ツイート シェア
  1. 世田谷区議会 2018-03-27
    平成30年  3月 定例会-03月27日-05号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成30年  3月 定例会-03月27日-05号平成30年 3月 定例会 平成三十年第一回定例会 世田谷区議会会議録第五号  三月二十七日(火曜日)  出席議員(五十名) 一番   石川ナオミ 二番   ゆさ吉宏 三番   河野俊弘 四番   青空こうじ 五番   あべ力也 六番   ひうち優子 七番   上川あや 八番   すがややすこ 九番   山口ひろひさ 十番   石川征男 十一番  安部ひろゆき 十二番  高岡じゅん子 十三番  田中みち子 十四番  阿久津 皇 十五番  佐藤美樹
    十六番  小泉たま子 十七番  河村みどり 十八番  津上仁志 十九番  山内 彰 二十番  菅沼つとむ 二十一番 加藤たいき 二十二番 上島よしもり 二十三番 大庭正明 二十四番 田中優子 二十五番 桃野よしふみ 二十六番 そのべせいや 二十七番 福田妙美 二十八番 高久則男 二十九番 真鍋よしゆき 三十番  三井みほこ 三十一番 おぎのけんじ 三十二番 江口じゅん子 三十三番 桜井 稔 三十四番 たかじょう訓子 三十五番 中村公太朗 三十六番 藤井まな 三十七番 岡本のぶ子 三十八番 平塚敬二 三十九番 板井 斎 四十番  和田ひでとし 四十一番 上山なおのり 四十二番 畠山晋一 四十三番 中里光夫 四十四番 村田義則 四十五番 羽田圭二 四十六番 風間ゆたか 四十七番 中塚さちよ 四十八番 諸星養一 四十九番 佐藤弘人 五十番  高橋昭彦  出席事務局職員 局長     小田桐庸文 次長     井上徳広 庶務係長   小池 篤 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 調査係長   谷澤真一郎  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 世田谷総合支所長        内田政夫 北沢総合支所長        男鹿芳則 玉川総合支所長        小堀由祈子 砧総合支所長 寺林敏彦 烏山総合支所長        進藤達夫 政策経営部長 岩本 康 総務部長   中村哲也 危機管理室長 澤谷 昇 財務部長   菊池弘明 生活文化部長 田中文子 地域行政部長 本橋安行 スポーツ推進部長        平澤道男 環境政策部長 松下洋章 産業政策部長 久末佳枝 清掃・リサイクル部長        原田茂実 保健福祉部長 板谷雅光 高齢福祉部長 瓜生律子 子ども・若者部長        澁田景子 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        渡辺正男 道路・交通政策部長        小山英俊 土木部長   五十嵐慎一 教育長    堀 恵子 教育次長   志賀毅一 教育政策部長 工藤郁淳 生涯学習部長 花房千里     ──────────────────── 議事日程(平成三十年三月二十七日(火)午後一時開議)  第 一 議案第 一 号 平成三十年度世田谷区一般会計予算  第 二 議案第 二 号 平成三十年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  第 三 議案第 三 号 平成三十年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  第 四 議案第 四 号 平成三十年度世田谷区介護保険事業会計予算  第 五 議案第 五 号 平成三十年度世田谷区学校給食費会計予算  第 六 議案第五十三号 世田谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例  第 七 議案第五十四号 世田谷区介護保険条例の一部を改正する条例  第 八 議員提出議案第一号 世田谷区議会委員会条例の一部を改正する条例  第 九 請願の付託  第 十 閉会中の審査付託     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一から第五 予算特別委員長報告、表決  二、日程第六及び第七 福祉保健委員長報告、表決  三、日程第八 委員会付託省略、表決
     四、日程第九 請願の委員会付託  五、日程第十 閉会中の審査付託、表決     ────────────────────     午後一時開議 ○上島よしもり 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 議事に先立ちまして、御報告申し上げます。  望月敬行総務課長におかれましては、去る三月十七日に御逝去されました。故人の生前の御功績をたたえるとともに、謹んで御冥福をお祈りいたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 これより日程に入ります。 △日程第一から △第五に至る五件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 議案第一号 平成三十年度世田谷区一般会計予算外議案四件 ○上島よしもり 議長 本五件に関し、予算特別委員長の報告を求めます。    〔九番山口ひろひさ議員登壇〕(拍手) ◎予算特別委員長山口ひろひさ 議員) ただいま上程になりました議案第一号から議案第五号に至る五件につきまして、予算特別委員会での七日間にわたる審査の経過とその結果について御報告いたします。  最初に、総括質疑について申し上げます。  ここではまず、ふるさと納税に伴う減収や公共施設更新経費の増大等により、今後の財政見通しが一層厳しくなるにもかかわらず、行政経営改革を進めることなく新規事業を次々に立ち上げるなど、財政運営に対する危機感が欠如している区長の政治姿勢がただされました。  また、ワークスペース補助事業に関し、既に民間事業者により展開されている事業を区が新たに実施する必要性が問われるとともに、十分なニーズ調査を行わず、また、議会との合意形成がないまま事業費を予算化した政策判断に対し、強い懸念が示されました。  さらに、本年四月に統合となる北沢小学校の通学区域児童を対象としたスクールバスの運行や通学帽子の支給など、教育委員会が下した過剰とも言える措置がただされるとともに、学校選択制をとらない世田谷区における公教育の平等性や税負担の公平性の確保が強く求められました。  基本設計方針の素案が示された本庁舎等整備関連では、基本構想で示した設計要件の変更による今後の整備スケジュールへの影響が問われるとともに、世田谷リング会議に参画する区民委員に対しての検討経過等の丁寧な説明や、区民会館における構造体Ⅰ類相当の耐震性確保など、防災拠点となる本庁舎の整備を進める上での課題が指摘されました。  公共交通関連では、本庁舎整備を契機としたバス路線の新設に期待が寄せられるとともに、交通不便地域の解消に資するコミュニティバスの運行に関し、町会・自治会等地域住民の参画による新路線の検討が求められました。  産業政策関連では、世田谷ナンバー導入に関するアンケート調査結果の信憑性についての区の見解が改めて問われるとともに、プレミアム付区内共通商品券発行支援事業の抜本的見直しなど、この間、区が取り組んできた施策の再検証が強く求められました。  福祉保健領域では、児童相談所の移管に向けた都との協議状況が問われるとともに、低所得者等への国民健康保険料負担軽減策の実施や、障害者の就労定着支援の強化、家族とともに入居可能な高齢者・障害者施設の整備など、取り組みの一層の推進が求められました。  そのほか区営住宅の不正利用発覚に伴う区職員の綱紀粛正、喜多見農業公園管理運営事業者選定に当たっての疑義、障害種別に応じた職員採用選考の実施、不登校児童生徒を抱える保護者への支援の拡充など、さまざまな質疑や要望がありました。  次に、企画総務領域について申し上げます。  ここではまず、本庁舎等整備に関し、基本設計の事業者選定が、提案を踏まえながら、人・組織を選ぶプロポーザル方式で実施されたことを踏まえ、提案された設計案にとらわれることなく基本設計を進めていくことに対する区の見解が問われるとともに、区民会館の全面改築による十分な執務空間の創出や、構造体Ⅰ類相当への耐震性の向上、ユニバーサルデザインに配慮した諸室機能の整備など、長期にわたり区政を支える拠点となる本庁舎整備について、さまざまな提案がなされました。  行財政改革関連では、三十年度に特別区債残高が基金残高を上回るにもかかわらず、行財政改革に消極的な区の姿勢がただされるとともに、聖域なき事業見直しの断行や、次年度予算編成への行政評価の活用、AIやモバイルワークの導入によるさらなる業務効率化の促進など、徹底した行政経営改革が求められました。  また、歳入増に向けて新設する、ふるさと納税対策担当課が担う役割が問われるとともに、世田谷らしい魅力あふれる多様な寄附メニューの提供や、募集方法の改善によるネーミングライツ事業の拡充、官民連携によるクラウドファンディング事業の推進など、税外収入確保策の一層の強化が求められました。  契約事務関連では、狭隘道路整備工事における談合行為の疑いが明らかになったことを受け、これまでの同工事の契約締結状況が問われるとともに、入札監視委員会の権限強化やさらなる競争性の確保に向けた最低制限価格制度の撤廃など、談合等不正行為の根絶に向け、前例にとらわれない入札制度改革の取り組みが強く求められました。  危機管理・災害対策関連では、洪水・土砂災害ハザードマップの更新に向けた準備状況が問われるとともに、女性視点の防災ブック「東京くらし防災」のさらなる啓発や、危機管理専門員への退職自衛官の登用、特殊詐欺防止に効果がある自動通話録音機の貸与台数の増など、区民の安全安心を守る施策のさらなる充実が求められました。  そのほか指定管理者の選定過程における情報公開の促進、本庁舎敷地内での全面禁煙の実施、行政への外国人人材の積極的活用、民間企業との人事交流の実施など、さまざまな質疑や要望がありました。  次に、区民生活領域について申し上げます。  ここではまず、アメリカ合衆国のホストタウンとして臨む東京二〇二〇大会が二年後に迫る中、大会への関心を高める聖火リレーの区内での実施を初め、まちの環境美化に寄与する落書き対策への支援拡充、子どもや障害者が大会ボランティアとして活躍できる仕組みの構築など、東京二〇二〇大会の認知度向上と機運醸成につながるより一層の取り組みが求められました。  また、大会開催に合わせ増加する訪日外国人への備えとなる、区内への大規模宿泊施設の誘致や、おもてなしの心を伝える茶道など、日本の伝統文化を体験できる事業の創設、観光資源の魅力を引き出す観光ボランティアガイドの確保、育成など、地域経済の活性化に資する観光施策のさらなる展開に期待が寄せられました。  さらに、障害者スポーツを支える人材の確保、育成に資するスタッフ講習会の地域展開や、総合型地域スポーツクラブにおける障害者スポーツ体験会の実施、さらには上用賀で新たに整備するスポーツ施設に関し、民間活力の積極的な導入に加え、障害者スポーツを気軽に体験、体感できる機能の確保など、パラリンピックを契機とした障害者スポーツのさらなる普及に向けた環境整備が求められました。  産業振興関連では、プレミアム付区内共通商品券に関し、政策目的に立ち返った抜本的な見直しが求められるとともに、不透明な事業効果に加え、購入者が一部区民に限定されるなど、公正性、公平性が保たれていない事業を継続させる区の姿勢がただされました。  また、マイナンバーカードと連携した新たな商店街ポイント事業の創設や、移動販売車の活用による買い物不便地域の解消、再生可能エネルギーにより発電、売電を行う事業者への創業支援など、新たなニーズに着目した産業施策の拡充が望まれました。  さらに区が新規事業として掲げるワークスペース補助事業に関し、起業・創業支援としての登記サービスの実施が求められる一方、子どもを預けて外出できないなど、利用者ニーズに合致しない事業の実効性に疑問が呈されるとともに、民業圧迫や補助期間終了後における事業撤退の懸念が示されるなど、事業計画の抜本的な再構築が求められました。  そのほか世田谷ナンバーか品川ナンバーかを選択できる制度の確立、喜多見農業公園指定管理者選定プロセスへの疑義、性的指向を理由とする差別の解消に向けた取り組みの強化、プロジェクションマッピングを活用した観光事業の創設、たばこ事業者との協働による喫煙所の整備促進など、さまざまな質疑や要望がありました。  次に、福祉保健領域について申し上げます。  ここではまず、来年度から障害者の法定雇用率が引き上げられることを踏まえ、障害者の雇用促進に向けた企業への積極的な区の働きかけが求められるとともに、企業等での就労が困難な障害者に対する働く場のさらなる確保が望まれました。また、空き家などを活用したグループホームの整備促進を初め、重症心身障害者への高度な介助に対応できる人材を育成するための研修の実施、総合福祉センター後利用施設に整備する(仮称)水活動室での障害者向け事業の展開、放課後デイサービスにおける事故防止やサービスの質のさらなる向上など、障害者が安心して暮らせる環境の整備が切に望まれました。  