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平成13年  3月 予算特別委員会-03月22日-07号

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  1. 世田谷区議会 2001-03-22
    平成13年  3月 予算特別委員会-03月22日-07号


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    平成13年  3月 予算特別委員会-03月22日-07号平成13年 3月 予算特別委員会 平成十三年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第七号 日 時  平成十三年三月二十二日(木曜日) 場 所  大会議室  出席委員(五十三名) 委員長  新田勝己 副委員長 飯塚和道 副委員長 羽田圭二      荒木義一      石塚一信      五十畑孝司      宇田川国一      大場康宣      川上和彦      木村幸雄      小畑敏雄      宍戸教男      新川勝二      菅沼つとむ
         鈴木昌二      畠山晋一      原田正幸      平山八郎      山口裕久      板井 斎      市川康憲      岩本澈昌      小口義晴      谷 逸子      中塚 護      長谷川義樹      増田信之      諸星養一      吉本保寿      阿部力也      稲垣まさよし      奥村まき      小野裕次郎      高橋 忍      西村 孝      山口 拓      嘉部広司      岸 武志      桜井 稔      笹尾 淑      田中美代子      村田義則      田中優子      西崎光子      森川礼子      山木きょう子      唐沢敏美      桜井征夫      下条忠雄      大庭正明      木下泰之      小泉たま子      上島よしもり  出席事務局職員            議事担当係長                 尾崎眞也  出席説明員   助役            水間賢一   財務部      財務課長 庄司 衞   教育長           小野正志   教育委員会事務局 教育次長 中村 弘            教育総務課長                 水戸都紀子            学校職員課長                 大森達夫            施設課長 岡野亮介            生涯学習課長                 藤井栄次            体育担当課長                 寺島 茂            学務課長 幡野 東            保健給食課長                 工藤法夫            中央図書館長                 杉野憲三   教育政策担当部  部長   四元秀夫            教育政策担当課長                 霧生秋夫            建築指導課長                 神取豊夫            教育センター所長                 松田隆夫    ────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成十三年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成十三年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成十三年度世田谷区老人保健医療会計予算  議案第四号 平成十三年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 平成十三年度世田谷区中学校給食費会計予算  (文教委員会所管分に対する質疑)    ──────────────────     午前十時開議 ○新田勝己 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 本日は、文教委員会所管分の予算審査を行います。  なお、本日の遅参の届け出がありますので、ご報告いたします。  遅参者は五十畑委員、小畑委員、以上であります。  それでは、質疑に入ります。  社会民主党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 おはようございます。三点にわたって質問させていただきます。  最初に、池尻中学校と新星中学校の統廃合問題について触れておきたいと思います。  この間、地元住民から、統廃合計画や区の説明に対して疑問の声が上がっているということを伺っています。卒業生や卒業したお子さんを持つ保護者の皆さん、そういう方が学校の廃校という話を耳にすれば、哀愁の念に駆られることは無理もないことと思います。また、統廃合の一つの理由になっている生徒数の減については、区内居住人口の増加のもとで、予想外に児童が増加するのではという懸念があります。  そこで、この間の区の説明会、どのような経過で行われてきたのか、その状況について最初に伺いたいと思います。 ◎霧生 教育政策担当課長 今回の新星中、池尻中学校の統合計画に当たりましては、昨年九月、教育委員会決定、政策会議で決定いたしまして、その後、文教常任委員会に報告をさせていただきました。その後、該当する両中学校のPTA役員、教職員、進学関係にあります四つの小学校のPTA役員等への事前説明、また、関連する町会、自治会にも情報提供させていただきました。  その後、関連する小中学校の児童生徒を通じまして、統合の方法、時期、通学区域、あるいは説明会の開催の内容を盛り込んだパンフレットによりまして保護者に周知をいたしております。また、漏れがあるといけないということから、同じ通学区域にあります町会、自治会に回覧板等をお願いいたしまして、周知に努めさせていただきました。また全区的には、教育委員会の広報紙である「せたがやの教育」、十一月三十日号で、周知に努めたところでございます。  説明会の開催に当たりましては、十一月二十五日と十二月二日土曜日、午前、午後に分けまして、池尻中学校、新星中学校で今回の計画案につきましての経過、あるいは趣旨、今後の進め方等について関係する保護者の方にご説明を申し上げまして、理解、協力を求めた次第でございます。  説明会の中では、この計画は案なのか、あるいは、池尻中学校は、小規模校でも今まで教育面においてはかなりいい学校であるということで、残してほしいというような要望がございました。また、統合に当たりましてはどのような方法で生徒や保護者等の不安感などの解消を図るのか、説明会や統合協議会等で話し合われた内容については関係者に周知してほしい、跡地についてはどのように活用を考えているのか、またさらに、該当の小学校四年生、五年生が統合時期に当たりますので、その保護者からも、小学校にも説明してほしいという要請がございました。そのようなことから、ことしの一月の中旬ですけれども、四つの小学校の保護者を対象に説明会を開催いたしまして、理解、周知に努めてきたという経過がございます。 ◆羽田圭二 委員 最初から統廃合ありきという態度で臨むのではなくて、方針を決定するまでの過程において、住民の声を聞いて進めるべきだ、そのように考えます。
     そこで、特に今後の進め方についてなんですが、関係者の声が十分反映できるようにするべきだ、今までもそういうことで臨んできたという説明もありましたが、今後の区の対応をここでお聞きしておきます。 ◎霧生 教育政策担当課長 今後の進め方につきましては、関係する池尻、新星中学校それぞれに、学校関係者、PTA、地域代表としまして町会、学校協議会、池尻中学校、新星中学校のOBの方で構成をした統合協議会を設置していきたいというふうに考えてございます。協議会につきましては、学校統合についてのご意見を計画等に反映させまして、理解を深める場として運営していきたいと考えています。この三月中には開催いたしたいと考えておりましたけれども、皆さん年度末の忙しい時期を控えておりまして参集の予定が立たず、四月にはそれぞれ第一回の協議会を実施する予定で進めております。  この協議会で話し合われた内容につきましては、これまでと同様、広く関係者の周知に努めまして、さまざまな声を聞きながら進めていきたいというふうに考えてございます。また、統合協議会で、ある一定のご理解をいただきましたら、それぞれの協議会の代表によります新校設立準備会を設けまして、新しい学校づくりに向けて具体的な校名、校章等に関しても相談していきながら進めていきたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 いずれにしても、区民からの声を無視することなく、意見を今後の方針に生かすように要望しておきたいと思います。  次に、学校完全週五日制の導入と子どもたちの居場所に関連をして、新BOP導入についてです。  十三年度から新たに十三校導入に向けて、昨年の早い時期から説明会が開催されてきました。  そこで、各校で進められてきた説明会を通じて、施設のあり方や職員の配置等にどれだけ区民の声を反映してきたか、この点について最初にお尋ねしたいと思います。 ◎霧生 教育政策担当課長 お話しのように、平成十三年度、この四月ですけれども、新規実施予定の十三校の開設に向けまして、それぞれの学校ごとに新BOP準備会を設置しまして、保護者、地域、学校等の関係者に参加していただきまして、昨年の九月から、多いところではおおむね五回程度ですけれども、意見交換を行いながら準備を進めてまいりました。準備会では、それぞれ各校ごとにさまざまなご意見が出されました。児童の参加人数等により、例えば家庭科室とか図書室など特別教室を学校と共有するなど、個々の学校の状況に応じた新BOP運営を基本としまして、柔軟に対応してまいりました。  例えばの例でご説明申し上げますと、施設整備の面で、床の材質ですけれども、タイルカーペットというふうに従前からお願いしてきた経過がございますが、今回、保護者等から、コルクタイルとか、あるいは長尺タイル等でできないかというようなお話をいただきまして、準備会の中で、例えばコルクタイルを選択するというような学校も出てきております。また、地域の実情や施設状況に応じて、運営時間、あるいは活動の動線等を新BOPのその準備会の中でそれぞれ定めてきた経過がございます。  今後とも、新BOP連絡協議会を設置しまして、地域の方々のご協力やご提案をいただきながら、子どもたちにとってよりよい居場所づくりを進めていきたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 床材の変更も含めて、この間行われてきたという説明がありましたけれども、今後もぜひ、施設のあり方については保護者や関係者の意見を十分聞いて、約束された学校施設が利用できない、こんなことがないようにしていただきたいと思います。  予算書では、新BOP開始校整備費として、十四年度十五校、一億七千万円が計上されていると思いますが、区は平成十六年度までにすべての小学校に新BOPの導入を図りたいという計画をなされてきたと思います。私は、以下の点から計画そのものの見直しを含めて再検討すべきではないか、そのように思っています。  一つは、さきの国勢調査でも明らかなように、人口増加の著しい地域で、就学児童の増加から空き教室等が確保できない場合もあり得る。そして国勢調査の概要を見ますと、人口増減率は環状八号線の外側において増加傾向にあり、特に給田五丁目では七二・五%の増加率だということがわかっています。そしてもう一つは、女性の就労人口の増加によって、小学校低学年のお子さんの学童クラブへの入所希望者の増加が考えられるからです。都の調査によりますと、女性の就業率は平成九年度で五一・五%という数字が出ています。その意味で、計画の見直しを含めて検討すべきだと思いますが、今後、区はどのようにこうした事態に対応していくのか、お聞きしておきます。 ◎霧生 教育政策担当課長 新BOP実施計画の進行状況につきましては、この四月で三十校で実施することとなっております。今後は残りの三十四校について計画的な実施を目指していきたいと考えてございます。  お話しのように、世田谷区の人口はこのたびの国勢調査では八十一万四千人を超えるということで、特に砧、烏山地域が増加傾向にあるようであります。今後の新BOP導入に当たりましては、児童数の推移を十分配慮した計画をつくっていかなくてはならないというふうに考えてございます。また、平成十四年度から始まる新しい学習指導要領に基づいた教育活動への対応も課題として残っております。実施に当たりましてはさまざまな観点から検討を重ねまして、新BOPの早期実施に努めたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 この間、さまざま保護者の方からも話を伺ってきましたけれども、そもそも学童クラブとBOPの統合自体に相当無理があったのではないか、そのように思えてならないのです。もともと学童クラブは、保護者や家族が就労または病気のためにお子さんを見られない時間帯、子どもの生活の場として設置されてきました。一方BOPは、放課後の学校の遊び場開放として発展してきたという性格があったと思います。新BOP導入の際に異口同音の不安の声が上がるのは、働いている女性や保護者にとって共通する問題があるからだと思います。学童クラブは、家に帰っても保護者がいない子どもにとって安全で安心な居場所となっていますと言われるように、新BOP導入によって、保護者の就労支援、子育て支援の具体としての学童クラブ機能が失われてしまうのではないかという不安があったわけです。  今後の問題として申し上げておきます。例えば年度途中で予想以上に児童が集まった場合には、迅速に施設や職員配置等を行う必要があります。また、児童数の多いマンモス校への配慮、新BOPの組織のあり方や施設のあり方、指導員の配置、こうしたことについては、先ほども説明にもありましたけれども、児童数に見合った対応、これが、関係者の意見を聞きながら反映できるようにしていただきたいと思います。あわせて、学童クラブに入れないことがないように改善をして、新BOP導入によって学童クラブ機能が失われないように重ねて要望しておきたいと思います。  次に、教員の人材活用について触れておきます。  先月の二十三日、岩手県盛岡地裁で一つの判決が出ています。小学校の教諭が自殺したのは公務災害に当たるという判決内容です。一九八三年一月、当時二十九歳だった小学校教諭は、学校の仕事にいささか疲れたという遺書を残して自殺しました。家族が公務災害申請しましたが、地方公務員災害補償基金が外認定の判断を出したため提訴をしていたものです。自殺の引き金となるうつ病を初めとする精神疾患による教員の病欠者数は、当時、この一九八三年、全国で九百六十一名だったものが、昨年の文部省の調査によりますと千九百二十四名と最多を更新したといいます。  そこで、区内教員の病欠の主な理由と、この間の区の対応について最初に伺いたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 教員の長期病欠者の状況でございますが、主な疾病は、うつ病などの精神疾患と胃腸病等の内部疾患等になっております。その中で精神疾患の占める割合が全体の約三分の二を占めております。また、基本的には長期病欠者の復帰に対しましては、所属校へ復帰するということになりますが、復帰する前に所属校等で職場復帰訓練を実施し、その結果を所属長である校長と主治医が協議して、復帰が可能かどうかを判断しております。  病欠者のいる学校への支援といたしましては、長期にわたる病欠が予想される場合には、東京都に申請して正規に教員の補充をしております。また、教員の補充ができないような場合には、区費及び都費で講師の派遣をして対応しております。  心身ともに健康な職場づくりを目指すためには、何より教員一人一人が日ごろより自己の健康管理を徹底することが大切です。区の教育委員会といたしましては、今後とも専門家への早期相談や定期的な健康診断の受診等、各学校に励行してまいりたいと思っております。 ◆羽田圭二 委員 疾病内容にかかわらず、長期病欠後の職場復帰の対応、この点が指摘をされているわけですが、区の説明では、今お話がありましたように職場復帰訓練リハビリ勤務を認めているようですが、現状ではそのほとんどが一〇〇%復帰で、体をならしながら勤務に耐えられるようにしていくという、いわゆるリハビリ勤務は行われていないようです。本人の希望に沿って十分なケアが保障されないことが、これからお話しします指導力不足と映り、児童生徒や保護者からの当該の教員への不満へとつながっているケースも少なくありません。  そこで、政府は、この間、児童や生徒への指導力が不足した教員を教職以外の職員に配置転換を認める地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正案を二月二十七日、閣議決定をしています。指導力不足教員への対応というのは、一九九七年、東京都がいち早く導入してきたものですが、この要綱によりますと、指導力不足教員等とは、病気、障害等以外の理由で指導力不足になった場合で客観的に判断されるとしています。  これまでは、当該の教員については校内研修が行われてきたようですが、今後は都教職員研修センターで通所型の研修も行われるといいます。新聞報道では、東京都全体で昨年度までに研修を受けた二十三人のうち、職場復帰したのはたったの三人だけだったと書かれています。先ほども触れましたように、病気や障害等で指導力不足になった場合は、指導力不足教員等から除外されることになっています。しかし、本人が診断書の提出を拒んだり、診断書を出しても周りが疾病とみなさなかった場合などは、病気が病気として認められずに、指導力不足、不適格教員のレッテルが張られる危険性が出てきます。  この項では、最初に教員の病欠事由と区の対応についてお聞きしましたが、病気で休みがちだった教員が職場復帰後に指導力に自信を失ってしまったり、退職する場合も少なくないようです。一度リタイアしてもやり直しがきく体制が保障されているならば、児童や生徒、保護者の批判や不満はもう少し緩和されると思うのです。  そこで、今回出されました文部科学省の指導力不足教員への対応について、区の考えをお聞きしたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 ただいま委員ご指摘のとおり、政府は平成十三年二月に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律を閣議決定いたしました。この法案の中で、児童生徒に対する指導が不適切であること、研修等必要な措置が講じられても、なお児童生徒に対する指導を適切に行うことができないと認められること、この二つの要件に該当する教員について、教職以外に転職できるということを規定されております。  これを受けまして、東京都教育委員会では、昨年十二月、指導力不足等により児童生徒を適切に指導できない教員の取り扱いについて必要な事項を定め、教員の指導力の向上を図るために要綱を改正いたしました。その中では、都立の教育センターにおきまして一年間の研修を受講する等のステップアップ研修、こういったものを準備して四月から実施する予定でございます。  世田谷区におきましては、校長、教頭及び指導主事等によります日常の授業観察や指導を繰り返しても指導力が回復しないと認められた場合、指導力不足の教員として都に申請し、区の教育委員会といたしまして、当該校への講師の派遣、指導力不足教員の状況に応じてチームティーチングや授業から外して研修をするなど、さまざまな指導力の回復に向けての施策を考えております。また、これらの状況の中で学校全体の組織としてバランスを保ち、校長が学校運営の中で区民の信託にこたえられるような教育の継続を目指しております。さらに、かかることのないように、教員のライフステージや教育課題に応じて、年間を通して開催している研修の内容と方法を工夫・改善し、教員の資質や能力の一層の向上を図るとともに、日ごろから学校や教員の実態把握に努め、指導力が不足する教員等の情報に対しては迅速に対応できるようにしてまいります。 ◆羽田圭二 委員 いずれにしても、さまざまな対応はされているとは思うんですが、お子さんだとか保護者から映る教員の姿というのは、いろんな意味で複雑になっていると思うんですね。特に病気をされた教員の方が復帰されてきて、そしてそれが必ずしもうまくいかなかったり、言いかえれば、お子さんの指導がなかなかできなかったりだとか、そういうことが時たま発生をいたしますと、結果的にはそれが単なる批判につながってしまうということにもなりかねないと思います。  そういう意味では、教員への十分な今後のケアというのが非常に重要だというふうに私自身は思っています。その点で、今回、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正ということが出されているわけですが、教員を教職現場に固定しない柔軟な人事配置によってやり直しができる、こんなような制度にも見えがちなんですが、しかし、指導力不足教員等の範囲、それから判断基準、こういうことが非常にあいまいな点も多いと思います。そういう点では不利益な判断が今後されないように、そういう危険がないようにしていく必要があるのではないかと思います。特に精神疾患による病欠者が三分の二だと言うことが先ほど報告されていますが、教育現場においてそうした予防策を今後とることが最優先されなければならない、このことをつけ加えさせていただきまして、以上とさせていただきます。  ありがとうございました。 ○新田勝己 委員長 以上で社会民主党の質疑は終わりました。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 引き続きまして、反政党・改革派、どうぞ。 ◆下条忠雄 委員 世の中を一歩進めるために、調理についてちょっと質問したいと思う。  調理職員の平均年俸、実労働時間、一日の実労働時間、それから時間給は幾らになるか、この四点、ちょっと教えてください。 ◎大森 学校職員課長 お答えいたします。  職員一人当たりの年間収入は平均六百十七万四百三十一円でございます。  それから、給食の実施日数、小中調理場についてお答えいたします。小学校が百八十七日、中学校が百六十六日、調理場が百九十一日。  それから、平均調理業務時間でございますが、勤務時間は七時半からになっておりますけれども、調理時間は七時半から三時半、三時半以降につきましては清掃とか翌日の準備をいたしております。 ◆下条忠雄 委員 いや、もう一つ、時間給。 ◎大森 学校職員課長 失礼しました。一時間当たりおおむね三千円でございます。 ◆下条忠雄 委員 ちょっと七時間というのは、給食は午前中で終わっちゃうわけでしょう。あとは何をやっているんですか。 ◎工藤 保健給食課長 午後は食器の洗浄だとかそういった作業を実施しております。 ◆下条忠雄 委員 二時間もそんなものにかかるのかね。  それから、時間給なんだけれども、ちょっと計算してみると、大体日給が小学校の場合三万二千幾らだな。時間給になると四千七百円ぐらいだね。それから、中学校になると日給は三万七千円ぐらい。時間給になると五千三百円ぐらい。三千円というのはどこから出てきたのか、ちょっと間違いじゃないかな。 ◎大森 学校職員課長 六百十七万円、要勤務日数二百六十日で一応割ると三千円程度、二千九百六十六円程度になると思いますが、おおむね三千円というふうに。 ◆下条忠雄 委員 そこで争ってもしようがないけれども、小学校の場合は百八十七日でしょう。中学の場合は百六十六日。これで割り返すとこうなっちゃう。やっぱり五千円内外なんだね。それで、それはそういうことで、時間がないから前に進めると、署名が何か十一万三千人集まったということで、学校給食の民間委託が心配ですと、こういうビラが折り込みの中に入っていたんだけれども、この中で、経験不足で時給八百九十円のそういう人たちがやると安全ではないと、疑問があると、こういう批判がここに書いてあるんだけれども、五千円の人がやって大丈夫で、八百九十円の安い給料の人がやると危険だ、安全じゃないんじゃないかと。これはちょっとリンクしないと思うんだけれども、どうですか。 ◎工藤 保健給食課長 既に調理業務の委託を実施しております用賀調理場や東深沢中学校では、パート社員に対しまして衛生管理や調理作業などの研修が十分に行われておりまして、円滑に調理業務が実施できております。教育委員会といたしましては、用賀調理場や東深沢中学校の実施状況を見ますと、パート社員を活用することによりまして調理業務に従事する人数がふえております。給食内容の充実などにつながっているものと認識しております。したがって、パート社員の……。 ◆下条忠雄 委員 いいよ、いいよ。もうそのくらいでいいよ、時間がない、読まなくてもいい。  やはりこれは官尊民卑というか、安い労働者をべっ視していると思いますよ、私は、これはけしからぬことだと思う。(「そうだ、そうだ」「連絡言って、連絡先」と呼ぶ者あり)それで、こういうことで署名を集めるというのは非常に、何かだましているんじゃないかと思うね。  それから、これはもう一つ、参加団体というのが世田谷区教職員組合、それから都教組世田谷支部。これは片一方が社会党で片一方が共産党だって聞いているけれどもね。連絡先というか事務局担当は、ここの職員労働組合なんですよ。区民の会と言っているけれども、代表は久保田明という人で、代沢小の父母ということだけれども、これは私はダミーじゃないかと思いますよ。実質この労働組合が全部やっていて、ただ名前だけじゃないかと思うんだけれども、その点はどうですか。簡単に。 ◎中村 教育次長 区民の会の実態については、私ども詳しくは承知はしておりません。 ◆下条忠雄 委員 雇用問題なら雇用問題でいいんですよ。我々の首を切らないでくれと。首を切るかどうか知らないけれどもね。それはそれでいいの、それは労働組合として当然要求すればいいんです。ただ、雇用問題を安全問題にすりかえて、それでもってやるというのは、これはちょっと世の中に通らないと思いますよ。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)  それで、十一万何千名も署名をとったというけれども、この人たちは五千円ぐらいの給料をもらっていて、それでもって何だというふうになるんじゃないのかね。そういうこともはっきりさせて、きちっとやっぱり区民に問うべきだと思いますよ。そうしないと、世の中、間違ったことが通る。私は余り間違ったことは好きじゃない方だから。だから、こっちの方にもいろいろ切りつけるときもあるけれどもね。ちょっとやっぱりそこら辺、きちんとしないといけない。  それから、さっきも学校の統廃合で牽制があったけれども、前の教育長は大分頑張ってやっていたけれども、小野さん、あなたは大丈夫かな。いや、ちょっとね、何か不安だという人も聞こえるんだね。やはりこの教育委員会というのは左右から挟み打ちにされて、教科書問題だってそうでしょう。私はもう白さも白き富士の白雪でやっているけれども、両方で挟み打ちになって大丈夫かなと。ひとつ決意を。 ◎小野 教育長 ご心配をかけて済みません。私自身は、前教育長の考え方の中には、子どもの教育ということを十分考えて、それを受け継いで私はやっていくつもりでございます。したがいまして、その計画を受けたもの、それから新しい課題につきましても、教育という大きな課題を抱えまして力いっぱい進めていくつもりでございます。よろしくお願いいたします。 ◆下条忠雄 委員 終わります。 ○新田勝己 委員長 以上で反政党・改革派の質疑は終わりました。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 引き続きまして、世田谷行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 毎年のことですけれども、こういう時期になりますと花粉症でかなりお悩みの方もいらっしゃって、それで、花粉症とか、またほかの問題でもシックハウスとか、いろいろ原因がよくわからない。しかも、化学物質系というのは、被曝というか、浴びても発症するのがかなり遅いというようなことで。何か昔の、昔といったらあれですけれども、戦後間もなくのフィルムなんかを見ていますと、少年とか少女が頭からDDTをめちゃくちゃ振りかけられていて、小さいころそういうフィルムを見ていても、ああ、そんな時代だったのかなと思いますけれども、今見ますと、何てことなんだろうと。あのお子さんたちというのは今ごろどうなっちゃっているのかななんていうふうに感じるんです。そのように、世の中、やはり科学の情報が伝わってくることによって、いろいろ今まであったものを見直さなくちゃいけないというような時期にあるだろうと思うんです。  そこで、きょうお聞きしたいのは、児童生徒が一番多く時間を過ごす学校の教室、学校施設の中での害虫駆除の問題について、ちょっといろいろ調べてみたんですけれども、これは年二回、害虫駆除という形でいわゆる殺虫剤をまいているんですけれども、これは規則でいろいろ調べますと、ビル管理法というのがあって、ビル管理法というので、それが年二回、害虫駆除をしなさいというようなことがあって、そこから準用されて学校施設なんかにも応用されているんですけれども、そこには、年二回必ず薬をまけというふうには書いていないんですよ。要するに、年二回、いわゆる目視をしながら、目視というのは目で見ながら、そういうゴキブリとかカとかハエが発生する、もしくは発生のおそれがあった場合には薬をまきなさいというふうになっているんです。  世田谷区の場合は、業者の方ともそのたびごとにというのは面倒くさいのかもしれませんけれども、年二回、四月から六月、それから十月と十一月、春と秋に、害虫がいようがいまいが定期的に薬をまく契約になっているんですよ。これは僕は非常に危険なことだと思うんです。一般的に虫がいなければ清潔だというような発想が戦後ずっとあったわけですよ。虫がいたら薬をまいて虫を殺しちゃうという、これが清潔だというようなことだったんですけれども、現在は、じゃ、化学系の殺虫剤をまけば、清潔だけれども安全なのかというような問題になっているんですね。業者との契約を見てみますと、これはもし害虫駆除をした後にまた虫が出てきたら、ただで直ちにまた殺虫剤をまくというような保証契約になっているんですよ。  そういうところから見ますと、僕は業者の人にも直接聞いたんですよ。安全基準の中で一応まくことにはなっているんですけれども、やはり過剰散布になりませんかと。ある業者がある学校に薬をまいて、その後、もし虫が出てきたという苦情が出たらどうするかといった場合を考えると、やはり規定量以上の過剰散布になってしまいますと。その方が、自分たちとしてはサービスのつもりでやっているんですけれども、それは児童生徒にとっては非常に危険なことですよと。これは神経毒ですから。今まで使った有機燐酸系ですか、これは神経毒ですよね。これは極端に言っちゃうとサリンと親戚のような、弱い薬なわけですよね。ですから、そういうものを教室に、虫がいようといまいとある一定の時期になるとまいてしまう。しかも、これは休み中じゃないんですよね。日曜日とか土曜日なんですよ。前日にまいて、翌日の月曜日に児童生徒は知らない間にそこへ行って生活してしまう。  神経毒というのは、さっきも言ったように遅発性ですから、十年、二十年たって、三十年ぐらいたってから何かの形で体に異変が起きるということの毒なわけです、人間にとってはですね。これはやはり全面的に見直す必要が僕はあるんじゃないかと。やっぱりこれからは、清潔だから安全ではないと。要するに虫がいなければ安全だというようなことじゃないんですよね。やはり化学的な物質、殺虫剤をまくことに対してもうちょっと抑制的であるべきだというふうに僕は思うんですけれども、その辺、いかがですか。 ◎工藤 保健給食課長 学校におきます害虫駆除につきましては、保護者からの要望もございまして、現在、実施方法などについて検討しているところでございます。とりあえずは、平成十三年度につきましては、薬剤の頒布場所や実施時期を工夫いたしまして、児童生徒の安全に配慮しながら実施していきたいというふうに考えてございます。  また、今後、保護者の理解を得ながら、教育環境におきます有害化学物質の排除を目指しまして、学校薬剤師などの専門家の意見も聞きながら、学校での害虫駆除のあり方について検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆大庭正明 委員 ただ定期的に今までのようにまいているだけですと、要するに金額が、同じような形で同じ金額になっちゃうわけですね。そうじゃなくて、おそれがある場合とか、虫が出た場合に限って、まくべき薬を最小限まくという方向にした方が、やはり財政的に見ても節約になると思うんですよね。ただまけばいいというのは危険だし、財政的にも過剰にお金がかかるし。その辺どうですか、もうちょっと予算を節約するという面からも考え直すということは。 ◎工藤 保健給食課長 財政的に見ましても、平成十二年度につきましては年二回という形の中で、約二千二百万という経費をかけて実施をしてまいりました。平成十三年度の予算の中では一千百万という金額を計上してございます。なるべく効率的に対応していきたいと考えてございます。 ◆大庭正明 委員 やはりその辺の安全と衛生というような物の考え方が、戦後ずっと、このごろ変わってきている。やはり環境に負荷のかからないようなものとか、それから人体にとって非常に安全性、しかも神経系のものというのは、大人はある程度いいかもしれませんけれども、生育期にある児童にとっては非常に問題の多い物質だとも言われておりますので、その辺をよく注意していただきたいと思います。  あともう一点、これは要望になりますけれども、前回の決特でもちょっと申し上げましたけれども、やはり図書館とか、私のところには具体的なそこの個人名とポジションが来ているんですけれども、どうも人事がちょっと長い、同じ場所に長期間いると。しかも、最近人事異動があったばかりですけれども、人事異動の内容を事前に組合に示している。示して、これでいいですかみたいなことを了解を得た上でやっているようなところがあるという話として私は聞いているんですよ。その辺はやはり不公平感が当然伴うわけですよ。何でそこだけかと。これは人事権に介入することではありませんけれども、それはやはり不公平だし、全職員平等にやるように要望して、私の質問を終わります。 ○新田勝己 委員長 以上で世田谷行革一一〇番の質疑は終わりました。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。 ◆木下泰之 委員 オウムの問題でちょっとお尋ねします。  オウム対策本部で、教育委員会は今どういう役割をされていますか。 ◎小野 教育長 教育委員会におきましても、区長部局の対策本部に入りまして、いわゆる監視等については管理職が交代で勤務を勤めております。 ◆木下泰之 委員 児童の就学問題等があると思うんですけれども、それについての対応はどういう方針ですか。 ◎小野 教育長 この辺につきましては、やはり保護者の方は大変心配いたしております。したがいまして、当面、教育委員会でとりましたことにつきましては、通学路等の変更、これを直ちに行いました。それから、学校等においても……。 ◆木下泰之 委員 委員長、ちょっと趣旨が違うもんですから。 ○新田勝己 委員長 答弁中です。 ◆木下泰之 委員 ちょっと趣旨の違う答弁ですから。 ◎中村 教育次長 オウムの関連の問題につきましては、就学問題については今のところ具体的な形では発生しておりませんけれども、もし就学にかかわる問題が発生すれば、教育委員会として必要な対策はとれるように準備はしてございます。 ◆木下泰之 委員 世田谷区としては住民票を拒否したわけですが、裁判所の一審の決定では、それは取り消せという命令が来ているわけですけれども。教育委員会としては、そういう対応については今から準備しておかなければいけないと思うんですけれども、その辺については何か決めたとかいうことはあるんですか、教育委員会で話し合ったということはあるんですか。 ◎小野 教育長 教育委員会におきましても、区当局と同じ歩調をとりまして、やはりオウムに関しましては住民の不安とか安全ということを考えまして、就学等につきましては、一応教育委員会としまして就学、いわゆる区域外就学等については保留として、こちらの方では受けないという形で対応しております。 ◆木下泰之 委員 それは受けないというパフォーマンスはいいんですけれども、今の日本の憲法の秩序なんか、法律の体系の中では、教育基本法からしても受け入れざるを得ないということになるということはおわかりだと思うんですよね。だから、そういうことに対してどういう対応をとろうとされているのか。つまり、そのことについて何か対応されているんですか。 ◎中村 教育次長 まず、就学問題については大きく分けて二つのケースが考えられると思います。一つは、いわゆる世田谷区に住所があって、世田谷区の学校に通いたいという申し出があった場合ですね。これは基本的には世田谷区に住んでおりますので、住民票が受理されているということが前提条件になります。したがいまして、住民票が仮に受理されているとすれば、それに基づいて、就学については教育委員会として必要な手続をとるということになろうかと思います。  もう一つのケースは、世田谷区に住所がない。つまり、世田谷区以外のところに住所があって、世田谷区の学校に通学をしたいというケースが考えられるわけですね。これはいわゆる区域外就学と呼んでいるわけなんですが、この場合については、教育委員会としては、そういう願い出が出てきた場合には、これは十分慎重に検討して対処する必要があろうかと思いますが、基本的には区の方針に合わせたいというふうに思っております。 ◆木下泰之 委員 いや、私が聞いているのは、結局受け入れざるを得なくなった場合に、どういうふうに、つまり、例えばカルトであるとか、オウム真理教の問題について、教育上の配慮から、例えば専門家などを動員して対策をきちっと練っているのかということをお聞きしているんですよ。そういうことはやっているんですか。 ◎小野 教育長 先ほど次長がご説明しましたが、まだその事態が起こっていないこともありますが、具体的に専門家を入れてまで対応策はとっておりません。でも、姿勢としては一応拒否するという形で考えております。
