松浦市議会 2018-12-10
平成30年第4回定例会(第2号) 本文 開催日:2018年12月10日
▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時 開議
◯ 議長(椎山賢治君)
おはようございます。
出席議員は全員であります。
橋本会計管理者から、忌引のため12日まで欠席の申し出があっており、
白石課長補佐がかわって出席をしております。
これより、議事日程第2号により本日の会議を開きます。
日程第1
市政一般質問
を行います。
さきにお手元に配付しておりました
質問通告表によりまして順次登壇を願いますが、ここで念のため申し上げます。
登壇順位につきましては、
1番・
鈴立議員 2番・
谷口議員
3番・
川下議員 4番・
神田議員
5番・
安江議員 6番・
宮本議員
7番・
和田議員 8番・
久枝議員
9番・
徳田議員 10番・
武部周清議員
以上の順序となっております。
今回の質問者の
質問方法は、全員一問一答方式となっております。
質問要領につきましては、質問時間は答弁を含めて1人60分以内とし、
関連質問は、本質問者と同一会派に属する議員にのみ認めるものとし、本質問者の時間の範囲内で、1人当たり5分以内、今会期中1回限りとなっております。
また、
関連質問は、本質問者の
質問要旨に直接かつ
具体的関連のあるもののみ許可することといたしております。
発言に当たっては、初めに関連する事項を明確に指摘されますようお願いいたします。
それでは、
質問順位に従い、14番・
鈴立議員の登壇を願います。
(
鈴立議員 一般質問席 登壇)(拍手)
2 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
おはようございます。
二、三日前から大変、寒さ、暑さの寒暖の差が激しくなっておりますので、どうぞ職員の皆様方、健康に十分留意されまして職務に遂行されますようにお願いするところでございます。お互いに健康が第一でございますので。
今回、4
項目質問を提出いたしました。
1項目は、
高齢化社会に適応するごみの収集というものの方法を変えていくべきじゃないかなというふうに思っているところでございます。このことについて、まず、理事者の方にごみの収集の今の実態を報告していただきたいと思います。
3
◯ 市民生活課長(辻 嘉文君)
ごみの収集につきましては、可燃物につきましては週2回、不燃物につきましては週に1回ほど、各
ごみステーションを中心に収集を行っているところでございます。
4 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
従来、ごみの収集が行われて、そのまま大体ずっと移行をしているんではないかなと、こう思っておりますけども、表題にも上げておりますように、
高齢化社会となってまいりました。家においては、息子さんは早く出勤をする、そして、残業をして夜遅く帰ってくる、残されたのはお年寄りの方々が多くなってまいりました。そういう中で、市役所の所在地の近辺におきましては、間隔が非常に狭くて利便性については非常に便利な収集で恩恵を受けておられる。しかし、中間、そして、非常に市役所から離れた農村地域においては、もう飛び飛びで
公民館ごとのような収集になっている。そうしますと、公民館から一番離れているところからすると、ずっと重いものをお年寄りの方がそこまで持っていかにゃいけないというのがある。そこで自分のほうで思ったのは、息子さんが会社に出られるときに置いていかれれば、そう不便さはないかなというようなのも考えましたけども、逆方向に、必ずしも通勤の途上のところにあるわけじゃないわけで、そうなると、どうしても公民館一極の収集地じゃなしに、もう一つ、中間のところに置いていただければ非常に助かるんだけどなというお年寄りの方が非常にふえておられるということでございます。そうなりますと、手間がかかりまして、それに対する経費というものも当然伴ってくるだろうとは思いますけれども、市民に寄り添う優しい行政ということからしますと、何らかの方法はとれるはずであると、こう思ったものだから質問をいたしたところでございます。
この件について、理事者のほうのお考えをお聞きいたしたいと思います。
5
◯ 市民生活課長(辻 嘉文君)
中山間地域における新たな
ごみ収集場所の設置につきましては、御要望がある場合につきましては、
収集委託業者や関係者の方々と協議を行いまして前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
6 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
やはり
松浦市民一人一人、市民として貴重な税金を納めておられる方々にはできるだけ平等性を保つ行政というのが非常に大事であると。片方は利便性を高めて苦にならない、片方は、力がない、足腰も痛んでいるにもかかわらず、公民館までごみを運ばなけりゃいけないという
不合理性、これが長期間続くということは自分は許されないだろうと、こう思っているわけでございまして、できるだけ平等性を保つ、これは完全にはできませんけども、できる限り市民の皆様方に寄り添った
ごみ収集というのを、施策、模索をしていただきたいと思いますが、もう一度理事者、市長か、お答えいただければと思いますが。
7
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
おはようございます。
鈴立議員の御質問にお答えいたします。
市民に寄り添ってこういった
ごみ収集を行うべきではないかという御指摘でございます。
高齢化の進展に伴い、議員のほうからは、御家族がおられて、その御家族の通勤途上にないという御指摘もありましたけども、一方で、独居世帯の方もいらっしゃいますし、高齢者のみの世帯もあると思います。そういった方々の利便性を高めていくという視点については大変重要だと思っておりますので、先ほど
市民生活課長が答えましたとおり、
収集業者や関係者の皆様方と十分協議をして対応してまいりたいと考えております。(降壇)
8 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
今、市長も言われましたように、私どもの住まいの地区においても、お一人の方、そして、そのお一人の方の女性の方は、デイサービスに行って何とか体だけは動かしているという方が多くおられます。やはり従来の
高齢化社会に入る以前の体系というか施策をそのまま講じていくということは、これはよくない。その
時代時代に即応した、そして、その形態に即応した
ごみ収集というのはあるべき姿ではないかなと、こう思います。
ただ、市がこれをしているわけではございませんで、株式会社でちゃんとなされておられる。そこは理事者のほうと十分に検討をされて、業者の方も無理のないところでマイナスになってまでするということはあり得ないわけですので、そこのところは利益をちゃんと確保しながら、そして、皆さんが気持ちよくごみの収集がなされ、そして、松浦市の市街全てが清潔ですばらしい自治体というふうにつくり上げていかなければいけないんじゃないかなと、こう思いますので、私の質問を受けられて、どうぞこれまでの方法というものを見直すところは見直して、先ほども申し上げました、すばらしい清潔感のある松浦市というものをつくり上げていただければなと、こう思っておりますので、そのところをもう一度、課長、しっかりと認識をされて、形に見える施策を講じていただきたいと思いますが、
担当課長ですので、課長の
意気込みをお願いします。
9
◯ 市民生活課長(辻 嘉文君)
高齢者や不自由な方の支障にならないように、業者のほうと検討してまいりたいというふうに思っております。
10 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
2番目の質問でございますけれども、
人口減少に対応した中・長期的な施策についてということで質問をいたしております。このことはもう非常に、この松浦市のこれからの根幹を左右する質問ではないかなと、こう思っております。いろんな面にこのことは影響をしてくるというふうに思っておるわけでございまして、いろいろと計画というのが発表をされて、これから松浦市はこのように進めていくんですよという計画、
ビジョンというものは私も目を通しておりますけれども、具体的にこれが効果的に行われていくという方向を示さなければ、ただ
ビジョンが活字として躍っているだけではどうしようもないわけでございまして、松浦市がこの
人口減少というものを食いとめて、そして、右上がりに上がって、これは非常に難しいと思っています。
ただ、行政だけにどうするのか、計画はあるのかということは余りにも酷だと思うんです。これは社会もこれに対応してもらわにゃいかん、企業も全てが、家庭も、企業も、行政も、市民全体が、この
人口減少というのをどのように計画を進めていくのかというのは、理事者のほうにどういう計画があるのかと、進んでいないじゃないかと、これを質問することはもともと酷だと、こう思っているんです。もう全体でこのことを進めにゃいかん。
なぜかといいますと、やはり企業というものは
営利企業でございますので、営利が伴わない人材というものは淘汰されてリストラの中に食い込まれて名前が載っていくということになっていくと、なかなか子どもを中心とした生活というものはできないということになっていきます。会社に勤めていて、今度は子どもの何なんだよと行事を言う、それに率直に来てあげるからねと、そういうことを申し上げると、今度は会社のほうは当てにならないので、やはり
リストラの対象になって名前が上がってくるということで厳しい、非常に厳しい。だから、会社とも協力をしていかなきゃいけない。家庭の中においても、あと1人子どもを産んで育てようぜという、自然にそのように成り行きが出るような、そういう
環境づくりをしていかにゃいけない。非常に難しい問題があると思いますけども、その中でも市として臨んでいる
人口減少対策というものはどういう計画、どういう指針で行おうとしておられるのか等々をお聞きしたいと思います。
11 ◯ 副市長(橋口忠美君)(登壇)
人口減少対策、これは本市にとっても重要でかつ喫緊の課題でございます。
松浦市では、平成27年度に策定いたしました
松浦市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略に掲げる施策を中心に、この対策に取り組んでおるところであります。
この
総合戦略と現在策定中でございます第2次松浦市
総合計画の違いは、松浦市のさまざまな分野における将来像を描くというのが
総合計画であります。それに対しまして、このまち・ひと・し
ごと創生総合戦略は、
人口減少対策に焦点を当てた施策を掲げて今展開中であります。
今言ったこの
総合戦略では、
人口減少を抑制するため2つの大きな目標を掲げて具体的な事業を展開しております。
1つ目が、子どもを産み育てやすい環境をつくることによりまして
合計特殊出生率を引き上げるという、つまり子どもをふやすということであります。
もう一つが転出、松浦市から出ていかれる人数を抑制して、逆に入ってくる、転入を促進する。このことによって
人口減少を抑制するという大きな方針のもとに、今、福祉事業を展開しているところであります。
現在4年目に入っておりますけども、それぞれの施策については一定の成果を見ているところでございますけども、最大の目標でございます
人口減少を食いとめるというところまでは至っていないと考えております。今後も中・長期的に継続して
取り組みを続ける必要があると考えております。
この
総合戦略、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略も、平成31年度まで、一応5年間の計画であります。その後、国のほうの動きを見ましても、引き続き第2次
総合戦略を策定するような動きにあります。それに同じような形で、松浦市も第2次
総合戦略についても検討していかなければいけないと、そういうふうに考えております。
以上のように、中・長期的な展望を持ってこの
人口減少対策に取り組む必要があろうかと思っているところであります。
以上です。(降壇)
12 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
答弁には必ずまち・ひと・しごとが出てくるだろうなと、こう思っておりました。その中に、今、副市長言われますように、出産ができる、そして、それが
精神的苦痛にならない、そういうふうな施策というんですけども、それから、流出がなくなって松浦市にとどまっての仕事、それも大事であると2点言われました。そのとおりでございますけども、その2点がどのように具体的になっていくのかというところが非常に自分は知りたいところでございます。流出を食いとめるという2点目、1点目は出産が容易に気持ちよく、皆さんとともに、あと1人子どもを産んで育てるにはいいね、この松浦はという状況下になる
環境づくりというのが1点目ですよと、こう言われました。この2点目の具体的なところとなると、非常に難しくなってくるということです。これは行政だけではとてもじゃないことで、これはもう私も重々承知をしての質問をしております。
そこで、やはり先ほど申しますように、家庭を構成しておる一人一人もこのことに真剣に考えなければ、家庭がばらばらの考えを持っておってはこれはできないでしょうし、また、市役所と家庭だけで連携してみたところで、これは効果は余り上がってこない。そこには今度は
地域社会の企業というのが入ってこなきゃいけない。そういう連携がもう本当に密に、そして、危機感を持って喫緊の課題としてこれに取り組むという体制というんですか、環境をつくっていかなければ難しいんじゃないかと思いますけども、そこのところについてどのようにされようとしているのか、しておられるのかをお聞きしたいと思います。
13
◯ 政策企画課長(
星野真嗣君)
お答えいたします。
人口減少問題につきましては、議員がおっしゃいますとおり、行政とか家庭だけでは解決できない部分もかなり多くあるということは認識をいたしておるところでございます。
このため、
総合戦略におきましては、策定時はもちろんのことですけれども、毎年度の検証の際にも、産業界ですとか、教育機関、金融機関、商工団体、
子育て世代、これらの代表の方などにいろいろアイデアや御意見をいただきながら
取り組みを進めているところでございます。
また、事業実施に当たりましては、地域との連携が必要なものも多くございまして、特に若者の就職支援に関しましては、
地元企業と連携しながら取り組んでおりまして、
合同企業面談会ですとか、中高生の
企業見学ツアー、そういったものを実施いたしておるところでございます。
あと、子どもを育てやすい
環境づくりに向けた企業の協力というところにつきましては、
厚生労働省の
子育てサポート企業の制度がございます。これにつきましては、市内においても、今月号の市報のほうで掲載しておりましたけれども、1社が認定を受けておられます。企業にとっても優秀な人材確保、
あと税制優遇等、メリットが多くございますので、そういったところの周知にも行政として努めてまいりたいと考えております。
14 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
1人の子どもが生まれてくる、そして、中学、高校、成長するそれぞれの過程で、出産時には、前はもう一括して出産費用を、お金を払っていた。そして、後から戻ってくるという制度です。今はもうそれがなくて、まず、お金を支払うということは
全額支払いがなされなくてもいいようになって負担が非常に軽くなっているという、そういう制度はこの時代の即応の中で改善されていって、子どもを産みやすい、そういうシステムになっていっているのかなと、こう思っています。後は、行政としては、いろんな税制からの負担を軽減するとか、それから、医療費の補助をするとか、いろんな方法もあろうと思いますけども、今回自分がこれを質問するのは、松浦市で取っておきの制度、よく松浦でこのことを考えたなと、いい制度だなという制度をひとつ知恵を出し合って編み出して、ほかの自治体がこの松浦市の制度を模範とする、そういう制度というものはないのかなというのが今回自分が質問をする主でございます。同じようなことをほかの自治体にもあるような制度で何とか
人口減少を食いとめようとしてもなかなか形にあらわれてはこないだろうと、こう思って、みんなこれで四苦八苦しているんですから。だけども、知恵を出し合うて、この松浦市の英知を結集して、松浦市でなけりゃできない、松浦市の自治体というのは、こういう画期的な制度をもってしたのか、ひとつ松浦市にいろいろとリーダーとしての制度を聞きにいきたいなというふうな、画期的な制度はないのかなというふうな、あるだろうなと、こう思うんですよ。大概考えてみればあるんじゃないかなというふうに思いますので、それを最初から諦めて、ちょっと難しいですよと言ったらもうそれで終わりですので。だから、
ノーベル賞と一緒で、ないものと模索したら意外なところに出てくると、これが画期的な功績でなるということはよくテレビで
ノーベル賞を見ておっても思いますので、松浦市で非常にすばらしい制度というものを編み出すという努力と模索をひとつしていただければと思いますけども、市長どうでしょうか。
15
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えいたします。
松浦市で画期的な制度を考えるべきではないかという御指摘でございます。
これまでもさまざまな子育て中の方々ですとか、そういった方々の御意見をいただきながら各種の施策に取り組んできたところでございまして、そういったものが一定の効果はあらわれていると思いますが、しかしながら、現在ある中で、例えば、給食費の補助ですとか、第2子以降の保育料の無料化ですとか、あるいは高校生までの医療費の実質的な無料化のような助成というものも、他の自治体に先駆けてやってきたものもあると思います。しかしながら、そういったものは、やはり今、議員がおっしゃるとおり、他の自治体も同じような課題を抱えている中で、どうしてもそういったものを追従してそのレベルに合わせてくると。そうすると、それまで松浦市としては、一定、県内では
子育て施策については
トップランナーであったと思いますけれども、そういったものが陰ってきているというのも事実だろうと思います。ですから、従来の助成事業だとか補助事業だとか、こういったことにとらわれず何かできないかという視点については、やはり持たなければいけないと思っています。
そういった中で、例えば、URACCOという
子育て支援施設ができて、これも非常に視察が多くあったり先駆的な
取り組みで、議会の視察のレポートの中にもこういったものは移住促進の上でも注目をいただいていると、評価をいただいているというものもございますので、こういったものがほかにないものかどうか、しっかり検討はしていかなければいけないと考えておるところでございます。(降壇)
16 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
やはり現況に妥協した施策というのは、進歩がないと思うんですね。夢のある施策というのには、やっぱり
チャレンジ精神が出てきますし、夢は必ず持たなけりゃいけないなと、こう思う。これは出産で
人口減少を食いとめるということだけを言っているわけじゃなくて、やはり副市長言われたように、人口の流出は、人材豊かな人たちがやむを得ず松浦市から出ていかれるということは、これはもう本当に財産の喪失ですので、それについてもやはりしっかりと踏まえていかないといけない。先ほどから何回も言うように、非常にこの
人口減少を食いとめるというのは至難のわざとは思うんです。だけども、至難のわざだからこれはもう仕方ないですよと、
高齢社会、そして
少子化社会だから、もう松浦だけのことじゃなしに全国的なことですからと、そのような安易な妥協的な考え方では自分は進歩はないなと、こう思っている。これにいつも言うように、自分は歯を食いしばって、万策尽き果てるまで頑張るという
意気込みは夢を持って進めていかなきゃいけないなと、こう思っているんです。
そういうことからして、自分は市政の理事者がどういうふうにしているのか、していないじゃないかという質問じゃなしに、みんなでひとつこれを食いとめて、
人口増加に何とか歯を食いしばって、そして、松浦市は長崎県の中でも卓越した施策を講じていっているぞという行政であるべきじゃないかなということで質問をしたところでございます。
3番目ですけども、これは何回も質問しておりますように、志佐川の河川の流域の生態系というものの回復についてということでございます。
私どもが小学校のころは非常に川遊びをしまして、フナをとったり、それから、石垣からのぞいておるウナギをとったり、非常に自然豊かな遊びをしてきました。余りそれをするばかりに勉強をしませんでしたけども、そのほうは卓越しているところです。非常に川というものは付加価値が高いといつも思っているんです。なぜかと、川の河川敷を整備すると、やはりお年寄りと孫さんが手をつないで、じいちゃんの冷たい手、孫のあったかい手できずなを強くすることができる。それと、ジョギングするにしても危険性がない。そして、五感を通して人間豊かな心を育むことができる、せせらぎを耳にし、冷たい秋の風を肌にし、そして、ヒガンバナの花を見、レンゲソウを見、
チョウチョウを見、トンボが卵を川辺に産みつけるところを見、自然豊かだと。そういう自然豊かの中で子どもを育てるということは、これは宝の環境だと、こう自分はいつも思っているんです。そういう河川敷、川、水体系というものを減少させていくということは非常に自分は心が痛むなと、こう思う。ただ、人間は豊かな生活を追及するがために、そういうところに目をやらないで過ごしていっているというところに自分はいつも心を痛めております。自然とともに人間は生きていくべきだろうと、こう思う。そのことによると、河川というのは、川の流域というのは非常に大事。もう何回も自分が質問しておるのは、鉄平石で間知ブロックで目詰めをして、川底もセメンで張って、あれはただの水路だと、こういつも言っているんです。川というものは、生き物がそこで息づいて豊かな川と位置づけるべきだろうと思うんですけども、これまでの河川の地域の生態系を回復するために調査が前に行われました。相当数の金額を投じて調査しましたけども、担当課に調査の大まかな状況を御報告いただきたいと思います。