高齢者施策関連では、一向に減少しない特養ホーム待機者数を踏まえた施設整備計画見直しの必要性が問われるとともに、高齢者施設における災害に備えた避難確保計画や業務改善計画などの作成支援、認知症高齢者の家族に対する支援策のさらなる充実、認知症ケアプログラムの中心を担うアドミニストレーターの養成と普及に向けた支援の強化など、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けられる施策の推進が強く望まれました。  子育て施策関連では、保育園の空き状況や入園選考に関する情報の見やすいホームページづくりが求められるとともに、入園申し込みの電子化を初めとしたさまざまな保育業務のICT化が望まれるなど、保育施策のさらなる充実に向けた多くの提案がなされました。また、三歳児健診における視力検査の受診勧奨の徹底、父親向け子育て支援事業の拡充、ベビーシッター利用者に対する補助制度の創設など、子育てを応援する環境の一層の充実が望まれました。  そのほか災害発生時に開設する緊急医療救護所の地域的偏在の解消、多子世帯など世帯構成に配慮した国民健康保険料額設定への区の見解、予防接種にとどまらない近隣自治体との福祉保健サービス相互協力協定の拡大など、さまざまな質疑や要望がありました。  次に、都市整備領域について申し上げます。  ここではまず、都市基盤の骨格となる道路ネットワークの形成に関し、改めて整備状況に対する区の認識が問われるとともに、災害時の避難路としても重要な役割を担う優先整備路線の早期開通に期待が寄せられました。また、長期間未着手である都市計画道路の抜本的な見直しが求められる一方、道路事業に協力していただく地権者への丁寧かつ適切な対応による用地取得の着実な推進が望まれました。さらに、外環道整備に関しては、トンネル工事に対する住民の不安解消に向けた取り組みの強化や、東名ジャンクション周辺における雨水流出の抑制対策の徹底など、区民に寄り添った区の積極的な関与が求められました。  公共交通関連では、新規バス路線の整備に向けたバス運行経費助成や地域住民等が支えるサポーター制度の構築など、事業採算性の確保に対する区の認識が問われるとともに、環境に優しいベロタクシーの導入や、モデル地区での実験運行の開始など、公共交通不便地域解消に向けた積極的な施策の推進が求められました。  みどり政策関連では、世田谷みどり33を目標に掲げる中で、東京二〇二〇大会の競技会場として整備が進む馬事公苑のみどり確保に向けた区の対応が問われるとともに、公園の整備を初め、維持管理や運営における官民連携による手法の積極的な導入など、税外収入の確保も視野に入れた柔軟な取り組みが求められました。  また、新たに策定された「座れる場づくりガイドライン」に関連し、場の整備に当たっては、公共施設の更新時に限定することなく、積極的に取り組むことが求められるとともに、座り心地の悪いベンチの早急な改善、各まちづくりセンターを中心とした地区における休憩場所の計画的配置など、高齢者を初め誰もが安心して外出できる環境整備が切に望まれました。  そのほか既存建築ストックの活用促進に向けたリノベーション条例の制定、自転車専用レーンにおける違法駐車根絶に向けた対策の強化、駐輪場内の安全管理に資する防犯カメラの設置、集合住宅の防災計画策定に向けた支援策の構築、学校増改築時における隣接公園等の校庭活用に対する区の認識、北沢PR戦略会議を活用した下北沢駅周辺まちづくりの一層の推進、積雪後における速やかな除雪作業の実施に向けた体制整備など、さまざまな質疑や要望がありました。  次に、文教領域について申し上げます。  ここではまず、北沢小学校統合に伴うスクールバスの運行に関し、地元関係者との話し合いの中で具体案を示しながら、その後一年余り議会に報告しなかった区の姿勢がただされる一方で、登下校時の通学路における安全面に対する保護者の不安解消に向け、スクールバスの当面の運行が望まれるとともに、あらゆる手法による安全対策の徹底や、交通安全教育の充実など、児童の事故防止に資する取り組みの一層の強化が求められました。  学校教育関連では、科学技術の著しい進歩を踏まえ、教育活動におけるAIの積極的活用が望まれる一方、中学校へのeラーニング導入については、全生徒の利用環境確保など、さまざまな課題の解決に向けたさらなる検討が強く求められました。  また、平昌大会における日本選手の活躍による盛り上がりの機運を捉えたオリンピック・パラリンピック教育のさらなる推進、タグラグビー普及に向けた区内プロチームとの連携強化、北朝鮮拉致問題を取り入れた授業による人権意識の醸成など、健やかな体と豊かな人間性を培う学校教育の一層の充実に期待が寄せられました。  教育環境関連では、きめ細かな対応が可能な少人数学級の実現に向けた区の認識が問われるとともに、医療的ケアが必要な児童に対する看護師の全日配置が望まれました。また、児童や保護者に寄り添った就学相談の実施に向けた体制整備、SNSを活用したいじめ防止策の構築、性的少数者を初め、多様性に配慮した中学校標準服の選択制導入など、全ての児童生徒が安心して学べる教育環境の整備に向けた多くの提案がなされました。  教職員関連では、教育現場における多様な地域人材活用に向け、教育総合センターでの効果的な人材バンク機能の構築が求められるとともに、多量な事務を抱える大規模校の校長等に対する支援体制の整備や、部活動顧問の勤務時間短縮に資する指導員制度の活用など、働き方改革を踏まえた教員の負担軽減と子どもとかかわる時間の拡充に向けた取り組みが切に望まれました。  そのほか学校給食費未納防止対策の強化、就労している保護者に対する卒業式、入学式の日程への配慮、新書での購入に限定した図書館蔵書の見直しによる大幅な経費削減、乳幼児教育に関する海外視察成果の施策への的確な反映など、さまざまな質疑や要望がありました。  以上の各部門の審査を経て補充質疑に入りましたが、ここでは各部門の審査で懸案とされた課題が数多く取り上げられました。  まず、社会保障関連経費等の増加を受けて予算規模が拡大する中、中長期的な財政運営の視点に立った明確な政策目標の設定や、他自治体へのふるさと納税に伴う財源流出防止策の一層の充実など、持続可能で強固な財政基盤確立に向けた取り組みが求められる一方、内容を十分に精査せず、次々と新規事業を打ち出す区長の姿勢がただされるとともに、予算編成における議会との十分な議論の必要性が改めて指摘されました。  特に他校との公平性を著しく欠く北沢小学校統合に伴うスクールバスについては、導入に至った経緯が改めて問われるとともに、保護者の協力による安全対策や通学路となる井の頭通りの早期整備に向けた都への働きかけなど、登下校時の不安解消に向けた一層の取り組みが強く求められました。  また、ワークスペース補助事業においては、利用者の長時間労働を助長する危険性に対する懸念が示されるとともに、事前のニーズ調査と課題把握が不十分なままでの拙速な事業化がただされるなど、新規事業の粗雑な検討手法に対して、改めて苦言が呈されました。  オリンピック・パラリンピック関連では、障害者スポーツの普及啓発に向けた区の取り組み状況が問われるとともに、多くの区民が参加できる大会前イベントの開催や、小中学生とアメリカ合衆国パラリンピアンとの交流機会の創出など、二年後に迫った東京二〇二〇大会開催への機運醸成と、共生社会の実現を見据えた障害者理解のさらなる促進に向けた取り組みに期待が寄せられました。  福祉保健領域では、法改正により年々対象が広がる難病患者への具体的な支援策が問われるとともに、児童相談所の早期移管に向けた都との粘り強い協議の継続、介護職員確保に資する区独自の処遇改善策の導入、性の多様性を踏まえた自殺対策計画の策定など、区民の暮らしを支える福祉施策の一層の推進が求められました。  そのほか環境負荷が低い石けんの使用奨励、商店街振興策としてのまちバルに対する区の認識、靖国神社における中学生職場体験の是非、住民票交付事務の適正化によるDV被害者保護の徹底、災害時における燃料及び車両確保に向けた区内自動車教習所との協力協定の締結など、多岐にわたっての質疑や要望がありました。  このようにして、延べ七日間にわたる一般会計外四件に対する質疑を終了いたしました。  ここで、和田委員ほか二名及び佐藤弘人委員ほか二名より、それぞれ提出された一般会計に対する組み替え動議を議題といたしました。  まず、和田委員ほか二名より提出された組み替え動議に関する提案理由及び質疑について申し上げます。  本動議は、北沢小学校統合に伴うスクールバスの運行に関し、他の地区において、現在も相当の時間をかけて通学する児童がいることを踏まえると、統合校であることのみを理由としたバスの運行は、税金の使途として公平性に欠けるとの理由から、歳出予算のうち三千六百四十二万三千円を教育費から財政調整基金積立金へ、歳入予算のうち一千八百二十一万一千円を都補助金から財政調整基金繰入金に組み替えることを求めるため提案されたものであります。  質疑に入りましたところ、組み替えを求める歳出額と歳入額が同額ではない理由や、バスの運行が公平公正であることの区民理解を得るために、今回は期間限定の特例である旨を周知することへの見解、これまでに実施してきた通学路の安全確保策に対する認識、バス運行にかわる通学路の具体的な安全確保策、新学期目前の今においてバス運行が見送られた場合、子どもへの安全指導などを行う時間的余裕がないことに対する見解、統合による不公平を回復する目的で運行するバスを公平性に欠けると主張した理由、地域住民の話し合いにより導き出されたバス運行を尊重しないことへの見解、年度途中で契約解消した場合に発生する違約金等により、結果として当初契約額以上の経費がかかる可能性があることへの認識、保護者や児童など、バス運行に対する当事者の賛否の状況が問われました。  続いて、佐藤弘人委員ほか二名より提出された組み替え動議に関する提案理由及び質疑について申し上げます。  本動議は、制度設計が曖昧で事業効果に疑問が残る一般型のワークスペース補助事業について、区が率先して取り組む必要はないとの理由から、歳出予算のうち一千六百万円を産業経済費から財政調整基金積立金に、また、歳入予算のうち一千六十六万六千円を国庫補助金から財政調整基金繰入金に組み替えることを求めるため、提案されたものであります。  質疑に入りましたところ、本事業の子育て支援効果についての見解、病気や介護といった事情を抱えながら仕事をする区民への支援拡充の必要性に対する認識、提出者が民業圧迫を懸念する理由が問われました。  その後、和田委員ほか二名より提出された組み替え動議に対する意見に入りましたところ、自由民主党より「区はスクールバス運行の理由をなれない通学路を通う児童や保護者の不安に配慮するための経過措置と説明したが、バスに乗って通学している限り、なれることは困難である。新入生は上級生に見守られながら、みずからの足で歩き、自分たちの暮らすまちや四季の変化を肌で感じる。区内全ての小学校で当たり前に繰り返されてきた、こうした何げない日々の積み重ねが、子どもの成長にとっては欠かせない時間であり、徒歩で登校することの効果ははかり知れない。交通事故を懸念する意見もあるが、交通事故を防ぐためにスクールバスを運行するのならば、全ての小学校に導入しなければ公平性に欠けると言わざるを得ない。登下校時の事故の不安はどの地区でも同じであり、学校統合という事情だけでスクールバスを運行させることに対して、他の地域に暮らす区民の理解は到底得られない。区及び教育委員会に対し、全区を俯瞰する広い視野からの本事業の再考を求め、賛成する」、公明党より「北沢小学校の統合については、できる限り早い時期に保護者や地域の合意を得られるよう、これまでも教育委員会に対し努力を求めてきた。しかし、その合意形成の過程において、通学帽や体操着の支給などとともに、スクールバス運行の検討を水面下で進め、その状況について議会へ報告があったのは昨年十二月の文教常任委員会であり、余りにも唐突な報告にただ驚くばかりであった。統合に当たり、これまでさまざまな事情があったことに一定の理解はできるものの、統合の合意条件としてスクールバスを運行することについては、議会において十分な議論を重ねたとは到底言いがたく、納得のいく説明すらないまま現在に至っている。同校の統合に伴う通学路の距離は、他学区域と比べて大差はなく、また既に講じている安全対策においても、他の通学路と比較して決して不十分なものではないことから、スクールバスを運行することでかえって突出した事例となり、不公平感が区内全域に及ぶことが懸念される。こうしたことから、スクールバス運行は、税金を公平かつ適正に配分した事業とは言えないため、区に再考を求め、本動議に賛成する」、世田谷立憲民主党・社民党より「今回のスクールバス運行については、事業の公平性や教育委員会の進め方に大きな問題があったことを今予算委員会の中で指摘してきた。下北沢小学校は、三校統合というだけではなく、周辺の道路計画や鉄道連続立体交差事業の影響により、通学路の環境変化も重なった特殊事情を抱えた地域であり、通学路の安全対策や保護者の安心の確保が強く必要とされてきた。区はこの間、道路標示を初め防犯カメラの設置、街灯の照度改善、交通誘導員の加配置など、通学路の安全対策を進めてきたが、万全ではないとの保護者の主張は理解できるものである。しかしながら、税金を投じてのスクールバス運行は、同じような交通事情にある学校やより長い距離を徒歩で登下校している児童、保護者からは理解が得がたいものであり、適切でないと考える。