    ◆木下泰之 委員 上祐幹部は、聞くところによりますと世田谷の出身だそうですよね。何か池尻小学校の出身だというようなことを聞くんですが、その辺についてはつかんでいますか。 ◎中村 教育次長 そういう話で私も聞いておりますけれども、確認したという意味での確認行為はしておりません。 ◆木下泰之 委員 オウムの問題というのは、何もつい最近始まったことではないわけですよ。少なくとも世田谷に本部が置かれたこともあるし、それから、上祐幹部が育ったところでもあるわけですよ。小学校、中学校と育っていって、例えばどういう教育環境であったのかということを調べてみることも必要だろうと思うんですね。少なくとも、オウムの対策ということは極めて特殊なケースでもありますけれども、ある意味でカルトという意味では、極めて普遍的な課題を持っていると思うんですよ。  そういうものとしてきちっととらえて危機管理をするというのであれば、どういうふうに対策をとっていくかということについて、つまり、オウムの関係者の児童、それから普通の児童が一緒に通わなきゃいけない事態だって想定されるわけですよ。そういうことに対してどういう対策をとっていくのか。そういうことについてきちっと今からやっておくことがある意味で危機管理だと思うし、それから、何もオウムだけの問題ではなくて、カルトの問題については、やはりきちっとした対応を教師ができるようにしておかないといけないと思うんですよ。その辺については何かやるつもりはないんですか。 ◎水間 助役 ご指摘の点はもっともだと思います。私どもも、これからはいろいろ各論に入りまして、過去に自治体がいろんなところで経験してきたこと、被害に遭った方、あるいは付近住民、こういった過去に既に経験されたそういった方々の経験等もこれはぜひ地元で話していただいたり、私どもがお聞きしたりして、具体的なそういった詳細の対応を今後詰めていくということが、今後、あそこでは集団の生活ということが長期間予想されますので、そういった点も万全にやっていきたいと思っております。 ◆木下泰之 委員 いや、私が危惧しているのは、つまり、上祐も育ったわけですよ。それで、少なくともああいう特殊な物の考え方になって、ああいうカルトに染まっていったわけですよね。だから、私がこの前、保健福祉のところでも申し上げたけれども、あなたの息子さんがそうならないという保証はないんですよということを申し上げた。つまり、極めて普遍的な問題を持っているんですよ。  例えば、新世紀エヴァンゲリオンというはやったアニメ漫画がありますよ。オウムが割とそれを利用したりもして、例えばアレフという名前は、中で出てくるネルフという特務機関の名前を連想させるような名前をつけているわけですよ。そういった意味では、日本がかつて、戦前、国家カルトだったということも申し上げましたけれども、つまり、カルトに対する物の考え方、そういうことについてきちんと検証して、どうやったらそういう子どもに育てないかということも含めて、あるいは脱会してきた人たちをどういうふうに教育的に配慮してやっていくのかとか、そういう問題を今からきちっと研究し、それでいつでも対応できるようにしていくのが本当の意味での危機管理だと思いますので、そういう面できちっとやっていただくことを要望して、私の質問を終わります。 ○新田勝己 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 引き続きまして、新風21、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 お願いでございますが、ご答弁は簡潔に、総論を抜きでお願いいたします。  学校は何を行うところでしょうか。まず私は、学力をつけていく、そこが基本だと思います。その基本を見逃しては問題がおかしくなるばかりです。このところ、私立の学校に通わせるという保護者のお話をよくお聞きします。なぜ私立に通わせようとしているのか。親として積極的に特定の教育方針を持って、その方針に合った私立の学校を選択するということは当然尊重されなければならないと思います。しかし、区民の思いというのはそれだけでしょうか。経費の点からも、本当は公立の学校に通わせたいのですが、ほかのさまざまな理由からやむを得ず私立の学校に通わせているという状況もあるのです。  このようなことについて、世田谷の教育委員会としてどのようにお考えなのでしょうか。まず、区立の学校として、基本的な学力を身につけることに全力を尽くすということを区民に表明すべきです。確かにしつけの問題があります。基本的なしつけができていないために授業にならないというお話はよく伺います。しかし、基本的なしつけはまず家庭で行っていただく、そのことをはっきりさせるべきです。  しつけをしっかりするために家庭、地区を支援するということは大切ですが、学校にそのしつけを担わせようとすることは本末転倒です。学校は、まず本来やらなければならないことを全力でやっていただきたい。そして安心して区立の学校に通ってくださいと自信を持って言っていただきたいのです。優秀な私立の学校にも負けない区立の学校をつくるというためには何が問題なのか、どうすればよいか、まずお伺いいたします。 ◎小野 教育長 ご指摘いただきましたように、区立の小中学校は魅力のあるものでなければいけない、また、区民から選ばれて入ってくるようでなければいけないと思います。その意味では、区におきましてももちろん学校本来の特性を生かしまして、特に区立においては、私立にないような、あるいは柔軟性を持った新しい仕事を進めていかなければいかぬだろうと思います。特に読み書き、計算等に関する基礎能力をまずつけること。それによって将来伸びる子どもをつくっていきたい、そのように考えます。そのための、今、新しい指導要綱に基づいた計画も着々進めております。また、基礎教養を身につけることによりまして、保護者からも自信を持って通わせることができるような、そういう公立学校をつくるための教員の指導についてもその体制をとっているところでございます。 ◆小泉たま子 委員 さて、今学校が最も重視すべきこととして学力の問題を申し上げましたが、学校は勉強だけしていればよいというものではもちろんありません。私は、今回の予算委員会を通じて、地区からの行政改革ということを申し上げております。その地区で、学校は本当に大切な役割を担うべきものなのです。児童生徒を通じた親の交流、また、地区のさまざまな活動団体の活動の拠点としての役割も大きいのです。そして地域社会の健全な発展にとって本当に大事なことは、何よりも自分たちが学び、育った学校が、地区の中でみんなの生活のよりどころ、シンボルとなっているということが望ましいのです。  そのことから、現在の地区での学校の状況を見ますと、少し困った状況が見られます。それは率直に申し上げれば、校長がかわるとすべてが変わるということなのです。これまでさまざまな学校と地区の関係を見てまいりました。校長がかわった途端に周囲との対話が生まれ、区民の活動も活発になり、学校そのものもどんどん明るくなっていき、結果として地区全体がとてもよい雰囲気になっていくということがありました。逆もあります。これまで地区の人々と学校を拠点として共同でさまざまな活動が行われ、みんなが顔見知りとなり、これからも頑張るぞと思っているときに、人事異動で校長がかわり、その途端地区との関係が薄くなり、その結果、地区全体の雰囲気が重苦しいものとなっていく、このような事例もあるのです。  いかに学校が地区において大きな役割を担っているかおわかりになっていただけるでしょうけれども、問題は、校長がかわっただけで、このように学校というものが変わってしまってよいのかということです。確かに何ごとも人材ということが大きな要素ではありましょう。それにしても、校長一人がかわるだけで学校そのものが変わってしまうということは、システムそのものに何か欠陥があるように思えてなりません。教育委員会としてこのことをどのように思われているのか、まずお考えを伺いたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 今日、家庭、地域社会と学校との連携については、さまざまなところでその重要性が叫ばれていることは周知のとおりでございます。また、校長には、地域とのかかわりや連携の大切さを踏まえて、家庭、地域社会に対して学校の教育活動への協力を得るとともに、地域の教育活動の中心として活躍することが求められております。学校が地域社会との連携を進めていくためには、校長は、今まで地域が培ってきた伝統やよさについて、学校協議会を初め地域の方々の声を十分に聞き、地域の実情や実態を把握して学校経営に努めることが重要であります。管理職が異動する際には、学校の教育活動にとどまることなく、子どもや地域の実態について十分な引き継ぎを行い、学校が地域とともに実践してきたさまざまな交流活動や連携活動を速やかに継承できるようにすることが大切です。  世田谷区教育委員会では、新任及び他地区からの異動してきた校長、教頭に対しまして、着任前に説明会を行って、教育長、部長、課長から世田谷区の施策や学校、地域の実態や特徴について説明し、地域理解が深まるようにしております。また、都の辞令交付後にも改めて区から辞令を交付して、区に対する帰属意識を高めております。さらに夏季等におきまして、校長、教頭の宿泊研修等も計画しておりまして、その中で地域に根差した教育をできるように研修を深めてまいる予定でございます。  今後は、地域社会との連携を一層密にするため、学校協議会を早目に開催したり、連携活動の事前打ち合わせを行うなど、地域社会や関係諸機関の方々と相互理解が深まるよう校長を指導してまいります。 ◆小泉たま子 委員 今ご答弁の中にもありましたが、私もここで提案しようと思ってきたことがございます。校長が異動するに当たって、教育委員会として新任校長にきちんと状況をまず説明すること、今ございましたが。それから、新旧の校長と地区との合同の懇談会を持つこと。その中で地区の事情をしっかりと引き継いでいただくこと。それから、なるべく早い時期に学校協議会を開催することを提案したいと思いますけれども、この新旧の校長と地区との合同懇談会ということの提案に対しましてどのようにお考えでしょうか。 ◎神取 教育指導課長 地区との合同の懇談会につきましては、世田谷区内での異動の校長につきましては可能な部分がございますが、他地区からの異動者につきましては、発令が前ということ、また発令後にいたしましても、任命権者の方からの辞令がおりた前後になりますと困難な部分がございます。地区内につきましては、今後検討課題として持ち帰ることができるかと思います。 ◆小泉たま子 委員 地区の中での学校の役割というのは大変大きいものがございますので、どうぞよろしくお願いいたします。地区の人たちは、皆さん、学校に期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。 ○新田勝己 委員長 以上で新風21の質疑は終わりました。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 引き続きまして、自由党、どうぞ。 ◆上島よしもり 委員 本日は、教科書採択について質問させていただきたいと思います。  ことしの二月八日、東京都教育委員会委員長から、「教科書採択事務の改善について」という通知が、各区市町村教育委員会あてに出されました。この通知は、文部科学省の指導を踏まえて東京都の教育委員会が出したものでございますが、この通知の中で多岐にわたって注目すべきところがあります。その一つ一つを聞いていきたいんですが、代表的なものを挙げてお伺いしていきたいと思います。  まず、第一点目なんですけれども、第一項目にあります、文部省告示の新学習指導要領に示された各教科、分野の目標等を最もよく踏まえている教科書を選定するというような文言が入っております。これは簡単に言えば、教科書採択に当たっては、新学習指導要領に示された目標に沿っているかどうかを採択の基準にせよということだと私は思っております。これまでの教科書採択では、表現上の見やすさ、扱いやすさなどの方が学習指導要領の精神を踏まえているかどうかよりも重要視されてきたと思います。実際のところ、昨年行われました教科書採択の基準の内容を見ますと、A、内容選択、B、構成、分量、C、表記、表現、D、使用上の便宜という、この四つの項目からなっていたわけであります。  また加えて、第二項を見ますと、ちょうどそれについてのことが書いてあるんですが、新学習指導要領に示された目標及びそれに対する内容等に即して、各教科書の違いが簡潔、明瞭にわかるようなものとすること。明瞭な違いがあらわれない調査項目、末梢的な要素にかかわる調査項目などについては見直し、調査研究資料が実際の採択により参考になるものとなるようにすることというように表現をされております。  末梢的な要素についての記述ばかりだったと私は思っておるんですけれども、特に歴史分野を例に挙げますと、先ほど申し上げたとおりの四つの構成になっておりますけれども、実際の調査資料の中身を見ますと、文献の資料の数は幾つだとか、年表の表記の数が多いとか、もしくは見やすいだとか、内容については世界史的内容が本文全体の何%を占めているとか、そういった内容で教科書の調査が行われていたということであります。しかし、今回の通知を見ますと、それを否定するような内容だと思っております。  そこでお聞きしますが、昨年の採択をどう評価するのか。また、私は要綱にこういった内容のことを盛り込むべきだと申し上げてきましたが、要綱の中にどのように生かしていくのか、その辺についてお答えをお願いします。 ◎神取 教育指導課長 委員今ご指摘のとおり、昨年度の教科書採択におきましては、今ご指摘のとおりの採択を行ってまいりました。まず、教科書につきましては、国の検定を受けたということで、学習指導要領の内容に沿っている、目標に沿っているという前提で行ってまいりましたが、都教委等の通知、それからまた都との協議等におきましても、今ご指摘のようなことがございまして、来年度行います教科書採択等におきましては、要綱の中に学習指導要領に示された各教科の目標の内容に即していることというようなことを盛り込んで、特に内容の調査の中に、学習指導要領にどれだけ沿っているかということを入れていきたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 昨年の評価について、もう一言お願いいたします。 ◎神取 教育指導課長 ただいまご指摘いただきました学習指導要領の内容、目的にどう沿っているかというところ以外につきましては、おおむね世田谷の場合には良好に行われているということで、都教委の方からもそういう評価をいただいておりますので、現在のやっておりましたものを踏襲しながら、成熟した教科書採択にしていきたいというふうに考えております。 ◆上島よしもり 委員 特に私は、末梢的な要素というものが中心に行われてきたことの反省に立って、この学習指導要領に最も即された踏まえている教科書というものを選定するということ。今、要綱の中にその趣旨を盛り込むということでご答弁いただきましたので、その線でぜひともやっていただきたいと思います。  そこで、ほかにもたくさん、いろいろな絞り込みの規定とかについても細かく規定されておるわけですが、今回の通知をどのように受けとめるのか、そして、それを踏まえてこの内容を見ますと、今までの選定方式ですと、分量的に対応できるのかどうかというのが大変心配なんですが、できれば、実施回数とか人員についての工夫がどのようにされているのか、その辺についてご説明をお願いします。 ◎神取 教育指導課長 今回の教科書の採択と違いまして、次回の教科書採択につきましては、小中学校同時ということがございます。そういう中と、今いただきましたご指摘等のこともございますので、教科書の調査におきましては、調査研究並びに検討が十分できるように時間を配分したいというふうに考えています。また、人的にも十分な体制ができるように調整を図っていきたいと考えております。  具体的には、現在予定している中には、教科書の調査研究委員会等につきましては五回、それから教科書の検討委員会につきましては、これも五回。加えて、この資料に基づく教科書の採択作業、教育委員会等におきまして、臨時会を含めて六回を予定してございます。数をそれだけ、定例会等につきましては以上のような形で予定してございます。それ以外に随時、教科書調査研究委員会につきましてはそれぞれの委員会ごとに調査を行っていただいて、十分な検討ができるように配慮していきたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 今回の教科書採択については、一般質問の方でも触れさせていただきましたが、社会的に大変注目されていることだというふうに思っております。自覚と責任が本当に求められる今回の教科書採択でございますので、ぜひともしっかりとやっていただきたいことを申し上げまして、質問を終わります。 ○新田勝己 委員長 以上で自由党の質疑は終わりました。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆新川勝二 委員 それでは、今、教科書選定についてのご質問がありましたけれども、私もちょっとその辺に触れまして、ひとつお聞きしたいと思います。  本年度より教科書採択事務というのが東京都から区に移管されました。平成十二年四月から八月にかけまして、世田谷区の教育委員会では、平成十三年度から中学校で使用する教科書の採択を実施したわけでございます。ご承知のように、教科書の採択に関しましては、平成二年三月二十日付の文部省初等中等教育局長通知でありますとか、平成十三年二月八日付の東京都教育委員会教育長通知で、その改善を図るよう繰り返して強調されているわけでございます。先ほどの他会派の委員からもその点はお聞きされていると思いますが、中でも、教育委員会が教科書の採択権者としての立場と責任を自覚して、調査研究資料及び採択委員会等の下部機関の調査報告書の内容に基づいて、みずからの判断で採択すべき教科書を決定することということを重視しまして、教育委員会の主体的な採択の必要を求めているわけでございます。  そこで、このような背景の中で、重複するかもしれませんが、今年度、平成十四年度に使用する世田谷区立小中学校の教科書の採択に当たりまして、教育委員会ではどのような考え方で採択事務を進めようとしているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。 ◎小野 教育長 教科書採択の改善につきましては、平成十三年二月八日の東京都教育委員会教育長通知の「教科書採択の在り方の改善について」ということの中で幾つか問題点が指摘されております。その中の一つに、区教育委員会は、教科書の採択権者としての立場と責任を自覚いたしまして、調査研究資料及び採択委員会等の下部機関の調査報告書の内容に基づき、みずからの判断で採択すべき教科書を決定すること、あるいは、開かれた採択の推進のため、教科書の見本本については速やかに一般住民用に展示するとともに、採択事務の透明性を確保するということがございます。  区教育委員会といたしましても、新学習指導要領に示されております目標等を踏まえまして、世田谷区の教育にふさわしい教科書を選定するなどの観点から調査研究委員会を設定いたしております。その委員は、採択基準に基づく資料を調査、作成するのに適した人材を充てて進めていきたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 お答えの中にもありましたけれども、教科書採択要綱を昨年もつくってやっていらっしゃるわけですけれども、教科書検討委員会を設置しているわけですが。今回対象となる教科書というのは、小中学校合わせると四百種類に上ると言われていますね。中学校にしましても百四十冊ぐらいの中から十一教科二十九冊の選定を行うということでございます。こういうことを短期間に、しかも集中的に会議を開いて、教科書調査研究委員会ですべての教科書について調査研究を行って、調査資料を作成して、教科書検討委員会に報告して、その検討委員会がそれを受けて検討して、教科書調査研究委員会の報告書を添えて教育委員会に報告する、こういうような中で教育委員会が一種採択をする、このようなフローでよろしいんでしょうか。 ◎小野 教育長 おおむねそのとおりでございます。調査研究委員会を設定いたしましたことは、ただいま申し上げましたが、その委員には、採択基準に基づく資料の調査、作成するに適した人材ということで、当該教科の指導に熟練した校長や教頭、あるいは教諭の方々にお願いして委嘱、任命いたします。また、平成十二年度と同様にさらに検討委員会等を設けまして、その中でも検討を続けてまいります。その後、教育委員会が責任を持って全体の中から選んでいく、このような形で、短い時間ではございますが、慎重に、しかも十分な時間をかけまして進めていきたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 その報告書の内容でございますけれども、絞り込みをしないで報告書をつくってもらうということが私は大切だというふうに思います。先ほどの東京都の通達、通知の中にもそのようなことが書かれているように思いましたけれども、これについてのご見解はいかがでございますか。 ◎神取 教育指導課長 平成十二年度の教科書採択におきましては、複数種、選定委員会の方から教育委員会に推薦するという形がございましたが、平成十三年度の教科書採択につきましては、世田谷区の教育にふさわしい教科書をということで、すべての教科書について検討委員会の検討結果を報告するという形にしておりますので、絞り込み等につきましては、数字等を示さないで、すべての教科書の中から教育委員会の責任でとれるようにしていきたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 この絞り込みをしないということが大変大事な要素だろうと私は思います。そういうことが教育委員会の主体的な行為ということだというふうに思いますが。総合学習の時間の導入など、新学習指導要領というので学習内容を三割削減するということもあるわけで、世田谷区民も納得するような開かれた教科書採択ということをしていただきたいと思いますが、具体的な開かれた教科書採択ということについてはどのようにお考えでございますか。 ◎神取 教育指導課長 この件につきましては、教科書の検討委員会で保護者や地域の意見が反映できるように、保護者や学校協議会の関係者、そういった方々を委員に加えて、さらに地域に開かれた採択を進めていきたいというふうに考えております。また、教科書展示等につきましては、指定された期間に教育センター及び学校等に展示して、教員や教育関係者及び保護者等一般の方々が閲覧できるようにしてまいります。また、採択につきましては、採択結果及び採択要綱、それから採択の経過等について明らかにできるように、今年度と同様にしていきたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 この調査研究委員会でご苦労をおかけする先生方というのは、現場で一番よく生徒の実態を把握しているというふうに私は思っておりますし、一部の偏向思想を持つ教員というのは減ってきていると私は理解しております。現場の声も、決定ではないけれども、反映できるというようなシステムだろうと私は思いますので、こういったことの中で、ぜひとも教育長の強いご指導、主体的な選択ということで、区民も納得できるそういう選択をお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。  次に、絶対評価と教員の資質ということでちょっとお伺いしますけれども、平成十二年十二月の教育課程審議会の答申の中で、これからの評価のあり方として絶対評価の重要性が指摘されております。その背景には、従前までのすべての子どもに同一の目標を達成させる形の教育から、個に応じた指導への質的な転換が図られているということがあると思います。相対的な評価に比べまして、絶対評価の方が子ども一人一人のよさやあるいはまた改善すべき点がよくわかり、基礎・基本の定着度もわかりやすいといった点が、これからの教育に欠かせないものだというふうに考えます。  そこで、質問でございますけれども、区教育委員会では、この絶対評価の学校への導入についてどのようにとらえ、どう対処していこうとしているのか、そのお考えをお伺いしたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 絶対評価につきましては、学年、学級などの集団における相対的な位置での児童生徒の学力をとらえるのではなくて、一人一人の児童生徒の到達目標の達成状況によって判断していくという評価でございまして、ただいま委員ご指摘のとおり、教育課程審議会の答申についてもこのことは重要視されてございます。現在の学習指導要領に基づきます評価につきましても、各学校で指導要録や通知表などにおきまして、知識理解や思考判断等、観点別学習状況や責任感、公共性等の行動の状況等、絶対評価に記入してございます。このようなことを、今後みずから学び、みずから考える力の、生きる力をはぐくみ、基礎的、基本的な内容を確実に習得を図ることを目指している新しい学習指導要領においては、観点別学習状況の評価を基本として、絶対評価で児童生徒の学習の到達度を適切に評価していくことが重要になってまいります。  区の教育委員会といたしましては、これまでにも学年別や教科別の「観点別学習状況評価基準表」を作成し、区立各小中学校に配布するなどして、各学校において充実した評価活動が行えるよう支援してまいりました。今後、より一層一人一人の教員が評価についての考え方を深め、評価方法を改善したり、その結果を指導に生かしていけることができるように、各種研修会や学校訪問など、あらゆる機会を通して学校に働きかけていきたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 本当に実際に評価に携わる教員の資質であるとか、あるいは能力とかということを把握して、向上させていくことが大事だというふうに思いますけれども、この新しい評価の仕方というのは、学習指導要領に示されました目標、これは基礎・基本の確実な習得ということだと思いますが、それをどこまで達成させるかという、そういう絶対評価というものを中心に課題を見つけ出して解決方法を探すという、考える力ですか、そういったものを、どれぐらい育ったかということなどを見る、学習の意欲や態度、行動などを絶対評価する、先ほどおっしゃっていました観点別の学習評価であるということをおっしゃいました。集団の中で、順位ではなく到達度をはかるということに絶対評価というものが本当に適しているかどうかということが、私もよくわからないんですけれども、その辺についてはいかがでございますか。 ◎神取 教育指導課長 学習の基礎と申しますと、基礎・基本の習得と、もう一方で個性の伸長ということがございます。これからの子どもたちの育成につきましては、それぞれの子どもたちの個性を伸ばすということも踏まえまして、子どもたち一人一人におきまして到達目標が違ってくる場合もございます。そういう中で一律に教えるべきこと、指導するべきものを評価するのではなくて、その子どもの個性に合ったものを身につけるという意味から絶対評価を行いまして、その評価がまた次の学習活動に反映するような、そういう評価になっていくように教育委員会としても努めてまいりたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 先ほど言いましたけれども、総合学習の時間というのが導入されますけれども、これには教科書もないというようなことで、先生が独自で判断してプログラムを組むということだと思うんですけれども、その辺の総合学習の時間への評価というのはどういうふうにするおつもりでございましょうか。 ◎神取 教育指導課長 現在、総合的な学習の時間につきましては、ただいまご指摘のように、教科書と学習指導要領の内容が示されておりませんので、各学校と一緒に教育委員会の方でも今後の方向について検討しているところでございますが、評価等につきましては、各教科等で学習したものがどれだけ総合的に活用できるようになっているか、または体験学習を通じて、みずから考えてみずから行動できるような、そういったことがどこまでできているかということを踏まえて、結果だけを求めるのでなくて、その過程、プロセスも評価していくという形で絶対評価が入るように、その子どもたち自身がつくった課題、目標がどこまで進んでいるかということで評価していくように努めてまいります。 ◆新川勝二 委員 総合学習の到達を評価するという、そういうような方向でよろしいわけですか。 ◎神取 教育指導課長 総合的な学習の時間につきましては、まず、みずから自分の課題を見つけるということと、その課題が適切であったかという評価が必要かと思います。それから、その課題に向けてどのような学習をしたかという学習のプロセス、これが大事になってきます。それからまた、自分のつくった目標に対しましてどこまで到達したかということが大事になってまいりますので、これも評価の仕方につきましては、自己評価ですとか、友達同士によります評価ですとか、それから教員による評価ですとか、さまざまなものを加えて評価をしていくという形になると思います。 ◆新川勝二 委員 評定とか所見とかという、そういう柱立てもあるというふうに私は思いますけれども、その中で絶対評価ということの取り組みもあると思いますが、進路を考える際に、高校入試ということがございますよね。そのときに、進路を考える際の情報として活用できるということが必要だと思うんですけれども、そうした場合に、相対評価としてそれは報告するということでございますか。 ◎神取 教育指導課長 現在、高等学校への進学に向けてのいわゆる調査書、内申書でございますけれども、そういったものにつきましては都教委の方から基準が示されまして、その割合に割り振るということになってございますが、最近の高等学校の入学選抜の方針の中では、それに余りとらわれないで入学選抜する学校等も出てきておりますので、必ずしも評定だけでやるということではなくて、総合的に高等学校の方でも選抜基準を設けているという状況でございます。総合的な学習の時間につきましても、そこで示された評価等につきましては当然報告することになりますが、評定としてするかどうかについては、今後の検討課題になってくるかと思います。 ◆新川勝二 委員 そういった余地もあるというふうな理解でよろしいわけですね。  先ほど、いろんな学校で、研修会を通して学校に働きかけていくということのお答えがございましたけれども、研修会をどういう手順で行っていくつもりでございましょうかね。 ◎神取 教育指導課長 現在、世田谷区におきましては、研究奨励校、それから研究課題校と、いわゆる区の委託によります研究を推進する学校がございます。そういったところの多くで総合的な学習の時間の研究を行っております。そこで研究した成果を、中間発表ですとか、それからまとめの年の発表ですとかという形で区内に広めていくという活動を通しまして、区の委託した学校での研究成果を広めていくのがございます。それからもう一方では、そういった学校と連携しながら、現在各学校ごとに研究を進めるという形をやってございます。そういった中で、それぞれの持ち寄った情報を、適切なものを学校に情報提供しながら研究を進めていきたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 中間まとめ案も提案しておりますように、評価の内容を子どもたちにきちんと伝えて、伸ばしてやりたいところ、改善すべき点について率直に説明する姿勢がこれから子どもにとっては大変大切なことだと思います。評価の仕方とか基準を公表することで、評価そのものへの信頼を高めるということができるわけで、先ほど評価基準表というものを配布して支援しているということてございますので、こういったことでよりよい成果が上がることを願いまして、次の質問に移りたいと思います。  特色ある学校づくりということについてお伺いしておきますが、平成十四年度より完全実施されます新学習指導要領では、学校が創意工夫を生かして特色ある教育活動を展開するという中で、児童生徒に生きる力をはぐくんでいくということが重要であるということが示されておるわけでございますけれども、区立小中学校の中には、それこそふだんの授業以外にも活動日を設定して、マーチングバンドであるとか、スキー、水泳などのスポーツ活動に積極的に取り組んでいるというところがあります。その学校では、保護者とか、あるいは地域の熱いバックアップのもとで、子どもたちはもとより、学校の教職員も労を惜しまずよく努力してくれており、学校にとりましても、地域にとりましても大きな特色になっていると思います。  そこで伺いたいんですが、世田谷区立の小中学校ではほかにどのような特色ある学校づくりが進められているのでしょうか。また、このような学校の取り組みに対する区教育委員会の考え方をお聞かせいただきたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 委員ご指摘のように、学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、生きる力をはぐくむことを目指しまして創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、みずから学び、みずから考える力を育成するとともに、基礎的、基本的内容の確実な定着を図り、個性を生かす教育の充実に努めることが重要であります。世田谷区立の小中学校では、校長のリーダーシップのもと、教員の創意工夫を重ねて、総合的な学習の時間等を中心に、地域との連携を図りながら特色ある教育活動に取り組んでおります。  具体的には、地域におきまして、野菜の栽培等の農業体験や、地域の人々に教えてもらったことを中心にしました校内での栽培活動、地元の商店街等での職場訪問や勤労体験、昔遊びなど地域の人材を活用した授業の実施、課外活動として、マーチングバンドやスポーツ活動による交流、ボランティア活動といたしまして、地域清掃や老人ホーム等への訪問、お祭り等地域行事への積極的な参加、それから、他の学校との連携、交流を図る学校間連携等がございます。区の教育委員会といたしましては、このように地域に根差した特色ある教育活動は、これからの次代を担う子どもたちを育てるために必要不可欠なものと考えております。  今後とも、特色ある学校づくりの推進事業の予算を継続していくとともに、学校訪問や各種主任協議会等の折に、工夫された各学校の実践を紹介するなどして情報の共有化を図り、これらの取り組みを全面的に支援してまいりたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 そのような特色ある活動を続けていくためには、先生の努力も必要ですけれども、何よりも当を得た指導者を得るということが大きな要因だろうと思います。地域の協力とか、他校の連携、交流などということもこれからは必要になってくるだろうと思います。ぜひとも区教育委員会の取り組みを強くお願いしまして、次の質問に移ります。  STEP事業でございますけれども、中学校の放課後支援事業、いわゆるSTEP事業というのは、スタートして二年近くなりますけれども、この事業というのは、中学生の居場所づくりとして、週一回、運営協力員と呼ばれる地域の方々の指導を得て、中学校の自主的、自発的な活動を支援していく事業だったというふうに私は思います。中学生たちは、部活動などに熱心に取り組んでいる生徒を除いて、今でも居場所、すなわち心理的に安定できる場所、安らぎの場が少ないと言われているわけですけれども、このような中で、何かと不満やストレスを感じているいらいら型の生徒であるとか、人間関係をつくることが不得手な生徒がふえているということも確かだと思います。少しでもこういった状況が改善できればとSTEP事業が取り組まれたわけでございますけれども、現在十七校で実施され、その活動内容も指導者も多種多様だというふうに思いますが、具体的にはどんな活動で、どの程度生徒の参加があるのかよくわかりません。  そこでまず、STEP事業の現状につきまして詳しくお聞きしたいと思いますが、いかがでございましょうか。 ◎藤井 生涯学習課長 STEP事業、中学生の放課後活動支援事業につきましては、中学生の居場所づくりの一つとして、平成十一年六月の試行実施以来、約二年間たちますけれども、現在十七校の中学校で取り組んでございます。活動内容につきましては、多岐にわたっておりますけれども、バスケットやショートテニスといったスポーツ系、寺子屋、英会話、パソコンなどの学習系、だべりんぐ、読書などの文化系、バンド演奏、太鼓、音楽等々で、各学校でさまざまな内容で運営されております。実施回数は週一回程度となっておりますけれども、学校によりましては三回から五回実施されているような学校もございますし、また活動内容も、二種類から三種類ぐらいの活動を行っているところもございます。  また、運営に携わる地域の運営協力員の方ですけれども、メンタルアドバイザーや体育指導委員、図書館司書、音楽家、英会話講師、PTAの方、さまざまな方の協力をいただいて、その方たちは大半がその学校の地域に住み、卒業生も多く含まれております。  また、STEPの参加状況ですけれども、平成十二年四月から十三年一月まで、十七校で延べ四百五十八回実施され、参加総数五千二百七十一名の中学生が参加されております。 ◆新川勝二 委員 これは部活ではないですけれども、そういう講座一つに対して平均どれぐらいの生徒さんが参加されているんでしょうかね。 ◎藤井 生涯学習課長 活動内容一つにつきまして、平均参加人数は十一・五名となっておりまして、この参加人数についても中学校によってばらつきがございます。 ◆新川勝二 委員 表をいただきましたけれども、大変たくさんの活動があるんですけれども、この内容を見ますと、文化的な部活の延長みたいな感じで私なんかは思うんですけれども。こういったことの内容が、だべりんぐルームとか、これは三日、月、木、金なんていうようにやっている学校もあるし、だべりんぐルームのために指導者を入れるのかなというような感じもするし、こういった内容的な充実というのは大変運営も難しいんだろうなというふうに思いますが、平均すると十二名ぐらいの参加者だろうと私は思うんですよね。五千二百七十一名というふうに言われましたけれども、平均的には十二、三名だろうというふうに思うんですが。しかし、そういう人数というのは、学校とか生徒には受け入れられているような状況ではないなというふうに私は思うんですよね。もう少し人数があっていいのではないかなと私なんかは思うんです。  そういったように、これから教育委員会として、この趣旨としては大変いいと私は評価していますので、こういうSTEP事業を、学校にも地域にももっと趣旨を徹底して理解を求めて、子どもたちにも本当にいい意味の参加をしていただかなければいけないなというふうに私は思いますので、ぜひとも、これからの事業を努力していただきたいなと思いますので、よろしくどうぞ。  それから、いろんな講座がありますけれども、これが子どもたちの意思によるものか、あるいはまたアンケートとかでやっているのかどうかわかりませんけれども、子どもたちの意思をちゃんときちんと吸い上げた上の事業であってほしいと私は思いますが、この辺のところもひとつ含めてよろしくお願いいたします。  時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。 ◆鈴木昌二 委員 私は、区のスポーツ行政について幾つかお尋ねしていきたいと思います。  いよいよスポーツシーズンです。そこでまずお尋ねしたいのは、二年前に区民のスポーツ・レクリエーションの振興を目的とした世田谷区スポーツ振興財団ができました。その間の財団の成果などをまずお聞かせ願いたいと思います。 ◎寺島 体育担当課長 財団として設立して三年目に入ったスポーツ振興財団でございますけれども、さまざまな試みを積極的に実施し、財団の持つ柔軟性、効率性をフルに発揮して区民の要求にこたえてまいりました。具体的には、テニスコートの七時からの早朝開放や総合運動場プール、テニスコート、千歳温水プールの正月特別開館を実施するなど、行政ではなかなか実施できないことを素早く対応し、実践しております。特に正月三が日、三千人以上の区民の皆さんが利用されまして、盛況だったと聞いて大変喜んでいるところでございます。  事業につきましても、多摩川ウオークやアクアスロン大会、そして企業協賛を得ながらバレーボールやテニスの講習会など、新たな発想で次々と事業を展開しております。協賛会も四十三団体に今ふえ続けておりまして、区民のスポーツ・レクリエーションの振興を図るという目的を十分果たしていると実感しております。