17 ◯ 上下水道課長(山田一洋君)
上下水道課で平成22年度から26年度までに実施しました環境調査等の結果概要について御説明をいたします。
まず、この調査は、工業用水道取水堰によるアユへの影響の把握などを主目的として実施したものでございます。
この中で、アユの遡上調査では、取水堰下流の魚道と汽水域での遡上状況が確認できたほか、仔アユの流下する期間や時間帯などの基礎資料を得ております。
あわせまして、現状調査では、仔アユの取水口への迷入対策の必要性や、取水堰下流の魚道内のコンクリートぶたが遡上の阻害要因の可能性があること、それから、アユの分布範囲を広げるため、移動障害となっている魚道の定期的なしゅんせつや、落差のある堰の改良、土砂の撤去など、関係機関と協議、検討をして、生息環境の向上を図ることが指摘されたところでございます。
以上です。
18 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
総額幾ら予算投入したんですか。
19 ◯ 上下水道課長(山田一洋君)
総額2,317万2,900円でございます。
以上です。
20 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
その2,000万円相当のお金を投入して、その調査があらわれたことに対して、その2,000万円の投入した見返り施策は何をしておるんですか。
21 ◯ 上下水道課長(山田一洋君)
調査により指摘された事項で、その後、上下水道課で対応したことについて御説明をいたします。
まず、取水口への迷入対策につきましては、仔アユの流下期間や時間帯における取水口からの取水制限、それから、特別なゲート操作、これを平成26年から実施しております。このことにつきましては、翌年の平成27年4月に実施した遡上調査で明瞭なピークが認められたことから、迷入防止対策の効果が含まれている可能性はあるとの結果を得ており、現在も継続して実施中でございます。
それから、取水堰下流の魚道内のコンクリートぶたが遡上の阻害要因の可能性があるとの御指摘に対しましては、平成24年4月にふたを撤去するなど、保全対策として魚道の改良を実施しております。
それから、魚道の定期的なしゅんせつにつきましては、上下水道課職員により清掃作業を実施しておりまして、今後も状況把握に努めて継続してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
22 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
今、財政も、右左、融通がなかなかつけないぐらいゆとりのない財政になってきている中で、2,000万円というお金を投入する以上は、その2,000万円が
松浦市民に還元できる効果を出していかなければいかん。ただ結果が把握できただけではどうしようもないわけでございますので、この結果が出たことによって2,000万円を投入した、これが結果的には
松浦市民に還元できるような、松浦市に還元できるような方策を講じなければ、それをもってよしとしてもろうては困るわけで、ひとつそれを踏まえてしていっていただきたいと思いますが、今はもう皆さん、市長も御承知のとおり、体験が行われております。うちも年間1回につき5人ぐらい民泊をし、体験の受け入れをし、家でもしているんですが、そのことの中で、きょうは昼はお魚釣りだったと、釣れなかったということが今だんだん多くなってきました。なぜかと。アユはもう釣れないんですね。アユはもう修学旅行生には釣れない。なぜかと。方法が違うから。しかし、ハヤなんかは少ない。だから、アユだけになんか今は主眼が出ていますけども、アユじゃないハヤとかは、中学生、高校生が、東京、兵庫県から来て、川に行って魚を釣るときに釣れないという体験というのはよくないなと、こう思うんですよね。だから釣れる。そして、川は必ず石は滑るので、安全をする。そういうふうな川釣りの基礎的知恵というのも学んでいく。そして、その子どもたちが大人になって川遊びを、父親に、母親になってするときに、子どもに教えるノウハウは蓄積されると、こう思うので。ただ、アユの遡上、アユを保育所の子どもたちが放流するというのはよくテレビで、新聞で載るんですけども、それ以外のとで体験民泊、体験の子どもたちに釣れる魚というのの放流をちょっと考えていただければなと、こう思っておるんですが、その点に市長はどういうお考えを持っておられるのか。アユの放流はできよるんですよ。調査でも出ているんですよ。放流を、遡上が行われていますよと出ている。ところが、アユ以外の、日本橋高校の高校生たちが来たときに、釣れたよといって大喜びして夜泊まりに来る子どもたちが少なくなってきた。兵庫県の子どもたちもそうです。だから、そういう魚種の放流をお願いができないかというところをちょっとお聞きしたいと思います。
23
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えいたします。
ハヤの体験型の子どもたちが志佐川の魚釣りをして、以前はハヤが釣れていたけども、最近はもう釣れなくなってきているということから、志佐川内水面振興協議会ですかね、こちらのほうでもそういった御指摘がございました。何とかハヤの放流も考えられないかというようなことでございましたけれども、そもそもハヤの放流できるような稚魚がたくさん入手できるのかという問題ですとか、ハヤにもさまざまな種類があって、志佐川の生態系に影響がないのかというような、こういった指摘等々、検討結果としてそういった課題があるんではないかというようなこともございました。なかなかこういった点では速やかに解決策というのは見つからない点がございますので、一方でそういった、なかなか上志佐の魚釣り体験ができなくなってきたというようなことも含めて、現在ヤマメの里づくりということで新たに
取り組みを行われておりまして、自主的に上志佐地域の皆様が取り組まれ、松浦市としてもその支援を行ってきているところでございますので、こういったことも含めて複合的に、そういった体験に対応できるようなことができないか、こういったことを検討してまいりたいと考えているところでございます。(降壇)
24 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
前はハヤが、もし仮に1,000匹おったとが、体験とかなんかで使って釣って500匹になったと。その捕捉しておる500匹あたりを補充していただけないのかということであって、生態系になると、もともとおったんだから、それで生態系は保たれていたんだから。もともとおったんだから、それを毎回の体験の魚釣りで減っていっているので、それを補充してもらえんかということで生態系は乱れないと思うんです。
それと、市長も勘違いしてもろうたら困るんですけども、釣り堀みたいなところで釣るのと川で釣るのとは全く違うんです。なぜかと。川で釣るということを、せせらぎの中のどこのところに餌をやれば釣れるのかというのを頭で考えにゃいけない。それから、石に乗ったときに、山の石に乗るのと川の石に乗るのとは違う、滑る。それはそこに乗って、それからぐらぐらしている、そういう自然の現象にも対応するというのも勉強なんですよ。ここに、石に乗ったらぐらぐらするよと、これに乗ったらいつも水がたまっているところで藻が生えているから滑るよと、そういうふうなとも体験するのは川釣りなんですよ、釣り堀じゃないんですよ。それと、餌をどこに投げて回流して餌が来たときに魚が食いつくかという、その勉強も川釣りでなけりゃできない。だから、川釣りというのと、釣り堀で釣るのと、体験の修学旅行生は全然違う。学校から来て川釣りをするのは、そこを選んで一つの体験をしているんですよ。まず、最初から釣り堀に行って釣ろうと思ったらどこにもあるんですよ。だけども、川の、非常に清流でアユが泳いでいる志佐川で魚釣りをしてみようと、そして、1人の者は釣れない、なぜかと。釣る場所が悪かった。すると、場所を変えたりする。この時間帯というのが非常に修学旅行生というのには、体験、冒険。あの子は釣れなかったけども、釣れたということは、何か仕掛けが違ったり、場所が違ったり、回流するところの最後のほうに餌を置くか、回流する最初に置くかでまた違う。そこのところのよさというのを体験させるということで学校は来ているわけで。
だから、1,000匹おって500匹釣ってなくなれば、それをただ補充すればいいことであって、生態系が乱れるということはない。最初からおって生態系は乱れていなかったんだから。そこのところはよく考えられて、別にフナでもいいんですよ。1つの魚種だけじゃなくてフナでもいい、何でも、川魚というものを豊かにしてほしい。そして、東京から、兵庫県から、修学旅行に来て策をして釣る、その子どもたちに魚釣りの夢を持たせてあげる。釣り堀の夢を持たせようといって計画はしていないんですよ、あれは。川釣りの夢を持たせようということで学校は計画をそこにのせてきているんだから。そこのところに視点をしっかり置いてしていかないと、生態系が乱れるだろうかどうかという言葉が出てくるということだと。あと1回お願いします。
25
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えいたします。
まず、先ほど申し上げたとおり、ハヤの稚魚の入手ができるかということでございます。こういった点についても検討しなければならないと。確かにハヤという魚にもいろんな種類があるんではないかと、いろんなものがあるんではないかと。ですから、そもそも志佐川ですみついて志佐川で産卵をして生まれたハヤと、そうでないものを連れてくるわけですから、そういった点での課題はないのかという点をお話ししたところであります。
一方で、アユの放流につきましても、これは工業用水に取水をするということで、その費用の中からアユを放流するという協定に基づいてしております。このアユの放流を果たしてそういった他の魚種に変えていいのかという点もございますので、こういった点については十分配慮しなければならないと思っているところでもあります。
いずれにしましても、議員御指摘のとおり、体験型旅行というのはほんなもん体験でありますから、本来であれば川でそういった体験をするというのが松浦市が目指しているほんなもん体験の趣旨だろうと思います。しかし、なかなか釣っても釣れないようで、子どもたちがその釣るという体験ができないというようなことから、一方でそのような
取り組みもできないかという模索をしているところでございます。
いずれにしても、今御指摘のあったような点を踏まえて、アユにかわるものが放流できないのかどうか、こういう点は関係者の皆様とも十分協議してまいりたいと思います。(降壇)
26 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
とにかく1つの魚種だけを自分は言っておるわけでなくて、とにかくフナでもなんでも、昔からすると、相当前からすると少なくなっているということで、しかも、今言ったようなほんなもん体験で、ほんなもんを体験させにゃいけないんですから。だから、ハヤだけじゃなしに、フナもいいんですから、フナも前はおったんですから。それが少なくなっているので、それを前におったように回復してもらえんかと、その手だてというものをしてほしい。何も生態系を乱してまでもふやせと自分は言っていないんです。ほんなもん体験の名前のとおり体験ができなければ、釣れない体験というとは、ただ計画立てただけのことで何もならない。がっかりして帰っていく。だから、そこのところをしっかり踏まえてすべきじゃないかなと。だから、ハヤにしても、フナにしても、アユにしても、川におった生態系を乱さない、今までたくさんおったんだから。おっとって、生態系は乱れていないんだから。それが今少のうなっていますよと。だから、それを回復することはしなきゃいけないんじゃないですかと。だから、生態系とかなんか余り考えることはこれにはないんじゃないかなと、こう思っていますので、ひとつそこのところは腰を落ちつけて、どうしたら回復するかと。河川というのは非常に大事だというふうに、今回は河川敷の護岸をどうのこうのとか、河川敷のへりをどうせろとかじゃないとです。生態系をちゃんと回復してもらう、これは非常に大事なことだなと。そして、そこの豊かな水に今度は魚が回遊して、その豊かな水が引かれてすばらしいおいしい米に変わっていく、そういう川であるべきだからと、こう思っているところでございます。
次に、最後ですけれども、これは何回も何回も、よう鈴立はこの問題では性懲りもなしに質問するだろうと、こう思われる人もいると思うんですけども、私はそれほど、この学校の廃校、統廃合というのに危機感を持っているんです。やはり何回も言うように、地域の過疎化がどんどん進んでいっている。その中で、学校が廃校になるということは、心の過疎化になるじゃないかと思っているところです。だから、少子化の流れに自分は逆流してでも万策尽き果てるまで努力をして知恵を出し合うて、そして、みんなで手を取り合って、この統廃合というのを阻止していこうと、何とか方法ないものだろうかというふうにして今まで来ました。努力をすることによって万策尽き果てるまで頑張ることが、この学びやを後にした大先輩の方々、そして、歴史を踏んできた学校に対して自分は申しわけない。何も努力もせん。質問もせん。おいおい、鈴立よいと、お前は地元におったって何ば質問したかと、こう自分はなっていく。だから、そういうことにはちゃんと根拠ある答えが出せるようにはしておこうと、こう思っておるところでございます。
今、上志佐は確かに複式学級というのがあります。これはほかの学校もそのようになってくると統廃合の話をさせてもらうことになるんですよというのをちらほら耳にするもんだから、そうなってからでは遅いので、早目早目に手を打っていこうと思って質問を毎回しているところでございます。
そこで教育委員会に、今、複式学級というのが上志佐は行われているんですけども、具体的にどのように、何年何年というのがあろうと思いますが、今その現状をお聞きしたいと思います。
27 ◯ 学校教育課長(宮島哲郎君)
お答えいたします。
上志佐小学校の複式学級解消のための
取り組みとしましては、現在、松浦市立上志佐小学校特別転入学制度を平成31年4月から実施することにし、準備を進めているところでございます。
この特別転入学制度は、志佐小学校区に住所を有する児童のうち、自然環境に恵まれ、小規模校としての特性を生かした……(発言する者あり)
28 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
質問しているのは、複式学級が1年と2年で行われておるか、3年と4年で行われておるか、5年と6年で行われておるか、その複式学級がどのように行われているのかというのをお聞きしようとしているだけ。
29 ◯ 学校教育課長(宮島哲郎君)
申しわけございませんでした。
現在、複式学級でありますが、2年生と3年生、それから、4年生と5年生で2学級発生しております。
30 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
県の教育委員会は、統廃合というものはどこのところを基点において統廃合という方向に動くことになるんですか。
31 ◯ 学校教育課長(宮島哲郎君)
お答えします。
県の教育委員会が具体的にどのようにということを私もすぐにはお答えすることはできないんですけども、文部科学省等も含めて、複式学級、小規模校の学校につきましては、適正規模の学校づくりに努めるというようなことについては一定のものが示されているというふうに思っております。
32 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
先ほど少し申されておりました、今後、上志佐小学校が複式学級が今実際に実施されておるわけでございますので、これを黙って私ども見ておりますと、必ず統廃合の行動に県も市も動いていくだろうと。そういうふうなところから、これを歯どめをかけて逆流して右上がりに、あ、よかったなと、上志佐小学校は生き残ることができたという方向にしていかなければいけないということで、市長も教育長も、そこについては非常に苦渋の考えをしておられるということについては、自分も本当に感謝をいたしております。私としては、地域こぞって何とか統廃合を免れるために頑張っていこうとしているんですけども、今後、教育委員会としてどのような知恵を出されて、何とかこれを食いとめる方策というのをしていこうとしておられるのか、お聞きしたいと思います。
33 ◯ 学校教育課長(宮島哲郎君)
先ほど説明をしておりましたが、複式学級を解消して子どもたちの教育環境を整えていくということは非常に大切なことだというふうに考えております。
教育委員会としましても、現在、上志佐小学校の松浦市立上志佐小学校特別転入学制度を平成31年4月から実施することで準備を進めていっておるところです。
先ほども説明しておりましたが、この特別転入学制度といいますのは、志佐小学校区に住所を有する児童のうち、自然環境に恵まれた小規模校としての特性を生かした教育活動が実践されている上志佐小学校で学習をしたいと希望している児童が、上志佐小学校へ特別に転学、入学ができるようにする制度のことです。この制度を現在進めていこうというふうにしているところでございます。
34 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
いろいろこの件については、市長部局も教育長部局もいろいろと御心労をいただいているということについては、改めて私も非常に感謝申し上げるところでございますけれども、これが具体的に動いて、確かに来春、そしてその次、上志佐のほうに入学がふえて私どもの気持ちが安堵する、そういう時期になればなと、こう心から思っているところでございます。
ただ、私どもは、子どもを育て上げてからもう何年もたっている感覚での行動ですけども、今育てている親の方々というのがどのように考えておられるかというのは、もう十分自分たちは心しなければいけないなと、こう思っております。それは、今育てている親の子どもさんたちというのが、果たしてそれを存続していくことの教育のメリットとマイナス面というものは、もう私どもが最大限に地域で補えるものはしていかないと、どうしてもメリットというのは、大勢の中でやっぱり切磋琢磨して、チームの中をつくって、チームの一員としてルールを守って、そして育っていく、切磋琢磨していくという成長の過程が少し損なわれるんじゃないかなというところあたりは自分たちもしっかりと踏まえていかなきゃいけない。ただ、廃校はいかんですよ、いかんですよと言ったときに、じゃ、子どもたちの成長というのに影響はしないのかなというところは、自分たち、もう大分子どもを育ててから上がった人間たちは、よくそこは踏まえにゃいけないというところは、私どもは十分認識はいたしております。
そこで、人口を、生徒数をふやしていく方向にして、そして、チームをつくれるような生徒数をふやしていく、この努力もしていかないと、統廃合を免れたからこれでよしというわけにはいかないわけでして、先ほどマイナス面が出たところを一日でも早く、一年でも早く補っていくかというあたりもしっかり踏まえて、そして、上志佐小学校の少人数でマイナス面が生じる分を最大限カバーしながら存続というものを目指していく。そして、上志佐小学校を卒業した子は何らそこには欠点はないよと、何も指摘するところはないよと。学力も非常に高くなっておる、健康状態も、チームワークも、全てルールを守る、意識も何も遜色はないよという上志佐小学校の児童を目指さなきゃいけないんじゃないかなと、こう自分たちも思っております。
そういうところからして、今後地域一体となってまた取り組んでいきたいなと、こう思っておりますので、もう一度、教育長にその件についてのお考えをお聞きして、この質問については終わりたいと思います。
35 ◯ 教育長(今西誠司君)(登壇)
お答えいたします。
先ほど説明がありましたように、上志佐小学校では複式学級が昨年度より発生しました。本来であるならば、これまで松浦市の小・中学校適正配置基本計画によって志佐小学校の統合というふうになるわけですけども、そうなった場合に、どうしても志佐小学校の教室が不足するであるとか、あるいは上志佐地区の要望がありまして、現在のところ、子どもたちの、そう言いながらもやっぱり複式の解消に向かって努力はしなくちゃいけないということで特別転入学制度を設けているところでございます。
これにつきまして学校のほうとしても、そういう中で魅力ある学校づくりをしながら子どもたちの数をふやす努力をするというふうにしておりますので、そのことについては私どもは支援をしてまいりたいと思います。
その後、一応3年間その
取り組みの状況を見まして、私としては、志佐小学校の統合がいいのか、あるいはまた、複式が解消されることによってそのまま継続するのがいいのか、その辺はやっぱり教育効果等を踏まえながら、子どもたちのためにという視点で選択をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。(降壇)
36 ◯ 14番(
鈴立靖幸君)
今回4項目について質問をしました。私は今回質問したことは一長一短には行政のほうに質問をして返ってくる答えで結果が出てくるというものではないかもわからない。けれども、自分たちとしては、議員の立場としては、よりより施策を激論を交わしながら、よりよい松浦市の行政自治体と、長崎県でも格段の行政サービスが行われておる松浦市だというふうなことで、子育てにしても、教育にしても、河川の生態系にしても、
人口減少にしても卓越したいろんな施策を松浦市はしていっているなというようになるように、ひとつそういう気持ちで質問をしてまいりましたので、夢のないところには発展はなかなかないですけども、夢を持って、できるできんはまだわからないけども、夢を持ってできる方向で努力をする、自分もそういう質問をしていきたいと思っております。
