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平成 6年 11月 決算特別委員会−11月22日-08号

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    平成 6年 11月 決算特別委員会−11月22日-08号


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    平成 6年 11月 決算特別委員会−11月22日-08号平成 6年 11月 決算特別委員会 平成六年決算特別委員会 決算特別委員会会議録 第八号 日 時  平成六年十一月二十二日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十五名) 委員長  小畑敏雄 副委員長 諸星養一 副委員長 田沼繁夫      荒木義一      石井徳成      石塚一信      宇田川国一      内山武次      大高定左右      鈴木昌二      近岡秀輔      土田正人      土橋賀      内藤義雄
         中村大吉      南里吉彦      新田勝己      浜中光揚      平山八郎      星谷知久平      真鍋欣之      三田真一郎      山内彰      飯塚和道      市川康憲      上地良昌      薗部みどり      中塚護      長谷川義樹      増田信之      吉本保寿      和田勉      笹尾淑      三田てい子      山崎治茂      斉藤国男      高橋忍      西村孝      長谷川佳寿子      森川礼子      森田イツ子      東まさ      丸山孝夫      下条忠雄      大庭正明  欠席委員(二名)      宮田玲人      村田義則  出席事務局職員 議事主査           河上二郎  出席説明員 区長             大場啓二 助役             吉越一二 助役             川瀬益雄 収入役            菊池佳丈 世田谷総合支所  総合支所長 冨士静悦 北沢総合支所   総合支所長 峯元啓光 玉川総合支所   総合支所長 大淵静也 砧総合支所    総合支所長 友保信二 烏山総合支所   総合支所長 森勇 区長室      室長    水間賢一 企画部      部長    八頭司達郎          参事    平谷憲明          財政課長  長原敏夫 文化生活情報センター・生涯学習担当部          部長    水嶋隆子 制度改革・地域行政推進室          室長    山中千万城 総務部      部長    田中勇輔          総務課長  武藤峻 職員研修室    室長    三宅牧 税務経理部    部長    馬場秀行 区民部      部長    伊藤紀明 生活環境部    部長    市川一明 産業振興部    部長    小野正志 福祉部      部長    小畑昭 障害福祉推進室  室長    八木敦 総合福祉センター 副所長   昼神靖彦 高齢対策部    部長    濱詰章 衛生部      部長    櫻田豊 都市整備部    部長    鈴木蓊 住宅政策室    室長    石川旭 都市開発室    室長    梅田義智 建設部      部長    谷田部兼光 道路整備部    部長    木庭啓紀 教育長            津吹金一郎 教育総務部    部長    浜田昭吉 学校教育部    部長    中村弘 社会教育部    部長    安田美智子 選挙管理委員会事務局          局長    三浦寛二 監査事務局    局長    町田秀一      ────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 平成五年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成五年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成五年度世田谷区老人保健医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成五年度世田谷区中学校給食費会計歳入歳出決算認定  (補充質疑、採決)    ─────────────────     午前十時開議 ○小畑敏雄 委員長 おはようございます。  ただいまから決算特別委員会を開きます。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 議事に先立ちご報告申し上げます。  原秀吉委員におかれましては、昨日二十一日、急逝されました。まことに悲しみにたえません。ここに謹んで故人のご冥福をお祈り申し上げます。  本日は、これまで審査してまいりました平成五年度決算の認定四件についての補充質疑を行います。  それでは長期オール与党談合区政を改革する派、どうぞ。 ◆下条忠雄 委員 まず約束なんで、登記のことについてお伺いをいたします。  先般私は、三宿一丁目の土地の上の建物について登記がないということを指摘したわけでありますけれども、その後、川瀬助役が私のところへいらっしゃいまして、不動産登記法の九十三条では登記はしなくちゃいけないことになっているけれども、その附則五条において、固定資産税を課することができない土地及び建物については、当分の間、その条項は適用しないんだ、こういうことがあるというふうに喜々としておっしゃいましたけれども、どうしてこういう附則がついたのか、その趣旨は何か、ちょっとお伺いしたいと思うんです。 ◎馬場 税務経理部長 この附則のついた趣旨でございますが、一応この改正のときに、もともと税務署にありました土地台帳、家屋台帳が登記所に移管となりまして、それぞれ地籍簿、家屋籍簿としての性格を有するということになったことに伴いまして、この土地台帳制度不動産登記制度と一元化しようという、いわゆる登記台帳の一元化というものの中でそのようになったというふうに聞いております。  したがいまして、もともとが土地台帳、家屋台帳のような固定資産の課税の基準、元というふうに理解しております。そこで課税のないものについては登記しなくていいというふうになったというふうに思っております。 ◆下条忠雄 委員 登記は、税金の関係もありますけれども、やはり何といっても、登記があることによって第三者に対抗できる、そこにポイントがあるんですよね。区の土地だとか建物についてそういう登記がない場合、第三者が権利を主張した場合、いろいろ錯誤やなんかで登記がなされちゃったような場合、こういう場合はどうするんですか。してなければ非常に危険だと思うんだけれども。 ◎馬場 税務経理部長 建物の登記につきましては、所有権または敷地の利用権を証明するところの添付書類が当然必要になってまいります。仮に区以外の者が悪意を持って建物の登記を申請しようとしましても、これらの書類がそろわないということから不可能でございます。したがいまして、権利の侵害というようなことは考えられません。そんなことからも、登記も、特に保存登記の方はしていないということになろうかと思います。ただ、土地につきましては、全部登記をしてございます。
     そのようなことから、建物についてはしてございませんが、そういった権利の侵害はないものというふうに考えておりますし、なお、今後とも、この財産の管理につきましては、財産の実態の把握と保全に努めまして、不法な財産の侵害が行われないように十分注意してまいりたい、かように思っております。 ◆下条忠雄 委員 戦後なんか、河川敷やなんか不法占拠が非常に多かったですね。いまだにそういうものが解消されていない。これは実態的にそういうものを占有されたりした場合、少しやはり問題が出てくるんではないかと思いますけれども、とりあえず、それだけやっているわけにはいかないんで、そのぐらいにしておきましょう。  次に、区長が成城でやった懇談会のときの一番最後に、成城から烏山のバス路線については開設をしますということを言われた。だけれども、これについては、交通対策委員会でも若干の議論があるわけですよね。ということは、多分ここの路線をやれば、一億何千万かの赤字になる。それから、希望丘からの京王線の方も五千万というか、尾山台の方もそのぐらいの赤字になる。そういうことがわかっていながら開設をするというのは、今既存のバス路線がどんどん赤字だということで廃止されているわけですよ。ただ、そこについては、住民の要望があるとか請願が出てきたということでやるということになると、こっちの方との整合性もつかないんじゃないかと私は思うんですね。  そんなことで、何かいいことばかりおっしゃるけれども、裏側の赤字の問題については全然おっしゃらない。これは私はちょっといかがなものかと思うんですね。  ばらまき福祉ということは言われておりますけれども、これは福祉じゃないですよね。福祉にも値しない施策ですよ。値しないというとちょっと語弊があるけれども、私はばらまき行政の一環ではないかと思うんですね。私は、こういうものは、やはり人員削減とかいろいろ言われている中でおやりになるというのは、それは私だって、こういう人気商売をやっているわけですから住民にいい顔をしたいと思うけれども、やっぱりそれでは問題があるんではないかというふうに思うんですね。(「商売ね」と呼ぶ者あり)比喩的に言ったんだよ。どうですか。 ◎川瀬 助役 今ご指摘くださいました成城−烏山間については、在来の路線型のバスを運行しようということで長い間議会からもご要望があり、調査をし、事業者と協議を重ねてきております。したがって、そういう努力の結果、道路も整備してきておりますので、一日も早く通したい、こういうことでございます。  それから、希望丘路線あるいは玉堤路線については、議会でご採択をいただいております。議会でご採択をいただいているわけですから、それを実現するために努力をしてまいりました。その結果、運輸省と協議の結果、一定の制度を導入することによって可能であるという道が開けてまいりましたので、特別委員会にご報告申し上げたところ、これを導入するに当たって注意すべき点が幾つか指摘をされております。  したがいまして、この点をきちっと整理をいたしまして、再度特別委員会にご報告を申し上げ、ご理解を賜った上、予算化していきたいというふうに考えております。  いずれの路線も、議会からもこの路線を開くようにということでご了承賜っておりますので、そういうことで努力しているということを申し上げたわけでございます。 ◆下条忠雄 委員 議会で採択した、議会で言うと川瀬助役はよくおっしゃるけれども、赤字のことはそのときはわからなかったんですよ。これは赤字が一億あるいは五千万出るということがわかっていたら、私はそれは反対しましたな。まさかそんなことはないと思っていた。そこまでは考えが及ばなかった。だから採択をしたんですよ。だけれども、やっぱり赤字が出るのを−−−それは過疎のバス路線しかない、一里も二里も歩かなくちゃいけないところだったらともかくも、この東京のど真ん中でもないかもしれないけれども、ある程度やはり交通機関が何とか、自転車もあるし、またほかのバスだって、例えば成城じゃなくても、船橋から烏山にバスは行っているわけですよね。そこにやるというのは、私は、そういう姿勢が、何か大場区政のばらまきというか、放漫財政というか、そこにやっぱり如実にあらわれているというふうに思うんですよね。私はやっぱりこういうものは、あなた方は賛成かもしれないけれども、賛成できない。それはそのぐらいにしましょう。  もう一つは、太子堂の二、三丁目の土地の件ですけれども、これは四十三カ所か四カ所買って、五十五億の金をぶち込んで、バブルの当時買ったのなんか、今はもう半分になっちゃっているわけですよね。普通の民間会社がこんなことをやれば、これはまさに責任問題、会社だって倒産するんじゃないかと思うんですね。  これは代替地として買っている部分もあるわけで、それは交換をするということになるわけで、こういう点をどうするのかなというふうに思うんですけれども、そろそろ時間が来たようなので、問題を指摘して終わりましょう。 ○小畑敏雄 委員長 以上で長期オール与党談合区政を改革する派の質疑は終わりました。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続きまして、世田谷行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 まず、委員長も触れられましたが、冒頭に、昨日亡くなられた原秀吉議員に対し、謹んで哀悼の意を表します。  原先生は、私が初当選時の最初の議長を務められ、世田谷行革一一〇番のような少数会派に対しても分け隔てのない公平な議会運営に意を注がれました。議会を通じてのおつき合いではありましたが、心よりご冥福をお祈りいたします。  さて、きょうは、情報公開のあり方という観点からお聞きしたいと思います。これは以前、情報公開したら、区長交際費の領収書が破棄されていたということがあったわけですけれども、現在では、区長の交際費の領収書の保存状況、これはどうなっているか。いつからの分からがちゃんと保存されているのか、いつから以前のものがないのか、この点をお聞きしたいと思います。 ◎田中 総務部長 平成五年三月以降保管してございます。 ◆大庭正明 委員 領収書の破棄については、要するに、これは保存しておかなくちゃいけない文書が、情報公開制度というのは平成元年からスタートしているわけですから、既に五年たってでしか要するに保存していないというのは非常におかしい状況ですし、情報公開という制度の根幹の部分で、非常に領収書というものは関心の高い文書でもありますし、公開されるようなときには非常に重要な意味を持つものが、五年間も保存されていなかったというのは非常に僕は問題だと思います。  昨年ですか、一般質問で質問したときには、これはどうしてかということに関しては、二十年来のずうっと慣習でやってきたんで、気づかずにそのままずうっとやってきたというような答弁が、当時の多賀井総務部長から答弁があったと思うんですけれども、これは実はうそなんですね。これはどうしてうそかといいますと、その根拠を申し上げます。  これは、情報公開制度ができて、これは平成元年からできたんですけれども、私の方で、区長交際費情報公開請求をしました。情報公開請求は、ご案内のとおり、文書が存在する場合は、非公開決定もしくは公開決定、この二つがあるわけですね。文書が存在しない場合、要するに、公開請求されても、それに該当する文書がない場合は、不存在という決定通知が来るんですね。ですから、情報公開請求の場合は、公開、非公開もしくはその文書が不存在、この三つの決定しかないんです。先ほど総務部長が、平成五年三月以降のはあると。平成五年三月以前のものについては、二十年来の慣行により、ずうっと破棄し続けてきたという答弁がありました。  そこで僕がお伺いしたいのは、過日の、過日というのは、平成元年の五月にやった情報公開請求で、非公開決定というのが出てきたわけですね。これはその文書がちゃんとあります。非公開決定の文書がありますので、そちらの方でも控えがあると思うんですけれども、これをもとにすると、平成元年のときに、区長の領収書の情報公開請求をして非公開決定が出ているということは、不存在ではないというふうにとるのが普通だと思うんですね。条文から見ると、それしか読み取れないんですよ。とすると、その平成元年当時は存在した。今言われているように、ずっと破棄し続けて、現在あるのは、平成五年三月以降からあるというお話が矛盾すると思うんですよね。それから類推すると、どうもやはりあったんじゃないか。去年の段階でも相当の領収書が存在したんじゃないか。それを慌てて何らかの理由によって破棄したんじゃないかと私は類推するんですけれども、その辺、どうですか。ちゃんと答えられますか。 ◎田中 総務部長 文書の情報公開の取り扱いと文書の保管の問題、これは別であるというふうに考えております。  それで、領収書等の慣行で破棄していた、精算を処分していたというのは、昨年の三月議会におきます前総務部長の答弁でございます。それから、情報公開との関係につきまして、交際費の公開の影響等の関係からそのような措置をとったのではないかというふうに推測してございます。 ◆大庭正明 委員 僕がお聞きしているのは、要するに、公開、非公開、どちらでもいいんですよ。でも、公開、非公開があって、不存在と三つあるわけですよね、三つの選択肢があるわけですよ。なければないと、当然そのときも、今のお言葉が、先ほどの総務部長のお答えが正しいとすれば、その文書自体がその当時なかったわけですから、当然不存在として出てくるはずなんですよ。それを非公開ということになってくると、あるんだけれども、その領収書はあるんだけれども、いろいろな条件で公開はできませんよということだと普通は思うわけですよ。そう思いませんか。 ◎水間 区長室長 ただいま委員のご指摘の件について、当時、私も秘書課長をやっておりまして、こういう情報公開の請求が出たということについては私も記憶しております。ただ当時、情報公開がスタートして間もなくでございました。そういった中で、非常に支払命令書でございますとか、もちろん領収書、精算書、出席者が特定できる文書ですとか、いろんな請求が出たように記憶いたします。そういった中で、当時、まず公開するか非公開にするか、どこまで公開するかといったようなことが議論になったと思います。そういった中で、領収書も含めまして非公開というような決定をしたような記憶がございます。  ですから、領収書については、当時、不存在のものを、今にして思うと、もう少し丁寧に、一つずつ処分といいますか、存在、不存在、あるいは公開、非公開というような処置をすればよかったんだろうというふうに思っておりますが、当時はそういった形で処理されたというふうに記憶してございます。 ◆大庭正明 委員 水間室長、それをもうちょっと簡単に言うと、どさくさのときだったと。確かに情報公開制度がスタートしたばかりだと。こちらの方としていろいろ請求をかけた。いろいろ対応がふなれな部分があった。そのとき領収書はあったんでしょう。 ◎水間 区長室長 基本的には、領収書の……。 ◆大庭正明 委員 あったか、ないか。 ◎水間 区長室長 領収書の最終的な処理は総務課でございますが、当時は私どもでは領収書はあったかなかったかということについては、私はなかったというふうに思っております。 ◆大庭正明 委員 当時の経過をいろいろ調べてみますと、平成元年三月までは、ここにいる産振部長の小野部長が秘書課長でしたよね。その後四月に水間室長が秘書課長になられたわけです。そのときの事務引き継ぎの中で、小野部長がこのように言ったと思うんです。情報公開制度があるから、領収書等は保存しておくようにというふうに水間室長に言った記憶はありますか。 ◎小野 産業振興部長 私は今思い返してみても、そのように言った覚えはございません。 ◆大庭正明 委員 水間室長の方にお聞きします。そういうふうに言われた覚えはないですか。 ◎水間 区長室長 そういった記憶はございません。 ◆大庭正明 委員 そういうことになると、僕もちょっといろいろ資料は持っているんですけれども、そのよようなやりとりがあって、水間室長はそれを守っていたはずだというようないろいろ証拠はあるんですよ。今ちょっともう時間がないんで、あともう一分を切っちゃいましたからこれ以上言えませんけれども、私としては、領収書というのは本来あったんだろうと。あったけれども、何らかの理由によって、これも破棄せざるを得ないことになったんだろう。それで情報公開制度が、僕は制度上非常に、今、公開請求ができて公開になっているわけですから、領収書は元年当時は非公開だったんですけれども、現在では公開になっています。このことは繰り返しておきますけれども、公開ですから、今で言えば、その当時非公開のものであっても公開できるはずなんですよ。そうなってくると、非常に情報公開制度の根幹の部分で知る権利というものが著しく僕は侵害されたんじゃないかと思いますので、以上をもって私の質問を終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上で世田谷行革一一〇番の質疑は終わりました。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆平山八郎 委員 小畑決算特別委員長からもご報告いただきましたが、自由民主党区議団の同僚であります原秀吉議員が急逝されました。幽明境を異にしておりますきょう、非常に残念でなりません。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。  なお、過日、ご縁があって、玉川小学校の百二十周年創立記念式典にご一緒させていただきましたが、大変校長先生のお話も立派でございましたが、子供たちが「威風堂々」という曲目を演奏されました。伺いまして、余り立派なのでお幾つかなと聞いたらば、十歳と十二歳、十一歳の方々だ、こういうことで、いつかも塚戸幼稚園の幼児教育のお話をいたしましたが、人間というのは、やはり教育すれば、十や十二であれだけのことがなし遂げられるのだなと、しみじみと感銘を受けたわけでございます。  比べてというわけではございませんが、私なども、五十、六十と、ただひたすら馬齢を重ねただけでというので、あの音楽を聞いて、これからますます私も発奮して、大いにひとつできる限りの世のため、人のために働いてみたいという気持ちを持った、奮い立たされたわけであります。  区長も、いよいよ来年四月ですが、人によると、何、エイトライナーは区長の延命策じゃないかというようなうがった話をされるけれども、やっぱり百年の計というのはそんなものじゃないんですよね。自分の命を投げ出しても、やはり大計というものを立てて、それに向かって、完成を目指して頑張ってもらわなければならないと思うんです。いたずらにそういう右顧左べんするような、あるいは町の評論家めいたお話に自分の心を動揺させてはならないと私は思うんですが、四月に向かって区長の決意のほどを、まずもって聞かせていただきたいと思うんです。 ◎大場 区長 私は、これまで、区議会初め区民の皆様のご支持をいただき、一貫して世田谷の住みよいまちづくりに全力を傾けてまいりました。  今後の区政運営を考えると、厳しい財政状況の中、高齢社会へ向けての福祉施策の充実とか、環境、住宅問題の解決、新交通システムエイトライナーなど交通網の整備など、課題が山積いたしております。このような難局ではありますが、多くの皆様からいろいろと激励をいただいており、幸い健康状態もよろしいので、さらに多方面からのご支援をいただきながら、これまでの経験を最大限生かしまして、豊かな福祉社会の実現に全力を尽くすため、新たな決意を持って、引き続き区政を担当してまいりたい、このように考えております。 ◆平山八郎 委員 決意のほどを伺いました。頑張ってください。  それから、道路の問題で「週刊新潮」に出ているんですが、毎日新聞大阪本社版で、半世紀にもわたって都市計画道路がまだ半分も完成を見ていないと。いうところの私権の抑制ですよね。従いましてどうするんだ。いわゆる地権者らにしてみれば、法の規制で自由に土地が利用できない、不利益をこうむっているんだ。この声に、大阪府は、このほど計画の見直し作業を行うために検討委員会を設置した、こう言うんですね。やっと半世紀に及ぶお役所仕事がようやくこれによって清算されることになったというんですが、都市計画道路が半世紀もたって半分しかできない、あとの半分を、そんな検討委員会ができたからといって、すぐ解決されるはずがないんですが、あるいは都市計画路線を廃止してしまうというようなことになるのかわかりませんが、世田谷区としては、都市計画道路に対していかような考えを持っておられるのか。もちろん、東京都の問題だというお考えもあろうかと思うんですが、区は区なりの都市計画道路に対してのお考えが当然あろうと思うんです。半世紀という言葉が出ましたが、世田谷だって、半世紀を経るような計画路線がたくさんあるわけですが、そして今後どのようにするか、この辺をお伺いしておきたいと思うんです。 ◎木庭 道路整備部長 都市計画道路の再検討のお話でございますけれども、世田谷区が決定権限のございます都市計画道路につきましては、昭和六十二年から、区画街路あるいは特殊街路といった道路の都市計画決定をしてまいっております。現在、その事業としては順調に執行がされておりますので、区が決定する道路について見直しの必要性は現在のところないものと考えております。  なお、東京都市計画道路として、幹線道路や補助線道路などがございますが、これらにつきましては、東京都が東京都の都市計画審議会に特別の委員会を設けるなどいたしまして、実は昭和四十年ごろと昭和五十六年の二回にわたりまして、区部全域について見直しを行っております。その結果、ほぼ現在の都市計画道路網の計画となっているわけでございます。  また、この計画について、都市計画道路の整備を進める当たりまして、都市機能の確保あるいは都市防災の強化などを基本目標にして効率的に達成するということを目指しまして、優先的に整備する路線を選定した十カ年計画によって整備を図っております。  ご質問の件につきましては、今後東京都が行う都市計画道路などの見直しの機会ということをとらえて、東京都にも要望してまいります。また、事業の促進についても、あわせて東京都にも申し述べてまいりたいというふうに考えております。 ◆平山八郎 委員 せんだって公衆浴場のお話が大分出ていましたが、これはやっぱり公営の公衆浴場が望ましいことではありましょうが、現に百六十四から、わずか十何年かの間に八十、とうとうまたやめて七十九になるんですかね。半分に減ってしまったという現実を直視するならば、果たして公営が民営を圧迫しないだろうかという危惧の念を私は抱くんです。でありますから、一概に、いや、老人ホームにふろをつくって一般の人も入れてやれというのは、それは言うは易しいんですが、それをなりわいとする人たちにとってみたら大きな打撃だろうと思うんですね。  方向転換ができるかというと、なかなかできない。借地やら借家で経営している浴場経営者もたくさんあるわけですから、そういう中では、やはりどうしてもということであれば、私は公立施設にして、民営、委託という形、方式をとれれば、そのため公立による被害を受けるところの浴場さん方は喜んでそれに賛成してくれるんじゃないかというふうにも思うので、あながち公立に反対するばかりも能がないと思うので、そんなことをあれこれ考えたりしておりますが、どうでしょうね、こんなことは。私の考えですが。 ◎大場 区長 おふろの問題につきましては、前々から減っていくことに大変危惧を持っていたわけでありますが、何といっても、おふろ屋さんがなくなって、今まで遠いところまで行っていた、そのおふろ屋さんまでなくなっていくということが大変な問題でありまして、私どもとすれば、とりあえずは何か施設のところにおふろがあるところをお使いいただくなりしなきゃいけないんではないかというふうに思っているわけであります。  当然そうなってきますと、一体だんだん減っていくと、どうしたらいいのかという問題になってまいりますが、公営でつくっても、それは運営はやっぱりとても素人じゃできるものじゃありませんから、もちろんおふろ屋さんの組合なり何なりにお願いしなきゃならないと思うんですが、それにしても、これは最終の決断しかないだろう、そんなふうに思っているわけであります。そこまで考えなきゃならないような事態にもなってきているのかなというふうに今様子を見ているわけですけれども、できるだけ私どもとすれば、民間の人たちがやってくださるなら、それに越したことはありませんけれども、どうしても空間的にそこができないということになると、公営でやって、そして民間に委託するということ以外にないんではないか、そのようなことまで考えなきゃいけない事態ではないかなというふうに思っているところです。 ◆平山八郎 委員 今区長から答弁いただきましたが、全くそのとおりだろうと思うんですね。えてして役所が、営利じゃございませんが、そうしたものに手を出せば、武士のなりわいじゃないけれども、になってしまって、商売上うまくない、いい結果が出ないのはわかっています。プロはやっぱりプロに任せた方がよろしいというふうに思うんです。  それから、きのう、きょうの新聞をごらんになって皆さんおわかりだろうと思いますが、クロアチア領の問題、それからボスニア・ヘルツェゴビナの問題、これは民族の争い、それから宗教の争いですよね。恐ろしいのは宗教、言うなら、まとめれば教育ですよ。この新聞だって、こんな大きな砲弾を、お互いにきのうまで一緒にいたところへぶち込んでいるんですよ。見てくださいよ。何できのうまで一緒にと私は表現をするかというと、この間NHKでやっていたわけですね、クロアチアの問題、それからボスニアの問題ですが、もとは旧ユーゴスラビアの国一つだったわけですからね。  あれは表題は何と言いましたか、「若い青春」と言ったかな、「若者の青春」と言ったのかな、という表題で二時間半にわたる映画を作成した。そこへ出た百六十人の、小さい子は八つか七つぐらいから、上は十六ぐらいの男女ですが、そして、その映画を撮り終わった一週間後にこの内戦が勃発してしまった。百六十人のうちに、もちろん弾に当たって死んだ子や散り散りになってしまった、それから避難された人たちが大勢出てきた。わずか一週間ですよ。その前はもう民族が一つになっていた、あるいは異宗教も一つになって、そして青春を謳歌していた。その映画も一部分ですが、放映されておりましたけれども、やっぱり教育というのは恐ろしいなと思いました。恨みつらみをまずつくることが世の中いけないですね。  この世田谷の十一月十五日のお知らせ版「第7回まちづくりコンクール」が出ているんですよ。これは結構なんですよ。十月十五日にコンクール公開審査会をした。そして、「子どもからおとしよりまでみんなでつくる『楽しいくらし、住まい、まち』ってなんだろう?」という表題で、そして、それぞれに受賞された。発見部門では、桜新町一丁目の在住者でありますが、「住みよい街というのはまず小さな親切、そして隣近所の人たちとの和からだと思います。遠くの親せきより近くの他人」、あれはいいことですね。小さな親切、一人一人が小さな親切を重ねることによって、そこには和やかな平和な暮らしができるんだ、こう言っている。これはもうそのとおりでありまして。  昔からよく若い者を怒るな、あんたたちが来た道じゃないか。それから、年寄りを嫌っちゃいけないよ、必ずみんなが行く道じゃないかという言葉がありますけれども、そういうことをあれこれ思いながら、やっぱり過ごしやすい、暮らしやすいという町は、隣同士が、おはよう、こんにちはが言える仲でなくちゃならないと思うんです。それを「区のおしらせ」のようなこのお知らせ版を使って、相反するような、クロアチアみたいなあおり方をしちゃいけないと思うんですね。突然としてある日内乱が起こるかもわからない。大きく言えばですよ。  そういう意味で、僕は一つのイメージ提案というのは、イメージをこんな悪いイメージにさせちゃいけませんよ。表彰された方が悪いと言うんじゃないですよ。それを集約してお知らせに載せた、この集約の仕方がよくない、取り上げ方がよくないということなんです。ちょっと読んでみますから聞いてみてください。  「緑野町夫君のクラスで敬老の日に、日ごろお世話になっているお礼として、町のおじいちゃんやおばあちゃんたちが住める大きな家をプレゼントすることになった。世田谷区の会議にかけたら造ることが決まるが、建設候補地に行ってみると、そこには土地を横取りしたデベロッパーがすでに工事をしていた……」括弧して要約としてあるんですよ。この要約の仕方は非常に不適切ですね。  デベロッパーというのは、辞書を引けばすぐに出てきますけれども、町や都市づくりを総合的に進める団体や企業だというんですよ。