大町市議会 > 2019-09-05 >
09月05日-05号

  • "相続手続"(1/4)
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  1. 大町市議会 2019-09-05
    09月05日-05号


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    令和 1年  9月 定例会          令和元年 大町市議会9月定例会会議録(第5号)               令和元年9月5日(木)---------------------------------------          令和元年大町市議会9月定例会               議事日程(第5号)                      令和元年9月5日 午前10時 開議日程第1 市政に対する一般質問順位議席氏名114傳刀 健122山本みゆき133大竹真千子1411宮田一男---------------------------------------              会議出席者名簿◯出席議員(16名)     1番  中村直人君        2番  山本みゆき君     3番  大竹真千子君       4番  傳刀 健君     5番  降旗達也君        6番  神社正幸君     7番  太田昭司君        8番  一本木秀章君     9番  中牧盛登君       10番  大和幸久君    11番  宮田一男君       12番  平林英市君    13番  岡 秀子君       14番  二條孝夫君    15番  高橋 正君       16番  大厩富義君◯欠席議員(なし)◯説明のために出席した者 市長         牛越 徹君    副市長        吉澤義雄君 教育長        荒井今朝一君   総務部長       竹村静哉君 総務部参事      和田泰典君    民生部長福祉事務所長 塚田 茂君 産業観光部長     駒澤 晃君    建設水道部長     田中一幸君 監査委員事務局長   市河千春君    教育次長       竹内紀雄君 病院事業管理者病院長 井上善博君    病院事務長      川上晴夫君 庶務課長選挙管理委員会書記長            藤澤浩紀君◯事務局職員出席者 事務局長       勝野礼二君    事務局係長      渡邉哲也君 書記         西澤秀一君    書記         窪田幸弘君---------------------------------------                本日の会議に付した事件              議事日程(第5号)記載のとおり---------------------------------------             令和元年 大町市議会9月定例会           市政に対する一般質問通告並びに質問要旨、順位順位議席番号 氏名 [質問形式]質問項目及び要旨ページ114番 傳刀 健 [一問一答]1.耕作放棄地の現状と農地の権利移転について  (1) 耕作放棄地の現状と課題は何か。  (2) 農地法3条改定による、経営農地の下限面積引き下げ以後の農地の権利移転の推移は。 2.空き家・空き地について  (1) 空き家減少のための対策は。  (2) 空き家バンクの登録への課題は。  (3) 空き地の利活用について支援策はあるか。228 ~ 241122番 山本みゆき [一問一答]1.鳥獣被害について  (1) 鳥獣被害への取り組みの現状は。 2.職員の任用について  (1) 臨時的任用職員の雇用形態の見直しは。242 ~ 249133番
    大竹真千子 [一問一答]1.コンパクトシティに向けた取り組みについて  (1) 現在までの取り組みと進捗状況は。  (2) 市内の土地利用は、現状のままでよいのか。  (3) 公共施設の現状と将来の見直しは。249 ~ 2621411番 宮田一男 [一問一答]1.防災対策について  (1) 高瀬川の災害防止対策はできているか。 2.消防団について  (1) 団員の確保対策は。 3.太陽光発電について  (1) 規制条例の制定はできないか。262 ~ 272 △開議 午前10時00分 ○議長(中牧盛登君) おはようございます。 ただいまから9月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は16名で全員であります。よって、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 なお、本日の会議に出席を求めた者は、市長、副市長、教育長、病院事業管理者及び各部課長であります。 △日程第1 市政に対する一般質問 ○議長(中牧盛登君) 日程第1 昨日に引き続き市政に対する一般質問を行います。 これより質問に入ります。 質問順位第11位、傳刀健議員の質問項目は2項目です。傳刀健議員の質問を許します。傳刀健議員。     〔4番(傳刀 健君)登壇〕 ◆4番(傳刀健君) おはようございます。創生みらいの傳刀健でございます。 私からの質問は、耕作放棄地の現状と農地の権利移転についてと、空き家・空き地についての2項目でございます。 最初の質問、耕作放棄地の現状と農地の権利移転についてです。 長野県農政部の平成27年度のデータによると、県内の耕作放棄地は、県内の農地8万6,537ヘクタールのうち19.4%に当たる1万6,776ヘクタールであるとのことです。 そこで、大町市にある農地のうち、耕作放棄地はどの程度の割合を占めているのでしょうか。耕作放棄地の現状と課題をお伺いいたします。 次に、平成21年、農地を取得するための根拠法規だった農地法3条が改正され、農地を取得するために最低これだけは営農しなければならないという下限面積の設定は、各市町村農業委員会で定めてよいこととなりました。 大町市では、その下限面積がどのように変更されたか、御説明をお願いいたします。 また、その引き下げ措置以前と比べて、農地法3条による農地の権利移転はどのように変化したのでしょうか、お伺いいたします。 これで私の1回目の質問を終わります。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員の質問に対する答弁を求めます。産業観光部長。     〔産業観光部長(駒澤 晃君)登壇〕 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 初めに、耕作放棄地の現状と課題についての御質問にお答えいたします。 耕作放棄地とは、以前は耕地であったものの、過去1年以上、作物を栽培せず、しかもこの数年の間に再び耕作をする考えのない土地と定義されております。 当市の農地台帳の総面積は2,853ヘクタールとなっておりますが、そのうち耕作放棄地の総面積は約36ヘクタールであり、これは全体面積のおよそ1.2%となっております。 農業委員会では、この耕作放棄地について、再生可能な農地と再生が困難な農地と大きく2つに分類し、整理しております。この分類に当たりましては、農地パトロールを実施し、毎年、全ての農地を対象に現況を確認しておりますが、再生可能な農地は、地権者の意向を聞き、耕作可能な担い手を紹介するなど、農地の再生に努めております。 農業委員会でも、耕作放棄地は大変重要な問題と考えております。何年にもわたり耕作がなされないため、山林や原野となり、再生が困難な農地につきましては、地権者と相談し、農地としての活用や農地以外の利用方法を探るなど、有効活用に努めるよう助言するなど、一筆でも多くの農地の再生を目指して、農地利用の最適化を図ってまいりたいと考えております。 次に、農地の下限面積をどう変更したか、また農地の権利移動はどう変化したかとの御質問にお答えいたします。 農業委員会では、毎月開催しております総会におきまして、農地法3条に基づく農地の所有権移転について審議をしております。審議では、譲受人の耕作面積が下限面積以上か、従事できる耕作者がいるか、ほかに所有や賃貸している農地の耕作がなされているかなど、申請地や譲受人の状況を確認するほか、案件を担当する委員の聞き取りや現地確認の結果等により適正であると判断した場合、許可することとしております。 下限面積の引き下げにつきましては、平成21年の農地法施行令の改正に伴い、当市におきましても平成23年7月の総会で審議を行い、従来の全地区50アールの基準について、地域の担い手や特性を鑑み、大町・平・社地区は30アール、八坂・美麻地区は10アールに変更したところでございます。 また、引き下げ措置以前と比較した農地の権利移動の変化につきましては、農地法3条の所有権移転による新規就農者は、引き下げ前の3年間にはありませんでしたが、引き下げ後は、昨年までの8年間に21件の申請があり、増加傾向にあります。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 再質問はありませんか。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 耕作放棄地の割合が長野県全体の面積の割合と比して大分少ないようですけれども、その理由がもしあれば、それを教えていただきたいのと、あと大町市の中でも新規就農者の増減について、新規就農者が増えているかどうかといった数字も教えてもらえればいいと思います。 加えて、担い手不足と騒がれておりますが、大町市でも他市のように栽培技術講座のようなものは行っているのでしょうか。行っているのであれば、その内容と参加者の動向もお伺いしたいと思います。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、耕作放棄地の少ない理由でございますが、一般的に八坂・大町・常盤とかという地区の部分に関して、それぞれ若干差があります。それをアベレージとして、少し低いというようなことがあって、特に今は逆にそういう集積集約をしている現状があって、多分、県下よりはいいのではないかというようなことが理由でございます。 次に、新規就農者の増減と栽培技術講座についての御質問にお答えいたします。 市におきましては、毎年、新規で就農する方が数名おり、ここ5年間で延べ12人となっております。この12人は全員、現在も営農を継続しております。 次に、農業者のための栽培技術講座につきましては、現在のところ市単独での開催は実施しておりませんが、2年に一度、県の北アルプス農業改良普及センターの主催により、新規就農者向けの講座が開催されております。昨年度は4回のコースで開催され、講座の内容は、土壌肥料、病害虫、経営分析、鳥獣害対策でありました。参加者は11人あり、そのうち市民の方が5人で、新規就農者及び農家子弟のみの参加であったと伺っております。来年度も同様の講座の開催が予定されておりますことから、新規就農者のニーズを把握し、受講予定者の希望を普及センターに要請してまいります。また、新規就農者等がより専門的な栽培技術の習得を希望する場合には、普及センターを通じて里親を紹介することとしております。 なお、農業体験講座として、市では「楽しい野菜づくり教室」を毎年開催しております。今年度は32家族の参加をいただき、年14回の講座で30種類以上の野菜栽培のノウハウを学ぶ内容となっており、農業入門としての役割を果たしています。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) ちょっと視点を変えますけれども、農業委員会では農地のあっせんも行っておりますけれども、現在のあっせん可能な農地というのは、農業委員会で扱っているものは何件あって、何平米ぐらいあるのでしょうか。 それから、先ほどの講座参加者への農地あっせんですね、農業委員会が持っている農地に対して、あっせんなんていうのも行っているんでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの現在あっせん可能な農地についての御質問にお答えいたします。 市では、農地を貸したい、売りたいという方の要望を受け、農地のあっせんリストを作成し、農地を探している方への情報を提供しており、あっせん可能な農地として、現在27件、103筆の登録があります。 また、県農業開発公社におきまして、農地中間管理機構として農地の集約を進め、貸し借りを仲介する農地バンクの制度があり、現在のところ当市では953筆、153ヘクタールが利用されております。 また、受講者の皆さんには、その都度そういうものを紹介はしておりませんが、一応、情報としてはお伝えはしております。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) せっかく農業に意欲ある方の情報を得ていることだと思いますので、その希望を聞いて、農地に対する需要と供給といったものをマッチングするといったこともできますので、ぜひ情報を生かしていただきたいと思います。 さて、農地法3条に関する質問ですが、下限面積は地域の実情に照らし、引き下げられたということは大体わかりました。ある程度は農地の権利移転、帰農もふえているということですので、下げないよりは下げたほうが、農地を欲しいと思っている人が農地を取得しやすくなったのではないかと思います。一定の基準を設けることというのは必要だと思いますが、しかし一律に下限面積に照らしてふるいにかけるというのでは、現実の必要に応じていないというか、書類だけで判断されているようにも思えます。 農地法施行規則第17条第2項には、1に、遊休農地が相当程度存在する地域であって、2に、小規模農地がふえたとしても、農地等の効率的かつ総合的な利用の確保のため支障を及ぼすことのない場合という条件で、新規就農を促進するために適当と認められる面積であれば、1,000平米未満、10アール未満であっても、設定以下の、要は担い手が不足している地域であり、遊休農地が比較的多く、小規模農家がふえていても、別段周りに影響がないような地域であれば、新規就農者のためであれば、面積が小さくても農地の取得を認めるとなっております。 大町市内には遊休農地が多く、多少小規模農家がふえたとしても、全体に影響の少ないように思われる地域・地区もございますが、平、大町といったように大きく分けるのではなく、もう少し細かく、その場所の実情に応じてこの規定を当てはめることはできないものでしょうか、お伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの農地の取得を細かく設定をすることは可能かとの御質問にお答えいたします。 御質問は、新規就農者が農地を取得しやすい環境が必要との御提案と賜りました。農業委員会としましても、新たな担い手であります新規就農者の確保は、喫緊の課題として十分に認識をしております。 そのため農業委員会では、新規就農者が下限面積の制約もなく、農地を借り、耕作することが可能な農地経営基盤強化法に基づく大町市農地利用集積計画、これを制定しております。これにより農地法第3条の制約を受けず、小さな面積から耕作することができますため、新規就農を希望する方も小面積で農業を始めることができると考えております。 また、法人におきましても、農地を所有できる農地所有適格法人だけでなく、一般法人でも農地を賃借することができる制度でもあり、市内でもこれを活用している企業もございます。 このように、新規就農者への支援を継続する中で、議員御提案の地域の細分化の見直しにつきましては、地域の実情等を十分把握し、農業委員会において検討を進めていただくよう要請したいと思います。