大町市議会 2023-09-07
09月07日-04号
19085番
堀 堅一
[一問一答]1.LGBT法による身近な影響について
(1) 生物学的男性の
トランスジェンダーによる女性トイレ使用について、市の見解は。
(2) 生物学的男性の
トランスジェンダーによる公衆浴場の女湯使用について、市の対応は。
(3) 生物学的男性の
トランスジェンダーによる
女子スポーツ競技参加の問題点は。
(4) 市内小中学校におけるLGBT教育について
(5) 市内小中学校における学校図書館のLGBT関連の図書について
(6) 東京都では、職員でLGBTの人と同居をしている場合に扶養手当や住宅手当を支給するとしたようだ。市の対応を問う。191
~
20196番
太田昭司
[一問一答]1.帯状疱疹について
(1) 帯状疱疹とはどのような病気か。
(2)
帯状疱疹ワクチンの費用と効果は。
2.認知症の人とご家族が住み良いまちづくりについて
(1) 認知症の人とご家族に対し、市はどのような支援を行ってきたか。
(2) 認知症カフェにどのように取り組むか。
(3) 認知症基本法の制定を受け、今後、市は認知症対策をどのように計画的に進めるか。
3.ウェルビーイングと地方の時代について
(1) 徹底した「文化芸術・地域文化」を守り活用したまちづくりの推進を。
(2) 歩いて「水」を楽しめる大町らしい持続可能なまちづくりを。201
~
216107番
中村直人
[一問一答]1.「山岳文化都市」としての大町市について
(1) 大町市
文化芸術振興条例(仮称)で描く未来は。
(2) 施策に地域人材・資源・歴史を活かせ。
2.証拠に基づく政策立案(EBPM)について
(1) 地域産業のデータ等を政策決定にどう反映するか。216
~
229
△開議 午前10時00分
○議長(二條孝夫君) おはようございます。 ただいまから9月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は16名全員であります。よって、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 なお、本日の会議に出席を求めた者は、市長、副市長、教育長、各部長等及び庶務課長であります。
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△日程第1 市政に対する
一般質問---------------------------------------
○議長(二條孝夫君) 日程第1 昨日に引き続き、市政に対する一般質問を行います。 質問順位第6位、
山本みゆき議員の質問通告は1項目です。
山本みゆき議員の質問を許します。
山本みゆき議員。(拍手) 〔14番(山本みゆき君)登壇〕
◆14番(山本みゆき君) 皆様こんにちは。政友クラブの山本みゆきです。 この夏はコロナ禍から解放され、お祭りなど人が集まる機会がようやく増えてきました。経済の回復も、僅かですが決算書から見ることができます。しかし、コロナ禍で借入れを起こした事業者は返済が始まったばかりであり、これからが勝負となります。地域の持続はコロナ前に戻ればいいということではなく、新しい経済活性が必要です。 さて、全国的にも例年にない猛暑となって、残暑が続いています。今9月定例会が行われているこの議場には、冷房施設がありません。本定例会の開会された8月には、議場内が35度となる日もありました。市の公共施設は多くが老朽化してきており、冷暖房やトイレなど不便を感じています。市の庁舎もそうですが、毎年のように修繕に費用がかかる状況です。このまま使い続けるにも不便ですし、災害時は心配はないのでしょうか。 公共施設が快適であることは市民の皆さんも望むところでありますし、市役所庁舎が快適であることは、行政の事業がスムーズに行われ、結果、市民の暮らしやすさにつながるのではないでしょうか。今回は市内の公共施設がこれからどうなっていくのか、また行政の信頼回復が強く求められる中、行政サービスはどのように持続させていくのか、暮らしやすさにつながる公共施設の更新と、生活を支える行政サービスの持続についてお聞きしていきます。 さて、市は令和2年度に
公共施設管理個別計画を策定しています。目的として、公共施設等の全体の状況を把握し、長期的な視点から機能転換や複合化を検討することにより、総量を市に見合った数へと抑制し、今後も持続させるべき施設の長寿命化を図りながら、持続可能な施設管理と利便性の向上を目指します、としています。計画より3年が過ぎましたが、どのように進めているのでしょうか。 学校等教育施設は再編もあり、更新が進んでいると見られますが、市民の皆さんが頻繁に利用する公民館や保健センターなど、公共施設の多くが老朽化してきております。更新できるのでしょうか。また、今後どのように進めていくのでしょうか。
公共施設等総合管理推進本部本部長、矢花副市長にお聞きしたいと思います。 これで1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。
山本みゆき議員の質問に対する答弁を求めます。副市長。 〔副市長(矢花久則君)登壇〕
◎副市長(矢花久則君) 老朽化した公共施設の更新等の進め方についてのお尋ねにお答えいたします。 市が持続可能な施設の管理と利便性の向上を目指すことを目的に策定いたしました
公共施設等総合管理計画では、対象を建物などの公共施設と道路や水道などのインフラに大別しており、このうち公共施設につきましては、新規の整備を抑制するとともに、施設の複合化等によりその数を縮減し、将来の更新費用を削減することとしております。 また、この計画の推進に当たりましては、
公共施設等総合管理推進本部において全体の進行管理等を行い、施設を管理する課では、施設ごとの管理台帳を作成し、経年劣化などによる性能低下や管理状況等の把握を行っているところでございます。これまで計画に掲げる令和8年度以降に開始または譲渡などを検討する41施設のうち、既に撤去したものを含め、本年度末には5施設について手続を進めているところでございます。また、これ以外の施設につきましても、譲渡に向けた不動産鑑定や地元自治会等に対する協議等を行っているところでございます。 議員お尋ねの今後の進め方につきましては、市民の理解と協力を得ながら、財政状況等を踏まえつつ、譲渡先や利用者の意向のほか、施設の危険度などを総合的に判断し、優先度を決めて計画的に進めることとしております。また、その進行管理につきましては、各所管課の進捗状況を把握しながら、推進本部におきましてしっかりと取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) 先ほどの答弁で、5施設進めているというふうにお聞きしましたが、具体的にその5施設というのはどのようなところなのかお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 既に着手しております5施設につきましては、かえで保育園、環境プラント、長平の教員住宅、それと美麻診療所の医師住宅、そして東部加工所であります。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君)
公共施設個別管理計画は、担当課から調書をまとめたものとなっておりますが、計画的に推進することが必要だと思います。大町市にとってどれだけの公共施設を必要とするのか、総量をしっかり決めて計画を進めることが大切ではないでしょうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 公共施設の総量を定める新たな計画の見直し等についてのお尋ねでございます。 公共施設の縮減は、将来にわたる財政負担の軽減を図る上で非常に有効であると認識をしており、計画では施設の総量を当市に見合った規模に抑制することを目的としております。しかしながら、この計画ではあらかじめ削減する施設数としまして、一定の目標値を設定するのではなく、施設の種類や施設ごとに状況を見極め、方向性を示すこととしており、除却計画などを策定することにより、総量を抑制する手法は採用しておりません。 市といたしましては、計画において継続以外の方向性を検討することとしております41施設を中心に、施設利用者や関係者の皆様と調整を図り、早急に取組を進めてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) 将来の財源を守っていくためにも、公共施設の管理を適切に進めていくためには有効だと思いますが、再度お聞きしていきます。副市長のほうの御答弁に、新規は抑制していくというお話をお聞きしましたが、どれだけもつかというところも感じるところでありますし、どのようにこれから進めていくのかというところを、もう少し詳しくお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 御質問にお答えいたします。 公共施設につきましては、ただいま副市長からも答弁しました計画に基づいて実施をしているところであります。毎年担当課からの調書によりまして進捗状況を確認しまして、
公共施設等総合管理推進本部で協議を進めているところであります。 そこのところで、その調書に基づきまして、毎年毎年必要性ですとか経年の劣化度で、将来の統合も含めまして協議をしているところであります。そのため、この公共施設につきましては将来の財政負担を見据えた上で、そういった部分のところで、総量につきましてもその中で、必要性に応じて進捗状況を確認する中で検討してまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) しっかり進めていただきたいと思います。 この質問をするに当たり、調べてみました。事業期間は令和4年度から令和8年度までとして、1年間延長された
公共施設等適正管理推進事業債ですが、大町市は利用するための準備はできているのでしょうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君)
公共施設等適正管理推進事業債の活用についてのお尋ねにお答えいたします。
公共施設等適正管理推進事業債は、令和4年度から令和8年度までの公共施設の集約化や複合化、長寿命化などの事業に対しまして、充当率90%、交付税措置率30から50%が措置されるもので、当市では道路改良事業に活用しております。今後、公共施設の更新等に当たりましては、この地方債を活用しますほか、施設の特性や改修内容に応じまして、脱
炭素化推進事業債や過疎対策事業債、辺地対策事業債などの地方債の活用も検討し、計画が滞りなく進むよう取り組んでまいります。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) その脱炭素化事業についてお聞きします。令和4年度にこの
公共施設等適正管理推進事業債の対象から除外されて、脱
炭素化推進事業債が新たに創設されておりますが、事業期間は延長されずに令和7年度のままとなっており、ほかの事業よりも1年短い期間となっております。これは国が早く進めることを求めてのことと受け取ることができますが、大町市では、昨年の令和4年2月に大町市
地球温暖化対策実行計画が策定されていますが、脱炭素事業については具体的にはどのような対策を実行しようとしているのでしょうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 民生部参事。
◎民生部参事(笠間博康君) 脱炭素化に向けた具体的な対策についての御質問にお答えをいたします。 市では、昨年2月に大町市
地球温暖化対策実行計画の区域施策編を策定いたしました。この計画につきましては、地球温暖化対策の推進に関する法律により、市町村は区域の自然的・社会的条件に応じて、
温室効果ガス排出の削減等のための総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施するよう努めることとされており、これに応じて策定した区域の事業者または市民が、温室効果ガスの排出の削減等を促進する事項等を定めるものでございます。 計画における行政の具体的な施策としましては、町川発電所を活用した
再生可能エネルギーの地産地消をはじめ、公共施設の建築時等における省エネ基準への適合やZEB化、計画的な間伐・植林などによる森林の維持、さらにはごみの減量化・堆肥化の促進など様々な取組の推進を掲げており、事業者、市民に向けた省エネや再エネに関する積極的な広報啓発にも努めることとしております。また、事業所としての大町市の
温室効果ガス削減に向けた指針を示す実行計画につきましては、本年度末までが計画期間となっておりますことから、改訂作業を進めてまいります。 市における温室効果ガス
排出量の削減に向けた取組といたしましては、市有施設約100か所について、LED化に向けて改修計画の策定と概算事業費の算定等に取り組んでおりまして、また、公用車のEV化を推進するため、本年度はハイブリッド車を含め3台の導入を予定しております。 今後は、本年度策定する実行計画の事務事業編におきまして、2050年脱炭素社会の構築に向け、公共施設などの温室効果ガス
排出量の削減目標や具体的な取組を整理するとともに、財源として有利な地方債の活用につきましても、積極的に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君)
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) 平成29年3月に策定された大町市
公共施設等総合管理計画から、6年の月日が過ぎております。計画の中で、「速やかに公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するため」と書かれております。計画を進めなければ、ゆくゆくは財政難に陥る可能性が懸念されます。大変なことであると思いますが、計画を立てた本来の目的に立ち返り、成すべきことを進めていただきたいと思います。 さて、高規格道路の
松本糸魚川連絡道路の市内の計画が、いよいよ幅の細いルートを一本に決めるところが近づいております。松糸道路がまちの骨格であるとするなら、市民の多様な活動の場である公共施設は、まちを肉づけ、形作る重要な部分であることから、並行して進めることが重要と考えます。 人口減少や高齢化といった時代の変化に、高校の再編、中学校の再編がなされ、次は小学校の再編が進められています。再編が進むことで空地が生まれていきますが、学校跡地をどのように活用するのか、まちづくりの観点から具体的な計画が求められます。公共施設においても大町市全体を把握し、集約化や複合化を図ることが必要ではないでしょうか。例えば、県の施設ではありますが、合同庁舎また保健センター、市役所を集約し、複合化するなど考えられると思いますが、今後の展望をお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 公共施設の集約化や複合化に向けた今後の展望についてのお尋ねにお答えいたします。 将来の人口規模に見合った施設の効率的な運営管理や利便性の向上を考慮しますと、議員御指摘のように用途が重複する施設の統合や複合化の検討が重要であります。これに加えまして、県など他の団体との調整も、もう一つの重要な視点であると考えております。これらの検討に当たりましては、利便性や市民サービスの向上などの観点とともに、経済性等を総合的に考慮をし、総体的に検討することが重要であると考えております。 なお、他の団体との調整による取組の一つとしまして、県と市がそれぞれ管理していた借馬団地と上一団地の管理の効率化を図るため、借馬団地を市営に、上一団地を県営に事業主体の統一を図る変更を行い、それぞれ改修あるいは建替えによる再編が行われております。 また、ごみ処理広域化におきましては、
北アルプス広域連合との間で調整を図り、社青島地区の環境プラント及び高根地区の
最終処分場グリーンパークを、それぞれ地元地区の皆様の御理解の下、円滑に移管することができ、環境プラントは解体撤去に着手するとともに、グリーンパークは第3期埋立地の整備に向け、所要の調整が行われております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君)
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) 集約化したり複合化したりすることで便利になり、人材を少し減らすということも考えられるかもしれませんし、それから、
コンパクトシティの考え方としてもこれから必要になってくると思いますので、その辺研究を進めていただきたいと思います。 計画の推進体制について次はお聞きします。 まちづくりに関わる公共施設の適正な設置・管理には多様なニーズの把握が必要ですが、
公共施設等総合管理推進本部はどのように機能を果たしているのかお聞きいたします。計画し、実行に移せる組織力が何としても必要ですが、どうでしょうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 計画の推進体制についてのお尋ねにお答えいたします。 現在の推進体制につきましては、計画の対象を市が保有する全ての公共施設としておりますことから、企画財政課が主管課を務め、
公共施設等総合管理推進本部において全庁の横断的な調整や進行管理を行いつつ、総合的かつ計画的に推進を図ることとしております。また、個別施設に関わる事業の実施につきましては、各施設の所管課が担い、地域住民の皆様など関係者と密接に連携しながら進めております。 組織の在り方につきましては、今後事業の進捗状況を見極めながら、必要に応じて検討をしてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) 大町市
公共施設等総合管理計画の中で、市は公共施設の将来の更新費用の試算結果として、「本市が保有する全ての施設を更新し、このままの規模で保有し続けた場合、財源が不足することが明確となりました。公共施設の総量縮減だけでその財源的な対応をすることはできませんが、可能な限りの公共施設の縮減を進めていくことが必要なことは明らかです。」としています。この計画の推進には大町市の未来が託されていると思います。重要性を把握し、推進することが大切ではないでしょうか。 なかなか、増やすということは簡単ですが、縮減するということは大変なことではあると思います。ですが、財源を考えたときに、問題を先送りにせず取り組んでいただきたいと思います。牛越市長にお聞きいたします。この計画に本腰を入れて進めていただきたいのです。市長はどのように進めていただけますでしょうか、お聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 公共施設の総合管理計画をどのように進めていくかとのお尋ねにお答えします。 市ではこれまで、公共施設の中でとりわけ老朽化が進んでおりました保育園や小・中学校について、地域の将来を担う子どもたちの健やかな成長を願い、施設の整備に力を尽くしてまいりました。その結果、まず、もみのき・こぶし両保育園を統合して新たにくるみ保育園を新設したほか、はなのき・あすなろ両保育園を全面改築いたしました。 また、義務教育学校につきましても、本年4月に第一中学校と仁科台中学校を統合して大町中学校に、また八坂地区におきましても小学校、中学校を統合し、新たな八坂小中学校に再編いたしました。さらに、現在次の段階として、旧市内の4つの小学校を2校に再編する計画を実行に移しております。 議員お尋ねのように、人口減少が進む中、公共施設全体についてそれぞれの施設の必要性を見極め、適切に管理することは、健全財政を将来にわたって維持する観点からも、早急に進めなければならない課題でございます。そのため、市では
公共施設管理個別施設計画において、転用や譲渡、廃止等、継続以外の方向性を検討している施設のうち、これまでに御答弁申し上げてまいりましたが、八坂地区の東部加工所や美麻地区の教員住宅を除却したほか、本年度ははかえで保育園や環境プラントの取り壊し工事の手続を進めるなど、着実に計画を進めております。 また、公共施設の維持管理に当たりましては、人口減少や地域経済の状況など、日々変化する社会情勢にも的確に対応していくことが必要であり、新たに計画に脱炭素の取組を加えるとともに、最新の人口動態も考慮して、本年度中を目途に見直しを図ることとしております。なお、公共施設の老朽化は国や県におきましても共通の課題と考えられますので、今後も必要に応じ関係機関、団体との調整を図り、他の機関への譲渡や施設の複合化など、新たな視点も加え、市の公共施設全体の効率化を目指してまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) 子育て日本一を掲げる牛越市長には、子どもの教育に関わるところを真っ先に更新をしていただいているところだと思いますが、今後のことを考えまして、市全体の公共施設見直しを進めていただきたいと思います。 御答弁いただきましたが、市長の思いだけでは市の事業は動かせるものではありません。今後予測される財政難に備えるには、市の組織を見直し、変革しなければなりません。先月8月8日に行われました臨時議会での全員協議会で、大町市事務改善研究委員会の中間報告がありました。コロナ禍を経て新しい時代を築いていく必要がある今、あらゆる問題に対応する市の組織、職員体制も見直しが必要と考えます。どのような課題があるのでしょうか。また、組織の改正ポイントや進め方をお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。 〔総務部長(和田泰典君)登壇〕
