上越市議会 > 1994-03-18 >
03月18日-03号

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  1. 上越市議会 1994-03-18
    03月18日-03号


    取得元: 上越市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-25
    平成 6年  第1回(3月)定例会     平成6年第1回上越市議会定例会会議録(3日目)                                  平成6年3月18日(金曜日) 出 席 議 員    1番   大  島  武  雄  君       2番   牧 野 島     清  君    3番   山  岸  行  則  君       4番   市  村  孝  一  君    5番   坪  井  正  澄  君       6番   永  島  義  雄  君    7番   小  林  克  美  君       8番   鳴  海  寿  一  君    9番   小  林  林  一  君      10番   早  津  輝  雄  君   11番   樋  口  良  子  君      12番   茨  木     実  君   13番   宮  沢  武  男  君      14番   田  村  恒  夫  君   15番   石  平  春  彦  君      16番   西  沢  幹  郎  君   17番   杉  田  弘  美  君      18番   山  口     昇  君   19番   船  崎  信  夫  君      20番   関  原  忠  良  君   21番   小  林  元  一  君      22番   星  野     実  君   23番   山  田  力 之 助  君      24番   市  川  文  一  君   25番   新  保  清  司  君      26番   本  城  文  夫  君   27番   高  橋     実  君      28番   相  馬  義  孝  君   30番   渡  辺  一 太 郎  君      31番   岡  本  鍈  一  君   32番   大  原  久  勝  君 欠 席 議 員   29番   樋  口  栄  一  君 説明のため出席した者 市    長  宮  越     馨  君    助    役  山  口  弘  司  君 収  入  役  小  柳  昭 三 郎  君    教  育  長  斉  藤     弘  君 市 長 公室長  下  村     紘  君    財 務 部 長  滝  沢  和  夫  君 企 画 部 長  川  名     茂  君    市民環境部長  川  合  恒  夫  君 経 済 部 長  西  條  達  男  君    建 設 部 長  松  橋  昭  彦  君 ガス水道局長  小  林  達  二  君    教 育 次 長  宮  本  慶 次 郎  君 行 政 課 長  風  間  正  宏  君 職務のため出席した事務局職員 事 務 局 長  松  苗  正  彦  君    次    長  白  石  行  雄  君 調 査 係 長  平  田  伸  一  君    主    事  高  原  る み 子  君 議 事 日 程  第1 会議録署名議員の指名  第2 一般質問 本日の会議に付した事件  第1 会議録署名議員の指名  第2 一般質問 大島武雄君、茨木実君、樋口良子君、山岸行則君、小林林一君       ──────────────────────────────────          午前10時0分 開議 ○議長(大原久勝君) これより本日の会議を開きます。 ───────────────────── 〇 ───────────────────── △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(大原久勝君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において石平春彦君及び小林元一君を指名いたします。 ───────────────────── 〇 ───────────────────── △日程第2 一般質問 ○議長(大原久勝君) 日程第2、一般質問を行います。 1番、大島武雄君。         〔大 島 武 雄 君 登 壇〕 ◆1番(大島武雄君) おはようございます。初めて質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 私は、あらかじめ通告をいたしました直江津火力発電所建設計画について一般質問をさせていただきます。まず第1に経過と調査結果の見直し、第2に誘致に対する考え方、第3に地元住民に対する中間報告、第4に今後の見通しなどでございます。これらを一括して御質問させていただきます。 この火力発電所計画は、平成3年7月11日の新潟日報紙上にて、中部電力東北電力が共同で直江津港LNG火力発電所を建設するという構想を打ち出されてから3ヵ年が経過いたしましたが、その間、平成3年9月、そして平成4年の6月議会に一般質問で提起されたことも、まだ新しい記憶として残っているものと思います。なお、これから述べる質問などには過去の火力建設計画の質問と内容的にかなり重複している部分がありますので、なるべく整理をしながら新市長の見解をお尋ねしたいと思います。 当時の前植木市長一般質問にこのように御答弁されております。まず第1点は、直江津港発電燃料に使うLNGの大型運搬船が接岸できる港であること、第2点目に、公有水面埋め立て造成によって発電所の用地が確保できること、第3点目は、上越市と直江津港の発展に貢献できることとしてあります。さらに平成4年5月28日に火力発電所の構想と県営工業団地の計画について、前植木市長の話を聞く会が、八千浦地区明るいまちづくり協議会の主催で開かれました。そこには八千浦地区各町内会長、農家組合長、そして直江津漁業協同組合、さらには老人会、婦人会、青年会などの役員が参集され、構想の輪郭、誘致の考え方、LNGの特性、アセスメントの実施を主体にお話し申し上げ、皆様方から大変好意的に受けとめていただいたのであります。八千浦地区では前向きに取り組む対策協議会の設置について進められていることを申し添えさせていただきますと、当時の前植木市長が御答弁されております。 その後、地元八千浦地区では、直江津火力発電所対策組織準備会が設置されて、私の知るところでは、経過報告の中に、平成3年7月11日付新潟日報記事、「 300万キロワット、国内最大級火力発電所直江津港に建設」、中部電力東北電力が共同で構想するというものでございました。直江津港東側50ヘクタールの海面埋め立て、総工費 6,000億円、15年にも完成、ここにいろんな詳細が書かれております。全国的な電力需要増大に対応するため、中部電力東北電力が共同で上越市の直江津港内国内最大級火力発電所を建設する構想を進めていることが10日までにわかった。平成十五、六年ごろまでに 300万キロワット出力の発電所を 6,000億円投入し建設するが、今後の電力需要増大によっては、最大出力 600万キロワットも将来的に検討しているというのが報告されています。 次に、平成3年9月13日、同じく新潟日報記事でございますが、直江津火力、積極誘致を表明ということで、前植木市長が「上越発展に寄与」となっております。ここに、前植木市長は、12日の同市議会9月定例会の一般質問で、構想は市や上越地方の今後の発展に寄与すると述べ、構想が具体化すれば積極的に誘致する考えを示した。この問題で地元の市長が公式見解を明らかにしたのは初めてということで書かれております。前市長は両電力とも電源立地の適地として直江津港に深い関心を寄せ、調査研究をしたいとの打診があった。ただ建設方針が確定したわけではなく、あくまで構想段階としながらも、約 6,000億円と言われる投資効果は大きく、建設後の固定資産税や電源三法交付金収入も市の財政基盤強化に大きく役立つと書いてあります。今後市民や周辺と協議しながら、企業誘致の一つとして取り組みたいということで、今のところが一番大事なところであります。また後で述べますけども。 平成3年11月28日、次は上越タイムスということでございますが、商工連盟上越支部の政経懇談、この中に「投資額 7,000億円ぜひ誘致したい」、そういうことが書かれております。そして、東北電力はもとより中部電力にとっても直接距離にして60キロ余りの長野への送電はコスト削減が図られるなどメリットがある。構想は妥当としたということでございます。また立地場所は直江津港漁港区東を埋め立てる。規模は 300万キロワット級の火力発電所を、最初に述べましたけれども、平成15年から16年ごろまでに完成させる。投資額は 7,000億円と試算されていると強調したそうでございます。天然ガスLNGを燃料にするよう要望中で、 7,000億円の投資は上越経済圏にはかり知れぬ波及効果をもたらす。燃料も輸入されるため港の活性化は進む。さらに固定資産税の増収、電源三法による交付金で公共施設整備が大いに期待できるとバラ色の将来を語ったのでございます。 その後、平成4年5月28日午後7時、市公民館八千浦分館にて八千浦地区各町内会長協議会が開催されました。前植木市長、下村部長、山口部長となっておりますが、現助役だと思いますが、直江津火力発電所の説明会を行っている。 さらに、平成4年6月16日午後2時、市公民館八千浦分館にて、中部電力側から北島氏、栗林氏、東北電力側から調査役長谷川氏、そして上越市特定開発課からは鳴海課長補佐が出席し、その説明を行ったと、こういう記録になっております。 平成4年7月25日と10月2日に環境現況調査説明会を行っている。 以上が八千浦地区火力発電所経過報告承認であります。 その後、火力発電所構想計画が報道されて以来1年半経過いたします。その間何一つ中間報告がされていない。なぜでしょうか。そして今、今日に至っております。そこでお尋ねいたしますが、火力発電所構想が報道されてから3年を経過いたします。発電所の位置及びその面積、それらが具体化していないのは何が原因と考えられるのでしょうか。港の将来の発展に妨げになるとの声が物流業者あるいは港湾関係者などにもあると言われているが、西海岸に発電所がどうかとの声も一方ではあります。新市長はどう考えておられるのでしょうか。立地可能かどうか、検討されたのでしょうか。地元八千浦地区住民に対しては、電力側から積極的なアプローチがあることを承知していますか。住民の中には生活関連施設の改善、充実するとの見通しを持っている空気も強い現状にあると見受けられます。この1年半、何も具体化した説明が市当局からもないが、地元民から火力発電所が本当に来るのか、来ないのかという疑問視する声さえも出始めております。私は、この発電所建設計画については、地元民の一人として大いに貢献しなければならないし、一市民として市の発展、地元の発展に期待を持つ一人でございます。 さて、私が市議に当選してから4ヵ月が経過いたしましたが、この4ヵ月間、火力発電所構想を模索することで、私なりに地元民にいろんな話を聞いてみました。しかし、だれ一人としてはっきりと火力発電所建設計画構想を言える人がいなかったのは残念に、また寂しく思います。その原因は、この1年半に市当局から何の中間報告もされていなかったのではないでしょうか。この火力発電所建設計画を市民、地元民が大きな期待と希望を持ち、上越の発展を持ち望んでいるものではないでしょうか。私は地元八千浦地区を代表し新市長にお尋ねいたします。これまでの経過と調査結果をできるだけ詳しく教えていただきたい。私の知るところでは、昨年の9月末に環境アセスメントが終了したものと聞いておりますが、その解析、そして予測、評価を行い、環境影響調査書を作成した上で、国の審査を受けて地元と建設同意し、港湾計画への組み入れを行い、さらには用地造成、そして発電所プラント建設を行うという一般的な開発工程でありますが、昨年11月に新宮越市長が誕生し、そのときの公約の中に、直江津LNG火力発電所計画の実現としてあります。今後の火力発電所に対する新市長の考え方をぜひ聞かせていただきたい。明確な御答弁をお願いいたします。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) お答え申し上げます。 直江津火力発電所の事案については、この地域の将来の帰趨を占う極めて重要な案件でありまして、私も今お話にありましたように、選挙公約にも掲げて、この実現には全力を投入して取り組んでいきたいと、こう申し上げてきている次第であります。総合的観点からこのことをお答えしなきゃならんと思っておりましたところ、このような御質問をいただきましたから、この際、今までの経緯を含めましてお答えをさせていただきたい、こう思っております。 今ほど御質問の中で、1年半の長きにわたって市が何も行動らしきものは起こしていないという、いわば市政のあり方についての御疑問というような感じを受けましたが、これから申し上げますが、いろいろと火力の問題については、単に火力発電だけの問題じゃなく、港湾計画の見直し等々、広い視点からこの問題に取り組んでいるわけでありまして、市の方が個々具体的に逐一この問題について市民に対してるる申し述べるという、そういう場面も少ないということを冒頭に御理解を賜りたいと、こう思っております。また、私も市長に就任してから4ヵ月余りでありまして、その前の経過は当然報告を受けておりますが、直近の動きについてもお答え申し上げますが、そのような市の立場ということを御理解を賜りたいと、このように思っております。 初めに、これまでの経過と調査についてでありますが、今ほど大島議員がおっしゃられましたいろいろの場面での経過についてはそのような事実として承っております。平成4年7月31日に東北電力中部電力が共同で直江津港付近の60ヘクタール程度の公有水面を埋め立て、 300万キロワット級のLNG火力発電所を建設したいと正式に市に環境現況調査の協力を依頼してまいりました。これを受けて市議会全員協議会に説明するとともに、直江津漁業協同組合才浜漁業協同組合から調査に対する同意を得て、平成4年8月31日、県知事に環境現況調査立地計画の推進についての協力を依頼をいたしました。平成4年10月1日から実施された環境現況調査は、平成5年9月30日に終了をしております。現在その解析作業が行われているところであります。 次に、私の誘致に対する考え方でありますが、火力発電所の建設は、総事業費が 6,000億とも 7,000億とも言われております。近来まれに見るこの地域における大規模な、いわばビッグプロジェクトでありまして、上越地域の経済と福祉の振興に大変大きなインパクトを与えてくれるものと確信いたしております。私は火力発電所の建設を最重要課題と認識し、その実現のため全力を投入してまいりたいと考えております。LNGは環境に優しくクリーンな燃料であると聞き及んでおりますが、建設を急ぐ余り、地元の意向や環境対策がおざなりになることは絶対あってはならんと、このように考えております。したがいまして、市民の皆さんに不安を抱かせないような万全の体制で取り組んでまいりたいと、こう思っております。地元の方々に対する中間報告と今後の見通しについてでございますが、現在環境現況調査結果を解析中であり、発電所の姿がはっきりと見えてこない状況にあることは事実であります。県が進めております直江津港港湾計画改定作業の中で、発電所の位置が確定し、環境現況調査結果に対する予測評価が進められますと、建設計画も具体的に示されるものと思います。発電所設置の場所、建設工事期間や方法、及び環境保全の方策等を明らかにした環境影響調査書が作成されましたら、早速関係皆さんのところに御説明申し上げたいと、このように思っております。そして発電所の設置に向けての御意見を拝聴し、いただいた御意見を尊重し、事業者と皆さんとの調整については、間断なく誠意を持って対処したいと、こう考えておる次第であります。 なお、今ほど申し上げましたように、この火力発電所が設置されるに当たっては、いろいろと地元に対する電源立地の交付金等が交付されるということにもなると、このように推測されます。そんなわけで地域振興を図るためにも、この電源立地は極めて有益な効果的なものであるというように私も理解しております。したがって、これから具体的にスケジュールに乗っていろいろ進められていきますが、最善の努力を払っていきたいと、このように思っています。 なお、直江津港湾整備計画の問題が当面大きな問題になってくると思います。その見直しについて、時期を早めて、既に2月の4日に第1回の直江津港湾計画調査委員会が開催されております。今年あと2回開いて速やかに港湾計画の変更をしようと、このよう考えております。現在の直江津港湾の区域内ではこのような大規模な火力発電所は設置しにくいという考えもありまして、港湾計画、すなわち港湾区域を含めた計画の抜本的な見直しがこの誘致の前提となっていることを御認識いただければ幸いかと思います。 以上でございます。 ○議長(大原久勝君) 大島武雄君。         〔大 島 武 雄 君 登 壇〕 ◆1番(大島武雄君) どうもありがとうございました。答弁には少し寂しいような気がいたしますが、火力発電所建設計画に対して市長が本当にこれから前向きに熱意があるものと大変心強く思っております。再質問させていただきます。 まず、これは要望でございますが、何かこういうことがありましたら、やはり地元と協議してほしい、そういうふうに考えます。 あと、直江津火力発電所のことで県と市との協議、そして市と電力側の協議はどのようになされていたのか、この1点をお聞きしたい。 あと、先ほどちょっと市長が触れられましたけども、植木市長との間でやはりこういう申し送りがあったと思います。先ほどの御答弁の中では簡単な申し送りでございましたけれども、やはりそこら辺もどうあったのか、それを2点目にひとつお聞きしたい。そして新市長はこの件について就任後、国、県などに対してどのような働きかけをされてきたのか、いま一度明らかにお聞きしたいと思います。 この3点、要望を含めて4点の御答弁をいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) まず、前市長とのいわば引き継ぎを含めた中でこのような話があったかということでございますが、まことに私も疑問に思っているわけでありますが、市政全般にわたって何ら一言も引き継ぎという事項は承っておりません。おかしいと私は思います。そういうことで、しかし、私は継続性の原則からすれば、おのずと担当部局等がそれぞれの事案について担当しておりますから、私自身が汗をかいて勉強をして事実の確認と、また市政の現状を学んで、そして今日の市政の運営に当たっているわけであります。したがって、決して市政の停滞あるいは矛盾、そういったことはないと、このように御認識いただきたい、こう私は思っています。 今ほどの案件につきまして事務当局からもいただいておる資料を見ますと、それぞれの場面で前市長は県に対する働きかけもされております。