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 新規就農に関しては、ただいま御答弁いただいたとおりだと思います。ぜひ進めていただければと思います。 下限面積が障壁となって権利移転ができないという、耕作放棄地となるおそれのある一例をちょっと申し上げたいと思います。 大町市で1,000平米の田んぼを所有し、営んでいるAさんがいました。そのAさんが亡くなり、その田んぼはAさんの長男であるBさんが相続しました。しかし、Bさんは仕事で、もう遠くに引っ越され、家も建てられ、もう大町市に戻ってくる予定はなくなったようです。 そこで、その田んぼを実質管理していた、もともとの所有者であるAさんの次男で、Bさんの弟のCさんに、Bさんが贈与したいと。弟に贈与したいと思ったんですが、Cさんはほかに田畑を耕作していないので、大町地区の下限面積3,000平米に達していないわけです。 このCさんが、先ほどの御答弁にもありましたとおり、この田んぼを取得するためには、ほかにどこかから2,000平米を賃借するか購入してくるかして耕作しなければならないこととなります。 先ほど農業委員会であっせんされている農地もあるとの御答弁をいただきましたが、仮にそうなったら、条件に見合った農地を見つけることができたとしても、1,000平米のみ耕作したいと思っている弟のCさんにとっては、2,000平米を別に借りてくるとなると、非常に大きな負担となります。 結局この農地というのは、お兄さんであるBさんが所有したまま歳月を過ごしていたわけですが、先日そのお兄さんが亡くなりまして、この田んぼはBさんの息子のDさんが相続することになりました。民法上、被相続人に子どもがいる場合は、兄弟には相続権がないからです。その場合、結局、下限面積の問題をクリアした上で、息子Dさんから弟Cさんへの贈与ないし売買が成立しないと、弟Cさんは、その田んぼの所有権を取得できません。相続人のDさんは大町に住んでいませんので、耕作するつもりもないようです。ただ、固定資産税だけは払っておりますが、実際には所有権のない弟Cさんが管理しているので、恐らくは数年のうちにその農地は耕作放棄地となる可能性が非常に高いかと思います。 この例はほんの一例ですが、ただ、遠方に住んでいる息子さんであっても相続手続をされただけ、まだよいほうの例かもしれません。相続手続は、放置しておけば代がかわるごとに相続人の数はふえ、人間関係は疎遠になり、手続が煩雑化し、さらに放置されやすい状態となります。私のところにも未相続農地を何とかしたいという相談が年に数件もありますが、そのうち耕作放棄地である割合は少なくありません。 そこでお伺いしますが、毎年、固定資産税関係の通知書を春先に各納税義務者の方へ送られておりますけれども、その中で送り先名義人が相続代表者となっている件数はどのぐらいになりますでしょうか。つまり相続登記を1月1日までに済ませ、登記上の所有者を移転していれば、送り先名義人は相続人本人となるわけですが、送り先名義人がまだ相続代表者となっているということは、未相続である可能性が非常に高いということになるかと思います。その数を教えてください。 また、その中で県外・市外に送付されている件数というのは何件になりますでしょうか、お伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) ただいまの固定資産税の納税通知に関する御質問にお答えいたします。 本年1月1日現在の固定資産税納税義務者数は、2万751人でございます。そのうち納税義務者の死亡等により相続代表者を設定している件数は、2,667件となっております。内訳でございますが、市内が2,146件、市内以外の県内では324件、県外が197件でございます。前年度と比較いたしますと、納税義務者に占める割合は、わずかに減少傾向にあるという状態になってございます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 実は安曇野市からも、同様のデータを頂戴しております。安曇野市では、平成27年は全送付4万4,884件中、2,737件が相続代表者への送付、平成31年は4万5,517件中、2,974件が相続代表者への送付でした。この5年間で237件も増加しているわけです。相続されていない不動産が増加傾向にあるということは、2020年中に不動産登記法改正を目指す法務省が、ことしの2月にも増加傾向にあるということを発表したことからも見てとれます。 先ほど御答弁いただきました数字を見れば、大町市では12.8%の方が未相続のままで、そのうちの県外が大体7%強、市外でも12%強、大体20%ぐらいの方が、もう既に大町市に住んでいない方が相続代表者となっていることだということが言えると思います。 答弁にありましたこの数字は、山林、宅地なども含む固定資産、つまり不動産全体に対する数字ではありますが、決して低い数字ではありません。未相続地がふえれば、そのうちの農地に関しては、耕作放棄地がふえる危険が増してくると言えるのではないでしょうか。同じく耕作の意思がなければ、その農地に対する思いも希薄となり、相続手続を二の次にされている方も多いのではないでしょうか。 そこで、ちょっと御提案なんですけれども、転売目的が明らかな場合や、農地の保護に明らかに支障があると認められる場合、その他、農地売買に危険が含まれる場合はもちろん別とはなりますが、例えばいとこまでなら4親等内といったような親族間の農地譲渡であるとか、継続して何年間もその土地を耕作してきた者への譲渡、または新規就農者で意欲があると農業委員会の方が認められた者に関しては、先ほどのとおり農地法の施行規則第17条第2項のほか、別段の定めでよいと思うんですが、先ほどの相続だとか耕作し続けていた方に対しても、もちろん相続ほか必要手続を済ますことは重要だと思います、それが大前提となることだと思いますが、農地の取得や取引に寛容な措置をとっていただけたらと思います。その結果、耕作放棄地が減り、安定した作付を確保するとともに、意欲ある新規就農者に対して門戸を開いた農業行政が実を結ぶものだと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの農地取得が容易になれば、新規就農者に門戸を開くことなるが、どうかとの御質問にお答えいたします。 御指摘いただきました親族間の譲渡や、継続し賃借してきた耕作者への農地の売買、また新規就農希望者による農地取得につきましては、所有権移転の面積要件があると難しい場合があることは、市としても認識しているところでございます。 現在のところ当市では、農地法3条の下限面積の設定は、先ほど御説明した農地法施行規則第17条第2項の特例のほか、空き家に附属する農地の取得等に係る下限面積の設定のみとなっております。 今後は、耕作放棄地の解消や安定した作付の確保を目的とした農地取得に対し、どのような措置を図ることができるか、農地の利用の現状を再度確認しながら、農業委員会等で検討していただくよう要望してまいります。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 農業に関して最後にですけれども、一生懸命頑張られている小規模農家、従事者、大町市にもたくさんいらっしゃいます。そのような方に対する大町市の考え方というのを、最後に教えてください。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの御質問にお答えします。 まず、今の農業の状況でございますけれども、1つは、平成の時代に入って農業者の高齢化、それと後継者不足というようなことで、実際に農業形態が変わってきております。これは言いますと、例えば農業従事者にしますと、これは平成2年の農水省の資料からですが、人数が292万人いたものが、平成30年度は145万人と半減してきております。平均年齢も実際、これ59歳が平成2年の年齢でしたが、今は66.6歳というように、やはり高齢化になってきているというような状況がございます。 ただ一方で、国の施策自体は、やはりこういうことを背景に経営の大規模化、それと農地の集約・集積化が進んできておりまして、逆に農業法人自体は、今現在、これも数字ですが、平成2年には経営体が2,900団体ですね。それがもう平成30年、2万2,700と、10倍ぐらい法人がふえているというようなことになっております。 もう一つ言うと、実はこのような中で、現状というと、個人経営というか家族農家、それとか小規模農家と言われるのは、今、大体、全体の9割がそういうものだというふうに言われています。 このような背景のもと、もっと言うと世界的には、実は国連でも家族農家を大事にしろというようなことで運動が進んでいるところもあります。このような中で、農水省も実はこれからの農業施策の中で、いかに小規模農家、家族農家みたいなものを大事にしていくかというようなことを今、新たにつくる計画の中で検討しているというふうにお聞きします。 今回、こういうような背景の中で、傳刀議員から小規模農家に対する御質問をいただいたところでありますけれども、この市に取りましても、はっきり言えば非常に家族経営、小規模農家が多い。約95%という実情であります。そういうところの支援をどうやっていくかというようなことは、国の施策も含めて考えてまいりたいし、そういうことを含めて、今回の御提案を農業委員会のほうに要請してまいりたいというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 農地法の第1条の目的条項を要約すれば、農地は現在も将来も、国民にとって限られた資源であります。地域と調和に配慮しながら、農地についての権利を促進する、利用環境を調整する、利用環境を確保する、そして耕作者の地位と安定と、国内の農業生産の増大を図り、もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することが、この農地法の目的とされております。 そもそも行政のなす農業施策は、その器である農地と農業従事者の立場と意欲と、それから農産物を守るためにあります。農地法の目的・趣旨に鑑みて、農地と地域の耕作者の実情に合わせ御判断ください。ひいてはそのことが信濃大町ブランドの発展につながることと思いますので、何とぞ御賢察くださいますよう申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 空き家・空き地についてお伺いいたします。 空き家の数は平成27年度調査では425件ということでした。ことしの8月中旬までに89の自治会に調査を依頼されたうち、現在、47の自治会から320件の新しい情報が寄せられたということでした。およそ半分の自治会からの回答なので、全自治会からの回答がそろえば、増加傾向にあることが予想されます。 平成30年3月策定の大町市空家等対策計画の中の第3章2に、空き家発生の抑制として、「発生の兆候をできる限り早く察知するための体制づくりや所有者への意識啓発を目的とした情報提供等に努める」と記載されておりますが、現在、空き家となりそうな物件をどのくらい把握し、空き家の抑制として、具体的にどのようなことをされてきたのでしょうか。 次に、空き家バンクについて。 これまで登録が41件あり、成約は28件なされたということでしたが、6月時点で6件の掲載がありました。残りの7件が成約数と合いません。どのように取り扱われたのか御説明ください。 あわせて、空き家バンクへの登録申し込みがこれまでに何件あって、登録に至らないケースといったものもあると思いますが、その理由をお聞かせ願えればと思います。 それから、空き地についてですが、人口減少や相続問題など、全国的にも空き地の増加は問題となっており、大町市でも同様の問題がふえておりますが、空き地の利活用として何か支援策は講じているのでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(中牧盛登君) 答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 空き家物件の把握と発生の抑制についてのお尋ねにお答えいたします。 平成27年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行され、大町市では平成28年8月、専門家を交えた市空家等対策協議会を設置し、平成28年11月には空家等対策計画を策定いたしました。 この計画策定の前提としまして、人が居住していない空き家について、活用が可能と考えられる空き家と、近隣への悪影響が懸念される危険な空き家等を分類し、危険な空き家で法の要件に該当するものを、特定空家として対策を講ずることといたしました。 この危険空き家につきましては、市では計画に基づき、平成29年から毎年、連合自治会へ、危険迷惑空き家についての報告を依頼しており、現在まで報告のありました70件余りの全ての空き家について、現地調査及び所有者等の調査を行い、適正な管理を促すとともに、相談に応じ、必要な場合には、不動産や解体撤去等の専門事業者を紹介しております。 一方、活用が可能な空き家につきましては、市連合自治会の御協力により調査を行い、8月中旬までに、先ほど議員の御指摘にありました47の自治会から320件の空き家等の建物の情報をいただいております。 また、空き家となりそうな建物の把握と発生の抑制につきましては、それぞれが個人所有の財産であり、個々に状況が異なりますことから、行政が対応することが困難な面があり、個別に所有者等から相談がありました場合に、適切に対応しているというのが実情でございます。 しかしながら、今後なお空き家の増加が予想されますことから、自治会からの報告に加え、民生委員等からの情報もいただく中で、所有者本人や相続関係者に対し、空き家になる前から準備や対策について関係者間で御検討いただくよう要請するとともに、気軽に相談ができる体制の整備も必要と考えております。 このように複雑・困難化する近年の状況に対し、行政側の体制のあり方を含め、協議会に御参画いただいております建築士や不動産関係者、司法書士などの専門分野の委員の御意見も伺い、この趣旨に沿い、粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 総務部参事。     〔総務部参事(和田泰典君)登壇〕 ◎総務部参事(和田泰典君) 私からは、空き家バンクについてのお尋ねに順次お答えいたします。 市では、市内にある、一定の管理がされ、利用可能な空き家を有効に活用するため、所有者からの申請により、居住可能で活用可能な空き家の情報を登録していただき、移住希望者に活用いただく空き家バンク制度を設けております。 議員お尋ねの契約に至らなかった空き家の状況につきましては、これまでに空き家バンクへの登録は全体で41件あり、そのうち契約の成立は、この6月以降、2件ありました。そして、合わせて30件となっております。 また、バンク登録期間の2年を過ぎた後、再登録がなく、登録が解除になった空き家が5件あり、現時点で登録されております募集中の空き家物件は、仲介中の1件を除き、5件となっております。 次に、空き家バンクの登録件数と登録に至らなかった空き家等の理由についてお答えいたします。 市が空き家バンクを開始しました平成20年度から現在までに、空き家の活用についての相談は181件あり、そのうち空き家バンクへの登録は41件で、登録に至らなかった物件は、差し引き140件となっております。 登録に至らなかった理由につきましては、1つには、空き家バンクに申し込んだ後、不動産業者への依頼に変更された場合や、建物の老朽化により登録が不可能となったケース、さらに家財の処分や相続、権利関係の整備が済んでいないものなどの理由から、登録に至らなかったものであります。