安曇野市議会 2022-03-03
03月03日-04号
令和 4年 3月 定例会 令和4年
安曇野市議会3月
定例会議事日程(第4号) 令和4年3月3日(木曜日)午前10時開議第1 市政一般に対する質問
辻谷洋一議員 小林陽子議員 中村芳朗議員 矢澤毅彦議員 林 孝彦議員 大竹啓正議員
増田望三郎議員---------------------------------------出席議員(21名) 1番 矢澤毅彦 2番 中村芳朗 3番 大竹啓正 4番 増井裕壽 6番 辻谷洋一 7番 橋本裕二 8番 臼井泰彦 9番 小林陽子 10番 松枝 功 11番
竹内秀太郎 12番 中村今朝子 13番 林 孝彦 14番 井出勝正 15番
増田望三郎 16番 猪狩久美子 17番 召田義人 18番 内川集雄 19番 宮下明博 20番 小林純子 21番 一志信一郎 22番 平林
明欠席議員(1名) 5番
岡村典明---------------------------------------地方自治法第121条の規定により説明のため出席した者の職氏名 市長 太田 寛 副市長 中山栄樹 教育長 橋渡勝也 総務部長
久保田剛生 政策部長 高嶋雅俊 財政部長 宮澤 修 市民生活 山田真一 福祉部長 矢口 泰 部長 保健医療 鳥羽 登 農林部長 赤澤哲也 部長 商工観光 都市建設 久田裕治 坪田浩昭 部長 部長 上下水道 堀内寅生 教育部長 平林洋一 部長 政策経営 総務課長 丸山一弘 丸山修一
課長---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長 細田昌伸 次長 青木規素 議事係長
山田なつ子---------------------------------------
△開議の宣告
○議長(平林明) 令和4年3月3日木曜日、3月定例会、会議に先立ち申し上げます。
岡村典明議員より本日の会議を欠席する旨の届出がありましたので、御報告いたします。 ただいまの
出席議員数は21名で定足数に達しております。 よって、直ちに本日の会議を開きます。 (午前10時00分)
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△発言の訂正
○議長(平林明) ここで
赤澤農林部長より発言の訂正を求められております。これを許します。
赤澤農林部長。
◎農林部長(赤澤哲也) 昨日、竹内議員の一般質問に対して答弁をさせていただきました内容に一部誤りがございましたので、訂正をさせていただきます。 訂正箇所は、市が保有する宿泊施設の経営状況と対応策に関する御質問に対してお答えをいたしました、
ファインビュー室山の平成28年度、平成30年度、令和2年度の
客室稼働率及び
定員稼働率でございます。 正しくは、平成28年度の
客室稼働率が60.7%、
定員稼働率が54%、平成30年度の
客室稼働率が60%、
定員稼働率が52.5%、令和2年度の
客室稼働率が44.4%、
定員稼働率が35.9%でございます。それぞれの数字を逆さまに答弁してしまいました。 以上、訂正させていただきます。
○議長(平林明) ただいまの発言訂正について、議長において許可いたします。
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○議長(平林明) 本日の議事は、お手元の議事日程第4号により進めてまいります。 また、本日の一般質問に伴う議員からの配付資料は、お手元と傍聴受付に配付してありますので、御報告します。
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△市政一般に対する質問
○議長(平林明) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。 本日の
発言通告者は、6番、
辻谷洋一議員、9番、
小林陽子議員、2番、
中村芳朗議員、1番、
矢澤毅彦議員、13番、林 孝彦議員、3番、大竹啓正議員、15番、
増田望三郎議員の以上7名でございます。 御報告申し上げた順序により発言を許します。
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△辻谷洋一
○議長(平林明) 最初に、6番、
辻谷洋一議員。持ち時間は20分以内といたします。 辻谷議員。 (6番 辻谷洋一 登壇)
◆6番(辻谷洋一) おはようございます。 6番、辻谷洋一でございます。 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。 今回は、当市における障がい者の雇用についてお聞きします。 半年前の2020年
東京パラリンピックも記憶に新しく、日本人の活躍も記憶に新しいところです。2022年
冬季北京パラリンピックも明日3月4日から開催され、日本人の活躍もさらなる期待がかかるところでございます。
少子高齢化が進展し、
生産年齢人口の減少、労働力の減少が見込まれているこのような構造的な要因に加えて、
新型コロナを起因とした資源不足もあり、世界的な物資や人手の不足が起きております。今後ますます労働力の希少性は高まってくることが考えられ、その量的確保や環境の整備が必要となっていきます。そのような流れの中で、障がい者のできることに目を向け、雇用することは貴重な労働力の確保にもつながっていきます。 内閣府が行った調査では、平成18年から平成30年の12年間で障がい者数が655万9,000人から936万6,000人と約300万人近く増加しており、日本人の全人口から比較しますと、現在では国民の約8%が障がいを抱えているということになります。 この8%という数字ですが、当市においても12月の定例会の井出議員の一般質問の回答でもありましたが、小学生382名、全小学校の児童数における割合は8.0%、中学生については189名、全生徒数の7.5%に相当し、小中合わせて571名ということで、全
児童生徒数に対して7.9%の割合となっております。やはり同様の割合で障がいのある児童生徒がいるとのことです。当市の障がい児については、障がいの内容によって増減の傾向は違うようですが、障がい者数を見てみますと増加傾向にあることが示されております。 令和元年6月、
障害者雇用促進法の改正を受けて、安曇野市が令和2年に策定した障がい
者活躍推進計画では、自ら率先して障がい者を雇用するように努めなければならないと、その責務が明示されております。 安曇野市の障がい
者任免状況を見てみますと、令和元年2.1%、15名、令和2年は1.82%、13名、令和3年度、今年度は算定の基礎となる職員数702名に対しまして、障がい者数12名、雇用率では1.71%と公表されております。
法定雇用率を満たすには6名不足しているということになります。令和元年から、あろうことか右肩下がりでございます。 この障がい者の
法定雇用率については、
障害者雇用促進法が改正された平成30年には精神障がい者も対象に加えられ、パーセンテージが上がっております。直近では、令和3年3月に2.5%から現行の2.6%に引き上げられました。昭和51年の義務化以来、何度か引き上げられております。 過去のデータを見ましても
法定雇用率を満たしている年度はないようですが、そこで障がい者の雇用実態と令和4年度の採用状況について、総務部長にお伺いいたします。障がい別の現在の任免状況と令和4年度の
職員採用試験における障がい者の応募状況と採用状況、令和4年度の障がい者雇用率の見込みについてお聞きします。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) それでは、お答えさせていただきます。 まず、
地方公共団体の障がい
者任免状況における
法定雇用率につきましては、議員おっしゃるとおり、令和3年3月1日から2.6%に引き上げられており、安曇野市は18人以上の障がい者を雇用する必要があります。 本市の令和3年6月1日現在の雇用率は1.71%で、内訳として、身体障がい者9人、精神障がい者3人、雇用数は計12人となっており、6人が不足している状況となっております。 次に、令和3年度に実施した令和4年4月1日採用の障がい者を対象とする試験では、
身体障害者手帳、療育手帳、
精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている39歳までの方を募集し、応募者数は身体障がい者3人、精神障がい者11人、知的障がい者2人の計16人で、このうち15人が受験され、
採用予定者は2人となっております。 なお、障がい者の雇用率と混同しないように試験の競争倍率でお答えしますが、令和3年度の試験における障がい者枠の競争倍率は7.5倍であります。 最後に、令和4年度の障がい者の雇用率は、あくまでも見込みではありますが、交付されている手帳の等級により重度に該当する場合には、1人を2人として計上します。そのため、
新規採用職員などを含めますと、
法定雇用率は達成できる見込みであります。 以上であります。
○議長(平林明) 辻谷議員。
◆6番(辻谷洋一) 分かりました。 現在の任免状況と令和4年度の
雇用見込みについて御説明いただきました。令和4年度は初めてとなると思われますが、
法定雇用率の達成の見込みとのことです。 再質問ですが、障がい別の採用状況を教えてください。それからもう一点、15名面接されたということで2名の採用とのことですが、採用率が低いように思われますが、一般の職員の採用状況を教えていただけますでしょうか。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) それでは、お答えさせていただきます。 採用予定した2人ということで、障がい別の区分は採用職員への配慮から答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 また、ほかの採用試験との採用状況を分かりやすく比べるため、最も採用人数が多い
上級行政職試験の競争倍率を例に挙げますと、本年度、障がい者試験では7.5倍であったのに対して、
上級行政職試験では、令和3年度4.1倍、令和2年度で6.4倍、令和元年度で6.1倍、平成30年度では8.8倍となっております。 以上であります。
○議長(平林明) 辻谷議員。
◆6番(辻谷洋一) 分かりました。 ちなみに、県内19市を調べてみましたところ、障がい者の
平均雇用率は2.4%となっております。安曇野市は、県内19市の中で下から4番目の16番目です。決して褒められた数字ではないと思います。 それでは、これまでの状況について総務部長にお伺いしたいと思いますが、先ほどの回答からしますと13名は不採用者がいることになりますが、平成30年度の過去の定例会の一般質問の回答では、平成30年度まで不採用者はなく、応募者の全員を採用しているとありますが、その後についてはいかがでしょうか。 また、過去、平成30年度より以前において不採用者がいなかった理由を教えてください。また、これまで雇用率を達成できなかった理由、採用に当たってどのような課題があったのかを、併せてお伺いします。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) お答えさせていただきます。 平成30年4月採用の試験まで不合格がいない理由につきましては、障がい者を対象としての試験は平成27年度から募集を始めており、平成28年度の試験で若干名の募集に対して2名が応募し、2名とも採用となったため、当時は不採用者がいなかったものであります。 平成30年度試験以降については、不合格者もおります。年度ごとでは、平成30年度は採用2人で不採用3人、令和元年度は採用者2人で不採用者11人、令和2年度は採用者ゼロ人で不採用が15人、令和3年度が採用2人で不採用13人であります。 なお、不採用の個別の理由につきましては、お答えは控えさせていただきます。 次に、今まで
法定雇用率未達成の理由につきましては、いろいろな要因があります。例えば、障がいを有する職員が定年退職をしたり、障がいの状況が悪化して勤務が困難になって退職した職員もおります。また、その退職者分を新たな採用者で補えていないことが影響していると考えております。 採用の課題としては、障がい者を職員として受け入れるためには、支援の必要性や個々の障がいの特性により、それを支援する
指導員的立場の職員の養成と配置が必要となること、また、
就労支援機関、
ハローワークなど及び主治医との連携が必要不可欠と考えております。そういった
サポート体制を構築することが、雇用主としての課題であると捉えております。 以上であります。
○議長(平林明) 辻谷議員。
◆6番(辻谷洋一) 分かりました。 採用に当たって苦慮されている点などお答えいただきました。 雇用を進めるためには積極的なアピールが必要なのは当然ですが、就労環境の整備は極めて重要であると考えますが、障がい者のための
就職支援サービスを提供している
障害者雇用バンクという
求人サイトがございます。 こちらで2019年に行った
会員アンケートがありますが、その中では全体の約8割の方に転職経験があり、また平均的な転職回数も多く、5回以上との回答が
転職経験者のうちの3割を占めております。あくまでも
当該転職サイトの会員向けに行われたアンケートですので、地域による偏りもあるかと思いますが、この結果から障がいのある方にとって同じ職場で定着することが容易ではないという状況が分かると思います。 そこで、当市における状況について、総務部長にお伺いします。障がい者の仕事内容と仕事の
サポート体制、離職率についてお伺いします。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) お答えさせていただきます。 健常者と変わらない仕事を担当している障がい者の職員もいるほか、仕事量や仕事内容に一定の配慮が必要な職員もおります。また、勤務場所については、大きなフロアで仕事をしている職員、窓口のない職場で仕事をしている職員、また、職員数が少ない個室で仕事している職員など、それぞれ必要な配慮をしながら対応しています。 サポートしている具体的としては、例えば、聴覚障がいのある職員の場合には、窓口接客や電話の少ない部署への配置、音声を文字に変換できる機材を貸与するなどの配慮を行っております。 障がい者を対象とする試験で採用した職員8人の離職率を見ると、平成31年4月に採用された職員1人が病気の悪化により普通退職をしているので、離職率は12.5%となります。 なお、障がいの程度に応じた業務を遂行できるよう適正な職員配置に努めております。 以上であります。
○議長(平林明) 辻谷議員。
◆6番(辻谷洋一) 分かりました。 先ほどの
障害者雇用バンクのデータから、当市の職員の離職率も非常に高いのではないかと思っておりましたが、非常に少なく、現場の
サポート体制などがしっかりされていることや職員の皆様の努力がかいま見られるかと思います。引き続きお願いをしたいと思います。 しかしながら、平成30年には中央省庁や地方自治体の障がい者雇用水増し問題があり、行政機関の信頼を大きく失う事態となりました。残念ながら長野県においても
障害者手帳の確認など、その管理を怠り、採用数を水増しして報告していた事実が発覚し、我々県民に大きな衝撃を与えました。 以降、法令遵守に向けた取組が各機関によって積極的に進められ、長野県の知事部局に至っては、
法定雇用率にこだわらない障がい者の採用の推進や
チャレンジ雇用といった取組が効果を発揮し、令和2年6月1日時点では障がい者実雇用率が2.88%となり、令和3年3月、
厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課による
地方公共団体障害者雇用好事例集の中で、好事例として紹介されるほどになっております。 先ほども少し取り上げましたが、令和2年、当市においては、障がい
者活躍推進計画が策定されております。その中で掲げられている部分について、総務部長にお伺いしたいと思います。 当市が策定した
障害者活躍推進計画の中で、障がい者の活躍推進に向けた取組が具体的に明文化されております。その中で記載されている事項についてお伺いしたいと思います。 相談先の確保として、
障害者職業生活相談員を配置し、障がいの理解を深め、障がいのある職員を適切に支援するため、
ハローワークなどが実施する研修を受講するとあり、職員課に相談窓口を設置するとしていますが、これらが機能しているのか、市の状況と相談員に対する研修の実施状況を教えてください。 また、その中で、
特別支援学校の生徒などを対象に実習の受入れを行うとありますが、いつどこの学校と何人くらい、どんな実習を受けているのか、具体的に教えてください。また、
特別支援学校や高等学校との雇用確保のための連携は取られているかも、併せてお願いいたします。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) それでは、お答えさせていただきます。 障がいのある職員を支援する
障害者職業生活相談員として、保健師1名と人事担当1名の計2名を職員課内に配置しており、令和2年度の本人との面談を実施した件数は、延べ14回となっております。 相談員は、障がい者の雇用の促進等に関する法律に基づき、市では障がい者を5人以上雇用する事業所として
障害者職業生活相談員を選任することが義務とされております。このことから、
障害者職業生活相談員の配置に当たり、令和2年度、令和3年度とそれぞれ1名、計2名の職員に
ハローワークが実施する
資格認定講習を受講させている状況であります。 なお、令和4年度、障がい者雇用を推進していくに当たりまして、全ての職員を対象に配慮すべき事項や障がいに対する理解を深めるための研修の開催を予定しております。 また、
特別支援学校や高等学校との雇用確保に向けた連携につきましては、特に県内の
特別支援学校高等部と連携を図っており、実習生の受入れを行っております。平成27年、30年、令和元年に
長野ろう学校や
寿台養護学校高等部の計3人の生徒を実習生として受け入れております。実習生のうち1人が市の職員として就業に結びつき、勤務しております。 令和2年度以降は、
新型コロナウイルスにより実習生の受入れは行っておりませんが、引き続き学校の先生と連携し、障がいのある生徒の社会参加の推進と雇用の確保に取り組んでいきたいと考えております。 以上であります。
○議長(平林明) 辻谷議員。
◆6番(辻谷洋一) 分かりました。 再質問させていただきますが、
障害者職業生活相談員についてですが、2名ということですが、人数に関してはどこにも明文化されておりませんが、2名というのが適切な人数なのでしょうか。 今後、
法定雇用率も上がっていくものと思われますし、適正な雇用人数を確保できた際にも足りるのでしょうか。仮に不足であるようなら増員も検討していただかないといけないと思いますが、いかがでしょうか。総務部長にお伺いします。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) お答えさせていただきます。 障がい者の相談指導を行うとともに、職場適応の向上や個々の有する能力を最大限発揮できるよう特性に配慮した雇用管理に努めることが、
障害者職業生活相談員に求められる大きな役割となっております。 相談員を1名選任することで法的義務は達成されておりますが、
相談員制度の趣旨に鑑み、事業所の規模、障がい者の人数、障がいの種類等に応じて複数の相談員を選任することが望ましいことから、今後は障がい者の雇用人数に応じて相談員の充実を図る必要があると考えておりますので、増員に図っていきたいと思っております。
○議長(平林明) 辻谷議員。
◆6番(辻谷洋一) 分かりました。 これまでは現状についてお聞きしました。
法定雇用率とは、あくまでも障がいの有無にかかわらず全ての人が活躍できる共生社会の実現に向けて掲げられた数値目標ということです。したがって、
法定雇用率の達成状況を見るだけでなく、障がい者の活躍の場をつくっていくことが重要です。 そのためには、就労を目指す方の課題に合わせて、例えば週20時間未満の短時間勤務など、正規職員だけでなく、非正規の雇用や柔軟な雇用管理が必要だと思うのですが、総務部長のお考えをお聞かせください。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) お答えいたします。 これまで本市では、障がい者を対象とする採用は常勤の正規職員を前提に募集を行ってきましたが、障がいの特性等に応じた柔軟な働き方が可能な
会計年度任用職員、
非常勤職員の任用についても進めていきたいと考えております。
会計年度任用職員の任用に当たっては、市長の指示を受け、2月16日発行の広報あ
づみので令和4年度、
会計年度任用職員として、障がい者を対象とした
一般事務補助の業務を行う職員の募集を始めたところでございます。柔軟な働き方が可能な雇用時間の検討も進めていきたいと思っております。 以上であります。
○議長(平林明) 辻谷議員。
◆6番(辻谷洋一) お答えいただきました。 あまりに目標、目標と言っていると、いつの間にか、その達成がゴールのような感覚になってしまうということもよくあるものです。そうなってしまうと、当然、計画も中身のないものになってしまいますので、そうならないように定期的に
PDCAサイクルに当てはめて、本来の目的を見失っていないか検証していくことが重要ではないかと思います。 せっかく時間をかけて研究し、策定された計画ですので、本来の目的を見失うことのないよう推進の状況について検証作業を行っていただいて、計画の中でうたわれている障がい者の目線に立った、全ての職員が働きやすい
職場づくりに向けて取り組んでいただきたいと思います。 それでは、もう一つ、総務部長にお伺いさせてください。 職員として採用される方の障がいの程度や内容は様々だと思います。当然、その程度や内容によって
受入れ体制の整備などが必要になってくると思いますが、障がい者御本人も
障害者手帳を持つことに抵抗のある方もおられると思います。初めから
障害者手帳を持って障がい者として採用される方以外にも、採用後に障がい者と分かる方もおられると思うのですが、そのような方への処遇、対応はどのようにされているのか、また、どのような配慮が必要であるとお考えであるかお聞かせください。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) お答えいたします。 採用された後に事故や病気等によって障がいを有することになった場合であっても、障がいの程度に応じて無理なく業務が遂行でき、職場で定着できるよう支援しております。例えば、身体が不自由になった場合は、移動の少ない業務に従事させ、心臓に障がいのある職員には重い荷物を持たさないような配慮をしております。 以上であります。
○議長(平林明) 辻谷議員。
◆6番(辻谷洋一) 分かりました。 長野県では、
チャレンジ雇用として障がい者のコンディションに合った柔軟な雇用管理や支援が行われております。この取組は、単に障がい者雇用率が上がってすばらしいということではありません。県での就労経験を生かし、その後の民間企業などへの就労につながっているというところに、本来の意義があるのだと思います。これはまさに行政が先頭に立って共生社会の実現に取り組む理想的な姿であり、そのための仕組みが構築され、機能しているということです。 太田市長は以前、副知事としてのお立場で、これらの業務の実施の細部について検証し、監督されてこられたわけですが、当市における障がい者雇用の推進について、今後どのように取り組むべきか、どのような整備が必要であると感じていらっしゃるか、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(平林明) 太田市長。 (市長 太田 寛 登壇)
◎市長(太田寛) 障がい者雇用に関する取組について、私の考えを述べたいと思います。 国、あるいは
地方公共団体は、障がいのある方の雇用政策全体の推進を図るだけでなく、自らが率先して雇用を推進していく責務があると考えます。このため、
地方公共団体の
法定雇用率は民間企業より高く設定するものというふうに考えております。障がいのある方々が個々の能力を発揮し、生き生きと活躍できる職場環境を整備し、職場定着を進めていく取組が必要であると考えております。 安曇野市におきましても、障がい者の採用や活躍の場を拡大し、障がいを持つ職員の働きやすい環境づくり、これが必要であると考えておりまして、このため全職員を対象に障がい者と一緒に働くことの理解を深める研修や、障がいのある職員の個々の
サポート体制の構築を図りながら、障がい者雇用の推進を図ってまいりたいと考えております。 来年度、正規職員として障がい者2名を採用する予定でございまして、また、
会計年度任用職員、
非常勤職員として障がい者を採用するよう、先ほど総務部長からも答弁がありましたが、職員課に指示をしたところでございます。 加えて、お話のございました
チャレンジ雇用を取り入れております長野県をはじめ、先進的な他の自治体の例も参考にいたしまして、正規、非正規といった雇用形態に捉われない障がい者雇用の推進と
サポート体制の構築に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(平林明) 辻谷議員。
◆6番(辻谷洋一) 分かりました。 市長のお考えをお聞かせいただきました。当然、型にはめ込めば完成するというような単純なものではないと思いますが、太田市長におかれましては、県での御経験を生かされ、その強いリーダーシップの下、安曇野市を全ての人が活躍できる共生社会に導いていただきたいと願っております。
少子高齢化、人口減少社会の中で労働力を確保し、その減少を抑制するためには、就業を希望し、労働参加が見込まれる方々の活躍は極めて重要であります。いろいろな人の感性や違った視点があって、初めて広い視野での政策づくりが可能になると思いますし、雇用という形で社会参加を促し、社会の中で活躍することを望む方たちがその能力を発揮できる機会の創出が、共生社会の実現には不可欠です。 行政や現在、市役所で業務に就いていらっしゃる障がい者の方々には、その旗振り役という重要な役割を担っていただいているんだと思います。誰もが活躍できる社会の実現に向けて、障がい者雇用の推進にさらに力を入れていただけることを期待しております。 少々時間残りましたが、以上で一般質問終わります。ありがとうございました。
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△小林陽子
○議長(平林明) 次に、9番、
小林陽子議員。持ち時間は20分以内といたします。 小林議員。 (9番 小林陽子 登壇)
