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平成28年 3月  予算特別委員会-03月09日-01号

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  1. 大田区議会 2016-03-09
    平成28年 3月  予算特別委員会-03月09日-01号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成28年 3月  予算特別委員会-03月09日-01号平成28年 3月  予算特別委員会 平成28年3月9日                午前10時00分開会 ○岸田 委員長 ただいまから、予算特別委員会を開会いたします。  第1号議案 平成28年度大田区一般会計予算ほか3件を一括して議題といたします。  申し合わせ事項により、総括質疑につきましては、各会派の持ち時間のうち60分以内を原則とし、通知のあった時間を電光表示いたします。  また、款別質疑につきましては、各会派の持ち時間を、しめくくり総括質疑につきましては、20分をそれぞれ限度として行い、残り時間を電光表示いたします。  なお、会派の呼称は略称とさせていただきます。  また、理事者の皆様に申し上げます。  質疑時間には答弁も含まれますので、簡潔な答弁をお願い申し上げます。答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきりと告げ、その上、答弁をしていただきますよう、お願い申し上げます。  それでは、総括質疑に入ります。  自民、質疑願います。 ◆安藤 委員 おはようございます。ひさびさの総括質疑ということで、昨日は、夜もゆっくりと休ませていただきましたものですから、今日は、私の思いをきちんとお伝えできればと思う中で、ご質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、はじめに、松原区長が区長になって11年目の平成28年度の予算編成についてお尋ねいたします。  2,574億円と過去最大の規模となり、「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市おおた」を実現するための積極予算となっております。  予算編成にあたっては「少子高齢化の進行等、人口構成の変化への対応」「防災力・防犯力を強化し、安全・安心なまちづくり」「東京オリンピックパラリンピック開催を契機とする、国際都市おおたの実現、次世代に夢とレガシーを残す取り組み」「国家戦略特区の仕組みを最大限活用した取り組み」を四つの重点課題と位置づけ、その結果、めりはりのある充実した予算となっていると、私は、考えております。  平成28年度予算は、全国初、23区初といった先駆的な新規事業もこれまで以上に多く、松原区長の色が大変際立った、強いリーダーシップを発揮された予算であると、高く評価しております。  予算編成は、区長の政策意思を実現するために最も重要なプロセスと言っても過言ではありません。区長のお考えを職員に浸透させ、徹底させ、予算として具体化し、取りまとめられたことは、大変ご苦労があったと思いますが、どのように取り組まれたのかお聞かせください。 ◎松原 区長 委員ご指摘のとおり、予算編成は、区の政策を実現するための重要なプロセスであります。
     予算編成におきましては、毎年、さまざまな工夫をしております。約2,500億円規模、1,000を超えます事業にわたり、膨大な時間と労力に加え、何より英知の結集が求められます。8月から各部局が予算編成に取り組み、財政部門によります査定が行われ、精査された上で、12月に私が査定を行います。  半年間にわたりますプロセスは、どれも大切で、必要不可欠なものでございますが、12月に私が査定する段階では、方向性が固まってしまっていると予算確定までに軌道修正がきかない場合があります。膨大かつ緻密さが求められ、多くのプロセスを経る必要性があるゆえに、予算編成上の自治体共通の課題と言われております。  そこで、予算編成前の7月から、私が部課長に対しましてヒアリングを行い、方向性の確認と修正等の指示を行いました。私の考えが組織に浸透・徹底され、予算に確実に反映されることができ、平成28年度予算は、全国初の、あるいは、23区初といった先駆的な新規事業も、これまで以上に多く盛り込むことができたと考えております。 ◆安藤 委員 71万区民の先頭に立ってご努力をいただきたく、心からお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。  続いて、中央防波堤埋立地帰属問題についてお伺いしたいと思います。3、4年前に京浜島のところでカヌー競技があったときに、私は、カヌーの応援に見学させていただいたのですけれども、そのときに、江東区ののぼり旗が、私たち大田区のところに、5本ぐらい江東区という旗が立っていたという記憶がございまして、やはりこの問題については、何が一番大事かというと、やはり区民が、まずそういう意識をきちんと持っていただく。  それから、その次に大事なことは、やはり議会がしっかりと区民のために、やはりその問題についてきちんと説いている。  また、行政機関は、それに対して、どのように対応していくかということをきちんと情報を集約していただく。そういうことが、まず、基本的前提のベースになる問題だと私は、認識しております。  その点で、何点かお伺いさせていただきたいし、私の思いを伝えさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。  先日の我が自由民主党大田区民連合の伊藤議員の代表質問に対し、松原区長からは、「調停が第一歩」「いつまでも引きずることは適切ではない」「最良の選択・方策を判断する」と、これまでとは違う、力強い答弁がありました。  マスコミも、議会側の熱い思いと、区長のこれまでより前進した答弁を大きく取り上げ、本帰属問題は、世間の注目を集めていると思います。  議会では、今後、この勢いで帰属問題が解決に向けて急速に動き出すことを見据え、全議員が一致団結して、区長とがっちりスクラムを組んで大田区への全島帰属を果たすべく、勉強会を開催いたしました。  この勉強会に、私も出席し、もはや座して待つ意味などどこにもないということを強く感じました。  本日は、改めて質問させていただきたいと思っております。  前回、東京都が行った調停は、現在、お台場や青海と呼ばれている13号地の帰属問題で、昭和57年のことでありますが、昨年9月の第3回定例会で、我が自民党の伊佐治委員も指摘した、品川区の軒先が江東区に編入された調停であります。  しかし、その4年後の昭和61年に、最高裁判所が境界決定の基準を初めて示し、その判決において境界の決定にあたっては、歴史的経過が最も重要であると判断されています。  その歴史的経過をこの地について見れば、江戸中期におこり、明治、大正、昭和と続いた海苔養殖の歴史的事実を論拠としている大田区の立場に合致するものであると考えています。  大田区民が現在中央防波堤埋立地となっている海面で実際に海苔養殖を行っていたという点について、当時、海苔養殖を行うことにあたっては、東京都から区画漁業権という免許を受ける必要があり、東京都は免許を与えるに際に、その範囲を正確に特定させるため基準点を定め、その基準点から方向を何度何分何秒と距離を何メートルと指定して複数の点を特定し、それを結んだ範囲を一つの区画として告示していた。  したがって、当時の東京都公報に登載されている告示に基づき、海苔養殖を行っていた区画の位置を現在の地図上に正確に反映し、特定することができる。絵のような地図を重ねるのではなく、緯度と経度を正確に特定できるもので、信頼性があります。  これによると、海苔養殖の免許が出されていた区画は、中央防波堤外側埋立地まで及んでいることが明らかであります。  次に、その海面におけるノリ養殖は、本当に、大田区民が大半を占めていたかという点については、昭和46年に刊行された東京都内湾漁業興亡史で確認できています。この書籍は、当時、東京都で漁業権補償を主管としていた東京都臨時内湾漁業対策本部で部長を務めている方が執筆しており、区画ごとの漁業組合別の実績が詳細に記録されております。  それによると、現在、中央防波堤埋立地となっている場所の区画において、大田区内の漁業協同組合と江東区内の漁業協同組合に限定した海苔養殖の実績の割合は、9対1となり、圧倒的に大田区が中央防波堤埋立地付近の海面と社会・経済的に密接な関係を有していたことがわかります。  また、漁業権放棄に際して、東京都が漁業協同組合に支払った補償金の額も同誌に記録されており、この補償額の大田区と江東区の比率も同じく9対1であります。東京都自身が海水面の利用という観点で、大田区が大きな比重を占めていることを認定したことになります。  このように、中央防波堤埋立地があった場所は、大田区民の生産と生活の場であったのであります。私は、当時、海苔の養殖に従事していた多くの方から漁業権放棄に迫られた悲痛な声を聞いております。特に、大森や糀谷、そして、羽田。その中でも、私の地元の石井五六氏は、この方のお父さんが、都南羽田漁業協同組合の組合長をなされていた方で、羽田神社の氏子総代を長くされている方であります。学校を卒業してから、海苔養殖に従事され、36歳という働き盛りに生業を奪われた大変さを、私も、折に触れて聞かせていただいております。  1964年の東京オリンピックに向けて埋立地を整備しなければならないという、来年から職業がなくなってしまう、その後の生活の手段をどうしたらよいかということを本当に途方に暮れたという歴史は、この地域全体を大変苦しめてきた記憶があります。  今回の2020年のオリンピックも同じですが、前回の東京オリンピックに際し、高速道路など今日の我が国の反映の基礎が築かれたその背景には、大田区民の犠牲と多くの涙があったことを、私は、改めて声を大きくして叫びたいと思っております。  さきの東京オリンピックを成功させ、都市基盤施設が整備された背景には、こうした大田区民の犠牲と多くの涙がありました。  こうした経過を踏まえつつ、我が国の司法のとりでである最高裁判所が、その判決において最も重要であるとした歴史的経過に関する論拠が、ここまでそろっているのでありますから、大田区は、今すぐにでも調停申請を行い、解決の第一歩を進めるべきだと考えていますが、区長のお考えをお尋ねいたします。 ◎松原 区長 中央防波堤埋立地の帰属問題につきましては、昨年の第3回定例会以後、両区の協議に向けた働きかけを事務レベルで行ってまいりましたが、いまだに両区の協議が実現するには至っておりませんでした。  そこで、私のほうから、山﨑江東区長に面談を申し込みました。  そして、昨日でございますが、江東区役所に行きまして、この件につきまして話をしてまいりました。  今後、中央防波堤埋立地の帰属問題につきましては、前向きに協議していきましょうということで、両者で確認をいたしました。精力的に協議を進め、早期解決に向け、適切に対応してまいりたいと思います。 ◆安藤 委員 今、区長のほうから、昨日、山﨑江東区長と直接会ったということで、これまでの協議に応じていなかった江東区が、やはりこの先の協議に応じる姿勢を見せたというお答えでよろしいわけですね。  しかし、今定例会の会期は、残すところあまり時間が、2週間という時間しかありませんから、早急な協議を進めていただきたいということを強く要望させていただき、次の質問に入ります。ありがとうございました。  続きまして、羽田空港跡地と騒音についてのご質問をさせていただきます。  去る2月中旬、旧島民の人たちに呼ばれて、今後の空港跡地や羽田空港が抱えている諸問題について意見交換をさせていただきました。  さまざまな観点からご意見・ご要望をお聞きいたしました。空港跡地は、歴史的な経過を含め、大田区が購入するために区民の税金を使うのは、48時間以内の強制退去の経過からするとおかしいのではないかという意見がございました。  また、歴史的な保存施設、記念碑、伝統文化の保存、大鳥居やみこしを飾る場所などの要望のほか、穴守稲荷神社、鈴納稲荷、水神様、弁天稲荷神社などのご遷宮などいろいろな意見があります。先人たちの汗と血を流した思いのある場所に、ご遷宮させていただきたいというご意見もあり、また、もう一方には、跡地には何もつくらないほうがいいという意見もございました。  こうした地元の意見をどのように受けとめ、今後の跡地のまちづくりを進めていくのかをお伺いいたします。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 いろいろなご意見があることは承知しておりますが、安藤委員もご承知のとおり、空港跡地第1ゾーンは、長きにわたって検討を積み重ねてまいりました。  平成22年には、パブリックコメントを経まして、羽田空港移転問題協議会によって、羽田空港跡地まちづくり推進計画が策定され、第1ゾーンは、主に大田区が過去の経緯を踏まえて取得する方向で検討するとされました。  戦前に空港跡地に住まわれておりました皆様からは、これまで、一日も早い跡地のまちづくりの推進や戦前にここに住んでいた歴史を顕彰する記念碑設置のご要望をいただいてございます。  区といたしましては、昨年7月に策定しました整備方針のプロジェクトの一つである羽田の歴史伝承に、羽田の文化の歴史を象徴するモニュメント・碑等の設置を例に挙げてございます。  引き続き、さまざまなご意見を受けとめながら、具体化を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆安藤 委員 いろいろと率直なやりとりの中で、私が印象に残ったのは一つありまして、やはり48時間のときのきちんとした処理がされていないという思いが、旧島民の方たちには、かなりきちんとした現状として、いまだに残っているというのが一つです。  その中で、やはりその土地を購入するときに、税金を使って購入するということに対する不満というものが、かなり強いものがあったと認識しておりますので、そういう点を含めて、いろいろとこれからの跡地の問題については、対応していただけるよう、心からお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  また、第2ゾーンの開発ですが、昨年12月に国は、空港用地を民間事業者に貸し付け、宿泊施設及び複合業務施設導入をすることとしておりますが、基本的な考え方と今後の動きをお知らせください。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 第2ゾーンの開発にあたって国は、羽田空港跡地まちづくり推進計画の内容を基本としまして、宿泊施設や複合業務施設等を導入する形で公募するとし、昨年12月25日に入札公告をいたしました。  この今後の動きでございますが、競争参加資格の確認を受けた事業者が、3月25日までに入札書及び提案資料を提出し、有識者委員会による審査と6月17日の開札によって落札者が決定すると聞いてございます。 ◆安藤 委員 今、羽田空港第1、第2、第3ゾーンと分かれていて、今回、第2ゾーンということで、もともと区が対応していこうということだったのですけれども、やはり今後の羽田空港のいろいろな発展というのは、やはりいろいろな意味で、区にとってもプラスしている。そういう意味でも、第2ゾーンの開発は、大変大事だなと思っております。  その中で、国際線ターミナルを含めて一体性のある調和のとれたまちづくりが必要ではないかと思っております。導入機能が競合してはいけませんし、相互に補完し、相乗効果を生み出す観点が欠かせません。  今回の国による事業者公募では、そのような配慮がなされているのでしょうか、お尋ねいたします。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 跡地第2ゾーンと第1ゾーンの連続性の必要につきましては、大田区といたしましても、これまで跡地全体としての連携の確保を国に要請してまいりました。今回の国による事業者選定にあたりましては、提案内容の評価におきまして、空港内他地区との連携が項目の一つとされるなど、そのような配慮がなされております。 ◆安藤 委員 跡地第2ゾーンの基盤整備検討の中で、道路のつけかえ工事や多摩川に面した緑地部分の整備の進捗状況をお知らせください。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 現在、跡地第2ゾーンにおきまして、国土交通省が環状八号線の切りかえ工事を実施中です。  あわせて、高潮対策事業として防潮堤の整備工事を実施してございます。現在のところ、工事は順調に進捗していると聞いてございます。  防潮堤の上部につきましては、将来、大田区が公園として管理していくことを確認し、昨年6月に施設の整備及び維持管理に関する基本的合意事項について合意しております。今後も、本合意に基づき、国と連携しながら必要な手続を進めてまいります。 ◆安藤 委員 いわゆる第2ゾーンの道路のつけかえは、やはり私のほうで聞いた話では、今、羽田に残っている赤れんがを基本的なベースとして、その防潮堤の色具合と対応していくという話も聞いておりますので、いろいろな意味で昔のまちのイメージが空港の中に、それも一つ残っていくのかなという思いでおります。  これに関連して、周辺の道路について伺います。国道357号線の多摩川トンネル多摩川連絡道路についての整備検討が進められていると聞いております。多摩川連絡道路については、絶景の日の出のポイントとなっていることや、大師橋がある中で、連絡道357号の整備の費用対効果を指摘する声もあると考えております。  その上で伺いますが、国道357号の多摩川トンネルの整備に向けて、ボーリング調査など現状がわかれば、お知らせください。 ◎黒澤 まちづくり推進部長 国道357号多摩川トンネルにつきましては、昨年5月に開催された第2回羽田空港周辺京浜臨海部連携強化推進委員会におきまして、本年度中の整備着手が確認されておりました。この確認どおり、このたび国において、本年2月25日から3月18日までの工期により、大田区羽田空港内3か所、川崎浮島地区3か所の現地ボーリング調査が行われているところでございます。  国道357号は、首都圏の暮らし・経済を支える重要な広域道路ネットワークであり、とりわけ多摩川トンネルの整備は、大田区内の渋滞解消はもとより、物流効率の向上、環境負荷の低減、防災機能の強化等さまざまな面で、極めて大きな効果が期待されております。  区といたしましては、国道357号多摩川トンネルの早期完成が図られるよう、今後も引き続き東京都と連携し、国に対して強く働きかけてまいります。 ◆安藤 委員 空港跡地の基盤施設に関して都市計画が決定されました。羽田空港の航空ネットワークを生かし、先端産業分野ビジネスマッチングやクールジャパンの発信機能を発揮するとして、国家戦略特別区域制度を活用し、都市計画の特例を受けて、内閣総理大臣の認定を受けました。これを受けて、道路などのインフラ整備がいよいよ進むことになり、あわせて土地利用に関する事業者の公募に着手するとしておりますが、計画のスケジュールである2020年までに可能であるか、時間的に間に合うか、お尋ねいたします。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 平成22年に策定されました羽田空港跡地まちづくり推進計画では、2020年ごろ、まちづくりの概成とされております。その後、オリンピックパラリンピックが東京開催となったこともあり、2020年が大変重要な年になってございます。これまで、諸課題の整理に時間を要し、あと4年と非常にタイトなスケジュールでございますが、まちづくりの概成に向けまして、しっかりと取り組んでまいります。 ◆安藤 委員 間に合うように、ご努力いただきたいと思います。続いて、羽田空港の機能強化についてお尋ねいたします  日本と米国との航空当局は、2月18日、羽田空港の昼間時間帯において、アメリカ路線を設定することで合意いたしました。  この合意では、アメリカ路線に向けての羽田発着枠として、昼間の時間帯に10枠、深夜・早朝時間帯で2枠を割り当てることとし、10月末の2016年冬期スケジュールから、日本側、アメリカ側、それぞれ、昼前に1日5便と深夜・早朝で同1便と羽田空港からアメリカ路線を運航することが可能になります。36年か37年前ですから、直接ニューヨークに羽田から飛んでいたという記憶がございます。  これによりまして、羽田空港から昼間国際線就航は、アメリカを含め14か国と地域に拡大され、秋からは、新たに羽田空港からアメリカ東海岸への路線が開設されると思われます。  今回の新たな羽田空港とアメリカを結ぶ路線設定と現在の羽田空港との発着枠との関係をお伺いいたします。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 羽田空港の年間の発着容量は、現在、昼間時間帯で40.7万回、深夜・早朝時間帯で4万回の合計44.7万回となってございます。  特に、昼間時間帯におきましては、平成22年のD滑走路供用開始後、安全を確認しながら段階的に増加し、平成26年3月に計画枠40.7万回になり、その際増加した発着枠のうち3万回を国際線に充てることとされました。  これまでアジアを中心に、フランスやドイツなどとの間で路線が設定されておりましたが、アメリカに予定しておりました路線の設定はなされておりませんでした。これが、今般の日米航空交渉によりまして、現在の羽田空港の昼間時間帯における40.7万回の枠内において、アメリカ路線の設定等について合意したものでございます。 ◆安藤 委員 現在、2020年の夏ダイヤから運用として、年間約3.9万回の増枠を柱とする羽田空港の機能拡大について国と協議が進んでおりますが、そのことを見込んだ路線設定とは違うものと理解してよろしいでしょうか。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 委員のご理解のとおりでございます。この点につきましては、国土交通省にも確認してございます。 ◆安藤 委員 国が現在提案している羽田空港の機能強化では、大田区にとって大きな影響を受けるのは、南風時の新たな運用です。基本的には、現在の運用を行いますが、午後3時から午後7時の間において、都心上空を通過してA滑走路とC滑走路に着陸する運用が提案されていますが、羽田地域にとりましては、B滑走路から西向きに離陸する運用がもたらす騒音影響を懸念しております。この運用による騒音値は、大田区は、どのように想定しておりますでしょうか。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 現在、国から示された推定値としましては、多摩川の堤防付近におきまして、離陸後の航空機の高さが約150メートルとなるときに、天空橋駅付近におきまして、ボーイング737等の小型機の場合、おおよそ75デシベル、ボーイング777等の大型機の場合、おおよそ80デシベルとなっております。  また、穴守稲荷駅付近におきましては、小型機の場合、おおよそ65デシベル、大型機の場合、おおよそ68デシベルとなってございます。 ◆安藤 委員 今度、大田区がいわゆる跡地を利用するときに、ちょうどそのB滑走路のすぐきわにあるのですけれども、かなりそのところを利用される方々は、やはりその騒音というのがダイレクトに来るので、そこら辺の配慮もこれからの開発の中では、必要ではないかと思っております。  例えば、この問題で、A滑走路北向きの離陸の左旋回の使用機材は、低騒音機材により運用されていますが、航空機騒音の低減を図る観点から、使用機材をどうするかも大きな要素となります。この点について大田区の考えをお聞かせください。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 航空機騒音を軽減する方策の一つとしまして、低騒音機材の活用は、重要な観点であると考えてございます。  国におきましても、環境に対する影響を軽減する方策として、例えば、空港使用料の体系を見直し、航空会社に対しより静かな航空機の使用を促すことが考えられるとしております。  区としましても、区民に対する騒音影響をできる限り小さくするため、国に対して、低騒音航空機の活用を含め、より効果的な影響軽減策を引き続き求めてまいります。 ◆安藤 委員 よく大阪の伊丹や九州、福岡の福岡空港、市街地で羽田によく似ている部分がありまして、結構騒音が激しいということで、いろいろと私も視察なんかで行って感じるのですけれども、先立って、国のほうでいわゆるそういうところは、もう既に低騒音機でやっているし、それから、着陸料のいわゆる値引きもしていると。そういうことは、羽田も既にやっているという理解でよろしいのですか。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 私ども、現在、承知している範囲で言えば、今、国のほうでは、機能拡充に向けていろいろ提案しているのですけれども、その際の環境に配慮した運用の方策の一つとして、低騒音機材を使用することによる空港使用料の低減を組み込んだ制度の見直しを検討しているとは聞いてございます。 ◆安藤 委員 強く働きかけていただいて、やはりある程度その住民が、そういうことに対しても大変敏感になっているということだけお伝えしておきます。  続きまして、左旋回についてお伺いいたします。この運用は、朝の出発需要に対応することで、平成12年7月から始まり、当時から騒音と頭上を通過することによる安全性の観点から廃止要望が強く、これまで、地域、大田区、議会ともどもに取り組んでまいりました。平成22年10月のD滑走路供用時からは、1日5便から3便を限度とすることになりましたが、数年で廃止することで、区は国と合意をしております。  大田区にとって大きな航空機の騒音問題である左旋回が放置された中で、今回のこの機能強化の検討が進められるということは、納得がいくものではありません。このことについて、大田区の考えをお示しください。  続いて、深夜時間帯の航空機騒音がうるさいという声もあります。これについて区は、どのように考えているか、2点をお尋ねいたします。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 まず、A滑走路北向き離陸左旋回についてでございますが、空港運用の慣熟を経まして、数年で廃止することを目標として、その過程においても可能な限り減便に努めるという形で国との間で合意しているところでございます。  これまでの国との協議の中では、国は、今回の羽田空港の機能強化の提案は、左旋回の廃止に資するものとしておりますが、大田区としましては、左旋回は、羽田空港の機能強化とは別儀であり、切り離して、まずは、早期廃止の実現を要望しているところでございます。  また、深夜・早朝時間帯の運用につきましては、平成22年のD滑走路供用開始後の運用に関する国との取り決めがございまして、原則として、C滑走路及びD滑走路を使用すること。1時間の最大発着回数は16回を基本とするなどとしてございます。  この時間につきましては、区民の皆様からも苦情が寄せられているところでございます。騒音の低減について、引き続き国へ求めてまいります。 ◆安藤 委員 騒音のついでなのですけれども、ヘリコプターが結構最初、約束されていたコースでないとき、いろいろな形で飛んでいるケースがあるのですけれども、このヘリコプターの対応について、いわゆる緊急時の警視庁とか、消防庁とか、海上保安庁とか、そういう人命にかかわるときとは別に、マスコミ等もありますけれども、この点についてヘリコプターについての区としてのお考えがあれば、お示しください。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 羽田空港に離着陸するヘリコプターの飛行コースにつきましては、海老取川から空港内を飛行し、さらに多摩川上空を飛行することとなってございます。以前より、区から国へ運用を遵守するよう運航会社などへ強く指導することを求めてまいったところでございます。  昨年、9月ですけれども、私どもから、羽田空港の海上保安庁の基地長にお会いしまして、騒音に配慮した運用について申し入れをさせていただいたというところでございます。 ◆安藤 委員 いろいろと羽田空港の問題は、一晩、二晩で片づく問題ではないという認識があります。  ただ、大田区は、やはり空港と長い歴史の中で今日に至っているのだろうと思っていますので、マイナスの面ばかりではなくて、区の活性化につながるプラスの面もかなり多くあると思っております。共存共栄していくために、引き続き理事者の努力をお願いして、次の質問に移ります。  続いて、新空港線に関してお尋ねいたします。  次に、今回の定例会で区長の開会挨拶で、「新空港線整備実現に向けて、私が先頭に立って全力で取り組んでいく」と力強く言われたと思っております。  区内の東西交通の分断の解消は、区の30年来の悲願であり、区の発展及び東京都の発展のためにも、何としても新空港線の整備を実現させていただきたいと考えています。近年、日本を訪れる外国人の数は増加しています。