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。     〔総務部長(竹村静哉君)登壇〕 ◎総務部長(竹村静哉君) 私からは、空き地の利活用への支援策について、お尋ねにお答えします。 議員御指摘のように、相続や贈与など、利用を想定せずに保有することとなった土地が、有効に利用されず、空き地となっているケースが全国的にふえていると言われております。 空き地がもたらす影響としましては、ごみの不法投棄や害虫の発生など、周囲に悪影響を及ぼすとともに、地域のイメージや地域の活力の低下につながることなどが懸念されます。 空き地の適正な管理につきましては、その管理責任が所有者に帰属しておりますことから、行政が対応できる範囲は限られておりますが、所有者が適切に管理を行わず、周辺の生活環境等に悪影響を及ぼす場合には、これを解消するための対応が必要となることも想定されます。 現状といたしましては、空き地として管理が行き届いていない土地であっても、該当するのか、あるいはしないのかなど判断のつきにくい土地もあり、市内にどの程度の空き地が存在し、またどの程度の期間にわたり放置されていたかなどについて、把握ができていない状況にございます。 国土交通省では、空き地対策の推進に向けた先進事例構築モデル調査として、自治体を含めた各種団体等が行う地域における空き地の状況把握や、利活用を促進する先進的な取り組みについて募集し、支援を行う検討を進めておりますことから、今後、市におきましても、さまざまな情報を収集するとともに、この事業の活用策などを含めまして判断してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 再質問はありませんか。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) まず、空き家からの質問ですけれども、先ほど迷惑空き家として70件の報告を受けられているようですけれども、市で把握している、それ以外の空き家についてですけれども、ランクづけするなどして、ランクづけというところがちょっとポイントなんですけれども、利活用できそうな物件については、空き家バンクへの登録のために所有者の方に助言等はされているのでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) ただいまの空き家バンクの登録についてのお尋ねにお答えいたします。 危険空き家以外の空き家につきましては、御質問のようなランクづけをするなどの分類は行っておりませんが、個別に空き家を貸したい、売りたいが、どうしたらいいかなどの御相談をいただいた際には、建物の状態をお聞きしながら、連携する不動産業者を紹介するとともに、空き家バンク制度についても紹介を行ってきております。 また、本年度実施いたしました調査の結果をもとに、空き家の所有者に対しまして、適正な管理を促すとともに、空き家バンクの紹介も進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 今の空き家バンクについてですけれども、現在、市のホームページでは、先ほどの御答弁にもありましたけれども、売買物件が5件掲載されております。8月末時点での不動産情報サイトの話になりますけれども、A社ホームページでは売り物件が20件、賃貸1件、B社ホームページでは、売り物件が7件、賃貸が2件掲載されておりました。 物件を探すとなると、情報量の多いこれら不動産情報サイト、または直接、不動産業者の方に相談するケースが多いと考えられますが、これらサイト、または不動産会社と市の空き家バンクとの決定的な差別化は何であるのか、そもそも空き家バンクの目的は何であるのかをお伺いしたいと思います。 ○議長(中牧盛登君) 総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) ただいまの民間不動産会社と空き家バンクとの違いは何かとのお尋ねにお答えいたします。 市の空き家バンク制度は、先ほどお答えしましたとおり、所有者の申請によりまして登録を行い、居住や活用を希望する方への情報を提供するもので、市内の空き家を有効に活用する観点から、不動産会社と連携して空き家情報の発信を図るものであります。特に民間不動産情報サイトとの差別化は図っておらないということであります。そのため、空き家バンクのみに空き家情報を掲載するだけではなく、不動産会社にも仲介を依頼し、サイトに掲載された場合には、物件を紹介する窓口が一層広がるものと考えております。いずれか、または両方のサイトに情報を掲載するかは、登録いただく方に選択いただくということでありますが、その方の意向に沿いながら、できるだけ広く情報が提供できるように取り組んでまいりたいと思います。 そのように、空き家バンクの目的につきましては、空き家を有効に活用するとともに、移住・定住者に広く活用していただくということで取り組んでいるものであります。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 空き家バンクを利用したいと考えられている方は、地方公共団体が運営しているという信頼から申し込み、それから相談されている方が多いんだと思います。恐らくは不動産会社に相談はしてみたんだけれども、権利関係が複雑であるとか、取り扱い物件としては、なかなか不動産会社では難しいとか、不動産価値が低い、だから市の空き家バンクに、わらをもすがる思いで相談に来られている方も多いのではないでしょうか。 権利関係が複雑である、未相続である、または家財が整理されていないといった理由で登録に至っていないという物件も多いとは思いますが、実際に提供する側にも、いろいろな条件や問題があると思います。 一方、情報を受ける側においても、条件や希望があると思いますので、情報を提供する側が許す可能な限り、提供を受ける側に情報を開示して、進めてみてはいかがでしょうか。例えばですが、売れるかどうかわからないような段階では、費用をかけて相続手続をする気にはなれないとか、家財を整理するのに費用がかかるのに、売れなかったらどうしようといった、提供する側の不安も、提供を受ける側に開示することで、また受ける側も、その情報をよく理解した上で、手続に係る費用や取り引きの障壁を誰がどのように負担するのかといったことを、そこまでマッチングすれば、もう少し空き家バンクの利便性も上がると考えらますが、そのようなことはできないものでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) ただいまの御質問にお答えいたします。 現在、空き家バンクの情報では、相続関係等の権利関係の情報までは開示をしておりません。権利関係を整理するという部分につきまして、費用につきましては、基本的には土地・建物の所有者が負担するべきものとは考えております。しかしながら、売り手、買い手相互が協議しまして納得すれば、その協議の中で決めることも可能ではないかと考えております。 市の空き家バンクに登録する際に、そのような権利情報ですとか、家財を整理する部分のところの取り扱いについても、聞き取りを行いまして、今後は空き家のマッチングがスムーズに進むように図っていきたいと思っております。 情報開示する部分につきましては、個人情報も多々含まれますので、その部分については、慎重に取り扱っていきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 地方公共団体は、宅地建物取引業法78条において、この宅建業法が及ばないことが明記されております。つまり不動産取引が認められた団体であるということです。地方公共団体であるからこそ、地元不動産の権利と利益を守りながらも、不動産業者が取り扱いにくいような物件を拾い上げることで、どうか地方公共団体らしく公益性と利便性を持って、また豊富な情報量を持って、少しきつい言い方になるかもしれないですけれども、空き家対策としての空き家バンクというパフォーマンスを市民の手前で行うだけではなくて、市民となろう人も含めて、市民のための空き家バンクを経営していただけたらと思います。 最後ですけれども、空き地・放棄土地についての質問です。 これも耕作放棄地の話に近い話になるんですけれども、相続問題や人口減少を背景に、迷惑空き家とともに、迷惑空き地・敷地もふえております。草刈りがされず放置され、近隣へその種子が飛散する、ごみが捨てられたままとなっている。木が生い茂り、隣地や道路への日照、通行を妨げている、そのほかにもさまざまなケースが考えられますが、放置された土地所有者へのこれまでの行政指導や助言についてお伺いしたいと思います。 ○議長(中牧盛登君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) ただいまの御質問、放置された土地の所有者への指導等についてのお尋ねにお答えをいたします。 生活環境課におきましては、管理されていない土地につきまして、近隣の方から雑草の処理等についての相談が年に数件寄せられております。その際には、現場を確認した上で、土地の所有者に現状を説明し、対応をお願いしているところでございます。 なお、このようにして連絡がつき、対応を要請した所有者は、ほとんどの方が草刈りを行うなど、適切な対応をいただいておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 全国では岐阜市ほか全市町村の24%の団体が、空き地管理条例、草刈り条例を定めているようです。例えば用途地域内や通学路、住宅密集地においては、草木の高さに制限を設け、土地所有者に義務を課すといったことなど、住民の権利と安全を確保する必要があるかと思います。 大町市でも、管理水準の低下した土地に対処するためには、何らかの対処が必要と思いますが、今度どのような対応をしていく予定でしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) 空き地管理の条例化についてのお尋ねにお答えを申し上げます。 現在、空き地の草刈り等の相談は、年間数件ではございますが、中にはまれに所有者と連絡をとることができずに、指導・助言ができないことが課題となっております。これらの課題も含めまして、空き地管理条例等による先進地の事例につきまして、研究をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 空き家・空き地はあくまでも、先ほどの御答弁にもありましたとおり私有地であります。しかし、放置されて、公然に周りに迷惑な存在であれば、公害として市民は行政を頼りたくなります。しかし、活用できるものであれば、重要な資源となり得ます。繰り返しとはなりますが、地方公共団体に求められている公益性と利便性を持って取り組んでいただけたら、これらは市民に還元できる大切な資源ですので、どうか農地にしても空き家にしても空き地にしても、地方公共団体としての立場を持って対策に取り組んでいただけたらと思います。 これで私からの質問を終わります。 ○議長(中牧盛登君) 以上で傳刀健議員の質問は終了いたしました。 ここで11時05分まで休憩といたします。 △休憩 午前10時47分 △再開 午前11時05分 ○議長(中牧盛登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第12位、山本みゆき議員の質問通告は2項目です。山本みゆき議員の質問を許します。山本みゆき議員。     〔2番(山本みゆき君)登壇〕 ◆2番(山本みゆき君) 皆さん、こんにちは。政友クラブの山本みゆきでございます。 通告により、鳥獣被害についてと職員の任用について質問をいたします。 まず、1点目の鳥獣被害について。 4月に議員になって、改めて市政を考えようとしたのもつかの間、自分の生活が猿の被害によって侵されてしまいました。留守して家に帰ると、家の庭に猿が群れています。私の住む地域でも、ことしになって猿の被害が急増しています。また、猿だけでなく、ハクビシン、カラスの被害に加えて、鹿、イノシシの被害も加わりました。これまでとは違う大きな変化が起きています。 対策として、電気柵が普及していますが、効果は不十分のようです。毎日のように地域の皆さんから、「また猿にやられた」と悲痛な声を聞きます。6月からは始まったばかりの田んぼや畑への被害が発生しました。被害は家庭菜園までに及び、せっかく家族のためにつくった作物までも猿にとられてしまうのでは、苦労だけで張り合いもありません。 野菜畑に個人で簡易電気柵を設置している方もいらっしゃいますが、庭にある果樹など全ての作物を囲うことは難しいです。また、被害が発生してから市の窓口に通報しても、担当者が到着するまで時間がかかり、猿が作物を食い散らかして帰った後、現場確認することに終わってしまいます。 つきましては、大町市の鳥獣被害への取り組みの現状をお聞かせください。 ○議長(中牧盛登君) 山本みゆき議員の質問に対する答弁を求めます。 産業観光部長。     〔産業観光部長(駒澤 晃君)登壇〕 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 鳥獣被害への取り組みの現状についてのお尋ねにお答えいたします。 鳥獣による農産物等の被害への取り組みにつきましては、各地区の自治会長や農家組合長、JAや猟友会、信州大学の教授などを構成員とした大町市有害鳥獣被害防止対策協議会を設置し、さまざまな御意見を伺いながら対策を実施しているところでございます。 まず、有害鳥獣の個体数の増加対策としましては、各地区猟友会の皆様に御協力いただき、猿やイノシシ、鹿など、農作物に被害を及ぼす鳥獣の駆除や個体数調整を実施しておりますほか、特に猿への対策では、人里に近寄らせず遠ざけることにより、可能な限り生息域を山林内に限定するよう、追い払い協力員やモンキードッグ、市の職員による追い払いを実施しております。 また、ハード面での対策といたしましては、有害鳥獣が人里や農地に侵入しないよう物理的に阻止するため、国の補助金を活用した広域的な侵入防止柵を設置するほか、市の助成制度を活用して、農家の皆様により農地への侵入防止柵を設置していただく対策を実施しております。 現段階では、鳥獣被害に対する決定的に有効と言える手段は見当たらず、さまざまな手法を模索しながら、農林業被害の軽減を図るとともに、人への被害が防止できますよう、人と野生動物とのすみ分けと、鳥獣を寄せつけない集落の実現を目指して、ハード、ソフトの両面から複合的な対策を粘り強く展開しているところでございます。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 再質問はありませんか。山本みゆき議員。 ◆2番(山本みゆき君) 今お聞きしましたように、さまざまな対策を市ではとっていますが、鳥獣、殊に猿の被害は、地域、作物の種類ともに拡大しているように聞き及んでおりますが、市での被害状況についての把握はされていますでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの猿の被害状況についてのお尋ねにお答えいたします。 現段階で市周辺に生息している猿のうち、農作物に被害を与えている群れは15群、個体数約700から900頭と推定しております。 また、近年では栄養価の高い農産物を摂取することで、従前より長命・多産となり、個体数が増加傾向にあると推測しております。