令和 5年 12月 定例会 令和5年12月
伊那市議会定例会会議録 (5-2)1.開会 令和5年12月5日(火曜日)午前9時30分
---------------------------------------2.出席議員の氏名(21名) 1番 池上 謙 2番
伊藤のり子 3番 唐木 拓 4番 小池 隆 5番
篠塚みどり 6番 高橋 姿 7番 高橋明星 8番 三石佳代 9番 湯澤 武 10番 吉田浩之 11番
小林眞由美 12番 田畑正敏 13番 原 一馬 14番 三澤俊明 15番 宮原英幸 16番 白鳥敏明 17番 二瓶裕史 18番 野口輝雄 19番 唐澤千明 20番 飯島光豊 21番
柳川広美--------------------------------------- 欠席議員の氏名 なし
---------------------------------------3.説明のため出席した者の職氏名 市長 白鳥 孝 副市長 伊藤 徹 教育長 笠原千俊 総務部長 伊藤博徳 企画部長 飯島 智
文化スポーツ部長 宮原貴敏
市民生活部長 城倉 良
保健福祉部長 村松義隆 農林部長 柴 公人
農林部参事 松本直也
商工観光部長 重盛 巧 建設部長 橋爪 豊
建設部参事 鷲見祐人 水道部長 伊藤一真 教育次長 三澤 豊
会計管理者 河上千鶴子 高遠町
総合支所長 福澤 清
長谷総合支所長 有賀賢治
危機管理監 埋橋
進---------------------------------------4.職務のため出席した
事務局職員 事務局長 久保田 玲 次長 井口大輔 庶務係長 竹中恵子 主査 守屋奈央 主査
下島一志---------------------------------------5.議事日程 日程第1
会議録署名議員の指名 日程第2 一般行政に対する質問について
---------------------------------------
△開議 午前9時30分
○議長(白鳥敏明君) おはようございます。師走となり、今年も残すところあと1か月余りとなりました。日々寒さが厳しくなってきておりますが、風邪などひかないよう体調管理に万全を期していきたいというふうに思います。 それでは、これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お配りしてあります
議事日程表によって議事を進めてまいります。
---------------------------------------
△
会議録署名議員の
指名 ---------------------------------------
○議長(白鳥敏明君) 日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。本日の
会議録署名議員は5番、
篠塚みどり議員、6番、
高橋姿議員を指名いたします。
---------------------------------------
△一般行政に対する質問について
---------------------------------------
○議長(白鳥敏明君) 日程第2、一般行政に対する質問に入ります。
質問通告者は20名であります。 質問順序は抽選で決定した順序で行います。
小池隆議員の質問に入ります。 4番、
小池隆議員。 (4番 小池 隆君登壇)
◆4番(小池隆君) おはようございます。4番、小池隆です。 さきに通告させていただきました2点に関しましてお聞きをしてまいりたいと思います。 まず初めに、
職員定数管理と
会計年度任用職員の活躍及び新たな職域への登用についてから、
職員定数管理について先に質問をさせていただきます。 伊那市では、平成18年の
市町村合併以降、
行財政改革の一環として、職員定数の削減を着実に進め、10年間で約2割の
職員定数削減の目標を、平成25年4月の時点において
達成見込みとなり、現計画である第2次伊那市
定員適正化計画を策定し、平成26年度以降、目標を上回るペースで職員の削減がさらに進みました。 令和5年度当初には583人、これは令和5年度目標値、588人を5人下回る数値となっており、これまでの取組は
行財政改革として非常に評価できる一方、社会情勢の変化、業務の多様化など様々な要因から、職員定数の削減は限界を迎えているようにも感じております。 まして、職員定数の削減により、
市民サービスなどに支障があってはならないということは言うまでもございません。 そこで、合併以降の定員管理による人件費の削減効果はどうであったのか、また、職員定数の削減と併せ、職員1人当たりの平均した時間
外勤務命令時間は、増加または減少しているのかどうかお尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君)
市町村合併以降、
定員適正化計画を策定して、職員数の管理を図ってまいりました。
正規職員数につきましては、合併時に800人弱、これがおよそ200人の減少で令和5年4月現在では583名ということで、約18億円の削減を図ってきているところであります。 また一方で、人件費の継続的な抑制については
計画どおりとはなっていないのが現状であります。正規職員では
人事院勧告による給与改定の影響、また地域手当の支給などの給与制度の変更などが影響しまして、人員削減に比べて抑制額というものは低くなっているところであります。 また、
非常勤職員におきましては
保育サービスの充実等による人員増、それから
非常勤職員から制度変更されました
会計年度職員の処遇改善、こうしたことによる人件費の増加額が影響しているところであります。
新型コロナワクチンの対応を除く職員1人当たりの平均時間
外勤務命令時間は、コロナ禍以前は増加傾向だったわけですが、コロナ禍にあっては事業の中止、また見直し等により減少しております。傾向としましては、コロナ禍以前に戻りつつあって増加傾向にあるというのが現状であります。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 第2次伊那市総合計画では、市民の視点に立った
行財政運営の施策分野における現状と課題の中で、職員数の削減の一方で変化する社会情勢や
市民ニーズに、限られた職員数で対応していくためには、前例にとらわれることなく、事業の
スクラップアンドビルドを実施し、業務の効率化や迅速化に取り組むことが求められているとあります。 これに関連し、3点お尋ねいたします。まず1点目といたしまして、定員管理の数値目標となる職員数の考え方は、部局への聞き取りによる事業動向を踏まえた要因を積み上げて、積算したものなのでしょうか。 2点目といたしまして、総合計画の施策と展開方針にもありますが、事務事業の有効性、妥当性について継続的に見直しを行い、既に目的を達成したものや
市民ニーズに沿わないものは廃止、縮小、統廃合を推進し、緊急度や優先度の高いものから実施することにより、業務の効率化や迅速化を図るとありますが、その進捗状況及び達成度についてお尋ねいたします。 3点目といたしましては、職員定数を削減するに当たっては、業務の効率化を図ることは最優先事項であります。そのような中、
マイナンバー制度、
新型コロナ等対策事業、
地方創生推進事業など市の業務量が増え、多様化している状況にあると思いますが、今後どのように効率化、迅速化を図っていくのか、以上3点お尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) まず、
定員適正化計画の策定に当たりましては、各部局への
ヒアリングを行ってその結果を可能な限り反映したものとしておりますが、計画期間内での中間的な見直し等については実施しておりません。業務の効率化、迅速化の進捗状況と達成度につきましては、平成18年の
市町村合併以降、継続して
行政改革大綱を策定して、
行政サービスの向上と、それから財政の健全化に取り組んできております。 現在は令和3年度から令和7年度の5年間を推進期間とする、第4次
行政改革大綱に取り組んでいるところであります。この計画の中では、43の具体的な取組事項について年度別の取組目標を定めておりまして、令和4年度までの取組について各担当課が自己評価をした結果、これは全体の65%以上の取組事項において50%以上の一部も含んでではありますが実施済みとなっております。 業務の効率化、迅速化につきましては、引き続いて第4次
行政改革大綱に基づく取組を着実に推進をしていくということと、行政DXの推進、またRPAの活用、不要な事業の見直しや事業の一時休止、こうしたことを検討しながら業務の効率化を図っていっているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 次に、人口が減少する中、人口に応じて職員定数を削減するのは、一般的な流れである一方で、業務の多様化等による現在の職員数では限界に達していると私的には考えますが、令和5年までの職員の削減により業務に支障は生じていないのかどうかお尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 第2次
定員適正化計画の中では、平成26年度から令和5年度までの10年間、これで全国の類似団体の
平均職員数に並ぶということを目標としまして、削減に取り組んできているところであります。 この間、伊那市を取り巻く社会環境は年々複雑化し、また多様化し、新たに取り組むべき行政課題も増えているわけでありまして、既存事業についてのあり方や
事務処理方法の見直し、それから
スクラップアンドビルドを行うことによって、限られた職員数での対応というのを実践しております。 なお、職員採用におきましては、予定する採用がかなわない、あるいは欠員が生じてしまうという状況も発生をしているところであります。
新型コロナワクチンの接種対応、それから
臨時給付金の支給、あるいはマイナンバーカードの対応等、臨時的な業務の対応というのは増加しております。近年職員1人当たりの時間外勤務時間が増加傾向にありますので、引き続いて徹底した事務事業の見直しによる効率化を図りながら行政課題への的確な対応、それから職員の負担軽減の両立を目指してまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君)
行政サービスの最前線に立ち、市政方針に関する各種計画に基づき、事務事業の円滑な推進を図るとともに、市民にとって分かりやすく、丁寧な応対やサービスの
ワンストップ化など、市民の視点に立った
行政サービスの提供を日々行っている職員の皆さんにつきましては、本当に頭の下がる思いでございます。 そこで、市長が現状の伊那市の
行政サービスを見たとき、どのくらいの
正規職員数で業務を担っていくことが望ましいとお考えか、市長としての思いをお尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現在伊那市が直面する課題につきましては、拡大したり充実が必要なもの、新たに対応すべきものというものが多くありまして、その対応には既存事業の見直しによって創出される事務量を上回ることが見込まれるわけでありまして、こうした面から見れば職員数の増加というのは現状では必要になってきているのではないかという考えであります。 また、職員の
子育て支援、それから家庭と仕事の両立、全国的な働き方改革に向けて補完する職員も確保が必要となってきているのが現状であります。 一方、伊那市の財政規模、あるいは今後の人口減少の面からのみ考えてみると、今後の職員数については私としては現状維持か若干の減が可能であればそんなところが現状の姿かなと思っているところであります。これらの状況を統合しますと、今後の職員数につきましては現状維持、あるいは若干程度の増というのは求められてくるのではないかという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 来年度に向けて策定される第3次伊那市
定員適正化計画に関連してお尋ねをいたします。 まず、第2次計画の終期である令和5年度の
目標職員数が588人となっております。増大する行政需要に加えて、職員の定年年齢の引上げなど、公務員を取り巻く環境も変化している状況でございます。 このようなことから、
新規採用者数や退職者数の調整はもちろんのことでございますが、各部署の
組織ヒアリング等の実施による事務事業の動向を含め、適切に職員数の計画を見直していただくことを望んでおります。 また、
職員労働組合から提出される人員確保に関する要求書及び
専門職採用に関する要求書も検討材料としてしっかりと吟味され、計画に反映していただきたいと思いますが、市長の見解をお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君)
定員適正化計画、目標値でありますが、毎年度必要な職員数というものを求めた上で、計画との整合を取りながら、採用計画を立てております。 また、第3次
定員適正化計画の策定に当たりましては、各部署が担当分野において把握する
行政ニーズに基づく事務量、それから事務事業の見直し等によって削減する事務量を集約するということに含めまして、職員の給料、時間
外勤務手当などの
人件費総額の視点も勘案しながら必要な職員数を精査をしたいという考えであります。伊那市
職員労働組合からの意見、これは随時聞いておりまして、そうした意見もこの計画策定の中に反映させているという状況であります。 なお、近年の社会環境の変化のスピードというのは非常に速くて、特に働き方改革というのは待ったなしの国の指示でありますので、こうしたことに私達もどのように応えていくのか、このことについてもしっかりと議論をしながら柔軟性を持って対応してまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 分かりました。次に、
定員適正化計画の推進に当たりましては、これまでも限られた人員で最大の効果が上がるように、事務事業や組織体制の見直し、民間活力の導入、多様な人材の確保と活用等に取り組まれていると思います。今後もこの取組は、継続的に進めていっていただきたいと思っております。 一方で、職員が個々の能力を最大限に発揮し、生き生きと仕事ができる
環境づくりが必要であると考えます。とりわけ長時間労働の是正、超過勤務の縮減や休暇の取得促進に取り組んでいただきたいところでございます。引き続き、働き方改革の視点からも事務事業の見直しや業務の効率化を進めるとともに、適正な人員配置と効率的な組織体制の構築に努めていただき、先ほど市長もおっしゃられておりましたが、
ワークライフバランスの実現に向けて取り組んでいただければと願っております。 そこで、働き方改革が進む中、今後は定数の削減のみや定数だけに着目するのではなく、1人当たりの就業時間の見直しを図る必要も出てくると考えますが、市長の見解をお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君)
少子高齢化また
生産年齢人口の減少によります深刻な労働力不足、これますます今後懸念されるわけであります。職員が働き続けるためにも、
ワークライフバランスの改善、また働きやすい職場環境の整備等も進めながら、職員にとってやりがい、あるいは働きがいのある
職場づくり、これが必要と捉えているところであります。 働き方改革につきましては、行政DXの推進、管理職の職員のマネジメントによる時間
外勤務命令時間の削減、事務事業の見直し、組織や業務の見直し等、こうしたことによって横断的な協力体制の整備が今後求められてくるという考えであります。 今後につきましては、職員が健康で安心して働き続けることができる
職場環境づくりをしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) ただいまの回答もそうですが、市長さんの職員を思う気持ち、そういったものが第3次定員計画に反映されること、職員の皆さん今日の回答を聞いて、おそらく安心して第3次計画を嬉しいなという思いがあると思います。
職員定数管理は、
行財政改革を推進する上で職員の過度な負担につながってはならないことも考慮すべきであり、今後、業務量の変化や社会情勢に併せた
職員定数管理が必要と考えるところでございます。これらの取組とともに、市民をお迎えする職員の意識改革、接遇向上にも務めていただき、市民の皆様に利便性の向上を実感していただけるような取組を願っております。 続いて、
会計年度任用職員の活躍及び新たな職域への登用について質問させていただきます。 第2次伊那市総合計画では、女性の活躍に関する方針等で、男女ともに活躍できる働きやすい
職場環境づくりについて企業への働きを行います、とあり、就労・雇用の分野では、非
正規雇用労働者等の雇用の安定や処遇の改善を図るため、正規雇用への転換について、事業主へ働きかけを行う。また、非
正規雇用労働者等が意欲を持って働ける社会の実現を目指す、とあります。 計画では、企業側、事業主へ働きかけを行うとありますが、働きかけをする伊那市こそが、まずこれらのことについて率先して取り組んでいかなくてはならないと考えております。 そこでお尋ねいたします。伊那市として、男女ともに活躍できる働きやすい
職場環境づくり、また非
正規雇用労働者等の市役所で言いますと
会計年度任用職員の皆さんになりますが、その方たちの雇用の安定や処遇の改善、及び意欲を持って働ける環境の実現について、これまで市独自として取り組まれてきた内容をお尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君)
会計年度任用職員の雇用につきましては、任用期間後の再度の任用を認め、任用回数に制限を設けないということで安定化を図っております。処遇につきましては
人事院勧告等も踏まえて検討しながら、これも改善を進めているというところであります。 また、伊那市の独自な取組としては、特に高度な専門知識と経験を要する職員や、行政経験のある方をⅠ種職員として任用して、自分の強みを生かして働き続けることができる環境を整えているところであります。 また、