     また、2020年には、東京オリンピックパラリンピックの開催が控えており、羽田空港の需要は、今後も増加してくことが予想されています。このことは、羽田空港のアクセス強化につながる新空港線にとって追い風になると思われております。  また、今後の東京圏の鉄道整備の指針となる交通政策審議会の答申が、今年度末に出される予定です。その内容によっては、次期答申が、新空港線の実現に向けた大きな第一歩になることも考えられます。訪日外国人数や羽田空港の需要の増加、新しい答申の発表など、新空港線を取り巻く状況が変化しつつある今、新空港線の整備実現にとって重要な局面を感じていると思っております。  そういった状況の中で、改めて整備に向けた見通しについて、お答えください。 ◎町田 交通企画担当部長 委員のおっしゃるとおり、今月末には、交通政策審議会から新たな答申が出される予定でございます。  松原区長は、2月8日に、高野豊島区長や松本和光市長とともに、17区市長連盟の要望書を石井国土交通大臣に手渡し、新空港線の早期実現の要望活動を行ってまいりました。  新空港線は、事業計画、内容、費用面などにおいても、十分に深度化が図られております。答申が発表された後、速やかに事業着手に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。 ◆安藤 委員 しっかりと、やはり長く区民と一緒になってこの問題については、取り組んでいますので、早くいい方向性を見つけ出していただくよう、努力をお願いして、次にまいります。  続いて、私のライフワークであります、空港線の加算運賃と京急バスの特定運賃について、それぞれ動きがあれば、お答えください。 ◎町田 交通企画担当部長 国土交通省は、平成25年10月の通達の中で、加算運賃につきましては、設備投資に要した資本費コストの回収が終了するまで、その設定を継続することができるとの見解を示してございます。  ただし、終了前であっても、鉄道事業者の経営判断により、減額または廃止することも可能となってございます。  加算運賃につきましては、これまでも、京急電鉄に運賃の減額・廃止を訴えてまいりました。毎年、回収率が上がることから、引き続き、要望してまいりたいと考えてございます。 ◆安藤 委員 しっかりと京急とは、地域との関係が深い鉄道事業者でございますので、いろいろと地域の声をお伝えしていただくことをお願いして、次に移ります。  続いて、私も商店街ということで、20年近く商店街の責任者をやってきておりますけれども、だんだんと商店街がいいところと悪いところがはっきりと二極化してきているという現状があります。  それぞれその部分について、私なりには、分析しているところでございますけれども、それを具体的にどうやって政策や商店会員につなげていくか。また、理解してもらうか。どういう方向で戦略を組み立てていくかというのは、商店街をとりまいている事情や地域の特定、そういうものを含めて、商店街対策はきちんとしていかなければいけないと思っております。  その中で、一番、一つ大事なことは、商店街景観整備事業だと思っております。おおた未来プラン10年(後期)によると、暮らしを支える商いを熱く盛り上げるため、商店街は、商業活動の舞台であると同時に、顧客と商店、または、顧客同士が出会い、にぎわいのある場所で、区内商店街に子育て世帯など若年層や高齢者を含め、多くの人が何度も買い物に訪れたくなるような地域の特性を生かした商店街の整備を進めていくとあります。  歴史や文化に特徴を持つ商店街の景観整備を行うことで、にぎわいのあるまちづくりを進め、まちづくりの一環として地域特性を生かし、商店街の景観整備を行い、来訪者の周遊・回遊を促す基盤をつくる必要があります。  池上地区の商店街では、12商店会で組織する池上商店街連合会において、池上本門寺の参道にある池上本門寺通り商店会が先行実施することで合意し、平成28年度に竣工予定と聞いております。  景観整備事業は、関係者の機運醸成や意見調整など不可欠な事業でありますが、2020年東京オリンピックパラリンピックを契機に新たな商店街を選定し、事業に取り組めるよう支援する必要があると思いますが、景観整備事業について、今後どのような展開を考えているのかお聞かせください。 ◎鴨志田 産業経済部長 ミハラ地区、池上地区に続きます新たな候補地を選定するために、大田区商店街連合会が実施します商店街景観整備計画策定調査事業経費の補助を平成28年度予算案に計上しております。  調査をする商店街数は、8商店街程度を予定いたしております。区内には、145の商店街があり、駅前に立地している、住宅街の中にある、近隣に大規模な公共施設があるなど、各商店街が置かれている地域特性を生かして、商店街のにぎわいや地域の特性・活性化を図っていく必要がございます。  区といたしましては、まちづくり及び観光の一環として、商店街の景観整備を行い、にぎわいと活気、コミュニティ空間としての商店街の魅力を高めていきたいと考えております。数多くの商店街が手を挙げていただくことを期待しているところでございます。 ◆安藤 委員 景観整備事業は、結構漠然としているかもしれないのですけれども、私のイメージとしては、例えば、私の羽田のまちの商店街は、やはり何とかしていきたいというのは、受けてから思っていることです。  それで、よく区長も羽田のほうにお越しになったときに、何とかここら辺をしっかりしたほうがいいよとアドバイスを受けておりまして、そういうことも含めて、商店街の置かれている現状と厳しさを認識しながら、商店街の個性や魅力を充実していくことについて、また、産経部のいろいろな思いを伝えていただくことで、盛り上げていきたいと思いますので、今後のご協力をよろしくお願いしたいと思っております。  続いて、特区民泊関連商店街事業についてお尋ねします。  観光庁によれば、平成26年の訪日外国人旅行者は、1,341万人でした。昨年、平成27年は、前年比47%増の約2千万人弱に上りました。平成27年に訪日外国人が日本で使ったお金も、3兆5千億円弱で、前年度比71%増の過去最高を記録しています。  平成26年の実績で訪れる外国人旅行者数の多い国は、1位がフランスで8,300万人、2位がアメリカで7,400万人、3位がスペインで6,400万人。世界の観光立国にはまだ遠いものの、平成32年の東京オリンピックパラリンピックまでに訪日客2千万人という政府目標は前倒しでほぼ達成されたことになっております。旅行者が多く訪れる東京や京都などの都市部では、ホテルの不足が深刻化しているのが実情です。  大田区においても、ホテルの稼働率が90%を超えております。平成27年度も世界で5番目に利用者の多い羽田空港は、今後も外国人旅行者が増加していくものと考えられます。  一方、特区民泊の申請受け付けが今年1月29日から始まりました。大田区には、145の商店街があります。民泊利用者にとって商店街を大いに利用してもらい、地域の活性化に取り組みが必要と考えております。  特区民泊事業は、2月に第1号の認定が出てスタートしたばかりです。今後の認定・民泊施設の拡大とともに宿泊者数は、増加すると予想されております。区は、民泊利用者と商店街振興をどのように結びつけていくか、お伺いいたします。 ◎鴨志田 産業経済部長 区は、特区民泊に付加価値をもたらし、地域への回遊性を促進したいと考えております。2月の認定第1号のスタートにあわせまして、平成27年度緊急事業として、商店街の多言語クーポンチケットの作成やホームページの多言語化などの支援策を講じております。  28年度予算案では、商店街の支援に加えまして、特区民泊を契機に、区内各種産業団体が実施する外国語講習の講師謝礼経費等の外国人対応事業に対する支援を盛り込んでございます。  さらに、特区民泊と区内各種産業の活性化が期待できます事業アイデアを個人、民間企業などから広く募集し、魅力ある事業を創出・表彰する予算も計上しております。  民間や地域のアイデアも取り入れまして、新しい視点で区の産業振興策を推進し、商店街の振興に努めていく考えでございます。 ◆安藤 委員 うちの地域も民泊をやりたいのだということで、先立って業者の方がお見えになりまして、何かいろいろと今、調整をしているということで、かなりいろいろな意味で関心があるかなと思っております。  続いてですけれども、航空工業集積について質問をいたします。  昨年は、ものづくりが注目を集めた1年であったと感じております。11月に国産旅客機であるMRJが初飛行を果たし、H2Aロケットが、国産ロケットとして初めて商業衛星打ち上げに成功するなど、航空宇宙産業の新たな展開につながるニュースがありました。こうした動きは、今後のものづくりにとって大変大きな影響を与える感じでいるかと思っております。  昨年、3月に区が発表しました大田区ものづくり産業等実態調査の中でも、参入していきたい新規事業開拓分野として、航空・宇宙が約20%となっており、大田区の工業にとっては、非常に関心の高い分野となっています。  今年、2月1日号の大田区報においては、航空分野での活躍する区内企業2社が掲載されておりました。部品一つひとつに信頼性の高い技術が必要であり、国際認証の取得など、さまざまな高いハードルが存在するものの、大田区技術力を大いに発揮できる分野であると期待しているところです。新たな航空機産業として、小型無人機いわゆるドローンにおいても、注目しております。  昨年12月の改正航空法の施行により、区内の飛行は禁止されておりますが、災害時における被害状況の確認や、大雨等の天候災害時における救難物資輸送手段など、今後の活用に期待が高まっています。こうした新たな航空機産業の参入も、区のものづくりの力を生かすことができると考えております。  そこで、お尋ねします。今後の航空機産業の区内企業への参入の可能性については、区はどのように考えているか、お聞かせください。 ◎鴨志田 産業経済部長 自動車1台が3万点の部品数であるのに対しまして、大型航空機であれば1機300万点の部品を必要としておりまして、航空機産業は、大変裾野が広い産業でございます。  今後、活用が進むと見込まれますドローン産業につきましても、多くの部品が使用されておりまして、区内のものづくり企業が持つ技術を生かしていける新たな分野として着目しております。  公益財団法人大田区産業振興協会では、航空機産業の参入に必要な各種認証・許可等取得支援事業を行っております。  来年度予算案では、大田区産業振興協会の受発注相談員と市場開拓推進員の人員を拡充し、新分野への受発注に関する情報提供、情報収集を拡充していく考えでございます。 ◆安藤 委員 新たな産業分野への進出は、一企業の力だけで頼ることには、私は、限界があると感じております。仲間まわしに代表されるように、大田区には、工業集積がいまだに健在であります。こうした集積力を生かした取り組みが何より重要で、仲間まわしの力を強化することが大田区中小ものづくり企業の発展につながると考えております。  区は、これまでも、ものづくり工場立地に関する助成事業をはじめ、創業環境改善に関する助成、本年度は、研究開発型企業への拠点整備助成事業もスタートさせております。これらの制度は、他の自治体に先駆けて行っている積極的な工場誘致であり、また、留置に関する制度であると私は考えております。高く評価をしているところであります。  こうした支援策を積極的に展開し、次の時代を見据えた大田区ならではのものづくりの力をさらに強化し、世界をリードする工業集積都市への着実な歩みを進めていただきたいと思います。  ここで伺います。大田区の工業集積を発展・強化させていく施策展開に向けた区の今後の施策についてお聞かせください。 ◎鴨志田 産業経済部長 区は、大田区企業立地促進基本計画を策定しまして、平成27年4月1日に国の同意を得てございます。  今年度から、区内企業の留置策や区内企業への発注が期待できます研究開発型企業の誘致などにも取り組んでおります。  来年度予算案では、廃業を視野に入れている工場や空き工場用地につきまして、ものづくり企業を立地していく取り組みを推進してまいります。  あわせて、現在の立地助成制度をより活用いただきやすいものにするために、工場現場でお話を伺うことで、よりきめ細やかなご案内を行い、制度の活用促進及び区産業のPRの充実を図っていきたいと考えております。 ◆安藤 委員 ものづくりは、私は、やはり商店街と同じように、まちの歴史であり、文化であると考えております。活力の源であります、ものづくりの力を強化することで、日本の産業の発展になるということを改めて申し上げまして、次の質問に移ります。  続いて、資源循環型のまちづくりについてご質問をさせていただきます。  平成27年11月30日から12月13日にかけて、フランスのパリで第21回国連気候変動枠組条約締約会議(COP21)等が開催され、2020年以降の地球温暖化防止の新枠組みとなるパリ協定が採択されました。  これにより、国際社会は、全員参加による温暖化対策に動き出しました。1997年採択の京都議定書は、一部の先進国の参加にとどまりましたが、パリ協定では、対立してきた先進国と途上国との溝を埋め、共通だが差異のある責任を負わせた点で歴史的合意と言えましょう。  そこで、お伺いいたします。資源化及びごみ減量に関して、今までにどのように区は、取り組んでいたか、お尋ねいたします。 ◎佐藤 環境清掃部長 区では、大田区環境基本計画の基本目標の一つでございます、循環型社会の構築を目指してまいりました。  平成25年10月からは、小型家電リサイクル事業を実施いたしまして、有用金属の国内における資源化に取り組んでございます。  また、昨年、10月からは、発泡スチロールの資源化を実施しているところです。  こうした取り組みは、区民の皆さんのご理解とご協力のもと、着実なごみ減量に結びついてきたと考えてございます。 ◆安藤 委員 ごみの減量というのは、大変大事な生活の中で区民一人ひとりが考えていくことだと思っておりますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  平成25年1月にスイスのジュネーブで国際的な水銀条約に関する条文案が合意され、条約名称が水銀に関する水俣条約に決定されました。  そして、同年10月には、熊本市及び水俣市で、水銀に関する水俣条約が全会一致で採択され、欧州連合を含む92か国が条約への署名を行いました。これを受けて平成27年6月19日には、水銀による環境汚染の防止に関する法律が公布されました。  今後、水銀が使用されているものについては、適正な処理が必要であると考えております。  そこで、お伺いいたします。蛍光管等の水銀含有物の処理について、現状は、どのような処理をされているか、お尋ねいたします。 ◎佐藤 環境清掃部長 現在、蛍光管などの水銀含有物の処理につきましては、不燃ごみとして収集し、京浜島不燃ごみ処理センターに搬入し、破砕処理した後、中央防波堤埋立処分場に埋め立ててございます。水銀に関する水俣条約は、50か国が締結後、90日目に発効されるということになってございます。区は、この条約発効に向け、水銀を使用した製品の適正な処理に着手したいと考えているところでございます。 ◆安藤 委員 2020年のオリパラが開催されますけれども、玄関口である羽田空港を有する大田区には、国内外からより多くの人が訪れることが予想されます。その訪問者の方々に対しても、安全で安心な魅力あるまちとなるよう、資源循環のまちづくりが必要であると感じています。  本年、第1回定例会における区長の所信表明の中で、区民の利便性向上と資源循環のまちづくりを一層進め、環境に優しい、景観に配慮したまちづくりを推進するとあります。  そこでお尋ねいたします。区として、今後の資源化の促進についての取り組みをお尋ねいたします。 ◎佐藤 環境清掃部長 今後の資源化施策といたしましては、不燃ごみと粗大ごみの積極的な資源化に取り組んでまいります。  不燃ごみの資源化につきましては、水銀の適正な処理が行えるよう、不燃ごみを破砕しない収集方法を取り入れまして、さらなる資源化に取り組みたいと考えてございます。  粗大ごみの資源化につきましては、自己持込制度を平日も行いまして、区民の皆さんの利便性の向上を図り、粗大ごみのさらなる資源化にも取り組んでまいりたいと考えてございます。これらの取り組みは、経費の削減にもつながります。  今後も、資源循環のまちの実現を目指してまいります。 ◆安藤 委員 しっかりと取り組んでいただけるよう、お願いいたします。  続きまして、平和島競艇場についてお尋ねしたいと思います。  私は、ご案内いただくと、必ず平和島競艇にお伺いします。やはり一つの憩いの場所ということで、大変近くて便利なところにあるなと思っていまして、それにつながるいろいろないわゆる遊びの空間を醸し出せる地域かなと思っております。そういう観点の中で、平和島競艇場についてのお尋ねをしていきたいと思っております。  競艇は、正式にはモーターボート競走と言い、モーターボート競走法に基づいて実施している公営競技で、海事産業及び海難防止事業の振興に寄与し、海事思想の普及、観光事業、体育事業及び公益増進事業を振興し、地方財政の改善を図ることを目的としております。  平和島競艇場は、ご承知のとおり、昭和29年6月5日に東京都が主催者となって開催されたのが始まりで、この競艇場の開催主催者が、現在の府中市にかわったのは、翌昭和30年9月20日でありまして、当時、府中市は、1町2村の合併に伴って市制を施行したばかりであり、財政再建団体の適用が云々され、財産確保に苦慮していたことであります。  この財政難な状況下で時の市長は、財政の貧困を補い、新市建設5か年計画を達成するため、公営競技を行いたいと強く議会に働きかけ、市議会において特別委員会を設置し、賛否議論を重ね、東京都や競艇場所有者などの理解を得て、東京都にかわって施行に至ったと承知しております。  本区においても、この平和島競艇場の開催当時から、騒音等の近隣地域に及ぼす影響や補償については、大きな問題があるとして、昭和31年第3回定例議会で、平和島施設対策特別委員会を設置し、諸先輩方が問題解決の道筋として、次の2点を報告してきました。  1、特に、隣接地に児童遊園地を有している地理的条件を考え合わせるときに、感受性に富む青少年に与える影響は、全く憂慮に絶えないことであるとの意見が強かった。  2、競艇開催に伴う財政的寄与の問題ですが、本区における有形、無形の実害が多方面にわたっており、委員会は、関係方面に対し、本区に対する財政的寄与を早急に促進すべき努力を重ねてきました。  最近、ようやくその見通しをある程度得るに至ったので、本委員会としては、今後の具体的な折衝面について、上げて理事者に一任することも最も妥当なものとして意見の一致を見たとあります。  その後、昭和34年12月に大田区と施設会社との間で開催に関する覚書を締結しております。その中身は、大田区に、その当時で420万円を寄付する。現在では、7,000万円に近い金額かなと思っています。近い将来に競艇場は娯楽施設、またはレクリエーション施設に転換するということだったと記録されています。  公営競技施設(いわゆるギャンブル場)が区内に存することに対する当時の区民感情を踏まえ、施設のあり方等の方向性と補償をめぐる解決の端緒になったものと思っております。  昭和40年代に入りますと、いわゆる「いざなぎ景気」と呼ばれる時代に入り、事業も活況を呈しております。  とりあえず、時間もないのですけれども、平和島競艇のこれからのあり方について、平和島全体のあり方も含めてご検討をいただいて、私の質問を終わります。 ○岸田 委員長 次に、公明、質疑を願います。 ◆勝亦 委員 大田区議会公明党の勝亦聡です。大田区議会公明党を代表いたしまして、平成28年の予算特別委員会での総括質疑を行わせていただきます。区長をはじめ、理事者の皆様、よろしくお願いいたします。  はじめに、中央防波堤帰属問題について、先ほど、松原区長と安藤委員の質疑をお聞きいたしました。区長みずからが動かれ、これまで協議に応じてこなかった状況の中で、江東区が協議に応じる姿勢を見せたという点において、一定の前進があったことと判断をいたします。  しかし、本件は、双方が全島帰属を主張しております。大田区は、歴史的経緯から、十分な論拠を有しているのですから、早期に調定申請を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、平成28年度一般会計予算(案)についてお聞きをいたします。  先日、発表されました平成28年度予算案は、一般会計予算、2,573億6,425万7,000円で、前年度比2.9%増、金額で72億円増の積極的な予算編成であります。  この予算編成にあたり、松原区長は、「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市おおた」というスローガンのもと、積極的な予算編成を行ってまいりました。  また、重点項目として、少子高齢化の進行等、人口構成の変化への対応。防災力・防犯力を強化し、安全・安心なまちづくり東京オリンピックパラリンピック開催に向け、開催を契機とする「国際都市おおた」の実現、次世代に夢とレガシーを残す取り組み。国家戦略特別区域の仕組みを最大限活用した取り組みとされております。  まず、今回の予算編成にあたり、この4項目を重点課題とした、松原区長の思いをお聞かせください。 ◎松原 区長 平成28年度は、区の基本計画であります、おおた未来プラン10年(後期)の折り返し地点にあたります。区の目指す姿の実現に向けまして、予算編成においては、四つの項目を重点的に取り組む重点課題として掲げました。  人口構成の変化は、行政ニーズにさまざまな変化をもたらし、行政の役割は、多様化・複雑化しております。この変化に迅速に、かつ的確に対応することが極めて重要でありますことから、人口構成の変化への対応を予算編成の重点課題とするように指示をいたしました。  東日本大震災から5年が経過しまして、防災力強化の中期対応期として、子どもから高齢者まで区民一人ひとりが安心して暮らせますように、乳幼児や妊婦など配慮が必要とされる方のための備蓄物品の拡充や、街頭防犯カメラの設置促進など、今後も区を挙げて防災力・防犯力を強化し、区民の命と生活を守ってまいります。
     2020年東京オリンピックパラリンピックを契機に、ハード・ソフト両面から都市機能を向上させ、感動や思い出、夢とレガシーを次世代に残すことが、わたくしの使命だと考えております。  国家戦略特別区域の仕組みを最大限活用した取り組みにつきましては、羽田空港を擁する区のポテンシャルを生かし、「国際都市おおた」を推進する好機と捉え、集中的に施策事業を展開するために四つの重点課題といたしました。  今後も、旅館業法の特例を活用した特区民泊制度の取り組みや羽田空港跡地など、観光施策や産業施策の充実、来訪者のおもてなしや区内経済の活性化を図ってまいります。  これら四つの重点課題に、的確に対応した平成28年度予算による「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市」の実現に向けて、区政を一層力強く前進してまいる決意でございます。 ◆勝亦 委員 今回の平成28年度予算案には、大田区で初めての取り組みや全国初の取り組みが行われております。  元気高齢者就労サポート事業、大田区元気シニア・プロジェクト、ソーラーパネル式LEDライト付きの区設掲示板の建て替え、(仮称)勝海舟記念館の整備、ブルートライアングルプロジェクトの推進、特区民泊関連事業支援として、商店街、公衆浴場、特区民泊等宿泊施設連携事業などです。このような先駆的取り組みを評価いたします。  特に、この民泊と商店街や公衆浴場などとのいわゆるコラボレーションは、よいアイデアだと考えます。  ほかにも、民泊と区の関連施設のコラボレーション。例えば、民泊利用者は、龍子記念館や池上梅園などの区内にある施設入場料を割引にするなど、アイデアが広がります。  このように民泊とのコラボレーション事業について、今後の見解などがありましたら、区の見解をお示しください。 ◎松原 区長 委員ご指摘のとおり、特区民泊利用者向けに、今年度から、商店街、浴場組合のご協力により、商店街のクーポンや入浴手ぶらセットの提供などが既に実施されております。  特区民泊利用者には、6泊7日以上の滞在となるメリットを最大限に生かし、大田区の隠れた魅力を知っていただける好機になると考えております。交通至便な大田区が、日本国内での観光やビジネスのための滞在拠点になることも期待されるところでございます。  また、今年2月から実施しております、羽田・大田エンジョイプログラムでは、羽田空港からの近接性をアピールいたしまして、3時間以内で楽しめる区内観光を紹介しており、ご利用いただきたいと存じます。  区は、今後も、大田区観光情報センターでの情報収集や、日本文化体験、公式観光サイトからのタイムリーな情報発信、無料の公衆無線LAN(Wi-Fi)によります区内回遊促進、これらを一体的に進めて、外国人旅行者への情報提供を行い、民泊とのコラボレーションの推進に努めてまいりたいと思います。 ◆勝亦 委員 平成28年度の予算案の中に、データヘルス計画に基づく保健事業と題し、ジェネリック医薬品の差額通知事業の拡大予算が、216万円計上されております。  私は、平成24年の第1回定例会でこの事業の導入を求めており、導入から拡大への取り組みを高く評価をいたします。  平成24年第1回定例会の中でも申し上げましたが、世界一の超高齢化社会を迎える我が国にとって、医療費に係る割合をいかに引き下げていくかが重要な課題であり、そのための一つの施策として、医薬品に係る費用を削減していくことが重要であります。  また、平成28年4月から実施予定の国の診療報酬改定の中に、かかりつけ薬剤師、薬局の取り組みを推進する予算が盛り込まれております。  これは、高齢化社会が進み、高齢者が複数の医療機関に受診することにより、同じ薬が重複処方されてしまうケースなどを抑制する働きが期待をされております。  国は、今回の診療報酬改定で、この取り組みを推奨しておりますが、大田区においても、薬剤師会と連携のもと、区独自でこの国の取り組みをバックアップする仕組みができないかと考えますが、区の見解をお示しください。 ◎杉坂 健康政策部長 かかりつけ薬剤師及びかかりつけ薬局の制度によりまして、調剤、服薬指導の24時間対応ですとか、在宅患者への積極的な関与が進むことで、多剤投与の抑制や飲み残しの防止につながるとともに、区民の健康をサポートし、より患者本位の医薬分業が実現することが期待されているところでございます。  大田区といたしましては、これまでもかかりつけ薬局定着促進等補助事業を通じまして、薬剤師会と相談させていただきながら、かかりつけ薬局の啓発につきまして支援をしているところでございます。  今後も引き続きまして、区内薬剤師会に対しまして、本事業の啓発についての支援を継続してまいりたいと考えてございます。 ◆勝亦 委員 次に、防災力強化事業として、7億348万4,000円が計上されております。いつ起こってもおかしくない首都直下型地震などに備え、その取り組みを評価したいと思います。  この事業に関連して、学校防災拠点についてお聞きをいたします。大田区ホームページによりますと、大田区総合防災力強化検討委員会からの提言を受け、平成24年度から学校防災活動拠点整備事業として、91か所ある小・中学校などの避難所を学校防災活動拠点と新たに位置づけ、これまでの避難所機能を拡充するとともに、新たに情報拠点と地域活動拠点の機能をあわせ持つ地域の防災活動拠点化を進めています。  地域活動機能として、災害時に地域と密着した対応を最も早く行えるのは、地域の住民(避難者)であり、公助は、機能しないことも予想されるので、災害発生直後は、地域間の相互応援により、救助、救護、避難誘導、消火活動等を展開し、一定の時間経過後は、地域間の協力のもとで在宅避難者の見守りや地域の防犯活動などをできる範囲で行いますとあります。  まさに、阪神・淡路大震災のときもそうでありましたが、大規模災害時は、公的な支援が遅れることが予想されるため、自助と共助が大変重要であると認識しております。  質問します。この地域活動機能は、非常に重要であります。事業計画では、平成28年度までで全ての学校防災活動拠点は、完成予定となっておりますが、現在の進捗状況をお知らせください。 ◎齋藤 防災・危機管理担当部長 平成24年度から計画的に進めております学校防災活動拠点化事業は、昨年度までに60校が整備完了をしております。  今年度予定の18校につきましても、拠点化の必要性をご説明させていただいた上で、マニュアルの整備や仮設トイレなどを収納するための倉庫の設置、地域要望に基づく資機材の購入など、予定どおり進んでおりまして、計画どおり、今年度末で78校が整備される見込みでございます。残り13校につきましても、平成28年度に整備する予定でございます。 ◆勝亦 委員 この学校活動防災拠点でその内容に温度差があってはなりません。避難所は、自治会・町会単位で指定をされておりますが、二つの特別出張所管轄にまたがり、運営されている学校防災活動拠点において、この事業計画が他の防災拠点より遅れているという指摘がありますが、この辺の区の見解をお聞かせください。 ◎齋藤 防災・危機管理担当部長 二つの特別出張所管轄にまたがる拠点校は、その中に、自治会・町会長が本部長を輪番で務めるところもございますために、これに伴いまして、事務局機能を担当する特別出張所も交代するところがあることを把握してございます。  災害対策には、ご指摘の事業計画を的確に立案・遂行することが重要なポイントでございまして、事務局がいかなる形態であろうとも、継続性を持って活動することが一つの課題であると考えてございます。  こうした課題の検討や活動を円滑に行っていくために、来年度からは、防災課と特別出張所間での情報の共有や協議・調整を図る場として、特別出張所長会において、防災連絡会を設けていくことにしてございます。  今後は、この連絡会を定期的に開催し、地域の活動状況等についての意見交換や課題の検討を行い、各学校防災活動拠点の活動が、よりスムーズに行っていけるよう努めてまいりたいと考えてございます。 ◆勝亦 委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  学校防災拠点は、その役割として情報収集伝達、避難所の受け入れ、救出・救助地域の見守りとなっております。避難所の受け入れについては、避難所運営を図上で模擬体験し、実際の運営の様子がイメージできるHUG(ハグ)が有効であり、この訓練により、課題がより明確化になると言われております。  このHUG訓練の実施状況についてお知らせください。 ◎齋藤 防災・危機管理担当部長 HUGは、避難所の運営を図上で疑似体験することで、実際の運営の様子をイメージすることができる訓練ツールでございます。  