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1997-09-12 長崎市:平成9年各派代表者会 本文
1997-09-12 長崎市:平成9年第3回定例会(2日目) 本文

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  1. 長崎市議会 1997-09-12
    1997-09-12 長崎市:平成9年第3回定例会(2日目) 本文


    取得元: 長崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(奥村修計君) 出席議員半数以上であります。これより議事日程第2号により本日の会議を開きます。 日程1  市政一般質問 について、これよりお手元に配付いたしました質問通告表により、順次、市政一般質問を行います。8番板坂博之君。       〔板坂博之君登壇〕 2 ◯8番(板坂博之君) おはようございます。  質問通告に従いまして質問をさせていただきます。市長初め関係理事者の明快なご答弁を期待するものであります。  最初に、長崎新幹線建設促進について質問をいたします。  整備新幹線は、ご存じのとおり、全国を縦貫する高速交通体系の主軸として、全国新幹線鉄道整備法に基づき昭和48年に決定されたもので、既に営業中の東海道新幹線や山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線とともに国土の背骨として国土の均衡ある発展を促す重要な路線であります。なかでも長崎新幹線は、特に本市にとっては、商業の活発化や観光産業の振興など長崎市の活性化を進める上で欠くことのできない大動脈として、市民、県民がその導入を待ち望んでいるものであります。  九州新幹線長崎ルートについては、これまで昭和47年12月に基本計画が決定して以来、昭和48年に整備計画の決定、昭和61年には環境アセスメントルートの発表が行われましたが、昭和62年4月の国鉄民営化によるJRの発足により、その採算性が問題とされ、福岡、佐賀、長崎の3県知事の調整により平成4年11月には、知事のまさに苦渋の決断として、武雄-大村間をほぼ直線で結ぶいわゆる短絡ルートが地元案として決定されたのであります。この短絡ルートによる長崎新幹線の計画は、当面、福岡市から武雄市までは在来線を活用し、武雄市から長崎市までは短絡ルート新幹線規格新線を建設してスーパー特急を運行させるという、時間短縮を図りつつ事業費を抑えた計画となっており、長崎市から福岡市間の総延長148キロメートルで、うち新線区間約66キロメートル、所要時間は約80分で、現行ダイヤより約40分の短縮、平成8年の長崎県の推計によりますと、新線区間の建設費は3,500億円となっております。  長崎新幹線の建設促進については、本市議会としても、これまで昭和46年12月定例会における全会一致の国鉄長崎新幹線建設促進に関する要望決議を初めとして、つい最近は、昨年6月定例会における九州新幹線長崎ルートの早期実現に関する意見書の採択まで4回の決議を行ってきました。また、これまで長崎新幹線建設期成会の活動にも積極的に参加し、特に昨年12月には、議会開会中にもかかわらず日程をやりくりして、議長、副議長、各会派代表者による中央要請行動に取り組んでまいりました。  このような議会の活動とともに、県、市、民間のこれまでの取り組みが実を結び、昨年12月25日の政府・与党合意による基本スキームにおいて、長崎ルートについては、県境トンネル難工事推進事業及び長崎駅駅部調査が盛り込まれ、着工の道筋が示されましたことは、皆様ご承知のとおりであります。しかしながら、着工の時期については、政府・与党の委員で構成される検討委員会において、収支採算性等もろもろの要件を勘案し決定されることとされ、いわば先送りされた状態となっております。  一方では、財政構造改革論議の影響を受けて、整備新幹線の新規着工は厳しい環境にあり、特に最近の新聞報道等によりますと、「新幹線未着工区間の着工順位について、東北新幹線北陸新幹線九州新幹線鹿児島ルートの3区間を優先的に検討し、収支採算性の見通しなどをもとに、11月までに決定することを決めた」とされ、長崎ルート北海道ルートについては後回しといった論議も見受けられるようで、極めて厳しい環境に置かれているようであります。  このような情勢の中で、7月30日に東京で行われた九州新幹線長崎ルート建設促進総決起大会には、市長、市議会議長がそろって出席し、関係省庁への陳情を行ってきたとのことでありますが、長崎市長として、九州新幹線長崎ルートの重要性をどのように認識されておられるのか。長崎新幹線の建設促進に向けた市長のご所見と今後の見通しについてお伺いをいたします。  また、長崎ルートの着工に向けての課題の一つとして、並行在来線の取り扱いの問題があると考えられますが、これについて、どのような現状にあるのか、お尋ねをいたします。  次に、人口問題について質問をいたします。  本市における人口の推移は、戦後から昭和50年ごろまで一定の増加を続け、その後しばらく停滞し、昭和63年以降からは毎年1,000人から1,200人程度の人口減の一途をたどっていることは、ご承知のとおりであります。本市の第三次基本計画においては平成12年の人口目標を45万人と設定されております。また市長は、長崎市を活性化する方策として、選挙公約においても「県都長崎市の人口減少にストップをかけます」と明快に言われておられます。しかしながら、本市の人口は今も減少傾向にあり、また、九州の県庁所在市の中では唯一減少している状態にあります。このままでは45万都市への望みはほど遠くなり、場合によっては40万を割りかねない状態となることも危惧されています。  したがって、県都長崎市を活性化するためには、当面、人口流出の抑制策が本市の大きな課題であり、人口流入策により人口増を行い、将来は45万都市を目指していく方策を講じていくべきだと考えます。  私は、常々市職員の皆様が活気あふれる長崎のまちづくりのために一生懸命取り組んでいる姿に深く敬意を表しているわけであります。が、ただ一つ理解できないことがございます。それは市職員4,549名(平成9年4月1日現在)のうち822名、約18%の方が市外地に居住しておられることであります。行政に携わる人は、市民とともに暮らし市民の悩みを肌に感じながら、行政に市民の心を反映させていくべきだと私は考えているからであります。例えば市外に居住していても、きちんと行政ができていればいいではないか、居住は個人の自由ではないかという人がおられるかもしれません。確かに法律に違反しているわけではなく、個人の自由であります。  また、いろいろな理由で市外に居住されていることと思いますが、市長自身が45万都市を目指して、人口の減少にストップをかけようと政策を立案、実行されておられるのに、身内であるべき市職員がどんどん市外へ流出している事実はどうしても納得できないものがあります。このままの状態でいきますと、恐らく5年後、10年後には、市職員の1,000人から1,500人は市外居住者ということになりはしないかと心配をいたしております。
     長崎市の人口減にストップをかけるのであれば、まず市職員みずからが長崎市に住んで、市民の皆様とともに長崎市活性化のために頑張っていくべきではないでしょうか。人口減、高齢化は、今や全国市町村の課題となっておりますが、何らかの具体策を講じ、その実現に向かって努力をしないと本市の活力を損なう結果となることは火を見るよりも明らかであります。  そこで質問をいたします。  1.本市の人口の推移とその主な要因は何なのか。  2.本市の人口が減少していることの基本的認識をどのように持たれているのか。  3.人口の減少に歯どめをかけるための方策として、どのような対策をされようとしているのか。  4.市職員の市外居住に対する見解をお尋ねしたい。  以上4項目についてご答弁をお願いいたします。  最後に、指名競争入札について質問をいたします。  建設産業としての地元企業が公共工事を通して活力ある長崎市の経済発展を支え、また、社会資本の整備を図る上で重要な役割を担っていることは申すまでもありません。  我が国においては、明治33年に指名競争入札制度が創設されてより、約90年にわたり地方公共団体の公共工事の入札契約制度としては指名競争入札が基本となっております。一部の地方公共団体において、公共工事をめぐる不祥事が発生し、公共工事の構造に対する社会的な批判の中で盛り上がり、公共工事の入札、契約制度のあり方が問われております。  長崎市の公共工事発注は、平成8年度全体で契約件数1,524件、請負金額約464億円であります。そのうち契約件数1,171件、請負金額約431億円と全体の約93%が指名競争入札であり、本市としては、大部分の公共工事が指名競争入札で行われております。市長は、常々「公共工事の発注に当たっては、地元建設業者に対する受注機会の増大に努めるとともに、地元建設業者専門工事業者等を活用して、円滑かつ効率的な施工につきましては、できるだけ分離、分散して行うように配慮しております。また、業者の選定に当たりましては指名の公平性を確保し、恣意的な運用を排除するための手段として、本市の指名基準に基づく適正な指名が行われるよう業者選定委員会の議を経て行うこととしております」と発言なさっておられ、入札の公平、公正を期すべく努力をなさっておられることは十分に理解をいたしているつもりでおりますが、しかしながら、入札参加者の指名方法及び指名回数あるいは等級別発注が適正に行われているかについては疑問の点があります。  市長は、指名競争入札制度のあり方について、どのような見解をお持ちなのか、お尋ねをいたします。  以上、本壇からの質問を終わります。=(降壇)= 3 ◯議長(奥村修計君) 伊藤市長。       〔伊藤一長君登壇〕 4 ◯市長(伊藤一長君) 皆様、おはようございます。  板坂議員の質問にお答えをいたしたいと思います。  まず、長崎新幹線の建設促進についてでございます。  長崎新幹線は、板坂議員ご指摘のように、主要都市との時間距離を短縮し、人、もの、情報の交流を活発化することにより、観光や商業など地域産業の振興を促すものと期待しており、その建設促進を強く働きかけているところであります。  平成8年12月25日に決定された新しい基本スキームにおいて、九州新幹線長崎ルートにつきましては、県境トンネル難工事推進事業及び長崎駅駅部調査が実施されることとなりましたが、この長崎ルート関係の事業を含め、今回決められた政府・与党の合意事項は、平成30年までに実施すべき事業の内容と事業規模について全体枠を示したものとなっており、具体的な優先着工順位、各線区ごとの事業費等は、政府・与党からなる検討委員会において収支採算性、JRの同意等の要件を勘案し決定されることとなっていることは、ご承知のとおりであります。  検討委員会は、本年7月15日に発足をし、8月26日に第2回が開催されたところであります。検討委員会における論議の内容としましては、これまで、検討項目として収支採算性の見通し、受益の範囲を限度としたJRの貸付料等の負担、用地確保の見通し、並行在来線の経営分離についての沿線地方公共団体の同意の取り付け、JRの同意、投資効果の6項目とすること。検討の順番として、工事実施計画認可申請が既になされている東北新幹線(八戸-新青森間)、北陸新幹線(長野-上越間)及び鹿児島ルート(船小屋-新八代間)の検討を行い、その後長崎ルートなどその他の区間の検討を行うこと。毎月2回から3回程度の会合を開き、11月下旬までに結論を出すこと等が決められていると聞き及んでおります。  したがいまして、このスケジュールに合わせて長崎ルートの必要性や地域に及ぼす効果といった面を今後、強く訴えていきたいと考えております。  これまでの取り組みといたしましては、奥村議長にもご出席をいただきまして、7月30日に東京におきまして、議員ご指摘のように、福岡、佐賀、長崎3県からなります約500名の参加を得まして、九州新幹線長崎ルート建設促進総決起大会が開催されまして、(1) 武雄温泉から新大村間について平成9年度、早期における駅・ルートの公表と環境影響評価の実施、(2) 武雄温泉-長崎間における工事実施計画認可申請の早期実施及び県境トンネル難工事推進事業の着手、(3) 長崎駅駅部調査の早期実施、(4) 計画駅として嬉野温泉駅の設置、(5) 公共事業費重点配分等建設財源の安定的確保及び地域負担についての財源措置の充実強化の5項目の要望を決議し、早速、陳情を行ったところであります。これらの項目については、今後とも長崎新幹線建設期成会を軸に要望を続けてまいりたいというふうに考えております。  特に、本市に直接かかわりのある項目であります駅部調査は、長崎ルートのターミナル駅として駅周辺部の再開発が急務となっております新幹線長崎駅について、国の調査を行っていただくものであり、基本スキーム決定後の本年2月及び7月の2回、長崎県知事と長崎市長の連名で国に対し強く要望を行ったところであります。この長崎駅駅部調査は、今年度より進めております長崎駅周辺地区再整備検討調査との関連も深い事業でありますので、早期に実施されるよう今後ともあらゆる機会をとらえ要望してまいりたいと考えております。  次に、並行在来線のご質問でございますが、昨年11月に、JR九州は新幹線開業後、その経営から分離する区間として、長崎本線の肥前山口から諫早間ということを表明いたしました。このJR九州の表明を受けまして、長崎県、佐賀県及びJR九州の三者で、この区間を鉄道で存続する第三セクター案を策定し、地元沿線市町に提示しているところであります。この第三セクター案は、旧国鉄松浦線の経営分離後の第三セクター案であります「松浦鉄道」の実績を基礎とし、コストを大幅に縮減するとともに、列車の本数、駅数もふやすことによって地域住民の生活の足として利便性を高め、乗客増を図ることとしており、平成5年度以降、黒字経営を続けている松浦鉄道並みに健全経営を維持することが可能と判断されております。  並行在来線問題に対する佐賀県の姿勢は、長崎新幹線が21世紀に向けた佐賀県の産業、文化等の発展に寄与する重要な交通基盤であると規定した上で、沿線市町の理解を求めるべく強力に折衝を続けると表明しており、両県が一体となって、その解決に努力していくということでありますので、期待をしているところであります。  九州新幹線長崎ルートの建設促進については、今後とも市議会の皆様方のご理解とご協力をいただきながら、長崎新幹線建設期成会を軸に県、市、民間が一体となって中央への働きかけを行っていきたいと考えておりますので、今後とものご協力とご理解方をよろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、人口問題につきましてお答えをいたしたいと思います。  本市の人口は、議員ご指摘のように、昭和60年1月末の45万732人をピークといたしまして、平成7年10月の国勢調査では43万8,635人、平成9年7月末現在では43万2,850人となっておりまして、この12年間で1万8,000人近く減少をしております。  この要因を転入・転出人口の差であります社会動態と出生数・死亡数の差であります自然動態の両面から分析をしてみますと、まず転入・転出人口の差につきましては、毎年約3,000人が減少している状況であります。平成8年中の転出先につきましては、県外転出者が全体の59.2%を占め、残る40.8%が県内転出者となっております。県外への転出先でございますが、福岡県が突出しておりまして、次いで東京都、熊本県、佐賀県、神奈川県、大阪府となっております。首都圏もしくは九州の隣接県、関西方面へ多く転出しているという結果になっております。県内への転出先でございますが、長与、時津、多良見、三和町など本市と隣接をする西彼杵郡が突出をしており、続きまして佐世保市、諫早市といった順になっております。  このことは大きく2つのパターンがあることを示しているものと考えられると思います。1つは、就労先及び大学等の進学先として九州内では福岡県へ、次に首都圏へと転出が起きていること。2つ目は、就労先や通学先は長崎市のまま、住居だけを近隣市町に求めて転出するという傾向であります。  次に、出生数と死亡数の差につきましてでございますが、出生数が死亡数を上回っており、年1,000人ほどの増となっておりますが、その差は年々小さくなってきております。これは女性の高学歴化や社会進出を反映して出生数が下がるとともに、高齢化社会を迎え高齢者の絶対数がふえ死亡者数がふえているためだと考えられると思います。  さらに、人口の年齢構成の面から見てみますと、少子化傾向とあわせまして20代、30代の人口の再生産が可能な階層の減少が見られ、このことが人口減にさらに拍車をかける要因となっているものと思われます。  人口は、都市の活力を左右する重要な指標の一つであります。都市経営の視点からも人口は財政基盤の基礎であり、各種都市基盤等を整備する容量にもかかわるものであります。都市として人口の減少が進行することは、都市整備上も不効率となるばかりか、特に都心のスプロール化、若年層の人口減少は都市の活性化にとって大きな阻害要因となっております。したがいまして、人口定住化は、本市にとって重要な行政課題であると認識しているところであります。  そこで、その減少に歯どめをかけ定住化を図るためには、職・住・遊・学の分野においてバランスのとれた安心して住めるまち、魅力あるまちを整備し、ハード・ソフト両面でのまちづくりを行う必要があると考えております。  