大町市議会 > 2024-02-28 >
02月28日-03号

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  1. 大町市議会 2024-02-28
    02月28日-03号


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    最終取得日: 2024-09-29
    令和 6年  3月 定例会          令和6年 大町市議会3月定例会会議録(第3号)               令和6年2月28日(水)---------------------------------------令和6年大町市議会3月定例会               議事日程(第3号)                     令和6年2月28日 午前10時 開議日程第 1 市政に対する一般質問順位議席氏名114個人質問     山本みゆき212個人質問     中牧盛登315個人質問     高橋 正44個人質問     傳刀 健510個人質問     宮田一男---------------------------------------              会議出席者名簿◯出席議員(16名)     1番  植松悠一郎君       2番  二條孝夫君     3番  一本木秀章君       4番  傳刀 健君     5番  堀 堅一君        6番  太田昭司君     7番  中村直人君        8番  西澤和保君     9番  栗林陽一君       10番  宮田一男君    11番  小澤 悟君       12番  中牧盛登君    13番  大竹真千子君      14番  山本みゆき君    15番  高橋 正君       16番  大和幸久君◯欠席議員(なし)◯説明のために出席した者 市長         牛越 徹君    副市長        矢花久則君 教育長        中村一郎君    総務部長       和田泰典君 総務部参事      田中久登君    民生部長福祉事務所長 川上晴夫君 民生部参事生活環境課長            笠間博康君    産業観光部長     駒澤 晃君 会計管理者      降旗孝浩君    教育次長       太田三博君 病院事業管理者病院長 藤本圭作君    病院事務長      曽根原耕平君 庶務課長選挙管理委員会書記長            飯島秀美君    建設課長       松田紀幸君 上下水道課長     松宗市雄君◯事務局職員出席者 事務局長       藤澤浩紀君    事務局係長      西澤秀一君 書記         小山 学君    書記         倉科貴大君 書記         千野恵子君---------------------------------------                本日の会議に付した事件              議事日程(第3号)記載のとおり---------------------------------------              令和6年 大町市議会3月定例会           市政に対する一般質問通告並びに質問要旨、順位順位議席番号 氏名 [質問形式]質問項目及び要旨ページ114番 山本みゆき [一問一答]1.新年度予算について  (1) 歳入・歳出の概要と新年度に目指すものは。  (2) 増え続ける行政事業の効率化への考えは。 2.少子化対策について  (1) 結婚支援の現状と婚姻を増やす取組みは。119 ~ 130212番 中牧盛登 [一問一答]1.若者の県外流出対策について  (1) 大学のあるまちづくりを考えてみませんか。130 ~ 138315番 高橋 正 [一問一答]1.大町市再生を考える  (1) 「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現とは、どのようなものか。  (2) 持続可能な地域社会はどのように実現させるのか。
     (3) 「次世代に引き継ぐ新たな大町市」とは、どのようなものか。 2.ハラスメントは無くなるか  (1) ハラスメント対策においては何が最も重要と考えているか。138 ~ 15244番 傳刀 健 [一問一答]1.教育環境は整っているか  (1) 学校再編の進捗と課題は何か。   ①改修工事等のスケジュールはどうか。   ②通学方法は安全か。  (2) 新年度予算で子どもたちの教育環境は守れるのか。  (3) 校地跡地利用の検討組織は立ち上がったか。 2.大町市職員ハラスメント対策指針で何が変わるか  (1) 誰を守るための指針案か。152 ~ 167510番 宮田一男 [一問一答]1.防災対策について  (1) 住宅耐震化への課題は何か。 2.太陽光発電について  (1) 条例制定により課題解決が図れるか。  (2) 太陽光発電の活用方策は。 3.自衛隊への名簿の提供について  (1) 現状と課題は何か。167 ~ 179 △開議 午前10時00分 ○議長(二條孝夫君) おはようございます。ただいまから3月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は16名全員であります。よって、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 なお、本日の会議に出席を求めた者は、市長、副市長、教育長、及び各部課長等であります。--------------------------------------- △日程第1 市政に対する一般質問--------------------------------------- ○議長(二條孝夫君) 日程第1 市政に対する一般質問を行います。 質問通告者は14名であります。 よって、本日は議事日程記載のとおり5名とし、明日29日に5名、明後日の3月1日に4名の予定で質問を行いますので、御了承いただきたいと思います。 これより質問に入ります。 質問順位第1位、山本みゆき議員の質問通告は2項目です。山本みゆき議員の質問を許します。山本みゆき議員。(拍手)     〔14番(山本みゆき君)登壇〕 ◆14番(山本みゆき君) 皆様、おはようございます。政友クラブの山本みゆきです。 通告に従いまして、1、新年度予算について、2、少子化対策についてお聞きいたします。 それでは、1の新年度予算についてです。 令和6年度の予算編成が行われ、議会での審査を経て、1年間の市のお金の使い道を決める重要な時期となりました。あと2年に迫った小学校の再編に伴う環境整備、また、子ども・子育て支援の強化に重点を置いているそうです。 予算書を見ますと、物価高騰はコロナ禍からの回復を遅らせており、歳入では、個人、法人市民税ともに減収を見込んでいます。また、歳出では、光熱費の高騰により、施設の維持管理コストの経常経費が増えています。投資的経費では、八坂・美麻CATV網光化工事小学校再編、環境整備など、大規模な事業が重なり、大幅な増額となっています。 また、来年度は市制70周年記念事業や、3回目となる北アルプス国際芸術祭を控えており、新年度一般会計予算は、前年比プラス6.8%、11億7,900万円増額の185億3,800万円を予定しています。 そこで、来年度予算での歳入歳出の概要とそれによって新年度に目指すものは何でしょうか、お聞かせください。 これで1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 山本みゆき議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 新年度予算の歳入歳出の概要と新年度に目指すものは何かとのお尋ねにお答えします。 当初予算の編成に当たりましては、歯止めのかからないばかりか一層加速する少子化や長引く原油価格、物資高騰の影響に鑑み、SDGs未来都市計画DX推進計画など、各分野の個別計画を踏まえ、創意工夫と柔軟な発想の下で、将来にわたり地域活力を維持向上させる事業展開が図れますよう、効率的かつ効果的な財源の配分に努めたところでございます。 初めに、歳入歳出の概要につきましては、まず歳入では、市民税は国の定額減税や物価高騰等の影響から、議員御指摘のとおり、個人、法人ともに減収となりますものの、固定資産税は償却資産の増加により増収となりますことから、市税全体としましては、前年度比0.4%増を見込んでおります。 また、地方交付税につきましては、地方財政計画において増額が確保されておりますが、当市では、市債の償還額の減少などにより、基準財政需要額の減額が見込まれますことから、対前年度比0.8%の減としております。 こうしたことから、財源不足を補うための基金からの繰入れは14億2,759万円余、前年度比9.2%増となり、依然として厳しい財政環境の中にあるものと認識いたしております。 次に、歳出につきましては、年々増加する社会保障関連経費に加え、公共施設の老朽化等に伴う維持補修費や光熱費の高騰等による施設管理コストの増大など、義務的、経常的経費が増加し、政策的経費が圧迫される状況となっております。 新年度に目指すものにつきましては、第5次総合計画における市の将来像、「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現に向けて、新年度に掲げる3つの重点施策、大町らしさを活かした新しい人の流れの構築、結婚・出産・子育てへの支援、そして、持続可能な地域社会の実現、この3つを推進することにより、地域資源を最大限に活用し、地域活力の向上を目指しております。 まず、1つ目の大町らしさを活かした新しい人の流れを構築する施策としましては、人口分析を基に、モデル地区を設定して進める地域人口分析定住促進等業務を新規事業として実施するほか、観光誘客プロモーションの実施や北アルプス国際芸術祭2024の開催により、国内外から人を呼び込み、交流人口や関係人口の創出を図り、地域経済の活性化に取り組んでまいります。 次に、2つ目の結婚・出産・子育てへの支援としましては、国の子ども・子育て対策の強化に伴い、児童手当の給付を大幅に拡充するほか、県の制度改革に即応して、3歳未満児の保育料について、多子世帯や低所得者の負担軽減を図ります。また、産後ケア事業につきましては、助成券を配布するなど、一層の負担軽減に努めました。 最後、3つ目の持続可能な地域社会の実現に向けた取組としましては、みずのわプロジェクトの一環として、水源ツアーや芸術祭と連携した当市の水のPRなど、市の至高の資源である水の価値を高める施策を展開いたします。 また、脱炭素社会の実現に向けた取組として、保育園や図書館、スポーツ施設の照明のLED化や電気自動車の導入を継続的に進めます。このほか、大型事業として地域の高度情報化を図る八坂・美麻ケーブルテレビ網光ケーブル化小学校再編に伴う旧第一中学校の校舎及び体育館の大規模改修等に着手いたします。 また、防災・減災対策として、市内の道路状況や防災関係施設に変更が生じた箇所について見直しを図り、最新のハザードマップの地図データを作成し、災害に対する市民生活のさらなる安全の確保に努めてまいります。 新年度は市制70周年を迎え、第5次総合計画の後期計画中間年にも当たりますことから、事業の進捗度や達成度を考慮し、引き続き財政運営の一層の健全化に努め、次の世代に引き継ぐ新たな大町市の創造を目指して全力を尽くして取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) 先ほどの市長のお話の中で、人を育む施策の推進に努め、次世代に引き継ぐ新たな大町市の創造を目指すということで、将来を予測した投資的な予算も組まれております。 先ほど説明もありましたけれども、今年度に実施設計を行いました八坂・美麻ケーブルテレビ網光化対策事業ですが、来年度に工事費が予算化されております。八坂・美麻ケーブルテレビ網光化対策事業によりもたらされる効果や希望はどのようなものでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 八坂・美麻ケーブルテレビ網光化対策事業によりもたらされる効果等について、御質問にお答えいたします。 現在の八坂・美麻地区のケーブルテレビ網は、伝送路に同軸ケーブルを使用しているため、4K・8K放送の視聴や高速インターネットが利用できない環境となっております。また、伝送路上に増幅器や電源設備が設置されているため、災害時にこれらの設備に不具合が生じ、長期間テレビ放送が視聴できなくなるおそれもあります。ケーブルテレビ網を光化することにより、4K・8K放送の視聴や高速ケーブルインターネット環境の提供など、住民サービスの向上につながるとともに、災害時を含め、確実かつ安定的なテレビ視聴環境が確保できることなど、様々な効果をもたらし、八坂・美麻地区の皆様の大きな期待に応えるものと考えております。 なお、両地区の光化に合わせ、ケーブルテレビサービスエリアを鹿島地区まで拡大することとしており、この事業により市内全域のケーブルテレビ網が光化されることとなります。光化による地域の情報インフラとして、県外では伊那市においてケーブルテレビとドローンを活用した買物支援サービスが始まっておりますほか、全国的には遠隔医療やローカル5Gによるスマート農業などに活用されておりますことから、今後市におきましても、高速通信が可能となる光化のメリットを生かした活用策の研究を進めてまいります。 ○議長(二條孝夫君) 山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) 今回の事業化により市内全域が高速インターネットで使用できるということで、これは本当にケーブルテレビの視聴だけではなく、災害時の安心や医療、それから、農業に対しても今後新しい取組が期待できるということです。 そしてもう一つ、新たな投資的な予算として、少子化の中、充実した子どもたちの教育環境のために進められている小学校再編ですが、来年度の環境整備事業の計画はどのように進めていく予定でしょうか、お聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 小学校再編における環境整備の進め方についてのお尋ねにお答えいたします。 新たな大町北部小学校大町南部小学校の校舎などの環境整備につきましては、令和8年度の開校に向けて、本年度から事業に着手し、準備を進めております。まず、大町北部小学校につきましては、現在実施設計を進め、新年度から2か年にわたって校舎外構などの改修整備工事を行うとともに、学習に必要な備品類の配備を進めていくこととしております。また、大町南部小学校につきましては、施設建設から40年が経過した後に国の交付金が活用できる長寿命化事業により、改修整備を実施することを予定しておりますことから、工事につきましては、令和8年度から着手したいと考えております。 なお、大町南部小学校の改修につきましては、児童の授業中での工事になりますことから、将来の児童数を見据え、市の財政状況も踏まえながら、大町南小学校を設計した業者から専門的な見解を聞くなどして、学校生活に十分配慮して改修の手法を検討することとして、改修整備の準備を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) 北部小学校の改築が今後2年間にわたって進められるということですが、小学校再編は、令和8年度春に新小学校の開校が決定しています。子どもたちが愛着を持って過ごせる学校環境の整備と多様化する教育のニーズに併せた教育環境の整備をしっかり進めていただきたいと思います。 また、市では、本年より地域人口分析等業務委託を始めており、来年度予算においても大町市地域人口分析定住促進等事業を行うとしていますが、具体的にどのような事業を行うのでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 人口分析定住促進業務等についてのお尋ねにお答えいたします。 本年度は、持続可能な地域社会総合研究所の藤山浩先生にお願いし、地域別の人口分析を行うとともに、その結果を踏まえまして、農業や移住・定住について全体的な御提言をいただいているところでございます。新年度につきましては、本年度の結果を踏まえまして、最新データによる市全体の人口分析を行うとともに、モデル地区を設けまして、地元関係図の集約や住民参加によるワークショップを開催しながら、具体的な戦略を策定することとしております。 また、定住を積極的に推進するためには、地域経済循環の強化を基にしました所得確保策が重要となりますことから、現状の企業支援の成果や課題の集約、先進事例の研修会を開催しまして、当市の実情と可能性に適した企業支援策の検討を予定しております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) モデル地域を設けて、市民の皆さんの参加する場所もつくるということですので、ぜひ市民の皆さんにも地域の人口、今後減る傾向にはありますけれども、できるだけ人口減を減らし地域の活性を行うのかというのは、行政だけではなく市民の皆さんとともに進めていただきたいと思います。 それから、市の財政状況ですけれども、財政調整基金の状況についてお聞きいたします。 災害の発生や経済不況等、多額の経費が必要となるなど、不測の事態に備えて、市は財政調整基金に資金を積み立てています。一般的に財政調整基金は、基準財政規模の10%が適正とされておりますが、年度当初には大きく取り崩すこととなります。今後も財政調整基金残高を適正に保つことができるのでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 財政調整基金残高を適正に保つことができるのかとのお尋ねにお答えいたします。 財政調整基金につきましては、年度末の不用額の精査による決算余剰金などにより、基金からの取崩しの圧縮を図りつつ、予算規模の10%程度を目安に基金管理に努めているところであります。こうした中、新年度当初の予算では、大型事業の着手時期が重なり、前年度当初と比較しますと若干減額しておりますものの、財政調整基金を大きく取り崩す予算編成となっております。今後引き続き地方財政措置等を効果的に活用しながら財源確保を図り、さらに歳出抑制を徹底し、財政調整基金の適正な管理に努めてまいります。 ○議長(二條孝夫君) 山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) 次の質問です。 新年度予算の中で、来年度は21の新規事業を予定しています。中には単年度で終わるものもありますが、継続が求められる事業もあります。毎年市の行う事業は増え続けていますが、財源は限られており、さらに新しい事業へ取り組んでいくには、同じような事業をまとめていくような効率化や、将来性を見極めての廃止等も検討しなくてはならないのではないかと考えます。一度始めたことをやめることはなかなか難しいことですが、事業ごとの予算配分を守るためには必要ではないでしょうか。増え続ける行政事業の効率化へのお考えをお聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。     〔総務部長(和田泰典君)登壇〕 ◎総務部長(和田泰典君) 行政事業の効率化への考えはとの御質問にお答えいたします。 市では、第5次総合計画の進捗状況の管理と施策の質的向上を図ることを目的に、行政評価を実施しております。また、施策的経費を伴う事業につきましては、事務事業評価により事業の目的や成果、課題について評価を行い、毎年度、事業の必要性や事業の廃止、縮小について検討しているところであります。 また、新年度予算編成におきましては、費用対効果の検証と緊急度、重要度による事業の優先順位づけを行い、人口減少社会を迎える中で、将来にわたってまちの活力を維持向上させるため、将来を見据えた事業展開が図られるよう努めたところであります。 さらに、より効果的、効率的に事業に取り組むため、新年度ではできる限り小規模な係や業務の縦割り、業務量の偏りをなくし、部局相互の連携を強化して組織力が十分に発揮できるよう組織の再編を図ることとしております。 引き続き、市民のニーズを的確に捉え、事業の必要性や効率性、費用対効果の状況を厳密に精査しながら事業の効率化を進めてまいります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) 新年度から行われる組織の再編にも期待をするところです。増え続ける行政事業の効率化についてお聞きしましたが、行政事務の効率化についても必要性があるのではと考えています。トヨタ自動車とリクルートグループによって設立されたOJTソリューションズの発行している「トヨタの片づけ」という本があります。無駄を減らす整理術、仕事を効率化させる整頓術、片づけが習慣化する方法など、片づけを仕事や職場を変えるビジネスツールとして捉え、重要性を述べています。 市役所内を見てみますと、本当に書類の山で大変だと思うんですけれども、行政事務の効率化に片づけから始めてみてはいかがでしょうか。将来的にはDX化していく必要がありますが、その中に片づけを仕事として捉え、時間を決めて整理整頓し、大切なものを見極めていく作業が必要だと考えますが、市の考えはいかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 片づけの必要性についてお答えいたします。 