まちづくりを総合的に進める企業や団体が丸々これでは悪者になっちゃうわけですよ。世田谷区の会議にかけてつくることが決まった。それで候補地に行ってみたら、そこには土地を横取りしたというんですから、こんな表現はないですよ。デベロッパーが横取りしたような土地に、区が議会で議決して、じゃ、そこにおうちを建てましょうなんていうことをやりますか。今までそんな例は一度もなかったと思いますよ。こういうことがそもそもの間違いの出発点になっていくんですよ。要らざるとがり方をしたり、要らざるもめごとになっていくわけですね。  私が言っている意味はわかりますね。こういう取り上げ方は、今後行政としてやらないでほしい。それでなくったって、そういう方向に持っていきたくて、やりたがっているグループがたくさんあるんですから、道路一つ取るといったって、もう反対のための反対でしょう。この前も言っていたけれども、さあ、小田急線の説明会をしましょうといったら、相模ナンバーで乗ってきた車の人たちですよ。何でそんな人たちが卵をぶつけたり、スライドの機械まで持っていって、刑事事件ですよ。そういう人たちを増長するような形の、これはもう本当に憤慨にたえませんね。候補地に行ってみると、土地を横取りしたデベロッパーがいたなんて、そんなふざけた話はないと思うんです。これは要約した方が悪いです。作者の方に私は抗議を申し込んでいるんじゃないですよ。作者は作者なりに子供ですから、それなりに感じて感情を表現しているんで、これは悪いもいいもありません。もっともそういう感情を持たせるような大人の行き方が間違っていたんですよ。お答えいただければ、どうぞ。 ◎鈴木 都市整備部長 私も、この作品自体はまだ拝見をしていません。別に読売新聞が二十一日に出した記事によりますと、やはり似たように区有地を使うことになって、行ってみたらデベロッパーが無断でゴルフ場を建設中。多分、この辺がそういう作品の中にもあるんだろうというふうに思います。  これは、今委員おっしゃったように、作品そのものよりも、こういう広く区民一般にわたる広報の中でこういう記述、要約をしたということは確かに問題がございます。  行政としては、街づくり条例の中にもございますように、区民、それから事業者、区が協力をして、要するにパートナーシップでこれからまちづくりを進めていくということになってございまして、そういった世田谷のまちづくりの理念を決して外れることなく事業をやっていきたいというふうに思っておりますので、少しこの辺のことは、担当のまちづくりセンターの方にも十分注意をしていきたいと思います。 ◆平山八郎 委員 ここでかたいことばかり言っていてもしようがないので、君子に三楽あり、君子に三つの楽しみありということについて、二、三お伺いしながら話を進めてみたいと思っています。これは「カレント」という小雑誌に佐藤千寿さんという方が書かれて投稿されている話題ですが、昔は、地震、雷、火事、おやじといって、おやじは権威を持っておりましたね。それから先生だって先輩だって怖がられていたんですが、今は、おやじも先輩も先生もちっとも怖がられない社会情勢になってきておりますね。ちょっと文を引きますが、戦後の教育方針では、小学校からして、先生と生徒は友達になれなどという、メダカの学校だ。こうしてよく言えば伸び伸び、実態はわがまま、自己本位に甘やかされて成長した子供が、中学校、高校と進学するとどうなるか。遅刻、早退の常習化、教師に対する反抗、暴言、授業中騒いでいる生徒に先生が注意すると、塾でやっているから聞く必要がないという。他人の迷惑になるからやめろと言えば、小さい声で話をするから気にするなという。これは日経新聞や朝日新聞にも出ているんですが、もっとひどいのは、女性教師に対してセクハラだ。教室に入ってくるなり、大声でばばあ、ブスとどなる。注意すれば、うるせえ、出ていけ。黒板に向かって書いていると、後ろから物を投げつける。教室へ出るのも命がけだ、こう書いているんです。これは朝日新聞の方です。  そんなことを思いますと、うちの九十六校ある中の小中でこんな暴力ざたは、昔はあったんですが、途中絶えたというような話を聞きます。またぞろこの辺で幾らか復活してきているという話を聞いているんですが、教育長、どうですか、一言。ないとかあるとかいうだけで結構。 ◎津吹 教育長 今お話のありました学校内の生徒間暴力の問題でありますけれども、かつてお話しのように、憂慮するような状態にもあったというふうにも聞いておりますが、ここ数年は比較的落ちついているんではないかというふうに思います。  ただ、報告によりますと、四月以来、中学校で生徒同士の遊びやふざけの延長として、生徒間の一過性の暴力行為というんですか、そういうものがあったというふうに伺っております。 ◆平山八郎 委員 儒教思想の徹底した国と言われる韓国の大学でも、学生が教授を殴ったとか、総長の顔を踏みつける運動とかが社会問題になっているというんですが、ことしの五月ですか、批准されて、「児童の権利に関する条約」こういうものができた。この条約は、解釈のしようによったらばもろ刃の剣だ。育児、教育が、あるいは教育が、条約や法規制のおりに入れられてしまったらば世は末である、こう論破しているんですね。私も同感だと思うんですね。何でそんな育児や教育までが、関する権利だの守る条約だのというもので事をなし遂げなくちゃならないのか、非常に残念です。  それから、教科書内容においても、最近どうもちょっと憂えるというか、心配だなと思うこともあります。何がおかしいかというと、一昨年の春、小学校五年生の教科書に、人の性を取り扱う単元が登場し、多くの教師がセックスをどう教えるか戸惑っているというんですよ。これは本当に普通の教師だと、性教育といってセックスを教えるというのは困っちゃうわね。親だって私は教わった覚えがありませんよ。  話は当然性器の構造にまで及ぶそうだが、ばかばかしいにもほどがあると。太古以来、鳥も獣も、教えられなくたって交尾して子孫をふやしてきた。この辺は少し斜に構えまして、斜めに物を見るという考え方で聞いていてくださいね。鳥も獣も教えられなくたって、交尾して子孫をふやしてきた、こんなことをまじめくさって議論している今の大人たちに聞きたい。あなた方は学校で教えてくれなくたって、今まで何か差し支えがあったかと言うんです。これは教育長に聞いても無理ですから、差し支えありませんというわけにもいかぬでしょうから。  また厚生省は、エイズの予防のため、コンドームを青少年でも買いやすくするよう自動販売機設置基準の緩和通達を都道府県に出したというんだね。余計なおせっかいだ。文部省も高校生用にエイズ教材を配布するという。エイズの知識を与えることが無用だとは言わない。きのう、うちの委員からもやっていましたけれども、無用だとは言わないけれども、しかし、基本的人間教育を抜きにして、文部省がそんなことに腐心するとは、どう考えても異常である。教育の異常さというものの一つの斜めに見た表現ですね。  中国には三つの楽しみということがある。一つには、よい友達をたくさん持つこと。二つ目がよい本をたくさん読むこと。三つ目にはよい景色をたくさん見る。そしてまた、孟子は、父母ともに存し、兄弟憂いなきは一の楽しみ。一族郎党仲よく、しかも両親に孝行できる、そういうことが一の楽しみだ。  二つ目の楽しみとしては、天に恥じず、伏して人に恥じざるはと言うんですが、俯仰天地に恥じざることだ。おのれが日々過ごすに当たって、天地に恥じざるかどうか、これは昔の軍人勅諭の中にもありましたよね。  それから三番目の楽しみ、これがなかなかおもしろいので実は引用させてもらいますが、何といいますか、教育、英才教育じゃないですよ。青少年の育成といいますか。孟子はこう言っているんですね。天下の英才をおいて、これを教育するは三つ目の楽しみだと。今様に訳すならば、青少年育成、これが三つ目の楽しみですということなんですね。  申すまでもございませんが、青少年教育は、国としても個人としても、最優先的に取り組むべき人類普遍の課題である。具体的に教育政策として、政治、行政が関与してくると、思想統制とか何とか理屈っぽい議論がわいて収拾つかなくなるが、そこで基本的な人間形成は、さわらぬ神にたたりなしとばかり敬遠して、専ら即効実用的な知識や技能の習得に心を砕くが、果たしてそれでいいだろうか、こういうわけです。  青少年の人間形成は、広く国民一人一人の責任として取り組むべき課題となるだろう。君子の楽しみという言葉は極めて意味が深長である。歴史的に見ても、本当に人材を育てたのは、政治という機構ではなく、個人として傑出した教師や思想家、篤志家であった。  国際的地位の高まった日本が、世界の中でどういう役割を果たさねばならぬか、さまざまな意見が渦巻いている。しかし、疑いもなくこのことだけは断言できる。いわゆる人口問題も、環境問題も、また民族紛争解決への道も、基本的には教育の問題に集約されるんだ。軍備に使われる金に比べたら、教育は何という安上がりな投資だろう。国際貢献の道として、国民こぞってこれを真剣に考えるべきときではなかろうか。日本は今や、根本的に幼児教育からたたき直して、教育を再構築しなければならない。人間形成は、幼児から青壮年まで生涯かけて貫き通す問題なんだ。  若山牧水がこういう歌を歌っていますね。「先生のあたまの禿もたふとけれ 此処に死なむと教ふるならめ」いわゆる命をかけて教育、勉強させてくださる先生というのは、頭がはげていても立派なものだという意味でしょうね。牧水がそう歌っている。  かつての日本には、目頭の熱くなるようなこんな純粋な先生方が、小学校から大学までたくさんおられた。悪童どもには怖いながらも、親愛と敬慕の情あふれる恩師であったのである。  翻って世田谷の、先ほど申し上げました小中学校の先生方全員がこういう先生ばかりだと思うんですが、教育長としてはどうでしょう。 ◎津吹 教育長 教育への支援のお話だということで、大変ありがたく伺っておりました。  お話しのように、人口問題あるいは環境問題、民族紛争問題、すべて基本的には教育だというようなお話がありまして、私も、人間自身の人間形成をすべきことが第一義というふうに考えておりまして、そういう意味から、教育というのは非常に重要な仕事だというふうに思っております。  教師の職務でありますけれども、いろいろありますが、一言で、やはり牧水さんの歌の例をとられましたけれども、命がけでというか、体を張って子供たちのために頑張る、そういう姿を見せることが一番の教育ではないかというふうに思います。教科の教え方の上手、下手ということももちろんありますけれども、それよりも、やはり人間というか、教師自身が持っている人間性を子供たちに伝える、そういう技術を磨いていただきたい。もしそれ以上言うならば、例えば子供たちの間で問題が起きたときに、自然に、あるがままに解決できるようなすべを身につけるような教師、そういうものが今求められているんではないかというふうに思っております。  最初、我々の時代は非常に貧しかったですし、先生方もそういう中で、犠牲とか奉仕の精神で携わってきたという聖職の像がありました。戦後、価値観が一変いたしまして、今日までその聖職さがあいまいなまま現在まで労働者観というんですか、そういうものに流されながら今日まで来ているというような状況があります。  そんな中で先生方が頑張っているわけですけれども、最近は、少し経済的というんですか、世の中落ちついてきて、専門職というんですか、そういう観念も非常に強く植えつけてこられたような状況も見られます。そういう中で、新しい教師像が今後求められていくと思いますが、とにかく子供たちに体を張って教える、そういう気持ちというか態度というか、そういうことを踏まえて子供に対応するような、そういう教師のあり方を求めていきたい、このように思っております。 ◆平山八郎 委員 保育園も含めてですが、幼稚園、小中の先生方はご苦労さんですが、本当にそうした気持ちで、次代を担う青少年の育成に今後ともご精進いただければということを願いながら、私の質問を終わります。 ◆大高定左右 委員 ただいま平山委員からも委員長からもお話がございましたが、私も長い議員生活で、本当に現職議員で、そしてきのうまで現役でいた、そして他界されたということは、かつての公明党の武井議員、また今回は我が党の原議員、まことに無念でございますが、謹んで哀悼の意を表させていただきます。  また、ただいまは、我が党の平山委員から、教育に当たっての基本的な考え方のお話がございましたが、全くまさに区の行政といえ、教育の場といえ、企業といえ、やっぱり人であるわけでございまして、その人を育てるということが、即企業の発展にもつながり、行政の発展にもつながるわけでありまして、まことに重要なことでございます。特に本区におきましては、明治維新をなし遂げた吉田松陰先生の墓所も間近にございますし、そういった方々の遺徳、遺業、そういったものも、やっぱり我々は学ばなきゃならぬと思います。特に松陰先生は、三十四歳という大変若くして亡くなられました。しかし、先生の残された、「かくすればかくなることと知りつつも やむにやまれぬ大和魂」という歌がございますが、私は、本当に国を憂い、国の将来を思い、そして、どうしてもやらなきゃならぬという思いを遂げるために、あれだけのことをなし遂げたわけでありまして、そういう先生方の気持ちを思うと、今の私どもは、さらにしっかりしなきゃならんと思います。  そんなお手本もあって、後に福沢諭吉先生という方が、最後の仕事は、やはり人づくりにあるということで慶応義塾を残されました。そして、最近の話では、ナショナルの松下幸之助さんは、やっぱり松下塾というのを残されて、そして人材の育成に当たった。いろんな例があるわけでございまして、本区におきましても、教育の場で、そういう歴史のある世田谷であるわけですから、大いにひとつご参考にされてご指導を賜ればありがたい、こんなふうに思います。  また、区の今後の財政運営について、今までに自由民主党の方々、また、各党の方々の代表、一般、あるいは委員会を通じてのさまざまな視点からの質問があったわけでございますが、現在の我が国の社会経済情勢を考えますと、財政問題は、今後の区政運営にとって非常に重要な問題であると思うわけであります。改めて何点か質問させていただきます。  区政運営の基本は、まず予算を立て、事業を実施し、決算をする、それは企業でも、そして家庭でも同じだろうと思います。言うならば、この決算委員会は、平成五年度を振り返り、評価すべき点は評価し、反省すべき点は反省し、そして本年度と翌年の区政の運営に反映させる場であるわけでございます。  そのような意味合いから、年間を通じていろんな会議がございますが、決算委員会というのは、殊のほか重要な委員会であると思うわけであります。前年度、いろいろと皆さんからのご要請を受けながら予算編成をする、それを議決していただく、そして執行する。執行した中で結果を報告するわけですね。そして、また各議員からのいろいろのご指摘をいただく。それを今度は参考にして、また翌年度の予算編成に入る、こういうことであるわけですから、流れからして、この決算委員会は最も重要な委員会である、このように私は考えてきょうまでまいったわけでございますが、平成五年度の決算の特徴的な事柄として、順調に推移してきた特別区税が大きく落ち込んで、初めて歳入全体の構成比が五〇%を切ったということであります。特別区税は、平成五年度の当初予算額に比べて、約一〇〇億円も落ち込んでおります。バブル崩壊の影響と言えばそれまでですが、その幅の大きさには驚いているわけでございます。過去のオイルショックや円高不況のように突発的な社会経済現象というのではなく、平成四年度段階で、株価の下落や土地神話の崩壊などが起こり、企業収益が悪化するという構造的な不況に落ち込んだものであり、こうした情勢は、区としても対応が難しい状況だったことは想定できますが、平成五年度の当初予算と決算の間で百億円も違うということは、余りにも開きがあり、当時の税収の見込みが甘かったとは言いませんけれども、何ゆえにこうした見込み違いが生じたのか、まずお伺いいたします。 ◎馬場 税務経理部長 委員ご指摘のとおり、四年度対比で約百億円ほどの見込み違いが出ておりますが、今回のいわゆる平成バブルの不況というのは、平成三年の五月ごろに始まったと言われておりますが、ご指摘のとおり、平成五年度の予算編成時には、既に景気後退の局面が進展しつつある状況にもございました。したがいまして、平成五年度の特別区税につきましては、対前年当初予算比で約〇・九%のマイナス、額にして十一億円ほどになりましょうか、という従来にない大変厳しい見積もりをしたところでございますが、このご質問の百億円の見込み違いでございますが、その主な原因といたしましては、土地取引件数の減少によりますところの譲渡分の減収が予想以上に大きなものとなっておりまして、対前年予算比で約二七・三%のマイナスは見込んでいたんですが、さらに落ち込みが大きくなりまして、結果といたしまして、予算額に対して、この譲渡分で約七十五億円の減収となってしまったのでございます。  さらに、これまで堅調な伸びを見せてきました給与所得でございますが、この給与所得者を中心とするところの特別徴収分につきましても、雇用情勢の悪化によるところの影響が予想されましたので、平成四年度の予算編成時よりも伸び率を若干抑えて見積もりをしましたが、これも予想を下回ってしまいました。これで約二十五億円ほどになりましょうか、こういったものがこの見込み違いの原因でございますが、こういったことの今後ないように、できるだけ正しい推計をしていきたい、かように思っております。 ◆大高定左右 委員 普通の企業なら倒産という結果になるわけでありますが、今回、国が減収補てん債の発行を認め、区に今まで積み立ててきた基金があったから乗り切れたというわけであります。それにしても、これは結果論であって、もし起債ができなかったら、もし基金の蓄えがなかったらどうしたでしょうか。
     こんなことを考えますと、事業の繰り延べや縮小など、大幅な予算の見直しを強いられたと思うわけですね。確かに起債や基金がこうした財政状況の変化に対応し、事業執行のための財源を確保する有効な手段であることは重々認識しておりますけれども、この厳しい財政状況は、平成五年度だけではなく、さらに一、二年は続くと思わなきゃならぬ。平成五年度を乗り切ったからといって楽観視はできない。所得減税が行われ、減税の補てん債で穴埋めするということでありますけれども、またこれは起債が、公園や区民施設建設など、将来に残る事業を推進する上で貴重な財源確保の手段であると思いますけれども、「主要施策の成果」の二ページに「当区の歳入の根幹をなす特別区税が、譲渡所得の減などにより、前年度比マイナス七・七%となり、さらに自動車取得税交付金が一〇・五%の減収となり景気後退の影響を受けた。しかし、特別区債や基金積立金を積極的に活用したことにより、歳入全体としては、ほぼ順調に財源確保が図られた」となっております。  そこでお伺いいたすわけですが、現在、区債と基金はどのようになっているんでしょうか。また、ここ数年、起債の発行計画についてはどういう見込みを立てているのか、あわせてお聞かせ願います。 ◎八頭司 企画部長 起債、基金の現在高と今後の見込みのお尋ねでございました。  まず現在高でございますが、五年度末で申し上げますと、起債が一般会計上で七百九十億八千六百余万円、基金の方は、財政調整基金が百六十四億六千八百余万円、特定目的のその他の基金が三百八十七億二千百余万円、合わせまして合計五百五十一億八千九百余万円となっております。  それから、起債の発行でございますが、起債を発行することは、おっしゃいましたとおり、学校、公園、集会施設などのいわゆる公共施設の事業効果が後年度にも及ぶということから、負担の公平さを図るという点で利点がございます。しかし、一方では、その後の公債費の償還が義務的な経費としてふえてまいりますので、財政の硬直化を招く、こういう原因ともなりますので、健全財政を維持するという観点からは、計画的な発行が必要でございます。今後の起債発行に当たりましても、私ども最も留意すべきことかと考えております。  そこでお尋ねの今後の起債の計画でございますが、平成七年度は、新たな基本計画の着実な進展を目指す初年度でございます。公園や道路などの都市基盤整備、それから、学校施設や特別養護老人ホームの建設など多くの財源が必要となってまいります。  また一方で、来年度実施が予定されております税制改正による一時的な財源不足を補うために、引き続き減税補てん債の発行なども検討していかなければならない、こういう状況でございます。  これらを総合的に勘案いたしますと、平成七年度の起債発行額は、現在のところ、およそ二百億円程度になるんだろうと考えております。その後八年度につきましても、多分、同程度かと想定しております。  今申し上げましたように、ここ一、二年は、税制改正の影響もありまして、一時的に多額な発行額となりますが、それ以降は、計画事業の推進に必要で適正な範囲内の起債、これを発行して財源を確保していこう、こういうふうな計画をしております。  いずれにいたしましても、今後の起債の発行に当たりましては、過去の実績でありますとか、公債費比率の動向、これらを十分に勘案いたしまして、後年度の財政の硬直化を招かない、こういう配慮を加えながら、計画的、効率的に活用を図っていきたい、こう考えております。 ◆大高定左右 委員 区債は借金であります。基金は貯金です。今、世田谷区の借金は、区債が七百九十億円ですか、基金の方は幾らかな。 ◎八頭司 企画部長 基金の方は、合わせて五百五十一億八千九百余万円でございます。 ◆大高定左右 委員 基金の活用は、今後、今のお話では、当分の間、起債と基金に依存していかなければならないということでありますが、その運用に当たっては、単に財源を確保するための有効な手段というだけではなくて、将来をしっかり見据えた上での節度ある運営、これが大切だと思うわけであります。財政運営の適正さを判断する指標の一つとして、経常収支比率がよく言われますが、この経常収支比率を辞典で引いてみますと、経常収支比率が低い団体の財政構造は弾力性があると考えられ、普通七〇から八〇%に分布するのが標準的だとなっているわけですね。八〇%を超える地方公共団体は財政構造が硬直化している。その原因を究明し、経常的経費の抑制に努める必要があるとあるわけでございますが、これを見ますと、本区の場合は、たしか七〇%そこそこぐらいになっていると思いますが、この数値自体は、先ほどの説明からすると、標準的な自治体の数値であり、健全な財政運営がなされていると評価できるわけでありますが、しかし、前年度から見ますと、少しずつではありますが、上向き傾向にありますので、八〇%に近づいていくのではないかという懸念もしておりますので、二十三区の中でも、八〇%前後の区もあると聞いておりますが、こうした厳しい財政状況のもと、当区の場合、経常収支比率が今後どのように推移すると見込んでいるのか、お聞かせ願います。 ◎八頭司 企画部長 お話にもありましたように、経常収支比率といいますのは、財政構造の弾力性を見定める指標として通常使われております。人件費でありますとか扶助費、そういった経常的経費に充てられる一般財源が、特別区民税などの一般財源総額にどのぐらいの割を占めているか、こんな数値の出し方でございます。お話しのとおり、一般的に八〇%を超えることは好ましくない、こういうふうに通常言われております。  当区の五年度決算の比率でございますが、前年度よりも四・一ポイントふえまして、七〇・八%となっております。平成元年度は五六・〇%でございましたが、以降毎年二から五ポイントずつふえてきている、こういう状況でございます。これは特別区民税を中心とする特別区税の落ち込みが大きくなったためでございますので、言いかえますと、分母が減って、経常経費である分子がふえていった、そういう相関の関係でございます。  今後の見通しでございますが、人件費、公債費等の義務的経費や施設の維持費、それから土地、建物の賃借料などが増加傾向にあります。また、その反面、特別区民税等の伸びが余り期待できない、こういう状況の中で、経常収支比率はある程度の伸びを示していくことはやむを得ないかと考えております。  しかし、今後の景気回復の動向等を考慮いたしますと、経常収支比率は若干伸びる傾向にはありますが、おおむね世間一般に言われております適正な範囲内で推移していくものと考えております。 ◆大高定左右 委員 財政硬直化についてはそう心配は要らない、こうご判断ですか。 ◎八頭司 企画部長 今申し上げましたように、おおむね七〇から八〇の中で恐らく推移していくだろうと考えます。もちろん私ども、常時硬直化を招かないようにきっちりと見張っていく必要がございますが、引き続き、世田谷区の従来の健全財政維持の方針を貫いていく限り、ご心配のようなことはないかと存じます。 ◆大高定左右 委員 行政運営費と投資的経費のバランスを見ますと、平成五年度決算では、全体の構成比として、行政運営費が四四・七%、投資的経費三四・五%であり、そして、平成六年度の当初予算を見ますと、行政運営費が四九・一%、投資的経費が二八・七%と、投資的経費が大幅に下がっているわけであります。投資的経費は金額にして百三十億少なくなっており、これら多額な経費がかかる施設建設などの事業が終了したことも一因かと思いますが、単にそれだけの理由ではないと考えられますので、区として、道路や公園、再開発などの都市基盤や文化・生活情報センターの建設、福祉施設や学校改築など、まだやるべきことがたくさんあると考えますが、投資的経費の減少は大変気になっているところでございますが、この点についてお考えを伺わせていただきたいと思います。 ◎八頭司 企画部長 ご存じのとおり、性質別の内訳であります投資的経費、行政運営費、人件費、分類でございますが、一般的に財政の健全性をどう判断するかということで、人件費でありますとか扶助費、公債費のような義務的経費の割合が低くて、投資的経費の比率が高ければ高いほど、財政運営に弾力性がある、こう言われております。五年度の決算で見てまいりますと、人件費が前年度と比較して〇・二ポイント増、それから行政運営費が〇・五ポイント増で、投資的経費は、逆に〇・七ポイントの減となっております。ただ、現状では、当区の場合は弾力的な財政運営が一応確保されていると判断しております。  また、ご質問にもありましたように、今後の当区の課題といたしまして、おっしゃいますような都市基盤の整備でありますとか学校の改築、福祉施設の充実など、やるべきことは本当に山積でございます。こうした課題を新たな実施計画のもとに鋭意努力して実現を図らなければならない大きな課題でございます。  しかし、バブル時代のような財政規模の伸び、広がりというものは期待できません。こうなりますと、限られた財源の中で事務経費の見直しを積極的に進めるなどいたしまして、性質別経費のバランスを保っていく必要が一層あろうかと考えております。  今後とも、こうした認識のもとに、従来にも増しまして、財政運営の適正かつ効率化に努力をして、健全な財政運営を維持したい、こういうふうに考えております。 ◆大高定左右 委員 財政問題の最後になりますが、平成五年度の決算全体をどのように評価しているか、経営者という立場で率直なところをお聞かせいただければありがたいと思います。 ◎大場 区長 決算の状況をさまざまな角度から分析いたしまして、客観的にそのデータを見ることは、予算が適正に執行されているかの判断となるとともに、今後の財政運営のかじ取りを行っていく上で必要不可欠なものであるというふうに思っております。  そこで、当区の決算は、全国統一レベルで財政状況を比較すると、普通会計の指数で申し上げますと、実質収支比率が六・三%、経常収支比率が七〇・八%、公債費比率が四・八%と、いずれの数値をとりましても、地方自治体として適正な範囲内であるものと考えております。今回の戦後二番目と言われる長期化した不況を受けまして、税収が大幅に落ち込む状況の中で、日ごろの行財政運営に当たっての努力の成果がこの指数にあらわれているものと考えております。  監査委員の意見においても、全般的に健全な財政運営に努力されてきたことが認められる、そういった評価をいただいておりますが、今後とも、計画事業を着実に推進していくとともに、区民生活の向上を図っていくという基本理念の上に立ちまして、今日まで続けてまいりました健全な財政運営の維持に、区の責任者として努力してまいるつもりでございます。 ◆大高定左右 委員 非常に決算としては重要な問題でございますので、常に起債あるいは基金とのバランス、歳入についても正しい見方をしながら、予算で編成されたものが大幅に変わっていくということのないように留意しながら、また、予算編成に入っていただきたい、こんなことをお願いいたしまして、次に入らせていただきます。  人口動態の変化と子供の減少の問題について、今までにも各委員からいろいろな角度から指摘がございました。この十年間で、世田谷区は、この中で特徴的なものは人口の変化であると思うわけですね。一貫して増加傾向にあった人口が、資料によりますと、昭和六十年ごろを境に減少の方向に向かっております。厚生省の人口推計によれば、全国の人口は二〇〇六年、平成十八年にはピークに、その後減少していくということでございます。いわゆる東京圏の人口は、集中は緩和するものの、今後増加を続け、二〇一三年にピークを迎えるということを伺っております。人口というものは、やはり将来の行政計画を立てる際に大切な物差しになると考えられます。  世田谷区の人口の推移を世代別に追って見ますと、昭和六十年ごろから若い世代を中心に減少を続け、特に乳幼児、小学生世代は、ピーク時の約半分になってしまったことがうかがえます。これらを総合的に考えますと、人口が全国的な傾向として、今後、長期的に減少していくという問題と、世代別の変化、特に高齢者が増加し、子供が減っているといういわゆる人口構成の変化が複雑に絡み合って、地域の活力を初めとするさまざまな課題に影響を及ぼしているわけでございます。  そこでお伺いいたしますが、本年一月一日現在のゼロ歳から十五歳未満及び六十五歳以上、またその中間の人口及び構成比は、それぞれどれくらいになっているのか、お尋ねいたします。 ◎八頭司 企画部長 一月一日現在の住民基本台帳で申し上げますと、ゼロ歳から十五歳、いわゆる幼年人口と申しますか、これが八万九千五百六十人、構成比で一一・七%に当たります。それから六十五歳以上の高齢人口ですが、九万九千百八十三人、構成比で一三・〇%になります。中間の、いわゆる生産年齢人口といいますか、十五歳から六十四歳までが五十七万三千八百八十五人、構成比では七五・三%でございます。 ◆大高定左右 委員 今のお答えでは、十五歳未満の方が一一・七%、六十五歳以上が一三%ということでありますが、これが将来どうなるかということが大切なことであります。高齢者と子供の人口の推移がどうなっているのか、現在のところで推計されているところがあれば、お答えいただきたいと思います。 ◎八頭司 企画部長 平成五年度に行いました世田谷区人口調査というのがございます。これで一九九三年を基準といたしまして、二〇〇六年までの推計をしてございます。この数字で申し上げますと、十五歳未満の幼年人口が、二〇〇〇年には、先ほどの数字に比べて八万一千六百八十九人、二〇〇四年には八万五百十二人と減少し続けます。二〇〇五年には八万七百五十人、推計の最後の二〇〇六年には八万八百十九人とわずかに増加いたしました。人口割合は一一%台を維持すると見込まれます。  しかし、この微増というものは、いわゆる団塊の世代の二世の出産期が集中するためであろうと考えられております。その後はまた減少傾向に向かうと想定しております。  それから、逆に六十五歳以上の高齢人口でございますが、二〇〇〇年には十一万八千九百八十二人、二〇〇五年には十三万一千七百四十五人と増加しまして、その人口割合は、二〇〇六年、最終推計の年度では一九%を占める、こう見込んでおります。 ◆大高定左右 委員 最近、女性の社会進出とともに、年々結婚する年齢が高くなり、結婚しない人がふえております。