピック・パラリンピック・環境対策等特別委員会において、「東京二〇二〇大会気運醸成に向けた世田谷区の取組み」が報告されました。この中にも、気運醸成一年前サブイベントとして、区立の各学校での取り組み案がまとめられております。  未来を担う子どもたちが東京二〇二〇大会に向け、さまざまなことを学び、そして、大会を盛り上げていくために、準備の段階から参加していくことは非常に重要と考えます。東京二〇二〇大会への子どもたちの参画という視点で、教育委員会として、現在どのような準備を進めているのか、また、今後どのように進めていく予定なのかお伺いいたします。 ◎工藤 教育政策部長 東京二〇二〇大会は、子どもたちにとって、またとない機会であり、この機会を生かし、子どもたちにさまざまな形で参加できる経験を与えることは大変重要であると考えております。そこで、東京二〇二〇大会気運醸成一年前サブイベント(案)として、子どもたちが、区を訪問した方への心温まるおもてなしとともに、世田谷区の歴史や文化のよさを改めて実感し、地域への誇りを持つ契機となるよう、保護者や地域の方とともに取り組む、世田谷流のおもてなしを提案させていただきました。  例えば地域や商店街の方々とともに、小学生が花で飾りつけたプランターなどの華やかな装飾で迎える花いっぱい運動や、全校・園が担当する学習・交流国に対して応援メッセージを送る応援ビデオDVDの作成を進めるとともに、せたがやのうた「おーいせたがや」の振りつけを、小中学生がダンスの専門家や大学生と連携して披露するなど、一人一人の思いを合わせ、参加意識と達成感が味わえるよう、支援してまいります。  また、東京二〇二〇大会開催中は、オリンピック・パラリンピック競技のうち、学校連携観戦プログラムの対象となる競技を学校単位で観戦する機会の提供が予定されており、教育委員会としても、積極的にかかわっていきたいと思っております。  こうした取り組みを通して、子どもたちが夢や憧れを抱き、より豊かなレガシーとして残していけるよう、区長部局やスポーツ振興財団など関係部署と綿密に連携を図り、取り組みの充実を図ってまいります。 ◆上山なおのり 委員 刻一刻とオリンピックの開幕が近づいてきております。オリンピック開幕後にテレビを見て、ようやく東京、この世田谷でオリンピックが行われることを子どもたちが実感するのではなく、子どもたちが準備の段階からかかわり、さまざまな取り組みに携わり、そして学ぶことによって、ボランティアマインドや障害理解、さらに、豊かな国際感覚や、日本人としての自覚と誇りといったものを育んでいけるよう、しっかりと取り組んでいただくことを求めまして、質問者を菅沼委員に交代いたします。 ◆菅沼つとむ 委員 まず最初に、保坂区長にお聞きします。  本定例会でも、保坂区長は答弁で、政令指定都市にしていきたいというお話がありました。その中で、区が単独でやるのか、それとも、二十三区が話し合って進めていくのか、その辺のお考えをお聞きします。 ◎保坂 区長 政令指定都市を目指すことは、かつて大場区長が世田谷独立というポスターまでつくって取り組んだことだと思います。私も、その問題意識は引き続き持っているということを幾たびか申し上げてきました。  現在、東京都における特別区という、首都にしかない形態になっております。その中で、政令指定都市という地位、骨格を打ち立てるには、当然、法改正も必要になってまいります。今おっしゃるように、二十三区全体をいわば新しい形態に、都区制度改革に持っていこうという議論も現在継続中です。そういった中で、世田谷区の問題意識、規模が非常に大きくなっているということもございますし、そこは独立した自主財源を持ち、都市経営の決定権限を制約され過ぎているということをまず二十三区の特別区長会で議論するとともに、世田谷区としてのいわゆる自治体の自立、自治権拡充に向けたビジョンを、議会の皆さんも含めて相談をしながら、打ち立てていきたいと思っているところです。 ◆菅沼つとむ 委員 考えはよくわかるんですけれども、やっぱり二十三区か単独かというのはきちんとやらないと、財源からそういうものが出てくるというふうに思いますので、二十三区でやるのが無難かなというふうに思っています。  引き続きまして、世田谷区の学校給食と区の財政についてお聞きします。  まず、世田谷区の学校給食は、材料代を含め、全部で幾らぐらいかかっているのかお聞きします。 ◎淺野 教育次長 世田谷区の学校給食ですけれども、三十年度は全体で五十九億一千四百万円の予算総額になってございます。そのうち、給食関連予算事業費としましては約三十二億六千万円、それから、保護者等負担、食材費等が二十六億四千万円になってございます。 ◆菅沼つとむ 委員 これが全部じゃないでしょう。人件費だとか、ほかもあるでしょう。例えば人件費だとか光熱費とか水道代だとか維持経費だとか、そういうものも全部入っていますか。 ◎淺野 教育次長 費用の内訳ですけれども、光熱水費と施設の維持経費は入ってございます。それから、都職員の栄養士の人件費等はこちらから除いてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 今答弁いただいたのは、センター方式のほうでしょう。自校方式だと、学校の水道代、光熱費が全部一緒になっているから、多分、ばらばらで入っていないと思います。もう一回、調べ直してください。  また、生活保護だとか就学援助を受けている、給食費を払わなくていい人たちがいらっしゃると思いますけれども、大体何人ぐらいいるのかお聞きします。 ◎淺野 教育次長 約五千人でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 そうすると、生活保護だとか、給食費を払うと厳しい人は全部カバーしているという解釈でよろしいのかお聞きします。 ◎淺野 教育次長 今の就学援助の基準等に照らした場合には、そちらで申請をいただければ、そちらの方々につきましては、給食費をお出しするという形になっています。それから、先ほどは失礼しました、自校調理方式につきましては、学校の光熱水費や施設の維持管理経費は除いてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 ということは、基本的には、生活が苦しい、給食費を払うのもなかなか大変だという人は、申し込みがあれば、ほとんどカバーしているという解釈でよろしいというふうに思います。  それで、実際には、給食費といっても、約六十億円の金額のうち三十二億円はもともと税金で払っているんですよね。だから、今議論しているのは、材料費だけを世田谷区が持つか、その辺の議論だというふうに思います。  それから、子どもたちの給食の材料費は、今ですと、小学校の低学年の一食二百四十四円から、中学校の三百三十七円まで、給食費を家庭からいただいております。それで、これを全部割ると、自校、センターを含めて、給食費というのは一食幾らぐらいつくの。 ◎淺野 教育次長 まず、センター方式ですと、食材費とか維持運営管理等を込み込みしますと、一食当たり約八百八十円です。それから、自校調理方式ですと、中学校の場合ですと六百七十四円になります。 ◆菅沼つとむ 委員 実際にセンター方式のほうが大量にトラックで運ぶから安いんです。自校方式のほうが高くならなくちゃおかしい。一食の水道代とか人件費とかを全部入れると、センターのほうは八百八十円、自校のほうは六百四十円ということはない、絶対九百円を超えている。なぜかというと、給食というのは、世田谷は小中学校が九十校あるけれども、大体年間に四つか五つぐらい直しているわけです。その金額を入れると、もっと高くなると思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎淺野 教育次長 詳細に御説明申し上げなくて済みません。センター方式なんですけれども、食材費と維持運営管理ということで、太子堂調理場ですけれども、こちらについては、調理業務委託、該当校への搬送、施設の維持管理、光熱水費などを含んだ経費、かつ、都職員の栄養士の人件費を除いた金額で八百八十円でございます。なお、自校調理方式、中学校ですけれども、こちらにつきましては、食材費と維持運営管理経費を合わせてなんですけれども、都職員栄養士の人件費や学校の光熱水費、施設の維持管理経費は除いてございます。といいますのは、給食の部分だけというので分けるのが困難なものですから、そういった形で計算したところ、六百七十四円という形になります。 ◆菅沼つとむ 委員 一番大きいのは、十年に一度ぐらい、給食室の釜をかえたり、いろんな経費がかかるわけです。それが何億円とかかるわけです。それが自校方式にはのっていないから、この金額になるわけです。だから、例えばセンター方式だと八百八十円のときには、自校方式だと九百円を超えていると思いますよ。その辺を十年間でトータルで出すと出てくるはずです。それだけの経費でやって、本当に九百円近い給食をつくっているわけです。その辺をきちんとやっていただきたいというふうに思います。  それから、給食の材料費は、消費税が一〇%になると当然上がります。それから、給食の材料費というのは、五年に一度ぐらい上げていかないと、要するに材料代がだんだん悪くなるわけです。そうすると、今、三年ぐらいたっていますが、あと二年ぐらいすると上げなくちゃいけないということになります。  それで、太子堂調理場というのは、小中学校で自校方式をやるからといって、なくなるはずじゃなかったの。なぜ今でもあるの。 ◎淺野 教育次長 小中学校ですけれども、まず、自校調理方式にするためには、給食室の改修等が必要になってございます。そういった形で、改修の時期を捉まえて改修するであるとか、そういった形が必要になってございます。それからあと、全体の校舎の配置であるとか、そういった部分を含めて――自校調理方式は世田谷区の特色ある給食ですので、そういった形は大事だというふうには考えてございますが、そういった物的な制約があるということで、そういった形になってございます。 ◆菅沼つとむ 委員 昔はセンターから運ぶと言っていたけれども、昔は用賀と太子堂にあったわけです。だから、広い世田谷をカバーできたけれども、今は太子堂だけですから。それで、場所によっては、給食のところを整備するときにはお弁当でやっていますよ。  本来は、小学校一校、中学校七校は、自分たちの学校でつくって、おいしいものを子どもたちに食べさせてあげるということで、太子堂のセンターはなくすという話だった。それが全然進んでいないという話なんです。実際にはそういう話なんです。そうすると、要するに、無料化するよりは、子どもたちに温かくておいしい給食をつくるほうが先なんじゃないの。いかがでしょうか、お聞きします。 ◎淺野 教育次長 繰り返しになりますけれども、自校調理方式ということで、世田谷区の特色ということで、大変大事な特色だと思ってございます。ただ、給食室の改修であるとか、そういったものにつきましては、すぐにできかねる部分もございますので、そういった視点を大事にしつつ――自校調理方式を広げていくということは大事なことだと思っておりますので、今後とも取り組んでいきたいと考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際にそれは十年ぐらい前に決めたはずなんだよね。それで、何だかんだいって、今でも延ばしているという話です。子どもたちのために、おいしくて温かい給食を提供するというのが先だというふうに思います。  それから、今、本定例会でも給食の無償化という議論がありました。それで、区長も答弁がありましたけれども、今の世田谷区は、御存じのように、ふるさと納税、消費税の一〇%見直し、都から国に納めている税金だとか、給食費や何かを入れると約百三十億円ぐらいなんです。無償化すると、毎年入ってくる金が入ってこなくなるんだから。そうすると、財政的には大丈夫なの。 ◎宮崎 副区長 今般の学校給食の無償化の件というのは、子育て支援の一つの施策として掲げたものでございまして、この間、議会からもさまざまな御提案をいただいているところでございます。  今お話にございましたように、ふるさと納税の問題しかりで、今の区を取り巻く財政状況の中では、かなり厳しいものも当然ございます。その中で、さらに年末までには幼児教育の無償化問題も何らかの形で対応していかなきゃいけないという状況の中では、かなり精査を含めてしていかなきゃいけないということは当然のことだと思います。  そういう中で、繰り返すようですけれども、学校給食の無償化の部分については、この間、区長のほうからも、シミュレーションを含めて、いろいろ指示をいただいているところでございますが、年末にかけまして、予算編成という時期も来ますので、財政負担の状況も含めて、できる限りの実現性を図っていきたい、このように考えているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 三十年度の監査委員の意見書を見ますと、御存じのように、単年度、世田谷区は赤字なんですよね。それで、また三十億円だとか四十億円をかけるというのが本当にできるのか。  それからもう一点、財政に聞きたいんですけれども、この五、六年は財政の収入はいいですよね。それはいかがでしょうか。 ◎松永 財政制度担当参事 近年におきましては、人口増に伴う納税者数の増によりまして、特別区税、また、特別区交付金も含めて、増収傾向ではございます。 ◆菅沼つとむ 委員 たしかこの五、六年は財政が毎年伸びているというふうに思います。収入が伸びているけれども、二十三区の特別区の区債発行率は世田谷区がナンバーワンなんですよね。例えば隣の大田区は、二十三区で一番広いんですけれども、区債が二百三十七億円、世田谷の約半分なんですよ。  それで、世田谷区も、児相の問題、保育園の問題、高齢者の問題、梅ヶ丘の問題、本庁舎の問題、玉川総合支所の問題、これからも本当にお金がかかるんです。その辺まできちんと考えてやっているのか、御答弁を願います。 ◎宮崎 副区長 今、起債のことにお触れになりましたけれども、当然、時期、時期の中で、投資関係部分のところで起債の活用をさせていただいていることは、今委員からの御指摘もあったように、例えばハード整備をする際には、起債の部分について効果的に使わせていただいている状況がございます。ですから、二十三区の中でも、その時々の部分の中では濃淡が出てきますので、世田谷区においては、この間、その辺が少し集中している状況がございます。  今お挙げになりました、いろいろ課題はございます。そういう中もきちっと精査する中で、今般のテーマにつきましても対応ができるかどうかということについて、財政の角度からも十分検証していきたい、このように考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 世田谷区は、この五、六年、収入がいいんですよ。だから、収入が伸びているときには、普通、区債は発行を抑えるんです。逆に言うと、財政が悪くなったとき、区債である程度持ちこたえるというのが基本なんですよ。だから、二十三区で一番多いという、この辺の世田谷区の運営というのは大丈夫かなというふうに思います。  時間がないので、次に行きます。  次に、ポートランド市の中学生の交流事業についてお聞きします。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会庁内推進本部で区の中学校の相互交流の決定、スポーツ推進部、国際課は聞いていない。確認します。答弁はないですか。――確認していません。前回の質問で、スポーツ推進部、国際課は聞いていないという話でした。  次に、USOCは、アメリカのポートランド市との交流にはかかわっていないですか。これは確認ですけれども、答弁をお願いします。 ◎淺野 教育次長 ポートランド市との交流に関しまして、USOCとの関係ということです。こちらにつきましては、教育委員会として、直接USOCへの働きかけというものは行っておりません。ただし、本年八月にオリンピック・パラリンピック担当所管がUSOC本部を訪れた際に、二〇二〇年に向けた世田谷区の取り組みとともに、ポートランド市とのキャリア教育交流について御紹介いただいております。USOC側から何か手伝うことがあればとおっしゃっていただいたとの話を伺っております。 ◆菅沼つとむ 委員 だから、初めからUSOCというのは、中学校の交流事業にはかかわっていなかったということです。  もう一点、確認します。ポートランドの交流事業というのは、教育委員会の単独事業ですよね。 ◎淺野 教育次長 教育委員会で進めさせていただきたいと考えてございます。ただ、必要に応じまして、国際課であるとか関係部署の協力をいただきたいと考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 また、ポートランドに決めるときに、アメリカのいろんなところを見て、幾つかに絞って、その中で、ポートランドはいかがでしょうかというのが普通だというふうに思いますけれども、そういうことは一切検討しないで、直接ポートランドに決めている。間違いないですよね。 ◎淺野 教育次長 ポートランドを選定するに当たりましては、教育について熱心であること、環境についての配慮、取り組みがすばらしいこと、また、治安がいいことであるとか、日本文化への関心が高いことなど、こういったことを基礎的な条件として考えたところです。さらに、キャリア教育の観点から、企業とも連携していける可能性があることなどから、ポートランド市が最適であると判断したところです。 ◆菅沼つとむ 委員 文章にそういうふうに書いてありますけれども、申しわけないけれども、基本的には説得力がない。行ったこともない、見たこともない、それで環境がよくて、すばらしいというのは、インターネットで調べればできますよ。それで子どもたち二十人を送るということが――今まで教育委員会というのは、安全にいろんな交流事業をやってきましたよね。現場も見ないで、すばらしいことばかり書いてあるのは、この事業だけですよ。本来は、その辺は、先にアメリカの都市を幾つか見て、その中で、こういうふうに決めるというのが普通だろうというふうに思います。  そこで、ポートランドの区の説明文でやっていることが、今話したように、区のほうは余りにも現場を知らなくて進行している。それで、質問するから答弁しなくちゃいけないと。それはすばらしいことを並べて、いろんなことをやっていますよ。だけれども、実際には誰も行ったことがないんですよ。要するに、それが説得力がない。本当に役所は文章で生きているようなものですから、それをきちんと確認しないで出すこと自体もおかしいというふうに思っております。  実際には、ポートランドは世田谷区の六・五倍、人口は約六十三万人で、ナイキを初め、有力な企業が近くに多く、財政がいいので、多分、消費税がないと思います。それから、マリファナは違法でなく、育てることもできるし、人気があるので、今、人口がふえています。  世田谷区のほうでは、今、たばこ条例で、子どもたちへのたばこの副流煙が問題になっていますが、マリファナの副流煙の子どもたちへの影響について、医師である保健所長に答弁願います。 ◎辻 世田谷保健所長 マリファナとは、大麻の葉と花を乾燥させ、粉末にした麻薬でございます。お話にありましたように、アメリカ合衆国では、大麻使用が合法な州が九カ所ほどあり、ポートランドがあるオレゴン州も二〇一五年夏より、公共の場所では使用しないことが前提として、一オンス――約二十八グラムまでの大麻の所持と、四本までの自宅での栽培が合法化されております。しかしながら、大麻の乱用により、使用した本人には幻覚作用や知覚の変化等、悪影響を及ぼすおそれがあることから、日本においては、所持も含め、大麻取締法により厳しく取り締まっております。  一方で、他人の使用した大麻の副流煙が健康に及ぼす影響につきましては、厚生労働省やその他の研究機関にも示されていない状況にあり、今後の科学的研究によるエビデンスを注視していくとともに、保健所といたしましては、大麻が精神毒性や依存症がある有害なものであることを、若い世代にも、関係機関と連携し、周知啓発に取り組んでまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 済みません、マリファナと大麻を間違えました。
     実際には、この中で行ったことがあるというのは区長だけなんですよね。今みたく教育委員会が主催をやって、子どもたちの交流――この議会の中でも、交流がいけないなんて言っている議員はほとんどいないと思います。そういうことを子どもたちがせっかく――アメリカに行くのなら、銃社会であり、大麻の問題もあり、本当はもっと慎重に動かなくちゃいけないというふうに思っています。  言っていることとやっていることがばらばらです。この辺は行ったことがある区長に答弁願います。 ◎宮崎 副区長 私も行ったことがあります。ポートランドのほうは、この間、いろいろ御紹介もいただいていますように、さまざまな取り組みの中で、先進的なことをやっているというふうに思っております。  今回のポートランドの件でございますけれども、確かにUSOCとのかかわりや、そのほかの部分の中で、ポートランドというのを一応候補として上げたわけでございますけれども、この間もさまざまに御意見をいただいていますように、まずは教育委員会のほうも年末までには現地に確認に行きまして、今言った教育交流にふさわしいかどうか、本当に現地を見て、向こうの考え方もお聞きして、その上で改めて議会のほうにその状況を報告し判断していきたい、このように考えているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 それでは、最初に来ていただければ一番よかったというふうに思います。  次に行きます。校庭の芝化と人工芝についてお聞きします。  世田谷区が校庭の芝化を始めて約十三年ぐらいたっていると思います。この十三年、検証してきたのかお聞きします。 ◎淺野 教育次長 校庭の芝生化につきましては、メリットとデメリットがございます。まず、メリットの部分ですが、透水性、排水性がよくて、砂ぼこりを防ぎ、ヒートアイランド現象の緩和に効果があります。昆虫や鳥が飛来し、季節感を感じさせる景観になることからも、環境学習に役立ち、また、けがも少ないと考えてございます。一方、デメリットですけれども、夏芝から冬芝への切りかえ時の種まきであるとか、補植による養生期間中の利用制限があること、また、定期的な芝刈りや除草、散水等の維持管理の負担が大きく、学校やPTA、地域の御理解、御協力が不可欠であることが挙げられます。  事業継続に当たりましては、学校を定期的に訪問し、学校の要望を聞くなどして、助言、相談に乗りながら、次年度維持管理方針の変更等を必要に応じて行っております。  今後とも、日当たり等の敷地状況や学校の要望、手法等を考慮して、芝生化を進めるかどうか等を判断していきたいと考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 もう一つ、世田谷区の隣の目黒区は校庭の人工芝化を進めているというふうに思いますけれども、その辺のことを見に行ったことがある人はいらっしゃいますか。 ◎淺野 教育次長 目黒区のことなんですけれども、私自身は直接伺っていないんですけれども、目黒区立の小中学校三十一校のうち、人工芝の学校は九校ございます。目黒区では、二十年度より、校舎の改築の際に校庭の人工芝生化を進めまして、二十九年度に竣工しました小学校では、人工芝のほか、グラウンド周辺部には天然芝を植栽し、全天候型舗装、ゴムチップを一部採用したというふうに伺っております。 ◆菅沼つとむ 委員 今御答弁いただいたんですけれども、前も校庭の芝化をやったんですけれども、いつも同じです。教育委員会が周りに視察に行っているというんですけれども、某小学校の先生は、トンボが飛んでいてすばらしいなんて。実際は子どもたちのための校庭を芝で使わせていないんですよ。烏山のところだと、四分の一にして、前調べたときには、年間で一カ月使わせていない。  目黒区は、その辺を三十一校のうち九校やっているんです。これはなぜかというと、世田谷より目黒のほうが芝化が早かった。結局、最終的には、子どもたちに使わせたら、校庭の芝はだめだというので、今、人工芝に変えているわけです。それで、建てかえのときは補助金がきちんと出ますからね。  以上で終わります。 ○河野俊弘 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは休憩いたします。     午前十一時五十三分休憩    ──────────────────     午後零時四十五分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆真鍋よしゆき 委員 それでは、午後、引き続き自由民主党の質問をさせてもらいます。  今、区の課題はたくさんあるわけで、どれも重要な課題ですけれども、きょう私のほうは本庁舎等整備と、それから開かずの踏切解消、特に京王線の連続立体事業についてお尋ねをしていきたいと思います。  本庁舎等整備につきましては、さきの一般質問、本会議においても質問させてもらいましたし、これまで我が会派の議員から他の会派の議員までさまざまな質問がありました。  一点目は、やはり区民会館の保存だと思います。区民会館の保存、改修ということをずっと区は言い続けてこられまして、前にも申し上げましたけれども、その費用は幾らぐらいかかるんだろうかと。それならば、新築といいますか改築した場合もどれぐらいかかるのか、やはり出してもらいたいと。比較検討して初めて一つの結果、結論を出さなきゃならないということを申し上げてきました。この間も申し上げましたけれども、改修ありきみたいな形でなかなか改築のことについては踏み出してもらえなくて、どうしてそうなんだろうかなということをずっと思っていました。最後は改築の費用も出していただいたわけです。  それで、改修をすると二十五億六千万円、改築だと三十一億七千万円という数字を出していただいて、区のほうはⅡ類からⅠ類になったし、八割程度といいますか、計算したら八割のちょっと上でできるので、工期のことも考えて改修が私たちの判断だという現時点でのお考えだと聞いております。  前にも申し上げましたけれども、わかりやすく言えば、築五十九年の建物を八百万円かけて改修するのか、新築の建物を一千万円かけてするのかと言われたときに、私は多くの方が、いや、それぐらいかかるんだったら、しかもこれだけの年代物のものに、それならば一千万円かけて新しいのをつくったほうが将来を考えたらいいな、中古の車が直したら八十万円だけれども新車を買ったら百万円ですよと言われたら、私は百万円の新車を買うのじゃないかなという気がします。やはりこういうことを皆さんにも見てもらって、今、改築しても改修しても三十年は大丈夫と言って、ではその時にまた判断するといっても、多くの皆さんはもう世の中の第一線を退かれていると思うんですよね。だから、ここの判断というのは大きいと私は思うんです。  世田谷区の、よく言われているコストが建築工事費の八割程度だと、長寿命化を目指して区の公共施設等総合管理計画においてもこういうことが示されているなんて言われているんですね。ですから、後からⅡ類がⅠ類になった、八割でできるんだからこれでいいでしょうと言われて、はいそうですかとなかなか私は言いづらいんです。  プロポーザル方式のことにつきまして、前にも予算委員会等々で申し上げましたけれども、やはり示された条件というのがまずあるんですよね。だから、もちろん災害の対策本部になるんだという機能もあれば、もう一つは原風景を生かしつつとか、いろんなものが、いろんな意味で条件面になっていたと思うんです。先般、「Touch the World」の話がありましたよね。あれもプロポーザルと聞いたんですけれども、やっぱりこういうものにするべきだとか、こうだああだといろんな条件をつけていたとも聞いているんです。そうすると、でき上がったらこの間みたいな議論になるのかなという気がするんですけれどもね。  ですから、今回の本庁舎等の整備についても、何かプロポーザルという言葉は私も横文字に弱いんですけれども、何かまずこの方向があったんじゃないかなと。今回も、改築、改修の費用が出ても、もうこれは改修でいくんだと。結論ありきから物事を言うのって本当に簡単。簡単というか、作文でできてしまうんですよね。ポートランドのこともそうだけれども、さっきの教育委員会の答弁もなかなか苦しそうだったけれども、結論が見えているとそれに付随した理屈を並べればいいんですよ。  では、逆にこれは改築と区が腹を決めていたら、やはりどう考えても、改修すると八割かかります。でも、新築ですれば十割でできるんです。将来のことを考えたら、大事な区民の税金ですから、もうこのたびは英断をして改築しますというのだって立派な言葉に聞こえると思うんです。だから、これはどっちにするかというまず結論があってこのことを言っているのじゃなかろうかなという気が、私は今でもするんです。ですから、ここでやはりこれからこれは重要な局面だと思いますので、ただここでもう区が改修で決めているからこれでということではなくて、やはりこれは多くの区民の皆さんも関心を寄せられていると思いますし、私どもも選択を判断するときに、それぞれの比較対照をしたいからと金額まで出してもらったんですから、今からでも遅くありませんから、これは改修じゃなくて、やっぱり五十九年たった建物を直して使うよりも、改築ということで考えを持つことはできませんか、まずお尋ねします。 ◎松村 庁舎整備担当部長 本庁舎等整備につきましては、平成二十八年度からそれまでの取り組みを踏まえつつ改めて議論を深めるため、区民、学識経験者の参画を得て幅広くオープンな議論を行い、これを踏まえて本庁舎等整備基本構想を策定いたしました。この基本構想では、改築、一部保存の方針や配置計画等は示さずに、本庁舎等整備における基本的方針や必要な機能、規模、工期などの設計要件を示し、具体的に建物の配置や形状などにつきましては、設計者選定プロポーザルで提案を求めたものです。その結果として、区民会館ホールを保存、再生する提案をした設計者が最優秀者となりました。  この中で、世田谷区民会館の整備につきましては、この提案の考え方を尊重しつつ、議会での御議論を踏まえ、耐震性能を向上させる耐震改修方法を検討しまして、このたび構造体Ⅰ類相当の耐震性能を確保する考え方をお示ししたところでございます。また、機能につきましても、現施設の課題を改善し、基本構想で定めた内容よりも、さらなる機能向上を図るものでございます。  