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◯副議長(梅原和喜君)
出席議員半数以上であります。これより議事日程第5号により本日の会議を開きます。
日程1
市政一般質問
について、前日に引き続き、
市政一般質問を行います。11番林 広文議員。
〔林 広文君登壇〕
2 ◯11番(林 広文君) 公明党の林 広文でございます。市政の課題について、通告に従い質問いたします。市長並びに理事者の簡潔明瞭な答弁をお願いいたします。
初めに1.
自治体経営マネジメントについての(2)資金管理(調達と運用)のあり方についてお伺いします。
人口減少時代の自治体経営においては、限られた財源を効率的に使うために、まさに経営する感覚と自律的な
行財政マネジメント能力が求められています。本市では平成27年の総務省通知に基づき、
固定資産台帳の整備と複式簿記の導入による財務諸表を平成28年度決算から作成、いわゆる新公会計制度が導入されました。新公会計制度により財務諸表を作成するようになってわかったことは、本市が厳しい財政状況であることは当然でありますが、財務上、資産や負債として巨額の資金を管理している団体であるということです。平成29年度連結決算の数値によれば、資金調達としての地方債の借入残高は約3,600億円、
資金運用原資として捉えることができる基金の残高は約670億円となります。
これまでの
単式簿記会計の発想では、財政は歳入と歳出のバランスをその1会計年度に限り考慮すれば足りる仕組みでしたが、これからは
財務マネジメントの観点から、資金調達と資金運用という両面において長期的、安定的かつ効率的な資金管理が求められることになります。大分県国東市では、先進的に
資金管理改革を進めており、特に資金の運用においてはそれぞれ個別に管理されていた基金を取りまとめて債券運用を行う
基金一括運用の手法により、平成29年度決算では年間2億を超える運用収入を得ています。
そこでお尋ねいたしますが、資金調達における金利コストの低減化の取り組み。また、資金運用においては、運用収入の上積みに向けた取り組みなど、資金管理のあり方について、本市の考えをお示しください。
次に、(3)
内部統制制度の整備について伺います。
平成29年の
地方自治法改正により、自治体首長、職員の
損害賠償責任の見直しや監査制度の充実強化などとともに、地方自治体には内部統制に関する方針の策定及び必要な体制整備が義務づけられました。義務づけの対象は、現在、都道府県及び指定都市となっていますが、総務省のガイドラインによれば、全ての地方自治体に共通する枠組みとしています。
本市では職員の知識不足、組織の
チェック体制の欠如及び部局間の連携不足などによる業務上のミス、不祥事が、ここ数年来頻発しています。この
内部統制制度においては、過去の不祥事例や他団体で発生した手続ミスを今後発生する可能性のあるリスクと捉えて事前に認識し、可視化するなどのリスク管理を行い、自己評価をすることとしており、制度を取り入れることで組織として適正な業務執行につながるものと考えます。
内部統制制度の整備について、市の見解を伺います。
次に、大きな2点目、
インバウンド対策についての(1)今後の方向性についてお尋ねします。
ことし6月の観光庁の発表によると、2018年の
訪日外国人観光客は前年比8.7%増の3,119万人となり過去最高を記録。本市においても外国人の
延べ宿泊者数は30万6,000人泊となり、前年比2.9%の増となっています。日銀の発表した
さくらレポートによれば、最近の
インバウンド需要の特徴として、1.東アジアからの観光客の増加、2.個人旅行の増加と訪問・宿泊地の広がり、3.モノ消費の落ちつきとコト消費の拡大の3点が挙げられているようです。
訪日外国人観光客について、
東京オリンピック・
パラリンピック開催年となる2020年には4,000万人、2030年には6,000万人を目指すことが政府の目標値となっており、今後も
インバウンド需要の積極的な獲得推進の方向性が示されています。本市においても交流人口の拡大を図り、地域活性化の観点から
インバウンド需要を積極的に取り込んでいくことが求められていくと思いますが、今後の基本的な方向性についてご教示ください。
次に、(2)観光公害への対応についてお伺いします。
インバウンド観光の増加により、新たな問題として
オーバーツーリズムと呼ばれる観光公害が全国各地で頻発しています。京都では
外国人観光客の増加に伴い、特定地域への過度な集中などにより、地域住民の日常生活にも影響が出ていると聞き及んでおります。本県においても観光地やその周辺地域において、交通渋滞、トイレの使用マナーや騒音、ごみなどについてトラブルが発生しているようです。
今後、
インバウンド需要の
取り込み拡大を図る上では、地域住民への影響を極力抑えながら、トラブルの発生を未然に防ぐ取り組みが必要と考えます。市の見解をお示しください。
次に、大きな3点目、8050問題(中高年のひきこもり)への対応について伺います。
内閣府は、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、自宅にいる40歳から64歳の中高年のひきこもりの人が、全国で61万3,000人に上るとの推計を公表しました。今回の調査結果の中でとりわけ深刻なのは、ひきこもりの長期化であり、ひきこもりの期間は7年以上が約半数で、20年を超えるケースも全体の2割近くに上ります。
80代の高齢の親が50代のひきこもりの子どもの面倒を見る8050問題として、共倒れのリスクが指摘されていますが、今回の調査でも対象者の3割超が高齢の父母に生計を頼っている実態が明らかになっており、引きこもる本人だけでなく、世帯単位で支援する視点が重要となります。
まずは、誰にも相談できずに孤立する本人や家族を見つけ出し、支援の手を差し伸べる体制づくりと、断らない相談支援の実現が求められており、自治体やNPO、福祉関係者などの幅広い機関が連携・協力のもとに、寄り添うように支えていくことが重要です。本市における8050問題への対応について、見解をお伺いいたします。
最後に大きな4点目、鯨食の普及促進について伺います。
この7月、国内で31年ぶりとなる商業捕鯨が再開されました。当面、調査捕鯨時の捕獲枠数を下回る頭数となっており、鯨肉自体の供給量はこれまでより減少する見通しでありますが、今後は鮮度のよい、脂の乗ったおいしい鯨を食する機会がふえると期待されています。
長崎は、江戸時代から続く鯨食文化の長い歴史を有し、鯨を余すことなく大切に利用する文化が根づいたまちであり、データによれば長崎は県民1人当たりの年間の鯨肉消費量が全国1位となっています。
本市においては、これまでも鯨の食文化の普及、発信に取り組んできた経過がありますが、今般の
商業捕鯨再開を受けて、さらなる鯨食の普及促進、また特に観光客向けの食の発信についても強化を図ることが必要と考えますが、本市での取り組みについてご教示ください。
以上、本壇からの質問といたします。
なお、1の
自治体経営マネジメントについての(1)新公会計制度を生かした予算編成については、時間がありましたら自席からの質問といたします。ありがとうございました。=(降壇)=
3 ◯副議長(梅原和喜君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
4 ◯市長(田上富久君) 公明党、林 広文議員の質問にお答えします。
2点目の
インバウンド対策についての(1)今後の方向性についてお答えします。
現在、国においては
インバウンドを含む観光の振興を成長戦略と地方創生の大きな柱として位置づけ、令和2年の
訪日外国人旅行者数4,000万人、旅行消費額を8兆円とした数値目標を設定して、国を挙げて誘客や消費喚起に取り組んでいます。
長崎市においても人口減少とともに国内観光客が今後減少していくと見込まれる中で、
外国人観光客を初めMICEの参加者や富裕層など、新たな顧客を呼び込むため、来訪者の
受け入れ態勢の整備や海外市場の成熟度に応じた効果的な誘致、情報発信を行ってきました。
特に、
外国人観光客の受け入れについては、観光地や中心市街地における
Wi-Fi環境や多言語表記による案内、誘導の充実による
ストレスフリーの環境整備を行うとともに、市内飲食店のメニューの多言語化を推進する機能を備えた
ウェブサイトEAT長崎の充実や、
民間事業者と連携した
キャッシュレス化の取り組みなどにより、
インバウンド消費の拡大を図ってきました。また、
観光立国ショーケースにおける観光資源の磨き上げの取り組みの1つとして、国の地域資源を活用した
観光地魅力創造事業を活用して、
マーケティング調査をもとに、食と世界遺産をテーマとした効果的な情報発信や
市内周遊ツアーなどを実施し、
外国人観光客向けのコンテンツの充実を進めてきました。
こういった取り組みにより、長崎市の
外国人観光客の
延べ宿泊者数は30万6,019人泊で、前年から約9,000人の増、国が観光立国を宣言した平成15年の約4倍の実績となり、また、平成30年の長崎港の
クルーズ客船入港数は、博多港、那覇港に次ぐ全国第3位となる220隻で、乗客・乗員数は93万6,046人を記録しました。
長崎市の
インバウンドの取り組みについては、このように
一つ一つ段階を踏みながら進めてきましたが、今後とも個人旅行の増加やコト消費の高まりなど、
インバウンドの動向の変化に応じて、
外国人観光客の
受け入れ態勢の整備や海外への情報発信、長崎市版DMOの
民間事業者の連携による
体験型コンテンツとアクティビティの充実などを図り、経済効果を高め、
インバウンド需要を積極的に獲得する取り組みを実施していきたいと考えています。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
5
◯企画財政部長(片岡研之君) ご質問の1点目、
自治体経営マネジメントについての(2)資金管理(調達と運用)のあり方についてお答えいたします。
まず、資金調達は地方債制度を活用しておりますが、近年の
借り入れ状況といたしましては、
財政融資資金、
地方公共団体金融機構資金といった公的資金が約8割、銀行などの民間資金が約2割となっております。また
借り入れ期間につきましては、
借り入れ対象となる資産の耐用年数以下で借り入れを行っている状況でございます。
金利コストの低減化の取り組みにつきましては、現在、借り入れの大部分を占める公的資金については、従来から特に安定性を重視し、全期間固定としておりましたけれども、一般的には利率を固定する期間に比例して金利は上昇するため、
財政融資資金は平成26年度の借り入れより
固定金利方式から5年
毎利率見直し方式に、
地方公共団体金融機構は平成25年度の借り入れより10年
毎利率見直し方式に変更し、さらに平成27年度の借り入れより5年
毎利率見直し方式に変更しております。このことにより、
財政融資資金で償還年数が20年の場合、平成25年度の借り入れでは利息が1.0%であったものが、平成26年度の借り入れでは0.2%に軽減されたところでございます。その結果、平成25年度決算の公債費における利子負担が31億840万円であったのが、近年の金利情勢の変化も相まって、平成30年度の決算見込みの公債費における利子負担は17億1,384万円になったところでございます。
次に、基金の運用状況は本年7月末現在、
土地開発基金を除いた約520億円について運用を行っておりますが、そのうちの8.5%の約44億円を預金よりも利回りがよい地方債などの有価証券による運用を行っております。残り476億円は、当座貸し越し契約の見合い預金として50億円を預託し、残る約426億円を金融機関へ預託している状況にございます。
証券会社の調査では、2018年の基金に占める有価証券の比率は、都道府県で平均37%、市の平均では19%という結果になってございます。
このような他都市の運用状況等を踏まえ、長崎市といたしましても有価証券による運用の比率を高める検討を進めていきたいと考えてございます。また、基金の一括運用につきましては、より効果的に運用益を確保できる手法であると認識しております。そのため、基金ごとの中長期的な積み立て取り崩し計画と、それに対応する資金全体の運用手法の見きわめなどを行いながら、今後は金融機関や証券会社のお知恵も拝借し、さらなる効果的な基金の運用に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
6 ◯総務部長(柴原慎一君) ご質問の1点目、
自治体経営マネジメントについての(3)
内部統制制度の整備についてお答えいたします。
地方公共団体への
内部統制制度の導入につきましては、地方自治法の改正により令和2年4月1日から都道府県及び指定都市に義務づけられ、指定都市を除く市及び町村には努力義務が課せられることとなっております。
地方公共団体における内部統制とは、事務が適切に実施され、住民の福祉の増進を図ることを基本とする組織目的が達成されるよう、事務を執行する主体である長みずからが、
行政サービスの提供等の事務上のリスクを評価及びコントロールし、事務の適正な執行を確保することとされております。
長崎市におきましては、事務の適正な執行を確保するため、
個人情報保護、
情報セキュリティー対策、契約事務など、それぞれの
業務担当部局において、業務に関する基準やマニュアルの作成、研修の実施など、業務内容に応じた取り組みを行っております。また、職員研修の中で、管理監督者に対しては業務上生じる可能性のあるリスクの未然防止等のため、事前予測とその対応策などを考えさせ、若手職員に対しては過去の不適正な事務処理の事例を示し、原因の分析と再発防止策を検討するなど、
職員一人ひとりに意識づけを行っております。加えて、不適正な
事務処理事案が発生した際には、リスクを評価しコントロールするという仕組みとして構築しているものではありませんが、問題点の洗い出しと再発防止への対応を行っております。
リスク防止やリスクへの対応の重要性については十分に認識しておりますので、既存の取り組みを継続するとともに、長崎市におけるより効果的な仕組みの構築について研究してまいりたいと考えております。