その一方、住宅事情や女性自身の価値観の変化だと思いますが、一人の女性が一生に産む子供の数が、昔に比べると減ってきたことが大きな要因だと思います。  ことしの六月に厚生省がまとめた平成五年度人口動態によれば、昨年生まれた赤ちゃんの数は初めて百二十万人を割り込み、一人の女性が一生の間に産む子供の数、これは合計特殊出生率と言うそうですが、一・四六人と、いずれも史上最低となったということであるわけであります。  出産する母親の年齢別でも、二十歳から二十九歳、出生減少が目立ち、逆に三十五歳から三十九歳の出生率がふえております。初婚の妻の平均年齢は二十六・一歳、第一子を産む母親の平均年齢は二十七・二歳と、ともに過去最も高い年齢となっております。晩婚、晩産が近年の少子化傾向を裏づけている。こうした傾向は、地方より世田谷のような大都市部の方が相当進んでおる。子供の人口減少は、小中学校にもさまざまな影響が出ていると考えられます。  幾つかこの点に関係してご質問いたしたいと思いますが、児童生徒が減少するということは、一学年の学級数が減り、必然的に教員数の減少にもつながります。学校にはさまざまな行事などがあり、各学校の経営上、余裕がなくなってきているようにも聞いておりますが、この状況について、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎中村 学校教育部長 ただいま学級数の減少が教員の状況にどういう影響を与えているかというお話がございましたけれども、平成元年からことしまで五年間の間に、小学校では百十三学級減りまして、教員数は百十七人の減となっております。また中学校では百一学級減りまして、教員数も、それに合わせて百二十八人減となっております。小学校では七%強の減、中学校では一四%強の減ということでございます。  学級数の減に伴いまして教員が減る、これはある意味ではやむを得ないことではあるんですけれども、今ちょっとお話が出ましたように、教員の減が、学校の運営上さまざまな影響というんでしょうか、そういったものを与えております。例えばクラブ活動を指導できる先生が少なくなるとか、専科の教員が少なくなる、つまり、専門科目を教えられる教員が少なくなるというふうなさまざまな影響が出てきております。 ◆大高定左右 委員 少子化によって、児童生徒数が減少すれば、必然的に小中学校の小規模化につながってくると思うわけであります。そのことは反面、多額の投資をしなくても小中学校の教育環境が整備できることであります。近年は、パソコンやワープロなどの情報機器が発達し、高度情報化社会とまで言われております。学校教育においても、一人の個性、能力を伸ばす道具として、こうした道具というのかな、教材というのかな、こうした情報機器の活用が強く求められ、既に区内の中学校の全校に導入されておりますが、小学校については、山崎小ほか四校でモデル的に設置されていただけであります。  他区では、既に多くの区でコンピューターを導入しておりますが、区内の小学校も、来年度ようやくコンピューターが導入されると伺いました。先端的な教育環境の整備という面から見ますと、世田谷区は、他区に比べて劣っているようにも思われますが、教育環境の整備についてはどのようにお考えになっているのか、積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎中村 学校教育部長 ただいま学校へのパソコン導入のお話をいただきましたけれども、現在、中学校については既に導入されているわけですが、小学校についても、全校に八台を導入しようということで現在準備を進めております。  この七月、たまたま私も文教常任委員会の視察で長野県の上田市の小学校を視察させていただきましたけれども、そこの小学校では、既に児童二人に一台を配置するということで、二十二台が配置されておりました。二十三区でも、九区ほどが児童二人に一台という考え方で既に設置しているか、計画をしております。  このたび国の方で新しいパソコンの整備計画が定められまして、小学校については二人に一台、各校二十二台配備する。中学校については一人に一台、各校四十二台配備するというふうな計画が定められましたけれども、これに伴いまして、各自治体でも、パソコンの配備計画がさらに進むものと思われます。  こういった状況を考えますと、今回の私どもの計画は、率直に言って、一歩おくれをとっているかなという感がございますけれども、八台を一斉に導入するということについては、それはそれでまたメリットがございますので、とりあえず世田谷独自の方式ということになりますでしょうか、そういった形で進めていってよいのではないかというふうに思っております。  八台導入した後でございますけれども、その後の方針については、まだ教育委員会としては方針を決定はしておりませんけれども、私自身としては、八台の整備が終わり次第、できるだけ早い時期に小学校二十二台、中学校四十二台の配備に向けて準備をしていくべきではないかなというふうに思っております。 ◆大高定左右 委員 かつて、先般亡くなられた天谷直弘さんが、私の福井の郷土の先輩でございますが、百五十年の日本の歴史を見ますと、まきの時代から石炭の時代になった。そしてそれが油の時代になった。そして、さらに原子力の時代になった。これからは情報化の時代だということを盛んにおっしゃっておったですね。まさに情報化の時代が、米ソの冷戦の終結を見、東西ベルリンの統一を見、世界がもう大きくさま変わりしたわけですね。  こんなことを思い合わせますと、やはり天谷先生のご指摘のように、これから情報化の時代だと思うんですね。それが、小学校からそういう教育をしておくということは、彼らがまた高校、大学、社会人となったときに、きっと立派な企業人として、それぞれの立場で立派な活躍をしていただけるんじゃないか、こんなことを思いましたので、ちょっとお尋ねをさせていただきました。  次に、学校が小規模化しているということで、どうしても学校の統廃合という問題が近々出てくると思うわけであります。たしか二、三年前だと思いますが、千代田区の学校の統廃合では大変世間をにぎわしたわけでございますが、今後も子供の人口減少が続く限り、当区でも学校の統廃合の問題が生じてくるというのは必然的なことだと思うわけであります。区では、このことについての見通しをどのように立てているか、あったらお聞かせをいただきたいと思います。 ◎津吹 教育長 小中学校の統廃合の問題でありますけれども、現在のところ、都心区のように、子供の人口減による直接的要因で統廃合する見込みというんでしょうか、見通しはこの数年はないというふうに考えております。ただ、小規模校に進むということはもう十分容易に考えられますので、統廃合を含めたそのような対策を、現在、世田谷区立小中学校学校規模等に関する研究会というのをつくっておりまして、専門家などを招いての今研究をしております。  私の方では、学童は平成十三年ごろ、約二〇%ぐらい減で底打ちになるんではないかというふうな予測をしておりますが、その後は若干増加してくるんではないか、そのような見込みを持っております。  したがって、今のところ、人口減というか、子供の減による直接的な要因での統廃合というのは見込んでいないというような状況にあります。 ◆大高定左右 委員 区として、この少子化に対して何かお考えがあるでしょうか。 ◎吉越 助役 少子化に向けての行政の対応といいますか、これはよく言われますけれども、高齢社会の課題というのは少子化対策である、こう言われるほど重要な課題だというふうに私ども認識をしております。夫婦がさまざまな社会的、経済的な環境の中で、子供を安心して産み育てられる社会、子供の健やかな成長が保障される社会の実現のためには、あらゆる社会的な支援が必要である、こういうふうに考えております。  今議会におきましても、ゼロ歳児保育を初めとして、多様な保育ニーズの把握、対応、教育問題、青少年の育成環境の整備、また、子育てファミリーのための住宅対策、いろいろなお話をいただきました。現在、区では、子どもの育成環境検討会を設置して、この中で、保育園の低年齢児定員枠の拡充、民間保育施設支援、保育制度充実などの検討を進めているところでございまして、既にご案内とおり、町会、自治会のご協力をいただいて、この地域の中での支え合い活動を行うなど、幅広く取り組みを進めております。  今後とも、子供を健やかに産み育てられることができる環境づくりを、区民の皆さんや事業者と協働して行ってまいりたい、こういうふうに考えております。 ◆大高定左右 委員 非常に重要なことでございますので、できる限りのやはり自治体としての対応をお考えいただきたいと思うわけであります。  次に、電線の地中化についてお伺いをいたします。  早くから本区は、非常に狭隘な道路が多いものですから、電柱が交通上非常に問題がある、邪魔になる、こういうことからこの話は出たわけなんですが、地中化にするということになると、どうしても一応歩道等も、車道等も整備されたところから入れていく、こういうことになると思うわけですね。  そんなことから、何か最近二四六号線の環境整備事業と一体となって電線の地中化をしていくというようなお話が出ております。議会においても、実現の方途をいろいろ論議してまいりましたし、二十三区の建設委員長会においても、自治体方式というのを考えまして、これは電力会社だけじゃ、とても資金的にやれないということから、国も都も、それじゃ、実際に利益を得る地方公共団体、区も一緒になって資金を出し合って、そして管路をつくる。つくった管路の中へ電力会社が配線をする、通信会社が通信線を入れるということで、あと、キロ幾らとかという使用料をいただくようにしていったら可能じゃなかろうか、こんなような議論があって今日に至っているわけですが、私も、委員長会でこれの取りまとめをして、それぞれの関係機関の方へ提出した覚えがあるわけですが、現状ではどうなっておりましょうか。 ◎谷田部 建設部長 本格的な情報化、マルチメディア時代を迎えるとともに、安全で快適な生活環境と潤いのある都市空間をつくっていく上で、電線の地中化は大変重要な事業であるというふうに認識されるようになりました。これまでのところでは、都市の成熟度が高く、電力、通信の需要が安定している幹線道路や繁華街を対象としまして、道路管理者が施工するキャブ方式ですとか、電線管理者が施工する単独地中化方式というのがございますけれども、そういった方式で推進されてきたわけでございます。  お話にありました新しい方式であります自治体管路方式、これはもっと簡便で、もっと広い範囲で広められないかということで考えられたわけでございますけれども、今お話しがございましたように、費用負担の点では、都と区の関係、それから電力の需要密度といいますか、たくさん使われるかどうか、それから歩道の幅員、それから配電盤あるいは変圧器の置き場の確保、幾つかの問題点があります。特に費用問題につきましては、二十三区共通の課題でもございますので、共同で今東京都に要望しているところでございます。こうした状況を見ながら、区の対応を整理してまいりたいというふうに考えております。 ◆大高定左右 委員 難しい問題があろうと思いますが、一層のご努力をお願いをいたします。  次に、議会と執行機関との関係ということが私も非常に気になっておったところであります。最近は、区民の区民による区民のための区政、こういうことで、何かというと区民という言葉も出てくるわけですが、これは何といったって、区民が根底にあるわけですが、四年に一回ずつは選挙という方途がございまして五十五名の議員さん、そして区長、こういう方々が区民の信託を受けて出てくるわけですね。  そうしてみますと、やっぱり議員は区民の代表であるわけですね。ゆえに、議会におきましても、各議員からのご指摘、これは常に耳を傾けていなきゃいかぬ。そして、その意向を体して予算も編成し、また、決算でご指摘いただいたものは改めるというふうにして、これは車の両輪のように、議会と執行機関が一体となって世田谷区の行政運営をしていかなきゃならぬわけです。これは重要なことなんですね。  ややもすると、議員がこっちの方へ置いていかれちゃって、執行機関だけがひとり歩きをする。気がついてみたら大変なことになっていたというようなことがあってはならない。私は常にそのことも気にしてまいりました。執行機関の方で、選挙という洗礼を受けて出てくるというのは区長一人なんですね。しかもそれは最高責任者だ、執行機関の長。議会の方の長は時折かわる。ちょくちょくかわる。しかし、区長は四年間出てきたらかわらない。  そんなようなことから、私は議会の意思というものを尊重しながら、やはり地道な努力をしていかなきゃならぬと思うわけであります。区長も、これだけの大世帯の執行機関の長としていろいろご苦労等があろうと思いますが、気になっておりますので、一言申し上げました。何かお考えがあれば、ここで述べていただきたいと思います。 ◎大場 区長 民主主義を旨とする我が国の地方自治にあっては、執行機関とともに、住民を代表する議会が民意を反映する仕組みの根幹を成しているものと思っております。区における地域行政制度も、こうした考え方に立ちまして、区民により身近な地域で行政を展開していこうというものでございます。  このような仕組みをよりきめ細かく補完するものとして、区民の意向を調査したり、計画づくりへの参加を求めるなど、民意を把握し、区政に反映させるさまざまな手法を活用しているところでございます。  いずれにしても、議会は最大の住民参加の仕組みであるということができます。区政を預かる私としては、お説のように、車の両輪たる区議会とは今後とも密接な信頼関係を堅持しながら、二十一世紀の世田谷区のまちづくりに取り組んでまいりたい、このように思っております。 ◆大高定左右 委員 私も三十六年、区長の姿を見てきました。いろいろな立場で見てきた。苦労の多いことは重々わかる。それを助役を二人制にしたのも、そういう大きな責任を担っている区長を助けるためには、技術部門の助役と事務系の部門の助役と。これは二人制にしたのは世田谷区が初めてなんです。そういう議会側の理解によって構成されているわけですから、そういう執行機関の人たちが、やっぱり真剣に受けとめて、そして区長を助けて、そして、いい区政の執行をしていただきたい。これは私の願いであります。  また、議会側の方は、いろいろと思想の違う方々もいらして、いろんな意見がある。しかし、やっぱり聞いていると、ああ、こういうこともあったのか、ああいうこともあったのか、やっぱり全部が全部じゃなくても、傾聴に値するものがあるはずなんですね。これはやっぱりしっかり受けとめて、そしてよりよい行政の執行に参考にしていただきたい、糧にしていただきたい、こんなことをこいねがいまして、私の時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◆鈴木昌二 委員 先輩であります原秀吉先生のご冥福を心からお祈りいたします。残念でなりません。  私は、この決算で自民党の最後を質問させていただきます。先ほどから、先輩委員から、教育問題についてるる質問させていただきましたが、重複もあるかもわかりませんが、それを受けて具体的な質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  私は、零歳から高齢者までの生涯教育に観点を置きまして、教育体系づくりにつきまして幾つか質問させていただきます。  世田谷区は、都市施設の整備、またまちづくり、福祉などでそれなりの成果を上げてきましたが、これからは、各年代にわたる教育、まちづくりにおける教育が大切になってきていると思います。生活のあらゆる場面での教育が大切であるということから、まず世田谷区の教育の位置づけ、理念についてお伺いいたします。 ◎津吹 教育長 改めて申し上げるまでもございませんけれども、いつでもそうでありますが、人づくりは重要な課題であるというふうに思っております。教育が時代を超えて重視されてきたゆえんでもあります。乳幼児の保育や小中学生の教育はもちろんでありますけれども、生涯を通してみずからを教育していくことが求められております。お話にありましたように、生活のあらゆる面で教育を充実させていかなきゃならないというふうに考えております。  また、リサイクルやボランティアなど、奉仕や福祉の心、あるいは放置自転車に見られる公徳心の欠如など、優しいまちづくりを進めていくためにも、教育の担う役割は大変大きいというふうに思っております。学校教育、社会教育を初めといたしまして、福祉や生活環境など、世田谷の教育を支える各部署と十分連絡いたしまして、教育の諸施策の充実を進めていきたい、このように思っております。 ◆鈴木昌二 委員 義務教育、小学校に上がる前の乳幼児の教育、保育を考えますと、私立幼稚園、公立幼稚園、そして保育園、幼稚園類似施設、また自主保育グループなど、それぞればらばらに教育また保育をしていると思います。区の財政面の手当ても縦割りで濃淡があります。そんな意味からも、乳幼児が平等な教育、保育を受けられるよう調整、コントロールすべきであると思いますが、お伺いいたします。 ◎吉越 助役 この乳幼児を取り巻く環境というのは、少子化、核家族化による養育機能の低下とか、あるいは女性の社会進出による共働き家庭の増加などで大変大きく変化をしてきております。また、価値観の多様化やライフスタイルの変化によりまして、この乳幼児に対する保育や教育のあり方について、施設面あるいは教育、保育の内容面等においても、個性的あるいは質の高い需要が生じてきております。  お話にありましたように、この乳幼児の教育あるいは保育につきましては、公立、私立の幼稚園、公立、私立の保育園、その他類似施設等が、それぞれの目的や教育方針に沿った役割を担っているところでございます。  区としましては、これまで私立幼稚園の保護者補助金制度、就園奨励費補助制度、私立幼稚園園舎増改築資金制度、区立、私立の保育園における延長保育、ゼロ歳児保育の拡充など、できる限りの努力をしてまいりました。しかしながら、乳幼児の教育、保育に関しましては、国レベルの省庁の縦割りのもとでそれぞれ別の仕組みとなっておりまして、区の財政面の施策につきましても、施策の目的が異なるところから、制度上、全体としての、今お話がございましたバランスや相互の調整等の考慮が大変重要でもございますし、また難しいのが実情でございます。乳幼児期は、生涯にわたる人間形成の基礎を培う大切な時期であるというふうに認識をしております。  ご指摘の点につきまして、乳幼児の教育、保育の現状を把握、分析いたしまして、区としてどういう方策がとれるかを、現在設置して検討を進めております子どもの育成環境検討会の中でさらに詰めていきたい、こういうふうに考えております。 ◆鈴木昌二 委員 乳幼児の教育、保育というのは、私学というか、私立にゆだねられるところが多いと思います。そういう意味で、公立の廃園とかいろいろあるかもわかりませんが、断腸の思いかわかりませんが、その辺の決断と、ぜひ将来を担う子供たち、またその私立の援助というか、考えていただきたい思います。  続きまして、学校教育の充実について質問させていただきます。  日本の今の学校教育は、情報化、国際化、また政治、経済、社会が超スピードで激しく変わりつつある中で、自立した個々の特有な能力、生涯にわたって学習する能力などが求められています。そして、思考力、判断力、独創性、自主性、多様性などが求められています。二十一世紀を生き抜く日本の子供たちを育てていくには、これまでの日本の教育内容や教育方法の抜本的な見直しが必要になってきています。  その実態では、相変わらず学歴尊重による知識の切り売り的な受験勉強、進学競争、偏差値教育がはびこり、また一方、子供たちの体力の低下、生活体験や基本的なしつけの不足、いじめ、不登校などの病理的現象が目立っています。このことは本当に寂しい限りであります。二十一世紀を担う子供たちを教育するには、二十世紀前半の教育の仕組みのままでは十分機能しません。今こそ二十一世紀を展望した教育改革を推進すべきであります。  これまで区の教育委員会は、文部省や都の教育委員会の陰に隠れがちであったと思います。学校教育の改革あるいは教育委員会の活性化が叫ばれている今日、区の教育委員会としても、学校教育の改革、前進のための施策を検討し、推進すべきであると思います。  そこでまず、学校教育の課題と対策について、当面あるいは長期的な方向など、教育委員会としてどんなことをお考えなさっているのかお伺いいたします。 ◎中村 学校教育部長 ただいま世田谷区の学校教育について、当面あるいは長期的な課題は何かというお尋ねでございましたけれども、まず、長期的な課題について申し上げますと、私といいますか、教育委員会としては五点ほどあるんではないかなというふうに思っております。  まず第一点は、ただいま委員のお話もございましたけれども、子供たちの教育内容をやはり新しい時代に沿った内容にしていかなくてはならない。具体的に申し上げれば、単に知識ですとか技能を習得するだけではなくて、自分で考え、判断できる能力、こういったものを身につけていくということが、これからの時代には求められていくのではないか。これはいわゆる新しい学力観に基づく教育と言っているわけですが、こういった新しい学力観に基づく教育の推進をしていくことが第一であろうと思います。  具体的には、例えば体験学習を重視していく、あるいはチームティーチングですとか、あるいはオープンスペースを活用した事業、これは、来年、中町小学校、玉川中学校が改築されて、それに対応した授業ができるようなことが可能になってまいりますけれども、そういった新しい授業方法の試み、そういったものに合わせて、教育設備あるいは教育環境づくりをしていく、こういったことが最大の柱ではないかと思います。  二番目には、教育相談の充実でございます。ただいまも委員のお話にありましたけれども、学校に適応できないさまざまな問題を抱えた子供たちがいるわけですけれども、そういった子供たちに、学校に適応できる仕組みをさらに充実していくことであろうと思います。  三番目には、学校小規模化への対応でございます。先ほど大高委員のお話にもございましたけれども、学校小規模化が進んでおりますけれども、小規模化自体はメリットとデメリットが両方ございます。そういった中で、メリット、よい点はできるだけ生かしていく。デメリットについては、できるだけそれは補っていくというふうな対応がこれからは重要ではないかというふうに思っております。  例えば、クラブ活動を指導できる先生が少なくなってくるということがございますので、学校の教員以外に地域の方の応援を得てクラブ活動を指導していただくというふうな仕組みをさらに拡充していく必要があろうかと思います。  四番目は学校週五日制でございます。これについては、今回の決算特別委員会でもさまざまな議論が出されておりますけれども、学校週五日制への対応がやはり当面の間は重要になってこようと思います。
     五番目には学校改築でございます。今申し上げましたように、中町小、玉川中のように、新しいスタイルに学校が変わってきますと、教室の風景も変わりますし、授業の方法も変わります。また、地域に開かれた学校の形になってまいりますので、そういう意味で新しい学校づくりというものを進めていく必要があるだろうというふうに思っております。  なお、当面の課題については、この間話が出ております小学校へのパソコンの導入、それから不登校児のための適応教室の開設、それから空き教室の活用のお話、それから学校施設の改修といったようなことが当面の課題であろうかというふうに考えております。 ◆鈴木昌二 委員 そもそも義務教育は地方自治体の基本的な事務であり、自治体には、次の時代を背負う子供たちを育成する重大な義務があります。しかし、区の予算の推移を見ますと、教育費の割合が低下の一途をたどっており、教育に対する区の熱意が伝わらない感があります。また、財政逼迫のしわ寄せが教育費に寄せられている印象を強く受けます。  かつて、校舎の鉄筋化が進められた時代、昭和三十年から四十年代にかけては、その一般会計の四、五割になるぐらい教育費があったんですが、その鉄筋化がおおむね終了した昭和五十五年には大体一四・七%、そして、昭和六十二年には一三・五%、そして平成五年には一〇・三%という数字になっております。財政需要のありようが、その年によって違うにせよ、教育には一定の安定した財源が充てられなければなりません。  教育委員会として、新しい教育の展開には、学校改築を初めソフト面でもかなりの費用が必要であります。また、社会面でも、特にスポーツ施設整備等に経費を投ずるべきだと考えております。財政面から、これらの教育需要にどう対応していくのかお伺いいたします。 ◎八頭司 企画部長 教育費の占める率が年々低下というお話がございましたが、これはご存じのとおり、道路でありますとか、その他の福祉施設でありますとか、大規模な投資的経費との相対の関係でございますので、必ずしも実額で減っているというわけではないと存じております。  ただ、おっしゃいますように、教育の経費は基本的な経費でございますので、従来から児童生徒の教科、教材の経費でありますとか、保護者の負担軽減につながる経費、あるいは新たな学校教育や生涯学習に関連する経費などは、予算編成の際に重点的に心がけてきたつもりでございます。  これからの生涯学習の時代にありまして、学校教育や社会教育を問わず、教育のニーズあるいはスポーツも含めた期待は深まっていくものと考えております。こうした生涯学習に対する要望や施設充実の要望など、これにつきましては、新たな基本計画、実施計画の中で明確にいたしまして、その実現に努めてまいりたいと思いますし、またお話にありました学校改築は多額な経費が必要でございます。かといって、現在の学校の状況からすれば欠くことのできない計画でございますので、厳しい財政状況ではございますが、計画的な財源配分に努めてやっていかなければならないと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 よろしくどうぞお願いいたします。  また学校改築については、最近は一年に一校のペースにダウンして、既に計画とのずれが生じております。財政逼迫の折から、区としても対応に苦慮していることがうかがえますが、先ほども申し上げたように、昭和三十年から昭和五十年代にかけては、区が総力を挙げて、教育、またそれは校舎の鉄筋化という目的があったかもわかりませんが、ぜひとも頑張って、その改築のおくれを取り戻すようによろしくお願いしたいと思います。  いずれにしても、学校施策の整備手法が必要なわけですが、財政面で、このあたりどう計画していくのか、具体的なお話があればと思いますが。 ◎八頭司 企画部長 先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、ここしばらくはかなり厳しい財政事情でございます。この決算委員会の中でも何回か申し上げておりますが、短期的な見通しから申し上げますと、九年度あるいは十年度ぐらいからやや上向きになってくるかな、区の財政そのものが。その辺との関係も見定めまして、新しい実施計画の中で教育委員会とも相談しながら、何とか計画的に進めていきたい、こう考えております。 ◆鈴木昌二 委員 教育改革は、教育関係者の力だけでは解決しない課題であり、言うにやすく、行うに難しと課題がありますが、家庭、地域社会を初め、社会全体のあり方が問われていますが、やはり何よりもまず、教育関係者の努力が先行すべきであると思います。その先頭を切るのは教育委員会であります。  そこでお伺いします。指導室の強化と教員の資質の向上のための教員研修など、いかがされておりますか。 ◎中村 学校教育部長 先ほどもお話を申し上げましたけれども、今学校教育の内容を、子供たちが自分で考え判断できる、そういった力を培っていくというところに重点を置いていこうという方向にあるわけですけれども、当然それに伴いまして、新しい授業方法ですとか、そういったものに積極的に試み、変えていくという工夫が必要になります。また、その一方で、子供たちが学習した成果をどういうふうに評価するか。これは従前、相対評価が中心になっていたわけですけれども、これからは相対評価だけではなくて、もっと多面的に、例えば子供が自分で定めた達成目標に対して、どの程度学習が達成できたかということを判断していくような、そういう達成度を評価していくといったようなことも加えて、多面的な評価というものを重視していく方向にあるだろうと思います。  また特に中学校においては、偏差値に依存しない進路指導というのが求められているわけですけれども、こうなりますと、学校のいわゆる成績だけではなくて、子供の将来に向けたアドバイスにまで、ある程度教員もできていけるようにしていかなくてはいけないという状況にあろうかと思います。  そういったことを考えますと、委員が冒頭に申されましたように、今、学校教育というのは本当に大きな転換期にあるんだなという感じがいたしております。そういった中で、当然教員についても、そういった時代の変化に対する意識変革が不可欠でございますし、新しい学校教育のあり方に応じた指導能力、あるいは力量の向上、そういったものが、これまでにも増して求められているんではないかと思います。そのような教員の意識改革ですとか資質の向上、これは具体的には、例えば各種の研修ですとか、あるいは研究奨励校、研究課題校のような研究活動ですね。それからまた、個々の事例での指導室からの指導といったような場面を通じて資質の向上を図っていくんだろうと思うんですけれども、今お話がございましたように、そういった方向づけをしていく中心となるのは指導室の存在でございます。  そういったことで、指導室の力がこれまで以上に求められているんではないかというふうに思いますけれども、しかし、私がちょっと日ごろ見ておりますところ、日常業務に追われているんではないかという感がございます。  そういったことで、指導室の機能や役割、そういったものを、例えば教育センターの方と役割分担ができないだろうかというふうなことを含めまして、指導室の機能の見直しをいたしまして、また、強化する方向を探っていくことがちょっと緊急の課題になってきているかなというふうに感じております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひとも力を入れていただきたいと思います。  次に、年齢が上になりまして、青少年の健全育成について質問させていただきます。  青少年は、もう今、社会的な関心が薄く、地域社会とのかかわりについても余り関心がないと言われている中で、区では、青少年の地域活動を活性化するためにいろいろとご努力されていると思います。でも、昨年の「成果」を見ますと、これの六九ページになりますが、青少年の社会参加、地域活動参加の促進が目的である青年行動計画の事業が、一千五百万ほど予算があったのにもかかわらず、執行率が五〇%となっております。こういう青少年の大事な時期ですから、もし余裕が出たら、次へ次へと施策を考えるなり、手が打てたんじゃないかと思うんですが、その辺のことをお伺いさせていただきます。 ◎伊藤 区民部長 確かに執行率は低くあったわけですけれども、要は、青少年が主体的に参加して実行するという事業が大事だと思います。ですから、私どもが用意した事業に参画してもらうということでは、極端に言えば、予算を残しても、次につなげるというような発想で臨んでいきたいというふうに思っております。 ◆鈴木昌二 委員 区の取り組みは、また区民部という場面もあるのかもわかりませんが、何か非常に弱い感がいたします。もっと思い切り取り組んで、青少年の活動する場の確保や機会の提供を行うべきであると思いますし、青少年行政については、家庭、学校、地域の連携は不可欠と言われます。特に区民部と教育委員会との関連を強くして頑張っていただきたいと思うんですが、何かありましたら。 ◎伊藤 区民部長 活動する場の確保とか機会というのは非常に大事ですが、先ほども申し上げましたように、最近の青少年の心理とか行動、こういったものをよくとらまえまして、我々の行事というと、比較的俗に言う健全な事業ということなんですが、例えば最近多く町で見られるスケートボードであるとかストリートバスケットだとか、こういったものも本来は健全なスポーツでございますので、こういったものをもっと取り入れていく、そういったものを好む青少年に参画していただく。