     今後もより一層事業拡大を図りながら、区民の皆さんの要求にこたえていけるよう、教育委員会としても支援してまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 盛況だったということで、テニスとか温水プールとかいろいろな場面がありまして、四十三団体が登録された。積極的な事業運営に取り組んでいってもらいたいと思います。  きょうは、今後のスポーツの展開をどうするかという中で、昨年九月十三日に文部省がスポーツ振興法によりますスポーツ振興基本計画を出しまして、改めて新しい文部科学省になった一月六日にまた再度届けられたと思うんですが、生涯スポーツ社会の実現に向けた総合型地域スポーツクラブの全国展開、こういうのがあります。どのように受けとめていますか、お伺いいたします。 ◎寺島 体育担当課長 昨年の九月に文部省が、スポーツ振興法に基づきまして、長期的、総合的な視点から、今後我が国が目指すスポーツ振興の基本的方向を示すとともに、地方自治体が実情に即したスポーツ振興策を主体的に進める上での指針となるスポーツ振興計画を策定いたしました。この計画は、生涯スポーツ社会の実現、国際競技力の向上、学校体育、スポーツ充実の三つの柱からなっております。この中で生涯スポーツ社会の実現に向けた地域におけるスポーツ環境の整備、充実策として、二〇一〇年までに全国各区市町村において、少なくとも一カ所は総合型地域スポーツクラブを育成するというふうにしております。  また、教育委員会としては、世田谷区スポーツ振興審議会に対し、生涯スポーツの地域展開についての諮問をし、同様に昨年九月、答申をいただいております。ここでも生涯を通して身近な地域で気軽にスポーツに親しむために、世田谷区の特性に合った総合的な地域スポーツクラブを育成していくということが望まれております。このような状況下で、区民の健康、体力づくり、青少年の健全育成、地域の活性化などのために総合型地域スポーツクラブを育成していくということは、世田谷区として重要な施策であるというふうに認識しております。 ◆鈴木昌二 委員 この計画は、国が出したスポーツに関する初めての基本計画と聞いております。読んでいきますと、今課長さんがお話しになったように、平成二十二年に、自治体で一つその展開をしてくれ。また同時に、その施設とかそういう面もちゃんと位置づけてくれ、こういうのが書いてあります。  そこでお尋ねしていきますが、この計画でも地域におけるスポーツ環境の整備充実方策がうたわれています。当然国の役割があり、また、地方公共団体の役割があって、そしてスポーツ団体への期待などが述べられている中で、区の役割として、重複するかわかりませんが、再度、施設の整備と人材の育成が挙げられている中で、特に地域スポーツクラブにとっての活動の拠点や施設、人材をどのように育成していくか、地域のスポーツ団体との関連、また、これからどうしていくつもりなのか、具体的なお話を聞きたいと思います。 ◎寺島 体育担当課長 総合型地域スポーツクラブは、地域住民の自主的、自立的なクラブでありまして、地域で既に活動している個々のサークルや地域団体、学校などが相互に連携しまして、さまざまなスポーツを通し、地域住民みずから組織を立ち上げていくことが重要であるというふうに考えております。しかし、行政として組織づくりに当たって、総合型地域スポーツクラブの意義とかビジョンなどにつきまして共通理解を得ることが重要であるので、地域ニーズを踏まえたスポーツ振興の推進役としまして、各地域に配置しております体育指導委員を積極的に活用してまいりたいと考えております。また、施設整備につきましては、スポーツクラブの活動拠点となる施設の充実を図るために、地域の有益なスポーツ施設として、学校体育施設の共同利用を図ってまいる所存でございます。  スポーツ団体の連携につきましては、スポーツ指導者の派遣や事業の運営面での連携、協力が重要でございまして、人材の育成について、今後、リーダーバンクの設置を考えておりまして、地域のスポーツ団体の方にも協力していただくなどしまして、指導者の育成や派遣、地域のニーズに即したスポーツ情報の提供などにより支援をしてまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 大切なことは、スポーツ団体とか、地域に理解を得ることが一番大切なわけですね。また、学校との連携とかも大事でありますし、その活動する拠点が大事なわけです。施設ですよね。そうすれば当然コミュニティーの輪が広がっていくし、スポーツを通したまちづくりもできますし、地域づくりにも役立つわけです。その辺、どう思いますか。 ◎寺島 体育担当課長 スポーツ活動は、健康増進や体力向上に資するだけでなく、家庭や仲間同士のきずなを深めまして、明るく豊かな生活を送る上で大きな役割を果たすものでございます。地域においてスポーツ活動を推進することは、住民相互の新たな連携を促すとともに、子どもから高齢者まで、活動を通しまして連帯感を高めまして、地域の一員としての自覚をはぐくみ、コミュニティーの形成にもつながります。このため、多くの人口を抱える世田谷区におきまして、世代を超えた住民が交流を深めていくということは、地域に誇りと愛着を感じることにもなりますので、総合型地域スポーツクラブの育成がまちづくり、地域づくりの観点からも重要な施策と考えております。 ◆鈴木昌二 委員 そのように意識されているというのはうれしい限りですが、大事なことは、そういうことを具体的に、積極的に立ち上げるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎寺島 体育担当課長 総合型地域スポーツクラブの立ち上げなどに向けまして、行政が積極的に支援するということは必要だと思っておりますけれども、スポーツは本来、自由な自発的な活動として地域住民が主体となって実施されることが望ましいと考えております。そしてそれに参加する地域住民が、個人の自由な意思によって気軽に参加できる環境を備えていることが重要でございます。このため、現在体育指導委員が中心となりまして、世話人やプレーイングパートナーとして、地域の方々の協力をいただきながら、学校を拠点とし、子どもから高齢者まで自由に参加できるスポーツを実施している地域もございます。また、総合型地域スポーツクラブの立ち上げに向けまして、モデル地区を選定するなどして組織づくりの検討を進めております。いずれにしても、地域のスポーツ活動を充実するため、教育委員会としても積極的に支援をしてまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 検討されているということでうれしい限りですが、モデルといっても、ソフト面に当たることが大事だと思うわけですね。ですから、スポーツ振興クラブというか、総合型というその理念とか、目的に沿ったクラブになるよう期待しながら、また次の質問になるんですが、基本計画の中に生涯スポーツ及び競技スポーツと学校体育・スポーツとの連携を推進するための方策が挙げられて、また、その位置づけに、子どもたちの豊かなスポーツライフの実現に向けた学校と地域の連携の推進があるわけですね。  現状課題でも、学校開放の改善や学校内外でのスポーツ活動の充実が挙げられておるわけです。区としてどのように受けとめているか、子どもに標準を合わせた展開をお聞きしたいと思います。 ◎寺島 体育担当課長 教育委員会としては、子どもたちの多様なスポーツにこたえるには、やはり学校内外でのスポーツ活動の充実を図っていくことが必要であるというふうに考えております。学校においては、区立中学校の充実した運動部活動のあり方についての報告を受け、合同部活動の実施や外部指導員の確保、活用を進めるとともに、私立学校も含め、運動部活動で社会体育施設を使用する場合の使用料を減額する措置を遅まきながら実施するなど、部活動の充実、活性化を図ってまいりたいと思っております。  また、学校を拠点とした総合型地域スポーツクラブの育成によりまして、運動部活動に所属しない子どもたちも、スポーツに親しめる場を提供することができるとともに、完全学校週五日制の実施に伴う子どもたちの活動の場の拡充を図れると考えております。そのため、学校施設を地域のスポーツ施設として、学校と地域との共同利用を一層推進していくことが必要でございまして、地域の方々が継続して利用できるようなけやきネットの利用方法を検討するなどしまして、子どもを含めた地域住民のスポーツ活動の場の拡大を図ってまいります。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひ、これはテーマになっていまして、けやきネットを導入された、導入されたんですから、当然もう少しスポーツ活動なり、運動なり、体力増進とかがあるのに、たまたまそういうふうな形になったために全部登録制になって、現実的にあったものが使えないとか、そういう場面も生まれてきているわけですよね。ですから、大きい意味で包含して、しっかりその場の確保をお願いしたいと思います。  また、先ほどの新川委員のお話もありましたけれども、部活のことを考えていると本当に寂しい思いで、廃部だとか休部に追いやられているなどいろいろあるわけですね。そうしますと、教育面でいっても人間形成の面についても本当に大事だと思いますので、部活の支援もよろしくお願いしたいと思います。  スポーツ施設を、予算なりなかなかふやせない状態ですから、先ほどもお話ししたように、学校施設の地域の共同化というか、開放というのも、もう門を開いてもよろしいと思うわけですね。そういうことも切に願っているわけであります。  ここでもってスポーツ振興財団の二年間の成果を聞きました。それから、スポーツ振興財団は、もとは体育協会でした。体育協会で運営しているときに、JOC、要するにオリンピック委員会が離れた瞬間は、生涯スポーツと子どものスポーツの育成というのが主になってくると思うわけですね。  そこでお伺いしたいんですが、やっぱり次代を担う少年スポーツ団体への取り組みというか、そしてまた、本当に包含した生涯スポーツという位置づけをどのようにお考えなのか、もう少し大きい面でお話を聞きたいと思います。 ◎寺島 体育担当課長 少年期にもスポーツを行うということは、生涯にわたりましてスポーツに親しむ習慣を身につけるため大切であるとともに、この時期にさまざまな種目を楽しく体験することが必要であると認識しております。また、心身の発達著しい時期でもあるため、基礎体力や運動能力を身につけたり、社会性や人間性をはぐくむ活動を適切な指導のもとで行うことが望まれております。  スポーツ振興財団の実施事業を見ますと、剣道、水泳などのジュニアスポーツ教室や親子キャンプ、スキーのファミリー向けの事業、それからバレーボールやテニスなど一流選手を迎えての講習会を数多く開催するなど子ども向けの事業を重視し、充実を図っております。また、少年団体がスポーツ・レクリエーション活動を活発にできるように少年向けの大会を後援するなどして、財団としても今後も積極的に支援を行っていくということでございます。  教育委員会としましても、教育的視点から、地域における少年スポーツの充実が図れるよう、総合型地域スポーツクラブの育成や、スポーツ振興財団が実施する少年スポーツの事業をより一層支援してまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 教育委員会と財団としっかり連携を図っていただいて、子どもの育成、また、今までの体育協会のいいところを残してもらわないといけないし、また新たなる考え方のレクリエーションとかいろいろありますが、やっぱりいいものを残して新しく構築していくわけですから、ぜひとも大事な生涯スポーツとか、青少年の活動だとか、そして、文部科学省が出しているような総合型地域スポーツクラブの設立に向けて力を入れていってもらうことを期待して、次の質問に行きます。  次の質問は、子どもを取り巻く環境整備プラン、これがあります。この設立までの経過を見ますと、平成九年に領域を横断した総合的な庁内検討組織を設立し、平成十年十一月に地域保健福祉審議会より答申を受けて子どもを取り巻く環境整備プランを策定し、平成十二年四月より、組織改正とともに、子ども・男女共同参画課がプラン全体の進行管理と庁内調整の専管組織として位置づけられたとあるわけです。区民領域と福祉領域と教育委員会ということです。  先日、福祉領域はどう参画して、どういう目的と聞きましたので、ここで教育委員会にお尋ねします。ここにどのような形で参画をして、どのような目的というか、実現を具体化していくのか、お伺いしたいと思います。 ◎四元 教育政策担当部長 子どもを取り巻く環境整備プランの推進は、委員ご指摘のとおり、区全体の課題として、領域を越えて横断的に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。教育委員会は平成九年度より検討組織に加わっておりまして、現在も子ども施策推進本部には、教育長以下、部長、課長級が本部員として、また、作業部会がございますけれども、そこにおきましては事務局として、あるいは構成メンバーとして参加するなど、庁内の各課と連携して取り組んでおります。  子どもを取り巻く環境整備プランの施策体系に基づく主な事業展開、このイメージの中にもお示ししておりますように、子どもの健やかな成長においては、教育活動への取り組みが大きな比重を占めております。そのため、プランの推進に当たっては、学校、家庭、地域が緊密な連携を図りながら進めていくことが重要であると認識しております。その取り組みの一つとして学校協議会を全校に設置し、その活動を通して児童生徒の健全育成に努めるほか、BOPやSTEP、中学生評議員会等の多様な事業を展開しておるわけでございます。  今後とも、区長部局と教育委員会、これは十分連携、共同を図りまして、プランの推進に取り組んでいく必要があると認識しております。 ◆鈴木昌二 委員 説明は聞いたんですが、区長部局と教育委員会と連携を図って取り組みますと、こう言うんですが、教育の場面ですから、ある面は教育が主体となると僕は思っているわけですね。区長部局が足らない面を補うとか、福祉を補うとか。ですから、その連携を図るといっても、どれをどのように連携を図るとかが見えてこないんですね。教育委員会の領域で物すごい事業があるわけですよね。そういうことを整理整とんするべきだと思うんですが、その辺はどうですか。 ◎霧生 教育政策担当課長 先ほどスポーツの関係等もお話がございました。教育委員会の領域でいきますと、先ほどスポーツの関係で財団のやっているスポーツの関係もございます。また、教育委員会の中でもスポーツ関係を行っています。また、BOPとか遊び場開放というような形で、学校の活動場所だけでも相当の事業が実施されていると考えております。このようなことから、子どもにとって有効な施策はたくさん用意されているという中でも、組織の縦割りの弊害というものも、やはり組織の連携の中では一体的な遂行をしていかなければいけないと認識しております。  子どもを取り巻く環境整備プランの推進をするためには、それぞれ事業の歴史とか生い立ち、地域の特性等さまざまございますけれども、今部長からもお話し申し上げましたとおり、家庭、学校、地域社会、そして行政内部が連携しまして、地域とのつながりを大事にしながら多くの人がかかわり、さまざまな取り組みを進めていくことも重要であると考えています。今後はPR活動等を工夫しながら、行政と区民が情報を共有しながら、子どもたちのためにそれぞれの場面、施策等を展開しながら健全育成事業を推進していきたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 これからの一つの地域総合型の位置づけを考えたとき、やっぱり学校が中心になるのが一番いいのかな。中心になるには、今お話しのように学校協議会という位置づけがあります。今お話を聞くと、いろいろな子どもを育てるためのスポーツから、地域の場面、学校で行うSTEPとかBOPとか、いろいろあるわけですが、指導者として重複する場面もあるだろうし、学校の先生も重複というか、意識を持っている、本当に教育に熱心な教諭が面倒を見る場面もあると思いますが、どうしてもいろんなものを、この指とまれみたいな感じを受けて、一番いいのは、限られた学校の限られた子どもをどう育成するかということですから、やっぱりスリム化で簡素化した組織の方が僕は絶対いいと思うわけですね。その方が取り組みが充実されるし、何をしているかがはっきりするし、そういう意味でもって、もし全体を包含するなら、しっかりした指導力を発揮するなり、さもなかったらやっぱり簡素化して、地域で本当にその学校が核になって、スポーツ運営にしろ、健全育成を図ってもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎神取 教育指導課長 学校協議会につきましては、教育活動の充実や健全育成、安全システムづくりを通して、学校、家庭、地域が一体となって心豊かな子どもたちを育てることを目標として、多彩な地域の方々に参加していただける体制をしております。そのため、町会の役員、PTA、出張所長、商店会長、青少年委員、民生委員等が構成員になっております。隣接する学区域では、これらの関係者が重複しまして学校協議会にかかわるため、日程上、出席の調整が難しかったりすることが、学校協議会の一つの課題となっております。また、構成員が多い学校協議会では、意見交換の場として話し合いをするときに、話の焦点化がされにくいというご指摘もございます。  そういう中で、今年度、進学関係にある小中学校が児童生徒の健全育成について合同で学校協議会を開催し、構成員が重複している小中学校での出席の機会の精選と、互いの連携を考え、同じ視点で子どもの健全育成を考える上で大変有意義なものになりました。また、区内三校で学校協議会の中に評議員制を取り入れ、簡素化した組織により学校協議会の運営や学校の教育課題への評価をしております。区の教育委員会といたしましては、これらの取り組み等を推進連絡会やフォーラムなど、改善策や事例を学校に情報提供し、学校協議会の運営組織のあり方や各種事業や子どもたちの取り組みの内容、方法がさらに充実されるよう努めてまいりたいと思っております。 ◆鈴木昌二 委員 学校協議会の目的は、何といったって健全な青少年を育てる育成にある。三本柱と思うんですが、防災とかがありますが、その辺の一つの教育にもぜひ標準を合わせてもらいたいと思いますし、中学生のことで、ここに中学生評議員会の報告書が来ております。学校協議会にかかわったこの中を見ますと、その中学生の意見などが書かれております。教育し、育てるのは中学生ですから、何も大人は──子どもを育てるわけですから、そういう意味では大変すばらしいなというか、その声が聞けると思います。その成果についてお尋ねいたします。 ◎水戸 教育総務課長 中学生評議員会は、昨年の十月、十二月、ことしの二月と、各学校の学校協議会と教育委員会の共催によりまして三回実施いたしました。いずれの会場でも、生徒の皆さん、先生、地域の方々、約百名を超える参加者がありまして、テーマといたしましては、授業について、また部活動や学校週五日制などのことについて中学生の意見を発表していただきまして、それについて、また大人の地域の方々や先生方から意見を出していただくということで、観客の皆様も、実際、現在の中学生がどういうことを考えているのか。特に授業について熱心な意見もございましたので、改めて、日ごろマスコミ等で見聞きしている中学生とは違う意見を聞けたというようなことがございました。  また、今お手元にお示しいただきましたまとめをお配りいたしまして、より広くの方に中学生の意見を知っていただきたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 次に、すばらしい声が聞こえていますので、この中学生の評議員会というか、今後の取り組みと、それから学校協議会、あるいは学校の評議員制度の位置づけみたいな中に、この中学生の評議員がどう関係してくるのか、二点、お尋ねいたします。 ◎水戸 教育総務課長 このように中学生に直接意見を言っていただくというようなことを、今後、各学校においても実施していただきたいというようなことで、このような会を催しているということでございます。  今回、アンケート等でも、こういうことを続けてほしいという声と、また、学校でもできそうだというような声をいただいております。学校評議員制度については、このような中学生評議員会というような行事をすることによりまして、新しい制度についてより広く皆さんに趣旨を理解していただければと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 この本当にポイントになる学校協議会の充実を願うわけです。学校評議員ですか、先ほどと重複するかわかりませんが、町会長さんとかいろいろ入っております。その効果や期待などをお伺いするんですが、その中に現実的に動いている、例えば少年スポーツの団体の長とか、本当にふだん少しでも動いている人がその評議委員になっていただければ、より行動的に充実していくと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。 ◎神取 教育指導課長 学校評議員制度につきましては、中央教育審議会の答申等で提言された中では、校長が学校の経営方針や教育活動、計画、地域との協力などの課題について、有識者の参加を得て幅広く意見を聞き、必要に応じて助言を求めるための仕組みであり、学校教育法施行規則の改正を受けて、本年度より設置することができるようになっております。世田谷区では、平成九年度に学校協議会をすべての区立小中学校に設置し、児童生徒の健全育成や地域防災並びに教育活動の充実等について協議したり、学校と家庭、地域社会並びに関係諸機関との連携、協力のもとに、学校の特色を生かした教育活動を推進しております。  学校協議会の中に、行動力のある人材で構成した学校評議員制を取り入れ活動に取り組んでいる学校や学校協議会の活動が成熟することにより学校評議員の働きを十分に果たしている学校など、スタイルはさまざまですが、いずれも学校を開き、地域社会と連携を図った特色ある教育活動の推進に大きな効果をもたらしております。  区の教育委員会といたしましては、学校評議員制について、桜丘小学校、等々力小学校、喜多見中学校の三校を推進校と指定し、学校協議会への位置づけを探るとともに、有効な運営について研究しております。また、ことし一月に約四百五十名の参加を得て、「フォーラム学校協議会21」を開催し、各学校の特色ある活動の交流を図るとともに、学校協議会の充実のための課題として、その解決の方法を探るなどして一層の充実に努めているところでございます。 ◆鈴木昌二 委員 今までのお話を聞いて、学校協議会の充実は図られると期待しておりますが、肝心なのは今度は学校ですよね。いまだ閉鎖的な感じがします。学校長を含めた学校に対して、教育委員会の指導なり支援がもっともっと必要じゃないか。今大事なときですから、その辺のことについてお尋ねしたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 世田谷区の学校協議会につきましては、ご存じのとおり、防災教育、児童生徒の教育活動、地域の教育活動などを主体に学校と家庭、地域社会が一体となって教育が進められるもので、全学校で組織しております。このことにつきましては全国的に注目をされておりますし、その成果は徐々に上がってきていると思います。しかし、学校によっては協議会の活動に差があったり、内容も毎年同じでマンネリ化しているとか、学校が中心で保護者や地域住民の参加が少ない、また逆に、教員の参加が少ないなどの声が聞かれることもあります。学校協議会には、校長を中心に教員が地域の一員であるということを自覚することはもとより、住民が学校を開かれたものにするよう積極的に働きかけることも大切と考えております。  区の教育委員会といたしましては、これまでも学校協議会が地域と学校を結びつけ、地域の教育力の活性化につなげることを、校長会や各種の主任会で働きかけてまいりました。また、学校の教育活動でも、地域住民の参加のあり方や健全育成での地域一体となった活動について、関係諸機関などへも周知してまいりました。そしてこれらの活動の成果をフォーラムとして開催し、学校と地域に発表したところ、本年度のフォーラムでは、先ほど申しました四百五十名の教員、保護者、地域関係者の参加があり、熱心に協議をしていただき大きな成果を得ることができました。さらに、区の教育委員会では、毎年資料集を作成し、各学校に配布しておりますが、本年度から、各学校の基本的な計画であります教育課程に学校協議会の項目を設定し、具体的な活動内容を記入するようにいたしました。これにより、学校では、学校協議会の内容について一層理解が深まり、教育課程に位置づけた来年度の活動の活性化が期待されます。  今後とも、活動の経過を見ながら、各学校が閉鎖性を打破し、地域社会との連携をさらに深めることができるように、支援、助言してまいりたいと思っております。 ◆鈴木昌二 委員 もうそのとおりで、先ほどの他の委員からもありましたけれども、やっぱり教育は人ですから、そのトップの校長先生のリーダーシップとか、教頭先生、それから教諭、また、今先生方もいろいろな問題があります。質的向上と言ったら失礼ですが、その辺の意識を持ってもらわないといけないので、校長のリーダーシップと教諭の質的向上というか、そういう対応はいかがでしょうか。 ◎小野 教育長 確かに地域スポーツ、あるいは地域のまちづくり等、連携を図っていく上で、学校はその中心になるところであろうと思います。その中で、校長のリーダーシップによって確かに随分学校という雰囲気も変わってくるものでございますし、私どもその辺は十分に留意しているところでございます。平成十年の九月二十一日にまとめられました、中教審の「今後の地方教育行政の在り方について」の答申におきましては、学校の自主性、自立性の確立が求められまして、いわゆる学校の裁量権の拡大が述べられているとともに、学校経営上における校長の経営力、あるいはリーダーシップの育成、向上に向けての権限の拡大が盛り込まれております。また、これは地域に開かれた学校づくりの特色ある教育を推進する上で、地域や学校の状況、課題を的確に把握しながら、組織的、機動的な学校経営を行うことができる校長の力量を高めることが、これからの時代の学校管理職には不可欠と考えられているからです。  また、さきの教育改革国民会議の提言にもありましたように、地域の信頼にこたえる学校づくりを進めるためには、学校は自校の目標、活動状況、あるいは成果などの情報を積極的に親や地域に公開するとともに、親からの日常的な意見に素早くこたえ、その結果を伝えることが大切であるととらえております。これらのことから、校長はおのおのの学校の特徴を出すという観点から、先ほどから何度も出ておりますが、総合的な学習の時間等で代表される特色ある教育を創意工夫すると同時に、学校協議会や学校評議員制などによる、学校運営の親や地域への参加を進めていく必要があろうかと思います。  教育委員会といたしましては、学校と地域の連携をより深めていくためにも、権限を明確化したり、あるいは組織マネジメントの発想を取り入れた研修会を、校長、あるいは教職員にも実施いたしまして、今後の経営のあり方を見直すとともに、予算面での裁量の幅を広げるなどして、力量を十分発揮できるような支援をしていきたい、このように考えているところでございます。 ◆鈴木昌二 委員 最後のお伺いになりますが、学校長のリーダーシップとなりましたから、今度は教育委員会のリーダーシップで、教育長のリーダーシップを期待するわけです。昔と言ったらおかしいんですが、学校教育があってできないところを社会教育、また家庭教育ができないところを社会教育としたんですが、今、福祉とかいろんな部署の多岐にわたっております。その辺をまとめて一つのリーダーシップをとってもらわないとなかなか見えないということで、最後に一言。 ◎小野 教育長 先ほどからあらゆる面で、やはり教育というのは、その中の中心的なものに流れていくと思います。特に青少年問題等におきましてはもう教育はその中核であろうと思います。今、これが福祉や青少年対策、あるいは学校教育における各事業、こういうものにすべて絡んできております。そのために、区の中で横断的な連携をとりまして、子ども施策推進本部を設置いたしまして、この中で具体的な施策を進行しているところでございます。今後もその姿勢で進めていきます。 ◆鈴木昌二 委員 以上で質問を終わります。 ○新田勝己 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきます。よろしくお願いいたします。  それでは、休憩いたします。     午後零時十三分休憩    ──────────────────     午後一時五分開議 ○新田勝己 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。ご静粛に願います。  自由民主党、どうぞ。 ◆畠山晋一 委員 我が党の質問に対して、そして他会派の質問に対して、教科書選定に対して私自身昨年質問をやらせていただいて、一番懸念されていた教科書の絞り込みがない。教育委員会でしっかりと決めるといったご答弁をいただいたことに対しては私自身も大変よく思っております。  ただ、ここで私提言だけさせてもらいたいんですけれども、子どもたちは歴史に関する知識がほとんど白紙の状態なわけですから、中学生に特定の歴史観をすり込むことは、これは正しい教育とは思えませんので、そういったやり方で自分の国にプライドを持つ国民が生まれるような教科書を教育委員会でしっかり選定してもらいたい、このことを一つ言わせていただいて質問に入らせていただきたいと思います。  初めに、総合的な学習の時間の中でのそれぞれの学校の特色を生かした学校づくりの状況の中で、商店街に行って職場訪問をするといったものが行われているということですが、現在これは何校で行われているのか、まずご答弁をお願いいたします。 ◎神取 教育指導課長 現在、商店街等に行っております学校等につきましては、正確な数はちょっとございませんけれども、十校程度行っているかと思っております。 ◆畠山晋一 委員 十校程度行われているということで、私自身、ひとつ現場でこの二年間職場訪問を受けた商店街の方、各商店の方からいろいろな話を伺っております。  その中で一つ問題点といいますか、課題とすべき点なんですけれども、商店街の方は、はっきり言ってしまえば学校の子どもたちが来ることに対しては、やはり地域での生活を子どもがする、地域に子どもたちがいてほしいということから、責任を持って子どもたちを預かって、この職場訪問を体験して本当によかったなと思えるような形で努力をしている。ところが、みんながみんな学校の子たちがちゃんとやるかといったら、一回目のときは、優秀な子と言ったら申しわけないんですけれども、まじめに言うことを聞く子たちばっかりだったので、そのときはよかったんですが、実は二回目になると、ずっと口笛を吹いていて言うことを聞かないような子もいた。ただ、その商店の方は責任を持ってそれをしかって、しっかりやれよというふうにやったこともあるそうです。  実は、一回目のときには先生方や校長先生とかが頻繁に子どもたちの状況を見に来たということだったんですけれども、それに対して地元の方から、それでは、集中できないじゃないかといったことで、二回目は全く一回も来なかった。そうすると今度は商店街サイドから、一回も来ないというのは、これも極端なことじゃないか、どういうふうにしていくのか、学校と生徒と商店街のつながりはしっかりとできているような状況なんですけれども、学校と商店街の意見交換は、初めにはあるんですね。いつ何時ごろ来てやるのかという学校からの一方的な、この時間にやらせてくださいというような要望があるわけですよ。  商店街の方としては、学校の要望だから、じゃ、しっかりのみ込もうということで対応はしているんですけれども、実際は学校と商店街で本当は、一回目にやる前に──何時ごろが本当はいいのか、どういう商売が本当は子どもたちが行きたいのかといったような要望も受け入れる体制を持っているんだけれども、そういったことはなくて、ただ学校の方から来させてくれ、やらせてくれというような状況にある。そういったことに対して、教育委員会としては今後どう対応されるのか、まず答弁をお願いします。 ◎神取 教育指導課長 教育委員会といたしましては、この職場体験につきましては非常に意義の深い教育活動であるというふうに認識してございます。これらのことにつきまして、今ご指摘がございましたように、学校と商店街との連携を図りながら、職場体験が一層充実するようにしてまいりたいと思っております。  これらの活動につきましては、最初にご指摘がございましたように、当時、職場訪問という形でインタビューを中心にしてやっておりましたけれども、こういったものを通して職場を理解するとともに、これからの体験を通すということに、だんだんに形を変えて充実してきた活動でございます。  本年度は、多くの学校が商店街等に行って体験学習をしておりますが、この活動を通しまして教員以外から指導いただくということと、それから職場体験を通して働くことの意義、それから職業について理解を深め、みずからの将来を考えるということにつなげるためには、さらに地域の方々との交流、地域への親しみ、それから地域を愛する心情と地域の一員としての自覚を培うという意味で、非常に意義のあるものと考えております。  本区におきましては、今後も各学校に設置しております学校協議会等を通して職場体験を受け入れていただける商店等を紹介していただける学校をふやしていきたいというふうに考えております。  職場体験につきましては、ただいまご指摘がありましたように、例えば二年目を迎えます北沢中学校におきましては、昨年度については商店街の方々からのご意見を生かして本年度の実施に生かすという形での活動をしていったわけでございますが、それぞれにまだ年が浅いものでございますから、課題も出てまいります。  教育委員会といたしましては、今後もこの意義深い体験を充実しますように、学校と職場との連携を深めるように働きかけていきたいと思っております。直接、私ども教育委員会の方から商店街の連合会や工業振興会など、区内の関係団体のところに伺いまして連携を深める協力をいただくとか、学校の活動にご理解等、ご支援いただけるような働きかけもしながら学校と商店街との連携を深めて、充実した活動になるように努めてまいりたいと思っております。 ◆畠山晋一 委員 連携を深めてもらえるということで、その具体的なところですと、一回目、二回目行った、連携を深める中にちょっとこれを入れておいてもらいたいのが、受け入れた先はそのまま学校で子どもたちが職場訪問して、職場訪問が終わったら学校に帰って、学校では活動報告、どうだったとか、これが楽しかった、これがつらかったということがあって、それを子どもたちがまたお世話になった商店のところに手紙を出すといったようなことがあったらしいですけれども、実際、先ほど、我が党の方からも評価についてということが出ていましたけれども、評価がどうされているのかなということが商店の方は非常に疑問に思っているんですね。  まじめにやっていた子もいれば、やたらと注意ばっかりしなければいけない子がいた。この両者の評価をどうするのか、ここのところを商店の方はとても不思議に思っているところですので、ひとつそういったことで、今後、学校協議会との連携を深めるという中でも、そういう評価についてもどうしているのかといったはっきりとした答えを出してもらいたい、これは一つ提言させていただきたいと思います。  続きまして、学校は学力をつけること、これは非常に大事なことなんですけれども、この学力を何のためにつけるのか、生きていくためにつけていく、いろいろあります。ただ、子どもたちがどう生きていくかということの上で本当にこれから学力をどうつけていくかというのが大きな課題となるんですけれども、その一つの観点として、英語教育について質問させていただきたいと思っているんです。  現在、我が国の英語教育の一つの査定方法としてTOEFLがありますよね。このTOEFLで、今日本人の受験者の平均点というのは、大体百八十番目ぐらいなんですね。これは、アジアで言ったら北朝鮮ぐらいのレベルなんですよ。正直言ってしまえば、低いレベルにあるというのが状況です。  というのは、できる人とできない人の差が大きくついてしまっているのが今の日本の英語教育の現況だと思うんです。実際、英語教育といったところで、皆さん、外国に行った経験があるわけですから、外国に行ったら、今の現行で教わった英語教育でも十分売った、買ったですとかの商売をするときの英語は、イエス、ノー、またはチーパーとか、その程度の英語で十分通用するから大丈夫だとか、あと日本なんかは、英語教育以前に、翻訳する能力の高い方が日本には非常に多いんですよ。だから、英語ですとかの重要文献をすぐに翻訳して、日本語で読めるという体制がしっかりとできているものですから、英語を勉強しなくても日本語で十分読める。  というのは、前の台湾の総統の──(「リトバルスキー」と呼ぶ者あり)リトバルスキーじゃなくて李登輝さんなんかも、二十一歳まで日本にいたものですから、外国の本を英語で読まなくても日本で読んで十分世界のことを知ることができた。これだけ日本の英語の力というのはすごいなという点もあるにもかかわらず、英語のレベルが低い、これは矛盾しているわけですよね。  どうしてこんな矛盾が生じるのかなといったら、やっぱり今までの英語教育というのは、文法、文法でコミュニケーションというような状況だったわけですけれども、このコミュニケーションがなかなかできないというような状況がある。ただ、日本語の方が、例えば外国に行ったときに覚えておいてもらわなきゃいけないことが、初め外国に行くとこっちで習った英語というのが通用しないんですよ。これは非常にショックを受けるわけですよね。今まで中学校で三年間、高校で三年間、大学で四年間習ったとすれば、合計で十年間習うわけです。全然通用しない、ショックを受ける。ところが、このショックを受けた形での英語教育をどうしようという形が今の日本の英語教育なんですよ。だから、もっとコミュニケーションができるようにしようだとか、もっと手先での英語の会話ができようにしようというような現行の英語教育のやり方なんです。  ところが、この続きがありまして、英語を習いたい、外国語を習いたいと思って外国に行く、そうすると初めはできないとショックを受ける。ところが一年間ぐらいいると、ある日突然英語がしゃべれるようになるし、相手の方の会話もわかるようになるし、それ以上にすごいことは、日本で習ったこの英語の文法ですとか教育システムによって書く文章の能力は非常に高いんですよ。  というのは、ソニーの中谷さんが言っていたんですけれども、自分自身が大学がハーバードだったものですから、卒論を書くときに英語で書いた。一応不安だから英語を友達に見てもらって出した。そうしたら自分のアメリカ人の友人が添削したとこは全部校正を受けて、あとの部分はよかった。なんだ、おれの英語能力は結構あるんじゃないかというようなことで、非常に日本語の英語教育というのはいい面もあれば悪い面もあると。こういうところで第一次ショックと第二次ショックがあるということをわきまえた上での英語教育というのをやっていかないといけないというのが、まだちょっとこの日本には欠けているなというところがあるんですね。  ところが、それに対してようやく小学校でALTによる、要するに小さいころからコミュニケーションをやっておけば、中学校や高校で習って、その力が外国でも通用する形になるというふうに今の新学習指導要領によって変更ができたと思うんですね。  小学校でALTによる英語の活動が非常に好評なんですよ。地元の子たちからも、この間、僕、シアトルからジェフという友達が来たんですけれども、彼と一緒に町中を歩いていたら、東大原小学校の子どもが何げなく話しかけてくるんですよ。僕に話しかけるんじゃなくてジェフに話しかけるわけですよ。  それはやっぱり、ALTでしっかりと国際観──ジャックじゃないジェフなんですけれども、しっかりと国際協力じゃないですけれども、国際感覚に対する隔たりが薄れてきたということで非常にALTは好評なんですよね。  まず初めに、このALTの実施状況、課題についてお伺いさせていただきたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 新しい学習指導要領では、小学校の総合的な学習の時間において英語学習ができるようになっております。  これを受けて、世田谷区の小学校におきましても、国際理解教育の一環として英語によるコミュニケーション能力による生きる力の育成に取り組むことが急増してまいりました。区教育委員会では、これまで中学校に派遣していたALTを本年度から小学校にも派遣するようにいたしました。平成十二年度は、五十五校の小学校で活用いたしました。  各学校では、区の派遣以外にも近隣の留学生会館におります留学生との交流を図ったり、語学に堪能な保護者や地域の方々に授業に加わっていただいたりして、特色ある教育活動としての外国の言葉や文化に触れる学習を進めております。  現状の課題といたしましては、具体的な活動を進めていく際の年間計画の立て方や外部講師との連携の仕方、教材の開発、ALT派遣枠の増などがあります。  区教育委員会といたしましては、新教育課程への移行期間である本年度と来年度の小学校の取り組み状況を把握して、学校を支援してまいりたいというふうに考えております。 ◆畠山晋一 委員 小学校ではしっかりとやっていくというご答弁だと思うんですけれども、小学校六年生なんかは、小学校から今度は中学校に行くわけですよね。そうすると、今まで普通の会話、楽しみながら、歌を歌いながらとやってきた英語を、いきなり中学校に入るとディス・イズ・ア・ペンから始まっちゃう。またこういうことをやるのかというようなことでショックを受けるんですけれども、ただ、これも重要なことですから、小学校で身につけた国際感覚を中学校でどうやって生かしていくのか、このことについて教育委員会としてのご答弁をお願いします。