今後とも職員それぞれがリスクを予測し、適切な対応を講じることができるよう、市民に信頼される市役所にするため、事務の適正な執行の確保に努めてまいります。
以上でございます。
7
◯文化観光部長(股張一男君) ご質問の2点目、
インバウンド対策についての(2)観光公害への対策についてお答えします。
オーバーツーリズムと呼ばれる観光公害につきましては、議員ご指摘のとおり
ゴールデンルートと呼ばれる観光地である京都や鎌倉などで、観光客がもたらす混雑や騒音のため静穏な生活環境が乱されるといった問題が発生しております。長崎市においても
外国人観光客の増加に伴います交通渋滞、トイレのマナーやごみのポイ捨てなどの問題が発生し、その対策に取り組んでいるところでございます。
まず、
交通渋滞対策でございますが、
貸し切りツアーバスによる長時間の駐停車が原因で発生する交通渋滞の緩和を図るため、平成28年度におきまして、
貸し切りツアーバスの駐停車を乗客の乗降時のみに限定し、その後駐車場に誘導する、いわゆる
ショットガン方式の実証実験を実施いたしました。その結果、
貸し切りツアーバスの路上待機が解消される効果が確認されたことから、その方法を継承し、長時間の駐停車が想定される場所に交通誘導員を配置して駐車場などへの誘導を行っており、大きな交通渋滞を回避しております。
次に、トイレの使用やごみのポイ捨て等の問題の対策でございますが、これらの問題につきましては、文化の違いに起因する部分が大きいと考えられることから、
中国人留学生の卒業研究をもとに作成しました文化の違いをわかりやすく解説するリーフレットを長崎港
松が枝国際ターミナルなどで配布し、トラブルの発生を未然に防ぐ取り組みを行っております。それでも市民の皆様からご意見を頂戴した場合には、現地に赴きまして直接聞き取りを行った上で、
外国人観光客への注意喚起を促す翻訳文の提供や、ツアーを実施する旅行会社に対し、
外国人観光客への注意喚起をお願いするなどの対策を行っております。さらに、
市民活動団体との協働によりまして、日本語におけるごみの取り扱い方を伝える漫画の冊子を作成し、バス会社や店舗などに配布することで、
外国人観光客に日本との文化の違いを周知する取り組みを行っております。
今後も観光公害によりますトラブルの発生をできるだけ未然に防ぐ対策を行っていくことで、市民の皆様への影響を低減し、あわせて
外国人観光客の満足度を高める環境を整え、住んでよし、訪れてよしの
観光まちづくりに取り組んでまいります。
以上でございます。
8 ◯福祉部長(山口伸一君) ご質問の3点目、8050問題(中高年のひきこもり)への対応についてお答えいたします。
国におきましては、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、趣味に関する用事やコンビニなどに行く以外、自宅から出ない人をひきこもりと定義づけ、平成30年度に初めて中高年(40歳から64歳)を対象としたひきこもりの実態調査を行っております。
今回の調査において、議員ご指摘のとおり、中高年のひきこもりは全国で61万3,000人に上ると推計され、ひきこもりの問題が若年層(15歳から39歳)から中高年層まで長期化する一方、親も高齢化し、子の問題に加え生活困窮や介護といった複合的な課題を同時に抱える8050問題が顕在化してきております。その要因、背景には子の離職、退職、子本人の病気や家族の病気、経済的困窮など複雑に絡み合った課題を抱え、地域社会とのつながりが絶たれた社会的孤立も多いことから、行政と医療、保健、福祉などの関係機関が連携して、地域全体で寄り添いながら支援していく必要がございます。
長崎市におきましては、電話や面接での相談対応や家族学習会の定期的な開催など、ひきこもりの方や家族への支援のほか、平成28年10月からは、高齢、障害、子育て、生活困窮など福祉分野に関連する複合的な相談や社会的に孤立している世帯の相談を
ワンストップで受けとめ、解決までのコーディネートと伴走型の支援を行う多
機関型地域包括支援センターを国のモデル事業として市内2カ所に設置し、関係機関とも連携しながら支援を行っております。
多
機関型地域包括支援センターが支援した8050問題の事例といたしましては、要介護の父と20年以上ひきこもりの40代の子の世帯において、父が介護施設への入所を検討するに当たり、無職無収入の子どもの今後の生活を心配して、
担当ケアマネジャーを経由し、多
機関型地域包括支援センターに相談があっております。そういう中、40代の子に寄り添いながら、センターが一緒になって医療機関や年金事務所などに同行し、障害年金の受給、あるいは
相談支援事業所につなぎ、子の独立に向けた転居や、就労に向けた支援を行っております。
今後も8050問題を含め、社会的孤立や生きづらさを抱えた世帯など複合的な課題を抱える世帯に対して必要な支援が行えるよう、庁内の関係機関はもとより、医療機関や
地域包括支援センター、
相談支援事業所など、分野ごとの専門機関、NPOや民生委員など地域の関係者と連携、協力しながら関係機関のネットワークの拡充、充実を行いながら、寄り添って支援してまいります。
以上でございます。
9
◯水産農林部長(野崎清隆君) ご質問の4点目、鯨食の普及促進についてお答えいたします。
我が国は、
IWC国際捕鯨委員会からことし6月末に脱退し、昭和63年以降31年間中断していた商業捕鯨を7月から再開したところです。
商業捕鯨再開後は、日本沿岸と
排他的経済水域のみで、資源量が豊富である数種の鯨に限り、捕獲しても資源に影響を与えない漁獲枠内で捕獲されることとなっており、鯨肉の供給量に関しましては今後の推移を見守る必要があるものと考えております。
長崎は、歴史的に鯨とのかかわり合いが深く、祭りや工芸品など市民の生活にも根づいています。特に、食文化については、正月やお祝いごとの際には鯨が食卓に上がるなど、鯨食文化が受け継がれています。長崎市では
鯨料理提供店舗を顕在化する、「くじらあります」のタペストリーや、レシピ等を紹介した
くじら料理ガイドブックの作成、配布を行うとともに、ながさき
今昔くじら料理フェアの開催、超党派の国会議員の呼びかけにより、東京都で開催される捕鯨の伝統と食文化を守る会に長崎市のPRブースを出店するなど、機会を捉え、鯨食文化の普及、発信に努めているところです。
子どもたちへの鯨食文化の継承に向けた取り組みにつきましては、
長崎くじら食文化を守る会と連携し、夏休みの親子を対象とした、
くじら食文化教室の開催や、
一般財団法人日本鯨類研究所と連携した小学校でのクジラ博士の出張授業の実施を行っています。また、学校給食におきましても、毎年6月の食育月間や1月の
全国学校給食週間において、地産地消の推進や郷土料理を紹介する中で、赤身を使用した竜田揚げや、シオクジラを使用した鯨汁などを提供しているところです。
商業捕鯨の再開により、鯨食文化の広がりが期待される中、長崎市においても鯨食文化を次世代につないでいくため、今後ともこれらの取り組みを推進していくとともに、観光客に対して長崎市に根づく鯨食文化の情報発信に取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
10 ◯11番(林 広文君) 一通りの答弁をいただきました。理解を深めるために再質問をさせていただきたいと思います。順不同になりますけれども、よろしくお願いいたします。
まず初めに
インバウンド対策についてお伺いしたいと思います。
観光消費をふやしていく、そしてDMOと連携したコト消費の拡大を図るということで、これからは量より質が大事だという点については、方向性には理解しております。ターゲットを明確にした取り組みをぜひ推進していただきたいと思います。そしてこの観光公害についても、市民生活への影響をなるべく抑えていく。答弁で、住んでよし、訪れてよしとありましたけど、まさにこの
観光まちづくりという視点が重要だと思いますので、ぜひこの点もお願いしたいと思います。
しかし、現段階でもなかなかうまくいってないことも多うございます。特に最近の報道によりますと、クルーズ船で来るお客様の経済効果については疑問視する報道がなされております。クルーズ船の外国人客がたくさん来られても、なかなかお金が地元に落ちていないのではないかという点の指摘でございます。7月12日の、これはヤフーニュースの記事でございますけれども、商店街の経営者、従業員の話として、ほとんど効果はないと答えた。タクシー運転手の1人は、タクシーなんて誰も乗らない。もうかっているのは観光バスの会社ぐらいじゃないかと。そのような声が紹介されております。
やはりこれだけクルーズ船客が来る中で、なかなかこの地元の皆さんのところに経済効果が来ていない。地元にお金が落ちていないという現状に対しては対策を打つべきだと思いますけれども、この点について見解をお示しください。
11
◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えいたします。
現在、長崎市におけるクルーズ客船の入港数の約8割以上、これを中国発のクルーズが占めており、そのほとんどが10万トン級以上の客船を使用した低価格帯のカジュアルクルーズと言われるもので、議員ご指摘のとおり、皆様が経済効果を実感できていないということは、このカジュアルクルーズにおける寄港地でのツアー内容の多くが、やはり団体バスで無料の観光施設、あるいは免税店を中心に回るものということに関連するものと考えております。
その一方で、長崎に置きかえますと、長崎浜んまち商店街振興組合連合会におけます銀聯カードの取扱高につきましては、導入当初であります平成21年度には約2,900万円の売り上げであったものが、平成30年度は約1億8,300万円となっておりまして、この約10年間のうちに6.3倍となっており、消費拡大の効果もあらわれてきているという面もございます。また、乗客、お客様の間におきましては、寄港地観光をもっと楽しみたいという声も徐々にふえてきております。このようなニーズに応えるツアーを造成するランドオペレーターも少しずつ出てきており、長崎におきますと、まち歩きフリープランとしての総客実績、これも上がってきているという状況でございます。
したがいまして、今後とも料亭や検番といった付加価値が高いプログラムや、着物の着つけなどの
体験型コンテンツ、こういったものを高品質クルーズを取り扱うランドオペレーターにご提案するなど、コト消費を組み込んだツアー造成の働きかけ等に、民間とともに注力していきたいと思っております。あわせて、
民間事業者や商店街の皆様と連携し、引き続き多言語表記の推進や決済環境の改善など、受け入れ環境の整備、あるいはソフト面の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
12 ◯11番(林 広文君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。
地元にお金が落ちていくという形で、市民の皆さんが実感できれば、そういった不平不満というのも出てこないのではないかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それと、消費単価を上げていくという部分ですけれども、その取り組みとともに、やはり域内調達という部分も非常に大事だと思います。長崎市でお金を落としてもらうために、その消費を何に使っているかという部分が、今後は大事だと思います。もし、お金を使っているものが、県外から調達された物産とか食材で使われるのであれば、最終的にこの長崎にお金が残っていかないということになりますので、この長崎の域内で調達していく、お金を回していくというような形が重要だと思いますけれども、この辺の取り組みについてはどのように考えているでしょうか。
13
◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えいたします。
インバウンド需要を取り込んで地域経済の活性化、こういったものを図るためには、
外国人観光客の増加だけではなく、議員ご指摘のとおり、客単価を上げ、域内調達率を高めていくこと。これがやはり大事だと考えております。
そのような中、
観光まちづくりのかじ取り役でありますDMOにおきましては、今まで観光関連事業者が中心であった観光を商工業者や農林漁業者などが参画することで、観光消費を促進、拡大し、経済効果が地域内に波及するよう取り組んでいくこととしております。また、長崎市におきましても、観光消費が地域経済に与える効果を最大化するためにDMOと連携し、地場企業に対し地元農水産物などの利用を意識づけるとともに、地域資源を生かした魅力ある製品、サービスの開発の促進を図り、地場産品の積極的な活用、これを推進していきたいと考えております。
以上でございます。
14 ◯11番(林 広文君) よろしくお願いいたします。
この
インバウンド需要を見込んで、いろんな資本が入り込んできております。まさに免税店は、長崎では韓国資本と言われておりますし、やはりこの海外資本ではなくて国内資本、国内資本よりも、さらにこの長崎の地場資本にしっかり参入していただいてお金を落としていく。こういった循環を進めていただきたいと思います。そういった中で、やはりこの市民の所得、もしくは雇用というものに影響していくのではないかなと思っております。こういったものが目に見える形で出てくることによって、このDMOとして推進する
観光まちづくりも加速していくのではないかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは続きまして、
インバウンドにこの関連する項目としましては、民泊の取り組みというものがございます。この民泊についても昨今は多くの報道記事がございました。この
インバウンドで
外国人観光客の方が、この民泊というのは、ちょうど1年前に民泊新法が施行されましたけれども、どういう方が日本での民泊を利用されているのかというと、73%の方が外国人というデータが出ております。そういった意味では、この民泊の事業が
インバウンドを取り込んでいくという部分では、非常に私は大事じゃないかなと思っております。
民泊新法が施行されて1年がたちますけれども、本市の現状はどうなっているのか、どのような方針なのかお示しください。
15
◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えいたします。
訪日外国人の拡大に伴いまして、民泊は一般住宅や空き家を確保し、安価に利用できる宿泊施設といたしまして、そのニーズが高まっております。
平成30年6月の住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法の施行以来、民泊の届け出件数は全国で1万7,551件となり、民泊新法施行前の約7.9倍に増加しているところでございます。また、観光庁が発表した資料によりますと、全国の民泊の利用者のうち76.9%が外国人であったことからも、民泊の活用、これは
インバウンド需要の取り込みに対応していくための有効な対策の1つであると考えております。
このような中、民泊新法の施行後、長崎市内分といたしましては、長崎県全体の71件のうち約45%に当たる32件の民泊の届け出があっております。この民泊は宿泊費用が安価であることや、現地の住宅や生活を体験し、さらに現地の人々と交流ができるという点、こういったことなどに注目されていることから、今後もそのニーズが拡大していくと予想されております。長崎市における届け出件数も増加するものと考えております。
その一方で、
外国人観光客によります深夜の騒音や、ごみ捨てなどのマナーによる、近隣住民とのトラブルが発生しているという事例もございます。市といたしましては、民泊を活用した
インバウンド需要の取り込みにつきましては、住民への配慮、これを十分に行いながら、長崎県を初めとする関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
16 ◯11番(林 広文君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。
民泊は、各県でも取り組みが進んでいるようでございます。金沢のほう石川県も頑張っているようでございます。
民泊を展開する若い経営者の方、起業・創業される方、また簡易宿泊所やゲストハウス、こういった運営をされている方もふえているということで、また長崎においては、例えば空き家を活用した民泊というのも、この空き家を民泊に転用するような取り組みというのも、今後はあってもいいんじゃないかと思っておりますので、ぜひこの点については進めていただきたいと思っております。
それともう1点、
インバウンドですけれども、これも最近の報道でよく言われておりますけれども、日韓関係の悪化に伴いまして、九州各地での韓国人観光客の減少が顕著となっております。8月29日付の読売新聞ですけれども、7月以降、九州、沖縄、山口、航空便33路線が運休または減便ということで、影響が拡大しております。
本市の観光統計によれば、国別の宿泊者数、韓国が1位でございます。平成30年度では32%です。ちなみに統計資料によりますと、この平成28年から平成30年、3年連続で韓国の外国人の方が1位となっております。
観光業界全体に影響が出ているようでございますけれども、この韓国人の観光客の対策についてはどのようにお考えでしょうか。
17
◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えいたします。
日韓関係の悪化、これは全国的に訪日韓国人観光客の減少という影響を及ぼしております。
昨年、長崎市内に宿泊した韓国人宿泊者数は、延べ9万8,875人泊で、国別では議員ご指摘のとおり第1位でございましたが、ことし7月の長崎市観光総合案内所の韓国人利用者数、これを見ますと、前年同月比37%の減少、そして出島の韓国人入場者数、この数字は前年同月比28%の減少という状況であり、また市内の観光施設や宿泊施設についても、その影響を受けておりまして、今後の動向を含め危惧しているという状況でございます。
そのような中、長崎市では釜山広域市観光協会内の現地の専任スタッフによります誘致活動、これを継続的に行うとともに、去る9月5日から8日までにおきましては、長崎県観光連盟とともに釜山国際観光展に出展し、世界新三大夜景や世界文化遺産に認定された長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産などのPRを実施することで誘致活動を行っているところでございます。
現在のところ、日韓関係に改善の兆しが見られない状況であることから、当面、韓国からの
インバウンド誘客については全国的に厳しい状況が続くものと考えておりますけれども、長崎市といたしましては、現地での誘致活動の継続、それから国や県、関係事業者等との情報交換をしながら、必要な支援策についても検討していきたいと考えております。
以上でございます。
18 ◯11番(林 広文君) わかりました。かつては中国においても国と国との関係の中で、そういったリスクがありました。いわゆる政治リスクと言われるものですけれども、この点、韓国、中国についてはそういったリスクもあるということを考えると、今、DMOによってアジアのほかの国々をターゲットとしたマーケティングも行われているようでございます。そういったリスク分散という意味でも、きっちりと今後は進めていく必要があるんじゃないかなと思います。
ただ、やはりこの日韓関係、日中関係は非常に重要な取り組みだと思っております。地方自治体においては国同士が難しい状況にあっても、アジアに近い本市でありますので、自治体交流、文化交流、スポーツ交流、経済交流、いろいろと交流はあると思いますけれども、やはり冷静に交流を続けていく、こういった対応をぜひお願いしたいと思います。
インバウンドについては以上で終わります。
次に、
自治体経営マネジメントについてお伺いいたします。
地方公会計がスタートして、しっかりとした経営をしていく。自治体を経営していくという視点が必要だと思っております。このような形で今後は進めていくのではないかなと思っておりますが、1つの数値として、平成29年度の連結決算によりますと、長崎市の総資産は1.1兆円という数字になります。もちろん有形固定資産、これは道路とか橋とか、換金できないインフラが含まれておりますので、これをどう評価するかというのは難しいところがありますけれども、少なくとも資産として計上されたものは1.1兆円あるということでございます。これは総資産で1.1兆円を持っている、例えば一部上場企業で申しますと、どういうところかといいますと、ヤマダ電機とか日立建機、ニコンとか、こういったそうそうたる企業が、この総資産、これと同じレベルの総資産を長崎市は持っているということでございます。
こういった観点から言うと、本壇でも申し上げましたけれども、資金の管理、調達という部分には、
財務マネジメントの観点というのがこれから必要になってくるのではないかなと私は思っております。
調達に関して、地方債については一定利率が低減しているということで、かなり利息の支払いは低減されているということがわかりました。しかしながら、この部分については、今はいわゆる公的資金、政府資金を用いて資金調達している場合が多いですので、この部分は当然利率は低くなっておりますけれども、中核市全体の傾向としては、今後は民間資金を使っていくという形の流れになってくるものと思われます。中核市のデータで言うと、平成30年度の速報値ですけれども、公的資金が61%で民間資金が33%、こういう割合になっております。長崎市は今のところ公的資金が8割、民間資金は2割ということで、民間資金は少ないですけれども、当然民間資金になると利率が少し高くなってくるということで、こういった部分は今後のリスクをしっかり計算していく。そして地方債を発行する際に、民間から調達する場合には、当然、調達する先の銀行が競争環境にあるのが好ましいのですが、長崎市においては大きな地方銀行が2つ合併するということで、競争性が余り発揮されないようなことも考えられます。そういった意味では、今後しっかりとこのいわゆる利子負担を圧縮していくという部分はお願いしたいと思います。
人口減少時代でございますので、当然、地方債というのは長い期間をかけて元利償還で返していきますけれども、人口が減少する中では後年度になるほど市民1人当たりの負担というのはふえていきます。そういった意味ではぜひ、
人口減少時代である、そして生産年齢人口が減っていく中で、実際に税を負担している人が負担感が増さないような取り組みというのが私は必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
1つお尋ねしますが、運用の問題でございます。国東市の事例を紹介しました。国東市は人口が2万8,000人、財政規模は一般会計が220億円程度でございます。一般会計は長崎市の10分の1の規模でございます。しかし運用収入は2億円ということになっております。長崎市での運用収入はいかほどか教えてください。
19 ◯理財部長(小田 徹君) 再質問にお答えします。
基金の運用利息につきましては、平成29年度決算で4,617万7,376円、平成30年度決算で4,165万2,441円の見込みとなっております。
以上でございます。
20 ◯11番(林 広文君) 長崎市の答弁でいうと基金が520億円ぐらいです。運用可能性のある基金があるということですので、今長崎市では個別で基金を管理して、一括管理というのはしておりませんが、今先進の市では、この
財務マネジメントというものの重要性に気づいて改革が進んでおります。
岐阜の美濃加茂市というところでも、ここも財政規模は200億円程度なんですけれども、ここでも基金の運用というのは始めております。そういう先進市で取り組んでいるのは、まずは財務活動、資金管理の運用指針というのをしっかり定めて、そして調達と運用を一括して推進していくというところでございます。
長崎市の場合は、現在のところ調達は財政課、運用は今、理財部長が答弁しましたけれども、財産活用課と。そして日々の現金の出納は会計管理者という形で、かなり分散している状況でございます。やはりこの
財務マネジメントをしっかりするという意味では、組織的にしっかりと体制をつくる、そして指針をつくる、そしてその人材を育成していく。こういった取り組みが必要だと思いますが、本市の考えをお示しください。
21 ◯総務部長(柴原慎一君) 再質問にお答えいたします。
組織のあり方に対するご質問であると認識いたしましたが、組織をどういった区割りで設けていくかということは、さまざまなその仕切りをどこに置くかということが、それぞれメリット、デメリットがあろうかと考えているところでございます。
現在、長崎市におきましては、企画と財政、そういった意味では企画財政、それから理財という部分につきまして、企画と財政を一体的に、組織的に設けているというようなところでございまして、これは効率的な行財政運営という視点をもちまして設置したところでございまして、現在の体制は政策立案と予算調整機能をあわせもって、スピーディーにその判断を行っていくということを重要視したような組織体制でございまして、現在のところ長崎市におきましては、企画財政部、それから理財部というような現在の体制が現時点におきましては適当であると考えているところでございます。
以上でございます。
22 ◯11番(林 広文君) どうやってこの
財務マネジメントを強化していくかという部分に絞っていく、そういった意味では、このまずは活動の管理をしていく指針というのをしっかり定める、透明性を高める、こういった部分が私は必要ではないかと思っております。
今、企画と財政という、企画財政部のお話がありましたけれども、中核市が今、58市あります。その中で、いわゆるこの企画と財政をひっつけて、企画財政という形でしているところがどのくらいあるのかなということで、これを聞こうと思ったんですけれども自分で調べました。中核市のうち、今は20万人でも中核市がありますので、30万人以上の中核市で長崎市を除くと42市あります。企画と財政を分離している市が30市です。統合されているのが12市ございました。この数字をどう見るかということでございますけれども、やはりこの議会においても、アクセルとブレーキという話で、企画と財政という形でありますけれども、基本的にはやはりこの企画と、企業でもそうですけれども、企画と財政と総務という主要な部門がありますが、一定このそれぞれの部門が、緊張関係というか牽制し合う、そういったところも私は必要ではないかなと思っております。そして企画とか政策を決めていくところは、これは市長のマニフェストや公約とも非常に近い関係になります。
これまでの市長のマニフェスト等を見ても、この市役所の内部で見たやつと似たような内容だったと思うんですけれども、これは当然です。市長は政治家でありますので、公約なりマニフェストを発表していくというのは、そこに政策部門、企画部門がしっかりとそれを体現していくというのは、これは当然であります。しかしながら、今この企画と財政がひっついている段階では、企画が通った段階で、既に財源が裏づけされてしまうという、企画がオーケーを出したら財政的にもオーケーですよという形で、このことが外から見たときに、果たして透明性というか規律というか、そういったものが保たれているのかという疑念を抱くことがあると思います。そういった意味で私は、この企画と財政という問題は、もう一度立ち返って、どのような形でガバナンスを効かすのか。そういった部分を検討する余地があると思いますけれども、市長の考えをお聞かせください。
23 ◯総務部長(柴原慎一君) 再質問にお答えいたします。
先ほど申し上げましたように、組織のあり方、今ご指摘がありましたような牽制機能を働かせていく中で、どこでどういったこの区割りを行っていくかというところは、それぞれメリット、デメリットがあろうかと考えております。
繰り返しの答弁になりまして申しわけございませんが、長崎市におきましては、その牽制機能というものの一定のメリットよりも、今の段階におきましては、やはり同時に財源の問題も合わせて考えていくことによりまして、その判断がスピーディーであると、そちらのほうを現時点におきましては重要視しているということでございまして、これは現時点におきましては今の体制を維持していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