これで私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
(
鈴立議員 一般質問席 降壇)
37
◯ 議長(椎山賢治君)
以上をもって
鈴立議員の一般質問を終結いたします。
ここで暫時休憩いたします。
午前10時59分 休憩
───────── ◇ ─────────
午前11時15分 再開
38
◯ 議長(椎山賢治君)
再開いたします。
休憩前に引き続き、会議を開きます。
それでは、
質問順位に従い、1番・
谷口議員の登壇を願います。
(
谷口議員 一般質問席 登壇)(拍手)
39 ◯ 1番(谷口一星君)
おはようございます。
煌青会の谷口一星でございます。2月に就任をいたしまして、4回目の定例会、4回目の登壇でありますけれども、まだ緊張いたしておりますけれども、どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、通告に従いまして、質問を行わせていただきます。
まず、第1点目が地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の活用についてでございます。
ふるさと納税ということであれば、個人向けのふるさと納税が今非常に注目をされており、年々増加傾向にあるということは各種報道によってなされていると思いますけれども、個人向けふるさと納税と企業版のふるさと納税は大きく性質を異にするところがあると思います。個人向けふるさと納税であれば、その中心が返礼品ということを含めたタックスペイヤーの意思決定に委ねられているところかと思いますけれども、やはり企業版ふるさと納税は制度自体が複雑でもありますし、そういう中で活用というものを検討していくことはいろいろ難しい点があるかと思いますが、まず冒頭に、簡単で結構ですので、制度の概要についてお示しをいただきたいと思います。
40
◯ 政策企画課長(
星野真嗣君)
企業版ふるさと納税制度でございますが、これは平成28年、内閣府によって創設をされております。従来の個人向けのふるさと納税とは違いまして、さまざまな制約が設けられているところでございます。
まず、寄附の対象でございますが、自治体が地域再生計画を策定しまして、それを内閣府が認可した地方創生に係る事業のみが対象となっております。その事業に対しまして、企業が寄附を行った際に税額が控除されるという制度でございまして、寄附金額の下限が10万円と設定をされております。
また、自治体としましては、事業立案の段階である程度正確に寄附をいただける企業の見込みをつけることが必要とされております。
一方、寄附をされる企業側としては、返礼品などの経済的な利益の受け取りは禁止をされております。ただ、寄附額の最大6割が法人住民税などから控除されるという仕組みになっております。
また、企業にとっては自社の社会的な貢献を対外的にPRするということで、企業のイメージ向上につながるというメリットもあるかと思っております。
41 ◯ 1番(谷口一星君)
非常に複雑な制度であるということ、そして、企業自体が自治体から経済的なインセンティブを受けることは禁止されているということ、そこは制度としてあるんだろうと思います。
そういう中で、従来は寄附金が損金算入できて、3割程度の節税効果というのは適正かどうかわかりませんけれども、その効果だったものが法人住民税と事業税ですかね──の3割部分を合わせて6割程度が結果的に企業にとっては負担減となるから、4割程度で済むというような制度概要だろうと。この部分が企業にとってみて経済的なインセンティブであると思います。
そして今、課長の答弁からもありましたけれども、CSR、企業の社会的責任の中においてこのシステムを組み込むということは、企業自身にとってもそういう社会的活動としての意義を示すことができるんだろうというふうに思います。
そういう中にありながらも、やはりこの制度が非常に難しいのは、市としても企業とある程度個別に事前に詰めないといけない部分であったり、制度を国に認めていただかなければいけないと、そういう難しさがあると思うんですけれども、松浦市として本制度の活用を検討されたことがあるかどうか、御答弁をお願いいたします。
42
◯ 政策企画課長(
星野真嗣君)
制度が始まった当初、28年度の活用について検討しまして、実際に3件の事例について内閣府のほうに事前相談を行っておりますけれども、いずれも本申請までには至らなかったという状況でございます。
43 ◯ 1番(谷口一星君)
どういった事業について検討されたかというのは、ちょっと今ここで詳細には伺う時間がないんですけれども、そういった中で検討されてきたという実績はあるんであろうと思います。
ただ、そういう中で難しい困難性に直面をして、なかなかそこから先に進んでいないという現状の中ではあると思うんですけれども、今、長崎県内を見たときに、長崎県としてこの制度を活用はされているのか。県としての企業版ふるさと納税の活用はあったんではないかと思いますが、市や町などの活用についてはちょっと承知をしていないんですけれども、やはり松浦市として今後大胆な政策を取り組んでいくときに、こういった制度の活用というものは検討していかなければならないのではないかと思っております。「ともだ
ビジョン」の中にも自ら稼ぐ市役所づくりですかね、その項目が上げられておりますけれども、その中でふるさと納税が書かれております。これは個人向けを想定されているのかわかりませんけれども、こういう広い枠組みの中で捉えたときに、企業版ふるさと納税の活用も必要だと思いますし、今こういった松浦においては、例えば、鷹島の神崎遺跡など世界的な遺産になり得るものを有している中で、それをなかなかこの小さな自治体一つで対応していくというのは厳しい部分がございます。そうしたときに、いろいろな企業とタイアップというか、お力をかりながらということも考えられるわけでございますし、やはり特定の目的を定めた大胆な事業を推進するためにも再検討が必要なのではないかというふうに思っております。
この点と、また、こういった今、国が用意している各種支援制度であったり、補助金というものは多種多様にわたると思っております。そうした中で、それらを活用していくということは、これは非常に大事なことであると思いますけれども、こういうものを検討していくような専門部署をつくるつもりで、そういったことも含めて、こういった制度というものに対しての
取り組みを考えていかれてはどうかと思いますが、御答弁をお願いいたします。
44
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
谷口議員の御質問にお答えをいたします。
まず、この企業版ふるさと納税の活用についてでございますけれども、先ほど政策企画課長も申し上げましたとおり、この活用については非常にハードルが高い分がございますし、6割の控除があるといえ、4割の負担になるわけでありまして、やはり企業のほうにも御納得いただくような、そういった事業を構築していかなければならないということだろうと思っております。
先ほど御指摘のありました鷹島神崎遺跡の分については、先ほど詳細の中身については申し上げませんでしたが、この神崎遺跡の魅力発信事業ということで内閣府のほうには提案をいたしましたが、なかなかKPI、重要業績評価指標、これに単年度でつなぐことが難しいということから、この活用が認められなかったという点もございます。全国においてもこのように、なかなかこの制度を使いきれていないというところもありまして、何とかこの制度そのものを使いやすいものにできないかということで国のほうに要望をしているところでございますので、まずはそういった推移を見きわめながら、柔軟になればしっかりと対応できるようにしなければならないと思っています。
一方で、新たな部署の設置についてということでございましたけれども、これは現在、政策企画課の中で、まさに議員が御指摘のような国や県の制度を活用しながら取り組むということについてはしっかりやっておりますし、あわせて、それぞれの部署においてもそれぞれの所管の中で国、県、そういったものの事業が活用できないかということについては、日常の業務の中でしっかりやっておりますので、まずはそういった対応で進めてまいりたいと考えておるところでございます。(降壇)
45 ◯ 1番(谷口一星君)
KPIなどの設定が非常に難しいというのはあるんだろうと思います。おっしゃったように、キーパフォーマンスインジケーターでしたよね。これはインジケーターですから指標として示さなければいけないので、数値としてあらわしていくということになると、やはり単年度で計画していくのは難しい。しかし、そこに対しての知恵を絞っていくというのも一つの行政としての努力ではないかと思っております。そういう意味において、やはりこの部分に関してより検討をしていただきたいということと、また今後、これは報道ベースでありますけれども、5年間期限が延長されるというような報道も目にしております。
そういう中で、国として方向性がどのように変わっていくかということも注視していかなければならないんだろうと思いますので、庁内においても引き続き御検討いただきたいというふうに、これは御要望として申し上げておきたいと思います。
また、専門部署に関しても、私が申し上げたのは、非常に今、補助金であったり、制度というのが複雑化する中で、そういう中で、やはりそれに対して専門的にある程度研究をしていく、各種部署が日々研究されていると思いますけれども、そうした中で、非常に複雑な部分に関して相談できるような部署ということも含めて、それが今実際あるんではありましょうけれども、そういう中で、制度としてきちんと確保していくということも検討されていくことが必要なのではないかなというふうに思うところでして、そこにおいて御質問に加えたところでございました。今後、さらに庁内において検討していただければというふうに思います。
それでは、企業版ふるさと納税については、今後の推移を見守りたいと思います。
続いて2点目、ふるさと納税とその財源の充当事業についてお伺いをいたします。
先ほど申し上げましたけれども、個人向けのふるさと納税というのは今非常に一般的な制度になりまして、多くの方が日々活用をされております。その背景には、やはり返礼品ということがあるんだろうと思いますけれども、今、テレビであったり雑誌等々でも返礼品が特集をされたり、ふるさと納税という本来の趣旨を踏まえたときにいかがかと思う部分はあるんですが、既存の制度の中でそれを活用していくというのは、これは極めて重要なことでありましょうから、その点について私申し上げることは特にないんですが、そうしたときに、年々増加傾向にあると。その中で、松浦市としても市役所の皆さん方の努力であったり、さまざまな地域経済の方々の努力を含めて、多くの寄附金というものを頂戴している現状ではなかろうかと思います。
そうしたときに、松浦市のように非常に小さな財政規模の自治体にとって、この財源というのは今決して無視できる額ではない状況に来ているんだろうというふうに思っております。
ただ、ふるさと納税の財源というものを見たときに、その財源というのは安定財源ではないということは、これは言えるんだろうと。恒久的に保障された財源ではなくて、単年度、単年度の、それこそ先ほど申し上げましたタックスペイヤーの皆さん方の意思決定の中で選択をしていただいた、そこで積み上がっていった金額であるというふうに思っております。
そうした中で、今、自治体間の競争が非常に加熱をしていて、返礼品競争のような部分も一部には見受けられるというふうに伺っております。
そうした中で、寄附金の額が年度、年度によって大きく変動していく、そういった懸念というものは事実あるんだろうと思います。長崎新聞の報道ではございますが、佐世保市は2015年度に26億4,700万円、これは全国6位であったようでありますが、それだけの寄附を集め、翌2016年度には全国15位の26億1,500万円を集めております。これは県内でトップでございました。しかし、本年度は当初見込みが28億円であったにもかかわらず、大きく下回りまして、19億円から20億円程度になるのではないかというふうに試算をしていらっしゃるようであります。
一方、2014年度に14億6,300万円で日本一になった平戸市も、本年度は見込みの20億円から12億円程度に落ち込みそうだという報道でございました。同紙の分析といたしましては、やはり換金性の高い家電商品であったり金券など、返礼品をめぐる競争の加熱が問題視され、総務省が昨年4月、寄附額上位の自治体や調達額の高い自治体に対し個別に見直しを求めたと。それによって両市は返礼品の交換に使うポイントの換算割合を3割以下に抑制したり、高額品の取り扱いを中止したと。こういったことが影響しているのではないかという分析でございました。実際、そこが大きく影響しているのではないかと私も思うわけですけれども、そういった中で、今、総務省を中心に、このふるさと納税ということに対していろいろな懸念であったり、本来の趣旨と逸脱しているというような状況を問題視された中での議論が起こっているように承知をいたしております。
そのような現状を踏まえると、今後、国の動向によっては制度の変更ということも含めてなされていく可能性があるのも事実だと思います。そうしたときに、不確実性がこの制度自体に対して増す懸念がございます。先ほど申し上げた年度間によっての寄附金の額の差、変化であったり、国の制度自体の変化、そういったさまざまな懸念の中で、このふるさと納税というものの財源の特殊性を考慮して予算を編成していく必要があるのではないかというふうに私は思うわけでございます。
例えば、この財源の性質から考えると、やはり通常の行政サービスの財源補填に充ててしまった場合に、もし大幅な減少に直面したときに、現在提供している住民サービスを継続していく、そのこと自体に対しての懸念も生じてしまう可能性があるのではないかと思っております。
また、ふるさと納税というものをある程度見込んでの予算編成をしてしまうと、自治体の本来の体力以上の肥大化を招く懸念もあるのではないかというふうに危惧するわけでございます。
そうしたときに、そのような点を踏まえて、ふるさと納税から得られた資金というものは、本来の趣旨から申し上げれば、地方の活性化の戦略的な投資に活用していくということが本来の姿ではなかったのかなというふうに思っております。
もちろん限られた財源の中で、よりよい住民サービスというものを提供しなければならないという使命の中で、日々市役所の皆さん方が努力をされた結果としての予算編成であると、知恵を絞られた中での結果であるということは理解するわけでございますが、今後そういった予算を編成する中で、こういった財源の特殊性ということも踏まえた検討が必要ではないかというふうに思うんですけれども、いかがお考えかということをお願いいたします。
46
◯ 政策企画課長(
星野真嗣君)
ふるさと納税の個別事業への充当に当たりましては、寄附者から指定されました事業の目的に沿って、予算編成過程の中で、ふるさと納税所管課であります政策企画課、それから、財政担当課である総務課との間で充当する事業を協議、調整した後、最終的に市長が予算案として決定しているという状況でございます。
議員御指摘のとおり、充当事業の中には継続的に実施しております事業もございまして、制度の廃止、それから、寄附見込みを下回る状況などが生じた場合、財源がなくなるという状況が生じまして、事業自体の廃止・縮小を検討せざるを得ない事態も想定されますので、そういった可能性も踏まえまして、充当事業の選定については慎重に行っていく必要があると考えているところでございます。寄附者にアピールできる事業、それから、寄附を呼び込むことができる事業などに対しまして、可能な限り優先的に充当をしていきたいと考えております。
47 ◯ 1番(谷口一星君)
寄附をしていただいた方の納得性の高い事業に充当していくというのは、それは本来の姿でありますので、そのとおりだろうと思います。
そういう中で、先ほどおっしゃっていただきましたけれども、やはり継続事業の中で充当すると、さまざまな不測の事態を招く可能性があるという御認識は行政の中でももちろんお持ちなのだと思います。その上で、やはり厳しい財政状況を鑑みた結果のこういった使途だとは私も理解するわけでございますけれども、やはりそこに対してのそういった懸念があるということも心にとめていただいて、今後の財政運営に引き続き当たっていただきたいという私の思いでございました。
余談ですけれども、本来からいえば、こういった使途というのは、やはり大胆なものにある程度活用していくのも一つの方法かなというふうに思っております。それが戦略的な投資ということも含めてですね。
企業版ふるさと納税でも申し上げましたけれども、やはり鷹島の神崎遺跡について、これをどうにかして守っていかなければいけないという思いは市民の皆さんお持ちでしょうし、市としてもお持ちのことだろうと思います。例えば、そういうところに大胆に予算を配分していくような、例えば、これを一般財源からなかなか充当するというと大胆な確保が難しいと思います。でも、こういったふるさと納税というのは、ある程度当初中央が地方財政を計画する上で想定していない部分の収入でありますから、その部分に対しての収入というものを戦略的に投下していくというふうな視野というものも持っていただくことは、非常に私としてお願い申し上げたい部分かなというふうに思っておるところでございます。
ただ、さはさりながら、やらなければいけない事業はたくさんあって、財源はないという中で計画をしていらっしゃると思いますので、今後もさまざまな中で知恵を絞っていただきながら、行政サービスというものの推進に向けて努力をしていただきたいというふうに思っております。
これについては余り申し上げても、やはりなかなか財源というものを新たに創出はできませんから、私の思いということをお伝えしたということも含めて、この程度にとどめさせていただきたいと思います。
次に、少し順番を変えまして、通告でいうと4項目め、商業振興から見る松浦市
総合計画の検証並びに第2次計画の策定についてお伺いをいたします。
第1次計画の計画年度が終了いたしまして、今後、第2次
総合計画を策定するということになっていると思います。現在、市においてもさまざまなそれに向けての準備という段階にあるんだろうと思います。その中で、やはり第2次計画を策定していくという前提に立ったときに、第1次計画の検証をするということは、これは大変重要なことだと思いますけれども、そういう意味で、今回は商業振興の点から検証をしてまいりたいと思います。
この計画、1次計画においても商業振興というものは重要な位置づけにありました。これは本市としても力を入れて取り組むということのあらわれではなかろうかというふうに理解をいたしております。
ただ、松浦市商工会議所の会員数ということでまず見てみますと、平成17年度は579名であったというふうに
総合計画の中には示されておりました。私、会議所に伺ったところ、平成30年12月現在では526名の会員数ということで、これは減少傾向にあるということはうかがえるわけでございます。やはりこれは全国的に見て、地域経済というものが厳しい状況に直面をしているという全国的な共通の課題であろうと、小規模都市の共通課題だろうとも思いますけれども、やはりそれが松浦市としても実態としてあらわれている一つの側面ではなかろうかというふうに思うところであります。
そこでお伺いをしたいと思いますが、松浦市の経済の実態というものを数字で確認したいと思いますので、まず、卸売・小売業の生産額と本市の総生産額について、第1次計画がスタートした2007年現在と直近でわかる数字、データをお示しいただきたいと思います。
加えて、本市として創業意欲のある若手であったり、いろんな起業家精神を持つ方に対しての各種支援というものはさまざまな形で提供されていると思います。そういった中で、支援の結果として創業に結びついたような件数というものもわかればあわせてお示しください。
48 ◯ 商工振興課長(福守尚美君)
長崎県市町民経済計算という統計に基づきお答えをいたします。
総合計画の初年度である平成19年度の松浦市の総生産額が911億円、うち卸売・小売業が70億円となっております。
総合計画の目標年度である平成28年度の数値はまだ公表されておりませんので、最新の平成27年度の数値でお答えいたしますと、総生産額が約761億円、うち卸売・小売業が約54億円となっておりまして、大幅に減少をしている状況でございます。
また、平成26年度から実施をしております創業支援事業に伴う新規創業者数といたしましては、平成26年度が3人、平成27年度が8人、
総合計画の最終年度の平成28年度が8人となっておりまして、平成29年度においても5人が創業されているという状況でございます。
49 ◯ 1番(谷口一星君)
やはり数字で見たときに、実態を想像した以上に厳しい数字であろうかと思います。900億円を超えていたものが現状760億円程度に総生産額ベースで減少しているということ、卸売・小売業で見ても70億円を超えていたものが54億円を切る状況になっている現状がございます。
本来、当初
総合計画を策定する時点においても、将来の見通しとしてなかなか厳しい状況であろうということを踏まえた上での計画であったと。その中でいかにしてそれを食いとめていくかということも、正直そういった趣旨も含まれていたのだろうというふうに思います。
そういう中で、やはり実態として減少したと。これが果たして
総合計画がなければもっと減少していたのかどうかと。その
総合計画自体が有効に機能したのかどうかというのは、正直それはわからないわけでありますけれども、数字としてこれだけ大きな減少を持っていて、それはひいていえば、地域経済の中で主体となって働いている方々にとって大きな困難に直面をしているという現状ではなかろうかというふうに思っております。
ただ反面として、市の支援の結果として、26から28年度で19件の創業があったと。そして29年度においても5件の創業があったということは、この厳しい松浦の経済状況、地域経済の状況の中にあっても果敢に挑戦をしたいと思う方の意欲のあらわれという意味では、これは大変すばらしいことではないかと思うところであります。それに向かって行政としても精いっぱいの支援をされた結果でありましょうから、行政としての
