次に、
行財政改革について申し上げます。
自治体の会計も個人の家計も、
基本原則は「入るを量りて出
ずるを制する」ことであります。
区民の
皆様方からお預かりしました貴重な税金を効率的かつ効果的に執行し、「出
ずる」をいかに適正化するかが問われているのであります。
一方、
区税の「入り」については、国と
地方の「
三位一体改革」の
影響により、大幅な
減収が見込まれております。昨年、
国庫補助負担金を約4兆円削減し、約3兆円の
税源を国から
地方に
移譲する「
三位一体の
改革」が行われました。現在、3段階の
累進課税となっている区の歳入の根幹である
住民税が、
平成19年度から一律10%にフラット化されることになりましたが、これにより、
高額所得者階層の多い本区においては、
税源移譲どころか、逆に約25億円(18年対比で約20%減)もの
減収となることが見込まれます。これまで
特別区民税として収納されていたものが、国税や
都税となるものであり、まさに「逆
移譲」とも言うべき
状況であります。
民間企業においては、
市場競争の激しさが増す中で、
商品等の
売上高が低迷しても
一定の収益を確保するため、当然のこととして、
人件費などの
固定経費を圧縮するなど、日頃から
コスト削減のための
内部努力を
徹底しております。
自治体においても、厳しい
社会経済状況の中、多様化する
行政需要を的確に把握し、
住民の要望を着実に達成するためには、常に健全な
財政運営を図っていくことが求められており、そのためには、
行政自ら身を切るような
内部努力が必要不可欠であると
認識しているところであります。
本区においては、
区政の
構造改革と効率的な
行財政運営を図る
基本指針として、
経常収支比率や
人件費比率の具体的な
数値目標を掲げた全国的にも例のない「
千代田区
行財政改革に関する
基本条例」を
平成14年に制定をいたしました。この
条例におきましては、
区民の
皆様方への約束事として、本区の中・長期的な
目標値を明確に設定するとともに、毎年度の
予算編成における
指針とするものであります。
あわせて、具体的な
取り組みといたしまして、「
行財政構造改革推進大綱」を第1次・第2次にわたって策定し、
大綱を通じて
行財政改革を着実に進めてまいりました。この間、
平成13年度に1,362人であった
職員定数を
平成18年度には1,126人まで236人を削減することにより、約20億円に及ぶ
人件費を削減したほか、
各種特殊勤務手当や
職員互助会への
区費負担の抜本的な
見直し、
業務委託や
指定管理者制度導入による
執行体制見直しなどを行ってまいりました。
このほか、国においては5年後に
公務員定数を5%純減する
行革推進法が本年6月に施行されましたが、区はこれに先立ち、行革
大綱において5年間で240人の削減目標を打ち出し、さらに最終年度の
平成21年度の
職員定数を
条例で制定し、引き続き行革に取り組むことといたしました。加えて、本
定例会に議員、区長ほかの報酬等の引き下げを提案いたしております。
昨今の全国
自治体の財政
状況は、いずれも極めて厳しい
状況にあります。北海道夕張市においては、事実上の財政破綻が新聞等において報道されているところであります。財政再建団体に陥るということは、すなわち、国の管理下となるものであり、
自治体の体をなさなくなります。
自治体独自の
取り組みどころか、
住民に対する様々な給付サービス事業が大幅にカットされるとともに、各種手数料等を一斉に引き上げるなど、
住民サービスに重大な
影響を与えることになります。
本区においても、先ほど申し上げました「
三位一体の
改革」による税収の大幅な
減収が見込まれる
状況でありますが、将来を見据えて、
平成13年度から
行財政改革に着実に取り組んできたところであり、これらの努力により、この危機を克服することができると考えております。
「
地方主権」とは、
住民に身近な事柄については
自治体が国に頼らず、主体的・自律的に決めていくことであります。この「
地方主権」を標榜する資格を有する
自治体とは、
住民に質の高いサービスを安定的に提供できる強固な行財政基盤を確立している
自治体であると思います。このためには、
自治体自らが厳しい
内部努力を継続して行う必要があり、区議会のご支援をいただきながら、今後とも
行財政改革の
取り組みを引き続き推進していく決意を新たにしたところであります。
次に、
平成19年度
予算編成方針について申し上げます。
本区を取り巻く
社会経済状況については、「
三位一体の
改革」に伴う25億円の大幅な
減収だけではなく、国における「大都市富裕論」に代表されるように、大都市から
税源を吸い上げる動きが活発化することも危惧されております。本区においては85万人にも上る昼間
区民など特別な行財政需要を抱えており、今後、関係機関に強く訴えていく必要があります。
一方、
区民生活におきましても厳しい
状況は同様であります。国においても医療