今後、通学路の安全対策強化や保護者の安心を得る方策を地域とともに講じることにより、スクールバスの早期見直しを求めるものではあるが、まさに本日、区立小学校の最終登校日を迎え、次回の通学は新年度初日になるこのタイミングでのバス運行中止という判断は、児童や保護者に大きな混乱と不安を与えることになるため、本動議には反対する」、日本共産党より「通学路の安全面に対する保護者の不安は大変大きく、当面の間のスクールバス運行は必要と考える。北沢小学校の児童だけが対象なのは不公平だとの声があるが、学校統合により不安を抱えることになった地域の特殊事情を踏まえ、一定期間の運行であれば区民の理解は得られるものと考える。組み替え動議の提案理由には、通学路の安全確保策の検討もせずとあるが、通学路の安全点検を実施し、その結果に基づき安全確保策の検討や対策に取り組んできていることは、これまでの議会の議論でも明らかである。それでも解消されない不安があることから、当面の間、バス運行を実施しながら、新しい通学路になれること、また、さらなる安全対策に取り組む時間を確保する必要があるため、本動議には反対する。なお、スクールバス運行に際し、保護者や地域の声をよく聞き、しっかりとした検証と見直しに取り組むことを区に求めておく」、無所属・世田谷行革一一〇番・プラスより「スクールバス運行に伴う契約を年度途中で見直し、打ち切った場合、契約額以上の違約金が発生する可能性がある。本動議に付随した原案に対する修正案を提出する必要が生じた際、我が会派は区長の示した原案自体に反対であるため、原案を前提とした修正案提出に加われないとの認識から、本動議には反対する」、生活者ネットワークより「住民の合意形成は困難をきわめたが、来月実現の運びとなった下北沢小学校新校舎における三校統合は、新たなスタートとして地元の納得と合意の中で祝福されることが大切である。渋谷区との区境に立地する北沢小学校は、先に統合した二校に比べて遠方にあることから、スクールバスの運行は統合に向けた合意条件であった。また、東京都も小学校の適正規模化には積極的に協力する立場から、統合に伴う三年間限定の措置として、スクールバス運行委託経費に補助を出すという形で必要性を認めている。新年度以降も関係者の協力を得て、子どもたちがより安全に通学できる環境を整えるなど、一日でも早くスクールバスに頼ることなく、楽しく学校に通える状況を実現することは大切なことであるが、新学期まで約二週間に迫ったこの時期に、今までの合意をほごにする本動議には断固として反対する」、減税せたがやより「北沢小学校の児童はこの四月から下北沢小学校へと学校が変わり、これまでとは違う道で通学することになる。区は、通学路の合同点検に基づく横断歩道の設置や路側帯のカラー舗装、注意喚起表示の設置などの安全対策に取り組んできてはいるが、それでもなお北沢小学校の関係者からは、通学に対する不安の声とともに、通学路の一層の安全対策とスクールバス運行を求める要望が寄せられていると聞いている。また、教育委員会からは、意向調査の結果、低学年を中心に八十名余りの児童がバス運行を希望しており、なれない通学路を通う児童や不安に思う保護者への配慮から、一定期間の経過措置としてバス運行が必要であるとの説明を受けている。本動議は、バス運行に対する関係者の賛否などの客観的な判断材料がないばかりか、目前に迫った新学期の学校生活を不安なものにし、統合により弱者となる区民の立場を考慮しないものであることから反対する」、世田谷無所属より「北沢小学校の学区域は道幅が狭いところが多く、特に鎌倉通りや茶沢通りは歩車道が分離されていない相互通行であるため、大人でも危険を感じる道路である。統合に伴う通学路の安全対策は不十分であり、路地や死角が多い土地柄であることなども踏まえ、児童の安全確保のためには一定期間のスクールバス運行は必要との判断から、本動議には反対する」との表明がありました。  続いて、佐藤弘人委員ほか二名より提出された組み替え動議に対する意見に入りましたところ、自由民主党より「区は、本事業を在宅子育て環境の整備と働き方改革の二つの目的を達成するための事業と説明するが、制度設計が曖昧であり、理念ばかりが先行した中身が伴わない事業と言わざるを得ない。仮にこのまま本事業を実施すれば、デジタルコンテンツ産業誘致集積支援事業と同様に、全く成果を上げることなく貴重な税金を無駄にしてしまうおそれがある。同じ轍を踏まないためにも、民間に任せられる事業は民間に任せるべきであることを申し添え、本動議に賛成する」、公明党より「区民に多様な働き方を提供することは必要であるが、いまだ保育待機児童が解消されていない現状では、より高い効果が見込まれる一時保育や一時預かり機能の拡充こそ、区が最も注力すべき事業であり、事業実施後に利用者の傾向等を把握しようとするなど、マーケティング調査等の事前分析が不足していることも明白である。また、テレワーク事業には、既に民間事業者が多数参入しており、利用料が高額との理由をもって区が事業実施することは適当でない。さらに、当委員会での答弁で説明不足という言葉が何度も聞かれたが、説明できる内容がなかったというのが実態であり、マスコミに取り上げられるなど、注目を浴びることに前のめりになった結果であると言わざるを得ない。区長は今回の動議の重みをしっかりと受けとめるとともに、これまでの区政運営について猛省することを改めて求め、本動議に賛成する」、世田谷立憲民主党・社民党より「我が会派は、コ・ワーキング事業については、裁量労働制の拡大、労働時間管理の困難さ、民業圧迫に対する懸念、託児サービスの質の確保等の観点から、慎重な対応を求めてきた。とりわけ本事業については、利用者のニーズ調査が不十分であり、継続性の観点からも見直しを求めてきたところであるが、我が会派の質疑に対し、区は再度ニーズ調査を実施した上で事業を再構築し、改めて議会に対し事業の実施判断を求める旨を表明したことから、区のしっかりとした対応を強く求めた上で、本動議には反対する」、無所属・世田谷行革一一〇番・プラスより「我が会派は、予算原案そのものに対して反対の立場であることから、原案の問題点を全て解消するものではない本動議には賛成することができないため、反対する」、生活者ネットワークより「職場と住まいを近づけ、一人一人がゆとりある時間を取り戻すことは、働き方改革として大切なことであり、介護など子育てに限らずにさまざまな事情を抱える区民を支援する本事業を高く評価する。区民が保育施設に子どもを預けてフルタイムで働くか、働かずに子育てをするかといったゼロか百かの選択を迫られることがないよう、柔軟な働き方を支援するこの施策を他自治体に先駆けて実施することの意義は大きいと考え、本動議に反対する」、減税せたがやより「本事業は、子育てをする区民に対し、ライフスタイルに合った働き方の選択肢を提供するものであり、保育待機児童解消や働き方改革の推進といった現代社会のニーズに合致した施策である。また、事業の継続性についても、行政が本事業を実施することによって、ニーズを顕在化させ、その結果、稼働率が向上し、五年目以降は補助金がなくとも事業の安定的経営が可能という区の説明も理解できるものである。子育てと仕事が両立できる社会の実現に向け、行政としての役割を積極的に果たすため、本事業の実施に賛成し、動議には反対する」との表明がありました。  引き続き、まず、和田委員ほか二名より提出された組み替え動議について採決に入りましたところ、賛成多数で可決と決定いたしました。  続いて、佐藤弘人委員ほか二名より提出された組み替え動議について採決に入りましたところ、賛成多数で可決と決定いたしました。  その後、動議二件の可決を受けて、区長より、まず、北沢小学校統合に伴うスクールバスの運行に関し、子どもたちの安全確保についての協議の経過もあり、四月からのスクールバスの運行はぜひ実施したいと考えているが、今後、運行状況や児童の様子などを踏まえ、学校や保護者等と協議の上、三十年度の一定期間内での運行終了に向け、検討を進めていくとの表明がありました。  また、一般型のワークスペース補助事業に関し、制度設計の再構築が必要であると判断し、今回のスキームでの事業実施は見送る。そしてできるだけ早期に事業を再構築し、区議会の理解を前提に事業を実施してまいりたいとの表明がありました。  引き続き質疑に入りましたところ、北沢小学校統合に伴うスクールバスの運行に関し、現時点で想定している運行終了時期、運行終了を判断する基準、保護者等との合意形成の手法、合意形成が得られなかった場合の対応、バス運行期間の延長の可能性、予定していた年間契約を変更することによる違約金発生の有無が問われました。  また、一般型のワークスペース補助事業に関し、事業を再構築し議会に提案する時期、再構築する事業における内閣府の補助金活用の可能性、三十年度に事業実施する場合における内閣府への補助金申請期限が問われました。  その後、予算案の原案に対する各会派の態度表明に入りましたところ、自由民主党、公明党、世田谷立憲民主党・社民党、せたがや希望の会、生活者ネットワーク、減税せたがや、レインボー世田谷、せたがやすこやかプロジェクト、世田谷無所属、無所属より、一般会計外四件の予算案全てに賛成する。日本共産党より、国保会計、後期高齢者医療会計には反対し、外三件には賛成する。無所属・世田谷行革一一〇番・プラスより、一般会計には反対し、外四件には賛成するとの表明がありました。  引き続き採決に入りましたところ、議案第一号から第三号に至る三件は、いずれも賛成多数で、議案第四号及び第五号の二件は、いずれも全員異議なく、それぞれ原案どおり可決と決定いたしました。  以上をもちまして、予算特別委員会の報告を終わります。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で予算特別委員長の報告は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 これより意見に入ります。  意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  三十二番江口じゅん子議員。    〔三十二番江口じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆三十二番(江口じゅん子 議員) 日本共産党世田谷区議団は、平成三十年度一般会計、介護保険事業会計、学校給食費会計予算に賛成、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計予算に反対の立場で意見と要望を述べます。  平成三十年度一般会計予算案は、初めて三千億円を突破しました。歳入では、特別区民税がふるさと納税の影響で四十億円の減少となりつつも、人口増などによる増収で、差し引き約二十三億円の増となっています。また、特別区交付金は二十六億円の増収です。一方、ふるさと納税、法人住民税の国税化、地方消費税の配分変更で、九十八億円が減収となりました。特別区長会はことし、税源偏在是正措置に対する緊急共同声明を発表し、国に要望をしていますが、地方自治制度を軽視する国の政策によって、区財政が大きく圧迫をされています。区としても、区民サービス死守のため、区長会の立場でしっかり要望することを求めます。  歳出では、保育園運営費や障害者自立支援給付費などの増加で、民生費が約七十九億円、約六%の増など、人口、児童数の増加、高齢者対策など、区民生活に欠かせない支出を確保していることを評価しています。  土木費は、小田急線地下化に伴う駅前広場整備工事などにより約十三億円、約四%の増です。学校改築や梅ヶ丘拠点整備、本庁舎整備など、公共施設整備が相次ぐ中、投資的経費がふえ、予算規模全体が増大し、プライマリーバランスがマイナスに転じています。  我が党は、平成三十年度予算案は区民生活の切実な課題に積極的に応えた予算と評価をするものです。一方、投資的経費増大による財政規模の拡大に対しては慎重な対応を求めます。  また、新たな区政課題や行政需要に的確に対応できる組織・人員体制の整備は区政運営のかなめです。新年度では、既存事業についても支所福祉部門を中心に配置強化をしたと聞いており、区の姿勢を評価します。  他方、国の新年度予算案では、軍事費が過去最大の五兆円を突破しました。しかし、社会保障では生活保護費を削減、また、人口構成の高齢化などで避けられない自然増を無理やり一千三百億円カットをするため、年金、介護、医療などの予算削減、制度の改悪が行われました。  区民の暮らしと福祉を守る区の役割は一層重大になっています。不要不急な事業を見直し、次期新実施計画の実施においては、慎重な選定と検討が必要です。新教育センターは新実施計画事業となりましたが、慎重な対応を求めるものです。