昨年度策定いたしました長崎市総合計画第三次基本計画では、これらの傾向を踏まえながらも、西暦2000年の目標人口を45万人と設定いたしております。これは現在の人口減少の流れに歯どめをかけ、長期的には人口増へと転じようという意図を込めて目標設定したものであります。計画期間内に取り組む主要課題を明確にし、これに対応する施策・事業に重点的、優先的に取り組むことで、目標人口の達成に向けて最大限の努力を傾けているところでございます。  まず第1に、人口の受け皿対策といたしましては、公営住宅の建設促進、土地区画整理事業による計画的な市街地整備を進めるとともに、民間開発を適正に指導・誘導して良好な居住環境の創出を行います。また、斜面市街地再生事業、市街地再開発事業、優良建築物等整備事業など土地の高度利用や市街地更新を進めることで、職・住近接した住宅を供給し、中心市街地への人口の呼び戻しを促してまいりたいというふうに考えております。  第2に、雇用の確保を図る「職」政策においては、地場産業の育成強化を図るとともに、観光、コンベンション、都市型リゾートの分野での新たな起業化を図る必要があると思います。  第3に、都市の活性化の源となります若年層の定住化を図るために、既存の短大や大学等の拡充を図るほかに新たな高等教育機関の市内誘致なども検討する必要があろうかと思います。  第4に、市民の要望に応える文化・スポーツ施設の整備、さらに少子化対策として、安心して子供が産み育てられる環境整備も必要であると考えております。  このような各分野にわたる総合的な施策の展開を行いながら、本市の居住環境の向上と産業の活性化を図り、安全で快適な生活の場、魅力あふれる働く場の創出を行うことで人口減少に歯どめをかけ、さらに交流による昼間人口の拡大をも目指してまいりたいというふうに考えているところでございます。  次に、市職員の市外居住の件についてでございます。  板坂議員ご指摘のとおり、平成9年4月1日現在で特別職、嘱託員を除きます4,549人の市職員中822人、率にいたしまして18%の皆さん方が市外に居住をしております。私は常々、市職員が長崎市に対する愛着心、郷土愛といった意識を持つこと、また、勤務を離れた日常生活において地元の人と直接肌を接することにより市民が市政に対し、どう考えているのか、何を望んでいるのかを知ることにより、それを市政にどのように反映させるのかという意識を持つことが真の意味での地方行政を担っていく上で大切であり、そのことがひいては地域の活性化、市政の発展につながると考えております。そういう意味から、市職員は市内に居住することが理想であるということは言うまでもありません。  しかしながら、議員もご指摘になりましたように、また皆様方よくご存じのように憲法におきましては、「何人も公共の福祉に反しない限り居住、移転及び職業選択の自由を有する」と規定されているように、居住は自由であり、また現在の長崎市の住宅事情、市外周辺部から市内への交通事情の利便性、個人に内在する諸問題等を勘案する場合、市外居住者に対し市内へ居住を求めることは非常に困難ではないかというふうに思っております。  ただ、さきにも述べましたように、市内居住が理想であり、現に、管理職の方では、市外から市内に移っていただいた方もいらっしゃいます。そういうことも含めまして、職員の一人ひとりの方々が意識することが大事であるというふうに考えておりますので、板坂議員のご質問を私どもも真摯に受けとめながら、今後とも職員の皆様方のご協力を仰ぐように頑張ってみたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  質問の最後でございますが、指名競争入札制度につきましてお答えをいたしたいと思います。  公共工事における建設業者の指名選定に当たりましては、各事業部におきまして発注標準を遵守し、指名回数及び発注状況を考慮しながら指名の機会均等に努めておるところであります。その際には、指名基準に基づき工事成績、発注工事に対する技術的適正、手持工事、技術者の配置状況、地域性、経営状況などを判断して決定することにいたしております。また、競争入札の有資格業者の申請受付に際しましては、登録できる工種の数は制限しておりませんので、専門とする工種以外の工種にも登録したり、総合建設業者で登録工種が多い場合などがありまして、各部局におきまして一様に指名の均等化を図ることは困難な場合があることも事実であります。  いずれにいたしましても、指名競争入札におきましては、指名回数の均等を図る必要性は十分に認識しておりますので、今後ともその均等化に努めてまいりたいと考えております。  指名競争入札におきましては、本市の指名基準に基づき発注する工事の予定金額に対応する等級に属する有資格業者を指名することを原則とすることで徹底しているところでありますが、工事内容によりましては、特殊の技術を要する場合、緊急を要する場合等、特別の理由がある場合に限りまして、直近の上位または下位から指名を行うこともできることといたしております。  指名選定の発注標準につきましては、第1指名委員会、第2指名委員会において、今後とも十分協議の上で決定するよう努めるとともに、ことし4月1日の機構改革で発足いたしました契約課におきまして事前にチェックを行う体制ができましたので、なお一層適正に行うよう努めてまいりたいというふうに考えております。  以上、本壇よりの答弁といたしたいと思います。=(降壇)= 5 ◯8番(板坂博之君) それぞれご答弁をいただきまして、それも丁寧にご答弁をいただきまして、ありがとうございます。  実は、先日の質問のときも一問一答はだめだということで大変おしかりを受けたんですが、再質問の時間もございますので、一問だけお許しをいただきまして再質問をさせていただきます。  長崎新幹線の建設促進の問題でございますが、この問題については、市議会においても、これまで積極的に取り組んでまいりました。壇上からの質問でも述べたように、市議会として全会一致で九州新幹線長崎ルートの早期実現に関する意見書を採択いたしております。  そういう中で、先日の新聞報道にあったように「新幹線なぜ必要」という見出しで、あたかも長崎市議会では新幹線に否定的であるかのように報道をされております。8月19日の長崎市議会交通対策特別委員会におきまして、A議員は「当初は中国・上海と結ぶ新幹線のキャッチフレーズがあったが、今は消えてしまっている。なぜ新幹線が必要なのか納得のいく説明を」、B議員は「在来線を複線化した方が県民のためになるのでは」、そしてまた、C議員は「時間短縮で福岡に流出する人が多くなりマイナス効果もあるのでは」。これは恐らく一連の発言の中で、こういう話があったということで、つかみ取りだろうとは思うんですが、ただ、この新聞を市民の方が見る限りは、さも長崎市議会は新幹線は必要ではないんだというふうな誤解を受けるんではないかなというふうに思っております。  私にも翌日の新聞を見られた市民の方がすぐ電話をされてきました。「長崎市議会は新幹線は要らんて言いよっとね」と、こういうふうな話なんです。こういう誤解を招くような発言は今後、一切注意をしてほしい。これは議員の皆さんに本会議で質問をするわけにはいきません。本当、私の気持ちとしては質問をしたいくらいの気持ちでございます。こういうことがございました。私は、非常に心外でございます。  市長の改めての強い決意をお聞かせいただきたいというふうに思います。 6 ◯市長(伊藤一長君) 長崎新幹線につきまして、板坂議員から大変力強いご意見、また励ましの言葉をいただきまして、心からお礼を申し上げたいと思います。  一番山場にかかっておりますので、さきの特別委員会のこと等もありますでしょうけれども、真意は私もそうではないと、板坂議員がおっしゃっているとおりに、私もそう思います。今までに過去4回、決議していただいた。また、議会の皆様方ともどもに各種陳情活動・行動をともにさせていただいていますので、今後とも皆様方の長崎新幹線の実現にかける意気込み、スクラム、連帯というものをよろしくお願い申し上げたいと思います。  やはり、日本人のせっかち性ということだけではないんでしょうけれども、こういう日本全体を縦断する、しかも横断する、それだけの高速交通機関でございますので、完成しましたらご案内のように1時間20分という形で福岡と長崎を結ぶわけですので、そうなったら例えば長崎のお客さんが今まで以上に福岡に行くのではないか、どうだこうだという議論よりも、市議会の皆さん方、市民の皆さん方と一体になって、これは県もそうですし、経済界の方もそうですけれども、一緒になった形で新幹線が実現する前までには、長崎の都市基盤というものをきちっと、やはり魅力のある、歴史的にも文化的にもそれだけの価値は十分に長崎市はあるわけでございますので、今まで以上に総力を挙げた形で、新幹線が長崎に来るときには、そういう都市基盤というものをきちっと整えておく、これが私は大事なことだと思います。  そうすれば、むしろこちらから行くんではなくて、そういう近隣の所から長崎に今まで以上にたくさんの方々が来る、あるいは働く場も出てくる。それが人口増とか、若者の定着とか、そういうものにつながると、そういうふうになってまいりますので、そのことも含めて、この長崎の新幹線というのは何としてでも実現すべきである。また、市議会の皆さん方も過去の経緯を踏まえまして、ぜひこれは実現すべきであるということの気持ちはいささかも変わっていないと思いますので、一番本当に最終的な局面にまいっておりますので、さらなるお力添えのほどをよろしくお願い申し上げまして、板坂議員のご質問に心から感謝を申し上げたいと思います。  ありがとうございます。 7 ◯8番(板坂博之君) ありがとうございました。  新幹線建設促進に向けては、強力に指導力を発揮して前進をしていただきたいというふうに思っております。  私ども市議会も全会一致で決議をしたわけでございますので、一枚岩となって協力をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  続きまして、人口問題でございます。  人口増の政策をいろいろやられておられること、これは十分に理解をいたしております。市街地の整備、地場産業の育成、こういうことも十分に私どももわかっておりますが、要は具体策でございます。その第一は、恐らく土地政策ではないかなというふうに思っております。安い宅地を供給する。こういうことが、まず第一の政策として上げられるんではないかなというふうに思っております。長崎には土地開発公社もございます。そういう公社等を活用してやっていくべきではないかなというふうに思っております。  市職員の市外居住にしましても、10年前の昭和62年、これは699名で15%です。5年前の平成4年でございますが、16.5%、これは772名でございます。そして、ことしの4月1日現在で822名、18%とだんだん増加をたどっております。このままでいくと10年後は恐らく1,000名を超えるんではないかなというふうに思っております。市長も述べられましたし、私も本壇から言いましたように、法律的に違反しているわけではございませんが、なるべく市の職員の方は長崎に住んでいただくという方向で指導をしていただければと思います。  人事担当の総務部長にお尋ねをいたしますが、どういう認識をもって指導をされているか、ご答弁をお願いいたします。  続きまして、指名競争入札の問題でございます。市長の答弁によりますと、「指名回数及び発注状況を考慮しながら指名の機会均等に努めております」という答弁でございました。努力はそれなりに認めております。  ただ、しかし私の調査によりますと、土木、建築、それから専門工事業者、これを調査させていただきました。建築に関しては、私は納得できるんではないかなというふうに思っておりますが、土木関係は、市内業者がAクラス98社、Bクラス114社、Cクラス216社、合計で428社でございます。この中で、指名回数でいきますと、これは資料自体が随契の工事も入っておりましたので、それも一緒になっております。Aクラス、Bクラス、Cクラスのクラス別も一緒になっておりますが、40回以上の指名回数が2社、30回から39回の業者が17社、20回から29回の業者が34社、10回から19回が153社、これが一番多いわけでございますが、5回から9回が96社、当然0回から4回が126社でございます。  そして、その落札状況を見てみますと、これも随契を含んでおりますので、随契というのは、そこの業者しかどうしてもできないといういろいろな理由がありますので、これは私どもは一応指名回数とは別だというふうに思っておりますが、ただ資料自体が随契も一緒に入っておりましたので、それを含めて申し上げさせていただきますと、落札ですよ、10回とった業者が4社、9回とった業者が1社、8回が3社、7回が5社、6回が11社、5回が14社、4回以下が390社。ということは5回以上とった業者が38社でございます。土木工事の入札件数は678回でございます。38社で244件の落札をされておるわけでございます。それを率に直しますと、全部の物件が、物件といいますか、件数が678件でございますので35.9%、38社で35.9%でございます。そして金額に直しますと約48億円でございます。48億円。全体の工事が約156億円でございますので、これを率に直しますと30.7%なんですよ。件数で35.9%、金額に直しますと30.7%。そしたら、その38社は、どういう率になるのかと申しますと428社でございますので、8.8%の業者が約3分の1の落札をされている。こういう状況でございます。  これは指名を均等にやるということにちょっと疑問がございます。例えばA土木、17回の指名で8回の落札、随契を含めますと19回で10回の落札をされておる。B土木、12回の指名で6回の落札、随契を含めますと16回で10回の落札。こういう現状があるわけでございます。  私は、土木に関しては部署がございますので、それもちょっと調べてみました。そしたら、これがつながっているんです。7月9日にある部署からとったら、また9月10日に同じようにとっている。ひどいのが1997年の1月16日、1月22日、2月21日と続けて3回落札をされている。私は、指名競争入札というのは、ある程度、調整の意味もあるんではないか。やはり1回とられた業者さんは何回か遠慮をしてもらう。そういう行政の判断も必要ではないかなというふうに思っております。  そしてまた、もう一つの業者もそうなんです。9月の10日にとって、これは約2,000万円ぐらいの工事をとっておる。そしてまた10月の8日にまたとっておる。これは同じ部署なんですよ。そしてまた9月の19日にとって、11月の13日にまたとっていらっしゃる。私は、これは指名のあり方に問題があるんではないかなというふうに思いますが、建設管理部長、ご答弁をお願いいたしたいと思います。  ちょっと時間がございますので、あと1、2お願いをいたします。  実は、ここに監査報告、これは今回出たんですが、ここにいただいております。これで見ますと、1つの工事を業者育成の立場から受注機会をふやすために3つに割られておるわけですね、3つに割られておる。その工事は1と2が7月に出ました。7月にA業者、B業者と落札をされております。そして3つ目が11月に出ました。この11月に、またA業者が指名に入っていらっしゃる。これは私は納得がいかない。やはり1回、そういうことでとった業者さんは指名の段階で遠慮を願う、こういうのが私は指名競争入札ではないかなというふうに思っております。これは指名業者が適正であったかどうかという疑問が私は残っております。建設管理部長、ご答弁をお願いいたします。 8 ◯建設管理部長(諸岡克重君) 板坂議員の再質問にお答えいたします。  建設業者の指名選定につきましては、先ほど市長よりお答えを申し上げましたように、発注標準を遵守し、指名回数及び発注状況に留意しながら機会均等に指名を行うように努めておりますが、専門以外の工種、新規の建設業者、配置予定技術者がいない場合などは別として、議員ご指摘のとおり、8年度の実績において指名回数に不均衡が見られること、また、他のご指摘の件についても承知いたしております。  建設管理部といたしましては、各事業部において指名選定するに当たり、当部の契約管理システムにて作成する指名回数、技術者の配置状況等の資料を十分活用し、また、ただいまご指摘があった事項につきましても、各指名業者選定委員会で十分協議検討し、公平、公正、透明性をもって指名を行うよう指導徹底し改善を図っていきたいと考えておりますので、ご理解のほどをお願いいたします。  以上でございます。 9 ◯総務部長(園田純一郎君) 再質問についてお答えいたします。  ただいま板坂議員ご指摘のとおり、昭和62年は職員数4,656名に対しまして、市外居住者699名、率にして15.0%、5年後の平成4年は職員数4,670名に対しまして、市外居住者は772名、率にして16.5%と、市外居住者は徐々にではございますけれども、ふえております。  確かに、職員も生活環境、経済事情などさまざまな事情から、やむを得ず市外に居住しているものではありますが、市政に携わる者として、先ほど市長が申し上げましたように、職員は市内に居住することが理想であるという認識をもっておりますので、強制はできませんが、折に触れ職員の自覚を促してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 10 ◯8番(板坂博之君) それぞれご答弁ありがとうございました。  時間もあと4分ぐらいございますが、まとめに入らさせていただきたいというふうに思っております。  