◆9番(小林陽子) 9番、小林陽子です。 通告書に基づき一般質問をいたします。今回は3つのテーマで質問をいたします。 まず、1問目は、ポスト「日展安曇野展」の文化・芸術振興の展望はです。 2年前の開催予定が中止となった日展安曇野展が、いよいよ4月23日から5月15日の期間で開催されます。さらに続く5月29日から7月10日には、豊科近代美術館開館の30周年記念として、土門拳記念館コレクション展も行われます。 こうした大きな展覧会を立て続けに企画、誘致し、市民への貴重な機会を御提供くださった関係者の皆様に、御礼申し上げます。そして、このような機会を通して、市内の子供たちはもとより、子育て中の親世代や日頃美術館や博物館に足を運んだことがないといった方も含めて、多くの方々が作品を見て何かを得る機会となりますことを、期待したいと思います。 本質問では、こうした企画への市の参画と、今後に向けた展望を伺います。 この日展安曇野展ですが、改めて申し上げるまでもありませんが、毎年日展が東京で開催された後に巡回展として、大阪、名古屋に加えて県庁所在地などがある中核の都市にて開催されるのが通例であるところ、今回は京都を皮切りに、名古屋、大阪、安曇野、金沢の順で巡回されるとのことで、人口10万人規模の地方都市では恐らく初めての開催であろうと聞き及んでおります。 長野県内での巡回展開催は、29年前の長野市、20年前の松本市まで遡るということで、このめったにない巡回展である日展安曇野展を迎える当市として、この機会をどう有効に活用して、文化・芸術振興にどのように取り組むのでしょうか。また、日展巡回展の開催地である安曇野市を内外にどのように発信していくのか、市の見解を教育部長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えをいたします。 市及び市教育委員会は、4月23日から5月15日まで、豊科近代美術館で行われます日展安曇野展を共催し、公益財団法人安曇野文化財団と協力をしながら展覧会を開催いたします。日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部門にわたり、巡回展に選抜をされた246点の作品のほかに、長野県内の入選作家の作品約70点を展示いたします。 展覧会の開催に当たりましては、安曇野文化財団が県内の新聞社、テレビ局からの発信を計画をしているとお聞きをしておりますし、何よりも県内外の日展作家の皆さんのネットワークからも、この日展安曇野展を情報発信していただくようお願いをしているところでございます。 また、会期中には、本庁舎1階で日展作家によります扇子の展示を行う計画がございます。これらのことも含めまして、市のホームページやSNSを活用しながら発信をし、安曇野の知名度というものも高めてまいりたいというように考えております。 以上です。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) ただいまお答えいただきました。 多くのすばらしい作品に市民が触れる機会があるということもよく分かりましたし、ぜひ安曇野市の発信ということでも力を入れていただければと思います。 再質問をさせていただきますが、年度初めで落ち着かない時期とは承知はいたしておりますけれども、ぜひこの機会に市内の小中学校の児童生徒が日展を訪れるなどの取組はいかがでしょうか。授業での訪問などはお考えでしょうか。 また、ちょうど今年4月から5月にかけて行われます市内の穂高神社の7年ごとの遷宮祭とも重なるわけです。コロナ感染拡大防止に予断を許さない、そういった時期が続くと見込まれておりますけれども、PRの工夫などはいかがでしょうか。お伺いします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) 2点、再質問をいただきました。順次、お答えを申し上げます。 まず、この展覧会には、市内の企業の皆様から御協賛を頂戴しております。この貴重な協賛金を活用させていただきながら、中学生を対象とした美術の鑑賞授業の機会とするため、中学校と美術館をバスで送迎することを計画させていただいております。 また、2点目でございますけれども、碌山美術館、高橋節郎記念美術館、田淵行男記念館など、市内の美術館と連携した割引券の発行であるとか、1日1便ではございますが、穂高神社の遷宮祭のバスが豊科近代美術館を経由するということでお伺いしておりますので、こうしたことも周遊の取組の一つになるというように考えております。 以上です。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) ただいま詳しくお伺いしました。 いろいろ周遊の仕組みなども考えてくださっていること、それから中学生は全員バスで美術館まで行って見られると、そういう機会があることを大変ありがたく思います。 それでは、次ですが、権威ある展覧会や評価の高い写真家の作品展を安曇野で開催することは意義深いことです。さらに、こうした機会を活用し、文化・芸術を子供たちの教育や子育て環境に生かしたり、地元の人が身近に親しめる取組に結びつけられれば、企画の成果としてとても意義深いものになろうかと思います。 令和2年度市民意識調査において、「学び合い 人と文化を育むまち」についてという項目では、文化・芸術に親しめる環境であるかの満足度を問う設問があり、「満足」、「やや満足」と答えた人は40%、「不満」、「やや不満」は25%でした。 しかし、中でも注目したいのが、「分からない」と答えた人の回答で約30%となっており、「不満」、「やや不満」よりも高い結果になっているという点です。「分からない」には様々な理由が考えられると思いますが、文化・芸術に親しめる環境があること自体を知らないとしたら、大変もったいないことです。 外部の作品を持ってきて展示すれば文化・芸術に親しめる環境があるといった表面的なことを言っているのではなく、それはあくまでもきっかけに過ぎず、市民の方が地元の作家の作品に触れる機会を増やしたり、自ら文化・芸術に関わる活動に関与していくといった主体的な意識を高めることが望まれるところです。これについてどのような御見解をお持ちでしょうか。教育部長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えをいたします。 芸術・文化の振興に当たっては、子供の頃から芸術に親しむことが大切と考え、教育委員会では小中学校へ文化事業を積極的に出前を行っております。 少し具体的な例を申し上げますと、能楽師の青木道喜先生と立命館大学能楽部による能楽教室、市内の公立、私立の美術館、博物館が作品や資料を持ち寄る学校ミュージアム、東京藝大音楽部による楽器演奏指導、郷土博物館によるコンパクト展示など、これまでも子供たちが芸術に親しむ機会を設けてまいりました。 令和3年度、本年度におきましては、地域創造様の助成を得て、サクソフォンカルテットが小学校へ演奏のアウトリーチを行う事業を招致をしております。コロナ禍で小規模な開催となりましたが、芸術家を招いた制作体験講座も設けてきております。 また、これらのほかにも福祉施設や病院への出前展示を行うなど、コロナ禍の前には多くの市民の皆さんが文化・芸術に触れることができるよう、事業を進めてまいりました。 本年度寄贈された作品を活用するということで、安曇野市出身の斎藤俊雄様による長峰山からの眺めを描いた屏風を、11月に行った成人式の会場に展示をさせていただいて、若者へのはなむけとし、芸術に親しむ機会とさせていただきました。 大きな展覧会を一つの機会として活用していくことはもちろんでございますが、安曇野にある文化財や美術資料を活用して、子供たちをはじめ、市民の皆さんが文化・芸術に親しむ機会を増やしていくことが大切であると考えております。 このことからも、毎年、年度当初には、市の美術館、博物館の年間スケジュール表を全校の児童生徒に配布をしております。また、子供たちの入館料は無料としておりますけれども、親子で一緒に鑑賞することで子供たちの芸術・文化への理解が一層深まるものと考え、このスケジュール表とともに、保護者1名の入館料を免除するパスポートも併せてお配りをしております。年間600名ほどの方々から御利用をいただいておりまして、今後も親子で美術館、博物館に親しんでもらえるような企画や発信に努めてまいりたいと考えております。 なお、新たな取組といたしまして、市内外の芸術・文化施設のミュージアムカードを集めながら各施設を周遊していただき、安曇野の芸術・文化を改めて知っていただくための事業についても、現在準備を進めているところでございます。 以上です。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) ただいま伺いましたように、様々な取組を、そのとき、そのときで工夫してくださっているということはありがたいです。 やはり安曇野には、今、御紹介いただきましたように、豊かな文化や芸術の資源というものがたくさんあると感じます。中でも、先ほど教育部長が御紹介くださいました美術館、博物館のパスポート、親子で入場料が免除されるというものなんですけれども、このコンセプトって非常によいと思います。ただ、あまり利用は多くないのではないかなと、600名ほどと年間でということで、何かもう一工夫あればよいのではと思いますし、感じました。 次に、安曇野市は市のレッドデータブックにも紹介されておりますように、標高差が大きく環境区分も高山帯、亜高山帯、山地帯、山麓部、平野部、河川、水辺と多岐にわたり、とても豊かな自然環境であることから、希少種を含め様々な動植物が生息しています。 虫に絞っても、チョウとガの仲間は約1,600種、カブトムシやテントウムシ等の仲間は約1,500種を数えるなど、生態系の多様さは大変特徴的であると認識しております。絶滅危惧種のオオルリシジミの保護活動などの自然保護に御尽力されている方々もいらっしゃいますし、雪形やチョウなどの写真や細密画が多数紹介されている田淵行男記念館の存在、天蚕センターを中核としての天蚕シルクの保護や生産の取組など、ここにしかないものがあります。 安曇野の豊かな自然を守る活動とともに、広い意味で文化・芸術に親しむこと、子供たちが小さい頃から芸術、アートに触れ、目を育てること、さらに芸術家の育成も考えた複合的な安曇野らしい取組ができれば、我々市民も誇りを持ち、また観光でも効果が期待できると考えます。推進についてはどのようにお考えでしょうか。市長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 太田市長。 (市長 太田 寛 登壇)
◎市長(太田寛) 安曇野市の自然を生かした文化・芸術振興の取組、特に芸術家の育成についての質問でございます。 御質問にもございましたように、北アルプスを望む、その下に田園地域が広がると、この安曇野の風景というのは、他に例を見ない美しい環境でございまして、芸術家にとっても制作意欲をかき立てるというところであると考えます。 実は過日、私、市長就任後でございますが、東京藝術大学の副学長、それから教授、准教授はじめ6人の方を安曇野にお迎えしまして、御案内をいたしました。その際に、先生方が口をそろえて言ったのは、このアルプスの雄大な景色というものは、芸術家にとって創作意欲をかき立てる非常にすばらしいものであるというお話がございました。 芸術家が地域に滞在し、その地域で制作を行うアーティスト・イン・レジデンスという、こういう事業がございます。その意味におきまして、安曇野市において様々な分野の芸術家、特に芸術を志す学生の方が市内に滞在し、そこで芸術活動に取り組む、創作活動に取り組む、そういったことによって安曇野市をベースにした芸術家を育成すると、これを考えております。 これまでも東京藝術大学の連携事業を行っておりますけれども、こういった東京藝大の皆さんと市民、それから子供たち、これが交流できる機会をこれから増やしていくということから始めていきたいと思っています。 以上でございます。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) ただいま市長からお答えいただきました。 まずは、芸術系の学生を安曇野に呼び込んで、創作意識をかき立てる安曇野で活動していただくということかと思います。これからの取組を期待いたします。 それでは、次の質問、農地保全活動の課題についてに移ります。 安曇野市の魅力は、北アルプスの麓に広がる田園風景であり、令和2年度市民意識調査でも、市の農村らしさを生かすために必要なこととして、「農村風景や景観の維持」と答えた人が64.5%という結果でした。 農業従事者の高齢化や後継者不足などによる農業従事者の減少により、農業を取り巻く様々な課題が山積していると認識しておりますが、景観の維持もその一つであり、今後、田園風景を維持していくことが困難になると予想されます。 そこで、質問いたします。 多面的機能支払交付金事業等もあり農地の保全活動が行われていますが、農業従事者の高齢化や減少で従事できる人が減り、今後、立ち行かなくなる懸念があります。農業従事者の高齢化や減少は、当然、全国的な課題であります。 本市では、これまで兼業農家の比率が高かったことから農業従事者が多くおりましたが、長野県企画振興部情報政策課統計室の調査、長野県の農林業によりますと、市内の専業農家数は平成7年から平成27年の20年間で720戸から829戸と増えているものの、兼業農家数は同20年間で5,048戸から2,283戸と半数以下に減り、定年帰農者も減少していることから、全体としての農業従事者の数は減っております。 この5年ほどで本当に激減してしまうのではないかと危惧をしております。農地や環境の保全、景観維持の活動を継続するためにどのような対策を行っているのでしょうか。 関連しまして、景観維持ということでは、拾ヶ堰などの用水路にペットポトルや空き缶などのごみが目立つのを何とかできないかと、多くの市民の方から声が寄せられておりますが、その対策についてはいかがでしょうか。農林部長にお伺いします。
○議長(平林明)
赤澤農林部長。
◎農林部長(赤澤哲也) 多面的機能支払交付金事業への取組に対する御質問でございます。 多面的機能支払交付金事業は、令和3年度現在、市内農用地の約6割で取り組まれておりまして、57の活動組織が3,643ヘクタールの農用地で活動を行っております。 具体的には、農業の持つ多面的機能、食料生産、国土や自然環境の保全、水資源の有効活用、防災減災効果、生き物や文化を育む効果など、多面的な機能の発揮を促進するため、地域資源である農地や水路の保全に取り組む活動を各組織が自主的に行っており、農業者以外も構成員となれますので、共に活動することで地域コミュニティーの活性化につながっている面も見受けられます。 農業者の高齢化や減少に伴いまして、各組織においては役員の成り手不足や事務の労力負担が課題となり、組織存続が困難な事例も発生したため、市では課題解決に向け、地域ごとに協定を結び、広域運営委員会を立ち上げ、事務の広域化を進めております。 広域運営委員会では、これまで独自に運営されてきた各組織の事務負担を軽減できるよう段階的に取組を進めており、令和3年度におきましては、希望する組織に対して専用ソフトウェアを利用した活動記録の提供や、金銭出納簿の作成、ネットバンクシステムを活用しました作業日当の口座振込等を実施しております。 交付金事業を実施していない残り4割の農用地については、該当する集落において制度に関心を持っていただけるよう、事業の普及啓発に努めております。区長様より御依頼等をいただければ、制度の概要説明を行います出前講座の実施や、昨年11月に開催をされました中学生議会において、中学生の皆さんから御提案をいただいた、ツイッターを利用した組織の取組内容の紹介を行うなど、より多くの市民の皆さんにこの制度と活動を知っていただくための取組も併せて行っております。 また、土地改良区が行う水路等への保全活動という御質問でございますが、水路の景観保全につきましては、市内の土地改良区がそれぞれ用水路に流れつくごみの回収処分を行っていただいております。 近年、市街地を通過いたします用水路では、空き缶やプラスチック類のごみの量が増加しており、分別や処分に関わる負担が大きくなっております。これに対して、市では平成25年より安曇野市土地改良区連絡協議会を通じまして、ごみ処理に関わる支援を行っております。令和3年度におきましては、協議会に180万円を支出し支援したところでございます。 以上でございます。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) 景観維持、農地、環境の保全ということで様々な活動を伺いました。 次に、従来、耕作者の負担軽減から、保全活動は土地所有者が中心となって行うことになっています。しかし、農地相続後の未登記が増え、対象者が分からないケースが増加していると聞いております。 高齢の親が農地を所有し、耕作は近隣の中規模や大規模農家に依頼している中で、所有者が亡くなり、子世代は地元を離れて遠隔地にいて、今後、自分で耕作する気はないからと相続が進まないといったケースは、後を絶ちません。 土地の登記は個人の権利であり、また耕作する意思は個人のものであり、遠隔地ゆえにやりたくてもできないといった事情もあるでしょう。行政が強制できることではないですが、行政としても何らかの対応を行わないと、ますます農地、景観保全の担い手の不足が見込まれる状況と思われます。このことについての対策はいかがでしょうか。農林部長にお伺いいたします。
○議長(平林明)
赤澤農林部長。
◎農林部長(赤澤哲也) 相続後、未登記の農地についてのお尋ねでございます。 相続後に未登記となっております農地を随時把握することは非常に困難であり、件数、面積等、具体的な把握はしておりません。 参考までに申し上げますと、国土交通省が示しております平成29年度の地籍調査における登記簿上の所有者不明土地の割合は、全国農用地の19%との数値もございます。このような農地が今後増えていくことは十分予想され、農地の賃借がスムーズにできないなどの理由により、遊休荒廃化していくことが懸念されるところであります。 このため、市農業委員会では、農業委員、農地利用最適化推進委員が毎年農地パトロールを実施し、遊休荒廃地の把握に努めております。把握をいたしました遊休荒廃農地につきましては、所有者に対して今後の農地をどのように利用するのか意向調査を実施し、その際、相続が完了していない農地につきましては、同時に相続人の調査も行い、相続人宛てに意向を聞き取っております。 その結果、所有者が耕作できない場合は、地域の担い手等への貸付けを農業委員さんを中心に誘導していただくなど、遊休荒廃化を防止する取組を随時行っております。 以上でございます。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) 農業委員さんが農地パトロールで本当に日々よく細かく見て、それをまた連携して市のほうでも遊休荒廃農地をなるべく把握して対策を行っていくということで、これからまた増えていくとは思いますけれども、きめ細やかにお願いしたいところです。 安曇野は景観に加え、水資源も大変貴重です。それらを保全するため、なるべく除草剤を使わずにあぜ草刈りをする活動が必要であることは周知のとおりです。 土地所有者だけでは対策が困難であるという場合、一例として、リンゴ農家の人手不足への支援策である農作業サポート事業を拡大したり、スマート農業の導入で省力化したりして土地利用型作物における農地、景観や水の保全に取り組むといったことはどうでしょうか。新規就農対策や地元の非農家の方に参加を促すなど、調査研究を推進してはと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(平林明)
赤澤農林部長。
◎農林部長(赤澤哲也) 農作業サポート事業等の拡充について御質問いただいたということで、お答えをさせていただきます。 農作業サポート事業につきましては、市農業再生協議会において3年間実施を試み、令和3年度から、農協が運営しております無料職業紹介事業に統合いたしました。これに伴い実施主体は変更となりましたが、方法等の変更はございません。 農協事業に統合するメリットにつきましては、人手を必要とするリンゴの摘果作業等に限らず、他の農作業にもマッチングできる点が挙げられます。農作業における労働力不足の補完対策として、県内の各農協でデイワークアプリと呼ばれるアプリケーションソフトが導入されております。 これはスマートフォンで、農作業をお願いしたい農家と働きたい方のマッチングを行うもので、地図アプリとも連携しているということから、作業いたします圃場に直接集合ができるなど、便利な機能も附帯しております。 若い方がサポートに来ていただけるというメリットがある一方、高齢農家がデジタルメディアを利用しにくいというデメリットもあると聞いておりますので、労働力の補完に効果があるか、今後も情報を収集し、状況の把握に努めてまいりたいと考えております。 なお、麦や水稲栽培を主力といたします土地利用型農家でも活用されておりまして、非常によかった、便利だったという声も聞いております。 議員御指摘のとおり、農業従事者の減少は農林業センサスの調査数値にも顕著に表れておりまして、農地保全の観点から後継者対策は重要であると捉え、特に果樹栽培の後継者を対象といたしまして、今後、県や農協と連携した組織を立ち上げ、後継者対策を強化していく準備をしております。 最後に、市といたしましては、非農家はじめ、移住されてきた方々などにも農ある暮らしの浸透を図り、農業に関わる人を増加させ、市民一体で安曇野の田園風景を維持してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) ぜひ、県、市で連携、それから農協さんとも連携をしていただき、先ほど御紹介いただきましたマッチングアプリなども、やはり市民の方で農ある暮らしを望む方も多いと思いますので、広く周知されることを期待したいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、最後の質問、小中学校におけるGIGAスクール構想の進捗についてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症の第6波は、長野県内でも深刻な状況でまん延防止等重点措置が延長され、3月6日までとなっております。第5波までと違って、学校などでの若い世代の感染拡大も多く報告されている中ではありますが、「学びの深化と学びの転換」という国のGIGAスクール構想に基づき、小中学校に電子黒板と1人1台のタブレット端末が導入されて約1年となります。進捗状況や課題についてお伺いいたします。 GIGAスクール構想に対し、市内の小中学校における状況はどうでしょうか。どのように使用され、期待される成果は出ているのか、また、課題はどうでしょうか。学級閉鎖や休校に対応するべくオンライン授業の準備なども期待をされていましたが、状況はいかがでしょうか。 なお、昨日の一般質問の御答弁では、オンライン授業が実施されたケースは少ないということでしたが、使用状況をもう少し詳しく伺えればと思います。教育部長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答え申し上げます。 市教育委員会では、昨年8月に安曇野市立小中学校ICT活用計画を策定し、ICT教育を推進してまいりました。ICT機器を積極的に活用した授業づくりについては、学校に導入されたICT機器が有効かつ効果的に活用されるために、校内の推進体制の整備や教職員の研究機会の確保等が必須と考えておりました。 このことから、市教委のICT支援員が市内小中学校を定期的に回り、授業に参加しながらのICT活用の支援や、学校におけるICT活用事例の共有化などの取組を進めてまいりました。また、専門的知識を持った講師によるICT研修会を昨年の夏休み期間中に市内全ての小中学校で実施をいたしまして、教職員309人からの御参加をいただいたところでございます。 学校での1人1台端末の使用状況につきましては、小学校1年生から3年生は1日1回以上の活用を推奨し、小学4年から6年及び中学校全学年につきましては、1日1回以上の活用を本年度の到達目標として取組を進めてまいりました。 このことに対する評価ということでございますが、子供や保護者にアンケートを取らさせていただいておりますけれども、保護者からは、子供たちがより意欲的に学習に取り組む姿勢が増えてきているということ、また、これまで発信することが苦手だった子供の意見も全体と簡単に共有できることで、子供たちがお互いの意見に触れる機会が増えたという肯定的な報告を多数頂戴しております。 さて、課題でございますけれども、2点あるように感じております。 1点目は、児童生徒のICT活用能力にできるだけ差が生じないようにすること、2点目、関連いたしますが、教職員間のICT活用スキルに差が生じないことだというふうに捉えておりまして、これにはさらなる取組が必要だと考えているところでございます。 それから、学級閉鎖に対応するオンライン授業の準備でございますが、小学校8校、中学校7校で試行的に、1人1台端末を家庭に持ち帰っていただいております。また、端末を家庭に持ち帰った際には、オンライン授業、アプリ、オンライン授業アプリ等を使った双方向での接続の確認、またドリル学習ソフトなどで家庭学習を行っていただきます。 また、オンライン学活というものがございますが、これにつきましては、2学期から試行的に、小学校で7校、中学校6校で実施をいただいております。また、授業のオンライン配信につきましては、3学期の感染拡大時において、これを踏まえまして、小学校5校、中学校5校で実施をしていただいております。 また、コロナ禍や様々な事情により登校できない子供たちがおりますけれども、積極的にオンラインを活用した学習活動を行ってまいりたいというように考えております。 以上です。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) ただいま伺いましたように、この1年で1人1台の端末が配られたことで、本当に学習環境が大きく変わったということがよく様子が分かりました。おおむね活用はスムーズに行っているかと感じました。大変、先生方、それから教育委員会の皆様の御尽力に感謝いたします。 インターネット利用については、広範囲の多様な情報収集が行えるといった利点もありますが、メディア利用が長時間化することでの健康被害、LINEやSNSを経由したトラブルなどの懸念もあります。インターネットは既に社会インフラですので、使わないではなくて、気をつけるポイントをきちんと理解した上で適切に利用することを、子供のうちから身につけることが大切です。 2018年のOECD生徒の学習到達度調査、ICT活用調査によりますと、日本の子供たちは他国の子供たちに比べて学校や家庭学習でのコンピューターの使用頻度が極めて低い一方で、ネット上でのチャット、一人用のゲーム、インターネットでニュースを読むなどのことにコンピューターを使用するのは、OECD平均を上回るという結果でした。 コンピューターの使用時間を学習に振り向けていくことが大事ではないかと考えますが、児童生徒の端末利用ルールはどうしているのでしょうか。また、子供が巻き込まれた痛ましい事件等の報道が多くなっているように思いますが、こうした事案を市内で絶対に発生させないために、市や教育委員会はどのように対策をしているのでしょうか。教育部長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えをいたします。 先ほど申し上げました安曇野市立小中学校ICT活用計画におきましては、情報モラル教育の内容を大きく2つ示しております。 一つは、情報社会における正しい判断や望ましい態度を育てること、つまり心を磨く領域として、自分を律し、適切に行動できる正しい判断力と、相手を思いやる心、ネットワークをよりよくしようとする公共心を育てていくことでございます。 もう一つは、情報社会で安全に生活するための、危険回避の理解やセキュリティーの知識・技能、そして健康への意識ということであります。特にこの健康への意識につきましては、ネット依存など、健全な生活を維持することへの悪影響がないよう、適切な指導をしていく必要があるというように考えております。 また、インターネットに関わる子供が巻き込まれる痛ましい事件が起こっております。今申し上げました活用計画における情報モラル教育の推進や端末使用に関するルールの周知などについて、より一層取り組んでまいりたいと考えております。 各学校では、本年度に外部の講師を招いた全校を対象としたネットモラル教育の実施であるとか、先生方が各クラスで端末使用に関するルールの指導を行うなど、取組を行っているところでございます。 以上です。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) ICT活用計画ということで御紹介をいただきました。 この大きく2つということですけれども、情報モラル教育、これは、そうですね、モラル教育、そして公共心を育てるということは、我々大人でもなかなか難しいことではあると感じます。 そして、また、子供たちにとって健康への意識をきちんと向けること、それからトラブル、ネットでのトラブル、いじめなどの危険回避ということを、これはぜひとも保護者の立場からしても力を入れていただきたいと思います。 何か具体的に、もしあればですが、再質問させていただきますが、学校あるいは家庭を巻き込んだ取組というか、そういったことはお考えでしょうか。実施されているでしょうか。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えいたします。 具体的な事例も二、三、私のほうにいただいております。やはり相手が嫌と思うようなことを書き込まれたとか、勝手に画像を撮られたというようなこともありまして、いろいろ現場では試行錯誤している段階です。やはり今、申し上げたとおり、家庭も含めて、こういったことにしっかり向き合っていただく必要があるというように考えております。 以上です。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) ぜひ、お願いしたいところです。 それでは、最後ですけれども、家庭や地域も巻き込んで現在の子供の教育を取り巻く環境を広く市民が理解をし、子供たちをみんなで育むため、どのような取組が求められるでしょうか。教育長の御見解をお伺いいたします。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也)