取り組みについても最大の敬意を表したいと思うわけでございます。
ただ、厳しい現状を踏まえたときに、そういう将来の見通しを持って策定された1次計画がどういう側面の中で機能していったのかということについて少しお伺いをしたいんですけれども、中身についてお伺いをするときに、まず、基本計画第1章 産業振興であらたな活力を生み出すまちづくり、第1節 地域特性を活かした既存産業の振興と充実の中で、商店街個性化施策の推進と異業種交流・商業団体連携による商業の活性化というものが掲げられております。その中に各種施策があると思いますけれども、その中から幾つか伺いたいと思います。
まず、快適性と利便性の高い商業環境の整備ということがうたわれておりますけれども、それについてどのようなことがなされたか、御答弁をお願いいたします。
50 ◯ 商工振興課長(福守尚美君)
第1次
総合計画の実施計画に基づき実施をした具体的な施策といたしましては、協同組合アクトによる宅配事業やお買い物スタンプラリー事業、HOWマッチカード事業などがございます。また、志佐地区と今福地区の商店街につきましては、まちなか活性化基本計画を策定いたしまして、それに基づき、志佐地区では集合ワゴン市、シャッターアートなど、今福地区では歴史散策街歩き、今福丼の開発、和一処祭りなどを実施いたしております。あわせて、両地区商店街の街路灯のLED化も実施をいたしております。さらには、休憩案内施設みなくるを活用して着つけ、陶芸などの体験教室や子ども向けのイベントなども実施をいたしました。
なお、平成26年度からは松浦市商工業振興
ビジョンを策定して、その他さまざまな施策に取り組んでいるところでございます。
以上です。
51 ◯ 1番(谷口一星君)
こういったさまざまな施策がなされて、ハードの面であったり、ソフトの面であったり、さまざまなことがなされているというふうに思います。そういう意味においては、行政としてもやはり地域経済を守るということの思いの中で、しっかりとした予算をとって、そして、それに向かっての努力をいただいた結果だろうと思います。
これが正直どの程度の商店街であったり、そこの日常の人の流れということに結びついているかということについては、またさまざまな検証が必要でありましょうけれども、やはりそこに向かって努力をしていくというその
取り組み自体にも大きな意義があるし、その中で、一人でも多くの方々に足を運んでいただけるような体制づくりというものについての努力は、また商店街であったり、行政というものが一緒になって取り組んでいかなければならないんだろうなというふうに思っております。
次に、消費力の回復と確保の中で、西九州自動車道の開通を視野に入れた中心市街地の再編整備について示されておりますけれども、どのようなことが実施されているでしょうか、お示しください。
52 ◯ 商工振興課長(福守尚美君)
中心市街地の整備ということで申しますと、先ほど申し上げました街路灯のLED化や駅前の駐車場のラインを引いたりとかいう整備は行っておりますけれども、市外消費力の確保策としては、平成17年度から平成27年度まで、旬あじ、旬さば、トラフグを活用した食のまつりを開催して、ツアー客などの誘致に
取り組みをしておりまして、さらに、福岡都市圏交流促進基本計画を策定し、福岡事務所を設置して、福岡都市圏をメーンターゲットとした誘客事業に取り組んでまいりました。
以上です。
53 ◯ 1番(谷口一星君)
福岡都市圏での交流促進であったり、グルメ観光というものは本市にとって非常に重要な側面でありますので、そういった部分に取り組まれているということの御答弁があったわけですけれども、私自身福岡を中心として、多くの方が松浦にいらっしゃっていただいているんではないかなというのは肌で感じておりまして、これはことしですけれども、ちょっと余談ですが、私が松浦の市街地を歩いておりましたところ、60代であろう御夫婦から声をかけていただいて、福岡からアジフライを召し上がりに来たと。ただ、目的であったお店が閉まっていたということで、お昼どきでしたけれども、ほかに何かないかということを尋ねられました。その中でも私が思いつくところは何件か御紹介をしたんですけれども、それにかかわらず、日々さまざまな飲食店の方にお伺いをしても、やはりよそからいらっしゃる方が多くなったということを肌で感じていらっしゃるように感じます。特にアジフライというものの聖地を目指し始めてからさらにふえたのではないかなと、正直個人的な肌感覚としては思っておりますけれども、これは前市政の時代から継続をして、福岡をメーンターゲットとしてさまざまな施策を打ってきた、その結実としての一定の結果かなというふうに思っております。
そういう中で、昨日、西九州道松浦インターチェンジの開通記念フェスタがありましたけれども、今後、松浦インターが開通することによって、さらに福岡都市圏とのアクセスは向上いたします。そうした中で、こういったもののメリットを最大限に活用して商業の振興というものも捉えていく必要があるのではなかろうかというふうに思っております。
そうしたときに、そういったアクセス向上等々によっても相乗効果としてより多くの方が松浦にいらっしゃるということを想定したときに、やはり松浦にいらっしゃった方々をですね、松浦の魅力に接していただいて、そして楽しんでいただくと。そして、またできればリピートしていただくというのが本来の企図すべき目的ではないかというふうに思っております。
そうしたときに、やはり中心市街地のインフラ整備というものは、これは不可欠であろうかと思いまして、やはり駐車場の不足であったり、そういったことも含めて、さまざまな中でもう一歩進めていかなければならないところがあるのではないかというふうに感じるわけでございますが、商工振興という観点から中心市街地の再編整備は必要ではないかと思いますが、その点からいかがお考えか、御答弁をお願いいたします。
54 ◯ 商工振興課長(福守尚美君)
今、議員からもお話がありましたとおり、間もなく松浦インターチェンジが開通をいたします。その後、中央公園の再整備やJCHO松浦中央病院の開設など、今後新たな人の流れが生まれるようなことが想定をされております。そういう人たちを中心市街地、商店街にいかに呼び込むかというのが今後大事になってくると思いますので、地元の商工関係の皆様方とも協議をしながら、御意見を伺いながら、ハード、ソフト両面で検討をしていきたいと考えております。
以上です。
55 ◯ 1番(谷口一星君)
やはり商工振興の観点からも、こういった再編整備というものが重要であるという旨の御答弁ではなかったかというふうに思っております。それはハードの面でもソフトの面でも、両面からということでありますけれども。
そういう中で、今後第2次計画の策定がなされていきますけれども、中心市街地の再編整備というものが第1次計画でうたわれたと。その精神というものをぜひ引き継いでいただいて、商工振興に向けた
取り組みの一つとして堅持していただきたいというふうに思いますけれども、市長としてどのようにお考えか、その点をお伺いいたします。
56
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えいたします。
まず、中心市街地の活性化については、やはり西九州自動車道の整備でありますとか、(仮称)JCHO松浦中央病院でありますけども、こちらの建設、あわせて、これに伴う市民総合福祉プラザという大きなハード事業がありますし、これによって一定程度の人の流れが生まれてくると思います。
加えて、中央公園の再整備についても今検討をしておりますので、こういったことを含めますと、やはりこの志佐の中心街については、その人の流れをどのように活性化に結びつけていくかということは大切でありますし、こういった点においては、この志佐商店街のみならず、中心市街地をどのように地域のまちづくりに生かしていくか、これは現在策定をしている第2次
総合計画の中でしっかり議論をしなければいけないと思っておりますし、その考え方はしっかり
総合計画の中に取り組んでいきたいと思っております。
加えて、議員からも御指摘がありましたように、志佐商店街ということに限って申し上げれば、やはり駐車場不足は何とかしなければならない課題であると思います。駅前に駐車場がございますけども、これがそういった交流人口の拡大につながるような活用ができているかというと、いささか疑問な点がございますので、こういった点で、十分地元の皆様方とどのように活用していくべきか、そういった点を考えた上で適切な対応をとってまいりたい。こういったこともあわせて、
総合計画とは若干異なりますけども、こういった点も含めながら、中心商店街の活性化に意を尽くしてまいりたいと、このように思っています。(降壇)
57 ◯ 1番(谷口一星君)
やはりそういった中で、第2次計画の策定においても、そういう精神というものは引き継いでいただけるというふうに私として理解をいたしましたので、ぜひお願いをいたしたいと存じます。
また、今おっしゃっていただきましたけれども、これから志佐の中に人の流れというものが向いてくるような状況ができてくるわけでございますので、それをしっかりと受けとめられるだけの総合的な整備を行っていくということ、そして、そこからいかにして人の流れを地域経済というものに結びつけていくかということも含めて、これは
総合計画とは若干離れるかもしれませんけど、そういうことも含めて、さまざまなお知恵を絞っていただきたいなというふうに思います。
あわせて、駐車場の件も市長から御指摘いただきましたけれども、多くの方々が中心市街地でさまざま楽しんでいただくために供されるようなシステムというものを、交流人口拡大という言葉で御答弁いただきましたけれども、そのためにも、そういった実態に即した運用がなされるように、ぜひそこも御検討を重ねていただきたいとお願い申し上げて、この項は終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、本来の通告でいいますと3点目、本市の財政状況についてお伺いをいたします。
なかなか厳しい財政状況であるというのは地方都市にとって共通の課題で、しかも小規模都市にとっては、さまざまな国の政策等々も含めて厳しい状況に置かれているということは実態であろうと思いますが、本市の財政運営を行うに当たって、本市の財源というものは十分に確保がなされているか、その絶対額として十分かということについて御答弁をお願いします。
58 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
予算編成を行う上で市の歳入で最も大きな財源は自主財源の市税のほか、普通交付税がありますけども、この普通交付税につきましては、近年の
人口減少や合併算定替えの縮減の影響で減少傾向が続いており、財源が十分にあるとは言えない状況であります。したがいまして、予算編成には大変苦慮しているというのが実態でございます。
59 ◯ 1番(谷口一星君)
それに関しては正直想定できたことではありますけれども、念のためにお伺いをいたしました。
そういう中で、毎年予算を編成されているわけでございますけれども、なかなか単年度で見たときに、財源が不足するような事態に陥ることがあろうかと思いますが、そういった場合に、市としてどのような手当てというか、充当をされているのかということについてお伺いいたします。
60 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
予算編成上の不足する財源につきましては、財政調整基金からの繰り入れを行うことで対応しているということでございます。
61 ◯ 1番(谷口一星君)
財政調整基金というのは、今地方にとってなくてはならない基金でありますけれども、これはことしだったかな、自信がないんですが、財務省と総務省の中で議論がなされたと。たしか審議会の中での議論だったと思いますけれども、財務省の審議会の中では、やはり今財調基金が非常に額として積み上がっていると。その中で、それが地方財政計画に基づいて措置をしている交付税措置というものの中では、基金というものは想定していない運用ではないかと思いますけれども、そういう中で、非常に額が増加をすることに対しての懸念が出されていたと思います。財務省として見れば、赤字国債を発行することで地方に財源を移転しているわけでありますけれども、国として見れば、借金という負債が積み上がる中で地方が基金という積み立てをすれば、それは地方の財政から見れば資産として積み上がっているわけですから、そのいびつな構造というものに対しての問題視だったのかなと思いますが、これについて、財務省の理論がわからないわけではないんですが、ただ、地方にとって基金を積み上げていくということの要因は、やはり国の制度が今後どうなるかわからない、また、地方財政が日々年々変化していく中で、厳しくなっていく中で、これは
人口減少であったり、インフラの更新であったり、さまざまあると思いますけれども、そういう中での不安の中で積み上がってきたものだと理解をしますので、やはりここは必要ではあろうと思っております。
そういう中で、本市において直近のデータで財政調整基金の残額というものはどの程度あるか、お示しください。
62 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
今議会に提案しております「平成30年度松浦市一般会計補正予算(第5号)」でございますが、これの編成後の残高見込みでございますけども、8億1,637万9,000円となります。
63 ◯ 1番(谷口一星君)
8億2,000万円弱ということだと思います。
あわせて、今後の財調基金の見通しについてお伺いします。
64 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
先ほど申しました普通交付税の減少というのが平成31年度以降も見込まれますので、その財源を補うための取り崩しが必要となります。そういうことから、残高は今後も減少する見込みでございます。
65 ◯ 1番(谷口一星君)
減少していくという見込みであると。これは総務省のデータだったかわかりませんが、全国の自治体にサーベイしたときも、市町村レベルでは減少していくという傾向が示されているようであります。
そういった中で、財政調整基金を本市としてどの程度の規模を保つことが適切とお考えか、その点について。
そしてまた、財政調整基金の目標水準のようなもの、これは同じことを聞いているわけですけれども──があるかどうかということについてお伺いをいたします。
66 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
財政調整基金の妥当な規模につきましては、明確に示されたものはありませんが、災害の発生や税収の変動と、そういうことに備えて一定額はどうしても必要であると思っております。
ただし、先ほど申されましたように、国のほうも地方交付税と財政調整基金の積み増しですね、その辺の関係で議論がされておりますし、この国の動向も見ながら検討していく必要があると思っております。
また、財政調整基金だけに積むのではなくて、特定目的基金と、そういうものにシフトしていく必要があるというふうに思っております。
67 ◯ 1番(谷口一星君)
そうですね、特定目的基金に積むというのは、目的があれば当然そちらのほうに積んでいく、基金の適正化という意味でも、それは必要なことだと思います。
さはさりながら、一般財源の中で不測の事態に備えるときには財調基金の持つ意味というものは大きいというのは、それは課長も当然共通認識だと思いますので、その中でお伺いをします。
確かに国として目標水準であったり、適正規模というものはお示しになっていないというのは、その現状は私も理解をいたしております。
そうしたときに、全国の自治体にアンケートをした結果、調査した結果、やはり標準財政規模であったりというものの数字の中での一定割合を積んでいくということを想定している自治体が多いように承知しております。その中でも標準財政規模であったり、予算規模、一般財源に対する比率ということでの全国的な調査では回答が多かったわけですけれども、そんな中で、やはり標準財政規模に対しての一定比率を保つという自治体が圧倒的に多かったというふうな結果になっております。
その中で、自治体の中での結果を見ると、標準財政規模に対しての比率の中で一定比率を目標に積んでいる自治体の中でも、5%超から10%以下という自治体と10%超と20%以下という自治体がほぼ同数で圧倒的に多くなっております。そうしたときに、やはり1割程度というのが一つのベンチマークになるんではないかと思いますが、本市の標準財政規模の額をお示しください。
68 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
平成29年度の標準財政規模でお答えしたいと思いますが、92億1,131万7,000円でございます。
69 ◯ 1番(谷口一星君)
92億円ということであれば、大体9億円程度が通常想定されるような基金の額なのではないかと思いますけれども、これからいろいろ変化していく中ではありますが、やはりその程度の一つの数字というものを念頭に置いた予算編成であったり、計画というものも必要ではないかというふうに思います。
そういったものを維持していくためにも、やはり今後の財政の見通しというものを立てることは重要であろうと思いますが、本市として財政の見通しというものは立てていらっしゃるかどうか、その点についてお伺いします。
70 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
平成26年9月に第2次松浦市財政健全化計画というものを定めておりまして、これが26年度から30年度までの計画でございました。こういうものをもとに財政運営を行ってきたところでございます。
71 ◯ 1番(谷口一星君)
その結果として、基礎的財政収支について伺いたいと思いますけれども、基礎的財政収支、プライマリーバランスがここ直近3年程度で結構ですので、達成されているかどうか、お伺いしたいと思います。
72 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
プライマリーバランスの状況につきましては、毎年実施されております地方財政状況調査の数字をもとにお答えいたしますが、平成27年度が8億6,767万8,000円の赤字でございます。平成28年度も49万円の赤字となっております。平成29年度は1億9,736万1,000円の黒字となっております。29年度は黒字ではございますが、平成27年度から29年度までの累積で見た場合は6億7,080万7,000円の赤字となり、債務が累積した状況でございます。
73 ◯ 1番(谷口一星君)
29年度は黒字ということですが、全般的なトレンドを見たときに厳しいと、均衡していないという状況になろうかと思います。
そうした中で、今後財政というものを見通していくときに、今後の想定される税収の額であったり、そういったものを検討していくことが必要だと思いますが、そういった検討がなされているかどうか、お伺いします。
74 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
毎年度予算編成を行う上では、歳入歳出の見込みということで各年度予算の平準化を図る必要があることから、別途中期財政見通しというものを作成して予算編成に活用しているという状況でございます。
75 ◯ 1番(谷口一星君)
そうすると、今後の財政の見通しというものはどうなっているかということと、これは公表されているかどうかということも含めて御答弁をお願いします。
76 ◯ 総務課長(宮原宗尚君)
歳入の面で見ますと、市の基本的な財源であります市税につきましては、平成32年度に固定資産税で増収が見込まれますが、その後、段階的に減少していきます。また、普通交付税につきましても、合併算定替えの縮減や算定の基礎数値である国勢調査人口が平成32年度の調査結果をもとに、平成33年度以降の算定に反映されることから、
人口減少による普通交付税のさらなる減額が確実であり、歳入全体としては縮小する傾向にあります。
さらに、歳出面では、近年の大型事業の実施に伴い、地方債残高が増加しており、その元金及び利子の償還である公債費が高どまりするなど、歳入と歳出の乖離が大きくなってまいります。これにより財政構造の一層の硬直化が進み、今後は、これまで実施してきたような投資的事業や政策的な事業の実施が困難な状況になるなど、人口の減少とともに、年を追うごとに厳しい財政状況になるものと考えております。こういうことから、人口規模に見合った予算規模へ徐々にシフトしていく必要もあるものと思っております。こういうものを中期財政見通しとして、内部資料としてでございますが、毎年度作成をいたしております。
この公表につきましては、先ほど答弁いたしました第2次財政健全化計画のように、きちんとした計画というようなことを策定した折には、議員や市民皆様にはお示ししていくべきものと考えております。
77 ◯ 1番(谷口一星君)
今後の見通しということであれば、なかなか厳しい状況ということをお示しいただきました。今後、大きな固定資産税の増収は見込めると思いますけれども、減価償却をしていけば、そのうち非常に厳しい状況になるわけであります。
そういう見通しであるということの中での予算編成という御答弁でしたけれども、予算編成をしていく中でもめり張りをつけていかなければならないと。そういった上で予算を編成していただいて、そして、それについて審議をしてまいりたいというときに、やはり今後の見通しというものを、単年度ごとに将来的な一定期間の見通しということを御提示いただくというのは、これはそういう審議の段階において非常に重要ではないかと思いますので、その点については御検討いただきたいということを申し上げたい。これは要望として申し上げます。
