安曇野市議会 > 2022-06-10 >
06月10日-03号

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  1. 安曇野市議会 2022-06-10
    06月10日-03号


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    最終取得日: 2023-05-06
    令和 4年  6月 定例会          令和4年安曇野市議会6月定例会議事日程(第3号)                  令和4年6月10日(金曜日)午前10時開議第1 市政一般に対する質問   中村芳朗議員   小林陽子議員   宮下明博議員   猪狩久美子議員   松枝 功議員   増田望三郎議員   大竹啓正議員---------------------------------------出席議員(21名)   1番  矢澤毅彦       2番  中村芳朗   3番  大竹啓正       4番  増井裕壽   5番  岡村典明       6番  辻谷洋一   7番  橋本裕二       8番  臼井泰彦   9番  小林陽子      10番  松枝 功  11番  竹内秀太郎     12番  中村今朝子  13番  林 孝彦      14番  井出勝正  15番  増田望三郎     16番  猪狩久美子  17番  召田義人      18番  内川集雄  19番  宮下明博      20番  小林純子  21番  一志信一郎欠席議員(1名)  22番  平林 明---------------------------------------地方自治法第121条の規定により説明のため出席した者の職氏名  市長     太田 寛     副市長    中山栄樹  教育長    橋渡勝也     総務部長   平林洋一                  市民生活  政策部長   渡辺 守            山田真一                  部長                  保健医療  福祉部長   鳥羽 登            吉田美千代                  部長                  商工観光  農林部長   赤澤哲也     スポーツ   野口武史                  部長  都市建設            危機         今吉 聡            児林信治  部長              管理監  上下水道         堀内寅生     教育部長   矢口 泰  部長                  政策経営  総務課長   丸山修一            黒岩一也                  課長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長   沖 雅彦     次長     青木規素  議事係長   細田ユカリ--------------------------------------- △開議の宣告 ○副議長(一志信一郎) 令和4年6月10日金曜日、これより令和4年安曇野市議会6月定例会、一般質問2日目を開催いたします。 ここで御報告いたします。 平林 明議長から本日の会議を欠席する旨の届出が提出されております。 よって、地方自治法第106条の規定により、私、副議長の一志信一郎が議長の職を務めます。 ただいまの出席議員数は21名で定足数に達しております。 よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元の議事日程第3号により進めてまいります。                             (午前10時00分)--------------------------------------- △市政一般に対する質問 ○副議長(一志信一郎) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。 本日の発言通告者は、2番、中村芳朗議員、9番、小林陽子議員、19番、宮下明博議員、16番、猪狩久美子議員、10番、松枝 功議員、15番、増田望三郎議員、3番、大竹啓正議員の、以上7名でございます。 御報告申し上げました順序により発言を許します。--------------------------------------- △中村芳朗 ○副議長(一志信一郎) 最初に、2番、中村芳朗議員。持ち時間は20分以内といたします。 中村議員。     (2番 中村芳朗 登壇) ◆2番(中村芳朗) おはようございます。 2番、中村芳朗です。 通告書に基づき、2問の一般質問をいたします。 1問目は、三郷地域の畜産臭気対策についてお伺いします。 三郷地域における畜産悪臭問題は、旧三郷村時代からの懸案事項であり、平成24年に安曇野市の肝煎りで三郷地域畜産悪臭対策協議会が発足しました。私も三郷総合支所長時代にはこの問題に携わっており、なかなか臭気が軽減されなく、対策対応に苦慮していました。 最近では、その当時と比べれば悪臭は軽減されていると感じますが、まだ臭気があり、不快に感じる日もあります。私の自宅もこの施設から南へおよそ1キロメートルほどのところにあります。今年に入り、自宅の庭にいるときで二度ほど悪臭を感じました。また、臭気が感じられる3月中旬より、週1回以上畜産施設の周辺を歩き、臭気などチェックをしています。 この畜産施設の南側にあります黒沢川沿いの桜並木は桜の名所であります。私の記憶では旧三郷村合併30周年を記念して、当時の村民、商工会、村職員などで植樹したものです。長さは1キロメートル以上あり、現在では開花の時期には多くの花見客が訪れています。私も臭気チェックを兼ねて何度か歩いてみました。畜産施設の周辺では、臭気を感じる日もありましたが、以前よりは改善が見られると感じました。また、花見に来ている方に伺ったところ、私と同じで以前よりはよくなったが、まだ臭気を感じて残念だとおっしゃっていました。この桜並木は観光施設としても重要です。畜産臭気があるということはとても残念でなりません。 そこで、この畜産悪臭問題について質問いたします。 三郷地域の黒沢川北の畜産施設における畜産臭気について、前市長に令和2年9月25日付で、三郷地域畜産悪臭対策協議会から三郷地域における畜産悪臭問題の解決のための申入れを行い、同年10月28日に回答をいただきました。回答内容は、三郷地域における畜産悪臭問題については、家畜排せつ物は畜産業を営む農家が自らの責任において適正に処理しなければいけないという考えに基づき、農政課より適切な家畜の飼育管理、施設管理が図られるような助言、指導をして、臭気軽減対策を実施します。さらには、環境課より悪臭防止法に基づく臭気規制の設定を実施し、苦情件数及び臭気測定の結果から一定の成果は上がっていると認識しております。 しかしながら、三郷地域畜産悪臭対策協議会からの申出にもあるとおり、課題の全面解決には至っていない現状となっております。 これまでの取組を継続しながらも、本市としてさらなる取組を検討してまいります。また、畜産悪臭問題を解決するためには、本市と畜産農家だけでなく、地域住民も参加して、地域全体で問題解決に取り組む体制が今後も重要であると考えていますので、本問題の解決に向けて引き続き御協力をお願いしますと回答をしています。 そこで、市長になられて7か月余りでありますが、この三郷地域の畜産悪臭問題について、どのような認識、お考えを持っているのでしょうか、市長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 現在安曇野市内におきましては、乳用牛、肉用牛、豚ともに多くが飼育されておりまして、市内をはじめ、県内、国内の食料供給に寄与しているところでございます。 御質問のございました三郷地域における畜産悪臭問題につきましては、平成24年から三郷地域畜産悪臭対策協議会において、悪臭解消に向けまして協議が継続されている経過につきましては承知しております。私自身もその施設の近隣の店舗に出入りしたときに臭いを感じたことはございます。 市の農林部では家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律に基づきまして、適正な家畜管理や施設管理を図るよう助言指導を行っております。市民生活部におきましても悪臭防止法に基づく臭気指数規制を実施しておりまして、臭気測定及び苦情件数の結果からは一定の成果は上がっていると認識しております。 しかし、まだ課題の全面解決には至っていないというところが現状でございます。 今後とも県、その他関係機関とさらなる連携を図るとともに、指導強化する中で生活圏における畜産臭気の軽減が図られるよう引き続き強力に取り組んでまいります。 以上でございます。 ◆2番(中村芳朗) 市長よりお考えをお聞きし、今後も引き続き悪臭軽減対策に取り組んでいただけると認識をいたしました。 そこで、三郷地域畜産悪臭対策協議会から申入れがありました地域住民の理解が得られるような家畜飼育管理の導入や作業場環境の改善に取り組む畜産農家に対して、行政的支援策を講じることで、市はアニマルウェルフェアの考え方や農場HACCP等の認証制度を取り入れることは、飼育衛生管理が向上し、結果的に悪臭の低減につながる取組であることを農家へ強く訴え、畜産農家が主体的に取り組めるように情報発信や農家からの相談があった場合には、個別で指導できる体制を整えていきたいと思います。 あわせて、本市では家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律に基づく管理基準の規定を満たす施設整備及びその施設で利用するための機械の整備に対して、補助事業制度を設けていますので、この制度を利用した臭気軽減について、引き続き畜産農家を支援していきますと答えています。その状況について、農林部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) お答えをいたします。 三郷地域畜産悪臭対策協議会は三郷地域の畜産悪臭を防止し、生活環境の保全を図るため、地元住民、畜産農家、農業団体、県、市で組織をいたしまして、年3回の協議会と年2回の農場視察を実施しております。 農林部では、職員が月1回、夏場には月2回になりますけれども、各農場に立ち入りまして臭気測定を行っているほか、昨年度から施設や堆肥が適正に管理されているか定点観測を開始をいたしました。測定により数値が高い場合や管理が不十分と確認した場合におきましては、その都度助言指導を行っております。 畜産農家においても、臭気の低減のため効果が期待される消毒剤や悪臭対策資材を導入しており、市では補助基準に適合する農家を対象に購入費に対し2分の1の補助を行っております。令和3年度は12戸の農家に対し94万1,000円を交付し、支援をいたしました。 協議会によります農家視察や農家による臭気低減への努力、悪臭防止法に基づく臭気測定の結果や苦情件数からは一定の成果が上がっているものと捉えております。 しかしながら、臭気問題は完全な解決には至っていない現状であることから、今後も協議会、関係機関との連携を図り、引き続き地域の皆様に御協力をいただきながら、この問題に取り組んでまいります。 ○副議長(一志信一郎) 中村議員。 ◆2番(中村芳朗) 今、農林部長のほうからお答えをいただきました。年3回、会議、また年2回の現地の状況を見ているということでお伺いしました。 その中で、会議、視察の中で何か委員の皆さんから出た意見、それからそういうものがどんなようなものがあったか、その辺で分析しているものありましたらお答えいただければと思います。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) お答えをいたします。 私も農場視察等に同行して現地を見させていただいております。農場におきましては問題意識を抱えていることを当然認識をされております。また、豚熱やその他の家畜伝染病にも大変気を使っておりまして、視察受入れに対しましても大変協力的に対応していただいていると認識しております。 また、視察に同行していただきました協議会役員の皆様におかれましては、農場の中、当然、牛豚を飼育しておるものですから臭気はございます。ただ、それが外に漏れていかないように作業の状況等説明を聞く中で、その作業が適正に行われているかどうか、視察という形は取っておりますけれども、これある意味監視という部分も含めて定期的に現場を見ていただく、そういう取組を続けていく協力を協議会役員の皆さんにもお願いをしていく、こんなことをさせていただき、そんな御意見もいただいたところでございます。 ○副議長(一志信一郎) 中村議員。 ◆2番(中村芳朗) 今、農林部長から視察というか、巡視の内容をお伺いしました。ぜひ、継続的に臭気が住民に感じられなく、畜産関係ですからゼロというわけにはいかないと思いますが、その辺を今後とも市としても、農政課の農業振興という立場もありますが、その辺もしっかり見ていっていただき、よりよい農畜産物の生産につながっていければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、公害監視員の巡回と臭気モニターからの報告内容について、また臭気モニター以外の地域住民からの苦情等がありましたら、その件数や内容と苦情等に対する対応について、この対策協議会から申入れが行った以降、およそ2年間の状況を市民生活部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 山田市民生活部長
    市民生活部長(山田真一) 公害監視員ですが、三郷地域住民2名を委嘱し、畜産農家周辺を週1回巡回し、臭気と清掃状況等を確認していただいています。また、臭気モニターですが三郷地域住民16名に毎日自宅における臭気強度数を嗅覚にて調査していただいています。 それぞれ毎月報告書を提出していただき、臭気発生状況等の把握と改善に生かしております。 住民からの苦情ですが、ピーク時平成24年の6分の1に減少しており、令和2年度は28件、令和3年度は18件となっています。苦情の主な内容は、畜産農家施設からの悪臭と農地における堆肥の野積み、または散布後のすき込み作業が十分にされていないことによるものです。特に苦情が多い7月から9月には悪臭防止法に基づく臭気指数規制による月1回の調査を各畜産農家で実施しています。結果は令和2年度は全て規制値以下、令和3年度は2農家で1回ずつ規制値超過がありました。 市に苦情が寄せられたり、規制値超過があったときには、職員が現地確認を行っています。その上で、状況に応じて発生源の関係者に現場で臭気を確認してもらって、自覚を促したり、作業の見直しなど改善のための指導を行っています。 ○副議長(一志信一郎) 中村議員。 ◆2番(中村芳朗) 今、公害監視員及び臭気モニターからの巡視の内容、それからモニターからの報告等について、当初の平成24年の6分の1くらいの苦情等の件数になっているということで、私も地域にいまして前よりはよくなっているという形がありますけれども、ただ逆に臭気が出たときに、非常に逆に違和感をまた感じますので、その辺も今後ぜひ軽減されたからということではなくて、引き続きこれからもモニター、巡視等をしていただきたい。 私も先ほども言いましたように、地域歩いて、車の中では分からないものですから、歩いて現地を見て、施設の状況、若干施設内が整理整頓されていないというような状況等もありますので、その辺も見ながら、またこれから梅雨の時期になりますので、雨が長く続いたそんなときに排せつ物等が今まで道路、隣の農地等に流れ込んだというような状況を確認しておりますので、その辺の雨の降ったときにもぜひ現地を見ていただいて、そのようなことがありましたら農場主等に一緒に確認していただいて、ぜひそういうことがなくなるように、ぜひお願いしたいと思います。 次に、三郷堆肥センター廃止に伴い、畜産農家個人で行う排せつ物の処理場、堆肥舎や堆肥の野積みによる新たな悪臭が懸念されます。現在も堆肥の野積みが確認されている畑等もあります。そこで、堆肥センター廃止までに畜産農家に対する支援、対策、指導の状況について、農林部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) お答えをいたします。 令和2年度に三郷堆肥センター閉鎖の方針を決定後、堆肥の原料搬入農家へは説明会を実施し、閉鎖に対する理解を得たと認識しております。原料搬入農家には堆肥センター閉鎖までに各農家が堆肥を自己処理に切り替える検討をしていただき、新たに必要な施設を整備する場合、その必要な経費の2分の1を上限として補助することとしております。 また、各農家への個別支援といたしましては、既存の施設や飼育頭数等の経営規模に見合う堆肥舎を計画していただくことと、圃場への堆肥の野積みを防止するため、市及び県等の関係団体で構成をいたします支援チームにより、個別に事前相談を行い、支援に取り組んでいるところでございます。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 中村議員。 ◆2番(中村芳朗) 今、堆肥センター廃止に伴いまして、令和2年度廃止が決定された以降、指導していただいているということであります。ぜひ、これから堆肥舎、新しく造ったりとか、ほかの場所に移転したりとか、そういうことが出てくると思いますので、畜産農家の相談等にもしっかり耳を傾けていただき、こういう悪臭の問題が新たなものができない、出ない、それから堆肥の野積み等が発生しない、そんな状況をぜひ指導、支援よろしくお願い申し上げます。 それでは、次に2題目に入ります。 「もえるごみ専用指定袋等安曇野市指定袋について」質問します。 市では、緑の基本計画を策定しています。市内にある緑地の保全と緑化の推進を計画的に実施し、良好な都市環境の形成を図ることを目的として策定されています。計画の中の対象とする緑の中には、住宅地とその周辺の緑も含まれています。これらの緑を管理していくには、住宅所有者の樹木の剪定や落ち葉の処理も必要です。特に、住宅団地では燃やすこともできなく、処理に苦慮している現状があります。 私のところに何人かそのような市民の方より、もっと大きな落ち葉、剪定用のごみ袋を作っていただけないでしょうかと相談がありました。 安曇野市の指定ごみ袋には、落ち葉、剪定用のごみ袋がありません。もえるごみ袋専用指定袋に入れて出すようになっています。昨年より大きいサイズを作成されていますが、容量が50リットルと落ち葉を入れるには小さく、また厚さも薄いため破れたりして不自由だとの声があります。近隣の松本市には落ち葉、剪定用の専用の70リットルで厚さも厚い専用袋があります。 焼却場が違いますので、一概には比較できない面もありますが、市民からの要望もあります。大きい専用袋を作成することはできないでしょうか。 また、他の指定袋も市民の要望を聞く機会をつくり、大きさ、厚さ、これらを検討できないでしょうか。市民生活部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 山田市民生活部長。 ◎市民生活部長(山田真一) もえるごみ専用指定袋等のサイズ、厚さについて、受け入れる穂高広域施設組合に確認をいたしました。 以下、その内容ですが、組合の焼却施設、穂高クリーンセンターは70リットルのごみ袋受入れを前提に設計されていないため、ごみ投入ホッパで詰まりが生じるおそれがある。また、ごみクレーンで攪拌し、ごみ袋を破き、ごみ質を均一にしているが、袋の厚みが増すと破かれないまま炉内に投入されてしまうおそれがある。この場合、安定的な燃焼ができず、燃え残りの発生、排ガス中の有害物質とそれを抑える薬剤使用量の増加などが懸念されるとのことでした。構造上恒常的に焼却処理するのは困難であり、環境負荷の増大にもつながりかねません。 したがって、厚手で大きなサイズの袋を導入することは考えておりません。令和3年5月新ごみ処理施設稼働に伴い、50リットルのもえるごみ専用指定袋を追加しました。落ち葉を出す場合は重くならないよう十分に乾かし、量に見合った指定袋を御利用いただきたいと思います。 剪定枝は可燃性粗大ごみとして、直接クリーンセンターに持ち込んでいただくこともできます。また、緑のリサイクルや木くずのサーマルリサイクルを御活用いただければと思います。 なお、ごみ袋に関する御意見、御要望は電話や窓口で随時受け付けておりますので、何かありましたらお寄せいただければと思います。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 中村議員。 ◆2番(中村芳朗) お答えをいただきまして、ありがとうございます。 私も松本市とは焼却場が違いますので、そういう心配はしておりました。今、内容をお伺いしましたが、これからはそういう問題等出てくると思います。特に市としては先ほども言いましたように緑の基本計画を策定し、緑のある自然豊かな安曇野市を目指しております。そういう中で、住民の皆さんが非常に困っているという状況がありますので、その対応策、処理場だけではなく、先ほども言いました緑のリサイクルの施設、それから持込み、これにつきましても、場所とそれからそういうところに持ち込む場合の期間を長く、その時期には長くしていただくというようなことが必要かと思います。 そういうことによって、市が進めております市内の緑化、それからそういうものの管理、そういうものがよくできていくと思いますので、その辺も今後市民の皆さんの御要望等を聞いて、ぜひ焼却場でもしできなければ、そういうものをもう少し市民が利便性をよくしていただければと思いますので、ぜひその辺の検討をよろしくお願いいたします。 ちょっと時間が余りましたが、以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。--------------------------------------- △小林陽子 ○副議長(一志信一郎) 次に、9番、小林陽子議員。持ち時間は20分以内といたします。 小林議員。     (9番 小林陽子 登壇) ◆9番(小林陽子) 9番、小林陽子です。 通告書に基づき、今回は3つのテーマで一般質問をいたします。 まず、1問目は西山山麓の市施設の活用についてです。 西山山麓は50年ほど前に引湯に成功した穂高温泉郷を中心に宿泊施設、学者村等の別荘地が開発され、美術館やギャラリーなどの文化施設やゴルフ場があり、一大高原リゾート地として知られているのは周知のとおりです。ガラスの展示美術館は惜しむらくも閉館となりましたが、新しくカフェなどのオープンも相次ぐなど、引き続き多くの観光客を集めています。 こうした安曇野の代表的な観光地に4年前に八面大王の足湯が移設され、周辺が温泉公園として整備されました。隣接する日帰り天然温泉施設しゃくなげの湯や穂高町のときから運営されている農産物直売所ビフ穂高と併せて市施設が集中していることから、さらに魅力的なエリアとしていくため、また市民や戻りつつある観光客がより利用しやすいエリアとなるため、市はどのように市施設の一体的な活用をお考えかお聞きいたします。 まず、これら市施設のある穂高温泉郷を中心とした西山山麓は、安曇野の重要な観光拠点ですが、それぞれの特徴を生かした地域開発を掲げていらっしゃる市長にはどのように映っていらっしゃいますか。御見解を伺います。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 今、御質問にございましたいわゆる西山エリア一体、これは本当に後ろに控える日本アルプス山岳と、そして目の前に広がる田園とこの中間にあるところでございまして、森林地帯でもありまして、その自然環境を生かした様々な取組がなされております。旧穂高町時代から穂高温泉郷の入り口でございましたし、美術館、それからおそば屋さん、カフェ、そういった飲食店、それにギャラリー、宿泊施設など様々な民間の集客施設が集まっております。また、ビフ穂高に代表されるような産直施設、こういうものもございます。 