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12月04日-01号

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  1. 上越市議会 1990-12-04
    12月04日-01号


    取得元: 上越市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-25
    平成 2年  第5回(12月)定例会     平成2年第5回上越市議会定例会会議録(1日目)                            平成2年12月4日(火曜日) 出 席 議 員    1番   石 平 春 彦 君        2番   西 沢 幹 郎 君    3番   宮 沢 武 男 君        4番   杉 田 弘 美 君    5番   大 嶋   宰 君        6番   関 原 忠 良 君    7番   小 林 元 一 君        8番   星 野   実 君    9番   山 田 力之助 君       10番   市 川 文 一 君   11番   渡 辺 義 雄 君       12番   田 村 恒 夫 君   13番   中 村 末 蔵 君       14番   服 部 一 雄 君   15番   山 口   昇 君       16番   相 馬 義 孝 君   17番   小 出 信 義 君       18番   小 林 章 吾 君   19番   大 原 久 勝 君       20番   樋 口 栄 一 君   21番   岩 片 六 良 君       22番   渡 辺 一太郎 君   23番   岡  鍈 一 君       25番   新 保 清 司 君   26番    城 文 夫 君       27番   高 橋   実 君   28番   大 滝 和 司 君       30番   川 瀬 秀 司 君   31番   五十嵐 雄 吉 君       32番   松 永 芳 男 君 説明のため出席した者 市    長  植 木   公 君    助    役  佐 藤 英 一 君 収  入  役  霜 越 清 三 君    教  育  長  上 野   潔 君 市長公 室 長  内 藤 秀 一 君    総 務 部 長  藤 塚 和 生 君 民 生 部 長  竹 内 栄 治 君    経済環境部長  山 口 弘 司 君 建 設 部 長  西 條 達 男 君    ガス水道局長  長谷川 恵 一 君 教 育 次 長  宮  慶次郎 君 行 政 課 長  小日向 治 文 君 教 育 委員会 委  員  長  宮 越 光 昭 君 代表監査委員  斉 京   稔 君 農 業 委員会 会    長  藤  政 一 君 職務のため出席した事務局職員 事 務 局 長  松 苗 正 彦 君    次    長  宮 崎 光 雄 君 議 事 係 長  白 石 行 雄 君    主    任  渡 辺   豊 君 主    事  高 原 るみ子 君 議 事 日 程  第1 会議録署名議員の指名  第2 会期の決定  第3 諸般の報告  第4 議案第66号より第81号及び報告第21号  第5 克雪都市改造対策特別委員会の中間報告  第6 環境保全対策特別委員会の中間報告 本日の会議に付した事件  第1 会議録署名議員の指名  第2 会期の決定  第3 諸般の報告  第4 議案第66号 平成元年度上越一般会計歳入歳出決算認定について     議案第67号 平成元年度上越国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定について     議案第68号 平成元年度上越診療所特別会計歳入歳出決算認定について     議案第69号 平成元年度上越索道事業特別会計歳入歳出決算認定について     議案第70号 平成元年度上越下水道事業特別会計歳入歳出決算認定について     議案第71号 平成元年度上越老人保健特別会計歳入歳出決算認定について     議案第72号 平成2年度上越一般会計補正予算(第3号)     議案第73号 議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一            部改正について     議案第74号 上越市立幼稚園の幼稚園医、幼稚園歯科医及び幼稚園薬剤師の公務            災害補償に関する条例の一部改正について     議案第75号 上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条            例の一部改正について     議案第76号 上越市こどもの家条例の一部改正について     議案第77号 上越環境施設組合を組織する地方公共団体数の増加及び上越環境施            設組合規約の変更について     議案第78号 退職手当の支給について(教育長)     議案第79号 字の変更について(三郷地区)     議案第80号 住居表示の実施区域及び方法について     議案第81号 上越市部制条例の一部改正について     報告第21号 専決処分した事件の承認について(平成2年度上越一般会計補正            予算(専第3号))  第5 克雪都市改造対策特別委員会の中間報告  第6 環境保全対策特別委員会の中間報告           午前10時3分 開会及び開議 ○議長(松永芳男君) これより平成2年第5回上越市議会定例会を開会いたします。 各位には御多忙の折御参集いただき深く感謝いたします。 これより本日の会議を開きます。                    〇 △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(松永芳男君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において田村恒夫君及び渡辺一太郎君を指名いたします。                    〇 △日程第2 会期の決定 ○議長(松永芳男君) 日程第2、会期の決定を議題といたします。 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から12月20日までの17日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。         〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(松永芳男君) 御異議なしと認めます。 よって、会期は17日間と決定いたしました。                    〇 △日程第3 諸般の報告 ○議長(松永芳男君) 日程第3、諸般の報告をいたします。 去る10月29日、広瀬光雄議員急性呼吸不全により、また11月4日、斉藤隆治議員が同じく急性呼吸不全により死去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、故人の御冥福をお祈りし、皆様とともに黙祷をささげたいと思います。 御起立願います。黙祷始め。         〔黙  祷〕 ○議長(松永芳男君) 黙祷終わります。御着席願います。 なお、故広瀬光雄君、故斉藤隆治君に弔慰を表するため、2人の議員から発言を求められておりますので、これを許します。 まず、26番議員の発言を許します。 26番、本城文夫君。         〔 城 文 夫 君 登 壇〕 ◆26番(本城文夫君) 追悼の言葉。 ここに皆様の御同意を得て、議員一同を代表し、さきに御逝去された元議長、故広瀬光雄議員をしのび、謹んで追悼の言葉をささげます。 広瀬さんのお元気な御様子をついこの間までお見受けをしていただけに、私どもにとりましては驚きと限りない悲しみと寂しさを覚えます。思えば、昨年の7月に大きな手術を受けられ、御家族の皆様の手厚い看護と多くの人々の励ましの中で、持ち前の気力で体調も回復をされ、議場にあのステッキ姿で私たちに語らいかけておられただけに、思いもよらぬ残念な知らせでありました。今ここに、ありし日の広瀬さんを思うとき、感無量の思いであり、同時に御遺族の御心中をお察しするに余りあるものがあります。 私は、昭和47年の上越市第1回選挙で初当選以来今日まで5期19年間でありましたが、広瀬さんと御一緒させていただきました。私にとりましては、議会の大先輩の広瀬さんでした。広瀬さんは、昭和34年の高田市議会に初当選以来連続8期31年間という長きにわたって、市政の伸展と市民福祉の向上に挺身をされ、人一倍の情熱を注がれてまいりました。その議員歴が示すように、昨年は30年の永年勤続の全国市議会議長会の表彰を受けられ、昭和60年には地方自治功労で藍綬褒章を受章されました。そして、高田心身障害者福祉協会長や上越市心身障害福祉団体連合会長など、福祉団体を初めとする数多くの要職にあられ、今後のますますの御活躍が大きく期待されているところでありました。また、上越市議会議長として通算6年、この間議長としての手腕を発揮され、文化会館の建設や本町大町都市改造の着手、オールシーズンプールの建設、水族博物館の建設、総合体育館身体障害者体育館の着工などに当たっても、理事者とともに広瀬さんの御活躍も多大でありました。 また、全国市議会議長会地方財政特別委員会委員長として、地方自治体の抱える財政問題の打開に向けて尽力をされたことや、高速自動車道通過市議会協議会長、さらに北信越の豪雪対策などにも大きな努力をされたことなど、常に議会人としての権威を持ち、議会運営さばきぶりは私の議員活動の中でも強い印象として残っています。 そして、広瀬さんは31年6ヵ月間一貫して厚生常任委員会に所属をされ、身体障害者精神薄弱者、高齢者などの方々の社会的弱者の代弁者として活躍をされ、議会では福祉行政の生き字引という異名をとられたように、市民福祉の向上一筋にその先頭に立ってこられました。みずから身障者でおられた立場から、福祉問題にかけてはそれはそれは私たちの入る余地もない高い見識をお持ちでした。私が厚生常任委員長のとき、広瀬さんは野党の立場にある私に対しても、委員会運営の親切なアドバイスをいただいたことなどしばしばありました。特に委員会審議での広瀬さんの発言は、それはいつもいぶし銀のように渋く、広い知識と長年の経験から来る多くの貴重な提言であり、鋭い質問の数々でありました。 今にして思えば、広瀬さんがお亡くなりになる前、1週間前の10月22日、私ども厚生常任委員会での金沢市などの行政視察が最後の旅になるとは私も考えてみませんでした。あの日、訪問先の市役所で長時間に及ぶ説明や福祉センターなどでの現地の視察のときには、苦痛の表情も、いつもの折り目正しい姿勢も崩さず、時折例の鋭い質問が飛び出すなど、真剣そのものの広瀬さんのお姿が私のまぶたに焼きついています。このとききっと広瀬さんは難儀だったのではないでしょうか。そのことを私たちに一言も触れず、笑顔で応対をされていました。きっと無理を覚悟されての行政視察だったのではないかと思います。その議員根性を私たちは見せつけられ、教えられる思いがいたします。帰りの金沢市役所前厚生委員会のメンバーと御一緒した写真が最期のスナップ写真となるとは私も思ってみませんでした。その広瀬さんはもうおられない。若輩の私が広瀬さんから教えを受けたことは、議会は行政のチェック機関だという政治姿勢だと思います。地方議会の鏡ともいうべき広瀬さんの生涯は、上越市政とともに長く語り継がれていくでしょう。帰らぬ旅に立たれても、広瀬議員の長きにわたる数多くの御功績は不滅です。私は、広瀬さんの福祉にかけた生涯に学び、上越市のさらなる発展に向けてひたすら努力することをお誓いをいたします。 広瀬さん、長い間本当に御苦労さまでした。ここに、ありし日の面影をしのびつつ、議員の皆様とともに心より御冥福をお祈りすると同時に、残された奥様初め御遺族皆様の前途の平穏を御祈念申し上げ、追悼の言葉とさせていただきます。 1990年12月4日、本城文夫。 ○議長(松永芳男君) 次に、15番議員の発言を許します。 15番、山口昇君。         〔山 口 昇 君 登 壇〕 ◆15番(山口昇君) 追悼の言葉。 上越市議会斉藤隆治議員は、11月4日逝去されました。まことに痛惜、哀悼の念にたえません。私は、ここに議員各位の御賛同を得て、上越市議会を代表して故斉藤隆治さんの御霊に謹んで哀悼の言葉をささげたいと存じます。 斉藤さん、あなたは前議会の9月定例会においてこの壇上で一般質問をなされ、熱弁を振るわれたのがついきのうのことのように思われます。そのお姿が今もまぶたに焼きついて離れません。それが時、何日もせず突如としてこの世を去られ、今同じこの壇上であなたの追悼の言葉を申し上げるとはだれが知り得たでありましょうか。もはやとわにあなたの謦咳に接することはできません。議員一同惜別の情を禁じ得ないのであります。 斉藤さん、あなたの入院の知らせは、日ごろのお元気さを知る私たちにとりましては唐突であり、その御快癒を祈り、全快を信じていたのであります。3月20日に手術を受けられながらも、強靭な意志と、奥様初め御家族皆様の手厚い看護のかいあって、6月25日には退院をされたのであります。そして、9月の定例会には、少々言語に不自由な点がありましたが、元気なあなたのお姿に接し、議員一同安堵しながら、以前以上に上越市政にかけるあなたの情熱、信念に敬服し、その一層の御活躍を御期待申し上げておったのであります。その後9月28日に再入院をされましたが、この間病躯を押して、上越市の今抱えている諸問題に対し精力的に活動され、議員として努力されたのであります。その情熱、責任感と誠実な人柄を改めて知ると同時に、このことが病状を悪化させたのではないかと悔やまれてなりません。あなたが奥様と御一緒に歩いておられ、直江津駅前でお会いし、話をしたときも、いささか病後のやつれを残されておられましたとはいえ、そのお姿、会話からは今日のことは夢想だにしませんでした。本当に残念でなりません。 顧みれば、あなたは昭和34年4月、地域住民の皆様の御推薦を受け、35歳という若さで直江津市議会議員に当選され、現在の市議会議員として通算27年6ヵ月の長きにわたり、議員として活躍されてこられました。この間あなたは、直江津市議会においては、総務常任委員会委員長として、当時激論が続く住居表示問題と精力的に取り組み、その手腕をいかんなく発揮され、その実施が危ぶまれたとき、機能的なまちづくりの一環として、住居表示の実施を不可欠とするあなたは、委員長の立場で関係住民の説得や議員間の意思統一に全力を傾注され、行動力あふれるあなたのリーダーシップにより、委員長在任中に市街地全域で予定どおり実施されたのであります。 