このツールは、参加者同士で相談しながら、施設図面に避難者情報などが記載されたカードを配置したり、記入したりしまして、教室の使い方や生活のルールを決定していきます。  このため、避難所で起こるさまざまな問題に対して話し合いを進め、マニュアルの検証や避難所運営の具体化を図ることができます。  このようにHUGは、避難所の受け入れ方法も含め、避難所の運営全般において大変有効な訓練ツールと考えてございます。区でも、HUGを購入し、複数の拠点校におきましてHUGを用いた訓練が行われております。自治会・町会にお使いいただけるよう貸し出しも行ってございます。  引き続き、避難所運営の有効的な訓練ツールとして、地域に対し、訓練でのHUGの活用を促してまいりたいと考えております。 ◆勝亦 委員 次に、区道上でのごみの不法投棄についてお伺いいたします。  昨今、区道上でのごみの不法投棄が絶えない状況ではないでしょうか。  先日も、ある場所で、ごみの不法投棄がありました。コンビニ弁当の空き箱や空のペットボトル、空き缶など、時には冷蔵庫やテレビなどが不法投棄されておりました。  このような状況の中、ある区民の方より、国際都市を標榜している大田区にとってこの状況は恥ずかしいこととのお叱りを受けました。  さらに、民泊条例の制定や2020年東京オリンピックパラリンピック開催など、ますます多くの外国人の方が、この大田区を訪れることと思います。この場所のごみの不法投棄について、まちなみ維持課に相談をさせていただきました。その後、街路灯が他の地域より暗かったため、照度を明るくしていただきました。  さらに、赤いポールとコーンを設置し、ごみの不法投棄禁止の張り紙をしていただきました。  大田区のまちなみ維持課が把握している区内の不法投棄の状況はどのようになっておりますか、お伺いをいたします。 ◎荒井 都市基盤整備部長 まちなみ維持課全体では、毎年2,000件近くの不法投棄ごみの処理を行っております。ごみの種類としましては、家電や家具などの粗大ごみ、その他家庭の一般ごみやコンビニ弁当の空き箱や空き缶、ペットボトルなどが放置されております。一般ごみでは、集積所以外に放置されているものを撤去しているところでございます。  まちなみ維持課では、不法投棄物件に対する警告書の張り付けによる注意喚起や、これまで不法投棄された場所には、注意看板やバリケードの設置、街路灯の照度アップなどの対応を行っているところでございます。 ◆勝亦 委員 今回のごみの不法投棄の防止には、やはり防犯カメラの設置が抑止力として効果を発揮すると考えます。現在、区で行っている防犯カメラ設置助成は、設置費用や時間を要します。  そこで、国際都市の名にふさわしい犯罪のない、きれいなまちを実現するため、抑止力効果を発揮する防犯カメラの貸し出し制度など、一定の条件のもと行ってはどうでしょうか。区の見解をお示しください。 ◎齋藤 防災・危機管理担当部長 防犯カメラは、防犯を目的として、特定の場所に恒常的に設置する撮影装置でございます。その継続性において、犯罪抑止効果が期待できるものと認識しております。  したがいまして、貸し出しによる一時的、暫定的な設置は想定をしておりません。  防犯カメラの設置は、助成制度を活用して設置する場合と区が設置する場合がございます。自治会、商店街等、地域が助成制度を活用して設置する場合には、費用と時間がかかることが課題であるとも認識しております。  一方で、助成制度以外にも、ガイドラインの趣旨に沿って、区が主体となって防犯カメラを設置しております。  特定の公共の場所における防犯カメラの設置につきましては、個々のケースを検討し、ガイドラインの趣旨に沿うものであれば、その要件に適合するか否かを精査した上で、一時的な貸し出し制度ではなく、区が主体となった設置の必要性を判断してまいります。 ◆勝亦 委員 次に認可保育園の待機児についてお聞きいたします。  区は、これまで待機児解消に向けて積極的な取り組みを行ってまいりました。平成23年度から25年度は、大田区保育サービス基盤拡充のための3か年プラン、また、昨年度は、平成26年度大田区待機児解消緊急加速化プランにより、1年で1,049名の定員拡充を図りました。今年度の定員拡充の見込みは、いかがでしょうか。  また、この間の取り組みで定員はどのくらい増えたのか、お示しください。 ◎市野 こども家庭部長 待機児解消を目指し、平成27年度につきましては、420名の定員増を目標として取り組んでまいりました。認可保育所3施設、小規模保育所11施設などの新規開設のほか、既存保育施設の活用も含め、556名の定員増を確保できる見込みでございます。  なお、副区長を本部長とする大田区待機児解消対策本部を設置し、全庁を挙げて取り組んでまいりました。平成21年度からの7年間の取り組みによりまして、3,883名の定員増となる見込みでございます。 ◆勝亦 委員 今回、一次選考で認可保育園に入園内定できなかった方から相談をいただきました。この方のお子さんの指数は、22点だったようです。22点は、ご存じのようにお父様、お母様ともにフルタイムで働いている方等であります。  入所選考指数が22点以上の待機児について、状況をどのように捉えているか、お伺いをいたします。 ◎市野 こども家庭部長 待機児解消対策を効果的に進めていくためには、地域の保育ニーズをよく見きわめることが不可欠であり、さまざまな角度から待機児の状況を分析するなど、保育ニーズの把握に努めているところでございます。  お話の入所選考指数22点以上の待機児につきましては、平成26年4月には、217名で待機児の35.4%を占めてございましたが、平成27年4月には、待機児154名のうち29名、待機児に占める割合は、18.8%に減少いたしました。引き続き待機児ゼロを目指し、全力で取り組んでまいります。 ◆勝亦 委員 今回、ご相談いただいた方のように、保育の必要性を強く感じているご家庭に対する丁寧なサポートが不可欠であると思います。我が会派の要望により設置した保育サービスアドバイザーの活躍が期待されるところであります。  1次選考で入所が決まらなかった方に対し、区は、どのようなフォローアップをされているのか、お伺いをいたします。 ◎市野 こども家庭部長 平成28年4月の認可保育所入所申し込み1次選考で、内定されなかった方に対するフォローアップとしましては、2月21日から26日までの期間、特設サポート窓口を設置し、保育ママや新規に開設する小規模保育所等の申し込みの受け付けを行うとともに、保育サービスアドバイザーを中心とした個別相談を行い、ご家庭のニーズにあった保育施設のご案内などを実施してきたところでございます。  さらに、3月中旬の認可保育所2次内定発表後に、入所先が決まっていない保護者の方に、近隣の入所可能な保育施設について個別に情報提供を行う予定でございます。現在、待機児ゼロを目指して懸命な努力を続けているところでございます。引き続き、利用者支援の充実など待機児解消に向けた施策を総合的に展開することにより、保育を必要とする子どもが適切なサービスを利用できるよう迅速に取り組んでまいります。 ◆勝亦 委員 よろしくお願いします。  現在の入所選考基準では、経済的な困難を抱えている世帯の保護者は、両親がフルタイムで勤務している比較的高所得者の世帯よりも、入所選考指数が低くなる場合が多いのではないでしょうか。今よりも収入が高い仕事を探しても、子どもが入園できず、諦めてしまう場合もあると聞いております。  そこで、提案させていただきます。低所得世帯も安心して保育サービスを受けられる仕組みをつくるべきであると考えますが、区の見解をお示しください。 ◎市野 こども家庭部長 保護者の状況に応じた適切な保育サービスを安心して利用できるよう環境整備を図ることは、大変重要であると認識してございます。このため、認証保育所の保育料につきましては、平成27年度から保護者の所得に応じて、補助額を拡充したところでございます。  また、認可保育所の入園選考におきましても、保護者の困難な状況を選考に反映できるよう努めており、生活保護世帯に対しては、調整指数として選考指数の加点を行っているところです。  今後、入園選考における他の自治体の状況も調査した上で、子どもの貧困対策の視点からどのような対応が可能か、前向きに検討してまいります。 ◆勝亦 委員 ぜひ前向きな検討をよろしくお願いをいたします。  次に、観光施策についてお聞きをいたします。  大田区は、観光課を立ち上げ、観光施策に力を入れております。昨年末には、京急蒲田駅構内に大田区観光情報センターを新設し、多くの方に本区の魅力を発信する施策を展開しております。  私も、以前、蒲田周辺に観光案内所を新設すべきと要望しました。この施策を評価いたします。先日、京急品川駅の大田区観光情報コーナーを視察してまいりました。ここの観光情報センターは無人であるため、来訪者の問い合わせに対しては、京急観光の職員が、センター内に設置されているインターホンで対応していると伺っております。私が視察した折には、大田区のミュージアムガイド、馬込文士村お散歩マップ、OTAいちおしグルメ、蒲田ガイドなど、全部で9種類のパンフレットが設置されておりました。  この京急品川駅観光情報コーナーには、月にどのくらいの方の来訪者があり、どのような問い合わせがあるのか、お伺いをいたします。 ◎河野 観光・国際都市部長 京急品川駅の観光情報センターは、パンフレット等の配架と区内観光スポット等の映像をモニターで放映しております。案内等人員は、配置しておりませんので、来訪者数はカウントしておりませんが、パンフレットの配布数を利用実績等捉えますと、27年度2月末までで3万1,998部が配布されており、月平均で見ますと2,900部であります。  また、27年度に寄せられた問い合わせ等の内容は、イベントの開催について、池上本門寺、大森海苔のふるさと館などの場所やその行き方への問い合わせがあります。 ◆勝亦 委員 28年度の予算案の中には、区内の三つの環境情報コーナーの運営予算が計上されております。予算書の117ページ、総務費、観光国際費、観光振興費の中に観光情報センター等の運営として、6,415万3,000円が計上されております。  この中で、京急品川駅観光情報コーナーの予算はどのようになっておりますでしょうか。伺いをいたします。 ◎河野 観光・国際都市部長 京急品川駅の観光情報コーナーの平成28年度予算額は、360万円でございます。 ◆勝亦 委員 この京急品川駅観光情報コーナーは、目につきにくい場所にあり、いつ見ても閑散としております。この場所の今後のあり方を検討すべきと考えますが、区の見解をお示しください。 ◎河野 観光・国際都市部長 京急線品川駅観光情報コーナーは、区外における大田区の観光情報発信拠点として、京急線利用者への情報提供をするため設置をしております。ここは、通勤・通学の乗降者のみならず、羽田空港へのアクセスポイントとして、空港利用者に大田区をPRする立地であると考えております。  委員ご指摘のわかりにくいという点につきましては、今後、京急担当部局とのかかわりを深めるとともに、観光情報コーナー内の展示の工夫や、京急グループと連携したプロモーションイベントの実施等を行い、観光情報コーナーとしての役割が果たせるよう、効果的に活用していきたいと思います。 ◆勝亦 委員 ぜひよろしくお願いします。  次に、臨海斎場までの公共交通網整備についてお聞きをいたします。  臨海斎場は、港区、品川区、目黒区、世田谷区、そして大田区の城南5区が臨海部広域斎場組合を設立し、平成16年1月15日に新設いたしました。  以前は、区内にこのような施設がなかったため、その設立を多くの区民の方が待望されていたことと思います。以前より区民の方から、この臨海斎場を利用する際、公共交通が不便であるというお話を伺いました。  そこで、バス路線を調べたところ、最寄りのバス停留所は、大田スタジアム前であることがわかりました。この大田スタジアム行きバスは、JR大森駅からレジャーランド平和島を経由し、大田スタジアム前まで行きますが、その運行状況を確認すると、JR大森駅発で、平日の時間帯は、9時30分から12時35分まで、その後、17時15分から20時17分までと1時間に2本が運行しております。  土曜と休日においては、8時30分から12時35分までと、17時20分から20時17分までで、こちらも1時間に2本の運行となっております。  葬儀の時間等を考慮して、運行していただいているようですが、1時間当たりの本数が少ないことや、臨海斎場の最寄り駅である、京急平和島駅を通らないことにより、特に、蒲田方面からの利用者が、不便さを感じる大きな要因となっていると考えられます。  この点を改善できる施策が望まれております。ぜひ、路線バスの運行事業者と協議を行い、この点の改善を要望いたしますが、区の見解をお示しください。 ◎町田 交通企画担当部長 委員からのご指摘の件は、区民からもご要望をいただいてございます。  現在、大森駅から臨海斎場へ行くバスの便については、13時から16時の時間帯は運行されてございません。
     今回、改めて京急バスに臨海斎場へのアクセスの改善を要望したところ、大森駅からの便における空白の時間帯については、斎場の利用状況を確認しながら検討する。  また、蒲田駅からの新規路線についても、大森駅からの今後の利用状況を見た上で、改めて検討するとの回答をいただきました。  区といたしましては、斎場の火葬利用状況が年々増えている現状などを京急バスに伝えながら、引き続き京急バスに臨海斎場方面へのアクセスの改善を要望してまいります。 ◆勝亦 委員 よろしくお願いします。  次に、区立小中学校児童・生徒におけるスマートフォンやインターネット利用についてお聞きをいたします。  現在、スマートフォンやインターネット利用者の低年齢化が進んでおります。その利用の仕方を間違えると、いじめや料金トラブルに巻き込まれたり、劣悪なサイトを目にしたりと、子どもたちに悪影響を与えてしまいます。  先日、ある新聞に、このスマートフォンやインターネットの利用に関するルールづくりを行っている江戸川区の記事が掲載をされておりました。  2015年度全国学力・学習状況調査によると、携帯電話やスマートフォンで1日当たり1時間以上の通話やメール、ネットを行っている割合は、小学生で16.9%、中学生では、47.2%に上ります。  こうした状況の中、昨年の9月から江戸川区教育委員会は、区立小中学校長会で協議を重ね、区内106校で子どもたちが、自分でスマートフォンやインターネットの利用ルールを定める、「江戸っ子、家庭ルールづくり」を昨年11月から始めました。  このルールの特徴は、家庭ごとに環境が違う中で、ルールを一律に決めるのではなく、各家庭の事情に合わせたルールづくりを行ってもらう仕組みづくりであります。  この「江戸っ子、家庭ルールづくり」の仕組みは、学校の事前指導では、全体集会や各クラスの朝の時間に、校長先生や教員の先生が子どもたちに取り組みの目的を話します。  その後、クラスごとに討議を行い、自分自身でもスマートフォンやインターネットを使用しての自分の体験、例えば、メールのし過ぎで、睡眠不足などの自分の失敗談などを振り返って話します。ワークシート(学習用の書き込み用紙)を作成し、子どもたち自ら、スマートフォンやインターネット使用の家庭でのルールをつくります。  その後、子どもがワークシートを自宅に持ち帰り、保護者と話し合って家庭でのルールを決定します。学校がワークシートを回収し、再度クラスで話し合いを行います。ワークシートを居間など目に見える所に掲げ、子どもたちがルールを守って実践をします。3学期末には、再度、自分の生活を振り返り、よかった点や改善点などを話し合う予定となっているそうであります。  それぞれの取り組みは、各学校、クラスに任されており、昨年11月から順次ワークシートを作成しています。どの学校も、2学期中に各家庭におけるルールを把握し、3学期からは、実際に家庭で実践を始めていると新聞に掲載されております。  事業の詳細については、議会事務局を通して調査をしていただいたところ、具体的な各家庭でのルールづくりの一例として、インターネット使用の約束として保護者にインターネットの利用制限の設定してもらう。  また、午後9時以降には、携帯電話やスマートフォン、ゲーム機を家の人に預ける。家の人からの電話は絶対に出る。家庭生活の約束では、テレビは毎日1時間とします。言葉遣いに気をつけ、人を傷つけるような言葉は使わない。週1回、家庭・家族みんなで読書をしますとなっています。  このように、スマートフォンやインターネット使用に関するルールづくりだけではなく、他の事柄についても、家庭で話し合うきっかけづくりにもなっていると伺っています。  また、別の目的として、子どもたちに早い成長段階から、自分でものを考え、判断できる力を養うことも期待されているそうであります。  本区においても、多くの区立小中学校児童・生徒がスマートフォンを所持していると思いますが、何割の子どもたちが所持しておりますか、お伺いをいたします。 ◎松本 教育総務部長 平成27年4月21日に実施しました全国学力・学習状況調査の結果によりますと、区立小学校第6学年では、70.8%の児童が、区立中学校第3学年では、87.0%の生徒が携帯電話やスマートフォンを所持していると回答しています。都の平均は、小学校第6学年が68.1%、中学校第3学年が86.2%となっており、本区は、都の平均より若干高い所持率となっています。 ◆勝亦 委員 この新聞記事の中でも触れておりましたが、スマートフォンやインターネットなどのSNSのやりとりがいじめの原因になったという事例があると、以前、伺ったことがあります。区に寄せられているいじめ相談の中で、このSNSに関連するものは、どのような報告がありますでしょうか。 ◎松本 教育総務部長 SNSに関するいじめ相談の内容としましては、「冷やかしやからかいを受ける」「悪口やいやなことを言われる」などがあります。  また、インターネットに関するトラブルとしましては、学校からは、児童・生徒による不適切な画像等の投稿や、誰もが閲覧できる掲示板サイトへの個人情報の書き込みなどがあったとの報告を受けております。 ◆勝亦 委員 本区の教育委員会に、このようなスマートフォンやインターネットの使用に関するルールづくりについて、どのような見解を持っているかお伺いしたところ、東京都教育委員会発行のSNS東京ルールを各学校に配布し、今年度中にルールを決めてほしいと、各区立小中学校に依頼していると伺いました。  その進捗状況は、どのようになっているかお伺いをいたします。 ◎松本 教育総務部長 平成28年1月実施の校長会におきまして、SNSの適正な利用に向けた学校ルールを作成し、家庭ルールに結びつけていただきたいとお願いをしたところでございます。  また、中学校では、校長を部会長として教員が組織する教育研究団体である区教育研究会が中心となり、全校の生徒会役員を集め、SNSルールについて話し合いの場を設けるなど、生徒が自分たちの問題として主体的に考え、決定していくよう取り組んでいます。  小学校においては、SNS東京ルールを参考に、児童・生徒の発達段階も考慮し、学校ルールを作成するなどして、家庭に啓発するよう、進めているところでございます。 ◆勝亦 委員 この江戸川区の事例によると、3学期からは、各家庭での実践事例を参考に、翌年度実施に向けての改善点などを協議しているようであります。  また、このルールづくりのワークシートを見本でいただきました。小学校低学年用、小学校中高年用、そして、中学生用となっており、その進み具合を、例えば、低学年用であれば、ルールを守れたかどうか富士山とそれにかかる雲や太陽に色塗りをすることにより一目でわかるようにしており、楽しみながら報告書を作成する工夫がとられております。  先日、平成27年度第3回大田区青少年問題協議会が開催され、青少年健全育成のための大田区行動計画第六次素案が検討されました。その協議会の中で、青少年に対するインターネットやスマートフォンの普及とその弊害について討議がなされました。  私もこの件について会の中で質問させていただきましたが、本区教育委員会は、各家庭に任せているとの答弁でありました。  しかし、この会の座長もおっしゃっておりましたが、もちろん各家庭で話し合っていただくことを前提に、その道筋をつくることが、区の教育委員会の役割であると私は考えます。  ぜひ、この江戸川区の事例を参考に、大田区においても各家庭でのルールづくりを区教育委員会が具体的に主導していくことを要望いたしますが、区の見解をお示しください。 ◎松本 教育総務部長 スマートフォン等の情報機器の使用につきましては、特に、思春期以降は、児童・生徒が自分自身の問題として捉え、家庭で話し合い、使用方法や制限について約束をつくることにより、自らを律することができるものと考えています。現に、区内の中学校におきましては、自主ルールを策定した学校もございます。  その一方で、それらの取り組みが円滑に行われるようにするためには、保護者や教員への啓発も大切なことであると考えております。  教育委員会では、平成28年度に全区立学校において、保護者や教員向けの情報モラル講習会を実施する予定でございます。  また、子どもたちの実態調査の結果やネット利用の現状について、写真や事例で具体的にお伝えするとともに、江戸川区の事例のように家庭におけるルールの必要性、つくり方、ポイント等を助言し、保護者、教職員の情報モラルに関する意識や実践力を高めてまいります。  このように学校や家庭の自主的な取り組みを支援するための必要な方策とともに、各学校や保護者との意見交換を通じて、教育委員会がよいリーダーシップを発揮する場面を含め、児童・生徒の自主性尊重の視点から、効果的な支援策を講じてまいりたいと考えております。 ◆勝亦 委員 ぜひ区の教育委員会がリーダーシップをとり、推進をしていただきたいとお願いをします。  次に、認知症高齢者グループホームの減額補助についてお聞きをいたします。  2025年、団塊の世代の方が75歳以上を迎える年には、5人に1人が認知症を患うとの国の推計結果があります。そのため、今後、本区においても認知症高齢者グループホームの需要がさらに増えていくことが予想をされております。  このような状況を受け、本区では28年度予算案に地域密着型サービス施設の整備事業として、認知症高齢者グループホームの整備費補助予算6億2,442万6,000円が計上されております。  本区には、認知症高齢者グループホームが36か所あり、これは、23区の中でも、トップクラスの施設数であると伺っております。区のこれまでの取り組みを高く評価いたします。  認知症高齢者グループホーム利用のための月額費用は、特別養護老人ホームのように、その方の収入によって決まるのではなく、居住費、食費、介護度によるサービス料などのいわゆる積み上げによって決まります。  そこで質問します。大田区内の認知症高齢者グループホームに入所する際、どれくらいの費用がかかりますか、お伺いをいたします。 ◎中原 福祉部長 認知症高齢者グループホームの入所にかかる費用につきましては、家賃、食材費、光熱水費、共益費と介護サービス費の利用者負担額の合計となります。介護サービス費の利用者負担額は、要介護度、利用者負担割合により金額が異なりますが、要介護3、利用者負担割合が1割と想定した場合、区内のグループホームでは、平均で約17万6,000円でございます。その内訳でございますが、家賃が約7万6,000円、食材費約4万円、光熱水費約2万円、共益費約1万1,000円となっており、要介護3、利用者負担割合1割の場合で、介護サービス費が2万8,490円となっております。  また、区内認知症高齢者グループホーム36か所のうち、敷金が必要な施設は、22か所であり、敷金の平均金額は18万5,000円となってございます。 ◆勝亦 委員 今、部長の答弁にありましたように、非常に高額になると考えます。  仮に、生活保護受給者が、この認知症高齢者グループホームに入所する際、入所に係る利用料が生活保護の住宅扶助の基準以下であり、入所に際しての保証金、いわゆる敷金等に相当するものが必要な場合は、住宅扶助の基準内であれば入所が可能と伺っております。  しかし、低年金者などは、入所に係る費用が高額であるため、資金がないと入所を諦めなければならない状況になっていると考えます。  この課題は、先日、行われました東京都議会平成27年第4回定例会で我が党の東村議員が取り上げ、低年金者が入所する際の不足分を自治体が補助する仕組みである、認知症高齢者グループホームの減額補助について質問し、都側からは、前向きな答弁をいただいていると伺っております。  そこでお聞きいたします。現在、大田区は、介護保険事業計画第6期の中で事業を展開しておりますが、第7期実施にあたり、この認知症高齢者グループホームの減額補助の仕組みを盛り込んだ場合、1人当たりどのくらい介護保険料がアップすると考えられますか。お伺いをいたします。 ◎中原 福祉部長 介護保険料は、介護保険事業計画の期間中における要支援・要介護高齢者の認定者数や、介護サービスごとの利用率を踏まえた利用量などから、保険給付費及び地域支援事業費の見込み額を推計し、保険料を算出しているところでございます。  さらに、第7期の介護保険事業計画の策定にあたっての国から示される方針等を踏まえ、利用者負担の公平性の観点により、総合的な観点から算出するものであるため、グループホームの減額補助だけの要素を勘案いたしまして、現段階で介護保険料を算出することは困難であると考えております。 ◆勝亦 委員 今、部長からはっきりとしたいろいろな制度設計の中でということでわからないという話でありましたが、私が推計いたしますと、この今言ったように、介護保険料は、制度設計の中でさまざまな要因を加味し、決められると思いますが、この事業単独のみで考えた場合、区全体の負担増は、約1億円程度であると思います。  そうしますと、1人当たりに換算すると、その介護保険料の増額金額は、数十円にも満たないと私は考えます。  ちなみに、この減額助成については、23区の中では、荒川区と品川区が実施をしていると伺っております。この認知症高齢者グループホームの減額補助制度を介護保険事業計画第7期に盛り込むべきであると私は考えますが、区の見解をお示しください。 ◎中原 福祉部長 認知症高齢者グループホームは、地域に暮らす認知症高齢者が、認知症高齢者を地域で支えるために大切な介護サービスであると認識しております。  このグループホームの整備にあたりましては、施設整備費のほか、備品購入や求人広告等を対象とした開設前の経費に対する東京都の補助金を活用しまして、低所得の方も利用しやすい家賃に反映するように開設事業者にお願いしております。  さらに、区内にある認知症高齢者グループホーム36か所のうち、生活保護を受給している方が入所できる生活保護費の基準額を活用しているグループホームは、22か所となってございます。  認知症高齢者グループホームの減額補助制度の導入につきましては、第7期の介護保険事業計画において、他の自治体の助成内容を調査するとともに、国が定める地域支援事業費の上限枠内での実施可能性等を精査しまして、適切に判断してまいります。 ◆勝亦 委員 ぜひ精査していただいて、よろしくお願いいたします。  次に、木造密集地域解消についてお伺いをいたします。  密集市街地防災街区整備促進法は、1995年1月17日に発災をいたしました、阪神・淡路大震災の大火を教訓に、1997年にできた法律であります。  国土交通省は、2012年に木密地域で特に危険性が高いと認定した地域を公表し、その地域がある自治体に、重点的な対策を求めてまいりました。  この地域指定より、対象地域は、2012年3月時点で17都府県41市区町で総面積は、5,745ヘクタールに上ると言われております。  先日の新聞報道によりますと、2015年3月時点で、その解消状況や未解消地域の人口を調査したところ、8割にあたる16都府県38市区町の4,537ヘクタールが未解消地域で、そこに住む住民は、少なくとも80万人に上るとなっておりました。各自治体は、木造密集地域の解消が進まない理由として、住民の高齢化や建て替えに要する費用の問題を掲げています。  しかし、木造密集地域を解消している自治体もあります。首都直下型地震が想定される都内では、13区1,688ヘクタールから11区1,126ヘクタールとなり、33パーセントの木造密集地域が減少をしております。都内では、文京区や目黒区など、木造密集地域はゼロとなっている区もあります。  国は、対象地域解消のために、建て替えや移転、自治体の道路、公園整備などに補助制度を創設しております。さらに、東京都は、2013年度から重点地域を不燃化特区に指定し、独自の補助や固定資産税の免税なども行っております。  このような状況の中、本区の木造密集地域の解消面積は、この新聞ではゼロと報道がされておりました。  本区の木造密集地域解消のための取り組みの状況をお知らせください。 ◎町田 都市開発担当部長 阪神淡路大震災では、木造住宅が密集した地域において延焼火災により大きな被害が発生したことから、木造住宅密集地区を多く抱える大田区においても、建物の不燃化は、重要な課題であると考えてございます。  大田区内の不燃化を進めるため、区が東京都に働きかけ、平成26年6月に都内で最大の面積となる1,551ヘクタールに東京都建築安全条例に基づく新たな防火規制が導入されました。この規制によりまして、区の4割の市街地において、新規に建築する際には耐火性の高い建物とすることが義務づけられましたので、今後不燃化が進むものと考えてございます。  また、東京都が策定いたしました防災都市づくり推進計画の中で、特に整備地域に指定されている大森中や羽田地区などでは、震災時に甚大な被害が想定されております。  そのため、建物の建て替え費用の一部を助成するなど、不燃化の取り組みを強化しており、平成24年度以降助成により約70棟の不燃化を図っております。  先般、報道にございました国が指定した密集市街地については、市街地再開発事業による木造密集地域の解消や、羽田三丁目、六丁目地区においては、地区内の道路、3路線を6メートルに拡幅し、避難路を形成する事業を進めており、国や都の制度を活用しながら、密集市街地の改善に取り組んでいるところでございます。 ◆勝亦 委員 室崎神戸大学名誉教授は、「大地震が起これば、市街地の大火は確実に起こる。対策が進まない地域では、支援策が十分でなく、行政側の危機意識も乏しいと言わざるを得ない。さらに、財政措置と長期的な計画が早急に求められる」と言われております。  23区大田区以外で、木造密集地域の未解消区は、台東区と墨田区と世田谷区。一部や全部が解消された地域は、文京区、品川区、目黒区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、荒川区、そして、足立区となっております。本区の28年度予算案の中に、不燃化まちづくりへの取り組みとして、1億3,193万9,000円が計上されており、木造密集地域解消への決意が感じられますが、改めて区の決意と国が掲げております2020年までの解消目標について、今後の見通しをお知らせください。 ◎町田 都市開発担当部長 国が、密集市街地と指定した地区のうち、市街地再開発事業を含むエリアにつきましては、平成26年度末現在では、事業が継続中であるということから解消していないと判断をされました。  実際には、既に、老朽建築物の解体がなされており、不燃化は着実に進み、今年度末には、解消される見込みでございます。  また、羽田三丁目及び六丁目地区では、助成による建物の建て替え促進に加え、道路拡幅事業を平成27年度、本年度から開始してございます。  さらに、羽田地区においては、防災まちづくりの機運を高めていくとともに、建て替えの際の不燃化に関するルールを定める地区計画の導入に向けて、地域の皆様とともに検討を進めているところでございます。  引き続きまして、さまざまな手法を駆使して、密集市街地の解消を図り、大田区のもえないまちづくりを強力に推進してまいります。 ◆勝亦 委員 報道と実際とは、若干違うというお話でありました。ぜひ積極的な推進を要望いたします。  安全・安心なまちづくりを要望し、大田区議会公明党を代表しての総括質疑を終了します。ありがとうございました。 ○岸田 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。  再開時刻は、午後1時といたします。                午後 0時01分休憩                午後 1時00分再開 ○岸田 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  それでは、休憩前に引き続き、総括質疑を行います。  共産、質疑、お願いいたします。 ◆佐藤 委員 日本共産党の佐藤です。日本共産党区議団を代表いたしまして、総括質疑を行います。  安倍首相は、国会衆議院予算委員会で再三にわたって、憲法改正にかかわって発言をしております。2月3日、第9条第2項を改正して、自衛権を明記し、また、新たに自衛のための組織の設置を規定するなど、将来のあるべき憲法の姿を示し、2月4日、第9条第2項は変えていくということでお示しをしている。施行停止になってはならない。2月5日、第9条第2項を変えるという憲法改正素案を出して、自民党総裁としては、同じ考え方だ。実力組織である自衛隊の存在をしっかり明記するなどと繰り返し発言をしております。  おととしの閣議決定と昨年の安保法政、戦争法で従来の政府見解を覆し、集団的自衛権の行使をはじめ、海外での武力行使を認めるさらなる解釈改憲、立法改憲を強行しました。ますます憲法第9条とつじつまが合わなくなったのを一挙に打開するため、改憲案では、国防軍を創設するとまで言っています。  昨年、NHKが行った憲法改正についての世論調査では、憲法第9条が、戦後、果たした役割を評価するとした人は、79%に上りました。  やはり、昨年、朝日新聞などが行った調査でも、憲法第9条改正に反対が6割を超えております。国民は、憲法第9条を支持しています。  区長にお聞きします。松原区長は、党区議団の代表質問で憲法第9条、特に第2項を変えると安倍首相が明言している中で、第9条を守る姿勢を明確にするよう求めたことに対し、「私は、就任以来、平和ということを区政の柱に据えてまいりました。平和の尊さと恩恵を考え、平和を願ってやまないことを区民の皆様に対し、私の思いを伝えております。さらに、次世代に向け、平和な都市を築いていくことは、我々の最も重要な使命である。」と答えながら、「一方、現行憲法の制定から70年以上が経過し、さまざまな意見が展開されていることも事実でございます。その動向を注視してまいります。」と憲法第9条改正へのご自身の立場を示しませんでした。  ぜひ、憲法を守る立場を明確にするよう求めます。お答えください。
    ◎川野 区長政策室長 現在、開会中の国会におきまして、憲法に関するさまざまな意見が出てございます。大田区といたしましても、その動向を注視しているところでございます。  憲法第99条には、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」となってございます。  こうしたことを踏まえまして、区は、区民の皆様とともに平和の尊さと恩恵を考え、区議会の皆様、区民の皆様へ機会があるごとに、世界が平和であることを願い、さまざまな平和関連事業に取り組んでいるところでございます。 ◆佐藤 委員 私は、区長にお聞きしましたので、ぜひ区長に答弁をしていただきたかったのですが、大田区の平和都市宣言には、「平和憲法を擁護し、核兵器のない平和都市であることを宣言する」と、平和憲法を擁護することが明確に宣言をされております。  私は、国語辞典大辞林で、平和憲法をひいてみました。この国語辞典には、日本国憲法のことを平和憲法は指すと。全文及び第9条を中心とした平和主義に着目した言い方が平和憲法だと言っております。  平和都市宣言では、平和憲法を擁護すると明確に宣言しています。今、まさに平和憲法の根幹である第9条改定が政治の課題になろうとしている中で、区長が区議会議員時代からこの平和都市宣言を制定したいという思いがあった中で、これが、今、大変な状況になっているのではないかと思います。この思いをしっかりと、区長の思いを、憲法第9条を守る決意をお聞きしたいのですが、区長が答えないのでしたら、これは聞きません。  次に、2016年度予算について質問をします。  一般会計予算案の規模は、2,573億6,000万円余で、前年度比72億円、2.9%の増額で、過去最大の規模となりました。予算案には、党区議団の提案や区民の声に応えたものもあり、評価できるものがあります。  しかし、予算案の第一の問題点は、施設使用料の値上げなどで、区民へさらなる負担増と施策の査定を進めていることです。  第二の問題は、今定例会に46名削減する職員定数改正条例が出され、民間委託や指定管理者制度で、民間にできることは民間にと職員削減を進め、官製ワーキングプアを増やしていることです。  第三は、東京オリンピックパラリンピックの開催を契機に、国際都市おおたの実現、次世代の夢とレガシーを残す取り組みで、大規模開発推進となっていることは問題です。  まず、施設条例の値上げについてです。施設条例については、今議会に出され、おとといの日に議決もされましたが、受益者負担の適正化とし、これまで施設条例の基準を定めてこなかったことを理由に、約8割の使用区分で施設使用料が現行の使用料から大幅に値上げになります。  これだけの施設で使用料が値上げ、区民への負担増になる大幅な見直しを具体的な方針を示して、わずか2か月あまりで条例化し、進めるのは問題ではないでしょうか。お答えください。 ◎川野 計画財政部長 使用料の見直しにつきましては、前回、平成10年の改定から17年ぶりとなりますが、受益者負担の適正化に向けた取り組みとして、現在、取り組んでいるところでございます。これまでは、近傍類似施設の使用料を参考に決定していたところでございますが、使用料の積算根拠を明らかにし、コストを使用料に適正に反映し、わかりやすくするために統一的な施設使用料の算定方式を定めるとともに、継続的な見直しルールづくりについての具体的な方向性をお示ししたものでございます。  使用料の見直しの結果として、据え置きや引き下げになったものもございまして、決して、区民の皆様に大幅な負担増をお願いしているわけではございません。  また、見直しの上限が1.5倍や2倍となってございます自治体もある中で、本区におきましては、上限を25%とする激変緩和措置を講じており、利用者の皆様への配慮も十分に行っているつもりでございます。  このたび、各条例を改定させていただきましたが、改定後の使用料につきましては、平成29年度からの適用を予定してございます。今後、十分な期間を頂戴いたしまして区民の皆様への丁寧な周知に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆佐藤 委員 今、部長が答えられましたが、今回の使用料の改定は、17年ぶりだということが言われました。  それで、平成29年度からこれを実施するから、その間に説明をしていくというお話でしたが、具体的な提案が出されて、わずか2か月余りで決めてしまうと。決まったものを説明していく。区民から実際にこういう案が出ているからどうだという意見もとらない。これは、私は、かなり問題だと思います。こういう2か月余りで条例化するのは問題だということを今、指摘したのですが、それについての答えはありませんでした。  公の施設は、地方自治法第244条第1項、「普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設を設けるものとする。」と規定され、住民の日常生活に欠くことのできない施設として、地方自治体が設置しなければならない義務となっています。  ですから、住民が誰でも平等に利用できるというのは、基本点が明らかになっていって、公共施設では、住民の平等、無差別という利用原則があり、受益者負担が適用される余地はありません。  大体、今回の施設使用料の見直し方針が示された施設使用料算定基準には、大きな問題点があります。使用料原価の計算に、職員人件費が含まれております。それと、建物や高額備品の減価償却費を参入させたことも大問題です。こういうことをすれば、使用料は、大きくはね上がるのは当然ではないでしょうか。施設サービスを経常的に提供するためとして、原価計算の基礎に加えることは、あまりにも乱暴です。  特に、減価償却費については、実際には、支出を伴うものではなく、事実上、施設建設などにかかった費用を回収するというものですが、税金で建てた施設に、なぜ区民がその分も加算された使用料の負担を強いられるのか、全く説明ができません。区内の54の公共施設と小中学校で866の使用区分のうち、値上げになるのは、686施設、79.2%で、ほとんどが値上げになります。  今後も、4年ごとに見直しを行う方針です。今回、激変緩和措置を講じざるを得なかったことから、さらなる値上げが予想されます。  私は、多くの区民から理解がない、受益者負担の適正化を名目に、本来、行ってはいけない区民にまともな説明もできない施設使用料の大幅値上げになる、この大改悪の中止を求めます。お答えください。 ◎川野 計画財政部長 今回の施設使用料の見直しにつきましては、施設を利用される方と利用されない方との負担の公平性を確保する観点から、区民の皆様にとってわかりやすく算定基準を明確にするため、統一的な基準を設けさせていただいたところでございます。  見直しの結果といたしまして使用料が下がるもの、据え置けるもの、また、引き上げられるものがございます。値上げを目的にして改定していたものではございません。  こうした考え方につきましては、23区はもちろん、多くの自治体で取り組んでおりまして、施設サービスの提供上、大変重要なものであると考えているところでございます。  激変緩和措置につきましては、あくまでも、現在ご利用されている方にとって、急激な変化とならないように講じているところでございます。  今後とも、施設サービス向上とともに、受益者負担の適正化に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆佐藤 委員 必ずしも、値上げは目的ではないというお話がありましたが、先ほども指摘させていただきましたように、今回の原価計算の中には、公務員であります職員の人件費、それと、減価償却費が含まれるということをやっています。こういうことをするから、値上げになるのですよ。値上げを目的としていないといっても、こういうことをすると、値上げになるのですよ。  それで、先ほど言いましたけれども、比率のところがはっきりしています。今回、値下げになる区分というのは、全体の15%です。それと、変わらないというのが5%、約8割が上がるというのは、明確な値上げではないですか。これは、大変な問題になると思いますよ。税金で設置した公の施設を利用する区民と利用しない区民の負担の公平性を確保する観点から、受益者負担を導入するということも言っています。  こういうことを言うならば、誰もが利用できる施設使用料は無料、または、低料金に設定し、施設数を増やすことで、区民の公平性を確保することが大事ではないでしょうか。お答えください。 ◎川野 計画財政部長 公の施設は、その建設や維持管理に相当の費用がかかります。区民の皆様の税金で整備させていただきました全区民共通の貴重な財産が公共施設でございます。これらの施設を特定の皆様に一時的にご利用いただく際に、利用を通じて得るサービスの対価として利用者の皆様に応分のご負担をいただくことは、利用する方と利用されない方との負担の公平性を確保していく上で重要だと考えてございます。これが受益者負担の考え方でございまして、施設の利用者の方から応分の負担を使用料としていただくことの根拠となるものでございます。  仮に、応分の負担をいただかないとすると、その分につきましては、結果として、施設を利用しない区民の皆様の税金で賄われることになります。  施設を増やしてはとのことでございますが、公共施設の整備につきましては、人口構成の変化に的確に対応しながら、適正に配置をしていくよう現在、方針を策定させていただいてございます。複合化や多機能化等を通じて利便性の向上につながるよう、引き続き、そのあり方につきましては検討を重ねてまいります。 ◆佐藤 委員 もともとの公共施設の考え方、地方自治法の第244条第1項の住民の福祉を増進する目的とその利用に供するための施設という考え方からすれば、こういった高い施設使用料を徴収するという考え方は、当てはまりませんし、受益者負担の適正化の名による今回の値上げというのは、許されない考え方だと断じます。  昨日も、総務財政委員会で、このことが区民の皆さんから陳情で上がりまして、反対を求めると。  また、中止を求めるという陳情の討論・議論が行われましたが、そこでも紹介されましたし、先ほど、私も担当課のほうに確認もしましたが、3月4日現在で、区民の方から157通の施設使用料の値上げに反対をするといったはがきが、区のほうに直接届いているそうです。これだけ短い期間に、157を超える区民からの声が寄せられる。  私は、これは大きな問題がここに残っていると思いますので、ぜひ今からでも、議会にの議決がありましたが、今からでも、丁寧な対応をして、施設使用料の中止を求めておきます。  新年度予算案では、さらに大田区要介護等高齢者紙おむつ等支給事業の変更で、要支援者や要介護1、2の高齢者からおむつを取り上げる。高齢者自立支援の住宅改修助成事業を廃止し、高齢者の自立確保に支障を来す。こんな区民生活支援の切り捨てを進めようとしていることは、大問題であることを指摘しておきます。  次に、認可保育園入所申込数にあった保育環境の整備について質問をします。  保育園の入所選考に落ちた母親が、2月中旬、「保育園落ちた日本死ね」と題し、怒りをつづった匿名ブログについて、安倍首相は、2月29日の衆議院予算委員会で、匿名である以上、実際本当であるかどうか確かめようがないなどと発言をしました。  この首相答弁に抗議する緊急スタンディング行動が3月4日より、国会正門前で行われました。インターネットでの呼びかけを見て駆けつけた参加者は、「保育園落ちたのは私だ」と書かれたプラカードを国会議事堂に向けて掲げました。  また、ツイッターなどにネット上でも、「保育園落ちたのは私だ」と多くの人が名乗り出るなど、大きな社会問題にもなっております。  大田区でも、先月発表された今年の認可保育園申し込み1次分で、希望者数4,514人、昨年度比179人増、不承諾数1,786人、昨年度比108人増で、区内認可保育園への入園希望をされた子どもの実に40%が不承諾、認可保育園に入れませんでした。これは、異常な事態ではないでしょうか。  にもかかわらず、今定例会初日、2月19日の松原区長の開会挨拶で、我が国で待機児童を最も減らした自治体となりましたと胸を張る。続けて、本年4月の待機児ゼロを目指して取り組む予定ですと決意を述べられております。  区長は、今年度の認可保育園申し込み1次分での過去最大規模の不承諾1,786人の結果を受けて、認可保育園待機児解消の取り組みについて、どのように拡充・強化されますか。  また、挨拶で示された本年4月、来月です。来月4月の待機児ゼロを目指す取り組みの見通し、おおた未来プラン10年(後期)で、2018年度に待機児ゼロへの取り組みの強化についてお答えください。 ◎市野 こども家庭部長 喫緊の課題であります待機児解消対策につきましては、昨年度、平成26年度大田区待機児解消緊急加速化プランを策定し、保育サービス定員を1,049名拡充するなど、集中的な取り組みの結果、平成27年4月の待機児数は154名と、大きく減少いたしました。  また、平成27年度は、保育サービス定員420名増を目標に取り組みを進め、平成28年4月までに556名の定員増を図る見込みとなってございます。  こうした取り組みにより、保育施設の整備実績は、おおた未来プラン10年(後期)の当初計画を大幅に上回る進捗率になってございます。  本年4月の待機児ゼロを目指す取り組みでございますけれども、認可保育所1次選考の内定発表後に、特設サポート窓口を設け、保育ママや新規に開設する小規模保育所等の申し込みの受け付けを行うとともに、近隣の入所可能な保育施設について、個別に情報提供を行うなど、4月入所に向け、区内の保育資源を最大限に活用する取り組みを現在進めているところでございます。引き続き、保育サービス基盤の拡充を図るとともに、利用者支援の充実や保育人材確保に向けた対策の強化など、総合的な待機児解消対策に努めてまいります。 ◆佐藤 委員 この間、大田区は、多様な保育ニーズに応えるためとして、多様な手法を駆使しながら、保育サービス基盤の拡充を図ってきました。  この中で、認可保育所のほかに、小規模保育所、認証保育所、グループ保育室、定期利用保育などの整備が進められてきました。児童福祉法第24条に規定された自治体の責務、措置をしなければならないという立場に立って、小学校入学までの未就学児を保育できる認可保育園を希望する数に見合って増設・整備することに本腰を入れて進めてこなかったことが、今日の事態を招いたことは、明らかではないでしょうか。  大体今回から、新制度の開始に伴い、小規模保育所に定員390人分の定員を入れました。認可保育園待機児不承諾数には、この数は含まれておりません。  私は、大田区の保育行政の抜本的な転換の時期が、まさに今来ているのではないかと考えます。毎年減らない認可保育園待機児問題を解消するためにも、対処療法的な対応を改め、認可保育園待機児数に対応した対策強化を求めます。お答えください。 ◎市野 こども家庭部長 増加する保育ニーズに的確に対応していくためには、多様な保育ニーズに対応した保育サービス基盤の拡充を図っていくことが、不可欠であると認識してございます。  このため、認可保育所に加え、小規模保育所、認証保育所、グループ保育室、定期利用保育事業などの整備を進めるとともに、新たに定員の一部を地域に開放する事業所内保育所の開設支援にも取り組んでまいります。  また、保護者がニーズに合った保育サービスを適切に選択できるよう、保育サービスアドバイザーによる個別のニーズに寄り添った丁寧な相談対応など、利用者支援の充実にも努めているところでございます。  引き続き、待機児解消に向けた施策を総合的に展開していくことにより、地域の保育ニーズにきめ細かく対応し、保育を必要とする子どもが適切なサービスを利用できるよう、迅速に取り組んでまいります。 ◆佐藤 委員 今のお答えの中にありましたけれども、この多様な保育ニーズに応えるためということで増やしてきたわけですよね。認可保育所だけではなくて、認証保育所、グループ保育室、定期利用保育室などを増やしてまいりましたけれども、結局のところ、認可保育所を申し込む数というのは、どんどん増えているわけですよ。ここが一番ニーズがあるのではないでしょうか。ここに本腰を入れた取り組みをしない限り、この問題を解決しないということが、この間のこういう数字の中からも明らかになっているわけですから、大田区の認可保育所を増やしてきたということは、これはこれで私は、評価しているのですけれども、そこに本腰を入れた取り組みが、まだされていない。  だから、毎年、これだけ増えていくというところがあるわけですから、この抜本的な転換を求めておきます。  今回からの認可保育園の募集枠には、先ほども紹介しましたように、定数390人の小規模保育所が加えられました。小規模保育所は、1歳児、2歳児を保育する小規模保育所です。子どもは、この小規模保育所に入所した子どもは、3歳児になるときに、新たな保育施設を探さなければならなくなります。  来年度以降のいわゆる3歳児問題について、区の見解、取り決めをお聞きします。 ◎市野 こども家庭部長 小規模保育所につきましては、待機児が多い低年齢児を対象としていることに加えまして、その施設規模から機動的な展開が可能となりますので、待機児解消対策として有効なものと認識してございます。そのため積極的な整備を進めているところでございます。  お話の3歳児の受け入れにつきましては、1、2歳児を対象とした小規模保育所や低年齢児を主な対象とした認証保育所の地域ごとの利用状況を踏まえ、計画的に保育施設の整備を進めてございます。  今後も、待機児解消に向けた総合的な取り組みの中で、保育を必要とする子どもが安心して保育サービスを利用できるよう、保育サービス基盤の拡充に努めてまいります。 ◆佐藤 委員 先ほども触れましたけれども、結局、小学校入学までの未就学児のところ全体で考えないと、この問題というのは、イタチごっこになるわけですよ。小学校入学までのお子さんが、保育できる環境整備、これは、やはり認証保育所ということになると思うのですが、ここの整備が必要となります。  しかも、先ほど、第1次分の不承諾数が、過去最大規模の1,786と言いましたけれども、これは、去年まで入っていなかった小規模保育所も加えた数なのです。  だから、昨年の同じ考え方でいきますと、この分が加えられますから、2,176人認可保育園待機児が、今回、生まれたということになるわけですから、これは、本当に大変深刻な問題になってきています。  それで、3歳児になれば、この390人の小規模保育に入りましたお子さんが、順次、新たな保育施設を探さなければいけない。  だから、3歳、4歳、5歳とどこでどう保育をするのか、その環境をどう整備していくのかを考えなければいけなくなるわけです。やはりこういうところを考えたときも、しっかりとした認可保育所を整備する。ここに本腰を入れるということを加えて指摘をしておきます。  大田区では、民間保育事業所が行う人材確保のための事業として、宿舎借り上げの経費の一部を補助しています。この制度では、区内保育施設に勤務する保育士と看護師に限って、宿舎借り上げの一部助成をしていますが、対象保育士・看護師以外にも広げ、保育施設で働く全ての人、職種にも助成できるように求めます。  また、0歳児保育を実施する認可保育園に義務づけがされております看護師確保のための賃金の一部助成など支援強化を求めます。お答えください。 ◎市野 こども家庭部長 保育従事職員宿舎借り上げ支援事業は、保育従事職員の宿舎借り上げのための経費の一部を保育事業者に助成することによりまして、大田区の保育所で働きやすい環境を整備し、保育人材の確保と定着促進を図ることを目的とした事業でございます。この事業目的を踏まえ、特に人材確保の困難な職種を対象として実施しているところでございます。  また、看護師確保のための賃金の一部助成などの支援強化ということでございますけれども、現在、0歳児保育を実施する認可保育所では、看護師等の配置を必置としてございますので、区独自の人件費の加算を行ってございます。  さらに、0歳児保育を実施しない認可保育所につきましても、保育の質の向上に向けて、看護師等を実際に配置をしていただいている保育園に対しましては、人件費に係る助成を実施しているところでございます。 ◆佐藤 委員 保育労働者ですね。特に保育士なども、先般、国の補正予算などで処遇改善の資金もつけられたように、国も認めるほど、今、大変処遇が悪いと。賃金が全労働者の業種で見ても、本当に低いという中で、こういった今、人材確保のための事業というのを大田区が展開していることは、私は、評価できると思っているのですが、ただ、保育というのは、やはりチームプレイですから、そこにいろいろな差別・格差を持ち込むという中で、いろいろなあつれきなども出てきているというのが、現場の声として聞こえております。  ですから、こういうところも、しっかり底上げを図っていくということも大事ですし、看護師も保育士と同様、今、なかなか賃金が低いということが問題になっていまして、確保が大変。  特に、先ほど触れさせていただきました、区内の認可保育所で見まして、募集をかけても本当になかなか集まらないというところが言われていますから、保育士同様、看護師確保の事業も、今、一部やっていますけれども、さらにここを強化していただきたいということを要望しておきます。  それと、新年度も含めまして、新たに、区立保育園の民営化ということが言われていますが、やはり直営の区立保育園を残すよう、18拠点と言っていますが、そこに固執をしないで、しっかりと残すことを求めます。区立保育園の民営化の中止を求めます。お答えください。 ◎市野 こども家庭部長 増加する保育ニーズに的確に対応していくためには、多様な主体と連携・協働しながら保育サービス基盤の拡充を図ることが必要でございまして、民間の活力や創意工夫を生かすことで、機動的で柔軟な保育サービスの提供は、可能になるものと認識しているところでございます。  区立保育園につきましては、18園を地域の保育サービス水準向上のための主導的な取り組みを行う拠点園と位置づけ、他の区立園につきましては、順次、民営化を進めてまいります。  これらの取り組みにより、保護者がニーズに応じた保育サービスを選択できるよう、質の確保された保育サービス基盤を整備してまいります。 ◆佐藤 委員 民間の活力というお話がありましたけれども、先程来、指摘しておりますように、今、認可保育所の待機児というのが、過去、最大規模になっている状況がありますよね。ここをどのように解決をしていくか。  そして、そこの根底といいますか、一つの大きな課題にもなっております人が集まらない、人材をどう確保していくかという問題があります。  もちろん先ほども指摘させていただきましたように、私立の認可保育園の人材確保のための事業ということを大田区は、展開もしております。  だけど、これだけでは、無理があるというのが現状ではないかと思うのです。  ですから、公の役割をしっかりと大田区が果たしていく。区立保育園の民営化をやめて、しっかり公の施設の役割を果たすということを、今が本当に大事になっていると思いますので、これを求めておきます。  次に、産業実態調査を生かした、区内の産業政策の強化について質問をいたします。  昨年度、2014年度に、大田区が行ったものづくり産業等実態調査では、区内のものづくり企業、事業所の現状と課題を浮き彫りにしました。  調査では、小規模零細事業者や下請事業者を中心に、区内取引が密に行われており、仕事を互いに融通できるなど、企業間の水平的なネットワークの存在が大きなメリットと、改めて区内のものづくり産業の集積、ネットワークの強みが確認された一方で、工場数は、1983年の9,177事業所をピークに減少し、現在、2014年度では、3,481事業所まで大きく落ち込んでいること。事業者規模では、3人以下が51.1%、4人から9人の事業者規模が27.8%で、9人以下の事業所が全体の約8割を占め、小規模零細な町工場が大田区の工業の主力となっていること。  そして、事業者規模が小規模な事業所で事業継承者を決めていない割合が高く、従業者数3人以下で、約8割が後継者が決まっていないなど、高い技術を持った熟練の職人が高齢化のため退職をしたり、事業所が廃業する中で、急速に大田区の区内のものづくりの技術の集積が衰退する危険が差し迫っている実態が明らかになっております。  大田区は、この間、区内ものづくり事業者の支援のために、区内ものづくり企業の集積の維持発展に結びつけることを目的に、ものづくり工場立地助成を技術の高度化に伴う産業競争力強化や、高付加価値化を目的に、設備投資助成、技術力、開発力向上を目指し、新製品・新技術開発助成などの支援事業を行ってきたことを、党区議団の清水議員の一般質問への答弁で強調されております。  しかし、2014年度実績で、ものづくり工場立地助成は7件、設備投資助成は8件、新製品新技術開発助成は21件です。区内ものづくり企業の集積の維持・発展に結びつける技術の高度化に伴う産業競争力強化や、高付加価値化、技術力、開発向上などの支援をすると言いながら、これではあまりにも対象規模が小さ過ぎるのではないでしょうか。抜本的な強化を求めます。お答えください。 ◎鴨志田 産業経済部長 ものづくり工場立地助成、新製品・新技術開発支援事業助成などにつきましては、区内産業の集積の維持・発展と技術の高度化を図る上で非常に重要な事業と認識をしております。  ものづくり工場立地助成につきましては、複数年度にわたって助成を行うために、その都度助成企業の訪問を行いまして、事業計画の進捗状況ですとか、今後の成長性などを調査いたしております。  設備投資助成につきましては、区は、現在でも活用いただいた企業を専門家とともに訪問しまして、フォローアップを行いながら、事業の検証を行っているところでございます。  公益財団法人大田区産業振興協会が実施をしております新製品・新技術開発支援事業助成につきましては、専門家によりますフォローアップを行いまして、市場投入などに向けた支援に努めているところでございます。