◎総務部長(和田泰典君) 組織や職員体制の見直しについての課題や進め方についてお答えいたします。 現在の組織は、業務の複雑化・多様化に対応するため、小規模な課や係が比較的多くなってきております。そのため、限られた人員を効果的に配置することが難しく、特定の職場に一時的に業務が集中した場合には、職員個々の能力への依存度が著しく高くなる等の課題があり、加えて部局相互の連携が図りにくいため、組織力の効果的な発揮に難点があると考えております。 また、定年延長に伴う組織の活力維持や職員の年齢構成の偏在といった、構造的な課題への対応も必要と認識しております。組織の見直しにおけますポイントとしましては、1点目として、人口減少などに伴う施設の統廃合等を含め、市有財産の適正な管理・活用等の公共施設のマネージメントや、地域公共交通の在り方、DXの推進など、新たな行政課題への対応。2点目として、コロナ後の地方回帰を契機として、移住・定住や芸術祭開催による関係人口の創出等をまちづくり施策と一体的に進めるための体制整備。また、3点目として、行政と民間、支所と本庁など業務内容に応じた役割分担の見直し。そして、4点目に職員が安心して働ける職場の環境の整備を位置づけております。 現在、副市長を委員長とします事務改善研究委員会において見直しを進めておりますが、先ほど申し上げました4つのポイントのほか、様々な視点から、限られた人員の中で効率的・効果的に組織力が発揮できる体制づくりに鋭意取り組んでまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) 大町市事務改善研究委員会、こちらも副市長が進めておられるということで、しっかりとこのあたりも時代が変わってきまして、本当に人口減少、市の面積は変わらない中で市の事業をどのように進めていくのか、そのあたり財源と共に考えていかなければならないことだと思います。組織がしっかりしているということが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 今定例会前に、議会では決算審査特別委員会を開きまして、市の行う事業から各委員会で事業を選び、事務事業評価を行っています。令和4年度の市の事業は142事業に及びます。議会では事業の内容を精査しますが、必要である事業、重要性のある事業を選択するため、結果的に拡充または継続となることが多く、市の事業数は増える一方です。 既に始まっている人口減少、少子化にあって、市を持続させていくためには徹底した事業の見直しも必要かと思います。組織改正とともに事業の必要な量を見極めていくということが重要であると思いますが、体制を見直し、新しい行政になるため、改革を進めていただきたいと思います。そうでないと、これから新しい大町市というのがつくれないのではないでしょうか。そのように思いますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 事業の見直しについてのお尋ねにお答えします。 事務事業の見直しにつきましては、市民への説明責任や効率性の向上、経費の縮減や質の高い行政サービスの提供、また職員の意識改革等の視点により、事業の必要性や有効性、効率性などのほか、拡大や継続、やり方改善や中止など、今後の方向性についても評価をしているところであります。 令和4年度に評価しました169事業につきましては、今後の方向性として拡大が2事業、継続が149事業、やり方改善が16事業、事業完了が2事業となっており、事業の実施方法等について改善を図ってまいりました。議員御指摘のとおり、今後人口減少や少子高齢化の進展などにより、自治体財政はさらに厳しい状況となることが想定される一方で、地域経済の活性化や公共施設の維持管理、少子化対策等の課題への対応など、行政需要は今後ますます高まることが予想されます。 現在、市を挙げて補助金及び負担金の見直しを進めており、その他の事務事業につきましても、目的や対象者、効果を検証し、類似する目的の事業の統合や効果の薄い事業の廃止を進めることで、真に必要な事業を見極め、政策の優先度による事業の選択と集中や質的向上を図るなど、市民サービスが低下することのないよう創意工夫を凝らしながら、さらに見直しを進めてまいります。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) 減らすということはとても大変なことだと思いますけれども、先ほど総務部長も答弁いただきましたが、質を減らすことなくやっていただきたいと思います。公共施設、市の組織体制、市の事業もスクラップ・アンド・ビルド、壊して建て直す意気込みが必要かと考えます。市職員が成果を出すことに注力してきたこれまでを考え直して、市民や民間事業者が力をつけて活躍することを応援するような行政の姿勢に変えていただきたいと思います。 このたびの不祥事、誠にふがいなく残念でなりません。信頼を取り戻すためにも、前に進める努力を急ぎ始めていただきたいと思います。大町市の行政にはすばらしい人材がいると信じております。さらに組織として人材を生かしていくこと、また職員皆さんの気持ちが一つになる目標を持つことが重要ではないでしょうか。仕事量が処理能力や許容量を超えないよう、また予期せぬ出来事や新しいことへのチャレンジができる余裕のある体制づくりに、事務事業改善を行っていただきたいと思います。 不祥事が続き、目指すものが見えなくなっているのではないかと心配するところです。これからの見たことのない新しい大町市をつくり上げていくために、気持ちを一つにしていただきたい。市長、どうでしょうか、やっていただけますでしょうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君) 今後の組織運営についての私の考えはとのお尋ねでございます。 人口減少や少子高齢化などを背景として、市民の皆様の価値観やニーズは大きく変化しております。これに加え、新型コロナウイルスなどの感染症対策や激甚化する災害など、不測の事態への迅速な対応など、今後の行政運営はますます高度化することが求められます。 持続可能な行政サービスを提供していくためには、限られた人材や財源などの経営資源をより効率的・効果的に活用することが極めて重要であり、さらに議員の御指摘のように、市職員の持てる力を引き出し、皆が気持ちを一つにして様々な課題に柔軟に適応できる、そうした組織体制にしていくことが何よりも重要と強く感じております。 市では、職員を市の貴重な財産、すなわち「人財」、人を財産と考える「人財」であることを深く認識し、その育成を図るため、昨年度、「大町市人材育成基本方針」を定め、その中で目指す組織の姿として「個々の知恵と能力を結集し、変化を恐れず挑戦し続ける組織」を掲げております。 今後、失われた市民の皆様の信頼を回復し、何としても持続可能な、そして議員のお尋ねの言葉にありました「まだ見たことのない」新しい大町市をつくり上げていく、大町市を実現するため、市で働いている全職員が、市民の皆様のために生き生きと積極的に業務に取り組んでいけるよう、組織体制や事務体制、事務事業の見直しなど喫緊の課題の解決に向けて、私も一緒に力を尽くして改革に取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君)
山本みゆき議員。
◆14番(山本みゆき君) 信頼を回復し、市政を前に進めていただきたい、その思いでなかなか厳しいことも申し上げました。先日、商工会議所女性会の広域セミナーで、コロナ禍に起業し、インバウンドの観光に新しい仕組みを作ったWAmazing株式会社の加藤史子代表取締役CEOとお会いし、お話をお聞きする機会がありました。 起業して7年で30億円を超える資本金、また220名の社員、そのうち女性社員が6割、外国籍社員が4割とお聞きし、驚きました。何を大切にされていますかと質問しましたところ、「最後はお金と人なのよね。」と即答されました。そして続けて、「でもお金は何とかなるのよ。最後は人。いろいろな人がいるから、それが一番大変で一番大事。」とお伺いしました。大町市もお金と人を大切にして、信頼を回復し、市民も行政も気持ちを一つに合わせて、新しい大町市をつくり上げていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で
山本みゆき議員の質問は終了をいたしました。 ここで10時55分まで休憩といたします。
△休憩 午前10時40分
△再開 午前10時55分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第7位、栗林陽一議員の質問通告は4項目です。栗林陽一議員の質問を許します。栗林陽一議員。(拍手) 〔9番(栗林陽一君)登壇〕
◆9番(栗林陽一君) 日本共産党大町市議団の栗林陽一です。通告に基づき、道路行政について、公共施設について、鳥獣被害について、市の不
用品交換コーナーについての4点について順次お伺いします。 最初に、道路行政として、現在の市道の状況と課題は何かお伺いします。現状、市道の維持管理の状況はどうなっているのか。また、行政が考えている大町市の道路問題は何か、道路の課題は何かをお伺いします。 これで1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 栗林陽一議員の質問に対する答弁を求めます。建設水道部長。 〔建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎建設水道部長(古平隆一君) 市道の現状と課題についての御質問にお答えをいたします。 現在、市が管理する道路の総延長は867キロメートルで、このうち幹線道路につきましては、1990年代に長野オリンピックの開催を契機に整備が進められたことから、現状安全で快適な道路環境が確保されているものと考えております。 しかしながら、通称オリンピック道路と呼ばれる幹線市道につきましては、車両の大型化や大型車の交通量が急激に増加したことなどに起因しまして、舗装面の損傷が著しく、また維持管理において大きな財政負担となっております。また、市民が日常的に利用する生活道路につきましては、一定の安全性また利便性が確保されているものと考えておりますが、幹線道路に比べ簡易的な舗装構成となっているものも多いことなどから、部分的に舗装面の損傷が著しい路線があるほか、市の東部の山あいの地域におきましては、地滑りや土砂崩落が発生しやすく、これらに伴う通行止めや災害の発生頻度が高いことなどから、道路の利用度に比べ、維持管理の負担が大きなものとなっている現状でございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 現状の問題点は分かりました。市道の20年、30年後、これからの道路状況、20年後、30年後は人口が大幅に減少するのは確実に想定されていますが、その中で道路行政の課題は何かについて、考え方、対応策をお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。
◎建設水道部長(古平隆一君) 将来、人口減少が進む中、市内の道路状況と維持管理補修に要する費用等の予測、またその対応についての御質問にお答えをいたします。 現在、先ほど御答弁申し上げたとおり、総延長860キロメートルを超える市道につきましては、市民生活に直結した暮らしを支える道路として、その機能の維持を図っていかなければならないものと認識をしております。 一方で、急速に人口減少が進展する中、利用頻度の極めて低い路線の増加や、また橋梁やトンネルといった重要構造物の補修や災害対策、老朽化する施設の維持管理における費用負担などが今以上に増えることが見込まれます。 こうした状況に加え、維持管理を行う建設業界の担い手不足も深刻でありますことから、これまで以上に道路メンテナンスにおける選択と集中とともに、IT技術を活用した作業の効率化が必要と考えております。このため、現在市ではDX、いわゆるデジタルトランスフォーメーションを活用した、道路パトロールの記録写真が自動的に地図情報として共有されるアプリや、職員間の通報システムの試験的な導入、また除雪管理システムの導入による作業の効率化など、新しい技術を積極的に活用し、業務の効率化を進めてまいりました。 引き続き、市民生活や交通環境の変化に適切に対応する効率かつ効果的な道路の維持管理体制の構築、これについて図るとともに、そのための財源については国の補助金、また交付金等の予算確保や起債の活用、こういったものを検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 大町市内のどこに住んでいても、市民が生活し続ける道路環境の整備を求めて、次の質問に移ります。 次に、松糸道路の課題は何かについて伺います。 松糸道路と市内の幹線道路との関係をどう考えるのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。 〔建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎建設水道部長(古平隆一君) 地域高規格道路・
松本糸魚川連絡道路の計画を進める上での課題について、また市内の幹線道路との関係性についての御質問にお答えをいたします。 まず、松糸道路における当地域を通るルート計画につきましては、県が平成30年2月に検討に着手して以降、国のガイドラインに基づき、地域の皆様との意見交換を重ねながら、市と県が共に連携し、段階的に進めてまいりました。 これまでの説明会におきましても、市民の皆様からは早期にルートを決定し、一日も早く道路を整備してほしいなどの肯定的な御意見がある一方で、盛土構造に対する疑問や現道の利用でよいとする御意見のほか、木崎以北の計画を早く示してほしいなどの御要望をいただいており、これらの要望や疑問にどのようにお答えし、理解を深めていくことができるか、今後計画を進めていく上での課題と考えております。 これらを踏まえ、本年7月から8月に開催された説明会並びにオープンハウスでは、皆様からいただいた疑問点に対し、できるだけ詳しく説明するよう努めたところでございます。しかしながら、現地の測量や調査が行われておらず、実施設計にも着手していない現時点におきましては、説明の内容や資料にも限界があり、全ての皆様に十分に御理解いただくことが大変難しいものと考えております。今後、さらに計画の熟度を高めながら、それぞれの要望や疑問に応じて適切に対応を進めることで、理解の深化を図り、合意形成に努めていくことが必要と考えております。 また、市内の道路との関係性でございますけれども、今松糸道路の計画と円滑に連結をするべく、盛土構造という提案を県はしてまいって、交差点の利便性を高めるということも計画の中に取り入れてきております。ただこれも、先ほど私申し上げましたとおり、盛土自体が景観等へも影響するという懸念もありますことから、こういった市民の利便性、こういったものにも重点を置きつつ、また当市の景観等にも配慮をしながら、適切な松糸道路になるよう、県と共に力を合わせてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 説明会を行っているということですが、完成後、松糸道路を使うであろう現在の若い市民、20代から40代の声を十分に聞いていないと思います。こうした年代の声を十分に聞く手だてをとることが大切だと思いますが、市は県と連携して若い世代を対象とした説明会を行う、また意見反映の手だてを考えているのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。
◎建設水道部長(古平隆一君) 松糸道路を使う若い世代の声を聞く説明会を開く考えはないかとの御質問にお答えをいたします。 本年3月定例会における宮田議員からの同様の御質問への答弁とも一部重複いたしますが、これまで市では県と緊密に連携しまして、それぞれの説明段階や地域要望などを踏まえ、市民の皆様の御意見をお聞きする場を数多く設けてまいりました。中でも、県事業として県内で初の取組となりましたオープンハウスですが、日程に限りはございますものの、各世代を通じてより多くの皆様方に、予定や時間帯を気にすることなく自由に参加いただき、御意見などをお聞きする場として開催をいたしました。 確かに若者世代の参加がなかなか厳しい状況にはなった部分もございますが、申し上げるまでもなく、道路は年代に関係なく誰もが利用できるという社会資本でございまして、特に若年層に絞った説明会を現時点で開くことは考えておりませんが、今後も様々な工夫を凝らしまして、幅広い市民の皆様から声を汲み上げるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) オープンハウスを行ったということなんですが、最初のオープンハウスは、40代以下だと占める割合が17%、2割以下ということもあります。改めて中学生、高校生も含めた、将来使う若い世代の声を聞く場を設けることが重要だと考えます。そしてオープンハウスだけでなく、関係者、住民、ルートに係る地権者等への説明もきちんと行わなければならないと考えますが、市はどう考えるかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。
◎建設水道部長(古平隆一君) 関係住民など、事業予定地の地権者の皆様等への説明を行うべきとの御質問にお答えをいたします。 議員御承知のとおり、現在県が示す幅の細い3本のルート帯案は、基礎調査などに基づく道路構造の技術的な観点とともに、様々な視点や観点を踏まえ、いずれのルート帯案も松糸道路として適切に機能することが可能であるとして、県が責任を持って選定したものでございます。 しかしながら、それぞれのルート帯案は100メートル幅を有しておりまして、今後最適ルート帯の決定後、現地測量や調査等に基づく実施設計等を踏まえて、事業用地が確定することとなりますため、現時点において地権者の皆様を特定してはございません。 今後、事業用地が確定した段階におきまして、地権者の皆様方にはきちんと説明を行いますとともに、それぞれの御意見また御要望にできる限り寄り添い、対応してまいりたいと考えております。現段階におきましては、最適ルート帯の選定を行う幅広い視点で御意見をいただく場としてあることにつきましても、改めて御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 細かい対象に対しての説明はまだできないということですが、ルートに係る市民の人たちが求めているのは、ルートが決まる前の説明だと考えます。3ルートに係る地域の住民に対しての説明を改めてできないのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。
◎建設水道部長(古平隆一君) 3ルート帯に係る地域への説明ができないかという御質問でございます。 まず、それぞれのルート帯案に係る地域への説明につきましては、令和3年9月に、県が現在お示ししております3本のルート帯案を公表して以降、翌年4月から6月にかけまして全8日間にわたり、ルート帯案の範囲となる29の自治会や住民の皆様に対し、地区別の説明会を開催し、御意見を伺った経過がございます。現段階におきましては、最適のルート帯を行う広い視点で御意見をいただく場と考えておりまして、現時点ではあくまで最適ルート帯の決定以降に測量調査のお願いを含め、該当地域への説明を行っていく方針としております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) ルートが決まってからの説明だと、住民たちの選択肢がないと考えます。地区、木戸ごとにしっかりと問題がないように、相手の疑問がないように、住民の声を聞くような説明会を開くことを求めて、次の質問に移ります。 次に、大町市の山岳景観を含めてお伺いします。 大町市の山岳景観については、元市立大町山岳博物館専門員の矢野孝雄先生が、北アルプス山麓地域の地形を説明するのに考えられた言葉があります。その言葉が「たけのこやま」です。「たけ」というのは山岳の岳ですが、これは北アルプス、「の」は複合扇状地でできている安曇野のことで、木崎湖畔まで安曇野になるそうです。「こ」は湖、仁科三湖です。「やま」は美麻や八坂などを含む大峰山地、つまり東山です。大町市は、このような4つの地形を組み合わせてできていると理解できます。 地元に住んでいると、この「岳野湖山」があるのは普通のことのように思えますが、ほかではこうはいかないそうです。大都市は平らで標高差が生み出す景色や生物多様性に乏しい、しかし北アルプスはライチョウと、標高に応じた動物が生息しています。一つの市の中に岳野湖山があって、こんなに変化に富む世界を作っています。これはもう大町の絶対的な財産です。日本列島の中でも最高級の自然空間だと説明されています。 〔「通告以外だろ」「余計なこと言うな」と呼ぶ者あり〕
◆9番(栗林陽一君) これから説明しますのでお待ちください。景観を地域のブランドとしている市の施策と盛土は相入れないと考えますが、市はどう考えているのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。