進取の気性に富むあなたは、広域都市問題にも造詣が深く、交通、通信網の発達、住民ニーズの多様化に伴う財政規模の拡大などに対応するには、従来一市町村の範囲を超えた新しい都市づくりの必要性を提言されました。このことが、ひいては昭和46年4月に実施した直江津市と高田市の合併、上越市の誕生に大きく貢献することとなったのであります。 五智公園特別委員会委員長として、五智愛宕山一帯の自然を最大限に生かし、水と緑にあふれた安らぎの公園にすることを一貫して主張され、現在多彩な施設が整備され、市民の一大オアシスとして親しまれているのであります。 監査委員としては、合併を目前にした重要なときに、公平無私を信条とされたあなたは、よくその任に当たられました。 上越市議会におきましては、建設企業常任委員長として2期にわたり、その職責の全うに専心されました。 上越市誕生の最大の課題であった新庁舎の建設、またこの時期混乱を呈していた関川改修事業本町大町地区土地区画整理事業の促進に、委員長としてその才能を十二分に発揮されました。あなたは、とりわけ直江津港の整備に全力を挙げ、年を追ってその機能充実が図られたのであります。 あなたは、常々直江津駅は上越市の表玄関であると述べられ、直江津駅周辺の改造を強く訴えられ、卓越した政治力を持つあなたの活動により、直江津駅前広場及び周辺整備事業は着々と進み、本年3月には上越市レインボーセンターが竣工したのであります。使命感に燃え、直江津市及び上越市の発展に尽瘁されたあなたは、平成元年4月、地方自治功労により、藍綬褒章を受章されたのであります。 斉藤さん、あなたの誠実さと信念ある議会活動は、市民はもとより私ども議員にとっても信望の的でございました。ベテラン議員として卓越した政治手腕を発揮され、今後の御活躍が期待されていたのであります。 斉藤さん、あなたとは国鉄時代の先輩、後輩として、議会活動、議員としての行動、市政においてお導きをいただきました。私は、生涯あなたのお教えを忘れるものではありません。 今は亡き先輩議員でありました木原正信さんは、あなたの壇上における一般質問での格調高い論陣を張られるその姿勢、熱弁を常に範としなければならないと私に話しておられたのであります。斉藤さん、あなたの壇上でのお姿にもう接することはできません。まことに痛恨のきわみであります。 今は住宅が密集していますが、20年ほど前はあなたの御町内安国寺と私の住む石橋とは隣でありました。あなたは選挙のときには、苗代づくりをしている私どもの農作業をしているところへもおいでになり、街頭演説をされておられました。また、町内会でもみこしのときにはその先頭に立ち、民謡流しでは踊りを青年のときからよくされたあなたは指導され、スポーツでは議会での野球選手として活躍されたことは御案内のとおりであります。 一方、各種選挙、とりわけ衆議院選挙では参謀として心血を注いでこられました。あなたの御活躍が、今私の脳裏に走馬灯のように浮かんでまいります。 各分野に深い識見と練達した手腕を発揮されるあなたを失ったことは、市政にとって大きな損失であります。また、奥様を初め御家族の御心情を思うとき、お慰めの言葉もございません。 斉藤さん、志半ばとて、本当に悔しく、残念だったと思います。あなたのお気持ちを推しはかるとき、哀愁の情きわまって、今は申し上げる言葉も見出せません。あなたの多年にわたる市政に残された数多くの御功績は、長く私たちが敬慕するところであり、あなたが築き上げようとした理想とその実現への情熱を引き継ぎ、上越市政発展のために一層の努力を誓うものであります。 ここに、ありし日の故斉藤隆治議員の面影をしのび、同僚議員の皆様とともに心から御冥福をお祈りし、御遺族の前途の平穏と我が上越市の発展に御加護を賜りますようお願い申し上げて、追悼の言葉といたします。 平成2年12月4日、山口昇。                    〇 △日程第4 議案第66号より第81号及び報告第21号 ○議長(松永芳男君) 日程第4、議案第66号より第81号及び報告第21号を一括議題といたします。 提出者の説明を求めます。 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 本日ここに、平成2年第5回市議会定例会を招集し、提案いたしました案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 議案第66号は、平成元年度一般会計の、また議案第67号から第71号までは各特別会計の歳入歳出決算の認定についてでありますが、認定に付すに当たり、元年度の財政環境及び収支の状況、さらには主要事業の成果について御説明申し上げます。 まず初めに、平成元年度における市政運営の背景となった経済動向及び財政環境について、振り返ってみたいと存じます。 昨年1月、政府は「平成元年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」を決定いたしました。それによりますと、「日本経済が内需主導型の経済成長を実現している中で、国の財政は改善傾向にあるが、依然として巨額の国債累積に伴う国債費負担や、特例公債発行が余儀なくされ、極めて厳しい状態が続いている」として、経済運営に当たっては前年度とほぼ同様、内需を中心とした景気の持続的拡大世界経済活性化への貢献、行財政改革の推進、物価の安定維持など6項目が基本方針とされました。 そして、御案内のとおり一昨年の12月に成立し、平成元年度から実施された税制の抜本改革は、国及び地方の財政構造に大きな変化をもたらすこととなりました。 すなわち、昭和25年のシャウプ勧告以来日本の税制は、産業構造の変化や所得水準の上昇、あるいは消費の多様化などに伴って現在の経済社会との間に不整合を生じ、国民の税に対する不満が高まってきたことから、所得、消費、資産の間で均衡のとれた税体系を構築するため、所得税・住民税の大幅減税や消費税の創設などを柱として改革が行われたのであります。 このような状況の中で、平成元年度の国の当初予算は、基本的には前年度と同じく、急速に進行する人口の高齢化や国際社会における責任の増大など、社会経済情勢の変化に対処していくこと、また財政改革を強力に推進してその対応力、すなわち財政の弾力性を一日も早く回復することを最大課題としながら編成されました。 その結果、国の一般会計予算は前年度比 6.6%増、このうち国債費や地方交付税交付金を除く一般歳出も 3.3%増という、ともに昭和56年度以来の伸び率になりました。そしてこの中で、景気の持続的拡大に伴う税の増収見込みを踏まえて、特例公債依存体質からの脱却を平成2年度に目標設定し、公債の減額に努めた結果、公債依存度は昭和50年度の特例公債発行開始以来、最も低いものとされたのであります。 一方、地方財政につきましても、累積した巨額の借入金残高を抱えて引き続き厳しい状況にあることから、元年度の地方財政計画は、歳入面においては、地方債の抑制、並びに税負担の公平適正化地方交付税所要額の確保を図り、また歳出面では、経費全般にわたって節減合理化に努めつつ、個性豊かで魅力ある地域づくりに必要な単独事業費の確保を図ることを基本として策定されましたが、地方財政計画の規模としては前年度比 8.6%という、過去10年間で最も高い伸び率となりました。特に地方税、地方譲与税地方交付税のいわゆる一般財源については、税制改革関連では減収超過となるものの、税収の自然増が見込まれることから13.1%増で計画され、弾力性の増した内容になったのであります。 しかしながら、国の予算と地方財政対策を通じて最大の課題となっていた国庫補助負担率の取り扱いにつきましては、御案内のとおり一部見直しがなされたものの、地方団体の強い要求にもかかわらず、完全復元は実現されなかったのであります。 さて、以上のような経済見通しや財政計画のもとで迎えた元年度の日本経済は、引き続き内需主導型の成長を続けてまいりましたが、特に民間企業設備投資の急増などに支えられ、経済成長率は名目で 6.9%、実質では 5.0%と、それぞれ当初見込みの 5.2%及び 4.0%を大きく上回る実績を示しました。 また、国においては好調な税収を背景に本年2月、6兆円に達しようという過去最大の補正予算を組み、これに伴って地方財政についても約1兆 6,000億円の補正措置により、交付税特別会計借入金返済のほか、地方交付税において本格的な高齢化社会の到来に備えるため地域振興基金費を新設、また財源対策債償還基金費の追加がなされたところであります。 それでは、続いて上越市の平成元年度決算につきまして、一般会計を中心に御説明申し上げます。 元年度の一般会計当初予算は、これまで述べてきたような経済見通し及び予測される財政環境のもとで、税制の抜本改革などに伴う財政構造の変化を勘案しつつ編成いたしました。 特に、景気がなお拡大を続けると期待される中で、市を取り巻くビッグプロジェクトの進展、すなわち前年7月の北陸自動車道全線開通に続いて、上信越自動車道上越-中郷間が整備計画線に格上げされ、さらに北越北線の高速化及び北海道定期航路の開設が決定されるなど、まさに市が、基幹動脈の集積する要衝として期待されるところから、「未来と真向かいに立つ都市の創出」を基本に、前年度比 6.7%増の積極予算としたところであります。 そして年間を通じ、個性豊かな市の特性を生かしつつ、さらに一層地域の活性化と市民福祉の向上を図るため、後に述べます諸事業を精いっぱい推進してまいりました。 その結果、一般会計の決算額は歳入総額 353億 819万円(以下、万円未満省略)、歳出総額 345億 3,304万円となりました。これを前年度と比較いたしますと、歳入は35億 9,791万円(11.3%)、また歳出では39億 1,909万円(12.8%)の増となり、ともに昭和56年度以来の高い伸び率を示したのであります。 次に収支の状況でありますが、まず歳入歳出差引額(形式収支)は、7億 7,515万円で、ここから繰越明許によって翌年度へ繰り越すべき財源1億 8,693万円を差し引いた実質収支では5億 8,821万円の黒字になりました。なお、実質収支比率は、前年度より 2.9ポイント下がって 3.3%になりましたが、これは通常望ましいとされる3~5%の範囲内に位置しております。さらに、前記実質収支から前年度の実質収支9億 9,342万円を差し引いて元年度だけの収支の差をあらわす単年度収支は、4億 521万円のマイナスになりましたが、これに歳出中の黒字要素、すなわち財政調整基金積立金や地方債の繰上償還金を加えた実質単年度収支は 5,607万円の黒字となり、健全財政を維持することができました。 一方、人件費、扶助費、公債費など容易に縮減することができない経常的経費に、普通税や普通交付税を中心とする経常一般財源がどの程度充当されているかを見ることによって財政構造の弾力性を判断する経常収支比率は、前年度より 4.1ポイント上がって67.9%となり、一層弾力性が増した決算となりました。 なお、不用額は合計10億 5,458万円で、前年度に比べて約2分の1に減りました。不用となった主な理由は、中小企業融資を中心とした貸付金の利用実績が前年度より顕著に増加したものの、見込みよりは少なかったこと、それに予備費とで不用額の約60%を占めているほか、執行差金及び経常経費の節減努力などによるものであります。 以上のように、平成元年度も健全な財政運営を図りつつ、計画した諸事業を予定どおり、積極的に推進することができました。これもひとえに市民の皆さんから、財政運営の根幹となる納税を初め、行政施策全般にわたって深い御理解と御協力をいただいたたまものであり、心から感謝申し上げたいと存じます。 続いて、決算の特徴について歳入から御説明いたします。 元年度は税制改革によって、御案内のとおり地方財政においては、個人住民税の減税や既存間接税の縮減・廃止がなされ、また所得税減税などに伴い地方交付税も減収となる一方、新たに導入された消費税収入額の39.2%が、消費譲与税及び地方交付税として配分されることになりました。 そこでまず、歳入の根幹をなす市税でありますが、総額では 1.1%増という、これまでになく低い伸びにとどまりました。 この要因は、法人市民税が過去2ヵ年の大幅な伸びの上にさらに11.5%増となり、また固定資産税、都市計画税も前年度の伸び率を上回る増収が見られたものの、税制改正によって個人市民税は 0.5%の微増にとどまり、電気及びガス税が旧法による2ヵ月分のみの収入となったことなどによるものであります。 これに対して地方交付税は、40.8%という過去最高の伸び率となりました。市では当初、税制改革に伴う消費税の交付税算入、地方財政計画で示された17.3%の伸びなどを勘案の上、基準財政収入額及び需要額を積算し、前年度当初比27%増、決算見込みに対しては15.8%増で予算計上を行いましたが、交付税の原資となる国税の大幅増収などに伴って地方財政につきましても補正措置が行われた結果、このように大きな伸びとなったものであります。 なお、新設された消費譲与税については、ほぼ当初見込みどおりの収入となりました。 国庫支出金は、福祉施設への入所増を図ったこと、また建設事業では引き続き学校建設、都市計画事業、道路整備などを積極的に推進したほか、新たにレインボーセンターの建設を実施したことなどから 4.7%の増となりました。 なお、さきにも述べましたとおり、国庫補助負担率につきましては元年度にその見直しがなされ、経常経費系統は一部復元の上恒久化されたところでありますが、地方の強い復元要求にもかかわらず、投資的経費については、暫定措置がさらに2年間継続されることとなったのであります。この結果、元年度一般会計の削減影響額は1億 7,330万円、これに、恒久化された経常経費分も含めると、5億 2,458万円に達しております。 市債は、国庫支出金で触れた諸事業のほか、リゾートセンター、物産センター、少年野球場など単独事業の積極推進に伴い、34.1%増となりました。このほかでは、利子割交付金、寄附金、繰越金、さらには商工関係貸付金の実績増に伴う元利収入など諸収入の伸びが目立っております。 次は、歳出面の特徴でありますが、これを決算統計の性質別区分によって御説明をいたします。 まず、義務的経費は、決算額においては前年度比 4.3%増でありますが、歳出総額に対する割合では 3.2ポイント下がって38.8%となりました。 このうち人件費は給与改定などに伴い 3.6%増となりましたが、構成比では 1.8ポイント下がって20.5%となり、類似団体11市平均21.4%より 0.9ポイント低くなっております。 また、扶助費は生活保護費が該当者減によってマイナスとなったものの、各種措置費の充実などにより 7.2%増となりました。 公債費においては、元年度も後年度の財政負担に配慮して4億 4,844万円の繰上償還を行いましたが、昭和50年代からの繰上償還や60年度からの起債発行の抑制、さらには近年の利率低下などが相まって前年度比 4.0%と過去2番目に低い伸び率となったところであります。 なお、公債費比率は前年度より 0.5ポイント下がって16.0%になりました。 