第4に、庁内推進体制について。
限られた財源や施設を有効に活用し、重点的に事業を展開する上で、本市が行っている事業とのタイアップや施設整備の前倒しが必要と思いますが、どのような推進体制で取り組まれておられるのか。
最後に、事業の継続性についての考え方について。
この記念事業を一過性のものに終わらせるのでなく、将来の地域づくり、活性化策にどう結びつけるのか。
以上、ご見解をお尋ねいたします。
第2の質問通告、あぐりの丘の運営についてお尋ねします。
市民の憩いの場として、長崎市いこいの里「あぐりの丘」は、子どもからお年寄りまで家族みんなで土や自然と親しみながら一日じゅう楽しく過ごせる農業型公園として、平成10年7月18日にオープンし、オープン以降は多くの家族連れで賑わっており、入園者数も年間目標である35万人を大きく突破し、1周年を迎えた7月上旬には60万人に達し、順調に運営がなされていると聞き及んでおります。
私が今回、お尋ねしたいのは、あぐりの丘は、市民の憩いの場としての期待もあったと思いますが、市民の雇用の場としての大きな期待があったのも事実であります。
そこで、市民の雇用の場としての見方からお尋ねをいたします。
ことしは、夏休み期間中に雨が多く、天候不順が続いたのが原因で、昨年の入園者14万人余りだったのが、ことしは4万6,000人と昨年に比べ3分の1に落ち込んでいるとのことを聞き及んでおります。これは、たまたま不順な天候の影響であって、最も入園者が多いであろうと予測される夏休み期間中に
株式会社ファームは最近完成した茨城等の施設へ半年から1年間の社員の派遣を要請し、応じられない社員については、自主退職も余儀なくされているケースもあると聞いております。
年間入園者予定数を大きく上回って経営的にも順調にいっていると思われる状況の中で、なぜ、このようなことが行われているのか、そこで質問をいたします。
まず第1に、当初、開園に当たって何名雇用して何名が退職をしたのか。
2.あぐりの丘を経営するに当たって、社員、準社員、アルバイト等何名が必要なのか。
3.あぐりの丘に就職の際には正規の社員であった者が、現在は準社員として働いているようにも聞くが、社員と準社員の処遇の違いは何なのか。
4.最近、希望退職者を募っていると聞くが、経営の状況はどのようになっているのか、また将来の見込みはどうか。
以上の点について、今後の市民の憩いの場、本市が投資した投資効果、そして特に、地元雇用のあり方に大きな懸念がありますので、見解をお伺いします。
次に、住宅行政についてお尋ねいたします。
まず、人口減に伴う住宅対策について。
本市の人口は、国勢調査の結果を見ると、昭和50年の45万人をピークに、現在まで減少の一途をたどっており、平成7年調査と平成2年調査を比較しても約6,000人(1.3%)減少し、43万8,635人となっております。現在の本市の人口は、平成11年7月末の推計で42万8,042人と平成7年時点と比べ1万人以上減少し、減少傾向にますます拍車がかかったと言わざるを得ないと思います。出生数の減少により、自然増加数が減少している事実はあるが、憂慮すべき事態であると思われます。
一方、同じ平成7年調査において、本市近郊の市町では、時津町で約6.8%、長与町、多良見町、三和町では5%以上の増加、諫早市においても2,300人、約2.6%の増加となっております。本市の人口が流出していることは歴然であります。
平成8年に本市が策定した第三次基本計画の中では、西暦2000年(平成12年)の目標人口を45万人と設定しているが、その目標人口を達成するために、どのような政策を、また、どのような努力を行ったのか、まずお聞きしたいと思います。
また、世帯数の動向を見てみると、人口の減少とは反対に増加傾向にあります。平成2年と平成7年の国勢調査結果では、約8,300世帯(5.3%)の増、現在は約16万8,000世帯と平成7年より約3,000世帯(1.8%)増加しております。このことは、核家族化及び単身世帯の増加を如実に示しているのではないかと思われます。特に、本市は、どういう対策を取っているのか、また、今後どういう対策を取るつもりなのか、お伺いをいたします。
次に、
斜面地等住宅対策についてお伺いをいたします。
斜面地等では、若者が流出し、高齢者が取り残される状況が進んでおります。もちろん、斜面地のインフラ整備は必要であり、市が真剣に取り組んでいることは十分に承知をいたしております。しかしながら、長い年月を要する事業であることも事実であろうかと思います。
そこで、提案でありますが、高齢者、つまり親と同居することを条件に親の住宅の改良資金、改築あるいは増築資金に対し、長崎市独自の補助金制度として検討できないか。親世帯と子の世帯が同居できれば、昔のような活気あふれるまちに再生できるのではないか。また、親の面倒は子が見るという原則に戻れると思うが、ご見解をお尋ねしたい。
最後に、
指名競争入札の指名のあり方についてお尋ねいたします。
長崎市の公共事業発注は、平成10年度契約金額約420億円、その大部分が競争入札であり、競争入札のうち約92%が
指名競争入札であります。私自身、この項目の質問は3回目であり、同僚議員も再々、質問をしておられます。私どもの指名に当たっての公平、公正性が確保されているのかという質問、指摘に対して、公平、公正を期すべく努力をされておられることは、ある程度、評価いたしておりますが、まだまだ疑問の点もございます。
そこで質問いたします。
指名競争入札制度のあり方について、基本的にどのような見解をお持ちなのか。
指名競争入札に関して各部署への指導、改善は、どのような体制でなされておられるのか、指導、改善の成果をお示しください。
以上、本壇からの質問を終わります。=(降壇)=
3 ◯議長(野口源次郎君) 市長。
〔伊藤一長君登壇〕
4 ◯市長(伊藤一長君) 皆さん、おはようございます。
板坂博之議員のご質問にお答えをいたしたいと思います。
まず、日蘭交流400周年記念事業についてでございますが、本年4月に県や関係市町と一体となって推進するために、ながさき
阿蘭陀年推進協会を設立し、本市も
日蘭交流記念事業推進室が兼務でその事務に当たり、精力的に準備業務を行っているところでございます。市民代表や関係団体の方々で組織している長崎市日蘭交流400周年
記念事業実行委員会で承認いただいた基本計画に基づきまして、各実施団体と事業内容の精査を行い、今年度中に必要な催事費、会場費については、6月議会で承認していただいたところでございます。
来年1月から事業がスタートいたしますが、長崎会場につきましては、出島史跡の5棟の復元建物を含む整備、埋立地の整備、夢彩都、出島ワーフ等の民間施設が完成する4月を事業の山場として盛り上げていく計画となっております。市内の既存施設を活用して、各種展覧会やコンサート、演劇などオランダとの交流にちなんだ多彩な記念事業が実施されますが、特に、拠点会場と位置づけております出島地区におきましては、
出島伝統芸能館を設置し、4月から11月までの間、おくんちの出し物の展示や実演など、本市の伝統芸能を一堂に集め、記念事業を盛り上げるべく関係者の皆様方と現在、鋭意協議を行っているところでございます。
また、
デ・リーフデ号が日本に初めて来航したとされる4月19日からは、国内外の帆船を集め
長崎国際帆船まつりを予定しているところでございますが、現在、各種帆船の招聘活動を行っております。韓国あるいはロシアの大型帆船の参加を取り付けるなど、次第に内容が固まりつつあるところでございます。そのほか、広報宣伝、観客誘致、会場整備のそれぞれにつきまして、まだ解決すべき課題も抱えてはおりますが、関係団体などの協力を得ながら、開催に向け着実に準備を進めているところでございます。
次に、ご指摘の第2点目でございますが、政府レベルの行事との連携でありますが、両国の政府レベルでは、お互いに
両国皇太子殿下が名誉総裁を務められる
記念事業実行委員会が組織されまして、オランダでは日本側が、日本ではオランダ側が、それぞれの文化等を紹介し、さらなる交流の発展に寄与する記念事業が展開されることとなっております。
日本側の実行委員会でございますが、板坂議員ご指摘のとおり、特に、オランダとの縁の深い地方公共団体3府県・3市の首長も委嘱を受けて就任しており、私も委員となっております。当初、私どもも政府レベルの事業と連携をし、支援もしていただきたいとの要望を外務省に申し入れをしていたところでありますが、
日本側実行委員会のスタンスは、さきに述べましたように、オランダにおいて日本の文化を紹介し、日蘭両国間の相互理解の増進に資することとされており、各地方自治体で行われる記念事業とは情報交換に残念ながらとどまり、費用負担等の支援は予定されていないところでございます。しかしながら、オランダ側が日本で展開する事業とは関連するものもありまして、本市事業の場合でございますが、記念式典が大分の臼杵市と本市で開催されるほか、現代版であります江戸参府の出発地としての開催等があります。また、このときは、
オランダ皇太子の来崎が予定されておりますので、出島史跡の復元の視察あるいは大出島展、
ロイヤルコレクション展等のオープニングにも参加していただくなど記念事業を意義あるものにしたいと考えているところでございます。
次に、機運の盛り上げ策の件でございますが、本市の記念事業の計画策定に関しましては、平成9年度より
記念イベント検討委員会での議論を踏まえ、平成10年10月に実行委員会を立ち上げまして、市民団体や関係団体、企業等の方々に多数ご参加をしていただきまして、市民参加や機運の醸成に努めているところでございます。10年の12月には、市民や関係市町、団体と
PR実行委員会を設けまして、統一のとれた効果的なPRを行っており、4月からは、ながさき
阿蘭陀年推進協会で引き続き広報宣伝、観客誘致活動の強化を図っております。ポスター、パンフレット、かわら版等の発行、
テレビスポット、バス・タクシー・公用車等への
ステッカー貼付、
観光キャンペーンや物産展とタイアップしたPR等、可能な限りの対策を講じ、関係団体等に協力をお願いしているところでございます。
プレイベントも春から夏にかけまして、
出島フォーラム、ハタ揚げ大会、古写真展、みなとまつり、
日蘭青少年オーケストラ合同演奏会などが実施され、また、民間サイドにおいても400周年の冠をつけました行事やシンボルマークをつけた商品開発が行われるなど、徐々に記念事業への期待と関心、機運の高まりが見えてきております。今月の1日には、東京と長崎で同時に記者説明会を開催させていただきまして、報道関係の皆様に事業内容を説明させていただいたところでありますが、今後も特に、
地元マスコミ各社との情報交換を密にし、さらに機運の盛り上げを図ってまいりたいと考えておるところでございます。
次に、ご指摘の庁内の推進体制の件でございますが、長期間にわたり多方面の分野の記念事業を行うこと、市民参加や観光客誘致のための対策が必要なことから、本市の重点施策として各部局連携して取り組む必要があるため、計画段階から庁内の
ワーキングチームを組織し、庁内PRと職員参加を図るとともに、平成10年8月には、両助役を正副会長として収入役ほか23部局長を委員とする
記念事業推進委員会と各部局筆頭課長がメンバーの同幹事会を設置し、各部局間が連携をし、記念事業を効果的、効率的に、かつ円滑に推進するための庁内体制をとっているところでございます。
多岐にわたる記念事業の分担を初め観客の利便性を図るための記念入場券の発行や
コミュニティバスの運行等の関連施策も講じるほか、事業のPRや
各種コンベンションの誘致等に全庁的に取り組んでおります。開催時期も迫り、準備作業の中で、これまでにも増して各部局間とも連携を図り、協力する事項が多々出てくるために、今後は十分協議をしながら、庁内一丸となって事業の推進と長崎市の活性化のために努力したいというふうに考えておるところでございます。
本記念事業は、オランダとの交流において、特に、
歴史的かかわりが深い本市が、単に400周年に記念イベントを実施するだけではなく、西暦2000年という節目の年でもあり、日蘭交流という長崎ならではのテーマのもとに、市民、関係団体、企業など地域総ぐるみで記念事業を展開し、郷土の歴史を再認識して21世紀における新しいまちづくりを考える絶好の機会とすることを目的としております。
多くの市民がかかわり参加することで、長崎の歴史や文化に触れ、出島を初めとする歴史遺産や新しく開発されている港湾部の広場や施設を市民生活の場として活用し、長崎らしい都市文化を創造することが、来訪者を引きつける要因ともなり、新たな交流と都市の活性化につながるものと考えておるところでございます。直接的な観光客の増加という効果も大切な要素ではありますが、議員ご指摘のように、一過性に終わることがないように、将来につながる成果を期待しており、そのためには、各記念イベントの実施主体となる市民団体などの活動をフォローしていくことや、この事業を契機に、継続して21世紀の本市の都市づくりや活性化を議論し、研究することが重要であると思います。
次期基本構想の策定など、本市の将来計画を議論する場においても、本事業の趣旨を踏まえ、どのような具体的施策が効果的であるかを協議していきたいというふうに考えておるところでございます。
次に、質問の第2点のあぐりの丘の運営についてお答えいたしたいと思います。
長崎市いこいの里「あぐりの丘」の事業の目的につきましては、1つには、遊休公有地を活用し、広く市民に憩いの場を提供する。2つには、自然や家畜との触れ合いを通じ、農業の理解や体験学習のほか家族ぐるみのレクリエーションなど交流の場を提供する。3つには、
ヨーロッパ地方の文化を取り入れ、独特の街並みや生活文化・芸能を再現し、ヨーロッパとの文化交流や国際理解の場を提供する。4つには、施設への従業員雇用を通じて中高年齢者の就業機会の増大を図るとともに、若者の地元への定着化を促進するといった4つの目的のもと、長崎市と
株式会社ファームで事業を分担し施設の整備を行い、平成10年7月18日開園いたしたところであります。
議員ご質問の件についてでございますが、
株式会社ファームに確認いたしましたところ、施設への従業員の雇用におきましては、施設整備前の平成9年5月より逐次、採用面接を実施し、平成10年6月27日の
プレオープン時点には、正社員89名、準社員12名の計101名でありました。平成11年9月1日現在、他社への就職、自宅の手伝い、結婚等の自主退職により、正社員69名、準社員8名の77名となっております。したがいまして、当初の雇用人員101名から24名の退職者があったところであります。
次に、あぐりの丘を経営するに当たって、正社員、準社員、アルバイトなど何名必要なのかということでございますが、これは行楽シーズン、オフシーズンにおける入園者数により、常用パート、
アルバイト比率が変わるので人数は特定できないということでありました。ちなみに、4月、5月のゴールデンウィーク時には、最大で150名程度の雇用を要したと伺っております。
次に、正社員と準社員の処遇の違いについてでありますが、正社員は月給制、準社員は日給月給制で、身分補償については、正社員、準社員に差異はなく、ただボーナス、退職手当の査定において多少違うということになっているようであります。
なお、正社員より準社員へ雇用替えされたのは1名でございます。
次に、経営状況についてでございますが、ご承知のとおり、年間の入園者は目標の35万人を大きく上回り、約60万人の入園があっております。しかしながら、1人当たりの消費単価が当初の見込みより低いことなどから、厳しい経営状況であるとの報告を受けております。
このような厳しい経営状況の危機感から、
株式会社ファームにおきましては、企業の経営方針として、今回、希望退職を募らざるを得ない状況になったと聞いております。また今後は、これまでの問題点や課題を整理し、その方策について検討を加え、健全経営に向けて努力していきたいとの報告を受けているところであります。