    ◎神取 教育指導課長 新しい学習指導要領を実施することができるようになった小学校の英語学習につきましては、言語習得を主な目的とするものではなく、児童の興味、関心や意欲の育成をねらうということを重視しております。そのため、歌やあいさつ、ゲーム、遊びなどの活動を通して基本的で応用のきく表現を選ぶような指導の内容が想定されます。  新学習指導要領の中学校外国語においては、従来、生徒たちが一定の基本的な知識を身につけていたとしてもそれを活用できなかったのは、積極的に自分の考えを相手に伝えようとしたり、相手の考えを理解しようとするなどのコミュニケーションを図ろうとする態度の育成が十分でなかったという反省に立って、聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を培うことを重要な目標として改訂しております。  現在でも、区立中学校におきましては、ALTとチームティーチングやコンピューターの活用などで英語教育の指導方法の工夫に努めておりますが、総合的な学習の時間での活動内容とも関連を深めて、国際化がますます進展する今日、今後一層その内容の充実を期する必要があります。  区教育委員会といたしましては、世田谷区立中学校教育研究会英語部との連携により、小中学校の連携を強化して授業改善に取り組むとともに、質のよいALTの派遣や総合的な学習の時間に関する資料提供等、各学校を支援してまいりたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 そのALTを活用して小学校から中学校に移行しても英語に対するコミュニケーション能力と文法能力を下げることのないよう、バランスについてもしっかり取り組むといった姿勢がどう出てくるのかなというふうに思う。コミュニケーションとこの文法とを学校の教育の中においてどうするかということで、バランスをとるのは難しいと思うんですよ。何かその点に対するご答弁がありましたら。 ◎神取 教育指導課長 今回の学習指導要領の改訂によりまして、中学校の英語指導においては音声によるコミュニケーション能力の育成が重視されることになります。  これまでの言語や文化に対する理解の指導を軽視するのではなく、言語の実際の使用場面を考慮した指導の充実を図ることにより、実践的コミュニケーション能力の基礎を培うと同時に、生徒の英語に対する興味、関心を高め、基礎的、基本的内容の一層の定着が図られるように考えています。  区立中学校の英語科の教員の中には、これまで蓄積した経験等による指導方法から新しい内容に改善を図ることが難しい場面もありますが、教育委員会の学校訪問や区立中学校教育研究会等の機会を利用して時代にかなった指導の必要性を指導してまいりたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 先ほど我が党の委員からもありましたけれども、教育は人である、教員が熱意を持って教えれば、やっぱりもっと勉強したいという子どもは頑張るし、それで教員ももっと頑張ると思う。  ただ、残念ながら質の低い先生がいることも否めない。ですから、ぜひ教育は人であるという観点から、教員に対する指導もしっかりとやってもらいたいことをお願いいたしまして、英語のことについてはこれで終わります。  最後にお伺いさせていただきたいのですが、区立の小中学校の卒業式や入学式、これは来賓としてどういった範囲で、どういった人たちに案内をされているのか、ご答弁をお願いします。 ◎中村 教育次長 基本的には、各学校の判断にゆだねております。というのは、やっぱり地域によっていろいろな事情ですとか、長い期間の伝統とは言わないまでも、慣習、地域の考え方があって、一律に教育委員会の方でこうしなさいということが適当でない部分がありますので、基本的にはそういうことで各学校の判断にゆだねております。  ただ、議員の方々には文教委員会で資料を配付したんですけれども、各小中学校の卒業式、入学式の日程をお知らせするという形でやっております。 ◆畠山晋一 委員 お知らせした、あとは自分たちで考えろ、そういうことの解釈でよろしいですか。 ◎中村 教育次長 ただいま申し上げましたように、各学校によってやり方にゆだねているものですから、実を言いますと、各学校によってやり方がさまざまであるのが実情です。学校によっては案内状を出している学校もありますし、出していないというこれまでの長年のしきたり──そういった考え方で出していないという学校もありますので、ちょっとなかなかこの辺は一律に言いがたいところがあるんですが、私としても少し何かいい方法はないのか考えた方がいいかなというふうには思っております。 ◆畠山晋一 委員 私自身が小中学校、どこにも呼ばれていないということからこういう質問をしたまでなので、実際、地元の方から、おまえ、何で出ないんだよ、どうしておまえ来ないんだよというふうに言われたものですから、それに対してどう答弁したらいいかわからないということで、きょう、ここでお伺いさせていただいたまでなので、ここで教育次長からこういうふうに言われたのでというご答弁で、しっかりと地元の方には答えていきたいと思っています。また今後とも不公平のないような形での指導をしていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ◆菅沼つとむ 委員 この間、十五日の新聞の報道によりますと、東京都の教育委員会は、定められた手続をしないまま勤務中に組合活動を行ったということで、公立小中学校の教員約三千百人に対し、給与の一部を返還するような手続を進めた。それに対して東京都の教職員組合は、勤務時間内の組合活動は正当な権利、二番目には、手続の省略は区市町村教委との合意のもとで行われた。三に、学校運営・教育活動に支障はなかったというような声明がありました。  世田谷区には、決められた手続をしないまま勤務中に組合活動を行ったという職員はいなかったと聞いております。しかし、世田谷区教育委員会から返済請求をされている教職員はいるのか、またいるとしたらどう返済請求をしていくのかをお聞きします。 ◎大森 学校職員課長 今、菅沼委員からご指摘いただいた小中学校の教職員の勤務時間内職員団体活動の給与返還につきましては、今請求されているのは、平成八年三月から平成十二年十月までの分でございます。その期間、当時、世田谷区に在籍していた世田谷区の教職員につきましては、正規の手続を経て参加しておりましたので、返納の該当者はおりませんでした。  しかし、返納となる該当の市町村教育委員会から依頼通知、簡単に申し上げると異動してきた教職員二十六名が該当いたしております。返納総額は、五十五万八百二円となっております。事務処理といたしましては、東京都教育委員会からの指示により返納請求通知と東京都出納長への納付書を学校長を通じて既に本人に送付いたしております。 ◆菅沼つとむ 委員 きちんとその辺を確認しておいてください。  それから、勤務時間内で決められた手続をすれば組合活動はできるという正当な権利がございます。手続をすれば勤務時間内でも、職場にいなくても、もちろん給料の保障をされています。今、サラリーマン、それからリストラの風が吹き荒れて、その中で零細商店、企業も、毎日いかに生きようかというのが本当のことだろうというふうに思います。その人たちの税金で区も運営されております。  今このような時代背景で、組合さんの方に会議をするのなら時間外にお願いはできませんでしょうか。また、手続の省略は市区町村の教育委員会と合意のもとに行われると言っていますが、世田谷区はどうなのか、その二点をお聞きします。 ◎大森 学校職員課長 ただいまのご指摘は、職員の職務に専念する義務の免除に関する規則、東京都人事委員会規則の中に、職員団体が許可を受けて時間中にやることができることになっています。今後につきましては、時間内組合活動より時間外活動をやるように働きかけてまいりたいと考えております。  手続等についても、従前から手続はやっておりますけれども、今後とも手続は正当に行うよう周知してまいりたいと考えています。 ◆菅沼つとむ 委員 お願いですから、やっぱりこういう時代背景、日本じゅうが苦しんでいるところは皆さん一緒だと思います。そういうものも踏まえて組合の方にお願いをしたいというふうに思います。  それから、三番目にありました、例えば小規模校ですと、クラスが少ないと先生の数が当然少なくなるわけです。そうすると、なかなか補充というのがきかないのが現状かというふうに思います。教育活動に障害がなかったというお話がありましたけれども、実際には、一人先生がいなくなると、どこの学校でも大変だというふうに思います。それは、ほかの先生がみんなでカバーしていたんじゃないかというふうに思います。組合活動を否定するものではありませんけれども、時代に合わせて考えていただければということで質問をさせていただきました。  次に行きます。図書館についてお聞きします。  議会でも十年以上前からさまざまな議論があり、アクション・プランにも載っているというふうに思います。世田谷区の図書館の今の現状を簡単にご説明をお願いします。 ◎杉野 中央図書館長 現在の図書館の整備につきましては、十五館体制になっておりまして、若干の不便地区につきましては、まちかど図書室、それから自動車図書館が補完するという形で、全体としてのネットワーク化を図っておるところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 多少、まちかど図書館だとか自動車図書館だとかありますけれども、実際に図書館の利用状態がわかればちょっと教えていただきたいというふうに思います。 ◎杉野 中央図書館長 図書館のサービスといたしましては、基本的には図書館本体のサービスが九〇%を占めておりまして、若干のまちかど図書室等のサービスが補完という形で行っているということでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際に利用されているというのは、大体九〇%以上が地域図書館で、自動車図書館、それからまちかど図書室、それが一〇%にもいかないという話ですか。 ◎杉野 中央図書館長 そのとおりでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際に九〇%を超える、百人のうち九十何人は図書館に行っていて、実際には六、七人ぐらいほかの図書館を使っているという現状を踏まえ、前々から、何か考えていくとかアクション・プランだとかそういう話がありましたけれども、あとの一〇%に満たない図書館をこのまま置いておくという費用対効果の方はどうなんですか。何かお答えがあれば。 ◎杉野 中央図書館長 自動車図書館とまちかど図書室につきましては、昭和五十年代半ば、まだ図書館が十分整備されていない時代におきまして、図書館を補完する施設として設置されてきた経緯がございます。当時と比べますと、図書館の数は二倍になりまして、現在十五館ということでございまして、これに伴って補完施設についての見直しは必要になっております。  自動車図書館につきましては、最盛期におきましては、年間三十四万冊余りの貸し出しがございましたが、現在では三万冊余りと、十分の一に減っております。これに伴って、貸し出し一冊当たりのコストでございますが、概算で千数百円かかるというような現状がございます。  一方、まちかど図書室でございますけれども、図書館からやや離れている不便地区の図書室については、年間七万冊余りを貸し出ししているということがございますが、地区によりましては、その半分以下の図書室もありまして、まちかど図書室としての間の中で格差がございます。経費につきましては、まちかど図書室一館当たり年間一千万から一千五百万円かかっておりまして、必要性の高いものとそうでないものとの精査をしなければいけない、このように考えております。  見直しにつきましては、十三年度に見直し計画を策定いたしまして、地元にも十分説明した上で十四年度当初に自動車図書館の廃止とまちかど図書室の整理を実施していきたい、このように考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 二十六年前にあきを埋めるということで、これはその時代背景ですからしようがないというふうに思いますけれども、十四年度ということは来年で、実際には九十何%を大体図書館でやっていて、六、七%でしょう、そういうようなことをあと二年もたたなくちゃきちんとできないというのは、これは何年前からこういうことをやっているの。見直すとか、そういうのがわかったら。 ◎杉野 中央図書館長 平成七年の実施計画におきまして、補完施設の見直しということが取り上げられております。なかなか地元との調整等いろいろございまして、おくれてまいりましたけれども、こういう厳しい情勢を踏まえまして、後戻りはできないという状況を重々考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 平成六年じゃなくて、いろいろな人の答弁書があるんですけれども、確か十何年前からそういう話が出ていたかなというふうに思います。  それで、最近はアクション・プランというものが出てきましたけれども、そのずっと前じゃないかというふうに思います。このまま十三年、十四年というと、また、ああじゃない、こうじゃないという話が出てくるのかな、隣のおばあちゃんが行けないからという話、じゃ、ゼロにならなくちゃ、一〇〇%図書館にならなくちゃできないのか。大体もう九十何%でしょう、六、七%でしょう。その辺どうなの、十四年まで待たなくちゃいけないのか、だれか答弁してくれる。 ◎杉野 中央図書館長 庁内の検討につきましては、ほぼ終わっておりまして、あと庁内合意をとる段階が近づいております。実質的には、あと一年後には見直しの結果を実施できるように、そういう方向で十四年度と申しましたが、十四年度当初にそうした結果が出せるように最善を尽くしてまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 庁内合意と出ましたから、助役さん、一言。 ◎水間 助役 いろいろ前に約束してなかなか実行できなかったというようなものもございます。しかし、今こういう厳しいいろいろな状況にございまして、私どもはやはり結果を出して区民にお知らせしていく、これが大変重要な時期に差しかかっております。  今、課長からも答弁を申し上げましたが、十四年度のできるだけ早いところに、教育委員会の所管が主でございますけれども、私どもは、教育委員会に限らず、全庁的にそういった精神でこれからも結果を出して、できるだけ早く区民の方々にそういった結果をお知らせする、あるいはまた行政自身がしっかりと中でいろいろな形で整理していく、これが極めて今重要な時期に差しかかっているということでございますので、強い決意で望んでまいりたい、このように思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 よく、こういう問題というのは、使う人の身になってとあるんですが、逆に言うと六、七%しか使わないということは、使わない人が九十何%のそれを支えているという話なんです。今助役さんのお言葉にあったように、その人たちにきちんと早目に結論を出していただきたいというふうに思います。  次に行かせていただきます。IT講習会についてお聞きします。  皆さんご存じのように、十三年度に急遽国の方でIT講習会を実施するということで決まりまして、講習会は一応無料で行う。二十歳以上、二万二千五百人を対象に行い、一年間だけの補助事業で行う。会場には中学校三十二校、区の施設、民間施設などで行い、区民がパソコン等を使い、地域活動の交流に役立たせるように行うとあります。  しかし、その前に、今パソコンというお話がありましたので、今までやっていた十二年度中学校パソコン教室の実態をちょっとお聞きします。 ◎藤井 生涯学習課長 十二年度にパソコン教室を開催いたしましたけれども、その状況についてお答えいたします。  事業名は「初めてふれるパソコン教室」ということで、ごくごく初心者向けのパソコン教室を開催いたしました。開催に当たりましては、区立中学校のパソコンルームを活用するほか、小中学校の教員を講師として実施いたしまして、開かれた学校づくりの一層の促進を図ってきました。  十二年度につきましては、八校の中学校で募集人員は一校当たり三十五名ですけれども、八会場、八校で合計二百八十名の募集をいたしました。応募者は千二百九十七名で、二百八十名の定員に対して四・六三倍の倍率がございました。  受講された区民の方からの感想ですけれども、パソコンのおもしろさを知ることができた、また教員の方が丁寧に教えていただいて本当に感謝しているというような感想をいただいております。 ◆菅沼つとむ 委員 四・六三倍ということで、パソコン教室が人気があるということだろうというふうに思います。パソコン教室でやっている状況、例えばどんな人がやっているのか、どのぐらいの年齢の人が主に多いのか、その辺がわかればちょっと教えていただきたいというふうに思います。 ◎藤井 生涯学習課長 十二年度に受講生として参加された区民の方ですけれども、やはり女性の方がかなり割合としては多くございました。また、年齢層もやはり四十代から高齢の方は七十代の方まで、平均は約五十八歳でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 ちょっと予想と外れました。私はもっと若い人が多いのかなと思ったら、大体四十から七十、平均が五十八歳、女性が多いという話を聞きました。  実際には、今回十三年度からIT講習会が行われますと、もっと本当は逆にそういうふうなパソコンに初めて触れる人が多くなり、パソコン教室みたいなものが人気が出ると思うんですよね。実際には十三年度の対応というのは、急に国から落ちてきましたので、現場としてはてんやわんやの話だろうというふうに思います。その中で、当然十四年度というのはその後に来る話ですから、十四年度の対応がありましたら、お聞かせをお願いします。 ◎藤井 生涯学習課長 今日の情報化が進展する中で、区民のパソコン操作等を学びたいというニーズはかなり高まっておりまして、十三年度実施予定のIT講習会でも多くの区民の受講が予定されております。  こうした中で、十四年度以降はIT講習会をどのようにしていくつもりかとのご質問ですけれども、基本的には、十三年度のIT講習会の成果を踏まえて区民の要望にこたえていく必要があると思います。 ◆菅沼つとむ 委員 多分十三年度にやるから十四年度の方はそれだけ大変に人気が出るだろうというのは、私もそう思います。しかし、さっき言ったように、国が一年間の補助事業なわけですよね。実際にはある程度のことはそういう補助だとか予算があればできる話、じゃ、その中で実際に今の中でそのまま継続してつけられるのかというと、これもちょっと難しい、十四年度ですからわかりませんが、多分今の状況だと難しいというふうに思います。  よく区長が言うように、金がないときには知恵を出せと言っていましたよね。うちは知恵を出すか、汗をかくかというような、最近はちょっと聞かれていませんけれども、そういうようなお話を昔はよく聞きました。  その中で、例えばこういうふうにすればちょっと知恵が出るんじゃないかと思うんですけれども、十四年度に学校五日制が始まるわけです。その中で夏休み、冬休みは今までは長期休暇とかああいうものをとっていたんですけれども、実際には、これから十四年度以降は学校の先生だとかが実際に夏休み、冬休みにいらっしゃるわけです。そういうところで、部屋はあるし、先生はいるし、そういうところでやれば一銭もかからない。  それから、逆に言うと、例えば各学校のパソコン教室があります。その中でもちろん生徒が使わない時間ですけれども、グループをつくっていただいて、それをそのグループに貸し出す、結局、当然そのグループというものは講師だとかパソコンを教えてもらう先生を探さなくちゃいけない。今この世の中で、中学生、高校生、大学生で簡単なパソコンを教えられる人はたくさんいらっしゃるわけですよ。息子だとかボランティアだとかそういうことはできる、そうしたら、そのパソコン教室にグループで団体が行って、そこで申し込んで、そのグループが責任を持ってやるということもお金がかからないし、場所もあるということですよね。  それから、もうさっきからも出ましたけれども、十四年度から本格的に体験学習が出てきます。ご存じのように、今中学生というのは小学校時代からやっている本当に詳しい連中がいます。そういう中で、逆に言うと中学生が高齢者のパソコン教室の先生になって体験学習ということもできるんじゃないか、やっぱりそういうふうなお金を使わないで知恵を使って、予算はかからず、そして三十二校でやれば、当然世田谷区の学区の地域でやると世田谷区全部が学区が分かれていますので、そこで全部できるわけですよ。  また、世田谷区も言っているように、地域活動や高齢者に役立つようなものを考えたい、それから逆に言うと、高齢者の四十から七十といって、高齢者がそういうパソコンで新しい世界的なものとかインターネットをやるというのは大変いいんじゃないかと思うんですけれども、予算がかからないお話はいかがでしょうか。ご意見があったらお願いします。 ◎藤井 生涯学習課長 十四年度からの完全学校週五日制の実施に伴いまして、ご質問にもありましたように、予算をかけないパソコン講習会のやり方のご提案をただいま委員よりいただきました。  その中で、パソコン講習会の講師に生徒や夏休み期間中等に教員を活用できないかとのことですけれども、夏休み期間中等に学校の教員を参加させるにいたしましても、服務の問題等解決すべき課題もございます。また、生徒についてはボランティア活動や部活動の一環としての活用が考えられます。  また、学校のパソコンルームを地域に貸し出し、地域の方々の自主的な講習会、グループに役立てていただくことは学校施設の有効活用を図る上でも意義がございます。しかし、パソコンの保守管理をどうするかなどの解決すべき課題もございます。  いずれにいたしましても、ご提案内容につきましては、今後学校や関連部課で検討してまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 余りいいアイデアに聞こえなかったな。十四年度になって学校五日制になると、服務じゃなくて実際に五十日以上夏休み、冬休みに学校の先生は出てきているでしょう。要するに子どもがいないのに先生が出てきているんだから、何でひっかかるのかなというのが一点。  それから、わざわざ個人じゃなくてグループというのは、団体に責任を持たせる、当然区の施設を壊したら、自然に壊れたものは別ですけれども、その団体に直していただくのが当たり前の話です。  それから、私が一番気に入っているのは、小学生の体験学習が一番いいなというふうに思うんですけれども、もう一度お考えをお聞きします。 ◎中村 教育次長 とりあえず十三年度は、IT講習会でやっていきたいと思いますけれども、十四年度以降につきましては、これまでお話の出ましたパソコン教室をもう少し十三年度のいろいろな体験を踏まえた形でやっていきたいと思いますが、パソコン教室の運営の仕方についてもいろいろな方法があろうかと思います。今ご提案をいただいたようなお話、例えば夏休みに教員にやってもらうというふうなことも含めて、少しパソコン教室の応用した形のものを考えていきたいというふうに思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 今みたいな問題を出したって、何かというと、パソコン教室が十二年度にやっているのに四・六三倍ということなんです。これが十三年度、皆さん、マウスを初めて持ってやると、おもしろいじゃないかというと、この倍率が四・六三倍では済まないというふうに私は思っています。十倍以上になる確率が当然今のペースだとある。  だから、中学校を三十二校に分けたり、いろんなことを工夫しないといけないんじゃないですかという話なんです。そのまま──今で四・六三倍でしょう。これが十四年度になったら絶対もっとふえますよ。それで本当に対応できるのかなと。だから、全庁的に予算をかけずにやっぱり考えていかなくちゃいけない、要するに物はある、人はいる、器具はそろっている、それだけそろっていたら、もうほとんど八〇%はそろっているみたいなものですよ。もう一度前向きな……。 ◎小野 教育長 今、次長からお話し申し上げましたが、これから、先ほどから申し上げておりますように、開かれた学校あるいは学校協議会等を通じて地域との連携ということを進めていかなければいけない中にあるわけです。  そういう意味では、この学校施設の活用というのは有効な方法だろうと思います。また、地域の方々にご理解いただける一番大きな要素だと思います。また、例えば中学生と高齢者との交流というような面での活用もあろうかと思います。いろいろ工夫しながら進めていきたいと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 ありがとうございます。  では、次に、学校五日制についてお聞きします。  ご存じのように、平成十四年四月一日から学校教育法で公立学校が五日制になります。学校五日制になりますと、さっきも言ったように、隔週の今までやっていた土日の長期休暇、十一・五日が夏休みをとっていたんですけれども、それが当然土日が休みになりますのでなくなります。  実施には、学校の関係者が学校に出ていく日が土日を抜かして夏休み、冬休み、大体夏休みが実際に出る日が三十五日ぐらい、それから冬休みが五日間ぐらい子どもたちはいなくても学校に出てこなくちゃいけないわけですね。  学校五日制といっても、十三年度と言っていますけれども、もう何だかんだはっきり言うと一年ちょっとしかないわけですよ。これは何でかというと、前回もやったんですけれども、初めて公立小中学校で取り組む話なんです。だから、今のうちからきちんと学校五日制の夏休み、冬休みの過ごし方を決めておかなくちゃいけないと思うんですけれども、その辺も考えていらっしゃると思うので、ちょっとお聞かせをお願いしたいというふうに思います。 ◎大森 学校職員課長 私の方からは、教職員を除く学校職員の学校長期休業期間中の勤務形態、研修等についてお答えいたします。  ご指摘のとおり、十四年度から学校は完全週五日制が実施されます。それに伴いまして、休業期間中の勤務体系、研修は再構築せざるを得ないと思っております。現在、夏休み中を例に挙げますと、職種ごと、あるいは学校職員全員を対象としたリサイクル研修、防災防火研修、各種技能取得研修などを中心に実施いたしております。研修日を除いては、所属学校等で学校の諸業務に従事いたしております。  しかしながら、平成十四年度から学校完全五日制が実施されますので、区の財政状況が厳しいこと、また、学校施設整備が財政が厳しい中で思うように進んでいないことを思慮いたしますと、学校の長期休業期間中には学校職員に対しては余りお金をかけない、簡単に言えば手づくりの学校施設整備や環境整備を行う研修を充実いたしてまいりたいと考えております。そのため、今後、学校長、職員にも働きかけ、その実現に努めてまいる所存でございます。 ◎神取 教育指導課長 教員の長期休業中の勤務についてでございますが、学校週五日制の完全実施に伴いまして、先ほどご指摘いただきました現在行っています隔週の土曜日に勤務している週休日、これのまとめどりの必要がなくなってまいります。  現在、学校におきましては、例えば夏季休業中で申しますと、小学校では水泳指導、林間学校の引率、校内研修などを実施しており、中学校では水泳指導、部活動の指導、それから学習の補充教室での指導などを行っております。一方、また教育委員会でも初任者、新規採用の教員の宿泊研修や現職研修、教育相談の研修などを開催しております。  公立学校の教員の勤務及び研修等につきましては、任命権者であります東京都教育委員会の方の考えがまだ出ておりません。これにつきましては、平成十四年度以降の勤務形態ですとか、研修の方法につきまして、都の教育委員会と協議をしながら検討していきたいと考えております。  長期休業中の勤務形態、研修につきまして、部活動の活性化や地域活動への参加、そういったものを効果的に利用できるような方法を考えていきたいというふうに思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 夏休みという感覚を、私は研修をしてくれと頼んでいるわけじゃない。夏休みというものをやっぱり頭を切りかえてくれ、例えばここの役所だって夏休みだって九時─五時いらっしゃるわけでしょう。同じ公務員で、何で学校の先生がきちんと九時─五時で──研修の日程じゃなくて、九時─五時の日程をきちんとやってくれ。例えば、十二年度学校職員夏の研修表というのがあります。その中の研修の中にペンキの塗り方研修、それから太極拳の講習会、腰痛の講習会、それからドライ調理方式の作業説明会、調理業務における作業、公衆衛生。  実際に公衆衛生だとか調理の人たちは、私から言わせると、免許を持っているからプロなんですよ。プロにこんなペンキの塗り方だとかこういうものは、当然できる人が学校に入って当たり前の話なんです。だから研修の内容を教えてくれるんじゃなくて、研修を充実するんじゃなくて、今度夏休み、冬休みは、三十日間、朝八時から夜四時半までの時間をどういうふうにきちんと生かせるのか、その辺をお聞きしたいということなんです。お願いします。 ◎大森 学校職員課長 私どもの学校職員の研修につきましては、心身ともに健康で、かつ技能を向上させることが必要であると思います。ある程度の研修につきましては、委員ご指摘の精査するところもありますけれども、研修につきましては見直しをしていく中で充実も一方では必要であると思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 今、見直し案が出てきましたから、できましたらなるべく、研修の中身じゃなくて、いかに三十日とか三十五日を過ごせるような中身のものを出していただきたいというふうに思います。  それから、一点気になることがあります。また、公立の場合は、学校教育法で縛りがありまして、ご存じのように、十四年四月一日から学校五日制を強制的に行わなくちゃいけないわけです。  また、私立の方では、学校五日制はお願いなんです。実際にこのままですと、私はどちらかというと、私立と公立の格差が開くんじゃないかというふうに思います。例えば、ざっと計算すると、公立と私立、土曜日は私立は休みませんから、大体四十六日間、時間で言うと百八十四時間、これが一年間に公立と私立の差が開いてくる。このままですと、ますます差が開くんじゃないかというふうに思います。  実際に、現場で聞いてみたら、どうなんだという話をしたら、いや、もうこれは太刀打ちできない、時間のあれはとてもとてもできない、だから、逆に言うと、これは、本当に学校自体がどういうふうに見直しをしていくのかという問題はもっともっと議論しなくちゃいけないというふうに思います。  実際に公立の場合、一年間に百八十四日ということは、三年間で五百五十二日になるわけです。公立の場合は、年間八十九時間、そうすると半年以上の時間が違ってくるという話になってくるわけです。