新幹線問題に関しては、ぜひ市長、頑張ってください。私どもも、さっき申しましたように、市議会を挙げて協力をさせていただきたいというふうに思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思っております。  それから、人口問題につきましては、確かにいろいろな理由がございますでしょう。特に、市の職員さんに対しては、いろいろな理由があることは私どももわかっております。総務部長、1回ですね、市の職員さんがなぜ市外に住まれるのか、そういうアンケートをとられたらどうでしょうか。恐らく、そういうアンケートをとったのが、私は今後、政策をやっていく上でためになるんではないか、参考になるんではないかなというふうに思いますので、それはご要望をいたしておきます。  それと、指名競争入札の件でございますが、建設管理部長、なかなか苦しい答弁だと私はそういうふうに受け取っております。これはあくまでも部長のときではなくて、建設管理部ができる前の話でございますので、今後、十分注意してやっていくということでございますので、それでよしということにさせていただきますが、今後とも公平、公正によろしくお願いをしたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。 11 ◯議長(奥村修計君) 次は、5番松尾敬一君。       〔松尾敬一君登壇〕 12 ◯5番(松尾敬一君) 質問通告に従い、水道行政、工業団地の活用、観光行政などにつきまして、順次、質問を行います。伊藤市長並びに関係理事者の誠意ある答弁を求めたいと思います。  まず、水道行政について質問をいたします。  県は、3年前の大渇水の教訓から、水不足を改善するため水資源の有効利用社会づくりのための指針を昨年発表しました。  その中で、水の有効利用の部分では、用水管理の適正化として減反や離農で減った農業用水の一部を上水用に融通をする。水道水の有効率の向上を図り、水資源の有効利用と水道事業の経営安定という観点から漏水防止対策が重要な対策である。県下では、平成6年度で約14%、1日で約7万3,000トンが漏水をしている。漏水防止対策に取り組み、水道水の有効率の向上を図る。  水の再利用の推進として、水洗トイレ、車の洗車、冷暖房のように飲み水用と同程度水質を必要としない用途の水が上水道全体の中で約3割を占めている。これら雑用途のために下水処理水などの再利用を行い、水利用の合理化を図る必要がある。再開発や大規模公共施設の建設の際は、下水道の浄化水の再利用と雨水の貯水施設を設置し、トイレ用水や散水などに使用する。節水コマの普及を図り、トイレや電化製品など節水型機器の普及促進を図る。  広域水道事業の推進として、水道事業は、従来、各市町村単位で独立採算制を原則として実施されているが、水の需給は地域差があり、自己水源を求めがたい地域もあり、ある程度の数の市町村が共同して水資源の開発を行い、水道事業の規模の拡大による水の弾力的運用を図る必要がある。  水資源の開発では、海水の淡水化、地下ダムの建設、海の淡水湖化、地下水の有効利用の促進などいろんな可能性に踏み込んだ指針になっています。
     長崎市は、この指針の考え方を考慮に入れながら県と連携を取り、水の有効利用の推進を図っていきたいとの方針が昨年示されております。  そこで、水の再利用、雨水利用の推進、節水意識の高揚など水の有効利用についての取り組みについて、お尋ねをいたします。  また、広域水道事業の推進について、さきに発表されました建設省ダム事業の総点検に伴い、高来町へ予定をされております轟ダムが足踏み事業に位置づけられておりますが、長崎市など2市7町で企業団設立へ向けて検討をされています長崎県南部広域水道推進計画について、企業団設立へ向けての心配がされていますが、この事業の現在の状況について、お示しをいただきたい。  次に、配水管の管種の選定についてお尋ねをいたします。  長崎市における配水管の布設状況は、延長約144万メートルあり、それぞれの流量などに応じて大きさが設定をされております。種類も普通の鋼管、塩化ビニールをライニングしたパイプ、ダクタイル鋳鉄管を使っておりますが、配水管の主力はほとんどがダクタイル鋳鉄管であります。ダクタイル鋳鉄管は、管の厚みで1種管から厚みが薄い4.5種管まで8種類あり、長崎市では価格が最も高い1種管で統一をしてありますが、管種の決定に当たっては管の安全性に対する安全率と経済性を考慮して、技術的根拠をもって8種類の中から選定すべきであって統一すべきではないと、昨年、監査の指摘があったところですが、その後の検討結果について、お示しをいただきたい。  次に、工業団地の活用について質問をいたします。  まず、福田・神ノ島臨海工業団地についてですが、この団地につきましては、長崎県が昭和56年より製造業を中心とした工業団地として分譲を始められました。LPG基地とか、レジャーランドなど幾つかの話があったものの、地理的要因とか経済構造の変化などもあり、現在、売却が低迷しているのが現状であります。この団地の総面積51ヘクタールのうち現在分譲率が53%、残地24ヘクタールの状況であります。このうち残地の一部は現在、県営野球場の建設に伴う仮設の市営野球場、ラグビー・サッカー場として活用をされております。  さきの6月議会の同僚高比良末男議員の質問に対する答弁で、「市としてもこの工業団地が住居・工場混在の解消や企業誘致のための貴重な工業適地であることから、長崎市としても製造業の振興、並びに新しい産業づくりにつながる可能性をもった貴重な土地であるという認識をしている。これからも積極的に県と協力していきたい」と答弁をされております。こういった中で、最近、一部分譲の話もあるやに聞いております。こんな状況の中で、先日、神ノ島工業団地利用計画検討委員会幹事会も開催されておりますが、検討委員会の内容、今後の活用の方向について説明をお願いいたします。  次に、小江木材工業団地について質問いたします。  この団地は、昭和57年に県より分譲された総面積21ヘクタールのうち分譲率約38%、残地が13ヘクタールの状態であります。木材業界の関係などもあり、目的団地としての活用は見込めない中で、ことしの初め西部ガスよりLNG受け入れ基地として分譲依頼が出されたようでありますが、この団地の用途変更、地元との連携等どのように進められているのか、説明をお願いいたします。  次に、観光行政について質問いたします。  まず、観光振興策についての質問です。  観光は、水産・造船と並んだ長崎の大きな基幹産業の一つであります。特に現在、水産・造船が厳しい中、観光に大きな期待がかかっております。長崎県の観光は、テーマパークのハウステンボスがオープン以来5年、順調な伸びをみせています。また、雲仙・普賢岳の噴火で厳しかった島原半島の観光も島原鉄道のトロッコ列車、地ビールなど「がまだす計画」を中心に頑張っておられます。一方では、平成4年6月、51年ぶりに復活した長崎・上海フェリーは、旅客の採算割れ、あるいは貨物の輸送も振るわず、ことしの1月から運休、フェリー長崎・上海号は長崎港のブイにつながれたままになっております。また、ことしの4月からは大韓航空の長崎・ソウル便についても運休となっています。  そんな中、長崎の南の観光の核であるグラバー園の入場者が減少しているとのことであります。グラバー園の入場者は、平成2年の長崎「旅」博覧会をピークに減少傾向にありましたが、昨年の世界・炎の博覧会で若干持ち直したものの、ことしに入り1月から7月まで連続して昨年の同月を下回っていて、約10%近くのマイナスの数値になっております。国内観光の低迷、テーマパークやアミューズメント施設の増加で厳しくなっていますが、長崎市としても観光客誘致策として近づいてきました長崎くんち、ながさきみなとまつり、長崎ランタンフェスティバルなど特色あるイベントの展開、ライトアップ事業やグラバー園の夜間の開園など工夫をされておりますが、先ほども述べましたグラバー園の入場者が減少しているのを見るとき、今後どのような対策を講じていくのか、お示しをいただきたいと思います。  次に、ごみ収集対策について質問いたします。  観光地周辺及び中心市街地のごみ収集については、これまで私を含め多くの議員からも改善策を指摘され、当局としても朝の一番収集など一定の前進はあったものの、ごみ出し時間やマナーの問題、時間帯による騒音の問題などいろんな問題があり、委託を含めた夜間・早朝収集を行うまでには至っておりません。しかし、先ほど述べました観光事業の苦戦をみるとき、このままでは決してよいとは思えません。例えば観光事業特別会計などを使って観光地周辺及び中心地だけでも民間委託をし、夜間・早朝収集を行うなどいろんな方策があろうと思います。指摘のたびごとに「引き続き検討してまいりたい」との見解をいつも示されておりますが、この件について、どのように考えておられるのか、お示しをいただきたいと思います。  次に、国道202号飽の浦トンネル工事の完成見通しについて質問いたします。  一般国道202号の飽の浦から大浜町間の飽の浦トンネルの整備については、既存の道路が曲がりくねって狭隘な道路であることや、長崎市西部地区の生活道路としても非常に重要であることから、平成3年から詳細設計や用地交渉、家屋補償交渉が実施をされ、そのうち大浜側からは平成5年度に着工し、おくれました飽の浦側からのトンネル工事と昨年8月貫通をいたしました。当初の予定では、来年春の開通見通しと伺っておりますが、現在の飽の浦トンネルの工事の進捗状況と完成の見通し、また、飽の浦公園の整備の見通しについて、お示しをいただきたいと思います。  以上で本壇からの質問を終わります。=(降壇)= 13 ◯議長(奥村修計君) 伊藤市長。       〔伊藤一長君登壇〕 14 ◯市長(伊藤一長君) 松尾議員のご質問にお答えをいたしたいと思います。  まず、工業団地の活用についてでございますが、福田・神ノ島臨海工業団地及び小江の木材工業団地の状況をご説明いたしたいと思います。  まず、福田・神ノ島臨海工業団地は、昭和56年から長崎県により製造業を中心とした工業団地として分譲開始をされました。しかしながら、地理的要因や経済構造の変化等もありまして、現在、福田・神ノ島臨海工業団地の総面積51ヘクタール、そのうち分譲済み面積は27ヘクタール、率にいたしまして53%となっております。  そうした状況の中、残地の活用を検討していくために、県・市・商工会議所等の関係機関からなります神ノ島工業団地利用計画検討委員会が平成3年6月に設置をされました。ここで団地の活用が議論されてまいりましたが、具体的利用につきましては結論に至りませんでした。  こうした中、当面の考え方として、当団地は長崎港に隣接した大規模用地であり、女神大橋の建設計画など周辺地域の開発動向を踏まえて再検討していくとの見解が平成8年3月に同検討委員会においてまとめられたところであります。しかしながら、最近、企業から当団地の将来性を見据えた分譲申し入れの声も出てきており、同検討委員会幹事会におきまして、必要に応じて分譲を進めていくとの提案が出されているところであります。これを受けまして、現在、長崎県において、分譲の区域、規模、単価等について検討が始められている状況で、平成9年9月2日に開催されました同検討委員会幹事会におきまして、平成10年度以降、一定の整備を行い、分譲を進めていくとの認識を行ったところであります。  長崎市といたしましても、当地が住工混在の解消や企業誘致のための貴重な工業適地であり、本市の製造業の振興につながる必要な土地であると認識しており、これからも積極的に県と協力してまいりたいというふうに考えております。  次に、小江の木材工業団地の状況についてであります。  小江の木材工業団地は、昭和57年から分譲が開始されましたが、その後、原木の輸入ができなくなったことや景気の低迷も加わりまして、木材関連業界からは平成5年以降引き合いがない状態が続いていました。小江木材工業団地の総面積は21ヘクタール、そのうち分譲済み面積は8ヘクタール、率にいたしまして38%となっております。当団地においても、平成4年3月に小江木材工業団地利用計画検討委員会が設置をされ、結論として、目的団地としての活用は見込めず、当面は未利用地を港湾・漁港整備事業用のコンクリート製品の製作場所として有効活用を図るといった見解が平成6年10月に出されたところであります。  こうした状況の中で、先ほど松尾議員からもご指摘がございましたように、西部ガス株式会社から、本年1月に長崎県に対しましてLNG受け入れ基地として分譲依頼が提出をされました。県におきましては、立地に向けて当団地の木材工業団地としての用途変更の手続きが必要なために、平成10年度の長崎県地方港湾審議会、さらに中央港湾審議会に向けまして、現在、港湾施設計画、土地利用計画について検討している状況であります。  長崎市も、企業誘致推進の立場から、県とともに同団地に既に進出している企業への説明会、他都市のLNG基地への見学会、さらに地元の小江町、小江小浦両自治会への説明会にも既に参加しているところであります。特に今後、長崎県を中心に地元の企業、西部ガス、自治会、長崎市からなります(仮称)小江工業団地活性化対策検討協議会を設立いたしまして、同協議会におきまして地元企業と自治会ごとの専門部会を設け、同工業団地の有効利用、環境整備、周辺地域の活性化について検討、協議をしていく予定であります。  長崎市といたしましても、県と十分な連携を取りながら、同団地を中心とした長崎西部地区の活性化といった面からも積極的に取り組んでいきたいというふうに考えておりますので、議員の今後ともの力添えをよろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、観光行政につきましてお答えをいたしたいと思います。  今日、高齢化や国際化、情報化といった社会が一層進展する中で、観光に対するニーズもますます多様化しており、また、全国各地におきましては、テーマパークなど観光関連施設の開発が活発に進められるなど観光地を取り巻く地域間競争は、海外旅行者の増加による国内旅行の低迷の中でますます激化している状況にあります。  このような中、本市経済の主要産業の一つであります観光の振興を図るために、既存の観光資源の整備や保全はもとよりでございますが、夜型観光の開発、特色あるイベントの開催、効果的な誘致活動の展開などの諸施策を推進し、滞在型観光都市としての魅力の向上とコンベンション都市への展開を図っているところでございます。具体的には、各界で活躍中の民間代表からなります観光ニューウェイブ21懇話会を新たに発足したところでございますが、21世紀に向けまして、自由で斬新な意見を観光行政に反映させてまいりたいというふうに考えております。一方、社団法人長崎国際観光コンベンション協会の専門委員会で検討されております観光振興策と密接に連携を図りながら、さらなる長崎観光の活性化を考えてまいりたいと思います。  長崎の代表的観光施設でありますグラバー園につきましては、従来のグラバー園運営委員会を拡充するとともに、市職員で構成しますグラバー園活性化検討委員会を新たに設置をし、展示の見直しや管理棟改築などの施設整備、ピクチャーサービスやボランティア観光ガイドの常駐などのサービス機能の充実、並びに市民が入園しやすく、また、市民が気軽にグラバー園に案内できるような方策などを検討し、グラバー園の活性化を積極的に図りながら入園者対策に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  また、オフシーズンの対策といたしましては、観光商品価値の高いイベントとして集客数も年々増加をしております長崎ランタンフェスティバルをさらに拡大してまいるとともに、新たな試みとして、旅行代理店とタイアップし、グラバー園などの主要観光施設と電車の1日乗車券を組み合わせました「長崎観光パスポート」を今年12月より発行し、オフシーズンにおける観光客誘致を一層推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。  外国人観光客につきましては、近年のアジア諸国の高度経済成長などにより年々増加の傾向にありますが、国際観光都市としての長崎の知名度の高さや地理的、歴史的特性を生かしながらアジアからの観光客誘致の展開を図ってまいりたいと考えております。  そのほか、魅力あるコンベンション都市としての展開を図るために、さまざまなコンベンション支援サービス事業を行い、各種大会や研究会等の誘致を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。  次に、観光地周辺のごみの収集対策についてお答えをいたしたいと思います。  まず、道路上の散乱ごみにつきましては、従来、長崎市「街を美しくする運動」推進協議会が、主要幹線道路12キロメートルの散乱ごみを一掃し街をきれいにする環境美化事業として行っておりますが、さらに、本年4月からは新たな施策といたしまして、観光地周辺の道路7カ所、総延長8キロメートルにつきまして、路上に散乱したごみの回収を行う観光路線のバトロール清掃事業を実施し、観光地周辺の環境美化に効果を上げるとともに、市民の啓発に大きく貢献しているところでございます。  一方、観光地周辺のごみステーションのごみ収集につきましても、観光客が訪れる時間帯までにごみの収集を完了すべく、その方策等について研究を行っているところでございます。