ただ問題は、そのやり方だと思いますので、近所に迷惑をかけないとか、そういうようなことを工夫しながら、その場の機会の確保に努めていきたい、こんなふうに思っています。 ◆鈴木昌二 委員 青少年は本当にいい汗をかかせ、エネルギーを発散させて健全育成を図っていただきたいと思います。  続きまして、生涯学習、またまちづくりについて幾つか質問させていただきたいと思います。  家庭や地域における人間関係の希薄化の進行が憂慮されている今日、生涯学習の施策も、地域の活性化を図るような展開を重視しなければなりません。そのためには、地域の人材、活動を有機的に結びつけるような施策を積極的に実施していく必要があると考えます。  その一つに、区民の皆さんが地域で活動する場合、打ち合わせ等の場所に大変苦労されています。活動対象が子供から高年齢という幅広い年齢層に及んでおり、家庭、学校、地域のより緊密な連携を図るために、さらには違った年齢の交流を自然に進めるためにも、学校が絶好の場面だと思います。子供の人口の減少によって生じる区立の小学校の余裕教室を、生涯学習の場の一部としてぜひ活用していただきたいと思うんですが、ただし、学校教育は、社会教育、いろんな意味で土足で入ってはまずいと思うんですね。ちゃんとその辺を障害がないように手を施した後に、このように開放していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎安田 社会教育部長 今、委員のご質問で、余裕教室等をもっと生涯学習の場の活用に積極的にできないかというようなことについてでございますが、これは私たち社会教育部でございますが、学校というのは、本当に地域で親しまれている施設であり、それから、家庭、学校、地域の連携の実質的に拠点になり得る、活動の場としては非常にいいところであるというふうに思っております。  余裕教室との関係でございますが、教育委員会でも、学校改築指針におきましては、改築の際は、子供の学習にとどまらず、広く区民の生涯学習の場として機能できるように整備するというふうに方針を出しておりまして、実際、改築、改修に当たっては、そういう視点で整備をしております。  なお、ご指摘にございましたような余裕教室をもっとということにつきましては、一つには、今教育委員会の中で余裕教室の活用方針ということの検討を手がけようとしておるところでございまして、一定の基準を超えた教室、あいている部分につきましては、いろいろご指摘のような生涯学習などに積極的に活用していきたい。さらに、十分そのための条件整備にも配慮してやっていきたい、このように考えております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひ世田谷全体の中に開放しろというんじゃなくて、地域で本当に連絡をとって、地域の生涯学習の一部ということの位置づけでよろしくお願いしたいと思います。  また第二に、区民が充実した生活を営むためには、心身ともに健康であることが重要です。区民の健康への取り組みの意欲、意識も高まってきています。そこで、活動の場として、子供から高齢者まで、だれもが体力や年齢に応じて日常的にスポーツやレクリエーションができるような施設の整備充実が必要です。しかし、八十万区民を抱える本区においては、総合体育館がたった一つしかありません。利用もほとんど困難な状況にもなっております。地域のスポーツ振興を図るためにも、区立小中学校の体育館の開放に加え、ぜひ各総合支所に一つずつ、総合地域体育館と申しましょうか、そういうのもつくっていただきたいと思いますし、青少年が合宿できる宿泊施設のあるスポーツセンターの建設が必要であると思います。今後、どのように取り組んでいくのか、お伺いさせていただきます。 ◎津吹 教育長 お話しのように、生涯スポーツの需要は今後ますますふえてくると思います。  私としては、今お話しのような方々は、一般健康人というんでしょうか、そういう方々は区政を支えている根幹となる方々だというふうに考えております。そういう方の施策がちょっと少ないんではないかなと、これは個人的な見解なんですけれども、そんなようにも思っておりますので、そういう方々が身近なところで、健康づくりだとか、あるいは体力づくりが行えるような、先駆的に実施をしております尾山台地域の体育館の運営などがその例でございますけれども、そういう施設を積極的に進めていきたい、このように考えております。  また、青少年が宿泊できるような施設ということは、都立大跡地の計画要望を都の方に出しておりますが、ナシのつぶてでどうなるかわかりませんけれども、それに象徴されるように、青少年が宿泊して活動できるような施設を区長も強く要望しておりますので、今後、計画の中に取り組んでいきながら、その実現に努力していきたい、このように思っております。 ◆鈴木昌二 委員 続きまして、第三に、心身に障害のある人たちに対する理解は、多くの人々の努力によって深まってきており、熱心なボランティアに支えられ、日常生活も拡大してきております。しかし、余暇の過ごし方が十分かということがちょっと疑問に思います。  心身障害者については、現在、社会教育課の福祉教育の中で、養護学校の卒業生以上を対象として、若林中学校を拠点とするいずみ学級があります。開催日は、障害者の親にとっては息抜きの日であり、また障害者にとっては非常に楽しみな日で、健常者とともに生き生きと楽しんでおります。しかし、交通の条件を見ますと、参加をしたいものの不便だという多くの人がいると聞いております。残念でなりません。健常者と障害者が地域でともに生活できる社会の構築が求められている今日、障害者のライフサイクルを考えた施策を講じられる必要があるのではないかと思います。せめて各総合支所に一カ所、いずみ学級のような場所があってもよいのではないかと考える次第であります。さまざまな問題などがあると思いますが、ぜひ実現してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎津吹 教育長 お話のいずみ学級は、心身障害者の青年学級といたしまして、おかげさまでことし三十周年を迎えることになりました。この間、多くの関係者の努力があったわけでございますので、改めて深く感謝したい、このように思っております。  ご指摘のように、確かに登録人数の増大だとか、あるいは障害の重度化、さらには、今お話しがありました遠距離者の参加困難等の問題を抱えております。今後の養護学校の卒業者の増大を考慮いたしますと、現在の状態では運営が困難な事態が予測されます。  そこで、参加人数の面からも、分散化を考えていかなければならないというふうに考えております。また、できるだけ多くの心身障害者の皆さんの参加をしやすくするためにも、それぞれの地域にいずみ学級のような場所ができればというふうに思っております。活動の拠点だとか、あるいは理解あるボランティアの質、量の確保など、周辺の条件整備の問題はありますけれども、関係者の皆さんの理解とご協力を得ながら、心身障害者の皆さんに充実した人生を送っていただくためにも、実現に向かって努力してまいりたい、このように考えております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、私は、生涯学習を考えたときに、四年前ですか、海外視察させていただいたあるアメリカの市で、老人の楽園という市の考え方が、教育と趣味と社交だ、そういうことを考えたときに、その場の確保を考えながら、次の質問に入らせていただきたいと思います。  生涯勉強させていただき、また、人間同士というか、趣味も表現し、おつき合いするということが喜びの最低限度であると思います。  そんな意味から、行政でできない面は、今、第三セクターという位置づけの中で、それなりに活用を考え、検討していると思うんですが、私は、民間の活力を大いに、活力というか活用させていただくにはどうしたらいいかといろいろ考えてみました。我が党の委員からも質問もしてあると思いますが、しっかりした団体には、区がその基金を出資した上で、その団体に自主努力をしてもらう、そういう体制を確立したらいかがかなと思います。  そういう意味から、例えばボランティア協会の法人化に合わせながらの基金の調達とか、また、体育協会への基本財産の増額とか、少し話は大きくなりますが、十億ぐらい考えてみたらいかがかななんて思うわけです。また、それだけでも足りないような気がしますし、それは新たなる何か福祉のそういう大きな民間レベルの団体、またその文化団体とか、そういうのを含めた基金をしながら、区がリーダーシップをとり、その責任におきながら民間活力をつけさすというようなことを考えてみたんですが、いかがでしょうか。 ◎吉越 助役 今後の区政運営の中で指針となる新たな基本計画では、区民と事業者、そしてこの民間のいろいろな団体、行政等が役割を分担しながら、相互の連携を図って、豊かな地域社会づくりに向かって努力をしていく、こういうことが一番大事だろう、こういうふうに思います。  中でも、この福祉や文化、スポーツ、青少年の健全育成等の分野につきましては、まちづくりの視点に立って、民間ならではのよさを生かした仕組みをつくっていくこともまた大変重要である、こういうふうに認識をしております。  現在、こうした方向のもとに、行政サービスと区民努力のすき間を埋める重要な役割を担っております第三セクターの活性化等を含めて取り組んでいるところでございますが、ご提案のございました民間の活力を大いに活用したらというようなことも含めて、今後、この独自性といいましょうか、自主性を一層高めながら、環境条件の整備に当たっての重要な課題として受けとめまして検討していきたい、こういうふうに考えております。 ◎津吹 教育長 お話の中で、体協のお話が出ましたので、私の方からもちょっとお答えさせていただきます。  例えば体育協会に十億円ぐらいの出捐金を出して活動させたらどうかというようなお話がございました。確かに多様化する区民の生涯スポーツのニーズに対して行政のみで対応することは限界がある、そういうことで、民間の活力を大いに期待したいところであります。  現在、体協では、今の運営方法から、区民の皆さんが気軽に参加できるようなスポーツに対応していきたい。今、競技スポーツが主なものですから、レクリエーション的なものを取り入れた幅広いものにしていきたいというような考えで計画を持っているようでございます。そういう計画を見ながら、私どもと協働できるような、そういう仕組みを今後相談しながら考えていきたい、このように思います。 ◆鈴木昌二 委員 今、体育協会は、たしか区の出資金が二億五千万と聞いております。また、体育協会は二十八競技団体プラス育成団体としてスポーツ少年団というのが位置づけられていると思います。総勢三万人とか聞いておりますので、そういう意味から、十億が多かったら、まず五億とか、ぜひそういう民間の活力をというか、責任を持たすというか、補助金で云々というよりも、工夫させるとか、そのような、また仲よく運営してもらうとか、そういう指導もしていただきたいと思います。  続きまして、優しいきれいなまちづくりについてお伺いしたいと思うんですが、町を見ますと、例えば犬のふんの始末だとか空き缶の問題だとか、古紙回収、リサイクルの位置づけ、そして無許可の捨て看板だとか電柱広告の撤去だとか、また放置自転車など、もう何か今までの方策は限界があるような気がしますし、今まで先輩委員がお話しした、これも公徳心といいますか、そういう問題にとらえて、まちづくりにもマナーとかそういうことの中で意識改革、公徳心の向上などの方策をとるべきだと思うんですが、また、そういう意味でのマナーの条例だとかできないかもわかりませんが、何か考えて対処していかないとと思うんですが、そのことについて何かありますか。 ◎谷田部 建設部長 今お話しいただきましたどの問題を語るにしましても、本議会でも大分議論をいただいていますけれども、公徳心の関係は抜きに考えられないほど、そういうふうな時代になってしまいましたといいますか、大変残念な結果だと思います。したがいまして、公徳心の喚起ですとか、生活上のいろいろなルールを守る、そういった啓発活動が極めて重要になってくるなというふうに思っております。  現在、小学校や中学校でこういった副読本関係で取り上げられている点もございますけれども、子供のころからの教育や身近なまちづくりで区民の皆さんに活動していただいていますボランティア、こういったものを通しまして、今後とも工夫を重ねてまいりたいというふうに考えております。公徳心に期待するところが大変大きいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。 ◆鈴木昌二 委員 その中でぜひお願いしたいのは、放置自転車なんですが、ある都道府県ですか、必ず自転車には住所と名前を書かせた。そうしたことによって責任が生まれ、その放置自転車の数も少なくなったし、撤去してきた自転車もさばけてきたというようなことを聞いております。  そういう意味から、自転車条例とか何か、どういう形になるかわかりませんが、教育の場でやっていただくのか、建設の方でやっていただくのか、土木の方でやっていただくのかわかりませんが、それについて何かありましたら。 ◎谷田部 建設部長 改正自転車法の施行以来、新たに購入する自転車につきましては防犯登録が義務づけられております。ただ、住所、氏名につきましては、プライバシーの問題もございまして、義務化されるまでには至りませんでした。記名シールの貼付につきましては、放置防止対策上、有効な手段の一つとも考えられますので、各地区での自転車安全教室やクリーンキャンペーンなどを活用しまして、今後とも啓発に努めていきたいというふうに考えております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひお願いしたいと思います。  最後の質問になりますが、防災まちづくりのための町会、自治会が、市民ポンプを持って、それなりに活動しておるんですが、私、ふと疑問に思ったのは、そのポンプを出したときに、水の確保というか、どこの水を使うのかな、こう思うわけですね。その辺の指導とか何か、どういうふうになっておりますか、お伺いしたいと思います。 ◎伊藤 区民部長 防災区民組織には、防火水槽をご利用いただくようにということで、そのかぎも一緒にお渡ししてございます。しかし、そういう不案内だというお話がございますので、今後は、消防署等とも相談しまして、水槽等のマップ等をつくるなり、そんなことを工夫してみたいと思います。 ◆鈴木昌二 委員 お話はわかるんですが、町に戻ってみますと、じゃ、どこにあるのかとか、また、どのようにという、いざといったときに−−−準備して消火に行くんなら、これはどんな場面でも取れると思うんですね。いざというときの初期消火とか、そういう意味で役立つわけですから、その辺が徹底していないとまずいと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。  もろもろ質問させていただきましたが、ひとつどんな場面でも、教育というか、世田谷区のあり方、方向性、優しさ、いろいろ含めまして、心からお願いして私の質問を終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時三十分休憩    ─────────────────     午後一時三十二分開議 ○小畑敏雄 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆中塚護 委員 質問の前に、原秀吉議員のご逝去に当たり、心より哀悼の意を表するものでございます。  初めに、財政改革についてお伺いをいたしたいと思います。  この数年の決算議会は、バブルの崩壊によりまして平成不況の中の決算ということで、どうも景気のいい話がなくて残念ですけれども、いろいろと話を伺っておりまして、この委員会でも話が出ておりましたけれども、地方分権、地方分権とはいうものの、国と地方との関係といいますか、現状の地方自治体の行財政制度は本当に弱いものだなと思いました。特に財政面では、国も、都も、区や市町村も、それぞれ財政情勢が厳しい中で、国は都や区市町村に対して、例えば補助金を見直しする。都は都で財務局長の私的諮問機関ですか、研究会の報告でいろいろと理由をつけて、区や市町村に対する交付金や補助金などの財政面での見直しを考えています。住民に密着した区や市町村は、むしろ不況にあえいでいる住民のために施策を充実させなければならないのに、国や都からの影響をもろに受けなければならない。制度的にも大変厳しい財政運営を強いられているわけであります。  こういう意味からも、先日の都区制度改革の後退、行政側からはいろいろと説明がありましたけれども、やはり大きく後退したなという感があるわけですが、これなどは今後の区の行財政運営に大きく影響するのではないかと思います。今後とも自治権の確立、財政権の拡充に向けて、議会側も、行政側も積極的に運動していかなければならないと思います。  その一方では、確かに国や都は歳出の抑制、いわゆるリストラに積極的に取り組んでいるようであります。かなり厳しい内容と伺っております。また、さきの我が党の質問の中でも紹介いたしましたように、他の自治体でもいろいろと工夫して歳出の抑制を図ろうとしております。そこで、当区でもトップダウン方式であらかじめ、ことしの予算編成に向けては、歳出の削減に向けてこうするんだというものが出てこないんでしょうか。前々のご答弁では、従来からまず全庁的に見直しを図り、その結果を踏まえて予算を編成しているということですが、トップダウン的なものも今後考えていきたいというようなご答弁がありました。現在、予算編成の作業中のようですが、何かリストラの目玉みたいなものは出てこないんでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。 ◎吉越 助役 区にとりまして、本年度が区政改革元年の年でございまして、先日ご説明いたしましたように、区政改革の取り組みの中で現在見直す事業を精査検討しているところでございます。検討に当たっては、その事業の効果性とか、あるいは必要性、そしてさらに緊急性を検証いたしまして、特定の事業に限定することなく、幅広い全事業を対象として、イベント等で言いますと、事業規模の縮小、さらに事業の統廃合、区民生活に影響のない施設建設の繰り延べなど、昨年より一歩踏み込んだ形での検討を現在進めております。  平成七年度の当初予算の編成作業とあわせてやっておりますので、その具体化に際しましての影響や、いろいろ波及効果を見定めている段階でございます。したがいまして、現時点で見直しの対象となる特定事業がこうだというようなことで、まだ確定しておりません。確実に事務事業の見直しは行ってまいります。そういうことで、よろしくご理解を賜りたいと思います。 ◆中塚護 委員 もう一つ気になるのは、区の借金といいますか、先ほどもちょっとお話が出ておりました起債の件でございますが、起債は一口に財源不足の際の借金というイメージがどうしてもありますけれども、区債に対する区の基本的な姿勢をまずお伺いをしておきます。 ◎吉越 助役 起債は、ご案内のように、安定した財源の確保、あるいは財源負担の公平化という観点から、財政運営上、非常に大切な制度でございまして、現在の起債許可制度の中では、義務教育とか、厚生福祉の施設建設、あるいは公園の整備などに幅広くその適用が図られております。しかしながら、区の地域性のある個性的な単独事業、こういうものには起債が適用されにくい場合が大変多うございまして、これらについて全く区の単独財源を当てることもございます。こうしたことを考えてみますと、これらの単独事業への財源配分を容易にするためにも、今後とも起債の適用が可能な事業につきましては積極的に起債を活用しまして、その財源の確保をしてまいりたい。  いずれにしても、起債は一時的に多額な経費を必要とする事業の、将来にわたってその事業費を負担する制度でございまして、今後とも財政状況を見定めながら有効に活用していきたいと考えております。 ◆中塚護 委員 今ご答弁いただいたように、確かに起債の果たす役割といいますか、必要はございます。しかしながら、起債は借金である以上、返さなければならないわけでありまして、聞くところによりますと、景気の方はだんだん上向きになっているとはいいますけれども、長い償還期間の間には当然景気の波があるわけでございます。これからしばらくは公債費の比率も上がっていくようですけれども、この辺について区としてはどう考えていくのか。今まではいろんな事業を縮めたり削ったりしながら、それを集めて、いろいろな費用に充ててきたというようなこともございますが、その辺のところも含めてご答弁いただきたいと思います。 ◎吉越 助役 公債費比率が今後の財政運営や起債発行の状況などによっても見通しは変わってまいりますけれども、現在までの起債の発行の状況を考えますと、少なくともここ四、五年、あるいは平成十年から十一年というところまではこの比率は上がっていくだろうと推定をしております。この公債費比率が高くなればなるほど財政の硬直化を招くわけでございまして、起債の発行に当たっては、その辺を十分に留意いたしまして、どういう財政状況であろうとも、計画的かつ確実に償還していかなければならないと考えておりますので、今後の償還につきましては、現在、減債基金を設置することを検討中でございます。財政状況に左右されずにきちっと償還していける仕組みを、できるだけ早い時期に実現していきたいと考えております。 ◆中塚護 委員 減債基金等も今お話が出たようでございますが、一般会計等に影響のないような形で基金で返していくのは大変結構なお話でございます。ぜひそうしたものも利用して、今後とも健全財政の維持のために努力をいたしていただきたいと思います。  次に、平成三年に始まりました地域行政制度につきまして質問をさせていただきます。本年三月末に地方自治の権威の名古屋大学教授にお会いして、地方行政のあり方等について勉強会を開催して、いろいろお話を伺いました。その際に、世田谷の地域行政制度の話をいたしましたところ、東京の二十三区でそのようなことを実施している区があるということを初めて伺いました。これは大変にすばらしいことであります。ぜひ私も世田谷に伺って、もっと詳しい話を勉強したいと高く評価をされておりまして、私どももぜひ世田谷にお越しいただきたいということで予定をしておりましたが、いまだ実現をいたしておりませんが、来年の早々、あるいはまた四月以降にでも、ぜひこの区の行政のあり方について一緒に勉強をしていきたいと考えております。  地域行政につきましては、地域に基盤を置いて、地域の特性に合った総合行政を展開していくということに意義があるわけでございますが、この趣旨から、都市としての一体性を保ちながら住民自治の実を上げるため、区内を五つの地域に分けて、地域の行政拠点を設置し、これを中核として総合的な行政サービスやまちづくりを実施する仕組みを地域行政制度と定義づけております。地域事務所の機能を十分に発揮させるためには、その行政区画の地域区分を適正に行うことが重要な要件である。その区政がよく見え、区政への参加が達成され、かつ住民のコンセンサスが得られるという点と、最少限のコストで行政サービスを効率よく行えるという効率性の二点からとらえる必要があると言っておるわけでございます。  地域行政の課題としては、一に地域課題の解決、二、行政サービスの向上、三、行政運営の適正化、四、町の整備の推進、五、コミュニティーづくり、六、地域福祉の展開、七、区民参加の推進と、七つの課題を挙げております。地域行政制度の発足後三カ年が経過をいたしましたが、そこでまず初めに区長から、地域行政制度について総括してどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 ◎大場 区長 これまで地方自治をめぐる動きというのはさまざまなものがあったわけでありますが、地域主義、あるいは地方の時代、地方分権、道州制などなどのことが地方自治のテーマとして論議されてまいりましたし、最近においても地方分権法、広域連合、あるいは中核都市などが自治の重要なテーマとして取り組みがされているところであります。私自身、このような動きに先行して地域行政というテーマに取り組んでまいりました。区政を進めていく基本的な精神としているところであります。地域割り、あるいは事務事業、総合支所制度などを、関係者のご理解のもとに、所期の段階での目標は達成したと思っております。  いずれにせよ、基礎的な自治体として八十万の単位で画一的な行政を展開することは、効率的な執行や住民参加の点では障害が生じやすくなります。中央集権的にスケールメリットを求めるといった発想だけでなく、基礎的自治体として地域住民に密着した、住民の意思の届くきめ細かい行政サービスといった大きなメリットを生かしつつも、きめ細かな行政運営に努めていきたいと考えております。 ◆中塚護 委員 そこで、今までの三年間を振り返って、今、区長のおっしゃられたように、やっぱり身近な行政として区民に密着をしていくんだというお話がございますが、第二次地域行政推進計画というのが今回出されるわけでございますが、その「区政改革への取組み」の冊子の四ページの頭にございますが、今回、その成果と問題点を踏まえて、中長期の展望に立った地域行政制度の改善・充実の観点から第二次地域行政推進計画の策定に着手をしたということですが、地区・地域での計画機能、生涯学習の地域展開のあり方、総合相談窓口のあり方、あるいは執行委任の改善等についてどのような方向で進めていくのか、具体的な内容をお示しいただきたいと思います。 ◎吉越 助役 この第二次の地域行政推進計画の進捗状況といいますか、お答えをいたします。  地域行政制度は、段階的施行を踏まえまして平成三年にスタートしたわけでございますけれども、高い評価の一方で、住民、あるいは議会、監査、職員団体、全職員のアンケート等、さまざまな意見、問題の指摘が寄せられております。第二次地域行政推進計画の検討に当たりましては、これらを集約いたしまして、解決に向けての提案を総合支所、あるいは本庁のすべての組織が相互に関連するテーマを討議いたしまして提出することとして、現在進めております。  中枢管理機能を持つ本庁組織のまずスリム化でございます。それから、地域の総合的な自治体制の強化という観点から、現在取りまとめ中でございますけれども、平成七年の四月を目途に実施することとしておりますのは、総合支所の計画調整機能の充実強化、予算制度の改善、福祉保健総合相談窓口の設置、出張所機能の強化、青少年、防災、空き地の管理、大規模公園等の事務配分の見直し、これらが主なものでございます。また、法の改正や事務事業の移管と関連する事務や、さらに検討を要するものにつきましては、引き続き中長期の課題として実施計画と連動させながら取り組んでいきたい。  なお、スケジュール的には、全庁的な組織改正や人員配置と一体的に処理していく予定でございます。  以上でございます。 ◆中塚護 委員 大変大きな課題として全庁を挙げて取り組んでいらっしゃるのはわかるんですが、七年の四月を目途にした改善の作業というのは、並みの形でやってもなかなかできないのではなかろうかと考えております。総合支所の機能を十分に発揮させるために改善をするとなると、相当大勢の方々の人員の配置が考えられるのではないかと思うわけです。それと同時に、本庁組織のスリム化というお話でございますが、調整機能がしっかりしておりませんと、どうしても本庁だけがいつも何か指揮官みたいな形で動かざるを得ないというようなことになりかねないわけでございまして、この地域行政制度を発足させるに当たっても、相当そうしたことが議論されて現在の段階になっておるわけでございますが、特別区制度の改革と連動した地域のまちづくり機能の拡充に伴う都市整備領域の抜本的な見直しを図りながら総合支所の権能を強化する、こういうふうに言われておるわけでございますが、この辺のところは具体的にはどのような話なんでしょうか。 ◎川瀬 助役 まちづくりの機能を拡充いたしますために、抜本的見直しということを提起しておりますが、まちづくりをできるだけ身近な視点で課題を見つけ、その地域の個性を生かして、その地域の将来像を区民参加のもとに実現していくことができるような仕組みをつくり出していこうという考えでございます。このために、平成三年四月の地域行政制度のスタート以来、地域でのまちづくりが主体的、自律的に行われますよう、地域整備方針づくりなど、また地区計画の推進などを、総合支所が主体となって行ってまいりました。  このような地域でのまちづくり、環境の整備などが総合的、横断的、さらには継続的に進めていけるように、都市整備領域では可能な限りまちづくり関連事務の総合支所への移行、その受け皿としての組織の検討をいたしております。具体的に申し上げますと、この五月から都市整備領域の各部と各総合支所の街づくり課、土木課を集めたプロジェクトチームを組織いたしまして、総合支所の業務拡充、人員の補強、本所のスリム化を基本といたしまして、総合支所におきます計画事業を、本所では調整、渉外、それから基幹プロジェクトを担当する。そのほかについては総合支所でやっていくということで検討を進めてまいっております。つい最近も、関係の管理職が合宿をして討論を進めているというような状況でございます。  その結果といたしまして、平成七年四月からは公園、地先道路、区画整理、優良再開発の啓発・誘導など、こういう業務は総合支所が担当するということで合意をしつつあります。東京都からの事務事業移管との関係もございますために、抜本的とは言いながら、今回はやや小規模にとどまっております。しかし、今後は建築確認業務などを含めまして、さらに先ほど申し上げたように、総合支所の実施部門としての機能を強化する方向で改善を推進してまいりたいと考えております。