◎建設水道部長(古平隆一君) 景観を地域のブランドとする市の施策と盛土との整合性についてお答えをいたします。 議員御指摘いただいたとおり、雄大な北アルプスの眺望、また仁科三湖をはじめとする四季折々の景観は、当市の誇れる財産でございまして、また守るべき地域ブランドとなるこれらの景観の保全や育成に向けましては、これまで必要な地区や地域を限定して、風致地区や景観育成重点地域に指定する法的な規制を行ってきております。また、一方で活力あふれる産業と賑わいのあるまちづくりに向けたこうした地域以外においては、工場立地等の開発も供用してまいった経過でございます。 我が国の国土は一般的に平地が少なく、地震や降水量が多いため災害リスクも高く、脆弱な地質でもございますことから、命と暮らしを守るため、これまで自然の改変を伴う様々な社会資本の整備、こういったものもまたなされてきたところでございます。 今日、一定の社会資本整備が進む中、それに伴う景観への配慮も重視されてございまして、そうした観点から、県では様々な視点場からのフォトモンタージュを用いた松糸道路の整備後のイメージ、こういったものを示すなど、従来にない様々な工夫を説明の中でも凝らしながら、理解を深めてきたものと認識しております。こうした取組に御理解をいただき、今後詳細な設計段階でその影響度合いを踏まえ、具体的な対応について、県とともに引き続き検討してまいる所存でございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 山岳景観に魅せられて大町市に移住してくる人は多く、また人口が増える要因にもなっています。盛土が鹿島川扇状地の中央を、市街地の西から北にかけて北アルプスの間と位置が悪いと思います。大町市として、ほかに誇れる特別な地域ブランドを守っていくべきだと考えます。 それでは、次の質問に移ります。 次に、公共施設の現状はどうかお伺いします。 公共施設、特に生涯学習の拠点としての公民館についてお伺いします。公民館は、地域住民の交流の場、憩いの場として青少年、成人、高齢者など複数世代が参加する講座、学習の場、また趣味、地域社会活動などを通じてコミュニティーづくりの拠点として重要な役割を果たしています。また、高齢者にとっては芸術・文化活動、スポーツ活動、地域づくり活動、ボランティア活動などの拠点になっています。 令和4年3月に発表された大町市生涯学習推進プランの基本方針の、市民一人一人に対応した学びの基盤と環境の整備では、生涯学習関連施設の機能強化と記載されています。健康的で豊かな生活を送るための学習機会の提供を、公民館などの身近な施設において、生活や日常生活の工夫、改善、人との触れ合いによる心身の健康づくりなど、実践的な学習機会を拡充することで、高齢者が安心して日常を過ごせることと思います。高齢者にとって、公民館の果たす役割がいかに大切か知ることができます。 そこでお伺いします。障害者や高齢者に優しい施設、バリアフリーになっているのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。 〔教育次長(太田三博君)登壇〕
◎教育次長(太田三博君) 生涯学習関連施設について、障害者や高齢者などに優しい施設になっているかとのお尋ねにお答えいたします。 生涯学習課が所管する施設の多くが建設から相当年数が経過し、老朽化による設備等の不具合が発生しており、これまで点検等を実施しながら維持管理を行ってきております。また、設備につきましては、トイレの改修や照明のLED化、壁の改修など順次改善に努めております。 公民館におきましては、基本的にスロープが設置されており、車椅子での利用が可能となっておりますが、利用者からの要望を伺う中で、改善が必要な点につきましては、順次改善を進めております。公民館をはじめ公共施設におきましては、障害の有無にかかわらず、全ての利用者が安心・安全に利用できる施設運営を目指しておりますが、施設利用者の減少や施設の老朽化などが課題となっており、長期的な視点から、機能転換や施設の複合化等も視野に入れながら、今後、生涯学習推進プランの着実な推進を目指しまして、引き続き適正な維持管理に努めてまいります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 各施設とも、各公民館でスロープ等は設置されているとおっしゃられましたが、社公民館では、エントランスのスロープでは屋根がないために、冬場雪が降ると使うことができなくなるそうです。そのことについてどう考えているかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) ただいま社公民館のスロープについて御指摘をいただきました。確かに車椅子の方でスロープがあっても、雨や雪の場合にはそれで濡れてしまうということがありますので、実際にスロープがあるかないかだけではなくて、本当に利用者の方がどういった状況になっているかということを含めまして、今後早急に解消をしてまいりたいと考えております。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) また、エントランス等だけでなく、施設内部の段差や危険箇所は解消されているかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) 生涯学習関連施設の危険箇所等は解消されているかとのお尋ねにお答えいたします。 施設内の段差や危険箇所につきましては、各施設において常にチェックを行い、優先順位を決めながらそれぞれ改修を進めております。建物の構造上、段差の解消等が難しい箇所もありますが、ハード面の改修等だけではなく、利用者の声に耳を傾け、できる限りの配慮や工夫を凝らし、誰もが安心・安全に利用できる、利用者に優しい施設を目指して今後施設運営に努めてまいります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 一例ですが、平公民館ではトイレのドアを開けると1段下がっているという状況になっています。これは自分が使ってみてつくづく思ったんですが、知らずにドアを開けると階段を踏み外したような感じになるので、知っている人は大丈夫のようですが、知らない人が使うとかなり危険だと思いました。こういうこともあるので、専門家等を使ってそのような箇所がないか調べることを求めます。 それでは、また次の質問に移ります。 今年の夏は、大町でも連日の猛暑日が続きました。公民館の会議室や講堂などの室温が32度だったなどの声が聞かれるようになっています。室内でも熱中症になりかねない状況に、大町市もなってきています。温暖化も進んでおり、国連では地球灼熱化の時代になったとも言っています。 そこでお伺いします。事務室を含めた各部屋のエアコンの設置状況と、令和2年度大町市
公共施設管理個別施設計画の現在の状況と今後の予定はどうなっているのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) 生涯学習施設のエアコンの設置についてのお尋ねにお答えをいたします。 今年の夏も猛暑が続き、熱中症のリスクも高まる中、エアコンの設置は、利用者が安心して施設を利用していただく上で必要不可欠であるというふうに考えております。公民館につきましては、本年度大町公民館分室2階の講堂にエアコンを設置しまして、利用者の方から好評をいただいております。
公共施設等総合管理計画の策定時点におきましては、それぞれの施設の設備環境にまで細かく規定はしておりませんが、現在の状況等を考えますと、今後も各施設において、計画的にエアコンの導入を検討していきたいというふうに考えておりますが、施設が数多くありまして大規模な改修となりますため、全ての施設に直ちに導入することは厳しい状況にございます。今後必要に応じてスポットエアコンの導入などを含め、できる限りの対策を検討し、利用者が安全に御利用いただけますよう努めてまいります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 質問の前にも言いましたが、最近の夏は猛暑で、いつ熱中症になってもおかしくない状況です。各公民館でもいつ熱中症の人が出てもおかしくない状況だとおっしゃっていました。市民活動を停滞させないためにも計画の前倒しを求めて、次の質問に移ります。 次に、補聴器を利用している方のためのヒアリングループ設置型、または携帯型の設置はしないのかお伺いします。 高齢者になると、補聴器を利用している人も大勢います。補聴器は静かな環境での少人数の会話では効果がありますが、講演会や大人数での会議などでは周囲の反射音や雑音を拾うために、聞きづらくなります。これに対して、ヒアリングループのように補聴器にマイクの音を電気的に直接届ける仕組みは、難聴者にとって大変有効とされています。 高齢化が進み、聞こえの支援を必要とする人は増えています。耳が遠くなると、人とのコミュニケーションにも支障を来し、集まりに参加しなくなる人が増える傾向があります。こういったことを防ぐためにもヒアリングループを設置すべきだと思いますが、市はどう考えているのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) ヒアリングループの設置についてのお尋ねにお答えいたします。 今回議員に御質問いただくまで、勉強不足で申し訳ございません、私どもヒアリングループというものを初めてお聞きしました。議員がお話ししたヒアリングループとは、難聴の方の聞こえを支援する設備で、そのアンテナ内で誘導磁界を発生させることで音声磁場を作り、磁界を発生させるループアンテナをループ状に配備することから、磁気ループと呼ばれる設備ということでございます。 議員がお話しいただいたように、マイクを通した音声を直接補聴器や人工内耳へ伝えることができ、講演や会議、コンサートなどの会場で、発言者の声や音楽をクリアに聞くことができます。現在、市内公共施設におきましては、大町総合病院のカウンターを除きまして、ヒアリングループの設置はございせん。 しかしながら、今後難聴の方への対策として、障害者福祉の向上や利用しやすい施設整備を図る上で、取組の一つとして効果があると認識をしております。今後もヒアリングループを必要とする方の意見や他の市町村等の整備状況も踏まえて、今後検討してまいります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 今、知らなかったということなんですが、一応平成24年9月の議会でもヒアリングループの質問を、当時の共産党の議員が行っています。そのときの答弁も先ほどの答弁と同じように、研究、検討をするということになっていましたので、改めてしっかりとした研究、検討を行ってもらいたいと思います。また、近辺では松川村に1台あるだけです。大町市でもヒアリングループを導入して、難聴者に優しい公共施設にするよう求めて、次の質問に移ります。 次に、公民館の備品についてお伺いします。 現在、大町公民館分室の移動用のテーブルなんですが、中折れ式で、広げたり閉じたりするときに指を挟む危険があるとの利用者の声があります。入替えの予定はないのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) 大町公民館分室のテーブルについてのお尋ねにお答えいたします。 大町公民館分室の机や椅子などの備品は、利用者に適切な利用方法を御理解いただき、丁寧に使用していただいております。今後も使用に支障があるものは順次更新するなど、備品の充実を図るとともに、利用状況を勘案し、使いやすい施設の維持管理に努めてまいります。 なお、お尋ねの中折れ式のテーブルにつきましては、かなり古い時代に導入されたテーブルでありまして、公民館ですとか学校などにも数多く配備がされております。こうしたものにつきましても老朽化が進んでおりますので、順次更新をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 公民館は市民の様々な活動の拠点でして、重要な役目を持っています。また、災害時には避難場所としても重要な拠点です。そういったことも考えて、早期の取組を望みます。 次の質問に移ります。 鳥獣被害についての現状と課題は何かについてお伺いします。 現在、市では鳥獣被害を防ぐため、電気柵や山際の草を刈るなどの緩衝帯等を設置して対策を行っていますが、鳥獣被害についてクマ、イノシシ、シカなどの大型の動物による人的な被害の現状と課題は何か、また、これらの動物による事故などは把握していないのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。 〔総務部長(和田泰典君)登壇〕
◎総務部長(和田泰典君) 鳥獣被害の現状と課題についての御質問にお答えいたします。 鳥獣被害のうち、サル等につきましては本年度も被害情報は寄せられておりますが、昨年度重点的に対策を講じたことにより、減少傾向にあります。一方、クマにつきましては、8月末までに171件の目撃情報が寄せられており、昨年の同時期に比べ約2.7倍となっております。幸いにも人的被害は発生しておりませんが、農作物等への被害の報告がされております。 鳥獣被害への対策としましては、個体数管理や侵入防止対策、生息環境管理が有効であると言われており、市では大型捕獲おりや電気柵等の侵入防止柵の設置や、追い払いによる被害防除のほか、緩衝帯の整備による餌場、隠れ場の発生防止に取り組んでおります。また、猟友会に御協力いただきまして、必要に応じて捕獲を実施しております。 鳥獣被害の課題といたしましては、地域の実情に沿った体制づくりや、鳥獣の動きを的確に把握し、被害を最小限に抑えるための対策とともに、猟友会や地域で御協力いただく方の後継者の育成であると認識しております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 先ほどクマの目撃情報が、今年は171件、昨年の2倍以上ということですが、市では特にクマの出没に対する対策をどう行っているのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) クマの出没への対策についての御質問にお答えいたします。 本年度多く目撃されておりますツキノワグマにつきましては、食べ物の少ない5月頃より、本来の生息域である森林から果樹や生ごみ等を求めて、人家近くに出没をしてきております。クマの出没を抑制するためには、果樹の取り残しや生ごみを放置せず、これらクマの餌となる誘因物の除去・管理を徹底することが重要であります。 また、クマの移動ルートや隠れ場所となります下草や灌木の刈り払い、さらには農地の耕作放棄地の管理も重要な対策と考えております。市にクマの目撃や出没情報が寄せられた場合には、まず緊急情報メールの配信により、周辺地域への周知を図るとともに、同報系防災行政無線の目撃・出没情報により、注意喚起に努めております。また、警察署や市農林水産課等の関係機関に情報を提供しまして、現場パトロールを行うとともに、目撃・出没地域付近での警戒広報を実施しております。 なお、市街地周辺でのクマが目撃され、または出没している場合につきましては、状況に応じて農林水産課に情報提供を行い、地元猟友会へ出動を要請する場合もございます。 本定例市議会開会の市長挨拶でも申し上げましたが、今後秋の収穫期を迎え、例年クマの出没が多くなり、一方で市民や観光客の活動も活発になりますことから、朝夕の外出時には単独での行動は控え、農作物の残渣などクマの餌となるものを放置しないよう呼びかけるとともに、県地域振興局や警察、猟友会の皆様等との連携を一層強化しまして、市民の皆様の安心・安全を確保できますよう取り組んでまいります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 4月から8月にかけて、温泉郷でのクマの目撃情報が連日のように放送されていました。宿泊客の方たちの中には、早朝にあの周辺の散歩をする人も大勢います。観光客が多い時期に、万が一にも人的被害が出ないように対策を行っていたのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 温泉郷等でのクマの人的被害防止対策についての御質問にお答えします。 市では、本年6月に温泉郷付近でのクマの目撃が多発したことを受けまして、専門家と関係機関等による被害防止対策会議を開催いたしました。専門家からは、一番危険なのは人間とクマがお互い気づかずに突然鉢合せをするということで、これを防ぐため、頻繁にクマが目撃される場所については環境整備をすることが重要であり、また、隣接する鹿島川、こちらのほうを渡りまして温泉郷付近に侵入するクマの対策としまして、河川敷の藪を刈り払い、整備することが必要との助言をいただきました。 市では、初夏の観光シーズンを迎えまして、大勢の観光客が訪れる時期でもありましたことから、関係団体等が協力しまして、緊急的に周辺の草刈りを実施するとともに、河川を管理いたします大町建設事務所に依頼しまして、鹿島大橋の上下流のうち、機械施工が可能な範囲について、河川内の流木伐採をしていただいたところであります。 また、地域住民や観光客に対しましては、注意喚起を図るため、温泉郷内にクマ出没注意の広告を掲示いたしました。また、温泉郷観光協会を通じまして、宿泊客に興味本位でクマに近づくことがないよう周知し、注意喚起に努めているところであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 温泉郷のほうの対策は分かりました。そのほかにも、木崎湖周辺のブルーベリー農家でクマと鉢合せになったという話を聞いています。周りには住宅もあり、子どもたちの通学路にもなっているため、市に通報しましたが、先ほどの説明のとおり、職員が来て注意喚起を行うといったことをしたと聞いています。住民の方たちの生活をしている場所でいつクマと遭遇するか、地元の人は怖い思いをしています。このような状況をどう考えるかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えします。 クマが出没したときの対応ですが、先ほど申し上げましたとおり、まず初めに注意喚起に行くのと同時に、その担当職員が、現場でそこの周辺についても注意・広報をするという形になっております。議員今お尋ねいただいたブルーベリー畑のときにつきましても同じような形で、通報を受けた危機管理担当課の職員が緊急通報メールを発信するとともに注意喚起を行い、関係機関とも連携して、現場パトロールを実施したということであります。クマが出没した場合には、迅速に情報提供をしてその安全を確保するということは、先ほど御答弁申しましたとおりの対応をとっていきたいと思います。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 今年はクマが多数出ていますが、クマは必ず駆除するべきではないと考えますし、簡単に駆除できるわけでもありません。ですが、万が一にも人的被害が出ないように対策を行ってほしいと思いますが、どうなっているのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) クマの駆除の方針と対策についてのお尋ねにお答えをいたします。 県の特定鳥獣管理計画におきまして、ツキノワグマは科学的かつ計画的な保護管理により、人との緊張感ある共存関係を再構築し、ツキノワグマの個体群の長期にわたる安定的維持並びに人身被害の回避及び農林業の被害の軽減を図るとされております。 市ではツキノワグマを捕獲する場合、この計画に基づき関係法令を遵守し、猟友会の皆様や県など関係機関と協議の上、判断をしております。本年度、ツキノワグマの捕獲許可後捕獲した頭数は、8月末までに4頭、全て学習放獣しております。このほかに、くくりわなによって誤って捕獲した錯誤捕獲が6頭あり、全て麻酔で眠らせた上で放獣をしております。 議員御指摘のとおり、ツキノワグマによる人身被害はあってはならず、そのため、捕獲だけでなく、緩衝帯整備やクマを誘引しない環境の創出などの生息環境対策や、嗜好性の高い農作物や養蜂箱の周辺における電気柵の設置、不慮の遭遇の可能性を低くする対策等の被害管理と予防対策を並行して行うことが重要であると考えております。今後も引き続き関係機関と密接に連携し、予防対策の啓発や被害対策の指導・助言に努めてまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 捕獲したクマ等は放獣ということなんですが、その際にGPS発信機を付けて追跡調査を行うなどの対策等を行ったらどうかと考えます。また、これから秋の観光シーズンになります。観光客も、また大勢温泉郷等に宿泊されると思います。朝、森林劇場のあたりを散歩している観光客の方に、クマが出没するから注意したほうがよいと伝えた一、二時間後にはクマの出没情報があったという話も聞いています。もし人的被害が出れば、観光に大きなイメージダウンになると思います。そうならないように必要な対策をとるように求め、次の質問に移ります。 次に、不
用品交換コーナーについてお伺いします。 この不
用品交換コーナーは、市が広報して、家にある使わなくなったものを有効活用する、とても良いコーナーだと思います。市が広報で不用品の交換を斡旋して、市民相互の利便を図るものだと理解しますが、登録に基準があるのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(川上晴夫君)登壇〕
◎民生部長(川上晴夫君) 市役所市民課窓口の不
用品交換コーナーについてのお尋ねにお答えいたします。 この不
用品交換コーナーは、御家庭で使用しなくなった物品でまだ使用が可能なものを、市民同士で譲り合い、再利用することを目的に、不用品交換の情報提供を行う制度として、昭和51年から実施しております。このコーナーへ登録できるものとしましては、家具類や家電製品、生活用品、自転車やタイヤなど、修理の必要がないものとし、希望価格は5万円を上限としています。 また、登録できないものとしましては、家電リサイクル法の対象品や自動車、バイクなど登録が必要なもの、お酒類や医薬品、たばこなど法令で譲渡・販売が禁止されているもの、それらのほか、食料品や制服を除く衣類、動植物や貴金属品などとなっております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 今登録の基準が言われましたが、金額は5万円までということなんですが、市が物品を斡旋して交換する場合は、本来無料が原則ではないのかと考えますが、市という公の機関が斡旋するのに、当事者同士の話合いとはいえ、有料なのは問題ではないのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(川上晴夫君) 不用品の交換では、無料は原則ではないかとのお尋ねでございます。 不