区としましては、この間の委員お話しにありました比較検討を含めまして、さまざまな検証、検討の結果、今回の中間報告でお示しした改修案は、求められる機能、規模の確保と最も合理的な事業計画が可能であれば、現庁舎等の活用も考慮するとしました基本構想に合致すると判断し、ここに至るまでの経過を尊重しまして、当該案で設計を進めることが妥当と考えているものでございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 かつて熊本区長のときに、本庁舎を整備するための案が示されて、区民会館等のところにまずある程度の建物をつくってという案だったと思うんです。こういう案ももちろん、今回の場合プロポーザルで出ていると思うんですけれども、やはり予算かその委員会等で申し上げましたけれども、普通審査するときというのは、最高点と最低点を切るとか、やっぱり公正性を求めるならそういうものだろうと。しかし、それを全部トータルしてポイントで決めていったということを私は指摘した覚えがあります。ですから、そのときの熊本区長時代の案が選ばれずに今の案になったというのは、私はそのやり方自体、本当にそれでよかったのかなというのは今でも私は思っているんです。  そういう中で、今、改築や一部保存の方針、配置は示したと言われたけれども、先ほど言われましたとおり、原風景の継承みたいな形も含めて、やはりいろんな意味での思いや判断材料が私はあったように思うんです。今、区は、今の答弁で、現時点でも改修ということで考えられているというわけですけれども、もう一度これを振り返って考えたときに、先ほど出されましたよね、公共施設等総合管理計画において、長寿命化を行う目安としてコストが八割程度であればという、それで、これに合致するんだと。区民会館が昭和三十四年に建てられて、しっかりしているこの当時のもので、だから使えるんだよと。第一庁舎がその後の三十五年で、第二庁舎に至っては四十四年なんですね。では、これはまだ使えるじゃないかと。では、これを改修して八割程度の費用だったら使えるじゃないか。ある意味、今の結論からそこに戻ったら、そんな考えまで成り立ってしまうんじゃないかなという気がするんですよ。  これから先、この世田谷区役所、特に本庁舎の役割、どれだけの人員配置をするのか、それから世田谷区の中の地方分権等々を考えたときに、果たして今の規模でいいのかといういろんな質疑もありますよね。なかなか区のほうも将来が見えないということでやっているわけですけれども、もういっそのこと、第一庁舎も第二庁舎も区民会館より新しいんですから、将来予想もなかなかつかないんだったら、今ここでこんな重大結論を出すより、第一庁舎、第二庁舎を改修して、後世の方に託したらどうかという考え方も持てると思うんですが、区の見解を求めます。 ◎松村 庁舎整備担当部長 先ほどお話ししました本庁舎等整備基本構想をもとに実施しました設計者選定プロポーザルでは、全面改築の案が四案、一部保存が二案提案されまして、設計者審査委員会が公平、公正かつ慎重な審査をした結果、区民会館ホールを保存、再生し、その他改築するという提案をしました株式会社佐藤総合計画が最優秀者に選定をされたものでございます。  区としましては、この佐藤総合計画の提案が極めて高い要求水準に対する最適な解と判断しまして、この考え方を基本に基本設計を進めることとしたものです。その後、基本設計を進める中で、議会での御意見も踏まえまして、本庁舎等の規模の変更などを行い、プロポーザル提案を基本とし、設計要件の変更や区民意見の対応を検討して、区として求める機能、規模を確保できる建物の配置、形状などをこのたび基本設計案中間報告書でまとめたものでございます。今後、この考え方を基本に詳細な検討を進め、長期にわたる区政を支える拠点となる機能的、効率的な本庁舎の実現に向けまして取り組んでまいります。 ◆真鍋よしゆき 委員 今、ここの詰めといいますか判断というのが、本当に将来何十年にわたっての区の本庁舎を左右する本当に大きな判断だと思います。ですから、はいそうですかということだけを今ぽっと言えないんですよ、私は。責任を持てないというか、あのときの区議会議員は一体何をやっていたのかななんて言われないとも限らないという気もするんですが。  それで、いよいよ来年度、もうちょっと具体的に動き出すわけですけれども、この本庁舎等整備について、来年度予算というのはどのような予算が提案される予定なんですか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 本庁舎等整備につきましては、今年度二月に基本設計の案を策定しまして、来年度より実施設計に着手する予定でございます。来年度予算に向けて実施設計関連の予算見積もりをしたところでございます。また、区民の要望の高い既存樹木の保存、活用に向け、現庁舎内のケヤキの移植の準備のための経費のほか、二〇二〇年度の着工に向けて必要となる準備を着実に進めてまいります。 ◆真鍋よしゆき 委員 先ほども申し上げましたけれども、本当にこれは重大な事案だと思います。ですから、また来年度予算が提案され、また予算特別委員会等々も設置されて議論されると思いますけれども、やはりある意味で重大な決意を持って臨まなきゃならないなというのを改めて感じております。  それでは次の質問ですけれども、やはり喫緊の課題としまして、平成二十六年二月に事業認可を受けて、工期十年ということで今進んでおります京王線の連続立体交差事業ですけれども、六月の定例会におきまして、私はこれまで踏切解消、連続立体の事業に協力的な皆さん、特に、長らく本当に二代、三代と駅周辺で御商売をされていた方々、その移転の用地も決まっていない、先も決まっていない。ですから、協力はしたいけれども、自分のところが図面上なくなってしまうと。だから、例えば従業員がやめていったり、応募をかけても人が集まってこない。このままでいったら、やはり反対せざるを得ないなんていう話を受けて、ここが本当に肝だなと、一番重要なところだな、何とか、特にことしじゅうにこの辺の見通しを立てなければ、とてもじゃないけれどもこの先進んでいかないのじゃないかという私は心配をしております。このことを保坂区長にも、ぜひとも、おわかりだったと思うんですが、もう一歩踏み込んだところで理解をしていただきたいなと思い、そういう質問をさせてもらいました。  保坂区長は、先頭に立って京王電鉄とも交渉するという発言もしてくださいました。そういうことで、本当にここが肝心なところだと思いますので、その後の事業に対してどのような形で区は、特に区長は対応されているのかお尋ねしたいと思います。 ◎保坂 区長 京王線の連続立体交差事業に関しましては、鉄道事業者である京王電鉄と協議をする。そして、まちづくりに関して胸襟を開いて協議、議論をし、よりよいまちづくりに向けて改善することは大変重要だというふうに考え、これまでも機会を捉えて意見交換をしてまいりました。  先般御指摘の件でございますが、地元の皆様との意見交換もさらにしなければいけないと思っておりますし、区としてどのような解決策があるのか、あらゆる可能性を排除しないで検討するように担当所管に指示いたしております。この事業を契機に、京王線沿線各駅を中心とした町のにぎわいや豊かさが実感できるまちづくりが進むよう、残りの期間、時間的に限られている中で、全力を挙げてまいりたいと思います。 ◆真鍋よしゆき 委員 御指示されたということですけれども、御自身も動いてくださっていると思います。よろしくお願いしたいと思うんですが、明日、この京王線の起工式がいよいよ桜上水で行われるわけですけれども、これはもちろん保坂区長は行くんでしょうねという質問をしようと思って担当のほうにお渡ししたら、起工式に区長が招待を受けていないということがわかったんですけれども、これはまずどういうことなのか教えてもらえますか。 ◎小山 道路・交通政策部長 京王線連続立体事業における鉄道工事につきましては、十月より本格着工されることから、明日午後に京王電鉄主催の起工式がとり行われます。開催に当たりましては、会場の選定や設営、さらに当日の進行、さらに招待される方の選定など、全て主催の京王電鉄のほうで行っております。区に対しましては、ほかに東京都、杉並区、渋谷区同様に、工事関係を所管します所管部長宛てに御案内をいただいておるところで、担当のほうとして私が明日は出席するような予定になってございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 区議会議員の皆さんにもお話を聞くと、全員の皆さんに御案内が行っていると聞きましたし、代表して議長も出られると聞いていますし、これは本当に昭和四十年代に都市計画決定されて、その後変更があったんですけれども、あの地域の世田谷区の区民意識調査で困り事のナンバーワンだったんですね。やっとここでこれだけの事業がいよいよ起工式を迎えるということで、そこに議会のほうは呼ばれても、行政の責任者が呼ばれないということは、いやちょっと私も聞いてびっくりしたんですけれども。今の話で、主催する京王電鉄が行っておりますという答弁なんですけれども、京王電鉄を初め、これは大丈夫なのか心配になってくるんですけれども。何でこんなことになって、本当にこれは事業というか、あしたの起工式をスタートで、心おぼつかないんですけれども、大丈夫ですか。どうですか。 ◎小山 道路・交通政策部長 起工式の後、鉄道工事の本格的な工事が始まります。また、区におきましても、側道に関する下水道工事、さらに道路工事など既に着手しているところもございます。そのほか関連する都市計画道路、それから駅前広場の用地取得を推進させるため粘り強く取り組んでおりますが、関連する事業も含め、早期事業の完成のためには、東京都、京王電鉄、それから関係自治体間の連携のさらなる強化、そして地域の皆様の御理解、御協力が必須となります。そのためにも、事業が着実に進んでいることを地域の皆様にお示しすることが大切であると考えており、工事の着実な執行に加えまして、事業に関する情報の提供と関係者間での連携の上、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆真鍋よしゆき 委員 今、私は区議会議員の皆様方に御案内が行っているというお話を聞いたのでちょっとお話ししましたが、参考までに、起工式には一体どなたたちを呼んでいるのか、区のほうでわかっていたら教えてください。 ◎小山 道路・交通政策部長 区議会議員等を初め議会関係の方々、さらに東京都、それから渋谷区、杉並区、世田谷区のほうは工事を所管する担当部長のほうです。さらに、地元の皆様のほうにも御招待が出ているというように聞いてございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 今のお話で、私も聞いたところ、その沿線の町会とか自治会とか商店街の方とかというふうに伺っているので、やはり保坂区長であるとか、杉並の田中区長とか、お姿がないと心配になっちゃうような気がするんですよね。何か一部議員だけが集まってやるというのではなくて、こういう形で地域の皆さんもお呼びして、さあ、今まで本当に何十年来の懸案であった京王線の開かずの踏切をなくしていくんだということのスタートですよね、起工式は。それが今の話のように、行政の責任者をお呼びしないというのは、やっぱり私は肩透かしを食ったというか、京王線のやる気を疑ってしまうんですね。  私もあした伺うつもりですから、そんなことを聞いたら向こうは答えないかもしれませんけれども、多分これはいろんな理由があるんじゃなかろうかなという気がしております。  それで、結局鉄道事業者がよく連続立体事業のときに、国、東京都、区の補助金がもう相当使われて、要は拡幅部分と踏切をなくす部分と分けていくんですけれども、だから鉄道事業者というのはそんなにお金をかけないで、実は税金が相当かかっているんだとよく聞くわけですよ。その辺のことを事業者はわかっているのかなと。でも、つくってみたら自分のところの土地だからと、何かもうそこで独占的にいろいろな店舗を出してみたり、周りの人たちを排除したりみたいなものが、他の事例で私は見受けています。  そういうことがあるから、では今度の京王のこの事業も、もちろん踏切がなくなることに、駅周辺まちづくりに協力することにやぶさかじゃないけれども、今まで長年仕事をやってきた。ところが、自分はどこかに移転せざるを得なくなって、そして鉄道事業者が持っている高架下であるとか建物に対して、同業他社の方、ライバルの方が入ってきて仕事をするということになってしまったら、自分たちは一体何のために仕事をしてきたのかなという声を聞きます。このことに、やはり同じことになってしまえば、これはやはりこの事業は進まない。大変なことになると思います。  世田谷のこれまでの事業の中でも、やっぱり一番最初のボタンのかけ違いというのが将来に物すごく禍根を残したという例は枚挙にいとまがないような気がするんですね。それの例がほかを挙げてもたくさんありますよ。この事業にとっても、そうなってしまったら困るんですね。  私が気になるのは、役所の方も、こう言っては悪いですけれども、大体二年か三年で担当を交代するじゃないですか。私はいつも大丈夫なんでしょうねなんて言うと、いや、一応これは工期はそうなっていますがなんて言って、何かいつも自信がないようなお話をされている人もいるんですね。大丈夫かなと正直思うこともあるんです。  ある意味、区民の方も小田急線の事業を見ていても、まあ、そんなこと言ったって結局はまだまだ先になっちゃうんだろうって、何となく住民の人たちの冷めている感じもするんですよ。だから私は、平成三十四年度ですから三十五年の三月までに踏切をなくすということで工期が決まっていますから、それまで頑張りましょうねなんて言ったって、そんなこと言ったって無理でしょうなんて言われるんですね。もう、これはつらいですよ。だから、行政がやることはもう延びるのが当たり前なんて思われるのは、やっぱり間尺に合いません。  そういうことで、この踏切解消、工期が決まっていてそれに向かってやっていく、あしたはいよいよある意味のスタート、もう二十六年の二月から始まっていますから折り返しているわけですけれども、何とか一刻も早く踏切を解消したいなと思うんですけれども、この工期を、まずトップに立つ区長が守るんだということで、やっぱり決意を示してもらうのが大事だと思いますので、改めてお伺いします。 ◎保坂 区長 この京王線の連続立体交差事業及びその関連事業ですが、単に踏切の除却や道路、駅前広場を整備するということだけではなくて、沿線各駅を中心とした町をいかにその魅力アップしていくか、これが肝要だと思います。そして、事業中は一時的に買収により空き地になる土地もふえ、空き店舗がふえるということになるので、なおさら早期事業完成が必要だと思います。また、京王電鉄を初め、東京都、杉並区、渋谷区とも連絡を密に連携していく必要もございます。  小田急線の連続立体交差事業が今年度末で終了してまいりますが、線路上部の活用を議論する北沢デザイン会議を初め、区民の参加する場が重層的に重なり、いよいよ上部利用も含めたまちづくりが本格化してまいります。京王線の事業におきましても、これから本格化するまちづくりについて、住民の参加や協働も含めて、そして関係団体、京王電鉄を初め、連絡を密にしながら、いいまちづくりをするために、工期というものをきちんと意識して取り組んでまいりたいと思います。 ◆真鍋よしゆき 委員 くれぐれもよろしくお願いしたいと思います。  京王線の開かずの踏切は、区長初め行政の方も御存じだと思いますが、もう特に朝夕は大変なことになっています。それこそ一時間のうち五十何分閉まっていて、あいたと思ったらまた閉まって、その中で自転車や何人かの人が取り残されているみたいなのが毎朝起きているという、この状況は一刻も早く解決しなければなりません。やっと事業認可が出たわけですから、これをやり遂げなければ本当に何のために行政があるのかわかりませんので、ぜひともよろしくお願いしまして、また、これは機会あるたびに質問させてもらいたいと思います。  それでは、引き続き和田幹事長に交代します。 ◆和田ひでとし 委員 では私からは、総括質疑で一問ちょっと聞き逃しちゃったところがありましたので。  来年十二月に自動交付機が廃止となって、それに向けてマイナンバーカードの取得をぜひ推進をしてほしいということで、臨時の窓口をつくったり、いろいろと動きがあるようですけれども、そのときに自動交付機にかわって、今度はキオスク端末を全まちセンに置くというふうに伺いました。これについて、本当に全まちづくりセンターに今度はこのキオスク端末が本当に必要なのかというところを改めて伺いたいと思います。 ◎志賀 地域行政部長 現在、証明書自動交付機はくみん窓口や出張所・まちづくりセンターなどに合計三十八台を設置してございます。来年、二〇一九年十二月に証明書自動交付機廃止に伴いまして、マイナンバーカードの交付促進を図るとともに、マイナンバーカードで証明書を取得することができるキオスク端末を、証明書自動交付機があった場所に設置することを検討してございます。なお、こういった取り組みは大田区や練馬区等他の自治体でも既に実施している事例がございます。  お話にありましたように、確かに設置する施設の近くのコンビニがある場合も想定されますが、区の窓口の近い場所にキオスク端末を設置することにより、手続と証明書取得を同じ施設内で行えるとともに、ブースを設けるなど、プライバシーに配慮した環境のもとで、職員による操作にふなれな方への支援を行うことにより、利用者に安心して御利用いただけるものと考えております。また、マイナンバーカード交付促進にもつなげてまいりたいと考えてございます。  現在庁内で検討してございますが、具体的な経費的な面も考慮し、設置目的を踏まえつつ、設置場所や台数について今後検討してまいります。 ◆和田ひでとし 委員 やはり現場の声をしっかり聞いた上で、やはり各地域、各地区それぞれ実情があると思いますので、そういったところもしっかり考慮した上での設置としていただきたいと思います。  次に児相について、ちょっとまたここも確認をしておきたいと思います。  会派として再三意見を申し上げているとおり、児童相談所は二〇二〇年四月の開設ありきであってはならないと思います。そして、しっかりとした準備が行われ、万全の体制が構築されている必要があると申し上げてまいりました。特に、子どもの生命と安全を守るための児童相談所と警察との連携は非常に重要であり、しっかりと行わなければなりません。  児童相談所と警察の連携といえば、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協の枠組みがあると聞いております。両機関を初めとする関係機関が連携し、児童虐待などの要保護児童の支援に当たっておりますが、この連携がうまく機能することで成果を上げている自治体もあると聞きました。その一方で、要対協の連携にとどまらず、児童相談所と警察は、児童虐待事案の全件を共有するべきという意見もあり、実際に全件共有を行っている自治体もあると伺っております。  そこで、区は警察と児童虐待事案の全件共有を行う予定はあるのか、また、全件共有に当たって課題があるのであれば、あわせて区の考えを伺いたいと思います。 ◎澁田 子ども・若者部長 子どもの生命と安全を守るためには、警察との緊密な連携が不可欠であり、情報共有を初めとする連携体制の構築は非常に重要であると考えております。  情報の全件共有につきましては、これまでも国レベルの議論が行われてきたところでございますが、過去に意図せず情報が警察に伝わり、児童相談所との連携がないままに警察が動いて、子どもが家庭に帰るための支援プログラムを困難にするケースなどがあったとしまして、全件共有には慎重な意見も根強くございます。  目黒の事件を受けての国や都の緊急対策におきましても、児童相談所と警察の連携強化を掲げ、必ず共有すべき情報の範囲は、虐待による外傷がある場合など定めましたものの、共有する必要があるのは生命の危険がある事例であって、ケースの状況により判断が必要でありますので、全件共有までは義務づけられなかったという経緯がございます。  区といたしましては、こうした経緯を踏まえ、引き続き要保護児童支援協議会による支援の連携を図りつつ、まずは緊急対策の趣旨も踏まえ、警察との連携体制の構築を進めていきたいと考えております。その上で、日常からのさらなる警察との緊密な意思疎通や福祉的な支援についての理解を深める仕組みづくりを進め、情報共有の仕方についても検討したいと考えております。 ◆和田ひでとし 委員 その目黒区の事件のような手おくれになって命を落とすなどという、あってはならない事件が二度と起きないようにするためには、関係機関が連携して児童を見守り、支えることも大切でありますが、一方で、警察による適切なタイミングでの家庭への介入も必要であると思います。区の具体的な取り組みを伺います。 ◎澁田 子ども・若者部長 御指摘のございましたとおり、危機的な状況にあることを把握するとともに、今後起こり得るリスクも十分に見通した上で、警察による適切なタイミングでの家庭への介入を確実に行う必要がございます。こうしたことを踏まえまして、区の緊急対策で示されました児童相談所と警察の連携強化は、目黒区の事件を契機に、警察庁生活安全局と厚生労働省の協議の上定められたものであり、全国ルールとして通知されまして、警察も承知しているところでございます。このルールに沿い、連携体制の構築を進めると同時に、重要なルールを担保するための区独自の職員体制の充実にも取り組むことで、最短で二〇二〇年四月までに必要とされる警察との連携体制を構築してまいります。  また、これにとどまらず、緊密な意思疎通や福祉的な支援についての理解を深めることなど、子どもの生命と安全を確実に守るためのさらなる工夫も重ねてまいります。  なお、具体的な調整を進めるに当たりましては、東京都による政令指定要請への協力が示される必要があると考えておりまして、区内の各警察署等には情報提供をしておりますが、警視庁への正式な申し入れは都の表明を待って開始する予定としております。また、必要に応じ警視庁との協議をスムーズに進めるため、特別区が連携して協議に当たるなどの工夫にも率先して取り組みたいと考えているところでございます。 ◆和田ひでとし 委員 この警察との適切な連携は、虐待の重篤化防止のほかに、子どもの命にかかわるような危険なケースで迅速な対応につながることも期待されております。ここは区としてもしっかりとした対応をお願いしておきたいと思います。  次に、区立中学校の現状、課題、また魅力アップについて伺いたいと思います。  現在、やはり区内で、地域によりますけれども私立中学校等への進学率がふえている中で、区立中学校の魅力向上について、現在区教育委員会はどのように考えているのか改めて伺います。 ◎工藤 教育政策部長 新学習指導要領の趣旨、社会に開かれた教育課程を先取りしまして、世田谷区では、既に全ての区立学校を地域運営学校として指定しまして、地域とのつながりを大切にした学校運営を推進してまいりました。区立中学校の生徒も、幼いころからなれ親しんだ友人との学びの共有と、学び舎の小学校や地域の人たちとの人間的な触れ合いを通して、心も体も地域社会に根差して成長していくことは大変大きな特徴であるというふうに認識しております。  また、学習面での魅力としましては、月一回の学校公開を基本としました土曜授業ですとか、社会や総合的な学習の時間における地域学習を初め、数学や英語に加えて、新聞を活用した朝学習、土曜講習会やイングリッシュタイム、そして今年度パイロット校で実施しておりますeラーニングによる学習支援システムなどが挙げられます。さらに、3快プログラムから生まれた体力向上部など、多様で魅力ある部活動の取り組みや、地域を舞台に行う職場体験では、世田谷を愛する気持ちを高めるとともに、社会性や人間性を成長させる行事となっております。ほかにも、歌舞伎鑑賞教室などの校外学習ですとか、生徒会サミットなどの生徒間交流などでの体験、体感は、生徒みずからの成長を実感できる機会となっております。  教育委員会といたしましては、今後もさまざまな活動のさらなる充実を図りながら、時代に合わせた教育活動が展開できるよう、各学校、学び舎のさまざまな特色のある活動を広く紹介するとともに、区立中学校の魅力を一層高める施策を考え実行してまいります。 ◆和田ひでとし 委員 私の自宅の一軒置いてすぐ隣に区立の奥沢中学校があるんですけれども、私の母校でありますけれども、現在各学年二クラスずつ、つまり三学年で六クラス。しかも、一クラスが二十数名という本当に、私が在籍したときは四クラスあり、私の子どもたちが在籍したときは三クラスあった。現在、そういうふうにどんどんどんどん減ってきている。小学校はほぼ横ばいの状態が続いている中で、なぜか中学校だけはどんどんどんどん少なくなってきている状態を見ていて、よく声とか音でわかるんですね。中学校、我々のあるいは私の子どもたちがいたころは、音楽室から合唱の声が聞こえてきたり、体育館から部活の声が聞こえてきたり、まさに活気があったような気がするんですけれども、最近なぜか余りそういう声が聞こえてこないというか、すごく静かだなという印象があって、やっぱり在籍数がこれだけ減ってきてしまうと、なるほどちょっと活気がないなというのが実感なんです。  ぜひとも、私はやっぱり区立の中学校をもっともっと工夫すればいろんな魅力アップができるかと思いますし、また、せっかく地域運営学校あるいは学び舎というのを取り入れている世田谷区の大きな特徴でもありますので、ここは、校長先生にもぜひ踏ん張っていただいて、ぜひとも中学校の魅力アップにはさらに努力をしていただきたいなと思います。  次に、新教育センターについて伺っていきたいと思います。  我が会派としては、新教育センター整備についてはこれまでも厳しい意見を申し上げてまいりました。現在でも着々と予定どおり計画は進んでいると思いますが、私は文教常任委員会で昨年度、小樽市の中学校で生きた英語を身につけさせる授業を参観しました。市内全ての中学校に隔週でALTを派遣するほか、約半数の中学校を英語教育推進校と指定し、公開授業を行っていると伺いました。また、今年度は滋賀県草津市の小学校でプログラミング教育の授業を参観し、ICTを活用した効果的な教科指導に取り組んでいる姿を視察してまいりました。特に、平成二十七年度には全小学校にタブレットパソコンを配置、そして二十九年度には十五校の小学校に人型ロボット、ペッパーを導入し、ICTを活用した授業に積極的に取り組んでいる姿を見てまいりました。いずれも学校、教員が子どもたちのためによりよい授業を展開しようとする先駆的な取り組みを見る機会でありました。私の子どもたちが小中学校時代は十数年前あるいは二十数年前ですから、当たり前ではありますが、本当に変わっているなという実感をいたします。  教育委員会では、新たな学習指導要領の実施に向け取り組みを進めていると思いますが、新教育センターの整備に当たっては、さらにその先、子どもたちが大人になったときの社会を見据え、子どもたち一人一人の学び方を確かなものにしていくことが重要であります。  そこで、実施設計に入った今、改めてどのように取り組もうとしているのかを伺います。 ◎工藤 教育政策部長 社会が大きく変化し、予測の難しい社会がさらに進む中で、子どもたちがみずから考え、最善策を導き出していく力を育んでいくことが求められており、国を挙げてこれまでの教育の仕組みを改めていこうとしています。  教育委員会では、教員が子ども一人一人を理解し、指導力を発揮していくため、学校や教員を支えていくことが重要であると考えております。  そこで、今年度は教育研究アドバイザーの設置、学力調査等の学習データの集積、分析やフィンランド研修の成果とも連動した教育研究、プログラミング教育に向けた研修の実施、eラーニングを通した学習状況の把握と個に応じた指導の試行など、ICTの活用を図り、先行し着手しているところでございます。さらに、幼児教育を進めるため、区民や幼稚園、保育園の教員、保育者などを対象にワークショップを実施しております。