近年では、広域的な電気柵の設置が進められたことにより、電気柵の未設置地区等への出没が顕著となり、また今まで出没が余り確認されなかった八坂地区や美麻地区等への出没による農産物被害が増加傾向にあり、さらに民家への侵入やふん害など、生活環境への被害も報告されている状況でございます。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 山本みゆき議員。 ◆2番(山本みゆき君) 今の対策では、獣害は防ぎ切れず、農産物や家庭菜園までもが荒らされてしまうようでは、市民の生活は疲弊してしまいます。 そこで、どこかによりどころがないかと調べてみましたところ、「地域主体の獣害対策と成功事例」としまして、三重県農業研究所が論文を出していましたので、御紹介します。 伊賀市の三重県農業研究所では、6年間にわたる社会実験の結果、猿の問題はほぼ解決するに至っているそうです。中でも私が注目したいのは、被害対策はもちろんのこと、猿の被害がなくなると同時に集落づくりが進んだということです。これはどういうことなのでしょうか。 まず、獣害が発生する原因としまして、獣害が発生する場所があります。猿などのけものにとって、餌をとれる、また安全な場所、この2つの条件を満たすと獣害は発生します。獣害対策の中の被害管理として、この2つの条件を満たさないようにしなければなりません。 暮らしの中には、人が被害と思わない餌があります。例えば摘果した果樹や落下して放置された果樹、畑、庭などの収穫されない果樹、畑でも同じような収穫されない野菜、また家庭から出る生ごみなども、野外に放置されれば、けものの餌になり、思わぬ餌づけとなってしまいます。 市では、家庭菜園への電柵の補助もしておりますが、正しく囲えていなければ効果はありません。また、地域にある手入れのされていない茂みは、猿などの被害獣の隠れ場所になります。猿の追い払いをしても、茂みに逃げ込んでしまえば、正しく追い払いができずに効果は上がりません。猿ばかりでなく、イノシシのすみかになっているところもあると聞いています。 三重県農業研究所では、獣害対策の5カ条として、1、集落内の収穫残渣や不要果樹などの餌場をなくす、2、耕作放棄地ややぶなどの隠れ場所をなくす、3、囲える畑はネットや柵でできる限り囲う、4、人里は怖いと覚えさせるため、けものを見たら必ず追い払う。このことによって、集落の餌場としての価値を下げることが大切としています。また、5として、加害している個体は適切に捕獲することとしています。 常盤地区では、電気柵の効果があり、被害が減少していると聞いています。電気柵が効果的と考えられる場所には、今後も進めていただきたいと思います。 二ツ屋地区では、電気柵の計画があるにもかかわらず、荒沢堰があることと、急峻な山林が迫っていることで設置場所が調整できないため、地域住民で設置することができず困っていると聞いております。 今後、市でも現場を見に行くようですが、対策をしていただけないでしょうか、お伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの二ツ屋地区への電気柵の設置についてのお尋ねにお答えいたします。 二ツ屋地区につきましては、地元自治会の皆様と国庫補助事業の導入による広域的な電気柵の設置を検討してまいりましたが、議員御指摘のとおり、用水路や立木などにより設置場所の調整に課題が残っており、現在のところ実現には至っておりません。 二ツ屋地区に隣接しております新郷地区や中花見地区からも設置を望む声が出されており、これらの地区におきましても、用水路や立木等は共通の課題でもありますことから、今後、用水路の管理主体であります大町市土地改良区との調整を図り、現地を立ち会いし、実施することといたします。 また、立木等の課題につきましても、地元自治会の皆様を初め関係の皆様と具体的な対策を検討してまいります。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 山本みゆき議員。 ◆2番(山本みゆき君) 効果のある猿追いとして、猿が集落から出るまで集団で追い払うとよいそうです。市では、猿追い払い協力員を定めておりますが、現状の活動内容、実績についてお伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの猿の追い払い協力員の活動についてのお尋ねにお答えいたします。 猿の追い払い協力員につきましては、市内23地区におきまして、自治会からの推薦等により33人の協力員に活動いただいているところでございます。毎年4月の任命にあわせ、猿の生態等を学習していただき、効果的な追い払いのための説明会を開催しているところでございます。その折には、猿害対策アドバイザーに就任いただいております信州大学農学部の泉山教授に、専門的な見地から猿の生態や生息状況、被害防止対策について御講義をいただいております。 また、協力員の皆様には、市が猿に装着しておりますテレメトリーの受信機や、花火、エアガン等を活用いただき、猿の出没状況に応じて追い払いを実施いただいており、昨年度では延べ約700回にわたり活動していただいているところでございます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 山本みゆき議員。 ◆2番(山本みゆき君) 市では、新たに各地域に追い払いの拠点を置き、より近い場所から速やかに被害現場に到着できるようにしていただくことはできますでしょうか。お考えがありましたお聞かせください。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの各地区に追い払いの拠点を置き、速やかに現場に到着できるよう対策がとれないかとのお尋ねにお答えいたします。 現在、市農林水産課の職員により各地区を巡回し、追い払いを実施するのにあわせ、八坂地区・美麻地区におきましては、両支所の職員が、出没状況に応じて追い払いを行っております。 議員お尋ねの各地区に拠点を設けることにつきましては、配置に当たり人的な課題もありますことから、現段階で方針を決定しておりませんが、先月30日に開催した庁内の政策調整会議におきまして、市民の皆様の通報に迅速に対応するため、建設課や上下水道課、公民館等で現場に出向くことが多い課と連携して、職員が出向いた際、猿の出没が確認された場合は、直ちに追い払いを実施できるように対応することといたしております。
    ○議長(中牧盛登君) 山本みゆき議員。 ◆2番(山本みゆき君) 猿が山から里に下りてきて、農産物や果樹、家庭菜園、家屋を荒らすことに対して、今までは猿の増加や自然環境の変化など、人間の側から考えていましたが、果たしてそれは全体を見ていただろうかと思うのです。 被害が広がっている理由の一つに、猿の側から見てみれば、市民の、人間の生活に変化を感じているのではないでしょうか。若者が減って、高齢者がふえている。猿が行動する時間、昼間に人は働きに出かけて地域にいない。農業が機械化され、田んぼにも畑にも人がいない時間が多い。猿やけものの被害にばかり目が行き、私たち人間側の地域での生活力のある意味での低下は、けものたちにとっては、人間の里での影響力の減少に感じているのではないかと思うのです。 そこで、最初に申しました猿の問題の解決と、集落づくりが進んでいるという成功例についてです。獣害に強い集落・地区、成功例を出しているところは、決まって集落・地域ぐるみで追い払いを実施しているということであります。これまでは、猿の問題を行政がどうにかしてくれるものと、自発的に解決方法を考えなくなっていたのではないかと思うのです。しかし、この考え方を見直し、これから実際に地域住民で猿の追い払いをするとなれば、効果的な方法として、道具を使わなければ、とても人が猿を追い払うことはできません。また、猿の習性や正しい追い払い方を学ばなければ、かえってけがや事故などの二次的な被害にもなりかねません。 そこで、各地区での追い払い拠点の設置に加えて、被害地域での追い払い活動への講習等を市で実施していただけないでしょうか。ことし7月には、八坂中学校の生徒が総合的な学習の授業の一環で、農林水産課の指導で猿の追い払い業務を体験したそうですが、このような取り組みを、猿の被害に悩む地域の住民に向けて行っていただきたいのです。このときの生徒さんの感想では、「もっとずうずうしいと思ったけれども、すぐ逃げた。自分の地域の猿も追い払いできたら」と話していたそうです。新しい鳥獣被害への取り組みとしてお考えいただけないでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの追い払い活動の講習会の開催についてのお尋ねにお答えいたします。 猿の追い払いにつきましては、市の職員や追い払い協力員などにおいて対応しておりますが、猿は非常に学習能力が高いことから、追い払い時、直後には一定の効果はありますが、実施後に追い払い員が現場を去ると、再び出没するといった状況があり、地域ごとに住民の皆様に御協力いただくことが必要と考えております。 講習会の開催につきましては、モデル地区等を設定するなど、工夫を凝らして実施してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 山本みゆき議員。 ◆2番(山本みゆき君) 地域拠点の設置として、各拠点にエアガンの配置をされるということですが、地域での追い払い活動にもエアガンが必要となります。市民には高価なものとなりますので、市からの助成が必要と思われますが、いかがでしょうか、お伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ただいまの追い払い活動のためのエアガンの購入についてのお尋ねにお答えいたします。 地域の皆様に追い払いを御協力いただくことは必要であると考えておりますことから、追い払いに必要であるエアガンの購入費の助成につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、効果的な追い払いのための講習会などの開催を含め、複合的な対策の一つとして検討してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 山本みゆき議員。 ◆2番(山本みゆき君) 市民による追い払いで猿も人里におりてこられず、栄養価のある餌を豊富に食べられなくなれば、厳しい山の自然環境の中で自然淘汰され、適切な生息数になるのではないでしょうか。 また、市民の皆さんが大町市の支援と協力のもと、被害地域で団結して猿の追い払いをすることで被害がなくなり、地域住民のつながりは深くなり、農産物を収穫する喜びを取り戻し、地域を正しく管理し、それによって皆さんが元気を出して、よりよい大町市になることを望みます。 これをもちまして、この質問を終わります。 続きまして、次の質問に移ります。2項目め、職員の任用についてです。 大町市において、市役所の役割は大きく、そこで働く皆さんの公務が効率的かつ適正に推進されることが、市の発展には重要であります。 市では、正規職員さんのほかに臨時職員の方もたくさん働いていらっしゃいます。新たに来年4月から会計年度任用職員制度が実施されますが、この制度について、大町市では任用職員の雇用形態の見直しをどのように行うのでしょうか、お伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 答弁を求めます。 副市長。     〔副市長(吉澤義雄君)登壇〕 ◎副市長(吉澤義雄君) 会計年度任用職員制度の実施に当たり、臨時的任用職員の雇用形態をどのように見直すかとのお尋ねにお答えをいたします。 臨時的任用職員につきましては、現在、大町市臨時職員に関する規則におきまして、任用期間を6カ月以内とし、再任用は8年を超えない期間とする。また65歳を超えて再任用は行わないなどが規定されておりますが、新制度に移行することにより、任用期間は4月1日から3月31日までの1年間を超えない範囲ということとなり、さらに連続した再度の任用の上限や年齢の上限は撤廃されることとなります。 また、給付につきましては、現在支給しております金額を基本とし、その額を下回らない額を設定するよう調整しているところでございます。 特に今回の制度の大きな変更点といたしましては、期末手当を年に1.0カ月分支給することとなる点でございます。 なお、この支給月数につきましては、段階的に職員の支給月数に近づけるよう引き上げていくこととされております。 このように新たな制度に移行することにより、現在雇用しております臨時職員の皆さんの待遇改善が図られるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 再質問はありませんか。山本みゆき議員。 ◆2番(山本みゆき君) 新制度では、任用に性別、住所及び年齢による制限なし、連続した任用の年数制限なしと改善され、期末手当も年1.0月分を支給、さらには段階的に正職の支給月数に近づけていくこととするなど、これから期待されます。 しかし、臨時職員として働き、さらに市の正規職員として働きたい場合、現状では市の職員採用試験の受験資格には年齢制限があり、一般事務職では30歳、技術職では35歳となっており、年齢によって採用試験も受けられなくなっています。これは臨時職員だけにとどまらず、社会人枠やUターン・Iターンからの人材採用の門も狭くしてしまうのではないでしょうか。 意欲があり、採用試験を受ける者には、年齢制限の枠を広げて、人材不足と言われる中、優秀な人材の確保をしていただきたいと思いますが、市の考えをお聞かせください。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) 職員採用に当たり、年齢制限の枠を広げてはとのお尋ねにお答えいたします。 市職員の採用におきましては、募集する職種や採用予定数のほか、年齢や住所要件等の受験資格につきまして、これまでも必要に応じて見直しを行い、実施してきております。特に近年、応募数が比較的少ない土木技師や保育士などの職種につきましては、応募しやすい環境づくりに努めており、土木技師につきましては、平成28年度実施の採用試験から住所要件を撤廃し、年齢要件につきましても、本年度実施の採用試験から、30歳を35歳に引き上げたところであります。 また、保育士につきましても、年齢要件を平成23年度の採用試験から35歳に引き上げるとともに、昨年度の採用試験から住所要件を撤廃しております。 また、唯一残っておりました初級一般事務の住所要件につきましても、本年度の試験から撤廃したところ、昨年に比べ11人多い32人の応募がございました。 今後の年齢要件の引き上げにつきましては、こうした要件緩和の効果などを勘案し、他市の状況を参考として見きわめてまいりますとともに、社会人枠の採用等につきましても、あわせて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 山本みゆき議員。 ◆2番(山本みゆき君) 市が目指している「ひとが輝く信濃おおまち」をつくっていくには、喜びを持って働き、向上心を持って取り組むことができる環境づくりが大切であると思います。人口減少に伴う労働人口の減少、長寿命化に伴う定年の延長、年金制度の延長化なども踏まえまして、早期の対応策が必要だと思います。 これをもちまして、私の質問を終わります。 ○議長(中牧盛登君) 以上で山本みゆき議員の質問は終了いたしました。 ここで1時まで休憩といたします。 △休憩 午前11時35分 △再開 午後1時00分 ○議長(中牧盛登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第13位、大竹真千子議員の質問通告は1項目です。