     その上で我が党として、区が最重点に取り組むべき課題を二点強調します。  一点目は、介護職の確保、処遇改善です。約一千八百人の特養ホーム待機者がいる中、家族介護はもう限界、特養ホームを待っている間に死んでしまうと、日々区民からの切実な声が増しています。施設をつくっても入所制限、また開設調整という事態にならないために、区として介護職の確保、処遇改善策に正面から取り組むことを求めます。  二点目は、国民健康保険、生活保護制度についてです。国保については、新年度予算で区独自の多子世帯や低所得者対策が盛り込まれなかったことは大変残念です。今後、六年間で法定外の繰入金解消が求められており、大幅な値上げは避けられません。区として、独自の軽減策に踏み出すとともに、統一保険料方式の継続についても検討が必要です。  国は、生活保護は光熱費などに充てる生活扶助を最大五%段階的にカットし、ひとり親家庭を対象にした母子加算も減額し、生活保護を百六十億円削るとしています。生活保護利用者の生活はますます厳しくなり、新たな支援が必要です。  さらに、生活保護基準の引き下げは、就学援助や住民税非課税限度額など、他の施策に次々と連動します。平成二十五年の生活保護基準引き下げにおいて、区は、就学援助を含めた六十三事業に影響が及ぼさないよう対応しました。これを高く評価し、今般の制度変更においても同様措置を求めます。  重ねて申し上げますが、これらの区民生活を守る喫緊の課題に対応するため、全体の財政規模を適正範囲に抑えることを繰り返し求めるものです。  次に、今後の区政運営における具体的な意見と要望を申し上げます。  第一に、保育と高齢介護についてです。保育では、平成三十二年四月の待機児解消に向けて、区が保育の質を根幹に据えた、認可を中心とした精力的整備を行っており、これを評価します。一方国は、自治体独自の配置基準を国基準に引き下げるという、さらなる規制緩和を行おうとしています。保育の質の低下は、すなわち子どもの命と健やかな成長に直結することを肝に銘じ、区独自の基準堅持を強く求めます。  保育の質を守るため、この間の保育士の給与助成や宿舎借り上げ支援の処遇改善策は大きな効果を生み出しています。区として待機児動向を見据えつつ、少なくとも宿舎借り上げ支援については、三十二年度以降の継続を都に要望していただきたい。  また、企業主導型保育については、都との協力体制を強め、区として実態把握に努めるのにとどまらず、保育の質を守らせるための対策、この検討が必要と考えます。  介護については、区が二〇二五年度の一千人分の特養ホーム整備に向けての精力的な整備を評価します。しかし、待機時間が前提の入所指針に加えて、入所が可能な七十五ポイントであっても、さらに待機が必要な状況であり、一千人分計画の前倒しを強く求めます。また、国民年金で入れる多床室整備を今後の計画に位置づけることを求めます。  第二に、まちづくり、防災についてです。交通不便地域解消に向け、砧でのワゴン車などを活用とした新たな交通手段の検討に、議会、区民の期待が高まっています。砧地域での早期のモデル運行を見据え、地元の参画、機運を高めるさらなる取り組みを期待します。  また、防災については、住宅耐震化のさらなる促進のため、自己負担が少ない低コスト工法の研究、普及を提案します。  都市計画道路について、東京都は、東京における都市計画道路のあり方に関する基本方針において、二〇四〇年代を見据え、整備するべきものは整備し、見直すべきものは見直すとの基本的考えに基づき、都や特別区などが協働し、精査、検証を行っていると聞いています。都は、新年度の早い時期に中間まとめを出すとしており、区は内容を議会に報告すべきです。そして、住民とともに各路線の必要性や整備上の課題の検証を求めます。  第三に、産業政策と自然エネルギー普及についてです。産業では、介護、福祉、情報通信業務など、全ての産業を視野に入れた事業者支援の仕組みをつくる産業基本条例の改正が必要です。原発ゼロの日本をつくろうという区民の願いと取り組みが広がっています。太陽光発電、太陽熱利用や住宅断熱化などのさらなる推進を求めます。  第四に、教育についてです。教員が質の高い授業、教育活動を実践するためには、児童生徒と向き合う時間や研修、研究の時間確保が必要です。教員の多忙化解消は業務の削減だけでは実現できません。抜本的な解決には、教員の増員、少人数学級の実現が必要です。タイムレコーダーの終業時間打刻による実態把握など、現場の意見を聞きながら学校における働き方改革の推進に取り組むことを求めます。  第五に、公文書管理条例についてです。行政文書を区民共有の財産と位置づけ、その管理と情報公開を徹底するために、公文書管理条例の早期制定を求めます。  最後に、北沢小のスクールバスについては、半年間の契約との方針が示されましたが、その後の継続については、保護者、区民の声をよく聞き検討することを求めます。  以上で、日本共産党世田谷区議団の意見とします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で江口じゅん子議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 平成三十年度予算に賛成の立場から意見を申し上げます。  私は、世田谷区が主催するイベントにはできる限り足を運ぶように心がけています。羽根木公園の梅まつり、新潟の松代の雪まつり、成城ホールのお彼岸の日に開催された「おうちでずっと暮らしたい」、世田谷文化生活情報センターで行われたたばこルールのあるまちづくりシンポジウム、たばこについては実効性のあるものにしていくために、区民のたばこ税を納めていただいている四十五億円、もっとしっかりと分煙環境を整えていただきたいと思います。特に現在整備が進んでいます下北沢周辺についての分煙環境には、ぜひとも取り組んでいただくようお願いいたします。  そして、小田急線の複々線化、都市計画から三十年、待ちに待った小田急線が複々線化されました。東北沢、下北沢、世田谷代田、三駅で新しいホームが利用できるようになりました。運行本数もふえて、混雑緩和、通勤通学が大変便利になりました。  次に、災害時には世田谷区内に四カ所ある自動車教習所への要請として、教習車や教習生を送迎するマイクロバスを活用して、けが人や病人を病院に搬送するほか、避難者の輸送にも協力してもらい、また自動車教習所にはガソリンなどの給油施設もあるので、災害時には使用するための車の燃料の提供を受けることもできます。施設の敷地も広いので、活用できると思います。  また、世田谷区内のバス会社やタクシー会社にも協力していただき、災害時に物資や人の搬送など協定締結に向けて取り組んでいただき、ぜひとも進めてください。  区民から頼りにされる区役所を目指して、より一層効果的な区政運営に工夫を凝らしていただきたいことをお願いして、賛成の意見といたします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で青空こうじ議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  二十三番大庭正明議員。    〔二十三番大庭正明議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(大庭正明 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・プラスは、平成三十年度世田谷区一般会計予算に反対の立場から意見を述べます。  まず最初に申し上げたいことがあります。それは予算案の提出の仕方、出し方であります。一体、元北沢小学校区児童に対してのスクールバスの件、あれは何だったのでしょうか。まともな答弁は予算審議ではなく、刻々と迫る時間を人質にとって、何とかやらせてください、四月に迫っていますと懇願される始末であります。区側の主張は、スクールバス予算を削除されれば、それをやられるとさすがに幾ら何でも、それは幾ら何でも、それは幾ら何でも御容赦くださいという最近テレビで見たあのような印象しか残りませんでした。  元北沢小学校区の保護者から私もスクールバスの件で手紙をいただき、読みました。その文面から拝察すると、スクールバスは条件闘争で区側から得られたたった一つの誠意のような受けとめ方をされているようでした。実際この統合問題が発生して五年になりますが、教育委員会は今もって地元の当事者の理解を得られていません。  私は、三年前の平成二十七年三月十一日の予算委員会において、このように述べております。二十八年度、再来年度から統合していくという話はわかるんです。それでも真ん中の東大原小の跡地に新しい校舎をつくるという話もわかるんですけれども、肝心かなめの北沢小学校、要するに三校分の校舎をそこに建てるわけです。二校分は入るということは決まっている。だけれども、三校目の北沢小学校がそこにいつ入るかというのは決まっていないんですよね。見切り発車ですよね。このような指摘をして、こんないいかげんなやり方は将来に禍根を残すとくぎを刺しました。行政は中途半端なことはやってはいけないのです。それから三年、つまり現在に至って問題は最悪な状態となっております。  予算委員会での各会派の質疑を伺っていましても、納得できる答弁は一つもありませんでした。最初に結論ありきで、言葉は丁寧かもしれませんが、常に上から目線の態度が教育委員会からは感じられます。  学校の統廃合問題は保護者との話し合いをきっちりしておくべきであり、三校統合が未定のまま下北沢小学校の建設を進め、一方で北沢小学校の跡地利用の話を進めたことは、教育委員会側の既成事実の押しつけ、強行突破のように受け取られたのではないでしょうか。そのような状態にあることをしばらく議会に伏せ、いきなりスクールバスの話が持ち上がる。議会にはタイムリミットを突きつけながら、今さらやめたら大騒動になりますよと脅かすような状態をつくり出す。果たして教育委員会はこのスクールバスについて公平さの回答をしたでしょうか。まさに公平、平等、そして公正さを教える主たる場所が学校ではないのでしょうか。  世田谷区内のどこかの小学校一年生が、僕はあるいは私は、登下校は大変だけれども、頑張って歩いて学校に行くと親の心配をよそにけなげに言っているはずです。しかし、後日、同じ区立小学校で、危ない道がいっぱいあるとかでスクールバスで登下校している学校があることを知ったらどう思うでしょうか。さらに、結果として、一度始めたスクールバスをどうやって半年をめどにやめることができるでしょうか。ただでさえ一度やり出したことはなかなかやめられないというのが役所というものであります。半年というのも単に契約上の都合のようにしか聞こえません。  組み替え動議可決後の区長発言においても、それに続く教育長、次長の発言を聞いても、子どもたちにとってベストな選択であったという信念はみじんも感じられませんでした。  世田谷区の教育の実務集団を統括し、また教育行政の中核にあるのが世田谷区教育委員会ではないのでしょうか。まるで夕方のスーパーマーケットのタイムセールのごとく、閉店時間が迫るたびに値札が張りかえられるように、予算委員会を本日の午前中まで延ばしたら、ひょっとしたら四月いっぱいで打ち切るという答弁にもなったかもしれません。その程度の信念ですよ、堀教育長の信念は。  今回の統廃合の問題は、堀教育長が就任したときから始まっています。この問題が議会でも取り上げられようとするとき、堀教育長は、ことしの一月ですよ。公費でイタリア旅行に行っていた。しかもその理由は、予算委員会でのやりとりによると、世田谷の幼児教育は相当おくれているとある著名な先生から言われ、できればイタリアに行ったほうがいいとアドバイスを受けたので、私も勉強しようかなと思って行きましたということです。私も勉強しようかなと思って税金でイタリアに行けるとは御機嫌でしょうね。しかも使った税金は近接地外旅費です。  近接地外旅費というのは、通常の業務の中で、世田谷区外に仕事で出る際の交通費として使用されるお金です。これを突然、教育長が海外に行くために、旅費としてごっそり六十万円も使ってしまうことなど想定されていないはずの費目であります。こういうところも区民は見ているんです。このように、旅費の使い方から、スクールバスの利用の仕方から、あらゆる点で世田谷区の教育長と保坂区長の身勝手な解釈が横行しています。  保坂区長の身勝手な解釈、その最たるものが本庁舎整備に関しての事項です。予算委員会での私の質疑において、庁舎整備担当部長は、区民会館は全面改築はしないと明言されました。逆に言えば、区民会館は耐震補強のみで保存を目指すということを明らかにしたのです。一方で、九月には区民会館の耐震結果は出てきますが、それは耐震補強のレベルをどれだけ上げるかの指標にすぎないことを間接的にも述べております。さらに、それとなく全面改築の場合の参考例もお出ししとも述べておりますが、これはあくまでも参考例にすぎません。  プロポーザル方式の意味は、提案を踏まえて人と組織を選ぶということではなかったのでしょうか。本庁舎の基本設計方針の素案が出されたのは二月です。二十ページ以上びっしり書かれた素案を委員会当日渡され、初見で意見などを出すことは不可能です。しかし、帰ってじっくり読んでみると、ほぼ庁舎案はでき上がっているではありませんか。プロポーザルの提案そのまま、しかも設計業者と区民の会合はあっても、議会には意図的に設計業者とは会わせようとしない。それでいて、五月には素案から案に格上げで、ほぼ決まるというスケジュールです。話がまるで違う。議会そっちのけで、本庁舎整備の設計が進められているのです。  板垣前副区長が去られてから本庁舎整備の方向性が明らかに変わりました。本庁舎整備だけではありません。彼が頑張っていればさきのスクールバスの件も違った形での決着になっていたかもしれません。私は何回も言いますが、現職の副区長が病気や家庭の事情を除いて辞職したということは、大変なことが内部で起きたということであります。議会と区長は車の両輪と言いますが、副区長は両輪をつなぐ軸、心棒のようなものです。これがなくなれば区長は一輪車状態となります。  