行政経験等のない方、あるいは
ワークライフバランスに合った働き方もできるように、時間単位で任用するⅡ種職員も任用しておりまして、男女ともに多くの方々に
行政サービスの向上に関わっていただいているという状況であります。 今後も、専門職また経験者など、意欲を持って働くことを望んでいる方々、こうした皆さんを任用しながら、
行政サービスの向上に努めたいと。私達、市役所を業種で例えるならば、
サービス業でありますので、市民の皆様への質の高いサービスの提供というのが私達の責務であるという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 次に、正規職員における令和4年度の時間
外勤務命令時間及び支給額、令和5年度の進捗状況をお尋ねいたします。 また、時間
外勤務命令時間は近年、増加傾向にあるのかどうか、併せてお尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君)
伊藤総務部長。
◎総務部長(伊藤博徳君) はい、お答えします。令和4年度の職員全体の時間
外勤務命令時間は、
新型コロナウイルス感染症に係る業務を除きまして、4万8,588時間でありまして、支給額は約1億2,800万円余でございます。令和5年10月までの時間
外勤務命令時間は3万2,343時間でありまして、支給額は約8,600万円弱ということで、昨年の同期とほぼ同じ程度の時間となっております。 先にも市長お答えしましたが、傾向といたしましてはコロナ禍以前に戻りつつあり、増加傾向にあるというふうに捉えております。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 正規職員を削減する一方で、時間
外勤務命令時間についても増加傾向となっており、正規職員の負担は増しつつあると推測されます。 総務課では、各部署の時間
外勤務命令時間を把握できていらっしゃるのか。逆に
総務課自体、把握できる良い意味での余裕がある職員数の体制となっているのか。把握されているのであれば、全庁として、時間
外勤務削減に向けて取り組まれていることをお尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 時間外勤務の時間につきましては、全職員の状況を把握しておりまして、正規職員についてはその状況を所属長と共有をしていると。また、各職場や所属にありましては時間外勤務時間の状況から、業務分担の見直しを行うなど、一部の職員に過度な負担が生じないように配慮をしているところであります。 時間外勤務時間が長時間となっている職員につきましては、産業医また保健師等による面談を実施し、全庁的に職場の実態を早期に把握し、
体調不良者の発生の予防、また
早期発見等に努めている状況であります。 さらに、全庁一斉退庁日を設けたり、
スライド勤務等も行って、時間外勤務の時間の削減を図っているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 時間
外勤務削減に向けての市の取組につきまして、十分承知しました。ただ、令和4年度、先ほど御回答にもありましたが、
コロナ関係の時間を除いても約1億3,000万円となっており、また時間外勤務の時間も約4万8,000時間となっております。 現状では、職員数も一度に多く増やすこともできない中、
会計年度任用職員の役割は、今後さらに大きくなっていくのではないかと考えます。 そこで伺います。事務補助における
会計年度任用職員、庁内にいらっしゃる
会計年度任用職員の皆さんの職員数と、保育士数及びそれぞれの女性の占める割合をお尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君)
伊藤総務部長。
◎総務部長(伊藤博徳君) 職員数についてでございますが、事務補助については136人、Ⅰ種が9人、Ⅱ種が127人という状況でございまして、
うち女性職員はⅠ種が5人、約6割、Ⅱ種が105人で8割というような状況でございます。 また保育士でございますが、全体で308人という状況でありまして、Ⅰ種48人、Ⅱ種260人でありまして、女性の割合はⅠ種が全員の48人、Ⅱ種で258名ということで、10割弱とほとんどが女性というような状況でございます。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 女性の占める割合が、事務補助における
会計年度任用職員の皆さんが、今回答にありましたが約80%。保育士におかれましては約100%弱ということで、人数は保育士さんを含め約400人。市内でも、女性の
パートタイム労働者がこれほど多く働いている職場は数少ないと思います。後ほど、質問、提案していきたいと思いますが、女性の皆さんがやりがいを感じ、活躍できる、意欲を持って働ける職場環境を整えていくことは、市役所にとって喫緊の課題だと私は思っております。 そこで、事務補助における
会計年度任用職員の方の役割は、今後さらに大きくなっていくと思いますが、Ⅰ種採用、Ⅱ種採用等、雇用形態及び業務については様々でございますが、市長が今後、事務補助における
会計年度任用職員に対し、期待する役割、そしてどのような業務を担っていってほしいとお考えか、お尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 正規職員にしかできない業務については正規職員が、そうでないところについては
会計年度任用職員が担っているというのが現状であります。そうした中でも事務補助の
会計年度任用職員が担っている業務の幅は大変広く、マイナンバーカード、あるいは新型コロナウイルスワクチン接種の対応、正規職員も経験のないような業務、電話対応、窓口対応、伝票処理や庶務事務、こうした多くの
行政サービスに関わってもらっているところであります。 伊那市は特に高度な専門知識と経験を要する職員や、行政経験のある方をⅠ種職員として任用をし、自分の強みを生かして働き続けることができる環境を整えているのが実情であります。 また、
行政経験等の経験のない方、あるいは
ワークライフバランスに合った働き方をしたいというような皆さんについては、Ⅱ種の職員として採用しておりまして、それぞれの立場で活躍をしてもらっているというのが実情であります。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 保育士を含めた
会計年度任用職員数は、正規を含めた職員数の約43%を占めております。また、事務補助における職員数は136人、それでも時間
外勤務命令時間が多くなっている現状です。 そこで私は、事務補助における
会計年度任用職員の活躍及び新たな職域への登用として、特に正規職員の時間外が多くなっている部局に対し、事務補助における
会計年度任用職員のフルタイム化を、Ⅰ種、Ⅱ種とは別に採用枠を作り、配置することを提案いたします。保育士につきましては、クラス担任を受け持つなど、正規職員と同様の業務についている職員のフルタイム化は、前回の一般質問でも訴えてきましたが、事務補助における
会計年度任用職員においても、正規職員と同様に起案等も含め事業または業務を担っていただくという考えはいかがでしょうか。 こちらを御覧ください。こちらは提案による私なりに考えた効果でございます。フルタイム化によりまして、まずこの一つ目になりますが、女性が活躍できる、働きやすい
職場環境づくり、また非
正規雇用労働者等、市役所では
会計年度任用職員を指しますが、この方々の雇用の安定や処遇の改善、そして
会計年度任用職員の皆さんが意欲を持って働ける環境の実現に対し効果があると考えます。 先ほどもお尋ねいたしましたが、事務補助における
会計年度任用職員における多くが女性であることから、女性の雇用促進に結びつき、さらにフルタイム化により、勤勉、期末手当、福利厚生等の処遇も改善され、所得向上につながります。また、新たな職域への登用として、いち業務全般を担っていただくことで、意欲を持って働いていただけること、さらには事業展開の中での女性の新たな発想、考えなどが生かされると考え、女性の活躍が期待されるところでございます。Ⅰ種、Ⅱ種またフルタイム等、いろんな採用の種類があっていいのかなと思っております。 二つ目といたしましては、画像こちらになりますが、正規職員の負担減と時間
外勤務命令時間の削減です。時間
外勤務命令時間が多い部局をメインに、フルタイム化した
会計年度任用職員を配置することにより、正規職員の時間外が減り、職員の
ワークライフバランスの推進にもつながると考えます。 また、日々業務の事務処理等だけに追われているのではなく、事業の見直し、発案などを職員の皆さんが考える機会も充実し、このことは
市民サービスの向上、市民への利益とつながっていくのではないかと考えております。先ほどのフルタイム化で、起案とかも含めてということで正規職員と同様の仕事を受け持ってもらう、そういった働き方をしたいという女性、ぜひそういった方もいらっしゃると思いますので、こういったフルタイム化で女性の活躍の場を与えていただき、またこの正規職員の負担減にもつなげていければと思っております。 以上、事務補助における
会計年度任用職員のフルタイム化と、任用職員の新たな職域への登用により、これだけの効果を引き出すことができるのではないかなと考えております。 さらに予算については、今ある予算で最大限の効果を出したいと考えております。こちら画像になりますが、時間外支給額の削減目標額を計画等で策定し、この削減目標額の予算の範囲内において、フルタイム化採用人数を決定していくことで、フルタイム化に対して新たに多額の予算計上、人件費の大幅な増加の心配は少なくなるのではないかと考えるところでございます。 この提案は、私が
会計年度任用職員の活躍する場への期待と所得向上、また正規職員の皆さんの働きやすい職場に向けての希望も含まれております。全てがかなうとは限りませんが、今後の
職員定数管理にも絡めた事務補助における
会計年度任用職員のフルタイム化の提案は、いかがでしょうか。市長の見解をお尋ねいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 伊那市では職員の
ワークライフバランスの推進、それから女性職員の活躍等を図るために、特定事業主行動計画を仕事と育児、介護との両立支援については、両立支援ハンドブックなどによりまして、働きやすい
環境づくりを進めてきているところであります。 処遇の改善につきましては、本年8月の
人事院勧告も踏まえまして検討する中で、働きやすい環境の醸成には努めてまいりたいという考えであります。 柔軟な人事管理、あるいは勤務条件の改善による人材確保、これを図るために正規職員の
定員適正化計画に併せて、フルタイム
会計年度任用職員の導入の必要性も含めて研究してまいりたいと考えております。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) ぜひ、
会計年度任用職員のフルタイム化の導入、早いうちの検討をぜひお願いしたいと思います。ここまで、
職員定数管理と
会計年度任用職員の活躍及び新たな職域への登用についてお尋ねしてまいりました。 行政改革として、削減を推進することは確かに必要ではございますが、ただ単に減らすだけの改革では、改革とは言えないと思っております。現状では、繰り返しになりますが、職員数については限界に達してきているのではないかなと私は実感しております。ぜひ、視点を変えて見つめ直していただき、保育士を含めた
会計年度任用職員の活躍の場と、新たなる職域への登用も含めた改革を願っております。今後も様々な観点から注視させていただきたいと思います。 続いて、市報等における声の市報の利用促進について伺います。 現在、市や社会福祉協議会が発行している広報紙などにおいて、視覚に障害をお持ちの方や、活字による読書に困難をお持ちの方のために、ボランティア団体が点訳や音訳をして利用者にCDなどをお送りしていると伺っております。 また、市のホームページを見たところ、意思疎通支援の一環として、行政情報などを視覚に障害がある方へ、声の市報として情報提供している翻訳団体「こだまの会」は、昭和64年に発足し、その活動は約35年に及ぶことを知りました。 先日、こだまの会の会員の方とお話する機会があり、市議会だよりの音訳をしたよ。11月号は一般質問があったから、市議の皆さんの質問が、聴く方にしっかりと伝わるよう、読んで録音してきたよ、と、とても嬉しくなるお言葉をいただきました。また、その方は、市政情報など全ての市民の皆さんに伝わると思うと、やりがいを感じる。市政のことは全ての皆さんに知ってもらいたいよね、ともおっしゃっておりました。 ここでお尋ねいたします。現在、行政情報などを、視覚に障害がある方へ声の市報として情報提供されておりますが、この声の市報があることについて、どのように市として周知されておりますでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) これは伊那市の公式ホームページ、冊子、障害者のための福祉の手引き、こうしたものに掲載をしているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 私は先日、音訳されたCDをお借りし、始めて聴きました。CDで聴くことはもちろんですが、市報を聴くという初めての試みに、自分で読むのとは全く違った感覚で、市報が頭に入ってきました。音訳されている方の気持ちも併せて伝わってきました。 これは車で聴いていてもいいな、また、コーヒーブレイクのときにでも聞きたいなとも思いました。それと同時に、自分だけで味わっていてはもったいない、もっと市民の皆さんにも知ってもらいたいと思いました。 しかし、声の市報は市のホームページからはダウンロードができません。声の市報があるということも、ホームページの、先ほど解答にもありましたが、広報のページには掲載がなく、障害者福祉のページに声の市報があるというお知らせが出てくるといった状況です。 また、聞くところによると、声の市報を利用されている方は、令和5年9月時点で市全体で6人だけと。例えば市報の字が小さくて読みにくいなど、活字による印刷物を読むことが苦手な方々は、市内にはいらっしゃると思います。そのような方々にもぜひこの声の市報を利用していただければと思います。 そこで提案です。声の市報を誰もが利用、聞くことができるように、QRコード等で簡単にダウンロードできるようにしてみてはいかがでしょうか。また、QRコードの掲載も分かりやすく、ホームページの広報のページに掲載し、そこからダウンロードできることをPRしてみてはいかがでしょうか。ぜひ伊那市でもそのようになればいいなと思っておりますが、いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現在、先ほどおっしゃったように6名の希望者の方々にCDを郵送しております。伊那市の音訳の会こだまから、音訳データの提供をいただきまして、市の公式ホームページに掲載することについて打診をし、早速データの提供をいただきました。YouTube用に編集をして、市報12月号から伊那市公式ホームページにて公開しております。 年々新しい技術が発達してきておりますので、より多くの方々が利用しやすくなるよう、様々な媒体について情報を収集するなど研究を進め、全ての方々に届くようなそうした広報活動に努めていきたいという考えでおります。
○議長(白鳥敏明君) 小池議員。
◆4番(小池隆君) 早速、12月号からしていただけたということで、とても嬉しく思います。すごくスピード感があって嬉しいということと、ぜひ今日傍聴に来られている職員の皆さんも含めまして、ぜひ聞いていただいて、この声の広報の良さというのを皆で感じ取っていただければと思っております。本当に素早くしていただいて感謝を申し上げたいと思います。 市政情報を知るには多種多様あると思います。市民の皆さんが少しでも情報を入手しやすくなるよう、情報提供に努めていただくことを願いまして、以上で私の一般質問を終わります。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、
小池隆議員の質問が終了しました。 引き続き、原一馬議員の質問に入ります。 13番、原一馬議員。 (13番 原 一馬君登壇)
◆13番(原一馬君) 13番、原一馬です。よろしくお願いいたします。 伊那市社会福祉協議会の不祥事により滞っている成年後見事業について。強い危機感を持って心配している、現場の関係者たちの声を受けて質問をいたします。 本件について、今年6月議会、