なお、長崎市といたしましても、土地の有効利用や雇用機会の創出といった面から、
株式会社ファームを誘致した経緯を踏まえて、経営状況を見据えながら
株式会社長崎ファミリーリゾート及び
株式会社ファームとともに、健全経営への方策について調査・研究していきたいというふうに考えておるところでございます。
次に、質問の3点目の住宅行政でございますが、人口減に伴う住宅対策について、まずお答えいたしたいと思います。
総合計画では、基本構想により都市の目指すべき姿を描き、基本計画でその実現へ向けての施策・事業の体系化を図っております。この中で、人口は都市の活力を図る重要な指標の一つであり、人口がふえることで都市の賑わいが増し、産業活動や市民活動の活性化が促進されることから、都市の潜在的な活力の源とも言えるものであり、第三次基本計画では、平成12年度(西暦2000年)の人口目標を45万人と設定いたしました。しかしながら、本市の人口は、先ほど板坂議員もご指摘のとおりでございまして、昭和60年1月末の45万732人がピークでございます。その後、減少を続けまして、平成11年6月末には42万8,322人となり、この約14年の間に約2万2,000人減少しております。
その主な要因でございますが、全国的な少子化の進行による出生数の減少、あるいは本市の基幹産業である造船業が長引く不況による合理化などで従業員等が減少したこと、また、地形的制約からくる都市基盤整備のおくれ、さらには、中心市街地の用地価格が高いことなどから、人口が周辺の市町に流出したことなどによるものと考えられます。
そこで、本市といたしましても、これらの対策として、十善寺地区における
賃貸コミュニティ住宅のことしの10月オープンを目指し、
斜面市街地再生事業を推進するとともに、女性が社会で活動しながら安心して子どもを産み育てることができる社会環境をつくるために、昨年の3月に長崎市
子育て支援計画を策定し、今後、乳児保育、延長保育、
放課後児童健全育成事業などによる出生数の増加につながると期待される施策の充実・実施を図るなど、長期的視野に立って有効と考えられる施策を展開してきているところでございます。
市営住宅につきましてでございますが、人口呼び戻し策として、平成8年9月議会におきまして、市営住宅条例を改正することにより、市外居住者も市営住宅への申し込みを可能とするとともに、城山台あるいは三芳町の
特定公共賃貸住宅にUターン者を対象とした
市外居住者優先枠を設けました。その結果、現在までに時津町、長与町などから127世帯、409人の転入があっております。
また、人口は減少する反面、世帯数が議員ご指摘のように増加することに対しましての住宅対策でございますが、優良な団地開発の誘導を行いながら、住宅・宅地の供給を促すとともに、公的住宅の供給も行うなど、官民ともに、一定量の供給を行ってまいりました。
今後は、空洞化する中心市街地や市街地周辺部への活力を与え、定住促進をより図るため、
中堅所得者向けの
特定優良賃貸住宅、高齢者向けの優良賃貸住宅及び借上公営住宅など民間活力を活用しながら、多様化するニーズに対応する良質なストックとしての公的住宅を供給し、魅力あるまちづくりのための住宅政策を推進してまいりたいと考えております。
次に、斜面地における2世帯の住宅の問題でございますが、本市では、地形的な制約から斜面市街地においては、階段や狭隘な道路網、古い住宅の密集、くるま道や公園等の都市基盤施設の脆弱さ、安全や利便性の低下等から、若年層を中心として人口流出により高齢化が進んできております。そのため、斜面市街地の再整備を図り、人口減少の歯どめにつなげていくことが本市の重要な課題となっており、現在、十善寺地区を初め7地区で
斜面市街地再生事業に取り組んでおります。
特に、十善寺地区におきましては、本年度9月末に、先ほど申し上げましたコミュニティ住宅の建設が完了予定となっており、ここにきて懸案でありました
斜面市街地再生事業が具体性を帯びて見え始める段階となっております。また今年度は、十善寺地区の稲田町地区におきまして、住民の皆様のご協力を得ながら、生活道路の整備あるいは民間住宅の建て替え促進を図り、斜面市街地の再生に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
しかし、斜面市街地の整備は、長い期間を要することや広範囲に及ぶこと、さらには、行政が主体的に取り組める地区には限りがあることなどから、
斜面市街地再生事業に取り組んでいない地区の連合自治会の皆様方のご意見を伺いながら、斜面市街地の再生に今後、取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。
板坂議員ご提案の親子同居住宅の建設を促進することは、世帯バランスがとれた良好なコミュニティの形成を再編できる有効な手段だと思われます。しかしながら、斜面市街地の特徴といたしまして、一宅地が狭い、4メートル未満の道路しか接道していないなど、増改築が困難な敷地が多いのも、これまた事実でございます。十善寺地区のような密集市街地再生整備促進事業区域内等では、共同・協調化を行うことによりまして、住宅金融公庫の融資条件の緩和あるいは優遇措置などが得られる融資制度はありますが、それ以外の区域では適用できないことから、市独自の補助、または融資制度、住宅金融公庫の特例加算制度の適用の可能性など、親子同居住宅の建設を促進できるような施策につきまして、斜面市街地だけではなく、中心市街地も含めまして、多面的に今後、しかも急いで研究していかなければならないというふうな課題であろうかというふうに受けとめておるところでございます。
以上、私の答弁を終わらせていただきたいと思います。
他の問題につきましては、所管の方から答弁いたしますので、よろしくお願いいたしたいと思います。=(降壇)=
5 ◯建設管理部長(諸岡克重君)
指名競争入札の指名のあり方についてお答えいたします。
公共工事における建設業者の指名選定に当たりましては、各事業部局において発注標準を遵守し、指名回数及び発注状況を考慮しながら指名の機会均等を図るように努めております。また、その際には、指名基準に基づき、工事成績、発注工事に対する技術的適正、手持ち工事、技術者の配置状況、地域性、経営状況などを判断して決定するようにしているところであります。
次に、
指名競争入札に関する各部局への指導、改善につきましては、平成9年度に契約課が設置されて以来、議会からの指摘等を真摯に受けとめながら、第1指名委員会などさまざまな機会を通じまして、契約管理システムにより作成した指名落札回数等の資料を十分活用した上で、公平・公正な指名を行うよう指導しているところであります。その結果として、契約課が設置される以前の平成8年度では、土木一式工事において30回以上の指名回数が14業者でありましたが、平成10年度においては1業者、20回以上では45業者でありましたが、10業者になるなど、指名回数の機会均等につきましては、随分、改善が図られてきているものと考えております。
本市といたしましては、今後、より一層の公平・公正な指名を行うため、新たに指名選定システムの開発を行い、オンラインにより各部局においてリアルタイムで全建設業者の指名・落札状況等が把握できるように整備しているところであり、今後は、特定の建設業者に指名が偏りしないよう、なお一層の適正化が図られていくものと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
6 ◯15番(板坂博之君) それぞれご答弁をいただきまして、ありがとうございました。特に、建設管理部長、大きな声で元気なご答弁をありがとうございました。
まず、ちょっと再質問をさせていただきたいと思うんですが、時間の都合もございますので、
指名競争入札の件から再質問をさせていただきたいというふうに思います。
私は、これは前回までは建設管理部長に質問をして、建設管理部長がご答弁をなさっておったんですが、どうしても納得がいきません。各担当部長にお伺いをいたします。
まず、平成10年度契約状況、私なりに調査をしまして表にしてみたんです。年間6回以上の契約をされている業者が16社ございます。そのうち大手といいますか、長崎でも大手のところは、ある程度規模も当然大きい、社員数も多いということで外しまして、11社を調査させていただきました。この中で、同時期の契約というのがたくさんあるんですね。私は、これは去年も質問をし指摘をしたはずなんです。
土木部長、同じ業者が何回も同じ時期に契約をされている。例えば7月29日に1,159万3,000円、9月2日に1,112万1,000円、同じ9月24日に385万2,000円、9月25日にまた639万4,000円、同じ部署ですよ、これは。これを私は、去年も、その前も「おかしいではないですか」と、特にCクラスの業者が、こんな同じ部署から、これは例えば都市計画とか土木とか下水道とか、そういう違う部署ではないんですよ、土木部だけの発注なんです、これは。まだ、こういう状況がある。これは説明をお願いをしたいと思います。
それから、都市計画部長、女の都近隣公園整備工事、私は、これも納得いかない。その1がBクラス、その2がCクラスなんです。市長は再三、答弁の中で「常々、地域性を判断をしております。だからご理解をお願いします」と、そういう答弁をなさっているんです。Bクラス7社あります。宿町、ダイヤランド、中里町、滑石3丁目、畝刈、大橋、鳴見町、どこに地域性があるんですか。これ、だれが見てもおかしいですよ、この指名は。そうでしょう。Cクラスに至っても、まだそうですよ。大浦、辻町、手熊、弥生町、銅座町、1社だけ女の都、そして岩見町。どこに地域性があるんですか、これで。だれが納得するんですか、この指名を。私は、絶対これは納得できませんよ。答弁をお願いしたいというふうに思います。
それから、日蘭交流400周年記念事業の件で、また再質問をさせていただきますが、本市への経済波及効果についてお願いをいたしたいと思います。
期間中の総集客数は、県外約164万人、県内78万人、合計約242万人で、総事業費約28億円に対する経済効果は272億円と試算されていますが、本市へは、どの程度の経済波及効果が見込まれるのか、お尋ねをします。
それともう一つ、記念事業に付随した環境整備等に国の緊急雇用対策をどう活用するのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
この件に関しましては、国の70万人を超える緊急雇用対策のうち、本市における臨時応急の雇用や就業機会の創出のための事業としての緊急地域雇用特別交付金事業を、この記念事業や関連の環境整備について、どう活用しようと考えておられるのか。
以上、お尋ねをいたします。
7 ◯土木部長(山田俊国君) 土木部におきまして、特定業者が同時期に偏った契約をされているというご指摘についてお答えいたします。
公共工事における建設業者の指名選定につきましては、先ほど建設管理部長がお答えしましたように、指名基準に基づき契約管理システムによる指名落札等の資料や情報を十分活用しながら指名の機会均等に努めてきているところでございますが、土木部の工事は、市内周辺部の工事や緊急を要する工事が多いことから、地域性、緊急性等を考慮した結果として、一部にそのような事態が生じたものでございます。
今後は、ご指摘を真摯に受けとめ、特定の建設業者に偏らないよう建設管理部とも十分協議しながら、指名の適正化に努めてまいりたいと思っております。
以上です。
8 ◯都市計画部長(坂本昭雄君) 女の都近隣公園に係る問題につきまして、ご答弁をいたしたいと思います。
女の都近隣公園につきましては、平成7年度より、いわゆる工事の発注をいたしております。その場合、先ほど建設管理部長が申しましたように、発注工事に関する工事成績あるいは手持ちの工事、技術者の配置状況、地域性、経営状況、指名回数等を判断し現在まできたところでございますけれども、一つの考え方といたしまして、事業箇所が地域によって、ある一定の集中、例えば南部あるいは北部に集中した場合、この地域性を考えますと、事業地周辺の建設業者のいわゆる指名回数が統計的にはやはり多くなる。これは事実でございます。
そういう意味で、全市的に機会均等を、Bクラスにつきましては153社おりますし、Cクラスにおきましては276社おります。議員のご指摘の点も十分私ども理解しているところでございますけれども、そういう意味では、やはり先ほど申しましたように、統計的から地域性を考えますと多くなる。それでは、機会均等という立場、あるいは全市的なその配分等から考えますと、私ども今回につきましては、このような対応、指名を行ったところでございます。
ただ、やはり基本的には建設管理部も申しましたように、地域性あるいは成績、工事の発注状況等を当然、これは総合的見地から私どもは今後とも考慮しながら慎重に調査研究し、対応していきたいと思っているところでございます。
以上でございます。
9 ◯企画部長(園田純一郎君) 日蘭交流400周年記念事業における経済波及効果についてお答えいたします。
本年3月の段階におきまして、集客見込み数とともに推計調査を行いまして公表したところであります。長崎県全体での県内客や立ち寄り客を含めた総集客数を242万人、経済波及の総合効果を約272億円と見込んでおります。これの長崎市分につきましては、総集客数約202万人、それによってもたらされる経済波及効果は約212億円となっております。推計時点から現時点までの間で、記念事業の計画内容等に一部変更があっておりますが、総事業費やイベントの数などについては、大幅なずれは生じていないことから、これに近い数字の経済波及効果が得られると考えているところであります。
以上でございます。
10 ◯商工観光部長(土橋道良君) 国の緊急雇用対策事業において、日蘭交流400周年記念事業を取り込むかということについてお答えします。
国の緊急雇用対策事業のうち、緊急地域雇用特別交付金の創設による本市の緊急雇用対策事業につきましては、現在、各所管からの事業計画を取りまとめ、県に提出するための準備を進めております。
緊急雇用対策事業の実施につきましては、県や市町村が直接実施できる事業を除き、原則、民間企業やNPO法人、任意団体であって、的確に事業を遂行する能力を有するものに委託して実施することになっており、委託事業の範囲は、教育・文化、福祉、環境・リサイクル等緊急に実施する必要性が高い事業であること。雇用につながる可能性の高い研修等の実施を除き、新規雇用者及び新規就業者が必ず生まれる事業であること。県の基金の造成以降に新たに実施する事業であること。事業の実施に伴う新規雇用は6カ月未満の期間雇用に限定し、更新は行わないことなどとなっております。
議員お尋ねの日蘭交流400周年記念事業につきましては、県が実施する緊急雇用対策事業との重複を避けながら、本市が独自で実施する日蘭交流400周年記念事業や関連する事業につきましても、さきの要件を満たすもので、雇用創出につながる緊急性のある事業につきましては、可能な限り取り込んでまいりたいと、そのように考えております。
11 ◯15番(板坂博之君) 再質問にご答弁いただきまして、ありがとうございました。
24 ◯企画部長(園田純一郎君) 陣内議員さんの再質問に対してお答えいたします。
政策評価の関係でアメリカのオレゴン州に調査に行ってはどうかというお尋ねでございますけれども、これは議員のご提案として承っておきたいと思います。
25 ◯土木部長(山田俊国君) 長崎港港南地区港湾計画に対する再質問についてお答えいたします。