この地域は広域的な観点から捉えると、南は松本、それから北は松川、大町、さらには白馬までの山麓線沿いの一つの集客エリアの中間点に位置するところでございまして、そしてまた今度横軸を見ますと、安曇野湧水群、それから穂高町の町なか、そして今、申し上げました山麓地帯ということで、その中の一つの要でもございます。 そういった意味で、今、観光基本計画の見直しをやっておりますけれども、その中でも重要な地点と位置づけまして、特に国営アルプスあづみの公園、これは大町松川地区と、それからすぐそばに堀金・穂高地区がございますので、この2つの利点、さらには最近大町にオープンいたしました大手飲料関係の会社の観光施設、こういったところとの連携も考えまして、さらには大町市、松川村、こういった周辺自治体とも連携しながら広域的に周遊できる、そういう観光誘客を図る地域としていきたいと私は考えております。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) このところは本当に魅力的なエリアでして、今、市長の御答弁にもありました広域的な目から見ても重要な拠点だということで、力を入れていただけるということをお聞きしました。お願いいたします。ただ、せっかくつくった市の施設があるのが十分に活用されていないというのは、大変もったいないことだと思います。 それで、次の質問ですが、こうした特徴のある地域の真ん中に公園や市の施設が隣り合ってありますが、使いにくいという声も聞きます。エリアの中核拠点として施設間の運営面での連携や付随する設備の共有や整備について、市民や観光客が利用しやすいようにという目線で整備されているでしょうか。例えばWi-Fi、駐車場、街路灯、足湯を利用する方のトイレはどうでしょうか。 また、温泉公園の利用についてもお伺いします。高台で街を見下ろせ、芝生がきれいに整備されている公園ですが、市民や観光に訪れる方にとって憩いの場となっているでしょうか。公園や施設をとして、周辺の民間施設と運営面での連携を強化することでエリアの魅力が増し、さらに多くの人を引きつけるのではないかと考える次第ですが、その辺はいかがでしょうか。 一体的な運営ということを念頭に質問をいたします。商工観光スポーツ部長お願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) しゃくなげの湯の整備に当たりまして、隣接するビフ穂高と連携し、相乗効果が図られるように利用者の導線を考え、現在の場所へ建設された経過がございます。 これまで施設の連携を図るため、ビフ穂高としゃくなげの湯の双方で定期的な連絡調整会議を開くなど、指定管理者同士で連携しながら誘客を図ってまいりました。 具体的に申し上げますと、イベント開催時の駐車場の融通やスタンプラリー、物産販売等共通イベントの開催、割引券の発行等を行ってきております。また、附帯施設の整備面につきましては、八面大王の足湯やしゃくなげの湯ではWi-Fiを設置し、駐車場につきましては周辺に400台以上を完備しております。また、各施設には必要十分な街路灯を整備していると考えておりますけれども、加えましてトイレにつきましては、ビフ穂高と温泉公園の北側を御案内している状況でございます。 温泉公園芝生広場の利用状況につきましては、主に近隣の親子連れや施設利用者のくつろぎの場として利用されているほか、イベント広場としての位置づけをしております。 したがいまして、今後、アフターコロナを見据えまして、周辺の住環境に配慮しつつ、公園を活用した地域活性化とにぎわいの創出につながるよう、両指定管理者と市で意見交換を行いながら、農政課とも連携して、エリア一体となって誘客を図れるよう取り組んでまいります。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 取組の状況は伺いました。 もう一つ、再質問をさせていただきます。 足湯を利用する方のトイレについてです。ビフ穂高、もしくは元の足湯のところにあったトイレを整備、きれいに整備してあります。そちらのほうだということですけれども、そちらのほうは、元の場所のほうはちょっと遠いです。実際はビフ穂高に行っている方が多いと思います。ところが、ビフ穂高のほうは5時で閉まってしまいます。足湯は8時までやっています。そういったこともありまして、利用者の方にとっては不便ではないかと考える次第ですけれども、その点についてどうお考えかということをお聞きしたいと思います。 あと、もう1点、イベント広場として利用する、利用できるということですけれども、これはあまり周知されていないのではないかと思っております。 具体的にどのような企画が考えられるかですとか、あるいは窓口が分かりやすい一本化されているかどうか。その点についてもお聞きしたいと思います。お願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) それではお答えいたします。 1点目のトイレについてでございます。これにつきましては、やはり過去において夜間に施設を損壊されてしまったというような被害もございました。こういったことを考慮しまして、現在時間を制限してお使いいただいている状況です。今後につきましては、やはりしゃくなげの湯にもトイレはございますので、そちらを利用していただくなど、改善方法を検討させていただきたいと思います。 また、イベントにつきましては、今、具体的な案はお示しはできないですけれども、先ほど申し上げたとおり両指定管理者に市も加わりまして、また、隣のビフ穂高を管理する農政課等とも協議しまして対応していきます。例えば、観光的なイベントをこれから開催していくというような、観光誘客を図るというような面においては、私ども商工観光スポーツ部が窓口になっていくと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 分かりました。 トイレについては、でもやはりそうはいっても、足湯に入ったらちょっとトイレ入りたいよねといったときに入れるような体制をもう少し考えていただければありがたいと思います。 次に、農産物直売所の運営について伺います。 農業を基幹産業の一つとする本市においては、農産物などを通した交流を行える農産物直売所は本市にとって重要な施設であり、手塩にかけた農産物を販売する農業生産者を軸として、農作物などの加工業者や地場の農作物を使って食事を提供する飲食店や宿泊業者など、関係する事業者の裾野が広いことが特徴だと思われます。これは、市内のどの農産物直売所でも同じことです。 ところが、足元を見ますと合併前の旧町村で農村活性化施設として整備された当時と比べまして、農作物直売所を取り巻く環境は大きく変化をし、人件費の上昇、燃料費や各種資材費の高騰、コロナ感染症の影響による観光客数の減少、飲食店の需要の落ち込み、さらには昨春の凍霜害など厳しい気候変動による生産への影響も含めまして、安定した運営を行うのが非常に厳しい時期を迎えています。 市は農産物直売所について指定管理者制度を導入し、地域の団体に運営を委ねているとはいえ、各団体も経営のプロというわけではありません。変化の厳しい昨今においては、市も一体となってこの裾野の広い農産物直売所の維持及び活性化に努力すべきではないでしょうか。市が主導してエリア活性化と併せた、てこ入れ策や支援策をどう考えているでしょうか。農林部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) お答えをいたします。 市では令和4年度を始期とする第3次安曇野市農業・農村振興基本計画において、地元農産物の地産地消を拡大するために、農産物直売所の魅力向上に取り組むこととしております。振興方針といたしましては、直売所からの情報発信の促進と直売所同士の事業連携による商材の確保や固有の課題解決に向けた連携の強化を目指してまいります。 具体的には市内直売所の運営に関わる役員の皆さんに御参加をいただき、近県において魅力的な運営で集客力を発揮している農産物直売所や道の駅などの先進地視察を準備しております。視察を通じまして運営面の課題、扱う商材や出荷農家の確保、直売所同士の事業連携などを検討してまいりたいと考えております。 現在までに行っております支援策でございますが、市担当職員の定期訪問によるコロナウイルス感染症対応に関わる情報提供、販売状況や施設の修繕要望などの相談に応じております。直売施設職員のコロナ感染や濃厚接触の疑いがあった場合につきましても、都度、状況を確認するとともに、アルコール消毒液などの資材提供と保健所への報告書作成を実施するなど、来場者及び従業員間の感染拡大防止と営業継続について支援をしてまいりました。 また、直売所の抱える運営上の課題解決を図るため、運営の経験や知識を有する人材を県の費用負担で派遣していただく農産物直売所運営案内人制度もあることから、これらの制度の周知を図ってまいります。 安曇野市といたしまして、これからも直売所を運営する皆さんの御意見を伺いながら、引き続き支援に当たってまいります。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) ちょっと具体的な支援策というのをもっと考えていただければありがたいかなと思った次第ではあります。 再質問をいたします。 市施設を運営することにより、施設賃料的な意味合いで面積に応じた納付金が制定されていますが、市合併後間もなくの行政改革で、指定管理者制度が導入されてから一度も見直されていないと聞いております。昨今の状況に鑑み、納付ルール、見直しなど聖域を求めず検討し、農産物直売所を中核とした地域の活性化のともしびを消さないような対策が必要ではないでしょうか。総務部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 平林総務部長。 ◎総務部長(平林洋一) お答えをいたします。 収益事業を行う指定管理者が市に納める納付金額は、公募、非公募ともあらかじめ募集要項に記載はしております。非公募の施設の場合は、審査時に納付金額を反映した形で収支計画書などを提出いただくこととしております。各施設の納付金は固定資産相当額など、一定の基準に基づき算出されているものと認識をしております。この納付金は一般財源化されるものではなく、原則としてその施設の維持管理費などに充てられるものであります。 指定管理者が何らかの事情により納付金の納付が困難となった場合は、その減免等の判断は説明責任とともに、所管部局においてなされるべきものというように考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 納付金の原則についてお伺い、確認はできました。 納付金のほうは、利用料金及び事業収入の総額が経費の総額に比して過大であると認められる場合は、収益等の一部を市に納付させることができると条例のほうにも書いてあります。この収益が過大であるかどうかという評価をしっかりしてあるのかどうか、もう一度再質問させていただきます。 ○副議長(一志信一郎) 平林総務部長。 ◎総務部長(平林洋一) お答えをいたします。 経営状況については指定管理者指定後のいわゆるモニタリング評価も含めて、適正に検証されているというように理解しております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) そのように理解されているということですので、引き続きモニタリング等、しっかり運用をお願いしたいと思います。 それでは、次の質問、がん対策と若年層の療養支援対策についてに移ります。 日本では、国民の約2分の1の人ががんに罹患し、3分の1の人ががんで死亡すると言われており、言わば国民病ともいえます。国はがん対策に乗り出し、2007年に施行されたがん対策基本法の下、第3期がん対策推進基本計画、計画期間2017年から2020年でありますが、勧められまして、2017年からは小学校、中学校、高等学校の学習指導要領にもがん教育が含まれるようになりました。また、県は2013年議員提出により長野県がん対策推進条例を制定しました。特に若い世代では白血病などの希少がんにかかりやすいことも分かってきており、さらなる教育や支援が必要と思われます。また、医療的ケア児や若い世代の慢性疾患患者等への対策も求められています。 課題を適切に洗い出し、しっかりと支える体制をつくることは、安心・安全のまちづくりに不可欠であると考えます。 まず、若年層などへのがん対策支援について伺います。 本市におけるがん教育の状況はどうでしょうか。教育部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 安曇野市内の小中学校につきましては、新学習指導要領に基づき、がん教育を中学校の保健体育の授業で、小学校では体育の授業などで行っております。 平成28年4月の文部科学省のガイドラインでは、がん教育の実施に当たり、がんそのものの理解やがん患者に対する正しい認識を深めるためには、がんの専門家、これは外部講師になろうかと思いますが、活用が重要であり、外部講師としては医療従事者、がん経験者などが考えられると示しております。 コロナ禍の状況で積極的に外部講師を入れにくい状況であることもありまして、昨年度市内の小中学校で外部講師を用いたがん教育は小学校1校で、薬剤師の方を講師に迎え実施いたしました。外部講師による授業の内容は薬物の怖さをテーマに、小学校6年生に対して喫煙などの生活習慣ががんにつながることをお話ししていただいたところでございます。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) がん教育の取組、まだあまりされていないようです。がん教育というのは単に病気や予防を学ぶだけではなくて、がんを経験された方が命の貴さについて、またがんを経験された方のお話などを伺うことで、命の貴さについて考える機会になります。ぜひ、積極的に取り組んでいただきたいと思います。 AYA世代と呼ばれる一般に15歳から39歳の世代の方への支援について伺います。 AYA世代、これはアドレッセントアンドヤングアダルトという英語で、思春期若年成人の略になりますけれども、AYA世代のがんの罹患者は年間約2万人で、全体の2.5%に過ぎませんが、AYA世代の病気による死亡原因のトップはがんによるもので、看過できるものではありません。 大きな問題は2つあります。AYA世代の方ががんに罹患していることが判明した場合、介護保険が適用されず、がんの治療や療養の費用のうち、健康保険で給付されない費用の多くを自費で賄う必要があるという厳しい現実があります。もう一つは就学や就労、結婚や出産、育児など様々なライフイベントがある時期にもかかわらず、放射線治療などの治療を行う過程で、通学や仕事の継続に支障を来すことが考えられます。治療の影響により不妊となることもあるため、治療前に精子や卵子を採取して、長期的に凍結保存する方法を取ることもあり、長野県ではこの妊よう制温存療法に対して補助があります。 経済的にもまた精神的にも肉体的にもつらい、このAYA世代の罹患者に対して市としての患者や家族へのサポートはどうでしょうか。福祉部長と保健医療部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 私のほうからはがん患者の治療費支援についてお答えさせていただきます。 治療費等につきましては、身体障害者手帳や福祉医療該当者であれば日常生活用具としてのストマ給付、また医療保険内の医療費の負担軽減が図られます。ただし、これに該当しない場合、適用外となってしまい、その他の支援制度がないというのが現状でございます。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 若くしてがんを発症された方については、働く世代であり、子育て世代でもあるため、その御家族を含めた様々な支援が必要な年代と認識しております。 乳幼児健診など事業を実施する中で、AYA世代の方やその御家族から、がんによって生じる生活の困り感等をお聞きする機会があります。生活の困り感ができるだけ軽減できる方法を一緒に考え、必要な情報をお伝えしております。 今後も御相談をお受けした際には、その方に合わせた対応をしてまいりたいと思っております。 なお、生涯で2人に1人ががんになると言われております。早期発見、早期治療によりその後の生活に影響しますので、市としてもがん検診の受診率の向上を目指すとともに、体調に異変を感じたら早めの受診を勧めていきたいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 次に、ウイッグや人工乳房等の助成について伺います。 女性特有のがんとして乳がんや子宮がんがありますが、女性が罹患するがんで一番多いのは乳がんで、今や女性の11人に1人が罹患すると言われている身近な病気です。治療しながら日常生活を送る方も多く、頭髪が抜けることへの対策として、ウイッグや人工乳房は必需品です。 購入する費用を補助している自治体が全国的に広がっていますが、残念ながら長野県では県を含め、市町村でも補助をしている自治体はありません。その補助について、ぜひ御検討いただきたいと思います。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員、答弁は誰に求めますか。 ◆9番(小林陽子) 保健医療部長にお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) ウイッグ等は特にAYA世代の患者さんの心理的負担を軽減し、療養生活の質の向上のためにも大切な要素でございます。令和3年度末時点で、長野県内ではウイッグ等の助成を実施している市町村はないと聞いております。 これまで、当事者の方からウイッグ等の助成に対する相談を受けたことがないこともありまして、現時点では早急な助成は困難と考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 現時点では考えていないということですけれども、ぜひこれを調べていただいて、長野県で1つもやっていないということなので、ぜひやっていただきたいと思います。 また、男性では前立腺がんや膀胱がんの治療を受けた方は治療後に尿漏れパットが生活に欠かせないとのことで、外出先で捨てる場所を探す必要があります。しかし、男性トイレには女性トイレに設置されているようなサニタリーボックスが設置されていないということで、市役所等の公共施設の男性トイレにサニタリーボックスを設置する動きがあります。 長野県内の動きは私のほうでは把握はできておりませんが、本市でも市役所など市施設の男性トイレにサニタリーボックスを設置してはどうでしょうか。 がん患者の方々のQOLを高めるために、ぜひ御検討いただきたいと思います。総務部長お願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 平林総務部長。 ◎総務部長(平林洋一) 現在、サニタリーボックスは多目的トイレには設置をしております。今後、男性トイレの個室にも設置していくことを検討したいと思います。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) お答えありがとうございます。 多目的トイレもなかなか入りにくいという男性の方もいらっしゃいますので、ぜひお願いいたします。 それでは、次に医療的ケア児や若い世代の慢性疾患患者とまたその御家族への支援について伺います。 医療的ケア児とは、人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要なお子さんのことをいいます。2021年9月には医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行され、医療的ケア児への対策は国や地方自治体の責務となりました。 県立こども病院のある本市では、出産や治療を機に安曇野市に移住される医療的ケア児とその御家族がいらっしゃいます。その状況をどのように把握しているのでしょうか。また、どのような支援体制であるかについてお聞きいたします。保健医療部長お願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 3歳児までの医療的ケア児については、病院からの連絡や乳幼児健診の個別フォロー等で把握しております。地区担当の保健師に支援をつなげております。現在、保健医療部では3歳児以下の医療的ケア児を6名把握しております。医療的ケア児とその家族への支援につきましては、お子様の状況に応じて家庭訪問を行い、必要な情報提供を行うとともに、精神的ケアを含め、個別の状況に応じた支援を行っております。 また、乳幼児健診の対象時期に地区担当保健師が保護者へ連絡をし、お子様の様子や生活状況、困り事がないか等をお聞きしております。 今後も福祉部等と連携し、支援をしてまいりたいと思います。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 次に、保育施設及び小中学校の受入態勢についてお伺いします。 実際に医療的ケア児の御家族から伺った声を紹介しながらお話をしますが、就園、就学について、保護者が市役所等の窓口に出向いてお子さんの状況を説明したり、様々な話合いや審査を得なければならず、その時間や労力が大変だったという声があります。 どのような対応をしているのかについてお伺いいたします。教育部長お願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 医療的ケア児の受入れは、基本的にはお医者様の診断書、それから指示書により行っておるところです。それに基づいて行いますので、それについて学校なり、保護者なりの対応につきましては、それぞれ保護者とともに検討していく必要がありますので、ある程度の時間を頂戴するのは申し訳ないですが、仕方がないかなとは思っています。 それがないとお子様の命に関わったりすることになろうかとは思っております。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 丁寧に時間をかけてということですけれども、なるべく不便のないようにやっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、災害時の支援、対応について伺います。 医療的ケア児の御家族の声として、災害時に必要な支援が受けられるか不安だというお声をお聞きしています。 避難すら難しい病児御家族においては、災害が起きたら諦めるしか選択肢がないと感じているという切実な声です。災害時の避難などは自助では到底完結せず、周りの支援が必要ですが、医療的ケア児の災害時における避難やサポートではどのような配慮や対策がされているでしょうか。危機管理監にお伺いします。 ○副議長(一志信一郎) 児林危機管理監。 ◎危機管理監(児林信治) 現在、安曇野市として災害時における医療的ケア児に対する支援計画などはございませんが、通常の避難所では避難をためらう医療的ケア児を含む避難行動要支援者等が安心して避難できるように、市内にある宿泊施設6社と災害時の避難先として、客室の提供をしていただく協定を6月3日に締結したところでございます。 今後も安曇野市内のほかの宿泊施設の皆様に協定の趣旨を説明し、賛同をいただきながら拡大をしてまいります。 安曇野市として医療的ケア児とその御家族の皆さんなどからお話をお聞きし、関係する部が連携して避難行動要支援者名簿への登録や個別避難計画の策定を進め、課題を整理しながら、災害時に必要な支援策の検討を進めてまいります。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) ぜひ、当事者の方の声を聞きながら、丁寧に進めていただくということですのでお願いしたいと思います。 周囲の市民の理解を高め、医療的ケア児やその家族に対する支援に役立てるため、ガイドブックの作成をしてはどうでしょうか。医療的ケア児の御家族から外出が大変難しく、市役所等に自分から情報を取りに行くのにとても苦労している。いざ窓口に行ったらあちこちの部署に行かなければ情報が得られず大変だったとの声があります。必要な人に必要な情報が届いていないかもしれません。 レスパイト事業や母親の就業支援についても支援を広げ、ガイドブックにも載せていただければと思います。レスパイト事業ですけれども、レスパイトとは休息、息抜きのことです。