次に物件費は 9.3%増でありますが、これは主にごみ収集の民間委託及び住民記録電算化の進捗に伴うもので、需用費については経費節減努力により 1.2%増にとどめることができました。 積立金は、地方交付税への財源対策債償還基金費算入に伴う減債基金及び地域振興基金費算入に伴う社会福祉施設整備基金、さらには高田城の再建基金などの新設によって前年度の5倍強となりました。この結果、年度末における一般会計関連の基金現在高は、土地開発基金などの定額運用基金を除いて33億 231万円に達しました。 このほか、維持補修費は、4年連続の少雪ではありましたが、特に少なかった前年度に比べ降雪量が3倍程度となったことなどから19.9%増、投資及び出資金貸付金は、北越急行株式会社及び株式会社情報センター上越の設立に伴う出資金や、商工関係を中心とした貸付金の増に伴って28.3%増、さらに繰出金は公共下水道事業の積極推進などにより26.7%増と、それぞれ大きな伸びを示したのも決算の特徴であります。 なお、補助費等は前年度に上越環境施設組合の 140トンごみ焼却場が完成したことなどから2%の減となりました。 最後に投資的経費、すなわち建設事業費でありますが、歳出決算総額の伸び率を上回る14.4%増となりました。その構成比29.4%は、類似団体平均の25.7%に比べて 3.7ポイント高く、本市の都市基盤整備などにかける姿勢があらわれた内容となっております。増加した主な理由は、新規事業ではレインボーセンターの建設、物産センター及び少年野球場への着手、また今泉・高士両スポーツ広場の整備などがあり、継続事業でも市道整備、土地区画整理、市営住宅建設、さらにリゾートセンターや高田スポーツセンター建設費などの増に伴うものであります。 続いて、元年度に実施してまいりました主要事業について、当初予算編成時に目指した重点項目に沿って御説明いたします。 まず、『都市基盤の整備』であります。 御案内のとおり、道路の整備は都市発展を支える基盤づくりの根幹であり、今もなお市民要望の最も強い課題であります。このため本市では、毎年度道路整備を最重点施策として取り組んでまいりましたが、元年度も身近な生活道路の未整備区間解消に努めるとともに、北陸自動車道の開通、関川改修や直江津港整備など大型事業の進展に伴い、地域間基幹道路のネットワーク化が重要になってきたところから、都市計画街路を含めこうした幹線の整備を積極的に推進してきました。その結果、元年度末における市道の舗装率は83.6%、改良率では69.3%と、より一層高い整備水準に達しました。 次に、既成市街地の再生を目指して進めている本町大町地区土地区画整理事業は、本町5丁目のほぼ全街区を完成させるとともに、同地内の高田駅北城町線を拡幅整備し、駅前通りとしてイメージアップを図りました。この区画整理に合わせ、地元商店街では共同駐車場の整備を進められ、これまで困難性をかこっていた既成商業地の駐車場確保に新しい方向を示されたのであります。 なお、直江津駅周辺を対象としたレインボープロジェクト計画の中で、市役所北出張所も組み入れたレインボーセンターを建設いたしましたが、当センターでは今、連日予想以上に利用され、地域コミュニティーの中核施設として大きな成果を上げているところであります。 一方、良質な宅地開発を目指し、組合施行で進められている春日山及び五智国府土地区画整理事業は、ともに本格的な造成に入りましたが、両地区では山麓線の築造も進んでおります。また、戸野目地区についても組合が設立され、事業に着手されました。 公園につきましては、高田公園に大型アスレチック遊具「ザイルクライミング」を設置し、また前年度に完成を見たスポーツ公園に追加工事として便所を設置したほか、各公園の植栽など修景整備に努めました。なお、高田公園は日本さくらの会から「桜の名所百選」に選ばれたところであります。 都市下水路事業は、引き続き3地区で推進してきましたが、17年の歳月をかけた寺町都市下水路が完成し、また稲田第一雨水幹線も流雪溝としての機能をあわせて整備を終了いたしました。 特別会計で対応している公共下水道は、予定より早く昭和63年度末に直江津地区の一部で供用開始しましたが、元年度末には処理区域が 100.5ヘクタールに達し、快適で清潔なまちへと大きく前進をいたしました。一方、高田地区につきましても、鋭意整備を図った結果、予定を大幅に早めてこのたび一部供用を開始したところであります。 住宅建設につきましては、市営中通住宅12戸を完成させるとともに、同団地の整備計画の検討を開始し、新たに安江住宅12戸の建設に着手いたしました。 第2は、『教育文化の振興』であります。 学校建設につきましては、市内すべての小中学生が一日も早く良好な教育環境のもとで学習することができるよう、引き続き木造校舎の解消と規模の適正化を目指して積極的に推進してまいりました。 まず小学校では、諏訪小学校校舎及び高士小学校体育館の建設と保倉小学校の増築工事を完成させ、新たに北諏訪小学校の建設に着手しました。一方、中学校では、雄志中学校、八千浦中学校の体育館建設及び直江津東中学校の校舎増築が終了し、新たに谷浜・桑取両中学校の統合に伴う潮陵中学校の建設に着手いたしました。 以上の結果、市立小中学校39校のうち、本校の木造校舎は中ノ俣及び桑取小学校の2校を残すのみとなりましたが、御案内のとおりこの両校につきましても平成2年度に着工いたしましたので、3年度には懸案の木造老朽校舎解消が実現するのであります。 なお、このほか直江津及び保倉小学校の大規模改造、城西及び直江津中学校の部室建設、さらに各校の施設改善に精いっぱい努めてまいりました。明るい子どものまち推進事業は、地域社会の中で子供たちの健全育成を図り、地域の一員として協調心を培う面で大きな成果を上げつつ8年目を迎えました。元年度も子どもの家を4ヵ所、子どもプールを2ヵ所新設したほか、子ども天国などイベント面でもそれぞれ工夫を凝らしながら実施したところでありますが、事業は全国的にも注目を浴び、多くの市町村から照会が寄せられております。 次に、生活水準の向上や自由時間の増大に伴って心の豊かさを求める傾向が急速に高まっており、教養・趣味などの生涯学習や、スポーツ・レクリエーション活動のための場と機会の充実が一層強く望まれております。 元年度、社会教育施設の面では、新しい時代にふさわしい文化・情報センターとしての図書館建設を目指して基本構想を策定し、公民館では、三郷・八千浦両分館に調理実習室を新設いたしました。また、既に触れた「レインボーセンター」など、教育以外の分野においてもコミュニティー施設の整備に努め、市民の交流や学習意欲の高まりにこたえてきたところであります。 なお、最近高田城の再建に対する期待が急速に高まってきていることから、当城のシンボルと言われた三重櫓の跡地発掘調査を実施するとともに、これを現代によみがえらせるため、再建基金を設置いたしました。 ソフト事業につきましては、やはり教育機関のみにとどまらず、各部門で講座の充実など学習機会の提供に努めたほか、総合博物館では大正ロマンあふれる画風で知られた竹久夢二展を開催、また水族博物館、文化会館、リージョンプラザなどでも趣向を凝らした事業を行い、それぞれ好評を得たところであります。 なお、水族博物館とリージョンプラザ上越は、ともに開館以来の入館者が 300万人を記録したところであります。 スポーツ施設の整備も積極的に進めました。まず高田公園には、柔剣道を中心とした利用に供するため、前年度から建設してきた高田スポーツセンターを完成させ、また子供たちの旺盛な野球熱にこたえるため、地方交付税に算入された“ふるさと創生資金”を活用して少年野球場の建設に着手いたしました。 このほか、今泉野球場にナイター照明設備を備えるとともに、周辺一帯を整備して広い面積のスポーツ広場とし、学校統合によってあいた高士中学校跡地もスポーツ広場への転用を図ってまいりました。 第3は、『産業経済』の振興であります。 まず、農業でありますが、近年の食生活の変化、専業農家の減少などに伴って農業生産の構造変化が余儀なくされ、特に米の自由化要求が強まっている中で、昔から稲作中心に生きてきた本市農業も厳しい局面に立たされております。 このため、元年度も適地適作による農業振興を図るため、良質米の生産拡大とその消費拡大に努めつつ、3年目を迎えた水田農業確立対策のもと、転作の円滑な推進、すなわち積極的な補助導入と市単独事業の充実を図り、転作用機械化や団地化の促進、転作重点作目の作付拡大など、さまざまな手だてを講じてきたところであります。 また、稲作と転作作物とを問わず、生産基盤の充実こそ重要であることから、中核農家の育成や農地の集約化を促進するとともに、農村基盤総合整備事業や農村総合整備モデル事業を初め、各地域の農道整備、湛水防除、かんがい排水事業などにもできる限りの配慮を行い、農用地の高度利用に努めてまいりました。 林業関係では、広域基幹林道南葉高原線など森林資源活用の基礎となる林道開設に努め、南葉高原キャンプ場にはシラカバを植栽するなど文字どおり高原としてのイメージアップを図りました。また、緑の仇敵ともいうべき松くい虫防除に思い切った対策を講じ、春日山など山麓一帯を中心に緑の保全に努めました。 なお、農林関係予算をもって、旧四辻保育園を多目的研修センターとして再生させ、2地区の集落開発センターへの助成とあわせ農村地域のコミュニティー推進に配慮したところであります。 景気好況の中で、本市の各企業でも積極的な経営が続けられており、まことに力強い限りであります。これを反映して昭和63年度後半から資金需要が大きくふえてきたため、元年度は各種融資枠の拡大を図りました。この結果、工場建設資金を含めた商工関係の貸付金は、前年度より34.1%増という大幅な伸びを示し、産業振興に大いに役立てられたのであります。 また、本市の特産品や製造品を広くPRし、企業と市民との結びつきを一層強めながら生産及び販路の拡大、ひいては地域の活性化を図るため、初めての試みとして「上越産業フェア」を開催したところ大変な好評を博し、大きな成果をおさめることができました。 なお、本市産業の振興と観光誘客の拠点施設として、立地条件に恵まれたリージョンプラザ上越の南側で「物産センター(仮称)」の建設に着手いたしましたが、現在その完成を急いでいるところであります。 観光対策につきましては、本市の代表的な観光拠点である浄興寺、林泉寺などへのアクセス道を整備したほか、主要箇所にわかりやすい観光案内板を、また「奥の細道」 300年記念事業として市内6ヵ所の芭蕉の句碑に解説板を設置するなど、市を訪れる観光客の便を図ってまいりました。 なお、イベント面では、恒例の諸行事充実に努めましたが、このうち2回目を迎えた関川いかだ下りには前年を大きく上回る85チームが参加し、新しい観光行事として定着させることができました。 第4は、『市民福祉の向上』であります。 近年、高齢化や核家族化が急速に進む一方、精神的な豊かさを求める市民志向の高まりなど、社会福祉を取り巻く環境は大きく変化してきており、こうした変化に応じたサービスの提供が強く要請されております。このような中で、市では、市民が健康で安心して生涯を過ごせるような「明るい、活力ある長寿・福祉社会」を築くことが課題であることの認識に立って、元年度も各種福祉施策の展開に努めてまいりました。 まず、「リゾートセンターくるみ家族園」の建設であります。市民の皆さんに健康増進を図り、“だんらん”の時を送っていただくため、緑を眺めながら、また緑の中で入浴や軽スポーツを楽しめるよう、広大な隣接林地の利用もあわせたレクリエーション施設といたしました。この結果、元年11月のオープン以来予想をはるかに上回る人々に利用され、大変喜ばれております。老人福祉対策につきましては、7月、上越地方の市町村が協力して新井市に特別養護老人ホーム「みなかみの里」を開設し、当面の入所希望者に対応いたしました。また市では高志児童館に託老所を併設し、痴呆性及び虚弱な老人を抱える家庭の日常生活の便宜を図りました。 さらに、春日山ゲートボール場の増設、老人趣味の家の冷房装置、フラワーセンターの講義棟建設、あるいは老人憩いの家「磯野園」の改装などにも努めてまいりましたが、これらの施策が国に認められ、「高齢者のいきがいと健康づくり推進事業」に採択されたのであります。 このほか、老人クラブへの助成、敬老祝金、在宅ねたきり老人見舞金などの増額を図り、新たにひとり暮らし老人の異常時対策として緊急通報装置を導入いたしました。 次に心身障害者福祉対策でありますが、身体障害者通所授産施設「つばき工房」及び精神薄弱者更生施設「にしき園」への新規入所を図るなど、各福祉施設への入所委託を大幅に拡大し、障害を持つ人たちの社会参加と自立心の醸成に努めました。また、地域の福祉団体が運営している通所援護施設「ポプラの家」に対しても増額助成を行いました。 なお、平成2年度の予算編成に際し、地域福祉在宅福祉の拠点となる「総合福祉センター」の建設を計画いたしましたが、これら今後の社会福祉施設整備に対応するため、新たに基金を設置したところであります。 市民の健康管理につきましては、増加する成人病対策として啓発活動や健康診査の充実に努めてまいりましたが、このうちがん検診では延べ2万 3,000人余りの受診者を数え、異常者を早期医療に結びつけることができました。 環境衛生面では、前年度民間委託に踏み切ったごみ収集の一層の円滑化を図るとともに、町内ごみ集積所の施設設置助成を行い、まちの美化に努めてきたところであります。 最後に、今高度情報化が急速に進み、社会のあらゆる分野に浸透しつつありますが、これを地域振興や地域間格差の是正にどう結びつけていくかが、今後の行政にとって極めて重要な課題であります。 御案内のとおり、本市では昭和61年に郵政省から「テレトピア構想モデル都市」に指定され、都市情報・生活文化情報・福祉情報システムの推進による快適な都市環境の創造を目指しておりますが、平成元年度には、その実現を図るため第三セクターによる「(株)情報センター上越」を設立し、まず、雪情報システムを中心に試験研究を開始したところであります。 以上、平成元年度の決算状況と主要事業について一般会計を中心に述べてまいりましたが、特別会計も含めてその詳細は資料としてお届けした「決算の概況」をごらんいただきたいと存じます。 議案第72号は、平成2年度上越一般会計補正予算であります。 歳入歳出予算総額に9億 1,430万円を追加し、予算規模を 376億 2,238万円といたしました。 今回の補正は、まず歳出では、国県支出金の内示及び交付決定に伴って補助事業費の補正を行うほか、農地・農業用施設災害復旧事業、退職手当、減債基金積立金、商工関係貸付金及び物産センター(仮称)内装工事費などの追加計上が主なものであります。 歳入は、国県支出金の補正とともに、安江住宅建設事業及び本町大町地区土地区画整理事業の一部がNTT資金対象とされたことに伴い市債を追加するほか、積雪級地の見直しなどにより普通交付税が増加いたしましたので、これを補正するものであります。 