     それから、実際に今高校をよく見ますと、よく友達の子どもや何かが行ったんですけれども、都立の高校の先生に聞くと、うちの学校は楽しくていいよ、そのかわり、うちの学校は私立に比べて私立は三年だけれども、公立の都立は四年というふうに考えなさいというものが現実に都立の先生が言っているわけですよ。  その中で、じゃ、どうなんだと言ったらば、それが今度の小学校、中学校も同じふうになりますよというふうな話になっている。その中で、じゃ、カバーするのは何かといったら、文部省が認められている塾に頼むか、教育の原点を変えていくのか、勉強から人間関係をつくっていくのか。人間関係をつくるとしたら、部活の方がなくなってくる。当然私立の方は部活に合った先生を雇えられる、この辺をやっぱりきちんと考えていかなくちゃいけないと思いますけれども、ご意見がありましたらお聞きします。 ◎四元 教育政策担当部長 委員ご指摘のとおり、学校週五日制が実施されますと、一方で趣旨としては体験学習等を含めて子どもたちがそのゆとりの中でさまざまな体験をしていくという貴重な時間になるということもございます。  ただし、一方で、保護者の方々には学力低下、今公私格差というふうにご表現なされましたけれども、端的に申しまして、学力低下ということの懸念がございます。こういうことを踏まえて、教育委員会といたしましても、先生方の服務の関係も含めて今後具体的に検討していきたいというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 もう時間がないので、一言。公立の父兄だって、実際にこういうものはだんだんにわかってくると思います。そのときにどうするかというと、実際に自分たちの子どもがそういうふうになった場合、当然塾だとか自分の家で守るほかないわけです。そういうことも踏まえて、これから頑張っていただきたいというふうに思います。  自民党の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○新田勝己 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五分休憩    ──────────────────     午後二時十五分開議 ○新田勝己 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆谷逸子 委員 最初に、学級編制基準の弾力的運用についてお伺いいたします。  十三年度から、一クラスを四十人とする現行で、学級編制の基準を維持したまま、都道府県の判断で学級の枠組みにとらわれず教科の特性や習熟度などに応じた少人数の学習指導ができるようになり、全国で二万二千五百人の教員が配置されることになったと伺いました。  一学級四十人の基準は据え置かれ、子どもの個性に応じた丁寧な授業を推進するためには、一歩前進したと評価しております。  これに加えて東京都は、来年度から、児童生徒がより安定した人間関係のもとで学校生活ができるよう、集団生活など社会性を養う大切な時期である小学校低学年や卒業、進学等を控えた小中学校の最終学年の学級編制について、学級編制基準を弾力的に運用し、学級数が減っても前年度の学級を維持できる特例制度を新しく発足させると伺っております。  私も、我が子が学校に在籍をしているときに、学年末、今、年度末でしょうか、児童生徒が一人転入するとか、転出をするとかという、そのことによってクラスが統合されたり、クラスが一クラスふえるという、そういうことで大変父母として大騒ぎをした記憶がございます。本当に父兄にとりまして、長年この制度を望んできたことだなと思っております。  そこで、何点かお伺いをいたします。  この特例制度が設けられた目的と、また具体的内容についてお伺いいたします。そして、教育委員会としては弾力的運用の制度が設けられたことをどのように評価されているのでしょうか。お伺いいたします。 ◎幡野 学務課長 学級編制の特例制度が設けられましたのは、現在、学級編制基準が四十人となっておりますが、数人の児童生徒の増減で学級数が変わってくる、また、クラスがえをしなければならない、そのような場合に、前年度の学級のままその状態を維持できるという制度でございます。  この制度は、小学校の二学年と六学年、それから中学校の三学年において前年度の学級数から増減する場合、クラスがえをしないことを条件に前年度の学級数のままでもよいというものでございます。  具体的に例を挙げますと、例えばある小学校の二学年が前年度は四十一人で二学級であったとします。それが一人減って四十人になった場合、現行の基準では一学級になりますけれども、クラスがえをしないで二学級のまま維持できるというものでございます。  それから、この制度の評価と申しますのは、各学校では児童生徒の指導上、いろいろ配慮しなければならない、そういう問題を多く持っている中で、この大事な時期にクラスがえをしなくて済むことは、学級運営の安定が期待でき、非常に意義のあるものではないかというふうに考えております。  また、それによりまして教員が減少しなくて済む、そういうことにもなりますので、学校運営全体にプラスになる面も出てくるだろうというふうに考えております。学校に制度の趣旨を理解していただき、この制度を有効に活用していきたいと考えております。 ◆谷逸子 委員 区では、この制度が適用されるケースは、現時点でどのぐらいの学級数が想定されるのでしょうか。また、この制度が全学年に拡大されないものなのでしょうか。また、東京都は全体でどのぐらいを見込んで予算計上しているのでしょうか、お伺いいたします。 ◎幡野 学務課長 二月一日現在の見込み調査によりますと、この制度が適用されますのは、本区の場合、小学校で二校二学級、各一学級ずつ、それから中学校で一校一学級が見込まれております。今後、四月一日の学級編制の基準日には多少変化がありますので、これは変わってくる可能性もございます。  それから、東京都ではこの制度が適用になるであろう学級数を東京都全体で五十五学級見込んでおります。 ◆谷逸子 委員 この制度は、国の制度ではなく東京都単独の施策なのでしょうか。また、神奈川県では一部運用されていると聞いたことがございますけれども、他の都道府県の状況はどうなっているのでしょうか。 ◎幡野 学務課長 この制度は、国の施策でなく東京都が単独事業として始める制度でございます。  それから、ほかの自治体の取り組みの状況でございますが、神奈川県が平成四年度から小学校六学年を対象に一番最初に始めました。それから、千葉県が平成十二年度、今年度から小学校二学年を対象に実施しております。全国では、東京都が三番目ということになります。 ◆谷逸子 委員 ありがとうございました。  さきの本会議で質問いたしましたが、再度、本の読み聞かせについてお伺いいたします。  先日、中央図書館をお訪ねし、読み聞かせタイムに参加をさせていただきました。エプロンをかけた男性、女性の司書の方が読み聞かせルームで二十数名の二、三歳児の幼児に優しく語りかけ、読み聞かせ、手遊びと紙芝居を、あっという間の三十分間でございました。大変驚きました。二十数名のお子さんたちは目を輝かせ、話の世界に吸い寄せられるように真剣に聞いているのです。騒ぐ子は一人もいません。いつも楽しみにこの読み聞かせに集ってきている子どもたちなのだなと思いました。  この地域に中央図書館があり、またこういう読み聞かせルームに集ってこられるお子さんたちは、本当に幸せなんだなと思います。こういう運動を区全体にもっと広げていかなくてはいけないと考えます。司書の方々も大変忙しい中での読み聞かせだと思います。また、学校にも出前、読み聞かせにも行ってくださっているようです。高く評価させていただきたいと思います。  また、子どもと本を結ぶ連続講座等、七回にわたって実施し、大変好評だったと伺っております。しかし、毎週各館で行っている子ども向けのおはなし会では、最近子どもの参加者が減る傾向だとも聞いております。もっと地域の方々にお知らせ、案内をさらに周知していただきたいと思います。  また、各会館に読み聞かせルームがあるわけではありませんので、難しい面もあろうかと思いますが、ある日、ある方が楽しみにこの読み聞かせにお子さんと一緒に参加されたそうです。その時間になるにもかかわらず、大変うるさく、騒がしく、参加できないで帰ってきた、そういう声も聞いております。もっと工夫をしていただきたいと要望させていただきます。  小さいころから両親とコミュニケーションをとることができる読み聞かせをした子どもと、そうでない子どもは、表現力や文章力を養う点からも大きな差があると指摘をされています。読み聞かせは、読書への動機づけに有効であり、ボランティアの協力参画で行われていると思いますが、その実態はどのようになっているのかお伺いいたします。  また、今後さらにボランティアの活動の幅を広げていくべきと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。 ◎杉野 中央図書館長 図書館におけるボランティアでございますが、おはなし会につきましては、十六の地域のグループ、それから、個人では四名の方が十二の図書館において活躍をしております。昨年は、二〇〇〇年子ども読書年ということがございまして、こうした読み聞かせのグループの方たちを一堂に会しまして、「おはなしフェスティバル」という形で区民の方からも好評をいただいたところでございます。  今後のボランティアの活用でございますが、まだそうした読み聞かせのボランティアが入っていない図書館もありますし、また小学校への出張おはなし会を拡充していく上で、読み聞かせボランティアの方々の協力も得なければならない、そうしたことを含めまして、ボランティアの募集、発掘に努めまして、双方が手をとり合って図書館サービスの向上を図っていきたいと考えております。 ◆谷逸子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、ブックスタートについて再度お尋ねいたします。  子どもと読書のかかわりは、まず、乳児期の母親の語りかける言葉から始まります。その出発点の大切さを考慮して始められたのがこのブックスタートという活動です。  これは、イギリスから始まった活動ですが、子ども読書年をきっかけに、我が国でも長期的な展望で試みが既に始められました。  その内容は、保健所における新生児の四カ月健診の際に、専門家に選ばれた絵本二冊、手引となる小冊子、地域の図書館の紹介、子育てサービスの情報などのパックを母と子に直接手渡しをし、図書館員や保健婦さんが子どもと絵本を読むことの楽しさや意味について話すというものです。これは、赤ちゃんのときから絵本を与えようという目的ではなく、お母さんと赤ちゃんが絵本を手がかりに、言葉やまなざしやほほ笑みを交わし合い、楽しみと喜びをともにすることを願っての工夫です。このことで、赤ちゃんの成長と言葉の発達を促すのに欠くことのできぬ体験となることから発想された試みです。  ややもすると、教育的になりがちな絵本を与えるという発想ではなく、温かい心をはぐくむ子育ての工夫です。ごく自然に絵本が生活の中に取り込まれることにより、本に親しむ習慣もつくり出されるはずで、その後の絵本とのかかわりは図書館が支援することになるのです。そのために、図書館員との最初の出会いが保健所においてできるように配慮されているのです。赤ちゃんとお母さんを保健所と図書館とが協力して支えていこうという試みです。  イギリスでも八年間追跡調査を行い、すばらしい結果が出ていると報告をされております。ぜひ、当区におきましても取り入れていただきたいと思います。  現在の財政状況の中、厳しいものがあろうかとは思いますが、そんなにお金をかけなくても、健診のときに、せめて絵本のリスト、手引となる小冊子、図書館でのおはなし会の予定、また子育てサービスの情報など、母と子に手渡しをし、絵本を読む楽しみ、意味などについて話をする世田谷版ブックスタートについて再度お伺いいたします。 ◎杉野 中央図書館長 委員ご指摘のブックスタート運動につきましては、ご指摘のとおり、子育てを始めた親に適切な絵本と情報を提供しまして、子どもが絵本の世界に入っていくことを助長いたします大変意義深いものと考えております。  イギリスにおきましては、識字率の向上という国家的な目標、それから出版業界の強力な支援がありまして、現在では九〇%という自治体で全国的な広がりを見せております。  一方、世田谷区におきましては、毎年約六千人の乳幼児が健診に訪れます。このような機会をとらえまして絵本への道を開いてあげることができれば、子どもの将来にとりまして大きな財産になるものと考えております。  委員の方から大変温かいご配慮のお言葉をいただきました。イギリスでは、奉仕とか寄附とか、そうした社会貢献が歴史的に定着しておりまして、民間団体や企業がブックスタートを支えてきました。  これに対しまして、世田谷区としましては情報の提供というような形でブックスタートの趣旨を生かした取り組みをしていきたい、それは、絵本の紹介、読み聞かせの行い方、図書館のおはなし会への案内というようなものをパックして手渡すなど、世田谷独自の方法を検討いたしまして、関係部署と協議しながら実施に向けて努力していきたいと思っております。  子どもにとりまして、絵本の世界というのは創造力を高める、そして思いやりとかすべての新しい出発点になるものでございますので、十分そうした趣旨を踏まえてこうした取り組みができないか、職員とともに考えて、よりよい形で実施に向けて努力していきたいと考えております。 ◆谷逸子 委員 前向きなご答弁ありがとうございます。やはり小さいときから身近に本に親しむ環境づくりが大変重要だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、公立図書館及び児童サービスの充実についてお伺いいたします。  子ども時代は好奇心が強いだけに、本に対する好みや質が養われる大切な時期です。最も貴重な子どもの時代に出会う本は、最適、最良、最高のものであることが必要だと考えます。子ども時代から質のよい読書ができるように、公共図書館において子どもの読書環境を整備することは重要なことと思います。レファレンス体制、また質のよい読書を推進するために蔵書の充実も重要となってまいります。現状はどのようになっておりますでしょうか、お伺いいたします。  また、国の内外でIT革命が急速に進行しております。図書館行政の中でもパソコン、インターネットの活用が進む中で時代に適応した電子図書館的な運営が必要と考えます。具体的には、電子メールでの貸し出し予約やレファレンスの受け付け、インターネットを活用してのホームページでの蔵書の検索、障害者の方が利用しやすい図書館サービスなど、幅広い活用と改善が必要だと考えます。当区の今までの進捗状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。 ◎杉野 中央図書館長 まず、蔵書の点でございますが、十三年度の予算要求におきましては、教育委員会の重点事業といたしまして、今まで財政が厳しいという中で一〇%のカットを余儀なくされておりましたが、何としても基本である蔵書を確保したいということで、平年度ベースでございますが、一〇%に近い伸びを要求いたしまして、財政当局の方の理解をほぼいただいているところでございます。  次に、電子図書館構想ということでございますが、高度情報化が急速に進んでおりまして、インターネットを使ったサービスへの要望というものも図書館に多く寄せられているところはよく存じております。このようなことが実現いたしました場合には、利用者が図書館に出向く手間が省けるなど、利用者の利便性が一層図れるようになると考えております。ただ、そうした利便性が図れる反面、本の予約件数が著しくふえる、そうした面での業務の見直し、また図書館システムとの連動がございまして、システムの追加変更等の技術的な解決が課題としてございます。  しかしながら、インターネット利用は時代の趨勢でございますので、新年度早々検討組織を立ち上げまして、具体的に検討を始めたいと考えております。 ◆谷逸子 委員 次に、学校図書館についてお尋ねいたします。  各小中学校で蔵書の整備充実を推進しなければならないと考えます。文部省は、学校図書館の図書を一九九二年度末の冊数の一・五倍にふやす目的で、一九九三年度に学校図書館図書整備新五カ年計画を策定、実施されましたが、その結果、新五カ年計画に伴い当区ではどのような対応を行い、どのような改善が図られたのでしょうか、お示し願いたいと思います。  伺うところによりますと、子どもたちの中に、自分たちが読みたい本がないという声も聞きます。例えば、子どもたちの声、意見も取り入れる工夫が必要と考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ◎幡野 学務課長 それでは、私の方から前半の学校図書館の図書の整備状況についてお答え申し上げます。  学校図書館の蔵書につきましては、平成五年に文部省が学校図書館図書整備新五カ年計画、これを策定しまして、同時に学校図書館図書標準を定め、この標準をクリアすることが求められております。  蔵書数の標準につきましては、学校ごとにその学校規模によって定められております。本区の場合、平均で小学校につきましては約八千五百冊、それから中学校は約九千六百冊、これが一般的な平均的な数でございます。  この整備状況でございますが、それ以降例年整備に努力はしてきておりますが、この標準をクリアしているのは、小中学校とも約六割が標準を超えております。あと四割程度がまだ標準まで届いていないという状況にございます。未整備の学校につきましては、どうして未整備か、その理由とか図書室そのものが狭いというようなこともございますので、その図書館の状況等を調べまして、早くこの標準に達するように努力してまいりたいと思っております。 ◆谷逸子 委員 さらに、学校図書館の利用には、以前、かぎがかかっており、必要なときのみ利用できるシステムになっておりましたが、また、父兄の中に、せっかく図書館が配置されているのにとても残念だという声もよく聞きます。いろいろと問題はあるのかもしれませんが、子どもたちが自由に利用できるように改善できないものでしょうか。  学校図書館の充実を図るために、学校、家庭、地域社会が一体となって総合的な取り組みが必要と考えますが、ご見解をお伺いいたします。 ◎神取 教育指導課長 児童生徒の読書離れが問題となっている中、昨年の国際読書年や総合的な学習の時間の取り組みをきっかけにいたしまして、学校図書館の学習情報センター、または読書センターとしての役割の重要性が注目されております。  読書は、人格形成に大きな影響を与えるもので、特に中学生時代は思春期にあり、多感な中学生がさまざまな学習を通して自我を形成する時期です。読書に親しみ、みずからの世界を広げることは中学生の成長にとって重要であり、学校図書館を利用したいとき、いつでも利用できる状況を整えておくことが必要です。  世田谷区では、各小中学校に学校図書館事務の臨時職員を一日六時間、年間百日配置しております。各学校では必要に応じて臨時職員を活用し、学校図書館の充実に努めています。臨時職員の配置により、学校図書館の整備が進み、読書環境が整うとともに、中学校では配置前にはかぎのかかっていることの多かった図書館が開館できるようになり、生徒が活用する機会がふえております。また、小学校では保護者がボランティアとして学校図書館臨時職員と協力して図書館の整備を始めているところがあります。  区教育委員会といたしましては、学校図書館担当者と臨時職員、そして保護者等のボランティアが連携協力することにより、学校図書館の整備活用が一層充実するよう、校長会、教頭会で先進的な学校の取り組みを紹介するとともに、学校図書館の開館時間の確保に向けて保護者等のボランティア活動のあり方について検討を進めてまいります。 ◆谷逸子 委員 ありがとうございました。  次の質問に移ります。さきの本会議で一般質問いたしましたLD児、それからADHD児の対策についてお伺いいたします。  平成十一年七月に学習障害の定義、学習障害に対する実態把握の方法、指導の場及び方法等が示された調査研究協力者会議の最終報告に対する教育委員会の認識と対応についてお伺いいたします。 ◎神取 教育指導課長 LD児の定義につきましては、学習障害及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒指導方法に関する調査研究協力者会議が平成十一年七月に出しました「学習障害児に対する指導について」の最終報告について次のように示されております。  「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達には遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に困難を示すさまざまな状況を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」学習障害児はこれまで多くの場合、本人の努力不足のせいにされ、当該の児童生徒や保護者を苦しめてまいりました。努力をしているにもかかわらずなかなか成果が上がらないところにその障害の特徴があります。  学習障害については、存在が一般に知られるようになってからまだ間がなく、学校や家庭、地域社会において十分理解されているとは言えない状況にあります。したがって、教職員や保護者、地域の方々への啓発により学習障害について正しい理解を図るとともに、学校、家庭、地域社会が学習障害児や保護者の悩みや苦しみ、苦労を受けとめ、ともに歩める環境をつくる必要があると認識しております。  とりわけ、学校においては教職員が学習障害について正しく、また深く理解し、学習障害児や保護者の立場に立ってこれまでの教育活動の見直しを図り、一人一人の障害の状況に応じた指導の実施に努めることが重要であると考えております。 ◆谷逸子 委員 LD児、ADHD児の障害については、まだ学校でも地域、家庭でも十分に理解されていない状況にあります。さらなる充実のために、調査研究協力者会議の最終報告で検討されました方策の中から具体的にお伺いいたします。  まず一点目、校内委員会の設置とその運営についてでございます。  学習障害児を効果的に指導するためには、まず当該児童生徒が学習障害等であるか否かを判断する必要があります。学校における児童生徒の実態把握のために校内委員会を設ける、校内委員会の構成員として校長、教頭、担任教師、その他必要と思われる学年主任、教育相談教諭、また養護教諭、なお校外の専門知識を有する者が参加。  二点目のチームティーチングの活用でございます。  学習障害児はその特性から、通常の一斉授業の形態による指導では十分に学習内容を理解することができないことがあります。しかし、本人の理解できる能力に応じた個別の指導方法がとられれば、十分通常の学級の中で学習できる者が相当存在します。こうした児童生徒の指導に際しては、チームティーチングの活用が大きな力を発揮するものと思われます。  以上、ご見解をお伺いいたします。 ◎神取 教育指導課長 校内委員会につきましては、障害のある児童生徒の実態を把握するとともに、児童生徒やその保護者の思いを受けとめ、共有したり学校の指導体制をつくり、支援に生かしたりする上で重要な役割を果たすものと認識しております。  現在、各学校では教育相談主任を中心とする教育相談部会等、児童生徒の心身の状況を把握し、対応策について組織的に検討する部署を設けており、職員会議や教育相談、事例研究会等の場において配慮する児童生徒について教職員の共通理解を図るとともに、指導のあり方について検討しており、校内委員会と同様の役割を果たしていると考えられます。  今後、各学校において校内委員会の重要性について理解し、教育相談部会等の活用を通して学校としての体制づくりを進め、学習障害児や注意欠陥多動性障害のある児童生徒への適切な対応がなされるようにすることが望まれます。  区教育委員会といたしましては、教育相談主任協議会や心身障害教育研修における研修を一層充実させ、校内組織の中心となる教員の育成を図り、学習障害児や注意欠陥多動性障害のある児童生徒についても教育相談部会等において検討の対象として取り上げ、具体的な支援に生かせるように努めてまいります。  また、チームティーチングにつきましては、学習障害及びこれに類する学習上の困難を有する児童生徒の指導方法に関する調査研究協力者会議の中の最終報告におきまして、チームティーチングの幅広い活用の中で学習障害児も十分配慮することが望まれるとしております。  学習障害児は、その障害の特性から通常の一斉授業の形態による指導では十分学習内容を理解することは困難ですが、個に応じた指導を行うことで学習効果を上げる場合が少なくないと考えられ、チームティーチングは効果的な指導法の一つであると考えます。  本区においては、現在、都のチームティーチングのための教員や講師の配置に加え、区費による非常勤講師の活用等により、チームティーチングや少人数による指導の工夫ができるようにしております。こうした人的な支援により、各学校の指導形態の工夫が一層進んでいくものと考えております。  区の教育委員会といたしましては、今後も学習障害児や注意欠陥多動性障害のある児童生徒も含め、一人一人の児童生徒によりきめ細かな指導がなされるよう、区費講師等の活用の工夫について情報提供を行うとともに、教育委員会による学校訪問や指導主事の学校訪問等を通して指導形態の工夫について指導助言に努めてまいります。 ◆谷逸子 委員 当区では、桜木中学校で通級指導、ひろば学級が認可され、地道な指導実践と研究がされてきたと聞いております。今までの経過と現況をお聞かせいただきたいと思います。 ◎幡野 学務課長 桜木中学校のひろば学級は、平成三年に通級の情緒障害学級として開設され、情緒の不安定が原因で学力の習得に個別の指導を必要とする生徒に対して指導を行ってまいりました。
     平成八年から四年間にわたりましては、文部省の学習障害児等調査研究協力校として、情緒障害学級の中でLDへの指導の研究も行ってまいりました。現在、その成果を生かしながら指導を行っております。  開設以来、このひろば学級の通級生は十一人から十六人の間で推移してきております。本年度は十一人が在籍しております。 ◆谷逸子 委員 ここ数年、通級指導への関心が高まる中、区内の該当生徒を桜木中学校だけで担当するには、通級生徒の交通の便を初め不都合な面も多く、他地区にも受け入れを設置する必要性を感じているとありました。  ここで、保護者側の気持ちを代弁させていただきたいと思います。ADHD等の児童生徒の行動や周囲からの苦情など、保護者が一番悩んでおります。学校からお子さんの行動に問題がありますなどと言われてもどうにもならない、大変苦しんでいるのは保護者であるということを知っていただきたいと思います。  また、適切な指導が受けられますよう小学校の情緒障害、通級指導学級を新設していただきたいという声もありますが、あわせてご見解をお願いいたします。 ◎神取 教育指導課長 通常の学級に在籍する児童生徒のうち、特別な配慮や対応が必要な児童生徒を対象とした通級による指導は、平成五年度より制度化されており、学校教育法施行規則には、心身の故障に応じた特別の指導を行う必要のある児童生徒として、言語障害者、情緒障害者、弱視者、難聴者、その他心身に故障のある者で、本項の規定により特別の教育課程による教育を行うことが適当な者と示されております。  学習障害児や注意欠陥多動性障害のある児童生徒の教育的ニーズにこたえる場として、通級による指導に類似した学習の指導の場を設けることも考えられます。しかし、学習障害については、まだその実態や判定基準、学校での指導方法など未解決な課題が多くある状態なので、現時点では学習障害児や注意欠陥多動性障害のある児童生徒は通級による指導の対象に含まれず、今後必要な検討を行うこととされております。  区教育委員会といたしましては、区費による非常勤講師の活用等により、校内の支援体制を整備し、在籍学級において個に応じた教育が適切に行われるようにするとともに、情緒障害のある子どものための通級指導学級において、一人一人の子どもの多様な障害の状況に応じてその改善を図るための指導が充実するよう努めてまいります。 ◆谷逸子 委員 これまで、LDの子どもたちはその障害の程度が軽い子はなかなか理解してもらえず、わがままのレッテルを張られ、また親にあってはしつけの問題、親の責任と言われ、初めから脳の機能の障害等と思ってくれることはほとんどありませんでした。  日本では、軽度発達障害を持った子どもたちに光を当ててこなかったと言えます。それが現在の学級崩壊や、また不登校、いじめ等の背景にもさまざまな形で見え隠れしていると思われます。今、一番問われているのは、個々に応じた教育なのではないでしょうか。  LD等についての研究と理解が進みつつあることで、人類の歴史に大きな足跡を残した先人の中にも該当する人々がいたことがわかってきました。皆様、ご存じかと思いますけれども、アンデルセン、エジソン、アインシュタインなどとも言われております。アンデルセンの母もエジソンの母も、周りからは風変わりな能力の低い子どもと見られた我が子への一%の可能性を信じ、それを育てる努力を惜しみませんでした。そして、身近な人々の愛情あるかかわりがあったようです。今こそ桜梅桃李のさまざまな個性を持った一人一人の子どもたちの全員を丁寧にはぐくんでいく教育が必要と思います。  さらなるLD児、ADHD児への取り組みのお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◆飯塚和道 委員 初めに、教育改革について何点かお伺いをいたします。  日本を真に再生させる一番のかぎは、教育改革にかかっていると考えます。世界に例のない速さで少子・高齢化が進む日本が二十一世紀にも活力ある社会を維持するためには、一日も早い経済の再生が不可欠であることは言うまでもありません。しかし、より根本的には、教育によって有為な人材をはぐくんでいく以外に、日本の将来を磐石にする道はないのではないでしょうか。  受験戦争に勝ち抜くことが命題になってしまった戦後教育のひずみは、今日、いじめや不登校、校内暴力、そして学級崩壊へと深刻さを増しています。日本の教育の現状が危機的状況にあることはだれの目にも明らかであります。  しかし、ピンチの中にこそチャンスの芽はあります。一例を挙げれば、急速な少子化が従来の受験戦争社会に変革を迫っていることです。およそ十年後には、大学受験者と大学定員が同数になるため、受験生の意識も、どこの大学に入るから何を学ぶかへと変化し、これに対応して入試のあり方も大きく変わることが予想されます。  画一的な知識教授型の教育から多彩な知恵創出型の人間教育への転換が求められ、抜本的な教育改革を遂行できる好機ではないでしょうか。区の見解をお伺いいたします。 ◎小野 教育長 先般の高松や高知における成人式での非常識な行為、あるいは最近でも、いとしいはずの我が子に対する虐待事件の報道など、私ども大人社会へのやるせない思いと責任の重みを感じざるを得ません。戦後の復興の時期に求めた豊かさや利便性への追求のあまり、これまで築かれた伝統あるいは社会的規範、道徳観といった先人の財産が置き去りにされたような寂しい思いがいたします。  一連の教育改革も、こうした社会現状の反省に立った社会変革への願いと新しい教育への挑戦であるようにも思います。  お話しのように、教育改革で進める子どもたちの個性を伸ばし、多様な選択のできる学校制度の実現策は、従来の平等主義や画一性を是正して、個性、能力の尊重教育への転換を意味するものであり、二十一世紀の激動する社会に身を投じ、揺るぎない信念と自信に裏打ちされた国際社会に行動する人材の育成を願う国民の声であると認識しております。  私は、こうした一連の教育改革を視野に入れながらも、従来から取り組んできた基礎・基本を学ぶ世田谷の教育を今後とも継承し、これを支えるかかわりを重視した教育を展開してまいりたいと考えております。  特に、個性と能力を尊重しつつ、みずから学び、考え、行動する生きる力と、正義感や倫理観、思いやる心を育てる豊かな人間性をはぐくむ教育の実践は、社会への礎になるものと思います。都市化が進行する中で、世田谷にはまだまだ多くの自然や町並み、そして古きよき伝統と活気に満ちた町の営みがございます。こうした世田谷の自然環境に触れながら、体験を通して子どもと教師が、子どもと地域社会がともに学び、喜びを享受し合える教育が極めて重要であります。  そうした中で、それぞれのかかわりがより意義深いものとなるためにも、大人社会が襟を正し、かく生きるべきの強い信念のもとに自然や社会との営みを実践していくことが極めて重要であり、認識を新たにすべきことと考えております。  私は、このような思いを心に刻み、世田谷の教育の基本に据えて今後の教育行政に取り組んでまいる所存でございます。 ◆飯塚和道 委員 ぜひこれが世田谷の教育だと、本当に世田谷版教育改革を示していただきたいんですけれども、そこで何点か具体策を提案させていただきます。  教育力の回復はやはり人と人との結びつきの大切さを再認識することから始まり、結びつきを再構築することにより達成すると考えます。そうした意味で、体験学習の充実が重要であります。他の都市においてもさまざまな工夫に取り組んでおります。水戸市では、中学生を対象に洋上学校と北海道での自然体験を取り入れた四泊五日の体験学習、兵庫県では、中学二年生を対象に、トライやる・ウイーク体験活動週間を実施、大きな成果を上げております。トライの意味は、生徒が興味や関心に応じてトライしたい職業やボランティア活動などを選んで果敢に挑戦することです。そして、学校と家庭、地域の三者がトライアングルのように連携を深め、三者がそれぞれの役割を果たすことで地域の子どもは地域で育てるという共通の視点で取り組んでいこうというものであります。  この事業は、生徒一人一人が地域のさまざまな職場や福祉・文化施設などで学校の授業では味わえない現場の仕事などを五日間にわたり体験し、改めて自分の生き方を見詰め直し、社会的に必要な自立性、また耐性を養うもので、九五年の阪神・淡路大震災と、九七年の小学生連続殺傷事件の発生をきっかけにスタートした制度であります。これは心の教育に重点を置いた取り組みでもあります。これらの体験学習の実施を求めますが、いかがでしょうか。 ◎神取 教育指導課長 今日の情報化や少子化の進展等に伴いまして、子どもたちはますます社会体験や自然体験が不足し、人間関係が希薄化してきております。子どもたちの健やかな心と体の発達には、さまざまな場面での数多くの体験活動が必要不可欠です。みずから学び、みずから考える力の生きる力をはぐくむことを目指している新しい学習指導要領において、改訂の基本方針の中で体験的な活動を充実させていくことが重要であると述べられております。  水戸市では、市内全中学校の二年生を対象に船中泊と呼ばれる洋上学校を実施しており、船内でのロープワークを体験したり、宿泊先の北海道で多様な体験活動をしたりしております。  一方、地域や自然の中で豊かな感性や創造性を身につけることをねらいとして行われている兵庫県のトライやる・ウイークでも保育園での保育体験や病院での看護補助体験などを通して、子どもたちの職業観や社会への関心などが高まったと報告されております。  世田谷区におきましては、近隣の保育園での保育体験やデイホームを訪問してのボランティア体験、農業体験やスキー教室等の自然体験など、多くの学校が体験学習を教育課程に位置づけて実施しております。また、本年度、商店街など職場体験した中学校の数は、昨年の四校から十校以上へと増加しております。  区教育委員会といたしましては、今後各学校における体験学習の一層の充実に向けて、地域社会との連携のもとに行われる体験活動が学校協議会の場で共通理解を図れるように学校に働きかけるとともに、商店街連合や工業振興会などの区内の関係団体との連携をさらに深めるなど支援に努め、数日間にわたる職場体験などについても検討してまいりたいと思っております。 ◆飯塚和道 委員 体験学習というのは、やはり一日、二日じゃ意味がないんですね。例えばあるお店に体験に行く、やっぱり一日、二日は声が出ないらしいですね、ところが三日、四日になると自信がつく、そこに一つの大きな五日間という深い意味があると思うんです。  ですから、兵庫県の教育委員会がまとめた実施状況によりますと、このトライやる・ウイークに参加した不登校生徒のうち三八%が登校するようになった。自分に自信ができた、こういう教育委員会の実績もあるわけでございますので、これらの体験学習の早期実施を強く要望し、次の質問に移ります。  小中学校のゆとりある教育の実施の観点から、現在は三学期制ですけれども、二学期制に移行してはと考えます。一月上旬から三月上旬までの従来の三学期制は、実質的に生徒と触れ合い、指導する期間としては極めて中途半端との指摘があります。三学期制だと、教科の学習が途中で寸断される上、評価自体も途中で行わなければならず、さらに教員もテストをして通信簿をつけるという作業に追われ、生徒指導へのゆとりが失われている現実もあります。  そうした背景を考えると、二学期制への転換は、三学期制をなくして二学期制に再編することで学期のスパンを長くし、教員、生徒の双方にゆとりをもたらす利点を持っております。二学期制に対する区の考え方についてお伺いいたします。 ◎神取 教育指導課長 ご指摘のとおり、一学期を長期的なサイクルととらえる二学期制は、年間行事を柔軟に設定できるとともに、総合的な学習の時間など長期的に継続して課題を解決するような学習の際に、興味、関心を生かし、試行錯誤しながら主体的な学習活動が実践できるよさがあります。また、通知表の回数を減らすことで、結果の評価だけでなく、日常の評価を大切にし、事後の指導に生かす評価が可能になると考えます。  しかし一方で、学校の教育活動の調整や学期途中に長期休業が入ることで学習を連続して行うことが難しいといったことや、季節等の教育環境に応じた単元、題材の配列や各種行事の実施時期の移行調整が困難であるといった課題があると考えております。 ◆飯塚和道 委員 今実際に、二学期制を導入する試みが進められているのは、いわゆる仙台市、これは二〇〇二年の四月から市内の百八十六の全小中学校で二学期制をスタートする方針でありますけれども、これはやはり非常に教育現場からゆとりが生まれ、総合的な学習の時間への取り組みがしやすくなった、さまざまな効果があらわれている。ですから、こういう他の自治体もぜひ参考にしながら取り組んでいただきたいと思いますけれども、また今回は、法律が改正になりまして世田谷区独自で、いわゆる区の判断で決めることができたわけですから、その辺をあわせて検討していただきたいと思いますけれども、何かあればお答えいただきたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 世田谷区では、平成十一年三月に世田谷区立学校管理運営規則の改正によりまして、区立の幼稚園、小学校、中学校の学期を三学期制に規定しております。仙台市の先行事例からは、学期の長期化を図ることで教師が子どもたちと向き合う時間的、精神的なゆとりが確保でき、生徒指導や進路指導等が日常の対話の中でも可能になるといった効果が予想されております。  区教育委員会といたしましては、こうした先行事例や都内の区市等の状況を把握しながら、現在の学期制度において、ゆとりの中で児童生徒が主体的に学習し、教師が子どもたちとじっくり向き合える時間的、精神的なゆとりを確保し、個別の学習支援ができるようにしていきたいと考えております。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ研究をしていただきたいと思います。  次に、学校の統合について何点か質問をいたします。  区は、平成十年七月の小中学校の適正規模及び適正配置等についての答申をもとに学校統合を進められておりますが、小学校については、小規模化を生かしながら学校間の連携による打開策を考え、統合をしない、こういう方針でありますが、中学校は、集団の中でもまれながらたくましく生きる力を培い、社会性を見つけ、また学校の活性化を図るため学校統合を進める方針とのことであります。  十二年度現在、答申の基準を下回る中学校が七校、若林、太子堂、北沢、奥沢、八幡、喜多見、池尻が対象になっていますが、今後の学校統合について、区の基本的方針をまずお伺いいたします。 ◎小野 教育長 学校統合の適正配置等審議会の答申で示されましたように、中学校は教科担任制であることから、学級数の減少に伴う教員定数の減少が日常の教育活動や集団活動に及ぼす影響が大きいことがあります。平成十四年度から学習指導要領では、選択履修幅が拡大されまして、多様な学びを保障し、選択メニューも豊富にするためには、一定の教員集団を確保する必要がございます。  また、中学生にとりまして、集団の中でもまれながらたくましく生きる力を培い、社会性を身につけさせること、学校を活性化することが求めれております。これらを総合的に考え、子どもたちの教育環境を改善するという前提に立ちまして、中学校はまず通学区域を見直し、通学区域の変更による効果が薄い場合は、学校統合を基本に進めることにしております。  現在、小規模化している中学校は、池尻中学校以外に、お話の六校ございます。これら六校については、学校規模の予測や通学区域の変更による可能性、学校配置や通学距離の状況、地域の事情等課題も多くあります。  今後、対象となる学校ごとのさまざまな課題解決の方策を研究し、計画づくりに向けて検討していきたいと考えております。 ◆飯塚和道 委員 学校統合に当たっては、やはり生徒数の推移が判断の基準の非常に重要な要素になってくると思うんです。そういう意味では、正確な予測は難しいと思われますが、例えば太子堂中学校、十二年度は百六十五名と、区内で最も小規模校であります。しかし、この隣接している国立小児病院跡地に公団住宅が今計画をされ、大幅な人口増が見込まれます。  また、国も先ほどあったように、今後、少人数学級を推進していく方針でありますので、当然教室等も今以上に必要になってくると思います。そういう意味で、やはりこの地域の実情によく配慮して取り組んでいただきたいと思いますけれども、区の見解をお伺いします。 ◎霧生 教育政策担当課長 さきの国勢調査では、区内の人口が八十一万人を超えて前回の調査から約三万人ふえましたけれども、区立学校の児童生徒数の関係で申し上げます。昨年、平成十二年度の児童数、小学校の関係ですが、二万七千九百五十五人、この十三年度四月一日の予測は、二月一日現在の学校の報告によりますと、二万七千七百人、約二百人ぐらい減る動きになってございます。  また、中学校の関係の生徒数で申し上げますと、昨年が一万一千人、十三年四月予測が一万六百人、約四百人減るというような、そういう減少がまだございます。  人口の増加を地域別に見ますと、確かに玉川、烏山、砧地域の特定の区域で比較的増加傾向にありますけれども、環状七号線の内側では大きな動きは見られないというような状況がございます。  また、今お話のような大規模開発による人口増加は、部屋の間取り、あるいは転入する家族構成、年齢層等によりまして児童生徒数の推移の予測が非常に難しい面もございます。一概に比較することはできませんけれども、先般、明治薬科大学跡地の分譲マンション、二月一日から百九戸の入居がございました。その中で、小学生は二十五人、中学生が十四人、合計三十九人の転入がございましたけれども、指定校の学校への入学につきましては、小学生で十人、中学生ではゼロであるということも伺っております。  いずれにいたしましても、お話のように、転出の状況や進学状況等も考慮しながら、今後の児童生徒数を見きわめながら計画を進めていきたいというふうに考えております。 ◆飯塚和道 委員 学校の施設は、もちろん教育面は当然でありますけれども、やはり地域のコミュニティーの場でもあり、また防災拠点としても大変重要な役割を担っております。