制度改革や税制改正など、少子高齢化社会の到来を見据えた世代間の負担の均衡化を図る施策の結果、保険料・医療費の
見直しなど、特に高齢者の方々を中心に、
区民負担が増嵩をしております。
このため、
平成19年度予算の編成に当たりましては、これらの厳しい
社会経済状況を踏まえ、
区民の生活環境を守り、
区民が将来に向かって明るい展望が持てることを
基本的な考え方として取り組んでまいります。
区では、これまでにも、全国で初めて路上喫煙を禁止した生活環境
条例の制定や、介護保険における独自の軽減措置や在宅サービスの上乗せ、保育園の入園待ちの児童の解消、いずみこども園における幼稚園と保育園の一元化や九段中等教育学校における中高一貫教育、次世代育成に係る手当の創設など、高齢者、子育て、地域環境など
区民の生活に密着した分野において、時代に先駆けた様々な
取り組みを行ってまいりました。
平成19年度におきましても、
区民の生活環境を守り、さらに引き続き継続・発展できるような施策を展開してまいります。
来年は
千代田区制60周年の節目となる年であります。
区民の生活実態に即した新たな価値を
千代田区から発信できるよう、第1に、
区政の主人公である
区民のニーズに常に耳を傾けてまいります。第2に、
区政の運営に当たっては、組織の枠組みにとらわれず、積極的かつ迅速に取り組むとともに、地域や
企業・大学などとも連携を図ってまいります。第3に、さらなる
行財政改革による
内部努力や経営的視点からの施設整備・運営により、その成果を
区民に還元してまいります。第4に、
職員が主体的・積極的に取り組めるような職務能力の育成や活力ある組織風土づくりに努めてまいります。
以上4つの視点から
区政運営に取り組んでまいります。
次に、
平成17年度決算について申し上げます。
本区の
平成17年度決算は、我が国の景気回復の動向及びそれに伴う個人所得の伸びもあり、良好な結果となりました。
これを如実にあらわすのが、
区民の皆さんが直接負担をする
特別区民税の増収であります。
平成17年度の
特別区民税収は111億4,000万円余となり、前年対比17.7%増と大幅な伸びとなりました。決算では、
特別区民税が100億円を超えたのは、
平成10年度以来、実に7年ぶりのことであります。
この結果、財政の弾力性をはかる物差しである
経常収支比率は66.8%となり、前年度対比12.8ポイントの大幅な改善となっております。
しかし、これは
特別区民税の増収による一時的な現象であり、
平成19年度以降は極めて厳しい
財政運営が見込まれます。その最大の要因が、前述いたしました国と
地方の「
三位一体の
改革」による
特別区民税の大幅な
減収であります。
この「
三位一体の
改革」による本区財政への
影響は、まことに残念な事態でありますが、引き続き、行財政の簡素・効率化に取り組むことはもとより、今まで以上に施策や事務事業の
選択と重点化を図り、
区民の皆様に対する質の高い
行政サービスを継続的かつ安定的に提供できる「強い財政」の再構築に取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、今回提案いたしました案件についてでございますが、予算関係として
平成18年度一般会計補正予算(第2号)、
平成18年度国民健康保険事業会計補正予算(第1号)、決算案件として
平成17年度各会計歳入歳出決算の認定がございます。
また、補正予算並びに決算案件以外の
条例関係等の諸議案についてでありますが、新たに
条例を制定するもの3件、
条例の一部または全部改正11件、契約案件1件、指定管理者の指定1件、工事請負契約の一部を専決
処分により変更した件1件及び、損害賠償請求事件に対する専決
処分により和解した件2件で、計19件であります。
何とぞ諸議案につきまして慎重なご審議の上、原案どおりご議決賜りますようお願い申しまして、
平成18年第3回区
議会定例会の
開会のあいさつといたします。
4:
◯議長(
戸張孝次郎議員) 日程第1を議題にします。
──────────────────────────────────────────
議員提出議案第8号 天皇皇后両陛下ならびに秋篠宮同妃両殿下に捧げる賀詞
──────────────────────────────────────────
5:
◯議長(
戸張孝次郎議員) 提出者を代表して、
桜井ただし議員より提案理由の説明をお願いします。
〔
桜井ただし議員登壇〕
6: ◯5番(
桜井ただし議員) 議員提出議案第8号、天皇皇后両陛下ならびに秋篠宮同妃両殿下に捧げる賀詞につきまして、提出者を代表して提案理由の説明を行います。
平成18年9月6日午前8時27分、秋篠宮妃紀子様は、愛育病院において
親王殿下をご出産なされました。12日には命名の儀がとり行われ、
親王殿下は悠仁様とご命名されました。
ご両親である秋篠宮同妃両殿下は言うに及ばず、天皇皇后両陛下のお喜びはいかばかりかと拝察いたします。
また、このたびの
悠仁親王殿下のご誕生は、全国民が久しく待ち望んでいた慶事であり、とりわけ皇居が位置する