議員御提案ありました「トヨタの片づけ」とは、整理整頓の体系に基づいて必要なものと不必要なものを区別することで、サービスの向上と作業の効率を上げるための取組と理解しております。市では、大町市文書取扱規定により、事務が能率的に処理されるよう書類の管理をしており、毎年7月には各課で管理する保存文書について整理を実行しております。 こうした中、書類そのものの量を減らす取組として、本年度より庁議や業者選定委員会など、庁内の会議におきましては、パソコンを使用し、紙による資料配布を極力しない取組を始めております。効率的かつ正確に作業を行うため、整理された環境は不可欠であり、書類を整理することで仕事のプライオリティが明らかとなり、さらに係や課単位で取り組むことで、組織全体の行政サービスの質や効率の向上となるものと考えております。 市といたしましては、窓口業務の有無など、各課において事情が異なりますことから、一律に時期や期間を定めることは難しいところでありますが、身近な書類の整備から取り組み、事務効率の向上に取り組んでまいります。 ○議長(二條孝夫君) 山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) 庁議において紙を使わないことも取り組んでおられるということですので、今後それが全体に広がるようなことに期待したいと思います。 次の質問に移ります。 2、少子化対策についてお聞きします。 大手シンクタンク日本総合研究所は、1年間に生まれる子どもの人数を示す出生数について、昨年は全国で72万6,000人と、統計開始以来最も少なくなる推計をしています。前の年から4万人余り、率にして5.8%の減少、また、一人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率は、前年の1.26から1.2前後に低下する見通しとしています。 大町市は、来年度の出生数を120人と想定して予算を編成しています。5年前の令和元年は150人を想定しており、およそ30人も減っています。昨年12月に出された政府の子ども未来戦略には、2030年までの6年間が少子化に歯止めをかける日本のラストチャンスであると示されています。我が国の持てる力を総動員し、少子化対策経済成長実現に取り組まねばならないとしています。人口が集中する都市部とは違い、過疎認定を受けている大町市は、何も手を施さないでいれば、将来は厳しいものとなります。コロナ禍で人と人とのコミュニケーションが減り、また、多様な価値観が認められる時代となり、結婚や子どもを持つことも選択されるようになりました。また、望んでも経済的な事情や出会いの場がないことから、結婚することが難しいことも多いのではないでしょうか。 市では、少子化対策として様々な結婚支援を行っていますが、結婚支援の現状と婚姻を増やす取組をどのように行っているのでしょうか、お聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部参事。     〔総務部参事(田中久登君)登壇〕 ◎総務部参事(田中久登君) 結婚支援の現状と婚姻を増やす取組について、御質問にお答えいたします。 少子化の主な要因は、未婚化、晩婚化にあるとされており、議員御指摘のように、その背景には出会いの機会の減少や経済的な不安、仕事と子育ての両立の難しさなど、様々な要因が複雑に絡み合っているものと認識しております。市としましても、結婚への様々な直接的、間接的な支援に取り組んでおります。 まず、結婚を希望する方への支援として2つの窓口を設けており、その1つは、農業後継者対策として市農業委員会が実施する花嫁・花婿銀行で、毎月第二土曜日の相談日に専門の相談員が対応に当たっており、農業後継者以外の方や親御さんからの相談も受け付けております。 もう一つは、大町市定住促進協働会議が運営する結婚相談所、大町市ハピネスサポートセンターの取組で、ながの結婚マッチングシステムを利用して、インターネット上でお見合い活動ができる環境を提供するものでございます。 また、こうした結婚相談への対応のほか、若者の交流の場や出会いの機会の創出につきましては、いわゆる合コンのような直接的なイベントではなく、コミュニケーションスキルの向上や自らのライフデザインについて考えることを目的としたセミナーの開催によりまして、間接的に恋愛や結婚に対して一歩前に踏み出すきっかけにつながる取組を北アルプス連携自立圏若者交流事業として実施しております。 さらには、新婚生活を経済的に支援することを目的に、住居費や引っ越しの経費を助成する結婚新生活支援事業や、新婚世帯に3万円の商品券を贈呈する新婚生活応援事業にも取り組んでおります。 こうした様々な出会いの場の提供や結婚を取り巻く環境を整えるとともに、結婚後のライフプランを描きやすくすることにより、結婚を希望する方や結婚した方の支援に努めてまいります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) 2つの取組があるということで、農業委員会が行っている農業者の後継者づくりの一環として始められた花嫁・花婿銀行結婚相談所とまちづくり交流課の定住促進係が行っている結婚相談所 大町市ハピネスサポートセンターの取組があることが分かりました。今回は、特に結婚相談所 大町市ハピネスサポートセンターの取組について、さらにお聞きいたします。 調べましたところ、県の行っているながの結婚マッチングシステムがあり、市のまちづくり交流課の定住促進係が結婚相談所 大町市ハピネスサポートセンターを運営しているということで、インターネット上の出会い系サイトでは不安のある方でも、行政が登録業務を行い、実際に面会して戸籍謄本や写真付きの身分証明書で確認をとっているというところは、とても安心できるのではないでしょうか。 また、お見合いして交際が始まるまではお相手の名前も、それから連絡先も双方に伝えることがないというところにも安心感があります。 そこで、花嫁・花婿銀行の利用現状についてとながの結婚マッチングシステムの利用には、費用がかかるということですが、市からの補助等はあるのでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部参事。 ◎総務部参事(田中久登君) 花嫁・花婿銀行の利用状況とながの結婚マッチングシステムの登録料に対する補助についてお答えいたします。 農業委員会の花嫁・花婿銀行の本年度の利用状況につきましては、相談件数は6件で、成功に至った事例は残念ながらなかったとお聞きしております。また、県が運用しますながの結婚マッチングシステムでは、利用に当たりまして、大町市ハピネスサポートセンターに登録いただくこととしております。 システムの登録料ですが、2年間で1万円となっておりますが、市ハピネスサポートセンターでは5,000円を補助し、さらにシステム登録に必要なプロフィール写真を、フォトスタジオでの撮影に対して5,000円を上限に補助を行っております。こうした支援によりまして、登録希望者の負担を軽減するとともに、第一印象が重要となる大切なプロフィール写真をプロカメラマンに撮影していただくことを推奨しまして、登録後の活動に生かしていただけるものと考えております。 また、県では、対象となる独身者向けの婚活イベントやセミナー、こうした行事に参加していただくことによりまして、マッチングシステムの登録料を4,000円割り引くクーポンサービスを実施しております。 こうした市や県による利用者負担軽減の支援を通じまして、引き続きマッチングシステムの利用促進に取り組んでまいります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) ながの結婚マッチングシステムは、2年間で1万円の費用がかかるということですけれども、キャンペーンで5,000円分のキャッシュバック、また、プロフィール用の写真にも、領収書の提示で補助があるということです。県のチアフルながののイベントに参加すると、ながの結婚マッチングシステムの利用に4,000円分のクーポンがもらえるということで、ぜひ結婚の希望のある方には参加していただきたいところです。 ここで、現在までの利用状況や成婚の例がありましたらお聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 総務部参事。 ◎総務部参事(田中久登君) ながの結婚マッチングシステムの利用状況と成婚例についての御質問にお答えいたします。 当市のハピネスサポートセンターへの登録を通じたながの結婚マッチングシステムの利用者は、初年度の令和4年度に8人、本年度は1月末現在で1人が新規登録をしており、ここから成婚に至った例は現在のところおりませんが、交際を継続される方がいらっしゃいます。 また、県全体のシステム利用状況を見ますと、1月末現在の登録者は1,012人で、成婚者数は、令和4年1月からの2年間で13組とお聞きしております。 当市のハピネスサポートセンターを介した利用者とは、システム内でコミュニケーションを取ることができますため、引き続き悩みや相談事がある場合には、利用者に寄り添ったサポートを行いまして、前向きに活動していただけるよう引き続き努めてまいります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) 先ほど農業委員会の行っている花嫁・花婿銀行のほうも、残念ながら成婚に至った例はなく、大町市でながの結婚マッチングシステムを利用して成婚に至った方も残念ながらいらっしゃらないということですけれども、県としては1,000人以上の方が登録されて、また、成婚に至った方もおられますので、ぜひとも利用の促進に努めていただきたいと思います。 残念ながら、充実したサポートの仕組みはあるんですけれども、もう少し周知をしっかりできないかと思います。大町市のホームページや様々なSNS上での発信に、結婚相談所大町市ハピネスサポートセンターの情報やながの結婚マッチングシステムの情報にアクセスしやすいように、リンクを制作するなど、工夫はできないでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部参事。 ◎総務部参事(田中久登君) 市ハピネスサポートセンターやながの結婚マッチングシステムの周知についての御質問にお答えいたします。 現在市ハピネスサポートセンターの利用登録に関する周知、広報には、「大町でみつける大きな愛」をキャッチフレーズとして、大町市移住情報総合サイトで行っております。また、これに加えまして、県が運用する結婚・出産・子育て応援サイト、チアフルながのにおきましても、市のハピネスサポートセンターについて、ながの結婚マッチングシステムの利用登録団体として案内をされておりまして、県と連携を図りながら周知に努めているところでございます。 しかしながら、議員御指摘の結婚を希望する方がインターネット等で検索する際に、スムーズにアクセスできるかという点につきましては、市のホームページとの連携をはじめ、さらに工夫を重ねながら、多くの皆様の利用につながりますよう力を尽くしてまいります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 山本みゆき議員。 ◆14番(山本みゆき君) 「大町でみつける大きな愛」というテーマがあるそうですけれども、ぜひ結婚を希望されている方が、例えばSNSで検索したようなときには、大町市、結婚という検索をしたようなときには、ぱっとこのリンクが出てくるというような仕組みをぜひつくっていただきたいと思います。利用される方の身になった運営をお願いしたいと思います。 次世代に引き継ぐ新たな大町市の創造を目指すには、少子化対策に向き合っていかねばなりません。多様な価値観が認められる時代になりましたが、大町市で結婚して、暮らしていきたい、子どもを授かり、育てていきたいと思えるような希望ある行政運営を新年度においても進めていただきたいと思います。 最後に、出産・子育て日本一を目指す牛越市長の少子化対策にかける意気込みをお聞きしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 少子化対策に対する私の意気込み、決意について、お尋ねにお答えします。 今朝の新聞報道にもありましたように、厚生労働省の速報値ではありますが、発表では、昨年の出生数は前年比5.1%減の過去最低の約75万人で、人口全体と減少の幅も過去最大となる83万人とのことでございます。このように全国的な少子高齢化による人口減少が極めて深刻な状況にあります中で、特に自然動態における減少につきましては、当市も例外ではないことを深く認識するところでございます。 若い世代における未婚率の上昇や初婚年齢の上昇が少子化に大きく影響していることを踏まえまして、第3期定住促進ビジョンの基本方針の一つに、若い世代の皆さんの結婚への希望をかなえ、結婚後も住み続けたくなるまちづくりを進めることを掲げ、メインターゲット層を結婚・出産・子育て世代の20代後半から40代として、積極的に移住・定住の推進に取り組んでまいりました。 殊に自然動態での改善に寄与するターゲット層への支援の充実を図るため、これまでも御答弁申し上げてまいりましたように、結婚を希望される方や新婚世帯への支援に努め、末永く定住いただけるよう取り組みを進めてまいりましたことにより、定住促進に注力をし始めた平成24年当時と比較しますと、高齢層の移住者の割合が減り、一方で、近年では7割弱の移住者がメインターゲットとなっており、成果につながってきているものと受け止めております。 また、とりわけ若い世代、特に女性の転出傾向が懸念されますことから、進学などで一度は市外に出た若者のUターンや、女性をターゲットとして移住促進を図ることも重要と考えております。 こうした傾向は全県的な課題でもあり、県では、ながのローカルマッチ事業として移住と婚活を組み合わせたセミナーを三大都市圏で開催しており、市におきましても、県の施策のスケールメリットを生かして県と連携して取組を進めてまいります。 さらに、市では第5次総合計画において自然動態における直接の効果に結びつけるため、結婚・出産、そして子育て支援の充実を重点施策の一つに位置づけ、これまで妊娠・出産から子育てまでのそれぞれのステージにおいて切れ目のない支援策を実施し、取り組んできております。 先ほども少し触れましたが、新年度では、産後ケア利用者へ通所・宿泊の助成券を配布するとともに、里帰り先で利用される皆さんに対しては助成金を交付し、さらなる負担軽減を図る支援に加えまして、子育て家庭、特に多子世帯への経済的な負担軽減を図るため、保育料の大幅な見直しや保育所、幼稚園、そして小学校の環境整備などに新たに取り組むこととしております。 婚活や子育てへの広範な支援の継続的な取組は、市の少子化対策の基礎を支える施策であり、こうした取組を市内外に広く発信することにより、当市が子育て日本一を目指す市として内外からもしっかり認知いただけますよう、引き続き全力を尽くしてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。いいですか。 それでは、以上で山本みゆき議員の質問は終了いたしました。 会議の途中ですが、ここで11時ちょうどまで休憩といたします。 △休憩 午前10時45分 △再開 午前11時00分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第2位、中牧盛登議員の質問通告は1項目です。中牧盛登議員の質問を許します。中牧盛登議員。(拍手)     〔12番(中牧盛登君)登壇〕 ◆12番(中牧盛登君) 市民クラブの中牧盛登です。 通告どおり若者の県外流出対策について、市長のお考えをお聞きしますので、よろしくお願いいたします。 当市の人口統計年齢別の資料から、15歳から34歳までの若者層の人数は、各年代平均約200人です。また、年齢階層別の人口流出数のデータからは、15歳から34歳の流出超過が目立ち、少子化も進んでいます。超少子高齢化、人口減少とともに若者が少ない現状は、当市にとって大きな課題の一つではないでしょうか。 こうした流れを転換し、若年層に高校を卒業しても大町市にとどまり続けてもらうためには、大学設置や誘致を本気になって検討することが必要であると私は考えますが、市として、大学のあるまちづくりについてはどのように考えているのでしょうか、お聞きします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 中牧盛登議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 大学のあるまちづくりについてのお尋ねにお答えいたします。 当市の年齢階層別の人口増減率は、議員御指摘のとおり15歳から34歳までの若い世代の流出が目立ち、これが人口減少の要因の一つとなっており、地域活性化の課題でもあると認識しております。 御質問の大学誘致に関しましては、現在内閣府の地方へのサテライトキャンパス設置等に対するマッチングの支援ポータルサイトからの照会に対しまして、参加を希望する地方団体として連絡窓口を登録するほか、キャンパス誘致の希望形態について、大学や附置研究所等と記載するとともに、大学との連携により解決したい地域の政策課題等につきましても記述をするなど、具体的な内容を提示して情報収集に努めているところでございます。 また、北海道の名寄市立大学の状況を伺いますと、家賃や食費の消費などの地域経済への波及効果に加え、学生が市の審議会等の委員として政策策定やまちづくりに参画するなど、地域にとって様々なメリットがあり、さらに若い世代の皆さんが地域で活躍いただくことは、にぎわいの創出に直接つながるものと考えております。 内閣府の資料によりますと、高等教育機関の入学時の年齢に当たる18歳人口は、1991年平成3年までは増加傾向が続き、200万人を超えておりましたが、その後は減少傾向に転じ、現在は約半分の100万人に減少しつつあり、私立大学の入学定員充足率も2021年度に既に100%を下回るなど、大学誘致にはますます厳しい環境となっております。 しかしながら、大学の誘致は、先ほど申し上げました人口減少下における課題解決と第5次総合計画に掲げました将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現のため、効果に結びつく施策の一つであり、誘致に向けた検討の取組をさらに進めてまいります。 なお、新年度におきましては、第2期大町市まち・ひと・しごと創生総合戦略の改定を予定しておりますことから、この戦略策定の中で当市の財政状況や大学を取り巻く情勢、また、誘致に向けた国・県からの支援策などのほか、誘致の意義や目的、効果等について産業分野や教育分野の皆様、また、市民の皆様と共有し、御意見を伺うとともに、一層アンテナを高くして県内外の大学等の動向を注視しながら、戦略への位置づけや方向性について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) ただいまの答弁にありました内閣府の地方創生推進室で情報提供しているポータルサイト、これに正式に登録したのは1年5か月前、令和4年9月です。1年5か月が経過しましたが、大学等からどんな情報が得られているのか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 こちらのほうのポータルサイト、議員御指摘のとおり、令和4年9月に登録させていただきました。こちらのサイトにつきましては、内閣府が運営するサイトで、大学を誘致したい地方公共団体、地方へ進出したい大学との情報収集するサイトということで、連携して情報交換をしているところであります。 具体的にこちらのほうから登録した際に、大学のほうからの問合せはございませんが、その登録した際で、大学の意向ですとか、そういった部分のところについての情報を得ているところであります。サイトに登録した部分のところで、御指摘があったところが、やはり市として、議員からもよく言われます本気度を示すという部分のところで、市の計画、その部分の位置づけがしっかりできているかどうかということがまた求められるところであります。そのため、先ほど市長からも答弁ありましたが、新年度において、来年が総合戦略の見直しの時期になりますので、その部分のところで位置づけをしっかりした中で、このサイトを活用しまして、また情報提供の収集に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 答弁は長いんですが、要は、大学からの情報は全くないということですよね。 それで、ポータルサイトを見ますと、支援内容は、要相談となっていますが、もしある大学から来た場合には、どんな市として支援をできるのかどうか、その辺はどういう考えでこのポータルサイトに載せているのか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 市のほうに、もし条件提示というものがございましたら、市のほうとして、今のところ考えられるのが用地の提供ですとか、財政的な支援、それと環境整備で、あと、学生を募集する際の募集についての手助けというようなことになると思います。 いずれにしましても、大町市のほうで誘致を考えられる大学がありましたら、その部分のところの条件を提示していただいて、それに市がどの程度応えられるかという部分のところを踏まえて、支援をしていくという形になると考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) このポータルサイトは、見る限り余り効果がないと思いました。 次に、質問ですが、県が令和5年度大学等立地促進に向けた調査研究事業費として500万円を予算計上し、調査、分析をしました。この県の事業について、1年前に私が質問した答弁は、市としては県の動向を注視し、候補地の募集が行われる場合には積極的に受入れの検討を進めるという答弁をいただきました。 そこで質問ですが、市としてはこの件について、県の動向をどのように把握しているのでしょうか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えします。 前回の答弁でもお答えしましたとおり、県のほうが500万円の予算で、大学誘致したい部分のところと大学の情報提供するということは承知しております。県のほうから令和5年度の事業として、成果でまだ募集という部分のところがお声がかかっておりませんので、その部分のところは情報提供あり次第、こちらのほうから、大町市もそういった誘致のところに参加したいということで名乗りを上げるといいますか、申請をするという形を考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 私が得た情報では、県の担当者から、この調査結果は現在開会中の2月県議会の委員会で報告することになっている。多分3月に入ってからです。誘致を希望している自治体には情報提供するが、誘致を希望していない大町市には情報を提供する考えはないという返事でした。加えまして、ホームページを活用しての情報提供も考えていないという答えでした。 大町市は県に対して大学誘致に関する意思表示はされていないということでしょうか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 担当の方からそういうお話ということで、市のほうは情報は収集しておりますが、正式に誘致という部分のところで、県のほうには意思表示はしていないということであります。
    ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 1年前の総務部長答弁では、大学誘致に関しては企画財政課で情報収集を行い、当市ができることを迅速に対応して、大学誘致に向けた準備を進めていきたいという答弁でした。大学誘致に向けた準備についての本気度をお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 これまでも中牧議員のほうから質問を受けまして、企画財政課で大学誘致については検討するということにしてまいりました。こちらのほうでやってきた部分のところ、市がこれまで取り組んできた調査といいますか、情報収集ということにつきましては、県内大学につきましての情報収集ですとか、先ほど答弁を市長からしました内閣府のポータルサイトの登録、あと内閣府の地方創生推進室が地方公共団体向けの大学等サテライトキャンパスの設置の推進に向けたポイントというのを出しておりまして、そちらのほうで取組の状況、あと大学設置する際には、どういった手続が必要ということで、新設の部分と移転の部分、それぞれ手続が異なるんですが、そこの部分のところを整理した情報収集をしております。 企画のほうとしてやってきた部分としましては、大学を誘致する際のポイントのほうを検討しております。1つは、大学誘致の目的を明確にする。こちらが教育、文化の向上ですとか、産業、人材の育成、それと地域活性化と若者の定着の促進、あと、誘致する大学のターゲットを明確にすること、推進組織の体制を構築すること、大学誘致のための条件を検討しなければならないこと、大学と条件交渉を進めて実際の誘致に向けての具体的な取組を進める、そのポイント、スケジュール的なものを5つということを検討しまして、その部分のところの検討は進めてきたということでございます。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 令和4年9月議会の一般質問では、信州大学の情報系新学部の誘致について、市長から答弁いただきました。大いに心が動かされ、関心を寄せている。誘致の可能性について検討するとの答弁でした。また、若者の流出阻止については、一番大事な世代層であり、ここが薄くなっているのは早くから注目していた。地域にとどめるには大学が必要となる。誘致するための準備が整えば、検討の対象にし得るものと考えているとの答弁でした。 準備するのは市長でしょうか、企画財政課ではありませんか。準備が整えば、市長は決断できるということだと思います。具体的に大学設置や誘致だけでなくて設置です。大町市がつくるということです。大学設置や誘致の準備をどのように進めるのか、総務部長にお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 今議員から御指摘がありましたとおり、情報を収集して大学の誘致する部分のところの決定に至るまでは企画財政の仕事と考えております。最終的に誘致のほうを決定するのが市としてということなので、市長の部分のところで市として全体的に誘致を決定するということであります。 誘致に関しましては、先ほども言いましたとおり、市のほうとして本気度といいますか、計画の中で位置づけをして、確かに進めるんだという位置づけが必要ということが国からも求められているということであります。そのため、来年、まち・ひと・しごと総合戦略見直しの時期になります。見直しに当たりましては、その部分のところで、大学誘致をするという部分のところの位置づけを明確にするということで考えておりまして、そこのところで明確にした上で進めると。それと同時に情報収集ですとか、先ほど県との連携がなっていないということでお叱りを受けましたが、その部分のところ、長野県のところからも情報提供しながら進めていきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) それでは、今の部長の答弁からいくと、第5次総合計画は令和8年度までですが、この一部を、例えば大学を設置、または誘致しますのように修正することは可能でしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 第5次総合計画の後期計画、こちらのほうを修正ということは、直ちにはできないものと考えております。来年策定します総合戦略、こちらのほうに明確に位置づけをしまして、5次総の次、6次総の部分のところでは、そこの部分のところも明確に施策として立ち上げるということを考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 6次総では、私は遅いと思って質問していますから、よく考えてみてください。 新潟県上越市、人口18万2,000人、市役所内に上越市創造行政研究所を設置し、所長には藤山浩さんが就任しています。上越市には上越教育大学がありますが、上越市における高等教育機関の立地可能性に関する調査を行って、その報告書をホームページに載せているわけですが、大町市も令和5年度に154万円、令和6年度に399万円と、人口分析などについて藤山先生に業務委託をしているわけでありますが、議会はまだその結果を何ら知らされているわけでもありません。大町市も藤山先生に高等教育機関の立地可能性に関する調査をお願いしてはいかがでしょうか、お考えをお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 委託して今人口分析についての対応をしているところですが、こちらの成果という部分のところが今取りまとめを行っているところであります。それで、取りまとめ次第、議会のほうにも御報告をさせていただきたいと思います。 お尋ねの新年度における人口分析で高等教育の設置の有無という部分のところにつきましては、現在藤山先生とは打合せしているところでありますが、この部分のところで、新たにこういった部分の課題についての検討をお願いしたいということは、申し入れていきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) それでは、お尋ねしますが、若年層の流出を阻止できる対策として、大学設置や誘致以外に考えられることがありましたらお聞きしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 こちらのほうにつきましては、持続可能な地域社会、それと人の流れを構築するという部分のところで新年度で予算化をしております。具体的には、定住施策ですとか、中心市街地の活性化、観光施策の部分と学校再編もそうですし、SDGs推進という部分のところで、具体的にそれが直ちに若者の流出を阻止するということにはつながるかというところは問題があるとは考えますが、そういった部分のところで、まちの魅力ですとか、市民の郷土愛、そういった部分のところで、人の流れの構築で流出をなるべく避けるような形、逆に大町をブランド化することで外から人を呼び込むような形を取りながら、そういった部分のところで人口対策、減少化について止めるような形を考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) ここで、教育長にお聞きしたいことがあります。 北海道名寄市は人口2万5,000人、当市と同じ規模の自治体であり、地理的にも北海道の北部に位置し、高速道路もなく、人口減少や高齢化が進んでいる当市とよく似ているまちです。昨年名寄市が設置した名寄市立大学を視察に行ってきました。この大学が地域にもたらしている効果を数字で見ますと、大学生1か月の生活費は、家賃、食費、光熱費等で9万5,000円、地域飲食店でのアルバイト率は92%、名寄市民33人のうち1人は大学生で、まさに大学生に支えられるまちでした。 令和5年度の学生数は780人、教員81人、まちに大学があるということは、人材育成、人材確保の効果が得られること、そして、若者が住むまちとして地域経済が向上し、労働力不足解消にもなり、さらには人口減少対策にもなるなど、非常に大きな効果を得ています。一般会計からの繰入れはありません。交付税のみで運営しています。課題は学生の確保に全力を尽くすこと、そして、今は大学院を検討しているということでした。 続けて、新潟県三条市、人口9万9,000人、大学をつくったまちを令和4年に視察してきました。平成27年3月、少子高齢化対策に特化した総合計画を策定、総合計画には高等教育機関の設置、または誘致することと明記。その年の12月には医療系高等教育機関の誘致候補者を決定、翌年平成28年8月には大学開設検討委員会を設置、総合計画策定から5年目の令和2年4月、三条看護医療歯科衛生専門学校を開校し、翌年令和3年4月、公立4年生の三条市立大学を開学、かかった費用は、三条市立大学58億円、三条看護医療歯科衛生専門学校20億円、用地代14億円でした。国交省から30億円の交付金がありました。 課題の第1位は、学生が集まるかでしたが、1学年定員80名に対し10倍の志願者がありました。三条市は、総合計画策定から6年目にして専門学校と大学の2校を開学しました。教育環境が整うと、人が集まってくると聞いたことがあります。人材育成や人材の確保などを目的とした大学のあるまちづくりに関して、教育長としてどのようなお考えを持っているのか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 教育長。 ◎教育長(中村一郎君) ただいまの中牧議員の御質問について、私の考えを申し述べたいと思います。 今大町市のそれぞれの小中学校では、子どもたちがこれからの時代を生きていくために必要な資質、能力という部分で教育のほうを行っております。その内容としますと、今の子どもたちにこれから求められることは、まず、対話を通して物事に対して主体的に取り組み、そして、新しい社会を築いていく、そういうものが求められると思います。 そして、まちに大学誘致についてのお話ですが、そうしたことを通して子どもたちが目指すもの、それは目の前、自分たちの住んでいるまちにそういう大学等高等機関があることで、さらに目標を持って小中学校の学校生活についても大変意欲的に取り組む、そういうことができるのではないかなということは予想されます。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) ありがとうございます。 最後になりますが、市長にお聞きしたいと思います。 今回こういった質問をしたことは、現在の高等教育機関をめぐる情勢というのは、少子化による18歳人口の減少など、大変厳しいものがあることは分かっております。また、当市の財政状況も厳しいことは理解をしておりますが、何かを変えていただきたい。今の現状何かを仕掛けていただきたいという強い思いからこういった質問をしました。 市長には、大町市における高等教育機関の立地可能性に関する調査とか、いろいろなデータをそろえて、準備がもし整ったならば、大学のあるまちについて、我々議会と市行政とが本気で議論してみようというお考えはありませんか、お聞きしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員からは、前回もこの大学の立地によってぜひこの地域を活性化する、あるいは人口減少に歯止めをかけるという御提案をいただきました。本日も本当にいろいろ現地を御視察されて、なおかつこの御質問をいただいたところでございます。そうした中で、準備が整ったら、議会と相談して進める気はあるかという御質問でございます。 まず、私ども第5次総合計画、あるいはまち・ひと・しごと総合戦略の中でも、この大学など高等教育機関を誘致して、あるいは立地して、それによって定住という発想は今までございませんでした。そうした中で、先ほども答弁で申し上げ、また、総務部長からも答弁申し上げたように、まず計画に位置づけていく過程でしっかり心構え、準備をし、そして、多方面からの御意見をいただきながらしっかり検討した上で位置づけを考えていくというのがプロセスではないかと考えております。 そうした中で、私どももこれまで定住促進としては、企業の立地、特に大規模な雇用の場を確保するということが前提になりますので、大企業の工場の立地、あるいは地場産業としての起業などについて一生懸命取り組んできたところでございます。 そうした中で、本日は前回と同じように新潟県三条市、あるいは今回御視察いただきました北海道名寄市、両方の市立大学について御紹介いただきました。そうした中で、私自身も考えておりますのは、例えば三条市は、燕三条ということで2つの都市圏が連携しておりますし、その周りを合わせると約20万近い人口の集積がございます。併せて三条には金属加工の技術が、工場が集積しております。そうしたことの立地のよさ、計画6年で実現した、これ自身、私は本当に大変すごいことだなということで、当時市長を務めていました方と直接お会いして、話を詳しく聞いたことがございます。先ほども紹介ありましたように、国交省の補助金などを活用しておりますが、そうした相当大きなプロジェクトの中でようやく実現したということを承知しております。 そして一方で、名寄市につきましては、僅か人口、ちょうど大町市と同じ2万5,000人前後の小さな市ではございますが、しっかりと取り組み、そして、現在もちゃんと、いわゆる一般財源をそう大きくつぎ込むことなく、交付税も一般財源ですけれども、市の皆さんの税金をつぎ込むことなく運営しているということであれば、それはすばらしいことだと思います。 ただ、名寄市の一番の特質は、私どもちょっと調べて、私自身見てみますと、実際には、いわゆる短期大学で、女子短大として設立されたのは1960年なんです。昭和35年。この時期はまだまだ大学や短大の数が少なくて、先んじて取り組んだということが大きなメリットになっておりますし、また、その後4年生の大学に平成18年に取り組んでおりますが、現在4学科ともにしっかり運営されているという情報でございます。 そうしたことに鑑みますと、これ以上のんびりしていてはいけないということは間違いないことでありますし、定住を促進する、移住を促進するという意味でも、これは十分検討しなければならない課題と考えております。 そこで御質問に戻りますと、今準備段階として検討するところでございますが、できるだけ遅れることなく、早期に方向性を確認し、そして、本気でやらないと、中途半端な気持ちでスタートすることはできませんので、本気でスタートするためにも、ぜひ議会の皆さんとの勉強会なり、いろいろな意見交換の機会を得て御提言などをいただいてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) よろしいですか。 それでは、以上で中牧盛登議員の質問は終了いたしました。 ここで昼食のため、1時ちょうどまで休憩といたします。 △休憩 午前11時32分 △再開 午後1時00分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第3位、高橋正議員の質問通告は2項目です。高橋正議員の質問を許します。高橋正議員。(拍手)     〔15番(高橋 正君)登壇〕 ◆15番(高橋正君) 無所属クラブの高橋です。私からは、大町市の再生を考えるということで、2項目質問をしたいと思います。 先頃市長は、大町市新年度予算案を発表いたしました。2月14付、大糸タイムスの記事の中でも使われております、市民にもよく知られているフレーズについて質問したいと思います。 まず初めに、市長が先頃表明された市の将来像について、「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現に向けた予算であると言っておられますが、具体的に、この文章の意味をもう少し分かりやすく解説していただきたいと思います。このフレーズは、市長が就任された当初から、キャッチフレーズとされてきたように思いますが、これまで大町市は、人口減少と高齢化が急激に進み、経済は落ち込み、「ひとが輝く 信濃おおまち」の実現からは程遠い状況にあると、私はそう思っております。「未来を育む」ということであれば、当然、間違いのない大町市の現状に合った具体的な政策が展開されなければなりません。私には、大町市の人々がだんだん元気をなくし、「ひとが輝く」より、うつむいて肩を落とし、あえぎながら歩いている、寒い冬は、ひっそりと家に籠もっている、そんな状況しか見えてまいりません。 改めてここで、「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現とは、具体的にどのようなものなのか、教えていただきたいと思います。 これで、1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 高橋正議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現とは、どのようなものかとの御質問にお答えいたします。 市の総合計画に定めるこの「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」につきましては、平成29年度から10年間の計画として策定しました第5次総合計画の基本構想において、人が輝き、まちや自然、そして産業や文化など、全てが将来にわたり輝き続けるまち、大町を目指し、市の将来像として考えたものであります。 なお、平成19年度にスタートしました第4次総合計画では、市の将来像を「美しく豊かな自然 文化の風薫る きらり輝くおおまち」と定め、取組を進めましたが、この10年間の計画期間では、市民参加と協働を基本理念にまちづくりに力を尽くしてまいりました。 第5次総合計画では、議員御案内のとおり、まちづくりを担うのは人であり、人に焦点を当て、計画を策定したところでございます。 まず、「未来を育む ひとが輝く」とは、市の未来をつくり上げていくのは人であり、この人材そのものを地域にとって極めて重要な存在として考え、基本計画の中心に位置づけており、計画に掲げる5つのまちづくりのテーマを実現する上で、人が輝くように、様々な分野で活躍し、市の発展を支え、活躍できるまちを目指すことを将来像として表現したものでございます。本年度開催いたします北アルプス国際芸術祭は、まさにその市の未来を築いていこうとする、人が輝く機会であると考えるところであり、市民の皆様の参画によって、関係人口の創出と地域ににぎわいをもたらすばかりでなく、市民一人一人の活動が輝きを取り戻すことにより、市の重要な宝である人をさらに多く育むことにつながるものと考えております。 今後も、この目指すべき市の将来像を市民の皆様と共に共有し、世代を超えた市民が参画する協働と共生により、将来像の実現に向け、取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 私が質問で選んだのは、非常に広い範囲といいますか、そっくりひっくるめたのを代表して言うというような形で、美しくだとか、輝いているといった極めて抽象的といいますか、具体的なものが見えないような状況のものを聞いておりますので、あっちへ飛び、こっちへ飛びで少しまとまりのない質問になろうかと思いますが、どうかお許しをいただきたいと思います。 それから、今、芸術祭と言われまして、芸術祭で結構いけるみたいな雰囲気のお答えでございましたけれども、後のほうでまた芸術祭のことも少し話をしたいと思いますので、ここでは、直接これについて話をしたいとは思いませんので、いずれにしても、輝くとか、光るとか、美しいとか、これよくありますけれども、美しい日本だとか、光る日本だとか、輝かしい日本だとか、この漠然としたもので、言葉でやっちゃいますと、何か催眠術のような雰囲気ありまして、間違えちゃうんですね。