小林陽子議員にお答えいたします。 今回、御質問をいただきましたGIGAスクール構想に基づくICT環境の整備と活用、またオンライン授業等は今後ますます重要になってくると思われますので、しっかりと取り組んでまいります。 一方で、長引くコロナ禍の状況下では、学校が休業になったり活動制限が生じたりして子供が家で過ごす時間が増えています。これによりネットやゲームへの依存傾向が強まっているとか、あるいは健康面での不安が増しているというようにも言われております。また、そのような子供たちの姿は外からはなかなか見えにくくなっているのが現状でございます。 そこで、新たにスタートさせる予定でございます学校運営協議会、そして地域学校共同活動による安曇野市のコミュニティースクールを大いに活用しまして、先ほど述べましたような学校や子供の課題を地域の皆さん方とともに共有して、解決策を探っていくというようなところを大いにこれから進めてまいりたいと思っております。 また、メディア利用等のルールに関しましては、これまでの中学生議会で、中学生が自らSNSであるとかネットに関わる問題をもっと自分たちの問題として考えていきたいとか、危険性と利点の2つをもっと身近に考えていきたいというような提言が寄せられております。 これに関して動き出したいと思っておりましたが、コロナ禍で進められなかったわけですけれども、今後はこうした子供たち自身が自ら考えたいという意欲を大いに後押ししていきたいなと思っております。 以上のように、当事者である子供たちの意識や判断力をしっかりと高めながら、議員がおっしゃるように、学校・家庭・地域、これが共に理解と協力をしながら連携を強めて、未来を切り開くたくましい安曇野の子供にぜひつなげていきたいと、このように思っているところでございます。 以上です。
○議長(平林明) 小林議員。
◆9番(小林陽子) 教育長の御見解、そして思いを伺いました。 私も子供を育てる保護者の一人として、このように激変しているその教育環境というものを、学校と家庭だけではなくて、ぜひ地域の方々にも知っていただいて、入っていただいて、一緒に考えたり活動に取り組んでいただければ、本当に地域で子供を育ててもらえているという気持ちでやっていけると思いますので、大変ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。 以上で、私の一般質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
○議長(平林明) ここで、暫時休憩いたします。 再開時間は午前11時30分からといたします。 (午前11時15分)
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○議長(平林明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 (午前11時30分)
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△中村芳朗
○議長(平林明) これからは、2番、
中村芳朗議員。持ち時間は20分以内といたします。 中村議員。 (2番 中村芳朗 登壇)
◆2番(中村芳朗) 2番、中村芳朗です。 通告書に基づき、2問の一般質問をいたします。 1問目は、実施計画経営方針、令和4年度取り組む重点事業の実施計画書策定方針における重点施策・重点事業の中にあります「その他の解決課題のために」で示されています、スポーツ活動の充実について質問いたします。 昨年の東京オリンピック、先月行われた北京冬季オリンピックでは、日本人の活躍が目立ち、全国の人々を大いに喜ばせ、見る人には感動を与えてくれました。また、競技熱も高まり、子供たちに自分たちもやってみたいと思う夢を与えてくれました。改めて、スポーツの持つ力の強さを感じさせていただきました。 それでは、実施計画についてお伺いします。 項目の事業概要で、スポーツ活動を推進し、競技力向上、スポーツを支える指導者人材を確保しますとありますが、具体的な内容、方針をお伺いします。 また、令和4年度新たに実施・改善を加える事項(重点事項)にあります安曇野ジュニアスポーツ選手育成事業の具体的な実施方法や、どのような競技種目をお考えか、お伺いします。あわせて、期待される成果・効果で掲げてあります長期的な計画に基づき、2028年信州やまなみ国民スポーツ大会、以下、国体と省略します、に向けて、選手育成強化を図ります。そして、2022年受講者は成年種別での国体出場を目指し、2023年の中学1年生受講者からは、少年種別での国体出場を目指しますとありますが、その内容を教育部長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答え申し上げます。 スポーツ活動を継続、推進していくためには、指導者の人材育成は最も重要なことの一つであると捉えております。しかしながら、指導者の高齢化、あるいは、成り手不足等の課題も出てきております。そういった中で、市では安曇野市スポーツ協会と共催で、スポーツ指導者はもちろん、一般の方も対象としたスポーツ指導者講習会を毎年開催してきております。 今年度は
新型コロナ感染症対策のためにやむなく中止といたしましたが、昨年度の例を申し上げますと、バトミントン競技のオリンピックメダリスト、奥原希望さんの母親であります奥原秀子さんを講師にお迎えをいたしまして、「夢をかなえるために、奥原希望の姿から」と題し、オリンピック選手を育てた親の目線からのお話をいただき、31名の方に受講をいただきました。また、過去には、子供のやる気を引き出す言葉がけであるとか、指導者に求められるコミュニケーションスキルなど、実技以外にも様々な角度から講演をしていただき、指導者の育成を図ってきております。 この講習会の主な開催目的は、指導者の確保と育成であります。指導技術の向上やコミュニケーションのスキルアップ、他の機関との連携を図るなど、スポーツ指導者講習会の内容は今後さらに充実をさせ、指導者の資質向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、安曇野ジュニアスポーツ選手育成事業でございますが、2028年には長野国民スポーツ大会が開催をされ、安曇野市のANCアリーナではバレーボール6人制少年女子競技が開かれます。これに併せ、バレーボール競技への選手の輩出を目標に据えた事業でございます。バレーボールの実技教室の中で、NPO法人ブレイボ・エヌ・プラスに所属される安曇野市出身の元Vリーガーであります浅野博亮さんをはじめとした国内トップレベルの選手から、正しいスパイクフォームであるとか、サーブレシーブの入り方など技術指導を受け、個々のレベルアップを図っていただいております。 さらに、安曇野新総合体育館、ANCアリーナが完成をいたしまして、この5日、6日には、バレーボールの男子のトップリーグの試合が、竣工記念イベントの一環として開催されます。今後はトップレベルの試合の開催も予想されますので、一流選手のスポーツを見るという観点からも、選手育成に努めていければというように考えております。 以上でございます。
○議長(平林明) 中村議員。
◆2番(中村芳朗) 分かりました。 ちょっと次の質問の関係とダブるところがあるかと思いますが、スケジュールにあります安曇野ジュニアスポーツ選手育成事業で、先ほど教育部長のお話ありましたように、国内トッププレイヤー、トレーナー等が所属するブレイボ・エヌ・プラスによる市内中学生を対象としたスポーツ選手育成教室を実施するようになっています。このブレイボ・エヌ・プラスは、長野県を主体にバレーボールの活性化、育成を目的に、安曇野市出身でVリーグでプレーした浅野博亮選手などが設立した組織で、その教室の内容をお伺いしたいと思います。 また、市として、先ほどもありましたが、安曇野市でバレーボールの競技が国体で行われるということであります。バレーボールを国体の重点種目として市として考えているのか。また、国体には競技種目がたくさんあります。他の団体種目や個人種目のサポートなど、教育委員会として今後の支援、方針、また考え方を、教育部長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えが少し前後するかもしれませんが、御容赦をいただければと思います。 安曇野ジュニアスポーツ選手育成事業は、2028年、当市で行われます、いわゆる国スポ、少年女子バレーボール競技の選手輩出を目指して、今年度から取り組み始めた事業でございます。事業内容でございますが、中学生を対象に、トッププレイヤーによるバレーボール選手育成教室という形で開催をいたしまして、選手としての専門性を学ぶことをした事業内容となっております。 今年度52人の中学生が参加をしてくれまして、実技教室を8回開催しております。先ほど申し上げました元Vリーガーの浅野博亮さんから、世界レベルの高い技術を学んでくれております。新年度、来年度も実技教室を8回は開催する予定でございます。今年度の実績を踏まえ、さらなる個人技能のスキルアップを強化していきたいと考えております。また、練習試合を通して、戦略、戦術面からの指導も受けながら、チーム力の強化も併せて行ってまいりたいというように考えております。 新年度の受講者は、成年種別での国民スポーツ大会出場を、また、令和5年度の中学1年生の受講者からは、少年種別での出場を期待しているところでございます。 そのほかの国体競技種目のサポートにつきましては、長野県の競技力向上対策事業として、選手の発掘、育成、強化、確保などの事業がございます。また、国スポに向けた競技力向上と競技人口拡大のため、競技団体と地域をつなぐ活動拠点を構築することを目的とした、地域におけるスポーツ活動拠点構築事業という事業もございますので、これらとも連携しながらサポートができればというように考えております。市といたしましても、国民スポーツ大会のバレーボール競技の会場に選ばれた経緯もございますので、せっかくの機会でありますので、競技者の底辺拡大と競技参加へのきっかけづくりを進め、選手の排出に結びつけばというように期待をしているところでございます。 以上です。
○議長(平林明) 中村議員。
◆2番(中村芳朗) 分かりました。専門的な技術をこの安曇野市で行う少年女子バレーボールに向けて、市内から選手が出場する、これは非常に市民としても大変喜ばしいことだと、活躍してくれることを祈っております。他の種目につきましても、引き続き県の組織等を活用いたしまして、支援、サポートをお願いいたします。 それでは、2問目は、平成27年6月に策定の、安曇野市公式スポーツ施設整備計画の進捗状況等について質問いたします。前置きが長くなりますが、私や私を支援していただいた方々の熱い思いがあるということで御容赦願います。 市では、平成23年度にスポーツ振興計画を定め、「豊かな人生を実現する健康スポーツ都市安曇野」を将来像として、総合的に施策を推進しています。また、平成30年3月の第2次安曇野市スポーツ推進計画においても、スポーツをすることから生まれる楽しさ、喜びを大事にし、みんなの笑顔や元気を生み出し、健康な暮らしを送りながら、スポーツを通じた様々な交流を促進し、そこで育まれる活力をさらに大きくすることが重要と考え、将来像に「笑顔あふれ、活気みなぎる健康スポーツ都市安曇野」を掲げてあります。 スポーツ施設整備計画では、振興計画における施策の一つである公式スポーツ施設の整備、充実を具体化することを目的に、平成27年6月に市内の拠点スポーツ施設の具体像を再整理し、市域以上の規模の競技者が集まる大会等が可能な施設を公式スポーツ施設と位置づけ、その整備計画を定めています。その整備計画では、市内の既存の施設を検証して、公式スポーツ施設として整備する必要性の高い種目、施設を絞り込みました。その結果、総合体育館の整備、専用野球場の整備、テニスコートの拡充、陸上競技の練習機能の強化、サッカー競技場の機能強化の5項目が見いだされました。 その中で、緊急性、必要性の整理と優先度では、新規の施設整備を優先するのは、体育館と野球場ですと、整備計画では明記されています。総合体育館は昨年完成しました。テニスコートは南部総合公園に10面あり、国体基準の12面への整備は可能としています。陸上競技練習機能は、陸上競技専用施設は市内にないが、公認施設は管理負担が大きいため整備せず、練習機能強化を重視し、公式スポーツ施設の拠点化整備の中で、一部をランニングコース等練習エリア化する措置で対応する方向で計画する。サッカー場機能強化は、国体1会場基準の競技フィールドを有する牧運動場にて強化を図るとしています。 そこで、今回は野球場と陸上競技練習施設の整備について質問いたします。 最初に、野球場整備についてお伺いします。 市内の球技スポーツの中でも、野球や類似するソフトボールを行う人口は、少年から大人、シニア世代まで、他の球技に比べて圧倒的に多くの市民が楽しんでいます。しかし、スポーツの多様化、生活スタイルの変化に伴い、青少年の野球人口は年々減ってきています。野球人口の増加を目指して、長野県下では青少年世代支援、競技人口拡大へ向けて、今年の4月を目指し、史上初の全県組織、「長野県野球協会」が設立に向けて準備が進められています。この組織は、2016年に設立された県青少年野球協議会を発展的に解消して立ち上げるものです。加盟団体は県内の軟式野球連盟、高野連、リトル・シニアリーグ、少年野球連盟、高校女子野球部、高校野球OB・OG連盟、遊ボール松本、BCリーグ信濃など、プロ、アマの垣根を越えた14団体が予定されています。 この協会は、信州の野球人が一丸となり野球を盛り上げていく組織で、今後、野球の普及や講習会、交流試合など様々なイベントを行っていく計画になっています。そのイベント等を安曇野市で行うにも、野球場が必要と思います。また、市内では、リトル・シニアリーグ、中学校野球部、高校野球部などの代表指導者が、「安曇野市青少年野球協議会」を発足させて、チームやカテゴリーの枠を越えて、底辺拡大と継続を目指して講習会等を行っています。市内の青少年野球チームも、野球人口が減り単独では組めなく、連合チームで大会に臨んでいますし、市内にある4高校でも単独チームが組めなく、昨年の秋季大会では連合チームで参加している状況です。 ただ、野球界全体を見ますと、昨年の東京オリンピックでは、正式種目として初めての金メダルを獲得、アメリカ大リーグでは、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が投手と野手の二刀流で大活躍し、リーグ最優秀選手MVPを獲得して日本中を沸かせたことは、私としても大変うれしく、記憶に新しいところです。また、長野県中野市出身で、松本第一高校卒業の横浜DeNAベイスターズの牧秀悟選手は、セ・リーグの新人特別賞を受賞し、長野県民を喜ばせてくれました。昨年12月には、松本市野球場で牧選手の野球教室が開催され、多くの子供たちが学ぶことができました。安曇野市からもぜひこのような選手が現れることを望んでいます。 松本市では女子野球タウンに認定され、女子チームの設立支援が行われ、各種女子野球イベントが、新しく改修された松本四賀球場を中心に行われています。中心地区の市町村では、塩尻市、松本市、大町市、松川村には野球場がありますが、残念ながら安曇野市はありません。少しでも多くの青少年が野球に興味を持っていただき、夢を与える、また、野球場で試合ができる、高校野球の予選が行われる、身近で見ることができる野球場の建設が必要です。 そこで、安曇野市公式スポーツ施設整備計画で、2021年に総合体育館と同時期に整備するとされている野球場の建設について、現在までの進捗状況及び検討内容について教育部長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えを申し上げます。 安曇野市公式スポーツ施設整備計画、以下、整備計画と略させていただきますけれども、この計画は、スポーツ振興計画における施策の一つである公共スポーツ施設の整備、充実をより具体的に推進するため、市内だけでなく、市外や県外からの利用を想定し、規模の大きな大会にも利用が可能となる施設の整備を重点に、計画が取りまとめられております。 整備計画の中では、野球場は総合体育館と同時期の建設計画が示されておりまして、これは議員おっしゃるとおりでございます。しかしながら、この計画の実現のためには、財源の確保、用地の確保が重要課題となります。計画の中ではありますけれども、当時の積算で、用地費を除き12億円から15億円の事業規模が見積もられています。整備計画では、15年程度の長期間を見据えて、段階的に進めていくともされております。 令和4年度、来年度には、整備計画の基礎となります平成30年3月に作成をいたしました第2次安曇野市スポーツ推進計画の見直しを行う予定でございます。この基となる計画の見直しにおいて、具体的な施設整備の在り方などにつきましても、市のスポーツ推進審議会の委員の皆様から専門的な御意見をお伺いし、整備計画の改定の必要性などについても検討してまいりたいというように考えます。 以上でございます。
○議長(平林明) 中村議員。
◆2番(中村芳朗) 一応、教育部のほうにおいても内容は把握しているということで伺いましたが、しかし、整備計画をつくった時点でそのことをやるということになっていますが、先ほど進捗状況と検討内容が、ちょっと私には今、答えの中にないような気がしましたので、再度お願いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) まず、野球場の整備についてでございますけれども、議員も御承知と思いますが、高家スポーツ広場を整備したり、あるいは、県民豊科運動広場を大きく改修をしてきてございます。野球場につきましては、それなりの投資をしてきたというように考えております。経過につきましては、御承知のこととは思いますけれども、総合体育館のほうに力が置かれたということもございまして、具体的な野球場の新規建設については検討が行われてきていないというのが実情でございます。 以上です。
○議長(平林明) 中村議員。
◆2番(中村芳朗) 分かりました。 それでは、先ほど部長のほうから、費用の問題等によって遅れているというお話がありました。それでは、野球場建設の中で、県営の野球場の誘致も視野に入れて検討していただけないでしょうか。長野県下には、北信地域に長野運動公園内に県営野球場が、東信地区には県営上田野球場が、南信地区には飯田県営運動場内に県営飯田野球場と、スタンドがある野球場があります。しかし、中信地区には県営の野球場が現在ありません。 そこで、県営の野球場を安曇野市に造ることを県に要望していくことはできないでしょうか。市長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 太田市長。 (市長 太田 寛 登壇)
◎市長(太田寛) 県営野球場の誘致について答弁を申し上げます。 県営野球場の誘致については、平成20年当時に明科地域の押野山、このスポーツ公園構想の一部として県へ働きかけを行った経過があるということでございまして、ただ、その場合は、接続道路等の問題で立ち消えになったというふうに伺っております。先ほど教育部長からも答弁ございましたが、野球場ということでなく、あくまでもグラウンドということでございますが、平成25年3月に3億円余りを投じまして、豊科運動広場の拡張を終えて、野球グラウンド2面を取るようにできました。それから、平成26年には5億円を投じまして、新たに高家スポーツ広場を整備しまして、多目的グラウンド東側は少年野球2面の利用が可能であるというところまでの状況でございました。 御質問の県営球場でございますけれども、担当しております県の教育委員会スポーツ課に直接尋ねました。その結果だけ申し上げますと、新たな野球場の整備計画はないという返答でございまして、誘致ということでいいますと、非常に困難であるというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(平林明) 中村議員。
◆2番(中村芳朗) 分かりました。県の中で県営球場の整備計画はないと、ただ、私としてはどうしても、ほかの地域にあるのに、中信地区だけないというのは非常に不公平感を感じますので、ぜひ今後も粘り強く県のほうに働きかけをお願いしたいと思います。 次に、陸上競技練習施設の整備についてお伺いします。 スポーツの花と言われる陸上競技で、競技に必要な陸上競技場、全天候、タータン等は、中信地区4市では大町市に市営施設、松本市には県営施設、塩尻市には松本歯科大の施設がありますが、安曇野市だけありません。また、陸上専用の練習施設もありません。 長野県市町村対抗駅伝や長野県縦断駅伝に参加している安曇野市駅伝部は、松本市岡田のウォーターフィールドと市の南部総合公園の周辺で練習を行っています。市内小中学生を対象とした「安曇野かけっこクラブ」の練習は、毎週日曜日、豊科北中学校の土のグラウンドで、記録会などは松本平広域公園、信州スカイパークの陸上競技場や補助競技場で行っているのが現状です。このかけっこクラブの練習で育った子供たちの中には、市内の中学校、例としましては豊科北中学校や三郷中学校などで、全日本中学校陸上競技選手権大会に出場しています。また、今年度は堀金中学校男子駅伝チームが、県中学校駅伝大会で準優勝、北信越中学駅伝で4位に入賞するなど、活躍が目立っています。成果が現れてきていると思います。市内出身者が全国大会や国体、さらには、オリンピックで活躍するのを夢見ています。 それには、陸上競技専用の練習場が欠かせないと思います。また、市のスポーツ大使の有森裕子さんによる指導やスポーツ教室などにも利用できる施設が必要です。 整備計画の陸上競技練習施設の整備趣旨、基本的な考え方の中で、陸上競技に関する公認水準の施設は、市外の競技施設に依存している。競技人口、世代の偏りも考慮すると、維持管理負担の大きな公認競技場の施設は困難であるが、陸上競技の練習機能を強化できる施設の整備を本計画に位置づけ、拠点整備の施設の外周等を生かし、ランニング、ジョギング等の専用コースと、直線コースで延長100メートルの4レーン程度、周回コースで1周400メートルコースの2レーン程度を有するトラック競技練習コースの整備を掲げてあります。練習場は、陸上競技を行う者にとって特に必要で重要な施設であり、競技力向上に欠かせない施設であります。 また、ランニング、ジョギングコースは、市民の健康増進や安曇野ハーフマラソンの練習にも役立ちます。早急な整備が必要と考えますが、進捗状況等を教育部長にお伺いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えをいたします。 整備計画では、陸上競技施設については公認施設、公認水準の維持という点で管理負担が非常に大きいため、これを整備せず、代わりに市内2か所程度のスポーツ振興の拠点を形成し、そのいずれかの拠点において、将来的な拡張に併せて整備を進め、陸上練習機能を強化するというようなことが記載がされております。 そこで、長野県では、令和10年の第82回国民スポーツ大会、第27回全国障害者スポーツ大会の開会式、閉会式や陸上競技の会場となる予定の現在の松本平広域公園陸上競技場が、現行の第1種公認競技場の仕様を満たしているため、約88億円を投じて建て替える予定があり、令和7年度には完成し、8年度から供用開始がされるというようにお聞きをしております。 県のホームページにおきましても、基本設計のコンセプトの一つに、1年を通じて誰もが使える運動と活動の拠点とされており、本市としましても有効な活用方法を検討ができればというように考えております。 以上でございます。
○議長(平林明) 中村議員。
◆2番(中村芳朗) 分かりましたが、本格的な競技場は、当初の計画でも市内に造らないという形でなっております。ただ、練習機能、先ほど言った拠点施設の中にということになりますと、費用もそんなに大きくかからない、ただし、やる場所がないということは、非常に陸上をやる者にとっては重要な問題だと思います。それにつきましてもぜひ御検討をいただいて、早めに整備できるようにお願いしたいと思います。 安曇野市は町村が対等合併して新たに誕生した市で、中信地区のほかの市とは、単純に施設等比較できない事情もありますけれども、市民からの要望が多く、また、先ほどありましたけれども、この公式スポーツ施設整備計画にも掲げてありますので、掲げてあるからにはやるということで、私はこの計画だけではなくて、ほかの部署の計画についてもやるものだと思っております。その中で、また、今日頂きました実施計画の中にも、その検討とかそういうものも載っていません。そういうものをぜひ実施計画の中に入れていただいて、実施計画が実のあるものにぜひしていただきたいと思います。 また、4月からは組織改編によって、教育部から商工観光スポーツ部に所管換えとなりますけれども、引継ぎをしっかり行っていただいて、事業が遅れないようにお願いをしたいと思います。 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(平林明) ここで、昼食のため暫時休憩いたします。 再開時間は午後1時10分からといたします。 (午後零時02分)
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○議長(平林明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 (午後1時10分)
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△矢澤毅彦
○議長(平林明) これからは、1番、
矢澤毅彦議員。持ち時間は20分以内といたします。 矢澤議員。 (1番 矢澤毅彦 登壇)
◆1番(矢澤毅彦) 1番、矢澤毅彦です。 通告書に従いまして、まず地域おこし協力隊についてのテーマから一般質問を始めさせていただきます。 地域おこし協力隊について、安曇野市内におきましては、現在3名の方が活動していると認識しておりますが、安曇野市における地域おこし協力隊のこれまでの採用実績や現状を教えていただけますでしょうか。
○議長(平林明) 高嶋政策部長。