したがって、私も就任間もないときから、例えば拠点法2次指定に向けての運動の一環として、火力の発電所の設置についての考え方をきちっと県知事に対して要望をしてまいっております。また機会あるたびに、このような大きな事業でございますから、タイミングを失せずに、あるいはまたチャンスを逃さずに、適宜この問題について要請をしておるところであります。また同時に、電力の側からの話し合いもときどきに応じてさせていただいております。ですから私は私なりに十分理解しているつもりでございまして、この火力の設置における我が地域に与える経済的、あるいは市民生活を含めた幅広い面、あるいは我が国の電力事業のいわば改善という高い次元を含めて、極めて重要であると私は認識して取り組んでおります。同時にまた誘致が予測されます、まだ確定ではございませんが、八千浦地区等地区住民に接するときどきに私もその御協力を申し上げているつもりでございます。環境アセスメントの解析が進んでおりますが、そのような答えが出るタイミング、あるいはまた新たな直江津港湾整備計画の動き等々の動きがある、そういったタイミングをとらえて、地元住民の方々に誠意を持って説明等をさせていただきたい、こう考えております。こういったことはまさに私の、いわば市民のために立って必要なもの、有益なものについては、きちっと行政の継続性を維持していくという理念がこういったところにも貫いているということを御認識いただければ幸いに存じます。      ────────────────────────────────── ○議長(大原久勝君) 12番、茨木実君。         〔茨 木 実 君 登 壇〕 ◆12番(茨木実君) これは通告していないことなんですが、市長、今ほどの発言を聞いていましてね、まるっきりおれは知らんかったみたいなね、前の市長からの、これは一般傍聴者もいらっしゃるわけだから……。 ○議長(大原久勝君) 茨木議員、通告外でありますから……。 ◆12番(茨木実君) はい。 じゃあらかじめ通告しておきました3点について市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。内容が多少くどくなりますが、御了承いただきたいと思います。 まず1点目は、市民参加による政策形成段階での市長の対応についてですが、きのうの新保議員の質問もあり、これに対する御答弁もありましたが、関連する部分もございますが、御了承いただきたいと思います。 今議会開会冒頭市長は、1時間50分にわたって、所信表明と施政方針について、まさに自治の本旨を地でいくがごとく熱弁を振るわれました。市政運営の基本理念、政策、態度の方向性については疑問視する点もありますが、地方からの国づくり、地方主権の確立、これを強く提唱されている点については同感でありますし、了とするものであります。力説されたとおり、地方自治の本旨は、言うに及ばず、地域住民にとって最も快適な生活環境をつくることであるが、それぞれの生活環境はその地域の地理、歴史なり、あるいは気候、風土、文化、伝統などの総合によって成り立っており、その態様は地域によって千差万別であります。言うなれば、山間の村、海辺の町、平場の町、港の町、工場の町、あるいは城下の町、そしてお寺、お宮の町と、こういう特徴と歴史がそれぞれあるわけであります。そこで村づくり、まちづくりもそれぞれの地域的特性をどのように生かすかという作業であることから、地域の特性を熟知している人の手によらなければ到底なし得ない仕事であると思います。地域の特性を一番よく知っているのはだれかというと、中央省庁のお役人でもなければ県庁のお役人でもない。当然その地域に長らく住んでいる住民であります。地方の政治は、そこに住み、地域の隅々まで熟知している住民の手によって行われるのが最良でありますし、それがゆえに地方の政治は自治を本旨とするということであります。 だがしかし、今日の地方自治は俗に言う3割自治、最近は3割5分自治と言われるようになりましたが、単なる政府施策の実施事業所的性格を強めている事実、このことに対する反省が必要であろうというふうに考えます。幸い宮越市長基本理念は、地方分権、地方自治の確立を目指して、自前のまちづくりを推進するために、Jトークを初め各種調査会なり検討会あるいは審査会、審議会、協議会等々を設置し、一方では行政組織機構の改編整備をし、政策形成の段階から市民参加を得てということについては、先ほども申し上げましたように評価をするところでありますが、ここでいう市民というのは当然のことながら市民の代表である議会のことでもあると思います。このことにつきましては、きのうの新保議員の質問に対する市長の答弁で市長の認識を確認したところでありますが、市長も言われるように、従来の姿勢、手法を改めるということなんですから、これは容易なことではないと思いますが、市民の期待を裏切らないようにお願いをし、また我々も見守っていきたい、このように考えております。 また、市民参加を得る手法として、先ほど申し上げました各種審議会、審査会、あるいは調査検討会、懇談会等、いわゆる市長の私的諮問機関を数多く考えておられることは、これまたよいことでありますが、問題はこれが運用いかんでは市民参加を隠れみのに使われはしないか、あるいは独断専行で重要施策を決定はされないか、また議会との関係が疎遠にならないかということを老婆心ながら心配するものであります。きのうの新保議員の質問に対する市長の答弁姿勢、とりわけこれも屋台会館の建設に伴っての条例に対する市長の認識等伺っていますと、どうも心配するところがないわけではありません。そういうことから、とにかく議会制民主主義というものは独裁政治と違って手間暇のかかるものですし、これは市長も御存じのとおりであります。そこで、諮問に当たっては、あなた任せでなく、あるいはまた強引でなく、まず市長としての将来展望と選択肢と優先順位をあらかじめきちっと明示をしてから、それぞれの機関においてこね上げてもらうというふうに持っていっていただきたいというふうに考えますが、市長の考えはどうか、あえてお聞かせを願うものであります。 2点目は、農業後継者確保養成対策について提案をしながら、市長のお答えをお聞きします。農業を軽視する文明は必ず滅びると言われてきました。これまでの我が国の行政改革では、農業を中心とした特定不況業種を切り捨てることによって産業構造の転換を図り、高度工業化による国際競争力を強化することにあって、その結果、今日的危機的状況がつくり出されたことは周知のとおりであります。水田は、国民の主食である米生産のみならず、国土保全や生態系の維持など、稲作以外にも多くの役割を果たしてきました。森林と水に恵まれていたため、自然と環境に優しいシステムが確立されてきたところでありますが、米をつくる人と食べる人の違いを歴代政府が政策的に誘導してきた結果、農村の若者が農業、農村の将来に失望して離農、離村をし、したがって、農業従事者の高齢化が進み、今や農業、農村は存亡の危機に追い込まれたと言っても過言ではないというふうに思います。言うまでもなく、農林業は、国民に安全で良質な食糧を安定的に供給するということだけでなくて、重要な地場産業として地域経済の活性化に貢献してきた産業であります。均衡のとれた上越市経済の活性化のために、農業再生が待ったなしの社会情勢にあることにかんがみまして、農業、農村の基幹である後継者の確保養成は緊急の課題であります。上越市でも新農政プランの策定に向け、ようやく調査検討会が設置されましたが、市長は所信表明の中で、事農業問題については、抜本的対応は国の施策を待たなければならんと、すこぶる消極的になられております。このことは非常に残念に思いますが、農業後継者確保養成については、新農政プランを先取りして対応することが緊急の課題だと考えます。 そこで提案しますが、現行の新規就農支援事業の内容を一層拡充するなどして、農業委員会などが主管をして、市内中学校サイドとの連携を図って、農家出身生徒の中から適任者の掘り起こしに努め、そして農業後継者養成専門高校として去る昭和54年に創設開校されました県立興農館高校への入学と、農業以外の高校に進学したが、卒業後は農業に専従したい、したがって、そのための営農技術を取得したいと希望する者のために併設されている専攻科への入学を勧奨し、そして入学者に対しては学費の一部を補助する制度をここで創設するなど、積極的な確保養成対策を講ずることが言うなれば焦眉の課題だと考えていますが、市長の率直なお考えをお聞かせ願いたいと思います。 最後に、農業後継者の確保対策にも関連しますが、米の自給と生産調整についてであります。このことにつきましては、きのうの早津議員の質問に対し、市長は、理論的に矛盾しているが、国、県の方針に従う旨のあなたらしからんといいますか、答弁をお聞きしました。しかし、あえて私の主張を申し上げたいと思いますが、御承知のように、1970年代以降、米の需給バランスの崩れから始まった今日の生産調整は、稲作に依存する農家の経済に大きな打撃を与え、そして所得格差の拡大と農業への失望感が高まり、今日米の自給が逼迫し深刻となってきたことから、国は減反緩和策として休耕田の復田策を打ち出してきましたが、御承知のとおり、休耕田の復田は物理的にほとんど不可能の実態にあるというふうに見ております。加えて、都市化の進行に伴い市内においても優良農地の農地以外の転用面積が年間おおよそ37ヘクタール前後のものに及んでおります。一方、条件不利地域では農業従事者の高齢化によって耕作放棄地がこれまた年々増加をしていることに加えて、何よりも米を輸入していながら、そしてまた平成米騒動と言われるような事態が起こっているにもかかわらず、減反を強いるという、何とも腑に落ちない今日の施策に対する、生産者はもとよりですが、消費者からも拒否反応が大きくなってきたことから、国は今新農政プランでは真っ正面から取り組むべきテーマの第1に、米の自給率の低下傾向に歯どめをかけていくことだと、これを基本にしております。 前段でしつこく申し上げましたが、農業再生問題について、主体的に、しかも本音で取り組み、地域の声を、実情というものについて中央に上げていくことこそが今こそ求められているんではないだろうかというふうに考えます。上越市にあっては既に減反割り当ての協力要請の会議は終わったというふうに聞いておりますが、市長が強調されている地方からの国づくりのあなたの哲学の具現化の一つとして、この腑に落ちない、不合理な減反割り当てを返上することから、猫の目農政をこの上越の地から正していく勇断を発揮すべきと進言をするんですが、市長の本音はどうか、これまたお聞かせをいただきたいと思います。これにつきましても、きのうの早津議員の質問で、市長は減反を返上する考えはないというふうにおっしゃっておりますが、重ねてひとつ市長の本音をお聞かせいただきたいということを申し上げて終わります。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) お答え申し上げます。 初めに、市民参加による政策形成段階での各種委員会に対する諮問のあり方についてでございますが、私の市政の運営の基本方針は、まずこれまでの市政全般について総点検、総見直しを行って、開かれた市政を展開するというところにございます。このことは本会議で既にたびたび申し上げてまいったわけでありまして、これはとりもなおさず、議会軽視や市民不在の市政であってはいけないとの視点に立って、私の基本的な認識を申し上げてきたわけであります。今時代は大きく変化しております。特に政権交代まで行うような時代で、政治の根本が刷新されるべきだというような大きな流れが見えております。国、地方を問わずにそのような開かれた政治が、あるいはまた行政がそうであるべきであるというふうに求められております。開かれた市政は市民の声に耳を傾けることにあって、また市民の参画を得て初めて達成できるものであって、これこそが民主主義の根幹をなすものと思っているわけであります。そういう意味で、さきの市長選挙においても、この点を強調して市民の信任を得たことは御案内のとおりかと思います。 私は、市民との対話集会で現在のびやかJトークを既に4回行っております。議会でも申し上げましたが、おおむね総じて私が評価するのはおかしいですけど、好評というか、理解を示していただいております。小学校区単位30校区ありますが、本年中にあと26ヵ所を伺って御意見を拝聴すると、このように考えております。地域要望の把握は町内会長あるいはそれぞれの分野での代表者に聞けば足りるということであるかもしれませんが、何よりも実際に市民生活を行っている方々の生の声を聞くということが極めて重要であると、このように思って実施しているわけでありまして、極力現場の声を尊重した現場行政を進めていきたいという考え方であるからであります。さらに市職員とのフリートーク、これも実施させていただいております。既に8回数えまして、約 500人の方々と既に対話を済んでおります。地方の時代に職員の意識改革の芽生えも大切にしなきゃならんということから、このようなことで実施をさせていただいております。そして、地方行政の取り組む姿勢、あるいは今ほど議員もおっしゃった私の基本的な理念である地方分権における地方主権の確立、そのことを実現するために職員の意識改革もしなきゃならん、このように思ってそのようなフリートークも実施させていただいております。これも全職員 1,118人、全員一巡とにかくするということで取り組んでいきたいと、このように考えております。 さらに、情報公開制度実施に向けた検討調査会の委員の選定の仕方、これも開かれた市政の一環として公募を行いました。ちなみに申し上げますが、先般締め切りました情報公開に対する検討調査会の委員で応募された方は総体で46名おられました。そのうち男性が38名、女性が8名、抽せん会においでいただきました方はそのうち44名、男性36人に女性8人ということであります。いかに市民が開かれた市政を待ち望んでいたかということが一つのバロメーターとして認識できるんではなかろうかと、このように理解をしております。 さらに、ボランティアというか、委員手当等をそれはなしという意味で、市政モニターの公募を実は今行っております。現段階で3月17日現在で応募総数が62名いただいております。そのうち男性が44名、女性が18名でございます。これも一応締め切りをいずれ近々させていただきまして、17日の消印で一応締め切りになっております。約半数ぐらいの方をそのような方々からモニターになっていただきたいと、このように考えて進めております。そういう中で女性もたくさんの応募がされておられますから、女性を含めた幅広い市民参画をお願いしていきたい、このように考えております。ややもすれば政策が決定してから市民の協力を仰ぐという従来の姿勢、これは私もよく耳にしてまいりました。議員、先生方もそういったことは御認識されていると私は思っておりますし、そういったいわば従来型の政策決定のシステムを改めなきゃならんということで、可能な限り政策形成段階から市民参加を得たまちづくりを進めていきたいと、あるいは行政の運営の仕方を考えていきたいと、このようには思っております。そういった意味でありますから、まだ正直言いまして手探りというような部分がある現下において、そのような形で取り組んでいる私の姿勢をぜひ評価していただきたいと、このように思うのであります。 したがいまして、市民参加による政策形成過程での各種委員会に対する諮問のあり方、これも議員御指摘のように、議員御指摘のことはちょっと多少意見が違うかもしれませんが、あなた任せではだめだと、ある程度方向性を示した上で諮問すべきではないかというふうにおっしゃっておりますが、これはケース・バイ・ケースで、むしろフリーにして御議論をいただく方がいいという、そういう場合もありますから、まさに委員会、あるいは検討調査会等のいわば会議の態様によって、ケース・バイ・ケースで実効性のあるものにしていきたいと、このように考えております。したがいまして、御意見として承っておきたいと、このように思います。そういう意味で、私の意見や発言によって当然保障されるべき自由闊達な論議や発想が仮にも束縛されることがあってはならないと、このように認識しておりますので、その辺のところは弾力的に運用させていただきたいと、このように思っています。 最後に、開かれた市政と市民の参画による実効性のある自前のまちづくり施策を進めていくことが、まさに地方主権の確立でありまして、地方からの国づくりにほかならないと確信しているところでありますから、御理解のほどをお願い申し上げます。 次に、農業後継者確保養成対策についてということでございますが、御案内の県立興農館高校、専攻科、農業大学への入学勧奨についてでございますが、今大変厳しい農業状況の中で、農業を職業として選択する若者はごく少ない現状にあります。この後継者対策は農業政策の中でも最も重要な課題として受けとめております。ただ、きょうの朝のニュースでありますと、新しく農業後継者として従事したいという方々の数が若干昨年よりふえているという明るいニュースが飛び込んでまいりました。非常に結構だなということでニュースを見ておったわけであります。地域の活性化は、若者が定住する活力あるまちづくりであります。農業についても同じことでありまして、若い農業後継者を育てるためには、農業が魅力とやりがいのある職業でなければなりません。この現状を踏まえて、今新農政プラン上越版を策定しているわけでありますが、後継者対策について積極的に取り組んでいきたいと、このように考えております。また地域版でありますから、それぞれの地域の特色が出るような、そういう形で成案を見ていきたいと、このように考えております。 御質問の県立興農館高校の現状を申し上げますと、興農館高校の上越市出身の卒業生は昭和55年から平成6年までで合計16名と大変少ない数であります。一方、興農館高校に隣接する県立農業大学への在学生は、平成6年の新学生を含め現在6名ということであります。そのうち3名が女性ということを聞いております。大変明るい見通しとなっているというふうに認識をいたしております。申し上げるまでもなく、農業後継者育成のため農業専攻科への就学は緊急の課題と思っております。このため、就学勧奨については、教育委員会、農業委員会等の組織を通じ積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 なお、入学者に対する学費の助成制度につきましては、今ほど申し上げた趣旨から理解をしておりますが、他の学校とのバランス面も考えながら、今後十分検討してまいりたいと思っております。 なお、後継者育成対策につきましては、新年度予算において新規就農者に対し就農の円滑化を図るため、新規就農支援特別対策事業費を計上するとともに、新たに担い手対策の一環として、バイオ技術等を駆使する農業研究施設設置の可能性について調査検討を行う予算を計上しているところであります。 なお、新規就農支援特別対策事業費でございますが、昨年1名の計上でありましたが、ことしは3名分を計上してその充実を図っておるところであります。今後とも後継者の掘り起こしはもちろんのこと、担い手育成対策について積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。 