用品交換コーナーにつきましては、先ほど御答弁いたしました基準の金額の範囲内で、登録者が希望価格を設定をしております。譲渡に際しましては、当事者間で御相談をいただき、双方が納得をした価格により交換が行われているという現状でございますので、御理解をお願いしたいと思います。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。残り2分50秒です。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 当事者同士の話合いでよく話し合ってということですが、現在までトラブル等はなかったのかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(川上晴夫君) 現在まで金銭トラブル等はなかったかとのお尋ねでございます。 不用品交換における交渉、受渡しは、先ほど来から申し上げましているように、当事者間の責任で行っていただいておりまして、現在までのところ、市に金銭トラブル等のお話は寄せられてございません。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) 不用品の交換コーナーということは非常に良いことだと思います。しかし、公の機関である市が行っているコーナーなどで金銭のやり取りが伴うような運営は改めるべきだと考えますが、どうお考えになるかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(川上晴夫君) この不
用品交換コーナー、先ほども御答弁させていただきましたように、市としましてはリユースだとかリサイクルとかというようなことを含めまして、そういった市民同士の交換の情報を提供させていただくという制度で運用をさせていただいております。交換等の交渉については、あくまでも市民同士で交渉していただきたいという内容で従前よりお願いをしているものでありますので、御理解いただきたいと思います。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。栗林陽一議員。
◆9番(栗林陽一君) こちらも繰り返しになってしまいますが、市としては当事者同士ということで話合いをやっているとは思いますが、あくまでも金銭が関わってくることになると、いろんなトラブルがあると思います。そういうことがないように改善を求めて、質問を終わりにしたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 以上で栗林陽一議員の質問は終了をいたしました。 ここで昼食のため、1時ちょうどまで休憩といたします。
△休憩 午前11時45分
△再開 午後1時00分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第8位、堀堅一議員の質問通告は1項目です。堀堅一議員の質問を許します。堀堅一議員。(拍手) 〔5番(堀 堅一君)登壇〕
◆5番(堀堅一君) 無所属、無会派の堀堅一でございます。本日は、一問一答で質問をさせていただきます。 この6月に、性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に係る法律、いわゆるLGBT法が発表されました。そもそもトイレや公衆浴場などの話に焦点が当たりがちではありますが、教育や就労などについても併せて、そこも大切なことなので、お聞きをしてまいります。まだまだできたばかりの法律のため、通告書では「生物学的男性・女性」としましたが、LGBTQ報道ガイドラインというものを見つけましたので、訂正して、その表現も使いながらお聞きをしてまいります。 この報道ガイドラインでは、
トランスジェンダー女性という言葉が、いわゆる男性で心が女性のことを指すとしていますが、なかなか一般的ではないので、勘違いされて混乱することを避けたいので、法令上の男性・女性という箇所も多いかと思いますけど、御容赦をいただきたいと思います。 質問に入ります。法令上の男性ではあるものの、女性の身なりで働く50代の経済産業省の職員が、庁舎内の女性トイレを使わせてくれと、同じ階の女性のトイレを使わせてくれという訴えを起こしていたことに関して、今年の6月に最高裁の判断が出ました。この職員は、職場から2階以上離れたトイレの使用を求められましたが、どうしても同じ階の女性トイレを使わせてほしいと訴えていたもので、最高裁は、この職員が法令上の男性であっても心が女性ということで、女性用トイレを使用しても問題がないとして、使用を許可する判決が確定したと記事で読みました。ただし、最高裁も補足を付けまして、今回の判決は公衆トイレなどにまで
トランスジェンダーの利用を認めるものではないとしていますので、一定の歯止めはかけたものとなり、私なりに理解をしているところであります。 過去に遡れば、テレビなどで活躍する美輪明宏さんやピーターさん、カルーセル麻紀さん、今ではマツコ・デラックスさんなどの活躍について、嫌悪感を抱く人はごくごく少数であった、多くの皆さんが応援をしていたとの認識で理解をしております。縄文時代から卑弥呼の時代、それからずっと、日本では女性を大切に大切に崇め奉ってきた歴史があったと、私は理解をしております。今回の質問は、この
トランスジェンダーである職員さんがどうしても同じフロアの女性専用トイレを使いたいといっても、そのことを差別する意図での質問ではありませんので、御理解をいただきたいと思います。 また、最近では渋谷区の新しく建設された集客施設で、男女の隔てのないトイレがお披露目をされたところでございます。女性からの反発が物すごくて、あっという間に改修されたと報道をされていました。本当これ、女性の皆さんの切実な恐怖感を、男性たちはしっかりと受け止めてあげるべきだと私は思います。 今回の例だけでなく、どのようなトイレが望ましいのか、女性用トイレを利用する多くの女性の皆様に対して、大町市の見解をお聞かせください。LGBT法が発表されたばかりでございますが、大町市の管理下にあるトイレの利用に関して、法令上の女性の権利をどのように配慮して運営をしていくのか、早急に指針を定めていかなければならない問題ではないかと危惧するところですが、大町市の見解を答弁願います。 また、大町市の人口統計によると、男性・女性それぞれ何名とか、選挙になれば大町市女性・男性有権者数が発表されておりますが、このLGBT法から多様性を配慮するということになれば、たとえそれが圧倒的少数であったにしても、この
トランスジェンダー女性や
トランスジェンダー男性に配慮して、このような発表の仕方はどうなのか。今後は法令上男性とか法令上女性などの記述をするべきなのか、市の見解をお聞かせください。 これで1回目の質問といたします。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 堀堅一議員の質問に対する答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君)
トランスジェンダーのトイレの利用に関しての、市の考え方についてお尋ねにお答えします。 議員御案内のとおり、本年6月に性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律、いわゆるLGBT法が施行されました。この法律では、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解が必ずしも十分でないという現状に鑑み、基本理念を定め、国や地方公共団体等の役割を明らかにするとともに、基本計画の策定と必要な事項を定めることにより、多様性に寛容な社会の実現に資することを目的としております。 また、全ての国民に対し、等しく基本的人権が尊重され、不当な差別があってはならないとの基本理念にのっとり、地方公共団体においては、地域の実情を踏まえ、理解の増進に努めることが規定されております。 議員御質問の、経済産業省における
トランスジェンダー女性の職員の女性トイレの使用制限に係る判例におきましては、他の女性職員に対する配慮を重視したことにより、当該職員の不利益を軽視した対応が違法であるとされました。これは、単に当該職員が女性トイレを使用してよいというのではなく、相互の不利益を解消するための対応が不十分であったという点が重要であると考えられ、判決の中でも、不特定多数の人が利用する公共施設のトイレ利用の在り方に触れるものではないと示されております。 議員より御提案がありましたトイレの利用指針の制定につきましては、今後国により基本計画が策定され、学術的な研究等が進む中で引き続き議論されるものと考えており、こうした動向を踏まえまして、トイレ利用の在り方の検討を進めてまいります。仮に
トランスジェンダーの方からトイレ利用について御相談があった場合には、当面多目的トイレの利用を御案内することとし、全ての人が安心して利用できるトイレの在り方について、継続して模索してまいります。 また、性別の表記について御質問がございました。選挙や統計等、法令において定められているものを除き、当市におきましても、申請やアンケート書類の一部で記載方法に選択肢を増やしたり、あるいは性別欄を廃止したりするなどの対応を進めております。今後社会全体として研究や事案の積み重ねを通じて、標準的な取扱いや指針、基準が形成されていくことが見込まれますことから、市といたしましても、多様性の尊重を念頭に置き、共生社会の実現に向けた取組をさらに進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。堀堅一議員。
◆5番(堀堅一君) しっかり国の動向を見ながら、県の動向も見ながらしっかり、女性の利益を守れるようにしっかりとやってもらいたいと思います。 LGBT法が発表されてすぐの6月30日、厚生労働省から、公衆浴場の男女は身体的特徴で判断をしてくださいと通知が出されていることですが、大町市にも届いているかと思います。いわゆる至極当然のことでひと安心をしているところでございますが、そうはいってもLGBT法を悪用する人間が出てこないとも限りません。心の性が女性だから女風呂にも入れるようにすべきだと訴える人は、必ず出てくるかと思っております。 また、温泉や公衆浴場など、実力行使で女性専用のお風呂にずかずか入ってくるような輩は今までも出てきておりますけど、これからも必ず出てくると想像されます。このような偽物の
トランスジェンダー女性から女性を守るだけでなく、観光面では特にSNSによる風評被害も防いでいかなくてはなりません。大町市とすれば、こんなときこそ温泉関係者の皆様と打合せをしながら、お断りできるように法的な指導も示しながら、例えば男性の特徴をお持ちの方の女性風呂への入浴はお断りとか、あるいは警察に通報しますなどの看板を統一して掲げていただくくらいは、やってくれてもいいんじゃないかなと思います。 統一看板について、大町市は統一したほうがいいと思うんですけども、それぞれの理由もあるでしょう。入湯税も頂いていることから、看板費用は統一のものを使われるんだったら、大町市で出しても問題がないんじゃないかと思いますが、大町市の見解をお伺いします。前向きな答弁をお願いをいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部参事。 〔総務部参事(田中久登君)登壇〕
◎総務部参事(田中久登君)
トランスジェンダーに係る公衆浴場等における男女の取扱いについてお答えします。 公衆浴場等における男女の取扱いにつきましては、公衆浴場法や旅館業法に基づく衛生等管理要領により、風紀上の観点から男女の混浴が禁止されております。今回のLGBT法の施行を受け、6月に発出されました厚生労働省通知により、男女とは身体的な特徴をもって判断するものとされ、男女の別は性自認によるものではなく、身体的な特徴をもって判断するとの取扱いが示されております。議員が懸念されますように、性自認に基づき男女の浴室を選択する行為や訴えなどにつきましては、法令や厚生労働省通知に基づき、公衆浴場等の営業者が適切な管理、対応を行うこととされております。 また、議員お尋ねの統一看板等の設置につきましては、公衆浴場の設置基準、衛生また風紀は、都道府県が条例に定め、営業者を管理監督することとされておりますことから、市が管理する立場にないことから、市の予算による措置は予定をしておりません。今後、公衆浴場等におけるLGBT法に関わる問合せが営業者等から寄せられた場合には、保健福祉事務所など所管する県の関係機関につなぐなど、公衆浴場の適切な管理運営に協力をしてまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。堀堅一議員。
◆5番(堀堅一君) SNSなどで、偽物の
トランスジェンダー女性による女風呂への侵入が興味本位で伝えられると、観光を含め、宿泊や関係人口の減少に大きく影響いたします。個人旅行を含めて、男性より女性の宿泊が圧倒的に大変多いと思われますし、その女性たちが、身に危険が及ぶかもしれない侵入者に対して防御反応を示すのは、ごくごく当たり前のことと思います。大町市の観光のために適切な対応をお願いをしておきます。しっかりと検討をしてください、お願いを申し上げます。 次の質問にまいります。 アメリカで、全米大学選手権女子500ヤード自由形で、トーマスさんという方が
トランスジェンダー選手として初の大会制覇をしたわけですが、以降賛否両論を受けて、国際水泳連盟は
トランスジェンダー女子選手の女子の部への出場を禁止して、男子・女子に加えてオープンカテゴリーの部を追加するとしたようです。ずっと生まれながら法令上の男性として骨格が出来上がっているにもかかわらず、女性ホルモン治療をしたところで、女子選手もかなうわけもなく、著しく不公平じゃないかと、多くの女性の選手から反対があって当然だと思います。 しかしながら、このとき
トランスジェンダー選手と競技をした女子選手、これは更衣室を一緒にさせられて、本当につらかったと話していたそうです。この女子選手が、この話をするにつけてもどれだけ勇気の要ることか分かってほしいと訴えているところです。国際水泳連盟がずるずると答えを出さずにいた結果がこれだということを、反省してもらわなきゃならないと思います。たくさんの女性選手に不快な思いをさせてはなりません。 大町市でもたくさんのスポーツ競技が開催されますが、どのように
トランスジェンダー選手の参加に対応していくのか、答弁をお願いを申し上げます。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。 〔教育次長(太田三博君)登壇〕
◎教育次長(太田三博君)
トランスジェンダーによるスポーツ競技への参加に係る対応等について、順次お答えをいたします。 スポーツの国際大会におきまして、
トランスジェンダー女性による女子スポーツ競技への参加につきましては、幾つかの課題が取り上げられております。主な課題として、競技面では体格や筋力等の身体的な利点による競技上の公平性や安全性の確保、他の女子選手の出場機会への影響などの課題が指摘されております。また、施設面では、更衣室やトイレ等の使用について、プライバシーの確保や人権の尊重にも配慮が必要とされております。 このため、
トランスジェンダー選手の女子スポーツ競技への参加につきましては、ガイドラインの制定や規則の改定が必要となっており、現在、各競技団体によって研究・検討が進められていると聞いており、こうした動向を注視してまいります。 次に、市が主催のスポーツ大会につきましては、市民スポーツ祭や大北スポーツ競技会等がございますが、それぞれの大会での競技は、市スポーツ協会加盟団体が主管として運営を担当しております。そのため、各競技団体ともに上部団体であります日本スポーツ協会加盟の中央競技団体等によるガイドラインや規則に基づいて競技がされており、今後、
トランスジェンダー選手への対応も同様に、これらの規則等により取り扱われることになるものと思われます。 また、競技施設の更衣室等につきましては、市において現時点では事例がないことから、
トランスジェンダー選手への対応について、具体的な検討をしていないのが実情であります。なお、今後につきましては、国や先進地等の事例を参考に、必要な検討を進めていくこととしたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。堀堅一議員。
◆5番(堀堅一君) しっかりとした対応をお願いして、次にまいります。 教育委員会にお聞きをいたします。今回のLGBT法には、ジェンダーアイデンティティの多様性に関して、その設置する学校の児童などの理解増進に自ら努めなさいと規定されているわけですが、この件で、本当にこれ、子どもたちにこのLGBTを教育するんですか。本当にするんですか。国はLGBT教育をやれと言っているわけなんですが、小学生でまだまだ白紙状態の子どもたちに、LGBTの教育をしますか。 私は小学生のLGBT教育はするべきじゃない、早過ぎると考えております。私からすれば、差別しないようにという法の趣旨だと思いますので、子どもたちには「差別のないようにしようね、みんなで仲よくしようね」だけでよいと思われますが、保護者の皆様の意見をお聞きするような機会は設けられるんでしょうか、教える前にですよ。レズとかゲイとかバイセクシャルや
トランスジェンダーについて、本当に教育されますか。小学校、中学校のLGBT教育、それぞれ小学校、中学校に分けて答弁ください。 多様性の反対語というのは画一性です。多様性の必要なことは私もよくよく認めるところでございますが、一方で、都会から始まっているのかどうか、学校の水泳水着が男女兼用水着なるものが採用されて、その学校が増えてきている。ある意味多様性とは相反していると思いますが、多様性の定義なども含めて、教育委員会の見解はどうなっているんでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。 〔教育長(中村一郎君)登壇〕
◎教育長(中村一郎君) LGBTQに関わる教育についてのお尋ねにお答えします。 LGBTへの対応につきましては、児童・生徒に限らず、保護者、教職員も含めまして個別の事案に即し、当事者の心情などに十分配慮した対応が必要であると認識しております。LGBTQ教育につきましては、保護者懇談会の折や日々の連絡などを通じて、保護者の意見を聞く機会を設けております。 市内各学校におきましては、本年3月に県教育委員会事務局心の支援課より発出されました、「あなたの学校に性について悩んでいる子どもはいますか」のリーフレットを参考にしまして、児童・生徒が相談や利用をしやすい環境を調え、個別の状況に応じて服装の変更や更衣室、トイレ使用時の配慮や相談窓口の紹介などを指導しております。また、保護者、教職員への支援につきましても同様に適切に対応するよう、市内校長会など様々な機会を捉えて啓発に努めており、今後さらに徹底を図ってまいりたいと思います。 授業におきましては、特別の教科道徳や特別活動などで、LGBTQに関する学習に努力してはおります。例えば中学校2年生の道徳の授業では、ピンクシャツデーという題材を扱います。その中で、その人らしさを大切にする心の醸成、そういうものを図っています。 また、生涯学習課で取り組んでおります人権を考える市民の集いにおいて、LGBTQに関わる講演を毎年設定し、児童・生徒また保護者の皆様の学びの場としまして、本年度も長岡春奈さんを講師に、9月14日、美麻小中学校でLGBTQの勉強「君はひとりじゃないから」の講演と、児童・生徒の意見発表を計画しております。長岡講師による講演は7年目となり、4年生以上の児童・生徒が参加し、人権を尊重し、差別のない社会を目指す学習の機会といたします。今後におきましても、児童・生徒の発達段階に応じて、性的多様性について正しい知識、理解が得られますよう取り組むとともに、安心して学校生活を送れるよう環境づくりに努めてまいりたいと思います。 また、次に、市内の小・中学校授業での水泳水着についての御質問にお答えします。 市内小・中学校、義務教育学校の水泳指導では、特にLGBTQに関わるものを含め、水着の指定などは行ってはおりません。しかし、紫外線防止のため、ラッシュガードを使用する児童・生徒は増えております。今後の水泳指導におきましても、発達段階に応じて児童・生徒がLGBTQについて適切な認識が持てるよう、指導に努めてまいりたいと思います。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。堀堅一議員。
◆5番(堀堅一君) センシティブな問題なので、あんまり深追いはしないでおこうと思います。 アメリカでは、今学校の図書館から特定の本を禁止して撤去する動きが急速に広まっております。性的なものや暴力的なものやLGBTQに関する内容や宗教的な偏見を助長する内容などの本が禁書と、禁ずるということですね、なっているようであります。このような動きは、これまでに全米の32の州、138の教育委員会で確認されています。去年1年間に禁止の対象となった本は1,835作品、5年前の4倍以上となっております。 アメリカの図書館協会がまとめた全米各地の教育委員会で禁止の対象となった本の中には、ノーベル文学賞作家のトニー・モリソンさんが1970年に発表した作品「青い眼が欲しい」も入っていたそうであります。白人に憧れて青い目を持ちたいと願う黒人少女の葛藤を描いた、白人主体の価値観を問うベストセラーではありますが、父親による性的暴行のシーンが問題視されたということであります。アメリカでは、学校図書館では禁書の扱いの本でも、生徒が望んで本屋さんで購入することまでは禁止するものではないとのことであります。 日本でも、性描写や暴力的なシーンはテレビでも規制をされているところでありますし、映画などでも18禁など、R12とかR15とか、幾つかのR指定があることは、皆さんもお分かりのことと思います。大町市の学校図書館では、LGBT法を受けて今後どのような対応をしていくのか。既にある蔵書や、これから購入する本について、保護者の皆様の意見を伺う機会を与えられるのかどうか。学校図書館の対応に合わせて、市立大町図書館での図書などの取扱いについても答弁をお願いをいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。 〔教育長(中村一郎君)登壇〕