24時間365日病児の介護的ケアを担い、十分な休息のできないお母さんたちが一時的に病児を預けられる体制のことです。また、母親の就業支援については、医療的ケア児の介護的ケアを主に担っている母親はその負担が大きく、働くことを諦めている方が多い状況です。病児を抱えて将来への不安も抱えながら、物理的にも、社会からも孤立しがちなお母さんたちが就業を通して社会とつながる意義は大きいと考えます。 実際にガイドブックを策定している自治体もあり、ホームページにも載せているので、若い世代の方も情報にアクセスしやすく、部署間の連携も取りやすくなる効果があると考えますがいかがでしょうか。福祉部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 医療的ケア児の支援につきましては、社会資源の分布、また福祉サービスの利用状況などを鑑みますと、市町村ごとに完結することは少ない現状であり、現在のところ市単独でのガイドブックの作成は考えておりません。 長野県では医療的ケア児等支援センター内にコーディネーターを配置しております。この医療的ケア児支援コーディネーターと市町村を結ぶものといたしまして、障害保健福祉圏域ごとに医療的ケア児支援連携推進協議会というものが設置されております、この医療的ケア児支援連携推進協議会において、レスパイトや孤立、それから保護者の就労等への支援を含めた圏域でのガイドブック等の作成について、今後協議を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 市独自ではないということで、まずは圏域でということで、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。広域での取組にもなるかと思いますが、1つ事例を紹介しますと、茨城県のある自治体が運営する多機能型重症児デイサービスでは、医療的ケア児の預かりだけでなく、親が働いて報酬を得る仕組みがあります。施設は一軒家を改装したもの、運営費用は障害福祉サービスの給付費と市からの補助金、企業からの業務委託費等で賄われるということです。医療的ケア児、母親、兄弟を丸ごと支援する施設で、利用者は3県をまたいだ8市5町の自治体から通っているということですので、将来的にしっかりこういう支援ができれば、当地域もいいのではないかと思います。 それでは、次の質問です。 ヤングケアラー対策についてお聞きします。 2020年に厚生労働省が全国の中学2年生を対象にして行った調査によりますと、家族の介護などを日常的に行うヤングケアラーが、調査対象となった中学2年生の17人に1人に上るという衝撃的な内容が発表されました。本市においても例外ではないと考えますが、ヤングケアラー対策について伺います。 本市では、ヤングケアラーの状況はどうでしょうか。どのように把握をしているでしょうか。教育部長にお伺いします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) ヤングケアラーにつきまして、令和3年度は3件把握してございます。そのほかにも家庭環境により、家庭を助け、家族に頼られている子供たちがいる可能性はあると考えております。 ヤングケアラーは本来守られるべき子供の権利が侵害され、子供の将来に影響を及ぼすおそれがございます。このような状況から、長野県は本年9月に長野県ヤングケアラー実態調査を実施する予定であると伺っております。市といたしましても、この調査に協力し、調査結果を基に早期発見、早期対応のための支援に活用したいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 9月にまたきちんと調査するということです。 先日、報道がありました県と市町村が連携して支援に乗り出すということです。どんな支援策を行うのかお伺いいたします。教育部長お願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 現在、市において支援が必要な児童生徒を把握した際は、本人や家族の意向を確認しながら、家庭の状況に適した福祉サービスの利用について、関係部局と連携した支援を行ってございます。 また、今後ヤングケアラーを対象とした新たな国の事業である子育て世帯訪問支援臨時特例事業を活用し、対象家庭への訪問、支援員派遣事業について体制を整えていければと考えております。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 次に、周囲や子供自身がヤングケアラーであることに気づくには、専門のスクールカウンセラーが日常的に接し変化を見出すなど、きめ細やかな支援が必要と思われます。学校でのカウンセリングの状況について、課題や対策を教育部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) ヤングケアラーに気づくには、日頃から子供と接する時間が長い学校の先生が果たす役割は大きいと言えます。ヤングケアラーが置かれている状況は様々でありますが、子供自身が気づいていない場合もあるため、先生が子供を気にかけて、耳を傾け、必要があればカウンセラーなどの専門職へつなげる支援が必要でございます。 本市では、子供たちの悩みや不安に対し、適切、かつ迅速に対応し、安心して学校生活を送れるよう、スクールカウンセラーを各校に配置してございます。 スクールカウンセラーは県による5名と市による7名の計12名が市内全小中学校に配置され、子供や保護者へのカウンセリング、教職員への助言などを行っている状況です。令和3年度のスクールカウンセラーによる支援時間は、市内全小中学校で2,400時間を超える状況です。子供を取り巻く環境は年々複雑化していますので、スクールカウンセラーの支援拡充が必要であり、時間増加と人員確保が課題といえます。 引き続き子供たちが悩みや不安に対し、学校の先生だけでなく、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家と連携しながら、継続的に支援していきたいと思います。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) 2,400時間もスクールカウンセラーの方にカウンセリングをやっていただいているという状況を伺いました。そのようにスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを市のほうでは配置をしまして、支援体制をしいています。とはいえ、児童生徒に一番身近なクラス担任の先生が日常の中で子供の異変に気づいて、支援につなげることが求められます。 しかし、現実的には朝から授業で寝てしまう児童に、家族の介護で疲れていると気づかず怒るといったことは、忙しい先生においては普通に起こり得る状況であると考えられます。精神論や理念だけではない対策が早急に求められるのではないかと考えますが、そのような状況についてはどのような御見解であるのか、教育長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) ヤングケアラーの発見、支援のためには児童生徒との関わりが日常的に大変深い学級担任に負うところが多いわけですけれども、現在マスクの着用により、児童生徒と教員の双方の表情が読み取りにくいとか、思っていることが伝えにくいとか、そういった問題もございます。 したがいまして、学級担任だけではなくて、校内の教職員が複数の目を重ねながら、子供の僅かなサインも感じ取って、そして迅速に対応できる、そういった組織的な支援体制が非常に大切だろうと思っております。現にそういう取組をしているわけですけれども、今後一層の充実に努めてまいります。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 小林議員。 ◆9番(小林陽子) ヤングケアラーの問題もそうですけれども、発達支援や子供の貧困、時代に即した学習内容への対応など、最近の子供を取り巻く環境には様々な課題や問題があります。学校も社会も次世代を担う子供たちの声を聞いて、手厚く支援の手を差し伸べるべきと考えます。取組をよろしくお願いいたします。 これで、私の一般質問を終わりにいたします。 ○副議長(一志信一郎) ここで、暫時休憩いたします。 再開時間は午前11時30分からといたします。                             (午前11時14分)--------------------------------------- ○副議長(一志信一郎) 会議の再開に先立ちまして、テレビ画面上の私の氏名表記に誤りがございましたので、訂正させていただきます。申し訳ありませんでした。 休憩前に引き続き一般質問を行います。                             (午前11時30分)--------------------------------------- △宮下明博 ○副議長(一志信一郎) 続いて、19番、宮下明博議員。持ち時間は30分以内といたします。 宮下明博議員。     (19番 宮下明博 登壇) ◆19番(宮下明博) 19番、宮下です。 通告に従いまして一般質問を行います。 明科地域の人口減少対策というタイトルですが、これは明科だけのことではなく、安曇野市の発展は明科が鍵を握るという思いからの質問ですので、よろしくお願いをいたします。 私は、合併当初から、人口増加策は子育て支援と土地利用だという持論を展開をし、土地利用につきましては、平成23年4月の土地利用条例制定までに計5回の一般質問で提案をしてまいりました。しかし、何一つ取り入れてもらえず、人口減少を想像せざるを得ない条例になってしまいました。 今から13年前の平成21年6月の一般質問の議事録を見ていただければよく分かると思いますが、私と当時の市長とは将来の見通しが全く逆で、市長の見通しは、経済情勢ですとか様々な要素でもっと人口が増えるかもしれないという答弁でした。しかし、私は当時提案された条例では人口増加は全く望めず、若者に住んでいただけるような条例にすべきだということで、お互い興奮して感情的な激論を交わしております。特に、明科地域は人口減少が心配で、土地利用条例でカバーしなければという思いから、明科地域の基本区域についても激論を交わし、当時の市長には、今、議場で明科の問題ばかり発言すると逆効果になってしまうので、慎重にお話しをいただきたいなどと答弁されてしまいました。 合併当時の明科地域の人口が9,442人でしたが、現在は7,700人を割っております。安曇野市で一番人口減少率が高くなり、私が心配していたとおりになってしまいました。そして令和4年、今年ですが、明科地域が過疎地域に指定をされました。明科地域の皆さんから、とうとう明科も過疎になってしまったねと落胆の声が聞かれます。 しかし、私は安曇野市発展のために、これをチャンスにしなければいけないと今は思っております。それは過疎地域に指定されたことにより、過疎地域発展支援特措法により受けられるメニューがたくさんあります。特に70%が交付措置される過疎債と過疎地域持続的発展支援交付金事業は最大限活用し、人口増加につなげなければなりませんので、本腰を入れていただきたいと思います。 活用のための計画策定のスケジュールは発表がされておりますが、どのような組織で、どのような方法で計画を立て、実現をしていくのか、まず市長にお聞きをいたします。よろしくお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 まず、今回の明科地域の過疎地域の指定というのは、逆にチャンスであるという宮下議員の考え方に私も全く賛成でございます。過疎地域持続的発展計画につきましては、過疎地域に対する財政措置を来年度予算から活用するため、12月市議会の上程を目指して現在作業を進めております。 今後、明科地域で実施してまいります事業に過疎対策事業債等を幅広く活用できるようにするため、計画的には個別的な具体的な事業もさることながら、むしろ大まかな施策の方向性を示してまいりたいと考えております。現在、市役所全庁に照会をかけまして、明科地域の現状や課題、事業の状況を政策経営課で取りまとめて、計画案の作成をしているところでございます。また、過日、明科地域出身の市の職員に集まってもらいまして私も懇談をいたしました。その際いろいろなアイデアも出ておりますので、そういったものも考えてまいりたいと思っています。 計画案の作成に当たりましては、今後、明科地域の市民の皆様への意見聴取、あるいは市全体のパブリックコメント、こういったものも実施してまいりたいと考えております。過疎債等の活用に当たりましては、各事業の必要性、その効果などを検証いたしまして、最大限活用していきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) ありがとうございました。いろいろな部署の横断的な連携が必要だと思いますが、国の支援が最大限受けられるような形でお願いをしたいというふうに思います。支援措置の適用を受けるには、過疎地域持続的発展計画を策定しなければなりませんが、計画を策定するに当たり、地区住民の意見を聞くことと人口の社会増に関わる目標を定めることとなっております。 そこで、私は具体的な提案をしてまいります。取りあえず6点ありますが、順を追って1つずつ提案、また、質問をしてまいります。 まず1つ目は、一般質問の冒頭で申し上げました土地利用条例策定に当たり、当時の市長と激論を交わした件ですが、明科駅とこども園に近く、明科中学校、明南小学校周辺の一番宅地に適した農地がいまだに田園環境区域に指定されており、なかなか宅地化ができません。若い夫婦が一番求める環境のよい場所であります。私が田園居住区域に指定すべきだと主張してきた場所でありますが、今となっては、行政が地区土地利用計画を立て、土地開発公社で造成するか、それとも手続は行政で、あとは民間に任せるのか、どちらかだと思いますが、いずれにしろ、過疎対策の事業で2分の1補助が頂ける方法をお願いしたいと思います。まず、地権者の意向を聞き、できるところから進めていただきたいと思いますが、都市建設部長の見解をお聞きをいたします。 ○副議長(一志信一郎) 今吉都市建設部長。
    ◎都市建設部長(今吉聡) 土地利用条例に基づく基本計画において、明科中学校や明南小学校周辺は、開発を抑制する田園環境区域に設定されています。田園環境区域で住宅系の開発を行う際には、既存の集落等に大半が接続し、面積が5,000平方メートル以下であれば、特定開発事業の認定を受けることで開発が可能になる場合があります。また、5,000平方メートルを超える場合は、市が地区土地利用計画を策定することで開発ができる可能性があります。宅地開発など、過疎地域に対する事業活用については、人口増加対策や移住・定住対策としての観点からも有効と考えられることから、事業活用について検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) ありがとうございました。 基本区域の見直しは4年先でないとできないわけではありませんが、先ほど部長のほうから話がありました地区土地利用計画は5,000平米以上でできますので、これは知らない人がほとんどでありますので、ぜひ行政が地域にしっかり説明をしていただいて、開発の希望のあるところから進めていただきたいと思いますが、そういった意向調査などをしていただける用意があるのか、再質問ですが、よろしくお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 今吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(今吉聡) 手続の方法も含めまして、地域の皆さんに分かるような形で説明のほうをさせていただきたいと思っております。 以上になります。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) ありがとうございます。ぜひそういったことでよろしくお願いします。 今まで家族化が進みまして、若い夫婦が相当松本へ転居していると思われますが、ここが宅地化されれば転居も食い止めることができ、都会から自然が豊かなところで子育てをしたいという移住者も増えると思いますので、とにかくよろしくお願いをいたします。 次に、松糸道路関係に入りますが、12月の代表質問と重なる部分がありますが、10月の時点ではまだ事業化が確定していなかったわけですが、令和4年4月には確定をしまして、調査費を1億2,000万つけていただき現実化しております。また、同時に過疎に指定され、過疎対策の融合措置も受けられるようになりました。 昨年、中部横断道が開通をして静岡も近くなり、名古屋、東京の中間ということもあって、安曇野市は今非常に人気があります。仮称、北インターから明科中川手出入口周辺は、50ヘクタール規模の壮大な計画の問合せが既にあります。狐島出入口から一、二キロの下押野地区の問合せもあります。今、一番人気の地域が皮肉にも過疎に指定をされたということで、固定資産の減免をはじめ様々な特典がありますので、さらに人気が出て需要は高まると思います。 開発志向の私でさえ、10年前は圃場整備をした水田には手をつけるべきではないと考えておりました。しかし、米の価格は平成6年の60キロ当たり2万2,000円をピークに、現在は半値近い1万2,000円前後で安止まりしております。農業を続けていくのが難しくなり、少子高齢化が進む中で市民サービスを向上させるには、税収を増やすことを考えざるを得ないと思い、有効な土地利用を提案をしております。過疎の優遇措置も10年の期限ということでありますので、それに間に合うように、まず地域住民の意見を聞くところから始めて計画を立てる必要がありますので、市が積極的に松糸道路出入口周辺の有効な土地利用に向けて動き出していただきたいと思いますが、市長、どうでしょうか。お願いします。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 申し上げます。 現時点では、松本糸魚川道路連絡道路の出口周辺、土地利用条例でいうところの田園環境区域に設定されるということでございます。また、圃場整備が実施された田園地域であることから、開発を進めるには農地法、農振法などの法制度と整合して進めることも事実でございます。しかし、松糸道路の整備によりまして、交通の利便性が向上し、出入口付近の開発に関心が高まることが予想されております。 私といたしましては、この従来の土地利用のままで区域設定がよいかどうかについては検討が必要であるという具合に考えております。今後どのような土地利用を進めていくのが望ましいのか、市としての土地利用の方向性を検討する中で、地域や地権者の皆様と話合いをしていくことが必要であると考えておりまして、まずは、地権者の皆様が自らの所有地に対してどのような土地利用を望まれているか、確認するための意向調査を実施したいと考えます。また、市役所内においても関係部署で連絡協議を行い、方向性を定めていきたいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 第1種農地ということで大変難しい部分もあるとは思いますけれども、やってできないことはないと思います。また、今、インター東の関係も少し開発をされましたけれども、農地を農地で賃貸した場合には1反歩当たり1万円前後ということだそうですが、企業に賃貸をした場合には1反歩50万という話も聞いております。地主さんも大幅に収入が増え、市も大幅に税収は増えます。最後は地権者の同意が必要ですが、先ほど市長も積極的にやっていただけるような意向もお聞きしておりますけれども、とにかく市が積極的に推進をしなければ大きなプロジェクトは前に進みません。松糸道路の出入口周辺の有効な土地利用ができれば、安曇野市の財政は相当豊かになり、明科地域の人口は大幅に増えると思いますので、よろしくお願いをいたします。 この事業は、今取り組み出しても10年近くはかかります。現在、安曇野市は想像以上に人気がありますので、重柳をはじめ、他の地域で地権者がまとまり、企業誘致を望んでいるところは、それはそれでぜひ進めていただきたいと思います。 それでは、次に入ります。 押野山土取跡地の有効活用ですが、土取跡地は市の土地が約7ヘクタールあります。今までに県営野球場、市営球場、松本山雅と連携したサッカー場など、一般質問で何回も提案をしてきましたが、全て実現されないまま荒れ地になっております。安曇野市には、公式戦ができる野球場、サッカー場、陸上競技場が全くありません。過疎地域に指定された今が行動に出るときだと思います。 私は、人が多く集まり、一番経済効果のあるスポーツ施設を、それぞれのプロスポーツの協会、あるいは安曇野市の体育協会、有識者などと相談をして、過疎債、あるいは持続的発展支援交付金などを活用して今造るべきだと思います。 ここに造るには、もう1点理由があります。土取跡地のある川西地区は、さも水害が多い地域ですが、水害時の避難施設がありません。現在指定の避難施設は川を渡らなければなりませんので、水害時の避難施設としては不適切です。川を渡らず、安心して避難できる施設がどうしても必要です。そこで、スポーツ施設のクラブハウスを避難施設に指定できれば一石二鳥だと思います。これも本腰を入れてぜひ考えていただきたいわけですが、市長、どうでしょうか。よろしくお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 押野山の土取跡地の有効活用についてでございます。 先ほど来申し上げております過疎地域を策定する中で、様々な意見を伺いながら、スポーツ施設だけでなく、他の用途も含めて検討してまいりたいと考えております。なお、計画を策定する際には、利用見込み、維持管理費用、あるいはアクセスの問題等、将来的な見通しも考慮してまいりたいと考えております。 それから、もう一つ、避難施設に関しましては、周辺施設の状況、あるいは立地場所の安全性などを確認しながら別途検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) この土取跡地につきましては、一昨年ですか、松本山雅と連携したサッカー場の話がありましたけれども、安曇野市でのらなかったために塩尻市の小坂田公園に今建設をされて、これは最終的には非常に経済効果が高い施設だと思いますが。何か経済効果があるような施設を土取跡地に、いろいろ相談をしていただきながら、ぜひ国の支援を頂く中で建設をしていただきたいというふうにお願いして、次に入ります。 それでは、次の空き家の有効活用ですが、空き家は全国的な問題で、全国では846万戸、長野県では19万7,300戸、安曇野市では1,086戸、明科地域では278戸となっており、長野県は空き家率全国ワースト3という水準だそうであります。そこで、県内の自治体では、マッチングサイトを利用した100円物件などをはじめ、改修費の補助金を出すなど、様々な対策に乗り出しております。 安曇野市では、移住定住推進課を新設し、様々な対応策を考え、新しい補助金拡充ということで320万円の補正予算が計上をされておりまして、様々なメニューが計上をされております。移住と空き家を結びつけたいという市長の強い思いが感じられます。空き家に移住していただくという競争が全国的にますます激化されると思います。 そこで、明科ですが、明科には駅・こども園・小・中学校に近く、大変利便性のよい、子育て世代がさも好む場所に空き家が多数あります。現在補助金等の計画がありますが、それとは別に、明科が過疎に指定されたことにより過疎地域持続的発展支援交付金事業が適用されると思います。市の税金ではなく、国の支援による地域活性化につながる事業や移住・定住につなげる具体的な施策を何か考えているのか、市民生活部長にお聞きをいたします。お願いします。 ○副議長(一志信一郎) 山田市民生活部長。 ◎市民生活部長(山田真一) 空き家を資源として生かし、移住・定住や創業につなげることで人とのつながりや交流が生まれ、コミュニティー増進やにぎわいを創出することができます。 明科地域においては、明科地域まちづくり委員会が「明科駅周辺まちあるき空き家空き店舗見学会」を定期的に開催しています。