最後に、米の自給率に歯どめをかけることを基本に減反割り当てを返上すべきと思うがとの御意見、御質問でございますが、さきに早津議員の御質問にもお答え申し上げたとおり、昨年の大凶作による国産米不足は異例でありますが、米の需給ギャップは依然として潜在的な生産力が米の需要を上回ることが予想されております。もし生産調整を行わないとしたならば、米の供給が過剰となって、結果的に米の流通の大部分を占める自主流通米価格の大幅な低落を招いてしまいまして、稲作経営に大きな悪影響を及ぼすことが懸念されます。このため、農家の経営安定を図るためにも、国内の米需給を調整し、価格を安定させることが肝要であり、米の生産調整、あるいはまたそういったことはある面ではやむを得ず必要かと考えております。 しかしながら、ミニマムアクセスを受け入れながら生産調整を今後も続けるということは、これは論理的にも相矛盾していると、このように私は以前申し上げたとおり認識しております。そういったことでもありますから、生産者、生産者団体の心情についてもいろいろと申し上げていらっしゃることは理解できるものとして受けとめております。このため、減反政策につきましては、画一的減反の押しつけを見直して、いわゆる適地適作方針に切りかえ、希望選択制の導入、あるいは強制的な他用途利用米を撤廃し、上質米生産に切りかえていくべきだと考えております。早津議員の質問でも申し上げましたが、上越地区農業農村対策本部の要望としていわゆる生産調整(転作)及び他用途米制度の見直しと減反政策に伴うODA、政府開発援助の活用について、そういった背景、そういった考え方のもとに県に要望書を出したところであります。 参考に要望書の要点だけちょっとかいつまんで申し上げたいと思いますが、県知事あてに12市町村代表しまして対策本部長として私が就任しておりますので、私の名前で出しました要望の考え方を御披露させていただきますが、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉合意に伴う諸問題の要望、提言についてということでございます。私たち市町村は、米の国内自給を守るため、これまで農家と一体となって国の生産調整、減反に取り組んでまいりました。しかしながら、今回のガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉合意によりミニマムアクセスを実施することは、米を輸入しながら一方では国内の生産農家に転作を強い、生産コストの全くそぐわない他用途利用米を求めることは、到底農家の理解を得ることはできない状況にあり、稲作農家の多い上越地域においては重大な問題で、極めて残念なことであります。この農業交渉の合意に伴って生ずる諸問題を、国、県において万全なる農政対策を講ずべきと考えますので、上越地区農業農村対策本部といたしまして下記の事項を要望、提言するものであります。これは2月16日付でございます。その主なものについては、今後の農業農村対策の積極的な推進に関すること、あるいは国、県の講ずる農政対策及び農村基盤対策への要望に関すること、その中で生産調整及び他用途利用米制度の見直しについてを言っております。それから農業振興地域整備計画の弾力的な運用及び農地転用の簡素化についても申しております。その他、担い手育成基盤整備事業における新技術導入の制度化について、それから地域農業の育成に関することで、雪に強いハウス園芸施設への助成充実について、あるいは北陸農業試験場との連携を密にし農業経営の水準を図ることについて、それから減反政策に伴うODAの活用への提言についてという主なものをまとめて出しております。 なお、ODAについての件については、なかなか御理解いただけないかと思いまして、若干申し上げますが、これは世界の食糧事情を見ますと絶対量が足りないということで、飢餓で命を失う数が多数に上っております。こういったいわば人命を救うという大局的な視点に立って、地球的規模で食糧の需給関係を考えた場合、単なる国内の米の需給関係だけで答えを出すんではなく、トータルで食糧の利活用について考えていくべきではなかろうかと、このように思い、ODAというのは現在食糧を政府開発援助という項目で物資の輸出についてはカウントできることになっておりません。ただし我が国のように生産の余力を持っている国としましては、生産は十分にしていただいて、いわばオーバーフローする分については、それは政府がいわばODA予算で買い上げ、そして物資だけが食糧を必要とする世界の国々に提供すべきではないか、このように考えている理念であります。このことはまだオーソライズされておりませんが、このことを外務省等、あるいはまた農林省も含めて中央官庁に対して理解を求めていかなきゃならんという重要なことが残っておりますが、基本的な今ほど申し上げました世界的な視野に立っての食糧に対する考え方、そのことについてもう一度原点に立ち返って、そういった問題についても真剣に取り組んでいくべきではなかろうかと、このように思っております。こういったことが実現を見たいと思っておりますが、仮にもそのようなことが我が地域から声が上がって国政レベルでオーソライズをもしできるならば、まさに地方からの国づくりということで具体的にそのことが評価を受けるものと思っていますし、また現実的な対応策として極めて有益なものであると、このように思っています。単なる貿易の価格差云々という話でなく、いろいろと食糧に対する思い入れがそれぞれあるわけでありまして、究極的には命をどう守るかという、いわば人間そのものの尊厳というか、根本的な生きるという原点をどう見るかというところにもかかってくるわけでありますから、高い次元でこのような問題について取り組んでいくことが極めて肝要であると、このように考えておりますので、つけ加えて御理解のほどをお願い申し上げたいと、このように思います。 ○議長(大原久勝君) 茨木実君。         〔茨 木 実 君 登 壇〕
    ◆12番(茨木実君) どうもありがとうございました。 真の地方自治確立に一層のひとつ御努力をいただきたいと思いますが、中で、今ほどおっしゃった後継者の確保養成対策、これは確かに他の高校とのつり合いが出てきます。しかし、私が言っているのは県立興農館高校というのは開校された目的が、もう他の農業以外の職業に就職はしない、そうでない、もう農業専従者を養成する学校ですよということで、特別にこれは当時塚田知事が全国で三つしかなかったものを新潟県に誘致されたわけですね、米産県であるということで。そういう特殊な学校であるということを頭に置いていただいて積極的なお取り組みをいただきたい、このことをお願いして終わります。      ────────────────────────────────── ○議長(大原久勝君) 11番、樋口良子君。         〔樋 口 良 子 君 登 壇〕 ◆11番(樋口良子君) 私は、さきに通告しました市長の政治倫理と新学習指導要領について質問いたします。 最初に、政治倫理についてでございますが、12月議会でも私が具体的な問題を挙げて事実関係を質問させていただきましたが、市長は政治倫理、政治改革の一般論を並べられたり、国政を目指していた過去のこととか、そういう事実はないなどと言うだけで、私の具体的な指摘、事実関係にはほとんど具体的な回答を避けられました。質問の後にますます疑念が大きくなったとか、きちんとしてほしいなどの声が市民から多数寄せられております。ゼネコン汚職、中村前建設大臣の逮捕などで政治倫理への市民の関心、怒りが一層強くなっているときでもあり、市長の市政運営言動への市民の信頼を回復するためにも、今回は私の具体的な質問には一つ一つ具体的に答えていただくよう最初にお願いした上で、具体的な質問に入らせていただきます。 第1は、新生党からの総選挙の資金の問題でございます。12月議会では 500万円のみ公認料として受領している。確認のとれないまま推測で申し上げたと答えられております。しかし、昨年11月10日放映のTBS「情報スペースJ」で、市長自身が「いや 500万円じゃなかった」、「もち代はもらったね。党行ってもらったわね」、「うん、 2,000万円になるかな」と証言しています。その辺の確認をとるとか、推測とかが入る余地はなく、御自分が党へ行ってもらったと認めているのですから、これほど確かなことはないわけであります。だれに確認する必要もないのであります。証言した10月24日時点では新生党の裏選挙資金が大騒ぎになる前であり、TBSにほかの新生党候補6人も合計 2,000万円もらったと認めていたわけですから、だれが見ても 2,000万円を受け取ったという方が事実と考えざるを得ません。これはいずれ明らかになる可能性も残っており、事は市長として政治家としての宮越さんあなたの信用、人間性にもかかわる問題であり、政治資金規正法にも触れる問題であります。本当は 2,000万円を一たん受け取ったのではないのか、改めてお聞きしたいと思います。 二つ目としては共和との関係であります。まずあなたは、共和から1987年、昭和62年でありますが、1月に無利息、期限なしで、あなたの新聞へのコメントによれば、当選したとき必ず返す約束で 3,000万円を借りております。昨年11月の市長就任直後に共和の破産管財人から 3,000万円の返済を求める通知を受け取ったと報じられています。あなたはどういう形で返すおつもりですか。国会における細川首相の佐川からの1億円問題と同様、個人ではなく公の人、公人の市長のお立場におられるわけですから、市民にわかるようにきちんとお答えください。市長あなたは91年12月の新潟日報の記事で弁護士立ち会いで約定書を交わしていると説明しておられます。本当に借りたのか、借金の形をとったやみ献金ではなかったのかという市民の疑惑を解消する上でも、その約定書を議会に資料として提出していただくよう要請いたします。 さらに、87年1月から宮越事務所に共和の上越営業所が開設され、少なくとも90年2月ころから半年間、あなたの家族、多分奥さんだと思われますが、家族とあなたの秘書にそれぞれ24万円ずつの給料が共和から支払われています。半年間で合計 288万円になります。こうした秘書給与の肩がわりは、その政治家への政治献金とみなされます。あなたはこの 288万円の献金を政治資金としてどこの政治団体でどのように処理されたのかお答えください。もし正当な給料として家族と秘書の個人所得として処理されたのなら、2人は共和のためにどういう営業活動、給与に見合う共和の仕事をしたのですか、具体的にその業務内容をお答えください。 また、元北海道・沖縄開発庁長官の事件で逮捕、起訴された森口副社長から、あなたは86年に 150万円の献金を受けていると、これは91年12月14日の新潟日報に報道されていますが、あなたのどの政治団体の収入としてそれを政治資金収支報告を出してあるのかお答えください。 次に、黒埼町の新潟佐川ターミナルの建設資材として、他社を押しのけて共和の鉄骨を納入するよう働きかけた件についてです。12月議会ではあなたはそういう事実はなかったと否定されていました。しかし、私どもの赤旗記者の取材で、新潟佐川の主管店、北陸佐川の関係者や新潟佐川の関係者が、宮越さんの働きかけで共和の鉄骨に変更されたと事実を認めています。その時期が市長の上越事務所に共和の営業所が開設され 3,000万円を無利息、期限なしで借りた時期に重なることから、業者との癒着の構図になるのではないかと指摘されているのであります。市長は12月議会では否定されましたが、この問題を赤旗が報じた92年5月、赤旗記者があなたに面会、事実関係を再三求めたのに対して、あなたは秘書を通じたコメントとして「共和に頼まれ、鉄骨を使うよう佐川側につないだ」と、そういうことを認め、「強引に変更させていない。別会社の能力との関係で共和にかわったと報告を受けた」と答えていました。12月議会での「事実はない」という答弁は、あなた自身が認めていた事実に反し、市民を欺くものではないのですか。改めて共和の鉄骨を佐川側に売り込んだ事実はあったのか、当時職務権限があったとか、ないとかでなく、その業者のために動き、同じ時期に巨額の金を借りたり、受け取ったりした行為について、政治倫理上、市長になられた今どうお考えか、今後市長としてこうした業者との癒着は繰り返さない確固たる意思をお持ちかをお答えください。 三つ目は北陸佐川急便からの資金提供についてであります。12月議会であなたは、共和や佐川から政治献金の協力を得たことは一般的に認めましたが、私が質問した具体的な事実関係には答えないまま、政治資金規正法にのっとって適法に処理していると言われました。これでは市民は納得することはできません。12月議会でお見せした北陸佐川急便の総勘定元帳や政治家関係を抜き書きした資料メモなどによれば、あなたが衆議院選挙に初出馬された86年の2月に 100万円、6月に 1,000万円、12月に 500万円の献金を受けたことになっています。また90年の衆議院選挙に出馬した前後の89年5月に 5,000万円、7月に 100万円、90年の5月に 500万円、6月に 200万円、10月に 5,000万円を寄附もしくは貸し付けという形の献金を受けたことになっています。8回の合計は1億 3,300万円にもなります。これとは別に90年3月20日に 206万 8,493円の寄附金を受けたとの記載もあります。また少なくとも88年、89年と毎月60万円を手数料の名目で受け取ったことになっています。あなたの上越事務所の秘書または赤旗記者の取材に、「全部がそのとおりではないが、そうした献金はあった」と認めています。これらの一つ一つについての寄附、貸し付けの事実はあったのかなかったのか。あったと思われますが、それぞれどの政治団体の収入として政治資金収支報告に、あなたの言葉で言えば適法に処理されているのか、具体的にお答えください。 また、例えば90年、あなたあてに寄附または貸し付けが 5,906万円あったわけですが、どのように収支報告を出してあるのですか。個人が1社から受け取られる政治献金は年間 150万円という政治資金規正法における量的制限に違反するのではないですか。一方、政治団体でも 100万円を超すと献金先、すなわち寄附者を明示することが義務づけられています。どこの政治団体の収入として収支報告が出されているのか、適法に処理と一般的に済ますことなく、具体的に一つずつお答えください。 あなたは12月議会で、「国会議員でもない私が」とか、「共和や東京佐川とのかかわり合いはない」などと言われましたが、赤旗の記者に複数の関係者が「佐川急便は国税庁からたびたび脱税の指摘を受けているが、大体軽い処分で終わったり、摘発を免れたりしている。そうした際に生きてくるのが政治家への献金だ。大蔵省官僚だった宮越さんからも動いてもらった」と証言しています。そうした事実あったのかなかったのかについても、市民にわかりやすくお答えください。 次に、新学習指導要領について質問いたします。この質問は92年9月議会でも取り上げましたが、そのときに私が指摘した内容はますます明らかになり、子供たちだけでなく、現場の先生方や父母の中にも大きな障害、不安をもたらしてきており、撤回あるいは見直しが今まで以上に必要になっておりますことから、問題点をさらに掘り下げてあえて再び質問させていただきますので、御理解ください。 まずその問題点の第一に挙げなければならないのは新学力観です。新学習指導要領の趣旨を徹底させるための考え方が新学力観です。89年3月に告示された小、中、高の新学習指導要領で意欲、個性が強調され、加えて91年の小、中の指導要領の改訂の際に「新指導要領が目指す学力観」という用語が使われ、以後「新しい学力観」、「新学力観」として定着しました。まず初めに一定の内容がありきではなく、まず子供がありきという考え方に立って展開されなければならないと、個性を生かす教育を強調しています。「学習指導要領に書かれていることは身につけなければならないが、どれだけ努力しても10しか知らない者と50知っている者とができることだ、これは個性の違いによって起こるのだという解釈をする」としています。 ある学校では、新学力観流の改革に取り組んでいるという記事を見ました。父母に渡したプリントで、文部省の方針に沿って古い学力観の教育から新しい学力観に転換すると説明しています。改革方針は、褒めない、しからない、教えない、一斉授業をやめ、子供たちのやりたいことをやらせます。わからんから教えてと聞いても教えない、教えると個性がなくなるからということです。こういう改革に対して、父母から基礎的学力の追求が甘い、わいわい、がやがやの授業で何をやっているのかわからない、学力に大きな差が出るのではという不安の声が大きく上がっています。我が子に確かな学力をと願う親として当然の疑問ですが、これを新学力観はそういう発想はもう古いんだと退けています。 大阪、堺市の教育委員会の指導主事は、研修で、「生徒全員ができるように指導すべきだという考えは捨ててください」というふうに語って教師たちを驚かせました。逆上がりしている横で、ただ鉄棒にぶら下がっていてもいい、これこそ個性に応じた教育という説明でした。その研修に出ていた教師の一人は、教えもしないでできないのは個性だなんて、どの子にも伸びてほしいと思えばそんな考えは納得できないと疑問の声を上げています。平成4年9月定例会の教育長の答弁では、「教師の説明を中心とした学習よりも、直接体験を重視した学習ができるように、さらに児童、生徒1人1人の能力、適性に応じた指導方法や教材の云々」と言われていますが、これはすなわち子供たちに基礎的学力を身につけさせるのではなく、興味や関心を重視しているということではないですか。 また、去年の夏、ラジオ体操に中学3年生が殺到し、それも全員が皆勤賞で、まじめに行くと内申書が上がるということだったのが、点数のつけようがないという皮肉めいたことも起こっております。教育長はこのような状況をどのように受けとめられますか。 問題点の第2として6日制を前提としているということです。2年前の9月12日から月1回第2土曜日が休日となりました。学習指導要領の見直しをしないまま実施に踏み切ったものだから、教育現場は休みとなった土曜日の授業の確保のために悪戦苦闘をしています。児童会活動、運動会、文化祭、卒業式の練習、球技大会などなど、子供たちの楽しみにしている時間を減らして対応しています。これでは学校が息もつけない窮屈なところ、無味乾燥なものになってしまう危険性がある。この前提を変えないと本当の解決策は出てこないと、現場の先生方は口をそろえておられます。 三つ目の問題点は、詰め込み、落ちこぼし……落ちこぼれでなく落ちこぼしを一層強めているということです。小学校1年生の覚えなければならない漢字の数は親の時代の2倍にも多くなっており、算数もどんどん下の学年に内容をおろしてきています。これでは低学年から落ちこぼし、学校嫌いを生む結果となります。私たちの愛するすべての子供たちにすばらしい学校と学習内容をプレゼントするのが私たち大人たちの役目、役割だと思います。子供たちの笑顔や希望あふれる学校を取り戻し、確かな学力を身につけさせるために、子供たちを今苦しめている新学習指導要領を一日も早く白紙撤回することが今重要だと考えます。教育長のお考えをお答えください。 以上です。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) お答え申し上げます。 まず、政治倫理についての御質問でございますが、昨日も新保議員にお答えした部分もございますが、このことにつきましては、昨年の12月議会で詳しく御答弁させていただいておるわけでありますが、改めてお答え申し上げます。 