高橋姿議員の一般質問で取り上げていますが、時間の経過とともに、問題点などが浮き彫りとなってきています。社会福祉法人、伊那市社会福祉協議会、以下社協という。が対応してきた成年後見事業について、社協が最終的な受け皿となって支えてきた人たちの現状について、そして同様の立場の人たちのこれからについて、市はどのように対応しているのか、社協はどのように取り組んでいるのか、この先の見通しについて質問してまいりたいと思います。 社協は伊那市の委託を受けて成年後見事業を行っていますが、この成年後見制度は、人が生きていくための様々な契約や手続を1人で決めることに不安や心配のある人を保護、支援するための制度です。認知症の方、知的障害のある方、精神障害のある方など、判断能力が不十分な人の財産管理や身上保護を、家庭裁判所によって選任された成年後見人等が行う仕組みです。二つの業務、財産管理業務、そして生活支援などの身上保護業務を行っています。 具体的には契約の締結や解除、財産の管理を本人の代わりに成年後見人が行います。判断能力が不十分な方の中で、お金のある人は弁護士や司法書士、社会福祉士、行政書士に依頼している場合があります。 しかし、依頼するお金のない方、適任な支援者がいない場合は、日々の生活のための現金を引き出せないなど苦境に陥るわけですが、そんな方の受け皿となってきたのが、社協が運営する上伊那成年後見センター事業であります。平成23年4月に業務開始以降、この上伊那地区の後見業務の大切な受け皿として、また後見制度の発展のため、なくてはならないものとなってきました。 成年後見の利用者は、主に高齢者や障害者など、そして身寄りのない独居者、親族が近くにいない方、親族と疎遠になっている方などになります。こういった方は、例えば、施設入所契約の際に施設側から成年後見人を求められる、あるいは金融機関の現金引き出しにも成年後見人を求められる、こういったところを社協が受け皿となって支えてきました。 しかしながら今年の2月、社協職員による不祥事の発覚により、裁判所の指導監督のもと、財産管理業務については社協の成年後見センターでは受けられなくなりました。新規利用者も受けられなくなっています。不祥事発覚まで受任していた財産管理業務については、士業会員(弁護士、司法書士、社会福祉士)や伊那以外の社協、地区社協が分担して受任して後見業務を現在行っています。生活支援などの身上保護業務はそのままセンターが継続して行っています。 しかし、受任した多くの士業会員は個人事業者であり、しかも、多種多様な貢献案件に対応するには、マンパワーが足りない状況で、現在、成年後見の新規案件を受ける余裕がありません。現状の士業4会、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会、行政書士会のメンバーではその需要に対応できない状況となっています。社協の不祥事以前まで受け入れていた成年後見を必要とする人たちの受け皿が現在ほぼないと思われます。 困っている人たちがいると思われますが、現状はどうなっているのか、そして今伊那市はどのように対応しているのか。成年後見について窓口で相談対応している、伊那市福祉相談課では苦労されていると思います。 ここで質問いたします。現状と市の対応について質問いたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) まず、施設入所、あるいは他の契約行為による成年後見人が早急に必要な場合には本人の判断能力の有無、親族の意思を確認して、市長申立てを行っております。 上伊那成年後見センターにおいて、新規受任が制限されておりますので、市長申立てを行った場合には弁護士等の各専門職の団体と、それから成年後見人の受任について調整をしているのが実情であります。 これまで上伊那成年後見センターが受任をしていた案件について、各専門職の方々に財産管理に関する業務が裁判所から依頼をされておりまして、新規の依頼はさらに負担増となっているところは承知をしているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) 1年間に10人ぐらいの新規の受入れがあると聞いておりますけれども、不祥事があってからおよそ10か月経っています。新規の今まで社協が受け入れていた方たちが今年も出てきていて、社協で受け入れられなくなっていまして、それを士業の方たちが受けているわけですけれども、本当に余裕がないという状況の中で、もう一度伺いますけど、伊那市は窓口でどのように対応されているのでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 村松
保健福祉部長。
◎
保健福祉部長(村松義隆君) 福祉相談課の方で対応しております。それぞれの専門職にお願いする形になりますので、その点につきましては、家庭裁判所等の御意見をいただきながら、指示をいただきながらということになります。 業務停止してから専門団体に依頼した人数件数でございますが、伊那市としては5件ございまして、それぞれ士業の専門職の方に御相談申し上げているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) 行政にはこういった方たちを助成する、成年後見制度利用支援事業があります。利用されてきましたが、伊那市では令和2年には市長申立て以外にも、親族などから申立ても認められるようになり、他の市町村に比べ手厚い支援体制になっています。 社協の成年後見事業の窮状から、この支援事業の一層の利用促進がされるべきと考えます。伊那市の現状、対応について質問いたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 令和3年度以降、申請がないというのが現状であります。本人や親族申立てにより決定をした専門職の成年後見人では、受任時よりも財産の減少があった場合などについてこうした相談がございます。 本事業の利用促進については、市報、ホームページ、専門職団体への説明など広報を継続してまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) 6月議会の
高橋姿議員の質問に対して、それも今回と同じ内容の質問でありましたけれども、市民の皆さんには広報それから啓発を行って、利用が困難な方の制度利用を支援していくと答弁があったわけですけれども、広報とこの啓発についてさらに努力をしてきていると思いますけど、具体的にもう一度どのように対応されてるか伺います。
○議長(白鳥敏明君) 村松
保健福祉部長。
◎
保健福祉部長(村松義隆君) こちら、受任していただきます専門職の方に制度につきまして、逐次御紹介申し上げておりまして、そういう対象の方がありましたら御紹介いただくというところも非常に大きな点かと思っております。 また広く広げることに関しましては、先ほど申し上げましたとおり、様々な媒体を使って広報をさせていただいているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) 今、社協の新規受入れがない状況の中で、先ほどの答弁で令和3年以降利用者がないといったところで広報や啓発というものは足りていないように感じます。こういった状況で早々の裁判所の制限解除が待たれる状況です。 不祥事後、社協では再発防止対策検討委員会を設置、再発防止に向けて取り組んできて、伊那市社会福祉協議会不正再発防止対策報告書を取りまとめ、家庭裁判所に提出をしています。ホームページに掲載されております。 社協の再発防止に向けた取組について質問いたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 再発防止対策検討委員会から、届出印の管理及び払戻し業務の見直し、預貯金通帳の確認、倫理研修の実施、職員に対する面談の実施、人員配置、職員の業務負担、事務所内への防犯カメラの設置、再発防止策の周知、この7項目の提言がありました。 また、独自の追加策として成年後見事務の見直し、現金の管理体制の見直し、損害賠償保険の加入、再発防止策実施状況に対する外部監査体制の他、社協内の成年後見センター以外の各部署での対策を行いまして、再発防止に努めているところであります。各再発防止対策の具体的な取組を明確にし、公印の管理方法、職員の倫理研修、第三者による外部監査、防犯カメラの設置、金庫管理の厳格化などは既に実施をしております。 今後でありますが、キャッシュカードの廃止、日常的な金銭管理の厳格化、上伊那成年後見センター運営委員会による監査等の対策を講じていく計画であります。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) 家庭裁判所で成年後見人を解任された場合は、解任された後見人は2度と後見人等になることはできないということになっておりますけれど、社協は大丈夫かなと心配がされております。 次の質問ですが、裁判所制限解除の見込みについて質問をいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 上伊那後見センターにおける不祥事によりまして、現時点においても裁判所から制限の解除というのは示されていない段階でありまして、どうした判断が出るのか判断を待っている状況であります。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) 現状、繊細な案件なので、再質問はやめておきます。 次の質問ですが、社会福祉協議会の成年後見事業について、この先の見通しについて伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 新規の受任が停止されまして、利用者へのサービスの低下など、上伊那圏域における成年後見人不足の中で、裁判所から依頼を受けた弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士等の負担増となっているのは承知をしているところであります。 伊那市社会福祉協議会では、第三者委員会から再発防止の御提言を受けて、伊那市社会福祉協議会再発防止対策報告書を裁判所に提出をいたしました。 高齢化が進む中で、社会のそうした状況の中で、障害者や生活弱者を支える地域共生社会の実現、また日常生活の自立支援事業等からの迅速な移行など、上伊那成年後見センターが担う役割は大変大きく、再発防止に向けた業務管理体制の改善の下、早期の再開を望んでいるところであります。 上伊那成年後見センターを委託する関係市町村で構成する上伊那成年後見センター運営委員会におきまして、センターの業務運営管理を強化する必要がございまして、定期的な業務の適正化に関する確認体制をとることとしております。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) 6月の議会の市長の答弁で、今後については方針結果を踏まえ、委託している上伊那の各市町村においても協議・検討を重ね、市民の皆様が安心して成年後見制度を利用できる体制をしっかりと作っていくとありましたけれども、上伊那の各市町村において協議・検討を重ねということで、具体的な動きがお答えできできればお願いします。
○議長(白鳥敏明君) 村松
保健福祉部長。
◎
保健福祉部長(村松義隆君) 上伊那市町村で構成しております上伊那成年後見センター運営委員会、こちらの方を定期的に開催しておりますが、そちらの中できちんとした監査体制を今検討しておりまして、具体的な監査方法を対応する予定で、今対策しております。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) いかなる人の尊厳をも尊重し、それを皆が理解して支えていく成年後見制度。支えられる人、支える人、当事者はもちろんのこと、この制度を大切に思い、見守っている人たちが伊那市のこれからの対応を、強い危機感を持って心配をしております。誰一人取り残さない持続可能な未来都市を掲げる伊那市、十分な対応をお願いしたいと思います。 成年後見制度は、この地域全体で支えるものであり、この制度を必要としている事業者の住む地域の行政や社協が責任を持って支えることが不可欠であります。 現在、社協が担っている成年後見業務は人員的にも余裕がないのではと思われます。上伊那全域の地区社会福祉協議会で受任できる体制を早急に構築する必要があり、また今後、後見人のなり手を増やすことも大切であると成年後見人を受任している士業の方から伺っております。 ここで質問いたします。成年後見制度拡充に向けた伊那市の取組について質問をいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 伊那市社会福祉協議会におきましては、上伊那成年後見センター事業の他に後見人制度を利用するに至らない状態の方の支援として、日常生活自立支援事業、暮らしの安心サービスを担っているわけでありますが、人員不足によりまして、新規受任を停止している状況にあります。利用者へのサービスの体制の確立とか、あるいは適正かつ安定した運営を図るために、次年度に向けた人員体制の見直しについて社協と検討しているところであります。 上伊那の市町村社会協議会の中で、法人後見人と選任されている団体については、伊那市のほかに、駒ヶ根市、辰野町、南箕輪村となっておりまして、上伊那圏域における受任体制の拡充について、各機関と検討する機会を設けていきたいと考えているところであります。 成年後見の担い手不足の解消としましては、上伊那成年後見センターへの委託事業の中で、毎年、市民後見人養成講座を開いておりまして、地域で支える体制の充実に努めているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) この成年後見事業の質問は以上になりますけれども、全国から注目され、大いに評価され、全国に先んじて進められてきた先進的な取組の伊那市社会福祉協議会による法人成年後見の事業、本当に困っている人の受け皿となってきたこの事業、今本当に正念場だと思います。 誰一人取り残さない持続可能な未来都市、伊那市は掲げております。様々に対応して何とかこの苦境を切り開いていっていただきたいと思います。 次の質問に入ります。物価高対策、地方自治体のできる経済対策、プレミアム商品券の発行を、について質問してまいります。 内閣府発表の今年7月から9月期、実質GDPの速報値は、年率換算でマイナス2.1%。内訳を見ると、民間需要はマイナス2.3%となっています。民間需要には輸出も含まれることから、円安による輸出の伸びが期待される状況でこの数値は思ったより深刻であると言えます。後ほど地域の各業種の状況調査を少し紹介しますけれども、製造業なんか大変厳しい状況にあります。 日銀のマイナス金利解除の準備はできているものの、GDP速報値を受けて解除をちゅうちょしていると言われています。政府は経済対策を閣議決定し、補正予算も成立しましたが、GDPの6割近くを占める個人消費を喚起する効果的な政策があるかどうか疑問に思います。 私は、コストアップ型の物価高に対して、経済政策・国民に寄り添う政策として、消費税減税が最も効果があるように思います。消費税は買い物のたびに毎回払うことから、減税は身近に感じられるし、実感できると思います。消費税は豊かな方にとっては影響は少ないと思いますが、収入の少ない方にとってはほんのわずかな増税でも生活に響きます。 伊那市では、
新型コロナウイルス感染症で疲弊した事業所への経済対策として、令和2年から実施した伊那市プレミアム商品券「いな・ほっと券」は第4弾まで、令和4年10月まで続き、事業所からは毎回、発行前と比べて売上増加につながった、大変助かった、伊那市の消費拡大に効果があったと大変好評でありました。 さて、令和5年5月8日から
新型コロナウイルス感染症が5類へ移行され、ようやく収束の兆しが見えてきたとはいえ、まだまだその影響は残っております。 映像を御覧ください。伊那商工会議所が実施している景気動向調査です。地域の100社を対象に、四半期ごとの景気動向調査を
ヒアリングとFAXなどで実施しています。景気動向調査を、令和2年4月、コロナがちょうど令和2年の2月ぐらいから広まり始めていますけれども、その直前には消費税増税によるGDPの減少が、当時確か速報値でマイナス7%とか出ている状況で、ものすごい厳しいものになっているなということが分かります。 当地域の経済は、原材料、光熱費の値上がり、物価上昇の速度に追いつくことが難しく、販売価格に転嫁できない中で厳しい経営環境が続いています。また、人手不足の深刻化や企業単体でのコスト削減のみでは、コスト増加の影響を軽減することは困難な状況にあり、収益を圧迫しています。人手不足も深刻化しており、人材確保や定着のため、賃金を上げても消費者物価の高まりから、従業員の待遇、満足度、モチベーション向上等には至らないなど、思ったような効果が得られない等の声も聞かれ、経営課題は多く、先行き厳しい状況が続くと思われます。加えてエネルギーや原材料の高騰、物価の上昇など、社会経済活動の持ち直しの動きに弱さがみられ、小規模事業者を取り巻く環境は依然として厳しい状況に置かれています。 現在の業種別の状況について説明しますが、最初に飲食業になりますが、令和2年7月から9月期からのものになりますが、コロナ5類移行後、宴会などの企業団体需要が前年同期より回復傾向にあったものの、一部で再びコロナ、インフルエンザ感染拡大によるキャンセルが発生するなどの影響も出ています。 また、人件費、仕入れ価格の上昇分の価格転嫁が進まず、収益を圧迫しています。宿泊業は夏休み、お盆で人流の回復が進み、改善傾向にありましたが、食材価格の高騰やエネルギーコストの増加などから収益は圧迫されています。 次に製造業になりますが、見ると本当にここ最近大変厳しい状況にありますけれども、円安による輸入部材の高騰、中国等の海外経済の減速による需要減や、原材料、燃料価格の高騰の継続や、前年同期の原材料不足による前倒し発注等の影響により、受注生産に弱さがみられます。取引先の在庫過多や自動車、半導体関連の受注が減少しています。 次に建設業になりますが、夏の猛暑の影響による工期の延長、資材価格の高まりによるコスト増や、人手不足による外注費の増加などによる収益の影響が出ています。民間公共工事とも受注が引き続き、低調に推移しています。 商業になりますが、仕入れ価格の上昇、物価高による消費者の生活必需品以外の買い控えや、天候不順の影響などから、売上来客数が減少し、景況感が悪化。秋以降の外出機会の増加や、高付加価値商品の販売等による個人消費の回復が期待されます。 次に