輝いていなくても輝いているように思っていっちゃうと、これ大変なことになるんで、そういう点では、現実をしっかりと見つめていただきたいという意味で今回の質問をさせていただいております。 部長、首を振ってくれていますが、いろいろとこれからも教えていただきたいんで、ひとつ今日はよろしくお願いしたいと思います。 それで、「ひとが輝く 信濃おおまち」とは一体何を指すんでしょうか。先頃、総務産業委員会で香川県高松市の丸亀町と兵庫県姫路市のまちづくりについて研修してまいりました。 丸亀町では、昭和期以降、モータリゼーションの急激な発達に伴って、町では住民が外部へ拡散、昔の大町市と同じような状況ですね、町に中と、町の衰退が始まりました。また、姫路市では、その逆に、駅前通りが車両であふれ、モータリゼーションの発達で逆に混雑を極めた結果、人々が駅前から排除されていった。そんなことから、地域の本来の目的である、駅前通りというところが寂れてきた。そんなことで、それぞれの町の中心に人々の生活を戻すために、人に優しい、人が集まるまちづくりを実行したと聞いております。 どちらも目的は人中心。丸亀町では、その町だけで歩いて生活が完結できる。ですから、いろいろ施設ができてきまして、店舗の上に高層住宅を造った。これがすぐに埋まってしまう状況だそうであります。また、姫路市では、駅前空間を自動車から人中心の空間づくりにしたことで地域が復活しました。景色を見ますと、本通りの向こう800メーター以上先に姫路城が大きくそびえておりまして、見事に景観をつくっておりました。 大町市においても、「ひとが輝く 信濃おおまち」に向けて、もうこの辺で、まちづくりといいますか、免許証のない高齢者でも、例えば駅前中心市街地周辺だけででも生活が完結できる、コンパクトシティーをつくらなければならないときがもう来ていると、そんなふうに感じております。こんなことについては、どのようにお考えでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 今、議員から御提言ありました部分のところで、ハード面の交通インフラですとか、生活のインフラ、そこの整備についても、やっぱりまちづくりにも大切なことだと思います。 ここで、「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」、こちらの実現につきましては、市長も答弁しましたとおり、人を育てる施策、市民が様々な分野で活躍できる、そういう場をつくるという、ソフト面についても力を入れているところであります。 具体的には、市民が協働により、地域を築いて、運営する、市民の活動の促進の事業ですとか、市民団体への支援、地域コミュニティーの活動など、ひとが輝くまちづくり事業、あと、地域には学校運営へ参加するということでコミュニティスクール、教育の推進についても大切な要素であると考えております。そういった部分も含めまして、御提言ありましたまちづくり、交通インフラですとか、まちの在り方、中心市街地という部分のところも踏まえて、そちらのほうも力を入れていかなければならない施策であるというふうに認識しております。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 私からは、中心市街地の活性化についての御質問にお答えをしたいと思います。 議員からは、この質問の中で、丸亀や姫路市の例を取らせていただいて、私も実は部下から、今回の視察の報告は受けております。やはりまちをつくるということは、そこにどうしても中核となる人がまず一番大事なことであり、この大町市のまちづくりにあっても、その中核になる、いわゆる人づくりがまずは一番大事だというふうに思います。 それと、やはり先ほど言ったコンパクトシティー、いわゆる立地適正化計画もそうですけれども、いかに商業施設を集約して、コンパクトな都市づくりをするかというのは課題であります。今、実は中心市街地、縦に1.2キロの中心市街地が通っておるんですけれども、実際中身を見ますと、やはりその3分の2ぐらいが商店街があって、3分の1は、もう住居地区になっているというようなこともありますので、次期の中心市街地活性化基本計画の中では、そういうエリアの、いわゆる検討も含めて、また、そして、今ちょうど行われています100人衆会議という会議もこれでまた再スタートをしますので、その中で議員も言われた、いわゆるコンパクトシティーというものも念頭に入れながら考えていきたいというふうに思っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) もう時間はないと思いますよ。というのは、丸亀でも、最初に取りかかったのは、昭和の後のほうじゃないかな。それで、昭和の後のほうで、車が入ってくるから、駐車場造ろうねって、造った。そのときに町の人たちが、みんなが集まって、いろいろやっているうちに、中の数人がこりゃいかんなと言っている。そのうちに、だんだん町は外部へ向かって拡大していった、拡散していった。だから、それを何とかしようというんでやったところが、駐車場はあまり入らないで、人も出ていっちゃって、人口は減少していった。昭和の終わりから始めて、今ようやくいい計画ができて、それの3分の2が達成したんじゃないですか、私の見たところでは。それだけの長い時間をかけて、やっとそこまできた。 ところが、大町は今、町の衰退、大変なものですよ。これに対して、今具体的に結論を出して、目指すものをデザインして、すぐ取りかかっていかなければ、どうやって人が輝くんですか、人が生きていけないんだから。生きていけなくなって、輝くもへったくれもなくなっちゃうと、私はそう思うんですよ。 だから、大きな問題で、そんな簡単なものじゃないことは分かっています。だけれども、一番今、人が固まっているのは中心市街地だ。常盤とか社だとか、平の農業地域がある。そして、中綱、あれ、仁科三湖から南へ、ずっと西側には観光地が点在している。そして、八坂・美麻の山間地がある。これらをどうやってまとめていくか、このために、今こそきちっとしたデザインを示さなきゃならんと、私は思っているんです。で、この質問をしたわけです。どうですか、もう一回。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 議員御指摘のとおり、私どもも中心市街地の活性化については、もう平成13年ぐらいから、第1次・2次・3次と、今回4次まで計画を立たせていただいて、進めてきているところでありますけれども、やはりなかなか成果の上がらないことも事実であります。 それは、やはり、これは行政の考え方だけで言っているのかちょっとあれなんですけれども、いわゆる民間の皆さんと一緒になって、この地域をどう考えていくかということをもう一度真剣に討議をしていかなきゃならない。ただ、議員御指摘のとおり、時間がないということは事実であります。ただ、逆に言えば、もっと議論をしていかなきゃいけないという部分もありますので、我々として、今、ちょうどそういう一つの転換期にあるというふうに私は思っています。 なので、この100人衆会議という、本当に会議をもって、これ中心市街地が多分、ある程度変わっていくと思います。というのは、例えば、今、アーケードが、いわゆる取りたいというような、今、話も出ています。こんなようなことを含めると、どういう町にしていくかという、ちょうど転換期になっていますので、我々としてもそういうことを踏まえながら、それぞれ担当課と連携をしながら、早急に進めてまいりたいというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) つい熱が入って、厳しい口調になって、申し訳ありません。 本当は穏やかな、本来は、まちの人たちが自分たちで考えなきゃいけないということもよく分かっているんです。しかし、少し意識が弱くなっちゃって、自分たちでまとめ切れない。この丸亀町も、3人の方が最終的には組んで、それで、しっかりとやったということで、非常にすばらしいなというふうに思ったんですが、それでは次へいきますが、ところで、人が輝くためにも、今、まちの在り方、言いましたけれども、観光産業の復活が欠かせません。 大町に人を呼び、未来を育むために、大町ならではの仕掛けの種をまかなくてはなりません。大町市を再発見する、人を呼ぶ手段・方法が見えれば、人は元気になれると、こんなふうに思います。部長、どうですか。人を輝かせるためにも、大町ならではの仕掛けの種、何かそんなことを、思い当たることがあれば、教えていただきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 観光産業がやはり、この地域のある程度主軸になっているというようなことで、ここが繁栄することによって、地域産業が活性化するというようなことは確かなことであります。 私、実は思うのは、今回、芸術祭もそうですけれども、やはりほかにない、いわゆるこの地域特有のものをいかに持って、そういうものを出していくのかというようなことが一番大事だと思います。そのために、やはり今回、芸術祭というのは、ある意味、ほかの地域と差別化したものだというふうに思っております。そういうことを考えれば、余計にもそういう差別化したものをこれからはもっと打ち出していくと。 今回、例えば黒部の、宇奈月黒部のキャニオンルート、これも一般開放になります。これも、正直な話、そういう、ほかの地区との差別化が図れるというふうなことで、そういうものを見学にくる観光客の皆さんもいるというようなこともあります。 また、やはり食とかもありますので、そういうものも十分提供していきたいというふうに思います。 それと、やはり今後考えられるのは、一番インバウンドです。外国人客がやはりこれから、いろんな意味で、いわゆる地方へ多分拡散してくるというようなときに、来た方がやはりこの地域をよく見ていただきながら、紹介をいただくというようなことで、ぜひ観光客の増加にもつなげたいと。ただ、それをもてなすのはやはり市民です。市民の皆さんがもてなす心をもう少し醸成しながら、ぜひ一緒になって、盛り上げていきたいというふうに思っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 今の部長の話、もてなすって言ってくれたね。これがすごく大事なことですね。私も非常にそれ、キーポイントだなと思っているんですが、現在、白馬村は今、非常にフィーバーしております。客があふれて、先頃の連休にも、大町のぽかぽかランド、それから明日香荘のほうを見てきましたけれども、これが何と満員でした。車の止めるところがない。全部埋まっていました。 なぜかというと、白馬ではもう宿泊ができないですよ。そんなことで、これはすごいことだなと思いまして、大事にしなきゃいかんなというふうに思ったんですが、今年になってから、うちでも、我が家にも外国からのお客さんが、40名を超えるお客が来てくれました。タイ、インドネシア、台湾、香港、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、フランスからです。白馬からのお客が増えたのは確かだけれども、スキーだけかなと思ったんですよ。ところが、いろいろと話をしてみると、スキーではない人、結構いるんですね。文化でした。日本へ来て、気づいたという人もいました。これからは、文化で勝負のときが来たなというふうに思っています。 タイの人に聞きましたら、私の片言の英語であまり通じていませんけれども、タイでは、国が暑過ぎて、雪を見たくなったと、3人家族で明日は温泉につかる猿を見て、帰りたい、こういうことでした。これはすごいなと思って、それで、いろんなものに興味持つんですね。フィンランドから来た彼女は、旦那が白馬でスキーやっていますと、私は子守で、1歳の女の子を連れてきて、うちで遊ばせていた。いろんな興味を持って、周りを見ては、目につくものを、これは何だこれは何だ、いろいろ聞く。 これは、スキーだけじゃない。スキーは、もっといくと、どんどん雨降って、質が落っちゃうと、誰も来なくなる。そのときでも、大町は、あの奥山の黒部ですばらしい雪が得られる。だから、雪はあまりがたがたしなくてもいいんだと思って、私考えていたんですよ。これは、要するに真冬、黒部へ行けれさえすれば、何とかなるぞと。今、現実に粉雪がすごくいいというのは、確かに来た人たちはみんな言っています。だけれども、今日は雨でべちゃべちゃで駄目だったとか、そんなこともしょっちゅう言っていました。 ですから、大町は、気がつきさえすれば、いっぱいあるの。だから、ぜひそれを忘れない。大町の文化で勝負をしていただきたい、いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えをいたします。 議員御指摘のとおり、今、実情から言うと、やはりスキー客ばかりじゃなくて、インバウンドは非常に、違う意味で、何ていうんですか、景観もそうですし、そういう文化もそうですけれども、食文化もそうですが、そういうことで当地を訪れていただく方が多いということは、私も認識をしております。 先頃も、実は市長と一緒に香港へトップセールスでちょっと行かせていただいたときも、いわゆる旅行会社のほうからは、もうありきたりな観光ルートだけじゃなくて、例えば農作業だとか、ツーリズムのようなもの、そして、やはり芸術祭も一つ、非常に興味が持っておりまして、そういうところにも、ぜひ商品造成をしたいというようなお話も聞いております。議員御指摘のように、単なる、いわゆるありきたりな観光ではなくて、大町ならではの、そういうものをぜひ含めて、PRしていきたいというふうに思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) ぜひ大町の文化で勝負をする方向に持っていってもらいたいなと思います。 次の質問に移りますが、市長は、来年度予算で人の流れの構築や結婚・出産・子育て支援など、持続可能な地域社会の実現といった施策に厚く配分したと言われました。結婚・出産・子育てでは、国も、特にこの問題に関して、高齢化の拡大や急激に進む少子化に対して、予算配分の拡大を図っており、市としても当然の施策であると、私も考えております。 また、その中で、人の流れの構築と言われるのは、特に芸術祭を指すものだと考えますが、そのほかに何か特別効果的なことを考えておられるのでしょうか。もう一度、ここで持続可能な地域社会とは一体どのようなものなのか、また、どのように実現させるのかを改めて具体的にお聞きしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 新年度予算での人の流れの構築ということについて、御質問にお答えします。 新年度予算に掲げた3つの重点施策の1つ、新しい人の流れの構築につきましては、コロナ禍から経済が回復基調にある中、議員ただいま御指摘のありました北アルプス国際芸術祭2024や、このほかにも、例えば関電トンネルのバス開通60周年、また、産観部長から話がありました黒部宇奈月キャニオンルートなどの観光誘客プロモーションや水を起点として、市のブランド化を図るSDGs学習旅行やみずのわ月間、水源ツアーなどにより、国内外から人を呼び込み、交流人口や関係人口の創出を図るものでございます。こうした取組を通じて、多くの皆様が大町を知り、あるいは大町を再発見し、大町を好きになり、リピーターとして、再び大町を訪れていただくことで、交流人口・関係人口の増加を図り、将来の移住や定住にもつなげていくことを考えております。 次に、持続可能な地域社会とのお尋ねでございます。今申し上げましたSDGs未来都市として、SDGsの理念に沿いまして、持続可能な開発を誘導しつつ、経済・社会・環境、この3つの側面、3つの要素を不可分なものとして捉えて、地域社会の広範な課題を統合して、解決しながら、バランスの取れた持続可能な開発を目指すこととしております。 特に人口の減少は、喫緊かつ最大の課題でありますが、しかし、現在のところ、これを克服する特効薬というものはございません。少子高齢化の中でこの実現を図る方策として、まず、地域コミュニティーの維持や当市の魅力であります自然環境を100年先の未来へつなぐため、今後、解決すべき地域課題の優先度を明確にしつつ、一つ一つ対策を講ずるとともに、刻々と変化する社会情勢に柔軟に対応する。そして、魅力と活力あふれる持続可能なまちづくり・地域づくりを果たすことにより、これを後世に引き継いでいきたい、そのような施策が必要と考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 芸術祭は、先ほどもありましたけれども、はっきり言わせてもらいます。3年にたった2か月、作品をあまりたくさん残さない。これは、大町市の芸術祭ではなくて、北川フラム先生の芸術祭じゃないんでしょうか。もう少し大町市が関わって、大町に合ったやり方、これを考えていかなければ効果は上がらないというふうに思います。 私は、決して芸術祭が悪いと思っているわけじゃない。芸術祭の大町市への生かし方に問題があると私は思っています。例えば十五、六点ですね、それはいろいろありますよ、お金がかかるとか、いろいろ言っていますけれども、作品が目に見えるところに残っている、あるいは、例えばホテルに1点残されている、そうしたら、それ見にいく人もいるんじゃないでしょうかね。やっぱり有効に作品を使わなきゃ。モナリザだって、ずっとあるから、お金ためて、見にいこうと思う人もいるわけですよ。しょっちゅう変わっていたって、変わっていいものもありますけれども、できるだけ大町の芸術祭に出品されたものは、何点か残して、後に生かしていかなければ、始めるところから、始めて、終わっちゃった、終わったときから次の始めるまで、また2年も3年もあったんじゃ、もったいないですよ、これは。経済的なものってそういう考え方しますよ、経済的に考えるならね。 その辺で何か、部長、何かいいアイデアあるんじゃないの。ない、どう、答えてよ。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 芸術祭につきましては、議員おっしゃるとおり、恒久作品が残れば残るほど、開催の間の2年間も誘客にもつながるというふうに考えております。 大町市の北アルプスの芸術祭につきましては、恒久作品がないということで、評価といいますか、外からのお話を聞きますと、花火のように、その機会に見にいかないと見れない作品があるので来たいという部分のところ、あと、大地ですとか瀬戸内、そちら側のほうについては、作品がやっぱり100、200ありますので、見るのに時間がかかってしまうということで、大町のときは、1泊・2泊で、コンパクトで全て見て回れるという、その優位さもあるということであります。 しかしながら、やはり芸術祭が開催されない2年間、その部分について、誘客、芸術祭を生かすということであれば、議員御指摘のとおり、そういった恒久作品もある程度残して、開催されない期間も、芸術祭に基づいて、芸術のまちとして、大町に誘客を努めるということも非常に大切だというふうに考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 総務部参事。 ◎総務部参事(田中久登君) 芸術祭担当する立場として、私からもお答えさせていただきたいと思います。 今、議員さんからお話しいただきましたように、大町の芸術祭の作品、一回一回終わってしまうということで、それはもったいないんじゃないかというお話、おっしゃるとおりだと思います。 これまでも、作品、残しているものも一部ありまして、そういったものには、また次の年、芸術祭の期間外でも見にいきたいというようなお問合せもいただいております。そうした中で、設置場所との兼ね合いもありますけれども、作品、残せるものは残せていけるように、そして、3年に1回だけの芸術祭じゃなくて、引き続き大町を訪れていただけるものの一つとして、選んでいただける一つとして、大町を選んでいただけるように、芸術祭のアート作品ですね、継続的に大町の観光スポット、あるいは、来ていただくための、選択していただくためのツールとして生かしていけるように、今回の芸術祭においても、作品が残せるもの、残せないものについて、精査をして、取り組んでいきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも1点だけ、補足をさせていただきます。 ただいま議員からは、大町らしさ、大町の芸術祭という、非常に重要な御指摘をいただきました。まさにそのとおりだと思います。というのは、やはり大町でやるからには、大町を際立たせる、そうした芸術祭にならなければ、意味はありません。金太郎あめのようなものでは、共感は得られない。 これまでもいろんなところで私自身説明してきておりますのは、北川総合ディレクターの下で、大町の、その場所の、その空間のよさを際立たせる、あるいは大町そのものを、景色・景観を際立たせる、空間を際立たせる、これ一番大きなテーマであります。ですから、あらかじめ地域の皆さんと相談した上で、借地、あるいは借家、あるいは市の施設などを使って行う場合には、必ずそれを提案した上で、それぞれの作家がこの地域に、今回でいえば、去年の12月から、それぞれアートサイトの候補地を回って、その場所をいかにして生かすか、際立たせていくか、それを念頭に置きながら、いわゆる制作のイメージをつくり上げていく、そんな芸術祭は、多分ほかには、ほかにはというのは、地域の振興ということを目指した芸術祭であるからこそできるんではないかというふうには考えております。 いただきました貴重な御提言、私どももしっかり胸に止めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 市長の言っていることはある程度分かりました。