大竹真千子議員の質問を許します。大竹真千子議員。     〔3番(大竹真千子君)登壇〕 ◆3番(大竹真千子君) 政友クラブの大竹真千子です。 通告に従いまして、コンパクトシティに向けた取り組みについて質問をいたします。 大町市では、平成15年に大町市都市計画マスタープランを策定しています。その後、人口減少や少子高齢社会への進展、防災意識の高まり、八坂村、美麻村の編入合併など、市を取り巻く社会状況の変化への対応、平成18年に改正されたまちづくり三法など都市計画に関連する法制度、また平成19年に策定された大町市第4次総合計画との整合など、新たなまちづくりの基本的方向性を明らかにするために、平成26年に大町市都市計画マスタープランを改定しています。 その中で、まちづくりへの方向性の一つとして、コンパクトな地域づくりへの取り組みが打ち出され、平成26年時の市況として、住宅新築の半数以上が用途地域外の農振農用地指定外の地域である白地地域における立地で進んでいること、これに伴う農地の住宅地への転用のほか、工業用地への転用が進み、年平均で約5万平方メートルの農地が失われていること、用途地域内の人口密度は大幅に低下し、低密度な居住地域が市街地からその周辺地域へ広がりを見せていることなど、都市が無秩序に拡大しているスプロール化現象について、課題としてうたわれていました。 さらに、「都市の外延化は、農地の減少、さらなる低密度な人口集積、自動車利用への依存を高め、それに伴うインフラ基盤整備の維持・拡大による市の財政圧迫など、今後のまちづくりにおいて悪循環をもたらす作用があり、既存集落におけるコミュニティを大切にしつつ、まとまりを持って居住するコンパクトな地域づくりに向けた検討を進める必要がある」と、課題解決に向けた方向性についてもうたわれていました。 そしてまた、計画の目標年次を2033年とし、個別の政策内容については、2023年の10年を目標とするとありました。 そこで、以下の3点について御質問をさせていただきます。 1つ目として、大町市都市計画マスタープランを踏まえ、コンパクトな地域づくりへ向けた今までの取り組みと進捗状況についてお聞かせください。 2つ目に、大町市の行政区域面積は5万6,499ヘクタールで、県内5番目、総面積から林野面積と主要湖沼面積を引いた可住地面積から見ると1万5,365ヘクタールで、県内4番目の広さとなります。 しかし、都市計画区域については、合併した八坂・美麻地区のほか大町地区においても、鹿島川周辺の一部地域、木崎湖・青木湖間沿道では区域指定がされておらず、大町地区内においては、用途地域と風致地区による規制以外には、エリア的規制や土地利用に関する用途的規制が、近隣の安曇野市、松川村、池田町などに比べても比較的緩い状態かと思います。 市として、市内の土地利用について、このままでよいとお考えなのかお聞かせください。 3つ目として、平成29年3月に策定された大町市公共施設総合管理計画の背景として、「高度経済成長期の急激な人口増加と社会変化により整備が進められてきた公共施設は、建築から30年以上が経過し、その多くが耐用年数を超過した状況となっており、今後、大規模改修や修繕、建て替えが必要となります。一方で、高齢化に伴う社会保障費の増加、人口減少に伴う税収の減少等により、将来の財政状況はさらに厳しくなることが予測されます。今後、人口の減少に伴う財政規模の縮小等により、厳しい財政状況が続く中で必要な財源を確保していくしていくことは容易ではなく、施設を維持管理していくことは極めて困難な状況になることが予想されます」とうたわれています。 そして、この中で「平成27年3月31日の時点で大町市が保有する公共施設は312施設あり、用途別では学校施設が全体の28.2%を占め、次いで公営住宅が14.3%、スポーツ施設が8.2%を占めており、これらの施設の合計で50.7%となり、施設全体の半数以上を占めている」との記載があります。 そこで、市内に点在する公共施設について、現状と今後の見通しについてお聞かせください。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) コンパクトシティの形成に向けた現在の取り組みと進捗状況について、御質問にお答えします。 まず、市の都市計画につきましては、都市計画法に基づく都市計画区域を昭和24年に指定以来、70年が過ぎようとしております。都市計画区域面積は現在、約85平方キロメートルで、このうち市街地を中心とする838ヘクタールを用途地域とし、また自然的景観にすぐれた樹林や水辺を有する日向山や仁科三湖周辺の1,156ヘクタールを風致地区として、建築用途や高さ制限を設定し、適切な土地利用に努めております。 また、美麻・八坂地区におきましては、議員御指摘のとおり都市計画区域にしていないため、現状では法に基づく建築規制や土地利用の誘導対象区域に該当しないことになっております。 市では、都市計画法の改正に伴い、まちづくりの基本的な方針を示す都市計画マスタープランを平成15年に策定し、これに基づき、都市計画道路の整備や信濃大町駅前交通広場を初め、中心市街地周辺の町並み環境の整備などを進めてまいりました。 また、合併による市域の拡大や少子高齢化・人口減少社会の進展などの社会情勢の変化に対応するため、平成26年に都市計画マスタープランを見直し、改めて当市が目指す都市構造として、コンパクトな居住環境を目指す集約型都市構造構想として位置づけました。 この構想に基づき、信濃大町駅周辺を中心拠点とし、各地区の既存集落を生活拠点と位置づけ、これらの拠点間を幹線道路や公共交通で結ぶとともに、生活に必要な諸機能に人口誘導を図ることにより実現を目指すこととしたところでございます。 近年の具体的な取り組みとしましては、中心拠点として位置づける信濃大町駅前や、中心市街地に近接する旧東洋紡績工場跡地の用地を見直し、複合商業施設を誘導して立地を促進するとともに、同じく駅前に来春の開業を予定する大型の都市型ホテルの誘導を図ったところであります。 また、集約型都市構造に向けた中心市街地の都市利用を促進するソフト対策として、中心市街地の活性化や観光振興、空き不動産の対策に取り組む庁内の関係部局や市民活動団体とも連携して、県のまちなかリノベーション推進事業や、まちなかの緑地整備事業に着手し、中心拠点として必要な、にぎわいの創出に向けた取り組みを、継続的に実施しております。 さらには、平成27年には大町市開発指導要綱を制定し、市全域を対象として、民間事業者が行う開発等について監視するとともに、法に基づく適切な指導体制を構築したところであります。 市が目指すコンパクトシティは、都市的な土地利用の郊外への拡大を抑制すると同時に、中心市街地の活性化を図り、生活に必要な諸機能が近接する、効率的かつ持続可能な都市構造を目指すものであります。 このため、今後さらにさまざまな公共的機能や施設を担当する関係機関との協力・連携を図り、構想の実現に向けて、引き続き取り組みを強化してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 建設水道部長。     〔建設水道部長(田中一幸君)登壇〕 ◎建設水道部長(田中一幸君) 開発行為について、都市計画・土地利用の視点で現状のままでよいかとのお尋ねにお答えいたします。 先ほどの答弁でも申し上げましたが、議員御指摘のとおり、市内での開発行為に当たり、地域や土地利用としての主な規制につきましては、用途地域や風致地区に指定されたエリアに限られており、開発事業者にとりましては、比較的自由度の高い状況にあると認識しております。 平成12年の都市計画法及び建築基準法の改正以降、市では土地利用状況などを踏まえ、都市計画区域のうち用途地域の指定のない、いわゆる白地地域における建築物の容積率や建蔽率などの形態制限の見直しを図りましたほか、平成27年には市全域を対象に、大町市開発指導要綱を策定し、主に民間事業者が行う1,000平方メートルを超える開発行為を事前に把握するとともに、開発地域の住民との情報共有による監視体制を構築することにより、良好な生活環境の保全に努めてまいりました。 しかしながら、近年の社会情勢の変化に伴い、市街地を中心として遊休地や耕作放棄地が増加するとともに、一方で農振地域周辺を初め、中山間集落における土地所有権の移譲などによる開発の現状を見ますと、まちづくりにとりましても、新たな課題であると認識しております。 今後、計画的な土地利用の推進と調和のとれた開発の誘導を図るため、一層、効果的な施策のあり方について検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。     〔総務部長(竹村静哉君)登壇〕 ◎総務部長(竹村静哉君) 市内の公共施設の現状と今後の見通しについてのお尋ねにお答えいたします。 現在、市が保有する公共施設は、総棟数では861棟、延べ床面積は約23万7,000平方メートルに上ります。現状を踏まえて今後を見据えますと、施設の老朽化に伴う維持補修費や更新費用の増加、人口減少に伴う市民ニーズの変化などが大きな課題となっており、市では平成28年度に公共施設等総合管理計画を策定し、施設全体の状況を把握した上で、長期的な視点から、機能の転換や複合化等により、施設の総量を市に見合う規模に抑制することといたしました。 あわせて、今後も維持すべき施設の長寿命化を図りつつ、持続可能な施設管理と利便性の向上、財政負担の軽減や平準化を図ることが不可欠であると判断しているところでございます。 そのため、来年度中を目途に、個別施設計画を策定し、施設ごとに具体的な今後の方針を明確にしてまいります。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 再質問はありませんか。大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) まず、コンパクトシティへの取り組み状況についてですけれども、コンパクトなまちづくりの概念は、国土交通省も施策として打ち出しているかと思います。医療・福祉施設、商業施設や住居等がまとまって立地して、高齢者を初めとする住民が、公共交通によりこれらの生活利便施設等にアクセスできるなど、福祉や交通なども含めて都市全体の構造を見直し、コンパクトシティ・プラス・ネットワークの考えで進めていく立地適正化計画の策定を後押ししているかと思います。コンパクトシティに向けた政策誘導策みたいなものも必要であると考えますが、市としてはいかがでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(田中一幸君) コンパクトシティに向けた政策誘導策についてのお尋ねにお答えいたします。 議員御指摘のとおり、コンパクトシティの一般的な概念は、人口減少や高齢化に直面する中で、地域の活力を維持しながら、高密度で近接した開発形態のもと、公共交通機関で市街地と集落の生活拠点を結ぶことにより、地域のサービスや職場への移動を容易にすることと認識しております。 先ほどの御答弁でも触れておりますが、都市計画マスタープランに掲げる集約型都市構造を目指し、その中心拠点と位置づける信濃大町駅周辺において、庁内関係部局が取り組むさまざまな施策は、持続可能な都市の根幹を担う、中心市街地としてのにぎわいの創出に向けた誘導策として捉えております。中心市街地の活力につながり、新たな交流につながるネットワークが育まれつつあるものと認識しております。 これまでのまちづくりは、まず人や交通の流れをどうするかといった視点に重点が置かれておりましたが、持続可能なまちをつくり上げていくためには、さらに観光や産業、子育て、福祉などの多様な視点で捉えていく必要があるものと考えております。 今後、さらに庁内関係部局や県の関係機関などとの連携を深め、持続可能な都市としてのまちづくりに努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) 先ほどから御答弁にある内容を伺いますと、やはり中心市街地に対しての施策が多いように感じます。先ほどからちょっと出ていますが、立地適正化計画ですね、それぞれの行政区の中で、例えば今、大町市ですと美麻地区、八坂地区、大町地区、それから平地区、社地区、常盤地区と、おおむね6地区に大きく分けられると思いますが、それの中でそれぞれコンパクトにしていくという考え方の中で、立地適正化計画については、長野県内でも既に17都市が進めています。長野市・松本市・上田市・諏訪市・小諸市・駒ケ根市・茅野市・塩尻市・佐久市・千曲市・安曇野市については、もう既に計画を作成・公表、岡谷市・飯田市・伊那市・飯山市・富士見町・白馬村については、具体的な取り組みを行っているということで公表されております。 また、平成29年9月の定例議会で、太田議員より立地適正化計画の策定についての提言がありましたが、コンパクトなまちづくりを推進するために、立地適正化計画を含めて検討するという御答弁でしたが、その後の進捗についてはいかがかお伺いさせてください。 ○議長(中牧盛登君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(田中一幸君) 立地適正化計画の提言につきましてのお尋ねにお答えいたします。 まず、議員御指摘のとおり、平成29年9月の定例会の一般質問で、太田昭司議員から立地適正化計画の策定について御提言をいただきました。今後、都市の公共施設等総合管理計画に基づく施設の廃止や統合計画などを踏まえた上で、この制度の活用を視野に入れ、取り組んでいくという答弁を申し上げております。 立地適正化計画は、居住機能を中心に、医療、福祉、商業、公共交通等の生活に必要な諸機能が近接した、効率的かつ持続可能な都市構造であるコンパクトシティを目指すものでございます。そして、これまで市が構想してまいりました集約型都市構造の整備方針を具現化するための都市計画マスタープランの高度化版として位置づけられております。 この計画を進めていくためには、当市の現状や動向を踏まえ、幹線道路や公共交通、公共施設等の将来の見通しを把握・分析することが重要であると認識しております。 このため、現在、策定に取り組んでおります公共施設等総合管理計画を初め、本年度予定しております都市計画基礎調査や、現在、県が取り組む地域高規格道路松本糸魚川連絡道路の大町市街地区間におけるルート選定など、庁内関係部局や関係機関との連携を深めながら、政策を進めていく上で重要なポイントを把握・分析し、具体的な立地適正化計画の策定へ向けた取り組みを進めてまいりたいと存じております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) 先ほどの立地適正化計画について、政策誘導策という視点では有効であると考えておりますが、住宅、店舗、事務所、工場など、競合するさまざまな用途の土地の利用の仕方について、効率的な都市活動の増進、すぐれた環境の保護、特色ある町並みの形成などを図ることを目的に、秩序立てて規制する土地利用に関する条例策定や、準都市計画区域の指定についての市のお考えはいかがでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(田中一幸君) 準都市計画区域の指定など、土地利用の規制についてのお尋ねにお答えいたします。 準都市計画区域は、都市計画区域に指定した以外の地域に相当数の建物や工作物の建築、敷地の造成などが見込まれ、都市としての整備や保全に支障があると認められるエリアの土地に対し、利用規制をかけるために、都市計画法に規定された区域でございます。 