24 ◯11番(林 広文君) それぞれメリットとデメリットというのがあると思いますけれども、やはりこれからはその透明性とか、外から見たときにどう見えるかという部分もしっかりと見ていただきたいと思います。
これはすみません、言い忘れましたけれども、戻りますけれども、やはりこの運用収入をぜひふやしていただきたいと思います。長崎が520億円をしっかりと運用すれば、ほかの市の事例でも、1%でも多くの新しい財源が生まれるわけであります。もちろん市独自の自由度の高い財源を確保していくというのは大事ですけれども、この中では税収をふやしていく。固定資産税でも事業所税でもいいですけれども、経済を活性化させて税収をふやしていくというのは大事ですけれども、例えば1億円税収をふやしたとしても、これは地方交付税の制度によりますと、基準財政収入にカウントされますので、実際には7,500万円の地方交付税が減額されます。手元に残るお金は2,500万円です。もちろん税収を上げるという取り組みは、これは雇用とかさまざまな波及効果がありますから大事ですけれども、長崎市に残るお金としては、税収を1億円上げても、手元には2,500万円しか残らないんです。
しかしながら、この運用収入はこの基準財政収入にはカウントされませんので、1億円上げたら1億円、2億円上げたら2億円がそのまま市の独自の財源として生かすことができます。これはふるさと納税も同じです。ふるさと納税も寄附金収入で、ふやしたとしても地方交付税が減らされることはありません。しかしながら、このふるさと納税については当然返礼品を買う費用とか、サイトの運営費の委託料とか、また市民が市外の市町村にふるさと納税する場合がありますので、平成29年度の決算は、これはマイナスなんです。手元には残りませんでした。8億円をかけても結局は市が自由に使える財源としては残らなかった。翌年度、市民が外にした分は返ってきますけれども、そういった意味からすると、この運用収入というのは貴重な長崎市の財源になり得ると思いますので、早急にこの活動、資金管理の運用指針というのを定めて、組織の体制も、企画と財政は置いておいても、財政部を強化していく、財政の部分を強化していく、財産活用等を財政課の中でしっかりと取り決めして、運用収入をふやしていくというのをお願いしたいと思います。
すみません、時間がなくなってしまいました。ひきこもりの問題についてもしたかったんですけれども、ひきこもりの問題は多機関型で支援していただくということで、ぜひアウトリーチでお願いしたいと思います。やはり出かけていく、これまでの市の取り組みというのは、窓口にまずは来てくださいと。でも窓口に来るまでが、今は非常に難しい状況。いろんな情報を拾って、市が積極的に出かけていく。こういった取り組みを進めてください。
以上です。
25 ◯副議長(梅原和喜君) 次は、3番柿田 正議員。
〔柿田 正君登壇〕
26 ◯3番(柿田 正君) 自民創生の柿田です。6月議会に引き続きまして一般質問させていただきます。市長以下、理事者の皆様方、きょうのお天気のように晴れやかな答弁のほうをよろしくお願いします。
きょうも朝から、私は、少しだけですけれども、自分の保育園のほうに寄ってきました。朝から保護者の方は仕事に行く中で本当に大変な形で子どもたちの送迎をやっていました。子どもたちはもう朝から楽しそうに外で、きょうは天気がいいのでたくさん遊び始めておりました。地球は未来の子どもたちからの借り物ですという、アメリカのネーティブアメリカンの言い伝えがあります。地球は私たち世代で終わるのではなくて、次世代までしっかりと続けていかないといけないということで、昔のネーティブアメリカンもずっとそういうふうに伝えてきているところです。これを、地球を長崎に置きかえて考えてみれば、長崎をよい形でバトンタッチしていく。それが私たちに求められていることではないでしょうか。世界的にもSDGsの構築が叫ばれております。人に対する投資はSDGsの中でもすごく大切な課題の1つとなっておりますので、今回は人に対しての投資についての話をさせていただきたいと思います。
まず、1.人口減少対策についての(1)急激な人口減少への対応についてを質問させていただきます。
少子高齢化、人口減少は長崎市にとって最重要課題の1つというのは、皆様共通理解のことだと思います。平成25年から平成30年の5年間の人口推移を見る中で、総人口の減少は1万9,610人、その中でもゼロから4歳の乳幼児の数は1,367人の減少となっています。総人口で言えば、毎年4,000人弱の減少になっている状況ですけれども、しかしここ最近、数年間は5,000人程度の減少が続いて、減少が加速しております。視点を先ほどの乳児の出生に見てみますと、平成30年の1年間の長崎市での乳児の出生数は2,999名。ところが先日いただいた長崎市の統計月報によると、それを半年ずらした平成30年7月から令和元年6月までの出生数に直せば2,889名となり、半年ずらしただけで110名の減となっております。平成31年1月から令和元年6月までの6カ月間を見てみると、出生数は1,393名、ことしの1月から6月までです。単純に倍にすると、ことしの令和元年度の出生数の推計としては、現時点では2,786名となり、前年度の2,999名より約200名を超える減少の可能性が出てきたと考えられます。これは長崎市の出生数の目標値3,300人から500人以上の開きがあり、これは前年度比7%の減少となります。それだけ長崎を生まれ故郷とする子どもが減っているということになります。
そこで質問ですけれども、この出生数からも見られる急激な人口減少に対する長崎市の対応について、取り組みの現状と今後の方向性についてお伺いいたします。
2.幼児教育・保育の無償化について、(1)無償化への対応と副食費の取り扱いについてです。
いよいよ来月の令和元年10月から幼児教育・保育の無償化が始まります。これは急激な少子化の進行を背景として、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性や、子育てや教育にかかわる費用の負担が重いことが子育て世代への大きな負担となっていることに鑑み、その負担軽減を図り、小学校就学前子どもの健やかな成長のために幼児期の教育・保育環境を確保することを目的としております。無償化によって子育て世代の負担が軽減することはとても歓迎すべきことです。しかし、その無償化の内容は多岐にわたり複雑で、来月に始まる中で保護者や事業者が理解しているといえば不安があります。
そこで質問ですけれども、長崎市は幼児教育・保育の無償化を始めるに当たり、無償化をどのように考え対応してきたのか教えてください。また、無償化と言いながらも給食の副食費、おかずやおやつの費用は保護者が支払わなければいけなくなります。一定の免除はありますけれども、これによって施設の給食に関しては、保護者と施設との直接契約になり、施設が直接保護者から副食費の徴収を行わなければいけなくなります。徴収方法や事務の増大、また滞納に対する対策が必要になると考えますけれども、長崎市としては副食費の取り扱いについてはどのように考えているのか教えてください。
また、人口減少がとまらない長崎市においては、市外に住む若い世代が、子育ては長崎でやりたいと思えるような子育て施策を他市よりも先んじて行うことが必要と考えます。給食の副食費の完全無償化は、副食費の取り扱いについて多くの問題の解決や子育てに優しい長崎市の大きなアピールになると考えます。長崎市も副食費の完全無償化を実施したほうがいいと考えるんですけれども、長崎市の見解はいかがでしょうか。また、完全無償化にしない場合、今まで保育料の減免等に使ってきた財源が長崎市にとって負担減となりますけれども、その財源の活用についてはどのように考えているかお聞かせください。
3.長崎市の義務教育への取り組みについて質問させていただきます。(1)不登校児童生徒の現状と対策及び新たな学習指導要領への対応についてです。
ことしの5月末に、NHKスペシャルで「不登校44万人の衝撃」という番組が放送されました。その番組は、昨年末発表された日本財団の不登校傾向にある子どもの実態調査をもとに制作されております。その報告によりますと、年間欠席数30日以上の不登校の中学生は、全国で約10万人強、不登校傾向にある中学生の年間の欠席数は30日未満になります。不登校傾向にある中学生は、全中学生の約10.2%に当たる33万人で、文部科学省が調査した不登校中学生の数の約3倍になります。合わせて約43万人近くの子どもたちが何らかの問題を抱え学校に行けなかったり、クラスに入られない状態にあるということです。
そこで質問ですけれども、長崎市の不登校児童生徒の現状と対策について教えてください。また、不登校児童生徒の中には、今の学校に合っていないと思う子どもたちもいると思います。教育の中で、子どもの見方や教育そのもののあり方も見直す必要が出てきていると思います。その見解をお聞かせください。また、義務教育の学習指導要領の改訂が平成30年に発表され、小学校では令和2年度の4月から、中学校では令和3年度からのスタートになります。新しい学習指導要領では、学校のあり方や教育自体のあり方を見直すような改訂になっていると思いますが、どのような考え方になっており、それをどう長崎市が受けとめられているのかの見解を教えていただきたいと思います。
以上で、壇上からの質問を終了いたします。答弁をお聞きしてから、自席より再質問いたしますのでよろしくお願いします。ありがとうございました。=(降壇)=
27 ◯副議長(梅原和喜君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
28 ◯市長(田上富久君) 自民創生、柿田 正議員の質問にお答えします。
1点目の人口減少対策についての(1)急激な人口減少への対応についてお答えします。
平成30年の10月1日における推計人口は41万6,419人で、長期人口ビジョンの目標を約7,600人下回るとともに、ことし7月に総務省が発表した平成30年の外国人も含む転出超過数は2,663人で、全国1位となるなど厳しい状況となっており、極めて深刻に受けとめています。このような中、長崎市の長期人口ビジョンでは、合計特殊出生率を令和12年、2030年に1.80とすることを目標としていますが、平成29年は1.50となり、達成に向けて改善しています。一方、出生数については、子育て世代の転出超過の影響などもあり、目標としている3,300人に対して、平成30年は2,999人となっています。また、社会移動においては、令和22年、2040年に転入・転出の均衡を図ることを目標としていますが、現時点では子育て世代を中心とした働く世代の転入者の減少によって、転出超過が拡大している状況となっています。このように、長崎市の状況は、少子化の進行、さらには子育て世代を中心とする若い世代の転出の拡大や転入の減少が継続することによってさらに少子化が進行し、人口減少に歯どめがかからないことが懸念される危機的状況となっています。
したがって、人口減少対策は最重要課題であり、総合戦略の推進に全庁を挙げて取り組んでいます。その中で、まず自然減対策として、結婚、妊娠に関する希望をかなえられるよう婚活支援に取り組むとともに、不妊に悩む夫婦に対し特定不妊治療に対する助成を行うことで、経済的負担の軽減を図っているところです。さらに子育て支援については、子どもはみんなで育てるとして、これまで子どもの医療費助成の対象の拡大や多子世帯における保育料の軽減の要件緩和、保育の定員枠の確保、発達障害支援に特化した子育て支援センターの設置などの取り組みを進めてきました。今後は妊娠、出産から学齢期までの時間の切れ目のない支援と、地域や商店街、職場など、どこにいても子育てを応援してもらえるような、場所の切れ目のない支援を充実させることで子育てしやすいまちの実現を目指します。さらに、ことしからの4年間で取り組む9つの重点プロジェクトの1つとして、子育てしやすいまちにすることを目的に、こども元気プロジェクトを実施することにしています。このプロジェクトでは、あぐりの丘に全天候型の子ども遊戯施設をつくるとともに、子育てを支援するためのこどもセンターの機能や設置場所についての具体的な検討を進めることにしています。
社会減対策としては、子育て世代を中心とする若者が住むという観点から、新たに3世代で同居、または近居するための住まいづくりの支援を行っています。また、重点プロジェクトの1つである、住みよかプロジェクトでは、若者や子育て世帯が住みたい、あるいは住んでみたいまちにするため、民間との連携によって、若者や子育て世帯などへの住宅供給や居住支援に取り組むことにしています。加えて、子育て世帯の移住を進めるため、独自の支援制度として、子育て世帯ウェルカム補助金を創設したところです。さらに、若者の雇用の観点から、若い世代に魅力のある企業の誘致や地場企業の採用力の強化、創業支援に取り組むとともに、あわせて若者が楽しむ、挑戦し成長するという観点からの取り組みにも力を入れていくことで、長崎に残りたい、帰りたい、住んでみたいと思われるようなまちを目指していきたいと考えています。
人口減少対策は、何か1つを実施すればよいというような特効薬はなく、さまざまな観点からの取り組みを複合的に推進していく必要があります。今後とも産学官金労言士のオール長崎市で取り組むとともに、国や県とも連携しながら、若い世代に選ばれるまちの実現に向けて最大限の努力をしていきたいと考えています。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
29 ◯こども部長(藤田庄三君) ご質問の2点目、幼児教育・保育の無償化についての(1)無償化への対応と副食費の取り扱いについてお答えいたします。
幼児教育・保育の無償化における長崎市の基本的な考え方といたしましては、子どもが通う施設間での公平性を保つとともに、保護者がこれまで負担していた額を超える負担をしないよう国の負担軽減策に加え、市独自の支援策を講じることとしております。その中で、これまで保育利用の子どもに係る保育料に含まれていた副食費は無償化の対象外となっておりますが、今まで保護者が負担していたこと、また在宅で子育てをする場合でも生じる費用であり学校給食においても自己負担としていることから、保護者にご負担いただくものとしております。