サービス業になりますが、今夏の猛暑の影響により売上来客数が減少しています。業種によっては、慢性的な人手不足による受注機会のチャンスロスも一部出ています。 次に運輸業になります。ガソリン代の高騰によるコストが増加、また、働き方改革法案により、ドライバーの労働時間に上限が課されることなどで生じる物流・運送業界の2024年問題への対応も懸念材料になっています。 次に情報印刷業ですが、需要は堅調なものの、技術者などの人材不足や人件費などの上昇により、収益が悪化しています。印刷需要の低迷などにより低調に推移しています。 このような中、プレミアム商品券「いな・ほっと券」登録店からは消費喚起につなげるために、ぜひプレミアム商品券「いな・ほっと券」第5弾を実施してほしいという声も多く出ています。最近も事業者から、今年の冬は発行するのかと切実な声を聞いております。地域の総合経済団体である伊那商工会議所では、今後、プレミアム商品券の発行が必要不可欠であると判断しています。 中小企業が賃上げできる環境にないところを頑張って賃金を上げている事業者も多く、粗利が激減していると声も聞こえてきます。頑張って賃上げしても、物価高で実質賃金はさらに下がり、苦しい。そんな中、地域住民の生活支援、厳しい状況にある事業所の支援、地域経済の活性化のためのプレミアム商品券、いな・ほっと券第5弾の発行が望まれています。市長のお考えを伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) このプレミアム商品券の事業でありますが、コロナ感染拡大の影響を受けた事業者、また、市民への支援というものを目的として、今まで実施のタイミングを見ながら4回発行してまいりました。令和2年から令和4年にかけて、総額で58億円という金額を発行してまいったわけであります。長引くコロナ禍と、それから物価高騰の中で、地域経済の活性化に寄与するとともに市民生活の一助となったわけであります。 このプレミアム商品券の発行に当たっては、多額の市費も充てておりまして、直近の第4弾では約4億2,000万円となっているところであります。地域経済につきましては議員からも今説明をいただいたわけでありますが、地域の事業者、商工団体からは景気が上向かず、製造業を中心に受注が減少傾向であるという話も届いております。 伊那市では、事業者支援策としまして、商店街賑わい創出事業補助金、中小企業者制度融資応援金、貨物運送事業者応援金、こうした事業につきまして、補正予算でお認めをいただいて実施をしているという状況であります。 また、長野県では11月補正の事業者の支援としまして、特別高圧受電事業者電気料金負担軽減事業、バス燃料価格高騰対策等経営支援事業、中小企業融資制度資金の創設のほか、円安を生かした販路拡大を支援する事業を行っているわけであります。 プレミアム商品券の第5弾の要望があるということは承知しておりますが、商工会議所の幹部の皆さんとも話をしたりしてきております。これまでの4回に及ぶ発行で既に大きな経済効果というものは出ておりまして、限られた予算の中で、生活困窮者の支援を優先しようということで、現時点でプレミアム商品券の発行は考えておりません。プレミアム商品券の発行の前に、生活困窮者の支援ということを優先する考えであります。 ただ、今後の経済状況を見ながら、国、県の支援の状況も踏まえながら、市として必要な支援について検討していきたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 原議員。
◆13番(原一馬君) 最近、近隣の市町村でプレミアム率の高いプレミアム商品券発行していますけど、この厳しい日本の現状でその中の過去最高の税収のあるところを歓迎なんていう発言もありましたけれども、この
新型コロナウイルス感染症対策対応地方創生臨時交付金を活用して発行している、近くの自治体のこの事業は少ないお金でたくさんのプレミアムで返ってくると。国の税収が高かったものをそういった形で還元する粋な政策だなと、事業だなと思いました。少しそういったところの地域もそういった事業によって明るくなっているのかなと思います。ぜひ伊那市も少しでも明るくなるような、そういう事業に検討していただきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもって、原一馬議員の質問が終了しました。 暫時休憩とします。 再開は11時5分とします。
△休憩 午前10時51分
△再開 午前11時04分
○議長(白鳥敏明君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 池上謙議員の質問に入ります。 1番、池上謙議員。 (1番 池上 謙君登壇)
◆1番(池上謙君) 1番、池上謙です。私は通告してあります2項目について質問をさせていただきます。 最初に第1点目の、南アルプス林道バスの自動車運送事業について質問をいたします。南アルプス林道バスの営業期間は、例年11月15日までとされ、今年は降雪や道路の凍結のために11月12日をもって営業を終了いたしました。この1年間も無事故で運行され、営業開始以来、無事故の記録を続けていることに、運転士さんをはじめ、道路管理に携わる職員の皆さんの並々ならぬ努力の賜物であり、感謝を申し上げたいと思います。ぜひとも今後もこの記録をさらに伸ばしていただければと思います。 さて、今年は5月8日に
新型コロナウイルス感染症が第5類に引き下げられたことにより、国民も大きな外出制限を受けることなく、林道バスの利用者もコロナ感染症蔓延以前の状態に戻りつつあったかと思います。また、大きな台風襲来や降雨災害もなく、ほぼ年間を通して通常の運行ができたかと思いますので、今年の移送実績の見込みはどのくらいになったのでしょうか。市長にお伺いをいたします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 詳細については、支所長のほうからお話をさせていただきたいと思いますが、大変なお客さんの入り込みがあったということ、山小屋も満員状態、またバスの運行も好調だったということ、また山梨側からの林道が復旧が見込めないという状況でありますので、今後についても伊那側から、長谷側からの南アルプスの入山者というのは、さらに増えていくのではないかというふうにみております。
○議長(白鳥敏明君) 有賀
長谷総合支所長。
◎
長谷総合支所長(有賀賢治君) それでは私のほうからお答えさせていただきます。 お尋ねの令和5年度の利用者は過去2番目となります6万298人でありました。本年は4月8日の降雨によりまして、屋敷沢地籍においてのり面が崩落したため、その後2週間ほど19日間運休をいたしまして、安全対策工事を行った他は、自然災害等の影響を大きく受けることなく運行することができたということでございます。
○議長(白鳥敏明君) 池上議員。
◆1番(池上謙君) 先ほど市長さんからもお話あったように、今年は山梨県の芦安側からの林道バスが年間を通して運休したことにより、関東圏の登山者はこちらの長谷側から入山するしか方法がなかったかと思います。茅野市からのJRバス関東、ジオライナーの利用実績はいかがでしたでしょうか。把握しておりましたら教えてください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) これにつきましても、
長谷総合支所長のほうから数字についてお話をさせてもらいたいと思います。 識見としましては、やはり山梨側からの林道バスの運休の影響もありますが、この10年ぐらいの期間においては、登山愛好者が長谷側から入るルートというのがだんだん認知が広がってきているという感じがいたします。また、関東圏だけではなくて、中京圏とか関西圏からも中央線を使って塩尻経由茅野に来て、それからこちらからジオライナーを使って登山をするという方も増えているわけでありまして、非常に今後さらに認知されると利用者の数が増えてくるであろうというふうに思っております。 また、先ほど申しましたように山梨県側からの林道バス、しばらくは運休する見込みということでありますので、ジオライナーをさらに運行日数を増やしながら運行できるように、また事業者との打合せをしながら進めてまいりたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 有賀
長谷総合支所長。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 一般的には関係人口とは移住した定住人口ではもちろんないわけでありまして、観光に来た交流人口でもありません。地域や、そこに暮らす住民の皆さんと多様に関わる方々、こうした皆さんを指して関係人口と総称しております。 伊那市においても、基本的な考え方、捉え方は同様でありますが、その関係性をより良い濃密で強固なものにするために、地域ブランドの取組と、一体的に進めていくことでシナジー効果の発現に加え、新たなイノベーション、あるいは付加価値の創出、そうしたものにつなげていきたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 過去の国交省の調査によりますと、関係人口が多いほど三大都市圏からの移住者が多い傾向にあるという調査がございました。当該地域は外部の人を受け入れる環境が整っているんだということが分析の結果としてされております。地域の活動のどのようなことが関係人口創出につながっているのかを具体的に分析し、どういう方向を目指して、当該関連事業推進の工程を進めるのかということが重要だというふうに思います。 そこで、関係人口をどのように位置づけていくかについてお聞きをしておきます。移住定住促進策はもちろん、人口減少時代を迎えた地域活性化を目指しての一つの事業展開だというふうには思いますけれども、移定住を長期的目標として、関係人口を位置づけるということがお考えの基本にあるのか、すなわち交流人口が関係人口に進み、関係人口が定住人口というような流れを想定しているのか、それとも今後多様な関係人口そのものを創出することを目標に置いていくのか、どういうお考えでやられるのでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 第2期伊那市地方創生総合戦略の中においては、「人が集うまち・地域をつくる」を基本目標におきまして、交流と連携による地域の活性化をリーディングプロジェクトとする中で、関係人口の創出は政策の大きな柱の一つとして位置づけて推進しているところであります。 伊那市においては、関係人口の創出が最終目標ではなくて、交流人口、関係人口、移住定住人口が相互に関連し合いながら、最終ゴールとして伊那市での暮らしがそこに暮らす人々に幸福と自己実現をもたらす持続可能な地域づくりにつながっていくことを望んでいるところであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 私は移住定住施策はもちろん継続的に進められて良いと思いますけれども、全国的な人口減少時代を迎えているわけで、先ほども述べましたように、人口争奪ばかりを目標にするのはいかがかなというようなことを考えておりまして、あるいはそれが難しくなるときが近いうちにまた来るのではないかというふうにも考えております。そういう意味で、先ほど市長のお答えにもありました、市での幸福な暮らしを住人の人たちも、もちろん移住、あるいは関係する人たちにもそういう暮らしができるようにしていくんだというような目標、大変非常に高い目標だと思います。 当市でも行われておりますけれども、ふるさとワーキングホリデー、農業体験アグリケーション等、旅行者による企画を進めているところもあります。今後の拡大が期待をされていますし、全国的にはアプリを使ったふるさと住民票を発行しているという自治体もございます。関係人口創出拡大を、それぞれのところが目指しているわけですね。 当市もワーケーション事業など推進がされておりますけれど、2拠点居住といいますか2地域居住、他地域居住、こんなような言葉も生まれておりますけれども、こういうようなものが進めばさらに結構ではないかなというふうに思います。税金やなんかも、それによって分割して入ってくればなおいいのかもしれないですけれども。 先頃視察に伺った東北地方のある市では、工場誘致なども難しく、働く場所確保が非常に困難だというところで、移住定住に向けた魅力発信が他の自治体との競合になってしまっているということで、ふるさと納税者を含めたいわゆる関係人口というものに関心を持って事業を行っている、という話も伺ってきました。 そこでお聞きをしておきます。関係人口というときのキーワードは、一つは継続性ということだというふうに思います。観光などの交流人口というのはある意味では一過性ですが、関係人口は継続性だと。その創出拡大の点で外部の人を受け入れる環境整備、これは必須だというふうに思います。 先ほど事例も挙げましたように、市の政策としては継続的に市に関わりを持っていただくための環境整備施策の強化が必要だというふうに思います。そういう点で、今後、関係人口創出のための施策を一つの事業として、人口増進事業ということで今その中のくくりに入っておりますけれど、一つの事業として独立させ、強化していく必要があるんじゃないかなというふうに思っていますが、お考えをお聞きします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) これについても現状は担当の方からお話をさせていただきたいと思います。 このことにつきましては今後も受入れ環境を拡充をしていく、それから各事業のブラッシュアップを図る、関係人口の発信のためにもブランド化も当然必要になりますので、そうしたことを総合的に進めてまいりたいと。 また関係人口の創出拡大に向けた事業、これは移住定住とか、先ほど申し上げました地域ブランドの推進と関係性が非常に深いわけでありますので、あえて独立をさせるのではなくて従来どおりの組織の中でさらに評価をしながら進めていくのが当面は有効であろうという考えでございます。
○議長(白鳥敏明君) 飯島企画部長。
◎企画部長(飯島智君) それでは私の方から関係人口の創出に向けました主な事業について御報告させていただきます。 まず、議員の方から御紹介もありましたけれども、ふるさとワーキングホリデー事業は、都市圏に暮らす方が一定期間滞在をしていただきまして、実際に働いて収入を得ながら地域の皆さんや地域の企業の方々と交流を通じまして、より深く伊那市での暮らしを体感いただくといった取組であります。本年度につきましては、これまで13名の方の受入れを行っております。 また、ワーケーションについてでありますけれども、伊那市ならではの体験コンテンツ、あるいは異業種交流そういったものを用意いたしまして、機会の提供を行っております。今年度につきましてはこれまで延べ103名、26社が利用をいただいております。 その他にもデジタルマーケティングによって、地域資源を掘り起こしながら地域の活力だとか魅力の向上を図る中で、観光型MaaS事業ですとか、バーチャル空間において時間や場所を問わずに双方向でコミュニケーションを図っていくといった伊那市版のメタバース構築事業、そうした様々な関係人口創出につながる事業取組を進めているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 最近の新聞報道等もあったものも関係人口創出にも大きく貢献をしていくんじゃないかなと将来的に楽しみにしております。 さて、自治体として相互交流を通して関係を築いていることも関係人口創出という点では大事ではないかなというふうに思います。この交流に関連して市長にお聞きをしておきます。 現在の友好都市交流先、新宿区、知立市、会津若松市、三宅村、磐田市、猪苗代町について交流内容、あえて交流密度と呼んでおきますけれども、この差が大変大きいように思います。 今後どのように展開されるのか、また、関係人口等の考えから交流密度を増やしていく予定はあるのかどうなのか、これをお聞きします。もちろん相手先様の事情もありますので差し支えない範囲で結構ですが、まず先の自治体の交流密度の差が大変大きいように思いますけれど、今後どのように展開をされていく予定かお聞きします。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現状については担当からお話をさせていただきたいと思います。 それぞれの交流都市の歴史的経過、背景というものも違いますし、あと規模とか特徴・事情もそれぞれあるわけでありまして、同様の交流内容、交流密度とおっしゃっていますけども、これで交流していくというのはなかなか難しいかなと。 例えば、これは国内なんですけど国外であれば、通州区とはもうすぐ10数年以上交流がない状態です。そうしたことで、歴史的な背景も違うということ、また現在の事情も異なってきているという中で、そこら辺については双方の市民益につながる交流に重点を置いて取り組んでいきたいという考えであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(宮原貴敏君) 友好関係の自治体との事例などを申し上げさせていただきたいと思います。 例えば新宿区におきましては、カーボンオフセットの事業の取組がございます。伊那市の森林を整備することによりまして、新宿区で排出される二酸化炭素を吸収・相殺するものでありますけれども、伊那市にとっては豊かな森林を守ることや、林業に関する雇用も生まれるなど、双方にウィンウィンの関係が築けているというふうに捉えております。 また、伊那市の農産物を新宿区立の小学校に給食食材として提供し、PRしてきたところ、令和4年度からは年間を通して購入いただけるようになりまして、販路の拡大につながったというふうになっております。また、アルストロメリアを入学式や卒業式に贈呈している事業では、生産者への支援にもつながっているということでございます。 新宿の小学生の農家民泊や、三宅村の小学生と高遠北小学校との交流など、山があるこの地域ならではの貴重な体験ができ、子供たちにとってもかけがえのない教育につながっているというふうに考えております。 