現時点におきましては、早朝・夜間収集エリア及びごみ量の確定作業を行っており、今後、各観光地周辺のごみステーションへの排出状況等の調査を行った上で、具体的な収集計画等について検討することといたしております。今後は、モデル地区を選定し、精力的に研究を重ね、早急に実施できるよう努力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、一般国道202号飽の浦トンネルの件でございますが、飽の浦から大浜にかけての現国道が狭隘でかつ急カーブ、急勾配が多いために、慢性的な交通渋滞を引き起こしており、現道から通過交通を排除し、生活道路としての機能を増強することや、福田マリーナあるいは小江の木材港等の基幹道路としての必要性、また、女神大橋線と連携し、市域内における幹線道路網の強化を図ることを目的に、平成3年度に県の道路事業として事業に着手し、現在、鋭意事業が進められているところであります。  飽の浦から大浜間の工事全体といたしましては、延長1,850メートル、幅員約10メートル、事業費約84億円、うちトンネル延長は1,559メートル、幅員9.75メートルであります。トンネル工事につきましては、大浜側(1工区、延長994メートル)、飽の浦側(2工区、延長565メートル)の2工区に分けて施工しているところであり、平成8年7月に貫通したところでございます。  平成8年度末の全体進捗率でございますが、67%であります。用地、家屋移転等の補償問題で地権者との調整が難航しておりますが、現在ではおおむね解決しているところであります。平成9年、10年度におきましては、トンネル内の舗装、換気設備、証明設備工事や飽の浦側、大浜側の明かり部工事を行い、完成は平成10年度末になる見込みでございます。  一方、飽の浦公園の整備につきましてでございますが、従来は0.23ヘクタールの都市計画公園でありましたが、平成7年8月に国道202号飽の浦トンネル入口付近に位置を変更し、面積約0.3ヘクタールの都市計画公園として都市計画の変更を行ったものであります。公園事業につきましては、長崎県が代行して用地買収を行い、用地取得完了後、長崎市が買い戻しを行うこととしており、平成8年度より用地買収に着手をしております。用地取得の進捗といたしましては、平成9年8月末現在で約70%であります。公園の工事につきましては、飽の浦トンネル明かり部が完成次第着工し、完成は平成10年度末を予定しております。  松尾議員には、何かと地元関係でお世話になりますけれども、よろしくお願い申し上げたいと思います。  それから、水道行政でございますが、これにつきましては、水道局長の方からお答えいたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げまして、本壇よりの答弁といたしたいと思います。=(降壇)= 15 ◯水道局長(浜崎省吾君) 水道行政にいてお答えいたします。  まず第1点は、県が策定いたしました水資源の有効利用社会づくりのための指針に対する本市の取り組み状況でございます。  水源に利用できる河川に乏しく、地下水にも恵まれない本市は、市民生活の多様化あるいは産業の発達や下水道の普及などに伴う水需要の増加に対応するために、水資源の有効利用に取り組むとともに、節水に対する市民への啓発に努め、節水型都市づくりを目指して公共施設などにおける下水処理水の再利用や大型施設などにおける雨水利用システムの導入についても研究を行っているところでございます。モデルケースといたしまして、再生水の利用につきましては、平成10年にオープンいたします文化情報交流施設において、また、雨水利用につきましては、平成10年度に着工し、平成12年に開校する諏訪小学校におきまして導入することといたしております。  これまでは個々の課題に対しまして各部局で対応してまいりましたが、研究対象が多岐にわたっていること、一つの課題についても多くの部局に関連があることから、現在、全庁的に取り組む体制づくりを進めているところでございます。  具体的に申し上げますと、本年9月5日、関係する部局が集まりまして、仮称ではございますが、節水型都市づくりの検討委員会、第1回の設置準備会を開催いたしまして、各課の抱える問題点や今後の検討委員会の進め方等につきまして協議を行ってきたところでございます。今後は、早急にこの検討委員会を正式に発足させるとともに、その中に幾つかの専門部会を設けて具体的に検討するなど節水型都市づくりの推進について研究を進めてまいりたいと存じます。  なお、市民の皆様への節水意識の高揚につきましては、6月の「水道週間」、8月の「水の週間」の行事等の中で重点的に取り上げましてPRを行っておりますけれども、今後ともあらゆる機会をとらえまして啓発、啓蒙に努めてまいりたいと存じます。  次に、第2点でございますけれども、長崎県南部広域的水道整備計画につきましては、昭和60年3月に策定しました長崎県水道整備基本構想に基づきまして水道の広域化を促進し、もって水質的に安全な水道用水の供給を確保しようとするものでございます。  このような中で、平成2年7月に2市7町で構成した長崎県南部広域水道推進協議会を設立いたしまして、長崎県南部広域水道用水供給企業団設立に向けて協議を重ねているところでございます。企業団につきましては、早期に設立すべく2市7町とも現在努力をいたしておりますけれども、1つ目に、ダム建設につきましては、地元住民の方々の理解を得ながら慎重に行うことが必要であること。2つ目には、推進協議会では長崎県の積極的な参加が不可欠であり、そのための要望を行っていること。3つ目には、新たな要素といたしまして、本年8月25日に発表されました建設省のダム事業の総点検に伴いまして、長崎県南部広域的水道整備計画の中の水源の基幹をなす高来町の轟ダムが足踏み事業と位置づけられたこと等によりまして、2市7町とも今後の事業推進に不安を感じているところでございます。現時点では、企業団設立に至っておりませんけれども、今後とも努力してまいりたいと存じます。  また、対象地域は、需要水量の増加が見込まれる市、町でもございますので、将来の需要増に対して水源を確保しなければならないことは十分認識いたしております。現在の河川及び地下水の利用状況等を考慮したとき、各水道事業体が単独で新規水源を開発することは財源的にも非常に困難な状況にあることも事実でございますので、今後とも企業団の早期設立に向けて努力をしてまいりたいと、かように考えております。  次に、第3点目でございますけれども、配水管・管種の選択でございます。  長崎市における配水管布設状況につきましては、平成8年度末の配水管延長144万517メートルでございまして、内訳は口径50ミリ以下が41万3,519メートル、全体の約29%でございます。また、口径75ミリから口径350ミリまでが96万6,760メートル、全体の約67%。また、口径が400ミリ以上が6万238メートル、約4%というふうになっております。  また、配水管の管材につきましては、口径50ミリ以下の配水管は硬質塩化ビニールライニング鋼管を採用いたしまして、口径75ミリ以上の配水管につきましては、ダクタイル鋳鉄管を採用させていただいております。ダクタイル鋳鉄管につきましては、管厚が厚い1種管から薄い4.5種管まで、議員ご指摘のとおり8種類に分類がなされておりますけれども、水道局におきましては1種管を選定し施工いたしております。このことにつきましては、長崎市の地震発生度合いが少ない地域性と、経済性等の観点から監査委員からの指摘を受けていたものでもございます。  そこで、水道局では、昨年より局内にプロジェクトチームをつくりまして、他都市の状況調査等を行いながら慎重に検討を重ねた結果、まず第1点に、初期投資の面では若干ご指摘のとおり割高になるものの、長期的な使用状況を考慮いたしますと、初期投資に対する費用対効果も十分に見込むことができること。第2点に、水道法第5条に基づく水道施設の構造及び材質についてのすぐれました安全性を考慮したこと。第3点に、地震に対する安全性も考慮したこと等によりまして、1種管を継続して採用させていただいております。  以上でございます。 16 ◯5番(松尾敬一君) ご答弁をいただきましたので、若干再質問をさせていただきたいと思います。  ただいま水道局長の方から水資源の有効活用、それから、配水管の管種の選定について等ご答弁があったところです。水資源の有効活用につきましては、ご承知のように、3年前の大変厳しい長崎市の水事情、お隣のといいますか、佐世保市等もございまして、県としても限られた水を資源として有効に活用していきたい、そういう指針が昨年示されたところです。長崎市としてもモデル事業として、先ほど局長の方から再生水の有効活用については文化情報交流施設で、それから、雨水については諏訪小学校の建て替え事業についてモデル事業として取り組んでいきたいというお話でございます。民間では、なかなかまだこういった形での取り組みは厳しいかと思いますので、公共事業がモデルとして、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。  そういった中で、先日、全庁的な体制づくりとして節水型都市づくり検討委員会というプロジェクトチームが発足をされたようですが、それぞれの各部署が知恵を出し合って、大変厳しい長崎市の水事情の中で有効な活用を検討していただきたいというふうに思います。  そういった中で、一つの広域水道の関係ですが、本壇でも申し上げましたように、建設省のダム事業の総点検の中で中止ダムが岩手、山形、沖縄など3県、それから、休止ダムが長崎県の壱岐郷ノ浦町を含めて9、それから、先ほど申しました轟ダムが足踏み事業として40の事業の中に組み込まれております。こういった状況の中で長崎県南部広域水道用水供給企業団の設立が待たれておるわけですが、昨年あたりまでの質問の中では、まだ水道の整備計画ができていないということでの答弁があったやに思っておりますが、ここいらについても新聞報道によりますと、南部広域水道の整備計画が出されたようでありますが、この点について、この整備計画についてご説明をお願いしておきたいと思います。  次に、配水管・管種の選定の関係であります。  今、ご答弁の中で耐震性あるいは長期的には経済性を含めて1種管で初期投資は若干高くなるけれども、長期的に見ればより合理性があるということで、監査の指摘に反して1種管を採用していきたいという見解が示されております。  平成7年度の長崎市の配水管事業を見てみますと、全体で2万4,500メートルの布設替えといいますか、仕事がなされております。この中でダクタイル鋳鉄管口径が75ミリから35ミリまでございますが、この1種管と3種管の単価差を比べてみますと、メーター当たり1番小さい単価で515円、大きいパイプになりますとメーター当たり1,650円ぐらいになります。そういった意味で、先ほど申し上げました水道事業のダクタイル鋳鉄管の年間の1種管、3種管の布設の差を比べてみますと、約1,650万円ほどになろうかと思います。これは単に単価差だけであります。直接の工事費については、これに経費がかかってまいりますので、恐らく3,000万円近い差になっていこうかというふうに思います。  そういう意味では、長崎市の水道の単価が全国に比べても非常に高いという指摘が常々あっております。水道事業として事業を経営する立場から考えますと、水の受給者に対する水の供給の単価というのは1円でも安い水を供給していくべきだというふうに思います。長期的にはという部分でありますが、40年、50年あるいは70年、管の耐用年数を長期にみる中で、水道局長がおっしゃる長期的には合理性があるという点については、なかなか私には納得性がございません。  特に、もう一つは今、昨年の阪神・淡路大震災の関係で地震に対する強度というのが表に出てきておりますけれども、例えば三陸とか東海という所ならわかります。実際、長崎では震度3以上の地震はほとんどあっておりません。そういった意味で、大きな強度をもった水道管を布設するのはいかがかな。特に、3種管でもほとんどが強度としてはもてるわけですから、従来、いろんな技術的な部分もあって1種管という選定をされたようですが、今の強度計算なり管網計算なり、あるいは埋設の技術なり、そういうものを考えますと、1種管でなく3種管で十分だというふうに私は思います。  単価差を申し上げましたが、ぜひそこいらにつきましても、もう一度見直すお気持ちはないのか再度、質問いたします。  以上です。 17 ◯水道局長(浜崎省吾君) 再質問についてお答えいたします。  まず第1点は、広域水道の整備計画の内容でございますけれども、長崎県南部広域的水道整備計画案を申し上げますと、一つには、諫早市に建設予定の本明川ダム、これが日量2万3,250立方メートル、それから、ご指摘の高来町に建設予定の轟ダムが日量2万4,640立方メートル、その他のダムが合計8,260立方メートルで、合計日量5万6,150立方メートルの水源供給水量を予定いたしております。現時点では、総事業費は約1,000億円と見込まれております。今後の事業計画といたしましては、諸条件が整い次第、ダムの建設事業を行いまして、平成21年には一部供用開始、平成27年には全面供用開始することを現時点では目標といたしております。  また、この計画を実行するためには、早期の企業団の設立が必要であろうというふうに考えております。そういったことから、長崎県の参画につきましても2市7町で結束をし、これまで以上に強く要望してまいりたいというふうに存じております。  次に、第2点の管種のことでございますけれども、確かに水道事業は企業会計でございまして、独立採算が原則でございます。議員がご指摘されましたように、経済性の追求につきましては、水道事業を営む者の責務といたしまして常々留意し、努めているところでございます。しかしながら、水道事業は、議員もご指摘のように、安全で良質な水を安定的に供給するということも一つの使命として掲げております。  そういった観点から、安全性を追求することもまた重要なことだというふうに考えておりますが、このような中で、議員ご指摘のように、先般の阪神・淡路大震災ですか、あのときに多大の水道本管、あるいは配水管等について神戸の方では被害があったということを聞いておりますけれども、1種管につきましては、ほとんどそのような被害を受けたような状況はなかったということも聞いております。また先般、福岡で開催されました九州における水環境を考えるフォーラムの中で、地震に強いライフラインの講演がございまして、震度6の地震は活断層がない所であっても発生する可能性がある、これまで以上に地震対策を講じておく必要があるとの専門的見解が示されております。  水道局といたしましては、これらのことを踏まえて、他都市の状況も今後十分に見極めながら、管種の選定につきましては、今後とも研究してまいりたいと存じますけれども、一例を申し上げますと、ことしの5月13日ですか、鹿児島県の川内市で震度6弱の地震がございました。このときの土木学会の調査では、活断層の確認はされなかった、つまり、先生方の専門のご意見では、活断層がなくても日本の場合、どこでもそのような地震が起こり得る可能性があるということ等から、そのようなライフライン等につきましては、十分に慎重に対応した方がいいですよというような専門的なご意見もちょうだいしたわけでございます。  したがいまして、先ほど申し上げましたように、地下の埋設管等でございますので、加重あるいは震度、もろもろのこともございますので、今後とも管種の選定につきましては慎重に研究してまいりたいというふうに存じております。  以上でございます。 18 ◯5番(松尾敬一君) 管種の選定につきまして、ただいま水道局長の方からご答弁をいただきましたが、長崎では震度6の地震は従来も起こってないし、今後とも起こらないということを考えていいと思います。過剰な安全計算をするべきではないというふうに思います。  類似都市のいろいろなお話はございましたが、1種管を採用していきたいということの中で、管種の選定に当たってはいろんな基準があるわけですが、現在、長崎市の水道の圧力は7キロぐらいだと思いますが、3種管で20キロはもてるという数値が出ているわけですね。インパクトを含めてこれで大丈夫だという数値がございます。また、検討結果の中で、類似都市の状況を見ると、ほとんど1種管を採用しているということでありますが、私どもが調べた関係では、類似都市の中で12市が1種管を採用していますが、3種管または1種管から4.5種管までの管種の選定をしていきたいという都市も10市ございます。長崎市と同じように類似都市の中でですね。そういった他都市の状況も十分勘案すべきでありますし、また、三陸地方の石巻広域事業団につきましては「経済的な理由により3種管を採用しております」という見解もございます。  長崎市の水道も函館、横浜等を含めて歴史はございますけれども、技術的な根拠に立った水道の、あるいは配水管の選定というか、もう一度原点に戻られて水道事業の運営にぜひ当たっていただきたいというふうに要望をいたしておきたいというふうに思います。  それから、観光事業の関係であります。  現在、グラバー園が非常に苦戦をして、国内旅行事情の厳しい中でいろんなイベント等も含めながら、長崎らしい観光地づくりを目指していきたいというお話がございました。  そういった中で、昨日のマスコミ報道の中で、長崎県庁が魚市跡地に移転するということが、16日の県議会の中で表明されるというような話もございます。