部長たちの話は、あまりよく分からなかった。この次、何か説明するときには、分かりやすく説明するように。よく分かっていない人ほど、難しいこと言うそうでございますので、ぜひ簡単に、分かるように、お話をいただきたいと思います。 それから、もう次へいかないと時間がないので、市長は、予算案発表の中で、3つ目の、次世代に引き継ぐ新たな大町の創造を目指したいと話されましたが、市長が考える新たな大町というものはどのようなものなのか、私にはよく見えません。新たな大町、具体的に教えてください。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 次世代に引き継ぐ新たな大町市とはどのようなものかとの御質問にお答えします。 新年度の予算編成におきます基本方針では、人口減少社会を迎える中で、創意工夫と柔軟な発想により、将来にわたってまちの活力を維持・向上させるためには、しっかりやろう、未来を見据えた事業展開を図ることが大事と考えたところでございます。 一方で、新型コロナを乗り越える中で人々の価値観やライフスタイルは大きく変容し、暮らしの中のゆとりや個を大切にする生き方の重視など、価値観の多様化も一層加速してきております。 新たな大町市とは、豊かな自然環境や受け継がれてきた歴史・伝統・文化など、先ほど御指摘もありました、そうした心の豊かさを実感できる豊富なこの地域の資源を確実の後世に引き継ぐとともに、そこに新たな発想で、環境や文化などの新しい価値を加え、創造するまちであると考えます。これが1点目です。 また、次代を託す若い世代の皆さんの柔軟な発想を行政がしっかり支援し、自立できる環境を整え、新たな挑戦を後押しする、市民が活躍できるまちでありたいと考えております。これが2点目でございます。 新年度の予算編成では、先ほど御答弁申し上げたように、北アルプス国際芸術祭の開催をはじめとするまちづくり事業を進めることにより、交流人口や関係人口をつくり出し、地域活力の向上を目指すこととしております。 これに加え、AIなどの先端技術の急速な進展や価値観の多様化、あるいは社会のグローバル化が進行する一方で、急激に進む少子化に対応して、これからの時代を担う子どもたちが真に協働して、力強く生き抜いていく力、これを身につけるために、GIGAスクールや、あるいはコミュニティスクールなど、必要な教育環境の整備も併せて進めてまいります。 第5次総合計画の基本理念であります「郷土や文化に誇りを持ち、心から地域を愛する人を育てる」を念頭に置きまして、子どもたちから若者世代、働き世代や高齢者の皆様まで、世代を超えた市民が参画する協働と共生により、地域コミュニティーの活発な活動が促進され、地域の絆により支えられる互助・共助により、安心して、安全に暮らせるまち、子どもたちがやがて帰ってきたいと思う、そうした大町市を目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) このままいけば、大町は先細って、終わっちゃう。まちもつくれないで、コンパクトシティーもつくれないで、このままずるずるいっちゃったら、人口減っていく。どうやってまちが存続するんでしょうか。まず、無理だと思います。 それで、今、時間見たら、まだちょっとあるので、部長、言っておきますけれども、芸術祭ね、駅前にある、本を鼻の上で立てた、あれ、慣れちゃった、ずっと見ているうちに。これ、なくなっちゃったら、ちょっと寂しいだろうなと、あの空間を何で埋めるんだと、心では埋めきれんなと、こういう具合に思いました。そんなこともありますんで、ちょっと微妙なところを部長、気をやっていただきたい、そんなことをお願いしておきたいと思います。 それから、このままいけば、本当に先細っていっちゃうんじゃないかなというふうに思います。新たな大町って、一体何なんだろと。これもまた、漠然として、美しい日本だとか、新しい日本だとか、具体的な状況を示しておりません。先頃新聞を読んでいたら、美麻青具のKさんが、あおくというんでしょうか、青具のKさんが、地元住民だけでは、地域持続のためのよい案が見つからない。どうか地域おこし協力隊の知恵が欲しいといった率直な悩みを吐露した内容の記事がありました。現在、地域おこし協力隊は4人で、3人が芸術祭担当とのこと。私は、これちょっと違うなと思いました。市長がおっしゃる次世代に引き継ぐ地域のためには、現場の悩みを解決しなければならないと思います。特に美麻・八坂地区では、地域存続のため、本当に困っている人、本当に必要にしている人にこそ、地域おこし協力隊は必要なんではないでしょうか。このあたりはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えします。 地域おこし協力隊、この活用につきましては、特交措置もあるということで、市のほうとすれば、事業を見極めて、その活用については、各担当課・各課でもって、その検討をしていただけるように周知をしております。 議員御指摘のとおり、仕事が足りない、ただ足りないから、人手のために地域おこし協力隊を配置するということではなくて、地域おこし協力隊を配置することによって、地域の課題、こちらのほうを解決して、その後、地域おこし協力隊の任務が終わった後、その後も大町市のほうに移住していただいて、さらにまちづくりにも尽力をいただけると、そういった形の部分のところの活用のほうを考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 先ほどの青具の皆さんのためにも、どうか協力隊を向けていただきたい、協力していただきたい。 最後に、ハラスメントはなくなるかということで質問をいたします。 市が作成した42ページにわたる大町市職員ハラスメント対策指針を読んで、これではハラスメントをなくすることはできない。特にパワハラについては、見解の相違が難しい部分もあって、まず、力を持つ先輩たちが後輩を正しく育て上げていく。そのために優しい心の配慮がまず重要だと考えております。 セクハラについては、これは大きな犯罪として、本来、即、警察が介入すべき事案であり、簡単に見過ごしてはなりません。また、事案が発生した後、被害者をかばうどころか、逆に被害者を追い込んでしまうケースなど、こういう寂しい、悲しい話だけは聞きたくありません。 ハラスメント対策だけではなく、最も必要なものは、市長をはじめとして副市長、また各部課長が被害者、弱者をかばう正義感を確実に身につけることであります。悲しい事件をなくすための糸口は、実はこの対策指針をつくられた皆さん、御本人にあるものと私は考えています。市長のお考えはいかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) ハラスメント対策で何が最も必要と考えるかとの御質問にお答えします。 ただいま議員からは、パワーハラスメントは、上に立つ先輩や上司が優しい心で接すること、また、セクシャルハラスメントは、重大な犯罪であり、見逃すことなく、被害者を守ること、そして、これらに通じることは、被害者、弱者をかばう正義感を身につけることとの御指摘をいただきました。この点につきましては、全く私も同様に考えており、同感するところでございます。 本来、上司は、部下の育成も大切な職務として、部下の個性や能力、考え方などを理解し、日々コミュニケーションを取りながら、部下の成長を信じ、促すよう取り組むことが必要だと思います。しかしながら、先ほど御紹介がありましたように、パワーハラスメントにおきましては、例えば部下に業務の進捗状況を訪ねることや、あるいは新たな業務を部下に指示し、任せることが日頃の上司と部下の関係性の中でハラスメントと受け取られてしまうなど、その発端となった言動に対して、行為者と被害者の間の意識の相違が要因となる場合が少なくなく、そのため、日頃からの上司と部下との信頼感の醸成は大変重要であると考えております。 そのため、市では、管理職の資質を向上させるため、令和4年度から部課長以上、また昨年度からは、係長級以上に対象を拡大して、役職に応じた研修を実施しており、その中で、人材マネジメントの重要性を伝えているところでございます。 また、セクシャルハラスメントにおきましては、性的な言動の事実等が確認された場合は、速やかに対応を行う必要があり、被害者への二次被害への防止に向けて、徹底したプライバシーの保護と職員の意識改革が不可欠でございます。そのため、今回策定したハラスメント対策指針におきましても、具体的な手順、あるいは対応方法を示しているところでございます。 議員御指摘のように、対策指針を策定したことで直ちにハラスメントがなくなることは困難なものと考えておりますが、職員一人一人がハラスメントへの理解を深め、もちろん私を含め、理事者や部課長をはじめ、全職員が被害者の心に寄り添う対応を行う意識を改めて確認する機会にしたいと考えております。 今回、対策指針の巻頭には、私の思いをメッセージとして記載することとしております。その中で、私自身が先頭に立ち、ハラスメント行為を決して許さず、全ての職員が相互に尊重し合える安全で快適な職場づくりに全力で取り組むという私の心構えを述べ、また、職員の一人一人が自分事として捉え、お互いの人権や人格、個性を尊重し、ハラスメントを起こさない、許さない、心理的安全性の確保された職場づくりに努めてほしいと呼びかけました。そして、最後に、職員の誰もが生き生きと輝いて働ける大町市役所を一緒につくっていきましょうという私の強い思いを改めて伝えました。この思いを決して忘れることなく、持ち続け、私自身が先頭に立ち、職員一人一人が一丸となって、ハラスメントのない安全で快適な職場づくりに力を尽くしてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) よく分かりました。ぜひひとつお願いをしたいと思います。 最後に、私自身、大した人間ではありませんけれども、この本会議場では最年長であり、いろんな経験も多いものですから、忌憚のない意見を言わせてもらいたいと思います。 最も大切なことは、私自身も含め、市長、副市長、各部長だけでも、部下や仲間に対する温かい思いやりなど、しっかりと身につけていただきたい。それだけで不祥事が激減することは間違いありません。どうか人を正して、職場を変える前に、まず我が身の姿勢を正す、明るい職場を目指していただきたい。そうすれば、金銭問題以外では、最も効果のある、これが策であろうと確信をいたしております。どうか人にいろいろ言う前に自分の姿勢を正すことに専念していただきたいと思います。 総務部長、何かありましたらお願いしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) ありがとうございます。 当然、人の行動というよりも、ハラスメントですとか、人と対応する部分のところにつきましても、やはり時代の流れに乗って、考え方・常識が変化しております。議員御指摘のとおり、まず自分の身を正して、その部分のところで組織の改革、そういった部分に当たるということも当然であります。理事長はじめ部課長、管理をする職場の立場としましては、やはりコミュニケーションを取るとともに、自分がまず初めにどういった行動を取っているかと、そういった部分のところを襟を正して、今後、仕事のほうに従事してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(二條孝夫君) よろしいですか。 ◆15番(高橋正君) 終わります。 ○議長(二條孝夫君) 以上で、高橋正議員の質問は終了をいたしました。 ここで、2時5分まで休憩といたします。 △休憩 午後1時47分 △再開 午後2時05分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第4位、傳刀健議員の質問通告は2項目です。傳刀健議員の質問を許します。傳刀健議員。(拍手)     〔4番(傳刀 健君)登壇〕 ◆4番(傳刀健君) 峻嶺会の傳刀健です。 通告に従いまして、1、教育環境は整っているのか、2、大町市職員ハラスメント対策指針で何が変わるのか、質問をいたします。 まず初めに教育環境について。 新小学校の開校も残り2年と迫ってまいりました。他の議員も含め、何度も伺っている質問項目ではありますが、まちの中からも様々な声が上がってきていますので、この学校再編の現在の進捗状況と課題について改めて質問をいたします。 1つ目に、スケジュールについて。特に南部小学校の改修工事は、通学しながらの工事ということになるかと思いますので、安全面や授業に集中できる環境の整備など心配の点も多く残されておりますので、詳しくお伺いをいたします。 2つ目に通学路の安全について。昨年3月と6月議会の折も伺ってはおりますけれども、小学校について聞いていますけれども、その際の答弁では、危険箇所について、小学生の視点で再点検をし、必要な改善を進めるとともに、道路管理者をはじめ、関係機関に通学環境の改善向上を要望していくと、そのような答弁がいただいております。現時点把握している危険箇所はどの程度あるのか、その改善に向けてどのような進捗が進んでいるのか。 以上で、1回目質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 傳刀健議員の質問に対する答弁を求めます。教育長。     〔教育長(中村一郎君)登壇〕 ◎教育長(中村一郎君) 初めに、学校再編の現在の進捗状況と課題についてのお尋ねにお答えいたします。 学校再編につきましては、昨年の市議会12月定例会において、再編する新小学校の校名について議決いただき、現在は小学校再編準備委員会において、両校の校章、校歌及び通学方法の検討を進めております。 委員会での協議では、校章は公募により選定することとし、校歌につきましては、専門家による会議を設け、制作者を選定する方向で準備を進めております。 大町北部小学校につきましては、現在、業者において実施設計業務を進めており、設計図書の納品を受けた後、新年度から工事を実施することとしております。 工事の実施時期につきましては、国庫補助金の交付決定を受けた後、工事の規模により必要となる工事請負契約の締結について、議会の議決をいただいた後、速やかに着工できるよう準備を進めることといたします。 大町南部小学校につきましては、山本議員の答弁の中でも触れましたが、国からの交付金を活用して、長寿命化工事を実施することとしており、交付金を活用するには、施設建設後40年が経過していることが要件であることから、令和8年度に着工したいと考えております。 改修につきましては、将来の児童数を考慮しつつ、市の財政状況を踏まえ、現在、事務局において、大町南小学校を建設した業者から専門的な見解を聞くなど、様々な改修方法を引き続き検討しているところでございます。 議員、御指摘のように、大町南部小学校の改修工事は時期にかかわらず、授業を行いながらの工事となりますことから、児童の安全と教育環境確保を最優先として、工事区画を明確にするとともに、工事を休日や長期休業に設定するなど、授業に支障がないよう努めてまいります。 現時点での課題につきましては、特に通学距離が延伸する児童の通学方法が挙げられます。通学方法は、現在、小学校再編準備委員会において協議を始めているところであり、様々な御意見を伺いながら、安心・安全な通学方法について検討してまいりたいと考えております。 なお、協議内容やその結果につきましては、広報やホームページなど、様々な媒体を活用して保護者の皆様を中心に周知に努めてまいります。 続きまして、現在把握している小学校通学の危険箇所と改善に向けての進捗はどうかとのお尋ねにお答えいたします。 通学における危険箇所につきましては、毎年、道路管理者や警察署、交通安全協会等に協力をいただき、合同点検を実施し、通学路安全推進委員会において、対策を検討するとともに、必要な改善を実施し、児童・生徒の安全の確保に努めているところでございます。 本年度の合同点検では、昨年11月に市内全域で把握した危険箇所、計28か所のうち、25か所の点検を行い、停止線、横断歩道標示の塗り直しや横断旗の更新を行うほか、危険箇所を避けて通学するよう指導するなど、現時点で6か所について改善を図ったところでございます。 未対応の箇所につきましては、以前も御答弁申し上げましたとおり、用地取得が必要となる狭隘道路の拡幅などであり、改善に時間を要することから、児童・生徒に対し、各学校で危険箇所の周知や交通安全指導の徹底に引き続き努めております。 今後も未実施の部分や、新たな危険箇所が確認された際には、関係機関へ改善するよう要望してまいりたいと思います。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 南部小学校の改修工事についてですけれども、要はあれですか、公共施設の長寿命化計画、これが補助金の対象を受けるためには40年以上必要だということで、今の南小は昭和60年に建てられたということですので、令和7年をもって40年を迎える、だからそれ以降の工事になるということだと思いますけれども、その令和8年、令和7年は北部小が改修工事であるから、すぐには着手できない、そういう解釈だと思いますけれども、この劣化度調査、これは今年、令和6年度予算の中に計上されていましたけれども今年やるということです。 工事の規模、これ劣化度調査の結果によっては、大分変わってくるんじゃないかなと思うわけですけれども、この劣化度調査をしないと、これも国の補助金を受けられないということは、これ分かっていたわけでありますけれども、であればこれもう少し早い段階でこの劣化度調査すべきでなかったのか。なぜ今頃になったのかこの辺を伺います。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 大町南小学校における劣化度調査を早い段階でできたのではないかとの御質問にお答えをいたします。 大町南部小学校の改修整備については、国の交付金を活用できる長寿命化事業により、令和8年度から複数年かけて実施することとしております。長寿命化事業につきましては、建物構造などの劣化状況等について調査を行うことが要件となっており、その費用につきましては、工事施工前の2年間に調査を行うことにより国の交付金の対象となります。 また劣化度調査の結果は、国へ申請する工事費の算出根拠にするとともに、実施設計に反映するデータの基となることなども踏まえまして、新年度に実施をするものであります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありますか。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) これ中には、やっぱり開校後、全ての工事が終わってから通えると思っている方ですとか、昨年12月の再編ニュースを見て、令和8年度から改修工事に入るということを初めて知ったという方も結構いらっしゃいますので、特に、6年度この劣化度調査の結果、これ危険箇所がもしあったと、危険箇所が分かったというのに、6年、7年何もやらないということであれば、今年の正月には震災もありましたけれども、この児童、PTAの不安これ計り知れないものじゃないかと思うわけであります。 調査の結果によってはこの改修工事の時期、この辺もう少し見直して前倒ししろというわけではないですけれどもできるところからやっていただくということができるかどうか、この辺を伺います。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 劣化度調査の結果、危険箇所が発見された場合、改修工事の時期を早めることはできないかとの御質問にお答えをいたします。 劣化度調査は、既存建築物の構造躯体のほか、外壁、天井や窓などについて、主に劣化の状況や安全性の評価を行うもので、耐震診断とは別の調査であります。劣化度調査の結果、危険箇所が確認された場合は、その対応内容について、専門家から御意見をいただき、必要に応じ適切に対応したいと考えております。 この劣化度といいますのは、国の補助によります長寿命化工事を行う場合、これから30年間、建物が維持できるかどうか、ですから、現時点において危険ではなくても、30年間の間に、どのような影響があるか、こうしたことを調べるのが劣化度調査の主な目的でございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 今の答弁聞いて少し安心したところあるんですけれども、それではこれから、危険箇所がもし発見されるようなことがあった場合には、命の危険といったことにもなりますので、しっかりと説明していただいて、対応していただければなと思います。 それから、通学路についてお伺いしますけれども、通学路自体、これ決まっていないですよね。これから決めていくということだと思うんですけれども、今先ほどのごめんなさい、28か所の通学路、これは小学生の話だと思うんですけれどもこれ通学路はまだ決まっていないですよね。その辺ちょっと確認します。
    ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 新しくできる北部小学校、南部小学校につきましては、現在スクールバスの運行も含めまして通学路についてはこれから検討するという状況でございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) ということで、この危険箇所が、今見える危険ということだと思うんですけれども、今まだ完全にできていないということだと思いますが、これ前に、昨年の6月、私は中学校の通学路のことでもちょっと伺っているんですけれども、そのときは約30か所の対応が必要な場所があると、答弁ありましたけれどもその辺は改善図られたのかどうか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 中学校通学路の危険箇所における改善状況についてお答えをいたします。 昨年の市議会6月定例会の折に御答弁申し上げましたが、危険箇所につきましては、昨年2月時点で27か所あり、このうち17か所が対策済みとなっております。 対策の一例を申し上げますと、旭町交差点歩道橋の凍結防止装置につきましては、数年前から故障により、積雪、凍結時での転倒事故が危惧されており、管理者である県大町建設事務所に要望してまいりましたところ、昨年の夏に修繕が完了いたしました。 また、通学路上の横断歩道の標示が薄くなった箇所につきましても、大町警察署に要望し、改善していただいております。 なお、未実施の箇所につきましては、児童・生徒に対し、各学校で危険箇所の周知や、交通安全指導の徹底に努めますとともに、関係機関へ引き続き改善を要望してまいります。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 始まっている中学校であってもまだ完璧になっているというわけではないということだと思いますけれども、これ以前も申し上げましたけれども、小学生は6歳児からやはりいるわけですので、危険察知能力も未熟な上、自動車の運転者から見えにくい。それから危険が非常にあふれているわけですね。 そんな子どもたちの通うことになる小学校の通学路でありますから、せっかく把握している通学路、把握している危険箇所があるんであれば、その辺しっかり公表していただいて、それから中学校のほうもそうですけれども、どう対応しているのか、この辺をしっかり対応を公表していただきたいなと思います。そうすることで保護者ですとか、子どもたちがより注意を増すとか、理解を得られるんじゃないかと思いますけれども、その辺どうでしょう。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 危険箇所の公表をした上で、対応について、進捗を公表していただきたいとの御質問にお答えをいたします。 通学路上の危険箇所につきましては、各学校から保護者の皆様にお知らせをしておりますほか、市ホームページでも、対策箇所一覧として公表をしております。 今後もそれぞれ最新のデータに更新して、危険箇所の周知に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) しっかりやっていただけるということであれば、それでよろしいんじゃないかと思います。 ちょっと中学校の下校時の混雑についてお伺いしますが、市民バス等の時間が合わないがために、保護者が送り迎えをせざるを得ない状況、これ非常に、市役所が要は混んでいるんです。非常に混んでいると。混みあっていると。市役所の利用をする方にまで不便を来しているような御意見もあります。もう少しこれバスを増やしていただくとか、駐車場を中学校のために確保するような対策も必要だと思うんですけれども、何かその辺、考えられているでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) スクールバスの増便や駐車場の確保についてのお尋ねにお答えをいたします。 特に冬季や荒天時、天気が荒れているときなどにおきまして、大町中学校の生徒を送迎する際に、また参観日等の学校行事において、保護者の皆さんが市役所の駐車場を利用されていることは承知をしております。 大町中学校の駐車場につきましては、校舎北側に確保していますほか、令和4年度にはプールを解体し、スクールバスの停留所とともに、来校者用の駐車場を新たに拡幅整備をしたところでございます。 また、スクールバスでの通学範囲は自宅から学校まで直線距離が2.5キロメートル以上、冬季間は2キロメートル以上とし、これより、短い距離の生徒は徒歩または自転車での通学としております。 お尋ねのスクールバスの増便、あるいは送迎用の駐車場の確保につきましては、私どもも保護者の気持ちを理解するところではございますが、徒歩または自転車通学の範囲は、文部科学省が目安として示しております、1時間以内で通学できる範囲と考えており、現時点におきましては、予算や敷地の確保等の観点から、現時点では、バスの増便、あるいは駐車場の拡幅、これについては、直ちに行うことは困難であるということを御理解いただきたいと存じます。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 私からは、ふれあい号についてお答えいたします。 市では中学校の再編に合わせまして、ふれあい号を登校時に利用できますよう、昨年4月に運行時刻の改正をしております。ふれあい号の増便につきましては、帰宅時は、部活動等によって時間が様々であり、利用する生徒が少ないことを承知しております。 また、登校時につきましても、運行体制への費用の面などから直ちに増便するということは困難と考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 実際、市役所、3時半とか4時近くに来ると、もう全然止められないような日が多々あるわけですよね。これ私でも感じるんですけれども、一般の市民の方たちなんかは、すごくそういう苦情が私のほうにも来るんですけれども、皆さんのところにも届いていると思うんです。 そういった声も真摯にちょっと聞いていただきたいなと思うのと、バスについてもですけれども、中には、やっぱり時間が合わないという意見、やっぱり2便ぐらいしか夕方ないですから、合わないという方が多くて、保護者の方、各家庭のほうで負担してでもいいからもう少しバスの増便を幾らかでも負担をしてくれないかなというような声もあります。 そういった様々な声がありますんで、ちょっとやはりどうしても大町市全体から集まった中学校ですから、非常に広い範囲から通っているわけですので、もう少し今までの仁科台中学校のときにできたから、今の中学校でできるんじゃないかみたいな、そういったことじゃなくて、ちょっと温かい目で、いろいろ声を聞いていただければなと思います。 次の(2)番の質問ですけれども、令和6年度予算案で小学校の施設営繕費の需用費、これは施設や備品の修繕に充てられる部分でありますけれども、令和4年度は当初予算で1,282万7,000円ありましたが、それが令和5年度には593万7,000円と46%程度、さらに6年度は379万1,000円、4年度と比べると30%弱までになっております。 この部分、令和4年度の決算見ても、1,186万円使ったということですので、決してお金が余った部分ではないかと思いますが、また、中学校の施設営繕費の需用費の部分も、令和6年度の予算案では90万円、これも前年度比では56%にまで抑えられています。 中学校の体育館の照明につきましても、本年7月までにLED化を進めるということありましたけれども、先日まで設置されていた32灯、天井についているんですが、半分以上がついていない、故障または、ついている電球切れだったと。 先週末ちょっと私も、確認しに行ったんですよ。夜見に行ったら、16灯しか、現時点でもやっぱりついていなかったわけですね。ここはそれでもLED化、今年やるということでありますけれども、それ以外の部分で、来年度この予算で本当に教育施設としてこれ維持できるのかどうか、この辺、伺います。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。     〔教育次長(太田三博君)登壇〕 ◎教育次長(太田三博君) 新年度予算において子どもたちの学びやの維持管理はできるかとの御質問にお答えをいたします。 小学校の修繕に係る予算の積算につきましては、毎年9月から10月にかけ、新年度予算編成に合わせ、各学校からの修繕要望調書により、緊急性や必要性など、優先順位を精査した上で予算要求し、予算に計上しております。 具体的には、令和4年度に、大町北小学校体育館棟女子トイレ修繕や美麻小中学校校庭外周フェンス修繕のほか、ガラスや給排水設備の修繕、備品等の不具合による修繕など小規模な修繕も含め、小中学校合わせて約140件の修繕を実施いたしました。 本年度におきましては、大町南小学校、北小学校のトイレ簡易洋式化に伴う修繕や大町東小学校高学年昇降口前のハンドホール修繕のほか、小規模な修繕も含め、小中学校合わせて約60件の修繕など、必要に応じ、修繕を実施してきております。 このように、修繕予算につきましては、必要な予算を各年度で適宜計上しておりますことから、新年度予算も各学校からの大規模な修繕箇所の要望に応じての予算を計上しております。今後も引き続き児童・生徒の安心・安全な学校生活を送れますよう、施設の老朽化や経年劣化に伴う修繕等につきましては、支障がないよう適正に実施するよう、努めてまいります。 なお、先ほど御質問にありました体育館のLEDにつきましては、修繕費ではなく、これはリースということで使用料に計上されておりますので、この分については通常の修正よりも減額になっているということを追加で申し添えさせていただきます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) もう一つ、教育振興一般経費この辺も毎年小学校、中学校とも、例年50万円ずつぐらい削減されてきているんですね。これどういった根拠で減らされてきているのか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 教育振興一般経費における備品購入費の削減根拠はとの御質問にお答えをいたします。 児童・生徒が学習を進める上で必要な理科の実験器具、楽器類や家庭科学習のミシンなどの備品につきましては、先ほど御答弁いたしましたように、新年度予算編成の際に、各学校からの要望調書において把握し、必要性などを精査した上で予算要求し、予算の確保に努めております。 したがいまして備品購入費予算につきましては、単に児童・生徒数に連動するものするものではなく、学習を進める上で必要な予算を各年度で適宜計上しておりますことを御理解いただきたいと思います。 この予算につきまして、予算配分につきましては、決して潤沢であるというふうには申し上げられませんが、必要にして十分であるというふうに私どもは認識をしております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) これ施設修繕費、先ほどLEDはまあいいとしても、こういった要は、2年前まで、保たれてた予算が大分削減されているということだと思うんですけれども、これが今足りているように予算組んでいるという話でありましたけれども、この辺、学校だとかPTAか、その辺から不満だとかそういった声は上がらないですか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 特に学校現場それから保護者の皆さんから、こうした備品が足りないですとか、こうしたものを買ってほしいという直接なお話は聞いておりません。 実際には、例えば、理科ですとか、算数、数学、以前ですと、例えば、実験器具それから模型のようなもので授業の中で活用してきたということがありますが、やはりICT機器の活用が増えてまいりまして、写真や動画、あるいはコンピューターグラフィックスなどで、多角的にいろんなものが見られるということがありましたので、以前よりは備品の要望が減ってきているのかなということは感じております。直接的な不満というのは、多くは聞こえてはきておりません。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 実際私も学校、幾つか回ってきたんですけれども、これ結構やはり言うんですよね、言われるんですよ。これ今まで予算があったのに急にここまで削られちゃうと、電球1つ交換するのもちょっと躊躇しちゃうとか、そういったような声も上がってきているわけです。 学校再編、これすごくお金かかることというのは分かるんですけれども、お金も人もかかる、マンパワーもかかるというのは分かるんですけれど、だからといって、やっぱり削ってしまうとなるとこれ、今の子どもたちのこの環境、この辺に対するお金が回らない、削減されるとなると、今のその犠牲、誰が払っているかというと、今の子どもたちが払っていることになるんじゃないかなと思うわけです。 子どもたちにとっての義務教育のうちのこの2年間、9年間のうちの2年間これ物すごく長いです。この再編というこの大きなターニングポイント、市にとっても大きなターニングポイントに当たってしまったと。多かれ少なかれデメリットや犠牲があると思うんですけれども、そこを最小限に抑えていただいて、むしろこの再編を再編が自分たちの年に当たったということが誇りに持てるような気持ちで卒業させてあげたいなと思うわけであります。 その辺、教育の環境に充てる予算ですけれども、もう少しこの現場の声を聞いて柔軟に対応できるときはしていただきたい、補正組むなりしていただきたいと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 教育長。 ◎教育長(中村一郎君) 教育環境に係る予算について、柔軟に現場の声を聞き、補正対応などを行うかとの御質問にお答えいたします。 教育環境の予算のうち、学校再編に係る予算につきましては、再編に向けて、児童・生徒にとって望ましい教育環境の整備に必要な予算により、再編を進めております。 一方、経常的な教育環境に係る予算につきましては、その年度において、児童・生徒の学習面や生活面などに支障を来すことないよう、必要な予算を組む段階において、学校からの要望を踏まえた予算により、円滑な学校運営に努めているところでございます。 大町北部小学校大町南部小学校の開校まで残り2年となりますが、現在の学びやにおいて継続した教育環境を維持することが必要であり、引き続き、学校現場と調整を図りながら、必要に応じ、補正対応なども含め、適切な予算執行を努めてまいりたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) ただいま必要があれば補正組んでいただけるという話がありまして、少し安心したところでありますけれども、中には、もうどうせあと2年でなくなっちゃうから、どうせうちの学校にはお金回してもらえないんじゃないかなという、そんなことを言っている親御さんたちもいますので、その辺ちょっと注意をしていただきたいなと思います。 それから再編後の校舎跡地の利用についてですけれども、この辺も令和2年12月議会で伺っていますけれども、別途、検討組織を立ち上げてやっていくというようなお話ありましたが、その後検討組織が立ち上がったのか、伺います。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。     〔教育長(中村一郎君)登壇〕 ◎教育長(中村一郎君) 校地跡地利用の検討についての御質問にお答えいたします。 学校再編により、令和8年度に新しく2つの小学校が開校いたしますことから、大町東小、西小、北小学校の学びやは、小学校としての役割を閉じることとなります。 閉校における3小学校の跡地利用につきましては、これまでの御答弁でも申し上げておりますが、在校生や今後入学する児童、保護者等の気持ちを推察し、十分配慮して、検討を進める必要があり、具体的な活用策につきましては、新校開校を見通した上で、本格的な検討に着手することといたします。 学校跡地は、大町の将来にとって、何が有効かを全庁を挙げて検討すべきものと考えており、まちづくりにも大きく関連してまいりますことから、まちづくりの基本的な方向を示す都市計画マスタープランの今回の見直しにおきまして、小学校跡地の有効活用も重点課題に位置づけさせております。 したがいまして、今後は、まちづくりの観点から、関係部局が連携しまして、跡地利用についての御意見や御提言をいただき、総合的な観点から有効な活用策の検討を進めてまいります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありますか。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) ただいま教育長のほうから御答弁いただきましたけれども、これやっぱり教育長おっしゃるとおり、全庁的な話だとは思うんです。跡地利用ですよね、これ先ほど中牧議員の大学誘致、また設置の話もありましたけれども、物すごく建設的な御提案だと思います。 この跡地が空白の土地となってしまうわけでありますけれども、未来のためにこれ活用できる可能性があるんであれば、この大町市の未来のために一刻も早く、プランを立てていく必要があるんじゃないかなと思うわけです。 この跡地検討組織委員会、まだ検討組織、立ち上がっていないということですけれども、この部分の土地の活用、施設の活用がこの大町の将来を大きく左右するんじゃないかなと思います。そもそもこの施設、この跡地は、大町にとって何ですか、財産なのか、それとも、お荷物と感じているのか、その辺はどうですかね。もし答えられれば総務部長、いかがでしょう。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 学校の跡地につきましては、ただいま教育長が答弁申し上げましたとおり、これから慎重に、全庁挙げて、審議していかなければいけないと思っております。 跡地の活用につきましては、やはりまとまった土地、まとまった施設があるということで、それを有効に生かすかどうか、これはこれからの作戦といいますか、どういったように活用するかということにかかってくると思います。当然そういった部分につきましては、将来にわたって財産となるような形の活用方法を市としては考えていかなければならないというふうに考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) ただいま、財産というお声が聞けただけでも、地元の方は多少なりとも安心するんじゃないかなとは思います。 ただ、それでもやっぱり早く取り組んでいただきたいなというのもこれも地元の声だと思います。市民の中からも、面白い意見、こうしたらいいじゃないかと、いろんな意見上がってきているわけですよ。学生たちの中にもいろんな様々な意見を持っているわけです。そういった声をぜひ、ワークショップでもいいので、酌んでいただいて、議論だとか、そういった話合いをするような、拾うような場所というのも、設けてもらいたいんですけれどもその辺どうですか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 先ほど教育長から答弁申し上げましたとおり、学校に子どもたちがいる間にあまり性急にいろんな話をするということは、どうかというふうには感じておりますが、やはり、それぞれの子どもたちが卒業して卒業生もたくさんいる学校でありますので、子どもたちも含めて、それこそワークショップのような形で、いろんなアイデアを出して、単なる学校の痕跡を消すのではなく、学校であったという、その歴史も残しつつ、それこそ、将来のまちづくりに有効な活用方法については、幅広いアイデア、これは市外の方も含めて構わないと思います。いろんな意見をいただいて、失敗のないように活用策を考えていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) それからこの跡地ですけれども、これ全て、指定避難所になっているわけですけれども、この再編後、跡地となった後に指定避難所としての機能はどうなるのか、伺います。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 再編後の学校の避難所としての機能についての御質問にお答えいたします。 市では市内31の公共施設を指定避難所として指定しており、再編により閉校となる小学校も指定避難所に指定しております。したがいまして、閉校となりましても体育館や校舎等の建物がある限り、指定避難所としての活用を考えております。 なお、議員、お尋ねの指定避難所である建物を取り壊す場合や他の用途に変更する場合、こちらのほうにつきましては、周辺に同規模の人員が避難できる施設があるかどうかを確認の上、新たに指定避難所として指定することとしております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) しっかり対応していただければと思います。 ちょっと次の質問に移ります。 市では昨年の4月に発生したセクハラ問題を受け、ハラスメントの実態調査を行いました。その結果23.7%の方がハラスメントを受けたことがあると回答、防止策を協議するための第三者委員会を設置、本年2月5日に市議会全員協議会で、大町市職員ハラスメント対策指針案が示されました。 このハラスメント対策指針案について伺いますが、この指針案、誰を守るためのものか、お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 大町市職員ハラスメント対策指針は、誰を守るための指針かとのお尋ねにお答えします。 この対策指針は、会計年度任用職員を含む市の組織で働く全ての職員が被害者にも、行為者にもならないよう、ハラスメントを未然に防止し、また、被害に遭った際は、被害者を守るため、速やかに対応し、働きやすい職場環境を維持するため、様々な有識者からの御意見をいただき、策定したものでございます。 