長崎市総合計画第三次基本計画及び市長の施政方針においても、長崎港の機能の充実や港湾都市長崎の都市魅力の向上を掲げ、県や関係団体と協調してその推進に努めているところであります。この公共埠頭計画につきましては、長崎港の物流機能の整備充実、港湾施設の整備等だけではなく、港南部の都市施設の整備、快適な住環境の創出等につながるものであり、本市といたしましても、期待しているところでございます。この計画の推進に当たりましては、今後、発生する種々の問題についても、県を中心として解決できるように関係地元住民の方々のご意見も広く聞きながら本市の意見を県へ申し述べるなど、事業遂行に当たって市としても積極的にかかわってまいりたいと考えております。
以上でございます。
26 ◯市長(伊藤一長君) 陣内議員の再質問にお答えいたしたいと思います。
499号の拡幅事業に伴います公民館あるいは消防施設の問題等、これはやはり市としても積極的に、今のままだったら何年かかるかわからない、話があってから地元との話し合い等に入れば、また相当おくれるということも含めて、早くから積極的にかかわるべきではないかということでございますが、それは、熱意は私ももっともなことだというふうに思います。その場所につきましては、私も現場は見ておりますし、ちょっと地権者との絡みがどうもあるようでございます。
これは46名の議員さん方もそれぞれ経験されたことでありますし、私も議員時代に経験したことでありますけれども、事業の進捗を早くするためには、それぞれの事業主体の県あるいは国あるいは市という形で行政が一生懸命するのは当然の話でありますけれども、行政というのは、予算の単年度主義が往々にしてありますし、先行取得でほかの公社とか、いろいろなところを買いましても、やはりそれでもおくれるという問題等もありますので、問題は用地買収が一番大事なことでありますので、よければ、ひとつ地元の方で、そういうふうな行政が早く取り組めるように、予算がつけやすいように、そういう形で先に先に手だてをしておいていただいた方が、私自身の経験、議員さん方の経験を踏まえてそうでしょうけれども、非常に事業の進捗は相当ピッチが上がってくるということも含めて、ぜひ地元のご協力方をよろしくお願いさせていただきたいと思います。
また、先ほど企画部長がオレゴン州の話で答弁いたしましたが、PFIなんかもそうですけれども、相当書巻が今、日本でも出回っておりますので、まずそれを読ませていただいて勉強することによって、というのも、私も幾つか読んでいますけれども、これも相当なボリュームのある内容ですので、これもやはり大事なことではないかなというふうに思いますので、この点も含めてよろしくお願いさせていただきたいと思います。
27 ◯1番(陣内八郎君) ありがとうございました。
やはり期待に沿うようなご回答ではなかったんですが、実は、あと1点質問をさせていただきたいと思います。
いわゆる政策評価の手法と結果の中でお答えいただきました件ですが、長崎方式というものを言っていただきました。まだ、中身がちょっとよくわからなかったので、そこら辺をもう一度、長崎方式とはどういうことでされるのか、そこら辺を説明をしていただきたいと思います。
28 ◯企画部長(園田純一郎君) 陣内議員の再質問にお答えします。
政策評価におきまして、長崎方式とも言える本市の取り組みの特徴点についてでございますけれども、まず第1に、一つの政策評価というのは、他都市では作業をおおむねコンサルタント等の専門業者に委託をしているというのが実態でございまして、本市では、みずから工夫しながら手づくりで実施をするということ。第2に、事後評価からスタートするのではなく、計画策定時点での事前評価からスタートをするということ。第3に、これが大きな特徴ですけれども、行政内部の評価にとどまらず、サービスの受益者の立場に立って施策の成果や効果が検証できるような取り組みを目指し、ハード事業からソフト事業も含むものとし、成果指標の設定を目指すこと。そのため現在、サービス成果指標、社会成果指標、市民満足度指標の項目に9項目の分類を設けまして、具体的な評価指標の検討を進めているところでございます。第4に、将来的には、政策から事務事業にわたる評価システムの構築を目指しておりまして、順次、取り組みを進めることなどでございます。
いずれにいたしましても、政策評価につきましては、目的、対象、手段について、いまだに確立されたものではなく、国においても、現在、検討中の段階にあり、また、自治体におきましても、都道府県や指定都市レベルで実施されているにすぎないものでございます。その意味でも、本市の実態に即した形で創意工夫を重ね、不十分ではあったにしても踏み出してみるとの気概をもって鋭意取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
29 ◯1番(陣内八郎君) ありがとうございました。
まだ、時間が少々ございますので、具体的な例としてちょっとお聞きしたいんですが、バリアフリーに関してですが、実際、町中を通ってみますと、歩道の整備の中で随分改善はされてきておりますが、狭い歩道で車の乗り入れという状況の中で、どうしても車優先という形で整備がされていたようでございます。
私も実体験としまして、母を車いすで連れて回るわけですが、歩道を連れていくときに、歩道が傾斜しているものですから、自然と車いすが車道の方に向いてしまう。非常に危険な状況なんです。そういう意味で、できれば、今からの歩道の整備、もう限られた範囲の中での整備にしかならないと思うんですが、車優先ではなく、やはり歩行者優先の整備という形で進められているかどうか、そこら辺をお伺いしたいと思います。
30 ◯土木部長(山田俊国君) 再質問にお答えいたします。
歩道部における車乗り入れ部の横断勾配につきましては、確かに、狭い歩道部では勾配が急であり、車いす等の走行には支障のある箇所がかなりございます。
本市におきましては、福祉部が中心となり、平成5年度より高齢者・障害者にやさしいまちづくり事業を実施いたしております。この事業は、高齢者や障害者の方々が、みずからの意思で自由に移動し行動できるように、さまざまな障壁を取り除くことを目的として、多くの人が利用する建築物、道路、公園等の施設改善を行うものでございます。
道路におきましては、主に歩道の整備、誘導点字ブロックの設置、歩道切り下げ、防護柵の設置等を平成6年度より平成10年度までの5カ年で実施しております。特に、歩道切り下げにつきましては、平成9年度、平成10年度の2カ年で市内一円を約300カ所程度改善いたしております。
そのようなことから、今後につきましても、歩道の改善は、より安全で快適なまちづくりを進めていく観点からも慎重に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
31 ◯1番(陣内八郎君) どうもありがとうございました。
以上で私の再質問も終わらせていただきますが、関連的な質問が多かったためか、期待したよりもちょっと手薄だったかなと思いますが、これで終わらせていただきます。
32 ◯議長(野口源次郎君) 休憩いたします。
午後は1時から再開いたします。
=休憩 午前11時54分=
───────────
=再開 午後1時0分=
33 ◯副議長(野口三孝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。42番柴田 朴君。
〔柴田 朴君登壇〕
34 ◯42番(柴田 朴君) 日本共産党の柴田 朴でございます。
さきに質問通告をいたしておりました問題につきまして、順次、お尋ねをいたしますので、責任ある答弁を求めるものであります。
質問の第1は、去る8月25日から施行された日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連の周辺事態法によりまして、国が地方自治体に協力を求める際の内容その他、あるいは議会の役割など、市長の率直なお考えをお答え願いたいと思います。
政府は8月24日の閣議で、国会議員の質問主意書に答える形で見解を出しました。それによりますと、「地方自治体の反対決議や首長に対する住民のリコール請求などは、国からの協力要請を拒否する正当な理由にはならない」と述べています。この政府見解は、県内の議会などにも大きな反響を呼びまして、長崎県議会の林 義博議長を初め大村市議会の音成議長、佐世保市の崎山議長などが、それぞれ基地関連の関係からもコメントを出しております。
林議長の言葉をかりると、「反対決議が議会で成立する状況は、よほどの事態が生じた場合と考えるべきで、議会決議が拒否の理由にならないとする真意がどこにあるのかわからない」と、率直な疑問を投げております。また、大村市議会の音成議長も「地方議会とは何なのかということを私は思います」と、非常に不満を表明しております。佐世保市議会の崎山議長は「協力反対が市民の意思であれば尊重されるべきである」と言っています。
私ども長崎市議会は、去る6月市議会でガイドライン関連法の成立と関連をして全会派一致で意見書を可決しました。その内容は、「本法が市民生活や地域経済に及ぼす可能性があることに懸念を持つものであり、よって、政府としても協力内容の十分な説明と迅速な情報提供を求めるものである」と、このように、最近の政府の非常に不明な状態、一方的に自治体に協力する問題について懸念を表明したわけであります。
そこで、伊藤市長は、かかる地方議会の決議を無視した政府見解に対して、市民に直接選ばれた市長として、どのように考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
このガイドラインに関連をして、追加質問として、きょうの新聞等でも報道された米艦船の入港に関連をしてお尋ねをいたします。
来る17日、米救難艦「セーフガード」が入港するとマスコミの報道がありました。入港の理由は、親善と乗組員の休養となっています。お隣の佐世保市に配備をされているこの軍艦がわざわざ被爆地長崎港に休養に来るというのも正常な感覚ではないと私は思っております。ガイドラインの施行とも大きな関連があるし、市長は、ご遠慮願いたいとはっきりと言うべきではないか。この点についても市長の見解を賜りたいと思います。
第2の質問は、被爆地域の拡大是正についてお尋ねします。
昭和32年4月1日、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律が施行され、被爆当時の長崎市の行政区域と、これに隣接する町村の一部が被爆地域として指定をされました。一般の素人が考えても、原爆投下の際の放射能被害は行政区域を越えて広い範囲にわたり、関係住民に影響を与えたであろうことは想像できるわけでございます。ここに被爆地域拡大是正の要求が、戦後54年経過した今日もなお続いている理由があるわけであります。すべてその責任は、私は、政府の当初の非科学的な線引きにあることを指摘しておきたいと思います。
政府自身もその矛盾を認識しているからこそ、その後、昭和49年10月1日の法律の一部改正で被爆当時の時津村及び長与村、これは高田郷及び吉無田郷を除いているわけですが、この地域を健康診断特例区域に指定をされ、さらに昭和51年9月18日付で当時の福田村、式見村、三重村、矢上村、日見村及び茂木町の一部を健康診断特例区域に指定せざるを得なかったと考えます。
ところが、昭和55年12月11日に至り、いわゆる基本懇、原爆被爆者対策基本問題懇談会の答申が出されました。この答申は、原爆問題のすべてに終止符を打たせる狙いがあったと言われておりますが、その答申の中で、被爆地域の拡大是正の要求についても、科学的・合理的根拠がないと認められないと、こういう内容が示されました。この答申以後、厚生省は一貫して地域拡大是正の要求に対しては、科学的・合理的根拠がないとして、これを拒否し続けているのであります。
長崎市としては、その後、何とか科学的裏づけを明らかにしようと、残留放射能調査などを独自に行って厚生省に上げてまいりました。しかし、その結果に対しても、厚生省は、残留放射能の量が少ない、この程度では人間の健康に害を及ぼすとは考えられないとして、これを拒否してきました。
私がここで申し上げたいのは、最初の被爆地域の線引きを全く非科学的に行政区域で行い、将来に矛盾を残してきたのは、まさに政府であります。その政府が住民の地域拡大是正の要求に対して、科学的・合理的根拠を強く要求するということは、まさに私はナンセンスである。例えば式見町の例の一つを見ても、式見川の真ん中に線を引き、川の真ん中の線より手前は被爆地域とするが、川の真ん中の線から向こうは被爆地域外ですよと、こういうことを言っても関係住民が納得できないのは当然であります。非科学的な線を引いた政府にこそ、私は責任があると、このように考えます。
今、長崎市が平成12年度に向けて、厚生省を初め各機関に提出するために準備を進めている未指定地域、いわゆる爆心地から半径12キロメートル以内に居住していた人のうち、現在、長崎市の区域内に居住している人約7,071名を対象に証言調書の作成を進めております。この取り組みは、被爆者が高齢化する中で、長崎市としても、あるいは関係住民にとりましても、今世紀最後の取り組みとなると思います。ぜひ生き証言を多くの人々から集めて、これを政府に突きつけていく非常に大事に運動ではないかと私は考えます。
そこで、市長にお尋ねをしますが、これらの貴重な証言を集約して、これを最も効果的に政府に提出していくために、これからの運動のあり方をどのように考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。
次に、質問の第3点は、商店街の活性化と大型店進出についてお尋ねします。
来年4月に大波止・元船埋立地に建設中の大型店スーパー「イズミ」を中心とした新しい商店街が生まれます。計画では、スーパー「イズミ」を中心に57店舗、年間の売り上げ200億円を目標にしていると言われております。この計画に対しては昨年の5月、長崎市中心部の8商店街がその計画に反対する意見書を金子知事及びこの計画に賛同している長崎市商店街連合会に提出をいたしております。長く続く不況のもとで、長崎市内の商店街の落ち込みはひどく、6月市議会で再選後初めて施政方針の説明に立った伊藤市長の発言の中でも「本市の中心市街地は活力と求心力を喪失しつつある。中心市街地の衰退は、都市圏域全体の将来にもかかわる重要かつ緊急の課題である」と、その認識を述べているところであります。
このような中で、昨年は長崎市の中心商店街の老舗と言われているお店の社長さんが、経営に行き詰まって自殺をすると、そういう悲しい事件も生まれております。
我が党としては、このような深刻な状態になってきた原因として、不況の長期化、消費税などの引き上げその他いろいろありますが、最近の大型店の進出を野放しにしてきていることが地場の商店街の落ち込みに大きく拍車をかけてきていると考えるわけであります。
そこで、お尋ねします。
1つは、長崎市内の市場を初め商店街でも最近、シャッターをおろしているところが目立ちます。最近の動向を調査したものがあれば、これを明らかにしていただきたいと思います。
2つには、私は、昨年の12月議会で商店街を激励するという意味からも、行政が商店街のイベントなどに対して補助金を出してはどうかと、こういう指摘をいたしましたところ、市長は、受け入れ側が十分にその気があれば市としても検討してみたいと、こういうことで早速、ことしの6月議会にその補正予算を計上いたしております。私は、浜町商店街が試行的にこれを実施するということを非常に歓迎するとともに、このイベントを成功させるために市としても全力を注いでほしいと思います。
3つ目は、そのほか、現在、市商工観光部で市内の商店街その他に対していろいろと支援体制を検討しているとすれば、その内容についても、この際、お知らせをいただきたいと思います。
次に、教育行政で3点お尋ねをいたします。
まず第1は、市内小中学校におけるところの不登校の実態とその対策についてお尋ねします。
現在の子どもたちをめぐる不登校を初めとした諸事件は、日本の病める社会の縮図でもあると言われておりますが、余りにも深刻な問題であります。文部省の学校基本調査98年度の結果が発表されましたが、不登校の数は12万8,000人で、これまでの最高となり、前年の97年度と比較しても2万2,000人、21%の増加となっています。