    ◆中塚護 委員 今、助役さんからお話がありましたんですが、建築確認の件について、先日、担当の部長さんともいろいろお話をしたところですけれども、やはり各それぞれの総合支所で建築確認申請をおろすということになりますと、やはりかなりその地域によってへんぱがあるんじゃなかろうか。具体的に申しますと、例えば世田谷総合支所でおろす確認と、砧なり玉川の方でおろす確認と、同じような確認でも、違反の程度によって非常に厳しいところもあれば、そうでもないところが出てきたり、そういうことも心配されるのではなかろうかと。また、建築会社の方も、あっち行ったらいいと言ったけれども、こっちへ行ったらだめだったとか、そういう話も出ないとも限らないというような心配もあるわけでございますので、その辺のところはじっくり研究しながら、早急にやるということでなく、本当に安心して大丈夫だ、任されるというところまで十分な案を練って移動させていただきたいと思いますが、その辺はいかがですか。 ◎川瀬 助役 各総合支所ごとに確認事務のような事務に差があるということは適当でないと思いますので、それは統一した基準をしっかりする必要があると思いますが、各総合支所ごとに事務量に違いがあるから、それでできないんだということはあり得ないと私どもは思っております。なかなか職場の方ではそういうことは議論がありまして、それはおかしいわけでございまして、例えばご老人の分布を考えてみた場合に、高齢者の対策をやっていこうということになれば、お年寄りが多いところにはそれなりの人員も配置し、仕事を進めなければならぬということもあるわけでございますから、当然、そういうことを配慮していかなければならないだろうと思うんです。  もう一つは、先ほど助役からお答えしたんだと思いますが、一つの議論としてはスケールメリットを主張する議論があります。これはなかなか難しい議論であります。もしそういう議論をするのであれば、東京都から建築行政の事務事業の移管は受ける必要はないという議論になってくるわけでございます。東京都へ行けばいいわけでございますから。そうではなくて、少々そういうことがあっても、住民の方々とご相談しながら町をつくっていく、そのことが一番大切なんだという基本に立ちたいということでいろいろ議論をしておりますが、先ほども申し上げたとおり、これからもよくよく議論をしておきますが、長い伝統の中で生きてきておりますので、まだまだ活発な議論があるようでございます。十分議論をしてまいりたいと思います。 ◆中塚護 委員 次に、十一月十五日付の「都政新報」に載りました目黒区の大幅な組織改正を例にして、何点か質問したいと思います。  この「都政新報」で、これはちょっと拡大してございますが、「目黒区で大幅な組織改正 『住区』を『地区』に改編 効率的な組織を目指す」こういうことで、職員の定数の見直しで人員を抑制しているという大見出しが幾つか出ておりますが、目黒区の部課のスクラップ・アンド・ビルド、それに伴う人員の削減及び異動など、相当思い切った改革であろうかと思います。ここでは、例えば具体的にどこの職場を何人削って、どっちへ幾らつける、こういうところまで新聞には載っているわけですね。こういうことまで世田谷区が取り込んでできるのかどうか。また、今の計画の中にその辺まではできているのかどうか。これに対して区のお考えを伺いたいと思います。 ◎八頭司 企画部長 今お話のありました目黒区の経営改善計画でございますけれども、今日の厳しい行財政環境の中で、財源や人的資源をどのように確保するか、これを大きな課題といたしまして事務事業を見直し、さらに職員数の抑制を図る、こういう目的でやっていると聞いております。その目黒の計画の内容を見てみますと、平成五年四月の職員総数を二千八百十人、これを職員数の上限に設定しまして、今年度から平成十年度までの五年をかけまして、事務事業の見直しによって百五十人から百七十人の人員を削減する。その生み出した人員を高齢者対策や定住対策等の施策の充実に振り向けよう、こういうものだと理解をしております。  これに対しまして、本区におきましては、これまでも事務事業の見直しでありますとか、組織のスクラップ・アンド・ビルドを常に心がけておりまして、職員定数の抑制を図ってきております。職員一人当たりの例えば人口比で見てみますと、今年度は二十三区中、世田谷は下から三番目という、いい成績と言っていいのかどうかわかりませんが、そういう位置づけでございます。  いずれにいたしましても、各自治体にはそれぞれの事情がありますし、その詳細については不明な点も多いところでありますけれども、お話にありました目黒の例、それからお話には出ませんでしたが、大田区もかなりすごい計画を今提起をしているところでございます。いずれにいたしましても、限りある行政資源の有効活用という観点から取り組まれたものでございます。世田谷区につきましても、自治省からいろいろ言われていることもございますので、同じレベルになるかどうか、ここで即答はいたしかねますが、かなり中身の濃いものをつくっていかざるを得ないと考えております。 ◆中塚護 委員 いずれにいたしましても、第二次地域行政の変革に伴って、人員の配置の問題として、どうしても地域行政に人手を送り込まなければならないということでございますが、それで自然に本庁のスリム化が出てくる。これは当然要求されてくるところでございますが、六千人弱の職員定数の枠の中で、本庁組織の人員数と地域行政総合支所の人員数について大きな変化が起きてくるのかどうか、その辺、簡単で結構ですから教えてください。 ◎田中 総務部長 第二次地域行政推進計画につきまして、この概要は十二月中旬を目途に取りまとめられる予定でございますが、計画の基本的な考え方といたしまして、職員総定数の抑制をまず基本に置いて、本庁のスリム化と支所の充実を図っていくものと考えております。現段階で出ております方向性につきましては、先ほど吉越助役からいろいろ申し上げましたが、これらに伴いまして総合支所の人員増を予定いたしております。ただ、その人員は本庁等のスクラップによって対応していきたいと考えております。  いずれにいたしましても、例に挙げられましたような他区の状況、あるいは厳しい区の財政状況等を総合的に考え合わせまして、今後とも職員の総定数をふやすことなく、効率的で実効性のある地域行政制度の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆中塚護 委員 次に、制度改革グループの報告によりますと、検討課題の選択として三つ挙げておられるわけでございます。その一つが「職員参加の拡充について」、二つに「情報伝達の仕組みについて」、三つに「計画・調整機能の充実について」と出ておるわけでございますが、この一のところで「さまざまな意見提案が寄せられた反面、趣旨の不徹底、意見提案が、その後どのように生かされるのか分からないなど、グループのメンバーからも疑問が出た」と書いてあるわけでございます。そして、その「参加の拡充について」の結果については、途中からですが「行政施策や事業執行、区民サービスの向上等区政全般に対し、職員が日頃考えていること、感じていることなど、従来の意思決定システムの改善あるいは日常的な職員参加の推進を図っていく必要がある」、こう結果を述べられているわけでございますけれども、これらについて職員の中からも、自分たちが言ってきたことをどういうふうに生かされているかわからないというような意見が出ているということでございますので、これは大変なことだなというふうにとらえていかなければならないのではないかと思います。  それで、その次の「情報伝達の仕組みについて」ということも読みますと、「効率的でない会議、総合支所の職員が参加する理由が明確でない会議等により、本来の業務に専念できない」と言っているんですね。こういうことを職員から言われているということは、大変に問題があるのではなかろうか。そのための区政改革なんだとは思いますけれども、いずれにしてもこうしたことが職員の中からどんどん出てくるということは、やはりまだまだ今職員の持っている力が十分に発揮できていない。もう少し発揮させていただければ、区の仕事がどんどんできるんじゃないか、こういうふうに私どもはよくとらえておりますけれども、その辺はどうでしょうか。 ◎山中 制度改革・地域行政推進室長 情報伝達の仕組みが明確ではないという今のご指摘のお話でございますが、現実問題として、やはり会議が多過ぎるとか、その会議の目的が明確でないとか、必要以上に出席者が参加しているだとか、いろんなご批判もございます。特に総合支所の職員にとっては、この情報伝達の仕組みの中では、地域の課題だからという理由で出席を求められますと、非常に移動にも時間がかかる。あるいはまさに日常の自分が担当している職務にも若干作業的には差し支えが出てくる、そういうような話であろうかと思います。しかし、情報を正確に伝達するとか、あるいは迅速にやっていくとか、そういう面でとらえますと、総合支所と本庁との間で綿密なきめ細かな調整が必要であろうと考えております。  いずれにいたしましても、会議は迅速性とか効率性とか、参加する人の役割、会議の目的、目標、そういうものが明確であることは当然でございますから、ケース・バイ・ケースで検討しながら、むだを少なくしていきたいと考えるわけでございます。  さらに、伝達の手段といたしましても、通信機器を利用することによって、なおより一層早く処理できる、そういうような方向を今検討しているところでございます。  以上でございます。 ◆中塚護 委員 この一四ページの下から六行目、七行目のところに「現在、文書の浄書機能としてのみ利用しているワードプロセッサの通信機能の活用を提案する」と述べられておりますので、これが、この間ある方に伺ったところが、ワープロも電話回線でつなげば、そのままで向こうへ文書が行くんだという話をしておりました。しかし、今のところは、こちら側でワープロで打った文字を一応打ち出して、それをコピーしてファックスで別の職場に送るんだと。そうすると、送られたきたファックスは、そのまま会議等に使用できるようなきれいなものではないので、もう一回同じものを打ち直すんだというような話もされておりました。これは大変に二重手間であって、せっかく仕事をしようと思っている意欲をそぐような話になろうかと思いますので、もう少し効率のいい仕事をしていただくために、いろんな機械も導入されておりますので、その辺のところもとらえて、しっかり頑張っていっていただきたいなと思いますので、ぜひその辺もよろしくお願いしたいと思います。  それから、世田谷美術館において九月十七日から十一月二十日まで行われました「秦の始皇帝とその時代展」は大成功で終了いたしましたが、最終的に入場人員は何人になられたんでしょうか。 ◎田中 総務部長 詳細な数字はただいま集計中でございますが、三十三万を超えて三十三万五千ないし六千と聞いております。 ◆中塚護 委員 当初の予想を大変大きく上回ったと伺っておりますが、最初はどの辺に見込んでおられたんでしょう。 ◎田中 総務部長 企画段階では、当初、二十万人前後を見込んでおりましたが、十一月十七日には三十万人を突破したということでございます。 ◆中塚護 委員 開館以来、史上二番目の記録と伺いましたが、大当たりの理由についてどのようにとらえておられるのか教えていただきたい。 ◎田中 総務部長 区の広報紙を初めとして、区で持っている媒体を積極的に活用すると同時に、共催いたしましたNHKが連日テレビスポット、あるいは特別番組を放映するといったPRに力を注いだことが一つあると思います。それから、約二千二百年前の将軍俑であるとか兵馬俑、こういったものを含みます百二十二点の始皇帝時代のスケールの大きい展示品に対する関心の高まり。それから、ことしの場合には天候にも恵まれた。そういったことがいろいろ重なり合いまして、多くの入館者を呼んだものと理解しております。 ◆中塚護 委員 こうした企画展を開催するのは大変なことだとお伺いをいたしておりますが、ぜひともより多くの方にすばらしい美術品をごらんいただくということから、来年度も今回に劣らない企画をお考えいただければと思っておりますが、その辺はいかがですか。 ◎田中 総務部長 来年度の事業計画につきましては、今年度末に理事会、評議員会等に提案して、ご承認を得る運びとなっておりますが、企画展についての腹案といたしまして、京都の東寺が所蔵する文物を出典する東寺宝物展、それからアジア十八カ国の作家による現代美術を集めたアジア美術展、それから在住作家で、ことし亡くなられました利根山光人さんの回顧展などを予定してございます。  以上でございます。 ◆中塚護 委員 ぜひすばらしい企画展をまたお考えいただきたいと思います。  また、開催中の土曜日、休日について、来館者の駐車の問題が、近隣の方の苦情のもとになっております。館の方も整理員を出して車の整理をしていますが、長い列をつくって待っている状態でございました。これらのことも、できるだけトラブルを最小限に食いとめて、来館者に気持ちよく来ていただくようにしていかれますようにお願いをしておきたいと思います。  以上、時間でございますので、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◆増田信之 委員 初めに、冒頭、委員長からお話がありましたように、党派を超えて尊敬もし、信頼もしておりました原秀吉委員が急逝され、大変残念に思います。心から弔意を表するものでございます。  十一日から行われましたこの決算委員会も、きょうが最終でございまして、我が党としても私が最後の質問になるわけでございますので、前向きのご答弁をよろしくお願いしたいと思います。  昨日は、区割り法案、政治資金規正法、公職選挙法、こういうものが参議院を通過いたしまして、ようやく日本の政治も新しい改革の方へ一歩進んだかな、こういう感想でございます。今、話にございましたように、世田谷区も区政改革につきましては、今答弁がありましたことも含めまして、区長を先頭にして全庁的に検討し、取り組んでいる。このことは「区政改革への取組み」を読ませていただきまして、よくわかります。  しかし、区政改革は、何といっても区の顔であります大場区長の取り組む姿が一番大事であるということは言うまでもないと思います。もちろん職員との部門別の対話、あるいは保育室の訪問、保育ママさんとの懇談、こういったことが我々議会からの提言を区長が即実行に移して、現場の意見を聞く行動など、その姿勢は評価し、また期待もしております。しかし、その区長の姿勢が果たして区民にどこまで全般に伝わっているか、こう考えると、甚だ疑問を感じざるを得ません。  そこで、区民の方々に、区長が先頭に立って世田谷区は区政改革に取り組んでいるんだ、こういう姿勢を示す意味からも、一つ提案があります。これは大場区長の資産を広く区民に公開できないか、こういうことであります。もちろん来年になりますと全国地方自治体の首長の資産公開が義務づけられております。しかし、義務づけられてやるその前に実行する。これで、世田谷区が区政改革に本気で取り組んでいる姿を区民に伝えられるのではないか、こう思うからであります。既に幾つかの区市町村等で実施をしているようですが、まねをするとか、あるいは二番せんじだとか、そういう問題は関係なく、区長自身の気持ちの発露として実行していただきたいと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。 ◎大場 区長 区長の資産の公開の重要性、ご質問の趣旨は十分認識いたしておりますので、今後、議会とも相談してやっていきたいと思っております。 ◆増田信之 委員 この区政改革に取り組む姿は、私たちもじいっと見てきたわけでございますが、これからもぜひいい方向に向かって、区民皆さんの信頼を得るような方向に向かっていただきたいと思います。  次に、総合支所の問題でございます。ただいま中塚委員からの質問もありましたように、この地域行政制度は全国に例を見ない大変先進的なやり方で、地方自治に詳しい学者の方々も大変注目をしている。こういうことは先ほど話があったとおりでございます。ただ、細かい話につきましては、この第二次推進計画を発表し、見せていただいてから、またいろいろ検討もさせていただきたいと思いますが、一つだけ提案をしておきたいと思います。  それは、現在、総合支所が五つに分かれてありますが、これは地方自治法上は普通の支所の扱いだとなっているわけですね。これは地方分権だとか、地方の時代だとか言われることが、おくれて中央集権のもとにあるためにやむを得ないわけでございますけれども、総合支所長というと、区民から見ますと、やはり出張所と本庁の間にある支所の責任者ぐらいにしか受けとめられていないんですね。これも私もいろんな会合や、いろんな総合支所長の行動、いろんな方々の行動を見させていただきまして、どうしてもそういうふうに受けとめられているわけです。  そこで、この総合支所長を地域の責任者である、あるいは会合に出たときは区長の代行なんだ、こういうような位置づけにするためにも、ぜひ五人の総合支所長を、最初は助役と思ったんですが、これは自治法上いろいろ問題がありますし、そういう制度の問題ではなくて、名称を副区長というようにすれば、区民の方も、区長の代行でいらっしゃったんだな、この地域の責任者だなということで、非常にますます地域の方々がわかりやすく、この総合支所を位置づけるのではないのかなと思うわけでございますけれども、この提案に対しては何かご意見ございますか。 ◎大場 区長 ご提案の名称につきましては、法令上の助役制度が一つございます。また、このごろになりまして総合支所長という名前も大変定着しつつあると認識しておりますが、しかし、いずれにしても重要な地位であるということをあらわすために、どんな名称がいいのか、これらについては今後考えていかなければならない問題であると思っております。 ◆増田信之 委員 私も現場でいろいろ見た上で、こうすればもっと進むのにな、こんなようなことを感じながらいたものですから、できれば副区長制みたいなものを導入していただけると、これは全国にインパクトも与えられますし、こういうダイナミックな考え方を導入して、そして区民の方と協働してまちづくりができるような、そういう体制で進めていただきたいなと思っております。  次に、福祉の問題であります。国民福祉税とか、あるいは福祉目的税とか、大変論議を呼びました。こういう論議を見るにつけ、高齢社会に向けて、我が国の政治も福祉に対してようやく本腰を入れ始めたんだなということを感じております。昨年の障害者基本法について、また、ことしは建設省からも促進法が制定される。こういう機運が国としても高まってきているわけです。また、東京都におきましても、先日話が出ました福祉のまちづくりの条例制定へ向けて動き始めております。今まさに高齢化、少子化、あるいは障害者に対する福祉対策というのは、全国地方自治体の命題である。これはだれもが認識しているところであります。  世田谷区におきましても、昭和五十七年制定の「福祉のまちづくりのための施設整備要綱」、そして平成五年の「世田谷区やさしいまちづくりのための施設整備要綱」の制定。福祉のまちづくりを進めてきたことはよく承知しております。また、整備要綱の趣旨がより実効性を伴い、あるいは民間事業者などを誘導していくためにも、要綱レベルではもう限界がある。そこで、条例を早く制定すべきだと、我が党はたびたびこれを主張してきました。そして先週のこの委員会での都市整備領域で、吉本委員の質問に助役から、その指示を出している、こんなような旨の答弁がありまして、大変喜んでおりますし、期待もしております。今や条例化は時代の趨勢である、このように思っております。  しかし、申し上げたいのは、福祉のまちづくり条例という個別領域の条例もさることでありますけれども、これからの福祉全般を視野に入れた世田谷の福祉の憲法とも言うような条例をつくった方がいいのではないかな、このように感じております。例えば福祉基本条例とか、スーパー福祉条例とか、そういうような条例を制定すべきであると思うわけでございます。国や東京都より住民と密接な関係にあって、その実情を肌身で知っているのは、実質的な基礎自治体である区であります。その区が模範的な施策と取り組みを示すべきである、このように思います。つまり基本構想にもありますけれども、三−一の条項に「世田谷区は、子どもから高齢者まですべてのひとびとが、生涯を通じてともに安心して暮らしていけるまちをめざします」。「生命と健康を守り長寿を喜びあえるまち」というテーマで書かれておりますが、こういったことを達成させるためにも、例えばマンパワーの対策とか確保、あるいは公共民間施設の整備、地域福祉基金、こうしたお金に関係する基金の創設とか在宅サービス、区民相互協力、あるいは福祉審議会の設置とか、こうしたものを全部盛り込んで、全国に先駆けて基礎自治体が初めて行った住宅条例、あるいは今回一歩踏み込んで大変評価しておりますが、環境基本条例、こうしたものに並列させて、もう一つの柱として、今申し上げたような福祉基本条例とか、あるいはスーパー福祉条例とか、そうしたようなものを制定すべきではないのかなと考えますが、いかがでございましょうか。 ◎吉越 助役 福祉の基本的な条例を制定したらどうかというご提案でございますけれども、申し上げるまでもなく、これからの福祉社会は、すべての区民が住みなれた地域の中で健やかに安心して暮らしていける町であることが求められています。高齢者あるいは障害者、児童を初めとして、すべての区民の人間性が尊重され、ノーマライゼーションの理念が定着した社会でなければならないと認識をしております。そして、このような社会は、区と区民の協働によってつくられていくものであり、区と区民それぞれがともに生きる福祉社会実現のための役割を果たす必要があろうかと思います。  一方、社会福祉が区民一人一人の生涯にわたる生活全般に深くかかわっていることから、専門分化している個々の法律あるいは制度並びに施策、サービスなどを総合的な視点からとらえまして、全体としての目指すべき方向性を明らかにしていくこともまた重要であろうかと思います。こうしたことから、区民及び地域の各種活動団体、そして行政の協働のもとに、これらの福祉を推進していく上での基本的な理念や指導指針を条例という形で示していくことは大変意義のあることだと考えています。  したがいまして、今後、ご提案の趣旨も踏まえまして、世田谷の特性を生かした福祉基本条例の制定に向けまして、さまざまな角度から検討を進めていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆増田信之 委員 これに近いものをやっている自治体は確かにあるんですね。例えば町田市ですとか狛江市、あるいは神戸市でもそれに近いようなものをやっていますが、そういう総合的な条例化というのは余りどこも手がけていらっしゃらないようなんです。町田市の場合は福祉のまちづくり総合推進条例というようなものを制定して、基本事項で地域社会の連帯とか、健康確保とか、都市整備領域でも都市施設の整備とか、こういうのをやっておりますが、民間誘導も含めたそういう福祉の憲法みたいなものをぜひとも取り組んでいただきたい、このように思います。  特に基本計画の中では、福祉にまつわるさまざまな取り組みが盛り込まれております。中でも私どもも大変驚きもし、喜びもしているのが寝たきりゼロ作戦。これは、だれに聞いても、よくそこまで表明したねと言われるんですが、これ一つとっても大変な事業です。寝たきりゼロにするなんて大変なことです。これは大変だけに、我々議会と協働で何とかしたい、こういうふうに私たちも決意しているところです。  そのほかにも、先日出ました福祉のまちづくり、あるいは老人保健福祉施設の十カ年計画、これも権限も何にもないんですね。あるいは生涯学習の問題や在宅サービスの問題、こう幅広くありますし、これはただ単に高齢化対策とか、障害福祉推進室とか、そういうレベルではなくて、教育委員会から都市整備、建設部に至るまで全庁的にかかわってくる問題であろう。そう考えますと、今言ったような、この大きな事業を実効性あるものにするためには、その裏づけになるようなこの条例が必要であろう、こう思って発言したわけでございます。今後ともぜひとも積極的にご検討いただき、取り組んでいただきたいと思います。  十九日の朝日新聞に社説がありました。これはもう皆さんお読みになっていると思いますが、これは国民生活白書が「実りある長寿社会に向けて」というもので発表されました。その中に「寝たきり状態になったらどうしようという不確実なリスクに個人の貯蓄等の努力で対応するのは、困難であり非効率でもある」こういうような結びで書かれている中ですが、「政府が十五年早くこの認識に到達していたら、日本は今ごろ、介護サービスの基礎整備が終わり、安心して年をとれる文字通りの長寿社会になっていたに違いない」と。それが「十五年前、経済審議会は新経済七カ年計画で『日本型福祉』という考え方を打ち出した」。日本型福祉というのは、家庭の相互扶助を基盤にして、自助努力で老後に備える、こういうふうに打ち出したわけですが、これが実際は十五年たってみて、全く逆の結果を生んでしまったわけですね。  東京家政大学の樋口恵子さんという、こういう道に詳しい方がこの中でも述べておりますけれども、「日本型福祉では家族は疲れ、介護の質は低下する。自宅でみそ漬けのようにまみれるか、病院に入れられて縛られるか、この二者択一に追い込まれる」こういうふうに強調しているわけです。この話を受けて、厚生省のこの所管の課長も自分の家庭のことを話されて、「父の介護で疲れ、やせていく母を見るにみかね、父の死にほっとした。その自分の残酷さが恐ろしかった」こういうことまで言われているわけです。まさに日本型福祉と言われた家族に任せるという、これではもうだめな時代。むしろ家族を崩壊させてしまうという、こういう残念な結果を迎えているわけです。「『日本型の福祉』の推進は、親子の情愛を台無しにし、医療の公共支出をとめどなく増やす」こういうふうにも言われているわけで、ぜひともこの自主的な基礎自治体である区が福祉について先駆的な取り組みをして、基礎自治体がやればこういうものができるという姿をぜひとも示していただきたいと思います。これは要望しておきます。  それから、きょうは補充でございますので、それぞれの今までの所管で出てきた話で、質問に漏れたもの、その他少し細かいものをやりたいと思います。  初めに、ふろなし高齢者の話が各会派からもたびたび出ております。公衆浴場が廃業に追い込まれている。高齢者を初め、ふろのない住宅に居住する区民が嘆いている。これは区民生活領域でも私は話しましたし、区長の前に土下座したというお年寄りの話もいたしました。確かに産業振興部では、浴場確保の事業に取り組んで、自宅におふろのある方も公衆浴場に来るような魅力ある銭湯づくり、こうしたことにも力を入れてやっている。こういうことはよく承知しております。ただ、これは決め手になりません。  そこで提案でございますけれども、第一には、午前中に、区立の浴場はできないか、公設民営でいいじゃないか、こういう話もありました。これは確かに二十三区にはあるんですね。例えば中央区では、昭和五十五年に東京都から移管をされた「銀座湯」という公設民営のおふろがあるんです。区立公衆浴場ですね。最近では同じ中央区で「入船湯」、これは平成二年に営業を開始しております。これも公設民営。港区は現在建設中で、来年三月ぐらいに営業しようと。こういうふうに他区では区立浴場みたいのを一生懸命やっているわけです。こうした問題については研究なさるというお話でございましたので、それはあえて言いませんが、区立の浴場の問題と、区の施設を利用できないかということについても、区長から前向きの答弁がございましたが、ただ、この問題は、現在ある公衆浴場の経営を圧迫するような結果になると、これは主客転倒しますので、ぜひともそういうことのないように、よく配置を考えて実施していただきたい。慎重に選定していただきたい。  第二には、今、高齢者住み替え家賃助成制度というのがございます。これは建てかえ等で立ち退きを余儀なくされている人というのが大前提で、あとは環境劣悪というのがございますが、この中に、現在自宅に浴室がない高齢者の人も、この住み替え家賃助成制度の対象になるような、こういうことも一歩踏み込んで考えていただけないかな、このように思います。  第三には、これは難しいんでしょうが、公衆浴場の場所というのは大変土地が広いんですね。ただ、跡継ぎがいないとか、採算が合わないので私の代でやめちゃうとか、こういう話もあちこちで出てきているわけです。この広い敷地を利用して、特定優良賃貸住宅とか、あるいは「せたがやの家」システム、このB型導入とか、こういう制度を利用して、一、二階は公衆浴場で、あるいはコミュニティーの場があって、そこから上は住宅にする。ある程度容積緩和とか特典も与えながら、こういうようなことができれば、今ある公衆浴場がさらに確保もでき、そしておふろのある人も通えるようになるんじゃないのかなと思いますけれども、それぞれの所管のご感想なり、ご意見をお聞かせいただきたいと思います。 ◎濱詰 高齢対策部長 私の方から二点お答えを申し上げたいと思います。  まず最初に、デイホームの浴室利用につきまして、公衆浴場への影響の問題でございますけれども、現在、十三カ所、高齢者の在宅サービスセンターがございます。このうち浴槽がございますのが全部で六カ所でございまして、広さは家庭のおふろを少し広くした程度でございます。したがいまして、一回に入浴できますのは三人から四人という程度でございまして、仮にこのデイホームの浴室を開放したといたしましても、対象者は虚弱高齢者等に限定せざるを得ないということでございますので、お話のございました公衆浴場への影響は少ないというふうに考えてございます。  もう一点、住み替え家賃助成の貸し付け条件の拡大の問題でございますけれども、この助成制度の対象者は、ご案内のとおり、取り壊しによる立ち退きを求められている高齢者、それとお住まいの家屋が老朽化、あるいは環境が劣悪なために住み続けることができない方が助成の対象となっているということでございます。したがいまして、ご質問にございましたような場合は、住み替え家賃助成の対象となりません。しかし、住宅の設備が不良ということで、高齢者の集合住宅、あるいは「せたがやの家」システム等の住宅に申し込まれるよう、ご案内をしてございます。  今後とも、住宅は区民生活の基盤でございますので、住宅政策室等関連各部とも協議しながら、高齢者がよい住宅環境の中で住んでいけるよう、総合的に検討していきたいと考えてございます。  以上でございます。 ◎石川 住宅政策室長 公衆浴場と「せたがやの家」の関係でございます。ご存じのとおり、「せたがやの家」は法律的には「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」ということに基づきまして、民間の土地所有者の協力を得て、世田谷区の場合は都市整備公社が一括して借り上げて、良好な住宅を供給していくシステムとなっております。既に建設されているものの中には、土地所有者が経営する店舗もございます。住宅以外の用途もございます。したがいまして、ご質問の公衆浴場につきましても、法律の趣旨を理解していただいた上で、おふろにかかわる関係法令に合致するもの、あるいは建築にかかわる関係法令に合致するものがあれば、「せたがやの家」と併設することも可能でございますので、既存の公衆浴場の経営者が「せたがやの家」と併設されるご希望がございますれば、関係所管と連絡をとりながら対応していきたいと考えております。 ◎小野 産業振興部長 ただいま委員おっしゃいましたように、公衆浴場は、大変自家ぶろの普及と利用者の減少、いろいろ後継者難等も重なりまして廃業があったり、あるいはその数が減少してきているのは、もうご指摘のとおりでございます。私どもが一番確実なのは、現在浴場を経営している人たちを廃業に追い込んでは、むしろ何の意味もなくなってしまいますので、まず第一には、現在ある公衆浴場の確保を第一と考えまして、業界のさらなる自助努力に加えて、区が実施しております支援策を積極的に進めていくことを第一に考えたいと思います。  第二番目といたしましては、先ほど区長からもご答弁申し上げましたが、今後の対策として、各種調査等を総合的に活用いたしまして、ただいまお答えいたしました各部とも相談いたしまして、十分内容を検討しながら慎重に対応してまいりたいと思います。  以上でございます。 ◆増田信之 委員 午前中に区長のお話もございましたように、浴場が遠くなっちゃった。その遠くなっちゃった浴場もつぶれてしまった。こういうような実例の話が区長の口からございました。そういう世田谷区の実情を、今それぞれお答えになった所管の方はよく考えていただいて、対策をとっていただきたいと思います。当然、中心は産業振興部になるんでしょうが、二月ごろに一回、横の連携をとって会合を開かれたそうですが、その後、本会議場で質問があった直後にまたもう一回持たれたようですが、ぜひとも高齢対策部の方では実態調査も含めて取り組んでいただきたい。また、住宅政策室の方は、そういう法のクリアの問題も考えて取り組んでいただきたい。こういう三つの連携をとりながら、何とかこうした嘆きが聞こえてこないような、そういう区民の負託にこたえられるような事業を展開していただきたいな、このように思います。よろしくお願いいたします。  次に、全然違う話ですが、ホームレス対策についてちょっと触れたいと思います。  多摩川の緑地公園に数名のホームレスの方が住みついちゃって、地元で困っているという話も聞いております。私の目で見たのでも、北沢方面の小公園−−−これは代替用地等を、住宅の中に五十坪なり百坪なりの土地を公園整備して、点在している。太子堂二、三丁目、北沢三、四丁目は、世田谷の中でも特に防災上危ない。火事になったら逃げ場もない。バイクでも通れないような狭隘道路で、ひしめき合って住宅が建っているような場所でございますので、区民の生命、安全を守るために、そういう土地をお買いになって、将来的には道路拡幅、あるいは広場の確保に代替用地として利用していく、この行き方につきましては、時代を先取りして今やっているということについては、私も大賛同いたします。  