職員一人一人が市にとって貴重な人材であり、ハラスメントによってそのかけがえのない人材が失われることは、市にとって大きな損失であり、また市民サービスの低下につながる可能性もあり、今後この指針に基づき、しっかりハラスメント対策に取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) ハラスメントが発生した場合の事実確認についてですけれども、この指針案の23ページにこの手順が載っています。一時的にはこの庶務課において事実確認を行うとあり、そして重大、または判断困難な場合はハラスメント苦情処理委員会が協議するとあります。 この苦情処理委員会ですけれども、総務部長が委員長、庶務課長が副委員長と、その他必要な職員により構成されるとあります。要は、市の職員だけで事案に当たるということです。 例えば仲のいい職員が、信頼している職員が、ハラスメントを起こしてしまって加害者になったと。一方の被害者のほうはほとんど、全くといっていいぐらい会話もしたことないような場合、またむしろもともと反りが合わないなというような職員が被害者だったような場合ですけれども、ハラスメントという個の事案に対してだけ見て、これ客観的に判断ができるのか。 全くこの私情を挟まないなんてことができるのか、僕は普通難しいんじゃないかなと思うわけです。万が一にも、そのような思惑があったら、それはそれで苦情処理委員会のこれパワハラになるんじゃないかなと。その相談を果たしてどこにすればいいのか。 ましてやハラスメントか否か、ハラスメントハラスメントじゃないかという話は先ほど市長の答弁にありましたけれども、これ非常に難しいデリケートな部分じゃないかと思うわけです。その判断を職員だけがやっていいのか、担当する職員にとっても、これ大きな負担になるんじゃないかなと思うわけです。 だからこそ、判断の困難な重大な案件については、より客観性を重要視するような、組織、第三者委員会、第三者機関に委ね、俯瞰した見方と判断が必要じゃないかなと思うわけです。 なぜ、このような事案に対しても市職員だけでやると、そのようにしたのかお伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) ハラスメント苦情処理委員会の委員構成についての御質問にお答えいたします。 重大なハラスメント事案などが発生した際には、まず被害の拡大を防ぐためできるだけ早急に事実確認を行い、被害者や行為者の適切な対応措置を検討することが重要であります。そのため、ハラスメント苦情処理委員会の委員には、被害者及び行為者との関係性を考慮しながら、客観的な立場で速やかに協議ができる市職員をその都度選任することとしております。 しかしながら、ハラスメントには様々な種類や要因がありますことから、従来の規定を改め、今回新たに事案の重大性や判断に専門的な知識を必要とする場合などには、専門知識を有する者をアドバイザーとして委員に出席していただくことを追加し、適正な判断や対応を行うことといたしております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 続けて伺いますが、行為者が理事者や部長の場合なんかで、市の組織だけで解決が困難な場合には、顧問弁護士や長野労働局等の専門機関と相談し対応を検討するとありますけれども、ここで顧問弁護士、これは市の顧問をされている弁護士だと思いますけれども、この対策指針が被害者救済のためであるというのであれば、この被害者の立場で相談できる機関、例えば長野県弁護士会に相談すれば、第三者弁護士というものを派遣してくれるわけです。 顧問に相談するとかそのようなことを顧問に相談する。その文言を入れるだけで、この指針が誰を守るためのものか、当然これ行政側に立った指針ではないか、そのような誤解を招かれ、招いてしまうわけです。 万が一そのような場合が起きたときは、この被害者の立場において第三者弁護士へのあっせんをこれ市の責任で行うべきと思いますが、いかがでしょう。 ○議長(二條孝夫君) 副市長 ◎副市長(矢花久則君) 行為者が理事者や部長の場合には、第三者弁護士への依頼についての御提案でございます。 市の対策指針では、行為者が理事者や部長で、市の組織では解決することが困難な場合には、顧問弁護士や長野労働局等の専門機関と相談し、対応を検討することとしております。この専門機関への相談というのは、事案についての判断を求めるのではなくて、専門的な立場から、ハラスメント認定についての助言を求めることを想定をしております。 また、この中の顧問弁護士の相談という表現に関しましては、あくまでもその法律に関する有識者の例として挙げているものでありまして、顧問弁護士に限定したものではないということについては御理解いただきたいと存じます。 しかしながら、議員御心配のように、疑念を持たれるような、顧問という文言を入れることで、この顧問に限定したというふうに捉えかねないような表現につきましては、見直しをさせていただきたいと存じます。いずれにいたしましても、事案に応じた専門知識と客観性を確保できる有識者に依頼することといたします。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 一般企業であれば、使用者には職場環境配慮義務というものがありますし、公務員であっても安全環境配慮義務というものが、これ人事院から義務づけられて、御存じだと思いますけれどもね。 平成30年の総務省自治行政局長行政局通知では、地方公共団体は、男女雇用機会均等法の第11条、これセクハラについて書いてあるところですけれども、11条が適用され、地方公共団体は厚生労働省が示すセクハラ指針を踏まえ、必要な措置を講ずることと明記されています。 その厚生労働省のセクハラ指針ですけれども、事実関係の確認が困難な場合には、県労働局長への調停を申請すること。その他、中立な第三者機関に紛争処理を委ねること。そしてその調停案や第三者機関の紛争解決案に従った措置を被害者に対して講ずることと、そこまでしっかりとこの対策指針案に明記されているわけです。 この大町市の指針案にはその辺が明記されていないわけですが、この総務省の通知に従い明記しなくていいのか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 まず初めに、顧問弁護士云々の取扱いにつきましては、先ほど副市長答弁したとおり、これで指針案のほうの改定に合わせまして、これでまだ決定しておりませんので、そこの部分のところを修正して決定すると。 今、御提案いただいた部分につきましても、市のほうがそれにのっとってやる部分のところにつきましては、再度、内部のほうで検討しまして、今後、3月末までに決定しますので、それまでにはその文言修正できる部分については、その部分のところを追記したいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) もう一点ちょっと最後にお伺いしたいんですけれども、これ万が一この重大な事件、事案が発生してしまうと、奈良市なんかでは、被害者の賠償責任これ市が負っているんですね。市が加害者に対して求償しているというそのような事案がありますけれども、これ当然勤務中のハラスメント事案ということになりますので、個人的なものプライベートの問題では済まされません。 もし、重大事件が起きたときに、個人的な問題として大町市は対応してしまうのか、それとも、この安全配慮義務が欠けていたとして、市はしっかりと責任を感じてもらえるのかその辺どうでしょう。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 個別の事案によってその状況は異なると思います。職場の環境ですとか、常日頃、そういう状態を承知しながら放っておいたとか、そういった部分のところで、市として、組織として、管理者も含めてですけれども、その部分のところで責任が生じる場合には、やはりそれ相応の責任が必要になってくると思います。個別の状況ということになりますので、その部分のところで、対応は明確に分かれてしまうのではないかというふうに考えております。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 個別な対応という話でちょっと言えば片ついちゃうんですけれども、そうはいっても、やっぱりセクハラ受けた方からしてみれば、職場の上司に相談したんだけれども何も対応してくれなかったとか、いろんなそういった職場における、文句の言いたいことも多々出てくるときがあると思うんですね。 そういったことをちゃんと、吸収できるような場所、こういったものがしっかりとこの市役所、一般企業であれば企業が持つべきだと思いますし、市役所ですから当然市が持ってもらいたいなと思うわけです。 この指針案についてですけれども、もちろんハラスメントこれあってはならないことですので、この指針の運用がないこと、これを望むものでありますけれども、指針があることで、当然これ抑止力というものもあるわけです。 この指針が抑止力としての機能を十分に果たすためにも、この指針が十二分に、もう完璧なものでなくてはならない、それを遵守することで、市の責任を果たしているということになると思います。万が一この事件が起こってしまってもですね、より厳しい手続ですとか、客観性を持つことで市民の理解も得られるんではないかと思います。 瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず、そのような故事もありますけれども、疑わしきものは未然に防ぐ、このような精神、いかに客観的に物事を判断できるか、そして被害者に寄り添った指針となるのか、そうすることでより疑いのないものになるのではないでしょうか。 せっかくつくる指針でありますから、ハラスメントを受けたことがあると、そのような回答をいただいた23.7%、この方は非常に勇気を持って回答していただいたんじゃないかなと思います。そういった声にしっかりと報いるものであってほしいと思いますし、尊重したものであってほしいなと思います。 この本日の提言というか、これからしっかりと固めたものに仕上げていくという話でありますので、今、このような質問させていただいてよかったなと私も思うところでありますけれども、本日の提言をしっかりと受け入れていただいて、検討していただいて、これからの指針、こういった今後こういうことはないような職場環境に努めていただきたいなと思います。 以上で、質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 以上で、傳刀健議員の質問は終了をいたしました。 ここで、3時10分まで休憩といたします。 △休憩 午後2時51分 △再開 午後3時10分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第5位、宮田一男議員の質問通告は3項目です。宮田一男議員の質問を許します。宮田一男議員。(拍手)     〔10番(宮田一男君)登壇〕 ◆10番(宮田一男君) 日本共産党大町市議団の宮田一男です。 通告に基づき、防災対策について、太陽光発電について、自衛隊への名簿提供について、順次お伺いします。 最初に、能登半島地震でお亡くなりになられた方、被災された方に、お悔やみとお見舞いを申し上げます。 消防庁によりますと、今回の能登半島地震による人的被害は、1,500人を超え、住宅被害は、7万棟を超えました。 資料を御覧ください。 1月30日時点の死因で最も多かったのは、倒壊した建物の下敷きになったことによる圧死で、全体の41%に当たる92人、次いで、窒息や呼吸不全が49人、22%でした。さらに、低体温症や凍死が32人、14%に上り、真冬に起きた災害で、多くの人が救助を待つ間、寒さによって体力を奪われ、亡くなられたと見られる事態が浮き彫りになりました。 長野県では、県内で想定される地震規模や被害について、長野県地震被害想定調査報告書をまとめています。その中の地震規模ごと、市町村ごとの被害のまとめでは、建物、人的被害、避難者数、孤立集落数などが想定されています。 資料を御覧ください。 糸魚川静岡構造線断層帯の地震の場合、季節が冬の16時の強風時想定で、県下全市町村の建物被害想定は、全壊、焼失が9万7,940戸、半壊が10万3,450戸、大町市では、全壊、焼失が2,230戸、半壊が3,260戸です。人的被害は死者100人、負傷者950人、避難者は、被災2日後で7,370人と想定されています。大町市の住宅戸数は約9,000戸ですから、約6割が被害に遭うことになります。 そして、報告書では地震対策の一つとして、建物の耐震化を推進することによって、どの程度被害が軽減できるかについて試算を行っています。 資料を御覧ください。 耐震化率が仮に100%になると、建物被害は約9分の1に軽減、死者数も7分の1に軽減すると試算しています。耐震改修を進めることが、地震が起きたときの被害を軽減する有効な手段となっています。 そこで質問です。建築基準法改正以前に建てられた建物の戸数と、その建物に対する耐震診断件数及び耐震診断比率、そして、耐震診断に基づく改修戸数と耐震改修必要件数について、お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 宮田一男議員の質問に対する答弁を求めます。建設課長。     〔建設課長(松田紀幸君)登壇〕 ◎建設課長(松田紀幸君) 市内における建築基準法改正前に建てられた建物戸数などについての御質問にお答えいたします。 初めに、昭和55年の建築基準法改正以前に建築された住宅戸数は、令和3年3月に改定した大町市耐震改修促進計画において、約3,700戸あり、このうち耐震性を満たないもの、また耐震性が不明な住宅は約2,400戸と推計されております。 また、耐震診断につきましては、平成16年から市が行っております耐震化推進事業において、木造耐震診断士の資格を有する団体に診断を委託しており、診断後には、戸別訪問等により、診断結果を通知するとともに、耐震改修の補助制度の活用を案内しております。 本年度までの実績状況は347戸について耐震診断を実施しており、対象住戸に対する診断実施の割合は約14%となっております。 次に、耐震診断に基づく改修の状況につきましては、本年度までに耐震診断を行った住宅の約22%となる75戸が改修されております。現在、耐震改修を必要とする住宅は約2,000戸あり、これを除く、耐震性を有しております住宅は全体の約80%と推計しております。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今答弁があったとおり、耐震改修がなかなか進んでいないと、そういう状況となっています。その原因について、何かお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 建設課長。 ◎建設課長(松田紀幸君) 耐震改修が進んでいない原因は何かとの御質問にお答えいたします。 能登半島地震を受けて、県が先月取りまとめました住宅の耐震化率に関するアンケートによりますと、県内市町村の最新の住宅耐震化率は平均81.2%となっております。また、大町市では、平成30年の住宅土地統計調査に基づきまして、令和2年度に取りまとめました住宅耐震化率は75.9%と推計されております。 次に、耐震改修を行わない理由につきましては、国の調査結果によりますと、耐震診断は行っていないが耐震性があるものと思っているとするものや耐震改修にお金がかかる等、コスト面を理由とする回答が最も多く、全体の半数近くを占めております。 また、誰にお願いしていいか分からない、工法、費用効果等が適切であるかチェックできない、悪徳業者に対する警戒心がある等の業者や工事への信頼性に関わる回答や、自分や家族が住んでいる間に地震は起きないだろうというふうに考えているなどが続いております。 当市におきましても、耐震改修が進んでいない原因は、これらと同様の理由が考えられますほか、少子高齢化に伴い、将来、住宅を引き継ぐ後継者がいないなどのお声も聞いておるところでございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今答弁いただいたんですが、今回の能登半島地震では、木造家屋の倒壊が多数ありました。耐震改修を進め、被害を最小限にとどめることが必要だとも考えます。 さらに、今能登半島地震で防災への関心が高まっている今、先ほど御答弁があった耐震化されていない住宅、そういう住宅に住んでいる市民に対して、個別の周知をしていく、こういうことが必要ではないでしょうか、お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 建設課長。 ◎建設課長(松田紀幸君) 市民に対する個別の周知が必要ではないかとの御質問にお答えいたします。 市の耐震改修促進計画では、令和7年度における耐震化率の目標値を90%とし、そのために必要な改修戸数は400戸と見込んでおります。そのため、平成30年に策定しました、住宅耐震化緊急促進アクションプログラムに基づきまして、毎年、税務課と連携し、住宅所有者へ発送される固定資産税の納税通知書に耐震化に関わる助成事業を案内する通知を同封しまして、市民への直接的な普及啓発をはじめ、耐震化へ向けた相談や経済的な支援策の紹介並びに動機づけを促す取組を進めております。 その結果、年平均3件程度でありました耐震改修の実施件数も、平均6件へと増加してきております。しかしながら、今回の能登半島地震による住宅被害を踏まえ、耐震化率の目標達成を加速すべきとの県の意向も示されておりますことから、さらなる改修への促進に向けて、引き続き、住宅所有者へ補助制度の案内や戸別訪問などを進めるなど、積極的な情報発信による普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今答弁があったとおり、固定資産税納入通知書に制度の案内等を同封するとか、様々な努力はしているんですけれども、少ししか耐震改修が進まないとすれば、従来と同じことを毎年繰り返すのではなくて、方法を考える、変える、そういう必要があると考えます。 さらに、住民が長期にわたっての居住実態がなくて、耐震化されていない住宅、空き家、これは、震災時に大きなリスクとなると考えますが、これらに対する対応はどうするのか、お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 建設課長。 ◎建設課長(松田紀幸君) 耐震化されていない空き家への対応についての御質問にお答えいたします。 議員御指摘のように、長期にわたって居住実態のない空き家には、著しく老朽化が進んでいる物件が多く、震災時の倒壊や火災により、避難や救援活動、その後の復旧作業の妨げとなる恐れがあると認識しております。 こうした空き家の耐震化が進まない理由としましては、耐震改修にかかる費用がネックになっている、そういったことが多いことから、空き家に対する、空き家に新たに、居住する方の場合には、耐震診断の実施とともに、耐震改修や除却への補助の活用を図るなど、居住実態のない住宅の空き家を含め、先ほど御答弁申し上げましたように、建物所有者に向けて、固定資産税納税通知書に耐震化に対する助成制度の案内と、空き家の利活用に向けた啓発チラシを同封し、通知しております。 今後も危機管理課とも連携を図り、所有者等への耐震改修に対する経済的な支援制度など周知しまして、耐震化へ動機づけにつながるような取組を取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 管理されていない空き家、これは、能登半島地震でも、立証をされているとおり、震災時の大きなリスクとなります。空き家の解消に向けた取組、これを強化するとともに、以前の質問で、対象者への戸別訪問などにより、まず耐震診断の制度や耐震改修の補助制度等を説明し耐震改修を進めること。このようなきめ細かな市民サービスを推進する上で、職員体制の強化が必要との質問を行いました。 そのときの答弁では、建築士を増やして、耐震診断の周知を該当する皆さんにしていただけるということでありましたけれども、この部署への職員体制の強化をなされているのか、現状をお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 建設課長。 ◎建設課長(松田紀幸君) 耐震改修を進めるに当たり、職員体制は強化されているか、との御質問にお答えいたします。 令和2年3月定例会におきまして、議員より同様の御指摘をいただいており、職員体制についてはその時点の建築士の資格を有する職員2名の体制から、翌月の4月からは新たに2名の建築士の資格を有する会計年度任用職員を加え、4名体制に増強をしております。 これにより、耐震改修をいまだ行っていない住宅への戸別訪問のほか、ブロック塀の安全点検と危険性の高い塀の撤去の指導など、きめ細かな対応を実施してきております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 2名体制から4名体制にしたということでありますけれども、先ほど答弁いただいたとおりです。なかなか進んでいないということで、地震は必ずあります。耐震化を進めることは被害を最小限に食い止めることになる、つながっていくという県のデータもあるわけでありますから、さらなる専門職の体制強化を早急にして、これ耐震化を進めるということが今の地震に対する被害を最小限に食い止めることにつながるということを申し上げて、次の質問に移ります。 太陽光発電事業について伺います。 太陽光発電事業に対する規制は、平成27年4月1日からの開発指導要綱、令和2年4月1日から大町市太陽光発電設備の設置管理に関する要綱で行ってきました。今回、大町市では条例の制定を進めています。 最初に、現在までの市内の太陽光発電施設設置状況の推移についてお伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部参事。     〔民生部参事(笠間博康君)登壇〕 ◎民生部参事(笠間博康君) 市内の太陽光発電施設設置状況の推移について、お尋ねにお答えいたします。 現在市で把握しております野立ての太陽光発電施設の設置件数は191件で、このうち、開発指導要綱に基づいて設置された件数は165件となっております。 また、開発指導要綱から引き継いだ案件を含め、令和2年度の新たな太陽光発電に関する要綱施行以降に設置された施設の件数は、令和2年度が8件、3年度が3件、4年度が13件、本年度が先月末時点で2件、合計で26件となっております。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 私は、令和2年3月議会において、今市内で虫食い状態に広がっている状況が今回提案された要綱で規制できるか質問しました。答弁では、市開発指導要綱の対応に比べて規制が期待できるとの答弁です。しかし、近年、住民との紛争が起きるなど、50キロワット以上を規制する開発指導要綱では十分機能したとは言えません。 そこで、今回条例で改善できるかお聞きします。 最初に、規制範囲についてです。条例の対象となっている施設は、現在要綱の5分の1の10キロワットモジュールとしていますが、太陽光パネルに換算すると何枚になるのか。さらに、設置するのに必要な面積はどのくらいか。現在、大町市に設置されている太陽光発電施設の何割が規制対象となるかお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 民生部参事。