ガイドによる地域の魅力や情報の発信と併せ、移住者や創業希望者とのマッチングにより交流促進につながる活用事例も生まれてきています。 現時点で過疎地域持続的発展支援交付金事業活用による具体的な施策はありませんが、商工観光スポーツ部の空き店舗等改修支援事業、市民生活部の空き家対策補助金のメニューを充実させるなど、空き家・空き店舗の利活用を進めてまいります。 また、過疎地域持続的発展計画の策定に当たり、他部署、さらに市民活動団体などとも連携し、空き家の利活用による地域の活性化、若者の移住・定住につながる施策を考えてまいります。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) お答えをいただきましたが、せっかく国の支援があるわけですので、市の税金を使うのではなく、なるべく国の支援の下に対策ができれば、市の税金の節約になりますので、これからまだ長いわけでありますので、ぜひ研究をして、国の支援金を最大限活用していただきたいと思います。そういうことにより、明科駅前の利便性のよい空き家の有効利用として、地域の活性化や移住・定住につながる施策になりますので、特に国の支援をよろしくお願いして、次の質問に入ります。 次の質問の地域コミュニティー拠点の建設・改修・復旧の1つ目の地区公民館建設改修に対する対応ですが、明科地域では老朽化が進み、大規模改修や建て替えを考えている地区がありますが、人口減少により費用面が大変であります。現在ある市の補助金のほかに何か過疎地域に対する国の支援があると思いますが、その可能性を研究をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。これは教育部長、お願いします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 安曇野市では、安曇野市地区公民館建設補助金制度がございます。地区公民館の新築、改築、改造などに対し補助金を交付しているところでございます。地区公民館は、人づくり、地域づくりの拠点としての重要な役割を果たす施設でございます。過疎地域として、明科地域の地区公民館に対する市の補助金制度の充実も検討してまいりたいと思います。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 国の支援はなかなか難しいということですか。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 今回の過疎の関係では、国の支援は市の施設に限られているようです。地区の公民館は対象にならないと聞いております。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 分かりました。先が長いわけでありますので、何か方法があれば研究をしていただきたいと思います。 次に、地域コミュニティー2番目の御宝田マレットゴルフ場の復旧ですが、現在マレットゴルフ場は、令和2年、令和3年の豪雨により流された状態になっております。太田市長は前向きに考えていただき、資材の現物支給をしていただけるという話になっており、大変ありがたいわけですが、70歳前後のボランティアの手でつくるということは大変なことであります。そこで、過疎地域発展特措法による国の支援で復旧ができないかということであります。 御宝田マレットゴルフ場は、地域のコミュニティーの場として多くの人に利用され、冬場は雪も少ないため、他地区の人も多く利用しており、健康長寿にさも貢献していた施設です。何とか国の支援で復旧をしていただけるよう研究をしていただきたいと思いますが、これは商工観光スポーツ部長、お願いをいたします。 ○副議長(一志信一郎) 野口商工観光スポーツ部長。 ◎商工観光スポーツ部長(野口武史) 地域の皆様をはじめ、多くのボランティアの皆様が御宝田マレットゴルフ場の復旧に御尽力いただいていることに感謝を申し上げたいと思います。 地域の皆さんの強い要望を受けまして、本年度は復旧に必要な山砂を原材料支給する予定になっているため、関係者の皆さんと調整しながら対応してまいりたいと考えております。また、隣接するグラウンドにつきましては、安曇野花火大会の開催に間に合いますよう、流入した土砂の除去工事等を進めてまいりたいと考えております。 議員も御承知のとおり、御宝田マレットゴルフ場は河川内にあることから、度重なる水害に見舞われ、その都度市費を投じて復旧を行ってきている状況でございます。地域の皆様の交流の場であり、健康増進にも寄与する施設であることは承知しておりますが、水害への根本的な解決策を講じない限り、過疎対策による大規模な復旧工事は困難であると考えております。地域住民、ボランティアの皆様には大変御不便をおかけすることになりますが、当面は周辺のマレットゴルフ場の御利用をお願いしたいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) 災害で流れたということですが、これは平成2年に流れまして、連続して流れたわけですが、平成2年の水が入った場所をそのままにしてボランティアで復旧作業をしたわけですが、また同じところから水が入ってしまったということですが、先ほど部長のほうから話がありましたように、花火の関係で平成2年前の状態に今回戻していただけるということでありますので、これも諦めなくて研究をして、幾らかでも国の支援が受けられればと思いますので、研究だけはちょっとお願いをしたいというふうに思います。 次が最後の質問になりますが。明科駅のPRですが、現在、明科駅前は国の歩道整備事業と市の都市再生整備計画事業で駅周辺整備を行っております。また、JRもそれに併せて明科駅舎の改修が予定されております。これは官民合わせて総額50億前後の大事業であります。全て竣工した時点で、大規模な竣工イベントとPRをしていただきたいと思います。 PRの内容ですが、明科駅は東京まで2時間12分、金沢まで2時間17分、名古屋まで2時間22分と東京、金沢へは松本からよりも短時間で行けます。そして、特急あずさのような運休はほとんどありません。ビジネスマンは、「しなの」、新幹線ということで今、利用は結構あるわけですけれども、そこら辺をしっかりPRをしていただきたいと思います。 そして、問題は駐車場ですが、現在、駅前整備でつくられた市営駐車場は11台しか駐車ができません。民間の駐車場は個々にネットで知らせているところがありますが、私は市が民間と連携すべきだと思います。市営駐車場に電光掲示板をつけて、常に民間の空きスペースを知らせることができ、明科へ来れば100%、必ずどこかへとめられるということをPRをしていただきたいと思います。もしかしたら電光掲示板設置のシステムや竣工イベント、PRの関係も過疎の交付金が何か活用できるかもしれませんので、その辺の研究もよろしくお願いをしたいと思います。 そして、利用者が増えれば、特急しなのの明科駅停車の本数が増えますので、好循環になります。東の玄関口明科駅をPRすることにより、移住・定住、また、企業誘致につながりますので、全国に注目されるイベントとPRをお願いしますが、これは政策部長、お願いをいたします。 ○副議長(一志信一郎) 渡辺政策部長。 ◎政策部長(渡辺守) このたびの明科駅周辺の整備では、明科駅前広場や龍門渕公園、あやめ公園の整備、それから、公園への観光動線としての道路改良といった市による整備に加えまして、明科駅駅舎もリニューアルされますことから、改めて明科駅をPRするには非常によい機会であると捉えております。明科地域で行われておりますあやめ祭りや廃線敷でのハロウィンイベントと絡めた企画など、効果的なイベント事業ができないか、また、明科駅のPRができないか、関係部署と検討してまいりたいと思います。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) PRのチャンスだということでありますけれども、そういった事業に過疎の特例が使えるかどうかという研究はどうでしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 渡辺政策部長。 ◎政策部長(渡辺守) 今回のメニューにソフト事業も含まれているのですけれども、イベント等の一過性の事業にはどうも使うのが難しいというように書かれておりますので、イベントには恐らく使えないのではないかというふうに考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 宮下議員。 ◆19番(宮下明博) イベントには難しいということですが、場合によれば、電光掲示板の設置ぐらいはつけられるのか、研究をしていただきたいというふうに思います。 今回、明科の人口減少対策というタイトルで提案、質問をさせていただきましたが、これは決して我田引水ということではなく、私も明科の人口減少には肩身の狭い思いをしておりましたが、過疎に指定をされたことにより、国の支援を最大限に活用して、松糸道路の出入口周辺、学校周辺の土地利用、また、明科駅周辺の活性化ができれば、安曇野市の財政に大きく貢献できます。それが市民サービスの向上につながっていきますので、ぜひよろしくお願いをしまして、質問を終わりといたします。ありがとうございました。 ○副議長(一志信一郎) ここで、昼食のため暫時休憩いたします。 再開時間は、午後1時10分からといたします。                              (午後零時08分)--------------------------------------- ○副議長(一志信一郎) 休憩前に引き続き一般質問を行います。                              (午後1時09分)--------------------------------------- △猪狩久美子 ○副議長(一志信一郎) 続いて、16番、猪狩久美子議員。持ち時間は20分以内といたします。 猪狩議員。     (16番 猪狩久美子 登壇) ◆16番(猪狩久美子) 16番、猪狩久美子です。 通告に従いまして一般質問を行います。 大きく2点についてお伺いをいたします。 まず最初に、生理用品の無料配布についてです。 コロナ禍において緊急的な対策として、昨年5月17日から始まった生理用品の無料配布ですけれども、貧困対策として日本を含め世界的にこれが行われてきました。海外では、既に国の事業として無償化、あるいは生理用品の減税に取り組んでいる国もあります。 コロナの終息の見通しが立たない中、今も安曇野市では継続がされています。この事業について、市長のお考えなどをまずお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) 長引くコロナ禍によりまして、経済的な理由で生理用品を購入できない、いわゆる生理の貧困が社会問題になっておりまして、安曇野市では昨年5月から災害用備蓄品の一部を活用いたしまして生理用品の無料配布を行っているところでございます。様々な要因で生活が困窮している女性を支援するため、この生理用品の無料配布は継続していきたいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 継続していきたいというお話でした。これは市長、貧困対策というか、コロナ対策ということでの継続ということでよろしいでしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。 ◎市長(太田寛) きっかけはコロナであったと思いますけれども、貧困問題がある以上は続けていく必要があるというふうに考えております。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 分かりました。 生理用品の無料配布、これまでの利用状況について伺いたいと思います。 それから、今、女子トイレには公共施設、市役所では1階と4階のトイレの個室にカードが置かれています。生理用品そのものがトイレに備えられていれば、誰にも気兼ねなく使えるはずです。窓口でのカード提示という方法では、利用したくてもちゅうちょしてしまうようなことになってしまうと思います。カード提示が利用を狭めてないかという心配が私はしているわけですけれども、これまでの、この間の利用状況について政策部長にお伺いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 渡辺政策部長。 ◎政策部長(渡辺守) 生理用品の無料配布につきましては、昨年の5月から配布を始めまして、今年の4月末日までの約1年間で294パックを配布いたしました。配布は本庁舎2階の人権共生課窓口のほか、社会福祉協議会の本所、また支所でも行っておりまして、それぞれの窓口に声を出さなくても意思表示できるようカードを設置させていただいております。また、カードの設置だけでなく、スマートフォンの画面を提示いただく方法というのも採用しております。 先ほどは、庁舎内のトイレにカードだけ設置というお話でしたけれども、試験的に6月1日から、1階の西側の女子トイレ2か所に生理用品のほうも今置かせていただいております。これから生理用品の寄附の受付も含めまして、無料配布について引き続き周知を図ってまいりたいというふうに考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 今、試験的に生理用品そのものを置いてくださるというお話がありました。トイレではトイレットペーパーは必需品になっています。トイレに行ってトイレットペーパーがなかった場合、わざわざ窓口に行ってトイレットペーパーをくださいということはないと思います。それと同じように、やはり生理用品はカードではなくて、生理用品そのものが女性用のトイレの個室にある、そういったことが当たり前になってほしいなと思っています。生理のある方にとっては、生理用品も今言ったように必需品です。女性保護や女性の人権という面を尊重する立場で、どのような立場の人であっても、どんな環境に置かれている人であってもひとしく、急に生理がやってきた場合でも困らないように、生理期間を気持ちよく清潔に過ごすために、生理用品は学校、公共施設の女性用トイレにトイレットペーパー同様設置ということを試験的でなくぜひ常備品、インフラ整備の点からも常に整備しておくと、常備しておくと、そういった形にしていただきたいと思っていますが、その点ではいかがでしょうか。そういった方向になっていくのでしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 渡辺政策部長。 ◎政策部長(渡辺守) 先ほどもお話しいたしましたように、6月1日から試験的に配布のほうを始めさせていただいておりますので、この状況を見つつ今後どう広げていくか、そういったことが可能かどうか、検討してまいりたいと思います。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) ぜひ試験的でなく、早く常備品として備えておくような事業にしていっていただきたいと思います。 それに関連しますけれども、現在は市民からの寄附によって対応しているということです。今後もこの事業を続けていくという回答がありましたけれども、やはり先ほども申しましたように、トイレットペーパー同様、インフラとして常備していくこととしてきちんと予算化をしていくべきではないかと思いますが、今のことと関連しますが、この6月で予算化という話ですけれども、それはやはり様子を見てからということになるのでしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員、答弁は誰に求めますか。 ◆16番(猪狩久美子) 政策部長にお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 渡辺政策部長。 ◎政策部長(渡辺守) 現在のところ、災害備蓄品や市民からの寄附によりまして生理用品の在庫を確保しておりまして、すぐに購入の必要はない状況です。引き続き、市民からの寄附も受け付けていきたいと思います。1階のトイレも設置を始めたばかりでございますので、今後の状況にもよりますけれども、必要があれば予算で購入することも検討していきたいと思います。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 今のところ寄附で間に合っているということですけれども、やはり女性の人権問題としてこういった事業化をきちんとして、予算もやっていくべきだというふうに思いますので、今後こういったことをぜひよろしくお願いいたします。 4番目ですけれども、生理の貧困問題は経済的な問題というふうに今大きく捉えられていますが、同時にネグレクトや虐待、男性の生理に対する無理解や無知、性教育の不十分さ、知識の不足からも来ていると思います。さらにセクハラやパワハラにも関係する問題です。妊娠、出産の仕組みなど体に関する知識だけでなく、人権やジェンダー、多様性の尊重、人間関係などを学ぶ包括的性教育というものを、幼児期から年齢や発達に即して学ぶことが大事だと思います。 包括的性教育に関してユネスコが中心になって作成した国際セクシュアリティ教育ガイダンスというものがあります。本来なら公教育において取り入れるべき内容だと思います。しかし、学習指導要領に残されている、はどめ規定というものがあって、人の受精に至る過程は扱わないものとするという遅れた現実が今の日本にはあります。公教育の十分でない面を補うこととして、昨年6月の定例会の一般質問でも私は提案いたしましたが、助産師や保健師など専門家による出前講座などを活用して、例えば学校の参観日などに児童と保護者が一緒になって、その年齢に合った性、生きるほうの生も含まれますけれども、性教育を学び話題を共有する、そのことで家庭でも話しやすくなると思います。そういった学校でもきちんと授業で十分教えられない分について、そういった出前講座などを利用して性教育を学ぶ、こういった機会をつくるということを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。 また、行く行くは、きちんと包括的性教育を学校教育の中に位置づけるという点については、学習指導要領にそういった内容が示されないということもありますけれども、必要なことですので、包括的性教育、学校教育の中で位置づける点についてもお答えいただきたいと思います。教育部長、お願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 昨年6月の議会一般質問で猪狩議員の御質問にお答えいたしましたが、安曇野市内の小・中学校の性教育は、特別活動や体育、保健体育などの授業において年間指導計画に位置づけ、実施しております。助産師などの外部講師を交えての学習や学級担任と養護教諭がチームで指導するなど、専門的な見地を生かした取組も行っております。また、参観日に学習の機会を計画したり、学級通信などで学習内容を知らせたりして保護者への理解を深める工夫を行っている学校もございます。 なお、御質問のありました包括的性教育でございますが、昨日伺ったところでありまして、まだ学校等の確認ができておりませんので、この場でのお答えは控えさせていただきたいと思います。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 全部の学校でそういったことを系統的にやっているというような内容ではないと思います。これは意識的にやはり教育の中に取り入れていくべきだというふうに思っておりますので、ぜひまた御検討をお願いしたいと思います。 それでは、次の2つ目の大きな質問についてお伺いいたします。 子供たちの学び、育ちの環境を支えるという点で、まず、1点目の不登校問題についてです。 安曇野市内の小・中学校の児童は、今現在年々減っております。そして、不登校支援ということも行われているにもかかわらず、不登校児童・生徒数は増えております。全国でも18万人ということです。令和2年度、安曇野市の小学校では、児童数4,777人のうち不登校児童数は72人、平成28年度を見てみますと、児童数5,047人のうち23人と比べると、児童数が減っているにもかかわらず不登校児童数は増えています。中学校では、令和2年度生徒数2,554人のうち不登校の生徒数は115人です。平成28年度を見てみますと、生徒数は2,820人、不登校の生徒数は93人と比べても、生徒数が減っているにもかかわらず不登校の生徒は増えています。 文科省の調査では、不登校要因は幾つかありましたけれども、無気力だとか不安という項目については39.9%も占めていました。今、学校は楽しい場所になっているのでしょうか。息苦しい場所になってはいないでしょうか。「からだを動かし・頭で考え・心に感ずる 未来を拓くたくましい安曇野の子ども」という安曇野市の教育方針、その中の目指す子供の姿、育みたい10の力という具体的な内容が示されていますけれども、とてもすばらしい、もっともな内容だと思っています。こうした教育方針がある中ですけれども、安曇野市では不登校児童が増えている現状、これについて教育長の御見解を伺います。よろしくお願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 御指摘の不登校につきましては、本市にとっても重要な課題の一つであると捉えております。一つ一つのケースは、多岐にわたる背景、そして、複雑に絡み合う要因等がありますので、一概に増えている原因は何かというようなことは捉えにくいわけでございますけれども。いずれにしても、一人一人がかけがえのない存在であるという認識の上で、学校関係者や家庭、関係機関が連携して、組織的、継続的に支援に当たるということが大切であると思いますし、また、不登校の児童・生徒の状況やニーズに応じた多様な学びの環境づくりが大切だと思っております。こども園・幼稚園も4月から所管するようになりました。一層学校との連携を密にしながら、引き続き学校や園と共に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 教育長から御答弁いただきました。 それでは、2番目、3番目の2点について、まとめて質問をさせていただきます。 不登校に関して、子供と親が安心して相談できる市の窓口についてお伺いいたします。 今年度、子育てに関する相談窓口が家庭児童相談室に統一されました。市のホームページによりますと、子育てに関する相談窓口の案内があって、子供の発達に関する相談は子ども発達支援相談室、障がいに関する相談は障がい者支援課支援給付担当など、幾つか窓口が載っていました。不登校や学校生活に関する相談については、教育相談室につながるようになっています。教育相談室の相談体制はどうなっているのでしょうか。 それから、教育支援センターの役割は何なのでしょうか、どんな役割を持っているのでしょうか。学校に登校するとか、戻すという学校復帰はなくなりました。では、具体的な支援内容はどんなものがあるのでしょうか。それから、教育支援センターにつながらず、相談や支援が届かないような児童・生徒という、あってはならないのですけれども、そういったところへの対応はどうしているのか、お伺いいたします。教育部長、お願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 初めに、学校の担任、学校内の不登校支援コーディネーター、登校支援員など、学校内に相談窓口を設け、周知してございます。さらに、安曇野市の教育相談室を相談窓口として不登校に関する相談を受けております。また、校内支援会議の依頼により、スクールソーシャルワーカーや市の不登校支援コーディネーターが保護者や本人との相談支援に当たる体制を整えております。 不登校児童・生徒への支援は、学校に登校することのみを目標にするのではなく、児童・生徒が自ら進路を主体的に捉え、社会的に自立していくことを目指すものでございます。そのとなる教育支援センターには、不登校支援コーディネーター、スクールソーシャルワーカーや教育相談員など専門員を配置しております。在籍校、福祉部局とも連携しながら、中間教室「けやき」を活用した居場所づくり、児童・生徒一人一人の状況やニーズに応じたきめ細かな支援に取り組んでおります。 