今までの議論を踏まえてみます。何か私は緊縮財政をとれと言っているように聞こえるかもしれませんが、私は全くそういうことを申し上げるつもりはなくて、やはり将来的な投資という観点から、めり張りをつけた行政運営をしていかなければならないと思っております。それはまさに行政改革、行財政の改革ということにもつながりますけれども、やはり未来に向かっての投資ということを大胆にしていくためには、その前提として、ある程度安定した財政状況というものがなければ難しくなってしまうということを念頭に申し上げたつもりでございます。
今後、私自身はこの松浦が飛躍をするための大きな計画というものを策定していただきたいと思いますし、そういった精神の中で予算編成をしていただきたいと思うわけですが、さはさりながら、一方で財政状況は厳しくなると。そういう現状において、市長はどのような思いで今後予算を編成されていくおつもりか、お伺いします。
78
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えいたします。
財政状況が厳しくても、市民のためにやらなければならない事業もございまして、こういったものについては、やはりしっかりと対応していく必要があると思います。
また、将来に向けてどうやるかということでございますけども、本市の財政状況は、答弁の中でお示しをしたとおり、大変厳しい状況に直面しておりまして、また、今後も
人口減少などが主要な財源である普通交付税の減額にも影響するということから、さらに厳しくなっていくことを認識しております。
しかしながら、このような厳しい財政状況を克服するためには、やはり産業振興などを通じて地域経済の活性化を図る必要があると思っております。
一方で、後年度の財政基盤の強化につながる施策にしっかり優先順位をつけながら財源を振り分けて、限りある財源を効果的に配分できるように努めながら、加えて、さまざまな補助制度や償還時に交付税措置のある有利な起債を活用しながら対応してまいりたいと考えているところでございまして、今後も必要な投資を行いながら、一方で、その投資が本当に将来の暮らしに、この地域の活性化につながるかどうか、そういったことを十分見きわめながら、加えて、後年度に負担だけを先送りすることがないようなことにも意を配しながら取り組んでいきたいと考えているところでございます。(降壇)
79 ◯ 1番(谷口一星君)
私が先ほど申し上げました思い、そしてまた、市長御自身も将来に向かってやるべきことはやらなければならないし、そういった思いを持っていらっしゃるということが理解できたわけですけれども、やはり投資的なものというものは将来の税収に結びつく部分もありますし、大胆なことはやっていかなければならない。その中で取捨選択をしていって、なかなか優先順位をつけるのは難しいですけれども、しかし、つけていかなければならない、そういう思いで御質問を申し上げました。
そういう中で、今後も未来に向かっての投資ということも含めて、しっかりとした安定財政の中で取り組んでいただきたい。
これは先ほど申し上げました補助金などの活用、地方創生の税制であったり、今、国はさまざまなパッケージとして提示しているものがございますので、そういうところの研究というものはしっかりとしていただいて、少しでも多くの有利な制度というものの活用はなしていただきたいというふうに思います。
時間が本当にありませんので、最後、5点目に参ります。
市道志佐浦中央線の一部通行どめ区間についてお伺いをいたしますが、現状においていまだ通行どめの現状でございます。そこに至る経緯と、そして今後の事業の流れについて簡単に御答弁ください。
80 ◯ 建設課長(中村桂一郎君)
本年7月6日にかけて降りました230ミリの梅雨前線豪雨によりまして発生しました市道志佐浦中央線の災害につきましては、浸透した地下水が盛り土層で増加したことから、盛り土斜面が不安定となり、延長としまして37メートルの歩道のり面の崩壊が発生したものと考えられます。この崩壊によりまして、車道中央までクラックが確認されましたことから、車両通行の安全を確保するため、即時通行どめの対策を行いました。
災害復旧の進め方なんですけども、災害発生から10日以内に災害報告を行いまして、現地調査、査定設計書作成を行った上で、災害査定を受け、工事費が決定することとなりまして、その後、復旧工事に着手いたします。
当路線は、現在、12月末に実施される予定の災害査定に向け、準備を進めておりまして、災害査定により工事費が決定されれば、速やかに復旧工事を実施し、早期完成に向けて努めてまいりたいというふうに考えております。
81 ◯ 1番(谷口一星君)
今御答弁いただいたように、前に進んでいるということはわかるんですけれども、やはり災害が発生をしてから現時点に至るまで時間も大分経過いたしましたし、その中で、まだ復旧に向けての見通しが十分立っていないというところを踏まえますと、やはり今後もうちょっと加速をして、あるいはやはり多くの地域住民の方々もいらっしゃいますし、あの道路に面した自宅に住んでいらっしゃる方もあります。そういう直接的な不利益をこうむっていらっしゃる方もいれば、また、あそこは日々多くの方々が生活道として利用されているわけですから、そういった不便というものを一日も早く解消する努力というものは引き続き行っていただきたいと思います。
そういう中で、多くの住民の方々から伺うのは、今どういう現状にあの道路があるのかということがわからないですとか、今後どういう見通しなのかという情報が入ってこないということで、非常に危惧、懸念を持っていらっしゃる。何かあそこが忘れられたような感じを持っていらっしゃる住民の方が一部いらっしゃるのも事実かと思います。そういう意味で、今後やはりそういう道路に限らず、災害が起こって一部通行どめなど起こっている現状であったり、そういったものというものを適宜あまねく市民の皆様方にお伝えする、そういうことも必要ではないかと。そして今後の見通しということも含めてお示しをすることは大事ではないかと思いますが、その点について簡単にお願いします。
82 ◯ 建設課長(中村桂一郎君)
この災害につきましては、辻ノ尾地区自治会及び近隣住民へ被災状況と車両通行どめについて報告を行い、市民への周知といたしまして、松浦市ホームページに掲載し、国道、市道の主要な交差点では告知看板及び誘導看板などを設置し、周知を行いました。
今後の周知につきましては、議員の御指摘のとおり、災害査定の結果を踏まえながら、被災箇所である辻ノ尾地区自治会及び市民の皆様へ再度お知らせを行いたいと思っております。
また、周知の方法につきましてなんですけども、今回の通行どめは大雨時の被災であって、他の路線でも多くの通行どめが発生したことや、並行する国道が迂回路として機能したことから、最低限の情報発信でまいりました。議員御指摘のように、市民に与える影響の大きな路線や通行どめが長期化するような場合は、ホームページにとどまらず、議員御提案の市報や、また自治会回覧、防災無線などの利用も考慮しながら、適宜効果的な手法での周知に努めてまいりたいというふうに思っております。
83 ◯ 1番(谷口一星君)
そういった面も含めて、多くの皆さん方の不安を払拭するような対応というものを今後も心がけていただきたいなというふうに思います。
以上で駆け足になりましたけれども、12月定例会の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(
谷口議員 一般質問席 降壇)
84
◯ 議長(椎山賢治君)
以上をもって
谷口議員の一般質問を終結いたします。
ここで暫時休憩いたします。
午後0時15分 休憩
───────── ◇ ─────────
午後1時15分 再開
85
◯ 議長(椎山賢治君)
再開いたします。
休憩前に引き続き、会議を開きます。
それでは、
質問順位に従い5番・
川下議員の登壇を願います。
(
川下議員 一般質問席 登壇)(拍手)
86 ◯ 5番(川下高広君)
皆さんこんにちは。
公明党の川下高広です。通告に従いまして質問をいたします。
今回、質問が3項目ございまして、1つ目は鷹島神崎遺跡の保存活用について。それから、松浦市の文化公演事業について。3つ目が松浦市子ども議会についてでございます。
タイトルからはちょっとわかりにくいと思いますが、この質問の根っこの部分には、やはり
人口減少に対して何とか歯どめをかけなければいけないという思いがあります。鷹島神崎遺跡の保存活用については、こういった松浦市の独自の資源を有効活用してつなげていきたいということ。2つ目の文化公演事業に関しては、文化的な楽しみのある暮らしの提供。それから、松浦市子ども議会につきましては、将来への人材育成と郷土愛の醸成ということで、その根っこの部分をベースに考えながら質問をしていきたいと思っております。
まず、一番最初、1つ目、鷹島神崎遺跡の保存活用についてです。
平成24年3月、水中遺跡として日本で初めて国指定を受けました、この鷹島神崎遺跡が本市鷹島町にあります。そして、平成27年3月には、この国指定鷹島神崎遺跡保存管理計画書が策定されまして、保存活用するに当たっての、いわゆる背骨ができた状態と言えます。
何とかこの松浦発展のために、松浦市の資源を活用していこうという面から質問をするわけですけれども、まず、市長にお伺いいたしますけれども、当遺跡において、松浦市にとってどのような可能性を持っているのか、また、役割を持っているのか、市長のお考えをお尋ねいたします。
87
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
川下議員の御質問にお答えをいたします。
鷹島神崎遺跡について、市長としてどのような考え方を持っているかというお尋ねでございますけれども、鷹島神崎遺跡は、私の「ともだ
ビジョン」に掲げる「地域の価値観(松浦らしさ)の確立」、このことを図る上においても重要なツールの一つであると考えております。
まずは、この価値を市民皆様とともに共有して、そして、将来的には鷹島を水中考古学の拠点とする、このことを目指して取り組んでまいりたいと考えております。
また、先ほど議員からも御紹介がありましたけれども、平成26年に策定をいたしました鷹島神崎遺跡保存管理計画においても、その実現を図るために「遺跡の価値を理解し、守ります」「遺跡を究め、伝えます」「遺跡の価値を活かし、招きます」この3つの目標を掲げて取り組むことといたしております。
これが松浦市としての基本的なスタンスでありまして、この現在沈んでいる元船については、やはり将来的には松浦市鷹島を国内外へ発信するシンボルになると、そのように考えておりますので、ぜひ将来的には引き揚げたいとの思いを持っているところでございます。(降壇)
88 ◯ 5番(川下高広君)
ありがとうございました。市長のほうから引き揚げたいという答えをいただきました。
冒頭申しましたとおり、この松浦市、
人口減少が進む中で、何とか歯どめをかけたいという思いの中で、観光資源にもなり得ます鷹島神崎遺跡というのは、松浦市にとっても重要なツールです。
松浦市を全国にPRする中で、どれだけ独自性というのを出せるかというのが、どこの自治体でもテーマであるのに対して、この神崎遺跡というのは、日本で唯一の水中考古学遺跡だということで、独自性を発揮できるものであるんですね。ですから、それを何とか盛り上げていきたいというわけですけれども、まず、策定された管理計画書に基づきまして保存、研究等が進んでいるかと思いますが、現在の
取り組みについてお示しをお願いします。
89 ◯ 文化財課長(内野 義君)
鷹島神崎遺跡につきまして、平成26年3月に策定いたしました鷹島神崎遺跡保存管理計画書に基づき、今現在、事業を進めているところでございます。
この計画において、整備活用事業を進めるに当たりまして、短期、5年以内、中期、10年程度、長期、10年以上と3つの期間を設定して
取り組みを行っているところです。
現在、整備活用事業の目標期間の短期の部分に当たりまして、平成30年度がこの短期目標期間の最終年度となっております。
予定しておりました事業につきましては、例えば、沈没船のモニタリングと公開、活用や史跡指定地内の確認調査、沈没船の推定復元コンピューターグラフィック等の製作、公開など13事業中、12事業を達成している状況でございます。
90 ◯ 5番(川下高広君)
残りの1つは、どういった内容でしたでしょうか。
91 ◯ 文化財課長(内野 義君)
達成できていない部分につきましては、文化財ガイドの育成という項目になります。
92 ◯ 5番(川下高広君)
文化財ガイドといいますと、まさにこれまで鷹島神崎遺跡、あるいは元寇の話、伝承といいますか、そういったものを伝える、非常に重要な役割を果たしてきたものだと思っております。この部分が育成できていないというのは、結構痛手かなと思うんですが、これはいつぐらいまでにというふうな目星をつけておられますでしょうか、お願いします。
93 ◯ 文化財課長(内野 義君)
この文化財ガイドの育成につきましては、ちょうど埋蔵文化財センターの組織の改変ですとか、それから、配置をしております職員の入れ替え等がございましたので、まずは埋蔵文化財センターの中の職員のスキルをアップするということに重点を置きました。
今後、次のステップといたしまして、より伝えていける人材の育成というのも検討してまいりたいと考えております。
94 ◯ 5番(川下高広君)
具体的な、いつまでにというのは、まだ示せる状況じゃないということですね。大事な部分ですので、よろしくお願いいたします。
文化財保護法が改正をされまして、施行が31年4月1日というふうに聞いております。この中で、趣旨を読み上げてみますと、過疎化、少子・高齢化などを背景に文化財の減失や散逸等の防止が緊急の課題であり、未指定を含めた文化財をまちづくりに生かしつつ、
地域社会総がかりで、その継承に取り組んでいくことが必要。このため、地域における文化財の計画的な保存、活用の推進や地方文化財保護行政の推進力の強化を図るというのが趣旨に述べられています。
ここに線が幾つか引いてあるんですけれども、この文化財をまちづくりに生かしていくということが書いてございます。まさしく今、市がやろうとしていることも、その部分に沿っていると思いますし、私の質問もその部分に沿っております。
しかし、実態としまして、市民の皆様の関心といいますか、そういった部分に、議員としていろんな市民の皆様とお話をするに当たって、地域差もかなりあるかなという思いがあります。
また、地域もありますね。それから、仕事に関係があるから、この遺跡の調査等がなかなか積極的な思いになれない方がいらっしゃったりとか、そもそも関心がないという方もいらっしゃいます。
一方で、本当に何とかこれを松浦の宝にしていきたいんだという強い思いをしていらっしゃる方も存じ上げております。
まず、市長にお聞きしたいんですけれども、こういった市民の温度差といいますか、状況というのは、どのように考えられて把握されていますでしょうか。
95
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えいたします。
やはりこの元寇の遺跡というものが、昭和50年代から旧鷹島町において積極的に取り組んでこられていたということから、鷹島町においては、非常に高い関心があると。一方で、平成18年1月1日に合併をした新市においては、それまでの
取り組みがなかったということから、温度差があることは事実としてあると思っております。
しかしながら、新市になって以降、子どもたちを中心に、そのことを勉強するために学習活動の中で鷹島神崎遺跡の勉強をしたり、あるいは実際に鷹島の埋蔵文化財センターを訪れて、ふるさとの歴史の一つであるということを認識するために、子どもたちにおいては勉強をしております。
また一方で、市民の皆様の中にも、そういったものに関心を持って
取り組みをしていただいている団体もございますので、徐々に広がりつつあるのかなという思いは持っておりますが、しかしながら、今、議員が御指摘のような状況があることについては、私自身も把握をしておるところでございます。(降壇)
96 ◯ 5番(川下高広君)
ありがとうございます。この神崎遺跡を有効活用するために、私としては3つ思いがありまして、1つは、市長の明確な未来図を描いていく、
ビジョンを示すということ。それから、2つ目が政治的な動きの推進。もう一つは、やはり地元の盛り上がりかと思います。
この地元という表現なんですけれども、私は松浦市全体が地元だと思っております。松浦の中での事情は別として、よその自治体から見れば、鷹島神崎遺跡はどこにあるんだと、松浦市ですと、そしたら、地元は松浦市、松浦の方は地元の方、松浦の議員全員が地元の議員というふうになると私は思っております。
そうした中で、また、さらに続けるんですけれども、市民の方の神崎遺跡に対する興味、関心を抱いていただくために必要なものは、やはり未来図が明確に見えるかどうかだと思っています。
要は、この神崎遺跡、よく話をしていて言われるのが、そいばして何になるとやというところなんですね。つまり、この神崎遺跡を活用して、その活用ができた暁には、松浦市にはこういう未来があるんだと、こういう可能性が広がっていくんだと、皆さんの生活の中で、こういうところも関係してきますよと、そういった絵だけじゃなく、絵の先の絵が見えてくることというのが大事じゃないかと思っております。
昔、僕が営業をやっていたときに、よく、物を売るときに言われたのが、ジャパネットたかたさんがまだ三川内にお住まいのときに、三川内で商売をされていたときに、当時、高額だったビデオカメラを結構高齢の方に売っていたという話で、なぜ、そういう高額なビデオカメラを高齢の方に売ることができたのかというのは、これでお孫さんの運動会を撮れますよと、ずっと思い出に残せますよということで、そのお話を聞かれた方々は、このビデオカメラを買うことで、自分たちにどういったわくわく、楽しみ、お孫さんの元気な姿が見られるという、そういったことを明確な未来図をイメージできたことによって、高い買い物でも喜んでしていったというのがあって、そういった営業時代にお客さんにはちゃんと、これを買うことであなたはどうなりますよというのを示さなきゃいけないよというふうに教えられた思い出があります。
これを置き替えると、やはり市長には神崎遺跡を将来的にどういうふうにしていきたいんだということでお話をされたんです。前の市長さんは、友広市長は博物館機能を備えたものをということを、一つ、旗として上げられていました。市長さんは、今、引き揚げをということを言われたので、もしかしたらその部分が明確な
ビジョンなのかもしれませんけれども、そういったところで、市長さんには、ぜひ明確な未来図を示していただきたいと思うんですけれども、その件について、どうお考えでしょうか。
97
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えいたします。
先ほども申し上げましたとおり、将来的には引き揚げたい、これは私は最大の未来図だと思っています。しかし、そこに行くまでにはさまざまな障壁もございます。財源的な問題等もございます。そのことを一つ一つクリアしていかなければいけないと思いますし、その実現のために現在取り組まれているのが、この保存管理計画に基づく短期、中期、長期、それぞれの計画であると思いまして、これがもう前友広市政のころから松浦市としての変わりない未来図だと、そのように考えております。(降壇)
98 ◯ 5番(川下高広君)
ありがとうございました。先ほど市長のほうから財源というお話がありました。この鷹島神崎遺跡をどのようにしていくかにしても、やはり県、それから、国にしっかりと訴えていかなければならないというのは間違いない道筋だと思っております。そのときに必要なものというのが、先ほど3つ挙げた、
ビジョンは1つお答えいただきましたので、政治的な活動の推進と、それから、地元の盛り上がりということだと思っております。
この政治的な働きかけにつきましては、私たち議員の松浦市議会の認識を共有していく、そういったことが必要なんじゃないかなというふうに思っております。松浦市議会17名が、市長の旗振りでしっかりとその後ろに立って盛り上げていくということは、今後、県、国に訴えていく上で重要なことになると思っておりますので、質問をいたします。
この議会への理解、あるいは情報の共有等に向けた行政の
取り組みについてお願いいたします。
99 ◯ 文化財課長(内野 義君)
鷹島神崎遺跡の保存と活用に係る事業を進めるに当たりましては、市議会の皆様の御協力は必須であると考えております。
現在、文教厚生委員会におきましては、予算等の審議を終了後に時間をいただきまして、鷹島海底遺跡等に関する事業の概要について御説明をさせていただいております。
また、市議会からの要請がございましたら、私のほう出向きまして、詳しくその辺、状況の御報告等させていただきたいと思っております。
100 ◯ 5番(川下高広君)
そうですね、委員会のほうに説明をされているということで、これは本当に予算にも大きく直結することですので、当然、説明はしていただいていいと思います。
さっき、その後に言われた、要請があれば説明とかをしますということですので、そういった要請があれば、ぜひお願いしたいなというふうに思っております。
また、それもなんですけど、積極的な担当課としての働きかけもお願いできないかなというふうに思っております。やはり物事を進めていく上では、こういった行政と議会と、それから、市民の連なった行動が必要になってくると思いますので、担当課のほうにもお願いしたいと思います。
また、議員は市民の方とよく話をする機会が多いです。また、たくさん市民の方が集まる場所に行く機会があります。そうしたところで神崎遺跡の話が上ることは余りないんですが、話が上がったときに、こいばしてどがんなるとやと言われたときに、やっぱり議員が、そうさねと言いよったら市長の思いとは真逆のほうに行くわけですよね。そこにやっぱり、いや、そうじゃなかとばいと、こがんて思うとらすごたっよと、市長はこがんて具体的に思うとらすごたるよと、そして、こうすることで松浦が盛り上がるごたるですよと、そういったことが言えるのが、大きく変わってくると思いますので、担当課の方には、ぜひ積極的な議会に対するアクションをお願いしたいと思います。