また、災害時の応援協定ですとか、市が直接関わらない部分で市内の民間事業者から農産物の購入に発展しているということもあるというふうに承知しているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 今御紹介をいただきましたように、関係先とは非常にいろいろな面からの交流が続いているということで、双方の祭りとかイベントの交流、それから周年事業の交流、子供さんたちの交流、それから文化的な交流、こういうようなものが中心になってきたと思うんですけれど、例えば理事者という言い方は変ですが、理事者の側だけではなくて、議会等も含めて団体交流をしっかり定期継続的に、実施をしていくことを考えてはどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現在、友好都市との交流は、市、議会、民間それぞれの立場で様々な形で継続をしていただいております。双方の祭りとかイベントの際には、理事者側だけではなくて、議会の皆様にも御参加をいただき交流を深めていると。今後も機会を捉えて様々な交流事業に議員の皆さんにも積極的に参加をいただくようお願いを申し上げたいと思いますし、あと議会を含めた定期的、継続的な団体交流については、双方の都市の発展、市民益につながるようなものであれば、検討していかなければいけないというふうに考えているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) ぜひ、せっかくこういう交流がありますので、市民の皆さんも含めて発展的に継続的にできればいいなというふうに思っております。 すでに市では、直接的な友好都市交流ではないわけですが、さくらサミットだとかバラサミットの開催もありましたし、目下石工が売り出し中なので、石工サミットみたいなものも今後期待をされるんじゃないかなというふうに思います。 総合計画の中では、友好都市との交流の充実というようなことで、市民の主体的な交流事業の支援が挙げられております。もちろん友好都市交流では市民団体の参加もあります。具体的に、市民主体の支援はどのような形で行われていますか。特に市民側では、交流上、金銭面での支援も重要ではないかなというふうに思っております。旅費なんかが多額になったり、あるいは個人的に負担をしているというような例もお聞きしております。 友好都市としての交流ではありませんけれども、例えば韮崎市との交流事業の中で、つい先だってもあったわけですけれど、韮崎市の生涯学習フェスタへの参加、こういうものが交流が続いておりまして、来年は50周年になるんだそうです。半世紀にわたり交流が続いていることに対して、関係者の御努力に敬意を表するところですけれども、このような機会に交流の輪を少し広げていってはどうかなというふうに思います。もちろんお相手様の意向が重要ですし、行政が大々的にどこまで関わるかというのも、過ぎても問題があるかもしれませんが、その辺も含めていかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) これについても現状は担当の方からお話をさせてもらいたいと思います。 この友好都市との交流については、伊那市友好協会の皆様をはじめ商工団体、文化団体など、市民の皆様が主体となった交流を進めていただいてきておりますので、今後についてもそうしたことは継続をしていっていただければと願っております。 伊那市としても、できる支援については当然行ってまいりますので、今の50周年という節目のものがあれば、それはそれとして担当の方から企画提案がなされるものと思っております。
○議長(白鳥敏明君) 宮原
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(宮原貴敏君) 行政の立場で、民間に対してどういった支援を行っているかということに関しまして、若干触れさせていただきたいと思います。 例えば、新宿ふれあいフェスタですとか、三宅島の産業祭での伊那市ブース出展に市も関りまして、農産物の販売や販路拡大に向けてのPRにつなげているところでございます。また、市民の文化芸術の交流の場として、新宿のふれあいフェスタ、民謡大会などに参加をいただくなど、発表の機会の提供も行っているというところでございます。 特徴的な事例ということで申し上げさせていただいました。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 今いろいろ事例の中で、市民交流などの特に金銭的な支援などは、やられているんでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 宮原
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(宮原貴敏君) 民間主体の交流事業に対して直接的な金銭的な支援をするということは、市としては難しいということで捉えております。
○議長(白鳥敏明君) 宮原議員。
◆15番(宮原英幸君) 民間でずっとそれなりの思いがあって始めてこられた皆さんもだんだん年齢が高齢化したり、あるいは時代背景も変わってきたりというような状況がございますので、ぜひその辺も御考慮いただいて、市民交流に市としてどこら辺まで関わっていくのかという辺りもしっかり考えていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。 関係人口創出という視点で、いくつかお聞きをしてまいりましたけれども、これから増加すると思われる国際交流も含めまして、私たちの住む地域の魅力を高めていくにあたり、まず私達自身も変わる必要があるというふうにも感じております。観光教育等も含めた、住んでよし、訪れてよしの魅力ある地域づくりが必要であることを改めて申し上げまして、私の質問を終わります。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、宮原英幸議員の質問が終了しました。 暫時休憩といたします。 再開は15時ちょうどとします。
△休憩 午後2時46分
△再開 午後2時58分
○議長(白鳥敏明君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 野口輝雄議員の質問に入ります。 18番、野口輝雄議員。 (18番 野口輝雄君登壇)
◆18番(野口輝雄君) 18番、野口輝雄です。さきに通告しました2点について質問させていただきます。 初めに、伊那市において早朝の学童保育が必要ではないか、という疑問を投げかけるような質問をさせていただきます。 私たち令和クラブと公明党の5人は合同で、本年10月26日に神奈川県の大磯町を視察させていただきました。視察の目的は、大磯町で2016年から8年間も継続している、「朝のこどもの居場所づくり事業」これは学校始まる前までの早朝の時間に子供を学校の施設等で預かるという事業で、私は早朝の学童保育と呼ばせていただきたいと思います。その視察をしてまいりました。 大磯町では2016年、平成28年の1月から、子育てと仕事の両立を支援するために、小学校の始業前に学校の施設等を利用して、子供たちが安全に安心して過ごせるための場所を設け、子供たちが心豊かで健やかに育むことのできる環境を創出する、「朝のこどもの居場所づくり事業」を実施しておりました。 大磯町は人口が、3万1,000人、世帯数1万3,000世帯、ちょうど伊那市の人口の半分程度が住んでいる町で、相模湾に面した温暖な含め風光明媚な町でありました。早い時期に、社会全体で
子育て支援の充実を図る事業を多く取り入れ、この取組もその一環でありました。 早朝のこどもの居場所づくりは、具体的には次のようになっておりました。小学校に通う日の午前7時15分から、登校開始時間の8時30分までに、学童保育の支援員と放課後子供教室のスタッフ計2名以上で子供たちの見守りを行うもので、学童保育事業の委託事業者へ委託して行っておりました。実施場所は、町内にある2校の小学校の学童保育施設を利用して行い、子供たちは自主学習や読書、室内遊びなどでこの時間を過ごしています。年間300円の登録料、これは保険料ということですが、これを支払えば、どの学年でも年間いつでも利用できるというのも魅力の一つだと考えております。 利用の状況ですが、令和5年度では、2小学校の全児童数の約6%の子供たちが利用し、利用実績では両校合わせて、登録者数が86名、実施日数は両校とも約200日程度ですが、合計の延べ利用者数は5,265人と、大変大きな数字となっておりました。 特にこのデータの中で注目したいことは、登録者数86名のうち低学年1、2年生が54名と、その利用者数の約63%を占めていることであります。 大磯町ではこの事業を行った効果として、一つ、朝、校門前や玄関前で待つことがなくなり、安心安全につながった。二つ目、朝の学校の開錠は委託業者が行いまた、先生方が開門前に待っている子供たちの様子を見回ることもなくなったので、教員の負担軽減から働き方改革につながった。三つ目、保護者も安心して早く出社できるので、その分勤務が早く帰ることができ、児童と触れ合う時間が増え、働き方改革につながった。四つ目、朝の児童の体調等の情報を、支援員と担任が共有することができた、というような効果があったとの説明がありました。 この中で最大の効果はやはり、保護者が安心して早朝から出社できるようになったということではないでしょうか。これはまた子育てと仕事の両立の面で大きな支援になっていると考えます。 さて、大磯町の早朝の学童保育の現状を見て、伊那市の現状を考えていこうと思います。 そこでまず、市長及び教育委員会に質問させていただきます。伊那市ではこれまでに市長の手紙や、あるいは教育委員会などへの直接の要望などで、早朝の学童保育を望む声がなかったでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 三澤教育次長。
◎教育次長(三澤豊君) これまでに市長への手紙等を含めまして、学童クラブを早朝に開くことへの要望というのは来ておりません。平日の通常の学童クラブとは別に、長期休業に開く特別学童クラブでは、受入れの時間を早めてほしいという要望がございまして、それまで午前8時から受け入れていたわけですけれども、指導員の出勤時間を早めるということで令和元年7月から、午前7時45分から午後6時までの受入れとしているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 野口議員。
◆18番(野口輝雄君) 分かりました。さて、先ほどの大磯町のデータの中で、低学年の児童の利用が多いという報告いたしました。これは、保護者の仕事の関係で、どうしても早く家を出ないと仕事にならないという現実があると考えますが、しかし、親が先に家を出て、低学年の子供たちを学校に行くまでの間、家に子供たちを1人で置いておくには不安があるという現実があると考えております。 だから、早朝に預かってもらうと安心して出社できるということになるのだと思っております。 現在、伊那市では保育園は別として、早朝に学童に預ける公的な場所はありません。そこで伊那市の保育園ですけれども、伊那市の保育園には、標準時間認定として、これは保護者双方の就業時間がそれぞれ月120時間以上の場合を認定するとなっておりますが、朝7時30分から保育園に園児を預けることができております。保育園に通っている間は保護者は朝の早い出社ができますが、今の年長さんが来年の4月から小学校に通うことになったとき、早朝に預けることができなくなりますが、保護者の方のほうでは就業時間を変えて、今までより遅い出社ということができるのでしょうか。きっとそのときには、新入学児童を持ち、両親とも就労している家庭では、朝の児童の居場所について考えなくてはならなくなります。 そこで、そんな児童がどの程度来年度いるのかを調べてみました。現在、伊那市の保育園に通園している児童のうち、5歳児年長組さんで、7時30分から保育園に預けている家庭を、担当の
子育て支援課にお願いして調べていただきました。大変ありがとうございました。 調査によりますと、全19保育園で5歳児の全児童数が409名のうち、7時30分から保育園に預けている園児数は112名で、5歳児のうち約30%の園児が7時30分から早朝保育をお願いしているということが分かりました。 来年4月からこの年長さんは新1年生になるということですけども、保育園のように早朝の時間に児童を預かってはいただけません。 次に、先ほどの大磯町の報告の中で、早朝学童保育の効果の1番として、朝、校門前や玄関前で待つことがなくなり、安心安全につながった。あるいは2番として、朝の学校の開錠は業者が行い、また先生方が開門前に待っている子供たちの様子を見回ることがなくなったので、教員の負担軽減から働き方改革につながったというのがありました。 そこで実際に、玄関が開く前開門前に、どの程度の今度は子供たちが学校の玄関前で待っているのかについて、私が市内の大規模校でその様子を校庭の端の遠いところから見させていただきました。 この日水曜日はこんな様子でした。朝7時までには誰も玄関前にはおりませんでした。7時から7時10分の間に児童が1人、高学年の子供と思われる男の子が1人やってまいりました。玄関の前で待っておりました。7時10分から7時20分の間に児童が5人、これで計6人になりました。それから7時20分から7時30分、この時間は急に増えておりまして、児童が53人、一気に10分間で増えてまいりました。合計59人ということでした。 なおこの間7時15分頃、車で児童を2人、学校まで送ってきた家庭がおりました。また、先生方はちょうど7時頃にお1人登校して玄関から入って行かれましたが、その後は7時半までの間にはもう1人の先生が玄関から入っていくのが見られました。他の職員用の入口もあるのではないかと思いますので、そんな様子を見せていただいた結果、7時30分までには児童は合計59人が、玄関の前で鍵が開くのを待っておりました。 この学校のこの59人と人数は、児童数の約10%ということになりました。開錠までの間に子供たちはそれぞれに時間をつぶしておりました。学校の玄関の鍵を開ける時間はまちまちかと思いますが、ほぼ7時45分頃から8時頃かと思っております。その間、この子供たちを見守っている人はいないのが現実のようであります。安心、安全の面で配慮する必要があるのではないかなと思いました。 さて、伊那市では幸いにも、放課後の学童保育が充実しております。この放課後の学童保育の場所や要因、あるいはシステムをそのまま早朝の学童保育に移行することも可能ではないかなと考えております。 そこで、市長及び教育委員会に質問でありますが、これまでに私が申し上げたことを踏まえて、伊那市では今後早朝の学童保育が必要なのかどうかということをぜひ確かめていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 先ほどの教育委員会並びに市長へのというところのお答えをちょっとしていませんでしたので、まず先ほど教育委員会で話があったように、今まで早朝の学童保育、市長への手紙を含めて要望というのは来ていないということであります。 それから、平日の通常学童クラブとは別に、長期休業などに開く特別学童クラブがありまして、この中では受入れ時間を早めてほしいという要望がありました。それまで午前8時から受入れを行っておりましたが、指導員の出勤時間を早め、また令和元年7月からは午前7時45分からとして、午後6時までの受入れということで先ほど答えるつもりでした。これは教育委員会のところですね。 私は施錠する学校もあれば施錠しない学校もあると思いますし、当時私の通っていたもう60年以上前の西箕輪小学校では、みんな朝来ると校庭で遊んでいたり、授業が始まるまで仲良く遊ぶというような光景でしたが、今でもその光景変わっていないのかなと思っていますけども、ちょっと現状よくは見ておりませんけれどもそんなことで、先ほどの質問に対するお答えであります。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) いくつかの小学校では、議員御覧になったように、数人の、またこの場合は大変多かったですけども、児童が玄関が開く前に登校して待っているという状況があるということについては承知をしているところでございます。 市内の小学校では、玄関を開ける時刻が午前7時20分から7時50分の間となっております。そのことから、実際の待ち時間については短時間になってるのかなというふうに考えております。 早朝の学童クラブを開くためにということでございますが、早朝だけ勤務できる人材を確保するということは難しさがあります。放課後の学童クラブの運営にも支障が出てくることが考えられるところでございます。早朝に学童クラブを開くことに対しましては、放課後児童健全育成事業に実はこれ含まれないことから、国・県の補助がございません。したがいまして、どうしても保護者の費用負担が増えるという課題があるというふうに考えております。 現在、県内19市で早朝の学童クラブを実施している自治体がないということもございますけれども、今後保護者からの要望などが増えてくるというようなことがございましたら、県内の市、また近隣の自治体の状況等も踏まえながら実施について検討をしてまいりたいとそのように考えるところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 野口議員。
◆18番(野口輝雄君) 大磯町でやってるから伊那市でもやれ、とそういう意見は申しません。伊那市で必要ではないかどうかということをぜひアンケートなりを使って、保護者に直接聞いていただきたいということを申し上げているのであって、実施するには、教育長言われたように大変いろいろお金もかかると思います。でも、私が調べた中では、特に今の保育園の年長さんたちかなり早い時間に預けている、これは家庭の事情でどうしても預けざるを得ないというそういう現状があるということをやはり踏まえていただき、その