     今後は大学や企業などとの連携も視野に入れ、授業改善に向けた教育研究、教材開発、幼児教育の充実、さらにいじめ、不登校や配慮を要する子どもとその保護者への対応などの先行事業の検証実施を進め、今を生きる子どもたちの確かな学びとなるよう、時期を逸することなく取り組んでまいります。 ◆和田ひでとし 委員 私は昨年の決特でもこの新教育センターについて伺わせていただきましたが、やはりそのときの答弁の中に、教科指導だけでなくさまざまな教科課題に対応していくことが求められているなど、これまでの経験だけでは対応できないものでございますという答弁をいただいております。つまり、ベテランの先生方がいろんな経験を積んできた現在、やはりこれからの教育に向かっては、それもなかなか通用しなくなってきている、そういったところに差しかかっているのかなと思うんですが、そのときに私は最後に申し上げました、新教育センターの竣工がゴール地点ではなく、実施されるさまざまなカリキュラムを実効性のあるものとし、その成果を世田谷の教育に反映させ、未来を担う子どもたちを健全に育んでいくことが求められていると思うと、我が会派としても、今後の整備状況、運用状況を注視してまいりたいと昨年申し上げました。やはり現在、この実施設計というところの段階まで来て、問題はやっぱり中身だと思いますので、ぜひともその辺はしっかりと、これからのこの中身について考えていただきたいと思っております。  次は、ちょっと高齢者のことで伺っていきたいと思います。  ことしの八月、我々会派は福岡市の健康先進都市戦略を視察してまいりました。世田谷区も間もなく百万都市が予想されており、保育待機児対策とあわせて、特養待機対策にもさらに取り組んでいかなければならないところへ来ていると思います。  そこで幾つか聞いていきますが、これからはまさに百万都市へ向けての健康長寿社会の構築が必要であります。改めて区の見解を伺います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 先ごろ発表されました平成二十七年度の国勢調査によりますと、世田谷区の平均寿命は、男性が全国で三位、女性が八位となっております。要介護認定を受けるまでの健康寿命は二十三区平均と大差なく、要介護認定期間は二十三区中で男女とも一位、二位と長いことが、世田谷区の要介護認定率が全国、東京都平均よりも高い一因となっているため、健康寿命の延伸は大変重要な課題であると認識しております。  区では、健康長寿のまちづくりを目指し、社会参加の重要性の普及啓発や、支えあい意識の醸成に取り組んでおります。今年度も、参加者みずからが役割を考え、地域とのつながりが持てるよう、世田谷、砧、烏山三地域での区民参加型ワークショップや、三方よしの社会参加をテーマに講演会を開催し、高齢者が社会参加することの重要性や、健康長寿に及ぼす効果について広く区民に普及啓発し、健康長寿社会の実現を目指してまいります。 ◆和田ひでとし 委員 この福岡市は、長寿を心から喜べる町が存続するための条件の一つとして、医療・介護サービスをふんだんに使えることは、個人にとって幸せであっても、社会にとっては保険料や税金の負担という重荷になる側面があると。かといって、社会にとって効率的な制度や仕組みをつくることで、個人の多様なニーズに応え切れないことになる。個人と社会をいかに両立させていくかは避けて通れない大きなチャレンジであるといって、この取り組みを進めているわけですけれども、先ほどの答弁の中で、要介護の認定期間が二十三区中一位、二位とありましたけれども、これを聞いてちょっと改めて驚いているんですが。  若い世代から健康に関心を持つことはもちろん大事なことだと思いますが、我々のような六十代からの世代は、これから考えますとさらに二十年、三十年とできるだけいかに介護が必要とならない状況にする必要があるかと思います。改めて区の見解を伺います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 介護予防、重度化防止に向けましては、運動、栄養、社会参加が大変重要となります。区では、この三つの柱に基づき、六十五歳以上の区民の方を対象といたします一般介護予防事業のほか、要支援者などに向けまして、生活機能の改善や重度化防止を目指す介護予防事業を実施しております。介護予防の活動は、地域で主体的に継続して取り組むことが重要となるため、自主グループの立ち上げ支援や、自主活動団体への活動費助成など、高齢者の主体的な活動を支援しております。  今後、さらに介護予防効果を高められるよう、介護予防普及啓発事業にも、地域で誰もが簡単に取り組める世田谷いきいき体操を取り入れ、社会参加に関する啓発を強化するなど、より効果的な事業を実施してまいります。  引き続きあんしんすこやかセンターや社会福祉協議会、地域の関係者の方々と連携し、さまざまな機会を捉えまして、区民の主体的な参加を広く呼びかけ、介護予防、健康長寿の取り組みを推進してまいります。 ◆和田ひでとし 委員 ちょうどきのう、この「せたがや」が出て、表紙に目指せ健康長寿という記事がありました。百歳を迎える方が二百十三人と書いてありました。すごい数字だなと、まさに人生百年時代、そろそろ来るのかなという実感があるんだけれども、この記事の写真が載っていました。ダンディーエクササイズクラブという男性だけの体操のクラブですね。ちょうど私の住んでいる奥沢、東玉川で、今聞いてみましたら月に三回平均に町会会館とか公共施設で開かれているそうですけれども、毎回約三十名から四十名参加されている。私も何回か伺ったことがあるんですけれども。年齢を聞いてびっくりしましたが、平均年齢をとると大体もう八十近いんじゃないかなというふうに言っていました。本当に男性ばかりですから、非常に、最初はすごくぎこちないスタートだったようですけれども、今になるとすごくなじんできて、仲間もできて、このごろでは体操が終わるとみんなでお昼を食べて解散というぐらいに、非常に和気あいあいという雰囲気になってきました。やはりこの六十を過ぎてから、あるいは七十、八十になって自分が行く場所がある、あるいはすることがある、仲間ができるというのは、やっぱりこれからのこの長寿社会には絶対必要だなという感じがいたします。  そういった中で、次に、なるべくなら介護不要で、介護が要らなくて健康長寿が一番なんですけれども、それでもどうしても介護のお世話になることは想定しておかなければならないと思います。問題は、介護人材の確保にあることは、福祉保健領域で他会派からも質疑がありました。  介護人材対策として、これまでの取り組みに加え、介護の仕事の魅力をもっと効果的にアピールしていくことも必要ではないかなと思います。この点、区の見解はいかがでしょうか。 ◎瓜生 高齢福祉部長 介護の仕事は、高齢者の自立支援に向け、理論や技術に基づく専門的な仕事であり、資格取得でキャリアアップできることなどを発信していくことは、介護人材対策を行う上で大変重要であると認識しております。区は、介護の仕事の理解促進のため、介護施設バス見学会や福祉の仕事入門講座などを行ってまいりました。また、特養ホームで開催している家族介護教室や、せたがや福祉区民学会は、介護の仕事の魅力を発信する機会ともなっております。特養ホームと区が共催で七月に開催しました福祉と介護のおしごとフェアが東京都社会福祉協議会の第十三回高齢者福祉実践・研究大会で最優秀賞を受賞し、職員のモチベーションアップ、介護の仕事の魅力発信につながったと思っております。今後、介護ロボット等の導入支援事業なども通し、介護職場の環境改善などに取り組んでまいります。  区といたしましては、引き続き介護の仕事のイメージアップや社会的評価の向上に向け、事業者とともに知恵を絞り、介護人材対策に全力で取り組んでまいります。 ◆和田ひでとし 委員 やはりロボットですとか、あるいは外国人の採用など、あわせて仕事をやっぱりもう少し魅力アップ、魅力のアピールも大事ではないかなと。プラス発想でぜひこういったところも取り組んでいただきたいかなと思っております。  やはり高齢者のことについてずっと伺ってまいりましたが、区長もたしか私と同世代ですから、そろそろ高齢者の域に入ってくるのかなと思うんですが、先ほどの福岡の視察をしたときに、人生百年時代を見据えれば、六十五歳以上を高齢者と一くくりにするような考え方は変える必要があると。こういった発想も変えていかなきゃいけないのかなと。六十五になったから高齢者ですという一つの区切りなのかもしれませんけれども、やはりこれからの人生百年時代に向かって、やはり六十五歳だから、はい高齢者ですというのではなくて、そこから先、さらに何か自分でできることを探していくというのが非常に大事なんだなということを、この福岡を見させていただいても感じてまいりました。  私自身もなるべく今体を動かすようにして、意識して、エレベーターを使わず階段を上ったり、車を使わずに自転車を使ったり、いろいろと体力の維持には努めておりますが、やはり日に日にというか、やはり自分の体の衰えというのはところどころやっぱり感じます。特に足腰の衰えというのが非常にこのごろ感じるようになりましたので、特にかばんを持たずにリュックをしょって、必ず両手をあけて歩くように、このごろは意識しております。というのは、つまらないところでつまずいて転びそうになったりだとか、結構恥ずかしい思いをしたこともあるので、このごろ、特に両手をあけてしっかりと町の中を歩くというのを意識してやっていますので、このごろはリュックを絶対放せない、必ず背中にしょって歩くということを努力しております。  足腰の衰えで気になるんですけれども、先週の土曜日、文教質疑が終わった後、車を飛ばしまして川場まで行ってまいりまして、土曜日に、実は川場村の閉山祭、山を閉めるという式典がありまして、そこにちょっと川場の議員さんから紹介してもらって、武尊山というところを登ってまいりました。結構ハードな山なんですけれども、うちの会派の上島議員と二人で登ってまいりましたが、今まさにその筋肉痛のピークにきておりまして、太ももとふくらはぎがぱんぱんになっておりますけれども。普通、若い人は筋肉痛が明くる日にくるといいますけれども、私は大体三日目あたりがピークになりますので、この辺もさすがに六十を超えるとこういうふうになってくるのかなという、衰えと戦いながら、まだまだ人生あと、来年六十五ですから、まだまだあと少なくとも五年ぐらいは頑張っていきたいと思っております。何とか若さを維持していきたいなと思っております。  最後の質問になりますが、こういった高齢者を対象とした世田谷区は特殊詐欺被害が大変続いている。いろんな報道がありますけれども、十月三日の新聞によりますと、新宿区の高齢者名簿提供は個人情報保護の問題ありであるという記事。また、きのうでしたか、たしかまた新聞に載っておりまして、世田谷区は既にこれまでもこういった住所とかが記載された高齢者名簿を警察に提供してきたと伺いました。しかし、これについてはやっぱり見直しの検討が必要ありなのかなというふうな記事が載っておりましたけれども、これについて区の見解を伺いたいと思います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 区では、個人情報の取り扱いについては、個人情報保護条例に基づき設置された情報公開・個人情報保護審議会に諮り、適切に実施しております。高齢者名簿の警察署への貸し出しは、平成十九年に審議会へ報告し、区民の生命、身体、健康または財産の安全を守るために、本人の権利利益を不当に侵害するおそれがないときに該当すると承認を受け、警察の依頼に基づき提供してまいりました。今のところ、今年度は依頼はございません。貸し出した名簿は、都の個人情報の保護に関する条例などに基づき管理され、区は複写を禁じ、一定期間をおいて返還を求めております。返還の際、警察からは特殊詐欺被害防止喚起のため、戸別訪問などに活用したというような活用についての報告を受けております。  個人情報に関する意識の高まりの中、今般の新聞報道や区民、団体等からの御意見を踏まえ、今後名簿の貸し出しについては関係所管と慎重に検討してまいります。  一方、特殊詐欺などから高齢者を守るため、介護保険料決定通知書やシルバー情報に特殊詐欺防止のチラシを同封するなど、関係所管、あんしんすこやかセンター、ケアマネジャーなどと連携し、高齢者の生活を守るため、あらゆる機会を通じて啓発に努めてまいります。 ◆和田ひでとし 委員 これはいろいろ議論があるかと思いますけれども、やはり何といっても特殊詐欺が世田谷区はこれだけ今多く発生しているというところを踏まえますと、やはりいい、悪いは別としても、やっぱりいろんなことを考えていかなきゃいけないなというところ。また、やっぱりこういうほかの区でもほかの自治体でも、いろんな議論が持ち上がっているわけですから、やはりここは今までやってきたから引き続きじゃなくて、一度立ちどまった上でしっかりとここは考えた上での策等をしていただきたいかなと思っております。  いろいろと、るる質疑してまいりましたけれども、やはりいつまでも元気で健康長寿を保つということがいかに大切であるかということを、きょうは理事者の皆様にもお伝えさせていただいて、自由民主党の質疑を終わらせていただきます。 ○河野俊弘 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆板井斎 委員 初めに、区財政について伺います。  先ほど他会派から新庁舎建設に係る財源について、基金、特別区債、一般財源等の内訳について具体的な数字をもととした質疑がありましたけれども、この新庁舎百四十八億円の特別区債が区財政に及ぼす影響はとても大きいものと感じました。限られた財源を継続して真に必要な区民サービスや区政課題に計画的に織り込ませなければなりませんが、先ほどありました、この何十年も使い続ける庁舎であっても、私はやはり少子高齢化社会を生きる未来の子どもたちに対しては、世代間負担はできるだけ少なくしていく必要があるというふうに思います。ですから、そういう従来型の手法ではなくて、やはり私たちの現世代で、そういう不良債権というか、未来にツケを残さない、そういう政策が大事だという立場から質問します。  本年は、起債と基金がほぼ同額の六百八十億円台ですが、四年後には基金が二百四十一億円減り、区債は逆に二百十六億円ふえるという、そういう中期財政見通しが示されております。今後、新庁舎だけではなくて、梅ヶ丘福祉拠点複合棟、玉川総合支所、教育総合センターの建設もあり、私が試算したところでは六百億円近くこの建設費だけにかかるものと思います。  また、この四つの建物において特別区債は、先ほど本庁舎については既に明確な数字がありましたけれども、二九、三〇年の決算状況の資料をめくってみますと、建設にかかわるこの四つの建物にかかわる特別区債も二百六十億円を超えるのではないかと思われます。  これほど今、建物の建設が続いていますけれども、やはり新庁舎が完成するこの十年先の財政状況がどうなっているかということについて、改めてお伺いします。 ◎松永 財政制度担当参事 先ほどの他会派への御答弁でも申し上げましたが、本庁舎等整備の財源につきましては、総事業費四百十億円のうち、庁舎等建設等基金から二百十億円、また起債は百四十八億円程度を活用する計画としております。今後、計画どおりにきちんと起債の活用を行った場合、現時点で二〇二一年度以降、一時的に起債残高は九百億円台へと増加する見通しでございます。一方で、庁舎等建設等基金につきましては、今後積み立てを行わない場合、新庁舎竣工後には残高がなくなることも見込まれます。  引き続き、老朽化する公共施設の更新経費の増加が見込まれることから、起債と基金の活用は不可欠と考えておりまして、例えば、当初予算段階での基金への積み立てなどを行い、後年度の負担にも耐え得る状況を確保していきたいと考えております。 ◆板井斎 委員 大変財政は見通しが厳しいということだと思うんですけれども。また、今般のふるさと納税や地方法人課税の一部国税化や、地方消費税の配分見直しなど、国の税制改正に加えて、三十年度は税制改正大綱では、地方法人課税における税源の編成を是正する新たな措置が検討されております。  三十一年度に結論を得るとした動きでありますけれども、それに加えて、この幼児教育の無償化による負担増、また三十二年導入予定の会計年度任用職員制度導入などによって、三十四年度まではこの中期の財政見込みが示されておりますけれども、そうしたものの収支のバランスに大きな影響が出るのではないかと思いますけれども、今後の身近な四年ぐらい先のことでありますけれども、その中でもこの収支のバランスが崩れていくのではないかと危惧をするのですが、見込みについてお伺いします。 ◎松永 財政制度担当参事 お話しのとおり、法人住民税の国税化など、この間の不合理な税制改正に加えまして、来年十月から実施が予定される幼児教育無償化、また二〇二〇年度からの地方公務員法及び地方自治法の一部改正による会計年度任用職員制度の開始、それに伴いまして、さらなる財政負担というのが想定されているところでございます。  こうしたさらなる財政負担への備えを行う必要があることから、平成二十九年度決算において、基金の取り崩しを最小限にとどめているとともに、今般の補正予算につきましては三十六億円を財政調整基金に積み立てをしたところでございます。  将来に向けて収支のバランスを保っていくためには、基金と起債の計画的な活用はもとより、公共施設等総合管理計画に基づくさまざまな経費の縮減などに取り組むとともに、さらに行財政改革を進めまして、財政の持続性を維持してまいりたいと考えております。 ◆板井斎 委員 世田谷区の公共施設等総合管理計画では、今後三十年間にかかる改築、改修の経費は年平均六百二十九億円で、うち施設の維持経費は三百億円程度必要とする試算が出ております。また、今後三十年間の財源不足が年平均八十九億円とも試算されておりますけれども、こうした状況を考えたときに、今後投資的経費が減少する中で、区民生活に支障が出るのではないかと思われます。  どのようにこの収支バランスをとっていくつもりなのか伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 繰り返しになりますが、基金につきましては、例えば当初予算段階での基金への積み立てなどを行いまして、後年度負担にも耐え得る状況を確保していくとともに、先ほど申しました公共施設等総合管理計画に基づくさまざまな経費の縮減、また新実施計画(後期)に基づく行財政改善を進めまして、財政の持続性というのは維持していきたいというふうに考えております。 ◆板井斎 委員 税制改正の影響で、既に三十年度の影響額は九十八億円という見込みが出ておりますし、この幼児教育の無償化とか、新たな職員制度の開始で相当額の金額が財政負担になっていくという、そういう数字も出ておりますけれども、数字というのは試算が出ておりますけれども、今後、この人口動向に関連して伺いますけれども、今、世田谷区は人口がふえていると同時に、納税者の人口もふえています。しかし、二〇二五年には七十五歳以上の後期高齢者の全人口に対する割合が一八%を超え、六十五歳以上を含めた高齢者の割合は三〇%を超えます。また、二〇四〇年代には高齢化社会がピークに至り、人口の三九%が六十五歳以上のそういった高齢化社会になると予測されています。  この二十九年七月に区が発表した世田谷区将来人口推計では、三十五年度には高齢者人口が生産者年齢人口を超えてしまいますが、納税者人口の減少に転じるのは何年度からと見込んでいるのか。また、納税者人口が減少に転じた場合、財政構想がどのように変化するのか、あらわれるのか伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 昨年九月にお示しいたしました将来人口推計では、六十五歳以上の高齢者人口につきましては、総人口と同様に一貫して増加傾向が続く。また一方で、納税者人口の多くを占めますいわゆる十五歳から六十四歳の生産年齢人口につきましては、当面の間は増加が継続するものの、二〇三二年をピークに緩やかな減少傾向に転じる見込みとなってございます。納税者全体のうち、生産年齢人口に当たる納税者の割合につきましては約八割を占めておりまして、生産年齢人口が減少に転じた場合には、税収が減少する状況となることが想定されます。  一方で、ゼロ歳から十四歳の年少人口、また六十五歳以上の高齢者人口につきましては、総人口と同様に引き続き増加が見込まれます。人口推計では、特に高齢者人口が二〇三〇年には総人口に占める割合が二一%に達しまして、その後も増加が続き、二〇四二年には二四・二%になる見込みでございます。  納税者人口の伸びが見込めない中、高齢者人口が増加すれば、社会保障関連経費など歳出の伸びに歳入が追いつかなくなるということが想定されます。しかしながら、このような傾向は日本全国で起こり得ることで、社会保障制度を維持するためには、まずは国において社会保障制度改革にしっかり取り組むことが必要であるとともに、区といたしましては、持続可能な財政構造を保つために、今後、都区財政調整制度を含め、歳入歳出の両面でその時代に合った制度構築がなされるよう取り組む必要があると考えております。 ◆板井斎 委員 二〇三二年、平成四十四年。ですから、あと十四年後ぐらいには納税者人口が減少する、そういう社会に突入すると。新庁舎完成後は、やっぱりこの税収減を見込んだ改革が当然求められてきます。ですから、この歳入歳出の構造を常に見直していかなければ、将来は立ちゆかなくなります。区長は招集挨拶の中で、長い間手がつけられなかった慣習にもメスを入れた行政手法の見直しという言葉がつづられていましたけれども、行財政改革を行ってきたと、そういう意味で幾つか具体例を挙げて示されていますけれども、これが本当に行財政改革に通じるものなのかということが全く私には理解できませんけれども、区長の思いというか、書かれたことについての説明を願います。 ◎保坂 区長 私が就任した当初、熊本区長時代の総事業点検ということで、いろいろな区民サービスのどれが削れるのか、こういった検討をいたしました。その中で幾つかは実行いたしましたが、それらを足し合わせていっても、子ども医療費のところを除けば、総額で全部やったとして一億円をちょっと超えるぐらいの効果と。もう少し根幹から財政構造を見直すことはできないのかということで、何点か指示いたしました。これは何度も言っているので長く言いませんけれども、学校校舎の建築に当たって、リノベーションとか、あるいは仮設校舎を縮減することで、平成二十四年から二十九年にかけて、更新費用を三十一億六千九百万円と。また、電力契約を入札に転換すること、これは二十三区で一番最初にやったわけですが、これは東京電力と従来ずっと契約を続けていた場合と比較をして、その差額を累積、足し合わせると六億八千万円、情報関連機器、コンピューターですね。これは設備更新とかさまざまございます。これも専門家の目で見直し、二十四年から二十九年にかけて十六億八千九百万円と。また、区の仕事を外部事業者にいろいろ委託するということが行われている。これは徹底的に見直し、できるものはみずから職員がやるということで、同じ期間、二十四年から二十九年にかけて二十三億円など、行政サービスを減らしたり質を落としたりすることなく、経費の縮減を図りました。これを称して行政手法改革と申し上げてきたところであります。 ◆板井斎 委員 私が区議会議員に当選した平成十一年のその年の年度末の特別区債は千四百五十六億円でした。一方で、歳入合計は二千三百五十八億円でした。このままいくと、逆にこの千四百五十六億円というのは、平成三十九年度をめどにもう一度この金額に達するというふうに、区側の計画の中に書かれてあります。ですから、三十九年というのはそんなに先の世界ではないわけですよ。大場元区長時代には、確かにバブル経済の崩壊がありました。また、今区長がおっしゃったこの熊本区長時代はちょうど十年前ですか、二〇〇八年にはリーマンショックがありまして、それで世田谷区政策検証委員会などを立ち上げて、相当議会を巻き込んで、私たちみずから提案した事業が削らなきゃいけないという痛みも分かち合いながらやってきたつもりであります。  それこそ本当に世田谷公園のSLを廃止するだとか、そういう細かなこと、プールも全部廃止するとか、本当にそういう意味では区民生活に大きな影響を与えることまで真剣に議論させていただいたことが思い出されます。私たちは、そこまでやらないと本当にいけないのではないかと思うんですよ。区長がおっしゃっているさまざまな改革は、理解はしているつもりなんですね。でも、なかなか区長の考えている改革と、私どもが思っている改革と、それがなかなか伝わってこない。どのように区長が考えているのかということが、なかなか私たちにはなかなか伝わってこないですね。特に、区長は子ども・子育て応援都市宣言もされているわけですから、将来の子どもたちに政策の部分での充実と同時に、将来にツケを回さないということも、ある意味では応援都市宣言の意味ではないかと私は思うんですけれども。  いろいろ今おっしゃったけれども、区長の目指す行財政改革の本丸というか、真意というのをもう少し丁寧に教えてもらえますか。 ◎保坂 区長 その手法改革は、区役所においては担当者がその前の年と同じような手法でやっていくということを、これは前例にこだわらずしっかり見直していけということを、現在やはり大変そういう意味で改革を進めていかなければいけない時期なので、常々呼びかけているところです。もう一つは、人口は御存じのようにふえています。こういった中で、小さい子どもたち、生まれたての子どもたちから未就学、小学生、中学生はふえていますよね。一方で、六十五歳以上、特に後期高齢者、これがどんどんふえる。つまり、行政需要はずっとこう膨らんでいるわけですね。これに対して仕事がふえる、そこに施設や予算や人員を同時にスライドさせて、今後なかなか膨張させていけないだろうというところで、既にある組織と場をつないで、区民に開かれた事業展開を志すというのは、これは福祉の窓口などをつくって、もともと世田谷区の資産としてあったまちづくりセンターに情報集約して、そして区民の参加を呼び込んで、また区民の自治のいわば展開できる条件を整えて、全体としては暮らしやすさとか幸福度とかいうのが上がっていくという手法で、いわゆる予算をできる限り抑制しながら成果を上げていくと。これも私の呼びかけてきました改革の手法の一つであります。 ◆板井斎 委員 確かに、今の時代は新たな行政課題もありますし、また、多分区長がおっしゃっているのは、一つのピースをずらすとほかに影響が出るので最小限にとどめながら、何とか今いろんな人の力をかりながら行財政改革をやっていきたいという、そういう気持ちだとは察しはするんです。ただ、やはりその一方で、先ほど来、二〇三二年以降はやっぱり税収の増が見込まれない社会に突入するだとか、社会保障費が伸びるとか、そういうことを考えたときに、やはり大胆な行財政改革というものがあるだろうと。その中で、私たちは保育園だとか図書館だとか児童館の民間委託、これは単に民間委託してお金がどうのこうのということもあるんですけれども、もう一方では高齢化社会に備えて、やはり一人も取り残さないという政策、地域包括ケアシステムを考えたときに、やはりこちらから、より地域に人を厚くするとか、そうしたことも相当やっていかなければいけないだろうと思うんです。  そう考えたときに、行政でないとできないもののところに人のマンパワーを割いていく。特に、児童相談所はまさにその代表的な例だと思うんですけれども、そうしたことを考えたときに、やはり今までの手法云々というところもあるんでしょうけれども、やはり民間でできることは民間でという私たちの従来の主張、私たちもこれは、そういう意味では正しいと思っておりますけれども、これに対してどういうふうにお考えになるでしょうか、改めてお伺いします。 ◎岩本 政策経営部長 新実施計画(後期)におきましては、民間活用や官民連携によるサービスの向上とコスト縮減ということを視点の一つとして掲げてございます。今、図書館等について御指摘いただきましたけれども、図書館については現在の新実施計画(後期)において、四館の民間活用を計画して、三十一年度からは梅丘図書館の一部業務委託を検討しているところでございます。  また、児童館のあり方、機能拡充等につきましては外部委員によるあり方検討が行われており、今後方向性や方針等をお示しする予定でございます。保育園につきましては、認可保育施設の増加などの変化を踏まえまして、これまでの再整備方針を更新し、今後の区立保育園のあり方について、その全体像を取りまとめているところでございます。  民営化や民間の活用でございますけれども、高齢者などひとり暮らしの増加や、子育て家庭への支援ニーズの増加、また全国的には人手不足など、社会状況もさまざま変化をしてございまして、区民の生活を支える観点からは、行政が直接対応する必要がないか、また、事業の質を保つ観点からは、民間事業者において人材がちゃんと確保できるのかと、そういった点を十分に検証しながら進めるべきであると考えてございます。  一方、今御指摘いただきましたとおり、行政の持つ資源も限られておりますので、民間が持つ専門性や効率性を取り入れていくことは大変重要であると考えており、今後も議会での議論を踏まえ、計画的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ◆板井斎 委員 従来の答弁から出た答弁ではなかったと思うんですけれども、やっぱりスピード感と、どうしたらできるかという、熊本区長時代は五つの視点ということで私たちに出していただきまして、その五つの視点から見て、やっぱりどうなのかと。そういうこととか、それから補助金のあり方についても私たちにお示ししていただいたということは、非常にあれは大きな成果であったというふうに思います。  そうしたことをぜひやっていただきたいということで、ぜひ、私たちは区長はいろいろと頭の中でお考えのこともあるんですけれども、それをぜひとも協力しますので、出していただいて、一緒に行財政改革をやっていければと思うんですね。  最後にちょっと、時間の許す限りですけれども、障害者雇用についてお伺いします。  今回の障害者雇用の水増しということは、非常に障害者団体や障害を持って働く方々への信頼失墜行為になっていると思いますけれども、具体的にこれをどうしていくのかということで、それより気になるのは、やっぱりこの障害者雇用で採用された五十名のうち、二割が同意書を提出しなかったということは、これは大変重たい出来事ではないかと思います。これはやっぱり区側の障害者の雇用に対する長年の不満とは言いませんけれども、もうちょっとこうやってほしかったとか、ほかの同僚へのさまざまな支援とか、例えばハード面、ソフトの部分においても、私はそういう部分もあったのではないかと知っている職員からお伺いをしましたけれども。  いずれにせよ、私はこの世田谷チーム一丸となって、この障害者雇用に取り組んでいく必要があると思うんです。神戸市の例を出そうと思ったんですけれども時間がないので、いわゆるオール世田谷で障害者の雇用、横出しだとか、それから仕事の切り出しだとか、さまざまな点について議論していただければと思いまして、最後にこの一点だけ質問して終わりたいと思います。 ◎中村 総務部長 区は、今回の障害者雇用率の誤算定を重く受けとめまして、喫緊の課題として障害者雇用を拡大していかなければならないと認識をしております。  今後の障害者雇用につきましては、まず、特別区人事委員会が実施します統一の採用選考による採用枠を拡大することに加えまして、区独自の雇用の仕組みづくりを急いでいるところです。この区独自の制度設計に当たりましては、他自治体の非常勤職員の採用事例などを参考にするとともに、障害者就労支援センターなど専門機関の協力も得まして、障害のある職員がその適性を生かすことができる職務内容につきまして提案をもらうとともに、庁内各職場に対して業務の切り出しを依頼するなど、障害のある職員の活躍できる職域拡大に取り組んでまいります。  あわせて、庁内の各職場におきまして、障害に対する理解や配慮をこれまで以上に促進して、障害の有無にかかわらず、日常的にともに仕事をして、ともに支え合う職場環境づくりに努めまして、全庁を挙げて障害者雇用を着実に進めてまいりたいと考えております。 ◆板井斎 委員 以上で私の質問を終わります。 ◆諸星養一 委員 ちょっと風邪を引いておりますので余り声が出ませんが、よろしくお願いいたします。  最初に私のほうからは、認知症条例の制定時期についてお尋ねしたい。これはもう区長にお尋ねするしかないですね。  佐藤議員の代表質問、また岡本委員より総括質疑において、認知症条例の制定を急げというふうに申し上げました。私も神戸に視察に行かせていただきまして、G7の保健大臣会合を開催してから一年半、その一年半でもう条例ができちゃったというこのスピード感というのは、私はやっぱりリーダーたる首長の御決断だと思わざるを得ません。とりわけ、事故の救済及び予防についての制度創設は、国では見送られているんですよ。