この制度は、都市開発の進行とともに、飽和状態となった都市における区域の拡張を目的として設けられたものと認識しております。 現在、市内では主に美麻地区や八坂地区が都市計画区域指定の対象外とされておりますが、現在、開発指導要綱の運用上において、都市計画区域外への大きな建物の建設計画はなく、また人口減少などの社会的要因からも、現段階において市域内に準都市計画区域などを定めることは考えておりませんが、今後、地域住民の皆さんの考えや県の都市計画との整合を図りながら、引き続き検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) 私、準都市計画区域については、少し認識が間違っていたようですので、ありがとうございます。 土地の有効利用についてなんですけれども、先ほどの土地利用の計画、それから立地適正化計画についてもありましたが、今後、その土地を有効利用していくということについてですが、人口減少の問題を抱える地方という視点から考えると、土地の所有者と新たな土地利用者のマッチングがうまくいき、良好な関係で土地利用が促進されるという状況は、今後、難しくなっていくと考えます。 空き家・空き施設の増加、また空き地が増加することが今後予想されていますが、空き家・空き施設の再利用、それから土地の再利用を促進させるような施策についてのお考えはいかがでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 総務部参事。 ◎総務部参事(和田泰典君) 私からは、空き家・空き施設の利用促進についてのお尋ねにお答えいたします。 市では、信州大学及び東京大学と連携して、市内にモデル地域を設け、空き家などの活用方法について共同研究を進めております。その中で空き家や空き店舗、地域情報などを関係者が共有し、所有者の意向に沿って利用希望者とマッチングさせるための手法の確立と、地域住民が主体となった運営体制の構築を目指すこととしており、空き店舗への入居者が決まるなど、成果が徐々に見え始めております。 市といたしましては、共同研究の成果を参考に、この取り組みを市全域に広げ、運営体制の構築を進めることにより、空き家などの効果的な活用が図られますよう、引き続き共同研究に取り組んでまいりたいと思っております。 以上であります。 ○議長(中牧盛登君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(田中一幸君) 私からは、空き地などの土地利用の促進についてのお尋ねにお答えいたします。 議員御指摘のとおり、人口減少が続く中で、中心市街地を中心に空き家や空き地が増加傾向にあり、今後さらに拡大していくことが予想されます。特に市街地は、小さな敷地単位で日常的な管理が行き届かない空き家を含む低利用地や未利用地が散在しており、防災や環境面を悪化させることが課題となっております。 さらに、地域の魅力や価値の低下につながる都市のスポンジ化を加速させ、当市が目指す集約型都市構造の構築にも大きな影響が及ぶことも懸念されます。 市では、これまで中心市街地における空き家や空き不動産の実態把握と、それらを活用した定住促進に向け、平成27年度から官学連携の共同研究事業に取り組んでおります。さらに、空き家や空き不動産のリノベーションによるまちづくりに係る人材のネットワークの構築に向けた県のまちなかリノベーション推進事業や、まちづくりに取り組む市民団体と協力して、市街地の空き地を活用したまちなかの緑地整備事業に着手するなど、都市の有効利用の促進に努めております。 先ほどの御答弁でも申し上げましたが、今後も空き地・空き不動産の対策に取り組む庁内の関係部局や連携し、引き続き対策を講じてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) 続きまして、ちょっと視点が変わりますが、少子高齢化の進展、高度情報化時代の到来など、社会経済情勢が急速に変化していく中で、高度化・多様化する住民ニーズに対応し、住民に満足していただける行政サービスを提供していくことが求められる中で、行政サービスの広がりを抑えるということも検討していかなければならないかと思いますが、その視点で取り組んでいる施策について、どのように取り組んでいるのかお聞かせください。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) 行政サービスの広がりを抑える視点からの施策についてのお尋ねにお答えいたします。 行政サービスの際限のない拡大を抑える取り組みとしましては、全庁一斉に取り組んでおります事務事業評価というものが該当するものと考えております。 人口減少に伴う税収や地方交付税の減少等により、将来的に財政規模の縮小が懸念される一方で、高齢社会に対応する社会保障費の増加や、老朽化する公共インフラの維持など、財政需要の増加が見込まれる中、常に事務事業を評価・検証して見直しを進め、適正な行政サービスを維持しながら、経費の縮減に努めておるところでございます。 事務事業の評価に当たりましては、御質問にもありますように、行政サービスが不必要に拡散していないかについても評価の要素になっており、また評価予想の中には、行政サービスを提供するにふさわしい施設規模や運営内容であるかも含まれ、総合的に評価しているところでございます。適正な行政サービスの提供と適正な公共施設規模につきましては、表裏一体の側面もありますことから、公共施設等総合管理計画個別施設計画の策定に当たりましては、それぞれの施設の役割や実施しております行政サービス、さらには今後のあり方を総合的に勘案して、施設の統合や縮小、廃止などの効率化を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) 事務事業評価については、縮小も考慮されているということでございますので、私、まだ新人議員でございますので、そういうもくろみも含めて行われているということを、今後も見させていただければと思います。 今、少しお話も出ましたけれども、再度お伺いしたいんですけれども、公共施設ですね、現状、今、把握いただいているかと思うんですけれども、公共施設の現状と今後の見通しについて御質問させていただいていますけれども、統廃合についてのお考えがあればお伺いしたいと思いますが、計画などあれば教えてください。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) ただいまの公共施設統廃合の計画についてのお尋ねでございます。 施設の統廃合や再配置、長寿命化などにより、市に見合った規模の施設総量を目指すことは、行財政運営上、不可欠と考えており、先ほどの答弁でも触れましたように、来年度中に個別施設計画の策定を予定しており、この計画の中で、個々の施設の統廃合も視野に入れた、今後の施設のあり方を位置づけてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) ありがとうございます。 そうすると、若干、御答弁が重複するかもしれないんですけれども、今、これもちょっと、市民の皆さんの中にはいろいろなお話もあるんですけれども、今、大まかには大町地区、平地区、常盤地区、社地区、美麻地区、八坂地区、それぞれ6地区、地区として分類されることがありますけれども、それぞれに今、集会所、スポーツ施設、公民館などがあるような状況ですけれども、その辺の統廃合についてのお考えはいかがでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) ただいまの6地区に点在している公共施設についてのお尋ねでございます。 御存じのように、当市は昭和29年に1町3村、平成18年には1市2村の合併を経て現在に至っておりますことから、市内の公共施設には、機能がほぼ同様の施設が、従前の行政区域ごとに設置されているものもあり、議員御指摘のとおり、将来的な施設のあり方を検討する上での課題の一つとして認識しておるところでございます。 一方で、それぞれの地区におきましては、地勢や人口形態、各施設の果たしてきた役割や抱えている課題などには差異がございますことから、施設の今後のあり方を検討するに当たりましては、それぞれの地区の置かれた現状、また将来の状況を注意深く勘案した上で、総合的に判断してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) ありがとうございます。 続きまして、ちょっとこれもまた視点が少し変わりますが、橋梁、道路、ライフラインに関する公共施設のほうへまいりたいと思いますが、こちらの施設の維持管理・修繕に関する計画についてですね。 大町市は、やはり面積が広いこともありますし、それぞれの施設が古くからあるところもあるかと思います。そういった面で、今後の修繕・維持管理計画に関して整備をされているのか、そのあたりをお聞かせください。 ○議長(中牧盛登君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(田中一幸君) 橋梁や道路などの維持管理についてのお尋ねにお答えいたします。 まず、橋梁につきましては、市内全ての橋梁を対象に実施した点検結果に基づき、平成24年に大町市橋梁長寿命化修繕計画を策定し、順次、必要な対策工事を進めてまいりました。平成26年の道路法改正に伴い、5年に1回の定期点検が義務づけられたことを受け、平成29年までに全ての橋梁について再点検を行い、昨年、第2期計画として見直し、現在、この計画に基づき、国の交付金等の活用を図りながら、計画的に修繕や補強工事を進めております。 道路につきましては、主要市道路線の路面調査や点検結果に基づき、昨年、大町市道路長寿命化修繕計画を策定し、計画的に補習工事を行っております。 また、主要路線以外の市道につきましても、道路パトロールによる日常点検や、自治会からの要望等を踏まえ、必要な対策を講じているところでございます。 また、市民生活に欠かすことのできないライフラインである水道施設につきましては、職員による日常点検のほか、電気、計装、機械等に関しましては専門業者へ委託し、適切な維持管理に努めておりますほか、事業認可に盛り込まれた計画に基づき、重要かつ優先度の高い施設から順次更新に取り組み、ライフサイクルコストの平準化に努めております。 下水道施設につきましては、長寿命化計画に基づく予防保全的な維持管理に加え、計画的な改築工事を順次実施しており、本年度には終末処理場の長寿命化対策工事が完了いたしましたほか、来年度より管渠を含めた新たなストックマネジメント計画の策定に着手し、ライフサイクルコストの最小化を目指しております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) 続きまして、公共施設の約29%を占める学校施設なんですが、1学年1クラスという学校・学年が出てきていると伺っています。教育機関、文科省のうたう適正な人数配置についての指針というのは、どのようになっているのでしょうか。 また、現在の各学校の状況、5年後の予測状況について教えてください。 ○議長(中牧盛登君) 教育長。 ◎教育長(荒井今朝一君) 小・中学校の児童・生徒数の不足と適正規模についてのお尋ねにお答えをいたします。 急激な少子化の進行によりまして、当市の小・中学校は毎年90人ほどの児童・生徒の減少が続いておりまして、本年4月現在、1,743人の在籍ということになっております。これは令和5年には1,635人程度になるものと推定をされておりまして、数年後には全学年で150人程度となるということが予想されます。 県の学級編制基準は、1クラス35人となっておりまして、若干の余裕を見ても、1学年6クラスほどとなり、現在の学校規模からしますと、市内では小学校2校と中学校1校で足りるという計算になってまいります。 強制力を伴うものではありませんが、文部科学省でも、こうした急激な少子化を踏まえまして、スクールバスの利用を含めて、通学時間をおおむね1時間以内とし、学級数については、12学級以上18学級以下を基準とするとともに、6学級未満となる場合には、速やかに学校の統廃合等について検討するように指導をしております。これは強制を伴うものではありません。 こうした背景のもとで、教育委員会では昨年度から義務教育のあり方検討委員会を設けまして、統廃合を含めた今後のあり方全般について、さまざまな面から検討していることは御案内のとおりでございます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) 小・中学校に関しては、教育のあり方、また地域コミュニティの核となる施設であるという考え方もあり、一長一短ではかれないところかと思います。 しかし、今後の公共施設の維持管理を考えるに当たり、子ども1人当たりにかかる施設経費という点から考えると、やはり少し課題があると考えます。 今後の人口減少、税収減を見越した5年後、10年後の大町市を考えたときに、小・中学校の統廃合については、やはり先を見据えた計画で進めていくべきだと私は考えます。 コミュニティの核となる施設であるからこそ、そこが空き施設となる、そして数年も再利用のめどが立たないようなことになると、その地域の衰退を助長しかねないと考えます。 そこで、小・中学校の統廃合について、お考えがあるのかお聞かせください。 ○議長(中牧盛登君) 教育長。 ◎教育長(荒井今朝一君) 統廃合に伴う課題と今後の見通しについてのお尋ねでございますが、小・中学校は、児童・生徒一人一人が集団の中で社会性を身につけ、資質や能力を伸ばすとともに、文化やスポーツの振興や防災や健康づくりなど、さまざまな面からは地域社会の中核的な役割も担っているわけでございます。特に過疎地域などでは、地域から小・中学校がなくなるということは、通学手段の変更などに大きな負担を伴うだけでなく、地域の活力や精神的なよりどころを失うことにもつながり、さらに人口減少を加速させる要因にもなりかねないという危惧もございます。 このため、少子化社会における義務教育のあり方検討委員会では、市民や保護者の皆様を対象にしたアンケート調査等を実施し、これまでに講じてまいりました少子化対策に関する諸施策について検証しつつ、今後の義務教育のあり方全般について慎重に検討を進めており、本年度末には、委員会のほうから答申をいただくことになっております。 今後の具体的な計画につきましては、この答申を踏まえまして、広く市民の皆様の御意見をお聞きして、まとめてまいる方針でおります。いましばらく御猶予をいただきたいと、そのように存じます。 以上です。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) わかりました。 最後になりますけれども、コンパクトシティを目指していくという方針は、平成26年の時点で既にうたわれていたということでございます。しかし、現在までのそのプランに向けた事業が実現され、目に見えて成果が出ているというのは、若干、市内の市街地とかの部分なのかなと思うところがございます。 各不動産については、個々の財産ということもあり、誘導策についても、市民の皆様との合意形成という点でも、多く課題があることもわかります。 しかし、都市計画については、きょう、あすで実現できる計画ではありません。長期的視点で考えていくべき施策であるとともに、取り組むにも大きな覚悟が要る施策であると考えます。 ですが、まちづくりという点で見たときに、明らかにもうこの10年でも建築状況や土地利用の状況が変わってきています。そして、今後の10年でも人口減少や、現在の空き家・空き施設・空き地利用の問題は、さらに根深い課題となっていることが予想されます。 