現在、県の不登校児童・生徒等に対する学びの継続支援事業の一環として、不登校支援コーディネーターとスクールソーシャルワーカーの連携により、相談や学習活動のために中間教室などへ通室につながらない児童・生徒へのアウトリーチ支援を実施しております。支援を求める御家庭との連携を深め、ニーズに応じた学びの場につなげることで、社会的自立を培う取組を行っております。また、地域の公共施設や企業と連携した体験的活動を企画する取組にも着手しているところでございます。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) そうしますと、相談員というのは、その場で相談を受け付けていることが多いかと思うんですけれども、アウトリーチなども行っているということでよろしいのでしょうか。 それから、保護者の相談が多いかと思うんですけれども、不登校の当事者が相談する、子供たちが相談するということは少ないかと思うんですけれども、当事者が相談しやすいような窓口になっているかということもお聞きしたいと思いますが、お答えできればお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) アウトリーチも実施しております。それから、子供から直接というのも場合によってはあると思っております。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 分かりました。 つい先頃ですけれども、松本と安曇野市で活動する不登校の子供がいる親の会4グループが連携、組織を立ち上げたというふうに信濃毎日新聞が報道しました。子供が不登校になった当時、親子の現状を受け止めてくれる相談先がなかなか見つからなかったというのが理由にありました。市の教育相談室に相談がこういったことがあったのかどうかは分かりませんけれども、また、公的な支援が不十分だったのかというふうに、その紙面からはちょっと受け取ってしまいました。 不登校、当事者の学習支援や居場所の提供、保護者の活動を支えている民間機関とか、団体は市内にどのくらいあるのでしょうか。教育委員会とそれらの民間機関、団体との連携はどのように行っているのでしょうか。また、こうした機関に補助金などの支援が必要と考えますが、その点についてお答えをお願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) フリースクールなどの民間施設を利用する児童・生徒の調査を実施するとともに、教育委員会事務局やスクールソーシャルワーカー、学校職員などが民間施設などを訪問、懇談を行うなどの連携を図ってきております。令和3年度には10施設、1団体との連携、懇談を行いました。本年度も訪問、懇談を随時進めているところでございます。令和3年度は、不登校以外の理由で利用した方も含みますが、38名の児童・生徒がフリースクールなど民間施設を利用いたしました。ガイドラインに沿って、施設の現状や目標を把握しながら、出席扱いを認める活動の情報を共有するなどの連携を行っているところでございます。 なお、施設関係者、保護者の困り感や抱える課題につきまして、訪問や懇談を通して現在聞き取っているところでありまして、どのような公的支援が可能か、既に検討を始めているところでございます。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 2017年施行の教育機会確保法では、学校外の公的機関や民間施設において相談、指導を受けている場合の出欠の取扱いは、一定の要件を満たせば出席扱いできるということになりました。 今年5月5日の信濃毎日新聞の記事によりますと、上田市の映画館、上田映劇で開いているうえだ子どもシネマクラブでは、ここに中学3年生の男子生徒が訪れた場合に、在籍する中学校では出席扱いということにしています。不登校がなくならない限り、今後このような事例が増えてくる可能性があります。義務教育課程の子供たちが学校に代わる居場所として、こうした民間機関や団体に通い、過ごすということになれば、公共施設を例えば使用する場合、減免措置を取るとか、施設運営に対して補助金を出すなど必要になってくるのではないでしょうか。今、連携を取りながら検討されているということですけれども、ぜひこうした居場所などについて公的な支援というのが必要だと思いますが、今の時点では教育部長、どのようなお考えでしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 先ほども申しましたとおり、支援を現在検討しているところであります。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 分かりました。 それでは次に、2番目の質問に移ります。 コロナ禍が長引き、さらにウクライナ情勢の下、子供たちのストレスに寄り添う対策について質問をいたします。 長いコロナ禍でマスク生活についての対応は、認定こども園、小・中学校ではどのような対応、工夫で乗り切っているのか。また、今も多少マスクの使用については緩和されていますけれども、今後のマスクなしの対応についてもお伺いいたします。教育部長、お願いします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) マスク生活が長引く中、小・中学校では、日常の学校生活や家庭生活において積極的に表情や気持ちを伝え合う機会をつくっていく必要があると考えます。ハンドサインや身体表現、目を見て聞くなど、コミュニケーションを豊かにする工夫を研究し、取り組んでいるということも聞いております。 今後も、マスク生活が子供たちに与える影響を注視しながら、国や県の方針に基づき対応してまいりたいと思います。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) やはりマスク生活が長くなりますと、お互いの表情などが分かりにくくなり、お互いのコミュニケーションも取りにくいような状況が生まれています。特に子供たちはそういった状況下の中で非常に不安などを抱えていると思いますので、ぜひこういった子供たちに対する支援をお願いしたいと思います。 こうしたマスク生活が当たり前の日常になってしまいました。しかし、子供たちに接する際に、マスク越しに目だけを見ていろんな表情を理解することは大変難しいと思います。特に幼児期、口や目、耳から繰り返し情報を得て、成長していく時期だけに影響はかなり大きいと思います。 京都大学の明和政子教授は、乳幼児の接し方が大変重要だと言います。顔と表情を区別する能力は、その後、相手の気持ちを理解する能力の土台となる。子供たちは表情の中でたくさんの情報を使って、少しずつ少しずつ相手の表情、感情を理解していく。そうした経験が今回のコロナ禍で一気に失われていく。家庭の中で意識して表情を見せるようにというふうに言っています。就学前の子供については、感情を体で表現する方法を提案しています。うれしかった、悲しかったなど、ボディランゲージを使い、コミュニケーションを取りましょうというふうにも言っています。 コロナ禍による日常の変化に加え、ロシアのウクライナ侵略に関する緊迫した映像は、強い不安を子供たちに与えています。こうした中でストレスを見逃さない、ストレスサインをちゃんと見極めるということについて小児科医が啓発を行っています。子供がそういったメディアとの付き合い方とか、戦争について聞かれたらどうするのか、これについてはセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが、専門家が進める子供と戦争について話すときの5つのポイントを紹介しています。こうした幾つかの子供に対する情報を参考にしたチラシを、それぞれに発信していくということについてお伺いします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口部長。 ◎教育部長(矢口泰) 学校では、日常的に子供たちが話題にするニュースを取り上げたり、メディアからの情報を話題にする際、留意点などを紹介するなど、子供たちの日常生活に寄り添った情報発信が行われております。学校や学級通信などでも取り上げ、保護者にも周知していく取組が大切と考えております。 戦争に関わる映像、最近ニュースなどでたくさん出てきてしまいます。これどちらがいいとか悪いとか、戦争が悲惨だとか、なかなかそこら辺が難しいところなのですが、真実を直視する意味がある一方で心理的なストレスを生むという問題があると思います。どういう扱いを伝えるか、課題は残ります。命の大切さ、平和の尊さを改めて見詰める機会としたいと考えております。 ○副議長(一志信一郎) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 終わります。--------------------------------------- △松枝功 ○副議長(一志信一郎) 続いて、10番、松枝 功議員。持ち時間は15分以内といたします。 松枝議員。     (10番 松枝 功 登壇)
    ◆10番(松枝功) 10番、松枝 功です。 通告に従い一般質問を申し上げます。よろしくお願いします。 太田市長は、さきの3月定例会の開会挨拶の中で、市の地球温暖化対策実行計画の見直しを行うとともに、ゼロカーボン宣言に向けた取組を推進すると述べられ、さらに関連しまして市有林、市有の林なのですが、これについても伐採や活用に併せた持続可能な管理を進めていくと述べられております。脱炭素社会を目指すとき、森林は安定した二酸化炭素の吸収源として重要な役割を果たすことは誰もが認識するところですが、一方で、私たち人間と森林との関係は徐々に遠く、疎遠となり、残念ながら森林の荒廃も進んでいると思います。 私は、これまでに松くい虫対策や伐期を迎えた市有林の活用などについて一般質問の場で質問し、提案もしてまいりました。今回は、これまでの議論をさらに深めて、市の森林の約3分の2は民有林ということなのですが、この民有林とか、里山を含めた森林全般の今後の在り方、市の対応の方向について質問してまいりたいと思います。 まず、太田市長にお尋ねいたします。 脱炭素社会を見据えた市内の森林整備のビジョン、そして、そこに向けての市の取組について、また、できましたら、近年、人と里山との関わりも注目されていますが、里山の整備についてのお考え等がありましたら、まず市長からお話をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 いわゆるゼロカーボン、これを進める上で森林が発揮する機能、これが非常に大きな役割を持つと考えております。地球温暖化対策実行計画の策定に当たりましても、森林によるCO2の吸収、そしてまた、木材利用による炭素固定、こういったものを最大限に発揮する森林整備を進めることが、その中心の一つとなると考えております。 市内の森林は、成熟化しておりまして利用期を迎えております。高齢級化に伴い、CO2吸収量が減少傾向にある森林、これを切って、利用して、植えるという持続可能な循環利用を確立し、木材利用の拡大、森林の若返りを図る森林整備を推進してまいりたいと考えております。市有林では、既にこの考え方で森林整備をしていることもあり、今後は木材利用の拡大を図る中、団体、個人有林に広げていきたいと考えております。企業の皆様の協力による森林づくり、新たに2か所始まりまして、実はあしたも1つ始まります。今後も、企業の協力による森林整備を推進してまいりたいと考えております。 森林整備を進める上では、森林環境譲与の活用が必須でございまして、森林経営管理制度によりまして未整備森林の整備を実施していくとともに、御質問にもございました里山、この大切さにつきましても、環境教育を含めて推進してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) 市長のお話の全くそのとおりでして、そういった方向でぜひ進めていただきたい。そして、特に今回は森林環境譲与ですか、これの使途について十分私のほうからもいろいろな御意見を申し上げて、提案してまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 それではまず、民有林です。特に民有林においての議論が必要だと思っているのですが、私たちが実は地域の山に関わろうとしても、この山が誰のものか検討もつかない。どうも自分の山らしいと分かったとしても、どこからどこまでが自分の持分なのか検討がつかない、まさに手も足も出ないというのが残念ながら現実ではないかと思います。 実は、この現実、事の重要性を理解したのか、国では新たな森林管理システムという制度をスタートすることとし、この制度の施行に必要な財源策として森林環境、そして、今お話しありました森林環境譲与、この制度が動き出しました。令和6年度から森林環境が、私たちも住民に上乗せされて、課税されることになりますが、これに先立って森林整備に取り組む財源として、地方自治体にも元年度より森林環境譲与の譲与が始まっていると承知しております。まず、その譲与の安曇野市の受入れと活用の状況、これについて農林部長から説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) お答えをいたします。 令和3年度の森林環境譲与の交付額は1,756万8,000円となっております。2年度は1,756万6,000円、元年度826万5,000円が交付されておりまして、これまでの交付総額は4,339万9,000円となっております。交付されました譲与は、一旦基金へ積立てをいたしまして、支出に合わせ基金を取り崩し、活用するという形にしております。 基金の活用状況でありますけれども、令和元年度の支出はございませんでした。2年度は、森林所有者への意向調査の実施経費、また、現地調査用のモバイル機器の購入費として40万9,000円を使用してございます。3年度は、所有者意向調査の継続に併せ集積計画を進めるため、森林経営管理制度業務を委託発注いたしまして、615万5,000円を使用したところでございます。これにより、現在の基金残高は3,683万5,000円となっております。また、令和4年度の収入につきましては2,272万4,000円程度を見込んでおるところでございます。 森林環境譲与は、森林整備のほか、整備を促進するために人材の育成や担い手の確保、木材利用の促進、普及啓発など様々に活用ができることとされておりますが、森林が多い安曇野市においては、森林経営管理制度に基づきまして、まずは未整備森林の整備を促進してまいりたいと考えております。この使途については、県のほうからもなるべく譲与を今後使っていきなさいというようなお話も出てございます。こういったことから、令和5年度からは譲与を活用した森林整備ができるように準備を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(一志信一郎) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) まさにこれから譲与を使った活動、動きが始まるということだと承知しました。 昨年9月の一般質問で、私は伐期を迎えつつある市有林の活用、木材利用の推進についてお聞きしました。このときは三郷西部認定こども園などでの活用について御説明いただいたのですが、さらにその節、農林部長からは、今後は市の公共施設だけでなく、森林環境譲与の活用を見据え、友好都市の公共施設への木材活用などを考えているという答弁がありました。また、3月の太田市長の御挨拶の中でもそのことに触れていただいています。この取組が進んでいるかどうか、お聞きしたいと思います。 この譲与の額は、民有林の面積、林業従事者数、そして、人口という3つの要素で算出されることになっておりまして、結果的に人口の多い都市部の都市にも譲与が結構いくんですね、わたっている。最初、川下の話で恐縮なのですけれども、市の都市部の友好都市への働きかけ等の取組、前回お話しいただいたのですが、どんなふうに進んでいるのか、農林部長にお聞きしたいと思います。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) お答えをいたします。 安曇野市の友好都市における公共施設への木材活用に関しては、コロナ禍の中、首都圏との往来が厳しく、詳細な打合せが行えていない状況でございます。しかしながら、友好都市担当者とのウェブ会議や安曇野市における公共施設への木材利用、森林の状況などを、少ない視察の合間に現地を見ていただくなど、市産木材の活用につきまして協議を継続しております。今後も引き続き調整を進めてまいりたいと、このように考えてございます。 ○副議長(一志信一郎) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) ぜひ取組を進めていただきたいと思いますが。これは市有林、安曇野市が持っている市の木なんですけれども、やっぱり問題は、私は多くの民有林についても同じように伐期を迎えていると、この活用をどうにか考えていかなくてはいけないのではないかと。そして、森林環境譲与というのは本来利用が進まない民有林の整備というのが目的の主眼に、それでの活用が主眼になっていますので、ぜひ民有林についても思い切ったお考えがあったらお聞きしたいと思います。原油材の、輸入材の高騰などによってのウッドショックですか、この状況がしばらくは続くようで、地元産の木材の値段も大分上がってはきているようですが、それでもいざ自分の山の木を切るとなれば、間違いなくお聞きしますと赤字だと、今のままでは民有林の木は相変わらず動かない。そこに今回の譲与を活用した何か打つ手はないのか、お考えがありますか。農林部長にお聞きしたいと思います。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 市内の民有林において植林をされた人工林のうち、おおむね50年生を超える森林は全体の約8割、3,600ヘクタールほどというふうに認識をしております。その多くが伐期を迎えておりまして、現在市内産の木材の利用につきましては市有林からのものが大半を占めておりますけれども、一般住宅への建材利用等も多少ありますが、市の公共施設への活用にとどまっている現状でございます。 今後は、市の公共施設だけでなく、森林環境譲与の活用も見据え、都市部への木材利用の推進、先ほども申し上げましたが、友好都市などでは学校の建築を行いたいというようなお話も聞いております。こういったところへの木材利用ができればなということで営業をさせていただいているような状況でございます。この都市部への木材利用の推進に当たっては、市有林からの木材調達だけで賄うことは難しいと捉えておりまして、市長がお答えしましたとおり、団体や個人有林などの民有林に伐採を広げていく必要があろうかと考えております。 森林の皆伐に関しましては、木材の売上げが生じるために現状の補助制度の活用は見込めない状況であります。ウッドショックにより木材価格は上昇しておりますが、山林所有者への見返りはやはり少なく、皆伐を進める上でのネックとなっております。このことから、今後は木材利用を推進するために皆伐への支援対策を考えていく必要があると捉えておりまして、譲与の利用も視野に入れていきたいと、このように考えております。 ○副議長(一志信一郎) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) 承知しました。ぜひ頑張ってください。 次は、松くい虫対策です。 市の東山や平地一帯では、ここ10年来の松くい虫の被害によりアカマツの森や林が消えつつあります。アカマツは、昔から安曇野の緑の景色の原点であり、建築関係の方からもアカマツは強度があり、扱いによっては用材としても価値が高いともお聞きしております。 また、以前の一般質問の話でまた恐縮ですが、私が令和2年9月議会で提案した松くい虫に耐性を持つよう育種された耐性アカマツ苗の植樹によるアカマツ林の再生に、今回の森林環境譲与を活用してトライする考えはないでしょうか。再度で恐縮ですが、お聞きしたいと思います。 耐性アカマツ苗というのは、少し説明しますと、赤く松枯れが進んだ松山で、たまにどういうわけか枯れずに、青く元気に立ち続ける松を見ることがありました。10年ほど前、明科地域の押野山でもこのような松を見かけることがありましたが、いつかは駄目になるだろうなと思いながらも、つい頑張れと声をかけたくなったものですけれども。実は、このような頑張る松から育種技術のある試験場などで、この松くい虫に抵抗性のある松、抵抗性アカマツが育種され、苗が増やされてきています。 現在、市の東山地域の松林においては、現実的には元気な松を松くい虫から守る手だては万策尽きたという状態ではなかろうかと思います。ただ、西山についてはまだ十分間に合いそうであります。薬剤の樹幹注入など、ある程度の一時しのぎの対策は必要なのかもしれませんが、必要な場所、思いのある場所、残したい松山、そういった場所では耐性アカマツ苗を積極的に植林し、緑の松山を再生していく、残していくといった方向への転換はどうでしょうかという提案であります。 現在、多くの自治体で採用されている更新伐、樹種転換という施策については、はっきり言って松くい虫に白旗を上げて、アカマツ以外の木が育つ山を造成していこうとするものです。お隣の松本市も対応に苦慮されているようですし、この被害は、実はないと言われていた塩尻市や朝日村までに及んでいるようでございます。 被害先進地の安曇野市として、今回のありがたい譲与の活用も視野に、一部の地区でもいいので緑の松山、アカマツの林、森林を再生するという方向にかじを切るという選択ができないか。大変何回も恐縮ですが、改めて農林部長にお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) お答えをいたします。 昨年9月の定例会で、松枝議員から一般質問の折、長野県が推奨する抵抗性家系マツを200本試験的に植樹した経過を御説明をいたしました。今後につきましては、苗木の手配にもよりますが、議員御提案の抵抗性アカマツ、こちらについても試験的に植樹し、経過を観察してまいりたいと答弁をしたところでございます。 しかしながら、抵抗性アカマツの苗木は御承知のとおり県外で生産をされておりまして、長野県山林種苗共同組合を通じて購入を試みましたが、長野県内での流通がなく、やむなく本年の植樹につきましては、昨年同様抵抗性家系マツ400本の植樹にとどまっている現状でございます。このことから、今後も抵抗性アカマツの入手は難しい状況ではないかと考えております。苗木の手配が可能となれば、御提案の抵抗性アカマツについても試験的に導入をしていきたいというふうに考えております。 また、森林環境譲与の活用につきましては、先ほどもお答えをさせていただきましたとおり、未整備森林の解消に充てることをまず基本優先をさせていただきたいと考えてございます。このことから、譲与の活用は可能ではあるというふうには捉えておりますけれども、松くい虫対策との整合から、限定した守るべき松林のみを対象としていくこととしております。 植樹をいたしました家系マツの状況でございますが、尾根筋の大変厳しい環境下へ植えていることもあり、部分的に定着できずに枯損した松もありますけれども、多くは活着をし、生育は順調であると認識をしております。 ○副議長(一志信一郎) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) 今、部長のほうからお話しあった中で、要するに、本当の耐性アカマツ苗というのは実は長野県では生産されていないのです、育種されていない。他県から持ち込まざるを得ないという状況、これは残念なことに長野県は私は森林県、林務部のある県ですので、ぜひ頑張っていただきたいと思うのだけれども。そういった状況の中で、なかなか苗木が入手できないとすると、厳しい状況はあるかもしれないけれども、やはり私が今申し上げた松林の再生ということ、それが夢なんですけれども、やっぱり安曇野は緑の風景を残していきたいという気持ちの中ではぜひ挑戦していただきたい、譲与の活用もぜひ考えていただきたい。 