従来、市の方針として、県庁が他の地に移転する場合、長崎市としては対応していきたいという市長の方針も、お話もあっておりますが、ぜひ私どもは今、長崎市が進めております出島の復元、こういったものを見るときに、私としては、ぜひこの県庁の跡地を長崎奉行所の跡地として公園あたりを整備していただいて、出島の見える公園ということで全国的に、あるいは世界的にも攻めていけば50年、100年と長崎の観光は食っていけるんではないかというふうに思っております。  こういう見地に立っても、今後の県庁跡地の動向については、ぜひ長崎市長の積極的な取り組みなり、見解なりをお願いしておきたいというふうに思います。  それから、ごみの収集の関係であります。  道路の散乱ごみの関係については、それぞれお話があったとおりですが、従来からいろんな機会あるいは多くの議員からも指摘があったところです。観光地あるいは市内中心地のごみの収集につきましては、早朝・夜間の収集を目指した、ぜひ委託を含めた検討をしていただきたいというふうに従来から指摘をしてきましたが、きょうの答弁は検討できるものをどうやっていくかということで、していきたいというふうに答弁があったやに理解いたしますが、検討を早急にということですが、ぜひめどを置いて、いつぐらいまで求めておられるのか、方針があれば答弁をいただきたいというふうに思います。  それから、工業団地の関係ですが、従来、神ノ島の工業団地につきまして、残地につきましては、まとまったお話があるまでは分譲には応じていかないというような方向であったろうと思います。そういった中で、金利もかさみますし、そういった状況の中で、企業から分譲のお話がある中で分譲を検討していきたいということだろうと思いますが、まとまったお話がない限りは、現在の仮設のラグビー・サッカー場、市営野球場もそのまま残していきたいという従前の市長さんの答弁もあったやに思っておりますが、使用期限が今年度いっぱいということで、そこいらもオシャカになるのかなというふうに思います。まとまった話があるまでは売らないということを信じておりましたが、そこいらの方針の変更の腹づもりというか、めどというか、そこいらを伺っておきたいと思います。  それから、飽の浦トンネルの関係につきましては、地元も含めまして、あるいは既設道路の利用者も含めて早期の開通を、竣工を願っておったんですが、いろんな状況の中で、今のお話ですと、開通は当初の予定より1年ずれ込むようなことでありますが、ぜひ1年と言わずに、できるものは一月でも半年でも早くという気持ちがございます。事業は県でございますけれども、ぜひ市長さん、あるいは関係部局長のご努力をいただいて早期の開通をお願いしたいというふうに思います。  以上です。 19 ◯商工観光部長(中島吉盛君) まず、県庁跡地を長崎奉行所跡地として公園にどうかということでございますけれども、議員ご承知のように、長崎市の観光を取り巻く環境は非常に厳しいものがございます。そのため今後とも本市が国内有数の観光都市として活力をもっていくためには、そのような新しい魅力をつくっていかなければならないというふうに思っておりますので、今言われました長崎奉行所の跡地については、そういうものを含めた長崎の新しい魅力をつくっていきたいと思っております。  次に、神ノ島臨海工業団地でございますけれども、先ほど市長が申しましたように、9月2日の幹事会の中で、私が聞くところによりますと、県の方では区域、それとどこまでの規模にするか、業者をどうするか、今検討の段階でございます。今、長崎市が借りておりますグラウンドでございますけれども、それにつきましては、平成10年3月31日までということになっておりますので、そこを含めた分譲等が出てくるのではないかと思っております。今は検討の段階でございます。  以上でございます。 20 ◯環境部長(舩本昌人君) 観光地周辺の夜間・早朝のごみ収集の件に関しましてお答えをいたします。  現在、観光地のエリアというんですか、エリアを選定してステーション数とか、ごみ量の確定作業を現在、環境部の中で行っているところでございます。これに関しまして、ごみの排出状況、特に観光地周辺は家庭ごみと事業系ごみ等の混在の部分が相当数ございます。そういう問題も把握しながら早朝・夜間の交通混雑とか、騒音とかというふうな問題も自治会等とも相談をしながら、モデル地区をまず幾つかしまして、自治会とも話しながら、できるだけ早急に実施したいと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。  以上でございます。 21 ◯市長(伊藤一長君) 先ほど県庁舎の問題で、松尾議員さんの再質問につきまして、中島商工観光部長がお答えしたわけですが、一応、私の方からもお答えをさせていただきたいと思います。
     16日に知事が正式には表明されると思います。松尾議員さんのご質問は、今すぐではないけれども、要するに、全面移転新築の建て替えでございますので、魚市跡地に建ったときには、現在の県庁舎を長崎奉行西役所の跡でもあったし、出島の復元も絡めて長崎市としてもちゃんとした方がいいと、しかも、それを観光の起爆剤にすべきであるというご提言であろうかと思います。  確かに、この県庁舎の建て替えの件の議論の中で、県議会の特別委員会等の議論の中も含めて、これは県議会の総意ではございませんが、その議論の中で議員さん方から長崎市が真剣に出島の復元を本当にやるんだったら、奉行所のそういうふうなものをちゃんとすべきではないかという議論があったことは、私どもも承知をしております。  ただ、これからのタイムスケジュールの件ですが、ご存じのように、魚市跡地に建つのも、いましばらく時間がかかるようでございます。それと、現在の庁舎も長崎岬の岩盤の上に建っておりまして、建物自体は長崎市役所より古いんですけれども、構造的には耐用年数はあるようでございますので、しかも4,000坪という面積ですので、そういうことも含めて、これを将来的に長崎市でどうするのか、また、そういう長崎奉行所の問題をどう絡めていくのかということにつきましては、いずれにしましても、もうしばらく時間の経過がこれは必要ではなかろうかなというふうに考えられますので、そういう松尾議員さんの意を体して、私どもも議会の皆さん、市民の皆さん方の意見を聞きながら対応させていただきたいというふうに思います。 22 ◯議長(奥村修計君) 休憩いたします。  午後は1時から再開いたします。           =休憩 正    午=           ───────────           =再開 午後1時0分= 23 ◯副議長(塩川 寛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。27番渡辺敏勝君。       〔渡辺敏勝君登壇〕 24 ◯27番(渡辺敏勝君) 新進党の渡辺敏勝です。  では、質問通告に従いまして、順次、質問しますので、市長並びに理事者の明快な答弁をお願いいたします。  まず第1点目は、長崎水族館・長崎ロープウエーの存続についてお尋ねいたします。  この両施設を運営してきた長崎観光開発株式会社は、昭和30年に、原爆を受けた長崎の地に県立図書館、美術館、水族館、体育館、市公会堂などの文化施設を建設することを目的とした長崎国際文化センター建設委員会の創立に伴い、昭和33年に設立されたもので、昭和34年4月に水族館を、同年10月には長崎ロープウエーが、それぞれ開業され、水族館は水産県長崎の誇りとして、また、百万ドルの夜景が展望できるロープウエーは、観光長崎のシンボルとして、39年もの長きにわたって広く全国の皆さんから親しまれてきました。  ところが、今年6月30日に開かれました取締役会において、経営難を理由に来年3月末をもって会社を解散することを決議したことが明らかになり、長崎水族館・ロープウエーについては、長崎県か長崎市に事業を継続してもらいたい旨の要請書が県並びに市に提出されました。その後、従業員の皆さんが街頭で両施設の存続を求めて署名活動に取り組み、私も署名活動に立ちましたが、ほとんどの皆さんが、「長崎から水族館はなくしてもらいたくなか」とか、「福田の遊園地がなくなって、水族館もなくなれば、子供たちはどこで遊べばよかとですか」などの声が多く聞かれました。  長崎市は現在、長崎観光開発株式会社に7,000万円を出資し、約13%の株主として市長と議長が役員となっていますが、今日のこのような状況に至るまでに、長崎市として会社運営にどのようなかかわり方をしてきたのか、まずお伺いしたいと思います。  次に、6月30日以降、水族館・ロープウエーに関していろんな新聞報道がなされていますが、この市議会の場で市長から長崎水族館・ロープウエーの今日まで果たしてきた役割と今後の必要性、つまり両施設を今後どのようにしていこうと考えているのか、改めて見解を求めます。  また、9月6日の新聞報道によれば、長崎観光開発の労働組合の陳情に対して、市長は、ロープウエーは市が主体となって事業を受け継ぎ、水族館については水族館事業検討懇話会の報告を受けて、市としての対応を決める考えを明らかにされました。私は、長崎の夜景が展望できるロープウエーは、夜型観光を推進する上でも長崎市にはなくてはならないものと思います。しかし、水族館については長崎市にあるため現在、水族館事業検討懇話会を設けて長崎市としても検討を進めていますが、長崎県の主要産業として水産県長崎を売り物にしてきた長崎県がもっと主体性を発揮すべきと私は思います。魚の水揚げ高西日本一を誇ってきた長崎県に水族館がなくなっていいのでしょうか。ワシントン条約のために、もう手に入らないペンギンや魚がたくさんいる長崎の水族館は、長崎の文化でもあると思います。  そこで、水族館の存続については、長崎市から株主でもある長崎県に対して強く要請すべきと思いますが、市長の見解をお示し願います。  さて、次に来年2月は長崎県知事選挙、7月は参議院選挙が施行されますが、近年、低下が懸念されます投票率の向上対策について2点質問をいたします。  まず1点目は、不在者投票対策ですが、選挙期間の短縮に伴い、不在者投票がしやすい体制をとるべきと思いますが、その向上に向けてどのような対策をとろうとしているのか、お尋ねいたします。  第2点目は、高齢化社会に対応する投票率向上対策であります。  現在、長崎市の投票所は6,800人を抱えるマンモス投票所から240人のミニ投票所まで110カ所がありますが、傾斜地の多い旧市街地は高齢化が進み、階段を登り下りする苦痛のため、あるいは駐車場がないために投票に行かない老人が多いと聞きます。また、原則として投票所は小学校単位としているため、近くに投票所があるのに遠い投票所に行かなくてはならないケースもあります。  そこで、投票所をふやしたり、近くの投票所で投票ができるような投票率向上対策が考えられないか、お伺いいたします。  次に、異国情緒あふれる長崎らしいまちづくりについて質問いたします。  長崎市にやって来る年間500万人を超える観光客は、長崎の異国情緒あふれる町並みを見て「長崎に来たんだな」と思うそうです。それはよその都市にはない独特の町並みがあるからこそ魅力があると思います。しかし、最近、建設されてきた建物を見ると、長崎の街にマッチしない建物が、しかも、公共施設の建物に多く見られてなりません。長崎の特色ある景観を持続することが観光長崎の集客力に連動するものと思います。  そこで、長崎らしいまちづくりの第1点として、長崎独特のまちづくりについて具体的な色とか形の基本方針をどのように考えているのか、お尋ねいたします。  次に、アーバン・ルネッサンスの元船埋立地区に建設された建物は、有名な日本人や外国人の建築家の設計でつくられ、どうみても長崎のまちに似合わないと思うのは、私だけでしょうか。しかも、民間の建物ならともかく、公共の施設が異国情緒の景観を壊すようではいけないと思います。  そこで、第2点目は、まちづくりの基本方針を早急に決めて、まず公共施設へ導入すべきと思いますが、市長の見解を求めます。  また、この公共施設の設計については、有名な設計屋ではなくて、長崎出身の建築・設計者がたくさんいるはずであります。そこで、若手の建築・設計者を育てる意味から、コンペを開催して、どれが長崎市にふさわしい建物かを審査して決める方法がとられないか、市長の見解を求めます。  まちづくりの第3点目は、アーバン・ルネッサンス計画に伴う県との協議体制の強化について見解を求めます。  懸案となっていた元船地区の商業施設の進出も決まり、アーバン・ルネッサンス計画が着々と進められていますが、今後は、元船地区から常盤地区へと建物がつくられてくると思います。既に元船地区にできたターミナルと龍をイメージした倉庫は30年以上はあのままでしょう。また、県庁移転先もアーバン計画の魚市跡になるようですが、長崎市の第三次基本計画の中にもあるように、長崎のまちは海と山と街が調和した魅力的な大景観を保全する計画が打ち出されていますので、長崎市としても異国情緒あふれる長崎のまちづくりの基本方針をきちっともって、長崎市の主張が取り入れられるよう県との協議を強めるべきと思いますが、市長の見解を求めます。  では、最後に美術館・博物館のあり方について数点質問いたします。  長崎市は、今年5月に官民一体となって文化振興協議会を発足させ、立ちおくれている長崎市の文化活動を活性化させようとしていますが、昨年6月議会の同僚議員の質問に対して市長は、「図書館・美術館・博物館などの施設については、重複を避けるために県との整理が必要であり、昨年5月から県との協議を開始した」旨の答弁がなされております。その後、図書館については、新興善小学校の跡地に一定の方向づけがなされましたが、美術館・博物館のすみ分けをする県との協議状況について、まずお尋ねいたします。  次に、私は先月、福岡と佐賀の博物館と美術館を見て回りました。福岡、佐賀の博物館は、それぞれの県の生い立ち、並びに県の歴史、特色、産業などを体系だって展示されております。これが博物館だと感心いたしました。長崎市の博物館は、平和会館の地下1階と1階にありますが、そのほかに長崎市には歴史民俗資料館、出島資料館、埋蔵資料館、古写真資料館、私学資料館などその他いろんな資料館が市内に点在しています。観光客の皆さんが1カ所で長崎の歴史などがわかるように、博物館と資料館を一本化し、体系だって展示する考えはないのか、お尋ねいたします。  また、福岡、佐賀の美術館を見て感じたことは、美術館と図書館はビデオコーナーなど共通する分野が多く、市民が創作し、市民ギャラリー的要素をもった美術館は図書館と隣接することによって、より市民が利用しやすい文化施設になると思いました。つまり、博物館は観光客が利用しやすい所に、図書館・美術館は市民が利用しやすい所に設置すべきと思いますが、市長の見解を求めます。  最後に、市民美術展は、市民会館で開催されていますが、作品数に対して展示場所、展示スペースなどいろんな課題があると聞いています。来年秋に文化情報交流施設「ブリックホール」が完成しますが、市民美術展を今後どのように開催しようとしているのか、お尋ねし、壇上からの質問を終わります。=(降壇)= 25 ◯副議長(塩川 寛君) 伊藤市長。       〔伊藤一長君登壇〕 26 ◯市長(伊藤一長君) 渡辺議員のご質問にお答えをいたしたいと思います。  まず、水族館・ロープウエーの問題につきましてお答えをいたしたいと思います。  長崎観光開発株式会社の経営に対する本市のかかわりについでございますが、同会社からの要請に対しまして、昭和33年3月の同会社の設立当初から出資を行い、現在の出資額は7,000万円、持ち株数14万株、株保有率は12.96%となっております。また、現在までに行ってきた同会社に対する支援策といたしましては、水族館事業につきましては、昭和33年に水族館用地1万6,000坪の無償貸付、昭和46年に公有水面埋立権の有償譲渡、昭和49年に市有地9,303.69坪の有償譲渡を行っており、また、稲佐山事業につきましては、平成8年度から展望レストラン使用料及び清掃費負担金の減免措置を行っているところであります。  このように同会社は、設立当初から官民一体となった取り組みがなされ、水産に対する県民への啓蒙と理解を深め、あわせて文化振興の見地と教育的役割を果たす施設としての長崎水族館、及び本市の観光のシンボルである稲佐山に欠かせない施設としてのロープウエーを主体とする事業であることから、本市といたしましても、現在まで可能な限り支援策を行ってきたところであります。  次に、水族館及びロープウエー両施設の必要性についてでございますが、まず長崎水族館は、昭和34年の開館以来、市民の皆さん方はもとより広く県民や本市を訪れる観光客に親しまれ、また、子供たちの情操教育の場としての役割を担ってきたものであり、その公共性については十分認識しているところであります。また、同水族館には、7種類110羽と国内最多種のペンギンや、国内では長崎水族館だけで飼育されているメコンオオナマズ等の貴重な生物も飼育されており、それらも長崎の貴重な財産であると考えております。  一方、稲佐山につきましては、ご存じのとおり、国際観光都市長崎が誇る代表的な観光施設の一つであり、その眺望は国内外から訪れる観光客や市民から高い評価を受けているところであります。また、本市の特性である斜面を生かした夜景を活用し、滞在型の観光客誘致に力を注いでいるところであり、そのイメージを高める意味でもロープウエーの存在とその果たす役割は大きく、公共性も高いものと認識をしております。  したがいまして、ロープウエー事業につきましては、市が主体性をもって事業の継続を図ってまいりたいと考えているところでございます。  具体的には、今後、経営主体の早期決定、索道事業の認可に係る諸条件の整備等について一定の方針を決定し、12月議会でのご審議を賜りたいと考えております。  