ただ問題は、ここでつくった公園にホームレスの方が居座ってしまって、そこでお酒を飲んで、夜は寝ているような。お母さん方が何か怖いし、気持ちが悪いので、子供を遊ばせられない、こういう話が随分来ております。あるおひとり住まいのお年寄りの方が、自分の隣にそれができて、年じゅうホームレスの人がお酒を飲んでいく。あっちへ行ってと言うと、いなくなるというんですよ。翌日になると違う人が来ているというんですね。どうも横の連絡があるようだ、こんなような話もしておりましてね。  最初に、気持ち悪くて遊びに行かせられないという公園に私も早速行ってきました。四十分ばかり、座り込んでそのホームレスの人と懇談しました。向こうはお酒片手に話しているんですが、寒くないのと言ったら、いや、全然寒くないと。雨の日はどうするのと言ったら、トイレがきれいだから、中で寝ているというんですね。お母さんやお子さんたちが、あなたがここにいると非常に気持ちが悪い、安心できないと言っているよと言ったら、いや、おれが見守ってやっているんだというような話もありましてね。ただ、その方も一週間後ぐらいにはいなくなりました。話し合いをしていなくなるというものではありませんし、むげに追い出すこともできないですね。  小さな公園の方には、私も現場を見に行きましたら、確かにホームレスの人が、髪の毛を長くしてお酒を飲んでいるんですが、そのベンチに横になって寝るんですね。当時の公園の責任者の方と話し合いまして、私も提案いたしました。この長ベンチをやめればいいんじゃないのかなと。公園課の方でも、それももっともだということで、すぐに撤去いたしまして、丸いいすを五つ並べてもらったんです。その日からホームレスがいなくなったんですね。ですから、公園整備、設計段階から、そういうことも中に入れて設計していけば対策が練れるのではないのかな。そういう公園整備の問題も含めまして、このホームレス対策についてどのようにお考えでしょうか。 ◎峯元 北沢総合支所長 近年、不況が長引いていることもありまして、住所不定者−−−一名路上生活者等とも呼んでいるようでございますが−−−ふえているようでございます。現在、区内の公園におきましては、およそ十二カ所に約十七人の住所不定者がいるようでございます。公園のベンチが住所不定者の休息の場となっておりまして、ご指摘のように一般の方が利用しにくい状況があるようでございます。住所不定者が特に多い公園につきましては、これまでも植え込みの中や物陰など、公園の中で夜暗い部分に照明灯の増設をしてきております。  今後は、ご指摘がありましたように、ベンチの設置場所を見通しのよいところに移すとか、横になれないような一人がけにかえるとか、あるいは長物のベンチにつきましては仕切り板などをつけるとかということを検討していきたいと考えております。住所不定者が公園に長期にわたり休息して、一般の区民の方々が利用しにくい状況にならないよう、施設面の対策と、パトロールの充実を図ってまいりたいと考えております。  なお、このホームレスの抜本的な対策につきましては、東京都の関係各局、あるいは特別区の関係部課で中長期的な対策を現在検討している段階でございます。  以上でございます。 ◆増田信之 委員 よろしくお願いします。  次に、時間も余りございませんので、質問したいことはいっぱいあるんですけれども飛ばしまして、職員住宅の問題です。  下馬の方に、ゴーストタウンと近所の人は呼んでいるそうですが、次々に出ていってしまって、職員の方が一人しかいないと。非常にもったいない敷地なので、建てかえて地区会館にできないかとか、いろんな意見が出ているんですね。こういう職員住宅は非常にもったいないと思うんですが、これはどう考えていらっしゃるのか。改築計画があるのかないのか。それから、全体にそれを整備しないということは、職員住宅の戸数がもう足りているのか、全体の整備状況も踏まえてお答えいただきたいと思います。 ◎田中 総務部長 若干経緯を申し上げますと、四十一年に開設して、建物の老朽化が著しいために、平成元年度に建てかえの基本構想を策定した。居住者との折衝を開始しまして、大半の居住者の移転が終わった平成四年の二月に職員住宅整備五カ年計画ということを立てまして、五年度に実施計画、平成六、七年度に建築工事、八年度に竣工予定、こういう建設スケジュールを策定したわけです。しかし、現状は、居住者との契約期間の問題−−−まだ残っておられる方ですね−−−それから、区の財政状況等によりまして一時中断している状況でございます。  施設の管理についてお話がございましたが、そのことも含めて、今後の建設計画につきましては、ご指摘の点も踏まえまして早急に計画実施に向けて努力したいと考えております。 ◆増田信之 委員 職員の方々は、リストラとか、あるいは経費節減とか、会議費カットとか、いろんなことをどんどんやって、協力もしていただくわけです。ただ、職員住宅その他については職員の方から不満がないようにきちんと整備をし、やっていただきたい。このように要望いたしまして、私の質問を終わります。  以上です。 ○小畑敏雄 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時四十二分休憩    ─────────────────     午後三時十分開議 ○小畑敏雄 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆田沼繁夫 委員 私からも、質問に先立ちまして、原秀吉委員のご逝去に当たり、心からの哀悼の意を申し上げたいと思います。  具体的な質問に入ります。  まず、不正支出、あるいは宴会政治、こうした問題について伺ってまいります。  昨年の決算議会は、広報課のこの不正な支出ということに端を発しまして、この問題、あるいは宴会政治の問題が大きな問題となりました。ことし三月の議会では、区長さんから私どもの質問に対しまして、批判は真摯に受けとめます、こういうふうに述べられました。こうした宴会政治は昨年度まで続いていたことが明らかとなりました。私どもの調査では、総務課の会議費を見てみますと、例えば昨年の五月十三日、区政協力者との懇談会、これは光林坊で約三十六万円。それから六月四日には、同じ区政協力者との懇談会、これは紀伊國屋というところで十四万八千円余り。また、七月九日には同じ区政協力者ということの懇談会で、ラ・パラツィーナというところで二十五万四千円と、ざっと四月から九月までにかけて見ただけでも、今の区政協力者の懇談会ということで約十件、百六十一万ほどが使われております。  十月に「区政改革への取組み」というものが出されました。ここでは会議費を見直すんだということで、これまで昨年度八千九百万円であった会議費が、ことしは五千五百万になっています。三千三百万円を減額したわけですが、その後どのように使われているのかということなんです。私どもも若干調べてみました。総務課とか広報課の会議費を調べてみまして、この二つを見る限りでは、もちろん件数も大分減りましたし、例えばいろいろな会合も、コーヒーですとか、せいぜい八百円ぐらいの弁当とか、こんなふうに調べた中ではなっているわけですが、区はこの三千三百万をことしは減らしたということなんですが、この見直しの基準はどんなふうになっているのかというのが一点です。  それから、いわゆる区政協力者などとの宴会ですね。こういうものがほかの部署でも根絶されているのかどうか、そこから伺っていきたいと思います。 ◎八頭司 企画部長 会議費の見直しの基準その他お尋ねがございましたが、会議費につきましては、ご承知のとおり、昨年いろいろと議論が出まして、区政改革を推進するため、区長を中心とする五役会議のもとに、庁内横断的な改革推進委員会を設けまして、そのうち昨年度につきましては、特に緊急を要する会議費及び旅費に関する事務の改善策。まず事務的にはそういう基準をはっきりさせまして、その結果、税制度の改正でありますとか、現金取り扱いによる事故防止等も考慮いたしまして、従来より資金前渡の方法で執行しておりました懇談会等に伴う会議費を、会議終了後、口座振替の方法により行うとか、そういう事務的な基準を確定いたしました。
     また、会議の実施決定権者でありますとか、事務手続等を確認するとともに、庶務担当課長への事前協議を義務づけるなどして、チェック機能の強化を図りました。そういうもろもろの手段を講じまして、会議費に対する改善は行ってきたつもりでございます。  おっしゃるように、すべての会議費がむだなものというふうな認識は決して持っておりません。必要なものは必要でございます。それらによりましても、ただ、厳しく行ったために、お話にもございましたように、昨年度、五年度は二八・二%減となりました。また、六年度の予算では三七・九%。これは財政窮迫の折でもありますので、むだを省くという意味だけではなくて、積極的に減らせという私どもからの指示といいますか、お願いが全庁に行き渡ってきたということもありまして減ってきたという状況でございます。お話しのような、金額が多いから、その会議はいかがなものかというふうな理解で私どもはチェックしているわけではございません。 ◆田沼繁夫 委員 金額はもちろん、私もそういう意味で言ったのではなくて、減った中で、先ほど読み上げましたような、こういう区政協力者との懇談会も、それは節度を持つものだとか、いろいろ中身が問われてくると思うんですが、こういういわば読み上げたような光林坊ですとか、紀伊國屋とか、大分お金もかかって、やばい宴会と言われても仕方がないんじゃないかと。こういうものは改められたというふうに言ってよろしいわけでしょうか。 ◎八頭司 企画部長 基本的におっしゃるとおりだと思います。 ◆田沼繁夫 委員 去年は、この問題は本当に多くの区民の皆さんの不信を招いたわけですから、本当に会議も簡素を旨としてほしいし、清潔、公正な区政運営に当たっていただきたいということを要望して、次の質問に移ります。  次は、大蔵病院の問題について伺います。  私も、今の日本の現状から見て、成育医療センター、こうしたものはやっぱり必要だと思います。ただ、その整備の方法が、大蔵病院を廃止をしてあそこの地に、そして成育医療センターをつくるというような方向ではなくて、例えば小児病院を発展的に整備するとか、あるいは地域医療に影響を与えないような方向でやっぱり整備するべきだ、そんなふうに思っているわけです。  そのことを前提に質問に入りたいと思うんですが、厚生省はこの七月に、大蔵病院と小児病院を統合する成育医療センター構想検討会というものを発足させました。今月の二日には中間報告も出たわけです。大蔵病院は、最近の資料でも、外来患者の方は一日七百人を超えています。ことしの九月九日を見ますと、外来患者七百七人。そのうち世田谷の方が五百十八人、七三・三%を占めています。また、六十歳以上の方が五割を超えるという状況です。  最近、ある婦人の方から、大蔵病院が近くにあって本当に助かったという話を聞きました。この方は商売をしておりまして、ご主人ががんで大蔵病院で手術をした。商売を閉めるわけにいかないので、ただ病院が近かったので、朝、病院に届け物をして、昼間は商売をし、また夜は看病できたと。やっぱり近くだから商売も看病もできたということで、本当に近くにこういう病院があるということはありがたいことだと言っていたわけです。  先ほどの成育センターなんですが、構想が出されまして、ことしの七月七日に、私は患者の皆さんとともに厚生省に行きまして、成育センターはどういうものかということで、中身をただしました。厚生省の担当者の答えは、ナショナルセンター−−−これはがんセンターとか、循環器センターとかありますけれども、ナショナルセンターは地域医療は行うものではないんだ、こういう答弁だったんですね。それで、その翌日、八日には、この成育センターということが一斉に新聞発表されまして、朝日新聞によりますと、現在の大蔵病院の用地に統合するんだと。病床数約五百。四百五十億円のお金をかけて、再来年から着工する。こんな記事が出ておりました。  厚生省は、来年度予算には、この成育センターの基本設計費ということで、二億七千百万円、大蔵省に要求しています。私はこのことを知りましたので、九月十七日に、私ども日本共産党の岩佐恵美衆議院議員とともに、この内容を直接厚生省から伺いました。出てきた方は政策室の医療課課長補佐の香西さんという方ですが、このお話によりますと、大蔵病院と小児病院の統合に当たっては、統合の地は大蔵病院しかないだろう。これは敷地の広さから言って、そうだろうと。それから、地域医療は当初−−−この辺が大事なんですが−−−国会答弁ではやると言っていたが、今は財政的に無理だ、こう言っていました。砧地域には、四、五キロ行けば大きな病院があるではないか、こういうお話だったんですね。  そこで質問なんですが、区にも、厚生省はこの七月に、このセンターを発足させたい、検討会をつくりたいということで説明に来たそうです。場所はどのように厚生省は言っていたでしょうか。それから、十月十三日に区は、区の要望書を持って厚生省に伺ったと聞いています。地域医療をぜひ確保してほしい、こういうことですが、厚生省のお答えは、そのときどうだったでしょうか。その二点を伺います。 ◎櫻田 衛生部長 第一点の場所についてでございますが、厚生省の方から、実は国立小児病院の跡地をどうするのかということを大蔵省の方から聞かれたというふうな話がございましたので、そういった話、あるいは今、委員お話しの新聞報道等を勘案しますと、恐らく大蔵病院の方へ建てられるのではないか。それが素直な解釈ではないかな、そういう感じがいたします。  二点目の、十三日に区長の要望書を厚生省へお持ちいたしましたが、そのときは特に地域医療の問題について先方からのお話はございませんでした。区長の要望書には、地域医療を守ってほしいということが記載されておりましたが、今申しましたように、特にコメントはございませんでした。 ◆田沼繁夫 委員 今申されたように、とりわけ残すとも残さないとも、そういうご返事だったということでした。それから、これは区に置いていった資料ですね。これを私もいただいたんですが、これにははっきりと、機能とか規模を考えると大蔵病院の地が適切である、こんなふうな厚生省の資料を置いていった。これを私もいただいたところです。  それで、せんだって他会派からも、昭和六十二年当時の斎藤厚生大臣の答弁があると。その一つは、ここは大蔵病院と小児病院は両方の病院をそのまま病院として残して統合させるんだと。第二点として、大蔵病院をセンター化しても、地域医療は残す、こういうふうに大臣はこの当時言っていたと。だから大丈夫なんだろう、こういうふうな質問がありました。私もこれなら結構だと思うんですが、最近の厚生省の考えというのは、今、区からお話があったように、あるいは厚生省が残していった資料がありますように、大分変わってきています。統合についても、両施設を残して統合、こういうふうには考えていません。これは先ほど言いました、厚生省が区に持ってきた資料でも、大蔵の地が適切だろう、こう言っています。  それから、中間報告ですね。この十一月二日に出た中間報告、これがそうですが、ここにも、全機能を一カ所に集中すると。こんなふうに、いろいろな機能が欲しいんだけれども、一つに集中するんだと書いてあるわけです。  それから、地域医療についても、せんだって他会派の質問では、この中に高度の総合的医療というふうに書いてあります。確かに書いてあります。だから、高度の地域医療を行うということなんですが、問題はその中身なんですね。高度の総合医療。この本文をよく読んでみますと、地域医療をやるということではないんですね。成育医療の総合化整備ということで、ここで言うのは、あくまでも成育医療をやる。その中で総合的にやるんだということなんですね。これはやっぱり考えてみると、がんセンターなどは確かに特殊ながんに対するがんの医療、こうなりますが、成育医療センターとは、対象者がお母さんとか、子供とか、胎児とか、こういう状況ですね。そうなりますと、お母さん、子供となると、がんもあれば、難病もあれば、不妊もあればと、総合的に医療をやらなければならぬ。だから総合医療をやるんだ、そういうふうにここでは書いてあるわけです。  私は、そういう意味では本当に今は大事な時期だなと思っています。今、予算要求もしているんだということなんですが、せんだって狛江の市長さんが十一月九日に、この大蔵病院の問題で井出厚生大臣にお会いしたそうです。この井出さんのお話は結局は、国が地域医療をする時代ではない、こういう答弁だったと、私は同僚委員に聞きました。本当にこれも机上のプランだなと思うわけです。今、世田谷も入っております医療圏は今でもベッドが不足している。九百二十七不足していると。とりわけ世田谷はないわけでありまして、砧地域などもそうです。こういう中で改めて地域医療を確保する、こういういわば区長さんの決意といいますか、改めてお聞きしたいなと思います。 ◎大場 区長 私はこれまで地域医療を守る立場から、平成二年八月、さらに本年の十月と、厚生大臣あてに国立大蔵病院統廃合後の地域医療の確保ということについて要望書を提出してまいりました。今後も、これまでと同様、地域医療を確保する考えでございますので、引き続き厚生省に働きかけてまいりたいと思っております。 ◆田沼繁夫 委員 次に、福祉の問題で何点か伺います。  一つは特養の問題です。この間、議論の中で、特養ホームについては待機者を解消する、こういう積極的な目標を出されました。区立で三百、民間法人への援助で三百というようなことですが、私は、民間への助成、とりわけ区内の場合になるかもしれませんが、ここではぜひ個室を多くしてもらいたい、こんなふうに思うわけです。数年前、今の粕谷の特養ホームをつくるに当たりまして、私はそのときも、ぜひ個室を多くしてほしいということで質問いたしました。この粕谷の方は三割個室だそうです。よく日本の病院とか、こういう施設は、数人が一緒になって雑居部屋だと言われます。プライバシーもないということでね。実は私の知り合いも、数年前、区内の特養ホームに幸いにして入れました。幸いにして入れて、幸いにして個室に入れたんですね。本当に喜んでいました。本当にここだと安心できるということでした。  ただ、まだまだ厚生省が三割までしか認めないとか、いろいろありますが、私は、こういう施設は半永久的なものですから、ぜひ民間への支援でも、そういう今の時代の流れといいますか、こういう人権を尊重して、ぜひ考えてもらえないかと思うわけです。今、区内の民間特養ホームは、幾つか最近区が援助したものに個室は確かにありますが、一割にも達していないというのが現状でありまして、今後支援する場合にはぜひ考えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎濱詰 高齢対策部長 お尋ねの区内の民間特別養護老人ホームへの援助につきましては、現在、新築ですとか増改築等に対しまして建設費の援助とともに、設備につきましても助成を行ってきているところでございます。これまで既に区内民間特養の七施設のうち四施設に対しまして、約二十四億円の助成を実施したところでございます。今後とも民間特養の整備や運営面の充実につきましては、ご提案の内容を含めまして検討してまいりたいと考えております。 ◆田沼繁夫 委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。北欧ですとか、いろいろやった中で、時代の流れというのは、大規模施設から、身近なところにこういう施設もつくる、あるいは個室ですとか、小規模化ですとか、家庭的にとか、多くの人手をかけるとか、そういうのが今の到達だと思うんですね。そういういろいろな国、あるいは日本の中でもすぐれた経験もありますが、ぜひ生かしていただきたいなと思っています。  次は、老人給食の問題で伺います。  これは運営がもっと柔軟にならないか、こういう質問です。この四月から老人給食が始まったわけです。全区展開。もう五百人を超える方から申し込みがあったということで、本当に待たれていたなと思います。ただ、まだまだ始まった中で私も言うのは酷かもしれませんが、こういう相談を受けました。一人は桜丘の方だったんですが、都営住宅の三階に住む、八十歳を超えたひとり暮らしの方です。給食を欲しいと思う。だけれども、一食四百円。自分はその四百円も毎日とることができないんだ。せめて週二日だったらとれるし、何とかバランスのとれた食事がしたい、こんなお話でした。  もう一人の方、これは近くのアパートを経営している方から、自分のアパートにはお年寄りが多い。病気になったときがとにかく心配だし、食事が心配だ。そういうときだけでも食事を届けてもらえないんでしょうかという話だったんですがね。もう少しで一年たつわけですが、そういう意味でも、これからもう少し柔軟に考えてやっていけないものかなと思うわけですが、いかがでしょうか。 ◎濱詰 高齢対策部長 高齢者に対します食事サービスにつきましては、今お話がございましたように、今年度から全区実施を行ったところでございます。この食事サービスの対象者は、毎日の食事づくりが困難である人を対象といたしますので、お話にございました週二日ないし三日だけ必要な方につきましては、現在のところ、ふれあい公社が独自に行っております食事サービス事業をご利用いただいてございます。また、地域の方々がボランティアで実施している会食ですとか配食もあわせて紹介をさせていただいてございます。今後とも、食事づくりの困難な高齢者の食生活が改善されますよう、食事サービスの一層の充実を図ってまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◆田沼繁夫 委員 今、ふれあいもあるというお話でしたけれども、やはり一食九百円ですか。今の方なんかは本当は毎日とれればいいんでしょうけれども、四百円もなかなか大変だというお話だったんですね。確かに、今、日本の福祉がどうかというと、私もちょっとびっくりしたんですが、例えば年金ですね。老齢年金というんですか、世田谷区内の平均月受給額が四万五千円なんですよね。ですから、やっぱり本当に食うや食わずと言ったら失礼かもしれないけれども、かつかつの生活の方が少なくない。そういう方でも、やはり何とか欲しいということは、ぜひ考えていただきたいなと思っています。  次は、高齢者の入院見舞金について伺います。  これは代表質問でも取り上げさせていただきました。ぜひ共済制度なども含めて検討してほしい。区も検討したいというお話でした。具体的にはこれからだと思うんですが、幾つかのやっている自治体もありますね。私も幾つか調べさせていただいたわけですが、本当に千差万別。これだと本当に使えて喜ばれるんだろうかなというようなものも実際にはあるのも事実です。やはり具体的につくる上では、今、医療費が高くて入院できない、こうした方が安心して医療が受けられる、その手助けに少しでもなるというような、そこにつくる意味があるんじゃないかなと思っています。  私、この日曜日、近くの知り合いの方を訪ねたわけなんです。最近ちょっと見当たらないというか、町で会わないので行ってみましたら、大学の先生なんですが、伺ってみてびっくりしたのは、この五月に転んで頭を打った。くも膜下出血などのために、五月以来、石和のリハビリ病院に入院しているんだという、奥さんの話でした。生活が大変だというんですね。差額ベッドが一日一万円だと。月いろいろあって三十八万円かかる。切り詰められるものは何でも詰めたいというようなお話だったんです。大学の先生というと、社会的に見ると比較的安定しているかなというふうに思うわけなんですが、一たびこういうふうに長期に療養する、入院するとなると、こういう事態になるのかなと思ったわけです。  今の日本の入院、保険外負担、そういういろいろな差額ベッドとか、お世話料とかは月平均十二万だというんですね。こういう中で、本当にお金と相談で、自分が悪いけれども入院できるかできないか、たらめってしまうという方は少なくないと思うんですね。ご検討をこれからされるわけですが、本当にこうした人たちがつくられてよかったというようなものを検討していただきたいと思うわけですが、どうでしょうかね。 ◎濱詰 高齢対策部長 高齢者の入院見舞金制度でございますけれども、区ではこれまで、入院されました高齢者に対しまして、入院後三カ月以上経過した方に対しまして老人福祉手当の支給でございますとか、また高齢者見舞品制度を創設いたしまして、入院されました高齢者に対する施策の充実を図ってきたところでございます。お話にございました入院見舞金制度につきましては、庁内に検討委員会をなるたけ早く設置をいたしまして、現行制度の整理とともに、加入者に一定の負担をしていただく共済制度なども工夫をいたしまして、幅広く検討してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◆田沼繁夫 委員 ぜひよろしくお願いします。  次に、小田急線の問題について伺います。  私は、この質問の冒頭に当たりまして、説明会が十月にありました。この事業説明会というんですか、工事説明会というんですか。ここでは、参加者から主催者に対して卵などが投げつけられたそうですけれども、日本共産党はこうした暴力的な行為というか、こういうものは容認するものではありません。このことをはっきり申し上げて質問に入りたいと思います。  一般質問で私はこの問題を取り上げました。区の答弁は、残念ですが、事実経過の説明というようなことで、区長さんにもぜひ答弁してほしいと言ったわけですが、直接答弁はございませんでした。  振り返ってみますと、小田急線の高架問題、複々線問題は区内の環境を悪化させるということで、三十年来、区政の重要ないわば問題となってきたわけです。区議会も二度にわたってその地下化の決議を行ったわけです。昭和四十八年の決議では、こう書いています。「小田急線の高架化は、沿線住民に日照侵害、騒音、振動、電波障害など、はかり知れない損害を与え、その生活環境を著しく破壊するものであります」というわけです。私は、当時のこの議事録を読んでみました。ちょうどこれが出るときです。現在議席を占めている、例えば自民党の議員さんなども活発に発言されておりました。本当に皆さんが区内の環境を守るために熱心に議論されているということに敬服をいたしました。当時の議論を少し紹介しますと、こんな意見がありました。小田急の説明だけ聞いて判断するのは危険だというような発言ですとか、小田急は地下化は金がかかると言っているが、それは政治の問題で解決するべきだ、こういう討論が繰り返されて、今申し上げたような決議となってきたわけです。  ところで、区長さんも最初は地下化がよいというようなことをお考えなさったと思うんですが、昭和五十三年七月三十日に、住民が地下化の住民大会、十周年集会とかということでおやりになって、ここには国会議員の方とあわせて区長さんも参加をされたと。そのとき、お祝いも持って行かれたということで、今でもこの方はその封筒は大事に持っているんだということなんですが、ここで質問ですけれども、区長はその当時は、こういう大会に参加されたということは、地下の方が環境が守れるというふうに考えられたから参加されたのではないかと思うわけなんですが、いかがでしょうか。 ◎大場 区長 私は、区長としての立場でさまざまな会合に出席しております。地下化の会−−−昭和五十年代の初めは小田急沿線住民の環境を守る会と言っていたように記憶いたしておりますが、このような会合や、小田急を早く進めてくれというような住民の意見が出る会合にも出ており、区民の中にさまざまな声がある中で、区長として、この小田急の問題にどう対処すべきか模索してきたところでございます。  この小田急線の問題は、昭和三十九年の都市計画決定後、長い経緯がございます。区議会議員の皆様はよくご承知でございますが、区議会におきましては、昭和四十五年と昭和四十八年に小田急線の地下化に関する意見書及び要望書を国と東京都に提出してまいっております。その後、小田急線沿線の都市化はますます進展いたしまして、小田急線の輸送力増強と相まって、あかずの踏切と、鉄道による地域の分断は早急に解決しなければならない課題となりまして、小田急線の立体化は区民の強い願望となってきたわけであります。  そこで区議会では、昭和六十一年に成城学園前付近と下北沢付近を早期に踏切の解消を図るべきとの認識から、国と都に対しまして、昭和三十九年に定められた都市計画の変更を求める要望書を提出されました。また、昭和六十二年には、都市計画審議会の答申に基づいて、区として早期事業化を図られたいと東京都に要望してまいりました。平成二年に東京都より事業の計画案が提示されて以降、区議会での論議や都市計画案に対する区長意見を提出するに際しての、都市計画審議会の意見など、広範にわたった論議を踏まえまして、私といたしましては、区民生活の向上及び地域のまちづくりの進展を図るためには、一日も早い事業化が何よりも必要であると判断してきたところでございます。 ◆田沼繁夫 委員 その住民の集会に出たのはそこだけではないんだというお話でしたが、これは五十三年の七月三十日です。その前に、同じ五十三年の七月十八日に、記録によりますと確かに沿線の環境を守る会ということなんですが、この方たちが当時の増村助役にお会いしています。助役は住民の方にこういうふうに答えているんですね。区長と相談して、やはり基本的には地下化がよいというふうに、相談を七月十八日はされているんです。それで七月三十日には、今申し上げました住民の十周年集会ですか、これは経堂の婦人会館で行われたそうですが、参加されているわけですね。今、経過は区長さんからご説明がありましたが、もう少し肉声でお話しいただければなと私は思うわけです。  先に進みたいんですが、今でも確かに高架、地下、両方の意見はあります。私は幾つかのこの間の議事録とかを読んでみましても、高架化をするべきだという人たちの意見、あるいは議事録などを見ても、お金の問題は幾つか出てくるんですが、環境から見て高架がいいんだというのは、どうも出てこないように見受けられます。区議会では、先ほど申しましたけれども、二回の地下化の決議を上げているわけですね。私は何度も自分が体験したことをお話ししているんですが、こちらから行くと、環八を渡った千歳台の一丁目の都営住宅。本当に小田急線の高架の真下なんですが、アンケートを数年前にやってみました。一軒一軒訪ねてみて、皆さん、本当に異口同音におっしゃるには、とにかく新しい都営住宅ができて移ってきた。移ってきたはいいけれども、窓もあけられない。夜も眠れない。本当にノイローゼになった。こういうことだったわけなんですね。  そういう中で、世田谷ではこの九月に環境基本条例を制定いたしました。また、基本構想などでも環境と共生するというようなことを挙げているわけですが、こういうふうに書いております。この環境基本条例では、世田谷の環境をより豊かに将来の世代に引き継ぐんだ、こういうふうにしているわけですね。区長さんは区のおしらせ「せたがや」に毎回書かれていまして、私もいつも読ませていただいているんですが、十月一日号には、環境基本条例が制定されましたということで、区長さんが説明をされています。かけがえのない世田谷の環境を、より豊かに将来に引き継いでいきたい。それで、環境を守るだけではなく、既に失われた環境を取り戻し、さらによりよい環境をつくり出していくことが必要ですということで、最後に「地球的規模で環境破壊が進む今日、身近な環境を大切にすることが、地域環境を守ることになります。皆さんのご理解とご協力をお願いいたします」。本当に私はこのとおりだなと思うんです。  私どもは地球環境ももちろん大事ですが、やはり何よりも身近な問題、足元の環境の問題、このことがひいては地球環境を守っていくことにつながるんだろうというふうに思うわけです。この中で区長さんがおっしゃった身近な環境を大切にするということを本当に実効あるものにする、実現するには、一つ一つの区内の環境問題に対して、この趣旨で当たる必要があるんだろうと思うわけです。