それでは、歳出予算について款を追って御説明いたします。 総務費は、4億 4,932万円の補正であります。 まず、一般管理費では、新たに希望退職者5名の申し出がありましたので、その退職手当を計上いたしました。 次に、財産管理費は、昨年度に引き続き財源対策債償還基金費が普通交付税に算入されましたので、これを減債基金に積み立て、後年度の公債費負担に備えるものであります。 雪害対策費では、冬期集落保安要員の県補助金交付要綱が改正されましたので、これにあわせて報酬改定費用を計上いたしました。 統計調査費では、国勢調査などの委託金が交付決定されましたので、所要額を補正するものであります。 民生費は、 4,876万円の補正であります。 社会福祉費では、国県補助金交付要綱の改正に伴い、家庭奉仕員等の報酬改定費用及び軽費老人ホーム管理運営委託料を補正するほか、利用者の増加に伴って老人短期保護事業委託料を追加するものであります。 児童措置費では、国の保育単価改正及び措置児童数増加等に伴い、私立保育園児童委託料と臨時保母等賃金を追加計上いたしました。 衛生費は、54万円の減額補正であります。 休日急患診療所費では、上越歯科医師会館改善工事に伴い、併設されている休日歯科診療センターに係る工事費を上越市外21市町村で負担するものであります。 し尿処理費では、受入貯留設備更新工事の入札差金を減額いたしました。 労働費は、 8,413万円の補正であります。 これは、工場建設が当初見込みより増加したことに伴い工場建設資金預託金を追加するものであります。 なお、工場設置奨励金は、年度の固定資産税が確定したことに伴って不用額を減額いたしました。 商工費は、1億 2,308万円の補正であります。 商工振興費では、来春のオープンを目指して建設を進めております物産センター(仮称)の展示販売場等内装工事費及び備品購入費を計上したほか、市制度融資の利用増加に伴い、中小企業振興資金預託金及び信用保証協会保証料補助金を追加計上いたしました。 土木費は、1億 8,197万円の減額補正であります。 まず、道路橋梁費では、飯藤新田春日山(停)線など6路線について、国庫補助金の内示がありましたので、それぞれ増減補正を行うほか、入札差金等の減額を行うものであります。 土地区画整理費では、本町大町地区土地区画整理事業に合わせて本町4・5丁目商店街振興組合が行っている近代化事業に対する補助金を追加し、アーケード建設の進捗を図るものであります。 また、このたび、快適な宅地供給を目指して新町今池土地区画整理組合が設立されましたので、その事業費に対する補助金を計上いたしました。 街路事業費は、安国寺国府線立体交差事業の組み替え補正でありますが、JRに委託する北陸本線仮線築造工事などの調査及び実施設計に時間を要し、委託事業年割額が変更されることになりましたので、これを市施行の道路築造工事費に組み替えるものであります。 住宅費では、安江住宅建設事業の国庫債務負担行為年割額が変更され、年度分事業費が増額されましたので、工事費を追加して事業の進捗を図るものであります。 教育費は、 1,006万円の補正でありますが、新たに1名の退職者がありましたので、その退職手当を計上いたしました。 災害復旧費は、 5,506万円の補正であります。 農地農業用施設災害復旧費では、台風19号などにより被災した西横山地内の道路を初め26件の復旧工事を行うものであります。 公債費は、 5,000万円の補正であります。 これは、最近の急激な金利上昇に伴って一時借入金利子が不足する見込みとなりましたので、所要額を補正するものであります。 歳入につきましては、これまで述べてまいりました各種補助事業の交付決定及びNTT資金への変更などに伴って国県支出金と市債の整理を行うほか、地方交付税6億 5,715万円、繰入金 529万円、諸収入1億 2,884万円などを追加計上いたしました。 また、特別地方消費税交付金につきましては、地方税法改正案が特別地方消費税改正部分を削除して可決されたため、これを減額するものであります。 なお、歳入歳出差引2億 7,701万円は予備費に計上して収支の均衡を図りました。 第2表は、債務負担行為の補正でありますが、都市計画街路直江津駅前通り線の駅前広場用地取得事業について債務負担行為を設定し、事業の進捗を図るものであります。 また、安国寺国府線立体交差事業及び安江住宅建設事業につきましては、先ほど申し上げましたとおり、事業費の年割額が変更になりましたので、これにあわせて補正するものであります。 第3表は、地方債の補正でありますが、歳入予算に計上いたしました市債と同額の限度額補正を行うものであります。 議案第73号は、議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部改正についてであります。 地方公務員災害補償法の一部改正に伴い、長期療養者の休業補償の補償基礎額に年齢階層ごとの最低・最高限度額を設定するなど、所要の改正を行うものであります。 議案第74号は、上越市立幼稚園の幼稚園医、幼稚園歯科医及び幼稚園薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部改正についてであります。 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、長期療養者の休業補償の補償基礎額に年齢階層ごとの最低・最高限度額を設定するなど、所要の改正を行うものであります。 議案第75号は、上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正についてであります。 国・県補助金交付要綱の一部改正に伴う各種相談員、家庭奉仕員及び冬期集落保安要員の報酬を改定するものであります。 議案第76号は、上越市こどもの家条例の一部改正についてであります。 こやすこどもの家の新設に伴うものであります。 議案第77号は、上越環境施設組合を組織する地方公共団体数の増加及び上越環境施設組合規約の変更についてであります。 平成3年4月1日から柿崎町・吉川町を新たに加えること及び規約を変更するものであります。 議案第78号は、退職手当の支給についてであります。 本山松郎前教育長の退職に伴い、支給する退職手当の額を決定するものであります。 議案第79号は、字の変更についてであります。 三郷地区土地改良総合整備事業に伴い、字の変更を行うものであります。 議案第80号は、住居表示の実施区域及び方法についてであります。 平成3年5月1日から街区方式により大字上稲田の一部の住居表示を実施するものであります。 議案第81号は、上越市部制条例の一部改正についてであります。 開発行為等にかかわる環境保全と公害防止の対応について充実すべく環境部を設置するため、条例の一部を改正するものであります。 報告第21号は、11月5日に専決処分いたしました平成2年度上越一般会計補正予算であります。 歳入歳出予算総額に 2,255万円を追加し、予算規模を 367億 807万円といたしました。 この補正は、12月9日に執行される参議院議員補欠選挙に要する経費を計上したものでありますが、財源に県支出金を充当し、差引不足額は予備費を減額して収支の均衡を図りました。 以上、提案理由を申し上げましたが、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。 ○議長(松永芳男君) これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。 13番、中村末蔵君。         〔中 村 末 蔵 君 登 壇〕 ◆13番(中村末蔵君) 私は、社会党議員団クラブを代表して、今議会に提案ありました議案のうち、あらかじめ通告しました三つの議案について総括質疑を行います。 最初に、議案第66号の平成元年度一般会計決算認定にかかわって、幾つかの点について、提案理由の要旨に沿って市長の基本的な見解を伺います。今ほど提案理由の提案説明で、平成元年度の財政環境をるる述べられましたが、それらに対する私どもの基本的な考え方は、平成元年度の当初予算の審議の際に問題点を指摘し、その見解を明らかにしてきたところであります。したがって、決算認定の質疑は、これまでの見解を背景としたものであることを踏まえての答弁を期待し、以下具体的にお尋ねをいたします。 第1は、決算及び同認定の意義についてであります。これまでも主張してまいりましたように、決算とは形式的には一つの会計年度での歳出入予算の実績をあらわした計算書であると同時に、実質的な意義は、予算の執行を通じて事業や行政目的が効率的に達成されているか。また、決算の分析を通して、将来の行財政運営の資とすることに重点が置かれるべきものと認識をいたしております。この立場は、これまでも何回となく主張しつつも、それは立場と見解の表明にとどまっていたのであります。したがいまして、この際私どものこの決算及び同認定の意義の認識についての市長の見解を伺いたいのであります。 第2は、税制改革と消費税についてであります。このことは、市政運営の背景として、経済動向及び財政環境に触れられ、特に税制の抜本改革では、①、国及び地方の財政構造に大きな変化をもたらしたこと。②、所得税住民税の大幅減税の一方で、消費税の創設などを柱に、所得、消費、資産の間での均衡のとれた税体系が構築されたことが強調されております。 そこで、一つには財政構造の変化の特徴についての見解。二つには、現行の消費税での逆進性はもとより、具体化してまいりました益税あるいは運用益などについての見解を改めてお聞かせをいただきたいのであります。 第3は、主要事業の成果に関連して、将来の行財政運営に資する観点から4点を伺います。一つは、直江津地区本町商店街開発の基本的な見解であります。高田地区での駅前及び商店街の整備成果を自賛されていますが、直江津地区のそれは全く見えてこないのであります。もちろん、今国鉄用地を活用したレインボープロジェクトでの直江津周辺の整備事業が進められていることは承知をしておりますが、そこでも商店街再開発の基本構想が示されていないのであります。たしか昭和55年度に同地区市街地再開発の手法調査が委託をされ、翌56年にコンサルタント案が発表されましたが、そのプランは住居と店舗を8階建ての共同ビルなどにするもので、率直に言って関係住民の合意の面からは不可能に近いものであったと記憶しているのであります。したがいまして、今後の方向性の問題として、直江津地区本町商店街開発の基本構想なり、基本方針でも結構ですから、明らかにしていただきたいのであります。 二つは、公共下水道第1次整備計画の完了の目途に対する見解であります。いささか異論もありますが、そのことは別にして、一部供用の開始が直江津、高田両地区とも予定より早まったことは喜ばしいことであり、その努力を多とするものであります。さらに、昭和55年度事業開始の第1次整備計画の面積 390ヘクタールのうち、ちょうど満10年を経た平成元年度末の面整備の完了は 119.8ヘクタールであり、またその進捗率を判断する物差しの一つとして、面整備率を見れば30.7%となることを承知しているのであります。 そこで、端的にお尋ねいたしますが、第1次認可の整備事業完了は平成5年とされておりますから、平成2年度を含めてもあと4年であります。もろもろの事情、状況を判断しても、計画年度内での事業完了は困難と見込まれますが、現時点での完了見通しの年度を明らかにしてほしいのであります。 三つは、高田城再建での市民合意の形成に対する見解であります。高田城再建問題では、我が党クラブは新規事業として市民の合意形成が不可欠であり、合意のためにも再建構想が明らかにされるべきと主張してまいりました。一方、市長はこれまでの行政経験の中から民意を酌み取ったその上での行政選択と決断であり、今こそ行政がイニシアチブをとるべきときと判断をしたと、このように言われたと思うのであります。私を初め党クラブ議員団の限られた範囲での市民の意見ではありますが、これを集約いたしますと、①、どのようなものをつくるのか負担も含めてわからない、このような疑問。②、地域活性化につながるのかとの疑問。③、直江津地区住民はおおむね冷ややかであるとの意見。このように集約をされるのではないか、このように受けとめておるものであります。このような市民意見に代表される再建に対する懐疑的な意見が多くあるわけでありますが、ぜひこれに対する市長の見解を承りたいのでありますが、一つにはこのような市民の意見をどのように受けとめられておられるのか。二つには、再建構想での関係者との協議の結論はどうなっているのかを、現時点で明らかにしていただきたいのであります。 四つは、これまでの農業施策に関連して、米自由化の問題に対する見解であります。農政の問題は、これまでも同僚議員から施策のあり方の問題として各般にわたり論議をされてきましたし、市長は先ほどの提案で、昔から稲作中心に生きてきた当市の農業も厳しい局面に立たされていると述べられているのであります。申し上げるまでもなく、昨日から開かれましたガット・ウルグアイ・ラウンドで最大の焦点としての農業問題、なかんずく米市場開放は予断を許さない状況と言われているだけに、直接の当事者である農民と農業関係者は、最後のとりでとしての稲作を死守しなければなりませんし、消費者もまた食の復権、安全食糧を求めるため、確たる方針を立てねばならないときだと考えるのでありますが、その意味から改めて米市場開放についての市長の見解を伺うものであります。 次に、議案第72号の平成2年度一般会計補正予算での歳入7款地方交付税中の普通交付税についてであります。補正額は6億 5,715万円余で、補正率は20.8%と高額、高率になっていますが、増額の理由と見解をお尋ねいたします。 最後に、議案第81号部制条例の一部改正では、その理由を開発行為等にかかわる環境保全と公害防止の対応充実を挙げられております。いま少しこの背景と目的を明らかにしていただきたいのであります。 ちょっと余談になりますが、職員間では、機構改革が人について回っているのではないか、このような疑問がささやかれておりますことをあえて申し上げながら、今回の部制条例の改正の背景と目的をお尋ねをいたしておきたいと思います。 以上であります。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 国の政治にかかわる問題について、私がここで詳しく申し上げることが妥当であるかどうかは、私自身若干、異議がないことはございませんけれども、せっかくの質問でありますので、お答えをいたします。 最初に、決算及びその認定の意義についてでありますが、行政における決算の役割及び目的は、一言で申し上げるならば、財政運営の中心である歳入歳出予算の執行結果を計数的に明らかにし、あわせて行政活動の総まとめをすることにあります。すなわち歳入面につきましては、予算に比べて収入がどのような実績を示したか。