樋口議員も十分御承知のように、去る3月4日に政治改革関連4法案が成立いたしました。議員提案により公職選挙法の改正、衆議院議員選挙区の画定審議会の設置法の制定、政治資金規正法の改正、その他政党助成法が制定されたところでありますが、その目的が政治家の違法な政治献金の授受や収賄の排除にあり、政治家みずからが政治倫理の確立を国民に約束したものであります。すなわち従来のような政治家個人中心の制度では選挙区の広狭、あるいは支持母体の違いにより多少の差はあっても、全体として政治活動には多額の資金が必要とされたため、これを政党本位の制度に切りかえたものであると受けとめております。したがって、多くの金がかかることを前提としていた従前の制度のもとでは、政治家は法律の許容する範囲において政党や後援団体を通じ、あるいは直接支持者から資金の提供を受け、政治活動をすることが認められていたのであります。その中で、違法な行為により司直の摘発を受け、または逮捕される例があることは連日の報道によっても明らかであります。このことはまことに残念なことであると思います。このことをもってむやみにすべての政治家が違法行為を犯していると憶測することは甚だ危険であると考えます。まして適法な行動規範をさも違法行為を犯しているかのごとく取りざたされることは、法治国家の存立さえ危うくするおそれがあると思うわけであります。法律や制度は普遍的なものがある一方、国民の意識や社会情勢の推移によって、そのときどきで変容していくものでありますが、いずれにしても適法な行為と違法な行為は常に峻別されなければならないことは御理解いただけるものと存じます。 以上のことを踏まえた上でお答え申し上げますが、新生党からの選挙資金は公認料として 500万円のみを受領していると報告を受けております。 また、政治献金については、共和や佐川急便はもとより、幅広くいろいろな支持者の方々から御理解をいただき、御協力をいただいたことはありますが、いずれも政治資金規正法にのっとって適正に処理しているという旨の報告を受けております。 また、当時職務権限を持っていない私が、そのことを前提とする便宜供与──便宜供与というのはまさに職務権限と裏腹でございますから、そういうことはあり得ないということを先回もお答え申し上げたとおりであります。 共和の借入金については、マスコミ等、あるいは私のコメントも出ておりますから、 3,000万についてはおっしゃるとおり借り入れをしております。ただ先般、最近の報道によりますと、その返済が請求されているという報道があったわけでありますが、これは事実と違います。これは債務の確定、確認、そのことが実は連絡がありまして、管財人からそのような連絡が昨年の暮れに入ったわけでありまして、正確に申し上げますとそういうことであります。 なお、政治倫理確立のための資産公開はできるだけ早く必要な条例を制定し実施したいと考えており、その際、明らかにできるかと思っております。先刻もそのように申し上げてきたとおりであります。私は就任以来4ヵ月、市民が期待し選択した変化、刷新の流れを受けとめ、13万市民の幸せと21世紀に向けた新しいまちづくりに精いっぱい取り組んでおります。今後とも市政全般について総点検、総見直しを行いながら、生活に密着した真に市民が望んでいる行政を施策に生かして、市民の強い負託にこたえてまいりたいと決意を新たにしているところであります。市民がさきの市長選挙で私を信任し、将来の上越市政を託した意味をお考えいただければまことに幸いであると、このように思います。 以上でございます。 ○議長(大原久勝君) 斉藤教育長。         〔教 育 長 登 壇〕 ◎教育長(斉藤弘君) 新学習指導要領の問題点への見直しを求める御質問についてお答えをさせていただきます。 新学習指導要領によります学校教育が始まって小学校では2年を、中学校では1年が経過しようとしております。この間、市の各小中学校ではその趣旨の実現に向け、学校の実情に応じ教育課程の工夫、改善に努めてきたところでございます。御案内のように、新学習指導要領は、中央教育審議会の報告や臨時教育審議会の答申をもとに、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校の教育課程の基準について文部大臣から諮問を受けた教育課程審議会では、2年余りにわたる審議結果を経て生まれたものであります、その基本的なねらいは、これからの社会の変化とそれに伴う児童、生徒の生活意識の変容に配慮しつつ、生涯学習の基盤を培うという観点に立って、21世紀を目指し社会の変化にみずから対応できる心豊かな人間の育成を図ることにあります。豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成や国民として必要とされる基礎的、基本的な内容を重視し、個性を豊かに生かす教育の充実を図ることが、社会の変化に主体的に対応できる能力や、みずから学ぶ意欲を高めることなどが学校教育に求められているものであります。 新学習指導要領の各教科の内容は、子供たちの発達段階や過去の教育課程実施の経験などを考慮し、小中学校において確実に身につけさせるべき基礎的、基本的な内容を一層精選してあります。また子供たちの興味や関心などの発達段階から見て程度が高過ぎる内容、発展性に乏しい内容などを削除、軽減し、学習すべき内容を重点化しております。さらに日々の指導に際して、子供たち1人1人の能力、適性に応じた指導方法や教材の開発、工夫を積極的に進め、学ぶ喜びを体験し、豊かな学力を確かにつけるよう示しております。このように新学習指導要領は子供たちにとって必要な学習内容や指導方法を標準授業時数との関係から十分検討して定められたものであり、学校週5日制実施について十分対応できるものと判断しております。 なお、学校週5日制実施に伴う授業時数の削減については、いわゆるゆとりの時間の活用や、子供たちが楽しみにしている学校行事を大切にしながら、学校行事全体を見直すなど、各学校の実態に即して教育課程の弾力的な運用を工夫するなどにより対処し、今後も授業時数を確保するとともに、子供たちへの学習負担が生じないよう、指導に努める所存であります。 最後に御質問の件でございますが、市教育委員会といたしまして、学習指導要領の白紙撤回についての考えは持ち合わせておりません。 ○議長(大原久勝君) 樋口良子君。         〔樋 口 良 子 君 登 壇〕 ◆11番(樋口良子君) 再質問いたします。 市長は、私の具体的な一つ一つの質問に対してやはり何も御答弁がありませんでした。一つ一つ答えていただく、それが市民の市長への信頼の回復の最優先の手段だと思いますので、よろしくお願いします。いずれも共和と佐川の献金などについては適法に処理しているとお答えになっておりますが、私は果たして適法に適正に処理されているのかどうか、先日県庁に行ってまいりまして、北陸佐川急便からの巨額な献金やあなたへの毎月の手数料が政治資金収支報告に出されているかを選管に行って調べてまいりました。しかし、あなたの数多い政治団体の90年から92年までの政治資金収支報告書には、北陸佐川急便と共和からの寄附は一切記入されていませんでした。例えば北陸佐川の90年だけでも 5,906万円の寄附、貸し付けはどの政治団体の収入として収支報告に記載されているのですか。具体的にその団体名、内訳をはっきりとしてください。適法に処理してあると言われましたが、重大な違法行為を行っている疑いが濃厚ですので、ぜひ明らかにしていただきたいと思います。 あと資産公開についてでございますが、昨日の質問にもお答えになっているとおりお聞きしていますが、具体的にはじゃいつやられるのか、具体的にお聞きしたいことと、どのような形で資産公開をおやりになるのか。抽象的にね、借入金の総額は幾らとか、そういう形でなくて、借り入れ先や期日、金額などをきちっと詳しく書いた、そういう形のものの公開にしていただかないと市民は納得しません。 また、共和からの借入金の件で約定書のことを先ほども申し上げましたけども、それは何も触れられませんでしたけども、いつ議会に出していただくのか、市民に公表していただくのかお聞きしたいと思います。 それから、教育長の御答弁でございますが、見直しする考えがないと言われておりますけども、昨日の登校拒否児童、生徒の質問が取り上げられましたが、そのとき教育長は一言も新指導要領のことは触れられていませんでした。登校拒否は子供の側、家庭の側に問題があるかのように言われましたが、新学習指導要領の問題を抜きには考えられない、解決できないと考えますし、また適応指導教室のあり方は、子供たちにとって苦しい居心地の悪い学校を改めるのではなく、子供たちをそのような学校に戻らせることを目的としております。学校へはいつでも行けるという安心感を持たせてあげると言われても、根本の問題が解決されなければ、このままの状態なら、心を痛めている子供たちにしてみれば大きな重荷になるでしょう。この要領の見直しがなければ、教育長、昨日あなたがおっしゃったように、どの子にも起こり得ることになると思います。 また、新学習指導要領の撤廃あるいは見直しを求める意見書が 350以上の全国の自治体で採択されております。新潟県では亀田町が入っているとお聞きしております。全国各地からこのような見直し、撤廃の世論が大きく盛り上がっている中、このような状況を踏まえて、ぜひ上越市でも再度御検討願いたいと思うわけでございます。 以上です。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) お答え申し上げます。 まず最初に、政治倫理云々の関連の中で、私の信頼を回復するためにもと、こうおっしゃいましたが、そのような認識を私は持っていません。信任を受けていると思っておりますから、何ら私の信頼が、あるいは信任が否定されたということの回復をということは当たらないと、このように私は認識しておりますから御理解のほどをお願い申し上げます。 なお、私の個人的収入云々については、これは確定申告に出ていると思いますから、これはそのようなことで御認識をいただきたいと、このように思います。一切合財すべて政治資金ということではないケースもありますから、それはもう議員も御認識いただけるものと思います。 それから、共和の借入金の約定書云々ということでございますが、これは現在弁護士を通じまして、そのような債務の確定あるいは確認の手続をとっている最中でございますから、今この時点で提出することは御勘弁をいただきたいと、このように思っています。 資産公開云々でございますが、12月議会においても申し上げたとおり、国におきましては、さきに新保議員にお答え申し上げたとおり、政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律が平成5年1月1日から施行されております。この法律の第7条で市長も平成7年12月31日までに必要な条例を定め、国会議員に準じて資産等を公開するよう規定しているところであることは既に答弁をさせていただいたとおりでございます。それを受けて自治省の事務次官通達で、できる限り早期に制定するよう求められております。その方向で検討しておりますが、先日申し上げましたように、県内19市長及び周辺町村との整合も考える必要があると、このように思っておりますので、その時期についてはそれらの方々の御意見等を踏まえながら、慎重に見定めていきたいと、こう考えております。事務次官通達の趣旨を尊重しながら対応していきたいと、このように思っています。 ちなみに条例制定に当たっては、その附則で施行期日や資産等報告書の作成期限を規定すべきであると考えております。ちなみに法律の附則では、この法律の施行の日において、例えば国の場合は国会議員である者は同日において有する資産等を記載した資産等報告書を、同日から起算して 100日を経過するまでに提出しなければならないというふうに規定されておりますことを申し添えさせていただきます。 ○議長(大原久勝君) 斉藤教育長。         〔教 育 長 登 壇〕 ◎教育長(斉藤弘君) お答えします。 今ほど学校現場におきます教師の多忙感、また児童、生徒の学習負担のことにつきまして何らかの対策を講ずべきでないかという御指摘をいただいておりますが、学校現場では常に豊かで心の安らぐゆとりのある教育活動に専念をいたしております。特に児童、生徒が大きく成長し変容していくその姿をつくり出すことが教師の使命でもございます。そのことに使命感を抱き一生懸命現場としては取り組んでおりますことを、私たちは教育委員会としまして十分把握をしているつもりでございます。文部省におきましては現在、学校週5日制の月2回の移行研究を行っているところでございます。2年ほど前からいろんな実践のデータが出されていまして、週1回、週2回やった場合の授業時数及び教育活動、学校行事等へのいろんな負担について事例的な研究が行われております。私たちはそれらの結果を踏まえまして、国が学校週5日制への移行等を施行する場合には、全県的な教育長会、都市教育長会等で組織をしております、そういういろんな機関、会合におきまして、十分それについての対応を協議検討していかなければならない、こう考えております。 以上でございます。 ○議長(大原久勝君) 樋口良子君。         〔樋 口 良 子 君 登 壇〕 ◆11番(樋口良子君) 市長にお聞きします。 具体的に何もお答えにならないんでどうしようかと思っているんですけども、一つ一つやはり何遍も申し上げましたけども、先ほど信頼回復云々とおっしゃっていますけども、私のところにどんどん来ていますので、もうはっきりしてくださいとか、もうぜひお願いしたいんだ、疑問に思っているんだという声がどんどん毎日のように電話なり、直接なり来ているんです。その状況をしっかりと自覚していただきたいと思います。一つ一つしっかりとお答えください。 具体的な質問に入りますけども、90年に宮越後援会が 200万円、毘成会が 200万円の寄附を受けたことになっていますけども、これは1企業から、先ほども言いましたけども、1年間に受け取られる 150万円の限度制限、量的制限を超えている、違反になるのではないかと、こういうふうに思うわけであります。適法に処理しているとおっしゃっていますけれども、一つ一つきちんとお答えください。 約定書のことですけども、弁護士さんが今手続中だからとおっしゃったんですけども、議会に市民の場に出していただけるかどうか、まだ市長からお返事をいただいていないんですけども、いただけるのかどうか、それをまず再度確認して、今いついつ言えないけどもとおっしゃるのはわかりますけども、議会に出していただけるのかどうか、それをはっきりとお答えください。 具体的に一つ一つ12月からまた再度もう一回今やっているわけで、私が指摘したことに対して、その後やっぱりきちっと調査されているはずであります。適法に処理されているとおっしゃっていますけども、具体的な資料がなければ何も納得できないわけで、私先ほど選管に行って調べてきたって申しましたけど、これ私のメモなんですけども、本当に大変な作業をしているわけで、これを一つ一つきちっと、こういう私のメモでもいいですから、市長、側近の方でもよろしいですから、きちっとこういう資料を明示して議会に出すことが、やっぱり議会、市民に対しての誠意ではないですか。もう一回申しますけども、市長の信頼が回復するようにと私先ほど申しましたけども、本当に大きいものがあるんです。無視できないんです。ぜひ市長への信頼の回復のために、市民にわかりやすいように、具体的な資料を一つ一つ提出していただいて納得できるような御答弁お願いしたいと思います。 教育長の御答弁なんですけども、とにかく現場の小中学校の生徒たち大変です。先生方もそういう子供たちを見ながら、ここでもう一回おさらいしてあげれれば落ちこぼれ、落ちこぼしにならないんだということを思いながらも、大変なスケジュールで、内容がいっぱいあるわけですから、どんどん、どんどん進んでいかなくちゃいけない、そういうのを大変心を痛めていらっしゃいます。ぜひそういうところを現場の先生方の生の声を学校に訪問されて聞いてください。そうした上でまた私の質問に対して再度検討願いたいと思います。 以上です。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) 先ほどもお答え申し上げましたように、適正に政治資金規正法にのっとって政治団体の収支報告がされているというふうに報告を受けていますから、もし違法であれば違法ということで何かのサインがあると、こう思っておりますが、現在のところはそういうことはありませんから、御理解のほどをお願い申し上げます。 ○議長(大原久勝君) 樋口良子君。         〔樋 口 良 子 君 登 壇〕 ◆11番(樋口良子君) 市長に最後に要望いたします。 何度も申し上げましたけども、いろんな問題が適法に処理されているとおっしゃるなら、そのはっきりした、適法に処理されているんですから、どこに出しても恥ずかしくない、そういう資料だと思います。ですので、そういうのをきちっと出してください。議会に、市民にわかりやすいようにきちっと明示していただかないと、私のところに寄せられている市民へのああいう疑問というのはぬぐい切れない。何度も申しますけども、市長への信頼の回復のためにぜひ具体的な資料を示していただきたいということを最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○議長(大原久勝君) この際、暫時休憩いたします。 再開は13時といたします。         午前11時54分 休憩    ─────────────────────         午後 1時 0分 再開 ○議長(大原久勝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 3番、山岸行則君。         〔山 岸 行 則 君 登 壇〕 ◆3番(山岸行則君) 私は、さきに通告をいたしました2点について宮越市長と斉藤教育長にお伺いいたします。 まず、今後の社会経済動向と宮越市長の言うグリーンアメニティー30万人都市構想の整合性についてであります。宮越市長は、昨日の一般質問の答弁でも述べられておりますように、上越市にかける夢、ロマン、構想については大いに結構でありますし、私自身も宮越市長の大きな政策的な流れについては決して否定するものではありません。だが、行政の長として、市長として市民に政策を提起、提言するとき、何十年先かわからないような理念のみが先行したような構想はいかがなものかと思っているところであります。したがって、私は今回、30万人都市構想の考え方を前回の早津議員の一般質問を踏まえて角度を変えて市長にお聞きしたいと存じます。 私は、きのうからも出ておりましたように、宮越市長の一人の政治家としての自分の夢といいますか、政治家の夢としての30万人都市構想を市民に向かって訴え演説することについては、まさに一人の政治家としての許容される範囲であろうと思っております。しかし、今度は市長になられて公人として市長の立場で市民に向かって政策提言するときには、やはり行政の長としてそれなりの責任と、政策や発言する中身に対する信憑性や客観的な情勢をもって提起すべきであろうと私自身は考えております。