そのことと小田急の高架の問題については、いわば立場は違っても、高架になれば、日照だとか、あるいは騒音だとか、こういうことが本当にひどくなるのは自明の理だと思うんですが、身近な環境を守るということと、その環境条例の精神と、区長さんのご説明と高架化はどんなふうに整合するのかな、このことをお聞きしたいわけです。 ◎川瀬 助役 小田急線の連立事業と区の環境条例との関係を含めたご意見でございますが、ご案内のとおり、環境の豊かさとか、環境に対する評価というものの議論は多様であると思います。区の条例は、環境の保全・回復、都市の機能の創出などを総合的に判断しようという考え方が一つと、法律や都の条例の枠の中で最大限努力するために、区、区民、事業者の相互協力関係を築いていこう。そういうことを行うことによって、国や都の制度改革を促進していこう。こういう考え方でございまして、この考え方は、基本構想でも言っております身近な政府としての主体性に基づいて、都や国と対等の立場から課題解決に相互協力していく、こういう立場とも整合するものであると思っております。ご理解をいただきたいと思います。  今回の小田急線の都市計画決定の変更におきます手続は、事業の事柄から都市計画法上の手続と、それに伴う東京都の環境影響評価条例上の手続によって進められてきたものでございます。区としては、その手続の節目節目で意見を述べ、東京都は区の意見や区民の意見を踏まえて、最終的に東京都都市計画地方審議会に付議をいたしまして、都市計画の変更をしてきたところでございます。環境影響評価の手続では、区としては、学識経験者を入れた環境影響評価検討会を設置いたしまして、評価書案や見解に対する区長意見を諮問いたしました。答申を受けた後、議会にも報告するとともに、環境改善に向け努力されることを強く要望する区長の意見も述べてきております。また、都市計画法の手続での都知事からの意見照会に対して区長意見を申し述べるのに当たりましても、議会とも相談の上、都市計画審議会に諮問いたしまして、都市計画審議会の答申のとおり、区長としては、事業の実施に当たっては、環境保全について万全の措置を講じられたい。また、周辺住民の理解と協力を得ながら事業の推進に当たるよう努められたいとの附帯意見をつけまして、同意をいたした経緯がございます。今回の小田急線の梅ケ丘から成城学園前駅付近につきましては都市計画を変更し、事業の認可を受けて工事に着工する段階でございます。  区といたしましては、本事業は交通渋滞の解消など、区民生活の向上にとって重要な事業でございますので、事業が円滑に進められるよう努力してまいりたいと考えております。 ◆田沼繁夫 委員 今、万全な措置を、ということでしたけれども、区長さん、高架で今の騒音問題とかが解決できる、こんなふうにお考えですか。 ◎大場 区長 これはやっぱり解決しなければいけないだろう、こういうふうに思っております。 ◆田沼繁夫 委員 今、新幹線の問題なんかもありますけれども、現実には、騒音一つとりましても本当に解決をするには、よほどふたでもしない限りは、現実に物理的に考えてみれば、本当にそういう問題じゃないかなと思うんですよ。私は、この間、これまでの一般質問でも、本当に住民と行政といいますか、胸襟を割って、資料も提出をして十分に話し合う。そして、そういう中で物事を決めていくというんだったら、多くの方が納得できると思うんですが、都の態度が、この前申し上げたように、本当に形だけの説明。区も残念ながら、そういう意味では総合的に判断、あるいは都の云々と言ったけれども、区としてのお考えというか、区長さんとしてのお考えというか、本当にその辺はもっと率直にお話しされたらどうなのかなというふうに思っているわけです。  もう時間がありませんので、次の質問に移ります。  あとは教育の問題で、実はプールのことで、二クラスのプールで、最近、子供が減って二クラスになって、プールの指導でなかなか手が回らない。安全上、大変だということで、一クラスは解決したけれども、二クラスについては何とか補助員を、というような現場からの声も出ております。それについて、最後、お答えいただきたいと思います。 ◎中村 学校教育部長 お話しのように、特に小規模の学校については単学級もあるということで、その場合ですと、一人の担任の先生だけでは、児童の安全面から考えますと十分でない点がございますので、補助員を配置しております。現在、低学年、一年から三年までで、かつ単学級のクラスで水泳指導を行う場合に配置をしているわけですけれども、今年度は六校、八学級に配置をしております。  現行の制度は、今申し上げましたように、低学年、一年から三年までの単学級での対応でございますけれども、二学級の場合については、二学年合わせて指導するなどの工夫をしておりますけれども、なかなか学年が違いますと水泳能力に差があるとかという点で、指導が難しいという実態もあります。そういうことで、今後とも単学級の学校はこれからもふえていくとは思いますけれども、二学級への配置については、この制度の充実と今後あわせて検討していきたいというふうに思います。 ◆田沼繁夫 委員 ぜひご検討いただきたいと思います。  以上で終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、日本社会党・区民クラブ、どうぞ。 ◆高橋忍 委員 質問に先立ちまして、原議員のご逝去に際しまして、心からご冥福をお祈り申し上げたいと思います。  それでは、質問に入ります。  まず小田急問題でございますけれども、先ほどもありましたけれども、触れさせていただきます。  新聞報道によりますと、先般行われました沿線住民への高架化に関する事業及び工事説明会では六つの会場でともに紛糾したと。そういうことで流会になったということであります。紛糾の原因の一つには、私たちも関心のあります、高架式に比べて地下式は費用がかかるという都のこれまでの説明に対しまして、住民が指摘している幾つかの疑問に合理的な回答をしないまま、事業説明を工事説明会と抱き合わせに行ったことにあるようであります。工事だけに限ってみますと、地下式の方が高くつくかもしれません。しかし、公共事業として費用を比較するときは事業費が問題ですから、土地の買収費を含めたトータルコストの比較が大切であると言っています。それにもかかわらず、昭和六十三年以前に取得した土地の買収費は、少なく見積もってもおよそ五百億円はあるんじゃないかと言われておりますが、これを加えますと大体二千四百億円になると言われております。地下化の方が安くなるという指摘。さらには、事業調査報告書では、高架事業費千九百億円しか積算されていないこと。さらには、都の事業費比較では、工事費の安い二線二層シールド方式とは比較しないで、高架式よりも高くなるような、土地買収費が高架と同じくらいかかる四線一層、しかも開削工法のもので比較するなど、議論が多いようであります。  こういった疑問に対し、納得いく説明がないまま、強制着工につながるような住民説明会だったと言っていますが、反対住民の立場からすれば、よしあしは別といたしまして、不幸な出来事だったというふうに思います。既定方針どおりやるというのであれば、反対住民が述べていることが誤解に基づくものであるなら、誤解を解くための努力、同意が得られるよう疑問には答える努力が大切ではないかというふうに思うわけでございます。新聞報道によりますと、住民の合意なしには強行させないと運輸大臣は言っていますし、建設大臣も話し合いを継続するよう措置を講ずると語っていますが、政治問題化した建設工事を強行して、第二の成田にはしてはならないというふうに思います。島根大学の保母教授は、この対立のあった成田空港問題に対する隅谷調査団の所見−−−調停案ということになっておりますが−−−引用しながら、成田闘争の経過は私たちに二つの教訓を与えてくれたと言っています。その一つは、民主的な合意形成を尊重しない闘争は結局行き詰まるということである。法的正当性を盾にした国の強権的な行動が住民の不信感を生み、事業が行き詰まった。もう一つは、話し合いこそ問題解決の王道だということであると述べています。そして所見の結びに、この成果がよき先例として生かされることを強く希望すると述べていることを紹介し、その重みを各分野で真摯に受けとめたいと述べていますが、このことは、第二の成田になりかねない小田急問題の当事者が他山の石としなければならない教訓ではないかと思います。  世田谷区は、住民とのコンセンサスを得るため、話し合いこそが問題をよりよく解決することであるとの成田の例に倣い、東京都、小田急、住民に話し合いのテーブルにつくよう、あっせんの労をとるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。 ◎川瀬 助役 今回の説明会の事態につきましては、地下化を求める会の方々など、一部の住民による阻止行動のために冒頭から混乱をしたということでございます。小田急線の今回事業化された区間につきましては、ご案内のとおり、事業認可を六月に受け、これから工事に入るために事業と工事の説明を沿線住民の方たちに周知するという目的を持って行われたものでございます。結果として、関係住民に十分説明できなかったため、今後は東京都では「区のおしらせ」などを活用し、説明会にかわるべき方法で事業や工事の方法について理解を深めていきたいと申しておりますので、区も地元自治体として東京都に協力してまいりたいと考えております。  そこで、今、委員、いろいろご見解を示されましたが、多分その見解は地下化をよしとするかのご見解であろうと思います。これに対して、東京都は異なった見解を示しているわけでございます。これはかなり長期にわたって議論があって、そういう状況がいろいろある中で、事業認可を建設大臣がおろしたという経過がございます。そのことも理解をしておく必要があるのではないかというふうに思っております。  区は、先ほど申し上げましたような立場を踏まえて、関係住民の心配の点などについては、東京都と協力して十分説明などを行って事業の円滑化を図りたいと存じますが、地下化を推進されるべきであるというご見解をお持ちの方々は、区もこの事業者の一部である、当事者であるということで、各種訴訟を起こしておりまして、この係争中であり、区もその被告になっているという立場でございます。そういう状況の中で区ができるかどうか、あるいはこのテーブルにつくという限りは、住民と都の合意が前提となりますから、したがって、現段階では非常に難しい。区として、その立場をとることも難しいというふうに存じます。 ◆高橋忍 委員 賛成の立場、反対の立場で見れば、それぞれの言い分はあろうと思うんですが、だからこそ、言い分があるからこそ、皆さん方も訴訟の当事者になっているかもしらぬけれども、区があっせんをできる一番身近な方ではないかというふうに僕は思っているわけなんです。いろいろと感情的な部分もあるいはあるかもしれないけれども、かつて成田の闘争においても、先ほど申し上げましたとおり、二十五年ぐらいですか、かなり長い間の闘争をやる中で得たのは、結局、話し合いでしか解決ができないんだということがわかったということを言っていらっしゃるわけです。私は、この小田急問題についても、今のようなやり方でいけば、恐らくこれは泥沼化していくだろうというふうに思っております。そういうことをさせないためにも、やはり区は−−−それは高架がいいというなら、それはいいんです。ただ問題は、十分理解をされるような説明−−−いや、しているよと言うかもしれませんけれども、僕が申し上げたような内容を見ても、私自身見ても、どうかなというような気持ちのものも正直にありました。そしてまた、事業調査報告書等についても「これは区の方は見たことありません」。出しなさいというのに「こういうのはまだ来ておりません」。こういうことはあり得るだろうかということは私も疑問に思っておりました。こういうこと等を考えますと、やはりもうちょっと皆さん方も胸襟を開く形で率直に話をしていくことが大切ではないかというふうに思います。  ここで論議しても恐らく平行線になると思いますから、私が申し上げたいのは、成田に学びながら、いろいろとあったにしても、十分話し合いの場を持つような、そういったテーブルの用意を皆さん方が努力をしてもらう、このことが解決の早道だということを強く申し上げておきたいと思います。  次に入ります。下北沢から以東の問題についてであります。下北沢以東については地下化されるのではないかと、まことしやかにうわさされております。鉄道立体化事業は都市計画事業として沿線まちづくりの一体性が要請されるものでありますから、できるだけ早く構造形式が決まらないと、このまちづくりにも支障を来すと考えます。平成二年九月議会では、各会派からの地下方式を含めてとか、高架方式にこだわらずに云々と、暗に地下を容認するような発言を受け、区長は連続立体化の早期実現に向けて、区議会各会派の皆様の強いご要望を踏まえ、高架方式にとらわれず、立体化の方式について調整してまいりますと、これまた、とりようによっては地下化を以東の場合はしようがないんだよともとれるような答弁をされているわけでございますから。また、私どもはそういうふうな立場で−−−あの平成二年の九月はごたごたしましたけれども−−−そういったニュアンスで受けとめながら来ているわけでございますから、ぜひ地下化で方針を決定するよう、区の方は、区長は都の方に働きかけていくべきじゃないか、いってもらいたい、こういうふうに思うわけでございますが、いかがでしょうか。 ◎川瀬 助役 ご案内のとおり、議会の要望につきましても、今、地表式で決まっていることは不適当であって、立体化をするということでご要望が出ています。そういう点については文書で出ております。したがって、議会のご要望を踏まえましても、地下であるとか、高架であるとか、そういうことはまずさておいて、そういう今の都市計画の内容は変更するという前提で、なるべく早い時期に、今回の報告も含めまして、事業者である東京都並びに小田急は態度を表明すべきである。そして、下北沢周辺については今回いろいろなことが起きているわけでございますから、この教訓は十分に生かして次の段階に進んでほしいということは申しておりますので、引き続き要請をしてまいりたいと思います。 ◆高橋忍 委員 さらなるご努力をお願い申し上げておきます。  次に、最近はとかく緑の方が影が薄くなってきておりますので、緑の問題についてご質問をいたします。  世田谷といえば、緑の多い高級イメージの住宅地として知られています。しかし、その緑も年々減少しております。そのため自然環境保護計画では、世田谷の緑のあるべき目標量について三〇%を設定し、その目標達成に現実を近づけるための取り組みがされてきていることはご存じのとおりであります。しかし、そういった努力にもかかわらず、現実の緑は、昭和四十八年の緑被率三三・八五%。これは世田谷区の計算式でありますから、都の統一でやりますと、これよりももうちょっとふえるようではございますが、その当時はありませんでしたから、とりあえず世田谷区の数式で申し上げておきます。三三・八%から年々減少しまして、平成五年の調査では二一・八%となっています。二十年間で一二・〇五%も減少したことになります。  この間、緑化対策に力を入れなかったわけではないでしょうけれども、一向に歯どめがかかっていないのが実情であります。このまま推移しますと、数年を経ずして二〇%を割ってしまうのではないかと危惧します。緑の現状をどう認識しておられるか、お尋ねします。 ◎大場 区長 緑被率の減少についてでありますが、ご指摘のとおり、緑被率は昭和四十八年の調査以来、毎回減少しております。今後もこの傾向はある程度続くものと予想せざるを得ない状況でございまして、この間、各種施策を展開する中で緑被率の向上に努めてまいりましたが、残念ながら減少傾向が続いており、大変憂慮すべきことと考えております。  この減少の主な原因として、都市化の進展や、また生産緑地法の改正による農地の宅地化、建築技術の向上による斜面地の開発、あるいは相続での小宅地化などが考えられるわけであります。このようなことから、この状況を十分認識しまして、緑行政を重要課題として位置づけまして、区民にとって快適な緑環境の実現に努力していきたいと考えております。 ◆高橋忍 委員 決意のほどはよくわかりました。  では次に、これまでの取り組み状況をお聞かせください。 ◎市川 生活環境部長 これまで取り組んでまいりました緑関係の施策につきましては、まず国分寺崖線内の樹林地、湧水地をできる限り公有化することを初めといたしまして、公共施設の緑化、地域緑化協定、生け垣緑化への助成、開発時の緑化指導、保存樹木と樹林地の指定、花のあるまちづくり運動の推進、加えまして農地を借り上げまして区民農園や苗圃への活用、道路緑化としまして街路樹や緑道の整備、さらに公園の整備などを行いまして、快適な生活環境の確保に努めてまいりました。  以上でございます。 ◆高橋忍 委員 今後の対策はどうでしょうか。 ◎市川 生活環境部長 今後の対策といたしましては、基本的には基本構想に基づく基本計画、あるいは実施計画におきまして、ただいま申し上げました施策を継続的に実施していきたいと考えています。加えまして、公園につきましては、区民一人当たりの面積を四平方メートルに目標設定いたしまして、また各地域に合いましたきめ細かい緑の施策を推進したいと考えています。それに、新しい手法、手段を工夫しながら、緑環境の向上に努めていきたいと考えております。 ◆高橋忍 委員 それで、今そういう諸施策をといっても、前年度を踏襲するような言い方をしていたんですけれども、どのくらいの成果を見ておりますか。 ◎市川 生活環境部長 成果については大変難しいと思います。これこれの施策を行って緑被率が〇・五%とか一%上昇すると言い切ればいいんですけれども、現実的には、この施策に当たってこれだけの緑被率がアップするということを数的に設定することは、現実的には非常に難しいと考えております。したがいまして、あらゆる緑の施策を展開することによって、住民に安らぎとゆとりを持たす緑環境の向上に努めていきたいと考えております。  以上です。 ◆高橋忍 委員 現在、民間領域はみずとみどりの課が、それから公園、道路等の公共領域は公園緑地課が担当しているわけですが、どの部署がこういった緑の総合的、計画的な進行管理をしているのでしょうか。 ◎市川 生活環境部長 緑関係の施策につきましては、生活環境部を初めといたしまして建設部、各総合支所、それから教育委員会等各部で行っております。緑化施策を進めるに当たりまして、どのように木を植えるか等の緑化指導につきましては、みずとみどりの課が中心になって行っておりますけれども、進行管理につきましては、計画を策定し、施策を実施する各部署がおのおので行っている状況になってございます。  以上です。 ◆高橋忍 委員 その辺のところが一つの隘路だなというふうな気持ちを持つのと、先ほど成果のところで申し上げましたけれども、把握するのが非常に難しい。ある部分ではそうだと思うんですが、その辺はわからぬでもないですが、しかし、僕はもうちょっとやり方があるのではないかなというふうな気がするわけです。検討していただきたいという意味で申し上げるわけですが、例えば三〇%が努力目標ということになっているわけですから、例えば三〇%を達成するためには、世田谷の面積の三〇%相当の十七・四平方キロメートルを緑化する必要があります。例えばの話で、この三〇%を全部達成するとした場合のことで申し上げているわけです。そのためには、この十七・四平方キロメートルを、河川敷、道路、一般家庭、公共施設などのそれぞれの目標量として割り振った計画書、つまり緑の行動計画書的なものを作成して、統一的に総合的、計画的に進行管理する部署を設けて緑化を進めていかなければ、到底目標達成するどころか、緑の減少傾向が続いていることからも明らかなように、一歩も目標に近づけることができないというふうに思うわけでございます。  緑の行動計画書的なものによる一元的な進行管理について検討していただきたい。私は、こういうふうな手法をもってすれば、進行管理はできるんじゃないかと。三〇%というのは努力目標ですから、そこまで到達するというのは、一%だって容易ではないことですけれども、今申し上げたような、こういうふうな手法も考えていかなければ、いつまでたったって、先ほど区長がおっしゃっていたけれども、重要な課題と位置づけてやりますといっても、結果はそういう形になって出てこないというふうなことも考えられますので、ぜひ今申し上げたようなことについても検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次に、要望として幾つか申し上げておきたいと思います。  ちょっと忘れておるかもしれませんが、公園用地取得や水辺の関係の二、三年の予算の増減はどうでしたかね。ちょっとそれを参考までに教えてください。
    ◎谷田部 建設部長 この三年間の公園の用地買収費の推移ですけれども、手元の資料によりますと、概数ですけれども、平成三年度で面積が七千百、金額で九十億。平成四年度では面積は五千六百平方メートル、九十億円。平成五年度、面積四千平方メートル、五十億円。  以上でございます。 ◎市川 生活環境部長 緑化推進費関係でございますけれども、平成三年度が五億五千万円、四年度が五億二千万円、五年度が五億七千万円、六年度が四億九千万円。  以上でございます。 ◆高橋忍 委員 水と緑の方は若干減というような感じですけれども、公園課の方はかなり大幅に減少しているようですね。そうしますと、このままいきますと、先ほど決意のほどはよくわかったんだけれども、恐らく今の二一・八%を守っていくということは容易なことではないんじゃないかなというふうなことを感じるわけです。  そういうことで、大田の場合は毎年百億円予算をつけまして、一ヘクタールの公園用地を確保する計画だということであります。当区も財政は厳しいわけでございますけれども、やっぱりせめて緑の生命線ともいうべき最低ラインは決めて、もっと積極的な取り組みをすることが大切ではないかと思うわけであります。緑の大切さを単にかけ声だけに終わらせることのないよう、新基本計画でも緑は重点項目の中に位置づけられているのですから、さらなる努力を要望しておきます。  今まで緑被率を前提で申し上げましたけれども、今後の課題として申し上げておきたいと思います。心に潤いや安らぎを与える緑化という視点で考えますと、視野に入らない屋上緑化に助成してまで緑被率を上げる必要があるのか、いささか疑問を持っています。今後の緑量のとらえ方は、極端な言い方をしますれば、緑の広がりさえあれば、どこに緑が生えていてもいいといった緑被の考えから、視野に入る緑の環境を数量化する発想、つまり緑視率でとらえることが妥当ではないかというふうに思います。緑被率ではとらえ切れない生け垣や壁面緑化などについても積極的に指導していくということでありますから、これは既に緑視的立場で緑をとらえるという発想から来ているのではないかというふうに思います。  したがって、私がかつて主張した緑被率三〇%の目標値の見直しについて自然保護審に諮りたいとの答弁が、先般の他会派の質問に対してありましたけれども、この際、緑被率を何%にするかの論議だけでなく、緑視率の是非についてもぜひ検討されるよう要望しておきたいと思います。  総括質疑で、区長のリーダーシップを発揮するために、政策スタッフの強化策の発言がありました。これに対して早急に詰めてみたいという区長の答弁であったわけでございますが、こういったことについては村山首相も、私的な政策ブレーン集団を設置する意向ということが報道されておりました。私も、政策形成パターンの一つであるトップダウン方式の採用は、運用を誤らなければ政策機能を高め、機動性を高めることができますので、区政の活性化のためには有効だと考えております。かつて美濃部知事や埼玉県の畑知事のころ取り入れていたようですけれども、ここでは職員はもちろんのこと、博報堂とか東芝、東電などの民間企業からもかわるがわる職員が参加したということであります。  区長も同一の政策形成パターンを考えているのかどうかわかりませんが、当区でも若手の区の職員はもちろんのこと、役人だけでは限界がありますので、民間人の血も入れて活性化するように検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎大場 区長 二十一世紀を間近に控えた今日、我が国は社会経済体制の急激な変化の波にさらされ、先行き不透明な時代を迎えております。こうした時代にありまして、地方自治体の経営に責任を持つ者の役割は、時代を見る確かな目と、施策を着実に実行するリーダーシップにより、住民が生涯を豊かで安心して暮らせる地域社会を築くことにあると考えております。  お話にございました政策ブレーンの問題につきましては、地方自治体の経営にとりまして大変重要な機能の一つであると思いますので、ご提案の趣旨を踏まえて検討してまいりたいと考えております。 ◆高橋忍 委員 ご検討方、ぜひよろしくお願いいたします。  時間もそれほどないようですので、以上をもちまして終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上で日本社会党・区民クラブの質疑は終わりました。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆森田イツ子 委員 最初に、九月の代表質問で時間切れでお答えをいただけなかった金銭出納についての答弁をお願いいたします。質問内容は、昭和六十二年の総合運動場のレジの操作による公金横領事件、昨年の広報課会議費の水増しによる公金浪費事件、ことしの公益質屋での公金着服等、金銭にまつわる事件が新聞をにぎわしまして、区民の信頼を大きく失ったことは大変残念なことでございました。事後策については、その都度お伺いいたしましたけれども、次々と出てきたというわけでございます。  区民利用施設の光熱費の一部負担金として、利用者が自主的に支払っています二百円については、要綱で決めているので義務化しておりません。平成五年度で見ますと約九〇%の納入率で、約二千万円に上る大金です。未払いがどの団体であるのかチェックのしようがない金ですから、極端に申しますと、例えばそれを横領してもわかりません。これは一つの例ですけれども、このようにチェックできないお金の流れがほかにないのか、ダブルチェックを全体の管理体制の中に組み込んでほしいと思います。金の出入りについてはどのようにチェックしているのか、そのシステムについてお尋ねいたします。 ◎田中 総務部長 金銭の出納につきましては、いろいろな所管において行われておりますので、私の方から一括してお答えすることにいたします。  金銭の出納手続につきましては、各所管におきまして収入金の性質に応じまして、条例、規則などに従って細心の注意を払って処理をしているところでございます。使用料、手数料につきましては、券売機やレジスターなどを使って、サービスの提供と現金を厳重に照合した上で公金化を行っております。また、過般の一部の職員の起こしました不祥事件を反省材料としまして、今後さらに職員のモラルを高めますとともに、事故防止のための工夫を積み重ねているところでございます。  また、例に挙げられました施設利用の光熱水費の一部負担金につきましては、これは施設運営に協力していただく趣旨を今まで以上に区民の方々にご理解を願いまして、収入率を高めていきますとともに、適正な現金管理に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆森田イツ子 委員 職員のほとんどの方は大変まじめにやっていらっしゃいますけれども、とかく人間というものは、金を見ますと人が変わるということがございます。最終的には人格の問題ですけれども、金銭出納については人間の性悪説をぜひとってもらいたい。可能な限りそういうことが起こらないように、それをシステム化して、不祥事が起きないように今後も重ねて強く要望しておきます。  次に、上用賀在宅サービスセンターの食堂についてお伺いいたします。  上用賀アートホールの上に食堂ができました。十九席と五十二席の食堂で、窓からは砧公園の緑が見えまして、いすも緑に統一されて、明るくて大変気持ちのいい雰囲気の食堂でございます。食事の値段は四百円から六百円と大変安くて、味もまあまあですけれども、地域の人がそこで食事をしながら会合を開きたいと申し込みましたら、断られたそうです。地域の人は、よい施設ができて、とても期待していたんですけれども、使えないということで大変残念がっています。この食堂ができた経過についてお伺いいたします。 ◎濱詰 高齢対策部長 デイホーム上用賀の食堂につきましては、上用賀デイホームの給食施設として、また上用賀シルバーピア居住者の食堂といたしまして、さらに上用賀地域の配食サービスの地域の拠点として活用するため、設置したものでございます。また、この周辺に今後整備を予定いたしております深沢と等々力の在宅サービスセンターの給食や配食用の食事の供給拠点としてあわせて整備をするため、この食堂を設置したものでございます。  以上でございます。 ◆森田イツ子 委員 経過についてはわかりました。私がちょっと伺ったところによりますと、最初は文化施設ということで、急遽高齢化の方に変えたというところがありまして、少し計画変更というところで無理があったんじゃないかなという気もいたします。  この食堂の横に、先ほど申し上げましたけれども、十九席の部屋がございます。食堂と同じテーブルといすがセッティングしてございますけれども、個室のようになっておりまして、会合を開くにはちょうどよい部屋ですが、申し込んだら断られたということです。あの部屋は、配食の配膳にするということで使っているそうで、そういうわけで貸せないということも言われたんですけれども、そうしますと、何のためにテーブルがセッティングされているのかと思います。配膳は夕食前ですので、その前の時間はあいているわけですから、何とかやりくりをして、地域の人に愛される施設として、土曜、日曜も含めて開放できないでしょうか。 ◎濱詰 高齢対策部長 ご質問の食堂につきましては、先ほどご説明申し上げましたように、デイホーム上用賀の食堂として、老人施設として設置をしたわけでございまして、したがいまして一般の区民施設のように予約制で貸し出すことは想定をしていなかったところでございます。しかしながら、区民の皆様の要望におこたえするため、現在は高齢者に関する活動団体で、食事をとっていただくことで貸し出しを行っているところでございます。  お話のございました、会議室の地域団体への開放につきましては、土、日の問題も含めましてさまざまな課題がございますので、今後検討させていただきたいと考えてございます。  以上でございます。 ◆森田イツ子 委員 今ご説明がございましたように、食堂は一日に四十食と、それから在宅サービスセンターが二十食、合計六十食ということで、これが昼間なんですね。毎夕食の配食が二十食ということですけれども、今のところは、あの厨房施設では何かもったいない気もいたします。もっと稼働させて、一般に公開させられないでしょうかということなんです。あの場所は美術館もありますし、今回「秦の始皇帝とその時代展」ということで大変人気もございました。また、その横に十メートル幅の環八の横断橋もできるわけですから、あの辺に食堂がないということもありますし、美術館のジャルダンはちょっと高級過ぎて値段も高いということですね。ですから、ちょっとしつこいようですけれども、もうちょっとメニューを洗練して、区民が親しめる施設として開放できないでしょうか。 ◎濱詰 高齢対策部長 この食堂につきましては、ただいまご説明申し上げましたように老人福祉施設の位置づけとなっておりまして、また運営も社会福祉法人が行っておりまして、営利や利潤を考えた運営はなかなかできにくいというふうに考えております。しかし、高齢者への給食・配食サービスを中心としながらも、高齢者と地域にお住まいの方々との交流の場としてつくった貴重な施設でございますので、さらに効率的な運用が図れますように、PRの方法などを工夫いたしまして、より多くの方々にご利用いただけるようにしてまいりたいと考えてございます。 ◆森田イツ子 委員 お話もよくわかるんですけれども、あそこはアートホールが下にございます。アートホールは日曜日も土曜日もやっているわけですね。そうしますと、これはやっぱりそれに合わせて運営なさったらいいんじゃないかと思うんですね。ですから、対比効果ということも考えて、それは高齢者が中心ということですけれども、コミュニティー施設には位置づけられていないようですけれども、これからはやっぱりもう少し柔軟な運営をしたらいいんじゃないかと思うんですね。ですから、例えば高齢者がいる、若い人がいる、それから子供もいるというような、そういう施設の使い方が必要ではないかと思うんです。  そういう意味では、食堂がある。しかも向こうに公園がある。これはとてもいい場所でありますね。ですから、これから対比効果ということで考えていかなければいけない自治体としましては、そのくらい考えていいんじゃないかと思うんです。そういう意味で、ぜひ土、日、アートホールの運営に合わせて、この食堂もやっていくというような方向でやっていただきたいと思いますけれども、今後の食堂施設としてのお考えをお伺いいたします。 ◎濱詰 高齢対策部長 この食堂の今後のあり方につきましては、今後とも高齢化が急速に進む中で、地域における高齢者の在宅生活を支えます食事サービス事業の拠点といたしまして、また高齢者の方々と世代を超えた地域の方々がふれあう交流の場といたしまして、地域の方々から親しまれる施設としていきたいというふうに考えております。また、今後開設を予定しております深沢と等々力の在宅サービスセンターの給食の供給拠点といたしましても整備をしていきたいというふうに考えておりまして、お話にございましたように、さまざまな方々が利用されるよう柔軟な施設運営を心がけてまいりたいと考えております。 ◆森田イツ子 委員 大変柔軟なお答えで、期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それから、谷戸川の整備についてお伺いいたします。  私どもは議会に入って以来、雨水浸透枡設置もその一環ですけれども、谷戸川に清流を取り戻したいと願って活動してまいりました。今回、砧公園内に浄化施設が完成しまして、大変うれしく思います。今後、この谷戸川を親水空間として整備していただきたいと思いますが、基本方針がおありでしたら、お聞かせいただきたいと思います。 ◎友保 砧総合支所長 谷戸川の親水空間としての整備でございますけれども、大変多くの方々のご協力によりまして、この八月に浄化施設が完成を見ました。十月から稼働ということできておりますけれども、この施設の設置によりまして貴重な親水空間とすることが可能になってまいりました。  整備方針としてでございますけれども、この谷戸川は、小田急線の近くにあります山野小学校周辺から砧公園を経まして丸子川まで全長三キロメートルほどでございます。この三キロメートルの区間を三つに分割いたしまして、それぞれ周辺の環境に配慮した整備を考えていきたいというふうに、今準備しているところでございます。  まず、下流部の丸子川合流点から東名高速道路まででございますけれども、この区間を、水辺を臨む緑化ゾーンといたしまして、川の流れに沿って緑化を図りまして、自然とのふれあいのできる空間としたいということでございます。中流部は砧公園内でございますけれども、水と緑の調和ゾーンといたしまして、水と緑が織りなす自然ふれあいの環境を保全する区間ということで考えていきたい。上流部でございますけれども、砧公園の一番北側にあります稲荷橋のところから小田急線のところあたりまで、緑の小径ゾーンとしまして、散策等の機能を主体に、水源の確保が可能でありますれば、流れも取り入れまして遊歩道の区間とするというように、以上三つの方針で進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆森田イツ子 委員 大変よい方針で、ぜひ具体化していただきたいと思います。  これは、砧公園を利用している子供たちが、こんな川にしたいなということで絵をかいたんですけれども、この絵を見ましても、川で釣りをしているところとか、カニとか、お魚が泳いで、鳥もいるんですね。子供が中へ入っているというような絵ですね。それから、滑り台ですか、それでしゅっと川に入るような様子とか、川で泳いでいるとか、要するに大変水に親しみたいという気持ちがよくあらわれている絵なんですけれども、こういうふうに砧公園の中はぜひ子供たちが入れるようにしていただきたいと思います。  それから、川の護岸ですけれども、中にカワセミの巣なんかもあるんですね。ですから、ああいう土の部分なんかもそのままにしておくとか、川が曲がった、いわゆる湾処とか言うんですが、そういうところもやっぱり魚がすめるような−−−八ppmぐらいではちょっときついかなと思いますけれども、そういうことも考えて、より自然な整備をしていただきたいと思います。  それから、上流についてですけれども、以前に私どもは二階建ての川を提案したことがございます。下に、例えばカルバートみたいなものを入れて、今は家庭排水がまだ残っているんですが、それを浄化している状況ですね−−−その家庭排水とか、雨水をそこへ流していく。カルバートの上は、浅いせせらぎというような感じで整備したらどうでしょうか。谷戸川に沿った散歩道ということで、さっきおっしゃっていただいたんですけれども、これも大変喜ばれると思います。祖師ケ谷駅から美術館へのアクセスとしても、とてもよろしいんじゃないでしょうか。下流の方は自然がまだ残っておりますので、その辺は川底なんかもそのままにしていただきたいと思います。  今後の谷戸川の整備のスケジュールについてお聞かせいただきたいと思います。 ◎友保 砧総合支所長 まず、魚がすめるような状況ということでございますけれども、今回の浄化装置の完成によりまして、十月二十七日の段階ではかりましたところ五ppm程度ということで、通水式のときにフナ、メダカを子供たちに放流していただきましたけれども、十分生息できるというような水質が保たれております。  今後のスケジュールでございますけれども、来年度、平成七年度におきまして、谷戸川全体の整備の基本計画をつくっていきたいというふうに予定をしております。ただ、この谷戸川につきましては、ご案内のとおり、この地域が汚水の分流地域になってございます。そのために、洪水のあった場合に、谷戸川に溢水するということが予想されるわけですけれども、この谷戸川にほぼ沿った形で、東京都が現在、雨水幹線の設置を計画しております。これが基本計画ができるというふうに伺っておりますけれども、この雨水幹線を谷川雨水幹線と言っておりますけれども、この整備計画がまだ確定はしておりません。そんな段階でございますので、この谷川の雨水幹線の整備とあわせてやっていかなければいけないというような状況にあります。したがいまして、この東京都の谷川雨水幹線の整備を前提条件としながら、沿線の皆様方、あるいは関係機関と協議をして実施に移りたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆森田イツ子 委員 なるべく早く実現していただきたいと思います。  次に、保育料の収入状況について伺います。  平成五年度の決算書の六三ページの保育所費の収入未済額は六千九百四十一万二千六百九十五円になっています。区立や私立の保育措置を受けて保育園を利用している人は、無認可保育所である保育室や、家庭福祉員、いわゆる保育ママを利用している方の保育利用に比べますとはるかに安くなっていますし、所得に応じた負担率になっていますので、受益者負担の公平性からもきちんと払うべきです。区では、保育料の徴収に努力されていらっしゃいますが、平成五年度の収入率は何%ですか。また、どのような徴収努力をしていらっしゃいますでしょうか。 ◎大淵 玉川総合支所長 保育料の徴収は福祉事務所で行っております。保育料は保育園運営の貴重な財源でございまして、日ごろから収納率向上のために努力をいたしておるところでございますが、平成五年度の保育料の収入率は九二・六二%でございます。保育料の徴収のための努力といたしまして、未納者対策といたしまして、年五回にわたります催告書の送付をいたしまして、督促をいたしております。また、滞納を避けるために、保護者に対しまして積極的に口座振替による納入を進めております。年々、口座振替の加入率も上昇をしてきております。また、納入困難な方には分割納入といった方法などの相談に応じております。今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆森田イツ子 委員 しっかり努力していただきたいと思います。  不納欠損額を見ますと、俗な言い方ですと、これは焦げつきのことですけれども、平成四年度は五百六十九万四千四百十円ですね。平成五年度は五百八十一万一千円。ふえているわけですけれども、これは総保育料の何%になるのですか。不納欠損に至るまで、何か有効な手だてをやっていらっしゃるんでしょうか。何かいい方法はないんでしょうか。 ◎大淵 玉川総合支所長 平成四年度の不納欠損額は五百六十九万余円でございますが、その割合−−−調定に対する割合でございますが、〇・五六%でございます。平成五年度は〇・五七%でございます。  不納欠損に至るまでの有効な手だてということでございますけれども、収納率の向上には保護者のご理解、ご協力が欠かせないものでございます。そういったことで、先ほども申し上げましたように、引き続き口座振替の拡大になお努力していきたいというふうに考えております。あわせまして、電話相談、あるいは催告の回数をふやすなど、きめ細かな工夫をしまして、収納率の向上に努力をしてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆森田イツ子 委員 総保育料の一%にも満たないのは少ないようですけれども、毎年、約六百万円が回収不能になっているということですね。保育料を滞納していることによって、保育措置を解除するということはないのでしょうか。  また、保育料の時効は何年ですか。 ◎大淵 玉川総合支所長 保育料は児童福祉法に根拠を持ちます負担金でございまして、この負担金は地方自治法の消滅時効の適用を受けまして、時効は五年でございます。  また、保育料を滞納していることによりまして、保育の措置が解除できるかということでございますけれども、児童福祉の観点から、保育措置の解除の要件には該当いたしません。  以上でございます。 ◆森田イツ子 委員 児童福祉法で措置の解除はない、いわゆる退園はないということはわかりました。  滞納が五年経過すると、要するに払わなくていいということになりますと、やり得といいますか、そういうことになるわけです。毎年六百万円の不納欠損金があるということは、まじめに納入している人にとっては本当に許せないことです。例えば平均三万円を毎月払っているという人がいますと、大体十六人ぐらいの分ですね。そうしますと、無認可保育園で一カ所の人数になるわけです。そういうわけで、ぜひこれはさらに督促をしていただいて、徴収に努めていただくように強く要望いたします。  最後に、私は都市整備領域で、区道に名前をつけてくださいという通称名称の募集のことについて質問いたしましたけれども、これの名前が決定したら、いつごろ「区のおしらせ」で発表していただけるんでしょうか。この一点だけ補充いたします。 ◎谷田部 建設部長 今、総合支所を通しまして地元の皆さん方に相談をしつつある段階にあります。そこでご意見や新しい提案をいただきまして決定していこうと思っているわけですけれども、来年の二月ごろには、そういう決定を見たいな、こういうような段取りで今作業を進めているところでございます。  以上です。 ◆森田イツ子 委員 これで私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○小畑敏雄 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、民社党・無所属クラブ、どうぞ。 ◆丸山孝夫 委員 私は、まず初めに、昨日の教育領域の関係で議論されておりました小中学校の学齢の児童生徒が大幅に減っていく。それに伴って、学校の適正規模、そういうものについての基準値をどうつくっていくかということが課題だという教育長の説明がありました。まずそこからお尋ねしてまいりたいのですが、実際にこの人口推計を見てまいりますと、平成十二年には、少なくとも、きのう教育長が、この委員会の席で説明していた事柄等については、はっきりした、比較的落ちついた数字になってくるんではないか。したがって、それ以前に結論を出し、そういう結論に基づいて、トータルとして区全体の行政施策とそういうものにどうラップさせながら、今後の計画をつくっていくか、ここが大変大事だろうと思うんですよ。  そういうふうに考えてまいりますと、教育委員会としては、いろんな手順、いろんなことがあろうと思いますが、いつごろまでにそうしたものについて結論を出そうとして、今、準備あるいは作業に取りかかっているのか、そこからお尋ねいたします。 ◎津吹 教育長 小中学校の適正規模のお話でありますけれども、先ほどもちょっとお話が出ましたけれども、現在、世田谷区立小中学校学校規模等に関する研究会というのを持っておりまして、そこで、その道の専門家もお招きして、いろいろ勉強している最中でございます。  できれば来年度、早目にある程度の推測を出したいというふうに考えておりますが、これは統廃合も含めて、学校が小規模化するということは容易に予測されますので、主としては、小規模化に対する学校の適正規模をどう図っていくかということが主眼でありますが、統廃合をも見ながら検討しているわけでございます。その状況については、来年度早目ぐらいには見通しを出したい、このように思っております。 ◆丸山孝夫 委員 それを検討するに当たっての一つ一つの基準づくりが非常に難しいと思うんですね。したがって、初めて取り組むことですから、大変難しい部分が多いと思います。世田谷の場合、この人口推計を拝見しましても、廃校まで行くのかなという疑問はちょっと残りますけれども、小規模であっても、学校はやっぱり基本的に残していくという考え方が健全だろうと思うんですね。  現実にそういう検討委員会の中で専門家を交えて作業を行っていくものが、来年ぐらいに全部アウトラインだけでも出てくるとすれば、次に、区長の方にお伺いしておきたいのですが、そういった、いわば余剰部分についての転用の仕方、これは校舎の部分もあるでしょうし、改築に伴って、土地も合わせて余剰部分が出る学校もあるでしょう。今、改築指針に基づいて、総合的にそういうことが行われているわけですから、今教育長からお答えのあったそうした部分についての結論が出た段階で、区長部局としては、直ちにそういうものを受けとめながら、次への政策の基礎づくりにそういうものを利用していかなければいけない。しかもこれは、教育委員会の結論が出た以上は、早い時期にそういうものについての取っかかりが行われていかなきゃいけないと思うんですね。そういった用意をあわせて行っていく必要があるだろうと私は思っているんですが、そうした点についてはいかがですか。 ◎吉越 助役 これは、既に今準備を進めております公共施設整備指針の中で取り組んでおりますけれども、当然区の施設を含めての問題にもなってまいりますけれども、実施計画、来年の一月ごろになろうかと思いますが、その中で具体的に施設をどういうふうにと。特に学校関係の施設等につきましては、この公共施設整備指針の中にもうたわれておりますように、積極的に有効活用を図っていく。その中で、合築とか、あるいは複合化、こういうようなものを教育委員会と連携をしながら、多様な手法による整備を進めていきたい。そのための準備を、今後、教育委員会と検討グループをつくりまして進めていかなければならない、こういう認識でおります。 ◆丸山孝夫 委員 私は、そこで大変気になることが一つあるんです。というのは、学校のそういった剰余部分が生み出されて、例えばそこに学童保育が入る、あるいは児童館が入ると仮定しますね。そうすると、近隣にその施設が既に稼働している。その場合に、それをどういう扱いにしていくのかというのは、これはそれぞれのセクションでは判断ができないことだろうと思っているんですよ。これはまさに区長、助役の間で、トップの判断以外できないと思うんです。  そういうふうに見てまいりますと、私がなぜこれに対する受け入れの基礎準備を早めてほしいということを申し上げたかといえば、まさにそれぞれの各セクションが持っている各施設が、老人施設も同じです、そういうものとの全体的な見直し、整合性、整合させなけりゃいけないでしょう。そこのところで、それぞれの部独自での判断ができないものは、やはりトップが判断していかなければいけないし、そういう方向を示していかなければいけない。そういう受け入れの準備も含めて立ち上がりを早くしなければいけない、こういうことを申し上げているわけなんです。  そこまで踏み込んで物を考えながらこの問題に取り組んでいただかないと、せっかく教育委員会の方でいい作業をしてくれたものを、区長側の方で受け取り損なっちゃいますと、これは何の効果も上がってこなくなるおそれもあるわけですね。従来、ややもすれば、それぞれのセクション、セクションの中で、そういうことが横並びで物が論じられてきてしまうから、どうしても前へ進むことができないことがたくさんありましたね。  ですから、地域行政をやるときも、計画機能あるいはこの調整機能、ここのところが欠落しているために仕事が前へ進まない、どうしていいかわからない、壁にぶち当たっちゃっている、そういう事実がもう実態としてあるわけですね、組織の中では。したがって、機構とか機能というものは、そこまでのものを吸収できるものを、区長側として用意をしておかなければいけないはずだと思うんですよ。  ですから、これは観念で受けとめるんではなくて、現実に存在する区の組織がどう受けとめることが一番機能しやすいのかということが一つ基本にあろうかと思います。したがって、それは各セクションだけじゃなくて、そういうものについての受け皿づくりというのは、地域事務所も含めた形のものを総合的に考えていくべきではなかろうか、私はこういうふうに考えているわけです。  そういうものに対する検討の加え方も、非常にいろんな難しさが伴ってまいりますけれども、これだけ超過密化した世田谷の中で、この整備指針にもはっきり言われているように、用地を新しく買ったり、そこで新しいものをつくっていくということは、もう到底これから先不可能になる。手持ちのものをいかに有効に、今の行政需要に合わせた形で上手に生かしていくか、そのことにまさに区政の質そのものが問われている段階ですよね。  そういう目で見ていきますと、今の組織を、そういうものの受け取り方がきちんとできるような形で、どこかで整理した形で準備に入っていかなきゃいかんと思うんですね。そうしたことについてはどんなふうにお考えですか。 ◎吉越 助役 午前中もたしか企画部長の方から、問題になりますのは、やはり限られた財源の中でいろいろな施設建設計画を行っていく場合、今お話にもございましたように、やはり土地を一々買うというようなことはなかなか困難でございます。そういう中で、どこでどういうふうに調整をしながらやっていくかということになりますと、今後進めます事務事業の見直しに当たっては、一定の尺度を設けながら、基本的にはすべての事務事業を対象にして、評価点数というんですか、一定の評価点数のようなものを出して、そこで点検をして、改善あるいは充実、見直しを進めていくことが大変大事だろう。  そうしますと、これからの高齢・少子化の時代にふさわしい行財政運営の体制を確立していかなければできないだろう。そういう中で、既に企画部の方に、一定の尺度あるいは事務的とかあるいは技術的、いろいろな手法はあるんでしょうけれども、そういう事務事業を見直す手法としての一定の基準をつくるように、それに基づいて、今後、施設建設を順次実施計画の中に乗せていく、そういうようなことを今下命しているところでございますので、一月ぐらいまでには一定の方向が出てくる、こういうふうに思っております。 ◆丸山孝夫 委員 今助役の答えられたことは、事務的にそういうものを受けとめる、受けとめ方の問題ですよね。実際に私は現行組織の中で、どういう部分がどういう受け取り方をするのか。したがって、それを総合的に全部整理し、分析しながら、今までの区の行政の上にラップさせていく。それは企画だけでは私はとてもでき切れる仕事じゃないと思っているんです。  したがって、そこのところにまさにこの調整機能が大きく役割を果たしていかないと、せっかくの機会を逸してしまうんじゃないか、こんな懸念がしてしようがないんですよ。  もう一回繰り返しますけれども、さっき言ったように、例えば児童施設にしても、あるいは老健施設にしても、そういった余剰部分に取り込むことが地域的にも一番好ましいよということであれば、その周辺に現実に存在しているものはそこへ吸収して、そういうものを転用していかなければならないでしょう。そうすると、そういうことに今領域の中で持っている、実際に管理している各部なり課なりというものが、そういうものについてオーケーを出さないとどうにもならぬわけですね。  したがって、作業はそこから始まっていかなきゃいかぬわけでしょう。全体の計画として落としていくことはできたとしても、現実に行政の中でそういう仕分けがされていかないと、その効果というものは上がっていかないわけですよね。したがって、そこのところを申し上げているわけなんです。  ですから、そこのところは十分きっちり受けとめていただきながら、私は地域事務所についてもその中に参加させるべきだろう、こう思っているんです。地域事務所も恐らくそのころには、調整機能なり計画機能というものが、大幅に従来の壁にぶち当たっていたものが別な形ででき上がってくる、こういうふうに期待をしながらお尋ねしているわけなんです。  そうしますと、区長を頂点としたトータルの区政の展開の中で、今まで欠如していたそういった地域事務所、そのほかの部分も参加することによって、地域性も非常に大きく加味されてくるし、それぞれの個別に持っていた政策目標達成の上からも、そういうものが余力が出てくる。ですから、そういう物の受けとめ方というものが一番大事なんじゃないかなと思っているわけなんですよ。その地域事務所の介入、介在の仕方ということについてはどんなふうにお考えですか。 ◎吉越 助役 この学校改築を初めいろいろな施設建設に当たりまして、今お話しの総合支所、いわゆる従来も総合支所そのものは、いろいろ意見を聞きながらやってまいりましたけれども、今後は、今お話を承った趣旨を十分に生かして参画させてやっていきたい、こういうふうに考えております。
    ◆丸山孝夫 委員 ぜひそういう形で、がっちり受けとめながら次のステップに移っていただきたいと思います。  それから教育長に、この機会にお尋ねしたいんですが、もう一つ、学校改築指針の中に、学校の雰囲気の中で、いわば子供たちが非常に多感な年齢で育ち盛りですね。学校の中に、絵画であるとか彫刻であるとか、あるいはこの間でき上がった池尻中学の壁画のような、子供たちの美意識を育てる、あるいは大げさな言い方をすれば、芸術的な雰囲気を学校の中に醸し出す、そういう部分が非常に大事だろうと思っているんです。  外国では、学校を建設するときに、その全建設資金の三%程度のものは必ずそれに充てなければならないという国もあるように聞いております。  したがって、これは個々の学校でいろいろ工夫もされております。しかし、学校改築、少なくとも新しくしていこうとするときとか、あるいは一部建てかえ、そういった機会を通じながら、全校一斉にというわけにはいきません。例えばそれが二千万円かかるのか、五千万円かかるのか、それはそのときどきの財政状況と学校側の意向もありましょう、スペースもありましょう。そういうことを含めて、そういうことについて、もう今やこれから先の学校改築については、考えをそこまで及ぼしていっていい時期ではないか、こんなふうに思っているんですが、いかがですか。 ◎津吹 教育長 児童生徒の情操教育をはぐくむような文化的環境というのは非常に重要だというふうに思っております。ただ、教育の場でありますので、私はいつも日ごろから言っておりますが、施設についてはシンプルで安全で、子供たちが伸び伸びと学習できる施設であればいいというふうに考えておりますが、今言ったようなお話もございます。したがって、一般的に合意が得られるような、そういう範囲で、文化性とか芸術性だとか、そういうものを取り入れながら、児童生徒が心豊かに学習できるような雰囲気づくりを考えていきたい、このように思っております。 ◆丸山孝夫 委員 区長、どうですか。今、教育長としては、予算その他が伴う問題ですから、私はそんなに大きな予算じゃなくても、そういうものについては、これから先も区長と教育委員会との一体化した形で行っていかなければならない。先ほどの作業も含めていろいろあろうと思います。そういったことについて、区長の方の考え方が大きく影響してくるだろうと思うんですよ。 ◎大場 区長 行政をこれからやっていく上に、行政の中で文化はどの程度かということになっていくかと思いますが、常日ごろから、文化は一%という考え方で物を進めております。できるだけ特に小中学校の児童生徒には、そういう若いときからの感動あるいは美意識の高揚、こんなようなことを育て上げて、情操豊かな子供に育てて将来の社会を担ってもらいたい、このように思っております。 ◆丸山孝夫 委員 期待をいたします。  もう時間がないようですから、簡単にお尋ねしますが、リサイクルにおける分別収集の問題です。これは平成三年にリサイクル課が発足して、それから十二年に全区展開、こういうことになっておりますが、当初、スタート段階では、平成六年は、もっと、今五カ所のようですけれども、多くの箇所で分別収集が実現されていたはずなんです。それがどうして実現できなかったのかということが一つ。  時間がなくなったようですね。これはまた別な機会にいたします。終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上で民社党・無所属クラブの質疑は終わりました。  これで平成五年度決算の認定四件に係る質疑は終了いたしました。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、認定第一号から認定第四号に至る四件に対する各会派の態度表明に入ります。  なお、態度表明は自席よりお願いいたします。  最初に、自由民主党、どうぞ。 ◆鈴木昌二 委員 自由民主党世田谷区議団は、平成五年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定ほか三件の会計歳入歳出決算認定につきまして賛成いたします。  なお、意見は本会議場で述べます。 ○小畑敏雄 委員長 次に、公明党、どうぞ。 ◆和田勉 委員 公明党世田谷区議団は、平成五年度世田谷区各会計歳入歳出決算の認定に賛成いたします。  なお、意見は本会議場で述べます。 ○小畑敏雄 委員長 次に、日本共産党、どうぞ。 ◆笹尾淑 委員 平成五年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定ほか三件の決算認定について、日本共産党は賛成でございます。  なお、意見は本会議場において申し述べます。 ○小畑敏雄 委員長 次に、日本社会党・区民クラブ、どうぞ。 ◆高橋忍 委員 日本社会党・区民クラブは、平成五年度世田谷区各会計歳入歳出決算認定について賛成いたします。  なお、意見は本会議場で申し述べます。 ○小畑敏雄 委員長 次に、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆森田イツ子 委員 平成五年度世田谷区各会計歳入歳出決算認定については、生活者ネットワークは賛成いたします。  なお、意見については、本会議場で述べます。 ○小畑敏雄 委員長 次に、民社党・無所属クラブ、どうぞ。 ◆丸山孝夫 委員 民社党・無所属クラブは、本委員会において審査いたしました平成五年度の四会計につきましては、その認定に賛成をいたします。  そして、意見については本会議場で申し述べます。 ○小畑敏雄 委員長 次に、長期オール与党談合区政を改革する派、どうぞ。 ◆下条忠雄 委員 長期オール与党談合区政を改革する派は、平成五年度決算認定すべてに反対をいたします。  意見は本会議で述べます。 ○小畑敏雄 委員長 次に、世田谷行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 世田谷行革一一〇番は、平成五年度世田谷区一般会計歳入歳出決算ほか三件について認定できません。したがって、全部反対します。  その理由、意見は本会議場で述べます。 ○小畑敏雄 委員長 以上で各会派の態度表明は終わりました。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き採決に入ります。  採決は一括して行います。  採決は起立によって行います。  お諮りいたします。  認定第一号「平成五年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定」、認定第二号「平成五年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定」、認定第三号「平成五年度世田谷区老人保健医療会計歳入歳出決算認定」及び認定第四号「平成五年度世田谷区中学校給食費会計歳入歳出決算認定」の四件を原案どおり認定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○小畑敏雄 委員長 起立多数と認めます。よって認定第一号から認定第四号に至る四件は原案どおり認定することに決定いたしました。  以上で、当委員会に付託された決算審査はすべて終了いたしました。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 この際、区長より発言の申し出があります。 ◎大場 区長 まず、昨日亡くなられた原秀吉議員に対しまして、謹んで哀悼の意をささげます。原議員は、世田谷区政にとってはなくてはならない方であり、私も長年、公私にわたり、いろいろとご指導いただいてまいりました。これから区政も重要な時期を迎え、原議員にはますますご活躍いただきたいと思っておりましたので、まことに残念でたまりません。心からご冥福をお祈りいたします。  さて、決算特別委員会の皆様には、大変お忙しい時期にもかかわらず、長期間にわたりまして、平成五年度世田谷区各会計歳入歳出の決算のご審議をいただき、まことにありがとうございました。特に委員長を初め、運営委員の方々の特段のご労苦に対しまして、熱く御礼申し上げます。審議中にいただきました多くのご意見やご指摘あるいはご提案につきましては、来年度の予算編成に、また、残る平成六年度の区政運営に生かしてまいりたいと考えております。  終わりに、皆様には、今後ともよろしくご協力賜りますようお願い申し上げまして、甚だ簡単でありますが、審議の終了に当たり、あいさつにさせていただきます。ありがとうございました。 ○小畑敏雄 委員長 以上で区長のあいさつは終わりました。  ここで、正副委員長を代表いたしまして、一言ごあいさつ申し上げます。  連日にわたり、各所管、各委員の皆様には、多くの提言、ご意見を賜りまして、内容の濃い委員会を運営できましたことに感謝申し上げます。  また、副委員長を初め各運営委員の皆様にはご協力ありがとうございました。区長を初め各理事の皆様、そして全庁を挙げて、いただきました提言をよく理解、そしゃくされまして、区政運営に反映させていただきたいと思います。二十一世紀の世田谷、打てば響くまちづくり、これこそがまさにその実績として残るものと思います。    ───────────────── ○小畑敏雄 委員長 以上をもちまして、決算特別委員会を散会いたします。     午後五時十四分散会...