3つ目、地元の盛り上がりということで、先ほど市民の中でいろんな御意見、いろんな立ち位置の方がいらっしゃるという話はいたしました。その中でも、やはり何とかこれを盛り上げていけんかねとおっしゃる団体の方もいらっしゃるのも事実です。そういった方々と、あるいはそういった方も含めて、市民の方にしっかりそういった市長の
ビジョン、考え、今の
取り組みを説明とか示す機会が必要なんじゃないかと思いますが、その件についてはどのようにお考えですか。
101 ◯ 文化財課長(内野 義君)
市民の盛り上がりをつくるための
取り組みということですが、それに関しましては、市民に対しまして、普及啓発活動といたしまして小中学校を対象としました体験学習や出前講座、また、最近はヘッドマウントディスプレイなどを用いまして出張バーチャル水中考古学ミュージアムと題しまして、水軍まつり、松浦こども博など、そのほか、福岡とかで開催されるイベントでのPR活動を行いながら普及を行っているところです。
また、本年、水中考古学研究センターで開催を計画しておりました水中考古学公開セミナーにおきましては、一般市民の参加も可能としておりました。残念ながら台風の接近によって実施できておりませんが、現在、日程の再調整を行っているところなので、できるようであれば、また同じように一般市民の方も話を聞ける機会を設けたいと思っております。
あとそのほか、身近な話題ということで、SNSでの積極的な情報発信ですとか、それから、市報においても「わたしたちの郷土」という連載におきまして、平成21年から、蒙古襲来、鷹島を中心とした記事を掲載させていただきながら、市民の皆様に情報を発信しているところでございます。
102 ◯ 5番(川下高広君)
ありがとうございます。今のお話を伺っておりますと、いわゆる文化であるとか、教育、歴史、学術、そういったものであるのかなというふうに思っております。否定するものではありません。これはぜひぜひ続けていただきたいと思っております。その上で、先ほど私が何回も言っているのは、どうなるんだというところですね。政策的な意味合いといいますか、その部分をお願いしたいなというふうに思っているんですね。そういった予定はありますか。
議長、済みません、いいです。
つまり、言っている意味わかりますかね。文化、教育、歴史、学術の話は講師を呼んだりとかしてされています。ヘッドマウントディスプレイも、ああ、こんなにすばらしいのがあるんだとされています。でも、市民を盛り上がるためには、そういう部分も大事だけども、この松浦がどうなるんだというところをして心に響かせないと、広がりはできないんじゃないかということを言っています、市長。
103
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
まず、松浦市の基本的な姿勢といたしましては、先ほど申し上げました保存管理計画の中に将来的な目標は水中考古学の拠点を目指すということであります。そして、水中考古学専門機関を設置するということ、あわせて、元寇船の復元、公開をやるということ、これが松浦市の基本的な考え方であります。
これによってどのような効果があるか、これは、これからの研究の中でその価値を見つけ出していかなければならないと思います。実際に今後、これを松浦市単独で引き揚げようとしても、これは到底かなわないと思います。やはり国や県のお力添えがなければいけません。
そういった中で、国や県がなぜ松浦市の鷹島に沈んでいる元寇船を揚げるのか、松浦市だけの活性化だということであれば、なかなか国や県は動いてくれないと思います。やはりこの価値がどんなものなのか、こういったことは、ぜひさまざまな研究者の方もいらっしゃいますし、先般もこの価値を世界遺産くらいの価値があるという先生もいらっしゃいましたので、こういった先生の御助言等々をいただきながら、その形づくりもこれからの研究の中で必要だと思います。
そういった中で、将来これがどう活用できて、どんなふうになってくるのかというのが、しっかりとお示しすることができる、そのことが市民の皆様にも、アウトラインというよりも、本当に具体的な中身が見られるようになるんじゃないか。そういった積み上げといいますか、形づくりというのを、今後の長期的な目標に向けてやっていくのも、行政の
取り組みの一つだと、そのように思っております。(降壇)
104 ◯ 5番(川下高広君)
市長、ありがとうございます。よくわかります。よくわかります。さっきの政策的というのは、要は人をどうやったら呼べるのかというところにどうしてもつなげたいという思いがありますし、市長もそういう思いはあると思っているんですね。それはやっぱり観光資源にしたりとか有効だと思うんですけれども、市民の方が動く、市民の方のハートを動かすには、そういった足元、自分たちにどうかかわってくるのかというところだと思うんですよね。
ですから、そういったところを、例えば、こういう学術的な発表をするときに、パネルディスカッションとかするじゃないですか。そういったところにエッセンスとして、こういう聞いた人が、学術的な話だけじゃなくて、こうやって松浦にチャンスが広がっていくとねと思わせるような仕掛けができないかなと言っているんですけど、そういったことは
取り組みはしていただけないでしょうか。
105 ◯ 文化財課長(内野 義君)
取り組みなんですが、具体的に、まずは事例といたしましては、鷹島を水中考古学の拠点へというようなシンポジウムを開催しております。これは、平成28年になるんですが、その中で議論されたのが、この鷹島に来るまでの道のりですとか、その歴史とかを生かした地域づくりをするべきだというような意見をいただいておりますので、そういったものを参考にさせていただきたいなと思っております。
106 ◯ 5番(川下高広君)
ありがとうございます。済みません、何かちょっとにやにやした人がいるんですけど、どういうことですかね。真面目に議論しています。注意してください。
とにかく、この遺跡をしっかりと活用したいという思いがあるというのは伝わったんじゃないかなと思いますので、市長先頭に、ぜひよろしくお願いします。
それと、1つ、最後なんですけれども、関係あることなんですが、文化財保護法の改正で最後の部分に──最後というか、これ、概略版なんですが、地方公共団体における文化財保護の事務は教育委員会の所管とされているが、条例により、地方公共団体の長が担当できるようになるというふうに書いてございます。
もちろん今、教育委員会の所管ですので、確かに例えば、ディスカッションのこと、そういう講演会でも、教育、学術的な話がメーンになるのは当然わかっていることです。ですが、この神崎遺跡を何とか松浦を盛り上げていくために使いたいという思いで考えるならば、やはり政策的なものを根っこに置きながら、鷹島神崎遺跡を活用していくというところに立つかどうかというのは、大きな違いだと思います。
ですから、私が提案させていただくのは、いわゆる市長部局というんですか、そちらへの移管を検討されてはいかがかと思いますが、どうでしょうか。
107 ◯ 教育長(今西誠司君)(登壇)
お答えいたします。
議員御指摘の文化財課を市長部局に移行することにつきましては、先ほども議員がおっしゃいましたように、文化財保護行政に係る制度の見直しのための法改正が行われているところでございます。
その内容というのは、まちづくりなどとも連携しながら効果的な文化財行政を推進するために、文化財の事務を首長部局へ移行してもよいというものでございまして、このことは文化財行政と景観まちづくり行政及び観光行政など、他の行政分野も視野に入れ、総合的、一体的な
取り組みを可能とするものでございます。
本市におきましては、現在、鷹島神崎遺跡の調査研究が進行中でありまして、遺物の発掘調査であるとか、保存処理法の確立並びに船の引き揚げに向けた研究といった多くの課題がございます。したがいまして、観光や交流人口の増加といった活用を軸足に置く段階には、まだ達していないというふうに考えているものですから、当面は教育委員会の中で体制を維持したいと思います。
ただ、出土した遺物、あるいはこれまでの調査結果というのは、松浦市の宝でございます。したがいまして、このことを公表したり、活用するということにつきましては、必要に応じて管理課と連携をとりながら進めてまいりたいというふうに思います。
以上です。(降壇)
108 ◯ 5番(川下高広君)
教育長、丁寧な答弁ありがとうございました。確かに昭和55年の研究開始から、旧鷹島町時代からずっと大事に大事に研究されてきたことですので、池田教授初め、本当に名だたる研究者の方たちが丁寧にやってくださっていますので、そこはやっぱり理解しきゃいけないなというふうに、答弁をお聞きして思いました。思いの部分は伝わったかなと思っております。よろしくお願いします。
では、文化事業公演についてをお尋ねいたします。
今年度行われました、または、まだ年度残っておりますので、予定の市の文化公演事業の内容と費用の説明をお願いいたします。
109 ◯ 生涯学習課長(近藤寿一君)
今年度文化公演事業は一応終わりましたので、もうこれ以上の計画はございません。
110 ◯ 5番(川下高広君)
岡部耕大先生の事業だけですか。ほかにあるなら、答弁お願いします。
111 ◯ 生涯学習課長(近藤寿一君)
済みませんでした。岡部さん、この前、11月に行われた分につきましては、委託事業ということで、約360万円の事業費でございます。
112 ◯ 5番(川下高広君)
では、文化公演の目的、それから、なぜ岡部耕大先生の演劇なのかを説明お願いします。
113 ◯ 生涯学習課長(近藤寿一君)
文化公演事業につきましては、岡部さんに限らず、ほかの青少年劇場とかもございますので、一般的な文化公演事業の目的といたしましては、日常触れることの少ないプロの演劇であるとか、演奏などの舞台芸術の提供であるとか、出演者との交流を通して地域の文化・芸術活動の活性化を図るということを目的で行っております。
今回の岡部さんのこれまでやってきている目的につきましては、やっぱり松浦市の御出身であるということでの岸田戯曲賞等の大きな受賞もされて、東京で活躍されている本物の劇作家であるということから、そういったふうな作品を市民の方にも鑑賞していただく機会を設けてきたというふうなことでございます。
114 ◯ 5番(川下高広君)
ありがとうございました。私も去年、ちょうど12月に同じ議題で質問をさせていただきました。費用対効果の面、それから、市民の声に耳を傾ける必要性があるんじゃないかというところの部分で質問をさせていただいたんですけれども、今回も柱は同じなんですけれども、やはり、より松浦の由来の素材をフル活用という面を加えて、今回質問させていただこうと思っています。
その前に、僕も本当に岡部先生についてウィキペディアで調べてみました。岸田國士戯曲賞ですね、第23回、1979年に受賞されていまして、この岸田國士戯曲賞というのが何かといいますと、これ、演劇界の新たなる新風を吹き込む新人劇作家の奨励と育成を目的に1955年に創設されています。新人劇作家の登竜門とされることから、演劇界の芥川賞とも称されるというふうに書いてあります。
ちなみに、その審査員の中に岩松了さんという名前もありまして、岩松了さんというのは、長崎県の川棚町の出身の方ですね。最近といいますか、
松浦市民の方に多く触れたのは、何年か前に「ペコロスの母に会いに行く」というのがありました。このときに、先日亡くなられました赤木春恵さんが主演をされておりまして、その方の息子さん役をやるということで、そっちのほうでもしかしたら皆さんにはおなじみかもしれません。
話を戻します。この岡部耕大さんは、このような松浦市が生んだ作家さんでございます。今回の岡部さんの公演の成果、今回の成果と
取り組み、昨年と比較して報告をお願いします。
115 ◯ 生涯学習課長(近藤寿一君)
成果と
取り組みということですけれども、成果でいいますと、お客様の入りというか、それを言いますけれども、ことしの分が155名の入場者でございます。昨年が151名でございます。
取り組みにつきましては、やはり皆様方に御周知するために、市民へのチラシの配布、ホームページでの周知、主要公共施設へのポスター、チラシの配布、それから、文化会館、各公立公民館等へのチケットの販売等を行いまして、ことしは特にそれに加えて、文化会館が営業活動をされるときに一緒に岡部氏の公演についても営業のときに持って回っていただいたり、あと、水軍まつりが、うちが国際親善協会を持っていますので、それの関連ブースでの広報活動、チラシの配布等を行いました。
以上です。
116 ◯ 5番(川下高広君)
一生懸命取り組まれたなというのは見られました。さっき課長からもお話がありましたとおり、水軍まつりでしたかね、何かのティッシュに阿修羅のあれが──ティッシュかな、何か入っておりましたね。そういった
取り組みがありました。
このチケットの販売数を言ってほしかったんですけど、お願いします。
117 ◯ 生涯学習課長(近藤寿一君)
済みませんでした。昨年のチケットの販売数が、ちょっと済みません、手元にないんですけど、ことしの分が211枚の販売で、当日の入場者が155人来られたということでございます。
118 ◯ 5番(川下高広君)
ちょっと私もメモを持ってきていないんであれなんですけど、昨年240枚ぐらい売れたんじゃなかったかなと記憶しています。ですから、今回は211枚売れて155人で、去年よりも30枚近く売れていないんですけど、ただ、入場者数は微増しているということで、松浦市のこの本物の演劇を見ていただきたいという思いからすれば、去年よりふえているというのは、微増ですからね、誤差の差ではあるんですけど、でも、ふえているということは、頑張りが出てきたのかなと。あと、それから、行かないのに買うという人が減ったのかなと思って、それは僕はかえっていいことじゃないかなと思っております。来年、もっと売れなかったら、済みません。
それで、やはり松浦市がそういった市民の方に本物の演劇を見ていただきたいという思いがあるのであれば、私が思うのは、やはり一生懸命チケットの販売をして、買ったからには来てほしいという思いで売られたと思うんですけれども、そういった努力も当然必要ですが、ふだん見ない方がチケットを買ったのを機に行かれる方もおられますが、さっきの数字が示していたように、60名近くは来られないという状況は事実でございます。
ですので、やっぱりお客さんをつくっていくというのが、そういった動きがいろんなところであります。創客、創造、クリエイトの意味の創造ですね。創の創。それから、客で創客という言葉があるんですけれども、いきなり来てねじゃなくて、その来てもらうためのお客さんづくりをしていくということがあります。
今回、殺陣師が来られていましたよね。調川の方だということで、見てびっくりしたんですけれども、そういった方とかを、例えば、事前に呼んで、こういうところを見てほしいという話がもしあったら、多分もうちょっとふえるんじゃないかなと思うんです。
あるいは市がやってもいいですし、団体にやってもらってもいいんですけれども、演劇ワークショップとかをやるというのも、一つ、手かなと思っております。
プロの講師をワークショップに呼ぶとなると、それだけで結構お金がかかります。なので、そういったときは、例えば、アルカスさんなんかはよくそういうのをやっていますので、佐世保と連携して、じゃ、そちらとこちらで一緒にやりましょうよとか、どうせ来てもらうんだったら日にちをずらして、次の週を松浦でやるようにしてくださいとか、そういったことなど工夫していきながらできると思うんですけれども、今、いろいろ例を言いましたが、この創客の
取り組みも必要じゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
119 ◯ 生涯学習課長(近藤寿一君)
市民の方に演劇というか、そういったのに興味を持ってもらうという創客の考えというのは、当然、私たちとしても大切な視点だと思っております。
そういったワークショップ等、これはうちでどうだったかと見てみたときに、御指摘もあって、松浦市で過去に平成19年度から平成27年度までの9年間、いわゆる市内の小学生においてミュージカルというのを実施しております。市内の小学生や、その保護者の方々に、そういったことで演劇に興味を持ってもらうというふうな
取り組みを行ってきたという実績がございます。
120 ◯ 5番(川下高広君)
ちょっと時間もないので、今、飛ばしぎみなんですけれども、そういった創客などをしていきながら、ぜひ見ていただく機会をふやしていただきたいなと思っております。
先ほど言いました岡部耕大先生の実績というのは、もう疑うものもない、そういった方が松浦市にいらっしゃるということで、この素材を使わないというのはもったいないという思いもあります。これが柱の一つです。
だから、ぜひそれをフル活用してほしいというのが一つと、それからもう一つ、また別の言い方といいますか、一方で、やはり市民の方からも、ちょっと違うのをたまには見たいよねという声も聞くので、そういった声を聞くんですけれども、市のほうはそれを認識されていますか。聞かれていますか、お願いします。
121 ◯ 生涯学習課長(近藤寿一君)
認識というか、そういうふうな市民の方の声があるということは承知しております。
122 ◯ 5番(川下高広君)
公費を使ってしておりますので、そういった市民の声に応えていくというのも大事だと思いますので、検討をしていただきたいと思っております。チケットの売れた数と来場者数の差が縮まるということを願っております。
文化事業については以上なんですけれども、文化会館関係のことで通告をいたしておりましたことでお尋ねをいたします。
済みません、1つ忘れていました。この劇の中で、
担当課長はちょうど見られなかったんですよね、公務でですね。どうでしたでしょうか。ちょっとどなたか、どんなふうに聞かれていますか、感想のほうは。
123 ◯ 生涯学習課長(近藤寿一君)
具体的な個人的な感想というのは、ちょっと済みません、控えさせていただきます。アンケートをとっていたので、その結果として、わずかですが、31名、回収率20%で出ております。大変よかったが15名、よかったが11名、普通が1名、あとは白紙というふうな結果でございました。
124 ◯ 5番(川下高広君)
ありがとうございました。内容については、いろいろまだ聞きたいことがあったんですけど、飛ばします。
この文化会館の使用料金が、いわゆるイベントの入場料金によって変わってくる仕組みになっております。その基本の額が入場料が499円までで、これが500円になると、ぼんとかなりはね上がります。なので、余りお金を持っていない団体さんは400円という入場料で設定して、お客さんが面倒くさくないようにしてもらっているんですけど、本当は499円取りたいんだけどというお声を聞いたことがあります。
そこで、提案なんですけど、これは条例で定められているということなんですけれども、これを501円に変えることってできないんでしょうか。
125 ◯ 生涯学習課長(近藤寿一君)
そこは検討して、やれるか、やれないか、今後詰めたいと思います。
126 ◯ 5番(川下高広君)
以上で2番の質問を終わります。
3番目、松浦市子ども議会についてです。
私も見させていただきました。すごくよかったと思います。
取り組みが大変だっただろうなという感想も思って、現場のほうをどうしても想像してしまって、大変だっただろうなと思っております。
まず、この目的と感想についてお願いいたします。
127 ◯ 学校教育課長(宮島哲郎君)
お答えいたします。
今年度の子ども議会は、議員おっしゃったように本当にいいものになったというふうに私も思っております。子ども議会は松浦市の次代を担う子どもたちに夢や希望、市政に対する要望や質問を発表する機会を提供することで、ふるさとを愛し、誇りに思う心情を育むとともに、松浦市の発展に貢献しようとする意欲を高める目的としております。
また、子どもたちに市政や議会についてもっと身近に感じてもらう場でもあったというふうに考えております。
128 ◯ 5番(川下高広君)
大変よい機会だったんではないかなというふうに思っております。正直、中学校といわず高校まで、全然地域のことなんて考えたことなかったです、本当、お恥ずかしながらですね。でも、本当にいい機会じゃないかなと思っております。
また、大学受験の仕組みも変わったというのもあるかなと──あるかなといいますか、にもいい影響があるかなと思っております。高校のほうは、今もうそうやって課題解決力をつけるために、学校ごとに地域の課題についてとか、そういう
取り組みもやっております。
別に連携というわけじゃないんでしょうけれども、中学校でもこういった機会があるというのは、高校でやるとき、どこの高校に行くかはそれぞれでしょうけれども、それぞれの高校の行った先で地域のことを勉強していくということで、二段構えになったような感じで、とても大事だなと思っております。
それだけにちょっと質問したいことがあるんですけれども、ひとまず今後の予定についてお聞かせください。
129 ◯ 学校教育課長(宮島哲郎君)
今後の予定なんですが、平成28年度に市内の各学校に、また、各課長に意見を聞きながら検討しました。子ども議会と同様に、松浦市では児童生徒代表者会というものも行っております。この実施についても非常に大事だなというふうに、そのとき判断いたしました。
その結果、平成29年度は児童代表者会と生徒代表者会を行いました。今年度は、小学生による児童代表者会と中学生の子ども議会を行いました。来年度が、小学生が子ども議会を行いまして、中学生は生徒代表者会を行うこととしております。
今後の予定につきましては、来年度の小学校の子ども議会が終了後、その成果等を含め検討してまいりたいと考えております。
130 ◯ 5番(川下高広君)
ありがとうございます。大変よい機会であると思いましたので、でも、その年によってできない、そういったことを経験できなかった学年と経験できた学年というのは、差があるのはもったいないし、ちょっとかわいそうだなという思いもあるので、私が目的と、この経験したことが将来に生かせること、その価値の大きさを考えるならば、例えば、中学校2年生とか、そういうふうに学年を決めた、中学生を対象に毎年するようにしてはどうかと考えるんですが、どのようにお考えでしょうか。
131 ◯ 学校教育課長(宮島哲郎君)