◎政策部長(高嶋雅俊) 安曇野市の地域おこし協力隊採用実績をお話させていただきます。 安曇野市では、平成28年9月からこの制度を活用しております。今までに採用した地域おこし協力隊は8名で、そのうち2名は残念ながら途中退任となっております。 8人の内訳ですが、28年に1人、平成30年に4人、令和元年度から令和3年度にかけて各1人ずつということになっております。 活動内容ですけれども、移住・定住の促進、地域資源の発掘及び振興、農家民宿の推進、地域コミュニティーの形成、観光素材のブランディング、信州型自然保育のブランディングとなっております。 任用期限が満了した隊員は3名おりますけれども、現在は市の職員として勤務しています。なお、令和4年度にも隊員1人の採用を予定をしているところです。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) ありがとうございます。 今お話にあったとおり、年度明けの4月より、天蚕事業について新しく隊員を招くことになっております。 ここで、地域おこし協力隊の概略について説明をいたします。過疎化、高齢化をはじめとした様々な問題に直面する地方の自治体が都市圏の住民を受け入れ、地域おこし協力隊として委嘱し、地域おこし活動の支援や農林業の応援、住民支援などの地域協力活動に従事してもらい、その協力隊の報償や活動費のうち一定額について、国から特別交付税による措置がなされる制度です。地域おこし協力隊の活動そのものによる地域の活性化と併せて、隊員が最終的に地域に定着・定住することによる地域の活性化も制度の目的であり、隊員としての任期は、おおむね1年から3年となっています。 令和2年度では、約5,500名の隊員が全国で活動しており、県内においては令和3年4月1日時点で、71市町村334名の隊員が活動中です。近隣ですと大町市が5名、生坂村7名、筑北村6名、池田町4名、松川村11名、松本市はゼロ名といった採用受入れ人数となっております。自治体によって課せられるミッションや環境によって人数が異なる様々なケースがあるということが見てとれます。 これまでにない考えや手法、人脈、経験を発揮し活動いただくことで、地域に刺激を与える点、課せられたミッションに特化した活動をすることで専門性を発揮、また取得、会得し、その産業に新しい風が入る点、地縁、血縁もない新しい住民が地域に移住、その後の定住や交流といったことで地域経済や自治体に寄与する点、これらが協力隊導入のメリットとしてよく言われております。 さて、地方創生、地域や中心市街地の活性化という言葉が叫ばれて久しい昨今です。この地域活性化といっても、非常に幅広いものであります。今回は、生活、働く場所、経済活動といういろんな面で、市や住民と関わりの強い商店など商業の活性化について少しフォーカスし、話を進めたいと思います。 私の生まれ育ちでもある豊科の町なかを例に挙げますが、新規の出店はたまにあるものの、近年、多くのお店が閉店されていくのが目につきます。あづみ野まつり、豊科のあめ市、その隆盛や町が栄えていた当時を懐かしむ声も市民の皆さんからお聞きいたしますが、やはり市民の生活を支えている商店や企業の存在が大きいと感じるところです。 そもそも、地域活性化には、そこで生活している市民、企業や商店といった民間、そして行政、それぞれの協力と理解が必要であります。これまでになかった知識や知恵、実績などを持つ人、しがらみのない人という新しい人材を隊員が担えば、一つ先へ、一歩先へという一種のカンフル剤になる可能性は大いにあります。そういった部分からも、様々な経験を積まれた方や地方で働きたいと意欲を持っている方など、地域おこし協力隊が地域や市街地の活性化に関わるメリットは、少なからずあると思います。 地域活性化の根幹をなす地域の商業をにぎわすことや地域経済の活性化に特化した内容で、今後、安曇野市において制度を活用していくことは考えられますでしょうか。商工観光部長にお聞きいたします。
○議長(平林明) 久田商工観光部長。
◎商工観光部長(久田裕治) それでは、お答えいたします。 商店街の抱える課題といたしましては、議員御指摘のとおり、後継者不足や大型点との競合、活性化の中心となる担い手がいないといった問題と合わせまして、5町村が合併した本市にとっては市街地が分散しており、他市のように市として核となる商店街が形成されていないといった課題があると認識しております。 本市におけるこれまでの商店街活性化の取組といたしましては、合併時に発足した安曇野ブランド創出プロジェクトの一つとして、豊科地区、穂高地区での既存商店街活性化プロジェクトの活動や、平成26年度には長野県安曇野建設事務所が豊科商店街の皆さんと市民の皆さんと商店街活性化に向けたワークショップを開催し、まち歩きマップなどを作成しております。また、平成28年度から明科駅周辺まちづくり委員会の皆さんによる空き家空き店舗見学会などの取組もございます。 各商店街の様子も、合併当時とは変わってきておりますので、議員御提案の地域おこし協力隊員の導入につきましては、改めまして地元商店街が抱える課題やニーズなどを把握した上で、これらの解決に向けて取り組む隊員のミッションとが合致しているかを考慮し、一つの方法として研究してまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) 分かりました。先ほど申し上げたとおり、様々メリットはあると思います。もちろんデメリットもあるとは思いますし、経済活動の多くは行政の手から離れ、民間の働きによって起こることがほとんどです。現在のような経済状況の中では、行政のほうでも少し手助けを行う環境づくりも必要だと考えます。 次に、拠点について伺います。 成功とされる類いや、少なからず活性化がかなっている事例では、市役所や役場の中に拠点があるのではなく、形態は様々ではありますが、町なかに拠点がある形が目につきます。これは箱物を新たに造るのではなく、駅前や多くの人が来やすい・寄りやすいといったエリアの既存の施設や、閉業した商店、旅館などを利用している例が多く見られ、ゲストハウス、様々な情報提供の場、飲食の提供などのスペースを兼ねている、併設しているところが多く見受けられます。廃校のような大きな施設であれば、工芸家や美術家といった方の制作拠点、住居としても提供している事例もあり、その地域への移住、文化・芸術に寄与している事例もございます。 一つの事例を紹介いたします。下諏訪町に「mee mee center Sumeba」という施設があります。諏訪大社下社秋宮のお膝元の町なかでありますので、安曇野市とはハード的な条件で異なりますが、元商店の内部をリフォームし、移住定住をミッションとした複数の地域おこし協力隊員の拠点として、その運営に入り、下諏訪町に遊びに来た人や住んでみたい方と生活している地元の方をつなぐところとして、移住、観光、空き家物件などの情報、それらの相談まで、地域の人に聞きたいことを聞くことができる交流スペースになっているそうです。 空き店舗、空き家建物をリノベーションして、また新たな別の商業施設等へ生まれ変わらせることは、既に多くの取組が行われております。地域おこしの拠点、商売を伴った拠点施設などをつくるということは、市が取り組んでいる空き家対策にも通じる話です。内容を多々詰めなくてはならない部分はあると思いますが、市が町の中にその交流拠点を形成する、または協力隊員やそのようなことを希望する人や団体が手を挙げた際に、その支援というのは可能でしょうか。市民生活部長にお聞きいたします。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 空き家や空き店舗をコワーキングスペースや地域交流拠点として利活用することは、課題の解消と地域の活性化に有益です。安曇野市内においても、明科の龍門渕てらすなど、民間による好事例が出てきております。来年度、移住定住推進課を設置するわけですが、移住と併せた空き家対策、特に空き家の利活用について取組の強化を図ってまいります。 お尋ねの支援ですが、国の空き家対策総合支援事業を活用するなどし、個人や法人を問わず、交流を主とする施設整備等に御利用いただける補助金の充実を検討しています。また、活躍の舞台を地域に置き、移住定住や創業支援を主なミッションとする地域おこし協力隊員の採用についても検討をしております。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) 分かりました。ありがとうございます。 最近では、役場の機能や部署が、住民がよく立ち寄れる市役所外の場所にあるものも目につきます。それも一つのにぎわいの創出につながると思いますし、そもそも、どういった町の形を目指すのか、関わり具合はどれほどのものにするのか、それらも考えるべき重要事項と思います。 理想論ではありますが、まちづくりや経済活動においては、一時的なにぎわいではなく、継続的なにぎわいをつくることが必要です。様々な問題に直面している地方が多くありますので、今後もジャンルを問わず意欲や専門知識をお持ちの方、その学業を修めた方など人材の取り合いも一部予想されております。募集にしても応募にしても、人材と自治体の御縁、タイミングが合わなければマッチングもしないわけですが、そのまちの魅力、情報、課題、ミッション、支援体制、そのような部分でも、選ばれる自治体として情報の発信、策定、PRの充実も必要と考えます。 先ほど述べたとおり、隊員の任期、最長3年間の就業の契約が可能でございます。新規の3年だけの事業で何か成果が残せるものは少ないと、全国事例でも報告がございます。本人の意思でもありますが、地方移住というそれなりのリスクを伴った行動をするわけですから、受入れ側もそれ相応の対応を必要とされていますし、また、最終的には地域に根差してもらう、定住・定着をという部分もありますので、その3年間、隊員卒業後を含めた動きや生活についてのロードマップや支援も必要です。単なる役場の一職員ではなく、そのミッションにしっかりと携わることができるよう、また、ミッションによっては時期をずらしながら段階的に隊員を採用し、そのミッションに対し途切れのない活動が重要だと考えます。 先ほどお話しありましたが、4月から予定されている組織改編では、移住定住促進課も発足する運びとなっております。市外から来られ勤められている職員や地域おこし協力隊員にとっては、その経験やその思いが反映できるよいフィールドではないかなと推考いたします。 そのような様々な状況を勘案した中で、今回のような内容に限らず、地域おこし協力隊の制度自体を今後も市政に取り入れていくことを考えているか、太田市長に伺います。 市長におかれましては、副知事時代にも様々な事例を御覧になってきたかと思います。取り入れていくということであれば、どんなジャンルやミッションで、どのような効果を期待しているのか、そういったことも併せてお答えいただければと思います。
○議長(平林明) 太田市長。 (市長 太田 寛 登壇)
◎市長(太田寛) 地域おこし協力隊に関する質問にお答え申し上げます。 今、矢澤議員の御質問をお聞きしまして、地域おこし協力隊に関する考え方、私とほぼ一緒でございます。質問にもございましたけれども、私も前職のときに県下各地回りまして、各市町村の地域おこし協力隊の方20人くらいの方と、個別にお話をしたことがございます。様々な経験や、その特技といいますか、知識でございますとか技術を生かした取組がなされております。現在、安曇野市においても3名の方、1人が天蚕の振興、あとのお二方が安曇野自然保育のブランディングということでございまして、この3人とも個別にお話をいたしました。3人とも非常にしっかりした考えを持って、その職務に尽力をしていただいておると思っています。そういった意味において、地域おこし協力隊は、安曇野市においてこれからも非常に重要な人材のツールになるというふうに考えております。 質問の中にございました商店街の振興でございますとか空き家対策、こういったものにつきましては、外部からの視点でございますとか、例えば若い人の挑戦的な考え方でございますとか、さらには女性の視点とか様々な視点が必要でございまして、そういう意味でいいますと、現在の市の職員を補う形での地域おこし協力隊の採用というのは、もっと積極的に考えていきたいというふうに思っております。 幸いにして、私どもの地域おこし協力隊、任期満了した方は、そのまま何らかの形で市に残っていただいておりますし、今回3月末で退任となる方も、別の形で安曇野市にとどまって仕事をしていただくということになっているとお聞きしております。こういった意味におきましても、先ほども部長から答弁がございましたけれども、従事してもらう活動、それとその地域の需要、それがマッチングすれば、これからもこの地域おこし協力隊は、例えば4月1日に限らず年度途中での採用も考えていきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) ありがとうございます。私も、ぜひとも市政において有益と判断されれば、制度の積極的な活用を、またぜひとも御検討いただきたいと思います。 次に、安曇野市における有料広告掲載事業による地元経済活性化と自主財源の確保について伺います。 現在、安曇野市では、市広報紙への広告掲載、市ホームページにバナー広告の掲載を実施しています。まずは確認を含め、現在、市で取り組んでいる広告掲載事業について教えていただけますでしょうか。
○議長(平林明) 高嶋政策部長。
◎政策部長(高嶋雅俊) 現在、市では、広報あづみの、市ホームページに民間事業者の広告を掲載し、広告料を自主財源として頂いております。広報あづみのの広告は、ページ最下段に年間48枠を設けており、本年度は年間114万2,000円の収入を予定をしております。市のホームページの広告は、トップページ最下部に1か月12枠、年間で144枠を設けており、年間で170万円の収入を予定しています。いずれも入札による最高価格応札者が年間枠で買い取っていただいていますが、本年度は2社の広告代理店が広告の募集、デザインの作成を行っていただいております。 その他、広告料の収入はございませんけれども、オリジナル婚姻届、窓口封筒、暮らしのガイドブック、子育てガイドブック、庁舎東口のデジタルサイネージ、これについては広告を掲載することにより、当該事業にかかる費用を広告主が負担するという、こういった取組もやっております。広告を掲載した事業者は、広報紙、ホームページでは8割以上が市内の事業者でありまして、事業者のPR効果を高め、地域産業の活性化に一定の役割を果たしていると考えております。 また、ちょっと広告掲載とは趣が違いますけれども、ネーミングライツ・パートナー制度というのも取っておりまして、1月15日にグランドオープンした安曇野市総合体育館については、施設の愛称を命名する権利であるネーミングライツを取得するパートナーを募集をいたしまして、あづみ野テレビ株式会社を選定しました。ネーミングライツ料は、令和4年4月1日から5年3か月で年100万円を頂いているという状況です。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) ありがとうございます。 このコロナ禍においては、様々な経済活動が縮小している状態です。ただでさえ安曇野市の人口は今後減少が予測されているわけで、様々な面で活性化が求められています。そこで、安曇野市として、地元経済活動へのその一助として、また安曇野市の自主財源の確保の一つとして、市所有資産等への有料広告掲載事業を提案いたします。 県内で目を引くのは岡谷市の取組です。岡谷市では、市の様々な資産を広告媒体として活用し、市内企業等を広く周知することにより地域経済の活性化を図るとともに、新たな財源確保の対策の一環としてスタートし、現在では市広報冊子への印刷物、市立図書館の雑誌カバー、ホームページや公共施設における有料広告、チラシ設置コーナーなど、様々なアイデアで取り組んでいるそうです。 特筆すべきは、実際に掲出するものは基本的に広告主が作成する必要があり、例えば広告媒体としての玄関マットは、広告主がクリーニングを要することも定めており、あくまで場所のみを提供している点や、基本的には各課で実施、運用し、その課の収入として扱われている点だと思います。 例えば、公用車への有料広告掲載事業については、募集販売額は一月当たり1枠2,000円で、所有する公用車全38台のうち25台が掲載可能車両として設定され、昨年末時点では21台に14社の広告が掲載されているそうです。仮に1年間、その収入があったとしたら約50万円になり、車両関係であれば修理、修繕や何台もの車検にも使え、それに充てていた分をほかに回したり削減するなどできているのではないかと推察いたします。 安曇野市においても、公用車の一部に広告枠を設定し、掲載事業を行った場合、現行の有料広告掲載事業の拡充ということになろうと思いますが、このような自主財源の一部確保について、市政における影響など、その見解を財政部長にお聞きいたします。
○議長(平林明) 宮澤財政部長。
◎財政部長(宮澤修) お答えいたします。 広告料収入が増えるということでは、特定財源が確保されるということになりますので、一般財源に余剰が生まれてまいります。令和2年度決算では、本市の経常収支比率につきましては88.3%となっております。この数値が高ければ財政の硬直化が進み、また逆に低ければ自由に使える財源が多いということになります。一般財源に余剰が生まれ、かつ、それに対応した義務的支出が伴わなければ、自由に使える財源が増えるということになりますので、経常収支比率は下がり、市の財政的には有益となります。 以上です。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) 分かりました。ありがとうございます。 今回話しているような有料広告掲載事業の拡充を行った場合、岡谷市のように各部署の採算性、運用に任せる形はできるのでしょうか。現行の安曇野市の運用体系と合わせて教えていただきたいと思います。
○議長(平林明) 宮澤財政部長。
◎財政部長(宮澤修) 冒頭にありました広告料収入について一例を挙げますと、秘書広報課が実施をします広報発行事業とインターネット広報事業に対し、特定財源として同課が広告料を徴収し経費を賄っており、担当課自らが財源を確保しております。 そもそも自主財源でございますけれども、市税や財産収入、諸収入など、直接収入となる財源を指しますが、一方、国・県補助金の活用や費用対効果による事業のスリム化の取組などは、自主財源収入増には直結しませんけれども、限りある自主財源の有効活用にはつながってまいります。予算編成の過程では、それぞれの部署において自主財源の確保はもちろん、自主財源の有効活用の視点にも立ち、事業の予算化に取り組んでおります。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) 分かりました。ありがとうございます。 採算、運用の点については、現行そのように安曇野市でも運用されているということですので、ほかの広告を設定しても、同様に対応可能だというふうに今認識しております。どのような市有資産での広告にもメリット、デメリットはありますが、企業にとっては公的な広告媒体に比較的安い価格で、活動される商業圏域、経済圏域で広告を掲出することができ、高い広告効果を得られることと予想しますが、広告については広告主側がその価値を見いだすものです。実際、岡谷市がそうであるように、幾ら枠を設定しても、それが埋まらないこともあると思います。 今回の提案については、極端に言えば莫大な自主財源の確保といった話ではありませんが、各課、各部局の努力や創意工夫の中で、少しでも財源確保の機会を確保し運用することが重要ではないかと考えます。今回提案いたしました有料広告掲載事業を含め、将来的な市の自主財源確保という点に関して、その考えや展望を太田市長に伺います。
○議長(平林明) 太田市長。
◎市長(太田寛) 御質問にお答え申し上げています。 安曇野市では、既に今答弁がありましたように、広告掲載取扱要綱に基づきまして、民間企業などからの広告を市の資産等に有料で掲載しております。具体的な事例は、先ほど政策部長が答弁したとおりでございますが、趣旨としては自主財源の確保、それから、それに伴います地域経済の活性化あるいは市民サービスの向上でございます。 現在やっていない部分、例えば公用車などございます。岡谷市の例がありましたが、長野県でもやっておりました。これについては若干のデメリットもございまして、特定の企業の名前が公用車の横に入るものですから、行き場所によってはちょっと難しいところがあるというようなところもございました。そういったデメリットも把握した上で実現性、こういったものを前向きに検討したいと思っております。 特に、広告掲載の対象を市が指定するばかりではなくて、民間企業のほうから提案してもらうことも考えていきたいという具合に思っております。この広告の掲載を含めまして、自主財源につきましては様々な工夫をしまして取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) ありがとうございます。 安曇野市は、今お話しありましたように、広告掲載取扱要綱と施行基準を策定済みでございます。何かしらの形で拡充または実施となれば、要綱等の再点検や改正、管理体制の整備なども必要でございます。有料とすることで少しでも行政の収入やコスト削減を目指すとともに、民間への広告機会の提供を行い地元経済活動に寄与することは、現代において非常に重要な点と考えますし、ひいては我々一般市民の利益にもつながります。それぞれの利益になるウィン・ウィン・ウィンの関係を築けるのではないかと思います。 基本的には、市に対してあまりダメージのない話だと私は感じております。先ほどもお話しありましたけれども、広告掲載可能場所についても自然豊かな安曇野市の景観に支障のない範囲で、ぜひ前向きに導入、拡充いただけたら、安曇野市に対しても有益だと私も考えます。よろしくお願いいたします。 次に、市道穂高1級20号線、穂高クリーンセンター入り口の付近をはじめとした周辺の表記などについて伺います。 皆さん御存じのとおり、穂高クリーンセンターの建て替えが行われました。施設の前を通る道路は穂高1級20号線という市道であり、わさび田や万水川、穂高川を越える安曇野大橋が架けられています。一帯は長野高速自動車道と松本糸魚川連絡道路の接続路の計画もある範囲でありますので、このエリアの整備、開発というのは将来的なものを見越しながら考えていく必要がございます。 また、路線全体に言えますが、シーズンや時間帯によってはバスやトラック、乗用車などかなり多くの車が行き交う道路となっており、事故防止や交通安全に関して相応の対策を講じることが必要だと感じております。 さて、このクリーンセンターの出入口については、南の豊科方面から行けば安曇野大橋を下った直後、北側の穂高・大町方面からとカーブの立ち上がり部分に当たります。どちら側から来ても交通量の割には道路は狭く感じ、見通し、視認性という点では、天候、時間帯、交通状況によってはあまりよくない、そんなタイミングもございますし、それらのどこかに気を取られていては、急ブレーキなど現象を引き起こされやすい箇所だと思います。施設があることや渋滞、右折したい車がいるかもという注意喚起の表記や周辺の交通安全対策の現状はどうなっているでしょうか、お願いいたします。
○議長(平林明) 坪田都市建設部長。
◎都市建設部長(坪田浩昭) 御質問にお答えいたします。 当該市道は、安曇野インターチェンジと大町・白馬方面を結ぶ道路でありまして、市内でも交通量が大変多い道路であると認識しております。現状、豊科から大町・白馬方面に向かう際には、大王わさび農場入り口、御法田信号機から急な上り坂から急な下り坂が連続する構造となっております。 また、大町・白馬方面から豊科方面に向かう際には、安曇橋南信号機からニチコン株式会社穂高工場、ここまで緩い下り坂が続きまして、工場の手前で急な右カーブの構造になっております。 御質問いただきました穂高クリーンセンター出入口前後の注意喚起の表記につきましては、急な下り坂部分には路面にカラー舗装を、急な右カーブには外側線の内側にドットラインと路肩に矢印看板を設置し、道路利用者が安全に走行できるよう、道路管理者として対策を行っております。 以上でございます。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) 分かりました。今回、例に挙げている箇所は交差点ではないので、特段整備するのもなかなか難しいところはあると思いますし、松糸道路に関連する開発整備や隣接するあづみ野ランドの課題がクリアされることが、本格的な周辺の整備につながると思いますが、現状考えられるような手として、そのほかにも情報の掲示やレーンの造成などが考えられますが、今後、周辺の開発整備において、何かしらの交通関連の対策は検討されていますでしょうか。
○議長(平林明) 坪田都市建設部長。
◎都市建設部長(坪田浩昭) お答えいたします。 令和2年度に実施しました交通量調査によりますと、当該市道、平日の昼間の時間帯では約1万4,000台が通行しております。過去3年間に穂高クリーンセンター及びあづみ野ランドの出入口付近で発生した交通事故について安曇野警察署へ問い合わせたところ、1件の人身事故が確認されました。通行台数と比較し事故の発生割合は少ないため、現状の安全対策によって一定の成果が上がっているものと感じております。 松本糸魚川連絡道路の整備に当たりまして、議員からもお話ございましたが、穂高クリーンセンター付近で市道穂高1級20号線との接続が計画されております。将来的に整備がされた際には、
通行車両が増加することも見込まれます。市道管理者である私どもとしましても、地元関係者、交通管理者である警察、穂高クリーンセンターなどと連携し、安全な道路環境が提供できるよう努めてまいります。その際、施設情報の掲示、道路利用者に対する注意喚起については、今後の施設の利用状況、道路事情に応じて関係機関と協議の上、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) 分かりました。お願いいたします。 さきにも言いましたとおり、この穂高1級20号線は大変多くの車が行き交う道路です。この路線に限らず、市内各所に点在する危険な箇所は多くあります。個別具体的には今回申し上げませんが、市内で交通事故、悲惨な事故を起こさないためにも警察とも協力し、市内各所で対策を講じていっていただきたいと思います。 最後に、区を通じた
新型コロナウイルス感染対策支援について伺います。 区の活動、市民の活動は、各区の公民館や集会所などで行われているものも多くございます。長野県は公民館が多くあることでも知られております。中には建築件数が大分たっているものも多く、換気設備が十分ではないと見受けられるところも多くあります。昨今の
新型コロナウイルスの感染拡大、俗に言う第6波と変異株であるオミクロン株の影響で、一定期間におけるこれまでの最多の感染者数をたたき出すなど、いまだ猛威を振るっております。 この影響で、様々な住民活動をはじめ健康の増進、推進の活動など、あまたの事業が中止、延期され、コミュニティーの分断、外出の鈍化などが起きているところです。今年度末、各区の総会を迎えるに当たっても、安曇野市内外で、この感染状況を鑑み公民館の使用を停止したところ、最低限の利用にとどめたところもあるとお聞きいたしました。 効果については専門的見地を持ち合わせておりませんので言及はいたしませんが、空気感染や密を避けるために定期的な換気が推奨されております。都市圏の飲食店には早い段階から二酸化炭素の濃度測定器、以降CO2センサーと称しますが、それを配布しておりました。長野県でも信州の安心なお店認証制度の関連事業で、飛沫防止パネルとともにCO2センサーの配布事業がございました。換気を行うための一つの指標を分かりやすく表示するものとして、十分役に立つものであると考えます。 厳冬期を終え、窓を開けることに対して苦にならない季節になるこのタイミングでは、遅きに失した感も否めないところですが、大規模なリフォームを必要とする空気の循環、排出の機器導入などをしなくても、安価で、利用者が密の対策をするには効果があると考えます。今後、新たな変異株の出現や第5波に至っては、感染が落ち着くと一部報道であった夏場に起きるなど、この先の感染状況は、誰にもどうなるか分かりません。公民館を使用する際の窓口として区と表現いたしますが、もし実行するとなれば、希望する区に対して、例えばそのCO2センサーを導入する際の補助金であるとか、その機器自体の交付といったような支援を、区を通じて、市民の活動、公民館の活動に対して、少しでも安心・安全を確保しながら、また感染状況次第では徐々にその活動を復活させていく助けとして、市民の様々な活動への感染対策支援を、市として取り組めないでしょうか。市民生活部長に見解を伺います。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 区を通じた感染対策の支援についてお答えします。 市では、令和2年11月に自治会活動を安心して実施していただけるよう、被接触型体温計を全83区へ貸与しました。安曇野市区長会では、コロナ禍における区の活動の在り方について審議しております。感染予防のガイドラインも作成済みで、公民館で活動する際には小まめな換気に取り組まれております。市としましては、引き続き区長会と連携し、必要な支援をしてまいります。
○議長(平林明) 矢澤議員。