保坂区長にとっては、板垣前副区長辞任以後、やりたいことはやる、やりたくないことはやらない、まさに独裁区政の始まりです。独裁区政の究極は嫌ならやめろ、他の国の大統領と同じです。しかし、それは有能な人材をみずから手放すことになり、結局困るのは独裁区長であり、そして何よりも九十万区民なのです。  庁舎整備担当部長は、区長におべっかを使う人ではありません。区長の意のままに動けば安泰と考える人物では決してありません。しかし、そうであるならば、もう少し正論を述べてもよさそうなものです。しかし、彼は区民会館の全面改築はしないと明言しました。彼の気持ちを想像すると、恐らく保坂区長が、だったら最初からやり直そうというのを一番恐れていたからだったと思います。だったら、最初から仕切り直しでやり直そうというのは、既に一回使った保坂区長の手口です。  しかし、私たちの会派は、首都直下が迫り来る中、一刻も早く災害対策の中枢機能を太くし、強くしなければ、九十万世田谷区民が大混乱してしまうという危機感から本庁舎整備に臨んでおります。  実際、本庁舎整備の問題で独裁区長と争うと、議論を最初から、あるいは事業者選定を最初からやり直そうという、そういうことにもなりかねません。こうやって議論が長引けば、いつまでたっても庁舎に手がつけられず、つまり今のままがずっと続くことになります。これは北沢小の問題と似ていないでしょうか。全く逆パターンとして見ればそっくりです。選考の経緯から問題があるというなら、最初からやり直しましょう。それでもいいのですか。時間がかかりますよ。長引きますよ。つまりこの本庁舎の問題も、冒頭述べたように、時間を人質にとってこの基本設計方針をのめと保坂区長は迫っているのです。これでは余りにも議会軽視、議会無視の予算であると断じざるを得ません。  以上で反対意見とします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で大庭正明議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  六番ひうち優子議員。    〔六番ひうち優子議員登壇〕(拍手) ◆六番(ひうち優子 議員) 平成三十年度世田谷区一般会計歳入歳出予算案外四件全てに賛成の立場から意見を申し上げます。  今回の予算委員会では、上用賀公園内へのカフェ・レストラン誘致、改築中である玉川区民会館や改築予定の世田谷区民会館、大蔵運動場の陸上競技場のスタンド、また公衆トイレへのネーミングライツの導入、保育園の入園状況の情報公開、空き家対策における行政書士などの専門家の活用、二子玉川の無堤防地域、また難病支援体制など約十四のテーマについて取り上げ、予算審査に臨ませていただきました。  その中でも特に注視すべきテーマは、公園内へのカフェ・レストラン誘致の点であります。平成二十九年六月、都市公園法が一部改正されたことにより、Park―PFI制度が創設され、民間事業者による公益還元型の収益施設の設置について、面積が拡大されました。この改正によって、公園整備の自由度が広がり、区民の方にとって夢のあるすてきな公園が整備される可能性が広がりました。今後、上用賀公園など規模の大きい公園へのカフェ・レストラン誘致を要望いたします。  また、成年後見制度については、区内の認知症の数が、平成二十八年度末で二万千七百人で、そのうち成年後見制度の利用者は約千六百人、普及率約七・五%とかなり少ない状況です。成年後見制度は、認知症高齢者に限らず、知的障害や精神障害などの方の権利を守る制度であり、この制度を活用しない手はありません。  国の基本計画では、成年後見制度の利用促進のため、市町村に対して地域連携ネットワークの構築を進めていくよう求めています。特に地域連携ネットワークの構築に当たっては、現在かかわっていただいている弁護士、司法書士、また社会福祉士だけでなく、行政書士など、成年後見制度の推進に取り組んでいる方々に幅広く参画いただくことが、区において一層制度の利用促進に結びつくと考えます。この点、要望いたします。  そのほかにも本庁舎整備に合わせた区役所から梅ヶ丘、豪徳寺、経堂など、区役所かいわいへのコミュニティバスの導入、将棋のさらなる普及促進など、これら要望の数々を今後前向きに検討されることを望み、世田谷無所属の賛成意見とさせていただきます。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上でひうち優子議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  八番すがややすこ議員。    〔八番すがややすこ議員登壇〕(拍手) ◆八番(すがややすこ 議員) 平成三十年度世田谷区一般会計予算外四件につきまして、せたがやすこやかプロジェクトの意見を申し上げます。  日本は、超少子・高齢社会を迎えています。二〇六〇年には一・三人の現役世代で一人の高齢者を支える時代が到来する社会の中で、そのときを現役世代で生きる今の子どもたち、これから生まれてくる子どもたちにツケを残すようなことをしてはなりません。  世田谷区では、増大する社会保障関連経費に加え、本庁舎建てかえを初めとした区保有施設や義務教育施設の老朽化による改修改築などの必要経費がかさみます。保坂区長は、事あるごとに世田谷区の人口が九十万人を超えたとおっしゃっておられます。おかげさまで税収はふえております。しかしながら、当然のことでありますが、税収増だからと、今支出をふやすことは、将来の財政負担をさらに増大させることにつながります。税収増の今だからこそ、区債発行、歳出の抑制にあわせ、基金の積み立てをふやし、将来に備えた財政運営を行う必要があります。  また、事業執行に当たっては、区民の方や民間企業の方々に協力していただくことでコスト削減につなげることもできます。ぜひこのような視点と予算委員会各所管ごとに申し上げた意見、要望や提案を取り入れた世田谷区政運営をお願い申し上げまして、せたがやすこやかプロジェクトの賛成意見といたします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上ですがややすこ議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  七番上川あや議員。    〔七番上川あや議員登壇〕(拍手) ◆七番(上川あや 議員) 平成三十年度の世田谷区各会計予算五件に賛成する立場から三点の要望を申し上げます。  初めに、差別のない組織、社会づくりについてです。  いよいよ来月より世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例が施行となります。同条例は、同性カップルに対する差別をも禁じますが、現在同性をパートナーとする区の職員は、パートナーが要介護となっても介護休暇がとれず、パートナーが亡くなったとしても慶弔休暇もとれず不平等です。早急な事務改善を求めます。  さきの区民生活領域の質疑では、区の外郭団体における同性パートナーを持つ従業員への不平等と外郭団体が区民に提供する家族向けサービスの不平等を取り上げましたが、今後、区は同条例に基づき民間の不当な差別等についても区民の御相談に応じ、不当な権利侵害等については改善要請も出す立場です。区の外郭団体に差別が残るようでは示しがつきません。差別を認めない指導の強化を改めて求めます。  総括質疑で取り上げた特別区の障害者採用にも課題があります。障害者差別解消法は、障害特性に応じた合理的配慮の不提供も差別だとしています。しかし、特別区の新たな障害者採用選考では、知的障害者も身体・精神障害者と一緒くた。同一の区分、基準の採用で配慮が足りません。改善を求めます。  要望の第二は、新たな知見を取り入れた事務改善についてです。  保健福祉領域の質疑で取り上げた区の三歳児健診の視力検査については、昨年四月、厚労省が発出した事務連絡からも、おととし八月、日本小児眼科学会が発表した三歳児健診の提言からもかけ離れた内容であり、問題です。国の通知どおり、三歳児健診の会場では必ず視力検査を実施するべきですし、同学会の提言に沿った専門家の配置と検査機器の導入も十分検討するよう求めます。  補充質疑で取り上げた自殺対策の新たな調査では、性の多様性に配慮した先駆的な調査を改めて求めます。  最後に、全庁的な連携の強化についてです。  都市整備領域の質疑では、歩き続けることの難しいロコモに対応したまちづくりを、補充質疑では、手話を母語とする聾者を含めた日本語を母語としない区民に対する情報機器を活用したアクセシビリティーの改善を、また、区民健康村を活用した泊まりがけの国際交流事業の構築を求めましたが、いずれも所管横断的な取り組みとすることで、これまでにない成果の上がる可能性が高まる事業です。この点、十分な連携、検討を求めて、私の意見といたします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で上川あや議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  五番あべ力也議員。    〔五番あべ力也議員登壇〕(拍手)
    ◆五番(あべ力也 議員) 地方自治法の改正では、世田谷区にも内部統制に関する方針を定め、これに基づく必要な体制を整備する努力義務が課せられていますが、世田谷区の行政規模に鑑み、こうした体制整備の要請は努力義務以上に高いものと考えます。また、監査制度の充実強化が含まれており、今後、自治体によるコンプライアンスへの取り組みの姿勢への国民の視線は一段と厳しくなることが予想され、議会の早急な対応も必要です。  改正民法では、契約管理、時効管理の二つの観点からこれまでの実務を見直す必要があり、万全の準備が必要です。  新地方公会計改革で最も大切なポイントは、減価償却累計額と同額の留保分を財源として、耐用年数到来時に古い資産を廃棄して新しい資産を取得する。つまり自治体での基金は将来への余裕資産ではなく、残しておかなければならない財源だということです。基金を行財政改革の財源として取り崩すことは得策ではありません。世田谷では、減価償却累計額はデータテストで千六百億円であるのに対し、基金残高は七百八十六億円で、三十年度、基金の積み増し五億円に対し九十六億円を取り崩しており、健全財政に向けたさらなる取り組みが必要であります。  働き方改革では、正規・非正規労働者の格差問題や長時間労働の解消が、この間、国でも議論されてきていますが、世田谷区でも職員の労働環境改善に向けた取り組みはもちろん、納税者である世田谷区民のワークライフバランスの改善に向け担当する所管ばかりではなく、全庁横断的にチーム世田谷として何ができるか考え行動すべきです。  今回、予算委員会で教育長に提案した「卒業式や入学式の小中学校同日の午前、午後に分けた開催や土日の開催の実施」により、複数のお子さんを持つ保護者を初め、地域の関係者が会社を休む回数が減るなど負担軽減ができます。  保坂区政は、新しいものに飛びつくことは上手ですが、現状の制度をじっくり見直してリニューアルすることは苦手のようです。身近な課題からしっかり取り組んでいただきたいと思います。  「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」と地方自治法が定めています。要するに地方公務員の使命は、住民の福祉の増進を図ることなのです。行政マン、行政ウーマンの皆さんのたゆまぬ努力に期待し、減税せたがや、あべ力也の賛成意見といたします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上であべ力也議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により五分以内といたします。  十二番高岡じゅん子議員。    〔十二番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆十二番(高岡じゅん子 議員) 生活者ネットワーク世田谷区議団を代表し、平成三十年度世田谷区一般会計予算外四件全てに賛成する立場から意見を申します。  世田谷区の財政は、平成三十年度から基金の取り崩しが始まるなど、厳しい状況となってきます。ふるさと納税による流出を防ぎ、クラウドファンディングだけでなく、さまざまな手段で区内外から寄附を呼び入れるなど、より積極的な増収への取り組みを求めます。  子どもの権利を守ることを最優先とした区政運営を求めます。そのためにも、児童相談所の移管を着実に進めることが必要です。虐待対応だけでなく、児童養護、里親や養子縁組の推進に向けた相談体制づくりも欠かせません。子ども計画後期に向け、生活実態調査が実施されます。福祉と教育所管が連携し、必要な子どもが必要な支援を得られる仕組みづくりを求めます。  安全安心な通学路の確保は、児童にとって切実な課題です。統合に当たり、子どもの安全安心を最優先としたスクールバスの運行は必要な措置と考えます。今後も地域とともに安全な通学路の確保に努めてください。  高齢者福祉に関しては、担い手の不足が喫緊の課題です。特に訪問介護有資格者の不足は、区内事業者のサービス提供の継続を脅かすほどです。実習生を区内に招き入れるなど、より工夫を凝らした人材確保策を進めるよう求めます。  介護報酬の縛りがある中でも、九十万区民の超高齢化社会を支えるためには、介護職がきちんと報われる仕組みが必要です。区独自の補助についても検討を始めるべきではないでしょうか。  