コンパクトシティに向けた取り組みというのは、今回質問させていただいた点のほかにも、主要なエリアにも生活利便施設を集約していくこと、公共交通網のネットワークをどのようにつなぐか、防災対策、それから松本糸魚川連絡道路など、多面的に進めていく必要があるかと思いますが、そういう点では建設課一課の事業というよりは、全庁挙げて取り組むべき施策であると考えていますが、市長のお考えはいかがでしょうか。 ○議長(中牧盛登君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 都市計画マスタープランに掲げるコンパクトなまち、コンパクトシティを進めていくには、やはりまちづくりの観点から、多面的に取り組む必要があるのではないかという御指摘でございます。 都市計画、これは都市の将来のあるべき姿を想定し、必要な規制、あるいは適切な誘導、これは議員の御質問にもありましたように合意形成が前提となりますが、そして計画的に整備を進めることによって、都市を適正に発展させるということを目指すもので、先ほども申し上げましたように、大町市では既に70年を超える息の長い取り組みを進めてきております。 また、その後、平成15年に、これに基づくマスタープランを策定し、基本的な考え方を明示するとともに、平成26年には、近年の人口減少、少子高齢化というような社会構造の激変に加え、広域的な交通網、松本糸魚川連絡道路の整備などのほか、大規模災害の頻発に伴い、これを背景として、防災への対応も非常に重要な地域課題となっております。そうした中で、マスタープランを改定し、御案内のようなコンパクトシティの考え方を盛り込み、具体的な取り組みをこれまで進めてまいりました。 この考え方に沿った近年の取り組みの内容で見ますと、これもちょっと御答弁で触れましたが、中心市街地周辺での大規模商業施設フレスポ大町の立地や、ビジネスホテルルートインの誘致のほか、中心市街地活性化条例などの取り組みも進めてきているところでございます。 これらの動きというのは、点から面に広がりが出てきておりますし、また今後、こうした広がりの動きを一層促進するためには、議員御提言のとおり、市を挙げた全庁的な取り組みが不可欠と考えております。具体的には、広域的な交通網や市民の生活道路の整備を初め、商業活動の拠点であります市街地と集落が点在します郊外を結ぶ、市民の足を守る市民バスやスクールバスなどの交通対策、また周遊バスを含む観光行政、観光振興や産業振興なども大切な視点であります。 また、高齢者の優しいまちづくりということから言えば、医療や介護、福祉といった市民の安心・安全を守る拠点機能の整備に加えまして、あとは御質問にありました空き家とか空き地対策、あるいは老朽化し、利活用に偏在が見られる公共施設、これは学校施設も含まれますが、こうしたあり方などを総合的に、これは各部局が協調し、そして共通の都市計画の理念のもとで進めていくことが重要であります。 そうしたことから、これ先ほど関係機関や団体との連携、あるいは協力というふうに申し上げましたが、そうした取り組みに加え、庁内におきましても連携体制の一層の強化を図ることにより、市を挙げて全庁的に取り組む体制をしっかり整えてまいりたい、このように考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 大竹真千子議員。 ◆3番(大竹真千子君) 市長のほうから御答弁いただきましたけれども、先般、8月15日に今年度の成人式がとり行われたわけですけれども、新成人389名、おいでになりました。この中で大町市にお住みになって、今後、大町市を一緒に担ってくれる方はどのくらいいるのかな、そんなことを考えながら、その成人式、参加させていただきました。 今後、この大町市を若い世代に引き継いでいくに当たり、空き家や公共施設が廃墟として残ってしまう、また集落エリアに空き地が点在して、空洞化されたようなまちとなって引き渡していくというのは、やはり私も問題だと思っております。少しでもよりよい用途で利用されるまちづくりを進めていくためにも、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(中牧盛登君) 以上で大竹真千子議員の質問は終了いたしました。 ここで2時5分まで休憩といたします。 △休憩 午後1時49分 △再開 午後2時05分 ○議長(中牧盛登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第14位、宮田一男議員の質問通告は3項目です。宮田一男議員の質問を許します。宮田一男議員。     〔11番(宮田一男君)登壇〕 ◆11番(宮田一男君) 日本共産党の宮田一男です。 質問通告に基づき、防災対策について、消防団について、太陽光発電についての3点について、順次お伺いいたします。 1項目めの防災対策についてお伺いいたします。 私は、2011年3月11日に起きた東日本大震災の被災地支援活動に参加しました。その3月末には、日本共産党長野県委員会が行った被災地に直接支援物資を届ける活動に参加し、5月からは、被災地支援ボランティアに数回参加しました。最初は側溝の泥上げや草刈り、仮設住宅への入居が始まると、被災者へ支援物資を届ける活動を行いました。10月からは、各地からのボランティアを受け入れる震災オルグとして岩手県釜石市に2週間滞在し、全国から集まる支援物資の配布手配や支援ボランティアの活動支援を行いました。翌年には、大町市の皆さんにも被災地の現状を知っていただきたい、被災地の支援をしたいとの思いから、被災地支援ツアーを企画し、大型バスで30人を超える皆さんに参加いただき、岩手県大槌町の教育委員会に米400キロを届けました。 支援に入ったのは、岩手県の大槌町と釜石市です。それぞれ大きな被害を受けました。大槌町役場は海岸から直線距離で400メートルのところにありましたが、激しい地震の揺れの後に高さ10メートルの大津波が役場庁舎を直撃しました。この震災で役場職員は3割近い39人の方が亡くなりましたが、そのうち町長さん初め28人は、庁舎前に設営の災害対策本部で対応に当たっているさなかに、津波にのみ込まれました。職員たちは、なぜ過去の津波の浸水域、しかも戸外に災害対策本部を置こうとし、そこで何があったのか、津波に追われながら庁舎の屋上に駆け上がるなどして助かった職員の証言が、ことし4月に大震災の記録誌として発行されました。一部を紹介します。 津波が押し寄せる寸前まで災害対策本部付近にとどまった職員の方です。「我々はなぜそこにいたのかと問われれば、それは職務命令だから。決まりでは役場に来いです。あくまでも地域防災計画というマニュアルに従った行動だった。職員はぼうっとしていたとか、危機感がなかったということではなくて、身の危険を感じながらも、何とかしなくてはという思いで庁舎前にいた」とのことです。 また、役場庁舎から東に400メートル離れた高台にある中央公民館から歩いて役場までおりてきた伊藤教育長さんは、「津波のおそれよりも、何かあれば役場に集まるという判断が優先した」と語っています。 伊藤教育長さんは、被災地支援ツアーで米を400キロ届けたときに、対応していただいた方です。伊藤さんも庁舎内で津波に襲われましたが、津波で2階の天井裏へ押し上げられ、屋上に逃げて助かったそうです。屋上で目にしたのは、水の中に沈んでいく職員の前川さんの姿でした。伊藤さんは「前川さんの無念そうな最後の顔が目に浮かぶ。彼は助けてくれの一言も発することなく、その姿を消してしまった」と語りました。 また、中央庁舎の屋上に避難した職員は、「木造2階建ての裏庁舎が津波の勢いで浮き上がり津波に戻されて、自分のいる西側を通り過ぎ、堤防が破壊された部分から沖のほうに吸い込まれ、誰かわからないが、庁舎の中で職員が動いているのが見えた。堤防が壊れたあたりが渦巻状になっていて、建物がそこにすっと入っていって潰れた。私は声も出せず、祈るしかなかった」と語っています。 大震災の記録誌は最後に、「東日本大震災では、災害対策本部が設置される町役場への参集を定めた当時の地域防災計画に従ったがために、多くの職員が殉職したと言っても過言ではない。町がつくる災害対応の仕組みに対して、今後も検証をもとにした不断の見直しを求める」と結んでいます。 一方、釜石市では、3,000人近い小・中学生のほぼ全員が避難し、奇跡的に無事でした。その最たる例が、市内で最も大きな打撃を受けた鵜住居地区の子どもたちです。海岸線から約800メートル、海抜約3メートルの川沿いの低地に立っていた釜石東中学校の生徒たちは、地震発生直後、直ちに学校を飛び出し、高台を目がけて走り、彼を見て、近くの鵜住居小学校の児童や先生たちも後に続き、さらに多くの住民もそれに続きました。中学生たちは年下の児童たちを助けながら走り続け、安全な場所に一緒にたどり着いた。そのとき、彼らの背後では巨大な津波が学校をのみ込んだとのことです。 釜石市では1,000人を超える方が亡くなりましたが、子どもたちの犠牲は、たまたま津波が襲ったときに学校にいなかった5人のみでした。子どもたちが無事に避難し、命を救えた話は、「釜石の奇跡」として知られるようになりました。釜石市と大槌町は隣の自治体ですが、大きな違いが生まれました。 自然災害は避けることができないと思いますが、起きたときにどう行動するかが生死を分ける境目であり、自治体としてどう対応するか問われていると思います。 災害時の対応は、マニュアルどおりにはいきません。釜石市では「津波てんでんこ」ということを聞きます。「てんでんこ」とは、避難する際は、各自がてんでんばらばらに逃げろという意味だそうです。三陸町では、代々親から子へと伝承されたそうですが、家族が心配になり、家に帰って亡くなられた話も聞きました。 大町市でも、さまざまな自然災害が予想されますが、特に近年の豪雨による災害が心配されます。高瀬川を見ますと、河川内に樹木が繁茂し、土砂の堆積を助長し、川底の上昇を招き、流れが阻害され、河原が固定化し、中小規模の洪水でも、堤防を急激に削ることが起こるのではないかと思われます。昨年の池田町中之郷の護岸欠損のような事態が起こり得ると思います。 このような事態を未然に防止するには、河川内に繁茂している樹木の除去と固定化している河床を下げて、河川の容量をふやすことだと考えます。 また、河川内にある松が松枯れを起こしており、対策が必要と考えますが、あわせて見解をお伺いします。 以上で第1回目の質問を終わります。 ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員の質問に対する答弁を求めます。建設水道部長。     〔建設水道部長(田中一幸君)登壇〕 ◎建設水道部長(田中一幸君) 高瀬川の防災対策についての御質問にお答えいたします。 高瀬川は、当市を初め池田町や松川村を流域として、安曇野市明科まで南下し、犀川に合流する一級河川で、管理は長野県が管轄しております。 近年、自然災害が頻発、激甚化が顕著となる中、昨年7月に発生した豪雨災害では、西日本を中心に、広域かつ同時多発的に河川の氾濫と土石流が発生し、200人を超える大きな人的被害が発生し、住家の倒壊や浸水などを含め、極めて甚大な災害となりました。 国では、この状況を踏まえ、河川内の樹木繁茂や土砂の堆積、橋梁等による洪水氾濫の危険箇所の緊急点検を全国一斉に実施するとともに、国民生活を支える重要インフラ等の防災対策や機能の維持向上に向け、2018年度から20年度の3年間にかけて、国土強靭化のための3カ年緊急対策事業を実施することとし、総額7兆円規模の計画を策定しました。この計画に、危険性の高い河川における災害の発生を事前に抑止するため緊急的に実施するハード対策を盛り込み、大北管内では、高瀬川・鹿島川・姫川の延長26キロメートルの区域に対し、総事業費約12億円が投入されることとなりました。現在、県大町建設事務所が主体となって取り組んでおり、盆明けから高瀬川、高瀬上橋の上下流、2工区の工事に着手しておりますほか、蓮華大橋、宮本橋の下流及び鹿島川の野口橋上流の3工区につきましても、既に発注を終え、工事準備を進めております。 工事内容は、河川内に繁茂している樹木・樹林について、樹木が再び繁茂しないよう伐採し、伐根を行うとともに、堆積して河道を狭めている土砂を除去し、河川内の状況を確認して、浸食が進んでいる箇所への埋土材として利用し、安定した河道の整備を図ることとしております。 さらに、河川内における松枯れ対策につきましては、今回の事業区域を中心に、治水・河川管理上必要な箇所において伐採処理を実施すると聞いております。 なお、河川内には松の枯損木が多数確認されておりますものの、県の今回の事業は、松枯れ対策が主目的ではないため、河川管理上支障となる松枯れの拡大を防止するために必要な対策について、改めて県に対し、強く要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 大雨が降りますと、繁茂している樹木が流されて橋脚にとどまっている様子を見ます。豪雨によって樹木が橋脚にとどまり、流れをせきとめ、ダムとなって堤防へ越水し、住宅地に浸水被害を起こすことがないか心配です。豪雨災害に遭っている各地の様子を見ますと、今まで予想し得なかったようなことが起こっています。 そこで、高瀬川の堤防が越水したときの浸水マップの作成はされているかお伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) 浸水マップの作成についての御質問にお答えいたします。 河川管理者であります県は、平成18年に水防法の規定に基づき、高瀬川、鹿島川、農具川及び犀川流域で、総雨量が2日間で246ミリという、100年に一度の規模の豪雨による被害を想定した浸水想定区域図を作成し、公表しております。 市ではこれを受け、この浸水想定区域と土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域及び避難施設等を掲載したハザードマップを作成し、平成22年に市内全世帯に配布をし、周知をしており、あわせまして市のホームページに、毎年これを更新した最新のハザードマップを掲載し、情報の提供に努めておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 市内が浸水したときの対応は、河川管理者はとりません。市民の生命・財産を守る責任は市にあると思います。 そこでお伺いします。現在指定されている避難場所で浸水時の対応が可能かどうかお聞かせください。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) ただいまの避難場所の浸水時の対応について、御質問にお答えいたします。 国では、平成26年8月の広島土砂災害において、土砂災害時の対応に適さない避難所が被災し、死傷者が出たことを受け、発生が想定される災害の事案ごとに緊急避難場所を指定するよう指導しております。 市では、平成26年から自治会と自主防災会に対して説明会を開催し、要望を伺いながら、候補地の調査を行い、洪水、土砂災害及び地震の3区分ごとの指定緊急避難場所を指定しております。また、平成28年にはその一覧表を全戸へ配布し、市ホームページでも公表いたしております。 なお、各自治会や自主防災会での防災訓練等の機会を通じて、災害の種類ごとに指定緊急避難場所が異なることを周知し、住民の皆さんに地区ごとに有効な避難場所を確認していただいております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 避難場所について、平成30年9月議会で、民間企業の協力を得るように研究したいとの答弁がされておりますけれども、進捗状況についてお伺いいたします。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) 民間企業の協力についての御質問にお答えいたします。 洪水時において、指定された安全な避難所への移動が困難な場合には、緊急の避難方法として、浸水する深さより高い階層へ垂直避難することが効果的であり、研究したいと答弁申し上げました。その後、民間企業の所有を含め、高層建築物への垂直避難について検討いたしましたところ、市内で最大の浸水深さは5メートルとなっており、該当する区域内には2階建てまでの住宅はありましたものの、3階以上の高層階建築物は存在いたしませんでした。このため、当該区域内の住民の方は、市や関係機関からの情報を得る中で、垂直避難によらず、高台など安全な避難場所へ迅速に移動することが必要であるとの結論に至りました。 今後、想定雨量の見直しや住環境の変化等にあわせ、定期的に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 避難時に、高齢者や障害者などをどのように避難させるかが大きな課題だと思います。どのような対策をとっているかお伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) 高齢者や障害者などの避難対策についての御質問でございます。 市では、本年5月の防災会議におきまして、要配慮者利用施設を含め、記載した計画を変更するとともに、避難確保計画のマニュアルをお示しいたしました。 また、県におきましては、該当する施設の管理者に対しまして説明会を開催し、計画内容の周知を図っております。 今後、該当する施設におきましては、それぞれの避難確保計画を作成していただくこととなっており、既に幾つかの施設からは、計画を提出いただいております。 また、気象庁は、本年6月から発表する気象情報にあわせ、5段階の避難警戒レベルの情報を提供することとなりました。これによりますと、大雨警報や洪水警報等の発令は警戒レベル3となり、市ではこれを避難準備、高齢者避難開始を発令する基準とすることといたしました。これらの警報が発令された場合には、避難に時間のかかる高齢者等の皆さんは、家族や近隣住民の皆さんの支援を得ながら、早目の避難に心がけていただきたいと考えております。 以上でございます。
    ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) ひとり暮らしの老人世帯がふえる傾向にあります。きめ細かな対応が必要だと思います。 次に、災害情報の伝達手段についてお伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) ひとり暮らしの老人世帯への災害情報の伝達についての御質問でございます。 市では、市民の皆様へさまざまな情報伝達手段を利用して災害情報を提供しております。防災行政無線の屋外拡声器と戸別受信機のほか、パソコンや携帯電話へのメール配信、ケーブルテレビのテロップや有線放送及び音声告知放送等、あらゆる手段を用いて情報提供に努めております。 また、災害発生時等の緊急の状況下では、市や消防団の広報車による情報伝達も実施することとしております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 先ほどの釜石市の中学校では、地震の揺れでスピーカーが壊れてしまい、校内放送が流れませんでした。防災無線がダウンした場合も想定して、対応を考えることは必要だと思います。 次に、2項目めの消防団についてお伺いします。 災害対応には、自助・共助・公助という概念がありますが、東日本大震災は公助だけで巨大災害に対応することは困難であることを明らかにしたと思います。 公助で対応できない部分は、共助で補完しなければなりませんが、地域防災において、そのかなめになるのは、消防団であると思います。 先ごろ私は、市のラッパ吹奏・ポンプ操法大会に参加しました。現役の皆さんが一生懸命取り組んでいる姿に感銘を受けました。また、成人式に消防団員が来て、団員募集をしなければならないぐらいになっているのかと驚きました。 そこでお伺いします。大町市の消防団員定数、現在の団員数と充足率は何%かお答えください。 ○議長(中牧盛登君) 答弁を求めます。総務部長。     〔総務部長(竹村静哉君)登壇〕 ◎総務部長(竹村静哉君) 消防団員定数と現在の団員数についての御質問にお答えいたします。 現在、市消防団条例第2条において、団員の定数は769人と定められております。本年8月1日現在の実団員数は662人、うち女性団員は31人で、充足率は86%となっております。 団員数の推移につきましては、市村合併直後の平成18年4月には835人でしたが、10年後の平成28年には694人と700人台を割り込み、現在の662人は合併時の約8割にとどまっております。 平成25年の消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律により、公務員が積極的に消防団員と兼職できるようになり、また昨年6月議会における50歳定年制撤廃の市消防団の条例改正や機能別団員制度の創設等を受け、積極的に団員の確保に努めております。 平成23年から毎年開催しております消防フェスタを初め、新規就職者激励会や成人式等におきましても、消防団の必要性や消防団がやりがいのある活動であることを啓発しながら加入促進活動を進めており、その成果も徐々にあらわれ、本年度は13人の退団者に対し、機能別団員7人を含む26人の入団者を確保することができました。 今後も人口減少や市外への通勤者が増加するなど、団員確保の厳しい状況は続くと思われますが、企業の経営者、各種団体や市民の皆様の御理解と御支援をいただき、さまざまな機会を通じて団員確保の周知広報を図り、安定的な消防団活動の推進に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 団員の確保について、市内の企業や団体に対してどのような働きかけをしているのか、また企業や団体の従業員が業務中に出動することについて、協力が得られるような対策がとられているか、また消防団員を送り出す企業・団体に対して優遇措置を講ずるべきだと思いますが、お伺いいたします。 ○議長(中牧盛登君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(竹村静哉君) 企業・団体への働きかけと優遇措置についての御質問にお答えいたします。 近年の消防団員の減少の背景には、全消防団員の約7割が会社員などの被雇用者であるという状況がありますことから、被雇用者が入団しやすく、かつ消防団員として活躍しやすい環境の整備が求められております。中でも消防団活動に対する企業側の理解と協力が、ますます重要となっておりますことから、平成18年に総務省消防庁は、勤務時間中の消防団活動への便宜や従業員の入団促進など、企業としての消防団への協力を、企業の社会貢献として広く認知する消防団協力事業所表示制度を創設いたしました。 当市におきましても、平成19年に市消防団協力事業所表示制度実施要項を策定し、団員の雇用数や災害時での協力内容等の基準により認定しており、これによりまして、公共工事入札参加資格登録の格付に加点をする優遇措置を設けております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 私も50歳まで消防団員として30年間務めました。企業・団体が消防団員を積極的に送り出せるような仕組み、これをつくることが必要だと思います。 そして、市役所も、地域防災のかなめである消防団活動に協力する団体の一つであります。市役所職員としての業務をこなしながら、半ばボランティアとしての消防団の団員として協力されている職員に対する評価と処遇改善を行って、市内の企業・団体の皆さんが自社の従業員を積極的に消防団に参加させる方向に、市役所みずからが範を示すべきだと考えますが、牛越市長の見解をお伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 市職員の消防団への参加についての御質問でございます。 本年4月1日現在で、病院を除く市の正職員、335人おりますが、このうち84人が消防団に加入しております。このうち消防団員として一般的な年齢層44歳までの加入者は57人おります。この年齢層の男性職員98人に対する比率といいますと58.2%、約6割の職員が現に消防団員としての活動に参加していることになります。これに加えまして、消防団に加入していない職員を含め、平日の昼間に発生する火災等の初期段階での消火活動に当たるため編成しております市役所消防応援隊がございますが、これには2班50人が隊員として参加しております。現に出動している消防応援隊でございます。 平成25年の消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律の施行により、公務員と特別職であります消防団員との兼職が認められ、職務専念義務を免除するなど、職員の消防団加入の環境づくりを一層積極的に進めているところでございます。 なお、先ほども答弁で申し上げました消防団員の定年制が撤廃され、訓練、礼式を免除する機能別団員制度も昨年度から実施しており、退団者であります熟年層の市の職員の消防団への再入団につきましても、推奨を進めてまいります。 さらに、当市では、団員確保のための活動として、消防フェスタの開催や団員の互助会活動に対して助成を行うほか、さらに消防車両やホースなど団の活動資材の整備を含め、地域防災の中核となります消防団の充実強化に向けて、今後も継続的に支援に努めてまいります。 市内企業や団体におかれましても、市の職員の消防団活動への積極的な参加を参考にしていただき、消防団に一人でも多くの団員が加入されますよう、御理解と御協力をお願い申し上げるところでございます。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 共助の柱であります消防団の強化が、災害時の力になることを申し上げて、次の質問に移ります。 3項目めの太陽光発電についてお伺いします。 大町市では、市内各地にソーラーパネルが設置され、景観を損なう事態が発生しています。 先ごろ関西から移住された方のお話をお聞きしました。北アルプスの景観が好きで、山のよく見える場所を購入し、家を建てられたとのことです。家のすぐ前は水田で、家から見える稲穂と北アルプスの姿に毎日感動していたとのことですが、耕作者が高齢になられたために耕作をされなくなり、遊休農地化し、やがてソーラーパネルが設置され、大好きな景観が一変してしまったと残念がっておりました。 牛越市長は、9月定例会挨拶で「移住・定住の促進について、住みたくなる、住み続けたくなる、住んでよかったと思えるまちを目指して、移住・定住の促進に力を尽くす」と発言されました。豊かな自然に魅せられて移住された方が落胆されるようなことでは、移住・定住の促進は進まないと思います。 私の住む八坂地区では、地元住民の反対で進んでいなかった計画が、面積要件の縮小と、業者と八坂地域づくり協議会、北アルプス地域振興局、大町市の4者による協定が締結され、事業が実施されることとなりました。協定書は、事業者の責務について細かく規定した内容となっておりますが、これを完全に履行させることが求められています。 その前に、大町市には太陽光発電を規制する条例がありません。2年前の平成29年9月議会の答弁で、条例の制定については、他の自治体等の状況や社会情勢を注視したいと答弁されています。県下自治体の条例制定状況について、最初にお伺いします。 ○議長(中牧盛登君) 答弁を求めます。民生部長。     〔民生部長(塚田 茂君)登壇〕 ◎民生部長(塚田茂君) 太陽光発電にかかわる県下自治体の条例制定状況についてのお尋ねにお答えをいたします。 県において取りまとめました、本年4月末現在の太陽光発電施設設置にかかわる県内市町村取り組み状況等調査結果によりますと、県内77市町村のうち事業者等が土地に自立した太陽光発電施設を設置する際、何らかの取り組みをしている市町村は、当市を含め66市町村となっております。内訳としましては、延べ数とはなりますが、条例を制定している市町村は56市町村、要綱及びガイドライン等を制定している市町村は31市町村となっております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 市内の太陽光発電施設設置状況は、2年前に比べてかなり広がっていると思われますが、2年前と現在の設置個数と設置面積についてお聞きします。 ○議長(中牧盛登君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(田中一幸君) 太陽光発電施設の設置数と面積についてのお尋ねにお答えいたします。 まず、2年前の平成29年時点における太陽光発電施設の設置数は、当市の開発指導要綱が適用される開発区域の面積1,000平方メートル以上の施設、それが44カ所で、事業地の総面積は、およそ34ヘクタールでございました。これに対しまして、本年8月末現在でございますが、市で開発事案として把握しております施設の設置数は97カ所、総面積は45ヘクタールで、さらに工事中や未着手の案件も含めますと、127カ所、総面積にして、およそ76ヘクタールとなっております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 指導要綱によって掌握している数字も必要ですけれども、小規模でも広がっているところがあると思います。全市的な設置状況をさらに掌握することが必要だと思います。 また、無秩序に広がっている太陽光発電施設を規制するには、大町市の開発指導要綱では拘束力がありません。条例を制定し、事業者からの許可申請を受けて審査し、許認可を行う方式にすることが必要と考えますが、牛越市長の見解を伺います。 ○議長(中牧盛登君) 民生部長。 ◎民生部長(塚田茂君) 条例を設け、許認可方式に改めるべきとのお尋ねにお答えをいたします。 現在、大町市におきましては、土地に自立した太陽光発電設備で、開発区域の面積が1,000平方メートル以上の開発を行う事業者に対し、市開発指導要綱に基づき、諸所の法的規制の確認を行うとともに、地域住民に事業計画の説明を行い、合意形成を図った上で事業に取り組むよう指導を行っております。 しかしながら、現在の要綱は、発電事業開発面積が1,000平方メートル未満の案件は対象外となっており、また事業着手前の届け出であるため、開発期間中に事業者等が変更となった場合や、事業が終了した場合の手続等の規定が設けられていないことから、小規模な開発も含め、一定の指導のもとに事業が行われるよう、現在、太陽光発電設備の設置運用に関する規定の新設につきまして来年度から施行できますよう、検討を進めているところでございます。 なお、議員御提案の許認可方式の導入につきましては、県内市町村の状況や固定価格買取制度の最近の動向も注視し、慎重に検討をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中牧盛登君) 宮田一男議員。 ◆11番(宮田一男君) 早期の条例制定を求めて質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(中牧盛登君) 以上で宮田一男議員の質問は終了いたしました。 以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。大変御苦労さまでした。 △散会 午後2時44分...