◎教育長(中村一郎君) 学校図書館等におけるLGBTQへの対応についての御質問にお答えします。 学校図書館には、現在LGBTQに関わる本や小説、絵本としまして、「ピンクはおとこのこのいろ」「ふつうってなんだ?」「きみの存在を意識する」など10冊ほど導入されております。今日ここに現物を持ってきましたが、こういう本であります。中身はこういう形で、子どもたちに分かるような形で記載されております。学校によりましては、このLGBTQに関わる人権意識を高めるよう、読み聞かせも行われています。 また、保護者の皆様には、保護者懇談会や日々の連絡などを通じて、LGBTQ教育についても御意見を聞く機会を設けております。市立図書館では、LGBTQに関する図書につきましては、貸出しに何らかの制限等は行っておりません。今後、学校図書館の運営や選書におきましても、児童・生徒の発達段階に応じまして、児童・生徒がLGBTQについて適切な認識が持てるよう努めてまいりたいというふうに考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。堀堅一議員。
◆5番(堀堅一君) 先ほど教育長がお話しされた1週間後の9月14日の木曜日、美麻小中の体育館でLGBTQの勉強として、性別適合手術されて戸籍上も女性となった講師を招いて、人権を考える市民の集いが開かれる。 お聞きしたところ、対象は小学校4年生以上ということでございます。担当課では、講演内容はいじめ解消についてが主題だとしておりましたが、であるなら、小学校1年生から3年生だって参加させたほうがいいと思うんですが、それをさせないということは、図書館の本と同様、先ほど図書館の本は大丈夫なんだとおっしゃっておられましたけど、1年生から3年生までは読ませたくない本があるかどうかも分かりませんが、3年生までは適当じゃなくて、4年生以上ならこの講演会は問題なしとする根拠は、一体どこらへんにあるんでしょうか。教育的配慮などという訳の分からない答弁はおやめいただいて、具体的な理由をお示しください。 そこで、今回ですが、LGBTQの講師のお話を大町市の担当課のどなたかが前もって参加して聞いておられるのかどうか。もちろん、講演の内容を聞いたから4年生以上にしたのかどうか。講演者のリストから適当に選ぶようなことは絶対していないと思いますけど、なぜ今LGBTQなのか。毎年やっているとおっしゃっていましたけども、講師の招聘する基準もお示しをいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。
◎教育次長(太田三博君) 人権を考える市民の集いに関するお尋ねにお答えいたします。 まず、講演会に出席する児童・生徒の学年の設定につきましては、事前に学校及び講師の先生と相談して、講演内容が理解できる学年を対象に開催しております。具体的な学年につきましては、講師の先生が実際にあちこちで講演をされる中で、どういった子どもたちであれば理解ができるということを、特に講師の先生の助言によって学年を設定しております。 また、講演内容につきましては、同和問題をはじめ、女性や子ども、障害者や高齢者、外国人などの人権に関する課題は様々な分野に存在しており、市では人権を考える市民の集いを契機として、社会の変化と価値観が多様化する中で、あらゆる人権問題に対して理解と認識を深め、人権意識の向上を図り、自らの行動に結びつけていけるよう、市民意識の醸成と人権が尊重される地域づくりを目指しております。 市内6地区で開催しております人権を考える市民の集いでは、様々な人権課題を学習するため、毎年異なった人権課題への理解に配慮して計画をしております。議員御指摘の、今月14日に美麻地区で開催予定の講演会では、性同一性障害への理解という課題で講演を計画したものであり、この課題についての講演につきましては、昨年は平地区で、一昨年は社地区で開催した経緯がございます。また、講師の選定に当たりましては、従前から県教育委員会の研修会等において講演実績のある方などについて、県中信教育事務所などと協議して選考し、実際に講師の方と調整の上で依頼をしているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 堀堅一議員。
◆5番(堀堅一君) 次にいきたいと思います。 東京都では、職員でLGBTとの同居をしている場合に扶養手当を支給するとし、2人で住むには広い住まいが必要であろうということで、住宅手当を支給する決定をしたそうでございます。東京都の区長や市町村長に通達をされたようですが、大町市としては何か情報を得ておりますでしょうか、答弁をお願いします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。 〔総務部長(和田泰典君)登壇〕
◎総務部長(和田泰典君) LGBTQの方と同居している職員の扶養手当や住宅手当の支給についての御質問にお答えいたします。 県では、LGBTQの方々の生きづらさを解消し、生活上の障壁を除くことを目的に、本年4月に長野県パートナーシップ届出制度実施要綱を制定し、8月1日から施行しております。この制度の施行に先立ち、本年6月に県から県内市町村宛に、各市町村職員の福利厚生等において、パートナー間に関わる取扱いを県と同様に認めるよう要請がありました。 当市ではこの要請に基づき、この制度における届出対象者の要件を満たし、県パートナーシップ届出受領証明書が交付されている職員につきましては、事実上婚姻関係にあるものとして認めることとし、扶養手当や忌引等の特別休暇の対象としております。市といたしましては、LGBTQの方に限らず全ての市民の人権が尊重され、共に支え合って暮らすことができる社会が実現されますよう、引き続き広報啓発に努めてまいります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。堀堅一議員。
◆5番(堀堅一君) この6月にそれが、県に右にならえをして、大町市もそれにならってやっていくということをお決めになられたんですか。そうすると、それについては市民に対しても、議会に対してはどうなのかな、いいのかな。市民に対してもその旨伝える責務があると思うんですが、それはないということでしょうか、この中のことだから。お願いします。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 長野県から、今年の6月13日に、長野県パートナーシップ届出制度への対応ということで市のほうには依頼がありました。それを受けまして、先ほど答弁しましたとおり、その届出制度に伴って、職員の手当、休暇等の取扱いをするということになっております。それに準じまして、やはり市民の方たちについてもそれぞれの企業等でも、それに向けて制度をしていただくというような形で、周知広報をしているところであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 総務部参事。
◎総務部参事(田中久登君) 私からは、県のパートナーシップ制度全般についてのことで捕捉をさせていただきます。 県のパートナーシップ制度については、先ほど総務部長が答弁したとおりであります。この内容につきましては、8月1日からということで、広報おおまち等で市民の皆さんにお知らせをしております。また、これは職員のことだけではなくて、例えば住宅への入居でありますとか、病院における手術ですとか入院のときの情報を、家族と同等にそのパートナーシップ制度の申出をした方を、いわゆる家族と同等の扱いをするというものを進めていきますよという御案内を、広報おおまちで市民の皆さんにもしているところであります。 あと、今後こういった制度の活用が広がっていく場合には、その都度市民の皆様にもお知らせして、理解していただくように努めていきたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 堀堅一議員。
◆5番(堀堅一君) 国や県や市の職員の皆さんにとっては、今の答弁が当たり前なのかもしれませんけども、これから民間企業や大町市民に対して啓蒙していくというか、発表されていかれるということで、それにつけても、今の段階ではかなり意識格差が大きいと私も思いますけれども。教育委員会の答弁もそうですし、いろんな答弁を今日いただいたんですけども、あんまりこれについて言うと、言葉の一つ一つが大変問題が起きる可能性があるので、私あんまり言いませんけども、後ろで御覧になっている市民の皆さんがどう感じてくれるかというところで、お任せをしたいと思います。 それで、多様性を認める社会があっても、それはもうもちろんすばらしいことですし、少数の意見や主張も大切であります。だけど、そういうことなら、もっともっと耳を傾けなくちゃいけない多くの意見や主張もたくさんあると思うんですよ。働いても働いても老後が見えない多くの人たちの生きる権利、支払っても支払っても僅かな国民年金しかもらえない、これじゃ生きていけないと訴える人たちの権利とか、考えることが山ほどあります。女子トイレや女子用更衣室を、できれば使ってほしくないという圧倒的多数の女性の訴えを、やはりよく前向きに考えてやらなきゃならないと思います。
トランスジェンダーの皆さんの中でも、権利の主張を物すごくされる方や、いや、そうじゃなくて静かに生活したいんだという方なんかいらしゃって、温度差がかなりあるようでございます。お互いが認め合う協調性を大切にして、大町市で住んでいきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 堀堅一議員、時間です。
◆5番(堀堅一君) 以上です。
○議長(二條孝夫君) よろしいですか。
◆5番(堀堅一君) はい。
○議長(二條孝夫君) 以上で堀堅一議員の質問は終了をいたしました。 ここで2時ちょうどまで休憩といたします。
△休憩 午後1時42分
△再開 午後2時00分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第9位、太田昭司議員の質問通告は3項目です。太田昭司議員の質問を許します。太田昭司議員。(拍手) 〔6番(太田昭司君)登壇〕
◆6番(太田昭司君) 皆さんこんにちは。公明党の太田昭司でございます。それでは、通告に従いまして、1、帯状疱疹について、2、認知症の人と御家庭が住みよいまちづくりについて、3、ウェルビーイングと地方の時代について、大きく3点にわたり質問いたします。 帯状疱疹とは、いわゆる水疱瘡の原因となるウイルスにより発生する病気で、私たち成人の9割がこのウイルスを保有していると言われ、80歳までに3人に1人が罹患すると言われております。私の周りにも帯状疱疹にかかった経験のある方も多く、皆さんその症状をお聞きしますと、それはそれは大変に痛かったと口をそろえておっしゃいます。そこで、この帯状疱疹とはどのような病気でどんな症状があり、また、もしかかった場合どのようなリスクがあるのか。また、合併症などについてもお聞きいたします。 以上で第1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 太田昭司議員の質問に対する答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(川上晴夫君)登壇〕
◎民生部長(川上晴夫君) 帯状疱疹についてのお尋ねにお答えいたします。 帯状疱疹の原因となる水痘帯状疱疹ウイルスは、成人の9割以上が抗体を持っておりますことから、既にほとんどの人が感染していると考えられ、誰もが帯状疱疹を発症するリスクがあるとされております。また、帯状疱疹ウイルスは普段は免疫によって抑えられており、症状は現れませんが、加齢や疲れなどで、免疫が弱まるとウイルスが再び活動を始め、帯状疱疹が発症します。 初期の症状として、多くの場合、体の片側に帯のように水ぶくれを伴う発疹が現れ、また発疹が見られる数日前からもぴりぴりとした痛みが起こり、1週間程度たつと発疹の多発のほか、発熱、頭痛などの症状が見られることもあるとされております。また、症状が進行した場合には、強い痛みが3週間から4週間続き、皮膚症状が治った後も長い間に痛みが残る。帯状疱疹後神経痛になる可能性があります。その場合は長期治療を要することとなり、日常生活や精神状態にも影響を与え、長期間にわたり生活の質を低下させることになります。 また、他の合併症としましては、脳炎、脊椎炎、髄膜炎、脳梗塞や脳出血などが発症するおそれがあり、合併症によっては専門医への紹介を早期に行う必要があります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 大変に痛いということ、私お聞きしておりますし、また御答弁もありましたように脳梗塞やまた失明することもある、そのように言われている油断できない病気でございます。 次に、この帯状疱疹の患者数についてでございますが、日本においてどのような傾向にあるのか、その状況についてお聞きいたします。また、大町市内の状況についても、もし分かりましたらお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(川上晴夫君) 国内における帯状疱疹の動向と当市の状況についてのお尋ねです。 日本皮膚科学会によりますと、帯状疱疹は50歳代から発症頻度が増加し、70代でピークを迎えます。平均発症頻度は人口1,000人当たり年間4.8人とされ、70代では年間8.7人と、高齢者の発症率が上昇いたします。帯状疱疹の主な症状は、継続的な痛みや神経障害性疼痛で、触れるだけで痛みを感じる帯状疱疹後後遺症、PHNと言いますけども、それに移行することがあるとされております。帯状疱疹が発症した患者の1割から2割の方がこのPHNに移行するとされ、その割合も高齢化とともに増加し、80歳以上では3割の方が移行することが報告されております。 当市の状況としましては、全体数の把握は困難でありますけれども、市立大町総合病院におきましては、昨年8月から本年7月までの1年間で、約10名の方に帯状疱疹に対する治療が行われているとのことであります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 私も調べましたら、やはりこれ全国的にも今、帯状疱疹が増加傾向にあるということでございます。この原因の一つに、最近では水疱瘡にかかる子どもが減っていることで、大人がこの水疱瘡の子どもに接する機会が減ったためであるとも聞いております。つまり、大人が水疱瘡になった子どもたちを介してウイルスに接することで、免疫力が本来ならば高まるはずなのですが、その機会が減っているということでございます。 ところで、
帯状疱疹ワクチンのお話になりますが、このワクチンには2種類あるとお聞きしております。いわゆる不活化ワクチンと生ワクチンというものでございます。この2種類のワクチンですが、それぞれどのような効果があるのか。また、金額はどれくらいなのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(川上晴夫君)登壇〕
◎民生部長(川上晴夫君)
帯状疱疹ワクチンの効果などについてのお尋ねにお答えいたします。
帯状疱疹ワクチンは、2016年に認可された弱毒性水痘ワクチン、いわゆる生ワクチンと、2020年に認可された不活化ワクチンの2種類があり、弱毒性水痘ワクチンは接種回数が1回、費用は8,000円から1万円程度で、持続性は5年程度とされております。また、不活化ワクチンは接種回数が2回、費用は1回2万円程度、持続性は9年以上とされております。 ワクチン製造会社によりますと、ワクチンの効果として、弱毒性水痘ワクチンは、発症予防効果が60歳以上で51.3%、長期予防効果は8年目で31.8%まで低下します。一方、不活化ワクチンは、発症予防効果が50代で97.2%、70歳以上では89.8%、長期予防効果は10年後でも80%を超えて持続するとされており、帯状疱疹後神経痛の発症予防効果については、50代で100%、70歳以上でも85.5%あるとされております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 2種類のワクチンについて御答弁をいただきました。やはり不活化ワクチンのほうが効果も大きいと。またこれは10年以上の効果があり、ただ、金額が2万円、それも2回打たなければいけないので、4万円かかるということでございます。これはなかなか、高齢者の皆さんが気軽にワクチンを打ちましょうというわけにはいかないと思います。 ところで、最近
帯状疱疹ワクチン接種に対する公費助成を行う自治体が増えております。この7月時点で、全国で254の自治体が不活化ワクチンか生ワクチンのどちらか、またその両方に対して助成を行っております。中でも、両方のワクチン接種に対する助成を行っている自治体が最も多く、231自治体となっております。ぜひ大町市においてワクチンに対する助成を行うことを提言いたしますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(川上晴夫君) ワクチン接種費用の助成について市の考え方はとのお尋ねでございます。 東京都では、接種費用を助成している自治体に費用の2分の1を補助しており、都内多くの自治体が取り組む一方で、県内では6市村にとどまっております。当市としましては、こうした命を守る予防医療は、自治体の財政規模に関係なく、全国一律の制度として確立することが望ましいと考えております。このため、昨日の宮田議員の御質問にもお答えいたしましたけれども、公費助成につきましては、既に国に対し、早期の定期接種化を要望しているところでございます。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) よく分かりました。御答弁でもございましたが、
帯状疱疹ワクチンについては国で助成すべきである。つまり定期接種化すべきであるとの御答弁でございました。しかし、これはなかなかすぐには実現が難しいものであると私は思います。帯状疱疹は、現在既に増え続けており、また一度かかると大変な痛みを伴うものでございます。また、場合によっては後遺症に苦しむこともあり、また失明するといった危険もあるわけでございます。ぜひ国のワクチン接種の助成が実現する前に、市としてワクチン助成を行うことを再度提言いたしますが、市長、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 確かに、議員御指摘のようにかなりこの帯状疱疹というのはひどい痛みを伴うことと、そしてさらに後遺症に悩む方もおられる。そうしたことから、薬剤でも不活化ワクチンは効果が確認されているところでございますので、早期に解決することが必要と考えております。ただいま部長からも答弁申し上げましたが、私も感染症の予防は、各自治体の財政規模だとかあるいは財政、財源の状況などによって左右されてはならないものと考えており、人の命の重さというものは非常に重く、また尊いものと考えております。 そうしたことから、自治体等で格差が生じることは本当はなくならなければならないと強く感じるところでございます。そもそも感染症対策は、今までも申し上げてまいりましたように、国や県の責任において実施されるものであり、全国一律の制度として確立するよう、これも御答弁にありましたように、全国市長会において本年度既に決議し、そして国に求めております。 先月24日に開催されました長野県市長会の総会におきましても、再度、来年度に向けて全会一致で決議しております。現在、全国市長会の会長立谷会長は、自身医師でもあります。そうしたことから、なお一層この重要性、重大性に鑑み、全国市長会を通じて、しっかり早期の実現を国に求めることにしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 市長より御丁寧な説明をいただきました。大変にありがとうございます。その上で、ぜひ多くの皆さんがこのワクチン接種をすることで、帯状疱疹の痛みを体験せずに済みますよう、ぜひまたワクチン助成の前向きな御検討をよろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。 本年6月に認知症基本法が制定されました。この法律は、認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことができるよう、施策を総合的かつ計画的に推進することを目標に掲げております。 ところで、ここ北アルプス広域におきまして、もともと広域連携自立圏の事業であった認知症初期集中支援チーム事業が、本年度より各市町村の事業に移行しました。この事業を含め、大町市がこれまでどのように認知症の人と御家族に対する支援に取り組んできたのかをお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(川上晴夫君)登壇〕
◎民生部長(川上晴夫君) これまで、市は認知症の方とその家族に対しどのような支援に取り組んできたかとの御質問にお答えいたします。 市では、認知症になっても本人の尊厳を守り、できるだけ住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる社会の実現を目指し、啓発活動や認知症への備えとしての取組を推進しております。具体的な取組としましては、平成21年から、誰もがなり得る認知症に対し、正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の方やその家族を手助けする認知症サポーターの養成講座を開催し、昨年度末までに1,394人の市民が受講を修了されております。また、地区ごとにパネル展や啓発映画の上映会を開催し、認知症の普及啓発活動に取り組んでおります。 本年度からは、相談拠点の拡充を重視し、市立大町総合病院及び大町市社会福祉協議会の居宅介護支援事業所に、ブランチと呼ばれる総合相談窓口を開設し、高齢者や家族からの介護や福祉、保健に関する相談に応じております。最近では、このブランチの活動が徐々に進むとともに、相談者も増加しており、地域包括支援センターなどへの連携も円滑に行われてきております。 また、介護者向けには、日々の御労苦を労い生活介護相談を行うため、コンサートだとか小旅行など、介護者リフレッシュ事業を実施しております。介護者の参加には、要介護者へのサービスを調整する必要があり、ケアマネジャーやサービス事業所の協力を得て事業を進めているところでございます。 また、認知症の方や御家族に対する早期支援及び専門職の、孤立防止のために設置されました認知症初期集中支援チームは、本年度から各市町村ごとに活動することとなり、当市では多職種の連携強化を図り、ケース会議やサポート医との連携により、医療または介護サービスにつなげてまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 市の認知症支援につきまして、これまでの手厚いお取組につきましてお聞きいたしました。大変によく分かりました。市の認知症の人と御家族に寄り添ったお取組に、心より感謝申し上げます。 さて、次に認知症カフェについてお聞きいたします。 この認知症カフェは、認知症の人と御家族を支える特に重要なお取組となっております。今後、市としてこの認知症カフェの取組をどのように進めていく予定か、詳細をお聞きいたします。また、どのような団体が運営しているのか、またどのようなスキルを持った方に関わっていただけるのか、お答えいただける範囲でお答えお願いいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(川上晴夫君)登壇〕