外出支援は、介護保険と介護予防のはざまで必要なサービスが不足しています。改善を求めます。  交通不便地域解消には、新たな視点を加え、官民連携で取り組みを進めることを求めます。  保育も高齢者福祉も、新たなサービス業態に指導、監視の目が追いついていません。第三者評価制度の積極的な利用を各事業者に促し、市民の声を福祉サービス向上への指導にもっと生かす必要があります。  保育待機児解消に向けては、土地の確保や新園開設に向けた支援を続け、保育の質を維持した上での定員拡大を図るように求めます。  世田谷型働き方改革を進め、男女がともに育児参加できる環境を実現すべきです。区の率先した取り組みを求めます。  職住近接の効果により、生活時間を取り戻すコ・ワーキング・スペースは、子育て世代だけでなく、介護や病気など、ゼロか百かではない、新たな働き方を必要としているさまざまな区民に有効な施策です。事業内容と制度設計を練り直しての実施を求めます。  障害者雇用については、区のチャレンジ雇用の拡充とともに、一般就労に向けての中間就労や就労定着支援にも力を入れるように求めます。  環境対策については、地球温暖化対策地域推進計画に基づき、本庁舎設計に当たっては、省エネ、グリーンインフラに大胆に投資し、省エネと自然エネルギー活用でCO2排出をゼロに抑えるZEBやZEHに向けた見本を区民に見せるよう求めます。  自然エネルギー活用の自治体間連携の前進を評価します。より多くの区民が脱原発エネルギーを利用できるための支援を続けてください。  遺伝子組み換え作物や農薬、合成洗剤など、将来世代に悪影響が出かねないさまざまな商品が出回っています。世田谷区が子どもの給食には遺伝子組み換え食品を使わず、定期的に大豆の遺伝子検査を行っていることを評価します。農薬や合成洗剤の利用に関しても不使用の原則を徹底させるよう求めます。  多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例が成立しました。この条例の趣旨を周知し、心のバリアフリーを広げることが年齢、性別、国籍、障害の有無にかかわらず、自分らしく暮らせる世田谷をつくるために必要です。共生ホストタウンとしてオリンピック憲章の精神にも合致したこの条例を生かし、二〇二〇大会の世田谷のレガシーとしなければなりません。特に世田谷区には、率先して固定的な家族間や性別役割意識を乗り越えていく責務があります。戸籍等の窓口においては、多様な家族状況を的確に捉え、人権感覚を備えた対応が必要となります。区職員に対する人権研修等のさらなる強化を求めます。  以上で賛成意見といたします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で高岡じゅん子議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により八分以内といたします。  十五番佐藤美樹議員。    〔十五番佐藤美樹議員登壇〕(拍手) ◆十五番(佐藤美樹 議員) 世田谷区三十年度各会計予算に賛成の立場より、せたがや希望の会の意見を申し上げます。  まず、三十年度予算で基本設計等二・五億ほど計上している本庁舎整備について。  当事業については大きく二点、問題、課題を指摘しました。一つは、我々議会には見えにくいような形で物事が決まりつつあることへの指摘です。区民会館の保存、再生、そして設計者自身による世田谷リング会議開催など、区はこうしたものをプロポーザル時に決まっていたとしています。そもそも設計者選定をプロポーザル方式により行うというステップにより、いつの間にか設計内容自体もほぼ決定されており、重要な論点について、既にプロポーザルでと議論の余地がない状態です。  本庁舎整備の配置案、十パターンや三パターンを議論していたころは、保存・分散型と全面建てかえ・集約型という根本的なところで、区長側と議会側の議論は平行線だったので、このような設計者を選定するという形ですりかえ、既成事実化したのでしょう。  しかし、一方で、プロポーザルで決まっていたとする項目のうち、本庁舎の規模については、今回基本設計案に際し、職員数増を受けて増加をさせています。都合のよいときだけプロポーザルで決定とせず、特に区民会館については、耐震基準Ⅰ類でほかの建物と統一すべきです。見直しを求めます。  本庁舎整備のもう一つの論点は、まちづくりセンター、支所といった地域行政との関係です。世田谷は地域包括ケアの地区展開など、地域で課題解決させる方向性を持っているにもかかわらず、まちづくりセンター、支所との見合いでの本庁舎の必要規模という論点が見えません。さらに、区民にとってどうなのかという視点で見た場合に、窓口機能がどこにどうデザインされていくのかも見えてきません。三十年、四十年たってなぜこんな無駄なものをつくったのかとならないよう、これらの視点での見直しを求めます。  本予算審議及び定例会中、さまざま議論になったもののキーワードの一つに、多様化、多様性というものがあります。働き方の多様化、ニーズの多様化といった部分に対応すべく、新たな政策もありました。細かな論点は予算委員会で述べたとおりであり、割愛しますが、多様性に関する条例について一点申し上げます。多文化共生という文化的違いにまで対象を広げた上で、区がその苦情処理をもするというのは、運用上、細心の注意が必要であるということを重ねて申し上げておきます。  本予算審議においては、二つの組み替え動議が提出されました。下北沢小学校へのスクールバス導入については、統合という特殊事情、井の頭道路などの道路事情で通学路の安心安全を求めたいとすることは理解します。しかし、そのことへの解はスクールバスではないと私たちは考えます。  あと十日ほどでぴかぴかの一年生が通い始めるタイミングでこのような状況になるのも、その背景にあるのは、いつの間にかという決定プロセスであり、本庁舎に似た話と言えます。  ロシアのことわざには魚は頭から腐るというものがあります。このことから転じて、組織はトップから腐るとも言われます。今のような区政の進め方、いつの間にかの決定プロセスを繰り返していると、組織は腐りかねない。結果として、区政や区民の混乱を招きかねないということを申し添え、賛成意見とします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で佐藤美樹議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  三十六番藤井まな議員。    〔三十六番藤井まな議員登壇〕(拍手) ◆三十六番(藤井まな 議員) 平成三十年度世田谷区一般会計予算、その他四件について賛成の立場から意見を申し述べます。  先日まで行われていた予算特別委員会では、大きな懸念があった予算案に対し厳しいやりとりが見られた予算委員会質疑であったと思います。特に裁量労働制を後押しするような一般型コ・ワーキング・スペースの件は、保坂区長が歴代の区長の中で最も働く者の目線を持ち合わせている人物であると私は認識をしておりましたので、大変残念なことであり、見直しを求めてまいりました。  また、国の働き方改革でも、事前調査のデータが間違っていたことが大きな問題となっている中で、事前にニーズ調査を行っていない場当たり的な政策とも受け取れる現状を押し通そうとした姿勢には厳しい指摘をさせていただきました。  最終的に、予算委員会内でこの事業については改めて再構築をし、実施判断の可否を議会に諮るという答弁がありましたので、引き続き注視をしてまいります。  下北沢小学校のスクールバス導入についても、予算委員会内で問題点を指摘してまいりました。特別な事情があるとはいえ、もっと大きな学区域を抱える学校があるなど、教育の公平性が損なわれかねない内容の提案であります。一年以上前に保護者に提案されていた内容が、区議会へは昨年の十二月まで報告されないなど、教育委員会の議会への説明不足は否めません。四月から新たな学校に通う子どもたちや保護者の不安や混乱が生じてはならないと賛成はいたしましたが、通学路の安全と保護者の不安解消に向けて新たな対応を求めます。  さらに、我々が改善を求め続けてきたプレミアム付区内商品券については、何ら改善策が提示されないまま、昨年同様の予算が計上されました。本来の目的は、商店街振興であったはずですが、大型店舗で六五%以上使用されているにもかかわらず、見直すことをせず、希望者が増加しているにもかかわらず、購入限度額の見直しもしない、何ら具体的な効果検証もされていない現状はとても容認できません。来年度は、プレミアム商品券見直しを含む産業振興全体の抜本的な見直しを行っていくことを改めて強く求めてまいります。  これら三件の問題は、我が会派が最も力を入れて主張してきた問題であります。さらに加えて、談合の問題では抑止策を繰り返し求めてまいりましたが、残念ながらこの世田谷区にも談合があることが発覚をいたしました。機能しない入札監視委員会の強化や、絶対に談合ができない制度設計を構築していくことを強く求めます。この談合問題も含めてこれらの問題は今後も厳しい目線で注視をしてまいります。  そして、区長を初め区理事者の皆様には、昨年の予算賛成の意見開陳において、議会軽視、手続不足、説明不足が散見される、深刻に受けとめてほしいと主張してきました。改めて議会との連携や迅速かつ丁寧な事前説明を求めてまいります。  厳しいことを申し述べてまいりましたが、我が会派が主張してきた医療的ケア児のための小学校への看護師配置の問題などでは、新たに予算がつけられたことは評価をいたします。  インクルーシブ教育の推進では、誰もがありのままに暮らせる社会を目指し、子ども、保護者に寄り添った対応を代表質問でも求めてきましたので、実行してもらいたいと思います。  今定例会では、多文化共生社会の実現、交通不便地域の解消も求めてまいりました。それ以外にも、今予算においては、これまで進めてきた地域包括ケアのさらなる充実、他自治体でも注目され、実現が広がっている世田谷版ネウボラなど、政策を着実に推し進めてもらいたいと思います。  庁舎、外環、下北沢など、まちづくり分野においては、住民参加型のあり方について質疑をしてまいりましたが、よりボトムアップ型の区政運営の実現を求めます。  議会と区側が今後も建設的な質疑を行い、世田谷区発展のために胸襟を開いて意見を言い合えるような環境をつくっていくことが来年度こそは行われることを期待して、賛成の意見といたします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で藤井まな議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  十八番津上仁志議員。    〔十八番津上仁志議員登壇〕(拍手) ◆十八番(津上仁志 議員) 東日本大震災より七年、被災地の道路、鉄道などのインフラはほぼ復旧し、災害公営住宅も整備が計画されている約三万戸のうち九割以上が完成する一方で、災害公営住宅で孤独死した方は百名を超え、災害関連死者数は三千六百名に上っております。七年という時間の経過とともに、被災者の悩みも多様化するなど、地域間、個人間の復興格差も広がる一方にあり、なりわいの再生やコミュニティーの再生、福島県産食品に対する風評の払拭も思うように進んではおりません。  我々公明党は、風化と風評被害、二つの風と闘い続けるとともに、被災者が心の復興、人間の復興をなし遂げるまで被災者に寄り添い続け、あの日の経験を教訓としてとどめ、災害・減災対策に生かしていくことを誓います。  それでは、平成三十年度世田谷区一般会計予算外四件の特別会計に賛成の立場から公明党世田谷区議団の意見を申し上げます。  歳入においては、納税者増等により微増するものの、ふるさと納税の拡大、税制改正による地方消費税配分の見直しによる地方消費税交付金の大幅減収が見込まれるなど、世田谷区の財政は大変厳しい状況に置かれております。ゆえに、まず行うべきことは、限られた財源の中で、使うべきもの、使わざるべきものを明確にフォーカスした上で、必要な事業に対しては、公共で担うべきなのか、民間に委ねるのか、官民連携による相乗効果を生み出すのかを明らかにしていくことであります。今着実に行財政改革を推し進めていかなければ、いずれ立ち行かなくなるとの危機感を区長は持つべきであると申し上げておきます。  さて、予算特別委員会において各所管で取り上げました個別課題は今後注視してまいりますが、我が党として最重要課題として捉えている施策について、五点にわたり申し述べます。  第一に、我が会派が最重要課題とした未来への投資、教育の充実のための五項目について、以下改めて求めておきます。  一、学校給食の無償化については、子育て世代の経済的負担を軽減するために所得制限のあり方などの検討を進め、平成三十一年度から実施すること。二、幼児教育の無償化については、質の高い幼児教育の公的役割を拡大するために、区の負担が軽減する制度となるよう、国への働きかけを強めること。三、新BOP学童保育の時間延長については、保護者へのニーズ調査結果に基づき、平成三十年度中に各地域のモデル実施を行うこと。四、休日夜間認可保育園の新設については、モデル実施に向けた検討を行うとしましたが、多様な働き方に対応できるよう、平成三十年度中に一カ所以上の整備に着手すること。五、新たな児童館整備については、民営化を前提に、児童館未整備地区の解消に努めること。  