     こうした検証作業を通じまして、制度の見直しを行うことで、企業の競争力の強化ですとか、高付加価値化、技術力の向上につながっていると認識をしているところでございます。  平成28年度の予算案では、工場の空き物件ですとか、事業用地の調査などに関する予算、あるいは、ものづくり工場立地助成の予算規模の拡大など、ものづくり企業の集積の維持や高付加価値化に結びつく支援策を創設・拡充いたしております。  協会におけるビジネスサポーター制度ですとか、区職員自らが、中小企業経営者などと日常的に情報交換をしながら、時代に即しました必要な施策・事業を今後も展開していきたいと考えております。 ◆佐藤 委員 先ほどの質問の中でも紹介させていただいたのですが、ものづくり工場立地助成がたった7件です。設備投資助成もたった8件です。新製品新技術開発助成は、たった21件です。大田区のものづくり企業は、2014年度の調査で、3,481事業所があると。そこに、私は、これが全く届いていないのではないかと思うのです。  これは、部長、ぜひ答えてほしいと思っているのですが、もともとさまざまな理由をつくって、こういった助成事業の支援事業をやっているのですが、もともと申込者数が少ないからこういう件数になっているのですか。それとも、予算がこれぐらいでいいと判断しているから、これぐらいの事業にとどまっているのですか。お答えください。 ◎鴨志田 産業経済部長 各助成制度につきましては、その時代に合った制度構築を行っているところでございます。  ものづくり工場立地助成などに関しましては、実際に立地をされる企業が出てきた場合に適用されるものでございますので、なかなか年度の当初では、何件が適用されるということについては、難しい面がございます。  ただ、大田区では、可能な限り、立地の支援をすることによりまして、その数を増やしていきたいと考えているところでございます。  各助成制度を使いました各企業の皆様におかれましては、工場を立地する、あるいは、新製品・新技術の分野に進出する。そういったことで、自分の工場以外に部品等を発注をするといった行為が伴ってまいりますので、1企業だけではなくて、大田区全体の企業にその支援制度のシャワー効果といいますか、そういったものが発揮されていくと考えております。 ◆佐藤 委員 今、シャワー効果の話もありましたけれども、やはりこれでは、足りないのではないですか。  それと、年度当初でどれぐらいの希望者、手を挙げる事業所企業があるかというのが予想できないという話もありましたけれども、それでしたら、今の大田区の工業の実態に合っていない施策を一生懸命区がやっているということも、私は、考えられるのではないかと思います。  シャワー効果があるというのは、どれぐらいの効果があるのか。実際に、この間、一貫して1983年以降、大田区のものづくり企業・事業所がどんどん減ってきているということがあります。  これは、もちろん大田区の施策だけに問題を、求めることはしませんが、ただ、大田区が今行っている施策というのは、実際に現場で求められている施策と合っていないということがあると、このミスマッチングが私はあるのではないかと思います。ネットワークをどう維持・発展させるか。この仕事まわしの実態ですね。ここのところでも、結局呼び込み型でいろいろなところから呼んできて、何とか大田区で仕事をしてくれということでやるのか。それとも、今、実際にもう何十年も区内で頑張って啓発されて、それで、技術が本当に蓄えられているところの区内のものづくり企業、事業所の力をどう生かすかというところに、立たないと、きちんとマッチングした、そこの効果に合った施策にはならないのではないかと思います。  産業実態調査で浮き彫りになった区内産業、ものづくり産業の急速な衰退の現状への対応としては、現実に即した規模にはなっていないと思います。せっかくの施策ですから、効果を生み、実績を上げるためにも、重ねて抜本的な拡充を求めておきます。  例えば、今、大阪市などが取り組んでおりますビジネスマッチングで、製造業の販路、技術提携先などを紹介する事業があります。マッチングナビゲーターと呼ばれる経験豊富で専門的な知識を持つ大企業のOBなどが、約50人で中小企業などに訪問して、その企業の得意分野や特徴などを他の業種への活用や各企業に合ったマッチング模索をし、売り込みを行っております。企業への技術的なアドバイスも行っております。  大田区でも、この大阪市の取り組みを参考にして、取引拡大の支援強化、区外を周り、仕事を確保する施設施策の充実・強化を求めます。  専門開拓員を現行の2名から10名に大幅に増員し、訪問目標を月間10社から50社以上にこの目標も大きく引き上げるように求めます。  また、訪問先、売り込み先を現在の中堅・大手メーカー、研究開発機関にとどまらず、広く全国の産業集積地域のものづくり企業に拡大し、広く大田のものづくり技術の売り込みの強化をするように、拡充を求めます。お答えください。 ◎鴨志田 産業経済部長 公益財団法人大田区産業振興協会におきましては、従来の2名の市場開拓員と3名の受発注相談員の体制を改めまして、平成28年度予算案におきまして、全員が発注開拓及びあっせんを行います「ものづくり連携コーディネーター」として、市場開拓を充実するための体制強化のための予算を計上してございます。  今後さらに、区内企業の現状と強みのある製品などの把握に努めるとともに、発注開拓のための訪問予定数の目標につきましては、現在の月間10社から15社に拡大をしてまいりたいと考えております。  より多くの中堅・大手メーカー、研究開発機関への発注開拓に努めまして、医療、福祉やロボットなど、新しい産業分野への区内ものづくり企業の取引拡大につなげていきたいと考えております。 ◆佐藤 委員 今、発注開拓員が2名で相談業務などを専門にやっていた発注相談員3名、これは、もともと変わらないのですが、この2名と3名が市場開拓員もやるという答弁もされました。  それで、月間10社の目標を15社に引き上げますよと。やはりこれは、今の大田の大変な工業、また、まちの大変な状況から鑑みても、そんな施策展開では遅いのではないですか。  それで、私のもう一つの質問に答えていないのですが、今、この発注開拓員は、中堅・大手メーカー研究開発機関などへの訪問営業を行っておりますが、これを広く大田のものづくり技術を売り込むためにも、全国の産業集積地域のものづくり企業などにも拡大するよう求めました。  確かに、今まで、2人しかいませんでしたから、この2人の方に、あっちも行って、こっちも行って、それで全国を回ってくれというのは、これは、無理な体制ではあると思っているのですが、増やしていけば、そういう目標もさらに大きく広がるのではないかと思いますが、この点についていかがですか。 ◎鴨志田 産業経済部長 受発注開拓、市場開拓につきましては、非常に重要な要素と考えてございます。  ただ、そこの面に関しましては、費用対効果ということを十分考えなければいけないかなと思っております。  確実に、発注、もしくは受注が見込めるという場合には、はっきり申し上げて海外にでも行っていいわけでございますが、行くことは無駄になるということが続きますと、その行くこと自体の費用と時間が無駄になっていくということもございます。そこのところにつきましては、区内企業への発注をまず目指すという中で、必要に応じて全国各地の企業と接触をとってまいりたいと考えております。 ◆佐藤 委員 本当に、大田区は、まだ残っているこの技術をどうやって生かして仕事につなげていくかというところが肝要なわけですよ。  それで、先ほども紹介しましたが、大阪市では、同じような取り組みで、私が視察でもお話を聞きに直接伺いましたけれども、2年前で54人、豊富な知識を持つマッチングナビゲーターと呼ばれる方が活動していました。大阪市内中小企業、中小業者の仕事確保のためにやっているのです。  この大阪府で54人やっていたのが、大田区は、今まで2人だったと。今度、発注相談員などにも、そういう仕事を拡大して5人にするという話ですが、それでも全然足りないということを、まず、認識してください。  それで、考えなければいけないということもありましたけれども、ぜひ、せっかく技術を持っていて、ネットワークがあるうちに、仕事をどう本当に確保していくか。この視点に立った産業の施策の強化が、大事だと思いますので、この点について、しっかり拡充をするよう求めておきます。  次に、区民の安心・安全の区政について質問いたします。  結婚歴のない非婚のひとり親家庭の経済的負担を軽減するため、法律上結婚歴がある寡婦を対象にした寡婦控除を非婚にもみなし適用し、保育料などを軽減する自治体が、今、全国で増えております。  現在、大田区でも、非婚のひとり親家庭へ、様々な施策が適用できるよう検討されていると思いますが、23区での実施状況をお答えください。 ◎川野 区長政策室長 現在、大田区で把握してございます保育料や区営住宅使用料への適用など、何らかの方法によりまして、非婚のひとり親家庭への施策を実施している区につきましては、23区中13区でございます。 ◆佐藤 委員 13区というお話がありました。23区中13区で、大田区がまだ、これを実施していないというのは、やはり大田区が23区の中でも遅れている実態が現状であると思います。  2013年に、最高裁は、結婚していない男女間に生まれた非嫡出子、婚外子の遺産相続分を、結婚した夫婦の子の2分の1とした民法の規定について、法の下の平等を保障した憲法に違反するとの判決を出しました。  憲法は、法の下の平等を保障しています。両親が結婚しているかどうかによって、生まれた子どもが差別されることは、許されません。婚外子の差別は、相続だけではなく、母子家庭でも婚姻歴の有無で経済的な負担に差が出るのが、寡婦控除です。  パートナーと死別や離婚した母親は、所得税が控除されますが、未婚の母親には、この寡婦控除が適用されていません。最高裁決定を契機に、こうした差別的な扱いにも、見直しが今、全国で進んでおります。  先ほども答弁がありました。23区で13区の自治体でこのことが行われている。これは、今、大勢になってきているのではないでしょうか。日本弁護士連合会、日弁連も、2013年1月に、非婚の母子家庭に寡婦控除みなし適用をするよう、要望するという要望書を総務大臣や東京都知事、新宿区長などに提出をしています。  同要望書の中で、非婚の母を合理的な理由なく差別をすることは、憲法違反であると指摘するとともに、抜本的に税制改正そのものが必要としながらも、まず、自治体が寡婦控除が適用されているとみなし、公営住宅入居資格及びその賃料などの算定や保育料などに、みなし控除を導入するよう求めています。  現在、大田区での非婚のひとり親家庭の経済的負担を軽減する寡婦控除のみなし適用についての検討状況を教えてください。 ◎市野 こども家庭部長 現在、学識経験者、区議会議員、子育て支援事業関係者、区民の方から構成されました「保育園・学童保育保育料検討委員会」を設置し、認可保育所等の保護者負担のあり方についてご議論をいただいているところでございます。  検討にあたりましては、公平性、受益と負担の関係性、少子化対策、子どもの貧困対策、保育の質の確保の五つの見直しの視点を設け、現在までさまざまな角度からご意見をいただいているところでございます。  非婚のひとり親に対する支援といたしましては、子どもの貧困対策の視点から、保育料の階層区分の認定の際の非婚のひとり親に対する寡婦控除相当の扱いについて検討いただいているところでございます。  今後、検討委員会における検討結果を踏まえた保育料の見直しの中で、非婚のひとり親に対する対応を検討してまいります。 ◆佐藤 委員 今、保育料と学童保育の利用料などのお話がありましたけれども、ほかの分野はいかがですか。 ◎川野 区長政策室長 非婚のひとり親家庭への寡婦控除のみなし適用につきましては、所得税法や地方税法の寡婦控除の規定の改定等も望まれるところでございます。  ただいま、こども家庭部長からご説明をさせていただいたとおり、保育料につきましては、現在、検討しているところでございます。  ほかの分野につきましても、国等の動向を見守りながら、法令等に基づき適宜、適切に対応してまいりたいと考えてございます。 ◆佐藤 委員 今、ほかの分野でやっているのか、やっていないのかという話がちょっと明確な答弁がなかったのですが、非婚のひとり親家庭のみなし寡婦控除を適用し、支援の実施を求めますが、それについてはいかがでしょうか。 ◎川野 区長政策室長 先ほども申し上げましたとおり、今後も法令等に基づきまして、適宜・適切に対応してまいります。 ◆佐藤 委員 そう言われますと、私もいろいろ聞きたくなるのですが、この間、大田区が、なぜ、この問題について検討してこなかったのか。先ほども紹介しましたけれども、日弁連が2013年1月に非婚の母子家庭に寡婦控除みなし適用をするよう要望するという要望書を、東京都知事や新宿区長などに提出される中で検討が始まって、実施が行われている、適用が行われているということが進んでおります。  大田区では、実際に、そういった要望書が今まで来なかったから考えてこなかったのか。それとも、実際には、来ていないのだけれども、ほかの自治体の動向を見ながら、今までずっと見ていたのか。なぜ、これは、進んでいないのかというのは、答えられますか。 ◎川野 区長政策室長 先ほど、ご答弁をさせていただきましたとおり、区の中では、まず、こども家庭部のほうでは、保育料につきまして、保育料検討委員会において既に検討させていただいているところでございます。  また、ほかのところにつきましても、国等の動きをきちんと捉えながら、法令に基づき、適宜適切に対応できるように検討を重ねているところでございます。 ◆佐藤 委員 この寡婦控除に関しましては、国のほうでも、指針も示されておりまして、市町村長、自治体のところで、この取扱いについて判断されるものと考えるということが出ています。  ですから、国の動向は、国の動向で、もちろん抜本的な所得税だとか、住民税のところをどう変えるかということもあるのですが、それ以外に保育料を含めます区民・区営住宅の室料なども含めまして、それは、自治体が判断できるものだというのが、国の見解なわけですよ。国はもうそういった見解を出しているわけですから、大田区がその気になれば、これはできるわけですから、ぜひ保育料や学童保育料だけにとどまらず、そのほかの自治体、隣の川崎市や世田谷区、また、横浜市などでもう始まっていますので、他の自治体のそういった動向もしっかり見据えて、保育料だけに限らず、もっと拡大をして、適用の実施を進めていただくよう、強く要望をしておきます。  危険な踏切、学校踏切の廃止と代替え施設について質問します。  今年の2月5日、40代の女性がJR大森駅近くの踏切、学校踏切で命を落としました。これで、2013年以降の4年間だけで、5人の方がこの踏み切りで亡くなっています。  2014年度に大田区は、JR大森駅近くの踏切、学校踏切の廃止に向けて、代替え立体横断施設の整備を進めるために予算をとって、周辺の地形や建物などの高さや位置関係を把握するための測量調査、立体横断施設の設計に必要な地質調査及び密集市街地などの厳しい施行条件の中で、最適な工事を行うための工法検討などを探る調査を行いました。  また、今年度は、踏切安全対策のためのアンケートを行い、周辺地域の線路の横断の人の流れ、学校踏切付近の代替え施設、踏切以外の線路の横断方法として、線路の上の歩道橋か、線路の下を通す地下道かなどの地域住民の踏切利用者の意向調査を行っております。  今後の計画、学校踏切の安全対策と代替え施設への移行への方針をお聞きします。 ◎荒井 都市基盤整備部長 区としては、これまで学校踏切の安全対策として、委員ご指摘の鉄道事業者の協力を得ながら、踏切路面のカラ一舗装化、また、階段手すり設置、注意喚起看板設置等を行ってまいりました。  また、交通安全運動期間中には、区職員を踏切に配置し、注意喚起を行っております。  一方、平成24年には踏切の交通量調査、平成26年度には、測量・地質調査を行い、抜本的な安全対策についても検討を重ねているところでございます。  今後は、これまでの測量・調査と、今年度行っているアンケート調査結果をもとに、経済性、実現性、利便性等を考慮した検討を深めてまいります。 ◆佐藤 委員 今後の方針を考えている、アンケートなどもとったり、この間の測量調査なども行っている中で検討しているということだったのですが、この測量調査を行った時点で、課題も含めましてどういったことが出ているかということと、この2月29日までのアンケートの結果の内容と何通返ってきているかということがわかれば、教えてください。 ◎荒井 都市基盤整備部長 地質調査等というのは、基本的には、土地に関して段差があったりとか、そういうものがございますので、そこら辺の調査を行ったところでございます。  また、アンケートにつきましては、今、回収の最中でございますので、まだ、集計の途中でございます。 ◆佐藤 委員 私も、この学校踏切の近くに住んでいるものとして、これだけ区内で毎年のように死亡事故が起きるという踏切はないと思います。  このアンケートも見ましたけれども、踏切やまた、この線路を横断する地域の皆様、利用者の皆様からは、利用しやすい代替え施設をつくってほしい。もちろん上を通すという陸橋型もあるのですが、下を通してほしいという話もよく聞きます。近くにある百貨店スーパーなどに、大森北の方面から山王の方に買い物へ行くという方も大変多い、そういう便利に使っている踏切ですので、利便性を損なわない代替え施設を求めておきます。  新年度予算案には、学校踏切設計委託、3,097万5,000円の予算が計上されておりますので、ぜひ、この予算も有効に使っていただいて、一日も早く学校踏切を閉鎖して、代替え施設で安全対策の強化を求めまして、質問を終わります。 ○岸田 委員長 次に、民主、質疑をお願いいたします。 ◆岡 委員 岡高志でございます。今日は、よろしくお願いいたします。  大田区議会民主党を代表いたしまして、来年度予算についての総括質疑を行ってまいります。  まずは、「選択と集中」という言葉について伺ってまいります。  「選択と集中」という言葉は、近年、区長はよく使われています。今定例会における区長挨拶でも安定した行政サービスを提供できる持続可能な財政運営を行っていくための「選択と集中」だと理解しますとおっしゃっていました。「選択と集中」の裏には、見直しを求められることもあります。  松原区長にお伺いします。今後、特に見直しをしていく施策などをお示しください。 ◎松原 区長 多様化し、複雑化する区政の課題を迅速かつ効果的・効率的に解決するには、限られた「ヒト・モノ・カネ」といった限りある経営資源を区民サービス向上の視点から重要性や緊急性を見極めて事業を選択し、集中的に配分することが重要でございます。  また、選択し、集中すべき重要課題は、社会情勢によって変化することから、状況を見極め、定期的に見直すことが必要であります。  このような認識から、行政評価や大田区補助金等交付規則に基づき、補助制度の見直し、予算編成の過程における精査など、あらゆる機会を捉えまして、「ムリ・ムダ・ムラ」を検証し、絶えず見直しを図っております。  さらに、優れた手法によります事業提案を表彰する、事業提案インセンティブ制度を試行的に導入するなど、前例にとらわれることなく、既存手法による経費の縮減にも努めております。  今後は、これらの経営のツールにつきましても、実効性を高め、加速する社会情勢の変化に的確に対応できるよう、絶えず見直しを図り、レベルアップすることが重要と認識しております。  行政評価につきましては、現行の評価に加え、定量的な評価が測れる仕組みを構築してまいります。  また、補助金の適正化方針を策定し、妥当性や公平性、効果について検証してまいります。  私は、区長就任以来8年間、リーマンショックに端を発した世界同時不況など困難な状況も経験しましたが、健全で安定的かつ持続可能な財政運営を確保しつつ、喫緊の課題に取り組み、区民の誰もが安全・安心でいきいきと暮らせるまちづくりを進めてきたと自負しております。  今後も引き続き、区民の目線に立った経営手腕を最大限発揮して、70万区民の皆様とともに「魅力的で暮らしやすい大田」の実現に向けて、力強く前進をしていきたいと思っております。 ◆岡 委員 補助金を含めた見直しというのは、トップのリーダーシップなしには進んでいかないと思っておりますので、取り組みのほうをよろしくお願いいたします。  次に、中小企業融資基金、この55億円について伺います。従前は、信用保証協会の保証のない融資への損失保証は、区がやっていました。  でも、平成26年度の条例改正で、区の損失訴訟、中小企業融資の損失訴訟はなくなっていますから、55億円を銀行に置いておく必要はなくなっているかなと思っています。  また、マイナス金利のこのご時世であるから、現在の金融機関に預託してほしいものではないと思っています。  そうしたら、この中小企業融資基金55億円を引き出して、ほかの事業に使うということをぜひ検討するべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎鴨志田 産業経済部長 大田区中小企業融資基金につきまして、毎年度、大田区各会計歳入歳出決算書におきまして、55億円の運用状況についてご報告をいたしております。  中小企業融資基金は、大田区内の中小企業社が、経営の安定並びに改善及び企業体質の強化を図るために必要な資金を、低利で融資が受けられます「大田区中小企業融資あっせん制度」の円滑な運営のために、区が、区内の金融機関に資金提供しているものでございます。  日銀のマイナス金利の影響ですとか、円安から円高への為替変動、中国経済など不透明な海外経済情勢、大田区の景況調査での厳しい結果など、日本及び大田区を取り巻きます経済状況は、予断を許さないものがございます。  区といたしましては、引き続き中小企業融資基金の効果と必要性につきまして、しっかりと検証する調査・研究を行ってまいります。 ◆岡 委員 何だか、産業経済部長に聞いてしまったような答弁になって、残念ではありますけれども、そこにある55億円を有意義に使うという発想は、とても必要だと思っています。  さらに、55億円を引き出すだけではなくて、金融機関からも、例えば、同額を出してもらう。倍返しで110億円にして、下町ロケット開発を目指すようなベンチャー企業に投資する、ベンチャーファンド組成などの創業支援もぜひ行っていただきたいなと思っております。
     次に、介護保険の新総合事業について伺ってまいります。本会議の一般質問の場で、シルバーデモクラシーを懸念するそうした意見が議員から出ていました。  区長の本会議場の場で、大田区の65歳以上の人口は16万人を超え、2025年には、団塊の世代が75歳以上となり、介護や支援を必要とする方の割合が急増することが予想されますとおっしゃっていました。介護の領域にこそ、選択と集中の政策判断が欠かせないと思います。  介護保険制度の改正では、地域包括ケア体制の構築や費用負担の公平化などに取り組み、さらには、要支援の訪問介護、通所介護、いわゆる訪問ヘルプ、デイサービスについては、自治体の地域支援事業に移行します。  そこで、大田区が、本年4月から実施する総合事業について、どのような効果を期待しているのか、お聞かせください。 ◎中原 福祉部長 新しい総合事業は、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参加し、要支援者等に対して、効果的かつ効率的な支援を行う、地域の支え合い体制をつくることを目的としています。  この事業は、現在の介護認定申請のほかに、さわやかサポートの介護予防ケアマネジメントによって、ご本人の状態等に応じた最適なサービスを提供いたします。  具体的には、事業者のサービスから住民ボランティアによる支援まで、本人のご意向を踏まえ、選択できるようにいたします。  新しい総合事業の効果でございますが、高齢者が地域の支え合いに参加することで、自分自身の生きがいづくりや社会参加、本人の介護予防につながることが期待されます。  さらに、一般介護予防事業としては、老人いこいの家の「いきいきシニア毎週体操」やライブ映像を配信する「ライブでストレッチ」などを中心とした通いの場を拡充することによって、平成28年度は、延べ4万6,000人の参加が可能と考えております。  区としましては、新しい総合事業を通して、高齢者に最適なサービスを提供していくとともに、健康寿命を延伸し、持続可能な介護保険制度の構築に努めてまいります。 ◆岡 委員 高齢者が介護保険だけに頼らないで、元気に暮らせるように一般介護予防事業を充実させてほしいと思っています。  一般介護予防事業は、高齢者にとって、身近な場で利用できるべきだと思います。福祉部所管の先ほど、健康体操の話がありましたけれども、老人いこいの家だけでなくて、ほかの公共施設の健康体操を広げるよう、全庁的なご対応をよろしくお願いいたします。  次に、少子高齢化についてお伺いします。先ほど、発表された「大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、出生率の数値目標を掲げています。これは、大変意義のあることです。私も、1年前のこの場で出生率目標設定をぜひしましょうと申し上げております。  とはいえ、ここで目標が、合計特殊出生率が現状で大田区1.19なのが、目標として1.2となります。総合戦略のこの大きな目標値として、ほぼ現状維持というのはどういうことなのでしょうか。伺いますが、こういった難易度の低い目標を達成するというのは、達成できたとしても、高く評価できないと理解されていますでしょうか。お聞かせください。 ◎川野 計画財政部長 少子高齢化や人口減少を克服する上で、合計特殊出生率の向上は、非常に重要な要素であると考えてございます。  一方で子どもを産み育てるということは、個人の価値観、また、ライフスタイルに関わるものでございます。  最近20年間の区の合計特殊出生率を見ますと、最低値は、平成17年の1.00、最高値は、平成26年の1.19となってございます。近年、10年間は、おおむね増加を続けておりまして、総合戦略におきましては、子育て環境の向上を図ることでこの傾向を保ち、下限値を1.2といたしまして、計画期間中、毎年これを上回ることを目指すことといたしました。  区では、少子化に的確に対処する上で、区民の皆様が子どもを安心して産み育てられることができるよう、子育て環境の整備や、多様な子育て支援のための施策を展開することが重要と考えておりまして、合計特殊出生率の数値は、これらの施策の成果を間接的にはかる一つの目安となるものと考えてございます。  今後は、合計特殊出生率の推移を把握し、事業の分析や見直しに活用するとともに、総合戦略の見直しや改定を行う際は、目標値の数値につきましても、その都度検証・見直しを行ってまいります。 ◆岡 委員 今、部長のご答弁の中で、特殊出生率の推移をこれから見ていきましょう。さまざまな少子化対策を打ちますとありました。  ただ、今までも、先ほどおっしゃった最低値の出生率が1.01から1.19に上がってきた。そういう推移があります。  それで、この間、当然、大田区もこども家庭部中心に少子化対策を行ってきて、先ほど、部長のご答弁の中で、産むか産まないかは、ライフスタイルの問題だと。もちろん大田区が今まで行ってきた少子化対策というのは、産む人たちへの政策を打ってきた、これが中心的だったと皆様、ご存じのとおりなのだけれども。そうした意味で、計画財政部長として、これまでの大田区の少子化対策については、どのように評価されているのか、お聞かせください。 ◎川野 計画財政部長 区民の皆様が、安心して子どもを産み育てられる施策として、大田区としては、重点的にこれまで取り組んできたと考えてございますし、これからの人口構成の変化に的確に応えていくための施策を、部局とともに検討してまいります。 ◆岡 委員 取り組んできたことは、我々も知っているのですが、それがどうやってそういう数値に反映できてきたのか、もう少し解析はしていただきたいと思った次第です。  次、国民健康保険のデータヘルス事業について伺ってまいります。  国民健康保険のデータヘルス事業は、来年度から始まります。平成25年、私は、地域・産業委員会に所属していまして、商店街の人たちと広島の呉市に行く機会がありました。呉市は、国民健康保険の医療費適正化の取り組みが先進的であると知られていましたので、ぜひにと、視察項目に追加していただいたことを思い出す次第でございます。  それで、呉市で伺ったのは、国民健康保険の大量な診療データや検診データを解析して、被保険者の重症化を回避したり、ジェネリック医薬品への切替を促進して、医療費適正化につなげる取り組みです。多くの委員とその意義を共有することができました。  こうして大田区で、呉市方式のデータヘルス事業が始まることは、大変感慨深いです。  それで、データヘルス事業は、医療費適正化の観点からは、取り組む費用よりも大きな医療費削減が発生しているべきです。  平成25年から、大田区でもジェネリック医薬品の差額通知事業に取り組んでいますけれども、今までの費用対効果をお示しください。 ◎茂呂 区民部長 平成26年の通知事業の発送経費が約28万円でございます。  また、国保連合会のデータによれば、大田区では、ジェネリック医薬品利用による保険給付費の削減額は、平成26年8月から平成27年7月までおよそ760万円となってございます。 ◆岡 委員 そういった意味で、データヘルス事業の一つの成果が既に出ていると思うところです。  それで、今回、糖尿病の重症化についての取り組みであると。これは、糖尿病の重症化が医療費負担を大きくさせる。このデータ分析結果を受けて、保健指導による糖尿病の重症化予防対策に取り組んでいく予定ですね。  呉市でもそうでしたが、地域の医者の理解がこういったことに必要だと思います。大田区であれば、健康政策部のサポートが欠かせないと思います。  この点について、健康政策部の対応をお聞かせください。 ◎石原 保健所長 大田区国民健康保険のデータヘルス計画につきましては、その策定過程において適宜区民部と意見交換を行ってまいりました。この計画を実効性のあるものとするため、委員ご指摘のように医療機関のご協力が欠かせないということで、保健所としましても、区内医師会、歯科医師会、薬剤師会などに対して情報提供するとともに、糖尿病重症化予防のような保健事業について、ご理解・ご協力をいただきますよう、今後も区民部と連携して、大田区国保の被保険者、ひいては、大田区民の健康増進のために対応してまいりたいと考えているところです。 ◆岡 委員 そういった意味で、そのデータヘルスについて、国民健康保険の動きもそうですけれども、健康政策部がしっかり動いていただいて、医療費の適正化という、我々のお財布もヘルシーであったり、だけれども、体のヘルスのヘルシー、両方ともに供するように頑張っていただきたいと思います。  また、区長のご挨拶の中であった、「スクエア」なまちづくりという言葉を、今回、結構多くおっしゃられていまして、「スクエア」は何かとわからなかったので、区長挨拶の後でペーパーを読みましたら、蒲田、大森、臨海部、羽田空港、この4エリアを頂点とした四角形なのです。そういったら調布地域が、この範囲外に置かれるのは、大変残念だなと思います。  さて、羽田空港跡地について空港まちづくり本部に伺います。  昨年の決算特別委員会で申し上げましたけれども、羽田空港跡地利用OTAプランでは、基盤整備だけで87億円もお金がかかるとされています。  やはり区民負担を極小化していただきたいと思います。整備終了後の道路・公園などは、区に移管されると聞いています。そこで負担する費用は、できる限り国や都に負担をお願いをしたい。取得する宅地部分については、午前中、自民党の安藤委員もおっしゃっていましたけれども、跡地の歴史を思い起こせば、本来は、大田区の土地ですから、無償で取得できるように交渉してください。  整備予定の建物の検討については、事業者公募が検討されて予定されています。民間の活力を引き出すといっても、言い出した大田区が、確固たるアイデアを持っていなければ、まとめることはできないのです。  建物整備方針の2本柱は、産業交流施設とクールジャパン発信拠点であります。クールジャパン発信拠点はともかくとして、産業交流施設は、いま一つ具体像が見えないというのは、ほとんどの区民の声です。  空港まちづくり本部では、兼ねてから検討していますけれども、現状の産業交流施設についてのアイデアをお示しください。 ◎玉川 空港まちづくり本部長 羽田空港跡地において整備を予定しております産業交流施設は、産業経済部と連携をしながら検討を進めているところでございます。先端産業分野において活躍する企業や新たな時代を切り開こうとする起業家・ベンチャー企業を国内外から誘致をしまして、これらの企業と区内企業とのコラボレーション機会を創出させ、区内産業の活性化と我が国の国際競争力強化につなげていくことを目指してございます。この目標を達成するため、今の段階からさまざまな取り組みを行ってまいりたいと考えてございます。  今年度、第5次補正予算でご提案申し上げております、「IOT仲間まわしによる生産性向上プロジェクト」や「プロトタイプセンターの整備」なども、こうした取り組みの一環と位置づけております。  区内企業の取引環境の向上や試作品分野を通じた交流機会の増加を目指す、これらの取り組みによりまして得た成果は、産業交流施設の機能にも反映させていき、区内企業の成長発展機会を増やしていくことにつなげてまいります。  産業交流施設が官民連携により、大田区ものづくり産業の存在感を高め、その集積の強化を実現するものとなるよう、引き続き取り組んでまいります。 ◆岡 委員 答弁を伺っていますと、結構具体的になりつつあるのかなと思っております。引き続き、大田区のリーダーシップを発揮して、まさに大田プライド、そのものづくり企業の力をしっかりと活かしてもらいたいと思っております。  時間が思いのほか、なくなってきましたので、子どもの貧困対策を聞こうと思っておりましたが、飛ばしまして、ギャンブル対策について伺ってまいります。  ギャンブル依存症者が、成人男性の9%もいる。そんな調査があります。これは、長らく日本の貧困問題に目を向けていたビッグイシュー基金が、昨年、10月に発表した調査に基づいています。  なかなか調べようがないのですけれども、生活保護受給者にギャンブル依存症の人が多いのではないかと思います。ギャンブル依存症から抜ける何らかの対応をしないと、本質的な自立支援には、ならないと思います。メンタルクリニックに勘案すれば、解決というものでもなくて、継続的にギャンブルの問題について対象者が意識することが必要です。  さて、生活保護者のメンタルケアを来年度から別の事業に委託します。伺いますが、ギャンブル依存症の生活保護受給者へのメンタルケアは、どのようにされていくのか、お教えください。 ◎赤松 生活福祉担当部長 生活保護受給者のうち、ギャンブル等への依存症を含む精神疾患を有する方に対して、地区担当員と専門知識を有するメンタルケア支援員が連携して支援を行っております。  各生活福祉課に配置しておりますメンタルケア支援員は、ご本人の自立に向けて通院指導、服薬指導、精神科受診相談等を行い、居宅生活を安定して送るために支援を行っているところでございます。  これからも、ギャンブル依存のみならず、精神疾患を有する方に対して、お一人おひとりの状況に応じたきめ細かい対応を引き続き行ってまいります。 ◆岡 委員 そのギャンブル依存症の方向けの自助グループ、セルフヘルプグループです。区内にもありまして、ギャンブルだけではなく、アルコール依存症の自助グループがあります。  私も、この間、見学に行きまして、当事者で語り合う場で、自分の負の部分を認識することができる。これはデトックス効果が期待できるのかなと思いました。  大田区には、パチンコ店が47店舗、1万9,000台ものパチンコ台があります。これは、P-WORLD調査によるものですけれども、そうした意味で大田区でギャンブル依存症にもっと目を向けるべきかなと思っております。  さて、続きまして、教育について伺ってまいります。  来年度の予算で学校改築にトータル59億円以上予算が充てられています。これは、一見多いようですけれども、既に、着手済み6校の工事費というのがほとんどであります。  今回、新たに2校が建て替え計画に入りました。赤松小学校と東調布第三小学校でありますが、2校というのは、やはり多くの議員の方もおっしゃいますけれども、ペースが遅い。その資金計画についても、まだまだ担保されているとは思えません。  だから、そういった意味で、建て替え後も同じ学校数を維持しようというのは、大変に野心的だなと感じます。  また、既存の校地の中で建て替えることが多いかと思いますけれども、やはり学校に子どもが通いながら、いながらに工事するというのは、コストと時間がかかる上、子どもの静かな学習環境を妨げるという深刻な課題もあります。学校の集約をどうすれば最適化できるか。これを数字と土地勘を持って議論したいと思います。  今、その建て替え計画の中に大森第七中学校と東調布第三小学校がともに建て替え計画にあって、学校は、久が原の駅の線路を挟んで歩いて5分くらいではないですか。大森第七中学校は、第2グラウンドがあって、これは、面積は5,000平米ぐらいあるわけですよ。それで、何が言いたいかといえば、東調布第三小学校は、そんなに大きな校地面積を持っているわけではないので、その大森第七中学校の第2グラウンドに入れられるのではないかなと思うのですけれども、その辺はどうでしょうか。 ◎松本 教育総務部長 大森第七中学校と東調布第三小学校の改築にあたりましては、児童・生徒数の推計等をもとに、必要とされる両校の学校諸室面積等を既に合算をしております。  仮に、大森第七中学校校地において、両校を統合して整備する場合、土地用途等の建築条件は、用途地域ですとか、建ぺい率ですとか、容積率がございますけれども、そういった建築条件から必要な延べ床面積を確保することができず、必要な教室諸室を整備することが難しいという状況でございます。  一方、東調布第三小学校校地におきまして、両校を統合して整備する場合は、学校諸室の整備はともかく、学校教育活動実施に必要な校庭面積の大幅な減少が見込まれます。そのため、日常の校庭を使用した体育活動、それから、部活動、その他、運動会等を含めて円滑な学校教育活動の実施に大きな支障が生じるものと考えております。  したがって、両校を統合して整備するということは、非常に困難だと考えております。 ◆岡 委員 私は、質問にある、大森第七中学校の第2グラウンドの小学校に行ったほうがいいということは、東調布第三小学校に大森第七中学校がくるべきだとは言っていませんので、一応確認しておきます。  それで、今、既存の学校は、容積率は、全部使えているわけではない。使う必要はないのですよ。小学校は、無理にいっぱい建てろとは言っていません。  例えば、容積率200%くらいのところであれば、大体容積率は、6割ぐらいしか使っていないことが多いのです。具体的に言うと、今回も、建て替え計画に入った赤松小学校は、大田区有数の閑静な住宅街に建っていると皆さん思っています。  確かにそのとおりなのだけれども、あの北千束の駅前は、法定の容積率は200%あります。それで、今、赤松小学校が使っている主要容積率は、7割程度なのです。ということは、単純に考えますと、3校分の建物、法的には建てることができるのですよと。そこまで建てろとは言っていませんけれども。  そうすると、3校分まとめることはできるということは、余る学校があります。  それで、北区では使わなくなった学校を「改築ステーション」と言って、これから増えてくる学校の建て替え時の仮校舎として活用すると発表しています。  廃止になった学校も、駅から近ければ、子どもたちは電車に乗って、広範囲から通学できるので、「改築ステーション」としての利便性も高いのかと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。 ◎松本 教育総務部長 統合を通して、改築の種地といいますか、そういったことはどうかというご質問かなと思います。  ただ、そういった統合について忘れがちなのは、校庭の確保でございます。これは、体力の向上という点で大変大きいところでございます。  それから、学校は、学校防災活動拠点となっておりまして、今後、その地域コミュニティの活動拠点ということにもなり得るのかなと思います。そういった点も考慮して、考えるべきだと思っております。 ◆岡 委員 さて、来年度の学校予算も、実は、結構興味を持って見ているのが、スクールソーシャルワーカーの増員であります。スクールソーシャルワーカーは、学校に置ける社会福祉士で、学校の中だけではなくて、さまざまなソーシャルキャピタルをつなぎ合わせながら子どもの貧困に対処していける。学校における子どもの問題であったり、家庭の貧困の問題、そうしたものを垣根を越えて取り組んでいける存在なので、ぜひ、人を増やしていただいて。大田区は、全部で通常校は87校もあるのに、始めの2人は、どう見ても少ないわけで、これが4人になっても、87校に4人ですから、もちろん全部池上の教育センターで見るのですけれども、やはり少ないと感じるのです。  今回は、他区の配置状況を比較して、スクールソーシャルワーカーの増員を決定したとありますけれども、そうした大田区の学校数は多いのですよということを考慮しても、まだ、相対的に十分なスクールソーシャルワーカーの数であると言えますでしょうか。お聞かせください。 ◎松本 教育総務部長 来年度のスクールソーシャルワーカーにつきましては、不登校児童・生徒数の増加に対応しまして、現在の2名を4名に増員する予定でございます。  4名体制とすることで、区内を4地域に分けて緩やかなエリア担当制としたいと考えております。これによりましてスクールソーシャルワーカーと学校や関係機関等がより一層「顔の見える関係」をつくることにより、機動的な支援を行ってまいります。  今後は、4名体制による対応状況や関係機関との連携、加えて支援の二一ズ等を検証しながら、さらなるスクールソーシャルワーカーの活用について検討してまいります。 ◆岡 委員 質問は、ほかの区と比べて、この4人という数、増やした数は多いのかなということだったのだけれども、多分少ないので、しっかり増やすとか、充実させる方向を検討していただきたいと思います。  次に、学校リスクについて伺います。学校リスクについて、今、日本を代表する研究者となった名古屋大学の内田良准教授の問題提起によって、運動会での組体操の危険性について、昨年、大きな話題になっていました。  小学校の運動会での組体操の事故は、大田区でも発生しています。昨年の5月には、5人ブロッケンというもので左手首を骨折。6月には3段ピラミッドで落ちて、尾てい骨を骨折。結構尾てい骨の骨折は、皆さん座っていらっしゃるから、痛そうなのは理解できるではないですか。  ところが、今年1月のこども文教委員会で、組体操による事故の報告を求められた指導課長は、大きなけが等の事故はないと答弁されたのです。今年度の社会問題となっている組体操事故に対する答弁としては、甚だ不正確だと思いますが、どのように考えますか、お聞かせください。 ◎松本 教育総務部長 学校における組体操の事故でございますけれども、こども文教委員会のほうでお答えしたときに、それは、生命にかかわるような大きなけがではなかったという意味で申し上げたのだと考えております。 ◆岡 委員 骨折は、大きな事故等には入らないと理解するしかないのですけれども。  かねがね、私は、教育委員会事務局の隠蔽体質だけでなくて、教員のモラル低下に警鐘を鳴らしています。  昨年、平成26年度は、教員の逮捕が2件ありました。皆様、ご存じかと思いますけれども、盗撮と児童ポルノの事件がありました。  今年度は、公然わいせつで略式起訴をされた区立学校の教員がいますよね。通常、この種の不祥事は、我々議員一斉メールでも公表されるのですけれども、何で公表されていないのか、お示しください。 ◎松本 教育総務部長 ご質問の事案は、昨年の11月4日の早朝に、教員が自宅の敷地内での行動によりまして、警察署・検察庁で取り調べを受けて、公然わいせつ罪で罰金刑を受けたケースかなと思います。  その点でお答えをいたしますと、現在、この教員に対しましては、大田区教育委員会、それから、東京都の教育委員会が事情聴取を行いまして、近々処分が発令される予定でございます。処分が発令され次第、東京都教育委員会が報道機関に情報提供をするのと期を一にしまして、大田区教育委員会も所管の委員会等に報告をする予定でございます。  なお、所属の学校では、既に学校関係者、それから、保護者に事故の内容は伝えてございます。 ◆岡 委員 わかりました。それでは、処分されたら報告されるということですね。  それで、昨年度は、逮捕されたときに報告というか、議員向けにお知らせが届いたのだけれども、今回はないということですね。  それで、昨年度、その逮捕された2件の先生というのは、処分は、委員会で報告対象になってなかったと思うのだけれども、それでは、その辺の公表、議会に向けたその報告基準というのは、その違いはなぜそうなっているか、お聞かせください。
    ◎松本 教育総務部長 委員会・議会の報告の基準ということでお答えをしますと、当然、まず、事案の重大性がまず、大きくあると思うのですけれども、基本的な考え方で申し上げますと、教職員が刑事事件で逮捕されている場合。それから、教職員が懲戒免職になった場合。それから、教職員が体罰を行った場合。それから、子どもたちですとか、保護者の個人情報の紛失です。こういったものは、報告をする。  ただ、その時期につきましては、その事実の確認ですとか、子どもに対する教育的な配慮ですとか、保護者の意向ですとか、そういったものも踏まえる必要があるかなと考えております。 ◆岡 委員 ただ、逮捕よりも罰金が確定していることのほうが実は重いのだけれどもということを申し添えておきます。  次の問題に移りますけれども、今年度、ほぼ全ての中学校の進路指導主事の先生、教員が、私立高校から接待を受けたということを聞いています。  学校職員を含む取扱い規定では、利害関係人からの利益供与を禁止しています。本件は、多分これに抵触をすると思うのだけれども、どうしてこの事実は公表していないのかをお聞かせください。 ◎松本 教育総務部長 入試説明会に教員が参加して、金品を受け取ったというケースかなと思いますけれども、これにつきましては、他の自治体の教員も含まれておりまして、東京都が全体を取りまとめております。  東京都は、これまでも報道機関に教職員の職務事項の情報を提供する場合には、教職員が逮捕された場合を除き、処分が確定した後、情報提供をしております。  したがいまして、今回の事故報告につきましては、東京都教育委員会による処分や処置が決定した後、速やかに所管の委員会にご報告をさせていただきます。 ◆岡 委員 そういった意味で、大田区の教育委員会事務局は、その教員のこのモラル低下について、これは、東京都の問題だから、責任を負いかねるという理解なのかなと捉えるところであります。  だから、こういった不祥事が起きたら、いつも必ず議員向けメールとかの中で、こうした事件は遺憾であり、今後、何か改善していくのであるみたいなことが言われるのだけれども、今、教育総務部長のご答弁の中で、あまりそういう反省という言葉が全く聞かれなかったのが、何か不思議なことであるなと思うところでございます。  それで、これが質問としては最後になるのだけれども、先生の所管は、東京都教育委員会だから、東京都教育委員会でやっています。  だけれども、大田区でどうやら事実はつかんでいるのだということは、少し安心したところでございます。  では、今回のその中学校の進路指導主事が、高校の進学説明会か入試説明会かで金品をもらいましたと。それで、今、高校は、比較的進学率が高くなってみんな行くのだけれども、いくつか学校の入試を受けるではないですか。  それで、入試を受けるに際して、受験料は、2万円ぐらい払いますよ。  だから、その高校の先生がそうやって、中学校の進路指導主事にアピールすれば、そうか、受験料を払ってくれる子ども達がいて、高校はいいなということになるわけです。  それで、当然、私立高校は、もちろん区の事業ではないのだけれども、国民の税金から補助を受けてやっているわけで、そういった形で中学校の教師に対して、金品を渡して、自分たちの利益に結びつけているのかもしれないというのが、納税者の1人として大変残念であると思います。  それで、伺いますが、この中学校の先生たちに金品を配ったという私立高校は、どこなのですか。お聞かせください。 ◎松本 教育総務部長 お答えすることはできません。 ◆岡 委員 個人情報とかは言えないということになるのだけれども、何で言えないのかお聞かせください。 ◎松本 教育総務部長 これは、東京都が、全体の取りまとめをしております。先ほども、申し上げた点が理由でございます。 ◆岡 委員 少し厳しいことを言ったかもしれませんけれども、こうして我々議員が行政に意見をできるのは、行政が情報公開を積極的に推進しており、具体的な計画を立てようとしているからできることですよ。  それで、PDCAという言葉があります。Plan、Do、そして、我々議員は、計画と結果をチェックして、大田区がよりよくなるための議論をすることができます。  地方自治において行政と議会は、車の両輪だという声もありますが、そうではないのです。走る車を一旦とめて、定例議会でピットの中でオーバーホールして、予算・決算の審議をしていると言えるでしょう。行政改革を継続する大田区政を高く評価しておりますので、来年度も松原区長の強いリーダーシップのもと、スムーズに走っていくことを期待しまして、終わります。 ○岸田 委員長 以上で、総括質疑を終結いたします。  次に、第1号議案 平成28年度大田区一般会計予算歳入の審査を行います。  なお、説明及び質疑につきましては、全ての款を一括してお願いしたいと思います。ご承知願います。  それでは、理事者の説明を求めます。 ◎今井 計画財政課長 それでは、お手元に配付している資料のうち、大田区各会計予算事項別明細書により説明します。  38ページをごらんください。一般会計の歳入です。  第1款特別区税、平成28年度、693億3,687万9,000円で、前年度比6億3,643万8,000円の増です。第1項特別区税、本年度、637億8,791万8,000円で、7億3,521万5,000円の増です。第2項軽自動車税、本年度、2億9,039万円で、6,720万7,000円の増です。第3項特別たばこ税、本年度、52億4,438万3,000円で、1億6,588万5,000円の減です。  40ページ、第4項鉱産税、本年度、1,000円で前年度と同額です。第5項入湯税、本年度、1,418万7,000円で、9万9,000円の減です。  第2款地方譲与税、本年度、17億6,300万1,000円で、4,144万円の増です。第1項自動車重量譲与税、本年度、6億6,100万円で、3,800万円の増です。第2項地方道路譲与税、本年度、1,000円で、前年度と同額です。第3項航空機燃料譲与税、本年度、8億1,300万円で、1,044万円の増です。第5項地方揮発油譲与税、本年度、2億8,900万円で、700万円の減です。  第3款利子割交付金、本年度、3億9,100万円で、3億8,000万円の減です。  42ページ、第4款配当割交付金、本年度、21億3,100万円で、5億6,900万円の増です。  第5款株式等譲渡所得割交付金、本年度、12億5,800万円で、2億9,700万円の増です。  第6款地方消費税交付金、本年度、155億5,100万円で、13億3,600万円の増です。  第7款自動車取得税交付金、本年度、4億7,700万1,000円で、1億4,800万円の増です。  44ページ、第8款地方特例交付金、本年度、3億9,000万円で、1,800万円の増です。  第9款特別区交付金、本年度、689億4,900万円で、7億4,900万円の増です。  第10款交通安全対策特別交付金、本年度、8,000万円で、200万円の増です。  第11款分担金及び負担金、本年度、36億6,328万円で、9,789万5,000円の増です。  46ページで、第12款、使用料及び手数料、本年度、71億8,558万3,000円で、1億333万円の増です。第1項使用料、第1目総務費使用料から52ページ、第8目教育費使用料まで合わせて、本年度、59億9,426万7,000円で、3,329万9,000円の増です。第2項手数料、第1目総務手数料から56ページ、第7目教育手数料まで合わせて、本年度、11億9,131万6,000円で、7,003万1,000円の増です。  第13款国庫支出金、本年度、467億2,854万7,000円で、2億3,875万7,000円の増です。第1項国庫負担金、58ページ、第1目福祉負担金から第3目教育費負担金まで合わせて、本年度、418億1,167万2,000円で、11億4,011万8,000円の増です。第2項国庫補助金、第1目福祉費補助金から60ページ、第8目総務費補助金まで合わせて、本年度48億9,697万9,000円で、9億344万9,000円の減です。  62ページ、第3項国庫委託金、第1目総務費委託金から第4目教育費委託金まで合わせて、本年度、1,989万6,000円で、208万8,000円の増です。  第14款都支出金、本年度、155億8,367万2,000円で、14億915万6,000円の増です。第1項都負担金、第1目福祉費負担金から、64ページ、第4目教育費負担金まで合わせて、本年度の83億91万1,000円で、4億9,778万円の増です。第2項都補助金、第1目総務費補助金から66ページ、第8目環境清掃費補助金まで合わせて、本年度、56億5,655万9,000円で、9億3,147万4,000円の増です。第3項都委託金、第1目総務費委託金から68ページ、第6目教育費委託金まで合わせて、本年度、16億2,620万2,000円で、2,009万6,000円の減です。  第15款財産収入、本年度、3億9,104万1,000円で、6,709万9,000円の減です。第1項財産運用収入、第1目、財産貸付収入から70ページ、第3目基金運用収入まで合わせて、本年度、3億8,607万9,000円で840万2,000円の減です。第2項財産売払収入、第1目不動産売払収入と第3目物品売払収入を合わせて、本年度、496万2,000円で、5,869万7,000円の減です。  第16款寄附金、本年度、2億8,500万1,000円で、2,717万8,000円の減です。  72ページ、第17款、繰入金、本年度、116億9,826万8,000円で、25億64万8,000円の増です。第1項基金繰入金、第1目財政基金繰入金から第25目給付型奨学金積立基金繰入金まで合わせて、本年度、116億9,826万7,000円で、25億64万8,000円の増です。財政基金繰入金は、本年度、52億8,686万7,000円で、13億6,482万1,000円の増です。第2項特別会計繰入金、本年度、1,000円で、前年度と同額です。  74ページ、第18款繰越金、本年度、20億円で、前年度と同額です。  第19款諸収入、本年度、55億198万4,000円で、14億8,997万7,000円の減です。第1項延滞金、加算金及び過料、本年度、3億4,040万3,000円です。2,326万2,000円の減です。第2項特別区預金利子、本年度、191万円で10万9,000円の増です。第3項貸付金元利収入、第2目土地開発公社貸付金収入から76ページ、第15目大森赤十字病院改築支援貸付金元利収入まで合わせて、本年度、16億3,747万5,000円で、12億7,433万2,000円の減です。第4項受託事業収入、第1目福祉費受託収入から78ページ、第8目、総務費受託収入まで合わせて、本年度、14億5,890万3,000円で、3億3,353万1,000円の減です。第5項収益事業収入、本年度、3,000万円で、前年度と同額です。第6項、事務処理特例交付金、本年度、4億200万円で、3,200万円の増です。第7項雑入、第1目滞納処分費から80ページ、第14目雑入まで合わせて、本年度、16億3,129万3,000円で、1億903万9,000円の増です。  82ページ、第20款特別区債、第1項特別区債、第1目福祉費から84ページ、第5目教育債まで合わせて、本年度、40億円で10億円の増です。  以上で、一般会計歳入の説明を終わります。 ○岸田 委員長 歳入には、質疑の通知がありませんので、以上で、審査を終結いたします。  会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。  再開時刻は、午後3時20分といたします。                午後 2時50分休憩                午後 3時20分再開 ○岸田 委員長 ただいまから、予算特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、これより一般会計予算歳出の款別審査に入ります。  はじめに、第1款議会費の審査に入ります。  理事者の説明を求めます。 ◎今井 計画財政課長 では、86ページをごらんください。  歳出第1款議会費です。本年度、11億2,138万8,000円で、4,570万4,000円の減です。第1項議会費は、款と同額です。第1目議会費、本年度、9億4,796万7,000円で、4,821万8,000円の減です。  主な内容は、議員人件費費で、5,283万7,000円の減です。第2目事務局費、本年度、1億7,342万1,000円で、251万4,000円の増です。  ただいま、議員人件費について触れましたので、人件費全体についてご説明します。264ページをごらんください。給与費明細書のうち、特別職です。一番左側の区分欄をごらんいただきますと、年度の欄があり、次に、長と議員、その他、計となっております。それぞれ右に移りますと、給与費及び共済費となっています。  これらを合わせると、本年度の額は、合計で45億6,772万1,000円です。前年度との比較では、一番下の欄、合計で、1億129万円の減となっております。  266ページをごらんください。一般職です。  上段の総括ですが、本年度の欄、職員数3,990人、75人の減です。右側267ページの合計は、給与費と共済費を合わせて388億6,312万6,000円で、3億6,480万9,000円の減です。その下の表は、職員手当等の内訳です。  268ページからは、給料及び職員手当等の増減額の明細等について触れています。後ほど、ごらんください。  以上で、第1款議会費の説明を終わります。 ○岸田 委員長 この款には、質疑の通知がありませんので、以上で審査を終結いたします。  次に、第2款総務費の審査を行います。理事者の説明を求めます。 ◎今井 計画財政課長 それでは、90ページをごらんください。  第2款総務費です。本年度、367億756万円で、20億5,418万8,000円の増です。第1項総務管理費、本年度、224億8,991万3,000円で、23億2,619万5,000円の増です。第1目一般管理費、本年度、104億4,198万4,000円で、4億952万8,000円の増です。主なものは、右側91ページ、2番、職員人件費で、4億6,716万6,000円の増です。  92ページ、第2目人事厚生費、本年度、30億3,744万2,000円で、1,059万2,000円の増です。