それらの側面もぜひ考慮していただきたいと思います。  今回、世田谷区としては初めての事業として、新星中学と池尻中学の統合を計画されておりますが、生徒、または父兄の間から統合に対する不安と戸惑いが起きております。池尻中学は四十五年の伝統を誇り、スポーツ、文化活動においてもすばらしい成果をおさめており、今まで頑張ってきたという一人一人の強い思いがあるのではないでしょうか。区は、今回の統合をどのように認識されているのか、まずお伺いいたします。 ◎小野 教育長 確かに今回の学校統合につきましては、世田谷区としては初めてのことでございます。また、実施までの期間を、一般的に他区市の例をとりますと一年半から二年ぐらいで行うところが多く見受けられます。世田谷区では、初めてのことでもございますので、平成十二年に案をお示しし、平成十六年の四月を目途に統合を計画しております。  確かに母校への愛着、あるいは歴史等も重ねておりますし、いろいろと不安もございますでしょうけれども、これは急激な変化や学校がなくなる等、あるいはそういう動揺等を軽減するために長期の期間を持ちまして、きめ細かく説明をしながら、ご理解をいただきながら進めていきたい、このように考えているところでございます。 ◆飯塚和道 委員 今回、池尻中学と新星中学が統合されますと四百三十八人となり、規模的には七番目の大きさになるわけですけれども、ただ、先ほどの学区域を見ますと、下馬、三軒茶屋、太子堂、三宿、池尻となっております。今後、公団住宅、公務員宿舎、大規模マンションの建設、さらには都営団地の建てかえ等の計画もあると聞いております。  そういう意味で、住宅状況を考えますと、近い将来、大規模の中学校になることが想定されます。区は、統合に必要な規模で大規模改修を行い、教育環境を整備する、このように言われておりますが、具体的整備方針を示していただきたいと思います。また、財政負担をどのように見込んでいるのか、お尋ねいたします。 ◎岡野 施設課長 大規模改修工事は、教育委員会としては施設課だけではなくて、教育政策担当課とか指導課、学務課、保健給食課、一緒に協力して両校の先生方の意見、要望を十分聞きながら新しい教育内容も配慮しながら設計に反映していきたいと思います。  また、改修工事を行うに当たっての財政負担につきましては、これから実施設計という設計を行うわけですが、国の補助金、工事請負費二億円が上限になっていますその補助率の三分の一を積極的に活用していきたいと思っています。 ◆飯塚和道 委員 学校統合によりますと、本当に財政が豊かなときであればいいんですけれども、新たな財政負担が生じます。また、跡地利用を考えますと、区の負担も相当ふえると思います。この点については、やはりまた別な機会で議論させていただきたいと思います。  学校の適正規模の問題、この答申の中に、学校規模が学校教育にどう影響を与えるかという問題は、かなり入り組んだ問題とも考えることができる。つまり、取り出される教育上の側面によって学校規模の大きさの及ぼす影響はプラスともとれるし、マイナスともとれる、さらにはその取り出される側面とは同一の事柄を異なった視点から見詰めているにしかすぎないこともある。  例えば、小さな学校の場合のメリットとされる「教員が児童生徒一人一人の特性を把握し、個別の指導ができる」は、逆に、小さな学校のデメリットとして児童生徒の切磋琢磨が少ない、集団生活になじみがたい、仲間からの刺激が少ないになったりします。  結局、学校の適正規模をどのような範囲でとらえるかという問題は、区立小中学校にどのような教育を期待し、区立学校の将来像をどう想定するかに多分に依存している、このように答申では区に投げかけているわけでございます。区は、今回の学校統合にどのような教育効果を期待しているのか、お伺いいたします。 ◎神取 教育指導課長 統合によりますメリットといたしましては、学級数の増加に伴いまして教員数が増加し、教科によっては複数教員の配置が可能になります。その結果、教育的な効果といたしましては、開設できる選択教科のコースの数や部活動の数が増加し、生徒の多様な要望にこたえやすくなります。  また、生徒数の増加により運動会等の学校行事や教育活動が活性化され、よい意味での競争心が芽生え、切磋琢磨しながらみずからの資質や能力を高めることができます。さらに、集団生活による学年、学級への帰属意識が高まる中、活発な活動が期待できる等が考えられます。  区教育委員会といたしましては、両校の円滑な統合ができるよう、地域、保護者に対して十分な説明を行い、理解を得ることに努めながら、統合までの期間に両校の教育課程のすり合わせを行い、統合後にそごが生じないように努めてまいります。部活動等においては、学校間の連携活動を推進すること等を視野に入れ、教育効果を高めてまいります。  現在、統合後の新しい学校づくりに向けて新星中、池尻中の両校におきまして、統合協議会の設置が予定されております。この会に多くの人々にご参加いただくとともに、幅広いご意見をいただき、学校を盛り上げる力を期待しております。 ◆飯塚和道 委員 大規模の効果につきましては、一定の理解はできるわけですけれども、ソフト面の教育的な効果と同時に、やはりハード面の効果についてはどのように考えているのでしょうか。統合することによってこのように教育環境が充実する。例えば、温水プールとかメモリアルホールの設置とかグラウンドの整備等、いわゆるそういうハード面における統合による効果、明確なビジョンを示していただきたいと考えますけれども、その辺はいかがでしょうか。 ◎霧生 教育政策担当課長 施設整備につきましては、新しい学校を子どもたちにとって魅力ある教育環境に整備することが何よりも大切であるというふうに考えております。今お話しのように、両校の歴史を展示するようなメモリアルホールあるいは交流スペースなどの設置につきましても、他の自治体の例を参考にしながら、今後学校や統合協議会等とも十分相談しながら鋭意取り組んでいきたいと考えております。 ◆飯塚和道 委員 最近、跡地利用についてさまざまなうわさが流れております。誤解を生じないために、跡地利用についてどのように今後取り組まれていくのか、方針をお尋ねいたします。 ◎霧生 教育政策担当課長 統合によります跡地利用につきましては、助役を長とした大規模未利用地検討委員会の中で公共施設整備基本計画に基づき全区的な立場から検討していくことになっております。  この検討委員会には、教育長、教育次長もメンバーとして参加しておりまして、区長部局と十分に連携をとりながら議会とも相談し、統合協議会の意見や地域住民の皆様の声を反映させていくというふうに考えてございます。 ◆飯塚和道 委員 先日の卒業式の日、校長先生が、学校は心のふるさとです、いつでも帰ってきてください、このように卒業生に叫ばれ、本当に卒業生が全員泣いた、このように聞いております。だれしもが、やはり自分の母校がなくなることは、私も実は福島なんですけれども、母校の中学校が統合でなくなってないんですけれども、やはりだれでも自分の母校がないというのは寂しいんですよ。そういう意味では、そういう生徒一人一人の声は確かに小さいかもしれませんけれども、それらの声を本当に尊重し、区は本当に理解を得られるように全力で取り組んでいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎四元 教育政策担当部長 池尻中学校及び新星中学校、両校とも先生方のご尽力を初め保護者や地域の方々のご支援によりまして、保護者から高い評価をいただいていると認識しておりますし、また学校に対する愛着心も深いものというふうに私たちも感じております。  しかしながら、教育委員会といたしましては、適正配置等審議会の答申を踏まえまして、将来の子どもたちのために下限を下回って小規模化した学校の教育環境の一層の改善を図ることが大事であるというふうに考えまして、今回の統合計画をお示ししたものでございます。  この計画を進めるに当たりましては、四月以降、新星中学校と池尻中学校それぞれに、学校関係者、PTAあるいは地域の方々で構成される統合協議会を設置しまして、学校統合についてさまざまなご意見をいただきながら十分に話し合いをしていきたいというふうに考えております。また、協議会で話し合われた内容については、これまでと同様にパンフレットなどによって広く周知に努めてまいりたいと思います。  さらに、ことし四月から事務局組織を拡充いたしまして、学校適正配置担当課長を新設いたします。保護者や地域の方々との連携をより密接にしながら、さまざまなご意見やご要望にきめ細かくこたえていくとともに、学校統合の具体化に向けて子どもたちの不安を軽減する方策など、懸案課題を一つ一つ解決していく考えでございます。ご理解をいただきたいと思います。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ最善の努力をしていただきたいことを強く要望しまして、次の質問に移ります。  これは、午前中、鈴木委員の方からもありましたけれども、スポーツの振興について何点かお伺いしたいと思います。  先日、オリンピック柔道で金メダリストの吉田秀彦選手を招いてスポーツ振興財団主催の講演会が開催されました。会場には、競技団体に紛れて少年少女が目を輝かせ、吉田選手の話に聞き入っておりました。質問コーナーでは、私もオリンピックの選手になりたいのですが、どうしたらなれますかと、小学生の女の子からの素朴な質問に対して、吉田選手は、目標があるんだったら、その目標に向かって人より多く努力して、努力を信じていっぱい努力してごらん、努力はあなたを裏切らないと思うよ、こういう言葉に少女は大きくうなずいておりましたけれども、子どもに夢と目標を与えるようなこうした事業こそ、これからの世田谷区のスポーツ行政に求められているのではないでしょうか。今後のスポーツ振興策について、事業展開についてお尋ねをいたします。 ◎寺島 体育担当課長 お話のとおり、今月の一日に、砧区民会館におきまして、バルセロナオリンピックの柔道の金メダリスト吉田秀彦さんをお招きして「わたしと柔道」ということで、世田谷区スポーツ振興財団主催のスポーツ講演会が開催されました。  当日は、あいにくの雨模様で出足が心配されたんですけれども、二百五十五名の参加がございまして、大変盛り上がった講演会でございました。講演は、バルセロナオリンピックの話が中心で、その中でも吉田さんが先輩と慕っていた古賀さんという方なんですけれども、その方が試合の直前に自分が一緒に練習をしていてけがをさせてしまったというような報道をされて、非常に古賀さんのために夢中で戦って、古賀さんと一緒に金メダルをとれたというお話は、大変会場の皆さんの感動を誘ったというふうに記憶しております。  講演全体を通じまして、友情の大切さや、やはり両親を初め周りの人たちへの感謝の気持ち、ふだんの日常生活の大切さなど、人間として大事なこと、本人の実体験をもとに語られ、子どもからお年寄りまであらゆる世代の共感を呼んだというふうに思っております。  財団のスポーツ講演会につきましては、スポーツをする人だけではなくて、すべての人に得るものが多い講演会となっておりまして、特に青少年の健全育成にとって、このような財団の事業展開が重要であるというふうに認識いたしております。今後も、スポーツを通じまして青少年が豊かな心と他人に対する思いやりをはぐくめるよう、区としても財団の事業を支援してまいりたいというふうに考えております。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ世田谷区のスポーツ行政の充実に向けてさらに努力をしていただきたいと思います。  もう一点、ニュースポーツの一つでありますティーボールについてお伺いしたいと思います。  ティーボールは、バッティングティーの上に乗せたボールを打つことから始まる非常に野球に似たゲームで、老若男女、障害のある方もすべての人が楽しむことができるスポーツで、いつでも、どこでも、だれでも気軽に行えるスポーツで、学校でも昨年四月より小学校三年生、四年生の体育の正科になりましたが、一部の学校では既に取り入れておりますけれども、大部分の学校は今回初めてだと思うんです。  そういう面で、指導面で若干不安を残している点が見受けられますけれども、区の対応策についてお伺いします。 ◎寺島 体育担当課長 ティーボールにつきましては、今回の学習指導要領の改訂で小学校三年生、四年生の体育の授業の正課に取り上げられることができるようになっておりまして、子どもからお年寄り、障害のある方にも親しめるスポーツであることから急速に普及していくというふうに思っております。  そのため、指導者でございますけれども、やはり教育委員会では指導者を育成していくということで体育指導員の研修会に取り入れまして、学校健康サタデーや地域の行事などで体育指導員が中心となり、普及に力を入れているところでございます。  学校健康サタデーでは、PTAや遊び場開放、それからBOP、新BOPの皆さんと連携して実施しておりまして、BOP、新BOPの指導員もこのティーボール協会のご協力をいただきまして研修を行うなどしまして、指導者の育成を図っているところでございます。 ◆飯塚和道 委員 ティーボールは、障害のある方を対象にした大会も開催しておりますけれども、やはりこうした事業を実施する上で必要となるグラウンドや、いわゆるバリアフリーを考慮した場の確保については、区はどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎寺島 体育担当課長 場の確保の問題でございますけれども、障害のある方を対象としました大会の場につきましては、既存のスポーツ施設はトイレの改修や段差解消などを行っていますが、まだ十分ではございません。  また一方、改築がなされた学校におきましては、極力バリアフリーに配慮したつくりになっておりますので、これらの学校施設をご使用いただければというふうに思っております。また、現在の財政状況の中では、新たな施設を建設することは非常に難しいので、既存の野球場や学校の校庭をより多く使用できるよう教育委員会としても努力してまいりたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、ティーボールのようなニュースポーツにつきましては、すべての区民の方々の健康、体力づくり、仲間づくりに役立ちますので、今後もより一層普及が図られるよう、スポーツ振興財団とともに推進してまいりたいというふうに考えております。
    ◆飯塚和道 委員 行政として、このようなスポーツの振興もぜひ推進していただきたいということを要望いたします。  時間が若干ありますので、完全学校週五日制の実施についてお伺いしたいと思います。  先ほどもいろいろ出ておりましたけれども、やはり完全五日ということで、子どもさんも今でさえ何をしたらいいか迷っているのが現況であります。地域で子どもを育てる環境の整備、また親と子たちの活動を振興する体制を整備することが急務であります。  国では、この週五日制をにらみ、子ども放送局を開設すると聞いております。衛星通信によって図書館、児童館等でスポーツ選手や科学者などが直接語りかけるプログラムを計画しているとも聞いております。また、子どもたちのさまざまな体験活動などが、いつどこで行われているか、そういう情報提供、仮称子どもセンターの設置、このように国としても週五日制をにらみ、さまざまな整備をしておりますけれども、総括の質疑で市川委員も、子どもの視点で公共施設の有効活用を、このように提案されておりますけれども、世田谷区としてはどのように対応されていかれるのか、お伺いいたします。 ◎中村 教育次長 学校週五日制につきましては、ご承知のとおり、土曜日、日曜日、子どもたちがいかに有意義な過ごし方ができるか、その環境づくりをしてあげるということが一番大事なわけなんですけれども、そのためには、当然、教育委員会だけではなくて、区長部局あるいは地域の方々の協力もお願いをしなければなりません。  そこで、現在、庁内に、教育委員会を含めまして、生活文化部ですとか保健福祉部の各課と五日制の対応に向けまして検討組織を立ち上げまして、検討を開始しております。幾つか具体的な課題はあろうかと思いますけれども、基本的には、現在も既に区内にさまざまな団体やグループが地域の皆さんのおかげで相当数活動されているわけなんですね。  ところが、そういう活動がお互いに土曜日、日曜日の子どもたちの利用に向けて有機的に連携がされていないというきらいがあるんじゃないか、そういうところで例えば子どもたちが、いつ、どこで何をやっているのかということを十分に知りたいと思っても、わからないという状況も率直に言ってあろうかと思います。  そういった子どもたちがいつ、どこで何をやっているのかわかるような仕組みをつくっていくといったようなことも大きな課題だと思うんですが、そういったことを含めましてこの検討委員会で課題にして取り上げていきたいというふうに考えております。  それから、もう一つは、土曜日、日曜日、完全に学校があいてしまうわけですが、完全にあくといっても、運動施設については既に地域開放でいろいろご利用いただいておりますけれども、特別教室等を含めまして、まだまだ学校を活用する余地はあろうかと思います。そういったところで、例えば現在中学生を対象にしているSTEPの活動ですとか、それから、総合型地域スポーツクラブ、こういったものは学校の施設を活用してそれぞれのグループや団体が学校施設を使って交流をして、その中でお互いに地域の活動のあり方を調整していくというふうな仕組みかと思いますが、そういったこともこの検討委員会での課題として取り上げてやっていくことになろうかというふうに思っております。 ◆飯塚和道 委員 ぜひこの週五日制、全力でまた取り組んでいただきたいと思います。  午前中も出たんですけれども、指導力不足、いわゆる指導力が不的確な教員ということも言われていますけれども、例えば大阪は今回非常に厳しい処分をやっておりますよね。改善の余地がない場合は免職処分を課して永久追放とか、東京都も職場復帰が困難と判断した場合には退職勧告、このような厳しい、やはり事子どもに直接関することでありますので、速やかな対応が望まれますけれども、世田谷区の実態はどのようになっていますか。また、区の対応策についてもあわせてお伺いをいたします。 ◎四元 教育政策担当部長 政府は、ことしの二月に地教行法の改正ということで閣議決定されておりまして、その中で、児童または生徒に対する指導が不適切であること、そして研修等必要な措置が講じられても、なおも指導を適切に行うことができないと認められること、この双方の要件に該当する教員を転職させることができるという規定が盛り込まれております。  また、東京都教育委員会では、昨年十一月、指導力不足により児童生徒を適切に指導できない教員の取り扱いについて必要な事項を定めてこの四月から実施する予定でございますが、それによりますと、来年度から設置される教職員研修センターで、ステップアップ研修ということでそれを受講させるなどして、該当教員の指導力向上を図ってまいるということのようでございます。  この制度を適用する手続でございますけれども、まず校長が自校の教員の教科等の指導力に関しまして継続的に授業観察を行いまして指導を積み重ねても改善が見られない場合、区の教育委員会に指導力不足教員の適用申請を行います。それに基づきまして、区教育委員会が該当教員の授業観察を行いまして、指導を行っても改善が図られないと判断した場合には、東京都教育委員会に報告いたしまして、最終的には東京都の教育委員会が授業観察に訪れまして、指導力不足教員とするかどうか判断を行うというふうになっております。  区教育委員会といたしましても、世田谷区独自の対策といたしましては、当該校に区の非常勤講師を派遣してチームティーチングで授業を行ったり、指導力不足の教員を授業から外すなどして、学校全体の組織としてのバランスを保って区民の信託にこたえられる公教育の充実を目指しております。 ◆飯塚和道 委員 また、いじめとか不登校とか、非常に前の教育現場というのは先生も大変な思いをして──今までですと、新規の先生だけの研修はあったそうですけれども、これからは二十年以上のベテランの教員であっても、しっかり研修を受けるように、このような話も聞いておりますけれども、その辺はどうなっていますか。 ◎神取 教育指導課長 いじめや不登校にかかわる諸課題につきましての対応でございますが、やはりこれにつきましても教員の資質向上、これが不可欠であると考えております。  現在、公立学校の教員として資質向上を高め、教育活動を充実させるための施策といたしましての研修は、現職研修一部というものがございます。この中で、在籍年数が五年以上九年未満の教員を対象として実施しておりまして、この研修では児童生徒の理解を深めることをねらいとし、学校教育以外の視点からも児童生徒の状況や変容をとらえ、いじめや不登校の実態にも触れながら生活指導、進路指導のあり方等を研究し、学校教育の課題解決に資することを目的としております。  具体的には、事例研究やロールプレイング、それから世田谷区の児童相談所の施設見学等を行って質的向上に努めております。 ◆飯塚和道 委員 いずれにしても、教育は二十一世紀の日本を決定づけると言っても過言ではないと思います。そういう意味で教育委員会のさらなる努力を要望しまして、質問を終わらせていただきます。 ○新田勝己 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 引き続きまして、民主党・無所属クラブ、どうぞ。 ◆奥村まき 委員 来年度のいじめ不登校ゼロに対しての予算は四億一千六百万円で、今年度より七千四百万円の増額です。私は、議会の質問の中で、身体的虐待を受けた子どもは、大きくなって暴力や破壊行為をすることが多く、ネグレクト、養育放棄を受けた場合は、無気力や引きこもりになることが多い、また、心理的虐待では、暴力、破壊行為、無気力、引きこもりのすべてになる可能性が高く、性的虐待の場合は、心理的虐待も受けていると述べてまいりました。  子どもは、親の言うとおりに育つのではなく、親の行動を見て親のしていることと同じことをするようです。例えば、家庭内で親に暴力を振るわれていたり、行動や存在に対して否定的なことばかり言われていた場合、自分より弱いと思った子どもをターゲットにしていじめてしまうのではないでしょうか。また、成長して大人と同じぐらいの体力になったときには、暴力を振るい、その対象は親だったり教師だったり、同じ学校の子どもかもしれません。  今月十三日に、学校教育法改正案が閣議決定されました。その中で、問題行動を起こす子どもたちに対する小中学校の出席停止措置の要件が明文化されました。出席停止の要件としては、ほかの子どもたちや教職員に心身の苦痛を繰り返して与えることとありますが、東京都では平成十一年度の公立の学校内で起きた暴力行為は、小学校で二十五校、中学校では全体の六四・三%に当たる四百二十五校です。  この改正案では、出席停止期間中の子どもたちにも義務教育を受ける権利を保障するため、学習に対する支援、その他の教育上必要な措置を講ずるとしていますが、問題行動をする子どもたちを出席停止にすれば、その子どもたちは居場所をなくし、平日の昼間に地域にいると奇異な目で見られてしまうために繁華街に繰り出したり、また自宅に引きこもってしまうことが考えられます。  専門家の間では、問題行動を繰り返す子どもたちの多くは、家で虐待をされていることが多く、存在価値が否定されているため、家庭外では自分の存在を示すために人目を引く行動をとることが多いと言われています。そんな子どもたちの心のケアをしないままでは問題解決にはなりません。  もちろん、授業を受けたい子どもたちの権利を守ることは大切ですが、問題行動の子どもたちを学校から排除するだけでよいのでしょうか。一度学校から排除された子どもたちは、学校へ戻る気力もなくしてしまうと思います。  そこで、お尋ねいたします。本区としては、学校教育法の改正案に対してはどのような見解を持ち、授業妨害をする子どもたちに対して出席停止処分をするつもりはあるのか、また、授業妨害を繰り返す子どもたちに対してはどのような対応をとっていくのか、お聞かせください。 ◎四元 教育政策担当部長 現在、少年非行は低年齢化、凶悪化の傾向が見られるなど、大きな社会問題となっております。こうした状況のもとで、学校においても適切な教育活動が行われるためには、学校としてそれにふさわしい規律と秩序を保つことが必要でございます。  学校教育法の改正案によりますと、他の児童生徒の教育に妨げがあると認める児童生徒の保護者に対し、区教育委員会は停止の理由と期間を記載した文書を交付して出席停止を命ずることができることになっております。  しかしながら、この措置をとる、とらないにかかわらず、学校におきましては、授業妨害を繰り返す児童生徒に対しては他の児童生徒から離し、別室で教師がつき添いながら個別指導を行うなどの対応をとるとともに、ケースによっては児童相談所や最寄りの警察署等の関係諸機関との連携を図ることが第一であるというふうに考えております。  また、関係の保護者との十分な連携、協力なしには出席停止を実施しても教育効果を上げることは困難でございます。そのため、安易に出席停止を行うのではなく、関係児童生徒に十分な指導を行うことが先決であり、このような指導を十分に行っても成果が十分にあらわれない場合、初めて出席停止ということを考えていきたいというふうに考えております。  区教育委員会といたしましては、今後とも各学校において日ごろの生活指導の充実を図りまして、児童生徒一人一人に応じたきめ細かい指導を継続していけるようにしてまいりたいというふうに思っています。 ◆奥村まき 委員 どんな子どもたちでも、初めは学校が楽しい場所であるよう希望を持って入学していると思いますので、楽しい思い出をつくって卒業できるよう、日々の努力を積み重ねていただきたいと思います。  大阪大学で教育ストレスなどを研究している秦教授の調査によると、教師同士の人間関係で悩むことがよくあると答えた小学校の教師は九・一%、中学校教師は十一・三%、時々あると答えた小学校の教師は四三・七%で、中学校教師は四一%でした。また、教師同士の人間関係のことでいらいらすることがよくあると、時々あると答えたのは、小学校では三八・五%、中学校では四二・五%という数字でした。教師同士でいじめられた経験がないと答えたのは、小学校で五四・六%、中学校で五八・一%しかないという結果でした。  もう一つの調査としては、生徒のいじめの問題が生じたときの生徒指導部の対応についての調査です。教師同士の人間関係がとてもよいと答えた小学校の教師で、生徒指導部のいじめの対応がよいと答えたのは、四七・七%、中学校では五六・五%でしたが、教師同士の人間関係が悪いと答えた小中学校では、生徒指導部のいじめの対応がよいと答えた教師はゼロ%でした。  教職員の人間関係によって、子どもたちのいじめの対応に大きな差が出ているという結果でした。また、子どもたちは教職員同士の人間関係を敏感に感じとっています。学校では、子どものいじめを語る前に、教師みずからいじめのない職場環境にしなければなりません。  私は、昨年の決算委員会で子どもたちの健全育成には教職員が心身ともに健康でなくてはならないと質問してまいりました。メンタルアドバイザーやメンタルフレンドの相談数は、一人当たりにすると子どもたちの相談数に比べて教職員からの相談がかなり多いことがわかりました。子どもたちのことで悩んでいる教職員が相談できる相手も少ないのが実情ではないでしょうか。  文部科学省の発表では、平成十一年度には、全国で病気で休職した公立の学校の教職員は四千四百七十人で、そのうち精神疾患で休職したのは、先ほどにもありましたが、千九百二十四人もおりました。教員の心身の不健全さが見られると思います。  教職員の心身疾患の多くは、バーンアウト、燃え尽き症候群だそうです。原因としては、学級崩壊、不登校、暴力行為やいじめなどの難題のほか、同僚や管理職、子どもたちと保護者、地域社会など他の職種に例を見ない重層的な人間関係が教職員を燃え尽きさせるほどのストレスになっているため、一般の職種の数倍もの発症だそうです。  そのような状況の中で、子どもたちと接する教職員の健康、その中でも心の健康については区としてはどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 ◎神取 教育指導課長 ただいまご指摘がありましたように、子どもたちを心身ともに健全に育成するためには、何よりも教師自身が健康であることが大切でございます。それにつきましては、学校が子どもたちにとって楽しい場であると同様に、教員にとっても職場として楽しいところでなければいけないと思っております。  こういったことにつきまして、校長を中心にしまして、学校が人間関係を円滑に行えるように組織的に活動するように努めていただいております。そういった中でも、教師の中には精神疾患等、または内部疾患等によりまして長期病欠等を余儀なくされる者がございます。そういった中で、先ほど申しましたが、精神疾患の割合が全体の三分の二を占めるという状況でございます。  こうした状況が起きないように、通常、教員につきましては健康診断等を受けるなど、また自己の健康の管理を十分していただく等、教育委員会といたしましても呼びかけているところでございます。こうした病気等によりまして長期にわたって教員が休むような場合につきましては、その治療に専念する期間、東京都に申請いたしまして、正規の教員とか講師を派遣して補充しております。また、都で教員の補充ができないような場合でも、区で講師を派遣して子どもたちの教育が円滑に行われ、また教員の方も治療に専念できるように努めております。  こういった中で、心身の健康を回復していただきまして、また学校での教育活動を円滑にしていただきたいというふうに考えております。それらにつきましては、教育委員会といたしましては、これらの施策とともに、専門家への早期の相談や定期健康診断等を受けるようなことを学校等に指導してまいっております。 ◆奥村まき 委員 休職したときの子どもの対応というよりも、休職しないような施策を展開していっていただきたいのですが、中学生評議委員会からも子どもからの意見の中で、授業中うるさいとき、先生に望むことは何かという質問に対していろいろな意見が出てまいりました。その中でも、最初に教室に入ってくるときに不機嫌に怒って入ってくる先生がいる。そうするとこっちも嫌な気分になるので、そういう態度はやめてほしいとか、先生の態度によって、こっちもいらついてしゃべったりすることもあることを理解してほしいなどという意見もありました。また、ほかの生徒の話では、何の前触れもなく怒って教室を出ていってしまった先生がいた、前のクラスで何かあったかもしれないけれども、そういったことを持ち込むのはやめてほしいという意見も出されましたら、その後、うちのクラスでも教室を出ていってしまった先生がいた。確かに注意しても直らない生徒もいるかもしれないけれども、まじめに授業を受けている人もいるのだから、教室を出ていくのはやめてほしいなどという意見が複数の生徒から挙がっていました。  このようなことも、やはり先生の心の問題にもかかわってくると思いますので、こういった意見をしっかり受けとめて施策に反映させていただくようご努力をお願いしたいと思います。  議会の中で、子どもの虐待の研修は全教職員に必要だと質問をしてまいりました。幼稚園、小中学校の教職員は、特に常に子どもと接していますので、子どもの虐待を見抜く目を持たなければならないですし、虐待を疑ったときに子どもにどういうふうに接して、その対応はどうしたらよいのか知らなければなりません。  本区では、今のところ、教職員への研修については教頭と生活指導の教員への研修をして、生活指導の教員が学校内で研修するようになっていますが、教師同士の先ほどお話ししたような人間関係によっては、研修の効果には疑問があるかと思います。  先週の報道には、小学校の教頭が子どもを羽交い締めにして首にカッターナイフの刃を当てたと報道されていました。また、平成十一年度には全国で体罰による処分を受けた公立の学校の教職員は三百八十七人もいました。わいせつ行為で処分を受けた教職員は百十五名でしたが、そのうち自分の学校の子どもへのわいせつ行為をした職員が五十六名もいました。  東京都教育庁では、この四年間で四十五人の教員を指導力不足として、免職の教員も出てしまいました。この四月からは、特別研修をしても指導力の向上が見られない場合には退職を勧告すると明言しております。このように、教職員にはもちろんすばらしい先生方も多いのですが、資質にばらつきが見られるために、子どもの虐待に関しては全教職員への研修が必要ですが、本区としてはどのように取り組んでいくのか、計画をお聞かせください。 ◎神取 教育指導課長 児童虐待防止法の施行後は、子どもたちと触れ合う機会が多い学校の教職員に対しまして、これまで以上に子どもたちのわずかな変化を見逃さず、虐待の早期発見に努めることや、虐待を発見した場合、速やかに報告すること等が求められております。このように、児童虐待に対する学校の果たす役割は、今後ますます重要になるものと考えております。  区教育委員会といたしましては、この点を重視いたしまして、これまでに小中学校の教頭会や生活指導主任協議会等を通じまして組織的な対応体制を確立するように、被害者に対するカウンセリングの重要等について周知してまいりました。また、都教育庁発行のリーフレット「児童虐待-虐待への早期発見と対応-」等を活用した校内研修会を実施し、教職員、児童生徒に対する認識を深め、教育相談等の力量の向上を図ることの必要性について指導してまいりました。  こうした中、各学校におきましては、虐待を受けた児童生徒に対して、児童相談所と連携して生活の改善を図るとともに、愛情不足や基本的生活習慣の欠如等によりまして、友人とのトラブルなどのケアに生活指導主任や学級担任、養護教諭が中心となって対応している学校もございます。  しかしながら、児童虐待に対する教職員の認識を一層深め、迅速な対応を可能にするためには、教員研修の一層の充実が必要であると考えております。そのため、今後、校長を初め教育相談等の主任や初任者、新規採用教員を対象とした研修に児童相談所等で直接虐待の対応に当たっている職員等を招聘するなどして、児童虐待への具体的な対応を可能にしていきたいと考えております。また、区教育委員会の学校訪問や指導主任の校内研修に参加する機会を通じて、児童虐待の深刻な状況の情報を提供するとともに、直接教諭に助言をしてまいります。  これらを通して学校の教職員の課題意識を高め、子どもたちの変化を見きわめる細かな観察、虐待を発見した場合の適切な対応、虐待を受けた子どもの学校への復帰に際してのケアの充実等について指導してまいりたいと考えております。 ◆奥村まき 委員 小中学校だけでも九十六校もありますので、二千人もの教職員に同時に研修できないと考えるのではなくて、どうやって二千人に研修していくのかというふうに考えていただきたいと思います。  次の質問に参ります。東京都の公立の学校では、平成十一年度に年間三十日以上欠席した子どもは、小学校では九百四十九校で二千三百二十六人いました。中学校では六百三十七校で七千八百三人もいて、少し増加傾向があります。昨年の決算委員会の答弁では、平成十一年度にスクールカウンセラーとメンタルアドバイザーの相談で、不登校の相談だけでも六百三十八件もあるということでした。また、教育相談所への来室は二百四十三件で、延べ六千七百二十七回の相談数が不登校の問題についてでした。また、電話相談も百九十一件という数字になっております。  本区では、平成七年に城山幼稚園跡地にほっとスクール城山を設置し、不登校の子どもたちの居場所となり、普通学級への復帰や進学に成果を上げていると評価いたします。しかし、区内に一カ所しかなく、拡充が急がれます。就学前の子どもたちには保育の拡充が求められている中、幼稚園では区立も私立も長年にわたって定員割れが起きています。平成十二年度では、区立幼稚園十一園で二百九十一人の定員割れ、私立では六十一園で二千四百九十九人の定員割れが起きています。そのためか、平成元年に六十八園あった私立幼稚園が六十一園に減ってしまいました。  このあたりで、そろそろ幼稚園は民間に任せていき、城山幼稚園のように既存施設をほっとスクールに転換していく施策が必要ではないでしょうか。今までの議会答弁では、ほっとスクールを拡充したいという答弁はありましたが、本区の重点施策でもあるいじめ不登校をゼロにするためにも、ほっとスクール設置の具体的な目標を示す必要があると考えますが、区としてはどのような計画を立てていくのか、見解をお聞かせください。 ◎松田 教育センター所長 委員お話しのように、ほっとスクール城山は、不登校の子どもたちの心の居場所として廃園となった城山幼稚園を活用いたしまして、平成七年六月から開設いたしまして、学校とは違った雰囲気の中で集団生活の適応を促しまして、学校生活への復帰をサポートしてまいりました。  お尋ねのほっとスクールの全区的な拡充についての目標計画の点でございますけれども、現在のところ、拡充していく方針ではございますが、具体的な数値を示すまでには至っておりません。基本的な考え方といたしましては、需要を見きわめまして、区内の子どもたちが通いやすい範囲内には施設があるように整備していくことが現実的ではないかというふうに考えております。  具体的な拡充の検討に当たりましては、新築での設置が困難な状況の中で、既存の施設の活用を図りまして、またその施設の規模や設備に合わせた活用を検討していきたいというふうに考えております。  こうした施設活用の視点に立ちまして、今後具体的な施設の跡利用の検討の中で、ほっとスクールの拡充を順次図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆奥村まき 委員 必要ですが、今後具体的な検討をしていきたいということですが、いつごろまでを目途に検討するとか、そのあたりの目標は立てているのでしょうか、お聞かせください。 ◎松田 教育センター所長 ほっとスクールの拡充につきましては、既存の施設の跡利用ということが、まず第一に考えていかなければいけない部分がございますので、そういった施設の状況を見ながら進めていきたいというふうに考えております。 ◆奥村まき 委員 それでは、ほっとスクールは需要があるからつくるというのではなくて、既存施設にあきができたら考えましょうというお考えなのでしょうか。 ◎松田 教育センター所長 先ほどもご答弁いたしましたが、できるだけ区内の子どもたちが通いやすい範囲内に施設があるように、適切な施設の跡利用が検討していく中で出てまいりましたら、具体的な検討を進めていきたいというふうに考えております。 ◆奥村まき 委員 必要なことは何なのか見きわめて、目標を持って取り組んでいくよう要望いたします。  次に、図書館について伺います。  子どもたちがみずから学び、みずから考える力をつけるために読書が見直されています。本を読むことによって経験していないことを学び、想像し、考えることができます。本区では、まちかど図書室しかない経堂地域に、小田急電鉄の高架下に公租公課分の区の施設として地域図書館を計画して、小田急電鉄と協議に入ると聞きましたが、どういう経緯で経堂駅の高架下に図書館をつくる計画に至ったのか、また、現在ある経堂まちかど図書室はどうしていくのか、お聞かせください。 ◎中村 教育次長 小田急線の高架下の利用につきましては、庁内の検討組織である高架下利用検討委員会で検討してきているわけですが、これまで各分野からの要望があったように聞いておりますけれども、今のところ、全体的な検討の中で経堂駅の高架下に地域図書館を置く案がまとめられたというふうに聞いております。  教育委員会としては、これまで地域図書館の配置に関しては十五館体制を目標にして整備を進めてまいりましたが、今日、それを達成しておりますけれども、なお一部の地域については不便地区がございまして、経堂地区もその一つと考えております。  このため、実施計画の中で新しい地域図書館を設置することについて検討していくということにしていたわけですが、このようなことから、小田急線の高架下の利用計画案がまとめられるに当たりまして、教育委員会として地域図書館の設置を要望していたものでございます。 ◆奥村まき 委員 現在の経堂まちかど図書室はどうしていくのでしょうか。 ◎中村 教育次長 失礼しました。お話の経堂まちかど図書室につきましては、現在も相当数の貸し出し実数があるんですが、経堂駅に地域図書館が整備されれば、地域図書館の補完施設としての役割は終えることになるというふうに考えますので、できた時点で地域図書館に吸収していこう、このように考えております。 ◆奥村まき 委員 今回の計画では、図書館を自転車等駐車場よりも駅の改札口近くに設置する計画のようなんですが、放置自転車対策等特別委員会では、平成十一年六月に付託された「経堂駅に駐輪場設置を求める請願」は意見つきで採択いたしました。同じ年の十月に付託されました「区内全域の公共交通要路に沿った歩道わきの自転車等の駐輪禁止の強化に関する請願」は、経堂駅南口の経堂農大通りの入り口にあるのですが、さくら銀行横の線路沿いの道で交通事故に遭って救急車を呼んだんだけれども、放置自転車のせいで救急車が入れなかったためにストレッチャーで二百メートル移動したため、最終的に病院に搬送されるまで四十五分もかかってしまったという交通事故の被害者の方からの請願で、これに関しては全員一致で趣旨採択といたしました。また、今議会では小田急電鉄に対して改札口の近くに駐輪場を設置するよう強く要望するという要望書を既に上げております。  高架が完成いたしました喜多見駅では、成城寄りの駐輪場は満車ですが、狛江寄りの駐輪場は、委員会視察時では、改札口から遠いせいか一、二割しか利用されていませんでした。その後、小田急では月ぎめの利用料を千円も値下げいたしましたが、見たところ、三、四割しか利用されていないのが現状です。  区民の利便性を考え、鉄道事業者の経営を成り立たせていくためにも、駅改札口の近くに自転車の駐輪場を設置すべきだと考えますが、なぜ図書館を駐輪場よりも駅の近くに設置する計画になったのか、それが地域住民の要望だったのか、お聞かせください。 ◎中村 教育次長 高架下利用検討委員会を初めとするこれまでの検討の中では、図書館というたくさんの人が利用する施設であることを考えますと、利便性がよいことが大事だというふうなことが一つ、それから、駐輪場につきましては、駅施設から百五十メートル以内に設置することが可能であって、総合自転車整備計画案の需要数に基づき設置することができる、これが二つ。三番目に、駅前という位置を考えますと、町の顔に当たる位置にありまして、駅前広場と一体となったにぎわいのあるかいわいをつくり出すことが望ましい、南北商店街の一体となった連続性にも配慮する必要があるんじゃないか、これが三点。これらなど、総合的な観点から考えまして、現在の位置案がよいというふうなことになったものと聞いております。 ◆奥村まき 委員 まず第一に、区民サービスの向上を考えていただきたいと思います。このまま予定どおりに図書館を計画の予定の場所に設置するのであれば、一つ提案をしたいと思います。  民間施設には、駐輪場の設置を附置義務としていますので、区の施設であれば、当然利用者用の駐輪場を設置すると考えられますが、有料の駐輪場よりも駅の改札口近くに無料のものがあれば、そちらにとめてしまうのが自転車利用者の心理だと思いますので、無料の駐輪場を設置するのではなくて、鉄道事業者の有料の駐輪場を活用して、今まとめております世田谷区自転車等の利用に関する総合計画でも商店街に進めていく予定のレシートバックシステム、これは銀行や商業施設などの駐車場に車をとめた場合に、例えば銀行の窓口で駐車場用のコインをもらったり、商業施設では買い物をして駐車場の無料券をもらうことにより利用者が駐車場を無料で使えるという仕組みですが、このレシートバックシステムなどを導入していくよう提案いたしまして、私の質問を終わります。 ◆小野裕次郎 委員 まず、ゆとりの教育についてお聞きします。  今まで、ずっとゆとりの教育について議論がなされてきたことは、私も十分承知をしています。今までに学校教育に不満や改革が必要と感じていたことは、詰め込み教育、偏差値教育といった入試などを踏まえた教育のあり方についてでした。  しかし、最近では子どもが少なくなり、逆に学校の定員は余ってしまっている。そういった現状から論文や面接中心の試験、推薦枠の拡大と、以前のような受験の体制ではなくなってきたようです。  先日、新聞のアンケートの結果を見ました。今までの不満は少なくなり、今度は学力の低下についての不安を指摘する声がふえてきています。これは、受験教育重視という日本の教育をステレオタイプ的な問題のとらえ方としてとらえ切れなくなったこと、かわりに子どもの学習離れや大学生の学力低下などが頻繁に報道されたことにより、従来の印象に縛られずに物事について見ることができるようになってきたからではないでしょうか。  また、受験戦争が緩和され、ゆとりの教育が実施をされたにもかかわらず、教育がよくなったと実感できない。学校の中心的役割である知育という点も怪しくなってきていて、実現のあやふやな理想を教育の現場に求めるより、学校ができることをきちんとやってほしいという結果だと考えます。確かに、ゆとりを持って勉強することは必要だと私も思いますが、ゆとりが緩みになってしまっていることはないのでしょうか。アンケートの結果などを見て、ゆとりの教育が曲がり角に差しかかっている中、これから導入される完全週五日制、また教育内容の三割減、こういったことをやっていく中で、その足りない分を学力低下という形ではね返った分、塾に行かせてしまうような形になったりはしないのでしょうか。  また、大学の教授がこの前調査をした結果ですが、学力の基本となる能力の低下が著しかった、これは反復練習が不足をしているあらわれとのことでした。日本の子どもの学力は下がっていないと決めて勉強する内容を減らし、勉強する時間が減っても大丈夫なのか、学力低下に警鐘が鳴らされているような結果でした。  そういった観点から考えても、区としては、これからこういった問題に対して、もしくはゆとりの教育といったものに対してどのように対策を練っていくのか、また学力低下に対してどのような観点からこれに対して対策を練っていくのか、考えがあればお聞かせください。 ◎神取 教育指導課長 平成十四年度から学校完全週五日制に伴いまして、学習指導要領が全面的に改訂されます。この中で、現行の学習指導要領の内容が約三割減らされ、授業時数は二割程度削減することになります。この中で、ゆとりの中で生きる力を育成し、基礎的な内容を確実に定着させようというものでございます。  ここで言うゆとりとは、子どもに詰め込みで暗記を強いるような従来の学習から転換し、子どもの体験的な活動や問題解決的な活動を重視して主体的に学ばせるための時間的、場所的、心理的な場を確保するという意味と考えています。  新しい学習指導要領でも、内容とともに学習活動や表現方法などについてもゆとりを持って取り組めるように具体的に示されております。したがって、ゆとりは基礎的な学力を確実に身につけるための手段であり、子どもの学習への指導を手抜きするいわゆる緩みというようなものではないと考えております。  学校では、教科の特性や学習のねらいに応じて教材を開発し、指導方法を工夫しながら子どもが具体的にわかり、納得するような学習を行い、目的が達成できるようにしています。新聞等では子どもの学力の低下などが話題となっておりますが、教育委員会といたしましては、子どもが身につける知識とともに、学習意欲や能力、または人間関係づくりなども大切な基礎的な内容と考えております。  学校でこうした内容を正しく指導できるように、学校の基本計画である教育課程に位置づけて、個に応じる指導の徹底を図っております。今後もこういった内容につきまして、推進していきたいと考えております。 ◆小野裕次郎 委員 先ほど、基礎学力は低下をしていない、逆に言うと、これからどういうふうな勉強、要は学ぶための勉強を教えていくんだというような話だと思いますが、先ほどの調査によると、学力の基本となる能力、要は基礎学力の部分、計算ができなくなっているとか、そういった部分の物をきちんと考えるという部分が低下をしているという結果が出ていたんです。もちろん根本的に何のために学ぶのか、何をしなきゃいけないのかということを考えるのも、根本的に最初の勉強ですから、必要だと思うんですけれども、またそれを今度、事務手続のような部分でやっていく基礎学力、勉強の部分ができなくなってしまっているわけですから、そういう意味で、今言っていることでは多分対応が追いつかなくなってしまうんじゃないか。そういう部分で、そういう対応をしていると、またみんな塾に逃げられてしまう、そういう部分に危機感を感じると私は思います。  ちょっと時間がないので、足早に進みます。
     次に、このアンケートの結果、子どもたちの社会常識やマナーの欠如の不安も指摘をされていました。都の取り組みで「心の東京革命プラン」などがあり、簡単に言えば、道徳の教育をきちんと考えようということなのですが、学習時間などが短縮をしていく中、このようなこともきちんと教えていくことが必要だと考えます。  学校だけではなく、地域、家庭で教えることであるともおっしゃられるかもしれませんが、ある意味、学術としての勉強より必要な部分かもしれません。こういった部分の教育を、もちろん学校だって担わなきゃいけないわけですが、今区としてはどのように考えているか、お聞かせください。 ◎神取 教育指導課長 道徳の指導につきましては、道徳の授業を中心に地域の人材や文書資料、副読本などを活用して道徳的な判断力や実践力などを育成し、約束や礼儀など社会生活にかかわる基礎的、基本的な内容を確実に身につけるようにしております。  また、本年度におきましては、東京都の事業でございますが、道徳の地区公開講座、これにつきましては、道徳の授業を地域の方々に公開し、その後、地域で子どもたちをどのように道徳教育を行うかという地域ぐるみでの道徳についての話し合いを持つという活動でございますが、区内の七十三校で実施しております。来年度に向けましては、全校で実施できるように今学校を指導しているところでございますが、これらのことも教育課程に位置づけまして、さらに推進していきたいと思っております。  このように、道徳教育につきましては、学校と地域で世田谷区全体を通じまして子どもたちの道徳性、または地域の道徳性の向上に努めていきたい、このように考えております。 ◆小野裕次郎 委員 最近では、皆さんも思いの中で、車もしくは電車の中で携帯電話を平気で鳴らしているような、そういった部分とかも含めて、道徳、社会常識、マナーといったことを、多分これから本当にそういう意味での教育が重要になってくると思うんですけれども、そういった部分も含めて、地域だけでなく学校もきちんとやっていっていただきたいと思います。  次に、学力低下の対策について、いろいろとあると思うんですけれども、いろいろな調査の結果、学力低下が指摘をされる中、基礎学力の定着を図ろうと、荒川区では習熟度に応じて少人数のグループに分けた授業、習熟度別授業を行う、また品川区では希望者を対象に放課後や春、夏、冬の休みなども教員が学習指導をする予定ということです。これは、理解に時間のかかる子が週五日では間に合わないことも想定するねらいがあるということです。  これらほかの自治体のように、世田谷区も学力低下を真摯に受けとめて、何か対策を考えなければいけないのではないでしょうか。何かお考えがあるなら、お聞かせください。 ◎神取 教育指導課長 世田谷区におきましては、現在、区の講師を派遣いたしまして、チームティーチングという形で都費では補えない部分のチームティーチングを全校で補完しております。さらに、来年度におきましては、少人数の指導ができるように、各学校に非常勤講師を派遣いたしまして、児童生徒一人一人のニーズに合った教育ができるように、個に応じたきめ細かな指導をやっていくということをまず考えております。  いずれにいたしましても、学校におきましては、子どもたちの実態に応じて校長が中心となって教育課程を組んでいくわけでございますが、そういった中で個に応じた指導によって学力の向上に努めるという形をとりあえずとっていきたいというふうに考えております。 ◆小野裕次郎 委員 いろいろと、チームティーチングとか少人数ということで対応していくということなんでしょうが、なおかつ習熟度別授業などは、いろいろと保護者の理解も得られないで反対も多い、なかなか難しいところがあるとは思います。  とはいえ、対策なしというわけにもいかないことで、そこで学校の根本的な形の考え方で学校の選択制をきちんと進めていくというのはいかがでしょうか。  補習が受けられる学校、または習熟度別の授業が行われる、もしくはチームティーチングでもいいし、少人数などでもいい、考えれば違う学校へ行けるようになる。また、品川区などでは個別授業のある学校や小中一貫のカリキュラムを組んでいるような、そういった学校、または先ほど話にも出ていましたが、仙台市などでは二学期制などを取り入れるような、そういった学校、区の指導を受けながらも特色づくりを競わせていくのは、いかがでしょう。  学校は、教育内容をきちんと公開する責任を果たせば、親との信頼関係をきちんと築くことができる。保護者も選ぶ機会ができたことで、個性をどう伸ばすか、学校と協力をしていくことを考えるようになる、意識も変わってきます。生徒が来るのが当たり前と思っていた教師たち、学校は決められたところにしか行けない、行くだけだと思っていた保護者たちにとってよい刺激となることと思いますが、区としてはお考えはいかがですか。 ◎小野 教育長 学校選択制の問題でございますが、子どもに合った学校が選べるという点では有意義だと思います。公立学校では、地域に支えられまして根づいているという特徴を生かして、子どもを地域の中で健全に育成していくということもまた望まれていることでございます。  品川区が本年度から学校選択制を実施したところですが、学校選択が余り極端になりますと、ある学校に集中したり、あるいは教室数の不足や教職員配置の流動化など学校運営上の問題や、地域とのつながりが希薄になってしまうことなどが懸念されます。本区では、現行の通学区域制度の中で、児童生徒の個別の事情により指定校の変更を希望する場合には柔軟に対応しております。  当面、学校自由選択制を直ちに取り入れることは考えておりませんが、指定校変更の制度をできるだけ弾力的に運用していきたいと考えております。  いずれにいたしましても、そういう中で学校の校長のリーダーシップによりまして、あるいは教員の熱意によりまして、特色ある、そして魅力ある学校づくりを進めることによりまして、それぞれの学校の魅力を打ち出し、また生徒も保護者の安心するような形で登校してくるというような形をとっていきたいと考えております。 ◆小野裕次郎 委員 地域とのつながりを大切にするということは大切なことだと思うんですが、逆にまた、リーダーシップを発揮してその学校の特色をつくるということは、その特色に向かってみんな行きたくなるという部分もあると思うんです。それは、入り口と出口の話というか、コロンブスの卵みたいな、いい学校をつくるからいい生徒ができるのか、いい生徒になるためにいい学校に行きたくなるのか、そういった議論の話だと思う。そういう意味で、学区自由制といった部分でも私は必要だと思うんですが、逆に横並び的な考えから脱却ができないから、各それぞれの校長に頼ってその学校の、その区域だけをよくしようとしているように私には聞こえます。  学区域の問題、学校適正配置のことがあると思うんですが、現在の形では、必ずしも一番近い学校が自分の学区にはならないこともあります。それを解消し、通学の安全性の配慮などから考えても、やはり学校選択制の完全自由化はおもしろいと思うのですが、いかがでしょう。  区では柔軟な対応をするといっていますが、保護者の認識は決められたところへ行くというのが大半を占めることでしょう。だから、基本的にすべて自由で開かれたものだと、形をきちんと決めておいたらいいんじゃないのかと私は思うのですが、その方が混乱をしない、また先ほどの話に戻りますが、好きなところに行けるようになった方がやはり保護者の方々も安心をするのではないでしょうか。改めてお考えをお聞かせください。 ◎四元 教育政策担当部長 品川区の例のように、保護者がみずから選択できるということによって、学校が切磋琢磨してというお話、もちろん、その面もございます。ただし、いい学校、悪い学校ということではなくて、やはり特色のある学校、それぞれ地域によって特色を生かした学校づくりをこれからしていかなきゃならない、いい学校をつくることは、その反面、悪い学校をつくるということではございませんし、それぞれが切磋琢磨して特色のあるいい学校をまさにつくっていかなければならないというふうに我々は考えております。  そのためには、まずは地域に根差して、地域の力をおかりしながらいい学校をつくっていきたい、その上でさまざま影響が出てくると思いますけれども、今の段階ではその方向を我々としては目指していきたいというふうに考えています。 ◆小野裕次郎 委員 いい学校、悪い学校というのは、確かに私もちょっといけなかったと思いますが、逆に言うと、特色ということで、運動のできるというか、運動が盛んな学校に私が行きたいと思っても、私の学区には勉強の方を重視する学校しかなかった場合、そういった場合に、やはり行かざるを得ないというか、そういうところで柔軟に対応していくというようなお話だったと思うんです。逆にそういうことをきちんと自由にしていくことが本来の自分が好きなことをやるための特色を生かす、その特色を、自分の個性を伸ばすための学校に行きたいと思う生徒の視点からの話だと思うんですが、そういった点で、もう一回お答えいただけますか。 ◎幡野 学務課長 現在、自由制ではございませんけれども、なるべく生徒の意向なり、できるものは承認をしておりますけれども、例えば部活動の例で申し上げますと、部活動については、その学校にない場合には、全部無条件といいますか、承認をしております。今年度の例で言いますと、年間、部活動の関係で指定校を変えたのが二十人ほどございます。今後こういうものはちょっとふえていくんじゃないかと思います。そんなところで対応しております。 ◎小野 教育長 小野委員のご意見もよくわかるんですが、品川区の状況など、一つの例になると思います。また、ほかの区でも考えているようですが、まだ実施されている区は品川区だけでございます。これは、状況がそれぞれやはり学校ごとにそういう努力目標を持ちましていい面も出ていると思いますが、逆に、集中していくところは決まっていくというようなところも非常にございます。  したがいまして、それはもう少し時間をかけてこちらも考えていった方がいいかなという考えでおります。もう少し時間を、その辺の経過を見たいと思います。 ◆小野裕次郎 委員 集中をして行かれると困る、もちろんそれはわかるんですけれども、集中するような学校というのは、やはり行きたくなるような学校というわけで、ほかの人たちがきちんと努力をすれば、どこだって行きたくなる学校に変われると思うんですけれども、逆に、いい学校を伸ばそうとしているのに、いい学校を落とそうとしているような考え方にしか私には今聞こえないんですけれども、教員の資質向上、特色のある教育、もしくは開かれた学校を実現すると言ってはいるんですが、学校が変わらざるを得ない状況を行政がつくるしかないと私は思うんです。そして、学校選択制での特色や雰囲気をつくるのは教師であり、特に管理職である校長の負うところが大きいと考えるんです。  そこで、校長に民間人の登用をする、都では高校だけですが、広島では小中学校にも起用しています。学校の常識は世間の非常識と言われないよう、世間をきちんと知る必要もある。生徒に質のよい教育をどう提供するかという、今言ったような一つの学校に集中してしまうような、質のよい教育を提供するから集中してしまうんだと思うんですが、そういった意味で新しい発想や民間で培った経営感覚が横並びの風潮を取り払い、きちんとした学校改革と活性化につながるものと思いますが、そういった意味でもリーダーシップを発揮するべく校長先生、こういうところに民間人の登用などはいかがなものでしょうか。お考えがあればお聞かせください。 ◎四元 教育政策担当部長 お話のとおり、学校教育法施行規則の改正によりまして、学校の校長に民間人を登用することができるようになり、来年度、都立高校の二校に民間から校長が任用されます。  民間から任用の校長は、経営的感覚にすぐれ、広い視点から社会の変化を機敏にとらえることができるなど、学校の教育活動に新しい視点で手腕を発揮することができ、教育活動が活性化していくことが予測されます。  その反面、学校教育についての経験が少ないということから、学校や地域社会の実情、子どもの実態を適切に踏まえ、教育的、専門的な面からの判断や教職員への指導が十分できないのではないかという指摘も一部で聞かれております。  校長の任用権につきましては、これは東京都教育委員会にございますけれども、区教育委員会といたしましては、民間から校長に任用された都立高校二校についての今後の動向、成果等に注視していきたいというふうに考えております。 ◆小野裕次郎 委員 いろいろと民間人を登用するとなると、アレルギーのようなものが出ると思います。生徒指導上の問題などが出たときの対応など、今し方言われたように、現場でしか得られない経験など、そういったものが物を言うと、おっしゃられるという懸念もある。  だけれども、そういうところというのは、職員会議などでほかの先生たちがきちんと支えてあげれば、教師の経験がなくても、また地域と余りつながりが深くなくともできるものだ。逆に言うと、改革の志みたいなものがきちんとあれば、先ほど言ったような特色のある学校づくり、開かれた学校、教員の資質向上みたいな、今までお題目でしかなかったようなものが本当に実現をするようなところに持っていけるのかなと思います。そういった意味でも、さらにの検討をよろしくお願いいたします。  時間がないので、最後に一つだけ要望ですが、先日、総括で山口裕久委員の方から少し話が出ていたと思うんですが、学校の用務員さん、退職不補充ということで、そういうのが原則であったと思うんですが、十名だか入ってしまった。先般、私も、給食のところの人たちで退職不補充なのに入れてしまったのではないかと質問をさせていただいたんですが、そのときも特例の措置であった、今回の用務員さんに関しても特例の措置であった。  毎回特例の措置ということは、本当の特例じゃないというか、常道となる部分はどういうところにあったのかなと思わざるを得ない。逆に言うと、特殊な状況、イレギュラーだったというならば、我々議会に一言報告や説明があってもよかったと思うのですが、実際のところ、毎回そういうような言い方で知らないうちに人が入ってしまっているような状況になるならば、そういったところをきちんと正してほしい、そういったことをきちんと要望いたしまして、時間もなくなりましたので、質問を終わりにいたします。 ○新田勝己 委員長 以上で民主党・無所属クラブの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時二十九分休憩    ──────────────────     午後五時開議 ○新田勝己 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆嘉部広司 委員 まず、不登校児童生徒の対応と教師の役割について伺います。  不登校児童生徒が通っているほっとスクール城山の七夕の短冊の中にこんなことが書かれていました。「私に学校へ戻れる小さな勇気をください」。これは不登校の子どもたちの心のあらわれの一つと考えられます。  実は我が家も不登校の子どもを抱えていまして、その体験をお話ししたいと思います。末娘ですが、昨年の夏、中学二年生の夏休み明けの九月から突然学校に行かなくなりました。私立学校に約一時間もかかって通っていたのですが、学校の校風に合わないというので、本人の希望に基づいて、十一月に近くの区立中学校にかわりました。この学校には小学校からの友達もいました。十二月までの二カ月間は学校に行きましたが、翌年の一月から再び学校を休み出しました。家庭環境の変化があったのかという点では、私が五月に議員になったこと、それから、同居している私の母、彼女にとってはおばあちゃんが、七月に病気で入院して九月に亡くなった、こういうことなどが挙げられるわけです。  担任の先生から、本人への働きかけと家庭との相談があったのですが、娘自身が先生に心を開くまでにはなりませんでした。ただ、学校の親しい友達とは電話連絡を行っていましたし、高校には行きたいとしていましたので、中間テストや期末テストのときには学校に行ってテストを受けていました。妻は、心労のためか円形脱毛症にも一時期なりました。  三年生になり担任の先生がかわりまして、家庭と担任教師との間で子どもへの対応を相談しました。子どもの自発性をどう引き出すか。そのためには、可能な限り受容的な態度で子どもに接して、子どもの心を開かせることがポイントだということで、担任教師から電話や家庭訪問による子どもへの働きかけがありました。無理をせずに学校に行きたいと思ったときに来ればよいこと、教室に行くのが嫌なら保健室に来て、帰りたくなれば帰ってもよいこと、こういうことなどが話されて、本人も気が楽になったのか、九月から、週二回程度ですが、学校に行くようになりました。進学相談で先生から本人にふさわしい高校を紹介され、本人も高校見学をして、目標ができ、やる気が出てきたと意欲を見せ、本人の希望する高校に合格でき、今週月曜日に中学校を卒業しました。  それで、現在区が行っている不登校児童の資料をいただきました。いろいろ読ませていただきましたが、この教育相談やスクールカウンセラー、メンタルフレンド、メンタルアドバイザー、ほっとスクール城山などが行われております。先ほども他の会派から話がありましたので重複するところは避けますが、来室相談などでは、不登校の相談というのが五割以上を占めている、これは延べ回数ですけれども、そういう実態です。  不登校児童生徒の推移は年々ふえています。区の資料によりますと、年間三十日以上の欠席者は、平成三年度以降十一年度までの九年間だけでも、小学生は九十五人から百八十八人へと二倍、中学生は百八十八人から三百四十九人で一・九倍になっています。平成十一年度の中学生の不登校生徒数を見ますと、一年生八十五人、二年生百二十一人、三年生百四十三人と学年が上がるに従ってふえています。生徒数に占める不登校生徒の割合は、中学三年生は三・三%で、一クラスに一人は不登校生徒がいることになります。  不登校はどの子にも起こり得ると考えてもよいと思います。町村文部科学相は、不登校は本人の行き過ぎた権利の行使や甘えがあるからだと言っておりますが、決してそうではありません。不登校で家に閉じこもりがちの子どもとその家庭にどのように手を差し伸べるか。子ども、家庭、教師と相談機関の連携と一口にいっても、なかなかうまくいっていないのが現状だと思います。不登校の子どもたちの願いは学校へ復帰することで、学校、担任から見捨てられたと感じたときは決して学校には戻りません。本人の気持ちの中に学校を否定するものが残っている限り、学校への復帰はほど遠いと思います。  私の家の経験からも、家庭、これが非常に重要なわけですけれども、しかし、実際不登校になった場合、教師の役割は大変大きいのですが、教育現場では教師が忙し過ぎて、熱心に取り組めば取り組むほど、授業、進路指導、その他の負担も大きくなって心身ともに疲れ切っているのではないでしょうか。一人一人の生徒に対応するだけの余裕がない。こうした教師が実際大変多くいるというのが実態ではないでしょうか。  そこでお伺いします。一人一人の生徒に対応できる教師の教育環境をつくってほしい。これが親の願いです。見解を伺います。 ◎神取 教育指導課長 不登校の問題につきましては、ここ数年、増加傾向にありまして、世田谷区においても同様の傾向が見られます。不登校の原因には、まず友人関係をめぐる問題や教師との関係をめぐる問題、学業の不振に関する問題など主に学校に起因する問題があります。また、親子関係をめぐる問題や家庭の生活環境の急激な変化に関する課題など主に家庭に起因する課題もございます。不登校の初めのとき、子どもは口数が少なくなったり、顔色もすぐれなくなるなど特徴があります。また、長引けば家に引きこもるなどの傾向も示してまいります。  学校の教員は、子どもに声をかけたり、家庭訪問をしたり、子どもが学校へ通うよう努力するとともに、不登校が続いているような場合では、家庭と連絡をとり合い子どもの状況を把握し、専門的な機関を紹介したりして不登校に効果を上げている例も報告されております。このように、不登校の問題での教員の役割は大変重要なものと認識しております。特に学級担任など、直接子どもとかかわる教員の立場は大切と考えます。日常の授業の中でも子どもの心を理解する方法を研究し力量を高めたり、家庭訪問や個人面談などを定期的に行い、子どもをめぐる家庭状況をつかんだりしております。学校によっては教育相談週間を設けて子どもの相談に乗る機会をつくったり、教育相談研修会などで相談のあり方等を学んでおります。  不登校の対応には、教師自身が心身ともにゆとりある状況で臨むことが大切でございます。学校での会議のあり方を見直し、不必要な会議を簡素化したり……。 ◆嘉部広司 委員 手短にお願いします。 ◎神取 教育指導課長 はい。作業を効率的に行えるよう組織の改革なども重要です。疲れがたまったままの状況では、子どもの心の変化に対応していくのも難しいかと思います。健康管理を大切にすることは言うまでもございませんが、区の教育委員会としましては、教員が一人で悩まず、学校の問題については全教員で解決していくような方策を立てるよう、学校とともに考えていきたいと考えております。 ◆嘉部広司 委員 実は三年生を担任している先生が、卒業写真を一緒に撮るというときに現場で倒れられて、そのまま数日後に亡くなられたというようなケースもございますので、私はやはり教師の異常な負担がいろいろとあるというふうに思いまして、そういう意味では、区としても、今言われたような対策を十分にやっていただきたいということとあわせて、基本的には今の一クラスの生徒数の問題が大きな問題ではないかと考えております。  それで、不登校児童対策については、先ほどの会派からもほっとスクール城山の拡充の話が出ました。私も質問に考えていたんですが、これについては具体的な拡充計画を早急に立てていただきたい、このことを要望しておきます。  いじめや学級崩壊、それから校内暴力や児童虐待、こういう子どもと教育をめぐる状況は深刻な状態です。不登校もふえてきていますし、相次ぐ少年犯罪に国民のだれもが心を痛めているという現状です。私ども日本共産党は、子どもと教育については、一つは学校教育の改革、二つに大人社会の道義の確立、三つに子どもたちを有害な情報から守るという、こうした三つの角度から国民的な取り組みを呼びかけています。  私の娘も実は言っていたんですが、授業中、非常に騒がしくて、教室の後ろの方では先生の話も聞こえないことも結構あるんだと言っていました。先生はとにかく授業を進めなければならないということで、そういった状況を注意して進めていく先生もいるし、そのままずうっと進めていくというようなこともありまして、そういう意味では、先生の力量によるものもあるとは思いますけれども、今の受験中心で詰め込みで、とにかく進めなければならないという、そういうふうに追い込まれている先生の状態もあると、私はそんなふうに考えています。  受験中心の詰め込み教育、競争教育、ふるい分け教育から子どもたちを解放して、一人一人の子どもの成長と発達を中心に置いた教育への改革を図る必要があると思います。すべての子どもに主権者として必要な基礎学力、体力、情操、市民道徳を身につけさせる教育への改革ということですが、今特に強調するのは、すべての子どもに基礎、基本の学力を保障する教育改革が極めて切実な課題になっていると考えます。  教育長にお聞きしますが、本来、子どもたちにとって、学習によって新しい事柄がわかるというのは大きな喜びのはずですが、多くの子どもたちにとって、わからない、おもしろくないという場になっていることは深刻な状態です。こうした実態が子どもに苦しみを押しつけ、さまざまな発達のゆがみや社会的な逸脱をもたらす一つの根源になっているのではないでしょうか。そういう原点に立った学校改革の中で、すべての子どもが人間として自分が大切にされていると実感できる学校をつくってこそ、子どもの中に互いの人格を尊重する態度が生まれ、本当の道徳性も生まれるのではないでしょうか。教育長はどのようにお考えか、お聞かせ願います。 ◎小野 教育長 先日行われました学校協議会の中でも、生徒と先生の話し合いがございました。その中で生徒の側からの話の中にも、やはりいろいろと先生にわかっていただきたい、自分たちの気持ちをわかっていただきたい、あるいは苦手な科目があったときに、先生の科目が苦手だと。それについて先生はどう思うんだろうかというようなことも質問として出ました。そんなようなことの中で、やはり先生と生徒とのつながりというのは非常に大事なものでして、その信頼関係があってこそ子どもは喜びも得ますし、また、先生の方も個性を大事にした教育を行うこともできるということだろうと思います。 ◆嘉部広司 委員 学習内容を子どもの発達段階に即した系統的なものにしていくということと、真に基礎、基本的な事項については、やっぱり十分な授業時間をとっていく。そしてすべての子どもがわかるまで教えていく。こういった意味での教育の改革が必要だと私は思っています。それを保障するためにも、三十人学級、さらには少人数学級の実現が必要ではないでしょうか。  父母や教職員などが三十人学級を求めて、この十二年間、毎年三千万人の請願署名等を国会に提出してきました。今回の国会でも、私ども日本共産党は、民主党や社民党の三党と共同で三十人学級法案を提案しています。今回の区議会の私どもの代表質問の答弁で、区は、国の四十人学級体制から一歩踏み込んで、三十九人近くの学年に教師を配置するとしています。私はこれを評価いたしますが、区は今までも他区に先駆けてさまざまな学校教育の改善を行ってきております。この点も評価いたします。今や少人数教育への流れは必然とも言えると思います。  そこでお伺いします。一人一人の子どもにきめ細かく対応を進めていく上で、さらにもう一歩踏み込んで、三十九人以上のクラスには複数教師を配置していただきたいと強く思います。見解を伺います。 ◎小野 教育長 三十九人のクラスに対しましては、もちろん非常勤でございますけれども、補助教員を区費で今回つけて教育をするという方針は立てております。今回の予算がお認めいただければ、それは実施できると思います。 ◆嘉部広司 委員 私がここで言いましたのは、三十九人以上のクラスに複数配置できないものでしょうかということなんですが。 ◎神取 教育指導課長 今委員ご指摘の三十九人以上の学級に一名ということではなく、今回予定しておりますのは、三十九人以上の学級のある学年に一名派遣する予定でおります。これにつきましては、学校の方の校長の裁量等におきまして、学年の編成を変えるとか、授業形態を変えるとか、またはチームティーチングを行う、そういう工夫の中で一人一人に応じた学習ができるというふうに考えております。そうした教育の方法の問題と人的な問題をうまくかみ合わせまして、今後きめ細かな教育ができるように、学校とともに検討していきたいと考えております。 ◆嘉部広司 委員 もう一度お伺いしますが、きめ細かに行うということでしたら、さらに、三十九人以上のクラスに複数配置ということではないんですか。 ◎神取 教育指導課長 三十九人以上の学級がある学年に一名つけることによりまして、例えば三クラスを四展開にするとか、二クラスを三展開にする、そういう工夫もできるかと思います。それから、子どもたちの発達段階に応じてグループ分けをするとか、または教科の専門性を高めて、小学校等におきましても中学校のような教科専門制を入れるとか、そんなような形でいろいろな工夫ができるかと思います。そういう中できめ細かな指導はできると考えております。 ◆嘉部広司 委員 それでは、この件については強く要望しておくということで次に進めさせていただきます。  次は、区立新星中学校と池尻中学校の統合計画についてです。  他の会派からも出ていましたが、区の教育委員会が昨年十一月に平成十六年度をめどに新星中学校と池尻中学校の統合を打ち出した。該当の中学校や地域での説明会が行われてきております。それで、まず最初に聞きたいんですが、なぜ新星中学校と池尻中学校の統合を打ち出したのか、お伺いします。 ◎霧生 教育政策担当課長 先ほども申し上げましたけれども、適正配置等審議会の答申で示されましたように、学校の規模が小さくなることによってメリットとデメリットがそれぞれある中で、学校の規模がどこまで小さくなると教育課程に与える影響度合いが強まるかという観点から基準を設けてございます。特に中学校につきましては教科担任制であることから、学級数減に伴う教員定数の減少、あるいは日常の教育活動に及ぼす影響が大きいこと、また、平成十四年度からの新学習指導要領では、選択教科の種類や時間数が拡大され、多様な学びを保障し、選択メニューを豊富にするためには一定の教員数が必要になる。さらに、現在の中学生には、集団の中でもまれながら切磋琢磨し、いい意味での競争心を身につけること、社会性を育成させることが求められております。  こうした状況を踏まえまして、新星中学校と池尻中学校の統合計画につきましては、今後の生徒数の予測を見ても両校が小規模化の傾向にあることや、通学区域の見直しによって学校規模を維持することが困難であること、さらに両校が至近距離に位置しているため、統合後、生徒の通学に大きな負担とならないことなどから、学校統合により適切な規模を維持し、より教育環境の整備を図るということで今回の計画をお示ししたものでございます。 ◆嘉部広司 委員 今回陳情が出ておりますよね。その中身を見ますと、区立池尻中学校ですよね。ここについては十数年前より二学級編制ですと。小規模校の特徴を生かした教育を実施し、上下級生、男女仲のよい、学級崩壊や陰湿ないじめもない、まじめで明るい校風ですと。一人一人が尊重され、見守られ、十分に能力を発揮し、伸ばせる学校ですというようなことも書かれていますし、部活動なども非常に活発に行われているということが、この文章からもうかがわれるわけですけれども、池尻中学校のこの状況を区はどのように見ておられるのでしょうか。 ◎霧生 教育政策担当課長 ご案内のように、池尻中学校は、今お話がありました平成二年度から六学級で推移してきております。