先ほども申したんですが、現段階では3年間の計画を立てまして、来年度の小学生子ども議会が終わった後に、その分をしっかり検証したいと思っております。
ただ、先ほども申しましたように、今回行いました子ども議会、十分に価値があったものだというふうに確信しておりますので、そのことを踏まえて検討はしていきたいというふうに考えております。
132 ◯ 5番(川下高広君)
それを考えますと、やっぱり現場の負担、先生方の負担というのも無視はできないわけですよね。その中で、リズムがあるのとないのでは違うと思うので、毎年やっていれば、学校自体もそのリズムで動くので、なれてくるといいますか、やりやすいと思います。そういった意味からも、毎年やるというのはいいかなと思っております。
1つお聞きしたいのが、この場に来られた方はいい経験ができたと思うんですが、実際、来られていない方は、例えば、学校で中継を見ていたとか、
取り組み自体は全員でやったんだとか、そういったところの話をお聞かせください。
133 ◯ 学校教育課長(宮島哲郎君)
お答えいたします。
この議場に来た議員は、18名の代表議員と議長、副議長の合計で20名が中心となっております。当日は、その模様をインターネット中継で見たり、また、子ども議会終了後に作成されましたDVDを閲覧したり、子ども議会の代表だった者が、学校でその内容を説明したりという形で報告会をしております。
また、全員参加できるような
取り組みだったのかということに関しましては、今年度の子ども議会につきましては、年度当初に実施をお願いしまして、6月から具体的な準備に入りました。子ども議会の議員だけでなく、例えば、その対象となっている参加者学年の子どもたちみんなが、松浦市の課題や現状について対話や協議を深めることができるような場を設定してほしいということで、学校にはお願いしておったところです。
134 ◯ 5番(川下高広君)
じゃ、現場はそのように答弁をいただいたということでよろしいですか。
ありがとうございます。その部分を大変気にしておりました。一部の人という言い方はあれですけれども、そういった差があるというのは余りにももったいないなというふうに思っておりますのでお聞きいたしました。
正直、私、子ども議会については、積極的な考えを持っていなかったほうの人間ですので、今回、中学生の子ども議会を見させていただいて、大変反省といいますか、本当にいいなというふうに思った次第です。ぜひやっていただきたいなというふうな思いがあります。
小学生に関してはやらなくていいということではなくて、でも、子どもたちの理解のことも含めれば、もう少し違う形でもいいのかなという思いはありますが、それについての答弁はいただきません。
場所について、ちょっと考えがございます。実は市民の方、何人かの方から、見られないの、見にいけないのというのがありました。議場でやるというふうにわかっていましたので、正直、関係者でもう埋まってしまうと思いますので、ちょっと難しいと思いますということで、じゃ、諦めますということだったんですが、こういった地元の子どもたちが松浦のふるさとの今、それから、未来について考えているところを、市民の方も自由参加で見てもらっていいと思いますし、また、後でDVDとか発表報告とかでフォローしてもらえる生徒さんたちもその場にいて、空気感といいますか、臨場感というか、そういったものを味わうというのも、また一つ、かけがえのない勉強かなと思いますので、例えば、この議場というところに限らず、また違う、たくさん人が入るようなところで開催するというのも、一つ、考えとしてあるんじゃないかなと思いますが、その件についてはどのようなお考えでしょうか。
135 ◯ 学校教育課長(宮島哲郎君)
お答えいたします。
子ども議会を開催する場所についてですが、子どもたちがこの実際の議場に来て、厳粛な雰囲気の中で自分の希望や意見等を発表するということは、この場でしか味わうことができない大変貴重な経験であるというふうに思っております。それだからこそ、子どもたちの大きな成長につながっているというふうに思っております。
ほかの一般の保護者の方が視聴するということ等につきましても、インターネット等を公開しているということあたりをしっかり周知していきまして、やっていきたいなというふうに考えております。
136 ◯ 5番(川下高広君)
ありがとうございました。そうですね、インターネットで中継していたということも、私自身もちょっと把握していなくて、それはちょっと大きな反省なんですけれども、ぜひこういった議員にも伝わるように告知していただければなというふうに思っております。
以上で12月議会の一般質問を終わります。ありがとうございました。
(
川下議員 一般質問席 降壇)
137
◯ 議長(椎山賢治君)
以上をもって
川下議員の一般質問を終結いたします。
ここで暫時休憩いたします。
午後2時12分 休憩
───────── ◇ ─────────
午後2時25分 再開
138
◯ 議長(椎山賢治君)
再開いたします。
休憩前に引き続き、会議を開きます。
それでは、
質問順位に従い、6番・
神田議員の登壇を願います。
(
神田議員 一般質問席 登壇)
139 ◯ 6番(神田 稔君)
皆さんこんにちは。
松浦市民クラブの神田でございます。
まず、一般質問に入る前に、松浦高校陸上部の皆さん、まことにおめでとうございました。6年ぶりの優勝ということで、6年前、私もまだ職員でおりましたけれども、大変盛り上がりました。松浦自体が活気に沸いたというか、そういう状況でございまして、今回も選手諸君の活躍が地域を盛り上げてくれるのではないかというふうに思っておりまして、23日の都大路での活躍を期待しております。
それから、市長にちょっと見せたいものがありまして、持ってきたんですけれども、(資料を示す)これは見られたことありますか。(「はい」と言う者あり)ああ、見られたんですね。
実は東北新幹線に乗ったときにカタログがありまして、その視察に行ったところの議会事務局長さんから、実は松浦の宣伝をしてあるんですよということで、仙台から乗った新幹線でこのカタログを見せていただきまして、鯖サミットのことが書いてありました。見たときに何かうれしくなって、ああ、よかったなと思っております。何かテレビでもやっていたんですけど、「今年の一皿」ということでサバが上げられております。これは缶詰のサバ缶ですかね、これが物すごく売れていて、全国でヒットしているということで、「今年の一皿」にサバということで上がっておりました。
本題に入りたいと思います。
第1項目めの原子力防災対策について質問したいと思います。
この件につきましては、再三、一般質問をさせていただいております。
鈴立議員も言われておりましたけれども、私も飽きもしないで質問をしております。
鷹島町民にとりましては、原子力災害時の命の避難道路であります。一向に改良が進んでいない状況が続いている以上、この件については、忘れられては困るという観点から何回でも質問させていただくということで、今回も取り上げさせていただきました。
この件については、鷹島町地区長会からも市への要望として取り上げられております。鷹島町民の切実な願いとなっておりまして、私自身も何とか国からの財源をいただき、そして、何よりも佐賀県の理解をいただいて、早急な改良ができないかと、この道路を通るたびに思っております。
また、平成30年第1回の質問のとき、平成29年10月に佐賀県道筒井万賀里川線整備促進期成会が立ち上げられ、筒井万賀里川線における整備の早期実現を促進し、交通の安全・安心及び避難道路を構築することを目的とされ、その目的を達成するために調査研究、陳情などの事業を行う活動をされるというふうに答弁をいただいておりますけれども、私もこの期成会については大変期待をいたしておりまして、期成会の皆様には、ぜひ佐賀県のほうに要望等を活発に行っていただければというふうに考えている次第でございます。
さて、前回の折に筒井万賀里川線を国道に編入できないかという質問をいたしております。
ただ、この筒井万賀里川線につきましては佐賀県道であることから、簡単に県道から国道への編入はできないと思っておりますけれども、この編入手続等の流れについて、わかっている範囲で結構でございますので、お尋ねをいたします。
140 ◯ 建設課長(中村桂一郎君)
お答えいたします。
一般国道の指定につきましては、道路法第5条に規定をされておりまして、法文を読みますと、「一般国道とは、高速自動車国道と併せて全国的な幹線道路網を構成し、かつ、次の各号のいずれかに該当する道路で、政令でその路線を指定したものをいう。」というふうにされております。
次の各号には5項目の国道としての要件が規定されておりまして、この5項目には連結する道路や都市の要件などがあるため、国道への編入はかなり難しいのではないかというふうに思っております。
141 ◯ 6番(神田 稔君)
わかりました。何かなかなか難しそうですね。政令とかなんとかクリアしないと、なかなか県道から国道への編入というのは難しそうですね。わかりました。
次に、さきの6月定例市議会において、筒井万賀里川線について、県の危機管理課の役割についてお尋ねをしたところ、筒井万賀里川線については佐賀県道であるため、県域を超えた対応に苦労しているとの答弁でございました。なかなか佐賀県との間においては話が進まない状況なんだなと感じておりますけれども、佐賀県道筒井万賀里川線については、さきの県議会で一般質問の中でも取り上げられました。
この中で、避難経路である佐賀県道筒井万賀里川線の改良に対する国及び佐賀県への働きかけの実態について質問が行われたわけですけれども、このときの県の答弁としては、長崎県としては、引き続き国に対し財政支援の要望を行うとともに、モデル事業の活用を含めという答弁があっておりましたが、このモデル事業とは一体どういうものなのか、お尋ねをいたします。
142 ◯ 防災課長(小熊 盛君)
事業名は原子力災害時避難円滑化モデル実証事業というふうに呼ばれるものでございまして、内閣府が所管をしております。
国の平成30年度の予算で新たに設けられた事業でありまして、目的を読み上げますと、原子力緊急事態に備え、住民等の円滑な避難または一時移転を確保するため、交通誘導対策等の強化や避難経路上の改善を行うなどにより、原子力防災対策の一層の充実、強化を図ることとされております。原子力災害時における住民等の避難をより円滑に行うための
取り組み等について補助金を交付するというふうなものです。
具体的に申し上げますと、避難のための案内看板の設置とか、ソフト事業が中心となっております。また、避難経路に退避場所を設置するというくらいの、それくらいの規模の工事までが対象というふうに言われております。
以上です。
143 ◯ 6番(神田 稔君)
ありがとうございます。
ソフト事業、避難の案内看板とか、そういったものということですね。わかりました。
また、長崎県が国、佐賀県、松浦市と協議をしながら、有効な改善対策の検討をしていきたいという答弁があっておるんですよ。その協議については何回程度考えられているのか、さらに改善対策とはどういう中身なのか、その点についてお尋ねいたします。
144 ◯ 防災課長(小熊 盛君)
この件につきまして長崎県に問い合わせたところでございますけど、国や佐賀県とは事あるごとに協議を行っておりますというふうな御回答でございました。
松浦市と長崎県についても折に触れて協議を行っておるところでございますけど、回数につきましては、国、佐賀県、松浦市とも年に何回というふうな定例的な場を持つというふうなことはしておりませんで、少なくとも年に複数回行っているというふうな状況でございます。
それから、有効な改善対策というふうなところでありますけれども、長崎県におかれましては、佐賀県道筒井万賀里川線の改良について進捗を図るために、先ほど議員が申されました原子力災害時避難円滑化モデル実証事業、こちらに県道の局部改良といったハード事業が取り込めないか、そのことについて内閣府と協議を行っているというふうな状況でございます。
145 ◯ 6番(神田 稔君)
県のほうが努力されているのは私も認識はしているんですけれども、極力、佐賀県とも松浦市とも国とも何回も協議を重ねていっていただきたいというふうに
松浦市民としては思うわけでございます。ぜひ県のほうにも、そういったことで要望があったということをお伝えいただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
さて、市長は前回、再稼働前に内閣府とか資源エネルギー庁、それから原子力規制委員会へ出向き、安全対策や防災対策の充実があってからこその再稼働であるべき、このことを訴えていきたいというふうに答弁されまして、3月15日に多分上京されたと思います。
そのときの行動内容とか詳細な点についてお伺いをいたします。
146 ◯ 防災課長(小熊 盛君)
3月15日の行動内容について申し上げます。
市長と、それから当時の防災課長、2人で上京いたしまして、行動先としましては、原子力規制庁の原子力規制部、その後、経済産業省の資源エネルギー庁電力・ガス事業部、それから、最後に内閣府を訪問して、それぞれ訴えたというふうな状況でございます。
147 ◯ 6番(神田 稔君)
市長、そのときの反応はどうだったか、ちょっとお話しいただけますか。
148
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えをいたします。
先ほど防災課長が申し上げたようなところを回りましたけれども、いずれも担当者ベースといいますか、受け入れのほうは神妙に、地元の御意見は十分承りますというような対応であったと、そのように認識しております。(降壇)
149 ◯ 6番(神田 稔君)
ありがとうございます。
市民の安全・安心のための要望活動は必要不可欠だというふうに思っております。
市長はこの要望活動を今後も、この前行かれたと思うんですけれども、県及び4市合同、それからまた、松浦市単独でもこのような要望活動を続けていかれるのか、市長の見解をお伺いいたします。
150
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えいたします。
原子力防災に係る避難対策等の要望活動については、県内のUPZ圏内に位置する自治体でございます松浦市、平戸市、壱岐市、佐世保市の4市並びに長崎県を含めた枠組みで国への要望活動を行っております。これで、先ほど議員から御指摘もありましたとおり、先月の11月20日に内閣府へ要望を行ってまいりました。
今回初めて中村法道長崎県知事を先頭にそれぞれの自治体4市の首長が参加して対応するということから、先ほど私が単独で行ったときとは対応が全く違っておりまして、やはり知事を含め4市で行くということから、内閣府側も原子力担当防災大臣が対応するという予定でございました。やはりこれは内閣府に原子力対策1本に絞って知事以下4市の市長が行ったからという、これは大きな効果であっただろうと思います。
結果的に、当日は国会開会中で非常に国会の日程が錯綜しておりまして、大臣との面会はかないませんでしたけれども、政策統括官、大臣官房審議官、参事官といった内閣府の幹部による対応となりました。
その席上で、佐賀県道筒井万賀里川線の対応について知事のほうからも具体的に写真がついた資料を示しながら御提案いただきまして、先ほどもあったモデル事業をハード事業に活用して、離合が厳しい3カ所、写真もつけて、ここをこのように改良していただけないかと、ハード事業にこのモデル事業を活用して対応いただけないかというような要望も行ってきたところでございます。
さらに、海路避難のための港湾、漁港の整備や、医療機関や社会福祉施設の放射線防護対策などについてもあわせて要望してきたところでございます。
そのときには、内閣府山本政策統括官からは、筒井万賀里川線について、まずはモデル事業の全体枠確保に努め、当該箇所も含めてどのようなことができるか検討するとの回答をいただきました。
また、統括官からは、予算確保のためには財務省や国交省といった部署に対しても、ぜひ同じような枠組み、長崎県やUPZ圏内の4市あわせてその声を、原子力防災の観点から必要性の声を上げていただけないかと逆に提案をいただいたところでありまして、御指摘のとおり、要望につきましては、引き続きしっかりと行ってまいりますし、財務省等へもぜひ長崎県と4市という枠組みで検討して
取り組みを行ってまいりたいと思います。
今後につきましても、単独でということよりも、まずは長崎県プラス4市、このスクラムを組んで、しっかりと要望を重ねてまいりたいと、このように考えているところでございます。(降壇)
151 ◯ 6番(神田 稔君)
ありがとうございました。
以前も話をしましたけれども、危険箇所があそこは10カ所あるんですよね。図面も前回示したように、それで内閣府のほうに要望に行ったこともあります。だけど、結果的には全然進まなかったというのが実情なんですよね。ですから、今回、長崎県知事、中村知事が行かれたということは、大きな動きができるかなというふうに期待をいたしております。
話はかわるんですけれども、8月に3市1町で結成いたしております西九州自動車道建設促進協議会で佐賀県を訪れたときに、佐賀県の県議会議長、石倉議長との懇談会のときに道路財源の話が上がりまして、議長いわく、私が国に行ったときは、常々原子力避難道路については別枠で財源をつけるべきだと訴えていると、このように言われたんですよね。私もまさにそうじゃないかなというふうに思っておりましたところ、このことをちょっと市長に聞こうかなということで原稿をつくっておったんですけど、そしたら、11月21日の長崎新聞に県と4市、松浦、平戸、壱岐、佐世保ですね──で新交付金創設を内閣府に要望という記事が掲載されました。
非常によかったなというふうに私自身は思いまして、国もUPZ圏内に入っている4市の切実な願いを受けとめて、エネルギー政策に責任を持って事に当たっていただきたいし、UPZ圏内に位置する住民のことを考えて、早急に原子力災害に限定した新交付金の創設を行っていただきたいというふうに思うところでございます。
市長、この件は非常に重要なことでございますので、積極的な行動を起こしていただきますようよろしくお願いをいたしておきます。
ここからの質問でございますけれども、この先の質問は何十年先のことを見越しての件でございますけれども、例えば、仮に玄海原発事故の場合、通常は自主避難が原則となっておりますけれども、風向きによっては鷹島の方が肥前町のほうに避難できないという場合が想定されることもあると思います。
私はいつも鷹島側から松浦方面を見たとき、ここから松浦方面に原子力災害避難大橋がかからないかなといつも思っております。何十年先を見込んだときの話ですから、そのころは松浦佐々道路も多分完成しているんではないかなと、西九州自動車道のですね。そうすると、原子力災害時、スムーズな避難ができるんではないかなといつも一人で考えているわけですけれども、この原子力災害避難大橋建設構想が現実的にできないものだろうかといつも思うところですけれども、今後、長い目で見たときに、原子力災害避難大橋の建設を国へ要望していくという考え方について、市長はこのことについてどのような思いを持たれているのか、お伺いをいたします。
152
◯ 市長(
友田吉泰君)(登壇)
お答えいたします。
まず、原子力発電所の運転期間は原則40年というふうに言われています。その後、20年延ばすかどうかという判断があるわけでございますけれども、現時点において、40年を一定の区切りと考えたときに、まずは私は、確かに橋があれば理想的だということについては全く異論もありませんし、それが可能であれば、ぜひ実現してほしいという思いは持っておりますけれども、松浦市長という立場での回答といたしましては、先ほど申し上げました11月20日の国への要望の際に、ここは中村知事も力説をされておったんですが、今、放射性防護施設をこのUPZ圏内にそれぞれ整備していただきました。鷹島・福島においては、それぞれ橋がかかっているということから、その定員が約50名ぐらいなんですね。ほかの、例えば、平戸の的山大島、度島などは全ての島民が避難できるような中学校等の体育館、それが防護施設になっている。一方で、福島・鷹島は橋がかかっているからということだけで50人になっていると。これはやはりおかしいと。橋がもし通れなくなったときについては、やはり島民全てが避難できるような場所が必要ではないかということから、それぞれ福島にも鷹島にも全ての住民が避難できるような場所の防護施設が必要ではないかということ、そのことを整備してほしいということを具体的に11月20日に申し入れがありました。
私は、まずはそのことが必要であると思っておりますので、市長という立場ではその点を実現できるように力を注いでまいりたいと、このように考えているところでございます。(降壇)
153 ◯ 6番(神田 稔君)
ありがとうございます。
私は、少なからずとも何十年先には橋がかかってほしいなというふうに思っております。市長はそういう考えだということで、それはそれでわかりました。
この前、西九州自動車道の要望活動で上京したとき、国会議員の先生にその話をちょっとしました。こうやってかかっていますけど、風向きによっては避難できない場合も想定されるんですよということで話をして、それはそれで橋の構想もあるだろうけれども、一つおもしろい話をいただきまして、橋も一つの手だけど、トンネルも一つの手だよというようなことを言われたんですよ。というのは、何か沈埋トンネルというのが、今、日本でもトンネルが掘られているみたいで、沈埋トンネルといったら、あらかじめ海底を掘削しておって、溝をつくって、そこにケーソンを埋めて、土をかぶせるという工法らしいんですよ。事例を見てみたら、やっぱり日本でも何カ所か──何カ所じゃなくて、数十カ所採用されている。そこを車とかなんとかが通る、そういうトンネルがあるらしいんですよね。それで、ちょっと調べてみたら、日本でも採用されていた事実があったということで、これも一つの手かなと自分なりに思ってみたんですけれども、このことは簡単に事は運ばないというふうに思っておりますけれども、市長、一緒にこのことについては引き続き国に要望していくように頑張ってまいりましょう。よろしくお願いしておきます。
次に、鷹島診療所の今後のあり方についてということで質問させていただきます。