主なものは、95ページ、13番、職員指定システムの運用管理で3,083万9,000円の増です。  94ページに戻りまして、第3目庁舎管理費、本年度、14億6,381万5,000円で、1億8,908万7,000円の減です。主なものは、大森地域庁舎、改修工事進行で、5億2,825万3,000円の減です。第4目広報広聴費、本年度、2億7,140万9,000円で、980万6,000円の増です。  96ページ、第5目財政管理費、本年度、354万6,000円で、6万4,000円の減です。第6目会計管理費、本年度、7,786万5,000円で、3,643万、4,000円の減です。  98ページ、第7目財産管理費、本年度、7億9,138万7,000円で、1億2,946万8,000円の増です。  主なものは、右側99ページ、2番、普通財産撤去工事で、1億3,443万3,000円の増です。第8目土地対策費、本年度、21億2,227万円で、2億8,558万2,000円の減です。主なものは、右側に99ページ、1番、土地開発公社関係費の(2)土地開発公社貸付金で2億8,789万4,000円の減です。  第9目企画経営費、本年度8,172万6,000円で、5,920万7,000円の増です。本年度、企画経営部を創設し、昨年度までの企画計画財政費の名称を変更するとともに、トップマネジメントサポートをする経費をこの目に集約しております。  100ページ、第10目電子計算費、本年度、27億1,710万3,000円で、8億646万9,000円の増です。主なものは、右側101ページ、2番、情報システムの運営で、8億215万6,000円の増です。第11目施設管理費、本年度、9,995万3,000円で、3,087万9,000円の増です。主なものは、右側、101ページ、3番、公共施設の点検・維持の(1)建築物・設備の定期点検で、2,573万2,000円の増です。  102ページ、第12目防災対策費、本年度、13億8,141万3,000円で、第2款総務費、第2項地域振興費から移行したため、皆増となっています。  105ページ、22番、地域防災施設の整備、4億6,818万7,000円は、本年度、新規計上となります。  第1項、総務管理費は以上です。  106ページをごらんください。第2項地域振興費、本年度、53億669万4,000円で、13億569万7,000円の減です。第1目地域振興総務費、本年度、29億1,663万7,000円で、4億8,996万3,000円の減です。主なものは、右側、107ページ、1番、職員人件費で、2億7,311万1,000円の減です。2番、基幹統計事務で、3億4,587万6,000円の減です。9番、区設掲示板管理事務で、9,925万1,000円の増などです。  108ページ、第2目、区民施設費、本年度、5億568万1,000円で、7,200万7,000円の減です。主なものは、右側、109ページ、5番、休養村とうぶ管理運営費で、8,790万8,000円の減などです。第3目消費行政費、本年度、4,210万5,000円で、11万6,000円の増です。  110ページ、第4目区民協働費、本年度、2億2,280万2,000円で、854万8,000円の増です。  112ページ、第5目特別出張所費、本年度、14億9,286万1,000円で、1億3,649万3,000円の増です。主なものは、右側113ページ、1番、特別出張所管理運営費で、5,371万5,000円の増です。8番、文化センター管理運営費で、7,169万8,000円の増です。  114ページ、第8目複合施設建設費、本年度、1億2,660万8,000円で、8,533万9,000円の減です。  防災対策費につきましては、第2款総務費、第1項総務管理費に移したため、皆減となっております。  第2項地域振興費は、以上です。  116ページ、第3項環境国際費、本年度、52億1,652万円で、7億8,143万2,000円の増です。第1目観光国際総務費、本年度、4億7,294万3,000円で、3,795万3,000円の増です。第2項観光振興費、本年度、1億9,614万2,000円で、6,163万7,000円の増です。主なものは、右側117ページ、3番、観光情報センター等の運営で、4,828万4,000円の増です。  118ページ、第3目、文化国際費、本年度、24億7,166万1,000円で、4億3,601万7,000円の増です。主なものは、右側、119ページ、10番、文化施設管理運営費、3億966万3,000円の増です。  120ページ、第4目、スポーツ振興費、本年度、20億3,154万6,000円で、2億4,234万4,000円の増です。主なものは、123ページ、16番、区立運動場の管理運営費で、1億6,117万1,000円の増です。  122ページに戻りまして、第5目文化施設建設費、本年度、4,442万8,000円で、348万1,000円の増です。  第3項環境国際費は以上です。  続きまして、126ページ、第4項区民費、本年度、13億7,283万3,000円で、2億5,503万9,000円の増です。第1目区民総務費、本年度、6億2,554万5,000円で、1,769万2,000円の減です。第2目戸籍住民費、本年度、7億4,728万8,000円で、2億7,273万1,000円の増です。主なものは、右側、127ページ、3番、住民基本台帳印鑑証明等事務経費で2億7,137万3,000円の増です。  第4項、区民費は以上です。  128ページ、第5項徴税費、本年度、18億6,003万8,000円で、5,108万6,000円の増です。第1目税務総務費、本年度、14億963万5,000円で、7,717万円の増です。第2目賦課徴収費、本年度、4億5,040万3,000円で、2,608万4,000円の減です。主なものは、131ページ、3番、電算関係費で、3,886万1,000円の減です。  第5項徴税費は、以上です。
     132ページ、第6項選挙費、本年度、3億4,430万7,000円で、4,650万9,000円の減です。第1目選挙管理委員会費、本年度、1億1,418万3,000円で、72万8,000円の減です。第2目選挙啓発費、本年度、155万円で、45万9,000円の増です。  134ページ、第3目選挙執行費、本年度、2億2,857万4,000円で、4,624万円の減です。これは、大田区長区議会議員選挙の終了による減です。  第6項、選挙費は以上です。  136ページ、第7項、監査委員費、本年度、1億1,725万5,000円で、735万8,000円の減です。第1目監査委員費は、項と同額です。主なものは、右側137ページ、1番、特別職人件費、556万3,000円の減です。  第7項監査委員費は、以上です。  これで、第2款総務費の説明を終わります。 ○岸田 委員長 この款には、自民、公明、共産、民主、維新、次世代、改革から通知がありますので、順次これを許します。  それでは、自民、質疑をお願いします。 ◆田中 委員 自由民主党大田区民連合の田中一吉でございます。  事項別明細書117ページ、第2款総務費、第3項観光振興費に関連して何点かにわたり、質問をいたします。内容が産業振興費、また、衛生費にも関連すると存じますが、よろしくお願いを申し上げます。  昨年の訪日外国人は、過去最大の1,973万人に達し、国が目指した2,000万人に迫る勢いで、日本を訪れる外国人の数が増えています。  東京都が、2月18日に発表した2015年7月から9月までの3か月の間に、東京都を訪れた旅行者の実態調査の速報によりますと、東京都を訪れた外国人旅行者は、前年同月比、36%増の322万6,000人となり、四半期としては、過去最高となったとしています。  観光客が都内で消費した金額の総額は、1兆6,642億円で、そのうち外国人旅行者は、3,110億円となっています。  また、1人当たりの平均消費額は、観光目的の外国人旅行者が、10万3,767円、都内からの旅行者が3万9,668円、道府県からの旅行者が3万5,562円となっています。こうした観光客やビジネスマンの消費が地域に及ぼす経済波及効果は、地域内に幅広い産業に波及することは、さまざまな調査機関による調査で、数値で示されています。  本区において、蒲田駅周辺でも、観光にお越しになったと思われる、特にアジア系のビジネスマンや家族連れのツアー客等を見かけることが多くなってまいりました。国際都市を目指している大田区、そして、外客受け入れ拠点となりました蒲田に訪日外国人が訪れ、大田区の魅力を感じていただき、飲食やショッピングを楽しんでいただければと考えております。  そこで、質問をいたします。大田区に宿泊する、あるいは訪れる訪日外国人の数は、どのように推移しているのか。数字で示すことができれば、比較できる範囲でお知らせをいただきたいと存じます。 ◎中村 観光課長 はじめに、大田区に宿泊する訪日外国人の数は、昨年、一昨年と比べて大幅に増加しております。具体的には、観光庁で実施しております宿泊旅行統計調査の外国人延べ宿泊者数で見ますと、平成25年に9万1,342人であったものが、翌26年には、13万2,936人で、前年比45.5%増、さらに、平成27年には、29万2,171人で、前年比119.8%増になっております。  この平成27年の数は、平成25年と比較しますと、約3.2倍、平成26年と比べて、約2.2倍になっております。  また、大田区を訪れる外国人の数につきましては、昨年、区が実施いたしました「観光統計・マーケティング調査」の中で、区の観光入込客数を推計しております。およそ216万人でございました。  この調査は、昨年度初めて実施したため、現在のところ、比較できる数値はございませんが、今後は、同様の調査を一定期間の後に実施していくことで、その推移を捉えてまいりたいと思います。 ◆田中 委員 今、報告をいただきましたとおり、年々、非常に多くの方が区内を訪れ、宿泊をされていることになります。  先月、29日、観光庁が公表した速報値によりますと、2015年に国内のホテルや旅館に泊まった外国人の数(述べ宿泊者数)は、前年度比48.1%増の6,637万人にとなり、過去最高を更新したとのことであります。  また、今、報告がありましたとおり、30万人近い外国人の方が、昨年は、区内に宿泊をされたとの報告をいただきました。  区長が、特区民泊の説明をされたときに、区内のホテル、旅館の稼働率は、90%を超えていると話されておりましたが、まさにこうした状況の中では、区内の旅館も満室状態が続いていることに納得いたします。  このように、訪日外国人が急増する中で、観光の地域間格差についての課題も生じていると言われております。京都の観光地など、主要な観光拠点をめぐるツアーは、ゴールデンルートと呼ばれているそうで、外国人の7割から8割は、このルートを回られるという報告がありました。  そうした地域だけが潤うということでは、日本全体の活性化は望めないと考えます。  一方で、観光庁の報告書によれば、訪日外国人は、食文化や温泉、自然・景勝地観光などに興味と関心を抱いており、食文化を中心に、エコツーリズムやグリーンツーリズムなどを行うことで、目立った観光資源がないような地域であっても、外国人観光客をひきつけることは、十分に可能であるとのことであります。  過去に、学識経験者のお話を伺ったときに、日本を訪れる観光客のリピーターは、必ずしも観光拠点に行くわけではないと同じような話を伺ったことがあります。  大田区は、日本を代表するような観光拠点はないかもしれませんが、世界の料理を食することができ、23区で一番多い商店街、本門寺や自然環境、低層住宅地域を有するなど、日本らしさを代表するまちの姿、魅力を持っていると考えます。  加えて、24時間空港である羽田空港を抱える国際都市おおたとしてのポテンシャル、可能性を生かした観光政策としての取り組みを期待したいものであります。  現在、我が国のGDPは、伸び悩んでいる中で、伸びしろのある観光産業を伸ばしていくことは、商業や運輸サービス等の中小企業、小規模事業者にとっても、大きな可能性を秘めているとも言えると思います。このことは、自治体が観光事業をやるのではなく、いかに民間活力を誘導し、それを地域経済の活性化に結びつけていくかということが、大切であると考えます。  本区は、観光・国際都市部に観光課を組織し、積極的な観光施策に取り組んでいると存じますが、このような裾野の広い観光政策をどのように進めていくお考えかお伺いをいたします。 ◎中村 観光課長 観光関連の事業者は、ホテル・旅館などの宿泊をはじめとして、飲食、交通・航空、広告、旅行等などさまざまでございます。加えて、観光スポットとなる施設やコンテンツ、関係機関、団体など、それぞれの連携によって観光事業が成り立っているものと考えます。  委員お話しのとおり、観光は、こうした民間の力が最大限に発揮され、地域経済・産業の振興につながることが重要であると認識しております。  こうしたことから区は、平成24年度に大田区観光推進連絡協議会を組織し、観光関連の事業者、団体、関係機関などの皆様にご参加いただき、情報交換の場を提供させていただいております。  今年度、この協議会の皆様が、空港経営改革推進事業として専門部会を立ち上げ、「羽田空港からの近接性・一体性が大田区観光の売りになる」という観点で、「HANEDA⇔OTAエンジョイプログラム」の企画に取り組んでくださいました。  3時間あれば楽しめる大田区の観光を提案したエンジョイプログラムの冊子は、区内外、一部海外でも配布しており、メディアにも取り上げていただきました。こうした取り組みは、行政だけではなし得ないものだと思っております。  区は、平成28年度も引き続き、この観光推進連絡協議会を通じて、民間事業者の力を活用し、広域的取り組みや区内回遊促進などの観光施策などを進めてまいりたいと考えております。 ◆田中 委員 今、ご説明を受けましたが、さらに積極的な対応をよろしくお願いを申し上げます。  さて、本区では、特区民泊の条例を制定し、本年1月29日から施行いたしました。賛否両論がある中で、我が会派でも、それぞれが研究を重ね、条例の可決に至り、施行初日には、2件の申請がありました。  特区民泊の説明会には、生活センターでの第1回、大森地域庁舎での第2回、ともに参加をさせていただきましたが、いずれも想定を大きく超える方が参加をされ、関心の高さを改めて実感したところでございます。  私は、長い間、ホテル・旅館組合とのおつき合いをさせていただいてきておりますが、羽田空港が再国際化され、多くのビジネスマンや旅行者が、区内のホテル・旅館をご利用いただき、先ほども話しましたが、現在の稼働率も非常に高くなっております。ホテル・旅館が潤えば、当然周辺にある飲食や小売業も潤ってまいります。雇用も生まれ、地域経済の活性化にもつながり、大変喜ばしいことであります。  一方で、旅館業法に問題がある無許可の民泊に対しては、ホテル・旅館組合は懸念を示しており、適法な営業を強く求めておりました。私も同様な観点等を含めて、さきの決算特別委員会におきまして、種々指摘をさせていただいたところであります。  大田区が全国に先駆けた特区民泊は、安全・安心面や衛生面などにおいても規則やガイドラインで誘導しており、ホテル旅館組合も、大田区の取り組みは違法に事業を行っている民泊事業者に一定の抑止力を持つなど、評価もしていただいております。  また違法な営業を減らし適法な民泊に誘導することは、地域の安全面はもちろん、旅行者や近隣住民の方の安心につながるとともに、宿泊者の身元が明らかになる制度でありますので、感染症やテロ対策の上でも好ましいと考えます。  先日、新聞報道で民泊仲介サイトに登録し、月に10組ほどの客を泊めている方の記事がありました。その方は区の認定を受けるつもりはないとのことでありましたが、そもそもこうした違法な営業をすることが、地域にとって安全・安心面、衛生面などで不安材料になってしまうと考えます。適法に旅館業法を守って営業をされている事業者の皆様からも、この点について懸念の声を伺っています。  こうした特区民泊の許可を受けずに民泊の営業を続けている方は、旅館業法に違反していると考えられると思いますが、いかがでしょうか。  また、こうした事業を行っていることがわかった場合、本区は、難しい面があったとしても何らかの取り組みをすべきと考えますが、どのようにお考えか伺います。 ◎三井 生活衛生課長 旅館業法の許可、または特区民泊の認定を受けていない施設について、旅館業法上の違反が疑われる事例があれば、事実確認を行った上で特区民泊に誘導する、あるいは事業をやめるよう指導をしております。  また、4月にも旅館業法の規制緩和がなされると聞いております。国の制度改正の概要を確認し、特区民泊との整合性を考慮しながら適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆田中 委員 ぜひ法律をきちんと守って、営業をされている方が不利になることがないように、担当の方は大変だと思いますが、適切に対処していただければと存じます。  次に、特区民泊の申請状況等について伺います。条例施行初日は2件でありましたが、その後申請状況はどのようになっているのか、相談件数を含め状況をお知らせいただければと存じます。また、許可件数もあわせてお願いします。 ◎三井 生活衛生課長 条例施行初日の2件以降、現在までの新たな申請が2件ありまして、合計で4件となっております。最初の2件は2月12日に認定となりまして、その後の2件につきましては、本日認定となっております。  また、3月8日現在の相談件数は558件となっておりまして、そのうち、窓口での相談は104件となってございます。 ◆田中 委員 ただいまの答弁のように、申請件数はまだまだ少ないわけでありますが、相談件数は多いと感じました。特に窓口にお見えになって相談をされた方が、今104件とおっしゃいましたが、昨日の時点では103件ということでしたので、103件が相談にお見えになっていただいているということでございますので、その辺の数の方が今後申請をされるのではないかと想定をしております。  現在国が検討中であります施設の規制緩和の動きもあり、その推移も見極めながらとの意識もあり、なかなか申請となるまでは事業者も悩まれているのかもしれませんが、大田区の民泊条例は現下の状況の中では最も適切・的確なものでありますので、淡々と進めていただきたいと存じます。  そこで質問をいたしますが、相談してから申請に至るまで、そして許可・認可が出るまでどのぐらいの日数がかかるのか。また、申請件数はまだ少ないわけでありますが、今後どのような想定をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎三井 生活衛生課長 相談から申請に至るまでの経緯につきましては、個々によってさまざまな事情がありまして、いろいろでございますけれども、申請が出された場合、標準処理期間の15日以内を認定までの期間としております。  現在、申請の数が少ないというのは、消防関係の指導や近隣住民への周知など、事前の手続に時間がかかっているためと考えております。  今後、このような手続が済んだものから、順次申請がなされてくるものと思います。 ◆田中 委員 事業者からの相談も非常に多い中で、担当の方もご苦労をされていると思いますが、事業者がなかなか申請まで至らない何らかの問題もあろうかと思います。事業者が民泊の申請をするにあたって、どのようなものが課題として捉えられているのか、把握しておられる範囲でお聞かせいただければと存じます。 ◎三井 生活衛生課長 これまで事業者への説明会を5回行っておりますけれども、説明会の際にアンケート調査を行っております。その結果によりますと、課題として最も多かったのが、滞在期間が7日以上となっていることでございました。  次に多いのが消防設備を設置するためのコストや手続、そして、次に近隣住民への周知などという形になっております。 ◆田中 委員 いろいろな課題もあろうかと思います。大田区は全国で初めて特区民泊を施行した唯一の自治体であり、大田区の取り組みはある意味では先駆的であり、国に対して問題も提起をしているとも言えると存じます。全国初はリスクを伴いますが、課題があればしっかりとそれに向き合って対処していくことによって、より良い制度となっていくものと考えております。一部の方からは、大田区の規則・ガイドラインは厳しいとの声もお聞きしますが、安易に変えるということではなくて、しっかりと検証しながら進めていくべきと考えます。  民泊は賛否両論がありましたが、始終ご相談をいただきますとともに、区長にも大田区のホテル旅館組合の皆様をしっかり聞いていただいて、大田区の宿泊施設の実態もご理解をいただいて、全国に先駆けて、いち早く特区民泊の条例化に取り組んでいただいたことを高く評価をしております。  さて、大田区は国家戦略特区を活用した取り組みを進め、東京都や国との協議を重ねて、今回の民泊のように実現に結びつけてきました。マスコミ関係にも大きく取り上げられ、大田区の知名度は全国的に広がったものと考えます。機会を的確に捉えて、シティーセールスをマスコミを通じて行ったとも言えると思います。大田区ってどんなところだろう、そう思っていただけた国民の皆様も多かったものと存じます。それだけ、今回の特区民泊の取り組みは、大田区を全国にアピールする上で想定外の大きな効果があったものと考えます。  観光政策は、行政がお金を投入するということよりも、こうした民間の力を利用させていただくことが必要ではないかと、改めて感じている次第であります。大田区には観光情報コーナーも設置され、Wi-Fiも整備され、またさまざまなパンフレットも用意されております。それを生かすためには、いかに大田区の魅力を国内外に発信するか、民間活力と連携をしていくかにかかっていると考えます。  イベントも時として観光客を呼ぶメニューとして機能すると思いますが、観光客が求めるニーズは情報など観光をするための環境であると思います。その重要な要素は地域の観光情報であり、いかに観光に関する魅力をアピールできるかの観光シティーセールスをしていくかであると考えます。  そこで、観光に関するシティーセールスについて、どのようにお考えかを伺います。また、その効果についてもどのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。 ◎中村 観光課長 観光におけるシティーセールスは、何をセールスポイントとして認識するかが重要であると考えております。観光客の目線で、何に魅力を感じ、どこを目当てとして来るのか。これらを、外国人や日本人、区内か区外か、団体か個人かなど、ターゲットごとにセールスポイントを絞って、おおたの魅力を効果的に発信していきたいと思います。  平成27年度に開設した大田区公式観光サイトやフェースブックVisit Ota Cityの運用と掲載内容の充実はもとより、映画などの舞台地を契機とした地域PR、観光PR動画の制作など、大田区の多彩な魅力を世界に発信してまいります。  また、委員のお話にございました、地域の観光情報につきましても、多くの情報を集約する仕組みの検討に着手してまいりたいと思います。これらの効果を見きわめるには、まず取り組む事業の目標を明確にしていかなければならないと考えております。  観光の主たる目的が地域経済などの活性化であるといたしますと、その効果を測ることは大変複雑で困難なことと思いますが、観光客の満足度や多様な観光情報が提供されている環境の充実などについて世論調査等の機会を捉えて、検証するよう検討してまいりたいと思います。 ◆田中 委員 今説明をいただきましたとおり、区は積極的に観光情報に生かせる情報ネットワークや拠点を整備されてきました。今の世界は情報化社会で、ネットを通じた情報がビジネスマンや観光客にとっては極めて重要な行動ツールとなっていると思います。  観光情報コーナーやWi-Fiをいかに活かしていくかが問われていると思いますが、現在観光情報コーナーにはどのぐらいの外国人が来られているのか、またWi-Fiを利用している方はどのぐらいいると想定されているか、伺います。  あわせて、今後こうしたツールをどのように生かそうとしているのかを伺います。 ◎中村 観光課長 大田区観光情報センターの外国人来場者は、昨年12月のオープンから2月末までの総数は364人でございます。  大田区観光情報センターでWi-Fiを利用する外国人は、来場者全体の外国人の割合に相当すると見込んでおり、約4%程度と想定しております。訪日外国人旅行者にとっては、旅行先でのWi-Fi環境は必要不可欠であると考えます。  こうしたことから、区は今年度整備いたしました21か所のアクセスポイントの運用を平成28年度も行ってまいります。さらにウェルカムショップなど、区内の民間店舗にOTA CITY FREE Wi-Fiへの参加を促し、ご協力をいただく店舗の拡大を図ってまいります。  観光情報や案内はもとより、災害時における情報収集と情報発信のためにも、Wi-Fi環境の充実は重要であります。今後も引き続き防災や広報等の関係所管との連携を強化し、Wi-Fiの有効活用を図ってまいります。 ◆田中 委員 区内のホテル旅館、特区民泊施設にお越しいただいた観光客やビジネスマンがもたらす消費は、時間・空間を移行する行程の中で宿泊費はもちろんのこと、飲食代やお土産代、バスやタクシーなどの交通費等サービス業だけではなく、追いかければ非常に多くの産業に経済波及効果をもたらすものと考えます。  先ほどお話をしましたが、観光資源がない地域でも、外国人を引き受けるものはあるはずであります。特に大田区は観光地を目当てに来る方よりも、リピーターのビジネスマンや観光客が鉄道や空港など移動の利便性が極めて高いというメリットを生かし、また飲食店が多く、日本をじかに感じることができる住宅や日本を代表するものづくり産業があるがゆえに滞在地として選ばれるような地域、言い換えれば、大田区の魅力を感じていただける方が訪れていただき、安心して滞在してもらいたいと考えています。  観光政策を進めていく中で、区の役割、そしていかに民間企業を取り込んでいくかが重要な鍵であると考えます。民間活力を生かす特区民泊が始まりましたが、これは一つのきっかけであるとともに、こうしたきっかけを生かした取り組みを期待させていただいて、質問を終わります。 ○岸田 委員長 次に、公明、質疑をお願いします。 ◆田村 委員 大田区議会公明党の田村英樹です。  総務管理費に関連して、大田区の地域防災計画について質問をさせていただきます。  平成28年度予算編成の重点課題にも「防災力・防犯力を強化し、安全・安心なまちづくり」と掲げられておりますとおり、東日本大震災を踏まえ、今後30年以内に70%の確率で発生すると言われている首都直下地震、また、近年急激に発生件数が増加している集中豪雨による水害への備えなど、国や都の防災関係機関との緊密かつ迅速な連携を図ることができる体制の強化が必要であるとともに、本区が定める地域防災計画に基づいた支援体制構築の具体的な取り組み強化が必要と考えます。  予算案では、備蓄物品の拡充と入替2億1,014万2,000円、防災力強化事業として、京浜急行高架下の用地に防災・地域活動拠点として区及び地域が共同で活用できる地域防災施設の整備に4億6,818万7,000円、市民消火隊に貸与のC級ポンプの機種変更1,472万3,000円など、予算7億348万4,000円が計上されており、区民の安全・安心な暮らしを守る施策の拡充に期待するところであります。  例えば、非常食糧の備蓄に計上されている予算を見てみると、平成26年度は4,754万2,000円、平成27年度は5,495万4,000円、そして平成28年度は7,643万1,000円で、平成26年度から28年度へは約61%の大幅な増加となっており、これは消費期限対応の入れ替えを考慮しても、各避難所への配置が充実してきているものと考えられますが、今後は高齢者や乳幼児にも配慮した非常食糧の選定・配置を検討していただきたいと思います。  一方で、備蓄物品についてはというと、平成26年度は2億2,516万1,000円、平成27年度は6,707万1,000円、そして平成28年度は2億4,090万8,000円となっており、平成27年度の予算が低く抑えられている反面、平成26年度と今年度は2億円を超える予算となっております。  そこで、この2億円を超える予算配分について、配備された資機材について、平成26年度及び平成28年度それぞれの考え方をお知らせ願います。 ◎落合 防災課長 平成26年度は、東京都が平成24年4月に公表した新たな被害想定に基づき、避難生活者の非常食糧や必要な物資の拡充配備を行いました。91か所の学校避難所で投光器、発電機などのほか、仮設トイレなどを追加配備しました。  また不足していた避難所での照明関係として、複数の種類のLED照明器具や非常用電源となるソーラー式蓄電池も導入しました。このほか、帰宅困難者向けの一時滞在施設や物資輸送拠点となる施設へ、食糧や発電機などの配備を行いました。  平成28年度は、これまでの「区民の命を守る」ための対策に係る事業を推進しつつ、「最低限の生活を守る」ための重要対策への取り組みに力を入れ、備蓄物品の整備・充実に取り組んでまいりたいと考えております。  具体的には、平成25年度から始めました新たな被害想定に基づく毛布と食糧の計画的な購入について、平成29年度以降の購入計画を前倒しし、全てを平成28年度中に整備することといたしました。  また、衛生用品や、要配慮者が安心して生活できるための車椅子対応のプライベートテントを新たに配備するなど、必要な物品の配備や乳児用肌着等の入替を計画的に行ってまいります。 ◆田村 委員 今、お答えいただいた資機材以外にも、必要性の高い資機材が数多くあると思います。今後も、さまざま想定される災害状況に対し、より有効的な配備をお願いいたします。  そこで発電機についてお伺いします。現在はガソリンや家庭用ガスボンベを燃料とする発電機が配備されておりますが、現在学校施設で導入されているGHP型空調機の新機種で、停電時でも電源供給なしで自立発電運転ができ、かつ余剰電力を電源として供給可能なタイプの導入など、施設整備計画とあわせて研究していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ◎池 施設管理課長 発電機付ガスヒートポンプ式空調機の自立型は、災害時に商用電源が断たれた場合に、空調室外機に内蔵されている発電機からの電源に切り替えることによって、空調機だけでなく照明器具等の電気機器が使えるというもので、非常に有効な設備機器と認識しております。  同時に、この機種はメーカー各社の製品ラインナップは限定されていることに加えまして、室外機からの電気容量に限りがあり課題もございますので、今後はメーカー各社の動向を見つつ、施設の災害時の必要電力と電気供給の範囲など、総合的視点から研究してまいりたいと考えております。