第二に、大介護時代に向けての取り組みについて、平成二十六年に我が党が実施したアンケート調査結果に基づき、住みなれた地域で自立した生活が営めるよう、三つの観点から申し述べます。  一点目に、介護人材の確保についてであります。介護人材の確保のためには、国の制度改革、都の事業拡充を待つだけではなく、保育士同様に区独自の家賃助成などの補助制度の導入を求めます。二点目に、認知症における行動・心理症状(BPSD)対応モデルの普及についてであります。都のモデル事業を区内事業者が行い、大きな成果を出している点を踏まえ、アドミニストレーターの養成や事業者へのインセンティブも含め、区内事業者への普及を進めることを求めます。三点目に、在宅訪問栄養指導事業についてであります。高齢者にとって食は生活の質の向上に直結する最も重要な要因ですが、特に低栄養防止による重症化予防は喫緊の課題であります。在宅介護において、管理栄養士による栄養訪問指導のニーズと実態把握を講じた上で、在宅高齢者への訪問栄養指導事業の活用と拡充を求めます。  第三に、行政経営改革の推進について申し述べます。  世田谷区においては、他自治体とは異なる人口構成など、社会構造の変化や公共施設の老朽化などにより、行政需要が大きく増加することは明らかであり、行政コストの縮減と集約化、官民連携による新たな行政サービス手法の導入など、不断の経営改革に着手すべきであり、以下、二つの観点から申し述べます。  一点目に、外郭団体の改革についてであります。まず、社会福祉協議会においては、地域包括ケアシステム構築のための一翼、世田谷区ファミリー・サポート・センター事業などを担う一方で、赤字体質から脱却する道筋はいまだ明らかにできず、期待した成果も出すには至っておりません。次に、産業振興公社については、観光事業で目立った成果も生み出せないままはや六年、民間の強みを全く生かしておらず、既にその存在意義を失っていると言わざるを得ません。さらに、収益の七割が区の補助金で賄われており、独立採算のめどさえ立っていない状況であります。廃止、統合も視野に入れた二団体の改革を求めます。  二点目に、民間活力導入についてです。図書館における民間参入においては、段階的民間活力導入や住民参加型事業運営など、理解不能な日本語にあいた口が塞がりません。区は、公共で担うべき機能として、選書やレファレンスは必須条件のようにうたっていますが、司書有資格者すら十分でない状況で、何をかいわんやであります。民間活力を十分に発揮できる取り組みとして、梅丘図書館、中央図書館については、大和市や海老名市と同様に、設計段階から指定管理者が加わり、地域ニーズに対応した運営体制となるよう強く求めておきます。  第四に、国際交流と観光の一体化について申し述べます。  東京二〇二〇大会まで二年余りとなっているにもかかわらず、他自治体では当然のように行っているマーケティング視点に基づいた戦略が必要となりますが、今回示された産業振興計画案や、これまでの取り組みを見れば、全く行っていないことは明白であります。行政主導での観光協会では、利害の異なる団体の合意形成の難しさ、責任の所在が行政となる点、事業を推進するための専門人材の不在など多くの課題があるため、再三改善を求めてまいりました。今求められるのは、既成概念にとらわれることなく、地域の稼ぐ力を引き出すとともに、観光地経営の視点に立ち、それを着実に実行していける調整機能を備えた法人組織であります。  国際交流と観光の一体的な推進をするためにも、まちなか観光交流協会を解消し、地方自治体と民間事業者による観光ビジネスの共同体であるDMOとして独立させるべきと申し上げます。  最後に、さきの予算特別委員会で提出した組み替え動議二件について申し述べます。  憲法には、首長と議員を住民が直接選挙することが規定され、行政の執行責任者である長と自治体の政策について審議し、意思決定を行う議会とがいわば並列の関係にある二元代表制が採用されております。その理由は、行政の執行には、一元的な責任体制やリーダーシップも求められることが期待される一方、自治体の政策運営は住民生活に直結する重要な選択が迫られていることから、多様な住民の意見をできるだけ反映しながら、複眼的、客観的に十分な検討が不可欠となります。ゆえに、複数の代表で構成された代表機関である議会に重要な意思決定権が委ねられているのであります。  しかし、その信頼関係が危惧されたことから、二年前に区政の停滞を招いている保坂展人区長に対し、議会の存在を軽視する言動を改めることを求める決議が可決されました。にもかかわらず、今回、北沢小学校統合に伴うスクールバスの運行及びワークスペース補助事業一般型の事業における予算計上までのプロセスは、昨年末まで事前の協議もなく、余りにも拙速な進め方に、我が党として十分な議論や熟議を行うことができず、事業の再考と決議の意義を踏みにじる行為に対し、猛省を促す意義を込めて組み替え動議に至ったのであります。  区長におかれましては、今回の動議の背景とその意味をよくよく考えていただき、改めて議会軽視の姿勢をただし、議員一人一人としっかりと対峙していただくよう求めておきます。  最後に、今期をもちまして定年退職されます二百名の職員の皆様方におかれましては、長年にわたり区政に御尽力されましたことに心より感謝し、御礼申し上げます。どうか健康に御留意され、これまで蓄積されました御経験を生かして、次なる新たな立場で御活躍されますことをお祈り申し上げて、公明党世田谷区議団としての意見といたします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で津上仁志議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 続いて、意見の申し出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  四十一番上山なおのり議員。    〔四十一番上山なおのり議員登壇〕(拍手) ◆四十一番(上山なおのり 議員) さきの予算委員会において平成三十年度一般会計予算案に対する組み替え動議が可決されました。動議自体可決されても、区長に対する強制力はありませんが、過半数を超える賛同を得たことの意味ははかり知れません。また、組み替え動議には賛同しなかった会派からも、区の姿勢を厳しくただす質疑や意見が多く出されており、まさに保坂区長による区政運営のゆがみを象徴する出来事であったと言えます。
     組み替え動議の可決を受け、区長がみずからの意思によって表明した当該事業の見直し等がしっかりと履行されることを大前提とした上で、平成三十年度一般会計歳入歳出予算及び外四件に賛成はいたしますが、予算審査を通して明らかになったさまざまな課題を含め、自由民主党世田谷区議団を代表して意見を申し上げます。  一本の矢は簡単に折れるが、三本束ねると簡単には折れない、一族の結束の重要性を三人の子どもに説いた三矢の教えの逸話が残る戦国大名、毛利元就は有名ですが、元就の子孫に当たる長州藩七代藩主、毛利重就が、藩中興の祖と称され、元就にも引けをとらない人物であったことは余り知られていません。毛利重就が家督を相続した十八世紀半ばの長州藩は、自然災害に伴う米の不作などにより、財政赤字の状態に陥っていましたが、重就は経費削減、新田開発、荒廃した田畑の復旧を柱とする改革を推し進めるとともに、撫育方と呼ばれる基金を藩の財政とは別に設立し、改革で得た収入をその基金に地道に積み立てました。そして、その基金を原資に港を整備し、寄港地として発展させることで、長州藩は、物品販売や船舶業者への資金貸し付け等により利益を上げることに成功しました。  家臣の中には、資金をため込むばかりの撫育方に対して不満を持つ者もいましたが、重就の死後も毛利家の藩主たちは、批判に応じることなく、藩の財政は窮乏していても、安易な流用を認めず、未来を憂えた先代の意思を引き継ぎました。そして、一世紀を経た幕末には、積立金が藩の予算の数年分にも達し、最終的には倒幕の費用に充てられ、明治維新における長州勢の活躍を資金面で支えられたと言われております。  幕府に冷遇された外様大名としての危機感を抱いていたからこそ、毛利重就は戦乱などの非常時に備えることの必要性を重視し、なおかつ、信念を持って改革を推進したと伝えられていますが、果たして九十万区民を預かる保坂区長はどれほどの危機感と信念を持って区政運営に努めているのでしょうか。  高齢化の進展に伴う社会保障関連経費の増大、本庁舎整備を初めとする公共施設の更新需要の増加、首都直下型地震から区民の生命と財産を守る都市基盤の整備の強化、さらには保育待機児の早期解消など、区が取り組むべき喫緊の課題は山積しております。  また、歳入面では、ふるさと納税の拡大による特別区税の減収や地方法人課税のさらなる偏在是正措置による特別区交付金への影響のほか、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会後に襲来するおそれがあるとも言われている景気後退の局面にも備えておく必要があるはずです。  しかし、今定例会に提出された平成三十年度予算案を見る限り、他自治体に先んずることばかり気をとられ、事業効果が不透明なまま新規施策の経費を計上していることからも、保坂区長からは将来への危機感などみじんも感じられません。  さらには、未来を担う子どもたちに重いツケを背負わすかのごとく、後年度負担を考慮せずに多額の起債や基金繰り入れを行う一方、全区を見渡す広い視野を持つことなく、また施策の優先順位をつけずに、安易に事業化を進めるなど、財政規律を統制する信念すら失っているように思えてなりません。  そして、これらの区長の政治姿勢を象徴しているものが予算特別委員会における組み替え動議で、我々が指摘した北沢小学校統合に伴うスクールバスの運行とワークスペース補助事業であります。区内各地には、通学区域内であっても相当時間をかけて小学校に通う児童がたくさんいます。中には交通量の多い道路や急勾配の坂道など、特に低学年の児童にとっては険しい道のりに映る通学路すらあるのではないでしょうか。さらに申し上げれば、学校の統合にかかわらず、どの地域においても、子どもたちの安全を願う保護者の気持ちは同じであります。  我が会派は、そのような地区との公平性の問題や財政負担への懸念などから、北沢小学校統合に伴うスクールバスの必要性を本会議や予算委員会においてただしてきましたが、区からは、これらの疑義を晴らすに至る答弁はありませんでした。我々からすれば、地域住民や保護者等との対話を粘り強く行うことなく、早々に見切りをつけるとともに、議会からの意見を聞かず、安易に事業化を決定した教育委員会及び区の姿勢は大いに疑問であります。  高齢化が一層加速する中で、区内に点在する公共交通不便地域の解消に関しては、会派は違えども、多くの議員が必要性を訴えていることは区長も御存じのはずです。今この瞬間にも、買い物や通院にお困りの高齢者が大勢いらっしゃいます。学校統合に伴うスクールバスを運行する余裕があるならば、公共交通不便地域におけるコミュニティバスの運行を優先すべきではないでしょうか。九十万区民を預かる世田谷区長が木を見て森を見ずでは、リーダーとしての資質が問われても仕方がありません。  また、ワークスペース補助事業に至っては、今定例会が開会される以前より、我が会派だけではなく、多くの会派から事業効果を疑問視する厳しい意見が出ていました。それにもかかわらず、保坂区長は、議会での十分な理解を得ることなく、みずからの記者会見などを通じて、保育施設に子どもを預けてフルタイムで働くか、それとも働かずに在宅で子育てをするかのゼロか百以外の選択肢を提示したと声高らかに吹聴していることからも、依然として区議会の存在を軽視していると言わざるを得ません。  区は、かつてのデジタルコンテンツ産業誘致集積支援事業において、全く成果が残せないまま、数千万もの貴重な税金を無駄にしました。保坂区長は、当時、損失額と比べればわずかではありますが、みずからの給料を減額するとともに、区民に陳謝したことを忘れてはいないはずです。政府が進める働き方改革の名をかりてはいるようですが、区民生活の改善どころか、事業者への利益誘導ともとられかねないワークスペース補助事業も、その原資は貴重な税金です。区は、デジコン問題と同じ轍を踏まないためにも、民間に任せられる事業は民間に任せ、自治体が真に行うべき役割をしっかりと見きわめ、小さな政府を目指すべきであります。  平成三十年度予算案には、組み替え動議で指摘した二つの事業以外にも、教育総合センターや多文化体験コーナー整備など、議会の十分な理解を得る努力を怠るばかりか、議会からの意見はさておき、住民参加とは名ばかりの半ば乱暴な進め方のもと、また区民から預かった貴重な税金が原資であることを忘れたかのような直情径行の振る舞いにより予算化された事業がまだまだ散見するのも事実です。加えて、保坂区長の就任以来、五百億円以上も予算規模が膨れ上がっている現実を突きつけられていることからも、我々が世田谷区の行く末を不安視するのも当然であります。  これまでも我が会派は、世田谷区の将来を見据え、財政の健全性を高めることを求めてまいりました。議会からの意見に聞く耳を持たないどころか、いまだに議会を軽視していると言っても過言ではない保坂区長のもと、肥大化する予算の執行状況については、今後も引き続き厳しく向き合う覚悟であります。  さて、直近の三年間で二回も当初予算案に対する修正や組み替え動議が可決される異常な事態を区長はどのように捉えているのでしょうか。