それにもかかわらず、全国初の仕組みに挑戦されているということに私は強い共感を覚えます。代表質問の答弁で、区長は前向きにというふうにおっしゃっていただきましたけれども、でき得ればもう一歩も二歩もリーダーとして決断をしていただきたいというふうに考えます。お答えをいただけますでしょうか。 ◎保坂 区長 前向きにというふうにお答えしました認知症条例制定に関しまして、大変重要な問題提起をいただいていると思っております。また、単なる条例という形ができればいいということではなくて、実のある、認知症の当事者、介護認定で確認できるだけで二万二千人ぐらいだったかと思いますが、大変多くの、当事者も多いですし、その御家族も含めて大変な人数だと思います。そういったところに実効性のある中身にしていかなければならないというふうに考えているところです。認知症の方も、誰もが住みやすい地域づくりに向けた世田谷区にするために、条例の制定を課題とした検討作業を積み上げていくよう指示してございます。 ◆諸星養一 委員 制定時期を答えてほしいと思ったんですが、ちょっときょうは区長の答えが出そうもないので、区長が答えないと、とても事務方のほうでいつまでにと言えないでしょうから、これはまた次の課題にさせていただきます。  もう一点、これは地域行政制度のさらなる進展ということで、我が党がずっと言い続けてまいりました。平成三年度から地方分権の先取りとなる三層構造の地域行政制度を創設されたわけですけれども、その中で地域包括ケアが始まって、区としてこの事業を二十七地区に広げるという保坂区長の強い意思、これが私はこれまでの三層構造のありようを大きく変えることになったのではというふうに考えています。紛れもなく、地区が主役とならざるを得ない、そういう状況を生み出したというふうに私は思っています。  その意味で、地方分権の先取りと言いましたけれども、私流に言えば、地域包括ならず地区包括ケアの進展、地区と地域住民との強いつながりこそが、新しい意味での地方分権のモデル、世田谷モデルを全国に発信するというような明確な志を職員の皆さんはぜひとも持っていただきたい。これは議会も同じです。  その思いを込めて、三層構造、地域行政制度の条例化を高橋幹事長から我が党は提案させていただきました。私からも、これを区長にお尋ねしますけれども、その前に前段として何点か、地区、地域の権限強化を図るその視点からお尋ねをいたします。  まず、地区の拡充ということで、まちづくりセンターの再編の課題ということがあります。神戸市に視察に行きました。人口百五十万人で、地域包括支援センターの愛称がうちと同じなんです。あんしんすこやかセンター。それが七十六カ所も、人口百五十万であるんです。対象高齢者が一センター当たり五千四百九十六名、これは政令市で二番目に少ない人数であり、それだけきめ細やかな対応が可能ということで、一方、我が区のまちづくりセンターは、人口規模がやっぱり一万数千人から六万数千人まで、その対象が当然高齢者の方にも差が出るわけです。  そうした意味において、まちづくりセンターをいかにふやしていけるかということがこれからの大事な選択になってくるかな。ようやく用賀出張所を分割されまして、二子玉川に来年度まちづくりセンターが整備されますけれども、同じように、烏山は人口規模が六万人なんです。そうした中で、地域包括ケアの地区展開とまちづくりセンターの充実についての小冊子の六ページに、地区の区域の見直しについて、人口規模や面積とともに、地区の成り立ちや地元の意見、各種地域活動なども十分に踏まえながら、その可否も含め、引き続き検討、整理するとあります。地区が主役という観点からすれは、ここは思い切った再編を決断すべき時期に来ていると私は考えますが、見解を求めます。 ◎志賀 地域行政部長 まちづくりセンターの区域につきましては、歴史的な経緯もあることから、現行の二十七カ所の区域割の継続を基本としてまいりました。一方で、地区の強化に向けて地区防災機能の強化や地域包括ケアの推進など、社会状況の変化に対応した体制の充実が必要であり、地域行政制度発足の平成三年度と比較して人口が大幅に増加した地区について、地区面積、災害時の避難所数などに着目し、そのあり方について検討を進めてきたところでございます。  お話にありましたとおり、その中で用賀地区につきましては、地区力の向上、地区防災対策の強化の観点等から、地区の区域を分割して来年二〇一九年七月に二子玉川まちづくりセンターを設置し、新たに二子玉川地区をスタートさせる予定でございます。  今後、地区の区域の課題や人口の推移や面積等を勘案しながら、地区のコミュニティーの活性化や地区防災対策を強化する視点などを持って整理し、地域の経緯や実情等を踏まえ、地域住民の皆様の理解を得ながら対応してまいります。 ◆諸星養一 委員 地区が主役ということは、もうこれは後退できないわけですよ。だからこそ、それをどうするかということは、全庁挙げてぜひ検討していただきたいというふうに申し上げておきます。  続いて管理職、これも我が党が管理職の登用ということをずっと言い続けてまいりました。区民生活所管に登場されました坂本さんと本田さんね。両副参事、非常にフレッシュ、頼もしいなということを私も思いました。私も質問したらよかったんだけれどもね。そういうフレッシュな人材をやはり、でき得れば来年度も二人プラス、やっぱり地域に一人、できれば私としては二人ぐらい欲しいなというふうに思うんですけれども、そういう新人の管理職の登用を進めていただきたいということとあわせて、私は近いせいかOBの採用も大変楽しみなので、やっぱり難しい時代状況にあって、OBならではの肝の据わった経験と決断が物を言う時代でもあるのかなというふうに思っていますので、その双方について、その新しい登用についてのお考えをお聞かせください。 ◎志賀 地域行政部長 地区の行政拠点であるまちづくりセンターが、総合支所との連携のもと、それぞれの地区特性に応じた課題に取り組むため、地区、地域のハード、ソフトの地域資源を有効に活用する必要がございます。そのため、地区まちづくりを多角的な視点から見据え、コーディネート役として地区の担い手が抱える課題を受けとめ、まちづくりを総合的に進めることができるよう、各総合支所に総合支所特命担当の副参事を一名配置しているところでございます。  地区の人口が二万人から六万人を抱えるまちづくりセンターは、最も身近な行政拠点として、限られた人員、人材のもとで、三者連携による福祉の相談窓口や地区まちづくり、防災等のさまざまな課題に先頭に立って取り組む必要がございます。  今後とも、多様な課題に果敢に取り組むことができる人材育成に努めるとともに、さまざまな事業の実施状況を検討しながら、効率的、効果的な地区運営に向けた体制づくりを進め、まちづくりセンターの充実を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆諸星養一 委員 ぜひとも来年四月の新しい姿を楽しみにしておりますのでね。  もう一点、社協。これは、社協本体はどうなんだということを前にもお話ししました。やっぱりまちセンとあんすこと社協の三者連携と、今志賀さんもおっしゃっていたけれども、その三者連携には社協がなくてはならないわけでしょう。それは外せれば外したほうが私はいいと思うけれども、現実的には、例えば地域的に社協が頑張っているところもありますよ。そういうのを見た場合に、この三者連携を実質的に担保できる、そうした体制を構築すべきとき、今それを検証するときに私は来ていると。もう遅いぐらいかな、そう思っていますよ。これは社協を監督する部署、板谷部長なのかな、ぜひお答えいただきたい。 ◎板谷 保健福祉部長 社会福祉協議会は、地域福祉を推進する団体として、住民相互の支えあい活動を推進する役割があります。そのため、区民に身近な地区において地区社会福祉協議会を置き、必要なサービスの提供や包括的な支援に取り組んでまいりました。  地域包括ケアの地区展開における三者連携では、まちづくりセンター内に拠点を設け、これまでの取り組みを生かすとともに、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンターと連携し、地区の資源開発に積極的に取り組む役割を担っております。男性や多世代の居場所づくり、買い物支援、地域人材の育成など、地域に必要な社会資源を創出し、住民参加による福祉のまちづくりに取り組んでいるところです。  各地区の取り組みでは一定の成果があらわれていますが、社会福祉協議会では、事業実施者として自己評価をした上で、職員のスキルアップに向け主体的に事例検討など実践的な研修を重ねております。  区といたしましては、三者連携の充実に向け、事業の進捗を定期的に把握するとともに、必要な助言、指導を行ってまいります。 ◆諸星養一 委員 もしそれができなかったら、本当に変えるんだという、そういう気持ちで板谷部長、お願いしますよ。  時間がありませんので一問しかこの地域の拡充はできませんけれども、三層構造を進展させるためのキーポイントというのが地域、支所のあり方だと私は思っています。地域の大事さ。  その地区をよく我々はバックアップと言っていましたけれども、バックアップじゃないかな、やっぱり違うのかなと。地域があくまで主体なんだと。その地域は当事者意識をしっかり持てというのが、ある意味ではその総合支所としての活性化につながるのかなと考えるわけです。三層構造の有機的な連携のかなめになるのが、支所の保健福祉センターと私は考えます。今年度再構築されたわけですが、センター長より、今後の展望についてお答えをいただきたい。 ◎皆川 世田谷総合支所保健福祉センター所長 保健福祉センターは、具体的な福祉サービスの提供を担う所管として、福祉の相談窓口における相談事例について、各地区と連携した対応を図っております。また、この間、地区での相談を通じて顕在化しました八〇五〇問題、これは単なる地区の課題というふうにするのではなくて、これを地域の課題として捉えて、地域で対応していく。さらには全庁的、全区的な課題として検討を進めていく、その対応を行っているところでございます。  保健福祉センターといたしましては、各地区での取り組みや本庁所管との密接な連携のもとに、職員の意識改革、仕事の進め方の改革などを進めながら、誰もが住みなれた地域で健康で安心して暮らし続けられるように取り組んでまいります。
    ◆諸星養一 委員 支所長にも、時間があるのでお答えいただきたいなと思います。福祉部門ということで今皆川さんにお答えいただいたんですけれども、一方で地域振興課、区民課、街づくり課ということが現状のままでいいのかどうか。地域の中でどういうステージがあるべきかということを、やはり捉え直す時期にも来ているのではないかなというふうに思っています。先ほどから言っているように、地区、地域の権限強化をどう図るのか。とりわけ支所長の、私は前にミニ区長と、ミニ区長というのはやっぱり余り表現がよくないかもしれないね。ミニというのはね。でも、大支所長と言ってもいいのかな。大支所長の権限というか、それをどう考えているかということは、ここはこっちの関係だと平澤さんになるのかな。お願いします。 ◎平澤 世田谷総合支所長 先ほど来、特に地区の強化を軸にして最近の地域行政を進めているというお話をちょうだいしたところでございます。大変地域包括ケアを初め、さまざまな課題がそういう地域の中で山積している中であって、今後さらに地域の事業計画の策定ですとか進行管理、横断的な課題に組織を超えて連携して的確に対応する職員の育成ですとか、総合支所への適材適所の人事の配置などに積極的に取り組みながら、申しました地区の強化の流れに加えまして、さらに想定される児童館との連携の強化を初めとした新たな課題にも積極的にチャレンジをしまして、今お話しございました、時代に即したと申しますか、そのような形の地域振興や区民課を初めとした支所全体の組織のありようについても検討を進めながら、地区、地域の特性に応じた多様な地域の経営を、総合支所の創意工夫によって展開してまいりたいというふうに考えております。 ◆諸星養一 委員 最後に、区長にお尋ねいたします。  平成三年、制度が発足された当時、世田谷区はまさに、その前年の住宅条例の制定に見られますように、西の神戸、東の世田谷とうたわれ、また、政治学者の松下圭一氏は、質の整備が課題となるときは、自治体が地域個性を生かして政策開発を行い、自治体計画ないし自治体法の策定が不可欠と述べられ、さらに変化の激しい都市型社会では、国法と実情にずれが生じ、国法は時代の要請におくれがちになる。このため、自治体は国法の解釈を変えたり、自治体レベルの法、つまり条例を制定しなくてはならないと明快に分析をし、先駆自治体は憲法ないし地方自治法が想定した水準を超え始めたと結論づけています。その当時の先輩であった中島現都議から、私は何十回もこのことを聞かされました。  しかるに今、世田谷区は先駆自治体と誇れるでしょうか。これはもう皆さん方に問うというよりは、私自身にある意味では問いかけています。今さらながらではありますけれども、本当に視察に自治体に行くたびに、その説明をされる自治体職員の方々の、非常に情熱あふれる、また確信あふれるそうした説明を聞いて、私は本当にすごい、そういう職員の方々がいらっしゃるんだなということを頼もしく思った次第です。もちろん、皆さん方がそうでないと言っていませんよ。  私は、やっぱりこの特別区という絶対的な制限のある中で、そのくびきを断ち切ろうと頑張っている皆さんだからこそ、改革の先頭に立っていただけると、そういうふうに私は確信をしています。  本庁舎の構築が始まろうとしています。世田谷の新しいスタートに当たって、条例を制定することにより、改めて地域行政制度三層構造の意義を区民とともに共有することが、ひるがえって職員一人一人の自覚を促し、新生世田谷を世界に発信できる、そうした機会と捉えますが、区長のお考えをお尋ねいたします。 ◎保坂 区長 ただいま御紹介された松下圭一さんのお話も含めて、世田谷区が前人未到の道なき道を開いてきた。こういった歩みを見てこられ、またともに論じてこられた諸星委員の熱い思いを受けとめさせていただきます。  そして、このお話の核心ですが、地域行政制度、この総合支所を配置し、当時は出張所ですが、現在のまちセンを配置するという三層構造を構築したわけです。これは、行政が区民に何か施策を押しつけるということではなく、また本庁から支所、支所からまちセンへという単純な上意下達ということとも違うはずで、地域の人たちが地区、地域づくりに自発的に参加をし、そこがむしろ中心であるということを基本に、これまでの世田谷区の集積を私なりに生かして、新たな展開ということでチャレンジをさせていただいてきたと思います。  そこで、地区、地域の経営という意識を持って、この三層構造の役割を明確にするために、その地域行政制度を条例化してはどうかという御提案をいただきました。現在、この御提案の地域行政制度の条例化について、大きな転換期にある区にとって、地域行政制度の第二の誕生というぐらいの掘り下げた議論、徹底した区民参加と各界の第一人者の専門家の参画、区民に広がる強い関心等を喚起していくべきだというふうに考えます。  そして、過渡期という言われ方もされてきましたけれども、地域行政制度の組みかえを、この地区を中心とした新しいステージへの出発ということが刻めるような条例化に力を入れ、加速をしたいというふうにお答えをいたします。 ◆諸星養一 委員 今、区長に本当にこれから条例をつくっていくんだという思いをいただきました。これはもう行政レベル、当然議会は、お互いがやっぱり議論し合いながらつくっていくというふうに思う次第です。  ちょうどあと一分なので、区長のお答えの後で、宮崎さん、言いにくいかもしれないけれども、長い間携わってきたから、一言。 ◎宮崎 副区長 この間、地域包括ケアにしろ児童館のあり方、さらにはネウボラの関係も、実はこの地区中心に展開していくことに大きくかかわってくると思います。組織がだんだん世田谷区も大きくなる中で、総合支所がまずは水平調整ができる機能という昔に立ち戻って、その利点をやっぱり条例という形のものできちっと押さえることが、区民の方々に対しても共有できるものというふうに思っております。 ◆諸星養一 委員 公明党の前半の質疑を終わります。 ○河野俊弘 委員長 議事の都合によりここでしばらく休憩し、再開後、公明党の質疑を続行させていただきますのでよろしくお願いいたします。  それでは休憩いたします。     午後二時二十九分休憩    ──────────────────     午後三時開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆佐藤弘人 委員 では、公明党の後半の質疑を始めます。  初めに、前半の板井委員が時間がなくてできなかった介護人材の確保についてお伺いしたいと思います。  我が党が大介護時代と銘打っている二〇二五年には、全国で介護人材が三十八万人不足するとも言われていまして、一方で、潜在的な介護福祉士が約四十五万人もいるということも言われております。  これまで保育待機児解消ということで、保育士の確保に力を注いでこられた世田谷区ですが、やはりこれから介護に従事する方が不足をしていく、いわゆる介護施設とか介護事業を展開したくても、それを担ってもらう方が不足する、これは大変に大きな問題であると思います。  さきの代表質問で私のほうから、ミドルエージの活用等についてお話をさせていただきましたが、やはり来年度から区としても本格的に介護人材の確保、また育成については全力を傾注していくべきではないかと思います。例えばミドルエージの活用もそうですが、世田谷区で育成された方は世田谷区でお仕事に従事をしてもらうようなインセンティブ、地域貢献だとか、それから、再就職を担う方への伴走型のフレームづくりだとか、その方々のスキルアップとか、そういった面から多面的にフォローをしていきながら――やはり世田谷区としての介護に携わる人材をどう確保、育成していくのかということについては、大きな課題だと思っております。まず、これについて、区の見解をお伺いしたいと思います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 介護人材不足が全国的な課題となる中、多様な人材確保に向けて、国は、定年退職した人や、中高年、子育てが一段落した人など、幅広い対象者を想定した入門的研修を打ち出しております。  区でも、潜在看護師への声かけや、シニアボランティア研修、社会福祉協議会の日常生活支援者養成研修など、多くの区民の方に参加いただいておりますので、介護を仕事として発展していただけるよう、呼びかけなど、介護人材の裾野を広げ、多くの方に介護に参加していただいて、人材確保に取り組む必要もあると認識しております。  また、介護職員が質の高いサービスを提供し、仕事のやりがいやキャリアアップができるよう、介護の技術の取得支援など、育成に引き続き取り組んでいくことも必要と考えております。また、誰もが安心して働き続けられるよう、定着支援などの充実に向け、事業者の声も伺いながら、介護人材確保策に全力で取り組んでまいります。 ◆佐藤弘人 委員 ぜひよろしくお願いします。いわゆる三Kとかという概念が強い介護職ですから、介護を担う方の地位の向上も含めて、介護人材の確保については、やっぱり世田谷区として、しっかり具体的な政策に着手をしていただいて、打ち出すべきだということを要望しておきます。いずれにしても、これはこれからも議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  では、本題に入ります。  最初に、学校給食の無償化についてですが、ちょうど一年前から、我が党としても、教育負担の軽減という五つのテーマをもとに、これまで議論を展開させていただきました。学校給食の無償化については、さきの代表質問においても、区長のほうから一定の所得制限を検討したい旨の答弁がありましたし、今回の決算委員会でも、総括質疑で、高橋幹事長の質疑の中でも、東京都の私立高校無償化、年収七百六十万円未満も一定の目安になる旨、答弁がありました。そういった意味においても、これまで議論がありましたように、これから世田谷区が抱える財政需要の拡大、そういった基盤の確保がなかなか難しいようなマイナス影響も多々ございますので、財源の確保という観点からいくと、私たちとしては、最終的に給食費は完全無償化を目指したいんですが、段階的に行っていただくのもやむを得ないかと思っております。  まず、一般的に考えれば、もし制度を導入するとなったときには、年度当初が一番いいスタートになるのかと思いますが、これは条例改正になるんですか。それとも、要綱の改正になるんですか。 ◎淺野 教育次長 学校給食費の無償化につきましては、この間、区議会からも御意見をいただき、区といたしましても、義務教育に係る負担軽減施策として、財政負担の面も含め、さまざまな無償化のシミュレーションを重ねてきたところです。各会派から、さまざまな御提案をいただいており、例えば、ある学年の給食費を無償化するとの考え方、あるいは、中間所得層まで無償化を広げるとの考え方などがございます。  御提案のように、給食費の無償化を中間所得層まで広げる場合につきましては、規則、あるいは要綱等の改正ということが必要と認識しており、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。 ◆佐藤弘人 委員 要綱改正ということで、ただ、仮に一定の所得制限を設けるとなると、システムの改修も必要となると思いますが、では、もし来年四月から導入するとなると、どのタイミングで、こうした結論を打ち出さなきゃいけないのか、そこの辺を教えていただけますか。 ◎淺野 教育次長 委員お話しのように、仮に来年四月から導入するとなりますと、次のようになると考えておりまして、まず、先ほどありました規定の整備や、システム改修などの準備が必要であると考えてございます。また、あわせまして、「区のおしらせ」やホームページ等に掲載するほか、学校を通じて全保護者等にチラシを配布するなど、事前に十分な周知や説明が必要になると考えております。こういった点を踏まえ、スケジュールも含め検討し、調整を進めていくべきであると考えております。  教育委員会といたしましては、この間、区議会から、いろいろな御意見もいただいており、現在の財政状況を踏まえ、保護者の教育負担軽減を目指して、引き続き検討してまいりたいと考えてございます。 ◆佐藤弘人 委員 今、答弁いただいたことを踏まえると、保坂区長におかれては、どの時期に最終的な手法も含めて表明をされていくのか、その辺をぜひお伺いしたいと思います。 ◎保坂 区長 学校給食費の無償化につきましては、この間、区議会から、さまざま御意見をいただき、区といたしましても、義務教育に係る負担軽減策として、財政負担の面も勘案しながら、さまざまな無償化のシミュレーションを事務方に指示してきたところでございます。保護者の皆様の経済的負担の軽減の観点から、財政負担の面も含めて検討を重ねているところであります。各会派から、さまざま御提案をいただいており、ある学年の給食費を無償化していくという考え方、また、給食費の部分について、東京都の私立高校授業料無償化における所得制限を基準にしながら無償化するということも検討の一つと考えています。  学校給食費を含めた教育費の無償化のあり方につきましては、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の一つの施策として認識しています。こうしたことを踏まえ、保護者負担の軽減に向けて、学校給食費については、財政状況の面、そして、政策効果も勘案しつつ、具体的に実現できる方法の検討を進めていき、来年度のできる限り早い時期の実施をめどにし、対応していきたいと考えています。 ◆佐藤弘人 委員 これまで二十代、三十代の若い世代の方が理想の子どもの数を持たない最大の理由としては、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからというのが明らかになっております。いずれにしても、子育てと仕事の両立等、教育にかかる負担というのは重いということと、改めて幼児教育の無償化が国でも議論になっておりますけれども、そうしたことを初めとする教育費の負担軽減というのは、重要な少子化対策の一つであると思っております。特に代表質問でも述べましたけれども、教育は国が責任を持つものというのが欧米では主流でありますので、ぜひ世田谷区においても、その一翼を自治体としてしっかりフォローしていくべく、学校給食における無償化への方針というのを表明していただくということは非常に重要と考えます。また、未来へ投資をすることで、未来における社会保障の基盤も安定的になるということで、そこを支える意味でも、大きな政策と思っておりますので、ぜひ期待に応えていただくよう、よろしくお願いいたします。  次に、学校体育館のエアコン化について質疑をいたします。  今、国のほうでも補正予算の議論をしておりますが、どうも国のほうは、地方も含めて、学校の普通教室にまだエアコンが入っていないということで、そこの予算がほぼウエートを占めているようですが、さきの都議会の本会議で小池百合子知事が、都内全ての公立小中高校の体育館に冷房などの空調設備を設置するため、補助制度を設ける方針を既に表明されております。これは、熱中症対策のみならず、災害時に避難所として機能することも含めると、居住環境の改善を目指す上でも、多分、都道府県で取り組むのは初めてではないのかというような報道も出ております。  改めて聞きますけれども、世田谷区小中学校全九十校、どの体育館もエアコンが入っていないということでよろしいんですか。 ◎淺野 教育次長 世田谷区の小中学校では、既に普通教室、特別教室ともに冷暖房設備を完備しておりますが、体育館は大空間であり、冷暖房負荷が大きく、コスト面などの課題があることから、現在、どの学校の体育館におきましても、空調等の設備は設置しておりません。したがいまして、今回の学校体育館への空調機の設置は、区立学校である小学校六十一校、中学校二十九校の合計九十校が対象となります。 ◆佐藤弘人 委員 そうすると、今、並行してやられている学校施設耐震再診断も合わせて、全九十校が対象となると、それぞれ置かれている環境も状況も異なってきますよね。例えば体育館の規模、それから、築年数、構造の種別、断熱性能も含めた気密性、あと、大きいのが電力供給システム。これは、学校の普通教室のエアコンなんかは、専門的な用語になってごめんなさい、ガスヒートポンプシステムを使ったりしているということもあると、改めて体育館にエアコンを設置するとなると、どうやって電源の供給を確保するのかという課題もあります。それぞれを勘案しながら、この辺の優先順位――優先という言い方は適切じゃないかもわかりませんが、整備を進めていく順位をどれぐらいのスパンで、どういうふうに定めていくのか、その点についてはいかがですか。 ◎淺野 教育次長 体育館の空調設備の導入につきましては、区長の指示を受けまして、現在、既に導入している他区の事例の研究や、各学校における電源の確保などの基礎調査などを進めております。一方で、委員お話しのとおり、学校体育館は、新築のものから、昭和四十年代に建設されたものまであり、構造や断熱性能が異なることがあります。このようなことから、どのような機種が効果的であるかなどの課題もあります。  教育委員会としましては、昨今の夏の暑さから児童生徒を守るため、早急に導入してまいりたいと考えておりますが、課題の整理や財源の確保などを精査していく必要もあります。また、導入の順位でございますけれども、教育委員会としましては、教育環境に差が生じないよう、設置可能なものから、できるだけ短期間に全校導入することが大切であると考えております。 ◆佐藤弘人 委員 もちろん全校に導入していただきたいんですが、ただ、今、私が述べたように、総合的なさまざまな状況、課題を勘案していくと、学校体育館のエアコン化の整備計画をいつまでに策定して、我々に示していただけるのか、そのあたりはいかがですか。 ◎淺野 教育次長 現在、今後の進め方や予算の確保などを含めまして、施設営繕担当部や政策経営部など関係所管と精力的に導入計画を詰めております。  学校施設につきましては、現在、耐震診断の再診断も二十八校で進めております。このようなことから、この対応とも調整を図りまして、来年度の予算編成や、場合により補正予算も踏まえまして、早急に導入計画をお示しできるように全力で取り組んでまいります。 ◆佐藤弘人 委員 都の補助制度で、どれぐらいの財源的な措置が講じられるのかということもありますけれども、改めて私も調べてみたら、ここ百四十年間で東京の気温は二度上がっているらしいんです。これから二〇四〇年までには地球上全体の気温が急速に上がって、一・五度も上がると言われております。そう考えると、これまで当たり前のように私たちが考えていた学校の生活環境も大きく変貌、変化していくことを踏まえると、やはり早急な措置をぜひ講じていただきたいと思いますので、この点についても、計画については、早急に策定を示していただきたいということを要望させていただきます。  次の質問は、再生エネルギーの利用拡大についてお伺いをいたします。  本定例会の区長の招集挨拶で、RE一〇〇に非常に関心を示されておりました。RE一〇〇は、御存じだと思いますけれども、事業に必要な電力を再生可能エネルギー一〇〇%で賄うことを目指す国際的なイニシアチブでございますが、今回、横浜市が自治体として初めて環境モデルゾーンというエリアを設定して、そこを脱炭素社会の実現へということで踏み出したという大きな一歩がございました。  世田谷区も、次期世田谷区環境基本計画の改定を控えております。区長としても、世田谷区、自治体として、RE一〇〇というのを環境基本計画の中に位置づけるおつもりなのかどうか、まずその辺の思いを聞かせていただきたいと思います。 ◎保坂 区長 招集挨拶の中で、再生可能エネルギー、RE一〇〇について触れました。区としては、国際社会の中で、今、急加速している、企業でもRE一〇〇を宣言して、企業のステータスが大きく上がるということもございます。自治体レベルでのRE一〇〇について、まず意欲を持っているということはお話をしておきたいと思います。  区では、御承知のように、再生可能エネルギーをまず区内でどれだけ使えるかということで、かつてヤネルギーなど、太陽光発電の普及について取り組んできました。しかしながら、屋根を使った太陽光だけでは限りがあるということで、自治体間連携ということで、これも御承知のように、川場村での木質バイオマス発電を四十戸、希望する区民に配電する、また、弘前市のいわゆる豪雪地帯対応型の太陽光発電による電力の供給もしております。