◆1番(矢澤毅彦) 分かりました。この今の状態、コミュニティーの維持や利用者収益の点においても、多くの施設で影響が出ております。今回は区を例に挙げましたが、社協など公共性の高い施設や公的な機関などへも範囲を広げ、さらに検討をしていただければと思います。これも市民の安全を守る一つと思いますので、私たち市民の注意や感染対策は大前提とはなりますが、市民の活動をできる限り止めないように対策と支援を講じていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
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△林孝彦
○議長(平林明) 続いて、13番、林 孝彦議員。持ち時間は20分以内といたします。 林議員。 (13番 林 孝彦 登壇)
◆13番(林孝彦) 13番、林 孝彦です。 通告に従いまして一般質問を行います。 「豊かな生活環境文化都市安曇野」、そして「田園幸福都市安曇野」を実現していきたいと思っております。 さて、私は質問事項が3件あります。 まず、1件目の質問事項は、子どもの貧困対策と学習支援の向上についてです。 日本の17歳以下の子供に関しては、7人に1人の子供が相対的貧困状態にあるとのことで、非常に大きな問題です。このことは、社会の中で当たり前とされている暮らしができない状況のことを言います。 安曇野市においては、今までは子供が園児、小学生、中学生、高校生かによって、福祉部、市教育委員会、県教育委員会と担当が分かれているため、子どもの貧困を一体的に把握することは難しかったのですが、来月の令和4年4月からは、中学生まで市教育委員会が一元的に担当することになりますので、安曇野市における子どもの貧困の状況をきちんと把握し分析した上で、子どもの貧困対策の向上のための目標をしっかりと立て、積極的に取り組んでほしいと思います。 様々な施策の中では、例えば学校給食無償化や学校給食減額化もありだと思います。また、生活困窮者自立支援制度の子どもの学習支援事業は、福祉として着実に進めてほしいものです。 そして、学校教育や社会教育の場でも学習支援はできると思います。来月の令和4年4月からは、国型コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)が導入されますから、教育活動や地域学校協働活動の充実や活性化によって、さらに進めていくことが期待されます。そして、学校ではGIGAスクール構想でのオンラインでの学びが、家庭間の経済格差や環境格差にかかわらず、家庭でも問題なく学べるようにしてほしいと思います。 それでは、具体的に3つの質問を一問一答形式にていたします。 まず1つ目は、総論的な質問です。 子どもの貧困対策と学習支援の向上の目標と取組はどうでしょうか。それでは、市長と教育長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 太田市長。 (市長 太田 寛 登壇)
◎市長(太田寛) 子どもの貧困対策、そして学習支援についての取組状況、今後の目標等についてお答えを申し上げます。 子供が生まれ育った家庭や環境によって、その育ち方に左右されることがないために、また貧困が世代を超えて連鎖することがないようにするため、子どもの貧困対策の取組は非常に重要であると考えております。 そのための、まず学習支援といたしましては、生活困窮者自立支援制度に基づく子どもの学習・生活支援事業、また経済的支援として、就学援助費の事前支給や入学準備金貸付け等を実施しております。 このうち、子どもの学習・生活支援事業につきましては、令和3年度は明科地域において実施したところでございまして、豊科地域については実施の予定はございましたが、コロナの影響により中止となりました。実施内容としては、居場所の提供、家庭訪問、相談支援等でございます。令和4年度の重点事業に、生活困窮者の支援として子どもの学習・生活支援事業を位置づけておりまして、支援体制の拡充に取り組む予定でございます。 具体的には、令和4年度は、今申し上げました明科地域に加えて、豊科地域と穂高地域で開設を予定しております。また、三郷地域での開設も今検討しているところでございます。さらに支援員を増員し、学校など関係者との連携強化を図り、支援を必要としている子供の早期発見や内容の濃い相談支援に努めたいと考えます。加えて、オンライン等での相談業務、家庭訪問での個別支援を強化いたします。このためにも支援員の皆さんの研修の機会を増やし、専門性や資質の向上を目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 林議員にお答えいたします。 まず、子どもの貧困状況の客観的な把握というものは、教育委員会としては大変難しい問題だと思っております。しかしながら、この貧困の問題は、コロナ禍においては程度の差はあるにしろ、どの子にも起こり得る問題だと捉えることもできると思っております。保護者の就労環境が大きく変化することによって、児童生徒の心身に様々な影響が及んでいることは、常に意識しなければならないと考えております。その認識の上で、学校においては日々教師が学校生活で子供たちとしっかりと向き合って、精神的な負担やストレスを感じているなどの様子の変化はないか等を注視して見ていくことが必要であると思っております。そして、気軽に相談できる雰囲気を確保し、スクールソーシャルワーカーなども活用して適切な支援につなげていくよう、連携を図ってまいります。 このように、日々取り組むことに加えまして、市教育委員会では地域の方々の協力を得て、小中学校で実施している放課後学習室などに取り組んでまいります。この中で特定の子供の利用に限定しない開かれた学習機会の確保などにより、経済的に困窮している子供も含めた子供たちへの学習支援を継続することが大切であると考えております。 以上です。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。コロナ禍で施策が十分に進められない困難はありますが、着実に進めていっていただければと思います。 次に、2つ目の質問です。 子ども食堂、フードパントリー、フードドライブ、フードバンクへの支援を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 子ども食堂が全国に広がり、貧困や家族が不在の食卓で独りで食事をする孤食に救いの手となっています。子ども食堂は全国各地に相次いで誕生していますが、経済的に厳しかったり、ひとり親で食事の支度がままならなかったりと様々な事情を抱えた子供らに、無料や低価格で食事を提供する場所です。育ち盛りの子供に十分な栄養を取ってもらうとともに、大人数で食卓を囲む楽しさを知ってもらう狙いもあります。 安曇野市内にも、幾つもの民間の子ども食堂ができています。私も幾つかに参画しております。安曇野市としては、このような子ども食堂の企画、開催など子供支援の試みに対して、子ども食堂の立ち上げや継続的運営のための資金援助などの経済的支援や、ネットワークづくりの支援や一層の啓発、普及に努めるなど、積極的に支援や取組をしてほしいと思っております。そして、できれば各区に1つぐらいずつ子ども食堂ができればすばらしいと思います。 また、子ども食堂と関連したフードパントリー(食品の無料配布)、フードドライブ(各家庭で使い切れない未使用食品の持ち寄り)フードバンク(食料銀行への支援の取組)も要望します。それでは福祉部長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 矢口福祉部長。
◎福祉部長(矢口泰) 安曇野市といたしまして子ども食堂等への直接的な助成は行っておりませんが、国や県の助成金あるいは補助金など活用できるものについて御案内をしていきたいと考えております。 支援団体のネットワークにつきましては、県が主体となりまして松本地域子ども応援プラットフォームが組織されており、行政、NPO法人、ボランティア団体、個人など含めて76団体が構成員となり、安曇野市からも20団体が登録しております。子供や若者の支援を行う団体がネットワークを結び、子ども食堂をはじめ子供の居場所の確保や学習支援、悩みごと相談など、地域の子供たちの環境づくりのために活動をしております。 市内の活動につきましては、例えば安曇野市社会福祉協議会がフードバンクを実施しております。市民の皆様からお米を中心に多くの食料を御提供いただいており、生活に困窮されている方への食料支援を随時行っております。さらに、同じく社会福祉協議会が事務局となり、不定期ですが子ども食堂を開催し、食事の提供や、ゲーム、クイズなど子供が楽しめる居場所を提供しており、多くの子供や御家族が参加しております。一例でございます。 安曇野市では後援という形ではありますが、昨年度まで毎年、この本庁舎においてフードドライブが開催され、お手伝いをしておりました。市民や職員からも多くの食品が持ち込まれておりました。市ではこれまで同様、各団体の支援活動をホームページや広報紙への掲載、パンフレット、チラシの配架などを通じて情報提供を行い、活動の啓発や普及を図っていきたいと考えております。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) お答えいただきました。 県等の支援があるのは分かっておりますが、やはり安曇野市としてもできることがあると私は思っております。私は社協等の子ども食堂やフードドライブにもボランティアで参加しておりますが、やはり安曇野市は安曇野市として、もっと積極的に支援の体制を取ったほうがいいと思います。それは、経済的な支援だけではなく、ネットワーク支援も含めてでございます。よろしくお願いいたします。 それでは、次に3つ目の質問です。 学習支援の向上を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。生活困窮者自立支援制度の子どもの学習支援事業を福祉として着実に進めるとともに、学校教育や社会教育の場での学習支援もしっかりと進めてほしいです。市内の全小学校の放課後子ども教室「わいわいランド」や放課後学習室と、安曇野市コミュニティスクール事業の一環としての中学校の放課後学習支援活動は、充実させてほしいと思います。これから国型コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の導入により、さらに充実していくことを期待しております。 このような市の放課後学習支援制度を十分に機能させ、本当に支援が必要な子供たちに支援の手が届くように工夫してほしいと思います。それでは、福祉部長と教育部長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 矢口福祉部長。
◎福祉部長(矢口泰) 安曇野市では、生活困窮者自立支援制度に基づき、生活保護世帯、生活困窮世帯、ひとり親世帯、不登校、ひきこもり状態である児童生徒を対象に、子どもの学習・生活支援事業を実施しております。 事業開始当初はノウハウが乏しかったこともあり、中間教室に通う不登校の児童生徒を対象に行う夏休み期間の学習支援が中心でしたが、その後は、子ども食堂との一体的な開催やレクリエーションを取り入れた居場所提供など、多彩な支援方法に取り組んでまいりました。現在では、単に勉強を教えるだけではなく、居場所づくりや学習習慣の改善支援、さらには保護者への養育支援などを通じ、子供の将来の自立に向けた支援などに取り組んでおり、支援の幅が広がっております。県内他地域でも、集合での開催、家庭訪問が中心など、支援の方法に多少の違いはありますが、同様の事業を実施しております。 また、安曇野市の生活困窮者自立支援制度による学習支援ですが、この事業は令和4年度の重点事業でございます。開催場所の増設、支援員の増員、家庭訪問やオンラインなど、先ほど市長から申し上げましたとおり、取組を強化してまいりたいと思います。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えを申し上げます。 市教育委員会では、教育基本法並びに学校教育法に基づき、経済的な理由によって就学困難と認められる児童生徒に対し就学援助事業を実施しております。具体的な支援内容は、修学旅行費、学用品費、新入学費用、給食費などでございます。 次に、市教育委員会や学校において行っている学習支援について、一例を申し上げたいと思います。 まず、先ほど教育長の答弁にもございましたが、放課後学習室というものを全小中学校で実施しております。原則、毎週水曜日の放課後1時間程度、各学校の一室で、希望する児童生徒に対して学習支援ボランティアから指導をしていただいております。この放課後学習室は、様々な理由により家庭で落ち着いて勉強できる環境が確保できなかったり、教科学習の理解に課題を生じたりしている児童生徒への学習支援として、利用されている面もございます。 また、新たな学習環境整備の取組といたしまして、本年度から1人1台端末を持ち帰って、家庭でドリル学習ソフトを活用していただく取組をしております。このドリル学習ソフトは、あらかじめ端末のほうにダウンロードされるものでございまして、御家庭のWi-Fiの環境によらずに、基本問題から応用問題まで、全ての子供が様々な問題を学習することができます。引き続きコミュニティ・スクール事業との連携も図りながら、学習支援を強化してまいりたいというように考えております。 以上です。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。福祉課担当の生活困窮者自立支援制度の子どもの学習支援事業に関しましては、頑張ってやってくださっていると思いますが、関わっていただいている施設が2つということで、大勢の子供さんたちのところまでまだ届いていませんので、できれば、もっと広げていただけたらありがたいと思います。 それから教育委員会のほうは、コミュニティ・スクール事業の発展とともに現在の支援をさらに広げていただければありがたいです。 それでは、1件目の質問事項については以上です。 次に、2件目の質問事項は、国型コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の導入についてです。 市は、来月の令和4年4月から国型コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)を導入します。今までの信州型コミュニティスクールから移行します。地域の皆さんに様々な形で学校に関わっていただき、学校と地域のつながりを強めることで、地域と共にある学校づくりと学校を核とした地域づくりを目指し、地域全体で子供たちを育てる仕組みづくりに取り組むことは重要です。 それでは、具体的に3つの質問を一問一答形式にていたします。 まず、1つ目は総論的な質問です。 国型コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の導入の目標と取組はどうでしょうか。それでは、市長と教育長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 太田市長。
◎市長(太田寛) 国型コミュニティ・スクールの導入につきましての御質問でございます。 昨年12月に開催いたしました安曇野市総合教育会議におきまして、これからの小中学校の在り方につきまして教育委員の皆様と協議をしたところでございます。教育委員会が策定する将来構想案では、特にコミュニティ・スクールの活性化、小中一貫教育の導入、安曇野の時間、この3つについて意見交換をしたところでございます。この中で、教育委員会が教育目標に掲げている「郷土への愛着と誇りを持ち、志を高く未来を切り拓く安曇野教育の実現」、それと「行きたい、学びたい、地域から必要とされる魅力ある学校の創造」、これについて、私も全く同じ気持ちでございます。 令和4年度から、教育委員会におきまして17の小中学校に学校運営協議会を設置し、地域とともにある学校づくり、これを支援していくこと、また、公民館を核とした地域学校協働活動の充実に向けたネットワークの体制づくり、これに取り組んでいくことにおきまして、コミュニティ・スクール事業がより活性化していくことを期待しているところでございます。 以上でございます。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 安曇野市コミュニティスクール事業は、令和4年度から学校と地域のさらなるつながりの強化を目指して新たな体制でスタートいたします。信州型から国型へと法的根拠に基づく仕組みへ変わり、安曇野の未来を担う子供たちを学校と地域で共に育てることを目標とします。 まず、学校運営協議会では、保護者や地域住民が委員として主体的に学校運営に関わっていただくことで、学校と地域のつながりをより一層強め、地域とともにつくる学校づくりを進めていきます。 次に、地域と学校が共に行う教育活動である地域学校協働活動を公民館を中心として充実させ、やがては学校が地域の皆さんのよりどころ、コミュニティーの一つになることを目指してまいります。これら新たな安曇野市コミュニティスクール事業について、広報あづみの2月号でお知らせしましたように、周知にも力を入れてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。 次に、2つ目の質問です。 信州型から国型コミュニティ・スクールへの円滑な移行を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 市は、平成29年4月から信州型コミュニティスクールをスタートし、来月の令和4年4月からは国型コミュニティ・スクールに移行します。移行までには既に1か月を切っていますが、準備は整っているでしょうか。学校運営協議会の委員、つまり保護者や地域住民の選任などもできているでしょうか。教職員はもとより、保護者や地域住民への周知、啓発も十分にし、混乱なく円滑なスタートが切れることを願っております。地域学校協働活動で活動を支える地域のネットワークは重要ですし、ボランティアの無償化は皆さんの理解と協力が必要です。 また、信州型コミュニティスクールとの整合性は必要で、国型コミュニティ・スクールになっても継続が望ましいこともあります。学校運営協議会は学校ごとになりますが、今までの中学校区ごとの地域教育協議会は補完的に残されるのでしょうか。広域での連携の仕組みも機能することを期待しております。それでは、教育部長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えをいたします。 いわゆる国型コミュニティ・スクールの導入により、学校運営協議会と地域学校協働本部を一体的に推進することになります。学校運営協議会は学校と地域で情報を共有し、学校運営の基本方針の承認や教育活動における課題などを協議するための組織でございます。本制度は、学校と地域が対等の立場で話し合うことによって、信頼関係と協力体制を築き、地域住民の目線で学校運営に御意見、御提言をいただくことにより、よりよい教育環境の構築が期待できます。 法的根拠がない任意組織であった地域教育協議会から、法的根拠に基づく学校運営協議会に移行することで、今まで学校と地域の情報共有を目的としていたものから、地域の委員が一定の責任と権限を持つ学校運営の当事者として、学校運営に参画することになります。なお、学校運営協議会の委員については、現在、鋭意選定中であります。 地域学校協働活動については、地域住民、保護者、NPO、団体等の幅広い地域住民の参画を得ながら、できる人が、できるときに、できることを基本に、学校と地域の連携・協働の充実を目指してまいります。このためにも、公民館及び市社会福祉協議会などの関係団体と連携しながら、より多くの方に多くの形で関わっていただけるよう、ネットワークの強化を図ってまいりたいというように考えております。 準備状況でございますが、国型への移行については、これまで活動に携わっていただいた学校ボランティアの皆様にも事業の趣旨に賛同いただき、引き続き御協力いただくための周知を行ってきております。この一環としまして、令和3年度学校ボランティアに有償で御協力をいただいた皆様へ、郵送によるお知らせとアンケートを実施させていただきました。 アンケートの集計結果では、「学校ボランティア活動を継続したい」と肯定的な御意見が82%を占めております。また、肯定的な御意見が少なかったものもございます。これは「学校からの情報発信は十分か」という問いに対して、肯定的な意見は50%でしたが、否定的な意見も同じく半分程度占められておりました。市教育委員会としても、制度の周知及び参加できる活動の情報発信力が一つの課題と捉えておりますので、議員からいただいた御意見は今後の参考にしてまいりたいというように思っております。 これまでの地域教育協議会の形は、一定残るものというように考えておりますけれども、ただ変わってくるのは、そこに課せられる責任であるとか権限の部分になるというように思っております。これからも、学校ボランティアに携わっていただいた皆様の御協力に敬意を払いつつ、引き続き活動を充実させてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) お答えいただきました。学校運営協議会制度が充実したもので進んでいくことを願っております。よろしくお願いいたします。 それでは、次に3つ目の質問です。 学校運営協議会の役割の発揮を要望しますが、具体的にどのように生かされますか。 法律に基づいて教育委員会が学校に設置する学校運営協議会には、主な役割として3つのことがあります。校長が作成する学校運営の基本方針を承認すること、学校運営に関する意見を教育委員会または校長に述べることができること、教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について教育委員会に意見を述べることができることです。これらのことがしっかりと機能することを期待しております。また、学校運営協議会と地域学校協働活動が連携・協働できることが期待されます。交通安全等の通学時の見守り支援、郷土学習等の総合学習の授業サポートや学習支援、地域行事と学校の校外学習の連携、不登校支援などです。よりよい学校教育を通してよりよい社会をつくるという、社会に開かれた教育課程が実現する好循環サイクルの実現を期待しております。それでは、教育部長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えを申し上げます。 文部科学省の国立教育政策研究所のアンケートによりますと、「子供たちが地域住民と交流することにより、様々な体験や経験の場が増え、コミュニケーション能力の向上につながったか」との問いに対して、「とてもそう思う」、「そう思う」などの肯定的な意見が89%ございました。また、別の設問で「子供たちが地域住民と交流することにより、様々な体験や経験の場が増え、地域への理解・関心が深まったか」との問いについては、「そう思う」という御意見が90%を占めております。このように子供たちと地域住民との交流が子供の成長、そして地域力の強化、学校が抱える様々な課題の解決の鍵になるものというように考えております。 さて、従来の信州型コミュニティスクールで運用してきた地域教育協議会は、先ほども申し上げましたとおり任意的な組織であり、法的根拠がございませんでした。委員の権限が曖昧であったものが、学校運営協議会となることで、法的根拠に基づいた組織としての委員に一定の責任と権限が発生をいたします。 学校運営協議会の委員には、先ほど議員がおっしゃったとおり、3つの権限が与えられております。学校運営協議会においては、学校運営の基盤である教育課程や教職員配置について、保護者や地域の皆さんが、その責任と権限の下に意見を述べることが保障されております。そして、その意見を踏まえた学校運営が進められることになります。 なお、第3で議員がおっしゃっていただいた教職員の任用につきましては、特定の個人に関するものであるとか、分限処分、懲戒処分、勤務条件の決定等に関するものを除くこととされております。 学校運営協議会は、学校と地域が共に考え共に取り組むための協議の場として、大いに推進を図ってまいりたいというように考えております。 以上です。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) お答えをいただきました。教職員の任用に関しての権限はデリケートなものであるということは承知しておりますが、規定にのっとった形で地域の皆様のお声をきちんと吸い上げて反映できるようなことに努力をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。 それでは、2件目の質問事項につきましては以上です。 次に、3件目の質問事項は、多文化共生と異文化理解の向上についてです。 簡単に言うと、多文化共生は国籍や宗教などの違いを認め、共に生きていくということで、異文化理解は他の国の文化を知ろうとすることが大切で、尊重するということです。これらの向上によって多文化共生社会、つまり互いの文化を認め合う社会が成り立ちます。また、第2次安曇野市生涯学習推進計画は、生涯学習の機会の提供に関して多文化共生にも触れています。整合性が必要です。 なお、市では、安曇野市男女共同参画推進条例の一部を改正する条例として、安曇野市多様性を尊重し合う共生社会づくり条例案を、この3月定例会に議案提出しています。 それでは、具体的に5つの質問を一問一答形式にていたします。 まず、1つ目は総論的な質問です。 多文化共生と異文化理解の向上の目標と取組はどうでしょうか。それでは、市長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 太田市長。