鷹島診療所の介護療養病床については、10月24日に地元説明会が開催されました。平成32年9月を目途に廃止する旨と、それから、グループホームへの移行について理事者側から説明が行われました。
そのことにつきまして何点か質問したいと思いますけれども、地元説明会の前に鷹島診療所療養病床に入所されている家族の方々に今後の診療所のあり方について説明を行ったとのことですけれども、当然、御家族の方々の御意見等がいろいろ挙がったと思われますが、どういう意見が挙がったのか、その点についてお尋ねをいたします。
154 ◯ 健康ほけん課長(瀬戸 守君)
御質問のとおり、9月20日に鷹島支所のほうで入所家族11名のうち8家族が出席されまして、説明をしたところでございます。
市からの説明といたしましては、鷹島診療所の病床廃止の理由、廃止の時期、その対応、グループホームの整備等々について御説明を申し上げたところでございます。
家族からの御意見といたしましては、グループホームと現在の鷹島診療所、また、他の特別養護老人ホームとかの費用負担とかサービスの違いはどのようなものがあるか。それから、グループホームが2ユニット、18名の定員で計画している御説明をしておりますけれども、それでは足りないのではないかという御意見。それから、グループホームの費用が高いという思いがあられまして、その費用の助成に対する市としての考え方、それから、鷹島町内でそこのグループホーム事業を行う人がいなかったらどうなるのかというような御質問。それから、医療機関との連携がどうなるんだ。それから、これとはまた直接ではないんですけれども、現状の鷹島診療所の2階部分から外に出してあげたいんだけれども、階段が急であるというようなことで、なかなか外に出してあげられない、また、お見舞いも高齢者には階段が厳しいというような御意見。それから、介護する方も高齢化しておりまして、なかなか介護も難しくなってきているので、鷹島町内にぜひとも介護施設が欲しい。それから、グループホームがどのような施設なのか見学してみたいというような御意見が出されたところであります。
155 ◯ 6番(神田 稔君)
ありがとうございます。いろいろ出ておるようですけれども、よろしくお願いしておきます。
次に、診療所に入所されている皆様への処遇の件でございますけれども、グループホーム入所後の利用負担について、説明会のとき、現行と大差がないよう支援策を講じていくとの説明だったと記憶をいたしております。また、グループホームへの新たな入居は、特養や診療所等の施設入所と違って、食費や居住の負担限度額の適用がないという説明がありました。
現在、鷹島診療所介護療養病床については、JCHO病院の開設時期にあわせて平成32年9月に廃止するものでありまして、実際、国の制度といたしましては、平成36年3月末までは存続可能となっております。この期間までは、私は市の責任として食費とか居住については負担限度額の適用を行うべきだというふうに思っておりますけれども、この2件を含めたところでの市の支援策についてお尋ねをいたします。
156 ◯ 健康ほけん課長(瀬戸 守君)
鷹島診療所のほうに入所されている方の処遇についてということで御説明いたします。
新たにつくるグループホームへの入所につきましては、優先的に今現在入所されている患者さんを優先するということを考えております。また、現在入所されている患者さんが他の介護施設等への希望があれば、入所の相談や移転に対する支援をしていきたいというふうに考えております。
それから、2点目の36年3月を前倒しして病床を廃止するということで、食費、居住費の御負担がふえるということでございますけれども、先ほどありましたように、一応36年3月を一つの区切りとして、現行の利用者の負担と変わらないような支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
157 ◯ 6番(神田 稔君)
ちょっと確認です。
グループホームは多分8万ちょっとぐらいすると思うんですけど、今、療養病床に入られている方は個人負担4万円弱じゃないかなと。4万円から5万円かな、そのぐらいじゃないかなと。その差額については、ちゃんと支援をするという解釈でよろしいですか。
158 ◯ 健康ほけん課長(瀬戸 守君)
グループホームにおきましては、食事代、居住費の限度額の助成がありません。今の入院患者さんについては、医療の面からの食事の軽減措置がありますけれども、グループホームにはないということでございます。
ただ、サービスについては、介護保険のサービスと医療サービスの違いというものが生じてきますので、基本的には食費と居住費の部分についての負担が変わらないように支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
159 ◯ 6番(神田 稔君)
そしたら、食費と居住については、その負担がかからないようにやるということですか。
160 ◯ 健康ほけん課長(瀬戸 守君)
個人の皆様の負担が現状と変わらないような負担で、36年3月までは支援策を講じていきたいというふうに考えているところでございます。
161 ◯ 6番(神田 稔君)
わかりました。済みません。
次に移ります。
鷹島診療所の療養病床が32年9月末までに廃止するということになると、現在、鷹島診療所療養病床で介護従事者として勤務されている方々はその時点で無職となるわけですけれども、この方々のその後の処遇についてはどのように考えられているのか、お尋ねをいたします。
162 ◯ 健康ほけん課長(瀬戸 守君)
鷹島診療所の現在お勤めの職員の処遇ということでございますけれども、現在、鷹島診療所のスタッフといたしましては、看護師が6名、うち2名が嘱託です。事務員2名のうち1名の方が嘱託でございます。それから、介護補助員として4人いらっしゃいますけれども、全て嘱託でございます。それから、給食調理員3名いらっしゃいますけれども、全て嘱託。合計で15人のうち10人が嘱託職員という状況でございます。
病床を廃止することによりまして、外来専用となりますので、医療スタッフは削減する必要が生じてまいります。
正規職員につきましては、人事異動等によります配置転換を実施していきます。嘱託職員の方につきましては、新たなグループホームでの勤務を希望されれば、その旨、事業者のほうに伝えていきたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、丁寧な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
163 ◯ 6番(神田 稔君)
ありがとうございます。
希望すれば、新たなグループホームのほうにということですね。ありがとうございます。
ちょっと1点教えていただきたいんですけれども、グループホームは管理者が必要というふうに聞いておりますけれども、管理者になる必要要件とはどんなものか、お尋ねをいたします。
164 ◯ 長寿介護課長(大久保美樹子君)
お答えいたします。
管理者の要件といたしましては、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上の認知症高齢者介護に従事した経験があることに加え、厚生労働大臣が定める管理者研修というのを修了している必要があります。
なお、事業所の管理業務に支障を来さない範囲で、ほかの職種を兼務することは可能となっております。
165 ◯ 6番(神田 稔君)
ありがとうございます。
先に進みます。
次に、整備の進め方の中で鷹島地域の介護保険サービスが停滞しないよう、民間業者が参入しやすいよう支援策を考えていくということでございましたけれども、その支援策とはどういったものなのか、お尋ねをいたします。
166 ◯ 長寿介護課長(大久保美樹子君)
支援策といたしましては、補助金の交付を考えております。
鷹島診療所の受け皿として、今回、期限内での整備を行うことから、民間事業者の方に手を挙げていただきやすい整備費の助成ということで補助金の交付を考えているところでございます。
内容につきましては、まず、県の補助金がございます。建設費、開設準備経費を対象として、上限で、30年度の補助額ですが、4,317万8,000円という金額がございますので、この範囲内でということでの補助というのができると思っております。
それからもう一つは、今回、鷹島診療所の受け皿整備ということを前提として、松浦市単独の補助金として、こちらも上限を3,000万円としまして交付をしたいというふうに考えております。
この補助金の交付につきましては、32年までの整備事業になりますので、その後のことになりますが、来年1月に公募を行いたいと考えておりますので、その公募の際にお示しができればというふうに思っております。
167 ◯ 6番(神田 稔君)
わかりました。
県が4,300万円、市が今度、補正予算で計上されている3,000万円ということですね。わかりました。
それから、鷹島町内に用地の確保ができる市内の法人を優先的に募集と記載されておりましたけれども、鷹島町内の用地ならどこでもいいと解釈していいのかどうか、その点についてお伺いをいたします。
168 ◯ 長寿介護課長(大久保美樹子君)
グループホームの立地場所といたしましては、基準において、利用者が家族や地域住民と交流を持つ機会が確保できる住宅地等というふうに記載をされておりますので、できればそのような場所が望ましいかとは思っております。
169 ◯ 6番(神田 稔君)
わかりました。
それでは、完成を32年7月末までの目標と上げられておりますけれども、今後のスケジュールはどのようになるのか、お尋ねをいたします。
170 ◯ 長寿介護課長(大久保美樹子君)
今後のスケジュールでございますが、31年、来年1月早々に公募のための周知を行いたいと考えております。
それから、1月の中旬ごろに事業者説明会というのを行いまして、募集要項ですとか必要書類の説明等を行いたいと考えております。
その後、事前協議期間というのをおおむねですが、2月末ぐらいまで置きまして、実際の応募の申請書を3月の初めから2週間程度、期間を持ちたいと思っております。
その受け付け期間に応募していただきました書類等の審査をその後、3月中に行いまして、事業者の正式な決定というのを4月の中旬ごろにしたいと思っております。
なお、整備完了につきましては、先ほどの32年7月をめどということで整備をしていただきまして、その後、介護保険の事業者指定というのをまた行っていただく手続がありますので、最終的には32年9月をめどに事業の開始をしていただくというようなスケジュールと思っております。
171 ◯ 6番(神田 稔君)
詳しい説明をありがとうございました。
最後に、鷹島での説明会の折に2ユニットでは足りないんではないかという意見が挙がっておりましたけれども、実際にそのような状況が生じたら理事者側も検討するということでしたけれども、2ユニットでは足りないという状況が生じたときに、どのような支援を今度市は考えられるのか、その点についてお伺いをいたします。
172 ◯ 長寿介護課長(大久保美樹子君)
まず、今回の整備につきましては、鷹島診療所の受け皿整備ということが前提でございましたので、定員自体が、介護療養が12床、一般病床が7床ということで、19人という病床がございました。
今回、グループホームにつきましては、1事業者で2ユニットまでというのがありまして、1ユニットが定員9人までという決まりや基準がありますので、2ユニットでまず18人というのを今回開設の定員ということで考えております。
今後、不足の状態ができたら、あるいはグループホーム以外のものも、鷹島地域の中で今後このグループホームの後にどういうサービスが必要になるか、あるいはグループホームをふやしていくかということも含めて、それからまた、介護保険事業計画は市内全体で計画を策定していくことになりますので、そこも含めて、鷹島地域、それから市内の状況を見ながら、また、その必要なサービスについて介護保険事業計画の中に反映をさせていきたいと考えております。
173 ◯ 6番(神田 稔君)
2ユニットで不足するということが出てきたら、鷹島町内の状況を判断して、それでいろいろな手だてをやっていくということで理解してよろしいでしょうか。(「はい」と言う者あり)ありがとうございます。
療養病床に入所されている方や家族の皆様がグループホームに入居してよかったなと思っていただけるような行政の支援を要望して、この項目を終わりたいと思います。
次に、「ともだ
ビジョン」についてお伺いをいたします。
「ともだ
ビジョン」の中の元寇博物館の建設とその縁を生かした国内外との交流促進について、お尋ねをいたしたいと思います。
本題に入る前に、鷹島海底遺跡の、先ほども
川下議員からいろいろとありましたけれども、その調査経緯について若干触れさせていただきたいと思います。
鷹島海底遺跡の調査は、昭和55年から57年に江上波夫先生と、それから茂在寅男先生を中心とする研究団の調査によりまして、鷹島が元寇に関する遺跡であることが初めて公式に認められ、元寇の島鷹島として全国に知れ渡るようになりました。そして、昭和56年に鷹島南岸から、南岸というのは伊万里湾のことなんですけれども、東端の神崎側から西端の船唐津側の海岸線約7.5キロ、それから、海岸線から沖に200メートルの範囲、総面積150万平方メートルの海域が元寇に関する周知の埋蔵文化財包蔵地に指定されております。
そして、これを契機にこの海域で行われる港湾工事の際には、工事着工前の水中発掘調査が行われ、元軍の船のものと思われるいかりや船の部材、それから、武器及び武具類、陶磁器など数多くのものが発見され、平成24年に海底遺跡としては日本で初めて鷹島神崎遺跡が国の指定となっております。
また、琉球大学の池田教授による調査においては、平成23年に元の1号沈没船が発見され、この発見が前段で申しましたとおり、日本で初めて鷹島神崎遺跡が国史跡に指定されるきっかけとなったことは言うまでもありません。
さらに、平成27年には2号沈没船も確認されておりまして、今や水中考古学で世界から注目を浴びるようになっております。
しかし、残念なことに、水中遺跡であるために実際に見ることができない現実があります。最終的には沈没船を、市長も言われましたけど、引き揚げて、そして、復元して展示するというのが最終目標ではないかというふうに思っておりまして、そのためには元寇博物館の建設は必要不可欠と私も思っております。
「ともだ
ビジョン」には、元寇博物館の建設を県とともに国へ強く働きかけ、早期建設を目指すと記載されておりますけれども、どのような行動を起こして国へ働きかけをしていこうと思われているのか、また、いつまでの建設を目指しているのか、お尋ねをいたします。
174 ◯ 文化財課長(内野 義君)
国、県への働きかけにつきましては、本年6月4日に長崎県知事及び長崎県議会議長への要望を行っております。
要望の10項目のうちの1つといたしまして、「鷹島神崎遺跡の保存と活用について」と題し、松浦市鷹島に専門研究機関を設置することなど4件について要望を行っております。
また、6月15日には市長が文化庁を訪問いたしまして、担当課の記念物課長を初め、専門官、主任文化財調査官に面会をしており、調査の推進、水中考古学研究機関を九州国立博物館に設置すること、その機関の常設出先機関を鷹島へ設置することなどをお願いしているところです。
元寇博物館の建設につきましては、鷹島神崎遺跡保存管理計画に基づき事業を進めております。
この計画におきまして、短期、中期、長期と3つの期間を設定して取り組んでおるところですが、この中の中期目標(10年程度)というところにおきまして、博物館機能を備えた施設の整備を事業目標の一つとして掲げております。
しかしながら、単独の自治体で行うには限界があると考えておりまして、現時点では具体的な時期について明言することは難しい状況でございます。
今後も国に対しまして、この遺跡の重要性を訴えるとともに、地元の機運を盛り上げるように価値を伝えていきたいと考えております。
175 ◯ 6番(神田 稔君)
この元寇につきましては、松浦の宝というか、これは起爆剤になると思うんですよね。ぜひ国の機関とかを呼んでしないと、宝の持ち腐れじゃないんですけど、やっぱり国に強く働きかけてやっていかなければいけないなというふうに思っております。
それから、その中に元寇ゆかりのある国内外の地域との交流促進を図ると記載されておりますけれども、国内と国外それぞれの交流促進の今後の構想についてお伺いをいたします。
176 ◯ 文化財課長(内野 義君)
まず、国内の交流についてですが、仮称でございますが、元寇サミットの開催を具体的に検討しております。国内における蒙古襲来にゆかりのある対馬市を初めとする自治体との連携を図り、地域間の交流を図りたいと考えております。
それから、国外でございますが、これにつきましては、市長が本年11月16日にモンゴル国大使の就任式に出席した折に大使と話す機会がありまして、蒙古襲来をテーマに共同研究ができないかということで提案を行っているところでございます。
モンゴル国の研究者を招くことによりまして、鷹島海底遺跡から出土している遺物の使用用途の特定など研究の進展が期待されて、歴史を生かした国際理解を深めることにつながるものと考えております。
177 ◯ 6番(神田 稔君)
ぜひ活発なそういった交流促進をお願いしておきます。
次の質問は「ともだ
ビジョン」には記載されていなかったんですけれども、この前、6月の西谷先生の講演の折に、元寇遺跡は当時の国際関係が背景にある産物、世界遺産に値すると言われておりました。
これは新聞にも載ったんですけれども、歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本であるという世界遺産登録基準に当てはまるというふうに西谷先生は言われているんですよね。
私も、このことについても積極的に進めていただきたいなと思っておりますけれども、この件について行政としてどのようなお考えか、お伺いをいたします。
178 ◯ 文化財課長(内野 義君)
本年6月2日に開催されました松浦党研究連合会主催の講演会の際に九州大学名誉教授であられます西谷正先生が、今、議員がおっしゃられたとおり、世界遺産に値するとお話をされました。
西谷氏におかれましては、平成元年から3年にかけて、科学研究費による鷹島海底遺跡における元寇関係遺跡の調査・研究・保存方法に関する基礎的研究の中心人物として調査を行われております。
また、鷹島海底遺跡の調査計画について検討、協議を行う鷹島海底遺跡調査指導委員会において、平成18年から29年まで委員長を務めていただいております。鷹島海底遺跡を本当に熟知した方だと思っております。
さらには、平成25年から29年にかけまして、文化庁が水中遺跡の調査、保存及び活用について検討を行うために初めて設置しました水中遺跡調査検討委員会の座長も務められております。
このように水中考古学に精通し、実績のある方から発言があったことは、大変光栄なことであるというふうに思っております。
市といたしましても、当該遺跡が世界でも重要な遺跡であることを再認識するとともに、この価値を多くの人に理解していただけるように努めてまいりたいと考えております。
また、西谷先生はこの会の折に、鷹島に国立、県立の水中考古学の施設を誘致すべきとも語られておりまして、今後、国への要望活動などの大きな後押しになるものだと考えております。
179 ◯ 6番(神田 稔君)
そうですね。私も西谷先生のあれを見たんですけれども、資料を手に入れたんですけれども、西谷先生が「元寇・沈没船の発見に思う」ということで述べられております。
その中で、軍船と元寇の実態解明のためにも船材の引き揚げは必須であると、引き揚げなさいと。そのためには、まず船材の収納、保存処理に必要なそれ相当の施設を現地鷹島に新設することであると。そして、それらに必要な経費は莫大であろうが、財政的に保証されなければならない。というのは、これは国にも訴えられていると私は解釈しているんですよ。そして、何よりもその事業を円滑に推進するための人材と組織体制が必要となる。その際、従来どおりの調査と保存処理の事業をただ継続するのではなく、鷹島神崎遺跡が国内の水中遺跡として初めて国史跡の指定を受けたことでもあり、発想の転換を行い、大きな飛躍を決意しなくてはならない。そのために国、県、それから市と大学、さらには地域住民など関係者が一丸となって新たな出発点に立つべく、英知と決断が求められていると、こういうふうに述べられているんです。
ちょっとここから市長に聞いていただきたいんですけど、これは木浦のことを言われているんですよ。
水中考古学調査・研究の専門機関として、国立海洋文化財研究所を設立している韓国の例がいい参考になる。そこには55人とも言われる専門職員が専用の探査船、調査船を用いて発掘調査し、船体は全て引き揚げ、保存処理を徹底していると。韓国にできて、日本にできないわけがないと、締めにこういうふうに言われているんですよ。だから、日本も水中考古学調査・研究に本腰を入れるべきだというふうに訴えられているんですよね。
実際に私も木浦に行って、この調査船と探査船ですね、停泊していましたので、乗せていただきました。もう出たら3カ月ぐらいは帰ってこないということで、食事をするところとか、寝泊まりするところとか、そういうのがあって、立派な船でありました。韓国はそのように進んでおります。
いろいろ申しましたけれども、調査が始まって40年が過ぎようとしておりますけれども、鷹島海底調査に携わったたくさんの方々のおかげで貴重な遺物が発見され、国内外から注目を浴びるスポットとなっています。これをどのように生かしていくかは行政の手腕にかかっていると言っても過言ではないと思っております。行政と議会が一体となって
取り組みを進めていくことを願って、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。
(
神田議員 一般質問席 降壇)
180
◯ 議長(椎山賢治君)
以上をもって
神田議員の一般質問を終結いたします。
以上で本日の日程を終了いたしましたので、本日はこれにて散会いたします。
午後3時25分 散会
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