長崎市内でも市教委の調査では、小中学校で年間30日以上不登校になっている子どもの数は400人を超えたと言われています。このほかに、例えば学校までは登校するが、自分の教室には行かないで保健室で養護の先生と一緒に過ごす子どもたち、これがやはり年間30日以上、そういった状態を繰り返している子どもが市内で約60名いると、このように教委は発表しております。これはもちろん、不登校の数には入っておりません。なぜ不登校になるのか、その要因については、私はいろいろ要素があると思いますが、昨年、いわゆる98年の6月、国連の子どもの権利委員会が日本政府に勧告書を送った、その内容は重く受けとめる必要があると考えます。その一節を紹介しますと、「日本の教育は、高度な競争教育になっており、それが子どもにストレスを与え、いじめを生み、登校拒否を生んでいることを深く懸念をしている」と、こういう内容であります。
現在の文部省の指導要領どおりの授業では、ついていけない子どもがますますふえる一方だと言われております。今日の学校現場は、先生たちも子どもたちも疲れ果てている状態ではないでしょうか。
そこで、私は、ここに幾つかの問題を提起し、教育委員会のご意見を賜りたいと思います。
1つは、先ほど申しましたように、いずれの学校も保健室は満杯の状態です。養護教諭の複数配置を急ぐ必要があると思いますが、いかがでしょうか。
2つ目は、400人を超える不登校の児童がいる現状では、学校以外で子どもたちの居場所を確保する必要があると考えます。現在、適応指導教室、いわゆるフリースペースが市民会館1カ所では少ないのではないか。市内数箇所に確保して受け入れ態勢を取るべきではないか。
3つ目は、不登校の子どもたちを抱える保護者は一人で悩み苦しんでいます。問題を抱えている保護者同士の集まりを教師も一緒になって定期化できないものでしょうか。
教育行政2点目の質問は、夜間定時制高校のあり方でございますが、近く、この長崎の夜間定時制高校が県の単位制高校に統合されようとしています。
私は、この高校がこれまで長い間、先生と生徒、そして保護者が一体となっていじめや不登校、中途退学など、心に深い傷を持ちながらそれを乗り越えて再びやる気を起こさせ、学校を自分たちの居場所として頑張ってきた経験は、全国からも大きく注目を集め、貴重な体験だと思っております。特に私が感動しましたのは、子どもたちの不登校、退学という事態にだれよりも悩み苦しんできた保護者の皆さん方が、その苦しみから立ち上がって、まず保護者同士で団結をして励まし合い、先生たちと力を合わせて心を病んでいる子どもたちを立ち直らせてきた経験、これは非常にすばらしいことであり、今日の小中学校の不登校問題で苦しんでいる多くの関係者にも教訓になると思います。
このような実績と教訓を持った夜間高校が今度、県の単位制高校に統合されようとしていますが、十分にその運営のあり方や実績も含めて受け継がれていく体制になっているのかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。
教育行政の第3点目の質問は、長崎市教委が早くから決めている平和教育指針についてお尋ねをいたします。
原爆被爆都市でありながら、市教委が1978年に打ち出した平和教育の指針は、その第1項で「原爆を原点とするものではない」と、わざわざこれを否定しております。被爆地でありながらなぜだろうと、多くの人々が首をかしげています。
私も数年前に広島市の教育委員会を訪れ、広島の平和教育指針についても勉強してまいりました。広島の平和教育の指針は、「原爆を原点として、子どもたちに人間の生命の尊さを教えていく」と、これが中心になっております。応対してくれた担当部長さんは、「被爆地ですから、これが自然ではないでしょうか」と話してくれました。
ことしの7月、長崎市平和宣言文の起草委員会の中で、伊藤市長が打ち出した「長崎を平和教育の拠点とする」、この表現との関連で、原爆を原点としないということとも、いろいろこれが論議になったということを私は聞いております。伊藤市長は、そのとき個人的な見解として、いつまでもこの表現にこだわるべきではない、できれば関係者と協議をしたいと発言したことはマスコミでも報道されております。
私は、市長の見解は極めて常識的な判断だと受けとめましたが、この内容について再度、市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。
以上で壇上からの質問を終わります。=(降壇)=
35 ◯副議長(野口三孝君) 市長。
〔伊藤一長君登壇〕
36 ◯市長(伊藤一長君) 柴田 朴議員のご質問にお答えいたしたいと思います。
まず、周辺事態法の施行と地方自治体の協力義務につきましてお答えいたしたいと思います。
周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律、いわゆる周辺事態安全確保法が平成11年5月28日公布、同年8月25日から施行されたところであります。
同法第9条では、国以外の者による協力等が定められており、同条第1項では、「関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる」と規定されております。協力要請の内容については、事態ごとに異なるものであり、あらかじめ具体的に確定されるものではないとされておりますが、具体例といたしまして、一つ、地方公共団体の管理する港湾の施設の使用、一つ、地方公共団体の管理する空港の施設の使用、一つ、建物、設備等の安全等を確保するための許認可、一つ、消防法上の救急搬送が例示されております。
また、同条第2項においては、「関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、国以外の者に対し、必要な協力を依頼することができる」と規定されており、地方公共団体に依頼する項目といたしまして、一つ、人員及び物資の輸送に関する地方公共団体の協力、一つ、地方公共団体による給水、一つ、公立医療機関への患者の受け入れ、一つ、地方公共団体の有する施設・設備、物品の貸与等が例示されております。
特に、地方公共団体の長に対して協力の求めがあった場合、権限を適切に行使することが法的に期待されることとなり、地方公共団体の長には一般的な協力義務が生じると言われております。
このような協力要請があった場合において、個別の事例に即して判断していくこととなりますが、私は、これまで議会に答弁してきましたように、市民の生活や安全が脅かされたり、市職員などが危険にさらされるような状況が予測されれば、そのようなことがないよう国に申し入れをしたいと考えております。
また、これらの協力項目については、政府が7月6日、全国基地協議会と防衛施設周辺整備全国協議会の合同総会の席上、解説書案の説明を行っておりますが、各自治体から多くの疑問が出されたと聞き及んでおり、長崎県においても、7月29日に開催されました渉外関係主要都道府県知事連絡協議会総会の席上、周辺事態が差し迫った状態での情報の提供や、平素における情報・意見交換と基本計画策定段階での意向聴取などについて要望等を行うとともに、8月20日付で16項目にわたる県独自の質問書を国に提出しております。
現在、国においては、関係自治体の意見を参考にしつつ、解説書を作成、配布する準備がなされておりますが、現段階では、いまだ配布されていない状況であります。
このような状況の中、私といたしましても、本年6月議会で新ガイドライン関連法に関する意見書が議決され、議会としても深い懸念が表明されたことも踏まえ、今後、政府における十分な説明や迅速な情報提供、自治体に対する十分な意見聴取を求めることを内容とする要望書を提出したいと考えているところでございます。
次に、米国の艦船が長崎港に入港するとの情報を得たとして、長崎港の港湾管理者である長崎県知事に対して入港拒否の要請を行うようにとの件についてお答えいたしたいと思います。
今回の米国艦船の入港に関しましては、県の国際課から長崎市の国際課あてに情報提供があっております。これまで本市は被爆都市として、また、核兵器廃絶と世界恒久平和を訴えている自治体として、核兵器保有国の艦船で核兵器積載の疑惑のある艦船の入港は回避していただきたいとの立場を取るとともに、機会あるごとに県に申し入れをしております。
なお、私個人といたしましても、本市に住んでおられる被爆者の思いを考えましたとき、艦船の入港については好ましいこととは考えていないというのが正直なところであります。しかしながら、今回の入港目的が友好親善と乗組員の休養となっていることから、入港を拒否するものではありません。
また、長崎港には、平成5年以降、平成9年まで年間1隻のペースで米国艦船が入港しておりますが、このことが新ガイドラインに直接関与したものであるとか、そのまま長崎港の軍港化につながるものとは考えておりませんので、今後の動きを見守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
なお、予定どおりに艦船が入港した場合でございますが、乗組員の方々には、被爆の実相、そして核兵器の脅威を知っていただくためにも、原爆資料館を積極的に見ていただきたいと思います。そして、本国に帰国した際には、被爆の実相と長崎市民の核兵器廃絶の願いを多くの人々に伝えていただくように願うものであります。
次に、被爆地域の拡大是正についてお答えをいたしたいと思います。
原子爆弾被爆区域の指定につきましては、国において、昭和32年3月31日に原子爆弾被爆者の医療等に関する法律が制定公布され、同法の第2条で被爆者が定義づけされ、同法及び同法施行令で原子爆弾被爆区域が指定されました。この原子爆弾被爆区域は、被爆当時の長崎市の行政区域と、これに隣接する町村の一部区域が指定をされ、さらに昭和49年と昭和51年の2回にわたる法令の改正で健康診断特例区域が指定をされ、爆心地から南北に約12キロ、東西に約7キロメートルの線上にかかる現在の原子爆弾被爆区域となっているところであります。
被爆地域の拡大是正につきましては、県、市、議会及び長崎県原子爆弾被爆地域是正連絡協議会並びに被爆者団体等と一体となって、長年にわたり陳情、要望を強力に行ってきたところでありますが、これに対し国は、科学的・合理的根拠が必要であるとの理由から、いまだに被爆地域拡大の実現を見るに至っておりません。
したがいまして、未指定地域の関係住民の高齢化が進む中で、何とか決着をという強い思いのもとに、現在考えられる調査の中で、これまで実施したことのなかった証言調査を実施し、当該地域における被害の実態を明らかにし、被爆地域の拡大是正の要望につなげてまいりたいと考えているところでございます。
調査の対象者につきましては、爆心地から同心円状半径12キロメートル以内の被爆未指定地域に居住している人のうち、現在、長崎市に居住している人で7,000人余りを対象としているところであります。
今回の証言調査は、地域拡大の実現のための非常に重要な調査と認識いたしており、調査結果の分析・解析については、対象者の中から抽出により面談をし、健康状態並びに心理的影響等について分析を行い、証言集として取りまとめ、被爆地域拡大是正の実現のために活用してまいりたいと考えているところでございます。
また、陳情につきましても、被爆55周年に当たります平成12年度に、本市といたしましても市議会議員の皆様方及び被爆者団体の皆様方と一緒になりまして、総動員体制で国及び地元選出国会議員並びに関係国会議員など関係機関に積極的に陳情活動を展開し、被爆地域拡大・是正に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
以上、私の本壇よりの答弁といたしたいと思います。
他の問題につきましては、それぞれの所管の方からお答えいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。=(降壇)=
37 ◯商工観光部長(土橋道良君) 商店街の活性化と大型店進出についてお答えいたします。
長崎市内の商店数、従業員数は、3年ごとに実施されております商業統計調査で把握しており、最新のデータは平成9年6月1日現在で実施された調査に基づくものでございます。
お尋ねの商店数の推移につきましては、平成6年の調査では7,946店であったのが、平成9年では7,073店となっており873店が減少しております。この内訳でございますけれども、小売業が6,401店から5,779店へと622店の減少でございます。卸売業が1,545店から1,294店へと251店の減少となっております。
また、従業員数の推移でございますけれども、平成6年の調査では4万6,099人であったのが、平成9年では4万1,553人となっており4,546人が減少しております。この内訳は、小売業が3万602人から2万8,380人へと2,222人の減少、卸売業が1万5,497人から1万3,173人へと2,324人の減少となっております。
それから、大型店の出店についてでございますけれども、大型店の出店は、地域商店街及び中小零細小売業者の商業活動に変化を強いることも考えられますが、これまでの出店事例を見ますと、チトセピアについては、住吉地区の核施設として既存の商業集積地区に出店したことにより、集客力を高め地域の新しい魅力と賑わいを創造し、都市機能の充実を図っているという好事例もございます。
また、来年度出店する大型商業施設につきましても、例えば駅前商店街では、JR九州長崎駅ビルを地域の核店舗と位置づけ、共存共栄を図るための方策について検討を行っております。さらに、新規出店以外にも、中心地区商店街では百貨店など大型店の催事の際に、集客力が高まり、小規模店の売上増につながるという事例もあり、大型店の出店が直ちに商業を衰退させるとは考えておりません。
さらに、通商産業省からは、大型店の出店につきまして、地方公共団体の独自規制を行うことにつきましては慎重にするようにとの通達もあっております。
したがいまして、大型店の出店につきましては、本市独自の規制制度を設けることは考えておりませんので、よろしくご理解をいただきたいと思います。
それから、商店街の支援の内容でございますけれども、商店街の活性化策につきましては、商店街の個性、地域性等を配慮しながら、実効性のある事業が必要であると考えております。
本市では、これまでも商店街の意向を聞きながら、組織づくりのための事業や商店街の活性化計画の構築、さらには商店街アーチや街路灯といった商業基盤施設整備、これは今回補正を上げさせていただいておりますけれども、そういう整備に対する支援まで、それぞれの商店街が置かれている状況を踏まえまして各種事業を推進してまいりました。
今後とも、商店街の振興につきましては、最大限の努力をしていきたいと思っております。
以上でございます。
38 ◯市長(伊藤一長君) 柴田議員のご質問の中の第4点目の教育行政につきまして、平和教育のあり方につきまして、市長の方から答弁しなさいということでございますので、自席から答弁をさせていただきたいと思います。
平和に関します教育の三原則につきましての私の平和宣言文の起草委員会での発言の真意についてでございますが、先ほど柴田議員もご指摘のように、あくまでも個人的な見解とお断りをした上で発言をしたところであります。
その真意でございますが、被爆後54年が経過し、被爆者は年々高齢化をしておりますし、被爆体験の継承の重要性が高まる中で、「原爆を原点とするものではない」との原則については必ずしも継承しなくてはならないとは考えていない旨の発言をいたしたところでございます。しかしながら、この問題につきましては、皆様方ご案内のように、あくまでも教育委員会の問題でありまして、私といたしましては、当然のことながら教育権に介入する意図はございませんが、戦争を知らない子どもたちに、原爆被爆の凄まじさ、残酷さを語り伝え、そして再び核戦争を含め、あらゆる戦争を起こさないということを教育の中でぜひ教えてほしいと願っているわけでありまして、原爆を原点とするものではないとする平和に関する教育の三原則の見直しについて、教育委員会におきまして、ぜひ検討をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