◎市長(太田寛) 多文化共生と異文化理解の向上の目標・取組についての御質問でございます。 まず、人権とは、誰でも人として尊重され、それぞれにふさわしい環境の下で人間らしく生きる権利のことと考えます。安曇野市では市民憲章において、「お互いに尊重し合い、より住みよい町をつくる」としております。現在、安曇野市の外国籍市民は、令和4年2月1日現在で1,237人、人口の約1.3%を占めております。ポストコロナ時代を見据えて多様性を活かしていくために、多文化共生のための取組を強化し、包括的に推進していく必要があると考えております。 このため、今回、条例の改正案を提出させていただいております。この条例が可決されましたらば、新たに組織する安曇野市多様性を尊重し合う共生社会づくり審議会、そこに御提言をいただきまして、令和5年度から5年間の市の施策の方針になる計画を策定したいと考えております。 この計画は、全ての人にとって、よりよい共生社会づくりを推進するため、市はもとより市民、事業者、教育関係者等がそれぞれの立場で自ら考え、相互に連携しながら行動するための指針となるというふうに考えております。 多文化共生の具体策といたしまして、やさしい日本語による情報の提供、ICTを活用した多言語通訳アプリ等の活用の推進などコミュニケーション支援、外国籍市民が安心して安全に暮らせるための生活支援、外国籍市民と日本国籍市民の交流の促進等が必要と考えております。多文化共生推進に係る資料や指標や具体策を盛り込みまして、全庁的な推進体制の下、組織を挙げて対応に当たりたいと考えております。 以上です。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) お答えありがとうございました。全庁的な支援体制で取り組んでくださるということを大変期待しておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、2つ目の質問です。 外国人向けの日本語教室や日本文化・生活文化講座の充実を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 市内には、市などの支援を受けたボランティアによる外国人向けの日本語教室が旧5町村の明科を除く4か所にあります。そのほかに民間団体の生活者のための日本語教室が穂高にあります。私は豊科日本語教室で活動しております。日本語教育の中での日本文化・生活文化教育は不可分のものですが、市では、日本語教育は教育委員会の生涯学習課の担当で、日本文化、生活文化紹介は多文化共生の一環だということで、総務部の人権男女共同参画課の担当となっています。一体として捉えてもらえないので現場では不都合を感じています。来月の令和4年4月からは、総務部の人権男女共同参画課は政策部の人権共生課になるとのことです。生涯学習課と人権共生課の協力・連携で、よりよい日本語教室になることを期待しております。それでは、教育長と総務部長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 市では、市内4か所で日本語教室を開催しております。この教室の運営に当たっては、市民ボランティアの皆さんの多大な御協力をいただいております。日本語教室は日本語学習の場であるとともに、そこに集まる皆さんの交流や、日本文化や生活習慣についての情報交換の場としても大切な役割を担っております。日本語教室で育まれた人間関係は、多文化共生社会の実現に向けた大きな取組の一つであるとも言えると思います。 議員御指摘のように、新年度から組織改編により連携体制が強化されます。したがいまして、市教育委員会としましても、人権共生課を中心に関係部署との連携を一層図ってまいります。 以上でございます。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) それでは、お答えいたします。 今回の組織改編で、人権男女共同参画課は課名が人権共生課に変更になります。また、安曇野市多様性を尊重し合う共生社会づくり条例案が議会で可決いただければ、これを機に人権共生課が中心となって人権や共生社会づくりを推進するため、全庁的に号令をかけ、まとめ役、またリーダーシップを発揮する課になりたいと考えております。 以上です。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) お答えいただきました。人権共生課がリーダーシップを取って全庁的に施策を推進してくださるということ、大変期待しておりますので、調整の中で進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、次に3つ目の質問です。 外国由来の子供への学校での日本語と教科の支援の充実を要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 生活環境が不安定な上、日本語学習や日本語の教科学習などで苦労している外国由来の児童生徒には、学校では取り出し授業や通常授業で補助者がつくことや、放課後学習支援などのきめ細かな支援が必要であり、学校外ではボランティアの日本語教室での支援などがスムーズに受けられるなど、学習支援の環境整備が必要です。それでは、教育部長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 平林教育部長。
◎教育部長(平林洋一) お答えをいたします。 外国由来の子供への市内小中学校における日本語支援は、安曇野市日本語学習支援事業で実施をしております。本年度、本事業で支援を受けられている外国由来のお子さんは、小学校で6名、中学校で5名、計11名でございます。それぞれのクラスの国語の授業時間などに別の教室で、支援員の方による日本語の個別授業を行っていただいております。 外国由来の子供の日本語に対する習熟度は一人一人違っており、日本の生活習慣の理解を含めた細やかな対応が必要となりますので、子供が通学する学校と市教育委員会と支援に当たってくださる方との連携を取りながら、支援を実施しているところでございます。 外国由来の子供への日本語と教科学習支援の強化につきましては、先ほども申し上げましたが、安曇野市コミュニティスクール事業の地域学校協働活動により、地域住民、保護者、NPO、団体等の幅広い皆様の参加を得ながら取組を広げてまいりたいというように考えております。 以上です。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) お答えいただきました。学習支援に関しましては、日本語の支援はもちろんのことでありますが、やはり取り出し授業でクラスを出ている場合には、その抜けている授業は進んでいってしまうわけでありますし、日本語が拙いために、どうしてもほかの教科の学びも遅れを生じてしまいます。 そういうわけで、先ほど述べましたように日本語の支援はもとよりでありますが、教科に関しても、やはりあの手この手を使って支援をしていただきたいというふうに思います。コミュニティ・スクールもこれから充実されていくわけでございますから、学校総がかり、地域総がかりで外国由来のお子さんたちを助けていただければと思います。外国由来のお子さんたちも、私たち安曇野の大切な宝の子供であります。よろしくお願いしたいと思います。 それでは、次に、4つ目の質問です。 外国籍住民懇話会や多文化共生懇談会などの開催を通じて向上させることを要望しますが、現状と今後の取組はどうでしょうか。 外国人も日本人も共に住みやすいまちづくり、つまり多文化共生社会づくりのためには、外国籍住民の意見を聞き、必要によっては適切な支援や施策ができるようにすることが大切です。京都市には京都市外国籍市民施策懇話会があり、外国籍市民の委員の意見を聞き、報告書も発行し、適宜施策に反映させています。愛知県豊橋市にも同様のものがあります。 安曇野市の外国人住民は、令和4年1月1日時点で1,240人です。日本人は9万5,512人です。少数者の意見を大事にすることは大切ですので、意見を聞く機会を設けたり、外国籍住民懇話会や多文化共生懇談会などの会を設置して開催することを提案いたします。それでは、総務部長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) それでは、お答えさせていただきます。 多文化共生支援団体「あづみの国際化ネットワーク」と共催でオンライン多文化共生意見交換会を2月4日に開催し、オンラインでの意見交換会は初めての試みでありました。林議員のほか市議会議員、企業や区長会の方々、あづみの国際化ネットワークの会員、市職員など34人が参加し、外国人が暮らしやすい地域づくりについてアイデアを出し合いました。来年度はコロナ禍の影響で2年間実施できていない外国籍市民と日本人との交流イベント「あづみの国際DAY!」をあづみの国際化ネットワークと共催で開催したいと考えています。 また、多文化共生施策を盛り込んだ安曇野市共生社会づくり計画を来年度策定するに当たり、昨年末に日本国籍市民2,000人、外国籍市民1,131人、事業所1,000か所を対象としたアンケート調査を行いました。結果は4月頃公表する予定であります。 この条例の改正案が議会で可決いただければ、審議会の名称も安曇野市多様性を尊重し合う共生社会づくり審議会に変更となります。多文化共生に関する学識経験者も入っていただきたいと考えております。 以上であります。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) 安曇野市共生社会づくり計画を来年度作成してくださるということ、大変うれしく思います。ぜひとも積極的に推進していっていただければと思います。 それから、いろんな行事はございますが、やはり単発の行事もありますので、私が何度もお願いしているように、定例の外国籍住民懇話会や多文化共生懇談会のようなものも設置していただいて、外国籍の方たちの声を聞くチャンネルを常時持っていただくようにお願いしたいと思います。 それでは、次に5つ目の質問です。 外国人やLGBTQなどの性的少数者などへの差別禁止のための多様性尊重の施策の現状と今後の取組はどうでしょうか。 外国人やLGBTQ(性的マイノリティー、性的少数者)の方を含め、あらゆる人に居場所があり、生き生きと活躍できる共生社会づくりが進められています。LGBTQとは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(生まれたときの性別と自認する性別が一致しない人)、クエスチョニング(自分自身のセクシュアリティーを決められない、分からない、または決めない人)など、性的マイノリティーの方を表す総称の一つです。そのほかにもXジェンダー(男性、女性のいずれかとは明確に認識していない人)などの様々なセクシュアリティーの方がいます。 多様性尊重の施策においては多様な意見があり、具体的な各論においては異なる意見があります。市の多様性尊重の施策の現状と今後の取組はどうでしょうか。具体的に例えばパートナーシップ制度の策定に関してはどのようにお考えでしょうか。また、具体的に多文化共生推進計画あるいは多文化共生推進プランの策定を要望しますが、お考えはどうでしょうか。それでは、市長と総務部長にお答えをお願いいたします。
○議長(平林明) 太田市長。
◎市長(太田寛) 多様性尊重の施策の現状と今後の取組についての御質問でございます。 安曇野市、非常に恵まれた自然環境、これも大きな強みでございまして、交流人口の拡大、若年層を中心とした移住定住の促進、高齢者の生きがいづくり、子育て支援などの様々な展開を必要する中、変化に柔軟に対応し、国際的な視野の下で地域や社会において幅広く活躍できる人材の育成が重要であると考えます。 SDGsには17の目標がありまして、それぞれの内容はどれも関連し合っております。そのベースにあるのが人権尊重の考え方でございます。誰一人取り残さない(Leave No One Behind)を原則とし、人権に関わる内容が多く含まれております。SDGs達成のためには、正しい認識と知識を持って人権に配慮することが大切だと考えます。 安曇野市でも、男女だけではなく性的マイノリティー等、多様な性への理解促進と支援、日本人も外国にルーツを持つ人も、共に豊かで安全に暮らせる多文化共生の必要性が高まっていると考えます。そのため、安曇野市多様性を尊重し合う共生社会づくり条例、これの改正を提案したところでございます。一人一人が人権を守る意識を持つことで、自分の人権のみならず他の方の人権を守ることにつながります。自分の人権、他人の人権を大切にすることを学べるよう取り組んでいく必要があると考えております。 安曇野市のさらなる発展と市民一人一人の幸せの実現を図るため、自らの意思に基づき個性と能力が十分に発揮できる共生社会を目指し、市民一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。 多様性尊重の施策の現状と今後の取組につきましては、総務部長から答弁をさせていただきます。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) それでは、お答えさせていただきます。 今年度の外国人差別解消に向けた取組としては、長野県多文化共生推進月間に合わせ、7月に、パネル展示と長野県多文化共生相談センターの多言語出張相談会を市役所本庁舎で開催いたしました。パネル展示は相互理解を深めるための初の試みで、外国籍市民の現状を知っていただくため、外国籍市民の国・地域別人数、残留資格別人数、市内日本語学習支援の状況、外国人相談の状況等を分かりやすくグラフ化して展示公開いたしました。 また、市内の社会福祉協議会や多文化共生団体に協力いただくなど、広報活動を強化した結果、多言語出張相談会には外国籍市民11人の参加がありました。 また、8月に、市とあづみの国際化ネットワークの共催で、日本語deスピーチ大会を開催しました。日本語を学んでいる外国籍住民11人が安曇野での生活で感じたことなどを日本語で発表いたしました。コロナ禍の影響で無観客での開催となりましたが、その様子を市ホームページで公開し、3日間にわたってあづみ野エフエムでも放送していただきました。 次に、性的少数者などへの差別解消に向けた取組としては、昨年11月に、市企業人権教育推進協議会の主催、市と教育委員会が共催でLGBTQをテーマとした企業人権啓発講演会を開催し、約100人以上の参加がありました。 議員御質問のパートナーシップ支援制度の導入につきましては、今回、条例案が議会で可決いただければ、審議会等の中で意見を聞きながら検討していきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) 私が先ほどから申しておりました多文化共生推進計画あるいは多文化共生推進プランというのは、先ほどそちらのほうからお話がありました安曇野市共生社会づくり計画と同等のものであるというふうに理解してよろしいでしょうか。総務部長、お答えをお願いいたします。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) 同等のものと理解いただいて結構だと思います。
○議長(平林明) 林議員。
◆13番(林孝彦) 承知いたしました。大変心強く思います。安曇野市の共生社会づくりが一歩も二歩も進んでいくという気がしております。今後も、みんなで生き生き生きられる安曇野にしていきたいと思いますので、皆さん、よろしくお願いいたします。 それでは、3件目の質問事項については以上です。 それでは、以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(平林明) ここで暫時休憩いたします。 再開時間は午後3時ちょうどからといたします。 (午後2時36分)
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○議長(平林明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 (午後3時00分)
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△大竹啓正
○議長(平林明) これからは、3番、大竹啓正議員。持ち時間は25分以内といたします。 大竹議員。 (3番 大竹啓正 登壇)
◆3番(大竹啓正) 3番、大竹啓正でございます。 通告に従いまして一般質問を行います。 まず、職員人事と住民の願いと題しまして、質問に入らせていただきます。 多くの住民から寄せられる声に、職員配置の問題を指摘するものが非常に多くあります。要件に対応する職員が、慣れる間もなく異動であるとか、問合せに対して専門的知識の欠如と思われる返答、これについては公共工事等土木建設技術分野に関する事案とおぼしきものへの不満、住民の生活基盤の整備・保守に関しては、極めて大きな関心事でございまして、また、住民の生活に直結する部署においても、強い関心を持って見られているわけでございます。 職員も、全ての職務に対してあらかじめ見識を完全なもの、職務の習熟度を完璧にとは、どだい無理な話ですが、住民感情としては、どうしてもそこを期待してしまうという溝がございます。 職員も、様々な分野を習得し熟達していかなければならない使命があり、定期的周期を持った異動も必要と思いますが、くしくも令和3年度監査報告にも指摘を受けているように、職員配置の適正化、職員確保に努めることとあります。専門性を有する職員の確保、特に技術系職員の不足、熟練度を要する職員の不足を指摘されております。識見の高い熟練の経歴を持つ者の配置を急ぐ要請でございましょう。 現状では、市民生活基盤の保全管理に支障を来すおそれを示すものであろうと思います。大切な生活生命線を守るための人材確保が喫緊の課題ということにほかなりません。技術・技能系職員のみならず、他の部署におきましても熟練を要した人員の配置は必要でございます。住民の願いもそこにございます。 それに鑑みまして、次に掲げました質問をいたします。 専門的熟達者の配置と育成の必要性という観点から質問を始めます。 まず1番ですが、監査委員会からの指摘にある技術系職員の不足、大切な市民の生命線である社会資本基盤の整備及び維持のためには、専門的知見を有する職員の配置が不可欠と、かように思いますが、現状はいかがか、総務部長、お答えをいただきたいと思います。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) それでは、お答えさせていただきます。 技術系の職員としては、土木系技師、建築系技師及び電気系技師を主に募集・採用をしております。 技術系職員年齢構成として、40歳代後半、係長以上の人材が多く在籍しているほか、地元の技術系の高校を卒業した若手の職員も、計画的に採用している状況であります。その中間層となる20歳後半から40歳前半の中間層の技術系職員が不足しているため、経験者枠を設けて毎年のように技術系職員を募集しています。 しかしながら、経験者枠として応募者は限定的、僅かであることから、経験豊富で優秀な技術者を確保するために、対象年齢を45歳まで拡大しています。また、令和4年度の募集では、大学での専門課程の履修を応募条件から除外するなど、募集要件を緩和するなどの試みをしておりますが、応募者数は限定的であります。 優秀な技術系の人材を確保するため、今後も募集条件の緩和を含めて、募集に当たっては工夫をしてまいりたいと思います。 なお、令和4年の4月採用でございますが、土木系職員合計5人でございますが、そのうち3名については、30歳代が2名、40歳代が1名、採用する予定でございます。 以上でございます。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 職員確保にはいろんな御苦労をなさっているように拝見しました。引き続いて、その面での御努力をお願いしたいと思います。 次にまいります。 2番目としましては、公共工事の入札、用地収用等の業務に携わる職員も、特殊な高熟練度を要求されると思います。公共事業の質、合理的な価格形成のための熟練職員の配置が必要であり、それに伴った体制を取っておられるか、現在の状況をお聞かせいただきます。都市建設部長、お願いいたします。
○議長(平林明) 坪田都市建設部長。
◎都市建設部長(坪田浩昭) お答えいたします。 議員からもありました熟練した職員による用地取得に関して、では、私から申し上げます。 小規模な自治体では、1人の職員が用地交渉から工事までを担当することが多く、本市も合併前の5町村の時代には、1人の技術系職員が用地取得を行い、工事を発注し、現場を完成させておりました。合併後も同じように業務を担当しておりましたが、昨今の技術系職員の不足をはじめとして、土地における権利関係の複雑化に伴い、用地取得を専門に担当する職員の配置も必要と考えております。地権者に対して専門知識を持った職員が対応することで、信頼関係が築かれ、スムーズな用地取得につながっていくと思います。 このため、用地交渉の経験が豊富である再任用職員を配置して用地事務に当たるとともに、実務を通して若手職員への指導も行い、育成を図っているところでございます。 以上でございます。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 いずれも相当人員配置には苦慮なさっているようですけれども、今後も、述べましたとおり、スムーズに業務が進むような環境をおつくりいただきたいと思います。 次に、3番目になります。 巨額な社会資本投資の中でも、上下水道、住民の生活の根幹をなす最大の公共施設であり、現在の生活様式の中では、一日たりとも欠くことのできない命の基盤と言っても過言ではありません。 我が国の今後も、国力の低下を食い止めることは難しく、国家の補助に頼ることはますます困難を極め、自治体の責任としてこれらを大切に維持管理に努め、設備の長寿命化及びやがてくる更新のときに備えた研究が必要と思いますけれども、上下水道部長に現状をお伺いいたしたいと思います。
○議長(平林明) 堀内上下水道部長。
◎上下水道部長(堀内寅生) お答えいたします。 将来を見据えた研究の必要性について御指摘をいただきました。まさにそのとおりと認識をしております。 このことにつきまして、市としましては、総務省からの要請に基づき、中長期的な経営の基本計画として、水道事業につきましては安曇野市水道ビジョン、下水道事業につきましては安曇野市下水道事業経営戦略を作成しております。この計画に基づく事業を遂行する上で、技術系職員は必要不可欠であります。 上下水道部の職員は、エッセンシャルワーカーとしてライフラインを停滞させないように施設の整備、維持管理を行っております。災害が発生し管理施設に被害が出れば、早急に復旧する使命があり、高い信頼性も求められますので、職員がこれらに対応するためには、専門知識の習得が必要になります。そのために上下水道部に配属された職員は、専門機関等の技術講習会に参加し、知識の習得、技術の向上、さらに資格の取得に取り組んでいます。また、ベテラン職員から指導を受けながら技術の継承も行っております。 以上です。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 いずれの分野も大変な使命を担わされておるということが分かります。ますますもってこれからも住民の生命線を守っていただくということで御尽力をいただきたいと思います。 次に、4番目になります。 新規就農者、後継者も散見はされます。この環境下においても、必死で農業を継続している者と様々でありますけれども、彼らは身近な行政を頼りにしていることは紛れもない事実でございます。 国の農業政策の変更も多く、さらに自前の対策も要求されている現状でございます。現況下において、営農に行き詰まり、行政が最後のとりでと頼るところ、これが行政であります。それに応えることも相応の熟練度を要すると思われるが、現状と対策を農林部長にお伺いします。
○議長(平林明)
赤澤農林部長。
◎農林部長(赤澤哲也) それでは、農政分野におきます職員等についてお答えをさせていただきます。 全国的に人口減少社会に転じ、これまで行われてきた国の米対策を中心に、担い手対策、地球温暖化対策等、政策が大きく変わってきております。特に当市の主要作物であります水稲関係では、令和4年度から、今後5年間で一度も水稲作付が行われない農地は、水田活用直接支払交付金の対象としないなど、国は方針を示しており、今後農家の皆さんに積極的かつ丁寧な情報発信をしていかなければならないと感じております。 議員御質問の精通者につきましては、農業分野だけに限らず、全ての業務に通じることと思いますが、職員として個々の資質向上に努めることはもちろんのこと、現在も行っておりますが、複数人で対応するなど、組織として後進育成に努め、市民の皆様からの負託に応えられるよう、今後も親切で丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 今の農業者の抱えている問題は様々でございます。頼りになる行政でいていただきたいと、こんな気持ちからお願いをいたしました。よろしくお願いします。 次にまいります。 5番目としまして、多くの市民が関わりを持つ確定申告の際、税務指導を受けた者から、担当者がついこの間まで他の部署にいた者だけれども、大丈夫かといった不安の声があります。それも固定資産の査定といったこともあり、さらにその意識も強くなります。 現在の配属期間で十分であるかを、財政部長にお伺いします。
○議長(平林明) 宮澤財政部長。
◎財政部長(宮澤修) 議員御案内のとおり、税には専門的な知見が必要でございます。そんなことから、職員には、関係団体が主催します実務者研修会等への参加や職場内研修によりまして個々の能力・スキルを高めております。 また、確定申告等の実務の際には、税務経験のある再任用職員の活用、また、新任者と経験者とがペアを組む取組を行う中で、経験年数の多寡にかかわらず、組織として高いスキルを保持できるように、公平で公正な課税事務に取り組んでおります。 なお、昨年末時点では、税務課の正職員数は、課長以下28人で、そのうち3年以上の税務経験を有している職員が10人、最長は12年3か月といった状況でございます。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 一番住民の眼前に位置する部署でもございます。ぜひ住民の安心感も高めていただく御配慮、よろしくお願いしたいと思います。 次にまいります。6番目でございます。 監査指摘事項にもございますが、保育士不足対策を早急に講ずるように指摘がございます。社会構造の変化から未満児保育希望が増加することは自明です。他の自治体においても保育士確保が難航しているとのことで、対策は喫緊の課題であると。市内で埋没しております保育士・幼稚園教諭の免許所持者を掘り起こしまして、時給制職員として相応の待遇をもって雇用することで、現在の保育助手の配置を改善でき、保護者からの安心も得られる。現状の人的充足度合いと今後も続く社会的要求を満たせるか、お伺いを、福祉部長、お願いいたします。
○議長(平林明) 矢口福祉部長。
◎福祉部長(矢口泰) 全国的な保育士不足と言われる中、安曇野市におきましても、保育士の確保には苦慮しているところでございます。 子供は少子化傾向にあるものの、未満児を預けたいという希望は年々増加しております。保育士配置基準では、3歳児以上には20人に1人、あるいは30人に1人の保育士を配置しますが、未満児のゼロ歳は3人に1人、1・2歳は6人に1人など、より多くの保育士を必要とします。さらに、いわゆる支援が必要な園児も年々増加傾向にあり、加配保育士が必要となります。 これらの要素を基に保育士を確保しておりますが、この2つの要素に減る傾向はありません。より多くの保育士を確保しなければならない状況にございます。 保育士人材の掘り起こしについてですが、
ハローワークに求人情報を載せるとともに、長野県社会福祉協議会が主催する福祉の職場説明会・就職相談会では、安曇野市として1ブースを開設し、保育士の募集をいたしました。 また、今年度は11月23日に県の社会福祉協議会が主催となり、長野県、長野市と安曇野市、三者が共催で「『保育士さんいらっしゃい』潜在的保育士の復帰促進セミナー&就職相談会」、これを安曇野市を会場として、豊科交流学習センターきぼうで行い、潜在的保育士の募集と周知をいたしました。 このイベントでは、新たに5人の保育士採用につながったところであります。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございます。 これからも保育士不足、顕著になってくるのではないかと予想いたします。何とか工夫をして保護者の安心を高めていただくよう努力をお願いしたいと思います。 続きまして、総括的に、合併当初、旧5町村単位では相当数の専門職員、熟練職員が在籍したと思われますけれども、現在の人員不足の原因の1つは、過去にあまりにも恣意的な人事が行われてきたといううわさがございます。その影響はどのように感じられますか。お答えしにくいと思いますけれども、総務部長、お願いします。
○議長(平林明)
久保田総務部長。
◎総務部長(
久保田剛生) それでは、お答えさせていただきます。 職員採用も含め、公平公正で適材適所になる人事に努めているところであります。 議員の言われる、あまりにも恣意的な人事というのは何を指しているのか分かりませんが、人事異動は人事の公平性を担保することから、職員の能力、能力評価や実績、行政評価といった人事評価や自己申告書といった本人の希望も活用して行っているものであって、恣意的な人事が行われてきたとは考えてはおりません。 やはり人事異動が適切に行われることが、職員の能力を高め、発揮できる道筋となり得ると考えます。 なお、係長への昇任に当たっては、本年度より複線型昇任制度を一部導入しており、係長昇任試験を受け、合格した職員は、係長昇任候補者名簿に登載されます。 以上であります。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) お答えしにくいことを伺いました。 いずれにしましても、そういううわさが飛び交うということはあまり好ましいことではありませんので、我々も気をつけなければいけないこともございます。執行部としても、その辺のところは御配慮いただきたいと、かように思います。 次に、6といたしまして、監査の指摘事項の解消及び、より高度な行政サービスの提供には、人材の確保、適切な配置が重要と考えております。 必要人員の配置に、今までとは違う配置方法及び必要専門分野を履修した学卒者の採用、民間からの経験者の中途採用等、今後の対処方針を、市長のお考えを伺います。