子育て支援とそれから仕事の両立というものを、やはり伊那市では大いにバックアップしていただきたい、そんな観点から、ぜひ検証をしていただきたい、必要かどうかということを確かめていただきたいということをお願いしております。ぜひ今後、要望がありましたらというお話でありましたけれども、要望の前に、積極的に必要なのかどうか、私は自分自身は本当に必要だと思っております。年長さん、1年生になったらどうするんだろう、いつ学校行かせるんだろう、全ての学校が早く、市長の言われた昔の学校のように、いつでも入れるような状態ではありませんので、その辺のことをぜひ考えて継続的に検討していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 それでは二つ目の質問に入ります。写真という視点で、伊那市全体の魅力を発信する大きなイベントができないかという、これも疑問を投げかけるような発言で申し訳ありません。もう一つだけ提案を聞いていただきたいと思います。 伊那市の魅力というとすぐに高遠のサクラだとか、バラ園だとか、石仏、神社仏閣等々ソバも含めて取り立たされますけども、伊那市の魅力というのはこれだけはありません。 南アルプスに代表される山々、そしてそこを流れる渓流、豊かな自然、ジオパークやエコパークの存在、気の里、さらに酒蔵、酒文化、すがれ追いやざざ虫取り、蜂の子の昆虫文化、高遠城址古城の古墳、あるいは古き町並み、もうこれは、羽広かぶから高遠だるま市から何から並べたら、もうそれだけでも明日の朝までかかってしまうぐらいちょっと大げさですが、たくさんあると私は覚えております。 この数え切れないほどの魅力が、この伊那市内、西山山麓から伊那市内含めて、そして東山山麓まで幅広く広がっているというのが、私たち伊那市の大変すごい魅力だと思っております。私はこの素晴らしい魅力をもっともっと積極的に売り出すべきだというふうに考えております。 今年度の市民と議会との懇談会だとか、議会と高校生の懇談会などにおいても、伊那市の魅力の発信ということが多くの場所で語られました。伊那市には多くの魅力があるので、もっともっと売り出すべきだというふうに私は捉えております。 そこで、伊那市ではこの幅広い魅力を、これまでにどのくらい発信してきたかということを考えて調べてみました。幅広いという意味は、高遠城址公園のサクラだとかそれから高遠の石仏群だとかいう一視点だけの発信ではなく、もっと幅広く発信してきたイベントがあったかどうかということを探してみました。 二つ私なりに見つけました。その一つが、伊那信州高遠の四季展です。このイベントは2018年から休止となりましたが、それまでに2000年から3年ごとに計6回の四季展を開催しました。全国規模の開催で、高遠という比較的広い地域を対象に、四季折々の題材で描かれた絵の作品展を行っておりました。高遠のサクラだとか石仏だとか、一つの視点ではなく、広く高遠全体の魅力が題材にできる全国規模の作品展であったのではないかと思っております。6回の開催で延べ2,441人、3,229点の作品が出されました。作品を描く方々が宿泊をされ、泊を伴った観光に大いに貢献したイベントだと思っております。 しかしながら、高遠の名の周知だとか、一定の効果を得たことや市民の関心が高まらなかったことなどで7回目から休止になってしまい残念でありました。 もう一つ見つけたイベントは、「信州高遠の四季を撮る」というフォトコンテストでありました。このイベントは高遠の商工観光課で実施しているもので、日本で最も美しい村に関わって、高遠の四季の写真を1年間かけて募集し、審査を行って賞を決めるフォトコンテストであります。令和4年の審査の記録では、出品者数は23名、作品数は60点とやや小規模の写真展でありました。今お話しました2つのイベントは、サクラや紅葉あるいはバラ、石仏などという一視点でのテーマのイベントではなく、高遠というややそれよりも広い視野で募集している点で、幅広く魅力を集めていると言えます。 しかし私は、さらに幅広い視点で魅力を集めることは、できるのではないかと考えました。絵を描ける方はそうたくさんおりませんが、写真なら多くの方が手がけることができるのではないかと思うんです。よく、定年退職された方の多くが、カメラを購入して四季折々の写真を楽しんでいる風景を見かけます。伊那市内だけでなく、全国的には、多くの写真ファンあるいはカメラファンがおります。この方々に、御活躍を願うイベントを開催する。しかも、高遠だとかそういう視野ではなくて、伊那市全体、あるいは伊那谷全体というフィールドとしてその全体の魅力を、写真の題材にしていただき、それをコンテストにするという大イベントができないかなと考えております。 いわば、伊那市あるいは伊那谷の、いわゆる写真甲子園的なイベントであり、信州高遠の四季を撮るフォトコンテストの題材を、伊那市全域に拡大したものと考えればいいかなと思っております。 これにより年間を通しての伊那市への観光客が期待できますし、またコンテストの工夫により、例えば、写真の部の募集を一般の部と、例えば宿泊の部に分けて、宿泊を伴って写した写真と、一般に写した写真と別にしてやるということを考えれば、宿泊の部では、具体的には春夏秋冬でそれぞれ10日間ぐらいに期間を限定して宿泊期間を決めて、宿泊する方々にはもちろん、宿泊費等の優遇措置をすることで誘客することもできますし、またその宿泊期間中に写真イベント、撮影会だとか、カメラ機器の講習会なども開くことも考えられるのではないかと思います。 幸いにも、写真コンクール開催のノウハウは高遠町の商工観光課で持っております。さらに、伊那市には有名なカメラメーカーさんがあります。きっとそのカメラメーカーさんも、全面的に協力していただけるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 そこで市長に質問であります。伊那市には数え切れないほど多くの魅力があり、そして多くの写真の題材があります。この魅力を撮影する、全国規模の写真コンテストを開催することによって、伊那市の魅力を大々的に発信するばかりでなく、数多くの宿泊を伴った観光客が期待できるのではないかと思うんですけれども、市長いかが思われますでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 現状の点については担当の方からお話をさせていただきます。 私も過去に北海道の東川町の写真コンテストが全国で注目されたという、もう20年ほど前の話なんですけども、写真の町としてかなり有名になりました。今は森林の町で有名なんですけども、そうしたことを皮切りに、今全国規模で開催中のフォトコンテスト、これ100以上あるようでありまして、特に県外の方々に注目をしていただくというのは、もう100の中では後発であればあるほど、なかなか難しいのではないかというふうに考えるところであります。 ただ、写真という切り口で伊那市の魅力を発信するという視点は、NHKやあるいは民放、新聞などへの写真の応募に加えて、近年はやっぱりSNSの活用などで、かなり拡散することがありますので、一般市民だけではなくて、全国規模の皆さんがここに来てSNS等で発信をしてもらうことで、大変大きな効果が出るのではないかというふうに考えるわけであります。 単にカメラを使ってコンテストというだけではなくて、携帯を使って写真、これもOKだというようなことで、いろいろな拡散手段を考えながら判断をしてまいりたいというふうに思っております。
○議長(白鳥敏明君) 重盛
商工観光部長。
◎
商工観光部長(重盛巧君) 議員から御指摘いただきましたフォトコンテスト、高遠町商工観光課で行っているものにつきましては、高遠町「日本で美しい村推進協議会」がこれまで2年おきに3回開催してきたものでございます。第1回と第2回につきましては、高遠の石造物に焦点を当てたもの。令和4年に審査を行いました3回目につきましては、高遠の自然が織りなす四季折々の美しい風景をテーマに開催をしております。議員御指摘のとおり、広く募集をかけている状況でございます。 こうしたフォトコンテストの開催の効果といたしましては、撮影者が市内を周遊し、写真撮影を通じて伊那市に愛着をお持ちいただけること、また応募された写真が市の観光PRに活用できることなどが挙げられると思います。また、撮影者が写真撮影をきっかけに、伊那市にお越しいただけることで消費額が増加することにもつながるものと思います。 これまで開催した3回のフォトコンテストでは、応募者が偏っているというか、限定しつつあるという傾向があること、また、撮影される素材がマンネリ化して新たな視点の写真が少なくなっているという状況がございます。あとの考え方については、今市長がお話したとおりでございます。
○議長(白鳥敏明君) 野口議員。
◆18番(野口輝雄君) 写真というのは本当にいろんなものを撮影できるもので、実は今年の私の住んでいます西箕輪の公民館主催の文化祭に、初めて写真コンテストというのがありました。西箕輪という小さな地区ですので、そんなにたくさん参加ないだろうと思っていたんですが、たくさんの写真が応募された。私このことを見ても、写真愛好家というのはすごい数がいるんだなということを思っております。その写真愛好家の皆さんを、ぜひ全員この伊那市の魅力発信のために使えたらいいなというふうに考えまして、今回この伊那市の魅力を写真の題材で発信できないかという提案をさせていただきました。 いろいろな壁があると思うんですけれども、伊那市の魅力は先ほど申し上げましたように、一つ一つ申し上げたら、それこそ明日の朝までかかるぐらいたくさんあるというふうに大げさなこと申しましたけど、それほどたくさんの魅力を、市民の皆さんも学生の皆さんもぜひ発信してほしいという希望があるということをしっかり覚えておいていただきまして、ぜひ今日私が提案したことについて、脳裏のどこかに覚えておいていただいて、何かあったときに、よしこれやってみよう、という決断を市長ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。 以上で今日の質問を終わります。
○議長(白鳥敏明君) 以上をもちまして、野口輝雄議員の質問は終了しました。 引き続き、二瓶裕史議員の質問に入ります。 17番、二瓶裕史議員。 (17番 二瓶裕史君登壇)
◆17番(二瓶裕史君) 17番、二瓶裕史です。さきに通告しました3点、フィンランドの視察を伊那市政にどのように生かしていくか、義務木育と生涯木育、改正障害者差別解消法について、市長、教育委員会の見解を伺います。 まず、フィンランドの視察を伊那市政にどのように生かしていくかについて質問します。 10月8日から5泊8日の行程で、市長をはじめ14名でフィンランドの視察が行われました。フィンランドは世界有数の教育先進国であり、また、森林産業・木材利用等の先進国でもあります。ちょうど今朝の新聞でもフィンランドの林業に学ぶというような、下伊那での講演の記事が出ていましたけれども、本当にフィンランドの林業というのは非常に注目されているんだなというのを、今日の新聞を見て改めて思いました。 今回、大きな費用をかけて臨んだ国外視察ですので、今回の視察がどのように市民生活の向上に寄与していくのか、多くの市民が注目をしています。11月28日のまほらいな市民大学では、市長が講師として登壇し、フィンランドと日本の教育の違いなどについてお話をされたとの記事も目にしました。 改めて、フィンランドの視察を行い、どのような感想を持たれたのか、また、視察の前と後で市長の気持ちの変化などありましたら教えてください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) そもそもフィンランドと伊那市の関係なんですけども、長野県の林務部が仲介というか介在していただいて、フィンランドの北カルヤラ県、長野県と同じように県なんですが、北カルヤラ県と伊那市が覚書を締結しました。これは森林林業に関わる技術の提供、また人的な交流ということをやりましょうねということで始まって、これがちょうど3年前の10月でした。 今回は3年の期間を経て林業だけではなくて、教育に関しても勉強しようということで行きました。前回は森林林業だったんですが、その森林林業を学んでいる中で、やはり教育はかなり高いレベルの教育というものをフィンランドはもう実践をしているということで、今回市の職員だけではなくて市民の方、教育関係者、それから林業関係者、いろんな皆さんで14名ほどで行ったわけであります。 一言といいますか端的に表現をすれば、フィンランドという国は人口550万人、広さとすると大体日本と同じ広さなんですね。そこに550万人。日本はそこに1億2,500万人暮らしていると。なので、非常に人口密度はゆったりとしていて、また全てが森林であります。森と湖の国ということで、資源とすると森林資源しかないと言っても過言ではないと思うんですね。 そうした中で、フィンランドという国は特にヨエンスという北カルヤラ県の中にある、ヨエンス市という国は7万7,000人の人口なんですが、伊那市よりも大きい。これはヨーロッパの森の首都、森林の首都と言われておりまして、ヨーロッパ中から研究者がそこに集まって森林の研究をしていると、そうした学園都市でもあります。そこと伊那市がつながっているということは、非常に世界一のトップランナーと伊那市がつながっているということになりますので、森林林業に関しては、非常にこれから学ぶべきことが多いのではないかという思いがしてます。 それともう一つ、成熟した国だという印象ですね。それと、民度の高い国民性という感じがしました。先ほど言いましたけど、森とともに生きてきた歴史があるということで、世界で注目されている国フィンランドでありますので、世界一の高い教育水準を持ってる国で、森林林業では世界のトップランナーで、幸福度世界一という国と伊那市がつながりが持てているとことは、今後の伊那市の将来像を描くときには、大変重要なファクターになるだろうというふうに考えております。 特に、森林と教育というのは一体だという、つまり森と学びというのは一体として捉えている国でありまして、豊富な資源がない中で、森から得られるもの、これはもう生活の中に、あるいは国の貿易の中に全部組み込んでいこうという気概を感じたわけであります。 例えばガムのキシリトール、これもフィンランドから生まれておりますし、白樺のエキスを抽出してキシリトールを作るとか、あるいはその森の高性能機械ジョンディアの世界的な機械の国であったりとか、本当に様々な昔ノキアという携帯電話の発信の国がありました。そうしたスタートアップがどんどんと繰り返されている国という感じでした。その背景には、やはり教育があると。教育についても起業家精神といいますかアントレプレナーシップみたいなところを常に持っていて、そうしたことが小さいうちから培われているというそうした印象であります。 この間、市民大学のときも話をしたんですけれども、時間的には本当に少なかったものですから、また議員さんの中からもぜひ話を聞きたいと。また市民の皆さんからも話を聞きたいということを随分いただいておりますので、どこかでこのことについて私のみならず、行った皆さんも含めた報告会をしようという今準備をしているところであります。 教育については、本当に小さい頃から森との関わりというか、自分は何ができるのかっていうことを教えられています。教育の原点というのは、記憶力ではなくて、実践なんですよね。自分はこのことをするためにどんなことを学んでいくのか、記憶力がよければ頭が良いという評価は全くされません。実学として、自分が社会に求められる人間、それが最も評価されますので、そのための学習を小さい頃からやっていると。記憶力がいいから勉強できる、勉強できるからいい大学へ行くというのは、全く社会の評価の中には入っていないというのが私の印象でした。 そうしたことを視察をする中でも、これから伊那市の中で実践をしたい。当初は林業として伊那市は50年の森林ビジョンがありますので、このことによって森林林業をさらに国内でもトップランナーとして発展させようという思いがありまして、これは今でも変わりません。 一方では、教育という分野はどんなに大事か。つまり、人材に直結する分野ですので、これをしっかりと伊那市でも実践をしたいなというのを思っております。森に学ぶということ、教育というのは旧高遠藩進徳館の教えであった実学、社会に役立つ学問というもの、これを伊那の子供たちは小さいうちから身につけながらやっていってほしいなと。そのために何をするのかということを、フィンランド教育の中から、またフィンランドの森から、一端ではありますけど学んで、勉強してきたつもりであります。 また、おいおい、そうしたことを話をさせていただいたり、また先ほど、友好都市の交流の話もありました。フィンランドの県の知事ですよね、知事の皆さんとか大学の学長とか教授とか皆さんと話をするんですが、視察に行って質問をして答えるという視察は嫌だと、向こうはそういう不毛な議論はしたくないと。ちゃんと英語で話をして、自分が何を聞いてどんなことを学んで、これディスカッションしましょうという、そうした視察なんですね。 だから言われることをメモを取るなんてことは全く駄目ですね。メモは取らなくていいと。また後でメールで送るから議論しましょう、これが基本なんです。そういうことの中で、伊那の中で展開できること、本当にたくさんあると思いますのでやっていきたいんですけども、単なる交流だったらやる価値がないっていうことを言われました。日本の長野県の伊那市の皆さんは、どういうことを求めてくるんですかと。教育の勉強をしたいのか、森林の勉強をしたいのか。私たちは皆さんとビジネスをして、新しいビジネスを起こしたいんだと、そういう交流だったら望むところだし、単なる知識を聞いて帰るだけだったらしない方がいいというぐらいのことまで言います。 ですから12月の半ばに、その当時そのときに会った研究者が長野県に来て、途中で伊那に寄ります。研究成果について、伊那の可能性を勉強したいと。そこでまた民間の皆さんとの交流があったり。昨年は市の職員とか民間の林業事業者の皆さんもフィンランドに行って勉強してきたはずなんですが、そうしたことが社会の中に還元されて、市の中に還元されてあるいは行政の中にも還元されて、これが実学として伸びていくということを期待をしたいと思っていますし、そうした交流でなければ、単なる行ったり来たりだけだったら旅行と同じですので、そうでないようなつながりができることを望んでいるところです。 非常に国民性は穏やかです。横断歩道に立った瞬間、100%車は止まります。あのヘルシンキ、東京と同じ首都でも、横断歩道に人が立っていると必ず止まるというようなことで、長野県が日本で一番止まる数字が高いというレベルではなかったですね。非常に穏やかだし、そうしたことが国民性として伝わってくるし、話をしていても本当に相手のために時間を取ってくれるという、それがひしひしと伝わった視察でした。 この視察についてはさらに裾野を広げながら、実益としてのまた交流があったり、また新しい事業がこの地で起きる、フィンランドと一緒になって起こせる、そんなことを期待をしているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。