区の施設という意味では、長野県の高遠などの水力発電所――小水力ですが――の電力を区立保育園と幾つかの児童館で使っているという取り組みもございます。また、自治体間連携会議を続けていますが、今後、例えば地熱発電、あるいは、小水力ならぬ、本格的な水力発電などから再生可能エネルギーを調達する、そういった中で、区の施設や区内事業者、一般の御家庭に広げていく、エネルギー転換を先頭に立って行っていきたいと思います。  また、この間、大変な豪雨がございまして、区内でも床上、床下の被害を受けられた方が多数ございました。これはことしに限って起きたこととは今誰も考えていないです。これからこういう非常に不安定な、まさに信じられないほどの雨が降っていくということに対して、ハードインフラの早急な整備を東京都などに働きかけていくとともに、緑のダムということで、樹木、植物、土壌の力を使った、いわゆるグリーンインフラについても、全区的な取り組み、率先した取り組みをしていきたいと思っておりまして、これまで例えば環境性能というと、エネルギー効率、熱効率などを中心に評価してきましたが、雨水が下水に負荷を与えない性能、こういったところもしっかり意識して、組み込んでまいりたいと思います。  これから環境基本計画においては、環境審議会の委員の皆さんに、今お話ししましたRE一〇〇やSDGs、あるいは、そういったグリーンインフラなどの反映についても、ぜひ活発に議論をいただきながら、環境施策のさらなる展開に取り組んでまいりたいと思います。 ◆佐藤弘人 委員 これまでの実績と、これからの取り組みの話を区長から答弁していただきましたけれども、世田谷区の現在における公共施設の電力種別の構成割合はどうなっていますか。 ◎畝目 環境政策部長 今お話しいただきました公共施設で使用する電力の種別には、高圧電力と低圧電力がございます。高圧電力で受給している公共施設につきましては、平成二十四年から入札を実施いたしまして、今年度は公共施設で百五十六施設について電力契約をしてございます。昨年度の電力使用量の実績ですけれども、約四千二百万キロワット、CO2排出量は約二万トンでございます。お話しの電力構成の割合といたしましては、こちらも二十九年度の実績で、火力、八一%、FIT電力、五%、再生可能エネルギー、三%、水力、三%、その他、八%となってございます。そのほかに、小中学校二十五校につきましては、特別区内の清掃工場から排熱利用の高圧電力を受給してございます。  また、もう一つの低圧電力につきましては、地区会館、まちづくりセンターなど二百八十五施設ございまして、平成二十九年度から保育園四十一園に長野県産の水力発電の電力を受給してございまして、今年度から保育園四十二園、児童館三館となってございます。低圧電力の使用量は約四千三百五十万キロワット、CO2排出量は二万六千トンでございまして、長野県産の電力を除く電源構成は高圧と同等でございます。 ◆佐藤弘人 委員 お話にあった自治体間連携で自然・再生エネルギーの調達というのも、もちろんいいんですが、できれば、みずからの自治体の地域の中で自然・再生エネルギーの創出というのをやはり目指していくべきではないかと思います。  以前、芦花小学校、芦花中学校の改築のときに、地中熱が利用できるか、できないかみたいな調査をされたというふうに聞いておりますが、その辺も含めた、区内に潜在をしている未利用エネルギーの可能性を探ることについてはいかがでしょうか。 ◎畝目 環境政策部長 区は、環境基本計画に、自然の恵みを生かしました利用拡大、創出を掲げ、省エネ行動の実践に加えまして、エネルギーの地産地消と自治体間連携を柱に、再生可能エネルギー活用の仕組みづくりと普及拡大に取り組んでございます。  創エネルギーの施策といたしましては、住宅都市の特性から、住宅での太陽光発電、太陽熱、及び、学校や庁舎等、公共施設の整備と太陽光発電設備などの取り組みも進めてございまして、ほかに、みうら太陽光発電所の開設や、屋根貸し事業もございます。また、都市部はエネルギーの大規模な地産に限りがございますから、川場村や弘前市の太陽光発電の電力を区民が購入できる仕組み、それから、先ほどお話にありました長野県の電力につきましても、区立保育園等に供給する仕組みもございます。  都市と地方の自治体間連携につきましては、こうして積極的に進めてきているといったところについては、区としても、地方創生といった観点からも大変意義があると考えてございます。  委員からお話のありました、さまざまな事例を挙げられました再生可能エネルギーの発電につきましては、東京都におきましても、水道局ですとか下水道局で、下水道と気温の温度差を活用しました下水熱も利用してございますので、区といたしましては、こうした再生可能エネルギーの新たな創出に向けまして、自治体間連携と組み合わせまして、さまざまな有効な活用の可能性も探るとともに、他の自治体との連携も踏まえながら、最適な手法を導入してまいります。 ◆佐藤弘人 委員 いずれにしても、バーチャルな電力調達ではなくて、みずからの地域でエネルギーを創出していただきたいということを述べて、公明党の補充質疑を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 最初に、区長にお聞きしておきたいと思います。  午前中の質疑もございましたし、今、公明党のほうからも、学校給食の無償化について一定の問いただしがありましたが、私のほうは、一般質問並びに総括質疑で申し上げましたように、学校給食費の無償化については、あくまでも普遍主義の考え方に立っていくべきであると。午前中、すがや委員からも同様のお話がありましたが、小中学校の最終学年全員を対象にして実施するよう求めました。そこで、区の今後の対応について、最初に伺っておきたいと思います。 ◎保坂 区長 学校給食費を含めた教育費の無償化につきましては、先ほど来、他会派にも答弁させていただきました。憲法、教育基本法に定める義務教育の無償や、教育の機会均等といった基本理念は尊重されるものでありまして、教育にかかる費用について、保護者の負担をできるだけ軽減することは大切なことであると認識をしています。一方、この間、区議会では、いろいろ御意見をいただき、保護者の経済的負担の軽減の観点から、財政状況の面から、検討も重ねているところであります。いただいた御提案として、今例示されたように、ある学年の給食費を無償化するという考え方、あるいは、中間所得層までのいわば区切りを持って広げるという考え方もございます。  学校給食費も含めた教育費の無償化のあり方につきましては、このような状況の中で、引き続きさまざまな検討、シミュレーションを重ねるように指示しているところです。子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の一つの施策と認識をいたしまして、保護者の負担軽減に向けて、学校給食費については、財政の状況も勘案し、また、政策効果も見ながら、具体的に実現できる方法の検討を進めて、来年度のできる限り早い時期の実施をめどに対応してまいりたいと考えています。 ◆羽田圭二 委員 まだ検討を深めるということも含んでいるかと思いますが、十分な検討を求めておきたいと思います。  午前中の質疑で、二点ほど気になった答弁がありましたので、改めて確認をしておきたいと思います。  給食センター方式から自校方式へ方針転換をした経過が当区ではあるかと思います。それでもセンターが残っているのはなぜなのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。 ◎淺野 教育次長 午前中の御答弁でも申し上げましたが、世田谷区の特色ある給食の方針として、自校調理方式というものがあります。ただ、自校調理方式に移行するにしましても、改築を機に行うべき部分もございまして、すぐに建てかえということが困難というものがまず一つ。それからあと、仮に建てかえ等を行うときには、センターから給食をそちらの学校に届ける必要がございますので、そういった意味からも、今の給食調理場が必要であるというふうに考えてございます。 ◆羽田圭二 委員 そういうことだと思うんです。つまり、必要に迫られて給食センターは残っているということを確認しておきたいと思います。  それからあと、就学援助によって給食が無償になっている方は、現在の申請主義のために――これはたしか文教の質疑の中で確認をしているんですが、きょうの答弁で、ちょっとわかりづらいところがあったので、改めて確認をさせていただきます。  現在は申請主義のため、実際の対象者の半数でしかないのではないかということについて御答弁いただきたいと思います。 ◎淺野 教育次長 確かに委員御指摘のとおりでして、現在の就学援助ですが、約五千人の方が給付を受けております。ただ、これはあくまでも推計ということですが、対象は約一万人ということで、約五〇%の方が申請していただいて、給付を受けているというふうに考えてございます。そのようなことから、今後も、制度の周知につきまして、引き続き努力してまいりたいと考えてございます。 ◆羽田圭二 委員 五〇%しかカバーできていないということですね。それで確認をしておきたいと思います。  そして、改めて質問に入っていきます。貧困と格差の是正に向けた取り組みなんですが、東京都は今月、時間当たりの最低賃金額を九百五十八円から二十七円アップいたしまして、九百八十五円にすることとしました。  最賃法に基づく賃金額の確定というのは、企業の一方的な判断、決定を認めないばかりか、景気の動向や雇用環境の変化などを考慮して、最低賃金を決めていくということになっているかと思います。そこで、改めてお聞きをしておきますが、最低賃金を確定することの意味、経済的効果を含めて、区の認識について伺っておきたいと思います。 ◎久末 経済産業部長 最低賃金とは、法律で定められている労働者に支払わなければならない賃金の最低額で、毎年引き上げられています。最低賃金の引き上げの目的として、労働条件の改善により、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業者の生産性向上や公正な競争の確保につなげ、経済の発展に寄与するものとされております。  国では、最低賃金の引き上げに伴い、影響を受ける企業への支援として、企業が従業員への給与を増加させた場合に税額控除をする所得拡大促進税制や、設備投資の一部を助成する業務改善助成金などがあります。区といたしましても、国のこうした取り組みを機会を捉えて区内企業に周知し、企業の生産性向上と労働者の賃金上昇に向けた環境整備に取り組んでまいります。 ◆羽田圭二 委員 今、賃金を上げるための中小企業支援の税制措置みたいなことも含めてお話がありましたが、それらを含めて、最賃をしっかり確定していくということが考えられているかと思います。  個人消費が伸びない背景には、働く方々の賃金が上がっていない、賃金が上がらないために個人所得がふえないので、結果的には消費が伸びないという。そのことは、この間、ずっと言われているんですが、安倍首相が、本来、労使交渉に委ねるということに対しまして、春闘賃上げに対して介入をするという理由もここにあるのではないかというふうに私は思っています。  それで、非正規雇用の増大による正規、非正規の賃金格差、大企業と中小企業で働く正規労働者の間でも実は賃金格差が縮まっていないという状況が明らかになっています。今回、会計年度任用職員制度ということで、自治体における任用が変えられるということが確認をされておりますけれども、常勤職員と非常勤職員の間の格差是正が、今後、民間事業所における格差是正にも一定の影響を及ぼすということが考えられるのではないかと思います。  しかし、こういうことが今起きています。ことし四月の労働契約法の改正を前に、派遣切りや契約社員の雇いどめが増加したというふうに言われていまして、この背景には、五年以上同じ企業で働いた労働者が有期契約から無期契約に変更を求めた場合に、それに企業が応じなければならない。ところが、その制度が施行される前に、対象労働者の雇いどめが行われたという事例であります。  そこで、二〇二〇年四月施行の会計年度任用職員制度への移行に当たっては、非常勤職員がスムーズに移行できるよう求めるものですが、この点についての区の見解をお願いいたします。 ◎中村 総務部長 区では、これまでも非常勤職員の処遇改善という点で、職責に応じた報酬の設定や、無給のものもありますが休暇制度の充実、研修体制の整備など、さまざまな勤務条件の整備改善を進めてまいりました。  今回、制度が導入されます一般職の会計年度任用職員には、従前は地方自治法の規定により支給することができなかった期末手当について、一定の条件のもとで支給が可能とされていることは、これまでの非常勤制度と大きく異なるところです。また、民間事業所の労働者につきましては、労働契約法により、有期雇用であっても、五年以上の雇用が継続した場合、労働者の申し出により、期限の定めのない雇用に移行することになりますが、会計年度任用職員の任期は、地方公務員法の定めにより、会計年度の一年を超えない範囲とされて、客観的な能力実証に基づき、任用がなされるものとされています。  会計年度任用職員の任用や勤務条件のあり方につきましては、現在、特別区全体での検討を行っているところです。区におきましても、こうした検討状況や、国が掲げる同一労働同一賃金の観点からも、現在の非常勤職員が円滑に会計年度任用職員制度に移行し、引き続き働きやすい職場環境となるよう、検討を進めてまいります。 ◆羽田圭二 委員 次に、地域包括ケアの地区展開の課題についてお聞きをしておきたいと思います。
     区は、厚生労働省が当初予定していた高齢者のみの地域包括ケアセンターの位置づけを、子ども、若者、障害者を含めた福祉の総合相談窓口へとつなげてきたかと思います。この背景には、一つの家庭で、ひきこもりや、高齢になった家族の介護など、複合的な課題を抱えていたものの、その相談体制は縦割りとなっていたことが大きなことだと思います。まちセン、あんすこ、社協の三者連携による福祉の相談窓口に行けば、問題の解決に向けて、その糸口を見つけ出すことができると。  例えば今回の決算特別委員会の場で指摘された四十歳を超えたひきこもりは、現在の制度のもとでは、必ずしも対応がとれていない現状も明らかになっています。今後、ひとり暮らし高齢者の増加、障害を持つお子さんの家族への支援、さらに、最近の相談内容の複雑化や、メンタル相談の増加などのもとで、人材確保を含めた相談体制の強化が求められていないかと思いますし、その点について、区の今後の対応を含めて、お考えをお聞きしたいと思います。 ◎板谷 保健福祉部長 区では、地域包括ケアの地区展開として、二十七地区での福祉の相談窓口の充実と、地区の課題を地区で解決する、参加と協働による地域づくりに取り組んでおります。福祉の相談窓口では、まちづくりセンターと、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者により、相談を丁寧に受け、窓口での速やかな対応や、保健福祉センターによる支援への適切なつなぎのほか、複合的な課題については、三者と関係所管、関係機関が一体となって課題を共有し、解決に向けた取り組みを進めております。参加と協働による地域づくりでは、地区の社会資源や課題などを地区アセスとしてまとめるとともに、三者と区民、事業者等が連携し、地区の課題解決に向けた具体的な取り組みが進められております。男性高齢者の居場所づくりや、交通不便地域での買い物支援等の実施など、成果につながってきております。  今後、相談窓口の取り組みにより顕在化してきました、精神に問題を抱える方への対応力を強化するため、精神福祉分野の相談・支援体制を拡充するとともに、国において実施される四十歳から六十四歳のひきこもりの実態調査や、検討される支援メニューの動向を注視し、区としての支援のあり方を検討してまいります。また、区民や事業者、関係機関、区の共通理解により、切れ目のないネットワークの充実に努め、地域包括ケアシステムの深化、推進に取り組んでまいります。 ◆羽田圭二 委員 支援が必要な方にまだまだ行き届いていないと言うべき福祉、社会保障制度、困難な課題を抱えた家族を孤立させない、不安や悩みを相談できる体制づくり、このことをさらに徹底していただきたいと思います。  次に、アスベストの飛散対策について伺います。  アスベストによる健康被害への補償は、アスベストを扱っていた職業全体へと広げられて、建設業などに多い一人親方にも適用するよう求めた判例も出てまいりました。現在の裁判は、過去の健康被害への補償問題ですが、現在、改めて問題になっているのが、建物の解体工事の際のアスベストの飛散防止対策でございます。最近では、国土交通省の等々力宿舎での解体工事において、アスベストの含有が明らかになり、飛散防止のための解体工事費の増額があったのは、記憶に新しいかと思います。  アスベストは、一度体内に入ると除去することができないばかりか、中皮腫などの疾病発症の原因とされ、既にその使用が国際的にも禁止をされております。国は、アスベストに関しての規制強化を検討しているといいますが、国の動きを待っているのではなく、国に先駆けて取り組みを強化すべきではないかと考えております。  大気汚染防止法によって、解体工事の際には事前調査が義務づけられているが、アスベスト調査能力のある資格者に行わせ、それを区に届け出を義務づけさせるなどの条例を整備すべきではないかと考えますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。 ◎畝目 環境政策部長 大気汚染防止法では、事前調査による資格要件について規定してはございませんが、区では、東京都のアスベスト飛散防止対策マニュアルに基づきまして、石綿に関し、一定の知見を有し、的確な判断ができる者が事前調査を実施しているか確認を行ってございます。  こうした中、環境省では、八月に「今後の石綿飛散防止の在り方について」、中央環境審議会に諮問し、小委員会を設置しまして、解体等工事にかかわる事前調査の信頼性確保や、レベル三の石綿含有建材の飛散防止等に向けた方策を検討するとしてございます。また、厚労省におきましても、解体従事者の安全確保としまして、事前調査結果の届け出を厳格化するといった情報がございます。さらに、東京都では、本年六月に市区町村の担当者及び業界団体をもって構成する連絡会を設置しまして、情報交換等を通じて、民間建築物のアスベスト対策を効率的かつ効果的に推進していく体制を設けたところでございます。  区といたしましては、事業者がこれまでに集積された知見を踏まえ、石綿含有建材の使用状況を適切かつ有効に把握するよう、事業者団体が参加する世田谷区建築物安全安心推進協議会などで説明し、普及啓発に努めていくとともに、国の動向も注目しながら、事前調査の届け出が適切に行われるよう、しっかりと事業者指導を行ってまいります。 ◆羽田圭二 委員 沖縄県では、大気汚染防止法では規制の対象外となっている、石綿を含んでいる板状に成形された建築資材などを利用した建物の解体の際にも飛散防止対策の強化を求めるなど、規制強化に乗り出した条例改正を行ったということが言われております。  ここでは、作業中の飛散対策、作業完了後の届け出、検査も含めた対応が求められているというわけですが、今後、一九七〇年から九〇年代に建築された建物の解体工事がふえる、このことが明らかになる中で、アスベストの飛散対策の強化が重要だと考えるわけですが、今後の区の対応について伺っておきます。 ◎畝目 環境政策部長 委員から御指摘がございました年代は、アスベスト含有建材が多く生産され、民間建築物で使用されていました。今後、建てかえに伴い、これらの建築物の解体が行われることから、アスベスト対策は非常に重要であると考えてございます。  区といたしましては、現在、国や東京都がアスベスト飛散防止対策について拡充の検討を始めていることから、その動向に注目するとともに、今後増加すると見込まれます、その年代に建設されました建物の解体工事に対して、現状の騒音・振動規制法や建設リサイクル法の届け出の際、アスベストの有無の確認や標識の設置について、法令、要綱等を遵守するよう、強く指導を行ってまいります。また、建設リサイクル法に関する全国一斉パトロールと連携した立入検査におきましても、大気汚染防止法の遵守状況の確認、指導を丁寧に行っていくとともに、新たな取り組みといたしまして、アスベストの有無の事前調査結果の表示を適切に行っているかについて、解体現場を定期的に巡回し、確認を行っていくことについて、鋭意検討してまいります。 ◆羽田圭二 委員 条例整備を含めて、今のところ、国や東京都の動向を見ながらということが言われているんですが、先ほどの公明党の諸星委員のお話ではありませんが、要するに、最近、国や東京都の動きを見ながら動き出すみたいなことが世田谷区は多くなっているのではないかと。これは私の感想なんですが、つまり、かつては世田谷区が先進的に条例をつくったり、あるいは問題提起をしたりして、そして、それが国を動かしたり、東京都を動かしてきたということも数多くあったのではないかと思いますが、それが今、非常に後退をしているのではないかということで、この点については、ぜひ副区長からお答えをいただきたいと思います。 ◎宮崎 副区長 だんだん時代が変わりまして、国のほうも、いろいろ縦割り的なことも起きますし、また、自治体との向き合い方の部分は、地方分権の言葉の中で済ませてきているということも正直あると思います。そういう中で、世田谷区も、従前より試行錯誤を重ねながら、今、条例を例に挙げられましたけれども、そういう策定に向けて、積み上げてきた経過がございますが、昨今の部分におきましては、この条例の部分におきましても、例えば行政計画をつくっていく中で、ある意味、済ませてきているということもございます。これは、先ほど地域行政などの例をちょっと申し上げましたけれども、やはり世田谷区としても、区民、それから区議会のほうとも共有していく努力が少し弱目になっているというようなことは現実にあると思います。  そういう意味でも、今後とも条例が、言ってみれば前提に立って、行政計画の中で補うものもございますけれども、そういうところについては、引き続き全庁一丸となって頑張っていきたい、このように思っております。 ◆羽田圭二 委員 ぜひ積極的な姿勢を示していただきたいと思います。  私の質問を終わりまして、風間幹事長にかわります。 ◆風間ゆたか 委員 補充質疑ということで、最後、まとめとして、私からも伺っていきます。  私たちは、民主党という政党のときから、社民党と一緒になって会派をつくってきたわけですけれども、保坂区長の目指す方向性と一致するところが多いというところから、さきの選挙では、共闘するという形で取り組んできたものでありますけれども、このところ、私たちと少し違うのかなと感じるようなところも出てきたところでもあり、二元代表制でありますから、保坂区長がどういう方向に行っているのかなということに関しては、私たちもしっかりと見きわめていかなければならないと考えております。  区議会議員の選挙も半年後となってきて、町なかには、いろいろなポスターが張られている中で、保坂区長と一緒に写っているような人たちも出てきましたから、そういう人がどういう方なのか、私たちもよくわかりませんし、区長がそういう方と同じ方向性だというのであればわかりますけれども、これまた二元代表制という制度の中で、同じ政党でもないのに、一緒にポスターに写っていくということに関しては、少し保坂区長の感覚に疑問を持つところでもあります。  先ほどからお話に上がっております給食費の無償化ということについては、私たちが民主党のときから、こういった子どもの政策に関しては、所得にかかわらず子どもを支援していくというスタンスでありましたし、羽田政調会長がずっと求めてきたのは普遍主義ということでありますから、給食費の無償化を目指すということなのであれば、所得によって切り分けるべきでないというのは徹底して言います。  区長自身が所得の水準によって切り分けていくという考え方なのか、それとも、普遍主義にのっとって、まずは財政の状況から一部スタートさせるという考え方なのか。私たちは後者ですから、例えば一つの学年ということであれば、所得によってということではなく、段階的に進めていくものなんだということは、区民に対して、きちんとメッセージとして伝えていけるものだと思いますから、政治姿勢がそこにあらわれるものだと思っています。まだ結論が出ないということですから、今後、保坂区長の考え方というのも、これにあらわれると思っていますから、しっかりとそのあたりも検討していただければなと言っておきます。  民主党から立憲民主党に移ったのは現在三名ですけれども、この三名で前期は会派を組んだわけであり、そのときからずっと言ってきたことは、もう一つ、お金の使い方をきちんと正していくということに取り組んできました。  一つは、産業政策に関しては、どこを見て仕事をしているのか。団体ばかりを見ていて、本当に区内の事業者を見ているのかすら危ういということで、プレミアム商品券のことに関しては、ずっと求めてきたところでありますけれども、一向に変わらない。名前から変えて、根本から政策を考え直すべきだということで、名前だけ変わりましたけれども、この半年間、見ていて、変わったところは何なのかも全くわからないという状況です。これに関しては、総括のときに質疑をしておりますので、この後、半年間で大きくものが変わることを期待しながら、注視していきたいと思っています。  もう一つは、外郭団体についてであります。退職した理事者たちが外郭団体に再就職するということを私たちは天下りと呼んでいましたけれども、これに関しては、役割があるということでありました。役割はあるのかもしれませんし、今の状況から言えば、外郭団体に再就職するのではなく、役所に再任用という形で活躍していただいている方がたくさんいらっしゃいますから、そのほうがよほど私たちが求めてきたことでありますけれども、この区役所機能を後輩世代に引き継いでいくという意味でも、非常に重要なことだと思っています。  では、外郭団体は何のためにあるのかといったときに、上のほうの役職の人たちが区役所から天下ってきて、ころころ変わっていく。中のプロパーの人たちは、どういうメンタリティーで仕事をしているのかということも非常に気になりますし、幾ら頑張っても社長にはなれない、トップにはなれないということであれば、そこのモチベーションはどこに向かっていくのかということも気になります。また、仕事のレベルの向上ということに関しても、それぞれがスキルアップしていくために努力をしていくということがなされていくのかどうかということも気になりますけれども、一部、外郭団体の中でも、内部でそういった努力をしているところもあるように感じます。  先日、サービス公社の数値が合わないという状況で出してきたものがそのまま認められてしまうと。こんなことがあってはならないということで、私たちは意見を申し上げてきましたけれども、現在、区として、外郭団体との仕事の仕方、特に補助金のあり方ですとか、委託事業の見直しだとか、こういったことをずっと求めてきていますけれども、このあたりについて、どの程度やる気があるのかということをまず聞いておきたいと思います。 ◎岩本 政策経営部長 今も御指摘いただきましたとおり、外郭団体のガバナンス機能と申しますか、そういった課題であるとか、団体設立の経緯から、職員の年齢構成のバランスとか、専門人材育成についても、課題が生じていると認識してございます。  この間、新実施計画(後期)で、外郭団体に関する取り組みも規定してございますが、区は団体ごとに、将来を担う人材の計画的育成や、コンプライアンスの向上など、団体のガバナンスの強化に向けた指導、調整を行うこととしてございます。  新実施計画(後期)については、今申し上げた課題認識のもとで、各外郭団体の行動計画の中でも、団体ごとにコンプライアンスの向上や職員の人材育成を年次別行動計画に掲げまして、取り組むこととしております。今後も、各団体の取り組みが着実に進むよう、各外郭団体所管部とともに、指導、調整を行ってまいりたいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 本来、委託をするということであれば、区役所の職員がやるよりも高いパフォーマンスを上げられる、または、コストを下げて、同じサービスの質で提供することができるということなんでしょうから、少なくとも申請書類にミスがあるような団体に任せていいのかということは、世の中一般ではあり得ないことでありますから、そういったことが再びないように求めるものでありますし、また、その委託先が企業なのか、外郭団体なのか、世田谷区民としてみれば、質の高いサービスを提供してくれる事業者であればいいわけですから、そういった外郭団体ありきという形で仕事が進んでいくということは、あってはならないと思うんです。  これは総括でまた取り上げましたけれども、国際交流に関して、文化財団ありきかのような話が上がってきたというのも、同じように見直していくべきだということをずっと求め続けますけれども、役所の中できちんと仕事が回せない、だから、外に託していくということであればわかりますけれども、現段階では、回せないわけがない。何を自分たちでやれないから、これを委託していくんだということであれば、委託の話が出てくるのはわかりますけれども、もしまだ外郭団体ありきという考え方がこの区役所の中にあるんだとすると、それは改めていかなければならないことなんだと思います。  この件に関しては、副区長、どうお考えでしょうか。 ◎岡田 副区長 総括のときに御答弁申し上げましたけれども、今回、国際交流については、国際交流のあり方に関して、御報告も申し上げていますけれども、これまでのいわゆる教育交流だけというような形から、外国人の生活支援、多文化交流、そういったことまでウイングを広げていきたい、そういう中で、区が直接やるものと、外にお任せするものを切り分けながら、幅を広げていきたいということで考えているところでございまして、その相手先として、今お尋ねの文化財団というのは一つの候補としておりますけれども、必ずしも外郭団体ありきで考えていることではなくて、趣旨としては、今申し上げたような趣旨で考えているところでございます。 ◆風間ゆたか 委員 文化財団に関しては、この間、いろいろな問題があったわけですから、文化財団ありきという考え方もそもそもおかしいし、繰り返しますけれども、何を自分たちができないから任せていくのかということが見えずに出てきたことが今回問題だと言っておりますので、まずは、これから国際交流事業として、世田谷区はどんなメニューで、何をやっていくのかということをきちんと全て提示していく、構想も含めて出していくことが先だと思います。  また、もう一つ、ずっと言ってきたのが産業振興公社です。これまた産業政策部が自分たちでできない。確かに今の産業政策だと、この間、問題として指摘してきましたけれども、自分たちで取り組めないことだらけだということなのはわかります。ただ、経済産業部になったことによって、そういった機能を強化していくべきだ、区の職員でも、産業とは何か、経済政策とは何かということをしっかりと学んで、自分たちで政策を立案して、一度実行もやってみるということを経験するべきだと言ってきましたけれども、それに関しての取り組みは全く見えてきません。  外郭団体の改革というのは、区役所の業務をもう一度見直していくということにもつながっていくと思いますから、今後、大きなテーマになるかと思いますけれども、ガバナンスの強化とあわせて、事業の見直しということはきちんとすべきだと思いますけれども、宮崎副区長、いかがですか。 ◎宮崎 副区長 外郭団体発足の経過というのは、もともと自治法上のいわゆる委託をかける際に発足した、その当時、第三セクターという形のものでしかなかったということから、外郭団体と言われる部分についてが起きております。  昨今の部分において、企業も社会貢献事業ということに踏み出している中では、やはり外郭団体のあり方そのものが見直されていかなきゃいけない。また、先般の部分について、先ほど政策経営部長のほうからお答えしましたが、例えば先般のサービス公社と区の関係上の中では、ああいうミスが出てくるというのは、ある意味、なれ合いになってきているということは、我々は反省点だと思っております。そういうところも含めまして、外郭団体の立ち位置と、区が今何を求めているのかということを、きっちり所管部があるわけですから、両者の部分の中で話し合いをさせまして、そういう意味での見える形のものにして、目指すものを決めるということがないと、やはりなかなかお答えになっていないと思っていますので、その辺につきましても、十分取り組みを強化していきたいと思っております。 ◆風間ゆたか 委員 そのあたりは期待していますので、早急に取り組んでいくように求めておきます。  先日、私が一般質問でも取り上げました社会的養護という観点で、我々立憲民主党は子どもの権利条約を遵守していく、それに基づき、政策をつくっていくという方針を打ち出しています。その点から、前回は母子手帳の問題と里親制度の問題を取り上げましたけれども、今回は、お隣、目黒で起こった虐待、そして、子どもが亡くなってしまったという件に関して、再三議会でも取り上げられていますけれども、仮に世田谷に引っ越してきたと考えると、世田谷では防げたのだろうかというシミュレーションは、やっぱりしておくべき重要なことなんだと思うんです。恐らく同じようなことが起こっていたのではないかと思います。  そこで、世田谷区として、まだ児童相談所は移管していません。移管したからといって、必ず防げるものであるとも思えません。ほかに何ができるのかということを考えたときに、世田谷区は子育て世代の転入者がかなりありますから、転入者に対しての取り組み、働きかけというのが、まだやっぱり少ない、足りないのではないかというふうに感じるわけです。  世田谷版のネウボラということで、妊娠期からサポートをしていくということで、母子手帳をとりに来た方に対しては、世田谷区の子育て支援、産前産後の支援ということを情報提供できますけれども、転入してきた方にとっては、そういった情報が行き届いていないのではないか、または、リスクのある家庭に対して、世田谷区の目が届いていないのではないかという懸念があります。このあたりに関しての問題意識は所管としてあるでしょうか。 ◎澁田 子ども・若者部長 国は、今回の事件を防げなかったことを受けまして、自治体間の児童虐待ケースの引き継ぎは、児童福祉司同士が直接顔を合わせて引き継ぐことを基本とするなどの一連の緊急対策を示したところでございます。  区といたしましては、子どもの命と安全を守るための重要なルールを遵守し、機能させていくためには、適切な人員体制の整備が不可欠であると考えておりまして、区独自の体制強化を図ることとしております。また、これまでも転入者のリスク把握のために、保育園や学校、子育て支援サービスの事業者などとの情報共有の徹底に取り組んでまいりました。しかし、御指摘のとおり、従来の取り組みにとどまらず、予防型の児童相談行政を構築するためには、すき間なくリスクの把握ができるよう、仕組みを見直す必要があると考えております。  引き続き、社会的養護の受け皿を初めとしたセーフティーネットの拡充や、児童虐待を未然に防ぐための子育て支援の充実を目指し、リスクを確実に把握し、必要な支援につなげていけるよう、施策の充実に取り組んでまいります。 ◆風間ゆたか 委員 問題意識としてある上で、対策もとり始めているということですから、同じことが起こり得るかもしれないということで、さらにその取り組みを進めていただくよう求めておきます。  最後になりますけれども、再三ほかの会派でも取り上げられていますけれども、災害の質が随分変わってきたという観点から、台風二十四号の影響というのは、本当にこれまでなかったような被害がたくさんあったということです。屋上から倉庫が落ちてきたりだとか、壁が倒れて電車と接触するなど、今まで考えられなかったような……。今回の特徴はやっぱり強風ということなんだと思います。  翌日、十月一日は都民の日で、学校が休みのところもあったし、学校があったところもあるということで、ただ、教育委員会からのお話では、学校として近隣の安全確認を行ったということでした。私も、子どもたちは休みでしたけれども、自分の地元の周辺をちょっと見て回ったところ、驚くべき……。これは役所の皆さんは御存じかと思いますけれども、うちの地元の小学校のすぐ隣の道路で、壁がごっそり倒れ込んできた。本当はここに張りついていた壁が道路にバコっと倒れかかってきたということで、ここが基礎とくっついていたんだと思うんですけれども、これは通学路ですから、子どもたちが通って――これだけの強風のときに学校が登下校を認めるということは、今はないと思うんですけれども、やっぱり非常に怖いことだなと思うわけです。  こういった強風対策として何ができるのかということですけれども、何もできないんじゃないかというお話があります。ただ、これについては、もう少し各家庭なり事業者なりが注意をしてやっていかなければ、対策をとっていかなければならないと思うわけです。  ちょうど今週は違反建築防止週間です。でも、ほとんどの人たちは知りません。こういったことに対して、建築の部署として、何かできることはないのか、答弁をあと三十秒でお願いします。 ◎関根 防災街づくり担当部長 今、委員お話しのように、十月十五日から二十一日まで違反建築防止週間でございます。我々は、職員が区内をパトロールして、必要な違反建築などを見つけたときには、所有者に会って、状況を確認して、基準法等に基づく必要な対応を進めてまいります。 ◆風間ゆたか 委員 終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷立憲民主党・社民党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆中里光夫 委員 それでは、日本共産党の補充質疑を行います。  きょうは各会派ほか、よその会派からも質問が出ていましたけれども、最初は学校給食の無償化の問題について質問したいと思います。  我が党は、義務教育無償化の原則からも、給食の無償化は進めるべきだというふうに考えています。憲法二十六条は教育を受ける権利、そして教育費無償化を定めていますが、現実は授業料と教科書の無償化にとどまっています。その結果、給食費の負担が保護者が負担する学校教育費の四割を占めると、これは国の責任で一刻も早く無償化に踏み出すべき問題だと考えます。  他会派からの質問に対し、区長から給食費無償化を所得制限を設けて行おうという話がありました。しかし、それは既に所得によって給食費などを無償にしている就学援助、子どもの貧困対策の就学援助を拡充していくということになるのじゃないでしょうか。我が党は、無償化というならば、所得制限は設けないで全ての子ども対象にと、そうした方向でやるべきだと考えています。  区内の就学援助について、区の答弁によりますと、対象は一万人と推計される一方、実際に受けているのは五千人、約半分という他党派への答弁がありました。必要な方が利用できていない非常に残念な状況がありますが、その理由について、区はどのように考えていますか。 ◎淺野 教育次長 今お話しいただきましたように、現在就学援助におきましては、対象となると思われる所得階層の世帯のうち、約五割の方が認定されている状況と推計されます。就学援助は申請に基づき認定を行っており、現状ではこのような状況となってございます。詳しい状況につきましてはなかなか、どういった理由ということをきちっと申し上げることは難しいことはございますでしょうけれども、私どもとしましては、制度周知、そういった形をきちんと行うことによりまして、援助を必要とされる方が必要な援助を受けられるようなことが重要であると考えてございますので、そういった努力をしてまいりたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 理由はよくわからないけれども周知に努力するということですけれども、やはりどうしてそうなっているのか、そうした分析は必要だと思います。  就学援助の対象が一万人とすると、小中学校の全生徒が四万五千人ということですので、二三%が就学援助の対象と。これを給食無償化の所得制限、高校授業料無償化ラインで行えば、区の試算では対象は一万五千人程度ということで全生徒との割合では三三%が対象になるというお話がありました。  しかし、所得制限を設けた場合、四万五千人のうちの一万五千人が対象になるといいますが、今の就学援助の話のように、申請主義で申請をしなければという仕組みの中で、現実には数千人にとどまってしまうのじゃないかということも想定されます。  対象の数と現実の数について、区としてはどのような見方をしているのか伺います。 ◎淺野 教育次長 今お話しございましたように、仮にですが、東京都の高校授業料無償化に合わせた場合ですと、一万五千から一万六千になるというふうに見込んでございます。  給食費につきましては、就学援助の中の約半分の額を占めてございますので、この無償化を行うことによりまして対象者も広げるということから、今後、申請者につきましては増加する可能性もあるかとは思っております。ただ、いずれにしましても、いろいろな機会を捉えて制度周知をきちんとしていきたいというふうに考えてございます。 ◆中里光夫 委員 増加するのではないかと言っても、今の半分がどこまでふえるのかというのはなかなかわからないということだと思います。  現在の区の試算では、無償化に係る経費はスタート時点で年間二億円というふうに報告されていますが、いつまでに、どのように文字どおりの無償化を実現するつもりなのか、完全無償化はいつ実現するのか、見通しについて示してください。 ◎淺野 教育次長 学校給食費を含めた教育費の無償化につきましては、この間保護者の経済的負担の軽減の観点から、また財政状況の面からも検討を重ねているところでございます。このような状況の中で、引き続きさまざまな検討シミュレーションを重ねるよう区長から指示を受けてございます。  今後とも、保護者負担の軽減に向けまして、学校給食費の無償化につきましては、財政状況の面を踏まえて、具体的に実現できる方法を整理してまいりたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 我が党は、無償化というならば所得制限は設けるべきではないというふうに考えています。四万五千人、これは一気にできないとしても、学年ごとに拡大するなど無償化の形をしっかりと定めてスタートすべきだというふうに考えます。  給食の無償化は、自治体のみで行うには財政負担が大き過ぎる、こう考えています。世田谷区が単独で行えば、年間二十五億円ともなります。我が党は、給食無償化へ進む現実的な一歩として、東京都と協力して給食費助成に踏み出す、このことを以前提案してきました。今回の都議会議員選挙では、多くの党が給食無償化を公約しています。少なくとも都区共同でスタートできる道を探るべきだと考えています。東京都の動きは現在どうなっているでしょうか。 ◎淺野 教育次長 東京都の動向ということですけれども、東京都教育委員会から特段の通知等は現在のところございませんけれども、東京都議会におきましては、特に本年三月の予算議会におきまして、さまざまな会派から学校給食費の無償化について活発な議論が展開されたことについては承知しております。学校給食費の無償化につきましては、東京都としましては国の動向を注視していくとの答弁があったということで把握しております。 ◆中里光夫 委員 ぜひ都区共同してスタートできる道を探っていただきたいと思います。都議会でも活発な議論があるということですから、世田谷区からも東京都に対して働きかけていくことが大事だというふうに思います。  我が党は、第二回定例会、そして今議会でも、区の財政問題について議論を重ねてきました。ふるさと納税など都市部の自治体の財源が地方へ移されてしまう今の安倍政権のもとで、こうしたやり方が進められて、百億円もの減収、こういう現実があります。また、消費税の増税とセットにした幼児教育無償化による、これも区に新たな負担が襲いかかってくると。また、区長会の試算では年間三十三億円というふうに試算されています。不当な押しつけの中で、区は予算編成の依命通達の中で、新たな事業については慎重な対応を求めるという態度を内部でとっています。これは当然のことだというふうに思います。  日本の経済、財政の現状を見れば、今のような経済状況が今後もずっと続く、中長期的に続くというふうには思えない状況であると思います。つまり、石橋をたたいて渡る慎重な財政運営が求められているのじゃないでしょうか。区の認識はいかがでしょうか。 ◎淺野 教育次長 確かに委員御指摘のとおり、かなり厳しい財政状況にございます。また、耐震化の問題であるとか、体育館の空調であるとか、教育委員会としましては喫緊の課題が山積しております。  今後、財政状況の面、それから政策効果も勘案しつつ、具体的に私どもシミュレーションを行っていきたいと考えてございます。 ◆中里光夫 委員 慎重に進めていくことが必要だということだと思います。  安倍政権は、昨日、来年の十月から消費税の増税をするという明言がありました。我が党は、国民とともに中止に向け奮闘いたしますけれども、これが実施されれば、区政への影響は避けられない問題となります。学校給食の無償化については、来年度から始まる幼児教育無償化の状況や、ふるさと納税の見直しの議論もされていますけれども、その方向性がどうなっていくのか。また、区の財政見通しについて、さらに庁舎整備など、区の歳出を見据えた財政の見通しについて、議会に説明責任を果たした上で判断していくべきだというふうに考えます。区はどのように考えているでしょうか。 ◎宮崎 副区長 幾つか、今の区を取り巻く財政状況の中での懸念材料を委員のほうから御紹介いただきましたが、まさに、このあと年末までの間で、いろんな形のもので国のほうから提示も含めてくるものと予想しております。  先ほど申し上げましたけれども、今般の部分につきましても指示を受けているのは、一つは方法論としてシミュレーションをかけることに加えて、財政状況そのものについてのものをどのように取り組むのかということについても指示をいただいていますので、その部分のところをしっかりと見据えた上で、改めて議会のほうに御提示したい、このように考えております。 ◆中里光夫 委員 しっかりとその辺は行っていただきたいと思います。  次に、区長に伺いますけれども、我が党は、就学援助の拡充こそ喫緊の課題だというふうに認識して、今議会の中でもさまざま提案してきました。一つは、小学校の入学準備金を前倒しで早く支給するということ。それから、眼鏡などの給付費目の拡大を進めていくべきだという問題。それから、就学援助の基準そのものを引き上げていく、対象を広げていくという問題。そして今回、この議論の中でわかりましたけれども、対象の五割しか利用していないと、これを改善していくということも急務なのじゃないでしょうか。この就学援助の問題についても課題が山積しているという状況です。  この就学援助こそ拡充していくべきではないでしょうか、区長の見解を伺います。 ◎保坂 区長 この間、学校給食費の無償化の問題が議論されてきましたけれども、今委員おっしゃるように、就学援助制度における認定基準、これは大変大事なポイントだというふうに認識をしております。現在、就学援助制度における認定基準をより引き上げる、生活保護のいわゆる制度変更等もありました。そのような影響をカバーすることも含めて、このテーマについては取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。 ◆中里光夫 委員 とにかく、就学援助にはさまざまなたくさんの課題があります。しっかりと充実に取り組んでいただきたいというふうに思います。  それでは次に、国民健康保険の問題について質問をしていきます。  この高過ぎる保険料、この問題を私たちは繰り返し取り上げていますけれども、今年度からの広域化でさらに大幅に値上げがされました。均等割は五万一千円、これはゼロ歳の子どもでも一人当たり五万円かかると。まさに子育て支援に逆行する事態となっています。  区民にお話を伺いました。自営業で子どもが三人いるという方からお話を伺いましたが、保険料は三十五万円くらいだと。自分の給料の二カ月分が少し欠けるぐらいで本当に高いと。この決定通知を受け取って、減免制度があると書いてあったので、役所に電話をかけたと。しかし、電話をしたら、既に減免された額なんだというふうに言われて大変ショックを受けたと。生活費が厳しいと簡易保険の解約もしたと、本当にきついんだと、こういうお話でありました。  区が毎年年度当初に保険料の決定通知を発送しますと、毎年五千件、六千件という電話が殺到しています。保険料が毎年値上げされてきましたが、やはり保険料の額に驚いて問い合わせしたり抗議したりという人が多いあらわれです。  我が党は、毎年この電話の問い合わせ件数について聞いてきました。今回は何件の電話、どのような内容だったのか、答弁を求めます。 ◎板谷 保健福祉部長 国民健康保険の保険料につきましては、毎年度七月上中旬にその年度分の保険料を世帯ごとに算定し、世帯主宛てに当初賦課の通知として一斉に発付させていただいております。この通知をごらんになられた被保険者の皆様からの電話等による問い合わせが、発付後数日間は大変多くなります。この繁忙期間で電話件数について集計をしております。件数としては、今年度は五千八百四十七件、昨年度が五千二十二件と、ここ四年間は五千件から六千件で推移をしております。国保世帯数がおよそ十四万世帯ですので、約三から四%の世帯からお問い合わせをいただいていることになります。かつては問い合わせが多く、後期高齢者医療制度ができた二十年から二十五年度までは、年によっては一万件以上のお問い合わせを頂戴したこともございました。  主な内容ですが、毎年大きくは変わりませんが、保険料額の算定方法、保険料軽減の該当、非該当、加入や脱退などの資格の手続、納付方法などが多くなってございます。
    ◆中里光夫 委員 電話の台数もふやして、別の課から応援部隊も組織して、四十人から五十人の職員が対応しているというふうに聞いています。本当に大変な電話が殺到する中で、役所の皆さんもその対応に追われているということですが、事前に電話対応についてのQアンドA一覧というのを見せていただきました。  そのQアンドA一覧を見てみますと、例えば前年に比べ保険料が高くなったのはなぜかだとか、均等割軽減を受けるにはどうしたらよいか、失業しているので減免してほしい、保険料が払えない、分納でなく減免してほしい、こういう質問の項目が上のほうからずらっと並んでいるんです。こういう質問が多いということのあらわれだというふうに、このQアンドAを見て思いました。  この具体的な区民の問い合わせや苦情の内容は記録されているのかどうか伺います。 ◎板谷 保健福祉部長 お話しのとおり、被保険者の方からは、保険料が高くなった、算定の根拠や保険料軽減の該当、非該当、納付の相談など、さまざまな質問や御意見等が寄せられております。当初発付直後は、こうした電話等によるお問い合わせが集中するため、担当係だけでなく、課内の他の係や保険料収納課にも協力を求め、保険料や加入等の手続、納付相談など、あらかじめ項目分けをしたチェックシートによりまして件数を把握しております。  被保険者の方からのお問い合わせは多岐にわたり、件数も多く、迅速かつ効率的に対応することが求められておりますので、お一人お一人について詳細な内容までは記録してございませんけれども、受け付けをした職員は、担当外のお問い合わせがあった場合はその都度担当の係や他課に電話をつなぎ、適切な対応をしているところでございます。 ◆中里光夫 委員 やはりこれは貴重な区民の声ですよね。国保に対してさまざまな問題や思いがこもった貴重な声だと思います。詳細を記録する必要があるというふうに思います。  広域化で、東京都も保険者となったと。保険料は区長会で二十三区統一方式で決められています。こういったところにこの声をしっかり伝えていくことが重要なのじゃないかと思います。  区長会や都区協議に臨む区長や副区長、そして東京都にこれを伝えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ◎板谷 保健福祉部長 今回、いろいろな区民の方の声をお聞きしまして、新たに保険者となった東京都に対しても、これまでもそういった生の声に基づきいろいろな要請等をしております。今般、お話にありましたとおり広域化ということで、特別区の区長会で東京都が説明に来たときも、保坂区長にも積極的に発言をしていただきまして、東京都の繰り入れ等の支援ということにもつなげてまいりました。  今後とも区民の方の切実な声を積極的にお聞きし、その声を同じ保険者である東京都にも伝え、東京都に対しても保険者としての自覚と責務を求めてまいりたいと思います。 ◆中里光夫 委員 やはりこの生の声、詳細な声をできるだけ拾って伝えることが大事だと思います。今忙しくて、詳細までは記録できないという話もありましたけれども、体制をさらに強めるなどして、しっかりと区民の声を受けとめて伝えていく、そうした努力を進めていただきたいと思います。  しかし、同時にこの保険料、毎年上がっているこの保険料を最終的に決めたのは、世田谷区自身です。この区民の五千件にも上る声をどう受けとめるのか、区長の認識を伺います。 ◎保坂 区長 この国民健康保険の広域化に関して、特別区区長会で大変異なる意見が激しく議論されました。これは、要するに法定外繰り入れを早期にやめるべきだという一部の区長と、いや、そういうことをすると大変なことになるということで、これは続けていくべきだ、少なくともその傾斜のカーブを緩やかにするべきだという意見の対立でした。この場面では、統一保険料方式ということも維持しながら、できる限りこの影響を緩和するよう、そこは頑張ってきたつもりですが、現実に五千人以上の声が渦巻いている。その声は一人一人深刻な叫びだと思いますので、これについては本当にどのような声が寄せられているのかしっかり聞いて、その上で区長会での議論に返したい。また、東京都への意見にまとめていきたいと思います。 ◆中里光夫 委員 やはりこの高過ぎる保険料、これは国保の大問題です。国や都にいろいろ世田谷区からも求めていますけれども、国や都が抜本的な対応をとるまでの間、低所得者や多子世帯の負担を軽減するために、世田谷区として独自に取り組みを行っていく、二十三区足並みをそろえてということも追求してやっているわけですが、さらに世田谷区が頑張ってここを進めていくということが必要だと思います。そのことを求めていきます。  それから、国保の広域化が導入されて、住民から遠い都道府県に権限が移されて、医療の抑制や保険料の値上げなどを進めやすくしようというのが安倍政権の狙いです。医療費適正化計画による医療費の抑制、地域医療構想による病床削減など、強権的に給付費削減を推進させようとしています。さらに、東京都と二十三区は激変緩和ということで、六年かけて一般会計からの法定外繰り入れを解消する方針を決めました。繰り入れを減らしていけば、さらなる保険料の値上げになります。繰り入れは今後も維持すべきです。そして、新たに保険者となった東京都はことし十四億円繰り入れを行いましたが、区は都に対し、都としての繰り入れをさらに引き上げよと求めていくべきです。見解を伺います。 ◎板谷 保健福祉部長 先ほども少し触れましたけれども、昨年度の特別区区長会で東京都に対し保坂区長にも積極的に発言をいただき、東京都に対して保険者となったことの自覚を促すとともに、その責務を求めるということで要請をいたしました。そうしたところ、本年一月になり、都は制度改革に伴う独自の財政支援ということで、委員お話しの十四億円という支出になったということでございます。  東京都は、今後六年間で合計七十九億円ということで、六年間のほうは担保すると。ただ、お話にあったように、計画的に低減をしていくというふうに考えているようです。  先ほど申し上げましたけれども、我々は直接被保険者である区民の切実な声をお聞きする立場にありますので、そうしたことを東京都に伝え、東京都に対し保険者としての責務を果たすようさらなる要請をしてまいりたいと思います。 ◆中里光夫 委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。  それでは次に、本庁舎整備にかかわるノバビルの土地の問題について質問していきます。  本庁舎整備については、区はこれまで情報公開と区民参加を何よりも大切にして取り組んできたというふうに理解しています。ところが、このノバビルの土地の問題については、議会への報告もなく進められていたと。そして、区民に疑念を持たれるような新たな事実も出てきたということで、区は区民への説明責任をしっかりと果たしていただきたい。この問題にかかわる疑問についてしっかりと答えていただきたいと思います。質問をしていきます。  まず第一に、土地取引の必要性や交渉を進めていたことを基本設計方針には記載してありませんでした。このことは大変重大です。区民に説明せず、一度示した方針を変更しようとしたことになるのじゃないでしょうか。なぜ基本設計方針に書かずに進めていたのか、見解を伺います。 ◎松村 庁舎整備担当部長 本庁舎に隣接する敷地の活用については、平成二十八年度に策定しました本庁舎等整備基本構想の中で、その活用の可能性検討を進めていくといった記載をさせていただいておりまして、基本設計方針の段階では交渉中ということでしたので、その部分については記載をしませんでしたけれども、交渉の結果、合意が得られた時点で特別委員会に報告をさせていただいたと、こういう経緯でございます。 ◆中里光夫 委員 しかし、設計方針という形で一度フィックスしていたと。そこに必要性だとか交渉しているというようなことは一切書かれていなかった。でも、現実には交渉は進めていたというわけですから、これはやはり書いておくべきだったし、書かれていなかったことは問題だと思いますが、副区長、いかがでしょうか。 ◎岡田 副区長 今部長が申し上げたとおり、基本構想の段階で、西側敷地の拡張については引き続き検討していくということでお示しをしておりまして、その中で、ずっとそれは追求をしてきていたところでございまして、この間区民の説明会、リング会議といったようなところでも、お話があればそのお話はしてきたところでございます。  ただ、今お話しのとおり、設計の基本方針のところでは確かに記載がございませんので、その点については記載をしておくべきだったかなというふうに考えております。 ◆中里光夫 委員 第一の問題は、本当にこれは書くべきだったと思います。  第二の問題は、八月一日に土地の所有が大場代官屋敷保存会から、大信興業株式会社に移転していたという問題です。  七月二十五日の特別委員会で隣地敷地活用に伴う設計要件の変更についてという報告がありました。そこには、このたび隣接する土地を賃貸借することにより、本庁舎等敷地として新たに活用することが可能となったため、当該地を含めた敷地を新たな計画敷地として基本設計を進めていくというふうに書かれていて、その中で覚書について書かれています。記載する予定の項目がありまして、基本的な考え方をもとに、この後の賃貸借契約に向けた基本的事項について直ちに覚書を締結する予定であるとして、今後のスケジュールに八月下旬に覚書締結をするというふうに書かれています。  このとき、この委員会の中で交渉相手の地権者は誰なのかという質問がありました。それについて、このペーパーには何も書かれていません。答弁では、土地所有者は代官屋敷保存会というふうに答弁がありました。議員は財団が相手なんだなというふうに認識したと思います。  このとき、覚書の調整を進めていた相手は誰なんでしょうか。代官屋敷保存会なんでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 七月の時点におきましては、ノバビル用地については、土地の所有者が代官屋敷保存会、ノバビルの所有者、つまり建物の所有者が株式会社大信興業という状況でございました。  この際に覚書を締結する場合は、土地については土地交換により所有権を移転したいという意向は示されておりましたけれども、その後、土地の所有権移転が八月一日に行われたことを確認したため、土地所有者となった相手方に区側の権利設定や登記の賃貸借の設定など、それまでの交渉の考え方が継続されることを確認しまして、覚書の締結に至ったという経緯でございます。 ◆中里光夫 委員 そうすると、七月二十五日時点で覚書の交渉をしていたのは、代官屋敷保存会ということでいいんですか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 土地については今言われたとおりだと思います。