◎民生部長(川上晴夫君) 認知症カフェに関する御質問にお答えします。 認知症カフェは、認知症の方やその家族、地域住民の皆さん、介護職員など、誰もが集える場所で気軽に悩み事相談や世間話などができるコミュニケーションの場として、全国各地で運営されております。現在、市内ではNPO法人や市民有志の会による3団体が認知症カフェを運営しており、いずれも認知症やその介護に関する相談支援スキルを持つ認知症サポーター養成講座修了者や、医療者が運営に携わっております。 なお、市におきましては、本年度から認知症カフェを月1回以上開催し、かつ5名以上参加する団体に対し、1回につき5,000円、年間5万円を限度に謝礼を支払う制度を創設し、認知症カフェの運営を支援しているところでございます。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 大変よく分かりました。大町市内には3団体運営されているということでございます。 認知症カフェは、認知症の方御本人とそしてその御家族、そして地域住民の皆様が集う場であります。認知症の方御本人が、同じ立場の人たちと触れ合い語る中で、不安を和らげ、前向きになれる。そして、御家族の方も同じ立場の方と励まし合える。また専門のスタッフの方にも相談することで心が楽になる。また、地域の方も認知症の人たちと触れ合う中で、認知症について理解を深め、偏見をなくすことができる。このように、認知症の方や御家族に寄り添った交流の場が、さらに市内に増えることを望むものでございます。 さて、先ほども触れましたが、認知症基本法でございますが、この中で、各市町村に対し認知症施策推進基本計画の策定を求めております。これは努力義務とされておりますが、大町市として今後基本計画を策定する予定はあるかどうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(川上晴夫君)登壇〕
◎民生部長(川上晴夫君) 市において、認知症施策推進基本計画を策定する予定はあるかとの御質問にお答えします。 認知症基本法におきまして、認知症施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、国は認知症施策推進基本計画を策定しなければならないとしております。この基本計画に定める施策につきましては、原則として施策の具体的な目標及び達成の時期を定めるとされており、国の基本計画を基本に、都道府県や市町村は、地域の実情に即した計画を策定するよう努めなければならないとされております。このため、基本計画の策定につきましては、今後策定される国の基本計画や、県及び他市の状況を注視し、検討することといたします。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) よく分かりました。大町市高齢者福祉計画の中でも予想されておりますが、今後は認知症の人たちが増えることは避けられません。したがって、今後はしっかりと計画的に認知症支援策を進めていくことが重要と考えます。ぜひ基本計画の策定について検討いただきたいと思います。 さて、また認知症基本法についてでございますが、この中で各市町村に対して認知症の人の生活におけるバリアフリー化を推進することを求めております。認知症の人が自立して安心して暮らせるよう、移動手段を確保するとともに、地域で認知症の人を見守るための体制を整備することも求めております。さらに、民間のバリアフリー化の取組をも促すよう求めております。大町市として、今後どのように取り組んでいく予定かお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(川上晴夫君) 認知症の方の日常生活におけるバリアフリー化に向けた市の取組についてお答えいたします。 認知症の方の多くが、買物や移動、趣味の活動など地域の様々な場面で外出や交流の機会を減らしている実態がある中、仮に認知症になってからも、できる限り住み慣れた地域で安心して安全に暮らし続けていくことが、何より大切と認識しております。そのため、現在市では認知症に対するバリアフリー化に向け、認知症サポーターや認知症地域支援推進員等による見守りの強化を図るとともに、個人の尊厳や権利を守る成年後見制度の利用促進や、虐待防止等に取り組んでいるところでございます。 市といたしましては、今後も引き続き民間の皆様含め、関係者の協力体制を構築しつつ、現在の取組を着実に推進するとともに、認知症に対する市民の理解を進め、認知症バリアフリー化を推進してまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) バリアフリー化についてお聞きいたしました。ぜひ認知症の人に寄り添った、認知症の人が安心して暮らせるまちづくりをよろしくお願いいたします。 ところで、特に私がお願いしたいことでございますが、これまでも市で一生懸命取り組んでいただいたことではございますが、市民の皆さんが認知症に関する理解を深めることができるよう取り組んでいただきたいということでございます。 認知症とはどのようなものなのか、しっかりとした理解を深めることで、認知症の人に対する偏見をなくし、認知症の人と御家族が住みよい社会となることを強く望むものでございます。また、市民の意識啓発を行う上で、認知症サポーター、認知症キャラバンメイトの活躍が今後ますます重要になります。今後彼らが活躍するための場、機会を多く作っていくことが求められます。 市民の認知症に対する偏見をなくし、温かな心で認知症の人と御家族を見守っていくための、市民への意識啓発について、そして認知症サポーター、キャラバンメイトの今後の活用についてどう取り組んでいく予定かお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(川上晴夫君) 市民への意識啓発についての御質問にお答えいたします。 市では、市民への意識啓発のため、先ほど御答弁申し上げました認知症サポーター養成講座や啓発映画の上映会、認知症カフェのほか、物忘れに関する川柳作品を募集するなど、認知症への理解の啓発に取り組んでいるところでございます。 また、認知症の方が地域で生活し続ける上で重要なことは、周囲の理解と温かな支えであります。認知症は誰もがなり得ることであり、多くの市民に我が事として認知症を考え、行動していただけますよう、周知啓発に努めてまいります。 また、認知症サポーターやキャラバンメイトの活用の場につきましては、現在認知症カフェの開設、それからサポーター養成講座に御支援をいただいているところでありますけれども、さらなる活動の場の創設につきまして、関係者と検討を進めてまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 今後の意識啓発について、また認知症サポーターについて御答弁をいただきました。大変によく分かりました。ぜひ市民の意識啓発が進みますこと、そして認知症サポーターの御活躍に心より御期待を申し上げます。 最後に、市長にお聞きいたします。高齢化をどこよりも先に経験をし、認知症も今後増えていくことが予想される大町市は、どこよりも先に、高齢者の皆さんにとって住みよいまちづくりを進めていくことで、高齢者福祉の先進モデルを示していく使命があると、そのように思っております。認知症の人、そして御家族が安心して暮らせるまちづくりを進めていくことについて、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 認知症の方とその御家族が安心して暮らせるまちづくりに関する私の思いはとのお尋ねにお答えいたします。 市では、第5次総合計画後期基本計画におきまして、安心・安全な暮らしと時代に合った地域をつくると重点施策として掲げ、高齢者にとりまして、住み慣れた場所で安心して暮らし続けることのできるよう、これまでも御答弁申し上げましたような様々な取組を進めてきております。 急速な高齢化の進展に伴い、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると言われる中、本年6月、認知症の方が希望を持って暮らせるよう、国や自治体の取組を定めた共生社会の実現を推進するための認知症基本法が、参議院本会議で全会一致で可決成立いたしました。この基本法では、まず認知症の方が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすこと。次に、認知症の方を含め、国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ、支え合いながら共生する活力ある社会を実現すること。そして3つ目には、認知症の本人だけではなく、国民一人一人が他人事ではなく我が事として認知症を考えること。この3つを主な目的として、国は強いメッセージを発信したものと考えております。 これまでも、介護保険法やその他の施策等において、市でも認知症について広く周知啓発に努めてまいりましたが、認知症や介護を遠い存在としか考えていない、あるいは感じていない人にとりましては、なかなか我が事として捉えていない面も少なからずあると考えております。このたびの認知症基本法の制定により、多くの市民の皆様が改めて認知症を我が事として考えるきっかけになることを期待しますとともに、まずはこの法律の理念や趣旨について、多くの方々に知っていただく、そうしたことが重要と考えております。 そのため、市では様々な広報媒体を活用して啓発を図るとともに、学校教育や社会教育の分野におきましても、この認知症に関する学習機会の確保や認知症に関する理解を深める活動の展開など、さらなる取組の充実に努めてまいります。 他人事でなく、みんなが我が事として考える認知症について、この基本法の理念を基に、人格を尊重しつつ、認知症の方と御家族が地域において安心して日常生活を営み、また市民の皆様みんながそれぞれの個性を尊重し合い、支え合いながら共生できる、活力ある地域社会の実現を目指し、庁内横断的に、さらには市民の皆様との協働により多面的な取組に努めてまいりたい、取組を進めてまいりたいと考えるところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 市長には、認知症基本法の理念、しっかりと御理解いただいておりますことに、大変うれしく思いました。私の優しかった祖母も認知症でございました。当時はまだ痴呆症と言われる時代でございました。もう30年以上も前になります。当時は介護保険も、また認知症に対する理解もない時代でございました。認知症に対する偏見をなくしたい、これは私自身の切なる願いでもございます。認知症の人とその御家族が安心して暮らすことができる社会、その実現を心より願いまして、次の質問に移ります。 「日本の都市が、もと農民の従兄弟に由つて、作られた」、これは日本民俗学の創始者、柳田国男の言葉でございます。もともと都会、都市というものは農民の手によってつくられたというのであります。すなわち、都市の文化というものは、農村の文化がなかったならば生まれることはなかった、そのように解釈できるわけでございます。 今、文化の母たる農村の心を忘れ、根なし草となった都市は、いずれは農村に回帰していく以外にその生気を取り戻すことはできない、私はそう訴えるものであります。まさに時代は農村回帰の時代、田園回帰の時代に入った、そのように申し上げたいわけでございますが、これについてはぜひ藤山浩先生にお伺いしたいところでございます。すなわち、これからは地方の時代である、このように断言させていただきます。 文化とは、英語でCultureと言いますが、この言葉はもともと大地を耕すということを意味します。すなわち、文化とはまさに農業に関わる言葉でもあるわけです。ここにも文化と本来農村、すなわち地方から生まれたものであることを示す裏づけがあると言えないでしょうか。したがって、これからのまちづくりとは、自然の中でこそ営まれる健康的で文化的な生活、すなわちより質の高いウェルビーイングを目指すまちづくりであると言えるのではないでしょうか。 そこで、最初に質問いたします。ただいま文化についてお話しをしましたが、大町市はすばらしい地域文化に溢れております。西と東の山に囲まれた大町の山岳文化、そして山が生み出す清涼な水、その水がつくり出す河川と湖、そしてその水を求めて人が集まり、人の往来が生まれ、そこで生活が営まれ、道が出来、集落が生まれました。そしてこの長い歴史の中で、人々は安全で幸福な生活を願い、様々な風習、建築物等の有形・無形の文化を生み出しました。この大町市独自の文化資源を生かしたまちづくりこそ、これからの大町のまちづくりの根幹となるものでございます。 そこで最初にお聞きいたします。以前私は、大町市の文化財を生かしたまちづくりについて提言させていただきました。その中で、文化財保存活用地域計画の策定により、計画的にまちづくりを進めていくべきことを訴えさせていただきました。県内では、この文化財保存活用地域計画を松本市、上田市、千曲市に続き、何と塩尻市もこの7月に策定をいたしました。ぜひ大町市でもこの計画を策定すべきであると思いますが、いかがでしょうか。本日再度お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。 〔教育長(中村一郎君)登壇〕
◎教育長(中村一郎君) 文化財保存活用地域計画の策定についてのお尋ねにお答えします。 文化財保存活用地域計画は、地域の多様な文化財を総合的に調査・把握し、観光やまちづくりなど、民間事業者や他の部局と連携して文化財の保存と活用を計画的に進め、地域振興につなげるための枠組みであります。令和4年9月の議会におきまして、太田議員の質問への御答弁を契機として、具体的な検討に着手し、現在策定に向けて準備作業を進めております。 計画の内容に関しましては、既に策定済みの県内の3市、先ほど言いましたが、塩尻市も策定がされました。その計画を参考にしまして、全体の構成や特徴的な関連文化財群の分野、地域の捉え方、実際の全数調査の方法等について、大町市の実情を踏まえ、比較検討しているところでございます。また、事務手続に関しましても、他市が策定に4年から5年程度かけておりますことから、全体的なスケジュールや策定に関する国庫補助事業の導入の可否や職員体制、専門家の参画等について確認・検討を進めております。 当市の計画に記載する分野別の特徴的な文化財群の主なものとしましては、まず国宝仁科神明宮、重要文化財の盛蓮寺観音堂及び覚音寺千手観音等の仁科氏文化、次に宿場町として発展してきた中心市街地の歴史的建造物と古道、水路の景観、また昭和電工や電源開発、ダム等の近代化産業遺産、そして水を生かした用水路等の水関連遺産、最後に登山案内組合や山小屋登山道や山岳博物館等の山岳文化遺産など、文化財群として非常に充実しているものと考えておりますが、全数調査等なお十分でない部分もあり、策定に向け、着実に準備を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 大町市の今後の文化財の保存、また活用についてお聞きいたしました。既に計画の策定に取りかかっているとの御答弁でございました。大変にうれしく思います。また、この策定には大変にお時間がかかるとの御答弁でございましたが、ぜひすばらしい計画となるよう、よろしくお願いいたします。 さて、大町市内には実に多くの芸術家の方々がおられます。また、市内には文化芸術団体が数多く存在いたします。プロ・アマ問わず多くの市民の皆さんが芸術活動に参加し、また写真、絵画、工芸、ダンス、演劇、音楽等の芸術を鑑賞される多くの芸術ファンもおられます。このように文化芸術活動が大変活発である大町市は、文化芸術を核としたまちづくりを行っていくことが、大町市の文化をさらに磨き上げ、そして大町市の魅力を内外に発信していくことにつながるものと信じます。そこで、大町市の今後の文化政策についてお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 教育長。
◎教育長(中村一郎君) 今後の文化政策についてお答えいたします。 現在、生涯学習課では、
文化芸術振興条例及び振興計画の策定に向け取り組んでいるところでございます。この条例及び計画は、今ある市固有の文化芸術的な価値と、現在様々な形で活動に取り組まれている文化芸術団体や個人を有機的に結びつけ、文化芸術活動を通し培われた心の豊かさを、多様な生涯学習の機会を提供しつつ、さらに市全体に広げるとともに、観光や産業、福祉などの様々な分野の活動に結びつけ、文化芸術という軸により地域全体の振興に寄与することにより、この地に培われてきた文化芸術を将来に受け継がれることを目指すものです。この新たな条例や計画を中心に、文化芸術の振興に努めてまいりたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。総務部参事。
◎総務部参事(田中久登君) 私からは、今後の文化政策について、北アルプス国際芸術祭の観点からお答えいたします。 来年9月13日からの開催に向け準備を進めております北アルプス国際芸術祭は、3年に一度のイベントとしてだけではなく、地域が直面している人口減少など、様々な課題をアートの力で解決する新たなまちづくりへのチャレンジでもあり、アートの持つ働きにより、地域固有の歴史・文化・芸術等の貴重な資源を浮き彫りにして、市民の皆さんが地域の魅力を再認識する機会にするとともに、多様な人々が集い、協働することで、活力と元気に満ち溢れる魅力的な地域と人づくりを目指すものであります。 これまで2回の開催におきましても、アートの持つ人を引きつける強い力によりまして、多くの方が当市を訪れ、そこで生まれた交流は、芸術祭に関わる全ての人の心に大きな財産として残っているものと受け止めております。芸術祭の開催は、優れた作家によるアートに触れ、感じる機会の創出となるとともに、地域に根差す歴史や文化に触れる機会ともなりますことから、当市の文化政策を進める上で重要な事業の一つであると考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 大町市の文化芸術振興の取組につきまして、大変によく分かりました。北アルプス国際芸術祭ですが、いよいよ来年秋に開催が迫っております。もう3回目になるんだなと、今さらながらですが、第1回目の開催の当時のことを考えますと、非常に感慨深いところでございます。そして、
文化芸術振興条例、また基本計画について、もう既に策定に取りかかっているというお話でございます。大町市が名実ともにこれから文化芸術のまちへと成長しつつあること、このことを考えますと、本当に心よりうれしく思います。 さて、地域の文化を磨き上げ、地域の文化を内外に持続的に発信していくためには、大町市の郷土を愛する多くの人たちがいてこそでございます。そこで、大町の子どもたちが小さいうちから郷土の文化・歴史に親しみ、郷土について学んでいくことは、今後さらに重要になっていくことと感じます。これについては、大町市はこれまでも非常に積極的に取り組んでこられました。また、子どもたちが地域の文化活動や芸術活動に関わっていくことで、たとえ将来郷土を離れることになったとしても、大町のことを将来忘れず、大町に思いを寄せ、そして大町の発展を見守ってもらえる、そのような大人へと育ってくれるのではないでしょうか。子どもたちの郷土教育についてお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。