○議長(平林明) 太田市長。 (市長 太田 寛 登壇)
◎市長(太田寛) 技術系職員の採用の確保等についての質問でございます。 優秀な技術系職員を採用するためには様々な工夫が必要だというふうに考えております。技術系の人材、特に昨今、民間志向が強い状況がある中で、引き続き県内の大学、高校、これは地元の高校も含めてでございますが、受験を案内していくほか、県外の学生に対しましても、例えば就職説明会で受験を呼びかけるなど、積極的な対応をしてまいりたいと考えております。 また、中間層の職員を得るためには、いわゆる就職氷河期、これで非常に苦労された皆様を対象に、民間経験をあえて問わず、高校や大学で専門課程を履修されていることを条件に募集、そして採用、そして育成していくことも検討したいと考えております。 いずれにいたしましても、技術系職員の確保、特に中間層の人材を確保することが課題であると認識しております。 今申し上げたことを含めまして、様々な検討と工夫をしてまいりたいと考えます。 以上でございます。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 いずれにしましても、高度な行政サービスを行っていく上では必要なことでございます。今も市長のお考えを拝聴しまして、今後も、新しい市長を頼って新規の学卒者、応募数が増えるんじゃないかと期待をしております。よろしくお願いをいたします。 それでは、次の質問に入らさせていただきます。 区長選出の難関と市と区の関係についてという題目で質問をさせていただきます。 3月を迎え決まって聞こえる、まさに風物とも言えます、「まだ決まらないか」、「どうすればいいのか」という会話が常態化してしまっています。区長選出の困難さを物語るさまでございます。 この私も3年前、区長を引き受けることになりました。住民基本台帳上401世帯、区費支払い311軒、協力事業所12軒。昭和46年までは160戸程度であったところでございます。本市におきましては平均的な規模の区であると認識をしております。 そこで、区長経験を踏まえた中での質問を行ってまいりたいと思います。 区長会会合の折、前市長は、市と区は対等の立場をもって協力関係を云々、これを連発されておられました。関わった者としては、決してそのような感覚を持ち得たものではなかったことを、ここでお伝えをしたいと思います。 道路が破損している、即刻修繕を。ごみが詰まり水路から水があふれている、直ちに対処を。河川にごみの投棄が目立つ、上流部に対して抗議をするように。近所の落ち葉が舞い込み迷惑である、何とかしてくれ。予告のない通行止めに対する苦言等枚挙にいとまがございません。それほどの苦情、要求の数々でございます。 さらに、従前からの要望引継事項でもございます通学路の歩道整備、市道拡幅工事、道路舗装、外灯の増設等の手続もございます。 このような生活に直結した事案の処理であるとか、いろいろな統計調査員の選出、最も厳しい民生児童委員の選定でもあります。 もとより、その困難さは伝え聞いてはおりました。ですが、想像を絶するものでした。数少ないながらも、最適任者と当たりをつけ説得に試みましたけれども、私のほうが逆にお世話になろうと思っていたところですと、冗談ともつかない言葉を返され、頓挫せざるを得ませんでした。また、体力、健康面とも万全ではありますが、性格上、守秘義務遵守には自他ともに自信がない人、こんなところで民生児童委員の選定の困難さを物語る一端でございます。 それから、個人情報保護とのことで転入者名簿が確保できず、近隣者からの情報を頼りに、区加入を勧めるチラシを手に、表札を掲げない家の増えたことを感じながら、新規転入者とおぼしき住宅を訪問、区の状況、役回り、行政との関係を説明する行動を続けました。 その中で、都会暮らしの経験を持つ転入者との会話では、現在の区の形態がどうしても理解できない、自治会組織がなぜそこまでやらなければならないのか、ほとんどが行政がなすべき仕事ではないのかと思う、というものでありました。これでは、区に加入どころか、景色と空気のよさに引かれてきたけれども、将来を考えてしまうといった会話の締めでございました。 これは、区長の役割としての活動状況と苦悩の一端を披歴したものでございます。 区の運営には、区費のみでは困難で、市からの補助に頼るところが大でございます。市の意向に即した活動をして、それに応じた補助金を頂き、しのいでいるのが区の現況です。 私の区の状態は、昭和48年から転入者が増加し、20年ほど前に人口的な最高値をつけたと思われます。初期の転入者の現在は、よくて老夫婦二人暮らし、独居老人、あるいは施設入所のため不在、このような状況はますます進展してしまうと思うところでございます。 この状況で数多くの役回りを課すことも困難です。これも、区長就任の忌避される背景の一端と思っております。 多少なりとも区長選出が容易に進むことを願いながら、次の質問をさせていただきます。 まず、1番目です。 区長の職務の権限が明確でなく、何事もお願い、お願いの連続であり、区費徴収に絡むこと、ごみ集積所の不正利用者に対しての制裁、作為的迷惑行為に対する注意行為しかり、精神的抑圧感に悩まされるばかりで、何かよい方策はないかと日々悩んでおります。市民生活部長に伺います。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 区長の皆様には、よりよい地域づくりのために御尽力されていることにつきまして、大変感謝しております。 区長ですが、地縁に基づく団体である区の代表者であります。各区の規約に定められた任務があり、それに基づき、よりよい地域を目指し、区内の課題解決に御尽力されているものと認識しております。 安曇野市は、自治基本条例において区への支援をうたっています。区長会事務局である地域づくり課、各支所地域課で、区長に寄り添った支援をしておりますので、課題があれば御相談いただきたいと思います。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 そこのところがなかなかうまくいっていないというところが現実だと思います。これはなかなか難しい問題だと思います。簡単に解決のつく問題ではないことは重々承知ではございますが、何とかこれをクリアしていかなければいけないと、こういう思いでもございますので、これからもよい知恵を絞って、地域のためにお願いしたいと思います。 2番目にまいります。 公共工事の要望を上げる場合、関係地権者との同意まで区長に任せている現状です。やってほしければ全部そろえて持ってくるようにと言わんばかりと感ずる手続の方法であります。 市と区が対等の立場、この関係を築く上でも、よりよい方策がないものかと、都市建設部長にお伺いをいたします。
○議長(平林明) 坪田都市建設部長。
◎都市建設部長(坪田浩昭) お答えいたします。 市では、生活道路整備や現道の舗装を要望される場合、沿線地権者の同意書を添えて要望書を提出していただいております。 要望箇所が多くある中で、速やかな進捗や投資効果が早期に発現できる箇所を判断する一つとして、沿線地権者全員の同意が必要でございます。そのため、地域の要望箇所の必要性、緊急性などの事情を把握している区から同意書の提出をお願いしているところでございます。 各区におかれましても、特に区長さんには御負担をおかけして恐縮ではございますが、お困りの際には、担当窓口に御相談をいただきながら、趣旨を御理解の上、御協力をいただきますようお願いいたします。 以上でございます。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 このあたりのところが、非常に区長としましては負担の大きいところでございます。これも今まで営々と続けられてきたことでございますので、一朝一夕に解決することは望めないと思いますけれども、ぜひこのあたりのところを、区長が苦労している非常に大きなところでございますので、よりよい方策、お考えをいただきたいと、かように思います。よろしくお願いいたします。 では、次へまいります。 3番目としまして、ごみ集積所の管理について。 区長としてもこれは非常に頭の痛い問題でございます。地域の環境衛生部員が、長年の努力の結果として、また、集積所近隣住民による自主的監視活動も功を奏しまして、現在の好ましい管理状態を実現してきたものと推測しております。 そこで発生いたします他の地区からの集積所使用の問題であります。立哨当番と他地区からの使用者との間でもめごとに発展するのは自明でございます。他地区からの使用者は、市の担当部署に聞くと、市内であればどこでも利用してよいという言を盾に、自分の正当性を主張されてしまうという現実です。 今まで長きにわたり、指定収集日日時の厳守、分別収集の徹底、集積所の清掃、当番の申し送り事項の伝達等、様々な努力の末の成果であります。自治会活動の完璧に近い成功例でもあると認識しております。これは絶対に崩壊させてならない出来上がった制度だと思っております。 携わった人々の労苦とその気持ちを逆なですることになる、その言葉以外の何かよい方策がないか、これも市民生活部長にお伺いします。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) まず、地域の皆さんに集積場所を良好に管理していただいていることについて、感謝申し上げます。 市の規定では、指定集積場所を管理する団体は、団体の構成員でない市民の当該指定集積場所等の利用を拒んではならないとしており、原則、誰でもごみを出すことができます。一方で、指定集積場所を利用する市民は、自らまたは相互に協力し、清潔の保持に努めなければならない。自治会が管理する場所を利用しようとする市民には、当該自治会に対し清潔の保持に関する協力を申し出るよう努めなければならないと定めています。 以上に基づき、市に集積場所利用の問合せがあった場合、転入者に対しての説明もそうでございますが、場所やごみの出し方の案内とともに、清潔かつルールを守って利用していただくよう協力を呼びかけています。 電話や窓口での個別の対応に加え、引き続き広報紙やホームページ等で出し方のルールを周知してまいります。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 この問題、非常に難しいんですけれども、とにかくこの安曇野市におきましては、ごみの収集、非常に整然と行われていると、そのように感じております。これだけ出来上がった、住民独自の力によりましてここまで進展させたというふうに自負もしております。ぜひこれを崩さない方向で運営をお願いしたいと、かように思います。よろしくお願いします。 次にまいります。 4番目としまして、万策尽き、区長自身が民生児童委員を引き受けざるを得ないところもあります。それだけ民生児童委員の選定が難しいことを物語っておる実例です。 職務知識の乏しい区長が、紙1枚の説明書頼りに交渉しても、困難極まります。せめて担当職員の援護を要請できればと思いますけれども、福祉部長、お願いいたします。
○議長(平林明) 矢口福祉部長。
◎福祉部長(矢口泰) 区長の皆様におかれましては、民生委員の推薦におきまして、大変な御努力、御苦労をいただいておることを感謝申し上げます。 民生委員は地域に根差した活動を行うため、地域の実情に詳しい区長に推薦者をお願いしているところであります。 民生委員の推薦について区長へ依頼する際には、民生委員の適任の要件、職務内容などについて説明させていただいております。推薦の際は、区長お一人ではなく、現在の民生委員や地元の有識者の方と御相談いただきまして、適任者を選出していただきたいと思いますが、必要に応じて、市としても十分なサポートをしてまいりたいと思います。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 ぜひそういった方向で御助力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 それから5番目です。 区長手当の低さが主たる原因とは思っておりませんけれども、手当の増額を区長自らが提案することははばかれる時代でございます。区の大小も考慮の上、区長手当を別枠として補助金に含める形で支給できないか。これも市民生活部長にお伺いします。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 区の代表者である区長の手当は、それぞれの区において構成員の合意の下、決められるものと理解しております。 市から区及び区長に依頼し、取りまとめや人選、広報、安全・安心活動、環境活動など行っていただいておりますが、これらは市から区への交付金の対象になっております。 区長手当について課題があれば、地域づくり課、各支所地域課で個別の相談に応じます。また、今後、区長会で基準づくりをするということであれば、一緒に研究するなど、必要な支援をしてまいります。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございます。 ぜひそういった形で、市のほうの主導がなければ進まないと思います。ぜひその辺のところも御考慮の上、進めていただければと思います。 それから、6番目に入ります。 区長の切替時期を迎えまして、区長の人選が容易に進むことを願いまして、今まで誠心誠意取り組もうと心がけた人ほど感じたと思う挫折感、区は、行政費用削減としての存在か、市の下請でしかないかという区長経験者が味わってきた苦い思いを軽減できる方向に向けて、「住んでよかった安曇野」の構築のためにも、安心して区長を引き受けることができるような体制づくりの必要を思いまして、市と区の新しい関係について、市長のお考えをお願いします。
○議長(平林明) 太田市長。
◎市長(太田寛) 議員の御質問にもございましたように、区長の皆様には大変な御尽力を賜っております。要望の取りまとめでございますとか、民生委員を含めた様々な人選、それから市から多くの依頼に応じていただいていること、さらには、先ほどございました地元の苦情の処理まで、大変な御尽力を賜っておりまして、よりよい地域づくりのためのその御努力に対しましては、心から感謝を申し上げたいと思います。 負担をおかけしておるところでございますが、地域の皆様の声を反映し、安全・安心で暮らせる暮らしを実現するための仕組みでございますので、引き続きの御理解を賜りたいと思いますけれども、特にこの区長の皆様の負担、これが成り手不足の一つの原因だと思っております。 これにつきましては、様々な方からお話を伺っておりまして承知はしておるところでございます。地元の区長さんを見ましても、そのお仕事が大変なことはよく認識しております。 安曇野市区長会におきましては、その課題解決に向けまして、区の事業や組織の見直し、そして役員だけでなく、多くの区民が主体的に区の活動に携わる仕組みづくりに取り組まれているというところでございます。 市は、この取組に対し交付金を加算するなどの支援を行っております。また、区長会の回数、開催形態の見直しなど、市区長会と協議し、負担の軽減を考えてまいりたいと思っております。
○議長(平林明) 大竹議員。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございました。 ぜひ、市と区の連携、関係性も、新しい時代にそぐうものとしていろいろと御配慮をいただければと思います。 我々区民といたしましても、区から市へ何ができるかということを検討していきたいと、かように思っております。 誠に申し訳ございませんけれども、3題の質問事項をそろえました。不慣れなために制限時間になってしまいました。3問目に賜りました関係部署の皆様には大変御迷惑をかけました。誠に申し訳ありませんでした。 これで私の……
○議長(平林明) あとまだ31秒ありますが。
◆3番(大竹啓正) ありがとうございます。 そういうわけで、非常に御迷惑をかけたことを、心より陳謝を申し上げます。 時間がないものですから、また改めまして後日とさせていただきます。ありがとうございました。 これで私の質問を終了させていただきます。
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△
増田望三郎
○議長(平林明) 続いて、15番、
増田望三郎議員。持ち時間は20分以内といたします。 増田議員。 (15番
増田望三郎 登壇)
◆15番(
増田望三郎) 15番、
増田望三郎です。 通告に従いまして一般質問をいたします。 なお、議長了解の下、資料を配付しております。 まず、三郷小倉にあります増田建設産業の廃棄物処理施設の問題についてお聞きします。 この問題は、私が議員になって以来、再三取り上げてきたものです。それは、地域住民から、我々の安全・安心な暮らしを守ってほしいという切実な声が寄せられるからで、まず、配付資料を御覧ください。 これは、昨年12月21日にあった業者施設の火災の様子です。この施設は、市が一般廃棄物処理業の許可を出しており、木材等のチップ化処理をしています。このチップ化処理機械から出火したようです。 この火災について、市がどのように把握しているのか、どのような作業をしていたときにこのように発火したのか、まずお答えください。市民生活部長。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 火災の原因についてでございますが、入替えに伴う破砕機の解体作業中に、解体業者が使用したバーナーの火花が破砕機のベルトコンベヤーに燃え移ったと、そのように報告を受けているものでございます。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 機械の解体作業をバーナー、ガス切断でやったと、その際に出火したということで、この方法は酸素とアセチレンを使うもので、周りに燃えやすいものがないかの安全確認が必要なんですね。火気厳禁な中で使用する、木材チップ等がある場所なんですけれども、大丈夫なのかなと。その安全管理はどうだったのかなと思うわけです。 火災後に業者から、火災の報告や説明が市にちゃんとあったのか。また、現在、この本施設、どうなっているのか、お答えください。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 火災後、事業者に対しまして、事故の状況について、応急措置の内容について、今後の再発防止について、以上3点について、12月24日付で指示書を交付し、報告を求めました。 事業者からは、令和4年1月8日付で指示事項に対する報告書が提出されております。 現状ですが、既に県の産業廃棄物処理施設設置許可を受けて、古い破砕機の撤去及び新しい破砕機の設置が完了しております。 産業廃棄物処分業の変更届も提出済みで、現在は産業廃棄物の木くずを処理しております。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 資料を御覧になると分かりますが、チップ化処理をする機械がかなり激しく燃えています。この施設は木材をチップ化処理する施設なので、燃えやすい木くず、廃材、チップ、これらが大量に置いてあります。火災の際も、うずたかく積まれた木くずがあったと、現場に駆けつけた住民が言っていました。これらこういった木くずのものに燃え移れば、より大きな火災になった可能性があります。 さらに、この業者施設の隣地、これ、今一番上の写真の両隣なんですけれども、これは廃油を扱っています。もし木くずに燃え広がり、そこから隣接会社まで延焼していたら、大惨事になっていたと。 この業者、これまでも施設入り口扉が倒れて死亡事故が発生したり、事業者の労災隠しがあったりと、そして今回の火事。地域住民にとっては、安全・安心な事業者とは到底言えません。 ぜひ、こういった状況にあることを、行政はもちろん、同僚議員の皆さん、市民の皆さんにも知っていただきたいと思います。 次に、この事業者の一般廃棄物処理業の許可について伺います。これは市が許可を出している分です。 まず、処理施設の定義について。処理施設とは、外壁などを含めた敷地全体を言うのか、チップ処理機本体だけのことを言うのか。まず、このことをお聞きします。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 処理施設の定義ですが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第5条において、政令で定める一般廃棄物処理施設は、一日当たりの処理能力が5トン以上とされています。そのほかについては、具体的な定義については定められていないと、そういった状況でございます。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) では、この処理機が今回の火災で焼失していますね。今の部長の話だと、既に新しいものが入って、県の分ですかね、産廃の部分は行っているという話でしたでしょうか。市における現行の処理業の許可についてはどうなるんでしょうか。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 破砕機が燃えたということでございますけれども、この処理施設、破砕機は処理施設に含まれると解しておりますけれども、その焼失をもって廃棄物の処理及び清掃に関する法律の取消要件に当てはめることはできないと、認識しております。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) ちょっと再質問です。 廃掃法をなかなか読み取るのが難しいんですけれども、廃掃法14条の3または6に、「その者の事業の用に供する施設又はその者の能力が、その事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして定められた基準に適合」しなくなった場合、これは取り消すことができる場合ということで書かれているんですけれども、こういったケースには当たらないんですか、今は、一般処理業。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 議員御指摘の件につきましては、現在、長野地裁で係属中の裁判において、原告側から今回の火災について主張がございます。したがいまして、この御質問につきましては、答弁は控えさせていただきます。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) では、市は業者側からの火災の報告もあったということなんですけれども、今後、どのような指導や対応を業者にしていくのでしょうか。お願いします。
○議長(平林明) 山田市民生活部長。
◎市民生活部長(山田真一) 現状で木くずの処理ができる状況ですので、今後の業務について、特に申し上げることはございません。 なお、引き続き施設の許可権者である長野県とも連携しながら、法に基づく立入検査、毎月行っております。これを定期的に実施し、処理状況等を含めた確認をしてまいります。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 地域住民の安全・安心な暮らしを守るために、市は、今後もこの業者の指導をしっかりとしていただきたいと思います。 それでは、次の質問にまいります。 次のテーマは、「安曇野の子供たちに明日はある!市の小中学校の将来構想・行動計画について」です。 文科省中央教育審議会は、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」ということで、「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」を進めるというふうに言っています。また、本市では、小・中学校の将来構想が年度内に策定され、さらに行動計画の検討が始まると。 本市の小・中学校が子供たち一人一人にとって最適な学びの場となるにはどうすればいいか、このことを議論したい。我々大人が安曇野の子供たちには明日はある、そうはっきりと言える学校教育を構築したいと思っています。 そこでまず、文科省の言う「令和の日本型学校教育」について、この見解を教育長に、特に「個別最適な学び」という点で絡めてお願いします。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 議員御指摘の「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」、これは令和3年1月26日付、中央教育審議会の答申として公表されたものでございます。 この中の「個別最適な学びと、協働的な学びの実現」、これは主体的、対話的で深い学びというものとともに、新しい学習指導要領を令和という新たな言葉に込めて後押しするものと、受け止めております。要するに、一体的なものであるというふうに。そして、この国際化・グローバル化の時代に、国があえて「日本型学校教育」と言っている意味についても、私はしっかりと考えてみる必要があると思っております。 これについては、教職員の働き方改革やGIGAスクール構想、これを強力に推進する一方で、日本の学校で長年当たり前のように行われてきた、例えば学びの場である教室を、自ら清掃し整えるといった教育活動、この意義や意味を再確認することが求められていると、このように捉えております。 まとめて言えば、変化し続ける社会や新しい時代の要請・期待に応えていくことと同時に、これまで日本の学校教育で大事に培ってきた全人的な成長・発達を図っていくこと、この両方の実現を目指していくことが肝要であると、このように考えております。 安曇野市では、御指摘のように、安曇野市立小・中学校の将来構想がこの3月に策定となります。この中で、未来を開くたくましい安曇野の子供を育成していくという理念、これは令和の日本型学校教育の方向と同一方向を向いているものであると、このように捉えております。 以上でございます。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 日本型のというところに意見を言っていただきました。掃除を自分たちでやって、自分たちの場所を整えていくという、そこは確かに日本型なんですけれども、これまでも一斉授業、一斉教育でやってきたということを脱皮しようという、それが新しい日本型のというような意味が込められているんじゃないかなというふうに思っています。 ここからは将来構想についてお聞きします。 この「個別最適な学び」というものが、本市の小・中学校の将来構想でどう実現されていくのか。構想の3つの重点項目の1つ、小中一貫教育の導入、この部分から考えをお聞かせください。改めて何かありますか。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 小中一貫教育の考え方を取り入れていく、この方向性は、子供たち一人一人の可能性を引き出す学びを、より確かにしていくことであると、このように考えています。 現在の子供たちの成長・発達は、我々が育った時代よりも進んでおり、小学校6年、中学3年という区切りにこだわらず、9年間の中で継続的、段階的に新たなまとまりとして学び方を考えることが必要になっています。 この発想に立って、全ての教職員が1人の子供を多角的・多面的に捉えて、そして個性や特性に応じた支援を大勢の力で充実させていく。このことによって、子供たち自身も意欲を継続させ、自信を高めていくことが期待できると思っております。 そして、同一地域の小・中学校が同じ目標に向かって、自分の学校だけではなくて、それまでどんな学びをしてきて、どんなよさを育んできたのか、その一人一人のよさを踏まえて、連続的・継続的に指導していくことによって、個別の最適な学びにつながっていくと、このように考えております。 以上です。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 大いに納得するところなんですね。9年間というスパン、子育てもそうですけれども、人を育てるというのは、じっくり年月をかけて行うものです。大人が腰を据えて子供にじっくりと向き合わなければ、子供の特徴や特性、興味、関心を捉えることができないでしょう。