自身の曖昧な行動や思いつき、またその場しのぎの軽率な判断がどれほど区民に迷惑を及ぼしているのか、区長にはぜひとも想像していただきたい。そして、区長が参加と協働を基軸とする区政運営を標榜する以上、区民の代表者で構成されている区議会の意見を排除することなく包摂し、区民生活を支える区政運営に努めることを強く求めます。  最後に、長年区政に尽くされ、この三月に退職される多くの職員の方々に心より感謝を申し上げ、自由民主党世田谷区議団の意見といたします。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で上山なおのり議員の意見は終わりました。  これで各会派の意見は終了いたしました。  これより採決に入ります。本五件を三回に分けて決したいと思います。  まず、議案第一号についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本件を委員長報告どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○上島よしもり 議長 起立多数と認めます。よって議案第一号は委員長報告どおり可決いたしました。  次に、議案第二号及び第三号の二件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本二件を委員長報告どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○上島よしもり 議長 起立多数と認めます。よって議案第二号及び第三号の二件は委員長報告どおり可決いたしました。  次に、議案第四号及び第五号の二件についてお諮りいたします。  本二件を委員長報告どおり可決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって議案第四号及び第五号の二件は委員長報告どおり可決いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第六及び △第七の二件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第六 議案第五十三号 世田谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例外一件 ○上島よしもり 議長 本二件に関し、福祉保健委員長の報告を求めます。    〔四十九番佐藤弘人議員登壇〕(拍手) ◎福祉保健委員長(佐藤弘人 議員) ただいま上程になりました議案第五十三号及び議案第五十四号の二件につきまして、福祉保健委員会における審査の経過とその結果について御報告いたします。  初めに、議案第五十三号「世田谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例」について申し上げます。  本件は、保険料の保険料率等を改定するとともに、規定の整備を図るため、提案されたものであります。  委員会ではまず、平成三十年度の均等割額、一人当たりの保険料額及び前年度との差額が問われたのに対し、理事者より、平成三十年度の均等割額は五万一千円、一人当たりの保険料額は十二万一千九百八十八円であり、前年度と比較し三千五百四十七円の増となるとの答弁がありました。  また、多子世帯や低所得者への負担軽減策など増額される保険料への区の対応が問われたのに対し、理事者より、今後、被保険者への影響はもとより、国と都が行う激変緩和措置の効果や動向なども十分見きわめながら、中長期的な視点で慎重に保険料率の改定を進めていくとの答弁がありました。  その後、意見に入りましたところ、自由民主党より「国民健康保険制度を維持することが低所得者を守ることにもつながる。今回の保険料増額は制度を維持するために必要であることから賛成する」、日本共産党より「現状でも高額である保険料のさらなる増額は余りにも区民負担が大き過ぎる。また、多子世帯や低所得者の保険料負担のあり方について、区は国民健康保険の制度的課題と認識していながら、何ら対策を講じないことは大きな問題である。以上の点を指摘し、反対する。なお、多子世帯や低所得者に対する負担軽減策の実現及び二十三区統一保険料方式継続の見直しを求めておく」、無所属・世田谷行革一一〇番・プラスより「保険料が上がり、負担増となるのは区民にとって困ることではあるが、国民皆保険制度維持のためにはやむを得ないとの考えから賛成する」との表明がありました。  引き続き採決に入りましたところ、議案第五十三号は賛成多数で原案どおり可決と決定いたしました。  次に、議案第五十四号「世田谷区介護保険条例の一部を改正する条例」について申し上げます。  本件は、保険料の保険料率を改定するとともに、保険料率に係る第一号被保険者の区分を変更し、あわせて規定の整備を図るため、提案されたものであります。  委員会ではまず、今回定める第七期の介護保険料基準額第六期からの増加額及びその増加率が問われたのに対し、理事者より、第七期の基準額は月額六千四百五十円で、第六期と比較し六百円の増であり、割合では一〇・三%の増加となるとの答弁がありました。  また、第七期の保険料設定に当たり、区が講じた保険料の上昇抑制策及び低所得者対策が問われたのに対し、理事者より、所得に応じた保険料段階の細分化や介護給付費準備基金の活用等により保険料の上昇を抑えている。また、低所得者対策としては、第六期に引き続き、国基準よりも低い保険料率となる段階の設定や公費投入による負担軽減策の導入に取り組んでいるとの答弁がありました。  その後、意見に入りましたところ、日本共産党より「第七期の基準額は六千四百五十円となり、区民にとっては大きな負担であるが、区がこの間、積極的に特養ホームなどの介護基盤整備に取り組んできたことや保険料段階の細分化及び基金の取り崩し等により、保険料上昇の抑制に努めていること、さらには、低所得者対策にも取り組んでいることを評価し、賛成する」との表明がありました。  引き続き採決に入りましたところ、議案第五十四号は全員異議なく原案どおり可決と決定いたしました。  以上で福祉保健委員会の報告を終わります。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で福祉保健委員長の報告は終わりました。  これより採決に入ります。本二件を二回に分けて決したいと思います。  まず、議案第五十三号についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本件を委員長報告どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○上島よしもり 議長 起立多数と認めます。よって議案第五十三号は委員長報告どおり可決いたしました。  次に、議案第五十四号についてお諮りいたします。  本件を委員長報告どおり可決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって議案第五十四号は委員長報告どおり可決いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第八を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第八 議員提出議案第一号 世田谷区議会委員会条例の一部を改正する条例 ○上島よしもり 議長 ここで、提案理由の説明及び委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により提案理由の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって本件は提案理由の説明及び委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件を原案どおり可決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって議員提出議案第一号は原案どおり可決いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第九を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第九 請願の付託 ○上島よしもり 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、福祉保健委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第十を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第十 閉会中の審査付託 ○上島よしもり 議長 お手元に配付してあります請願継続審査件名表及び特定事件審査(調査)事項表に掲げました各件を閉会中の審査付託とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって本件は閉会中の審査付託とすることに決定いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 以上をもちまして本日の日程はすべて終了いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 この際、御報告いたします。  この三月三十一日をもちまして、ここに出席されております男鹿北沢総合支所長、小堀玉川総合支所長、寺林砧総合支所長、松下環境政策部長、瓜生高齢福祉部長、渡辺都市整備政策部長、小田桐区議会事務局長を初めとする多くの職員の皆様が退職されます。多年にわたり世田谷区の発展に尽くされた御労苦に対しまして、区議会を代表して心から感謝と敬意を表する次第であります。これからは健康に留意され、長年培われた知識と経験を生かし、今後とも御活躍されますよう御期待申し上げます。  まことにお疲れさまでした。  ここで、退職される職員を代表いたしまして、寺林砧総合支所長より挨拶があります。  それでは、寺林砧総合支所長、お願いいたします。
    ◎寺林 砧総合支所長 本日は、貴重なお時間をいただき、また、ただいま上島議長から過分なお言葉を賜り、まことにありがとうございます。  この三月をもちまして、百五十六名の職員が定年または勧奨退職いたします。大変僣越ではございますが、退職する職員を代表して一言御礼の挨拶を述べさせていただきます。  議員の皆様には、議会を通じ、あるいは日ごろ大所高所から御指導、御教示をいただきました。これらは、我々行政側の理屈や固定的な観念を見詰め直す契機となるとともに、視野を広げ、課題解決への創意工夫の原動力となるなど、区職員としてだけでなく、一人の社会人としての資質を高めていただく機会となりました。この場をおかりしまして改めて深く感謝申し上げます。  私ども六名は、昭和五十三年から五十七年の採用で、退職者の多くは同じころ入所いたしました。昭和五十年の区長公選制復活、五十三年の基本構想議決、翌年の基本計画策定を経て、新たな世田谷区政の大きなエネルギーを感じながら新人時代を過ごした記憶がございます。地域行政推進本部という組織が置かれており、二十三区の中でもオリジナリティーを感じていました。その後、平成十二年、ちょうど二〇〇〇年に特別区制度改革が実現、清掃事業の区への移管や介護保険制度が始まりました。  二十一世紀に入り、少子・高齢社会を迎え、東日本大震災や熊本地震など、未曽有と形容される自然災害が起こると、自助、共助がうたわれ、自治体の優先課題も大きく変わりました。私も熊本市や益城町、東松島市等をプライベートですが、見てまいりましたが、自然の猛威には絶句しつつも、日々の備えの重要さや地域のきずなの大切さを再認識いたしました。  今、世田谷区では子育て支援や高齢者・障害者福祉、安全で災害に強いまちづくりなどを重点政策に掲げ、参加と協働のまちづくりに取り組んでいます。私には、かつて在勤した高齢者センターや通所介護施設等の福祉現場で目にした、建設当時は異論があったものの、時代の経過とともに地域に受け入れられ、やがてはその運営を地域コミュニティーやたくさんのボランティアが支える光景が思い出され、今世田谷区が推進している地域力・地区力強化によるまちづくりの芽吹きのように感じられます。  振り返ると、さまざまな方と接するごとに、世田谷区の人材の豊かさ、区民の見識の高さ、そして何より、世田谷区の高い知名度などを実感しており、そんな自治体に奉職できたこと、そして多くの方々からたくさんのことを学ばせていただいたことは大変幸せなことであり、改めて世田谷区に感謝の気持ちでいっぱいです。  新年度から新実施計画後期がスタートしますが、このたび退職する職員は、今後もこれまで得た知識や経験を生かし、世田谷区への恩返しの気持ちを込めて、それぞれの人生を歩み、区の発展に少しでもお役に立てるよう努めてまいります。  結びに、世田谷区、そして世田谷区議会のますますの御発展と議員各位の御健勝、御活用を心から祈念いたしまして、御礼の挨拶とさせていただきます。長い間、本当にありがとうございました。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 これをもちまして平成三十年第一回世田谷区議会定例会を閉会いたします。     午後三時七分閉会...