◎教育長(中村一郎君) 子どもたちの郷土教育についてお答えいたします。 郷土愛を育む取組として、学校では低学年用の「わたしたちの大町」や、高学年用の「きのう・きょう・あした」の副読本を活用し、市の豊かな自然や歴史、そして受け継がれてきた文化や風習を学んでおります。地域では、育成会活動などを通し、実際の体験の中でより身近な地区の行事や、世代を超えた大人との交流の中で受け継がれてきた伝統文化や市の魅力に触れております。また、一つの例としまして、市民団体が中心となり、毎年6月に開催している北アルプス雪形まつりでは、厳しい冬を乗り越え、待ちわびた春の訪れの喜びを、絵画や詩、俳句、短歌で表現した作品を各学校から募集し、優れた作品を表彰しております。 今年は、「私が見つけた雪形」を企画し、見慣れている風景の中でも地域の良さを再発見してもらう機会を設けるなど、行政や市民団体が協力し、子どもたちの郷土愛の醸成に努めております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 子どもたちの郷土教育につきまして、大変によく分かりました。大町の子どもたちが自分のふるさとに誇りを持ち、たとえ将来大町を離れることがあっても、常に大町のことを思い、懐かしみ、応援をしてくれる、そんな子どもたちの心を育むこの郷土教育、これ以上の教育はないと私は思っております。今後の郷土教育のさらなる充実を、ぜひよろしくお願いいたします。 さて、次の質問に移ります。 先ほども述べましたとおり、大町の山岳文化、そして山が生み出す清涼な水、その水がつくり出す河川と湖、そしてその水を求めて人も集まり、人の往来が生まれ、そこで生活が営まれ、水を中心とした文化が生まれた、これこそが大町市の文化でございます。この水の文化を中心としたまちづくり、これこそ、今大町が進めているSDGs未来都市としてのまちづくりでございます。 ここで、中心市街地についてお聞きいたします。大変うれしいことに、今市街地のあちこちで水のせせらぎを目と耳で楽しめるようになりました。このように、歩きたくなるまちは人が集まり、歩くことで健康になり、また車を極力使わないことで環境にも優しいまちづくりへとつながります。これまでの中心市街地における水を中心としたウォーカブルなまちづくりの取組についてお聞かせいただきたいと思います。また、今後の予定についてもお聞かせいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。建設水道部長。 〔建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎建設水道部長(古平隆一君) 水を中心としたウォーカブルなまちづくりについての御質問にお答えをいたします。 議員御承知のとおり、当市は古くから豊かで清冽な水の利活用を図りながら、今日まで歴史と文化を築き、また発展を遂げてまいりました。また、かつて大町市街地が千国街道の宿場町として栄えた時代には、その中央には町川が流れ、家屋の裏には生活用水として鹿島川の水を引き入れた呑堰が整備をされ、常に水を身近に感じながら、暮らしを営んできた歴史がございました。 しかし、現在これらの多くは、上下水道の整備や社会情勢の変化とともに、目に触れる部分は僅かとなっております。当市の水資源や由緒ある水辺空間を生かしたまちづくりにつきましては、太田議員をはじめ他の議員や地域の皆様からも、御意見や御提言をいただいているところであり、民間の「大町水物語」と称する自発的な取組の「男清水・女清水」の水場も設けられております。 市としましては、これらの取組とも親和性を持つ仁科町ポケットパークにおける噴水施設の整備をはじめ、塩の道ちょうじやに隣接する八日町ポケットパーク内に、小さなお子様も楽しめる新たな親水施設を本年7月に整備をしたところでございます。 こうした取組を通じて、市内には水を身近に感じられる施設が徐々に増えておりますが、なおそうした施設はいまだ不足しており、今後こうした施設の充実を図るとともに、現状、点としてある施設を線で結ぶ仕掛け作りも必要と認識をしております。市民や関係団体の皆様の御意見や御提言、また当市に来訪される皆様の反応や声などにも注視しながら、具体的な取組を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) ありがとうございます。先週8月27日にNHK・BSで放映されました「釣りびと万歳」は木崎湖の特集でございましたが、今御答弁にもございました中心市街地のポケットパークで、子どもたちが魚を放流している様子も放映されておりました。水のまち大町の取組がしっかりと伝わってまいりました。また最近は、高齢者の皆さんが集まって御飯を食べながら歓談をしている光景を、中心市街地でもよく目にするようになりました。こちらが幸せになる、そのような光景でございます。 ところで、市は中心市街地に市営住宅を建設予定でございます。これについて、今後の予定についてお聞かせいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。
◎建設水道部長(古平隆一君) 市の総合計画にも位置づけております市営住宅の建設計画についての御質問にお答えをいたします。 中心市街地への市営住宅の建設につきましては、現在旧大町北高等学校の跡地を優先候補先としまして、現在所管する県教育委員会をはじめ、これに県の財産活用課も加わりまして、協議を進めている状況でございます。これに対し、県からは住宅用地として必要な面積に対しまして、当該跡地が3.5ヘクタールと広大であることなどから、市として敷地全体の活用構想、こいったものが示せないかというような御提案をいただいておりますことから、庁内に検討組織を立ち上げまして、改めて今後の跡地全体の活用の方向性、こういったものについても検討を進めることとしております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) ありがとうございました。いずれにしましても、中心市街地に多くの皆さんが住んでいただくこと以上に、町のにぎわいの創出につながるものはないと思っておりますので、ぜひ早期の建設を心より願っております。 最後に、市長にお伺いいたします。ただいま私は、大町市独自の文化を磨き上げることで、大町が訪れたくなるまちとなり、さらには歩いて暮らせる快適な生活、健康な生活、すなわちウェルビーイングへと結びつくことを訴えさせていただきました。先ほどは高齢者福祉につきましてお聞きいたしましたが、最後に高齢者に優しいまちづくりについて、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 水をメインにした高齢者に優しいまちづくりについてのお尋ねにお答えいたします。 全国的な人口減少や少子高齢化の進展から、今後社会はさらに高齢化へと向かっており、とりわけ高齢化率の他市に比べて高い当市にとりまして、高齢者に優しいまちづくりは喫緊の課題と認識いたしております。こうした中、市が昨年策定しました立地適正化計画では、コンパクトプラスネットワークの考え方に基づき、生活サービス機能の適正配置による一定の人口密度の維持と、公共交通の充実を図ることとしております。 また、まちなかに居住環境を整え、暮らしに必要となる様々な都市機能の誘導を図ることで、車中心から人中心の空間を作り出す要素も兼ね備えており、高齢者のみならず、誰もが移動しやすく健康で快適な生活空間を創造することは、大町市版の
コンパクトシティを実現する上で、重要な取組と考えております。 私の思い描く高齢者に優しいまちとは、高齢者が生き生きと暮らせるまちであり、高齢者の方それぞれが自由に外出できるバリアフリー化された歩行空間で、木々の緑とともに潤いを感じさせる、都市伝説にもなりました中心市街地の水に触れ、憩える場所に気軽に集い、笑い、語り合い、そして交流が生まれる、そのような幸福感に満ちたまちであり、このことはまた、高齢者のみならず、どの世代の皆様にも優しく魅力あるまちとして親しまれ、また愛され続けていくものと考えております。 今後も引き続き、身近なポケットパーク等の公共空間を拠点として捉え、憩いの場を整備することにより、点から線へとつなぐことでまちの個性と魅力を生み出すこうした取組を、一層進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆6番(太田昭司君) 市長の、高齢者が住みよい、高齢者に優しいまちづくりについてのお考え、思いをお聞かせいただきました。 ウェルビーイングと先ほどから私、言葉を使っておりましたが、これは分かりやすく言いますと「幸福」と言い換えることができると思います。アフターコロナの時代とは、本当の幸福とは何か、幸福の質について考える時代と言えるのではないでしょうか。そのキーワードは、自然、文化そして郷土愛であると私は信じております。大町こそ、このウェルビーイング実現の可能性を秘めた魅力の宝庫である。そのように申し上げまして、私の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で太田昭司議員の質問は終了をいたしました。 ここで3時10分まで休憩といたします。
△休憩 午後2時53分
△再開 午後3時10分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第10位、中村直人議員の質問通告は2項目です。中村直人議員の質問を許します。中村直人議員。(拍手) 〔7番(中村直人君)登壇〕
◆7番(中村直人君) 政友クラブの中村直人です。本日は、大項目で2点、山岳文化都市としての大町について、証拠に基づく政策立案、いわゆるEBPMについて質問いたします。 1つ目の質問は、先日全員協議会でも説明がありました大町市
文化芸術振興条例についてです。 こちらの計画は、大町市の文化芸術の未来ビジョンを描くものということですが、行政による説明の中で私が本当にすばらしいなと思ったのは、この計画を実際的なものにしていきたいということが強調されていたことでした。今回提出しました質問大項目にて、山岳文化都市を改めてうたいましたのは、ぜひこの計画が実効的、そして市民の声を生かし、また当市の特色を生かしたものになってくれればと願っているからです。 こういった条例や計画というのは、具体的になればなるほど、計画の解像度が上がれば上がるほど、今後の展開が制約されるというデメリットがある、だからといって色も付けずに無味乾燥なものにしたのでは、今度は未来を描いていく力が失われてしまいます。非常に塩梅の難しいものだとは私も思いますが、この難しい綱渡りの中でも、この計画ができる限り解像度を上げて市民と夢を、思いを共有できるような計画にしてほしいと思っております。 まず、市民の皆様にも前提を共有していただくためにも、この文化条例、そして附属する基本計画の概要について御説明ください。特に、どうやって市民の声を拾っていくのかお聞かせください。これで1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 中村直人議員の質問に対する答弁を求めます。教育長。 〔教育長(中村一郎君)登壇〕
◎教育長(中村一郎君)
文化芸術振興条例及び基本計画についてお答えいたします。 文化芸術は、人々の心に創造力や感性を豊かに育むほか、創造による喜びをもたらす大きな力を持つと同時に、年齢や性別、国籍の違いや障害の有無など、個人を取り巻くいかなる社会的状況や環境に関わりなく、全ての人に広く社会参加の機会を開くとともに、全てを包摂する社会づくりに大きく寄与するものと考えております。 条例制定に当たりましては、目的や理念のほか、行政の責務や、市民や企業などの役割を明らかにすることにより、市民一人一人が文化芸術活動に関わりを持ち、地域文化への理解を深め、先人の築いた文化芸術を将来の世代に引き継ぐ意識や郷土愛の醸成など、持続可能な地域社会の振興発展に資することを目指しております。 これに加え、文化芸術が持つ強い力により、市民の皆様の心の豊かさを育み、その豊かさを、さらに文化芸術活動を介して全市的な広がりに結びつけ、様々な分野にも展開することにより、大町市の特性を生かした地域を創造していくことを趣旨とするものであります。 また、宣言するだけで終わらせることなく、具体的な行動計画の策定を併せて進めることにより、全ての市民に包括的かつ質の高い様々な生涯学習の機会を提供し、市民全体の文化芸術活動の振興につなげるため、文化芸術をはじめ環境や教育、産業や経済など、SDGsの視点を踏まえた多面的・総合的な計画として、第5次総合計画に描く市の将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の具現化を目指します。 条例の制定及び計画の策定におきましては、文化芸術振興委員会を設置し、文化芸術の当事者だけでなく、観光や産業、また福祉関係など多くの方々に参画いただき、幅広く市民の皆様の御意見を伺うとともに、文化芸術によるまちづくりの理念の共有を図ってまいりたいと思います。 国では、平成29年に文化芸術振興基本法が、文化芸術基本法として改定されました。市では、この国の取組に先んじて、平成29年6月に芸術が持つ強い発信力を活用した北アルプス国際芸術祭を開催しました。国際芸術祭も、大町市ならではの恵まれた自然環境を背景に、文化芸術を通じた市の魅力を、地域固有の価値として内外に発信するとともに、文化芸術を通した市民の一体感の醸成に努めたところでございます。 これまで2度の国際芸術祭の開催を経て、芸術の多様性とそれを受容する人々の感性の違いにお互いが気づかされ、市民の皆様の心にも、互いの違いを認め合う寛容の精神が宿ったことを実感しています。こうした文化芸術が持つ多彩な影響力を大切にし、心豊かな文化の創造と振興に努め、様々な分野での文化芸術活動を通じて、全ての市民が地域で協働し、力強く生き生きと日常生活を送る社会の実現に力を尽くしてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆7番(中村直人君) 今、様々大町の文化資源についても説明いただきました。私、今回他市の文化条例も幾つか見てきたんですが、本当に当市の幸運なことというのは、今教育長もおっしゃられたような、当市にはたくさんの文化資源そして素地があるということだと思います。第一に、これは先ほどの太田議員の質問の答弁でもございましたが、当市では市民のサークル活動、文化活動というのが非常に活発であります。これは数としても比較で、全国的にも非常に多いということだったと思います。 また、先日地方紙にすばらしい特集がありました。当市に日展の入賞作家もたくさんおるわけですが、特にそこで高橋貞夫さんがしゃべってらっしゃった、繰り返し御自身のルーツである農民美術について語っておりました。こちら大正モダニズムの時代に信州から始まった運動なわけですが、その名のとおり農民、そして市民の手仕事を尊ぶ文化であります。そして運動であります。 また、商店街にあるギャラリー麻倉では、この地方の様々な作家たちの作品を展示しておるわけですが、そこでアンデパンダン展という展示が行われています。これはまた全然別のところで、1884年にパリで始まった文化ですが、一部の人たちの美術というところを抜け出して、市民誰でもが展示でき、そしてそれを批評し楽しむことができる、そういった展示の場を設けようという運動です。 そして、今お話の中にあった国際芸術祭もそうです。これはフラムさんがおっしゃるには、美術館あるいはホワイトキューブ、白い空間なのでホワイトキューブなんて言いますが、に閉じ込められている美術を、地域や市民により開いていくんだと、そういう運動だということを、フラムさんも述べております。 このように、私見ていますと、当市で行われている様々な文化活動というのは、美術、芸術の民主化、そして市民化、地域化という一つのテーマが通底しているように見えるわけです。こういった地域文化の背景や当市の文化的な特色というのは、今教育長もおっしゃられた生涯学習的なこの地域の文化振興というのと、非常に相性がいいと思いますし、ぜひ条例や計画にこういった当市の特色、そして人々の声、文化というものを反映して、当市の独自性がある計画としていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育長。
◎教育長(中村一郎君) 地域文化と人づくりをつなげる独自の文化史を条例や計画に反映してほしいとのお尋ねにお答えいたします。 文化芸術は、日々の暮らしの中から生み出され、地域の特色や継承されてきた歴史を背景として育まれ、今日様々な活動が展開されております。そのため、条例制定や計画の策定に当たりましては、こうした市独自の地域の成り立ちや歴史などを反映させ、先人たちが築いてきました文化芸術を次の世代につなぐとともに、文化芸術活動を通した新たな活動が生み出されるよう、計画の策定に努めてまいりたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆7番(中村直人君) すいません、ちょっと、ぜひおっしゃったことそのとおりだと思うんですが、この計画の性格として、何かそういった地域の一つ一つの特色ある文化とかを入れるようなものではないのか。あるいは一つ一つの文化でなく、もうちょっと総体的に、例えば多様性の尊重だとか、もうちょっと包括的な言い方で入れるタイプのものなのか、どういった種類のものになるのか。現在もし決まっていることがあれば、あるいは今後決めていくということであれば、お聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 教育長。
◎教育長(中村一郎君) すいません、まだ具体的なところまでは計画がされておりませんが、現在計画における文化芸術の範囲と対象というところで、芸術、メディア芸術、芸術の芸能、また芸能生活文化、文化財、あと地域における文化芸術等という大きなくくりは作って、今前段として計画をしているところであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆7番(中村直人君) メディア芸術まで視野に入れているということで、非常に幅広い文化を取り入れていくというお話だと思います。ぜひ、そういった地域の文化にもちろん目を向けていただいていると思うんですが、また計画の色に反映していただくようお願いしたいと思います。 もう一つ、私この条例の計画案について聞いたときにうれしかったことが、芸術文化の福祉的なつながり、教育的なつながり、そして観光へのつながりなど、他分野への展開についても触れていただいた点です。特に、以前も一般質問で触れました生涯学習と地域包括ケアシステムの関係とか、生涯学習が、あるいは生涯を通じた文化活動が健康寿命を延ばすという考えを、具体的に施策に取り入れていければすばらしいと、私は思っております。 こういったケアシステムの構築会議の中に生涯学習の担当者も出席する機会をつくるとか、通いの場のつくり方についての課を越えた連携など、そういった今おっしゃっていただいたテーマを基に、今回の計画の中でもぜひ位置づけていただいたりしていただきたいと思うんですが、お考えはどうでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) 地域包括ケアシステムの構築の際の課を越えた連携について御質問にお答えいたします。 今回進めております条例の制定や計画策定は、文化芸術活動の側面から、観光や産業、福祉など他の様々な分野に展開されることにより、地域全体の振興につながることが期待されているところでございます。文化芸術活動は、様々な機会や場において多様な分野の担い手により展開されるものであり、庁内各部署におきましてそれぞれの施策の中で推進することにより、地域に根差した文化芸術の広がりが期待されます。今後、関係する広範な部署の施策において横断的な連携が図られますよう努めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(川上晴夫君) 私からは、福祉行政の立場からお答えさせていただきます。 2017年に開催されました第1回北アルプス国際芸術祭におきましては、陶芸の家で作成されたオリジナル小皿を市内の飲食店で活用いただいた事例もあり、文化芸術活動は、高齢者や障害をお持ちの方が社会参加活動と親和性があり、生きがいや、さらには健康づくりなどに結びつくものと考えております。 今後も高齢者や障害をお持ちの方が、住み慣れた地域で自分らしく生き生きとした生活を最後まで送ることができるようにするためにも、地域内で助け合う体制づくりが必要であり、福祉分野と文化芸術活動との関わりについて、積極的に連携を図り検討してまいりたいと考えております。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆7番(中村直人君) 本当に、私も芸術祭で小皿を手に取って今も家にありますけれども、ぜひ、日常的にも今おっしゃっていただいたように、そういったものの連携を市として進めていただきたいと思います。 全員協議会で頂いた資料の中で、地域の様々な文化サークルに対するアンケートもありました。こちら結果を見ますと、課題として高齢化を心配するサークルというのが非常に多くありました。以前学校の部活動の地域化というテーマで質問したとき、あるいは先生たちの負担軽減という文脈で質問したときに、部活動と地域の文化活動をつなげられないかということを聞いたことがあります。 ただこれ、今話したように福祉側からのニーズというのもありますし、また文化のサークルをやっている側からのニーズというのもあると思うんです。今回の計画の中では、こういったことについても何か具体的な計画を持ったりするんでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) 地域の文化サークルと学生の部活動が一緒に活動できるよう計画に位置づけはできないかとのお尋ねにお答えをいたします。 身近なサークル活動は、文化芸術を支え、その活動は地域に活力を与え、地域の振興発展に資することが期待をされております。子どもたちや学生が地域の文化芸術活動に関わることは、活動を通して地域を知り、理解する機会でもあり、サークル活動を長く維持していくことにもつながります。今後計画策定を進める中で、子どもたちへの普及やサークル活動との連携について、幅広く検討をしてまいります。 学生の部活動の活動、特に文芸活動等が地域の皆さんと活動することによって、その活動が存続するということであれば、そうしたことについても今後しっかりと検討してまいりたいと考えております。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆7番(中村直人君) 私も文芸の同人を地元でやっておりますが、その中でも、そんなに毎週とかはつらいと思うんですが、月1回とか2回とか協力できるとこもありますし、私たちとしてもぜひ子どもたちとの交流したいという、そういうサークルも多いと思います。ぜひ今後も検討していただきたいと思います。 次の質問に移ります。 質問の趣旨は、地域文化に地域人材、歴史、資源を生かすということで、今までの議論と地続きのものではあるのですが、ここからは様々な大町市の現在の文化施策について、個別に触れようと思います。 まず、地域の文化資源である文化会館エコーホールの活用についてです。先日文化会館へ行きましたら、見慣れない制服の学生たちが楽器を持って、たくさんホワイエにおりました。丸山館長からお話を聞きますと、県外の吹奏楽部の強豪校が、長野県で行われる大会の前に練習に使っているということで、そういったニーズがあるのだなと、私初めて気づきました。 同じく生涯学習課の管轄でありますスポーツ施設については、例えばそこを学校が、ほかのところから大町に泊まって使うという合宿の子たちを優先していたりとか、そういったことがあると思いますが、この文化施設についてもそういったことができるのではないかと思うんですが、こういった地域の文化資産、スポーツ施設と同じく観光につなげる仕組みをつくれないのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。 〔教育次長(太田三博君)登壇〕