建物については、先ほど言いましたとおり大信興業でしたので、そういう意味では覚書の対象は、この時点では区以外に二者いたということになります。 ◆中里光夫 委員 では、このときは二者と覚書の交渉をしていたということになるんですか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 覚書については、この時点では権利者が土地と建物で違いましたので、覚書を結ぶとすれば、区を含めた三者になるのかどうかといったことの確認も含めて、この時点では交渉を進めていたということでございます。 ◆中里光夫 委員 これが七月二十五日で、土地の所有者がかわったのが八月一日と一週間もたたないでかわっているわけです。この時点で土地の所有者がかわることを区は知っていたんでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 先ほど言いましたとおり、相手方の意向としては聞いておりましたけれども、正式に所有権が移転された確認ができたのは、その登記簿により八月一日の所有権の移転で確認ができたということでございます。 ◆中里光夫 委員 意向は聞いていたということですか。  九月五日の特別委員会では、八月二十九日に覚書が締結されたという報告がされました。このたび、隣地敷地を安定的な権利のもとに賃貸借し活用できるよう、基本的事項に関する覚書を締結し、新たに計画敷地に入れ世田谷区本庁舎等整備基本計画(案)中間報告を取りまとめたということが書かれています。これにも相手の名前は書いてありません。  ですので、私たち九月五日の委員会に出た議員は、当然相手は代官屋敷保存会だろうと思っていたんですが、この間の決算特別委員会の中で、実はその対象がかわっていたということが明らかになりました。  八月二十九日の段階で締結されたこの覚書の相手は誰になっているんでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 所有権移転に伴い、相手方は株式会社大信興業となっております。 ◆中里光夫 委員 議会では、七月二十五日のペーパーにそもそも書いてないと。七月二十五日の時点で質疑があって、地権者は財団だと。土地の所有がかわったことはその後一切報告がないまま、九月の五日では覚書が締結されて、しかも相手先が書いてないと、こういうことが続いたわけです。私たちはその事実が全くわからなかったわけです。  実は、ここに情報開示請求をして、ノバビル用地交渉メモというものがございます。いつ区が、そのノバビルの用地の交渉に関する全ての情報を公開せよということで求めたものですが、六月二十九日が最後の交渉になっています。このときの交渉相手というのは誰になるんでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 その時点では、先ほど言いましたように所有権の移転もされていませんので、土地、建物それぞれの所有者ということになります。 ◆中里光夫 委員 三者で協議していたということなんですか。このときに、覚書については何らかの合意をしたんでしょうか。これが最後の交渉の記録になっているんですけれども。 ◎松村 庁舎整備担当部長 覚書に入れ込む内容の項目について基本的な御了承をいただき、具体的な内容について、その後やりとりしていくということの確認がされたということでございます。 ◆中里光夫 委員 この後開かれていないんですが、その確認というのはどのようにやられたんですか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 それぞれ、例えばファクスであるとか、届けて確認をいただいたりということのやりとりを事務的にしてはおります。 ◆中里光夫 委員 それから、八月一日時点で所有者がかわっているわけですが、この所有者がかわるということを、意向は聞いていたということですが、いつ区は知ったんですか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 登記簿の謄本を取得したのが、たしか八月十四日だったと記憶しております。 ◆中里光夫 委員 そうしますと、さっき言いましたけれども、議会に対してその交渉相手の名前をペーパーに書かず伏せていたというのは何か意図があったんですか。なぜそういうことになったんですか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 特に意図ということではございませんけれども、今やりとりしているようなことの情報について、議会への丁寧な情報提供という点において配慮が足りなかったというふうに思っております。区といたしましては、九月五日の特別委員会で報告させていただきましたけれども、今後土地の賃貸借契約の協議をしていくわけですが、その土地の賃貸借契約を締結する前に債務負担行為の補正予算の提案をする予定でおりまして、その際に土地所有者名などについても報告する考えでおりました。  今後とも、その進捗状況に合わせまして、区民、議会への丁寧な情報提供、説明に努めてまいりたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 議会に対して極めて不誠実な態度だというふうに思います。そういう情報がなかったために、後からこんな情報を聞いて私たちはびっくりして、一体何が起こっているんだということになっているわけですから、極めて不誠実だというふうに思います。  それから、代官屋敷保存会、こちらは世田谷区から文化財保護事業補助金が交付されています。公益事業を行っている一般財団法人です。この土地の所有の移転を決めたことで、代官屋敷保存会は公益事業に使うことができる年間千九百万円の収入を得る土地を手放したということになります。この一千九百万円は、財団が国、都、区から受けている補助金に匹敵する金額です。  教育長が財団の理事、そして花房生涯学習部長が財団の評議員を務めているということですが、改めて教育長に伺います。ノバビルの土地が他の土地と交換されたことについて知らされたり、あるいは協議されたりということはなかったんでしょうか。 ◎花房 生涯学習部長 直近の理事会、評議員会は五月に開催されましたけれども、個々の財産の処分につきまして議題には上ってございませんでした。 ◆中里光夫 委員 教育長はいかがですか。 ◎堀 教育長 私が出席した理事会でも、その案件は議題になっておりませんでした。 ◆中里光夫 委員 議題にならず知らなかったということですけれども、この代官屋敷保存会と大信興業株式会社、この関係はどうなのかと。実はネットでこれを私は調べてみたんですが、代官屋敷保存会の住所というのが大信興業の住所と同じになっているんです。これはどういうことでしょうか。 ◎中村 総務部長 大信興業株式会社は、不動産の賃貸、管理事業などを行っている会社で、現在のノバビルの上物の所有者であって、区にとっては建物の賃貸借契約の相手方でございます。代官屋敷保存会は、主に旧代官屋敷の維持保存に関する事業ですとか、大場家伝来の古文書の維持、保存に関する事業を行っている一般財団法人ということで、あくまで別法人であると承知をしています。  事務所が同じ場所にあるということは承知をしていますが、別法人ということで承知をしているところです。 ◆中里光夫 委員 代官屋敷保存会が土地を売りたくない、手放したくないというのはいろんなところに文書も出てくるんですが、これは持ち主がかわったわけですね。区は、そもそもこの土地を取得しようと努力してきたわけですから、土地の所有者がかわった時点で買い取りの交渉を行ったんでしょうか、どうでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 土地所有権の移転の前の交渉経過についても若干触れさせていただきますが、本庁舎は恒久的な施設であることから、まずは区としては購入について相手と交渉を行ってきましたが、売却に応じず等価交換による交渉の提案を受けまして、区から用地の提示なども行いながら交渉を続けてまいりましたが、合意に至らなかったという経過がございます。  当該地を計画敷地に含めることは、設計を進める上で大きなメリットがあることから、交渉の結果、賃貸借を基本として、適正な賃貸借料や登記等の条件をもとに、基本的な合意に達したものでございます。  所有権移転後の大信興業についても、同様の賃貸者契約の意向であったことから、設計スケジュールも鑑みまして、先ほどの条件が継続されることを確認の上で覚書の締結を行ったものでございます。現在、覚書をもとに賃貸借契約に向け交渉を進めているところでございます。 ◆中里光夫 委員 土地を売らないということを言ってきたのは財団の方針です。不動産業などを営んでいる別の事業体の大信興業という株式会社が所有者になったわけですから、これは土地を取得する交渉を行っていくべきだというふうに思います。  これを強く進めていくべきだということを主張して、時間ですので質問を終わりにします。 ○河野俊弘 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時四十五分休憩    ──────────────────     午後五時開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 私の後ろに掲げてある写真は、ポートランドのダウンタウンのサウスウエストナイートパークウエーと、サウスウエストテイラー通りの交差点の写真です。この写真の中に何かが映っているんですけれども、その質問は最後のほうでしますので、答弁を簡潔にしないと一体何が写っているのかわかりませんので、御協力をお願いします。  さて、保坂区長の八月に出された「〈暮らしやすさ〉の都市戦略―ポートランドと世田谷をつなぐ」という本を読みました。区長の並々ならぬポートランド愛というものがここにつづられているというわけです。  ポートランドは、私は行ったことはないんですけれども、全米でも住みたい町のトップになるような評判の都市だということは、過去の質問でもいたしました。しかし、そのポートランド愛が前のめり過ぎて、この本の中に一方的な記述で漏れている部分があります。それは、ちょっと書いてあるんですけれども、実はここにありますけれども、これはコピーですけれども、「札幌・ポートランド姉妹都市提携五十五年の歩み」、これは実は今から四年前に出たものでして、来年札幌市とポートランドは姉妹提携都市六十周年を迎えるという、もうすごい歴史がある姉妹都市でありまして、札幌ではポートランドを知らない人がいないぐらい有名であります。  そもそもポートランドと札幌が姉妹都市提携を結んだというのは、ほぼ同緯度、北緯四十何度というところにありまして、風土も似通っており、約百三十年前、ちょうどそのころに両方とも開拓者として、北海道開拓と、それからポートランドも開拓として東のほうからずっと来たということでありまして、実際には英語弁論大会が札幌の市立高校生派遣事業へと今発展して、高校生が何百人ももう実際行っているんですよね。ですから、その意味では世田谷区の派遣事業というのも、札幌市に教えを請うていろいろなノウハウを知れば、それほど危険なところではないだろうというふうに思います。  そのポートランドと札幌市のことが日本の中ではすごく深い関係にあるんですけれども、日本庭園にしても、この中で今回日本庭園のことが書かれているんですけれども、日本庭園も、そもそもは札幌との姉妹提携をもとにしてつくられたという経緯のものなんですよ。それを、何かもう世田谷区がいかにも発見したごとく独占的に書いてあるというのは、僕はいかがなものかなという感じがするんです。  ポートランドの町そのものの歩きよさというのは、当初から、もうそのまちづくりが決まった一八五〇年代、そもそもの町が誕生したときに、街区整備の時代ですが、多くの交差点をつくろうと。それで交差点をつくって商売に適した角地をふやすということを目的として、アメリカの他の都市よりもスケールの小さい約二百フィート、メートルにすると約六十一メートル四方のスクエアの部分をつくっていったというのがそもそも歩きやすさの原点なんですね。  その後、一階をガラス張りのお店にどんどんしましょうという形。それから、上は住居兼オフィスにしましょうという形でどんどん整備が進んでいって、住みやすい、歩きやすい都市に現在なっているということなんです。  もちろん、一方的じゃなくていいことも書いてあるんですよ。いいことというのは、東急電鉄の役員の方、この方が、世田谷区に直輸入できないと、ポートランドというのは世田谷区は直輸入できない理由があると、それを述べているんです。それをちゃんと記述してある。それは正直でいいと思うんですよね。それは、政治、行政、税制等の仕組みがまるで完全に違うと。次に、市民、区民のまちづくり意識と関与の仕方が違うと。三番目として、世田谷区は住宅地が多過ぎ、また産業立地が余りにも少ないと。四番目として、世田谷区は地域の広さと人口に対して公共交通が弱過ぎる。五番目として、世田谷区の住民は質の多様性に欠け、行政、住民ともに明確な危機意識を持っていないと。  まさにこれはおっしゃるとおりで、世田谷区とポートランドでは住む次元が違うというか、根本的にどうしようもないという、世田谷区自身でポートランドみたいになろうとしてもどうしようもない部分があるんですよ。もちろんその東急電鉄の人がシンポジウムに呼ばれていますから、サービス的なトークとして、未来志向で行政、住民、町を訪れる人、また世田谷で働く人が相互に認め合って、ともに世田谷区が目指すべき方向性を共有できれば可能性があるかもしれないというふうにはサービストークで述べているんです。こんなことがいろいろと書いてある。それ以外はほとんど絶賛本みたいな形で一方的に書かれているんですけれども。  それにしても、オランダまたはフィンランド、今回ポートランド、さらに最近ではニューヨークのジャクソンハイツですか、そういうものに興味を持たれている。その意味では、保坂区政は一体どこに向かって区政を持っていこうとしているのか、非常に迷っているという感じがします。  ポートランドの姉妹都市というのは台湾の高雄市という関係は、これは予備知識としてはありますけれどもね。先ほどの東急の役員の方が言われたいろいろな制度が違う云々かんぬんということは、実は保坂区長は区長になって七年、八年目だと思いますけれども、この何十年間もこの議会の中で行政とやってきたことですよね、いろいろな形で。今新たに問題提起された問題じゃないんです。過去何十年にわたって、さっき言った危機意識のなさとか、広域交通がないだとか、住宅地が多過ぎて産業立地が余りにも少ないとか、こういう問題というのはいろいろな場面で我々議会としても議論をしてきたわけです。議論してきた中で、今現在ここにあるんだということなんです。  その意味で、この議論というのが今まできたということの証人として、副区長、やってきましたよねということをまず確認しておきます。 ◎宮崎 副区長 世田谷区といいますか、特別区自身が東京都のほうの内部団体から独立した以降、昭和五十年代から脈々と特別区、世田谷区もそこで言ってみれば礎を築いてきたという時代がございます。今のお話の中で、特に世田谷区の観点で言うと、住民主体のまちづくりというのは、街づくり条例ということも含めてですけれども、日本の中の話になりますけれども、先駆的につくってきたと。これもやはり世田谷区が目指すべき部分のところの、言ってみれば目指す方向感を示してきているものだと思っていますし、現実に今もそれが生きているという状況ですので、今お話しの中のそのポートランドとの差異はございますけれども、世田谷区は世田谷区の中で、ある意味住民サイドの観点で、言ってみれば制度的なものを含めてつくり上げてきたと、こんな時代だと思います。 ◆大庭正明 委員 ちょっと話をがらりと変えますけれども、保坂区長にちょっとお聞きしますけれども、NHKの今月から始まった朝ドラ「まんぷく」、これはごらんになっていますか。 ◎保坂 区長 最近終わった「半分、青い」は時折見ておりましたけれども、今おっしゃった「まんぷく」については、残念ながら見ておりません。 ◆大庭正明 委員 「まんぷく」自体が問題だというわけじゃなくて、「まんぷく」に出ていらっしゃる主演の安藤サクラさん、すごい俳優さんでいらして、芸達者なんですけれども、そのお姉さんの安藤桃子さんという映画監督がいるんですけれども、御存じですか、区長。 ◎保坂 区長 存じ上げておりません。 ◆大庭正明 委員 この安藤桃子さん、映画監督、三十代半ばの若い映画監督なんですけれども、ことしの七月から読売新聞の夕刊に、「安藤桃子の革命」と題する特集記事が十一回にわたって連載されました。区長はこのことを御存じですか。 ◎保坂 区長 同じように存じ上げておりません。 ◆大庭正明 委員 この「安藤桃子の革命」と題する記事の内容は、彼女が映画のロケを通じて高知県にほれ込んで、そのオープンな県民性と豊かな自然に魅了され、ついに五年前から高知市に移り住み、さまざまな文化活動から高知県を変えてやろうという意気込みと実際の実現の過程を紹介する連載でした。彼女いわく、高知は言ったことが現実になる、桃子さんの言葉です。実際、今月の十月二十八日に行われる全国豊かな海づくりという全国大会での宣伝映像の制作と記念式典の演出を高知県から委託されております。当日は芦花まつりも世田谷では行われます。高知は言ったことが現実になるという発言の背景には、こういうことも言っています。高知は行政、財界、教育機関など全てがコンパクトにまとまっています。人と人が近い、東京の二倍、三倍のスピードで事が運びます。思わずやるなと。この人は政治家じゃありませんから、行政マンではないんです。映画監督で、地域で文化活動を起点にしてやっている方なんです。  七つの県より人口が多いのに、何だかなと嘆いているかどこかの首長さんとはちょっとレベルが違うのではないかと思いますが、その七つの県の一つが高知県。その高知県を知事でもない人が現実に変えようとしているという話なんです。  そこで、この連載のタイトルでもある「安藤桃子の革命」とは何かが連載五回目に明かされているんです。こう書かれております。桃子さんの考える、高知の手本はアメリカのオレゴン州のポートランド。人口は高知県より一割少ない約六十三万人。今世紀に入り、環境に優しく、地産地消で外食がおいしく、全米一住みたい都市として、国際的にも脚光を浴びている。ポートランドは創造的な人々が移住し、まちづくりの一端を担った。高知は地産地消など似ているところが多い、高知は世界がうらやむ地域になれると桃子さんは明言しているんです。そして、監督人脈というか、先ほども言ったように家族人脈というか、あらゆるルートを通じて高知県に住めとリクルートしたり、高知県で芸術活動をしてくれと頼み込んでいるんですね。
     私は、この特集の連載記事を読みながら、ああ、これは保坂さんはかわいそうだなと、あれほどポートランドにほれ込んでいたのに高知県に先を越されてしまうんじゃないかと。その直後に出されたのがこの本だったわけです。  世田谷区には、港もなければ山林もない、豊かな自然も高知県には遠く及ばない。一方で、創造的な人々は潜在的には世田谷区の方が多い、多分多いんだと思うんですね、世田谷区に住んでいらっしゃる創造的な、クリエーティブな人というのは。でも、世田谷区ではなかなかポートランドにはなれない。このままでは、世田谷区長のポートランド好きが回り回って高知県のまちづくりへの呼び水になって、世田谷区からどんどん高知県へ移住する人がふえちゃうんじゃないかなと。どうするの世田谷区と。結局、区長も御存じの湯川れい子さんも誘われているそうですよ。  さて、ここにあるのは、実は、ちょっと分厚いコピーですけれども、ことしの三月に出された研究所の報告書です。つくったのは来年六十周年姉妹都市交流を迎える札幌市。題名は、「ポートランド市を参考とした都市政策研究」、実際に研究に携わったのは千葉大学大学院の教授なんですけれども、ここに実に詳細にポートランドの現実が書かれております。ことしの三月にこれは出されたばかりですから、いろいろと参考になることがあるのですが、一つだけ。  これは要するに札幌市、世田谷区も同じなんですけれども、ポートランドと違うところは何なのか、ポートランドがにぎわいを見せているところは何なのか。これはいろいろあります。例えば、世帯収入が、世田谷区の平均世帯収入って幾らかわかりますか。ちゃんと聞いておいたんだけれどもね。わからない、困ったな。では、そっちからもらった資料を読みますと、これはちょっと古いですけれども、世田谷区の世帯の平均所得は五百四十四万円、五百四十四万円。ポートランドは、平均世帯が二〇一六年度ベースで、そのときの円ベースでいきますけれども八百九十四万円なんですよ。世田谷区を六百万円としても、ポートランドは九百万円。かなり高額所得者の人が住んでいる町だという前提もあるわけです。そういういろんな比較調査もこれには詳細に載っています。どういう世帯が住んでいらっしゃるかということもね。世田谷区の面積的には六倍も広いですから、いろんな自然もあるということなんですけれども、その中で唯一教訓的に、にぎわいを見せるためのものは何なのかということが書かれているんですけれども、区長、わかりますか。わかったら言ってもいいですよ。 ◎保坂 区長 外から来る人たちが非常に多いんですね、オレゴン州もポートランドも。そういった人たちに垣根を設けないこと。そしてまた、仕事をみずから起こすというチャレンジャーがとても多く、そういう人たちが店を出すとか起業することに協力する市のバックアップも充実していると。このあたりかと思います。 ◆大庭正明 委員 そのあたりなんですね。それで、実際住みやすさ全米一ということで、これはホームレスもどんどん、住みやすいということで今大変な問題になっているんです。ポートランドの家賃というのは比較的高いけれども、サンフランシスコに比べると、去年ベースで約半額ぐらい、安いんですよ。だから、先ほど言われたように起業というか、新しい事業を起こそうとするチャレンジャーというのもどんどん入ってくる。でも、ホームレスの人も入ってくる。ただ、ホームレスといっても日本のホームレスと違うんです。羽根木のプレーパークにあるような、小屋みたいなああいう感じのものを勝手につくって、それで住んでいるんです。だから、ホームレスといってもあっちはちゃんとしたというのかな、掘っ立て小屋みたいなものにちゃんと住んでいて、そこで町会みたいなものをつくっているんです、ホームレス町会みたいなものも。それをホームレスと言うんですけれどもね、あっちのほうでは。  この件でコアになるというのは、要するに起業、ビジネスを始める、起業をする人が圧倒的に多い。そういう精神のアメリカ自体がそういう国だと。自分を試そうとするような意味で頑張っているというところで集まってくる。だから町がにぎわっているということなんですよ。それが日本と根本的に違うということです。  言いたいのは、要するにまちづくりは、やっぱり世田谷区にあっても人づくりと。起業する人をどんどんふやしていくということをしないと、やっぱり日本はだめになっていくというか、やはり昔からアメリカの今は日本の十年後という形で、アメリカではほとんどの人が起業にチャレンジする、ほとんどとは言いませんけれども、起業にチャレンジする人が多いということなんです。  そういう意味からすると、今般の教育委員会、ポートランドの説明はどうして、不手際が目立つとしか思えないんですよ、説明の仕方が。この本を読んでいても、保坂区長に逆算してたどり着くということをどうして異常に否定するのか。そこがあるんですよ。別に、保坂区長がポートランドを好きだからという要素も、ポートランドを選んだ理由に入れたっていいと思うんですよ。わざと、何かそんなことはありません、そんなことありませんと言うから、多くの人が何か変じゃないかなと。別にポートランドって変な町ではありませんから、札幌市だって、ちゃんともう六十年にわたって交流を続けているんですよ。その意味では、教育というのは非常に大切な部分、さっき言った人づくりで教育委員会は何をやっているのかなという感じがするんですよ。  一つだけ、一つだけポートランドに懸念することは、昨年の予算編成を見ていると、その中の項目に地震のときの近隣危機チームの予算、近隣で助け合うチームというのがあるそうなんですけれども、そのチームの予算を昨年度倍増しているんです、予算を。へえと思って、そうなってくると、よく調べてみると、シアトルからポートランドにかけてはカスケード沈み込み帯という一連の帯みたいなところに入っていまして、有名な大地震発生地帯であるんです。過去に一七〇〇年に大地震が起きて、一七〇〇年というと恐らくポートランドはできていないと思うんですけれども、一七〇〇年ごろに大地震が起きて、そこで起きた津波は日本にも来て被害を及ぼしているというようなことなんです。ですから、地震への備えは日本以上に注意かもしれないということはいろいろ調べた結果こう言っておきます。  そういう意味で、ポートランドに子どもたちを派遣するという、子どもたちのチャレンジを大きく伸ばそうとしている中で、水を差すような説明、もっと正直に言って、別にポートランドが区長が好きだからそういうことも頭に浮かびましたと素直に言えば済むものを、異常に否定するので変な疑惑が持たれると。別に僕は誰がどこを選ぼうが、いい町であればそれでいいと思うんですよ。  今ここで関連でいきますけれども、これは先週の日経新聞にちょっと出ちゃったんですけれども、保坂区長と因縁の深い麹町中学校がえらいことになっていると。記事では一部載っていませんでしたが、もうびっくりしました。私たちの会派では、就学前教育に力点を置く政策を主張してきました。社会の不幸の連鎖を断ち切ることが、いろいろお金の使い方としては一番効率がいいのではないかということで、また、その象徴的事例としても児童相談所の設置というものを強く推進を支持してきたわけです。  しかし、最近になってその麹町中学校の様子を伺うと、一方で稼げる人間の育成、別の言い方をすれば、その子どもの能力を最大限引き出せる教育というものを考えてもいいのかなということを麹町中学校の例で学びました。麹町中学校で何が起きているか。これは宿題を出さない、読書感想文は書かせない、修学旅行も自分たちで考えるというような形でやっています。  それで、何よりもこの工藤勇一さんという校長先生がやっているわけですけれども、何よりも言っているのは、学習塾に通うことなく高いレベルの授業を受けさせるという信念のもとにやっているんです。  世田谷の中学校に関しては、やっぱり塾がほとんどその勉強の部分を補完しているのではないか、そのような形で信じられていましたけれども、この麹町中学校の教育レベルでは塾に行く必要がない、そこまでレベルを上げているんです。要するに、僕はこれを見て、公立中学校のこの工藤勇一さんという先生は、民間からの出身でもなければ、私立の学校から来た人でもありません。ずっと東京の中学校の先生。または東京都の教育委員会、新宿区の教育委員会を経て、今、麹町中学校の校長になって四年近くたつわけで、さまざまなことを書いております。  その一例として修学旅行、修学旅行は中学生たちに、ある一定の企画を立てさせます。例えば、予算は七万円、高齢者が二泊三日で楽しめるような旅行プランというのはどんなものがあるか。高齢者になった立場になって、高齢者が二泊三日の旅をするとすればどういうプランが考えられるかというのを、JTBを呼んでさせるんですよ、要するに選ばせるんですよ、考えてくれと。それで、それを今度は自分たちがそのプランに沿って旅行をしてみて、本当に高齢者が二泊三日のプランを楽しめるかどうかというのを検証する旅をするというようなことを、修学旅行を通じてやっているんですよ。  世田谷区の修学旅行は、今どうなっているかわかりますか。わからないのだったらこっちのほうで資料がありますのでやりますよ。 ◎工藤 教育政策部長 今時点、京都、奈良が基本的に多くて、一部広島といったようなことで承知しております。 ◆大庭正明 委員 それで、何もかもこのまねをしろということじゃないんです。ただ、世田谷区の場合でも、要するにレベルの高い教育というのを公立中学校の中で完結させることができるんですよ、実際に麹町中学校の例がありますから。麹町中学校では、二十五人の正規の職員、教員さんがいらっしゃるんですけれども、この四年間の間で四分の三、教員をかえたそうです。要するに、この校長先生自体が各学校の先生に声がけして、さっきの桃子さんじゃありませんけれどもリクルート活動をしているんですね。要するに、うちの学校に来ないかというような形で。これは、東京都の教育委員会が実施する公立小中学校教員公募制度というのがあるんですよ。ですから、すばらしい能力のある教員を声かけして、この公募制度に応募してみないかという形で声かけをしてどんどん集めて、それを公募で応じたらすぐ麹町中学校がリクルートでとっちゃうという形なんですよ。  ですから、悪く言えば教員の質ですね。保育の質という言葉はよく言いますけれども、では教育の質というものを考えたっていいじゃないかというのが私たちの考え方なんですよ。教員のレベルが上がれば教育の質が上がる、教員の質が上がれば教育レベルが上がる、そこにいる生徒が高いレベルの教育を受けることができるということなんですよ。これはやっぱり先生をできる、できないという形で分けるのは問題があるかもしれませんけれども、できない、能力の低い先生のレベルに合わせて公立中学校のモデルをつくっているような時代じゃないと僕は思うんです。競争の時代ですから、いい先生はどんどん引っ張ってくる。もちろん教育、教員の権利というのをずっと要望していますけれども、なかなか東京都が人事権は離さない。ですけれども、だから、やっぱりこういう形でどんどん引っ張ってこなくちゃいけないだろうというふうに思うんですけれども、その辺どうですか。もうちょっと積極的にやるつもりは教育長、ありませんか。 ◎堀 教育長 今、麹町中学校校長先生のお話を聞かせていただきまして、私も新聞で読みました。エネルギッシュな方だなと思っておりますし、私どもも、同じような内容ではありませんが、コミュニティスクールですから、大体毎年八十名からそのくらいの方々を新しく入れております。  ただ、先生も人間ですので、みんなで力を合わせて子どもたちと接しようというのが、私たち地域とともに子どもを育てる世田谷の考え方だと思っております。  ただ、委員がおっしゃったように、これから時代が本当に大きく変わります。ですので、私どももポートランドの教育交流スタートアップということも視野に入れながら、公立中学校の魅力を出していきたいと思っておりますし、子どもたちにいろんな経験をさせていきたいと思っております。 ◆大庭正明 委員 麹町中学校では、高校受験も塾なしでしっかりやります、特別支援教室もきっちりやりますという形で、区長、多分よく見られたと思いますけれども、映画で「みんなの学校」というのがありますよね。その主人公になる木村泰子さん、この方と工藤校長というのは対談の中で意気投合しているんです。考えるところは同じだと。決して、要するに排除の理論とか何とかという形で差別的なことをやっているのではなくて、やっぱりいい能力、いい人材があれば、いい学校になるし、塾なんか要らない公教育というのも実現できるんだということを言っているわけです。  さて、時間の関係で最後になりますけれども、この写真の中に区長、何が見えるかわかりますか。 ◎保坂 区長 ちょっと一言だけ。私の通った学校なので。当時は千五百人いまして、先生も八十人というマンモス校でした。受験至上主義。その学校で、今工藤先生の話も耳に入ってきます。委員からいろいろ新聞記事も改めて見まして、今の時代に本当に学びを変えなければいけないという時期に、大変注目に値する実践をされているなと。出身校でもありますから、私のみならず、教育委員会とともに、ぜひ見てみたいと思っております。  それは、何かの跡に見えますけれども、どうでしょうか。 ◆大庭正明 委員 麹町中学校の工藤先生を、ちょっと引っ張ってきてくださいよ。せっかくなら、大革命が起きますよ。  さて、これですけれども、実はこれです。これは横断歩道なんですけれども、横断歩道の真ん中にこの一本の木があります。実は、これは世界最小の公園、ミルエンズ公園という公園なんです。直径六十センチ。今、ポートランドもお金がないのか知りませんけれども、ちょっと荒れ果てちゃいましたけれども、設置当時はこんな感じになったんです。これはギネスブックにも登録されているんです。ポートランドもどういう行政をしているのかわかりませんけれども、今ではこういう形になっていると。これ去年の写真なんですけれども、グーグルのストリートビューでとった写真なんですけれども。  そういうことで、世田谷区でも、ポートランドのまねというのはこれぐらいしかできないだろうということで言っているわけじゃなくて、少なくとも、例えばインスタ映えとか何とかということで、世田谷区を観光地にするのだったら、こういう形の公園をつくるとか、目新しいものをつくるとか、いわゆる我々の力の範囲でもいろいろ工夫を出せばできるんですよ、制度ちょっといじるだけで。世界一の公園をもうちょっと世田谷でつくったら、ギネスブックに載れるじゃないですか。八十センチ四方でいいんです、八十センチ四方で。これはどこかにつくれませんかねということで、産業担当の部長、どうですか。あと二十八秒。 ◎久末 経済産業部長 世田谷区の観光ためにも、ぜひ工夫してまいりたいと考えております。 ◆大庭正明 委員 以上で終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆阿久津皇 委員 それでは、せたがや希望の会の補充質疑を始めさせていただきます。  私からは、虐待の防止、世田谷版ネウボラをもう少し進化させて、先日副区長もおっしゃっていましたけれども、虐待ゼロの町世田谷というのを目指すのであれば、このネウボラをもっともっと進化させていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っておりまして、そういった観点から幾つか質問してまいります。  児童虐待によって、先日の目黒の事例もありましたし、世田谷区内でも昨年の一月に烏山で子どもが亡くなるという事件がありました。こういった児童虐待によって生じる社会的な経費や損失というのは、年間一兆六千億円に上るという試算もありまして、健やかな子育ての実現というのが今重要な課題であるということです。一方、先日の新聞報道にもありましたけれども、昨年度の児童虐待の相談件数が十三万件を超えておりまして、年々増加していると。この増加傾向に歯どめがかかっていないということです。  また一方で児童虐待死と言われるものも、こちらに関しては、ほぼ年間五十人ぐらいということで横ばい傾向なのかなということで、そういった相談、通報、通告というものがふえてきて、一定の抑止みたいなものが働いてきているのかもわかりませんけれども、決して減少傾向にはないというのが現状だと思います。  その中で、国は平成二十八年に母子保健法を改正して、ネウボラの考え方を全国でそういった取り組みを進めようということになりました。そのネウボラがどの程度虐待の防止に効果があるのかというところですけれども、ネウボラ発祥の地であるフィンランドでは、ロシアからの独立間もない一九二〇年代は、大変妊婦や乳児の死亡率が高くて、そういったものを防止するために小児科医や助産師、看護師の有志が自主的に立ち上げた相談機能ですね。釈迦に説法かと思いますけれども、そういったことが一九四四年に制度化され、現在のネウボラにつながるということです。  その数字を見てみますと、フィンランド、ネウボラが立ち上がる前、ロシアから独立した直後の一九二〇年代というのは、十万人当たりの子どもの虐待死の数が五人以上いたのが、ネウボラが制度化されてから下がり始めて、現在は〇・三六人であるということです。これを、日本で数字を見てみますと、二十八年度ですけれども、虐待死の数が四十九人ということで、これは心中というのは含んでいないですけれども、いわゆる虐待死が四十九人で、それに対して出生者数が九十五万人ほどですから、これを十万人当たりに直しますと五人強ということで、先ほど申し上げたロシアから独立したばかりで、大変国家の危機的状況にあったフィンランドと、一九二〇年代のフィンランドと今同じような状況であるということです。  その後、フィンランドでネウボラの取り組みを進めて劇的に改善したということですから、このネウボラを世田谷でもしっかりと進めなくてはいけないんだろうということをまずは申し上げておきます。  では、そのネウボラの中身、世田谷版ネウボラとフィンランドのネウボラを比べてみますと、(「比べるのは失礼だ」と呼ぶ者あり)そうですね、かわいそうなんですけれども、フィンランドでは、人口五百五十万人に対してネウボラの箇所数がおよそ八百五十カ所、これは人口六千五百人当たりに一カ所ということで、これを世田谷区九十万人で換算すると百三十八カ所設置していると。  これを出生者数でまた比較すると、フィンランドの年間の出生者数がおよそ六万人で八百五十カ所ですから、およそ七十人の新生児に対して一カ所のネウボラがあると。世田谷は、現在各支所で五カ所ということでやっていると思いますので、年間出生者がおよそ八千人いる中で、およそ千六百人に一カ所ということで、その数ということで言うと、もう本当に比較にも値しないというような状況な上に、妊娠期面接ということで妊娠してから出産までの間で面接は基本的に一回ですから、フィンランドのそれは妊娠期間中に六回から十一回面接すると。出産後も、子どもが小学校に入学するまでは定期的にそのネウボラに通って、保健師、助産師といったプロに不安や悩み、また家族の状況、経済状況、そういったところまで相談に乗っていただくという状況なんです。  今、核家族化ですとか、その地域のつながりみたいなものが薄まって、子育てする家庭、お父さん、お母さんを含めてですけれども、大変厳しい状況にあって、孤立しているお母さんたちが大変多いです。そのためには、今世田谷版ネウボラをもっと進化させて、少なくともフィンランドで行われているものに少しでも近づけていくことが虐待ゼロの町世田谷に近づくのではないのかなというふうに考えています。  そのためには、今妊娠届を各地区まちづくりセンターでも提出できますけれども、ネウボラをまず地区展開、先ほど副区長もそういったことをおっしゃいましたけれども、ネウボラを各まちづくりセンターでそういった相談機能を持たせて、やっぱり歩いていける距離にそういった相談機能があるということが、妊産婦、子ども連れのお母さんもそうですけれども、そういった方々には大変心強い存在になるというふうに考えておりますので、まずはその妊娠届を地区まちづくりセンターで受け取る、そういった機能を持たせて、その上で、妊娠届が出されたときに保健師による、保健師じゃなくてもいいんですけれども、面談を受けていただくと。その後も定期的に複数回、そういった相談体制を築くことが、顔の見える関係性を地区の中で築いていくことができるのではないかなというふうに思っております。  世田谷区が目指すネウボラの姿というものについて、少しお聞かせください。 ◎辻 世田谷保健所長 区の母子保健事業では、母子手帳の交付から始まり、妊娠、出産から子どもの成長経過に応じた各種サービスを提供しております。母子全数を対象とした乳児期家庭訪問、各種乳幼児期健診を通じたスクリーニングに加え、支援が必要な母子への個別フォローなど、体系的、重層的に事業展開をしております。さらに、平成二十八年七月にはフィンランドの取り組みを参考として、世田谷版ネウボラを開始いたしました。  制度や背景が異なるフィンランドと同様の支援を提供することは困難であり、また、御指摘の妊娠届を受け付ける全ての窓口での妊娠期面接の実施につきましては、助産師、保健師等の専門相談員を二十七地区に配置するためには、人材の確保や育成面での課題がございます。  一方、フィンランドも区も、子どもを産み育てやすい町を目指すことには変わりがないものと考えてございます。妊婦や乳幼児を育てる家庭が、必要なときにいつでも安心して相談できるよう信頼関係づくりに努めるとともに、医療、地域とも連携を図り、世田谷版ネウボラとして、妊娠期から就学前までの子育て家庭を支える切れ目ないサポート体制の充実を目指してまいります。 ◆阿久津皇 委員 今、人材の確保や育成面で課題があるというふうにおっしゃいましたけれども、そういった面ももちろんあるのは承知していますけれども、その前に、その考え方として、国に言われて始めた制度なのか、あるいは虐待死を防ぐために何をしたらいいのかと考える、その考え方を変えることで、多分アプローチって変わってくるんだと思うんですね。大切なのは、歩いていける距離に顔の見える関係性をしっかりと築いていくことだと思います。先ほど申し上げた南烏山で発生した昨年一月の事例でも、お母さんは妊娠期面接や乳児期家庭訪問を受けていたけれども、やっぱり防げなかったということなんです。これは今の体制では不十分であるということを示していると思います。  今申し上げた妊娠時の面接が八三%の受診率ですね。あとは家庭訪問九五%、三、四カ月健診も九五%ということで、それなりに一度は妊産婦の方と接点を持てていると思うんですけれども。そこで、妊娠期の面接で一回、あとは乳児期になって二回、区として子育て世帯のお母さんたち、お父さんたちと交わる機会というのは三回しかないということなんです。それをフィンランドのネウボラと比較したら比較にもならないというところで、こういった体制をしっかりと強化していただきたいということを申し上げておきます。  また、子ども家庭支援センターのことについてもちょっと伺うんですけれども、先ほどの事例もそうなんですが、アメリカやカナダなんかの研究では、両親が実親だった場合に比べて、片方が義理の親だったケースというのは、虐待の件数で言うと十倍程度、また幼い子どもが殺される危険性ということで言うと数百倍に上るという調査もあるということで、もちろん再婚のケースでも健全な子育てをされている方がほとんどなので、不要な差別なんかは避けなくてはいけないんですけれども、今現在子ども家庭支援センターでそういったリスク、また今後児童相談所が移管されたときに、そういったリスクまでどの程度把握しているのか、そういった情報がどの程度共有されているのかというのが大切になってくるかと思いますけれども、現在、地区にある児童館やおでかけひろばでそういった情報を、子育ての現場に接する方たちがどの程度そういったお母さんたち、お父さんたちの子ども、子育て家庭の状況を把握しているか、情報共有をしているか、その辺についてお聞かせください。 ◎澁田 子ども・若者部長 平成二十八年の児童福祉法の改正により、地方公共団体の機関に加えまして、児童の医療、福祉または教育に関連する職務に従事する者も、要支援児童等と思われる者を把握したときは、その情報を区市町村に提供するよう努めなければならないとされました。この改正の趣旨は、要支援児童等を早期に発見し、早い段階から区市町村の支援につなげていくことが期待されたものでございます。  子どもや親子が気軽に立ち寄れて相談もできる身近な児童館やおでかけひろばでは、子どもや親子の気になる様子や支援の必要性に気づいた場合は、地域の子ども家庭支援センターに情報提供を行い、支援につないでおります。子ども家庭支援センターは、児童福祉法第二十五条の二に基づく要支援、要保護児童支援協議会の調整機関としまして、必要に応じて子どもにかかわる関係者を集め、守秘義務がかけられた個別ケース検討会議を開き、情報共有をしまして、支援内容の協議や役割分担を行っております。現在、児童館やおでかけひろばも個別ケース検討会議での役割分担に基づき、日ごろの見守りや親への支援を行う中で、気になる様子が見受けられた際には随時子ども家庭支援センターや関係機関への情報提供等を行っております。 ◆阿久津皇 委員 そういったおでかけひろば、あるいは児童館を利用する際にも、名前とかの確認もアナログで管理しているところで、そういった情報が実際に現場の職員までどの程度共有されているのかというのは疑問ですし、行く行くは個人情報の漏えいというものはしっかり注意しなきゃいけないながらも、マイナンバーカードとかで子ども子育て関連施設の入退館の管理、そういったところで要支援児童、要支援家庭の情報を共有して見守る体制をしっかりと考えていただきたいなと思います。  それから、最後に、保護された児童、児童相談所移管後の話になりますけれども、世田谷で保護された子どもたち、こういった子どもたちをどのように養育していくかという観点で一つお伺いします。  現在、世田谷で保護された子どもは、ほとんどが区外に送致されて、区外で養育されていくという状況かと思いますけれども、実際には、そこまで連れ去りというか、取り返しに来る親の危険性だったりとか、そういった危険がどこまであるのかということもありますけれども、子どもがいずれ家庭に再構築というか戻るときがございますので、そういったことを考えても、可能な限り区で保護した子どもは区内で一時保護し、そのまま養育していく。最終的には同じ学校に通って、もといた環境に戻していくということが必要かなというふうに考えるんですけれども、その辺、区では子どもたちの保護についてどのように考えているかお聞かせください。 ◎澁田 子ども・若者部長 当区の児童の状況としましては、現在は区内に一時保護所がなく、また児童養護施設等への入所措置に当たりましても、都内全体であきを探し入所措置をしているため、そのほとんどが区外の施設等で措置等がされている現状がございます。  一方、区内で一時保護や施設への入所措置等を行うことによるメリットといたしましては、通学の継続や家族再統合に向けた親子支援を、同一の児童相談所で行うことなどがございます。そのため、いわゆる保護者からの取り返しのおそれがある場合など特別な事情がない限り、子どもにとってのメリットを最優先に考えまして、区の児童相談所におきましては、区内で一時保護や措置を行うことを原則に考えております。 ◆阿久津皇 委員 児童養護施設退所者の給付型奨学金、これに関してはふるさと納税で大変大きなお金が集まっています。これは、社会的にそういったことに対する関心を引き起こしたということもありますので、今後は里親も含めて、子どもの虐待防止あるいはそういった子どもたちの養護に対して、そういったシステムを使うこともあるのじゃないかなということを要望しまして、佐藤委員にかわります。 ◆佐藤美樹 委員 今定例会を通じて、気候変動とそれに伴うさまざまな災害対策をお伺いしてきましたけれども、本日もそういった関連で伺ってまいります。  まず、先日のこの間の土曜日のたまがわ花火のことでお伺いしたいと思います。  去年のゲリラ豪雨と雷の被害があって、ことしは秋花火ということで、私も出店している人たちのところに伺って、いろいろ手伝ったりして様子を見てきたんですけれども、メリット、デメリット両方いろいろあったと思いますが、一点、これはちょっと見直していただきたいなという点があるので伺います。  当日、その現場にいた人たちから言われたことの一つで、喫煙所のことなんですけれども、世田谷側で十カ所ほど喫煙所が設けられていたわけですが、私も改めてその当日の地図を見ていたら、十カ所ぐらいあるんですけれども、その喫煙所がほぼほぼトイレの横に設置されていました。当日は結構寒かったので、やっぱりトイレが近くなって、トイレには長蛇の列があったんですけれども、私はトイレを利用しなかったんですが、そのトイレに並んでいた人たちから、かなりトイレに並んでいる子どもたちがたばこの煙を吸っちゃっていたよということで、長い列で待っている間、ずっと結局煙を浴びてしまうので、あれは設置場所をもうちょっと見直すべきなんじゃないかということを言われました。この辺について区の見解を求めたいと思います。 ◎澤谷 砧総合支所長 たまがわ花火大会では、たばこルールに基づきまして喫煙所設置許可をとりまして、例年とほぼ同様に、トイレの近くに喫煙所を設置いたしました。しかしながら、例年よりもトイレ渋滞が発生しまして、影響があったものと受けとめております。次年度に向けまして、喫煙所の設置場所については検討してまいりたいと思います。 ◆佐藤美樹 委員 一方で、たばこルールというのを制定して、たばこルールにのっとって今回その喫煙場所を例年どおりトイレの横に設置したというような御答弁ですけれども、やっぱりそもそもたばこルールを制定した目的自体が、副流煙をいかに吸わせないかということでこのルールを制定したと思いますので、一方でそのルール制定して、一方でこういう事態では、やはり行政としていかがかなと思いますので、ここはきちっと来年見直していただきたいと求めます。(「喫煙所を減らせっていうことを……」と呼ぶ者あり)数を減らすことを含めてですね。数も含めて見直していただきたいと思います。  それから、災害対策関連でもう一つ、台風の被害で伺いたいんですけれども、先日の台風二十四号で、かなり倒木件数というのがあったというふうに聞いています。午前中も他会派でありましたけれども、百九十七本という倒木の本数もですけれども、やはりこの倒木によって、電線にひっかかって停電をしたりとか、道路が通行どめになったりですとか、区民生活のいろんな場面に多大な影響を及ぼしていたなということを実感しています。  今後も、残念ながらやはりこういった台風も、異常気象の一環で、これからもあり続けるだろうということを考えると、今回の倒木の傾向をある程度分析していただいて、そこからとれる対策があれば手を打っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 区が管理する公園の樹木や街路樹の安全対策でございますが、毎月行っております職員による目視点検に加えて、台風シーズンの前などは、樹木の健全度を初め、枯れ枝やきのこなどの有無、支柱の設置状況などを確認する定期点検を実施しております。中でも街路樹につきましては、特に平成二十七年度より樹木医による巡回点検を継続的に実施するなど、管理体制を強化してきているところでございます。  これらの点検で発見された異常の疑いのある樹木につきましては、樹木医による専門診断等、こちらを行っておりまして、その結果を踏まえて、倒木の危険性が高まっていると考えられる樹木につきましては、植えかえなどの処理を実施してきております。  しかしながら、今回の台風二十四号では、記録的な暴風であったとはいえ、かなり多くの倒木がございました。区といたしましては、今後の台風に備え、昨年国土交通省が作成しました都市公園の樹木の点検・診断に関する指針などを参考にするとともに、日常的に樹木の管理に携わられております造園の事業者さんの方々とも情報交換しながら巡回点検を実施していくなど、倒木被害を未然に防ぐ取り組みに努めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 今、造園事業者とも情報交換しながらということを御答弁いただいていますけれども、やはり私も見ていて、すごく丈夫そうに見える木が、全然老木でもなくて、太くて若い木が倒れていたりとか、今回かなりの件数が出ているので、一つその根っこが弱っていると弱いんじゃないか、そういった説もある事業者の方から聞きましたけれども、そういったいろんな情報を集約して、来年に向けて手を打っていただきたいなと思います。  それからもう一つ、災害対策というか、区民の生命、財産を守るというところで関連で、最後に一点、振り込め詐欺についても、ちょっと手短に伺いたいんですけれども。  先日、ある高齢者クラブの集まりに伺った際に、その中で一人、高齢者のおばあちゃまが、介護保険課ですとか介護保険を名乗られて、電話をとってしまって、ちょうど介護保険の切りかえ時期だったので、やはりだまされて五十万円ほど振り込んでしまったということがあったんですけれども、それを聞いた同じ場にいたほかの方から、そもそも区の職員が直接私たちに、普通の一般の区民に電話してくるということはないのよねって、それをもっとちゃんと周知してほしい、それが伝わっていないと思うということを言われました。  それで、その伝え方というところだと思うんですけれども、伝え方についての工夫について、済みません、四十八秒でお願いいたします。 ◎工藤 危機管理室長 今お話しいただきましたように、区職員をかたった詐欺が非常にふえております。現在我々としましては、新しいポスターの作成を今準備しております。あわせて、お年寄り以外にも家族へのアプローチということで、子、孫世代への啓発のイベントなども予定しております。  引き続き関係所管、警察とも連携しまして、特殊詐欺対策にしっかり取り組んでまいります。 ◆佐藤美樹 委員 やっぱり危ないキーワードだよと、区役所ですとか、こういうのじゃなくて、やっぱりダイレクトに伝わる伝え方をしていただきたいと要望しまして質疑を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 これで平成二十九年度決算五件に係る審査は全て終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時五十六分休憩    ──────────────────     午後六時十五分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  認定第一号から認定第五号に至る五件に対する各会派の態度表明に入ります。  なお、態度表明は、自席よりお願いいたします。  最初に、自由民主党、どうぞ。 ◆上山なおのり 委員 自由民主党世田谷区議団は、平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○河野俊弘 委員長 次に、公明党、どうぞ。 ◆佐藤弘人 委員 公明党世田谷区議団は、平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見は本会議場で申し述べます。 ○河野俊弘 委員長 次に、世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 世田谷立憲民主党・社民党区議団は、平成二十九年度一般会計決算外四特別会計について賛成をいたします。  なお、意見は本会議場で述べさせていただきます。 ○河野俊弘 委員長 次に、日本共産党、どうぞ。 ◆中里光夫 委員 日本共産党世田谷区議団は、平成二十九年度世田谷区一般会計、介護保険事業会計及び学校給食費会計の決算認定に賛成し、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計の各決算認定に反対をいたします。
     なお、意見については本会議場で述べます。 ○河野俊弘 委員長 次に、無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 無所属・世田谷行革一一〇番・プラスは、平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件に賛成いたします。  なお、意見については本会議場で申し述べます。 ○河野俊弘 委員長 次に、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 せたがや希望の会は、平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成をいたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○河野俊弘 委員長 次に、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 生活者ネットワークは、平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○河野俊弘 委員長 次に、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 減税せたがやは、平成二十九年度決算認定全てに賛成をいたします。  なお、意見については本会議場で申し述べます。 ○河野俊弘 委員長 次に、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 レインボー世田谷は、平成二十九年度世田谷区各会計決算認定五件全てに賛成いたします。  なお、意見については本会議場にて申し上げます。 ○河野俊弘 委員長 次に、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 せたがやすこやかプロジェクトは、平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し上げます。 ○河野俊弘 委員長 次に、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 世田谷無所属は、平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○河野俊弘 委員長 次に、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 無所属は、平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成します。  なお、意見につきましては本会議場で申し上げます。 ○河野俊弘 委員長 以上で各会派の態度表明は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続き採決に入ります。採決は二回に分けて行います。  まず、認定第一号「平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定」、認定第四号「平成二十九年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定」及び認定第五号「平成二十九年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定」の三件についてお諮りいたします。  本三件を認定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○河野俊弘 委員長 御異議なしと認めます。よって認定第一号、第四号及び第五号の三件は認定することに決定いたしました。  次に、認定第二号「平成二十九年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定」及び認定第三号「平成二十九年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定」の二件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本二件を認定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○河野俊弘 委員長 起立多数と認めます。よって認定第二号及び第三号の二件は認定することに決定いたしました。  以上で当委員会に付託されました決算審査は全て終了いたしました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 この際、区長より発言の申し出があります。 ◎保坂 区長 委員の皆様には、長時間にわたりまして平成二十九年度世田谷区各会計歳入歳出決算の御審議をいただきまして、まことにありがとうございました。  ただいま採決をいただいたところでございますが、この決算委員会の御審議の中で委員の皆様からいただいた御提案、御意見、御指摘について、今後の区政運営に生かしてまいりたいと考えております。  引き続き区民のために全力で区政に取り組んでまいりますので、委員の皆様には、今後とも御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。  最後に、委員長を初め運営委員の皆様には、委員会の円滑な運営に特段の配慮をいただきましたことに改めて御礼を申し上げます。  以上、簡単ではございますが、私の御礼の挨拶といたします。ありがとうございました。 ○河野俊弘 委員長 以上で区長の挨拶は終わりました。  ここで、正副委員長を代表いたしまして、一言御挨拶を申し上げます。  委員の皆様には、七日間にわたり熱心に御審査をいただき、充実した委員会となりましたことを心より御礼申し上げます。  また、理事者の皆様におかれましては、この委員会を通じて出されました各委員からの意見や提言などを十分に御理解いただき、今後の区政に反映していただくとともに、世田谷区のさらなる発展に向けて一層の御尽力をお願い申し上げる次第でございます。  運営委員を初め、委員の皆様、理事者の皆様、そして事務局の皆様の御協力に心より感謝を申し上げます。  甚だ簡単ではございますが、正副委員長を代表いたしましての挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 以上をもちまして決算特別委員会を散会いたします。     午後六時二十三分散会...