無償化の制度内容に関する周知につきましては、これまで事業者向け説明会を6回実施したほか、広報ながさき9月号に見開きの特集の掲載やチラシの配布、週刊あじさい及び子育て応援情報サイト、イーカオによる情報発信を行っております。また、保護者には個別の案内を配付し、丁寧な周知を図っているところでございます。副食費の徴収につきましては、各施設において実際に副食の提供に要した材料の費用を勘案して定め、施設が徴収するものとなっております。また、副食費の徴収方法としましては、現在も各施設において送迎バス代や主食費等を徴収しておりますので、現在の徴収方法に合わせて徴収いただければと考えております。なお、滞納が発生した場合には、これまで説明会において市立保育所の徴収方法等もご説明してきたところでございますが、今後も入所の利用調整の実施者としての立場から事情を聞き、滞納についての改善策等を施設と一緒に検討してまいりたいと考えております。
次に、議員ご提案の副食費の完全無償化につきましては、県内では5市1町が、また同じ中核市の中でも明石市のみが実施予定であります。
長崎市におきましては、現時点での試算になりますが、今回の無償化に伴って施設型給付費において市の財源が約1億8,700万円の負担減となるものの、新たに認可外保育施設等の利用料についても支給の対象となることなどにより、約1億4,900万円の負担増となるため、結果としましては約3,800万円の市の財源が減となる見込みでございます。なお、今回の無償化に伴う市の財源の負担減と比べまして、副食費を完全無償化するためには約3億1,000万円もの財源を必要とすることから、現時点での実施は困難であると考えております。
しかしながら、子育て支援施策の充実は喫緊の課題でもあることから、どのような施策が長崎市の子育て支援にとって効果的であるかしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
30 ◯教育長(橋田慶信君) ご質問の3点目、長崎市の義務教育への取り組みについての(1)不登校児童生徒の現状と対策及び新たな学習指導要領への対応についてお答えいたします。
文部科学省では、児童生徒が病気等の理由を除き年間30日以上欠席したものを不登校としております。平成30年度の長崎市における不登校の児童生徒数は小学校141名、中学校361名で、昨年度より小学校で23名、中学校で21名増加しております。不登校の要因が家庭にかかわる問題や学業の不振、人間関係など、複雑化・多様化しているため、学校にはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、学校相談員などの専門スタッフを配置し、組織的に対応しております。また、学校に行くことができない児童生徒に対しましては、教育委員会内の適応指導教室で一人ひとりに対応した支援を行っています。
このような取り組みにより、長崎市では不登校児童生徒の約4分の1は改善し、学校に通うことができております。しかしながら、毎年新たに不登校となる児童生徒も多くいることから、児童生徒の多様な実態を踏まえ、一人ひとりが抱える課題に対応した支援をより推進してまいります。
小学校では来年度から、中学校では再来年度から全面実施される新しい学習指導要領におきましては、総則の中に児童生徒の発達の支援として、個々の児童生徒の多様な実態を踏まえ、一人ひとりが抱える課題に対応した指導を行うことが示されております。そのためには、学校という枠内だけで教育を捉えるのではなく、保護者や地域の方々と力を合わせて、よりよい学校教育を通じて、よりよい社会をつくっていく社会に開かれた教育課程を実践していくことが必要です。長崎市においては、これまでも特別支援教育支援員や学校図書館司書、学校サポーターやカウンセラーなどの専門的なスタッフや外部人材の活用はもちろん、どの学校でも地域の方々が学校へ応援団としてかかわっておられます。
今後もこれから訪れる変化の激しい時代に対応し、それぞれに思い描く幸せを実現できる子どもたちを育てていけるよう取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
31 ◯3番(柿田 正君) ご答弁ありがとうございました。
それでは、順に再質問させていただきたいと思います。まず1番の人口減少対策についての(1)急激な人口減少への対応についての再質問をいたします。
市長の明快なる答弁をありがとうございました。本当に長崎市におかれましては、多岐にわたってたくさんのことを行われていることは理解しております。でもその中で、やはりこの人口減少、特に子どもの数をどうやってふやしていくか、それを考えたときに一番大切なところが、やはり20代から30代の女性がいかに長崎市に住むか、帰ってきてもらえるかです。実際に出産できる可能性のある女性が、どれだけ長崎市に住んでいるかということが大きなところになります。
実際にこの平成25年から平成30年の5年間、25歳から35歳の10年間の人たちの人口動態なんですけれども、その出産可能な人たちが5年後にどういう形になったかを見ると、その一緒の人数の方たちが1,498人で、マイナス6.59%減っているんです。もっとそこのところをしっかりと受けとめていける施策が、実は必要とされているのではないかなと思います。
それで、その子育て世代の方たちが長崎にUターンしてもらうためには、やはり子育てに優しいまちというブランドを確立させて、若い世代の人たちが子育てをするときは長崎に帰ってきたいなと、いろんな別な仕事のこととかもいろいろとあると思うんですが、やはりそういうインセンティブというのは必要かなと思います。それで先ほども無償化の話の中であったんですけれども、大きな成功例として今言われていますが、先日私も委員会のほうの視察で行かせてもらいましたけれども、兵庫県の明石市が子どもの人口増、全体的な人口増でもすごく注目されております。明石市は、実は長崎市よりも10万人ほど少ない人口30万人程度の市なんですけれども、実際、ゼロ歳から4歳までの子どもたちの数は長崎市よりも約2,000人多い1万7,000人程度になっています。それも子育て世代が移住してくることが、実は子どもたちもふえ、結果として人口増加や労働人口もふえてまちが活気づくのではないかという市長の考えから、子育て中心なことをやっているということになります。
実はこの子どもたちが、ゼロ歳から4歳がふえている市町というのは、全国的にもたくさんあるんですけれども、多くは都市近郊で住宅用のマンションがふえているところ、これは福岡とかニュータウンの開発です。ニュータウンの開発は流山市がすごく有名です。流山市が日本の中で子どもの数が一番ふえているところです。あともう1つが、今流れの中で出てきているのが、過疎化されているまちでも、都会のほうでの生活を都会ではなくて、やはりゆっくりとした場所で子育てしたいと思われている若い世代がふえてきているという情報もあっています。そういうところでも子どもたちはふえてきています。もう1つは先ほどご紹介した兵庫県の明石市で、これは明らかに子育てに特化しますというそういう市になっています。
長崎市はその地形的なところで言っても西の端っこです。明石市とは全く一緒とは言えないというのは明らかにわかっております。明石市は隣に神戸市、反対側には姫路市です。大きな都市を抱えて、結構距離はあるんですけれども通勤圏内にある。でもその中で、やはりその間に挟まれているがゆえに、子育てに特化して、どうにか人口をふやしていこうという形で成功されているところです。
子育て施策の充実は、人口減少対策としては非常に大切だと思うのですけれども、子育てしやすいまちをアピールするためにも、子育て予算を今以上にふやしていかないといけないんじゃないかなと。それについて、長崎市のご見解としてはいかがでしょうか。
32
◯企画財政部長(片岡研之君) 再質問にお答えいたします。
最重要課題と捉えております人口減少対策の中でも、子育てしやすいまちの実現を目指しさまざまな事業に取り組んでおるところでございまして、予算につきましても施策効果を発揮できるように配分させていただいております。先ほど過疎の話もございましたけれども、私どもも子育て世帯に移住してもらうために、今年度から子育て世帯に対する移住の補助金も設けておるところでございます。
今後につきましても、限られた財源を有効に活用しながら、若い世代に選ばれるまちを実現するために、いろんなこういった施策の効果を検証しながら人口減少対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
33 ◯3番(柿田 正君) ありがとうございます。ぜひとも、とにかく子育てしやすいまちをしっかりと、この中だけではなくて全国的に外に発信していかないといけないと思うんです。そのためにもしっかりといろんなことをやっているというPRも含めて、しっかりとやっていっていただきたいと思いますし、子育て予算も今答弁していただきましたとおり最重要課題として、この人口減少対策、子育てしやすいまちの実現を目指しているということですので、そこも施策をたくさん考えて、できるところからしっかりとやっていただければと思いますのでこれは要望としたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。
それでは2番目の幼児教育・保育の無償化についての(1)無償化への対応と副食費の取り扱いについて再質問させていただきます。
この幼児教育・保育の無償化につきましては今度の10月からスタートということで、国のほうからの通知等がかなりおくれて既に行政のほうもすごく大変になっていることは承知しております。その中でも、やっと多分今週、国のほうがしっかりとしたものを出してくださっているんじゃないかなと思うんですけれども、施設を運営している側の方々といろんな話をすると、やはり今回の、特に無償化についての副食費の取り扱いについてすごく問題点があるということを言われるんです。長崎市として、それについてどういう問題点があると認識されているのかをまず教えていただきたいと思います。
34 ◯こども部長(藤田庄三君) 再質問にお答えします。
今回の幼児教育・保育の無償化に伴います副食費の取り扱いに係る問題点につきましては、施設において徴収事務に係る滞納への対応等が必要になってくることが、やはり問題点になってくるのではないかと認識しているところでございます。
このことから、先ほどご答弁で申し上げましたとおり、滞納についての改善策等につきましては、施設の皆様方と一緒になりまして検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
35 ◯3番(柿田 正君) ありがとうございます。実は一番心配されているのが滞納なんです。というのも、これは先ほども本壇の答弁でありましたけれども、学校給食のほうも今まで個人で支払ってこられた。でもその中で、実際の学校給食のほうでもかなり滞納があって、実際に学校として、今までは学校で集められていたと思うんですけれども、学校のほうで、例えば給食のデザートをどうしても1つ削らないといけないとか、そういうことが出ていたというお話も聞いております。
結局、保育園、幼児教育施設の給食というのは、1つの保育の中で大きなウエートを占めております。というのも食育です。食に対しての子どもたちの気持ちを、情緒を上げていくことは本当に大切なことで、子どもたちが本当に今必要とされる最高の給食を多分各園で出されているんじゃないかなと思います。その中でもし滞納があったときに、多分これでどうやられていたかはよくわからないんですが、民間で考えれば、民間としての余力がそんなにない中で、滞納等で、例えば今1カ月で5,000円と言われているんですけれども、10名の滞納とか、滞ったりとかがあったとなったら、単純に月で5万円を減らさないといけない話になってしまうんです。本当にそれはある意味、今までの給食ができるかどうかというところがあります。
それともう1点が、先ほどちょっと答弁にはなかったんですが、直接契約になるということで、指導監査自身がしっかりと行き届いていけるのかなというのがあります。当然ながら、各園としたら、しっかりとしたものを出していきたい。滞納があるから食べさせないというわけにもいかないですし、滞納があるから退園させるというわけにもいかないんです。その中でしっかりとした栄養のものを提供していくというのは、これは悪いほうの観点になっているかもしれないんですが、本来は全員にしっかりと払っていただくということがまず前提なんですけれども、もしそうなったときに、本当に施設としたら、しっかりと出したいんだけれども出せない。でも指導監査では言われてしまう。そういうこともあり得ないことでもないと思うんですけれども、その指導監査についての考え方についてはいかがでしょうか。
36 ◯こども部長(藤田庄三君) 再質問にお答えいたします。
食の提供につきましては、今食育の観点からもそれは必要なものということで、やはりそこはしっかりと施設においても対応していただくということが原則であります。
滞納につきましては、逆に私どもが保育所等との入所の利用調整の立場でもありますので、先ほどもご答弁しましたが、そこの立場からしっかりと滞納者等の方々への事情も聞きながら、まずその滞納についての改善策等につきましても、施設と一緒になってそこはしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
37 ◯3番(柿田 正君) この滞納対策は本当に大切なところになりますので、どうぞよろしくお願いします。
あともう1点が事務量の増加なんです。今回無償化になるに当たって、施設側にとってみたら、何人も事務に対しての費用が、事務量はふえるんですけれども、お金を取り扱ったりとかしないといけませんし、そうなるんですけれども、国としては事務量の増加について全く何も考えていないみたいなので、これについてはどう考えていらっしゃいますでしょうか。
38 ◯こども部長(藤田庄三君) 再質問にお答えいたします。
今回の幼児教育・保育の無償化に伴う制度の改正に伴って、いろんなところの制度の内容が、多分多々変わってくると思います。この辺につきましても、事務量等も含めて今後の動向を見据えながらしっかりとその状況を踏まえまして、国の施策として動かしている部分もありますので、国に対して要望すべきところはしっかりするとともに、長崎市として改善策が見つけられる点につきましては一緒になって検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