◎教育次長(太田三博君) 地域の文化資産を観光につなげる仕組みをつくれないかとのお尋ねでございます。 まず初めに、市の運動公園などのスポーツ施設の利用につきましては、宿泊先となる市内の事業者による事前予約ができるというメリットを、仕組みとして設けております。こうした仕組みをより前面に押し出してパッケージとすることにより、将来的にはスポーツツーリズムという形で、こうしたことにつなげることができるというふうに考えております。 こうしたスポーツ施設と同様に市内の文化施設、市文化会館の利用につきましては、現在1年前から予約が可能で、利用者から直接申込みができるようになっておりますので、合宿等を計画される場合には、早期の対応が可能であります。しかしながら、大学の合宿は7月から8月に集中しており、中でも土日を挟んで利用したいとの問合せが多いことから、これまでにも他のイベントと重なることにより、御利用いただけないことも多々ございました。 文化会館の利用状況では、平日であれば比較的利用しやすいため、より多くの皆様に活用いただけるものと考えておりますが、その反面、地域の皆様が主催されるイベントの開催等もありますことから、調整に苦慮することもあり、議員御提案の文化施設を活用しての観光誘客につきましては、関係機関と協議し、今後の施設運営の参考にさせていただきたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆7番(中村直人君) 7月、8月、土日特にあるということで、その辺の調整も含めて、ぜひちょっと仕組みのほうでフォローできる形ができないか、また検討していただきたいと思います。 次も個別具体的な話なんですが、美術品の収蔵についてお聞きしたいと思います。 文化財センターも文化会館も山岳博物館も、どこも収蔵庫がいっぱいだというお話聞きます。課としても課題であると思いますが、例えば、学校再編で空いた施設に保管庫を広げられないんでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) 学校再編による跡地利用で、美術品の保管場所として利用できないかとの御質問にお答えいたします。 御承知のとおり跡地利用につきましては、現大町東小学校、西小学校及び北小学校の3校を対象として検討されることとなります。これまでにも、新小学校の開校が令和8年度であり、それまでの間は小学校として現に使用していることから、在校生や今後入学する児童、保護者等の気持ちを推察して、慎重かつ十分に配慮し、検討を進める必要があることを御答弁申し上げてきております。今後、本格的な検討に着手する際に、御提案の趣旨につきまして参考にさせていただきたいと考えております。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆7番(中村直人君) 分かりました。 次は、関連として美術品の収集についてお伺いします。 先ほど太田議員のお話の中で、文化管理の計画についても触れられていらっしゃいましたけれども、私、今回この質問をしようと思ったのは、隣の安曇野市の山岳美術館で、版画家吉田博氏の展示が今始まっております。この吉田博氏の息子の吉田遠志さん、旧美麻村とメンドシーノの文化交流を立ち上げたお一人です。親子そろって国際的に評価もある作家でございます。 地域として、こういった作家をもっと推していけないのかと私としては思うんですが、もちろん行政としてはいろんな方々からそういったお話あると思うんですが、一定の知名度があり、観光や地域ブランドに寄与する作家というのを、ちゃんと選定して収集していこうということもできるのではないかなと思うんですが、市の美術品や文化財の収集には方向性を持てるのか持てないのか、あるいは基準や方針などについて考え方をお聞きします。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) 美術品や文化財の収集に方向性を持っているかとのお尋ねであります。 まず、美術品につきましては、当市におきましては公設の美術館等がございませんので、そのための作品収集ということはまず行っていないことを御理解いただきたいと存じます。市では大町市美術資料取扱要綱を定めており、美術資料等の寄贈等に関し、基本的な取扱いの基準としております。美術資料の収集におきましては、作品を取得するため、一般的に所要財源の確保の観点から、これまで積極的な購入ということはしておりませんが、作品を所有する方から寄贈の申出があった場合には、必要な手続を経て、これまでにも受け入れております。 また、寄贈に当たりましては、要綱に基づき市美術振興専門委員会の意見を聞き、受入れを決定しております。基準としましては、当市にゆかりのある作品や作家で、一般的な見地から価値があると考えられる作品であることを、一つの目安としております。また、文化財のうち土器等の出土品は、基本的に遺跡発掘調査の際に出土し、手続を経て市の所有となったものに限定しており、それ以外の土器片等につきましてはその来歴が不明なことが多く、現在まで引き受けてはおりません。 なお、農機具等の民俗資料は、同様の収蔵品等を保有していない場合には、受け入れるケースがございます。また、古文書につきましては内容を専門員等に考証していただき、判断しておりますが、地図等で当時の様子が分かり、広く紹介できるものにつきましては、寄贈もしくは寄託により対応しているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆7番(中村直人君) 分かりました。現在は市としては目的を持って収集というのはしていないということでして、今後ちょっと僕も文化施策について考えていく中で、もうちょっと自分でも勉強してみようと思います。 次の質問です。また別の話なんですが、安曇野市では出張図書館という取組があるそうです。これは市内のイベント、例えば水のイベントがありますと、そこに図書館員が出張していって、水に関係ある本をその場で借りられるようにすると。また図書館への登録も受け付けるというような取組だと聞いています。これは館内での貸出しのシステムをどうするか、担当者をどうするか課題はあると思いますが、大町市でも検討できませんか。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(太田三博君) 出張図書館を検討することができないかとの御質問にお答えをいたします。 出張図書館につきましては、移動図書館サービスと称され、一般的には書籍などの資料を乗せた車両を用いて公共施設や地域に出向き、本の貸出しをはじめ絵本の読み聞かせなど、本来やっております図書館のサービスを遠隔地で提供するものでございます。現在、大町図書館では、定期的に市内の児童施設や高齢者施設に出向き、本の紹介や読み聞かせを行うとともに、小規模ではありますが、それぞれの施設に文庫として書籍をまとめて貸し出し、少し形を変えた大町版の移動図書館サービスを実施しているところであります。 議員に御提案をいただきました出張図書館につきましては、まず書籍を持ち運ぶための車両が必要であること、また移動先での貸出し・返却に伴う現在の図書館システムとの連動の対応、また職員の配置など、課題が非常に多いというふうに考えておりますことから、先進地の運用状況などを参考に、今後研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆7番(中村直人君) 大町市としての取組があるということをお聞きできてよかったです。本当に読書人口が少なくなっているというお話があって、そのためにもそういった取組を広げていただいて、私が今回提案させていただいたことにも検討していただきたいと思います。 最後に、芸術祭についてお聞きしたいと思います。 市民との協働、芸術祭に親しみを持っていただくための取組として、まほろば塾を開催されました。7月に私も、東京おもちゃ美術館館長の多田千尋氏をお呼びして第1回が行われたところ聞きにいきまして、木とおもちゃの情操教育の話、そして美術を通して精神病院が地域に開かれていったお話など、本当に何度も感動しました。聞くところによると、講師の選定、当市職員が提案したということでして、本当に私、当市にそういった文化の造詣ある職員がいるということ、心強く感じました。次回まほろば塾の開催については10月を予定しているというお話ありましたが、予定を決まっていたら、また内容決まっていたら、話せるところまでお願いいたします。
○議長(二條孝夫君) 総務部参事。
◎総務部参事(田中久登君) 芸術祭開催に向けた今後の取組についてお答えをいたします。 来年9月から開催されます第3回芸術祭を成功させる上で、開催への機運の醸成は必要不可欠であり、市民の皆様に参加、参画することの楽しさや喜びを肌で体感していただき、芸術祭を共につくり上げる充実感を共有していただく、そうした取組が、今後最も重要であると考えております。 議員から御紹介いただきました、今年から新たに取り組んでおります北アルプスまほろば塾もこうした取組の一つ、一環として、市民の皆様が芸術祭を理解し、積極的に御参加いただける環境づくりを目的に進めております。7月の第1回の開催では、御紹介をいただきましたが、東京おもちゃ美術館館長の多田千尋氏をお迎えし、「木と芸術と遊びが地域を創る~おもちゃ美術館を通した多世代交流と市民性創造の可能性~」をテーマにしまして、木と触れ合い、木に学び、木と生きる「木育」、木による教育の取組の重要性をお話しいただき、第2部のワークショップと併せて、小さなお子様や御家族連れなど、大勢の皆様に御参加をいただきました。 今後の予定としましては、10月に大町温泉郷において、今度は水をテーマとしたゲストトークや、前回芸術祭で旧酒の博物館に作品を展示されたアーティスト松本秋則氏による、竹を使ったサウンドオブジェのワークショップを予定しております。まだ調整中のところもありまして、まだ詳細決まっておりません。詳細が決まり次第、議員各位をはじめ園児や小・中学生、その御家族のほか、幅広い多くの市民の皆様に来ていただけるように、周知に努めてまいります。 市民の皆様に広く芸術祭の準備、運営に御参画いただくことは、地域の魅力を再発見し、地域への愛着を深める機会となり、さらに鑑賞に来訪する観客の皆さんとの交流にもつながります。芸術祭の開催までに、こうした機会を幾度も開催しながら、多くの市民の皆様と連携し、協力し合い、この地域ならではの魅力溢れる芸術祭をつくり上げてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆7番(中村直人君) ぜひ、水がテーマということで、まさに本市のど真ん中のテーマだと思います。楽しみにしておりますので、また広報やたくさんの市民の方に親しんでいただけるよう進めてください。 次の大項目に進みます。 証拠に基づく政策立案についてです。 これは聞き慣れない方も多いと思うんですが、要するに現場での肌感覚というのをできるだけ数字にする、データにする、そして政策の効果を最大限にする、また検証しやすいように形にする、そういった取組なんですね。 国においても、地方行政を所管する総務省ではデータスタートというページを作り、全国の先進的な取組を紹介するなど、支援体制を構築しております。これは紹介されている取組を見ると、コロナ対策のための交付金を利用してイカの像を設置した自治体のことがニュースになりましたが、そういうふうに各自治体いろんなコロナの対策をしたんですが、それがどれだけ効果的だったのかということを調べるとか、あるいは公共交通の効率化にビッグデータを活用して路線を適切に増やすことを考える、また移住政策として、どのような地域にどのような広報活動を行えば一番移住者が増えるかを計算するなど、あらゆる分野でこういった取組が行われています。 当市においても、このような体制の準備がされております。観光分野における産業連関表の作成がなされました。例としては、総務省から先進事例として受賞もしている横須賀市を、今回軸に考えていきたいと思うんですが、まさに横須賀市はこの産業連関表を活用することで、市で行うウィンドサーフィンのイベントの宿泊者数を2.4倍にしたということです。 まず、当市でも作られました産業連関表とは何なのか。そして、当市においてはどう生かしていけるものなのかお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。産業観光部長。 〔産業観光部長(駒澤 晃君)登壇〕
◎産業観光部長(駒澤晃君) 産業連関表と今後の活用方法についてのお尋ねにお答えをいたします。 産業連関表は、一定の期間において地域経済における財、サービス等の各産業部門の生産販売状況と、産業間及び産業と最終需要間の取引を、行列の形で一覧表に取りまとめたものであります。これにより経済構造を総体的に明らかにするとともに、経済波及効果の分析や各種経済指標の基準を改定するための基礎資料として用いられております。 市では、昨年度北アルプス広域連携自立圏観光部会の事業として、観光による経済波及状況を調査分析するため、大北圏域や県における地域間の経済取引を連結した地域間産業連関表を作成しております。この産業連関表につきましては、大北圏域内の市町村の経済規模や産業構造をはじめ、地域内外の経済交流の特徴を定量的に把握できる特性を生かし、様々な政策を実施する際に、生産面や雇用面、税制面、定住面等への効果の試算や政策立案に活用するとともに、地域づくり施策の効果の見える化に向けた取組を進めてまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆7番(中村直人君) 難しい言葉が多くなっちゃうんですが、要するに、自前でいろんな産業政策のデータ解析を行えるようになったり、あるいはイベントの効果を測れるようになったり、あるいはそのためのよりよい手のための施策を考えるのに使ったりできるということだと思います。 お話にあった連携自立圏で、今後研修をしていくというお話も聞いています。先ほどお話ししたように、データの活用技術や経験というのは、今後あらゆる分野に必要とされることだと思います。また、若い職員からはこの分野に強く興味があるという声も聞いていまして、こういったデータの解析技術を持った人をデータアナリストといいますが、非常に市場の中でも希少でして、足りないというお話をいろんなとこで聞くんですが、だからこそ市の中で育てるということが非常に重要だと思いますし、人材が希少ということは、当然外注するとコスト高になるタイプの物事だと思うんですね。ですから、希望した職員にできる限り参加していただけるよう取り計らっていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。研修のことについてお聞きします。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 研修についての御質問にお答えをいたします。 産業連関表の研修につきましては、先ほど産観部長のほうからも御答弁申し上げましたが、県内の市町村でもって構成をする自立圏のほうで作成したものであります。県内市町村の職員を対象にしまして、本年度は5回の研修会を予定しております。内容としましては、産業連関表の仕組みを理解し、実際の行政現場で活用するための手法、さらに事業に伴う経済波及効果や費用対効果を試算しまして、効率的な予算編成や政策立案に活用するなどの研修を行うこととしております。市では、この研修を人材育成のための職員研修として位置づけておりまして、希望する全ての職員が参加できるということとしております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆7番(中村直人君) 本当に全庁でやるということで、いいなと思います。今回はこういったデータの活用について、現場を持っている観光課が行うことがスタートだと思いますが、より長期的に見ると、データのこういった活用、人材の育成ということを考えていくと、例えば総務部が受けるとか、ちょっと体制が考えられると思うんですね。長期的に、今回の研修だけじゃなく、データに強い人材を育てていくことについてどう考えますか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) データ分析に強い人材の長期的な育成についての御質問にお答えをいたします。 国では、官民データ活用推進基本計画を策定し、行政や民間企業が保有するデータを活用して、情報を基礎とした施策の企画・立案により効率的・効果的な行政を推進するよう求めております。これまで市では政策の企画・立案や各種計画の策定に当たりまして、市が保有するデータに加え、統計データやアンケート結果などを基に策定してきておりますが、急激な社会情勢の変化に迅速かつ適切に対応していくためには、様々なデータ活用のさらなる利活用が重要であると認識しております。併せまして、それを取り巻く人材育成も重要であると認識をしております。 市としましては、全職員が基礎的なデータを活用できますよう職員研修を実施するとともに、大町市DX推進計画に基づき、より高度なデータについても活用できる人材の育成に努め、政策立案へのデータ活用の研究を進め、質の高い行政サービスの提供を図ってまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。残り2分44秒です。
◆7番(中村直人君) 本当に心強い答弁で、ありがとうございます。ぜひDXの推進計画に基づいて、人材の育成のほうも進めていただきたいと思います。 先ほど触れました横須賀市の例に、もう一度戻って質問したいと思います。この横須賀市ですと、次のステップとして、連関表を作った後は分析ツールを用意しているんですね。そういった集めてきた地域のデータを入れて、例えばそこにそれぞれの課で担当者が数字を入れると、何となく推計が出てくるという、要するにそんなに詳しい方じゃなくても使えるように、データ分析をできるようにするためのツールなんですが、こういった開発や使用について、当市の予定などありますか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) データ分析を簡易化するためのツール開発についての御質問にお答えいたします。 市では、政策の立案などにおきまして、産業構造や人口動態、人の流れなどをマップやグラフで分かりやすく表示する政府統計のポータルサイトe-Statや、地域経済分析システム、RESASでありますが、そういった部分のツールを活用しております。議員御指摘の横須賀市の例では、産業連関表を基に経済波及効果を分析するツールを独自に開発しておられます。 当市におきましては、昨年度の北アルプス連携自立圏事業によりまして、地域間の産業連関表が作成されましたことから、現時点では、データ分析を簡易化するためのツール開発は予定しておりません。しかしながら、今後産業連関表に関する職員研修や政策立案でのデータ活用の研究を進める中で、分析ツールの活用についても併せて研究をしてまいります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆7番(中村直人君) やはりまだいろんなことを検討しなきゃいけない中で、未来のことをいろいろ聞いているわけで、非常に難しい答弁をさせてしまっていると思うんですが、将来こういったデータ人材を庁内に配置していくことを考えていくと、一体専門家が一つの課に集まってほかの、例えばそういう情報分析の課があって、そこにいろんなところが集約してデータの解析をするのか、各課に分析に強い人材を配置して対応していくのか、二通り大きく考えられると思うんですが、どういった形が当市に合うと思うかお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 質問にお答えいたします。 当市の今の現状につきましては、先ほどお答えしたとおりでありますが、今後そういったさらに情報分析ツールを利用した部分のところの活用を目指す上では、やはり専門のところというのが必要になってくると思います。 しかしながら、当市では今現状、専門部署は置いていないということでありまして、市の政策立案につきましては、企画財政課が中心となりまして、システムの導入や運用等については検討を行っているところであります。それぞれの分野の担当課と情報交通課のところでは連携しまして、システム開発には取り組んでおります。また、データの集積につきましては、データを所管する課が管理しまして、ファイルサーバーやグループウェア等で共有を図っておりますけれども、将来的に共有するデータが膨大になって日常的に集積管理する必要性が生じた場合には、専門の部署の設置についても検討しなければならないと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。中村直人議員。
◆7番(中村直人君) そうですね、今回これを質問させていただいて、一つは、若い世代でこういったデータの新しい活用の流れについて質問してみようと思ったのと、実は産業連関表というのを通して作っていますが、横須賀市よりも優れている部分というのがありまして、横須賀市はあまりに市内のいろんな関係者が膨大なので、県のデータから自分のところを当てはめて、割合でいろんなものを推測しているだけなんですよね。 当市は産業連関表を作るために、いろんな事業者に直接お聞きしてデータを集めていると聞いています。ということは、非常に当市のようなコンパクトな市のほうが、そういったデータの活用についてより結果を出せる部分はあるのではないかと思います。ぜひ今後もこういったことについても進めていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で中村直人議員の質問は終了をいたしました。 以上をもちまして、本日の日程は全て終了しました。 本日はこれをもって散会といたします。大変御苦労さまでした。
△散会 午後3時57分...