◆17番(二瓶裕史君) 本当にフィンランドの教育というのは、林業もそうですけど非常に注目されていて、私も今市長の話を、多分ほんの一部の話をしていただいたと思うんですけども、やはりもっと聞きたいなと思いますし、多くの市民もそういう行った結果のその素晴らしい話とか経験というのを聞きたいと思っていますので、先ほど市長の話にあったように、いつかそういう参加した人と一緒の報告会みたいなそういうのをしていただけると嬉しいなと思います。 私も何回か議会で法教育の話とかしているんですけど、実は20数年前大学のときに法教育の勉強をちょっと始めて、モヤモヤとしていたんですけど、そうかこれかと思ったきっかけはフィンランドの教育でした、実は。フィンランドの社会科の小学校一年生の教科書の最初からもう罪と罰について学ぶという、日本では考えられないんですけど、そういったことで弱いものに悪いことをしてはいけない、人権を学ぶとか、少年犯罪の抑制とか、そういうのをやっているということで、これ北欧が結構法教育進んでいるんですけども、そういうのでこういうことかと思って、すごくその分野に興味を持ったということなんですけど。今回縁で、伊那市とフィンランドがそういう関係があって市長がフィンランド教育を伊那市で実践していこうっていうのを聞くと、ちょっと個人的にわくわくして、改めてもう1回ちょっとフィンランド教育をもう一回勉強したいなという思いをしているところです。 次の質問にいきます。今回の視察、前回林業だったんですけども、今回教育分野についてもということで、それがすごい興味を持ったとか特筆すべき視察だったのではないかなと思っています。 市長、10月の臨時会の挨拶で、フィンランドの視察を経て、伊那市の将来を見据えた教育・人材育成について喫緊の課題であると改めて認識した、という発言がありました。その点につきまして具体的にどういう考えだったのか、お聞かせいただきたいと思います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) フィンランドの教育は素晴らしいと言いながらも、伊那市の教育を否定するものではない訳でありまして、伊那の教育、よくよく棚卸しをしてみると、同じようなことをずいぶんやっているんですよね。そうしたことを体系づけてこれからもっと進める、あるいは時代に合ったような進め方をするというのがこれからの求められる教育現場ではなかろうかと思います。 例えば、フィンランドの小学校一年生、二年生、森に入るとき森に行くとき、どういう支度をして入るのが一番いいのか、安全なのか、あるいは入ったときにどういう危険があるのか、食べられるのは何かということを、小さい頃から一つ一つ学んでいく。5年生ぐらいになると何人かでグループを作って、フィンランドは湖があちらこちらありますので、カヌーでテントを持って、数人で子供たちだけで2週間の旅に出る。そこで生活をして、自分たちで火を焚いたり、あるいは魚を釣ったりいろんなことをして、実を食べたりしながら帰ってくるという、日本ではちょっと考えられないと思います。ですが、生きる力というのを小さいうちからきちんとカリキュラムを立てて、子供たちに教え込んでいますので、それからフィンランドの子供たちって、大人はもう成熟していますから、自分たちが教えたことを子供たちが実践をしているから間違いなく帰ってくると、そうしたことで子供たちを送り出したり、温かく見守っているというのが基本にあると思います。 先ほど言ったように、森と学びというのはセットなんですけど、その森と学びの中には森を敬う、尊敬しているということをどなたに会っても皆さんおっしゃるんですね。視察先で10何か所行ったんですけども、話をした途中に、最後に、私達は森を尊敬しています、と異口同音にどんな方も言われるんですね。ということは、もう小さいうちから森と生活がセットになっているし、森に生かされているということも体に染みついているんだな、という思いがして聞いてきたわけであります。 どうやったら生かせるかというのは、これから教育委員会ともいろんな話をしなければいけませんが、フィンランドでは落ちこぼれがいないという言い方おかしいんですけど、分からないところがあれば分かるまで教えてくれる。クラスが20人から25人なんですけど、分からないところがある子供はそのクラスから1回出て、違うところで徹底的に教えてもらって、理解をするとまた戻ってくる。その繰り返しでやっているんですね。ですから、分からないまま次のステップにいくということがないので、必ず理解をしながら、スピードが遅くても必ず自分のものにしていくという、そんなことが特徴的にありました。 伊那の教育でもそういうことが可能であればやっていければいいし、これもまた教育委員会との話であります。今回、教育委員の方が2人、自費で行っています。そういう皆さんも実際現場見ておりますので、そうした意見もまた反映できるのかなという気がします。 それと、伊那市のことをちょっと振り返ってみると、伊那市には学校林があります。11校持っていますので、そうした小中学校の学校林の活用もできるのかなということ、森に学ぶという点で。ただ人工林ではあるんですが、そうは言ってもそれなりの環境がありますのでこれも可能性の一つ。 あと、人材教育、人材育成については、ビジネスヨエンスというヨエンス市にある一つの大学の先生が入っているんだけど、社会人も入って学生も入って、自分たちで起業をしようと。そのためのサポートを先生たちがしてくれるという、そうしたところがビジネスヨエンスとありました。 それの少しでも機能を伊那にに持ち込んでやりたいなと思ったのが、信大の横にできたinadani sees、産学官の連携拠点ですね。あれがビジネスヨエンスの本当に小さい版なんですけど、そこで伊那市ならではのものができれば、一つ形が見えてくるのかなと思っているところで、そんなことで展開の仕方というのはいくつかあろうかと思うんですが、いきなり全部持ち込んでやりますなんていうそんな乱暴なことはもちろんできませんので、今ある伊那市の教育現場と、フィンランドの教育現場との親和性というか共通項を確認して、それを理論的に組み立ててやっていくというのが一番近道かなというふうに思っておりますし、先生たちも、いろんな先生がおります。フィンランドも伊那も。教育の関係を持てるかと言ったら、向こうはもう窓口をすぐ決めてもらって、いつでもいいですよと。いつ来てもらってもいいし、その前にウェブで先生方とやり取りしましょうと。そこで学びを深めていって、場合によっては来てもらってもいいし、留学してもらってもいいですよ、という話をもらっておりますので、そうしたつながりをだんだんに今作りつつありますので、一つ一つまた相談をさせてもらいながら進めていければなというふうに思っております。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。
◆17番(二瓶裕史君) 一つ目の質問で市長の答弁でも、森と学びは一体だとかいう話もありましたし、今の答弁でも小学校のときからもうカリキュラムを組んで、しっかり森と生活していくための術を学んでいくとか、そういったことが積み重なって、みんな森を敬うような感情を持っているということでお聞きしまして、やはり伊那市も82%が森林だという環境がある中で、そういう教育を子供たちにできたらやはり伊那市の特色にもなるんじゃないかなと思っています。 またちょっとその点は後ほど集中してお聞きするとして、次に教育委員会にもお尋ねします。今回の視察は、教育委員会の関係者も同行したと伺っております。今、市長の答弁で2人、教育委員の方が同行したということですが、視察で得た経験や情報をどのように市政、教育行政に生かしていけるのかお考えをお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 今お話にありますように、今回教育を重点にした視察にしていただけること、大変ありがたいなというふうにまず思っています。 先日ですが、この視察に参加をされた方たちに集まっていただいて、視察の成果、気づき、また今後の取組等について意見交換をされる場を設けました。 教育に関して申しますと、もう日本とこれは当然制度の違いあるわけでございすが、学ぶことを学ぶ、誰1人取り残さない、そうした考え方は、私達の取組み、また願いと共通する、そうした意見もございました。幼児期から大切にされているアントレプレナーシップ、これ私は社会に対して影響を与えることのできる存在なんだとそういう自覚を促していくとそういうものというふうに承知をしておりますけれども、そうした意識が子供たちの中に育っているということが非常に価値のあることであるなというふうに思っています。 私が一つ行かれる方たちに期待をしていますというふうに申し上げたのは、先生方が、非常に自信を持って、また高いプライドを持ってその教育活動にあたっておられる姿にぜひ触れてきていただきたい。校長先生とか偉い先生とかもそうなんですけど、ごく普通に子供たちと一緒に生活をされている、学校で生活をしている先生方の姿や気持ちに触れてきていただきたいとそんなことを申し上げました。それはやはり、今後の取組として市長もお話しされましたけれども、今回の視察で得られたつながりあるいは人脈ですけれど、それらを生かしながら、フィンランドの先生方や子供たちとオンラインで交流するといったことも可能にもなっておりましょう。また、教員向けに森の教育を体験する機会を作っていくとか、いくつものそうした具体的な取組が考えられうるのかなというふうにも思っています。 保育園で取り組んでいること、また小学校でもいくつもの学校、市長が学校林のことことも触れてくださいましたけども、そうしたことをいかに生かすか。やはり森をキーワードにして、保育園、小学校、中学校の交流あるいは連携しての取組等についても考えられるところないか、そこら辺は取組の入口にしていくところかなというふうに思っております。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。
◆17番(二瓶裕史君) ありがとうございます。自分たちがどう社会に影響を与えることができるのかというような、そういう思いで社会の一員として生活していく、暮らしていくための人を作っていく教育というのはすごいことだなというふうに思っています。 また私の専門の話をしてしまってあれなんですけど、法教育ってもともとアメリカで20世紀前半ぐらいに、盛んになってきたんですけども、アメリカでやるときはどうしても国策に従わせるために、国民にはこういう義務があるんだよと植え付けるための法教育だったんですけど、北欧の法教育っていうのはその後から発展してきたんですけど、ルールとか法律というのは、私たち市民が決めて、市民が変えて、市民が運用していく、そういう主権者的な学びを与えるための教育として発展してきているんですね、その北欧のほうは。フィンランドもそういう形で、以前一般質問の時、スウェーデンの法教育の話なんですけども、日本の子供たちに法律って何ですかって言うと、従うものとか言うんですけど、スウェーデンの子たちに言うと、私達が変えるものって答えるという、全くもう根本が違うんですね。それはもう小学校1年の頃から、私たちは社会の中でどう生きていくか、どういう立ち位置なのかというのを教育してきた結果がそういうとこに生まれてくるということで、その起業家精神とかいうのも、もう普通に会社に就職して働いていく、これもすごく尊い話ですけれども、それだけじゃなくて、私達が会社を興して起業をして社会を変えていくという気持ちを持つというのは、やっぱり本当に小さい頃からの教育の賜物なんだろうなというふうに思っています。 そういうのを今伊那市でも、いろんな場面でそういうことは自然にやっているのかもしれないですけど、しっかりと先進的なフィンランドのものを持ち帰って、教育現場で考えてみて使ってみるというのは、すごい取組が始まるのかなと思って今から大変期待をしています。 先ほど市長からも教育は実学という話、記憶力だけではなくてという話ありましたけども、記憶力の悪い私からすると非常にそういう授業が小学校のときからあると良かったなと思うわけですけども、学校で教わる国語、数学、理科、社会、英語、体育、美術、家庭科とかいろいろありますけれども、それも当然社会に出るために大切な知識なんですけども、やっぱり社会に出るために身に着けたほうがいい知識というのは、その法律とか政治とか防災とか経済、お金の問題それから人とのコミュニケーションの取り方、そういったものも社会に出るために本当に非常に大切なものなので、そういう教科を横断しながらそういうこともしっかり学校で学んでいくのも、フィンランド教育、実学とかそういったものとの関わりで、面白いのではないかなと思っています。 生きるためにこれ必要なこと、社会に出るために必要なことを、学校とか地域でしっかりと教えることができる伊那市になってくれるといいなと思っています。 次の質問なんですけども、今度は伊那市だからこそできる教育、伊那市の独自色たっぷりな教育ということで、木育について市長と教育委員会の見解を伺います。 義務木育と生涯木育についてです。11月29日に伊那西小学校の校長先生が、公益財団法人博報堂教育財団から、博報賞を受賞したということについて報告に訪れたという新聞報道がありました。学校周辺の森を活用した自然体験などを学びに取り入れていることが高く評価されたとあります。大変喜ばしいニュースで、今後の活動も期待しているところです。 さて、先日、上伊那広域連合議会の視察で福井県小浜市に伺いました。小浜市は食によるまちづくりに力を入れており、中でも食育というものを、行政施策の大切な部分として位置づけていました。 若狭おばま食文化館で食育事業についてお話を伺いましたが、その中で、義務教育とか生涯教育のように、義務食育、生涯食育を提唱しているとありました。ライフステージに併せた食育と、市内就学前の園児から中学生までの全員が一定の食育体験学習ができるようにしているとのことでした。しっかりと食育というものを様々な考えの中心に置いているということで、市の多くの事業について説明を受けても、全てにおいて筋が通っていて、とても感銘を受けてきたところです。 伊那市は広大な面積の82%が森林であり、50年の森林ビジョンでこれからの森林のあり方、活用の仕方など真剣に取り組んでいるところです。そこでこれまでも木育というテーマについては取り組まれているところですが、もう一歩進めて義務木育、生涯木育という観点で、改めて木育を整理し、発展させてはいかがでしょうか。 まず伺います。市長の木育に対しての思いと、伊那市の木育への取組について現状をお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 木育様々な分野で、小さい頃から私たち中学生、高校生まで木育の場面があるわけでありますが、背景にはやはり脱プラスチックだと思います。プラスチックが発見されてまだそんなに時間が経っているわけではないんですが、それまでは木とのつながり、木とのお付き合いでずっと小さい頃から成長してきたはずなんですね。それが途中で切れてしまった。これをただ戻したいということです。そのことの延長として、生活の中に木のある暮らしが普通にあると。例えば経木もその一つですし、学校の机にしても、単なる鉄筋コンクリートの廊下ではなくてそこに木をはめ込んで腰板を作ってとかですね。そうした本来人間が持っていた自然とのつながりの中の木、これを戻したいということです。 それを今進めている中で、シンボルツリーがあったり、他にもいろんな教育の現場で様々やっていたりとか、学校林を使った取組だとか、そんなことが私の中では昔の当たり前の社会というか、環境を作りたいというそれが一番基本です。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。