一方、歳出では予算の目的どおりに執行されたか。また、執行に違法または不当なものがなかったかということを明らかにするとともに、その結果を将来の財政運営の資料としていくことにあるのではないかと私は思います。通常民間企業経営における決算は、利潤追求や組織の存続、発展という面から、業績がどの程度達成されたかを明確にするものであり、予算に縛られて業績を抑えることは考えられないところであります。しかし、行政の場合は限られた財源をもとに予算を編成し、その範囲内においてどのように施策を進め、行政効果を上げてきたかを示すものでありますので、おっしゃるとおり議会における決算審査では、これらの検討が重要であると私も考えております。このため地方自治法及び同施行令においては、認定の対象となる決算書のほか、その事項別明細書、さらには主要な施策の成果を説明する書類、本市の場合は決算の概況としてまとめておりますが、これらをあわせて議会へ提出するよう定められているのであります。決算の取りまとめに当たっては、当該年度における財政構造をつかみ、次年度以降の予算の編成と執行に資するため、財政運営の姿が的確に把握され、分析されていなければなりません。このような財務分析は、全国統一基準で行われる決算統計があり、これは団体相互の比較資料としても必要なものであります。本市では、決算の概況、その他の資料で主要事業の成果とともに決算統計の概要もお知らせしてありますが、詳細については今後の委員会審議の中で十分御論議がいただかれると存じておるものであります。 なお、先ほど提案理由でも申し上げましたとおり、元年度も議会の御承認を得て計画した諸事業は、全体的に見て予定どおり推進した上、決算状況も健全かつ良好な結果を示すことができました。議員並びに市民の皆さんの御協力に対し、重ねて感謝を申し上げておるところであります。 これら決算の結果につきましては、将来の財政運営の重要な基礎資料といたしますが、当然この後引き続いて編成する新年度予算にも、今後明らかにされる国の経済対策や地方財政対策などをも見きわめつつ反映させてまいりますので、3月の予算審議の中で改めて御論議をいただきたいと存ずるものであります。 次は、税制改革に伴う財政構造の変化についてのお尋ねでありますが、先ほど提案理由で申し上げましたとおり、日本の税制度は昭和25年のシャウプ勧告以来長い間大きな改革がなされず、社会経済や国民生活の変化にマッチしないものとなってきたため、所得、消費、資産の間で均衡のとれた税体系を構築し、これによって安定した長寿福祉社会を実現することを目的に、昨年抜本的な改革が行われたものであります。御案内のとおり、この改革は所得税、住民税などの大幅減税及び消費税導入を柱とするものでありましたが、これによってまず国の財政につきましては、税収構造が大きく変わり、平年度ベースで見ますと、所得税、相続税、法人税の減税と物品税廃止などによって、9兆 2,000億円の減収となるのに対し、消費税創設などに伴う増収は6兆 6,000億円と見込まれ、差し引き2兆 6,000億円の減税となったのであります。一方、地方財政におきましては、住民税を中心とした減税と電気税など間接税の廃止、さらには国税減収に伴う地方交付税の減により、平年度ベースで3兆 170億円の減収となる一方、消費税創設によってその5分の1が消費譲与税として、また残りの24%が地方交付税として、合計2兆 1,300億円余が地方へ配分されることになり、歳入構造が大きく変化したのであります。この結果、差し引き減収超過額は 8,800億円余りとなり、これについては税の自然増収など地方の財政運営の中で負担することとされたのであります。 なお、本市の元年度決算における減収額は、当初見込みより約 900万円少なくなって、 7,182万円となりました。以上のような財政構造の変化は、日本の将来を展望しての税制改革、すなわち制度の変革としてなされたものであり、地方財政にとっては減収超過分の完全補てんも期待したいところでありますが、国、地方ともに負担を分かち合うという観点から、やむを得ないものであったと考えざるを得ないのであります。 なお、歳入構造分析の面から、財政基盤の安定性及び行政活動の自立性を図る指標の一つとして、自主財源と依存財源の区分が行われますが、税制改革によって各団体とも必然的に依存財源の比率が高くなるため、地方にとっては残念なことではありますけれども、これは国の施策であり、各市町村同一な全国的の問題でもありますから、これによって当市の行政活動の自立性、安定性を云々することは当たらないと私は考えております。 次に、消費税制度に対する見解を述べよとのことでありますが、このことにつきましては既に幾たびとなく申し上げてまいりましたとおり、今後の均衡ある税体系を構築するため、他の減税を伴いながら創設されたところであり、基本的にはやむを得ないものと考えております。そして、実施後既に1年8ヵ月が過ぎ、国民の間にある程度定着してきた感があることも、また否定できないところであります。しかしながら、もとよりこれがすべて容認されて現在に至ったものではなく、当然見直しがなされるという期待のもとに推移しておるのであります。御案内のとおり、本年6月には自民党の見直し案及び野党4会派の廃止案が国会で審議されましたが、衆参ねじれ現象と言われる中で、いずれも廃案となったのであります。そして、その後は格別な進展も見られませんでしたが、先月末の税制問題両院合同協議会の専門者会議で、各党とも平成3年度予算編成に向けて当面の対応として、消費税を見直すことで足並みをそろえたと新聞報道などがなされていることもまた御承知のことと存じます。したがいまして、この上は国における見直しの審議を待つのみでありますが、今は各方面から指摘された問題点について適切な対策を講じ、国民の十分な理解と協力が得られるよう一日も早い解決を期待しているところであります。 なお、これも御案内のとおり、現在の税制では、消費税収入額の39.2%、約4割が地方一般財源として措置されておりますが、今後の見直しによって、地方負担の増を来すことがないよう、またこれを目的財源化することのないよう、関係団体とともに強く要望してまいりたいと存じております。 次に、直江津地区本町商店街等の問題でありますが、御案内のとおり昭和63年北陸自動車道の開通、平成8年には直江津駅乗り入れとなる北越北線の開業、さらにまたほぼ同時期には上信越自動車道が北陸高速自動車道と結節するなど、高速交通網が整備される中で、大型店の郊外立地などに伴い変革を迫られる既存商店街の整備には、地元商店街のみならず行政としても十分対応しなければならない重要な課題であることは常々申し上げておるところであります。このような情勢の中で、直江津商店街の整備は、その拠点となる位置を直江津駅前周辺と考え、建設省のレインボープロジェクトの導入など、いち早く手がけてまいりましたほか、現在は駅前広場の整備とこれにアクセスする街路の整備に取り組んでおりますことは、御案内のとおりであります。幸いJRを初め建設省等関係機関の協力を得て、街路事業として事業認可を受けるとともに、広場の用地買収もほぼ完了する見通しとなり、来年度には駅舎改築と広場造成事業に必要な補償関係から着手できる見通しとなってまいりました。さらにまた、主要なアクセス街路である安国寺線の未整備区間、北地区集会所までの延長 350メートルについて、平成3年度の事業採択に向け現在手続を進めているところであります。また、駅前商店街に直接連檐する横町商店街につきましても、レインボーセンターが本年4月に完成し、商店街振興組合の諸活動やまちの活性化の新たな拠点として利用されているところであります。今後さらに地域商店街の振興を期するため、定住拠点緊急整備事業・レインボープロジェクトの一環として、当センターから横町商店街に向けてプロムナードの整備を計画しており、レインボーセンターの機能と商業活動を一体化させるため、近くその建設に着手する方針であります。また、中央商店街につきましては、荒川橋及び国府東雲環状線の整備を根幹施策として鋭意取り組んでいるところであります。今後とも地域の皆さんと相図りながら、道路の整備、アーケード化など、商店街振興等について模索検討してまいりたいと考えております。 なお、中央商店街から要望のありました8号バイパスから流入街路となる本町通り北谷内線につきましては、平成元年に佐内町方面から街路事業の新規採択が実現し、現在用地買収補償業務を進めているところであります。いずれにいたしましても、本町商店街の開発につきましては、駅前周辺整備と街路事業の推進を当面基本事業としてこれをとらえ、これに沿った諸施策を検討してまいりたいと存じておるものであります。 次に、公共下水道第1次整備計画の完了目途への見通しについてでありますが、公共下水道事業につきましては、昭和54年度から第1期計画として直江津処理地区 122ヘクタールと高田処理地区 268ヘクタールの合計 390ヘクタールを整備目標に、鋭意事業の推進に取り組んでいるところであります。御案内のとおり、終末処理場の完成により昭和63年度末には念願の直江津処理区の一部を供用開始し、事業の進捗に合わせ区域の拡大に努めてまいりました結果、現在処理区域面積は 107.5ヘクタールに達し、市街地における生活環境の向上に大きく寄与しているところでございます。高田処理地区につきましては、当初予定では平成4年度の供用開始を目標に整備を進めてまいりましたが、予定を早めてこの12月1日から23.2ヘクタールを一部供用開始したところであります。なお、2年度末までの整備予定面積を申し上げますと、直江津処理地区 108.2ヘクタール、高田処理地区31.8ヘクタールで、合わせて 140ヘクタールとなり、進捗率にして35.8%となります。 次に、今後の見通しについて申し上げますと、国における平成3年度を初年度とする第7次下水道整備5ヵ年計画案では、総投資額19兆円をもって下水道の整備を図るものとなっております。下水道事業を推進していく上では、何といっても国の予算確保を図ることはもちろんのことでありますが、一方下水道工事は市街地の市民生活に密着した道路に埋設されるため、警察、各町内会など緊密な連携を図りながら、交通確保には万全を期す必要があり、その整備面積がおのずと限定される特殊事情を有していることは、御理解のとおりであります。しかし、何といっても国の予算との関連に大きく左右される案件でありますので、事業認可における完成時期を若干延伸せざるを得ないと考えております。その時期は明確には申し上げられませんが、3年あるいは4年程度と見込んでおるものであります。今後とも公共下水道事業の推進につきましては、国県に対して予算の拡大が図られますよう最大限の努力を払ってまいる所存であります。 次に、高田城再建の市民合意についてでありますが、近年史跡を初め先人の残した文化遺産を発掘保全しようとする動きが急速に広がっていることは、全国的な一つの風潮であります。上越市におきましても、歴史的、文化的遺産の保全にあわせ新たな観光資源の創出について、議会の皆さんを初め市民の皆さんから強く要請されてきたところであります。そして、歴史的に由緒ある高田公園に高田城を再建したいという意見は、既に長い間市民の皆さんの中に言われてきたことであり、あなたも御承知だと思います。一方、昭和62年夏開催した城下町フェスティバルを契機に、その機運が一挙に高まり、高田観光協会では総会において、一日も早く高田城の再建をと高田城再建準備委員会を設置するとともに、活発な署名運動を展開し、1万四千余名の署名簿を添えて市に陳情がなされました。署名は、市民はもとより県外の皆さん方からも寄せられており、その熱意と広がりがうかがわれたところであります。また、各種会合などで各層の市民の皆さんと接する中で、新しい文化観光資源としての高田城の建設が一日でも早く実現するよう熱心な御意見をちょうだいしていることも事実であります。さらにまた、高田観光協会では既に2ヵ年にわたり観桜会で一夜城を建設し、会場を訪れた人々に高田城再建へのアピールと関心を深める努力がなされておりますが、その際の市民の受けとめ方は、一日も早く上越市のシンボルとして高田城の再建を歓迎する意向でございました。このような多くの人たちの要望や情勢の中で、市としても歴史的遺産と観光資源の創出、地域活性化のため、高田城再建のための基金の積み立てについて、議会の皆様方にもお諮りをし、平成元年度で2億円、2年度で1億円の積み立てを図り、築造についての準備を進めてきたところであります。そして、平成元年度に三重櫓跡の発掘調査と文献調査を行い、今年度においては調査設計費を計上し、現在建設予定地の地質調査を進めるとともに、基本構想の調査設計についてコンサルタントに委託をいたしておるところであります。 米の自由化問題でありますが、これもなかなか難しい問題でありますが、国民の主食である米については、国内産で自給するという基本的な考え方には今も変わりはありません。しかし、農業を取り巻く情勢は、農産物の内外価格差を是正する要求や農業保護のあり方、特に諸外国からは強く市場開放を迫られるなど、国の内外を問わず今日本農業はかつてない厳しい状況に直面していることは申し上げるまでもありません。御案内のとおり、昨日からブリュッセルでガット関税貿易一般協定閣僚会議が開催され、農産物貿易の自由化などについての結論が出される模様と言われ、まさに最終局面に至っている状況であります。全国の農業関係団体では、農業の生き残り等をかけて各種の大会を開催し、米を初めとする基礎的食糧の輸入制限措置の維持、強化など、日本農業の持つ重要な役割、特殊性に配慮した農産物貿易の新しい国際秩序づくりに全力を挙げるよう政府に求め、国内自給政策の堅持が訴えられております。一方、消費者団体や婦人団体が一堂に会した全国消費者大会でも、米の輸入自由化について、国民の健康な食生活と食品の安全性、水と緑、土壌や生物の環境を守ることなど5項目の理由を挙げて、国内自給を強調されてもおるのであります。なお、日本の世論調査会が行った全国の世論調査では、65%が米の輸入自由化に賛意を表するという結果が出ていることもまた御案内のことかと存じます。 このようにいろいろな動きがある中で、今後とも国の農政の動向も的確にとらえ、当市の農業施策を推進してまいりたいと考えておりますが、つけ加えますと、昨日ブリュッセルの会議がもし決裂した場合は、一体どうなるのかというような問題について論議がなされておりましたが、これがまた決裂した場合の日本の農業の将来というものも、また大変なことになるおそれがあるということを識者が警告をいたしておりますので、極めて難しい問題であるというふうに私は思います。 次に、地方交付税の増額についてお答えをいたしますが、地方交付税制度は地方団体が合理的かつ妥当な行政を進めるために必要な経費を補償するものとして定められており、その財源として従来は国税三税、すなわち所得税、法人税、酒税の32%が充てられておりましたが、先ほど申し上げましたように、税制改革によって昨年度からは消費税のうち消費譲与税を控除した後の24%が、また経常経費に対する国庫補助率恒久化に伴い、国のたばこ税の25%が算入されることになったのであります。