39 ◯3番(柿田 正君) ありがとうございます。どうぞこれについては今も各施設がぎりぎりで頑張ってやっているところに、またふえる話ですので、ぜひとも考えていただければと思います。
それで最初に私のほうから、その完全無償化の話をさせていただきました。確かに費用的にはかなりかかることもお聞きしております。でも今回の無償化の中で完全無償化にするのは、先ほどもありましたけれども、長崎県内でも6市町、また中核市の中では明石市がやられるという話になっています。私が聞いた中では、これも当たり前かなと思うんですけど、東京23区の中の18の区では無償のほうを考えているという、そういう話も受けています。
今、先ほどの話じゃないんですけど、どこの自治体でも、その子育て世帯をどうにかして呼び込めないか、特に東京なんかはまさにそうだと思うんですけれど、東京都は本当に各区で子育てに関しては本当に充実された施策をやっています。当然ながら、そのバックには大きな財源があるというのはあるんですけれども、でもその中で、やはり長崎市、今のこの喫緊の状況を考えた中で本当に子育て世代の人たちに帰ってきてもらうということは、子どもがふえるのもそうなんですけれども、当然ながら労働人口もふえる、納税者もふえる、また外で働いている人たちが帰ってきてくれるという話になれば、そこでその人が培ってきたノウハウをそれも長崎市に戻って発揮してもらえる。いろんな意味での相乗効果があるんじゃないかなと思います。これは、これだけではないんですけれども、今回、この無償化になるに当たって、スタートなので、ぜひ他都市よりも先んじて何かをやっていくというのが、すごくこの分野に関しては必要じゃないかなと思うんですね。ほかよりも初めに長崎市がそれを始めましたよと言われたら、やはり長崎市は変わったねというか、今までやられているんですけれど、それがしっかりとした発信になって伝わっていくのではないかなと思うんですけれども、多分答弁としては一緒かなと思うんですけれども、その点についてどう考えるかを教えていただければと思います。
40 ◯こども部長(藤田庄三君) 再質問にお答えいたします。
繰り返しの答弁になって申しわけございませんが、現時点での幼児教育・保育の無償化に伴います副食費の完全無償化の実施というのは、先ほども言ったとおり多額の財源を有することから現時点では困難であると考えております。
しかしながら、こちらも繰り返しになりますが、子育て支援施策の充実は本当に喫緊の課題であるということはしっかりと認識しておりますので、この件を踏まえまして、どのような施策が長崎市にとって効果的かをしっかりと見きわめて、いかに取り組むべきかというのをしっかりと判断して検討を進めてまいりたいと考えております。またいずれにしましても、子育て支援策の重要性につきましては同じ思いでありますので、この分につきましては今後ともしっかりと取り組んでまいります。
以上でございます。
41 ◯3番(柿田 正君) ありがとうございます。全く同僚議員の皆様からもあるんですけど、本当にスピード感も必要だと思います。その施策に関しての内容につきましても、いろんな施策が多分あるかなと思うんですけれども、ぜひとも早い段階で表に出してしっかりとPRも含めてできればと思います。
60 ◯14番(大石史生君) 日本共産党の大石史生です。
津村国弘さん、私たちの前団長がお亡くなりになられました。その津村国弘さんの後を継ぐ者の1人として質問通告に従い質問します。市長並びに理事者の答弁を求めます。
まず1つ目に、子育て施策についてです。
国民健康保険税の子どもにかかる均等割の減額、廃止については、6月、我が党の代表質問でも取り上げましたが、一般会計からの繰り入れは、国保加入者以外の方に負担になるので、原則行わないということでした。しかし国保はご存じのとおり、定年、自主退職すると必ず加入しなければなりません。そういう意味では、全ての方々が加入する可能性があるということを踏まえ、国民皆保険制度という制度趣旨になっています。また、今回18歳以下の均等割に関して言及しているのは、市長の施政方針でもあったとおり、子どもを中心に置くという、子育て支援の観点から考えれば、子どもがふえれば負担がふえるという構造的問題に、今こそ地方自治体として対策を講じなければならないと考えます。
その観点から、子育て支援策として、子どもにかかる国保税の均等割の部分に関して、一般会計からの繰り入れが必要だと考えますが、見解を求めます。
2つ目に、10月、幼児教育・保育の無償化が行われ、それに対する影響が懸念されています。先ほどの同僚議員の質問もありましたが、大事な問題なので質問いたします。
今回、国基準で世帯収入360万円を超える世帯で、月額4,500円前後、長崎市は5,000円を徴収するところが多いと聞き及んでいますが、副食費の支払いが発生します。この世帯の方への負担は決して低い負担ではないと思います。また、保護者負担と同時に問題になってくるのが滞納の問題です。今回、施設が徴収義務を負うことになっていますが、内閣府は、利用調整の実施者である市町村は、滞納があった場合、事情を聞き、改善策、ひいては利用継続の可否等を検討することが求められますと、2019年5月30日の自治体向けFAQの中で示しています。これまでは、滞納があっても認可保育所の運営費には影響はなく、さらに保育料の滞納を理由に退所させることはできないとされていましたが、利用継続の可否を検討するとしてあることは重大で、解釈の仕方によっては副食費の滞納を理由に保育の利用を中断する可能性も否定できません。
そこで質問しますが、副食費の滞納により保育の利用を中断するのは、児童福祉法にも反すると考えますが、市の見解をお示しください。
最後に、放課後児童クラブに関しての質問です。
今、長崎市の放課後児童クラブは、約8割が法人への移行が完了しているとお聞きしていますが、法人への移行に当たり懸念される点として、運営方針の引き継ぎ、さらに雇用主の変更などが挙げられるかと思います。また、放課後児童クラブが市の施設であった場合、施設の老朽化の問題にも対処していく必要があると考えます。今、法人化に直面している放課後児童クラブの保護者や指導員の方々は、これまでの方針が引き継がれるか、雇用者が変わることでどうなっていくのか、不安を抱えながらさまざま議論を重ねていらっしゃいます。
この不安に長崎市としてどのように対応していくのか見解をお聞きします。
以上、本壇からの質問を終わります。=(降壇)=
61 ◯議長(佐藤正洋君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
62 ◯市長(田上富久君) 日本共産党、大石史生議員の質問にお答えします。
2点目の放課後児童クラブの法人による運営への移行についてお答えします。
長崎市では放課後児童健全育成事業を行う上において、保護者や地域の方が主体の任意の団体である運営委員会では、事業運営に対する負担や責任を担った運営は難しいという判断から、法人による運営を推進しています。また、法人による運営への移行を進めるに当たっては、将来に向かって放課後児童クラブの運営を継続的・安定的に行っていくため、一定規模の法人に運営を行っていただくことが重要であるとの観点から、既存の社会福祉法人などへの移譲を含め幅広く検討していただいており、現在、約8割の放課後児童クラブが法人へ移行しています。法人による運営への移行に伴う運営方針の引き継ぎ、雇用主の変更などについては、運営委員会と移譲先となる法人の両者での協議において、運営の考え方や支援員の雇用の継続などについて十分に話し合っていただくとともに、保護者への説明を丁寧に行い理解を深めていただくことが重要であると考えています。
長崎市としては、移行に係る市の方針について運営委員会や保護者及び法人へ説明を行い、移行過程においても適切にかかわることで、しっかりと支援しています。また、法人移行後も運営主体の変更による子どもへの影響や保護者の不安が最小限に抑えられるよう、保護者の意見が反映できる仕組みを法人に設けていただくよう働きかけているところです。次に、放課後児童クラブに対し、市の施設の貸し付けなどを行っている場合の施設の老朽化等への対応については、施設の耐用年数、学校の統廃合の動きなどの状況を考慮した上で、改修等については個別に判断していきます。また、法人において、新たに施設の整備などを実施する場合の支援策として、今年度から放課後児童クラブ施設整備事業費補助金を創設しています。
このように、長崎市としては今後とも放課後児童クラブを継続的・安定的に運営していただけるよう、法人による運営への移行について積極的に支援していきます。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
63 ◯市民健康部長(田邊 洋君) ご質問の1点目、子育て施策についての(1)国民健康保険税の18歳以下の均等割の見直しについてお答えいたします。
国民健康保険税の算定方式は、地方税法において所得割額、資産割額、被保険者均等割額、または世帯別平等割額で配分する方式が定められており、その全ての方式において被保険者均等割額を配分することとされています。この均等割額は、被保険者一人ひとりに均等にかかる税額であることから、子どもの数が多い子育て世帯の負担は大きいものと考えます。そのため、子育て世帯の負担軽減を図るため、全国市長会などにおいて、国に対し子どもにかかる均等割を軽減する支援制度の創設を要望しているところでございます。
議員ご質問の、現在、健康保険組合や協会けんぽなどの被用者保険に加入し、国保に加入していない市民も退職後は国保に入ることとなり、国保での医療受給者となることから、一般会計繰り入れをできないかとのお尋ねでございますが、現行の医療保険制度において、国保と被用者保険間において、医療費負担に係る調整が現在なされております。これは前期高齢者、つまり65歳から74歳までの方が多く加入し、その医療費負担が大きい国保財政を支援するため、被用者保険がその財源を多く負担するという仕組みであります。したがいまして、被用者保険に加入されている方には、現在でも国保に対しての応分の負担をしていただいていることになりますので、さらに一般会計から国保特会に繰り入れを行うことは、被用者保険の加入者にとっては二重の負担となることから、負担の公平性の観点から原則行うべきではないと考えます。また、子育て支援という観点から一般会計繰り入れを行えないかとのご質問でございますが、子どもにかかる国保税の均等割は、国の責任のもと財源措置も含めた制度化が図られるべきであると考えますので、今後も引き続き全国市長会などを通じて国に粘り強く要望していきたいと考えております。
以上でございます。
64 ◯こども部長(藤田庄三君) ご質問の1点目、子育て施策についての(2)幼児教育・保育の無償化に伴う影響についてお答えいたします。
議員ご指摘の副食費の滞納を理由に保育の利用を中断する可能性につきましては、そもそも児童福祉法におきまして、保育の必要性がある児童に対して、市町村は保育しなければならないという応諾義務があることから、国の見解としても望ましくないとされております。当然ながら長崎市といたしましても、滞納を理由に退所させるべきではないと考えております。また滞納が発生した場合には、事情をよく聞いた上で、滞納についての改善策等を施設と一緒に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
65 ◯14番(大石史生君) 一定の答弁をいただきましたので、再質問させていただきます。
まず、学童保育所の件に関しては、1つ要望しておきたいと思います。先ほどいろいろ支援もしていく、寄り添っていくみたいな形のいい答弁をいただいております。しかし学童保育の法人に移行するに当たって、指導員の方々がやはりやめてしまったとか、今まで行われた行事が行われなくなってしまったなど、大なり小なりさまざまな問題が発生していると、こういうことを聞き及んでいます。今ここに触れていきますと、かなりの時間がたちますけれども、要望にとどめておきますが、厚生労働省が提案している放課後児童クラブ運営指針には、放課後児童クラブの運営主体に変更が生じる場合には、育成支援の継続性が保証され、子どもへの影響が最小限に抑えられるように努めるとともに、保護者の理解が得られるように努力する必要があると言及しています。これは運営主体だけに求められるものではなくて、運営主体と表裏一体として自治体もしっかりと関与していくことが求められていると、このように思っておりますので、ぜひ趣旨に沿った細やかな対応をしていただくよう強く要望しておきます。また、老朽化に関しても、細やかに対応し、行政の言い分だけでなく、運営主体の声や保護者の声に真摯に向き合い、寄り添ったようになるように、これは要望しておきたいと思います。
それから幼児教育・保育無償化の再質問に入りたいと思います。
私は、この新制度において懸念されることが3つあると思っています。先ほど質問の中でも出ましたけれども、1つは年収360万円以上の方の保護者負担。2つ目に徴収する側の現場の事務作業の負担。そして最後に、先ほど本壇からお話しした滞納による利用状況の可否判断を市町村が検討することが求められると、FAQで示されたことです。答弁で、国も市も滞納を理由に退所させるべきではないと考えていると、はっきりおっしゃられたので、そこはしっかりと守っていただきたいと、滞納された方の意見を聞きながら、園と一緒に寄り添っていただきたいと要望しておきます。
次に、事務負担がふえるという問題について、ちょっとお聞きします。
現場の方から少し意見を聞きました。例えば兄弟がいたら幾らにしようかとか、現金徴収にしたら、誰が払って誰が払っていないだとか、そういった意味で年収がわかってくるというデリケートな問題です。あと引き落としにしたら、振替手数料を料金に上乗せするかという問題。それから請求書や領収書の発行、入金の取りまとめだとか、さまざまな問題が出てくると思います。原則、現場で徴収が行われるということですが、まだ制度が始まっていないので、現場で起こる事務負担の軽減を考えるためには、一定、事あるごとに現場の声を聞いて分析しておく必要があると思うんですが、そこら辺の方針とかをお聞かせいただけますか。