長崎県とのかかわりにつきましては、ロープウエーに関する検討内容及び長崎水族館事業検討懇話会の状況報告を行うなど、必要の都度、協議を重ねているところでございます。今後とも十分協議を行いながら県市協力のもとに検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、異国情緒あふれる長崎らしいまちづくりについてお答えをいたしたいと思います。  長崎らしいまちづくりにつきましては、第三次基本計画の中で「長崎らしさを活かすまちづくり」として位置づけをしております。この中で、長崎らしさの形成につきましては、長崎が海外との交流ではぐくんできた多様な歴史、あるいは文化を長崎の原点としてとらえ直し、市民の誇りとなり、また、来訪者への魅力となるような整備、保存、継承するとともに、時代の変化に対応した新たな魅力を付加していくことも必要としております。さらに、平成2年3月に策定をいたしました長崎市都市景観基本計画におきましては、長崎の特性を生かし、都市の魅力を育てるという考え方に立ち、長崎の歴史と地形に着目し、都市景観の整備、保存を図ることとしております。具体的には、地域としての特徴を維持するために「東山手・南山手地区」「中島川・寺町地区」「出島地区」「平和公園地区」「館内・新地地区」などで景観形成地区の指定を行い、歴史的な景観資源を損なわないように努めております。  また、これらの地域は、本市の開港以来の歴史の中で、港を囲む山並みや斜面地の独特の地形と相まって、よそにはない本市独特の「和・洋・中」が混在した異国情緒を醸し出しております。  渡辺議員ご指摘の町並みの統一性でございますが、先ほど申しましたように、「和・洋・中」が混在した長崎でありますので、それぞれの地区の特性を生かして地区ごとの統一性を図りながら長崎らしさの形成を進めていきたいというふうに考えているところでございます。  一方、アーバン・ルネッサンス2001構想に代表される新たな景観の形成につきましては、海、まち、山で形づくられる長崎の大パノラマに調和した建造物等の建設が求められております。  そこで、今後さらに適切な景観指導を行うことを目的として、本年度より長崎港内港地区景観形成方針及び基準を策定することといたしております。  次に、公共施設への導入につきましてでございますが、長崎市都市景観条例におきましても、都市景観の形成について公共施設の先導的役割が明記されております。このため本市においては、景観に関係する各部局から代表を集め、定期的に都市景観研究会を開催し、特に重要な案件につきましては、学識経験者等で構成されております長崎市都市景観審議会のご意見を参考にして、都市景観の向上に努めているところでございます。  さらに、公共施設に対して長崎らしい都市景観の形成を目的とする公共デザインマニュアルを策定する計画であります。この策定に当たりましては、市内部だけではなく国及び県などの関係者で組織する協議会等を設置し、今後の長崎市の景観形成に鋭意努力をしていきたいというふうに考えているところであります。  また、設計発注のあり方につきましてでございますが、渡辺議員ご提案のコンペ方式による発注方法も含め長崎の景観をよく熟知した地元設計者に発注することなど、今後検討していきたいというふうに考えております。  次に、県との協議体制の件でございますが、ナガサキ・アーバン・ルネッサンス2001構想につきましては、活力と魅力に満ちた長崎の再生を図る中心プロジェクトであり、その事業の推進に当たっては、平成2年3月に設置いたしました同構想推進会議のもと、平成6年から県、市、商工会議所、民間の構成からなります企画部会及び幹事会を設置し、十分な協議を重ね、総合的に検討し判断することとしております。  先行実施地区である元船地区におきましては、既に倉庫2棟とターミナルビルが完成しておりますが、今後、現在計画中の元船地区商業施設につきましては、関係者と十分協議をし、景観への配慮をいただくとともに、常盤・出島地区に予定されておりますコンベンション施設等につきましても、企画部会等において景観も含めて総合的な見地で慎重に検討し、事業の推進を図りたいと考えております。  今後とも、本市の長崎らしい景観形成を目指して、官民一体となりまして、その推進を図るように努力してまいりたいというふうに考えております。  次に、美術館・博物館のあり方につきましてお答えをいたしたいと思います。  長年の懸案となっております図書館、美術館、博物館などの文化施設の整備については、本市のまちづくりにおける重要課題というふうにとらえております。これらの文化施設につきましては、県においても県立美術博物館や県立図書館等の充実、再整備が検討されているため、県との間でその役割分担や施設配置等の基本的な考え方について協議していくことを、議員ご指摘のように、昨年の5月に合意をいたしております。  同種の施設を重複して整備することにつきましては、投資効率の面から、また、長崎市域内に非常に平地が少ないということ、交通アクセス等もございます。そういう問題を含めて県市で適正な機能分担を図りながら整備していくことが基本であると考えております。しかし、その配置につきましては、本市の先ほどの申し上げました土地利用の状況を勘案すると、市の中心部にまとまった用地を早急に確保することが困難な状況にあり、さらに、県の庁舎あるいは市の庁舎などの他の公共施設の配置等も視野に入れながら慎重に検討を行う必要があろうかと思います。  その後、平成9年2月の県・長崎市企画連絡会議の席上等で、この問題についても協議を行いましたが、県庁舎の位置等の問題の絡みもあって、一定の結論を導き出すまでには至っていないというのが現状でございます。  県庁舎の建設位置は、本市の都市づくりの骨格、特に中心市街地の施設配置を検討する上で非常に重要な意味を、ある意味では持っております。幸い昨日の新聞によりますと、県庁舎は長崎魚市跡地に建設される方針が固まり、16日から開会されます9月県議会におきまして、知事が表明されるとの報道がなされております。私といたしましては、その後の推移を見守りながら、本市の文化施設や市庁舎を初めとする公共施設の適正配置、さらには県、市の役割分担や機能の整備などについて、今後も県と協議を重ねてまいりたいというふうに考えております。  現在の博物館は機能、規模ともに充実する必要が、確かに議員ご指摘のようにございます。教育委員会内部で総合博物館として建設するという構想について検討中であります。この総合博物館構想は、現在、上銭座町の歴史民俗資料館を博物館に一体化させ、同館が収蔵する歴史民俗資料や埋蔵資料を包括して、長崎の歴史あるいは文化を古代から近現代まで体系的かつ総合的に展示し、市民を初め長崎を訪れる多くの観光客に長崎の歴史や文化を知っていただく展示にしていきたいというふうに考えております。  また、この総合博物館の構想では、博物館をまちづくりや市内の類似施設の核として位置づけ、市民が知的体験の場として、さらには多くの観光客を呼べる集客型の観光施設として建設したいというふうに考えております。現在、市内には類似施設がありますが、そういった施設につきましても、一体化できるものにつきましては、今後も検討してまいりたいというふうに考えております。  長崎市立新興善小学校跡地については、本年2月末に長崎市立新興善小学校跡地活用検討協議会から報告書をいただいております。その概要を申し上げますと、「新興善小学校跡地には、本市全体の発展、地域の活性化、将来の需要及び土地の有効利用の観点から、図書館及び博物館を中核とし、地域コミュニティ施設を含む複合施設を建設する。あわせて緑地の整備を図ることが望ましい。なお、跡地活用ができるのは平成15年度以降であることから、時代の推移により客観的な状況の変化が生じ、当該施設の建設に適当な場所が他に確保された場合は、改めて跡地活用に関する協議の場が必要であるものと考える」となっております。  今後は、検討協議会の報告を尊重し、その趣旨に沿った形で具体的な検討を進めていきたいというふうに考えております。  次に、市民が利用しやすい創作の場、発表の場を備えた美術館の建設についてでございますが、生活水準が向上し、余暇時間の増大した現代社会におきまして、心の豊かさと暮らしに潤いを求める市民の文化的要求はますます高まってきております。これに伴いまして、音楽や演劇や美術や文学や舞踊などにおける市民の芸術文化活動も日増しに活発になっている状況にあります。  議員ご指摘のとおり、これからの美術館は優れた芸術作品を鑑賞するだけではなく、市民が絵画、彫刻、書等を自由に創作できる場や発表できる場が必要であると私も考えております。また最近、整備された他都市の美術館の状況を見てみますと、展示室のほかに創作室、実習室、市民ギャラリー等の名称で市民が創作活動を通して美術に親しむための「創る場」「発表の場」が備えられている傾向にあります。  このことにつきましては、平成3年に長崎市美術館検討懇話会から出された答申におきましても、美術館は市民の芸術文化の創造に寄与するだけではなく、市民に語らいと憩いの場を提供し、文化的雰囲気に浸る心豊かな空間を演出する総合施設と位置づけられ、その性格は、文化の交流に広く対応できる美術館、生涯学習の場としての市民が参加し、発表できる美術館という方向性が示されております。  したがいまして、懇話会の答申におきましても、議員ご指摘の内容と同様の趣旨の提言があっておりますので、美術館の建設に当たりましては、その点を踏まえながら整備に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  ほかの答弁につきましては、それぞれの所管の方から答弁いたしますので、よろしくお願い申し上げまして、本壇よりの答弁といたしたいと思います。=(降壇)= 27 ◯選挙管理委員会事務局長(寺田純一君) 投票率の向上につきましてお答えさせていただきます。  本市の選挙の投票率につきましては、議員ご指摘のとおり低下傾向にございます。最近執行されました本市におけます国政選挙の投票率を見てみますと、平成7年7月の参議院選挙が41.91%、平成8年10月の衆議院選挙が58.07%で、それぞれの選挙での史上最低の投票率となっておりまして、近年の投票率低下傾向は顕著で、深刻な状況にあります。  このような低投票率傾向の背景といたしましては、さまざまな要因が考えられますが、選挙を執行いたします立場からは、現行の投票制度やその運用の見直しを行い、有権者ができるだけ投票しやすい環境を整えていく必要があります。このため自治省では、本年1月より都道府県・市町村選挙管理委員会の実務者担当を交えまして、投票環境の向上方策に関する調査研究会を設置し、検討を重ねているところでございますが、本年6月検討状況の中間取りまとめを行ったところでございます。  本市におけます最近の不在者投票の状況は、平成7年参議院選挙で、投票総数の5.5%、7,686人、平成8年衆議院選挙では総投票数の5.2%、1万147人となっており、不在者投票は年々増加傾向にあります。現行の不在者投票制度につきましては、一定の限られた事由に該当する場合に厳格な手続きのもとに行われるものとされておるため、「有権者からは利用しにくい」「不在事由を細かに問いただされたりする」等の不満の声も少なからず寄せられております。  一方、有権者に不快感を与えないように、不在者投票制度を緩やかに運用するとするならば、現行制度のもとでは、さきに行われました対馬の上県町長選挙の例に見られますように、「不在事由を十分に確認していない」ということで選挙無効の原因とされるおそれもあるため、前に述べました有権者の声は承知いたしておりましても、制度上は不在事由を細かく確認せざるを得ず、選挙管理委員会としても大変苦慮しているところでございます。この点につきましては、さきの調査研究会の中で、不在者投票事由の緩和についても検討され、中間取りまとめがなされておりますので、法改正が行われることを期待しているところでございます。  また、不在者投票所につきましては、現在、選挙管理委員会事務局及び市内11カ所の市役所支所で実施しているところでございますが、この制度を利用される有権者が増加傾向にありますので、投票の中立性が保たれる施設、事務管理執行等を検討いたしまして、可能であれば増設していきたいと考えております。  次に、高齢者の方々が投票に気楽に行けるような投票所の開設場所について検討すべきではないかというふうなご質問でございますが、現在110カ所を投票所といたしております。幾つかの地区におきましては、投票所への道筋が悪い、遠くて投票に行くのがおっくうになるとの苦情を聞いておりますが、地形の問題、世帯人口の集中密度などが異なること、宅地開発の進展、投票所として利用できる施設の確保等の問題でご要望に沿った投票所の開設が困難で、有権者の方々、特にご高齢の有権者の方々には大変申しわけなく存じております。  投票区の変更や新たに投票所を開設することにつきましては、原則として町を単位として学校区、自治会の区域等を総合的に考慮し、決定しておりますので、有権者個々人のご要望には沿えませんが、過去にも実例がありますので、投票所周辺の有権者の方々のご要望に沿えるよう努力してまいりたいと思います。  以上でございます。 28 ◯教育長(内田進博君) ご質問の最後の市民美術展の今後のあり方についてお答えをいたします。  長崎市民美術展は、長崎市、長崎市美術振興会、長崎市教育委員会、長崎国際文化協会の主催によりまして、毎年1回長崎市民会館展示ホール・地下会議室において開催をいたしております。  市民の美術・文化に対する関心は非常に高く、平成8年度の出品数でみますと、一般の部が566点、ジュニアの部が2万86点の合計いたしますと2万652点となっております。出品に際しましては、展示スペースが限られておりますので、一般の部では1人2点までとし、作品の大きさも一定以内に制限をしているところでございます。また、ジュニアの部では、出品点数が年々増加しておりますので、展示作品の選定に大変苦慮しているのが現状でございます。  そこで、今後の対応といたしましては、現在建設中の(愛称)長崎ブリックホールの施設の中の市民ギャラリー的な展示スペース、会議場、ラウンジ及び会議室を利用した一般、ジュニア一体的な市民美術展を開催する方向で検討をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 29 ◯27番(渡辺敏勝君) 「水族館の灯よ、いつまでも」という心境で何点か再質問をさせていただきたいと思います。  今、ご答弁いただきまして、市のかかわり方については、今、市長の方から言われましたように、土地とか、稲佐山の清掃問題とか、いろいろご協力いただいているわけですが、例えば毎年の決算状況を見れば赤字がずっと続いているわけですね。このような状況に至るまで、例えば2、3年前に、今の状況が続けば閉鎖せざるを得ませんよというのがわかるはずですよ。ずっと毎年赤字が続いてきているわけですから。それが今年になって急に言うて、来年3月末をもって閉鎖します。この間、なぜ2、3年前にそういう対策をとられようとしなかったのか。13%持っている市の責任の一端もあると思うんですよ。その辺の経営内容に対するかかわり方がどのような形でされてきたのか。短兵急に来年3月末で閉鎖しますと、こう出てきているわけですけれども、このまま赤字が続けば閉鎖せざるを得ませんという状況もわかっておったはずと思うんですよ。その辺のかかわり方について、再度詳しくご報告いただければと思います。  それから、投票率向上対策でお尋ねしますのは、各家に投票入場券というはがきが来ますね。私ですと「戸町中学校に行きなさいという」。あれをもう少し早く発送できないものか、告示になったらすぐにでも。あのはがきが有権者の証明になると思うんですよ。あれが来る前まではいろいろ身分証明書などを持っていって不在者投票に行く。そしたら「手続きがいやらしか」と、こう言うものですから。あの投票入場券は、その人が有権者である、あとは身分証明さえあればどこでも不在者投票ができるだろうと思うんですよ。  あのはがきは、いつごろ送られているのか、告示になって発送されているものか、告示前に発送されているのか、この辺を教えていただければと思います。  それから、もう1点は、美術館と博物館の協議の関係ですが、昨年、高比良議員が質問したときに、実は去年の5月から県と協議を開始しました、すみ分けを今から協議していきますという答弁がなされているわけですが、今の市長の答弁でいきますと、平成9年の2月に県市企画連絡会議かなんかで協議したが結論は出なかったと、その後5月以降、たったの1回だけなのかどうなのかわかりませんが、結論が出ていない。  そういう中で、今の市長の答弁でいきますと、博物館を総合博物館的な構想をもって今進めているということは、県と博物館と美術館とをすみ分けしようという中で、市は先行して博物館は総合博物館をつくろうとしているのかどうなのか。その辺を教えていただきたいと思います。  以上3点、その辺を教えていただければと思います。 30 ◯商工観光部長(中島吉盛君) 長崎観光開発株式会社に対する長崎市のかかわり方、援助はどうなのか、唐突に出たのではないかということでございます。  この会社の決算状況等につきましては、私たちは平成6年、7年、各年ずっと承知しております。平成6年度におきまして、当期の損失が1億4,300万円、その前までは1億円内でございました。しかし、平成6年度、7年度、8年度は1億を超える欠損が出てきております。その中で、会社の経営につきましては取締役会という一つの運営形態がございます。長崎市は13%の出資はしておりますけれども、民間の会社、要するに、商法に基づいて会社運営を行っております。長崎市は平成8年度につきましては、稲佐山の減免の措置等をしました。それ以外につきましては、要するに、会社の方についても、いろいろ今後経営の合理化等を図って累積赤字を消すようにということは申し入れをしております。その会社の方におきましてもいろんな対策をされまして、平成7年度に1億7,900万円近くの当期損失が出ておりますけれども、平成8年度には努力されまして1億1,900万円近くの損失に減少しております。  ただし、累積をみますと8億3,900万円とどんどんふえてきておりますので、会社といたしましても、マルハという大株主の方でも、今後経営をしていっても非常に経営環境は悪くて収益が上がる見込みがないということで、最終的に取締役会の中で決議が出され、来年の3月31日をもって会社を解散するという一定の方向が出されております。  そのために、長崎市といたしましては、先ほど市長が申しましたように、ロープウエーの稲佐山事業、水族館事業につきましては、一定公共性があります。特に稲佐山事業につきましては、先ほど渡辺議員が言われましたように、長崎観光の大きなシンボルでございます。稲佐山から見る夜景、眺望等には市民、観光客の方が多数登られて大変親しまれておりますので、ロープウエーの稲佐山事業につきましては、市が今後継続していくということで、今いろんな検討を進めているところでございます。  以上でございます。