このような中で、年度の地方交付税総額は、昨年度当初に比べ10.3%増、そのうち普通交付税は10.1%増で計画されました。本市におきましても、この総額の伸びを参考にし、また県から示された指針をよりどころとして算出した結果、普通交付税の当初予算は、昨年度当初比19.2%増の31億 6,000万円を計上いたしました。このうち基準財政需要額では、学校建設や公共下水道事業など、本市の特殊要因を考慮したほか、給与改定費や地域づくり推進事業、また昭和58年、59年度分の財源対策債償還基金費などを含めた 8.0%増を見込み、一方基準財政収入額につきましては、税制改正の影響はあるものの、好況を反映して法人市民税の増、また地方譲与税や各種交付金の増も見込まれることから、 8.1%増を見込んだところであります。これに対し8月に行われた算定では、基準財政需要額において、まず11年ぶりに積雪度級地の見直しが行われ、これが1億 1,700万円余の増につながりました。この見直しは、級地設定の基礎となる観測データを従来の昭和52年までの20年分から62年までの20年分に置きかえるとともに、積雪地の算定方法、さらにはその解析もコンピューターを利用した科学的、合理的方法に改められたものであります。その結果、本市の級地は昨年度までの8級区分中の4級地から4級区分中の3級地に変更され、算入額の改善が図られたのであります。また、上水道事業に対する繰出金が従来の特別交付税から普通交付税算入に変更され、普通交付税の1億 8,000万円増につながりました。したがいまして、特別交付税はこの部分が減額となるわけでありますが、年度も交付税の再算定が確実となっておりますので、今回は補正措置をとらなかったところであります。一方、基準財政収入額につきましては、今春来の円安、株安、債券安といういわゆるトリプル安及び数次にわたる公定歩合の引き下げにより、業績悪化が予想されるとして、市民税の法人税割が昨年度より9%減で算定されたほか、個人所得割も当初見込みより低く算定された結果、4億 1,300万円余りの交付税増となりました。以上の結果、普通交付税は当初予算に対して6億 8,578万円の増となりますが、ここから調整額 2,862万円を控除した6億 5,715万円を補正予算として計上したものであります。 なお、最近の情報によりますと、大蔵省では地方財政に余剰が出ているとして、来年度の地方交付税の特別減額を検討しているようでありますが、まだ地方は補助率削減に伴う臨時財政特例債などを含めた巨額の借入金残高を抱えて、厳しい状況にありますので、地方固有の財源とされている交付税確保及び制度充実を関係団体とともに国に対し強く要望してまいりたいと存じます。 次に、環境部設置の問題でありますが、あなたも御案内のとおり、環境問題が最近行政の中で大きな部分を占めてまいりました。そういう時代の変遷の中で、環境部を独立設置する必要があると判断をいたしましたので、経済環境部を二つに分け、環境部の独立を図ったわけであります。 以上であります。
    ○議長(松永芳男君) 13番、中村末蔵君。         〔中 村 末 蔵 君 登 壇〕 ◆13番(中村末蔵君) 再質疑を申し上げます。 非常に丁寧に御答弁をいただきまして、ありがとうございました。質疑でありますから、また細部等については、意見等はまた委員会の中でやらせていただきたいと思っておりますが、具体的に答弁がなかった点、1点だけについて再質疑を行いたいと思います。 消費税の問題です。消費税の基本的な見解等については、私どももこれまでも市長とこの壇上でいろいろ議論もしてきたわけですから、それはそれとして、さらには現在政府自民党なり、社会党を中心とする野党で協議が行われる経過についても触れられて、答弁をいただきました。そのことは私どもも承知をしているんですが、先ほど私はこの消費税の問題で、逆進性は別にしても、今国民の間あるいは制度の見直しの中でも、納めた税金が国庫に入らない問題、いわゆる益税の問題、それから運用益の問題、これが大きな一つの問題点になっていると思うんです。私どもは、こういうふうな現象が生ずるであろうということを想定をしながらも、あえて問題を当時余り論議をしなかったわけです。今その問題が具体化しているわけですから、これらについての市長の見解をお尋ねをしたいというふうに先ほどお聞きしたつもりですので、冒頭に国の制度の問題で自治体の首長が答弁することが必ずしも適切かどうかというようなお話もございましたが、私はむしろ自治体の首長として、やはり市長の見解というものを市民の前に明らかにしていく必要があるんではないか、このような立場でお聞きをしているつもりでありますので、この消費税の問題で、いわゆる益税あるいは運用益の問題についての市長の見解をお聞かせをいただきたい、このように思います。 以上です。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) そういう問題があるということは、あらゆる機会にいろいろな御指摘があるわけでありますので、そういうことをも含めて、今各党各会派がこの問題の具体的な解決策について話し合っているものであると私は理解をいたしております。 ○議長(松永芳男君) この際、暫時休憩いたします。 再開は13時15分といたします。         午後0時10分 休憩          午後1時15分 再開 ○議長(松永芳男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。 27番、高橋実君。         〔高 橋 実 君 登 壇〕 ◆27番(高橋実君) 私は、日本共産党市会議員団を代表しまして、ただいま提案説明のありました議案の一部について質疑を行います。 議案第66号、政府自民党は財政再建策として補助事業における補助金1割カット方針を、昭和60年度当初予算に地財計画として強引に押しつけられてきました。以後現在も続いているわけです。国庫補助事業に対する一律補助率削減についてでお尋ねします。この方針を押しつけるに当たりまして、国は財政再建に地方も協力して当然との立場をとりました。地方は、国と比べ財政運営に余裕がある。また、投資的事業はそれぞれの独自性のもとで進められるもので、それについての補助率は高率過ぎるなどを理由に、当初1年としながら、以後その都度理由をつけて継続されてきたものであります。このことは、地方自治を一層中央に従属させること。また、財政運営を硬直化させること、補助率の復元についてもとに戻せという運動が進められてきたところであります。 5年を経過した決算に当たりまして、一つは福祉関係で一部復元に近い措置がとられましたですが、投資的分野では、国は2年と期限を切ってはいるものの、恒常化の方向で進めていると思わざるを得ません。経常経費分と投資的経費分の内訳を明らかにされました決算資料によれば、5億 3,411万円とされています。昭和60年度からの削減分は、累計で決算で幾らとなったのでしょうか、この点明らかにしていただきたいと思います。 この削減措置に伴う財政運営硬直化を防ぐとして、臨時財政特例債の発行やその償還時における交付税算入などを除いたら、実質的負担は60年度から平成元年度まで幾らになるのか、この点もあわせてお願いをいたします。 政府自民党は、この削減措置の継続、恒久化を望んでいると言われていますが、市長さんはこのねらいにどのように対処されるのか、3点についてお答えをお願いします。 学校給食費は、公費負担を除いて父母負担となっていますが、資料では消費税は 1,971万円とされています。消費税に対する国民審判は明白で廃止です。父母負担軽減は、義務教育行政では当然ですので、消費税徴収は中止する考え方はないのですか、明らかにしてほしいと思います。 高田城再建基金積み立ては2億円ですが、平成2年度も続けて1億円されています。再建期待が急速に高まっているとされて、条例をつくられましたですが、いまだその必要性や規模、資金計画など、議会で論議される資料などが出されていません。議会で十分論議するのは当然と言われながら放置されたままです。今後どのようにされるのか、この際明らかにしてほしいと思います。先ほどの答弁では、地質検査や設計に入るなどと言われておりますが、それも踏まえて資料を早急に出して、議会で十分論議する方向を出していただきたいというふうに思うのです。 議案第78号、前教育長の退職手当についてであります。 148万 7,700円の計算式を明らかにしてください。このことについて、特別職三役と教育長の退職金計算式について、一般職の計算式でよいのではないかという我が党の見解を、さきの田中教育長さんの退職金支給審議の際明らかにしたとおりです。計算方式について検討されましたのか。また、変更されないとしたら、その理由は何なのかを明らかにしていただきたいと思います。 以上です。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 初めに、国庫補助負担率削減に伴う影響額についてでありますが、既に御案内のとおり、国の厳しい財政事情から、昭和60年、61年、62年の3年度にわたって引き下げられた補助率は、地方団体の強い要求によって、平成元年度にその見直しが行われたところであります。すなわち、福祉関係を中心とする経常経費につきましては、生活保護費などが10分の7から10分の 7.5へと一部復元され、また老人、障害者、児童措置費などは2分の1のままそれぞれ恒久化されたのであります。これに対し投資的経費につきましては、暫定補助率を平成2年度まで継続した上で、その後の措置を改めて検討することとされたのであります。そして、経常経費の補助率恒久化に対する補てん措置として、国のたばこ税の25%相当額が新たに地方交付税の対象税目に加えられましたが、完全補てんには至らず、不足分につきましては、たばこ税のほか税の自然増収など一般財源で負担することになったのであります。 補助率削減に伴う平成元年度の影響額につきましては、資料でもお示ししておりますとおりでございますが、お尋ねの削減額の累計は、平成2年度の見込額を含めて申し上げますと、一般会計では経常経費が18億 5,769万円、投資的経費が11億 3,017万円で、合わせて29億 8,786万円余に、また下水道事業会計では9億 9,575万円余に達する見込みであります。これら削減額に対し昭和63年度まではほぼ満額補てんされたところでありますが、平成元年度以降は経常経費の補助率恒久化の中で、地方も一部負担をすることとされ、その額は平成元年度において 6,989万円余、平成2年度では 7,200万円余りになると見込んでおります。 なお、投資的経費の補助率については、予算の平成3年度概算要求に当たり、各省庁に対し61年度補助率に復元することが示されたところであります。しかし、完全復元を求める地方の要望には、暫定的に10年間、61年度水準で継続すると大蔵省では打ち出しており、今後に残された大きな問題であります。したがいまして、これが完全復元について、引き続き関係団体とともに強力に運動を進めてまいりたいと思います。 次に、給食費に対する消費税導入についてでありますが、御承知のとおり、学校給食費につきましては、学校給食法第6条第2項で「学校給食費は、学校給食を受ける児童又は生徒の保護者の負担とする」と規定されております。したがいまして、児童、生徒が食する学校給食材料の購入時にかかる消費税につきましても、保護者の皆さんから負担していただかざるを得ないのであります。昨年の消費税算入に際しましては、学校当事者、学識経験者で組織しております学校給食運営委員会に諮り理解をいただくとともに、父母の皆様方からも御理解をいただき、給食費1人当たり月額で小学校 100円、中学校 120円の消費税相当分を増額したところであります。なお、県内市町村では給食材料の購入に係る消費税を公費で負担している例はないとのことでありますことも付言をいたします。 次に、高田城再建基金積み立てと今後の計画についてでありますが、先ほど中村議員の質問にもお答えしたとおりであります。再度申し上げますが、高田城を再建したいという市民の要望はかなり以前からありました。そして、昨年3月高田観光協会及び高田城再建準備委員会の代表者が、高田城を再建してほしいという1万四千余名の署名簿を添えて市に陳情されましたことは、先ほど申し上げたとおりであります。その他このような全市民的要望、またその後の期待の増加を十分見きわめ、地域の活性化に向け歴史的遺産と観光資源の創出のため、再建は有効な行政施策と判断し、議会の皆さんにもお諮りをして、現在再建のための基金3億円の積み立てを行い、その準備に努めていることも、先ほどお答えをしたとおりであります。高田城築造につきましては、城郭建築という特殊建築物であることと、県指定史跡地内に建築するものであるため、将来にわたってふさわしい評価が得られるよう、現在コンサルタントに基本構想の調査設計を委託しているところであります。今後の計画につきましては、広く皆様方の意見を聞くため、高田城三重櫓築造委員会を設置するとともに、県とも密接な協議を進める中で、計画が具体化した段階で、議会の皆様方にお諮りをしてまいる所存であります。 次に、前教育長の退職手当についてお答えをいたします。教育長の退職手当の算出方法につきましては、昨年の9月議会において大滝議員に詳細に答弁をいたしたとおり、特別職の職員の退職手当の規定を準用することになっておるのであります。御案内のとおり教育長は特別な識見を要し、教育委員会に属するすべての事務をつかさどる重要な職であって、他の委員会の事務局長と異なった独自の地位にあるため、給与、勤務時間、その他の勤務条件は、その職務と責任の特殊性から、教育公務員特例法の定めにより、他の一般職の職員とは別の条例で特別特例的な扱いを受けているものであります。また、文部省は市町村教育委員会教育長の待遇については、その職務と責任の重要性にかんがみ、助役ないし少なくとも収入役に劣らないよう改善を望むとして、その処遇改善を特別職並みにするよう指導をいたしておるところであります。したがいまして、これまで教育長の退職手当の支給に際しましては、これらの趣旨を踏まえ、当市における前例を基本にしつつ、県内19市を初め類似都市の支給率について調査をし、これらとの均衡を検討した結果、客観的に妥当であると判断をした額を提案いたしたわけであります。 今回前教育長の退職手当を算出するに当たっては、類似都市など68市の状況を調べ、従来の算定方法を変更する必要があるかどうかを総合的に検討したのであります。その結果、当市の支給率は68市の中間に位置しており、妥当なものであると判断をされますので、前回同様に算定をいたしました。 以上答弁を申し上げました。 ○議長(松永芳男君) 27番、高橋実君。         