    ◎民生部参事(笠間博康君) 10キロワットにおける太陽電池モジュールの枚数と面積及び現在設置されている太陽光発電施設の何割が条例の規制対象となるのかとのお尋ねにお答えをいたします。 野立ての太陽光発電におきましては、一般的に1キロワットの発電には10から15平方メートルの面積が必要と言われておりますことから、10キロワットの発電には100から150平方メートルの面積が必要となります。また、モジュールの大きさは製品ごとに異なりますが、1モジュールを約1.9平方メートルとした場合には53枚から79枚の太陽電池モジュールが必要ということになります。 次に、市内に設置されております野立ての太陽光発電設備の何割が条例による規制対象になるかとのお尋ねでございますが、FITの認定では、10キロワット未満の施設につきましては、利用者の大部分が消費税の納税義務を持たない一般消費者であるとされておりますので、事業用の発電施設につきましては、ほぼ条例の対象になるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今答弁がありましたけれども事業用、市が把握している事業用設備を全てカバーするということになろうかと思います。 次に、条例による地域住民の範囲についてです。 令和4年以降に県内各自治体で太陽光発電を規制する条例ができていますが、地域住民等について、事業区域からの距離を100キロ、50キロ(後日、100メートル、50メートルとの訂正あり)と規定している条例があります。令和2年からの要綱には距離の規定はなく、今回の条例も距離規定はないと思われますが、その理由は何でしょうか。 また、事業区域からの距離を規定しないということは、事業地に隣接しなくても、より広い範囲で生活環境に影響を受ける住民は対象になるということでよろしいでしょうか。また、説明会を行う場合の周知も、以上の住民が範囲となるということでよろしいでしょうか、お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 民生部参事。 ◎民生部参事(笠間博康君) 当市の条例に距離規定がない理由と地域住民の範囲等に関するお尋ねにお答えいたします。 最初に地域住民等の範囲に事業地からの距離の規定がない理由でございます。今回の条例におきましては、地域住民等の範囲を事業地に隣接する土地の所有者や事業地となる地域及び隣接する地域の認可地縁団体等の構成員、また、太陽光発電設備の設置管理等に伴い、生活環境に影響を受ける者と幅広く規定しておりますことから、一定の距離のみをもって、地域住民の範囲を規定しておりません。 また、事業地となる地域の認可地縁団体等の構成員の皆様などにも広く当該事業の内容について周知や説明を行い、意見や要望にも真摯に対応し、理解を得た上で事業が実施されることも重要であると考え、距離の規定を設けなかったものでございます。 次に、生活環境に影響を受ける住民の範囲につきましては、議員御指摘のとおり、事業地に隣接していなくても、より広い範囲での影響を受ける方まで含めて、条例で定める説明会の対象者としております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今答弁がありましたけれども、範囲については、生活環境に影響を受ける住民は、基本的に地域住民の範囲に含まれるということで理解をしました。 次に、協定についてですが、条例では認可地縁団体等と協定するとなっていますが、認可地縁団体とは具体的にどのような団体を指すのか、地元自治会は含まれるのか。また自治会の範囲についてですが、例えば、私の住んでいる八坂地区で言えば、自治振興会が6つあります。 例えば、その1つの私の住んでいる大平自治振興会には、集落単位に6つの自治会がありますが、どの規模の自治会を想定しているのでしょうかお伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 民生部参事。 ◎民生部参事(笠間博康君) 認可地縁団体等とは具体的にどのような団体を指すかとのお尋ねにお答えをいたします。 認可地縁団体等とは、地方自治法等に定められた要件を満たし、法人格を得た認可地縁団体をはじめ、自治会、自治会内の木戸、隣組、町内会、地域住民による組合など、法人格を持たない組織を含め、地域住民の相互の連絡、環境の整備など、良好な地域社会の維持及び形成に資する団体を想定しております。 議員御指摘のように、自治会によっては、自治会内にさらなる組織があることや自治会の大きさや会員数もまちまちであることから、基本には、大きなくくりとなる自治会、例えば八坂地区の場合、各自治振興会との協定締結を原則としますが、地元と協議する中で、木戸など特定の地域との協議で、問題ないと判断された際には、特定の集落等との協定の締結もあり得るものと想定をしております。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今の答弁のあったとおりであります。広範囲の自治会の同意を求め、自治会の判断で、より小規模単位の自治会の判断に委ねる場合もあるということです。 次に、同意要件についてです。 例えば、伊那市の条例には、地域住民等で構成される自治会の代表者その他規則で定める者の同意を得なければならないとなっていますが、同意についてはどのように扱うのか、お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 民生部参事。 ◎民生部参事(笠間博康君) 同意についてどのように扱うかとのお尋ねにお答えいたします。 同意につきましては、条例における認可地縁団体等との協定の締結がこの同意に当たるものと考えております。また協定書締結の可否の判断などについての考え方につきましては、別途規則において定めることとしております。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 続きます。協定を締結しなければ、事業の許可はしないということでよろしいでしょうか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 民生部参事。 ◎民生部参事(笠間博康君) 協定を締結しなければ、事業の許可はしないかとのお尋ねにお答えいたします。 条例におきましては、地元との協定を締結しなければ、市が事業の許可をできないこととしております。ただし、事業地付近に住居もなく、地域住民に特段の影響がないなどの判断により、認可地縁団体等が協定の締結までは必要ないとした際には、協定の締結を行わないこともできるものとしております。 なお、事業地の草刈りや非常時の対応など、維持管理上で最低限必要と思われる事項につきましては、地元地区との合意があることが望ましいと考えますので、協定の締結に代えて、事業者に確約書の提出を求めるなど、何らかの書面による記録を残すよう助言をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 自治会に加入しない方も増えています。協定が自治会との協定となれば、自治会に加入していない方は、協定の賛否に参加できないことになるのではないでしょうか。さらに、事業地に隣接する土地や建物の所有者の同意です。県下他自治体の条例では同意を義務づけているところもあります。 太陽光発電事業をめぐるトラブルは隣接地からの苦情が大きくあります。隣接する方は一番影響を受けます。今回の条例によって、近隣住民に与える影響が改善されるか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 民生部参事。 ◎民生部参事(笠間博康君) 条例の制定により、隣接地の住民の影響が改善されるかとのお尋ねにお答えいたします。 条例では事業者に対し、地域住民等への事業に関する説明会の開催を義務づけており、自治会等への加入の可否にかかわらず、近隣住民も参加できるものとしております。また、説明会では、事業者は、地域住民等からの質問に誠実に回答するとともに、意見の申出があったときには、事業計画に取り入れるよう努めなければならないこととしております。 通常であれば隣地への住宅の建築を止められないのと同様に個人や法人への財産の活用を過度な規制により阻害することは困難ですが、適正な事業の実施が図られますよう、条例により地域住民等への説明、景観や自然環境等への配慮などについて定めることにより、一方的な事業の実施を抑制することができるものと考えております。 また、条例では、これまでの要綱における規制区域に比べ、より厳しく規制区域を設定するとともに、違反した事業者名の公表や罰則を規定することで、より適正な事業実施が図られるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありますか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今説明いただきましたけれども、今回の条例によって、大町の豊かな自然環境と市民の生活環境が保全され、太陽光発電設備が適正に設置されることを求めて、次の再生可能エネルギー太陽光の活用について、お聞きします。 長野県では既存住宅エネルギー自立化補助金事業を行っています。北アルプス地域振興局で申請状況についてお聞きしました。 資料を御覧ください。 令和3年から令和5年度の令和6年1月末までの実績を見ますと、長野県全体では2,052件、大町市における実績は12件です。 野立てでの太陽光活用は様々な問題を抱える中で、住宅などの屋根置きの太陽光パネルの設置は、脱炭素社会の実現にとって有効な手段であると考えます。県の制度活用について、市としても積極的に取り組むべきと考えますがいかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部参事。     〔民生部参事(笠間博康君)登壇〕 ◎民生部参事(笠間博康君) 県の既存住宅エネルギー自立化補助金事業を市民が積極的に活用できるよう取り組むべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。 市では令和4年2月に策定した、地球温暖化対策実行計画の区域施策編におきまして、建物、屋根への太陽光発電設備設置を普及促進していく旨を明記しており、県の補助事業につきましても、市の広報紙等により周知しております。 県の補助事業の実績につきましては、議員から御説明いただいたとおり、令和3年からの約3年間で、県全体では2,000件を超える申請がありましたが、大町市における実績では12件と少数でございました。この要因といたしましては、県の補助事業の対象が信州の屋根ソーラー事業者の認定を受けている事業者の施工に限られており、現在市内で認定を受けている事業者が3社と少ないため、広く補助事業の活用が図られていないものと推察しております。 しかしながら、住宅におけるエネルギーの自立化の促進は、脱炭素社会の構築に向けても重要でございますので、引き続き、当該補助事業の周知に努めてまいります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 連続する自然災害を見ますと、食料もエネルギーも自給自足する体制、これを準備することが大切と考えます。現在の我々の生活では、電源の喪失が全ての機器を止めてしまいます。太陽光パネルと蓄電池のセットで災害に備える。行政としても普及目標を持って推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 民生部参事。 ◎民生部参事(笠間博康君) 太陽光パネルと蓄電池をセットで普及目標を持って推進できないかとのお尋ねにお答えいたします。 住宅における太陽光発電施設と蓄電池の設置の普及につきましては、当市が掲げる、ゼロカーボンシティーの実現に向けて重要な課題であると認識をしております。県におきましては、「信州の全ての屋根にソーラーを」合い言葉に、2050年までに普及率100%を目指すこととしており、市といたしましても、その目標に準じた取組を進める必要があるものと考えております。 ゼロカーボンシティー実現に向けた再生可能エネルギーの普及促進に加え、先ほどの御質問にもございました、県による補助事業や市のゼロカーボン住宅推進リフォーム支援事業などの情報発信にも努めるとともに、さらなる支援策などにつきましても検討を進めることといたします。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 市として、新設、既設を問わずに、屋根置き型の太陽光パネルと蓄電池のセットを推進する方策、これを立てていただいて、災害に備えることを求めて、3項目の質問に移ります。 自衛隊への名簿の提供についてお伺いします。 市では、自衛隊法第97条に基づき、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行うとしています。事務の内容について、特に、自衛隊への名簿の提供について、どのように行っているのか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。     〔総務部長(和田泰典君)登壇〕 ◎総務部長(和田泰典君) 自衛隊への名簿の提供についてのお尋ねにお答えいたします。 自衛官等の募集事務につきましては、防衛大臣は、自衛官または自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときは、市町村長に対し、必要な報告または資料の提出を求めることができることが自衛隊法において、市町村の法定受託事務として規定されております。 また、住民基本台帳法では、国または地方公共団体の機関は、法令で定める事務の遂行のために必要である場合には市町村長に対し、住民基本台帳の一部の写しを国または地方公共団体の職員に閲覧させることができるとされております。 市といたしましては、これらの法令に基づき、自衛隊からの閲覧申請があった場合には、対象年齢者の名簿を住民基本台帳から抽出した上で閲覧を許可しております。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今答弁があったんですけれども、確認をしたいと思うんですが、紙または電子データでの提供ではないと。18歳と22歳の対象年齢を住民基本台帳から抽出して、閲覧の許可をしているということかと思います。 しかし、抽出閲覧、これは自衛隊が欲しい情報をまとめて渡すということであり、自衛隊に便宜を図っている。これに等しい行為ではないでしょうか。対象年齢の抽出はやめるべきだと考えますがいかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 対象年齢の抽出をやめるべきとのお尋ねにお答えいたします。 名簿提供につきましては紙または電子データの提供ではなく、住民基本台帳閲覧申請により、指定されました指定対象年齢18歳到達者のみを抽出し、閲覧許可による提供をしております。 また自衛官等の募集事務に関する名簿の提供につきましては、先ほども御答弁しましたとおり、自衛隊法第97条第1項、自衛隊法施行令第120条及び住民基本台帳法第11条の第1項の規定に基づく提供であり、法令に基づき対応しているものです。今後も引き続き法令に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありますか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 法律のこと、御答弁、先ほどから何回もいただいたんですが、ちょっと確認しておきたいと思うんです。 個人情報保護法第67条1項では、行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、または提供してはならないとされています。自治体から自衛隊への名簿提供が法令に基づく場合と言える根拠はあるでしょうか。 今御答弁があったとおり自治体が根拠としているのは、自衛隊法97条第1項、都道府県知事及び市町村長は政令で定めるところにより、自衛官の募集に関する事務の一部を行う。そして、同法施行令120条で、防衛大臣は自衛官の募集に関し、必要があると認めるときは、都道府県知事及び市町村長に対し必要な報告または資料の提出を求めることができるとしています。 しかし、自衛隊法はそもそも組織法であり、同法97条1項にも、名簿を提供することを事務として明記しているわけではありません。また、施行令に至っては、行政機関である内閣だけで制定できるので、国会が制定する法令ではありません。防衛省、総務省は、法令に基づく場合提供してよいとの通知を出していますが、法令に基づく場合に当たるとして提供する根拠を認められません。対象年齢の抽出提供はやめるべきです。 また、自衛隊は入手した情報を基に、青年への隊員募集のダイレクトメールを送付しています。全国の自治体では、情報提供を望まない方に、除外申請という制度をつくっています。資料は、除外申請を広報で告知している例です。 御覧ください。 大町市でも、除外申請という制度をつくるべきと考えますがいかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 除外申請制度をつくるべきとの御質問にお答えいたします。 自衛隊の募集対象者の情報の提供につきましては、先ほど御答弁しましたとおり、法令に基づく情報提供であると認識をしているところであります。 一方で、議員御指摘のとおり、自己の個人情報の提供を望まない方に対して除外申請制度を設けている自治体もあることも承知しております。当市では、現在除外申請制度を設けておりません。市といたしましては今後、対象となる皆様の御意見や県内他市の動向を注視しながら、本制度の導入等に関しまして検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 個人情報の保護は、人間としての基本権として保障されるべきものであります。最低でも除外申請の制度を設けること、さらには、除外申請などをもう一歩進んで、個別に事前に同意した人についてのみ、自衛隊に個人情報を提供する。そういう形式を原則とすべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 個別に同意がある場合のみ個人情報を提供するべきではとの御質問でございます。 個人情報保護法第69条第1項では、法令に基づく場合を除き、個人情報の提供を制限しておりますが、自衛隊法施行令第120条に基づく、募集対象者の個人情報の提供は、同法第69条第1項の法令に基づく場合に該当するとの見解が個人情報保護委員会により示されております。 また、情報の提供を受けました自衛隊においては、自衛官募集事務の遂行に必要な範囲でのみ、使用することとしており、提供を受けた個人情報は、自衛隊において適正に管理を行うこととされております。 しかしながら、自衛隊への情報提供を望まない方、こちらのほうの配慮も必要でありますことから、まずは先ほど御答弁申し上げましたとおり、除外申請制度の同意に関して検討を進めてまいります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 除外申請制度については、前向きの答弁いただいたんですが、もう一歩進んで、18歳、22歳の名簿提供については、事前に個別同意、これを求めていくという方式に改めていただきたいということを求めて、質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 以上で宮田一男議員の質問は終了をいたしました。 以上をもちまして、本日の日程は全て終了しました。 本日はこれをもって散会といたします。 大変御苦労さまでした。 △散会 午後3時54分...