    31 ◯教育長(内田進博君) 博物館の問題でございます。  先ほど市長の方からもございましたが、博物館、美術館等のすみ分けの問題につきましては、これは県の方とも並行しながら協議がされているところでございますが、博物館の問題につきましては、そのようなすみ分けの協議以前から、先ほど市長が申しましたように、教育委員会内部として協議をしている、そういう中で総合博物館としての構想を考えているというふうなことでございまして、市が単独でつくるとすれば、こういった歴史民俗資料館を包含した総合的な博物館にすべきであろうというような検討がされているということでございますので、よろしくご理解をいただきたいと思います。 32 ◯選挙管理委員会事務局長(寺田純一君) 入場券は、選挙の告示がなされないと発送することはできませんが、告示があり、早く発送したいというふうに考えておりますが、早くいたしますと紛失等のトラブルが多くなりまして、投票日の1週間前に発送するようなことにいたしております。  以上でございます。 33 ◯27番(渡辺敏勝君) 水族館の会社経営に対する今の答弁は、私はようわかりにくかったんですけれども、要するに2、3年前から赤字がずっと続いているわけですから、半公共施設の関係で。2、3年前からそういう話が、このまま続ければ閉鎖せざるを得ませんと、そういう話が会社の方から長崎市に対してなかったのかどうなのか。それを受けて、長崎市はどう対応してきたのかということを、あとでもう一遍教えていただきたいなと思います。  ここに水族館の設立当時の資料を詳しく調べたものがあるんですが、この水族館ができる経過として、既に知っていると思うんですが、原爆の復興のために昭和24年、原爆の投下された3年後に、広島平和記念都市建設法というのと長崎国際文化都市建設法というのが国会で決められまして、特別立法で国庫補助が3分の2という、これの法律が可決されて、先ほど私が言いましたような国際文化センターが設立された。  昭和30年に長崎国際文化センターが設立されたのは、当時の長崎県知事の提唱で設立されております。そして、事務局は県庁内に置かれているわけです。日本で2番目に長い海岸線、漁港の数は日本一の長崎県で、水族館こそ復興にふさわしい施設と位置づけたと、こう明言されておるわけです。  この後、資金が、要するに3分の2は国庫補助らしいんですが、資金が集まらずにどうしても民間の当時の大洋漁業の中部さんに知事から泣き込んでしてくれろと、知事の強い要請を受けて中部さんが引き継がれて、この文化センター、そして知事からは県の事業というのが、先ほど言いましたように、国際文化会館、平和祈念像が昭和30年、昭和32年に児童科学館、それから稲佐山道路の開通、昭和33年にグラバー園の開園、それから34年が水族館とロープウエーが開園しております。昭和36年に長崎国際体育館が設けられ、昭和30年に長崎市公会堂がつくられたと、いろんな事業すべてが完成したら県に移管するという口約束もあったようでございます。  こういった中で、県が当初主体的になっているものですから、先ほど私の質問にありましたように、県の方に対して長崎市がもっと、もちろん長崎市でありますから長崎市としても水族館については噛んでいかんばいかんわけですが、もっと県が主体性を持ってもいいんではないかと私は思っているわけです。  その辺について、先ほどの市長の答弁でいきますと、県と協議をしますというような柔らかい形なんですが、市がロープウエーを引き継ぐということを今、明言されました。水族館については、もう少し県に対して市がもっと強く言うべきと私は思っておりますが、これはひとつ私の要望にしておきたいと思いますけれども、県からきている犬束助役とか、横尾収入役、ひとつ十分県と連携を取っていただきまして、何とか水産県長崎としてやってきた実績があるわけでしょう。県の大きな産業は何か、造船・水産・観光とか、石炭とか言っておりましたが、ぜひ水産県長崎に水族館がなくなるというのは非常に私は残念でならないわけです。  ですから、最近の過去の水揚げ高の各県別の水族館の状況も議会事務局発行の調査資料報に載っておりますが、やはり水産県を主張する県には3つも4つも水族館があるわけですから、ぜひ県に対して、その辺の主張を入れていただいて、十分県に対して強く申し入れていただきたく、よろしくお願いいたします。  それから、この水族館についても、私は今の網場の地区では仮にリニューアルして縮小して建て直しても、なかなか今後の経営は難しいと思うんですよ。観光客の人にも入ってもらうような地理的な面、そういうことからいきますと、今、アーバン計画の中の一角にでも、ぜひ県として土地を提供してもらうような一つの案として取り入れてもらうように強く要請してもらいたいし、また、水産県長崎ですから、水族館でなくて海の生き物ばかり集めて「海族館」という形でも、海に関したものは全部揃っているというぐらいの場所的なものを含めて。ペンギンが日本一ですからペンギンをメーンに出してもいいと思いますけれども、規模を縮小してでも観光客が入れるような土地、地理的なもの、これをぜひアーバン計画の一隅にでも入れていただくように、これまた強く県の方に要請をしていただきたいというふうに思っております。  それから、投票率の関係ですが、今、はがきは告示後1週間前に、なくされてはいかんということで、ご親切に1週間前に着くようにしているそうですが、不在者投票、すぐには投票所の増設は難しいと思うんですけれども、一番投票率を上げるためには投票所をふやすことが具体的には、銭はかかるかもしれませんが、投票率アップにはつながると思うんです。  しかし、早急には難しいかと思いますが、不在者投票をぜひもう少し、例えば不在者投票の場所が、駅前の所にありますね、駐車場も近くにはありません。やはりこっちの市内の方に、築町株式会社が5階、6階を市が借りるそうですが、あの辺の買物の途中にでも、おばあちゃんが買物の途中でも不在者投票ができるような場所とか、あるいは仕事が終わってからも投票できるような時間帯の延長とか、この辺をもう少し十分に検討していただいて、不在者投票のアップについては、ぜひ検討していただきたいと、こういうふうに思います。  それから、景観ですね。町並みの関係でありますが、ルネサンス伊王島は壁が白、屋根が赤茶色みたいなもので統一されております。ハウステンボスもあそこに行けば外国に行ったような気分がする。長崎に来たときには異国情緒あふれる長崎の町並みがあってこそ、長崎に来たという感じがすると思うわけです。例えば長崎のまちは基本的にはれんが色に統一しようと、できるならですね。そういう方針を早く決めていただいて、そして、長崎市はアーバンの中にでも長崎市としては、先ほど市長が言いましたように新地とか、東山手・南山手の地域的ないろいろなまちづくりはされておりますが、基本的には長崎市全体に、例えばれんがの色をベースにしてまちづくりをしていこうというのを早く決めていただいて、それをもってアーバン・ルネッサンスの中に持ち込まんといかんと思いますよ。  そうでないと、あの2つの建物を見て、今後あとどういう建物ができてくるか心配でなりません。特に、今度は東山手・南山手に近づく所に、今度は常盤町は建物ができてくるわけですので、長崎市としてはまちづくりの基本はこれですよということを、県の方にいろいろ県市企画連絡会議などでは言っていると思うんですけれども、こういう風潮でつくってくださいというのを決めないと県に対して強く言われないと思いますので、その辺はぜひ早く決めていただいて、アーバンの建物の中にそれをぜひ生かされるようにしていただきたいと思います。  県庁も魚市跡地に行くならば、県庁の建物についても、余り怪奇な建物をつくってもらわないように、やはり長崎のまちにマッチした建物ができるようにしていくべきと私は思っておりますので、そういう意味でもコンペはぜひ導入の方向でやっていただきたいというふうに思います。  それから、町並みの関係で、明日からあそこのオランダ通りで「居留地まつり」が2日間にわたって開催されますが、あそこのオランダ通り商店街が平成5年に町並み整備事業ということで答申を出しているわけですけれども、これによりますと、あの通りをパリの町並みみたいに、外でコーヒーが飲めたり、そういうまちづくりの方を地元としても検討されております。  あの通りの町並みを居留地としてのイメージを残すための答申が出ておりますので、私は、市の基本的な例えばれんが色に統一するとなれば、それに沿って協力してくれる民間の施設とか、民間の会社が市の方にれんが色に統一して建物を建てましょうとなれば、今後ある一定の建物の費用の半分か3分の1ぐらいは市が負担してでも、そういう町並みをつくっていく努力が必要ではないかなというふうに思いますので、それは今後、理事者の方でぜひ検討を進めていただきたいというふうに思います。  それから、あと博物館の関係ですね。一応、教育長の方から教育委員会内部の問題として今、博物館の検討を進めているということになっておりますが、今、平和会館の地下1階と1階にありますが、あの平和会館のホールが原爆資料館ができたために、あの平和会館そのものの有効活用というのがもう少し図られていいんではないか。逆に言いますと、あそこの2階、3階部分も含めて今、教育長が言うような博物館にするならですね、この平和会館のホールが少し遊んでいるんではないかなと私は感じがしてなりませんので、その辺の活用も十分前向きに検討していただきたいし、あの前にはいずれは原爆死没者追悼平和記念館もできると思いますので、場所的には、私は長崎独自の総合博物館をつくるならば、あの平和会館あたりが一番いいんではないかなというふうに思っておりますが、その辺も含めて十分検討をしていただきたいなというふうに思っております。  最後に、新興善小学校跡地活用検討協議会の答申では、私の理解では、図書館をべースに博物館等の複合施設にしたいというイメージだったんですよ。図書館はここにつくるということははっきりしている。あとの複合施設は、博物館等という理解をしていたんですが、私が壇上で質問しましたように、図書館と美術館というのは、市民の皆さんが利用しやすいようなことであれば図書館とぜひ一緒に美術館も連動させてもらいたいなというふうに思っておりますし、博物館につきましては、県とのすみ分けも今後の協議の中にあろうかと思いますが、ぜひ博物館は観光客にどんどん見てもらうような所に、図書館と美術館は市民が利用しやすい所に、ぜひつくるように検討していただけないかなというふうに思います。  以上、数点の意見・要望を言いましたが、見解があれば市長の方から、あるいは担当者の方から見解を求めたいと思います。 34 ◯市長(伊藤一長君) 渡辺議員の再質問にお答えをいたしたいと思います。  水族館の件でございますけれども、先ほど再質問のときに商工観光部長がお答えしたんですけれども、何年も前からこういう経営状況はわかっていたんではないか、今まで何をしていたのかというお叱りも含めたご意見でございましたけれども、確かに、私が就任したのが平成7年の5月2日付でございますけれども、確かに毎年1億円強の赤字が出ていると、借入金も相当大きいということは承知をしております。  私どもも手をこまねいて黙っていたわけではありませんし、観光開発に勤めている従業員の方々もあるいはあの地域の方々も非常にご心配になっていた、それもここ半年、1年のことではなくて、相当前からこの種の話というのは流れたというのは、これは事実だと思います。  ただ、これまで時間を要しましたのは、これは議員すべてご存じでご質問をされていると思いますけれども、あそこの株主構成というのが、私どもが13%弱、県の交通局が3%持っていますけれども、あとは個々人の株主の方がいらっしゃいますが、過半数は実は中部さんが持っておられまして、それともう一つ大きな民間の会社でもって、もう70%の株を持っておられまして、商法上でいきますと、皆さんご存じのように、これは株主総会をして取締役会をしてという手続上からいきましたら、もう一方的に押し切られるという言葉は適切ではありませんけれども、決定してしまうということのいきさつもございましたので、そういう形の終末というのは望ましくない。  やはり水族館という性格からしても、何らかの形で残すことも含めて、残す動物の種類もありますでしょう、場所の問題もありますでしょう、そういうことも含めた、あるいはあの土地そのものが市から、いわゆる議会のご同意をいただいて、現在あそこの観光開発の土地になったという経緯等も含めて、いろんなことを含めて、単に清算をしてしまえばいいんではないかということだけの議論ではだめだということも含めて、県も実は水産都市ということも含めて、深くかかわっておりますし、県も何とかして残さなくてはいけないということはわかっておりますので、そういうことで今日まで時間を要したということでございますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。 35 ◯副議長(塩川 寛君) 次は、47番中村すみ代さん。       〔中村すみ代君登壇〕 36 ◯47番(中村すみ代君) 質問通告に基づきまして、アジアに生きる長崎の視点からの最近の平和行政の現状について、市長にご見解をお伺いしたいと思います。  3点、質問通告で出しております。  まず、第4回世界平和連帯都市市長会議・長崎会議において、ヒロシマ・ナガサキアピールが採択されました。アピールは、「20世紀を世界大戦の世紀」と定義し、今世紀の歴史が示す教訓に学んで、21世紀を平和の世紀とするために、各都市が国家の壁を超えて連帯して努力することを誓うという内容で結ばれています。  21世紀を平和の世紀とするために、私たちは、また長崎市は、そして市長は、何をしなければならないのか、真摯な努力が求められることは言うまでもありません。しかし、私たちが誓いを新たにして21世紀にまさに歩み出そうしている今日、我が国をめぐる内外の情勢を見るとき、私たちの夢と希望と決意の前に立ちふさがり、忍び寄る影が次第にその存在を大きくしていることに気がつくのは、決して私ひとりではないはずです。21世紀を平和の世紀とするためには、アジア地域の平和と安定が不可欠で、我が国にとっては、このことが重大な問題です。  米ソ冷戦構造のもとで、我が国を初めアジア諸国は日米安保条約のもとに緊張関係を強いられてきました。しかし、冷戦構造が崩壊し世界は大きく変わりました。長い間、植民地支配や侵略戦争で苦しめられてきたアジア諸国は、自主・自立の道を歩み出し、お互いに協力し合いながら平和なアジア建設に向かっています。アジア諸国は、21世紀を身をもって平和の世紀にするために奮闘しています。  このような状況をさして、元駐インド大使の野田氏は、その論文で、この論文の内容につきましては、6月議会で概略紹介しておりますが、その論文で、かつてない平和な時代であると論じています。にもかかわらずアメリカは、なぜアジアに居座り続けるのでしょうか。日米安保条約は、冷戦構造の崩壊とともに、その歴史的役割を終えたのですから、廃止の方向で見直し、日本とアメリカは対等・平等な関係において、例えば平和友好条約を結ぶなどの努力をしていかなければならないわけですが、現実は意図的に朝鮮半島や台湾海峡に緊張関係をつくり出して、周辺有事に備えるのだと理屈をつけ、日米安保条約を再定義し、現在、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの見直しを進めているのがアメリカであり、アメリカに物が言えない我が国政府なのです。  今、我が国は21世紀を目前にして、重大な岐路に立っています。アジアの一員として、平和なアジア建設にアジア諸国とともに取り組む道を選択するのか、それともアメリカとともにアジア諸国に敵対して、強大な軍事体制に組み込まれて、20世紀と同じ過ちを繰り返す道を選択するのか、このことが問われていることをきちんと認識しなければならないと思います。  同様のことが本市の場合でも言えるのではないでしょうか。中国を初めアジア諸国とは一時期不幸な時期がありましたが、長い間、友好・協力関係で結ばれていました。