〔高 橋 実 君 登 壇〕 ◆27番(高橋実君) 再度質疑を申し上げます。 補助率1割カットのことでございますが、今の御答弁だと、さして影響がないんだという感じを受けるんですが、この点について、例えば平成元年の減収補てん債3億 173万 4,000円発行されたとか、また投資的経費の補助削減分は1億 7,330万円と、総計も詳しく累計で今御答弁があったわけですが、いずれにしましても国はこのような状態を61年の水準で10年間続けていくという方針にほぼ固まっているというふうに受け取られたわけでございます。私は、この点で例えばたばこ税の25%交付税対象税目に入れるとか、保育園措置費の削減分の50%を県が持つとか、それから10分の 7.5に引き上げたとか、いろいろ言われていますが、総体的にはやはりこれだけの削減がされてきて、結局今の御答弁で、なかなか理解のできない点が一つあるんですが、例えば63年までの点は満額補てんされたと。それから、平成元年度についても地方負担の点でいろいろ措置がとられて、今申し上げましたような措置なんですが、そういうことでいけば、せいぜい報告では1億 4,000万足らずの負担ということになってくるんではないかという理解の仕方を一つしたわけです。それでは、六団体が今例えば国庫補助率削減に反対をされて、負担率の即時復元、それから自治体負担を完全補てんしろと、こういう点で運動を引き続いて展開していくという根拠というのは、地方団体裕福論の前に、非常に希薄されるんではないかということが懸念されます。この点について、本当に財政運営上、そんなに差し支えがないのかどうか、こういう点についていま一回御答弁をお願いします。 それから、教育長の問題ですが、教育長は教育行政で根本方策を樹立したり、それから重要事項について決定する委員会の統括をすると。専門的立場でこの委員会をリードする。そして、庶務権限などについては一切つかさどる、他の局長と違うんだと、こういうことを言われ、そして教育公務員特例法ですか、この点からいって他の職員と別な扱いをすべきだという国の指導があったと、こういうふうに言われました。それで、私はお聞きしたいのは、特例加算方式というこの計算式、これを具体的に指導を受けたのかどうか、要は。職務についてそれだけ重要だと、これは私も否定するわけでもないし、文部省では助役、収入役に劣らぬような特別の措置をして、待遇ないしは身分の保障しなさいと、こういうことで既にこれは給与できちっとされているわけです。そして、職員であればそれぞれみんな職責についての責務を持っているわけですから、この点は当然だと思うんです。ところが、言いたいのは、特例加算方式という、そういう式で計算をしろということを指示されたのかどうか。それから、68市で調査しましたと、総合的に判断して、上越市のこの計算方式は、おおむね中間でほぼ了とすると、こういう御答弁だったわけですが、それでは県内6市でどうしてこの国の基準、国がそういうふうに出していることを守らないのかと、このことについて御答弁をお願いしたいというふうに思うわけです。 それから、高田城について、先ほども前質疑者に答弁がありました。私に対してもそうですが、市民の要望が前からあった、あったと言われるんだけれど、署名も1万 4,000からの方々が署名されたと。最近市民の間で高田城再建について期待が高まったと。署名も展開されているということでは、確かに一面はそういうふうなことが言われると思うんですが、私たちはこのことについて、高田城をつくったらいいという、ちまたでそういううわさというのは全然聞いた覚えないんです。私は、先輩の大滝議員さんにも、「あんた高田に住んでいるんだから、署名運動されたり、そういう声が果たしてあるんでしょうか」と言ったら、「いや、聞いてみないね」と、こういうことを言われておられます。そして、3億円の積み立てが平成2年であるわけです。いよいよ特殊建築物であるから、また指定地であるから、コンサルタントに頼んで調査設計に入ると。今までのようなものでなくて、広く意見を聞くために委員会などをつくると言われました。しかし、議会に提案されたときに、この問題でその必要性、高田城復元の声は声でいいんです。だけれど、行政が少なくても基金を積み上げるというときに、その目的、規模、財政計画、こういうものが議会で論議されて当然なわけです。市長さんはこのことについて、政治とのかかわりで問題があるやにも思われるので、この点若干渋ったと言われながら、そういうことまずいんじゃないかと私質問しましたら、議会で十分論議して結構なんだと、こう言われてもう時間が随分たっているわけです。私は、計画の概要、それから目的、こういうものをきっちりとやっぱり議会で論議を尽くしていくと、こういう立場で私は出す必要があるというふうに思うので、この点について、ただ委員会をつくる。調査設計をすると、この前に少なくてもやるべきではないだろうか、こういうふうに思いますので、この点についてもあわせて御答弁をお願いしたいというふうに思います。 以上です。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) まず、国庫補助負担率の削減等による問題ですが、もちろん私たちは地方の立場からするなら、できる限り削減の行われなかった以前に戻してほしい。あるいはでき得るなら、さらにもっとたくさんの補助をいただきたいというのが偽らざる心境であると私は思います。これは、私一人にかかわらずすべての首長の考えであろう。しかし、また同時に、あなたもちょっと触れられたように、国は非常に窮乏しているけれども、地方にはかなり財政的な余裕があるという判断を国がしていることも事実であります。これは、ただ概括的な判断ではなしに、あらゆる統計的資料に基づいて、国よりも地方は平たく言えば恵まれていると考えていることも私は事実であると言わざるを得ない。これに賛意を表するかどうかは別にして、そういう観点の中でいろいろな国の措置が行われる。そのことについて、私たちは改善要求をする。かなりの部分について理解を深めていただき、補助率を復元してもらった点もありますが、足りないところについては、一般財源から補てんをしなさいという国の考え方については、不満ではあっても、認めざるを得ないというのは、今の政治体系の中でやむを得ないこともあるわけであります。しかし、もちろんそれを是として今後ともその規律、規則の中で私たちは拱手傍観しているものではないことは、先ほど来申し上げておるとおりであります。今後とも国に対して地方財政の現状を訴え、国の考えているほどには地方は恵まれていない実情について説明をしながら、でき得る限り国の援助を期待しながら、折衝を行っていきたいということが、私のみならずすべての首長の皆さんのお考えであろうと私は思います。 次に、教育長の問題でありますが、私は教育の独立、教育の尊厳、これらのことについては皆さんも御承知のとおりであります。そして、教育長の報酬は一体幾らが妥当であるか。教育長の退職金が一体幾らが妥当であるかどうかということは、絶対的な基準などというものは私はないと思います。それは、類型的な判断をする以外に私はあり得ない。 100円が妥当なのか、 1,000円が妥当なのか、1万円が妥当なのか、絶対的な基準というものはあり得ないと私は思います。ですから、できる限りたくさんの類似都市の状況を調査し、そしてそのできる限りたくさんの類似都市が指し示す基準に基づいて判断をすることこそ、最も妥当な誠意ある判断であると私は思います。ですから、私たちは68市にも及ぶ類似都市の現状を調査し、その現状の中でほぼ常識的に妥当と思われる水準で議会に提案をいたしておるわけであります。ですから、どうか今後ともこのことについて大いに御議論されることも結構でございますが、最終的には私は常識的な判断を下す以外にはその方法はないと思います。 それから、じゃ県内6市はどうしているのかということについて私に質問されても、私はそれに答える責任も有していないし、またそんな越権を私は行うなどということは、私に許された権限ではないと私は思いますが、その町独自のいろいろなお考えで判断をされておられるものであると私は思います。しかし、そういう案件については、私はそのような判断を、皆さんの報酬にしても、あるいは私の報酬にしても、あるいはまたその他いろいろな報酬あるいは費用弁償、退職金**まあ費用弁償などはある程度基準となるべき指数があると思いますが、その他については私はやはり多くの他の市町村の資料を参考としながら、最も常識的な妥当であると思われる線をはじき出して、多くの人々、少なくとも議会の皆さんの判断を仰ぐこと、これが最良の方策であると私は思っております。 高田城の再建については、今後皆様方にいろいろな資料を提供しながら、大いに審議をいただく機会があると先ほど来申し上げてきております。地質調査をし、その地質調査の結果、どのような基礎設計が描かれるかどうかというようなことをも進めながら、具体的な資料を皆さんに提供して、そして今後大いに御判断をいただくということになるわけであります。今まで議会に提出したものは基金の積み立てであります。今後この基金等によって、具体的な事業化が進められるわけでありますが、その事業化が進められる段階で、当然最も早く、最も慎重に議会の皆様方の御審議を仰がなければならないということは、これはまさに理の当然の私たちの努むべき手段であります。ですから、いずれ皆様方に大いに御論議をいただく機会があると思います。それをできるだけ早めたいというふうに今鋭意努力をいたしておるところであります。 ○議長(松永芳男君) 27番、高橋実君。         〔高 橋 実 君 登 壇〕 ◆27番(高橋実君) 補助金カットについて総務部長にお尋ねしますが、市長御答弁では、60年以後約39億 8,530万、そういうことでカット分が累計でということで言われたわけですが、例えば平成元年度、この削減についての補てん措置として、臨時財政特例債の発行、その元利償還の 100%を交付税に算入するとか、また61年度引き下げ措置分については、元利償還の2分の1補助事業分だとか、62年度引き下げ分の措置については、90%交付団体の全額を繰り入れるとか、いろいろ資料には出ているんですが、さっき御答弁の中でも言われたんだとは思うんですが、総計でどれだけ補てん措置外の負担があるのかということを明らかにしていただきたいというふうに思います。 それから、教育長の退職金のことについてですが、じゃ特例加算方式ということでは、指導を受けないという私は今御答弁で理解を受けました。そして、基準というのは絶対的基準ではないんだと。私もそういうふうに思います。例えば給与月額掛ける月数掛ける18%だとか、三役によっていろいろ一番最後のパーセントが違うわけですから、当然そうだと思います。これは常識的判断だと、こう言われました。私は、行革は結局経費の削減、補助金の見直し、人件費の縮減などを打ち出しているわけです。私は、68市について調べたと。6市についてそこまで調べることは云々と言われましたですが、そのことについてもやはり私は他の市というのは、6市はどうしてそうなのかという点もお調べいただいてしかるべきだというふうに思っています。 以上で質疑を終わります。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 調べることはできないなどとは申しておりません。それに対する見解を私から表明してほしいとおっしゃるから、それはできませんと申し上げておる。私は、6市の市長でありませんから、それについて私が見解を申し述べるなどというのは越権のさたである。また、越権のさたかむしろ失礼に当たることであると申し上げたわけでありますから、お間違いのないように。 ○議長(松永芳男君) 藤塚総務部長。         〔総 務 部 長 登 壇〕 ◎総務部長(藤塚和生君) 一般財源負担額、持ち出し分についてお答えをいたします。 63年度まではほぼ満額補てんでございます。参考までに正確な数字を申し上げますと、3年間、60年度から4年間になりますが、49万 8,000円が一般財源負担分で、ほぼ満額というふうに申し上げたわけであります。元年度の一般財源負担分が 7,009万 5,000円、そして平成2年度見込みまで申し上げますと、平成2年度分が 7,296万 8,000円、合わせて1億 4,356万 1,000円というふうに先ほど市長が御答弁申し上げたとおりであります。 以上であります。 ○議長(松永芳男君) 植木市長。         〔市  長  登  壇〕 ◎市長(植木公君) 経費を節減し、できるだけ財政のむだを省くということは、理事者である私たちに課せられた使命であります。しかし、同時にできる限り広く人材を求め、でき得る限り市のために献身的な努力をしていただくためのそれなりの手当、待遇というものは当然考えていかなければならない。財政をできるだけむだをなくするということと、さらに広く人材を求め、できるだけ思い切って頑張っていただくということの接点をどう求めていくかということについて、私たちは常に心配りをいたしておるわけであります。 ○議長(松永芳男君) 以上で通告による質疑は終わりました。 ほかに質疑はありませんか。         〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(松永芳男君) これにて質疑を終結いたします。 ただいま議題となっております議案第66号より第81号及び報告第21号は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 なお、本日までに受理した請願は、お手元へ配付の請願文書表のとおり、総務常任委員会に付託しましたから、報告いたします。                    〇 △日程第5 克雪都市改造対策特別委員会の中間報告 ○議長(松永芳男君) 日程第5、克雪都市改造対策特別委員会に付託中の事件について、会議規則第45条第2項の規定により、同委員会より中間報告を行いたいとの申し出がありますので、この際これを許します。 26番、本城文夫君。         〔 城 文 夫 君 登 壇〕 ◆26番(本城文夫君) これより克雪都市改造対策特別委員会の中間報告をいたします。 去る11月4日委員会を開催し、流雪溝の整備状況、土地区画整理事業の進捗状況、街路事業についてを議題といたしました。 以下、その主な概要を報告いたします。 まず、理事者から流雪溝の整備状況について説明を受け、年度施行分が延長にして 434メートル、平成2年度までの施行が 3,668.9メートルであるので、合算した流雪溝整備計画に対する進捗率は約10.7%の整備状況であり、事業計画では総延長3万 8,145メートルとなっているとの報告がありました。 次に、平成2年度の正善寺ダム克雪用水水源確保事業の調査については、年度調査費 4,500万円で進めているが、調査項目は地表、地質、弾性波探査、地形測量、春日地区の流雪溝計画であり、ぜひこれを公共事業として県、国に対して採択を要望中であるとの説明がありました。 