なぜならば行政の長はまさに上越市民13万人の代表であり、地方自治の最高責任者でありますので、その発言や行動や政策はストレートに市民に入っていくものであり、市民に対してそれなりの影響力があり、影響力を持っている方であるからであります。 市長の12月議会の答弁でいきますと、30万人都市構想は合併を前提とせず上越市独自の人口増加政策であり、都市工学上からして30万人都市は中核都市として理想であり、まさにグリーンアメニティーの自然や緑を豊かにし、快適な潤いのある30万人都市を目指していくために、グリーンアメニティー30万人都市構想として訴えられているとのことであります。そしてその政策として、地方拠点都市の指定を前提にしながら、産業・文化・生活快適都市基盤の形成であり、上越市のおくれている、きのうも市長は訴えられておりましたように、インフラの整備、いわゆる社会資本の整備であると主張されておられます。また具体的には直江津港の振興や県営工業団地や物流基地、スポーツ総合運動広場などの建設促進であり、上越-魚沼間の高規格道路の建設や北越北線や上信越自動車道の早期開通であると主張されておられます。また、今年度の平成6年度の予算を見ますと、公共下水道の促進や農村集落排水事業の促進計画、いわゆる20世紀中にほぼめどを立てたいという促進計画や、上越21スーパーアメニティープランの策定委託料や、自前のまちづくりの検討委員会の設置等が予算化されているのは十分承知をしているところであります。 だが私は、行政の長として市長として市民に向かって政策提起をするときには、30年先か、50年先かわからない、理念的なもののみを先行するのであっては、まさに大上段に振りかざした政策提起であって、むしろそのような長期的な展望は当然市長として持たなければならないと思いますし、持ってもらうことは必要であろうと思っておりますけれども、それらの長期的な中身については、むしろ市長の胸の中に抑えながら、市民に向かってはできるだけ具体的な政策、市民がストレートに受け入れられる、また市民が理解でき得る信憑性の高い政策というものを提起をしていくべきではないだろうかというふうに考えるところであります。 なぜ私がこのようなことを言うかといいますと、先ほども言いましたように、30万人都市構想は近隣の町村との合併を前提とするというんなら話はまた別でありますけれども、あくまでも基本的な考え方としては上越市独自の人口増加政策としてのグリーンアメニティー30万人都市構想というふうに言われておりますので、また今市民の中にこの30万人という数字がある程度ひとり歩きし始めているという状況もありますもんで、率直に言って30万人という数字は市民がどういうふうに受け取っているかというと、これは千差万別だと思いますけれども、私が聞くところによると、まさかこの上越市の13万が30万という感じでもって、率直に言って市長が相当大きなことを言っているなという、まさに現実性とは違ったような受け取り方をしているという状況があって、私はこれは市長にとって大変マイナスだなというふうに感じているところでありまして、これは、人間だれもそうなんだろうと思いますけども、私自身もそうでありますけれども、大方人間先の目標を提起するときには、今自分の目線で、市長が盛んに言われておりますけれども、市民と同じ目線でというふうに言われておりますけれども、今自分の目線で上越市を見たときに、上越市全体が市民がもう少し努力をしていけば、このぐらいの目標ならばよしおれたちもやれるかなという目標が自分たちにストレートにわかるときには、市民も一生懸命努力をしようとするし、その政策についていこうとするだろうと。それは人間全体がそうなんではないか。ある程度もう少し背伸びをしても、少しぐらい努力をすれば何とかなるかなとわかったときには、その政策なり考え方というのはストレートに落ちてくるんだろうと思うけれども、率直に言って余りにもかけ離れた、これは膨大もない方針だわいというふうに思ったときには、もうその時点から努力をする意欲もわいてこないんではないか。まさに市民全体に向かって、さあ頑張るぞと、さあやるぞというふうに市民が意欲を持つ政策というものを提起をしていくためにも、長期的なものを逆に市長の胸の中に抑えながら、現実的なものを最優先に出していくという、そういう政策のとり方があっていいんだろうし、そういう政策の方が最も有効なんではないかというふうに私自身は考えますので、その意味では市長が幾ら崇高な理念や政策を持ったとしても、市民に十分理解されない、市民にストレートに落ちないような30万人都市構想という中身については、私は若干変更すべきではないかというふうに考えているところでありまして、今後の具体的な方向性を提起をしていくときには、むしろ30万なんていう数字を逆に削って、市長の政策的ないいところを提起されているグリーンアメニティー都市構想という格好の中で、今後の具体的な政策なりを提起をしていった方がもっと市民に理解をされやすいんではないかというふうに考えるところでございますけれども、この辺市長はどうお考えでしょうか、お聞きをしたいところであります。 二つ目は、今日の社会経済動向の中において地方都市の一つである上越市が、果たして今後市長が言われている30万人都市構想の方向性になり得るかどうかという問題でございます。私は最初にも言いましたように、市長の理念について、考え方について決して私も否定するものではありませんし、大いに賛成する一人であります。だが、今日の日本の置かれている、また上越地域の置かれている社会経済動向からいくと、ある学者でありますけども、今後の日本の状況として、戦後歩んできた成長構造が終わり、もはや単純な需要拡大や輸出の吐け口を広げることのできない、いわゆるこの間の消費拡大神話の終わりであり、経済的向上も余り期待できない低成長の成熟な社会として日本が今後推移をしていくんではないかというふうに分析をされておりますけれども、まさに私はこの学者なりが言っている、これはむしろ学者というよりも今後の日本の方向としてはほぼこういう方向なんではないかというふうに私自身も理解をしておりますし、現に日本の経営者の方々は、バブル崩壊以降、消費の拡大神話がもう終わりつつあるという状況のもとで、消費は今後確実に増加をしていくというような従来の先行投資型の財務体質というものを大方は見直し始めてきているという状況から見ても、今後の日本は当分低成長の社会の中で推移をしていくのではないかというふうに考えるところであります。 私は、このような状況を踏まえたときに、確かに客観的な情勢としては上越市は高速交通網がこれから整備をされ、近い将来確かに首都圏や関西方面からも人や物の流通が多くなる地域であり、地域的には恵まれた条件であることは変わりはないと思います。また地方の分権や、権限の地方の移譲や規制緩和等により、中央の研究機関だとか、オフィスなど、交通網の整備や情報機能を高めることによって、ある程度の移動は当然あるだろうと思うんで、その意味では上越市としても恵まれた条件としては若干その辺の期待はできるだろうというふうにも思いますけれども、しかし、それらのことを考えたとしても、高度経済成長時のような人口の大移動や企業の大移動のような状況というのは、今の日本の中央企業においては到底厳しいのではないかというふうに私自身は分析をするところであります。 したがって、決して喜ばしいことではないですけれども、あのゴールドプランのときに県の上越市の将来の人口状況の推移でいくと、まさに平成12年の段階で県で推移をしているのは、今の上越市の13万の人口が増加どころか、平成12年には上越市の人口は県は減少するだろうというふうに今後の人口動向を分析をしているという状況というのは、私自身としては非常に悔しいことではありますけれども、ある程度的を射ている分析なのではないかなというふうに思うところでありますので、これらの日本の今後の経済動向や社会動向と、日本の中における上越市の一地域の動向から見て、なかなか市長の言われているグリーンアメニティー30万という、グリーンアメニティーは決して否定するものではありません。30万人都市構想そのものというのが大変な市民としてはなかなか理解しにくいような、ばかでっかい状況なんではないだろうかなというふうに思えるところでありますので、その辺の市長のお考えがありましたら、お聞きをしたいと思います。 次に、教育長にお伺いをいたします。上越市のフッ素洗口は昭和50年の高士小学校から始まり、現在市内30校中七つの小学校で実施をされております。このフッ素洗口は全国を初め県内でも大きな論議となり、現在でも賛否をめぐってさまざまな論議が起こっているのは事実であります。特に洗口の実施に当たって、保護者や父母の同意に基づいて実施をしている状況でありますけれども、県内における最近の実施状況、いわゆる昨年段階からの実施状況でいきますと、20%台という低率の学校もあり、その主な理由として、やはりフッ素洗口の有効性や安全性について多くの保護者や父母が疑問を持っているというところであります。そういう状況のもとで上越市は平成5年度より急激に実施校が増加されている状況にありまして、これについては何か目的があって上越市は平成5年度から急激に3校を実施校にしたのでしょうか。この辺の状況についてお伺いをしたいと思います。 今ほど言いましたように、上越市は昭和50年に高士小学校をスタートして昭和56年に戸野目小学校、昭和62年に三郷小学校、平成元年に飯小学校と4校が実施をされてきておりまして、平成元年から昭和5年の9月までずっと実施校をふやしてこなかったけれども、平成5年の9月から9、10、11と上雲寺、黒田、諏訪とそれぞれ3校ふやしてきているという状況にありますけれども、昨年段階から急遽3校を増加をしてきた理由について教育長にお伺いをしたいと思います。 次に、今回私がお伺いしたい最重点事項でありますフッ素洗口に使っている薬剤についてであります。きのうも県会でも質問をされているようでありますけれども、上越市教育委員会の資料によりますと、上越市の今言った7校で使用されている薬品は、フッ化ナトリウム1級とのことでありますけれども、このフッ化ナトリウム1級は、通産省規定の化学用、工業用試薬でありまして、いわゆる試験薬でありまして、研究や産業用として使用されているものであります。特にフッ化ナトリウムについては特級と1級がありますけれども、この1級についてはJIS規格外であって、不純物である重金属、いわゆる鉄、鉛、銅などが含まれており、人体に使用するように製造されていない薬品であります。その上、フッ化ナトリウムは化学工業試薬であって、厚生省の医薬品として認められていないものであります。なぜこのような工業用試験薬フッ化ナトリウム1級を使用しているのでしょうか。これは人体における臨床実験も全くされていない、厚生省が認可をしていない化学試薬であるという状況でありますので、まさに一般に言うならば、小学校の児童が動物実験ではないですけれども、実験をされているようなもの、このような薬品をなぜ上越市が使われるのでしょうか。今フッ素洗口として厚生省の認可薬として使われているのは、通称ミラノールという薬品が使われておりますけれども、なぜ上越市がフッ化ナトリウム1級を使っているのでしょうか。学校、保健所からも、このフッ化ナトリウム試薬は劇物として取り扱われている薬品でありますけれども、化学用、工業用試薬であるものが、厚生省の人体に使う医薬品として認められていない薬品を、上越市の教育委員会がなぜ子供たちのフッ素洗口の薬剤として使用しているのか、教育長の明快な答弁を伺いたいと思います。 以上です。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) 前段の御質問についてお答え申し上げます。 私のまちづくりの基本的な理念についての御質問でございます。グリーンアメニティー30万人都市建設構想でございますが、その前に、今までの上越市のまちづくりというか、そのような理念についての認識でございますが、上越市が高田、直江津合併してから本年で23年目になりますが、残念ながら当市のまちづくりについてその進むべき進路や目指すべき将来像が必ずしも明確に示されていなかったんではないかと、私はこのように理解をしております。すなわち合併のときに私がいたわけではありませんから、いろいろと勉強する中においても、合併して12万余りの人口を擁したわけでありますが、将来この新しい合併した上越市をどのようなビジョンとか、どのような方向性を持ってまちをつくっていくかということは、当時は恐らくいろいろと議論があったかと思いますが、強い印象としては私自身も持っていませんし、聞くところによりますと、そのようなこともなかなか見当たらないということで、悪く評価するならば、単に合併のための合併と言っても過言ではないという厳しい指摘をする方も結構おられるわけであります。 こういった市町村合併というのは、歴史を経て、その時代の社会情勢、あるいは経済情勢、あるいは個々具体的には交通体制とか、あるいは情報通信とか、そういったもういろいろと社会の様態が変わってまいりますから、そのことを受けて合併していくことは何ら差し支えないし、むしろこれからは、きょうの新聞にも市町村合併をさらに進めていかなきゃならんということで、有権者の署名が10%を集めたならば、その住民たちが発議権を持って発議ができるという新たな動きが出てまいりました。本日の日経の朝刊でございますが、それが4月に第24次地方制度調査会で議論し、自治省が次期通常国会に来年3月で期限が切れる市町村合併特例法の改正案を考えていこうということで、提出する準備に入るというニュースが飛び込んでまいりました。というわけでありますから、市町村合併というのは時代の大きな流れでありますから、そういう意味ではこの上越市が高田、直江津が合併したということは、ある意味では先取り行政を行ったと、あるいはまた住民がそのように判断して、非常に先見性を持って将来を見据えてのこのような合併をされたということでありますから、そのこと自身は非常に高く評価したいと思いますが、合併後新しく誕生した上越市をどのような顔を持って、どのようなまちにしていくんだという、いわば今後将来のプログラムが余り明確な提示がなかったんではなかろうかと、このように私自身はそう受けとめております。 したがって、私が市長選挙に臨むに当たっても、まさに上越市の顔づくり、上越市を一体将来どういう形でつくっていくべきだということをかなり真剣に自分なりに考えて政策を練ったわけでありまして、それの具体的に御提示させていただいたのがグリーンアメニティー30万都市建設ということに尽きるというふうに思いまして、そのことを訴えて今日もいるわけであります。ただ、今山岸議員のおっしゃっておりますように、30万という規模は余りにも大ぶろしき過ぎではなかろうかと、もっと現実的なものを、身近に感ずる、そういう政策を掲げて市政運営に当たるべきではなかろうかと、選挙のときの公約は別という考え方なのかもしれませんが、市長という公職についたならば、そのような雲をつかむような、そういう政策については見直しをすべきではないかと、こういうふうにおっしゃいますが、私は実はその点について今まで欠けていた部分であるというわけでありますから、何もだれしもが12万、13万がいきなり30万というのは、二、三年後とか、あるいは市長の任期期間中に実現できるとはだれもこれは思わないわけでありまして、あくまでも長期的に見て、この地域のポテンシャル等を考えていけば、そのことを有効に組み立てていくならば、必ず30万になるということは、全く根も葉もないことならば、これは私は今おっしゃるとおりに訂正しなきゃならんかと思いますが、私が今までもずっと申し上げてまいっております。いわゆる高速交通体系とか、あるいは対岸貿易、対岸交流、あるいはもっと広く北信、あるいはまた三大都市圏へのアクセスをどうつくっていくかというような大きな視点に立って、そのアクセスを整備していくならば、もともと利点の多いポテンシャルの高い地域でありますから、それは30万というのは夢ではない。 30万ちょっきりということということは、先回の議会においても申し上げておりますが、おおむね今の13万が人口倍というようなことであるならば何となくわかるなと。例えば池田元総理が所得倍増という計画を打ち出しましたときには、国民はだれ一人、所得が倍になるなんてだれも思ってなんかいなかったと。しかし、実際やってみたら倍どころか何倍もなっているわけでありますから、計画というのは、あながち打ち出して、それでなかなか実現できないというケースもありますが、一つの指針として、理念として出すというところに意義があるわけでありまして、ただ私が申し上げておりますのは絵にかいたもち、単なるお題目ということならば、これは私は御指摘のような形で見直しということはやぶさかではありませんが、るる今まで申し上げてきたように、この地のポテンシャルを考えたならば、必ずそういった方向性がしっかりと理念を確立して進むならば、それなりのきちんとしたまちがつくれると、このように強く確信しているわけであります。市民はいわゆる上越市の将来について夢や期待に胸を膨らませることが、これはある意味では必要であるわけでありまして、そういった指針がないとそれができないわけでありまして、時としてみずからの方向性を失ってしまうような、そういう事態に陥ってはならんということで、かたくそういう方針を出しているわけであります。活力あるまちづくりは、そこに暮らす人々の知恵と力の結集があってこそ初めて実現するものでありまして、そういった市民の力の結集によって実現へと進めていきたいと、このように考えておるわけであります。 グリーンアメニティー30万人都市構想は、そういう意味で、まさにその指針としてのびやかな産業・文化・生活快適都市の実現を目指して掲げたものでありますから、住民が豊かな住環境を享受できる高次の都市機能が整備された30万規模の都市建設に向けて着実に前進していくための羅針盤というふうに考えていただきたい、このように思います。 3月1日現在の当市の人口は13万 1,460人でございます。この数値は久々に 1,000人台を超えたという記憶が実はございます。この人口増については微増でありますが、この要因もまた分析しなきゃならんと思いますが、このように人口は今ほど申し述べましたが、必ずしも減るということばかりじゃなくて、いろいろと社会移動が可能であるわけでありますから、個々の具体的な施策を着実に実行するということが肝要であると、このように思っております。高速交通体系の整備、あるいは上越・頚城県営工業団地の造成、あるいはまた大規模な土地区画整理事業など、ビッグプロジェクトの進展や地方拠点都市地域の2次指定など、当市の将来的なポテンシャルを最大限に生かした施策を着実に推進することにより、構想実現へと一歩一歩確実なものになっていくものと確信いたしております。 のびやかな産業・文化・生活快適都市ということでございますが、以前も申し上げましたが、30万というのは、いわば快適に暮らせる都市の中核的な規模で都市工学的にもそのように言われておりますし、実証もされております。教育、文化、経済、福祉、観光、いろいろの面で大体30万の人口を擁するならば、おおむね期待される期待感が充足されるということで、そういった意味で快適都市と、こう私は申し上げております。そんなわけでありますから、理論的にも、あるいはまた数字的にもそう飛び抜けた、かけ離れた、そういうものではないということを改めて御認識をいただければ幸いと存じます。 