歴史的にも、地理的にも深いかかわりのあるアジア諸国と本市がどう向き合うのか。この点について、本市が策定した第三次基本計画、総論第2章「21世紀に向かう時代の潮流」の2「グローバル化と国際交流圏の形成」では、アジアを中心とした国際交流圏の形成が、本市の経済交流を初め知的・人的、科学的・文化的交流にとっていかに重要かが述べられています。既にこの基本計画において回答は出ていると思います。本市が発展していくためには、他の自治体にはない、これらの有利な条件を生かして、今まで以上にアジア諸国や人々に信頼される長崎になることが必要ではないでしょうか。  アジアに生きる長崎の視点から、ガイドラインの見直しや、この間の本市の平和行政のあり方について、市長の率直な見解を伺い、21世紀に長崎市が進むべき道を考える機会としたいと思います。  質問の1.日米防衛協力のための指針見直しに対する市長の見解についてお尋ねいたします。  日米防衛協力のための指針の見直しが9月下旬をめどに日米双方でなされています。去る6月8日には中間報告が発表されました。それによると、見直しの柱は、「平素から行う協力」「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動」「周辺事態における協力」の3つからなっています。周辺事態における協力では、避難民の輸送、米軍への自衛隊施設や民間空港・港湾の提供、米艦船・航空機・車両の修理・整備など40項目の軍事協力が盛り込まれており、本県では長崎空港や佐世保港の使用が要求されています。  このことは、朝鮮半島や台湾海峡での有事を想定して、日本に対する武力攻撃ではないのにもかかわらず、日本は米軍の戦闘行動に協力し、自衛隊、政府機関、地方自治体及び民間による国を挙げての後方支援体制に突入するということになり、本県がその体制に組み込まれるということにつながります。  そこで、市長の見解をお伺いします。  (1) 見直しは必要かどうか。この点についての市長のご見解を伺いたいと思います。  (2) 政府に見直し反対の要請をするお考えはないか。また、県には見直しを政府に要請するよう申し入れる考えはないかについて質問をいたします。  2.平和宣言文から「謝罪」の文字を削除した理由についてお伺いいたします。  アジア諸国・人々との歴史認識の共有が経済交流を初めとするあらゆる交流の基礎とならなければならないことは言うまでもありません。先ほど引用しましたように、本市が文字どおり第三次基本計画で示したアジアとの国際交流圏を形成し、アジアとの長期にわたる国際交流で発展したいと望むなら、この問題は避けて通れない重要な課題であると考えねばなりません。  と同時に、核兵器廃絶の声を全世界に発信し、アジアを初め世界の国々が「ナガサキの声」を真実受け入れられるのは、アジア諸国への反省と謝罪があって可能である。このことも極めて重要な問題なのです。  ゆえに市長は、前市長時代からの平和宣言の意味することを理解し、1995年8月9日の平和宣言文で、「アジア諸国への反省と謝罪がなければ核兵器廃絶の声は届かない」と、みずから宣言されたのです。しかし、今夏の宣言文には「謝罪」の文字が削除され、7年間も本市の宣言文に盛り込まれていた、この謝罪の文字が削除されました。また、新聞報道によれば、起草委員会へ提出された最初の事務局案には「反省」の文字もなかったということから考えますと、明らかに昨年までの宣言文と比較して大きく後退したと言わざるを得ません。今までうたわれていたものを、なぜ削除しなければならなかったのか、その理由をお尋ねいたします。  3.米艦船の入港容認発言の撤回について質問いたします。  アメリカは、全世界の反対を押し切って、去る7月2日に臨界前核実験を強行しました。近日中には第2回の実験を強行しようとしています。このことは、核兵器廃絶を求める長崎の被爆者や市民への重大な挑戦であり、決して許せるものではありません。  新聞報道によれば、ロシアが「臨界前核実験を行おうとしている」「同実験の準備をしている」などと米政府に説明しているとか、臨界前核実験は、アメリカがCTBT調印の条件だったということですが、もしこのことが事実だとすれば、ロシアを刺激しCTBTそのものの空洞化に拍車をかけることにつながりかねません。  市長は、再三抗議文書を送付していますが、アメリカは全く聞く耳を持たず、被爆者の声を、願いを無視し続けています。  さて、市長は1995年の6月議会で、1992年のブッシュ大統領声明により、アメリカの艦船には核兵器は搭載されていないことを信じて長崎港への入港を認める発言をされました。しかし、先ほど述べましたように、アメリカの東アジアにおける軍事戦略は2年前と比較しても大きく変質してきていますし、増してや5年前に出されたブッシュ声明をそのまま信じるのはいかがなものかと思います。  したがって、アメリカの臨界前核実験に対する被爆都市の市長としての毅然たる抗議の姿勢を示すためにも、発言の撤回を決断する時期にきていると思います。このまま米艦船の入港を容認し続けていけば、米艦船入港の既成事実化につながり、長崎港の使用を要求する事態も出てくるおそれさえ感じます。この問題についての市長の真摯なご見解を求めます。  以上、壇上からの質問を終わり、ご答弁によって自席から再質問をさせていただきます。=(降壇)= 37 ◯副議長(塩川 寛君) 伊藤市長。       〔伊藤一長君登壇〕 38 ◯市長(伊藤一長君) 中村すみ代議員のご質問にお答えをいたします。  まず、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの見直しについてお答えいたします。  議員ご指摘のように、去る6月9日、ガイドライン見直しの中間報告か発表されました。これは日米両国政府が、昨年4月に日米首脳が発表しました「日米安全保障共同宣言」を踏まえて、昭和53年11月に策定された「日米防衛協力のための指針」の見直し作業を進めておりましたが、中間報告としてまとめたものであります。  新しいガイドラインの最も重要な目的の一つは、日本に対する武力攻撃、または周辺事態に際して、日米両国が協力体制を構築することにあります。具体的には、(1) 平素から行う協力、(2) 日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等、(3) 周辺事態における協力の3分野における40項目の協力を列挙しております。  今回のガイドライン見直しの中間報告に記載されていますように、日本のすべての行為は、日本の憲法上の制約の範囲内において専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に沿って行われるということが明らかにされています。最終的には、見直し作業は今年秋に終了することになっております。  防衛問題につきましては、国の所管事項であり、現段階において私としてはコメントを差し控えたいと思います。  また、去る8月29日の新聞報道で、長崎空港や佐世保港の使用が検討されていることが明らかになりました。この件につきましては、大村市長が「政府は、地元の意見を尊重してほしい」とのコメントをされておられますことは、新聞報道で私も承知をしております。現在、長崎空港、佐世保港の問題につきましては、県及び当該自治体において対応されておりますので、私としては事態の推移を慎重に見守りたいというふうに考えております。  次に、平和宣言文につきましてお答えをいたします。  長崎は、古くから海外との交流を通じて発展してきたまちであります。特に、アジアとは地理的にも、歴史的にも関係が深く、市民の方々もアジアの人々との交流を大切にしてきました。議員ご指摘のように、アジアの人々との交流を推進するときには、私どもは常にアジアの一員としての立場を考えていくことは当然のことであり、市民の方々もそのような気持ちを持っておられると思います。  さて、平和宣言文の「謝罪」の文言についてでありますが、ご承知のとおり、平和宣言は核兵器をめぐる動きなど国内外の情勢を踏まえて、核兵器廃絶と世界恒久平和を求める長崎市民の声を世界に発信する宣言であります。平和宣言文の作成に当たりましては、学識経験者など20名からなります平和宣言文起草委員会を例年4回程度開催し、委員の皆様方のご意見を十分お伺いしながら、最終的には私が取りまとめているところであります。  私としましては、年々高齢化されている被爆者の思い、市民の方々の平和の願いをいかに宣言に盛り込むか、毎年心を砕いているところであります。今年の平和宣言文起草委員会においては、平和宣言文に謝罪の文言を盛り込むことについて、委員の方々から「国がきちんと謝罪をすべきである」とか、「被爆者の中にはアジアの人々から謝罪を求められ、複雑な感情を持っている人もいる」などの意見があり、また、「侵略と加害の事実を知ることは必要である」との意見もありました。このような意見を踏まえて、最終的には私の判断で、「私たちは、日本のアジア・太平洋諸国への侵略と加害の歴史を直視し、反省しなければなりません」との表現にしたところであります。  私としましては、結果として謝罪という文言は盛り込まれませんでしたが、決して謝罪が不必要という考えを持っているわけではありません。むしろ、私自身は謝罪の気持ちを持っておりますし、現にアジアの方々が表敬訪問等で市役所を訪れたときには、お詫びの気持ちを表明しております。また、多くの市民も同じような気持ちでアジアの方々と接しておられるものと思っております。  しかしながら、謝罪につきましては、国が責任を持ってなすべきことでありますし、国の謝罪とアジアの人々の声を十分に反映した戦後処理がなされない限り、アジアの人々の信頼は得られないと思うわけであります。  私は、21世紀に生きる日本の若い世代が信頼と友情の上にアジアの人々と付き合っていくためにも、また、日本が名実ともに平和国家の道を歩んでいくためにも、国の謝罪と戦後問題の誠実な処理が必要であるというふうに考えているところでございます。  次に、米国艦船の入港問題についてお答えいたします。  この件につきましては、米国のブッシュ前大統領が、1992年7月に「米国艦船のすべてから戦術核兵器の撤去を完了した」との声明が発表されており、米国の艦船につきましては、核兵器は積載されていないものと信じ、親善目的の入港については、これを認め、核兵器の恐ろしさと私どもの核兵器廃絶の願いを知ってもらうために、乗組員に原爆資料館を見学してもらっているところであります。  なお、核兵器撤去に経済的理由があったのかにつきましては、私としてはわかりませんが、現実に核兵器が撤去されたことは、核軍縮の推進の上からも意義があったものと思います。現在も入港を認めるという私の基本的な姿勢は変わっておりません。  しかしながら、米国政府の核抑止論や一連の臨界前核実験計画に対しましては強く抗議をしていきたいと思います。特に、臨界前核実験につきましては、核兵器を保有し続けるための実験であり、また、新たな核兵器の開発につながるおそれがあり、被爆都市として厳重に抗議を行っております。また、7月3日、アメリカ政府が臨界前核実験を行った際には、直ちにクリントン大統領及び駐日アメリカ大使館に抗議文を送付するとともに、我が国の首相及び外務大臣並びに核保有国の元首あてに臨界前核実験の中止を求める要請書を送付いたしました。さらに、今月中旬に2回目の臨界前核実験を実施するとの報道があり、今月3日に駐日アメリカ大使館、クリントン大統領に抗議文を送付したところであります。  今後ともアメリカが計画している臨界前核実験に対しましては、厳しい姿勢で対応していく所存であります。=(降壇)= 39 ◯47番(中村すみ代君) ただいま市長の方からご答弁いただいたわけですけれども、幾つか納得できない回答などもございますので、再質問をしたいと思います。  まず、最初にガイドライン見直しの市長のご見解についてお尋ねしたわけですけれども、市長のご答弁は、この問題は国の防衛上の問題で現段階ではコメントを差し控えたいというようなご答弁で、自治体の長としての責任あるご回答をいただけなかったのは、大変残念に思います。  それは、どうしてかと申しますと、このガイドラインの見直しの問題は、遠くない将来において地方自治体の問題になってくるんだということなんですね。このガイドラインの見直しの最終報告がなされますと、そのガイドラインの見直しに基づく具体的なさまざまな問題が求められていくわけです。それは具体的には、どういうことかと申しますと、国内法の整備、つまりその具体化のために法律の改正あるいは新しい法律を制定していかなければいけない。そういう有事法制の整備につながっていくわけです。  これは予算の裏づけも必要になってきます。日本国憲法の法体系は、平事を前提としている法体系ですから、この有事を前提とするガイドラインの見直しによって、先ほど言いましたように、有事法制の整備が求められていく。その中で、地方自治体もいやおうなく、この有事法制の整備に基づくさまざまな、具体的には条例の改正とか、そういったものが招来してくるということになるのか。そのあたりも含めて極めて地方自治体の問題になってくるわけですね。  例えば、今度のガイドラインの見直しによって、本県では長崎空港や佐世保の港湾がアメリカの方から後方支援として要求されているわけですけれども、こういった民間空港や港湾で米軍の航空機や艦船を優先して使用させようとすれば、航空法や港湾法の改正が必要になってくる。それから、空港や港湾で働く人々のさまざまな協力も必要になってくる。そうすると、地方自治体の協力も当然義務づけられていく。  最近の新聞で既に出ているわけですけれども、これは長崎新聞の9月7日の新聞に周辺有事で政府の方針が既に打ち出されているわけです。民間飛行場における米軍機活動を側面支援するために民間機の飛行制限が必要になってくるというようなことも、既に具体的に進められているわけですね。  ですから、国の防衛問題だということで、特に被爆都市の自治体の長として、やはりその見直しがなされる前に、極めて地方自治体にかかわる問題だということを認識されて、何らかのガイドライン見直しに対する姿勢というものを当然示すべきではないか。それは県知事に対する申し入れもあわせてする必要があると思いますが、その点、県知事に対する要請行動などについてはご回答をいただけなかったわけですけれども、そういった極めて地方自治体にかかわる具体的な問題なのだということを認識されると、そのように静観の構えで、これは国の政策の問題なのだから回答できないなどというご回答は決してできないと思います。  その点について市長のご見解を伺いたいと思います。  それから、謝罪の問題ですけれども、少々時間が短くなって、3分しかないんですけれども、謝罪の問題につきましては、本市は、これは国の問題であると同時に極めてこれもガイドラインの見直しと同じように被爆地長崎の問題でもあるんですね。その理由は、1945年8月9日に長崎に原子爆弾が落ちた時に約2万人の朝鮮・韓国の人々が被爆されている。そして、それはなぜ長崎に2万人もの朝鮮・韓国の人々が住んでおられたのか。それはさまざまな理由があるわけですが、主に三菱造船所などに強制連行されて強制労働に服していた方々、その家族、そういういわゆる本市とアジア諸国とのそのように非常に不幸な関係が過去にあったということを考えますと、やはりこれは国の問題と同時に被爆地長崎の問題でもあると私は強く思います。  したがって、先ほどの市長答弁もぜひ長崎市の市長として謝罪の問題については、今後の重い課題として受けとめられると同時に、これは国の問題だからということで逃げるわけではないかと思いますが、逃げるのではなくて、国に謝罪を要求していく、そういう働きかけも必要になってくるかと思いますので、その点について。  時間がありませんので、先ほどの点と今の点をご答弁いただきたいと思います。 40 ◯市長(伊藤一長君) 中村すみ代議員の再質問にお答えいたしたいと思います。  我が国は、戦後から52年たつわけでございますけれども、さきの大戦によりまして敗戦という形で、そのかわり民主主義というすばらしいある意味では代償をいただいたんではないかなというふうに思います。そのことによって思想とか、信条の自由とか、さまざまな自由を私どもは今享受しているわけでありまして、ある意味では中村すみ代議員さんのようなお考えの方があっても、私はいいんではなかろうかなというふうに思います。  そういう見解という形で、ガイドラインの件につきましては承っておきたいというふうに思います。  謝罪の件につきましては、先ほど私が本壇でお答えしたとおりでございますので、その点ひとつ十分にご理解いただければありがたいと思います。  以上でございます。 41 ◯副議長(塩川 寛君) 本日の市政一般質問はこの程度にとどめ、次回の本会議は9月16日午前10時から開き市政一般質問を続行いたします。  本日は、これをもって散会いたします。           =散会 午後2時31分= ──────────────────────────────────────────────  上記のとおり会議録を調製し署名する。   平成9年11月4日
                                  議  長 奥 村 修 計                               副議長  塩 川   寛                               署名議員 板 坂 博 之                               署名議員 堀 江 ひとみ 長崎市議会 ↑ ページの先頭へ...