39 ◯教育長(梁瀬忠男君) 教育行政の不登校の実情と対策についてお答えをいたします。
昨年度、市内の不登校児童生徒数は、小中学校合わせまして399人となっており、全国と同様、増加傾向になっております。教育研究所・教育相談室における昨年度の不登校に関する相談件数は延べ2,161件となっており、うち保護者からの相談は延べ590件で、一昨年と比較して増加傾向にあります。こうした不登校児童生徒の学校復帰を目指し、平成元年度から中央青年の家に設置しております学校適応指導教室では通級児童生徒の相談・指導とあわせ、在籍校の職員及び保護者に対しましても担任連絡会、保護者会を開き、教育研究所所員並びに大学教授、臨床心理士が相談に当たっております。
なお、適応指導教室に通級していない不登校児童生徒の保護者に対しましては、各学校からの調査報告に基づき実態把握に努め、研究所所員が不登校児童生徒の在籍する学校と連携し、担任などに指導助言を行ったり、学校を通して相談を受けたりしております。
さらに、これまで学校関係者を対象としておりました心理学の専門家による不登校に関する相談事業を昨年度から保護者にも対象を広げ、事業の充実を図っております。
小中学校におきましては、スクールカウンセラーを小学校5校、中学校4校に配置し、さらに、その他の中学校には心の教室相談員を配置し、不登校児童生徒及び保護者への相談活動を行っております。
適応指導教室についてでありますが、通級児童生徒は、市内各所から通級をしております。在籍校の児童生徒と出会うことの少ない中央青年の家にある適応指導教室には通いやすいのではないかと考えております。現在のところ、通級者は10人程度であり、今後の増加についても十分対応できると考えております。
教育委員会といたしましては、担任教師や教育研究所所員の家庭訪問などを行うことで、学校への直接復帰を目指しているところであります。今後も広報活動の充実や各学校を通して教育研究所を中心に保護者からの相談に当たりたいと考えております。
なお、養護教諭の複数配置の件でございますが、このことにつきましては、8市教育長会などを通じ、県、国への要望を行っているところでもございます。
次に、夜間定時制高校の今後のあり方についてお答えいたします。
全国的な状況でありますが、設立当初の目的であります勤労青年の学びの場であるとともに、不登校を経験した生徒の入学、全日制高校からの編入及び中途退学者の受け入れの場ともなっております。そのため、これら多様な事情を抱えた生徒一人ひとりのニーズに応えられるような教育課程、教育内容を用意することが求められております。
このような状況の中で、昭和59年9月、今後の定時制・通信制教育のあり方について検討を行うため、有識者からなる高等学校定時制・通信制教育検討会議が文部省に設置されました。その検討会議におきまして、昭和60年6月の臨時教育審議会第1次答申を踏まえ、昭和62年12月に「高等学校定時制・通信制教育の改善について」の報告がなされたところであります。単位制高校は、これらに基づき、昭和63年4月に学校教育法の改正により法制化が図られたものであります。
このように、単位制高等学校は当初、定時制・通信制課程の学校に学ぶ不登校等を経験した生徒などの多様なニーズに応えるための研究がなされ、導入が図られたもので、平成5年度からは全日制課程へも導入が図られております。現在では、全国で200校を超える設置がなされております。入学者も多く、そこに学ぶ生徒の評価も高くなってきております。
単位制高校は、学年の区分がなく、決められた単位を修得すれば卒業できるシステムであるため、中途退学者、進路変更に伴う転・編入学者及び成人等が容易に高等学校教育を受けられる学校であり、多様な事情を抱えた生徒にとって有効な制度であると考えております。
したがいまして、夜間定時制高校の今後のあり方といたしましては、多様化した生徒の要望に応え、よりよい教育環境を確保する観点から単位制高校へ移行することが望ましいと考えております。
なお、長崎高等学校が廃止をされることではなく、県へ移管するようになっております。単位制高校は、先ほど申しましたように、多様化した実態に即した学校として設置されますので、私どもといたしましては、移管に際しまして、県に対し長崎高校の実態を十分説明をいたしております。そして、同校の特色、よさを生かして新しい学校で引き継いでいただくようお願いもしておりますし、県の方としても、そのような対応をやっていただいているところでございます。
以上でございます。
40 ◯42番(柴田 朴君) まず、教育長に再度、質問をしますが、平和教育の指針の問題では、先ほど市長の発言がありました。直接的には、市長が関与するところではないけれども、教育委員会に対して、そういった表現の転換をお願いしたいと、こういうふうな市長の意向でありますが、教育長として、この平和教育の原点の問題については、市長発言との関連で、あなたのコメントもこの新聞に載っておりますけれども、「内部の議論でも、この表現をあえて入れる必要はないとの声も得ており、検討課題と考えております」と、こういうふうに梁瀬教育長の談話として載っているんですが、ただいまの市長の発言、そして、それを受けてのあなたの平和教育指針に対する考え方をひとつ述べていただきたい。
41 ◯教育長(梁瀬忠男君) 再質問にお答えいたします。
平和教育のことでございますが、今、私どもとしても平和三原則の基本的な線については守りながら推進をしていきたいという基本線はございます。しかし、ご指摘もございましたように、これまでも、私どもも三原則の中に、いわゆる原爆を原点とするものではないという表現があるのも事実でございます。したがいまして、このことにつきましては、学校教育現場等で混乱があった時代にあえて入れられた文言だという認識もいたしております。このことが学校の中でどのように定着しているのかという部分がございます。
したがいまして、現在のところ、私どもとしても学校現場でもある一定、そのような混乱といいますか、平和教育に対する取り組みも一定方向、定着の方向にあるのではないかと、こういった内部の議論もあるところでございます。
したがいまして、今後、新しい学習指導要領等も変わってまいります。そういう背景も踏まえまして、私どもとしても、まず内部でもう少し学校の実情をよく把握し、そして、校長会等とも十分議論を尽くして今、市長もおっしゃいましたようなことも踏まえて検討をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
以上でございます。
42 ◯42番(柴田 朴君) 平和教育の原点の問題については、市長の発言あるいは教育長の発言も、前向きに検討をしていきたいということでございますから、注目をしておきたいと思います。
次に、私は、商工観光部長にお尋ねをしたいんですが、商工観光部長は、大型店の進出というのが必ずしもその地域の商店街を落ち込ませることにはならない。お互いに集客力というものをふやして、そうして、かえって地元の商店街も並行して売り上げを上げていくということも考えられると、そういうふうにおっしゃいました。私は、商工観光部長のその判断というのは、これは時代おくれではないかと思うんですよ。
今、全国的な状況を見てごらんなさい。大型店がどんどん進出することによって、地元の商店街というのはほとんどのところが後退をしているんです。これはあなた方が考えているように、お互いに切磋琢磨して売り上げを上げていくと、そういうふうな論法は通じないと私は思うんです。
なぜかというと、大型店というのは資本の集積率も非常に高くなってきておりまして、どだい競争相手ではない。もう競争できないんです、これは。だから、どんどん長崎だけではなくして、地方の商店街というのは大きく後退を重ねている。いわゆるシャッター通りとか、いろんなものが今、出てきているでしょう。そういうふうな状況でも、なおかつ資本主義のルールだから、ひとつお互いに競争をさせてと言うけれども、長崎市内でも物を買う消費者の数というのは決まっているんですから、どこから連れてきますか。そんなに大型店が来たからといって、私は、あなたが考えているように、地元の商店街にもそれがはね返って、かえっていい結果を生むということにはならないと思うんです。今度、大波止の方に「イズミ」が出てきますと、あそこは57店舗、そして200億円を売り上げようとしておりますね。
先ほど商工観光部長が商店街の概況調査というものを発表しましたが、これは3年置きに発表しておりまして、平成6年度と平成9年度の3年間のものをあなたは発表して、その間、減ったお店が873店と、長崎市内で。従業員が4,500人程度が仕事を離れている。このとき、売り上げが約1,060億円、1,060億円の売り上げが減っているんですよ、この3年間で。そうすると、これは平成9年度現在の数字ですから、もう平成10年度、今は11年度でしょう、相当売り上げも減ってきているし、いわゆる閉店した数も、もう1,000店を超えている。こういう状況になっているわけですよ。
あなたが言うように、大型店がどんどん来たから長崎の商店街も活性化しているかというと、逆なんですよ。全く逆になってきている。今度、大波止にまた新しい商店街ができて、200億円も売り上げようと、虎視たんたんと構えているようですから、そうなってくるとますます浜町商店街を初めとした商店街に与える影響は大きいと私はみるわけなんです。
したがって、そういった従来型の発想はこの際、転換をすべきではないか。私は、大型店というのは、これは本当に地域の商店街をつぶす以外の何物でもない。地元の商店街がつぶれると、おくんちのようなお祭りもできなくなりますよ。こういった商店街が長崎のおくんち、長崎の文化を支えているんですから。これは大手のああいう店は全然、長崎の文化を支えるような役割は果たしてないでしょう。
そういう点でも、もう一度、再度のあなたのご意見をお願いしたいと思うんです。
それから、周辺事態法で、先ほど市長は一応、8月25日から施行されたことに伴いまして、いろいろな国と地方自治体の関係、それから長崎市議会でもああいった意見書を議決したという、そういうことも踏まえて、政府に対して十分な説明を求める要望書を提出したいと、こういうふうな答弁をされましたので、私もぜひこういった点は、政府に対してもっと物を言ってほしいと思うんです。これは被爆都市の市長だから、私は物が言えるところもたくさんあると思うんです、他の自治体の長よりも。
そういう点で、今の政府のこういった考え方、地方議会の決議などは、これは協力を拒否する理由にはならないと、こういうふうな勝手なことを言わせておくということはできないと思うんですね。私は、この政府答弁を新聞で読みまして、これは戦前と何ら変わらないと、こういうふうなことを感じましたし、そういう点を指摘しておきたいと思います。
米艦船の入港については、市長も非常に被爆者の思いを一方では頭に置きながら、一方ではまた、しかし、休養のため、親善のためというなら、これも断りきれないと、こういうことを先ほどおっしゃいましたけれども、私は、被爆都市の市長として、もっとその辺はきちんとして、今の時期に入ってくるということは、被爆者にとっても、長崎市民にとっても非常に好ましい状態ではない。しかも、今度入ってくる救難艦というのは、ことしの6月に佐世保の港を寄港地として配属された軍艦なんですね。そうすると、何も佐世保で十分に休養すればいいのに、わざわざ被爆地長崎まで、これが休養のためにということは、だれが考えてもこれはおかしいわけなんです。
市長が先ほど申しましたように、今まで10回ぐらいずっと入ってきましたね。それは全部、理由は親善と乗組員の休養なんですよ。ところが、その間、彼らがやってきたことは何かというと、長崎の港を隅から隅まで調べ上げて、私がこの間の議会でも明らかにしたように、長崎の港が将来、本当に整備、修理その他に使えるかどうかということも含めて港の調査をやっていますね。重要港湾の調査というものを43港、これは全国でやっているんですが、その中の1港が長崎なんですよ。ここでは相当具体的な調査が行われている。しかも、それは表面的には休養と親善のために来た人たちが、いつの間にかそういうことをやっているわけなんですね。これは市長の権限を侵していると、私は思うんですよ。
そういう点でも、私は、もっと市長はその辺にはきちんとした態度を取るべきではないかと、こういうふうに考えるわけですが、その点についてのお答えをもう一度賜っておきたいと、そういうふうに考えます。
43 ◯商工観光部長(土橋道良君) 柴田議員の再質問にお答えいたします。
今の「夢彩都」あるいは大型店についての地域商店街の影響といいましょうか、そういう私の答弁につきましてのお話がありましたけれども、基本的に、大波止に「夢彩都」あるいは「出島ワーフ」という新たな商業の集積がございます。これにつきましては中心商店街、要するに6商店街、浜町周辺にはございますけれども、商店街の皆さんともずっと協議を進めております。当初、そういう影響についての運動といいましょうか、そういうものもございましたけれども、最終的には、そういう集積が大波止にあれば、浜町周辺としても逆にプラス要因といいましょうか、向こうに流れるお客を取り込んで、より賑わいを大きくし取り込んでいくという、そういうふうな考え方で商店街の対応としては現在、努力をしているところです。
一つには、また
コミュニティバスも運行されますし、それと大型店を考える場合には、もちろん経済の市場原理もございますけれども、やはり消費者側からの視点も必要ではないか。要するに、ある意味での商品の多様さ、あるいは価格の面とか、あるいはアミューズメント性をもった大型店が出てくるとか、あるいは今回の「夢彩都」と駅前のビルで大体2,000人ぐらいの雇用があるということを聞いておりますけれども、やはりそういう雇用の面からも、雇用の創出の効果という面も見落としできないのではないかと、そのように考えているところでございます。
以上でございます。
44 ◯市長(伊藤一長君) 柴田議員の再質問にお答えいたしたいと思います。
主答弁につきましては、先ほど本壇でお答えをしましたとおりでございます。個人的にも、私も寄港はしてもらいたくないというのが、個人的にはそう思っております。しかし、そういうふうな目的で寄港されるんでしたら、これはやむを得ないことでありますので、ぜひ何としてでも原爆資料館を見て、そして被爆者の方々、あるいは被爆の実相、そういうものは確かめていただきたい。また、お帰りになりましたら、本国で家族だけではなくて、親しい方々にも、米軍の退役軍人の方が、やはりアメリカも含めて核兵器は持つべきでないということを証言された退役軍人も現におられることも含めて、この核兵器の恐ろしさと、人類と共存できないということも含めて、そういうふうなことも、私はまず現場に足を運んで見ていただくことも一番大事なことではないかと思いますので、私は、そのことはぜひ強くお願いをいたしたいというふうに考えておるところでございます。
以上でございます。
45 ◯42番(柴田 朴君) 市長、戦後の港湾法が、私は何回かこの本会議でも申しましたが、戦後の港湾法が制定されて港の管理をほとんど地方に今度は任せると、こういうことに戦後なったのは、やはり第2次大戦の反省からなんですね、これは。国が港の管理権を持っておけば、勝手に軍港にしたり、いろんな自分たちの都合のいいようにやってきたのは、第2次大戦時なんですよ。それを反省して、戦後の港の管理は地方に任せる。そして、地方住民の意向を十分に尊重して港の管理を決めていくというのが、大体、前後の港湾法の精神なんですね。