    ◆田村 委員 大田区では平成24年度から、学校防災活動拠点整備事業として、現在91か所ある小中学校などの避難所を学校防災活動拠点として位置づけました。これにより、現在学校ごとに学校避難所運営協議会が定期的に開催され、災害時に備え地域・学校がどのように協力していけるのか、基本的なルールの検討や地域防災に関する協議を行っていると認識しております。  大田区は起伏に富んだ地形ゆえに、各学校が一律の環境にあるわけではありません。傾斜地や河川・海岸に近い地域、家屋の密集で避難導線が確保しづらい地域、また外国籍の住民が多い地域など、環境の違いを挙げることができます。  今後、学校避難所運営協議会の協議の中で、学校の立地環境にとって必要となる備蓄物品の配備が要望されたとき、区にはぜひさまざまな状況を考慮して、要望を検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ◎落合 防災課長 学校防災活動拠点の整備を行う年度には、消耗品25万円、備品10万円分の予算を地域の皆様にご検討いただき、各学校の地域特性に合わせた資機材を配備しております。  これとは別に、消耗品予算と訓練用の予算を計上しており、来年度からは特別出張所へ配当する予算を増額するなどし、工夫して執行できるよう考えております。  整備完了以降の必要とされる物品につきましては、この中で、各特別出張所と調整の上、弾力的に対応できるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆田村 委員 昨年8月29日から30日にかけて行われた、区立南六郷中学校での宿泊型避難所運営体験の様子を伺いました。同校では、平成25年から年一回、学校と避難所として指定されている二つの町会・自治会が中心となって防災訓練を行ってきましたが、その時その時に明らかになるさまざまな課題を丁寧に修正するとともに、内容を発展させ、平成26年度は学校での避難所運営訓練を開始、翌平成27年は宿泊型の避難所運営体験を行いました。避難所運営の中で発生した不具合について消防署からのアドバイスで修正を行ったり、各班における進捗状況の差に対する支援体制の必要性や、避難所となる体育館が3階にある構造による移動困難に対する支援の必要性が明確になったとのことでした。  また夜間の廊下では停電を想定し、前回はロウソクを使用したところ、消防から「防火上危険」との指摘があり備蓄物品のソーラーランタンを設置したと聞きました。  この宿泊型避難所運営訓練の模様から、夜間における常夜灯としてソーラーランタンの有効性を伺うことができましたが、今後の備蓄物品の配備計画に対し区はどのように考察しているか、お聞かせください。 ◎落合 防災課長 平成25年度、平成26年度で各避難所1校あたりソーラ一ランタン20台、LED照明器具80台など、避難所で使用する照明関係の備蓄物品の充実を図らせていただきました。  また、平成27年度からは紙おむつと生理用品、平成28年度からは、先ほどお答えしました、乳児用肌着、哺乳瓶等の入替えを計画しております。  今後は、長らく入替えを行っていない生活必需品の更新や女性・高齢者など、要配慮者の視点に立った備蓄物品の更新・整備に計画的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆田村 委員 宿泊型訓練を通してソーラーランタンの有効性を認識し、独自予算で購入された自治会がございます。今後、町会・自治会という単位だけではなく、個人的にも購入したいという区民の方に対し、「防災用品あっせん販売」の品目に加えてもいいかと思いますが、これについて見解をお伺いします。 ◎加藤 災害対策担当課長 「防災用品あっせん事業」につきましては、災害に対して区民の皆様が事前の備えを実践しやすいよう、大田区商店街連合会と協力し、通年であっせんを行っているものでございます。  取扱う防災用品の品目は、毎年、大田区商店街連合会と区民の皆様などからの要望、販売状況、取扱いの可否などを協議しながら見直し、品目の充実を図っております。  大地震の際には、ライフラインに支障が出る可能性が高いことから、夜間の活動時においては、照明器具は欠かせないものと認識しております。  現在も簡易型や手回し充電式の照明器具はあっせん品目にございますが、これらのほかにも、災害対策に有用な防災用品を個人でも安価で購入できる環境づくりは大切なことと考えております。  今後、ソーラーランタンが「防災用品あっせん事業」の新たな品目に加えられるよう、大田区商店街連合会と協議をしてまいります。 ◆田村 委員 ぜひ検討のほど、よろしくお願いいたします。  ここまでは、よく言われる自助・共助・公助の中ではこれらの配備は公助にあたるものでありますが、次に、区民の防災意識向上を促し、自助に対する取り組みを促進するために、去年本区で行った「命を守る3点セット」の全戸配布についてお伺いします。  平成27年度予算で4,163万1,000円のこの事業は、「震災編大田区防災地図」、「風水害編大田区防災地図」、「わが家の防災チェックBOOK」の3種の資料を「命を守る3点セット」として平成27年に全戸配布を行ったものです。  大田区はこの3点セットを各家庭で積極的に活用していただき、各家庭での防災対策の実践を促す目的でありましたが、配布から半年が過ぎその使用状況はいかがなものでしょう。もしかしたら引き出しの肥やしになっている家庭もあるかもしれません。  大田区では、区報やホームページ、区設掲示板を用いて区民向けに3点セットの広報を行っていると思いますが、なかなか皆様には全戸配布の意味やその活用方法まで周知できていないように感じます。  そこで、「命を守る3点セツト」について、大田区では区報やホームページのほかに、自治会・町会長会議、またさまざまな会議体の中で実際に手に取っていただき、見方・使い方、そして何よりもこの3点セットの有効性についての普及啓発はどのように行っておりますでしょうか。 ◎加藤 災害対策担当課長 「命を守る3点セット」は、区民の皆様に地域の危険性の把握、災害時の適切な行動を理解していただくために作成をし、区内の全世帯に配布をいたしました。  このため、全戸配布とその広報にとどまらず、区民の皆様に接する機会を積極的に持ち、「命を守る3点セット」の見方、活用方法、有効性を説明していくことは大変重要であると認識しております。  昨年7月の全戸配布以降、自治会・町会長会議をはじめ、各地区の地域力推進会議などの機会で活用方法等について説明をしてまいりました。加えて、地域に職員が出向いて説明を行う「どこでも防災教室」での啓発にも力を入れてまいりました。この開催状況につきましては、2月末現在で125回開催し、8,000名を超える方々にご参加いただいております。参加者の方からは、自宅周辺の危険度を初めて知り、家具の転倒防止対策や家庭内備蓄の重要性がよくわかったといった声もいただき、一定の効果は上がっているものと考えております。 ◆田村 委員 引き続き、取り組みをお願いいたします。  先日、防災課より防災関連のビデオをお借りし、地域の懇談会で上映しながら区が行っている防災行政について紹介をさせていただきました。非常に手軽に利用できるため、今後もさまざまな機会で利用していきたいと思いました。  例えば、この「命を守る3点セット」の活用方法について紹介するDVDを作成し、貸し出しのラインナップに組み入れるとか、大田区のホームページにリンクさせて自由に閲覧できるようにすれば、担当職員の労力も減り、区民への啓発も増加するのではないかと考えますがいかがでしょうか。 ◎加藤 災害対策担当課長 「命を守る3点セット」の活用方法、有効性などのPR活動や「どこでも防災教室」での啓発活動により、職員にも一定の啓発ノウハウが蓄積されてきたところでございます。  一方で、災害が発生した場合、想定上の被害は地域ごとに様相が異なってまいります。地図の見方、活用については、各地域で異なることも考えられ、画一的な説明にとどまってしまうと区民の皆様が地域の特性・危険性についての理解が十分に深まらない可能性もございます。  「命を守る3点セット」の活用方法を紹介する映像資料につきましては、区民の皆様が3点セットの基礎的な内容を理解できることを基本に、ケーブルテレビで放送された映像などの利用も視野に入れて作成のあり方を検討してまいります。 ◆田村 委員 防災に対する啓発活動は時間がかかるのが当然です。引き続きさまざまな機会を通して、啓発活動の促進をお願いいたします。あわせて、大田区のホームページでは、3種類のハザードマップがリンクされておりますが、この活用についても同様にPRしていく必要があると思います。  「命を守る3点セット」は約4,000万円の予算がかかっています。配布して終わりではなく、より有効的な活用を促すよう啓発活動をお願いいたします。  次に、大田区における水害対策についてお伺いします。平成27年9月の関東・東北豪雨について、国土交通省の発表によると、9月9日から10日にかけて台風18号及び台風から変わった低気圧に向かって南からの湿った空気が流れ込んだ影響で、栃木県日光市五十里観測所で観測開始以来最多の24時間雨量551ミリを記録するなど、大規模な降雨となりました。これにより、栃木・茨城を流れる鬼怒川の下流域で堤防決壊などのはん濫により甚大な被害が発生をいたしました。  茨城県災害対策本部の発表では、人的被害では死者2名、負傷者44名、住宅被害では、全壊・大規模半壊・床上床下浸水合わせて8,819件、避難所などへの避難者は7,000名を超えたとありました。  こうした集中豪雨による大規模水害は、多摩川を有する大田区においてもその対策は喫緊の課題であると考えます。現在、本区が想定する水害については、区が作成した大田区洪水ハザードマップや浸水実績図に基づく水害に対応するべく鋭意取り組まれていることと思います。  その上で、一級河川である多摩川を管理する国土交通省との連携・協議・体制づくりなど、現状の取り組みをお知らせ願います。 ◎加藤 災害対策担当課長 国土交通省との連携等につきましては、多摩川の増水時には相互の水防態勢状況、パトロール実施状況など情報共有を図っております。また、大田区主催の大田区風水害連絡会等において関係機関とともに、多摩川に関するさまざまな情報を共有しているところでございます。近年では、平成26年度に多摩川水系の自治体では初めて、多摩川の水害対策を時系列で示したタイムラインを共同で作成し、大田区地域防災計画に反映いたしました。また、昨年9月の関東・東北豪雨を受けて、国土交通省では、多摩川の洪水危険が高い六郷地域の箇所の点検を地元の方、消防署、消防団、及び区の職員とともに行っております。さらに、増水危険の際に、区長と京浜河川事務所長とが相互に連絡をとれる連絡先の確認や、多摩川の整備計画などについても直接意見を交わしております。加えて、国土交通省では、想定し得る最大規模の降雨を基準に、多摩川の洪水に関するシミュレーションを改めて行い、浸水想定区域の見直し結果を公表することとしています。  区では、これを受けて、洪水ハザードマップを更新し、国土交通省とも協力しながら、区報等で区民の皆様にお伝えしてまいります。今後も、国土交通省とは水害時等における活動を円滑に行えるよう、訓練や会議等を通じて、さらなる連携強化を図ってまいります。 ◆田村 委員 内閣府は、この関東・東北豪雨で得た被害状況から、今後の自然災害対策をさらに強化するためのワーキンググループを、中央防災会議「防災対策実行会議」のもとに設置をしました。本年1月19日に開催された第3回ワーキンググループにおいて、中央大学理工学部の研究室が取りまとめた「鬼怒川洪水時の浸水・避難状況に関するヒアリング調査結果」が資料として提出されました。  この資料は、被害が最も大きかった茨城県常総市において被災された住民を対象とするもので、サンプル数516件となっております。幾つかの設問を確認すると、まず、「豪雨による水害発災時に避難を開始したきっかけは何か」との問いに、1位は「避難勧告・避難指示を聞いたから」が34%で、次いで「家族・近所の人・市の職員等に避難を勧められたから」が、31.7%となっており、避難のきっかけは自発的な判断よりも他者からの勧めや誘導によっての避難が多くを占めていることがわかります。  さらに、「今回の災害発生時の情報は何から得ていましたか」との問いに対し、1位は「防災行政無線の屋外スピーカー」が59.9%、次いで「テレビ」が55.8%となっており、インターネットや各種メールサービスなどを利用しての情報収集は5%台にとどまっていました。ともに、複数回答が可能な設問になっているので、必然的に数字は大きくなっています。  一方で、防災行政無線を注意して聞いていたが、放送している避難指示がわかりにくかった理由を問う設問では、1位は「聞こえにくい」が57.8%、2位は「どのような行動をとればいいかわからない」が13.9%となっております。こうしたアンケート結果を見ても、災害発災時における情報伝達の難しさが明らかになります。  大田区では、災害情報の発信ツールとして、区内244か所の防災行政無線を中心にメールやツイッターなどのデジタルソース、ケーブルテレビやデジタルサイネージなど多岐にわたり発信する体制がありますが、デジタルツールへの不得意感や地域特性もあり、やはり先ほどの常総市のアンケートのように、防災行政無線が主な情報ツールになるのではないかと思います。  そこで、防災行政無線も区内全域を100%カバーできているとは言えない状況を鑑み、放送した内容を電話で確認できる音声自動サービスの導入を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎落合 防災課長 同報系防災行政無線は、平成22年度から平成24年度にかけて、デジタル化更新を行い、子局である放送塔も更新前の200局から現在は250局に増設しております。  しかしながら、大都市の特性により、音声が十分到達しないエリアが生じているのも委員ご指摘のとおりでございます。防災行政無線は、スピーカーからの音声のため、大雨など荒天時には、特に聞こえづらくなってしまうという弱点がございます。そこで区では、災害時の情報提供につきましては、発信ツールを区民安全・安心メール、ツイッター、ホームページなど多様化し、発信しているところです。  一方で、住民の方々がお使いしやすい手だてで情報を得られるようにすることも大事なことと認識しております。防災行政無線の機能を補完する手だてとして、近隣自治体でも導入の事例がある音声自動サービスがあります。放送内容を電話で確認できる音声自動サービスは、その意味で有効な手段であるとも考えられますが、一次的に多数のアクセスがあった場合には、通じにくくなるなどの課題があるとも伺っております。費用対効果等を検討しつつ、さらに研究をしてまいりたいと考えます。 ◆田村 委員 費用対効果や回線数などの課題は多くあると思いますが、ぜひ検討のほどよろしくお願いいたします。  次に、水害対策で先駆的な取り組みを行っている愛知県清須市の「水害対応ガイドブック」を紹介させていただきます。この清須市は、平成12年9月の東海豪雨災害で大きな被害を受けた地域であります。今後、水害から市民を守るため、さらに水害の記憶を風化させないために、釜石の奇跡と言われた自主避難を確立された群馬大学の片田教授監修により、この「水害対応ガイドブック」を作成し、市内全世帯に配布を行っています。  このガイドブックの特筆すべき点は、市民の自主避難を促す「逃げどきマップ」の構成であります。市内を流れる三つの川が決壊した場合を想定し、我が家の立地環境・構造などを基本としたフローチャートを見やすくまとめてあり、「そのときどのように行動すべきか」をわかりやすく解説しています。先ほどの常総市のアンケートにもありましたが、災害情報を得ても「どのような行動をとればいいのかわからない」という住民に対する一つの行動指針になると思います。  また、市の防災行政課では、出前講座の際に市民に必ずこのガイドブックを持参してもらい、日ごろから活用する癖をつけていただいているそうです。  こうした先駆的な事例を鑑み、大田区においても災害情報の発信に対する区民の自主行動の指針について研究・取りまとめを行っていくべきと考えますがいかがでしょうか。 ◎加藤 災害対策担当課長 大田区地域防災計画や本計画内にある水害対策のタイムライン、及び区が全戸配布した「命を守る3点セット」の風水害編、防災地図には自主行動の考え方を取り入れております。例えばこの地図には、区民が早めの避難や明るいうちからの避難などを実行していただけるように、タイムライン形式を用い、区民自らが考え、行動に移すことに重点を置いた内容としております。今後、国土交通省で予定している新たな浸水想定区域などが公表された後は、区でも洪水ハザードマップを更新してまいります。このマップにも、区民の自主行動の考えを記載してまいりますが、よりわかりやすく区民の皆様にお伝えできるよう、他の自治体などの先駆的な取り組みも参考にしながら作成してまいります。 ◆田村 委員 国土交通省では、台風などによる水害発災時に実施すべき対策をより具体化するため、2014年4月に発災推定時刻の72時間前からの時間軸に沿った防災行動計画(タイムライン)を取りまとめました。これは、大規模水害の発災前から各主体が迅速かつ的確な対応をとるために、「いつ」、「だれが」、「何をするか」をフローチャート化して明確にしたもので、大田区においても既に整備されていると伺いました。このタイムラインを基本とした避難計画の策定を要望させていただきたいと思います。  最初にも述べましたが、今後30年以内に70%の確率で発生すると言われている首都直下地震や集中豪雨による水害への備えについて、国・東京都・大田区、そして地域力の要となる区民のさらなる連携を要望し、大田区の地域防災計画についての質問を終わらせていただきます。 ○岸田 委員長 次に、共産質疑願います。 ◆黒沼 委員 総務費、人権推進費の同和事業について伺います。  同和事業の一日も早い一般事業化を願い質問いたします。年度別同和対策相談実績を教えてください。 ◎小澤 人権・男女平等推進課長 平成22年度は188件、平成23年度は183件、平成24年度は171件、平成25年度は144件、平成26年度は115件でございます。 ◆黒沼 委員 ただいま伺いましたように、5年間で約70件ほど減少しています。これは、週に月、水、金、9時から12時まで3日間、年144日ですから、1日3件の相談程度になります。時給4,500円です。1日3時間ですから、あまりに高額です。この高額の委託費は、区では弁護士と医師しかいないそうです。ちなみに、この方は無資格です。その無資格の方が経営相談の経営改善、教育、就職、全ての相談に乗っているのだそうです。果たして乗れるでしょうか。できているでしょうか。その根拠をお聞きしたいところですが、今回は提案にします。  消費生活センターの相談員の時給は1,900円程度です。しかも、資格を持っています。本来、同和相談手当と同等に上げるべきと質問したいのですが、款別質問ですから、逆に消費生活センターの相談員と同額にすべきとすることを求めます。消費生活センターの相談員も同等にしていいと思います。区が位置づける同和相談員と勝るとも劣らない重要な仕事をしていると思いますが、お答えください。 ◎小澤 人権・男女平等推進課長 同和生活相談員の委託料に関しましては、時間単価という契約ではございません。なお、同和生活相談は、歴史的・社会的な背景に起因した同和問題に関連する相談でございますので、根深い差別意識に基づく事案が多く、対応には特段の配慮を要する専門性の高い事業の一つであります。  また、相談内容によっては、調査・情報収集・事前準備などで、既定の時間以外にも対応することがございます。そのため、ほかの相談員と比較することは適当でないと考えております。 ◆黒沼 委員 その答弁の内容は既に、政府が打ち消しています。いつまで政府が打ち消した答弁にしがみついているのですか。何を恐れているのかわかりませんが、勇気をもって、堂々と民主主義の日本、大田区に立ち戻って、これからの同和問題の解決にあたってもらいたいと思います。  ちなみに、相談回数の適正化も求めます。相談件数が1日1件の実績しかないのですから、せめて週1日などに縮小するか、区役所2階の一般相談事業に改善を求めます。区民の税金の有効活用を求めます。今後恐らく、どんどん相談件数は減っていくのではないかと思います。ここであるデータがあります。参議院選挙の比例区の方が立候補しましたが、この方の肩書は部落解放同盟中央本部書記長の肩書を持つ方の大田区内での得票は2004年に150票でした。当選いたしました。比例区です。ところが、6年後に落選いたしました。その方は民主党から出ていたのですが、その方の得票は大田区で55票に減っておりました。恐らく部落解放同盟中央本部の書記長の選挙ですから全力を挙げての結果だったと思います。55票の影響しかないのです。このことから二つの疑問が出てきます。一つは、55票しか出ない現実のもとで、なぜ相談件数が減らないのか、2倍の100件を超える件数が毎年続くのか、同じ人物が何度も相談に来ているのではないかと疑いをいたします。このような現状を鑑みて、一日も早い同和事業の終了を求めるとともに、せめて週1回に相談回数の削減を求めます。お答えください。 ◎小澤 人権・男女平等推進課長 本区では、同和問題を含め、さまざまな人権課題について啓発活動等を通して、その解消に努めているところでございますけれども、残念ながら、いまだに差別がなくならない現状がございます。  相談件数につきましては、先ほどお答えしたとおりでございますけれども、個別の相談は1回の相談もあれば、複数回の相談もあり、その相談形態はさまざまでございます。いずれの相談につきましても、解決の糸口や方向性を示したり、必要な場合には関係者との連絡調整や制度の紹介など丁寧な対応をしているところでございます。  なお、同和問題に関しまして、根深い差別意識に基づくものであるとともに、いまだに悩みや苦しみを訴える相談がございますので、専門相談といたしまして、できる限り門戸を開いておくことが肝要だと考えてございます。 ◆黒沼 委員 ただいまの答弁についても申し上げます。その答弁は、大田区に部落があるかないかの基準で法律は決められておりました。ないのです。ない場合は、一般の差別解消で良いということになっております。なぜそうならないのか。これも申し上げておきます。  最後に要望ですが、同和人件費1,347万円のうち、冊子図書類が多くを占めています。せめて精査してその改善を求めて、質問を終わります。 ◆菅谷 委員 地域振興費、113ページ。区民センター管理運営費、3億9,640万6,000円、前年度より1,200万円余削減されているのですけれども、まずそこからこの減った理由を教えてください。 ◎柏原 地域力推進課長 区民センター管理運営費が減額となった理由でございますが、主な減額要因としては、洗足区民センター改修基礎調査委託及び大森西区民センター耐震補強検討調査委託の業務が終了し、約4,000万円減額されたことです。  次に、主な増額要因としては、萩中集会所の業務委託費、及び大森東地域センター等3施設での清掃業務費が増額したこと、洗足区民センターの緊急工事に対応する経費を計上したことで、約2,717万円増額したことです。その他の増減も含め、総額では1,267万6,000円の減となったものでございます。 ◆菅谷 委員 どうしてこの質問をすることになったかと言うと、住民の方から不便を感じているというお話があったことが、ことの発端なのですけれど、この方は月に1回、日曜日に大森西区民センターでお習字を習っているのですけれども、お習字というと力を入れますよね。すると、机がぐらぐらして字が書けないと。これはつい最近ではなくて、ずっと思っていたのだけれど、ほかの机も見てみると同じような状況と。表面は割にきれいなのだけれども、本当に見てみたら、金具が壊れているのか、点検をしてもらいたいと。こういったときは、どこが責任を持って点検や管理をし、判断を下し、対処するのか教えてください。 ◎間 大森西特別出張所長 大森西区民センターは、施設の管理運営業務を委託しておりますが、区の責任のもとで運営をしている施設でございます。簡易な設備や備品等の維持管理については、受託者が点検や簡易な補修を行うこととしておりますが、受託者において判断が困難な場合は区が対応しております。  先ほど委員がご指摘になった机のぐらつきにつきましても、緩んでいたねじの締め直しや物品の入替え等により対応したところでございます。 ◆菅谷 委員 早速対応されたということですけれども、受付に机のことを点検してほしいと言ったら、その時に予算がないと。そんなふうに言うのだったら、他のところを借りてくださいという、その上での今回そういう対応もされたということでは、それはそれでいいのですけれど、そういったことをするということは、やはり区の対応として問題があるということですね。  それから、区民センター条例では、第1条に区民に研修、集会の場等を提供することによって、区民の文化活動及び地域活動の促進を図って、文化の向上、地域の進行に寄与するために大田区立区民センターを設置する。このことを果たせていると言えるのかという、このことで再度申し上げておきたいと。だから、予算がないということで、この間済ませてきていることが、やはり区民の方が実感しているということをぜひ受けとめてもらいたいということと、それから区民センターの中には、高齢者及び老人クラブに対する教養の向上、レクリエーションの場の提供並びに高齢者の健康の増進に関するという、ゆうゆうクラブに匹敵するようなそういう部分もあります。この高齢者の方が利用するところでは、これも予算がないと、お茶を今午前中11時まで出さない、夕方は午後3時以降は出さないとそういったことがあるということを、がっかりしたというお話が出されていたもので、どうしてこんなことが起きているのか、これも先ほどの予算の関係であらわれていることなのか、そこのところを教えてください。 ◎間 大森西特別出張所長 大森西区民センターのお茶の提供につきましては、実績をもとに年間使用量を適切に算定し、必要な予算を計上しております。本年度の利用実態から、現在は一時的にお茶の利用可能時間をご利用が多い昼間の時間帯に設定させていただいておりますが、お水やお湯については開館時間中、いつでもご利用いただける状況でございます。  今後も、利用状況や利用者のご要望を踏まえ、運用してまいります。 ◆菅谷 委員 そういう状況なのですけれど、ぜひ予算できちんと対応していくという、このところを本当にしてほしいと。私が今回このことをなぜ質問するかというと、この間は使用料の値上げとか、そういった条例が出されましたよね。こういったときに、地域の方から見れば施設の改善もなくて、そしてこの第2集会室の使用料金を見ても、1,400円が1,600円に値上げになっているという状況の中で、いくら受益者負担と言われても、区のやっていることは違うのではないかという、そういうご意見が出ています。だから、順番が違うのではないかと。もし受益者負担だというのだったら、きちんと施設の改善をしてから、そういったことを、やるべきではないかと、こういうことについてどう考えられますか。 ◎山田 計画調整担当課長 今回の施設使用料の見直しは、施設利用者と未利用者の方との負担の公平性を確保する観点から、施設サービスコストを使用料に反映させ、統一的な基準により使用料を算定することで、受益者負担の適正化を図るものでございます。  公共施設は、区民の皆様の貴重な税金で整備された全区民共通の財産です。その共通財産を一時的に利用することで、サービスを受けた場合、その応分の負担、費用を使用料としてお支払いいただくことは、施設を利用しない方との公平性の観点から必要なものでございます。  見直しの結果、大森西区民センターでは引き上げとなったもの、据え置いたもの、減額となったもの、それぞれございます。受益者負担の適正化にかかわらず、施設の適正な管理を行うことは重要であり、これまでの適正な維持管理に努めてまいりました。引き続き、利用される皆様にとって、使いやすい魅力ある施設の整備、維持管理に努めてまいります。 ◆菅谷 委員 区の施設の目的は、住民の福祉増進というところにあるのだと、まず思うのですよね。いくら、受益者負担ということで、今おっしゃっていましたけど、考えてみてください。自分が行ったときに今まで出ていたお茶が出なくなったと。そういったことを区が予算がないからということで使えない、そして次には値上げをすると、そういったことのやり方はおかしいのではないかということを申し上げて、私の質問とします。 ○岸田 委員長 本日の質疑は、この程度で終了いたします。  なお、明日3月10日は午後1時から開会いたしますが、この日は第26回東京都平和の日となっております。昭和20年の東京大空襲において亡くなられた方を追悼するため、議会の冒頭に1分間の黙とうをささげたいと思います。つきましては、12時59分までに議場にお集まりいただきたいと思います。  委員の皆様、理事者の皆様、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。  以上をもちまして、本日の予算特別委員会を閉会いたします。                午後 4時46分閉会...