66 ◯こども部長(藤田庄三君) 再質問にお答えいたします。
今回の幼児教育・保育の無償化につきましては、かなり制度が複雑でございます。
いずれにしましても、今回の無償化につきましては、今後制度が始まってからもさまざまな課題が出てくると思います。その都度、国へ見解を確認しながら、保護者や事業者の皆様にしっかりとご説明しながら、また相互に情報交換しながら、制度が円滑に運営していただけるよう取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。
67 ◯14番(大石史生君) 先ほどの答弁のように、ぜひ保育所側の意見を聞きながら、どういう施策がいいかとか、いろんな考え方があると思いますので、実行していただきたいと思います。
国の無償化による自治体独自の保育料の軽減財源というのは、先ほどの質問の中で、大体3,800万円が浮くと、このように試算されています。それで今回、副食費を負担する保護者の負担額は約3億1,000万円ということでした。本年5月30日に行われた、自治体向けの説明会の資料の中では、食材料費の取り扱い、その他、子育て支援のさらなる充実についてというタイトルで、平成30年12月28日付の関係閣僚合意の中で記されている、今般の無償化により、自治体独自の取り組みの財源を地域における子育て支援のさらなる充実や、次世代へのつけ回し軽減等に活用することが重要である。方針の趣旨を踏まえ、対応にご配慮いただきたいと、このように示しています。このことも踏まえて、ぜひ浮いた3,800万円で何ができるかということには、一定限りはあると思いますけれども、市でもさらなる子育て支援の充実を目指してほしいと、先ほどから答弁でも言われておりますけれども、そのことを踏まえて強く要望しておきたいと思います。
最後、国保の再質問に入りたいと思います。
答弁は前回と変わらずに、国保と被用者保険の関係は、会社員とか労働者が加入している被用者保険からも、医療費が高い国保会計へ援助しているから二重負担となり、原則、一般会計の繰り入れは行わないということでした。ただ、何で原則とつくのかというと、これは平成27年に国保税が13.6%上がりました。そのとき、平成29年までの3年間、一般会計からの繰り入れを行っているという、いい実績があるからです。だから原則行わないということになると思うんですけれども、この市が言う、その原則の基準というか、そこがわからないので、そこをちょっと答えていただけますか。
68 ◯市民健康部長(田邊 洋君) 再質問にお答えいたします。
平成28年度の税率改定の際、一般会計からの繰り入れをしたのはなぜかという部分のご質問だと思います。この一般会計からの繰り入れを平成28年度に実施いたしましたのは、当時13.6%という税率改定を行わせていただきましたが、実際にはそれ以上の収支で税額負担が必要だということで、現状から保険税をさらに負担増を求めることは、大変市民の方に、国保の加入者の方に負担増を強いるというような形で、特例措置として3年間に限り実施させていただいたものでございます。今回の子どもの均等割に係る繰り入れにつきましては、特定の世帯に対して一律に現状から引き下げるという形になりますので、前回の特例的な措置とは違うという考え方を持っております。
以上でございます。
69 ◯14番(大石史生君) 何で引き下げてはだめなんですか。もうそれが本当に全然わからないですよ、私は。
国保税の税率を上げなければならないというときに、一般会計から繰り入れて、それを3年間、特別の措置として行ったということなんですが、それは率直に評価して、今一定基金からの繰り入れも行っているという部分も評価しています。でも、国保が高いという現実には自治体レベルでも、一定やはり頑張って対応していかないとと思うんです。今私が指摘している均等割というものは、もうご存じだと思いますけれども、いわゆる子どもがふえれば3万4,300円の負担がふえてくるという、こういう仕組みなんです。現役世帯は一定の所得水準があるから、減免の対象からも外れて、必然的に納付額が高くなって、納付することが困難になっていると、私は想定しています。平成30年度の長崎市の国保では、平成29年の現年分と合わせた滞納繰り越し分が約25億3,000万円、このように出ていますが、まだ直近の国保の資料は出てないですけれども、国保の全世帯数のうち、18歳以下の現役子育て世帯の世帯数と、そのうちの滞納数を示していただき、この世帯の方がどれぐらい滞納しているのか、支払いが困難なのかという状況を明らかにしてください。
70 ◯市民健康部長(田邊 洋君) 再質問にお答えいたします。
平成30年5月末時点での数字で申し上げますと、長崎市の国保の全世帯数が6万5,441世帯ございます。そのうち国保税の現年度分、過年度分、滞納分も含めまして、滞納している世帯数は7,197世帯で、率にしますと約11%でございます。それで今ご質問の同時点での、ちょっと推計値にはなりますが、18歳以下の子どもがいる国保世帯が5,026世帯ございますが、そのうち国保税を滞納している世帯は1,128世帯で、割合といたしましては22.4%、先ほどの全体の11%の約2倍という状況でございます。
以上でございます。
71 ◯14番(大石史生君) 今の答弁で、5月末の段階の数字で11%から約22%、子育て世代の方が、普通の滞納をしている方よりも2倍の数が払い切れないという実態が明らかになりました。ただ、3月までの納期までに納め切れない方というのを推計してもらったら、それは34.9%になるんです。滞納という枠組みにはならないかもしれないけれども、納期内に払えない方が34.9%もいるということは、これ私は驚異的な数字だと思っております。
市長、ちょっとお聞きしたいんですけれども、この34.9%の方々を国への要望だけでとどめておく、このことが今市長の判断として正しいのですか、それをお聞かせください。
72 ◯市民健康部長(田邊 洋君) 再質問にお答えいたします。
確かに子育て世帯の生活の中ではお金が必要という状況はございます。その中で子育て世帯への負担軽減という部分は、施策として私自身も必要だと考えますが、ただ今回の国保の対象者だけにつきまして、一般会計から市独自で負担するという形になりますと、どうしても国保以外の加入者の方の負担を強いる形になりますので、繰り返しになりますが、子育て世帯の負担軽減という、子育て支援の観点につきましての国保の制度につきましては、やはり国において制度化され、国の責任のもとにされるべきであると考えますので、このことにつきましては今後も引き続き要望を続けていきたいと考えております。
以上でございます。
73 ◯14番(大石史生君) その要望を続けていくのはもちろんなんです、続けてほしいんです。所得割も、そのほかの部分でも、私たちは国保税の引き下げを求めて、1兆円の国費の投入で下げてほしいということを全国市長会も全国知事会も求めていることと同じことをずっと求めています。ただ、子どもが生まれれば負担がふえていくという、この仕組みを国の制度としてやるのはもちろんのこと、自治体としても対応していかなければいけないんじゃないのかということを私は質問しているんです。それが国への要望だけということであれば、市の意気込みが本当にそこだけに終わっているというのは、率直に悲しいと思います。
先ほど部長が答えましたけれども、これを変えていくのは、この場では市長しかできないと思うんです。だから今、市長といって聞いているんです。市長、答えていただけますか。
74 ◯市長(田上富久君) 大石議員の再質問にお答えいたします。
先ほどからお答えさせていただいておりますように、この制度、子育て支援全体については、さまざまな施策を市としても講じております。その中でどういった施策を優先すべきかということについても、考えながら一つ一つ手を打っているわけでありまして、そういう意味では今回のこのご指摘のあった部分については、国の制度として市町村にかかわらず、全ての対象者にという意味では、しっかりとそういう対策を講じるべきだということで、全国市長会等を通じて要望をさせていただいております。その要望をしっかりと続けていきたいと思います。
それと同時に市としての子育て施策については、先ほどのご質問を含めて、いろいろな施策を同時に講じておりますけれども、今後とも一歩でも前進するように、しっかりと施策を講じていきたいと思っております。
以上です。
75 ◯14番(大石史生君) 働いてもいない子どもたちにかかってくる税金として、私が思うのは消費税、それから生まれれば負担がふえるという、この国保税。これが大きな部類じゃないかなと私は思っています。
消費税は国の施策なので、市町村でどうしようもできないというレベルですけれども、この国保税に係る均等割という部分、子どもが生まれれば負担がふえるという部分、これは自治体でも対応できます。前回の質問の中でも、内田団長が質問しましたけれども、宮古市の担当者の方は、子どもがふえれば負担がふえるという仕組みは、子育て支援に真っ向から逆行していると、このように言いました。それで、この私たちの取り組みが、宮古市を通じてさらに東北圏内に広がって、そして国を動かす。そういう足がかりになればとも言っておりました。
今長崎市に求められているというのは、こういう部分が本当に自治体の福祉の増進という、地方自治法に照らしても少ないのじゃないのかなと私は率直に感じています。もし、ここで検討するなり研究するなり、段階的にするなり、そういった答弁もできるんじゃないのかなと思っておりますけれども、見解を市長、お願いします。
76 ◯市民健康部長(田邊 洋君) 再質問にお答えします。
今、議員ご指摘のとおりといいますか、結局、均等割の制度が子育て支援に逆行しているのではないかというご答弁だったと思いますが、そのためにも、子育て支援という観点から、この国保の均等割の制度について、国の責任のもと、国の財源のもとに制度化が図れるべきだと考えておりますので、引き続き国のほうに要望してまいりたいと考えております。以上でございます。
77 ◯14番(大石史生君) この質問をするのに、子育て世代の滞納の割合を出してもらいました。それにはものすごく時間がかかったんです。ずっと求め続けていることを、検討もしていないという市の姿勢が明らかになったと思います。引き続き追及していきたいと思います。終わります。
78 ◯議長(佐藤正洋君) 次は、32番浅田五郎議員。
〔浅田五郎君登壇〕
79 ◯32番(浅田五郎君) 明政クラブの浅田五郎です。
1.長崎のまちづくりについて、(1)県庁跡地の小ローマ長崎の拠点としての活用、市長に、あるいは理事者の方にこうした問題についてお尋ねしてまいります。
教会領都市長崎、小ローマと呼ばれた都市、イエズス会領となった都市長崎は、朝な夕な教会のチャペルが鳴り響くなど、そのありさまは、さながら小ローマのようだったと言われております。これは、長崎新聞社が発行した「わかる!和華蘭「新長崎市史」普及版」の中世長崎のキリスト教の内容の一部です。この小ローマの言葉は、8月25日、長崎市立図書館での第14回国際芥川龍之介学会長崎大会の席上で、文学の世界の中でキリシタン文学の長崎での位置づけが語られました。私は、24日、25日、行政視察でありましたが、25日に帰り次第、この会場に行ったのでありますが、「世界文学におけるキリシタン文学の位置づけ-芥川龍之介・遠藤周作、そして長崎-」田上市長も主催者の1人として、この図書館のある場所の周辺に多くの教会があり、さながら小ローマと呼ばれていたのですとお話をされていました。8月31日の長崎新聞一面に、県庁跡地初のキリシタン遺物、花十字紋瓦の破片が出土、フランシスコ法王が長崎を訪問される。しかも法王はイエズス会に所属しておられます。そのイエズス会の日本の本部があったあの県庁跡地に、キリシタン遺物、花十字紋瓦破片が出土とは奇跡だったと私は思いました。しかし、県市の関係者はよその場所から運ばれたかもしれないと申しております。まさに夢のない方々です。
あの岬、長崎の名前の由来である県庁跡地から市役所までの小ローマ長崎の地から出た以外は、よそから教会に使われた花十字の紋瓦はないのでありますから、小ローマの拠点である県庁跡地は長崎のシンボルの場所として、十分な調査とどんな活用ができるかは、長崎県議会あるいは中村知事が決めていただいてもいいのではないでしょうか。田上市長が決断していただくのは、中村知事に人口減著しい長崎の起爆剤として、県庁跡地を長崎県のために活用していただく時が来たのではないでしょうか。
長崎県は、長崎市の文化ホールの建設に振り回されたのですから、県庁跡地に多くの関係者の要望が出てきている今、長崎市の文化ホールは、長崎市のこの市役所跡地に建設を明確にするべきだと思いますが、市長の決断はいかがでしょうか。お尋ねいたします。
2.パートナーシップ制度についてお尋ねいたします。
8月20日の長崎新聞の一面、パートナー来月2日開始、長崎市、県内初の制度導入。これはこれまでの条例化と違い、制度の導入とはいえ、この要綱の変化は国体を大きく変化していくことに長崎市はかじを切ったのかと素直に感じました。この長崎の歴史と精神文化を考えても、今回のパートナーシップ制度の誕生は、長崎のために本当になるのかとこれでいいのかと憂慮せざるを得ないと思います。県内初の制度導入。長崎市は9月2日から、性的少数者(LGBT)のカップルを公的にパートナーとして認めるパートナーシップ宣誓制度を始める、法律上の婚姻ではないため税制面などへの効力はないと新聞では説明されていました。9月2日にこの制度が開始されるので、市が説明する11人に1人、田上市長は議会での答弁では13人に1人と申しましたが、これは古い資料です。今では11人に1人だそうです。11人に1人ということは、議員が40名、理事者の方が三十何名おりますから、この中にそういう方がおるのかなと思いながら、実は私は今話をさせていただいております。43万人の人口の長崎市には、3万9,000人のLGBTの人がいることになります。9月2日のスタートの日に何人の人が来るのか見ていましたが、一組でした。9月2日の長崎市パートナー制度開始の日のお二人のことは、テレビはパートナーシップ制度1号の報道をいたしていました。9月3日の長崎新聞一面に笑顔でのお写真が載っていました。2人の花嫁「結婚」の見出しで、花嫁姿の写真が掲載されていました。スタートラインとしての最初に性的少数者たちの願いが始まりました。2人の花嫁は平成16年4月、会員制交流サイトで知り合った。お互いがレズビアンであることを公表して、交際をスタートさせたとあります。