ところが今、新聞などのコメントを見ても、今度の県の対応というのは、日米安保条約で地位協定があるからコメントの立場にないと、こういうふうに全く国に任せっきりのような発言を県はやっていますね。これはいわゆる戦時中と全く同じ感覚なんですよ。港の管理は、今や国が持っているんではなくして県が持っていると、長崎の場合は。本当は、これは長崎は市が持たなければいけなかったんですが、やはり長崎が原爆でやられたために、市はそこまで手が回らないということで県に港だけは管理してもらうということで移行した、そういう経過があるわけですけれども、本当は地元住民の意向で港は管理をするのが本当なんです。
私は、そういう点を一つはしっかりと受けとめていただきたいと思います。
最後に、被爆地域拡大の問題です。私は今度、8月23日から内田助役を先頭に原援協で毎年行う陳情に行ってまいりました。この陳情の中で、地元の国会議員ともいろいろ懇談の場がありましたけれども、そのときに地元の国会議員のある人が、結局、これはもう当初に地域をああいうふうに行政区域で決めた、そこに大きな矛盾がある。そういう点は、国もよく知っているんだ。しかし、もう50何年たって、これを今さら訂正するわけにいかないからずっと続けているわけで、恐らく行政というのはそんなものではないですか。だから、そのときにその国会議員の先生が言われたのは、結局、国の方針を変えるとすれば司法の判断があることが一つは考えられる。司法で「これはやはりこうだ」という結論が出れば、三権分立の時代だから国も従わざるを得ないだろうと、こういうふうなことを、やはり非常にあきらめにも似たような格好で発言しましたけれども、私は、国の本質というのはそこにあると思うんです。
自分たちが当初間違った地域の設定をやって、そして、住民はその間違った地域設定を正そうとずっと50年間やってきた。ところが、それに対して今度は科学的な根拠をもって来いと、自分たちの当初の決定の仕方が科学的根拠がなかったにもかかわらず、それは反省せずに、我々にだけそのことを言っているんですね。こういう一方的なことを彼らは言っていると思います。
だから、私は、そういう意味では、こういった大衆的ないろんな証言調査を取りながら政府に物を言っていくということと同時に、場合によっては、そういう司法の判断も求めていくというぐらいの決意を持ってほしいと思いますよ。そうでないと、この地域拡大是正の問題は解決をしないと、そういう点を私はしみじみと感じてまいりました。
したがって、当面、市長がおっしゃいましたように、この生きた証言を集めて、そして被爆者を初め市民代表とか、あるいはまた議会の代表も含めて全力を挙げてこの証言を突きつけていく。そういうものを平成12年度の段階で実現をしたいと、そういうことでございますから、私もそれに期待をして、ともに頑張ってまいりたいと思います。
これで私の質問を終わりたいと思います。
46 ◯副議長(野口三孝君) 次は、43番山本誠一君。
〔山本誠一君登壇〕
47 ◯43番(山本誠一君) 日本共産党の山本誠一でございます。
質問通告に基づいて緊急雇用対策、保育所の待機児解消策、介護保険などについて質問しますので、市長並びに関係理事者の誠意ある答弁を求めるものであります。
最初の質問は、緊急雇用対策について。
総務庁が8月31日に発表した労働力調査によると、7月の完全失業率は4.9%で、戦後最悪の記録を更新し続けています。完全失業者は319万人で、前年同月に比べて49万人ふえ、雇用情勢はますます悪化しています。その最大の原因は、大企業が国際競争力を旗印にリストラ「合理化」による徹底した人員削減を進めていることにあります。民間ではリストラを進め、政府と自治体は福祉・教育の切り捨てを進める。これで一体、どうして雇用危機を打開できるのでしょうか。
ところが、政府は、さきの国会で、大企業のリストラを国民の血税投入で支援する産業再生法を強行成立させました。そして、同法案とセットで、緊急雇用対策事業として緊急地域雇用特別交付金の創設を打ち出したところであります。しかも、この交付金の実施に当たっては、新規雇用は6カ月未満の期間雇用に限定していることであります。この交付金が国から長崎県に20億円程度交付されると言われていますが、雇用拡大は余り期待できないと思います。しかし、こうした中にあっても、本市における深刻な失業・雇用問題解決のため最善を尽くすことは、地方自治体に課せられた責務であると思います。
そこで、次の点について質問いたします。
1点目は、市内における失業実態の把握について、どのように把握されておるのか。
2点目は、緊急地域雇用特別交付金の活用について、各所管から出されておる施策の集計結果が出ておれば、その結果を明らかにしていただき、今後の対応ついて明らかにしていただきたいと思います。
3点目に、緊急雇用対策の一環として、児童生徒の安全な学校生活が保障され、しかも、市内の中小企業に短期間であっても新たな仕事と雇用を生み出すことが想定される小中学校の危険校舎の改修計画を前倒しで実施するとすれば、どの程度の事業量が見込まれるのか、明らかにしていただきたい。
第2の質問は、保育所待機児の解消策ついて。
厚生省は、1998年10月1日現在の都道府県・指定都市・中核市別保育所入所待機児童調べを明らかにしました。これを見ると、全国の待機児童数は5万8,457人で、前年度の同時期に比べ約3,000人ふえています。この時期に、長崎市の待機児童数は692人で待機率12.1%で、九州各都市の中ではトップであります。中核市の中でも3番目に保育所待機児童が多い都市となっています。
こうした保育所待機児童の解消を図ることを目的に打ち出されたのが、少子化対策臨時特例交付金であり、本市への交付額は8億9,000万円が予定されています。
そこで、質問いたしますが、長崎市における保育所待機児童の解消策と少子化対策臨時特例交付金の活用方針について明らかにしていただきたい。
第3の質問は、介護保険について。
来年4月から始まる介護保険について、本市では、全国に先駆けて9月6日から介護認定のための申請受付が開始されました。しかし、市民の間からは、「このままでは保険料を払っても介護は受けられるのだろうか」などと不安の声が高まっています。どうして、こんな事態になっているのでしょうか。介護保険の出発は、年間10万人もの人が介護のために仕事をやめたり、介護者の4割以上が65歳以上という、高齢者が高齢者を介護する、いわゆる「老老介護」の実態をどう打開するのかということにありました。こうした介護保険の大事業を起こすなら、国がどれだけの財政で支えるかを第一に考えるのが当然であります。
ところが、政府は、国民的大事業にふさわしく国の負担、責任を果たすのではなく、これまで国と地方自治体が介護のために出してきた財政をこの機会に減らそうとしています。来年度は、国の負担を3,700億円、地方の負担を800億円、合計4,500億円も減らす計画です。2兆円を超える保険料を国民に新たに押しつけながら、まともなサービスもしない。大事業に税金を回さず、逆に、福祉から財源を取り上げることになれば、国民はそれこそ大変です。現在、3分の1を超える地方議会が国に対して財政支援を求めているのもここにあります。
我が党は、介護事業について、今の福祉を拡充させながら、保険と組み合わせて実施することを主張してまいりました。また、実施を目前に控え、政府案では「保険あって介護なし」に成りかねないので、最小限の対策を緊急に提案しています。
その内容は、まず政府の責任で実態を全国調査し、国民に報告する。2つ目は、実施に当たっては、最低限必要な制度改定を行う。基盤整備は、ホームヘルパー、特養ホームなどの目標を引き上げ、その達成の軌道に乗せる。保険料については、高齢者や低所得者の減免制度を確立するとともに、国民全体の負担を軽減する。利用料は定率1割負担の制度を緊急に見直し、低所得者への減免制度を拡充する。認定審査は、高齢者の実態に即した審査をする。3つ目は、保険料の徴収は、自治体のサービス不足の解消の道筋がつけられるなど、一定のサービス提供などの準備が整うまで延期する。4つ目は、低所得者がこれまでどおり無料でサービスを受けられるよう、利用者の暫定措置や認定から外れるお年寄りの救済策、自治体独自の補助、単独事業の打ち切りの中止などを提案しています。
こうした立場に立って、次のことを質問いたします。
1点目は、認定審査のあり方と認定除外者の救済策について。
2点目は、保険料・利用料の減免制度の確立について。
3点目は、介護慰労金など現行福祉事業の継続・拡充について。
4点目は、特養ホームの待機者解消のための基盤整備を行うことについて。
最後に、介護保険に関連して、国保税滞納者に対する資格証明書交付は中止すべきと考えますが、ご見解を明らかにしていただきたい。
以上、壇上からの質問を終わります。=(降壇)=
48 ◯副議長(野口三孝君) 市長。
〔伊藤一長君登壇〕
49 ◯市長(伊藤一長君) 山本誠一議員のご質問にお答えをいたします。
まず、保育所待機児の解消策と少子化対策臨時特例交付金の活用についてでございます。
本市の保育所待機児の解消につきましては、これまで国の指導による定員を超える受け入れや広域入所制度の活用により解消に努めてきたところであります。しかしながら、依然として、山本議員ご指摘のように200名程度の待機児を抱えている状況にあります。
このような状況の中、来年4月には東部地区に民間活力を導入した保育所の新設を予定しており、現在、その建設が進んでいるところであります。
また、去る7月11日に、国の緊急雇用対策補正予算が成立し、総額5,198億円のうち2,003億円が少子化対策臨時特例交付金として予算化されたところであります。この少子化対策臨時特例交付金について国が示しております用途につきましては、子育て支援あるいは少子化対策につながる事業であると各市町村が判断したものに活用すること。特に、その中でも待機児を抱える市町村においては、待機児の解消につながる事業から最優先で取り組むようにとのことであります。また、施設整備事業の場合、平成13年度まで活用してよいということになっております。
本市といたしましては、この特例交付金を有効に活用して保育所施設の増改築を進め、保育所入所定員の増員や低年齢児の受け入れ数の増加を図りながら、根本的な保育所待機児童の解消に今後とも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、介護保険についてお答えをいたしたいと思います。
まず、第1点の認定審査のあり方と認定除外者の救済策でございます。認定審査のあり方についてでありますが、要介護認定に係る1次判定のための訪問調査は、申請者の心身の状況に関する73項目と特別な医療に関する12項目とを合わせた85項目について訪問調査員が聞き取り調査を行うものであります。この訪問調査の結果を全国共通の1次判定用ソフトウェアを使用したコンピュータに入力をし1次判定を行いますが、この1次判定の基準につきましては、平成8年度から国指導のもとに毎年度実施されてきた要介護認定のモデル事業の結果を踏まえて逐次、必要な見直しがなされ、平成11年度において、心身の状況に関する73項目を中間評価項目としてグループ化する手法を取り入れた結果、安定した1次判定結果が得られることとなったところであります。
また、2次判定を行う介護認定審査会では、このコンピュータの1次判定のほか、調査員が訪問調査の際に記録した特記事項及び主治医意見書をもとに、要介護認定の審査判定を行うものでありますが、日常生活自立度の組み合わせによる要介護度別分布、要介護度別に示す状態像の例、要介護度別に見た中間評価項目の平均得点を参考に要介護度を決定していくとともに、従前は、2次判定において、申請者の心身の状況以外の状況である施設入所または在宅の別、住宅環境、家族介護の有無を根拠として、1次判定の結果を変更することはできないこととされていましたが、調査員が記録した特記事項または主治医意見書に記載されている内容に基づき、これらの状況が原因となって、介護に要する時間が延長または短縮していると判断される場合は変更を行うことができることとなっており、より申請者の実態に即した認定審査が行われることとなっております。
また、限られた時間の中で意を尽くした認定審査ができないのではないかとのご指摘でございますが、本市の介護認定審査会では5名一組で構成する複数の合議体による審査・判定を行うほか、介護認定審査会の会長及び各合議体の長から構成する運営委員会を設けまして、合議体での判定に疑義が生じる案件や1次判定と2次判定に大きく変動がある案件について検討を行い、各合議体における審査基準の統一化を図るなど、認定審査会の運営に当たっては、公平、公正な認定審査を行っていくための方策を取り入れているところであります。
次に、現在、福祉サービスを受けている人が「自立」と判定された場合の救済策をどう考えているのかということでございますが、去る9月6日から介護認定の申請受付を開始いたしております。この申請に基づく認定の結果、「自立」もしくは「要支援」と判定されて介護保険施設への入所ができなかったり、「自立」と判定されて介護保険サービスが受けられないといった場合に、高齢者が大きな不安を抱えてしまうことがないよう、事前に十分な対策を講じておく必要があると考えております。
これらのいわゆる介護保険対象外の方々に対するサービスでございますが、介護保険事業計画と調整を図りながら、現在策定中の老人保健福祉計画において、その対策を盛り込むことにいたしております。具体的目標あるいは推進方策につきましては、現段階では申しわけございませんが、お示しはできませんが、国が示している方針をもとに、考えられる方策等について、まずご説明をいたしたいと思います。
まず施設入所でございますが、現在、施設に入所している方が要介護認定で、「自立」もしくは「要支援」と判定されても、特別養護老人ホームに入所している方については、要介護者とみなして施設介護サービスが5年間受けられる経過措置がございます。また、老人保健施設に入所している方については、この施設が長期入所施設ではないため、特別養護老人ホームに適用される経過措置の期限は設定されておりませんが、老人保健法から医療費の給付を受けて引き続き入所できることとなっております。
また、現在、在宅のサービスを受けている方で要介護認定の結果、「自立」となった方に対する対策でございますが、介護サービスの対象外となる高齢者を念頭に置いた在宅高齢者に対する生活支援・生きがい・健康づくり対策等を内容といたします在宅高齢者保健福祉推進支援事業の骨格が国から示されたところであり、本市といたしましては、このような事業とあわせまして、高齢者の方ができるだけ要介護状態に陥らないための介護予防対策等も含め、高齢者の福祉保健施策が総合的な観点から充実するよう努めるとともに、高齢者の方々がいつまでも健康で生き生きとした毎日を過ごせるような施策を行うよう努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、保険料・利用料の減免制度の件についてでございますが、まず保険料につきましては、ご存じのとおり、65歳以上の第1号被保険者の保険料につきましては、低所得者に配慮し、所得段階に応じ5段階に分けて設定することとなっておりますが、その減免についてでございますが、介護保険法第142条で、市町村は、条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免しまたはその徴収を猶予することができることとなっております。この場合の減免措置とは、介護保険は公的な社会保険という給付と負担を原則としている制度上、災害等の特別な理由により一時的に負担能力が低下した場合などの特殊な状況が想定されております。