次に、今後の社会、経済動向と地方都市の推移をどう分析しているかということでございますが、90年2月の株価暴落を引き金にいわゆるバブル経済が崩壊して以来、日本経済は複合不況、場合によっては見方によっては政治不況とも言われておりますが、そのような未曾有の状況に陥っており、国ではその回復へ向け、総合経済対策を初め種々の施策を矢継ぎ早に打ち出しているところでありますが、これを機に日本の産業構造そのものを転換させようとする試みもあることは御案内のとおりであります。このような産業構造は単に日本ばかりではなく、世界規模で大きく変わろうとしております。世界の国々がたくさんございますが、経済という観点から見ますと、まさに国境を越えたボーダーレスという、そういう経済ブロック化がどんどん進行しているわけでありますから、以前にないような、そういう様相を呈しております。そのようなことでありますから、我が国の産業、あるいは技術力、あるいは今までの社会のシステム等を含めて、果たして今までと同じでいいかということが根本的に問われておるわけでありまして、中国のあのような経済の進展の状況から見たら、日本の人口の10倍もある大国の経済の発展があのように飛躍的に行われることも、少なからぬ影響を日本経済にも及ぼしているわけでありますから、他国の状況が日本経済に構造的に多くの影響を与えているということも十分に認識して取り組んでいかなきゃならんし、また同時に、地方の我々の地域においてもそういった視点で、単に国、中央あるいは地方という、そういう範疇でなく、世界観的な世界規模で物事を見ていかないと誤りを生じてしまうおそれもあるというふうなことで認識をいたしております。 一方、国の基本政策の一つに地方分権が掲げられるなど、国と地方を取り巻く環境についても、変化に向けた大きな胎動を感ずるところであります。地方分権法をつくろうという政府の具体的な動きも出てまいりました。今まさに権限を地方へということで動きが出てまいっております。そんなわけで分権をすることによって地方の主権の確立、このことを急がれていることは言うまでもないと、このように思います。 そういう意味で、地方の主権の確立は、憲法や地方自治法にうたわれておるとおり、我が国の地方自治基本理念でありますが、現在はその理念とは大きな隔たりがあるのが現状であると思っております。なぜそうかと申し上げますと、やはり地方の力不足が大きな要因ではなかろうかと、このように私は認識しております。私は真の地方分権を推進していくためには、まずその受け皿として国に多くを依存しない、自立的成長が可能な力強い地方都市の存在が不可欠であり、当市は上越地方の中核都市としてその役割を担うべき大きな使命と十分なポテンシャルに満ちていると思っているからであります。そのためにも先般地方拠点都市地域の県内2次指定候補地域に選定されたことは極めて大きな意義を持っているものと認識しております。上越地域の中核都市としての自覚に立ち、機能的で秩序ある高次の都市機能が集積した地方拠点都市づくりに取り組むとともに、先ほどお話し申し上げました30万人都市という高い目標を掲げてまちづくりを推進していくことに、より、当市が力強い地方都市として大きな飛躍を遂げるものと確信いたしておるところであります。 なお、30万都市というのは合併前提ではないと断言をしておることはこれはもちろんのことであります。結果として、今ほど申し上げました、こういった新聞等にありますように、市町村合併の動きが新たに出る過程で周辺が合併ということは、それは一般論として当然考えられてくるわけでありまして、私の理念は、まさに自力をつけて、今の人口の最低倍、30万というものを目標に掲げてまちづくりに取り組んでいくことが正しいものと、このように強く決意を込めて判断しておるところであります。よろしくお願い申し上げます。 ○議長(大原久勝君) 斉藤教育長。         〔教 育 長 登 壇〕 ◎教育長(斉藤弘君) 御質問の上越市のフッ素洗口の現状についてお答えいたします。 御案内のとおり、フッ素洗口は、虫歯予防のため、フッ化ナトリウム試薬の水溶液でうがいをするという方法で、その濃度によって洗口実施回数には週1回法、週2~3回法、週5回法があります。このフッ素洗口につきましては、世界保健機構(WHO)や、日本歯科医師会、日本口腔衛生学会など、内外の専門機関、専門団体が一致して安全かつ有効であるとの見解を示し、その実施を推奨しているところであります。本県でも子供たちの虫歯を半分に減少させることを目標に昭和56年から実施した虫歯半減10ヵ年運動、それに引き続き平成2年からヘルシースマイル2000プランを県民運動として展開し、フッ素洗口もその運動の中核に据えて、普及に努めておりますことは、御承知のとおりであります。 県下のフッ素洗口の実施状況は県環境保健部の調査によりますと、昭和49年には24施設でありましたが、平成5年3月現在では 654施設と増加をしております。そのうち小中学校におきましては、小学校 705ヵ校中 333校、47.2%、中学校では 265校中44校、16.6%でフッ素洗口が行われております。上越市のフッ素洗口の実施状況についてでありますが、高士小学校では昭和50年5月から週1回法、戸野目小学校では56年から週5回法、三郷小学校では62年1月から週1回法、飯小学校では平成元年3月から週1回法で実施いたしております。洗口方法はフッ素洗口液10ccを口に含み1分間洗口し吐き出す方法であります。フッ素洗口を希望しない児童には水道水によるうがいを実施しているところであります。フッ素洗口開始当時、これら4ヵ校の1人平均の虫歯の本数が 3.3本~ 4.4本でありましたが、平成5年度では 1.3本~ 1.9本と減少しております。平成5年度において上雲寺小学校では9月、黒田小学校では10月、諏訪小学校では11月からそれぞれ週1回法でフッ素洗口を開始しております。これら3校では従前から健康教育の一環として虫歯予防を取り上げ、学校歯科医の協力を得て予防に努めていたところでありますが、フッ素洗口実施に当たり、その安全、有効性について教職員の研修を進めるとともに、保護者の御理解と御協力を得るため、専門家を招き何回かの説明会を実施するなどして、保護者の疑問にお答えしたり、要望をお聞きするなどして慎重に対応してまいりました。その結果、75%以上の実施希望者がありましたので、本年度から実施の運びになったものであります。市教育委員会では、フッ素洗口は虫歯予防の有効な手段の一つであると受けとめ、学校における保健指導の一環として、保護者の理解が得られ70%以上の希望者がある場合に実施することにしております。 次に、フッ素洗口に使用している薬剤についてでありますが、国、県の指導ではフッ化ナトリウム試薬1級または特級またはミラノールを使用することとなっております。現在市が使用しているフッ素洗口液はフッ化ナトリウム1級試薬を歯科医師の指示により学校薬剤師が週の実施回数により、0.05~ 0.2%の濃度に調整し、各学校に渡しております。ミラノールはフッ素洗口剤として販売許可された家庭用医薬品でありますが、その成分はフッ化ナトリウム1級試薬相当に香料などの添加物を加えたものであり、毎日法に対応させ、低濃度に調整したものであります。平成5年3月の県環境保健部の資料によりますと、県内実施 654施設のうちミラノールを使用しているのは4施設であり、そのほかはすべてフッ化ナトリウム試薬を使用しております。またフッ化ナトリウムは日本工業規格により、工業薬品と試薬に区別されておりますが、フッ素洗口に使用する試薬は非常に高い純度であり、予防に使用する場合は医薬品とみなされ、薬事法の規制を受けるものであります。学校におけるフッ化ナトリウム水溶液による洗口は、学校保健法第2条に規定する学校保健安全計画に位置づけられ、学校における保健管理の一環として実施されているものであり、安全かつ有効であると考えております。 ○議長(大原久勝君) 山岸行則君。         〔山 岸 行 則 君 登 壇〕 ◆3番(山岸行則君) 再質問させていただきます。 市長も教育長もそうでありますけれども、中身なり、私は先ほど一番最初にも言いましたように、この間の背景なり流れというのは、私も提起をしているように、大体もうわかっておりますので、その上を踏まえて聞いているんでありますので、率直に言ってこれからもう時間がありませんので、端的にお答えをしていただきたいというふうに思います。 まず、市長の方の、まさに市長は信念を持って提起をされておりますので、そう簡単にじゃ見直しをしますということは確かにそれは言われないだろうと思うし、また逆には30万に近い今の人口の倍を含めて25万でも26万でもいいけれども、そのことを数字に出されているんだから、市長も相当やっぱり確信を持っておられる。まさに数字を出すということは何十年後には必ずそのことが、本当に言ったことがそうなったかどうかというのがはっきりと出てくると、逆に数字にあらわれてくるという問題を市長が数字で出していられるんだから、相当やっぱり信念を持っておられるんだろうなというふうにも思いますけれども、その意味では確かに市長が言われているように、上越地域のポテンシャルを含めて確かに30万に近いほどの夢があり、現実性があるんだというふうにも言われておりますけれども、その中で、私、言葉のあやという意味ではないですけれども、今市長が言われているように、池田元総理が所得倍増計画を提起したときには、国民のだれもが所得倍増などとは思っていなかったというふうに言われているけれども、あのときの背景からすれば、昭和30年代のまさに日本が終戦で大変厳しい状況になって、これから日本が高度経済成長を通して、日本の後進地域が世界の先進地域に大きく高度発展をしようとしていく、そういう客観情勢がきちっとあるというものを踏まえて時の総理がやっぱり提起をされているという状況があるんですね。 その意味では私は、今これからの日本の状況というのは、先ほど市長も提起をされていたように、例えば東南アジアを含めた経済圏を見たときに、先ほど市長も中国のことを言われておりましたけれども、まさに中国一つをとっても、もう急激な経済成長を始めている。日本から見ればまだ相当おくれた後進地域であったあの中国を含めて、東南アジア30億人口経済圏が着実にこれから進もうとしているという国際的流れがあって、果たして日本がその流れの中に入っていけるのかどうか、今非常に瀬戸際の状況に国際的流れとしてはなっている。むしろ日本の経済状況は大変厳しい状況になっているんじゃないか。アジア経済圏の30億経済圏の中では、いわゆるシンガポールから、台湾から、香港、韓国、それから中国のあの部分を含めた中で、日本の経済圏が果たして今後輸出分野を含めて技術的にあの地域の中に入っていけるかどうか、今瀬戸際の状況になりつつあるといった厳しい日本の経済状況になっているだろう。まさに高度経済成長時の時代とは違った、日本のそういう国際的な経済の流れの中においては大変厳しい状況になっている。 また一方ではアメリカを中心とするアメリカ経済圏とか、ECの経済圏の中で、日本の貿易摩擦が今もう大変な状況になっているという実態の中でもって、まさに国際的に相当厳しい状況の中になりつつあって、なおかつ日本の個人消費を幾ら拡大をしていけといっても、おのずから日本の人口の中では限度がある。こういう厳しい客観情勢のもとの中でもって、幾ら国内の中の地域的状況が上越が恵まれているとしても、果たして30万を含めたそれに近い方向性がなり得るのかという、そういう客観情勢をむしろ私は見たときには、市長は相当やっぱり思い切って提起をされているなというふうに私自身は思うんでありまして、それらの客観情勢から見ると、なかなか30万に近い数字というのが大変なんではないかというふうに思うところでありますので、それらの客観的な情勢も含めて、市長の答弁をもう一度ありましたらお聞かせをいただきたいというふうに思うところであります。 それから、教育長でありますけれども、今ほど教育長の言われているのは全部わかります。それで、私が先ほど聞いておりましたように、フッ化ナトリウムの1級については、上越地域の医師会の指導を受けて学校薬剤師の方でもってフッ化ナトリウム1級を対応しているんだということであって、安全性等について全く問題がないというふうにも言われておりますけれども、例えば県内の中において、昨年の場合は例えば新津の歯科医師会は市教育委員会に対して、フッ化ナトリウムはやっぱり危険だと、医薬上からしても、医師の立場からしてもこれは認めることはできないと、市教育委員会に対していわゆるフッ素洗口の厚生省で認められているミラノールに変更すべきではないかということを、ちゃんと医師会が教育委員会に提起をしているという状況がありますし、全国的に言ってもフッ化ナトリウム1級を使っているのは、新潟県を中心にして非常に少ないんではないか。むしろ厚生省で認められているミラノールを使用してフッ素洗口やっているところは多くありますけれども、新潟県の場合はやっぱりフッ化ナトリウム1級なり特級を使っている。とりわけ特級ならまだそれでもいいかもしれないが、1級そのものというのはもう工業試薬でしかないという状況であって、私は先ほど言ったように、臨床実験も全くされていないという状況であって、ただこの間安全であったからそれでいいんだという問題ではないだろう。 これは県内でも盛んに今論議をされておりますけれども、例えば今ほど言ったように、厚生省の医薬品として認められていないという問題であって、この間、昭和50年からでありますので、19年間なんですか、一番最高でいくと。19年間安全であったからいいんだといったら、まさに教育長は教育現場を指導されて、みずからも教育現場におられた方であろうと思うんですけども、少なくとも──こんな例が出されておりました。無免許運転で19年間車の運転をしてきたと。しかし事故がなかった、事故を起こさなかった、事故を起こさなかったから無免許運転でもいいんだということは教育上なんて言えっこない、社会上言えっこない。そのことをこれに例えたならば、医薬上として十分認められていないものを安全であったからいいんだということにはならないんではないか。その辺はやっぱりどうお考えでしょうか、もう一度お願いします。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) 時間が残るところ余りございませんから、ポイントだけ申し上げますが、確かに30万ということは具体的に積み上げて30万、あるいは今の人口の倍ということは今のところございません。しかし、私は実はこれは私の私的あるいは政治的な立場からの構想でもありますから、御提案させていただいております市の予算の中には盛っておりませんが、実は30万都市構想についての中身をこれから研究していきたいと、こう実は思っています。これは1年くらいかけて、具体的にどのようなまちづくりをしていくならば、30万という、あるいはそれに近い人口配置が可能かというところを実は研究していきたいと、こう思っているわけであります。 また、私は市長という以前に政治家という立場から、今までこの地において8年間政策を訴えてきた、その継続性、いわば一貫性という観点で、私もつくらせていただきました「自然生産生活快適調和」という本でございますが、そこに書いてございますが、その政策は基本的には変えるつもりないと思いますし、また今日の時代に適応できるものと確信しておりますから、そういった長いレンジの中で今の政策が出てきたわけでありまして、その何か中身的なものについては、責任ある立場についたわけでありますから、これからブレークダウンして検討していきたいと、このように考えております。 大まかに申し上げますと、高田と直江津という大きなブロックの地域がありますが、その中間である上越市役所が存在している中央部、この中央部にいかに肉をつけるかということを戦略的に考えております。おおむね中央部に人口が10万ぐらい、春日山を背にして東に開けるところ、その地域に、そのゾーンに約10万の人口をどう擁するように形がつくれるかということが大事な視点になっております。30万という規模を果たしてのみ込めるかというスペースの問題でありますが、私はそういう観点から見ますと、十分にこれは可能であると、このように考えております。島国でもないし、背後地が山でもないということで、前に開けておりますから、当然それはもう御案内のとおり御理解をいただけるものと確信をしております。少なくともそういったインフラ整備をきちっと整備し、あるいはまた私が一番力を入れている産業の振興、産業の基盤整備、こういったものをきちんとする限り、そのような方向でまちづくりが可能になっていくと、このように考えておるわけであります。 それから、先ほど所得倍増云々という話については、確かにぴったりとするような例えではないとは思いますが、たまたま思いついたもので申し上げてみたわけでありますが、ただそれは計画というものはそういうもんだということを御認識いただくために、それを引用したということでありますから、別に他意はあるわけでありませんし、またこういった長いレンジでまちづくりというものをやらなきゃならんという、こういう構想とか、ビジョンとか、マスタープランについては、往々にしてそういうことがやはり問題を内在しながら進むものであると、このように認識しておりますし、そのことを御理解をいただければ幸いに存じます。 ○議長(大原久勝君) 斉藤教育長。         〔教 育 長 登 壇〕 ◎教育長(斉藤弘君) フッ素洗口の安全性について確認を求められておりますが、御指摘いただきましたように、生命及び成長の過程にかかわります安全につきましては、安全の上にも安全を確認することが極めて大切なことであります。そのことは教育委員会としても十分理解しているつもりであります。これまでの経過としまして、1級試薬を使用してまいりました。昭和49年牧村におきまして、それ以来30年ほど1級試薬によりますフッ素洗口を続けておられます。事故がなかったからということではございませんけれども、その長い期間の実績を私たちは大事にしてまいりまして、市の歯科医師会の御指導を得ながら1級試薬を使用させていただいているところでございます。きのうの県議会におきましても、県知事が県ではフッ化ナトリウムとミラノールを洗口剤として推奨していると。どちらも組成では同じく安全性については問題はないと答弁されておりますが、しかし、今御指摘いただきましたように、常にその上での安全確認ということは教育委員会として配慮してまいりたい。今後とも歯科医師会と協議し、また指導を受けながら進めてまいる所存でございます。よろしくお願いします。 ○議長(大原久勝君) 山岸行則君。         