次に、「ゆきみらい’91」の開催概要については、平成3年1月31日から2月3日まで、総合イベントとして上越市の20周年記念事業として当市に誘致した結果であるとの報告がありました。全国克雪利雪見本市にも五、六十社を予定しているとの計画内容が明らかにされました。 次に、耐雪実験モデル住宅の実験結果については、59年から3年の豪雪経験を生かして克雪住宅を建設し、市民に紹介、PRする目的で62年12月に建設実験をされてきたところでありますが、その実験たわみは計測たわみの20分の1という成果が得られた。見学者の状況は、3年間で 1,195名、市内の克雪住宅の普及状況も高く、高床式が普及している状況の説明がありました。 これらの説明に対して委員より、次のような質疑と理事者の答弁がありました。 耐雪モデル住宅をつくって市が実験するという目的は、市民に雪に耐えるデータを提供することがねらいであったと思う。少雪の中で80センチ程度の積雪で結論を出すことには疑問が残る。目的が異なって、何のための実験だったのかとの質疑に対し、理事者より、どれだけの重量に耐えられるかという実験をしたわけではない。設計した材料が積雪があった場合、どれだけのゆがみ、たわみが生ずるかという計測をしていた。計測器については、東京大学から期限を切って無償で借りていたもので、返却時期と空き家という悪条件が重なってきたということから、打ち切って推計を出した。今後もこのような実験などの検討をしたいとの答弁がありました。 さらに委員より、たわみが20分の1だったから、実験効果があった。それで終わりだ。あとは市民の皆さん判断してくださいでは、実験した目的がまずいと思うとの質疑があり、理事者より、今回の結果を参考に設計士などは考えているはずである。今後家を建てる場合には、ああいう大きなけたは要らないし、あれほど豪華なものでなくてもいいと設計士からも言われている。できるだけ安全性の高い住宅をつくるようにガイドしていくべきだと思うとの答弁がありました。 また、委員より、金をかけて実験したのだから、もう少し市民にわかりやすく具体的なものを出すように十分研究をしてほしい。地震とか大風の揺れに対する実験も将来ぜひ考えてほしい。ゲージが3年間で借りたので、返すことが当初からわかっていたとすれば、あらかじめ議会に相談が欲しかったなどの要望がありました。 委員より、次に「ゆきみらい’91」について議会にもっと早い段階で計画内容を提示されるべきではなかったかという質疑に対し、理事者より、主催の中に建設省、県が入っている関係があり、すべて了解を得ながら進めなければならないということで、案が出てきたのが9月ごろで、印刷が10月に入ったためであり、それから全国の関係団体に配布をした状況との答弁がありました。 次に、流雪溝について委員より、正善寺ダム克雪用水の調査について、上綱子桑取川支流で夏も水道に取られ、冬はまた水を取られるということで、地元の感情問題に発展することが考えられるが、地元への対応はどうかとの質疑に対し、理事者より、克雪用水50万トンほど正善寺ダムで確保するということは、調査の段階においても関係住民と話し合っている。今回のものについて、取水が可能かどうかを調査しているので、この結果を見て住民の皆さんと話し合っていきたいとの答弁がありました。 さらに、関連して委員より、儀明川ダムとの関連を含めながら、もう少し早く整備を図っていけないのか。高田地区だけではなく、直江津地区を含めた流雪溝の整備を含めてどのように考えているのか。工事費の補助金が少ないとすれば、市単独の事業費をふやしていく必要があるのではないか。当面の儀明川ダムについて報告をいただきたいとの質疑がありました。理事者からは、直江津地区を含めた流雪溝整備については、全体の兼ね合いでなるべく早期に完成すべく計画を立て直したい。単独でもということであるが、十分頭に入れて考えていきたい。儀明川ダムについては、関係者とダムの補償基準などの提示の段階に入って細かく詰めている。補償基準がまとまれば、すべて順調にはかどっていくとの見解が示されました。 また、克雪関係の調査資料が市からたくさん出されているが、これを一つの資料としてわかりやすくまとめて議会に提出をしてほしいとの要望があったことを付言をいたします。 次に、土地区画整理事業の進捗状況についての現状について理事者より報告を受けました。まず、本町大町土地区画整理事業については、全体事業費に対して進捗率が70%、残り3年以降が30%という見込みであること。春日山区画整理事業については、全体事業費に対して2年度末見込みで61%、今後の課題としては、地区計画の都市計画の決定を推進したいこと。3年度から信越線の区域と市職員の駐車場となっている部分が中屋敷藤野新田線の都市計画街路として計画決定をされ、これを区画整理事業の中で取り組むことが建設省の了解が得られたという状況にあること。五智国府土地区画整理事業については、全体事業費に対して2年度見込みで80%の進捗率で、北陸線立体交差事業については、JR西日本と事業協定が結ばれ、早々に発注の見込みであること。戸野目土地区画整理事業については、全体事業費に対して2年度で35%の執行率で、今後の課題として地区計画の都市計画決定ということで、都市計画審議会の決定答申を受けたこと。新町今池土地区画整理事業については、全体事業費の進捗率で22%であるとの説明を受けました。 次に、街路事業の概要について、安国寺国府線立体交差事業については、JR西日本の委託分の工法については推進工法をとらず、JRと協議の結果、仮線を築造して、そこを通してから掘っていくという今までにない工法を採用していること。北陸線以外については、市の施行ということが明らかにされました。 次に、本町高田公園線については、年度末で50%の完成、直江津駅前通り線については、清算事業団用地については単価が決まり、建設省の認可を得たので、国債による先行取得をして事業の推進を図ること。国府東雲環状線は63%の進捗率であること。本町北谷内線は進捗率19.3%、高田駅北城町線については、駅前広場を整備して、本町商店街との一体化に向けて今測量などを進めていること。国府東雲環状線については、都市再開発関連公共施設整備促進事業費の補助採択を受けて、測量、一部用地購入、建物補償を年度行い、事業年度については平成6年度で新たに事業認可を得て進めていきたい旨の現状などについての説明を受けました。 以上が当委員会における概況であります。より詳細は委員会記録に譲り、克雪都市改造対策特別委員会の中間報告を終わります。 なお、去る10月4日、5日にわたって、克雪都市改造対策特別委員会は、市街地再開発の事業について、山形県鶴岡市において、事業推進状況に伴う保留地処分の現状や民間施行と市施行の長所、短所について研修を行い、さらに米沢市では克雪事業について流雪溝の整備状況、歩道部の無散水消雪などについて研修視察を行い、今後の上越市の克雪の取り組みと直江津駅周辺開発にとって参考となった研修であったことを報告をして終わりたいと思います。 以上であります。                    〇 △日程第6 環境保全対策特別委員会の中間報告 ○議長(松永芳男君) 日程第6、環境保全対策特別委員会に付託中の事件について、会議規則第45条第2項の規定により、同委員会より中間報告を行いたいとの申し出がありますので、この際これを許します。 22番、渡辺一太郎君。         〔渡 辺 一 太 郎 君 登 壇〕 ◆22番(渡辺一太郎君) これより環境保全対策特別委員会の中間報告を行います。 去る11月19日午前10時30分より、第3委員会室において、ゴルフ場建設問題と産業廃棄物処理場のその後の経過について協議を行いました。 最初に、ゴルフ場建設計画の大綱について、去る6月13日の全員協議会でゴルフ場建設計画の大綱について説明を受けたが、それ以後の経過と今後の手続問題について、理事者より、ゴルフ場建設の件については、全員協議会で計画大綱を概略説明申し上げた以後、実質的に内容は変わっていない。先般厚生常任委員会に上越市環境影響評価会議の設置要綱を説明し、了解を得る中で、環境影響評価会議を構成する各種専門家8名の委員に委嘱をし、第1回目の会議を10月11日開催した。6名の委員の出席をいただき、ゴルフ場建設の経過と概略を説明、建設予定地の視察を行った。今後の会議のあり方については、業者から環境アセス調査書が出てきた段階で、アセス調査資料を各委員に配付、それぞれ専門分野ごとに検討をいただき、第2回、第3回と会議を開催していく旨の答弁がありました。 委員より、環境アセスが出た時点で、第2回目の評価会議を開催するというが、大体いつごろになるか。また、特別委員会に報告をしてもらえるのかとの質疑に対し、理事者より、詳細をどこまでかは別として報告をする。現在事業者が環境アセスを慎重にやっているので、いつごろ出されるか推測はつきかねる。環境影響調査の内容について、十分に地元の関係者に理解をしてもらうためには、環境影響調査の内容について踏み込んだ説明をしなければ理解を得ることはできないだろうということが、県会でも上村環境保健部長が述べているし、指導も行っている。今地元に事業者が説明会に入っている実情である。説明会が地元関係者に受け入れられる、受け入れられないは別として、十分なる事前説明をする旨指導要綱に基づいてなされているので、それが終了後提出されるものと思うとの答弁がありました。 また、番外議員より、環境評価会議の開催を大体3回くらいを予定しているのか。アセスについて公表するのか。会議は公開か、非公開かとの質疑に対し、理事者より、会議は1回で終わるとか、3回で終わるとかではなく、審査に当たって必要に応じた回数を開催することであり、会議の設置趣旨もそうである。評価会議の公開は、個々の委員の意見が責任を問われるようなことだけはしては困るので、非公開としたい。また、ゴルフ場の環境影響調査の公表は、審査の段階で県及び当該市町村で今のところ公表は考えていないが、今後より一層の理解をされるために、早急に公表の手段を考えていかなければならないと県会答弁もあり、近い将来公表の取り扱い方法について何らかの回答、指示がなされるものと思っているとの答弁がありました。 さらに、委員及び番外議員より、委員会資料環境影響評価会議設置についての資料、2番、会議の任務中の2項について、環境影響評価の実施に当たって必要となる技術的事項に関して、それぞれの立場から指導、助言を行うことになっているが、環境影響調査は業者が行うものであり、その実施に当たって評価会議の委員が技術的事項にそれぞれの立場から指導、助言を行うということになれば、極端に言って共同責任を持った調査報告になってしまう。また、業者が環境影響調査を実施する段階で、委員の人たちが指導、助言することになるのかどうかとの質疑に、理事者より、環境影響評価会議は法的根拠のもとに行われるわけではなく、市長が間違いのない意見を述べるために設置されたものである。しかし、もう一歩踏み込んで不可解な点があれば、さらに補完的調査あるいは資料の検討を求めたりすることもあり得る。そういう意味の補完的事項として挙げてあるとの答弁がありました。 次に、今後の問題と推移方向についての説明を求めたところ、理事者より、現在地元に対する起業者の説明会の最終に入っている。桑取地区では、2回目の説明会の要望が来ていると聞いている。谷浜地区、有間川を含め13部落について近々関係者が集まったところで、起業者が疑問点について質問を受け、お答えする会合が持たれることになっている。行政としては、桑取地区では10月19日、3回目の会合に出席、環境影響評価会議の設置目的等を説明している。また、谷浜地区13部落に10月23日、市の対応、行政としての進め方、環境アセスを含め説明、質問等に十分お答えしてきた。開発の事前協議書、添付書類としてアセスをつけて説明会が終わった時点で、市に出してくると思う。その時点で関係部課と協議をし、検討し、評価会議委員に送り、検討いただきながら、2回目の評価会議を開きたいとの説明がありました。 次に、産業廃棄物処理場のその後の経過について、理事者より、岩戸川沿いにある謙信観光での事業内容で、7月26日管内視察を行った時点で、搬入される廃棄物はおおむね県内産と言ったが、その後の調査で県内外半々の程度であるというふうに確認したので、訂正したい。三の輪台敷地内の通路の通行許可をしていたが、11月1日から広場が冬期閉場となったので、通行を許可していない。水質汚濁が2回ほどあった。関係者の皆さんと現地確認をしたところ、硫黄分を含んだもので、水質等の中身で異常はなかった。申請地の埋め立て度量、容量の問題だが、その後かなり量が運び込まれ、容量をかなりオーバーしているのではないかということで保健所にも申し入れをした。保健所でも調査をされ、その後今県内部で検討しておる。結果が出たら報告をしたい。なお、いろいろと拡張、増設、新設の話があったが、公式には提出されていないので、現段階では計画について正式な話題としては出ていない旨の説明があり、さらに委員より、産廃処理について市は基本的にどう考えているのか。建築物の不法投棄問題について調査ができているのかとの質疑に対して、理事者より、産業廃棄物の処理問題は一番重大関心事であり、処分場のあり方について基本的に検討していきたい。県では上中下越の3ヵ所でそれぞれ産廃処理場についての処分地建設について公表されている。上越にぜひ早く建設されるよう市として対応していく。不法投棄について、全市的に調査を行った。所有者に事実関係を照会し、わかったものに対して責任を持ってきれいに処分するよう申し入れを行っている。最終的には処分場という建設にかかわってくるので、前向きに検討していく。また、理事者より、産業廃棄物処理は発生業者が処理をすることが大前提である。したがって、発生業者が処理をするかわりに、これを委託し、民間で処理されているところにいろいろの問題を起こしているのが現状である。市内の大手企業は、ほとんど自分で処理をされている。本来産業廃棄物の処理は県がやることになっているわけで、県の指導で上越地域にも産業廃棄物の処理推進協議会をつくり、いろいろと検討しているが、なかなかはかどっていない現状である。そこで、最近県もこのようなことでは産業活動にも影響が出るということから、もう少し産業廃棄物の処分場を多く設ける必要があるという観点で、いろいろ検討しているようである。次の国会には、国が第三セクターでこれを処理するような考え方を出すようであるとの答弁がありました。 以上、概略について報告をいたしましたが、初めての委員会であり、基本的に共通の理解を深めるため相当時間をかけて協議を行ったことを付言し、詳細は委員会記録にゆだね、委員長報告を終わります。 ○議長(松永芳男君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。                               午後2時35分 散会...