家系マツ、要するに耐性マツほどではないけれども、ある程度耐性を持った家系マツが今植えられていると、今定着しているという話だけれども、これからが勝負だと思いますし、ある程度枯損木については伐倒処理をしたり、そういった手だてを取りながら育てていっていただきたいとは思っております。 次は、里山の整備という面で質問いたします。 本市には、全国に先駆けた取組として里山再生計画「さとぷろ。」があります。現在2次計画の中間年を迎えているわけですが、現在までの具体的な取組についての市の認識、評価、また、課題といったものについてどう捉えているのか、農林部長にお聞きします。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) お答えをいたします。 市では、令和2年度に安曇野市里山再生計画の第2次計画を策定いたしました。本計画では、市民・団体・事業者・行政が市内の里山に目を向け、協働で課題を抱える地域の里山再生に取り組むこととしております。 第2次計画では、前計画の反省から課題解決の方針を明確にし、重点プロジェクトの再編成を行いました。具体的には、まきの環・木材活用・学びの環・魅力発見の4プロジェクトに取り組んでおります。行いました市民アンケートの結果等から、計画の周知度が約16%程度にとどまっているということから、第2次計画の周知が重要なことや、活動のフィールドである里山の多くが個人有林であり、権利関係や所有者の理解を得ることなど課題もございますが、各プロジェクトではそれぞれ目指す成果を見据え、市民や団体との協働を意識しながら活動を進めているところでございます。 ○副議長(一志信一郎) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) 昔の人たちの生活は、里山との深い関わりの中で成り立っていたということなのですが、私たちに昔に戻れと言っても無理ですけれども、計画書を読みますと、いろいろな示唆がありまして、安曇野市の里山再生計画は私たちの心に響くものであり、この計画に沿った活動「さとぷろ。」を大いに広めたいと思います。頑張っていただいているというお話です。 ただ、少しその中で話もあった、第1次のときにあった地域という言葉が出てきているのですが、まだまだ認知度も低く、残念ながら大きな動きになっているとは思えません。市民こぞってというまでの取組にする必要はないかもしれませんが、「さとぷろ。」の活動は、現在少数のグループとか、ボランティアの皆さんの域にとどまっているように私は感じます。それらの活動は、もちろんそれはそれでいいのですけれども、もう少し里山の近くで生活している地域の皆さんの積極的な関わりが欲しいと、こういう思いがあります。 一例を申し上げます。明科地域の荻原地区には、里山整備実施委員会なる組織があり、極めて活発に活動されています。地域の里山全体を誰々の山などとこだわらずに、一体的に管理、育んでいこうとする組織で、昨年度は150万円ほどの費用で倒木の処理や植樹、下草刈り、遊歩道の整備などを行ったと聞いております。コロナ禍前は、地域の子供からお年寄りまでが里山に入って楽しむ幾つものイベントが行われていました。また、近頃の状況を見ますと必ず復活されると思います。 私は、「さとぷろ。」の活動を、この荻原地区のような形で、里山に接した地域において広げていくことができたら大きなうねりになる可能性があるのではないかと思います。ポイントは組織づくりと活動原資、財源の確保ではなかろうかと思うんです。実は、荻原地区の里山も押野山山系ですので、以前はアカマツが多く占め、10年ほど前は松くい虫被害で真っ赤になりつつありました。そこで、松くい虫に簡単に負けてたまるかとの意気込みで、全ての松を伐採して樹種を転換する更新伐に地域を挙げて取り組むこととなり、そのとき、その先の将来の里山再生を見据えて組織されたのが荻原地区里山整備実施委員会です。 また、更新伐によって切り出されたアカマツの多くは、安いバイオマス発電用に引き取られていきましたけれども、量的には相当の量でしたので、地域にはある程度の販売益が残り、これが委員会の現在の活動の原資、財源となっています。荻原地区には里山整備を進めることのできる組織と財源があったということになると思います。ほかの地区ではなかなかこういうようにはいかないのでしょうけれども、私は、自分たちの地域で「さとぷろ。」の活動に取り組みたいと思う市民が少人数であってもいらっしゃった場合に、今回の森林環境譲与を活用した支援ができないか。市が誇る里山再生計画を手がかりに、市が頑張って組織づくりと財源確保の仕組みをつくれば地域の里山整備は動き出すように思うのですが、どうでしょうかという提案です。市のお考えをお聞かせいただきたいと思います。農林部長、お願いします。 ○副議長(一志信一郎) 赤澤農林部長。 ◎農林部長(赤澤哲也) 森林環境譲与につきましては、森林整備のほか様々に活用ができるため、議員御紹介の荻原地区のような地域における里山整備の取組に対する使用については内容によっては大変有効ではないか、そのように考えます。 しかしながら、先ほどもお答えしましたとおり、安曇野市においては、まずは未整備森林の整備を加速させていきたいと考えておりますので、現在においてはそのような対応はしていけないというように考えております。 ○副議長(一志信一郎) 松枝議員。 ◆10番(松枝功) 今までの質問で、市内の森林、里山の整備は活用が進まない状況を打開するために、新たなありがたい財源、森林環境譲与を何とか上手に、うまく使って、そういった取組での可能性についてもお聞きしてまいりましたが、今のお答えもそうですがなかなか難しいと、まずは荒れた森林整備だと。ただ、荒れた森林整備ばかりではなくて、一緒に市民の気持ちを高めて里山の整備とか、新たな松くい虫対策とか、そういった部分に市が大胆に力強く足を踏み出すというのが私は大事ではないか、一緒に、ぜひそれを頑張っていただきたい。 全国の自治体のこの譲与の使途、活用事例を林野庁のホームページで見てみたのですが、譲与は使途について明らかに、ホームページで自治体が公表するようになっていますので見させていただきましたが、どういうわけか補助金や交付金ではなく譲与という財源、自主財源であるにもかかわらず、どうも使途は国が打ち出した新たな森林管理システムを意識し過ぎてか、心が踊らない取組が多く、残念な思いをいたしました。ほかのところもそうなんです。ただ、我が安曇野市は、森林、里山整備に関わっての市が抱える、直面するまさしくその課題に立ち向かっていただきたい。具体的な解決に、この譲与を活用して、ぜひ市民と共に取り組んでいただきたいという気持ちがあります。 また、情報として川上の自治体、私たちばかりでなくて特に山持ちの自治体から強い声があると、これは譲与というのは人口比でもが行くものですから、先ほど言ったように都市部にも大部潤沢な財源が回っていると、それでは本当に我が国の森林整備がきちんと進むかということです。やっぱり山持ちの川上の自治体からは、もう少し配分の内容を考えてくれという話がありまして、これに対してはやっぱり与党もそういった動きを今されているように情報としてお聞きしています。そうなると、もう少し市の譲与も増えてくる可能性もあるし、昨日も財源の議論がありましたが、やっぱりきちんと使える、そのために使える財源が、潤沢でなくてもきちんと手当てされるということはそれなりの事業ができるということなものですから。 ○副議長(一志信一郎) 松枝議員にお伝えします。時間ですので、まとめてください。 ◆10番(松枝功) 終わります。一応申し上げることは申し上げました。ありがとうございました。 ○副議長(一志信一郎) ここで、暫時休憩いたします。 再開時間は、午後2時30分からといたします。                              (午後2時10分)--------------------------------------- ○副議長(一志信一郎) 休憩前に引き続き、一般質問を行います。                              (午後2時30分)---------------------------------------増田望三郎 ○副議長(一志信一郎) 続いて、15番、増田望三郎議員。持ち時間は20分以内といたします。 増田望三郎議員。     (15番 増田望三郎 登壇) ◆15番(増田望三郎) 15番、増田望三郎です。 通告に従い、一般質問をいたします。 今回は、医療的ケア児とその家族が輝ける人生になるようにというテーマで質問いたします。 出生時に疾患や障がいがあり、これまでは亡くなっていた命が、医療技術の進歩に伴い救うことができるようになってきました。生まれてきた子供たちは、人工呼吸器による呼吸管理、気管にたまったたんを吸引するたん吸引、また、口から食事が取れない場合、チューブを使って鼻やおなかの皮膚を通じて胃に直接栄養を送る経管栄養など、医療行為を行うことで生きられる医療的ケア児と呼ばれています。その数は令和元年の推計値で全国で2万人を超え、過去10年間で倍増しています。 医療的ケア児の増加とともに課題も見えてきました。多くの場合、医療的ケア児は、普通の民間保育所に通えません。なぜなら、医療的ケアは看護師や資格を持った介護福祉士が行わなければならず、保育所に配置されていないからです。そのため、親が仕事を辞め、24時間子供に付きっきりにならざるを得なくなります。親が就労できないことは経済的困窮につながり、さらに、身体的、精神的な負担の大きさから、家庭環境が悪化するケースもあります。また、障がいのある子供の発達を促す療育についても、医療的ケア児の場合、施設に看護師など医療従事者が必要となり、受入れが難しくなっています。 これらの課題を背景に、国においては、医療的ケア児を子育てする家族の負担を軽減し、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職を防止する目的で、医療的ケア児支援法が昨年9月に施行されています。医療的ケア児とその家族への支援は国と自治体の責務であると明記され、社会全体でサポートしていくことが法的に明確になったのです。 そこで、最初に、本市におけるこれまでの医療的ケア児の状況や支援について質問いたします。 まず、医療的ケア児の実数を市はどのように把握していますか。この点をお聞きします。保健医療部長。 ○副議長(一志信一郎) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 医療的ケア児の把握の方法でございますが、午前中の小林陽子議員へのお答えと同様となりますが、3歳児までの医療的ケア児については、病院からの連絡や乳幼児健診後の個別フォロー等で把握しております。また、その把握しました実態を地区担当保健師の支援につなげております。 現在、保険医療部では、3歳以下の医療的ケア児を6名と把握しております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 今回の質問の肝は、医療的ケア児とその家庭をどう社会的にサポートしていくかということなんですね。家庭だけで孤立しないように、市がどのようにして医療的ケア児の家庭を把握していくのか。それが第一の疑問だったんですけれども、今言ったような答弁でした。 市の行政と医療的ケア児とがどうやって接点を持つのか。ライフステージごとに質問していきますので、答弁をお願いします。 まず初めに、医療的ケア児が24時間診療体制のある病院から退院し、在宅での家族生活に移行する。このタイミング、これは大きな環境変化になるんですけれども、このときに市から何かこの家庭に働きかけがあるんでしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員、答弁は誰に求めますか。 ◆15番(増田望三郎) 保健医療部長です。 ○副議長(一志信一郎) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 把握の方法でございますけれども、病院を退院し、在宅に移行する際、病院主催で退院カンファレンスが開催される場合がございます。そのカンファレンスに保護者の希望や同意が得られれば、その場に地区担当保健師等が同席しております。そこで、お子様の様子や保護者の希望する支援などを確認し、地域での生活がスムーズにスタートできるよう、必要時、福祉部等の関係課と連携していきます。 退院後の支援に関してでございますけれども、状況に応じて家庭訪問を行い、必要な情報提供を行うとともに、精神的ケアを含め、個別の状況に応じた支援を行っております。 また、各乳幼児健診の対象時期に地区担当保健師が保護者へ連絡し、お子様の様子や生活状況、困り事がないかなどを伺っております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 退院カンファレンス、これは、こども病院でしたら、療育支援部が起こす会議だと思うんですけれども、ここに必ずその市の職員が呼ばれるわけではないということですか。 それと、先ほどは、3歳未満児は6名の人数がいるということだったけれども、それ以外にも医療的ケア児がいる場合もあるけれども、そこは今の進め方では把握できないということでしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 御家族、御家庭の御事情もございまして、御両親、または関係者が保健師の同席を求めない。または、市への報告をお求めにならない場合は把握することができませんので、御家族等からの了承が得た場合には、保健師等に連絡が来まして、把握することができるというような状況でございます。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 退院の際に、御家庭の保護者の方たちが、市の方たちにも何らかの関わりを持ってもらいたい。例えば、保健師に退院後も寄り添っていただきたいみたいな、そういう気づきというか発想があって、それでもいいやという話なのか、その辺はどうなんですか。分からないのかもしれないけれども。 ○副議長(一志信一郎) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 申し訳ございません。そういった事態は、私どものほうでは把握ができない状況となっております。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 退院後のサポートに関して、病院と市との連携がどうなっているのかということが、家族を孤立させないという点で気になっているんですけれども、特に病院側から市が呼ばれない限り、病院側から情報を市のほうに送ったりということはもちろんないし、そこは何か擦り抜けてというか、引っかからずに在宅の生活が始まっていくということになってしまうんですか。 6人以外にもまだ、この安曇野市に医療的ケア児とはいらっしゃるんじゃないかなと思うんだけれども、もう一遍、その点を。 ○副議長(一志信一郎) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 退院時のカンファレンス以外に、乳幼児健診等にいらっしゃらないお子様がいらっしゃった場合、保健師が電話等でどうして来られなかったかというようなお問合せをしまして、そこで確認することもございます。そこでも分からない場合は、やはり把握ができないということになります。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) では、退院時を経て、次にステージです。 退院して在宅での生活が始まります。お母さんたちはそこで子供に24時間、365日向き合うことになります。 医療的ケア児の日常生活や社会生活への支援がどうなっているのかをお尋ねします。 市には、障がい福祉サービスが幾つかあるんですけれども、こういったサービス、現状、医療的ケア児を受け入れられる体制や内容になっているんでしょうか。まず、この点をお聞きします。これは福祉部長。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 医療的ケア児や家族への日常生活や社会生活における支援は、先ほど保健医療部長が答弁しましたように、その時々のライフステージですとか病状により異なってまいります。これにつきましては、主治医をはじめ関係機関や関係課、例えば教育部のほうですとか、そちらのほうと連携しながら支援をしていくというのが現状でございます。 障がい福祉サービスにおきましても、事業所のみで完結することは少なく、日常生活や社会生活における支援同様、多くの関係機関、それから部署が共同しながら支援を行っていく。チームアプローチで支えていくというのが現状であり、そのように対応してまいりたいと思っております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 今、福祉部長からチームアプローチという言葉が出たんですけれども、医療的ケア児にそれぞれその子供のサービスを考えていくチームができているんですか。 そして、例えば、いろんなサービスを使うために、申請をするためには、現状、窓口に行って申請を出したりするのかなと思うんですけれども、これは先ほどの小林陽子議員の質問にもありましたけれども、なかなか医療的ケア児の子供さんを連れている方は外出が難しい中で、窓口に行って申請するのは結構苦労なんじゃないかなと思うんです。 その申請手続を、例えば在宅で行うとか、そういったことというのは配慮ができないでしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 現状、そういった方が御相談をされる場所として、私ども障がい福祉担当ですとか、障がいの総合相談窓口ですか、そちらのほうでお受けして、その後、各それぞれの状況に応じて、先ほどの保健師ですとかに連絡を取りながら、チームをつくって進めていくと。 現状、それぞれの関係機関をコーディネートする者が明確にはなっておりませんが、相談を受けた時点で、関係と思われるところで協議を進めていくというのが現状であります。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) すみません。聞いていた内容で、福祉サービスが幾つかあるんですけれども、それは医療的ケア児の対応ができるようなサービスになっているんでしょうか、現状。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) できる限り今の制度に沿って、今の使えるものを活用しながらサービスを提供していくということになります。 それから、先ほどちょっと漏らしてしまいました。申請についてですが、相談の段階で、来られないということであれば、うちの相談員、もしくは保健師等が御家庭に行って、申請書を預かってくるわけにはいきませんが、そういった手続について御説明して、支援をするということも可能だと思っています。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 医療的なケア児とは、最近、最近というかこの10年で数が増えてきて、社会的な課題が見えてきているんですよね。 市がこれまでやってきた障がい福祉のサービスがあるんですけれども、医療的ケア児の場合、かなり医療の部分が大きい。それが現状の福祉サービスの中で対応できるようになっているのかという点はどうなんでしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) そこのところが、今、一番の課題だと考えております。 事業所に、例えば看護職員ですとか介護職員がいれば、そこでできますが、そういった事業所が少ないということが現状であります。 今現在は、一つの事業所に看護職員を配置して対応しているところはありますが、そういったところが少ないですので、完璧な医療ケアができるような事業所がないというのが現状であります。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) すみません。次に、就園の段階をお聞きします。 認定こども園での受入れ状況についてお聞きします。こちらは教育部長。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 公立の就園の状況のどこら辺を……。 ◆15番(増田望三郎) こども園にどれぐらい受け入れているかということ。 ◎教育部長(矢口泰) 受入れの数ですか。 ◆15番(増田望三郎) はい。 ◎教育部長(矢口泰) 公立幼稚園、公立認定こども園では、令和4年5月現在で1名の園児が医療的ケアとして受け入れております。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) こども園に通う数は1名だということで、やはり在宅でい続ける子供たちのほうが多いのかなというふうに思います。 こども園にまだ就園しない段階の医療的ケア児たちの通所施設や一時支援の充実というのがやはり大事なのかなと思います。 それでは、次に、義務教育となる小・中学校での対応をお聞きします。 医療的ケア児が学校に通うには、これはこども園でもそうなんですけれども、看護師の配置や学校側の理解、医療機関との連携が必要になり、準備に相当な期間が必要になるのかなと思うんです。 就学前にどの段階で医療的ケア児を把握し、どのような準備をしていくのかという点を含めて御答弁ください。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 就園前、こども園等にいる段階で保護者の方から学校に行きたいということを言っていただいたところで、その方を中心に医療的ケア児の受入れについて協議します。 その際は、先ほどもちょっと触れましたが、診断書、それから医師の指示書、こういったものをいただいて、それの指示に従って学校生活を送っていただく。こちらの体制を整えていくことになります。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) すみません。ちょっと人数を聞いていなかった。現状、小・中学校で、本市の場合は何人。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 市立の小・中学校で、合計7名の児童生徒が医療支援員による医療ケアを受けております。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) では、その次のステージで、高校年代での対応はどうなるかと。 これは、特別支援学校があるんですけれども、ここでの対応はどうなっているかということと、医療的ケア児の親御さんではなかったんですけれども、特別支援学校の高等部に通わせていた重症心身障がい児の親御さんからは、卒業後の居場所、行き場所がないから、高校を留年させたいぐらいだと。生涯教育があるように、障がい者への生涯療育の場が欲しいというような意見も聞きました。 高校年代の対応や卒業後の行き先、止まり木という点で、答弁がお願いできれば、お願いします。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 中学卒業後、それぞれの進路があろうかと思います。高校へ行かれる方には高校等、高等部へ行かれる方には、進路先へ情報を引き継ぎ、適切な対応を依頼しているところでございます。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) これは教育部長の話じゃないのかもしれないですけれども、卒業後の止まり木とかそういう点は福祉部ですかね。そうですね。すみません、じゃ、福祉部に。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 養護学校等で、卒業後、進学しない方については、卒業前に養護学校のほうから市のほうへ相談が来るケースが多々あります。その段階で担当の相談員、もしくは職員が出向きまして、支援会議等によりどのような方向で支援していくのか決定して、その後の支援につなげるというような形で現在は行っております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 本市における医療的ケア児の状況や取組ということで、ここまででいろんな角度でお話を聞きましたけれども、現状、市が捉えている課題、医療的ケア児の支援で市が捉えている課題をまとめていただくなら、どういった点でしょうか。 ○副議長(一志信一郎) 答弁はどこに求めますか。 ◆15番(増田望三郎) 福祉部長ですかね。
    ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 先ほども申し上げましたとおり、私ども福祉部で抱えている課題としては、やはり障がい福祉サービス事業所の受皿の課題、ここが一番ではないかと思っております。現状といたしまして、障がい福祉サービスの事業所は医療的に安定した人を受け入れることを前提としているため、事業所の体制の見直し、また、スタッフ等の養成がこれからの課題になってくるのであろうと思っています。 これにつきましては、現在、県におきまして、医療的ケア児等支援センターが設置されておりますので、小児在宅医療と地域で暮らすための退院後の生活支援に取り組んでいる状況でございます。 市といたしましては、そちらのコーディネーターとの連携を深めることで、医療的ケア児の支援を進めていく方法を模索して考えてまいりたいと思っております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) ありがとうございます。 そういった課題の解決に向けて、どう一歩でも進めていくのかと。 そこで、2つ目の項目に入ります。 昨年9月に国の医療的ケア児支援法が施行され、自治体による支援が責務となりました。法には、地方公共団体は基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、自主的、かつ主体的に医療的ケア児及びその家族に対する支援に係る施策を実施する責務を有するとあります。 既に行政にはやっていただいていることがあるわけですけれども、この法の施行により、取組の強化があるのかをお聞きします。 今回の質問をするに当たり、県の医療的ケア児支援センターやレスパイトを行う松本市の城西病院、また、医療的ケア児が通所するやまびこ学園を訪れ、話を伺ってきました。各所の皆さんが同じように言われていたのは、医療的ケア児支援のコーディネーション、すなわちコーディネーターの必要性です。 例えるなら、高齢者介護にはケアマネジャーがいて、関係者を集めて会議を行い、その方に合ったケアプランを立てていくということなんですけれども、医療的ケア児への支援の場合、こういったケアマネのような存在がいるんでしょうか。先ほどのチームでという話がありましたけれども、支援チームをつくるコーディネーターさんというのが医療的ケア児の場合はいるのかと、これをお聞きします。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 障害者総合支援法に基づく障がい福祉サービスを利用する場合につきましては、高齢者介護を受けるケアマネジャーのような存在として相談支援専門員がおります。こちらのほうが計画を策定し、サービス利用の支援を行っております。 一方、先ほど答弁させていただきましたように、医療的ケア児のライフステージ、また病状に応じ、主治医をはじめ関係機関や関係課の多職種で支援を行うことが重要となっておりますので、相談支援員のみで解決できることは少なく、できる限り、先ほど申しましたチームアプローチで連携して支援を行っていく必要があるというふうに捉えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 相談支援員だけでは不十分だということで、市の令和3年3月に策定した「第2期障害児の福祉計画」には、松本圏域で医療的ケア児支援のコーディネーター1名の配置を検討ということが書かれています。このコーディネーターの人件費は、財源、国が2分の1、県が4分の1、残りを圏域の自治体で案分するということなんですけれども、とにかく目下の目標というか、コーディネーターを圏域に置くということだと思うんですけれども、この点についてはどうでしょう。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) コーディネーターを圏域に設置ということで、先ほど議員がおっしゃったとおり、計画のほうには盛り込んでございます。これにつきまして、圏域の中で協議が進められているというところですが、若干、その辺が遅れておるところがあります。 先ほど、小林陽子議員の答弁にもいたしましたが、県の医療的ケア児相談支援センターでコーディネーターがおります。このコーディネーターとつなぐ意味で、障害保健福祉圏域ごとに医療的ケア児支援推進連絡協議会というのが設置されました。これは松本広域圏内でやることになっておりますが、この中で引き続き協議をして、圏域の中でコーディネーターを設置していく方向で進められるということで認識しておりますし、協議を進めてまいりたいと思っております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) すみません。答弁で既にちょっと答えていただいている部分もあるんですけれども、県の医療的ケア児支援センターとの連携について、何か足すところがあればお願いします。 それと、もう一つ、市の今後の「障害児の福祉計画」で、医療的ケア児支援はどうこれから位置づけられていくのか。 そして、医療的ケア児に関する市の相談窓口というのは一体どこになるのか。その体制づくりも含めてお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 県の支援センターの関係ですが、先ほど申しましたとおり、これから圏域で推進協議会を開きますので、そちらと協議をする中で連携を深めていくことになると思います。 基本的には、県の医療的ケア児支援センターのほうは、市町村等からの相談も受け付ける、また、コーディネートもしてくれるということになっておりますので、私どものほうへ相談に来られて、圏域、または県内それぞれの施設等を利用するようなコーディネートを必要とする場合は、そちらのほうにお話しをしながら進めていきたいというふうに思っております。 それから、今後のこの医療的ケア児に関する計画での位置づけでございますが、来年度、市として第4期安曇野市障害者基本計画を策定していく予定となっております。昨年9月に、この医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行されておりますので、県にまた医療的ケア児コーディネーターが配置されたこと、そんなこともありますので、この流れから、この策定時におきましては、医療的ケア児への支援、それから人材等、体制強化について国から情報を集めながら、市としてその方向性を定めて、そちらのほうへ掲載してまいりたいと思っております。 それから、相談の窓口でございますが、先ほども申しましたように、特に定めている、まだ決まっている状況ではございません。現状では、やはり、障がい者支援課の窓口、もしくは総合相談支援センター「あるぷ」のほうへお願いできれば、何らかの支援策をお示しできるような形で支援していきたいと思っております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 県のコーディネーターの方は安曇野市の方で、この圏域についてすごく詳しく分かっていらっしゃる方です。 それで、県も、市のことも県が相談を受けるということなんですけれども、市の相談窓口がまだはっきりとないというような答弁だったんですが、そこはしっかりと市の中に相談窓口をしっかりとつくっていただきたいと思います。 では、次に、障がいのある子供もない子供も、共に教育を受けるインクルーシブ教育や多様性のある共生社会を目指す中で、こども園や学校での医療的ケア児の受入れがこれからも進んでいくと思われます。受け入れる学校はガイドラインの策定やノウハウを積み上げていく必要があるかなと思うんですけれども、この点については、受入れ学校側はどうお考えでしょうか、教育部長。 ○副議長(一志信一郎) 矢口教育部長。 ◎教育部長(矢口泰) 現在、医療的ケア児が在籍するこども園や学校では、主治医の指示書に基づき個別の支援計画を作成し、適切、かつ安全な医療行為が行われるよう努めております。また、周囲の子供たちとの交流、共に学び、育つ関係を大切に指導に当たっております。 こうした指導実績を重ねていくこと、非常に大切だと思います。支援体制の充実に努めることが大切かと思います。 現時点で、指示書に基づき行っておるものですから、ガイドラインの作成については考えておりません。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) それでは、最後に、医療的ケア児の家族も輝けるようにということで質問します。 東京大学家族看護学分野の上別府研究室の調査では、医療的ケア児の家庭では、母親が養育をする割合が96.7%、その睡眠時間は平均5.4時間でした。QOL、生活の質の指標では、身体的、精神的、社会的健康度のいずれもが国民標準値50点に比べて低くなっていると。母親たちからは、我が子を見続けるためには、自分が倒れられない。そのためにも休息が必要だという切実な声を聞きました。 家族や介護者の休息を目的としたレスパイト施設の現状と、保護者たちからは、このレスパイト施設の増加や在宅型のレスパイトを事業化してほしいという声も聞いています。この点は、福祉部長、お願いします。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) レスパイト施設ですが、保護者の方がケアから少し休みたいと思ったときに利用できる、介護保険でいうところのショートステイやデイサービスのこととなります。 医療的ケア児の場合、日常生活の中で人工呼吸器等の管理、また、医療の占める割合が多く、現在のところ、デイサービスのように通所できる事業所はありますが、ショートステイができる福祉施設は、先ほど申しましたとおり、職員体制等のこともあり、ないというのが現状でございます。 今後のレスパイト施設の充実につきましては、先ほどからお話をさせていただいております医療的ケア児支援連携推進協議会、圏域ごとのこの協議会の中で考えていくべき課題と考えております。その議論を注視しながら、施策の展開に努めてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) それでは、次に、仲間同士の支え合い、ピアサポートについてお聞きします。 本市でも、医療的ケア児を持つ親たち自身によるピアサポートの活動が立ち上がっています。当事者たちを孤立させないためにも、こういった既に始まっている動きに対して、市としてどう関わっていくか、この点をお聞きします。これは保健医療部長で。 ○副議長(一志信一郎) 吉田保健医療部長。 ◎保健医療部長(吉田美千代) 同じ悩みを持つ当事者同士で話し、相談することを希望される保護者もおり、この地域でもピアサポートの活動がされていることはお聞きしております。 当事者の希望や地域の実情を把握するとともに、保健師がどのような関わりができるかを一緒に考えていきたいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) こういったピアサポートというか、お母さんたちの交流会に、ぜひ、保健センターの方たちも加わって、寄り添ってもらって、実情を知っていただきたいなと、支援につなげていっていただきたいなというふうに思います。 次に、災害時の医療的ケア児への対応について、これは先ほども質問がありましたので、ちょっと重なってしまい、恐縮ですが危機管理監に総体的な答弁を、福祉部長には具体的な対応についてお伺いします。 ○副議長(一志信一郎) 児林危機管理監。 ◎危機管理監(児林信治) 先ほど、小林陽子議員のほうにも回答したとおりでございますけれども、もう一度、御説明、御回答をいたします。 現在、安曇野市として、災害時における医療的ケア児に対する支援計画などはございませんが、通常の避難所では、避難をためらう医療的ケア児を含む避難行動要支援者が安心して避難できるように、市内にある宿泊施設6者と災害時の避難先として客室の提供をしていただく協定を6月3日に締結したところでございます。 今後も、市内の宿泊施設の皆様に説明をしていきながら拡大を図ってまいりたいと思っております。 また、医療的ケア児とその御家族の皆さん、また、その関係する皆さんの声をしっかり聞きまして、また、市が庁内の各部が連携をしまして、避難行動要支援者名簿への登録や個別避難計画の策定を進めて、その中でまた課題を整理しながら災害時に必要な支援策の検討を進めてまいりたいと思っております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 鳥羽福祉部長。 ◎福祉部長(鳥羽登) 福祉部のほうでは避難行動要支援者名簿を作成し、災害時の避難支援に役立てております。また、災害時に特別な配慮を必要とする方に対して、福祉避難所の開設を想定しております。 ただ、この避難行動要支援者名簿には、事前に同意をいただいた方について、平常時から地域の関係機関へ名簿を提出し、必要に応じて避難支援に役立てていくことを想定しております。医療的ケア児への対応は専門的な知識が必要となるため、地域での見守りにも限界があるのであろうというふうに感じております。 また、福祉避難所についても、看護師などの専門的な知識や資格を持つ介助員の確保、必要な設備が整った施設の提供が難しく、受入れには多々課題があるというふうに考えております。 このため、現時点では、避難行動要支援者名簿により、地域とのつながりを持っていただくとともに、医療機関との連携を密にしていただき、災害時の受入れについて、事前に御相談しておいていただくよう、各家庭での御準備をお願いしていきたいと、そのように努めていきたいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) それでは、市長に、医療的ケア児とその家族の支援という、今日的な社会課題に対して、お考えをお聞かせください。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 安曇野市におきましては、医療的ケア児支援法の施行前から、個別の状況に応じた支援というのはそれぞれの部署で連携して対応してきたところでございまして、今の増田議員からの御質問に対して、それぞれの部局が説明したところでございます。 ただ、社会的生活の支援に向けましてはまだまだ気づかないところもございますし、そういう意味におきまして、医療的ケア児に関わる方々から実態をお聞きして、検討を進めていかなきゃいけないなという具合に思っています。 引き続き、県の施策というのはやはり、今回、医療的ケア児支援センター、あるいはこれ以前の問題と大きく関わりますので、そういった県の施策と動向を注視するとともに、医療機関等との連携を深めていく必要があろうかという具合に思っております。 それは、先ほど申し上げました医療的ケア児に関わる方々からの実態をお聞きすること等も含めまして、これから進めていきたというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 増田議員。 ◆15番(増田望三郎) 最後に、医療的ケア児の子供さんを持つお母さんのインスタの記事を本人了解の上、紹介させてもらいます。当事者の声ということでお聞きください。出てくるゆずちという名前は柚葉ちゃんという1歳8か月のお子さんの名前です。紹介します。 「公園に行くことに決めた日から、実は本当は怖かったんです。行きたいけれども、何かあったらどうしようの不安が強かった。大丈夫なのかな。初めて自分が運転して、その間に、後ろのチャイルドシートに乗っているゆずちに何かあったらどうしよう。呼吸器だし、うまく対応できるのか。冷や冷や、ドキドキしていました。行くのをやっぱりやめようかなと弱気なことを思ったり、行かない言い訳を考えたり。でも、ゆずちは元気で熱もなし。行かない理由、なし。覚悟を決め、いざ当日。とりあえず無事に公園へ到着することができて、本当にうれしかった。まず、そこで、ほっと一息。そして、挑戦して乗り越えた先の景色は最高でした。ゆずちの初めてのお出かけでした。以外にも、声をかけてくださる人が多いことに、まずびっくり。私は、人の目を気にするかと思ったら、意外ともうどう思われてもいいやと思っていた自分は堂々と歩いていました。どうぞ、ゆずちを見てくださいと言わんばかりに。たかが公園に行くことがこんなに幸せなことなんだなと思わなかったです。たくさん素敵な景色を堪能して、写真も撮って、あっという間に時間が過ぎていました。私もお出かけすることで免疫がついて、より強く、たくましく、太い母ちゃんになった気がします。これからも少しずついろんなところに挑戦できるといいな。」 こういう発信がございました。 このゆずちちゃんとこのママ、もう輝き始めているなと思いました。もっと輝けるように、私たちの、この暮らす安曇野のまちが医療的ケア児とその家庭を支援していきたいなというふうに思っています。支援をよろしくお願いしたいと思います。 以上です。--------------------------------------- △大竹啓正 ○副議長(一志信一郎) 続いて、3番、大竹啓正議員。持ち時間は25分以内といたします。 大竹議員。     (3番 大竹啓正 登壇) ◆3番(大竹啓正) 3番、大竹啓正でございます。 通告に基づきまして、2題の質問をさせていただきます。 まず、危機管理構想について。 今回の組織改編において、危機管理を市長直轄の部署として危機管理職を新たに設けた処置、時勢を勘案、危機に対する課題とその対処に行政組織が機敏に機能することを最重点目的として機構を改編されたと推測をいたします。市民の生命、財産保護の観点から、安全・安心を願望する者といたしまして、この迅速な対応は誠に適宜であると評価申し上げたい。 今までこの地域はさしたる天変地異に見舞われたことがないと、多くの市民が思っていることが現実でありましょう。ところが、たかだか数十年前にも濁流による橋梁破壊、鉄道橋脚の流出、あるいは堤防決壊による洪水被害であるとか、結構な大規模災害を被っていたはずであります。歳月を経て、記憶が薄れ、重ねて身近に災害を直視しない限り、あった事実の記憶も忘却のかなたへ霧散することもやむを得ないと思いますが、ほかの災害、当然予想される災害に関しましても関心は薄く、到底このまま放置するべき問題ではありません。市民の理解と意識改革も求められましょう。 災害は下流域に限らず、梓川の3ダムも着工以来60年近くが経過しており、コンクリートの凝集頂点は70年とも言われております。現在の東京電力に残された資力では、更新どころか補修工事さえもおぼつかない状態であります。将来、決壊のおそれは無視できないものであります。 さらに、黒沢川、烏川、高瀬川と、過去に氾濫し、水害ももたらした大河川の存在も忘れてはならないでしょう。昨今の風水害の実態は100年に一度とも言われております大降雨、高風速による災害が頻発していることは周知の事態でございます。 糸魚川静岡構造線が走る当市においては、極めて近い将来に高確率で地震の発生が予測されております。相当の被害を覚悟せねばならないでありましょう。特に地震災害対策は救出、救護活動を広範囲に展開せねばなりません。道路が非常に重要な役割を果たすことは周知のことでありますが、平時におきましても、緊急車両の通行さえもままならない当地の貧弱極まりない道路事情を見るにつけ、東日本大震災の折、東北3県での支援活動に従事したときの感覚がよみがえり、当地が震災に見舞われる場面を想像しますや、背筋に戦慄が走ることを禁じ得ません。当地に比べまして格段に整備された東北3県の道路網でさえも、辛うじてそのていをなしたほどの実態を目の当たりにしての思いからでございます。 災害対応にはせめて主要道路は片側2車線を望みたいところではありますが、今起きるかもしれない地震にも対応を求められます。そのための応急策も喫緊の課題であります。国も、東日本大震災後の平成25年施行の国土強靭化基本法による補助政策が取られております。ほとんどの自治体が計画策定を整えたと聞き及んでおります。今もって当市におきましては、独自の目立った効果的な防災対策が講じられたとは感じられません。 災害時に必要とされる避難所の設置場所に関する諸問題も報じられております。危険性の高い活断層の真上に位置するところ、水没危険地帯にあるものと設置場所変更を迫られているものが全国的にも多いと聞いております。当市におきましても、見直しの必要を感じております。 唯一の被爆国でありながら、何も防備をしないのはなぜなのか。日本人の心情が理解し難い。外国人によく言われたことがありました。無駄をしないのが日本流と答え、自分自身でもそのように思い込んでおりました。しかしながら、今般のロシア連邦の蛮行を見るにつけ、同国の終生の歴史的遺憾であることを証明したと感じております。いまだに講和条約の締結がなく、宣戦布告を必要ともせずに、戦闘の火蓋が切られるおそれを感じております。 また、国際機関の反対を押し切り、ミサイル発射実験を繰り返す隣国の存在もあり、その発射方向は全て我が国に向けられているものであります。 これらを勘案しますと、我が国は平和であるとおぼしきは錯覚そのものではないか。安全保障は国家の責務とばかり言っておられず、市民の生命の安全を考慮した施設の構築が望まれます。先進諸国の多くが自治体の責任において待避壕の整備がなされていると聞いております。公共施設等に待避壕設置の検討を始められてはどうかと、このように思っております。 また、市民の生活に欠かすことのできない社会基盤の保護は非常に重要であり、これからは自然災害ばかりでなく、ほかの物理的作用に対しての防護方法も取り入れた保全管理の方向に進むべきものと思います。 天変地異に起因する災害のみならず感染症対策に至るまで、多方面にわたる危機対応の必要性が増す中で、非常事態での行政機関の迅速、かつ正確な職務執行を機能させることを期待いたしまして、次の質問をさせていただきます。 まず、第1番ですが、予想されます非常事態も多岐にわたり、危機管理部門に対する期待は増大すると予想しております。危機管理としての想定範囲及びその計画を危機管理監にお伺いをしたします。 ○副議長(一志信一郎) 児林危機管理監。 ◎危機管理監(児林信治) お答えいたします。 組織改編後も危機管理課が担当する業務の範囲には変更はございません。 ただ、市長直轄として危機管理監が新設されたことによりまして、市役所内での指揮系統が明確となったことで、連携、協力が強化され、様々な危機事案に迅速、かつ的確に対応できる体制が整いました。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 今後予想されます多方面にわたります危機に対しての対策の一環と期待をしております。よろしくお願いします。 2番目になります。 現在のところ、一般市民は自然災害に関しても、ごく一部の地域を除きまして全くと言ってもよいほど危機意識を持っていない状態でございます。啓発活動の必要を強く感じますが、いかがでございますか。これも危機管理監にお伺いします。 ○副議長(一志信一郎) 児林危機管理監。 ◎危機管理監(児林信治) 毎年実施している市政全般に関する市民意識調査の質問項目で、災害に対する備えと防災活動への参加に対する回答結果では、あまり取り組んでいないと取り組んでいないが半数を超えております。 また、昨年8月の豪雨時には、警戒レベル4の避難指示と警戒レベル5の緊急安全確保の発令がなされたにもかかわらず、開設した避難所への避難者は、避難対象者の1.79%でございました。 このようなことからも、危機意識を高めてもらう啓発活動は大変重要であり、安曇野市としても、自主防災組織の防災訓練等に対する協力、指定避難所開設訓練などを実施してまいります。 さらに、出前講座では、昨年8月豪雨時の危機感の高まりを共有いたしまして、発令された避難情報を避難行動につなげるための講座を新設するなど、危機意識の向上を図ってまいります。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) これは非常に重要なところだと思っておられることが通じてまいりました。