〔山 岸 行 則 君 登 壇〕 ◆3番(山岸行則君) 30万人都市構想については、市長の言われているのも私も十分わかっておりますし、できることなら30万になりたいし、その方向で上越市が大きく飛躍することについては大いに結構でありますし、決して私自身も最初に言っておりますように否定するものではございませんので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思いますけれども、ただいずれにしても一定の兆候は、もう市長の1期の任期中の4年間後には一定の兆候が、それは人口は直ちにふえる、ふえないという問題ではないけど、兆候が出始めてくるだろうというふうにも思いますので、その辺でもう一度また論議の場がありましたら論議をさせていただくということにいたしまして、ただ私は上越市よりもはるかに先行していた長岡市がテクノポリス構想でもって昭和58年ごろからずっとやってきていたという状況のもとでもって、あのときには今の拠点都市とは若干違うけれども、しかし、中身としてはやっぱり似ているのは、今の拠点都市の場合は産・学・遊・住でありましたけれども、あの長岡市を中心とする信濃川テクノポリス構想の中では、産・学・遊・住・創の創造性をも含めて、この10年間なり12年間やってきているという状況で、きのうも論議がありましたように、例えば高等教育機関においても長岡高専から始まった長岡科学技術大学とか、長岡短期大学、今年度からの造形大学とか、また新潟経済大学とか、新潟工科大学とかという格好で、まさに高等教育機関が長岡周辺で相当やっぱりメジロ押しになってきているという状況もありますし、まさに今これから上越市がやろうとしている物流基地なんかの場合は、長岡の場合は流通団地の造成だとか、工業団地の造成というのはもう十何年前から新産都市とセットさせながら、テクノポリス構想の中でやってきてたし、ニュータウン構想の中では、 1,000ヘクタールからの長岡ニュータウンというのをつくってまさにやってきている。にもかかわらずこの10年間で長岡市でふえたのは六千何人という状況であって、長岡市での今後の推移から見ても、平成10年ごろまでにせいぜい1万がそれになるかなというのが長岡市のやっぱり推計であるという状況でありますので、これらが相当やっぱり厳しいんだなというものを踏まえながら、逆に長岡の轍を踏まないためにも、これを踏まえて上越市長はこれから頑張っていただきたいなというふうに思うところであります。 それから、教育長でありますけれども、先ほどから言っておりますように、県の指導だとか、医師会の指導という問題じゃないはずです。これは上越市の児童に対して上越市の教育委員会がどうするのかという問題。とりわけ先ほどちょっと新津も言いましたように、新津の市なりが、新津市の教育委員会は新津の医師会を踏まえてミラノールに変更してきているという状況があって、それぞれの地域の教育委員会が自分たちの独自の判断でもってきちっとやっぱり判断をしているという状況がありますので、きのうからの論議じゃないですけども、過去の継承ばっかではなくして見直すときがあったら見直して新しい方向性を出してもいいんじゃないんですか。まさに宮越市長さんがやっぱりそういう方向できのうから、最近頑張っていられる。教育長の行政もやっぱり頑張った方がいい。ミラノールにここでかえなきゃならんのじゃないかと思ったら、市の教育委員会でもってきちっとやっぱりかえるという方向性があってもいいんではないかというふうにも思いますので、時間もございませんので、今後その辺の検討をお願いします。      ────────────────────────────────── ○議長(大原久勝君) 9番、小林林一君。         〔小 林 林 一 君 登 壇〕 ◆9番(小林林一君) 数々の一般質問もとり行われましたるところ、この質問一番にて結びでございますので、いましばらくのおつき合いをお願いいたしとうございます。 私は、さきに通告いたしておりました3点について、今回3月議会の質問を締めくくる意味合いをも込めまして、宮越市長の御見解を承りたいと思います。その前に若干私の所感を述べさせていただきたいと思います。 2月25日の上越タイムスの波動欄にこんな意見が述べられておりました。前市政のマンネリ化を批判して、「これらのマンネリ化に対して、市議会のチェック機能は不十分であった。総与党化して批判力を失い、根本問題についての活発な政策論争もなく、追認の翼賛議会化してしまった」、さらには「いかなる賢人でも長期権力はマンネリ化・独善化し、取り巻きの固定化などで裸の王様になりやすい。新市長は初心を大切に、議員も市職員も心機一転、事なかれ主義を排して自由闊達な論争を進め、清新ではつらつとした市政を展開してほしい」と結んでおります。この言葉に私は深い感銘を受けるものであります。 市長と議会は車の両輪であるとは言われながら、市長の持つ大きな権力のもとでは一議員個々の力ではまことに弱いものがあります。どうしても陳情を受けます地域の要望に最終的に判こを押していただくのは市長であります。また、各施策の実現を働きかけても、これまた最終的に認めていただくのも市長であります。市長のやり方、考え方に多少疑問に思っても、また不安を感じても、地域のこと、次の陳情のことを考えるとつい口が重くなってしまうのは、党派を問わず、個々の議員1人1人の胸の内にあることは事実であります。また、それは議員ばかりでなく、市役所の役職員の皆さんも同じ気持ちを抱いておられると思います。先日も厚生常任委員会で山口助役に市政運営の継続性についてお聞きいたしましたところ、職員としての立場、宮仕えの苦しい胸の内をいみじくも語ってくれました。市会議員も市役所役職員も市長という権力者の前には余りにも無力であることは事実であります。 しかしながら、そうだからといって私たちが御身大事のために事なかれ主義に陥ったり、はたまた御無理、ごもっともと権力者の前にひれ伏してしまっていいのでしょうか。私たち議員は、地域や組織の代表であると同時に、上越市13万市民の代表でもあるのであります。市役所役職員も市長から給料をもらっているわけではない。13万市民の血税からいただいているのであります。たとえ一時的に権力者に嫌な顔をされても、もうおまえの地域には予算づけをしないぞと、あくまでも仮にでありますが、言われたとしても、13万市民のために、あすの上越市のために、申し上げるべきところはきちんと申し上げる、そういう姿勢を貫くことが議会人として、また市役所職員として常に心しなければならない原点であると思うのであります。あすの上越市のために公平で公正な市政が展開できるよう、13万市民のだれもが平等に政治、行政の恩恵を受けることができるよう、自由で活発な意見が言い合える上越市政にするために、清新ではつらつとした論争が展開される上越市議会にするために、ともに力を合わせてまいりましょう、そのことを市民は私たちに最も期待しているのであります。 そこで、具体的な質問に入ってまいりますが、第1点は上越市財政問題であります。昨年の12月議会においてもこの問題を取り上げてまいりましたが、宮越市長の公約の最重点項目が上越市の財務体質の改善でありました。このたびの予算で幾つかの諸事業が廃止、変更、見直しがなされ、また新規建築物の多くが見送られました。このことの是非はこれまでも多くの議論がなされてまいりましたし、私も後段で若干述べてみるつもりでおります。 私は、ここにおいて問題としたいのは、繰上償還と公債費比率の関連性であります。平成2年度決算において繰上償還額が7億 8,000万円、平成4年度10億 4,000万円、平成5年度見込み5億 1,000万円、さらに平成6年度は減債基金取り崩しにより8億 7,000万円、NTT資金分が6億 2,000万円、合計15億円余が当初予算において既に繰上償還の対象になっております。財政運営において、少しでも余った資金、浮いた資金を高い金利の公債返済に回す、時には積立金を取り崩してでも繰上償還をする、この努力は大事なことであります。しかしながら、繰上償還、繰上償還と強調されるとどうもこんな疑問を感ずるのであります。これはあくまでも一般論でありますが、余った資金を繰上償還に回す、そうするとなるほど公債の残高は減る。しかし、もともと財政に余裕がない場合、新規事業においてその分公債に頼らざるを得ない。差し引き公債残高は変わらない。つまり余った資金を借金の返済に回すか、新規事業の自主財源に回して、その分起債発行額を少なくするか、どちらかなのであります。 しかし、いずれにしても公債残高が変わらないとしても、公債費比率計算上は大きな違いが出てくるのであります。公債費比率計算上、分子に来る、いわゆる分母と分子の計算上分子に来る数字の公債費のうち、新規発行分の元金は2年ないし3年間は加算されないのであります。そのことによって、公債費比率の数字を押し下げることができるのであります。くどいようですが、余った資金を自主財源として新規公債発行額を少なくするよりも、同じ金額を公債の繰上償還に回して、その分、新規発行の公債を増額する方が、公債残高は変わらないとしても、公債費比率は下がるのであります。この手法は、返済に回すべき借り入れ分の金利が高くて、新規に借りる分の金利が安い現在の状況では有効なものでありますが、金利差が逆転した場合はむしろ逆効果になるのであります。しかもこの手法に頼っていると、麻薬と同じようにやめられないという危険性もついて回るのであります。さらにうがった見方をすれば、年度当初事業規模を膨らませるだけ膨らませて、年度末にはいろいろな理由をつけて事業規模を縮小して、少しでも余剰財源を絞り出して繰上償還に回して公債費比率を押し下げる。上越市が決してこういう手法でやっているというのではなく、あくまでも一般論として考えられる手法を言っているのでありますが、しかし、余りに公債費比率を下げる、繰上償還をふやすということばかりが強調されると、果たして上越市はと疑ってみたくなるのであります。 これらの財政運営は効率的資金運用の観点からとらえるべきものであり、政治的な思惑に左右されない財務部なり収入役にお任せすればよいものであります。本来の財政再建対策は、第1に行政改革を強力に推進して組織や諸施策の効率的展開を図る、いわゆる行政の再構築、リストラを推進すること、第2に、地域経済全体の底上げを図って税収の自然増を図ること、第3に、公平、公正な市政運営に努め市民の信頼を高めること、この3点に集約されると思うのであります。行政が常にそういう姿勢を保つならば、市民は公債費比率が短期的に上がっても、必ずや理解を示してくれるはずであり、決して無用な不安を抱くはずはないと言えると思うのであります。 上越市の現在の財務状況は、一般会計ではまだしも、特別会計や土地開発公社会計を見ると、決して楽観視はできない。まだまだ厳しい財政運営が強いられると思いますが、宮越市長が公約されたとはいえ、余りに公債費比率15%にこだわると、将来に向かっての有効な投資に回すべき資金をも吸い上げ健全な財政運営を損なうおそれが出てくると、むしろ逆に心配するのであります。大蔵省出身の財政運営のプロとしての宮越市長の御見解を承りたいと思います。 質問の第2は、見直し政策課の新設に関してであります。さきにも触れたとおり、上越市財政再建の第1は行政改革の推進、行政のリストラであります。それに符合すると思われる見直し政策課の新設は大いに評価したいと思います。とりわけ宮越市長は改革を急ぐ余り、これまでの植木市政の諸施策の多くにことごとく大なたを振っておられます。確かに冒頭紹介した上越タイムス紙の指摘のとおり、当初意義のあった施策もマンネリ化があったため、市民の目からはひんしゅくを買う事態になってきている点のあることも事実であります。しかしながら、それぞれの施策の意義のある側面ももう一度見直してみるという冷静な判断こそ行政に求められている点であると思うからであります。きのうも大きな話題となりました政策の継続性についてでありますが、問題は継続すべき政策と改めるべき政策をどこでどう判断するかであります。それも市民にわかるような客観的判断が大切であります。 例えば関川いかだ下りであります。これは関川改修が建設省より一般改修、さらには激特事業としての指定を受け、延べ 500億円に近い費用をかけ今日のすばらしい関川に生まれ変わったのであります。この新しく生まれ変わった関川に、市民が親しむイベントとして関川いかだ下りが企画され、年々盛大になってきています。上越市民が新しい関川に親しむ姿を見て、恐らく建設省も上越市は関川改修事業を本当に喜んでくれている、今後も上越市からやってほしいという事業には優先的に協力しようと理解を示してくれるというのが人情であります。上越市の建設省に対するPR効果もあるんだという側面を市民に理解していただければ、いかだ下りに参加してくれる人たちに一定額の助成をするということは市民も納得してくれるはずであります。2回目以降の参加者に対して同じ5万円でなくても、その半額くらいの助成を残すという措置が肝要かと思います。 市民の船についても後ほど述べますが、このように宮越市長が廃止だ、変更だと大なたを振る多くの事業、施策、また逆には新設しようとする施策についても、本来こういう見直し政策課あたりで1年間じっくり検討して、改めるべきところは改める。本当に上越市が必要としている新事業であるならば、その実施の年度計画を立てて実行に移していくという手がたい行政手法こそ肝要かと思うのであります。その観点から改めて課新設の目的、とりわけ上越市行政のどういうところに問題があると思って設置されるのか、二つ目、この所管事務の範囲がどの程度にまで及ぶのか、三つ、諸施策の廃止、変更、新設が具体化した場合、最終的にそれを判断し実行していくのはどの機関、組織で行うのか、市民ばかりでなく、行政の皆さん自身が知りたい点であると思いますので、再度明確にしていただきたいと思います。 第3点は、市民の船についてであります。上越市市民の船は、昭和56年発足、昭和61年以降毎年北海道、さらに九州と、重要港湾直江津港の存在を市民に広く理解し親しんでもらい、対外的なPRにも大きな役割を果たしてまいりました。とりわけ北海道の岩内、室蘭との東日本カーフェリーの定期航路が開設されたことによって、取扱貨物量が年々30%前後の著しい増加を見ることができました。さらには九州航路の開設も既に接岸バースも決まり、今まさに現実のものとなってきております。さらには平成6年度は韓国浦項市に向けて市民の船を出すことで、少なくとも昨年12月までは予定として進んでいたはずであります。このことは環日本海時代を見越して、国際貿易港としての将来展望を大きく広げる事業として期待していたものであります。市民の船を単に経済的、政治的目的にのみ利用するということは異論もあることとは思いますが、公費助成をする以上は、将来の上越市飛躍のためのPR料ということであれば大義名分が立つと私は思うのであります。 これまで続いた市民の船が、これまた多少マンネリ化して市民の批判を受けていたことは認識しております。しかし、 500人もの人たちが訪れるという市民外交のPR効果は大きなものがあります。とりわけ浦項市へは平成3年10月、市長、議長以下地元経済人が浦項市を訪問、平成4年は浦項市から経済交流並びにロータリークラブの皆さんが来越されました。また平成5年5月には上越市から前助役と会議所メンバーが浦項市を訪問、その席で平成6年度には市民の船を浦項市に向けたいという意向を話され、その準備を進めてきたと聞かされております。しかも市民の船には子供たちのサッカーチームも連れていき、向こうでサッカーの交歓も予定していたと聞いております。対外交流において行政の使節団もいいでしょう、経済界の交流も必要でしょう。しかし、一番アピールするのは市民ぐるみの交流であります。そういう意味で、本年度市民の船が韓国浦項市へ行かれることはまことにタイムリーな時宜を得た企画であると思っておりました。市民の船が行ったからといってすぐに直江津港と浦項との航路が開設されるとは思いません。しかし、新潟市が浦項市との航路の増設を企画しておりますことに対し、県が上越市で浦項市との交流を一生懸命取り組んでいるのだからと、むしろ新潟市を抑えてくれているとも聞いております。これは上越市が浦項市との交流に並み並みならぬ努力を払っていることを対外的に認めてもらっているあらわれであります。 その上で、改めて宮越市長にお尋ねいたしますが、一つ、本年度市民の船をやめた理由をお聞かせください。新聞報道によれば、ことしもチャーター船を予約していたが、市民の意向を受けた先月、これは1月ですが、急遽キャンセルし、今後の事業打ち切りを決定したとありますが、確かな理由を明らかにしてほしいと思います。二つ、浦項市への市民の船をこのように急に取りやめることによって、浦項市との間に国際信義上問題はないのか。今後浦項市との交流においてしこりが残らないのか、御見解を承りたいと思います。三つ、先ほども申したように、市民の船が多少マンネリ化して市民の批判を受けていることは事実でありますが、これらの点を見直す中で、来年度以降再開する予定はないのかお聞かせ願いたいと思います。 以上、よろしくお願いいたします。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) 大変御丁寧な御質問をいただきまして、丁寧に答えさせていただきたいと思います。 まず、上越タイムスの波動ですか、についてお話がありましたもので、今手に持っておりますが、肝心なのは、私にとりまして、前文を読んでいただくともっとはっきりするわけであります。参考に読まさせていただきます。今、小林議員さんは後半だけをお読みになりましたから、前半だけにさせていただきます。 宮越市長初の新年度上越市予算案が発表された。総額 461億円余、市民生活に直結する予算である。3月市議会での活発な論議を期待したい。市長は記者団の質問に、採点は市民がつけてくれるが、自分では満点に近いと思うと述べている。バブル崩壊、不況による税収減。しかも多額の市債(借金)を抱えての苦心の予算編成である。予算案には特色が多々あるが、特に目立つのは公的であった市政の流れを変える総点検のリストラ。例えばかねて問題とされていた75歳以上に一律1万 3,000円贈られていた敬老祝金の廃止。これは20余年マンネリ的に続けられていたもので、1億円余。貧富を問わずの一律は一見公平のようで全くの不公平。関川いかだ下りも市民の船も市民スキー祭もマンネリ化し、改廃が市民の声であった。どんな事業も創始期は意義があっても、変化の激しい現今、3~5年の見直しによって捻出した予算を新しい意義ある事業に投入すべきは当然。敬老祝金など、真に恵まれない人々の福祉などに活用してこそ意義がある。これらのマンネリ化に対して市議会のチェック機能は不十分であったと云々ということは、先ほど議員がおっしゃったところでありまして、なぜ私が申し上げたかといいますと、御質問の大半がここに盛られております。一つの市民の声として出ております。このことを背景とさせていただきまして、御質問に答えたいと、このように思います。 まず最初に、財政再建対策に関してのお尋ねでありますが、私は、昨日の早津議員の御質問にもお答えしておりますように、財政健全化、すなわち財政運営の基本方針は行財政運営全般にわたる効率的執行等の観点から、行政関与の必要性、あり方、そして行政が真に責任を持つべき分野の明確化、さらにはこれまでの累積した多額の借入金残高を縮減し、後年度負担の軽減を図っていくことなどを通じて、病んだ財務体質を改善し、あわせて産業の育成を中心とした地域づくりの推進によって税源の涵養を図りながら体力をつけていくことであり、このことが多くの市民が私に寄せた負託にこたえる道であると確信しておるところであります。これまでの20年間で堆積し残された多額の借入金を計画的に返済し、加えて現下の経済情勢を総合的に検討した上、将来を見据えて繰り上げ返済を行うことなどは、まさに時宜を得た財政健全化策と考えておる次第であります。 