そこで、仮に、山本議員ご指摘のとおり、長崎市独自の減免を行うとすれば、基本的には、その財源を第1号被保険者全体で負担することとなり、その減免を受けない第1号被保険者との間に不均衡が生じることなどの問題も考えられますので、本件につきましては慎重な検討が必要ではないかというふうに考えているところでございます。
いずれにいたしましても、制度の枠組みの中での減免につきましては、これからも全国市長会等を通じ、引き続き国の方へ働きかけを行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、利用料の件についてでございますが、介護保険制度におきましては、ご存じのとおり、原則として介護サービスに係る費用の1割をサービス利用者にご負担いただくことになっております。また、この1割負担が高額になる場合には、高額介護サービス費として負担の上限額を設定することにより、本人負担の軽減を図るよう一定配慮がなされております。この負担の上限額でございますが、利用者負担が家計に与える影響を考慮して政令で定めることとされておりますが、現在の国の案では、標準世帯の場合、月額3万7,200円、市民税非課税世帯の場合、月額2万4,600円、市民税非課税世帯で老齢福祉年金受給者の場合、月額1万5,000円となっております。また、施設サービスを利用した場合には、1割の利用者負担とともに食費の標準負担が必要となりますが、この食費の標準負担も所得に応じまして、市民税非課税世帯等には低い額を設定するよう、現在、国において具体的検討が進められているところであります。
さらに、市町村が災害その他の厚生省令で定める特別の事情があると認める場合には、本人負担額が減免される措置も設けられております。この特別な事情とは、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財等の財産について著しく損害を受けた場合や、被保険者の主たる生計維持者が病気もしくは死亡、失業等により収入が著しく減少した場合等となっております。
そのほかに、制度施行時に特別養護老人ホームに入所されている方については、利用者負担及び食費の標準負担が現行の負担額を大きく上回らないように5年間の特例措置が取られることとなっております。
このような制度の中におきましても、一定の減免等の取り扱いが規定されておりますので、ご指摘の件につきましては、これらの規定を適用することで対応を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
3番目の介護者慰労金など現行福祉事業の継続あるいは拡充の問題についてお答えいたしたいと思います。
介護保険施行後においても、現在実施している介護保険対象外の一時的な福祉サービスを継続して実施し、その充実に努めるべきではないかというご指摘についてでございますが、先ほど申し上げました、現在、福祉サービスを受け、要介護認定の結果、「自立」とされた高齢者の方々への対策や、このような方々を含めた多くの高齢者の方が要介護状態に陥らないための予防的な対策とも絡めて、介護保険制度という新たな枠組みを補完していくことが重要な課題であるというふうに考えております。
国におきましても、このような観点から、本年度は生きがい対策、健康づくり、保健予防の観点をも加味した在宅高齢者保健福祉推進支援事業を拡充し、市町村が地域の実情に応じて選択して実施することを前提に、介護保険の対象とはならない福祉サービスや介護保険給付の対象とはならない高齢者向けの総合的な対策を示しており、平成12年度予算編成に当たっては、財源措置をさらに厚くする方向で検討しているというふうに聞いているところでございます。
また、これらの国庫補助事業とは別に、従来から市の単独事業として取り組んでいる対策といたしましては、高齢者への交通費助成事業を初めといたしまして、長寿祝金、介護者慰労金等があるわけであります。
いずれにいたしましても、今後の総合的な高齢者対策につきましては、平成12年度を初年度として策定いたします本市の老人保健福祉計画を検討していく過程におきまして、市民の皆様方のご意見をいただきながら、現行施策の評価や新たな施策の必要性の検討を十分に行い、長崎市の地域性を反映した施策をつくり上げてまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、特養の待機者解消のための基盤整備でございますが、本市におきましても、介護基盤の充実については、介護保険制度の実施を踏まえ、早急に対処すべき問題であると考えており、その整備に当たっては、平成6年度に策定いたしました長崎市老人保健福祉計画に基づいた整備を進めてきたところであります。
現在、特別養護老人ホームの待機者の状況は、在宅89名、病院入院が274名、老人保健施設入所が210名、その他の施設が13名の合計586名となっております。この待機者の解消を図るため、特別養護老人ホームの整備に努めているところでありますが、平成11年度目標の820床に対しまして、平成11年度着工予定分を含めて、これまで720床の整備見込みとなっておりましたが、国における緊急経済対策の一環としての特別養護老人ホームを初めとする社会福祉施設の前倒し整備が進められている中で、本市におきましては、目標に対しまして不足している100床分の特別養護老人ホーム整備について、今議会で社会福祉施設等整備費補助金の補正予算をお願いしている状況にございますので、何とぞ、よろしくお願い申し上げたいと思います。
介護保険制度施行後においては、要介護者が利用できる施設入所が特別養護老人ホームを初めとして、老人保健施設、療養型病床群、介護力強化型病院等となり、施設利用の選択肢は一定ふえることとなるわけであります。
これらの介護保険対象施設の今後の整備については、本年度策定中の介護保険事業計画の中で整備目標量を定めて、その整備促進に努めてまいりたいと考えております。
また、そのほかの主な介護基盤についての状況でございますが、ホームヘルパーについては、目標延べ派遣回数26万6,272回に対し、平成11年度末見込みで21万1,174回。デイサービスセンターについては、目標設置数31カ所に対して22カ所で、さらに整備を認められているものを含めまして23カ所となります。ショートステイにつきましては、目標設置数159床に対して127床となる見込みで、整備が認められているものを含めますと137床というふうになります。特に、ホームヘルプサービスにつきましては、現行制度においても民間事業者の参入が可能となっており、介護保険制度施行に際しては、かなりの民間サービス事業者の参入が予定されており、一定の整備が図られるものというふうに見込んでいるところでございます。
次に、国保税滞納者に対する資格証明書交付の中止の件でございますが、国民健康保険の資格証明書は、災害その他の特別の事情がないにもかかわらず、保険税を滞納している世帯に対して、被保険者証の返還を求め、それにかわるものとして交付されるもので、国保の被保険者間の負担の公平を図るとともに、悪質な保険税滞納者対策の一環として設けられているものであります。
なお、悪質な保険税滞納者とは、十分な負担能力があるにもかかわりませず、督促や催告を行っても納付相談や指導に応じず、滞納処分を免れるため意図的に財産の名義変更を行うような者などを想定しているところであります。
資格証明書の交付を受けた者は、保険医療機関などで診療を受ける場合に、被保険者証にかわってその資格証明書を提示し、一たん診療費用の全額を支払い、後日、保険者に対し、保険者が負担すべき療養費の支給を申請し、現金給付を受けるシステムとなっております。
資格証明書は、これまでは交付することができる規定となっておりましたが、平成9年12月の国民健康保険法改正により、12年度から、厚生省令で定める期間を経過するまでの間に保険税を納付しない場合においては、交付が義務づけられることとなったものであります。
本市といたしましては、資格証明書は診療を受けるための受診券ではないこと、受診する際に、一たん診療費用の全額を支払わなければならないことなどから、これまでは資格証明書の交付を見送り、短期保険証を初めとするさまざまな収納率向上対策に取り組んできたところであります。しかしながら、このたび国民健康保険法において、いわゆる悪質滞納者に対しての交付が義務づけられたわけでありますので、法の趣旨に該当する場合においては実施もやむを得ないものと考えているところであります。
なお、資格証明書の交付に向けては、厚生省令に一部委ねられているというところもあり、今後、十分に検討を深め、慎重に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
他の件につきましては、それぞれ所管の方からお答えいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。=(降壇)=
50 ◯商工観光部長(土橋道良君) 緊急雇用対策についてお答えいたします。
失業の実態をはかる指標につきましては、労働省が発表しております有効求人倍率があり、本年7月における全国の数値は0.46倍となっており、失業者数に占める非自発的失業者は、失業者全体の33%に当たる105万人となっております。同じく本年7月における本市を含む長崎公共職業安定所管内の有効求人倍率は0.34倍であり、月間有効求人数3,727人に対して、月間有効求職者は1万1,118人となっております。また、雇用保険加入者のうち、非自発的失業者は22%、352人となっております。
次に、緊急地域雇用特別交付金の活用につきましては、地方自治体における臨時応急の雇用及び就業機会の創出を図るために緊急地域雇用特別交付金が創設され、各市町村から長崎県へ緊急雇用対策事業計画書を提出することとなっております。
本市といたしましては、事業の円滑な実施を図るために、本年7月30日に緊急雇用対策連絡会議を設置し、迅速に対応することとしております。現在のところ、かなり多くの事業について計画書が提出されており、内容を現在、精査しているところでございます。県におきましては、提出された事業計画書の内容を精査し、県内各地域の雇用情勢を勘案しながら補助内示を行うことになっております。
以上でございます。
51 ◯教育長(梁瀬忠男君) 緊急雇用対策の3点目、危険校舎の早期改修についてお答えをいたします。
老朽化が見られます校舎等の整備につきましては、耐用年数等を考慮しながら、全面改築あるいは大規模改造事業、諸工事等により年次的に整備を行っているところでございます。加えて、これらのほかに小規模な補修で対応しているものもございます。
今回の国の緊急雇用対策事業につきましては、建築・土木工事は補助対象外であること、本事業により新規雇用者及び新規就業者が必ず含まれること等の制限が設けられております。
本市におきましては、学校施設の安全点検事業としての外壁調査などに活用できないか種々検討し、国にも照会いたしましたが、諸制約から今回の事業にはなじまないとのことでございます。
今後も本事業に対する国、県、他都市の状況の推移に留意しながら、活用の可能性がある場合には直ちに対応したいと考えております。
国がこのような雇用対策を打ち出した背景を考慮した上で、市としての事業費枠拡大等を行うことについてでありますが、現在までも各学校の状況を踏まえながら多額の財源を投入し、年次的に校舎等の整備を実施してまいったところでございます。今後も、子どもたちが安全で快適な学校生活を送れるよう、補助、起債事業等の事業費枠の拡大に向けて国・県に要望し、学校環境の整備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
52 ◯43番(山本誠一君) それぞれ答弁をいただきましたが、再質問をしたいと思います。
緊急地域雇用特別交付金について、現在、各所管からかなり多くの計画書が出ておる。大体、事業量、それを例えば保育所の場合は8億9,000万円に対して現在35億円というのが、一応、合計額として出されて、今から絞り込みがされておるようですが、商工観光部の方では、この問題ではどの程度、集約がまだできてないんですかね──できてない。できてないとすればあれですが、この問題は、ひとつ早急に把握をしていただきたいということ。そして、学校関係でも、今回の事業にはなじまない。そして、商工観光部関係でも、各所管から出た分はかなりの量に上るであろうと。ところが、国から県に来たのが20億円程度。この中で、県が10億円程度は確保すると言われておりますので、10億円が県下の市町村となると、長崎市には3億円か4億円来るのかな、来ないのかなという程度に絞られてくるかなと。そうすると、これで長崎市内の緊急雇用対策としては圧倒的に財源が足りません。そして、学校校舎の問題についても、危険校舎、これについては、現在、朝、校長先生は出勤をして、まず校舎内の安全点検から始めるんですね。「きょう、どこが崩れるか。崩れたら大変だ」と、ここから校長先生は、危険校舎の学校では実際、私も見て、そんな実態にあるんです。
私は、400名も500名も不登校生がある中で、教育問題で今、本当に大わらわのときに、この危険校舎の問題がこういう形で悩みの種になっておる。そして、これはいずれ市長、せにゃいかんわけです、子どもの安全のために。来年、大規模計画とか何とかがあれば、それはそれまで待つということだってできるかもしれませんが、5年、10年先に大事業計画ということになると、これは早急にせにゃいかん。いずれにしても、そこで問題になってくるのは、では、財源をどうするのか。県から来るのは、事業量も制約があるわけです。そして、内容にもある。
そこで、私は一つ提案なんですが、これは前議会で中野吉邦議員からも提案がございましたが、本市には300億円に上る基金がございますよね。これをこういう緊急事態のときに取り崩す、もしくは一時借入をするとか、こういう形での措置をするということで、国の緊急雇用対策が打ち出されたという、こういう情勢を背景に、長崎市内の雇用・失業対策に充てていくということも必要ではなかろうかというふうに思いますので、この問題について、ひとつ財政部長、ご見解を賜りたいというふうに思っております。
保育所の問題については、考え方を一つお尋ねしておきますが、現在、待機者が229名という形で、昨年10月に650名の待機者が、現在、どうして200名に減ってしまったんだろうか。これはからくりがございまして、実際、定員は5,268人に対して現在入所しているのは5,645人、定員をオーバーして入れていいという国の方針が出たからなんですね。だから、まさにすし詰め状態です。これは正常な状態ではありません。国の基準というのは、安全な保育をするということで定められた基準であるわけですから、こういう段階で、この問題については、だから、そういう点で377人分オーバーしておるにもかかわらず、229人のなお待機者がおるということですので、実質的には600人以上が基準に照らせば不足をするという事態ですので、これはひとつ早急に改善をしていただきたい。そして、定員増をもっとやっていただきたい。
その場合に、公立も私立も、そういう形で同じようにその対象には入れて検討されておるのかどうか、ここだけひとつお願いをしておきたいというふうに思っております。
介護保険の関係ですが、認定漏れの場合、認定漏れというよりも、介護認定から外されたお年寄りの救済対策をどうするかということについては、市長も在宅高齢者の保健福祉推進支援事業、これは本年度からスタートしましたが、国がまだ予算措置を講じていないという中でスタートができずにおりますが、既存の事業として、既に長崎市もやっているんですが、ここで一つ長崎市が採択していないのが移送サービスの問題です。だから、長崎は高台地区を抱えて斜面地を抱える。この斜面地における介護問題の移送問題をどうするかというのは非常に重要な問題ですが、国が在宅高齢者保健福祉推進支援事業の中では、配食サービスと同時に移送サービスの問題も非常に重点的な課題になっておるようですので、この移送サービスについて、現在、どのような検討がなされておるのか。これは来年4月を待たずして、私は発足すべきではないかと、国も11年度から発足したわけですので、この点、ひとつお尋ねをしておきたいというふうに思います。