千代田区民にとりましては、その喜びもひとしおであります。
千代田区議会は
区民とともに、このたびの慶事に祝意を表し、天皇皇后両陛下ならびに秋篠宮同妃両殿下に謹んで賀詞を捧げたいと思います。
次に、案文を朗読いたします。
天 皇 皇 后 両 陛 下 な ら び に
秋 篠 宮 同 妃 両 殿 下 に 捧 げ る 賀 詞
天皇皇后両陛下に捧げる賀詞
皇位継承資格をもたれる
悠仁親王殿下の御誕生を心からお祝い申し上げます。
このたびの慶事は、皇居が位置する
千代田区民にとりまして、まことに慶賀にたえないところであります。
ここに、
千代田区議会は
区民とともに、天皇皇后両陛下の御健勝と、
悠仁親王殿下のお健やかな御成長、並びに御繁栄をお祈り申し上げ、謹んでお祝い申し上げます。
平成18年9月22日
千代田区議会
議長 戸張孝次郎
秋篠宮同妃両殿下に捧げる賀詞
皇位継承資格をもたれる
悠仁親王殿下の御誕生を心からお祝い申し上げます。
このたびの慶事は、皇居が位置する
千代田区民にとりまして、まことに慶賀にたえないところであります。
ここに、
千代田区議会は
区民とともに、秋篠宮同妃両殿下の御健勝と、
悠仁親王殿下のお健やかな御成長をお祈り申し上げ、謹んでお祝い申し上げます。
平成18年9月22日
千代田区議会
議長 戸張孝次郎
以上、満場一致ご議決いただきますようお願い申し上げまして、提案理由説明を終わります。
7:
◯議長(
戸張孝次郎議員) お諮りします。ただいまの議案は、
桜井ただし議員の提案理由説明のとおり、満場一致決定したいと思いますが、
異議ありませんか。
〔「
異議なし」と呼ぶ者あり〕
8:
◯議長(
戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、ただいまの議案は原案どおり可決しました。
日程第2及び第3を一括して議題にします。
──────────────────────────────────────────
議員提出議案第 9号 米国政府が実施した臨界前核実験に対する抗議
議員提出議案第10号 米国政府が実施した臨界前核実験に抗議し、今後の実験中止を
求める意見書
──────────────────────────────────────────
9:
◯議長(
戸張孝次郎議員) 提出者を代表して、
桜井ただし議員より提案理由の説明をお願いいたします。
〔
桜井ただし議員登壇〕
10: ◯5番(
桜井ただし議員) 議員提出議案第9号、米国政府が実施した臨界前核実験に対する抗議、並びに議員提出議案第10号、米国政府が実施した臨界前核実験に抗議し、今後の実験中止を求める意見書につきまして、提出者を代表して、提案理由の説明を行います。
米国政府は、去る8月30日、日本時間31日午前3時でありますが、ネバダ州の地下核実験場において、23回目の臨界前核実験を実施しました。
今回の核実験は、米英両国政府が共同で行った、本年2月の臨界前核実験から、約6カ月という短期間のうちに再び実施されたものであり、米国政府の再三にわたる核実験は、世界で唯一の被爆国である我が国民の核兵器廃絶に対する願いを裏切るばかりか、国際世論を無視した暴挙であり、断じて許される
行為ではありません。
「国際平和都市
千代田区宣言」を行い、世界の恒久平和を希求する我々は、人類の未来と次代を担う子どもたちのために、どのような核実験であろうとも容認することはできません。
よって、
千代田区議会は
区民とともに、米国政府が実施した臨界前核実験に対し強く抗議するとともに、日本政府として今後いかなる実験も行わないよう働きかけることを求めるものです。
抗議並びに意見書の案文につきましては、お手元に配付のとおりであります。
以上、満場一致ご議決いただきますようお願い申し上げまして、提案理由説明を終わります。
11:
◯議長(
戸張孝次郎議員) お諮りします。ただいまの議案は、いずれも
桜井ただし議員の提案理由説明のとおり、満場一致決定したいと思いますが、
異議ありませんか。
〔「
異議なし」と呼ぶ者あり〕
12:
◯議長(
戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、ただいまの議案はいずれも原案どおり可決しました。
13:
◯議長(
戸張孝次郎議員) お諮りします。本日はこの程度をもって延会したいと思いますが、
異議ありませんか。
〔「
異議なし」と呼ぶ者あり〕
14:
◯議長(
戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
なお、次回の継続会は9月27日午後1時から
開会します。ただいま出席の方々には
文書による通知はしませんので、ご了承願います。
本日は以上で終了します。
延会いたします。
午後1時26分 延会
発言が指定されていません。 Copyright © Chiyoda City, All rights reserved. ↑
本文の先頭へ...