したがいまして、繰上償還の実施に対しては、往々にして財政運用上の例えば公債費比率低減化を図るテクニックとしてのみとらえられがちでありますが、その基本はあくまでも現在多額に上っている市債残高にかんがみ、後年度財政負担の平準化、軽減化を図ることを目指すものであり、その結果として後年度の比率低下に寄与するものであると考えております。ちみなに平成5年度末の市債残高が 395億円が見込まれております。市民1人当たり約30万 2,000円でございます。私が市長選挙のときに訴えていたときは、その前の年でありまして、それが市民1人当たりが28万円でありまして、今年度末既に2万円がふえるという、そういう増高経過を示しております。 また、繰上償還を行う過去の起債も当然現在より高い利率で借り入れたものを対象にしております。再三申し上げておりますように、これまでの積もり積もった多額の借入金残高を適正な水準までに返済し続け、スリムな財務体質にしていくことは一朝一夕にはなかなかなし得るものではありません。したがいまして、私は体質改善を急ぐ余り木を見て森を見ないというような小手先だけの改善策を講じていくのではなく、初日の所信表明でも申し上げているとおり、地域経済活動の底上げのための諸施策を推進していく中で、私の経験を生かし、無理をせず時間がかかろうとも着実に進めていくことをこの際はっきり申し上げたいと思います。 なお、市債の有効活用につきましては、やはり昨日の御質問でもお答えいたしましたとおり、地域経済の活性化事業や下水道事業などの生活基盤の充実を図るため、また起債の重要な機能である、すなわちそうした施設を利用する将来の市民にも負担してもらうという世代間の負担の公平を図る立場からも、その有効活用を図ってまいりたいと考えているところであります。とはいっても後世代に過大なマイナスの遺産を残すことのないよう、非効率的な財政支出が極力ないように、そして有効な財政支出に充てるために市債の発行を行うこととし、むだに近い、効率の悪い、そういう財政支出には充てないように極力抑制しつつ、常に節度を持って実力に見合った活用の方針で臨まなきゃならんと、このように考えております。いずれにいたしましても、これまでの多額な借入金残高を抱え、その前途は必ずしも楽観すべき状態ではありませんが、税源の涵養とその確保に配慮しつつ、増大、多様化する多くの市民要望に機動的に対応し得る財務体質を目指して、計画的な行財政の運営をしていきたいと、このように考えております。 次に、見直し政策課の新設についてに対してのお答えでございますが、地方分権、地方主権の動きが全国的に拡大する中で、今ここでリストラを図る自治体と旧態依然たる行政を続ける自治体とでは、10年先あるいは20年先になってみて大きな差が出てくるものと私は思っております。ひいてはその自治体のマンネリズムが市民を不幸な状態に陥れるおそれがあるとさえ言えると、このように思います。今私は強固な地方自治体の基盤づくりを図る必要性を痛感いたしております。そして自治体の揺るぎない基盤の形成のためには、財政問題と並んで強固な組織づくりを図る必要があると考えておるところであります。受け売りではない手づくりの行政、市民のための市民の視点に立った行政を目指すことこそ、第一義的に考えていかなきゃならないと、このように考えております。 また、上越地域12市町村が地方拠点都市地域第2次指定候補地域に選ばれたことから、今後自前のまちづくり政策を推進するためにも、スリムな効率的な行政の推進が欠かせないことであると深く認識しております。上越市が合併してから既に23年を経過いたしました。この時点で過去の行政のあり方を振り返り、根本から総点検、総見直しをすることが極めて肝要であると考えております。したがいまして、見直し政策課の具体的な事務といたしましては、その事務の範囲は非常に広範囲にわたるわけであります。見直しあるいは点検をするという作業がありますから、施設管理の形態を点検したり、あるいはまた民間企業と競合する事業の場合には、その廃止やあるいは縮小、民間委託の検討などを行い、その上で各施設の使用料の見直しを実施したり、あるいは現時点での適正な料金体系をどう定めるかということを考えていきたいと思っております。また、補助金、交付金の適正化を図るためにも、それらの制度の見直し、あるいは一部事務組合など市の関係する団体も含めた組織の見直し、さらに市の意思決定のスピード化を図るために、いわゆる判こ行政や決裁区分の見直しなど、市民の視点に立った市民本位の行政を目指すことも含めて、総合的な今後の市政のあり方に検討を加えていきたいと、このように考えております。 見直し政策課における検討はおおむね1年間をめどに考えておりますが、検討結果についてはその良否の判断、実施の成否等については、市長である私がじかに指揮をとるつもりであります。また改善の実行につきましては、それぞれの担当部署において推進していくことになろうと思います。なお、大きな課題については、広く審議会方式を通じて市民の意見を取り入れ推進すべきであると考えておりますし、またそのような御提言をいただきましたが、ことし1月から小学校区単位で開催しておりますのびやかJトークや、新年度から実施予定の市政モニター制度を十分に活用しながら、市民の皆さんの声を参考にしていきたいと考えております。いずれにいたしましても、検討の結果、条例改正や予算にかかわることはもちろんのこと、重要と思えることにつきましては、議会の皆さんに相談を申し上げ、御意見を拝聴しながら執行していきたいと、このように考えている次第であります。 それから、市民の船でございます。市民の船に関しての御質問でございますが、まず市民の船を取りやめた理由についてでありますが、市民の船は御案内のとおり、昭和56年に上越市発足10周年記念事業として初めて訪ソしたのを皮切りに、航路開設促進のデモンストレーションとして昭和62年度から平成3年度まで北海道へ、あるいは平成4年度と昨年は九州へと合計8回実施し、延べ 3,500人という多くの市民から参加いただいたことは御案内のとおりであります。この間、平成2年7月には直江津港から岩内港、室蘭港への北海道定期航路が開設されましたし、また九州航路については現在関係機関の協議が着々と進んでいると聞き及んでおります。このような状況から展望を開くという所期の目的はおおむね果たしたものと思っておりますし、また事業自体を総点検する意味でも6年度は実施しないとしたものであります。 なお、浦項市との国際交流に関連して市民の船を特に約束したということは聞いておりません。本年はそういう意味で市民の船は考えておりません。浦項港への市民の船については、議員がおっしゃられたようなことが、もちろん先ほど申し上げましたように、引き継ぎ事項にも入っておりませんし、もともと引き継ぎは何もなかったんでございますから、担当にもその話は私は伺っておりません。ですからその辺の認識を改めていただければと、このように思います。 私は、平成6年度を上越市の国際交流元年にしたいと考えております。浦項市へは初めて長野市等からも参加していただいて経済ミッションを派遣するのもその一つであろうという考え方がありますが、その他、国際化推進事業としてたくさんの新規事業を企画いたしました。既に開催に向けて準備しております第5回アジアジュニア卓球選手権大会、同時開催のアジア物産展の開催、産・官・学が一体となって国際交流のあり方を考える国際交流推進会議、社会教育に携わる方々を対象とした市民海外視察研修事業、外国人に日本語を教える日本語ボランティア養成講座などのほか、私自身もモンゴルや中国吉林省の琿春や図們などへ視察し、対岸貿易の進展方策を模索していきたいと考えております。 最後に、市民の船の問題点を見直し、来年度以降再開する予定はないかとの御質問でございますが、直江津港は三大都市圏の日本海ゲートウエーとして新時代の日本海沿岸地域を先導する経済交流拠点になる港であると確信しております。ややもすれば漫然として観光中心になり過ぎるとの声もあったやに聞く市民の船は廃止いたしますが、直江津港の高度利用の観点から、上越圏域はもちろん、背後の長野圏域とも連携し、経済交流、異文化交流、そして新たな外国航路の開設促進に向けた友好の船などは考えてみたいと思っております。 なお、市民の船について若干予算的なことも含め、また当時からこういった観点からも問題があると言われておる報道も御紹介を申し上げておきたいと、このように思います。これは平成元年のことでありますが、マスコミにも市民の船を出すに当たって極めて厳しい論評が出ているということは既に御案内かと思いますから、あえてこの場では申し上げませんが、いろいろと批判があるということだけを申し上げておきたいと、このように思います。また昨年の九州航路における市の負担額は 1,980万円、前年、平成4年度、これも同額の 1,980万円、平成3年度は 1,852万 4,000円、平成2年度が 1,081万 9,000円、平成元年が 1,341万 9,000円と、昭和63年は 1,400万円と、最初に56年に訪ソしたときは 525万円というふうに予算化がなされておることを御参考まで申し上げておきたい、このように思います。したがって、いろいろの観点から市民の声をもいろいろと参酌しながら、いわばこの時点において市民の船を出すというまでには至らなかったということだけを御理解をいただければありがたいと、このように思います。 ○議長(大原久勝君) 小林林一君。         〔小 林 林 一 君 登 壇〕 ◆9番(小林林一君) 再質問させていただきます。 冒頭取り上げましたタイムス紙のコラム欄、私も書いた方よく存じております。確かに前段におきまして、後段も全体そうなんですが、宮越市長に対して本当に理解のある言葉、また期待する言葉でありまして、同時に私も申したとおり、前市政のマンネリ化ということの中の批判から新市長に対する期待と同時にそれが実効あらしめるためにも、やはり市長、また議会、そして市の職員の皆様方に心構え、警告という意味で、本当に誠意を持った書き方であったということで私も紹介させていただいたわけでございます。ともにやはりこれが我々議会人、また市の職員としての常に考えなければならない原点を諭してくださったお言葉であると肝に銘じて進んでいかなければならんと、そんなふうに思うわけであります。 具体的な点につきまして、まず第1点の財務体質の改善でございますが、財務当局といたしまして、据え置き期間の公債費を計上しないことに目をつけたような財政運営テクニックをとってはいないというのは当然のお答えと思います。しかしながら、上越市の財政に通じているある方が、「自分だったら考えるわなあ、今までもなかったとは言えないと思うよ」と言っておられましたので、あえて警告の意味で取り上げたわけでありますので、それはそれで結構でございます。私が財政再建対策の3点、とりわけ公平、公正な市政運営に努め、市民の信頼を高めるという姿勢を行政が持ち続ける限り、市民は公債費比率が短期的に上がっても理解を示してくれるはずであるという考え方について、いま一度宮越市長の御見解を承りたいと思います。 2番目の見直し課についての位置づけでありますが、今市長も特にこの課については自分が直接指揮をすると。きのう新保議員の一般質問に対しても、市長は直属のスタッフにすると答えられています。直属のスタッフという言い方はまさに市長の個人的なつながりの組織になり、助役や部長も口を挟めないような組織になる危険性をはらんでいます。また行政組織上は総務部の中の一つの課と位置づけていますが、組織上問題はないのかということを心配いたします。特にこの課の大事な役割は市長の意向を受けて行政組織や行政施策を見直すことと同時に、市長に冷静な判断材料を提供することも大事なことであります。市長のみのコントロール下に置かれるのではなくて、助役や部長のコントロールもきくような組織でなければならないと思います。いま一度御答弁願います。 3については、市長がいろんなところで言っておられる話や、今ほどまたきのうまでの質問等の話を総合すると、平成6年度市民の船を取りやめた本当の事情はこうではないかと思うのであります。浦項市との約束はないとは言っておりますけども、浦項市との第4回目の、今まで3回、さっきも挙げましたとおり3回目の交流があったわけでございますが、4回目の交流として商船三井客船新さくら丸をチャーター、平成6年9月下旬に市民の船として行くことに昨年12月までは予定していた。しかし、中国琿春とのルート、とりわけ吉林省、黒竜江省との大豆等の穀物ルートの可能性が出てきた。しかも平成7年には日本郵船豪華客船あすかを宮越市長の、これは市長がおっしゃっていたんだからあれですが、個人的なつながりの中で予約できそうなので、ことしの浦項市への市民の船は取りやめる。そのかわり平成6年度浦項市への申しわけのために、上越商工会議所に、しかも昨年行ってきたばかりなのに、ことしももう一度経済交流として行ってもらいたい、こういう筋書きではないのでしょうか。 もしそうだとすると、中国ルートの将来性はこれは大事であります。それはそれとして将来に向かってしっかり計画を立てていかなければならないと思いますが、浦項市との約束、平気でほごにしていいのでしょうか。これは上越市の関係者からお借りした名刺、浦項商工会議所の事務局長洪正三さんの名刺ですが、上越市の市民の船が来るのを楽しみにしているとの電話をいただいていたそうであります。韓国は儒教の教えの強い国であります。約束したことを重んじる国であります。果たしていいのでしょうか。また来年あすかで行くとしたら、先ほど市民の船をことしやめたという理由、ちょっと明確でないものがあったわけでありますが、とりわけ特に豪華客船あすかでございますので、これはまたどのくらい費用かかるのかわかりませんけれども、それとの兼ね合いでやはり話が矛盾をするんではないか、そんなふうに思われますので、再度御答弁願いたいと思います。 ○議長(大原久勝君) 宮越市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) 御質問をいろいろといただくのは結構でございますが、あたかも先入観あるような御質問ですと拝聴している方にも何か密約束とか、そういうものがあったんではないかという、いわば開かれた市政に水を差すような感じもございますから、あえて御答弁を申し上げますが、浦項に平成6年9月下旬に約束するということは、毛頭そういうことは聞いておりませんし、私自身も言った覚えもありません。こういったことは議会に予算をかかる話でありますから、当然そういった裏打ちがあってこそ初めて正式に約束ができるわけでありますから、そういう予算編成も全く手がけていない時期に、平成6年9月に、下旬にしかも行きますという約束はありようがないということだけを御認識いただきたい、このように思います。申しわけのためにということで私が浦項に行くということも、これは全く関係ないわけでありまして、いわばそのことよりも浦項市との交流のそういう流れを継続するという前向きの形で私が出かけていきましょうと、こういう話で内々進めていたことは認めますが、申しわけないからそのようにするということは全くございません。またあすか云々ということでございますが、何事も事業を行うに当たっては、内々の打診とか、研究とか、検討とか、そういうものが行われるのは当たり前であります。それを一々あたかも決まったようなことで言われますと、市民には混乱を生ずるものと、こう私は思っておりますから、厳にそういったことは謹んで御発言願いたいと、このように思います。 それから、財政の運営上、いわば市債発行の云々でございますが、昨日早津議員にもお答えさせていただきましたが、余りにも借金の返済にこだわって事業をいわば抑制して、本来伸び伸びと市民が期待する事業が行えなくなるようなことであってはならんと、このように思っております。角を矯めて牛を殺すというようなことであってはならんと、このように思っていますし、またどの自治体も少なからぬ、いわば市債というか、公債を発行して運営しているわけでありまして、国自体もあのような形で公債を発行しているわけでありますから、公債発行自身が罪悪ということではないわけでありまして、その適正な運用が求められるわけでありまして、そういった観点で考えるならば、私の経験を生かして誤りのない運営にあずかっていきたいと、このように思っております。 また、見直し政策課についてでございますが、直属の、あるいは私が総点検、総見直しをするという、そういう大きな政策課題を申し上げているわけでありますから、責任を持って当たるという趣旨であるということで認識いただければ幸いと、このように思います。組織体制を変えてまでもそれをやるということは毛頭ないわけでありまして、当然指揮命令系統は各部体制あるいは各課体制ということの中で、特に重点的に私の意思を反映できるような、そういった実際上の運用面を強調しているわけでありまして、組織条例、そういったものを逸脱して事務事業の執行あるいはその作業を行うということは毛頭ないということだけは申し添えておきたいと、このように思います。そういうことよりも実効性の上がる、そういういわば事務の執行に努めていきたい、このように考えておるところであります。よろしくお願い申し上げます。 ○議長(大原久勝君) 小林林一君。         〔小 林 林 一 君 登 壇〕 ◆9番(小林林一君) もう時間が限られておりますので、一言だけ申しておきたいと思いますが、先ほど市民の船、もちろん先ほどからの話で前市長から何の引き継ぎもないということで、今の市民の船だけに限らずすべてにおいて引き継ぎがないんだということで申されたわけでありますけれども、それは別として、これは事務方でやはりプランを練ったということは紛れもない事実であります。しかもこれだけの大型なカーフェリーを用意するというのは、その場で予算が決まったからといってすぐチャーターできるわけではない。やっぱり少なくとも1年も前からある程度押さえておくということの中で進んでいるもんでありますので、それを押さえていたということは事実でありますし、そういうものを踏まえて、今いろいろ論争にありましたけれども、市民の船がなぜ変わったのか、そして来年、これはもう宮越市長が今度あすかで行くということも明言しておられるわけです。これは行きたいということをやはり公にも話していらっしゃいますし、きのうの信濃毎日新聞にも、また市村議員の質問にも答えて、それが信濃毎日新聞にもそういう形ではっきり載っております。これらについてどういう形が本当に市民のためにいい一つの施策なのかどうか、これからまた我々議会人としてもしっかりやはり見守っていかなければならんことだと思います。 いずれにしましても、財政の問題、また見直し課の問題等々につきましても、常に最後は市長と議会は車の両輪、この両輪が本当にかみ合って、お互いに牽制し合い、チェックし合い、そしていい点は評価しよう、そして悪い点はやはりそこを改めるべきじゃないかということで申し上げるという常に姿勢を貫くことが大事であると、そういうことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(大原久勝君) これにて一般質問を終結いたします。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。御苦労さまでした。                                     午後2時55分 散会...