これまでも池尻中学校では、学級や学年を越えた取り組み、また保護者や地域の方々のご支援をいただきながら、教育活動や部活動などを活発に行っていることは十分に認識しております。しかしながら、先ほども申し上げましたように、選択教科の履修科目の拡大に伴って、選択メニューを豊富にするためには教員数がより一層必要になってくること、あるいは生徒数自体が減少傾向にあることなどから今回の計画をお示ししたものでございます。 ◆嘉部広司 委員 国勢調査では、区の人口は前回調査時と比べて三万五千人ふえていますよね。区の説明会での資料、区立小中学校の児童生徒数の推移と今後の推計のグラフを見ますと、世田谷全域の区立小学校の児童数が、平成十三年が最も少ないというグラフになっています。その後は徐々にふえて、この推計ではふえるとなっています。一般的に小学校の児童数というのは、三年から六年後の中学校の生徒数に反映しますので、世田谷全域の区立中学校生徒数は、平成十六年から十九年が最も少なくなり、その後徐々にふえるということが推定できるのではないでしょうか。  そこで伺いますが、この区の資料のグラフによると、区立中学校の生徒数は平成十七年まで減少していますが、十七年以降の生徒数はふえるのでしょうか、それとも減ると見ているのでしょうか。 ◎霧生 教育政策担当課長 今お話しの児童生徒数の推計につきましては、都の推計数値を用いてございます。都の推計数値は十七年度までの五年間となっております。今お話しの関係でみますと、若干中学校の方についても、十七年度以降は少し増傾向になるのではないかというふうには見込まれています。先ほど申し上げましたけれども、国勢調査では区内の人口が八十一万人を超えて、区全体の人口は増加しましたけれども、やはり区立小中学校の児童生徒数は引き続き減少傾向にあるとは見込んでおります。 ◆嘉部広司 委員 もう一度確認しますが、そうしますと、十七年以降は少しずつだがふえるというふうに見ておられるわけですね、中学校、区立中学生については。 ◎霧生 教育政策担当課長 今、全体の数字のことを申し上げさせていただきました。先ほども申し上げましたが、地域によってはふえる地域、あるいは環七の内側では大きな動きは見られないというような状況にあると見込んでおります。 ◆嘉部広司 委員 また、この区の説明会の資料ですけれども、新星中学校、池尻中学校の生徒数及び学級数の今後の推計、これによりますと、生徒数は減少していき、通学区域を現行のままとして、それから一クラス四十人学級制度も現行のままとした場合に、平成十六年のそれぞれの学校の学級数は各学年二クラスずつということになっていますね。統合した場合は各学年三クラスずつということになっています。  これを一クラスの生徒数が何人になるか。ここではクラス数と生徒数まで書いていますので、それを分析しますと、新星中では、一年生、三十二名が二クラス、二年生、二十五名と二十六名の二クラス、三年生、三十三名と三十四名の二クラス。池尻中学校では、一年生、二十三名と二十四名の二クラス、二年生、二十四名の二クラス、三年生、二十一名、二十二名の二クラス。統合した場合は、一年生が三十七名が三クラス、二年生は三十三名三クラス、三年生が三十七名二クラスと三十六名一クラス、こういうことになるわけです。  統合しないで現状のままで移行した方が、生徒一人一人に目を向けた教育ができるのではないでしょうか。統合すれば、各学年とも一学級の生徒数がふえることになります。そういう意味で、今区の方からも説明がありましたけれども、このままの状態でいけば、現行の教員の配置基準では教員数が足りなくなって対応できないということが主であるというふうに私は理解します。それで、今後の教員の配置基準についても、昨今の教育行政の動向を見れば、現行基準が変わらないとは言い切れないのではないでしょうか。三十人学級へと移行する可能性も十分にあり得ますし、教員の配置数もそうすればふえていきます。また、先ほど述べましたように、平成十年代の後半、十七年、十八年、十九年、後半は区内の中学校生徒数がふえると見込まれるのであるならば、統合する必要性はないのではないでしょうか。  それで、伺いますが、私どもは、新星中学校と池尻中学校の統合を行うべきではないと考えます。見解を伺います。 ◎霧生 教育政策担当課長 これまでも申し上げてまいりましたけれども、教育委員会としては、やはり将来の子どもたちのための教育環境を整備するということを考えまして、統合の計画をお示ししてございます。十分関係者の皆様のご理解を賜るよう努力しながら進めていきたいと考えています。 ◆嘉部広司 委員 次に進みます。  校庭の緑地化、芝生化について話を移します。  一月の東京新聞に載っていたんですけれども、この中で、学級崩壊など社会の混迷が教育まで及ぶ中で、グラウンドの芝生化が学校を救うかもしれないということで載っておりました。これは千葉県印旛村の平賀小学校の話です。ちょっと読んでみます。同小学校につくや、緑の美しさに目を奪われた。陸上トラック部分などを除く約三千平米が芝生化され、グラウンドの周囲にもクローバーなどが植えられている。どうです、きれいな芝生でしょう。ここまでにするのに三年かかりましたよと、佐藤校長が誇らしげに案内してくれた。ちょうど昼休み。校舎から次々と児童たちが飛び出し、緑のじゅうたんのような芝生の上で追いかけっこをしたり、サッカーをしたり、皆明るく、元気で礼儀正しい。記者を見ると、大きな声でこんにちはとあいさつしてくれた。緑を目にすることで児童の精神状態が豊かになったと思う。また、すり傷を気にせず平気で転んだり滑ったりするようになり、皆活動的になったような気がする。芝にはカエルやバッタなどもあらわれ、飼育しているウサギを放すこともあり、立派な自然教育の場にもなっているということなんですが、当区でもぜひ進めていただきたいと思うんですが、見解を伺います。 ◎岡野 施設課長 学校の緑化につきましては、みどりの基本計画に述べられているわけなんですが、手法につきましてはさまざまなことが考えられます。その有力な手法の一つが、ご指摘いただいた校庭の緑地化、芝生化でございます。芝生化のメリットにつきましては、汚れを気にせず自由に遊べる、すり傷になりにくい、地域開放の際にも活用できるなどのほかに、特に区内の学校は住宅地の中にあります。砂じん飛散等の防止もございます。課題につきましては、工事期間の問題が一つ、あと芝生化の費用は無論として維持管理がございます。  本区の校庭芝生化については、都会の中であって、学校数が非常に多いという特徴がございます。このことを踏まえて、先駆的に行った自治体に聞き取りを行ったところ、グラウンド主体は非常に少なく、敷地内に分散配置したものが多くございました。芝生化費用や管理の方法は種々ありました。しかし、区内の学校の校地は、地方の校地から比べますと狭隘なため、授業への影響を含め、委員ご指摘の工夫をさらに検討してまいりたいと思っています。 ◆嘉部広司 委員 費用、工事期間等も今お話があったのですが、文部科学省は芝生の効用を認めておりまして、一九九五年から費用の一部を助成する制度を開設して、約百校に助成しているというふうに聞いております。維持管理には確かにいろいろ工夫されているようです。この学校についても、この新聞を読みますと、インターネットや専門書で育成方法などを研究、造園に詳しい前任校のPTA会長と相談して、冬でも青くなるよう、生育時期が違う三種類の芝を混合して育てることに決めたと。そういった工夫をしても芝生が枯れてきたと。造園業者に聞いたら、適度に肥料を与えなきゃとあきれられたと。芝なんて最初に肥料を施せば自然に育つと思っていたと。そのほかにも害虫とか病気にも襲われて危機が何度もあったが、今では大変きれいな状態になっているということで、これを実際維持管理を進める上で、PTAとか校庭を利用している団体、それからもちろん学校の努力もあります。児童も毎朝十分間、草取りとか芝刈りなどの世話をしているというふうに聞いております。  ここで私は質問しますが、工事期間がそれなりにかかり、狭いからなかなか大変だというような話もありますので、学校の校庭整備のときとか、学校改築とか改修時に校庭の緑地化、芝生化をできないものでしょうか。
    ◎岡野 施設課長 芝生化については、幾つかの観点から検討する必要があると思っています。現在の学校の校庭は、ダスト舗装して芝生を育てる土ではなくて、土とスプリンクラーを一たん除去する期間、まず一つ、一カ月半ぐらい必要だと。芝生を十分に育てるためには養生期間が必要でございまして、先ほど委員ご指摘の三カ月以上の期間は立ち入りできないということもございます。工事時期は春か秋という限定がございます。夏休み工事をしたとしても、学校の授業への影響が大き過ぎる問題がございます。  次に、維持管理のあり方ですが、刈り込み、除草、土に通気する、肥料を与えるなどを常時行う必要があり、児童生徒、教職員、保護者、学校開放など、利用する人たちの意見も十分に聞く必要もございます。グラウンドを使用するのに大きな制約を受けるかと思います。また、工事費用の仕様でございますが、行った自治体から費用を聞き取ったところ、年度も異なりますが、七千七百平米で七百万のところから、八千百平米で九千六百万のところまで大きな幅がございます。これは造成方法の違いからくると思われますので、本区に適した方法の研究が求められるような形になると思います。  このような見通しを持ちながら具体化するには、校庭の芝生化については、グラウンドについてはちょっと難しいと思います。一方で、学校の緑化を進めるために、敷地の一部に木を植えられないところに芝生を植え、動植物の触れ合いを通して、豊かな心を持つ子どもの育成ができる緑地として位置づけるように学校緑化を進めたいと考えております。 ◆嘉部広司 委員 今のご答弁をいただいたんですが、緑地化、グラウンドはちょっと無理だけれども、芝生化については検討していくということですね。今後、PTAとか、あと校庭を利用している団体等の意見もよく聞きながら、私は、このグラウンドの走る部分というのは、確かに滑りますので無理かと思いますけれども、グラウンド部分も含めて検討していただきたいということを言って、次に移ります。  実は私のところに、青少年健全育成地区責任者の方からお手紙をいただきました。この方、教育センターの視聴覚ライブラリーのことを言っておられまして、二〇〇一年予算要求にぜひ区立教育センター視聴覚ライブラリーに良質の劇映画とアニメーション、これは十六ミリフィルムですね、それを購入願いたい、こういうふうに言っておられます。それで、区は、平成九年までは十六ミリフィルムの購入と登録団体への貸し出しをやってきた。それで、購入については、平成十年度から十六ミリフィルムの購入をやめて、そして新たに、区民ニーズに対応するということでビデオを購入した。そしてビデオの貸し出しを始めているということですね。  しかし、この十三年度を見ますと、十三年度はそのビデオの購入予算も二百万円ほど削減して、もう新規購入も行わないとしているわけです。そういう意味で、ビデオの購入については、民間のビデオのそういったところも結構ありますけれども、十六ミリのフィルムの購入というのは、これは青少年健全育成の立場からも、例えば夏休みなどでは学校で子ども映画会などをやってきているわけですね。ですから、そういう意味では、やはりこういう今までの業績とかが、新しい十六ミリフィルムを買わないということになると、もう前のアニメとか劇映画になってしまって、そういった今までの事業が進んでいかないというふうに思うんですね。そういう意味で、こういった業績をどのように評価されているのか。何で打ち切ったんですかと。そういうところをちょっとお聞きしたいんですが。 ◎松田 教育センター所長 まず、お尋ねの十六ミリフィルムの新規購入をやめた理由でございますけれども、お話のように、十六ミリフィルムは、地域の団体で夏休みの上映会等で活用されてまいりました。しかし、ビデオ等の新たなメディアの普及に伴いまして、区民からもビデオの貸し出しの要望等が寄せられましたので、こうした需要の変化を踏まえまして、財政状況の厳しい中で区民ニーズの変化に対応するため、これまで購入してまいりました十六ミリフィルムとビデオの費用対効果の関係で検討しました結果、十六ミリフィルムの購入を見送りまして、平成十年度からは、安価で手軽に利用できるビデオの貸し出しへとサービスを転換したということでございます。  なお、これまで購入してまいりました十六ミリフィルムにつきましては、現在でも貸し出しをしているところでございます。  それからもう一つお尋ねの、これまでのフィルムを貸し出すことによって、夏休みの子ども会等での上映で実績を上げてきたという点につきましての評価のお尋ねがございましたけれども、それにつきましては、少子化の中で子どもたちを社会全体で育てていくという視点は、教育委員会といたしましても大変大切であるというふうに認識しております。家庭と学校と地域がそれぞれの役割を果たしながら子どもたちをはぐくむということは必要であると考えております。そういう点では、これまで地域の子ども会などで視聴覚ライブラリーのフィルムを活用して上映会を実施してきたことは、子どもたちの健全育成に資するものであったと考えております。  しかしながら、教育センターも昭和六十三年に設立されてから、この間、少子・高齢化の進行とか、高度情報社会の到来など社会の環境が急速に変化してきております。また、新しい学習指導要領の実施、あるいは学校週五日制など、教育制度そのものも大きく変わろうとしてきております。したがいまして、十六ミリフィルムの貸し出しによるこれまでの事業の実績は実績として評価はいたしますが、こうした社会状況の変化とか、新しい教育制度を踏まえまして、視聴覚ライブラリーも含めて、今、教育センター全体の事業の見直しを図っているところでございます。教育センターが学校教育への支援の拠点となり、情報教育とか体験学習、総合的学習の時間などの研究、研修の場としての機能を担っていくという方向性が、これからの子どもたちの学習環境にとってもふさわしいのではないかと考えておりますので、ご理解のほどをお願いしたいと思います。 ◆嘉部広司 委員 ちょっと時間がありませんので、ぜひ、良質な劇映画、アニメーションについては、今、区の方からも話がありましたけれども、体験学習とか、今後の総合学習で地域の方々の協力を得なければならない、これはますます強まっていくわけですから。費用対効果で考えるということではなく、フィルムの購入をぜひ行っていただきたい、このことを申しておきます。  最後にもう一つあります。学校の施設を利用して、高齢者の休憩談話室を設置できないでしょうかということなんです。  これはある原稿を読ませていただきます。年寄りはひとりぼっち、ひとり住まいの年寄りはもちろん、家族と一緒でも、若い人たちが会社、学校に出かけると、取り残されて日中はひとりぼっちというケースが多い。区の集会所を利用すればという声もあるが、難点が二つ。一つは距離が遠過ぎる場合、二つは団体利用、事前届け出が原則という点。クラブ、サークル等に入っていない、あるいは都合で入れない人は利用が難しいということで、その解決策として、小学校など近くのところであれば住居からも近いし、元PTAの会員の年寄りなら気安く行けるというものだということで、ぜひ、休憩談話室というものができないでしょうかということなんですが、どうでしょうか。 ◎霧生 教育政策担当課長 余裕教室の関係だと思われますが、区の公共施設整備指針にのっとりまして、区の重点施策、例えば今言われています保育の待機児ゼロの問題、あるいは、今お話の高齢者の関係など、学校教育の影響のないということで整合を図りまして、関係所管と連携をとりながら検討を進めていきたいと考えております。 ◆嘉部広司 委員 ぜひご検討願います。管理運営がいろいろ工夫しなければならないという面がありますが、この中にも書かれていますけれども、開放日は児童登校日に限り、職員は始業時、終業時にかぎをあけ閉めするだけでよい。入り口で氏名、年齢、電話番号等を記帳すれば自由に入室できるよう、こういった工夫等をぜひ考えていただきたいということを最後に述べまして、終わります。 ○新田勝己 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆西崎光子 委員 文教領域最後の質問の時間になりました。お疲れとは思いますが、あと三十一分、よろしくお願いいたします。  まず、少人数教育についてお伺いしたいと思います。  平成十三年度、新しい取り組みといたしまして、小学校、中学校に非常勤講師を派遣する少人数教育の推進がございます。これは区独自の予算で取り組まれるということですが、きめ細やかな授業での対応を行っていくために大変必要なことであり、評価したいと思います。  そこで、この施策は前々からの教育長の念願でもあったというふうに聞いておりますが、新たに教育長になられました小野教育長にお考えを伺いたいと思います。 ◎小野 教育長 少人数教育についてお答えいたします。  その前に、先ほど嘉部委員のご質問に対して、何かすべての三十九人以上のクラスに派遣するようなことをお答えしたように聞こえまして、これは誤りでございますので、訂正いたします。大変失礼しました。  これからの学校教育におきましては、児童生徒が社会生活を営む上で必要とされる基礎的、基本的な内容を確実に身につけるなど、個に応じた指導が求められてまいります。そのためには、これまでのような学級を単位とした一斉に学習を行うような授業ではなくて、学習のための集団を弾力的に編成いたしまして、わかりやすい授業を行うことが必要であると考えます。  少人数教育の推進のための非常勤講師の派遣は、これまで学習は決められた学級を単位として行うものというように固定化されて学習集団をとっておりましたが、これを変えまして、小グループによる学習を行うなど多様な学習集団を編成することによりまして、一人一人の児童生徒を大切にし、その実態に応じて指導体制を工夫することを通して、児童生徒に確かな学力と学ぶ意欲など、生涯にわたる学習の基礎をはぐくむことをねらいとしております。したがいまして、学校の規模や児童生徒の実態、教科や学習単元の特性、さらには教師の専門性やチームティーチングのための講師との関連等を総合的に判断いたしまして、学校の裁量で指導体制づくりができるところに意義があると考えております。 ◆西崎光子 委員 先日、砧中学校で学校協議会がございまして、それに参加してまいりました。この学校協議会の前に、実は砧中学校の授業参観を行いまして、後でその感想を地域の方たちと協議会の中で話し合おうという趣旨で行われました。残念ながら中学三年生の授業は見られなかったんですけれども、中学一年生と二年生の授業をどこでも自由に見てくださいという校長先生のお話で、初めて見ることができまして、大変参考になりました。こういった試みは今世田谷の中でも広がっているようですけれども、どのくらい行われているのか、お尋ねしたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 学校の授業を保護者や地域の方々に公開することは、開かれた学校づくりの基本となるものであり、保護者や地域の方々、児童生徒の実態を知らせるとともに、学校の教育活動について理解と協力を得る上で極めて重要と考えております。そういったことから、本区におきましては、学校を開き、家庭、地域と連携することにより児童生徒を育てていくことが重要であると考え、学校協議会をすべての小中学校に設置し、開かれた学校づくりと教育活動の充実を目指して活動を行ってきております。  開かれた学校づくりの観点から、授業参観を当該学年の保護者を対象に行っていた方法や期間を見直して実施する動きが広がってきております。従来は二時間ほどの参観時間だったものを一日、または数日にわたって公開する学校が多くなってきております。中には一週間公開する学校や随時受け入れる学校もあります。保護者だけではなく、学校協議会関係者を含めた地域の方々にも公開するようになっております。  また、本年度、区立の小中学校では七十三校で道徳地区公開講座を開催し、道徳の授業を保護者及び地域の方々に公開するとともに、道徳性の育成について、保護者や地域の方々と学校が意見交換を行いました。次年度は学校、家庭、地域と連携した教育活動の推進や道徳地区公開講座につきましては、各学校の教育課程に位置づけて実施されることになっております。区教育委員会といたしましては、授業公開を通して、開かれた学校が一層推進されるよう学校を指導してまいりたいと思っております。 ◆西崎光子 委員 授業を地域の方に見せるというか、オープンにするということは大変すばらしい取り組みだと思いますので、これからもぜひ積極的に広げていっていただきたいと思うんですが、今回、砧中学校を見せていただいて、その授業を見ての感想をちょっと交えながら、少人数学級のことをお聞きしたいんですが。  砧中学校の場合、学年によっては一クラス四十人を超えるクラスがありまして、先生の指導が生徒の方に行き渡っていないという状況を目の前にして、やはりこういった少人数学級の授業は必要ではないかなということを強く感じました。授業を見ていますと、後ろの方にいる子は内容についていっていけない、ほとんどメモをとっていない。それから、教科書も忘れてきているという、これは砧中学校だけではないと思うんですけれども、そういう生徒がいても、先生が一方的に授業を進めていってしまうという状況がございました。  今後、この少人数学級の授業というものを、世田谷区の中で平成十三年度進めていこうとなさっているわけですが、当然小学校、中学校との進め方も違うと思いますが、どのように進められていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 この少人数学級によります区費の非常勤講師は、都の非常勤講師等と異なりまして、校長を中心とした教員の創意工夫により、学校独自に活用できるようになっております。このことによりまして、児童生徒の発達段階や実態に応じた教育活動が展開され、教育効果が高まることを期待しております。具体的に申しますと、例といたしまして、例えば一学級を二つの集団に分けたり、二学級を三つの集団に分けるという形で、課題別や習熟度別に分けて指導することができます。または小学校等におきましては、一人の教師がすべての教科を教えるのでなくて教科ごとに担当する、いわゆる中学校でやっておりますような教科担任制を取り入れるとか、さまざまな工夫が想定されます。また、小中学校の教科の学習で特別活動、総合的な学習の時間については、非常勤講師が学級に入ってチームティーチングを実施することも考えられます。  今後は、各学校で具体的な実践を進め、その過程で明らかになった課題や成果を共有し、区費による非常勤講師の有効な活用について検討を行ってまいりたいと考えております。 ◆西崎光子 委員 ぜひ、今回の取り組みで期待される評価を出していただきたいと思うんですけれども、進め方については、小学校、中学校違うということと、それから、各学校に任されている部分もあると思うんですが、その学校の独自性がある程度あった方がよいと思いますが、行っている学校のそれぞれの内容やあるいは情報交換を定期的に行っていくことによって、さらによりよい効果を出すことができるのではないかと考えます。そういう意味では教育委員会との連携も必要だと思いますけれども、この点についてはどのようにお考えか、伺いたいと思います。 ◎神取 教育指導課長 ことしの四月から、各学校において少人数教育の推進のための非常勤講師の活用が具体的に実践されてまいりますが、区の教育委員会といたしましては、非常勤講師の派遣に当たって、事前に実施学年や活用方法等について計画の提出を求め、また、各学校の非常勤講師の活用予定を把握してまいります。また、教育委員会の学校訪問や夏季休業中等におきましての指導主事の学校訪問を通して、実施の状況について情報を収集いたします。これらをもとに、各学校や教頭会、それから教務主任会等において、非常勤講師の新たな活用の方法を工夫している学校の実践例を紹介したり、また活用についての検討を行うような情報交換会を行い、各学校の非常勤講師の活用をより充実し、教育効果が上がるように努めてまいりたいと考えております。 ◆西崎光子 委員 ぜひ積極的にお願いします。  それで、今回の砧中学校の学校協議会で出た地域の方からのご意見なんですけれども、授業を見ていまして、生徒の態度が先生によって違うのではないかということが挙げられていました。先生によっては大変一生懸命教えている方、また教え上手の方もいらっしゃる反面、大変授業がマンネリ化していて、一方的に、教えようという思いや気持ちが伝わってこない先生がいるという指摘もございました。これでは生徒も自然と先生を選別して、授業を受ける態度も変えていってしまうのではないかということを感じたのですが。きょう一日、先生の指導力不足や、先生はいろいろな雑務を抱えて、倒れるまで激務をなさっているというお話が出ましたけれども、学校の中で一生懸命やっている先生にはそれなりの評価をきちんとして、指導力のない、あるいは怠慢な方には研修を受けていただくとか、力をつけてもらうということを、きちんと校長先生が判断して言っていかなければいけないのではないかと思います。  しかし、それができない状況があるのではないかと思うのですが、先ほど指導力のない先生には、大阪の例が挙げられていまして、研修制度が紹介されていました。飯塚委員に先に言われてしまって、いつも先に言われてしまうのですが、これは朝日新聞に大きく取り上げられていました。大阪では校長先生向けのマニュアルもつくられるということなんですが、指導力不足を何をもって判定していくのかというのは大変難しいと思いますが、第三者も入って、こういったしっかりした判断基準というものをこれからつくっていく必要があるのではないかと思います。もう少し世田谷の中でも先生同士が競い合える、そういった環境づくりが必要だと私は考えます。  砧中学校の例ばかり出して申しわけないんですが、先日授業を見ていまして特に印象に残ったのが、英語の授業だったんです。畠山委員から、ディス・イズ・ア・ペンなんていうテキストを使っていちゃ、英会話はできないというふうに言われましたが、今はそんなレベルは使っていなくて、もっと普通の英会話が行えるような授業をやっていたのですが、ただ、やり方の内容が、テープを流したり、ただ先生が言った後にリピートさせるといった、カリキュラムの内容に工夫がないのではないかということを地域の方も言っておられました。  もう少し学校の中で、こういった先生の授業のやり方とか、カリキュラムの進め方を、校内研修を中心に積極的にやっていく必要があるのではないかというふうに思うんですけれども、以前質問で、茅ヶ崎市の浜之郷小学校の例をご紹介させていただいたんですが、ここでは、できるだけ先生にかかる雑務をなくしていって、授業のカリキュラムの内容に工夫ができるように、学校の中で校長先生を中心に大変力を注いでいるということをお話しさせていただきました。ここでは、先生同士がお互いの授業を見て、批判し合ったり、評価し合ったり、もう率直に行うんだそうです。こういったいろいろなトータルな問題を、校内の中の研修に力を注ぐことによって、先生同士のいい意味での競争というものを芽生えさせていく必要があると思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。 ◎神取 教育指導課長 学校の授業が児童生徒にとって楽しく進んで取り組めるものになるかどうかということは、教師の授業に向かう姿勢によるところが大きく、教師が意欲的によい授業を行えば、その意欲や成果は児童生徒に伝わり、やる気を生み出すものとなります。チームティーチングや少人数による指導など指導形態を工夫して、児童生徒に基礎・基本を着実に定着させるとともに、みずから学び、みずから考える力を育てるためには、教員の資質や能力の向上が重要であります。  今ご指摘がありました茅ヶ崎市の浜之郷小学校の教員のように、すべての教員が授業を同僚に公開し、批評し合うような校内における研修は効果的な研修方法の一つであるというふうに考えております。本区におきましても、学校教育における指導上の諸課題について研究し、その成果を発表することで、区の学校教育の充実向上に資することを目的として、研究奨励校、研究課題校、校内研究推進校というものをしております。これらの学校におきましては、それぞれ校内研修等におきまして授業を公開して、お互いに批判し合っております。そういったものは三十一校に上ってございます。こういった活動につきましては、授業研究を計画的に行ったり、または校内における研修体制を築いたり、または学校訪問等、区の方に要請する等を行いまして、お互いの授業の批評をし合って、指導力の向上に努めているということでございます。  区教育委員会といたしましては、今後も学校の支援に努めるとともに、教員の資質向上を図り、授業改善等を通して児童生徒の意欲を引き出し、あの先生に習ってよかったというような教員がふえるように充実していきたいと考えております。 ◆西崎光子 委員 ぜひ、あの先生に学んでよかったと思えるような生徒がふえるように、そういう授業の内容も工夫して、校内研修を積極的に行っていっていただくことを要望しておきます。  次に、先に学校給食について何点かお伺いしたいと思います。  教育委員会では、学校給食におけます調理業務の委託化と、中学校の調理場方式から自校調理方式へ転換していく方針を平成十一年度に打ち出しています。そして昨年の四月から用賀調理場において調理業務の委託化を行いまして、十二月からは東深沢中学校において、校舎の改築にあわせまして給食場を設置し、自校調理方式に変えて実施されています。  これまで私ども生活者ネットワークは、中学校における給食のあり方は、ぜひ自校方式がとれるように要望してまいりました。その理由といたしましては、生徒に対してきめ細やかな対応ができる手づくり給食を提供できることや、学校給食を活用した食に関する指導を一層充実させることができるのではないかと考えたからです。  そこでまず、昨年の十二月から自校調理方式に切りかえました東深沢中学校の実施状況についてお伺いしたいんですが、今、学校給食について、学校あるいは生徒、保護者からどのような意見が出ているのか、お伺いさせていただきます。 ◎工藤 保健給食課長 自校調理方式への転換に伴います反応につきましては、総じまして好評いただいております。具体的に申し上げますと、学校からは、委託業者が大変熱心に仕事をこなしてくれていることに加えまして、温かいものは大変温かく食べられる点、それから、アレルギー対応などきめ細かな配慮がされていること、さらに、食堂を利用した学年ごとの給食は教育的効果も大きいなど、大変喜んでいただいている状況にございます。  また、三月十三日に開催されました東深沢中学校学校給食運営協議会の中で、保護者の代表の方から、調理場方式のときはよく食べ残していた子どもが、最近は全部食べるようになった。子どもはおいしくなったと喜んでいるという意見、また、三年生の卒業祝いとしてお赤飯を用意していただき大変喜んでいた。さらには、給食のめり張りはとてもよい。給食日数をもっとふやしてほしいなどの意見が出されておりまして、大変高い評価をいただいているという状況にございます。 ◆西崎光子 委員 大変いい評判で、自校方式に変えてよかったというご意見が圧倒的みたいなんですけれども、現在二十七校の中学校がまだ自校方式に切りかわっていない状況にございます。子どもや保護者の要望を強く受けとめて早期に自校調理方式への転換を図りながら、学校給食の充実を図っていく必要があると考えますけれども、今後の自校調理方式への転換についてどのような具体的な計画がおありなのか、お聞かせください。 ◎工藤 保健給食課長 中学校給食におきます自校調理方式への転換につきましては、現在計画しておりますのは三校ほどございます。具体的に申し上げますと、平成十三年度には深沢中学校におきまして、内部大規模改修に合わせまして、校舎の一部を活用しながら、一部増設する方法によりまして給食調理室を設置いたします。そして平成十四年の一月から自校調理方式へ転換していく予定になってございます。また、校舎等の改築に合わせまして、烏山中学校と梅丘中学校につきましては、平成十五年度末までに給食調理室を設置いたしまして、平成十六年度の当初より自校調理方式へ転換をしていく予定になっております。  その他、自校調理方式への転換までの経過措置といたしまして、平成十三年の九月から親子方式の導入をいたして実施する予定になってございます。具体的には、喜多見中学校でつくったものを砧南中学校に運ぶ方式、それから希望丘中学校でつくった給食を船橋中学校に運ぶという形のものを実施をしていきたいと考えてございます。 ◆西崎光子 委員 私どもは、一日も早く調理方式を解消するために、自校方式にするために、中町小学校と玉川中学校のような親子方式の導入や、空き教室を使って調理場をつくるなど提案してまいりましたが、今のお話ですと、着実に実行されていることは評価いたします。しかし、まだ二十四校に関する中学校の給食調理場の設計計画が決まっておりません。今後、二十四校の給食調理場の設計計画をきちんと立て、計画的に進めていかなければいけないと考えます。  そこで、教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。 ◎工藤 保健給食課長 自校調理方式への転換スケジュールにつきましては、財政上の観点も踏まえますと、ただいま委員よりご提案いただきましたように、給食調理室の設置計画をしっかり立てまして、計画的に対応していくことが重要であると認識してございます。具体的な計画につきましては、平成十三年度に整備を予定しております深沢中学校での整備後の運用状況、また、今後の学校改築や改築計画との整合、各学校の施設状況等を踏まえまして、平成十四年度中には何とか給食室の整備計画を立てまして、計画的に給食室の整備を図りながら、できるだけ早くすべての中学校を自校調理方式に転換してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆西崎光子 委員 ぜひ一日も早く全部の学校で自校方式がとれるように、積極的に進めることを要望しておきます。  次に、平成十三年度からすべての中学校の調理業務が民間委託されるようですけれども、調理業務委託化に伴う財政的効果は平成十三年度でどのくらいの金額になるのか、お伺いしたいと思います。 ◎工藤 保健給食課長 調理業務委託に伴います平成十三年度の財政的効果につきましては、約三億二千万となる予定になってございます。 ◆西崎光子 委員 三億二千万という大変大きな金額だと思うんですけれども、私どもは、調理業務委託をただ単に経費削減のために実施していくのではなくて、削減できた財源を食器の改善やランチルームの拡大など子どもたちにぜひ還元しながら、学校給食の充実を図るように要望してまいりました。食器に関しましては、少しずつではありますけれども、強化磁器食器への切りかえが実施されています。しかし、子どもたちへの安全性を考えますと、一日も早くすべての食器を強化磁器に切りかえていただきたいと思いますけれども、平成十三年度、学校給食の充実に向けてどのような取り組みがあるか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎工藤 保健給食課長 まず最初に、深沢中学校の調理室設置や喜多見中学校の給食室の全面改修など、給食調理室の施設整備を図っていきたいと考えてございます。その経費といたしまして、平成十三年度予算の中に約二億三千六百万円を計上してございます。また、自校調理方式の中学校では、四種類の食器すべてを強化磁器に入れかえていく予定になってございます。太子堂調理場では新たに三種類の強化磁器食器の導入を予定してございます。また、用賀調理場でも、昨年四月に導入いたしました二種類の強化磁器食器に加えまして、さらに一種類の強化磁器食器を導入する予定になってございます。このことによりまして、中学校におきましては五割以上の食器が強化磁器食器となります。あわせまして、自校調理方式の中学校と太子堂調理場では、デザートスプーンを新たに導入していく予定にもなってございます。これら食器等の充実を図る経費といたしまして、十三年度予算の中に約三千五百万円を計上してございます。さらに、委託に伴いまして献立の品数をふやしたり、リクエスト給食を実施していくなど、給食内容の充実を図るとともに、給食室の床面をドライ化するなど、衛生管理面の強化を図っていきたいと考えてございます。 ◆西崎光子 委員 いろいろ工夫されていると思うんですけれども、今後は栄養士さんによる食に関する指導を一層充実させていただいて、子どもたちにとって食べることの喜びを十分に感じられるような豊かな給食を目指して、今後も積極的に取り組んでいただくことを要望しておきます。  最後に、生涯教育についてお伺いしたいと思います。  ことしの一月、文部科学省は、教育改革国民会議の報告を踏まえまして、教育改革六法案を国会に提出しています。その中には、家庭教育の重要性をとらえまして、教育委員会の事務に家庭教育に関する講座の開設など新しい事務を規定して家庭教育の充実を図ろうとしています。世田谷では既にこういった家庭教育学級は取り組まれているということですが、各総合支所でも、三歳から四歳児の親を対象に子育てセミナーなどに取り組んでいると伺っております。また、新規事業としましては、十三年度にエフエム世田谷を活用した生涯学習を開設されると伺っていますけれども、この家庭教育施策の現状はどうなっているのか、また、今後の進め方についてお伺いしたいと思います。 ◎藤井 生涯学習課長 今委員からお話がありましたように、区では、家庭教育の振興のために、PTAに委託して家庭教育学級等を今実施しております。今回の社会教育法の改正で、家庭教育に関する講座の開設等が教育委員会の事務として明記されるようになりますけれども、今後は法改正の趣旨にかんがみ、家庭の教育力向上に資するための情報提供、親の不安や悩みについて相談できる体制の整備、家庭を見詰め直す契機となる家庭学習機会の提供など、総合的に行うことが重要であると考えております。  また、十三年度にはエフエム世田谷を活用して放送する生涯学習講座、子育てを考える番組、「サンデー子育てサロン」を開設する予定でございます。家庭にいながら子育て情報を得たり、相談や学習ができるよう、従来の放送教育とは違う聴取者との双方向の新しい番組づくりを行い、幅広い区民の要望にこたえられるようにしていきたいと考えております。 ◆西崎光子 委員 今現在、いろんな学校で家庭教育学級が行われているんですけれども、PTAの方によって何をやったらいいのかわからなかったり、受けとめ方が違うというお話も聞いています。積極的にその予算を活用して年に数回やっている学校もありますし、お互いに何をやっているか情報交換をする場もあるというふうに伺っています。ぜひこの予算を有効活用して、こういった家庭学級を地域の中で広げていくように取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わりたいと思います。 ○新田勝己 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。    ────────────────── ○新田勝己 委員長 これで本日の質疑はすべて終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時十五分散会...