いずれにいたしましても、そうしたパートナーシップ制度を使う方々がいることは事実です。そのための制度ですから、日本は法治国家ですから、法律があり憲法があることを承知の上で長崎市も制度要綱を示し、それを理解した性的少数者の方々が利用すると理解いたしております。しかし、東京都港区が 2018年2月3日から3月にかけて、性的マイノリティーヘのアンケートを東京23区内で実施しておりますが、LGBTの約7割、66%の方が宣誓したいとは思わない。その理由として一番多いのが、そっとしてほしい。二番目に、特段メリットがない。三番目に、宣誓し認めてもらう事柄でもない。同性愛者の中でもパートナーシップ制度を求める人は少数派という結果が出ております。
そこでご紹介をいたします。長崎大学の池谷和子准教授は、昭和47年生まれで若く法学博士として著書に、「アメリカ児童虐待防止法制度の研究」などがあります。「同性愛、同性婚・パートナー制度の問題点について」の講演において、次のように述べられています。2001年に世界で初めて同性婚を合法化したオランダでは、政府が同性婚のカップルに異性を加えた3人、4人の結婚のあり方を、検討を始めたというのです。今日我が国においても、LGBT用語を聞かない日はない。同性パートナー制度は20自治体に及んだ。国民生活の根本である婚姻制度と家族のあり方が揺らぎ始めている。いま一度立ちどまって、婚姻とは何か、家族とは何か、その本質を見きわめる必要があるのではないだろうかと述べています。特に、池谷准教授は子どもの健全育成、家庭保護の重要性を訴えておられます。池谷准教授は子どもの健全育成の問題、家庭保護の重要性に関して、子どもと法という視点から研究をしてきた。特にアメリカの同性婚の問題を研究してきた立場から、子どもたちの健全育成、家庭の保護を脅かす可能性のある同性パートナーシップ制度が広がる状況を大変憂慮している。そもそも日本においては、憲法24条において、婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、と規定しており、これを素直に読めば、男性と女性、その両性の合意のみに基づいて結婚が成立している以上、憲法上は同性婚を認めていないと解釈するのが自然である。では、当面は日本には関係ない問題かといえば、日本においても一定の割合で同性愛の人は存在し、彼ら、彼女らへの法的な処遇をどうするかという問題は現存する。さらに、同性婚を法的に認めるか認めないかは、単に個人の嗜好や個人の自由権の範囲にとどまらない。子どもを含めた家族制度全般に響いてくる問題であると池谷准教授は指摘しています。また、同性パートナーシップ制度を設置した自治体などでは、LGBT理解の推進教育を進めると、男女の区別がわからなくなり、恐らく子どもたちは混乱するのではないかと心配されているところであります。
そこでお尋ねいたします。田上市長は、議会の同意が必要である条例でなく、制度で性の多様性を持つ性的少数者を守るために、長崎パートナーシップ宣誓制度をつくりました。この制度をつくったのはなぜなのか、その理由を尋ねます。
さらに、市長にここでお尋ねしたいのは、これは8月の初めにできたチラシなんです。〔資料提示〕そしてこれは、9月2日からスタートするために、民間の皆さん方と市民向け事業者向けにパートナーシップ宣誓制度ガイドブックが出ているんです。これをここにおられる市議会の皆さん方はまだもらっていないんじゃないかと思う。そういう状態で、議会の承認を得なくていいから、制度だから議会はどうでもいいと思っているんでしょうけれども、この予算は45万円、6月議会で実は承認されたからこそ許されてきたんです。そういった問題を忘れて、普及のことは走っているようでありますが、そういった問題を含めて、なぜそのようなことで急ぎこの制度をつくったのか、その理由をお尋ねします。
また、長崎市役所には人権相談、行政相談、法律相談などの窓口があります。このような窓口にLGBT問題、これは、レズビアン(女性同性愛者)・ゲイ(男性同性愛者)・バイセクシュアル(両性愛者)・トランスジェンダー(性同一性障害者)での多くの悩みの相談があると思います。ここ数年の間、この種のご相談が何件あり、内容はどんな相談だったのかお尋ねいたします。
さらに、教育長にお尋ねいたします。教育委員会でもこの種の相談が委員会に、あるいは学校現場でも、LGBTに絡んだ相談件数が何件で、その内容についてもお示しいただければありがたいです。さらに、出前講座などではありますが、LGBTについて学校教育の中で、どのようにこの問題に取り組もうとしているのか、ご意見があればお聞かせください。
次に、4.原爆資料館について、(1)展示内容についてこれでいいのかとお尋ねいたします。原爆資料館の暗さの中で極めて小さな字での読みにくい暗さですから、関心のない方はそのまま通り過ぎるでしょう。しかし、歴史の真実を求める方々にとっては見過ごし得ない大変なことです。それは、今なお「南京占領、大虐殺事件おこる」との展示があることです。そのことは、市民団体の皆さんが抗議していることを受けて、私はそれを知りお尋ねいたします。
平成24年10月3日の産経新聞は、存在しなかった南京虐殺と大きな見出しで報道していました。日本「南京」学会が解散した。この学会は日本軍が当時の中国国民党政府の首都南京を占領した際、市民多数が虐殺されたとの説を検証するために、平成12年に発足し、12年間の検証の結果、非合法で殺された軍人市民はほとんどおらず、虐殺は当時の国民党政府のプロパガンダであるとはっきり申しております。所期の目的を達したとして、解散いたしております。南京虐殺については同学会だけでなく、河村たかし名古屋市長も南京戦はあったが、南京事件はなかったと述べています。今回採択された小学校6年生の教科書には、これまでと同じように、南京大虐殺事件などはなく、同じく南京事件で教科書にはありました。長崎原爆資料館運営審議会の諸先生方とお話して、ここらで南京虐殺でなく、南京戦があったとしても間違いない訂正だと思います。正しい歴史の展示こそ大切だと思います。いかがでしょうか。よろしくい願いいたします。
さらにいま一つ、原爆資料館にこの11月に来崎されるフランシスコローマ法王が、戦争がもたらすものとして取り上げた1枚の写真があります。〔写真表示〕皆さんもごらんになったかと思います。この1枚の写真、これは亡くなった弟を背負い焼き場で順番を待つ少年。この写真は、アメリカ占領軍のカメラマン、ジョセフ・ロジャー・オダネル氏が原爆後の長崎で撮影したものです。この少年は、血がにじむほど唇をかみしめて、やり場のない悲しみを新たにしていますとローマ法王は書いています。ところが、この少年が原爆後の長崎で撮影したと書いてありながら、この問題が話題になるだけで余りいい結果をもたらしていないのであります。ローマ法王がなぜ印刷されて、多くのカトリックの関係者を初め、多くの市民にこの1枚の少年の写真を配っているのか、まさに平和へのメッセージを世界に発信するお心があったのではないかと私は大変ありがたく思っております。原爆資料館の展示にも、この少年を長崎の少年と説明すべきであり、それは写真を撮った方が、佐世保から長崎に入りとはっきりと証明しているのです。この少年の写真の横にフランシスコ法王のお写真と戦争がもたらすものと法王が書いたお名前のサインとお言葉を説明するべきだと思います。それが実現すると長崎原爆資料館の第1級のシンボルとしての展示品になりましょう。いかがでしょうか。市長にお尋ねいたします。
学校教育の教科書の問題は、既に8月に最終的に決定いたしておりますので、この質問を省略いたします。
1つだけお尋ねいたしますが、国際都市長崎に世界三大スポーツのイベント、ラグビーワールドカップに参加する外国チームが長崎でキャンプをいたします。きょう間もなく、スコットランドラグビーチームが長崎入りするでしょう。長崎の子どもたちとどのような交流ができるのか、どんな準備をして歓迎するのかお尋ねいたします。さらに、来年のオリンピックでは、キャンプ村に入る前にポルトガルの競泳、ラオスの競泳、ベトナムの競泳、空手、柔道の選手が、長崎市でトレーニングキャンプを予定いたしております。長崎の子どもたちとの交流がどんな形で行われるか楽しみです。教育委員会及び長崎市の対応をお尋ねいたします。
最後に、市長にお願いいたしますが、教科書の中に多くの偉人、あるいはスポーツマンが載っております。ぜひひとつ、長崎の出身者である、関係のあると言えば、岩崎弥太郎氏は平成29年、平成28年に載っておりましたけれども、長崎の永井博士とか、下村博士、要するに薬学でノーベル賞をいただいた長崎大学出身で長崎生まれのこの方を、ぜひ教科書に載るように市長も教育長にもお願いし、こうした運動をしていただきたい、そのように思っています。これは、長崎の子どもたちに夢と希望を与える教科書をつくることになります。それぞれの教科書を営業マンが各学校に回っておりますが、ぜひその営業マンの来たときには、そういったつくった教科書を長崎市が採用するぐらいのことを言えるような教育もしとってほしいなとそのように思っております。
皆さん方のご清聴を心からお願い申し上げまして、自席から再質問をさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。=(降壇)=
80 ◯議長(佐藤正洋君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
81 ◯市長(田上富久君) 明政クラブ、浅田五郎議員の質問にお答えします。
2点目のパートナーシップ制度についての(1)制度の内容についてお答えします。
長崎市では、第2次人権教育・啓発に関する基本計画に基づいてさまざまな人権課題に対する施策を進めています。性的少数者についても人権課題の1つに位置づけていますが、性的少数者の抱える生きづらさを大きく分けると、市民の認識と理解の不足、生活環境の未整備、社会制度の未整備の3つに分けられます。長崎市では、これまでも性的少数者をテーマにした講座や講演会の開催、また、リーフレットの作成・配付を通じて市民の認識・理解の向上に取り組んできました。性的少数者のカップルは、互いを人生のパートナーとし、日常生活において相互に協力し合う関係であっても、公的に2人の関係性を証明するものがないということから、住宅の借り入れや病気入院時などにその関係性が認められないなど、社会生活上のさまざまな場面において支障を抱えている現状があります。
長崎市としては、このような社会生活上の支障を軽減するための1つの方法として、性的少数者のカップルのお二人が、その関係性を市長に宣誓した事実を証明することが有効であると考え、パートナーシップ宣誓制度をことし9月2日に導入しました。この制度は、法律上の婚姻とは異なるものであるため、相続や税制面などの法律上の効果はありませんが、性的少数者のカップルが日常生活において、経済的、物理的、または精神的に相互に支え合う関係であることを市長に宣誓した宣誓書を受領したことを証明することで、性的少数者のカップルが抱える支障の解消に一歩でも近づこうとするものです。このことは、人権の視点において、どのような性的思考や性自認であってもありのままの姿で社会の一員として認められ、性の多様性が尊重される社会の構築に向けた1つのステップとして意義があると考えています。また、長崎市が制度を導入することで、性的少数者について、市民が知る機会がふえ、市民への性の多様性についての周知につながると考えています。また、性的少数者に関する相談については、平成29年度に3件、平成30年度に14件となっており、その内容は医療的な不安や求職困難などについてです。
長崎市としては、今後とも、誰もが自分らしく生きられる社会を目指してさまざまな人権課題に取り組んでいきたいと考えています。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
82 ◯教育長(橋田慶信君) パートナーシップ制度についての教育委員会に係る分について、お答えいたします。
まず、学校における相談の実態でございますが、平成29年度中の実態について、昨年の5月に実施した調査では、児童生徒や保護者から相談があったものが、小中学校それぞれ1件で合計2件でございます。その相談内容については、この調査が相談の有無について問うものであり、その内容までは確認できていないところであります。この調査の数は、学校に児童生徒やその保護者による訴えがあった数でありまして、実際には学校に相談することもできずに悩みを抱えて過ごしている子もいるものと考えております。また、今年度は、中学校入学時に制服についての相談を受け、配慮をした事例がございます。今後とも、各学校において、児童生徒が悩みを相談しやすい体制づくりに努めてまいりたいと考えております。
それから、学校におけるパートナーシップ制度についての取り組みでございますが、まず、出前講座については実施はしておりません。LGBTに係る教職員研修等につきましては、平成30年度につきましては、男女共同参画推進センター派遣講座として小学校2校で実施しています。それから、人権教育研究大会の基礎講座におきまして、職員や市民を対象にLGBTに関する内容を平成29年度から本年度も含めまして3年間実施したところです。一方、児童生徒に対しての性的マイノリティーの指導につきまして、文部科学省は性的マイノリティーについて、全体に指導することは個々の児童生徒の発達段階に応じた指導、保護者や国民の理解、教育の適切な施行などを考慮すると難しいとの見解を現時点で示しており、学習指導要領では、保健体育においてLGBTを含む性的マイノリティーに関する内容は取り上げられていないところです。なお、学校独自の判断で、人権学習の一環として、性的マイノリティーを授業で扱った学校は、平成30年度において中学校11校、小学校は19校となっているところです。
以上でございます。