◆17番(二瓶裕史君) 昔の当たり前の生活に戻したいっていうことで、確かに昔はプラスチック製品とかなかったわけですから、当たり前のように木と一緒に生活をしていた、木を当たり前のように使っていたということだと思います。 この木育という言葉なんですけれども、この概念、2004年に北海道庁によるプログラムから生まれた言葉とされています。木の文化を継承するために、森や木との関わりについて主体的に考えられる豊かな心を育てるというものだそうです。北海道庁の木育推進プロジェクトチームの説明では、子供をはじめとする全ての人々が、木と触れ合い、木に学び、木と生きる、それが木育ですと説明されています。 本年3月に作成された50年の森林ビジョン、概要と取組では、50年の森林ビジョンが認知されていないこと、特に若年層への認知度が低いという課題が挙がっています。子供新聞を発行していく、との記載もありましたが、せっかくの環境をもっと有効に生かせないでしょうか。伊那市では幼少期から木材に親しむため、ウッドスタートから始まり、森林整備や木工に触れる機会などが豊富に用意されています。市内各保育園にあるシンボルツリーや、小学校で行っている学習机の天板替え作業も素晴らしい取組です。 それをもっと体系的に、プログラム的に整理発展できないでしょうか。市長先ほどフィンランドの話でカリキュラムを組んで、木と親しむそういう中でどう生きていくかということはフィンランドでされているという話もありましたが、伊那市でも単発的に行っているものをしっかりと今度カリキュラムを組んで、段階的、発展的に教育に組み込めないかということです。 義務木育という言葉がなかなかピンとこないかと思いますが、先ほど紹介した小浜市の義務食育について紹介させていただきたいと思います。 小浜市で行っているキッズキッチンというものがあります。キッズキッチンは一般的な料理教室ではなくて、料理を教えず料理で教えるという教育プログラム。ちょっとわかったようなわからないようなというところで聞いていただければと思いますが、説明します。 このキッズキッチンは親子で参加しますが、料理をするのは子供だけで、親は手出し口出ししてはいけないというルールがあります。見守る立場に徹してもらう。必ずその中でいろいろ1食分を全部作るんですけれども、お味噌汁に入れる豆腐を手の上で切るという、それを必ずさせるようです。それは保育園児にさせるんですけど、保育園児の年長さんに手の豆腐を切らせるということですね。危ないなと思うかもしれないんですけど、どうすれば豆腐が切れるのか、どう動かすと危ないのかというのをちゃんと教えて、絶対に怪我のないように、今まで怪我をした人が誰もいないと言っていました。長くやっているんですけれど、しっかりスタッフが近くに付いていて、細心の注意を払って安全にやっているという話です。 それだけでなく、栄養の知識とか料理の技術習得はもちろんですが、それだけにとどまらず日本の食文化、マナー、協力し合うこと、ルールを守ること、他人を思いやることなど社会の中で生きていく上で大切なことを総合的に学べるように指導し、さらに魚などをさばいて、命の大切さを感じてもらうなどたくさんの教育的要素を盛り込んでいます。 小浜市では、私立と公立の保育園・幼稚園の全年長児がこのキッズキッチンに参加するという、いわゆる義務食育体制をとっています。 伊那市においてもこのような、伊那市で育った子がもれなく受けることができる特色あるプログラムを作ることができないかと思っています。やはり、伊那市では、食育ももちろん大切ですが、この木育を軸として特色あるプログラムが作れるのではないでしょうか。 保育園・幼稚園から中学校までの義務木育を提案しますが、市長・教育委員会の考えをお聞かせください。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 議員おっしゃるように、幼児から高齢者までできるだけ体系的に木育というものを取り込んでいくという、これがそもそも50年の森林ビジョンの基本にありますので、こうしたことも推進室も作ってありますから、体系づけて進めていくというその作業に入っているところだと理解しております。 森林・森が富と雇用を支える50年後の伊那市の実現に向けて取り組んでおりますが、例えばさっきの腰板・天板、あるいは森に関わる様々な取組として森JOYだとか、つい先日もあった森カフェでしたかね、いろいろなものが森に関わる、木に関わることをやっておりますので、これをきちんと整理をして、これは民間の皆さんと一緒にやること、これは行政が予算をつけてやること、そんなことをきちんと進めるという中身を検討しているところでありますので、いずれそうした目に見える形でできるというふうに考えているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 今議員お話の中にありました地域の森林とか、また木材を活用した体験を伴う教育活動、これ子供たちが地域を知り、また生きる力を育んでいくためにも、大切にしていきたい取組であると考えるところです。 先ほどからお話の中に出ておりますが、伊那市ではやまほいく、またシンボルツリーをはじめ、木に親しむ保育が行われております。 伊那市50年の森林ビジョン、これ概要版ですけれども、未来に将来の伊那市を担う次世代からのメッセージ、そこに寄せられました活動として、伊那西小学校の学校林や森の教室の活動、東春近小学校、長谷小学校、西箕輪中学校、高遠中学校の5校の森に関わる活動が紹介されているところで、それぞれの学校で森との関わりを大事に教育活動に取り組んでくれていると、そのように理解をしています。 今回のフィンランドの視察報告からは、フィンランドではこれ既に出ているところでございますが、小さい頃から森を尊敬し、実践的な体験を通して子供たちが成長している、そのことをお聞きしているところでございます。 今後でございますけれども、フィンランドの学校や関係機関と情報交換等をする中で、フィンランドの取組を参考とした取組、これ本市でどのように取り組んでいけるかを検討してまいりたいというふうに考えております。御存じのように学校大変タイトなスケジュールで運営がされています。校長、非常に熟慮を重ねて年間のスケジュールを組んでいるところがあるわけでございます。現時点では、それぞれの学校が可能な範囲で取り組もうとしている森に関わる教育的な活動について、ぜひ支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。
◆17番(二瓶裕史君) 木育には多くの効果があると言われています。五感が刺激されて感性が広がる、リラックス効果で情緒が安定する、環境を愛し育てる人材の育成などあると言われています。また、間違った正義感を正すという言葉を使っている先生もいますが、そういう目的もあると言われています。つまり、割り箸は自然環境を破壊するとか、木を伐採するのは良くないという何となくのイメージによる間違いを、木育を通して理解してもらうということもできます。これは、老若男女に必要な効果です。 つまり、ライフステージに併せた生涯木育を推進してはいかがでしょうか。市長・教育委員会の見解を伺います。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 木育そのものが生涯学習の一部として推進されるべきだろうと思います。先ほど触れましたけども、50年の森林を推進する民間の皆さんのサポーターの組織として、ミドリナ委員会というものがあります。このミドリナ委員会は様々な皆さんが参加をしてもらっておりまして、こうしたミドリナ委員会で実施をする森JOY、あるいは森林・林業側からの業者からのアプローチということも行われておりますし、国県との連携の中で森に関わる勉強をするとか、効率よく森林を整備するためにどうしたらいいかとか、本当に多様な取組がこの森にはありますので、こうしたことをしっかりと進めて、また市民の皆さんにも子供たちにも、レベルに応じて、小さい頃の年齢に応じて、だんだんに伝えていきたいというふうに考えているところであります。
○議長(白鳥敏明君) 笠原教育長。
◎教育長(笠原千俊君) 生涯学習の取組でというふうに考えると、とても大事だというふうに思いますが、生涯学習の取組の中で議員御発言の木育に関わることとしては、公民館などの例えばハイキングとか、木工クラフト体験、そうしたものもそこに入ってくることだというふうに思います。 伊那市、すでに森や山と関わってきた風土がございます。学校登山や地域で取り組んでいる山に親しむ取組を大事にしていること、また近年の狼煙リレーの取組などもその中に入ってくる、その中の一つと言って良いのだろうというふうに思います。こうした取組が今後も続けられていくように、支援をしてまいりたいなと考えるところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。
◆17番(二瓶裕史君) 市長の答弁、教育長からの答弁もそうですけれども、伊那市はかなり木育というかその森に親しむ事業がたくさんあって、非常に進んでいると思います。長野県の中では非常に進んでいるところだと思います。 それを、ところどころスポットであるものというのではなくて、もう1本筋の通ったこの木育という中に入れ込んでいって、分かりやすく、伊那市はこれだけそういうものに取り組んでいるんだと分かりやすくPRする仕方もあるのかなと思いますので、そういった形で伊那市の独自色というか、そういうのを分かりやすく表してもらうといいのかなと思います。 来年度から国内に住所のある個人に対して、森林環境税が課税されることとなります。その税収の全額が国によって森林環境譲与税として、都道府県市町村へ譲与されます。既に前倒しで譲与は始まっていますが、今後この譲与税を木育とか木育啓発教育の充実のために、今以上に充てていく考えはありますでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 森林環境譲与税でありますが、令和元年度から交付が始まって段階的に増えている状況であります。これまで、伊那市内の新規の林道の開設、また林地台帳の整備とか、林業事業体が行う私有林での森林整備へのかさ上げ補助、そうしたところに活用してきております。森林に関わる全てのものが対象という捉え方をしているわけであります。 森林環境譲与税の使途につきましては、間伐など森林の整備に関する施策と、もう一つは人材育成、担い手の確保、木材利用の推進、こうしたことに加えて普及啓発等の森林整備の促進に関する施策全般に充てるということにしております。 木育また木育啓発教育を行うことで、森林林業に関心を持つ子供たちが増えてくれれば、これはこれとして人材育成によって将来的な森林の管理、整備の推進につながっていきますので、森林整備等とのバランスを取りながら活用ができると。また、この森林環境譲与税については、伊那市だけではなくて全国の自治体が使えますので、都会の自治体であれば、子供たちを伊那に送って、そこで森林の勉強をするというところにも使えます。森林に関わるところ、どんなところでも使えますので、こうしたことをまた私たちも提案しながら自分たちに与えられたものを使いますし、違う自治体から受けてやるということも今後可能になってくるというふうに考えています。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。
◆17番(二瓶裕史君) 伊那市のホームページで環境譲与税の使途を見ると、今市長がおっしゃったようなハードというかその森林の実際林業のほうに使っているということが多かったので、今度は教育とか、木育そういったところに人材育成のほうにしっかりと使ってもらえるといいかなと思います。 また市長のほうから、今都会からの林業を学ぶために伊那に誘致すると、それも非常に面白いかなと思いますので、ぜひ戦略的にしていただけたらと思います。 木育を考えていく中で、木育拠点施設というものもあるといいのではないかと思いました。自由に遊べる木のおもちゃや遊具が置いてある部屋があり、また端材やくぎ、ボンド、糸のこなどの道具を揃えた木工室、全天候型の遊び場が欲しいという要望は、市民との意見交換会をすると必ず出てくる要望であります。 そこで木育と絡めた木育拠点施設、全天候型の木育拠点施設、遊び場の設置はできないでしょうか。特にこの木工室は、子供だけでなくDIYに取り組む大人も使えて、さらには二世代、三世代という世代間交流の場とすることも可能であると思います。ふるさと納税や森林環境譲与税の活用ができないでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) この木工体験などにつきましては、みはらしファームの木棲舎でもやっておりますし、やってみらっしでも可能であります。 先日、ミドリナ委員会が年3回開催しております森のマルシェの中では、木工あるいはDIYが行えるブースも出展をしておりまして、毎回たくさんの大人から子供までが来場して体験していると。つい先日は、過去にないような人がお見えになったという話を聞きました。 また、市役所1階の市民ホールとか保健センター、
子育て支援センターなどには、子供たちが集まる場所に木のおもちゃを置いて、常に木と触れ合う場所としておりますし、保育園の現場にも各保育園には木のおもちゃをだんだんに置き換えていくということもやっております。無機質な金属音のするようなおもちゃではなくて、あるいはプラスチックのおもちゃではない、本当に温かみのある木のおもちゃ、自分の想像でいろんな形ができるような木のおもちゃというのをだんだんに今、増やしているというのが実態であります。 木育の拠点施設の設置という話でありますが、これ私としては、森と学びの拠点施設がまずあって、その中に木育の部分があるというのが自然かなと。もっと大きなくくりで森と学びを捉えた上で、木育の分野、あるいは別なところというような形でいった方がいいのかなと、今話を聞いて思いましたので、民間もだし行政もだし、一緒になって考えていくということが望ましいと思います。 先ほども教育委員会のほうから話のあった、例えば森に子供たちを連れて行ってと言ったときに、学校の先生は今忙しすぎます。また新しい業務を付加させることは不可能ですので、ましてやその経験のない先生は、子供たちを森に連れて行くという行為そのものが非常に負担になってしまいますので、できることなら、その森に精通をしているような皆さんのグループチームがあって、そうした皆さんが先生プラス子供たちも一緒に森の楽しさとか、危険だとか、いろんなことを教えていくようなカリキュラムできれば、本当にせっかく伊那市には周りに森がいっぱいありますし、特に市民の森という67ヘクタールの広大な平地林もありますので、そうしたところを活用したり、学校林を活用したりということで、フィールドがありますからそちらのほうにぜひとも持っていければなと。これもちょっとまた内部で検討しながらということになりますが、フィンランドの学びからまたこうした発展ができて、その中に木育があったり、義務があったりということが望ましいのではないかというふうに考えております。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。
◆17番(二瓶裕史君) 今木育拠点施設と質問した頭の中にあったのが、先日伊那市議会で新宿との交流会をしたときに、おもちゃ美術館を見たんですね。木のおもちゃがたくさんあって、この丸い木がもうボールプールみたいにあるところとか、もう入った瞬間に木の香りがするすごい施設だったんですけど、そういうのをちょっと念頭に置いて質問したんですけど、市長からもっとスケールの大きい、森と学びというもうちょっと大きなところで、その中に木育を組み込んでというお話をいただいて、それが本当にできたら素晴らしいなと思いましたので、ぜひ伊那市にたくさん学べる場所というのはたくさんあると思いますので、そういったところを有効的に活用できるようなものができるといいなと思いますので、ぜひ検討・研究をしていただきたいと思いますのでお願いします。 3番目の質問に入ります。改正障害者差別解消法について質問します。平成28年に障害者差別解消法が施行されました。これは、国・都道府県・市区町村などの役所、会社等の事業者が、障害のある人に対して正当な理由なく、障害を理由として差別することの禁止、不当な差別的取扱いの禁止や、障害のある人から社会の中のバリアを取り除くために何らかの対応を必要であるとしているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること、合理的配慮の提供と言われますが、これが定められています。 例として、内閣府の説明で挙げられていたのが、例えば何かの試験を受ける際に、筆記が困難なためにデジタル機器の使用を求めた申出があった場合に、これは前例がないということを理由に、必要な調整をせずに一律に対応断ることとか、イベント会場内の移動に際して、支援を求める申出があった場合に、何かあったら困るという抽象的な理由で具体的な支援の可能性を検討せず支援を断るなど、これが合理的配慮の提供義務違反に該当するということが内閣府の資料に挙げられています。 国や県、市区町村では対応要領を作成することが求められており、伊那市においても平成28年に対応要領が策定され、職員向けの研修も行われてきたと伺いました。以前の一般質問の中の答弁でありました。 平成28年以降、障害者差別解消法でいう合理的配慮の提供を行った事例は何件ありましたでしょうか。また、合理的配慮の提供ができなかった事例は何件あったでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 白鳥市長。
◎市長(白鳥孝君) 国による障害者差別解消法に関わる相談事例等に関する調査が毎年行われておりまして、事例件数をカウントすることになっておりますが、現時点まで合理的配慮に関する相談というのはございません。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。
◆17番(二瓶裕史君) 合理的配慮の提供については、これまでも役所においては義務とされていたところですが、令和6年4月からは、事業者においても義務化され、内閣府でも事業者向けの説明会が開催されています。過重な負担のない範囲で対応することとされていますが、事業者にとっては負担も増えることから判断も難しくなります。 伊那市として、市内事業者向けの説明会等を行う予定はありますでしょうか。
○議長(白鳥敏明君) 村松保健福祉長。
◎
保健福祉部長(村松義隆君) 上伊那圏域差別解消協議会及び上伊那自立支援協議会合同で、11月21日に職場における合理的配慮についての研修会を行ったところでございます。伊那商工会議所にチラシを配置しまして、上伊那の各事業所に参加を呼びかけ、企業から13社60名の参加がございました。 また、令和6年、来年になりますが、2月8日に長野県の出前講座、長野県障がい者共生条例、誰もが暮らしやすい社会に向けての研修会も実施予定でございます。 市としまして単独で研修会を行う予定はございませんけれども、この障害者週間に併せて、市報に合理的配慮につきまして掲載させていただいているところでもございますし、い~なチャンネルで広報番組を組みまして放送して、啓発に努めているところでございます。
○議長(白鳥敏明君) 二瓶議員。