一人一人の子供に合った個別最適な学びを進めていくためには、小中一貫9年間という長期スパンで子供の成長を見ていく。これはまさに教育長おっしゃるとおりなんですよね。この方向性で正しいと思います。 ここで私ちょっと持論を述べますが、私は子供の成長を大人だけ、教師だけが考えるのではなくて、子供たち自らがどのような大人になりたいのか、どんな成長をしていくのかを描いてみることが、肝要だと考えています。 資料の裏面を御覧ください。 大リーグで活躍する大谷選手が高校1年生のときに作った自身の目標とそのための成長計画のチャートです。これ、なかなかしっかりと書かれていて、彼の中に自分の成長への描きが、このチャートとしてはっきりとあったんですね。 私は、子供たちがこのような自身の成長カルテを作ってみる、このことを提案したいです。 ところが、既にキャリアパスポートという取組があるんですよね。これ、文科省がやっているのかな。友人の教師が教えてくれました。 このキャリアパスポートの説明と、今現在、安曇野の小・中学校でどのように実践されているのか、教えてください。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) キャリアパスポートは、児童生徒が自らの学習状況、自分の目標や興味のあること、やりたいことなどを見直したり振り返ったりして、自分の変容や成長を自己評価できるようにするために記入するものでございます。 令和2年4月から全ての小・中・高等学校で実施するよう国から通知が出されており、小学校入学から高校卒業まで、学年・学校種を超えて引き継ぐようになっています。 安曇野市でも、小学校低学年、中学年、高学年、そして中学校用、このように統一した形式を整えて実施を始めて2年目になります。多くの学校では、学期末などに、取り組んできた学習活動を記入し、振り返っております。 以上です。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 再質問ですけれども、大体そのキャリアパスポートのファイルみたいなのがあって、それを取り出すのは学期末に、年に3回ぐらいということですか。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) これは小学校に入学したときから順次ファイルに差し込めるような形式になっておりまして、日々取り出して見ることも可能ですし、記入することも可能なんですけれども、これまで多くの学校で学期末くらいを単位に、自分の学習の履歴、活動を振り返るということをしておりまして、それを家庭にも持ち帰ってお家の方に見ていただくというようなことで、年3回かと言われれば、それが多いというのが現実かと思っております。 以上です。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) キャリアパスポートの趣旨は、自身の変容や成長を自己評価するという、この視点は本当にいいんですけれども、なかなか年に、学期末に見るとか、私もちょっと見ましたけれども、記入欄がちょっと小ちゃかったりとかで、教師にとっても子供にとっても、日々の学校生活の中に位置づいたものにはなっていないんじゃないかなというふうに思います。 市が将来構想で示す小中一貫教育の9年間、これは9年間かけて子供たちの成長と学びにしっかり寄り添っていくということですよね。それが本市が向かう学校教育だと。 私、提案なんですけれども、私は毎週1回自分の成長を振り返ってみる、やれたことを確認してみる、時には仲間と話し合ってみる、書き留めてみる、それらをじっくり行う、じっくり個別の時間(仮称)を設けることを提案します。1つ目、じっくり、2つ目、自分の頭で、3つ、自分の成長カルテを作る、これはキャリアパスポートでもいいんですけれども、とにかく、このじっくりと自分に、日々の暮らしの中に向き合って、そこをやっていくということを、やっぱりしっかりとやっていってほしいなと。 この成長カルテが、子供の成長の軌跡になり、そこにはその子供の個性、特性、興味、関心、葛藤したこと、乗り越えたこと、こういったことがつづられていく。そんなじっくり自分に向き合う時間を何よりも優先して持つことで、一人一人の主体性が出てくる、一人一人の個性が見えてくる。それこそが個別最適な学びへとつながっていくんじゃないでしょうか。もう一度教育長、お願いできますか。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) このキャリアパスポートの取組は、まさに始まったばかりでありますけれども、小・中・高と続けていった場合には、10年以上にわたる自分の学びの、あるいは自分の成長の記録になるわけで、これは極めて有意義な取組であるというふうに思っています。 ここに、いつ、どういうことを書き込むかというのは、現在は、先ほど申し上げましたように、まずは1つの形式でスタートしておりますけれども、議員御指摘の、1週間に一遍なんていうふうにいくかどうかは分かりませんけれども、常に自分を見返しながら、記録しながら歩んで、その記録を蓄積していけるということは、非常に意義あることだと思っておりますので、今後、キャリアパスポートの内容を見直す機会があれば、ぜひ参考にさせていただきたいと思っております。 以上です。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 今度は行動計画についてお聞きします。 これはまだ教育総合会議の中で検討資料として示された段階ですので、検討はこれからと。そこにつながればと思って意見します。 行動計画にある8つの視点の中に、地域の職業人から学ぶキャリア教育というのがあります。この中で書かれている中学生キャリアフェス(仮称)についてお尋ねします。 市が考えるキャリア教育、中学生キャリアフェスの狙いはどんなことでしょうか。これまでも職業体験学習とかあったわけですけれども、これらとの違いも含めて、ちょっと素案のところで恐縮ですけれども、お考えを。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 御指摘のように、これまで市内の中学校ではそれぞれが職場体験学習を実施してまいりました。これはキャリア教育の一環でございます。しかしながら、これには大変いい面と、また、課題となる面、それを含んでいると感じております。 そこで、今年度、キャリア教育に先進的に取り組んでおります「伊那市中学生キャリアフェス」という催しを視察してまいりまして、たくさんの情報を得てまいりました。 私どもは、これからの安曇野市の子供たちのためには、こういったことを参考にして、安曇野市独自のキャリアフェスのようなものができないかと、こんなことを考えているわけでございます。 こういうものをということで、何年から市内一斉にということではなくて、まずは意欲のある学校とともに研究指定校というような形でスタートしてみたいなと、こんなふうに考えております。 このキャリアフェスというのは、一体これまでの職場体験学習等とは何が違うのかということなんですが、方向性としては、これまでは学校で、幾つかこれまでのつながりで協力してくださる企業や様々な職場へアポを取って、そして生徒が数日間仕事を体験するということが中心なんですけれども、これは全然発想を変えて、中学生自らが主体的にその形そのものを立案して、計画して、運営するというところに携わらせたいと、そして何よりも、その中身は、市内で働く多くの大人たちと関わって交流をさせたいと、こういうことなんです。 つまり、ここでは、単なる企業の紹介だとか、職業の紹介を受けるのではなくて、そこで働く人が、自分の経験や仕事にかける意気込みであるとか、実践して、こんなことが学べたとか、うれしいとか、苦しいとか、そういった生の声を対話を通じて学び合うことを通して、新たな子供たちの中に生まれるものを期待しているわけです。 つまり、中学生が大人と接する中で、その人から直接感じ取る、こんな大人になりたいなとか、あるいは夢やあこがれを持ったりとか、あるいは一緒に安曇野市の将来を語り合ったりする、こんなことを通して、自分の力で生き方を選択する力、そんな能力や態度を身につけさせることを期待して、今、計画に着手したいなと思っているところでございます。 以上です。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 大賛成です。中学生が大人とともに企画・立案から運営まで行う実行委員会形式で開催すると。自分たちのキャリアを考える機会を自分たちでつくっていく、これはとてもいいなと思います。 ちなみに、成人式も実行委員会形式なんですよね。この前も出ましたけれども、二十歳の若者たちは、本当にああやって何人もの来賓の話す成人式をやりたいのかなというふうに、ちょっとそういう疑問を持ちました。この後、議案質疑でやらせていただきます。 大人が、正確に言うと、行政側の在り方が強いんじゃないかなと。これは中学生議会に関してもそういうふうな感想を私、持っています。 キャリアフェスでは、ぜひ子供たちに、何を学びたいかという、その問いかけから始めていただきたいなと思います。子供たちの中にあるもので勝負しましょう、そのことをお伝えしたい。 安曇野にはすてきな大人たちが本当にたくさんいます。そんな大人たちの熱い思いや生き方も、子供たちの中にそれを受け取る、感じ取る素地があればこそなんですね。今回私が提案している、じっくり個別の時間、要は、自分の成長計画を立てようということも、そういう子供たち自身が、自分の成長について日頃から考える素地を持っている。そういった自分成長の思考の中でこそ、こういったキャリアフェスみたいな場も最大に生きてくるというふうに思います。 さて、ここで少し寄り道をさせてください。 皆さんに問いかけさせてください。 我々大人は、自分の仕事について子供と対話できますか。また、対話したいですか。自分の仕事への熱い思いを子供たちに伝えたいですか。これはキャリアフェスも出番があると思うんですけれども、市長、教育長、それぞれお願いします。
○議長(平林明) 太田市長。 (市長 太田 寛 登壇)
◎市長(太田寛) お答え申し上げます。 このキャリアフェス、安曇野には考えている。この基になったのは、先ほど教育長のほうから話がございましたけれども、今は伊那市と言われましたが、上伊那広域連合の中のそれぞれの市町村の中学校でやっている中学生キャリアフェス。それから、それは個別の中学ごとにやっているんですけれども、上伊那広域連合全体として郷土愛プロジェクトという名前で、多分10回くらいもうやっていて、私はその1回目だけでなくて、その後ずっと出ていました。去年はちょっと選挙があって出られなかったんですけれども、それはずっと案内いただいて出ていました。 今、増田議員がおっしゃったように、大人が子供に対して、将来何になりたいかというよりは、今私たちはどういうふうに仕事をしているかということを語りかけるという場が、このキャリアフェスでした。 私は、キャリアフェスのほうは出ていなくて、それはこの郷土愛プロジェクトの大会のときに映像で流されました。その中を見ていると、多くの場合は、そこの中学生の保護者の方が自らしゃべっていました。つまり、自分の子供たちがいる前で、私が見たのは、大工さんがいて、美容師さんがいて、普通の会社に勤めている方もいました。そういう方が話していました。それも熱く語っていました。 こういうことは、やはり子供にとって非常に勉強になるという具合に思っておりまして、今回、市長になってから教育委員会に、実は上伊那ではこういうことをやっていますよと。将来の中学生がどういう社会人になるかということを考える際に、絶対参考になるので見てきてくれないかとお願いして、それで多分行ってもらった、11月に行っていただいたと思っています。 実は、この話はもともと上伊那広域連合の中のある企業の社長さんが発案して、だんだん話が広がって、PTAでございますとか学校の教職員、それからそれぞれのキャリアフェスの中では、中学生がみんな入ってやっているわけです。 これが去年から、今度、下伊那のほうでもこれをぜひやりたいということで始まりまして、多分そのときにここの安曇野がそんな話だと思っています。 ですから、特に自分の子供がいることも前提として、今私たちはどうやって働いていますかと。それは多分、自分の家の中で働いている方もいらっしゃると思いますけれども、家の中では見えないお父さんやお母さんの姿というのを中学生に見せるということで、非常に意味があろうかという具合に思っています。 去年が多分10回目か9回目なので、もう相当な回数になっていますけれども、いつ行ってもいろんな方がお話をして好評でございます。 そういう意味で、自分自身の振り返りにも大人のほうはつながるのかなという具合に思っております。 以上でございます。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 自分ならどうかというお尋ねでございますけれども、私自身も、中学生とそういった意味で対話をしていくということについては非常に期待を持っておりまして、楽しみに思っております。 それには、現在この職に就いている、これだけにとどまらず、自分が生まれ育って今に至る、その道筋の中に、様々な子供たちに伝えたいことが実際ありますけれども、それをきちんと、もう一度、自分自身振り返って整理をして、その上で臨みたいなと、こんなふうに今は思っているところでございます。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) せっかくだから、私も。 私も伝えたいんですよね。議員を8年やって、ようやく議員の仕事や議会の仕事が見えてきました。優秀で勉強熱心な職員の方々が執行する行政だけでもいいのに、なぜ議員や議会という仕事が存在するのか。それは、行政の方たちも間違うかもしれない、あるいはおかしなことをするかもしれないという前提から、もう一つ何かチェックする機能が仕組みとして担保されているということ。また、行政以上に市民に近い存在として、市民の声に寄り添い、市民の代表として論を起こし、フットワーク軽く動き、調査研究をし、その知見を持って行政に政策提案をすること。そんな議員や議会の役割の何とやりがいがあることかと。大好きな安曇野のまちづくりに直結する仕事だよ、ということを子供たちに伝えたい。 寄り道は終わり、個別最適な学びに話を戻します。 将来構想の中に、教育課程特例校制度の活用の検討、これで、魅力ある特色ある学校の創出と言っているんですが、この制度の説明と、どういった学校づくりが期待できるのか、市としても取り入れていくのかという辺をお願いします。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) お尋ねの教育課程特例校制度でございますけれども、これは一定の手続を踏むことで、文部科学大臣が学校教育法に基づき指定する学校に、学習指導要領によらない教育課程を編成して実施することを認める、こういう制度でございます。県内でも、地域の特性を生かしてこの制度を実施しているところがございます。 安曇野市におきましては、現在、各校において、地域の特色を生かした教育活動が展開されているわけですけれども、今後、小中一貫教育の導入を機に、同一地域の小・中学校が9年間、それぞれどんな活動をしているのかというのをきちんと共有して整理して、そのことから始めて、さらに、この地域の子供たちには、こういうことを学ばせたいんだというようなものが顕在化してくれば、その学校の特色化や魅力化を一層創出する、そういった方策として選択肢の1つになるだろうと、こんなふうに考えております。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) ありがとうございました。 それでは、最後の質問項目に移ります。 成長の土台づくりについてです。 建物に例えるなら、基礎がしっかりしていないと建物は建てられないし、作物もしっかりと根を張らなければ、土中の栄養分を吸収せず、実を実らせることができません。人間にとっても、子供時代における成長の土台づくりは、その後の人生を生き抜いていく心身の健康や生きる力の礎を培う大切な過程です。本市では、それを「たくましい安曇野の子ども」と言っています。 1つ気になるのは、市内の小・中学生の体力テスト。これ、低い成績の種目が多くて、さらに体育や部活動以外で体を動かす時間が県下でも最下位。これ、昨日の橋本議員の意見があって、その答弁がなかったんですけれども、これについて教育長のお考え、お聞かせください。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 調査結果は、今おっしゃられたとおりでございますけれども、最新のデータによりますと、改善の兆しも見えております。 体力、運動能力、運動習慣のこの調査は、年によって変動もありますので一概には言えませんけれども、この豊かな環境の安曇野市において、子供たちの体力の状況があまり高くないということについては、何とかしていかなければという思いは強く持っております。 以上です。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) そうですね、データで一喜一憂はしなくてはいいと思うんですけれども、そういうことの課題はあると。 本市は自然豊かな地域であるにもかかわらず、この状況はとても残念です。特に幼少期においては、自然保育を推進しています。現在、庁舎1階西側の階段下ロビーで、安曇野の自然保育展を開催中で、これはとてもすばらしい内容なので、3月末までやっていますので、皆さんに見ていただきたいと思いますが、この自然保育を、市は安曇野のブランドに高めようとしているわけで、ならば、その次のライフステージである小学校でも、こういった取組をどう伸ばしていけるのかということをお聞きします。教育長。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 新年度から教育委員会がこども園、幼稚園、小・中学校を一体的に所管することになります。このことから、幼保・小の連携は、一層強固なものにできる環境になるわけですし、していかなければならないと、こんなふうに捉えております。 市では、就学の前後において、成長の土台づくりをしっかりとしていくことが大切だということで、将来構想にも位置づけて、これからその行動計画を立てていきたいと考えているわけでございますけれども、それには、自然保育をはじめ、認定こども園で実践している様々なことを小学校につなげていく取組を具体的にしていかなければいけないと、こんなふうに思っております。 先ほど、体力・運動能力のこともございまして、平成26年からですけれども、小・中学校の教員だけではなくて、こども園の保育担当者も加えて、体力向上推進委員会というのを立ち上げて、時々の体力の状況を見極めて、毎年協議を重ね、そして具体的な運動を紹介するなどの活動に取り組んできております。 来年度、新年度は、現在までは認定こども園で実施しておりますコーディネーション運動、つまり、状況に応じて体の動きや力加減を調整する運動ですけれども、これを小学校の低学年からしっかりと小学校にも位置づけて、幼保・小の連携の上で成長の土台がしっかりと作られるような体制を構築して、その学校への支援体制も少し考えていきたいと、こんなふうに思っているところでございます。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 次に、中学生のステージですね、ここでの土台づくり。 これは1つだけ、学校登山の復活についてお聞きします。 学校登山の話をすると、登山は安全に行う体制がないからということで、そういう話になってしまうんですけれども、中学生の子供たちのサポートをしながら登山をしようという大人は、この安曇野に少なからずいるんじゃないでしょうか。私なんかは一緒に登りたいというたちですが、土台づくりとしての学校登山を市民ボランティアとともに行うと、この点、いかがですか。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 中学校の集団登山は、体力面で参加を見合わせる生徒が、近年多数生じてきております。また、学校が登山を安全に実施するということに対して、不安感が大きいということなどが理由で、県内においても、実施する学校が減ってきているという状況がございます。 本市でも、コロナのこの影響もあるわけですけれども、毎日仰ぎ見ている燕岳、常念岳といったこの山々に登山するという学校は、来年度の計画にきちんと位置づいているのは一、二校というような状況になっております。 これは小学校でも顕著でございまして、かつては秋や春に遠足があって、必ず一定の距離は学年ごと歩いていたわけですけれども、そういった行事が姿を消して、身近な里山の光城山とか長峰山、こういったところに限ってみても、登るという学校はほんの僅かしかないと、こういうことでございます。 しかしながら、この我が安曇野市が日本や世界に誇る北アルプス、そして大自然に抱かれたこの安曇野で育つ子供たちでありますから、ぜひ仰ぎ見る山くらいには登ってほしいなというのが、正直な思いでございます。 先ほど御提案のように、恐らくかつて登山を経験した大人たちは、それなら幾らでも協力しますという方々は、きっと数多くいらっしゃることと思うんですけれども、なかなか現場の子供たちや学校の状況は、幾つもハードルがあるなというのが現実ということでございます。 そこで、先ほど来の小中一貫教育と関連するわけですが、同一地域で育つ幼稚園・こども園から小学校、中学校とこの一貫した教育の目標の1つに、中学生になったらあの山に登るんだぞというようなものをぜひ持ってもらって、そして、日頃から体力や気力をしっかりと培って、そしてその結果、中学生になったときに、みんなで喜んで集団登山に参加しようというようなことになれば、うれしいなというふうに思っておりまして、明日、あさってすぐに、大人が後押しするので登れじゃなくて、少し長い目で子供たちのたくましさをしっかりと育てて、長期的に見て取り組んでいきたいなと、そんなふうに思っているところでございます。 以上です。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) そういったことも、本当に9年間というスパンの中では捉えられるんですよね。そう思います。 私、集団ということはあまり好きではないですけれども、授業は集団じゃないほうがいいと思っているんだけれども、やっぱり集団だからこそ得られる仲間との達成感みたいなこともあると思うんですね。そういうのを本当に子供たちに味わってほしいなと思います。 では、最後です。 今年度から市内全ての小・中学校で始まった弁当の日の取組について。 私は議員になって1年目に一般質問で、弁当の日の取組を提案しました。あれから7年ぐらいですかね。 明科中学校の当時の校長先生の強い思いから始まった弁当の日が、市教委として、今年度から全校に広げた理由、弁当の日の取組についてお答えください。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 弁当の日につきましては、今、御指摘のように、平成26年に市の食育推進計画に位置づけられたことを機に始まったわけですけれども、増田議員さんからも御質問をいただきました。その後、28年に明科中学校を中心に始まって、本年度、全ての小・中学校で取り組んでいるという状況でございます。 このことの意義というのは、今の子供たちが非常に生活経験が乏しい。そういう中で、子供たち自ら自立といいますか、あるいは成長、そういったものを促すきっかけにしたいと。最終的には、市が目指す「たくましい子ども」、これはもう少し言葉を替えて言いますと、自分で考え、判断し、行動できる、そういった子供、こういうものにつなげていきたい、その大きな取組になるというふうに思ったからでございます。 コロナ禍でいろんなことに大変苦労している学校なんですけれども、学校現場は、コロナで難しいからやめようということでなくて、どうやってやったらできるかという新たな力が、私は各学校に生まれてきているんではないかなと思うんですね。 今回の弁当の日も、それぞれの学校が、それぞれの学校のスタイルでいいので、まずは始めてみようという、その呼びかけに応えてくれたのは、学校現場が日々苦労を重ねている中で、何とかできるにはどうしたらいいかという発想を持ってくれたからだと、私はそんなように思っております。 以上でございます。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) すみません、再質問をお願いします。 弁当の日の取組は、家庭環境やコロナ禍で困窮している家庭にとっては、なかなかカラフルなお弁当を持っていけないと。惨めな思いをする児童生徒もいるので配慮が必要だ。そこは配慮は必要だとは思うんですけれども、このことについては、教育者としてはどのように答えますか。
○議長(平林明) 橋渡教育長。
◎教育長(橋渡勝也) 弁当の日の導入に当たって、これは以前の話ですけれども、教職員から出された不安の声で、一番多かったものが、作ってこられない子供がいたらどうしようというものでございました。 私は、先生のおにぎりを一緒に食べればいいから、何も心配しなくていいよと答えたらどうと、そんな話も伝えたことを思い出します。 日々の給食にしろ、家庭の食事にしろ、子供たちは常に作ってもらったものを食べるという立場にあります。これを年に1回でも2回でも、立場を替えて、作る側に立つ経験をさせたいというのが、弁当の日の取組であるわけです。 これについて、保護者の皆様の中には、弁当の日は負担であるとか、あるいは、かえって手間がかかって大変だというものがございます。中には、弁当が作れなくてかわいそうだという心配をしてくださる声もございます。 しかし、食事というのは、誰もが毎日取ることでございまして、それを弁当の日だから特別な日というのではなくて、日常生活の延長と捉えてみたら、少しは肩の力が抜けるんではないかなと思います。 もちろん学校でも、ただやらせるのではなくて、子供と一緒に献立を考えたりとか、作り方を確認したりと、そんな努力も必要だと思っています。これも、やはり9年間積み重ねれば、9年目の子供は、予想してみると、かなり自分の力でできることが増えているんではないかなと、こんなふうに期待もしているわけでございます。 最後に、教育者としてどう考えるかという御質問でございますので、大人は失敗することに臆病になりますけれども、子供は、大人から、信じて任せるぞと、おまえに台所を明け渡すだとか、やってみろというように言われれば、予想もしない力を発揮するものであると、私はこんなふうに信じています。 以上です。
○議長(平林明) 増田議員。
◆15番(
増田望三郎) 弁当の日は、食べるという人間の根源的な営みにおいて、やってもらう人から自分からやっていく人になる。そしてそれは、食べることだけでは終わらない。自立した大人へ成長する取組だと思っています。 私は腹案がありまして、私も東京時代は、食べるものを買うだけ、消費するだけの人だったんですけれども、この安曇野に来て、素人ながらのお米作りを始めて17年になります。今年のお米作りを、市内の小・中学生に、一緒に作ろうと呼びかけてみたいと思っています。 お弁当の日に詰めるお米が自分が関わったお米だよと、そんな喜びを子供たちに味わってもらいたいなと。そんな受入れを、お米作りをしている方たちにも呼びかけてみたいなというふうに思っています。 今回は、安曇野の子供たちに明日はあると、そう言える学校教育を安曇野の大人たちで力を合わせて構築したい。そういう思いで質問をいたしました。 まず何よりも、現場で奮闘される先生方、そして俯瞰、大局的に取り組む教育委員会の皆さん、そして親御さんたち、子供たちへのエールの思いでいっぱいです。 以上です。ありがとうございました。
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△散会の宣告
○議長(平林明) 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。 明日3月4日も一般質問を行います。午前10時までに御参集ください。 本日はこれをもって散会いたします。 大変お疲れさまでございました。 (午後4時38分)...