まず、その点。財政部長の方と、2点についてお尋ねしたいと思います。
53 ◯財政部長(峰 繁紀君) 市単独の雇用対策を実施する場合、その財源として基金を活用してはどうかというご質問でございますけれども、現在の基金につきましては、それぞれ目的をもって設置されているわけでございます。現在、雇用対策を目的とした基金はございませんので、こういった目的基金の活用が可能かどうかは非常に難しいというふうに判断をいたしております。しかし、市税収入を中心として歳入が伸び悩んでいる状況の中でございますけれども、基金の有効活用につきましては、緊急雇用対策など個別の事業の財源としてどうかということではなくて、全体的に整理をしなければならない問題としてとらえております。
基金の有効活用につきましては、さきの議会、いわゆる中野吉邦議員さんのご質問にご答弁しましたように、行政需要がますます多様化している中で、当面、具体的な活用がなされていない基金、または設置当時の目的に合わなくなりつつある基金については、その再編も視野に入れながら根本的な見直しについて検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
54 ◯福祉保健部長(林 晃君) 再質問についてお答えいたします。
まず、第1点目の少子化対策臨時特例交付金のことでございますけれども、これについて、いわゆる保育所、公立、私立含めて検討しているのかということでございますが、一応、保育所の部分については両方を検討しておりますが、現在出されている要望等につきましては、大方が私立の分でございまして、ここら辺を優先的に検討していきたいというふうに考えております。
それから、第2点目の介護保険についての移送サービスのことでございます。
斜面地等移送サービス検討委員会における検討状況についてお答えをいたします。平成12年度より介護保険制度が施行されるに当たり、斜面地等に居住する高齢者の方々も居住環境にかかわりなく、等しく介護サービスを受けられるよう介護保険制度化でどのように移送サービスを位置づけるかも含めまして、現在、斜面地等移送サービス検討委員会において検討を行っているところでございます。同委員会をこれまでに6回開催し、斜面地における移動に関する問題点、移送サービスに対する需要の把握、斜面地における移送手段等について検討を重ねてきたところでございます。
その中で、具体的な移送手段としましては、短期的には訪問介護員(ホームヘルパー)等のマンパワーによる移送が中心となってまいりますが、中期的には階段昇降機やリフト等の活用、また長期的な対応としては道路整備等のハード事業も検討課題といたしているところでございます。
特に、去る8月31日に開催いたしました同委員会におきましては、移送サービスを利用目的別に整理し、その中で通所サービス等の利用のための移送、通院等のための移送、生活支援のための移送につきましては、健康維持及び日常生活に基本的に必要であるという観点から、介護保険制度、国の補助事業、市単独事業等、何らかの行政支援による移送サービスの提供を、さらに社会参加の促進のための移送につきましては、地域のボランティアシステムの構築及びネットワーク化を検討していく必要があるとの案を示し、ご審議をお願いしたところでございます。
したがいまして、この移送サービスをどのように介護保険制度の中で位置づけていくかにつきましては、今後とも引き続き財源のあり方も含めたところで一層論議を深め、本年10月をめどに最終的な取りまとめを行いたいと考えております。
以上です。
55 ◯43番(山本誠一君) ありがとうございました。
それでは次に、保険料・利用料の減免の問題については、市長は、特殊な災害その他については、現在は考えていないということなんですが、私は、この非課税所得の高齢者、低所得者、こういう層については、無料を含めた思い切った減免制度を講じなければ、とてもこの介護サービスを受ける対象になるべき人がなり得ないんではなかろうか。というのは、例えば長崎では無拠出の年金受給者が1,062人おりますが、月額3万4,133円です。そして拠出年金で、旧法での老齢年金で1万4,436人、月額で3万8,452円です。新法の老齢基礎年金で3万1,777人いますが、ここで月額5万1,846円というような状況にあります。
さらに、私は深刻だなと思うのは、月額1万5,000円以上の年金の場合は、これは市町村が決定した保険料で年金から差し引くという形になるわけですが、月額1万5,000円以下の年金者については、市町村が特別徴収するとなっておりますよね。私は、その1万5,000円ぐらいの年金しかもらっていない人たちからどうして取れるんだろうかと。この点について、長崎市の実態は、私は1万5,000円以上の部分については今、言いましたけれども、1万5,000円以下の長崎市が特別徴収をする対象者は現時点でどれくらい把握されておるのか、この点、ひとつわかっておれば明らかにしていただきたいなというふうに思います。
56 ◯福祉保健部長(林 晃君) 今、ご質問の人数については把握しておりません。
57 ◯43番(山本誠一君) 昨日は、社会保険庁に問い合わせをして実態を聞くということだったので、私は、それ以外のものは自分で調べましたが、その部分だけはわからなかったので、あえて聞かせていただいたわけですが、わかった時点でお答えいただきたい。
しかし、いずれにしても、こういうボーダーライン層からも無慈悲的に保険料は取られる。そして、保険料を納めなければこの人たちの介護サービスが受けられなくなるんですよね。これがまた大変なことになっていく。
そういう点から、この問題ついては思い切った、そうした非課税所得に対する減免制度を他都市ではそれぞれ自治体独自で措置がされておりますので、ぜひご検討をお願いしておきたい。これは要請しておきたいと思います。
1つは、国保税の滞納の問題ですが、これまでは、旧法では被保険者証について返還を求めることができるというふうになっておった規定が、今度の改正法では、これを求めるものとするという形で義務づけられたわけですが、しかし今、市長も言われたわけですが、私は、これはあくまでも資格証明書の発行というのは、これは国の通知でも出されているように、保険料を滞納している場合であっても直ちに被保険者証の返還を求めるのではなく、督促、催促等を通じても保険税の滞納が続く場合は、被保険者証の返還を求めることがあることなどを連絡し、あわせて十分な納付相談や指導を行うことにより滞納者の実情を把握することが必要である。そして、納付相談や指導を通じても対応が不可能であると認められる場合、すなわち、十分な負担能力があると認められる人、意図的に差押財産の名義変更を行うなど滞納処分を逃れようとすると、こういういわゆる悪質滞納者という形で限定をされてくると、実質的にその適用というのは極々限られてくるのかなということになってまいります。従来、長崎市は、この資格証明書の発行以前、1年前から、これは中曾根内閣のときに資格証明書が出てきたんですが、その1年前、本市では短期保険証の交付というのが始まりました。そして、今日まで資格証明書の発行はしてきませんでしたけれども、今回の措置であっても、短期保険証の従来の方法については今後継続をする。そして、7月、8月には、伊藤市長になってから、2カ月ではございますが、未申告者に対しても短期保険証を郵送するという措置を取っておるんですが、これは引き続き継続をされるというふうに理解していいかどうか、この点、ひとつお尋ねしておきたいというふうに思います。
58 ◯市民生活部長(松島興紀君) 資格証明書は、先ほど市長から答弁もございましたが、極めて悪質な者への交付が想定されておりますので、対象者としては、議員おっしゃるようにかなり限定されてくるものと考えております。これは今後、厚生省令が出て細かいことが決められますので、確定的なことは申せませんが、そういった限定されてくるということだけは間違いがないと思っております。
これに対しまして、短期保険証は、一定の滞納のある者に交付して、保険証の更新の機会をとらえまして納税相談あるいは指導を行いまして収納率の確保につなげようという趣旨のもとに行っているものでございますので、これは今後とも引き続き実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
59 ◯43番(山本誠一君) わかりました。
それでは、先ほど市長、介護慰労金とか老人交通費助成事業とか長寿祝金とか、こういう措置については、今後、検討していきたいということだったんですが、どうも市長の答弁の中に含まれているのは、介護保険全体の中で、この事業は打ち切っていこうというお考えがおありなのか。それとも、これは継続していこうというお考えがあるのか。あえてこのことをお尋ねするのは、3月議会、6月議会で我が党が確認したように、市長は、現行の福祉水準は後退させないように鋭意努力するという答弁をされたんです。私は、その範疇の中にこれは入ってくると、継続・拡充することはですね。拡充はこれからの問題ですけれども、継続は含まれるというふうに思うわけですが、この点、介護慰労金については6カ月以上のねたきりの方に、この家族介護に対して年間6万円の支給が現在されて、358世帯に交付をされておるようですけれども、この問題は、私は家族介護者に対する激励措置としても継続すべきだというふうに思うわけですが、あえてご見解を求めておきたいというふうに思っております。
60 ◯市長(伊藤一長君) 山本議員の再質問にお答えいたしたいと思います。
来年4月から実施されます介護保険制度で、山本議員も質問で何回も言われているみたいに、長崎にとりまして一番頭が痛いのは、また一番大切なことは、斜面市街地にお住まいの方々に対する対策、あるいは平地にお住まいの方でも、いわゆる高層にお住まいの高い建物の上の方にお住まいの方々、また同じ平地でも路地を終えて中にお住まいの方々、そういういろんな長崎の独特の地理地形等も含めた形のところにお住まいの高齢者の方々も含めて、できるだけ行政として平等な形で、公平な形で、公正な形で、この介護保険の導入も含めて、高齢化社会というものを快適に過ごしていただき、しかもご長寿していただくということが私は大事なことではないかなというふうに思います。
こういうことを視野に置きながら、先ほど壇上でも申し上げましたけれども、来年度、高齢者の福祉計画の長崎市老人福祉計画の見直しの時期、来年度新しく実施するということも含めて、根本的に全般的な形の見直し等も含めた、また充実等も含めた、そういうものを公平な形、公正な形でしなくてはいけないんではないかなというふうに私は考えております。
ですから、確たる答弁にならなくて大変申しわけないんですけれども、先ほど壇上でお答えいたしましたように、これはいろいろな団体の方々、もちろん老人クラブも入りますし、民協も入りますでしょうし、社会福祉協議会とかいろんな方々も入っていただいた中での老人福祉計画の見直しの作業、この中で全般的に今までやっている施策等も含めた形を充実するのかどうかというふうなことも含めて出てくるのではなかろうかなというふうに思います。
例えば一例を申し上げますと、今、山本議員は6万円の話をされましたけれども、認定を受けた方でも最低、ご自宅から施設に通う場合、あるいは病院に通う場合を含めて、介護サービスを受けるときには、これは1割負担に当然なるわけでありますし、では、認定を受けられなかった方で、通常は自宅内で何とか食事とか洗濯とか入浴とかできるんだけれども、外に出るときにはちょっと介添えがなくてはできないよというふうな方々に対してはどうなのかという問題も含めて、これは相当すそ野が広いし、根が深い問題が実は長崎の場合はあります。
そういうことを含めた形で、総合的な視野に立った形でたくさんの方々、できれば満遍なく公平な形で、平等な形で満足していただける、そういう形でもっていければいいんだけどなと、これはごみ出しの問題等も含めてそうですけれども、この辺も含めた問題になろうかと思いますので、それも含めた形での庁内全部、そして市民の方々も含んだ、そういう討議を得る中での施策の見直しというのは大事なことではないかなと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
61 ◯43番(山本誠一君) 市長、お忘れなく。現行福祉水準は後退をさせないということを本会議場で数回、述べておられますので、その範疇の中には、こういう市民の切実な要求に基づいて今日まで培われてきた事業は継続されるものということが一般的な理解としてもされるし、私自身もそのように理解しておるということをあえて指摘をしておきたいと思います。
最後に、介護保険の問題については、私も昨日、ある在宅介護者のお宅に行って、本当に胸を打たれました。ご主人が66歳で、昨年9月に脳挫傷で倒れられて完全なねたきりです。コミュニケーションは全く取れません。奥さんが主な介護者でございますけれども、3時間ごとにおむつの交換、そのための体位交換が必要なんですが、往診が月に1回、訪問看護が週に2回、ヘルパーが1日4回、だから月にすると120回になるんですね。おむつ交換で午前0時30分、そして午前10時30分、午後2時というような形で、入浴サービスを週に1回受けながら、奥さんは週に2回、ヘルパーさんが来ていただいたときだけ3時間ずつ自由に開放されるという方なんです。
この方の介護保険が適用されたらどうなるのかという形でざっと計算をしてもらったんですが、何と要介護で35万円が限度額ですが、この場合は54万886円になると、それから35万円を引くと19万886円が上乗せになります。これは完全な個人負担になるんですね。これにサービスの利用料の1割、3万5,000円をプラスすると22万5,886円、これではとてもじゃないけれども、受けることはできない。だから、自分の場合は在宅介護で一生懸命頑張っておったけれども、深夜のヘルパーの分を削らざるを得ないと、いわば要介護認定では「5」と認定されても経済的な負担によって介護サービスをみずからが低下をさせなければ耐えられないというような、こんな事態が起こってくるわけです。
だから、私は、この上限の設定というのが非常に大きな問題としてあるわけですが、この奥さんは、「それであっても私は家族介護者の負担が軽くなると思っておったと、介護保険になれば。しかし、全然違うんですね。これから先の人生が真っ暗になった。しかし、嘆いてばかりはおれません。私は一生懸命、これからも在宅介護で頑張ります。そのことがご主人の表情が一日一日変わっていくんだ」ということを言いながら、必死に在宅介護で頑張っておられる姿を見て、こういう方にこそ、本当に安心できる介護保険制度が実施をされるべきだと、この問題を特に私は強調いたしまして、そして、負担が耐えられないばかりに介護サービスを受けられないと、こんな悲惨な事態が起こることがないように、ひとつ本市においても十分な施策を講じていただくことを強く強調して、私の質問を終わります。
62 ◯副議長(野口三孝君) 本日の市政一般質問はこの程度にとどめ明10日午前10時から本会議を開き市政一般質問を続行いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
=散会 午後3時0分=
──────────────────────────────────────────────
上記のとおり会議録を調製し署名する。
平成11年11月8日
議 長 野 口 源次郎
副議長 野 口 三 孝
署名議員 吉 原 日出雄
署名議員 田 中 洋 一
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