ぜひ、強く推進をいただきたいと、このように思います。 3番目に参りまして、1級河川を含め多くの河川が存在します当市におきましては、危険河川と想定しているのはどれほどございますか。これも危機管理監にお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 児林危機管理監。 ◎危機管理監(児林信治) お答えいたします。 国・県は、浸水想定区域図として、犀川、穂高川、高瀬川、万水川、黒沢川、乳川の公表と土砂災害警戒区域等についても公表をしております。 この情報を基に、安曇野市は防災マップを作成し、浸水想定区域等を安曇野市民に周知しております。 また、本年2月には、県が管理する中小河川13河川の浸水想定区域が新たに公表されました。 また、土砂災害警戒区域等の最新データについても、本年度以降に公表される予定であることから、今後、防災マップの改定を予定しております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 相当な危険範囲もあるというふうに伺いました。特に先ほどの一般市民に対する啓発活動もまた強く感じます。併せてお願いをいたしたいと思います。 4番目に参ります。 糸魚川静岡構造線が縦断しております当市におきましては、震災とその規模においてはある程度は想定できるところでございましょうが、風水害に関しましては、予想をはるかに超越したものになることは覚悟しなければならないところだとは思います。 その被災時には、救出、救護、復興には道路が非常に重要な役割を果たすことになります。現在の当市及び松本平の道路事情があまりにも貧弱この上なく、東日本大震災の折、東北3県の支援活動を通じて感じました。この地域に比べ格段に整備された道路網のおかげで辛うじて救援活動が行えたことを思い出すにつけ、道路状況に不安を思っておりました。 災害対応としての道路整備をどのようにお考えか、都市建設部長にお伺いをいたします。 ○副議長(一志信一郎) 今吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(今吉聡) 災害に強い道路とは、災害時においても、救助車両や復旧のための工事車両など、大型車両が通行できる幅員が確保された道路や、道路が通行止めになった際に代替可能な道路ネットワークが構築された道路などが考えられます。 現在、県で整備を進めている松本糸魚川連絡道路、安曇野道路は災害に強い道路として計画されております。犀川右岸側では、現在、国道19号が唯一の幹線道路でありますが、国道19号で土砂災害の発生、地震による家屋倒壊などがあった場合、この安曇野道路が代替路として人や救援物資等を運ぶための緊急輸送路として機能する道路となります。 また、市内では、東西幹線軸に未整備箇所があることから、避難所、医療機関など、主要な施設へのアクセス性を向上させるため、東西の主要幹線を管理する県と連携を図りながら、道路整備に努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 いきなり拡幅ですとか、大規模な改修というものは資金面で非常に大変かと思いますけれども、ぜひ、そういったことを、災害対策ということも念頭に道路整備に当たっていただければと思います。ありがとうございました。 5番目に参ります。 今年まで国土強靭化地域計画の策定に着手しなかった、その理由をお伺いします。危機管理監にお願いします。 ○副議長(一志信一郎) 児林危機管理監。 ◎危機管理監(児林信治) お答えします。 国土強靭化地域計画に対する認識が弱かったことから、計画の策定が遅れてしまいましたが、令和3年10月から取組を始め、令和4年3月に策定を終了いたしました。 なお、国土強靭化地域計画の策定は法律上義務とはなっておりませんが、地域の強靭化を計画的に実施することは地方公共団体の責務として定めています。 また、令和3年7月、昨年の7月になります。令和4年度、今年度から以降の交付金、補助金について、国土強靭化地域計画の策定を交付要件とする要件化の導入と国土強靭化地域計画への記載する必要事項が国から示されております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 6番目の質問に参ります。 災害の区分にもよりますが、待避所の設置について、不適当と指摘されている場所が全国的にも数多くあるということでございまして、当市においても見直しは必要と思います。 さらに、昨今の国際情勢を鑑み、有事に備えた待避壕設置も先進諸国同様に自治他の責任で行うべきと思いますが、いかがなもんでしょうか。これも危機管理監にお伺いします。 ○副議長(一志信一郎) 児林危機管理監。 ◎危機管理監(児林信治) お答えいたします。 現在、安曇野市の避難施設は、指定緊急避難場所161施設、指定避難場所28施設、うち、洪水、土砂災害、地震の災害、全てに対応する指定緊急避難場所は59施設、指定避難所は8施設となります。災害時には、発生した災害ごとの種別ごと、その災害に適した避難先の施設を指示することとなっております。 したがって、新たな施設を指定避難所として追加していくことはありますけれども、現在の指定避難施設を指定外とするような見直しは考えておりません。 議員のおっしゃる待避壕に関しましては、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、いわゆる国民保護法の第3条第1項で、国は国民の保護のための措置に関し、国費による適切な措置を講ずること等により、国全体として万全の体制を整備する責務を有すると規定しております。 このことから、法律や予算面からしても、安曇野市単独での設置は考えておりません。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 国の法律執行もなかなか進まないというところでございましょうから、これからは、自治体独自の動きがどの程度できるのか、補助がでるのかどうなのか、そちらのほうも模索していく必要があるんじゃないかと思いますんで、その辺のところの御検討もよろしくお願いをします。 7番目に参ります。 天変地異に起因したもの、それ以外の有事をも想定した社会基盤の防護方法を考慮すべきと思いますが、特に上下水道設備、橋梁は重要であります。補強等の対策方針がございましたらお伺いしたいと思います。上下水道部長と都市建設部長に続けてお願いいたします。 ○副議長(一志信一郎) 堀内上下水道部長。 ◎上下水道部長(堀内寅生) 初めに、上水道事業関係からお答えいたします。 上水道事業では、安曇野市水道ビジョンを平成29年の3月に策定し、災害に強い施設の整備に取り組んでおり、施設の耐震対策としましては、各地域の拠点配水池8か所の耐震化工事が終了しております。 なお、拠点配水池等の重要な施設は、レベル2地震動を想定し、建設されています。このレベル2地震動ですが、当該施設において発生すると想定される地震動のうち、最大規模の強さを有するもので、現在は、震度7が想定されております。 各配水池には、災害時管路の破壊による水道水の流出を防止し、水量を確保するための緊急遮断弁も設置しています。また、管路整備については、災害の際に、指定避難所や医療機関、官公庁など、重要給水施設54か所への給水ルートの確保のため、重要給水施設と拠点配水池を結ぶ配水管、水源池と拠点配水池をつなぐ導水管を主要管路と位置づけ、優先的に耐震整備を進めております。 次に、下水道事業についてですが、令和4年3月に策定した安曇野市下水道事業経営戦略に基づき取り組んでいるところです。 下水道施設は、処理場と管路に大別されますので、分けて御説明いたします。 まず、処理場は、汚水処理した水を放流するため河川に近い場所に建設されておりますので、防水扉の設置などの耐水化工事の実施の計画をしています。 管路につきましては、マンホールの腐食している鉄蓋を交換する際に、雨水等が流入しないタイプの鉄蓋に切り替え、耐水化に取り組んでおります。 これらの下水道施設の耐震化は、震度5弱を想定したレベル1と震度7を想定したレベル2に分けて検討しています。下水排除面積が小さい枝線管路はレベル1で、また、下水排除面積が大きい幹線管路と処理場についてはレベル2で耐震化を検討することとしており、施設の統廃合事業計画等と整合を図りながら耐震化に取り組みます。 以上、ハード面について取組を申し上げましたが、上下水道部では、災害発生時の初動体制を確認するため、毎年、防災訓練を実施し、災害時等に迅速、的確に対応できるよう、体制づくりを行っております。 また、防災訓練で明らかになりました課題は、平成31年度に策定した危機管理対策マニュアル、これに反映しております。 なお、御質問の中に有事の関係がありましたが、これを想定した計画等はありませんので、対応はしておりません。また、その必要性については、一つ前の御質問に対する危機管理監からの答弁に同じであります。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 今吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(今吉聡) 橋梁の整備におきましても、自然災害以外の有事について想定した対策は行っておりません。 なお、現在整備しております橋梁についても、地震時を想定した耐震性を考慮した設計を行ってきております。 また、市では、県の橋梁耐震5か年プログラムに基づき、特に耐震性の強化を必要とする高速道路に架かる跨道橋2橋、JR線路に架かる跨線橋1橋の耐震対策を行っており、令和5年度に、明科光地区の中條跨線橋の耐震対策を予定しております。 そのほかに、市で管理する全橋梁を対象に、橋梁長寿命化修繕計画を策定しており、5年ごとに健全度の点検を行い、必要に応じ修繕を行ってきております。 今後においても点検や計画的な修繕を行うことにより、道路ネットワークの確保に努めてまいります。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 ほとんどが地震対策、かなり広範囲に取られているお話を伺いました。 想定震度、はるかに超えることもございますんで、そちらのほうもこれからの課題として検討されていくことをお願いしたいと思います。 それから、有事の際、これは突拍子もない質問だと思われて、考慮もしていないと言われるかもしれませんけれども、頭の片隅には置いていただいて、これからも当たっていただければとお願いをしたいところでございます。 8番目に参ります。 過去の震災地の状況からしましても、電力を含めた通信設備の被害により、情報の遮断が発生することが明白でございます。今までも多くの被災地において流言飛語が流布され、不安心理を増長させた経緯がございまして、有事の際に正確な情報伝達が必要であることから、有効な対処方法について、これも危機管理監にお願いをします。 ○副議長(一志信一郎) 児林危機管理監。 ◎危機管理監(児林信治) お答えいたします。 安曇野市では、災害時において、最終的に有効な情報伝達手段は防災行政無線だと考えております。 本庁舎にあります親局設備と電波中継局設備には発動発電機、屋外子局にはバッテリーを搭載しております。通常の電力を喪失後も3日間は稼働できるというふうになっております。 また、放送を伝える屋外子局設備は236局あります。広範囲に災害情報を伝達できる状態となっております。 また、緊急時には、あづみ野エフエムでも防災行政無線の情報をラジオで同時放送できる協定を結んでおります。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 防災無線を主に活用して当たるというお話を伺いました。バッテリーの保全ですとか、点検、こういったことをまたしっかりとお願いをしたいと思います。 9番目に参ります。 市民の生命、財産を守るため、今回の危機管理体制の増強方針、市民感覚といたしましても頼もしさを感じております。災害対策には寸分の猶予はなく、迅速な対応を期待するものです。非常事態を想定した対策の加速性を認められることに非常に好感を受けます。 国家財政が逼迫している中、今からでも希望殺到の国土強靭化計画の補助金交付に間に合うか、心配をしております。 欧州先進国で観光立地の自治他の中には、人口の200%以上の収容能力のある待避壕設置が行われているということも聞いております。 せめて公共施設に待避壕の設置、有事の社会基盤保護策等の基本的方針、質問が重複いたしまして誠に恐縮至極でございます。御容赦をいただきまして、市長に所見をお伺いします。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。     (市長 太田 寛 登壇) ◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 まず、国土強靭化計画の策定が遅れ、国庫補助の申請が遅延することがないかというような質問でございます。 昨年、私、10月に着任いたしまして、国土強靭化地域計画がないということにちょっとびっくりしたんですけれども、11月に内閣府の国土強靭化推進室の次長、次長という名前ですが、これは事務次官クラスでございます。五道さんという方で、よく知っている方なので御挨拶に行ったら、安曇野市、まだないよねと言われまして、早くつくったほうがいいよということで、すぐ取りかかりまして、体制強化の上、今年の3月にようやく完成いたしました。 国庫補助の関係でございますけれども、これは個別の事業についての後押しをするような意味がございますので、実は先ほども話が出ました松糸連絡道路の安曇野道路もそうでございますけれども、国交省の幹部等々、県を通じて、あるいは直接お願いして、補助の遅れがないようにしてまいりましたし、今後とも、いろいろなツールを使いまして、こういったものについての遅れがないように補助はきっちり取っていくということでございます。基本的には県を通しての補助になりますので、県との連携を深めるとともに、私も直接国土交通省の水資源管理・国土保全局長、あるいは道路局長、あるいは関東地方整備局長、知らない方ではないので、お願いをしていきたいと思っております。 それから、2番目の待避壕の問題でございます。 大竹議員の思っていらっしゃる有事の危機管理については、私も相当部分共有するところでございますけれども、ことこの待避壕につきましては、先ほど来質問がございましたように、国が基本的な方針を出し、国の費用の下に取り組むべきものでありまして、自治体がそれに先行してやるということは多分ないであろうという具合に思っております。 そしてまた、有事の社会基盤保護策等でございます。 これは、例えば、安曇野市内には、国民保護法に基づきまして、武力攻撃時における避難施設として199施設が指定されておりまして、このうち爆風投下で被害を軽減するための鉄筋コンクリート造り及び鉄骨鉄筋コンクリート、SRCです。この施設が69か所となっておるところでございます。現有の公共施設、社会基盤の耐震化、長寿命化も進めまして、災害時におきましても施設の機能が保てるように整備を進めていきたいというように考えております。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 非常に前向きに防災面に立ち向かわれていることがうかがえました。ぜひ、今後も強力に推進をお願いしたいと思います。 2題目に入らせていただきます。 公文書等の外国語使用の是非という題目でお願いをしております。 我々の生活の中で、外国語の氾濫は目に余るものがあります。テレビ、新聞、雑誌から、行政から届けられる文書に至るまで、英語なのか、和製英語であるのか、何語であるのか、これよりは横文字という言葉で表現をさせていただきます。 今、この横文字に我が国が占領されているといっても過言ではありません。嘆かわしい事態とは思いつつも、思い起こせば半世紀も以前の話ですけれども、当時、我々の世代も横文字を多用いたしました。なぜならば、我々の前に眼前と立ちはだかる大正生まれ、昭和初期生まれと対峙するための手段として非常に有効でありました。横文字に弱い世代を煙に巻く手法としては、当時、全国的に流行していたと記憶しております。横文字を使うことは教養人のあかしとばかりに思い上がった風潮が蔓延しておりました。 しかしながら、事態を憂う良識人の訴え、さらには報道機関の批判論調もしかり、横文字使いはごまかし、だましの技巧者とばかりにやゆされ、横文字の乱用は下火となりました。 年月を経まして、現在、以前にも増しての横文字の乱用には異常と言わざるを得ない状態にあります。最近目にしました公文書とも言うべきものと思える令和3年度監査報告書の一節を読み上げますと、「一般的なルーチンから当該職員を外し、市独自のインセンティブを考慮した」など、この報告書の中に、何と27か所に及ぶ横文字が使用されておりました。 また、市の予算書からも、「タイムケア」、「ペアレンツ・プログラム」、「サポート・プログラム」、「アクティブシニア」、「プロポーザル」など、数多くの横文字があふれております。 決して日本語で表示できないわけではなく、わざわざ横文字にする必要は感じられません。さらには、原義にかけ離れた訳の分からない使用も見当たります。情報化社会の進展に伴いまして、プログラム言語を英語に頼るため、この分野での横文字使用はやむを得ない点も認めざるを得ませんが、30年前、この分野での我が国の特許出願、取得件数は他を圧倒しておりました。集積回路の微細加工技術、携帯電話の多機能装置、液晶表示、どれを取っても、日本規格が世界標準となることを確信していたはずではなかったでしょうか。日本が外国語に汚染されたことが現在の我が国の状態の全ての原因とまでは言いませんけれども、母国語による思考過程を放棄しつつある状態が何らかの影響があるように思えてなりません。横文字乱用に歯止めをかけたくて、次の質問をさせていただきます。 以前、主務官庁に提出いたしました文章に何げなく使った外国語に対しまして、公に提出するにそぐわないと叱責を受けたことがありました。時代は変化しましたが、公用語に外国語の乱用が目につきます。 行政発の文書は誰でも理解可能で、かつ正確に意思の伝達可能な言語を使うべきだと思いますけれども、この点につきまして、総務部長にお伺いをいたします。 ○副議長(一志信一郎) 平林総務部長。 ◎総務部長(平林洋一) 市から発する文書につきましては、安曇野市文書管理規程並びに文書事務の手引に基づきまして施行しており、文書は易しく、分かりやすく作成しなければならないと規定がされております。 この文書管理規程、手引におきまして、ここでは片仮名用語と申し上げますけれども、この使い方につきましては、一般に定着していない片仮名用語を不用意に使うことは避け、適切に表現できる日本語がある場合は、できる限り片仮名用語を使用しないこととしております。 国が定めた片仮名による計画名等も多々、最近はございますので、こういったものでやむを得ず使用する場合は、前後の文章を工夫する、括弧書きで説明を入れる、あるいは、ページの余白に脚注をつけるなど、読み手が理解できるよう配慮することともしております。 市としても、片仮名用語を安易に使うことに注意して、市民が分かりやすい表現とするよう、職員に対しても周知をしてまいりたいというふうに考えております。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 ぜひ、そのように誰もが分かる、理解可能な、そういう言葉をお使いいただきたいと思います。よろしくお願いします。 2番目に行きます。 生活の中にこれほどまでの外国語が侵入しております現在、表意文字を巧みに思考過程に使い、社会に誇れる特有の文化を育んできた我が国の伝統継承に不安を覚えております。母国語の習得を確たるものとしつつ、外国語の履修が望ましいと考えますが、教育現場からの見解をお伺いします。教育長、お願いします。 ○副議長(一志信一郎) 橋渡教育長。 ◎教育長(橋渡勝也) 日本語に関する教育は、小学校を例に申し上げますと、小学校学習指導要領で示された目標や内容について、教科、国語において、話すこと、聞くこと、書くこと、読むことについて、小学校1年生から発達段階に応じて指導しているところでございます。 一方、外国語については、小学校3年生から英語の履修が始まりますが、外国語や外国の文化とともに、国語や日本文化についても併せて学ぶ機会となっています。 議員御指摘のように、日本語は日常生活、人と人との関わりの中で必要な言語でありますので、その特質を理解し、適切に使うことについては、今後も児童生徒にきちんと定着が図られるよう、また、教職員も手本となる正しい日本語を使うよう努めてまいります。 以上です。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 ぜひ、そういった傾向を外さないように、教職員の方々にも事あるごと喚起をされていっていただければと思います。よろしくお願いをいたします。 3番目に参ります。 目に余る横文字乱用は全国的な風潮でもありますが、当然、歓迎されるものでもありません。学術文化の薫り高いまちづくりのためにも、全国に先駆け、日本語を大切にする市の宣言を発信されてはいかがでしょうか。市長に御見解をお伺いします。 ○副議長(一志信一郎) 太田市長。 ◎市長(太田寛) 今、教育長からの答弁がございましたが、日本語の大切さというのが非常に、本当にその大切さが大切だという具合に思っております。長い歴史の中で言語文化を熟成させてきまして、横文字は確かに乱用は駄目ですが、一定の横文字は使わざるを得ないというのが本当の状況でございます。ただ、その中におきましても、日本の伝統で文化の特色というものは非常に貴重だという具合に思っておりまして、私はいつも、私のところに回ってくる文章については、分かりやすいかどうかということでいつも手を入れております。 そういった意味で、もう一つは、美しい日本語というのがあると私は思っておりまして、例えば形容詞でいうと、語尾に「やか」という言葉がつく形容詞、「しなやか」、「穏やか」、「しめやか」、「爽やか」、「きらびやか」、「しとやか」、「細やか」、「華やか」、ほかにも幾つもあります。こういった美しい語感を持つ日本語、これを大切にするというのが私の一つの信条でございますし、もう一つは、昭和55年になりますけれども、臼井吉見さんが旧三郷村で講演されたときに話を聞きましたら、臼井吉見さんが、日本語の特色、いいところ、何かといったら、人間の身体の部所を動詞として使う文字が非常に多いということで、例として挙げたのが、「手を入れる」、「手をこまねく」、「手がかかる」、あるいは、「目をみはる」、「目に映る」、そういったことをおっしゃいました。その意味で、臼井吉見さんの最後の作でございます「獅子座」を見ると、1ページに4か所くらい、5か所くらい、こういう言葉が出てきます。これが日本語の美しさだと思っておりまして、日本語を大切にする中で、こういう美しい日本語を守るということは大切だと思っております。 日本語を大切にする市の宣言まではちょっとしないと思いますけれども、日本語を大切にするというよりは、特に多くの全ての人に伝わりやすい言葉を正しく使うということをこれからも考えていきたいという具合に思っています。 以上でございます。 ○副議長(一志信一郎) 大竹議員。 ◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 市長の母国語に対する愛情を深く感じました。ぜひ、そういったことで公文書に関しましても気配りをして、目を光らせていただければと、かように思います。ありがとうございました。 これをもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。--------------------------------------- △散会の宣告 ○副議長(一志信一郎) 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。 来週6月13日月曜日は、一般質問並びに議案質疑、委員会付託を行います。午前10時までに御参集ください。 本日はこれをもって散会いたします。 御苦労さまでした。                              (午後3時59分)...